決算委員会 第2号
- 発言数
- 414 件
- 登壇者
- 43 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1980/10/20
会議録
○國場委員長 これより会議を開きます。 昭和五十二年度決算外二件を一括して議題といたします。 ただいまの各件は、第八十七回国会に提出され、第八十八回国会で概要説明を聴取の後、予算がいかに執行されたかを中心として各省庁別審査を行ってまいりましたが、本日は、今日までの経過に基づき、各件について締めくくり総括質疑を行います。 これより関係大臣に対する質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。越智通雄君。
○越智(通)委員 きょうは五十二年度決算の締めくくり総括ということでございまして、五十四年の九月、昨年から十四カ月間と申しますか審議してきたわけでありますが、この間にいろいろ問題もございまして、ことに五十二年度決算のときには、ちょうど去年の九月あたりから、鉄建公団の問題を中心に政府のそういういろんな法人などに質問が集中したというか、いろいろ出てきた。KDDのこともございましたし、あるいは中央競馬会にかかわるいろいろ小さなといったら申しわけありませんが、中央競馬会、またその先のいろんな法人の問題なんかも出てきたわけであります。したがいまして、きょう締めくくる五十二年度の決算につきましても、私ども委員会としましては、そうした特殊法人、認可法人についても厳重に注意したいということをぜひ議決の中に盛り込んでいきたい、このように思っているわけであります。 また同時に、財政再建が非常に強く叫ばれているわけでありまして、私も個人的には財政に長年関係はしてまいりましたけれども、金が足りないから増税するということよりも、まず使うお金にむだがないかということを検討するのが何よりも先だ、その意味では、まさに決算委員会は財政再建のかなめになるわけでございまして、ひとつ国庫大臣としての大蔵大臣あるいは行政機構全体を見ていらっしゃる行政管理庁長官には、でき得べくんば決算委員会にしょっちゅう出てもらいたい。そしてその決算の中から、どうすれば財政再建ができるか、どうすれば財政再建と同時に大きな柱になっております行政改革がやっていけるかという、本当の地に着いた着想というか問題が出てくるのではないだろうか、このように思うわけであります。 最初に、ですから現状認識で、正直な話、そういう特殊法人、認可法人についてどれだけの御認識をいただいているかというのが非常に心配なわけでありますが、この決算でここに出てきます本当の書類は一般会計と特別会計と政府関係機関の決算が出てくるわけであります。一般会計で約二十九兆でございました。特別会計全部合わせて約六十兆でありました。また、政府関係機関の方は全部合わせても十数兆、相当大きいわけでありますね。ところが、これにまた入ってないのが——政府関係機関というのは、御高承のとおり三公社、十公庫それに二銀行、そこらあたりでございます。ところが特殊法人というのはそれをも含めまして百以上あるわけでございまして、そのほかに、また認可法人というのは勘定の仕方で九十八とか九十六とか、いろいろな勘定の仕方がありますが、要するに百近くある。特殊法人、認可法人合わせて二百近くある。それが相当の経費を使っていると思われるわけであります。 ここに主計局の出しました「歳出百科」がございますが、それによりましても、特殊法人、それに対します政府の出資、それだけでも五千二百五十六億円ある。補助金だけでも一兆八千三百五十七億円ある。さらに貸し付けでは九百五十七億円ある。そのほかに財投がまたあるのでございますから、相当の金が、この特殊法人にも流れている。もちろん、この中の大手は国鉄さんみたいなところでございますから。そして、そこには、後ほどまた行政管理庁にもいろいろ伺いたいと思いますが、結構人が働いておるわけでございまして、日本の公務員はよその国に対してそう多くないのだという説明ももちろんあります。国家公務員と地方公務員だけで計算すればそうなるのかもしれない。しかし、ここに働いている方だけでも九十四万人おるのでございます。大変な数がおられるわけでありまして、こうした問題をひとつ踏まえて、これらの特殊法人、認可法人について実は一々詳しく事務局からも聞きたいと思ったのですが、正直言って正確な数字はなかなかつかんでないらしい、ないしはその全体を把握している役所あるいはその責任者というものがどうもはっきりしてないらしい、こういう感じがいたしますものですから、ひとつ国庫大臣としての大蔵大臣から、また行政管理庁長官から、特殊法人、認可法人についてどのようなお考えであるか、まずは伺わしていただきたい、このように思う次第であります。
○渡辺国務大臣 御指摘のように特殊法人、認可法人等につきましては、ただいまお述べになりましたような面でいろいろと国費が支出をされ、また貸し付けをされておるわけであります。したがいまして、その金の使い方ということについてはやはり厳正を期していかなければならないし、やはり有効に使っていただかなければならない。そういうような意味において、今後とも十分に注意をしてまいりたいと考えます。
○中曽根国務大臣 特殊法人というものは百十ございまして、大体総人員は九十四万三千七百二十八名でございます。それから認可法人はお説のとおり九十八ございまして、そのうち共済組合が四十七、普通の法人が五十一でございまして、大体共済組合を除く普通の法人につきましては四万五千人と承知しております。これらにつきましては大体主務官庁が管理官を置きましておのおの監督をしておるということでございます。
○越智(通)委員 実はこの決算に関しましては、決算委員会に会計検査院からいろいろと御報告が来るわけであります。先ほど申し上げましたような一般会計、特別会計、政府関係機関の予算だけ合わせましても大変な、百兆になるわけでございますね。それに対しまして不当事項の指摘その他が検査院からされるわけでありますが、私はこの百兆円をいまの検査院が全部、隅から隅まで目を通す、これは大変なことだと思うのです。精いっぱいいま努力されていると思うのですが、不当事項の指摘はたとえば九十三件、その金額にして六十四億。決して多いとか少ないとかいうわけではありませんが、検査院の仕事は、これは大変だと思うのです。また、それらの決算を、ではだれが本当にうまくやっていくか。行われてしまったものの非違を指摘するよりも、それが間違いなく使われていくということのためには、むしろそういうことが起きないように日ごろの監督、監査、そうしたものをもっと機構的にうまくつくりあげておく、こういうことが大事なのではないか。私は、これらの機関が一々国会へ決算報告書を持ってくればいいというふうには考えておりません。いま出ているだけでも相当な量でございます。先ほど申し上げましたように、政府関係機関以外でも、たとえばNHKさんの分は国会に出てくることになっております。その他の部分は多く所管大臣の手元で所管大臣がこれを認可するというか、承認するというか、そういうかっこうになっているわけでありますが、やはりこの際、検査院がどこまでそれをカバーし、また行政管理庁は一体こういう特殊法人の中身についてどの範囲までやっていくか。KDDの問題が出た後で、実はKDDについてははっきりしたそういう機構がわかってなかった。したがってこそ、後に法改正が行われているわけでありまして、ぜひその点、行管として、これは局長さんでも結構ですが、一体どこまでを見ていらっしゃるのか、あるいは検査院としてどこまでを見ていらっしゃるのか、その点を念のためこの委員会ではっきりお答えしておいていただきたいと思います。
○中政府委員 お答え申し上げます。 ただいま先生御指摘のように、特殊法人につきまして百十ございます。行政管理庁はいままでは四十八、公社、公団、事業団まででございまして、四十八については相当の調査資料がございました。さきの通常国会におきまして全部に一応調査権が及ぶことになりました。そういうことを契機にいたしまして、なお五十六年行革の中で特殊法人全体の経営実態の見直しをやるという方向が出てまいりましたので、現在各機関につきまして、事業の内容それから財務諸表等を集めまして鋭意いま検討を進めているところでございまして、全部の特殊法人についての経営の実態の見直しをいま着手しているところでございます。
○佐藤会計検査院説明員 会計検査院といたしましては、国が資本金の二分の一以上を出資している法人、そういった先生御指摘の特殊法人の検査につきまして、その法人が設置目的に沿って効率的に運用されているかどうか、それから予算の支出について違法、不当な支出がないかどうか、そういったことについて財務諸表それから収支計算書、そういったものを計算証明の指定でとっておりますので、それを中心に書面検査をやることはもちろんのことでございますが、そのほかにその法人の規模などによりまして相当程度の実地検査を実施している状況でございます。
○越智(通)委員 いまの御答弁ではっきり出てきていることは、仕組み上、行管ですら特殊法人全体にやっと手が及び出した、認可法人にはまだ全然手がついておらぬ、こういうことであります。検査院の方は、お金が行った分だけしか自分の方は関係がない、こういうかっこうになっているわけでありまして、お金の行ったのはさっき申し上げました金額、政府出資で言えば実際には二十九法人しか行ってない。そういう意味ではまだまだ管理監督が及んでない部分がずいぶん残されているのじゃないだろうか。それらに対しては、いや所管官庁がよく見ております、こういう御答弁だろうと思うのですが、一体所管官庁の監督機構というものはそんなに充実されているのだろうか。何とか公団監理官とか監督官というのがお一人いて、ほかに大したスタッフがそばにいない、こういうことでできるのだろうか。ないしは、それが役所の人事機構の中で、同じ役所の方が、ひょっとするといずれはその方に天下るかもしれない方が見ているということで、本当に十分できるのだろうか。むしろそういうことならばその監督の機能をほかの人に任せたらどうだ。たとえば役人の間の人事交流で行管の方が監督官をやったらどうだ、検査院の方が監督官をやったらどうだ、あるいは会計諸表についてはお金を払ってでもいい、公認会計士に一遍よく数字を見させたらどうなんだという、その点についても監督機構が万全ではないのじゃないか。このことをまずよく所管大臣というか、少なくとも国庫大臣と行政管理庁長官にはお心にとめていただきたい。 その中で、さっきちょっと中曽根行管庁長官からのお話の中にも出ましたが、認可法人の中は半分ぐらいが共済組合なのでございます。これがまた、お役所の方の共済掛金をいろいろ集めて一つの組合をつくる、それが一つの法人になる。その限りではまことに結構なシステムと言うべきかもしれませんが、この共済組合の監督監査は厳重に行われていますかというところがまた一つの問題でありまして、町の声ではかなりこの組合に対して風当たりが強い。なぜか。共済組合が結婚式場などをやるわけです。共済組合というのは、組合に入っている方だけがその利用価値を享受する分には町から何の声も出ないでしょう。しかし、せっかくつくったものである以上、それがうまく運営できなければならぬ、赤字になったのじゃかなわない、そこで、どうしても町の方からもそういうものを受け入れる、早く言えば関係ない人が結婚式を挙げておる、こういうことになるわけであります。ないしは医療機関についてもそういうことが問題になる場合があります。何しろ共済組合であれば課税の問題その他民間団体に比べていろんな点で利点があります。こうした点を、共済組合の監査を含めまして各所管大臣に厳重に御注意していただきたいのですが、その御注意を一体だれから言ってもらえばいいのかということになると、私も質問の先がどなたに向くべきかわかりませんが、せっかく先ほどお話がありましたから、中曽根行管庁長官からその点についての御意見ございましたら、ぜひ伺わせていただきたいと思います。
○門田説明員 お答え申し上げます。 特殊法人あるいは認可法人、中でも共済組合という問題についてそれぞれ監査あるいは監督機構を充実せよというお話でございました。先ほど大臣からもお答え申し上げましたとおり、特殊法人あるいは認可法人につきましては、共済組合も同じでございますが、それぞれの主務大臣が管理監督するということになっているわけでございます。それぞれの省庁の中に管理官、これは比較的少のうございますが、あるいはそれぞれ所管の課がございまして、その課の事務の一環として、その一部として管理監督を実施しているということでございます。 現状はただいま申し上げたようなことでございますが、政府全体としましても、こういった管理監督という機能を当然に充実してまいらなければならないかと存じます。これはただ監督機構あるいは監督のスタッフの数をふやせばいいという性格のものではないと存じております。やはり心構えとして少数精鋭でしっかりと見ていっていただきたいというのが行政管理庁の考え方でございます。
○越智(通)委員 監督する方もしっかりしてもらわなければいかぬ。しかし同時に、特殊法人にせよ認可法人にせよ、法人を運営している責任者たちにしっかりしてもらわねばいかぬ、こう思うわけであります。 こういう特殊法人、認可法人に対する人事、ことに役員の方が行かれる場合に、一体どういう仕組みで人事が行われているのか、これがまた一つの問題点であります。御存じのとおり営利企業にいわゆる天下りをするときには、きわめて厳重なる人事院規則がございます。過去五年間にありましたポストと関係のあるところには退職後二年間天下りができない。人事院の承認が要るといっても、承認しないという意味の問題でございます。ところが特殊法人の中には、かなり半官半民のような感じのところが入っておるわけであります。先ほど申し上げました二百からあるわけでございますから。それに対しまして役所の方がいわゆる天下りをされるときには、一応内閣の方に届けをするのか承認をとるのか知りませんが、するということになっているようでございます。私はその根拠も余り強力なものでないように伺っておるのですが、その点について、どういう仕組みでそれが行われているか、むしろ、大変失礼な言い方でございますが、両大臣にこれでいいのかなという意味で聞いておいていただきたい、こう思うわけであります。
○栗林説明員 先生いまおっしゃいましたように、特殊法人の役員の選考につきましては、閣議決定によりまして内閣官房の方で協議を受けているということでございます。もちろん役員の選考につきましては、それぞれ主務大臣がおられるわけで、そこでまず第一義的に適材を選考するのは当然でございますが、さらに横並び的に、そういった方々の適材を担保するという意味で、五十二年十二月の閣議決定で、ただいま先生おっしゃられましたいわゆる天下りといった関係の点を申し上げますと、特殊法人の業務内容を勘案して、民間からの登用を積極的に推進するとか、あるいは国家公務員出身者から選考する場合でも、広く各省庁から適任者を選考するということが決めてございまして、さらに、これを厳格に実行する、具体的に基準を決めるという意味で、昨年の十二月に閣議了解あるいは閣議決定を行いまして、「全特殊法人の常勤役員については、国家公務員からの直接の就任者及びこれに準ずる者をその半数以内にとどめることを目標とする。この目標を達成するため、主管省庁及び各特殊法人においては、法人の業務内容等に応じ、民間人等の起用について一層努力するものとする。」というものを改めて了解していただきまして、それに基づいて一人ごとに内閣官房で協議を受けてその趣旨の実現に努力しているという状況でございます。
○越智(通)委員 いまの御答弁の中ではっきりしていることは、閣議決定が根拠です。極端に言うと、閣議決定に罰則をつけるわけはないのですから、違反しても別に罰則はない。しかしそこはちゃんと日本の官庁機構の中の一つの秩序として守られていると思いますが、もう一つの問題は、お役所をやめてすぐでも行けるということです。その点は、そこを何年か待たなければだめだという営利企業とは明瞭に違っておる、これもいまの御答弁の中ではっきりしているわけです。それは画一的に決めるべきことではないかもしれません。それぞれの方々が本当に自分の第二の人生なんだ、何かもう気抜けした状態で行かれたのでは一番困るわけでありまして、本当によしおれやってやろう、ここで自分の長年の経験と知識を生かして大いに腕をふるってやろうという意気込みで行くような人事をいかにして実現してもらうかというところが私は大事だと思います。いまそれをただいたずらに締めつけていくことだけではなくて、本当の意味で、せっかくある特殊法人、認可法人にそういう意味で活力を持たせるにはやはりトップが大事だ、経営陣が大事だ、役員の士気をいかにして高めるかということについても、ひとつ各大臣方々の御高配をいただきたい、このように思うわけであります。 そこで、もう一つそれに関連して閣議決定のことで聞きますが、それでは役員以外の職員についても減らすということだったのではないのか。去年の九月かなにかの閣議決定のときに、先ほど言った特殊法人の九十四万人の分も、これは国鉄が大半でございますけれども、国鉄とか何かを除いてもたしか十数万人いたと思いますが、そこらについて減らすという閣議決定をしているはずだけれども、その後どういうような措置をおとりになっているのか、あるいはその状況についてお役所の方でもしおわかりでしたらお答え願いたいと思います。
○門田説明員 お答えをいたします。 先生先ほどおっしゃいましたとおり、政府は四十三年に第一次の定員削減計画を始めまして以来継続的に削減計画を実施しております。昨昭和五十四年に第五次定員削減計画を定めたところでございます。この閣議決定上に、公団あるいは事業団等の特殊法人についても政府のこの公務員の措置に準じて定員削減計画を実施するようということを求めているわけでございます。特殊法人につきましては全体で約九十四万人という数字でございますが、これらにつきましてはそれぞれ定員削減計画を立てておるわけでございまして、その数が大体八十五ということでございます。その残余につきましては定員管理計画を持ち合わせていないというふうに理解しております。一方、認可法人につきましては閣議決定上には何ら定めがないわけでございますが、共済組合を除きます残りの特殊法人五十一のうちでかなりの数、実は認可法人の要員管理につきましては私ども行政管理庁の所管ではございませんので確たることは申し上げられないのでございますけれども、それぞれ関係省庁の御指導によりまして、認可法人についてもこれに準じてかなり定員の縮減が行われているというふうに承知しております。
○越智(通)委員 閣議決定は大いに、数を減らすだけが能じゃないかもしれないけれども、真剣に取り上げてもらいたい。ただ、いまの御答弁の中で、認可法人はうちの所管じゃないけれどもと、こう言われるのが実は一番問題でして、ではだれが所管なんだというと実ははっきりしないのですよ。そこら辺が、この問題の一つの沼の深さみたいなところ、どうしようもないところがあるように思うのです。 時間もなくなりましたので、最後に、行政改革のことについてこの観点で伺いたいのですが、行政改革につきまして九月に基本的な考え方を伺った中では、「特殊法人の経営基盤の強化に配意しつつ、財務の厳正化を図る観点から経営の実態を見直し、赤字国債の縮減に資するよう、国の歳入増加を図るための所要の措置を推進する。」正直言って、特殊法人という名前は出てきたのだけれども、一体この行政改革でどうやるのかなというのがよくわからない。そこで、特殊法人についての整理合理化という、この五月三十日に行革本部でお決めになったのを見ますと、学校給食会と学校安全会と一緒にしよう、こういう話がある。あるいは石炭合理化事業団、これは今度のエネルギーの方にむしろ吸収になってしまった。なくなったのではなくて入ってしまった。あるいは中小企業共済事業団と振興事業団、こういうふうにやってきているわけです。ところがまだいろいろ残っているわけですね。問題として掲げられているのは、中小企業退職金共済事業団と建設業退職金共済組合、清酒製造業退職金共済組合の三つを二つにするとか、住宅公団と宅地開発公団を一緒にしてしまおうとか、蚕糸事業団と糖価安定事業団を一緒にしよう、それでは畜産事業団も一緒にしたらどうだというのがこの決算委員会で議論されておるのですよ。いや、畜産事業団はでっか過ぎるからだめだというのが当時の答弁だったようですけれども。あるいは京浜、阪神両外貿埠頭公団を廃止しよう、その他いろいろそういう案が出ているわけですが、これもやはり大きな観点からよく見直して慎重に、しかし大胆にやってもらいたい。 特殊法人というのは、もともとそんなに数は多くなかった。たとえば昭和三十年には三十三しかなかった。いまはさっき申し上げましたように百十一ある。佐藤内閣の始まった昭和三十九年でも大体六十、こういうことでございまして、百ぐらいあるのは当然だとお考えになるか、いや百はずいぶん多いな、これは相当思い切って整理合理化しておかなければいかぬなとお考えになるか。正直言って、いま名前が出ていますものを幾つやってみてもたとえば十減ったというような話でございまして、そこら辺の行政改革としての特殊法人の扱い方、それにさらにその向こう側にほぼ同じくらいの数の認可法人があるわけでありますから、その辺についてもっとはっきりした特殊法人の整理、これは多く法律を含むわけでありますから当然国会の論議になってくるわけでありまして、これらについて明確な特殊法人の行政改革、ことに、さらにもう一遍付言しておきたいのですが、そのときに、どうだ各省一つずつ減らさないかみたいな考え方ではいけないのじゃないだろうか。本当は特殊法人それぞれの中身についてよく審査した上で、たとえどこかの省が二つになっても三つになってもやる、どこかの省は一つもなくてもいい、本当にそういう実質的な審査の上に立って、かつ大体どのくらいにするのだというお考えを持ってこの行政改革に当たられるか、ここら辺はひとつ長官からでもお返事をいただければありがたいと思います。
○中曽根国務大臣 越智委員のお考えに同感でございます。ある段階に参りましたら、やはり新たなる視点を持って統廃合を考えなければならぬ、ともかく多過ぎる、そう思っております。
○越智(通)委員 時間が参りましたので、以上をもって終わりますが、ぜひ国庫大臣また行政管理庁長官には決算委員会にできるだけ多く御出席くださるよう、最後に強く要望しておきます。
○國場委員長 井上一成君。
○井上(一)委員 来年は国際障害者年ということであります。障害者に対する差別をなくし、障害者の経済的自立を奨励していく、そういうことによって障害者の社会的地位が向上されていく。私は、社会を構成するそれぞれの人がその能力に応じて役割りを果たしていく、そのことがすべての人々の幸せにつながることであり、そういう社会を求めていくことが政治だと思うのです。そういうことで考えますなら、余りにも冷た過ぎる現在の日本の政治の仕組みに、私としてはどうしてもこの決算の総括で質疑をし、かつただしていきたい、こういうふうに考えるわけであります。 そこで、それらの問題を解決していくための法律あるいはそれに準ずるもの、いろいろとあるわけでありますが、その中でやはりどうしても冷たさが隠し切れないもの、たとえば具体的な事例として、そこに使われる用語の問題があります。このことはただ単に言葉、表明を変えるだけでは十分ではありませんし、もちろんその精神を尊重しながら問題解決に取り組んでいくわけでありますけれども、何はともあれ、そのような行政用語の具体的な事実をもって二、三示し、各所管の大臣の見解をただしていきたいと思います。 まず、厚生大臣にお伺いをいたします。午後に私は、富士見の問題で大臣からはさらに御意見を承る予定でありますが、まず冒頭に、今日の厚生省の中における医療行政、保健行政の中で、先ほど指摘した表現の、いわゆる用語の不穏当な部分が随所に見受けられるわけであります。医師法の第三条及び十三条では「つんぼ、おし又は盲」という表現があるわけであります。歯科医師法についても第三条、十三条に同じ表現が用いられております。医療関係だけとってみましても、歯科衛生士法の四条、臨床検査技師、衛生検査技師等に関する法律、診療放射線技師及び診療エックス線技師法、いずれも四条であります。保健婦助産婦看護婦法、これは九条などにも同様の表現があるわけであります。つんぼ、おし、盲、こういう表現については適当でないということはもう指摘を待つ必要はないのですけれども、使い方によっては差別用語となるおそれが非常に強いわけであります。薬剤師法の中には、同じ厚生行政の中で「目が見えない者、耳がきこえない者又は口がきけない者」こういうふうに規定しているのに、他の法律では、いま指摘をした法律以外にもありますけれども、いずれも不適当な表現を用いているわけであります。これらの法律の用語改正について早急に検討を開始し、即時適当な用語に改める必要があるし、改めるべきだと私は思うのですが、厚生大臣のまずは見解を聞かしていただきたいと思います。
○園田国務大臣 いま御指摘になりましたような意味において、不適切な用語が法律全般にあってございます。特に私の担当いたします厚生行政の中には非常に多いわけであります。不具廃疾などという言葉はその一例であります。用語によって心身障害者に対する間違った印象を与えることは大であります。したがいまして、新しい法律は、そういう御注意がありましたので注意をして用語を使っておりますが、古いものはそのままになっております。内閣全般として総理府あたりでまとめて、用語の変更でありますから事務的にも簡単でございますし、それから国会でも各党異存なく御審議願えると思いますので、内閣全般としてまとめてやるべきだと考えておりますが、それがおくれる場合には厚生省のみでもこういう問題を速やかに検討したいと考えております。
○井上(一)委員 厚生大臣はいま、内閣全般の問題だからこれは内閣でまとめて変えるべきだ、もし内閣がおくれるようであれば、厚生省だけでも変えたい、こういうことであります。私は、当然内閣で一括して変えるべきだと思うのですけれども、すでに長野県の信濃町では、こういう問題についても前進的な取り組みをしているわけであります。それで私は、農林大臣なりその他の自治大臣にもここで伺っておきます。 公務員の一般職の給与に関する法律の十一条の二項五号あるいは人事院細則の九−七−一第三項の第三号、さらには地方公務員等共済組合法の第百六十二条の第一項、第四項、さらには、きょうは防衛庁長官はお見えでありませんが、自衛隊法の中にも、九十八条の二の三にそのような適切を欠く用語が使われておるわけであります。私の調べでは、十一の法律、八つの施行令、政令に、条文では合計六十四カ条、百四十カ所にわたって使われているわけであります。国際障害者年を来年に控えて、すべての省庁で所管の法律を総点検して、不適当な表現について法の改正を早急にやらなければいけない、厚生大臣のお考えはよくわかりましたので、いま私が指摘をしたそれぞれの所管の大臣、さらには農水関係では、獣医師法の五条一項二号にも不適確な用語が使われておるわけであります。これらについて一言ずつ各大臣の見解を問うておきたいと思います。
○石破国務大臣 お答えいたします。 厚生大臣が答えましたのと同様の見解であります。
○夏目政府委員 大臣所用のため出席できませんが、御趣旨を踏まえて関係省庁とも相談の上、早急に対処したいと思っております。
○亀岡国務大臣 厚生大臣からお答え申し上げたとおり、農林省といたしましても御指摘の獣医師法、家畜改良増殖法等に適切でない字句があるので、これを改善をするという方向で取りまとめていきたい、こう考えております。
○井上(一)委員 厚生大臣、最初に御答弁をいただいたので、午後いずれ総理が御出席をいただけるわけでありますけれども、厚生大臣から総理に、いま御答弁になられたように、各大臣の考えも全く一緒ですから、ぜひあなたが音頭をとって、全般にわたってこの問題に取り組むという御意思を、実はもう一度ここで確認をしておきたいと思います。
○園田国務大臣 仰せのとおり、承知いたしました。
○井上(一)委員 さらに私は、具体的な事例として用語の表現の問題を取り上げましたけれども、常々予算委員会なり決算委員会で、障害者の雇用促進法の精神を十分認識してそれに取り組むべきだということを申し上げてきたわけでありますが、今日に至るもそのことがまだ十分理解されておらないし、また、その取り組みが足らないわけであります。ことしの二月の決算委員会では、労働大臣は私の質問に対して、十分反省をいたしまして、今後の努力をいたしてまいります、こういうふうに答弁をされておりますし、五十五年度からはひとつ積極的に取り組んでいきたいのだ、こういうお答えがあったわけでありますが、昨日大阪府がまとめた資料によりますと、まだまだその取り組みが遅いわけであります。とりわけ大企業における取り組みについては、年々その薄さが顕著にあらわれているというような実態、さらには国、地方自治体を通して率先して取り組まなければいけない公共機関がまだまだ不十分である、そういう資料が報告されております。労働大臣は、藤波前大臣から引き継がれて、この問題についてどういうふうに取り組んでこられたか、さらにはどういう成果があったのか、そういうことについて、ひとつお答えをいただきたいと思います。
