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93回国会衆議院1980/10/29

交通安全対策特別委員会 第3号

発言数
194
登壇者
17
会派数
5
開催日
1980/10/29

会議録

田中昭二公明党・国民会議

○田中委員長 これより会議を開きます。  交通安全対策に関する件について調査を進めます。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  本件調査のため、本日、参考人として日本鉄道建設公団理事浜建介君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中昭二公明党・国民会議

○田中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。

田中昭二公明党・国民会議

○田中委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。安田貴六君。

安田貴六自由民主党

○安田委員 三十分という非常に短い時間でありますから、十二分な質問はできませんけれども、いま審議中である国鉄再建法案に関連いたしまして、数点について御質問をいたしたいと思います。したがって、時間の関係もありますから端的にお伺いいたしますので、御答弁いただきまする政府あるいは国鉄、そうした関係の方々におかれましては、ひとつ要領よく御答弁をいただきたいと思います。私は二、三点の問題についてお伺いいたしたいと思います。一々項目ごとに御質問をして、それに対する質疑を重ねる時間がありませんから、数点を申し上げまして、それに対して一括それぞれ国鉄の総裁、あるいは運輸大臣に関係いたしますものは大臣、そのほか事務当局の方からもそれぞれ御答弁をいただきたいと思います。  まず第一点は、この再建法案の成立によりまして、特定地方交通線対策協議会がつくられることになりますけれども、この協議会の運営は一体だれが責任を持つのか、それが法文上では明確でないと思います。したがいまして、これに対する責任者はだれになるのかという問題が一点。それから、この種の問題に関連をいたしまして、協議会のメンバーには、廃止されるであろう国鉄の路線に関係する全市町村の長がそれに加わるのかどうか、法文上では公共団体の長という言葉がございますけれども、それはしかしどの範囲かわかりませんし、そういうような面に対してどうなるのか。そして、それに伴いまして、特定地方交通線対策協議会の運営について、責任者がだれかという問題にも関係いたしますけれども、その費用は一体だれが負担するのか。全額国鉄が間違いなく負担できるのかどうかという問題、それが第一点の問題です。  それから第二点としては、これは国鉄当局からお答えをいただきたいと思いますけれども、バス等に転換をいたしました場合、従来国鉄に依存しておった人や貨物を運ぶ、そういう輸送需要に対して、バスによって十二分にこれにこたえ得るのかどうか、この問題がどうもわれわれは明確に理解できないわけでありまして、この点を第二点としてお伺いいたしたい。  それから第三点としては、これは本来的に言うと、政府と言えば自治省でございますから、自治省でお答えいただいて結構でありますけれども、実は私は、こういう問題については国鉄も運輸省の方でもどういう理解を示しておるのかということをお聞きいたしたいのでありますけれども、その内容としては、市町村財政に与える影響が非常に甚大だと思うのです。したがって、一例を挙げれば、国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律に基づく従来の納付金というものは、駅舎もあれば、官舎もあれば、国鉄の敷地もある。廃止されればこういう問題が全部なくなる。したがって、こういうような財源喪失というものに対して、地方公共団体の財源不足対策をどういうふうに考えておるのか。これらについてもただ黙って放任するわけにはいかないのではないか、こういう考え方でありますから、これをひとつお答えいただきたい。  それから、第三セクターというものを設けて地方交通線については鉄道を運行する場合、あるいは廃止してしまうことによってバスに転換する場合、いろいろありますけれども、これに伴いまして、出資金の問題であるとか、あるいは財政的に寄付金その他によって援助を求めるとか、いわゆる経営主体がだれになるかということによりまして、市町村の財政負担、あるいは都道府県の場合もありましょうけれども、公共団体の財政負担は恐らく相当急増するのではないかと私は考えるのです。そういう問題に対してどういう手当てができておるのか。この問題をどうしても事前に明確にしておいてあげないと、都道府県や市町村がこの問題に取り組む場合に真剣に取り組めないと私は思うのです。そういうような点について一体どう考えておるのか、そういう点をまずお聞きいたしたいと思います。

山地進運輸省鉄道監督局長

○山地政府委員 主として第一点から申し上げますけれども、協議会の運営の責任につきましては、私どもとして、地方公共団体の意向がなるたけ反映されるという意味から、会議の議長には関係知事にできればなっていただきたい、かように思っております。  それから、この会議に出席する方でございますけれども、これは、先生のおっしゃるように、路線に関係のある市町村の方にはぜひお入りいただきたい。ところで、関係のあるということにつきましては、一つは駅がある、それからその関係市町村の住民の方々が、駅がないけれども非常に利用されている市町村というようなことで決めてまいりたい、かように考えております。  それから、協議会の費用でございますが、これについては国鉄が管理をやりますので、国鉄を通しまして全額国の方でこれを見てまいりたい、かように思っております。  それから四番の、第三セクター、バス等の出資金等で地方の財政を圧迫するかどうかという、これは主として自治省の方からお答えいただくべきかもしれませんが、私どもといたしましては、制度上は地方に御迷惑をかけることのないように法律は仕組んでございます。したがいまして、たとえば地方鉄道を第三セクターで地方がやる場合の運営費補助ということについては、私どもの方で半分は見ますけれども、半分については地元の方でお考えいただきたい。その場合の地元というのは地方公共団体をもちろん含む場合が多うございますけれども、制度上地方に補助を求めるということにはなっておりません。

加賀山朝雄日本国有鉄道常務理事

○加賀山説明員 バス等に転換した場合に輸送能力がどうかという御質問でございますが、まず旅客の方で申し上げますならば、現在特定地方交通線にするような輸送量という輸送量を運んでいるようなバス路線もかなりございます。国鉄バスでやっているところでも事実その程度のところがございますので、バスにつきましてはそう問題なく移行できるのではないかと思っております。貨物については、これらの線区につきましては非常にばらつきがございまして、ほとんどの線は貨物の方も少ない、トラック数台でこなし得るような量のところが多いわけでございますが、ごく特殊な線において旅客の輸送量は少ないけれども、特定の貨物が動いているといったようなところがございます。しかし、それらの量につきましても、一応四千トン以下のところでしたらトラック転換は可能だと考えておりますが、必要に応じては、あるいは専用鉄道みたいな形の第三セクター方式等もあわせて検討してまいることにいたしたいというふうに考えております。

矢野浩一郎自治大臣官房審議官

○矢野政府委員 地方財政に関連して二点ほどのお尋ねでございますが、まず第一点の、地方交通線の廃止によってたとえば国鉄納付金等が減少して、そのために関係地方公共団体の財源が失われるのではないかという点でございますが、地方交通線が廃止された場合でございましても、廃止後の線路用地等の使い方いかんによっては、固定資産税なりあるいは納付金が課されることもあるわけでございます。たとえば国鉄が遊休状態、何にも使わない状態で所有しております場合には、国鉄に対しては固定資産税が課税をされることになりますし、あるいはまた国鉄の自動車専用道路というようなことにいたします場合には、引き続き納付金の対象になるわけでございます。廃止後の用途によって固定資産税なりあるいは納付金両方とも課税あるいは納付されないというような場合におきましては、これらは御承知のように、地方交付税の仕組みを通じて、財政的には措置が講じられるということになるわけでございます。  それから第二点、第三セクターの問題でございますけれども、地方交通線の採算の現況から見まして、第三セクター方式によって経営されるという場合にも、やはり赤字を生じるおそれが多分にあるかと思います。その場合に、これに地方公共団体が参加をしておるということになりますと、地方団体に負担が転嫁される危険性が大きいというぐあいに考えております。したがって、これは自治省といたしましては、現在の国と地方との間の事務の配分なり、あるいは財源配分というものを前提とする限りは、地方団体が第三セクターに加わることについては、これは十分に慎重でなければならないと考えておりまして、そのように指導しておるところでございます。またそういった場合に、経常的に発生する赤字というようなものを、地方団体のたとえば共有財源でございます地方交付税といったもので半恒久的に補てんするということは、これは適当でないのじゃないかというように考えておりまして、そういった第三セクターに地方団体が加わる場合にも、特別な財源措置ということは、自治省としては考えていないということでございます。

安田貴六自由民主党

○安田委員 それぞれ御答弁いただきましたけれども、私が御質問を申し上げておる趣旨は、まず財政問題について申し上げますと、これは必ず市町村の負担が伴うのですね。自治省の指導方針、たてまえは私もよく知っておるのです。だから現段階では審議官の御答弁で結構でございますけれども、しかし、必ずそれは相当多額の財源、財政需要が必要になってくることはもう明らかなんです。常識的に言ったってならざるを得ない、また、ならなければ第三セクターというのは成立しないと思いますし、それを理由にして起業者は地方公共団体に対して財政的な支出を、これは協力と言った方がいいでしょう、協力を必ず要請するに決まっているのです。これは大臣だってよくわかっているし、総裁もわかっているし、鉄道監督局長も皆わかっていると思いますね。そうなるんですよ。ならなければできないのですよ。  したがって、私がいま質問しておるのは、そういうことを前提にして考えれば、たてまえは自治省のいまの御答弁で結構ですけれども、これに対して地方公共団体の財政負担は一体どれだけ必要になるであろうかということを、予想しかできませんけれども、だんだんと時間がたつに従って具体化してくるのですから、その情勢に応じて政府として財源対策を講ずることを、自治大臣の所管ではありますけれども、運輸大臣にもお願いしたい、総裁としてもそういう努力をしてもらいたい、そういう気持ちを私は強く持っておるものですから、それで御質問申し上げているわけですから、答弁は要りませんが、そのことをひとつ御念頭に置いていただきたいということを一言申し上げたいと思います。  それから、運輸省の局長さんの御答弁にもありましたように、現段階ではいまのような御答弁になるのでしょうが、とにかくこういう問題につきましては、私端的に言うと、政府部内の各省庁の責任体制というものがまだ全然できてないと思うのです。法案については協議されて、たてまえはできているでしょうけれども、これは非常に大きな影響を与えてくると思うのです。総理大臣に聞かなければならぬようなことを、私後で質問するのですけれども、そういうような問題をはらんでいるわけですから、国鉄の再建という問題ではなくて、国鉄を廃止することによる国民への影響、経済的、産業的な影響、あるいは地域開発的な影響、いわゆるどういうふうにマイナス要素を除去するための必要な政策をとるかという問題で、運輸大臣としても、国鉄総裁は政府側ではないにしても、再建のためにこうむる影響ですから、これに対しては責任を持つ気構えで、内閣における施策の実施という問題には責任を持ってもらいたいと思うのです。そういう点を大臣から一言お願いいたします。

塩川正十郎自由民主党運輸大臣

○塩川国務大臣 御質問の趣旨はまことに当然でございまして、この法案が成立いたしました後、直ちにまずわれわれといたしましては政令の作成にかかるわけでございますが、この政令を作成します段階で、いわば内閣の中に各省庁の連絡をしそして相協議できるそういう体制をとりたいと思うておりまして、このことにつきましては、官房長官等を通じまして内閣内にその内意を伺っておるところでございまして、そのような体制を速やかにとろうというのが内閣の一つの方針でございます。  そして、政令はできましたものの、しかしこれを実施する段階におきましては、先ほどのお話のように地方の財源問題もございます、また国としてどこまで負担し得るかという問題もございますしいたしますから、そういうこと等もひっくるめまして、地方の交通対策というものに内閣の総合性を発揮して当たっでいかなければならぬと思うております。したがいまして、実施段階におきましても、閣内に地方交通線に対する対策の連絡会のようなものを設けて、お互い協力しながらこの実施を進めていかなければならぬと思うております。

安田貴六自由民主党

○安田委員 いまの大臣の御説明によって大体了承できると思っておりますが、現在、国鉄問題に対する関係閣僚協議会のようなものは内閣にあるのですか。

塩川正十郎自由民主党運輸大臣

○塩川国務大臣 まだ、そういう機関的なものはございませんが、法案が成立いたしましたら、政令をつくる段階で、そういう問題等につきましても考慮をしなければならぬということでございます。

安田貴六自由民主党

○安田委員 私はこういう全国民的な影響を具体的にいろいろ申し上げたいけれども、時間がありませんから申し上げませんが、こういう問題は、地方公共団体に与える影響、産業に与える影響、経済に与える影響、国民生活に与える影響、あるいは公共施設に対する問題もありますから、そういう関連する問題、あるいは地域開発に対する問題、あらゆる問題に対して、政府が関係閣僚協議会のようなものをつくって、そして国民に対して臨む姿勢というものをやはり持つべきだと思うのですよ。いま運輸大臣からの御答弁の中で、それらについても検討するということでございますのでこれ以上申し上げませんけれども、ひとつぜひ早急にそういう閣僚協議会をつくって、国民の方から見れば、水も漏らさぬ体制で政府としてはこれに取り組んでくれておるんだ、そういう面を明確に国民に示すべきだと私は思うのですよ。そういうものなしに国鉄の再建だけについての何か法案のような印象を与える仕組みに法案の体制がなっています。これは非常に遺憾だと私は思うのですよ。この法案を見たって政府側の責任というのは余り明確になっていないのです。政府側と国鉄に対するいろんな処置は書いてありますけれども、それ以外に何もないのですよ。もちろん国鉄はそれ以外に何もやれるはずがないのですから、これは責任がないことになっちゃうから。国鉄は自分自身の身柄を一生懸命再建するために努力するということ以外にないのです。そういう点では国民に対する姿勢がまだどうも整っていないのではないかという感じがしてならぬものですから、このことを強くお願いをいたしておきたいと思います。  それから次に、もう一点お伺いしておきたいと思うのです。これは建設省の方の問題になりますけれども、特定地方交通線が廃止された場合、代替の道路としての府県道や市町村道などの道路や橋梁、そういう面を拡幅をするとか整備をするとかいう問題が必ずつきまとってくるのではないかなという感じがしてならぬのですが、こういう面に対しては建設省としてはどう考えておるのか。  それから特定地方交通線の路線を廃止した後の敷地の問題ですけれども、こういう問題をどういうふうに考えておるのか、すぐ道路に利用できるものはするというのか、これは国鉄のお立場でも御答弁をいただきたいし、それから建設省のお立場でも御答弁をいただきたいと思いますが、この点をひとつ御答弁をいただきたいと思います。

渡辺修自建設省道路局長

○渡辺(修)政府委員 お答えいたします。  この特定地方交通線の廃止に至る一連の、一般論としては伺っておるわけでございますが、まだ個々具体のお話は伺っていないという状況でございますので、先生の御指摘のような詳細なケース・バイ・ケースの検討はまだやっておりません。しかしながら、いずれにいたしましてもバスを通すわけでございますから、当然バスを通すのに安全な道路でなければいかぬわけでございます。したがいまして、この内容が明らかになってまいりましたら関係機関と十分協議をいたしまして対処してまいりたいと思います。道路の場合でももちろん規模の大きなものは国庫補助事業という道がございますし、軽微なものは単独事業でお願いするものもございますが、道路管理者として整備する必要があるという場合はもちろん道路整備の一環としてやってまいります。  なお、廃線敷の利用につきましてはいろんなケースが考えられるかと思います。たとえばすでに例がございますが、国鉄バスの専用道にする場合だとか、あるいは一般の道路法の道路にするという場合もあろうかと思いますが、ただいずれにいたしましても、道路としましては一般に幅が足りません。そういった問題がございますし、その辺十分個々に検討してまいりたいと思います。

安田貴六自由民主党

○安田委員 時間の関係もあって御答弁は簡潔にお願いしておりますけれども、私の言いたいことは、さっきも前段で大臣にもお願いしたように、いままでの予定しておった、計画しておった諸般の道路なら道路、そのほか一般にたくさんありますけれども、各般にわたって必ずこれに伴う国費負担というものが増高してくると思うし、地方公共団体の負担も増高してくると私は思うのですよ。そういう問題に対する心組みがどうもいま聞いただけでも各省庁にないと私は思うのだ。建設省はこの問題については特別予算を確保して、住民に迷惑をかけないような道路整備をします、そういうことが明確に言えるようになっていないと本当でないと私は思うのです。私はそこを単に道路局長さんにお伺いしていますけれども、これは道路局の問題じゃないのですよ。各省庁の問題なんですよ。財政審議官に聞いたのもそれに通ずる問題だからでして、各省庁は、何か国鉄の再建に対しては運輸省に任せておけばわれわれの方はそのときそのときの調子に合わせてやればいいのだ、そういう非常に安易な考え方で臨んでおるのではないかという感じがしてならないのですね。私はそれではだめだと思うのです。そんなことでは国民が政府を信頼しませんよ。二十三日も私はこの種の問題についてこういう問題とは違った角度から申し上げたのですが、各省庁の姿勢か——国鉄総裁、あなたもしっかりしてくださいよ。これは運輸大臣にばかり任せたのではだめですよ、あなたのうちの問題なんですから。それをちょっと説明してくださいよ、その心構えを。総裁として私はそれが大事だと思うのです。各省庁に望む姿勢が国鉄総裁としてもしっかりしなければならぬし……(「自民党がそう言っているのだから」と呼ぶ者あり)いや、これは安田が言っているんですよ。自民党が言っているんじゃないのですよ。

塩川正十郎自由民主党運輸大臣

○塩川国務大臣 総裁が答える前に私から御答弁いたしますが、昨日も運輸委員会で、総理が出席いたしまして議論となった各党の質疑はやはりほぼその一点に集中されておったように思うのでございます。したがって、この法案の成立しました後の行政の進め方につきましては、仰せのように各省庁一体となってやっていかなければならぬ。しかし、法案作成の段階におきましてはそれぞれ各省庁とも言い分がございますし、その言い分は言い分としてわれわれも十分尊重いたしておりますが、そこで完全な一致を見て法案を出したのかと言いましたら、この原則は各省庁とも一致して推進しようということになっておりますが、個々の問題につきましてはやはり政府がこの法案成立後責任を持ってやるべき問題であろう、こう思うております。でございますからその段階になりましたら、昨日の総理の発言にもございますように、政府が一体となってこの問題の事後処理に取り組んでいくということでございますので、どうぞその点はひとつ御信頼していただいてお任せいただきたいと思うのであります。

安田貴六自由民主党

○安田委員 大臣の御説明がありましたが、総裁からも御決意をちょっとお聞かせいただきたい。国鉄一家の問題であると同時に、これは各国民の問題ですからね。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○高木説明員 この地方交通線の問題は、実はもう十年くらい前からごく一部におきまして取り組んでまいりましたが、今日までうまくいっておりません一つの大きな理由は、いま御指摘の点にあるかと思います。今回の法案につきましては、私どもとして特に政府にも力を入れてお願いをいたしましたのは、協議会をつくっていただくということでございまして、協議会で焦らずじっくりいろいろ御相談申し上げたいと考えるわけでございまして、その結果、非常に具体的に一つ一つの地域につきましていろいろな御要請が出てくるに違いないと考えております。それを一般論としてでなしに個別個別に取り上げて、そして私どもからもそれを各省にお願いをする、その段階で各省でどう受けとめていただけるかということについて、あるいは意見の一致を見ない危険もあるわけでございますけれども、その点はただいま大臣も申されておりますように、問題によりましては閣僚ベースで相談していただくということが具体的に起こってくるかと思いますが、私どもとしてもぜひそういうことで、いずれにしても御迷惑はかけますけれども、その御迷惑が最小限にとどまるようにということで心してまいるつもりでおります。

安田貴六自由民主党

○安田委員 私はまだまだ言いたいことたくさんありますけれども、時間がありませんからもうこれでやめますが、最後に、これも質問としては時間がないことになりますから、私の意見として、大臣、総裁あるいはその他の皆さん方にお聞きとめをしていただいて、そして今度のこの問題に対しては善処をお願いしたいと思いますから、そういう意味で一言私の意見を申し上げたいと思います。  廃止しない路線の政令基準の問題でございますけれども、この問題に関連しまして、私は北海道ですから特にそういう感じを持つのかもしれませんが、やはり都市間を結ぶ路線については残すというたてまえになるだろうと思うのですが、都市間とは一体何かという問題になりますと、政令基準の中で人口の関係が出てくるでしょうし、それから内地、本州で言えば県庁所在地と県庁所在地の問題のようなものも出てくるでしょうし、それから県庁所在地ではないが地方中心都市と県庁所窪地を結ぶ路線の問題も出てくるでしょうし、あるいは北海道のような場所では道政の中心である各支庁というのがありますが、支庁所在地の問題が出てくると思います。こういういわゆる都市間を結ぶ路線の残すべき路線の基準についてはやはり地域の実情を十二分にそんたくしまして、実情に即した政令案をつくってもらうべきでないか。それが第一点。  第二点としては、北海道やその他東北地方もそうでございましょうが、積雪寒冷地帯、こういう地帯に対応するいわゆる政令の中における気象関係の問題をどう見るかという問題。そういう政令の内容の問題。  それから、現在考えられておる内容では、一日一キロ当たり四千人の輸送量を基準として考えて廃止する線を決めようというような考え方に立っておられるようでございますけれども、こういう問題につきましても、やはり地域によっては一キロ当たり一日四千人という輸送量の問題を相当引き下げて実態に即するようにするとか、こういう問題も大事なことじゃないかと私は思うのです。  こういう政令基準に対する考え方ですね、これは運輸省の方の問題になると思いますから、きょう大臣からの答弁はいただかなくとも結構ですけれども、ひとつその問題を十二分に御考慮をいただいて、そして二十三日に私が質問した際にも大臣に要請をいたしておきましたけれども、北海道の鉄道路線三十六線のうち二十六線がなくなる。しかも、本州の方は一〇%ですけれども北海道は五〇%なくなる。こういうような地域間の非常な、国鉄のそろばんだけから見た基準によって一律に特定地方交通線というものを廃止させてしまうというむちゃくちゃな、まるで小学校の子供のような、要するに単純なそういう物の考え方に立つのではなくして、生きている社会、生きておる地域ですから、そういうものをひとつ十二分に実態に即するように御判断をいただいて政令基準をつくっていただきたい。このことを一言だけ最後に御要請を申し上げておきたいと思います。答弁は要りません。  それでは委員長、これで終わります。

田中昭二公明党・国民会議

○田中委員長 次に、永井孝信君。

永井孝信日本社会党

○永井委員 私は、国鉄問題が国の交通安全対策を進める上において非常に重要な関連を持っておりますので、そういう立場から幾つかの質問をしてみたいと考えます。     〔委員長退席、草川委員長代理着席〕  まず初めに、国鉄再建案というものが過去四回策定されてきたわけでありますが、そのいずれもが事実上失敗に終わってしまった。短い時間で質問するのでありますから簡単で結構なんですが、ずばり言ってそういうことが達成できなかった原因は何なのか、今回の法案によって再建できるとする根拠は何なのか、これをひとつ簡単に大臣お答え願います。

塩川正十郎自由民主党運輸大臣

○塩川国務大臣 過去数回にわたりまして国鉄再建案をつくってまいりましたが、これが達成できなかった原因は、一言で申しまして、やはり国鉄に従事しておる管理者も職員も一体となって国鉄を何とか再建しなければならぬという意欲に燃えなかったことがやはり根本的な原因ではなかろうかと思うております。そういう意味におきましてこの法案が、一つの具体的な対策を提示し国鉄の再建にかかろうということで、その一つでございますが、これをきっかけにいたしまして全国鉄挙げて再建に取り組んでくれることと期待いたしております。

永井孝信日本社会党

○永井委員 国鉄の再建対策というものがずっと叫ばれてきましていままでうまくいかなかったのは、国鉄を初めとする関係者の意欲の不足だというふうに簡単に片づけられてしまったわけでありますが、しかし、国鉄再建対策というものが過去政治課題に上るたびに必ず総合交通体系の確立ということが叫ばれてきましたね。政府あるいは国鉄はもとより、自治体やあるいは地域住民からも同じように総合交通体系の早期確立ということが叫ばれてきました。総合交通体系というのは、私の知る限りにおいては去る四十六年に運輸政策審議会から中間的に報告がされて、ことしの四月からその見直し作業が始まっているというように聞いているわけでありますが、国の総合交通体系の確立ということがまず先行されるべきではないか、国鉄の財政再建法というものが先行していって国全体の総合交通体系というものが後回しになっていくということでは、国鉄の占める役割り、位置づけ、こういうものについてもやはりおろそかになっていくのではないか、私はこういう気がしますので、その関係について大臣にひとつ御答弁願いたい。

