決算委員会 第7号
- 発言数
- 183 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1980/12/08
会議録
○國場委員長 これより会議を開きます。 この際、会計検査院長に就任されました大村筆雄君並びに検査官に就任されました大久保孟君の両君からそれぞれ発言を求められておりますので、これを許します。大村筆雄君。
○大村会計検査院長 このたび会計検査院長を拝命いたしました大村でございます。 現下の財政事情にかんがみまして、全力を挙げましてその職責を全うしたいと存じております。何とぞ御指導、御鞭撻を下さいますようよろしくお願い申し上げます。(拍手)
○國場委員長 大久保孟君。
○大久保検査官 このたびはからずも検査官に任命されました大久保でございます。 微力ではございますが、誠心誠意努力し、その職責を全ういたしたいと存じております。何とぞよろしく御指導、御鞭撻のほどを切にお願いいたします。(拍手) ————◇—————
○國場委員長 昭和五十三年度決算外二件を一括して議題といたします。 本日は、総理府所管中科学技術庁について審査を行います。 この際、お諮りいたします。 本件審査のため、本日、参考人として日本原子力研究所副理事長天野昇君、日本原子力研究所理事村山進君、以上の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○國場委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 —————————————
○國場委員長 それでは、まず、科学技術庁長官から概要の説明を求めます。中川科学技術庁長官。
○中川国務大臣 科学技術庁の昭和五十三年度決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、昭和五十三年度の当初歳出予算額は二千五百十四億八千百四十八万円余でありましたが、これに予算補正追加額二十五億百三十四万円余、予算補正修正減少額五十六億一千百三十五万円余、予算移しかえ増加額六千二百五万円余、予算移しかえ減少額四十九億八千百二十三万円余、前年度からの繰越額二億九千四百九十一万円余を増減いたしますと、昭和五十三年度歳出予算現額は二千四百三十七億四千七百二十一万円余となります。この予算現額に対し、支出済み歳出額二千四百億三千二百十六万円余、翌年度への繰越額二億八千七十七万円余、不用額三十四億三千四百二十七万円余となっております。 次に、支出済み歳出額の主なる費途につきまして、その大略を御説明申し上げます。 第一に、原子力関係経費といたしまして一千三百五十九億三千八百二十五万円余を支出いたしました。これは、動力炉・核燃料開発事業団における高速増殖炉及び新型転換炉の開発、ウラン資源の探鉱、ウラン濃縮技術の開発並びに使用済み核燃料再処理技術の開発及び再処理施設の試運転、日本原子力研究所における軽水炉の工学的安全研究、核融合の研究、多目的高温ガス炉の研究等の各種原子力関連試験研究及び各種原子炉の運転、日本原子力船開発事業団における原子力船「むつ」の安全性の総点検及び遮蔽改修準備、放射線医学総合研究所における放射線による障害防止及び放射線の医学的利用に関する調査研究、民間企業等に対する原子力に関する試験研究の委託、原子力安全行政の強化等原子力平和利用の促進を図るために支出したものであります。 第二に、宇宙開発関係経費といたしまして七百五十一億三千四百二十五万円余を支出いたしました。これは、宇宙開発事業団における人工衛星及びロケットの開発、打ち上げ及び追跡並びにこれらに必要な施設等の整備、航空宇宙技術研究所におけるロケット等に関する基礎的、先行的試験研究、種子島周辺漁業対策事業の助成等のために支出したものであります。 第三に、海洋開発開係経費といたしまして二十九億一千百二十一万円余を支出いたしました。これは、海洋科学技術センターにおける深海潜水調査船の建造、海洋エネルギー利用技術等の研究開発の実施及び高圧実験水槽等の共用施設の整備、関係省庁の協力により実施した黒潮の開発利用調査研究等のために支出したものであります。 第四に、試験研究機関関係経費といたしまして、当庁の付属試験研究機関のうち航空宇宙技術研究所、金属材料技術研究所、国立防災科学技術センター及び無機材質研究所における各種試験研究の実施及びこれに関連する研究施設の整備等に必要な経費として百一億三千百八十五万円余を支出いたしました。 最後に、重要総合研究の推進を図るための特別研究促進調整費、研究公務員等の資質向上のための海外及び国内留学の経費、理化学研究所、日本科学技術情報センター及び新技術開発事業団の事業を行うための政府出資金及び補助金、科学技術庁一般行政費等の経費として百五十九億一千六百五十九万円余を支出いたしました。 以上、簡単でありますが、昭和五十三年度の決算の概要を御説明申し上げました。 よろしく御審議のほど、お願いいたします。
○國場委員長 次に、会計検査院当局から検査の概要説明を求めます。佐藤会計検査院第一局長。
○佐藤会計検査院説明員 昭和五十三年度科学技術庁の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。
○國場委員長 これにて説明聴取を終わります。 —————————————
○國場委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。新村勝雄君。
○新村委員 最初にお伺いいたしますが、原子力の開発並びに応用、技術的な研究等は科学技術庁が行っていらっしゃるわけでありますけれども、この予算の構成あるいは決算の内容等を見ますと、確かに原子力の開発、研究についての相当の配慮、成果等があるようでありますけれども、この原子力という問題については、開発あるいは応用と同時に、放射能の人体に対する影響がどういうものであるかということを徹底的に究明をしながら研究を進める必要があると思うのであります。原子力をたとえ平和の目的であろうとも使ってはならぬという議論が依然としてあるわけであります。その問題についての議論はしばらくおくとしても、少なくとも原子力の開発、応用を行う以上は、人体に対する影響力を徹底的に事前に調査研究をしておく必要がある。そのためには、何といっても科学技術庁の責任において放射線医学の総合的な研究の体制、これが必要であろうと思います。もちろん放射線医学研究所というようなものがありますけれども、現状の体制は必ずしも放射線医学の万全というか十分な研究の体制ができているのかどうか。原子力の開発と全く同じウエートをもってこの放射線医学を研究する、そしてまたその体制を整備する、そうしていかなければいけないと思うのですけれども、この点についての大臣のお答えをまず承りたいと思います。
○石渡説明員 お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、放射線の人体に及ぼす影響ということは、原子力の開発利用を考えます場合に同じウエートをもって十分詰めて行わなければならない課題でございます。そのために、放射線の人体に及ぼす影響ということにつきましては、わが国の不幸な出来事でございました原爆のケース、これを十分に調査するというようなこと、あるいは放射線によります治療の経験等からいたしまして、高いレベルの放射線を人体が浴びた場合の影響ということについては相当明らかになっているわけでございますが、先生御指摘のように、原子力の開発、利用の場合にいわゆる低レベルの放射線、非常にわずかではあるけれどもある期間少しずつ人体が浴びるというようなことがあり得るわけでありまして、そういう場合にどういう影響があるのかということが注目されるべきテーマであるわけでございます。この低レベルの放射線の影響につきましては、大量の動物実験を行いまして、なおかつ長期間にわたる実験を行いましてその影響を調べ、またその対策を究明するということが重要なわけでございます。しかしながら、非常に低いレベルの放射線の影響ということでございますので、ほかの影響と区別が非常にしにくいという研究上の困難もございまして、まだまだ未解明の部分があるわけでございます。こういう問題意識につきましては、世界各国共通の課題でございますので、国際的にも国際連合の場におきましてそういう研究の組織がございまして、世界各国の知見を持ち寄りまして世界的に究明が進められているという状況でございます。 御質問の、わが国の場合はどうなのかということでございますが、いままで申し上げました国際的な研究動向も十分踏まえまして、原子力安全委員会に環境放射能安全研究専門部会という部会を設け、そこで組織的にまた計画的にわが国における研究を進めるという観点から五カ年計画をつくっております。この研究計画に沿いまして、当庁が所管しております放射線医学総合研究所を中心にいたしまして、この低レベルの放射線の発がんであるとか、あるいは遺伝的障害に関しての影響を定量的に研究するという体制をとっているわけでございます。もちろん放射線医学総合研究所だけではなくて、他のあるいは文部省所管の研究所であるとか、あるいは農林省所管の研究所でありますとか、関係する研究機関の協力も求める、また大学における研究とも十分連携をとりながらやっていくという体制になっているわけでございます。 お尋ねの、当庁所管の放射線医学総合研究所の研究の成果の一端を御紹介させていただきますと、現在まで、生体が浴びる放射線の量と、それから発がん率、がんにかかる発生率との関係がどうであるとか、放射線による発がんにおけるウイルス等の役割りがどうなっているか、あるいは放射線と染色体異常発生率との関係といったことについて相当の医学的な知見が得られているというのが今日までの成果でございます。先生御指摘のとおり非常に大切な研究テーマでございますので、今後とも、この放射線の人体に及ぼす影響ということにつきましては、精力的に研究を進め、またその対策も講じていくというふうに進めてまいりたい、このように考えている次第でございます。
○新村委員 この放射線医学研究所を中心とする放射線研究の体制、それから規模ですね、その概要をひとつ伺いたいのです。
○石渡説明員 お答え申し上げます。 放射線医学総合研究所の研究体制について御報告申し上げます。 放射線医学総合研究所は二つの大きな目的を持って設立されているわけでございます。この二つと申しますのは、第一が、放射線によります人体の障害並びにその予防、診断及び治療に関する調査研究。第二が、放射線の医学的利用に関する調査研究。この二つの目的を持ちまして、昭和三十二年に設置をされた研究所でございます。 現在、部制をとっておりまして、十二の研究部がございます。研究者数は二百二十一名でございます。なお、管理部門等もございますし、病院も持っております。これらを合計いたしますと、部として十六、それから職員が全部で四百十七名、こういうことでございます。 予算の規模でございますが、今年度、五十五年度では四十四億七千五百万円という予算で運営をしているわけでございます。 研究の内容でございますが、もちろん基礎的な研究をずっとやっているわけでございますが、特に重点を置いております研究、これは特別研究と称しまして、予算あるいは研究員を集中して進めている研究テーマでございますが、三つございます。 第一が、低レベル放射線の人体に対する危険度の推定に関する調査研究ということでございまして、昭和四十八年度から十カ年計画で進めている研究テーマでございます。文字どおり、レベルの低い放射線が人体にどのような影響を及ぼすか、どういう危険をもたらすかということをきわめて基礎的に調べていくという息の長い研究でございます。 第二が、原子力施設等に起因いたします環境放射線の被曝に関する調査研究でございます。これは五十三年度から五カ年計画で進めているものでございます。 それから第三が、粒子加速器の医学利用に関する調査研究でございまして、逆に放射線をがんの治療に用いるということで、この放射線医学研究所に施設を置きまして、放射線によるがんの治療ということで、実際に患者さんもお預かりしながら治療、研究を進めているということでございます。 なお、このほかに約七十七の研究課題を持ちまして総合的に研究を行っているというのが放射線医学総合研究所の研究活動の現状でございます。
○新村委員 わが国における原子力平和利用もある程度の経験と歴史を重ねたわけでありますが、その間において放射線医学の立場からどういう問題が起こっておるのか、あるいはまた放射線被害がその間にあったのか、どういう状況であるのか、それらを伺いたい。
○石渡説明員 お答え申し上げます。 先ほどの放射線医学総合研究所に病院部という部がございまして、放射線によるがんの治療等をやっているわけでございますが、逆に被曝した方の治療例というのが昭和四十六年に一度だけございます。これは、非破壊検査という、放射線を用いて材料の欠陥を調べる作業がございますが、そういう作業場で、放射線を出します器械と申しますか、線源と言っておりますが、放射線を出すもとになる器械を不用意に、そういうものであるということを知らずに体につけて持って歩いた方がおられまして、そのうち一名の方が、血球が減る、皮膚にやけどを起こす、あるいは精子が減少するというようないわゆる被曝の症状を起こしまして、その方を治療したという一例があるだけでございます。あと、わが国におきましては、放射線の被曝による障害で少なくとも放医研に持ち込まれたという例はないわけでございます。 なお、今後の問題といたしましてどういうことが心配されるのかという御質問かと存じますが、やはり原子力の施設等で働く労働者の方々は常にそういう危険にあるわけでございまして、何かの間違いに基づいて被曝をするという可能性はあるということでございますので、そういうことが仮にあった場合ということで、放射線医学総合研究所における研究も、そういう事態に備えて、まずそういうことがないように、また予防をどうしたらいいか、もしそんなことがあったらどんなふうに治療するのかという研究を進めているということでございます。
○新村委員 放射線については未知の分野にこれから入っていくわけでありますので、その点、放射線医学の基礎的な研究あるいはその応用面についても、陣容を強化して、事前に不幸な事態が起こらないような配慮をひとつ十分お願いいたしたいわけです。 それから、これは若干分野が違いますけれども、放射線に関してでありますが、大臣にお伺いしたいのです。 わが国は世界最初の被爆国として多大の犠牲を出したわけでありますが、その被害者に対してまだ総合的な、完全な援護の体制ができていない。そして関係者は、戦後三十数年にわたって被爆者援護法の制定を政府に要望し続けておるわけでありますけれども、これがまだ実現をしていないようであります。この問題について、一刻も早く被爆者援護法を制定して、非常に手おくれではありますけれども、被爆者に対する総合的な施策と今後の生活の安定を図っていかなければいけないと思うのですが、被爆者援護法の制定についての見通し、それから大臣のお考えを伺いたいと思うのです。
