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93回国会衆議院1980/11/11

沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第4号

発言数
201
登壇者
23
会派数
6
開催日
1980/11/11

会議録

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢委員長 これより会議を開きます。  沖繩及び北方問題に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小渡三郎君。

小渡三郎自由民主党

○小渡委員 きょうは私は沖繩のパイン産業の危機についていろいろ農林省にお伺いをして、その対策を立てていただくべく質問をいたしますけれども、長官を初め開発庁の皆さんおいででございますけれども、ぜひ私と農林省との議論の中で、大変恐縮ではございますけれども、沖繩のパイン産業の実態、それから将来、こういうことにつきまして御認識をいただければ大変幸いだと存じております。  そこで、まず、沖繩の今期のパインでございますけれども、これが過去十年間を振り返ってみまして、今年十二月末現在で在庫量が大体八十万九千ケースになるだろうという予測を実は立てております。八十万九千ケースというのは、本土の方に約三十万ケース、そしてまた沖繩本島自体に五十万九千ケース、こういう在庫を抱えるだろうと言われているわけでございます。それは沖繩に在庫している分五十万九千ケースを金額に直しますと、約三十四億ぐらいに達するわけでございます。これはもうその元金はもちろん、金利といい、経営を圧迫するどころか倒産の前ぶれではないか、こういうことで非常に憂慮されているところでございます。  そこで、政府といたしましても、沖繩のパイン産業につきましては、昭和三十四年というといまから二十一年前でございますが、三十四年の四月二十七日にも国会におきまして、沖繩のパイン産業をどう取り扱うかということにつきましては決定を見て、特定物資輸入臨時措置法の審議の段階で、沖繩のパインを一括して本土で買い上げようではな いか、その買い上げる窓口を一つにしよう、それと同時に、沖繩側もそれじゃ窓口を一つにして輸出の窓口をつくろう、こういうことになって今日に至っているわけでございまして、このことは、沖繩県のパインかん詰めにつきましては優先してこれを本土市場で消化しようということで、原則的に決定を見たわけでございます。  そんなことで、沖繩におきましてはパイン産業というのは、サトウキビに次ぐ重要な作目として、その基盤整備と栽培に全力をかけてきたわけでございます。言うなれば琉球政府時代には、パイン振興法などを立法いたしまして、重要作目としてこれを指定するし、そして国の方といたしましても、昭和三十七年四月には、当時農林大臣である河野一郎大臣、そのときに自由化が延期をされまして、外割りの発券も年二回、上期、下期に発券をする、その場合、本土の市場と沖繩の生産量との調整が必要でございますから、十分協議をして、そして決めるんだ、こういう行政措置もなされたわけでございます。また、昭和四十年の二月には自民党の沖繩特別対策委員会で、さらにまた当分の間自由化はしない、そして、外貨の割り当て額も昭和四十年度は二百六十万ドルを限度としよう、そういうことが決められまして、技術の指導とか財政援助をやって基盤を強化するんだ、こういうぐあいに十分な措置を講じてまいっているわけです。  ところが、いまからお尋ねをいたしますが、復帰後の栽培面積とか収穫面積、生産量が物すごく激減してまいりました。これはもうグラフによって明白であります。パイン産業の危機というんですか、それをこのグラフだけでも身近に感ずるわけでございます。昭和四十六年といえば復帰の前年でございます。このときの生産量は七万トンありました。しかも栽培面積は五千百十五ヘクタールもあったのです。ところがこれは毎年落ちていきます。復帰の翌年、栽培面積が四千四百四十五ヘクタールになり、そして生産量も五万九千トンになってきます。五十二年ごろは、これはもう本当にここ十五年間で一番最低の数値を示します。栽培面積が二千五百九十ヘクタールになります。そして生産量も三万七千トンになってしまっています。五十三年、五十四年は少し上向きになっておりますけれども、昔日の面影は全くございません。理由は何ですか、お尋ねいたします。率直に答えてください。

