科学技術委員会 第1号
- 発言数
- 7 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1980/10/16
会議録
○中村委員長 これより会議を開きます。 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 科学技術振興の基本施策に関する事項 原子力の開発利用とその安全確保に関する事項 宇宙開発に関する事項 海洋開発に関する事項 以上各事項につきまして、本会期中調査をいたしたいと存じます。 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○中村委員長 科学技術振興の基本施策に関する件について調査を進めます。 この際、中川国務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。中川国務大臣。
○中川国務大臣 第九十三回国会に当たり、科学技術庁長官といたしまして、科学技術委員会の皆様方に一言ごあいさつ申し上げます。 申し上げるまでもなく、科学技術は経済社会発展の原動力であり、国民生活向上の基礎であります。 特に、石油資源を初めとする物的な資源に乏しく、狭い国土に多数の国民が生活しているわが国が、この厳しい制約を乗り越え、将来にわたり経済の安定成長と国民生活の向上を図り、二十一世紀への発展の礎を築いていくためには、国民の英知と創造性の所産である科学技術を積極的に振興することが不可欠の課題であります。 私は、このような見地から、長期的かつ総合的視野に立って、科学技術の振興に全力を尽くす決意であります。 以下、今後の科学技術の振興を図るに際しての基本的考え方を申し述べたいと存じます。 まず第一は、研究開発資金の確保であります。 わが国の研究開発投資は、総額では、米国、ソ連に次いで世界第三位にあるものの、米国の約三分の一、ソ連の約半分にしか達しておらず、また、対国民所得比については二・一五%であり、米国、西ドイツ等と比較すると、必ずしも十分ではありません。さらに、これまでのわが国の研究開発は、民間の研究活動に多くを依存してきており、現在でも政府の研究開発投資は、欧米先進国の約五割に対し、わが国は三割弱と非常に劣っている現状にあります。今後の安定経済成長下においては、民間の研究開発投資も従来ほどの伸びは期待できず、政府の研究開発投資の拡大が強く要請されているところであります。 このため、国の財政事情の非常に厳しい折ではありますが、今後とも政府の研究開発資金の確保のため、一層努力してまいりたいと存じます。 第二は、自主技術開発の強化であります。 わが国は、今日までに、外国の技術を積極的に吸収、そしゃくすることにより、欧米先進国に比肩し得る技術水準を有するに至りましたが、今後、わが国が真の技術先進国として世界に貢献していくためには、自主技術の開発を強力に進めることが不可欠であります。 今後とも、科学技術の各分野にわたって、自主技術の育成に努力を傾注していく所存であります。 第三は、官、学、民の連携であります。 わが国が科学技術立国を目指すためには、産業界、大学及び政府、それぞれの頭脳、技術、活力等を結集し、緊密な協力のもとに技術開発を進めていくことが必要であります。 私としては、官、学、民の連携方策の充実強化に努め、新しい時代に対応した、より柔軟で効率的な研究開発を促進してまいりたいと考えております。 第四は、国際協力の推進であります。 国際協力は、各国の施設、資金、人材等を効率的に活用し得るとともに、国際的な友好関係にも大いに寄与できるものであり、今後とも、米国とのエネルギー分野の科学技術協力を初め、先進諸国及び開発途上国との協力など国際協力の充実に努めてまいる所存であります。 以上、科学技術振興に当たっての基本的な私の考え方を述べさせていただきましたが、この方針に従って、今後、石油代替エネルギーの中核である原子力の開発、先導的、基盤的分野としての宇宙開発、海洋開発、航空技術開発、ライフサイエンスの振興、科学技術に対する国民の理解を増進するための国際科学技術博覧会の開催などの諸施策を強力に推進してまいりたいと考えております。 私は、科学技術行政の衝に当たる者といたしまして、その使命の重大さを厳粛に受けとめ、微力ながら全力を傾注する覚悟でありますので、委員各位の深い御理解と絶大なる御支援をお願い申し上げる次第であります。(拍手) ————◇—————
○中村委員長 日本原子力船開発事業団法の一部を改正する法律案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。中川国務大臣。 ————————————— 日本原子力船開発事業団法の一部を改正する法 律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○中川国務大臣 日本原子力船開発事業団法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明いたします。 わが国における原子力船開発につきましては、昭和三十八年、日本原子力船開発事業団を設立し、原子力第一船「むつ」の開発を進めてまいりましたが、昭和四十九年九月の放射線漏れの発生等の事情により、その開発計画は大幅に遅延しております。このため、わが国の原子力船に関する技術は、すでに原子力船の建造、運航の経験を有する米国、西ドイツ等の先進諸外国に比して、かなりおくれた段階にあると考えられます。 政府は、このような情勢にかんがみ、わが国における今後の原子力船に関する研究開発の進め方について、改めて検討を加えた結果、エネルギー資源に乏しく、かつ、世界有数の造船、海運国であるわが国としては、海運の分野におけるエネルギー供給の多様化及び安定化を図る見地から、長期的な観点に立って原子力船に関する技術を着実に蓄積していくことが必要であるとの結論に達しました。すなわち「むつ」については、所要の修理、点検を完了した上で実験航海等を実施し、実験船として最大限の活用を図ることとし、さらに「むつ」開発の成果を踏まえつつ、将来における原子力船の経済性、信頼性の向上を目指した研究開発を推進する必要があると判断した次第であります。 このためには、現在の日本原子力船開発事業団に所要の研究開発機能を付与し、「むつ」の開発を引き続き進めるとともに、原子力船の開発に必要な研究を行う機関に改組することが適当であると考えております。現行の日本原子力船開発事業団法は、昭和五十五年十一月三十日までに廃止するものとされておりますが、これは、同事業団法改正の政府原案が、昭和五十二年の第八十二回国会において一部修正の上議決されたものであります。その修正の趣旨は、日本原子力船開発事業団が原子力船についての研究開発機関に移行するための必要な措置として、同事業団法の廃止するものとされる期限を前述の期日まで延長するというものであり、今回の日本原子力船開発事業団の改組は、この修正の趣旨にも沿うものであると考えております。 本法律案は、以上のような判断から、現在の日本原子力船開発事業団を改組し、従来の「むつ」開発業務に加えて、原子力船の開発に必要な研究業務を行う日本原子力船研究開発事業団とするものであります。 なお、本法律案におきましては、現行の日本原子力船開発事業団法の廃止に関する規定を改正し、政府の行政改革計画に沿って、昭和六十年三月三十一日までに日本原子力船研究開発事業団を他の原子力関係機関と統合するものとし、このために必要な措置を講ずるものとする旨定めることとしております。 以上、本法律案の提案理由及びその要旨を御説明申し上げました。 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
○中村委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。 次回は、来る二十一日火曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十時四十一分散会 ————◇—————