科学技術委員会 第3号
- 発言数
- 318 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1980/10/23
会議録
○中村委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、日本原子力船開発事業団法の一部を改正する法律案及び八木昇君外五名提出、日本原子力船開発事業団法及び日本原子力研究所法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 両案審査中、必要に応じ、日本原子力船開発事業団役員の出頭を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
○中村委員長 これより質疑に入ります。 内閣総理大臣に対する質疑を行います。 この際、委員各位に申し上げます。 質疑の持ち時間は、これを厳守され、議事進行に御協力くださるようお願いいたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。八木昇君。
○八木委員 原子力に関する事項はすべて、行政責任は総理大臣の直接権限ということになっております。原子力船開発事業団法におきましても、御存じのごとく、主務大臣は総理大臣ということになっております、権限の相当部分を科学技術庁長官に委任することができるとはなっておりますけれども。したがいまして、原子力に関しては総理は関係省庁任せではなく、主要な点については直接指揮すべきであると私は思っておるのであります。そういう意味におきまして、時間もわずかでございますので、総理の所信を明確にお答えいただきたいと思うのでございます。 第一の点は、商業用の実用原子力船の開発は、そんなに緊急性はないものではないかと私は思うのであります。たとえば貨物船あるいは油輸送船などは、航空機などと同様に本来化石燃料でやるべきものでございます、あるいは砕氷船等の特殊の用途のものには使い得るとはしましても。その点の認識をまず伺いたいと思うのです。やはり基礎研究からじっくりと取り組んでいくべきものだ、そういうふうに考えるのでございます。たとえば、すでに軍事用で経験を持っておりますアメリカにおきましてサバンナ号がつくられたわけですけれども、御案内のとおり、十年前からすでに係船されたままでありまして、事実上廃船であります。西ドイツのオット・ハーン号も同様でございますが、両国とも第二船の建造計画はないと聞いておるのでございます。いわゆる商業用の船として原子力を用いるということについては、本来それはなじまないと私は思うのでありますけれども、その開発につきましても、基礎研究からじっくりとやっていけばよろしいと思うのですが、その点の認識についてお伺いいたしたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 八木さんにお答えいたします。 御承知のように、日本はエネルギーにつきましては非常に恵まれない国でございます。現在エネルギーの中心になっております石油につきましては、大部分を外国から輸入しておる。その石油事情というのが、いまのように非常に厳しい状況下にございます。したがって、代替エネルギーの開発、とりわけ原子力の安全性を確保しながらこの研究開発を進めていく。いまの船舶の推進力としても、私は、日本の置かれておる立場、将来を考えました場合には、やはりこの問題に対しても真剣に取り組んでいく必要がある、このように考えておるわけでございます。基礎研究も大事でございますし、それを活用して、推進力としてこれをやる。その場合におきましては、私どもは、あくまで原子力基本法の精神にのっとりまして、平和利用という、そういう前提の上に立ってこの研究を進めていきたい、こう考えております。
○八木委員 アメリカ等におきまして第二船の開発計画等が一切ないということについて、その事情を聞きますると、第一に、商業用に原子力の推進力を用いてやるということについては、膨大なるコストとなるということであります。それはもう多く説明を申し上げるまでもなく莫大なコスト高になる。しかもそれだけではなくて、やはり本来なじまないということがあると思うのであります。しかるにわが国においては、事の成り行き上、やはりメンツと経過にとらわれてであろうと思うのですが、やいのやいのといま原子力船「むつ」の推進をやろうとしておることについてはいかがかと考えるのですが、端的にお答えいただきたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 私は、アメリカにはアメリカの事情があろうかと思います。しかし、原子力を推進力としてこれを大型船舶に活用するということは、将来非常にメリットがあるのではないか。小型船舶につきましては、いま八木さん指摘のように、コストも非常に高くなるということになろうかと思いますが、大型タンカー等につきましては、やはりこの問題を私どもは捨てるわけにはいかない。将来の石油その他の事情等を考慮に入れながら、やはりせっかくやっておりますこの研究開発というのは進めてまいりたい、こう思っております。
○八木委員 タンカーなどに舶用原子炉を用いるということはきわめて危険なことでありまして、タンカー火災なんというのはときどき起きておりまするし、それが普通の港に、船が錯綜しておるところへ出入りするというようなことであります。それについての見解を申し述べる時間がありませんが、百歩下がって、商業用に原子炉が用いられるとしても、それは相当先のことであるということは世界の常識であります。私は、政府もちゃんとその辺の情勢は御承知だと思うのでありますが、にもかかわらず、いわゆる原子力船の開発を、こうまでも執着をして、そして急いでやろうとされるについては、政府の意識の中に、潜水艦を初めとする原子力軍事用艦船の建造ということがあると考えざるを得ない。また、世間もそういうふうに思っておると思います。 そこでお伺いをいたしますが、これまでの政府の中には、原子力を推進用に用いる、そういう軍艦をつくっても、それは推進用に用いておるのであるから、あるいはそういうような原子力を推進用にしておる軍艦を持っても、つくっても、それは日本が核武装したということにはならないという態度のようでございますが、総理のお考えもそうでございますか。ということの裏には、国際的にそういう潜水艦を初めとする艦船の推進用の動力は原子力ということがポピュラー、一般的になる場合には、わが国もそういう艦船を持つんだ。すでに三菱重工や川崎重工でどんどん国産の潜水艦がつくられておる。それは、原子力の炉をそれに積もうとすればいつでも積めるというものであると聞いておる。これまでの政府は、そういうような認識を持っておるように印象を受けておるのですけれども、総理は一体どうお考えでございましょうか、その点が一点。 それから、もっと具体的には、鈴木総理としては、絶対に軍艦用の舶用炉というようなものは考えておらない、それは原子力基本法の平和利用という目的にも反するし、非核三原則というわが国の基本的な原則的なあり方にも反する、将来ともさようなことの考えはないとここで言い切れますかどうか、お答えをいただきたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 その問題につきましては、私の記憶に間違いがないとすれば、昭和四十年に政府から統一見解を示してございます。鈴木内閣におきましてもその統一見解、これを尊重し、堅持してまいりたい、こう思っております。
○八木委員 そういう抽象的な返答では困りますので、要するに、もっと具体的に、わが国の原子力船開発というものはあくまでもそういう平和目的のものであって、軍事用艦船にいわゆる原子力の推進力を用いるという考えはない、そういうお考えですか、どうですか。
○鈴木内閣総理大臣 四十年の政府の統一見解というのは、きわめて明確になっております。抽象的ではございません。原子力を推進力とすることが一般化しないという状況の中ではこれを艦船等の推進力に使わない、これは原子力基本法の精神に基づいてはっきりとそのことを総一見解として明らかにいたしておるわけでございます。
○八木委員 私も、四十年の見解というのは若干聞いておるのですけれども、十五年昔なんですね。原子力が艦船用として一般化しない限りというような趣旨のように受け取っておりますのですけれども、しかし、ごく客観的に見て、いわゆる軍事用の、特に潜水艦あたりはもうほとんど原子力潜水艦になっておる、あるいは航空母艦あるいは戦艦すらも原子力ということになってきておるというのが、軍事的にはもう大分一般化しておるわけです。でありますから、一番明快にしていただきたい点は、軍事的な面においてのといいますか、あるいは軍艦用のと申しますか、その原子力炉というものは、日本はつくりもしないし、持ちもしないし、持ち込みもしないと言えるのかということを聞いているのです。
○鈴木内閣総理大臣 その点は、十五年前でございましても、私は、その方針は現内閣においてもあくまで堅持し、それを尊重するということを申し上げておるわけでございます。つくらず、持たず、持ち込ませず、これは核兵器に関する非核三原則でございまして、その点は国是としてもう明確に相なっておるわけでございます。いまの推進力としての問題につきましては、統一見解、これをぜひひとつ御信用いただきたい、こう思います。
○八木委員 ともかく、少なくとも現鈴木内閣として、現在、そういう推進力としてであっても、原子力のものを艦船に考えるということは考えていないというふうに御答弁になった、そう理解していいですか。統一見解そのものがその点はきわめて不明快ですよ。
○鈴木内閣総理大臣 いや、私はそうは……。般化さない段階においては——との一般化すというのはいつの時代に一般化すのか想像も及ばぬ段階でございます。したがいまして、いまからそういう時代のことを考えてどうこうというようなことは、私がここで申し上げなくても、八木さんもそういう時代がそう簡単に来るとはお考えになっておらぬだろう、こう思います。
○八木委員 いまの補足的な答弁で一応きょうのところは了解をいたしたいと思います。 そこで、私の持ち時間はあともう四分くらいしかありませんから、二点続けて質問をいたします。 昭和五十三年七月に、いわゆる五者協定というのが佐世保で「むつ」の問題に関して結ばれたわけでございますが、もうあと一年で佐世保を出ていくということになっております。この居座りは許されないと思うのであります。「むつ」は一年後には必ず佐世保を出ていきますね。出ていく先がないという場合には、原子炉をおかに揚げるよりほかにない。いずれにしても五者協定の約束どおり、期限三年が切れる現在から一年後、来年の十月には間違いなく「むつ」はともかく佐世保を出ますということが言明できるかどうか。言明していただかなければ困るのであります。これが一点。 その次は、これは直接「むつ」に関係ありませんけれども、低レベル放射性廃棄物の海洋投棄問題これは南太平洋諸国を初め非常に問題になっております。反対をしております。すでに科学技術庁長官からは、そういう事態のまま強行試験投棄をやるということは事実上できない、またそれはやらないという趣旨の答弁を得ておるのですが、総理大臣の見解も当然同様だと思うのですが、この点も確かめておきたいと思います。 以上二点、同時にお答えをいただきたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 五者協定の実行の問題でございますが、来年の十月ですか、一年後に修理を完了して、そして佐世保港から他の新定係港に移す、こういうお約束になっておりますが、これはぜひ実現をしたい、こういうことで中川科学技術庁長官も非常に努力をやっております。私としても、政府を挙げてこれがお約束どおり実行できるように最善を尽くしたい、こう思っております。 それから、廃棄物の処理の問題でございますが、これは何と言っても、国内でありますれば関係漁業者、漁民の理解、協力、またこれに関連のある沿岸国といいますか、そういう国々でまだ心配をされておる向きもあるやに聞いておりますが、十分その安全基準というようなものが守られておる、決して御心配するようなものではないということをよく説明をし、理解、協力を得ながら慎重に進めてまいりたい、こう思っております。
○八木委員 了解なしに強行できないと言えますか。大臣はそう言っているのです。
○鈴木内閣総理大臣 こういう問題は、特に外国、対外的な問題につきましては、できるだけの努力をしなければいけない。私は、大方のその努力によって御理解、御協力が得られるものという期待を持って努力をしておるところでございます。
○八木委員 かわります。
○中村委員長 関晴正君。
○関委員 社会党を代表して、鈴木総理にお尋ねをしたいと思います。 私は、あなたの隣の県の青森県から出させてもらっております。それだけに、あなたが総理になられましたときには、自民党でも隣の県であるだけに喜びを感じました。また、あなたがわが青森県民と結んだ四者協定、そのときにあなたは政府の代表、自民党総務会長鈴木善幸ということで、四者協定のトップに署名をされたわけであります一ですから、私は、この四者協定はあなたの手によって間違いなく進められるものなり、こうも期待いたしました。あなたは、いまから六年前の四者協定をよもやお忘れになっておらないだろうと思います。ここに四者協定の写しがございます。この写しにあなたの字で、そうしてあなたの判こで、昭和四十九年十月十四日。それから、あと漁連の会長であるとか知事であるとかむつの市長であるとかの四名で結ばれた文書でございます。これです。思い出してくださいね。そこで、あなたが総理になられたのですから四者協定は推進されるものなり。また事業団法の第三十八条には、この事業団の主務大臣は総理大臣並びに運輸大臣と明記されておりますから、いよいよ間違いなくこの四者協定は進められるものなり。四者協定の魂は何かというと、青森県の大湊から母港を二年半以内に撤去をするということです。半年以内に新しい母港を定めるということです。これが魂です。この魂が今日に至っても履行されておりません。履行されておらないばかりか、何をどう血迷ったのか知りませんけれども、おくれて申しわけないというおわびが一言もあるわけじゃなく、逆に、平和の海であり、漁業の宝庫である陸奥湾にもう一遍お願いしたいという要請をされるというこの結果、この実態。総理に舌が二枚あるんだろうか。日本の政府を代表し、自民党の総務会長の鈴木善幸という者と、それから主務大臣である総理大臣鈴木善幸という者は違う人格なのか、異なる存在なのか、こう疑いたくもなるわけであります。一国の総理が賄賂を取っていま罪に陥らんとし、司直の裁きを受けておる実態が一つありましょう。一国の総理がもしうそをついたということになったら、どうなりましょう。日本の教育において子供たちにうそをつくなとどんなに教えても、総理自身がうそをついたということになったならば、ここに何の権威が生まれます。日本の全教育者が、この点についてもまた迷ってしまうでありましょう。そういう意味において、いまから六年前を想起され、鈴木善幸健在なり、名前のとおりに、私は善なる者であり幸いをもたらす者なりとの立場に立って、ひとつ厳粛に、いま立っている立場から、やってきたことから、していることからお考えを示してください。
○鈴木内閣総理大臣 関さんが御指摘のように、私は当時自由民主党の総務会長でございましたが、不幸にして原子力船「むつ」が放射線漏れを太平洋上で起こしまして母港に帰れない、漂流は三十五日間続けられた、もうすでに補助エンジンの燃料は切れんとしておる、食糧あるいは薪炭等も日に日に乏しくなってきておる、乗組員の安否を家族の方々は非常に心配をされておる、何とかして陸奥湾の関係漁民の理解と協力を得てこれを一日も早く母港に帰したい、こういうことが当時の政府だけでなしに国民の願いであった、私はこう思います。私は、政府の方から特に御依頼がございまして、政府の代表として青森に乗り込み、陸奥湾の漁民の各位や関係の市町村長等にも誠意を尽くしてお話し合いをしたわけでございます。その結果、四者協定というものが、いまお話しになりましたように締結をすることができました。これには約二週間かかりました。ちょうど放射線漏れを起こして漂流状態に入ってから五十日目にそれが解決を見たわけでございます。 私は、その四者の協定の中で示されておりますところの漁業振興対策、その他の条項、これはそのとおり政府に報告をし、関係閣僚会議等を経まして、そのとおりに政府の責任で実行するということを決めたわけでございます。私は、それによって政府特使としての任務は実は完了した、四者協定というものを閣僚会議で承認したわけでございますから責任は政府に移った、こういうことであろうかと思うのであります。 しかし、私は四者協定を結んだ当事者でもございます。個人的な立場からいたしまして政府を常に督励をし、鞭撻をし、これを実行させなければならない、そういう気持ちになりまして、佐々木科学技術庁長官時代あるいは宇野科学技術庁長官時代あるいは熊谷長官時代、さらに金子岩三長官時代等々、歴代の長官並びに運輸大臣等に、あるいは助言をしあるいは鞭撻をして、その実行の推進に当たってまいったところでございます。そして、はからずも今度政府の最高責任者に相なった、こういうことで、一層責任を感じておるということでございます。 いま関さんは、ほとんど実行されていない、こういうことをおっしゃったのでありますけれども、漁業振興対策等はほとんどお約束どおり実行されておるところでございます。それから、この原子力船「むつ」を他へ移すという問題も、二年半の約束の期限には残念ながらそのようにいきませんでした。しかし、その間政府としても万般の努力をいたしまして、おくれたことにつきましては地元にも遺憾の意を表し、御了解を得ながらようやく佐世保の方に移して、そしていま修理の段階に入っている。その四者協定の実行がいまだにされておりませんのが新定係港の決定の問題でございます。これは本当に八方手を尽くしてきたようでございます。政府としても六十以上の候補の港を選んで、その中からあらゆる角度から検討に検討を重ねて、それを五港にしぼった。五港についても、いろいろやったというような経緯があるわけでございます。しかし、いまだにそれが決まっておりませんことは残念でなりませんが、私どもは、この点につきましてもできるだけ努力を払いまして、一日も早く新定係港の決定をしたい、こういうことでございますから、うそをつくというのは、初めからやる気がなくてやる場合がうそでございまして、政府としては真剣に、誠意を持って努力した。結果がいまなかなか新定係港がむずかしいということであって、教育者であられる関さん、まじめに、誠意を持って努力しておるという、これだけはひとつ御理解を賜りたい、こう思います。
○関委員 あなたがいまお答えの中にも、結んだ当時の責任者であったし、その後政府に事が移って政府は進めておる。幸いにもあなたの手でいまこの四者協定を守ることはいともやさしい段階に来ておる。しかも、この事業団法によりますと、主務大臣はあなたなのです。そのあなたが中川長官に青森に要請するように命じたのですか。まずそれが一つ。 もう一つは、私の方の青森県の知事が八月十四日にあなたにお会いしたときに、あなたから、四者協定はちゃんとやるから安心しろ、こういうごあいさつぐらいはあるかと思いました。私は、私の方の北村知事に、おまえがせっかく行くのだから、四者協定は守るように鈴木総理にお話ししてくださいねと、出かけていく前に申し上げました。しかし、知事は、総理の前に行くと恐れ多くてなかなかその言葉が出せない、こう言うのであります。それを逆用して、あなたの方で四者協定が守られないままほおかぶりして、原子力船のことについて、母港のことについてよろしく。よろしくというのは何のことなのですか。 それから、長官が要請をしているという事実について、あなたの命に従って長官はやっていることなのでしょう。その点を明らかにすると同時に、長々とあなたに答弁されるとあと時間がありません。うそはつきません、協定は守ります、その一言が言えるならば言ってください。
○鈴木内閣総理大臣 北村知事さんがおいでになりました際に、お目にかかりました。私から、いまだ新定係港が決まっていない、これは大変申しわけのないことである、しかし、いませっかく政府としても努力をしておることであるから、原子力船「むつ」とは因縁浅からぬ青森県知事さんとして御理解、御協力を賜りたい、こういうことを申し上げたことがございます。 中川長官とは、これはもう内閣をともにやっておる同僚でございますから、あうんの呼吸で、中川長官は長官としていろいろ御努力を願っておる、こういうことでございます。 誠意を持ってこの問題の解決、これには努力をいたします。
○関委員 総理は、この協定にある中である程度は進めた、こう言ってある程度の評価をしておられますが、この協定の本旨であり、魂というものは、あの波静かにして魚の宝庫である陸奥湾から母港を撤去するということなんです。この理解がないと、あたりのことをやったからといって、やったなんという認識に立たれては困ります。全然やっていないという意味は、魂が少しも履行されていないという私の意味なのです。幸いに中川長官のおやりになっていることは、あたなが指示したわけじゃない、こう言われましたからまだ命があるようです。うそつきにならなくなる命はあるようです。ぜひひとつ、協定は撤去するという協定です。大湊の母港は撤去する、この協定は守ります、これに向かって進みます、いま中川長官のやっていることは撤回させます、こう言えませんか。あなたの約束に反することを長官が進めているのです。撤去するじゃない、そこへまたもう一遍置いてくれないかとお願いしているのです。こういうことはどうなのですか。あなたは、憲法の問題でも二重の性格を巧みに使って、宮本武蔵かなと思うところもあるけれども、こういうことはきちんとしてもらわなければ困るわけです。はっきり言ってください。
○鈴木内閣総理大臣 あの協定に基づきまして、大湊港から原子力船「むつ」の定係港は撤去をする、こういう方針で進めてきております。しかし、撤去した後で、また改めて地元の御理解、御協力がいただけた場合においては定係港としてお願いをする。これは撤去をするということは、撤去は約束どおり撤去をして、そして新たな観点からまたお願いをするということもこれはあり得るわけでございますが、しかし私は、その前提は何といっても地元の理解と協力、これが大事でございます。そういう点を私どもは十分心得ておりまして、できるだけのお話し合い、そして理解と協力のもとに円満に事を運んでいきたい、こういう考えであります。
○関委員 非常に鈴木総理がだんだん怪しくなってくるわけであります。撤去をする、その上でというなら、まず撤去をしてください。 それから、あなたは、地元が望むならばというお話をしておる。地元から何らの要求はされておりません。されておらないどころか、地元の漁民の諸君たちは決議を上げております。決議の文書はすでにあなたの手元にも届いているはずです。そういうことをお読みになりますと、もう間違いなく撤去の作業というものはあなたは責任を持って進めるべきです。しかるに、自民党のこの問題に対する責任者、対策の委員長は何をしています。地元の青森県選出の国会議員に、私を除く国会議員に、何とか漁民を納得させるように諸君努めてくれ、こういう要請をしているのです。あなたは自民党の総裁でもあります。総理でもあります。あなたの意に反し、あなたの約束に反してこれらの諸君がやっているという事実は、あなたは抑えなければならないじゃありませんか。あなたはいま撤去することを言って、その後にまたお願いすると言いました。まず撤去してください。そんなことで、あなた、いいかげんな話をされちゃ困ります。大体あなたの腹の中はどうなっているのです。行ったり来たりですか。毅然としたものを示してください。あなたは私を、教育者である関さん、こう言いました。教育者以上に政治家はもっと教育者だと私は思っているのです。政治家というのは教育者の上にあるものだと思っていますから、その意味においてもお答えください。
○鈴木内閣総理大臣 大湊港から原子力船「むつ」の定係港を撤去をするという問題につきまして私は先ほど申し上げたのですが、すでに関さんも御承知のように、クレーンのかぎなどはもう青森県知事さんにお渡しをしてございます。それから、原子燃料棒を処理いたしますところのプール等は、土のうその他で埋めましてやっておりますし、定係港としての機能というものは現在すでになくなっておる、こういうことでございます。法律手続上、若干の手続的な問題がありますから、厳密に言った場合はまだ撤去されていないという法律解釈、これも一面においてあろうかと思いますが、私は実質的に撤去されておる、このように認識をいたしておりますので、先ほど申し上げたわけでございます。私は一般論として申し上げたことであって、撤去した後、また地元が御理解を持って迎え入れたいという場合の一般論として申し上げた。しかし、関さんがおっしゃるように、関係漁民の決議であるとかいろいろなことのあることも私は承知しておりますから、なかなかこれはむずかしい問題でございます。今後十分、各般、各方面の状況を考え、御意見等を伺い、また話し合いをしながら、やる場合には円満にこれを解決をしたいものだ、こう思っております。
○関委員 総理は、きわめて単純な考えと申しましょうか、この問題についての把握の状況、またこの問題をめぐる動き等についてもきわめて認識は薄いようです。鈴木総理が、地元で求められるならば、望むならばというお話をしているけれども、だれも望んでいません。知事からだって返事が来ていないでしょう。市長からだって返事が来ていないでしょう。そして、漁民からは反対の決議を上げてちゃんと来ているでしょう。住民が求めているのじゃないのです。あなたの方が納得を求めておるのです。求めるものの状態が違うわけですよ。細川隆元氏がテレビで、青森県の漁民に何かおみやげでもやれば納得するであろう、さきのときに鈴木総理は少し金を出し過ぎた、金を出してまで物を解決するようなことでおさめるようなことがあってはならない云々、こういうふうにテレビで放送されていたことを聞きまして、私は残念に思いました。青森県の漁民や県民は、みやげや物が欲しくてこの問題に当たっているのではありません。そういう認識は払拭してやっていただきたい、こう思います。 とにかくこの問題については……(「時間、時間」と呼ぶものあり)あと時間もない、こういうわけでありますから、何しろ私も初めてなってふなれなものだから、その点については御理解をしていただいて、誠意のある四者協定の遵守に向かってひとつ突進してください。うそつきにはならないようにしてください。そのことだけ申し上げて、終わります。
○中村委員長 草野威君。
○草野委員 この問題につきましては、私もまず初めに、総理が四十九年当時の四者協定の当事者であった、そしてまた、現在、政府の最高責任者といたしまして、この大湊港の再母港化をめぐる問題につきまして、いまどのような御心境で責任を果たされようとしているか、この点について伺いたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 四十九年のあの事態収拾に当たりまして、四者協定の政府を代表しての責任者の私として、この協定のすべてが早急に実施される——残念ながら新定係港というのの選定がおくれております。そういう点を非常に遺憾に存じておりますし、地元に対しても申しわけがない、こう思っておりますが、政府として全力を挙げまして早期にこの問題も解決をしたい、こう思っております。
○草野委員 早期に解決をされたいというお言葉でございますが、率直にひとつおっしゃっていただきたいと思います。 総理は、いま大湊港の再母港化につきましてぜひとも地元に賛意を求める、同意をいただく、こういう方向でこれから臨まれようとされているのかどうか。私どもは、本日は午後から当委員会にかかっております法案につきまして審議を進めなければなりません。これはその点において大きなポイントになる問題で、ございますので、率直な総理の御見解を承りたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 大湊港を特定をして、いまそのためにやっているということではございません。条件の合うところの港、いろいろな角度から見て適当と思われるところにつきましては今後もあらゆる角度から検討し、その御理解を得ながら決定をしたいということに変わりありません。大湊港に特定をしておるわけではございませんが、しかし、いま数港についていろいろ検討をしておる中では、大湊港がいろいろな面からいって条件が一番整っておるということも事実でございます。ただ、地元がこれに理解と協力を示さなければできないことでございます。そういうことは十分承知をしておりますから、大湊港に特定をしておるということはございません。
○草野委員 総理がこの問題につきまして誠意を持って努力をされてきた、その総理にしては、いまのお言葉はどうもいただけません。これは中川長官が本年の八月に、大湊港を再母港化したいとはっきりと言明をされております。政府のこの問題に対する責任者の間柄で、意見が食い違うのじゃないかと思いますが、いかがですか。
○鈴木内閣総理大臣 中川長官もいろいろな港を検討した結果、条件が整っておるということで、そういう希望的表明をされたということだろうと思うのでございまして、私もそういう角度から見た場合には、確かに一番条件が整い、適格性を持っている、こう思います。ただ、何といっても大事なことは、地元の皆さんの御理解、御協力、御賛同がなければできないことでございます。
○草野委員 現実には、母港を撤去したと言っても、先ほどのお話のようにクレーンが残り、また核燃料の貯蔵施設が残っており、八万平米という土地があり、さらにまた十四人の職員がいまだに残っておる。だれが考えても、母港が完全に撤去されたとは言えない。 私は、総理にもう一回ここで本心をひとつ話していただきたいと思います。やはりこの段階に来れば、この再母港化の問題につきまして、科学技術庁長官や政府の専門家だけに任せているのではなくて、総理みずからが地元の関係の代表と率直に誠意を持って話されたらいかがですか。いまこそ総理の持論である和の政治、これを行動でもって示すときではないでしょうか。いかがですか。