小坂隆雄農林水産省農蚕園芸局果樹花き課長

○小坂説明員 お答えいたします。  沖繩のパイナップルは、沖繩の農業にとってきわめて大きなウエートを持っておるわけでございますが、先生御指摘のように年々面積が減少いたしておりまして、五十二年を底といたしまして最近上向きの傾向を示しておるわけでございます。経済の成長の過程の中で労働力不足なり他の農産物との競合等、もろもろの要因の中でこのような現象が起きておると考えておるわけでございますが、農林水産省といたしましても、沖繩のパインの栽培につきましては、果樹農業振興基本方針の中で位置づけてこの振興を図っている、こういう状況でございます。

小渡三郎自由民主党

○小渡委員 よくわからないのでございますが、復帰後栽培面積も減る、そしてまた生産量も減る、本当の理由は何ですか、それを聞いているのです。理由は何か、どうとらえていらっしゃいますか。ほかの産物との競合と言われましたね、そういうことはございません。お聞かせください。

小坂隆雄農林水産省農蚕園芸局果樹花き課長

○小坂説明員 労働力の不足なり他の農産物、さらにまた最近、冷凍パインが入ってきておる、このような状況もありまして、そのようなもろもろの影響の中で落ちてきておるのではないか、かように考えるわけでございます。

小渡三郎自由民主党

○小渡委員 いまお答えをいただいたのですが、そういうことも要因ではございましょうけれども、労働力不足というのは余り関係はないと思います、それは、これは家族労働でございますので、家族で大体五ヘクタールも管理することのできるような作目ですから。それから他の産物とと言われるのですけれども、酸性土壌で、山でございますかも、そういう地域でパイン以外には栽培できないところなんですから、それは私ははっきりした理由にはならないと思うのですよ、要因のうちの一つではございましょうけれども。  そこで、それじゃ沖繩物のパインかん詰めの販売量のシェアですが、本土で沖繩産とグローバルと冷凍物と、こういうぐあいにありますね、それが売られるのが全部が需要でございますが、需要の中で占めている沖繩産の販売量のシェアが五十年以降、この五年だけとってみましても大変な激減なんですよ。これは何ですか。冷凍パインが輸入されて、それがかん詰めになっているんだというだけの理由でもなさそうです。どういうぐあいに分析していらっしゃいますか。

小坂隆雄農林水産省農蚕園芸局果樹花き課長

○小坂説明員 パインの需要につきましては、おおむね三百万ケースぐらいで推移いたしておるわけでございますけれども、そういう中で、五十二、三年ごろには冷凍パインのかん詰めの生産量がきわめて大きかった、このような影響もありまして、総体として沖繩産のパインのシェアが低くなっておるのでございますけれども、いわゆるグローバルの枠につきましては、沖繩産に配慮しながら、影響のないような形の中でもろもろの調整をとらしてやっていただいておる、こういう状況でございます。