○藤尾国務大臣 お答えをいたします。 御指摘の中で、まずその垂範をすべき官庁でございますけれども、官庁におきましては民間の方々と違いまして、さらにその方針を徹底をするようにということで、体の御不自由な方々を一・九%は雇ってほしいという御要望をいたしてございます。ただいままでその目標に達しておらぬと考えられますものが二省でございます。一つは国土庁でございまして、この国土庁では、あともう一名お雇いをいただきますと目標を達成いたします。残り一つは、まことに残念千万でございますが建設省でございまして、これはあと八名どうしても御雇用を願わなければならぬ、こういうことになっております。したがいまして、私どもも責任を持って所管大臣を通じましてこの雇用を促進していただきまするように十二分の努力をいたしたい、かように考えております。 さらに、民間のことでございますが、これは御案内のとおり一・五%の雇用を願うということになっております。かなりその数字は進んできておるわけでございますが、なおいまの時点におきましては一・二%になるかならぬかというようなことでございまして、一・五%に達するのになお相当の御努力を願わなければならぬ、こういうことになっております。 その中で特段と成績が余りよろしくない銀行でございますとか、あるいは重化学工業でございますとかというようなところにおきまして、そのおくれを取り戻していただかなければならぬわけでございますので、私もそういった場をつくりまして、銀行、重化学工業の労使の代表にお集まりをいただいて、その席に出まして、労働省といたしましての御要望を篤と伝え、すでに銀行におきましても相当の成績を上げるような努力をしておるということがわかっております。ただ、重化学工業につきましては、なおその成績の上がり方が非常に鈍いという点がございますので、この点につきましては、ひとつ御趣旨に従いまして努力をいたしまして、一・五%の目標が超えられまするように努力をいたしてまいりたい、かように考えております。
○井上(一)委員 労働大臣、あなたがどれだけ努力したって、いま政府自身が、国土庁が一名だ、建設省が八名だ、これは五十四年六月一日現在もそれなんですよ。一年半たった今日でもなおかつそれだ。私は、こういう実態の中で二月の決算委員会でも指摘をしているのですよ。何の努力の跡も見られぬ。そういうことなんです。あるいは民間に対しては、一・五%が一・二%にも届かないんだ。これは二月の時点で一・一二%だ。もう努力努力という抽象論でなく、具体的に数字によって示していかなければいけない。年々雇用率が減っていくという実態を、努力をいたしておりますということで片づけられるわけにはいかない。私は、この問題についてはさらに改めて委員会で篤と労働大臣の今日までの努力の経過をつまびらかにしていただく、こういうことで、きょうは時間がありませんから、あなたが努力をしたということは何にも努力をいたしておりませんよ、努力したそういう実績がどこにあるのですか、こういうことを強く指摘をしておきます。 さらに私は、ここで関西新国際空港の問題について触れておきたいと思います。 まず、新空港の開港時の航空需要について、運輸大臣からその見通しを聞いておきたいと思います。
○塩川国務大臣 国全体の計画、昭和六十五年次におきます具体的な数字につきましては航空局長から申し上げますが、私は、昭和六十五年を一つのめどにいたしまして毎年航空需要は大体四ないし六%の伸び率で伸びてまいります、そういう点を判断いたしまして、現在のわが国の航空需要の約倍近くに需要がふくらむのではないか、これは十年先のことでございますが、これを一つのめどとして持っておるのでございますが、なおエネルギーの事情等ございますので、私はそれを非常に抑えまして下方修正をいたし、十年間で約七割近くの需要増になるのではないかという見通しを持っておるものでございます。 それともう一つは外国との交流、乗り入れでございますが、現在三十数カ国から定期便の申し入れがございまして、それを十年以内に需要を満たしていこう、そういう見通しを持っております。
○松本(操)政府委員 お答え申し上げます。 関西空港の開港をどの時点に押さえるかということがまだ確定したわけではございませんので、私どもの一応考えております六十五年度ということを念頭に置いてお答え申し上げますと、私どもの試算によりますれば、関西地区におきます総需要が旅客において四千七百万人、内三千六百万人が国内線の旅客、貨物が百十五万トン、内五十四万トンが国内線における需要、こういうふうに想定をいたしております。
○井上(一)委員 四千七百万人、現在大阪空港では年間千七百万人ですね。約三倍近くなるわけです。これは滑走路が予定では三本、回数にして二十六万回ということが答申の付属資料にあるわけです。運輸大臣はたしか十月十四日だったと思いますけれども、衆議院の運輸委員会で六十五年四千メートル滑走路一本で開港する、そういうふうに受けとめられる意思表示をなされたわけでありますが、そのことについては、大臣、それでよろしゅうございますか。
○塩川国務大臣 運輸委員会で質疑を行いましたその中身を申しますと、あの九月一日に航空審議会からいただきました答申は全体計画が出ておりまして、この全体計画を何年で完成するかということが実は答申の中に出ておらなかったのです。そこで、私は、まず一審機が飛び立つのには六十五年を設定して、その一番機が飛び立つ最小限の規模というものはどれだけのものであるか、そしてその一番機が飛んだ後営業しながら、つまり供用開始した以降運営しながら全体計画を逐年完成していけばいいではないか、こういう考え方を申し上げたのでございます。したがいまして、滑走路三本というあの全体計画そのものを否定するとか、そんなことは言ったことがございませんので、趣旨を御理解いただきたいと思います。
○井上(一)委員 そういうことになると、六十五年の時点で滑走路一本の状態の中では需要を満たしていくということは不可能である、そういうことですね。
○塩川国務大臣 滑走路一本の能力というものは相当数ございまして、これをどう活用するかによりまして回数は違ってまいりますけれども、私たちは一応年間十三万回の回転ということを見込んでおります。相当の需要増にこたえられる、こう思っております。
○井上(一)委員 十三万回。現大阪空港は夜間制限をした上で十四、五万回だという数字が出ているわけです。そこで四千七百万人の需要がある。片面で、一本滑走路では十四、五万回。そういうことになったら、関西新空港の開港の初期の時点では現空港は併用しなければその需要が満たされぬということになるのじゃないですか。それはどうなんですか。
○塩川国務大臣 現伊丹空港の存廃につきましては、関西新空港が供用開始いたします前までに地元の意見を聞いて存廃を決めるということになっておりまして、現在もその方針でございます。 そこで、この伊丹の存廃等につきましては、できるだけ早い時期を得まして関係団体並びに地元の市町村の意見を取りまとめて、この問題を検討し、結論を出したいと思っております。
○井上(一)委員 物理的に滑走路一本で新空港が発足した、それで需要が満たされぬわけでしょう、数字的に。だれが考えてもそうでしょう。三本で十分満たしていくのだ。いまの需要が約三倍になるのですよ。そのときに現空港と同じぐらいの供給しかできぬ、それで需要にどうしてこたえていくのか。現空港の存廃は開港時までに決めるというのは、もう早くから言われていることです。いまあなたからそういう答弁を聞くのじゃないのです。滑走路一本でやれるのか、滑走路一本なら現空港も併用するのか、併用しなければ需要にこたえられぬじゃないか。ごくわかり切ったあたりまえの質問なんです。どうなんですか。
○塩川国務大臣 伊丹空港の現在の使用状況から見まして、これは関西新国際空港に移管して、しかも関西新国際空港でこれが新規の需要を全部吸収するという、そういう計算でいきますと、おっしゃるような数字が出てまいることは当然でございます。でございますから、先ほども申しておりますように、伊丹の空港の存廃というものはいわば関西空港の今後におきますところの工事の日程とも十分に関連してくる問題だと私は思っておるのでございまして、その意味におきまして伊丹空港の存廃をできるだけ早い時期に決定し、その需要と供給の関係を関西新空港の中で勘案していかなければならない、こう思っております。
○井上(一)委員 大臣、新空港の能力からいって、現空港の廃港は現実的に非常に無理ではないのだろうか。運輸省の腹も、私の推測ですけれども、現空港の併用をできるだけ早い機会に明確にしたい、こういうことなんでしょう。あなたの言っているのは、腹の中は廃港にかかわる意見じゃないのでしょう。だからもっと本音で話をしなければ、地元の人たちはどうなるのですか。きれいごとで済ませない。そういうことを考えたら、やはり運輸省は、私の推測だけれども、現空港の併用を明確にせざるを得ない、できるだけ早い機会にそういうことをやりたいのだ、こういうことじゃないのでしょうか、こういうことです、大臣。
○塩川国務大臣 井上先生も地元の事情をよく御存じで、運輸省の方でも実際はいろいろな期待も持っておることも事実でございますし、またいろいろなそれに伴うところの内容の修正等につきましても持っております。ところが地元も同じようにいろいろと意見がございますので、地元の意見を私はできるだけ早く聞いてその取りまとめをいたしたい。いま各自治体におきましてそれぞれの独自の検討をされておるというところもあると聞いておりますので、私は適当な時期を見て呼びかけをいたしたい、こう思っております。
○井上(一)委員 そのことは、私の推測する併用ということも含めてできるだけ早く決めたい、こういうことですね。大臣、そうでしょう。
○塩川国務大臣 存廃につきましてはあくまでもやはり地元の意見が尊重されるということでございまして、そういう意見を取りまとめるのに必要な機会をつくっていきたい、こういうことでございます。
○井上(一)委員 大臣、四十九年の答申は、現空港を廃止し、いわゆる廃港によって必要となる関西新空港、これが大原則ですよ。これは変わりませんか。
○塩川国務大臣 現在、大体その方針は私たちも承知し、またそれを尊重していく考えであります。
○井上(一)委員 それなら、需要と供給の問題でつじつまが合わぬじゃないですか。三本をやはり同時完成をして開港するのだ、こういうことでないといかぬわけです。それは九月一日の航空審の答申にすでにそういうふうに明記されているし、そういう答申がなされている。あなたは、一本ででもやるのだと言う。これこそまさに地元の意思というものを無視してでも、ごり押しにでも一本でやっていくのだ、何が何でもやるのだ、こういうようなことに走りはせぬだろうか。そういうことで大原則が変わるのではないか。さらには航空審の答申を軽視していることになるのじゃないか。あるいはもしその縮小論の中で関西新空港に取り組むなら、改めて航空審を再開して、いわゆる縮小計画について相談する考えも持っていらっしゃるのかどうか、そういうことについても聞いておきたいと思います。
○塩川国務大臣 お話をお聞きしていますと、縮小論が何か最終飛行場の規模であるように私は受けとめるのですが、そういう意味では言っておられないと理解しております。要するに縮小とかいう言葉が世上評論されておりますけれども、それは一つは誤解だと思っておるのでございます。要するにわれわれが言っておりますのは、全体計画の完成は、これは予定どおり、航空審の答申のとおりやっていきたい。変更はいたすつもりはございません。がしかし、現在、国も地方自治体も財政再建の中にありまして、一挙にこれを完成しようということは財政的に非常にむずかしい状況であることは当然でございますので、だから、国の財政状況あるいは地元の財政状況の許す範囲内において、しかもその機能が十分に発揮せられる空港を建設しよう、そういうことを考えます場合には、部分的に施工を強めていくという手段をとらざるを得ない。したがいまして、私は、これは縮小案でも何でもない、財政節約型、いわゆる節約型建設である、こう言っておるのでございます。 したがって、滑走路一本できます、それに伴いまして、関西地域の航空需要というもの、やはりそれとのバランスを見ながら伊丹の問題というものが、存廃の決定と、同時に、いつ存廃するのかというそういう問題等もあわせて検討されるべき問題だ、こう思っておりまして、先ほど申しました伊丹空港の存廃と関西空港の竣工の時期と、これは密接に関係があると申しておるのはそういうことであります。
○井上(一)委員 ということは、関西新空港の建設に絡んで現空港の存廃も、やはり私の指摘するように、一時期は併用論も需要の問題からすれば起こり得るでしょう。そうでしょう。仮に、最終計画は航空審の四十九年答申のいわゆる廃港だ、しかし一時期は、それは財政節約型建設をやろうとすればそうなるんだ。まあ大蔵大臣もいらっしゃるから後で聞きますが、一遍にやれればこっちは廃港できるのだ、しかし一遍にやれぬからこういうことなんだ、いまの予測する需要からいけば、一時期併用、こういうこともあり得る、あり得るじゃなく当然そうなっていく、こういうことでしょう。
○塩川国務大臣 存廃の決定、そして存廃の実施の時期等、そういうものと併用との関係は、ある場合には私は関連すると思っております。
○井上(一)委員 そこで、さっき言ったように、開港時の大原則がそれによって変わるのじゃありませんか、私はこう言っているわけです。どうなんですか。
○塩川国務大臣 開港の時期につきましては、できるだけ早く供用開始いたしたいという気持ちはございますけれども、しかし、これは急がば工費が高くつくしという制約もございますので、一番経済的な時期に供用を開始できるようにいたしたいと思います。
○井上(一)委員 ということは、私はやはり一本完成したときにでも開港ということで、あなたは、時によれば三本建設されなければ開港しないのだという、そんな考えを持っているのですか。そうじゃないでしょう。一本でも開港するのでしょう。開港時というのは、一本建設されて、それが完成されたときが開港でしょう。そのときには伊丹現空港は廃港するのだ、こういうのが大原則だというわけです。この大原則は守りますかというのです。
○塩川国務大臣 先ほど私言っておりますように、存廃の決定と、存廃を実施する、たとえばいつ廃港するかという時期とは違うかもわからないということを申し上げておるわけです。
○井上(一)委員 大臣、廃港は、三本建設された、いわゆる全体計画が完成された時点に廃港する、こういうことなら話はわかるのですよ。
○塩川国務大臣 三本完成しなければ伊丹が廃港できないという理屈でもないと思います。しかしながら、存廃の決定と、その決定された原則をいつ実施するかということとは別の問題である、こういうことを言っておるのです。
○井上(一)委員 私は、やはり併用論というものが腹の中にあるのではないかと思う。むしろそれであれば、そのような運輸省の真意というものを明確にして、地元民に対してそれに対する理解を求めるのか、あるいは大原則を変えていくのか、やはりそこらが大事だと思うのです。大原則を変えないと言いながら、存廃の時期をいつにするかには若干のずれがある、こんなことじゃ話にならぬ。大臣、どうなんですか。
○塩川国務大臣 先ほども言っておりますように、あの原則は、存廃の決定とそれを実施する時期とは一体にはなっておりません。でございますから、ここは御理解いただけると思うのですが、したがいまして、その問題をひっくるめて地元と協議をいたしたい、こう言っておるわけでございまして、その点の事情はごしんしゃくいただきたいと思います。
○井上(一)委員 さらに財政問題で、この関西新空港の取り組みについて大臣から。 これは運輸省の案でありますけれども、成田空港については国費二〇%でしたね。今回は一割要求だ、こういうふうに私の持っている資料ではなっているわけです。これはどういうことなのか。国内と共用するからだということだけなのか、あるいは財源はほかに見つけているのだということなのか。そういうことについてはどうなんですか。
○塩川国務大臣 御承知のように、成田は全額国庫負担でやっております。したがいまして、その理屈から申しましたら関西空港につきましても全額国費で建設するという、いわば成田の例から見ましたならば、そういう議論はあろうと思います。 しかしながら関西空港につきましては、私はできるだけ、これからの空港はすべてそうでございますが、地元との共存共栄を図っていくという観点から見ましても地元の意見がそこに反映されるような方途を講じておくべきだと思うし、また運用等につきましてもその地域と一体となってやっていく、そういう意味から、地元もこの空港に協力を願うということが望ましい姿だと思うのでございまして、そういう意味におきまして、地元負担を要望しておる次第でございます。 出資一〇%というのは、こちらからまだ正式には要請いたしておりませんが、要望として伝えておるところであります。
○井上(一)委員 余り時間がありませんが、大原則を踏まえた中でもその取り組みが非常にあやふやである。さらには、全額国費、しかしこれからの空港については地方自治体の協力云々と。私は、財政的な負担に地方自治体に協力を強いることは無理だと思うのです。国以上にそれぞれの地方自治体が赤字に悩んでいるわけなんですよ。出資一〇%だというそういう腹案。かわりに、たとえば通行税を空整特会、いわゆる特別会計に全部算入をしよう、そういうことが運輸省のそういう資料に出ているわけなんです。はなはだもってその考えの発想が誤っているということは、もうありありとわかるわけなんです。たとえば、酒税というものは酒を飲んだ人に還元をするのだ、あるいは福祉予算というものは、老人ホームをつくって、そこに入る老人からその老人ホームにかかわる経費は全部受益者負担で徴収していくのだ。一見して、あなた方運輸省が考えている通行税で財源をキープしていくのだと、運賃が上がるでしょうし、需要が減るでしょうし、収支採算というものはもうでたらめきわまりない。こんなことで地元がなぜ納得するか。 大蔵大臣に私は、こういう実情であるということ、それに五十六年度四十一億円の予算要求がなされている、このことは、次期予算国会で論陣が張られるし、まだ決定されたことではない、しかし、物の考え方として、そういう現在の運輸省案あるいは運輸省の物の考え方、そういうことに大蔵大臣はいろいろ御見識をお持ちでしょうけれども、私は、そういう判断に立って物事を計画するものではなく、物事の計画を裏づける財源措置というものはそんな甘いものではない、こういうことなのです。そんなことで、関西新空港の取り組みはまだまだ甘い考えを持っているという実情の中ではできっこないのじゃないか、取り組みはおくれるのじゃないか。塩川運輸大臣は地元ですから、地元に帰って華々しくばっと非常にいいことを言ってはりますよ。しかし、実際はこういうことだ。 大蔵大臣から財政的な問題に関してのみ見解を聞いておきたいと思います。
○渡辺国務大臣 地元の願望、運輸省からの正式な話はまだ聞いておりませんが、大蔵省非常に財政厳しき折から、大型プロジェクトに対しましては非常に厳しい態度で臨んでおることは御承知のとおりでございます。いろいろ御指摘がございましたが、十分それらは検討さしていただきます。
○井上(一)委員 運輸大臣、非常に厳しい状態で、大蔵大臣も答弁できぬわ。詰まってしまう。大蔵大臣はよけいなこと——よけいなことと言っては大変失敬だけれども、本当を言えばどんどん言いたい。本当にわかりやすく茶の間に浸透できる答弁をいままで国会でなさってきた。いまの答え、どうですか。答えられぬわけですよ。答えられないのだ。この心中それは私は十分わかっている。答えられぬ。そんな状態の中で運輸大臣だけがひとりはしゃいでいるような感があるので、私はやはり運輸大臣から、いろいろ経過もあり、もちろん御努力についてもそれはそれなりに認めていきたいと思います。ここでひとつ地元との協議、わかりますか、地元との協議が成立しない限り、もちろん建設着工はもとよりですよ、着工を前提とした調査等についてはしないということで私が理解してよろしいでしょうか。一言だけ。
○塩川国務大臣 先ほど話を聞いておりますと、何か私一人独走して関西新空港をやっておるように言われておりますが、これはやはり役所としてはその基本計画、実施計画というのを進めなければならぬのでございまして、その点は御理解いただきたいと思うのです。つきましては、これは地元が協力しなければ当然建設がむずかしいことは御理解のとおりでございまして、おっしゃるように、地元の合意が成立するまではいわば着工に踏み切るというようなことはいたしません。
○井上(一)委員 もちろん着工はやらない。事前調査というのは着工を前提とする夢前調査、もっとわかりやすく言えば、四十一億まだ大蔵大臣から、いやそれは認めるのだとかあるいはどうだという話もできぬくらいの状態ですから、たとえば予算計上は四十一億仮にされた、そして最終的には閣議決定がされた、しかし地元の協議、地元の合意が得られなければその予算執行についてはやらないのだ、執行はできないのだ、それほど地元の意思を尊重するのだ、こういうことですね。こういうふうに理解してよろしいですね、こういうことなのです。
○塩川国務大臣 それは仰せのとおり当然であります。
○井上(一)委員 時間が参りましたので、一応午前の私に与えられた質問は終えます。
○國場委員長 新村勝雄君。
○新村委員 私は、スモンの問題について厚生大臣にお伺いをしたいと思います。 最近、医療あるいは薬務行政について多くの問題を引き起こしておりますが、その中でスモンの問題はきわめて深刻な問題を提起しておる、そして悲惨な事態であったわけです。そして、この問題についてはすでにもう論じ尽くされ、その解決の方向が明らかになっておるわけでありますけれども、それに反して実態は必ずしもそういっていないようであります。 昨年の九月十五日にいわゆる確認書なるものが調印をされて、解決の方向が明示されたわけでありますけれども、該当患者の七割は裁判所で和解、そして和解金の受領をしたと思いますが、あと三割については依然として残っておる。その残っておる人たちは不自由な体をひっ提げて直接請願行動をしなければならない、こういう事態は大臣も御承知だと思いますけれども、こういう事態はどうしてこういうことになっているのか、まずお伺いをしたいと思います。
○園田国務大臣 お答えをいたします。 スモンの問題は十三年前に私が厚生大臣をやって、末期に、これは国に責任があると発言をして、それから出発をしたわけであります。当然解決しておるべき問題でありますが、いまなお残っておる。ただ一つ残された問題は、御承知のとおり、投薬証明書のない患者に対する和解の問題がただ一つ残っているわけでございます。これについては前齋藤厚生大臣が強く三社に東京、札幌の裁判所の所見、勧告に賛成をして、それに従え、こういう要請をしておりまして、九月の三十日に私がかわった後、私に三社から回答があったわけでありますが、その回答は私としては納得できない回答でありましたから、さらに押し返して、強く東京と札幌の裁判所の勧告、所見に従い和解を進めていけ、こういう要請をして、そして返答を待っているところであります。実は事務当局には内々回答があったようでありますが、それもなお私の満足し得ざるところでありますから、さらにもう一遍要請をしているところであります。私としては、少なくとも今月中にこの和解勧告に三社の同意を得て、そして和解の方向に進みたい、年内には和解を完了したい、こういう考え方で進めておるところでございます。
○新村委員 この問題については、すでに国会の中で何回も論議をされ、歴代の厚生大臣が大変努力をされて、五十四年度中には完全に解決がつくはずであったわけであります。ところが現在依然として、提訴患者に対する和解の率が七二%、該当患者が五千六百七十九人に対して四千百十四名しか和解が済んでいないという実態であります。この問題についての裁判所の見解はもう明快に示されておるわけでありまして、ただ一つ、投薬証明のない患者に対する最終的な処理がおくれておるということでありまして、投薬証明のない患者についてはまだ一名も解決していないというふうに聞いておるわけです。これでは、いま大臣が決意を示されましたけれども、果たしてことしいっぱいでできるかどうか大変疑問でありますが、その後の会社の態度、そしてまた厚生省がおやりになっておる指導についての経過をもう少し伺いたいわけです。
○山崎(圭)政府委員 和解の経過なり和解の現状につきましては先生数字をお挙げになったとおりでございまして、現在、提訴患者五千六百名余のうち四千百十数名の方と和解が成立している、七割ちょっとということでございます。 ただ、しかしながら、これはある意味で提訴患者の数も漸次ふえつつございますので、若干の時間がかかる。裁判所における立証、証拠固めあるいは手続等に若干のタイムラグがありますが、いま投薬証明書のない患者につきましては、お話しのように一件も片づいていない。証明関係が不十分なもの、これがいまの段階では全国で三百名前後ではないか、かように私どもは考えております。全く証明書がないという方はそのうちの一割前後ではないかと思われるわけであります。これはもちろん裁判所の証拠調べその他において、投薬証明書が全くないかどうかというのは証拠調べ等を通じまして確定する数字でありますから、あくまで推定の数字でありますが、そういう状況ではないかと考えておるわけであります。 そこで、これにつきましては、先ほど大臣御答弁のように、私ども会社に対しまして積極的にこれを和解の方向で解決するように再三にわたり要請を続けており、強い要求をしておるわけでありまするが、結局のところ私どもの要求に対しまして、何と申しますか、会社側はかたくなな態度をがえんずるに至らなかった。御案内のように、東京地方裁判所におきましては、投薬証明書のない患者の救済の問題というのは、要するに服用したキノホルム剤がその会社のものであるかどうかがわからない、そういう意味でブランドが不特定な患者なわけでありまするが、このブランドの特定できないようなことの不利益を原告、患者側だけに引き受けさせることは著しく不合理ではないか、こういう趣旨の考え方であるわけであります。厚生省としましては、その線に沿って会社側に強く説得に当たっている、かような経過でございます。
○新村委員 この問題については繰り返し町の大臣も厚生省も、スモンの症状については医学的にはっきりと診断のつく問題である、したがって、投薬証明があってもなくても、とにかくスモンという診断がついた限りは一人残らず国は救済をしますということを明快にお述べになっておるわけですね。ところが、実態はそうでない。投薬証明のない患者についてはまだ一人も救済されていない、こういう事態は非常に重大だし、関係の患者さんの立場からすれば、これは非常に不満な悲しむべき事態だと思うのです。ブランドが特定できないとか投薬証明があるかないかということは患者にとっては関係ない——関係ないとは言わないにしても、患者の責任ではないわけでありまして、患者はそのときどきに医師を信頼し、あるいは薬を信頼して服用したわけでありますから、患者自身には全く関係がない、責任はないわけなのであります。こういう事態を救うために裁判所も妥当な判断を下しておられるわけでありますし、厚生省もそれなりに前向きな結論を出しておるわけですね。ところが、実際には事態が一向に進んでいないというところに問題があるわけです。特定できないと言って救済されない、この事態をこれからどう打開をされるのか。単に会社を説得するということで解決できるのかどうか、これを大臣からひとつ伺いたい。
○園田国務大臣 三者が納得をして和解に踏み出すということが最後の目的であって、その方針で、いま申し上げましたとおり、月内にも三者の回答を得て、年内にはこれが解決する方向に踏み出したい、こう私は思っております。
○新村委員 しかも問題なのは、鑑定委員会という機関がありますけれども、この鑑定委員会で鑑定をして裁判所に提出をするということでしょうが、関係書類を鑑定委員会に出すその前の段階で被告側がその手続に関与をしておる、あるいは関与しようとしておる実態があるそうであります。これは大変不合理なわけでありまして、被告と原告とは全く同じ立場で法の裁きに服するのが原則でありますけれども、鑑定委員会にその群類が出る前に被告がそれに関与するというようなことはきわめて不合理だと思いますけれども、そういう動きなり事実があるかどうかを伺います。
○山崎(圭)政府委員 お答えいたします。 裁判所におけるその和解の進展の過程におきまして、鑑定団というものに対して、裁判所がスモンであるかどうかの鑑定を専門家に依頼をするわけであります。そして、その鑑定団の判定を待って裁判所がその和解勧告をする、こういう道筋になっておるわけでありまするが、先生御指摘のように、被告側である会社がその鑑定の手続をめぐりましてある程度の資料を整えてほしいという要請を裁判所に対して行ったということは聞いております。ただ、これはあくまで個別ケースについて裁判所がそれをどうお取り上げになるか、そしてそれをどう裁いていくか、これはあくまで個別ケースごとの裁判所の御判断にゆだねられるべき性質のものだと思います。 さような経過になっております。