○鈴木内閣総理大臣 一番この問題につきまして利害関係を持ち、また心配をしておる漁民諸君、この漁民諸君の立場ということを考える点におきましては、私はだれにも劣らない愛情を実は持っておるわけでございます。そういう観点から、先ほど関さんは、あの問題を解決する場合に相当国費をばらまいた、こういうお話がありましたが、さようなことはございません。沿岸構造改善事業、陸奥湾は日本全体から見て沿岸漁業として設備その他が非常におくれておる、そういうようなことを考えまして十一、二億のものをやった、あるいはそれが物揚げ場でありあるいは船引き場でありあるいは冷蔵庫等の整備であり、いろいろな角度でいま陸奥湾の漁業者がそれによっていかに漁業経営の安定に役立っておるか、関さんが一番よく知っておると私は思うわけでございます。(草野委員「総理、私は関じゃありません」と呼ぶ) そういうような観点からいたしまして、私は、この一番関係の深い漁民の立場ということを常に念頭に置きながら、その諸君の理解、協力が得られない限りはこれはむずかしい、できない、こういう前提の上に立って取り組んでおるということを御理解をいただきたい。
○草野委員 別な問題に移ります。 これは去る六月二十四日の新聞の報道でございますが、アメリカの民主党の党大会の綱領委員会が「原発の究極的廃止盛り込む」、こういうショッキングな記事が報道されております。総理は御存じかどうかわかりませんので、内容をちょっと申し上げますと、これは八月のアメリカの民主党大会で採択する党の綱領の草案づくりに当たりまして、同党の綱領委員会が原子力発電の段階的削減と究極的な廃止を目標にすることを全会一致で決定をしたと、非常に重大な記事であると思います。さらに、原子力発電を究極的には否定する考え方が、アメリカの支配政党である党綱領に盛り込まれる方向になったということは、非常に注目される問題であろうかと思います。特にわが国の場合、原子炉はそのほとんどすべてがアメリカの技術に頼っておるわけでございまして、この問題につきまして総理はどのようにお考えになっているか、お伺いをいたします。
○鈴木内閣総理大臣 私も、その民主党の決議というものを承知をいたしております。その民主党の決議にしても前提がございまして、他にエネルギーの確保ができるならば、代替エネルギー等にしてもそういうものが十分開発利用できるようになるならば、こういう前提が一つあるということでございます。 それから、私どもは、去る六月のベネチアサミットにおきまして、アメリカを含む各国首脳との間におきましては、原子力を含む代替エネルギーの開発導入、これにひとつ協力していこうではないか、責任ある政府間のこれは話し合い、申し合わせに相なっております。 そういうような関係もございますので、アメリカの政府の政策が私は変わったとは思っておりませんし、私どもは、先進国首脳会議で合意した政策を今後も進めてまいりたい、こう思っております。
○草野委員 総理は、アメリカの原子力政策が重大な変更をしたのではない、このように非常に楽観をしておられるようでございますけれども、しかし原子力の安全性というものは、これからもまだまだ詰められていかなければならない幾多の問題点があると思います。したがって、これは、他山の石とするのではなくて、総理自身も十分にこの問題につきましては関心を持ちつつ、これからの行政を進められていただきたい、このことを要望いたしまして、質問を終わりにいたしたいと思います。
○中村委員長 小渕正義君。
○小渕(正)委員 総理が御出席でございますので、非常にいい機会でございますので、わが国の原子力行政の問題について、基本的な考え方を一、二点ただしたい、所見をお伺いしたいと思うのであります。 私もこの原子力船「むつ」に関係する長崎であります。また、私は原爆被爆者でもあります。しかし、わが民社党は、原子力の平和利用については推進すべきだという実は立場をとっておるわけであります。もちろん原子力というものが人類と共存するのかどうかという意味では、いろいろな見方もございます。エネルギー危機その他の関係からいろいろな論もあるわけでありますが、少なくとも私は、当面、資源小国であるわが国においては、何といいましても、石油代替エネルギーとしてのこの原子力の平和利用という意味では、積極的に推進しなければならないのではないか。石炭の液化その他についてもまだまだほど遠い状況の中においては、当面のやはり大きな課題は私は原子力の平和利用の推進だ、かように思うわけでありますが、この問題に対して、総理としての、どのようなお考えでありますか、明確なひとつそういった決意があれば、そういうものをお聞きしたいと思うのであります。
○鈴木内閣総理大臣 原子力基本法の精神に基づきまして原子力の平和利用を推進する、特に最近における石油事情、エネルギー事情等々から考えまして、この原子力の平和利用の最も顕著な効果をおさめておりますところの原子力発電、こういう面につきましては、日本としては、安全性の確保ということに最善を尽くしながらこれを推進してまいりたい。私は、このことが八〇年代以降の日本のエネルギー問題を解決する大きなかぎになる、このようにさえ考えておるわけでございます。
○小渕(正)委員 エネルギー資源として特にわが国は非常に乏しいわけでありますので、そういう意味では、特にわが国の置かれている立地条件その他考えますならば、要するにすべてが海運に頼っているのがわが国の現状だと思うのであります。そのようなことを考えますならば、やはり私は、原子力船というものについても、わが国にとってこれは非常に大事な問題だと思うのであります。そういう意味で、いかに原子力船の平和利用を推進するか。もちろんこれはすべて安全を優先することは当然でございますが、私は、科学技術というものは、そういった危険なものをいかに平和的に利用し得るかというところに人類の英知があり、それが科学技術だと思うのであります。現在まで、ガソリンも、当初、危ない。扱い方次第によっては、今日いろいろ私たちの身近に使われているエネルギーも、大きな危険性を持っているものであります。しかし、それを補っておるのがやはり科学技術であります。 そういう立場からいきますならば、私は、こういう非常に海運立国としてわが国の置かれているこの原子力船の平和利用、この点については、非常に残念ですが、かなりおくれていると思うのでありますが、ここらあたりに対する総理の御認識はいかがでございましょうか。
○鈴木内閣総理大臣 いま小渕さんがお述べになりました原子力に関する評価、認識、そして研究開発をもっと力を入れて安全性を中心にしっかりとやるべきだというお考え、御主張は全く私、同感でございます。今後政府としてもそういう点に十分配慮しながら最善を尽くしたい、こう思っております。
○小渕(正)委員 原子力船の研究開発につきましては、現在先進諸国といいますか、アメリカ、ドイツ、ソ連等ありますが、わが国は十年から十五年くらいおくれておるのではないかというような見方がされておるわけであります。特に先ほどから申しますように、資源小国である、しかもすべてが貿易に頼らざるを得ないような、海運に頼らざるを得ないようなわが国においては、この原子力船の研究開発体制というものは大きな問題でありましょうし、御承知のように、最近のようなこういう微妙な国際情勢の中で、いろいろとエネルギーを海外に依存する中において万一の場合のことをいろいろと想定するならば、私は、この原子力船の平和利用というのは本当に緊急かつ重大な問題として早く手をつけなければならない、おくれた体制を取り戻さなければならないのではないか、かような認識を持つものであります。 今日、いろいろなエネルギーの推進で船が動いているわけでありますが、事一たん緩急あった場合に、そういったものに影響されないで当分の間できるような、そういうものを持つためには、私はやはり原子力以外ないのではないかと思うわけでありまして、そういう意味で、十年も十五年もおくれているというこのわが国の研究開発体制をどうするか、これが私は当面の「むつ」の問題だと思うのであります。本当に国策上も、まさにそういう意味で将来的に憂慮すべき状態だと私は思うのでありますが、そこらあたりについての総理としての御見解をお伺いしたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 小渕さんの御所見、私も全く同感でございます。海洋国家であり、海外に資源を求め、また商品としてこれを輸出しておる貿易立国、資源小国、そういう日本の置かれておる立場からいたしまして、この日本の海運というものの将来を考えました場合、この推進力としての原子力の利用、こういうことは、海運業の将来の安定的な振興という面からいたしましても不可欠の課題だ、私どもは、日本としてもできるだけアメリカ、ドイツその他に追いつけるような域までこの研究開発を促進をしてまいりたい、こう考えております。
○小渕(正)委員 そういうことで直接現実の問題に移りますが、現在「むつ」は佐世保港において修理中でございます。これを早期に完全に修理をすることとあわせて母港を早く決めることは、これは切り離せない関係だと私は思うのであります。佐世保において一応期限内の修理が完了した、しかし出ていくべき母港はない、こういうことでは、実は佐世保市民として非常に困るわけであります。そういう意味におきまして、そういう面からも母港の早期決定ということは、これは現在「むつ」の修理作業は順調に進んでおると思いますが、そういうことを考えますならば、何と申しましてもそういった新しい母港の選定は切っても切り離せない大きな問題だと思うのであります。先ほどからいろいろな方の御指摘の中で総理としての所信の表明がありましたが、これはぜひひとつわが国の国策の、政治の第一優先課題として政府としてこの母港決定に取り組む、ひとつそういった考えでこの問題をお考えになられるかどうか、その点をお尋ねしたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 御指摘の新定係港の早期決定、この問題は、私どもも何とかこれを一日も早く決定をして、そして佐世保の修理が完了次第これを迎え入れる新母港、新定係港というものを決定をしたい、このように考えておりまして、関係閣僚と力を合わせながら、私が先頭に立ってその解決のために努力をする考えでございます。
○小渕(正)委員 「むつ」の期限内の修理の完了、これはまた一つの大きな命題だと思いますが、私が承知する範囲においては、修理作業は大体順調に進んでおる、このような理解をするわけでありますが、その点について誤りはないかどうか。実は佐世保の地元の方におきましては、期限内の修理完了が危ぶまれているというような説もいろいろありまして、そういう意味では市民の中にも一部若干の政府に対するそういう不信感があるのは事実でありますが、そういった点を払拭するためにも、私はこの期限内修理完了というのはこれは絶対やってもらわなければならない問題だと思うのでありますが、今日の作業の進捗状況その他から言って、その点に対するひとつ確としたるお答えをいただきたい、かように思うわけでありますが、いかがでしょう。
○鈴木内閣総理大臣 佐世保における原子力船「むつ」の修理の問題でありますが、率直に申し上げて、この修理に着工するまで、修理にかかるまでに予定よりも若干時間がかかりました。少しおくれました。しかし、着工以来は順調に作業が進んでおる、こういうことでございまして、私どもはお約束の期限内に何とかしてこれを完成をしたい、こう思っております。努力しております。
○小渕(正)委員 もう時間が参りましたので、御要望を申し上げておきますが、ただいま修理を期限内に完了するという決意で取り組まれておるということを聞いてわれわれ安心しておるわけでありますが、修理に着工するまでにかなり時間がかかったことを考えますと、ぜひこれからも誠心誠意この問題の推進を図っていただきたい。修理が完了した、それから母港は決まってない、船だけは出て行かなければいかぬ、また船上の乗組員にえらい迷惑をかける、そういうことも絶対あってはならないと思いますし、少なくともそういう意味でこの「むつ」問題の解決はすべて、鈴木総理は非常に「むつ」に縁のある方になっておりますから、ぜひひとつ長崎でも、必要とする場合においてはそこにみずからが出てきてこの問題の解決に当たられる、そういうことを特にお願いいたしまして、私の質問を終わります。
○中村委員長 瀬崎博義君。
○瀬崎委員 先ほど総理は、母港として大湊が一番条件が整っている、こう言われたわけでありますが、その大湊港が、奥深い陸奥湾あるいはホタテガイの栽培漁業の中心地にある、こういうことを考慮してもなお条件は整っている、こういうお考えですか。
○鈴木内閣総理大臣 陸奥湾の状況というのは、私もよく承知をいたしております。あれだけの広い湾内ではありますけれども、ホタテガイの養殖は相当広い海域にわたって行われております。ですから、関係漁民の諸君が、この海をきれいな海として孫子の代まで継承させたい、こういうこともよく承知をしております。したがいまして、私は、原子力船「むつ」は、前の母港として帰ってくる場合も言ったのでありますが、安全性というものをもう本当に重視をして、そして関係漁民がいささかの不安もないようにする、そういうことが私はまず大前提である、このように考えております。
○瀬崎委員 時間が短いので簡単にお願いしたいのですが、それでは、先ほど条件が最も整っていると言われたその理由を端的に言ってください。
○鈴木内閣総理大臣 私は、地元が前に定係港として誘致をされた、そういう歴史的な関係もございます。また、実際に放射線漏れということを太平洋上で起こしましたけれども、それから母港に帰投して三年余りあそこに係留をしておったその間においても安全性というものは確保された。いささかも養殖漁業等に支障を来さなかったという点がございます。私どもは、あの港の状況等から見まして、条件としてはほかの港よりもいい条件を持っているということは事実であろう、こう思っております。
○瀬崎委員 私は、失礼だけれども、総理の見識を疑いたくなるのです。といいますのは、係留しても全然放射線漏れはなかったと言われるけれども、その間、これは政府が何回も答弁しているように、冷態停止の状態に原子炉を置いているのだから、ある意味では原子力船ではない状態なんです。これは何も出なくてあたりまえなんです。それをもって安全の証明などと言えば、国民がそれこそ不信を持つのではないでしょうか。 さて、昭和四十九年十月二十二日の衆議院の科学技術委員会で、当時の生田豊朗原子力局長が、生田氏自身が鈴木さんに随行して、青森での状況を国会で答弁しているのです。そのまま読んでみます。 「青森でこの交渉の過程を通じまして鈴木総務会長のお話をいろいろ伺っておりましたところでは、今回の問題の原因の一つは、やはりああいう湾内の、しかもホタテ貝という一種の栽培漁業の漁場の中心に原子力船の母港がつくられたということに原因があるので、今後新しい定係港を決定する場合には、また同じような問題を繰り返さないような観点から選ぶべきではないかということを話しておりました」、こう国会の議事録にも今日残っているのであります。 これは、鈴木総理が明確に、大湊が原子力船母港としては不適であるという判断を示しておられた。そして、新しい定係港の選定では、こういう奥深い湾内とか栽培漁業の中心地は避けよ、こういう指示をされておった、こう理解するのが私は当然だと思うのであります。また、総理となられた以上、そういう立場から閣僚や政府職員にいろいろな方針を示されるのが穏当ではないかと思うのですが、いかがですか。
○鈴木内閣総理大臣 私は、関係漁民の諸君の心情というものを当時そのとおり受けとめまして、そういう所見を申し述べたことは確かにございます。 しかし、先ほど来申し上げますように、安全性の確保ということが関係漁民の皆さんにもよく理解いただいて、地元の御納得を得られる、御協力がいただけるという前提の上に立った場合に、諸般の事情からあそこが一番適当ではないか、こういうことを申し上げております。しかし、大湊を特定をして、それがオンリーワンだというようなことでやっておるわけではございませんから、御理解を願います。
○瀬崎委員 あなた御自身がいまお認めになったように、みずから大湊は不適だという判断を示しておかれて、いまさら、漁民が受け入れてくれるならばというのでは、全然話のつじつまが合わないと思うのです。 多分そういうふうな当時の鈴木総務会長らの意向を受けてだと思いますが、日本原子力船開発事業団年報を見ますと、新定係港候補地の選定条件として十五項目が決められておりますが、その中にもはっきりと漁区、養漁場が近くに少ないことと明記されております。先ほどあなたは、一たん撤去してまた頼むこともあり得るのだ、こう言われました。撤去したと仮定すれば、全く他の候補地と同一条件で選定されなければならない。だとすれば、この十五の選定条件は生きてくる。そうすれば、政府みずからが、あるいは事業団が示したこの選定条件にはまず忠実でなければならないのじゃないですか。
○鈴木内閣総理大臣 選定条件はたくさん条件として挙げられておるわけでございまして、総合的に彼此勘案をして結論を出さなければなりません。日本の波静かな湾内というのは、いずれのところでも大なり小なり栽培漁業、養殖漁業というのが行われております。でありますから、いろいろな条件の中の一つとして考慮はしなければなりませんが、それがあるから絶対もうだめなんだというわけにはいかない。これはひとつ、いまの御意見等も十分しんしゃくいたします。総合的に慎重に判断をして決めたい、こう思っております。
○瀬崎委員 誤解しないでいただきたい。私の意見じゃなくて、鈴木総理自身が示された意見をみずから守ってください、こう言っているのですよ。 さらに、実はいまの話は全部事故が起こって以後のことですが、それ以前、四十九年八月に文書で、その文書というのは鈴木善幸氏、二階堂氏、森山氏、この三氏の名前で大湊の母港を外洋の港に移す、こういう申し入れもされているようであります。これは県漁連も協議したという経過を持っておるようであります。こういうことまでしているのですから、当然青森の人々あるいは全国民は、この母港が適当ではない、他に移される、こういうふうに思い込むのは当然だと思うのです。いかがでしょうか。
○鈴木内閣総理大臣 いろいろの紆余曲折があったわけでございます。先ほど来申し上げておりますように、新定係港の決定というのが一番あの四者協定の中で実行されていない、おくれておる。こういうことには、いま御指摘のようないろいろな問題を検討に検討を加えた結果、なおむずかしい、こういう経過になっておりますが、しかし一方、佐世保の方では来年の十月には修理も完了するということでございますから、早期に新定係港の決定ということには政府としては全力を上げにゃいかぬ、そういうつもりで努力しております。
○瀬崎委員 この原子力船「むつ」には、直接の建造費は当時の金で六十億円程度でありますが、付帯施設であるとかその後の運営費等を含めまして、すでに投入されております額が二百六十億円であります。その上に今後の修理にかかる費用として、ことしの四月二十四日の政府答弁で、定係港関係の費用を除いたとしてもざっと二百七十億円ぐらいかかる。さらに大湊再母港の要請がされて以後、その費用が問題になってまいりまして、政府はすでに来年度予算要求の中に、これは債務負担行為も含めてでありますが、六十億円の改修費を含んでいるし、当面対象となっている改修部分を除く部分も、総点検をすれば相当の費用を追加しなくてはならない。一説には二百億円という数字も出ております。つまり、今後の船体修理やあるいは母港で、ざっと五百億円ぐらいの金がかかるのではないか、こういう状態であります。一方で鈴木内閣は、財政再建を至上命題にしている。私は、これは非常に矛盾ではないか、こう思っております。この点を一点伺っておきたいのです。 第二点、今日まで鈴木総理がかつて四者協定で青森県には十三億円余りの一種の補償費を約束し、それは実行されたわけであります。また、長崎の方におきましては、五者協定等に関連して二十五億円のこれもまた修理受け入れに伴う補償金的なものが出ております。私は、それを出しちゃいけないと言うんじゃないです。出し方の問題です。どうしてもこういう地域振興あるいは過疎地の振興が必要ならば、「むつ」受け入れと交換条件にこういう金を出すべきではない、それはそれとして正しく必要なものを支出していく、こういう方針をとるべきではないか。これが第二点であります。 そして、一たんこういうような補償金が前例になってきますと、今後とも「むつ」の動くところにはこういう持参金がついていかざるを得ない、こういうことになるのではないかと思うのですが、今後の「むつ」母港のいろいろな交渉の過程で、また同じように、あるいは額を上回ってこの種の一種の補償金的なものを出す、こういうお考えであるのかどうか、この点をお伺いしておきたいと思うのです。
○鈴木内閣総理大臣 先ほどもいろいろ御意見が出ておりましたが、日本のエネルギー政策は、中長期にわたって私どもが考えなければならない問題でございます。財政再建という中におきましても、そういう日本の将来の命運がかかるようなエネルギーの開発利用促進というようなことは、やはりできるだけ、節約しながらでもこれは進めていくべきものだ、このように考えておるわけでございます。 それから、いま補償費というようなことにお触れになりましたが、私どもは今後、電源立地の問題にしても何にしても、やはり地元の振興、地元の発展、地域住民がそれを迎えることによって地元も繁栄をする、そういう種類のものであって、ただお金を出して、それを地域住民が分け合って、それを何に使ったかわからぬ、そういうような性質のものであってはいけないことは、もう十分私どもは心得ながらこういう問題の解決に当たっていきたい、こう思っております。
○中村委員長 もう時間ですから。
○瀬崎委員 最後であります。 四者協定の遵守については、これまでの歴代科技庁長官の答弁は、皆守ると言ってきているのです。中には「政府にはいやしくも自由民主党である限り継続性がございますから、私はやはりこれは政府が責任を痛感すべきである」、「自民党内閣であるという立場に立てばやはり四者協定を今後もやはり私としては守っていきたい」、こういうことを言っているわけですね。ですから、そういう点は、少なくとも自由民主党内閣の継承性に立って、鈴木総理が責任者になっていらっしゃるのですから、厳重に、ごまかしではなく守っていただくように最後に決意を伺って、終わりたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 先ほど来繰り返し申しておりますとおり、四者協定を何とか実行したい、残された新定係港の早期決定、これに全力を尽くしたい、こう思っております。
○中村委員長 これにて内閣総理大臣に対する質疑は終了いたしました。 午後零時三十分から再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後零時三分休憩 ————◇————— 午後零時三十二分開議
○中村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。八木昇君。
○八木委員 最初に、午前中総理が答弁をされた昭和四十年四月十四日の政府統一見解について若干質問をしたいと思います。 この四十年四月十四日の政府統一見解は、次のようになっております。 原子力基本法第二条で規定があって、原子力の利用はわが国においては平和の目的に限られている。「したがって、自衛隊が殺傷力ないし破壊力として原子力を用いる、いわゆる核兵器を保持することは、同法の認めないところである。また、自衛艦の推進力として使用されることも、船舶の推進力としての原子力利用が一般化していない現状においては、同じく認められないと考える。」こうなっております。 時間がなかったのでそこを詰めることができなかったのですけれども、ここのところが非常にあいまいでありまして、「船舶の推進力としての原子力利用が一般化していない現状においては、」というのは、いわゆる軍事用の艦船それから一般の船舶を全部ひっくるめて「船舶の推進力としての原子力利用が一般化していない現状においては、」という意味でしょうか。あるいはそれとまた違う何らかの意味でございましょうか。これは大臣でなくても結構です。
○石渡政府委員 お答えいたします。 将来、原子力推進ということが商船について一般化した場合に、日本の潜水艦が原子力推進とし七採用することの可、能性を否定するものではないということでございまして、ただいまの「船舶の推進力としての原子力が一般化していない」、一般化するという状況は、原子力商船が一般化するという状況であるというふうに御理解いただきたいと存じます。
○八木委員 そうしますと、その後の方に「問」「答」という部分がございますね。「問 推進力として一般化した場合はどうか。」「答 推進力として原子力の利用が一般化した状況というものが、現在においては、想像の域を出ないので、そのような想像をもとにして、政府の方針をのべるわけにはいかないが、現時点においていう限り、原子力基本法第二条のもとで原子力を自衛艦の推進力として利用することは毛頭考えていない。」こうなっておりますね。 そこで、ただいまの御答弁によりますと、次のように理解してよろしゅうございましょうか。要するに、商船一般において原子力が推進力として一般化したという状況であれば、そういう状況がもし来るとすれば、そういう状況のもとにおいては自衛艦の推進力としても原子力を用いることもあり得る、そういうふうに理解してよろしゅうございましょうか。
○石渡政府委員 その統一見解がつくられました時点での共通した理解では、先生がただいまおっしゃるような、ストレートにそういう結論に達するのではなくて、そういう時点に至った時点で改めて検討するという理解であったと私ども了解しております。
○八木委員 いまの御答弁についてもなお若干聞きたいですが、先へ参りましょう。 それではお伺いをいたしますが、軍事目的の艦船においては、原子力が推進力として用いられることは一般化しておるという状態が仮に来たとしますね。そうであっても、ストレートにわが国の艦船においては原子力を推進用として用いるということにはならない、こういうふうに解釈してよろしゅうございますか。私の質問の意味はわかりましたか。
○石渡政府委員 先生の御質問の意味は、先ほど私が申し上げました、将来原子力推進ということが商船について一般化した場合に、日本の艦船についての、原子力推進が考えられるということの裏返しでございますと理解いたしますので、同じ意味かと理解いたします。
○八木委員 それじゃ、さらにもう一点。世界の主要国ですね、必ずしも超大国に限らないでしょうが、そういう大国においては、たとえば原子力潜水艦という場合、事実上潜水艦一般の中においてももう原子力潜水艦というのがすでに一般化しておるというふうに言えなくもないわけですが——これは、この統一見解とは関係なく質問をしておるのですよ。要するに、一般化しておるという考え方ですね。それは今日の時点における、たとえば米ソ両国において潜水艦の相当部分はもう原子力潜水艦が主力ということになってきておるという状態を指して、全般的に軍事用の艦船については漸次一般化しつつあるというふうに理解していいんですか。この一般化しておるという意味はどういう意味ですか。
○石渡政府委員 統一見解を離れてということでございますので、私は軍事方面は勉強しておりませんのであれでございますが、常識的に言って、いま世界的に原子力潜水艦が約三百隻動いておるんだというふうに知識として持っております。そして、恐らく原子力推進でない潜水艦というのが戦力として一体どれだけ意味があるのだろうかという点については、素人として疑問を持っておる者でございます。そういう意味で、原子力潜水艦に限って言った場合に、原子力による推進がすでに一般化しておるというふうに理解するのが常識的ではないか、これは私見でございますが、あえて申し上げさせていただきます。
○八木委員 きょうのところは、いまのその部分を論争するのが目的ではございませんから、それで一応次の質問に移りたいと思います。 事業団にお伺いしたいと思うのですけれども、佐世保にいまいます「むつ」は約束の期限内に、要するに来年の十月までに改修は完了しないのですか。十月六日に現地佐世保で「むつ」の点検の結果行われる補修工事の説明をなされた。その説明会においては、期限内に終わるという説明をしておられるのであります。ところが、そのたった二日後の十月八日の自民党の原子力船対策特別委員会においては、野村理事長が期限内にできないおそれが出てきたという懸念を表明しておられます。どっちが本当でありますか。自民党の会議であれば本当のことを言うのでありますか。自民党の会議でありましても、それは当然世間では明らかになります。非常に地元県民を愚弄するものであると現地は怒っておるわけでありますけれども、その点お答えをいただきたい。
○野村参考人 お答えいたします。 十月六日、佐世保に総点検の補修工事の説明に私どもの担当が参りましたときには、もちろん期限内に修理を終えるべく最大限の努力をいたしておりますということ、つまり期限をお守りいたしますということを申し上げたわけです。その二日後の十月八日に自民党の特別委員会で私が申し上げましたのは、現在の事業団の一連の業務の状況を申し上げました。その中におきまして、工事は順調に進んでおります、しかし地元においていろいろの懸念がありますので、なお一層創意工夫をし、努力をして、期限内に工事を終えるように努力をいたしますというふうに私は申し上げたわけでございまして、それが何かニュアンスが違うような受け取られ方をされたのではないかと思いますが、私が申し上げましたのは、期限内に終わるように最大限の努力をいたしておりますし、今後もいたしますということを申し上げたわけでございます。
○八木委員 それでは、その会議に御列席の自民党の根本委員長以下のお歴々が、あなたの言ったとおりに受け取っていないというふうにおっしゃるのですか、あるいは新聞の報道が、あなたがおっしゃったことをそのように伝えていないとおっしゃるのですか、あるいはその両者だとおっしゃるのですか。——それじゃ懸念はないのですね。来年の十月には修理は完了いたしますね。
○野村参考人 私が自民党のその特別委員会で申し上げましたのは、いま申し上げましたように、懸念ということは地元が非常に懸念をしておられるので、そういうことのないようにさらに努力をいたしますと申し上げたわけでございまして、あるいはそのことが正確に、私は記者会見等の席に同席いたしておりませんのでその間の事情を存じませんが、どういう受けとめられ方をされたのか、私の申し上げました実情はいま申し上げましたとおりでございます。
