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93回国会衆議院1980/10/15

決算委員会 第1号

発言数
274
登壇者
30
会派数
8
開催日
1980/10/15

会議録

國場幸昌自由民主党

○國場委員長 これより会議を開きます。  国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。  すなわち、決算の適正を期するために、本会期中において  一、歳入歳出の実況に関する事項  二、国有財産の増減及び現況に関する事項  三、政府関係機関の経理に関する事項  四、国が資本金を出資している法人の会計に関する事項  五、国又は公社が直接又は間接に補助金、奨励金、助成金等を交付し又は貸付金、損失補償等の財政援助を与えているものの会計に関する事項 以上の各事項につきまして、関係各方面からの説明聴取、小委員会の設置及び資料の要求等の方法によりまして国政に関する調査を行うため、議長の承認を求めることにいたしたいと存じますが、これに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

國場幸昌自由民主党

○國場委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————

國場幸昌自由民主党

○國場委員長 本日は、歳入歳出の実況に関する件、国有財産の増減及び現況に関する件、政府関係機関の経理に関する件、国が資本金を出資している法人の会計に関する件及び国又は公社が直接又は間接に補助金、奨励金、助成金等を交付し又は貸付金、損失補償等の財政援助を与えているものの会計に関する件について調査を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。井上一成君。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 まず、私は官房長官に。  今回、小倉簡裁の判事であった安川元判事、いわゆる罷免訴追を逃れるために、福岡県の久山町長選に出馬をした、このことは、内閣もそうでしょうが、国民感情として何か割り切れないものがあるわけなんです。これは単に裁判官に限った問題ではないと思うのです。すべての公務員がこのことを前例にして懲戒免職を逃れることができる、そういう道を開いたことにもなるわけなんです。  そこで、政府は今後について何らかの対策を考えていらっしゃるのかどうか、また、そういう検討をする意思を持っていらっしゃるのかどうかを、まず官房長官から聞いておきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣官房長官

○宮澤国務大臣 この問題は、昨日も閣議で実は話題になったわけでございますが、御指摘のように、いかにも割り切れない出来事でございます。  これはもう、井上委員よく御承知のとおりのことでございますが、片方において、公職選挙法におきまして、すべての人が特別の欠格条項を除きました場合には選挙に立候補することはできるという基本的な要請が公職選挙法で満たされなければならないという問題がございます。他方で、しかし公務員が公務員の身分を持ったまま選挙運動をいたしますことは、一般公務員の場合にはこれは不適当であるという問題がございます。公職選挙が時としてきわめて突然に行われることがしばしばございますので、したがって、公務員がみずから公務員の職を辞任してその選挙に立候補しようといたします場合に辞任に多少の時間がかかるというようなことがあり得ますので、したがって、立候補をした場合には自動的に職を失うという規定がそういう場合に備えて置かれておるものと思います。  ここまでは、法的には一応筋の通った、公務員としての中立義務と何人も公職選挙に立候補ができるという基本的な憲法上の要請と両方をうまく調節させてある規定であると考えますけれども、たまたま裁判官の場合に特別の身分保障があり、弾劾という問題がございまして、その間に非常に時間が長くかかるということがございましたために今度のような出来事になったと思います。したがいまして、ただいまのお尋ねの第一、一般公務員についてこれが同様に悪用される可能性が高いのではないかということについては、裁判官の場合に比べますとそれほどの、いわば危険が少ない。辞任をするということ自身が比較的短い時間で行われ得ますので、その点は一般公務員の場合にはそういう弊害を生む可能性は比較的少ないのではないかと思われますが、裁判官の場合におきましてはいま御指摘のような事態が現実に起こったわけでございます。  そこで、これからこれをどう考えるかという問題でございますが、昨日もそういう話題が閣議で出まして、実はにわかにはこうしたらという考えも浮かばなかったというのが実際のところでございます。しかし、いかにも国民感情に合わない出来事である。どういうことが可能であろうか、これという知恵は実は余り浮かびませんままに問題意識を残しておるということでございます。  なお、それとの関連で弾劾の問題でございますが、弾劾法そのものにあるいは多少の何か工夫を加えることができるであろうかどうか、これはたしか経緯は議員立法であったかと思いますが、そういうことも可能性の一つであろうか。しかし、いずれにいたしましても、ただいまの段階は、問題意識を持ったまま確たる具体的な考えに到達していないというのが実際のところでございます。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 問題意識を持ったままでほっておくということはよくないと私は思うわけです。だから、そういう問題を生み出さぬようにさらに今後検討する意思があるのかないのか、意思を持っていらっしゃるのかどうか、この点をひとつ明らかにしていただきたい。

宮澤喜一自由民主党内閣官房長官

○宮澤国務大臣 問題意識を持っておりますので、何か方法があればやはりこういう事態は防ぐようなことを考えなければならない、そういう研究の意思は持っております。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 それでは続いて私は通産大臣に、昨日ときょう、すでに報道されているわけですけれども、IJPCの問題でいわゆる八尋発言ですね、この発言について通産大臣はどのように受けとめられたか、まずこの点についてお聞きをしたいと思います。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 お答えいたします。  新聞に報道されましたように、三井物産の八尋社長がIJPCの事業、工事を継続することについて自信のないような発言、それが経済的効果、そういうような面から考えまして自信がないというような意味の発言でございまして、社会的にも全体的に大きな波紋を呼んでおったわけでございます。したがって、真意はどういうことだろうかということで、八尋社長とそれからICDCの社長、つまり山下社長、二人に通産省に来てもらいまして、どういうことだということを確かめたわけでございます。私が二人を呼んだのは、戦争がいま継続しておりまして、これは御承知のようにナショナルプロジェクトとして政府も当然大きな関心を持っておることでございますし、相手はイラン政府でありますし、何よりも私どもの同胞が現地にいることでもあるし、何かと波及効果が多いのじゃないかという判断から呼んだわけでございます。ところが、全部を断念するというような意図ではなかったということでございますので、いずれにしても、これは政治的にも経済的にも非常に大きな問題で、一社長が見解を出すというような問題ではないのじゃないかという注意をいたしました。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 その席で八尋社長の方から追加出資を要請された、そういう事実があるのかどうか。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 きのうの席上で追加出資というようなことを八尋社長並びに山下社長から要望があった事実はありません。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 通産省としては、三井グループに対して何らかの指示をしたのかどうか。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 現在のところ私の判断は、戦争が継続中であり、テヘランに従業員の人々も一時避難をしておりますし、いまの段階で私どもの判断とか見解を申し述べたり伝える段階ではないというふうに考えておりますので、私の方からも何らそういう点についての見解の表明はいたしておりません。ただ、先ほども申しましたように、会社の社長二人がん首を並べて来ていただいたのですけれども、少なくとも日本とイランの合弁事業でございまして、一方の責任者が一方的にいろいろな見解を述べることはどうかということの注意をいたしたわけでございます。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 日本側の企業が相手側との何らの相談もなしに、いま言われるように一方的に意思を表明した、そのことについて通産大臣が通産省としての見解を話されたわけですね。それは継続をするという意思を確認されたことになるわけですか。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 ただいまもたびたび申し上げておりますように、私どもの意思を表明するとか、あるいは向こうに対しましても継続をするとかしないとか、そういうことは、向こうからも言っておりませんけれども、私どもの見解といたしましては、当然これは継続中の案件であるという判断でございまして、それをやめるとかやめないとかいうことをいま表明する時期ではないというふうに考えておるわけでございます。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 一部報道では、すでに政府高官筋が、追加出資もやむを得ないのではないだろうかというようなことも漏れ承っておるわけなんです。いまの時点でそういうことは一切考えておらない、あるいはそういう話は一切なかったということなんですか。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 いまの時点ではそういうことも考えておりませんし、きのうの話の中でもそういうことはありませんでした。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 現実にそのプロジェクト本体にも爆撃を受けて被害を受けた、このことがさらに莫大な資金需要を迫るわけなんですね。そういうことについては何ら触れられなかったのですか。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 御承知のように一回、二回、三回というふうに空襲を受けておりまして、一回、二回は大したことはない、三回目は多少のダメージを受けておるという報告を聞いておりまして、私どもは三回ともについての詳細にわたる報告は受けておりません。したがって、たびたび申し上げますように、その損傷の具体的な範囲、ぐあい、そういうこともはっきり解明されておりませんし、いまの段階で結論を出すようなペースで政府の見解とかいうことを申し上げる時期ではないというふうに判断しております。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 イラク・イラン戦争という突発的な事態があり、状態が変化したということについては理解ができるわけですけれども、唐突に八尋発言というものが表に出たということは、私は問題があると思うのです。それは底流に、潜在的にナショナルプロジェクトに格上げをされたその時点にやはり判断の誤りあるいは軽率さというものが感じ取れるわけです。そういう意味で、率直に大臣として、今回の三井グループの大きなメインでもある物産の社長がああいう形で意思表示をしたということは、むしろ国益のためにあのプロジェクトが企業に対して押しつけられているのだというような認識を持っているのじゃないか、こういうふうに思うのです。そういう点については大臣はどう受けとめられているのですか。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 これがナショナルプロジェクトになったときのことを考えるわけでございますが、御承知のように、イランの革命というものがございまして、非常に事態が急変したわけでございます。これに対しまして、この会社は三井グループ五社がやっておりまして、それでは事態が進行しないということ、それから革命後のイラン政府からこのプロジェクトをどうしてもやってほしいという強い要望がありまして、イランは御承知のように大きな産油国でもございますし、それから日本とイランとの将来、今後のことを考えますと、このイランの革命政府の要望をけるということもどうかという判断、それから三井グループ五社だけではなく、百社にわたる膨大な会社が協力をしようというようなことがございまして、そういういろいろな資料を判断した結果、これは政府関係の基金などからの出資もいいのじゃないかという判断でナショナルプロジェクトにしたわけでございまして、これは政府が別に押しつけたわけでもなく、民間のそういう強い要望、それからイラン政府のこれまた強い要請、そういうものがございまして、すべてを総合判断した結果ナショナルプロジェクトにしたわけでございます。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 IJPCがナショナルプロジェクトに格上げをされた閣議決定がされた昨年の十月十二日、この折には関係省庁で話し合いが持たれた、そこで一定の項目が確認をされた、こういう事実はあるのでしょう。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 これはいま御指摘のように閣議了解ということになっておりまして、ナショナルプロジェクトになったわけでございます。その間、もちろん関係各省との協議、相談というものはありました。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 その内容は、大まかに言ってどういう内容なんですか。

藤原一郎通商産業省通商政策局長

○藤原政府委員 お答え申し上げます。  閣議了解の内容はいま大臣からお話がありましたとおりでございますが、先生の御質問の点は、その際に四省庁の局長ベースで一応の申し合わせをしたというこの内容の点ではないかと思われますので、その点について御答弁申し上げますと、一応今回限りというふうなニュアンスの四省庁の覚書といいますか、申し合わせというものがなされておる、こういうことでございます。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 通産大臣、ちょっとここで確認をしておきたいのですが、ナショナルプロジェクトという性格ですね。大臣から、ナショナルプロジェクトというものの性格をどういうふうに受けとめていらっしゃるのか、ちょっと聞いておきたいと思います。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 ナショナルプロジェクトという定義とか解釈というのははっきりしたものはないと思いますけれども、少なくともプライベートな、つまり私企業関連の資金だけではなくて、たとえば海外経済協力基金というようなものの出資があれば、これはナショナルプロジェクトと言っていいのじゃないかというふうに思います。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 大臣、時間が余りないから私の方もはしょって聞くのだけれども、ナショナルプロジェクトというのはやはり私企業が事業主体なんですね。国家事業じゃないのですよ。国家的事業であるとしても国家事業ではない。国が主体者でない。企業が事業主体者である。たとえば今度のイラン石化については物産を中心とする三井グループが事業の主体者である。それが責任を明確にしていかなければいけない、こういうことなんです。国はそのことに応援をしていく、こういうことなんですよ。今日までも含めて、あるいは今日の事態の中ででも、三井グループの責任というものが明確にされていない、そういうことについて大臣はどういう指導をし、かつ今後どういうように対応されていくのか、この点について聞いておきたいと思います。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 この問題で私がなぜきのう八尋社長に通産省に来てもらったかと申しますと、一つは、このプロジェクトに参加しておる従業員がおるわけです。これが少なくともイランの国におるという事実です。しかもこれは、やっときのう遅くテヘランに一人残らず七百四十四名全部到着いたしましたけれども、それでも私にとっては大きな不安が残っておるのです。そういうさなかで、イランの政府が、このプロジェクトをあくまでやってほしい、従業員は帰ってほしくないという希望を大使を通じてたびたび言ってきているわけでございます。その中でこのプロジェクトはやめるというようなニュアンスを少なくとも出すことは、オーバーかもわかりませんけれども、私はこれらの人命にもしものことがあったらどうするかという判断が大きくあるわけです。したがって、そういうことを軽々にいま言うべきではないじゃないか、それが私の頭を大きくよぎっておる問題でございます。  それから第二は、もちろんこの経費とかいろいろな問題もあるでしょう。しかし第一にその問題があったわけで、少なくとも急遽何とかしなければいけないということがあったわけで、あとの資金の問題あるいはその他の問題につきましても、まだまだ損傷も十分わかっていないことでございますし、私企業といたしましては、もちろんこの戦争というさなかで行われている事業でございますから、そろばんをはじき、損得を考えた場合に、常に不安感が伴うでしょう。いまに限らず、もう革命のときからだと私は思います。しかし、いま言ったように人命の問題がございましたし、その物の——金は物でございますが、そのことについては後から十分私どももいろいろな資料を集めた結果判断しなければならない。いずれにしても急遽この問題について、そういうことを、いまどうかということを注意しておかなければいかぬという判断に立ったわけでございます。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 昨年の秋にナショナルプロジェクト化したということ、それ自体がやはり三井グループに対する一つの救済措置だと思うのです。そういうことから考えると、企業側の自助努力というものが薄いと私は思うのです。安易に政府に頼る、そういう心理的な潜在的意識がやはり底流にあるわけなんですね。そのことから今回の八尋発言というものが出てきたのだ、いわば本末転倒じゃないか、そういう受けとめ方をしているのですが、大臣はいかがですか。私の考え方に全くそのとおりだとおっしゃるのか、いやそうじゃないとおっしゃるのか、一言でいいですから、いかがですか、大臣。大臣の意思を聞きたい。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 私は、これは最初から無理があったのだ、ナショナルプロジェクトに関して無理があったのだというような考えはいま持っておりません。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 それを聞いているのじゃありませんよ、ナショナルプロジェクトに格上げをしたという事実については、これは閣議決定がなされた、四省庁間のそういう話し合いされた項目も。そうじゃなくして、企業側としての自助努力を私は認めにくい、あるいはそういうことが今回の発言に結びついた、こういうことなんです。だから、これは全く本末転倒であるという私の認識に、そのとおりなのか、いやそうじゃない、三井グループの認識が正しいのだと言われるのか、どちらなんですかということを聞いているのです。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 いま事務当局の説明を受けたわけでございますけれども、ナショナルプロジェクトに昇格するときに三井関係五社は、ICDCも含めまして、文書で決意の表明をしておるようでございます。それだけの責任を負うということを言っているわけでございまして、そういう判断からすれば、私は、三井グループが手を抜いたとか安易であったとか甘えておったというようなことは、いまのところ考えられません。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 それは、格上げをするときには決意を表明するでしょう。その表明した決意を実践してくるかどうか、そのことなんですよ。邦人の安全というものも考慮せずに、一昨日、昨日のような対応を物産の社長がしている、そんな具体的な現実の事例から、本末転倒だ、物産の甘え、そして認識が間違っている、こういうことを私は指摘をしているのですよ。大臣、いかがなんですか。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 甘えがあったかどうかということでございますけれども、それは非常にむずかしいところで、たとえば日本におる社長に甘えがあったと仮定いたしましても、現地におる伊藤建設本部長の日ごろの言動というもの、実は私は就任してまだ時間が余りありませんけれども、どうもこの人が非常にしっかりしているような——というのは、まず私は、従業員をどこかに、安全地帯に引き揚げさせろということをずっと言ってきておりましたが、その本部長が残ると言うわけですね。そういうようなこと、それから現地のいまの空気、働いておる人々の空気から見ますと、およそ甘えというようなものは考えられません。まあ東京におる人々はいろいろ違った判断があるかもしれませんけれども、少なくとも現地で働いておる人々あるいは現地にいろいろ接触している人々からは、そういうことは考えられません。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 大臣の出席時間が前もって通告されておりますので、私の方も質問をはしょるわけですけれども、現地のそういう人たちは一生懸命やっておるわけなんですよ。ところが、ヘッドである東京におるそういう人たちはそとに非常に甘えがあるということなんです。そうだから、その現地の人たちにどう影響するのか、自分の一言がどう影響するのかということも考えずに不用意な発言をしていく。これはまさに甘え以外の何ものでもないのですよ、大臣。だから、そういうことを徹底して指導していかなければいけない、そしてそこから企業責任というものを意識づけていかなければいけないというのが私のいま聞いている趣旨なんですよ。そういうことに通産として取り組んでいくのかどうか、この点をさらに私は大臣から聞いておきたいと思います。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 会社のヘッドに甘えがあったというようなことは抜きに——それはあなたが私に判断を求めているわけでございますけれども、先ほどから申しますように、甘えがあったかどうかということは私は非常に断定しにくいと思うのですが、少なくともそういう不用意な態度があったということがそういう甘えにつながるというならば、そういう判断も成り立ちます。しかしいずれにしても、私が警告を発した、そのことについても八尋社長は悪かったというふうにはっきり言っておりますし、これからのやり口、これからの進めぐあい、そういうものについて、自分も一生懸命やろうというような意思の表明もありましたし、私はそれを大きく期待いたしておるわけでございます。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 前回の決意表明はどういう形でなされたか知りませんけれども、今回のこの事態を踏まえて通産としては新たに物産側、三井グループのいわゆる決意表明というものを求めますか。昨日の会議だけでそれを了とするのですか、いかがですか。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 きのう強く言っておきましたし、本当は事務当局がいろいろいままでずっとやってきましたので私が出るのはどうかと思いましたけれども、やはりこれはと思いまして、最高の人を二人、両社長を呼んだわけでございまして、それについて不用意だったということと、これからも一生懸命やろうというような話がありましたので、私はこれで十分ではないかというふうに現時点では考えております。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 さらには、昨晩テヘランに移動した現地邦人七百五十名ですか、これらの人々に対する希望意見、たとえば日本へ一時帰国をするとか、あるいはしばらく現地で滞在をするとか、そういうことも含めて実情を把握しているのかどうか、そういうことについて通産から聞いておきたいと思います。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 これはコンフィデンシャル、秘密ではございませんけれども、通産省の事務当局は、実はたびたび現地の和田大使とも連絡をとっております。それで私は、これは出過ぎかなと思いましたけれども、たまたま和田さんは私の二十年来の友達の一人でございますので、きのう実は電話したわけです。そしていろいろなことを聞きました。現地の、少なくともこの仕事に携わっております七百四十四名、七百四十三名を四つに分けてシラーズを経由してテヘランに行ったわけでございますが、それがきのう全部届いて、最後に残っておりました伊藤建設本部長もテヘランに参りまして、これで少なくともそこの関係の従業員七百四十四名はテヘランへ一時退避をしておりまして、和田大使の言うことによりますと、もしも日本に帰りたいという人がおるならば、そういう人たちの意思も何とか実現したい。だから私も、その点は十分トラブルのないようにしてほしいということはお願いしておきました。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 ということは、帰国の見通しも持っているということですね。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 大使のことを全部言うことはどうかと思いますけれども、いろいろなルートを通じて、そういうことも十分考えておるようでございます。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 さらに私は、今回のこうじた連の事実を踏まえた上で、通産省の責任ある人を現地イランに派遣する考えを持っていらっしゃるかどうか、この点について聞いておきたいと思います。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 事務当局の人とたびたび相談しておりますけれども、事務当局のそういう関係の人は、一日も早く私どもでよかったら行きたいという希望はございますし、これは私自身も、そういう機会があるならば一日も早く現地にでも行きたいというような気持ちでいます。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 さらに私は、この折に通産大臣にひとつ聞いておきたいと思うのです。ということは、通産省はいわゆるME産業に対する奨励、推進を図っているわけです。このことは、今回の富士見産婦人科病院事件についても大きなかかわり合いがあるわけです。そのことについて通産大臣は、今回の富士見産婦人科病院事件についてどういうふうに受けとめ、今後どのように対応していくおつもりなのか、この点についてひとつ聞いておきたいと思います。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 医療機器の問題につきましては、私はいままで余り関心がございませんでしたが、私の息子が医者でございますので、いろいろ聞いておるわけでございますが、ただ、この富士見病院のそういう実態については驚きあきれているようなわけでございまして、通産省もこのME機器については、これは幅広い医療電子機器で、医療の発展あるいは医療の開発、それから人命というようなことに関連しまして非常に効果を上げておりますので、通産省がこの奨励をしてきたことは必ずしも誤りではなかった、ただ、これを利用する者の誤りがあったのじゃないかという気がしております。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 私は、そういう医療機器の開発あるいはそういうことが人命を救ったという数々の事例も認めます。しかし反面、今回の富士見産婦人科病院事件は、ME産業、ただ単に不況に強いから、成長産業だからといって推奨していくだけでは、これは当を得ない。それがどのように効率よく利用されているか、そういうことも踏まえた中で、ただ単に機器を使う医師の側の人間性の問題だ、倫理観だということだけでは済まされない問題ではないだろうか。悪用されたのだと。事実、悪用しているわけです。そういう反面、通産は、税金を使って、医療福祉行政、こういうような資料をきっちり備えているわけです。もっと極端なことを言えば、医療行政の分野にも通産は介入をしているわけです。介入しておって、いや、それはただ単なる悪用だ、それで済まされる問題ではないということを私は指摘をしたいのです。大臣、こういうものを通産がつくってちゃんと奨励をし、事実医療の行政の中に介入しているのですよ。そういうことについて、自分の息子が医者だからとかあるいは医療に関係者が多いからということだけで大臣は済ますべきではない。通産大臣として再度、ただ悪用されたということで済ますのか、あるいは今後こういう問題にこういうことが起こらないように、省内での、関係省庁の連絡協議会を開くとか具体的な対応を考えていくつもりがあるのか、この点についてさらに聞いておきたいと思います。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 医療機器が社会的にも、あるいは医療の開発にも非常に貢献しておるからこれを奨励するということだけでは済まされないと思います。あくまでやはり、そういう行政指導というか、やっておるならば、それに裏づけとして責任があると思いますので、これからも十分そういう点をチェックしていきたいというふうに考えます。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 通産関係の最後になりますけれども、私は、委員長にひとつ。  いま大臣からIJPC、いわゆる一連のイラン石油化学のこの問題については質疑を重ねてきたわけです。ここで、通産大臣の言い分というか、考え方というのは部分的にはわかったわけです。物産の八尋社長及びイラン化学開発の山下英明社長を参考人として当委員会に呼んでいただけるように、ぜひ私は委員長に取り計らっていただきたい。そのことは、お二方の見解を当然私は聞かしていただきたいという考え方、その上に立って政府の取り組みもさらに追及をしていく、こういうことでありますので、できるだけ早い機会にそういう場を持っていただくことを委員長にお願いをしたいと思うのです。