○新村委員 鑑定委員会に提出をする前の段階で、予断を与えるようなあるいは公正な判断を阻害するような一切の行為についてはやるべきではない、これはもうだれが考えても、素人が考えてもそうでありますけれども、こういう点についてもひとつ厚生省ではしかるべき指導なり監視なりをすべきであると思いますけれども、いかがですか。
○山崎(圭)政府委員 お答え申し上げます。 あくまで個別ケースごとの証拠調べの過程において、被告側が十分な証拠を挙げてほしい、こういうことの一環として、その鑑定問題もその中に含まれるのではないか、かように考えておりまするが、たとえば単に時間延ばしのためにそういう手を使うというようなことがあれば、これは許しがたいことだと存じております。そういう意味では、先生御指摘のようなことがあれば指導方をいたし、考えたい、かように考えております。
○新村委員 実際にこの鑑定あるいは裁判の経過を聞いておりますと、鑑定はおおむね月に一回でありますから、たとえば、いまのような事態があって鑑定委員会がこの件については疑義があるということで保留にしたとすれば、その時点で一月は延ばされる。こういうことが繰り返されれば、三月、半年はたちまち経過してしまうわけです。そうしますと、先ほど大臣が言われたように、ことしじゅうに解決するということは、これはきわめてむずかしくなるのではないかと思います。患者は最終的な和解金の支給受領ということを待ち望んでおるわけでありまして、行政の立場からすれば、それは慎重ということも必要でありましょうけれども、患者の立場に立ってもう少し迅速に事態の解決を図っていただくように、この促進の方向はもう少しないものですか。
○山崎(圭)政府委員 一番のポイントは、提訴された方との和解において、その方がスモンであるかどうかということにつきましてはお医者さんの鑑定を待つ、これが最大のポイントだと思います。そこで、スモンである方について、仮に服用キノホルム剤の特定ができない方であっても、それは和解をすべきである、こういう流れになるのだと存じますが、そこで、その鑑定ということを私ども非常に大事な一つのことであろうと考えておりまして、たとえば、その鑑定が、何といいますか、十分に行われないとなりますと、また会社はそこを一つの不満の材料としてなかなか和解に乗ってこない、こういう側面もあるわけでございますので、鑑定については文句を言わせない、こういう配慮が片方において当然必要であろうか、かように考えるわけであります。いままでの経過を見てまいりますと、鑑定そのものは、私どもはそれなりに十分機能している、これはあくまで裁判所の委嘱に基づく鑑定団でありますが、かように考えておりまして、公平な公正な鑑定を期待しておりますし、またそのようにいままでは動いてきている、かように考えておるわけであります。
○新村委員 すべてのスモン患者を完全に救済するということが国の方針、これはもうしばしば述べられておるところであります。しかし、実際の手続の面で、あるいは裁判の過程で時間がかかるということであれば、これは一時国が全額和解金を支出をして、後で会社に求償をするという方法もあるわけですが、こういった点についてのお考えはありませんか。
○山崎(圭)政府委員 お答え申します。 従来から、あくまで私どもは裁判所を中心として和解を進める、したがいまして、裁判所の御判断を尊重していく、こういう立場をとっておるわけであります。そして東京地方裁判所なり札幌高裁におきましては、国の負担金額を三分の一と明示されておりますし、その線に沿って問題の解決を図りたい、こういうことでございまして、このような状況で、たとえば国が一時的にもせよ全額を負担するということになりますと、これは問題の解決にはどうもいかがかと思われるわけであります。何と申しましても会社の責任というのが第一義的にある、私どもはさように考えておりますので、やはりこの線に沿って強く会社に説得に当たる、かような方向を考えておるわけであります。
○新村委員 大臣に伺いますが、五千六百七十九人の提訴患者あるいはこのほかにもまだ未提訴の患者がいるかもしれませんが、そういったまだ提訴していない潜在的な患者も含めて、少なくともキノホルムによる発症である以上は、スモン患者は一人残らず国の責任において救済するということが国の方針であります。これを確認願いたいということと、これから遅くともいつまでには完全に解決することができるのか、大臣の決意のほどを伺いたいと思います。
○園田国務大臣 お答えをいたします。 先ほどからいろいろ御注意がありましたが、そういうことがないように厳重に注意をいたします。 なお、スモン患者の被害者全員が救済されることは歴代大臣が明確にしておるところでございます。そういう方針で一刻も早くこれが解決できるように全力を注ぎます。
○新村委員 次に、外務大臣にお願いをしますが、いまのロシアの軍艦ナヒモフと目されておる船からの財宝の引き揚げが進んでおりますけれども、この問題について、一つは所有権でありますけれども、外務省の見解を伺いたいと思います。
○伊東国務大臣 お答えいたします。 いまの引き揚げの問題でございますが、これは引き揚げを担当しています海洋開発の社長を呼びまして二度ほど実情を聞いたわけでございます。まだ会社自体もこれはナヒモフ号であるかどうかは確認をしていないようでございますが、その過程でソ連の大使館の方から軍艦の管轄権に基づいて所有権があるのだという意味の申し入れがあったわけでございます。外務省では、この問題につきましてなるべく早く検討して返事をしようということを考えておるわけでございまして、何回も私、国会で答弁しましたが、国民的な感情から言えば、なぜ七十五年たったいまごろという率直な感じがいたすわけでございますので、なるべく早く結論を出してソ連に伝え、その後発表しようと思っておりますが、もう時間の問題ぐらいに早くしたいというふうに思っております。
○新村委員 その回答について、外務省ではまだ全く結論が出ていないということですか、それともある程度のお考えをお持ちですか。
○伊東国務大臣 外務省としましては、国民の感情もよくわかりますし、いろいろな日露戦争当時のいわゆる海戦小史を調べるとかいろいろなことをやっておりまして、国民の皆様が恐らく期待されておるような結論を出せるというふうに思っておりますが、外交当局から正式に来ましたので、それに返事をしましてから正式には発表しようかと思っておりますが、もう本当に時間の問題ぐらいに早くやりたいというように思っております。
○新村委員 国民の期待に沿うようなということになると、これは日本のものだということだと思いますけれども、そうなるとこれは当然国有財産ということでしょうね。これは確認をする必要があるのかどうか。あるいはまた、現在これはまだ国有財産として登録されてないでしょうけれども、どんな手続をすることになるのですか。
○伊東国務大臣 お答えします。 私の方では、ソ連から言ってまいりましたので、対外的な関係で返事をしようというふうに思っておりますが、国内的な帰属その他については、これは国内の問題として恐らくこれから相談をするということになっていこうと思います。いまこれがどこの所属だということまで検討してソ連に返答するということは、国内的な問題でございますのでそこまでは考えていません。これからの検討だというふうに見ています。
○新村委員 そうしますと、日本のものだという主張をする根拠あるいはまた、その所有権等についてもまだ結論には達してないということですか。
○伊東国務大臣 お答え申し上げます。 ソ連から軍艦の管轄権に基づいての申し入れがございましたので、私どもは先ほど申し上げましたような日露戦争の戦史とかそういうものをみんな頭に置きましていま結論を出しておるわけでございまして、私は、その結論は前々から申し上げるように、国民の皆さんが考えておられる線に沿うたものだ、こういうふうに思っておるわけでございます。
○新村委員 それに関連して、戦争中あるいは戦前を含むわけですけれども、日本帝国時代のたくさんの艦船が世界じゅうに何百隻と沈んでおると思いますが、これの所有権ないし所有権を主張する根拠が日本にありますか。それとも、すでに一切放棄しておりますか。
○伊東国務大臣 その問題は、非常に問題がいろいろございましょうから、条約局長が来ておりますので、いままでの考え等、条約局長から申し上げます。
○伊達政府委員 お答え申し上げます。 第二次大戦中に沈みました日本の軍艦、旧帝国海軍に属します軍艦につきましては、沈んだこと、沈没したこと自体によって直ちに日本の管轄権と申しますか、わが国の所有権というものが消滅するとかいうことはございません。したがって、依然としてわが国のものであるという主張が国際法上できると思います。ただし、御承知のように、平和条約によりまして、平和条約の締結国との関係におきましては、その国の領海内にある沈んだ船につきましては、これは請求権を放棄しておりますので、それにつきましては日本国は所有権を主張することができない、そういう関係になっております。
○新村委員 時間がありませんから、簡単にもう一問だけ。 というのは、いまイラン・イラク地区を主として、在留邦人の引き揚げ問題が起こっておるわけですが、そしてまた国民としてもこれは重大な関心を持っておるわけでありますけれども、こういう外国における戦争あるいは天変地異の場合における在留邦人の引き揚げの問題については、これは常時から一つの考え方なり構想なりがなければいけないし、また一定の規模の救出の手段、たとえば航空機を用意しておくとか、そういうことが必要ではないかと思います。この問題については、かねてからこの委員会でわが党が、こういう場合に備えて一定の組織なり機材なりの整備をしておく必要があるのではないかということを提案したことがございます。 外務大臣、その点について、現状はどうであるのか、そしてまたその救出についてはどういうようなお考えをお持ちであるか、伺います。
○伊東国務大臣 お答え申し上げます。 いまの点でございますが、一般的に在留邦人の引き揚げの基準というものを決めまして、こういう場合には引き揚げ勧告を出すとか、こういう場合には出さないとか、ルートはどうだとかいうようなことは、一般論としては実は基準は決めてございません。それはそのときそのときの相手方の国との対応もございましょうし、なかなか判断をするのはむずかしい問題がございますので、現地の大使が平生、在留邦人の数の把握でございますとか、脱出ルートの問題でございますとか、いろいろ検討しておることは当然でございますが、現実に問題になりました場合は、現地の大使の判断あるいは隣接国におります大使その他で脱出ルートの問題とかそういうことをケース・バイ・ケースで考えまして、総合的な判断をして大使がこっちへ連絡してくるというやり方でやることにしております。 今度の場合も、イラクからは約半分ぐらい、四千人のうち二千人近くがクウェート、ヨルダンを通って脱出といいますか、したわけでございますが、イランの場合に、いままではトルコ経由あるいはカスピ海経由、これは若干でございますが、で脱出をされたわけでございますが、政府としましては、トルコ経由あるいはカスピ海経由、あるいは場合によっては救援機を考えるかとか、いろいろ向こうの政府とも相談し、どれがいいかということをいま現地の大使に、もう人命尊重、これは大事でございますので、抜かりのない対策を立てるようにということでいま連絡をしている。外務省としては、本当に、一名もこれで被害があってはいかぬ、人命を落とすようなことがあってはいかぬと思いまして、最善の努力をいたしているのでございまして、具体的なことがございましたら、関係局長も来ておりますので、お答えを申し上げます。
○新村委員 終わります。
○國場委員長 午後零時四十五分再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時五分休憩 ————◇————— 午後零時四十七分開議
○國場委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 これより内閣総理大臣に対する質疑を行います。 この際、申し上げます。 質疑時間につきましては、理事会で協議、決定いたしました時間を厳守されるようお願いいたします。 質疑の申し出がございます。順次これを許します。井上一成君。
○井上(一)委員 まず私は、冒頭に、午前中関係大臣に障害者に対する差別用語、適当でない、適正を欠く用語の見直しをただしたところ、厚生大臣を初めとする各大臣は、改正に向けて早い時期に取り組む、もちろんこれは内閣の問題である、こういう御発言があったのですけれども、ここで冒頭に、総理大臣からこの件に関してのお考えをまず承っておきたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 国際身障者年を迎えるような状況下におきまして、いま井上さんから御指摘がございましたように、身障者の地位並びに福祉にかかわる問題につきまして、いろいろ法律の見直し、改正ということがこれから政府として取り組んでいかなければならない課題に相なっております。そういうときに当たりまして、いま御指摘の身障者に対するところの法律上の用語の不適正なもの、適当でないもの、こういうものは、総理府を中心に政府全体として前向きで取り組んでまいりたい、こう考えます。
○井上(一)委員 それでは、まず外務省にお尋ねをします。 一九二五年のジュネーブ議定書に言ういわゆる毒ガスとはどのような毒ガスを指すのか、ひとつお答えをいただきたいと思います。
○伊達政府委員 大変申しわけございませんが、私、いま手元に一九二五年のジュネーブ議定書条約を持っておりませんので、ただいま先生の御質問にちょっとお答えしかねるもので、御了承をお願いします。
○井上(一)委員 一九二五年の毒ガス等使用禁止に関するジュネーブ議定書、窒息性ガス、毒性ガス又はこれらに類するガス及び細菌学的手段の戦争における使用の禁止に関する議定書の中で位置づけられた毒ガスです。そういうことなんです。おわかりですか。私はいまこの議定書の控えを持って読み上げたのです。
○伊達政府委員 一九二五年の毒ガス等に関しますジュネーブ議定書が存在することは私も承知しております。ただ、詳細な文言をただいま記憶しておりませんので、御了承お願いいたします。
○井上(一)委員 私は条文の中身までということじゃなく、ここで位置づけられた毒ガス、もう私から申し上げました。それで、この一九二五年の議定書にいう毒ガスですね、この毒ガスを自衛隊は持っているのかどうか、防衛庁長官から承っておきたいと思います。
○大村国務大臣 政府委員からお答えさせます。
○塩田政府委員 お答えいたします。 自衛隊は持っておりません。
○井上(一)委員 私は当然だと思います。持っていないということは、持とうと思えば持てるということですか。
○塩田政府委員 お尋ねの御趣旨がよくわかりませんけれども、防衛庁が自衛力の許される範囲内として持ちますものは、要するに自衛力の範囲内であれば持てるということでありますが、化学兵器につきましては、具体的な場合にそれが自衛力の許される範囲内であるかどうかという判定になろうかと思いますが、もし許される範囲であれば、理論的には持つことも可能である。しかし、防衛庁はそういうことを持つ考えはございません。
○井上(一)委員 持つことは可能である、防衛庁、これは大臣から、持つことは可能なんですか。可能であるというふうに受けとめたのですが、ちょっと……。
○大村国務大臣 私どもは自衛のため必要最小限度のものは持てると考えておるわけでございますが、お尋ねの点でございますけれども、その観点におきましてあるいは理論上可能な場合もあるかもしれないという趣旨で防衛局長は答えたものと私は理解いたしております。
○塩田政府委員 いま私が申し上げましたのは、御趣旨がわからなかったから、憲法上の解釈論としてのお答えをしたつもりでございますが、先ほど先生が御指摘になりました窒息性ガス、毒性ガス又はこれらに類するガス及び細菌学的手段の戦争における使用の禁止に関する議定書、一九二五年のジュネーブ議定書でございますが、これを日本も批准いたしておりまして、そういう観点から持つことはできません。
○井上(一)委員 少しこの議論は後に続きますけれども、自衛隊は戦力向上のために将来持ちたいのだという考え、あるいは持てるのだ、しかし国際法上一九二五年ジュネーブ議定書に批准しているから持てないのだ、そういう認識なんですか。
○塩田政府委員 お答えいたします。 自衛隊は持つ意思はございません。
○井上(一)委員 これは当然なんです。私は、わが国の法律あるいは政令、そういうもので禁止している条項はあるのかないのか。ただ、いま言われた国際法上ではなく、国内法としてはそういう禁止の条項があるのかないのか、ないと思うのですが。
○塩田政府委員 国内法上特にそういった法律はございません。
○井上(一)委員 防衛庁長官にもう一度確認しますが、いわゆるペスト菌だとかいわゆる細菌兵器、すこぶる非人道的と文明社会の中では全くもってこれを正当に非難されている、実はそういう兵器なんです。そういうものを持てるというようなお考えは持ってはいらっしゃらないでしょうね。
○大村国務大臣 お答えします。 先ほど政府委員がお答えいたしましたとおり、国際条約を批准いたしておりますし、条約は憲法上最大限尊重しなければならない立場におります。したがいまして、持つ考えは持っておりません。
○井上(一)委員 防衛庁長官に私は重ねて聞きたいのですけれども、その前に総理にひとつ伺っておきたいと思います。 ジュネーブ議定書にいう毒ガスとは、もう非常にひどいものだ。一つ一つ私が指摘をする必要もないぐらいに、ペスト菌をばらまいたりあるいは精神錯乱を生じさせるような化学兵器、そういうものを使う、そういうものはもう文明社会では正当に非難されて、こんな非人道的、非人間的なこういうものはよくないのだ。そういう毒ガスは使うべきでもないし、こういうものは当然すべての世界から全部をなくさなければいけないわけです。そういう意味で非人道的兵器だと私は思うわけなんです。総理は私の見解に同意をしていただけますか。
○鈴木内閣総理大臣 いま井上さんから御指摘がございました毒ガス類であるとかあるいは細菌兵器、そういうものはまさに人道的見地からいたしましても許されないことでございます。したがいまして、わが国は率先してあの議定書に批准をした、こういうことでございまして、私は、日本としてはこういう兵器は持つべきものでない、またこれを世界各国に向かっても、そういうことを廃絶をするように日本としても努力すべきものだ、こういうように考えます。
○井上(一)委員 すべての世界から廃絶しなければいかぬ。総理は再三国会の中で、憲法を遵守したいのだ、こういうことを申されているわけなんです。平和、民主主義、基本的人権の擁護、そういう中で憲法を遵守していく。非人道的兵器である毒ガスは非常に許されないものですから、こんなものをわが国の憲法上保持できる、そんなことはあり得ないのですよ。保持できないのだ、そういう解釈をすべきだと私は思うのです。総理、かつて、たしか昭和三十六年に、池田総理に、安保条約の事前協議の対象に毒ガスはなるのかどうかということをわが党の飛鳥田委員長が当時質疑をされたわけなんです。そのときには、もちろん国際法上で禁止もされているし、あるいはいま私が言った、人数にとって大変なことになる、事前協議の対象になるかならないか、そういう議論なんてナンセンスだ、そういうことを論ずること自体がもうナンセンスなんだ、こういうふうに答弁をされて、それが事前協議になるならないという答えを出すこと自体、そんなことは考えられないのだというぐらいに池田総理は明確にお答えをなさっているわけなんです。私は正しいと思います。私は非常に正しいと思う。 きょうは、政治家としての総理、私はその字句の持つそういうものよりも、全体の持つ精神、そういうものから照らして、憲法上保持できるなんというような物の考え方には私は立っていないわけなんですけれども、ここでもう一度総理から、憲法を遵守するという再三にわたるお答えをわれわれは聞かせていただいておりますので、憲法上保持できないのだという解釈をすべきだと私は思うのでございますが、いかがでございますか。
○鈴木内閣総理大臣 日本国憲法の平和主義、民主主義、基本的人権、この基本的理念に照らしても、池田総理が政治家としてお話しになったということは正しい、こう思っております。 ただ、憲法論、法律論としての立場につきましては法制局長官から述べさせます。
○井上(一)委員 私は、政治家として、総理からぜひ聞きたい。法律論議、そのことも大事である、しかし、すべての世界の人類を幸せにしなければいけない、その取り組み、そんなことを考えたら、毒ガスが非人道的であるということもお認めになっているのですよ、日本の平和憲法そして基本的人権を尊重していくのだ、あるいは民主主義を広めていくのだというあなたの基本理念からして、この問題について、憲法上保持できるとお考えなのか保持できないとお考えなのか、総理から聞かせていただきたい。
○鈴木内閣総理大臣 いま私、明確にお話をいたしましたが、政治家として、池田総理の所見と全く同じであります。
○井上(一)委員 そのことは、いわゆる人道上論議の対象にすることすらナンセンスだ、こういうふうに受けとめてよろしゅうございますね。上保持できないのだというふうに理解してよろしいですね。
○鈴木内閣総理大臣 政治家としての信念はいま申し述べたとおりで、憲法論は別でありますから、憲法はこちらで……。
○井上(一)委員 私はきょうは鈴木総理、いわゆる政治というものの哲学をたっぷり聞かせてもらわなければいけないし、それを聞き出すことが、本当に憲法を遵守するという精神がそこにあるかどうかということになると思うのです。だから、くどいようですけれども、毒ガスは憲法上保持できないという私の理解、それはさっきから言うように、もうペスト菌、コレラ菌あるいは精神錯乱状態に陥れるようなそういう化学兵器、すべてを含めて人類を絶滅させてしまう、絶えさせてしまうのですよ。そういうことを考えれば、世界の平和あるいは人類の幸せ、そういうことをお互いに論じながら政治をやっておるわけなんです。日本の憲法はやはりそういうことを求めて、世界の平和、もちろんわが国の平和、そのことが世界の平和に貢献していく一つの原点だ、そういうことで、私は総理の政治哲学を聞きたい。政治信念。憲法上、それでも持てるとおっしゃるのか、いかがなんですか。
○鈴木内閣総理大臣 政治的信念は繰り返し申し上げておるとおりであります。 ただ、あなたが憲法論に絡めてきておるから、憲法の解釈の問題は法制局長官から明快に説明をさせます。
○角田(禮)政府委員 御指摘の問題については、すでにこの国会において論議されているところであります。 具体的な事実として申し上げますが、昭和五十三年三月二十四日、衆議院の外務委員会におきまして中川委員の御質問に対して当時の福田総理大臣がお答えをいたしております。それをそのまま読み上げます。「憲法の純粋な解釈論といたしましては、これはわが国といたしましては、自衛のため必要最小限の兵備はこれを持ち得る、こういうことでございまして、それが細菌兵器であろうがあるいは核兵器であろうが差別はないのだ。自衛のため必要最小限のものである場合はこれを持ち得る、このように考えておる次第でございます。」このように答弁しております。
○井上(一)委員 総理、私は総理の信念を聞いている。自衛のためだとかあるいは攻撃的である、そんなこと以前に、毒ガスというものの恐ろしさをあなた、どういうふうにお考えになっているのです。毒ガスが憲法上持てるなどというようなことは大変なことなんですよ。そんなとんでもない考えを鈴木総理は持っていらっしゃらないと思って、私はそう信じたいのですが、どうなんですか。
○鈴木内閣総理大臣 先ほど来るるお答えをしております。いまの毒ガス兵器であるとかあるいは細菌兵器であるとかいうものは非人道的なものである、こういうことは明確に申し上げておきます。 しかし、いま憲法の解釈の問題が出ましたが、憲法の解釈の問題と、私が憲法の理念の上に立って、私は持たない、日本国は持たない、こういうこととは別の問題である、憲法はそれを認める余地があっても、私は、鈴木内閣としても、政府としてはそういうものは持たない、こういうことを申し上げておるわけであります。
○井上(一)委員 憲法論議に入るまでに、まず、あなたの哲学で、そういうものは非人道的であるという、このことは、確かにおっしゃるとおりお認めになられました。そういう非人道的な兵器を憲法で持てる、保持できるという解釈それ自体は過ち、正しくない。持てるとどこに書いてあるのか、こういうことになるのですよ。憲法ではそういうことは明記されてない。また、持てないということも明記されてないかもわからない。しかし白い紙の上に、この紙が白い、それを、白いのだから持てるのか持てないかという解釈になれば、非人道的なものにつながらない、そういうことに解釈をしていく、それは持てないということ。なぜそんなに曲解をして非人道的なものを持てるなんという考え方につなぐのですか。非人道的なそういうものを持てるなんて、保持することができるなんて、よもや私は鈴木総理はお考えでないだろう、こういう理解をしているのですが、総理、もう一度その辺をはっきりとお答えいただきたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 非人道的な兵器であるからそういうものは持たない、こういうことを申し上げております。
○井上(一)委員 持たないのではなく持てないんだ、こういうお答えが必要なのです。持たないというのはあなたの意思、政策です。憲法上持てない。憲法上保持できるのかできないのか。こんなものをできると言ったら大変なことなのですよ。私は持てない。いままでの答弁では、憲法上持てる、保持できるかのようなお答えが返っているわけなのですね。鈴木総理、どうなのですか。
○鈴木内閣総理大臣 政治家としてお互いに話をしておって、そういう非人道的な兵器は持たないということを私は再三繰り返し明確に申し上げております。
○井上(一)委員 非人道的な兵器は持たない、憲法上持てない、この点については、それじゃ法制局長官、今度はあなたに聞きましょう。総理大臣は持たない、私は持てないと言うのだけれども、あなたはどうなのですか。総理大臣は持たないと言っているわけです。法制上持てるというのですか。
○角田(禮)政府委員 先ほどお答え申し上げましたとおり、純粋な憲法解釈としては、とお断りしたとおりのことでございます。
○井上(一)委員 そんな答弁何だ。答弁にならぬじゃないか。
○角田(禮)政府委員 それではもう一度繰り返して申し上げます。 憲法の純粋な解釈論といたしましては、これはわが国といたしましては、自衛のため必要最小限の兵備はこれを持ち得る、こういうことでございまして、それが細菌兵器であろうがあるいは核兵器であろうが差別はないのだ。自衛のため必要最小限のものである場合はこれを持ち得る、このように考えておる次第でございます。
○井上(一)委員 総理、いわゆる俗に言うBC兵器に防御的な使用なんというのはないのですよ。これを使ったら最後なのですよ、あなた。総理はどうお考えになるのですか。おおよそBC兵器に防御的なんというものはないはずなんだ。
○塩田政府委員 先ほど来お答えいたしておりますように、結局、細菌あるいは毒ガス兵器が自衛上許される範囲内のものであるかどうかということに尽きると思います。ですから、抽象的な議論でなくて、具体的に判断をせざるを得ないであろうと思いますし、私どもは持つ意思はございませんので具体的に判断したことはございません。
○井上(一)委員 憲法上保持できるというようなその解釈は、これは大きな間違いだ。毒ガスを持たないということは再三お答えの中で聞いておりますけれども、保持できる、持てる、しかし持たないのだ、こういうことですね。
○角田(禮)政府委員 先ほどの答弁で尽きているのじゃないかと思いますが、持ち得るということは、すべて持ち得るということでは決してございませんで、いま防衛局長が申し上げましたように具体的な検討を必要とすると思います。ただ、そういう検討は防衛庁でもしていないわけであります。ですから、私どもは、抽象的な理論として、持ち得る場合があるといいますか、持ち得るものもあるというか、そういう意味で申し上げているので、全部が全部何も持ち得るというような意味で持ち得ると申し上げているわけでは決してございません。
○井上(一)委員 こんな答弁では、限られた時間で、私の方もできるだけと思っているけれども、質問が続けられませんね。(発言する者あり)
○國場委員長 内閣法制局長官の答弁に対しましては、その専門の権威のある解釈であると私は認めます。よって、質問は続行していただきたい。
○井上(一)委員 私は一九二五年のいわゆるジュネーブ協定に言う毒ガスを限って当初から質問しているわけなんですよ。わざわざ窒息性ガス、毒性ガス又はこれらに類するガス及び細菌学的手段の戦争における使用の禁止に関する議定書の中での毒ガス、そういうことに限っているわけです。催涙ガスだとか木の葉を枯らすそういうガスを指していない。それに対しての答弁なんというのは全然できていないのですよ、委員長、何が答弁真っ当ですか。わざわざ前段でこのジュネーブ議定書ということを言っているわけなんです。これにかかわる毒ガス兵器、これは憲法上持てるあるいは保持できるのだということ、そのことも意見は違いますけれども、そのうちのどのガスが、どういう兵器が実際何なのか何も言わないでおいて、そんなこと、委員長、答弁になりませんよ。