○八木委員 言われる意味はわかりました。地元が懸念をしておると言ったにすぎない。それで、その委員会においても、期限内に完了するというふうに自分は言ったんだ、したがって新聞の報道もまた誤り伝えられておるということであるというお答えだと私はお聞きしました。 それならばお伺いをいたしますが、もともとどうだったんですか、佐世保に「むつ」を回航するに当たっての現地での五者協定に当たりまして、当時はあなたは事業団理事長でなかったかもしれませんが、安全点検、補修工事というようなことは話されていなかったんじゃないですか。昨年の十一月末に科学技術庁の方から安全点検をした結果、若干の補修工事をやらなければならないという趣旨の説明を長崎県当局等にされた際に、長崎県当局はそのことについて、非常に理解しがたい話である、県としては、佐世保で行われるのは遮蔽改修工事と安全点検のみだと思っていた、そのように考えて五者協定というものはなされておる、それで、その安全点検の結果、たとえば部分的な部品の取りかえとかなんとかというぐらいのことはあるかもしれないけれども、そのように理解していたと言っておるのですけれども、どうでしょうか。
○野村参考人 お答えいたします。 入港に先立って、長崎県並びに佐世保市それから県の漁連等に御説明いたしましたのは、五者協定にも抽象的に書いてありますが、約三年間で修理を終えるということでございまして、その前に科学技術庁、運輸省並びに私どもの担当者が県に出向いて説明をいたしました。そのときは、先生御案内の、今度の修理の二つの大きな柱の中のいわゆる遮蔽改修の部分については、もう概念設計もできておりますので、具体的にこういう工事をいたしますということを地元に相当詳細に御説明を申し上げたわけでございます。 それから、もう一つの要素の安全性の総点検につきましては、こういう総点検をいたしますということは、はっきり具体的に申し上げたわけです。ただ、その総点検の結果、機器等を取りかえるとかあるいは若干手直しをしなければならないという部分が生じます、しかしそのことについてはまだ具体的にいわゆる補修工事の内容が固まっておりませんのでまた後日御説明いたしますけれども、要するに総点検の結果、工事の手直しと申しますか補修というものがあるということはあらかじめ御承知おき願います、こういう説明をいたしまして、その結果、昨年の十一月ですか、補修工事の具体的な内容が決まりましたので、今年度にそういうことを申し上げて、こういう内容の総点検の結果の補修工事をいたします、それはいずれも遮蔽改修と同じ期間内に完了するようになっておりますという御説明をしたわけでございまして、突如として総点検に伴う補修工事というものが実はあるんですということを申し上げたわけではございません。その辺は御理解いただきたいと思います。
○八木委員 そこで、今度発表をされましたところの点検補修工事というのは、やはりことさらに項目は多いけれども、さほどの工事ではないかのごとく科技庁も事業団の方も言われる感じを私は受けるのだけれでも、そうじゃないんじゃないかと思います。 経費としても三十億でありまして、この補修工事というのは、ECCSの改良として低圧注入系のポンプの容量を大きくするとか丁五倍にする、あるいはECCSを作動させる信号の回路追加など二十項目にわたっておりますね。もうあと一年という時期に、そういう点検補修工事というものが新たに明らかにされる。とするならば、現地が懸念をされるのはもう当然でありまして、しかも現在明らかになっております工事計画は、七月に契約の第一期分をやった。これは来年二月までの分ですね。そして、その中身は、現在の遮蔽体を全部撤去することと原子炉の下部の遮蔽体工事を終わる、それが一期分であって、それだけが契約を済ましておる。そうして、その一期分だけで来年二月までかかる。そのとおりでしょうか。
○野村参考人 いま先生のおっしゃいました遮蔽改修工事の第一期契約は、来年の二月末までを納期といたしております。そして、その内容は、細部はいろいろございますが、大筋はいま先生のおっしゃったようなことで、ただ新しい遮蔽体等の設計は、それぞれのメーカーのところでやっておりますので、そういうことも含まれております。
○八木委員 それでは、もう第一期が終わった来年二月時点では、約束の期限が残り八カ月ですわね。そこで、当然第二期以降の工事計画概要というものをここで明らかにしていただかなければ、懸念は去りません。明らかにしてください。
○野村参考人 第二期以降の工事につきまして、これは現在準備をし、メーカーといろいろ相談をしているわけでございまして、現段階におきましてメーカーとの話し合いは、大体十一月の末ぐらいまでに二期工事の契約が固まるようにやってもらいたい。つまり、来年の三月から始めるやつは、ことしの十一月末くらいまでに契約を締結できるようお願いをしますという要請がございますので、現在その点につきましてメーカーと鋭意折衝中でございます。そういうふうに、工事の内容は、契約も含めまして漸次固まってきておる、こういう状況でございます。
○八木委員 それでは、その二期計画でもう全部完了するのですか。
○倉本参考人 現在、二期工事につきましてはメーカーと鋭意折衝をしておるところでございますけれども、第一期工事の格納容器の上部遮蔽体の取り外し工事がようやく始まりましたところでございますので、この取り外し工事の進捗状況、またそれを外しましてから、その詳細な工事についての段取り等がございます。その点が、現在の時点でまだ明確になっておらないところがございますので、その辺を含めて、現在、第二期工事として十一月末までにはっきりするところがどの辺であるかということについての詰めをいたしておるところでございます。
○八木委員 はなはだ心もとない事業団側の御説明でございまして、それじゃあなたはどうなんですか、この第二期工事というのはいつまでなのか、第三期があるのか第四期があるのかもわからない。そうしてその工事契約は十一月末。これだってずいぶん遅い話だなと思うんだけれども、最終的にどういう契約になるかは別として、事業団としての計画はもうぴしゃっと立っているでしょう。事業団自体としてはこう進めていきたい、それをあなたは明らかにできないなんていうことが予想されますか、いまこの時期に差し迫ってきておって。それを明らかにしてくださいよ。
○倉本参考人 事業団といたしましては、来年の十月までにこの工事を完了したいということでの計画は一応持っておりますが、これについて、具体的には、工事をしてもらうメーカーと、現在その点について詰めを行っておるということでございます。
○八木委員 私が言っているのは、それは承知の上で聞いているわけでしょう、事業団としての計画というものを示せ。もういま持っているとおっしゃるから、資料を出してくださいよ。後で資料を下さい。
○倉本参考人 この工事の事業団としての計画につきましては、地元等にも一応線表をお示しをしてございます。
○八木委員 具体的な、いわゆる最終的に修理完了するまでの計画というものは示してないじゃないですか。示してないと現地は言ってますよ。出したのですか。何月何日までに、第二期なら第二期、その修理の内容はかくかくしかじかである、いついつまでに大体かくかくしかじかを終わる、そして十月にはこのように完了するというものを示したんですか。
○倉本参考人 事業団として考えております工事の計画についてのスケジュールは、一応お示ししてございます。これを具体的にどういう形で契約をしていくかということにつきましては、メーカーと段取りをして、一本の契約でやれるかどうかということについては、現在折衝をいたしておるというところでございます。
○八木委員 メーカーとの話し合いの段取りの問題は、それはもう段取りの問題として、事業団としてはかくやっていきたい、こういう考えであるというものを示して、いないじゃないですか。あなたが言われる示したという意味は、あと八カ月で残り全部はやってしまうつもりでございます、そのうちの大半は来年の七月ごろまでに終わり、残り部分は十月までに終わりますと説明しただけでも、計画を説明したと言えるかもしれませんよ。しかし、そんなものは計画を説明したことにはならないのであって、相当具体的な内容を明らかにした計画でないと、計画を説明したことにならないでしょう。ですから、そういうのを出しますね。私どもに下さいますね。
○倉本参考人 地元に対しましては、遮蔽体の各工事項目につきまして、たとえばふた部遮蔽体コンクリートの充てん据えつけはいつからいつまでというような形で、大体このようなスケジュールでやることにしたいと思っておりますという御説明を具体的に申し上げまして、具体的に個々の各項目につきまして、このスケジュールが大体固まったものについて契約をしていくということで、現在話を進めておるわけでございます。先ほど理事長から申し上げましたように、この三月から着工する工事につきましての材料手配等もございますので、それらにつきましては十一月末ころにはその契約をいたしたい、こう考えておるわけでございますが、大体どの工事についてその時点までにはっきりした契約ができるかということについては、現在メーカーと折衝をいたしておるということでございます。
○八木委員 これにばかり時間をとるわけにいかぬのですけれども、それじゃこう伺いましょう。 第二期分というのはいつからいつまでの分で、その主要なる内容は何でしょうか。簡潔に。
○倉本参考人 大体この二月末までに終わります工事に引き続いて行うものについてでございまして、その主なものと申しますと、これについては現在メーカーと、その時点から具体的に着工できるものが何であるか、その先十一月末までにどれだけの工事について具体的なスケジュールがはっきりさせられるかということについて詰めを行っておるというのが現状でございまして、その中にはある程度スケジュールの固まって、おるものもございますけれども、先ほど申し上げましたように、具体的に取り外し作業等が進んでおらないという点についてはまだはっきりしてはおらないということでございますので、この二月から先何カ月の分について十一月までに契約ができるかという詳細については、まだはっきりいたしておらないというのが現状でございます。
○八木委員 後で大臣に伺いますけれども、いまのような説明ではだれが聞いても納得しないのじゃないですか。第二期分というのはいつまでに完了するのかも言えない、その内容がどの程度のものになるのかも言えない。しかし、常識的に考えまして、あなた、一期分で終わる分はそれこそほんの一部でしょう。圧力容器内の上部の遮蔽その他というのは大変むずかしい仕事ですね。しかも核封印でございまして、圧力容器それ自体の上ぶたをあけないままでやらなければならないという難作業だ。それで、しかも圧力容器を納めております格納容器の上部の部分周辺というようなものはまだ全然でしょう。それから今度は、いまの二十項目にわたる機器それ自体の回路変更やその他、大部分の仕事は一期の中には入っておりませんね。 〔委員長退席、椎名委員長代理着席〕 ですから、あえて単純に申せば、一期というのは格納容器の下の部分の遮蔽工事をやるだけでしょう。 大臣、こういう状態で実際に来年十月までに工事が完了するのでしょうか。この場では明らかにされなくても、当事者同士、事業団と科技庁との間ではもう少し詳しい、しかも期限内に完了できるという確信のある具体的な計画の説明がありましょうか。
○中川国務大臣 八木委員御指摘のように、来年の十月までにやらなければならないことは約束でございますから、しかし御承知のように、これまた工事にかかったのがいろいろなことがありましてことしの八月です。三年間の工事期間が実質は一年少々、一年半ぐらいになるのですか、ということですから、期限内にやるのにはなかなかむずかしい点があることは事実でございます。その上に一道路や橋をかけるのとは違って、これは何日かかる、どれぐらいでできる、いつまでできるということを見通すことも、ほかのものとは違って、ああいう窮屈なところで作業する、前例のないことですから、見通しを立てるのもなかなか大変だ。さてまた、期限を守るために突貫工事でやれという結果、これがまた粗漏なものになったら、ほかのものとは違って大変な結果になりますから、慎重の上にも慎重に工事をやらなければいけない。こういう他にない幾つかのむずかしい条件の中で工事を鋭意やっておるということでございまして、いや、これは何日で、これは何日までにというようなことを明らかにしてできるものではございませんので、この点は御理解いただきまして、われわれも事業団を督励すると同時に、メーカー、業界にも、約束のあることだから期限内にできるように御協力を願うし、しかし、そうかと言って安全性がおかしくなるということになったらこれまた大変であるから、その辺のことだけはしかと頭に置いて、お約束の期限内にできるように、いまのところは何とかいたしたい、こういうことでやっておるところであって、これの見通し、あるかないかといま詰められましても、むずかしい工事であるだけに、いまのところは、総理も答弁しておりますように、約束であるから十月までにやりたいということで、変わらない方針で努力をしているということで御理解をいただきたいと存じます。
○八木委員 それでは事業団の方に、現在提出できる最大限の内容の今後の計画、その資料を私どもにくださいませんか。ようございましょうか。
○倉本参考人 私どもとしては、現在のわかっております点についてのスケジュールについては、御要望がございますれば御提出申し上げたいと思います。
○八木委員 ぜひそれはいただきたいので、御提出を願いたいと思います。ようございますでしょうね、委員長。 それで、私どもが申し上げておることは、どうでもこうでも期限内に、突貫工事で昼夜を徹してでも終われと言っているわけじゃないのです。それはできないのではないかという懸念を言っているわけです。工事を完了できないのじゃないか。もし完了できなくたって約束は守ってもらわなければなりませんぞ、十月には佐世保を出ていってもらわなければなりませんぞと言っておるわけでございます。 そこで質問は、いわゆる佐世保における五者協定に移りますけれども、この五者協定第二項、これはもう大臣御存じのとおりでございますが、これは、「むつ」は、佐世保港におけるところの約三年間の修理が終了した後、新定係港に回航するという趣旨のものです。この五者協定第二項というのは、この三年の間に修理が終わらないというような場合とか、新定係港が決まらない場合とかいうようなことは一切想定していないわけです。この協定第二項の読み方ですけれども、この三年以内に修理が終わらなかった場合とかあるいはこの三年以内に新定係港が決まっていない場合とか、決まらない場合とかいうようなことは一切想定していないわけですね。ともかく三年たったら佐世保から出ていく、その三年の間に修理を終わる、新定係港も決める、こういうことであって、修理が三年以内に終わらない場合とか新定係港がその間に決まらない場合などは一切想定していないということは、ともかくも三年たったら佐世保から出ていくという約束である、こういうふうに明確だと思いますが、そう御理解でしょうか。
○石渡政府委員 五者協定の第二項には、乙、すなわち原船事業団は「「むつ」の佐世保港における約三年間の修理が終了した後、「むつ」を新定係港に回航するものとする。」とのみ記載されております。 この条項の解釈でございますが、先生おっしゃるように、こういう場合こういう場合ということは付記されておりません。でございますが、われわれといたしましては、この約三年のうちにぜひとも修理を終了いたしまして、新定係港に回航するという最大限の努力を払うべきであるというふうに考えているわけでございます。
○八木委員 それじゃ大臣にお伺いをいたしますが、三年の期限がたったらば大臣の責任においてこれは必ず「むつ」を佐世保からどこかへ回航するか、回航するところがないならば炉をどこか陸に揚げるしかないと思うのですが、いずれにせよ、「むつ」は期限が来たらば間違いなく佐世保を出航させますね。佐世保から出しますね、大臣。
○中川国務大臣 五者協定を結びましたときには、三年間のうちに工事を終わらせて、しかも新定係港を決めて、そして持っていく、三年たったら、来年の十月までに出ていく、こういうことでございまして、いま鋭意工事を来年の十月までにできるように、そして、おしかりを受けておりますけれども、政府としてではない、まだ科学技術庁長官としてのお願いではございますが、大湊に何とか新定係港として再度御考慮願いたい、血のにじむような努力をいたしまして、約束が守られないというような事態にならないように最善の努力をする以外ありませんで、もし守られなかったらどうするということはまだ想定いたしておりません。
○八木委員 そういう答弁では、今度は逆に、これは三年たった後でも居座ることがあり得るかもしれないという答弁というふうに受け取られますよ。三年以内に何としてでも修理は完了したい、新定係港も決めたい、そして約束どおり履行したい、こう答弁をしていただかなければ。その答弁、一つも困ることないでしょう。
○中川国務大臣 そう簡単におっしゃられるけれども、もしできないときに、工事途中でどこへ行けといったってそれは行けることでもありませんしへ新定係港がないのに行けといったって……。それを短絡的に居座るんだと決められるのも困るが、いや、どんなことがあっても出ていくんだと追い詰められても、責任ある者としては、現段階では何としても約束を守れるように最善の努力をする、これ以外にありませんで、その場合はいや居座るんだとか、いや出ていくんだとかいうことはちょっと御勘弁を願いたいと存じます。
○八木委員 約束を守れるように最善の努力をするという御答弁でありますが、警告などという言葉を使うと少し大仰ですけれども、実際時期が来て出ていけないというような事態になるとこれは大変な事態になると思いますよ。 それからまた、理屈を言うわけではありませんけれども、この協定そのものが、修理を終わってから出ていく、新定係港が決まってから出ていくというのであるならば、また表現の仕方が違うのですよね。修理を佐世保でやる、その修理は三年以内に終わる、その間に定係港を決定する、しかる後「むつ」は佐世保を出ていくという、そういう表現の仕方になるわけですから。だから、あくまでも五者協定というものは、佐世保におってもらうのは三年期限だぞということなんですから、これはぜひ踏まえて、大臣の責任において対処していただかなければならぬ。この場はその要望だけを申し上げておきたいと思います。 できるだけ関委員の方に、陸奥湾の問題等を中心に質問してもらいたいと思っておるのですが、大湊の問題についてほんの一、二点だけ質問をいたしたいと思います。 どうもこれは中川長官ともあろう方が、非常に軽率な行動をしたのじゃないか、こういうふうに思います。甘く考えていたのじゃないですか。これはいわゆる科技庁側にも、事務当局にも私は責任があると思うのですけれども、八月の十四日に青森県知事と東京で正式に会談なさって、そして一種の要請をなされたわけですが、以後の行動を見ましても、それ以後いろいろと「むつ」の大湊港の問題が出ましたですね、事実が。大湊港が現在の原子炉付帯施設の安全基準にもはや合わなくなっておる。したがって、それに合うようにするためには少なくとも二年以上の新しい工事を要するとか、あるいは廃液処理の問題とか、あるいは燃料体二体がなお残されていたとかいうような問題等々が出、そうして現地漁民を初め非常に動きが活発になってきたわけですが、その状況の中においてもなおかつ九月十日、山形で記者会見をなさって、そうして中川大臣は、場合によっては私が現地を訪れて話し合いをしたいというふうに言われ、そして新聞に大々的に報道された。その点について、一体どういう見通しと確信を持ってそういうことをなさったのであるか、今日どう思っておられるか、御答弁願えますか。
○中川国務大臣 私が七月に就任をいたしまして一番頭の痛い問題は、やはり「むつ」、五者協定に基づく工事を促進しなければいかぬということと、もう一つは、新定係港を早期に決めることが五者協定の約束履行の上からも大事なことである、こう考えまして、新定係港の選定経緯、現状等を事務当局から聞きまして、そう長く待てるものではないということからいろいろ考えた末、青森における四者協定が守れなかったことは遺憾であるけれども、この際ざっくばらんに再度お願いしょう、いろいろな総合判断をして、この際は大湊にもう一度お願いする以外にない、こういう判断に立ちまして知事に来ていただいて、四者協定が守られなかったことに対する遺憾の意、おわび、そして再度大湊に御検討をいただけないか、こういうことでざっくばらんにお願いいたし、引き続きむつ市長、さらに漁業団体の代表者の方にもお越しいただいてお願いをした。 ところが、知事さん、また市長さんからこれはまだお返事ございませんけれども、漁業団体の皆さんからは、イデオロギーその他で反対するものではない、資源が大事であり、湾であるというところからお断り申し上げます、ひとつどこか他に大臣、御決定願いたい、こういうお話でございました。私は、確かに気持ちはわかるが、今度は安全性について十分自信のあるものであるから、その点は信頼してもらいたいし、万々が一それでも事故がなおかつあった場合には、政府が責任を持ってこれを処置いたしますからということで、再度ボールを投げてある、こういうことでございます。 それから、その後「むつ」についていろいろなことが起きたとおっしゃいますが、私は、燃料体の問題も当時からあることは公表しておったところですし、それがさわっても害のあるものではない、燃やす前は何にも害のないものであるということも説明して御納得いただきましたし、さらに現在の安全基準に合わないとおっしゃいますけれども、スリーマイル島におけるああいう事件等もありまして、安全には安全をというダブルチェックを政府でやったように、欠陥車だからやった、こうきめつけられればそうでありましょうが、私どもとしては、よりより安全にということでやったことでございますから、御理解がいただけるのだろうと思います。そういうことを判断して、一度現地に行って私どもの考え方も申し上げ、また現地の皆さんからもじかの声を私も直接聞きたい、もう一つは、もっと大事なことは、大変御迷惑をかけておる、約束が守られなかったこともじかにおわびもしたい、こういう気持ちで現地に意向打診をいたしましたところ、いまの段階では、来ていただいても不愉快なことを与えるだけであるから、時間を待ってほしい、こういうことでございました。 以上が今日までの経緯でございます。 今後につきましても、さらに地元選出の先生方にも先般来お願いをして、早く私が説明に行けるとか何らかの打解策を、協力要請もする等々、政府側あるいは政治家の皆さん等々、漁連、水産庁等にもお願いして、長崎とのお約束が果たせるように、最善を尽くして、人事を尽くして天命を待つ、もう一生懸命やって結果はこれに従う、こういうことでやっておるのでございまして、何とぞ御理解をいただきたいと存じます。
○八木委員 もう質問をいたしません。最後に意見だけを言って終わりますが、たとえば来年度の国家予算についての予算要求、それは債務負担行為としてというのでありますけれども、昭和五十六年度と五十八年度、大湊港の整備をする予算六十億、その契約を来年度でもできるようにという予算要求をしておるという事柄等も、科技庁の事務当局あたりはいろいろと言うかもしれませんけれども、しかしこれなども非常に政治性のない話でありまして——まあここら辺についてもやりとりをする時間がありません。 結論として、私は、もし万々が一定係港の話がついて、そうしてそこで上昇試験をやってというようなことに万々が一なるとしても、それはとてもそういうことにならないと思っておりますけれども、なるとしても、これはまだ全く不完全な機器でありますから、どんな機器だってテスト段階じゃいろいろと故障やその他が出るわけでありまして、今度そういう事故が起きたら、もうあなた、半永久的に原子力船なんというのは吹っ飛んでしまいますよ。急がば回れと言いますけれども、いまの「むつ」が核燃料を初めて装荷してからまさに実に八年間、完全に時間を空費しておるというのが実情でございましょう。だとするならば、やはりここはメンツや経緯にこだわらないで、もう 一度原点に立ち返って、そうして基礎的な実験研究に入るということにすべきであると私は考えます、たったあと五年間を延ばすなどという小手先のやり方でなくて、そういう法改正案を提出することではなくて。そういうふうに考えるわけでございます。 最後は意見でしたけれども、以上で私の質問を終わります。
○中川国務大臣 意見の部分は貴重な御意見として承っておきますが、ただ一つ、予算を組んだことがけしからぬという点、これは佐世保と約束をして、新定係港をつくる、こういうことになれば、担保するためにはやはり予算も、どこに決まるにしても、仮にむつに決まるならばむつのこの辺のところという想定、それ以外ならばどうというようなことで予算要求もしておきませんと、佐世保の方から、何だ政府は予算もつけないで何が新定係港だと怒られても困りますので、やはり約束を忠実に守るという一環から出したことでございますので、決して決まらぬのに押しつけて予算を組んだという性質のものではない。新聞にこれが第一番目に出て、地域住民の反発を招いた原因にもなっておりますので、決してそんな強行して、予算を隠してやろうなんというけちな考え方じゃなくて、やはり政府の姿勢として、五者協定に忠実であるとするならばそれくらいの姿勢は必要であろう、こう判断したのでございますので、どうかひとつ御理解いただきたいと存じます。
○八木委員 一応承っておきましょう。
○椎名委員長代理 関晴正君。
○関委員 中川長官にお尋ねをしたい、こう思います。 私は、長官が長官になられまして一番に手がけられた行為が、原子力船に関するわが青森県において結ばれた四者協定、この四者協定に違反する行為を一番にとられた、こう思っているわけです。八月十四日に青森県の北村知事に、再び大湊を「むつ」の母港にしたい、こういう御要請をしたことを指すわけであります。 午前中、総理に、うそつき総理になっては困ります、結んだ協定は守っていただきます、中川長官には要請を撤回するように方針をとってください、こう申し上げました。長官もまた聞いておられたと思います。 一体この原子力船の四者協定というものについて、長官はどのような認識をされ、そしてこの協定さしたることなしと思って青森県の知事に要請する、そういう決意に踏み込んだものであるのか、あるいはまた、さきの長官からの伝達事項といいますか、申し送り事項といいますか、そういうこともありまして、四者協定もあるけれども、そこへ踏み込むことにした、こういうことに至ったのか、あるいはまた、総理大臣の内意を受けてそこへ進むしか道なし、こういうことで踏み込むことにいたしたのか、そういう意味において、この四者協定にかかわる長官の認識、そうして長官のとられた行為、まずこのことについての納得させる内容があるならば、納得させるだけの力を持ってお答えしてください。
○中川国務大臣 先ほども八木委員に答弁、一部いたしておりますが、就任いたしまして一番頭の痛かった問題は、「むつ」が来年の十月には佐世保を出なければならないという期限が迫っておること、幸いに私の就任と相前後して工事にはかかれるようになった、この工事を促進しなければならない。一方、新定係港をつくらなければならぬという大事な問題が未解決になっておる。 そこで、新定係港についての候補地の選定等について、前大臣等も科学技術庁挙げてやっておったようですが、それら過去の経緯等も踏まえて、さあどうしようか、ずいぶん悩みまして、最終的には大湊にもう一度お願いする以外にない、五者協定を守る上からいってもこれ以外にない、こう判断をしました。 ただし、先ほど総理が答弁しましたように、このことは政府が大湊と指定したわけじゃなくて、科学技術庁長官としてむっというものを指定いたしまして、お願いする決意をしたわけでございます。 〔椎名委員長代理退席、委員長着席〕 総理にもこの点は御報告をいたして、総理からむつをやれと命令したのかということでございましたが、命令ではございません。私の方から、こういう判断で科学技術庁長官として交渉いたしたいがと申し上げたところ、ひとつせっかくの努力をしてみなさいという話でございましたので、まず知事さんにお願いをした。 そこで四者協定の問題で、ございますが、四者協定があればこそ、四者のうちの三者、私を除く三者に、四者協定の経緯もある、この点についてはまことに申しわけない、守るところは守ったけれども、大事なところが守られていない点については深くおわび申し上げます、まことに遺憾でございます、ついては新しくもう一度御検討願えないか、決めて指示したわけじゃなくて、御検討を願えないか、こうお願いしたわけでございます。 知事さんは、気持ちはわかる、大事な点は安全性の問題だ、この安全性については前回のこともこれあり、しっかりしたものでなければ困るということだけははっきり申し上げておきますが、せっかくですからお伝えいたしましょうということでもございました。 市長さんにもお願いしましたが、大体同様の趣旨でございました。続いて漁業団体の皆さんにも同じような趣旨でお願い申し上げまして、まあ相談しておきましょうということでございました。 知事さん、市長さんからは返事ありませんが、漁業団体の皆さんからは、資源の大事なところだ、かつては二億しかなかったホタテがいま八十億もある大事なところだ、つくった、誘致した時点といいますか、あそこへお願いした時点とは状況が違うと、切々たるお気持ちのお訴えもありました。 また四者協定そのものについては、もちろん決着をつけなければいかぬが、それとは別にひとつ再検討ということをお願いして今日に至っておるわけでございまして、約束どおり他にしかるべきところがあれば、これは本当にありがたいことなんですが、現在としては恥を忍んででも、わびるところはわびて、お願いするところはお願いしなければならぬということでやったところでありまして、政府が過去にいろいろと手落ちがあって、国会の皆さんはもとよりのこと、現地の皆さんに御迷惑をおかけした、この点については深くおわびいたしますが、原子力行政を預かり、現実に「むつ」を預かっておる私としてはこれ以外に道がないし、誠心誠意やってまいりたいと存じます。
○関委員 六年前の四十九年の八月二十五日、そうして翌日の二十六日の一時前、このときに船は立っていきましたし、船が立つ前においては異常な事態が発生したわけです。漁民のあのような異常な出力上昇試験に対する抵抗、それが見られたということは、何に基づいてそういう声があったと理解されておりますか。
○石渡政府委員 お答えいたします。 四十九年の八月二十五日、六日、確かに異常な事態であったわけでございまして、恐らく出力上昇試験に対する安全性ということに対する御心配に対して、政府、事業団側がより適切に対応し、よく実情を御説明しておったならばということは感じますけれども、何せ過去のことでございます、ああいうことが何とか防げたのではないかという気持ちはございますけれども、とにかく事実は事実として、きわめて異常な事態であったということは認めざるを得ないと考えます。
○関委員 適切な理解がなされておれば発生しなかったであろう、そのとおりだと思います。適切を欠く内容というものを何と理解されておりますか。