小渡三郎自由民主党

○小渡委員 本当にそうですがね。私の持っている資料によりますと、まず五十年は、販売量の総高は二百十万ケースなんです。そして沖繩物の販売量のシェアは七一・三%、グローバルが二二・五%、冷凍は六・一%なんですが、その翌年を見ますと、沖繩は七〇・四%に落ちているわけです。そしてグローバルは二三・四%に伸びているわけです。冷凍は六・二%で低迷しております。それからその翌年、五十二年になりますと、沖繩物は四五・七%なんですよ。がたっと落ちているのです。グローバルを見ましたら三九・六%とまた伸びているのです。グローバルで沖繩物を調整していくというのが原則なはずなんですよ。ところが、ここで沖繩物は落ちてグローバルは伸びているのですよ。これは非常に問題があるわけです。滞貨がなければ別ですよ。このときにも滞貨があるのです。同じ五十二年の冷凍を見ると、これは大変な伸びを示しています。一四・七%です、二倍に伸びています。五十三年になりますと、沖繩物はまた二六・四%になるわけです。三年前は七一%だったのが二六・四%になっているのです。グローバルは三九・一%とまた伸びているのです。そして冷凍の方、これが三四・五%と驚異的な発展をしておりますね。そして今度は五十四年になりますと、沖繩物は二七・六%で前年度と何も変わらない。ところが、グローバルは三五・四%を占めることになります。そして冷凍が三七%、また伸びているのです。こういう状況が続いているのですよ。  そうしますと、政府の沖繩のパインに対する基本的な考え方、その原則、これは変わってないはずなんですよ。変わったということをまだ一度も聞いていないのです。そうであるなら、こういう販売量のシェアを狭めていくような結果が出てしまってみますと、なるほど栽培面積が減ってしまったりあるいは生産意欲を失ってというようなことが必然的に起きてくるんじゃなかろうか、こういうように思います。  それともう一つは需給量でございますけれども、これは実におもしろいですね。昭和五十年は二百十万ケース、五十一年は三百十三万ケース、五十二年はまた二百三十七万ケース、その次五十三年はまた三百万になるのです。二百、三百、二百、三百となりました。五十四年はどうかなというと、また二百万になるのですよ。ことし二百万台といったら翌年は三百万台、その次は二百万台、またその次は三百万台になっているのです。そうすると、ことし五十五年はどうなるかなといったら、これは現に缶詰組合の方では三百万台に予測されています。これは漸増しているわけじゃなくて、そうかといって逓減しているわけでもないのですね。二百万台と三百万台を行ったり来たりしているわけです。  こういう統計をきちっと押さえておられましたら、シェアがこんなに四年前に七一%を占めていたのが二七%台に落ちるまで行政措置を十分打てないというのが、こういうグラフで見られるような栽培面積が減ったりあるいはトン数が落ちたりする大きな原因ではないだろうか、こういうように考えているわけです。  そこで、いま私が指摘いたしました二百万台、三百万台、二百万台、三百万台とこう毎年繰り返し、その二百と三百を低迷している理由はどういうわけですか、それはおわかりだと思うのですが、いかがなものでしょうか。

小坂隆雄農林水産省農蚕園芸局果樹花き課長

○小坂説明員 パイナップルのかん詰めにつきましては御案内のように、沖繩産物、グローバル物、それから冷凍パインから製造されたものがあるわけでございますけれども、われわれといたしましては、グローバルの輸入につきましては、沖繩産に十分配慮するような形でなしておるつもりでございまして、たとえば五十年度に至りましては、グローバルの割り当てについては二十万ケースというようなことで、そういう結果、総体の供給量が二百万ケースを切る、このような状況になっておるわけでございまして、そのような調整、さらにまた、沖繩産かん詰めが干ばつ等の影響によってかなり減少したようなこともあって、総体的に見まして供給量においてかなりの変動が出てきておる、かように理解をいたしております。

小渡三郎自由民主党

○小渡委員 いまのお答えは十分でないと私は思います。  それでは、五十年から順番に見ましょう。五十年末の沖繩物の在庫、グローバルの在庫、冷凍の在庫全部加えた総在庫量は七十万五千ケースなんです。七十万五千ケースのうちに、沖繩物が六十万五千ケースの在庫があるのです。これはその調整を十分やっているのですか。では、次を見ましょう。今度は翌年の五十一年は四十三万七千ケースなんです。グローバルも冷凍も含めての総在庫四十三万七千のうちの三十九万七千が沖繩物なんです。いまのあなたの御答弁はおかしいじゃないですか。次に、五十二年は総在庫二十三万七千です。そのうち、十三万八千がまた沖繩物なんです。今度は五十三年までいきましょうか。総在庫四十一万二千ケースのうち、三十一万二千がまた沖繩物です。五十四年は八十七万五千ケースのうち、五十二万四千がまた沖繩物です。  これは率で言った方がわかりやすいのだが、五十年は総在庫量の中に占める沖繩物の在庫の比率は八五・八%、次の年は九〇%、その次が五八%、その次が七六%、その次が六〇%です。その年にグローバルは一四・二%、九・二%、四一%、一二%、二八%、冷凍はゼロ、ゼロ、ゼロ、三年間ゼロ、そして五十三年に一二・一%、五十四年に一一・四%、こういうぐあいになっているのです。  それで、在庫しているものの中には沖繩物がもうほとんどであるということをとらえないと、翌年における上期、下期の外割りの発券ですよ、グローバルはIQ品目ですからね、それはおわかりでしょう。また、冷凍については皆さん方の大きな見通しの誤りがある。ぼくはそれを指摘したいわけだけれども、ただ、年末の在庫総量の中で沖繩物が占めるのはどのくらいか、そのパーセンテージが七〇%以上だったら、沖繩の生産者が意欲を持つわけもなければ、パッカーは皆さじを投げますよ。そうしたらどういう結果になるかといったら、これは十万人に及ぶ生活に影響するのですよ。こんなことをここ四、五年の動きだけを見ても、これは危機に瀕しているなというのがすぐわかるのです。これでどんなに調整しているのですか。いまあなたはグローバルのものもよく見ながら需給調整していますと言うけれども、全然調整されていないですよ、どうですか。