國場幸昌自由民主党

○國場委員長 井上委員のただいまの御要請に対しましては、理事会においてこれを諮って、措置したいと思います。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 さらに私は、富士見病院について二、三質問を続けていきたいと思います。  御承知のように、北野早苗、富士見病院のこの事件については、すでに司直の手に入っているわけです。率直に申し上げて、ただ単なる医師法違反ということだけでなく、傷害罪についての捜査に踏み込まれていると私は受けとめるのですが、その事実についてお答えをいただきたいと思います。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○谷口(守)政府委員 お答え申し上げます。  埼玉県警察におきましては、かねてから埼玉県所沢市所在の富士見産婦人科病院の乱診ぶりにつきまして聞き込んでおったわけでございますけれども、何分病院の内部の事案であるということ、その他いろいろ理由があるわけでございますけれども、慎重に内偵を続けてまいりました。その結果、去る九月十日に、先生も御指摘のように、この病院の理事長北野早苗を医師法等違反で逮捕いたしまして、浦和地検川越支部の方に送致したということでございます。十月一日に同支部では北野を医師法違反で起訴したということでございます。現在埼玉県警察においては、この北野の逮捕と同時に、多数の方々、約千四百名に上ると思いますけれども、警察署あるいはその他保健所等に対しまして申告が相次いでおるわけでございます。そういった被害にかかられた方々につきましていろいろ事情を伺い、この裏づけ捜査を急いでおるということでございます。それと同時に、九月の二十九日と、それから昨日、十月十四日でございますけれども、この病院で手術を受けられました、合計いたしまして三十二名の方でございますけれども、が埼玉県警察に対しまして傷害罪で告訴してまいっております。この件につきましては、埼玉県警察において所要の措置をとるべく作業を続けているということでございます。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 私の尋ねているのは、すでに告訴人等について事情聴取をなさっているわけです。私は、そういう事実関係から、いわゆる傷害罪の容疑ということで北野の取り調べに当たっているということをここで確認をしておきたい、こういうことなのです。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○谷口(守)政府委員 お答え申し上げます。  ただいまお答え申し上げましたとおり、二回にわたりまして、合計しまして三十二名の被害に遭われた方から告訴が出されておるわけでございます。それに対しまして埼玉県警察の方においては所要の措置をとるということになっております。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 保安部長、そのことは告訴人の傷害の容疑ということに受けとめられるわけです。そういうことでよろしいですね。  さらに私はもう一点、贈収賄容疑という形での捜査は進展しているのかどうか、この点についても聞いておきたいと思います。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○谷口(守)政府委員 お答え申し上げます。  先ほどもお答え申し上げましたとおり、この事案は、去る九月十日、医師法等の違反容疑で理事長北野早苗を逮捕し、現在鋭意捜査をしておるわけでございます。さらに傷害罪に係る告訴が出されたというような新たな要素があるわけでございますけれども、私どもといたしましては、逮捕本件について鋭意捜査を続けるということでございまして、その捜査の過程において新たな犯罪の容疑があるという場合についてはそれぞれ適切な措置をとりたい、こう思っておる次第でございます。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 もう一度確認をしておきますが、贈収賄については新たな容疑という受けとめ方をしていいのですか。告訴があったわけですから、傷害罪ではすでにその容疑で捜査をしているのでしょう。よろしいですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○谷口(守)政府委員 お答えを申し上げます。  北野早苗につきましては、一応十月一日で起訴されたわけでございますけれども、現在この事案につきましては、埼玉県警察で全力を挙げて捜査に取り組んでいるわけでございます。捜査方針とか捜査事項につきましては、現在そういうような事情にありますので、ここでは答弁は差し控えさせていただきたい、こう思いますけれども、いずれにいたしましても、この事案につきましては、やはり人の健康あるいは生命にかかわる重大な事案でございます。埼玉県警察におきましては事実関係をあらゆる角度から捜査いたしまして、そして刑事責任がある場合には厳しく追及するという方針で臨んでいるところでございます。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 私いま資料を、中間的なまとめですけれども、被害調査の集計結果をお渡しをしたわけです。詳しいことはここで申し上げる時間がありませんけれども、ME検査をべらぼうに、もう何もかもME検査だということで検査づけにし、なおかつ、その結果はまたでたらめな診断をしている。さらに、そのことによって、担当医の診断もないがままに、たくさんの人が健康体にメスを入れられた、こういう事実があるわけです。さらには、昨日第二次告訴がなされて、その中にもそれぞれの方の実情が詳しく述べられているわけです。あるいは第一次の告訴でもそういうことはすでにはっきりとしているわけなんです。この件は、まさに傷害罪という形の中での捜査しかできないわけなんですね。医師法違反ではもう起訴されている。贈収賄はまた他の別途の新しい事案である。私のいま尋ねているのは、少なくともこの件については捜査をなさって、この件でさらに強い捜査を進めるというお考えなのですか、こういうことなんです。だから、傷害罪容疑について捜査をやっているのだということなのかどうかということを答えていただければそれでいいのです。どうなんですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○谷口(守)政府委員 お答え申し上げます。  ただいま先生の方から被害調査の集計結果をいただきましたけれども、捜査上きわめて参考になる点が多いと思いますので、早速埼玉県警察の方に回付いたしまして、捜査上参考にするように指導してまいりたい、こう思っております。  それで、ただいまの件でございますけれども、二回にわたりまして傷害罪の告訴がありまして、これは一つの捜査の端緒でございます。それを受けまして速やかに所要の措置をとりたい、こういうことでございます。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 捜査中なので非常にもどかしい、じれったい答弁が返るわけですけれども、保安部長、傷害罪容疑で調べているというふうに受けとめてよろしいですね。この人たちがそれで訴えていらっしゃるのだし、この人たちがそういうことで事情を聴取されているのですから、警察はすでにその段階に入った、こういう事実関係だけを私の方から指摘をして、あなたの方がそれを認めるかどうかということですが、お認めになったと理解してよろしいですね。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○谷口(守)政府委員 お答え申し上げます。  医師法等の違反容疑、さらには今回二回にわたりましてなされました告訴に関連いたしまして、多くの被害に遭われた方からいろいろ事情は伺っております。  それで、やはり病院内部の問題でございますし、先生も御案内のとおり、いろいろ法律的にもむずかしい問題がございますので、まず事実関係を確定して、その後で擬律判断をしてまいりたい、こう思いますけれども、先ほども申し上げましたように、この事案の重大性にかんがみまして、埼玉県警察で総力を挙げて取り組んでおるということでございます。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 事実関係を調べているということは、傷害罪にかかわる事実関係、こういうことですね。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○谷口(守)政府委員 お答え申し上げます。  告訴状によりますと、治療行為の必要がないにもかかわらず、この病院において手術を受け、その結果、子宮とか卵巣等の切除等の傷害を与えたということでございます。  したがいまして、私どもとしましては、これは告訴人の方はもとよりでございますけれども、その他多くの被害者の方からこの病院での診察を受けた事情あるいは手術の状況、そういったものをすべてお話を承って、そして事実関係を確定し、その後もし刑事責任を追及する場合には、これは厳しく追及してまいりたい、こういうことでございます。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 贈収賄容疑という形の中では具体的な事実関係の捜査はなされていますか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○谷口(守)政府委員 お答え申し上げます。  先ほど来からお答え申し上げておりますとおり、現在埼玉県警察では医師法等の違反容疑並びに今回二回にわたって傷害罪についての告訴が出されました、その関係で鋭意捜査をしているということでございます。  その他の点につきましては、捜査にわたりますので答弁は差し控えさせていただきたいと思います。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 さて、厚生大臣に私はこの問題について質問を続けたいと思うのです。  かねがね私は厚生大臣には、過日の本会議における厚生大臣のいわゆる取り組む意気込みあるいは姿勢というものについては、同じ福祉社会を目指したいという考えの中で、党派こそ違いますけれども、日ごろから厚生大臣の勇気ある決断というものに、そしてその行動、判断すべてを含めて私は敬意を表しているわけなんです。  このことについては、いまも触れましたけれども、健康な人たちが北野の非人間的ないわゆる乱診によって、全くドラキュラ的集団とでもいうのでしょうか、そういうことで大変憤慨をし、かつ人体に傷を受けているわけなんです。この人たちをやはり救済をしていかなければいけないし、そして同時に、かかる問題が起こらないような対策は片面で講じていかなければいけない、こういうことなんです。  それで、まず私は、被害者同盟からすでに厚生省に一定の要望がなされたと思うのです。いま指摘をした医療救済に対しての善処方を要望し、あるいは受けた被害に対する損害賠償、いわゆる補償についても、これは二十六億もの負債を持っている富士見病院側との話し合いというものが事実上無理であるというような状態から、厚生省に対して強い要望がなされているわけです。この点について、大臣のお考えをまずここで聞いておきたいと思います。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 お答えを申し上げます。  医療並びに医療機関が、人間の生命と健康を守るべきものが、だんだん経済的な観点から営利に走り、人間の健康と生命を食い物にして恐るべき事件を起こすということはまことに残念至極であります。これは、医療の倫理の荒廃とかあるいは営利に走るとか、そういう原因は、よって来るべきものは、だんだんそういう状態になってきたので、第一に医療制度のあり方、厚生省の監査、指導のあり方、こういうものに手落ちはなかったか、まずこれを厳重に反省することが大事であると私は考えております。  第二番目には、残念ながらいま厚生大臣の持っておりまする権限、制度で決められた法律的な力によっては、脱法行為がたくさんできるわけでありまして、そういうものをだんだん研究をしてきておるという状態もあると考えます。二度と再びこういう事件を起こしてはなりませんので、私は直ちに厚生省内にプロジェクトチームをつくって、そして広く実態を調査し、意見を聞き、当面なすべきこと、将来なすべきこと、こういうことも検討を命じております。  しかしながら、制度の改正その他もありますけれども、私はまず第一に、現在政府が与えられている権力、この権力は使用すべきことではないと思いますけれども、このように医療が荒廃してくれば、与えられた権力を国民の健康と生命の擁護のために、失われたる医療の信頼回復のために最大限に使用せざるを得ないのではなかろうか、こういうことで当面の具体的な問題を検討しているところでございます。  この病院に対する態度は厳正なる態度で、取り調べの結果を見守りつつ厳重に対処する所存でございます。  慰者同盟からは御指摘のとおりに要求が私のところに届いております。すべてが聞くべき要求でありますが、補償については、いま御指摘のようなことでありますから非常に心配をしておられて、この補償については厚生大臣はできるだけこれがうまくいくように協力しろ、こういう要望であります。したがいまして、当然被害を受けられた方々の今後の治療、あるいは精神的、肉体的な被害、こういうものに対する賠償、補償については、患者の方々の側に立って厚生大臣は協力したいと考えております。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 いま厚生大臣が患者側に立った立場で損害賠償、補償ですね、等についても協力をしたい、私はその趣旨に沿ってひとつ全力で取り組んでいただきたいとお願いをしておきたいと思います。  さらには、北野の非人間的な行為に対する厳しい対処、これは当然であります。人類の最も普遍的かつ本質的な機能である生殖機能を不当にめちゃくちゃに損なっていたという、それも長期かつ大量に行ってきたという、こういう事実をほっておいては、何の厚生行政か、あるいは医療行政かと、本当に先を憂うるわけでありますから、厳しい対応を特に私は求めたい、こういうふうに思います。  さらにもう一点。  被害者同盟が九月二十九日、四項目にわたって県に行ったわけです。これに対して県から十月一日付で回答をしているわけです。この回答については当然厚生省も相談にあずかっただろうと私は思うのですけれども、そういう事実、あずかった事実があるのかどうか、この点について、担当の方からでも結構ですからお答えをいただきたいと思います。

田中明夫厚生省医務局長

○田中(明)政府委員 お答え申し上げます。  本件につきましては県との間で数次にわたっていろいろ協議をしておりますが、ただいまの件につきましてはわれわれとしては相談にあずかっておりません。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 実は、さっきの大臣答弁の精神というか、そういうものから若干それた回答になっているからあえてここで確認をしておきたいと思うのであります。  国が、厚生省が、いま園田大臣が申されたように、救済、それから今回の事件の対処等も適確にやっていきたいと言うのに県側の回答には少しその部分に欠けた面があると思うので、ひとつ厚生省としても県に十分国の意思を伝えていただきたいと思うのですが、この点について、ひとつお願いを踏まえて御意見を承っておきたいと思います。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 こういう際には、当然御意見のとおりでございますから、県の方とは厚生省が緊密によく連絡をして、食い違いのないように、そして今後二度とこういう事件が起こらないように、被害者の方々がまあまあ何とかやっていかれるようなこと等も考えて指導していきたいと考えております。  なお、この際でございますが、先ほどおっしゃいましたMEの問題でございますが、これも私は非常に心配をしておるところでありまして、新しい高級な医療機器がどんどん出てくることは、医療、治療のためにこれは非常に喜ばしい成績を上げております。しかしながら、その反面、これを宣伝に使い、あるいはこれを乱用し、そして医療はどんどん高額になっていき、かつまた今度のような一つの事件も起こし、この機械検査万能ということは医者と患者の血管、パイプを切る原因にもなりますので、これは野放しにやっておくべきことではない。かつまた、共同利用、こういうことも今後検討しなければならぬと考えております。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 MEの問題については全く大臣のおっしゃるとおりだと思うのですよ。だから私は、そういうこともさらに次の機会には詳しく大胆からの答弁、お考えを聞きたい。  そこで、少し売名的なことにつながると思うのですけれども、今回のこの富士見の病院で小林隆東大名誉教授ですね、これは宮内庁とは強いかかわりがあるわけであります。芙蓉会友の会の参与ですか、そういう形で宣伝もされているわけです。ただ単に北野の口車に乗せられたのだということだけで済まされない事実関係があるのではないか。幾らかの顧問料をもらっていたということも聞き及んでおるし、富士見病院に宮内庁の医局から手塚元医局長の再就職をあっせんしている、東大医局からもアルバイトを送り込んだりしているというようなことが私の方のつかんだ情報で明らかになっておるわけです。これも決してよくないと思うのですが、大臣このことは御承知なんでしょうか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 新聞その他で承知しております。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 そういうことはやっぱり慎まなければいけないし、このことについても、いずれまた改めて大臣から詳しい事実関係を、それぞれの関係省庁で確認をしていただいて、次の機会にでも聞かしていただきたいと思うわけです。  さらに私は、今回の富士見産婦人科病院の事件はいろいろな背景があった、その中の一つに、今後の医療行政について、現行の診療報酬体系も抜本的に見直しをしていかなければいけないということもあったのじゃないだろうか。このことについてはさらに次回にでも質問いたしますが、そういうことも考え直さなければいけない、見直さなければいけないと私は思うのですけれども、この点についても大臣はどういうふうにお考えなんでしょうか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 御指摘のとおりに私も考えておりますので、そのようにやるつもりでおります。  なおまた、この富士見病院というのはなかなか知恵が多い人が多いようでありまして、実は昨日私あてに、厚生大臣あてに事務局長という肩書きで長い手紙が参りました。この手紙は、要は自分たちは非人道的なことはやってない、曲げて宣伝されておる、患者の中には非常にわれわれに感謝しておって、がんばれと言う人もおるのだという長文の手紙が参りました。これは書留、親展であります。ところが私のところに着く前に書留、親展の手紙の内容を向こうで発表しておる。これは厚生大臣に対する直訴状ではなくて、ねらうところは、それをもってマスコミを利用して自分たちの立場を有利にしようとする魂胆だなと私は受けとめておるわけでありますが、そのようにあれやこれやと知恵の多い人が多いようでありまして、私も腹を決めてかかっていきたいと考えております。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 腹を決めて厚生大臣、ひとつしっかりと国民の健康を守っていく行政を推し進めていただくことを強く要望して、私の質問を終えます。

國場幸昌自由民主党

○國場委員長 新村勝雄君。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 私は、最近の土地の高騰の問題を中心にして都市計画法の問題を伺いたいと思います。大臣からお伺いしたいのですけれども、お見えにならないということで、都市局長お見えになっておりますか。幾つかの点について順次お伺いをいたしたいと思います。  まず、最近の地価の高騰は異常なものがございまして、このために宅地を求める、あるいは安住の地を求める人たち、大多数の国民に大変な不安を与えておるわけでありますけれども、最近のこの地価の高騰の状況を当局はどのように認識をされておりますか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 おただしのとおり、最近の土地の値上がり状況、また一ころのたわみ型から少し増勢方向に向かっておりますこの状況につきましては、所管の国土庁におきまして、その地価値上がりの原因は主として宅地の需給関係の逼迫、それから宅地の利用度の増進というものを主たる値上がり原因と考えているということでございまして、私どもも全く同様に考えておる次第でございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 土地問題は物価問題の中でその中枢を占めるきわめて大切な問題ではないかと思います。そして最近の物価動向等を見ましても、当局の御努力によってそれほど極端な値上がりはないわけでありますけれども、その中でひとり土地だけが、これは首都圏でありますけれども、二〇%を超える高騰を示しておるということ、これはまさに異常な状況であります。このような状況を招来したということは、これは何といっても土地そのものの特殊な性格もありますけれども、土地対策が適切でなかったということ、これに大きな原因があると思うのです。そういう点で、最近建設省では新しい方針も出されたようでありますけれども、これからこの異常な土地の高騰に対してどういうふうに対処をされていくのか、また、どのような施策を用意されておるのかを伺います。