塩川正十郎自由民主党運輸大臣

○塩川国務大臣 確かに総合交通対策に占める国鉄のポジションというものが明確でなかったということは私も責任を感じるのでございます。しかし、最近におきましては、国鉄の内部から国鉄の特性を生かす方針というものが明確に打ち出されてまいりましたし、現在そのような環境が整うてきつつございます。また、国鉄がそういう企業性を発揮し活動し得るよう、われわれも今後国鉄の独自性というものを尊重して経営を十分にやらしていくという体制をとっていかなければならぬと思うのでございます。その意味におきましてもこの法案が一つのきっかけになってくるものでございまして、まず経営の改善なりあるいは財政負担、そういうものを明確にする、そして国鉄が自助の努力ではどうしてもでき得ない地方交通線についての対策を講じる、そういう環境づくりからやっていかなければならぬと思うておるのでございまして、仰せのように総合交通政策の中に占める国鉄の特性を生かしたそういう政策を今後進める必要を私たちも痛感いたしておるところであります。

永井孝信日本社会党

○永井委員 この法案の中を見ましてもいわゆる地方交通線ということが随所に出てくるわけでありますが、この特定地方交通線というのは一体何の基準で決めるのか、どうもあいまいに見えてならぬわけですね。たとえば、昭和四十五年十二月に国鉄諮問委員会は国鉄の経営線区を分類する際に、幹線系は一万二百キロ、そうして地方交通線というものを一万一千二百キロというふうに一応分類したわけですね。それが五十一年二月になると同じ国鉄諮問委員会はあらゆる資料を使う場合に幹線系というのは一万三千二百キロ、そして地方交通線は九千二百キロというふうに変更してきている。何が幹線で何が地方交通線かというきちっとした基準というものが私にはわからないわけですね。この法案の中の第八条でも地方交通線という関係については政令でその基準を定めるということにしておりますが、その内容が具体的にいま明示できるのか。もし政令で定める内容が明示できないとするならば、明示ができないまま法案だけが先に走ってしまう。こういうことはきわめて国民に対して私は不親切だと思うのでありますが、あるいは不親切だけではなくてそういうことが、これからこの法案が成立した後で政令をめぐる問題が地域においても大変な問題になってくる。そこから結果的に政治不信を招くのではないか、私はこう考えますが、それはどうでございましょうか。

加賀山朝雄日本国有鉄道常務理事

○加賀山説明員 まず、今回の法律による基準の問題につきましては運輸省の方からお答えがあると思いますが、前段で御指摘になりましたなぜ四十五年と五十一年で変わったかという経緯でございますが、私ども、幹線系と地方交通線とを分類いたします段階で、四十五年の諮問委員会におきましていろいろ御討議いただきました段階で、一応貨物と旅客の運送量を合わせまして国民経済的に見てどちらが得か損かという一つの判断基準を設けたわけでございます。その段階におきまして、五十一年の段階では、線区の中で客貨の流動がかなり著しい差があるものは区分をして考えて、四十五年の段階の御答申をいただいたわけでございますが、その後いろいろ検討していきます段階におきまして、国鉄の営業線というものは、歴史的にも一つの線区の単位として存在している以上、それを区分するのはおかしいではないかという考え方に立ちまして、五十一年に見直しをいたしまして、一応線区を単位として、四十五年におきますと同じような考え方において区分をしたという形におきまして、その結果約一万一千キロが九千キロ強という形に変わったわけでございます。

山地進運輸省鉄道監督局長

○山地政府委員 いま八条の御指摘があり、加賀山君から御答弁があったわけでございますが、私ども、どういうものを地方交通線にするかということにつきましては、今回の法律をつくる以前、五十二年から運輸政策審議会におきましてローカル線対策小委員会をつくって、そこで地方交通線というものの考え方をいろいろ整理したわけでございます。  そのときに一つ屡地方交通線というのを収支の点から考えるということが一つ考え方として出てまいりました。それが現在八条の第一項に出てまいります収支均衡を償うことが困難であるものとして政令で定める基準に該当する営業線、これを私どもとしましては各省にもいろいろ御連絡はしてあるわけでございますけれども、輸送密度が八千人ということで地方交通線というものをとらえるということで、これは政令で定めるわけでございますけれども、政令に書く場合には輸送密度八千人ということで書くことにしております。  それからもう一つの考え方は、国民経済的に見て、これだけ道路事情が発達している時代において、一体鉄道で行くのがいいのかバスで行くのがいいのか、これは地域の交通の効率性の問題でございますので、この点についてもいろいろ御議論いただきまして、鉄道とバスとのコスト比較ということからこれは決めるべきであろうということで、私どもの方で、輸送密度四千人以下のところを特定地方交通線とするということを衆議院の運輸委員会等々でいろいろ御説明しておるところでございます。このようなことで、政令に八千人、四千人というものを基本にいたしまして地方交通線、特定地方交通線というものを決めてまいる、こういうように考えておるわけでございます。

永井孝信日本社会党

○永井委員 乗降客の利用度、利用数といいますか八千人とか四千人、四千人以下は特定線区として政令で指定する、その考え方は一つの基準でありますから、どういう基準のとり方もあるのでありましょうけれども、この第八条に書いてあるように「収支の均衡を確保することが困難である」のかどうなのか、あるいは地域の実情というものをどう考えていくのか。これによって、最終的に新しくつくられようとする法案を適用していわゆる線路を取っ払ってしまうというところに該当させるかどうかということは、地方では大変な問題になるわけです。だから、その関係が明確でないままに法案だけが先に決まってしまうというところに地方では非常に大きな不信感を持つし、混乱が起きるということを私は申し上げておるのであって、その辺の関係をもうちょっと教えていただきたい。

山地進運輸省鉄道監督局長

○山地政府委員 私どもといたしましても、この政令が地方に具体的にいろいろの影響を与えるという観点から、この国会等の御審議もいろいろ踏まえまして、それから各省間、これも各省いろいろのお立場で、先ほど来いろいろ御議論がございましたように、いろいろな議論があり得るかと思うわけでございます。私どもはこの法律、ここに出してあるものについてはもちろん各省とも折衝し、それから御同意を得て出しているわけでございますけれども、政令はまた内閣で各省の意見を取りまとめて出すものでございますので、その各省の意見を取りまとめて政令に書きたい、かように考えておるわけでございます。

永井孝信日本社会党

○永井委員 最近八〇年代ということをとらえて地方の時代だということがよく言われるわけです。地方自治体というのはそれぞれ地域の特徴に合ったような地域振興計画を策定するために全力を挙げているわけです。その中心は、わかっている方々に私が申し上げるのも非常に失礼になるかと思いますけれども、豊かな地域社会の確立、そうして生活基盤の整備、たとえば私の出身の地元でも地場産業の育成強化あるいは内陸百万都市構想、こういうものを次々に打ち出して、いわゆる国鉄沿線の自治体が単独でそういう地方の時代にふさわしい施策をつくるのじゃなくて、隣接する自治体がそれぞれ連携を緊密にとりながら創意をこらしていまつくっているところなんです。これがいま地方自治体の議会の中でも非常に大きな課題になってきているわけです。これらはすべて、いま監督局長が言われているように・地方交通線で営業の収支という問題もある、地域の特徴に合わせなければいかぬという問題もある。しかし、その地域における実情というのは、地方交通線に該当すると言われている鉄道の線路、国鉄を中心に実は策定されているわけです。だから、仮にこれが該当するものとして廃止されるということになれば、すべて水泡に帰してしまう。政府は一体このことに対して、地域政策という面からいって、鉄道の果たす役割りをこれからどう見ていくのか、あるいは、いま自治体が鉄道を中心にしたいろいろな地域振興計画というものを策定することに対してどのように対応しようとするのか、それをひとつ大臣の立場でお答え願えませんか。

山地進運輸省鉄道監督局長

○山地政府委員 私の方から、先ほど地方交通線対策は、地域の効率的な輸送ということを考えてやりたい、こういうふうに申し上げたわけでございますが、第三次全国総合開発計画にこういう文言がございます。御存じだろうと思うわけでございますが、「輸送密度の低い地域にあっては、地域の実情に応じた新しい交通体系の整備を図ることとし、鉄道輸送からバス輸送等道路輸送への切換えを検討するとともに、」こういう考え方も三全総の中には出てきているわけでございます。恐らく先生のおっしゃるように、従来国鉄を中心に地域の発展、そのための交通整備ということをお考えいただいてきたわけだと思うわけでございますけれども、このような国鉄の現状から考え、また道路の発展から考えて、地域に最も効率性の高い輸送体系というものをお考えいただきたいというのが、国鉄を監督する私どもの立場でございます。

塩川正十郎自由民主党運輸大臣

○塩川国務大臣 過去におきましては、地方自治体とそれから交通関係の骨幹となります国鉄あるいは運輸省、建設省、こういう関係が十分でなかった、これは私も認めるところでございます。要するに交通というのはだれかがそれぞれの部署においてやってくれるであろう、そういう総合的な対策というものに地方自治体も取り組んでおらなかったように思うのです。ですから、道路をつくれ、鉄道は敷け、空港はつくれ、つくることが、すなわち交通の政策だ、こういうふうに思われておった節もなきにしもあらずと思うのであります。しかしながら、現在エネルギー状況がこういう状況でございますし、またそれに伴って交通の効率を考えなければならぬ。一方、地方自治体を中心といたしまして豊かな地方づくりということも行われてきておる。そういたしますと、これから交通というものと地域の振興整備というものは一体と考えなければならぬと思うのでございますが、私たちは国鉄再建の過程において国鉄が鉄道としての果たす使命を特定地方交通線等においては免除していただきたいと言っておるのですけれども、しかしながら、その地域の交通を総合的にどうするかということにつきましては私たちも積極的に参画し、そしてまた地元の要望にこたえて、足の確保、交通体制の整備には努力をしてまいらなければならぬと思うております。

永井孝信日本社会党

○永井委員 国鉄を中心にして発展してきた地方都市というのは、まあ人情も絡んできますけれども、国鉄をなくすということは、人間の体にたとえれば動脈を切ることと同じぐらいに地域の人たちは実は思っておるわけですよ。     〔草川委員長代理退席、委員長着席〕 他の交通手段に頼るということになれば、いま大臣も言われましたけれども、道路の整備もせなければいかぬ、あるいはそれぞれの地域住民も交通費の負担が増加してくる、あるいは公害がそこから起きてくる、騒音公害もありますし、あるいは交通事故もどんどんふえてくるだろう。そういうことから考えると、いろいろな面で新たな犠牲というものが地域住民に強要されてくる。そして、都市的な機能というものは必然的に低下をせざるを得ない。国鉄からバスに振りかえてみたって、そのことによって町の形が一遍に変わるわけじゃないのですから、都市機能というのは必然的に低下する。商工業というものはやはり結果として衰退をする。これは貨物の営業を廃止した後の経過を見てもわかりますように、商工業というのは非常に大きな痛手を受けておることは事実なのですね。むしろ鉄道の利点である運行の安全確実性、それからいま言われたように省資源、そういうことを考えた場合に、それに適応するような安価さをもって大量輸送にこたえる、そういう効率から考えますと、やはり現在あるものを有効に最大限に活用するという立場に視点を当てた政策を立てるのが筋道ではないか、私はこう考えるのですが、どうでございましょうか。

塩川正十郎自由民主党運輸大臣

○塩川国務大臣 私は、当然そういう地域もあると思います。したがって、自治体がそのように鉄道を活用しようということを決めておられるならば、たとえ特定地方交通線であるといたしましても、その交通線をいわば地元と申しましょうか第三セクターと申しましょうか、それに移管いたしまして、そこで経営をしていただくようにしていただければいい。そのことにつきましてはわれわれも協力いたさなければならぬ。しかし、だからといっていつまでも国鉄の責任で鉄道を運用しなければならぬということはひとつ御勘弁願いたい、こういうことがこの法案の趣旨でございますので、御理解いただきたいと思います。

永井孝信日本社会党

○永井委員 国鉄の責任で運営することは御勘弁願いたい、こういうことなのでありますけれども、簡単に言えば赤字経営だから財政面から再建する、その趣旨だと思うのですね。それではいわゆる特定地方交通線の国鉄全体に占める赤字の割合はどのぐらいなのか。私の知る限りではせいぜい一〇%から二〇%程度ではないかと思うのでありますが、日本国有鉄道法の第一条にうたわれている「公共の福祉を増進」ということは、もともと国鉄というのは営利を追求することを目的としないところに基本理念があったのではないかというふうに実は私は考えるわけであります。そうしますと、その理念というのは、むしろ幹線と言われているところよりも地方交通線というところにこそその大きなウエートを、その基本理念を置くべきではないか。仮に地方交通線を廃止したとして、それでは赤字がどれだけ解消されるのか、この辺のところをちょっとひとつ具体的に国鉄当局の方から答えていただきましょうか。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○高木説明員 現在、幹線と概念しております地域におきましては、収入が百円に対して経費が百三十二円というような感じになっております。したがって、これは経費を相当程度、二割程度節すれば十分収支償う形の運営ができるということでございますけれども、地方交通線と概念しております約九千キロにつきまして見ますと、収入が百円に対して経費が四百何十円というオーダーでございます。もちろんその中には個別に見ますともっとはるかに経費の多いところもあります。全部つっくるんでの話でございますけれども、百円の収入で四百円。この地方交通線につきましては、これまでもたとえば委託駅にするとか無人駅にするとかいうことでいろいろ工夫をしてまいりましたから、かなり少ない人で運営しているつもりなのですけれども、それでも百円と四百円の関係だ。そうしますと、このままではやはり何らかの形で、いま直ちに補助金をいただくかあるいは赤字を積み上げておいて後で過去債務処理ということでいただくかは別にしまして、これは国民の税負担に頼らざるを得ないということでございまして、なかなか縮小しようがない赤字でございますので、そういう意味で幹線の方はやっていきますけれども、地方交通線の方はやっていきにくい。  その上に、エネルギー面から見ましても、一般的には鉄道の方が自動車よりもエネルギーが少なくて済むわけでございますけれども、鉄道車両というのは目方が重いものですからお客さんが少なくてもエネルギーを食いますので、エネルギー面から見ても自動車よりもエネルギーをむだに使う、こういうことになるわけでございまして、単に赤字だけではなくて、エネルギー活用の点から見ましても、お客さんの少ないところは自動車によった方がよろしいということになりますので、その辺を地域の方々にもよく理解をしていただいた上で御納得いただきたいものと思っております。

永井孝信日本社会党

○永井委員 いま総裁からお答えいただいたのですけれども、いまの答弁の中で抜けている面、欠けている面についてもう一回お尋ねしますが、幹線と地方線があって、確かに営業係数では地方交通線は非常に高い。しかし、国鉄の財政は非常に苦しい、赤字だ、累積赤字が非常に高くなってきた、それはわかるのですが、それではその地方交通線というもので出てくる赤字と比べて、営業係数は地方線に比べて非常に低いとしながらも、赤字の総額からいくとはるかに幹線の方が高いわけですよ。だから、今回の新しい法案では地方交通線にすべての焦点が向けられているように私たちは受けとめるわけでありますが、この地方交通線を仮に全部切って捨てたとして、国鉄全体の赤字にどれだけの好転が見込まれるのか、そしてその国鉄財政再建という決定的な要件にそれがなり得るのか、その辺のところをずばっと聞きたいのです。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○高木説明員 地方交通線は現在経費が大体四千億でございまして、収入が千億でございますから三千億の赤字がある、それについて助成をいただいております。しかし、これは約九千キロ全部でございまして、いま特定地方交通線というようなことで議論しております分についてはそのまた一部であるということになるわけでございます。したがって、今後地方交通線についてこういう対策をとりましても、地方交通線については相当赤字が残るということになります。それに対して幹線の方は、先ほども申しましたように、まだまだいろいろと機械化、合理化その他の方法によってもう少し能率のいい運営ができますので、この方は大体において、退職金とか年金とか、あるいは公共負担とか、そういう特殊なものについて何らかの対策をとっていただければ黒字になるといいますか、収支が償うわけでございまして、将来、計画がこの計画どおりいきますと幹線の方は収支償いますし、地方交通線の方は、相当程度プラスに転換させていただきましても、なおかつ相当の赤字が残るということでございます。

永井孝信日本社会党

○永井委員 時間がありませんので、後で昼からでもまた触れてみたいと思いますが、いまエネルギーの問題も総裁言われたのですね。単純に線路を取っ払って、それを今度バスの輸送に切りかえる。単純にバスに切りかえることだけを考えてエネルギーの消費量を比較すべき問題ではないと私は思うのですね。国鉄が利用できなくなったら全部バスに乗るとは限らないのですよ。マイカーもふえるでしょう。そう考えていくと、この省エネという関係でいきますと、国鉄の方がはるかに効率性が高い、私はそう考えますので、その点はつけ加えておきます。  それで、話はちょっと余談になりますが、きのうの朝日新聞のコラム欄に国鉄総裁の記者会見のことが出ているわけです。読んでいらっしゃると思うのでありますが、これは新聞記事でありますから的確に伝えているかどうかは私わかりませんけれども、「運賃決定バラバラ」という見出しで書かれている。この中を読んでみますと、国民の足として国鉄以外に船もあれば飛行機もある、自動車もある、あらゆるものがあるわけですね。これについて、確かに、総裁が言われているように、運賃の決定がばらばらになっているような運輸行政はやはり問題があるのではないか。運輸省という、全体を統轄する監督官庁の立場からいって、私はもっと一貫的なものをとるべきではないか、こう思いますが、しかしこの中で総裁が言われておりますように、仮に地方交通線を維持していく場合に、特定割り増し運賃も考えなくてはいけない、場合によっては五〇%程度値上げしなければいかぬということを言われているわけですね。これは直ちに国鉄に適用できるかどうかわかりませんが、しかし一般商法から考えて、物が売れなければ、でぎるだけ安くしてたくさんの人に買ってもらうというのが一般の商法なのですね。ところが、国鉄の場合は、過去ずっと値上げしてきたけれども売れない、結局お客さんが余り乗ってくれない、だから収入が減る、減るから今度は運賃を値上げして、物を高くして売りつける、こういう商法なのですね。そのことが結果的に、いつも言われてきたことだけれども、国鉄離れを起こしてきて、経営が悪い方へ悪循環で回っていっている、私はそのように考えるのです。  たとえば、スウェーデンの国鉄に一つ特徴的なことがあるのですけれども、スウェーデンの国鉄というのは利用者カードというものをつくっています。まああそこの国民の総数が少ないのですから日本のようなわけにはいきませんけれども、五十万人を目標にして利用者カードというものを作成に入った。四十九万人を獲得できた。この利用者カードを取得した人に対しては四〇%の割引をやっているわけですよ。四〇%の割引をやったために利用者というものは二五%ふえた、割引したけれども収入は一〇%ふえた、こういう端的な一つの例があるわけですね。これは省エネルギーあるいは交通事故の減少という面でもスウェーデンのは出てきている。こう考えると、総裁の言われるように五〇%の割り増し運賃を課するということが必ずしも適切な方法ではないし、かえってむしろそれがローカル線の使命を失わせていくようなことになっていきはしないか、私はこう考えるわけです。ですから、その辺の関係について総裁の方からお答え願いたいし、あるいは運賃の問題については、総裁も新聞の記者会見で言われているように、運賃の決定が必ずしも一貫性を持っていないという監督官庁の立場ですね、これについてお答えいただきたい。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○高木説明員 私どもも、ある意味ではやはり商売でございますから、なるべく安い値段で乗っていただく、それによってお客さんに喜んでいただけるということが望ましいわけでございます。しかし、それは、一般論としてはそういうことが言えますけれども、現状は一兆何千億という赤字を毎年生んでおるわけでございまして、それはいずれ国民の皆様、納税者の方々に負担をしていただかなければならない。そういう破局的経営でございます。その場合には、どんどん赤字をふやして税金負担で処理をしていただくというのが、これが公共的役割りを担うものとしても許されるものではないと思うわけでございまして、どうやって赤字を減らそうかということも考えなければなりません。  その場合に民間では値を下げるじゃないかとおっしゃいますけれども、民間ではむしろそういう事業は、もう商売という概念ならやめるのが原則なわけでございますから、私の方はやめることが許されないというまためぐり合わせがございますので、そうであるとすれば、利用者の方々にも何がしかの負担増をお願いするのもまたやむを得ないではないか、納税者の方々にのみお願いするというのは、同じ国民の間の不公平論が出るのではないかというふうに考えるわけでございます。  なお、記者会見の話がちょっと出ましたけれども、これは、私どもとしては全国均一運賃である、それからバスなりあるいは船なり飛行機なりというものは、ある場合には企業別のコスト計算が原則であり、ある場合にはその地域にある何種類かの民間企業の平均標準コストというものが基準になっておるわけでございまして、私どもとして、率直に申しまして、なお今後運輸省にお願いして御検討願いたいと思っておりますのは、総合交通システムということをお考えの際に、やはりその中の重要な問題として、総合運賃システムというようなことについて、これは現実には皆同じにするということはできません、できませんけれども、そういう感覚で物事の処理をお願いいたしたいなということも記者諸君にお話をしたものがそこにあらわれているわけでございます。

塩川正十郎自由民主党運輸大臣

○塩川国務大臣 国鉄の運賃が他の交通機関に比べまして必ずしも安いものではない、非常に高くなってきておる、これはもう理解できますし、またその上にさらに割り増し運賃をつけるということは、われわれといたしましても非常に残念に思うておるのでございます。  先ほどスウェーデンの話が出てまいりましたが、スウェーデンは、第一次石油ショック以降鉄道関係は大変な生産性向上に取り組んでおります。また、現在国王が訪問されておりますスペインでもそうでございまして、私が聞きましたところによると、鉄道の延長は一万三千キロ、それに対して従業員は八万人足らずでやっておるわけでございまして、ここに至るまでにはやはり数次にわたる改革を経てきた、非常に苦労してきたということも言っております。  そういうふうに、それぞれ努力をいたしてきておるわけでございまして、したがって、私は、この国鉄の再建を、この法案を一つのよりどころにいたしまして、これからはかなり厳しい合理化を進めていって、そして運賃の面においても国民の期待にこたえるように持っていかなければならぬと思うておるのであります。

永井孝信日本社会党

○永井委員 運賃の関係では余り時間をとれませんけれども、私は、特定に割り増し運賃をつくるということは、いま国鉄総裁言われたように、全国の一律運賃制度というものを根本から崩すことになる。これがまず一つ問題点があると思いますね。  現在、遠距離逓減制というものを適用しておりますけれども、それでは幹線からローカル線に乗り継ぐ場合はどんな方式を考えるのか、ちょっと簡単にひとつ……。

吉武秀夫日本国有鉄道常務理事

○吉武説明員 お答え申し上げます。  いまのところ考えておりますのは、幹線と地方交通線とが賃率が違いますと、そのままでは、仰せのように、遠距離逓減制の方に支障が来すわけでございますので、異なる賃率を適用する幹線と地方交通線とをまたがる方式をいま考えておるわけです。  それはどういう方法でやるかといいますと、幹線の乗ったキロとそれから地方交通線の乗ったキロ数とがそれぞれあるわけなんですが、地方交通線の乗ったキロ数に、地方交通線の賃率と幹線の賃率とが比率がありますから、その比率を掛けまして、それであるキロ程に相当する数値を出しまして、その数値と幹線の乗った数値を足しまして、それに幹線の賃率を掛けるという、そのまたがりの場合の特定の計算方式をいま考えようかというふうに考えておるわけでございます。

永井孝信日本社会党

○永井委員 非常に時間が切迫しておりますので、足らない分は午後に回しますけれども、鉄建公団に来ていただいておりますのでちょっと御質問しますが、政府は、国鉄経営の改善対策としていま言われたように地方交通線、いわゆる地域住民の生活基盤を支えるものだと私は考えておるのでありますが、それを単なる不採算線区ということで処理しようという考え方が片方ではある。しかし、現実につくれば間違いなく赤字になるであろうという新線、いわゆるAB線の建設が片方で進められている。五十五年度の予算でも百五十億一円計上しているわけですね。聞くところによると、来年度もそれを上回る百七十億円程度を概算要求をしていると私は聞いているのでありますが、これは一体どういうことなのか、ちょっと簡単に……。