小坂隆雄農林水産省農蚕園芸局果樹花き課長

○小坂説明員 ただいま先生は、在庫の中で沖繩のかん詰めの占めるシェアについて御説明になったわけでございますが、沖繩産のかん詰めにつきましては、いわゆる生産時期なりかん詰めの製造時期というのが集中しておる。一方におきましてグローバルについては、必要な時期におのおのの商社が入れておる。また、冷凍パインも同じような傾向があろうかと思います。そういう結果、いわゆる在庫としてはほとんど沖繩産のものではないか、かように考えておるわけでございます。

小渡三郎自由民主党

○小渡委員 在庫のとり方ですが、それでは六月末でとるのか、十月の時点でとるのか、十二月末でとるのか、三月末でとるのかというのは、これは常識的に言って十二月末で一応、その年のものは締めるというのが常識じゃないですか。だから、もともと沖繩産のものが今期はどの程度予定されるから、外割りの分についてはどの程度発券すればいいんだなというようなことは当然出てくるはずなんですよ。製品価格においてもそんなに差はございません。これも後で御指摘申し上げますけれども、内容についてもそう変わらないですよ。だから、いまおまえが言っているのは、十二月末で締めくくるからそういう数字になるのだということを言っておられますが、それでは統計を出すのにパインは何月になっているのですか、在庫を締めるのはいつが一番いいですか、そしていつが一番常識的ですか、お答えください。

小坂隆雄農林水産省農蚕園芸局果樹花き課長

○小坂説明員 ただいま私が御説明申し上げましたが、十二月にするから沖繩産のものが在庫が多い、こういうことを申し上げたのではなくして、グローバルなり冷凍パインの輸入につきましては適宜入れておる、このようなことから結果的に見て、ほぼいつのときをとりましても恐らく沖繩産のものが大半を占めるということになるのではないか、かように考えております。

小渡三郎自由民主党

○小渡委員 そうでございましょう。いまおっしゃるとおりだと思うのです。これはいつの時期をとっても同じことしか言えないと思うのですよ。ですから、翌年の総需要に占める沖繩の滞貨されているものをどう優先的に処理していくか、そのためには、グローバルと冷凍をどう行政措置すればいいのかということはおのずから出てくるのでございますから、それが現在の沖繩のパッカーの混乱をつくっている大きな要因だと思っているのです。特にこの辺を私は指摘をしておきたいのです。  また昭和五十年、いわゆる冷凍パインの関税率が三五%に引き上げられた時点で沖繩のパイン業界から、需給調整機関をつくったらどうかということで提唱されているのです。それはどうですか。

小坂隆雄農林水産省農蚕園芸局果樹花き課長

○小坂説明員 その段階におきまして、御指摘のような提案を受けておるわけでございますが、やはりそのためには、どのような形で需給調整の会議が仕組めるのかどうか、こういうことで現在まで推移を見てきておるわけでございますが、やはり沖繩物、さらにまたグローバル、冷凍パイン含めて総体的な需給調整を図る必要があるということについては、私どももぜひ必要であるというふうに考えておるわけでございます。