松本弘建設省計画局参事官

○松本説明員 ただいま御指摘がございましたように、最近特に大都市の周辺で地価が高騰している事実が顕著でございます。その原因といたしましては、御指摘ございましたように、需要に対しまして供給が的確に対応してないというのが一つ大きな原因だと思います。そういうことで、国土庁、建設省密接に連絡をとりまして総合的な土地対策を講じなければいけないということで進めているわけでございます。  特に宅地供給の促進のためには各般の施策が必要だと考えております。特に市街化区域の中の農地の宅地化の増進でございますとか、あるいは既成市街地の中の低利用地の高度利用あるいは空閑地の利用の促進ということが大切でございますが、あわせまして宅地開発に関連いたします関連公共公益施設の事業の促進あるいは土地税制の改善等総合的に講じてまいりたいと考えておるわけでございます。  宅地対策の基本といたしましては、都市計画制度によりまして市街化区域、市街化調整区域のいわゆる線引きがなされております。これの改善というものも総合的に考えて進めてまいりたい、こういうふうに考えている次第でございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 現在の土地の需要供給、これはかつて数年前にあった状況とは大分違っておりまして、これは諸統計等によりましても、仮需ではなくて実際の需要が非常に多くなっておる。それに対して対応できないというところに現在の問題があるのだということでありますけれども、これはまさにそうだと思うのです。そうなると、ますますもって適切な土地対策が要請をされるわけであります。仮需要に対してはそれなりの、ほかの面からの対策があるでありましょうし、またその点についてはある程度の成果をおさめていると思うのですけれども、現在の土地高騰が実際の需要に基づいて起こっておるということだけにきわめて重大であると思うのです。  そういう点からしまして、従来建設省においては、この都市計画法のいわゆる線引き、地域指定、これを軸にして土地対策を進めてまいったと思うのです。ところが、この方針は根本的に一つの矛盾を持っておるわけでありまして、この地域指定をすることは、社会資本の充実あるいは重点的な投資をするという面からすれば、これは確かにメリットのある方法でありますけれども、これは同時に、土地供給をかなり極端に制限をするという一つの側面を持っているわけでありまして、これはまさにこの法の持つ重大な矛盾であると思うのです。そういう点で、この都市計画法の運用については、私どもは前からその矛盾の点をこの法の中で解決をすべきだということを提案してきたわけです。それは一つの方法としては、確かに効率的な投資をするという面からすれば、市街化区域と調整区域を厳重に区別をしていくことがいいわけでありますけれども、同時にそれは土地供給を制限するわけでありまして、特に現在の線引きが必ずしも合理的にはできていない。調整区域の中にも合理的な一定の条件のもとに開発をすれば良好な宅地になり得るところが相当あるわけでありますけれども、それが現在の都市計画法のもとではなし得ない、こういうことがあるわけでありまして、この市街化調整区域の中で宅地に適したところを開発をすべきだ、そういう道を開くべきだということを従来われわれは強く主張してきたわけであります。その方針が最近になってある程度建設省によって採用されようとしておるようであります。その点については評価をするわけでありますけれども、そういう面で都市計画法というのは非常に矛盾を持った法律だということです。この点についてどうお考えですか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 市街化区域並びに市街化調整区域の区分、いわゆる線引きは、都市ごとに適正に将来の人口、産業を想定いたしまして、これを無理なく計画的に収容できるために市街地の面積がどのくらい必要であるかということを算定をいたしまして、その算定に基づきまして、具体の土地につきましてその区分けを行うという段取りで進めておりますので、私どもは都市計画を各都市に適用してまいります一番基礎的な土地の範囲の確定という意味で大変重要な意義を持つ制度だというふうに理解をいたしております。しかしながら、またこの制度が現実に適用されました場合に、先生の御指摘のように、そのことのゆえに宅地の供給が非常にむずかしくなるというところもあるというふうに理解をいたしております。  そこで、先生からおただしを賜りました今回局長通達をもちましてこの線引きの見直しの基準を新たに発出をさせていただいたわけでございまして、現在の特に大都市周辺の住宅宅地需給関係の逼迫ということを踏まえまして、線引きの先ほど申し上げました私どもの考えております基本的な考え方を踏まえた上におきまして、現在の住宅宅地需給関係に対応すべく少し柔軟にその線引きの見直しをやれるようにいたしたい、やるべきではないかという考え方に立って通達をさせていただいたわけでございまして、ただいま先生がおただしいただきました、在来調整区域とされたところでも開発適地があるとおっしゃったわけでございますけれども、そのような土地柄について、まさに宅地の開発がもう着手寸前まで来ている、そのように熟した土地であるならば、この見直しの機会にこれを積極的に市街化区域に取り込むべきであろうということも基準の一つにいたしておりますし、また反面、市街化区域の中で、市街化を予想したものの、なかなかこれが市街化する動きがない、農地というような形で残りっぱなしになっておるという土地がございますれば、一定の面積規模があればこれは積極的に調整区域にいわば逆線引きをいたしておくべきである、いたすべきである、このようなことを内容といたします通達を発出させていただいた次第でございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 いま申し上げたように、この都市計画法は従来の運用の実績を見てまいりますと、合理的な市街化区域の造成あるいは効率的な投資というメリットよりはむしろ宅地供給を阻害してきた側面の方が多いような気がするわけです。そういった点の反省から今回流動的にされるということでありましょうけれども、確かに市街化区域に指定をされていながら、その地域が市街化についてほとんど熱意を示さない、そして、むしろその中の農業地域が依然としてまとまって残っておる、こういうところが実際に非常に多いわけです。それと同時に、調整区域であっても市街化を志向しておる地域も一方あるということでありますから、今回の新しい方針は、これが適切に運用されれば相当のメリットを持つ方針ではないかと思うわけでありますが、この合理的な運用を特に望むものでございます。  そして、今回の方針によりますと、市街化区域の中でも五ヘクタール以上がまとまっている地域については調整区域にできるというような新しい方針のようでありますけれども、五ヘクタールという面積を依然として設定をしておるわけでありまして、この面積を五ヘクタールに設定をした根拠、たとえ市街化区域の中にあっても、将来ともに農業をやっていきたい、そして現在も良好な農業経営が行われているというところについては、当然調整区域にするかあるいは調整区域並みの扱いをすべきではないかと思うのですが、あえて五ヘクタールとした理由はどこにあるのですか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 先生御承知のとおり、この通達の発出以前におきましても、一定の面積以上の農地が市街化区域内にあれば、それは穴抜きをすべきであるということにいたしておりまして、その場合の一定の面積というのは二十ヘクタールという基準にいたしておりました。それを、それ以後の実施運用の過程におきましておおむねその半分、十ヘクタールという線まで運用基準を下げて運用いたしておったという過去の経緯、実態、行政の実績がございます。こういう実績を踏まえまして、しかしながら、なおかつ現状におきましてもこの逆線引きの手だてが十分ではないというふうに判断をいたしましてさらにその規模の引き下げを図ったということでございまして、しからば五ヘクタールということにどのような意味があるかとおっしゃられますと、これは積み上げた数字で五ヘクタールにたどり着いたわけではございません。ただいま申し上げましたような二十ヘクタール、十ヘクタールという運用の歴史を踏まえまして、片や市街化区域の現状を踏まえまして五ヘクタールという一応の基準を設けた次第でございます。  なお、これは市街化の促進という面からの基準でありますと同時に、また、逆に申し上げますと、先生おただしの農業経営という意味の基準でもございます。いわば農業としてまとまりのある土地利用をしていきますための最低規模としては五ヘクタールというのが最低線として守られるべきではないかという判断もあわせまして五ヘクタールという基準といたした次第でございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 市街化区域の中といえども、現在及び将来ともに良好な農家として経営を続けていく意思がある、あるいはまた実態もある、そういう場合には農業経営を認めるべきではないか。農業というのは特殊な産業ですから、そこを引き払ってほかに同じような条件の土地を求めるということは全く至難なわけであります。したがって、市街化区域の中に農業の存在を認めないということであれば、これはその農家にとっては死活にかかわる重大問題になるわけです。一方、土地の値上がりを待って土地を荒廃に任せておきながら農地だと言い張っておるというようなこと、これは許されるべきではありませんけれども、市街化区域の中といえども、農業は将来ともに条件があり意思があれば続けていかれるという道を行政としては配慮しなければいけないのではないか。そういう点からすれば、五ヘクタールというのは農業の経営の一つの単位だというふうにおっしゃいますけれども、近郊農業の中では必ずしもそうではない。たとえ一ヘクタールであっても経営単位として成り立つ場合もあるわけです。園芸あるいは高度の資本を投下した農業である場合にはこれは十分できるわけでありますから、この五ヘクタールはさらに検討していく考えはないかどうか、お伺いします。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 先ほどの御説明の言葉が少し不足しておったかと思いますのでつけ加えさせていただきたいと思うわけでございますが、私が五ヘクタールを農業経営規模上の基準と申し上げましたのは、単一の農家、農業経営者の単位として申し上げたつもりではございませんので、単一の農業者が何戸か、幾つかの農業経営の土地を持っておられる、それがかなりの集積をなすことによってその一帯はいわば小さな意味の農業地域的な見方ができるのではなかろうか、逆にまた、そういう地域的なまとまりがあって農業経営の便宜が図られるのではないかという意味で、その最低規模ということで五ヘクタールはいかがかということで決めさせていただいたものでございます。  そこで、いまおただしの、将来にわたって見直しを検討する用意があるかということでございますけれども、この通達はこの九月十六日付をもちまして発出をさせていただいたわけでございます。この通達の趣旨、つまりできるだけ柔軟な線引きということの実効性をよく見守りまして、さらに状況の進展を踏まえまして、必要があれば将来にわたり修正を考慮していきたいと考えております。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 その点については将来ともひとつ御検討いただきたいと思います。  それからもう一つ。現在の都市計画法の硬直した運営では市街化区域の中の問題が解決できないと同時に、調整区域の問題についても多くの不合理を持つということを申し上げたわけでありますが、調整区域の中での開発、これもその状況によっては許可をしていくべきであるということを申し上げたいわけで、その線に沿って今回一層流動的に改正をされたようでありますけれども、調整区域の中では依然として二十ヘクタールなければ開発許可をしないという方針のようであります。しかし、これはよく実態をごらんになればわかりますけれども、調整区域の中でも駅に比較的近い、あるいは都心に通勤時間として一時間あるいは一時間三十分以内である、こういう宅地としての適地が調整区域の中に存在するという地域が相当あるわけであります。そういうところが開発をされれば現在の宅地不足がかなり緩和をされることが予想されるわけであります。そういうことを考えた場合に、調整区域の中の開発を許可をするという方向、これを将来一層考慮していかなければいけないと思います。ところが依然として二十ヘクタールという制限がございますが、一定の条件のもとであれば面積の制限なしに開発を許可することができるというような改正ができないものかどうか。たとえば、いま地方自治体におきまして公営住宅の割り当てをもらう、もらったけれどもどうしても土地がない、調整区域の中ならばあるのだ、市街化区域の中には用地を取得することができない、そのためにせっかくもらった公営住宅の割り当てを返上しなければならぬというような事態さえも最近あるわけであります。ですから、この制限についてさらに将来緩和の方向で検討することができないのかどうか、あるいはまた、公共団体及び一定の条件のもとに開発をするのであればこれ以下であっても許可をすることができるという運用ができないものかどうか、その点をお伺いします。

松本弘建設省計画局参事官

○松本説明員 お答え申し上げます。  大都市周辺の宅地の需給が逼迫いたしておりますところにおきまして供給の促進を図るということが土地政策上目下緊急の課題であるということは御指摘のとおりでございます。基本的な方針といたしましては、まず市街化区域の中で宅地供給の促進を図るということが第一ではございますけれども、私どもといたしましても、御指摘のように、大都市の周辺等の住宅地の需給が非常に逼迫しておりますところでは、計画的な市街化を損なわない、しかも良質の宅地供給に資するというものにつきましては開発許可の運用の適正を図るべきであるというふうに考えている次第でございます。  そこで、先般の都市局長通達にあわせまして計画局長から各都道府県に通達をいたしまして、市街化調整区域の中でも計画的な市街化を損なうおそれがなくて良質な宅地の供給に資するものについては開発許可の適正な運用を図るようにという趣旨の通達をしたところでございます。御指摘のように、ただいま二十ヘクタールという面積の制限が政令で決まっておるわけでございますが、この趣旨は、先生御承知のように、計画的な市街化を図るということと宅地供給の促進を図るということとの調整を考えながら進める必要があるという趣旨でございまして、関連いたします公共施設を備えたいい宅地を供給していく、無秩序なスプロールをさせないという形で宅地を供給していくということのためにはある程度の規模のまとまりのある開発であるという必要があるという趣旨でございまして、私どもといたしましては、そういう趣旨も尊重しなければいけないというふうに考えておるわけでございます。  ただ、先ほど御指摘がございましたように、特に大都市周辺等におきましては、二十ヘクタールの開発許可につきましても、率直に言いましてかなり厳しい運用がされておりまして、ほとんど開発許可が行われないのに近いという実態でございます。これはむしろ私どもといたしましては、宅地政策の面から望ましくないというふうに考えておりますので、まず二十ヘクタールの規模のございます良質な宅地供給をもう少し適正に運用してほしいということで通達したわけでございまして、当面はその効果がどうなるであろうかということを見守っていきたいというふうに考えておる次第でございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 新しい方針の実施によって、これは運用のよろしきを得れば相当に新しい宅地の供給があると思うのです。期待できると思うのです。それと同時に、反面問題になるのは、このことによって人口急増地帯の自治体が、社会資本の充実という面で新しい負担を負わないかどうか、こういう問題が起こってきます。それから、この新しい開発によって仮に宅地の供給がふえたとしても、調整区域の中の地価を高騰させないかという問題がありますし、このことによって、供給はふえたけれども地価の抑制にはならなかったという結果になる危険があるわけでありますから、そういう面で地価対策を同時に考えていかなければいけないと思います。  それから、開発がさらに行われるという場合に、従来、新しく土地を購入をする人に開発費が転嫁をされるという事態があるわけです。開発費の相当部分を地価に上乗せをして購入者に相当高い土地を買わせるという事態があるわけですけれども、これをどう防ぐかという問題があります。そういう点で、仮に企業がやる場合には、その企業に対して原価の公表をさせるとか、あるいは開発の内容を公表させるというような、そういうことをお考えになる必要があると思いますけれども、そういう御用意があるのかどうか。それからまた、先ほど申し上げたように、市街化区域の中の良好な農家、将来ともに農業をやっていく農家の土地については、これは調整区域にすべきだと思いますが、これを調整区域にした場合には、いま問題になっておって非常に矛盾があると言われておる市街化区域内農地の課税問題が、そこでほとんど解決できるわけですね。そこで農業をやっていく限りは調整区域にするということであれば、市街化区域内農地の課税問題はそこでほとんど解決がつくと思います。現在、その方針があるにもかかわらず実際には課税できないということで、税法上の一つの大きな矛盾として問題になっておりますけれども、その問題もここで解決つくのじゃないかと思います。そういった点についての建設省のお考えを伺いたいと思います。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 幾つかのおただしがあったかと思いますけれども、ただいまのおただしのうち前半のおただしについて私からお答えを申し上げ、後段につきましては計画局参事官の方からお答えをさしていただきたいと存じます。  前半の御質問のうち、第一点の、社会資本充実の裏づけがない線引きの見直しということは問題があるのではないかという趣旨に承ったわけでありますけれども、おっしゃるように、都市施設の充実を図りますために、社会資本の投資にはわれわれとしては最大限の努力をいたしてまいったわけでございますけれども、さらにこれからも重ねてその努力を積み上げてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。今回の改正は、線引きの見直しは都市計画法によりまして五年ごとに基礎調査に基づいて行うということになっておりますので、五年間の情勢の推移にかんがみまして見直しをしていただくということを前提と踏まえました通達でございますので、社会資本の整備は引き続き努力をいたしますことを前提といたしまして今回の見直しは進めさしていただきたいというふうに考えている次第でございます。  それから第二番目に、今回の見直しの結果、調整区域の地価が上がる等地価に悪影響があるのではないかというおただしかと存じますけれども、この点は私どもは、確かに部分的、特定の土地を対象として考えますとおただしのようなところがあるかとは思います。しかしながら、線引きそのものが、最初に申し上げましたように、都市の発展傾向をにらんだ、全体の推移をにらみまして全体的な判断に立った必要な市街化を区域し、その整備を図るということでございますので、おただしのように、住宅宅地の供給に熟した土地は積極的に取り込む、市街化区域にありながら宅地化されない土地は外へ出すというような方針によって見直しが進展いたしますことによりまして、総体としてはむしろ地価の抑制に役立つのではないか、供給促進を図られることにより、適切な宅地供給が推進されることにより、あるいは死蔵された土地、宅地のために利用されない土地が本来の区域区分に戻ることにより、総体としては地価の抑制に役立つのではないかというふうに考えておる次第でございます。

松本弘建設省計画局参事官

○松本説明員 ただいまの御質問のうち、新たに市街化区域に編入された区域につきまして、宅地開発を行う開発業者がその土地を売ります値段に負担を上乗せをして非常に価格が上がるのじゃないかという御指摘でございます。  一つは、先ほど都市局長の答弁にもございましたように、今回市街化区域に編入いたしますところは、すでに土地を取得しておりまして近々必ず適正な開発が行われるというところに限って行うわけでございますし、また、これは国土庁の所管になりますが、売買価格につきましては国土利用計画法によりまして厳しい規制がされてございますので、そういうおそれはないと思いますが、運用の面では先生御指摘のようなことのないように十分気をつけてまいりたいというふうに考える次第でございます。  それから最後に、市街化区域内農地に対します課税の御質問がございましたが、おっしゃいますように、市街化区域の中で農業を当分続けたいという農地につきまして、その実際の現況に十分配慮をしながら、農地の宅地化促進、特に税制の、保有税の適正化を図るということは非常に重要なことだというふうに私どもも考えてございます。昨年の政府の税制調査会におきましても、五十七年から実効のある実施をするように検討すべきであるという方針が打ち出されておりまして、私どもも関係省庁と連絡をとりながら前向きで検討を続けている次第でございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 この新しい方針の実施によって確かに宅地の供給はふえると思いますけれども、そのことを地価を抑えることに役立てていただきたいわけです。そうでなくて、調整区域の開発があって宅地の供給がふえたけれども依然としてその値段は高い方に寄せられたということであっては意味がないわけですから、そのことによって高い地価も低い方へ抑えるように、そういう効果を持つように実施をしていただきたいということを特にお願いしたいわけです。  それから、市街化区域内農地の宅地並み課税の問題については、この方針を合理的に運用することによってほぼ解決ができるというふうに私は考えるのですけれども、これをひとつ大蔵省や所管のほかの省とも協議をされて、そういう方向に努力をされたいと思います。  以上で土地の問題は終わります。  次に国税庁にお伺いをしたいのですが、税法上の債権償却の問題についてであります。  この問題は、中小企業の倒産防止とも関連をしまして、いま中小企業の中で問題になっておることでありますけれども、倒産等がありまして、手形あるいは債権が回収不能になったという場合に、現在の法人税法の運用では、その債権のうちで五〇%だけが債権償却を認められる、あとの部分については特別の手続をしなければ認めない、こういうことになっておるようでありますが、これでは非常に不合理であり、実際に利益の生じないところに課税をされておるという実態も生じて困るということが言われておるわけでありますけれども、この点については改善のお考えはございませんか。