○石渡政府委員 基本的には、ああいう研究開発ということの基本的な性格を、地元の皆様方に日ごろよく御理解を願っておくということ、そしてでき得べくんば気持ちの交流といったものがあるべきであった、そういうものが欠けていたというのが基本的な原因であるというふうに現在考えております。
○関委員 私は、この分析が甘いから、この分析がきちんとしていないから、大臣をも迷わすことになるのじゃないだろうか、こう思うわけです。私は、中川長官という人はなかなかきつい方で、物のわからない人だと初め思っておりましたけれども、会ってみますと、そうでもない、人のよいところが多々あると私は見ました。 そこで、これはその長官を活用してしゃにむにやろうと思っている意図があるいは政府の方にあるのかもしれないし、あるいはまた、この方を利用してとにかくがむしゃらに進めた方がいいだろうと思っておやりになっておるのではないだろうかとも、また感ぜられます。 八月二十五日と、それから翌日の未明に至るこの実態というものは簡単に生じたものじゃありません。あるいは革新運動が指導してああいうふうになったものでもありません。あるいは日本社会党を中心とする革新勢力がしゃにむにああいうことに持ち運んだであろうという認識があるとすれば、これは誤りです。漁民が何を恐れたか。漁民は、出力上昇試験をして再びこの海に帰ってきたときに汚染がなされる、汚染されると大変だということで、そういうことのないようにするためにひとつ手だてを講じようということで、陸奥湾内の漁民たちが決議を上げております。その決議は御存じでしたか。その決議に忠実にしようとされましたか。まずこの二点を聞いておきます。
○石渡政府委員 出力上昇試験に立つ前の漁民の六項目の御決議は承知しております。そういう下敷きがあったからこそ、いわゆる四者協定にその実態が結びついていったのであろうというふうに理解をしております。
○関委員 私はいまの答弁でいいと思うのです。なぜいいと思うかというと、午前中にも総理はおっしゃいました。緊急の事態であって、人命にもかかわるような事態でもあるからああいう協定に至った。あたかもああいう協定がやむを得ないような答弁をされているのですが、本当はそうじゃない。私は、この「原子力船「むつ」の出力試験に関する決議」をひとつ長官にも知っていただきたいと思うのです。これは船が出る前になされた決議です。 「むつ湾地区漁協経営対策協議会は、昭和四十九年七月二十四日原子力船「むつ」の出力試験に関し、臨時総会を開催してむつ湾地区漁業協同組合代表者等と本問題について協議した結果、下記事項が解決されない限り、原子力船「むつ」の出力試験について反対を表明することを決議する。」「1原子力基本法の三原則を厳守すること。2廃棄物処理対策を完全に行うこと。3出入港の予定日時を事前に県漁連に連絡のこと。4日本分析化学研究所の放射能測定にあたつてのねつ造データーについての解明を行うとともに、施設等一含む船自体一内外の放射能汚染対策に万全を期すること。5直接、間接的被害については、六十億円にとらわれずに、すみやかに立法措置を講じ、完全補償を行うこと。」最後が大事です。「6定係港については、原子力船「むつ」第一船の出力試験終了後、直ちに外洋に移転することの確約を行うこと。」こういうような決議がなされておったわけです。 出る前です。ですから、出てきてから、そうして事件が発生してから、やむを得ないから定係港を撤去すると約束したと思っておられるとすれば、その認識は正しくはない。この認識は正しくはないということだけをまず一つ頭に入れていただきたいということです。漁民はもう初めから、出力上昇試験を終えたならば後は外へ行ってくれ、こう決議しているわけなんです。そういう点では、まずそこを理解していただきたいということを申し上げておきます。 長官は、八月十四日に青森県の知事にお話をされました。そのお話の中で長官は、この大湊が最適地だということでお願いされました。私は、どうしてこれが最適地なのだろうか、どこに適地としての条件があるのだろうか、何度も何度も考えてみました。青森県に昭和四十二年に誘致されたときには、私は青森の県議会議員でした。これを誘致しようとしたのは、私と青森中学の同期であるむつの市長でありました。また、竹内俊吉知事のときであります。知事が容易にこれを受けたのも、そこには、青森県のむつ製鉄という株式会社が、国が何とかするであろうという花の咲く時点において挫折しました。その挫折したときに、また政府にだまされた。何と何度も何度も青森県は政府にだまされるものだろう。四十二年というのは失望のどん底にあったときです。そこで、おぼれる者はわらをもつかむと申しましょうか、危険なのも知らないで、原子力船母港の話が出てきたものだからこれに飛び込んだのです。これは、よくてだとか悪くてだとかいう話じゃない。まさに、期待しておったところのむつ製鉄株式会社の瓦解によって、期待したものができなくなってしまってこういう話が来たものだから、そこへ乗り移ろうかということになっただけにすぎない。しかもそのときに、青森県の下北半島に国道がない。津軽半島にも国道がない。全国の半島の中で国道のないのは、この青森県の津軽、下北の半島だ。能登半島にもあるし、薩摩、大隅の両半島にも国道はある。そういうことで、国道をつくってくれるならばということもあって、知事は踏み込んだのです。何も、これがいいものだろうと思ってやったんじゃない。そのとき私は、ガルベストンという町にアメリカは置いておるけれども、このガルベストンと大湊を比べてごらん、適地条件だとするならば類似するものがあるかどうか、何の適地であろうか、こういうことで論戦をしたわけであります。 そこで、長官が何でこの大湊が最適地だと判断されたのか。政治的条件が適地条件であるというのか。科学的条件が適地条件だというのか。経済的条件が適地条件だというのか。何をどう考えて、大湊が最適地だと判断されたのですか。四者協定という大協定がある。この大協定というのは、最適地ではなくて、最不適地条件である、こう思うわけなんです。どこに最適地だという理由がございましょうか。そういう意味で、私は、長官が少し勇み足であったのではないだろうか、また長官に教える人たちも十分によく教えなかったのではないだろうか、こうも思います。長官が適地と判断した理由は何であるのかを具体的にひとつ示していただきたい。
○石渡政府委員 まず、私どもの説明が不十分であったのではないかということについては、そういうことはございません。 なお、冒頭、長官の御人格に関する御発言も、ございましたが、仮にわれわれが不十分なあるいは不正確な御説明を申し上げたにしても、それが通る方ではございません。それだけまず申し上げたいと存じます。 適地であるかということについては、まず第一に挙げたいのは歴史的な事実でございます。一度母港としてお願いしたことがあるという点が第一でございます。もちろんそれについては四者協定の存在が大きくのしかかっていると申しますか、また別に大きな存在としてあるということも事実でございます。一般論になりますが、まず気象あるいは海象等の自然条件、あるいは水深、操船等の港湾条件、それからでき得べくんば水利、交通等の周辺環境条件がいいということが一番であるということでございます。 もちろん、いろいろその他、午前中にも御指摘がございましたが、その海域の漁業等の条件等マイナス条件もあるではないかということで。ございましたけれども、これらを総合的に判断させていただいたということでございまして、総合的判断ということで御理解をちょうだいしたいと存じます。
○関委員 私は、科学技術庁が少なくとも科学という文字のもとにある庁であるならば、第一に基本に置くべきものは科学的条件だと思うのです。むつ小川原開発というのがあります。あのむつ小川原開発という巨大開発のためには、陸奥湾に巨大タンカーを持ってきて、そうして石油コンビナート地帯を六ケ所の地域につくろう、こういう計画がございました。そのときに、陸奥湾が汚されますよ、陸奥湾が汚されて何の開発です。これは昭和四十四年です。むつ小川原開発というものが国土庁で企画されまして、これに飛び乗ったのも知事の誤りです。そのときに、言うなれば、シーバースを陸奥湾内に設置しよう。五十万トン、三十万トンのタンカーが来るわけですから、これを波静かにして平穏なるところの陸奥湾に置いたら一番いいだろうと考えました。ところがそのときに、一体陸奥湾の潮流はどうなっているんだろう、潮の流れはどうなっているんだろう、一たび汚染されたときに、油汚染された場合に、すぐそれが外海に流れていくようになっているかどうか。この調査をされた上でこの問題を解決したらどうかという問題が出ましたときに、決めてからやろうじゃないかということになったのです。何と多数というものはひどいものです。 そうしてやりましたところ、北大にこの調査を求めました。求めたときに、驚くなかれ、この青森の海というものは入り潮、日本海の方から入ってくるところの潮が、太平洋に抜けていくまでの間にこの湾内をぐるぐるぐるぐる回る。きれいに回る。回り過ぎるぐらい回ってようやく外へ出るということが、北大の方の調査によって明らかにされました。それによって、言うなればむつ小川原開発における重大な一つのポイントであったシーバースは湾内に置くわけにはいかない、そうしてこれを太平洋に置こう、こうなったのです。今度は太平洋に置いて、一点係留ブイバースということでやっておりますが、これにもいろいろ問題があります。 そこに話を移すわけにはいきませんけれども、そういうこともありまして、あの陸奥湾という海は、一たび汚染されるというと洗たくのきかない海なんです。洗たくのきかない海です。 〔委員長退席、椎名委員長代理着席〕 絶対放射線が漏れませんよ、絶対という言葉が言えるならば、何もわれわれは苦労しません。この世の中に絶対というものはないでしょう。相対の世の中でしょう。まして絶対安全だというものが、二%にも満たない出力上昇の過程において放射線漏れが発生したんですから。何とおわびしていいかわからぬ、申しわけないというこの一語に尽きて、もう青森なんかにはお願いする何らの理由はない、そういう一つの決意がなければならなかったと私は思う。そういうものをわきに置いて、適地だと言う。こういうことが適地条件に入りますか。しかも今日、ホタテ産業、それからナマコ、アカガイ、みんなおいしいものばかりです。百三十億の水揚げ高ですよ。日本のどこにあります。しかも今日二百海里の時代、水産のために増殖をやろうじゃないかという国の方針です。ここはそれに基づいて発展しているところなんです。さればこそ、出力上昇試験に行く前に漁民は、まあ一回だけはいいだろう、お帰りになったときは別の方に行っていただきますよ、こういう気持ちであったのです。 そういうことを考えますときに、適地だなんていう理由は出てこない。何でこれが適地なんです。漁民の生活なんというものは、この母港の前においてどうなってもいいというのならば、適地になりましょう。そういうのならば適地になります。何でもいいから、原子力船の母港のために役に立つということだけをプロパーに考えて済ませるならば、それは適地かもしれませんよ。そんな簡単なものではないでしょう。そうして、こういう経過があったでしょう。ましてや協定という決断があったでしょう。そういうことを考えますというと、私はここに持ってくるなんということはそうやすやすとお話に出せるものではない。先ほど長官、いみじくも恥を忍んでと、こう言った。かわいそうじゃありませんか、長官に恥を忍んでなんという言葉を言わせるなんて。 そういう意味で私は、一たん忍んだ恥ですから、ひとつもう一遍忍んで、そして要請を撤回する、これがいま大事なことではないだろうか、こう思うのですが、その点についてひとつ、わかった、こう言えませんか。お答えください。
○石渡政府委員 いろいろ御指摘があったわけでございますが、そういう漁民の方々の御心配が、あるいは出力上昇試験以降は排水を湾内に排出しないでもらいたいといったようなことで、当時いろいろなお約束が交わされたわけでございます。 私どもは、もし再びお願いできるものであるならば、そういう過去のお約束は何とか技術的には守っていきたい、そういうことによってああいう閉鎖性水域における危険度ということは避け得るのではないかというふうに考えているわけでございます。 たびたび長官につらい御答弁をお願いして申しわけなくないかという点については、まことに申しわけないと思っております。
○関委員 おわびをして事を済ませようとお考えになっているかもしれませんが、私は、おわびをして事を済ませようなんというようなことでおやりになることはやはり適当ではない。科学技術庁なんですから、科学的に事を処理する、これを原則にしてやっていただきたいと思うのです。 そこで、いろいろ調査をし、お願いをしたけれども、どこもないから青森だ、おわびをして青森にしよう、こう歩いてきたわけですね。いろいろ調査をし、当たってみたけれどもというのを具体的に、今日までの間何月何日どこそこに、いつ何どきどこそこにということについての御報告をしてください。
○野村参考人 私どもは原子力船の当事者といたしまして、定係港というものの必要性を一番感じている立場でございます。 そこで、調査でございますけれども、ずっと以前のことは、これは別といたしまして、ここ…… (関委員「六年でいいよ、四十九年から五十五年、きょうまででいい」と呼ぶ)五十年当時というものは、当時の科学技術庁の政務次官を長とする調査委員会といいますか、そういうものを役所の方におつくりになって、それに私どもも参加をして、そして全国相当の地域の調査をしたということがございます。それから、それよりずっと後になりまして、五十三年に私が着任しまして間もなくでございますが、選定要件というものを、一つの基準をつくりまして、これをお役所の方と御相談をして、それと前後していろいろと各地の調査をいたしました。その調査の時期は、大体五十二年、三年、四年ということで、全体で、そうでございますね、程度の差はございますけれども、数十カ所を調査をして、それを逐次科学技術庁の方に御報告をして、科学技術庁はさらにそれを役所の立場で検討されて、それでだんだんとしぼってきたという段階でございまして、全国で数十カ所という数の、これは机上調査が主でございますけれども、調査をいたしました。
○関委員 私の聞いているのは、いつ何どき、どこそこにという交渉をなされましたか、机上プランで調査をしたということを聞いているんじゃなくて、いつ何どきどこそこに当たりましたか、当たった結果こうでございました、ここに当たったらまたこうでございました、そういう事実について報告してくださいと言っているのです。
○野村参考人 いま申し上げましたような机上の調査をしておりましたころに、各地の、これは必ずしも市長さんとか町長さんというそういう責任者ではございませんけれども、その町の有力な方等からいわば非公式の話がございまして、その日時は、どこの町がいつごろであったかというのは私、ちょっといま覚えておりませんが、昭和五十三年、四年ごろに二、三そういう非公式なお話が、いわば地元の有力者からむしろありまして、それでそれについて私どもが机上の調査をしたということで、私どもとしていわゆる一つの決意をして、あるいはお役所の了承を得て折衝をしたというようなことはございません。
○関委員 言うなれば、どこにも交渉もしないで、そうして青森県にだけ要請の行為をとった、こう理解してよろしゅうございますか。
○石渡政府委員 いまほどの野村理事長の御説明を若干補足させていただきますが、五十三年七月二十一日に五者協定が締結されたわけでございます。同年の八月三十一日に原船事業団が新定係港選定方針を取りまとめております。その前に、約四十カ所ほどの机上調査を行ったわけでありますが、それに新たに二十地点ばかりを加えまして、六十地点について再び机上調査を行いました。その結果をまとめまして、約五地点の候補地を選定したわけでございます。これが五十四年の三月でございます。以降、この五地点につきまして現地調査あるいは地元の方々との若干の折衝を行ったわけでございます。いずれもいろいろ大きな難点があるという状態が続きまして、その段階で、大湊港に再びお願いできないものであろうかという考えもこの過程で出てきたというのが今日までの経過で、ございます。
○関委員 五地点というのはどこどこですか。
○石渡政府委員 直接の地元の地点でございますので、この際、五地点を申し上げることは御容赦賜りたいと存じます。
○関委員 それらの地点は、何を理由として難点と相なりましたか。
○石渡政府委員 主として自然条件と申しますか、港湾あるいは岸壁等の困難さということが主な点であったと理解しております。
○関委員 それらの地点の漁業の水揚げ金額は、陸奥湾を上回っておりますか、どうでしたか。
○石渡政府委員 そこまで数字を正確に把握しておりません。
○関委員 少なくとも適地を探すだけ探し、何とか適地に全力を挙げた、こうおっしゃいますが、私は、この適地探しの全力の挙げ方というものは十分ではない、新しい長官のもとに適地を探して、そうして取り組むという姿勢があるべきであったと思うのですが、新長官になられてからそういう新しい個所についての御相談をされましたか。 〔椎名委員長代理退席、委員長着席〕
○石渡政府委員 全く新たな地点についての御相談はしておりません。
○関委員 長官にお伺いします。 長官は何を見て、何を聞いて、そうしてここが最適地だと判断されましたか。
○中川国務大臣 いま事務当局より答弁いたしましたように、五十三年、厳密に言えば五十四年からですか、約六十カ所の候補地、さらに五地点にしぼっていろいろやってみたが、なかなか大変だ、適地がないという話でもございましたし、また一方、私の頭の中には、佐世保について約束もある、そうすれば早く決めなきゃならぬということが五者協定を守るゆえんであるということ。それからもう一つ、御指摘のあそこが湾であること、さらには養殖栽培漁業が非常に発達しているということ、これが一番頭の痛いところではございましたが、この点むずかしいところですけれども、要は放射線あるいはそういった汚染物質を海に出さない、この点をはっきり明確にするならばその点は克服できるのではないか、この辺はひとつ本当にひざを交えて十分話し合えば——どこへ持っていっても、漏れるという前提で交渉をしたのでは交渉ができない。やはり漏れないんだという、漏れたときにはそのかわりどんなに害があろうとも責任をとる、こういう基本方針。しかも過去の経緯があって、あそこには相当の国家投資もしておることでもございますし、ひとつ漁民の皆さんにざっくばらんに、迫った事情、原子力行政の大事な事情、そして被害については絶対出さない、出した場合にはと、こういうことでお話しすることが総合的に判断して一番妥当なことではないか、こういうふうに思いまして決断を下した次第でございます。
○関委員 絶対に安全であり御迷惑をかけない、この気持ちで臨むことは当然だと思います。そういう気持ちなら、御迷惑をかけたところにまたというお話に私はならないはずだと思う。あなたのところにはこの間御迷惑をかけたから、もう言いたいけれども言えないんだ、絶対に安全と確信を持ってこの次は他にお願いをするんだ、こうして他にお願いをする努力が先でなければなるまい。 しかるに、いまの経過を聞きましても、歴史的な経過がある、歴史的な経過というのは、ここに金を投じたという事実だけでありましょう。経済上の話だけでしょう。そういうようなことだけで無理に青森のむつにこれをお願いするということは、金のことで、経済上のことで考えて結論を出すということでは、きわめてこれは正しくなかった行為ではなかったのか。撤去をするという協定が、金の前にはまたもとへ戻ってもいいんだというこの認識。 参考人を呼びましていろいろと調査をされた際、この委員会でお話をされた際に、日立造船の社長さんは何とおっしゃったか御存じですか。知っているところをお答えください。
○石渡政府委員 日立造船の木下社長の発言でございますが、いろいろ発言しておられますが、関先生の御指摘の点は、官、学、民の協力体制の問題点、あるいは社会党案についての御質問について発言しておられます。それからさらに、「むつ」の今後の投資について関先生の、「むつ」を三百億円以上の金をかけて直すより新しい研究をじっくりやる方がいいんじゃないかという御指摘に対して、その意見には共鳴は感ずるが、しかし新しい炉をつくる場合にも、「むつ」の経験は少しでも取り入れるべきである、こういう御発言をなさっておられます。
○関委員 日立造船の社長も、事がもめてまた混乱するようなことが発生するならば、そういう道を選ぶよりは新しく新規まき直しで取りかかった方がよいと思います、こういう意味の御発言がありました。 私は、この御発言は、やっぱりスムーズに行くならば別として、またもめるならば新しく取りかかった方が、金の面からいっても結果的には安くつくんじゃないだろうか、こういう意味であったと思っております。そういう道をやっぱり私はとるべきだ。政治的に言っても科学的に言っても、陸奥湾は私は不適だと思う。 陸奥湾が適地だと思う点は何が適地だと思っているかといいますと、あそこに津軽海峡がありますね。この津軽海峡は残念ながら全部が領海じゃないのです。公海になっています。したがって、この公海を他国の原子力潜水艦が平気で通っています。そういうような点からいくと、それらの諸君のために、ときにはここに母港があればいいことにもなるのじゃないだろうかということが一つ出てくるかもしれません。あと、あそこの湾は軍事要港として、言うなれば艦船があります。そういうものにやがて原子力潜水艦等が出てくるというと、あるいは役に立っていい点があるかなとも思われます。 しかし、原子力基本法に基づいてつくる船、港 原子力基本法というものは、言うまでもなく平和を目的にしてという限定があっての法律です、あれは。民主、自主、公開の原則、そういうもので進められていくことを考えますときに、とにかくいまの状態で漁民がこんなに反対をしておる。漁民はわれわれと一緒に行動はしませんよ。われわれの生活を守るのには、われわれの手でやるのだといってがんばっています。私どもは、りっぱだと思っております。 われわれは何で反対しているのか。おいしいホタテだとかナマコだとかが食べられなくなることをおそれています。漁業がここからすたれていくことを心配するからです。そして、約束というものが守られないような日本の政治にしてはならない。私は、これが一番なんです。きょう午前に総理にも言いました。一国の総理が約束をしている、これを単に守らぬばかりじゃなくて、開き直ってまた置かせてもらいます、置きますなんということになったら、この世はすべてがやみじゃないか。賄賂の時代、うそつきの時代にしてはならない。ばくち打ちだとか賄賂取りのいまの日本の政治を清めよべじゃないかというのが、われわれの選挙に臨む方針でもありました。これにもう一つうそつきが入ってくるのかと思うと、たまらなくてがまんがならない。科学にうそがあってはなりません。うそのある科学は科学じゃないからです。そういう意味で、私は信頼の回復が何よりも大事だと思うのです。その信頼を高めることをどれだけされているでしょうか。 燃料体は何もないものだと思いました。きょう総理は言いましたよ、撤去したのですと。母港は撤去したのです、しているのですと明確に総理は答えられました。なぜ二体の燃料体が置かれるのですか。 それから、なぜ放射線で汚れた廃液が海に捨てられて黙っているのです。何で構わぬのです。このことについてお答えください。
○赤羽政府委員 新燃料二体につきましては、正規の燃料保管設備としての規制法上の認められた設備にとってございます。「むつ」の陸上付帯設備の中に、当時の申請に基づきまして一部削除されたものがございます。使用済み燃料の保管プール等でございます。こういうもの全部が一体になりませんと「むつ」の機能を果たさない。それで、「むつ」の出力上昇試験をやらない場合は、一部削除することによって全体のワンセットの機能がなくなるという考え方でおります。 また廃液の排出でございますけれども、昭和四十七年九月に新燃料が装荷されて以来四十九年八月に出港するまで、本船の管理区域で廃液が二百七十トン発生し、これを陸揚げしております。それから陸上で発生した六十トン、それから普通の・水道水、合わせまして六百トンを排出した。これは当時、逐一検査した上で排出されておりまして、すべて許容濃度を下回っているということで安全上の問題はないと考えております。
○関委員 撤去されている母港のことです。燃料体も当然撤去されていなければならないのじゃないですか。 それから、そういう廃液を放出する場合あるいは検査等が行われた場合に、検査をするたび、ことにそれぞれ結果を三つの団体に回答することになっておりますね。報告されていますか。
○野村参考人 当事者として御報告いたします。 燃料体は、ただいま安全局長から説明いたしましたように、装荷したときに、三十四体を用意をして三十二体を装荷いたしまして、二体を予備として定められた場所に保管をしておったわけでございます。そしてそのことは、格別隠したとかそういう事実はないのでございますが、いわゆる四者協定が結ばれ、その後船が回航した後も他に適当な保管場所もございませんし、現在の場所は認められた場所でございますので、そこで適正安全に保管をするということで今日に及んでいたわけでございます。 それから廃液等の処理につきましては、ただいま安全局長からお答えしたとおりで、ございますが、私ども事業団としてその処理について、許容濃度以下であったということははっきりしておりますので、それが環境等に悪影響を及ぼした、あるいは人体に悪影響を及ぼしたということはございませんですが、事柄は非常に重要なことでございますので、これについてのお役所への報告等に不行き届きな点があったということは、非常に反省をいたしているところでございます。
○関委員 燃料体を他に移す適当な場所がないから置いたというのですが、適当な場所は幾らでもあるでしょう。母港撤去ということなんですから、燃料体をそこに置く理由がないでしょう。私も行って見てきましたよ。三十四体のうち三十二体使って、残り二体ございます。しかし、いま適当な保管場所がなければ置いてもいいということですか、撤去するという方針に対して。しかも、適当な場所がないような日本の原子力行政ですか。適当な場所があるでしょう。それをあなた方の方は、また母港にされるであろうと思って置いたままなんでしょう。正直に言ってください。撤去するという大方針に対して燃料体を置けるものですか。知らなかったからこそわれわれも黙っておったかもしれない。 しかもこの点については、長官のところに参りました際、長官は、事業団年報に記してあるから隠しているものではないと言われました。書いているのは五十一年度の事業団年報でしょう。起きたのは四十九年度の事件ですよ。五十年度にも書かない。では五十一年度に書いて次の年に書いているのかと思ったら、五十二年度にも五十三年度にも五十四年度にも書いていませんよ。長官は初めそれを知らなかった。私が行ったときに、関君、何といったってここに書いてあるのだよ、こう言って五十一年度の団報を見せて胸を張りました。私はそのときに、うんそうか。その後あなたの方に参りましてお話をした際、あなたの方では、五十一年度に団報で明らかに書いております。毎年書いておりますかと私は聞きました。そうしたら、毎年書いておりますと言われたじゃありませんか。私は何も知らないものだから、そうですか、よく書いておられましたねとほめて、そうして立ち寄ってあなたの方から年報をもらいました。年報を出した方に、どこに書いてあるか示せと言いました。そうしたら、毎年は書いていません、五十一年度だけですと言われました。それじゃさっきの話は何だ、また、知らなければうそついて、ごまかして事を済まそうというのかと言って、私は大声を上げてしかりましたよ。私は、国会議員になって、余り職員をしかるなんということは好みません。二十八年も県会議員をしましたし、市会議員も八年もしましたけれども、私が職員をしかるなんということは、私の人生の中に余りなかったことです。私は、しかるならば市長と知事と警察庁長官と教育長だと言ってきた人です。今度だって私は、相手にするのは総理大臣と大臣です。一般職員をしかるなんという考えは持っていません。だけれども、あのとき私は、自分ながらも恥ずかしいほど大きな声を出しましたよ。五十一年度の年報に載せています、それじゃその後毎年載せていますねと言ったら、そうですと言った。うそも言う。言われて黙って帰ってなお静かにしろといったって無理ですよ。そんなうそは言うものじゃありません。 そうして長官は、今度はその話をしたら驚いて、後ろにいた局長にそうかと言ったのです。この長官はその程度なんです。この長官を相手に科学的論争をするなんということは無理ですよ。私はそう思っておるのですよ。そういう意味で信頼がますます落ち込んでおる。 しかも、定期検査をしたならば文書で報告することになっておる。一度だって三つの団体に定期検査の後文書を出していますか、お答えください。