小渡三郎自由民主党

○小渡委員 提唱されたのはいまから五年前なんですよ。こういう危険な状況が必ず出てくるということを業界は予測しまして、また生産者もそういうのを予測いたしまして、これは大変だ、五十年だからいまから五年前なんですよ、そのときに提唱しているのです。いまごろになって政府は、これは何とか需給調整機関でもつくらないと大変なことになるなあ、原則にもとる結果になるなあ、こういう反省がいまなされているのです。それが私がいまいろいろ数字を出して申し述べた結果を憂えた提唱であったわけなんです。皆さんはいつも手おくれなんです。いま沖繩のパイン業界というのは全部、五億から十億各社負債を抱えまして、利息の支払いだけでも青息吐息なんですよ。そういうところに持ち込まれた五カ年間というのはこれは大変なことだったのです。重症になると確かに効きませんよ。  いま需給調整の機関をおつくりになろうということで皆さんはお考えのようでございますが、その構想も私は知っています。しかしその構想の中にも、冷凍パイン業界をその中に入れるんだということに対しては私は拒否反応を示しますよ。少なくともパインかん詰めの中では、冷凍パインというのはわれわれ認知していないのです。あれはあくまでも菓子の原料である、ジュースの原料であるということは農林省から言われたことなんだ、パインかん詰めではないはずなんだ。そういうこともございますので、それも需給調整機関のところでもっと意見を述べてもよろしいのでございますけれども、要するに手の打ち方が遅いのですよ。これはここで特に指摘しておきます。  次に、冷凍パイナップルが輸入されましてからパイナップル業界は混乱をし始めたのでございますけれども、これも資料によりますと、五十三年、関税を三五%に引き上げた後でも二万八千百六十九トン輸入されまして、これがかん詰めにどのくらい変質したかといったら、百九万ケースかん詰めになってしまったのです。そしてまた翌年は一万九千四百四十七トン輸入されまして、これがまたかん詰めに一〇一万なっているのですよ。ことしの五十五年はどのくらいかん詰めになる予想ですか、お答えください。

小坂隆雄農林水産省農蚕園芸局果樹花き課長

○小坂説明員 冷凍パインにつきましては、先生御指摘のように五十三年が最大の輸入数量を見たわけでございますが、いろいろと影響が出ておるわけでございまして、そういう中で、やはり冷凍パインの自主的な自粛ということを指導してまいったわけでございますが、そのような効果もありましてことしにつきましては、ことしの一−八で約七万七千トン程度の輸入があるのではないか、かように見ておるわけでございますが、これによりますことしの冷凍パインの生産量は、おおむね六十万ケース程度になるのではないかと見ております。

小渡三郎自由民主党

○小渡委員 この六十万ケースがこれまた脅威なんですよ。どうしてかといいますと、いまさっき私が申し述べたように、五十三年に輸入された冷凍パインが百九万ケースに変わりましたね。五十四年は百一万ケースになったのだが、これは減ったのじゃなくて、原料の輸入が減って、かん詰めになっている率は前年より高いのですよ。かん詰めの方がいいということで、ジュースをつくったり調味料を使うよりはずっと利益がいいということで、輸入する量は減らして、かん詰めをつくる率は前年より高くなっているのですよ。これはもう数字が出ているのですから明らかです。そして、五十五年はいまおっしゃったように六十万ケースですか、大体そのくらいになるだろうといまおっしゃっておられますけれども、これも去年の在庫があるのですよ。どのくらいありますか。冷凍パインの方でかん詰めにしたもので在庫があるのです。