山地進運輸省鉄道監督局長

○山地政府委員 御指摘のようにことし百五十億の予算がございますけれども、そのうち二十億ばかりの管理費、鉄建公団の管理費でございますが、それと、四千キロ以上になると思われる、つまりいまの法案でいっても国鉄が維持すべきと思われる二線以外は全部工事を、金を配分しておりません。法案が通ったならば当然特定地方交通線になる、つまり完成したら特定地方交通線になる、翌日廃止されるというようなことは私どもとしては起こり得ないことだと思っておりますので、そういうものについては予算の配分をしていないわけでございます。  それで、私どもの方としては、既存の在来線でも第三セクターで引き受けるものについては無償で譲渡しよう、それから助成もしようと言っておるわけでございますので、AB線でも特定地方交通線なるものについては、第三セクターで引き受けることが確実なものは工事をしよう、こういうことを考えておるわけでございます。来年度の百七十億も、去年は四百四十億だったわけでございますけれども、百七十億に圧縮してありますのは、来年度の、この法律が通った後、第三セクターで引き受けるものというのが大体どれくらいあるだろうかということを考えまして、百七十億になっておるわけでございます。したがって、この予算の執行に当たりましては、第三セクターで引き受けるということにならなければ工事もいたしません、そういうことでございます。

永井孝信日本社会党

○永井委員 いまのお話を聞きますと、工事の中断ということもされているようでありますが、いままでつくったものが全部、第三セクターであろうと何であろうと活用できるのかどうなのか。いま建設中の路線で工事を中断しているものはどのくらいあるのか。あるいは、いままで工事を進めてきたそのものに対する投入した資金、これは一体どうするのか。これは全部国民の税金を使ってやっておるわけですから、この関係についてはたとえば事実上中断しておっても、私の地元では智頭線というのをつくっておりますけれども、この智頭線では、工事は中断しているのだけれどもいままですでに契約した分については部分的に工事を進捗させているというふうに聞いているのですけれども、そういうことは一体どのようにこの新しい法案との関係で説明するのか。これは時間がありませんので、ごく簡単にちょっとお答え願えますか。

山地進運輸省鉄道監督局長

○山地政府委員 現在、債務の工事というのは、これは民事契約の問題でございますので、一部やっているというのは事実でございます。  ただ、いままでの投入資金というのは約二千億くらいだったと記憶しておりますが、このうちほとんどでき上がっているものについては、そのままやめてしまうのはもったいないじゃないかという議論が片方であります。それから片方では、そういうものについては国鉄に渡した場合には赤字になるんだから、そんなの国鉄に渡すのはおかしいのじゃないだろうかということで、地元の御選択によって第三セクターで引き受けるというものについては工事を完成してその第三セクターにお渡しするというふうなことでいま政策を進めているわけでございます。

永井孝信日本社会党

○永井委員 大臣がいらっしゃる間にちょっと一つ最後にお聞きしておきたいと思うのでありますが、昨年の十二月二十九日の閣議了解で、「国民及び利用者の深い理解と協力の下に」ということでこの一ページに書かれておるわけですね。それがその基本姿勢として示されておるわけでありますが、これは民意を正しく反映させるという、そのことが民主主義の大原則でありますから、そういう面からいきますと、閣議了解の基本姿勢はそれなりに、私は当然なことだと思うのでありますが、それでは、この法案をつくるまでの過程でどのように民意を反映させるようなことをやってきたのか、これはどうでありましょうか。

塩川正十郎自由民主党運輸大臣

○塩川国務大臣 この法案を作成いたしますまでには何とかこの国鉄の再建に対しまして国民的な御理解をいただきたいということでわれわれもそれなりの努力は、不足でございましたでしょうがそれなりの努力をしてまいりました。  そこで、仰せのように、民意をくむということのその御質問の裏には、地方交通線に該当する住民の方々、利用者の方々の御意見をどのように聞いてきたのか、こういうことがこの質問の裏に秘められているように思うのでありますが、そういう方々に対しましては、今後におきまして要するに地方の足を確保するということについての責任は行政側にあるということを訴えてきておりまして、国鉄自身として、そういう該当線区に対します地域の方々に対しましては過去におきましてもう何回となくこの鉄道再建のための方策ということはいろいろな面から御説明もしてきたのでございますが、それは必ずしも私は十分ではなかったと思うております。しかし、利用者の方にとりましては、要するにこれからどんな対策をしてくれるのかということが私は一番重要な問題だと思うておりますので、そういう点につきましてはこれからも努めて御説明も申し上げ、納得していただくように取り計らわなければならないと思うております。

永井孝信日本社会党

○永井委員 時間が来ましたので、あとの残った質問は午後に回させていただきますけれども、たとえば、ずっと過去数年間にわたって国鉄当局といろいろなことで地方交通線の利用活用についての要望やらあるいはそれに対する協議の内容、私の手元に参考資料でこれだけあるんですよ。こういうものがこの法案を作成されるまでに事実上反映されていない。これは大臣がどう言われようと、法案ができてしまってから民意を問うと言ってみたって、もう法案はできてしまうんですから、これでは法案の押しつけになってしまう。これでは私は民主主義の原理に反すると思うのですね。そして、たとえば今度の法案の中で地方協議会をつくることを第九条で明らかにしておりますけれども、その地方協議会に選ばれる人は国の出先機関の長であり、地方公共団体の代表であり、せめてもの慰めとして民意を反映できるものとして地域の学識経験者からも意見を聞くことができるとただし書き程度のものになってしまっておるわけですね。私はこれでは、この法案の中に言っているような二年間の協議期間ということを考えてみました場合にも、結果として民意を反映できずに問答無用となる公算がきわめて強い、そう懸念せざるを得ない、いわゆる見切り発車にならざるを得ない、見切り発車ということは結果的に政治が国民の意思を反映しないということになりますので、この辺の関係だけは、あと時間がありませんので午後に回しますけれども、大臣の答弁だけ聞いて終わりたいと思います。

塩川正十郎自由民主党運輸大臣

○塩川国務大臣 できるだけ地元の御意見を聞くようにわれわれも努めてまいりたいと思うております。

永井孝信日本社会党

○永井委員 あとは午後に回します。

田中昭二公明党・国民会議

○田中委員長 次に、新盛辰雄君。

新盛辰雄日本社会党

○新盛委員 交通安全対策特別委員会として、特に交通政策諸問題についていま議論されております国鉄再建特別法に関連をして、大臣が午前中しか時間がないそうでございまして、午後にまた深く追及をしていきたいと思いますが、大臣のいらっしゃる間にぜひ見解をただしておきたいことについて申し上げておきたいと思います。  まず、いまも御質問の中で大臣からも答弁がありましたが、国が行う総合交通政策、これは幾たびかこれまで議論をされてきているわけであります。とりわけ、四十六年の十二月に臨時総合交通問題閣僚協議会というのが設置をされました。これは、省エネあるいは社会的諸条件の変化に伴って、今日の陸海空を含める交通政策全般にわたって見直しをしなければならない、こういうことで、五十二年の十二月二十九日の閣議了解事項による「日本国有鉄道の再建の基本方針」あるいは五十四年の十二月二十九日における「日本国有鉄道の再建について」、数々の御決定をされて以来、この再建政策にもかかわり合いが出てきているわけであります。四十四年の九月以降、たびごとに閣議決定がなされておるのですが、その際によく言われています再建の対策として、言ってみれば、結局、これからの総合交通政策という全般の枠組みを決めないで国鉄に対する再建整備計画、いわゆる再建政策をおとりになっている、こういうことは結果的に見て、最後の六十年度までに国鉄の再建政策というのを帳じり合わせという形におつくりになることも、その一面わかりますけれども、実際にどういうような総合交通政策というのをお取り組みになっておるのか。これは経済企画庁が主管になっているように思われますが、経済企画庁がいま取り組んでいる状況、それから運輸省として、特に大臣の方ではこれについての扱いをどうしておられるのか。実は、この四月一日以降、運輸政策審議会に諮問をした、その結論を待ってみなければ、この総合交通政策というのはできないのだと経済企画庁は逃げているのです。この辺のところが、どこかが結論を出すだろうという待ちの姿勢、これで果たして総合交通政策、いわゆる交通の安全対策としても、これらの問題についてきわめて重要な関係を含んでいるように思われますので、この点をひとつお答えをいただきたいと思います。

塩川正十郎自由民主党運輸大臣

○塩川国務大臣 総合交通政策のいま進めております現状等につきましては、後で石月総務審議官から詳しく説明させていただきますが、先生お尋ねの中で、やはり一番ポイントは、総合交通政策の中で国鉄というものをどう位置づけするのかという、これが問題だと私は思うております。それにつきましては、その総合交通政策の結論と相あわせて具体的に進めていく方途は決定されると思うのですけれども、しかしながら、数年前から国鉄といたしましては、鉄道の特性を生かす分野において今後の鉄道の活路を見出していかなければならぬし、またそうなければ国鉄の発展もないということでございまして、それは御承知のように、もう専門家でございますから申しませんが、その特性を生かす方途にわれわれは政策の重点を置いて国鉄を再建し、そしてこれが将来におきますエネルギー政策を進めていく中におきまして、有力なる交通機関として将来も発展していくと信じております。

新盛辰雄日本社会党

○新盛委員 昨年の十二月二十九日の閣議了解事項の中で「運輸政策上の配慮」、いま大臣もお答えになったのですが、「運輸政策の推進にあたっては、各交通機関の特性を生かした効率的な交通体系の形成を図る観点から、国鉄の有する特性も十分に発揮しうるよう配慮しつつ、具体的施策を講じて行くこととする。」いまお答えになっておるそのことですね。それをどう一歩進めて具体的におやりになったのか。確かにこれを受けて、国鉄が再建について具体的にこの四月に出して、そしてこの国鉄法案というのができているわけですね。検討して具体的にやっていくんだと言うのですが、実際は四月一日以降、運輸政策審議会の方に逃げ込んじゃっているんじゃないか。これらのことは、どうも従来からも言われていることなんですが、果たして国鉄の位置づけということについてしっかりしたものを国は持っているのか、政府は持っているのか。このことについてはやはり多くの疑問があるわけですよ。非常にむずかしい問題ですけれども、これをやらない限り、これは単に国鉄の位置づけだけの問題じゃないじゃないか。このことについて運輸大臣のいまのお答えでは、どうもこれは読んでこのとおりなんですから、いま御回答になったとおりなんですから、これでは答えにならないと思うのですよ。  では経済企画庁は、省エネあるいは社会的諸条件を含めてどういう効率的なこれからの総合交通政策を立てていくという、何か展望があるのか。何か一方の方で、政策審議会の方でもやっているんだから、そっちの方でやれ。これは閣議では決定しているから、このことについてはそういうふうにいま大臣のお答えになったような気持ちで取り組んでいる。どうもその辺のところが、これはいままで運輸委員会で議論もされていると思うのですけれども、具体的に実例が出てこない、実効が上がってこない、これはどういうふうにお考えになっているかということを聞いているのです。

石月昭二

○石月政府委員 総合交通政策について現在までに何をやってきたかという先生の御質問でございますけれども、御承知のように、四十六年の運輸政策審議会の総合交通体系についての答申の考え方でございますけれども、これは総合交通体系というものを作成する意義と、それから作成のための考え方というものを述べました後で、具体的に施設整備計画をどのようにやるべきであるか、その施設整備計画の考え方というのは、各交通機関の特性を発揮しながら全体としてバランスのとれた交通体系をつくるという考え方でございます。それからまた、そのような交通体系をつくるために、どのような行財政上の措置をとるべきであるかというようなことについて述べられておるわけでございます。私どもはその運輸政策審議会の答申に沿いまして、現在まで着実な努力を積み重ねてきておるつもりでございます。  具体的に施設整備の問題で申し上げますと、たくさんございますので、代表的な例を申し上げますが、たとえば国鉄につきましては山陽、東北・上越新幹線というようなものの建設、それによる一日行動圏というような政策の推進、それから、たとえば国鉄の貨物輸送につきましては、大量定型輸送という形で、従来の方式から直行輸送方式へのシステムチェンジというような問題、それからたとえば航空につきましては、機材の大型化とか地方路線のジェット化というような形での航空路線の整備、港湾につきましては流通拠点港湾の整備というようなことをやってまいりましたわけでございます。  また、行財政措置としてどのようなことをやったかということでございますけれども、これにつきましては新幹線、都市高速鉄道、国際空港というようなものにつきまして、その整備のための資本費負担を軽減するというようないろいろな措置をとってきたわけでございます。また、答申の中にございました社会的費用の内部化というような考え方を踏まえまして、航空につきましては、着陸料等の利用料負担による航空機騒音対策の強化というようなことをやってまいりました。また、開発利益の発生者への還元というような問題につきましても、鉄道建設公団による鉄道の整備、それからニュータウン鉄道の整備というような問題につきましては、開発者負担制度の創設というようなことをやってまいりました。また、シビルミニマムの確保という問題につきましては、過疎バス、離島航路というようなものにつきましていろいろ維持強化対策をやってきたわけでございます。また、運賃、料金制度に関しましては、たとえばこれは全般として弾力化しろというようなお話でもございましたので、国鉄運賃につきましても、他の輸送機関との競合関係を配慮しながら適時適切に改定を行うとともに、法定制を認可制に改めるというような形でより弾力化し、また貨物等級制度の廃止というような形で運賃制度の合理化を図ってまいったというようなことをやってまいったわけでございます。

新盛辰雄日本社会党

○新盛委員 どうも答えになっていないのですけれども、ここのところだけこだわっているわけにまいりません。諮問の中もそうですけれども、この御決定になった閣議了解事項の中でも、現在の総合交通の対策をやっていく、そして、大臣先はどの質問者に答えておられるのですが、なぜ国鉄がこういう今日の再建政策における、言うなら構造的欠損を出したのかということに対して、この理解がされなかった、職員の意欲が燃えなかったんだ、それだけが原因だというふうに言われたので、これは非常に問題がありそうなんですが、結果的には政策がなかったからだ。これから進めていく総合交通政策、国鉄の位置づけ、そしてまた総合運賃制度の問題を含めましていまいろいろ議論がされているのですが、この運賃政策の問題につきましても実際には、トラック部門の規制行為とか、そういった一部の努力は見られますけれども、今日の運賃体系が統一とれない。言うならば国として運賃体系についての認識が、各機関の認識が、たとえば国鉄に対する私鉄とか、あるいは航空とかトラック、こういうことに対する具体的な運賃体系という問題、それについて総合的検討を加えているというのですが、現実国鉄が割り高になっている地域もある。それで非常にお客が少なくなった、客離れがある、こういう関係も出ているのですが、政府の認識の上に立つ総合的な運賃の問題、こういうことについてどうなければならないか、どうすればベターな方法であるかということをぜひひとつ方針として、これはやはり交通安全全般の問題ですから、見解を承っておきたいと思うのです。

石月昭二

○石月政府委員 五十二年の国会におきましても、総合運賃政策の推進という御決議を賜っていることを私どもよく承知しているわけでございます。先生御承知のように、現在の運賃の設定に当たりましては各企業の徹底した合理化というものを前提とした上で、そういう能率的な経営の上において適正な利潤を含めた運賃を算定するという原則に従って、各企業とも全部同じ原則でやっておるわけでございます。いわゆる原価主義でございます。しかし、原価主義ではございますけれども、実際の算定に当たりまして、たとえば各交通機関の特性が発揮できるような形で総合原価というものを配分するという形で、たとえば航空と国鉄における遠距離逓減制度のあり方をどうするかとか、それから、トラックと国鉄貨物輸送における遠距離逓減制度をどうするとかというような形で私どもいろいろ従来から検討し、そういう形での運賃制度の整合性を図ってまいっておるわけでございます。総合運賃政策というのは、そういう形での運賃制度の整合性というところまでの話であって、それを超えた形での設定ということはちょっと考えられないのではないか。その点につきましては、従来から私ども考えておりますところの社会的費用の内部化の徹底であるとか、開発利益の発生者への還元というような政策をよりよく見直しまして、その上でそれが原価に還元されて適正な競争条件ができるというような形をとることになるのではないかと考えておる次第でございます。

新盛辰雄日本社会党

○新盛委員 輸送機関ごとの適正分野を見きわめた上でといまもおっしゃっているのですが、総合運賃政策の立て方というのは、いま現実に国鉄の場合などは、近距離という輸送体系はすべてマイカーに吸い取られている、遠距離というのは飛行機にとられている、その中身はもう何も残ってないじゃないか。ところが、いわゆる輸送機関の調和、言うなら総合交通政策の一貫もそれにあるわけでございますがね、そうした運賃の決めぐあいの中で、例の「運賃上の公共負担の軽減対策について、関係省庁において検討を進め、早急に結論を得る」ようにしたい、所要の措置を講じたいという、閣議で了解として御決定になったこの中においても、私は、四月十八日の衆議院本会議でこの問題に対するわが党の代表質問として国鉄法案の見解を求めたのですが、そのときの回答も、ただいまもおっしゃいましたような、わりと抽象的な答弁であるわけです。だが、たとえば公共負担の軽減対策というのは具体的にいま検討しているとおっしゃるのですが、もう国鉄法案を上げようとか、いま提案されているこの段階で結論が出ていなきゃおかしいのじゃないですか。たとえば通学定期の割引の問題とか、あるいは厚生省関係にわたる身体障害者の問題だとか戦傷病者の問題だとかあるのですけれども、この関係、公共負担として五百億から六百億ぐらいになるのですよ、これはそれぞれの省庁、いわゆるその責務の発生の場所において配慮をされなければならない問題じゃないか。それはわかっているけれども、結果的には、関係機関のいろいろな検討課題の中ではなかなか結論が出ないんだ、こういうふうに言っておられるわけですが、この辺のところが一つの足がかりになるのじゃないですか、これをひとつお答えいただきたいと思うのです。

山地進運輸省鉄道監督局長

○山地政府委員 公共負担の問題は私どもとしても非常に問題の意識が強いところでございまして、衆議院の運輸委員会で政策官庁が持つべきだという御議論があって、それ以後この問題について各省と折衝しているわけでございまして、そこらで、いま先生御指摘の五十四年十二月の閣議了解、これは各省で合意をした文章でございます。そこで初めて文部省も厚生省も土俵に上ろうというところまで来たわけでございまして、その後閣議了解に基づきまして、これは大蔵省も積極的に動いておりまして、各省集まってもう十回近く議論しているところでございます。現在のような財政事情の中で、端的に申し上げれば、どこかの予算でそれを持つとすれば、その省の予算の限度がいっぱいでございますのでなかなか持てないというような事情もございましょう。そういうことも踏まえてこの問題を詰めているわけでございまして、私どもから言えば非常に理解をしていただいているというふうに思いますが、五十六年度予算に反映できるかどうかという点はいま検討中でございますので、この結論が五十六年度に出るということを申し上げるのは、まだ早い段階だと思います。

新盛辰雄日本社会党

○新盛委員 確かにそれは関係のところがそれぞれ打ち合わせをやっておられるし、特に大蔵省あたりの問題もありましょうが、これは一たん、そういう方が望ましい、いわゆる公共負担の問題を軽減させなければならないだろう、国鉄にいつも赤字を背負わせておいて、これがローカル線の廃止の関係にもつながることだというのであれば、なおのこと積極的に進めていただかなければならないと思うのです。これは前からの話ですから、いつも再建政策が出るたびに公共負担の問題とか納付金の問題というのは議論があるでしょう。それがいままで全然結論が出ない。これは五十六年度の予算編成の中にまではいれるかどうかとおっしゃるのですが、早急に結論を出していただきたいと思うのです。よろしくお願いしておきます。  それで、大臣がいらっしゃる間に、地方交通線対策の問題についてぜひ確認をしておきたいと思うのです。いままでこれはもう長時間議論されている問題でありますから、その言葉じりをとらえて言っているのじゃございません。選定基準というのが出ました。それで選定される場合に、政府としては政令でこれを決めるということになっていますね。どういうわけだか政令でお決めになるというのは、この法律が通過した後で、関係省庁のいろいろな打ち合わせをして、そして結論を出す。本来これは法律と同時に示す、各地方自治体はどうなるかと見ているわけですから、そういう形をなぜとれなかったのか、二千人未満の線区についてはこうして六十年度までに廃止しますということをなぜ示し得ないのか、そのことをひとつ教えていただきたい。

山地進運輸省鉄道監督局長

○山地政府委員 この地方交通線の問題というのは単に国鉄の財政のみならず、経済的、社会的、あるいは政治的にも、非常に根の深い問題であると私どもは心得ておるわけでございまして、この政策を推進するために、先ほど申し上げたのですが、運輸政策審議会でローカル線小委員会をつくり、一年ぐらいにわたって議論を重ねてここまで来ているわけでございますが、やはりこういった政策を推進する上におきましては、国会に大筋をお認めいただいて、それから政令というものをつくるということが大事であろう。ただ、では政令をどういうふうにつくるのかということが非常に問題になるわけでございますので、そこでいままでのような研究の結果、たとえば八千人以下が地方交通線だとか、あるいは四千人以下を特定地方交通線にするとか、積雪だとか、並行道路がないとか、あるいはラッシュ時に輸送が集中するというようなものについては除外したいというようなことで、大筋のことは、今後政府でまとめていく段階で絶対これはそのとおりやっていくのだということについては御説明をし、大筋の御了承を得た考えているわけでございまして、その大筋の御了承を得た上で、政令というものを公平にかつ合理的なものをつくっていきたい、かように考えておるわけでございます。

新盛辰雄日本社会党

○新盛委員 いま、政令は各省庁間の意見を調整をして出すとおっしゃっているのですが、これまで御発表になっている基準の原則という、これは運輸省がおつくりになっているわけでありますが、この原案でずっと決められるのか。言うならその保証は全くないのじゃないか。大臣は、恣意的な、政治的な圧力は絶対に排除する、原則は貫き通します、変わることはありませんという答え方をしておられるわけです。  いま、二万二千キロの国鉄営業線の中において幹線の路線というのは一万三千キロ、そして残った九千キロが地方交通線の基準になっているわけですね。問題なのは特定地方交通線で、約五千キロです。ただし一千キロぐらいは、いろいろな事情があるので別途考えよう、あとの四千キロは基準に基づいて六十年度までにやらなければいけない、こういうことなんです。  そうすると、この基準でいきますと、一日一キロ当たり二千人未満の路線というのは、それぞれの線区を営業係数、輸送密度を当たっていきますと、もう明確に出てくるわけです。八十九線区の四千百六十一・五キロ、こういうことになるわけです。ところが実際に政令でお決めになるとおっしゃいますが、四千キロの枠組みがある。しかもその政令でお決めになるにも、省エネ問題あるいは地域開発問題、地方自治体等のこれからの定住圏構想、その他いろいろな問題がこの中に介在をしてくるわけでしょう。そういうのをどこで検討するかというと、これは政令を決める場合の各省庁間の調整だとおっしゃる。あとは知事にこうなりましたよと諮問をして、そこから特定地方交通線対策協議会というのが審議を始めるというわけです。その手続というのは、いまお決めになっておられるという形の原案の中でも示されているのですが、実際にそういうふうになるのか、私は全くその保証はないと思っているのです。どうですか。

山地進運輸省鉄道監督局長

○山地政府委員 これは昨日も運輸委員会でいろいろ議論があったところでございますが、私どもとしてはこの政令というものは公平なかつ合理的なものをつくっていく、その政令で決められた基準の適用に当たっては厳正にやっていこう、かように考え、かつ大臣からもそういうふうな御説明をしておりますので、私どもとしてはそういうことを実行しでまいりたいと思っております。

新盛辰雄日本社会党

○新盛委員 さらに具体的にこの政令が固まる。これは運輸委員会でいままでずっと論議されていて、いわゆるその政令が出される前に運輸委員会ではこれを報告をすると大臣は言っておられるのですが、これは確認していいのですか。