○國場委員長 もう一回先生の質問に対しまして法制局長官は答弁をしていただきたい。
○角田(禮)政府委員 純粋の憲法解釈としては先ほど申し上げたとおりで、それは繰り返しませんが、それでは具体的にお示しの一九二五年のジュネーブ条約に掲げられているものについて具体的に持ち得るかどうかということについては、先ほど防衛局長が御答弁申し上げたことで私はそれ以上つけ加えることはございませんけれども、全く日本は持つ気がないわけでございますし、持たないということを確信というかそういうつもりでございますから、具体的な検討をしていないと専門家の防衛局長が言っているわけでございますから、それ以上私がどれができるとかできないということはお答えいたしかねます。
○井上(一)委員 人道的な見地から、こういうものは持てない、保持できないのだという積極的な解釈が必要だというのですよ。それには答えていないのですよ、あなたは。防衛庁が答えたことをここで言ったって、それはあなたの答えにはならないわけです。そういうことについてあなたはさっきから何ら答弁もしてないし、こんなことが委員長——そういうことをやはりこれは踏まえて答えてもらわないと……。
○國場委員長 引き続き質疑を続行いたします。井上一成君。
○井上(一)委員 私は、先ほどから毒ガスが非人道的兵器であるということは総理に何回も確認をし、これまたそういうお答えをいただいているわけなんですよ。持たないということも、持つ意思がないということも、くどいほど確認をしたわけなんですね。非人道的であり、かつまた持つ意思がない。国際法上の問題以前のことなんですね。ジュネーブ協定、国際法として批准しているのだという以前に、非人道的である、そして日本国憲法の精神からしてそういうものは持つ意思ないのだ、それなら憲法で保持できるなんていう解釈はこれはおかしいですよと言っているのですよ。これに対する答えがないのですよ。非人道的なものを憲法は保持することを認めているのですか。非人道的だ。ただ、勝つか負けるかとかいうその戦いの、いや防御だ、攻撃だというそんな技術的な論理を私は求めているのじゃないのだ。これに対する答えがないじゃないかと。これは総理、やはり私は総理から。憲法の字句の問題だとかあるいは第何条第何項、そういう問題じゃないと思うのです。やはりこれは政治哲学、政治信念、そういうもので、非人間的なものが保持できるなんて日本の憲法の精神なんというのはそんな精神じゃありませんね、総理。そうでしょう。そこなんですよ。それを私は総理から、法制上どうだとかこうだ、そういうことじゃなく、総理として、それは日本国憲法の精神から照らせば画然だ、そういうのは保持できないのだ、そういうことで……。
○鈴木内閣総理大臣 先ほど来申し上げておりますように、日本国憲法の精神から言って、私はそういう非人道的な兵器は持たない、こう申しております。憲法論を勝手に私が変えるわけにはいかない、解釈するわけにはいかない、これは専門家に説明させるほかはない、こう思います。
○井上(一)委員 総理、憲法論、専門家——憲法の、あなたが遵守するとは一体何なんだ、あなたは遵守すると言っている、何を遵守するのだ。憲法の精神を遵守するのでしょう。そういうことを考えたら、毒ガスは持てないのだということを私は明確におっしゃるのが正しいと思う。
○鈴木内閣総理大臣 憲法の精神を尊重し、擁護する、そういう立場からいたしまして持ちません、こう申し上げておるわけでございます。
○井上(一)委員 いや、このことについては、委員長、私はまだまだ論議が納得できない。 それじゃ、ちょっと、各大臣いらしゃるわけですけれども、極端なことを言えば、戦時下であった、戦争中の状況であった、しかしペスト菌やコレラ菌をばらまいて多くの人類がそのことによって命を捨ててしまう、命を亡くしていく、大きな犠牲になる、こんなことは、それが専守防衛、いわゆる防御的な何だとか、攻撃だとかいう以前の問題ですよ。 これは厚生大臣、方面違いかもわからぬけれども、当時あなたは外務大臣としても、いろんな形で委員会であなたなりの政治信念をおっしゃっていらっしゃるのですよ。私は日本国憲法の精神からいけば、この非人道的なそういうものは持つことができないのだということを総理に篤と先ほどから質問しているのですけれども、厚生大臣、そんな形で細菌兵器がどんどん使われていく、こんなこと許されるでしょうか。
○園田国務大臣 私の名前が出ましたが、憲法解釈は私の専門ではございません。 ただ、名指されたついでに申し上げますと、私は戦前、職業軍人ではございませんが、応召軍人であります。化学戦学生として、ガス、細菌、火炎放射を習ったものでありますが、終戦の国がつぶれるかつぶれぬかという境に江田島にはイペリット、ルイサイト、ホスゲン、Gホスゲン等の猛毒な毒ガスがいっぱいございました。これを使わなかった、使えなかった。防御だといっても、これを使うと敵をやる前に味方の国民がやられるわけでありますから、旧憲法でさえも使えなかった。これだけ申し上げておきます。
○井上(一)委員 旧憲法ですらと、そういうような形で——それじゃ、この点については、まだまだ時間をかけて論議しますが、総理、広島や長崎にいわゆる無差別投下されたあの原子爆弾、このことは外務省の核兵器不拡散条約の批准問題についての中でもきっちりと書かれているのです。「それはまさに人類絶滅の危機に通ずる」、核兵器というものは、そういうものだ。「広島や長崎に投下された原子爆弾によって、いかに多くの人類が失われ、いまに至るも深刻な傷跡を残しているか、これをよく十分知っている日本人にとっては」云々と、核の恐怖と夢にも忘れられないというこの広島、長崎に投下された原子爆弾も非人道的な兵器である、私はこういうふうに理解をするのですけれども、総理大臣はいかがでございますか。
○鈴木内閣総理大臣 井上さん、いろいろ核の問題、お話がございましたが、私は、戦争自体が非人道的である、このように思うわけでございます。したがいまして、わが国の憲法の基本的な理念は平和主義である、こういうことで一貫をしておるわけでございます。私は、核兵器につきましても、あのような広島、長崎の悲惨な状態、このようなことは二度と繰り返してはいけない、核兵器を中心とする軍縮の推進、こういうことは日本が今後におきましても一層努力をしていかなければいけない、このように考えております。
○井上(一)委員 私は、広島、長崎に投下されたあの原子爆弾は非人間的だ、非人道的だ、こういうふうに理解してよろしいですか、あなたはそういうふうに理解をされますか、こういうことを聞いているのです。
○鈴木内閣総理大臣 いま、そのとおりお答えをしておりますよ。
○井上(一)委員 簡単に、非人道的だということをおっしゃっていただければ、それでいいわけなんです。回りくどいことを言うからね。非人道的なそういう兵器、今度は核兵器ですね、こういうものは持てない、持つべきでない。ただ、いままでは防御的云々ということでこれを答弁にしている。このことすらおかしいわけで、そういうことを考えれば、世界のすべての国からなくさなければいけないものは核だ、どうしても守らなければいけないのは平和なんだ、こういう理念から、やはり核あるいは毒ガス、こういう非人道的なものの世界からの絶滅を図るために政治をやっていかなければいけないということを私は指摘したいわけなんです。そういうことについての総理大臣の所見。
○鈴木内閣総理大臣 核兵器につきましては、井上さんすでに御承知のように、わが国は非核三原則ということを国是として堅持をしております。つくらず、持たず、持ち込ませず、この非核三原則を国是として堅持していく、今後においても変わりはございません。
○井上(一)委員 私はただ、非核三原則の、これは政策なんです、それを国是だ、憲法の精神もそこにあるのだということを強く意識をしてもらいたい。さらに私自身は、平和と同時に人権を守るのだ、こういう立場も強調していきたい。 きょうは、そういう意味で、人権が侵害をされている、あるいはそういうことにかかわる具体的な事例として総理に伺っておきたいと思うのです。 まず、せんだってよりいろいろとすでに報道されております富士見病院の問題、この問題については、もう私は多くを語りません。まずは簡単に大臣の感想を聞かしていただきたい、こういうふうに思います。総理から。
○鈴木内閣総理大臣 富士見病院のあの事件というものは、まことに遺憾な事態でございました。医療に対するところの国民の不信、不安をもたらすような事件であり、人道的な見地からも許されない行為でございます。私は、二度とこのようなことが起こらないように、厚生当局においても全力を尽くして医療機関の管理、指導、監督、そういう面につきましても遺憾のないように措置してまいる考えでございます。
○井上(一)委員 この問題は、厚生大臣は、一厚生省だけの問題でない、内閣全体の問題だというふうにもおっしゃっていらっしゃるわけです。被害者の立場に立って、救済については全力を挙げたいという誠意あるお考えもおっしゃっていらっしゃるわけなんです。私は総理に、いま被害者の全摘された写真をお見せしたいと思うのですが、委員長よろしいですか。
○國場委員長 どうぞ。
○井上(一)委員 いま私は、三人の全摘をされた卵巣、子宮の現物写真をお見せしたわけです。とりわけこの写真は、具体的にはAの写真、いわゆる卵巣胞腫だと診断されて子宮筋腫とされた。これは五十三年六月、北野早苗によって診断をされて、院長によって全摘手術がされた。これは当時二十七歳の御婦人ですけれども、この写真でおわかりのように胞腫の疑いは認められない。いわゆる右卵巣、子宮は健全なわけです。こういうものが全摘された。あるいはBさんの場合、Cさんの場合はそれぞれ、Bさんについては五十二年の六月、がんの一歩手前だとおどかされて、佐々木京子医師によって全摘がされた。ごらんのように、子宮及び左右卵巣とも全く異常がないわけなんです。素人が見てもわかるわけです。こういうことが連続的に大量になされておった。こういうことについて、ひとつ被害者からじかにその声を総理は聞いてやろう、あるいはその実態を被害者から聞き、今後の政府の厚生行政の指針にしたい、二度と起こらぬように。そういう取り組みをするためにも、そういう機会を持つお考えがあるかどうか、聞いておきたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 いま園田厚生大臣がこのことを非常に重く見て陣頭に立っていろいろやっておりますから、その報告を受けた上で考えたいと思います。
○井上(一)委員 厚生大臣にそれではお伺いいたします。 いま総理に私は、一日も早い時期に被害者と直接会って被害者の声をお聞きして、次への防止策あるいは救済の対策を立てていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○園田国務大臣 富士見病院については、しばしばお答えをしておりますが、厳正なる態度をもって臨む所存でありますが、とりあえず患者の方々とは一日も早くお会いをして、いろいろ実情を承り、これに対応の処置をしたいと考えております。
○井上(一)委員 今週中にでもぜひ被害者の方々に会っていただけますか。
○園田国務大臣 一日も早くお会いするようにいたします。
○井上(一)委員 さらに被害者同盟は、北野から政治献金を受けた政治家についてその責任を明らかにせよと実は要求しているわけなんです。すでにいろいろな形でその責任をとられた方もいらっしゃるわけです。私は総理にここで、刑事責任がどうだとか請託の有無があるとかそういうことではなく、それはまた別途捜査当局に聞くとしても、政治的な道義的な責任が、その献金を受けた政治家はやはりあるのではないか、こういうふうに思うのです。総理、いかがですか。
○鈴木内閣総理大臣 私は、刑事的な責任以前の問題として、いま御指摘のように、政治的にそれぞれ反省もし、深刻に受けとめておられることと思っております。政治倫理の確立という観点から、私は、この点につきましてはぴしっと折り目を正してまいる所存でございます。
○井上(一)委員 ここで法務省の刑事局長に聞いておきたいのですが、何回か、政治献金については重大な関心があるのだということでそれぞれの委員会で答弁をされておるわけなんです。政治家たちへの刑事的責任について、いまの段階でどうなっているのかということを一点聞きたいわけです。 さらに、この問題を解明するには、患者に病院から手交された摘出臓器の写真、いま私がお見せしたこういう写真あるいは捜査当局が病院から押収したカルテ、保存されている摘出臓器の病理検査が必要である、こういうふうに思うわけです。この点、鑑定を委嘱する等の捜査を行っているのかどうか、この点についても聞いておきたいと思います。
○中平政府委員 政治献金の問題についてお答えをいたしたいと思います。 本件の捜査の現段階を簡単に申し上げますと、現在、医師法の違反並びに現在告発をされております傷害罪の違反の立証につきまして全力を挙げて捜査をやっておる段階でございます。 政治献金の問題につきましては、現段階を申し上げますと、政治献金の事実の中に犯罪を構成する事実があるかどうか、そういうことを鋭意確かめておる、こういう段階でございまして、したがいまして、そういう立場から関係者の事情の聴取を始めておる、こういうふうに御理解をいただければありがたいと思います。 後段の問題につきましては、私ども保安部長の方でお答えをするようにいたします。
○谷口(守)政府委員 お答え申し上げます。 先生のお尋ねの押収されました臓器等につきましての鑑定でございますけれども、専門家の御協力をいただいておるわけでございます。すでに埼玉県警察においては、そういう手配を行っておるということでございます。
○井上(一)委員 時間が参りましたので私は最後に一点、文部省に聞いておきたいのですが、千葉の広池学園、この広池学園が教材として、教科書として使っている中に、不幸な人は普通の人よりも祖先以来の徳が少ないのだ、だから普通の人よりも多量の道徳を行わなければいけないのだという、そうでなければ幸せになれないのだ、そういういわゆる差別助長の道徳教育というものが発覚したわけです。文部省の指導、そしてこれに対する取り組み、さらにはこのことから何を当局は学び取ったか、どういうような認識をしたかということについて聞いておきたいと思います。
○田中(龍)国務大臣 お答えをいたします。 御質問の私立広池学園の道徳の教科書に差別の助長の問題があるというお話であろうと存じます。この広池学園は、御案内のとおりに、いわゆるモラリゼの基本の教育をしておる学校と承りますが、この学校の教科内容の問題につきまして、どういうふうな差別の教育をしておるかということについて、詳細がまだ一向に不明でございますので、私の方もこれを調べますように申した次第でございます。まだ詳細な回答も参っておりませんので、これにつきまして、御意見のほどはわかりますが、お答えをいたす段階にまだ参っておりません。 なお、詳細なことにつきましては事務当局からもお話を申し上げます。
○井上(一)委員 大臣、何を言っておるのですか。こんな教育を、具体的に、不幸せな人はその人の先祖が徳の積み方が足らないんだという教育観念を植えつけている教科書を、調べるも調べないも、あなたの方がそういうことを文部省の検定の中で出しているわけなんです。そんなたわいない話をしてもらっては困るわけで、すでに兵庫県もこの問題については遺憾の意、あるいは詳しくこれに対する指導をしていくという見解を持っているわけなんです。文部省はどうなのか、こういうことなんです。
○田中(龍)国務大臣 お答えいたします。 教科書の検定の問題につきましては、事務当局から担当の者に答えさせます。
○井上(一)委員 この問題は私は許すことのできない問題である。それで総括して総理府総務長官に。 同和問題の正しい認識、あるいは同対審答申を尊重した特別措置法、それらの立法措置によって生活環境整備等の事業面では一定の成果があるけれども、精神面での意識変革、正しい認識はおくれておると思うのです。そういうことを考えれば、今後措置法の問題を含めて基本的な立法措置、いま指摘した精神面での意識変革も含めて新しい充実した立法措置が必要であると思うのです。この点についていかがでしょうか。 さらに、この差別助長の道徳教育に対して、文部大臣はまだ十分認識がないということですけれども、総理府総務長官は、文部省に対する正しい認識を求めるための何らかの行動をとられるおつもりなのかどうか、この点についても聞いておきたいと思います。
○中山国務大臣 井上委員にお答えいたしますが、どういう言葉が差別用語に当たるかにつきましては明確な言語上の区別がつきにくい現段階でございます。たとえば同和対策というような言葉自身も考え方によったら差別用語として考えられる。しかし、それは全部が使っている言葉でございます。こういうことから考えると、現段階でどの限界で言葉を選択するかにつきましては、できるだけ社会に差別と思われるような言葉を使わない方向で政治が動いていくことが鈴木内閣にとっても大変大切なことであろう。そのような方向で向かってまいりたいと考えておりますし、また障害者の問題につきましても、法律の中にあります不具廃疾者というような言語の使用につきましては、これから中央心身障害者対策協議会の中にできましたいわゆる障害年のための特別委員会ででも十分検討してまいりたいと考えております。
○井上(一)委員 私の質問に対する答弁としては非常に不十分だし、十分に理解をしていない。的を外している。ただ単なる時間的な問題じゃないと思うのです。総理大臣、こういういわゆる同和問題についても随所に差別助長の風潮がある。さっき私が冒頭に言ったように、先祖が徳が少ないから不幸せなんだ、こういう論理は全くナンセンスですね。総理大臣から一言。
○田中(龍)国務大臣 ただいま総務長官も申し上げたように、教科書の副読本の問題でありまして、同時にそれに対しまする選択はその学校おのおのの恣意にゆだねられておるような状態でございまして、検定の制度それ自体につきましてはまた事務的なお答えをいたしますが、本の採用は学校にゆだねられておる、そういうような実情でございます。
○井上(一)委員 全く答弁になっておらぬね、これは。この総括での質疑をどういうふうに受けとめているのか。私がいま言ったそんなことを常識だと考えているのかどうか。あるいは本当におかしいという受けとめなら、おかしいと言ったらいいのだ。それに対してどうするか、と。留保します、これは。
○國場委員長 新村勝雄君。
○新村委員 総理に御質問いたします。 総理は行政府の最高の地位におられると同時にまた日本を代表する地位におられるわけですが、同時にまた自民党総裁という、一つの政党の総裁でもあるという二つの立場を持っておられるわけですけれども、そのどちらを優先されますか。
○鈴木内閣総理大臣 非常にむずかしい御質問でございますが、政府におきましては内閣総理大臣としての重責を担っておりますし、自由民主党ににおきましては党総裁として党の最高の責任者でございます。これは、両方比較するという問題ではなしに、それぞれの立場において私は責任を負っている、こう御理解を願いたいと思います。
○新村委員 その二つの立場が調和されればいいのですけれども、必ずしもそうはいかない場合があります。そういう場合には矛盾した、いわゆる二律背反的な立場に立って物を処そうとするのか、あるいはまた、日本の総理大臣として国民の総意に基づいて行おうとするのかということですけれども、たとえば改憲の問題にしてもそういう局面があろうかと思いますが、国の代表者としての総理、自民党総裁としての総理をどう使い分けるかというか、どちらをどう優先させて行政をやるかという基本的な立場をひとつ伺いたいわけです。
○鈴木内閣総理大臣 ひとつ新村さんから、具体的にこの問題についてはどう対処するのか、こういうぐあいにお尋ねをしていただきませんと、一般的には非常にむずかしいのです。ひとつよろしく。
○新村委員 憲法の問題についていま論議が盛んに行われております。憲法改定の問題については総理はすでに明快に答弁をされておりますね。そういう基本的な問題については、やはり国民の総意に基づいて行動するというふうに理解してよろしいかどうか。
○鈴木内閣総理大臣 憲法の問題につきましては、鈴木内閣におきましては改憲の意思はない、憲法九十九条に明定されておりますとおり、あくまで「憲法を尊重し擁護する」、こういうことで閣僚の諸君も全部この立場をとっております。したがいまして、憲法に関しましては閣内の意見というものはきわめてはっきりいたしておることをまず御了承いただきたい。 しかし、新村さんも御承知のように、九十六条におきまして憲法みずからが改定の手続を規定いたしておるわけでありますが、そういう意味合いから、憲法に対してこれを研究しあるいは議論をするというようなことは、憲法九十九条の尊重、擁護の義務に矛盾するものではない、相反するものではない、これも明快にいたしておるところでございます。これが政府のとっておる立場でございます。 さて、自由民主党におきましては立党の政綱におきまして、平和主義、民主主義、基本的人権、この崇高な三つの原則を堅持しながら自主的な憲法の制定について自由民主党としてはそれを志向する、こういうことに相なっておるわけでありますが、この自由民主党の政綱におきましても、いま申し上げた三原則というものを堅持しつつと、こういうこともはっきりいたしております。そういう立場から現在、憲法調査会が自由民主党の中に設けられておりまして、そこでせっかく研究をし、調査をし、勉強しておる、こういう段階でございまして、政府の方針と別に変わるものではございません。
○新村委員 総理の方針は明快に述べられたわけでありますが、そうしますと、自民党の中にある自主憲法期成議員同盟、これは総理が加盟しておられるようでありますけれども、少なくとも総理在任中はここから脱退をすべきではないかということの質問がありまして、総理はお考えになるということであったわけですね。現在の御心境はいかがですか。
○鈴木内閣総理大臣 議員同盟は自由民主党の党員諸君が大多数参加をしておりますところの団体でございます。私も当初からこれに一党員として参加をしておるわけでありますが、この議員同盟におきましても、三原則というものをやはり尊重していくということをたてまえにしながら自主憲法の制定に向かって調査研究あるいはそれを志向するいろいろの動きをしておる、こういうことでございますが、自由民主党そのものではございませんけれども、自由民主党の党員諸君が多数参加しておりますこの団体におきまして政府の方針というようなものにはなはだしくもとるような行動、そういうものがありました場合には、私としてはそれから脱退をするかどうかということを真剣に考えなければならないということは申し上げております。現在でもその心境に変わりはございません。
○國場委員長 あなたの時間はもうこれで済みました。
○新村委員 残念ながら以上で終わりますけれども、最後にお願いするのですが、総理はこの決算委員会を尊重されるおつもりはございますか。
○鈴木内閣総理大臣 私は、予算委員会と決算委員会というのは車の両輪というぐあいに国政運営上大事なものと考えております。そういう意味合いで、決算委員会の御論議あるいは結論というものにつきましてはこれを尊重して政治を進めてまいる決意でございます。
○新村委員 最後もう一問ですが、昨年の国会審議の中で総理が予算委員会に出席した時間数は何時間であるのか、それから決算委員会には何時間おいでになっておるのか、官房長官。
○宮澤国務大臣 調べましてお答えいたします。
○新村委員 総理、いまのお言葉をお忘れなく、決算委員会に対してもひとつ十分出席をいただいて、決算委員会あるいは決算尊重の態度をお示しいただきたい、これはお願いしておきます。
○國場委員長 新村勝雄君の質疑は終わりました。 春田重昭君。
○春田委員 さて、総理は就任されて今日まで外遊を一回もなされてませんけれども、総理の外遊計画というものはあるのか、また検討されているかどうか、まずお答えいただきたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 外遊の日程につきましてはまだ具体的に固まっておりませんが、しかし、いまここでお答えできることは、一月の上旬から中旬にかけましてできることならASEAN諸国を歴訪いたしたい、こういうことで関係国と事務当局を通じましていま日程の詰めをやっておる段階でございます。
○春田委員 ASEAN方面を外遊したい、いま検討しているということでございますが、歴代総理がまず第一回外遊されたのを調べてみますと、佐藤さん以後田中さん、三木さん、福田さん、大平総理、全部アメリカへ第一歩をしるされているわけですね。鈴木総理はASEANに行かれるということでございますけれども、その理由を明らかにしていただきたい。
○鈴木内閣総理大臣 別に特別な理由ということはございませんが、しかし、近年ASEAN諸国、東南アジアの国々とわが国の関係は一層緊密に相なっております。私は、アジアの平和安定の見地からいたしましても一層この友好協力関係というものを強めていきたい、このように念願をいたしておるところでございます。歴代総理がまずもってアメリカ訪問ということもよく承知をしておりますが、現在、御承知のようにいろいろの事情がございまして、必ずしもいま行けるような状況でもございませんし、ASEAN諸国をまず訪問したいというのが私の考えでございます。
○春田委員 いまわが国は、アメリカと通商問題でいろいろな経済摩擦を起こしているわけですね。これにつきましては、外務大臣や大来さん等がアメリカへ行かれましていろいろ折衝なさっているみたいでございますけれども、総理みずからもおいでになりまして、こうした諸問題をみずから解決していく、そういう姿勢もあっていいのじゃないかと私は思うのですが、その腹はあるかどうかです。お伺いしたい。
○鈴木内閣総理大臣 いま経済摩擦の問題をお取り上げになりましたが、私は、日本のように経済が大きくここまで成長、発展してまいりますと、アメリカとの間ばかりでなしに、あるいはECとの間にもこういう摩擦といいますか、そういう問題はしばしば起こる問題であろうと思います。しかし、これはやはり経済あるいは貿易、通商の問題として当事者間で、関係者の間で話し合いによって円満に解決をする、合意点を見出す。これをこじらかして政治問題化するというようなことは避けなければいけない、このように考えております。今後もあり得ることでございますが、私は関係者にそういう努力を期待をいたしておるところでございます。また、政府におきましても、そういう問題は、担当大臣もおることでございますから、そういう諸君にもひとつ努力をしてもらうという考えでございます。
○春田委員 関係大臣にお任せするということでございますけれども、来年一月上旬にはASEANに行かれる。その後でございますが、アメリカ行きということは、上旬、中旬、下旬、少なくとも来年いっぱいにはお行きになると鈴木総理御自身はお考えになっているかどうか、再度伺いたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 両国の政府の首脳間でそういう日程その他都合がつき、一致いたしますれば、喜んで、私は、日米の関係緊密化のために、また相互理解をさらに進めるという観点からアメリカを訪問したいものだ、こう考えております。
○春田委員 それでは、何点かの問題をこれから質問してまいりますけれども、これからする質問は、代表質問または衆参の予算委員会等で論議されてきたものでございます。しかし、関係委員会等ではまだつぶさに明らかになってない問題もございますので、それを明らかにしていきたいし、また確認の意味の御質問もあると思いますが、私の持ち時間は二十四分ということでございますので、ひとつ簡潔にして明瞭なる御答弁をいただきたいとまずお断りしておきます。 総理は今国会で政治倫理の確立をとみに強調されておりますけれども、今国会で衆議院の航特委が野党からその復活が要求されたわけでございますけれども、結論からいって、自民党の数でもって廃止されたわけでございます。自民党総裁としてどのような御見解をお持ちなのか、お伺いしたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 特別委員会の存置の問題につきましては、これは基本的には国会でお決めいただく問題でございます。 現在、航特委は廃止するけれども、倫理委員会を設置したらどうかということで、制度協議会、議運等でいまお話し合いが進んでおるということを聞いておるわけでございます。自民党総裁としてもぜひ実りのある結果が出ますことを期待をいたしております。
○春田委員 特に鈴木総理は政治倫理の確立を、これは公に国民の皆さん方にお約束したわけでございますから、そういう点で御意見を聞いたわけでございますけれども、これはやむを得なかった、こういうお考えですか、航特委廃止はやむを得ないと。