小幡俊介国税庁直税部長

○小幡政府委員 ただいまの貸し倒れ金、不渡り手形等の問題でございますが、債務者につきまして更生手続の開始決定あるいは手形の不渡りによりまして手形交換所の取引停止処分という事実があった場合に、通達によりまして、こういう一定の形式が満たせます場合には債権の五〇%相当額を損金経理によりまして債権償却特別勘定に繰り入れることができるという取り扱いになっておるわけでございます。  先生のいま御質問されました趣旨は、実際問題として五〇%以上の回収不能部分があるような場合があるではないかというようなことについてのことかと思いますが、そういうふうな場合につきましては、いまの形式的な基準による五〇%の債権償却特別勘定への繰り入れという通達の規定と別の規定がございまして、納税者が税務署長の方に申請をしていただきますと、税務署長の方の認定によりまして実際の回収不能見込み額まで債権償却特別勘定に繰り入れをするという取り扱いもあるわけでございます。これの実際の運営につきまして、われわれとしてもいま先生の御趣旨を体しまして、十分実態に即した運営がされるように配慮してまいりたい、かように思う次第でございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 そういう規定があることは知っておるのですけれども、実態はなかなかそういかない。統計によりますと、取引先倒産企業に対する債権のうち、支払いを受けるものの割合を見ますと、一割以下というのが二五・四%、一割を超えて二割以下というのが二一・五%、二割から三割が二〇%というふうに非常に少ないわけですね。それから、その弁済を受ける期間を見てみますと、一年、二年、三年とずっと統計があるわけですけれども、そのうちで十年以内というのが一番多いのです。十年もかかるわけですね。それに引きかえ、税務上の取り扱いは非常に厳しいわけでありまして、原則として五割、それ以上も税務署長の認定があればいいということでありますけれども、この手続が非常に複雑でありますし、税務署長の認定でありますから、認定されなければだめだということであります。そうなると、その負担は中小企業にきわめて不利に及んでくるということでありまして、これはどうしても改正をしていただきたいということが中小企業の業界の強い要望のようでありますけれども、いかがですか。

小幡俊介国税庁直税部長

○小幡政府委員 お答え申し上げます。  通達の形式基準によりまして、一定の事実に絡みましたときに五〇%相当額の債権償却特別勘定への繰り入れを認めておるという規定につきましては、これはそういう一定の条件がありましたときに、必ず五〇%貸し倒れがあるかどうかということはわからないわけでございますので、そういう形式基準についての五〇%繰り入れというのは、それはそれとしてあるわけでございますが、いまお話がございましたように、中小企業の実際の問題といたしまして、不渡りを発生した会社あるいは更生会社等の当該債権が実際にどれだけ確保されるかということになりますと、五〇%まで確保されないということもまたあることは事実だと思います。そういう点につきましては、いまもお話し申し上げましたように、個々に税務署長の方にお話をしていただきまして、税務署長の方でこれを認定する、こういうことになっておるわけでございますが、現在の取り扱い通達におきましては、この税務署長の認定というものは、そういう会社が債権償却特別勘定へ繰り入れをする、そういう決算をする以前に税務署長の認定をあらかじめ受けなければいけない、こういうふうなことになっておる、その辺が実務上いろいろ大変だ、こういうふうなお話も伺うわけでございまして、私どもといたしましては、現在法人税の基本通達の改正作業を御案内のようにやっておるわけでございまして、五十四年の十月に第一次の改正を行いまして以降、ことしの五月に第二次の改正を行いまして、今後も第三次、第四次というふうに、いろいろな問題項目ごとに法人税の基本通達の改正の作業を進めておるわけでございますが、ただいまのこの債権償却特別勘定の問題につきましても、今後の法人税の基本通達の改正の中でいろいろ考えてみたいということは思っておるわけでございますので、現在のようなやり方がいいのか、もう少し実態に即したやり方がないかどうか、そういうことについては今後またいろいろな方面の御意見も伺いながら、また局署のいろいろな実情も踏まえながら検討をしてまいりたい、かように思っておる次第でございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 この問題については、中小企業倒産対策委員会、これは国税庁長官の諮問機関ですか、だと思いますけれども、その対策委員会でもこの問題が取り上げられまして、「税務署長等の認定を受けないで債権償却特別勘定へ繰り入れることができる率を実情に即して相当な程度の率まで引上げる。」また「中小企業者が通常入手し得る資料に基づいて貸倒れと見込まれる金額を疎明すれば、前記(イ)の率を超える部分をも債権償却特別勘定へ繰り入れることができるものとする。」こういうふうに改正をすべきだということを、この中小企業倒産対策委員会から国税庁長官に答申、意見具申が出ていますね。出ているのです。こういうことも十分考慮をされて、いまの御答弁のような趣旨でこの問題を検討されるように特にお願いをします。

小幡俊介国税庁直税部長

○小幡政府委員 債権の償却の問題につきましては、これがまた乱に流れるということになりますと課税の公平を損なうということになりますし、また、実情から見て非常に厳し過ぎるということになりますと中小企業の実態にも合わない、こういうことでございますので、各方面のいろいろな御意見等も承りながら、課税の公平を確保するという観点からどういうふうなことが考えられるかということで、いま鋭意私どもの中で検討をいたしております。いろいろな先生のお話ございましたようなことも十分念頭に置きながら、どういうふうな改正ができるかということについて検討をさせていただきたい、かように思う次第であります。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 特にこの点をお願いします。  それから、大蔵大臣にお伺いすべき点があったのですけれども、大臣が見えませんので、この点は保留をしまして、きょうは終わります。

國場幸昌自由民主党

○國場委員長 この際、暫時休憩いたします。     午後零時三十三分休憩      ————◇—————     午後一時六分開議

國場幸昌自由民主党

○國場委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。春田重昭君。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 最初に、イラン・イラク戦争の問題についてお尋ねしてまいりたいと思いますが、外務省の方にお尋ねいたします。  紛争停止の時期でございますが、これは当事国じゃないわが国としては判断が非常にむずかしいと思うのですけれども、外務省としてはあらゆる情報を仕入れていると思っているのでございます。その点で紛争停止の時期でございますが、どういう御見解を持っておられるのか、まず最初にお尋ねしてまいりたいと思います。

堤功一外務大臣官房外務参事官

○堤説明員 実は、的確な見通しを申し上げるというのはきわめて困難でございまして、現在戦闘状況は膠着状態と申してよろしいかと思いますが、同時に本格的な停戦への動きというのも特に見られない次第でございます。  戦闘の規模は、両当事国に対しまして第三国からの大規模な軍事的な支援がございません限り、基本的には長続きはしないのだろうと思いますが、規模が縮小された形でだらだらと陸上戦闘が続くという状態が十分考えられるわけでございます。  両当事国もこれまでは停戦等に対する条件が非常に隔たっておりまして、従来イスラム諸国会議あるいは国連事務総長、キューバの外務大臣、PLOのアラファト議長等々仲介の試みがなされた次第でございますけれども、双方ともこれに応ずる気配はございませんで、イラン側の方もホメイニ師を中心に徹底抗戦の構えを見せております。  この状況を見ますと停戦への動きはすぐには起こらない、武器弾薬等の補給については隘路が出てくるのではないか、この二つを考えあわせますに、恐らく、一般的な見方といたしましては、戦闘の規模そのものはピークは過ぎたけれども、これが縮小された形ですぐには終わらず、だらだらと尾を引いて比較的長く続いていくのではないか、そういう状態でございます。  わが国といたしましても日々刻々状況の把握に努めておりますが、現状では、残念ながらこれ以上の見通しを申し上げることは不可能な事情でございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 米ソ大国を含めて第三国の両国に対する武器また弾薬の補給がされているということはつかんでおられるのですか。

堤功一外務大臣官房外務参事官

○堤説明員 正確な判断を申し上げることはできないと思いますけれども、種々の情報を総合いたしまするに、イラクに対するある程度の規模の補給というものは、主としてヨルダン領を経由して引き続き行われているようでございます。イランの方に対しましては、これも情報でございますけれども、小規模の補給が北朝鮮からなされたということもございますが、しかし、いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたとおり、両国に対して戦闘に重大な影響のあるような大規模な軍事的支援というのは行われているとは申せません。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 そうすれば、戦争というのは武器がなかったらできないわけですね。そういう点で、両国間の武器弾薬の手持ちというものから考えても、大体長引いて最悪どれぐらいかということは判断できるのではなかろうかと思いますけれども、外務省としては、非常に判断はむずかしいと思いますが、しかし、最悪長引いた場合これからどれぐらいかかるのか、その点の見通しは持っておられないのですか。

堤功一外務大臣官房外務参事官

○堤説明員 ジェット戦闘機あるいは戦車、重火器等を投入いたしました規模の大きな本格的な戦闘ということから見ますと、部品あるいは重火器用の弾薬、燃料等の補給の問題から、それほど長い間、現状の規模の戦闘が続くということは予想されておりません。そういう続かないであろうという見方をとる者が一般的でございます。しかしながら、地上兵力同士の対戦ということ、あるいは現在イラク陸軍がイランの領土を占領し交戦中でございますけれども、こういう地上兵力に対してはゲリラ戦のごとき抵抗も可能なわけでございます。このような形態に着目いたしますと、軽火器用の弾薬等は自国生産で相当できるのだろうと思います。したがいまして、徹底抗戦の指導方針によってイラン側があくまでも交戦を続けるということになりますと、いかに規模が縮小されたとはいえ、この形態の戦闘というのは何カ月も続き得る、そういうおそれは十分にあると申し上げられると思います。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 当初、短期戦で終わるのではなかろうかという見通しであったわけでございますが、ここ今日に至って大体四週目に入っているわけですね。いまの話からすれば、大規模なそういう紛争はないけれども、小規模な小競り合い等を含めれば相当かかるのではなかろうかという外務省の読みですね。ということは、年内いっぱいは続くのではなかろうかという見方をされているのですか、それとも一月くらいで終わるのではなかろうかと見ているのですか。

堤功一外務大臣官房外務参事官

○堤説明員 的確な見通しをいたしますのはきわめて困難でございます。それをあえて申し上げますれば、一月のごとき短期間で終わるとはちょっと申し上げられないのじゃないかと思います。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 時間がございませんから先に急ぎますけれども、現在、在留邦人が相当おるわけでございますけれども、この戦争による死傷者は出ておりませんか。

塚本政雄外務大臣官房領事移住部長

○塚本説明員 お答え申し上げます。  幸いにして一名のけが人も出てないと承知しております。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 そこで、IJPCの関連の従業員の方が先ほどの大臣のお話では七百四十四名がバンダルホメイニからテヘランに向かって編成して第一陣から第四陣までいま大移動している。先ほど無事全員が到着したという話がございましたけれども、これのいわゆる大移動における死傷者は出ておりませんか。

塚本政雄外務大臣官房領事移住部長

○塚本説明員 これらの方々も幸いにして全然そういう負傷者等もなく、無事昨日テヘランに入ったという情報に接しております。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 このテヘランに移動というのはあくまでも和田大使の考えで移ったみたいに報道されておりますけれども、このテヘランそのものを安全地帯という形で外務省は見ておられるのですか。

塚本政雄外務大臣官房領事移住部長

○塚本説明員 累次にわたる現地和田大使からの電報、公電によりますと、現在においても日本人学校を毎日やっているほどに安全だということで、多少の不安、動揺感というのは在留邦人の中にあるとは伺っておりますけれども、ただいまの限りにおいては、そういう戦争そのものの爆撃その他は製油所とか軍事施設に集中されて、住宅街とかオフィス街の方は安全である、むしろこれから冬に向かって灯油がなくなるとかあるいは物価高、そういったような生活の困難さの方が在留邦人の生活を脅かすという意味合いにおいてこれから困難が加増されていくのではなかろうか、こういう情勢判断でございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 現にテヘランでも空港等が襲撃されているわけです。決して安全地帯ではない。いまの御説明では、住宅を襲撃されていないから大丈夫だろうという、そういう希望的な考え方なんですね。そういう点では決して安全地帯ではないと私は思います。現にテヘランにおりました婦女子の方たちもトルコやカスピ海からソ連の方に脱しているわけです。そういう点を考えたら、七百四十四名という多くの人たちでございますけれども、この身の安全というのは今後大きな問題になってくると思うのです。  ここで通産大臣にお聞きしたいと思うのですが、テヘランにいま在住されているこの方たちは一応IJPCの関連のいわゆる技術者ですね。この方たちは、一時退避なのか、それとも全面退避という形で考えておられるのか、どうなんでしょう。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 現在のところは一時退避というふうに考えております。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 この一時退避の解釈でございますけれども、これはテヘランにずっと残留するのか、それとも日本に帰国するのか、その点の御判断はどうなんですか。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 一日も早く戦争の終結を希望しておりますし、願っておるわけでございます。先ほどから、戦争が長期的になるのか短期的になるかというような見通しの御質問もあったようでございますけれども、私どもといたしましては、テヘランはあくまでも一時退避で、戦争が終わればもとの仕事に復帰するというふうに考えておりますけれども、和田大使と非公式にいろんな話をし私どもの得た情報でございますけれども、いまも外務省の方から答弁があっておりましたけれども、冬場に向かって灯油が少なくなるとか、それから仕事がないとかいうようなこと、それから戦争が長引けば、当然、戦争の当事者国でございますので、そこの国民とは違って、日本に祖国があるわけでございますので、心理的な不安感があるかもわかりません。そういうようなことで、どうしても日本に帰りたいというような人がおれば適宜そのような希望がかなえられるような処置を、一応和田大使にはお願いしておきました。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 イラン側は、前例でも、革命が起こったとき日本人の技術者が引き揚げたということにかなり批判的だったですね。そういう点で、今回の場合も、いわゆる一時退避、一時帰国というものが相当長引くのではないかという不安もしているのではないかと伝えられているわけでございますけれども、今後和田大使がイラン側とそういう交渉をなさると思いますけれども、大臣としては、そういう従業員の方が日本に帰りたいとなれば、その希望はかなえてあげたい、こういうことですね。     〔委員長退席、越智(通)委員長代理着席〕

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 御指摘のように、イラン政府は事業の継続を強く望んでおりますし、従業員の人々が日本にまで帰ることには反対のようでございます。しかし、先ほどから申しますように、どうしても日本に帰りたいという人たちは帰っていただくように和田大使にもお願いしているし、大使も、どちらかというとそういう希望は受け入れていいというような気持ちでイラン側に折衝しておると思います。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 ところで、イラン大使館の館員数でございますけれども、何名ぐらいいるのですか。

藤井宏昭外務大臣官房人事課長

○藤井説明員 現在イラン大使館の館員数は十三名でございます。これは、本年の五月一日にEC諸国と一緒に削減の措置をとりまして五名削減いたしまして十二名になりましだ。その後一名ふやしまして、現在十三名ということでございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 イラン大使館はわずか十三名なんですね。現在IJPCの方たちが七百四十四名引き揚げてきている、脱出してきているということも考えて、先ほどからお話があったように、生活物資の問題とかいろいろなエネルギーの問題等が今後そういう面で相当不安な面があるという話もございましたし、日本に帰国させるかどうかという問題も和田さんが一生懸命やっていますけれども、この際わが国から政府高官なりまたはいろいろなそういう特使を派遣して、何とかそういう多くの方たちの身の安全の確保に万全な体制をとる上にも必要ではないかと私は思いますけれども、外務省としてはどう考えますか。

塚本政雄外務大臣官房領事移住部長

○塚本説明員 お答え申し上げます。  私たち事務当局も、伊東外務大臣から、人命第一主義に徹せよということに基づきまして、現地の方々の自発的創意によって脱出その他については大いにそれに対する便宜を供与しております。現在、御指摘のとおり七百四十四名のIJPCの方々がテヘラン地区に退避いたしましたけれども、そのほかに婦女子二百数名を含める八百余名、全体で一千七百四十名、このうちすでに四十五名の方々がトルコルートを通じまして脱出、もう今明日中にも帰国する段階に来ております。きょう入りました公電によりますと、テヘラン地区の、このIJPCの方々を除きまして、陸路帰国希望者を募りましたるところ、婦女子を中心とする約二百五十名の方々が一時帰国したい、こういう申し出がありましたので、これらに基づきまして、ちょっと地図が遠過ぎて見えないかもしれませんけれども、一応テヘランからトルコルート、及びカスピ海を通ってバクーというところへ出ましてそれからモスコーへ行く、この陸路が一応考えられますので、外務省といたしましては和田大使に対する、その援護方、及びソ連政府に対して、人道上の問題だから入国ビザの発給あるいはこのカスピ海を渡るところの定期船の増強とか、そういったことを依頼いたしまして、同様のことをトルコ大使館にも、在アンカラのわが方の大使館を通じてお願いいたしまして、両国とも……

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 いまの大使館員で十分対応できるのかと、応援部隊は要らないのかということを聞いているのですよ。

塚本政雄外務大臣官房領事移住部長

○塚本説明員 テヘラン大使館についても一名増強になっているそうでございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 時間がございませんからね。要するに、いま十三名と聞いたのですよ。十三名でこれだけの大人数の方たちの身の安全確保ができるかと、だから応援は要らないかと、また政府高官の、ないしそういう特派員が必要じゃないかと、こういうことを聞いているのですよ。

堤功一外務大臣官房外務参事官

○堤説明員 現状で判断いたしますと現在の十三名の人員で十分できると考えております。ただし、問題があるようでしたらすぐに手配する態勢を整えております。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 時間がございませんので、外務省の方はもう結構でございます。  大臣にお尋ねいたしますけれども、本日の外電によりますと、イラン、イラク両国の石油輸出施設でございますけれども、戦争で施設がかなり被害を受けている。その修復も含めて、年内輸出は無理ではないかという形で報道されておりますけれども、いろいろ予算委員会等でも論議されてまいりました。かなり備蓄があるから十分賄える、こういうことでございましたけれども、年内いっぱいもしこれが輸出できないとなれば、それに対応できますか。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 いま備蓄が百十一日分ある。これは日本の備蓄だけでございまして、IEAの二十一カ国の平均の備蓄が百四十日分あるわけです。したがって、IEAそのものの総会や理事会で決めておりますように、相互にこれを調整し合おうということ、それからスポット物の高値買いはよそう、それから、これから輸入するものについても通産省としては事前にいろいろ知らしてもらって、というような対策なども講じておりますけれども、現実の問題といたしまして、ことしの四—八期の場合ですけれども、約八千百六十万キロリットル、燃料油の販売量がその程度で、それは前年同期比を見ますとちょうど九〇・三%で、つまりダブついていることと、つまり、前年度同期よりも、九〇・三%ですから、燃料油全体の販売が落ちているということですね。それが一つと、それから、これもたびたび申し上げておるのでございますけれども、ちょうどいま灯油の入用期に入っておるのでございますけれども、これが、本当はことしの九月の需給計画で六百五十万キロリットルを予定しておりました。それが八月末ですでに六百八十万キロリットルになっているのです。ちなみに価格の面をながめてみますと、運搬料を含めまして、十八リットルの六月の価格が千六百六円なんです。七月が千六百五円に下がっておりましたが、八月が千五百円台になって千五百九十四円なんです。八月まではまあまあと思って、九月は実は心配だった。イラン、イラクが来なくなっているわけです、非常にだめだという。それでも下がりまして、九月の値段が、灯油が十八リットルで千五百八十一円なんです。そのように、国民の皆さんの非常に平静さもございますし、私どもの政策が当を得ているということじゃなくて、全体的にじっと冷静に構えておるというような態度から見まして、当分石油関係の需給状況は国内的にも国際的にも心配要らないのじゃないか。灯油だけじゃなくて、軽油あるいはA重油などもストックがございますし、それらに対する国民のいまの態度は非常に冷静である、こういうものを総合判断しますと、私どもはまあ安心じゃないかというふうに見ておるわけでございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 いろいろ聞いていきたいのですが、時間がございませんので、的をしぼって聞いてまいりたいと思います。  先ほど同僚議員から質問がございました三井物産社長の発言でございますけれども、それに対し、大臣は、自信のないような発言であったという御答弁をなされましたが、これはうがった見方かもしれませんけれども、ああいう発言をすることによって、むしろ社長の発言は強気の発言である、いわゆる政府側に圧力をかけるような発言じゃないかという受けとめ方もしているわけです。要するに私企業ではもう限界だ、あとは政府以外にないですよ、政府の応援がなかったらやりませんよというふうにも私は受け取っているわけでございますけれども、もう一回大臣、この点について御答弁いただきたいと思います。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 確かに委員御指摘のように、物の見方でございますので、そういうような見方もあるかもわからないという気も私はいたしました。したがって、政府のこれからの援助とかいうようなものを期待してやっておる態度の面もあるかもわからぬということで、これはあくまで三井のあなたのところが自主的にやるという精神状態、気構えがない限りできませんよと、それも強く指摘しておきました。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 現在中断されているわけでございますけれども、基本的にはこの事業についてはいわゆる継続なのか、それとも三回の爆撃、今後どうなるかわからないという点から考えて、いわゆる見送ってしまうのか、その辺の基本的な通産省の考え方はどうお持ちなんですか。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 もちろん結論、判断、そういうものを下すならば、豊富な材料と的確なものがなければ最終結論はできないと思います。少なくともいま言えるのは、私どもはあくまで継続しなければならない、いまの段階では継続するという態度であり、判断であります。したがって、今後のことにつきましては、いろいろな資料がそろって、被害の状況あるいは向こうの国のいろいろな諸情勢、そういうものを判断の材料にしなければなりませんと思っておりまして、少なくともお答えできるいまの状況は、私どもはあくまでこのプロジェクトは続けていくのだという気持ちでございますし、そういう判断でございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 総事業費でございますけれども、当初が五千五百億だった、昨年十月千八百億追加されて、七千三百億になっているわけですね。  ところで、今回三回の爆撃を受けた、それと、いま中断していますから、従業員の生活保障、また一日一億円の金利と言われている莫大な利子、こういうものを勘案して恐らく年内再開できないとした場合に、大体試算されていると思うのですね、あとどれくらい追加事業費が必要なのか、その辺の読みはなさっているのですか。