○中川国務大臣 私も学生時代、ちょうど長崎に原子爆弾が落ちたときに佐賀におりまして、被爆者の実態にも接しております。これらの方々に対しては、非常に気の毒な状況でありますし、非常に深い関心を持っておりますが、御承知のように援護法は厚生省所管でございまして、厚生省においてそれぞれしかるべき対策を講じ——法についてはどうなっておりますか、厚生省の方が担当でございますから、私は答弁する立場にはございませんが、深い関心を持って今後とも私のできる範囲内のことはしてまいりたいと思います。
○新村委員 所管の違うことは知っておるのですが、放射能によって大変な被害を受けておるという事実、それからまた、原子力の開発を担当されておる大臣として被爆者援護法について積極的に推進をされるお考えがあるかどうか、閣僚の一員としてひとつ御見解を伺いたいわけです。
○中川国務大臣 私の所管は研究をしたり応用したり、もちろん被曝がないようにするというような技術分野を担当いたしておりまして、ましてや戦争による被害者に対してどう処置するかというような方は私の担当外ではございます。したがって、お答えする立場にありませんが、十分研究させていただきたいと思います。
○新村委員 閣僚の一員として、ひとつ御努力をいただきたいわけでございます。 次の問題でありますが、放射性廃棄物の処理処分、これがいま大変大きな問題になっております。しかも、これから原子力の利用について一層推進していくということ、これについては多くの議論があるわけでありまして、完全に安全性が確認されない現在、原子力の開発は中止をすべきであるという有力な意見があるわけであります。しかし、この問題は別にいたしまして、少なくとも現に原子力の開発が進み、原子力発電が大規模に実施をされておるという現状において、放射性廃棄物の処理処分、これが非常に大きい問題であります。これは現在及び将来の大変な課題として政治上の問題になっておるわけでありますが、すでにこの問題について、原子力発電の関係ではなく、いわゆる医療用やそれ以外の用途に使用された放射性同位元素が日本の近海各地に投棄をされておるという事実が過去においてあるようであります。館山沖を初めとして日本近海に何カ所か投棄をされたということが伝えられておりますけれども、いままでに放射性物質がどこにどのくらい投棄をされたのか、その事実を伺いたいと思います。
○赤羽説明員 お答え申し上げます。 過去、発電所以外の放射性同位元素の取り扱いによって生じました廃棄物でございますが、これは日本放射性同位元素協会、現在では日本アイソトープ協会となっておりますが、ここが一括して取り扱ってまいりました。その取り扱いの過程におきまして汚染されたようなものが廃棄物として出てきたわけでございますが、これを昭和三十年に相模湾に捨てまして、その後昭和三十二年に駿河湾の入り口に捨てております。その二回の後、昭和三十三年から十三回にわたりまして、これは房総沖に捨てております。 全体の量は、ドラムかんにいたしまして一千六百二十四本、キュリー数で約四百六キュリーでございます。 捨てた形は、全部ドラムかんの中にコンクリートで完全に固めたものの形で捨てております。外国にありますような中空の容器で捨てるという形はとってございません。 大体以上でございます。
○新村委員 相模湾に一回、駿河湾に一回、房総沖に十三回ということでありますが、千六百二十四本、合計で四百六キュリー。そうしますと、これが仮に、完全な包装であったのでしょうけれども、投棄をする場合には、事前評価としては、その包装が壊れても人間には異常ないという、あるいはまた完全に許容範囲であるという、こういう事前の完全な評価なり確認がなければならないはずであります。これがどういうふうに行われたのか。 それから、ラジオアイソトープと言いましてもいろいろあるのでしょうけれども、十五回で千六百二十四本、これの物質名ですね、その内容はどういうものであるのか、それを教えてください。
○赤羽説明員 昭和三十年の第一回、昭和三十二年の第二回、このときはまだ法律的な規制がございませんでした。ただし、捨てられた量は非常にわずかでございます。第三回目以降が放射線障害防止法の規定によって捨ててきたわけでございます。捨てましたものは核種といたしまして大部分がコバルト60でございます。そのほかに、量としてはわずかでございますけれどもセシウム、ラジウム、ヨード等のものがございます。しかし、安全性を考える場合には、そのほかのものはわずかでございますので、コバルト60として考えてよろしいと思います。 当時の法律的な基準といたしましては、二千メートル以上の深いところへ丈夫な包装をして捨てるという程度でございましたが、わが国としましては昔からこういう放射性物質による環境汚染は非常に厳しく扱ってまいりましたし、また国民感情としましても厳密な扱いを要求されてきたわけでございます。したがいまして、先ほど申し上げましたように包装の形もコンクリートに完全にまぜて固化したものを捨ててる、これですと深いところへ行きましても破壊ということがございません。仮に割れたといたしましても表面が出るだけで、中身が全部溶け出すということがないわけでございます。それに加えましてコバルト60はコンクリートの中ではコンクリートのアルカリ性によって抑え込まれる、さらにコンクリートの一部が海水に接触いたしましても海水のアルカリ性によって抑えられるということで、一般的には海水中に溶け出して広い汚染をするということがないことが確認されております。ただし、これは三十年の投棄の以前にもう一部わかっておったことでございますが、そのときにすべてがわかっていたというよりはその後の研究を積んで次第にはっきりしてきたことでもございます。
○新村委員 この包装については、一部はアルミのかん詰めだという報道もありますけれども、そこらはどうなっておるのか。 それから、第三回は防止法に基づく手続をしたということでありますが、第一回、第二回は事前の手続なり許可形式はどうであるのか、その手続の形態を伺います。
○赤羽説明員 第一回の投棄以来かなり記録が残っておりますけれども、アルミかんで捨てたという記録はございません。ただし、先ほどから申し上げておりますようにコンクリート自身で汚染が防止される性質が十分ございますので、入れ物が何であったかによる、その後での汚染の可能性というのはそれほど違わないのではないかと想像をされます。 それから、第一回と第二回は法律がございませんでしたが、第一回のときはまだ科学技術庁ができる前でございましたけれども、当時から一括して扱っております日本放射性同位元素協会としましては政府と相談しながら捨てるという形をとっておりまして、当時関係機関では一応事情は承知の上で捨てていたと言われております。
○新村委員 政府と相談しながらと言いますけれども、そうしますと、これは政府の許可を得たということですか。許可を得ておりますか。
○赤羽説明員 一回目は科学技術庁ができておりませんで、総理府の原子力局であったかと思われます。二回目は科学技術庁でございました。いずれも法律によるものではございませんので、許可、認可、そういった手続はございませんでした。
○新村委員 いまのお話では千六百二十四本で四百六キュリー。四百六キュリーというと、これは放射能にするとかなり大きい数値だと思いますが、これらのものを投棄する場合の事前評価というか事前の検討、それからこれを投棄する場合には、それが包装や処理が壊れた場合でも完全に許容範囲、あるいは人間社会に影響を与えないような、完全に隔離されるような措置が必要だということになっておると思いますが、そういう事前の評価なり計算がどう行われておるのか。
○赤羽説明員 その当時、投棄に先立ってどういう評価をいたしましたかは、現在必ずしもはっきりしておりません。法律上の基準は昭和三十三年から適用されておりまして、二千メートル以上の海域、それから比重は一・二以上、この基準に適合すれば投棄していいというのが法律上の基準でございました。それを逆に見まして、第一回目、第二回目、これは基準がなかったわけでございますが結果的にはこの基準に投棄体は適合いたしておりましたし、水深が二千メートル以上でなかったために投棄海域を三回目以上法律に合うように変えたわけでございます。
○新村委員 二千メートル以上ならば安全というその評価なり計算基準はどこから出たものであるか。二千メートル以上ということになれば、日本の東側の海はどこに捨ててもいいということになって、これは危険きわまりないわけであります。 それから、四百六キュリーの放射能が環境に対してどれだけの汚染をするかという評価がどうされているのか。それを伺います。
○赤羽説明員 当時の法律に書かれました基準二千メートル以上、比重は一・二以上と申しますのは、国際原子力機関、IAEAと略しておりますが、ここが出しました基準の案をもとにしてつくったものでございます。当時としましては、この基準さえ満たせば環境汚染、したがって人間への影響がないという基本的な考え方に基づいて出された国際機関の基準と考えております。
○新村委員 ほかから示された基準をまるのみにしてみずからの研究なり計算、評価をしないということは、これはちょっと怠慢じゃないかと思うのですが、これからはそういうことでは済まないと思うのですね。やはり、みずからがその問題について取り組んで事前評価をしていくという、そういう体制がぜひ必要だと思うのですが、今後十分その点についての御努力をいただきたいわけです。 そうして、これだけの放射性物質を投棄をして、その後の追跡管理というか、捨てればもうそれでいいのだということじゃなくて、放射性廃棄物については処理をした後における管理というものが非常に重要だと思うのですけれども、その点についてはどうなさったのですか。
○赤羽説明員 まず、前段の御指摘でございますが、確かに昭和三十年から三十二年、基準ができますころ、日本の国際機関への協力ぶりは十分でなかったかと思われます。しかし、その後IAEA等国際機関に対しまして日本も非常に積極的な参加をし、データを供給し、あるいはデータをもらい、総合的な寄与をしてきたわけでございます。したがいまして、国際基準がつくられるにつきましては、わが国もいろいろ実験をし、データを集め、評価し、それを加味して、世界じゅうの知見とともにつくってきたということでございます。 過去についてはそういうことでございますが、今後につきましては、現在海洋投棄に対して出されておるIAEAの基準がございますが、わが国としましては、それらの一つ一つを裏づけるような実験をすでに行ってまいっておりますし、それから独自の評価もしてございます。基準がぎりぎり満たされればそれでいいという立場ではございませんで、さらに安全性を高める、あるいは汚染の度合いを低める研究と評価を行っているわけでございます。 後段の御質問でございますが、放射線同位元素協会によります房総沖等の投棄の追跡調査でございます。四百キュリーは多いという御指摘もございました。これは確かに捨て方によっては多うございますけれども、一千六百本のドラムかんにきちんと詰めて、そしてそのドラムかんから溶け出す可能性が少ないということになりますと、必ずしも多い量とは言えないかと思います。 それから、コバルト60は半減期が五年余りでございますので、たとえば二十年たちますと十六分の一に減るというようなことで、時とともに減衰してまいります。そういうことで必ずしも海洋汚染を心配しなければならない形とは思われません。ただし、わが国では、日本の陸はもちろん、海洋につきましても、核実験の影響等を含めまして環境の放射能調査をずっとやってきております。その結果、房総沖についてコバルト60の異常な値が得られたということはございませんので、その点からも過去の房総沖の投棄は海洋汚染にはつながっていないと判断しておる次第でございます。
○新村委員 四百六キュリーを投棄したことによって環境にどれだけの影響を与えるかという事前評価をしたのかどうかということなんです。 それから、コバルト60については半減期が五年ということであっても、セシウムとかラジウムとかほかの物質もありますし、投棄するものが半減期が短いから事前評価をおろそかにしてもいいという理屈には少しもならないわけでありまして、半減期が短いものであっても事前の評価なり準備は万全を期さなければいけないと思うわけであります。そういった点で四百六キュリーの環境に及ぼす影響、これは処理をしておるからいいということじゃなくて、処理をしても、処理の装置が崩壊したと想定をして、その場合でも万全を期するということであると思いますので、仮にそれが壊れた場合、四百六キュリーの投棄物が環境にどれだけの影響があるか、そういう評価はしたのかどうかということです。
○赤羽説明員 先ほどから申し上げておりますように、国際基準はいろいろな評価の結果できたものと承知しておりまして、これに従うことによって一応の事前評価を含めた投棄であると判断できます。ただし、いまから逆にこれを、四百六キュリーなり千六百本のものを評価するということになりますと、これはかなりはっきり数字は出てまいりまして、目立った汚染あるいは海産生物への影響というのは予想されないような数字になると思われます。これはその後の知見によって確かめられたことでございまして、昭和三十年当時いまのような精密な事前評価ができたかということに対しては、多分十分な評価はしてなかったのではないかと思われます。ただし、よく行います方法ですけれども、全部のものが水によく溶けるとしまして、海水に溶け出した場合どうなるという非常に単純な、しかも非常に安全サイドに立った考え方でございますけれども、これはだれでもできるわけでございまして、当時もやったと思われます。海水の量が非常に多いということで、非常に薄い濃度になってしまうことは算術的にすぐ出るわけでございます。 それから、半減期が短いからということはそう理由にならないという御指摘でございましたが、これは房総沖について結果的にそういうことを申し上げているわけでございまして、たとえば半減期の長いセシウム等も含む可能性があります今後の原子力発電所からの低レベル廃棄物につきましては、半減期は必ずしも重要なファクターにしませんで評価をしておるところでございます。