○鈴木内閣総理大臣 これは各党の御意見が一致しなかった、こういう結果でございまして、私は、ただこれを廃止するということでは、国民に対して国会、政治家全体が姿勢を正すという意味合いからいかがか、やはり広範な問題について政治倫理を確立をするという観点で、倫理委員会の設置等がいま各党において御協議が進んでおる、こう理解をしております。
○春田委員 さて、その政治倫理委員会の問題でございますが、これは鈴木総理も、つくる、その背景には航特委の廃止があったと私は思うのですけれども、制度協議会か何かでいろいろもんでいるみたいですが、なかなか浮かび上がってこないわけですね。これにつきましては、要するに鈴木さんとしては、特にこの政治倫理委員会はつくるともう明らかにされているわけですね。ところが、まだ政治日程の上に上がってきてない。どうなんですか。
○鈴木内閣総理大臣 私は、各党の議題としてすでにこの問題が俎上に上っておる、わが党の国対あるいは議運の理事の諸君からも各党に対して御相談を申し上げておる、このように承知をしております。
○春田委員 これは、新聞の報道なんかでは、自民党内の反対が非常に多くてなかなか俎上に上がってこないという報道もされておりますけれども、その作業は順調に進んでいるのですか。
○鈴木内閣総理大臣 私は、自由民主党の中でこの問題に対してそんなに抵抗があるとは聞いておりません。
○春田委員 ということは、今国会、いわゆる臨時国会で、政治倫理委員会設置の成案が出てくるとお考えになっておりますか。
○鈴木内閣総理大臣 これは、ぜひ各党においてお話し合いの上、実りのある結論を出していただきたい。倫理委員会というような問題につきましては、イギリスにおきましても、あるいはアメリカの国会におきましても、それぞれ先例のようなものもございます。各国の制度、そういうものもよく皆さん御研究のように伺っておりますので、ぜひお話し合いが進むことを期待をしております。
○春田委員 それは国会の問題でございますけれども、私は、ここでやはり鈴木総理の強いリーダーシップを希望して、この設置ができるように要望しておきます。 さらにもう一点、政治資金規正法の改正の問題でございますが、これも今国会に上程されるような御答弁がなされておりますけれども、国会に上程するのは大体いつごろなのか、総理としてはどのようにお考えなのか、御答弁いただきたいと思います。
○宮澤国務大臣 できますならば、今週中の閣議で決定をいたしまして、提出をいたしたいと考えております。
○春田委員 さて、財政再建の問題でございますが、総理は、現行税制の基本的な枠組みの中で歳入歳出の見直しを行うと、こうお述べになっておりますね。特に歳出の場合でございますが、社会保障も聖域ではない、見直しという御指示をなさっているみたいでございますが、いま総理がお考えになっているいわゆる社会保障の見直し、これは具体的に言ったらどういうものを指すのか、お答えいただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 見直しは社会保障関係だけでなくて、全部の歳出について見直しをするところであります。
○春田委員 全体を検討するのは当然ですよ。しかし、社会保障も聖域ではないと総理はおっしゃっているわけですよ。だから、やはり社会保障の中でどういうものを見直すか、検討するか、それは頭の中にあると思うのですよ。それを具体的にお聞きしたいのですよ。総理にお聞きしたいのです。
○渡辺国務大臣 社会保障につきましても、やはりいろいろな社会的公正の確保、それから、これはこういう厳しい財政の折だから少し節減、合理化を図ってもいいのじゃないかというようなことなどあるかどうかも含めて、全部見直しをするわけでありますから、聖域ではございません。
○春田委員 いまの質問については総理の御答弁をいただきたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 私は、いま大蔵大臣も申し上げておりますように、社会保障関係の予算、補助金あるいは給付等につきましても、負担との関連におきましてもう一遍洗い直しをする必要がある、このように考えておるわけでございまして、社会保障関係費であるからこれは見直しの対象にはしない、こういうことであってはいけない。厳しい財政事情下にございますので、もうあらゆる経費、あらゆる対象、分野にわたりまして見直しを行う、私はこういう趣旨を申し上げておるわけでございます。
○春田委員 あらゆる分野で検討する、こういうことでございますが、昨年の十二月二十八日、いわゆる六者協定ですね。この中では老人医療の問題と児童手当の問題と教科書の無償配付の問題が六者協定で覚書として残っているわけですね。特にこの老人医療の問題と、いわゆる児童手当の分野、これはあらゆる分野で検討するけれども、この二つを最優先課題として検討しようとしているのかどうか、お答えいただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 これは党と政府との間の申し合わせでございますから、当然これはその場面で出てきたものであって、それだけではありませんが、申し合わせ事項については見直しをするのが当然でございます。
○春田委員 だから、私言っておるでしょう、最優先課題として最初に取り組むのかと。
○渡辺国務大臣 必ずしも最優先課題というわけではありませんが、重要な検討項目である。
○春田委員 そこで、児童手当の問題につきましてお尋ねしてまいりたいと思います。 この児童手当の問題につきましても、いままで代表質問や関係委員会でいろいろな質疑が展開されたと聞いております。それらの答弁でございますが、いろいろ調べてみますと、人によって若干ニュアンスが違うような答弁をなされているように私は思うのです。特にわが党の同僚議員の質問では、財政的な観点だけで未来を担う児童手当、これをカットしてはならないような、非常に前向きな御答弁をなさっているわけでございますけれども、他の委員では児童手当も見直すと、私の公明党の委員の質問と若干違うような、トーンがダウンしたような御質問になっている場面があるのでございますけれども、総理の御真意をお聞かせいただきたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 児童手当といえども、先ほども申し上げるように、見直しの対象にするということには変わりがございません。しかし、私は、児童手当制度を存続するということは考えております。内容につきましていろいろ改善、改革あるいは手直しをするという問題につきましてはこれから検討いたしますが、児童手当制度というものは存続をしたい、こう考えております。
○春田委員 存続はするけれども、いわゆる据え置きなのか、後退なのか、いわゆる前進なのか、内容によっては違うわけですよね。 そこで、せっかくここで厚生大臣もお見えになっておりますので、この児童手当の問題につきまして厚生大臣は、存続、維持したいという非常に前向きな、積極的な御答弁をいただいておるわけでございますけれども、改めて御答弁をここでいただきたいと思います。
○園田国務大臣 社会福祉並びに児童手当についての御質問でございますが、総理、大蔵大臣が言われたとおり、この時期に将来への改革のための見直し、それから財政上のむだを省くという意味の見直し、これをやられることは当然であると考えております。 児童手当については、ぜひこれはもう四つばいにはってお願いしてでも続けていきたいと思いますけれども、答弁が少し違うじゃないか——正直言って、税金を扱って財布を固く握り締めている大蔵大臣と、それをお願いして出して使おうという私と、答弁が少しぐらい違うことは当然だと私は思います。 そこで、いま、これを後退するのか、前進するのか、どうするのか、こういうことをうかつに、児童手当に熱心なあなたが総理や大蔵大臣に言われて、総理や大蔵大臣からうかつなことを言われると、厚生大臣はそれ以上言えないわけでありますから、ひとつ幅を置いて、ここらあたりで実際に児童手当が維持、存続できるように御協力を願えばありがたいと存じます。
○春田委員 私はここで大蔵大臣の御答弁もいただきたかったわけでございますけれども、むしろ所得制限を強化するような御答弁が返ってきたらまずいので、いまの厚生大臣の御意思を体しまして、ここで打ち切りたいと思います。 さて、歳入の見直しでございますが、これも先ほど言ったように、総理大臣は、基本的な枠組みの中でということでおっしゃっておりますけれども、この現行税制の基本的な枠組みということは、いわゆる新税導入はあり得ない、このように理解していいですか。
○渡辺国務大臣 当面、新しい大幅新税の導入は考えておりません。
○春田委員 いま歳出の見直しがされているわけでございます。これによって若干抑制されるでしょう。それから税外収入がふえる。しかしなお歳入が不足した場合はどうお考えですか。
○渡辺国務大臣 極力歳出の洗い直しをやるわけですが、この間もゼロリストというものが公表されていろいろな波紋を投げたわけでございますけれども、しかし、自然増収があの程度では、結局歳出はことしと同じ規模です、それがどうしてもやりくりがつかぬ、もっと重要ではないかという場合には、いろいろな負担のあり方というものについてはあわせて考えなければ、歳入歳出の維持ができないわけですから、それは当然あわせて考えるということであります。
○春田委員 大蔵大臣は、自然増収が要するに四兆数千億あるということで明確な御答弁をなさっておりますけれども、この四兆数千億の数字を示された根拠というのはどこにあるのか、お答えいただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 これは仮に二兆円の公債金収入、つまり国債発行高を少なくするということにすれば、四兆円程度の歳入で、しかも一般歳出規模はことしと同じぐらいだという程度の意味でございます。 また、その数字の根拠と言われましても、それは五十四年度の税収の実態それから最近における徴税の状況等を考えて、単純に、この程度伸びるのではないか、一二%程度伸びるのではないかという程度の仮定の話でございまして、確たる経済見通しその他、正確な根拠を持っておるわけではありません。
○春田委員 最後に大蔵大臣にお尋ねしますけれども、所得税の課税最低額ですね、これは五十二年以来平均標準世帯四人家族で二百一万五千円ですか、四年間据え置かれたままになっているわけでございまして、最近の景気のかげりの最大原因がいわゆるGNPに占める個人消費だ、こういうことで、非常に個人消費の低迷があるわけでございます。こういうことを考えた場合、やはり課税最低限の引き上げといいますか、これを考えるべきじゃないかと私は思いますけれども、大臣どうですか。
○渡辺国務大臣 課税最低限については、日本はフランスと並んで世界で一番高い水準にあるわけです。高度経済成長はもっと続くかというような気もあってどんどん先に先に引き上げてしまったわけですから、このような厳しい財政事情の中では、物価の上昇等が現在進行しておることは事実でございますが、それであっても世界の水準から見て低いとは考えておりませんので、ここでそれをいじるということは考えておりません。
○春田委員 時間が来ましたので、終わります。
○國場委員長 中野寛成君。
○中野(寛)委員 決算委員会の審議を今日までやってまいりまして痛感すること、そしてその帰結というのは、やはり行財政の合理化、改革、これに尽きると思うわけであります。とりわけ最近の硬直化した財政を立て直して弾力を取り戻す。決して赤字がゼロになったからいいというものではないし、また、そのために財政を立て直すというものでもない。あくまでも時の国際情勢や国民要求に敏感に対応し得る能力というものが確立されなければなりません。それだけに、行革と財政再建に対しては新たな国民の期待が寄せられるというようなものでなければならぬし、そういう期待を込めて国民は、もし厳しい条件を政府から提示されたとしてもそれに協力していくという姿勢がおのずから生まれてくると思うわけであります。そういう意味で私は、国民のための財政ということを基本に考えれば、安易な負担増は当然許されませんし、そしてまた同時に、こういう計画で政府は財政再建をやっていくのだという基本的なものが、国民に納得できるものが出されなければならぬ、こう思うのでありますが、その基本的な姿勢についてまず総理にお伺いいたしたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 ただいま中野さんが、財政再建、行政改革、これは国民的な課題である、これを政府はどのように受けとめてやろうとしているのか、こういう御趣旨の御質問でございました。私は、いま中野さんがお述べになったことと基本的に全く同じ考えを持っております。したがいまして、所信表明でもお話を申し上げたように、財政再建、そして行政改革、これは政府の重要な課題として取り上げておるわけでございます。 私は、この二つの問題、いずれも総論賛成、各論反対という場合が非常に多いのではないかと思います。しかし、これは当面の課題だけでなしに、八〇年代以降二十一世紀に向かって日本が本当にこの厳しい、むずかしい状況の中で、安定経済成長の中でその成果を国民等しく分かち合ってそしてまじめに働いた者、それには正当に報われるものがなければなりませんし、そうでない気の毒なお立場にある人に対しては、それだけ政府も手を差し伸べていく、みんなでそれを助けていく、こういう態勢をつくらなければいけない、この高度経済成長から安定成長の時代へ向かうに当たって、財政再建それから行政改革、だれかがやらなければならない仕事だ、私はこう考えております。国民の皆さんのお考えもそこにある、こう受けとめまして、鈴木内閣としては、この二つの政治課題には内閣を挙げて全力を尽くしてまいりたい、こう思っております。
○中野(寛)委員 いまの総理の御決意に基づいて、幾つかのことについてお尋ねをしたいと思います。 先ほど来話題になっておりますけれども、昭和五十六年度予算編成における二兆円国債減額、これは今日までたびたび触れてこられたことであります。これは予算編成段階において最前提条件として不退転の決意でやるのか、それとも今日段階における努力目標なのか、いかがでございましょうか。
○鈴木内閣総理大臣 国債の減額を二兆円程度五十六年度予算では実現をしたい、達成をしたい、こういう考えのもとに、いま五十六年度予算編成の作業を進めておるところでございます。このことは、閣議におきましても私から強く要請をいたしまして、全閣僚みんなが力を合わせてこれを達成しようではないか、こういう内閣全体として最重要課題に取り上げておるわけでございます。また、党の三役に対しましても、私は予算編成に当たって、自由民主党の理解と協力がなければできない、こう考えまして、党三役、首脳に要請をいたしまして協力を求めておるところでございます。政府、党が一体になってこの二兆円の公債発行の減額をぜひ達成したい、こう思っております。
○中野(寛)委員 そうすると、単なる努力目標ではなくて、来年度予算編成におけるもう決定をされたと同じような意味合いを持つ大変厳しい内容のものだ、このように判断してよろしいですか。
○鈴木内閣総理大臣 いま申し上げたように、内閣並びに与党一体になってその達成のために全力を尽くす、こういうことでございます。
○中野(寛)委員 それ以上のお答えはおっしゃれないと思いますが、われわれとしては、いまの総理のお言葉を一つの前提条件として踏まえながらお尋ねをしていきたいと思います。 総理が今回の総裁選挙で無事当選をされたわけでございますけれども、その所信表明の中に、私は、五十六年度予算では公債発行額を本年度より二兆円程度縮減し、以降、漸次これを減らして六十年までに赤字公債の発行を解消しますと、六十年までにという数字になっております。これは六十年度となっていないところに何か意味があるのかなと思って実は読んだりしたのでありますが、今日まで、少なくとも赤字国債を五十九年度までにゼロにする、こういうふうに言い続けてこられた。幾らか変わったのですか。
○鈴木内閣総理大臣 五十九年度予算編成でそれを実現する、達成する。六十年度からこの特例公債依存という体質を脱却しよう、こういう考えでございます。
○中野(寛)委員 この六十年までにというのは、一年伸びたということではなくて、六十年度からは全くゼロだという意味ですか。幾らか変化があるのですか。
○鈴木内閣総理大臣 六十年度からは特例公債依存という体質を脱却する、そういうことでやっていこうということです。
○中野(寛)委員 それでは、今日までおっしゃってこられた政府の政策に変化はないわけですね。
○鈴木内閣総理大臣 はい。
○中野(寛)委員 それでは次に移りたいと思いますが、そういうことになりますと、私どもはまた改めて多くの危惧の念が生まれてくるのであります。 先般来の大蔵省等の試算によりますと、五十六年度財源の中で自然増収を四兆五千億と読んでおられる。二兆円の国債減額が最前提となる、そして国債費の一兆五千億、地方交付税交付金一兆を差し引きますと何にも残らぬ、そこで例のゼロリストなるものが出てきたと思うのでありますけれども、こういう単純な計算をいたしましただけでも、これは明らかに増税路線をはっきりと踏み出したものだ、こういうふうに考えざるを得ない。なぜならば、一般歳出の当然増約一兆五千億、こう見られているけれども、それさえもどこにも生まれてこないわけであります。ということになりますと、その一兆五千億をどこで生み出すか。いろいろな行政改革の話もありますけれども、一兆五千億はそう簡単に出てくる内容ではない。そうすると、それは明らかに増税だということになろうかとわれわれは見ざるを得ませんが、それでよろしいですか。
○渡辺国務大臣 一兆五千億の当然増経費がある。しかし、その他のところでどれくらい縮めるか、また、いままでのような手法で考えれば一兆五千億の当然増になるのだが、こういう時期ですから、何とかそれももう少し別に節約をする方法がないか、あわせて検討しなければなりません。したがって、一兆五千億が当然増になるか、もう少し少ない当然増にするか、それも極力やってみても、あるところまでしかなかなかできないでしょう。あるところまでしかできないということになれば、それはどこかで何らかの負担をしなければ埋めるわけにはいかないわけです、借金することはだんだん減らしていくのですから。これは借りるときのえびす顔、返すときのえんま顔といって、後が大変になることはだれだってわかっておる。でありますから、どうしても切れないという歳出については何らかの工夫をしなければならぬ。何らかの負担増は何らかの形でしなければ維持できない。これはわかり切った話であります。
○中野(寛)委員 大蔵大臣から端的にすらっとおっしゃられました。しかし、鈴木総理は九月八日の政府・与党連絡会議において、来年度の予算編成に関して、増税に頼らない財政再建、二兆円の国債減額、そして年内編成という三原則を示した、こう言われております。しかし、今日までの渡辺大蔵大臣を初めとして大蔵省のとってこられたいろいろな行動は、いまのお言葉も含めて明らかに増税を示唆しておられます。八月二十日から始まった財政再建全国キャンペーン、行政サービスの低下か国民の負担増か、これはまさに国民に突きつけられたものだというふうにわれわれは受けとめました。一方、税調では増税の審議が進められている。間接税の打ち上げ、そして十月八日はゼロリストの発表、こういう一連の大蔵省の動きだけでなくて、その前提として、いまのような実に巧みな答弁をされる渡辺先生が大蔵大臣になられたこと自体、そのときからこれは増税への布石ではないかというふうにわれわれは直感的に感じたものでした。しかし、同時に多くの国民は、その大臣のお得意とするところの不公平税制の是正、とりわけ租税特別措置法の是正等々、そういうものをまず先になされるものだとも期待をいたしました。しかし、そのような傾向が私どもに感じられないままに、いまのような一連のキャンペーン活動が行われている。決して増税とは言わないけれども、それをなしくずしに、または断片的な発表の中で行われようとしている。このことに私どもは大変大きな矛盾と危惧の念を感じてならないわけであります。このことについて、大蔵大臣ではありません、総理はいかがお考えなのでしょうか。
○鈴木内閣総理大臣 私は、五十六年度予算編成の方針としまして、政府・与党首脳会議において、公債発行二兆円程度の減額、それからいわゆる一般消費税のような新税に頼らないで、そして現行税制の枠内で歳入の厳しい見直しもしなければならない、そして予算の編成はぜひ年内になし遂げよう、こういうことを申しておるわけでございまして、その方針で大蔵当局も大臣初め取り組んでいただいておる、このように理解をしております。
○中野(寛)委員 いま総理のお言葉は、新税によらない、こういうお言葉であります。当初は増税に頼らないというお言葉であったのではありませんか。私どもはそう受けとめている。正直な国民もまた増税によらない財政再建という言葉を覚えておりまして、そう思っている。いつの間にか新税によらないということに変わってきた。私はそのことにむしろ不信感を持たざるを得ない。 もう一つ、ここで経企庁長官にこの機会にお尋ねしたいのであります。決して一紙ではありませんから、多分このようにおっしゃったのであろうと思いますが、自然増収による、いわゆる増税に頼らない財政再建、これに関連をいたしまして、ことしは四・八%の成長、六・四%の消費者物価の上界という健全な経済運営のもとでも四兆六千億円というような大きな自然増収が出た、日本経済の規模が大きくなっているからだ、ことしのGNPが二百五十兆円、来年は三百兆円に近いでしょう、これだけの規模ですから、少しばかりよい経済運営をすればすぐ五、六兆円出てくる、このような御発言をいろいろな機会にされている、そういうふうに私は今日まで読み取ってまいりました。経企庁長官はそのお考えに変わりありませんか。その御真意はどういうところにあるのでしょうか。
○河本国務大臣 御承知のように、ことしの予算編成に際しまして、四兆六千億の税の自然増収が五十五年度にあるであろうと想定されて予算が組まれております。経済運営の目標は経済成長率は四・八%、それから消費者物価は六・四%と大体想定しておりますが、来年それ以上経済の活力が拡大をし、景気がよくなれば、それ以上の税の自然増収を期待することは可能であります。あるいはまた、経済運営がうまくいかずにことしよりも活力が弱くなるということになれば、残念ながら減らざるを得ない、こういうことになろうかと思います。 さて、それでは来年の経済運営をどうするかということにつきましては、この十二月に諸般の情勢を総合的に勘案をいたしまして内閣として決定する、そういうことになっておりますので、これからの経済運営いかんによってその数字は大きく変わってくるであろう、こう思っております。
○中野(寛)委員 それでは、予算編成期、もうすでに入っていると思いますが、最終決定までに来年度の経済運営もしくは経済の見通し等々、経企庁長官としての御判断とアドバイス等によって、たとえばいまわれわれが一番心配している増税路線というものが少なくとも大蔵省のもくろんでおられるそれよりも縮減される、もしくはこれをなくす、この可能性はまだ残っていると考えてよろしいか。
○河本国務大臣 だれしも税金によらないで国の財政再建ができるということは大変望ましいことでありますから、できるだけそういう方向に努力しなければなりませんが、そのためにはどうしてもその前提としてことしの経済成長目標四・八%というものは達成しなければならないわけでございます。それを基礎にして、さらに来年それ以上の経済運営をしていくということが大事になるわけでございますが、この夏までの経済の動きは残念ながらやや力が弱くなっております。そこで、五月の初めに若干の景気を回復させるために総合対策を進めたことは御案内のとおりでございまして、これによりまして下半期の景気を回復をいたしまして、年度の目標を達成したいということでいま一生懸命にやっているところでございます。それを受けて来年の経済運営がどうなるかという判断が出てくるわけでございますが、その判断は先ほど申し上げましたように十二月の段階でする、こういうことでございますから、政府といたしましては、ことし以上の活力が来年は期待できるように、そういう方向に持っていきたい、現在はそのように考えておりますが、最終判断は十二月の段階でする、こういうことでございます。
○中野(寛)委員 長官というお立場からいまのような御答弁しか期待できないのかもしれません。ただ、私ども今日までいろいろ報道機関を通じて、また大臣の御発言を判断する中では、増税によらない、いわゆる景気対策による財政再建、このことがむしろ今日まで意図的に大々的に打ち上げられてきた、私はこういうふうにさえ思っておったのであります。しかし私は、そのことをまだ希望を捨ててはならぬ、むしろ総理を初めとして大蔵大臣、経企庁長官、皆さん御協力の中で、少なくとも国民の負担増による財政再建ということを避ける努力は最後までやはりしていただきたいことを特に要請しておきたいと思います。 同時に、やはり負担増の前にもう一つ私どもがとりわけ関心を持つことは、今日までややもすると税調を隠れみのに使って、検討中であるとか答申待ちであるとかいうような言葉を連発される、それは結局その陰で国民負担を増大させる戦術が着々と進められていく、このことをいま現在国民はみんな心配している。むしろ政府自身の独自の財政再建計画というものがむしろ先に打ち出されるべきだ。たとえば、今春竹下大蔵大臣当時に約束されました中期財政計画、これはその後どうなっているのか。 同時にもう一つ、最近よく報道されておりますが、経団連の稲山会長も発表されましたが、財政再建法の提唱がなされております。大蔵省も財政再建特別措置法を検討中だという報道もなされました。これらについてはある意味ではもろ刃の剣の印象を強く持つのでありますが、このような一連の財政再建のための真剣な政府の取り組みを具体的に提示する、計画をはっきりさせる、これが国民のまず、いま望まれていることではないかと思うのでありますが、これらの一連のことについて、総理に最後にお答えいただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 財政計画の問題につきましては、これは非常にむずかしい作業なのでありますが、鋭意ひとつ試作品をつくってみようということで、今年末までを目途にいま努力をしておる最中でございます。 それから、そのほかのいろいろなこと、新聞や何か出ておりますが、もちろんわれわれとしては、そういうような制度等を発表する前に現在の歳出というものに徹底的なメスを入れて、どれぐらい切れるか、節約できるかということを重点的にいまやっておるわけでございます。これは、この歳出を確保せよというからには歳入がなければ歳出の確保はできないわけですから、問題はやはり歳出がそれまで必要かどうかということを見定めることが先決であって、それを見定めなければ結局歳出の方までの話はいかないのです。どうしてもこれは切れないというものについては、どうしても切れないということなら何かで集めなければならぬというその集める方法等については、これは別に税金だけじゃありませんし、いろいろな一部負担の問題もあるでしょうし、その他の問題もいろいろあるでしょう。ですから、そういうものをみんな総合的に考えてやっていきますということを言っておるわけであります。 財政キャンペーンあるいは「歳出百科」等については、やはり国民に財政の実態を知ってもらった方がいい。これはもうどなたも国民にわかりやすくと言いますから、そのために実態を知ってもらうためにありのままのことを書いて出しておるというのが実情であって、それはやはり財政の実情を知ってもらえば、そんなにひどいのではもうともかく借金はやめろとか、もう少し負担があっても仕方がないのじゃないかとかいう気持ちになってもらえば一番いいことなので、そのためにやっておることは間違いないことであります。
○中野(寛)委員 再建計画、それから再建法、これについて具体的に。
○渡辺国務大臣 ですから、再建法については具体的にいまどうこうということを考えておりません。目下検討中でございます。
○中野(寛)委員 時間が来ましたから終わりますが、検討中ということは前向きに検討中ということですか、全くの勉強中ということですか。
○渡辺国務大臣 その中間ぐらいのところじゃないかと思います。
○中野(寛)委員 よくわかりました。 終わります。
○國場委員長 辻第一君。