○倉本参考人 燃料体の問題からお答え申し上げます。 燃料体に関しましては、この事業団年報の件でございますけれども、四十七年に燃料体が搬入をされましてから、四十七年度の年報以来、四十八年度、四十九年度、五十年度、五十一年度までは、確かにこの予備の新燃料体二体を保管しておるということを年報に記載をいたしております。五十二年度、五十三年度の年報に記載いたしませんでしたのは、その取り扱いについての特段の変更がなかったということでございますので、また、五十四年度の年報にはこの燃料体二体を保管しておるということを記載をいたしております。 また、この燃料体自身の保管につきましては、四者協定を結びました時点において、私どもと地元の三者の方々との間で「原子力船「むつ」定係港周辺地域等の環境の保全及び住民の安全確保等に関する協定」というのを結んでおります。これにつきましては、四十九年八月二十一日にまだ出力上昇試験に出る前に締結いたしておったわけでございますが、これを四者協定ができました十月十四日の日に一部改正をいたしております。改正をします前の八月二十一日の協定の中には、新しい核燃料の装荷や使用済み核燃料の運搬というような条項も入っておったわけでございますけれども、十月十四日の改正の時点におきまして、これらは新しい事態に対応してこういうことはないというようなことがございまして、削除されております。ただ、新しい核燃料を運搬しようとする場合につきましては、その五日前までに三者の方々の方に御連絡をするという形で残されておるわけでございます。したがいまして、その時点において新しい燃料がまだそこに残っておるということについては検討されておったのであろうと思われます。またこれにつきましては、県、市等の方も御存じのはずでございます。 また一方、廃液の問題でございますけれども、廃液の問題につきましては、四十七年の九月以降、出力上昇試験のために出港いたしますまでに陸上の新しくできました放射性廃液の処理施設の試運転、またこれにつきまして、出力上昇試験が終わりまして実際に放射性廃液が戻ってきた場合にこれを処理するということのために、この陸上の廃液処理の施設の試運転、あるいは従業員の訓練というようなことで、本船から揚げました廃液あるいは陸上の水道水等を使ってこの施設を動かし、実際にこれらの液を排水をしておるわけでございますが、これにつきましては、本船がまだ出力上昇試験を実際上いたしておりませんので、実際の放射性を持った廃液ではございませんが、本船から陸に揚げる場合も、実際にこれの試験が終わってからの時点を想定いたしまして、揚げる液についてはその時点で放射能をはかり、それを陸に揚げておる。それから、実際陸の上で試験をいたしまして放出する時点では当然放射能をはかってから放出をするということで、これらにつきましても、一応実際の放射性廃液を扱うということに準じて放射能をはかって排出をいたしておるわけでございます。これはいずれも、本船から陸揚げをいたしました時点での測定の結果、また排出をする前におきましてはかりました結果のデータ等につきましては、すべてその許容限度をはるかに下回るといいますか、検出限界以下の数字であったわけでございます。したがいまして、これらについては燃料を装荷した時点で放射性廃液として一応扱うということでございまして、これについては一応当局の方に御報告をいたしておったわけでございますが、その後、この実績等から見まして、これが実際許容限度をはるかに下回るというようなことから、放射性廃液としての扱いといいますか、報告をしなかった時期がございまして、これにつきましては、私どもとしてこの措置に非常に不備があったというようなことで、当局の方からもきついおしかりを受けておるわけでございまして、今後このようなことのないようにいたしたいと深く反省をいたしておる段階でございますが、流しました水につきましては、先ほど御説明申し上げましたように、許容限度をはるかに下回っておりますので、安全性等の面では全く心配のないものでございますし、またこの間におきましても環境放射能の調査ということで、施設周辺の海水あるいは海底土等を採取して環境調査をいたしておりまして、これにも何らの変化も出ておらないというような状況でございます。
○関委員 もう時間になってしまいましたからおきますけれども、長官に聞いておきます。 言うなれば、長官の要請を受けた青森県の漁民の団体の漁連、これらの方々は九月二十四日、ちょうど一カ月前ですが、再母港化に反対だという決意を込めて三百三十五隻、整然とその意思表示のデモの航行がございました。長官は、これらの反対する漁民を押し切ってまでも強引に再母港を押しつける、そういう御意思があるのかどうか。そんなことは全く考えていない、私はそう思っておるのですが、この点について一点だけ伺っておくと同時に、段々のお話を伺った以上、原子力船の母港をむつに要請するなんということはぜひおやめになって、新しい道をとるようにしていただきたい、こうも思いますので、これについてのお答えをいただきたいと思います。
○中川国務大臣 いろいろと御指導、御指摘いただきましたが、基本的なことで、撤去したのかしないのか、燃料体を持っておって、また来ようと思ってずるく考えておったのじゃないか。御指摘ではございますが、四者協定があったからこそ船は出ていっており、また帰ろうとしても帰ることができない状態になっているわけなんです。これを無理してやろうというのであれば、うそをついた、無理があった、隠してやろうと思っておったと言われても仕方がありませんが、基本的には御検討をお願いしたまでなのです。御検討をお願いして、どうしてもできないというならこれは四者協定を破って、何しても、なりふり構わずやるというのならおしかりをいただいても当然ですけれども、私たちはいろいろ総合判断をして、何とか御検討いただいて、よろしいということであればお願いしようということでございまして、検討の結果だめだと言われたらこれを強行するということはできないわけでございますので、どうか検討だけはいま引き続いてもう少しやらせていただいて、地元の意思を無視してやることはいたしませんから、話し合いの場だけは残していただいて、われわれの努力も認めていただけるように、この点は御理解いただきたいと思いますが、強行してやるということは考えておりません。
○中村委員長 草野威君。
○草野委員 私は、ただいま審議されております日本原子力船開発事業団法の一部を改正する法律案、この法案の中身につきましてお尋ねする前に、ちょっとお伺いをしておきたいと思います。 それは、先ほど長官がいみじくもおっしゃいました、新定係港については恥を忍んでも大湊港を再母港としてお願いをしたいのだ、このようにおっしゃっておられました。長官はそのような決意でございますが、先ほどの総理の御答弁を伺っておりましてもわかりますけれども、明確にはおっしゃっておりません。 そこで私は、この法案の審議をするに当たりまして一番重要な問題は、「むつ」のこれからの定係港をどこにするかということが非常に重大な問題ではなかろうかと思います。したがって、長官がそのような決意で就任以来いままで精力的に交渉されてきた。それを質問する私の方が、一体定係港は大湊なのか、それとも日本じゅうのどこかわからないで質問を続けるということは、これは非常に空虚なものを感じます。したがって、科学技術庁、また事業団の方におかれましては、長官の決意と同じように、何とか大湊港を再母港化してもらいたいのだ、こういうような気持ちでこれからも進められようとしているのかどうか。まずそのことについて、事業団、それから科学技術庁の御見解をひとつ承りたいと思います。この点はひとつしっかりと答えてください。
○野村参考人 お答えいたします。 私ども事業団は、原子力船の研究開発の当事者でございます。いままで論議されてまいりましたように、「むつ」の建造以来今日まで、いろいろと非常にむずかしい問題に逢着いたしまして難航してまいりましたけれども、ただいま御審議をお願いをしております法案によりまして新しい体制をつくりまして、そして引き続き「むつ」の業務を推進するのはもちろんのこと、広く原子力船一般につきまして、将来に備えて技術的なデータを蓄積すべく勉強をするということで、事業団の存亡にかかわる非常に重要な分岐点に立っておるわけでございます。 したがいまして、いままでいろいろと不十分な点、不都合な点はございましたが、ここで心機一転新しい任務をいただいて、そして全力を挙げて恒久機関として今後の「むつ」並びに原子力船一般の研究開発ができるように、全組織を挙げて最大限の努力をし、お役所の指導のもとに、関係各方面の御期待に十分沿うように努力をしたいというのが私どもの気持ちでございます。
○石渡政府委員 母港の選定につきましては、昭和四十九年以来いろいろ歴代先輩、役所といたしまして苦労してきたことでございます。そして現在の結論が、でき得べくんば大湊にもう一度お願いしたいというのが願いでございまして、その実現のために、ただいま長官からもお答えいたしました精神を体して全力を尽くしてまいりたいと考えております。
○草野委員 それでは、法案の中身について若干お尋ねしたいと思います。 昭和四十九年、この原子力船「むつ」の放射線漏れの事故が発生してすでに六年を経過しております。しかも、改修工事が開始されたのは本年八月からということでございます。政府の適切な原子力行政がもし行われておりまして、「むつ」の改修に関する造船業界や関係住民など国民的合意が得られていたならば、現行法の期限内、すなわち本年の十一月三十日までに研究機関に移行できたのではないか、このように考えます。このことに つきまして、この法案を提出されるに当たって、どのような反省の上に立って提案をされたのか、まず当局にその御見解を承りたいと存じます。
○石渡政府委員 お答え申し上げます。 現行の日本原子力船開発事業団法は、去る昭和五十二年の第八十二回国会におきまして、同事業団法改正のための政府原案が一部修正されまして、本年十一月三十日までに廃止するものとして議決されたものでございます。この修正の趣旨は、日本原子力船開発事業団が原子力船についての研究開発機関に移行するための必要な措置として同事業団法の廃止するものとされる期限を本年十一月三十日まで延長するというものでございました。 そして、私どもといたしましては、以上のような国会におきます同事業団法改正法案の修正の趣旨を踏まえまして、かつ最近におきまする世界の原子力船研究開発を取り巻く情勢を勘案いたしまして、今後のわが国における原子力船に関する研究開発の進め方についていろいろ検討いたしました。この検討の方法といたしましては、原子力委員会に原子力船研究開発専門部会を設置いたしまして検討を行い、昨年の十二月に報告書を取りまとめた次第でございます。 私どもは、これらの検討の結果を踏まえまして、今後のあるべき姿といたしまして、日本原子力船開発事業団を改組いたしまして、従来の原子力船「むつ」の開発業務に加えまして、原子力船の開発に必要な研究業務をもあわせ行う、できれば二本立てでいきたいという趣旨の法人に改組するということが適当である、このように判断したわけでございます。 ここで一つ問題がございまして、実は昨年末の政府の行政改革の計画があったわけでございます。私どもといたしましては、本心としては、できれば独立した研究法人としたいという気持ちは強うございましたが、この行政改革という強い要請をも配慮いたしまして、昭和五十九年度末には他の原子力関係機関と統合するというかっこうはとりますが、研究開発の青貝性はぜひ確保するという方法でやっていきたい、このように考えているわけでございます。 以上のような経過と検討を経まして、今日の法案を提出させていただき、御審議をお願いしている次第でございます。
○草野委員 そういたしますと、来年の十月までに「むつ」は佐世保で予定どおり改修工事が完了する、先ほどからそういうような御答弁でございました。この改修を終わった「むつ」は、実験船として今後どのような実験を行うわけでございますか。また、その研究について、具体的にこれからの計画についてひとつお述べいただきたいと思します。
○倉本参考人 お答え申し上げます。 法改正されましてから以降、事業団といたしましては、まず河よりもこの「むつ」の開発を進めてまいりたいというぐあいに考えておるわけでございますが、「むつ」の改修が終わりましていろいろ実験航海に出る。実験航海に出ます前に、出力上昇試験という段階におきまして、わが国の舶用炉として初めてのいろいろな研究開発を行うわけでございますが、この段階では、もちろん初めてのことでもありますので、出力を段階的に上げてまいりますし、その各段階、段階においてその解析、また実績等を見ながら、次のステップへ進むだけの自信を持ったデータ等をとりながら進めてまいるわけでございます。 いよいよ本船が完成をいたしましてから実際の実験航海等へ出かけるわけでございますが、その時点におきましては、舶用炉としての実際のデータと申しますか、船舶の動揺あるいは振動、それから船の出入港時におきます負荷変動等に対してその原子炉がどういう対応をしていくか、また船の挙動と原子力の適合性と申しますか、そういった点についての諸データをとってまいりたい、こういうぐあいに考えておるわけでございます。 一方、このためには乗組員の養成訓練ということもあわせて考えていかなければならない。 また、一方におきまして、この「むつ」の研究開発は「むつ」の研究のみをやるのではなしに、やはり将来の舶用炉の開発、将来の原子力船の開発に必要な基礎的なデータ、また将来の設計等に必要な経験等を得るのが目的でございますし、またそこで得られたデータ、経験等を将来の炉の設計等に反映をさせていくということが必要でございますし、それをするためには、やはり将来の経済性、信頼性の高い舶用炉というものを目指した研究開発というものを、「むつ」と並行して進めていくということが必要であろうかと考えますので、研究開発機構に移行いたしましたら、できるだけ早い機会に将来開発すべき炉というものを目指した調査研究、またそのためにどういう研究開発を進めていくかというようなところから早速取りかかってまいりたい、かように考えております。
○草野委員 ただいまの御答弁で、段階的に出力上昇試験を行う、またその後に実験航海もするし、またさらに将来は原子力船の実用化を目指しての舶用炉の研究を進めていきたい、こういうような御答弁でございますが、これらの計画についてのタイムリミットは一応六十年三月三十一日、こういうようになっているわけでございますが、それまでに十分な実験はできるのかどうか、また今回このタイムリミットを必ず守ることができるのかどうか、こういう点。 それからさらに、六十年の時点におきまして他の研究機関との統合、こういうことになっているわけでございますが、具体的にどの研究機関と統合される予定になっておりますか。 それから三点目に、この舶用炉の研究ということで、ございますが、これは将来にわたる大きな問題であると思いますけれども、まずスタートするに当たりまして、この研究は具体的にどこでされるのでしょうか。どこに研究所を建てられて、そして研究を開始されようとしているのか、そのような計画がおありになるのでしたらひとつお示しをいただきたいと思います。
○倉本参考人 六十年までの間に事業団としてどういう研究開発、またそれまでに大体どの辺までということでございますが、私どもといたしましては、現在の「むつ」を完成し、出力上昇試験を終えて実験航海というところまで、でき得れば持っていきたいと考えておるわけでございます。 ただ、今度の研究開発機構に移行させていただきますれば、私どもといたしましては、六十年までをターゲットとすることではなしに、原子力船の研究開発は他の機関と合併した後においてもこれは当然続けられるということで、その将来を見ての研究開発ということで進みたいと考えておるわけでございます。 また、その統合につきましては、政府の方の御方針に沿って進めていくことになると思いますが、私どもとしては、あくまでも将来の原子力船を考えての研究開発ということで、これは将来に向けての一貫した研究開発を直ちに開始をしたい、かように考えておるわけでございます。 また、舶用炉の開発につきましては、現在の「むつ」は経済性とか実用炉というものを考えませんで、むしろ既存のいろいろな技術というものをベースにして、船舶用の原子炉というものの経験を得るということでこの「むつ」がつくられておりますので、これをベースにして将来はむしろ実用炉と申しますか、経済性を持った炉の開発というところへ向かってまいりたいと思います。 また、これに必要な実験研究等につきましては、まず最初は、実際に将来プロジェクトとすべき概念設計等から始めて、また必要な実験研究等をやり、その経過によっては陸上実験炉等をつくっていくことが必要になろうかとも存じますが、当面私どもといたしましては、調査研究、試設計、またいろいろな解析、あるいは炉の中心はやはり経済性のある燃料、また寿命の長い燃料というような燃料の開発が中心になってまいりますので、この燃料についての研究開発というところから進めてまいりたいと思います。 また、この研究の場所等につきましては、私どもといたしましては、当面は「むつ」の問題もございますし、この体制を整えながら身、必要な実験研究等につきましても外部の機関等と協力をしながら進めていきたいと思いますが、でき得れば将来においては独自の研究施設等を持つことを、私個人的には望んでおる次第でございます。
○草野委員 「これに必要な研究」こういうふうになっているわけでございますが、いまの御答弁を伺う限りは、余り積極的な意欲というものは感じられないわけでございます。少なくとも、この重要な舶用炉の研究に取り組むということであるならば、研究所についてはもうある程度の目途が立てられていなければならない段階ではないかと私は思います。その点について科学技術庁はどうでしょうか。
○石渡政府委員 ただいまの参考人の御説明に若干補足させていただきますが、まずタイムリミットというお言葉でございましたが、私どもは、今後の事業団の行います研究開発機能といいますものは一貫性を持って永続的になされるべきだ、かように考えておるわけでございまして、統合という行為はあるにせよ、少なくとも研究開発部門はそのまま継続性を持って引き継がれるというように統合されるべきである、またそのようにやりたい、このように考えております。 それから、第二点の統合先のお話でございますが、昨年末の閣議決定では、科学技術庁所管の原子力研究開発機関と統合するというような内容になっておりまして、そういう意味では、同庁所管の原子力研究開発機関と申しますと原子力研究所か動燃事業団といういずれかになるということでございます。それでその時点、まあ余り差し迫らない時点におきまして、原船研究開発事業団の実態を踏まえまして、そのどちらに持っていくかということは慎重に検討されなければならない、このように考えております。 それから、第三点の将来の舶用炉の研究についてでございますが、先ほども御報告申し上げました原子力船の研究開発につきましての専門部会におきまして、すでに今後の十年間のスケジュールは一応あるわけでございます。これを下敷きにいたしまして進めてまいりたいと考えております。 先ほども、参考人からの御説明で、当初は基本設計から入るということを申し上げたわけでございますが、少なくとも十年計画の後半にはやはり次の船、舶用炉の、どういう形になりますか、設計からモデルプラン、モデル的な舶用炉の建設といったことが計画されておりまして、そのためには、やはり、できますことならば、新しい定係港にそういうハードの研究部門もあわせてつくっていくというのが合理的ではなかろうかというふうに考えている次第でございます。
○草野委員 新しい定係港にそういう研究所の建設なども検討するということでございますが、先ほどの研究の継続性ということは、これはごもっとものことではございますが、私、事業団にお尋ねしたのは、これから出力上昇試験を行い、実験航海を行って、そして六十年という一つの限られている時点があるわけでございますが、そのときまでにそういうようなテストをすべて終えられてそして新しい機関に統合されるのか、この点についての確認をしたかったわけです。いかがでしょう。
○倉本参考人 「むつ」を使いまして出力上昇試験、それから実験航海等におきまして所定の、現在考えております舶用炉と申しますか、原子力船としてのそれまでの段階で得られるだけのデータはとった上でこれを引き継いでいくようにしたい、こういうぐあいに考えておるわけでございます。
○草野委員 どうもいまの御答弁だと、それはわかるのですけれども、六十年という一つの期限がここに出ているわけですけれども、それまでに間に合いますかということを伺っているのです。その御答弁をいただきたいと思います。
○倉本参考人 遮蔽改修をし実験航海までは、六十年の引き継ぐ時点において、私どもとしては大体やり得るということで現在進めております。
○草野委員 わかりました。 もう一点ひとつ事業団に伺いたいのですが、予算の問題です。 事業団の予算の内容を見てみますと、五十五年度の事業費は六十五億円、五十六年度の予算要望については七十三億円、このようになっているようでございます。そのうち研究費としてはそれぞれ四千万、二億円にすぎないわけでございます。これでは「むつ」を修理するための事業団というだけで終わってしまうのではないか、こんなような気がするわけでございます。 そこで、これから研究機関に移行するに際しまして、研究体制の充実とか大幅な研究費の増額、こういうものを行わなければ、原船研究開発事業団になったとは言えないと思うのですが、この点いかがでしょうか。 さらに、今後事業費に占める研究費の割合はどのくらいまでふやそうとされていらっしゃるのか。たとえば事業団の仕事の半分程度までは研究の仕事をふやしていくのだ、このようなお考えがあるのかどうか。
○倉本参考人 本年度の予算それから来年度の予算でございますが、本年度の予算のうち、私どもとしては、現在進めております「むつ」の炉心と申しますか現在の燃料が、実際運航し始めますと、全力で走り続けますと、大体二年間はもつわけでございますけれども、二年ないし四年程度たちますと、これを次の燃料に取りかえなければならない。その段階において、できることなれば、将来の経済性を持った実用炉の燃料というようなものにかえ得るかどうかがございますけれども、かえ得ればということで、これについての研究開発というもの、調査研究につきましては、すでに現在、若干でございますが調査を進めてまいっておる段階でございますので、本年もこれを続けてまいろうということでございます。 またさらに、本年度はこの予算を使いまして、研究機関になった時点で来年から進めてまいりたいと思っております舶用炉の試設計、概念設計と申しますか、それをどういう方向で持っていったらいいかということについての研究のプロジェクトチーム等をつくって、調査研究等を進めていきたいというぐあいに考えておるわけでございます。 それで、来年度は二億四千万ございますが、その二億円につきましては、本年度の成果を踏まえてより具体的な、将来プロジェクトとして開発を進めるべき炉のもととなるものについて、できれば幾つかの型のものについての試験的なといいますか、試設計と申しますか、そういうようなものを進めてまいりたい、かように考えておるわけでございます。 それからさらに、五十九年度までの間において、私どもといたしましては、研究開発をさらにふやしてまいりたいというぐあいに思っておるわけでございます。現在の時点で研究機構を急にふくらますということにつきましては、私どもといたしまして、現在「むつ」の改修に全力投球をしておる段階でございますので、こちらの方の工事がだんだん遮蔽につきましてもめどがついてまいりますし、いままでやってまいりました関係の仕事もだんだん先が見えてまいりますので、これらの陣営を研究開発の方へ投入をして、さらに研究開発体制も拡充をしながら原子力船全般の研究開発体制に持っていきたい、かように考えておるわけでございます。
○草野委員 現状の事業団のいろいろとお気持ちはわかりますが、せっかく研究開発事業団に衣がえをするわけでございますので、一層その研究部門の内容の充実という点についてはひとつ努力を続けていただきたいと存じます。 そこで、政府に伺いますが、先ほど来研究ということで出ておりますが、これからのスケジュール、どういうことを研究していくか、こういうことについては概略的なお話をいただきました。私は、これからの研究内容については非常に大事な問題でありますので、これは法案に添付をして提出をしていただいてもよかったのじゃないかと思いますけれども、これからでも結構でございますが、この国会で提出をしていただくようなお考えはございますか。
○石渡政府委員 お答え申し上げます。 私どもが現在持っております、新しく加わる研究開発活動についてのスケジュールあるいは計画につきましては、先ほども御紹介申し上げました原子力船研究開発専門部会の今後の十年間の計画を下敷きに考えているわけでございます。したがいまして、ただいま提出申し上げさせていただくといたしますれば、この計画をまず提出させていただきたいと存じます。 それからなお、この費用でございますが、来年度五十六年度には二億円程度新しく付与される研究開発の予算としてお願いしているわけでございますけれども、計画といたしましては、五十九年度までに約三十億円、完成をするのは六十年と考えておりまして、それまでに約四十億円の研究投資、ソフトでございますけれども、この研究は四十億円ほどの規模で研究を行いまして、それでその次にねらうべき舶用炉のタイプを決定したい、このように計画しておりまして、十年計画は持っておりますが、その前半の内容につきましてはある程度詰まっているというふうに御報告できるかと存じます。
○草野委員 それを文書で国会の方へ出していただけますか。
○石渡政府委員 現在持っている計画として提出させていただきます。
○草野委員 中川長官にひとつ伺いたいと思いますが、私ども公明党は、従来から、石油資源の枯渇が叫ばれている現在、先進工業国としてのわが国が舶用炉等の研究開発をおろそかにすることは無責任のそしりを免れない、このように強く主張してまいりました。しかし、そのための研究開発は限時的な現在の原船事業団ではなくて、人材が定着し、そして落ちついて研究活動ができるような、こういう組織で進められるべきである、このように提言をしてまいりました。今度のこの法案にはそういう考えがどのように反映をされているか、これはひとつ長官にお伺いをしたいと思います。
○中川国務大臣 公明党さんは、原子エネルギーの重要性について御理解をいただいておりますことは、本当にありがたいことだと存じます。 私も世界じゅうを回ってみて、フランスあるいはオーストリアあるいはその他の国々の現状を見るときに、わが国と同じようにエネルギーの少ない国があらゆる意味で進んでおる、逆に言うと、わが国はおくれているという現状は、何としてもこれを取り戻さなければいかぬという気持ちでいっぱいでございまして、今後そういったつもりで鋭意努力してまいりたいと存じます。 つきましては、舶用炉についても、多くの国がもう実用船ないしは原子力潜水艦等で試験段階を通り越しているというところから見ると、わが国はこの面でも非常におくれておるわけでございまして、「むつ」がこういういろいろな紆余曲折を経たことは、わが国にとってまことに不幸なことだったと思っております。したがいまして、何とか国民の理解をいただいて、あるいは地元の皆さんの御理解をいただいて、これはこれとして成功せしめたいし、同時に、御指摘のように試験研究の基礎的なことについても、一貫性を持った継続的な研究ができるようにいたさなければならぬ。今回の法改正もそういった趣旨に沿ったものであり、いずれはまた行政機構改革との関連において、昭和六十年には原子力関係機関の中においてその役目を果たしていく、こういうことで、御指摘の趣旨は踏まえて今度の法律の改正になっておるもの、こう思っております。
○草野委員 次に、佐世保の「むつ」の改修状況につきまして、何点か伺いたいと思います。 本年の八月に工事が開始をされました。先ほどからの審議を伺っておりまして、工事は非常に順調に進んでいる、来年の期限までには間に合うように努力をしております、このようないお話でございましたけれども、現在の工事の進捗状況と完了の見通しにつきまして、ひとつもう一度お答えをいただきたいと存じます。
○倉本参考人 遮蔽改修工事につきましては、今年四月に佐世保重工業の方で御了解が得られましたので、この遮蔽改修工事についての準備工事といたしまして、工事中に出てまいります廃液をためるための極低レベルタンクの据えつけ、また、工事の間に原子炉部のハッチをあけますので、船の上につくります仮建屋の組み立て、据えつけ等の準備工事を実施をいたしてまいりました。 この遮蔽改修工事そのものにつきましては、七月の十一日に、いわゆる格納容器の内部の、原子炉部と申しておりますが、その工事につきましては三菱重工及び三菱原子力工業と契約を結び、また一方、格納容器の外側の船体部の工事につきましては石川島播磨重工業と契約を締結いたしたわけでございます。また、この契約につきましては、工事そのものをできるだけとにかく早く進められるようにということで、その時点までにメーカーの方と話のつきましたいわゆる第一期工事分についての契約を締結いたしたわけでございます。 また一方、この工事に関連をいたしました設計、工事方法の認可というものも八月の初めにおりまして、八月の中旬から本格的な工事にかかったわけでございます。まず格納容器の内部の現在ついております遮蔽体の取り外し等から工事を開始いたしてまいりました。それで一応、格納容器のふたのあけております段階で、内部の工事を行いますのに必要な、取り外しを行いますものの取り外しを終わりましたので、今度は中の工事は中の工事で進めてまいりますけれども、格納容器の外側の遮蔽体の取り外し工事にかかるということで、いままであけておりました格納容器のふたの部分に、仮ぶたと申しますか、ふたをいたしまして、格納容器の外にございます鉛あるいはポリエチレンの遮蔽体を外しますのに、それらのものが中に入らない、また、中の工事の妨げにならないためのふたをいたしまして、現在、格納容器の外の遮蔽体の取り外し工事を行っておるというような段階にあるわけでございます。
○草野委員 事業団からこのような資料をいただいておりますが、これによりますと「原子力船「むつ」遮蔽改修の主要工事」、このようになっております。スケジュールが全部出ておりますけれども、第一期工事につきましては船体部の一番から五番まで、それから八番、それから原子炉部におきましては十五番、十六番、ここら辺が第一期工事の範疇に入っているわけでございますが、それぞれ予定に対して何%くらい現在工事は進捗しておりますか。また第一期工事全体としては何%工事は進捗しておりますか、おわかりでしたらお答えをいただきたいと思います。
○倉本参考人 現在実施をいたしております工事は、非常に順調に進んでおります。現在までに一期工事分の中でこれが何%に当たるかということにつきましては、私もはっきりその点が数字として申し上げられないのでございますけれども、現在、二月末までの工事につきましては非常に順調に進んでおる。これはむしろ、中のいろいろ細かい工事がございますが、あるものについては予定よりも非常に早く進んでおるものも出てきておるというような状況でございます。
○草野委員 やはり数字をつかんでいただきたいのですね。数字を把握されていらっしゃらないで、ただ順調に進んでいると言っても、何がどの程度進んでいるか、われわれにはわからないわけです。したがって、一期工事は現在計画に対して何%ぐらい進んでおるのか、またおくれておるのか、こういうことをぜひひとつ調べて、後ほどで結構ですから御報告いただきたいと思います。 それから次に、第一期工事と第二期工事——第二期工事で工事が終了するという前提ですよ。第三期とか第四期があるなら別でございますけれども、この表によりますと、第二期で全部終わるようになっておりますが、第一期工事の分量と第二期工事の分量とどの程度差があるのでしょうか。どっちがどの程度多いとか、そういうことがわかればそれでも結構です。 それからもう一点は、安全総点検作業ですが、これの進捗状況といいますか、全体に対してどの程度現在いっているでてしょうか。