○新村委員 そうしますと、相模湾、駿河湾あるいは房総沖、この場合には事前の数字的な評価はしなかったということですか。 そうしますと、これからのアイソトープの投棄についてですけれども、この三カ所、房総沖は十三回ですから十三カ所あるのかもしれませんが、この個所についてこれからどういうふうな追跡調査、追跡管理をされるのか、科学技術庁の御見解を伺います。
○赤羽説明員 房総沖につきましては、先ほどから申し上げましたような過去の調査等に基づきまして、海産生物等に影響のある汚染がないことは確信しておったのでございますけれども、現在、さらに海洋での調査を広範に、精度を高めてやっております。その一環としまして、十一月の初めだったと思いますが、海上保安庁によりまして房総沖の投棄地点での海水と海底土の採取を行っていただきましてその分析を行いましたが、目立った異常な汚染は見つかりませんでした。
○新村委員 次に、原子力発電による廃棄物の問題ですが、現在、原子力発電による高レベルあるいは中低レベルの廃棄物の排出量、年の排出量、それから将来の見通し、将来十年なら十年の見通し、それから現在の保管の状況等について伺います。
○赤羽説明員 原子力発電所の通常の運転におきましては、出てまいります廃棄物は低レベル放射性廃棄物が主でございます。いわゆる高レベル廃棄物と言われるものは、使用済み燃料に閉じ込められた形で再処理工場に送られるわけでございまして、これは後ほど原子力局長からお答え申し上げます。 低レベル放射性廃棄物につきましては、現在全国で二十六万本がたまっております。そのうち原子力発電によりますものが十七万本でございます。 今後の見通しでございますけれども、これは原子炉の形あるいは原子炉の運転の形態、これはぞうきんとか手袋とかそういったものでございますので、トラブルが多いとそれだけ廃棄物の量もふえてまいりまして、見通しは必ずしも正確につかめないのでございますが、昭和六十年度あたりには発電所で五十万本ぐらいになるのではないかという見通しがされております。
○石渡説明員 高レベルの放射性廃棄物と申しますか、これは使用済み燃料の再処理をした過程におきまして排出されるものでございます。したがいまして、東海にございます再処理施設が動いておりますが、そこから出てくるというものでございまして、現在まだ東海の再処理施設で処理をいたしました使用済み燃料の量が約八十トンでございます。その結果排出されました廃液は八十五立米と申しますか、八十五トン程度でございまして、現在そのままの状態でタンクに貯蔵しているという状況でございます。
○新村委員 大臣はいらっしゃらないのですか。
○國場委員長 大臣はいまちょっとお手洗いに行っておりますので、どうぞ。
○新村委員 これから原子力発電を続けていくとすれば、原子力発電によって相当の量が排出をされるということでありますが、これは高レベルについても中低レベルについても同じだと思いますが、その原子力発電に伴って生ずる廃棄物、この処理処分の基本的な方針、これをまず伺います。
○石渡説明員 お答え申し上げます。 放射性廃棄物の処理処分対策の基本的な考え方というお尋ねでございます。先生御指摘のとおり、放射性廃棄物は原子力の開発利用の進展に伴いまして、量的にはふえていくということは当然予想されるわけでございます。それらの処理処分対策につきましては、昭和五十一年に原子力委員会決定がございまして、「放射性廃棄物対策について」という委員会決定で基本的な基本方針を定めておりまして、その考え方に基づきまして現在いろいろ対策を講じているという状況でございます。 その内容を申し上げますと、まず放射能のレベルの低い廃棄物につきましては、最終的な処分方法といたしましては海洋処分と陸地処分を組み合わせて実施するという考え方でございます。このうち海洋処分につきましては、まず試験的な海洋処分を行おうということで、現在、内外の関係者の御理解を求めている段階でございます。また、陸地処分に関しまして適当な地層等を探すというような、また、地層に置いた場合にどういう現象が起こり得るかというような研究を進めているという状況でございます。 一方、高レベルの放射性廃棄物でございますが、再処理施設から発生いたしまして液体のまま保存していると先ほど申し上げましたが、これを安定な形に固化処理をするという技術開発を現在鋭意進めているところでございます。一応方向といたしましてはガラス固化という方法が世界的に本命であろうということでございます。フランスでの技術開発が一番進んでいるわけでございますが、わが国におきましても自主技術でガラス固化の技術を現在開発中でございます。六十二年ごろから実際の実験に移るという計画で技術開発を進めている段階でございます。 この高レベルの廃棄物につきましては、ガラス固化をいたしまして、これを一時貯蔵することにしているわけでございます。その貯蔵の期間といたしましては三十年から五十年程度、厳重な管理のもとに貯蔵いたしまして放射能が相当減衰した状態で最終的な処分に進む、こういう考え方でございます。 そういう長期的なスケジュールを頭に置きまして、昭和六十年代の初頭には固化及びそれに続きます数十年間の貯蔵ができるパイロットプラントを建設するというスケジュールを持っているわけでございます。 また、最終的な処分につきましては、現在の考え方ではやはり地層処分に重点を置きまして、六十年代から実証試験に入っていこう、こういうことを研究開発のスケジュールとして持っているわけでございまして、わが国の社会的あるいは地理的な条件に見合った処分方法を見つけ出すというのが現在の私どもの持っております基本的な考え方でございます。
○新村委員 放射性物質の処分処理については人間の生活圏から完全に隔離をするということが絶対の条件だと思いますが、同時にまた、その廃棄をした廃棄物が人間の管理から全く離れてしまうということは、これは無責任ではないかと思うのですね。ですから、人間の生活圏から完全に隔離をするという一つの条件と、それから、投棄をした物質を管理できるような、管理可能な範囲にとどめておくということがもう一つの絶対の要件ではないかと思うのですね。そういう意味からいって海洋処分というのは大変無責任な方法である。海洋に一たん廃棄をしてしまえば、これは人間の管理を、人間の手を完全に離れてしまうわけでありますから、いかに完全な処理をしたにしても大変な水圧の海底でどういう変化が起こるかわからない、こういう心配があるわけです。いまお伺いをすると、依然として海洋処理を考えておられるということでありますけれども、海洋処理というのはそういう点で、ある意味では無責任、ある意味では危険を伴う最終的な処分方法ではないかと思うのです。 そこで大臣にお伺いをいたしますけれども、これから廃棄物を処理するに当たって海洋処理を果たしておやりになるのかどうか。海洋処理というのはいま申し上げたように一面では大変無責任であります。そうして人類共有の唯一の環境であり資産である海洋を汚染する危険があるわけでありますから、海洋投棄というものはしない、そして日本の国の責任において陸地処分あるいは地層処分をやっていくのだ、こういう廃棄物処理の基本方針を確立しなければいけないのじゃないかと思いますけれども、その点を伺いたいと思います。
○中川国務大臣 廃棄物処理の問題は原子力行政に携わる者にとりましてきわめて重要な問題でございます。そこでわが国でもいろいろ研究開発を進めておりますが、やはり国際機関等の動き等も十分勘案して、わが国だけではなくて原子力機構あるいはロンドン条約等から見た場合、やはりこれは陸上と海洋二つ考えられる。その場合、海に投げる場合、安全性、これはもうどんなことがあっても危険は与えない。これはもう御承知だと思いますけれども、昔とは違ってコンクリートの中に廃棄物の燃やした灰になったものを埋め込んで、そしてそれをドラムかんの中に流し込んで固化をする。ですから、水圧がかかって仮にドラムかんが壊れても、あるいはまた着底と同時に腐食してなくなっても、それが人間に与える影響というものはもう〇・〇〇何ミリレムだというぐらいのものであって、一切人間に害は与えないというものの、最悪の場合を想定しても安全である、こういうところからやっておるわけでございます。そんなに安全なら陸上でいいじゃないか、あるいは東京湾でいいじゃないか、中川さんの選挙区でいいじゃないかということを言う人がいるのですが、これはまた無責任であって、投げる場合にはより安全なところというので、現段階では深さが四千メートル以上とか、あるいはまた火山爆発等がないとか、あるいは海の流れが少ないとかいろんな条件から見て、いまお願いしている地域が一番いいだろう。国際基準にも合い、われわれとしても自信の持てるものだ、こういうことでお願いしておるわけでございまして、だんだんと、安全であるということと、国際基準からいってみだりにあちらこちらに投げられるものではない、こういう点をよく御説明申し上げて、ぜひ理解をいただいて海洋投棄を実施したい。とりあえずは試験投棄をするというところから始まるわけでありますが、陸上投棄も研究はしてまいりますが、正直言ってわが国のように地下水が高いとかあるいは気象条件が激しいとかいうような国ではなかなか陸上投棄というのはなじまない、やはり海洋投棄がなじみやすいというところで、いまはとりあえずまず海洋投棄からやっておるところであります。 なお、わが国だけじゃなくて大西洋の地域ではヨーロッパ諸国も相当量投げておりまして、実績として被害がないということであり、あの付近ではそれほど——それほどというか大きな問題にはなっておらないということも一つの参考の例として水産関係あるいは関係する国々の皆様方に御説明申し上げて理解をいただきたいと努力をいたしておるところでございます。
○新村委員 放射能の影響は、原爆が破裂をしてすぐに熱傷が発生するというようなものではないのですね。これは何年何十年後にその影響があらわれるかもわからないということもありますし、ほかの物理現象とは大変違う特殊な現象であります。また、放射線医学の見地からしても、まだ完全に人体にどういう影響があるかということも解明されていない分野が非常に多い。こういう状況の中で人間の管理の手を完全に離れてしまうわけですから、離れてしまう海洋投棄をあえてすることが将来の人類の幸せということからいって許されるのかどうかという大きな疑問があるわけです。ロンドン条約では大丈夫だということでありますけれども、むしろこれは、世界最初の被爆国としての日本は放射性廃棄物を海洋に投棄しないという、そういう世論を喚起して、それを率先して、日本が海洋投棄を慎んでいくという世論をむしろつくっていくべきではないかと思うのですね。そういう意味からいいまして、これは海洋投棄をしないで別の方法で、陸上に投棄ではなくて厳重に保管をする、こういう体制をつくっていくことがやはり必要ではないかと思うのですが、その点はいかがですか。
○赤羽説明員 御指摘のとおり、人間の生活圏から隔離する場合にのみ放射性物質を廃棄してよろしい、これは私ども全く同じ考えで考えております。その結果、海洋処分、陸地処分、両方について検討しているわけでございますが、国際機関で出されました基準、これはわが国も実験データ等も持ち寄りまして十分に参画した結果できた基準でございますが、それに基づきまして、なおかつ、わが国の研究による処理方法等を加味いたしましてやりますと、全く人間の生活圏から隔離したといってもいいような条件が見つけ出されるということで、海洋処分を進めていこうという方針になったわけでございます。ただし、それも一遍にやるのは御指摘のように管理不可能な状態になるわけでございまして、たとえば、もう一度拾い直すというようなことは原則としてしない方針でございますので、さらに慎重を期すために、まず試験投棄の段階を経て調査をし、その後で本格投棄に移るという方針にしておるわけでございます。 その評価と申しますのはどういうことかと申しますと、内容は非常に詳細でございますので簡単に申し上げますと、先ほど来申し上げておりますように、いままでの実験ではコンクリートに閉じ込められたものは簡単に溶け出さない、それからドラムかんが水中ではなかなか腐食しない、これも実験で確かめられております。たとえば十年くらいでは腐食による破壊は起こらないというようなことも確かめられております。しかし、人間の管理を離れるという立場から、もっと悪い場合を想定いたしまして、投棄物が深海の海底に着底したと同時に壊れて全部溶け出すというような場合を想定いたしまして、しかも海洋には生物の食物連鎖、小さい魚を大きい魚が食べるというような連鎖がございますが、そういう影響を考える、それから海流による流れ、拡散等を考える、そういった条件を加味いたしまして安全評価を行ったわけでございます。 これは昭和五十一年来行っておりまして、昨五十四年には原子力安全委員会で審議された結果でございます。それの最終的な結論として申し上げますと、試験投棄、これは約五百キュリー程度のものを一万本ぐらいのドラムかんに入れて捨てるわけでございますが、これによる予想される被曝は、先ほどのような非常に厳しい条件を課して予想したわけでございますが、現在われわれが自然放射線に当たっております一年間の量、これは約百ミリレムでございますが、それの一千万分の一程度のものになるであろう、それから本格投棄、これは十万キュリーというような仮に大量のものを捨てたといたしましても、自然放射線の一万分の一程度にすぎない、これらは無視できる量であるという評価がされておるわけでございます。 ちなみに、放射線の人体への影響は現時点では未解明であるという御指摘がございました。確かに詳細については未解明な部分もございますけれども、自然放射線をわれわれ年間約百ミリレム程度浴びているわけでございますが、これにつきましても地域によって二、三倍の違いはございます。ところが、その違いによる差というのもはっきりしない程度のところでございますので、一千万分の一とか一万分の一というのは、その数字をもってすぐ人間に影響があると断定できない、すなわち無視できる水準であるというふうに判定したわけでございます。
○新村委員 そうしますと、試験投棄はどこでやるのか。それから本格投棄はどの地点でやるのか。その場所はお決まりですか。
○赤羽説明員 投棄地点を選ぶにつきましては、先ほど大臣が申し上げましたように国際基準がございまして、水深が四千メートル以上、それから地震帯、火山帯のような海の状況を乱す要因のないところ、平らなところ、陸地から離れているところ、水産業が盛んでないところというような条件がいろいろございます。それらを満たす場所としまして現在予定し調査を進めておる場所が東京湾から約九百キロメートル離れた太平洋の海域でございます。これらの基準は先ほどから申し上げましたような人間の生活圏から隔離するための条件という考え方でできたものでございます。