○辻(第)委員 私は、憲法問題について総理にお尋ねをいたします。 総理は、総理や十九人の閣僚を含む二百五十余人の自民党国会議員が参加をされております自主憲法期成議員同盟の趣意書や規約はよく御存じだと思います。その趣意書には「日本国憲法は過去八ケ年実施されてきた。そしてわれわれの伝統と国情とに符合しない個所があることも明らかになった。」、このように述べております。 また、ことしの三月に議員同盟が岸信介会長名で全国の三千三百個所余りの地方議会に送られた「新しい憲法を制定して時代を一新する運動に御協力頂きたき御願い」、大変長い名前の書類と一緒に決議のひな型が送られておるわけであります。その決議のひな型は「新憲法の制定を要請する決議」という決議のひな型で、その内容に、特に日本国憲法は他国の憲法に必ずある国家緊急時の対処規定がないなど、独立国家としての憲法の体をなさない、このようなことが主張されているわけであります。 さらに、ことしの九月二十四日付、同じく岸信介会長名で「「憲法を改め時代を刷新することを要望する決議」提起の御願い」という文書を全国の自民党地方議員あてに送っておられるわけであります。 これは、いま申し上げましたのは、私が差し上げました資料の二枚目、三枚目、四枚目にあるわけでございます。 この九月に出された文書には、殺人だとか誘拐だとかいう最近の凶悪犯罪の続発の原因があたかも基本的人権の保障を明記した憲法にあるように述べておられる。そして、「権利義務の相対性を各条文に明示すべきである。」と基本的人権の制限を主張されているということであります。また、憲法第九条についても不当だとし、改定することを主張されております。このような主張に対し総理は賛成しておられるのかどうか、お答えをいただきたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 憲法問題に対する鈴木内閣の基本的な姿勢、考え方というものは、もうしばしばこの衆参両院の本会議並びに予算委員会、決算委員会でも申し上げておるとおりでございます。一方、自由民主党におきましても、憲法調査会におきまして、ただいま憲法につきましていろいろ調査をし、研究をし、また議論をしておるということでございまして、まだ具体的な案というものが固まっておりません。したがいまして、自民党の党員が多数参加しておる議員同盟というものにつきまして、自由民主党の方から方針がまだ決まってないわけでございますし、中身も決まっておりませんから、その外郭団体といいますか、そういうものに対してああしろこうしろという指示をしたりコントロールをしたり、そういうようなことはございませんし、また自由民主党総裁としてそういう団体に私が関与し介入をしてあれこれやるというような考えも持っておりませんし、やってもおりません。
○辻(第)委員 いまの総理のお答えは、私がお尋ねをした点とやや食い違っておるというふうに思うわけでありますが、私はこの主張に御賛成しておられるのかどうかということをお尋ねしたわけであります。総理も入っておられる、またたくさんの閣僚、多くの自民党の国会議員が入っておられる議員同盟でございますから、私はお答えをいただきたかったというふうに思うわけですが、次に移ります。 趣意書には、速やかに自主憲法実現の必要を国民に訴え、一大国民運動を盛り上げよ、このように呼びかけております。さらに、規約三条では、同盟の目的として「日本国憲法を再検討し、自主憲法を推進すること」としております。第四条では、同盟の事業の第一に「自主憲法の実現を目標とする国民運動」を掲げております。この議員同盟は単に憲法について研究、調査、論議をするだけの団体ではなくて、改憲運動をするための団体であることは明らかであります。しかも、ことし三月から本格的に運動を展開されているわけであります。先ほども触れましたように、ことしの三月、議員同盟は岸信介会長名で全国三千三百の地方議会に文書を送り、政府と国会に対し「新憲法の制定を要請する決議」を可決するよう決議のひな形まで添えて申し入れているのが現状であります。すでに別府市を初めいろいろの市町村で早くも改憲決議が行われているのが現状であります。さらに、さきにも述べましたように、九月二十四日付でも、「憲法を改め時代を刷新することを要望する決議」この要請文を全国の地方議員に再び送っておられるわけであります。このようなたび重なる全国的な要請行動というものは積極的な改憲運動の展開そのものではないのか。この事実は、研究、調査、論議をするだけの団体ではなく、この団体は趣意書や規約に基づいていまや積極的に改憲運動をしていることは明らかであります。総理はこの点についてどのようにお考えになっているのか、明確にお答えをいただきたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 辻さんにぜひ御理解をいただきたい、こう思うのでございますが、先ほども申し上げたように、この議員同盟は自由民主党の党員諸君が大ぜい入っておる団体でございます。その自由民主党の党員諸君は、いま党の憲法調査会で憲法の勉強をやっている、調査検討を進めておる、また中身は決まっておりません。したがいまして、そういう自由民主党の研究段階、そして多数の党員が参加をしておる団体でございますから、この諸君が、具体的にこの点はこう改憲すべきだという案が出ない限りは、ただ声を大きく上げてやったところでそれは実効ある運動ではない、私はそう思います。また、自由民主党の憲法調査会で出すであろう結論と反する方向にこの団体が行った場合には、これは大部分の構成員がそれを離れるでありましょうし、まあそういう段階でございまして、そう余り神経質にお考えにならない方がいい、こう思っています。
○辻(第)委員 決して神経質になっているわけではございません。私が先ほど申しましたように、積極的な改憲運動をやっておられるということはもう明らかであるというふうに思うわけであります。総理がどのようにおっしゃろうと、それは事実だ、私はこのように存じております。しかも、このような改憲団体に総理や大多数の閣僚の方々が加入をされておるこのこと自体が積極的に運動を奨励し助長されておるのではないか。その点ではどうでしょうか。
○鈴木内閣総理大臣 いま申し上げたとおりで、自由民主党の憲法調査会というものの検討の結果の結論がまだ出ていないわけでありますから、それと表裏一体になって動いておるなどということは、私はそのようには受けとめておりません。また、自由民主党の憲法調査会で煮詰まってきた結論的なもの、そういうものと反する改憲団体ということになった場合におきましては、私もそういう団体に籍を置くわけにはまいらないということは常に考えておるところでございます。したがって、いまの段階ではその議員同盟から脱退するかどうかということは、しばらくその成り行きを見た上で判断をしたい、こう思っています。
○辻(第)委員 何回もそのような御答弁をされるわけでありますけれども、総理は、憲法を遵守する、憲法改定を毛頭考えていない、このように非常に明快にこの点はされておるわけであります。しかし、繰り返すようですが、総理を初め大多数の閣僚、そして非常に多くの自民党の国会議員が加盟をされておるこの議員同盟が、先ほど来私が述べましたような、憲法第九条については改定をするとか、あるいは基本的人権については制限をするような主張だとか、あるいはあの決議にありましたように、もう日本の国の憲法と言うことができないようなそういう感じの主張がある、しかもそれが全国に決議を求めるというような要請文が出され、もうすでに改憲決議のされている市町村がたくさん出てきた。こういう状況の中では、私は総理がどのようにおっしゃられようと、これは積極的に改憲運動をされている団体である、このように考えるわけであります。憲法を遵守する、憲法改定は毛頭考えていないとおっしゃっておるわけでありますが、このような団体に加盟をされているということは、総理がどのようにおっしゃろうと憲法改定を助長し奨励していることになると私は考えます。 いますでに総理がお答えになった点であるわけでありますけれども、もう一度私は、総理・総裁としてすぐさま脱退されるべきである、このようなことを総理に聞きたいと思うわけであります。 また、脱会と同時に、この改憲キャンペーンと申しましょうか、積極的な改憲運動を当然総理・総裁として中止をさせるようにお働きかけになるべきではないか、このように考えるわけですが、もう一度お答えをいただきたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 自由民主党の憲法調査会、まだいろいろ調査、検討の段階でございます。その結果が固まりましても総務会にかけなければなりません。憲法のような重大な基本法の問題でございますから、党大会を開いてでも党議ということで決めなければいけない、こういう性質のものでございます。そういう中で、まだ憲法調査会でも何らの結論が出ていない段階で、自由民主党の党員諸君が多数参加しておる改憲団体、議員同盟というものは、中身は固まっていない、大多数自由民主党の議員が入って構成されている団体でございますから、その自由民主党がまだ結論が出ていないということでございますから、そういう状況にあるもの、こう私は思っております。したがって、自由民主党がこれと一体になっていまそういう運動を進めておるというぐあいにおとりにならない方が正しい理解である、こういうふうに私は思うわけでございます。 なお、私は自由民主党総裁でございますけれども、自民党の議員諸君が多数参加しておる団体ではあるけれども、これは自由民主党とは違う性格の団体でございます、別個の団体でございますから、自由民主党総裁として、その別個の団体に対してあれこれ指図をするというようなことは差し控えなければならない立場にございます。
○辻(第)委員 ただいまの総理のお答えに納得するものではございませんけれども、次へ移らしていただきます。 この議員同盟は、憲法問題について政府のいわゆる想定問答についての反論をまとめております。そして内閣に申し入れた、このように報道をされているわけでございます。この反論、私の資料の一番上にあるのですが、この前文には「その各問答の内容には必要以上に将来の改憲論議を封殺する余りにも自縛的マイナス論理が展開されております」このように述べております。 また、その「問一」に関連しては憲法改正は毛頭考えていないという総理の見解について、「総理が党の総裁を兼ねるわが国において、党の政綱にある自主憲法の制定につき「毛頭考えていない」とまで言い切る上記解答は矛盾であり、納得しがたい。」このように述べているわけであります。しかもこの議員同盟の反論は、総理答弁を真っ向から否定するものである、私はそのように考えます。 さらに総理は、閣僚の憲法発言について国民の誤解を招くことのないよう慎重な行動を求めている、このように言っておられるわけですが、同盟の反論では、閣僚が発言することは何ら差し支えないとしていますし、また、わざわざ個人資格を断る必要もないとまで明記しているわけであります。 このように議員同盟の反論は、総理や内閣の方針を真っ向から否定をする発言をしている、私はこのように考えます。このような団体に総理を初め多数の閣僚が加盟をされておる。これでは内閣の方針が貫けないのではないか、このように私は考えるわけですが、総理の御見解をお聞きをいたしたい。このような点でも脱会をされるべきである。閣僚全部を引き連れてでも脱会をされるべきである、再度このことを申し上げたいと思います。総理の御見解を聞きたいと思います。
○宮澤国務大臣 議員同盟の性格につきましてはただいま総理からお答えがございましたが、いま辻議員はこれを議員同盟の意見というふうに仰せられましたが、拝見いたしますと議員同盟事務局見解と書いてございます。事務局というものがどういうものであるか存じません。一々反論の必要はないものと認めます。
○辻(第)委員 事務局の発言としましてもこれは議員同盟を代表している発言である、私はそのように解釈をするものでございます。(「宮澤さんは会員じゃない」と呼ぶ者あり)それじゃ総理、簡単に御答弁いただきます。
○鈴木内閣総理大臣 いま辻さんからお取り上げになりました政府に対する陳情と申しますか、申し入れと申しますか、私、実は会っていなかった。官房長官が私にかわって会われていろいろ話し合いをされておりますから、宮澤官房長官からお答えした方がその間の事情が明らかになろう、こういうことで官房長官からお答えしたわけでございます。官房長官がいま辻さんにお答えしたとおりでございます。
○辻(第)委員 最後に、このように私がいろいろ申し上げたのはだれでもわかっていただける道理だったと思うわけですが、このような道理にも逆らってあくまでも脱会されないということは、結局、鈴木内閣の本音が、憲法を遵守するとおっしゃっておりますけれども憲法改定ということになるのではないか。その根本には日米攻守同盟化を目指す安保条約の改定や軍備の増強を推進するという目的があるとしか私は思えないわけであります。この点について明確な御答弁をいただきたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 辻さんはそのように解釈したい、そういうぐあいに見たい、こういうお考えのようでございますけれども、決してそうでございません。鈴木内閣はあくまで憲法を尊重し、擁護する、これを堅持してまいる。しかし一方において九十六条で認められております、憲法に対していろいろな検討を加えあるいは議論をするということは憲法尊重に矛盾するものではない、こういう明確な態度をとっておることを重ねて申し上げておきます。
○國場委員長 辻第一君の持ち時間は終わりました。
○辻(第)委員 私は、総理のいまの御意見に納得するわけではございませんが、時間が参りましたので、これで終わります。
○國場委員長 田島衞君。
○田島委員 私がいまさらここで申し上げるまでもないことでありますけれども、決算審議において忘れられてならないことは、当該年度の予算がその予算編成の当時に計画したところを忠実に怠慢なく、しかもむだ遣いなく執行されておるかどうかということを精査することも重要な要素だと思います。それからまた、予算に賛成した立場は立場として、以上申し上げたような点で忠実に実行されておるかを検討しなければならぬし、反対の立場は反対の立場として、なぜ反対したかをこの決算を通じて論議することが必要なことだと思います。 私ども新自由クラブは昭和五十二年度の予算案には賛成の立場をとっております。そこでそのような立場から、いま申し上げましたような、この決算を通じて五十二年度の予算の執行についての反省と、同時にまたこの決算並びにそれに対する検査報告等を参考にして、新しい昭和五十六年度の予算にどのように政府が生かされていくか、その点をお伺いしたいわけでありますけれども、残念ながら多くの質問時間を持たされておりませんので、この決算外二件についてこれだけはと思う点について総理に伺ってみたいと思います。 総理にもいろいろお時間があるそうでありますから、短い許された時間で結構でありますが、お答えをいただきたいと思います。 まずその一つは、この決算に対する検査報告の中にもありますとおり、収入、支出両面合わせて八十二件の不当事項の指摘があります。このようなことも含めてこの決算について総理はどのような率直な反省をされ、そしてまた現在政府が一番主要な目標として考えられますところの財政再建あるいは行政改革等を考えておる立場からして、この決算から何を学びそして五十六年度予算にどのように生かそうと考えておられるかをお答えいただければまことにありがたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 予算の執行につきまして、それが適正にかつ効率的に執行されておるかどうか、これを審査をしていただくのが決算委員会でございまして、予算委員会とともに予算の編成並びに執行の一面からいって車の両輪と申しますか、本当に一体になりまして初めて予算の編成並びに執行の適正が確保されるもの、私はこのように考えておりまして、決算委員会の御審査並びに審査の結果御指摘になりました点、そういう点は政府としてはこれを本当に大事にまた十分尊重して、これを後年度の予算編成の上に生かしていかなければいけない、このように考えているわけでございます。 五十二年度の決算、いろいろ御審査をいただきまして、有益な御示唆、御指摘があったわけでございます。私どもはそういう点を踏まえまして、今後行政改革の面あるいは予算の効率化の面、特に財政再建が要請されております際でございますから、そういうむだを排除する、また予算そのものが最も効果的、効率的に予算編成の中で組まれるように、そういうことに十分配意していかなければならない。五十六年度予算の編成に当たりましてはそういう点を十分踏まえながら御趣旨に沿うようにやってまいりたい、このように考えております。
○國場委員長 お約束でございますので、内閣総理大臣には退席を願うことにいたします。 質疑を続行いたします。田島衞君。
○田島委員 総理は御用があるそうでありますから、かわって大蔵大臣からでも御答弁をいただきたいと思います。 財政再建の道を探す、行政改革の道を探す、歳出削減の道を探す最も適当な場所は決算だと思います。予算というのはあくまでも予定の計画であり数字上の計画書ですから、決まったところの決算の中からそのような道を探されることが一番妥当ではないかと思いますけれども、大蔵大臣から率直に、たとえばこの五十二年度の決算の中から見出すとすればどのような点での歳出の削減あるいはそれ等を含めたところの財政再建の道あるいは行政改革等の点を考えられるか、もしお答えいただければお答えをいただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 ただいまお話があったように、決算委員会の審査の結果につきましては、これを明年度の予算編成に当たって大いに活用をさせていただきたい、かように考えております。 必要があれば具体的な問題については事務局から答弁をさせます。
○田島委員 時間も余りありませんので、ぜひこの決算を十分に生かしていただいて、新しい昭和五十六年度予算編成の中で確かにこの決算はむだではなかった、決算の資料は十分に五十六年度予算に生かされたという編成をされることを心から期待をいたしまして、私の質疑を終わります。
○國場委員長 春田重昭君。
○春田委員 私は、先ほどの総理質問に関連しまして若干補足質問してまいりたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 第一点は政治資金規正法の改正でございますが、先ほどの官房長官の御答弁では今週の閣議に提出する、こういうお話があったわけでございますけれども、この政治資金規正法は自治省が主管庁でございます。この臨時国会のスケジュールからいって十分通す、成立する見込みがあるかどうか、最初にお尋ねしたいと思います。
○石破国務大臣 お答えいたします。 政治資金規正法の一部改正案を今国会で御審議お願い申し上げたい、準備中であります。 中身につきましては、まだ最終的に決定いたしておりませんけれども、大体前内閣が提案されましたものと同じようなものになろうかと考えております。
○春田委員 上程することは聞いたわけですよ。そこで、今国会のスケジュールからいって十分成立する見通しがあるかどうか、その決意を聞いているのです。
○石破国務大臣 慎重御審議の上、ぜひとも御可決あらんことを心から期待いたしております。
○春田委員 さて、限られた時間でございますので、これを追って質問してまいりたいと思います。 先ほど児童手当の問題で基本的な見解は厚生大臣からお答えいただいたわけでございますけれども、さらに何点か組かい問題で御質問したいと思います。 先ほどの厚生大臣の御答弁では維持存続していくという力強い御答弁をいただいたわけでございますけれども、そこで所得制限額でございます。これは五十二年以降ことしまで六人世帯で四百九十七万、四年間変わっていないことは大臣も御存じのとおりでございますが、その結果支給対象児童がこの三年間で約十三万三千人減っておるわけです。ということは、要するに所得制限額が据え置かれたということは結果的に切り捨てという状況にもなっておるわけでございまして、私から言ったら後退しているのではなかろうかと思うわけでございます。そこで、大臣はこの所得制限を五十六年度の予算でどのようにお考えになっておるのか、お答えいただきたいのです。
○金田政府委員 目下私ども事務的に大蔵省と折衝いたしている最中でございます。
○春田委員 折衝中ということでございますが、大臣に重ねて質問します。大臣はいわゆる維持、存続していくというお答えでございますけれども、要するに据え置きということはそういう児童対象が減っていくわけですね。そういう点で私は、維持、存続ということは所得制限額の引き上げというふうに理解しているわけでございますけれども、大臣の御見解をいただきたいと思います。
○園田国務大臣 御趣旨の点も含みながら折衝中でございます。
○春田委員 さらに第二点でございますけれども、中央児童福祉審議会の意見具申が九月十日に出されております。この意見の中では、現在の第三子支給を第一子から、このような積極的な意見が出ておるわけでございますけれども、この点大臣はどのようにお考えになっておりますか。
○園田国務大臣 制度審議会の答申はまことに当を得たものであるとは考えておりますけれども、一挙にそのとおりにできるとは考えておりません。これもただいま折衝中でございます。
○春田委員 さらに審議会の意見では、支給方法について、現行制度では受給権者の多くが父親となっている、これを母親に支給することも考えてはという意見が出ておるわけでございますけれども、この点について大臣の御見解をいただきたいと思います。
○園田国務大臣 諸外国の例等は御承知のとおりでございますから、十分検討いたします。
○春田委員 具体的な御答弁がなかったわけでございますけれども、いままでの国会答弁で大臣は非常に前向きな、積極的な御答弁をいただいておるわけでございます。聞くところによると、大蔵省は非常に厳しい査定をするみたいでございますけれども、負けないで維持、存続、拡大の方向でがんばっていただきたい、このように思う次第でございます。 次に大蔵大臣に御質問してまいりたいと思いますが、先ほども質問が出ましたゼロリストの問題でございます。各界に非常に論議を呼んでおるわけでございますけれども、このゼロリストは基本的には増税路線に力点を置いておるのか、それとも現行歳出ベースを維持していくというか守っていくというか、どちらに力点を置かれておるのか、お尋ねしたいと思います。
○渡辺国務大臣 先ほどお答えいたしましたように、要するに四兆円程度の自然増収では、二兆円国債減額をすると一般歳出の伸びはことしと同じぐらいの規模になります、伸び率はありません。それだけじゃわからない、もっとわかりやすく何か例示的にしてくれということなので、各省にお願いいたしまして、主要な項目を例示的に、同じ規模だったらばこうなりますということをわかりやすく書いただけのことであります。
○春田委員 しかし、現実的には歳出を抑えるということはできないわけでございますね。したがって、当然、増税という形に力点が置かれるのではないかと私は思いますけれども、その点どうでしょうか。
○渡辺国務大臣 増税ということは慎重にやらなければなりませんで、歳入があるようなことを考えますと、どうしても歳出の方がルーズになる。したがって入る金はなかなかむずかしいのです。使う方はやさしいのです。ですから、まず使う方からきちっと合理性、効率性を持たせるということが大切だ、そう思っております。それでもなおかつ足りないという場合には、金を出せと言われてもないものは出せないわけですから、何とか御工夫を、ひとつ御相談に応じていただけますかというのは後の話であります。
○春田委員 財政再建というのは国民の協力なしにはできないわけでございまして、ゼロリストは大蔵省挙げての、要するに財政危機をことさらに誇大宣伝して、結論は増税以外にない、このように主張しているものと思っているわけでございまして、私は撤回すべきであると思っているわけでございます。 さらに先ほど所得税の課税最低限の引き上げを質問したわけでございますが、大臣はその意思はない、こういうことでございます。 そこで勤労者の実質賃金でございますが、統計的な発表を見れば数カ月赤字になっているわけでございます。ベースアップがあったとしても、最近の物価上昇等の関係で家計はマイナス、赤字になっている、こういうことでございますが、物価調整減税はお考えになっていないかどうか、お答えいただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 現在の非常に厳しい財政事情の中でそういう余裕はございません。
○春田委員 率直な御答弁があったわけでございますが、しかし消費者物価指数も八%以上、非常に高くなっているわけでございまして、これも当然行うべきであると主張しておきます。 さて、通産大臣の方にお尋ねしてまいりたいと思います。 昨年の石油関連会社の売り上げは非常に莫大な利益があるわけでございまして、大臣も御存じのとおりだと思うのですが、これは便乗値上げの行為があったことがその莫大な利益につながった、私はこう思っているわけでございますが、大臣としての御見解をいただきたいと思います。
○田中(六)国務大臣 私どもは石油の販売、流通、生産、そういう面におきまして、流通機構の整備ということは常に頭にあるわけでございますけれども、石油会社あるいは石油精製会社が便乗値上げを現在しておるとは思いませんし、将来とも売り惜しみ、買いだめあるいは便乗値上げ、そういうものがないように、都道府県あるいは通産局あるいは本省においてチェックをしていかなければならないと思っておるのでございまして、昨年、ことしにかけて便乗値上げあるいはそれに類するものはないものというふうに判断しております。
○春田委員 昨年通産当局は三月、十一月と通達をお出しになっていますね。これは便乗値上げを食いとめるための通達ではなかったのですか。
○田中(六)国務大臣 転ばぬ先のつえで、社会情勢、そういうものを考えましてそういう通達は出しました。また、これから先もそういうことをチェックする意味で、いつでも出さなければならないときは出さなければいかぬと思っております。
○春田委員 要するに便乗値上げはなかった、未然に防ぐためにこういうものを出した、こういう御答弁ですね。となれば、昨年は三月と十一月に二回通達が出ているわけでありますが、一年以上たっているわけです。さらにことしはイラン・イラク戦争等の新たな要素が加味されているわけでございまして、こういう点から言っても一年以上たった今日、ことしも通達を出す必要があると思いますけれども、大臣、どう思いますか。
○田中(六)国務大臣 御承知のようにたびたび本会議やいろいろな委員会でお答え申し上げておるわけでございますけれども、現在、民間備蓄が百四日分、政府備蓄が七日分ございまして百十一日分の備蓄はあるわけでございます。一方、全体の燃料油の販売量でございますけれども、四月から八月にかけましての時期でございますが、これが八千百六十万キロリットル、全体のパーセンテージが九〇・三%でございます。したがって、需給関係は非常に落ちついておるということになっておると思います。そのほか心配のある灯油などもございますけれども、全体の空気並びに現実の販売量、それから価格の面も非常に落ちついております。したがって、便乗値上げとか売り惜しみ買いだめというようなベースがあるならばまたいつでもそういうことはしなければいけませんけれども、先ほどから申し上げておりますように、各段階でチェックをしておりまして、十分な監視はしておるつもりでございます。
○春田委員 量的な面の確保はされているわけですね。備蓄が百十一日分、かなりあるわけでございます。しかし、価格の面は不安な面がたくさんございます。たとえば、サウジが今度八月一日にさかのぼって二ドル上げた、UAEが九月一日にさかのぼって二ドル上げたという状況もあるわけですよ。まして昨年と違いまして、イラン・イラク戦争は全世界的にも相当影響を与えているわけでございまして、便乗値上げというのはこれから相当心配だと思うのです。そういう点で、昨年は二回もお出しになっているわけです。大臣はそれは便乗値上げの前に出したのだ、未然に防ぐために出したのだとおっしゃっているわけですから、当然ことしは出す必要があるのじゃないですか。再度答弁をお願いいたします。
○田中(六)国務大臣 便乗値上げについての通達を出せとおっしゃっておるわけでございますけれども、いまも申し上げましたように、現在の段階で量的にも価格の面でもいますぐそういう通達を出す必要はない。それからまた、妙にメンタルな面がございまして、現実に私どもがチェックして出す必要がないという判断のもとでまたそういうものを出すとかえって心理的その他の面で動揺する面もございます。私どもは、たびたび申し上げておりますようにじっとウォッチして、それに何か大きな変化がございますならばもちろん先生御指摘のようにいつでもそういう通達は出さなければならないと考えております。
○春田委員 当然、需給の動静も見ながら価格動向を厳しくチェックしていただきたいと私は思っているわけでございます。 さらに、寒冷地はすでに需要期を迎えているわけでございますが、昨年は売り惜しみとか抱き合わせ販売等不当な行為がこれらの地域で相当あったわけでございます。こうしたことに対する配慮は通産当局ではされているのかどうか、また元売り会社に対する行政指導はどの程度現段階でできているのか、またやろうとしているのか、お答えいただきたいと思います。