○倉本参考人 第一期工事分と申しますか、現在までに遮蔽改修工事につきまして契約をいたしましたのは、全部で二十六億円。ございます。現在私どもで一応遮蔽改修工事としていただいております予算五十三億円にあれいたしますと、大体金額的には二分の一ということになっております。その二十六億円でございますが、これにつきましては三菱重工及び石川島播磨重工との工事、この両社の分につきましては大体十五億円ほどでございまして、残りの十一億円は準備工事あるいは今後取りかえますいわゆる遮蔽体の製造関係の契約でございます。 それから一方、総点検関係の工事でございますが、これにつきましては、いままで総点検を行ってまいりました結果について、現在の安全性をより高める必要があるという点で行いたいと考えました補修工事がございますが、これにつきましては大別いたしますと七項目、それから細かいあれになりますと約二十項目ほどの補修工事を行いたいと考えておりまして、これにつきましては、一部のものにつきましては原子炉等規制法に基づきます原子炉の設置変更許可申請手続を要するものもございますので、去る十月の九日に変更申請書を御提出を申し上げた段階でございます。これにつきましては、許可、認可等の必要なものにつきましては、それをいただいた上で具体的な工事にかかりたい。 また一方、これらの実際に工事をやってもらうメーカーとは、この工事内容等についての設計あるいはそういうものにつきましては、現在打ち合わせを開始いたした段階でございます。これの方は、工費的には全体で三十億円程度を必要とするであろう、かように考えておるわけでございます。 また、これらの工事期間につきましては、遮蔽改修工事期間中に行い得る、かように考えております。
○草野委員 全体の改修の工事がこの遮蔽関係で五十六億、そのうち二十六億円が第一期工事だ。そういうことからすれば、第一期工事は非常に順調にいっているので全体的な見通しも明るい。さらにまた、安全総点検の工事にいたしましても期間内に十分に行い得るだろう、こういうような見通しです。こういうようなお話を伺っている限りでは、われわれも非常に楽観せざるを得ないわけなんですね。しかし、実際には、現地も現在あのような状況で大変心配をされております。事業団のお話だけでわれわれは、来年の期限内に十分に改修工事は完了するんだ、このように楽観しておってよろしいでしょうか。これは理事長さん、ひとつお答えください。
○野村参考人 先ほど来各先生からいろいろお尋ねがございまして、お答えいたしたとおりでございますが、私どもとしては、地元がいろいろと懸念を持っておられるということはいろいろの機会によく承知をいたしております。したがいまして、工事は現在順調に進んでおりますので、さらに創意工夫を加え、一層の努力をして期限内に終了するように、さらに努力を継続したいと思います。
○草野委員 長官に伺いたいのですが、たしか今月の十四日だったと思いますが、長崎県の副知事さん、また佐世保の市長さん、漁連の代表、こういう方がこの件につきまして長官のところに陳情にお見えになったと思います。別にその陳情の内容を伺いたいというわけではございませんけれども、このときの地元の代表の方々は、いわゆる先ほどから論議されております五者協定の中の期限の問題、この期限を守るということにつきまして、どのような姿勢をお持ちだったのでしょうか、また、どういうことを心配されているのでしょうか。
○中川国務大臣 十月十四日に、知事さんの代理としての副知事さんと佐世保の市長さんと県漁連会長の三者がお見えになりまして、お会いをいたしました。 お話の趣旨は、新聞等で工期がどうもおくれそうだという記事を見て地元が心配をしておるので、そういうことのないようにという地元の意向を伝えにやってきた、こういうことでございました。 そこで私の方から、新聞は正しくはないようだ、ただ、何分にも工事の着工がおくれたということ等から言って、あるいはまた安全性を確保しなければならぬところから言って、そう急いでやれる性質のものではなくて、慎重にやらなくてはいけないということではあるが、いまのところは何とか工期にやれる見通しであり、その努力をしておるところだというこちらのいまの現状を御説明申し上げて、ぜひひとつ期限内にやるようにということでお別れした次第でございます。
○草野委員 事業団の方々の御答弁を聞いておりますと、非常に楽観をしているような、そういうわけじゃないのでしょうけれども、そのようにも聞こえるわけですね。何とか努力して期限内までに上げるということでございますが、これは無理をすれば安全という問題も懸念されるわけですね。 ひとつ率直にお答えいただきたいのですが、確かに工事開始がおくれた、来年十月までにやらないと地元でも大変問題にしておる。そこで、工期短縮という問題について何か具体的な対策をおとりになっていることがあれば、ここで伺いたいと思います。
○野村参考人 工期を短縮しますための努力といたしまして、まず四月に基本的な合意が関係者間にできまして、それから直ちに本格工事の準備に入ったわけでございますが、その間、まず工期を一期、二期といいますか、全部の契約が終わるのを待つことなく、内容の固まった部分から逐次着工できるように工期を分割して、一期工事ということで来年の二月まで、そういう部分的な分割契約をして、できるものからやっていくという手順を組みました。それからもう一つは、先行発注と申しますか、材料等の発注につきましても、内容が固まったものについてはメーカーの方でなるべく前びろに発注をする、あるいは私どもが所有者として発注するオーナーサプライのものについても事前発注をするとか、そういう工夫をいたしてやりました。それからさらに、私どもと石川島播磨と三菱とそれから佐世保重工との間で常時緊密な連絡協議の場を設けまして、関係者の工事の間にそごを来さないような工程短縮のための能率化の工夫をいたしました。それから、これは何といいますか、無理にならない範囲において、安全を保持しながら極力、残業等もやっていただいて工事を進めるという、いろいろな工夫をいたして今日に来ておるわけでございます。 私どもは決して楽観をしているわけでございませんが、とにかく最大限の努力をしてお約束を守りたいということで、いま申し上げましたような工夫を積み重ねているところでございます。
○草野委員 これは約束の来年十月という期限を守らなきゃならないし、といって事故は絶対に起こしてはならないということで、改修工事については十分に留意をされて、約束の期限までに改修を完了されることを期待しております。 次に、新定係港の問題について何点か伺いたいのですが、まず初めに、先ほど総理からも御答弁がございましたけれども、政府は、実際問題として、この原子力船「むつ」の新しい定係港探しに大変御苦労されてきたことと思います。ひとつ率直に伺いたいのですが、現在まで適地として調査された個所は全体で幾つございますか、その結果、そういうものがだめだったということについての主な理由について御報告いただきたいのです。
○石渡政府委員 お答え申し上げます。 新定係港の候補地を探すという作業と申しますか努力は、昭和五十年一月から始めたわけでございます。その時点では、約四十個所の候補地点につきまして調査を進めました。これが適地ではないかというところが一カ所、それから複数の予備候補地を選定したという経緯がございます。五十年の五月ごろでございます。その後、この定係港の折衝に入ろうとしたわけでございますが、やはり強い反対がございまして、白紙還元をしたという経緯がございました。 その後、方針の転換がございまして、欠陥がございます遮蔽についてまず修理を行い、その上で母港をお願いすべきではないかということがございまして、修理港の選定の作業に入ったわけでございます。この間、母港の選定作業は中断しております。五十三年に至りまして、いわゆる五者協定の締結によって佐世保港における修理ということが軌道に乗ったものでございますから、五十三年八月三十一日に原船団が新定係港の選定方針を取りまとめ、その方針に従って再び、先ほど申し上げました四十カ所に新たに約二十カ所の地点を加え、合計約六十地点につきまして机上調査を行いまして、机上調査の結果、候補地点を五地点にしぼったというのが五十四年三月の時点でございます。その後、この五地点について実地調査を続けてまいってきたわけでございますが、いずれも主として自然条件に非常に難点があって、決断に至らなかったというのが今日までの経過でございます。
○草野委員 そういたしますと、六十数カ所について自然条件やまた反対というようなことで全部だめになった。現在、長官並びに科学技術庁、事業団ともに、何とかひとつ大湊港に再母港化をお願いしたい、こういう方針でこれからも交渉を続けられるということでございますが、この大湊港は適地だから再母港化をお願いするのでしょうか、また、本当は適地ではないけれども、他の候補地がすべてだめになったから、どうしても大湊にお願いしなければならないのか、そういうところはどういうふうにお考えでしょうか。
○石渡政府委員 当然、適地と考えてお願いするわけでございます。先ほど申し上げました五地点と比較して適地だという判断でございます。
○草野委員 もう一点伺いたいと思います。 実は時間があと二、三分で終わりになりますので、また来週の委員会で質問を続けさせていただきたいと思いますが、先ほど総理の御答弁の中で、大湊は母港として撤去をした、こういうようなお話でございました。そういたしますと、現在は大湊は正式に言えば母港ではないわけでございますけれども、事業団は現在むつ市に事務所を残しておられますね。これはどういう事務所を残しておられるのですか。また、そこにいらっしゃるのはどういう方々で、何名くらいいらっしゃるのですか。そして、現在どういうお仕事をなされていらっしゃるのでしょうか。
○野村参考人 大湊におります私どもの出先機関は、正式にはむつ事業所と申します。この名前は当初から変わりませんが、船が出ましてから人員の規模が大幅に減りまして、現在は管理職は事業所長並びに庶務課長、そのほか一般職員、合わせまして十四人がおります。 この仕事は、現実に私どもの所有地がございますし、そこに、これは動けないようになっておりますがクレーンがございます。そのほか、事務棟のほかにいろいろの施設があるわけでございまして、その施設の維持管理ということが現在のむつ事務所の主な仕事でございます。
○草野委員 では、時間が参りましたので、この続きはまた次回の委員会で行わせていただきたいと思います。終わります。
○中村委員長 村山喜一君。
○村山(喜)委員 私は、原子力船「むつ」の問題で、技術的なことも織りまぜながら、そして大臣には、政治的な立場からの判断をお聞きをいたしたいと考えております。 そこで、原子力第一船開発基本計画、これは総理大臣と運輸大臣が決定をされたものでございます。それから、原子力研究開発利用長期計画、これは原子力委員会。原子力委員会は、委員長は科学技術庁長官でございます。これを見てまいりますと、現在の時点においては、またそれぞれ新しい立場から決定されたものもあるようでございます。たとえば五十五年度原子力開発利用基本計画、内閣総理大臣、三月二十八日、その中に「原子力船の研究開発」という項目がございます。 私は、その決定の段取りを見ておりますと、これは五十三年の原子力第一船開発基本計画の場合ですが、初めに政府の方で決定をして、そしてその後五十三年四月四日に政府が改定をする。その後から、九月十二日になりましてから、原子力研究開発利用長期計画を原子力委員会は決めている。原子力船関係の分がここにございますが、その基本的な考え方というのは、政府が先行をして原子力委員会はそれを追認をする、こういうシステムがとられておるようでございますが、長官、これはそういうようなのが正しいのですか。
○石渡政府委員 お答え申し上げます。 原子力第一船開発基本計画は、原子力船開発事業団法に基づきましてなされる計画でございます。 それから、ただいま先生御引用になりました原子力研究開発長期計画でございますが、これは約五年ごとに大体十年を見通しての、やや長期の研究計画を原子力委員会として作成し、決定しているものでございまして、どちらが先、どちらが後という関係にはございません。基本的には、原子力に関します研究開発利用の基本的な方針は原子力委員会が決定をし、それを内閣が十分尊重するという立場になっているわけでございます。
○村山(喜)委員 それは深く追及はいたしませんが、大山義年委員会が報告書を出しましたね。「「むつ」放射線漏れ問題調査報告書」、私はこれを見ながら、そしてまた最近政府がとっております方針というものとの間に、一体それはどの程度までお考えになっていらっしゃるんだろうかという点について、疑念を感ずる点があるわけでございます。 というのは、遮蔽改修工事及び安全性総点検をやるんだというのが、今日の時点における「むつ」に対する対応の仕方でありますね。ところが大山委員会の報告書の場合には、これはできるならばという点も入ってはおりますが、原子炉部分について全面的に技術的な再検討をやり、必要な改善、改修をやりなさい、こういうふうに書いてございますね。 そうなると、高速中性子が漏れたということから遮蔽工事が始まって、ガンマ線の問題も大変重要でございますから、それの遮蔽工事を現在やっているわけでございます。片一方においては、放射線漏れを起こしましたこの「むつ」の問題について大山委員会が指摘をした。それは原子炉部分について全面的に技術的な再検討をした方がいいですよということを指摘をしているのに、いま事業団の方においてもあるいは科学技術庁においてもおやりになっているのは、それではなくして遮蔽改修と安全性の総点検、それに基づく補修、この二つだけしかおやりになっていらっしゃらないように見受けるのですが、その点はいかがですか。
○倉本参考人 「むつ」の総点検でございますが、これはいま先生のお話のように、この大山委員会の方で、遮蔽改修のみならず原子炉プラントについても総点検を行うべきだというような御指摘がございまして、この線に沿って私どもといたしましては、遮蔽改修という以外に、「むつ」の原子炉プラントについての点検を行うという方針を決めまして、その点検に当たりましては、一応三つの大きな考え方と申しますか、まず現在ありますプラント機器の点検と申しますか、ハードの点検を行う、それからさらに「むつ」の設計と申しますか、原子炉の設計についての点検と申しますか、ソフトの面の点検、さらには陸上原子炉等でいろいろトラブルがございまして、陸上原子炉についての新しい安全基準等が出てきたというような点からのこの設計の再評価あるいは事故解析というような面の、一応三点の角度からの総点検をやるということで、この進め方につきましては、俗に安藤委員会と言っておりますが、「むつ」総点検・改修技術検討委員会というところに御報告をいたしまして、そこでこういうような計画に基づいて進められたらよかろうということになり、その線に沿って進めておるわけでございます。 ただいま先生がお話でございました原子炉プラントの設計でございますが、これにつきましては、まず炉心特性の問題とか燃料特性、制御棒系、そういうような設計の面についての検討も一応行いまして、その結果として今度の補修工事、さらに陸上発電炉等でいろいろトラブル等のあった点の見直し、そういったところについて、さらに改良すべきところがあればそれを改良したいということで今度の補修工事が出てきたということでございます。
○村山(喜)委員 私が聞いておるのは、大山義年委員会は原子炉全体について全面的にやりなさい、そういうふうに指摘をされているとするならば、原子炉本体についても技術的に再検討をやる、そして必要な改善改修をやるべきだということを意味しているのではないだろうか。とするならば、それは炉心の問題なりあるいは圧力容器の問題なり炉内の構造等の問題についても、ソフトの面から、設計上の面からも見直しをする必要もありましょうし、現在の時点において、当時つくられた時点におけるものが、今日の科学技術の進歩に照らし合わせたときに果たしてそれでいいだろうかという点をチェックされるのが本当ではなかろうかなあ、こういうふうに考えながら、事業団の皆さん方がおやりになっているレポートを見ておりますると、どうもそういうものについてではなしに、原子炉の冷却系統の設備の問題であるとかあるいは計測制御系統の設備の問題であるとか、あるいは遮蔽の問題ですから原子炉の安全防護設備の問題等を中心にしておやりになっているやに見受けるものですから、私が聞きたいのは、そういう原子炉本体の構造の見直しも含めて検討をされていらっしゃるのかどうかということをお聞きしたいのです。
○野沢参考人 お答えいたします。 いま先生のお尋ねは総点検の中身についての御質問だと思いますので、少し具体的に、原子力船開発事業団が大山委員会の指摘を受けた後、どういう安全性総点検を行ってきたかということについて御説明申し上げたいと思います。 まず一点は、現在あります施設が設計上要求されている機能を満足に果たしているかどうか、時間がたっておりますのでそれを十分検討するというのが第一点。それが先ほど専務も申しましたハードの点検という部分に入ります。これは五十四年の一月から実施しておりまして、現時点ではほぼ完了しておりますが、後に述べますように、設計及び事故解析によって一部改良を要する個所がございます。それに関連する部分は、改修工事が終わった後で点検をするということになっております。 二番目の大きな項目は、設計の見直しでございます。設計の見直しと申しましても、当然のことながら、一部陸上原子力発電所の運転経験を踏まえての見直しというものも含めて行われておるわけでございます。 主な項目を御説明いたしますと、設計面での再検討では、まず炉心特性の再評価。中身を申しますと、現在の炉心設計のデータというのが、その後の技術的な進歩に伴っていろいろと新しいデータが出ておりますけれども、十分現在の「むつ」の炉心というのが安全性が確保できるかどうかという見直しをするのが一点。 それから、陸上発電所で燃料が順次燃えていきますと、いろいろふぐあいな現象が出てまいりました。それらのことが「むつ」において起こるかどうかというのを検討したのが、二番目の燃料特性の再評価という項目でございます。 それから、原子炉には制御系、つまり出力を調整する機能と事故時に原子炉を安全に停止する機能とがございますけれども、これらの分離機能と申しますか、出力をコントロールする部分と安全に炉を停止する部分とがうまく機能的に分離されているかどうかという面の検討、これが三番目でございます。 それから四番目は、「むつ」は舶用炉でございますので負荷変動が大変大きい。そういうときに、二次側の水が急変した場合に一次系の原子炉が健全な挙動を示すかどうかという検討を行ったわけでございます。 それから、一次冷却系漏洩検出系の検討、つまり一次系から水が漏れた場合に、それを直接的あるいは間接的にいろいろな方法で早急にかつ確実に把握する方法の検討、これが五番目でございます。 それから、御案内のとおり、何らかの事故が起きた場合に、原子炉の中の放射性物質を環境外に出さないための最後のとりでと申しますのが格納容器でございますけれども、格納容器の隔離機能が果たして現状で十分かどうかという検討が六番目でございます。 それから、原子力船は当然のことながら各所に各様の放射線、放射能を検出する装置を持っておりますけれども、これが現状の技術水準から見て果たして十分かどうかという点が七番目でございます。 それから、圧力容器及び一次系の配管を含めまして運転中にいろいろな応力が加わりますけれども、その応力に十分耐え得るような設計になっているかどうかといったような点が八番目でございます。 それから九番目が、これも御案内のとおり、陸上発電所ではときどき蒸気発生器にトラブルが起きておりますけれども、果たして「むつ」の蒸気発生器はどうかといったような面が検討されております。 それから十番目といたしまして、非常用炉心冷却系の機能が現在の設備で十分かどうかという検討。 それから十一番目、事故時に格納容器の中に出てまいります可燃性ガス、つまり水素でございますけれども、これが一定の濃度以下になるように制御する方法が十分かどうか。 それから、その他として防火対策の検討といったようなことが行われている。 以上が、設計面及び陸上の原子力発電所の運転経験から見た見直しの内容でございます。 それから三番目に、プラントの事故解析、原子炉の事故解析及び運転経験から見直した場合にどうなるかということでございまして、内容的には、まず最初が非常用炉心冷却設備の再評価を実施した。 それから二番目が、各種パイプ、配管が破断した場合に原子炉が果たして安全に停止できるかどうか、そのときの挙動を詳細に調べる。 それから三番目に、蒸気発生器の中には「むつ」は約四百本のパイプが装備されておりますけれども、このパイプが破断した場合には原子炉がどういう挙動を示すかという検討。 最後にその他といたしまして、昨年の三月に起きましたスリーマイルアイランド二号炉の事故解析をもとにいたしまして「むつ」がどうなるかという勉強をしたというのが、ごく概略のこの五年間にわたります事業団におきます安全性総点検の内容でございます。 先ほどお尋ねのございました炉心部分及び圧力容器その他を含めての原子炉系全般についての設計面及び事故解析の面から十分検討評価を行い、・その結果、去る十月九日安全審査に申請書を提出したというのが経過でございます。 以上でございます。
○村山(喜)委員 いま事業団の方から御説明をいただいた資料は、後ほどいただきたいと思うのです。 この十月に、七項目にわたる総額で三十億だというふうに聞いているのですが、それは間違いございませんか。そして、いろいろな原子力研究機関等に委嘱をされてそういうようなもののチェックもお願いをされたやに聞いているのですが、それは報告書等に基づいて総合的な安全総点検の結果、いまおっしゃったようなものにつきまして、この部分はこういうふうに手直しをしなければならないというようなことでそのトータルが三十億、こういうように見てよろしいですか。スリーマイルアイランドの事故の対応の仕方も含めてトータルで三十億で済む、こういうように見ておいて間違いございませんか。
○野沢参考人 お答えいたします。 先ほど私が説明いたしました安全性総点検の経過並びにその結果についての資料は、現時点で公開にされているものでございますので、後ほどお届けできるかと思います。 それから、三十億の中身でございますけれども、これは解析費を一部は含んでおりますが、基本的には、総点検の結果改修工事が必要な部分についての工事費でございます。 以上でございます。
○村山(喜)委員 そういたしますと、遮蔽改修の方には全体で五十億、それから総点検に基づきます安全性の確保のために一二十億、八十億ということで、これが予算的に措置がされるならば一応今度はいよいよ実験というふうになる、こういうように考えて間違いございませんか。
○野沢参考人 予算的な金額では、いま先生のおっしゃったとおりでございます。
○村山(喜)委員 そこで、野沢理事にお尋ねいたしますが、いままでわれわれも原子力船の内容について余り論議をしていないようでございます。いろいろな本を読みながらちょっとおかしいなと思ったのは、たとえば炉心の構成材でございますが、一つの例として取り上げますと、燃料の被覆材はステンレスを使っていますね。ところが現在は、ジルカロイの四というのがすぐれたものとして多く用いられている。 アメリカの最初の原潜のノーチラス号、そのなにに非常に問題があるじゃないかということが言われていたころに、六四年の六月ですが、日本の外務省が原子力潜水艦の安全性についての中間報告というのをやったのが記事として出ているのですね。その中では、原潜の燃料はジルカロイで被覆をされているので海水中に浸されてもほとんど腐食をしない。これはアメリカの公聴会で述べたものを引用して、日本の外務省がそれをオウムのように返事をしたのが記事としてあるわけですね。だから、当然、そういうような意味において原子力潜水艦にも使われている。あるいは西ドイツのオット・ハーン号にも、ジルコニウムを使っているというようなのがありますね。 ところが、日本の「むつ」の場合にはステンレスを使っている。それは強度の上から言えば強さがあるだろうと思うのですが、水に対する耐食性の問題とかあるいは価格上の問題からそれを選んだんじゃないだろうか。原子力潜水艦というようなことになると戦争の武器ですから、そういうようなのはやはり最優秀な資材を使うが、当時予算の制約を受けて、継ぎ足し継ぎ足しで原子力船「むつ」をつくったということも思い浮かべますと、そういうようなので始めたのではないかというふうに思うのですよ。 というのは、初め六千トンの建造で予定が三十六億ということで、そして、第一船が八千トンになったのですが、その後建造に七十三億円かかりましたね。そして、陸上の付帯設備のために二十六億円かけて出発をした。ところが、今日までのトータルを見てみますと、予算の面においても、もう一二百五、六十億使っているという勘定になっていますね。だから、そういうような意味でいまから思い起こしてみると、原子力船「むつ」をつくるというときに、余り予算を値切って間に合わせのやつをつくって、そして、とにかく動かせばいいじゃないかというようなことで始めた。そのことから、一体いまの原子力船、これは実験船ですが、「むつ」は舶用炉として、この炉心自体が今日のそういうような事情に耐え得るものであるんだろうかという疑問をわれわれも抱いているわけです。 なお、私はいろいろ書いてあるのを見てみますと、いまも野沢さんがいろんなチェックすべきポイントを指していらっしゃるわけですが、どうも 「むつ」の動揺とか傾斜とか、さっきおっしゃった負荷変動等に対する事故の場合、想定をされる原子炉の事故の場合の解析をするのに当たりまして、「むつ」の場合には水槽で実験をしたものだけしかデータがない、こういうふうに聞いているのですがね。その場合に、傾斜したまま動揺が激しく起こるというふうに考える必要はないということで設計がしてある、こういうふうにも解析がしてあるのですが、そのような意味において、一体動揺とか傾斜とか負荷変動等に対するところの安全解析というものを、いままでどの程度おやりになって設計されているのだろうかということに危惧の念を抱くのですよ。 そこで、そういうような心配は要らぬ、それはりっぱなものだとあなたの方で証明ができるならば、これはまた一つの考え方になるだろうと思うのですが、そこら辺のデータは確かなものなんでしょうかね。 というのは、いまもお話がありますように、十二項目についてのそういうような設計から改修からチェックして見直した場合には、三十億も金をかけなければ今日の事態に間に合わない、安全に耐えることができない、こういうのがわかったわけでしょう。とするならば、そこには過去の設計上の、あるいはそういうような経験がまだ十分に蓄積をされていないわけですから、未経験の分野というものがあった、そういうことが累積をして、今日「むつ」に対する国民の信頼が非常に低下をしている。もうこんな船は早く廃船にしてしまえ、もうおれのところは要らぬ、どこも引き受けるところがないから定係港さえもみつからない、こういうことになっているのじゃないでしょうかね。その意味において、いまおっしゃったその問題については非常に重要な点があると思うのですが、 一体それはそういうようなことで水槽の中のテストしかしていないのか、そういう点についてはいかがでございますか。
○野沢参考人 お答えいたします。 幾つかの御質問がございましたけれども、まず最初に、ステンレス鋼を使っての燃料被覆管はどうかという御質問でございますが、「むつ」は舶用の原子炉第一号ということでございますので、当然、できるだけ従来の実績のある技術の集大成で、保守的な設計でつくり、運転をするのが設計の基本的な考え方であったと思います。それと多分同じだと思いますけれども、ドイツのオット・ハーンもステンレススチールの被覆管を使っておりますし、アメリカのサバンナも使っておるということでございますので、高温におきます機械的強度という面から考えますと、ステンレススチールの方が、工業的な規模でも実績がございますし、信頼のある工業製品であるということが言えるのだと思います。 ただ、ジルカロイ合金のステンレス鋼と決定的に違いますのは、中性子経済といいますか、その点が格段にすぐれているということでございますので、今後経済性というものを追求する場合には、オット・ハーンの例に見られますように、二次炉心がジルカロイにかわるという可能性はかなり大 きいんだというふうに思います。 それから、先ほど来御説明いたしました安全性総点検の結果、三十億ということで云々という御質問がございましたけれども、この安全性総点検 の趣旨は、繰り返し申し上げますように、四十二年の安全審査をすでに完全にパスしておりまし て、安全なものということが証明されている。ただし、それ以後新しい技術が出てまいりましたし、 それから、陸上発電所でのトラブルも幾つかございますので、そういう経験をくみ入れて見直しをして、より一層安全性を高める、あるいは信頼性を向上させるという観点からの改修工事でございます。 それから三番目は、原子力船の実験でございます。当然のことながら、各コンポーネントでのモックアップ実験というのはやられていると思いますけれども、実規模での動揺とか負荷変動とか、そういうものはやはり実炉でやらざるを得ないというのが、舶用炉の特徴ではないかというふうに考えております。 以上でございます。
○村山(喜)委員 舶用炉の特徴からいいまして、いまもお話がありましたように、船体の動揺というのがある、それから振動がある、そして負荷変動が非常に急激で、しかも頻繁である、あるいは横転沈没、そういう事故想定を一応しなければならないというようなことや、あるいは政府のこれにも書いてございますが、小出力で、寿命が長くて、小型で、そして軽量なものが要求をされるんだ、そして衝突をする脅威というものがあるんだとか、あるいは原子力発電所と比較をしまして、わりあいに人口が稠密な港湾市街地に接近をして存在をしなければならない、そういう宿命があるわけですね。 それの上から見まして、この舶用炉というものは、今日の時点において、「むつ」にいろいろスリーマイルアイランドの事故例等も適用しながら、どういうふうにして冷却水の喪失を防止するかというような問題も含めて検討されたんだろうと思うのですが、いまのお話を聞いていると、それは実際動いてから実際にテストしてみるよりほかにない、こういうことでございますか、そういう実験は。それまでは図上で、あるいは模擬的なものを使って、そして設計をする。これは実験船ですから、いざこれから走らしてみて、そういうものに対するデータを集めていくよりほかにない、こういうことでしょうか。 そうなると、これは傾斜いたしまして、そして動揺が激しく起こるということを考える必要はないという設計でこの「むつ」の構造がなっている、こういうことになりますると、大変な問題が私は安全性の上において出てくるという気がしてならないのです。そういうような点は、どこまで傾斜したときに、どういうような動揺があったときにも耐えられる、それの安全解析はこういうふうになっておりますという一つのデータがなければならないのですが、そういうようなものがございますか。