塩川正十郎自由民主党運輸大臣

○塩川国務大臣 政令が決定される前後におきまして運輸委員会で報告はいたす予定をいたしております。(新盛委員「予定ですか」と呼ぶ)予定であります。

新盛辰雄日本社会党

○新盛委員 報告をされるということなんで、そこでまた議論は出てくるでしょうが、今回これをお決めになられるにもいろいろな問題、疑問とするところがあるわけです。たとえば輸送密度はいつの時点をとってやるか。これはいままでいろいろお答えもあったようです。だからこの基準ができているのだということです。しかしこの輸送密度というのは、御承知のように路線の一日当たりの輸送人キロをその路線の営業キロで除したものですから、これはいつの時点でとらえるのか、過去三年にわたる平均をとるとか、では将来発展する地域の諸条件をどう加味するかとか、たとえば三年にする場合にはなぜそういう根拠になるのか、そういう輸送密度のとり方によってもこれは相当影響されるわけです。各地方団体はみんな路線を廃止するのははっきり言って反対ですから、いろいろな理屈をつけてきますよね。だから、そうしたことに対応し得る正確な答えがなければ、それは二年見切り発車云々というのがありますが、それもそういうふうになかなかならないでしょう。前の例の閑散線区合理化二千九百キロの場合もそういう形の中で、これはセットがなかったからだ、いわゆるしりがくくってなかったからこぼれてしまったんだという話もあります。今回はそうさせないんだと言うけれども、輸送密度のとり方自体でも相当変わってくると私は思うのです。それからまた、将来の輸送量の見込みをどうとるか、どうそれを持っていくかということにおいてもこれはまた判断のしどころですね。この辺の基準についてどういうふうにするのか、これらについても大臣は地元の有力議員の恣意的なことに、陥らないようにとおっしゃるけれども、基準の取り扱いによって、運用の仕方によってどうでもなる、こう思うのですよ。その辺について大臣はまずどうお考えになっているのか、また関係者の御答弁をいただきたいと思います。

山地進運輸省鉄道監督局長

○山地政府委員 輸送密度を計算する素材になります実績というのが非常に重要なものであるということはまことに先生のおっしゃるとおりであろうと思うわけでございます。私どもがいま考えているのは、どうやったら公平にかつ公正にそういったものを把握できるのかということでございまして、たとえばある年度だけ一年だけでとらえるとすれば、その年度が非常に特別な事情であったというようなこともあるかと思います。それから余り長い間でございますと、その線は一体そういうものにふさわしいかどうかというような、その線路における需要の安定性というものについて非常に問題も起こる、そんなことを考えまして私どもとして現在腹案を持っておりますのは、過去三年をとってやるということがある程度公平なのではないだろうかと考えております。これは政令を決めるときの非常に重要な問題でございますので、今後いろいろの意見を各省間で闘わすときの一つの問題であろうかと思いますが、私どもとしてはいま三年でこれを決めていったらどうだろうか、かように考えているわけでございます。

新盛辰雄日本社会党

○新盛委員 大臣、結果的に過去三年の実績がいまの段階ではとおっしゃるのですけれども、輸送量もそうですけれども地域開発その他いろいろ加味してまいりますと、この基準というのはよほど地域的な特殊なローカルな事情等も加味されることでなければ、その地域の意見をどういうふうに吸収するのか、市町村あるいは地方自治団体の長が。だからそれを出してくるのですけれども、実際的にしゃくし定規で、物差しをかけて物をはかっていくようなぐあいにいかぬだろう、いかぬところにこの問題の非常に大きなネックがあるように私は思うのですよ。大臣、これはもう一回お答えいただきたいのですが、本当にこの基準の制定に異動はないのですか、変更はないのですか、これは確認しておきたいと思うのです。

塩川正十郎自由民主党運輸大臣

○塩川国務大臣 この基準は政令をつくります際に各省庁といろいろ協議がございましょうけれども、しかし骨子として提案しております基準は変更はできませんし、またそういう考えは全然持っておりません。そこで私たちが一番心配しておりますのは、いま御質問の中にも言下に言っておられますように、この適用が不公正になってはいかぬ、これが一番問題でございまして、しかも恣意的になってはいかぬということでございます。この点につきましては、私たちは本当に厳正にこの適用をすべきではなかろうか、またそうなければならぬと思うております。この点につきましては十分に私たちは公正を期してやっていきますので、その点御信頼いただきたいと思います。

新盛辰雄日本社会党

○新盛委員 時間が来ましたのでまた午後に続いて内容的に詰めてまいりたいと思いますが、いま大臣のお答えになったことは正確に私ども受けとめておきたいと思うのです。社会党の方から修正案を出して議論されておるわけでありますが、私ども今日のこの国鉄再建特別措置法の取り扱いについては非常に深い関心を持っておりますし、交通安全対策の面からもぜひ詰めてまいりたいと思いますので、午後にまた諸問題を回すことにして一応終わりたいと思います。ありがとうございました。

田中昭二公明党・国民会議

○田中委員長 次に、草川昭三君。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 公明党・国民会議の草川昭三です。  きょうはひとつ施設の安全の立場から午前中に大臣にお伺いをしますが、その前に、今回のこの国鉄再建法案の赤字ローカル線の対応でございますが、地元の方では負担増のことあるいは不便な点について大変心配があることは当然でございますが、大臣も、ローカル線の問題は法案が通った後の方が大切だということを言っておみえになるようでございます。そこで現在運輸省として、廃止をさせる路線をたとえば第三セクターで受け入れるということを言っておみえになりますけれども、同じ第三セクターでもバスでいくのか鉄道でいくのか、一案、二案というのですか、A案、B案があると思うのですけれども、その見通しについてどのようにお考えになっておみえになりますか。見通しをまずお伺いをしたいということ。  それから同時に、第二番目に、問題は、その第三セクターは地方自治体あるいは地方のそれなりの関係業者を集めてしなければいかぬわけでございますが、運輸省としてどのようなマニュアルというのですか指針というのですか、事前の指導をなすっておみえになりますか、まずこれをお伺いします。

山地進運輸省鉄道監督局長

○山地政府委員 現在、第三セクターの話のございますのはAB線、新線建設の関係でございまして、これの関係ではかなりな線について第三セクターでつくる場合はどうだろうかというようなことが内々私の方に御相談に来られるのがございます。一つだけ第三セクターをつくると明確におっしゃっているのは栃木と福島の野岩線でございまして、これは鉄道業者、自動車業者、銀行その他地元の方、それから両県が入って第三セクターをつくるということでお話が動いております。  それから在来線につきましては、この新線とあわせて在来線の特定地方交通線なるものを第三セクターでやったらどうだろうかというような話も一、二ございます。ただ現在のところ、バスになるのかあるいは第三セクターになるのかということについては地元の方からどっちにするというような明示的な御判断が私どもには来ておりませんので、どういうような推移をたどるかということについては私どもとしては申し上げかねます。  それから第三セクターのマニュアルというお話ですが、私どもとしてもいろいろの材料を提供し、こういった第三セクターをつくるのに御便宜を図るということにつきましては最大の努力をいたしたいと思いますが、第三セクターというのは地元の責任においてやっていただくわけでございますので、やはり地元のいろいろのお考えをお聞きし、かつ地元の特殊の事情というものも十分考えなければいけない点がございますので、できればマニュアルというようなことでお示しできればいいわけでございますけれども、各県のお熱意と特殊の事情というものが非常に大事な点ではないだろうかと考えております。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 見通しの問題についてはセクターの見通しもそんなにたくさんない、三つか四つくらいしかない、こういう現状だというようにお伺いをしておるわけであります。ですから先行きに大変問題がある。不安定な要因の中でこの問題が進んでおるのではないかという点を一つ指摘をしなければいけない、こう思います。  それからもう一つは、過日の国会で高木総裁も、都市部の地方交通線の場合は幹線に比べて一段と高い特別料金にならざるを得ないだろう、五〇%アップも考えなければいけない、こういうことを言っておみえになるようでございますけれども、いわゆる全国一律の運賃制度がこの法律で崩れるということになりますと、これは運賃だけではなくて他の公共性のある諸物価に対して差別というのですか、格差のある公共料金ということになって物価政策に大きな影響力を与えることになりますが、その点については大臣の御見解はどうでしょう。他に対する影響いかん。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○高木説明員 ちょっと一言。いま私どもが一種の割り増し運賃をいただきたいというふうに考えておりますのは、実はそういう地域というのは、国鉄が著しく安くて、そして私鉄、バスというものが高いところについて考えているわけでございますので、その点だけ申し上げておきます。

塩川正十郎自由民主党運輸大臣

○塩川国務大臣 全国一律運賃、そしてまた一律給与ということで国鉄はやってまいりましたが、しかしながら運賃につきましては利用者の利用程度というものも勘案し、そこに多少の経済的な条件というものを加味した運賃をつけざるを得ないような状況になってきております。このことは他の交通機関を見ました場合にそれが例として出されておるごとくでございまして、だからといって私は特別運賃が格別高額というようなもので設定されるものとは思われませんが、しかし地域によります利用度をある程度勘案し、その応分の負担をしていただきたいという程度の負担は特別運賃として課すべきである、こう思っております。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 そういう御意見は、これは少し時間がないのであれでございますけれども、公共性ということが後退をするわけでありますし、基本的な考え方、物価政策についても実は根本的な修正があるわけでございまして、いわゆる公共料金のあり方という問題、しかも各地区の条件によって違うということは重大な問題提起だと思うのです。だから、私どもはもちろん反対でございますけれども、ぜひ今後の問題としてまた別途論議をする必要がある、こう思います。  そこで、きょうは午前中しか大臣がお見えになりませんから、国鉄施設の老朽化と安全についてお伺いをしたいわけでございますが、私の手元にたまたま、国鉄の内部資料でございますけれども、全国の国鉄各線のトンネル、鉄橋の三〇%が運転保安上危険ないし早晩危険な状況にあるという土木構造物の新長期投資計画というものがあるわけです。現在の国鉄は、これを見ますと明治、大正期の老朽化した旧式な構造物を使っておって、しかも大量なあるいは高速輸送をしておるけれども、問題があるのじゃないだろうかというので、運転保安上問題の重点警備個所が全国に六千カ所もある、あるいは運転保安上徐行が必要な個所は全国に約二百五十ある、あるいはこのような老朽個所の更新のためには五十四年度から六十年までの七年間に総額約一兆三百億を投資して施設の改修をしなければいけないという一つの国鉄の内部の資料があるわけでございますが、一体今度の再建法案というものはこのようなものを織り込んで実際計画を立てておられるのかどうか、これをきょうはぜひ大臣にお伺いをしたいと私は思うわけであります。  その前に担当の部局の方から……。現在の設計基準に合わない土木構造物、特に明治二十六年時代にできた橋梁、橋ですね、ピントラスという専門の言葉がありますけれども、鉄をびょうでとめる、あるいはいまは溶接ですけれども、びょうの以前の明治二十六年時代のものであるわけでございますが、一々施設の従業員の方々が直さなければいけないというピントラスというのは一体どのような状況になっておるのか。あるいは明治二十六年時代につくった、もう七十年以上を過ぎて償却はもちろん済んでおりますし、かなり危険だと言われている石、レンガづくりの橋脚というものが全国で一体幾つあるのか。それから七十年以上になりますトンネル、しかもレンガ、ブロック積みの危険なトンネルは全国で幾つあるのか。この三つについてお答え願います。

半谷哲夫日本国有鉄道常務理事

○半谷説明員 御質問のございましたまず橋梁でございますが、ピントラスの橋梁は大体昭和の初期前後にできたものが大部分でございますが、それが現在五十連ございます。これは、現在いわゆる鉄げた、鉄橋でございますけれども、それの総数が四万六千連ございますけれども、そのうちで大分取りかえてまいりましたけれども現在まだ残っておるものが五十連ということでございます。それから経年四十年以上の橋台、橋脚、そのうちで特に石積み、レンガ造というような古いタイプのものでございますが、これが約二万一千基でございます。私どもの方の橋の橋台、橋脚の総数は約十三万二千基でございますが、そのうちこういうものが二万一千基残っているということでございます。それから、トンネルの経年七十年以上で、覆工しております構造が石積みとかレンガ造、そういったようなものが約三百二十カ所ございます。延長にして約百キロメートルでございます。これは、現在国鉄のトンネルの総延長は千八百キロメートルでございますが、そのうちで約百キロぐらいがこういった古いタイプのものでございます。  なお、いま先生からお話がございました、古いものがすべて危険な状態ということではなくて、それぞれに手当てをして古いながらも使用しているというのが現状でございます。

塩川正十郎自由民主党運輸大臣

○塩川国務大臣 いま、施設の充実強化、安全を確保する、これはもう当然でございますが、過去におきましてもそれなりの努力はしてきておるのでございます。しかし、安全が確保されるということを確認されたものは使用に耐え得るものでございます。そこで、根本的に見直しをして新しいものに取りかえていく、これをどういう時期にやるかということでございますが、現在国鉄が年間に投資しておりますのは一兆を少し上回っておりますが、現在はそれが新幹線工事等に相当の額が割かれております。これが五十八年ごろ以降におきましては新幹線工事も、整備新五線はございますが、これは特定財源との関係でございまして、国鉄といたしましては要するに五十八年を前後いたしまして在来線並びに安全に対し、従来からやっておりますものより以上に投資し得る可能性が十分にございます。もちろん現在も安全対策はやっておりますけれども、それを上回ってさらに、いわば機能向上の点からもそういう投資が続けられるものと思っております。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 いま国鉄の方から、それぞれの対応を立てておるんだけれども償却年数を越しても必ずしも危険とは言えない、対応を立てておる、こうおっしゃいました。しかし耐用年数がたったものについてはより細かい点検が必要です。いわゆる人間の目で測って対応を立てなければ、飛行機で調査をして直ちに危険だなんというものじゃございませんから、そのために検査従事者というのがおみえになるわけですが、これは後から、午後からも質問をしますけれども、そういう検査作業員も今度の再建計画では下請化するわけでしょう、そうでしょう。下請化をし、そして定員を減らしていくわけですよね。しかも予算的には、大臣が言われましたように一兆円を超すけれども新幹線に大部分とられている、在来線の方にそれがなかなか回らないということを言われておるわけでございますが、実は災害は下級線区を中心に多いんですよ、五十四年度の災害を見ても。一級、二級、三級、四級、グレードの低いところほど災害が多いというのは、そこに投資をしていないということです。一級、二級、三級、四級についての五十四年の災害度数を示してください。

半谷哲夫日本国有鉄道常務理事

○半谷説明員 五十四年度の例で申し上げたいと思います。  一級線で年間起きました災害件数は百九十件でございます。二級線で約四百三十件、三級線で八百三十件、四級線で約千八百件でございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 五十四年度の災害で、いわゆる四級線が千八百件、一級線が百九十件、このように倍率が二倍なんというものじゃないでしょう。二倍、二倍、二倍以上に四級線の場合はなります。こういう標然たる災害の数字を私どもはどのように理解したらいいのでしょう。田舎のもさい線路は事故があった方がいいのだ、仕方がないのだ、こういうことで理解してよろしゅうございますか。大臣から答弁してください。

塩川正十郎自由民主党運輸大臣

○塩川国務大臣 災害対策につきましては、それは仰せのようにもう災害ゼロということを当然目標にしなければならぬのでございますけれども、その災害の起こり得る程度というものによりまして被害が出ておることも事実でございます。先ほども申しておりますように、いままでに投資してきましたものよりもさらに重点個所を定めまして、設備投資の予算をできるだけそちらの方に回していきたいということで対処してまいりたいと思っております。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 ここは交通安全対策を論議する特別委員会で、特に皆さんからのいろいろな御要望があって国鉄再建法案を審議をするわけですから、いまのこの数字を踏まえられて、運輸大臣としては国鉄再建法案をどのように御理解になるのか。国鉄再建法案の中にこの種のものがどこに考えられて国鉄再建を考えられておみえになるのか、どういう立場から国鉄再建を考えられておみえになるのか、お答え願いたいと思います。

塩川正十郎自由民主党運輸大臣

○塩川国務大臣 現在の国鉄の財政状況は御承知のとおりでございまして、とにかく六兆円になる累積赤字を抱いておるし、五兆数千億円のものを政府に肩がわりしてもらわなければ維持できないというような状況でございます。ですから、この母体をしっかりしなければ、これからの投資をやるにいたしましても十分なものを期していけない。でございますから、この国鉄再建、そして体質の改善、経理の健全性を取り戻す、これがまず何といたしましても当面求められておるものでございます。そしてそういう再建と並行し、従来からやっておる安全対策というもの、これをやはり強めていかなければならぬことは当然でございますし、この国鉄が財政的にも立ち直ってまいりましたら、それはもう最重点事項として取り組まなければならぬ問題でございますが、現在の状況においては、いままでやってまいりましたものの継続の延長線においてやっていかざるを得ないような状況である。それは一にかかって現在の財政状況からきておるのだということは、ひとつ御理解していただきたい。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 そんなことは皆わかっているんですよ。そんなことはわかっておるのですけれども、いまの大臣のお話は、安全性は後回しだということを言われるから、私は頭にくるわけですよ。それは一体どういう立場から国鉄再建、とにかく黒字になればいいのですか、赤字を消せばいいのですか、それじゃ手っ取り早く下請をやればいいじゃないですか、こういうことになるわけでして、私ども、実は民間で働いてまいりまして、安全性と生産性という問題だとかいうことは大変矛盾をするようなことでございますけれども、日本の民間産業は全部それを克服してきているんですよ。安全性と生産性の問題も予算の問題もみんなが知恵を出し合って、そして取り組んできておるわけでございますが、いまの運輸大臣の考え方は、何はともあれ赤字を消すことが優先だ、それが終わってから、いま言うように百九十件から千八百件もある災害を考えようじゃないかと言う。ぼくは、これでは再建なんかとてもできっこないと思うのですが、どうでしょうか。皆さん、大分偉い方がお見えになりますが、私の意見は間違っておりますか。

塩川正十郎自由民主党運輸大臣

○塩川国務大臣 災害から守って安全を確保する、これはもう当然のことでございますから、私は、それは何遍も申し上げたとおりで、しかしながら現在の財政状況ではできないということを言っておるのでございます。しかしながら、その中においてでも、災害を重点に投資してきておる。また、現に安全を確認しながら、使用に耐えるものは使用してきておる、こういうぐあいに当局も言っておりますし、私は、当面そういう方針で臨み、そして再建と同時に、あるいはまた投資の配分というものを漸次安全対策に傾けていく、これは当然のことだと思っております。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 もう時間がありませんからあれでございますけれども、お話を聞けば聞くほど運輸省の考え方が全く間違っておるということを私は断定せざるを得ません。予算がないから安全は手の打ちようがない、こうおっしゃいましたね。そうじゃないんですよ。償却年数が過ぎたトンネルでもあるいは橋梁でも、国鉄の職員の協力を得る、そのかわりに、本当に国鉄の職員のモラルを上げていただくようないろいろな先行きの不安なことも消して、そして人間の体で事故の災害を未然に防ぐような対応を立てていく、あるいは地元の関連する市町村の方々にも協力を願って、国鉄の安全ということについても市民的な協力を得なければ、こんなものはなかなか解決しっこないですよ。そういう中で、下請の業界の方々も国鉄の財政ということを考えながら、それではいかに事前におれたちも知恵を出そうじゃないか、力を出そうじゃないかということから克服するわけでしょう。いまの大臣の考え方は、何はともあれとにかく赤字だけは消してくれよ、これは哲学も何にもないと思うんですよ。そういう考え方は、少なくともいまの日本の民間の人たちは、事安全あるいは災害ということについては持っていませんよ。だから、依然として国鉄再建法案を提案なさっておみえになりますけれども、従来どおりにただ数字だけをなくそうということですよ。だから後でしなければいかぬけれども、働く勤労者の方々、国鉄の各労働組合の方々に何にも相談しないんでしょう。青写真なんて何にも相談しないじゃないですか。地域の方々にだって、怒らせるだけの提案しかしていないわけですよ。協力を得るという体制がない。ここに問題があると私は思うのであります。  年金のことについても、実はこれは非常に重要なことで、働く職員の方々にとっては、将来展望として大変不安な問題があるわけでありまして、五十五年度の予算は、私は予算委員会でも国鉄の共済会の問題を取り上げたわけでございますが、大蔵に対して、いわゆる使用者側負担分の利子補給を申し入れても断られているという状況であります。来年度はどうしたって、これは無理な形でもいいから、大臣としては、利子補給についても大蔵当局にお願いをしなければいかぬと思うんですね。そして、一体将来の給付を悪くするのか、制限をするのか、制限をしなければ、どこかから持ってこなければしようがないわけですよ。というようなことを一面運輸省がやりながら、それを国鉄の職員が見ながら協力をしようということでなければだめだと私は思うのです。その年金のことについて一言だけ大臣の見解をお願いしたいと思います。

塩川正十郎自由民主党運輸大臣

○塩川国務大臣 いま大蔵省を中心といたしまして、この年金問題の研究会が持たれております。私たちといたしましては、やはり現在働いておられる方々が老後を安定するように当然努めるべきだと思うておりますし、それがために来年度におきます利子補給等につきましても、大蔵省に強く要請しておるところでございます。また年金の根本的な解決、これはやはり国鉄の再建と重要なかかわり合いを持っております。できるだけ早く結論を出してもらって安心した年金制度が確立するようにいたしたいと思うております。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 以上で終わります。

田中昭二公明党・国民会議

○田中委員長 次に、玉置一弥君。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 先ほどのお話をずっと聞いていますと、交通安全の面での取り組み方が非常に薄れてきている、特に再建ということに絡んで、財力からいってやはり手抜きになっているという感じを受けるわけでございます。特に今回の国鉄再建法案が出てから地方線問題が話題になりまして、そしていろいろな経過を聞いておりますと、本当に地方線、特に第三セクターあるいは各自治体として民間の鉄道業者、それぞれほとんど現在の国鉄といろいろな面での技術力の差がある、いい面、悪い面両方あると思います。そういう面から見て、特に地方線の問題で第三セクターに譲渡した場合、現在の国鉄が考えているような運行上の安全あるいは作業の安全とか、あるいは保線とか、そういう部分での安全性というものがどういうふうに変わってくるか、それをどういうふうにお考えになっていて、どういうふうに対処されるのか、それについてお聞きをしたいと思います。

山地進運輸省鉄道監督局長

○山地政府委員 第三セクターになりますと、これは法律上は地方鉄道線になるわけでございまして、この地方鉄道法の規定に合致するということがまず出てくるわけでございます。  そこで、地方鉄道法に基づいて認可を受けるわけでありますから、その認可までの間に地方鉄道法の規定に、いろいろ安全等も含めて合致する問題があるかどうかという判断がされて認可されるということが一つございます。  それから、地方鉄道事業者に第三セクターがなって今度その運行を始めるわけでございますけれども、それらについてはこの鉄道法に基づいて安全関係の保守だとか保安、そういったものについて規則に従ってやるということになるから、私どもとしては法規の励行という面を通じて安全の確保に尽力してまいりたい、かように考えておるわけでございまして、この際、いまおっしゃったように国鉄とそういった新しい地方鉄道業者との間の能力の差といいますか、あるいは経験の差というものについては、私どもとしては国鉄を通じ、あるいは国鉄の職員がそちらへ入る場合もあろうかと思いますけれども、いろいろな形で援助といいますか、指導に力を尽くしてまいりたい、かように考えております。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 先ほど同僚議員の方からお話ございましたように、やはり地方線、特にローカル線と言われているところについて非常に施設の老朽化あるいはレールでも非常に細いもの、小さいものですね、そういうものを使っている、そういうことが言えると思います。しかし、これ非常に心配しておりますのは、たとえば地方鉄道に移設をした場合に、現在本当のローカル線の地方鉄道といいますと大変貧相な設備を使っている、あるいは車両にしても。ところが、国鉄だと一応基準があってそれ以下には絶対にできない、そういう差が出てくるのですね。  そこで不思議なのは、地方線を切り離せば当然赤字は減るというふうに思われているわけでございますけれども、民間、たとえば第三セクターで出るような赤字について、逆に今度タッチできなくなるわけですね。助成金という形で出ますけれども、その内容について、安全面でどういうふうにしろとか、あるいはいまの基準が悪いではないかというような詰めが非常にやりにくくなる、そういうような気がするわけです。というのは、一般的に見て国鉄のローカル線と地方鉄道のローカル線といいますか、それを単純比較した場合に実感としてそういう感じを受けるわけです。確かにレベルの基準が違うのではないか、そういう気がするわけです。そこでもっていまの地方線を切り離したときに、安全上の問題というのはもし地方鉄道の地方線、民営の地方線で問題なければ逆に切り離さないでそこまで落とせば同じようなことができるのではないか、お金の面でも、安全上問題ないということであれば。そういう気がするのですけれども、それについてはどういうふうにお考えですか。