○田中(六)国務大臣 当然、いろいろな油種はございますけれども、灯油のことが私ども一番頭にございまして、寒冷地につきましてもこの問題があると思います。現在のところ、灯油につきましては私どもも九月末で六百五十万キロリットルを考えておったのですけれども、現実に八月末ですでに六百八十万キロリットル蓄えるような結果になったわけです。したがって、私どもが予定しておるよりも時期的にも積み増しが非常にふえておるわけです。現実に東京都区部の灯油の価格を見ますと、十八リットルのかん入りが運賃を入れまして六月が千六百六円ですか、七月が千六百五円になっているのです。八月が千五百九十四円。それで問題は九月にどうなるかなと心配しておりましたところが、九月も十八リットルが千五百八十一円と下がっているのです。 東京都の区部がそうでございますが、もう一つモニターをやっている部分の価格がございまして、それも下がっておりますし、九月の札幌などは、一番気にしているところでございますけれども、むしろこれは千四百円台になっているのですね。それでどうしたことかと、私素人でございますので、いろいろ調べてみましたら、北海道あたりは量を大量に売ったりしますのでかえって価格が下がっておるというような状態でございまして、現実に各地の状況を見ましても、問題の灯油が上がっておるという動向はないのです。 問題は御指摘のように、寒冷地のことがやはりこれまた問題で、在庫分もたくさんございますので、北海道だけではなくてその他の寒冷地につきましてもずっと調査をしておりますけれども、別に値が上がったというような動向はございません。 しかし先生御指摘のように、上がるというようなこと、それからいろいろな便乗値上げが、これからもイラン・イラクの紛争が続いたりしますとやはり問題が起こってくると思うのです。したがって、先ほどから申しておりますように、県段階あるいは市町村段階、あるいは地方の通産局、本省あたりでチェックだけは厳重にするように怠りなくやっております。
○春田委員 昨年は新婚さんとか新しく転入してきた方、一見には売らないという例がたくさんあったわけでございますから、そういう面では機動的に対処していただきたい、このように要望しておきます。 さらに、イラン・イラク戦争でございますけれども、日本の場合は全体の輸入の約七〇%がペルシャ湾から来ているわけでございまして、外務大臣に聞くのが筋かもしれませんけれども、石油の関係からして大臣にお尋ねします。この戦争の終結の見通し、新たなそういう光明が現段階で何か出てきているかどうか、お話しいただきたいと思います。
○田中(六)国務大臣 ただいまイラクから特使が日本に来ておりまして、伊東外務大臣はもちろんでございますが、きょう総理にお会いしたわけです。私も実は土曜日に会いまして、私の方は番外でございましたが、いろいろなことを立ち入って聞いたわけでございます。やはりイラクの特使も、自分たちの紛争の意義づけというようなものの理解を求めるために日本に来たのが主目的のようでございますけれども、内容をいろいろ聞いてみますと、一日も早く終結したいということを率直に訴えるわけです。したがって日本にも大きな役割りを果たしてほしいというわけです。私どもも大体外務省筋その他の情報を聞きますと、イラク、イラン両国とも一応がんばっておるようでございますけれども、何とか一日も早く戦争を終結したいというような動きではないかというふうに思います。特に、御指摘のように、ホルムズ海峡が閉鎖されますと日本にとっては非常に重大なことになりますので、これが他の中東諸国に広がらないように、二国間でこの紛争が一日も早く終わるように、外交ルートを通じ、私どものできること、いろいろな人が来た場合あるいはこちらから向こうに行くというようなことについては、十分その点を配慮して、わが国の石油情勢に大きな誤りの起きないようにすることには心がけております。
○春田委員 イラク側は領土を取り返した段階で戦争終結のそういうものを国連にも出しておるわけでございますからわかりますけれども、イラン側の具体的なそういう戦争終結への動きといいますか、それはつかんでおられませんか。
○田中(六)国務大臣 外務大臣がおられないものですから私が答えなければなりませんが、実はイランの和田大使とも私長い間のじっこんでございますので、時折電話をしております。と申しますのは、御承知のようにIJPCの問題もございますので、テヘランへ七百四十四名が全員無事に四日間にわたって一時退避しておるわけでございますが、今度はそれらの従業員の日本への帰国の問題が残っております。したがって、大使ともいろいろ連絡をしておりますが、イラン側もIJPCの従業員を引き揚げてもらいたくない、何とかおってくれないか、それを非常に強く言って、といって、日本に帰国すること全体を反対しているわけではないのですが、一日も早く再開するのだからぜひおってというようなことを言っておる裏には、やはり戦争終結、早く終わることを望んでいるのじゃないかという判断は立つと思います。
○春田委員 最後に、ホルムズ海峡でございますけれども、いまの大臣の御答弁では、間違っても封鎖はあり得ない、私はそう受け取っておるわけでございますけれども、この点を確認しておきたいと思うのです。
○田中(六)国務大臣 両同の紛争が一日も早く終わるよう、それからその他のことが全く誤りないように最善の努力は尽くしていかなければならないと思っております。
○春田委員 終わります。
○國場委員長 中野寛成君。
○中野(寛)委員 先ほどお尋ねしている中で御答弁がなかったのでありますが、まず大蔵大臣に、中期財政計画、その後の作業と、いつごろお出しになりますか、お聞きしたいと思います。
○渡辺国務大臣 作業の経過といたしましては、五十三年九月から財政審に財政計画等特別部会を設けて本格的検討に入って、昭和五十四年七月同部会の中間報告で基本的論点が整理をされております。目下五十五年度予算ベースの財政計画の試作品の策定に取り組んでおる。したがって、試作品を予算編成のころまでに何とかつくりたいものだなということで努力をいたしておるわけです。
○中野(寛)委員 それこそゼロリストよりも何よりもまず中期財政計画、いわゆる大蔵省の単年度主義の抜本的な打破も含めまして、中長期的な財政計画が出されて、そしてそれに基づいて予算編成の作業が進められる、そして国民への理解も深めていく、この姿勢がまず何よりも大事かと思うのでありますが、新年度予算編成にこれが十分生かされるように作業がなされているのか、改めてお尋ねいたします。
○渡辺国務大臣 何か財政計画ができればみんなできるような勘違いがあっては困るわけでございます。これは非常にむずかしくて、正確なものはできないのですよ。御承知のとおり、現在の制度、しかも現在の税制の枠組みで、そして現在のような金の使い方をやっておって、それで後年度負担がどれくらいかかるのか、税金がどれくらい入るかという一応想定をするわけです。したがって、これは仮にいま制度もいろいろ変えてやっていこうということを考えておるわけですから、いままでのペースではだめなんですね。少なくともこれをつくろうとすれば、考え方を変えて、そして切るものは切る、またふやさざるを得ないものはそういう腹を固めて、その上でここ数年間どんなふうになるかということを積み上げて考えてみるということなんです。しかし、これとても、こういう不確実性の時代ですから、ちょっとどこかに何か変動があれば、物価とかレートとかいろいろなものに変わりが出てきてしまう。したがって、これをつくったからといって、努力のわりあいには正確に順調にそういう方向に行けるというものではない。したがって、目下はその試作品をつくる前にいろいろなことを取りまとめをやっていこう、そしてまた、いろいろ問題点等について皆さんの御意見も聞きたい。ドイツなどでもかなりの年数をかけてつくったわけですが、日本はまだ年数をかけてないのです。もう一つは、経済計画といいますか、何カ年計画とか見通しがあるわけですから、これとの整合性をどういうふうにとらせるのか、いろいろむずかしい問題がある。ほかの国ではこういう経済の見通しとか計画みたいなものは別に持ってないのです。ですから、両方日本で持つということになると、つくったのはいいけれども、うんと口があいてしまうみたいな話になって、何のためにつくったか、しかられるためにつくったような話になりかねない。これらもざっくばらんなところ、非常にむずかしい問題がございますということを知っていただけたら幸いだと存じます。
○中野(寛)委員 むずかしいことを知っている上で聞いているわけです。いろいろな前提条件となる条件が急激に変化する時代であることもそのとおり。しかし、少なくとも国民生活の中で、場合によっては大変大きな圧迫を受けるような財政再建策というものが検討されている、そういう時期に、このような計画的な再建の方途というものができる限り明確に示されることが、むしろこのゼロリストのような国民を恐喝するような——そういうつもりではない、単なる試算だとおっしゃるでしょうけれども、受ける方はそうではない、あくまでもそれは大蔵省のやった一つのショック療法だ、私どもはそう考えます。そういうものよりも、むしろもっと冷静に、そしてお互いに協力し合いながら納得できるものをつくり上げていく、そのたたき台としての中期財政計画というものは、大臣がいまおっしゃったお言葉とは逆に、あらゆる困難を乗り切って、これですべて解決するものではありません。これはあくまでも国民とともに検討するための一つの材料にしかすぎません。しかし、そういう前向きの姿勢こそがいま必要なのじゃないかと申し上げているわけです。
○渡辺国務大臣 御趣旨はよくわかりました。 それにしても、いままでの惰性では計画はできないのです。ここで切り落とすものはうんと切り落とすという方向を決めないと余り意味がないことでございますから、まず切り落とすものは切り落としてしまって、新しい土台の上でそういう方向を打ち出していくというための努力はしてまいりたい、そう思っております。
○中野(寛)委員 再度聞きますが、五十六年度予算編成に間に合いますか。
○渡辺国務大臣 なかなか、五十六年度予算の編成までにいわゆる財政計画というものがきちっとでき上がるということはここでお約束をいたしかねます。
○中野(寛)委員 そういう状態では、結局のところ、先ほど私が申し上げましたように、今日までいろいろな戦略、戦術を駆使して、そして国民負担を最終的には増大させる、そういう方向へ行っているとしか思えない。われわれは増税すべてが悪いと言っているのではないのであります。たとえば財政計画でも、先般わが党の大内議員から御指摘を申し上げましたように、何も五十九年度に赤字ゼロということにならなくてもいいではないか、そういうことも含めて御提案を申し上げたところであります。同時に、たとえば法人税でありますとか、そして大臣お得意のあの優遇措置の問題であるとか、むしろそういう問題にもっともっとメスを入れて、国民の納得のいく財政をつくり上げていく、財政運営をしていく、このことが大事だということを申し上げたいのであります。恐らくこの中期財政計画については、今春竹下大蔵大臣からお約束があったこと等もあわせまして、これが五十六年度予算編成に間に合わないということになりますと、またこの国会で別の委員会、予算委員会等でもこれは大きな問題になってくるのではないか、こう思うのでありますが、むしろ私は、今日のせっかくの御努力の蓄積ですから、早急にお出しになるように要望したいと思いますが、いかがですか。
○吉野(良)政府委員 財政計画の問題でございますが、先ほど来大臣がお答え申し上げているとおりでございまして、私どもも財政計画の問題を財政制度審議会で取り上げていただきまして以来、一生懸命部内におきましても、それからまた財政制度審議会の委員の方々にも非常に御努力をいただきまして、検討を進めているわけでございますけれども、先ほど大臣から御答弁ございましたように、五十六年度予算編成に間に合うといいますか、それと一体のものとして財政計画をお出しできるということをここで申し上げるような段階に正直言ってなってございません。 それからなお、竹下前大蔵大臣の御発言に関連してでございますが、大蔵委員会等で竹下大蔵大臣もこの財政計画の問題につきまして御答弁を申し上げてございますが、正確に当時の御答弁を振り返ってみますと、当時の竹下大臣は「何月何日までに試作品なるものを出しますと言うだけの自信は率直に言ってございません。私どもがとにかく目標として正確に申し上げておりますのは、本年末」これは五十五年末でございますが、「本年末までを努力目標として問題点の整理を進め、とりあえずそれまでの作業成果の取りまとめを行ってみたいと考えております、」というふうに御答弁をなさっているわけでございまして、竹下大臣が五十六年度予算編成に間に合うとか、あるいはまた五十六年度予算と一体のものとして財政計画をお出しするというような御答弁をされたようには私どもは承知をいたしてございません。
○中野(寛)委員 少なくとも財政再建への二年目といいますか、大きな転換期にあるときにそれが間に合わない、またはそれがなおおくれていくということは大変重大なことだと私は思うのであります。なお一層の御努力を要請しておきたいと思います。 次に進みますが、先ほど来大蔵大臣は、足らなければ何らかの方策をとらなければならないとおっしゃいました。また、竹下大蔵大臣の名前を出して恐縮ですけれども、経団連首脳に五十六年度は法人税を引き上げさせてもらいたいとの文書が渡されているということは、新聞報道等でもなされましたけれども、同時に山中自民党税調会長が九月二十五日、経団連フォーラムでこのことを確認されておられるわけであります。そういう意味ではこの引き上げは既定の事実、こういう感じがするのでありますが、どのようにお考えでございますか。
○渡辺国務大臣 これは重要な検討項目の一つでございます。
○中野(寛)委員 いまの御答弁でそれなりにわれわれとしても推測をいたしますが、中小企業等への法人税率を据え置く、こういうことは当然配慮されなければならぬ現状であると思いますけれども、大臣おっしゃるお言葉をそのままおかりいたしますと、その検討の中にこのことも十分配慮なされると考えてよろしいか。
○渡辺国務大臣 どこを特別にどうこうするということは考えておりません。
○中野(寛)委員 いまのような御答弁を繰り返しながら、その実は具体的な作業が行われ、そしてある日突然にぼんと打ち出されるということが今日までわれわれが受けている印象です。われわれとしては、そういうことのないように、むしろ本当に、先ほどの財政計画の問題ではありませんけれども、国民とともに考え、また国会とともに考える姿勢を私はぜひとも持っていただきたい、これをお願いしながら、時間の都合で先に進みます。 もう一つ、これは自民党の税調会長が勝手に言っているのだとお答えになるかもわかりませんが、物品税の問題です。これはいろいろと取りざたされている。そして具体的に、たとえば軽商用車だとか大型冷蔵庫だとか大型クーラーだとかVTRというように名前まで挙げている。そして、それだけでそれぞれの業界が戦々恐々としている。たとえば軽商用車の問題一つ取り上げたって、いまの乗用車問題を取り巻く国際情勢というものは大変厳しい、こういう状態で物品税を課税するということになったとしたら、これは日本経済そのものに重大な影響を与える。ひいては景気が冷え込んで自然増収も見込めないということになりかねない。きわめて慎重に考えられなければなりませんけれども、これもやはり先ほどのような御答弁でしょうか。
○渡辺国務大臣 問題は幾ら切り詰められるか。ですから、本当に伸び率ゼロで全くことしと同じというようなことで済むのかということになれば、いろいろ問題が出てくるわけですから、では、その中でどうしてもことしよりもふやさなければならぬということになりますと、当然財源の問題にぶつかるわけであって、その大きさが、どれくらい必要なのかということがまずまだわからない。それからもう一つは、その必要の量、金額、それから、ではどういう形でそれを調達をするかという方法についてはいろいろな負担の均衡あるいは担税力、景気問題いろいろあるでしょう。そういうものを総合的に判断をして決めなければならない問題でございまして、いまの段階でどの税目でどうということはまだ固まっていない。これは正直のところを申し上げておるわけであります。
○中野(寛)委員 らちが明きませんから次に進みますが、しかし、いずれにせよ、公開された本当に民主的な手段をもって国民とともに歩む姿がなければ、もちろん渡辺大蔵大臣一人で悪役を引き受けてくださるということであればまたそれはそれで考えようがあるかもしれませんけれども、しかしそれだけでは国民の負担ということを考えれば済まない。このことを重ねて申し上げておきたいと思います。 せっかく行管庁長官お見えいただいておりますので、行政改革に関してお尋ねをしたいと思います。 いま、国民への負担が大きく危惧をされているときに、行政改革というのはそれを最小限度に食いとめるための最も大きな一つの課題である、こう思うのであります。九月十二日に「今後の行政改革に関する基本的な考え方」が発表をされました。その中で「官業の民業への移行および特殊法人の経営の実態等の見直し」こういう項目がございます。「民間活力の有効活用を図る見地から点検を行い、極力、民業への移行を図る。」という政府事業等への考え方、もう一つは、「特殊法人の経営基盤の強化に配意しつつ、財務の厳正化を図る観点から経営の実態を見直し、赤字国債の縮減に資するよう、国の歳入増加を図るための所要の措置を推進する。」こういうことであります。具体的にはこれだけでは何のことやらわかりません。およその憶測をつけるだけでありますけれども、たとえば、先般この内容に関連をして長官が閣議でもおっしゃられたということの報道がなされましたけれども、たとえば電電の利益を納付金制等を検討しながらこの財政再建への一助に活用する、またはその他たとえば日本航空の持ち株、電発の持ち株等についてもある意味では民業への移管という観点からも、含めて改良される、そういうお気持ちがこの中にあるのかどうかお聞きしたいと思います。
○中曽根国務大臣 特殊法人の見直しにつきましては、八月中に荒っぽく財務諸表等を一応見まして、九月になって大体そういう方針を決めて考え方の中に入れたわけでございます。その後正式に各省庁に対して文書を出しまして、関係していると思われる特殊法人の財務諸表を正式に出していただきまして、いま一般的に洗っておる最中で、どこをどうするということをまだ決めておるわけではございません。これは大体大蔵省がおやりになることで、行管庁は助っ人として一生懸命助けておるところでございます。
○中野(寛)委員 まさしく大蔵省の助っ人であろうと思いますが、私ども、また、あわせてその助っ人をむしろ買って出たいという気持ちもあるわけであります。 たとえば日本航空の問題も、持ち株だとか、または今日まで大変経営が苦しいときには政府の方から助成をするとか、いろいろなことがありました。そして、その政府の助成しているときにつくられた日航法に基づいて現在運営がなされている。こういうことを考え合わせまして、私どもの方へいろいろ要望書も来ておりますが、これを抜本的に洗い直して、そしてもう補助金の交付は結構だ、それから政府の持ち株等についても考え直してもらったらどうかとかいう要望もむしろあるくらいであります。そのことが、政府の日本航空に対する監督権より、むしろ煩わしいいろいろな細かいことを規制をして、そして民業の活力を生かすことにむしろマイナスになっているというふうな問題等について、考え直すべきときに来ているのではないか。 それから、たとえば電発でもそうです。これもまたお役人の天下り先として考えられ、むしろいまその役割りというものがかなりもう低下している。そういうときに、いつまでもこれにきゅうきゅうとしているよりも、むしろ各電力会社の実力もついてきた状態の中でこれも考えられるべきだ、このように私ども思うのであります。むしろ現在政府が出資をしている、またいろいろ配慮を加えることが逆効果をもたらしているというふうな実態等も私ども考えるわけでありますが、これらについて前向きに御検討なさる御用意はございませんか。
○中曽根国務大臣 一般論といたしまして、行革の一つの方向として、私個人は民間活力の創造、あるいは民間活力を大いに善用さしていただく、そういうことが一つの大きな目的になりはしないか、民間活力を創造するについて邪魔になっていることは取り払った方がいい、そういう一般論を持っておりますが、具体的にどこをどうするかということはいま洗っておる最中で、まだ申し上げる段階に至っておりません。
○中野(寛)委員 本来大蔵省の仕事だということですけれども、電源開発五百十億、持ち株比率七二%。政府の持ち株は考えようによっては五一%でいいのではないか。こう考えますと百五十億。日本航空二百五十三億、もういまさら五〇%台を云々する内容ではない。もう比率は逆転をしている。こういうこと等も考え合わせ、国民の負担を増大させるよりも、むしろ大蔵省こそこのようなものから一つ一つ洗って積極的に臨んでいく必要があると思いますが、大蔵大臣はいかがお考えでしょうか。
○吉野(良)政府委員 ただいま御例示のございました日本航空、それから電源開発株式会社の問題でございますが、いずれも私ども、行政管理庁と一緒になりまして、もちろん御例示のございました二つだけではございませんが、政府の出資等がございます法人につきまして、現在洗い直しを進めているところでございます。 ただ、具体的にお示しのございました日本航空の問題につきましては、これはもちろん第一義的には航空政策を担当する運輸省が航空政策の中で日本航空をいかに位置づけて考えるかというようなことも絡んでまいる問題でございますので、私ども運輸省の考え方も聞きながら、今後予算編成の過程で十分検討を進めていきたいと考えております。 それからまた、電源開発の問題につきましても、これは電源開発促進法の中で位置づけられている組織でもございますので、いわゆる電発政策をどういった形で今後基本的に進めていくのかというような政策的な方向とも関連する問題でございます。したがいまして、これも所管官庁でございます通産省の考え方等も十分聞きながら、しかし一方では、財政再建という重要な課題がございますから、公債の減少に資するような方向で具体的に一体どういう対応の仕方があるのかという考え方で、これから予算編成の過程で十分検討をしていきたい、かように考えております。
○中野(寛)委員 検討されておるようでありますから、なお一層強力に財政再建と、そしてそれはそのまま行政改革につながっていくことでもありますが、相関関係を強く持っているこれらの問題について、大いに御努力をいただきたいということを強く要請をしておきたいと思います。これらのことに、むしろ政府事業や特殊法人や、ありとあらゆる機関が力を尽くして、いまの国家の危機に臨んでいく姿勢こそがまず国民を納得させるもとだ、こう思うわけでありまして、そういう観点から、私どもとしては強くそのことを要求をしたいと思うわけであります。 なお、先ほども若干申し上げましたけれども、たとえば国債の二兆円減額、これも何も今年度どうしてもという形でこだわらなければならぬということではない。むしろ国民生活のための財政だということを考えれば、国民負担を何としても最小限度に食いとめるための努力がまずなされるべきだ。そして不公平税制の是正やまた法人税の引き上げ等については、それなりに十分配慮されてしかるべきだ。一つ一つのことを、めりはりをもって、大蔵大臣の御答弁のように——最近ちょっと歯切れが悪くなりましたけれども、むしろ日ごろの大臣の御発言のように、具体的にはっきりと明確に計画を持って進めていかれるということが、やはりいまは何よりも肝要なのではないかと思うわけでありまして、最後に大臣の御決意をお聞きして、終わりたいと思います。
○渡辺国務大臣 御趣旨のように、めりはりのきく予算をつけたい。まだいま作業中ですからはっきり申し上げませんが、いずれにせよ予算編成時期には全部具体的にぴしっと出てくるわけですから、何分の御協力をお願いいたします。
○中野(寛)委員 終わります。
○國場委員長 辻第一君。
○辻(第)委員 私は、国際障害者年の問題についてお尋ねをいたします。 来年、一九八一年は、国連総会決議による「完全参加と平等」をテーマとする国際障害者年でございます。 〔委員長退席、原田(昇)委員長代理着席〕 昨年の国連総会でも、国際障害者年は、多くの障害者が戦争及び他の形態の暴力の犠牲であるゆえに、国際障害者年が世界平和のために諸国民の間の継続的でより強い協力の必要性を強調する機会として適切に利用され得ること、また、国際障害者年の活動を、長期行動プログラムを通じてフォローアップすることの重要性などを強調していることは、私は大変重要だと思うわけであります。 そして、いまわが国は、インフレや物価高、低い福祉や社会保障の中で障害者の方々のお暮らし、大変な状況になっていると思います。しかも軍備費は別枠ということで増大をするけれども、福祉は見直しという形の切り下げがされようというような状況の中で、わが国のどれほど多くの障害者やその家族やあるいは障害者運動に従事をしている人々、このような人がどんなに大きな期待を今度の国際障害者年に寄せているのか、私ははかり知れないものがあるというふうに思うわけでございます。こういう状況でございますので、国際障害者年を推進されるお二人の副本部長に、どうか積極的に御推進をいただくように、まず最初に強く要望するものでございます。 それでは、総理府長官にお尋ねをいたしますが、国際障害者年の行動計画、その国内活動a項というところで、「国際障害者年初頭に、障害者の完全なる社会参加のために遂行さるべき優先的措置を含む声明を発すること。」を勧告しているわけであります。この声明を発表されるのかどうか、されるとしたらどのような形で発表されるのか、お答えをいただきたいと思います。
○中山国務大臣 国際障害者年のいわゆる声明の発表につきましては、来年の年頭に国際障害者年推進本部の本部長である鈴木総理大臣の名をもって、全国民に向けて声明を発表するというふうにただいま考えております。
○辻(第)委員 この声明の中で「優先的措置を含む」ことが必要でありますが、来年初頭まであと二カ月半です。何を優先措置に盛り込まれるつもりなのか、お尋ねをいたします。
○中山国務大臣 優先的措置につきましては、国際障害者年のテーマである完全参加と平等ということの精神を中心に、鋭意目下推進本部で検討中でございます。
○辻(第)委員 次に、国連の「国際障害者年行動計画」の今度は国内活動c項ですね。これでは、「一九九一年までに、国際障害者年の成果の評価と反省を行う目的で、一九八一年末までには国際障害者年の目標をフォローアップする国家計画を準備すること。」このことを勧告しているわけでありますけれども、どのようにして策定をされるのか、簡単にお答えをいただきたいと思います。
○中山国務大臣 国連が言います国内委員会に当たる中央心身障害者対策協議会が中心になりまして、特別委員会の方々の手によってこれからの長期展望について御検討をお願いしている最中でございます。
○辻(第)委員 それでは今度は行動計画の国内活動h項では「障害者のために形成されるすべての政策」の「総合化のための適切な政府機関」の設立を勧告しております。このような機関を設立される意思があるのかどうか、もし設立されるとすればどのような形で設立をされるのか、お尋ねをいたします。
○中山国務大臣 ただいま政府におきましては、身体障害者年推進本部というものがございます。これは本部長が総理大臣でありますし、厚生大臣と私が副本部長、それから各省次官がそれの下で働くことになっております。 また、民間といわゆる政府機関とのミックスした形では、いま申し上げました中央心身障害者対策協議会が中心になりまして、二十名の委員、またその二十名の委員を含めたいわゆる特別委員会を設置いたします。これによって、もちろん障害者の代表の方も御参加いただいているわけでございますから、そういう形でこれからの行動方針、行動計画というものを煮詰めていただく、こういうふうに考えております。
○辻(第)委員 それでは、現在の推進体制に関しては設置期間が二年間ということであるようですが、国際障害者年は単に行事ではなく、行動計画を求めているわけであります。計画策定後実施を各省庁に任せるのではなく、執行の促進を保障するための機関を設置すべきであるというふうに思うのですが、もう一度お答えをいただきたいと思います。
○中山国務大臣 特別委員会の委員の方々の御審議にまちたいと考えております。
○辻(第)委員 どうか総理府長官の積極的な推進を重ねて要望いたしておきます。ありがとうございました。 次に、厚生大臣にお尋ねをいたします。 わが国の障害者の定義とか範囲とか申しましょうか、それと、国連の「障害者の権利宣言」というのがあるわけでありますが、この中の「「障害者」という言葉は、先天的か否かにかかわらず、身体的又は精神的能力の不全のために、通常の個人又は社会生活に必要なことを確保することが、自分自身では完全に又は部分的にできない人のことを意味する。」こういう定義がされておるわけでありますけれども、わが国の定義あるいは範囲と、この障害者の権利宣言の定義と範囲とには私はやはり少し差があるというふうに思うわけであります。 具体的に申しますと、障害者の権利宣言の方がより幅が広い、こういうふうに考えられる。そういう状況の中でたとえば血友病だとかパーキンソン氏病とか膠原病あるいは心臓、腎臓、肝臓の病気、さらには精神病、こういう病気を含めるなど、心身障害者対策基本法を見直すべきではないかと私は思うわけでございますが、これに対する厚生大臣の御見解をお尋ねをいたします。 〔原田(昇)委員長代理退席、委員長着席〕