○野沢参考人 先ほど申しましたのは、設計前に主な各構成要素についてのそれぞれの単品的な実験というのは当然行われている。総合的に「むつ」の原子炉を船で使った場合に、傾斜なりあるいは動揺なりのそういう事態に対して、原子炉がどういう安全性を確保するようになっているかという点は、安全審査申請書に詳細に書いてございまして、いま私、手元にございませんけれども、たとえば傾斜につきましては六十度、一秒で原子炉はスクラムするようになっているとか、たとえば一つの例を挙げますとそういうふうに安全装置がついております。それは、陸上発電所におきます、地震がどれだけ起きたら原子炉がとまるとかというのと似たようなものでございまして、そういう異常事態といいますか、極端に想定から外れた場合には原子炉が安全に停止できるような装置というのが十二分に施されていると思っております。
○村山(喜)委員 それで、この原子炉のスクラムが「むつ」の場合にはほかの船に比べまして、同じ原子力船等に比較をして非常に多くとってあるというふうに、いろいろな事例として示してありますね。おっしゃるように、傾斜がこういう大傾斜をした場合にはスクラムがなされるようにしなさいというようなふうにしてある。ところが、今度はスリーマイルアイランドの事故の例を参考にして安全解析をやり、補修の中に取り入れてあるのでしょう。というのは、あの場合には二次系の冷却水が喪失をしたことから始まって、主に冷却水の喪失に伴う問題ですが、このスクラムの場合はそういう形になるとして、一体ECCSが原子力船「むつ」の場合にはどういうふうなタイムで働くように設計がしてあるのですか。
○野沢参考人 TMIについて一言触れておきたいと思いますが、先ほど来申しましたように、「むつ」は設計の基本的な考え方が大変保守的な考え方になっております。それに比べますとTMIは、何と申しましても性能第一主義という設計思想になっておりますので、「むつ」の設計思想とは基本的に違うところが幾つかございます。 一番大きく違っておりますのは、出力の割りに保有している水の量というのが「むつ」は非常に多いわけでございます。TMIは非常に少ない。 それから第二点は、トラブルのもとになります蒸気発生器でございますけれども、蒸気発生器の中の一次系の水と二次系の水を比べますと、TMIに比べますとはるかに多くの二次系の水を「むつ」は保有しております。この水が多いということは、過渡変化が激しく起こった場合に、熱容量が大きいわけでございますので、原子炉の挙動に急激な変化が起こりにくいということを示しているものでございます。 ほかにも幾つかございますけれども、最も特徴的なことはそういうことでございまして、TMIと同じような事故現象というのは、「むつ」ではまず起こらないというのが事故解析の結果で正確に勘定がされていると思います。 それから最後に、ECCSの起動する時間をお尋ねだったかと思いますけれども、大破断が起きました場合に、低圧注入系は三十二秒後に稼働して水が入ることになります。高圧注入系は五十二秒。御案内のとおり、高圧注入系は二種類の系統を有しております。したがって、高圧注入系は最初に五十二秒後に入るものと、その次に七十二秒後に入るものと二系統、高圧系として有しております。その結果、原子炉の中で燃料被覆管の最高温度に到達する時間というのは、約二百三十秒で最高温度になりまして、それ以後は漸次冷却されていくというのが解析結果でございます。
○村山(喜)委員 私は、「むつ」とオット・ハーン号とを対比をしながら、いまお話がありました二次給水の圧力低下の場合には、その緊急冷却装置のECCSを働かせるスクラム条件の対比を見てみたのですが、このオットー・ハーン号の場合には、二次給水圧力が低下した場合には、そういうスクラムを働かせることになっておりますね。「むつ」の場合にはそれはございませんね。一体これは構造上の違いですか。 というのは、私は、スリーマイルアイランドの事故の例から、二次給水系の冷却装置のそういうようなトラブルからあのような大きな事故が起こったということを見ながら、原子炉のスクラム条件というものは一体どうなっているのだろうかというのを調べてみましたら、オットー・ハーン号の場合には、二次給水の圧力が低下した場合にはそれは働かせるということになっているけれども、原子力船「むつ」の場合にはそれがないんですね。一体それはどういうわけなんだろう。ちょっとわからぬものだから聞いているのですが、そのスリーマイルアイランドの教訓を生かしていくということであるならば、いまもおっしゃったように、二次給水系の水の水量は対比して格段の差がありますとおっしゃるのはよくわかる。もちろん、片一方は陸上炉でありますから、水は補給しようと思えばできぬことはない。「むつ」の場合には海上でございますから、海水でそういうようなものを冷却するわけにはいかぬわけでしょう。その点の違いも含めながら、二次給水圧力の問題はどういうふうにお考えになるだろうか、お答えください。
○野沢参考人 二次給水系が喪失した場合には、当然のことながら補助給水ポンプで水を補給することになります。それが順調に補給されておる限りは、原子炉の一次系には何らの悪影響を及ぼしませんので、スクラムにする必要がございません。ただ、二次側の水が急激になくなって、補助給水ポンプで補給しても、それがノーマルな状態に保てない、原子炉の一次系に何らかの、たとえば圧力が非常に高くなるとかあるいは温度が急激に上がるとか、そういう現象をとらえて「むつ」はスクラムがされるようになっているはずでございます。
○村山(喜)委員 そうすると、それは主冷却材の圧力低下によるもののシグナルがついたときにスクラムをする、それに該当しますか。そういうように思っていいのですか。
○野沢参考人 一次冷却系のそういう温度あるいは圧力等の異常に応じてスクラム信号が発生することになります。
○村山(喜)委員 そこで、時間の関係がございますので、この問題については、さっき七系統の詳細な項目については二十項目ぐらいになるとおっしゃる、その内容をわれわれはまだもらっていないわけですね。現地の新聞には載ったようでございますが、この委員会にはまだ配られていないのですよ、十月の段階ですから。私は、やはりこの法案の審議をする場合には、そういうようなところまで注意をしながら、そうして皆さん方に納得をさせる、わかってもらうという説明をされる場合にはそういうようなものをお出しになって、そして、こういうようなふうにいまやろうとしておりますということを積極的に出される必要があるんじゃないか。この委員会の席で資料の要求をしてから出すのではなくて、委員会にはそういうものを説明資料としてお配りになる、これが当然の事業団のあり方ではなかろうかと思うのですが、野村理事長いかがですか。
○野村参考人 御指摘のとおりだと思いますので、速やかに提出いたします。
○村山(喜)委員 そこで、先ほどから私が基本的な姿勢の問題だと思いますのは、原子力委員会の人たちの考え方と本法案の提出の理由との間に、若干の認識の違いというのか、食い違いがあるのではないだろうかという気がするのです。 というのは、原子力委員会の方では、結局この事業団が責任ある独立機関として「むつ」にかかわる懸案事項のそれに対処すべきだ、将来はそういうような意味において舶用炉の研究というものをやらなければならないけれども、とりあえずはこれに取りかからなければならないというのが基本ですね。そういうように考えて間違いございませんか。
○石渡政府委員 先生ただいま御指摘になりましたのは、原子力委員会が本年四月十一日に決定いたしました「原子力船研究開発の進め方について」という決定の内容を指していらっしゃると存じます。原子力委員会の考え方も、原船事業団に対して研究機能を付与すべきであるという点については見解は違っておりません。ただ、将来統合するとしてもということで、当面は同事業団を責任ある独立機関として、「むつ」にかかわる懸案事項の解決に当たらせるということを指摘したわけでございまして、当分の間は「むつ」にかかわる懸案事項の解決に当たるようにということでございますが、一方、研究機能の付与ということについては、直ちになるべく早くということについては何ら見解の相違はないと私ども理解しております。
○村山(喜)委員 これは五十四年の十二月二十七日ですね。去年の十二月二十七日にはこう書いてあるのですよ。「事業団は責任ある独立機関として「むつ」開発を推進すべきである。その期間は、少なくとも五年程度と見込まれる。」第二に「将来の原子力船のための研究開発を行い得るよう、所要の機能を事業団に付与すべきである。」だから、将来の原子力船の研究開発のためにやるのであって、直ちにやるということじゃない。 ところが今度提案をされましたものは、そういうような研究開発を進めようという立場から、提案理由の中にもそういうような開発研究というのですか、同次元でとらえながらやろうとしていらっしゃる。それで、先ほどあなたの説明を聞いてみましても、やはり事業団というのは、いま与えられている予算に基づいて、あるいは権限に基づいて主体的に一日も早く改修工事を終わって実験船としてテストをしてみたい、将来の問題は、研究はその次にやるんだというニュアンスに聞こえてならないのですが、どうなんですか。
○石渡政府委員 失礼いたしましたが、昨年の十二月二十七日に「日本原子力船開発事業団の統廃合問題について」ということで原子力委員会が見解を発表しております。 そして、当面今後の事業団のあり方について三点を指摘しているわけでございますが、この二番目に「「むつ」開発と密接な連携を保ちつつ、将来の原子力船のための研究開発を行い得るよう、所要の機能を事業団に付与すべきである。」すなわち、将来の原子力船をにらんでの研究開発という、そのために「所要の機能を事業団に付与すべきである。」ということでございまして、将来に備えての研究開発を今日やれということを言っているというふうに御理解を賜りたいと存じます。
○村山(喜)委員 その開発と研究は、この法律案ではとにかくいまからやるのだ、今席は事業団の改変によりまして改正ができたら、それに基づいて開発と研究と両立してやっていくのだ、こういうことですね。ところが事業団の方は、自分たちの方のそういうような組織、対応の仕方、スタッフ、技術能力者、技術の人員ですね、そういうようなものももちろん関係があるわけですが、皆さん方のところではずいぶん自分たちでもやられているものもあるけれども、たとえばスリーマイルアイランドの解析などは原研に委託をしたり、あるいは乗務員の訓練等も原子力研究所の方に委託をされたりしてやっていらっしゃる報告書が出ておりますね。そういうような面から、一体事業団が中心になって原子力船の研究——開発はもちろんいままでおやりですが、その研究をあなた方が主体的におやりになるのですか、その点はどうなんですか。
○野村参考人 事業団といたしましては、現在のスタッフ、予算、組織及び今後予算でお願いする、そういうもので全力を尽くすわけでございますが、御案内のとおり、原子力の非常に広範な分野におきまして、特に基礎的な研究部門になりますと、やはり古い歴史と多くのスタッフを擁しておられる原子力研究所等が非常に大きなデータを持ち、人員もそろえておられるわけでございますので、従来からもいろいろな面で原子力研究所の協力をいただいておりまして、今後も原子力研究所等の協力をいただきたいと思っております。 ただ、それを利用といいますか活用して、私どもとしては、そういう基礎的ないろいろな資料それから解析、そういうものもいただきながら、それをまとめ上げてといいますか、事業団としては十分研究の方にも今後力を入れていきたい、こういうことでございますので、そういう線で事業団としての努力をしていきたいと思っております。
○村山(喜)委員 予算の問題ですが、五十五年度は事業団の方の認可予算として七十二億ですか、本予算としては六十一億ぐらいだと思いますが、その予算執行に当たりまして遮蔽工事関係に一次ので約三十六億でしたか、それから今度の総点検に基づきます改修に三十億くらい金が要る。さっき長官はいらっしゃらないときなんだけれども、これは安物買いをしたのか、金を値切って、そのとき最高のものをつくろうとしないで、後からあちこちぼろが出てきて、そして修繕をしながらまだ実験もできない段階なんでしょう。それでこんなに金をつぎ込みながら、しかも定係港もまだ決まらぬ。次から次にぼろが出てくる。これは本当に、走らせてみたときにそういうような安全を確保しながらやっていけるだろうか。それを確保するためには遮蔽工事で四十億金を入れにゃならぬ。また総合安全点検の上で三十億追加せにゃならぬ。七十億ですよ。初めにつくったときには七十三億でこれをつくったのですね。この一、二年の間にそれと同じくらいのものをつぎ込んでいかなきゃならぬ。これは実験船の宿命でしょうかね。 こういうようなことをやりながら、原子力商船時代が必ず来るんだ、そのときにおくれをとってはならぬ、その経験をこれから残して、おかなくちゃいかぬ、先見の明のある中川科学技術庁長官は、八〇年代の後半はそういう原子力商船時代が来る、こういうふうに見ながら羅針盤を握っているのですか。というのは、それであるならば、諸外国は技術の蓄積がなされてデータがある、データがあればもっとそれをよりよい方向に原子力商船の建設に向かって走っていかなければならないのに、どうも諸外国の例を見てみると、余り採算に合わないというようなことで大概は係船をされているような状態ですね。砕氷船みたいなのは特別、あるいは軍事目的に使う原子力潜水艦の場合は金の、予算の上での問題じゃないでしょうが、しかし原子力商船の場合には、そういう時代が必ず来る、それに対応していかなければならぬと正直にお考えになっているのでしょうか。
○中川国務大臣 将来、二十一世紀。ころ原子力船が商業船として一般化するかどうかということの見方は、いろいろの見方があると思います。特に最近、諸外国でも経済性の点からというようなこともありまして、若干鈍ってきているという感じを持っております。ただしかし、将来にわたってその時代は来ないということは言い切れる人もないのじゃないかと思うのです。やはりそういうことがあり得ることを想定して、舶用の原子炉というものも研究開発をしておかなければいかぬというのがこれからの日本を考えるときに必要なことじゃないかと私は思うのですね。しかも、世界の国々がすでにもうそういったことの研究開発は相当進んでいる。日本もああいう事件が、事故というのですか、故障がなければ大分変わったところまでいっておったと思うのですが、悪いことが重なりまして、本当に残念なことだとは思います。 そこで、過去についていろいろと反省しながらやはり芽を育てていって、将来に備えることが必要だろうと私は思います。ある人によっては、もうやめてしまえとか、そんな時代は来ないんだということを直言してくれる人もありますけれども、私は、やはりせっかくここまで、紆余曲折いろいろあったけれども、ここまでの実績にさらに国民の皆さん、地元の皆さんの理解、協力をいただいて、何とかこれを成功させたい。途中で、将来もないからやめるという判断はつきかねるところでございます。
○村山(喜)委員 私は、時間がないからこれを最後にやめますが、どうも高速中性子あるいはガンマ線を遮蔽する何といっても構造物の重量、それに比例をするような形しかいまのところないようですね。今度はそういうような防護装置を施さなければならないという宿命にあることを考えますと、これは事業団でも科学技術庁でもいいのですが、そういうような高速中性子あるいはガンマ線を制御する、重量に比例をするような遮蔽物以外に、あなた方が目指していらっしゃる軽量で小型でという、そういうようなものがあるのでしょうか。どうもそうなればもう少し舶用炉の問題については基礎的にやり直しをするのが正しいのではないだろうか。これは国民の税金ですから有効に使わなければならないという意味から私は申し上げているのですが、そういうような有効な遮蔽構造の材質があるのかないのか、それだけお伺いをして、私の質問を終わりたいと思います。
○倉本参考人 この高速中性子は、先生御案内のように、核分裂の際に出てくるわけでございますけれども、「むつ」の場合には、残念ながらこれは非常に船も小さい、炉も小さいというようなところから、高速中性子が外へ出てきてストリーミング現象を起こしたということでございますが、この経験を踏まえて、現在の「むつ」の炉につきましては、これを抑えるために、蛇紋コンクリートでありますとか水素化ジルコニウムとか、いろいろな遮蔽材を使ってこれを改修することが一応めどがついておるわけでございますが、将来の舶用炉というものの今後研究開発を進めていくという上からは、十分この経験を踏まえて、原子炉そのものの設計についても、高速中性子をどういうぐあいに抑えるか、材料の点のみならず設計の面でもそういった点に配慮をしていかなければならない、こういうぐあいに考えておりますが、それは十分可能であろうと存じます。
○村山(喜)委員 終わります。
○中村委員長 瀬崎博義君。
○瀬崎委員 この間、八日だったと思うのですけれども、私どもの党の青森の木村県会議員、それからむつの市会議員、二人で中川長官のところに母港問題でお邪魔をいたしましたね。そのときに石渡局長が、これまで母港の候補地について数十カ所挙げてやった、最終的に詰めた段階で四、五カ所根回しをしたが、正式の要請には至らなかった、こういうふうに言われたのですね。その四、五カ所というのは一体どこどこなんですか。
○石渡政府委員 たしか四、五カ所と申し上げた記憶がございますが、いずれも特定の地元の問題もございますので、地名を挙げることは御容赦願いたいと存じます。
○瀬崎委員 この問題については、かつて五十一年の五月十二日の本委員会でも質問をしたことがあるのです。そのときの原子力局長山野氏は、当時は、まだ新定係港の選定作業に差し支えることも懸念されるので、何とか答弁は御容赦願いたい、こう答えておるわけです。 ところが、今日ではすでにもう長官が正式に再母港要請を青森に出したわけです。ですから、この段階なら当然われわれに、その最終的に詰めた四、五カ所がどこどこであったのか、明らかにしてもらいたい。そうでない限りは、一体新定係港探しの努力を政府はやったのかやらなかったのか、これすらわれわれには判断がつかないのですね。これで審議を進めろと言われても無理な話だと思います。はっきりしてほしいのです。
○石渡政府委員 いずれも相手と申しますか、それぞれの御相談相手の立場もあるかと存じますので、この際に至りましてもその地名を申し上げることは御容赦願いたいと存じます。
○瀬崎委員 これは大臣にぜひ伺いたいのですが、そのときの委員会で佐々木長官がこう答えておるのです。改修に三年もあるわけでございますから、その間に修理、点検が実際に進んでいく過程で、母港を受け入れる志望者がいろいろあるわけでございますから、そういう点も考慮して最適地を決めたらいいんじゃないか、こう言っておるのですね。 せっかく志望者があったのに、なぜそこのところへ要請に行かないで、全然希望していない大湊を選んだのですか。その理由だけでも、せっかく審議があるのですから明らかにしてほしいのです。——いやいや、大臣に答えてほしい。
○中川国務大臣 志望者がありましても、自然条件、社会条件等で適地とは認めがたいということで行かない場合もございますし、行く場合もございます。したがって、志望者があったから、志望しないところに行ったのはけしからぬという理論にはならぬだろうと存じます。
○瀬崎委員 それでは、その志望者がだれであったのか、それが自然的条件、社会的条件に適しなかった、どういうわけで条件に適しなかったのか、こういうことを明らかにしなければわれわれは納得できないでしょう。そういう抽象的な議論で国会の論議を済ますわけにはいかないでしょう。もう少し具体的にしてください。
○石渡政府委員 やはり候補地点につきましては、それぞれの難点を抱えていたわけでございます。ある場合には自然条件であり、ある場合には社会的条件でございましたが、主として自然条件が厳しいというのが私どもの判断でございます。
○瀬崎委員 これは記者会見であったと思うのでありますが、中川長官は、大湊が「むつ」の母港として最適地、こういうことを言われたようにわれわれは聞いているわけなんです。 そこで、では大湊を最適地と判断されたその理由を聞きたいと思うのです。
○中川国務大臣 むつは昭和四十二年に、古くはありますけれども、やはり適地であるということであり、地元も来てほしいということもあったいきさつもございますし、またその後あそこにはそれなりの施設もあるということもあり、また四者協定ではどこかへ出なきゃいかぬという理由もあり、いろいろあります。 やはり一番問題は、栽培漁業が行われておる、養殖漁業が行われておる。これが一番問題ではありますが、その点については、安全性について責任を持てる立場ということで地元にお話しをして、理解が得られるのならばという前提では最適である。したがって、押しつけたわけでもなくて、再度御検討願えないかということで、安全性について説明をして、地元の理解を得られるように努力する、こういう条件がついて最適である、こういうことでございます。
○瀬崎委員 いま言われたお話の中には、ホタテ漁業の栽培地でもあるという話もされたのですが、私は、それらはむしろ適当ではない方の条件ではないかと思うのですね。もっとはっきりと長官が判断した適当条件、一番中心は一体何なのか、しぼって話をしていただきたいのです。
○中川国務大臣 でありますから、昭和四十二年に適地であるという、そういういきさつ等からいって、やはり港としては湾の中がいいのは、これはかつて大変な港でもあったわけですから、そういういきさつ。ただマイナス条件としては、養殖漁業があるという当時とは変わった情勢がありますから、この点はマイナス条件ではあるが、安全であるということ。そして、もし万一のことがあったら補償をして責任をとる。このことが理解を得られるならば、総合的に判断していま日本全国の各地の中では最適である、こう判断したわけでございます。
○瀬崎委員 それが、中川長官が最適だと判断された根拠だったと思うのですね。 ところが、けさほどの総理大臣との質疑応答はお聞きいただいたと思うのですが、鈴木総理がかつて総務会長であったときに、事故後の収拾のために青森に行かれた。そのときに当時の生田原子力局長が随行をしておった。その生田氏が、国会で紹介したような鈴木さんの言動をここではっきりと答えていらっしゃるわけですね。 それをもう一遍要約して繰り返しますと、この青森での交渉の過程を通じて鈴木総務会長の話を伺ったところでは、今回こういうトラブルが起こった大きな原因の一つが、やはりああいう湾内で、そしてホタテガイという一種の栽培漁場の中心地、こういうところに原子力船の母港をつくったことに原因があるのだ、今後はそういう判断に立って、新しい定係港を決定する場合に、同じような問題を繰り返さないような観点から選ぶべきではないか。 これは後で議事録を篤とお読みいただきたいのですね。これはけさほど総理自身が、確かにそういう話をしたことがある、こうおっしゃったわけでしょう。そういう意味では、なるほど昭和四十二年時点ではそういうホタテの漁場というのはなかったから、あるいは最適地と判断し得る条件はあったかもしれない。大臣もいまそれを根拠にされた。だがしかし、その後は、当時収拾に当たった責任者が、適地ではない、こういう判断をされているわけですね。やはり多くの国民がそこに焦点を当ててその言葉を信頼している以上、現在、一たん適地ではないと判断の出たものを、いまさらこれが最適地と、こういうふうにひっくり返す。このこと自身は、幾ら何でも国民に対して筋の通った話にならない、私はこう思うのですが、いかがでしょうか。
○中川国務大臣 新しい港を選定するに当たっては、やはりそういうことも配慮しなければならぬと考えるのは当然のことだと思います。私もそう考えます。考えますが、そうした適地がないという現段階においては、本当に四者協定が守られなかったことと、もう一つは栽培漁業というものがありますから、安全性について地元の皆さんが納得するように、またわれわれも責任を持って、仮に栽培漁業があっても御迷惑はいささかもかけないという信念があったからこそ、他に求められなかった現段階においては、むつに再度お願いするという立場をとらざるを得なかったわけでございます。もちろん、これは栽培漁業は何でもないのだからしゃにむに持っていくという性質のものではなくて、やはりその点については地元の納得が必要だというので御検討を願っておることであって、予定地にしたことはけしからぬとおしかりをこうむらないで、もう少し当事者間での話し合いを見守っていただきたいと存じます。
○瀬崎委員 私が言っているのは、政府側を代表して行った人の方から、ここはもう適地ではなかった、選定を誤っておる、こう言っておきながら、いまさら話し合いを見守ってくれ、これはおかしいんじゃないか。いま言われたでしょう。つまり、適地ではないが他に適地がないから、ほかに適当なところがないから仕方なく、これが結局は、いまほっと漏らされたけれども、また大湊に舞い戻っていった最大の原因ではないのですか。
○中川国務大臣 日本じゅうを探した結果、適地は残念ながら見当たらなかったということもあり、安全性がしっかりすれば、むつは現段階においては最適地だと考えたから、そう判断して御検討をお願いした、こういうことです。
○瀬崎委員 ですから、探したけれども結局適地がないと言われるんだから、一体どことどことどこを当たったのか、それがどういう理由で適地でなかったのか、この説明がなければ、われわれ判断できないじゃないですか。 これは委員長にお願いしたいと思うのです。こんな母港一つが決められない状態で、しかもその過程がどうなっているのかわれわれにもわからないままで事業団の延長を認めろと言ったって、認められないですよ。少しこれは、政府に答えさせるのならさせる、答えさせないのだったら、このまま審議を続けろと言われる方が無理だと思うのです。いかがでしょう、委員長。
○中川国務大臣 御承知のように、この適地というのは非常にデリケートなのです。これが、そう言われたその当事者が、それじゃどう言ったああ言ったということで、相手のあることでもございますから、素っ裸に出せと言えるような簡単な問題じゃなくてデリケートなことですから、これから原子力行政をやっていくに当たって、やはり相手の立場も考えての交渉をしていきませんと、今後の運営についても、交渉にすら応じてくれないということになっても困るわけですから、それはもう国会の皆さんの気持ちはわかりますけれども、当事者としての気持ちもぜひ理解していただきたいと存じます。
○瀬崎委員 そうすると、こういうことですか。 他に適地はないと一方では言いながらなお交渉に差し支えるというところは、そういう四、五カ所にしぼったというところも今後の交渉の日程に上ってくる相手だというふうに理解せよということですか。
○中川国務大臣 そういう意味もあるいは、まだむつに決まったわけじゃないのですから、むつに決まった段階ならばということも若一千ありますが、私の言った意味はそうじゃなくて、交渉した地域を全部やるということならば、これはむつの問題だけじゃなくて、あらゆることについて交渉したことをすべて明らかにしなきゃならぬということであれば、あらゆる立地問題について支障がある。やはり守るべきことは守っていかなければならぬという全般の意味を言ったものであって、特にいまの五つをもう一回やる、こういうことを言った意味ではございません。
○瀬崎委員 もう一遍相手にはしないと言っている。いわば落第した候補地の名前を挙げろと私たちは言っているのですね。ところが、それは過去のことであるにかかわらず、相手を非常に配慮される。では、最後に押しつけられた大湊の方の地元の住民のことはどうなるのですか。そちらの方々が、どういうところを探したのだろうか、このことを聞きたがっているときに、こっちの方の地元の意向は尊重するが、その過程を知りたがっている青森の方のことは全然聞いてやらない。これで果たして青森の人との交渉が進むものでしょうか。これは非常に片手落ちだし、公平を欠いた話だと私は思いますよ。
○中川国務大臣 その辺もわからないわけじゃありませんけれども、その辺も含めて四者の間でいま真剣に話をしておりまして、それらを含めて理解が得られるように努力をいたしておるところでございます。
○瀬崎委員 やはりこれは当委員会として何らかの方法で、具体的にどういう努力が行われたのか、なぜ四、五カ所が適地でなかったと判断されたのか、このぐらいのことがわからなければ、数十カ所全部とは言いませんが、とてもじゃないが、この審議をこのまま続けられませんよ。少し委員長としての判断も聞かしていただきたいと思います。
○中村委員長 それは、やはりもう少し具体的に理解ある政府側の答弁をお願いします。
○中川国務大臣 一生懸命努力したことだけは認めていただきたい。ただ、どこでどういう問題があって、こういう交渉をやって、結果だめでしたと、一々交渉経緯を明らかにしろと言われても、これから原子力行政をやっていく上に、やはり伏せるものは伏せるということをぜひ理解していただくように再度お願い申し上げる次第でございます。
○瀬崎委員 特に鈴木善幸氏が、かつて、これだけホタテの栽培漁業をやっている中心地は不適だと言われたのは、私はそれこそ正しい見解だと思うのです。と言いますのも、これは日本原子力学会の渡辺博信さんという方のデータでありますが、各種生物の濃縮係数、つまり特定の元素が生物に吸収された場合にどれだけ濃縮されるか、この倍率なんですが、マンガンについて、言いますと、濃縮係数がホタテガイは一万なんですね。これはタコに次いで高いわけなんです。続いて亜鉛の場合が二万七千で、これはカキに次いで高いわけです。ですから、これは何も政治的にではなく、科学的に見てもこういうふうな場所は避けるべきだ。こういう見解こそ私は正しいと思う。つまり昭和四十九年十月当時、鈴木薄幸氏が一度は自分でも認められた。そういう話をしたとはっきりおっしゃっているのですから、その話の線でいくのが正しいと私は思う。科学的にも政治的にも正しい、こう思うのですが、大臣、いかがでしょうか。