藤原一郎通商産業省通商政策局長

○藤原政府委員 お答え申し上げます。  先生御指摘のとおり、当初五千五百億円規模でございましたのを七千三百億円へ増加いたしたわけでございまして、現在まで追加いたしました千八百億のうち、実際に使っておりますものが五十数億円でございまして、そういう意味合いではまだ資金に余裕があるわけでございますが、——失礼いたしました、五十三億円でございませんで、先方合わせますから百億円を少し超える程度でございます。そういうことでございますが、何せ現在のところ、まだ被害の実態が正確に計量できる段階ではございません。したがいまして、被害の実態等も計算が出ました点で将来の問題は考えるよりほかはないということで、現在では算定できる状態にはないということを御了承いただきたいと思います。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 一、二回の爆撃の被害額は大体三井側も算出しているみたいでございますけれども、三回目がまだわからないということですよね。それはそれとしまして、いずれにいたしましても七千三百億円の事業費というものは、いわゆる九月から再開していけば何とかおさまるだろうという総事業費でしょう。それがいわゆるこういう戦争という不可抗力のことが起こってきた。したがって中断している。金利もかさむ。三回の爆撃という点から考えたら、七千三百億から事業費は当然伸びることは間違いないと私は思うのですよ。この点どうなんですか。

藤原一郎通商産業省通商政策局長

○藤原政府委員 常識的に考えまして、予定どおりに進行しない場合に金利等を含めまして事業費がふくらむということは当然考えられるわけでございます。ただ、戦争による被害というふうな損害の費用をどこで見るかということは直ちには答えの出ないことでございまして、それを全部事業費の中でかぶるものかどうかという点はまた別途の問題もあろうかと思います。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 すでに基金からは、昨年十月十二日、二百億円がいわゆる出資という形で出されるようになっています。この基金からの出資というのは、今後これ以上出さないと決めておられるのか、それとも今後いろいろ資料等を集めて、その事業費が相当かさむ場合においてはやむを得ないという方針なのか、どちらなんですか。

藤原一郎通商産業省通商政策局長

○藤原政府委員 一応決めております二百億の出資のうちの残余の分をどういうふうに出してまいりますかという御質問だと思いますが、これにつきましては現在検討中でございまして、関係四省庁とも相談をいたしまして慎重に考えていく必要があろうかと思っております。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 いや、そうじゃないのですよ。いま二百億円決定したでしょう。すでに過去二回出していますよ。合計で五十四億出しているわけでしょう。今度は二百億以上にさらに基金から出すのかどうかということなんです。

藤原一郎通商産業省通商政策局長

○藤原政府委員 二百億をさらに超すというお話につきましては、先ほども申し上げましたように、一応現在二百億の海外経済協力基金のうち五十四億ディスバースしておるわけでございまして、まだ残余が相当たくさんあるわけでございます。先ほど申し上げましたように、被害の実態あるいはその被害部分の負担はどこでやるかというふうなこと、その他詰めるべき問題もたくさんあるわけでございますから、さらに二百億の追加ということについては現在まだ判断すべき時期ではないと考えております。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 これは大臣にお尋ねしますけれども、いまの話は、三井グループから、さらに二百億以上のいわゆる基金の出資増加ですね、これについては、先ほどの大臣答弁ではそういう要請はなかったということでございますけれども、十三日の夕方の記者会見のあの八尋発言は、政府出資を仰ぐ以外にないと明確に言っているわけですよね。それを大臣は、山下さんと二人呼んで、そのときにはそういう要請はなかったということですが、非常に矛盾を感じるわけでございますけれども、本当になかったのですか。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 別に隠しておることじゃなくて、三、四十分の話し合いでございましたが、二百億をオーバーするような政府出資の要請とか、そういうものは全くありませんでした。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 それでは、出資じゃなくして輸銀等の融資等の話もございませんでしたか。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 金の話は全然出ていないのです。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 最後になりますけれども、輸出保険の適用ということでございますが、かなり新聞等ではいろいろ扱っておりますけれども、この輸出保険の適用はどうお考えになっておりますか。

古田徳昌通商産業省貿易局長

○古田政府委員 このIJPCの事業につきましては、主として海外投資保険の対象ということで従来から取り扱われているわけでございますが、この海外投資保険は民間の損害保険とは異なりまして、戦争等によります物理的な損害が起きましても、直ちにそれをカバーするという性格のものではございません。そのような損害によりまして当該事業の継続が不可能になりまして、その結果、当該事業に対します出資または貸付金が回収不能になった段階で、その回収不能の分についての損失をカバーする、こういう形のものでございます。したがいまして、現在このIJPCの事業につきましては、事業の継続の方針は何ら変更はございませんので、現在の時点では海外投資保険の問題として検討する段階には至っていないということでございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 三井グループはこの事業に対してどれくらいの保険金を掛けているのですか。

古田徳昌通商産業省貿易局長

○古田政府委員 先ほど言いましたように、主として海外投資保険を掛けているわけでございますが、この輸出保険契約につきましては、これが個別企業と輸出保険当局との間で締結されております私的な契約ということでございまして、これらの契約の内容とかあるいは保険金額等につきましては、企業の秘密あるいは信用に関することということでございまして、従来から保険運営の慣例として公表を差し控えさせていただいているわけでございまして、そういう形で御了承もいただいてきているわけでございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 それから、採算の点で一番問題なのは原料ガスとナフサの安定供給でございますけれども、これが報道等では、これを産出する油田等が戦争によってかなりやられている。したがって、その安定供給が非常にむずかしいのではないか。ということは、要するにこのプロジェクトそのものが採算面で非常に合わないのじゃないかということも言われているわけでございますけれども、この辺はイラン側と話し合いは過去でも十分されてきたのかどうか、されていなかったら今後どういう形でやっていくのか、最後にお尋ねします。     〔越智(通)委員長代理退席、委員長着席〕

藤原一郎通商産業省通商政策局長

○藤原政府委員 IJPCの原料問題でございますが、これは従来からずっと交渉しておったわけでございますが、本来イラン側が責任を持って供給をする、こういうたてまえに相なっております。お説のように石油生産施設は相当打撃を受けておりますので、その辺の実態が明らかになりませんと何とも言えない点があることは事実でございます。ただ、IJPCの設備ができ上がりますタイミングと、それから製油設備その他が回復しますタイミングと、その期間がどういうふうに整合するかというふうなことでございますが、いずれにいたしましても、イラン側はこれをぜひ完成させたいと言っておりますし、原料についてはイラン政府側が全責任を持つ、こういうたてまえになっておるわけでございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 それは戦争の起こる前の約束でしょう。今回の戦争によってかなり被害を受けていると聞いているわけでございますけれども、その点の確認はされているのですか。

藤原一郎通商産業省通商政策局長

○藤原政府委員 これは戦争前といいますか、革命前の問題がありまして、革命後に再度確認をいたしまして、今度の紛争が始まりまして、向こうはなおこのプロジェクトについてはどうしても完成したいということを言っておるわけでございまして、その限りで原料を保証するということは当然のこととして了解されているわけでございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 時間が来たみたいでございますので、最後に大臣に決意をお伺いしたいのでございますけれども、今回の三井・イランのナショナルプロジェクトでございますが、今後三菱がサウジと、それから住友がシンガポールと、同じような合弁事業をやるように聞いておりますけれども、今回のこの三井・イランの合弁事業というのは、今後のこの二つに非常に影響を与えると思うのです。そういう点で、今回の教訓をどのように生かしていくのか、最後に大臣の御決意を聞いて終わりたいと思うのです。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 ナショナルプロジェクトという観点から、あくまでこれらの問題については慎重に分析し判断しなければなりませんし、今回の問題を含めまして、こういう問題については慎重な態度が必要であると思っておりますし、そういう考えで対処していきたいというふうに思います。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 終わります。

國場幸昌自由民主党

○國場委員長 和田一仁君。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一)委員 最近国会の内外において、国防、防衛問題についての論議が大変活発になってきております。これは、従来、国会その他で防衛や国防ということを論ずるのが大変少なかった、そういう時代と考え合わせますと、ずいぶん時代が変わってきているな、私はこういうことを非常に感ずるわけでございます。本来防衛とか国の安全というような問題は国事の大本であるわけでございまして、国政を預かるものといたしましては、これは最も重要な責任、義務があるものだ、こういうふうに感じております。  私どももまた国民も、福祉国家をつくる、あるいは国民の生活向上を図る、こういうことを念願としておりますけれども、しかしそういうものも.その基本にはやはり自分の国の平和、これが確保されるということがなければ、どのような福祉国家も、国民の生活の向上というようなことも、これはもう画餅に等しい、こう考えておるわけでございますが、そういう意味で、いま国民の中に大変防衛意識が高まっておるということは私は当然のことだ、こう考えております。  そこで、いま国民にこういった防衛意識が、非常に関心が深まってはおりますけれども、しかしながらその意識の中に何か漠然とした不安感、こういったものがどうしてもある。一体どうなっているのだろうな、こういうような感じがあると思うのです。特に昨年のあのソ連のアフガニスタン侵攻、あるいはわが国の北方四島における、あるいは極東におけるソ連の軍備の増強、あるいはついせんだって沖繩で、すぐ目の前にソ連の原潜が浮き上がって故障をしていたというような、そういったさまざまな問題を知らされる中で、一体この日本の周辺、われわれの安全というものはこれで大丈夫かどうか、そういった不安を持ち始めている。もちろん、国民は軍事専門家ではございませんので細かいことはわからないが、しかしそれなりに自分らの周辺のそういった状況に最近は非常に敏感になっている。こういった国民の素朴な防衛意識、国防意識というものを背景にいたしまして、私、これからちょっと長官にお尋ねをしたい、こう思っております。  最近、日本の安全について、日本の周辺に一体脅威があるのかどうか、その点についての長官の認識をお聞かせいただきたいと思います。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 和田委員のお尋ねに対しましてお答え申し上げます。  ただいまお話がございましたとおり、国防の問題は国の存立の基本にかかわる問題で、重要な問題でございます。国民の皆様の関心が高まってこられるということは当然であると考えるわけでございますが、私どもこれを素直に受けとめて防衛の問題に対処してまいらねばならない、さように考えている次第でございます。  ところで、いまお尋ねの、わが国の周辺に脅威が高まっているではないか、その点についてどう考えるかというお尋ねでございますが、先ほどもお話ございましたように、ここ数年にわたります間におきますソ連軍の極東における配備が、陸海空とも非常に増強されているということは事実でございます。また、わが国固有の領土である北方領土に陸上部隊が配備されている、こういった事実もございますし、また航空母艦ミンスクの極東への回航、あるいは原子力潜水艦もかなり数がふえてきている。そういった一連の動きにつきまして、私ども潜在的脅威が強まってきている、さように受けとめている次第でございます。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一)委員 周辺のいろいろな状況を踏まえて、わが国には潜在的脅威がある、こういう御答弁だと思いますが、長官、脅威というものを潜在的というふうに表現されましたけれども、そうなると顕在的な脅威というものがあるのでしょうか。私に潜在的脅威というものをもう少し御説切願いたいと思うのです。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 潜在的脅威についてのお尋ねでございますが、二つの大きな要素があるのではないか、私はこう考える次第でございます。  一つは能力の問題でございまして、先ほど申し上げましたように、極東における最近のソ連軍の配備というものは著しく増強しておりまして、そういった意味では能力はかなり高まっていると見ざるを得ないと考えております。  もう一つの要素は意図でございまして、増強されている能力をどういうふうに使おうとするのか、その意図につきましてはいまだはっきりしておらない、そういう意味で私どもは潜在的脅威として受けとめておるわけでございます。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一)委員 私も、その脅威というものは数量的なもの、これは当然だと思います。たとえば、自分が五つの能力、力がある、相手が六つある、これは五の人間にとって六は数量的、能力的に一つの違いが感じられるわけです。同時に、五つあるけれども、しかし三に対してはそういったものは逆になっていく、こういった相対的なものだとは思います。同時に、それだけではなくて、たとえ十の能力というものがあっても、そこに相手を侵し、奪い、あるいは入っていくというようなそういう意思があるかないかというのは、これは確かに重要なことだと思うのですね。そうなると、潜在的とおっしゃる中に、二番目の、意図がはっきりしなければこれは脅威にはならない、そういう解釈でしょうか。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 脅威の定義の仕方にもよるわけでございますが、私どもは、全体として、最近におけるソ連軍の極東における配備はわが国にとりまして潜在的な脅威である、こういうふうに受けとめておるわけでございます。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一)委員 国民は一連の、先ほど長官もおっしゃられたアフガンへの侵攻のああいう実情や、なぜ北方四島などにあれだけの軍備を必要とするのか、そういったことの中に、やはりそういった意図も感じつつあるのではないか。これは下手をするとアフガンの二の舞というような、そういう不安をもう感じていると思うのですね。そういうことは、はっきり量の問題でなく意図的なものをこれは無視するわけにいかなくなってきているのじゃないか、国民はそういうものを感じ始めている、こう思うのですが、そうなると、長官のおっしゃるような潜在的なんと言っているようなそんなものじゃないのじゃないか、こういう感じを強く持ちますが、いかがですか。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 繰り返してお答え申し上げて恐縮でございますが、いまだ顕在的な脅威ではないという意味で潜在的脅威であるというふうに考えている次第でございます。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一)委員 潜在的な脅威ということで、それではその潜在的脅威が顕在化して具体的になった場合ですね、潜在的にはもうあると認められたのですから、それがいつ顕在化するか、これははっきりしないと思うのですね。それを考えた場合に、それではいまの防衛の体制でそれに対応できるかどうか、その辺を少しお聞かせいただきたいと思います。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 わが国の防衛の基本方針は、御承知のとおり昭和三十二年に策定されました「国防の基本方針」にのっとりまして、日米安保体制を基調としながら、必要最小限の防衛力を自力で整備していくということを基本方針にいたしておるわけでございます。そうして、昭和五十一年に閣議決定されました「防衛計画の大綱」の線に沿ってこれを進めているわけでございます。いま大綱の線が実現いたしておりませんので、私ども、大綱の線をできるだけ早く実現することによりましてわが国の必要最小限の防衛力を充実したいということで、せっかく努力中であるということでございます。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一)委員 五十一年閣議決定の防衛方針の大綱が充足されるならば大丈夫だ、こういうことでございますか。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 「防衛計画の大綱」が、策定されましたのが昭和五十一年でございまして、別表で目標が示されております。これを実現するためにいま努力中でございまして、この実現によって必要最小限の防衛力の充実が図られるものと考えている次第でございます。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一)委員 どうも答弁がちぐはぐになっているようなんですけれども、私は五十一年度のこの防衛大綱が充足されれば潜在的脅威に対しても十分かどうかということをお聞きしたわけです。同時に私は、防衛方針の大綱はそういった潜在的脅威も認めない——認めないというか、そういうものがないという前提に立った大綱であると、こう理解いたしております。要するに、没脅威論というものを基礎にして、当時の情勢判断から脅威はないのだというそういう認識のもとに策定されたものだ、こう認識しておりますが、私がそう考えますと、これはもうすでにそれが完全に充足されていても、私は、潜在的脅威にすら対応する力はない、こう判断しますが、いかがでしょう。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 「防衛計画の大綱」ができましたその次の年の昭和五十二年の防衛白書におきまして、「防衛の本質は、古今東西を問わず、外部からの脅威に対し備えることにある。その意味において、脅威を無視した防衛は考えられない。」と述べておりますように、脅威を無視しているわけではございません。わが国周辺における侵略し得る軍事能力、すなわち潜在的脅威を念頭に置いて、わが国が保有すべき防衛力の機能なり態勢等を考えているものと私ども考えている次第でございます。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一)委員 私が調べたところによりますと、防衛計画の大綱ができましたそのときに出されました防衛庁のこの資料、これは「防衛アンテナ」十一月号ですけれども、その中に防衛庁の長官の談話として、「特定の脅威に対抗するというよりも、国家間の地域的な安定均衡を前提として、平時における警戒態勢を重視する」、こう防衛大綱の中身を説明されておるわけですね。そして、さらに「防衛計画の大綱について」防衛局防衛課の資料は、「何らか特定の脅威に対抗することを基調とするのではなく」と、はっきりここでは「脅威に対抗することを基調とするのではなく」、こう否定しておりますね。そして、さらに五、六行後に、「脅威対抗の考え方から脱却し、防衛力の規模を主体的に導き出し」云々と、こうあるわけです。さらに、いま長官は五十二年度の防衛白書をおっしゃいましたけれども、五十二年度の防衛白書に、基盤的防衛力の性格として、特定の差し迫った侵略の脅威に対抗するというよりも、全体として均衡のとれたすきのないものであることが必要である、このような防衛力として必要な性格は次のようなものである、こう書いてありまして、各種の防衛機能が欠落なぐ整っているとと、私はこれがこの防衛大綱の基本的な考え方じゃないか、こう理解しておるわけです。  私はそういうことを見ますと、この防衛大綱はあくまでもこれは没脅威論というものを基礎にしてつくり上げたものである、そうなると、いま長官も潜在的脅威というものはこれは認めざるを得ないのだ、私は潜在的というものはもうすでに脅威がある、そう認識されているものと思いますけれども、一体それでは、この防衛大綱が完全に充足されても、対応ができるのかどうか、これが私は、いまの日本の防衛方針として、これだけ脅威が高まってきている中で大丈夫かなという国民の心配はその辺にあるのではないか、ですからそういうことをもっとわかりやすく国民に、そうではないのだと言えるならはっきりと大丈夫だという、その責任のあるところではっきりと国民に安心のいくような答弁をしてもらいたい、説明をしてもらいたい、こう思うわけです。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 最近のわが国周辺の国際情勢は、大綱策定当時に比べまして厳しくなっていることは事実でございますが、大綱策定当時の大前提であります国際関係の認識につきまして基本的に変化が生じているとは私ども考えておらないわけでございます。それだけに、私どもといたしましては、「防衛計画の大綱」に定める防衛力の水準をなるべく速やかに達成することが現下の急務である、こういうふうに受けとめている次第でございます。遠い将来のことになりますと、そのときの時点でまたいろいろ判断しなければならないことが起こり得ると思うのでございますが、現在の時点におきましてはさように考えている次第でございます。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一)委員 前提になっている国際情勢は基本的に変わってない、こういうような御答弁でございましたが、私は、長官が予算委員会で、デタントは当時の状態からいってずっと後退している、こういう認識をお答えになっていることを記憶しておりますが、同時に、日米安保条約というものを基軸にしてこれは考えられている、こう思います。ところが、その一方のアメリカの力関係というものが、相手が強くなることによって相対的に、アメリカ自身が下がったというのではないですが、相対的に低下しているというこの現状はお認めにならざるを得ないだろうと思うのです。そうして、さらにいまのようなこういう国際情勢の中でアメリカの戦略も、いままでと違って、第七艦隊を極東に張りつけていた、それが時と場合によってはスイングしなければならないという、この一番基調が変わっている、そういうときに、まだその前提になる国際情勢が変わらないとおっしゃっているのはちょっとおかしいのではないか、私はそう思いますけれども……。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 米ソの軍事力の比較の問題につきましてはいろいろな見方があるわけでございますが、総体として私ども、まだアメリカが優位を占めているというふうには考えているのでございますが、最近のソ連側のスピードがこれ以上続きますと、あるいはそういった点が変わってくるかもしれない、また、それならばこそ、この二、三年来アメリカなり西側諸国が協調して対応する努力をする、そういったような状態ではないかと考えているわけでございます。  そこで、いわゆる米ソ間のデタント関係が崩れ去ったとか、そういった判断をするのは尚早ではないか、米ソ両国を初め関係諸国の間でそういった最悪の事態を防ぐための努力もなされているわけでございますので、そういった意味におきまして、大前提の基本が大きく変わっているとは考えられないわけでございます。  ただ、御指摘のように、特にアフガンの問題発生以降、米ソ間の信頼関係が薄らいできている、そういう意味では緊張状態が高まっていることも事実でございますし、そういった動きにつきましても注意深く見守っていかなければならない、さように考えている次第でございます。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一)委員 私は、率直に申し上げまして、長官の御答弁の中で、非常におっしゃりにくいような表現でございましたけれども、情勢が変化している、そしてまた近い将来にそういった防衛大綱が十分であると言い切れない時代が来る、そういうようなニュアンスの御答弁だったと思います。私はもう率直に、そういう気持ちがうちにあって、ただ表現で出てこないというだけなら、この際こういった没脅威論を根底にしている防衛大綱にしがみついていないで、もうこれは見直しの時期に来ているのだ、いますぐどうのこうのではないが、もう見直さなければいけないのだ、その認識ぐらいは持っているのだということを国民の前におっしゃっていただいてもいいのではないか、そう思います。どうでしょうか。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 繰り返して恐縮でございますが、防衛計画の大綱の中には没脅威論という言葉はないわけでございます。  そこで、潜在的脅威ということに対してどう対処するかということになるわけでございますが、それは、私は現在進めている防衛計画の大綱を速やかに達成することにあると考えているわけでございます。将来のことにつきましては、いろいろまた情勢の変化等もございますので、考え直す必要が生ずるかもしれないということを私は申し上げておるわけでございまして、現在の時点では、その点は何とも申し上げがたい点でございます。国民の防衛という大切なお仕事を預っている私といたしましては、現在の防衛大綱の範囲内でわが国の防衛力の充実に全力を挙げて取り組みたいと考えている次第でございます。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一)委員 それでは、一つお伺いいたします。  私は、長官がおっしゃるように、将来が近い時期であってほしい、そうでないとこれは国民が安心しない、こういうふうに感じます。  いま一つ、これは、従来は、われわれは奇襲を受けるというようなことはないのだ、そういう国会答弁が繰り返されていたようでございますが、先般、奇襲もあり得る、こういう御答弁がございました。私は、その点をもう一回確認しておきたいと思います。  いろいろな武力紛争というものはいずれも奇襲で行われる。これは戦史がはっきり証明しているわけでございまして、そういうことを考えて、わが国にもやはり奇襲を受ける心配がある、これは間違いございませんね。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 防衛計画大綱におきましては「限定的かつ小規模な侵略」ということを想定しているのでございます。これは奇襲的攻撃になる場合も考えられるわけでございますが、それが発生する可能性があることは認めているわけでございます。したがいまして、防衛庁といたしましては、即応態勢の整備等の施策を推進する必要があると考えているところでございます。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一)委員 奇襲の可能性がある、そのために整備を進めている、こういうことでございましたが、現状の自衛隊がその奇襲を受けた際に、それではどうやって対応ができるか。これは、いつ幾日、どこそこへ、どのような規模で、どういう方法をもって奇襲をかけますよ、こんな奇襲はないわけでございます。したがって、そういったものが全然予知できない時間や場所や方法によって奇襲を受けたときに、いまの自衛隊法がどうやって発動してそれに対応できるか、その辺を御説明いただきたい。国民は、こういった奇襲に対処するために自衛隊はあるのだと思っていますよ。しかし、そのある自衛隊が自衛隊法によっては出動ができないのだ、することができても奇襲に対応するような出動にならないのだ、間に合わないのだ、そんなもので大丈夫なのかという心配をいましているのです。その点についてひとつ……。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 防衛局長に答弁いたさせます。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 先ほど長官もお答えいたしましたように、いまの「防衛計画の大綱」にしましても、「限定的かつ小規模な侵略」に対して独力で排除する、それより大規模なものにつきましては日米安保体制で対処する、こういうたてまえになっていることを申し上げましたが、その考え方は、奇襲をかけようとする側が大がかりな準備なしに奇襲的に攻撃し得る範囲というものに対しては、わが方は独力で排除する、したがいまして、そういう可能性はあるということを認めた上での考え方でございますけれども、一方私どもは、かねてからお願いいたしておりますように、奇襲を受けないための態勢を高めていく、いわゆる情報収集能力でありますとか、通信の手段の向上でありますとか、そういうようなことを高めていくということがいま一番大事じゃないかと思って、着々とやっておるわけでございます。たとえばE2Cの導入にしましても、防衛マイクロ回線の設置にしましてもそうであります。一方また、奇襲を受けた場合に、それに直ちに即応し得る態勢、いわゆる有事即応態勢もいま私ども着々とやっておる。たとえば要撃機にミサイルを搭載いたしますとか、自衛艦に魚雷を搭載いたしますとかというようなことも含めて、有事即応の態勢を整えております。一方、にもかかわらず奇襲を受けた場合に対してどうするかという、いま先生が御指摘になりました防衛出動命令がおりてこないという間どうするかということにつきまして、法制的な面を含めて、いまその面につきましては検討中という段階でございます。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一)委員 私は冒頭、国民の防衛意識が非常に高まってきておると申し上げました。そういうところがやはり国民にとっては不安なんですね。いま整備中であるとか、それを大丈夫なように努力するとかいうのでなしに、奇襲なんというものはさっき申し上げたようにいつあるかわからぬ。地震が来るのと同じで、なかなか想定がむずかしい。それで、何かいま局長の答弁では、情報収集をやれば奇襲を防げそうなお話もございましたが、私はそんな奇襲はないと思いますね。また、その奇襲をあらかじめ察知できるような、それだけの能力がいまあるかどうか、これもいまの防衛体制の中でずいぶん疑問じゃないかと思うのです。  もう時間がないので、どうも聞きたいことは山のようにあって十分じゃございませんが、私はそういう意味で、基本的には実態を国民の前にもっと説明をしてほしい。私は、わが国の国民はそういう実態がいろいろなかっこうでまだよくわかっていないから、漠然とした不安をいま非常に強めている。こういう脅威や、こういう場合は困るのだというような実態がはっきりすれば、それに対して賢明な選択と判断をする、こう思っておるのです。それにもかかわらず、そういうものは余り知らせないで、ただ防衛費を増額しなければならぬというような頭越しの方針を出されると、これは国民としては絶対合意できない。この点が私は一番大事じゃないか、こう思っております。したがって、これからは、そういう意味での実態を私は国民と一緒になってどうしようかという姿勢で訴えてもらいたい。  長官、もう一つ。  総理大臣の施政方針、これはもう当然でございます。あるいは外務大臣あるいは経済閣僚も日本の指針を示される。同じように、これからは長官が国民の前に、この日本の防衛に対しては、いま現状はこうだ、そしてこういう方針で行くのだというような、そういう報告というか姿勢を明らかにすべく積極的に、ひとつ進んで発言をしていただきたい。われわれが質問したら答えるのだ、それもなるべくつじつまが合う答えをしておけばいいのだというようなのではなく、もっと積極的に、この高まっている国民の防衛意識に対して答えになるような、そういう姿勢でこれから臨んでいただきたい、私はこう思っております。  もうそろそろ時間ですが、最後にもう一つ。  ナヒーモフ号というのがございますが、あれは例の日露戦争の戦利品だ、こう私は考えております。こういう問題、これは外務省の方にも後で伺おうと思っておりますけれども、長官自身としてはああいうものに対してどういうふうにお考えになっておられるのか。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 お答え申し上げます。  まず、先生の最初に御指摘がございました、国民に対する防衛に関する正確な理解と認識を深めることにつきましては、私といたしましても今後とも一暦努力してまいりたいと思います。毎年毎年防衛白書等を通じてやっておるところでございますが、まだまだ不十分な点がありはしないかと反省いたしておる次第でございます。また、国会に対して私どもの考え方の御説明をあらゆる機会を通じて申し上げたいと考えておりますので、どうぞよろしく御指導、御鞭撻を賜りたいと思う次第でございます。  最後にナヒーモフ号の点でございますが、確かに三十七、八年戦役の際に起こった問題でございまして、七十年以上経過している問題でございます。取り扱いにつきましては外務省が検討いたしているところでございますが、防衛研修所におきましても戦史の資料室において若干の資料がございますので、そういった点では御協力を申し上げておるところでございます。  以上、申し上げました。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一)委員 私は、防衛庁の長官として、あれは完全に戦利品でありわが国の財産である、こういうはっきりした認識が欲しかったわけです。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 その点は専門のところで検討されておりますので、私どもとしてはまだその判断を申し上げる時期ではございません。