○新村委員 人間の生活から隔離をするという条件は満たしますけれども、人間の管理の手は全く離れるわけですね。そういった方法が果たしていいのかどうかということを私は先ほどから伺っているわけですが、いまの太平洋の島々から、日本の廃棄物の投棄について絶対に認めることができないという広範な世論というか、反対運動が起こっているようでありますけれども、それらについてそういった世論にもかかわらずこれを無視しておやりになるのか、あるいはまたそういうことがあれば強行しないのか、それらの配慮はどうなっているのか。
○赤羽説明員 まずわれわれが評価いたしまして、今後どういう手順で捨てていくかということを基本的に御理解いただこうという意味で、八月半ごろにグアム島で南の島々の首長の方が集まられる会議がございまして、そこでわれわれの計画について御説明申し上げました。その際、行政のあるいは政府の幹部の方々だけでしたので、さらに詳細を各国、各島を回って説明してほしいという要求が非常にたくさんございました。それに従いまして、現在のところ三つのチームを各島に派遣して説明を申し上げております。現在第一のチーム、グアム、北マリアナ、ミクロネシア等を巡回いたしましたチームが帰ってきております。いずれも熱心に聴取してくれまして、原子力についてはほとんど基礎知識をお持ちでない方々でありますけれども、日本が相当きちんとした研究と評価に基づいた計画を立てているという点は徐々に御理解いただきつつあるようでございます。なお、あとの二チームが現在南方で巡回しておるところでございます。 そのような、よくやっていそうだという御理解は深まりはしますけれども、一方では、それが十分にまだのみ込めないという面と、それから何とない精神的な不安、特に過去、南太平洋では米仏によりましてかなり強引な形で核爆発実験が行われた、それとの基本的な差異のところがよくわからないといったことも含めまして、先進国一般に対する不信感とか、そういった感情論もございます。現在ではよくわかったから賛成というまでの国は一つも出ておりませんけれども、誠意をもって、今後、わが国の考え方が決して原爆実験のような無責任に放射性物質をまき散らすものではなくて、あらゆる国の人々の生活圏から隔離できるだけの自信を持った計画であるということを説得してまいりたいと思っております。
○新村委員 事が事であるだけに、これは完全な了解を得ていただきたいわけですが、またそれと同時に、放射性物質の廃棄の原則として、投棄をした後においても責任を持てるような形での処分をぜひお考えを願いたいと思います。 最後に一点だけ伺いたいのです。これは大臣に伺いたいと思いますが、東海村の再処理工場は試験的に運転をしておると思いますが、本格運転はまだしてないわけですね。この本格運転は予定どおり来年の四月ですか、行われるのかどうか、その見通しはどうなっていますか。
○石渡説明員 お答え申し上げます。 まず日米再処理交渉の件でございますが、先生御案内のように、七七年、昭和五十二年に、二年間九十九トンということで東海村の再処理工場の稼働が合意に達したわけでございますが、その後、設備の故障あるいは国際核燃料サイクル評価という、核不拡散と原子力の平和利用の両立の可能性を探求した国際的な議論が延長されたというような事情がございまして、来年の四月までその五十二年の合意のまま日米間の了解が延長されているという状況にございます。 一方、動力炉・核燃料開発事業団の再処理施設につきましては、現在、試運転と申しますか試験運転中でございまして、今月中に使用前検査が合格するという予定になっております。そういう意味でいわゆる本格操業というものに来年一月から入るわけでございます。 そのことと日米間の再処理交渉の経緯というものが絡んでまいるわけでございますが、設備的には来年から本格操業ということであり、一方、日米間の交渉は来年の五月以降を踏まえましてこれから交渉に入るという状況であるということでございます。
○新村委員 大臣に日米間の交渉の見通しをちょっと伺いたい。
○中川国務大臣 交渉事でございますから相手の意向がどうあるかということが決定的になってくるわけでございますけれども、国際情勢全般を見渡して、やはり原子力の平和利用というものは大事だという認識、そしてまた核不拡散と両立するのではないかというところから、私は本格交渉もうまくいくだろう、またいかさなければいかぬと思っておりまして、今後とも力強い交渉をしたいと思っております。
○新村委員 終わります。
○國場委員長 春田重昭君。
○春田委員 最初に、原子力発電所の運転、建設状況につきまして通産省の方にお尋ねしてまいりたいと思います。 運転中のもの、建設中のもの、建設準備中のものがございます。それぞれに分けまして現在何基動いておるのか、また建設していくのか、その出力キロワット数はどれくらいなのか、予想するキロワット数はどのくらいなのか、簡単に御説明いただきたいと思います。
○児玉説明員 お答えいたします。 原子力発電所の運転中のものはただいま二十一基ございまして、一千四百九十五万キロワットでございます。それから建設中のもの十一基でございまして、九百七十八万キロワットでございます。それから建設準備中のものが三基で、三百十五万キロワットでございます。
○春田委員 ただいまの説明でいけば、建設準備中のものも合わせまして二千七百八十八万キロワットになります。ところが「長期エネルギー需給暫定見通し」では、昭和六十年度には三千万キロワットになっておりますけれども、これは間違いございませんか。
○児玉説明員 先生おっしゃいますように、暫定見通しの昭和六十年度の数字では三千万キロワットということになっております。
○春田委員 建設準備中のものが三カ所ございます。日本原子力発電敦賀二号、これが百十六万キロワット、それから中電の浜岡原子力三号、これが百十万キロワット、九電の川内二号、これが八十九万キロワットになっております。これは現在申請中となっておりますが、大体いつごろ許可し、着工し、運転開始の時期はいつごろなのか、その見通しをお答えいただきたいと思います。
○児玉説明員 まず川内二号炉でございますが、これにつきましては本年の四月に原子力安全委員会に安全審査の結果を諮問しております。そして七月に第二次公開ヒヤリングを実施したところでございまして、原子力安全委員会の答申をお待ちしておるという状況でございます。それから敦賀二号機につきましては、本年の九月に安全委員会に諮問いたしまして、十一月に公開ヒヤリングを実施いたしまして、現在その答申をお待ちしておるという状況でございます。また、浜岡の三号炉につきましては、近いうちに安全委員会に諮問したいと考えております。
○春田委員 時間がないからよく質問の意味を聞いてください。いつごろ着工し、運転開始はいつごろなのかと聞いているのです。
○児玉説明員 ただいま申し上げましたような手続を踏んでおりますので、はっきりした着工時期はわかりませんが、電力会社のいわゆる開発計画によりますと、今年度中に着工したい、こういう向こうの希望は出ております。
○春田委員 これはおたくの資料でしょう。「原子力発電所の運転・建設状況(電気事業用)」という形で昭和五十五年十一月十八日に出されておりますこの資料によりますと、運転開始年月日は、日本原子力発電の敦賀は六十一年三月、中電の浜岡は六十年九月、九電の川内は六十一年三月、これは間違いないですか。
○児玉説明員 運転開始時期の予定といたしましては、先生ただいまおっしゃったとおりでございます。
○春田委員 聞くところによりますと、日本原子力発電所敦賀の方は年度内いっぱい、来年の三月か四月ころにおりるだろう、中電については若干おくれて来年の夏くらいではないかということを聞いているわけでございますが、いままでの建設の時期は大体五、六年かかっているわけです。そういう点から言ったら、この日本原子力敦賀、中電の浜岡は、この予定では非常にむずかしいのではないかという見方をしておりますけれども、この点どうですか。
○児玉説明員 先生おっしゃいますように、工期といたしましては非常にむずかしい点もないわけではございませんけれども、ただ、増設という問題もございますし、それから新しい工法ということで工期を短縮するように努力するように聞いておりますので、実際的にどれくらい縮まるかわかりませんが何とかできるのではないか、こう考えております。
○春田委員 この申請中の三基を合わせたとしても二千七百八十八万でしょう。先ほどの長期需給暫定見通しでは三千万キロ、約二百万キロの差があいているわけでございますが、これは何か建設中のものがあるのですか。
○児玉説明員 いまのところございません。
○春田委員 少なくと「長期エネルギー需給暫定見通し」は修正しなかったらいけませんね。三千万キロじゃなくて二千七百八十八が正解である。この三基が順調に工事が着工されて運転開始が六十一年三月の予定いっぱいいっぱいいったとしても二千七百八十八でございますから、三千万は修正する必要がありますけれども、どうですか。
○児玉説明員 暫定見通しの表の性格にもよりますけれども、昨年のいわゆる電気事業審議会の需給部会におきましては、ちょうどスリーマイルアイランドの事故が起きまして、それで立地問題が非常に停滞したという問題を加味いたしまして二千八百万から三千万というのを開発目標にしております。しかし、昨年の八月末のいわゆる暫定見通しというのはどうしてもそれを達成しなければならないということではございませんで、見通しでございますので、その経過年度の一つの時点の数字がそれを下回ったということでそれを改正しなければならないかどうかということは、ほかの問題のバランスとの関係もございますから、そういう点から数字を画すかどうかは検討しなければいかぬか、こう考えております。
○春田委員 昨年十二月にはこれが若干の幅を持たされまして二千八百という形で修正されておりますけれども、いずれにしても、この申請中の三基が予定どおり運転されたとしても二千七百八十八でございますから、私の感触としてはこの敦賀と浜岡は非常にむずかしいのではないか、いわゆる二千八百を合わせるための一時的な数字の間に合わせみたいにしか考えられないわけですね。この点は今後の推移を見てまいりたい、こう思っているわけでございます。 通産省の方は結構でございます。 それでは、科技庁の方にお尋ねしてまいります。原発の核燃料としてはウランが必要なのは当然でございますけれども、わが国のウランの埋蔵量は現在まで一万ショートトンしか確認されてないわけですね。そこで、動燃事業団や民間会社等がウラン探鉱調査団なるものをつくって、いまいろいろ努力をされておるわけでございます。特に動燃事業団では海外ウランのプロジェクトをつくっていまおやりになっておりますけれども、調査を開始された時期はいつごろなのか、その調査探鉱に必要な国費は現在までどれぐらい投資されたのか、簡単に御説明いただきたいと思うのです。
○石渡説明員 動燃におきます海外ウランの調査探鉱でございますが、昭和四十一年度から開始をいたしております。非常に本格化いたしましたのは昭和五十一年度以降というふうに御理解賜りたいと存じます。その累積でございますが、五十五年度までで百七十七億六千万円をこの海外ウラン探鉱調査のために使用しております。
○春田委員 昭和四十一年から百七十七億ですか、国費が投入されて、現在までいわゆるウランの調査探掘がされているわけでございますけれども、現在まで、生産に入る、そういう実績がありや否やお答えいただきたいと思うのです。
○石渡説明員 動燃の担当しております調査活動でございますが、ほとんどのプロジェクトが初期の探査ということで、きわめて初期段階のプロジェクトでございますが、システムといたしましては、非常に有望な鉱区が見つかった場合にはこれを民間会社に譲り渡していく、そこで本格的な開発に移ってもらう、そういうポジションで探査活動を進めているわけでございます。そういうことでございますので、現在までの成果といたしましては、豪州の西の方あるいはアフリカのマリのプロジェクトのように相当有望なウランの徴候を発見している、現在、その広がりぐあいを調査中というようなものでございますけれども、それなりの成果は出ているというふうに考えてはおりますが、まだ実際にウランの採掘に結びついたという段階には至っていないわけでございます。
○春田委員 いま使われている、それなりのという言葉が出てまいりましたけれども、まだ実績は上がってないわけですね。このウラン調査探鉱に対してはいろいろな見方があると思うのですね。調査開始当初に比べて、今日では相当状況も変わっていると思うのです。 そこで大臣の御見解をお伺いしたいわけでございますが、最近はウランの再処理、プルトニウムの燃料化といった核燃料サイクルの実現がされつつあります。また、ウランを埋蔵している有力地は他国が先駆けて押さえているという状況もあるそうです。また、厳しい財政事情、こういった諸事情から、余り積極的にやる必要はないのじゃないかという意見もあると聞いております。また一方では、資源のないわが国としては、要するに将来のことを考えると前進こそすれ後退してはならない、こういう意見もあると聞いておりますが、科技庁の長官としての御見解をお伺いしたいと思います。
○中川国務大臣 原子力発電は、これからのエネルギーを考えたときに欠かすことのできない国際的に重要な課題だと思っております。 そこで、わが国においては特にエネルギーの大半を、大半というより八八%も外国に依存し、エネルギーの七三%が石油である。石油情勢が厳しいとすれば、世界に先駆けて代替エネルギー、原子力発電をやらなければいかぬということになるのだろうと存じます。その場合、いろいろなことがありますが、やはりスタートとしてはウラン鉱石を安全に、見通しを立てて確保しておかなければいかぬということでございますから、この点について最善の努力を払う。また、せっかくウランはいただけましても十分な利用ができないで、郷だけというのではもったいない。そこで再処理なりあるいは高速増殖炉なりあるいは新型転換炉なり、いわゆる核燃料サイクルというものをりっぱにやり上げて、少ないウランで事足りる、こういう両建ての政策が必要だというふうに思いまして、ウラン鉱石についての確保ということと並んでまた核サイクルの研究開発、こういう両建てでやっておるところでございます。
○春田委員 私も大臣の御見解にはほぼ同意をするわけでございますけれども、ただ、ウランの発掘が、調査探鉱は政府の資金で行い、いわゆる開発生産の段階で企業に引き継がれるというシステムがありますね。この考え方は石油と同じような考え方だと思うのですけれども、やはり考える必要があるのではないか。リスクは税金で賄い、いわゆる採算が合う段階になって企業が引き継ぐ、こういうことになるわけですね。全面的に企業がリスクを受け合うのではなくして、出なかった場合は半分ぐらい企業が負担し、半分政府の金で賄う、こういうことらしいですけれども、こうした厳しい財政事情から考えて、まだまだ非常に企業に甘いのではないか。調査探鉱はほとんど税金でやって、ほぼめどがついた段階で企業が引き継ぐ、こういう考え方ですね。これは企業に甘いのではないかという考え方を持っていますけれども、大臣はどうですか。