○中川国務大臣 これは、当時の鈴木総務会長の発言のみならず、今度漁業者の団体がお見えになったときも、一点そのことが一番問題点なんです。私たちは、当時は二億程度だったけれども、現在は八十億という大変な生活の場である、この生活の場はだれにも侵されたくない、このことは大臣わかってくれと言われると、当然のことだと私も思い、そこが私たちの頭も痛くしておって、それでもなおかつ他に適当な地域がないから、安全性はどんなに栽培漁業があっても大丈夫のようにしていきますから、そして万が一のときには政府が責任をとりますから、もう一回考え直していただけませんか、こう言って、その点を無視して、いやこれはあっても適地だと私たちは言い切っているのではなく、漁業者の皆さんから言われることは一番私も頭を痛くして、いま本当に悩みながら検討をお願いしているということで、その辺は、何でもないなんということは決して言っていませんので、当時の鈴木会長の言葉をかりるまでもなく、私も十分考えておるところでございます。
○瀬崎委員 安全性について千分責任を持つようにするから、つまり一生懸命修理をやっているから当時とは事情が変わるんだ、こういうことをおっしゃりたいんだと思います。だからこそ、鈴木総理もけさほどそう言われたから、あえて私はさらに古い話をきょう持ち出したのです。 つまり、事故を起こす以前にも、四十九年八月当時、鈴木、二階堂、森山、この三氏の連名で、そのときすでに母港を外海に移す、こういうふうなことを申し入れられた経緯もあるじゃないか。何も事故が起こってから急に港を移すと言い出したのではなくて、その前から母港としては適さない、こういう判断を現地側に対して示しているわけなんです。だから、それだけのことをやっておきながら、いまさらあれを適地だと言うのは、これは一つの強弁だと思いますね。素直に過去、政府が言明していたことにみずから従っていただきたいと思うのです。大臣の重ねての答弁をひとつ伺いたい。
○中川国務大臣 出力上昇試験以前からあった議論もよく承知しておりますし、鈴木総務会長としての、政府代表として発言されたこともよく承知しておりますし、漁民の皆さんからの声もよく承知し、また当委員会でも真剣に御指摘があった点も踏まえながら、理解と協力、その点まず地元の漁民の皆さんの理解が得られる、こういうことを前提にしてやっていることであって、過去も知らない、総務会長の言がどうであろうと、当委員会の意見がどうであろうと、漁民の意見がどうであろうと、必ずこれを押しつけるんだ、こういうんならおしかりをこうむってもいいですが、そういうことを含めながら、漁民の皆さんの理解を得られるように最善の努力をしている。もう少しひとつ交渉経緯を見守っていただきたいと存じます。
○瀬崎委員 もし漁民の理解が得られなかったらどうされます。
○中川国務大臣 これは、先般も申し上げましたとおり、理解が得られないままに強行するということはいたしません。
○瀬崎委員 けさも私、ずっと質問しておりまして、最初鈴木総理も、条件は大湊が最もすぐれているというふうな表現を他の同僚議員に対する答弁でされておったけれども、最後の方で、候補地の中で大湊がオンリーワンではない、こういう表現をなされたと思います。そして、四者協定の履行に努力する、こういうことを最後の決意にされたわけでありますね。 そうなってくると、今後は、大湊だけにしぼらないで、もう一遍改めて白紙の状態に戻って、それぞれ他の地域も含め検討する、こういうことにならないと、あの総理の答弁は筋が通らないように思うのですが、大臣、そういうわれわれの理解でよろしいでしょうね。
○中川国務大臣 御指摘ではありますけれども、政府としてまだむつを特定してお願いしているわけじゃないのです。政府としてお願いするに当たっては、関係閣僚の懇談会の議を経て正式にお願いすることになるわけです。現在のは、担当としての科学技術庁長官として、科学技術庁として事業団と相談の結果、再度考えていただけないか、理解していただけないか、御検討をお願いしている段階で、まだ政府として特定してこれだということではございませんし、また、白紙に返せと言っても、私は、いま担当者としてはこれを白紙に返すわけにはいかない。政府全体としてはまだむっと決まったわけじゃありませんし、四者協定では新定係港を決めるということになっていますから、むっと特定しない以上は全体についてまだ検討を進める、政府としてはですよ。ですから、総理大臣と私の考え方に違いはないのであって、総理大臣は政府としての立場、私は科学技術庁長官としての立場ということで、まだ関係閣僚会議の議を経ていないのですから、検討をお願いしている段階で、ございまして、決めた、やってくれと言っているわけじゃございませんから、どうぞその辺は、総理大臣と私と意見が違って、総理大臣がこう言ったから白紙に返すという性格のものではございません。
○瀬崎委員 これは委員長、総理大臣の考えと担当長官の考えとが違ってもあたりまえみたいな話が出てきますと、何のためにきょう総理大臣を呼んだのかわからないわけですよ。明確にきょうは、議事録を一遍とっていただいてもいいと思いますが、この候補地がオンリーワンではない、こういうふうに答えられていますよ。四者協定は文字どおり条件をつけないで履行するともおっしゃっていますよ。そうして、青森の漁協、漁民に対して強制はしない、理解が得られなければ強行しない。これが文字どおり実行されるとすれば、あるいは理解が得られない場合のことは考えておかなければいかぬでしょう。それなのに、複数の選定は考えない、全く話が合わないですね。言っているお二人の見解も明らかにこれは違うんだし、また、長官自身の言っていらっしゃる話の内容も全然つじつまが合わない。結局、大湊以外の候補地を持たないで、しかし理解を得ない限り強行しない。じゃ、理解されない場合はどうするのですか。当然のことながら、これを考えられていなかったら実行不可能なことでしょう。そこをはっきりしてほしい。だから、一つにしぼらないと言われるなら、複数あるいはそれ以上の候補地を持って事に当たるというのが私は筋だと思うのですね。わかる話をしてください。
○中川国務大臣 総理と私と違うように言っておりますが、全然違わないのです。政府としてはまだむつを正式に決定したわけではない、ですから、まだ複数のことも考え得る余地がある、しかし担当大臣としては、むつがいま一番いいということで交渉している。この点は総理大臣も、科学技術庁長官がそういう考え方のもとに一生懸命やっていることは連絡を受けている。私が、いまのところはむつしかないという考えのもとに、そして交渉をしていることは総理大臣も知っていることであって、総理大臣に勝手にやったり、意見が違ってやっているわけじゃないのです。これでまた白紙になれば、どうしてもだめだということになればまた複数の立場でやることにもなりましょうし、あるいは、もし私がむつにしぼって決めたとしても、関係閣僚会議で、いや、せっかく君がやったけれどもということもあり得ることであって、総理大臣の立場、政府の立場、私の立場、全く違わない。もちろん、総理大臣の理解、正式じゃないけれども関係大臣にも交渉しているということの理解はとっておりますけれども、進め方としては何ら間違っておらないと思っております。
○瀬崎委員 続いて、大湊の母港は撤去されているのか、されていないのか、この点も少し聞いておきたいと思うのです。 午前の鈴木総理の答弁を聞いておりますと、大湊港は、クレーンのキーを知事に預けてあるとか、あるいはプールの埋め立てをしてあるとか、事実上機能は失っておって撤去されたも同然、こういう趣旨のことを言われたと思うのです、自分の速記ですから正確とは言えませんが。 中川長官としては、大湊港の現状を、母港が残っていると見ていらっしゃるのですか、事実上母港は撤去されている、こうごらんになっているのですか、どっちなんですか。
○中川国務大臣 撤去とは何であるかという定義はいろいろむずかしい点はあろうと思いますが、総理大臣がおっしゃったように、四者協定が守られてないと言うけれども、守られている。たとえば地域の振興対策もやりましたし、撤去についても事実上撤去しておりますということを言っているわけで、撤去の中身は、クレーンの問題もあればプールの埋め立ての問題もあるし、また、それよりもっと大きいのは、問題の船がむつにはもうない、そして、帰りたくても帰れないということになれば、実質上撤去したと言っても間違いじゃないと思うのです。しかし、それじゃ完全に撤去したかというと、まだ施設も若干残っておりますし、御指摘の燃料体もあったというようなこともあり、特に問題は、法的にはまだむつが定係港ということの法律上の看板は下がっておりますから、まだ約束が守られてない、撤去されてないということ、それから新定係港をつくっておらないということからいくならば、約束が守られてないということを率直に認めて、そして謝るべきものは謝るという中でいま話し合いをしているのであって、撤去議論は、実質的に撤去されてはおるけれども、完全に、いや撤去しましたと言われるほどではない。特に、まだ形式上は残念ながらお約束が守られてないというのが実態でございます。
○瀬崎委員 鈴木総理は、大湊再母港要請の問題について、四者協定を守ってない、守ってないと言うけれども、一遍撤去をしてここで四者協定は事実守られてしまう、また頼むことだってあり得るのじゃないか、こういう意味のことを言われているので、私は、撤去とは何ぞやということが大事になってきたと思うのです。 いま、法的にはまだ定係港の看板がかかっているのだとおっしゃいましたね。それなら、これは手続で完全に撤去できることなんですから、なぜせめて法的にだけでも撤去手続をおとりにならないのですか。
○中川国務大臣 ここがむずかしいところで、法的に撤去すれば、定係港のない船は船でなくて廃船にしなきゃならない、現実問題として。廃船にすればあなたはお喜びになるかもしれないが、原子力行政の責任ある者としては、やはり皮は残してこの船を進めたいということであれば、その辺のところは四者間で、約束は約束であるけれども、話し合いは話し合いでやっていっているところで、せっかくながらあなたの言うとおり法的措置をとるわけにはまいりません。
○瀬崎委員 それならお尋ねしますが、五十三年の十月十八日の本委員会で、こういう論議が行われているのです。 このときは私の質問なんですが、「むつ」は五十三年十月十六日佐世保に入った、期限がおくれているからそれだけでも約束違反は明白なんだけれども、それはさておいて、政府は「むつ」を佐世保に回航したことをもって四者協定履行の一環と見ているのかどうか、こういう質問を私の方からしているのです。 これに対して当時の山野原子力局長が、こう答えております。「四者協定には新定係港の決定と」、これが一つ、「現定係港の撤去がうたわれているわけでございます」、二つですね。「私どもは、この内容を」、ここから大事なわけです。「実質的には」ということですね、いわゆる実態としては「原子力船「むつ」が大湊港を出港するということと、」これが一つ。「それから現在陸上にございます各種の付帯施設というものが今後永久に機能を停止するということで実態が確保されるというふうに考えております」、こう言っているのです。 ですから、法的にどうしても撤去の手続がとれない、こうおっしゃるのなら、一たん国会で、実態面での撤去とはこういう意味だということがちゃんと定義されているのですから、これだけでも私は実行してもらいたい。現在その機能を残しているでしょう。こういうことがまた問題なのですから、法的にできないのなら、まず一遍現在の陸上施設をきれいに取ってしまう、こういう措置でも講じない限りは、これはもう過去の答弁と完全に矛盾してくるのです。いかがでしょう。
○中川国務大臣 船は帰れないし、帰っても港として使えないような状況になっていれば、船は出ていった、クレーンその他の施設を埋めたら、実態上は機能は停止した、撤去と同じ状態にあると山野局長が言ったのと、けさ総理大臣が言ったのと、私の言ったのとは全く一貫しておるわけで、実態上は撤去しておる、こういうことでございますから、これからあれを取れ、これを取れと言われても、せっかく交渉に入った段階ですから、もうしばらくお待ちいただきたいと存じます。
○瀬崎委員 事実上、これまで政府が国会で言っていたことと実際にやっていることが、本当にペテンなんですよ。そういう点が、今日この「むつ」問題をこじれにこじらせ、国民の不信がつのりにつのってきた最大の原因ですよ。何とこれを拡大解釈して読んでみても、山野局長はこう言っているんですからね。 もう一遍読んでみますと、「各種の付帯施設」、「各種の」ですよ、「付帯施設というものが今後永久に機能を停止する」。 いまの状態であったら、あの残っている廃棄物処理の施設などは、使おうと思えば使える状態にあるんですよ。永久機能停止じゃないですよ。だから、せめて法的にはきちっと機能を撤去したか、それができないと言うんなら、実態面で、この局長答弁のとおり永久機能停止の処置をとるか、どっちかしなければ、全然こんなもの筋が通りませんよ。逆に言いますと、われわれ国会側は、そのときどきの政府の答弁を信用しておったら、本当に全部ペテンにかけられるんですよ。国会議員何しているんだ、こういうことにもなりかねない現状なんですね。その点はやはりはっきりしてほしいと思います。中川長官なら、こういう不明朗なことはされないと思うから、私、重ね重ね聞くのです。
○中川国務大臣 実態上「むつ」をあそこで使えないという状態になっていれば、撤去ということについて一部行われて、実態上は撤去した、こういうことでありますから、山野さんの答弁と私たちとは違っておりません。どうかひとつ、われわれも無理して、あそこをまたペテンにかけてしゃにむに、反対しようが何しようがやろうとは思っておりませんで、話し合いの中でやりますから、どうかそんな、せっかく話し合いのときに逆行するような御提言をなさらぬように、ひとつ共産党の皆さんも、原子力船廃船という前提に立たずに、前向きにやるという姿勢で、現実的に対応していただきたい、こう思います。
○瀬崎委員 前向きにと言ったって、どだい無理な話ですよ。自分たちであそこは母港としては適しないんだということを言明し、国会でもそう言ったことを認めている。撤去とは実態的に言えば永久機能停止だということも言っているけれども、しかし、いまの答弁では、部分的に残っておってもそれでもいいんだ、しかも過去の答弁とは食い違いはない、こんな強弁を重ねられれば、われわれとして何で前向きに議論に乗っていけましょうか。それは余りにも、いまの政府側の答弁、特に大臣の答弁はひどいですよ。 私としては、委員長、この状態で質問を続けろと言われても、委員長自身お聞きになっていても、いかにこれがでたらめか、おわかりになったと思いますよ。まじめな審議にならないですよ。答弁が違ってきたのなら違ったと、はっきり認めるなら認める、それならいいですがね。
○石渡政府委員 昭和五十三年十月十八日の当委員会での山野政府委員の発言は、先生の御指摘のとおりでございます。 それから、私、けさ総理の答弁を拝聴しておりまして、総理の四十九年の当時の御理解は、実質的な撤去があればそれでいいのだというふうに理解をしておられるというふうに伺っておりまして、その辺の総理の御感触がきょうの答弁にあらわれたのかと理解しております。
○瀬崎委員 私は、きょうのところはこのまま質問を続けますけれども、委員長にお願いしておきたいのです。 一度、この次の理事会には文書で、一体四者協定にうたわれている撤去とはどういう意味なのか、こういうことを政府のきちっとした統一的な見解として出してもらいたい。これはやはり私は二十八日の審議の前提にしたいと思うのです。お願いしたいと思います。
○石渡政府委員 四者協定によります撤去の解釈につきましては、四者で御相談を願うのが筋かと考えます。
○瀬崎委員 冗談ではないですよ。これまでに撤去とはどういうことか、いろいろ言ってきて答えない。委員長、できませんよ。政府が考えている撤去とは何か、これくらい明らかにせぬでどうしますか。
○中川国務大臣 ですから、実質的な撤去は行ったと、こう言っているのです。あそこを使えますか。使えないでしょう。使えない状況、施設が使えなくなったら、これは実質的な撤去と同じであると言って何が間違いなんですか。しかも、それじゃ全部完全であるかと言ったら完全でないから、時期の問題も、新定係港の問題も、撤去の問題も十分じゃないので、その点はまことに申しわけない、そして四者間でその点は今後話し合っていこうと言っているんで、何にも政府の見解は違っておりません。
○瀬崎委員 それじゃ、完全な撤去になっていない、このことだけははっきり認めるのですね。
○中川国務大臣 完全な撤去になっていないから、四者協定についても、四者間でもその点は申しわけなかったと、こう謝っておるところでございます。
○瀬崎委員 そしていまのところは、法的には撤去の措置をとると船でなくなるから、これはできません。それから一方、実態的には、いま再要請をして話し合いをしているところだから、それを壊されるのも困るから、これの方もできません、こういうことですね、整理すれば。よろしいでしょうか。
○中川国務大臣 実態上の撤去ができておりますから、これ以上いましなくても、四者の間ではいま話し合いを続けておる段階ですから、それらのことについては、この話の進みぐあいに応じて四者間で話し合うことになっております。四者間の合意を得た上でどうするか、決めていきたいと思います。
○瀬崎委員 ことしの三月二十七日の本委員会で、当時の牧村原子力安全局長の答弁なんです。「原子力船は、日本の「むつ」につきましては、廃棄物等が出ましても、それは全部保管するというたてまえで原子力船の事業所の中で扱うわけでございます」、こう言っているわけですね。 ところが、国会ではこういう答弁をしておきながら、そのはるか以前に、「むつ」は核燃料が装荷された後、原子炉の周辺を洗浄した水、排水とか、陸上施設の点検、操作などの際に出た排水、こういうものを、合わして四百七十トンでしたかね、陸奥湾に流したわけでしょう。なぜこういう事実がありながら、国会では、事業所の中で扱うんだ、外には出さない、こういうような答弁をしているのですか。ここもまたうそなんですよ。
○赤羽政府委員 昭和四十七年から四十九年にかけまして、水道水まで合わせて六百トンの排水を排出しておりますが、これは、その都度十分測定いたしまして、許容濃度を下回るという確認のもとに捨てております。この時点では、これをすぐに放射性廃棄物であると断定できるものではございません。
○瀬崎委員 何も放射能レベルがどうであるかこうであるかということではなくて、私が言っているのは、牧村局長は、廃棄物が出ましても、それは全部保管するのがたてまえだ、こう言っているのですね。それを破っているじゃないか、こういうことなんですよ。
○赤羽政府委員 放射性廃棄物、液体であれ固体であれ、そういうものでしたら、全部陸上設備に保管するという考え方でございます。
○瀬崎委員 四十九年の八月一日付で森山長官が、当時の青森県知事に対して「原子力船定係港における放射性廃棄物の処理及び最終処分方法について」こういう文書を出していますね。御存じですか。
○石渡政府委員 存じております。
○瀬崎委員 ここにはどういうことを約束しているのですか。
○石渡政府委員 この文書は、昭和四十九年七月二十六日付の、当時の竹内青森県知事からの照会に対しまして、下記のとおり回答しますという内容のものでございます。そして、恐らく「記」が三つございますが、ただいまの御議論の焦点は、この「記」のうちの「2」「蒸発濃縮、イオン交換処理等を行った後の処理済水については、昭和四十八年十月二十九日付貴知事あての文書(四八原第一〇一九六五)において述べたとおり、飲料水と同じ放射能レベルのものであり、環境に全く影響を及ぼすものではないが、漁業関係者への心理的影響を考慮し、当分の間、定係港の貯留タンクに保管する。なお、タンクが処理済水で満たされた場合は、本船に積載し、遠く外洋に運搬、放出する。」これが三つの「記」のうちの「2」でございます。
○瀬崎委員 青森県知事に約束したことは、処理水は捨てるにしても外洋だ、こう言っているわけですね。先ほど答弁した排水はどこへ捨てたんですか。
○赤羽政府委員 先ほど申し上げましたのは、出力上昇試験のために出港する前の水で、ございます。ただいま原子力局長からお答えいたしましたのは……(瀬崎委員「捨てた時期はいつ」と呼ぶ)出港する前まででございます。いま原子力局長が申し上げましたのは入港後の話でございます。
○瀬崎委員 私が言っているのは、捨てた時期は一体いつなのかという話をしているのですよ。
○赤羽政府委員 四十七年から四十九年の出港前まででございます。
○瀬崎委員 それは洗浄した時期がその時期だということであって、実際に海に捨てた時期は一体いつなのか、こういうことを聞いているのですよ。
○倉本参考人 この捨てました廃液につきましては、四十七年九月の燃料装荷後四十九年の出力上昇試験に出るまでの間でございます。一瀬崎委員「実際捨てた時期は、そして最後は」と呼ぶ)実際に逐次捨てていっておるわけでございます。現在私どもとして記録のはっきりしておりますのは、一番最後は四十九年八月二十日ということになっております。
○瀬崎委員 局長、ここなんですよ。八月一日付で知事にこういう文書を出しておいて、実際に捨てた方は八月二十日までいっているのですよ。こういう違いがあるではないか。しかも国会答弁でも、これまた話が違うのですよ。
○石渡政府委員 この文書は、昭和四十八年十月にすでに当時の前田科学技術庁長官から竹内知事に提出され、同じ内容が昭和四十九年八月、当時の森山科学技術庁長官から文書として再度内容を確認されたものでございまして、文書で言う放射性廃棄物とは、「むつ」の出力上昇試験に当たり原子炉の運転に伴って発生する核分裂生成物が含まれる可能性のある廃液のことでございまして、それ以前のまだ原子炉の運転が行われていない段階での廃液のことを言っているのではないと理解しております。
○瀬崎委員 われわれが持っているこの文書では、そういうふうには明記されていなくて、要は、そういう実際には飲料水と変わらないような放射能レベルのものであったとしても、漁業関係者への心理的影響を考慮して、こういうものはできるだけためるが、しかし、それでもいっぱいになったときには、捨てる場合は外洋だ、こう言っているわけでしょう。それを実際には陸奥湾の中に捨てておったわけでしょう。ここに大きな問題があるわけじゃないですか、そういう文書が出た後の。
○石渡政府委員 この森山文書は返事でございますが、その問いといたしまして、四十九年七月二十六日の当時の竹内青森県知事からの照会文書は、題といたしまして「原子力船定係港における放射性廃棄物の処理及び最終処分法について(照会)」とございまして、「原子力船「むつ」の原子炉運転に伴って発生する放射性廃棄物の処理等に関し」ということで質問をしておられます。 したがいまして、この文章からいたしまして、原子炉の運転に伴うということでございますので、出力上昇試験以降のことをあらかじめお問い合わせになったものと理解すべきであろうと考えます。
○瀬崎委員 それは、そちらの方はそういう解釈になったとしても、この回答文だけをもし国民の側が見ている場合、事実上、一般的には放射性廃棄物の概念に入らないようなレベルの水であっても、これは漁業者への心理的影響を考慮して出された、こういうことを前提にしているのでしょう。それでいくならば、同じような意味において、運転に入っていない以前のものであっても、原子炉周辺のそういう洗浄水について同じような意味合いを持つのですから、だからいまこれが問題になってくるのですから、これはこの文書に基づいて、もし捨てるとすれば外洋か、あるいはまた全然捨てないようにするか、これがそれこそたて、まえだと私は思うのです。趣旨はそういうことでしょう。「漁業関係者への心理的影響」となっている。
○石渡政府委員 私ども、この往復の文書から、判断しておりますので、やはり出力上昇試験以降の放射性を帯びているおそれのある排水についての処理というふうに理解をしているわけでございます。
○瀬崎委員 そうすると、結局、事業団が捨てたことについては、政府側としてはこれは別段異議はない、こういうふうに理解するのですね。
○赤羽政府委員 そのとおりでございますが、規制当局として、四十七年分について報告がなされ、四十八年、九年分について、そのときの報告がなされていなかったことを不適切であると指摘して、理事長に注意を喚起しているところでございます。
○瀬崎委員 結局、こういうふうな文書上の違反にはなっていないけれどもということですか。
○赤羽政府委員 明らかな違反とは考えておりません。
○瀬崎委員 四者協定について歴代長官がどういうふうな発言をしてきたかは、重々御承知であろうと思います。私もそれを全部繰り返そうとは思わないのですが、もう一遍念のために、これだけのことを言ってきたということを明らかにしておきたいと思うのです。 四十九年十月、これは中村政務次官が社会党の石野委員に答えているのです。「政府としましては)協定どおりに責任をもって実行するということでございます。期日二年六カ月のうちにそれが実現できぬとなりますならば、当然それは責任を生じてくるわけでございますから、全力を尽くして合意書どおりに努力してまいるという考えであります。」こう言っていますね。当時の当事者が「責任をもって」こう言っていますね。 それから、五十年五月、佐々木長官です。これは私の質問に対してでありますが、「これは行政の義務として約束を果たすべきだという責務から、先ほど来るる申し上げましたように、一生懸命第二母港を決定すべく努力したわけでございます。」ということで、先ほどどなたかの話での、四者間で話し合ってくれというような性質じゃない。これは、履行は政府の義務である、こういう言葉を使っていますね。 同じく、五十一年五月、佐々木長官がこう答えています。「青森との約束がございまして、二年有半まではほかの母港に持っていってもらいたいという話し合いができているわけですから、修理、点検ができて健全な姿になった場合には、母港をその間に探しまして、そちらに開港するということにしております。」変えるとは一切言っておりません。 五十二年三月、宇野長官であります。これは津川委員に答えております。「むつ」が出港いたしました後においては定係港は当然」と言っていますね。「当然撤去し、おくればせではあるが四者協定は守っていきたい、」。 五十二年四月、これは社会党の石野委員に答えて宇野長官が、四者協定について「政府にはいやしくも自由民主党である限り継続性がございますから、私はやはりこれは政府が責任を痛感すべきであると考えております。」これはけさほど御紹介したとおりですね。だから、自由民主党政府である限りはこれはどうしても履行するんだという意思が表明されている。 同じく、私の質問に宇野長官が、「やはり四者協定がある以上は、そのことを守るべく最大の努力をするのが政府の立場である」、「私は、内閣の継続性と申しましょうか、そうした立場で、今日、主人公はかわったが、」長官はかわったがという意味でしょうね、「自由民主党の内閣であるという立場に立てば、やはり四者協定を今後も」「私としてはまだ守っていきたい、」。 それから、五十三年八月、能一谷長官です。「四者協定をわれわれとしてはもちろん履行するつもりでおりますから、」「新定係港を一日も早く選定してまいらねばなりません。」。 ずっときて中川長官になって、鈴木内閣のもとで初めてこの四者協定を公然と破る、こういう方向へ踏み出していったんですね。これはゆゆしき事態だと思うのです。だから、やっぱり冷静に一度筋を追って、過去のこういう長官の答弁も思い起こしながら、われわれにとっては残念なことではあるけれども自由民主党政府が続いているんですから、その継続性と責任において四者協定を履行して、青森県民だけじゃなしに、国民に対しての信頼の回復に努めてほしいと思うのですね。 答弁をいただきたいと思います。
○中川国務大臣 四者協定が結ばれ、撤去の問題あるいは新定係港の問題あるいは漁業振興の問題等々多くの約束をしております。これらについて守る約束もし、守る決意もしてまいったことは当然でございます、約束事である以上。そこで、守れるものは守ってまいりましたが、残念ながら、約束に従って最善の努力をしたにもかかわらず新定係港が決まらないという段階で、約束を守れなかったことはまことに申しわけないが、もう一回ひとつ新たな気持ちで新定係港として大湊を使わしていただくわけにはいかぬかと、この御検討を願ったのであって、約束は守らないでいいという性質のものではなく、守らなければならないという前提でいま話し合いを進めておるところでございまして、約束はもう破るから、そしてあそこにやるんだということでなくて、守らなければいかぬという継続性を十分頭の中に入れて、そういう姿勢でいま話し合いを進めておるところでございます。守るという約束、守らなければならぬという気持ちは私にも変わりございません。
○瀬崎委員 それだけ守るという意思を重ねて表明されているんですが、その実態というのは、結局話し合いを進めて、最終的には漁協といいますか漁民の理解が得られれば四者協定を守って、まあ言えば再母港化できる、こういう筋書きと私は理解するんですね。ところが実際問題としては、青森県漁連は、御承知のようにきちんとした理事会を開いて、正式の決議としてこの四者協定の履行を求めているわけですね。この文書は長官が重々御承知であろうと思います。そういう手続までとって再母港化に反対し、・四者協定の履行を求めている漁連に態度の変更を迫るわけでしょう。これは私は大変なことだと思うのですね。理解、理解と言われるけれども、本当に意見を尊重するとするならば、そういう手続を踏んだいわゆる機関決定ですね、この決議を尊重してこそそれは民主的な話し合いだろうけれども、それをひっくり返してくれと言うのですから、言う方が無理ではないか、こう私は思っているんですね。一体態度変更のどういう可能性というものを長官は見込んでいらっしゃるのでしょうか。
○中川国務大臣 確かに、こちらから再検討願えないかということに対して、漁連での決議すなわち反対決議を持ってお越しになりました。十分わかります。しかし、他に候補地がない現段階においては、私も「むつ」の問題を処理しなければならぬ責任者として非常に立場上困る。ついては、安全性が一番問題であろうから、安全性については御納得いくように十分これからも話をしますし、また害が起きたときには全責任を持つからもう一回考えていただきたいということで、ボールを投げ返してあるということでございます。今後、向こうの言い分も十分理解できるところですから、御指摘のように民主的に話し合いで、無理をすることなく、人事を尽くして天命を待つという気持ちでいま一生懸命やっておりますが、向こうの地元の言われる気持ちは十分理解できた上で交渉いたしております。どうかしばらく御理解願います。
○瀬崎委員 それじゃ最後に。結局期限は切らずに検討の結果を待つ、こういうことですね。
○中川国務大臣 なるべく早くということで、いつ幾日まで、何カ月というようなことはございません。
○中村委員長 次回は、来る二十八日火曜日午前九時三十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時三十九分散会