山地進運輸省鉄道監督局長

○山地政府委員 ただいま申し上げましたとおり、地方鉄道法に基づく安全ということを励行してまいりますので、私どもとしては地方鉄道と国鉄との間の安全性というものについては同じように保たれている、また保っていきたい、かように考えておるわけでございます。  それから、地方鉄道になってそういうふうに国鉄並みといいますか、そういったようなことをすればコストアップになるのじゃないかというようなお話ございましたけれども、国鉄でもいま草川先生のおっしゃるように、いろいろ地域の方の御協力を得ればそれなりにコストダウンというのはできるのかもしれませんが、地方鉄道、特に第三セクターで地元の御支持があって非常にそういうものを盛り上げていこうという場合には、地元の方々のいろいろな御協力というのが得られると思うわけでございます。現在の地方鉄道でも、ある例では、一人の人が、言ってみれば工作機械屋さんみたいな方がいて、何でもやってしまうというような方もおられるような話も聞くわけでございまして、そういう意味で安全の問題あるいは運行の問題あるいは切符の売り買いの問題、営業面でございますね。そういう面でもいろいろな御協力を得ていくことによって、国鉄ではなかなかなし得ないような人件費の節約といいますか合理化というようなものは、私としては十分期待できるのではないかと現在考えているわけでございます。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 運輸大臣にお聞きをいたしますけれども、今回の再建法案、これは国鉄自身がこれから自力でやるために回りを切り離していこうということでございますけれども、運輸政策上のいろいろな配慮をしていきたいというふうにいままで各委員会でいろいろおっしゃっておりまして、具体的にこれから国鉄再建に向けてのどういうふうな運輸政策上の配慮という内容をお持ちでございますか。

山地進運輸省鉄道監督局長

○山地政府委員 これは閣議了解に「運輸政策上の配慮」というのが入っているわけでございますが、鉄道の特性を生かせるようにというような修飾語がついていたかと思います。  そこで、国鉄が交通機関として国鉄の鉄道特性を生かすような配慮ということを考えますと、運賃制度面あるいは運輸関係の施設の整備の面あるいは各交通機関との競争条件を維持するための輸送秩序の確立というようなことが考えられるかと思うわけでございまして、運賃面で申し上げれば、東京−大阪の飛行機の運賃が、前は近くが賃率が安くて遠くが高いというような面もあったわけでございますけれども、これも何も国鉄だけの見地から直したものとは言えないと思うのですけれども、国鉄の運賃というものについても若干配慮したという例もございます。それから航空のローカル空港に対する増便の問題等についても航空当局とは私どもいろいろと話をして、一体そこにどういう旅客需要があるのかどうかということも御相談した例もございまして、各方面でいろいろ国鉄を取り巻く輸送環境についてきめ細かな配慮ということをやっておるわけでございます。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 ここ数年というよりも、もう相当長い期間国鉄のシェアが落ちる一方でございますね。いまお伺いしますと、秩序ある運賃体系とかいろいろなことが言われましたけれども、いままで長い間落ち込んできたのが、ただ単に政策上の配慮をしただけでそう簡単に上向いてこないというような気がするわけですね。  そこで一つお伺いをしたいのでございますけれども、たとえば現在このように国鉄の状態が悪くなったというのは、一つはやはり政治家に大変な責任がある、いわゆる政治路線、その問題があると思います。そして、いまの労使関係を見ても、全体から非常に勤労意欲を持たないといいますか、そういう方が多いように感じるわけですね。個人的に見れば非常によくやっておられるのですけれども、どうして全体でまとまるとそういうのが表へ出てくるのかちょっとわからないのですけれども、しかし実際は、国鉄社内の労使関係というものにもやはり問題があるというふうに思うわけです。  そこでまず、今回の国の責務と国鉄の責務というふうに言われておりますけれども、本来は運輸委員会であれですけれども、ここではひとつ明確に国の責務とは大体いまのところこういう問題である、そして国鉄の責務というのはこういう内容であるというふうな答弁をお願いしたいと思います。

塩川正十郎自由民主党運輸大臣

○塩川国務大臣 国の責務というのは、国鉄を指導し、監督しておるのでございますから、全面的にその責任はあると思うのでございますが、要するに独立企業として見た場合の国鉄、これに対する国の責務、これは公共性を国から要求しておりまする分に対してはやはり国が負担しなければならぬと思うております。  そこで、いろいろございましょうけれども、その一つの例といたしましては、不採算路線に対する国の助成をするとかあるいはまた施設に対する助成とか、いろいろございますけれども、要するに公共性を国が要求しておる分はやはり国の責任でこれをカバーしていくということが必要ではないかと思うております。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○高木説明員 今回の再建のブランの中では、私どもとして基本的な問題は国鉄の労使が現状を十分認識して、そして企業としてみずからの力でできるところまでやっていくということであろうかと思います。そのためにはやはり能率のいい経営といいますか、効率のいい経営といいますか、それを目さなければいけないわけでございまして、現在全体で四十二万の職員がおりますが、これを昭和六十年時点において三十五万人の人でいまの規模と同じだけの仕事をしていくことにしたい、そういうことで能率経営を図りますれば、先ほど来お話がございます幹線につきましてはわれわれ自身の手によって毎年毎年の収支は償っていけるようになる。それから外にはみ出した問題といいますか、いま大臣の答弁の表現では、公共的な役割りを持っている、その部分で収支の償えない部分という言い方をされておりますが、そうした部分であるとか、実は過去のいろいろないきさつで起こってくる問題、たとえば過去債務の処理の問題とか年金の処理の問題とか、そういう点についてはとうてい私ども幾らがんばりましてもそれも含めて収支を償うところまではまいりません。それらについては国の方にお願いいたしたいというふうに考えておるわけでございます。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 お話の中で、企業として運営をしていくという部分については国鉄の責務であるというお話でございますけれども、今回三十五万人体制という話、七万四千くらいの人が減るわけですけれども、非常に不思議なのは、三十五万人という数字がどこから出てきたのかというのがよくわからないのですね。普通であればいまの仕事量からして人がこれだけ要らないんだという話なのか、あるいは経営上このくらいの人数にしなければ採算がとれないということなのか、ちょっとお伺いしたいと思います。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○高木説明員 この三十五万人といいますのは、昨年の夏に私どもが国鉄再建の基本構想案というものをまとめまして、これを運輸大臣に提出いたしましたときに私どもの心構えとして立てた計画でございます。なぜ三十五万人という数が出てきたか、これは一つの目安としまして、昭和三十九年から私ども赤字になったわけですが、その赤字になる前の状態を見てみますと、収入と人件費の割合が大体五割ちょっと欠けるくらいで推移してまいりました。したがって、時代が違っておりますから、少し乱暴な議論になりますけれども、まず人件費と収入という一つのバロメーターを見まして、これを五割程度に抑えるということにすれば収支が償うはずではないかなということが一つ、それから現在、大手十四社の私鉄の数字をいろいろ見ますと、やはり収入と人件費の比率が五割をちょっと切っておるという状態でございます。そこで、私どもとしてはそういう指標から、何とかそれをそのくらいの数でやるようにしなければいかぬなということでございまして、具体的にどこの仕事に従事している人をどの程度減らせば七万四千という数になるかということは、昨年の秋以降ことしにかけましてずっと現在作業中でございます。しかし、これは何としても労使間で十分話し合いをした上でなければいけないわけでございますから、来年の春の段階でこの法律によります経営改善計画をまとめて提出いたしますまでには、いろいろとその辺のことにつきましても詰めていきたいと思っておりますが、現時点ではどのフィールドでどのくらい人を減らすかということは、作業中でございまして結論を得てないわけでございます。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 三十五万人体制についてはまた午後にお時間をいただいて詰めていきたいと思います。  大臣にお伺いしますけれども、特に今回、地方交通線という問題、自民党の内部でも若干異論がある、若干というかかなりあるみたいなんですけれども、そしてその他の野党の方でもかなり異論があるというお話を聞いておりますけれども、一つには、線路に対する愛着といいますか、国民性のなせるところから来ているのではないかというふうな気がするわけです。それと、やはり鉄道線路が取られますと非常にこれから不便になる。鉄道の場合には若干時間が遅くまで運行されておりますけれども、バス路線にしたら、安全性の問題どちらがという面から見ても、山間部とか若干危険度合いがあるということもありますし、また逆に、時間的に早く終わってしまうということもあると思います。そういういろいろな面を考えて、その特定地域についていま以上の不利益を生じさせないというようなお約束を、この委員会だけではなくて運輸委員会なりその他いろいろあると思いますけれども、そういうところでどういうふうに言われてきたか、またどういうふうにお考えになっているのか、お聞きしたいと思います。

塩川正十郎自由民主党運輸大臣

○塩川国務大臣 この法案に対しまして、自由民主党の中にも反対があるではないかというお説でございますが、自由民主党の中におきましては過去何遍もこの地方交通線問題が議論されてまいりまして、確かに総論においては賛成でございました。現在もさようでございます。各個別の問題になってまいりますとそれぞれ意見のあることは当然でございますが、しかしながら、いま自由民主党内におきますコンセンサスは、国鉄を再建する一つのきっかけとしてこの法案が総合性を持たれておる、この法案の中に盛られておりますのは、一つは国鉄が改善計画を提出しそれを実行するということでございますし、また一つは国が債務負担を明確にするということでもございますし、それとあわせて、国鉄自身がやはり自分の努力の範囲内においての営業を可能にするようにする、こういうことがセットになっております。したがいまして、この法案に対しまして自由民主党内においては全員賛成ということに相なっておるわけであります。  つきましては、この法案が成立いたしました後、政令を定め、そしてそれを実施していく段階で、私は非常に困難な問題は多々あると思います。けれども、そのことがかえってそれぞれの地域における交通体制と申しましょうか一地域交通体制というものが本当に地元の交通として考え直され、またそれが整備されていく一つのきっかけにもなっていくと思うのであります。今日、そういう地域が道路なりあるいは港湾その他いろいろな条件を見まして相当変革をしてまいりました。その変革に合わせた新しい交通体制というものがしかれていき、そしてまたそれが地域の発展に直接つながっていくようなことになっていくように私たちは期待しておるわけでございまして、そういうことを可能ならしめるためにも、これから地域の交通というものに対しましての運輸省並びに政府の全体の取り組みというものは重要な責務であると思いますし、政府も一体となって、これはただ単に地方自治体あるいは運輸省間における、あるいは国鉄との関係というものではなくして、政府が全体として取り組まなければならぬ問題だと思うております。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 時間が参りましたので午後の時間にしたいと思いますけれども、運輸大臣は午前中だけというふうにお聞きしておりますので、ぜひともこれから、再建法案を練っておられるときに、お金がないから安全面で簡便にするというようなことではなく、むしろ安全を落とさないでお金を落とす、そういう方面に目を向けていただきたい、かように思います。  あとは午後からまた質問します。ありがとうございました。

田中昭二公明党・国民会議

○田中委員長 次に、中路雅弘君。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 質問の時間が二十分と限られていますし、大臣がたしか一時から御用事だそうなので、一時になったらあとの分は大臣結構ですから。  最初一、二問、具体的な問題に入る前に御質問しておきたいんですが、特に国民本位の総合的な交通運輸体系を確立するという点で、国民生活の利便、それから安全と効率あるいはエネルギー消費の抑制とか、国土のつり合いのとれた文字どおり発展という総合的見地から見ていかなければならないと私は思います。特にこの国鉄再建という問題を大蔵省の出しました今度の「歳出百科」を見ましても、在来路線の再建策として今度のローカル線廃止というのが最後のものだというようなことで強調されているのですが、こうした財政収支の均衡を目指すという、これも重要なんですが、立場だけ強力に推していくということが本当の意味で国鉄の再建になるのか、国鉄の公共機関としての使命を、端的に言えば放棄してしまうのではないかという危惧を持つわけですが、最初に大臣にその点についてお伺いしたいと思います。

塩川正十郎自由民主党運輸大臣

○塩川国務大臣 現在議論されておりますように、国鉄の総営業線数のうち約六割近くは幹線として依然として継続して経営してまいりますし、また地方線につきましてもこれを維持していこうという方針でございますし、問題は、特定地方交通線という特定された路線の問題でございますが、そういうことを見ましたら、国鉄が依然として国の基幹的交通機関であるという実態には私は大きい変化はない。ただし、その特定地方交通線がいろいろと生活と密着しておりますだけに、これの事後処理につきましては非常に重要な問題があるということは認識いたしております。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 いまおっしゃったこの対象になっている地方交通線の事後処理に関連した問題ですけれども、これの廃止による、バスを初めとした自動車輸送への転換ということが問題になるわけですが、概数でいいんですが、お考えになっている自動車輸送への転換の対象になる旅客の年間の輸送人キロ及び貨物の年間の輸送トンキロというのはどの程度考えられておるのか、おわかりになりますか。

加賀山朝雄日本国有鉄道常務理事

○加賀山説明員 現在の段階でまだはっきり政令で基準がまとまりませんので、きわめて精細な数字というものはつかめない状態でございます。ただ一応二千人以下というような基準が一つのあれで出ておりますので、およそその程度の線をごくアバウトで推定をいたしますと、旅客が大体十四億人キロ、貨物が三億トンキロくらいでございます。国鉄全体の輸送率に占める比率は大体〇・七%くらいという感じでございます。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 その際のバス、トラックその他自動車輸送に転換した場合の、バス、トラックそれぞれの車両数というのは大体どの程度とやはり概算で考えておられますか。

加賀山朝雄日本国有鉄道常務理事

○加賀山説明員 これは、ただいま申し上げました数量を平均的にどのようなあれで割るかということは大変むずかしい問題でございますが、乗車効率の問題等もございまして、単に輸送量からだけではなかなか数字がつかみにくいという形でございます。(中路委員「本当に平均でやってみるとどうですか」と呼ぶ)  平均でいたしますと、大体バスにしたらそれだけのところでまあ千四百台ぐらい、トラックならば十一トントラックで考えますと七百台ぐらいという感じではないかと思います。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 交通安全という側面から見ますと、私も国鉄の出された最近の、七九年の「国鉄の現状」というパンフレットを読ましていただいたのですが、その中に「鉄道輸送の特性」という中で、特に「安全な輸送」ということが冒頭に鉄道の優位性ということで挙げられています。「安全な輸送」「正確な輸送」「省エネルギー」等の点が挙げられていますが、「安全な輸送」というところで「国鉄は自動車の一五〇〇倍、航空機の六〇倍と、きわめて高い安全性を誇っています。」と述べていまして、「各運輸機関の事故率」についての表が掲げられていますが、この「国鉄は自動車の一五〇〇倍、航空機の六〇倍」という高い安全性という数値の算出の根拠だけ、ひとつ簡潔に教えておいていただきたい。

藤田義人日本国有鉄道常務理事

○藤田説明員 ただいまの御質問の「鉄道輸送の特性」で「安全な輸送」ということで表が出ておりますが、この中で先生おわかりのように国鉄、私鉄は、いわゆる輸送量億人キロということで同じようなレベルではかれますが、自動車の場合に人キロだけじゃなくて、トラックがございますので、そういうことで同じ物差しで見るということが非常にむずかしゅうございますが、ここの表にありますように、いわゆる人キロで輸送量を見ておる。輸送量は運輸白書からとっておりまして、期間は昭和四十三年から昭和五十二年までの十年間でとっております。  後の死亡者数でございますが、国鉄につきましては、いわゆる部内資料、運転事故、運転阻害の概況という中からこの数字をとっておりまして、列車事故による死亡者数を出しております。私鉄も大体同じような物差しで見ております。  自動車につきましては、同じ期間にございます死亡者数全体の中から、いわゆる車両の運転者が主原因になって事故を起こしているケースが約九五%ございますので、全死亡者数の九五%で十二万八千という死亡者数が出ております。いろいろとそういうような同じ物差しにする中身の整理をいたしまして、この数字を出しておるということでございます。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 私は、いまこの数字の根拠もお聞きしたのですが、先ほど本当に平均で出されたのですが、たとえば転換した場合に、バスで千四百台、十一トントラックで七百台、これでも相当な数になるわけですね。国鉄自身が、この表でもいまいろいろ統計を使って一応試算をされているのを見ても、最初に言われている国鉄が自動車の千五百倍、航空機の六十倍の高い安全性を持っているということが述べられているわけですけれども、交通災害あるいは公害の発生の増加という観点からも、こうした問題はよほどこういう観点も含めて慎重に検討していかないと、この転換がさらに新しい交通の災害やそうした障害の、公害を含めて要因にもなってくるわけですから、改めてこうした問題についての検討も要望しておきたいというふうに思います。  限られていますので、私はこれと関連して国鉄で新しく発生している問題で具体的にお聞きしたいのです。  これは先日運輸大臣も参加をしていただきました十月一日からの、長い間かかって行われて開通しました横須賀線と東海道線の分離運転の問題ですが、これは首都圏の特に通勤ラッシュの混雑緩和ということを目指して、これまで相当の費用もかけてやられてきたわけです。これが運転されてからちょうど一カ月たっているのですが、一般新聞やあるいは新聞の投書欄にもこの問題についていま大変たくさんの意見が寄せられているわけなんです。  その一つの問題は、分離をしたけれども東海道線の方がまだ大変な混雑が続いているということで、このこともありまして、先日国鉄が十三日から十五日までですか通勤ラッシュの調査をされまして、私も資料をいただいておりますので、お答え願うよりも、こちらでいただいた資料で読んでみますと、この十三日から十五日までの特別調査による一日平均ということで、特に通勤時間帯、たとえば七時半から八時半をとりますと、改正前、十月一日前は二九一%という大変なパーセントだったのですが、それが少し落ちますけれども二五六%になっているとか、横須賀線の方は三一一%から二二二%と相当緩和になっているのですね。しかし東海道線の方は、乗車人員で見ましても、この一時間の間に四万七千八百人から今度は五万七千七百人と、逆に一万人もふえているわけです。  これはよく事情を聞きますと、逆に横須賀線から今度は東海道線に乗り移っちゃうというお客も大分ふえているというのですね。これは横須賀線が新川崎を回ってきますから、これだけでも時間がいままでよりも五分、六分延びる。それから総武線と続きましたので東京駅の地下五階へ入ってしまいますから、上がってくるだけでも五分ぐらいかかるので、合わせて十分以上いままでよりも時間がかかるというので、朝の通勤時間の十分というのは通勤者にとっては大変な時間ですから、戸塚や横浜で乗りかえても東海道に乗るということで、逆に大変込むわけなんですね。少し減ったといっても、二五六%というのは、別の資料で、五十四年度の国有鉄道監査報告書の東京付近の主要線区における混雑状況あるいは大阪付近の主要線区における混雑状況を見ますと、トップクラスなんですね、どこの線区を見ても。だから、混雑緩和を旗印にやられた、大変なお金もかけて、年数もかけてやられたこの分離が、東海道線を見ますとそれがほとんど役立っていない。まだトップクラスの混雑の状態をいま示しているというのが現状だと思うのですが、ひとつこの問題について対応を考えなければいけないのじゃないかと思うのですね。今後これについてどう対応されるのか。あるいは車両をさらに増車される、そういうことの検討もされるのかということが一点。  それからさしあたっての問題で、前より込んでいるという投書の方が多いのですね。率では少し減っているけれども、みんなそういうふうに感じられるのはなぜかと思いましたら、四本ふやされた車両が急行列車用の車両ですから、全部二つドアなんですね。二つドアというのは通勤時間に大変ですから、みんな入り口にかたまっていますから、いままでよりも一層込んだという投書や意見が出るのだろうと思うのですね。さしあたってこの通勤列車に、どういう運用かよくわかりませんけれども、急行列車用のツードアの車両を増発するというのは改めないと、これは対応としても大変まずいのじゃないかというふうに思うのですが、この問題についてまとめてひとつお考えをお聞きしたい。

吉武秀夫日本国有鉄道常務理事

○吉武説明員 十月一日にダイヤ改正をやりまして、ただいま先生が詳しくお述べになったとおりでございまして、現在のところ、三日間の調査では東海道線が二五六%、横須賀線は二一三%という結果が出ております。  東海道線につきましては四本と横須賀線について三本増発したわけでありますので、この線はいままで複線であったのが複々線になったわけでありまして、サービスとしてその倍の線路容量に対して七本ふやしたということでありますので、そこにお客様の選択もございまして、どうもこの結果から見ますと、一つは一時間の集中率が若干高くなったということと、それから横須賀線よりも東海道線の選択が少し強くなった、こういうかっこうだろうと思います。同じようなケースで、中央線の快速と緩行の場合も大体似たような感じでありまして、やはり快速の方が若干時間が早いということもありますものですから、先ほどお示しになりました監査報告書の場合でも、現在中央線が五十四年で二五九%となっておりますが、これが緩行の場合には二〇〇%を切っておるということで、お客様としては二つある場合にはそういった選択がありますので、東海道は確かにこういう形ですが、以前のように三〇〇%とかいう状態でしたら、選択の余地なくどっちかに乗らなければいかぬということでありますので、こういうことが起ったのではないかと思います。  そこで、二五六%というのはかなり高いじゃないかというようなお話でございますが、この数値自身は余り低い数値ではないと思います。ただ、これが三日間だけの統計であるということもありますし、いま、十月一日から増発を行ったばかりでありますので、もうちょっと数値が安定したところといいますか、少し時間も短いものですから、利用の実態というものをもう少し見きわめてみませんと、どういうふうに対策を打っていいのかということも決められませんので、もうちょっと時間をかけて推移を見守りたいと思います。  なお、二つドアの電車がこの間の増強にはみんな入っておるのではないかというお話ですが、さようなことはありませんで、二つドアも、急行の電車に使うというものを通勤時間に使っていますが、その二つドアを使っています時間の幅といいますか、そういったものも、いまと比べてそれほど多いというわけではありませんので、ここで増発したものにつきましては大体三つドアの従来の快速電車の形で増発しておるということでございます。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 もう一点だけいまの点で……。さらにもう少し調査をしてみるということですが、これが私は逆に横須賀線の方に行くとはとうてい考えられないですね。逆にふえる可能性が強いわけですから。今後もこうした状態が続いた場合に、将来また本数の増発ということも検討されるのかどうかということと、七時から三十分間余りの間に二つドアの急行用の列車は四本入っているんですよ。その点はやはりもう一度検討していただきたいということ、簡単でいいのですが、一言もう一度……。将来さらにこういう混雑が続いた場合に、東海道線について何らかの対応策をやはり考えざるを得ないと思うのですが。

吉武秀夫日本国有鉄道常務理事

○吉武説明員 これは継続的にどんどんお客様がふえて混雑するということになれば、仰せのとおり考えていかなくてはいかぬと思います。  それから、いまの二つドアの電車が七時から四本とおっしゃいましたが、ラッシュにかかる時間帯で言いますと、そこの間には二本、それからラッシュ前の比較的すいておるところに二本というようなかっこうで入っております。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 二つドアについてはぜひもう一度検討していただきたい。総裁もおられますから、お願いをしておきたいのですが——うなずいておられますから、一度検討していただきたいと思います。  時間が限られていますから、もう一点。この分離の問題ですね。もう一つ大変な問題が起きているのは、新しく横須賀線の方ですね。これの振動公害問題が、走った途端から周辺の住民の皆さんから大変な苦情が寄せられている。川崎市の公害局もこういった苦情が大変殺到していますので、十月二十日に騒音調査をやっております。詳細のデータというのはいま整理中で、月末にならないとまとまりませんけども、一部を見ますと、特に中原区、川崎市の市ノ坪とかこういうあたりは八十ホンから九十ホンという数値です。これは五つの個所、五ポイントで調査したものを見ていますし、お話で聞きますと、やはり東京の品川、大田の方でも問題になっていまして、これは民間の方ですが、調査をされたのを聞きますと、荏原付近で九十六ホンというのが出ているわけなんです。先日来新しく通った横須賀線と新幹線、それから貨物線が並行している個所が川崎の中原区にあるのですが、この地域の新幹線については、住民の皆さんの要望で補償だとかあるいは振動、騒音対策というのはいま進行している最中なんですが、同じ並行している個所で、片方は対策をやっている。そこへ今度は、それ以上の振動列車が通るということですね。在来線ですが、ひとつこの問題については、きょうどうするということまでいかないと思うのですが、国鉄として一度、自治体に任さないで、公害の実態調査を至急にして、それについての対策を検討していただくということだけお約束をしていただきたいと思うのです。総裁がおられるからあれですが、いかがですか。