○園田国務大臣 障害者の定義、意義等については辻委員の方が私より専門家でありますから詳しく申し上げませんが、わが国においては基本法で決まっていることは御承知のとおりであります。基本法にはずっと並べた後「等」という言葉を使って表現しておるわけでありまして、それでもなお国連から言われた方がやや幅が広いかなという感じで、わが国の規定は「等」という言葉を使ってはおるものの、やや狭い意味かなと私も同様に考えておるわけであります。したがいまして、詳しいことは事務当局からお答えいたさせますが、私も、その「等」という言葉をどう解釈するか、かつまた精神病あるいは血友病といろいろ病名が、その限界というのが非常にむずかしくなってくるわけでありますから、これに対しては慎重に検討しなければならぬかな、こう思っているところでございます。
○辻(第)委員 厚生大臣には前向きに積極的に検討していただきますように、重ねてお願いをいたします。 身体障害者、精神薄弱者については福祉法が制定をされております。ところが精神障害者は精神衛生法以外にカバーするものがないのが実態でございます。精神障害者に対しても、隔離だとかあるいは収容だということだけでなしに、生活として保障する措置を講ずべきではないか、このように考えるわけでございますが、厚生大臣の御見解をお聞きしたいと思います。
○園田国務大臣 身体障害者の治療と福祉の方は間々、完全とは言いませんが並行して進んでおりますが、精神病患者は隔離と治療が重点であって、福祉の方が確かにおくれておると考えております。精神病患者の福祉、社会復帰あるいは社会の人と同等に国づくり、社会づくりに役立つという点はむずかしい点もありますけれども、やはり今後は、治療と同様、福祉の方も手厚く進めていかなければならぬときであると考えております。
○辻(第)委員 最後に、障害者の問題では発生だとかあるいは予防だとかいうことが非常に重要な問題であるというふうに私は考えるわけでございます。乳幼児期における障害の早期発見と早期療育を推進するということは大変重要な課題であるというふうに思うわけでございます。このような問題で、滋賀県大津市の乳幼児検診と障害乳幼児対策という問題では一定の実践的な大きな成果が上がっているというふうに考えております。その中でも脳性小児麻痺の子供への取り組みで、複合的な子供さんはうまくいかないようですけれども、かなりの人が非常に成果が上がって学校へ行く時期には歩いて行ける方が非常に多くなった、こういう成果が上がっているようであります。 こういうような経験に照らして、今後とも全国的にこのような乳幼児検診、障害乳幼児対策を進められることを強く要望したいわけでございますが、この点について、厚生大臣の御意見を伺いたいと思います。
○園田国務大臣 生まれた子供の検診は早ければ早いほどよいと考えております。しかしながら、いま厚生省でやっておりますのは、一歳六カ月の検診をやっておるわけでありますが、努力をいたしましたがただいまその普及率は五〇%でございます。そこで、私も一カ月でも早い方がいいと思いますけれども、まずこの五〇%が全国に普及するように努力いたしまして、それと同時に、もっと早く詰める方法はないかと検討を進めていきたいと考えております。
○辻(第)委員 そう簡単にいく問題ではないと私は思うわけでございますけれども、このようなすばらしい成果が出ておるようでございますので、ぜひ、すぐとは申しませんけれども、どうか積極的に推進をしていただきますように、重ねてお願いをするわけでございます。 これで私の国際障害者年に関しての質問を終わります。
○國場委員長 先ほどの井上一成君の質疑に対し、政府より補足答弁を求めます。 まず、田中文部大臣。
○田中(龍)国務大臣 先ほどの御質問に対しまして補足の説明をいたします。 御指摘にかかわります私立広池学園の道徳の副読本につきましては、現在その使用を中止いたしまして内容の改訂について検討をすることとなっておると聞き及んでおります。 いずれにいたしましても、私学の教育内容にかかわりまする事柄でございますので、関係者から事情を聞きまして、その状況によりまして必要な指導をしてまいりたい、かように存じておる次第でございます。
○國場委員長 次に、中山総理府総務長官。
○中山国務大臣 お尋ねの同和対策事業の問題でございますが、昭和五十六年度の予算でいわゆる時限立法を延ばした最終年度を迎える、こういうことで、総理府といたしましても鋭意この委員会における附帯決議の精神を尊重して、できる限り予算措置をやっておる最中でございます。 なお、その予算のいわゆる概算要求の過程におきまして、土地の購入等、そういう問題が処理できないという問題につきましては、五十六年度の概算要求には積み残しております。 なお、いろいろと積み残しの問題等もございまして、今後とも努力をしてまいることと考えておりますので御了承を願いたいと思います。 なお、広池学園の件につきましては、文部大臣からも御答弁がございましたが、私といたしましても、文部省からの報告を聞きながら、必要とあらば適当な措置を講じていきたい、このように考えております。
○國場委員長 ここで、理事会の総意により、委員長から政府に対して一言申し上げます。 昭和五十二年度決算の審議を通じて、決算委員会の重要性にもかかわらず、政府の対応はきわめて不十分であり、本総括においても、重要問題が山積しているにもかかわらず必ずしも十分な審議が尽くし得たとは言えない。今後においては、決算委員会の審議時間等について政府においては十分配慮をされるよう厳しく申し入れるものであります。(拍手) これにて昭和五十二年度決算外二件についての質疑は終了いたしました。 —————————————
○國場委員長 昭和五十二年度決算についての議決案は、理事会の協議に基づき、委員長において作成し、各位のお手元に配付をいたしております。 これより議決案を朗読いたします。 議決案 昭和五十二年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書につき、左のごとく議決すべきものと議決する。 本院は、毎年度決算の審議に際し、予算の効率的執行並びに不当事項の根絶について、繰り返し政府に注意を喚起してきたにもかかわらず、依然として改善の実が上がつていない点があるのはまことに遺憾である。 一 昭和五十二年度決算審査の結果、予算の効率的使用が行われず、所期の成果が十分達成されていない事項が見受けられる。 左の事項がその主なものであるが、政府はこれらについて、特に留意して適切な措置をとり、次の常会のはじめに、本院にその結果を報告すべきである。 1 国の機関の一部及び公団・事業団等の特殊法人・特に日本鉄道建設公団、国際電信電話株式会社等において、幾多の経理上の問題点が指摘され、予算執行に対する国民の不信感を招いたことは誠に遺憾である。 不適正な経理は手段、方法、金額の多少にかかわらず許されない行為であり、厳に慎まなければならないことである。 政府は、この際、勇断をもって綱紀を粛正し、予算執行の適正化を図り、いやしくも国民の疑惑を招くことのないよう措置すべきである。 2 本院が年々議決しているように、会計検査の充実は刻下の急務である。 政府は、昨年来、法改正の是非を含む会計検査院の検査機能の充実強化についての検討を行つてきたが、いまだに結論が出ていないのは遺憾である。引き続き検討の上、早急に結論を出すべきである。 3 行政改革については、昨年以来決定されてきた諸計画の着実な実施を推進するとともに、今後は行政改革の本旨に沿って事務・事業の整理合理化に一段と努め、行政経費の節減を図り、もって財政再建にも資すべきである。 また、特殊法人については、そのあり方を検討するとともに、いわゆる天下りの規制など役員の人事運用の厳正化、給与及び退職金の見直し等に努めるべきである。 さらに、認可法人については、その監督を強化すべきである。 4 日本中央競馬会の経理については、種々の問題点が指摘された。特に、場外馬券発売所に対する建設協力金、賃借料の支払い、その他中央競馬会の業務及び経理について、さらにまた、日本発馬機株式会社等競馬会の出資会社の実態に関して、今後、十分調査検討の上、必要な改善措置を講ずべきである。 5 実験用静止通信衛星あやめ二号の打ち上げが、一号に続いて失敗したことはまことに遺憾である。 政府は、その原因究明に全力を尽くし、その結果を今後の宇宙開発に反映させるとともに、これを契機に、自主技術の早期確立を図るべきである。 また、国損を極力抑えるため、保険の活用等も検討すべきである。 6 直轄の灌漑排水事業及び干拓事業の中には、大規模事業で大幅に事業の進捗が遅れているもの、地元との調整がつかないため中途で事業を休止しているもの、事業は完了したが土地配分が行われないため負担金を徴収できないもの等がいくつかある。 事態解決のためには、何よりも地元との密接な接触が必要であり、今後とも一層事前に地元関係者等と十分調整を図つて、確実な見通しのもとに事業を開始すべきである。 7 国庫補助により全国の港湾三十九ケ所に設置した廃油処理施設の中には稼働率が極めて低いものがある。 政府は、船舶からの廃油の不法な投棄の防止に努めるとともに、これらの廃油処理施設が有効に活用されるよう適切な指導を行うべきである。 8 日本国有鉄道では、多額の資金を投じて導入した近代化省力化のための設備で長期間にわたり稼働率が著しく低い例がある。 当局は、今後の設備投資に際して見通し、対応策についてきめ細かな配慮をするよう努めるとともに、既に導入した機械の活用計画を樹立するなど、受け入れ体制を整備して効果を上げ、国鉄経営の再建に資すべきである。 9 公害健康被害補償制度の地域指定に当たっては、窒素酸化物の濃度と健康被害との因果関係を究明し、その結果を考慮すべきである。 また、公害保健福祉事業については、依然として年々多額の不用額を出しているが、事業内容の質的充実及び運用方法の改善等により、実施率の向上を図るべきである。 二 昭和五十二年度決算検査報告において、会計検査院が指摘した不当事項については、本院もこれを不当と認める。 政府は、これらの指摘事項について、それぞれ是正の措置を講ずるとともに、綱紀を粛正して、今後再びこのような不当事項が発生することのないよう万全を期すべきである。 三 決算のうち、前記以外の事項については異議がない。 政府は、今後予算の作成並びに執行に当たっては、本院の決算審議の経過と結果を十分考慮して、財政運営の健全化を図り、もって国民の信託にこたえるべきである。 —————————————
○國場委員長 これより昭和五十二年度決算外二件を一括して討論に付します。 討論の申し出がありますので、順次これを許します。東家嘉幸君。
○東家委員 私は、自由民主党を代表いたしまして、昭和五十二年度決算につき、ただいま委員長より御提案の議決案のとおり議決するに賛成の意を表するものであります。 昭和五十二年度の予算がいかに執行されたかを各省各庁別に順次審査を続け、その間、是正改善を要すると思われる事項については、その都度関係当局に注意を喚起してまいりましたが、ただいま委員長御提案の議決案に示されましたとおり、予算の効率的使用等所期の成果が十分に達成されていないと思われる事項、並びに会計検査院の昭和五十二年度決算検査報告に不当事項、改善処置要求事項等が指摘されたことは、はなはだ遺憾であります。 これらの指摘事項等につきましては、政府は誠意をもって改善に努力されたいのであります。 わが党は、その改善を期待しつつ本議決案に賛成いたすものでありますが、ただ、この際、予算の執行に関して政府に一言希望を申し上げておきたいと存じます。 政府及び政府関係機関等の予算執行については、当初の予算を年度内に完全に執行することを目途としていると思います。しかし多額の繰越額、不用額を生じています。 すなわち、昭和五十二年度予算のうち、用地の取得難のため年度内にその支出を終わらないで五十三年度に繰り越された金額は、一般会計において二千二百八十五億円、特別会計の合計において一兆三千七百三十一億円、政府関係機関の合計において六千百三十七億円であり、また、諸般の事情により不用となった金額は、一般会計において二千七百九十六億円、特別会計の合計において四兆三千七百五億円、政府関係機関の合計において五千三百六十三億円になっております。 また、国の財政施策に基づく事業投資が最大限の効果を発揮するよう執行機関が努めるべきは言うまでもないが、公団、事業団等で必ずしも投資効果が上がっていない実例が見受けられます。 このような実情にかんがみ、政府は、予算の執行及び財政投融資等については、国の財政事情の厳しい折から、さらに格段の配慮をされ、もってその所期の目的を達成し、国民の信託にこたえられることを希望いたしまして、私の賛成討論を終わります。(拍手)
○國場委員長 井上一成君。
○井上(一)委員 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま委員長から提案された議決案に対し、反対の意を表するものであります。 議決案は、大要次の三項目から成っておりますが、その第一は、委員会における決算審査の結果に基づき、政府に対し特に留意して適切な措置をとるべきことを求めた指摘事項が挙げてあり、この各項については、わが党も賛成であります。 第二は、会計検討院が指摘した不当事項については、当委員会も不当と認めるというものであり、この点も賛成であります。 しかしながら、第三において「前記以外の事項については異議がない。」と、この決算を総体として是認することになっているのは、わが党としては賛成いたしかねるものであります。政府に対して警告すべき事項は、前記の各項に尽きるものではないからであります。 たとえば、わが党委員の指摘した事項で、国の機関の一部及び公団、事業団等の特殊法人、特に国際電信電話株式会社等において、幾多の経理上の問題点が指摘され、予算執行に対する国民の不信感を招いたことは、まことに遺憾であります。不適正な経理は、手段、方法、金額の多少にかかわらず許されない行為であり、厳に慎まなければならないことであります。 政府は、この際、勇断をもって綱紀を粛正し、予算執行の適正化を図り、いやしくも国民の疑惑を招くことのないように措置すべきであると思われます。 行政改革については、昨年以来決定されてきた諸計画の着実な実施を推進するとともに、今後は行政改革の本旨に沿って事務・事業の整理合理化に一段と努め、行政経費の節減を図り、もって財政再建にも資すべきであると思われます。 また、特殊法人については、そのあり方を検討するとともに、いわゆる天下りの規制など役員の人事運用の厳正化、給与及び退職金の見直し等に努めるべきだと思われます。 さらに、認可法人については、その監督を強化すべきであると思われます。 身体障害者雇用促進に関しましても、法に定められた雇用率を達成しない企業が減少するどころか、むしろ増加しており、また、民間企業の範たるべき官公庁においても、努力はまだまだ十分とはいえない現状であります。さらに、未達成企業よりペナルティーとして納められた納付金につきましても、身障者雇用促進のために十分な活用が行われているとは申せません。 さらに、日本中央競馬会の経理については、種々の問題点が指摘されました。特に場外馬券発売所に対する建設協力金、賃借料の支払い、その他中央競馬会の業務及び経理について、さらにまた、日本発馬機株式会社等競馬会の出資会社の実態に関して、今後十分調査検討の上、必要な改善措置を講ずべきであると思われます。 実験用静止通信衛星「あやめ」二号の打ち上げが一号に続いて失敗したことは、まことに遺憾であります。政府は、その原因究明に全力を尽くし、その結果を今後の宇宙開発に反映させるとともに、これを契機に自主技術の早期確立を図るべきだと思われます。また、国損を極力抑えるため、保険の活用等も検討すべきであると思われるわけであります。 最後に、財政の膨大化に対応するために、また航空機等の汚職の解明と防止をするためにも、会計検査機能の格段の強化が必要でありますが、現状では必ずしも十分適応できない面があります。したがって、会計検査院の権限を拡充強化するために、会計検査院法改正をすべきであると思われます。 以上のように、わが党委員の指摘した事項を拾ってみただけでも、警告に値する事項が少なくないのでありまして、これを無視して本決算を異議なしとすることは妥当ではないと認められるのでありまして、わが党は、残念ながら本議決案に反対の立場をとらざるを得ないのであります。 また、ただいま委員長からも厳しく申し入れられた、決算審議に対する政府の取り組みの誠意のなさも、十分反省されるべきであります。強く警鐘を鳴らし、私の反対討論を終わります。(拍手)
○國場委員長 田中昭二君。
○田中(昭)委員 私は、公明党・国民会議を代表いたしまして、ただいま委員長より提案されました昭和五十二年度決算につきましての議決案に対し、反対の意を表明するものであります。 議決案第一項においては、本委員会での決算審査の際各委員より指摘され、政府の速やかにして厳正な処置を強く望まれたものばかりであり、毎年のことながら、政府の不明確な行政に強い憤りを禁じ得ません。政府は、当委員会の意図するところを十分にくみとられ、国民の負託にこたえるべきであります。 第二項においては、「会計検査院が指摘した不当事項については、本院もこれを不当と認める。」との個所は、私も同意するにやぶさかではありませんが、会計検査院の検査は抽出検査であり、要検査個所に対し検査実施率が低率であるため、これら不当事項は氷山の一角にすぎないと思われます。したがって、会計検査院の検査充実と強化など、会計検査院の検査体制の整備を図るとともに、政府は、こうした現状を直視して、常時部内監査を強化し、未検査の個所についても不当事項が発生しないよう、国民の前にかたい決意を表明すべきであります。 第三項において、「決算のうち、前記以外の事項については異議がない。」として、この決算を総体として是認することになっているのは、承服できないものであります。 五十二年度決算審議においても、限られた審議日程の中においては十分審議を尽くしたとは言い得ず、かつ、異議を表明しなければならないものがあります。 たとえば、会計検査院の検査権限の充実強化については、これまでも本委員会で絶えず議論され、議決されてきたにもかかわらず、いまだ十分な措置がとられていないのは、はなはだ遺憾であると言わねばなりません。政府は、速やかに院法の改正を提案するとともに、検査体制の整備を図るべきであります。 また、実験用静止通信衛星の打ち上げが連続して失敗したことは遺憾と言わざるを得ません。しかも、原因の個所こそ違え、同じ部品から発生したと推測されることは、政府の姿勢に安易さがあったと指摘されるものであります。政府は、徹底した原因究明を行い、その結果を今後の宇宙開発に反映させるとともに、自主技術の早期確立を図るべきであります。 さらに、政府直轄の灌漑排水事業及び干拓事業についても種々問題が指摘されております。政府は問題解決のため、一層の努力をなすべきであります。 こうしたことを初め、数項目について改善すべき事項が指摘されていますので、「異議がない。」ということに対しましては、とうてい妥当とは言えません。 以上、私の意見を申し述べましたが、最後に、政府は決算委員会軽視の風潮を改め、これを重視して謙虚に国民の前にすべての事項を明らかにしなければ、国の決算は承認できないことを強く申し述べまして、私の反対討論を終わります。(拍手)
○國場委員長 和田一仁君。
○和田(一)委員 私は、民社党・国民連合を代表しまして、昭和五十二年度決算につき、ただいま委員長より御提案の議決案のとおり議決することに賛成の意を表するものであります。 すでに御承知のとおり、昭和五十二年度予算は、与野党伯仲下において本格的な予算修正が行われた画期的な予算であります。三千億円の所得減税、福祉年金、恩給等の改善時期の二カ月繰り上げなど、予算修正総額が八千億にも上った修正であり、わが党は、責任野党として昭和五十二年度予算に賛成をいたしたものであります。 この立場から、昭和五十二年度予算の執行については格別の関心を払い、予算の効率的使用、公正な執行に注意を喚起してまいりましたが、ただいま委員長御提案の議決案に示されましたとおり、予算の効率的使用等所期の成果が十分に達成されていないと思われる事項が若干見受けられたことははなはだ遺憾であります。これらの指摘事項につきましては、政府は早急にこの改善を図る努力を行うよう強く要望いたしておきます。 特にわが党は、二つの点について政府の誠意ある対応を求めたいのであります。 その第一は、行財政改革のより一層の徹底であります。 わが党は、第一次石油危機後の不況期においては赤字国債の発行を含め、積極的財政政策を展開すべきことを主張してまいりましたが、すでに景気の自律的回復が可能な現在におきましては、財政再建を図ることが緊急の課題であります。民間においては、企業は減量経営を徹底し、家計はむだな支出を切り詰めるなど必死の努力を行っております。政府は五十五年行革に安住することなく、より抜本的な行財政改革を断行すべきであります。 第二は、財政支出のより効率的使用を推進するために、会計検査院の機能をより拡大させる必要があることであります。機能拡大は多岐にわたりますが、私は、会計検査院は予算編成の過程においても大蔵省に適切なアドバイスができるようにすべきだと考えます。行財政改革を徹底し、むだな支出を排除するためには、大蔵省、行管庁と並んで会計検査院の役割りはきわめて大きく、この三者が予算編成過程において協力することが必要不可欠なことであると思います。 以上、特に二点の要望の実現を期待いたしまして、私の賛成討論を終わります。(拍手)
○國場委員長 辻第一君。
○辻(第)委員 私は、日本共産党を代表し、昭和五十二年度決算を議決案のとおり決するに反対の態度を表明いたします。 わが党は、昭和五十二年度の財政運営について、大企業本位の税制、財政の仕組みの転換を図ることこそ経済危機を打開し、経済再建への道であることを強く主張してまいりました。 ところが、政府は、多額の赤字公債を発行し、大企業本位の大規模公共投資を進める一方、各種公共料金の値上げを強行したのであります。このような財政執行、経済運営の結果、経済成長率は政府の当初見通しを大幅に下回るなど、日本経済は一層深刻な不況に陥ったのであります。 全国勤労者の消費支出指数は落ち込み、完全失業者数も百四十万人台に達し、倒産も史上最悪の記録となるなど、国民生活は大きな犠性を強いられました。 また、国債依存度は三二・五%に達し、財政危機は一層深刻の度合いを強めております。 軍事費についても、装備関係を急増させる一方、日米防衛協力指針を決定し、日米の共同作戦体制へ具体的な一歩を踏み出したのであります。 このような内容を持つ昭和五十二年度決算について、ごく限られた指摘事項のほかは異議がないとする本議決案にはとうてい賛成することはできません。 なお、議決案第一項のうち、行政改革については、政府の諸計画の中には国民への行政サービスの低下や職員の過重な労働などを押しつけるものがあり、一律にその実施を推准することにはわが党は反対であります。 また、窒素酸化物による健康被害はすでに明白であり、因果関係の究明と称していたずらに時間をおくらせることなく、健康被害補償制度の地域指定に窒素酸化物の汚染地域を組み入れるべきであります。 その他については、不十分な面もありますが、わが党も賛成するものです。 国有財産の増減及び現在額総計算書は、広大な米軍、自衛隊基地使用が含まれており、政府出資ももっぱら大企業向けの機関等への出資が大幅にふやされており、このような国有財産管理のあり方を示す本計算書を是認することはできません。 国有財産無償貸付状況総計算書については、その用途が地方公共団体の公園、緑地等であり、その目的の限りにおいて賛成でありますが、その実態を示す資料は提出されておらず、その管理運営のすべてにわたってこれを正当なものと是認するわけでないことを申し添えておきます。(拍手)
○國場委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○國場委員長 これより順次採決いたします。 昭和五十二年度一般会計歳入歳出決算、昭和五十二年度特別会計歳入歳出決算、昭和五十二年度国税収納金整理資金受払計算書及び昭和五十二年度政府関係機関決算書を議決案のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○國場委員長 起立多数。よって、議決案のとおり決しました。 次に、昭和五十二年度国有財産増減及び現在額総計算書は、これを是認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○國場委員長 起立多数。よって、本件は是認すべきものと決しました。 次に、昭和五十二年度国有財産無償貸付状況総計算書は、これを是認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○國場委員長 起立多数。よって、本件は是認すべきものと決しました。 なお、ただいま議決いたしました各件の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○國場委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○國場委員長 この際、各国務大臣から順次発言を求めます。宮澤内閣官房長官。
○宮澤国務大臣 ただいまの御決議につきましては、政府といたしまして十分尊重してまいりたいと存じます。 まず、御指摘のありましたように、一部の国の機関及び特殊法人において不適正な経理が行われましたことは、まことに遺憾でございます。政府といたしましては、今後とも綱紀の粛正を徹底し、予算の適正な執行に努めてまいる所存でございます。 次に、会計検査院の検査機能の充実強化につきましては、政府といたしまして、会計検査の実が上がるよう、今後とも御協力をしてまいりたいと存じます。 また、特殊法人の役員等の件及び認可法人の監督につきましては、御趣旨を体し、今後とも引き続き努力してまいる所存でございます。
○國場委員長 次に、中曽根行政管理庁長官。
○中曽根国務大臣 行政改革は、現在政府に課せられた最も重要な政治課題の一つでありまして、現下の急務である財政再建を推進するためにも、まずもって政府みずからが行政の徹底した減量化を図る必要があると考えております。 このため政府は、十八特殊法人の縮減を初めとする昭和五十五年行政改革の着実な実施に加え、法令、許認可等の整理、官業の民営移行などによる行政の仕事減らしを中心とした新しい行政改革の推進に努めているところであります。 ただいまの御決議の趣旨に沿うよう、この際決意を新たにして行政改革を断行してまいる所存であります。
○國場委員長 次に、亀岡農林水産大臣。
○亀岡国務大臣 ただいま御決議のありました農林水産省所管関係の事項のうち、日本中央競馬会にかかわるものにつきましては、御指摘の点に十分留意をし、調査検討の上、同競馬会の適正な業務及び経理に遺憾のないよう努力してまいる所存であります。 また、直轄の灌漑排水事業及び干拓事業につきましては、御決議の趣旨を体しまして、今後一層その適切な、実施に努力してまいる所存であります。
○國場委員長 次に、中川科学技術庁長官。
○中川国務大臣 ただいま御決議のありました実験用静止通信衛星「あやめ」二号の問題につきましては、宇宙開発委員会第四部会における調査審議の結果、そのふぐあいは、静止軌道投入のために衛星内に組み込まれた推進装置の異常燃焼に起因するという結論が出されております。 今後宇宙開発を推進するに当たりましては、御決議の趣旨に沿って、今回の経験を十分生かし、遺憾なきよう努めてまいる所存であります。
○國場委員長 次に、塩川運輸大臣。
○塩川国務大臣 ただいま御決議のありました廃油処理の問題等につきまして、御趣旨に沿って、船舶からの不法投棄の防止、取り締まり等に努めますとともに、廃油処理施設の設置者及び利用者に対しまして、その有効活用が図られるよう指導してまいる所存であります。 また、国鉄の設備投資の問題につきましては、国鉄経営の現状にかんがみ、さらに投資効果の向上に努め、国鉄経営の再建に資するよう、今後とも厳しく国鉄を指導監督してまいる所存であります。
○國場委員長 次に、鯨岡環境庁長官。
○鯨岡国務大臣 ただいま御決議のありました公害健康被害補償制度の地域指定にかかわる事項につきましては、これまでも制度をめぐる問題の一つとして窒素酸化物と健康被害との因果関係の究明に努めてきたところでありますが、今後とも科学的、合理的に検討を進めてまいる所存であります。 また、公害保健福祉事業の実施率の問題につきましては、これまでも改善のために種々努力してまいりましたが、今後一層御趣旨に沿うよう努力し、遺憾なきを期したいと思います。
○國場委員長 以上をもちまして各国務大臣からの発言は終わりました。 次に、知野会計検査院長から発言を求めます。
○知野会計検査院長 ただいま御決議のありました会計検査院の検査機能の充実強化につきましては、会計検査院といたしましてもなお一層努力をいたしてまいりたいと存じます。
○國場委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時十六分散会