○石渡説明員 ウラン探鉱という非常にリスクの高い仕事をどういうふうに国そして民間が分担していくかという考え方の問題だろうと思います。 わが国の場合、特にそういう海外探鉱を受け持つ企業の力の問題あるいはウラン探鉱の非常なむずかしさの問題等がございまして、ただほっておいたのではなかなか進まないという現実もあるわけでございますので、動燃でそういう初期段階のリスクを負うということでございますが、まだ成果が上がってないではないかという御指摘でございますが、どこかいいところを見つけた場合には、それを引き継ぐ段階におきまして、それまでにかかった費用をできるだけ多く回収するということは当然考えてまいりたいと思っておりますので、一概に、企業に甘いという御批判ではございまするが、そのようなことがないように運営をしてまいりたい、このように考えておるわけでございます。
○春田委員 続いて再処理の問題についてお尋ねをしてまいりたいと思いますが、先ほども同僚議員から出ました問題でございます。この再処理問題につきましては、日米原子力協定につきまして昭和五十六年の四月まで九十九トンが認められているわけですね。再処理についてはアメリカはいままで非常に難色を示していたわけでございますけれども、カーター大統領からレーガン大統領にかわった。レーガンさんは原子力開発にかなり理解を示しているということも聞いているわけでございます。いよいよこれから交渉が行われるわけでございますが、その辺の見通し、いわゆる従来より前進すると見ているのかどうか、その変化はどうなるとお考えになっているのか、その辺をお尋ねしてまいりたいと思います。
○石渡説明員 昭和五十二年の日米再処理交渉におきましては、原子力の平和利用と核不拡散を両立させ得るのだというわが国の基本的な主張に米国も同意したわけでございまして、先生御指摘のように、二年間九十九トンという枠でスタートしたわけでございます。若干の延長がございましたが、来年四月までということでございますので、それ以降どうするかということで現在内々の意見の交換が始まっているわけでございますが、主として米国側が政権の交代等の事情もありまして、まだ本格的な話に移っていないということではございますが、少なくとも動燃の再処理工場の順調な運転に支障のないように何とかまとめていかなければならないということで、これから特にアメリカ側の体制の固まりぐあいを見ながら折衝を強力に進めてまいるという状況でございます。何といいましても、国益を守るという立場で強力に交渉を進めるべきだというふうに考えております。
○春田委員 事前交渉が行われているということでございますから、その辺の感触ですね。従来よりも前進すると見ているのかどうか、その辺の見解わかりませんか。
○石渡説明員 もちろん相手のあることでございますので、一方的な見解を申し上げられる立場にございませんけれども、何としてでもこの交渉はまとめ上げなければならない、このように考えておるわけでございます。
○春田委員 続いて使用済み燃料でございますけれども、百万キロワットの発電で年間約三十トンの使用済み燃料が出てくる、そういう基本的な考え方でいいですか。
○石渡説明員 そのとおりでございます。
○春田委員 それならば先ほど通産の方にお伺いしましたこの計画でいきますと、昭和五十五年が千四百九十五万キロワットでございますから約一千五百万キロワットとして大体四百五十トンの使用済み燃料が出てくる、こう考えていいと思うのです。昭和六十年は三千万でなくして二千八百万で計算いたしますと八百四十トン、昭和六十五年度は五千百から五千三百になっておりますが下の方をとりまして五千百とします。となれば、千五百三十トンの使用済み燃料が出てまいりますけれども、この数字に間違いございませんか。
○児玉説明員 ただいま先生おっしゃいました開発計画でいきますと、昭和六十年度に約三千八百トン、それから昭和六十五年には八千七百トンという数字になろうかと思います。
○春田委員 昭和五十五年ではどれくらいですか。四百五十トンでしょう。昭和六十年度ですよ。年度だげですよ。いわゆる年間の使用済み燃料ですよ。累計じゃないですよ。
○児玉説明員 先生おっしゃいますように、大体七百トンぐらいだと思います。
○春田委員 計算が合わないじゃないですか。百万キロワットで大体三十トンでしょう。これは間違いないと、いま返事がございましたね。昭和六十年度には二千八百万だったら、三十トン掛ける二十八で八百四十トンになるのじゃないですか、計算上は。
○児玉説明員 ただいま先生のおっしゃいました、たとえば百万キロワットの発電所ということでやりますとそうなりますけれども、全体三千万キロワットの中身の発電所というのは、百万キロワットばかりではないわけでございますので、その点を細かく計算したのがいまの数字でございます。したがいまして、先生おっしゃいますように、これは全部百万キロワットの発電所で構成されるとすれば、先生おっしゃるとおりでございます。
○春田委員 だから、端数がございますけれども、百十万キロワットだったらそれだけ端数が出てくるわけでしょう。まあこれに近い数字が出てくるわけですね。いずれにしても、時間がございませんから先に進みます。 そこで、東海村の再処理工場がフル運転する時期というのはいつなのか。そして、フル運転した場合、その処理能力はどれくらいあるのか、これをお答えいただきたいと思います。
○石渡説明員 東海再処理工場のフル運転の時期でございますが、徐々に稼働率を上げていくということを計画しておりまして、大体昭和五十九年度にフル運転に入るという計画で慎重に処理量をふやしてまいりたいと思っておるわけでございます。その時点での処理量でございますが、年間で百四十トンを計画しております。
○春田委員 当初計画では三百日の稼働日数で二百十トンになっておりましたが、これは修正したわけですか。
○石渡説明員 いままでの操業の経験あるいは核不拡散という見地からのいろいろな国際機関等による検査等で思ったよりも日数を食われまして、したがいまして、年間三百日の稼働というのは現実的ではないという判断に立ちまして、現在年間二百日の稼働で一日当たり〇・七トンということで進めてまいりたいと思っているわけでございます。そういう意味では従来二百十トンと申し上げていたことがあるかと存じますが、この際百四十トンというかたい数字で今後将来を考えたいということでございますので、修正さしていただきたいと思います。
○春田委員 そこで、現在ではほとんどの再処理はフランス、イギリスの方に海外委託しているわけですね。この海外委託の契約期限というのは大体いつまでなんですか。
○石渡説明員 先生御指摘のように、フランス、イギリスに委託をしております。契約は二本立てになっておりまして、既契約、古い方の契約でございますが、これは全部で昭和六十年まででございます。それから、その後新たな契約を結んでおりまして、これは昭和六十五年まで結んでおります。
○春田委員 それでは六十年以降は、どういう形の再処理をしていくのですか。
○石渡説明員 六十五年まで一応海外契約がございますので、それ以降、これから十年後でございますが、それまでにわが国におきまして第二再処理工場を建設いたしたい、このように計画しているわけでございます。
○春田委員 伝えられるところによりますと、日本原燃サービスが東海村に次ぐ第二の再処理工場をいま計画中である、こういうことでござい.ます。現時点でどういう場所に設置するのか、そして運転開始の時期は、そしてその処理能力はどれくらいあるのか、三点について簡単に御説明いただきたいと思うのです。
○児玉説明員 本年三月に日本原燃サービス株式会社という、いま先生おっしゃいました再処理第二工場をつくることを目的とした会社が発足しております。それで、いま立地地点の選定という作業をやっておりますが、その再処理工場の規模は毎年千二百トンということで、昭和六十五年に運転を開始するという予定でございます。
○春田委員 もう一回通産の方にお尋ねしますけれども、昭和六十五年度に使用済み燃料はどれくらい出てきますか。
○児玉説明員 昭和六十五年度までに累積として八千七百トンでございます。
○春田委員 累積じゃなくして、単年度でどれくらい出てくるのですか。
○児玉説明員 単年度といたしましては、約千二百トンでございます。
○春田委員 そうしたら、昭和六十五年以降は海外委託しないで、動燃が百四十トン、この民間の日本原燃の再処理工場が千二百トンですから、これで十分賄える、海外委託する必要はない、こうお考えになっているのですね。
○児玉説明員 先生のおっしゃるとおりでございます。
○春田委員 わかりました。 そこで、現在海外委託しているわけでございますけれども、その状況を若干お尋ねしてまいりたいと思います。すでにもう再処理が行われているのかどうか、そして再処理したら当然廃棄物が出てまいりますけれども、その廃棄物も向こうが引き取ってくれるのかどうか、この点お尋ねしてまいりたいと思います。
○児玉説明員 海外委託で再処理が実施されておりますが、新しい契約についてはまだ実施されておりません。それで実際に再処理されまして高放射性廃棄物が出た場合には、それを委託者に返還することありという問題になっておりますので、それの返還のいわゆるスペックをどうするかということがさしあたっていま問題になっております。それについてこちらの委託者が、どういうスペックでそれを用意しておいてもらう、いずれそういう廃棄物が出てまいりましてフランスなりイギリスがそれを引き取ってくれ、こう言ったときにはそれを引き取るということでございまして、またそれの引き取る行為については国がその裏書きをするということになっております。
○春田委員 そこで廃棄物の処理処分が問題になってくるわけでございます。先ほどの答弁を聞いても方針は決定しているみたいでございますけれども、果たしてどこまでそれが実施されるか非常に不安定な要素がたくさんあるわけですね。私も質問する予定でございましたが時間がございませんのでその点は後日に譲りたいと思いますが、いろいろ新聞で話題になっておりますけれども、たとえば非公式に、韓国の原子力委員が科学技術庁の清成原子力委員長代理に面談されまして、使用済み燃料を、韓国も原発を推進していきたいので日本で再処理をお願いしたい、こういう希望をしたと聞いております。また有沢日本原子力産業会議議長は、この日本をアジア地域核燃料センターにという構想も明らかにされております。これに付随するようにIAEA、国際原子力機関のフィッシャー渉外担当特別補佐官も日本がそうしたアジアの中心となっていくように発言をしているわけでございます。こうして各国が非常に日本に再処理の委託をする方向に来ておりますけれども、わが国としてはどのようにお考えになっておるのか、これは大臣の方にお伺いしたいと思います。
○中川国務大臣 当面はわが国の分だけを処理するだけで精いっぱいでして、将来についてはまたいろいろな構想もありますから研究はいたしますが、現在はわが国の分だけ、こういうことで進んでおります。
○春田委員 いずれにしても、再処理工場につきましては東海村でもウランのテストやホット試験や試運転の段階でトラブルを出しているわけですね。また、プルトニウムが危険要素を持っていることを考えたときに、私は、こうした構想、また民間で千二百トンの処理能力がある処理工場をつくるという計画がございますけれども、決して性急に急いではならないし、慎重に対処していただきたい、このことを要望しておきます。 最後に、時間がなくなりましたけれども、先ほどの答弁で若干私も聞いておきたい点がございますので、同僚議員の質問に関連してお尋ねしますけれども、現在放射性廃棄物、低レベルのものが百万キロワットの発電所でいわゆる二百リッターのドラムかんで大体三千五百本出てくるというのですね。そういう点でかなりの量が出てきて、現在二十六万本、昭和六十年度には六十万本が出てくるだろう、こういう答弁が先ほどありましたけれども、現在の原子力発電所または東海村、いろいろ全部合算して、低レベルのいわゆる処理能力といいますか貯蔵能力といいますか、それはどれぐらいなんですか。何万本まで貯蔵できるのですか。
○児玉説明員 低レベル廃棄物の貯蔵能力でございますけれども、現在の貯蔵設備の能力といたしましては三十六万本貯蔵できる状況になっております。したがいまして、ただいま約二十一万本でございますので、そういう意味ではまだ余裕がございますし、またそういう余裕のあるように逐次その保管設備の増強ということを図っていきたい、こう考えております。
○春田委員 三十六万本の貯蔵能力があって二十一万本ですからあと十五万本、半分以上が埋まっているわけですね。私の計算でいきますと大体百万キロワットの発電所で大体三千五百本でございますから、昭和五十五年の段階で約五万本出るだろう、昭和六十年になりましたらこれが二千八百の発電ができると想定すれば、約十万本近いあれが出てくる。こういう計算でいけば、あと十六万本、それだけの貯蔵能力があると言っても、三年ないし四年、もう五年ももたないと思うのですね。大体三年を限度に埋まっちゃうのじゃないか、こういう考え方になるわけです。 そこで、先ほどから論議されておるように、海洋処分とか陸地処分とか陳腐処分とかいろいろ言われているわけでございますけれども、方針が決まっているだけであって、まだまだ実績が上がっていない。太平洋の方に捨てようと言ったら、そういう住民から非常に反発がある。陸地処分をやろうと思っても、原子力発電所の立地と同じようにかなり住民の反対があるわけでございまして、石油代替エネルギーとして原発が必要であるという大義名分はどんどん進んでいるけれども、肝心の廃棄物処理、これが非常に不安要素がたくさんあるわけです。だから、方針だけはきちっと決まっているけれども、現実的にそういう発電所がどんどん動いて建設されていったならば廃棄物の処理は貯蔵される一方で非常にむずかしい問題が残ってくると思うのです。そういう点で、私は、非常にこの廃棄物処理というものは早急に、方針があるわけでございますから、それがいわゆる環境汚染にならないような、そういう策を講ずる必要がある、こういうことでございます。いま言ったように、あと大体三年ぐらいで私の計算ではもう満杯になる。それまでにきちっと処理ができる体制ができるかどうか、自信があるかどうか。大臣、どうですか。