半谷哲夫日本国有鉄道常務理事

○半谷説明員 お答え申し上げます。  実は先生御承知だと思いますが、品鶴線に、いままで貨物線が走ったところに電車が入るということで、事前に各自治体の方々を窓口にいたしましていろいろ御相談申し上げて手を打ったわけでございます。主なものを申し上げますと、鉄げたをコンクリートげたにかえるというようなこと、あるいは防音壁をつくるというようなこと、あるいはレールを重くする、まくら木をかえるというような対策を打ったわけでございますが、実際走り出しましてから、私どもの方にも相当の苦情のお電話等をいただいております。いまそれぞれの自治体とも御相談し、騒音、振動の実情等調査いたしておりますが、できるだけ私どもの方でも対策を打っていきたいということで、現在手当てをしているものもありますし、中には技術的に非常にむずかしいものがございますので、それらについてはいま技術的な検討を続けているということでございます。決していまのままで何も手を打たないということではございませんので、それだけ御答弁申し上げます。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 時間が来ましたので、これで終わりますが、ひとつ対策についてはぜひ具体的にやっていただきたい。  最後に一問だけ済みません、これ一問で終わりますが、先日やはり混雑緩和の問題で、川崎市、県を含めて、国鉄も入っていますが、神奈川県輸送力増強促進会議というのがありますが、これから数年来要望のありました南武線の登戸駅と溝ノ口の駅の混雑緩和についての対策で、登戸については、先日跨線橋、ホームを拡幅するということを中心にしました具体的な対策が国鉄の方から示されました。しかしそれ以上に、きょうは具体的な状況の説明は省略しますけれども、大変なのは、溝ノ口の副都心と言われている地域ですが、登戸と同じような改善が必要だと私は思いますし、市の方からもたびたび裏口改札等の設置の要望も出ていますが、とりあえず一番問題なのは、改札口が大変極端に狭いというのが問題なので、この改札口を広げる——ラッシュ時には、おりるんじゃなくて乗車する側だけで五万人近い人たちがある駅ですから、改札口だけ広げるというような何か緊急策でもやらなければいけないんじゃないかと思うのですが、どのようにお考えなのかお答え願って、これで終わりたいと思います。

半谷哲夫日本国有鉄道常務理事

○半谷説明員 ただいまお話のございました登戸につきましては、処置をする方向を決めたわけでありますが、溝ノ口も御指摘のように、乗降人員が最近非常にふえてきたところでございます。それで、かねてこの対策もいろいろ要望があるところでありますが、実は川崎市がこの武蔵溝ノ口駅付近を中心にいたしまして高架化事業を計画調査ということで、高架化事業の調査をこの二年ほどで実施するということになりまして、国鉄もそれに協力してきたわけでございます。そうなりますと、もしこの高架化が実施されるということになりますと、いまの形が基本的に変わってくるわけでございまして、この高架化事業の推移というものが、実は今回手を打つかどうかということにつきましても非常に大きなポイントになるわけでございます。この調査の結果も近くまとまると思うのでありますが、その動向を見ながら対策を考えていきたいというふうに考えております。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 終わります。

田中昭二公明党・国民会議

○田中委員長 午後二時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午後一時十分休憩      ————◇—————     午後二時二分開議

田中昭二公明党・国民会議

○田中委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。永井孝信君。

永井孝信日本社会党

○永井委員 午前中に引き続いて御質問申し上げます。  午前中の質疑の最後に、私の質問時間が足らなかったものですから途中で終わってしまったのでありますが、もう一度繰り返しますと、この再建法案なるものの第九条で定めている地方交通線を廃止する場合に地方に対策協議会を組織する、何か話を聞いていると、この対策協議会で意見を聞くことが結果として民意をすべてくみ上げることになると理解できるような大臣の答弁で終わったわけですね。大臣の答弁は本当に簡単な一言で、十分民意を聞きますということで終わってしまったのですが、私の質問をした真意というのは、国の出先機関の長、地方公共団体の代表などで構成するということだけで民意を反映することになるのか、あるいは学識経験者から意見を聞くことができるというただし書き的なものに終わってしまっているけれども、本当はもっと地域の住民の声を直接聞くようなことを考えていくべきではないのかということがまず第一点ですね。  第二点目は、この対策協議会というのが、廃止する前提で協議を求めるということになるのなら、結果として民意が生かされないということになってしまう。だから、この二年間で見切り発車ということではなくて、実際にその対象となる線をその他の交通実態とあわせて考えてみて是か非かということから始めて協議にのせるということでないと本当のものにならぬという気がしますので、これについては、大臣おりませんけれども、監督局長の方から再度お答えをいただきたいと思います。

山地進運輸省鉄道監督局長

○山地政府委員 まず第一問の民意をくみ上げるという点でございますけれども、この九条の第二項に「関係地方公共団体の長又はその指名する職員」というような規定が、まず会議のメンバーとして出ているわけで、これは御答弁申し上げましたとおり、その関係、その線路が通る駅のあるところとかあるいは利用者の非常に多い市町村の方に入っていただくという意味では、利用者の方方、その地域の方々を代表する方であるという点で、私どもとしては十分いろいろな御意見を承ることができる、かように考えております。  それからもう一つ、実際の生の声を聞くべきでないかということでございますが、この規定にはそういう規定はございませんけれども、もちろん協議会をされるときにそういう御意見をお聞きになるということが実際上はあって差し支えない話であろうと考えております。  それから、第九条の協議会がそもそも廃止を前提にしてやるということの是非でございますが、地方交通線について私どもの考えておりますのは、地方における効率的な輸送体系という見地からこの地方交通線問題というのを取り上げていく。これは過去の地方交通線におけるわれわれの持っておりますいろいろな歴史から考えて、国鉄の責任を何とか免除していただきたいと思いますし、地方の効率的な輸送体系というのは、いまの道路の発達状況から考えて実現可能だと考えております。  そういうことで、現在でも日本国有鉄道法で廃止ということは法律的にはできるわけでございますけれども、それができなかったのは、やはりこういつたことについて国の方で方針を決めていくということがまず大事であろうと考えて、今回の法律で、政令に委任はしてございますけれども、方針を決めて廃止ということに踏み切っていく。ただしいまのような地元の地域の効率的な輸送体系というものについては、十分いろいろの御意見を聞いて皆さんの御希望に沿ったような形で輸送体系を整えていく、かように考えておるわけでございます。

永井孝信日本社会党

○永井委員 重ねて御質問申し上げるのですが、これまた大臣の答弁で、私の質問に対しまして、地方の自治体が鉄道を活用することに十分な熱意と意思があれば、政府としても十分にこれは協力していきたい、その場合に第三セクターということを考えていきたい、そして国鉄にすべて責任を持ってもらわなくては困るということでは困るのだ、こういう意味の御答弁だったわけですね。  全国にたくさん地方交通線があるのですから、それを総花的に抽象論で終わってしまってもいけませんので、具体的な問題で私は聞いていきたいと思うのです。  私の地元に、山陽本線から福知山線に延びている加古川線というのがございます。加古川線が一本の幹になっておって、ちょうど木で言うと枝が生えているような形で、行きどまりの盲腸線と言われる線が各自治体の中に入り込んでいるわけです。この線は、実は昔は播丹鉄道と言って、民間の鉄道だったのです。昭和十八年に時の国家が国政を進める上においてぜひ必要だということで、強引に買い上げてしまったのです。播丹鉄道ができた当時というのは、郷土の鉄道をつくろうということで地域の人たちが土地を提供しいろいろな労力を提供してつくった本当の郷土の鉄道だったわけです。これを昭和十八年に買い上げて国鉄になって、そしていま、簡単な言葉で言えば、いまは国が経営するについてはうまくいかなくなったから、もう一度場合によっては地方自治体が協力してくれるのなら第三セクターでと、こういうことになっていくわけですね。実際の郷土の人情あるいはその地域の実態からいって、こういうやり方ではコンセンサスを得ることができないのではないか、こう思いますので、まず初めにそれについてちょっとお答えいただきたいと思います。

山地進運輸省鉄道監督局長

○山地政府委員 十八年の当時どういう理由で買い上げたかということについて私存じ上げませんので、あるいはその点については見当違いなことを申し上げるかもしれませんが、元来日本の鉄道というのは、鉄道国有化法というのがございまして、国鉄が全体的に運営する、地方の用に供するものについてはこの限りでないということで私鉄があるわけでございますね。それで、国鉄が今後鉄道としてやっていかなければならない分野とそうじゃない分野とを国鉄の公共性ということで、地方交通線というものについてもこれまで一つには都市部における利益というものと、全体的に、内部補助と申しますけれども、内部負担という形で、そういったことで維持してきたのですけれども、今後はとてもそれまで持てなくなっているということで、いま播丹鉄道のお話ございましたように、むしろこれは地域で維持をするということについて御決意いただくならば、それは皆さんの相当な努力によって、言ってみれば安上がりな運用といいますか、効率的な運用というのも可能じゃないだろうかということに、現在私どもとしてはまたもとへ戻っている感じでございます。まあ、いまでも私鉄で皆さんの周りの利用者の方のサポートによりまして相当の成績を上げている、本来なら赤字になるものが赤字にならないでもっている。つまり、これは自分の鉄道なんだという、言ってみればいまの地方の参加というような形の鉄道ということで維持せざるを得ないんじゃないだろうかなと思って、第三セクターということを法文上も明記してあるわけでございます。

永井孝信日本社会党

○永井委員 いまのこの国鉄法からいって、いま監督局長の言われておること、これは法的にはわかるんですよ。私が申し上げているのは、かつては民営鉄道であったものを国鉄が、国鉄というより当時は国だったんでしょうけれども、国自体の政策によってこれを強制的に買収した。そのもともとの民営鉄道というのは、地元民の熱意でつくった鉄道だった。それを国鉄が三十七年間にわたって経営をしてきた。それをいまだめだからもとへ返しますということで、本当に住民に納得してもらえるのかという問題があるわけですよ。午前中に私が質問しましたように、鉄道建設公団の手でいわゆる政治路線であるとか赤字路線というものが次々建設されていくという問題もまだ残っていますけれども、私が言っているこの具体的な例で言えば、強制的に買い上げたわけだから、それを今度都合が悪くなったからもう一回皆さん方でどうぞという開き直りは好ましいやり方ではないのではないかということを私はお聞きしておるのです。  そこで、実はいま私が申し上げました具体的な例の加古川線及びその支線の関係についてお聞きをしてみたいと思うのでありますが、国鉄の営業近代化というものがずっと進められてきまして、このいま該当している加古川線沿線でも営業近代化が進められてきた。いまから七年前に具体的に営業近代化をするということが決まって発足したわけですね。その当時、実は大変なことがあったわけですよ。たとえば地域の奥さん方が、この線路を取っ払ってしまわれたら困るというようなこともあって、自発的に線路に座り込んでしまって、警察の手によって逮捕される、ゴボウ抜きされるという問題まで起こした経過があるわけですよ、七年前に。これは当時の国鉄のやり方がよかったか悪かったか、地域の対応がよかったか悪かったかという原因はさておいて、そういう具体的な地域における大変な問題が生じたという事実だけは、これはどう言ってもぬぐい切れない経過があるわけですよ。  私、午前中もちょっと触れかけたのですが、その経過の中で、自治体が何とかしてこの地域に密着した地方交通線として発展をさせてもらいたいという熱意で、当時の関係当局との間にいろいろな面で折衝がされてきたのです。この近代化がされる一年も一年半も前からずっと、自治体がそれぞれ個々にはやる、あるいは連携をとりながらやるということで、ずいぶん国鉄当局とも話し合いを持たれてきているのです。その中では決して無理なことを言っていないのですね。地方交通線というものが地域に密着していて生活基盤を支える最低限の条件になっている、これをさらに活用するためには自治体も協力します、切るべきものは身銭を切ってでも協力しますというようなことまで折衝の過程であったわけですよ。そういう経過があって近代化が施行された、それがいまのこの時点で、新しく法律をつくって改めて対象にして切り捨てるかもわからないという状況になってきた、これとの関連で国鉄当局としてはこの問題についてどうお考えになるかちょっとお聞きしたいと思うのです。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○高木説明員 ただいまお話がございました加古川の問題でございますけれども、これは当時からいろいろな意味で論議が闘わされ、またいろいろとお約束事のようなものができておるということは私も報告を受けております。ただ、そうした問題につきましては、実は加古川線も一つの典型的な例ではございますが、ほかの地域においても決して問題ないわけではないわけでございまして、各地域にそれぞれ特殊な悩みといいますか、またそれと同時にいきさつを持っておるわけでございます。そうした経過から、ずっと前から諮問委員会等から御意見があって、できれば国鉄自身の手によってある程度バスへの転換をやらせていただきたいということで今日まで来たわけでございますが、やはりそうした地域の問題等がそれぞれありますので、現実にはそういう施策が進まないという状態のままで今日に至っておるわけでございます。  そこで、今回はいままでと少し形を変えて、政府にもこの問題に直接タッチしていただく。国鉄だけではなかなか御理解を得ることがむずかしいし、また午前中もいろいろお話がございましたように、各省行政とのつながりが非常にあるわけでございますので、私ども国鉄だけの手ではなかなかそれを進めることに無理があるということで、各省各庁の御協力を得ながらやっていく、また地域の方々の御意見も十分聞きながらやっていくという形に変えたわけでございます。いろいろな地域について、それぞれ過去からのいきさつの問題がありますけれども、この際としては、その後の事情の変化もありますので、また改めてお願いをしなければならぬと考えておるわけでございます。

永井孝信日本社会党

○永井委員 私がこのことをあえて申し上げているのは、何回も繰り返すようで恐縮でございますけれども、閣議了解事項の中にも民意を十分反映する、こういうことがうたわれておりますし、あるいはこの法案の条文の中にも、そのことを十分生かしながら対応していくという趣旨のことが盛り込まれているわけです。大臣も繰り返しそのことを言われている。だから私は聞いているのです。  すべてを御紹介するわけにいきませんけれども、たとえば具体的な例をちょっと……。いま総裁が言われたように、各線においてそれぞれ特徴があるのですよ。私は全部はつまびらかではありませんが、地域の特徴に合わせて対応するということは、廃止するかどうかという具体的な結論はさておいても、大臣も答弁されているわけです。たとえば、私がいま具体的な例で言っている中に、七年前に近代化をするときに、いま申し上げたように大変な住民運動が起きた。奥さん方が逮捕されるという状況まで起きた。そういう中で、地域の皆さんに納得をしてほしいということで、播磨臨海工業地帯の通勤圏であって、沿線人口も多く、将来的にも開発が十分に期待される、したがってこれからは都市近郊旅客線として新しく位置づけて、これにふさわしい営業施策をとっていきますということを文書でちゃんと地方に明らかにしているわけです。そして、この関係の自治体が六市五町あるのですが、この十一自治体に対して、それぞれ文書でずっと基本的な態度というものを明らかにしておるのです。そういう趣旨に沿ってこれから近代化を進めていく中で、さらにこの地域の皆さんの御要望にこたえるような立場で進めていきたい、こういう幾つかの経過があるわけです。この経過がそのときの条件であって、いまの条件に適応しないと言われてしまえばそれまでかもしれませんが、地域の住民にすればそういう経過があるだけに、ここはちゃんとうまくやってくれるだろうという期待感を持つのは私は無理もないことだと思う。そういうことについて、いままでの経過を完全に無視するというのではなく、その経過があるだけに、民意を反映するという中では、さらに十分なそういう経過を踏まえた中で検討するということがあっていいのではないか。これは他の線区に同じような例があるかもしれません。私は、わかりやすくするために具体的な例として申し上げているのであって、いまから七年前の約束事というものが余りにも深く地域の住民に浸透し切っていますよ、ということをここで重ねて申し上げておきたいと思うのです。そういうことを踏まえながら、民意をくむという立場で十分な検討を加えてもらいたい、こう考えますので、そういう基本的な態度のあり方についてちょっと御答弁を願いたいと思います。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○高木説明員 これは政令が出されまして、そして政令に基づいて基準に当てはめるとどこの線区が該当するかということがはっきりしてくるわけでございます。そうしました場合に、どうやって具体的に地域の方々と協議会の場を通じてお話を進めていくかということについては、恐らく各地域ごとに非常に事情が違ってくるのではないかというふうに考えております。  それで、何よりもまず地域の住民の方々が持っていらっしゃる国鉄に対するもろもろの感覚といいますか、感情といいますか、そういうものを解きほぐさなければいけませんし、また国鉄自身が持っている悩みというものも聞いていただかなければいけないわけでございまして、そうしたものの積み重ねの結果どういうことになっていくかというのを各線区ごとにといいますか、一つの協議会ごとにとり進めてまいるつもりでございまして、これは法律自体なかなかむずかしい法律でございますけれども、今度法律ができました後も実際に実施に当たりますことについては、それぞれ非常に問題があるだろうということはいまから痛感をいたしておるわけでございます。私ども長い間こうした問題に今日まで取り組んでまいりましたので、いろいろ経験を積み重ねておりますが、その経験からいいましても、決して簡単に物事が進むものではないと考えております。誠心誠意皆様とお話し合いをするということの中から、何か解決点を見つけていくべきではないかというふうに考えております。

永井孝信日本社会党

○永井委員 私がそういう具体的な例を取り上げておりますことは、そういう経緯を踏まえて地域の方々と十分協議をしていくという態度で臨んでいただきたいということで、強く要望しておきます。  そうして、これも一つの例でありますが、できるだけたくさんの方々に利用してもらおうということで、ダイヤ改正なんかのときにもそれぞれ国鉄当局が地域の要望を聞くという、これは全国的にやられておるのであります。この私が具体的な例を申し上げておる線区では、自治体が要望したダイヤ改正ではなくて、極端な例でありますが、いままで通勤通学に間に合っておった時間に十四分もおくれてしまって、今度は間に合わなくなった。やむなく、通学する生徒が親に無理にねだってバイクを買うとか、そういうことがずいぶん起きてきているわけですよ。だから、悪く言えば、これはお客さんが利用しにくくなるようにしておいて切り捨てるのか、そういう気持ちさえ地域の方は持っているわけであります。そういう問題はこれからの検討の中でやってもらうことにいたしまして、そういうことのダイヤの不便さというものが、結果として代替の輸送機関に移っていくという、このことが具体的に線路を取っ払ってバスに置きかえるということ以前の問題として現実に起きてきているわけですよ。  私は、交通安全という立場から、いま申し上げている加古川線沿線のことをちょっと調べてみたのですが、加古川線の隣に百七十五号線という国道が走っておるのです。道路の幅員が五・五メートルから七・五メートルの間に相当する二級国道というのですか、そういう国道でありますが、正直申し上げて南北には国道がこの線一本しかないのですよ。東西には高速道路も含めてたくさん大きなりっぱな道路があるのですけれども、南北にはこの線一本しかない。この一本の自動車の利用状況というのは、もちろんモータリゼーションの関係もあるのでありましょうが、年ごとに利用台数がふえてきた。いま自動車の通行量が平均的に一万五千台を超えておるわけですよ。これがほとんどラッシュ時間帯に集中する。だから慢性的な麻痺状態で、地域の神姫バスというバスが走っておるのですが、このバスもダイヤどおりに走れない、走れないからお客さんはあてにできないので乗らない、乗らないから神姫バスもなかなか経営が苦しい、そのために自治体が補助金を出す、こういうことまで現実に起きてきておるわけです。こういう状態の中で、では交通事故はどうか、こう調べてみると、これまた比例いたしましてずっと事故件数がふえてきた。この百七十五号線だけで最近では四百件を超える交通事故が起きているわけです。わずか四十キロの距離の間に四百件を超える交通事故が発生している。死亡事故もずっとふえてきた。そういう状況から考えて、単にバスに置きかえるということだけで済むのか。あるいはいまでも地元の人たちが乗る運動を盛んにやっていまして、自治体は自治体で職員に国鉄を利用して通勤しなさいという通達を出している。地場産業の事業主には国鉄を利用してくださいという行政指導を強める。学校には遠足やあらゆる問題でも全部国鉄を利用するような要請をして、教育委員会も先頭に立って国鉄に乗ろうという運動をやっているわけです。そういう環境の中でもなおかつこれだけ交通量がふえてきた。そうして事故件数もふえてきた。そういう中で、いま仮にその線路がなくなった場合にこれを他の交通手段に切りかえる場合に、果たしてそれが可能なのかという具体的な問題が出てくるわけですね。しかもそれに対して自治体が、結果的にはどういう名目であれかなりの出費を強要されるということになりかねない、こういうことでありますので、交通安全の立場からひとつ監督局長の方でお答え願い出たいと思うのであります。

山地進運輸省鉄道監督局長

○山地政府委員 現在私どもの方ではバスに転換することが適当であるということを政令に書きまして、その基準に従って四千人以下ということで考えているわけでございますが、その場合に政令で、例外的にはラッシュ一時間当たり千人というところ、あるいは並行道路が整備されていないところというようなことで、そういうものについては国鉄で残そうというふうに考えておりまして、その場合にいま先生がおっしゃるような並行道路の状態がどうかということにつきましては、現在の基準では、私どもの考えの中には、個々具体的なケースにならないとわからないものでございますから実は入ってないわけでございまして、その場合でも第三セクター等で経営をしていただけるなら同じような状態で鉄道というものが動けるのではないだろうかというふうには考えております。

永井孝信日本社会党

○永井委員 私は具体的な例を明示をしてそういう地域の特徴があるのだということを御承知になった上で、運輸省の場合も国鉄当局の場合もそうでありますが、十分に民意を反映してもらいたいということを重ねてここで要望しておきます。  時間がなくなってきましたので、最後に、午前中の質疑に出ておりましたが、四十二万人の職員を結果的に三十五万人にする、正直私の感覚で物を申し上げるのですが、果たしてそれで国鉄の運転保安というものは十分に守られるのだろうかという心配を一つはするわけであります。いままでもずいぶん外注してきていますけれども、外注というのは結果的に外注業者に運転保安に関する責任をある程度移譲することであって、国鉄が直営でやっているわけにはいかないということを私は考えているわけでありますが、そういう面で心配はないかどうか、これをひとつ総裁の方にお伺いいたしたいと思います。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○高木説明員 従来からいわゆる合理化という問題に関連いたしまして労使間でいろいろ話を交換いたします際に、いわゆる安全論争ということが盛んに行われておるということは、当局も、また職員サイドから見ましても、安全の問題についての職員自身の関心といいますかプライドといいますか、そういう点が非常に強いことを示すものだと思っております。私どもの仕事としましては、しばしば言われますように、安全ということとそれから早いということと快適であるというようなことが、私どものいわば商売的にいろいろ考えましても、商品の質の問題として一番重要なことでございまして、われわれとしては安全を度外視していかなることもなすべきでないという考え方は従来からありましたが、これは守っていきたい、守っていかなければならない、その安全が保障されないという前提のもとにおいては何事もなすべきではないと考えております。現実に今後かなりいろいろな種類の仕事を、いわば外部に委託するということを広げていくつもりではおりますけれども、その場合にも常に安全ということについては心してまいりたい。これはすべてのフィールドにおきまして、保線につきましてもあるいはまた車両修繕につきましても、また架線の電気関係の仕事につきましても、そういういわば外注化ということは広げていかざるを得ないと思っておりますが、その場合にはあくまで安全ということについての保障をかちっとした上で物事を進めることにしてまいりますということをお約束申し上げたいと思います。