堂ノ脇光朗外務大臣官房審議官

○堂ノ脇説明員 外務省としても、先生の御指摘の問題につきましては目下鋭意検討中でございまして、事実関係の調査を行いまして、また国際法上の観点も含めてなるべく早急に結論を出すように目下鋭意努力中でございます。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一)委員 私は戦史を拝見いたしました。はっきりと、あの五月二十八日の朝六時ごろ、わが国の佐渡丸がこれを発見して、そしてこのナヒーモフに対して釜屋佐渡丸艦長は海軍大尉犬塚助次郎に命じて軍艦旗を掲げさせているのですよ。ここではっきりと、この軍艦ナヒーモフは日本の軍艦に拿捕されて軍艦旗を掲げたという事実があるのですから、これは明らかに日本の財産だ、私はこう判断しておるわけです。外務省もその点に立って、ソ連から何か言ってきたようですが、はっきりした回答をすべきだ、こう私は考えております。

堂ノ脇光朗外務大臣官房審議官

○堂ノ脇説明員 ただいま先生の御指摘なされました資料につきましても防衛庁から提供を受けまして検討中でございまして、なるべく早急に政府としての結論を出しまして、この問題についてソ連側にも回答するということにいたしたいと考えております。

國場幸昌自由民主党

○國場委員長 辻第一君。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 私は、富士見病院の問題について質問をいたします。  この問題は医療の分野で起こった深刻にして重大な事件であります。単なる診療ミスだあるいは誤診だ、薬づけ、検査づけ医療だというような問題ではなしに、患者の信頼を裏切って、患者の不安につけ込んで医師でない者が診療行為を行う、そして手術の必要でない子宮だとか卵巣だとかの臓器にメスを入れて取り去る、そしてこれで利潤の追求を図る、このようなことが長期にわたって行われてきた、このようなきわめて重大な事件であったと思います。去る九日の予算委員会で厚生大臣は犯罪以上の犯罪などと言われているようでありますが、私も現地に調査に参りまして、被害者からその実態を聞いてまいりました。その実態や被害者の深刻な悩みあるいは苦痛、そして怒り、あるいはまた所沢医師会の人々から、医療に携わる者としては当然、人道上も許すことのできない問題だ、このようなことを聞いてまいったわけでありますが、私自身、恐るべき事件、本当に許すことのできない事件としての認識を深めてまいったわけでございます。その私の会った被害者の一人の二十八歳の御婦人の話を皆さん方にお伝え申します。  この方は、もう三人の子供さんがあるわけでありますけれども、腰が痛いとかあるいは性器の不正な出血ということでもって富士見病院を訪れたわけであります。診察を受けるとすぐME診断、超音波断層装置でもって北野から診断を受けた。そしてそのME診断を受けるやいなや、理事長室で、もうあなたはすぐ手術をしなければ大変だ、このままほっておけば六カ月で死んでしまう、このようなことを言われたというわけであります。しかし彼女は納得できないので他の医者を訪れたわけでありますが、そこのところでは異状がない、こういうふうに言われた。ところが、ここのところが不思議というとなになんですが、ほかのところでどうもないと言われたけれども、あのMEというすばらしい装置で診てもらって、死ぬようなと言われたのがどうしても忘れられなくて、再び富士見病院へ参りました。そこで手術を受けて子宮と卵巣の摘出を受けた、こういうことであります。そしてこの卵巣と子宮を摘出した後は、頭が痛いとか、むかつくとか、目まいがするとか、それから手足が冷たいというような症状がずっと続くわけであります。それで富士見病院へ参りますと、一回に二千円から一万円の注射を打たれる。さらには肝臓が悪いというふうなことを言われて、これまたほかの病院で調べてもらったら異状なしと言われたということでありますが、現在も大変な苦痛に悩まされておられるわけであります。しかも、経済的にも大変苦しい状態に追い込まれておられる、こういうことでありました。涙ながらに、このような違法行為を行う医療機関はすぐさま閉鎖をしてほしい、また医師はもう医療行為をできないようにしてほしい、こういうこと、さらに救済を強く望んでおられたということであります。  このような状態、私は、厚生大臣が犯罪以上の犯罪だと言われたということも含めて、厳正な処分、たとえば医療法の第二十九条ですか、これに基づく病院閉鎖の処置をとられるべきではないかというふうに思うわけであります。  この九日の予算委員会で厚生大臣は、病院の閉鎖命令は医療法の二十九条でできるけれども、病院の理事長の犯罪はわかったとしても、いわゆる院長の犯罪がまだ明確でない。いわゆる病院ぐるみの犯罪ということがはっきりしない以上、病院閉鎖ができないと考える。いま捜査が微妙な段階であるので、もう少し待って、はっきりすれば埼玉県衛生部と相談をする、このような意味のことをおっしゃったようでありますけれども、それからもう約六日もたっているわけであります。厚生大臣としては、この病院閉鎖を含めての厳正な処置をどのようにお考えになっておるのか、お尋ねをいたします。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 富士見病院の問題は御指摘のとおりでありまして、単なる医療の問題とかあるいは医師法違反とかいう問題でなくて、一つの事件であると私はっきり考えております。  辻委員は医療に従事された経験がありますので、少なくとも正当な医師なら考えも及ばないような犯罪を犯しておる、このように私も想像いたしております。これに対する処分は、私の持っておる最大限の力で厳正に処分する決意をしておりますものの、一つには取り調べ中でございまするから、この経緯を見る必要もあります。もう一つは、病院あるいは法人、こういうものの取り消しということと被害者と病院との補償問題の関係もありますので、その点を慎重に見ておるわけであります。決してなまぬるく見過しておるわけではございません。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 院長の責任もきわめて重大でありまして、病院ぐるみであるということはいろいろと言うまでもないという状況だというふうに思うわけでございます。そして、この北野千賀子院長を初めとする医師に対して免許の取り消し、このようなことも被害者の方は強く望んでいらっしゃる。私もそれが適切ではないかというふうに思うわけでありますが、その点についてどのようにお考えなのか、お答えをいただきたいと思います。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 私も御意見のように考え、判断をいたしております。しかしながら、法の適用というものは取り調べの結果によって的確に具体的に理由を挙げてやるべき必要があると考えます。また、早目にこれを処分しますと、後の補償問題にも患者の方に有利には響かない、こういう考え方もあるわけでございます。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 厳正な御処置を重ねて望んでおきます。  次に、被害者の精神的、肉体的、経済的な苦痛というのははかり知れないものがあるわけでございます。私は、厚生行政の最高責任者としての厚生大臣が現地を訪れていただいて、この被害者の生々しい声に耳を傾けていただく、そして救済を含めたしかるべき処置を厳正に迅速に行っていただきたい、このように思うわけでございますが、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 御意見は十分承りました。なるべく早い時期に患者の方ともお会いする機会をつくりたいと考えております。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 私が調査をいたしましたところでは、昭和五十三年の九月から五十四年の二月にかけて五件の情報が保健所へ寄せられたということであります。また、同じころ所沢市役所の市民相談室に四件の相談がありました。それも保健所の方へ連絡をされておるということであります。これらの苦情の中には、もちろん料金が高いという問題もありますけれども、北野早苗がME装置を使っていたという事実、また他の病院で異状がなかったと言われたのを手術をされたなど、切るべきでないものにメスを入れて切り取った、こういうこともその中に述べられているということであります。非常に重大な、深刻な内容が情報として保健所に届けられたというふうに思うわけであります。こんなことはめったにないことだ、異例中の異例だ、異常な大変な事態だと私は思うわけでありますけれども、保健所、厚生行政としては、この異例な事態について当時どのような認識をされ、当時どのような措置をとられたのか、お尋ねをいたします。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 御指摘のようなことは私も事件が起きてから耳に入っておりまするし、かつまた、保健所それから県等に対する一部の訴えとか患者の意見があったわけであります。それに対して厚生省としては、法に決められた監査をやり、かつまた、いま逮捕されております北野を呼んで注意するなどということは一応やっておりますが、私がその詳細を検討すると、そこまでいきながら今度の事件がわからなかったのかという非常な深い反省をいたしております。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 厚生行政は、少なくとも今度警察が北野を逮捕した以後には立入検査をやっているわけであります。その後、医師法違反、保助看婦法違反の疑いがあるとして、そのことがはっきりすればさらに厳しい処置もあり得る、こういうような通達もされているということであります。それなりにいろいろと努力はされたというふうにも思うわけでありますけれども、結果的に見ますと、情報が入ってから約二年間放置をされたということでございます。もし警察がこの九月の十日でございますか、北野を逮捕したあのこと以後にやられた措置でもとられていたならば、ある程度被害は食いとめられたのではないか、その他いろいろなとるべき方法があったのではなかったかというふうに思うわけでございます。今日の事態、約二年もかかり、その間にもかなりたくさんの被害者が出ているはずであります。この事態を防止するためにどのような措置をとるべきであったのか、いまどのようにお考えになっているのか、お答えをいただきたいと思います。

田中明夫厚生省医務局長

○田中(明)政府委員 先ほど大臣からお答え申し上げましたように、保健所の方にいろいろ情報が寄せられ、それに対しまして理事長を呼んで注意するとか、あるいは防衛医大に相談するとか、いろいろやったわけでございますが、残念ながら犯罪と申しますか、こういう大きな事件を正確にキャッチすることができなかったわけでございます。われわれといたしましては、立ち入りの調査権というようなもので制約もございますが、こういう大事件を機縁といたしまして、今後こういうことが二度と起こらないように、現在の制度の改正ということも含めまして、大臣の命によりましてただいま厚生省の中に検討委員会をつくって検討しておるところでございます。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 私のもう一言言わしていただきたい点は、一般的な監査とか監視だとかいうことを強化するということでなしに、こういうふうに異常な事態、一刻もゆるがせにできないような問題をどう機敏に処置をするかということは、きわめて重大な問題だというふうに思うわけであります。  重ねて申すようですけれども、あの情報というものは、何件も重なって入った情報というのは普通のことではない、世間一般のことではない非常な問題である。そのようなときに十分な認識と対処をされるように重ねて要望するものであります。  最後に、このような情報をキャッチしながら有効な措置を約二年間もとることができずに新しい被害を拡大をしていった、このような責任は、厚生省として御指導が十分でなかったというふうに言って言い過ぎではないというふうに思うわけでありますが、今後とも徹底的な分析をなさって、今後このようなことがないように努力をしていただきたいということと同時に、私は被害者や国民に陳謝をされるべきではないかというふうに思うわけですが、この点ではどうでしょうか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 今後このような恐ろしい事件が起きないように、まず当面やるべきこと、長期にやるべきこと、二つに区分して、厚生省内でプロジェクトチームをつくって具体的に検討さしております。  また、大臣としても、国民から与えられた権力を最大限に発揮をして厳正にこれに臨むつもりでございます。かつまた、この連鎖反応が起こることを極度に恐れているわけでありまして、このような異常な例が起こるとは考えられませんけれども、しかし、病院の中ではいろいろ投書やその他もございますし、営利のために医療が逸脱をしている点がなきにしもあらずと心配をしておりますので、こういう問題についても厳正に摘発をし、監査をするつもりでございます。このような事件を引き起こしましたことについて、厚生大臣として国民の方や患者の方に深く遺憾の意を表し、おわびをいたします。今後このようなことがないようにしておわびをしたいと考えております。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 次に、国家公安委員長にお尋ねをいたします。  まず、今度の事件はいつ、どういうことを端緒にして内偵に入られたのかお尋ねをいたします。