○中川国務大臣 御承知のように原子力行政で、いろいろ問題ありますけれども、一番むずかしいのは立地の問題と廃棄物の問題だと思います。 立地についても最近原子力の必要性は大分御認識はいただいてきておりますし、また立地対策も講じたいし、さらに一層促進をしてまいりたいと存じます。 なお、廃棄物の処理については非常にむずかしい問題ではありますけれども、御指摘のようにもう二十万本以上たまっておりますし、やがて計画どおりいきますと相当の量が出てまいりますので、もう貯蔵にも限界があるというところから、ここ二、三年のうちには見通しを立てるように、しかしそうかといって余りあわてましてもなかなか大変でありますので、慎重にしかも必要性を十分認識しながら、これが解決を図っていきたい、こう思っております。
○春田委員 それでは、もう時間が参りましたので、最後に申しておきたいことは、先ほどから言っているように、石油代替エネルギーとしての原子力発電が注目されるのはわかるわけです。しかし、あくまでも原子力発電というのは住民の合意と厳格な安全審査がなくては建設できないと私は思うわけです。通産省が昭和六十年三千万という形で立てられるわけでございますが、わが党としてはさきの党大会ではっきりとそれは無理だ、昭和六十年で二千万がいいところじゃないかという打ち出しもしているわけでございますが、そうした住民のいわゆる合意、厳格な安全審査、これがなくして私は建設できないと思う。また現状、先ほどから質問がありますように、廃棄物の処理、温排水の問題等いろいろな問題がまだまだ残っているわけです。そういう点で、慎重の上にも慎重にこの原子力発電の運用を図っていただきたい。あくまでも原子力基本法に定められている自主、民主、公開の基本原則を貫いてこそ原発の建設が認められるのではないか、私はこういう考え方を持っておるわけでございまして、大臣におかれましても、どうかそういう点をよく勘案しながら原子力行政を進めていただきたい。このことを要望して、私の質問を終わります。
○國場委員長 和田一仁君。
○和田(一)委員 私は、宇宙開発関係についてお尋ねしていきたいと思います。 まず、宇宙開発政策大綱がございますが、これによる基本方針及び開発シリーズ等についてお尋ねしたいと思うわけでございます。 特に五十六年度の打ち上げ計画についてはこれを予定どおりにおやりになる計画かどうか、この点でございますが、私の手元にございます大綱の前文には「開発目標の選択及びその遂行方法の決定の適否は、国家的利益に大きな影響を与える」こういうふうに書いてございまして、大変多額な国費をこれからも使うわけでございますけれども、それだけに、この計画そのものがそのとおり行われるかどうかをまずお尋ねしたいと思います。
○勝谷説明員 お答えいたします。 宇宙開発委員会によりまして慎重審議をいたしまして、先生のお手元にございます宇宙開発計画を予定どおり実施する方向で決定を見ております。
○和田(一)委員 それでは私が持っております大綱に従ってこれからもおやりになる、こう理解をいたします。 ただ、その中にさらに、宇宙開発というものは大変なことでございますけれども、「長期的な見通しと指針のもとに、段階的にその地歩を固め、かつ、これらに対する的確な評価と不断の見直しを行い」云々、こう書いてございますけれども、現在の進行状況の中でそうした的確な評価と、さらには不断の見直しを行う、この不断の検討と時宜を得た見直しをしてきているかいないか、その辺はどういうふうにお考えでしょうか。
○勝谷説明員 常に宇宙開発委員会ではその都度検討が進められておりまして、一例を申し上げますならば、NIロケットで打ち上げる予定をいたしておりましたETSIIIという衛星がございますが、これはことしの計画では一年ずらす方向で決定を見ております。かくのごとくその都度慎重な検討を進めておるところでございます。
○和田(一)委員 それでは宇宙開発事業団のことでございますけれども、この事業団への政府出資金あるいは補助金、こういったものを見ますと、五十三年度の一般会計からの歳出額が六百八十三億ございます。そのときの不用額が二十一億二千七百万円、こういうふうに出ております。そしてこれをその前の年の不用額と比べますと、前の年は十三億一千四百万円、こういうふうに不用額が出ておりまして、大変増加しておるように思うわけですけれども、これは一体どういう理由か御説明をいただきたいわけです。
○勝谷説明員 先生御指摘のとおり、五十四年度の宇宙開発事業団の補助金は一億七千七百万円ということになっておりますが、これは五十三年度に比べまして、五十三年度が……(和田(一)委員「いや、私が言っているのは五十三年の不用額が五十二年より多いということです。歳出額の中で不用額として出てきているもの。」と呼ぶ)補助金でございましょうか。
○和田(一)委員 補助金でなくて、五十三年度で二十一億二千七百万円の不用額が出ているのじゃないですか。まずその辺からお聞きいたします。
○勝谷説明員 失礼いたしました。 外貨の面でございまして、円が強くなりましたものですから、当初認められた単価よりも外貨の面で強くなったものですから、それだけの不用額が出たわけでございます。
○和田(一)委員 それでは、今度は五十三年の補助金を見ますと、五十四億歳出されておりました中で千五百四十七万円の不用額、こうなっておりますが、これが五十四年になりますと一億七千六百九十一万、こういうふうにふえてきておるわけなんですけれども、この補助金の中身と、そして、どうしてこういうふうにふえてしまったのか、この点について、これは余り外貨とは関係ないのじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○勝谷説明員 お答えいたします。 この補助金につきましては、補助金は人件費とか一般管理費等でございますけれども、五十三年度に比しまして五十四年度は御指摘のとおり千五百万から一億七千七百万にふえております。これは予見しがたい経費が発生した場合に備えての財源というのがございまして、退職金とかそれから給与のベースアップの経費とかそういうふうなものを予見しがたい経費として見積もっておるわけでございますが、この五十四年度におきましては、退職金を予定しておりましたところ、退職金を支払わなくてもいいような退職の仕方が行われましたし、また、一部給与のベースアップ等で当初の見積もりよりも若干低目に実際の実施が行われたというようなことがございまして、これだけの不用額があったわけでございます。
○和田(一)委員 予見しがたい経費というのは、これはその年度だけではなく毎年度同じようにあると思うのですが、少し多過ぎるものですから、何か歳出基準というか算定基準が甘かったのではないかなという感じがしてお聞きしたわけでございますが、そういう点はございませんですか。
○勝谷説明員 大体前年と同じ趨勢で大蔵省とも話し合いの上決定を見ておりましたところ、先ほど申しましたようなことで、当初考えていた必要な経費を出すことがなくなったものでございますからこれだけの金額が計上されたわけでございます。
○和田(一)委員 五十三年、五十四年にかけましてECS、「あやめ」一号、二号という実験用静止通信衛星の打ち上げがございまして、これが両方とも失敗に終わったわけでございますが、この原因が那辺にあったか、ことしの、この前の科学技術委員会等においても質問があったわけでございますが、そのときには、宇宙開発委員会の第四部会においてその原因究明をしておる、こういう御答弁がございました。その結果が出ておるはずでございますけれども、その失敗の原因を御説明をいただきたいと思います。
○勝谷説明員 先生御指摘の「あやめ」二号は、ことしの二月二十二日に宇宙開発事業団の種子島宇宙センターから打ち上げられまして、三万六千キロと二百キロメートルの遷移軌道、地球を楕円形に回るわけでございますが、その軌道には順調に飛行を続けておりましたけれども、三日後の二十五日、静止軌道に投入するために三万六千キロの地点で、衛星に組み込まれておりますアポジモーターを点火いたしましたところ、約八秒後に衛星からの電波が途絶いたしまして、所期の目的を達成することができなかったわけでございます。 このような事態にかんがみまして、宇宙開発委員会の第四部会におきまして専門家を集めまして原因の調査究明を行いました。新たに専門家三名を加えまして、さらにアメリカにも調査団を派遣いたしまして、先生御指摘の調査を進めたわけでございますが、その結果、衛星が異常な加速度を受けていること、さらにアポジモーターの外側の温度が異常に上昇していること、ここらの点を精査いたしまして、また、アメリカサイドの意見等々も十分参考にいたしまして、「あやめ」二号のふぐあいは衛星に組み込まれたアポジモーターの異常燃焼が原因であるという結論に達しました。そして、委員会はこの旨を公表いたしております。
○和田(一)委員 ここから先は大変専門的なことになりますので、ひとつなるべくわかりやすく御答弁を願いたいと思うのですが、アポジモーターが原因で第二号は失敗した、こういうことでございますね。そのアポジモーターでございますけれども、これはいま国産化の状態はどうなんでしょうか。こういったものについては、いつまでもブラックボックスと言われるような段階で研究開発が進んでいないのか、それとも、わが国の研究開発の中でどれくらいの時期にこれの国産化の見通しがあるのか。衛星の一番大事な部分ではないかと思います。これを軌道に静止させるためには、これがマスターできなければならぬ大事な部分であろうと思うのですけれども、そういった点の日本の研究開発、これがいまどの程度に行っているか、やっておる段階で、いつごろなら国産化ができる、こういった見通しも含めてお知らせをいただきたいと思います。
○勝谷説明員 ただいま御指摘のアポジモーターの自主開発の進捗状況でございますが、宇宙開発事業団におきましては昭和五十四年度から国産のアポジモーターの研究開発に着手しておりまして、主要コンポーネント別の試作試験が順調に進められております。 一方、航空宇宙技術研究所、これは科学技術庁にございます宇宙と航空の問題を研究している技術の中核体でございますが、この研究所におきましても、上段モーターの信頼性評価基準に関する研究という研究テーマをもちましてアポジモーターの研究を進めているところでございまして、今後は、このデータ、技術等を宇宙開発事業団と相互に情報交換をしていきまして進めることになっております。現在のスケジュールでは、昭和六十年度以降に打ち上げられます日本の静止衛星に使用することが可能となる予定でございます。 若干細かくなりますが、アポジモーターの国産化に携わっております関連企業といたしましては、いまの宇宙開発事業団、航空宇宙技術研究所の指導のもとに、日産自動車が設計とモーターケース等の開発を、さらに日本油脂が推進薬の開発を進めております。さらに、このための開発研究でございますが、研究開発を五十四年から五十七年まで進めまして、五十七年から開発に着手し、六十年にはこの開発が終了するという方向でございまして、いま私どもが考えておりますのは、約五十億の予算でこの国産化を達成したい、期間的には五十四年から六十年ということを予定しております。
○和田(一)委員 そうしますと、先ほどのお話で、打ち上げ計画その他については当面変更ない、こういうことでございますと、五十五年度に打ち上げ予定のETSIVと言うのですか、技術試験衛星、それから五十六年にGMS2、静止気象衛星というのを打ち上げる予定である。私の手元の資料ではそうなっておりますけれども、まずこれにアポジモーターを組み込むのかどうか。恐らくこのGMS2の方は当然アポジモーターがなければ静止衛星にならないのだろうと思いますけれども、それはどうでしょうか。
○勝谷説明員 先生御指摘のとおり、ETSIVはアポジモーターを組み込みませんでダミーを組み込んで実験をするわけでございますが、GMS2は静止軌道に打ち上げる必要がございますのでアポジモーターを組み込みます。ただ、このアポジモーターは「あやめ」のアポジモーターの製造メーカーと違う製造メーカーのアポジモーターではございますけれども、組み込むことになっております。
○和田(一)委員 そうしますと、五十五年、五十六年度打ち上げの分については国産化ができないので、これは買ってきてくっつける、こういうことのようでございますし、いまの御答弁では、そのGMS2のアポジモーターは従来使っておったアジモーターと違うメーカーでございますか。何というメーカーで、どこの国のでしょうか。
○勝谷説明員 同じようにアメリカのメーカーではございますが、サイヤコールというメーカーでございまして、「あやめ」に組み込んでおりますアポジモーターはアエロジェットという会社でございます。
○和田(一)委員 先ほど「あやめ」二号の失敗はアポジモーターが原因であったという御答弁がありましたのですが、今度打ち上げるGMS2のアポジモーターもアエロジェットの場合と同じような契約をなさったのでしょうか。つまり、取りつける中身が何もわからぬというような状態で取りつけるのでしょうか。
○勝谷説明員 基本的にはいま先生のおっしゃる線を私ども否定することができないと思うわけでございますけれども、「あやめ」二号が失敗いたしまして、実際に打ちますGMS2号までは一年半の長きにわたるわけでございます。その間私どもは、先ほど申しましたように「あやめ」二号のふぐあいの原因については徹底的な研究をいたしたわけでございまして、アメリカのメーカー段階の勉強等々十分に勉強いたしまして多くの教訓を得ておりますので、アポジモーターの検査項目を拡充するとか検査の仕方の精度をさらに上げるとか、そのほか衛星全体についてのアポジモーターとの関係での設計方法、安全係数の妥当性を再検討するなどの準備を着々と進めております。したがいまして、万全を期すということでございまして、あくまでもブラックボックスに近い状態ではないかという点についてこれを否定するわけにはいきませんけれども、私どもその後、「あやめ」とは違う日本側の自主的な改良点を幾つかつけ加えているということを申し上げたいと思います。 第一は、「あやめ」二号のふぐあいの後、先ほど申しました第四部会で新たに専門家をつけ加えまして徹底的な調査をいたしました。米国に調査団を派遣するということもいたしました。そしてアポジモーターの異常燃焼とその原因についての結論を得たわけでございます。 さらに、「あやめ」二号に組み込まれましたアポジモーターと同種のアポジモーターが実は幸いなことに一基日本にございます。このアポジモーターにつきましても、米側の了承を得ましてこれを切り刻みまして、その性能なり、このたびは異常燃焼を起こすための剥離等々があったのではないかと考えるわけでございますが、ここらについての検討をいたしました。そして幾つかのデータを得ております。 さらに、GMS2で用いられますアポジモーターは「あやめ」二号のものとメーカーは異なりますけれども、いままで申しましたような知見に基づきまして、その検査に当たりまして、先ほど申しましたさらに精度の高い検査方法といたしまして、第一にエックス線撮影のショット数を増加する、第二に超音波の試験を追加する、第三に推進薬の物性試験の追加を行う、こういうようなことを実施することによりまして品質確認をより一層確実なものにするという方法をとることにいたしております。 さらに、「あやめ」が失敗いたします同じころにアメリカでもアポジモーターで失敗をいたしましたけれども、その後アメリカサイドで衛星が打ち上げられておりますが、これは成功裏に二発打ち上げられております。これはいずれも私どもが次に採用するサイヤコール社のものでございます。しかしながら、先生御指摘のとおり、あくまでもわが方の完全自主開発のものではございませんので、GMS2の打ち上げに当たりましては全体的に監督、検査の一層の自覚を促しますとともに、万全の体制をもって遂行に当たるということで、宇宙開発委員会は通常こういうことはいたしませんですけれども、GMS2につきましては打ち上げの前にアポジモーターの点についてもう一度検討をいたしまして、その後に打ち上げさすという方法をとろうといたしております。 以上でございます。