永井孝信日本社会党

○永井委員 最後に一つだけ質問いたしますが、いわゆる三十五万人体制を進めていく上においてもあるいは新しく法案がどのように生かされていくにしても、やはり現場を預かる国鉄当局とすれば、労使関係というものはきわめて大きなウエートを持つと私は思うのです。法案の七条では大臣の指揮権が明記されている。そのこととの関連もある。このことで労使関係をより厳しいものにしていくようなことがあったのでは目的を果たすことができないことは明らかでありますから、そのようなことにならないように運輸省にも特段の御配慮を求めたいし、国鉄総裁としても労使関係の改善のために、いま現在存在する幾つかの、幾つかというのもたくさんあると思うのですが、その幾つかの懸案事項、労使関係に横たわっている懸案事項の解決に積極的に対処してもらいたい。そのことについて御決意を伺って私の質問を終わりたいと思います。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○高木説明員 御存じのとおり、以前に比べますれば最近は労使間でいろいろな事実上の協議を行う、交渉とかなんとかという前にいろいろ協議を行うという癖をつけるといいますか、そういう方向に持っていっているつもりでございます。今後とも特にこうした大規模な大変革に取り組むにつきましては、当然労使間での心の通いがなければできないわけでございますから、いま御指摘の点については、基本的に労使間にありますところのわだかまりの原因というものをほどいていかなければならぬと思っております。ただ、その中で非常に長年の問題でありあるいは制度的な問題であり、なかなかわれわれだけでも解決できない問題がたくさんあるわけでございまして、それらについてもお互いの理解を深めることの努力はいたしますけれども、ちょっとわれわれだけでできない問題もあることも御承知のとおりでございます。しかし、そうした問題の解決についても何らかの方法でこの糸口を見出すということについては私も真剣に取り組んでまいりたいというふうに考えております。

永井孝信日本社会党

○永井委員 どうもありがとうございました。  終わります。

田中昭二公明党・国民会議

○田中委員長 次に、新盛辰雄君。

新盛辰雄日本社会党

○新盛委員 午前に引き続いて、今度はこの法案の諸問題でお聞きしておきたいと思うのです。  第二条の「経営の再建の目標」というのがあります。「経営の健全性を確保するための基盤を確立」こうなっておるわけですが、一体この健全性の確立というのはどういうことなのでしょうか。昭和六十年度の収支の均衡を図るという段階を迎えていくわけでありますが、五十五年度でも六千八百六億の助成をもらっている、六十年度でも一兆一千億くらいの助成を考えているように承っているのですが、政府として国鉄に対してこの収支の均衡を求めているのでありましょうが、この「経営の健全性」というのはその意味で何を確保するというのか。収支の均衡をただ図ればいい、帳じり合わせではないかという意見もあるわけでありまして、鉄監局長のこれに対する見解を伺いたいと思うのです。

山地進運輸省鉄道監督局長

○山地政府委員 いま先生の仰せのとおり、国鉄は現在巨額の赤字を出しておりまして、これを直ちに収支均衡に持っていくのはきわめてむずかしい話であろうということは先生も御承知のとおりでございまして、この今日の法案を出すのに当たりまして、五十二年の十二月に閣議了解ができて、二年間たって五十四年の十二月の閣議了解に持ってきたわけでございますが、その間国鉄が五十二年の閣議了解を踏まえまして二年間検討して出したのが、五十四年の七月の国鉄の再建の基本構想案であったわけでございます。従来と違いまして、国鉄自身がかなりの年月を使いまして、この国鉄の再建について詳細に計画を練ったわけでございます。その計画によりますと、六十年度には、いわゆる年金と退職金の構造的な問題を除く、あるいは上越と東北の臨時的な赤字というものを除けば均衡するのではないだろうかというような状態ができたわけでございますので、私どもとしては今後国鉄がそういった健全な体質になって、その後収支均衡に持っていけるというような状態を基盤の確立された状態と考えているわけでございます。その計算の基礎には、いわゆる収支がどうなるかということを基本には置いておりますけれども、そのための三十五万人体制にしろあるいは経営の重点化にしろ、それを十分裏づける施策を持ってこの計画というものを私どもとしては尊重して、今回の法律に六十年度に健全性の基盤を確立する、かように考えたわけでございます。

新盛辰雄日本社会党

○新盛委員 ただ心配するのは、過去にもそうでありましたように、これだけの法律をつくって三十五万人体制だ、いわゆる過去債務のたな上げだあるいはローカル線の廃止だ、こうやってくるわけですが、そうした状況の中でどうしても収支のバランスがとれない、国で助成をせざるを得ないまた過去債務の累積をずっと重ねていくという状況で、五兆五百億ちょっとのたな上げということもあるわけです。恐らくもう六兆円に近いわけですから、そういうものが五年据え置き二十年償還という形の中で、また再び六十年度の段階で一兆一千億程度助成を見なければだめだ。いつもある意味ではみずからの力で運賃値上げをし、あるいは職員の経営努力を果たしながらもどうにもならない状況というのが、いわゆるローカル線四千キロの問題を含めて、あるいは第三セクターとかあるいは民間に移管をしたといえども、現実にそういう収支が確実にこれで健全化するのだ、国鉄の健全性は確実に保証される、それは私は非常に疑問だと思うのです。これはいかに合理化をしても、内部における経営努力をしましても追いつかない。午前中議論しました構造面における欠損、いわゆる交通構造の全体の問題として出てくるのじゃないか。それを踏まえていま健全性とおっしゃっているのだろうと思うのですが、その辺のところが確信を得るものなのかどうか、これは運輸省の責任者としてぜひお答えをいただきたいと思うのです。

山地進運輸省鉄道監督局長

○山地政府委員 いま申し上げましたのは、構造的欠損の中で未解決なのが二つございます。年金と退職金でございまして、退職金については利子補給をやっているわけでございますけれども、公共負担の問題が未解決なわけでございます。今回の基本構想案をつくった段階で経過的に国鉄の経営を判断する場合に、年金の問題と退職金の異常負担というのは依然として六十年度にも重くのしかかっているわけでございますので、何らかの対策が必要である。退職金については対策は講じられたが年金についてはいま検討中でございます。これは国鉄自身ではどうにもならない最たるものでございますから、これについては十分検討を進めるという前提で国鉄の経営というものを判断する。そうすれば六十年度にそれを除いて収支均衡するということでは国鉄の体質は健全化できると私どもは判断したわけでございます。

新盛辰雄日本社会党

○新盛委員 それを受けて第三条の「責務」、日本国有鉄道は何をしなければならない。言うならば、経営改善措置について積極的にかつまた組織の全力を挙げて速やかに経営の再建の目標を達成しなければならない。これが国鉄の責務。そして第二項に「国は、」とあるのです。この中においては、「地域における効率的な輸送の確保に配慮しつつ、日本国有鉄道の経営の再建を促進するための措置を講ずるものとする。」こうあるわけです。一体この責務というのは、主体であるところの日本国有鉄道と、国という監督機関としての分担割合から見ますと、一方ではそうしなければならない、一方では講ずるものとする、この辺のところが責務の具体的な任務というのですか、これはどういうつもりをおっしゃっているのでしょうか。その場合国は何を——たとえば、退職金が非常に増額されるだろう、年金はだんだん成熟度が高くなって大変なことになるだろう、そういうことはよくわかりますが、経営全般にわたってこうした書き方をされている以上、やはりそれには確信があるわけですし、また、「措置を講ずるものとする。」という、いわば、おまえのところはやっておけ、おれの方は何々を所掌するという程度の、責任の位置づけが不明なのです。これはどう解釈しますか。

山地進運輸省鉄道監督局長

○山地政府委員 国鉄の責務と国の責務、二つ書き分けてございますが、本法の第四条以降に「経営改善計画」として挙げてございます。この法律には、そういった内容のどこをどういうふうにしろということは書いてございませんけれども、国鉄の再建のための閣議了解等に相当の内容が裏打ちされているわけでございまして、それらの主なるものを「経営改善計画」の中に事項として盛り込んでございます。これらはまさに、どういうふうにということは書いてございませんけれども、国鉄が全力を挙げて自分のものとしてやっていただかなければならないものでございますので、まず国鉄の責務を書いているわけでございます。  それから第二項でございますけれども、この法律の十八条以降に債務のたな上げを含めそれぞれいろいろの処置が書いてございます。二十五条には「特別の配慮」というようなことも書いてございます。これらについては「費用を補助することができる。」というような通例の書き方でございますので、国としてはこれらの処置を着実に実行していくことが責務である、こういうふうに書き分けたわけでございます。

新盛辰雄日本社会党

○新盛委員 そうなりますと財源が問題になりますね。今回、特別につくっていく会計、いわゆる通常陸上公共輸送特別会計という問題ですが、五十六年度要求していないのはどういうことなのですか。そして五十四年、五十五年、私どもの方としては陸海空の特別会計というのがそれぞれあって、道路は直接税として自動車その他輸送税でもらっている。そういうようなもので財源としては保障されているが、国鉄は何もないのです。だから陸上特会をひとつつくろうじゃないかという動きがあったのは、これは当然だと思うのですね。しかし、私どもとしては、総合特別会計を陸海空を含めて何とか統合した形の中で国鉄にも分担を、財源として処置し得るそういうものがあっていいのではないかということを主張しておるのですが、いずれにしても国鉄は独自の財源が、維持あるいは整備、そうしたことをするにしても金がないために立ちおくれているわけですね。これは運輸省が特会という一つの構想をお立てになる場合に、国鉄などの公共事業という観点に立って特別会計という考え方、これはいままでも二年間くらいそういう動きがあったのだけれども、今度ぴたっと法案提起と同時になくなっている。予算概計の中に入っていませんから。これはどういうことなのか明らかにしていただきたいと思うのです。

石月昭二

○石月政府委員 陸上の特別会計の問題でございますけれども、御承知のように五十四年度予算、五十五年度予算の要求に際しまして、私ども陸上公共交通の必要な維持、整備に充てるための予算財源を確保するものとして特別会計を要求したわけでございます。しかし、これは先生御承知のように自家用車にその財源を求めるという構想であったわけでございますけれども、諸般の事情によりまして実現の日の目を見るに至らなかったという経緯がございます。  私どもといたしましては、その後の陸上交通の推移をいろいろ見ますと、御承知のように自家用自動車がどんどんふえてくる、そこで公共交通の経営難の問題やらまた地方におきましてはいわゆる運輸の弱者と申しますか、トランスポート・プアという問題も出ておりますので、これの解決は非常に焦眉の急を要する、ますますもって陸上公共交通のための特別会計をつくりまして安定した財源を確保する必要があると思っているわけでございますけれども、ともかく二回も失敗しております。加えて、また御承知のようにエネルギー問題とか交通空間の問題とか環境問題とかというような話がございまして、総合交通特会を見直せというような御議論も先国会にもございました。それで、御承知のように四月一日にただいま私どもが政策の中心に据えております四十六年の答申をもう一遍見直そうという形で諮問したわけでございます。諮問いたしておりますので、その運輸政策審議会の御論議の中にこの種の問題も含めまして御意見をいただき、そういう理論の上に立ちまして幅広いコンセンサスを得てもう一遍要求をしたいという形で、今回は審議会の答申が出るのを待ちという形で五十六年度予算要求では出さなかったわけでございます。

新盛辰雄日本社会党

○新盛委員 どうも不満ですがね。それは、理由はいまおっしゃったことでしょうが、独自の財源をどう確立をするかという発想が、それは自家用車あるいはマイカーから税金を取って国鉄に使う、こう言えば拒否反応が出てくるのは当然でしょう。だけれども、だから全体的な、総合的な対策という上に立って、こうして現に財源がないのですから、そうした財源を求めていくためにも国の政策として、これは前からも検討されて、いろいろ省エネの問題その他、支障があったのでしょうけれども、運輸政策審議会の結論を待ってというような話ですが、これはぜひひとつ前向きに御検討をいただきたいと思うのです。

石月昭二

○石月政府委員 先生がお話しになりました総合交通特会というお話につきまして答弁を漏らしまして失礼いたしましたが、私どもといたしましては、御承知のように、現在空港、港湾、道路、それぞれ特別会計がございまして、資金調達をやっているところでございます。確かに御指摘のように、国鉄を含めました陸上交通については、そういう資金の調達メカニズムがない、そういうことで、四十六年の答申の際にも、当面その総合交通特会という話ではなくて、一応独自の資金調達システムのない陸上交通を対象にした特会をつくるべきであるという御答申を得ているわけでございます。私どもといたしましては、今後また、先ほども申し上げましたように、全般の経済社会の変動を踏まえ、これからの八〇年代の交通体制のあり方ということを運輸政策審議会に諮問しておりますので、その御答申の中を踏まえながら、前向きに対応していきたいと思っておりますが、当面は陸上交通の資金調達にしぼっていきたいというぐあいに考えておる次第でございます。

新盛辰雄日本社会党

○新盛委員 ひとつ前向きにお取り組みをいただきたいと思います。  そこで、第三セクター問題にかかわる地方鉄道の譲渡とか、あるいは民間のこれからの運営の問題についてでありますが、特定地方交通線協議会、そうしたところに、廃止を前提にやってこれを協議しなさい、二年協議が調わなければ、一たん上げてもらって、運輸大臣が決裁をする、こういう仕組みのものなんですけれども、線路を外す、バスに転換をするもの、あるいはそれで民間にそのままそっくりやるもの、いろいろありますが、いま線路や設備があるわけですね。これはどうしてもバスに転換した方がいいだろう、あるいは並行路線があるだろう、交通行政の中でも民間に委託をしてみた、ここは非常に過疎地域でどうにもならない、それで鉄道の方は取り外すのを待って、施設をそのまま置いて一時休止するという形をとって、その動きを見るということもあり得るのですか。そして、やはりバスはどうもだめだ、もう一回鉄道を起こそうじゃないか、そうすればすぐ活用できますね。そういういわゆる休止対策というのですか、線路を一時休ませる、それは考えていますか。

山地進運輸省鉄道監督局長

○山地政府委員 若干むずかしい問題があろうかと思うのは、いつまで休止するかということがあろうかと思うわけでございます。私どもの方は、今回の政策を推進するに当たっては、画一的に、なるたけ不公平が生じないような形で施策を推進したい。そこでいろいろ先生の御批判があることは存じておりますけれども、二年の間にいろいろ御協議をいただく、二年たって議論がまとまらない場合はどうしよう、こういうことを申し上げているわけでございます。したがって、休止をするというのも協議の一つみたいなかっこうで試行的にやっていただくことは、全国的に見てもそう不公平な話ではないのかもしれない、かようには考えるわけでございます。  ところが、試行的の場合に、では助成が出るのか、私どもの方の考えでは、やめる場合には転換補償金という形でバスの購入費等は私どもの方で見ましょう、それから運営費の補助も見ましょう、こういうことを申し上げているのでございますけれども、いまの先生のお話のようなことで、試行的に鉄道を休止してバスをやってみる、私は非常に魅力のあるお話だと思うのでございますけれども、それらを二年の範囲内でやるかどうか、あるいは助成なしでそんなことができるのかどうか、いろいろ検討しなければいけない問題だろうと考えております。

新盛辰雄日本社会党

○新盛委員 それをひとつこれからの問題ですから検討していただきたいと思うのです。それで代替バス輸送をやる、そういう場合に、基本的に民間を活用するわけですね。けれども民間を活用するということは、現に国鉄の中には国鉄バスというのがあるわけです。そうしたバス路線の場合に、民間でやってみたらだめだった。それはいろいろ助成金その他等もやるわけですが、しかしそれでもなおかつだめだった。この措置は最初から民間優先ですが、この民間優先でやってみたらだめだった。そのつけはまた国鉄の方にひとつというようなことになりかねない、いわゆる国鉄バスとまた当然同じ形態になるわけですね。そういうことも、採算を大きな世帯に入っておった方がよかろうというので、そういうふうに国鉄は安易にまた移り変わりをするのじゃないかという心配もあるのですが、これはどうですか。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○高木説明員 今回の措置で一番大事なことは、地域住民の足を奪ってはならぬということでございますから、その場合に他に方法がなければ国鉄が自分でバスを運行するというのは最後の手段としては残るわけでございます。ところがいろいろなケースがありまして、現実には鉄道路線とほぼ並行して現在民間バスが走っておる。そういう地区の場合に、現に走っておる民間バスがどういう態度をとられるか。民間バスと並行して国鉄バスが走るという前提でそういう協議が調うかどうか。それとも民間バスが現にあるのだから自分の方でやりましょうということになるかどうか。それから、いま何にもないというときにどっちでいくかというような種類に分かれてくるだろうと思うのでございます。  それで協議会の協議事項は山のようにあるわけでございますけれども、その中でかなり重要な問題の一つとしては、バスに切りかえる、バスに切りかえると言ってはおりますけれども、そのバスというのがいかなるバスであるかということはなかなかいろいろな場合があるわけでございまして、また今度は住民の方と現に走っているバス会社との間で意見が合わないこともあり得るだろう。恐らく一線ごとにそういう問題が出てくると思います。しかし私どもとしましては冒頭申しましたように、いずれにいたしましても足を奪うということだけは絶対に許されないことでございますから、最後の道としてはやはり国鉄バスを走らす。その場合でも実はいままでごく一部でございますけれどもバスに切りかえた事例がありますが、相当程度経営的にはプラスになりますので、そのすべてが黒字になるとは限らないと思います。バスでやってはやはり赤字の場合もあり得ると思いますけれども、その赤字の額はレールで走る場合よりも小さくなることは過去の例に徴しても明らかでございますので、私どもの最後の手段といいますかそういうものとしては、私の方で地方へ国鉄バスを走らせてやっていくつもりでおることを御理解いただきたいと思います。

新盛辰雄日本社会党

○新盛委員 恐らくこれは初めて皆お聞きになったのじゃないかと思うのですが、国鉄バスでとおっしゃるその最後の手段ですが、それは民間には助成をやるわけですから。そして政府はそういうふうに取り扱っておられるのです。国鉄バスはもう最終段階、民間地域協議の中でいろいろやってみたが国鉄に愛着はある、バスをひとつ活用してほしい、そういう場合にどうしても採算はとれないのだけれどもやむを得ない、引き受けざるを得ない、そういう場合の助成措置なども配慮しなければいけないですね。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○高木説明員 現在でも相当過疎地帯を国鉄バスは走っておりまして、そしてそうした部分については、過疎地帯の民営バスに対する補助金と同じような形の補助金を現在もいただいておりますので、そういうものに該当する線であればわれわれとしては補助金をいただけるものというふうに考えておるわけでございます。

新盛辰雄日本社会党

○新盛委員 もう少しあるのですけれども、もう時間がありませんから……。  こうした状況を迎えております、非常に経営が苦しい、増収対策をということで、できるだけ身軽になろうと積極的な努力をして労使ともにやっておられるわけですが、積極的な効果として結論が、五十五年十月のダイヤ改正が出ているわけですね。この結果、優秀な路線の中における線別の収入体系あるいはダイヤのつなぎ、いろいろな配慮があったと思うのですよ。一カ月にちょっとになるわけですが、こうした実態の中で通勤輸送とのつなぎとかダイヤで、いわゆる国民の利便性、そうしたものが増収につながる場合があり得るわけですね。そういう増収対策は営業が中心になるわけですから、そういう増収対策を含めて五五・一〇というのは実施されたわけですね。そして現に一万人前後ですか、それをちょっとオーバーしているのか知りませんが、要員も削減という状況ですね。これから三十五万人体制とおっしゃるわけです。  いまの国鉄の要員構造というのは逆ピラミッド型ですから、ここ六十年までの間に十万人くらいやめるでしょう。先行き年金も何かおかしくなるとかあるいは退職金だって切り下げるとか、やめる人が数多くなる、老齢化していく状況とは別に技術の断層とか未熟練の職員が来るとか、養成定員をその中ではどうつけるとか、いわゆる要員構造全体の予算定員対実員、いわゆる業務定員ですね、そういう振り合いの中で国鉄はいまの業務量を消化していくわけですね。だから、この業務量というのは、五十五年十月のダイヤ改正で二万二千キロにわたる営業線を維持し得てきたわけですから、これはあと四、五年の移り変わりで、六十年度になりましたら、いわゆる三十五万人体制と同時に、地方ローカル線の、二年協議をしたらもう廃止でした、あるいは残るものは残りました、政令がどういうふうになるかわかりませんが、そういう状況を迎えていくわけですよ。  迎えていくとすれば、ここで実際の業務量に対応する適正要員というのは、時間短縮その他労働条件の諸問題を含めて考えていかなければならないのですが、そういう経営計画というのはこれが済んだ後だろうという話は聞いておりますが、全体的に国鉄はそういう展望はおつくりになっているのでしょう。この五五・一〇のダイヤ改正は、来年、一年したら必ずダイヤ改正の見直しをやるだろう、あるいは今度の法律に当てはめて考えていかなければならないだろう。職場の中では要員の実態が明確に把握できない、一方ではやめていく、一方では技術ダウンする、半分補充するのかしないのか、そうした具体的な問題が幾つかあると思うのです。そういうことについて総裁、国鉄としてはいろいろお考えになっているでしょうが、このダイヤ改正後の、これからの要員構成三十五万人体制とおっしゃるが、私はとても不可能だと思うのです。その点についてお答え願いたい。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○高木説明員 現在、昨年の暮れぐらいから引き続いていろいろ作業をいたしております。  その作業の中身は、たとえば運転なら運転、保守なら保守、営業なら営業という各フィールドで、どういう仕組みに切りかえるか、それを全部集計してうまく三十五万人になるかどうか、それはなかなか容易なことではないわけでございまして、そうぴたり三十五万でもやれそうだという数字はなかなか出にくい。それをいま何遍も繰り返しながらそういう作業をいたしております。  それから、地域別にもいろいろ問題がございます。もう少し簡単に申しますれば、管理局別にどういうことになるか、それも管理局ごとに作業をいたしております。  まだその作業は完了いたしておりません。なかなかむずかしい仕事でございますので完了いたしておりません。それが完了いたしまして、私どもの原案ができました段階で、その辺を労使でとっくりと議論してみなければいけない。労使の間でほぼ議論ができましたときに初めて一般にもお見せすることができるわけでございまして、これから半年の間にそういう作業を精力的にやってまいらなければならないという立場に置かれておるわけでございます。  これは、相当新たな投資をすることによって何とか人が減り得るという問題も中にはありますし、その投資のテンポをどういうふうにしたらいいかという問題もありますし、投資効率からいってどうもうまくいかぬという検討もいまやっておるわけでございまして、姿を見ていただけるようになるのにはもうちょっと時間をいただきたいと思いますが、われわれとしては、これはどうしてもやり遂げなければいかぬということで、ねじりはち巻きでいまやっておるところでございます。

新盛辰雄日本社会党

○新盛委員 終わります。

田中昭二公明党・国民会議

○田中委員長 次に、草川昭三君。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 草川昭三でございます。午前中に引き続いて施設の安全の問題についてお伺いをします。  午前中、橋梁、トンネル、いろいろなものの例が出たわけでございます、災害の件数も出たわけですが、取りかえの間に合わぬものについては運転保安上問題であるわけですから徐行をするわけですね。橋梁、トンネル、のり面、路盤、それぞれあるわけでございますが、徐行個所が全国でどの程度あるわけですか、お伺いします。

半谷哲夫日本国有鉄道常務理事

○半谷説明員 五十五年七月、ことし七月現在で申し上げます。  トンネル部分での徐行個所約六十カ所でございます。橋梁部分で約五十カ所、のり面関係で約三十カ所、路盤関係で約五十カ所、合わせて現在約百九十カ所、これが五十五年七月現在の徐行個所でございます。  なお、徐行個所は時点的に多少動いておりますので、これは五十五年七月の時点のものでございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 この国鉄の内部資料だと、当初、五十二年に出た数字でありますけれども、橋梁は五十一ということでございますから、約三年の間に橋梁で一カ所だけしか直っていないということですね。いま五十というお話がございましたが、五十二年四月一日に橋梁は五十一カ所徐行しているわけですから、三年間でわずか一カ所だけ直ったというわけですね。これは実績では非常に遅々たる改善ではないでしょうか。  トンネルは六十六が六十になったわけですから、これも三年間で六カ所しか直っていないということでございます。のり面についても三十八から三十、路盤は、これはもうあたりまえの話でございますけれども、三年前には九十五が五十。これでもまだ五十残っておるわけであります。  三年前に二百五十カ所の徐行個所がわずか六十しか改善されていないということは非常にスローモーではないでしょうか。こういうことがなお放置されておるところに問題があるわけでありますし、私は午前中も大臣にはその旨を申し上げたわけでありますが、さらに、運転保安上問題である重点警備個所というのは全国で何カ所になっておりますか。大まかで結構です。