石破二朗自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長

○石破国務大臣 お答えいたします。  一昨年の暮れごろ北野何がしが理事長を務めております富士見病院の件につきまして警察が聞き及んだところがあり、それを端緒として自来取り調べておるものでありますが、具体的には警察庁の政府委員からお答えを申し上げます。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○谷口(守)政府委員 お答え申し上げます。  埼玉県警察では、一昨年の暮れごろでございますけれども、問題になっております富士見病院の乱診ぶりにつきましていろいろな風評を聞き込んだわけでございます。そこで慎重に内偵に入ったわけでございますけれども、何分、病院内部の出来事だというようなこともありまして内偵期間が相当かかったわけでございますけれども、先生御指摘のように、去る九月十日、理事長北野を医師法等違反で逮捕し、現在捜査中でございます。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 ところが、五十三年の暮れと申しますと、それから約二年間かかっているわけであります。さきにも厚生大臣が犯罪以上の犯罪というふうに言っていられる一刻もゆるがせにできない大変な事件を、二年間も捜査を続けておられるということは、私は納得ができないということであります。しかもその間に相当の被害者が出ているわけであります。このようなことが、やはり内偵に入られた時期からもっと速やかに捜査が行われるべきであったというふうに思うわけでありますが、公安委員長としてどのように責任を感じていらっしゃるのか、お答えをいただきたいと思います。

石破二朗自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長

○石破国務大臣 どうも私の常識からいたしますと解せぬと思います。所沢、人口二十万を超えますか、その程度、なるほど新興都市でありますから、市内でどういう人間がどういう行為をしておるか、昔からある町に比べますとなかなかわからぬ点もあろうと思いますけれども、あれだけの病院の理事長というような地位の者について、所沢市内あたりでも相当の関心をみんなが払うだろうと思うのです。しかもああいう新しい機械を備えつける、そこで診察を受ける、ほかの病院に行けば何ともないと言われたというようなことがあります以上は、どうして一昨年の暮れから捜査をしてつかむことができなかったのか、ちょっと私も理解いたしかねますけれども、現地の事情をよく承知いたしませんので、その辺の事情、警察庁の方からお聞き取りいただきたいと思います。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○谷口(守)政府委員 お答え申し上げます。  現在捜査中の事案でございますので詳細ちょっと申し上げられないわけでございますけれども、先生も御案内のとおり病院内の問題につきましては、やはりいろいろな観点から事情を聞き、それを確認しなければならないということが一つ。それから、北野という病院の理事長、最高責任者だと思うのでございますけれども、それに関与した事案である。さらにまた、多数の関係者がおられるというようなことで、なかなか事実関係の確認というか、把握に相当時間がかかった。さらに法律的な問題といたしまして、そういう事実に基づいて今度は何法違反になるか、どういう罰則が適用されるかという凝律判断の問題等もあったわけでございます。そういうようなことで、結果的にはその風評を聞き込んでから北野を逮補するまでに若干期間を要したわけでございますけれども、現在鋭意捜査をしておるということでございます。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 さきに石破公安委員長が、この問題は解せぬ、こういうふうな表現で言われたと思いますけれども、本当にこのような重大な事件を二年間もかからないと事に踏み切れないということは、責任はきわめて重大であると思うわけであります。  それから、いまその延びた原因についておっしゃったわけでありますけれども、そのようにおっしゃられるが、私は実際には捜査の中断があったのではないかと思うわけでありますが、その点はどうでしょうか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○谷口(守)政府委員 お答えいたします。  一昨年の暮れから捜査は継続し、粘り強く行われておるということでございます。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 一貫して継続され、粘り強く行われたということでありますけれども、私どもが調べたところでは、次のような事実が明らかになっております。  それは、所沢の保健所長小島哲雄氏は去る九月二十日共産党の県議団、九月二十二日には社会党の県議団、さらに毎日新聞に対し証言をされておるわけであります。それは、所沢警察署長が五十四年二月十四日に捜査を打ち切ったと言われた、このように言っているわけであります。さらに九月三十日には県議会で県警本部長がこの証言の内容について否定をされております。しかし、再度小島保健所長に確かめたところ、五十四年二月十四日に、証拠が挙がらないのでこれ以上手が出せない、捜査を打ち切った、このように警察署長から聞いた、こういうことを再度確認をしているわけであります。しかも、この証言はメモを持っている、それに基づくものだ、こういうふうに言われたわけであります。その後、小島所長は十月二日県警本部長の否定の談話が新聞に掲載された後に発言を翻しておられる。それまでのたび重なる証言やメモに基づく証言からして、その真相は、捜査を打ち切った、このようなことを所沢警察署長が保健所長に言った、その内容も捜査を打ち切り中断をしたのではないか、このように私は考えているわけであります。私は、真相を解明して当委員会に報告を出されることを求めるものでございます。  次に、当時の澁谷国家公安委員長が五十四年の一月末、自治大臣室で北野早苗に会って多額の献金を受けておられる事実があります。これは北野に同行した元富士見病院の幹部職員から私も直接聞いたわけでありますが、このようなことでは警察が国民から疑惑を受けるのは当然や、このように私は思うわけであります。  このような事実も含めて、このような一刻もゆるがせにできない事件、問題は二年もかかる、こういうことは許されないと思うのですね。その間に犯罪がどんどん進行する、被害者がどんどんふえるということであります。公安委員長に、再度その責任の重要性ということについて言及をするものでございます。

石破二朗自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長

○石破国務大臣 お答えいたします。  辻委員のただいまの御発言によりまして初めて私承知した事項もありまするし、とりあえず保安部長からお答えさせていただきます。後でまたお答えいたします。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○谷口(守)政府委員 お答え申し上げます。  先生の御指摘になりました事実に関していろいろと報道がなされていることは私も承知しております。しかしながら、先ほど来から申し上げておりますとおり、埼玉県警察におきましては、そういう風評を聞き込んで粘り強い捜査を続けてきたということでございまして、捜査が中断されたというようなことは全くないわけでございます。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 私はやはり中断があったのではないかというふうに考えるわけであります。とにかくこのような事件が二年もかかるということについては、私は厳しく責任を追及して、この問題の質問を終わりたいと思います。  最後に私は国税庁に要望をしたいと思います。  それは被害者の要望の一つでもあるわけですが、被害者は医療費の確定のためにいろいろと努力をしているわけですが、その富士見病院の領収証を医療費控除の書類に添付をして税務署に提出をしております。それで手元にその領収証がなくなっているわけであります。この領収証を被害者が求めた場合には、さきに税務署に提出した領収証のコピーを税務当局は被害者に提供するということを御協力いただきたい、このように思うわけですが、どうでございましょうか。

小幡俊介国税庁直税部長

○小幡政府委員 ただいまお尋ねの件でございますが、医療費控除のために確定申告書に添付をして領収証を提出するということがあるわけでございますが、私どもの事務処理といたしましては、確定申告書に添付されました領収証等につきましては、その領収証を医者の所得調査のための資料というふうなことで申告書から取り外しまして、別途これを資料として活用するために関係の局署に配付をして活用するというふうなことをやっておるわけでございます。したがいまして、ただいまお尋ねいただきました関係の方々の領収証というものが確定申告書に添付されて出ているのだと思いますが、現在、関係の局署のどこのところにあるかというふうなことはつまびらかでございませんし、また税務調査でそれを活用し解明をした後においてその領収証等も処分されてしまうというふうなことも実務上ございますので、現在お話ございましたものが全部あるかどうかということもわからないわけでございますが、いずれにいたしましても、納税者からのお申し出がございますれば、私どもといたしましては、その領収証の所在を追跡をいたしまして、領収証のありますものにつきましては、お申し出されました御本人であるということを確認いたした上で可能な限り速やかにコピーをお渡しするように関係の同署に指示をいたしたい、かように思っております。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 以上で終わります。

國場幸昌自由民主党

○國場委員長 小杉隆君。

小杉隆新自由クラブ

○小杉委員 私は、新自由クラブを代表して、国連大学について質問をいたします。  本会議で私どもの河野前代表からも質問をいたしましたので、さらに掘り下げたいと思います。持ち時間が大変短いので、私も端的に質問をしていきますので、できる限り簡略に、かつ率直にお答えをいただきたいと思います。  国連大学は五年前に鳴り物入りで政府が誘致を決定したわけでありますが、その後、国連大学の経過を見ておりますと、どうも余りはかばかしくないというふうに考えられるわけですが、誘致をした際の条件、幾つかあったと思いますが、それらをお答えいただきたいのと、その約束の時期というのは大体いつまでなのか、まずお答えいただきたいと思います。

小宅庸夫外務大臣官房外務参事官

○小宅説明員 お答えいたします。  わが国が国連大学を誘致いたしました際には、国際的に三つの約束をしております。そのときには、第一に、国連大学の基金に対して一億ドルの拠出を行う、これは他国も拠出をするということを条件に。それから第二に、大学本部施設、暫定的、恒久的両方ですが、それを無償で提供する。それから第三に、将来国連大学が直轄の研究研修センターを必要とする場合には、わが国もこれに協力する。具体的には、施設費は負担し、運営費も半分ないし三分の二提供しよう、こういうことでございます。  それで、これにつきましては、特に一番最初の、大学本部の基金に拠出するという約束につきましては、当時は五年間でやりますということを約束しておりました。それから他方、研究研修センター及び大学の恒久本部の話につきましては、これは第一義的には国際機関である国連大学の方で決定すべき問題であると思いますが、現在のところ、まだ本件は具体化しておりません。

小杉隆新自由クラブ

○小杉委員 いま三つの約束を述べられたのですが、その約束の中にある本部の土地建物の提供というのはどうなっているのか、いつごろ実現をするのか、その見通しを伺いたいと思います。

菱村幸彦文部省学術国際局企画連絡課長

○菱村説明員 お答えいたします。  国連大学の本部施設につきましては、国際連合大学の本部に関します国際連合と日本国との間の協定がございまして、その協定に基づきまして、まず暫定的な本部施設といたしまして、東京の渋谷にございます東邦生命ビルの二十八階、二十九階のフロアを借り上げて、必要な設備、備品とともに無償で大学の用に供しております。なお、最近国連大学の職員がふえてまいりまして、このフロアが狭くなっておりますので、借り増しをしようということで、来年度の予算要求にそれを出しております。  また、恒久的な本部施設を首都圏内の適地に確保する、整備するという約束になっておりますが、この件につきましては、従来から国連大学とも協議しつつ検討を進めてまいっております。しかしながら、現在までのところ、残念ながら双方が適当な場所というのがなかなか見つからなくて、まだ具体化しておりません。私どもとしては、この約束を早急に実現すべく今後とも努力してまいりたいと思いますが、さしあたりまして来年度の予算要求におきまして、本部施設建設のための準備調査費を要求いたしております。これは、国連大学自体が現在のところ、その将来計画をどうするかというマスタープランが実は完全なものがございません。新学長のもとでこれから中期計画を定めようといたしておりますので、それとの関連づけも図りまして鋭意努力を進めてまいりたい、かように考えております。

小杉隆新自由クラブ

○小杉委員 第二の約束事項ですが、国連大学の核となる直轄の研究機関はどの程度検討されているのか、その開設の見通しについてもお答えいただきたい。

菱村幸彦文部省学術国際局企画連絡課長

○菱村説明員 国連大学は現在のところ本部がございまして、それが世界的に提携機関を設定しまして、ネットワークを構成して研究を進めているわけでございますが、国連大学の直属の研究研修センターを設けることになっております。しかし、これをどのように設けていくかということは、国連大学のいわば長期的な構想に基づきまして、その研究研修の必要性、それから特に財政面の問題がございますので、そういう点を十分検討して、国連大学が自主的に判断すべき問題であろうというふうに考えております。現在のところ国連大学側といたしましては、大学財政上の問題もございます、機構的な制約の問題もございますので、直ちに直属の研究研修センターを設ける考えはないというふうに私どもは聞いております。  しかしながら、国連大学側からこの直属の研究研修センターを設けたいということになりましたならば、これはお約束でございますし、私どもとしてはその実現のために可能な限りの努力をしてまいりたいというふうに考えております。

小杉隆新自由クラブ

○小杉委員 それから約束の第三ですが、一億ドルの拠出つ金について、まだ各国とも拠出の状況がはかばかしくないということですが、日本以外の国々の拠出の状況と、それから日本がまだ九百万ドル未拠出ですが、これはいつごろ実現する見通しか、それらをお答えいただきたいと思います。

小宅庸夫外務大臣官房外務参事官

○小宅説明員 初めに、国連大学基金に対する各国の拠出状況からお答えいたします。  現在までのところ、拠出額は全体で一億八百十六万七千七百三十一ドル、こういう数字になっておりますが、この中で日本が九千万ドル、そのほかの大口拠出国といたしましてはベネズエラの四百万ドル、英国の四百二十六万ドル、その他サウジアラビア、ガーナ、西ドイツ等、合計して三十カ国が拠出の意向を表明しております。しかしながら私どもといたしましては、わが国の拠出に比較いたしましてほかの国の拠出が非常に低いので、今後とも引き続き外国に対して国連大学の拠出を呼びかけていきたいと思っております。  次に、わが国の拠出誓約に対する支払いの問題でございます。  先生御案内のとおり、わが国は一億ドルの拠出を約束したわけでございますが、今日までのところ、支払い額は九千万ドル、で、昭和五十五会計年度の予算で百万ドル組まれておりますので、あとまだ九百万ドルあるわけでございますが、いま申し上げましたような各国の拠出状況にもかんがみ、国連大学というものは国連の一機関、国際機関であるということでもございますので、この辺を踏まえながら、今後わが国の拠出ぶりを決定していきたい、そう考えております。

小杉隆新自由クラブ

○小杉委員 国連大学を誘致した際の三つの約束について一通りお伺いしましたが、いずれもまだまだ不十分でございます。  そこで、一つずつさらにお伺いしたいのですが、まず、本部建物というのが東邦生命ビルという貸しビルで、十分な活動はできないはずであります。  それから第二の直轄の研究機関というものも、国連が自主的に判断をするのだというのですけれども、日本がここで誘致をした以上は、やはり国連をリードしていくぐらいの取り組みが必要ではないか。国連が判断をするのを待つという姿勢ではなくて、もっと積極的に働きかける必要があるのではないか。  さらに、資金の面でも、一億一千万ドルの各国の拠出金のうちで、日本が九千万支出して最大のものでありますけれども、アメリカとか中東諸国というのがまだまだ全然出していない。そういう状態で、これは他国のことだということで傍観していることは許されないと思うのです。ですから、もっとアメリカ等の未拠出国に対して強力に拠出を迫るということが必要だと思うのですが、そういう国連とか、あるいはユネスコというのが大会が開かれましたけれども、そういう場で積極的に国連大学の問題について働きかけたことがあるのかどうか、お伺いしたいと思うのです。

小宅庸夫外務大臣官房外務参事官

○小宅説明員 お答えいたします。  ただいまも私申し上げましたが、わが方としては、各国が国連大学に拠出をふやす、あるいは新たに拠出をするということが必要であると考えております。このための働きかけというものは引き続き行っておるわけでありまして、ごく最近は、ニューヨークでありますがアメリカと国連関係で二国間の話し合いを持ったときに、アメリカ側に対して本件を提起したということもございます。また、産油国のうちでもベネズエラとかサウジアラビアとか、十分だとは思いませんけれども、すでに拠出をしている国もあるわけでございますが、こういう国も含めまして今後とも各国に対しては国連大学への拠出を働きかけていきたいと思っております。この点につきましても、私ども考えておりますことは、何分にも国連大学というものが非常に新しい理想を追ったいわばインターディシプリナリーといいますか、非常に横割りの科学研究を目標とするもので、ネットワークを使って新しい課題を選んで研究していくということでありまして、なかなかこの国連大学の本当の性格が各国にも理解してもらえない。また、アメリカの場合にも、関係している関係当局は国連大学に対する協力の必要ということは考えていると思うのですが、結局、最終的にアメリカの政府として国連に協力する場合に国連大学が高い優先度を従来与えられていない、この点は実際事実でございます。この点も踏まえまして、今後とも引き続きアメリカはもちろんのこと関係国に対して国連大学の協力を働きかけていきたいと思います。しかし、国連大学も国際機関の一つでありますので、当然国連大学の方からも各国に対する働きかけが必要だと考えておりますし、この観点からは、最近人事の交代がありまして新しくインドネシアのスジャトモコという人が大学総長に就任しておりますが、私どもといたしましてはスジャトモコ総長以下国連大学関係者の努力にも一層期待をしたいと思っております。

小杉隆新自由クラブ

○小杉委員 これで終わりますが、ここに外務省の若手の勉強会の資料として安全保障政策企画委員会の資料がありますが、この中では、将来の国連の平和維持活動に対する海外派兵というようなこともほのめかしておりますけれども、たとえばアメリカから防衛負担の増額を要求されているような中で、やはり日本が防衛力とか海外派兵という点で国際協力をするのではなくて、むしろこういう国連大学のような面を通じてもっと国際協力、国際関係の中での日本の役割りというのを果たすべきである、むしろ、アメリカが軍備費の増額を要求するならば、逆に国連大学の拠出をしてないじゃないかということで反論するくらいの強い姿勢を持ってこの国連大学を推進すべきだということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。

國場幸昌自由民主党

○國場委員長 楢崎弥之助君。

楢崎弥之助社会民主連合

○楢崎委員 田中通産大臣がまだお見えでありませんから、田中大臣が見えた段階で防衛問題をちょっと途中中断するかもしれません。  大村長官、先日私は「最近の防衛力増強に関する質問主意書」を提出いたしました。あの答弁書の中には、私が質問しておるのに答えられていない部分があります。おわかりだと思いますが。それで、あの中で特に際立った違いは、いままでは攻撃兵器というものを問題にしてきたのに、壊滅的な打撃を与えるようなそういう兵器というふうに言葉を使われて、そういう兵器は持つのは違憲である。  一つ聞きますが、核兵器保持は違憲ではない——私も決算委員になる前に外務委員をしておりまして、園田外務大臣あるいはそれを継がれた伊東外務大臣から、核兵器は憲法上持てないのだ、違憲であるという答弁は出しているのです。そのことはきょうは時間がないから触れません。私に対する答弁では、核兵器保持は違憲ではないけれども、では、その核兵器の中でも壊滅的な打撃を与える核兵器は違憲と、そういうふうに核兵器を選別しているのですか。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 お尋ねに対しましてお答えいたします。  別に選別しているつもりはございません。

楢崎弥之助社会民主連合

○楢崎委員 そうじゃないでしょう。核兵器は保持は一般的には違憲ではないと言いながら、憲法上持てない攻撃専用兵器の中に私は例示をしているのですけれども、あなた方の思想で言えば、壊滅的打撃を他国に与える兵器はこれは憲法上持てない、核兵器は憲法上持てるということになると、核兵器を選別して違憲の核兵器と違憲でない核兵器とある、こういうことに論理上なるじゃありませんか。自分のところであなた答弁しているのだから、わかって答弁していらっしゃるのでしょう。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 ただいまのお尋ねにつきましては防衛局長に答弁させますから……。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 お答えいたします。  私どもが保持できないのは御承知のように自衛力の限界を超える兵器は持てないということでございまして、それは核兵器であるから持てないとか持てるということではなくて、自衛力の限界を超えるものは持てない、核兵器につきましては別途非核三原則によって持たないのだという政策でございます。

楢崎弥之助社会民主連合

○楢崎委員 それを聞いておるのじゃないのです。あなた方の答弁で聞いておるのです。核兵器は政策上三原則があるから持てないことになっている、それはわかり切っていますよ。そうじゃない。憲法との関係を私は聞いておるのです。だから、核兵器といえども否定していないといまあなたがおっしゃったから、私が言うとおりじゃないですか。核兵器の中でも違憲の核兵器と一般的に持てる核兵器とある、しかし核兵器全般については非核三原則があるから持てないのだ、こういうことでしょう。後半のことは抜かして前半のことを聞いているのですよ。時間がないから……。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 いま御指摘のとおりであります。