○和田(一)委員 あの「あやめ」二号の失敗がアポジモーターであったということがはっきりいたしまして、そしてそれも打ち上げの前には厳重にチェックした、点検して載せたのだ、こういうことであったにもかかわらず結果はやはりアポジモーターであった。つまりチェックはし、そういった間違いがないようにという検査を厳重にしたにもかかわらずやはり出たというのは、こちら側のチェックする体制、その機能がまだ十分追いついてないのじゃないかな、そういう感じもするわけでございまして、そういう能力をぜひ高めて、またアポジモーターが原因であったというような同じ過ちを繰り返さないようにしていただかないと、上げたはいいがまた失敗であったということにつながるわけなんで、ぜひその点はひとつ厳重にやっていただきたい。 それから、購入する社がかわったようでございますから、そういうときには、従来契約上なかなかできなかったようなことも新しい契約の中で十分できるような努力をしていくべきではないか、こういうふうにも私は考えておりまして、サイヤコールですか、こういったところのアポジモーターの性能が信頼性の高いものであるならば、それをつけて今度はぜひ成功裏に終わらせていただきたい、こう思うわけでございます。 それで、いま一つなのですけれども、NI型のロケットの方のシリーズは六号機で一応ロケットの打ち上げの技術というものは確立されたのでしょうか。これがまた引き続きNIを使って五十七年にはETSIIIを上げるということなわけですけれども、その辺はどうなのでしょうか。これでNロケットについては技術が確立した、そういうふうにとってよろしいのですか。
○勝谷説明員 NIロケットにつきましては、五十年の九月に一号機を打ち上げたわけでございまして、これは「きく」という技術試験衛星I型でございます。これは成功いたしております。それから五十一年二月に第二号の「うめ」という電離層観測衛星を打ち上げております。これも成功いたしております。それから三号は五十三年二月に「うめ」二号というのを打ち上げております。これも成功いたしました。さらに五十二年には「きく」二号という技術試験衛星II型を打ち上げまして、これも成功いたしました。次の五号機を打ち上げましたときに、これは昨年の二月でございますが、残念ながら第三段目と衛星を分離する分離機構で失敗をいたしまして、三段目の最後のロケットが衛星本体に突き当たるという事故を起こしてしまいました。これはロケットと人工衛星の切り離し機構でございます。そこで去年の失敗は衛星のロケットの失敗ということになっております。そして、ことしの二月に打ち上げました「あやめ」の二号につきましては、三段目と衛星との分離はきわめてスムーズに行われまして、約三日の間、衛星は予定どおりの軌道を運航いたしておりますので、ロケットとしてはりっぱに打ち上がっております。したがいまして、私ども六発打ちましたうちの五発は完全に成功いたし、一発だけが分離機構で失敗した。これを次のロケットで十分カバーしたということで、NIについては所期の目的を達成したと考えておるわけでございます。
○和田(一)委員 六発中一発の失敗で確率はいい方なのかもしれませんけれども、最後の方へきて失敗しているのでちょっと気になるのですね、一番最後はうまくいったようなのですけれども。それで打ち上げ技術は確立しているようですけれども、「あやめ」の衛星のミッションとしてそういった打ち上げ技術の確立とかありますが、その中に静止衛星の姿勢制御技術の確立という項目がうたい込んでありますね。これが姿勢制御機能の習得であるとか試験とかいうのではなくて、確立というのが大きな目標になっておるわけなのですけれども、この点についてはまだできてないのじゃないか、私はそういうふうに思うわけなので、これは何といってもアポジモーターそのものの国産化ができないという段階ではむずかしいのじゃないかと思います。そういう意味では、さっきのもう一基残っている分を分解して解明できるというようなことを伺ったわけなので、ぜひそうした技術を早く習得して、六十年からは国産化に努力をしていただきたいものだと思うわけです。宇宙開発全体について大変おくれているような感じがいたしますし、そういう意味で努力中のことはよくわかります。 それでもう一つお聞きしたいのは、前回の「あやめ」の場合に、一号のときには保険を掛けたけれども二号は掛けなかった。その理由はもうあと予備機がないから、こういう御説明があったのですけれども、どうもそれだけではよく納得がいかないので、この次のこれから打ち上げる衛星については保険の関係についてはどういうふうにお考えになっているか。「あやめ」一号の場合は二億八千万の掛金で二十八億の保険が次の打ち上げの費用の中で使えた、こういう貴重な経験もあるわけなので、なるべく国費をそういう意味ではむだなく使っていくという意味でも、そういう場合には掛けるべきではないかと私は思うのです。ああいった経験を踏まえて、日本にそういう保険市場がいまだに存続しているのかどうか、それも問題でしょうけれども、これを予算化していくおつもりはあるのかどうか、その辺をお聞きしたいと思います。
○勝谷説明員 先生御指摘のとおり、前の決算委員会その他の委員会で、保険については国会で十分な御審議をいただきました。したがいまして、私ども次の二月に打ち上げる予定のETSIVにつきまして、NIIの初号でございますが、これにつきましては打ち上げ費用について保険を掛けるつもりでございますし、さらに九月に打ち上げる予定のGMS2につきましても保険を掛けるべくいま予算要求をいたしているところでございます。
○和田(一)委員 それからもう一つ、来年の二月にはETSIVが打ち上げの予定、それから引き続いて八月、九月にはGMS2が打ち上げられるのですが、これはNIIシリーズですか、このロケットで打ち上げられるわけですね。さっきNIの方は打ち上げ技術についてはもう確立した、こういうようなことでございましたけれども、それじゃなぜ、ETSIIIはNIIで上げないのでしょう、NIで上げるのですか。これは重さによるのでしょうか。
○勝谷説明員 まさに御指摘のとおり、NIは静止軌道に百三十キログラム程度のものしか打ち上げる能力はございませんでしたけれども、その後の日本の人工衛星の要求が三百五十キロ程度の静止軌道衛星の打ち上げということになりましたので、三百五十キログラム程度の人工衛星を上げるに足るロケットの開発を進めてまいったわけでございまして、やっとその第一号を来年の二月に打ち上げることができるということでございまして、逐次ロケットの能力を開発してまいりまして、このたびNIIの新しい段階に入ったということでございます。
○和田(一)委員 私が聞きたいのは、五十七年に一年置いて打ち上げるETSIIIというのは三百七十五キログラムの星を上げよう、こういう予定のようなので、いままでのNIロケットの能力から言うとこれは倍以上の重さですよね。それだからこそNIIで来年の初め、来年の夏に上げるのではないか、こう思っていたのですが、NIにはこの重さのものを上げるだけの能力があるのでしょうか。これまた上げ損なうということになると大変ではないかという気がしますので……。
○勝谷説明員 説明不足で失礼いたしました。 先ほどから申しておりますNIの能力は、三万六千キロの軌道に打ち上げる能力が百三十キログラムでございまして、いま御指摘のETSIIIといいますのは静止軌道上の幾つかの実験をするのではなくて、低軌道でございまして千キロでございますので、これはNIのロケットをもって優に打ち上げることができる星でございます。
○和田(一)委員 大変むずかしい技術を駆使しての開発でございますけれども、宇宙開発では日本の技術開発のパーセンテージがまだまだ半分くらいというふうに聞いておりまして、どんどん外国の技術を取り入れているわけでございますけれども、ここでちょっと長官にお聞きしたいのは、同じ科学技術政策の中で宇宙開発についてはそうやってどんどん外国製品を購入し、あるいは技術も導入してやっておるようなんですけれども、海洋開発の方を見ますと、何かこれは全面的に自主開発をしていく方針のようにとれるのですね。現在「しんかい」というのをやっておりますけれども、今度の開発計画は二千メーターというようなことですけれども、もうすでに米ソや英国、フランス等では二千、三千というような段階の深海探査もいろいろな意味で完了している、こういうふうに聞いておるわけです。そして現在ではもう六千、八千という深度に挑戦しつつあるということですと、宇宙開発と同じようにそういったノーハウについてはもっと積極的に海外技術を学ばなければいけないのじゃないかと思うのですけれども、やはりこれは六百メーターから始めて二千メーターということころへやっていくというのは、ちょっと科学技術政策全体について宇宙と海洋というのは違うというような感じがするのですけれども、その辺はいかがでしょうか。
○勝谷説明員 いま先住御指摘をいただきましたアメリカ及びフランスでかねてから六千メートル級、一万メートル級の潜水調査船が就航いたしておりますが、この潜水調査船の形はいわゆるバチスカーフタイプと呼ばれるものでございまして、大型で大重量で運動性能とか機動的な調査が必ずしも十分行われないということがございました。これに関しまして現在海洋科学技術センターが開発を進めております二千メートル級の潜水調査船は、新しい浮力材の採用とか小型軽量化を図りまして深海底である程度自由に調査ができる、機動力のある、世界でも最新のタイプのものを開発中でございます。 なお、予算との関係はございますけれども、将来の志向といたしましては、これを検討しました委員会の答申といたしましては、二千メートルを中間点にして最終的には六千メートルをつくれという答申をいただいております。その意味で、私どもといたしましては、この新しい型の潜水調査船につきましても米国、フランスにおくれていることはもちろんでございますけれども、この米国、フランスの最新の技術のうちでわが国の力ではいかんともしがたいもの、こういうものはこの二千メートルの調査船でも採用いたしております。最初から六千メートルということも考えられますが、わが国の状況から考えまして逐次進めている、先ほどの宇宙でも、NIからNIIへ、さらにHIという次の段階も私ども考えておりますが、段階を踏んで進めております。深海調査船につきましてもそのようにできるだけ世界の技術は取り入れる、しかし自主開発を忘れないという方向で進めておりますので、御了承いただきたいと思います。
○和田(一)委員 時間がなくなりましたので、まだ聞きたいことがたくさんあったのですが、また次回にさせていただきます。 宇宙開発、海洋開発、いずれにいたしましても多額の国家資金を必要とし、そして、どうしてもこうした分野において科学技術を発展させることがきわめて大事である、こう考えておりまして、そういう意味ではぜひひとつこれからも、いままでの経験を生かして一日も早く先進技術に追いつくように努力をしていただきたい、こう思う次第でございます。 まだほかにも伺いたいことがございましたけれども、きょうはこれで終わります。
○國場委員長 辻第一君。
○辻(第)委員 私は、国立試験研究機関の研究費の問題についてまず質問いたします。 国立試験研究機関の基礎研究を担う経常研究の研究員当たり積算庁費、いわゆる人当研究費は、名目では年々伸びておるわけでありますけれども、実質では逆に年々減少傾向にあります。たとえば一つの目安として実験系Iの人当研究費単価を研究所の研究費デフレーターで補正をしてみますと、実質指数は四十五年度を一〇〇として四十八年度は八七、五十年度は七七・三、五十三年度は七三・四、このように確実に低下をしているわけであります。このように実質的に年々減少の傾向にあったというふうに私は認識をしているわけでございますが、その当否について簡単にお答えをいただきたいと思います。
○勝谷説明員 お答えいたします。 経常研究は国立試験研究機関における研究活動を支える基盤といたしまして調和のとれた研究活動の展開及び研究レベルの向上に不可欠なものと私どもも考えております。人当研究費はその経常研究を行うための経費でございまして、その単価は毎年増加はいたしておるわけでございます。人当研究費は試験研究機関の性格によりまして単価が異なっておりますが、先生御指摘の理工系の試験研究機関のうちの実験系Iの場合を取り上げますならば、昭和五十年度を一〇〇とすると五十四年度では一二〇でございます。消費者物価指数の一二七と比較いたしますと人当研究費の伸びは実質的には低くなっているのは御指摘のとおりでございます。私ども、今後ともその増額を図るための努力を続けてまいりたい、かように考えているものでございます。