半谷哲夫日本国有鉄道常務理事

○半谷説明員 やはり五十五年七月現在で申し上げまして四千八百カ所でございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 なお四千八百。これはいろいろな、なだれ等もあるわけですからゼロになるというわけではありませんけれども、これも五十二年の四月に全国で六千カ所ある。これは国鉄の方が内部で使われた資料であります。いまのようなお話だと、なお重点警備個所というのは全国に依然として解消していない。橋梁、トンネル、土砂崩壊、落石、排水設備、その他防雪等もあるわけでございます。全国で何千というところがあるわけでありますから、細かいことではございますけれども、人の目、人間、国鉄の職員の方々が中心になって、検査というのですか、対応を立てていかなければならないわけでございます。今回再建計画で七万四千人を減らすというわけでございますし、それから検査員を外注化させるということを言っておみえになるわけでございますが、現在よりその方が安全になるとお考えでございますか。

半谷哲夫日本国有鉄道常務理事

○半谷説明員 構造物の検査というのは相当の技術力といいますか経験を要するものもあるわけでございます。それと同時に、構造物の実態を把握することが非常に大事でございまして、この数年の間構造物の実情調査、実態把握に力を入れてまいりました。現在の時点で全線にわたっての構造物の状況が大体明らかになってきたわけでございまして、今回、合理化の一環として建造物検査の方法につきましても合理化を取り入れるわけでございますけれども、こういった構造物の実態が現在時点でほぼ掌握されましたので、それをベースにいたしまして、なお検査の最も重要な部分であります技術的な判定部分につきましてはもちろん私どもの職員が判定することにいたしますけれども、検査をする際の「てもと」あるいは測定などをいたす場合の作業、そういうものにつきましては極力外注化を実施していくということを考えているわけでございまして、現在の安全維持という安全に対するベースが下がるということには決してならぬように配慮しながらこれを実施していくつもりでございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 私は、国鉄の技術というのは世界に冠たるハイ水準にあると思うのです。特に橋梁の企画についてもあるいは施工の検査についても、これは私自身も私なりの経験ではございますけれども、大変りっぱな技術水準を持っておると思うのです。しかし、いまの再建計画等を見ておりますと、余裕がある中だからこそ技術的な水準も高くあるいは検査も厳しいことが行われたわけでございますけれども、再建計画を優先するということになりますと、いまもそういうことのないようにするというお話ではございますけれども、現実に外注化ということになってまいりますと、そこで利益を上げなければいけないわけでございますから、私は非常に心配をするわけであります。いま最初に触れましたように、設備更新ということにつきましても非常に遅々たる状況でございますし、そういう状況の中でこの検査員の外注は、たとえば専門的な場所ならば別でございますけれども、いわゆる施設関係の労働者の減員計画は非常に重要な問題になってくると私は思うのです。ただいまのところ三十五万人体制の内容について具体的な計画は当局の方では発表されていないわけでございますけれども、検査員の外注なり施設関係の職員の減少化ということをどの程度考えておみえになるのか、あるいはそういう、ウエートと言うと言葉が悪いわけでございますけれども、非常に重要なポジションだからそこは外注化を比較的避けていくというようなお考えがあるのかないのかお伺いしたいと思います。

半谷哲夫日本国有鉄道常務理事

○半谷説明員 先ほど申し上げましたように、検査というものはそれ相当の技術力が要ります。それからまた物によっては、そのものについての長い経験あるいはそのものについて長く監視してきているというようなものが必要でございまして、そういった国鉄職員でなければできないようなものについては、これはもちろん職員の技術力を高め、養成した上でやっていくわけでございます。それ以外の、いまの外注の会社の技術力で十分たえ得るというものを外注化する予定でございまして、いまそれらについて検討を重ねている段階でございます。いまどのぐらいの比率かというお話でございましたけれども、いまの時点ではまだ確たる数字をつかんでおりませんので御了解いただきたいと思います。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 私は、国鉄の職員の中でも施設関係の労働者というのは比較的下積みの形で、非常に長い間御苦労なすっておみえになると思うのです。それだけに、縁の下の力持ちというようなポジションでございますから、一段とそこらあたりの配慮はお願いをしなければいかぬと思うのです。  現実に施設の労働者の方々で、昭和四十九年から例の黄害の訴訟問題が出ておるわけでございます。これも裁判は裁判で非常に長期化するわけでございますが、現実的な対応なり環境改善ということが非常におくれておるのじゃないかと思うのです。これももう満六年になるわけですから、当局としては、この裁判は別といたしまして、現実的な対応としてどのようなことをなすっておみえになりますか、お伺いいたします。

半谷哲夫日本国有鉄道常務理事

○半谷説明員 大分前からこの黄害の問題が大変問題になっておるわけでございます。  私どもの方としては、基本的にはやはり車両に積んでおります便所の、いまのそのまま放出する状況をなくさなくてはいけないというのが基本でございます。そのために、いままで車両にタンクをつけ、車両基地にそれを処理できる装置をつけるということを進めてまいりました。  現在、全国で二十八基地を工事中でございますけれども、そのうち、昨年十二月まで十三基地が使用開始になりました。その後、五十五年度に入りまして現在まで二カ所使用開始に入りました。なお五十五年度中に使用開始になる基地が札幌、青森、高松等三カ所と見込まれております。これは予定でございますが、大体そういう見込みでございます。したがいまして今年度中には、昨年末十三カ所だったものが十八カ所になる予定でございます。  なお、現在約十カ所について工事ないしは着工のための準備を進めている状況でございまして、いまの列車の中でこういった便所の処理ができまして沿線に放出しない、捨てないという状況になっている列車の本数の比率を出してみますと、ことしの五月現在で生きております処理基地を使いまして処理本数が九百七十本、処理率といたしましては四三%という状況でございます。まだ一〇〇%にならないのは非常に申しわけないのでありますが、しかし、いままでいろいろこういった設備に力を入れまして現在四三%という状況まで来たわけでございます。  なお、いま技術的な問題として検討を進めておりますのは、ローカル線の中距離電車といいますか、わりあい近距離を走っている電車にも便所がついている部分がございます。この辺でいいますと湘南電車とか横須賀線がそうでございますが、横須賀線はいま地下に入るということで全部処理する装置をつけております。そういった近距離の電車につきましての対策がなかなかむずかしいわけでございまして、これらにつきましては車上で処理する方法を一部研究開発いたしまして、現在中央線でその試験使用といいますか、これを繰り返している状況でございまして、この成果を見ました上でまたこれの普及を図っていきたいと考えている状況でございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 では、それはぜひまた進めていただきたいということにしまして、年金に移ります。  国鉄の年金についての成熟度が非常に高くなりまして、公共企業体の中でも、専売に比べましても二倍以上になっておるわけですし、電電に比べると三倍近い成熟度になっております。  そこで、五十五年度の予算のときに、使用者側負担分の利子補給を大蔵に百三億国鉄は要求されておるわけです。私が二月の予算委員会で高木総裁にこの旨質問をしておるわけでございますが、総裁の方からは、国鉄の経営状態が異常な状況になっておることは御承知のとおりであるけれども云々ということでございまして「年金制度の組み立てそのものに手を触れるということについては若干の時間がかかると思われますので、それをいまお願いしても無理だろうということで、制度全体の取り組みができますまで」待つ、その間利子の補給をお願いしたい、こうおっしゃっているわけです。  そこで、制度の手直しというのですか、それは具体的には一体どのようなことをお考えになっておみえになるわけですか。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○高木説明員 本年の春でございますけれども、私どもの国鉄の中で専門家にお願いをいたしまして研究を続けてきていただいたそれの答えをいただいたわけでございますが、その答えでは、国家公務員と三公社を一体にした年金システム、つまり統合ということしかないのではないかというお答えをいただいております。一方、いろいろな機会にしばしば御説明いたしておりますように、昨年の十二月の閣議了解に基づいて、こういう公務員年金制度の担当官庁である大蔵省の主計局に研究会が設けられました。そこで今度は大蔵省サイドで研究を始めることになりましたが、私どもとしましては、私どもの甲で一応結論を出してもらいました案、つまり統合案ということを中心にしてこの場でわれわれの考え方を御説明し主張してまいりたいと考えおります。  ただ、この問題のむずかしさは、統合しますとよその年金システム、つまり専売なり電電なりの年金システムの加入者にいろいろ御迷惑をかける。結局掛金率が、一つになりますから、ある種の経過期間は別としまして結果的には一つの掛金率というようなことになってまいりましょうから、そうしますと他の公務員の皆さんに大変御迷惑をかけるという形になりますので、それをどのようにして御理解いただくかということが一つの問題でございます。  それから第二の問題は、そういう制度への移行をどういう経過を経てやるべきかという問題があるわけでございます。したがって、これについての結論を得るのにはかなりの時間がかかるという状態からまだ抜け切っておりませんで、何年何月ぐらいまでにそこでまとめてもらえるという見当は残念ながらまだついていないという現状でございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 言いにくい話ですけれども、他の共済組合にすればはなはだ迷惑なことになります。それで、国鉄自身の給付の内容の改善なしに統合ということに他の共済組合がすんなりいくわけはございませんし、下手をすれば、財政調整という言葉がいまはやっておるわけでございますが、オール、すべての年金体系の中で財政調整というようなことがまた出てまいりますと、今日の年金体系全体の狂いが出てくるわけですし、まあまあ言うだけ言っておいてだめな間はひとつ大蔵当局に利子補給を頼むということに落ちつかざるを得ぬのじゃないかと思うのです。それも一体いつまで続くか、ここらが今回の再建法案にも関連してくる非常に重要な問題ですし、職員の方々の立場になれば、それを頼りにまじめに働いておみえになったわけですから、老後の問題が不安定だということは、より一層モラルのアップにつながらぬということになるわけですね。これはいま総裁の方も非常に御苦労なすっていることはわかるわけですけれども、財政を抜本的に立て直すに一時要るべきものは要る、そして変えるべきものは変える、そしてそのための借入金なら借入金をして、一たん国鉄の財政と切り離した対応が必要ではないだろうかと思うわけです。そして国民の皆さんにわかりやすい形での問題提起をしていく必要があると思うわけであります。  これは御意見をお伺いをするといってもあれでございますけれども、ひとつ最後に、三十五万人体制の中で年金というものが果たして落ちつくのか。三十五万人体制というのは明らかに年金財政ということから考えれば逆行するわけです。その整合性についてどのような考えを持たれて再建法案を出されたのかお伺いをしたいと思うのです。これは逆に総裁より運輸省当局にお伺いをした方がいいと思いますが、どうでしょう。

山地進運輸省鉄道監督局長

○山地政府委員 先生の御説のとおり、年金問題、三十五万人体制になればなるほど年金の職員の負担率というものが高くなるわけでございますが、長い目で見れば避けられない問題でございますので、三十五万人体制で国鉄の健全化を図り、片方では年金制度全体を見直していく、こういうことで対処してまいりたい、かように考えております。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 以上で終わります。

田中昭二公明党・国民会議

○田中委員長 次に、玉置一弥君。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 交通安全という立場でお話をするわけでございますけれども、今回の再建法案、まず一つ最近の国鉄の状況、多少改善はされてきていると思いますけれども、職場の規律あるいはたるみ、気の緩みによる事故、そういうものがまだまだ目立つ存在でございまして、そういう規律を守ることが事故を防ぐことに大変大きな影響を持っていると言えると思いますし、また今回の再建を行うという意思を徹底しまた効果を上げていくためにもなければならない、そのように考えるわけでございます。  そういう意味で現在の状況を見てみますと、国鉄の内部、特にいろいろな組合単位に意見が違う。そして通常の場合、もし民間企業であれば、合理化をやるという話が出てまいりますと必ず組合に説明をして、十分な理解を得た上で方針を打ち出してくるのが手順でございます。そういう意味で今回の再建法案を見ますと、三十五万人体制についていろいろな意見があるということが一つと、地方線の問題についてもなかなか納得し切れない、そういう方々が非常に多いというお話を聞いております。そういう観点から高木総裁に、国鉄の内部の理解度、どのように感じておられるかお伺いしたいと思います。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○高木説明員 私が、外部におりました者が国鉄へ参りまして見ている感じで申しますと、職種が非常にいろいろとある、地域も非常に広い、全国にまたがっております。よってもって生活環境も非常に違う。もともと普通の民間企業の場合に、もちろん工場を何カ所も持っておられる企業もありますし、そしてまたその工場の所在地が何カ所かに分かれているところもあります。しかし、いかにも職種がいろいろありますし勤務場所がいろいろあるという点では、なかなか他の企業の場合とは事情が違うことが起こるのもまたやむを得ないと思いますけれども、どうも、当局側もいわば系統別というような言葉を使っておりますが、電気と土木と営業というふうに系統によっていろいろ習慣とか物の考え方とかいうことも違いますし、その結果として職員集団の方もまた必ずしもお互い同士の関係がうまくいかないというような実態になっておるわけでございます。それぞれの分業に応じての責任体制というものは長い伝統でなかなかよくできておるわけでございまして、それぞれの与えられた責務を果たすということについては非常に厳格に守られていると思いますが、必ずしも、たとえば国鉄全体の経営の実態がどうなっているかというようなことについては、それぞれの職場の人が十分理解をしてない、またこちらも理解をさせる努力に欠けておる点があるというのを痛感している次第でございまして、最近はあらゆる職種を通じて経営の実態というものをまず職員に理解をしてもらうような教育活動といいますか、そういうことをいろいろやろうといたしておるわけでございます。現実には現場のいわゆる現場長さんあるいは助役さんといった人たち、中間管理者という名前を使っておりますが、そういう人たちにそういうパイプ役をしてもらわなければならぬということから、現在の段階ではもっぱらそういう人たちに対する教育を一生懸命やっておるところでございますが、まだなかなか国鉄全体の姿というものを一人一人の職員にのみ込ませるところまでは来てないという現状でございます。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 特に現場の指導者であります中間管理職の方、そういう方々の姿勢というものが大変重要になってくると思うのですね。そういう意味で見ますと、私たちのところに入ってくるいろいろな情報によりますと、本社からの意見といいますか、方針が非常に下部に徹底されるところとされないところと極端な開きがあるということでございます。それは、一つは組合の性格にもよる。ある駅ではよく徹底をされ、そしてある駅では全く無視をされる、このことがいまの大変な労使関係の混乱にむしろ輪をかけているというような感じがするのであります。やはり考えていかなければいけないのは、それぞれ組合員の方々に対して再建に対してどれだけの責務を分担していただくか、だから、経営側で分担する分と組合員のそれぞれの方々が自分たちでやらなければならない.分、そういうものが非常に不明確ではないか、そんな気がするわけです。そこで各組合と、やはり自分たちがここまでやるのだからこのぐらいは責任を持ってやってほしいとかいろいろなお話をされていると思いますけれども、具体的でなくて抽象的でも結構ですから、いままで特に主要組合といいますか、それぞれそういう関係の話をなさってきたかどうか、その辺についてお伺いをしたいと思います。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○高木説明員 まだ、私どもが組合に対して、この三十五万人ということは具体的にはこうなります、よってもって労働条件なり何なりに相当な変化がこういう形で出てきますという説明をするところまではいっておりません。と申しますのは、先ほど来申しておりますように、三十五万人というのは経営指標としてとらえてきた数字でございまして、果たしてそれだけの数でもって従来と同じだけの仕事ができるか。たとえば機械化をやったりあるいは委託事業に移したり、いろいろな手法を通じて数が減る、それからまたある程度勤務条件について厳しいものが加わってくる、それが総合されて三十五万人にしたい、こういうことでございますが、その具体的内容を、こういう感じで、こういうフィールドでは何人、こういうフィールドでは何人というところまでいかない、いまそれを研究して、われわれの当局の中の本社と地方の中でいろいろ議論をしている段階でございますので、われわれの案が固まっておらぬものですから、したがってそれを組合の責任者と話し合いをするという段階まで来ておりません。また組合といたしましても、この対応には大変いろいろな考え方があるわけでございまして、ただ入り口論争で反対というわけではないので、十分当局側と意見を交換しましょうということにはなっておるわけですが、まだこちらもその案がまとまっていないということでございまして、おかげさまでこの十月からのダイヤ改正という一つの仕事が済みましたので、こちらの案を緊急にまとめた上で組合ともそういう話を始めなければならぬというふうに考えております。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 たとえば法案が成立した後にその具体的な内容について検討され、その結果といいますか、その内容についてそれぞれの組合の方々に了解を得るということではなくて、やはり自分たちの持ち分といいますか、それを提示する、それについて話し合いをしていくということになるわけですか。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○高木説明員 われわれの中での検討というのは何も法律を待ってからということでなしに、昨年の七月に基本構想案というものをまとめました後、昨年の秋から検討はいたしておるわけですが、何分これは大事業でございますし、いろいろな絡みがありますので、かちっとした、どこの局のどういうフィールドはどのくらいをどういう形で少ない人でやってもらわなければいかぬよという案がまだ固まってきてないわけでございます。話が抽象的でありますとどうしてもかえって混乱を起こしますから、その案をきちっとまとめました上で組合と話をする。まず何よりもこの案というものが現実性のある案だなという感じのものになってこないといけないわけでございまして、そしてまた同時に、六十年にはどういう経営の姿になるのかということも示さなければいけないわけでございまして、そうしたことについて案のまとまり次第話し合いといいますか、いわゆる交渉事項というようなことではないわけですけれども、むしろそれ以上の大事な問題として基本的に共通の理解を持つような場をつくって丁々発止といいますか、かんかんがくがくといいますか、大いに論議しなければならぬというように思っております。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 いままで労使関係、これがほかの企業に比べて状況が大変よくない、それとやはりそれぞれの職員の方々の規律といいますか姿勢といいますか、それが個々にわれわれ大変目につくものですから、そういう観点で、今後の再建に取り組まれる姿勢、これが本当に固まっていなければ、組合の方も非常に理解がしにくい、また理解がなければ進んでいかない、そのように考えるわけで、ぜひとも十分話し合いをしていただいて、いまでもすでに積極的に推進をしていこうという組合もございますし、またいまはそういう態度は表明されておりませんけれども、大体ニュアンスとしては感じておられるのだと思います。ぜひともそれを積極的に国鉄の当局として行っていただきますようにお願いを申し上げたいと思います。これが非常にその後の規律を正し、そして交通安全という面から見ても大変重要な柱になってくるというふうに私思いますので、ぜひお願いを申し上げたいと思います。  それと、地方線のところで特定地方線対策協議会というのがございまして、協議が調わないときに廃止の許可を申請するというふうになっておりますけれども、これは二年間ですね。各地方公共団体それぞれ事前に話し合いがいままでなされてきたか。大体該当地域というのはある程度五千キロとか九千キロとか出ておりますけれども、大体の該当地域が表になって出ていますね。それぞれの地域について打診といいますか、こういう協議会、このメンバーを見ますと、国の行政機関と国鉄というふうに書いてありまして、協議会のメンバーの中には地方自治体が入ってないような気がするわけです。ただ、相談相手として呼ぶことができるような、そういうニュアンスだと思うのです。そうではなくて、やはり地方の時代ということで将来は第三セクターとして移管をする可能性もあるわけですから、そういう意味で法案の審議段階までに呼ばれたことがあるのかどうか、その辺をお聞きしたいと思います。

山地進運輸省鉄道監督局長

○山地政府委員 個々の線ということにつきますと、これは政令で決めてその基準を適用して選定するわけでございますので、先生のおっしゃるように大まかに決まっているということはそうかもしれませんけれども、これが特定地方交通線になるんだということについては、まだ言ってみれば白紙の状態になっておるわけでございます。そこで、個々の地方公共団体との御協議は、そういう意味ではこちらから、おたくは特定地方交通線になりましたよと言うような状態でないものでございますから、知事会とか市長会とか、そういうところとはかねがねいろいろとお話を承っているという状況でございます。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 これは二年間協議をして結論が出ないといいますか、そういう場合は廃止の許可を申請する。ですから、たとえ話し合いがつかなくても、もう、一回やると決めたらやるんだよということになるわけですね、この内容を見ますと。十分いまの段階で話し合いをしておかなければ、実際のところ問題が出た場合にはまずその地元の問題だけとらえてみたら非常に手がつけられない問題だと思うのです。そういう意味で十分の理解を得た上でやっていただかなければ、実際の協議会の効果というものが出てこないというふうに考えるわけなんですが、そういう意味でいかがでしょうか。

山地進運輸省鉄道監督局長

○山地政府委員 選定に当たって、おたくの線路が特定地方交通線に該当しますよというお話を申し上げる方がスムーズでないか、こういうような御質問かと思うのでございますけれども、今回の私どもの考え方といたしましては、全国一律に公平な基準でその選定をして、それで公示しまして、それから地方公共団体にも御通知を申し上げる。それから、地方公共団体の方からいろいろの選定について御異議があれば運輸大臣にお申し出いただくというような手続を踏んでおります。それから協議会の中には——協議会というのは会議をやるわけでございますから、会議には必ず地方公共団体の方々が参加されるわけです。したがって、その参加した中で後の効率的な輸送体系というものは考えていただきたい。前の選定については一律の基準で国鉄のいままでの負担を、そこでやらなければならないという負担を解除していただいて、後で効率的な輸送体系については十分皆様の御意見を聞く、こういうことになっておるわけでございます。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 先日の新聞に、高木総裁が地方線の運賃、いわゆるローカル線の運賃を特別に考えていきたいというようなお話をされましたけれども、現在、国庫負担あるいは助成金、そういうもので税金からかなり国鉄に融資されているわけですね。それを見てもその地域の方々がやはり人口比率なりに応分の負担をしているという事実があるわけですけれども、それと国鉄の公共性という部分があるわけです。先ほどから公共性については国が責務を負う、そして運営については国鉄が責務を負うというお話でございますけれども、そういう面から考えますと、地方線、ローカル線の特別料金というものについては非常に不公平感が出てくるような気がするわけです。そして、先ほどのお話からして、地方線の料金についてはあるいは現在のローカル線の料金については、それなりにその相当部分について国の補助を要請するとか、そういう形が本来の形ではないかというふうに考えるわけですけれども、それについてはいかがでしょうか。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○高木説明員 現在、地方交通線の九千キロの経営状況というのは収入が千億弱でございます。そして経費が四千億ぐらいでございます。したがって三千億赤字になっておるわけでございます。三千億に対して、五十五年度では千億を上回る補助金をいただくことになっております。したがって二千億が赤字のまま残っておる。それが毎年毎年残って、今度またお願いしております累積赤字というようなものも、過去におきますそういうものの吹きだまりみたいな感じになっておるわけでございます。  今後の問題といたしましては、特別地交線につきましては何とかバスに切りかえるということを通じて赤字の縮小を図る。それから今後も維持していきます路線につきましては、なおわれわれも経営改善に努めることによって赤字を減らしていきますけれども、とても巨額の赤字を全部埋め切るというわけにはいかないわけでございますので、もしこの赤字を補助金に依存するとすれば、補助金が二千億を超えるというようなことにどうしてもなるわけでございまして、私どもが乗っていただいておりますお客さんの四%、全国を一〇〇として九千キロで四%くらいでございますので、その四%の利用客のために二千億を超えるというような巨額の金額を財政で持っていただく、つまり納税者負担にするということについては、いささか利用者と一般納税者との間のバランスからいってどういうものであろうかということを考えますと、やはりその利用していらっしゃる方々に、これは残る方の地域でございますけれども、何分の負担をしていただかざるを得ないのではないかということが、今回の法律案の中の特別運賃の考え方でございます。私どもといたしましても最大限の努力はいたしますけれども、この維持路線につきまして赤字がゼロになることはとうてい考えられませんので、補助金もいただきますけれども、一部はやはり利用者の方々に持っていただかざるを得ないのではないかという考え方をとっておるわけでございます。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 時間が来ましたので終わりたいと思いますけれども、何分まだまだ非常にむずかしい問題がたくさん残っておりますので、なるべく明確に答えを出していただいて、そして積極的にお取り組みをお願い申し上げたいと思います。  終わります。     —————————————

田中昭二公明党・国民会議

○田中委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  交通安全対策に関する件、特に自転車の安全利用の促進及び自転車駐車場の整備に関する問題について、参考人の出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中昭二公明党・国民会議

○田中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、参考人の出席日時、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中昭二公明党・国民会議

○田中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次回は、公報でお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後三時五十一分散会

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