楢崎弥之助社会民主連合

○楢崎委員 つまり核兵器の中でも保持違憲のものとそうでないものとある。そうすると、その中であなた方は日本の場合にどういう兵器を想定しているのですか。日本の憲法との関係を言っているのですから、憲法違反でない核兵器というものは日本の防衛上どういうものが考えられるのです。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 もっぱら他国に対して破壊的な効力を及ぼすもの、それは核兵器であろうとなかろうとそうですけれども、したがいまして核兵器についてもそういうようなものは持てない。具体的に言いますと、ICBMなんかはその典型的な例であろうと思います。

楢崎弥之助社会民主連合

○楢崎委員 私は、日本の防衛上持てる核兵器の方を聞いているのです。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 憲法上の話ですけれども、憲法上核兵器でいかなるものが持てるかにつきましては、具体的に検討いたしませんと、一般的には許される自衛力の範囲内という抽象論でしかお答えできませんで、具体的にはそのケースによって判断するより仕方がないのではないかと思っております。

楢崎弥之助社会民主連合

○楢崎委員 だから、そういうケースがありますかと聞いているのです。言いにくいのでしょうが。そういう答弁では通りませんよ。私はそのことでここでやりとりはしませんよ。質問主意書で再答弁を求めます。ミンスククラスの空母だったら、これは憲法上持てるのですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 航空母艦につきましても、わが国の自衛力の保持の許される範囲であるかどうかということになりますと、個々の航空母艦について当たってみないとわからないということになりますけれども、いま御指摘の、たとえばミンスククラスであればどうか、こういうお尋ねでございますけれども、私どもといたしましては、そういった航空母艦を持つ意思がございませんものですから、具体的に検討したことはございません。したがいまして、いまここで、どういうものなら持てるとかいうようなことを検討したことはございませんので、お答えはいたしかねるわけであります。

楢崎弥之助社会民主連合

○楢崎委員 答えられないのでしょう、いま変な答えをしておると将来困るから。いま持つ気持ちがないから具体的に検討していない、そういうことは答弁になりませんよ。先ほどからの質問の流れで、具体例を挙げておるのですから、ミンスク級の空母がどのくらいの攻撃力があるか、どういう任務を持っておるか、わかっているはずですから答えられるでしょう。答えられないということは、わからないから答えられないのじゃなしに、いま変な答弁をしておると先で困るからじゃないのですか。そこまででおいておきましょう。  通産大臣が見えましたから、大村長官、せっかく見えてますから、大臣として答弁してください。二つだけ言いますから。  中期業務が達成されるまでは防衛大綱の見直しはしない、そういう答弁がありました。私はもう一つ質問しているのです。中期業務が達成されたら一体どうするのか、それが一つ。それから、あなたは予算委員会で五六の中業については国防会議の議題とするとおっしゃいましたが、その議題とするという意味は、国防会議の議決を求めるという意味なのか、ただ議論をしてもらうという意味なのか、ただ報告をするということなのか。この二点について。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 中期業務見積もりが達成されましても、現在進めております中期業務ですが、「防衛計画の大綱」の水準はまだ実現しないと思うわけでございます。そこで、中期業務見積もりが達成されましても、すぐ防衛計画大綱を見直すということにはならない、私はさように考えておるわけでございます。  それから、五六中業の作成に当たりましては、何らかの方法で国防会議に議題になるようにするということを、努力しますということをお答えしたわけでございますが、だたいまお尋ねの議題とする仕方につきましては、これから十分検討さしていただきたい、さように考えている次第でございます。

楢崎弥之助社会民主連合

○楢崎委員 では、中期業務計画が達成されても、五十九年まで、一年早めれば五十八年までですけれども、防衛大綱は見直しはしないと、そう答弁されましたね。それはしかと承っておきます。  もう一問だけ。  自衛隊の航空機で非武装の航空機があるかどうか知りませんが、非武装の航空機を邦人救出に持っていくの何のという話が出ている。それは否定されたけれども、一つだけ念のために聞いておきますよ、今後の問題があるから。自衛隊保有の非武装の航空機は武器ですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 お尋ねのように非武装の場合は武器ではございません。

楢崎弥之助社会民主連合

○楢崎委員 あなたは、昭和五十年から五十一年にかけて激しいやりとりを予算委員会でやった。私も当時予算委員であった。冗談じゃないですよ。ヘルメットはどうですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○塩田政府委員 先ほどの航空機でございますけれども、武器製造事業法上は武器でございますが、自衛隊法上は、非武装の場合は武器として扱っていない、こういうふうに訂正させていただきます。

楢崎弥之助社会民主連合

○楢崎委員 異議があります。議事録を読み返してもう一遍答弁してください。ヘルメットも武器なんですよ。ましてや、非武装がどういう状態か知らないが、弾丸だけ積んでないならば非武装なのか、あるいは砲身そのものを全部外さなくちゃ非武装にならないのか、それは議論のあるところですが、いずれにしてもこれは武器ですよ。そのことだけはしかと言うておきますよ。武器である以上は武力の一部を構成する。非武装の飛行機といえども、これを使うことは武力の行使になる。それを私は断定しておきます。この議論はいずれ機会を得てやりたいと思います。  それで、私は非常に重要な問題に触れたいと思うのですけれども、最近イラン・イラクの戦争があって、石油問題が大変です。日本にとっては重要な資源です。これはぜひ入れなくちゃいけない。いろいろ問題があります。そういう意味で、私も国益ということは考えておりますが、しかしそれにも限度がある。最近成立を見ました、共同石油が購入することになりましたサウジ原油、これは、契約の相手はペトロミンですか、こちらは共同石油の大堀社長というのですかね、そうなっていますか。

森山信吾資源エネルギー庁長官

○森山(信)政府委員 共同石油がサウジアラビアから原油の購入の契約をしたことは事実でございますけれども、だれと契約をしたかの相手方につきましては、契約の具体的な中身になりますので、公の席での発表は遠慮さしていただきたいと思います。

楢崎弥之助社会民主連合

○楢崎委員 それだけでも問題があるのですよ。私は、それはきょうは言いません。それだけでも問題がある。なぜ言えないか。問題があるからですよ。それで、サウジは日本の友好国です。サウジから大いに油を入れなくちゃいけない。結局、いままではアラムコから大量に入れていた。ところが、そのアラムコ供給分のうち、日量にして約七、八十万バレル相当のものを独自にDD原油として供給するようになった。それから問題がいろいろ出てくるわけであります。私は共同石油の問題は非常に重要ですから、きょうはここでは取り上げません。  しかし、これにはいろいろととかくのうわさがある。それを暗示するかのような問題が具体的に一つある。衆議院事務局の管理部長お見えでしょうか。何か衆議院の議員宿舎のある議員の部屋にテレックスが持ち込まれて、それが議運で非公式に問題になり、撤去するかどうかというような話が持ち上がっていると言いますが、御報告をいただきたい。

中島隆衆議院管理部長

○中島参事 ただいまのお話の経過につい御説明申し上げます。  本年四月十四日、稲垣実男議員から、同議員が宿舎としておられます赤坂議員宿舎三五三号室に外国との通信の必要上テレックスKDD(ASR一一型テレタイプ)を設置したいという願い出がございました。  事務局といたしましては、このテレックスの設置、使用が議員活動の一端であるならば差し支えありませんし、また当宿舎の維持管理にも特段の支障を及ぼさないという判断をいたしまして、隣接議員室の了解が得られること、あるいはまた、撤去に際しまして原状回復をすることなどを条件といたしまして承認いたした次第でございます。  ところが、今十月初旬、このテレックスの使用につきまして、同宿舎在宿議員の一部から種々御指摘がございましたので、同議員にその旨お伝えしましたところ、同議員から御迷惑をかけることは大変心苦しいということで、去る十月八日使用を取りやめ、また今二十一日ごろには撤去するという申し出がございました。  以上でございます。

楢崎弥之助社会民主連合

○楢崎委員 管理部長はもうよろしゅうございます。御苦労さまでございました。  このテレックスナンバーはJ二五七四二、これは直通の電話につないだのではなしに回線の方に直接つないだやつですから、こういう数字が並ぶ番号になっているわけですね。このテレックスのKDDに対する申請人は稲垣実男議員。このテレックスが何のために置かれて、どういう人たちが使っておるか大変疑問がある。  その事実だけを言ってみますと、もともと稲垣議員は自宅が目白にあるのですね。そして、宿舎が足らないこの時期に赤坂宿舎の三五三号室を確保して、そこにテレックスを置いて、本人は出入りされていない。テレックスは一日じゅうぱっぱっぱっ作動している。それを利用する人は稲垣議員であるのか、あるいはその関係者であるのか。稲垣議員でない人が出入りしている。そして、その三五三隣室の三五四居住の議員のお話によれば、夜中じゅううるさくてしようがないし、どうも商売の話を複数の人たちが夜中もやっている。赤坂宿舎は壁が薄いからもう筒抜けで聞こえる。石油という言葉がどんどん出てくる。これはお隣の議員及びその家族の証言であります。つまり、このテレックスは個人的な商売で使われておる可能性がある。  その商売の内容に触れていきたいと思いますが、本蔵貢及び一柳直章という人たちが稲垣議員の私設秘書と名乗って、そしてテレックスを使いながら原油と石炭の引き合いを盛んに行っておるという事実がある。引き合い量は、油にして大体十万バレルから五十万バレル前後、大変な量です。したがって金額も大きくなる。そのほかに、ユーロダラーとかオイルダラーの融資の話も、油と金の話を一緒に持ち回って歩かれておる。  実例を挙げます。  Aという興産の場合。五十四年五月二十三日——これは私がこの興産に行ってメモをファイルされておるのを見せてもらいました。いまから言うとおりにそのメモがされております。  五十四年五月二十三日、あらかじめ稲垣議員からA興産秘書課に、本蔵が行くからよろしくという電話があった。やがて本蔵氏が会社に来た。その会社の海外部次長と輸入課長が応待をした。本蔵氏はサウジ原油が買えるという話を持ち込んだ。それから二、三度本蔵氏から電話が海外部次長にあったそうです。  さらに二カ月後の七月二十三日、カリフォルニア州サンターナのTという名の、トンガの人のようですが、これは石油ブローカーです、このTという人からこのA興産の海外部次長に突然国際電話があった。そのT氏が言うには、契約書に従って動いております、こう言ってきたという。次長は驚いて、そんな約束はした覚えがない、当社の米国会社がニューヨークにあるから、その会社のロサンゼルス事務所に行って話をしてくれ、こういう返事をして電話を切られた。  そして二日後、七月二十五日、そのT氏がお話しのとおりロサンゼルス事務所にそのA興産の海外部次長のサインと稲垣議員のサインのある契約書を持って訪れている。そして、そのロサンゼルス事務所の方が応待をされた。その署名のうち海外部次長のサインは全く本人のものではない、そう言って否定したそうです、ロサンゼルス事務所は。つまり、にせのサインがしてある、その海外部次長のサイン。にせのサインということを証明するために、こういう企業では商工会議所にサインを登録していますから、この場合は東京本社から、東京商工会議所に登録されている海外部次長のサインを念のために送っております。つまり、いかにもAという興産と稲垣議員の間でサウジ原油の取引ができておるかのごときにせの契約書を持ち回って、それを石油ブローカーの方にいろいろ話を持ちかけておるということが初めてわかった。稲垣議員のサインは本人がしております。  現在、この興産は、この偽造契約書作成、行使の刑事責任問題の処理のために、その権限のすべてをEというその会社のお抱えの法律事務所に委任しておるそうであります。これはアメリカにおける事件とはいえ、明らかに私文書偽造であり、詐欺罪の未遂に匹敵する犯罪性を持った話であると私は思います。たまたまT氏が国際電話を入れてきたからわかった。  今度はBという、これは民族系の石油会社の場合です。ここにも行きました。昨年の十一月二十七日、やはりこの本蔵という人が訪れて、その話の内容を二の会社もメモして、そのとおりファイルされておる。それをそのとおり読んでみます。  これは昨年十一月二十七日です。「別件で本蔵はペトロミンと十万バレルの契約をする予定になっているとのことで、更改のため十二月中旬サウジへ行くことにしているとのこと。国会議員に随行して行き、先方では国王初めヤマニに会う予定だが、OPECカラカス総会出席のための日程調整との絡みで現在日程調整中とのこと。政治家(稲垣代議士)のルートにより、政治的に入手できている原油であることを強調し、量の確保についてはメジャーによりギャランティーされているので問題ない旨先方は主張するが、当社の志向するDDとは路線が違うように思われるため、しばらく様子を見たいと伝えておいた。以上」というのがメモの内容です。  実際の動きはどうかというと、稲垣議員はことしの二月一日から七日間、通常国会中ですから国会の請暇をとって、実際にはそれからさらに一週間延長し二月十五日までかかっておりますけれども、ドッドウエルの社員と一緒にこの本蔵氏を連れて、ロンドン、スイス、サウジ、バーレーン、アメリカ等を回って、アメリカの銀行の名前を盛んに使いながらユーロダラーの話をして歩いているというのであります。  さらに、C石油についても同じような金融の話が持ち込まれている。  それで、私は時間がありませんから多くを言うことはできませんけれども、もともと宿舎には国家公務員宿舎法を準用している。その提供目的は、国の事務及び国の事業の円滑な運営に資することを目的として貸すわけです。こんなことに部屋を使うのはもう提供違反ですね。目的に反する。これはあたりまえのことです。しかし、こういうことが対外的には、あるいは客観的には、日本の国会は議員宿舎を使ってこういう商売をやらしているということになれば、非常に信用供与になる。  私は、本蔵という人あるいは一柳という人と稲垣議員の関係が実際どうあるのかわからない。勝手に私設秘書として名前を使っておるのか。しかし、いずれにしても本人は知っておられるはずだから、何かあれば当然連帯責任が生じてくる。  私は一番問題なのは、これから先をちょっと聞きたいのですよ、田中大臣。こう言っては何ですが、私も国会二十年になるけれども、稲垣さんは三回生議員、実際に四年間にもなっていない。言うなら私と同じように並みの議員ですよ。こういう議員が、このメモによるとそういうことになっているのですが、政府も苦労に苦労を重ねて、がまんをしながら石油を入れているわけですが、一介の政治家にそれほど大量の原油を政治的に入手することができるのでしょうかね。そういう話ができるのですか。私はわからないのです。大臣、どう思われますか。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○田中(六)国務大臣 私も、そういうことができるのかな、いまのところはできないと思っておりますけれども、できるのかなというような疑問を持っております。

楢崎弥之助社会民主連合

○楢崎委員 刑事局長お見えでしょうか。私が報告した限りでは、それが事実であれば、当然これは刑事事件だと思いますが、どういう判断をお持ちでしょうか。

前田宏法務省刑事局長

○前田(宏)政府委員 本日初めて伺うことでございまして、いまるるお話がございましたけれども、なお事実関係が十分把握できませんので、明快なことは申しかねるわけでございます。ただ、ただいまお話のございましたように、たとえば契約書偽造であるということでありますならば、私文書偽造罪というようなことの起こる余地はあり得る、かように考えます。

楢崎弥之助社会民主連合

○楢崎委員 これは何らかの方法でひとつ調査をしていただきたいと思うのです。真相をはっきりしないと、重要問題ですから、日本の信用問題にも発展していく。どうでしょうか、刑事局長。

前田宏法務省刑事局長

○前田(宏)政府委員 先ほども申し上げましたように、事実関係が必ずしも明確でございませんので明快なことは申しかねるわけでございますけれども、一般論といたしまして、犯罪の疑いがある場合に捜査当局がそれなりの措置をとるということは当然のことでございますので、捜査当局の方に本日のことも十分伝えることにいたしたいと思います。

楢崎弥之助社会民主連合

○楢崎委員 官房長官、御苦労さまでした。実は、いま政治家の姿勢というものが問題になっている。本来ならば総理、総裁のお考えをただし、善処をお願いするところですが、そういう意味で官房長官に話を聞いていただいて、ぜひ総理にお伝えいただき、自民党総裁として、これはもう一遍言いますが、今後非常に大きく発展する可能性がありますから、いまのうちに善処されたいと思うのですが、どうでしょうか。

宮澤喜一自由民主党内閣官房長官

○宮澤国務大臣 事実関係が明確に把握できません上に、実は政府のことでございませんので、私のお答えできる範囲のことでないように思いますが、自民党総裁としてというお言葉もございましたので、きょうこういうお尋ねがございましたことは、私から便宜総裁に御報告いたします。

楢崎弥之助社会民主連合

○楢崎委員 時間が参りましたから、最後に要望をしておきます。  田中大臣、御案内のとおり、だんだんメジャールートから外れたDDなりGSなりGG取引が進みますと、非常に国際的に問題が起こるのです。それで、はっきり申しまして、最近のこの種のやり方については、私は善悪はきょうは言いませんが、アメリカや韓国も非常な関心を持ち出していることは事実です。おわかりでしょう。メジャールートによる売買が減るわけですから、関心を持たざるを得ない。それで私は、これは商売ですから、当然いろいろなことがあろうと思う。特に各国とも石油は欲しいのでしょうから、その辺コミッションなりあるいはペイバックなりいろいろあると思う。その辺はなるたけクリーンな取引に近づけるようにひとつ御努力をいただきたい。いまのうちにそういうところに気を配っておかないと、私はこれは国際的に日本の商法について必ずや非常に批判と影響が出てくる、このように思います。これを要望いたしておきます。  なお委員長には、この真相は実にただならぬものを含んでおりますので、われわれとしても看過できません。理事会としても真相究明の方法についてひとつ問題にしていただきたい。重要問題ですから、私も政治生命をかけなければいけませんし、必要ならば関係人を参考人として呼んで真相をただす、これが出てこようと思うのですね。これは理事会でひとつ御検討いただきたいと思います。  なお、防衛庁長官、何か追加の答弁があるそうですが。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 委員長のお許しを得まして追加発言をさせていただきます。  先ほどの私の「防衛計画の大綱」の見直しに関する先生に対する御答弁につきまして、楢崎先生は、五三中業が終了する五十九年になっても大綱の水準に達しないので見直しを行わないというふうに受けとられたようでございますが、私は、五三中業が終了しても大綱の水準に達しないので防衛力整備に努力する必要があるので、現在見直すことは考えていないという趣旨で申し上げたものでございまして、何年までは見直しを行わないと申し上げたつもりではなかったわけでございます。言葉が足りませんでしたので、追加発言をさせていただきます。

楢崎弥之助社会民主連合

○楢崎委員 私の質問は、長官、ちょっと聞いてください、いまでもまだ中業に達してないのだから、その段階で防衛大綱を見直す気はない、それが第一点でしょう。それはわかったのです。だから私の次の質問は、では現在の中期業務全部達成された暁にはどうなるのかということを聞いたのです。そうしたら、見直す考えはないとおっしゃったから、私はあのように言ったのです。  それはどうですか、もう一遍。中期業務が全部達成された暁には見直すのか見直さないのか、それを聞いたのです。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 現在見直す考えはないということは申し上げたとおりでございますが、将来のことにつきましては何とも申し上げられない……。

楢崎弥之助社会民主連合

○楢崎委員 ちょっと待ってください。私は過去のことを言っているのじゃないですよ。中期業務が達成されたらどうするかということを言っているのですよ。将来という、漠然とした将来じゃないのです。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 御承知のとおり、五三中業は五十五年から五十九年という予定でございますので、早期達成に努力はしておるのでございますが、達成されたときどうなるかというお尋ねだとすれば、将来のことについては、ちょっとどちらとも申し上げかねる、そういう次第でございます。

楢崎弥之助社会民主連合

○楢崎委員 ということは、見直しをすることがあり得る、こういうことですね。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○大村国務大臣 見直しをしないかもしれませんし、見直しをすることもあるかもしれません。

楢崎弥之助社会民主連合

○楢崎委員 後の方のことを聞いたのです。ありがとうございました。

國場幸昌自由民主党

○國場委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後三時五十三分散会

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