○辻(第)委員 次に私は、筑波に移転した研究機関に関してお尋ねをするわけでありますが、非常に近代的な、しかも大型な施設になったというようなことで、当然光熱水質は非常に増加をする。たとえば工業技術院関係では五十四年度には移転前の五割増し、さらに今年度は昨年度の七、八割増の需要になっている、これは今年度初めの電気代やガス代の値上げ前でこのような状態だ、こういうように聞いているわけであります。もちろん筑波移転に伴っては筑波研究施設等運営庁費が新設をされたり、新たな大きな施設等には特殊研究庁費が認められるなど、一定の財源措置はとられています。しかし、規模の小さな研究機関、特別研究の少ない機関、こういうところでは光熱水費の負担が高くなって、人件費や旅費や施設費を除いた試験研究機関庁費の二割近くに達しているところもあるということでございます。こういうところでは筑波研究施設等運営庁費では賄い切れないで、特殊研究庁費もほとんどふえていないために人当研究費にしわ寄せがきている、人当研究費の負担が非常に大きくなっているということでございます。四月十六日の科学技術特別委員会でわが党の中林議員が質問をいたしました。これに対し科学技術庁は人当研究費に過大に食い込むことのないよう努力する旨答弁しておられるわけでありますが、現実は必ずしもそうなってはいないということでございます。研究所任せではなく実態を調査し、行き届いた対策を講ずべきであると考えますが、どのようにお考えになっているのか、お答えをいただきたいと思います。
○勝谷説明員 主要な試験研究施設の運営費につきましては、人当研究費とは別に、先生もいま御指摘いただきましたように計上いたしておりまして、最近の光熱水料の値上げによる圧迫に対しましては、各試験研究機関とも節約とか合理化を図っているわけでございますけれども、御指摘のとおりその対策に苦慮していると私どもも十分その事情は聞いております。一緒に議論もいたしております。 このような事態にかんがみまして、科学技術庁といたしましては、財政当局に対しまして、五十六年度の光熱水料、人当研究費の増額を行いますとともに五十五年度分につきましても光熱水料を補てんするよう要望をいたしまして、一回と言わず機会あるごとに私ども担当の部局と折衝しておるところでございます。
○辻(第)委員 次に私は、国立研究機関全般の研究費の問題でお尋ねをするわけです。 今年度初めの電気料金の値上げ、ガス代の値上げ、また昨年からの石油の値上がりの影響は本当に深刻であります。国立研究機関でどのぐらいの負担増になっているのか、おつかみになっていらっしゃるかどうか、お尋ねをいたします。
○勝谷説明員 単価といたしましては五〇%強のアップになっているということでございます。ただ、それをそれぞれの試験研究機関で精査いたしましたもののトータルを手元に持っておりません。先ほど申しましたように、五〇%強の増が各試験研究機関に負担増になっていると考えるわけでございます。
○辻(第)委員 私が調べたのでは、農林省関係では光熱水費は予算対比六〇%増が見込まれているということであります。そうしますと、十七億円の不足を人当研究費で賄わねばならないと試算されています。結局十七億円の不足を人当研究費で賄わなければならない、このように試算されておるということです。人当研究費の六割近くを光熱水費に取られるということになるわけであります。いわゆる純研究費とも言うべきものが一六%に低下する、このような深刻な状況だということであります。程度の違いこそあれ、ほかの研究機関でも同様のことであろうと推察ができるわけでございます。その結果、研究所の当初の研究計画、試験計画を達成できなくなるような状態になることが心配をされております。もうすでにこのような事態になっているのかどうか、今後そのようなことが起こらないかどうか、その点についてどのようにお考えになっているのか、お尋ねをします。
○勝谷説明員 御指摘のとおり、五十五年度当初に電力料金、ガス料金が大幅に値上げをされました。このため、科学技術庁といたしましても試験研究の進捗に影響を及ぼすのではないかと懸念をいたしております。このために、光熱水料予算につきまして補てんが認められますよう財政当局に要望しております。強力にこの推進を進めるつもりでございます。 一方、先生おっしゃいます人当研究費一部食い込みの話でございますが、人当研究費につきましては、五十六年度の予算要求で十万円アップというところで強い要望をいたしておりまして、各研究機関には大変申しわけないわけでございますが、五十五年度につきましては光熱水料予算につきましての補正でがんばらしていただきたい、かように考えているわけでございます。
○辻(第)委員 いま深刻な状況をよく御理解をいただいて御努力をされているということがわかるわけでありますが、十月十五日、農林水産委員会でわが党の寺前議員が指摘をいたしました。農林省関係では、多額の資金を投入した設備の運転をとめざるを得ないような事態になっている。私が調べたところでも、空調の制限のために試験結果の精度が落ちたり、一部の試験をやめたり、装置の保管に障害を生じたりしているような事例があるわけであります。どうか早急に年度内に財政措置を講じられるように御努力をいただきたい。重ねて要望をする次第でございます。 次に、大蔵省では光熱水費の補正を検討しておられると聞いています。現在の実態に比べて遅過ぎるわけでありますが、ぜひ実現に努力されたい。強く要望をいたします。特に、各研究機関では苦しくなれば所内で配分が可能な人当研究費にしわ寄せがいく、これは大体言うまでもないことであろうと思うわけであります。しかも大蔵省の補正では光熱水費として積算されていない人当研究費が負担している光熱水費、人当研究費には光熱水費として積算されていないわけであります、しかし実際は、負担をしておる、その光熱費については補正から外れるということであります。ですから、光熱水費のかなりの部分が人当研究費で負担がされている実態がある以上、それを補うべき何らかの対策が切実に求められておる。こういう点で、もともとわが国の研究費はそんなに潤沢でないものがこういう光熱費にどんどん食い込まれていく。これでは本当に日本の科学技術を発展さしていこうと一生懸命努力されている技術者にとって深刻な問題であり、国家にとっても大変な問題であろうというふうに思うわけであります。技術的にいろいろな問題はあろうかと思います。しかし、この異常な光熱水費の増加のために実質上の研究費が食い込まれる、このようなことがないように本当に十分な御努力をいただきたい。心から要望をするものでございます。この点について、もう一度決意のほどをお聞きしたいと思うわけです。
○勝谷説明員 御指摘のように、光熱水道料金につきましては五十五年度の補正、五十六年度予算、さらに人当研究費につきましては、五十六年度の予算で先生御指摘のように前向きに努力をいたします。
○辻(第)委員 それでは次に、私は、原研で発覚した汚職事件に関連をして幾つか具体的に質問をしたいと思います。 原子力研究のメッカと言われる原子力研究所で汚職容疑が発覚をし、起訴をされている。しかも、それが氷山の一角ではないかとさえささやかれている、このようにも聞いているわけであります。そして今回のこの事件について、経費のほとんどを国民の税金に依拠をしている政府特殊法人の、しかも原子力研究といういわば真理を探求すべき科学の分野で起こったことを私は非常に重視をしているわけであります。また、それゆえに一般マスコミも、その金額の多少にかかわらず大きく報道したものである、このように思います。ですから、この事件を、容疑をかけられた一個人の、またはその部署のモラルの問題としてだけとらえることは正しくない。原研のあり方の問題、ひいてはそれを所管する科学技術庁の原子力行政の問題として謙虚に受けとめてもらいたい、このように思うものであります。 私のこの考え方に御異存はないでしょうか。
○石渡説明員 先生御指摘のとおり、原子力研究のメッカであります原研においてこのような不祥事を招きましたことはまことに残念に思っているわけでございます。 そういう意味で、われわれはこれが決して氷山の一角というようなことではないと信じたいわけでありますが、そのようなことが万々ないよう今後とも厳重に監督もし、また原研当局もこのような事態を決して招くことがないように今後とも心してやっていってもらいたい、このように思っているわけでございます。そういう意味で、原子力行政について再び深く反省すべきである、このように考えます。
○辻(第)委員 いま申し上げた点を明確にした上でお聞きをするわけでございますが、問題を起こした新東商事は放射性物質を扱う機器の販売を行う会社であります。この会社が昭和五十三年度の実績で原研との取引が幾らあったのか、そのうち問題を起こした実用燃料試験室との取引額が幾らであったのか明らかにしていただきたいと思います。
○村山参考人 お答えいたします。 ただいまお尋ねの五十三年度におきます原研と新東商事との取引は、二百万単位で切らしていただきますと二億二百万でございます。また、このうち松本なる者が関与いたしておりました実用燃料試験室、ここで購入いたしましたのは一億七千七百万でございます。 件数を申し忘れましたが、全体の件数は、五十三年度で五件でございまして、そのうち四件がこの実用燃料試験室でございます。
○辻(第)委員 それでは、その契約は随意契約だったのか競争契約だったのかという点、それから随意契約ならば、他にどのような会社から見積もりをとられたのか、所内手続は規定どおり行われていたのかどうか、簡明にお答えをいただきたい。
○村山参考人 五十三年度の四件でございますが、これはいずれも見積もり合わせという方法によっております。 と申しますのは、先生御案内のとおり、契約制度としては入札それから随契と考えられるわけでございますが、その随契の中でもこういう研究開発用の機器につきましては、見積もり合わせと申しまして、数社から予定価格それからどういうふうにしてつくるか、こういった書類を出してもらいまして、その中で結局は一番安いものに選定する、こういう仕組みになっております。したがいまして、本四件につきましてもこの見積もり合わせという方法によっておりまして、結果的にはこの問題の新東商事がとったわけでございますが、はかに数件それぞれ見積もり、引き合い先として提出を求めて、それらのところから書類が出されまして、その間の競争の結果ここへ落ちた、こういうのが経緯でございます。
○辻(第)委員 請求元の室長の取得請求に基づいて管財課が契約課に請求して契約されることになっている、このように聞いています。 今回、業者選定や納入検査に便宜を図ったとされています。業者選定が事実上、請求元の室長の判断次第ということになっているのではないのか、その点はどうでしょうか。
○村山参考人 お答えいたします。 これらの四件それぞれについて申せることでございますが、確かに、一番最初にどういう機械が欲しいか——これは念のために申し上げますが松本個人ではございません、その組織として、実用燃料試験室として決定するわけでございますが、ここがまず欲しい、こういう要求をするわけでございます。この過程におきましては、予算の制約もございますし、そもそもみんないろいろな研究がしたいわけでございますので、研究室の間で、自分たちがやはりやりたいわけでございますので、これはもう所内全体の討論でどこにどういう機械ということが大体予算上も決まっておりますので、今度は特定のものを自分が欲しいということを要求してくるわけでございます。要求してくる段階ではそれぞれ決裁過程を経るわけでございますが、実際にこれをそれじゃどこに発注するかということにつきましては、全く関係のない契約課というところで決定いたします。したがいまして、希望を出すのは確かにその当該課でございますが、決定いたしますのは契約課で決定する、こういうことになっております。 なおそのときに、もちろんそれぞれ非常に特殊な機械でございますので、こういうメーカーならこういうものはつくれるといったような情報提供をすることは、請求元と申しますか、そういう研究室の方でできる話でございます。
○辻(第)委員 そういうことになっているのなら、この汚職の問題はどうもつじつまが合わぬと私は思うのですけれども、それでは次へ参ります。 今度の問題は、いまそのようにお答えになりましたけれども、室内の運営がどうも民主的に行われていない、集団的な検討に付されていない、そういうことから起こったのではないか、こういうふうにどうしても思うわけであります。 特に、問題となった施設は電力会社の要求によって自民党の関係部会の方から原研に持ち込まれてきたもの、このように聞いています。それだけ所内の研究者、技術者の意見が十分に反映されていない面が強かったのではないか、このように思われるのであります。燃料試験施設準備室に限らず、集団的な検討が保証されないならば、同様のことは他の部署でも起こり得る。現在の手続規定ではそれがチェックできないのは今回の事例で明らかではないでしょうか。そういう意味で、この改善がきわめて急務であろう、このように考えるわけでありますが、それに対し御見解をいただきたいと思います。
○天野参考人 お答え申し上げます。 ただいまの燃料試験室でございますが、これは外部の要求でつくられたものではございませんで、私どもかねてこのような燃料の試験施設が欲しいと思っておりましたが、予算の枠の制約がございましてそれまで実現しておりませんでしたが、第一次のオイルショックの後で安全性研究の重要性が認識されまして原子力予算が増枠されましたときにつけていただいたものでございまして、かねて私どもが欲しいと思っていた施設でございます。 それからなお、この燃料試験施設の運営が民主的でないというふうな御発言でございましたが、私どもの燃料試験室の実態を見ておりますと、先ほど村山から申し上げました機器の請求段階あるいは機器を整備する段階で、やはり課、係というそれぞれの単位の中で研究者が十分討議を尽くして物事を進めておりまして、決していま先生が御心配いただいたような事態ではないと私ども思っている次第でございます。
○辻(第)委員 それでは最後に中川長官にお尋ねをしたいと思います。 原子力研究所は原子力基本法に基づいて設立された機関でありますが、この原子力基本法には原子力三原則の一つとして民主的運営が強調されております。こうした立場から見ましても、今回の汚職事件は原研設立の趣旨にも反したものであり、こうした事件の再発を防ぐ有効な対策が緊急に求められているというふうに思います。大臣の決意のほどを伺いたいと思います。
○中川国務大臣 このような汚職というものは、いかなる場所であれあってはならないことでございますし、もちろん原子力行政の中にあってはいけません。今回のことは遺憾であり、今後とも発生しないように十分処置してまいりたいと存じます。
○辻(第)委員 話が戻るわけでありますが、最後にもう一度中川長官に御決意のほどを承りたいのです。先ほど申しました人当研究費の問題でございますが、光熱水費などが食い込まないように長官としても十分な御努力をいただきたい。お願いをいたします。その御決意のほどを簡単にお願いをいたします。
○中川国務大臣 御趣旨を体しまして大いに努力してまいりたいと存じます。
○辻(第)委員 以上で終わります。
○國場委員長 本日は、これにて散会いたします。 午後四時十四分散会