小坂隆雄農林水産省農蚕園芸局果樹花き課長

○小坂説明員 冷凍パインの在庫につきましては、私ども正確な数字を持っておりませんですけれども、おおむね十万から二十万程度ではないかと推測いたしております。

小渡三郎自由民主党

○小渡委員 いまも御答弁いただきましたが、そのように在庫があるわけです。それを加えますとやはり七、八十万、あるいはそれを超えるかもしれないのです、かん詰めとして市場に出てくるのは。これがまた沖繩産のシェアを圧縮する結果になりかねない状況に実はあるわけなんです。  ですから、冷凍パインについては皆さんは非常に責任があるのです。なぜかといいますと、四十六年六月に冷凍パインが自由化されたとき、関税率二〇%です。そのときに沖繩側はずいぶんと反対をしたものなんです。ところが政府は、沖繩産のパインかん詰めに影響する率は非常に低い、ほとんどないということを皆さんは示したのです。なぜかというと、冷凍パインからかん詰めにするのは、コストが高くつくからかん詰め化なんということは考えられない、こう言っておられるのです。そしてまた、仮にかん詰め化されたって、品質でずいぶん劣悪な製品になるから太刀打ちできないよ、こういう見解を持たれたのですよ。ところがどうですか、いままで御説明したように、そういう予測は何にも当たらなかった。これは少なくとも沖繩のパイン生産者並びにパッカーに対して大きな不信と衝撃を与える結果になってしまった。  ところが、皆さんはそのことを等閑視していたとは私は言いません。それは、昭和四十九年八月十五日に社団法人日本缶詰協会会長にあてて農林省食品流通局長、農林省農蚕園芸局長から、「冷凍パインアップルを原料とした缶詰の製造について」という通達が出されております。これはどうしても読んでおかぬといかぬと思うのです。確認になりますけれども、その中で「冷凍パインアップルは、主として冷菓として消費されるものであり、これを缶詰原料とした場合、採算性及び品質面等から沖繩産パインアップル缶詰と競合しないという前提のもとに輸入が自由化されたものであるが、期待に反して冷凍パインアップルを原料としたパインアップル缶詰が多量に生産される事態となったことは誠に遺憾である。このような状況を放置することは、パインアップル岳詰を非自由化品目に指定し、沖繩パインアップル産業を保護している意義を失わせるものである。」このように実に明快な政府の見解が缶詰協会に提示されておるわけなんです。  ですから、そういう基本的な考え方はいまも何も変わらないわけなんです。恐らく変わってはいないと思うのです。もし変わっておると言われるのならまた御答弁いただくわけですが、変わっていないと思います。であるならば、このグローバルに対する取扱いもあるいは冷凍パインに対する取り扱い等も、もっと真剣に何らかの方法を講じない限り、政府決定を具現化していくことはもはやできない、このように思うわけです。  何かパイナップルかん詰めの小売価格なんかで沖繩物がえらい高いんじゃないか、だからそういうぐあいにしてやられるんじゃないかというような疑問もあるいは起きてくるかもしれませんから、私の資料によりますと、グローバルは三号かん三ダースの一かん当たり平均価格が大体三百二十九円ぐらいなんですね。冷凍物は二百六十一円から二百七十円の間を低迷しておる。沖繩物は三百円なんですよ。ですから、グローバルと比較しても、これは十分競争力を持っているんです。ところが、冷凍物にはどうにもならないわけですよ。三十円の格差があるわけですよ。ひどいときは五十円ぐらいの格差になる場合もあったわけです。ところが、輸入協会側から言うならば、それは輸入することによって利益を上げなければ意味ないわけですから、沖繩物をとって毎回一かんから五円、十円欠損するようじゃやっていけないわけですよ。だから冷凍物に手が出る、こういうようなことになるのじゃないか。だから、もう少し安くせいというようなことを言ったところで、原価を割って商品として市場に出して取り扱ってくれるような形態、そういうものが生まれてこない限り、これは可能ではないわけです。  そんなごとを感ずるわけでございますけれども、いま沖繩県におきましては最近も、冷凍物のパインの輸入については三五%は安過ぎるので、何とかもう少し上げてくれという陳情がなされているようです。これは五十年に三五%に上がった上に、その後円高の傾向が出たわけですよ。これは二重のパンチを食っているわけだ。だから実に安く入るようになったんですね。ですから、ここでまたさらに沖繩物が太刀打ちできるように関税でもって手当てをするということになると、少なくとも七〇%ぐらいの関税をかけないとどうにもならないというような状況じゃないかと思うのです、私が試算してみましても。ですが、自由化品目であってまた輸出国のあることでございますから、一ぺん自由化されたものをさらに非自由化に持ち込むことはとうていできないことでございますし、同時にまた、関税率をむやみに上げるということは、相手国からは報復手段を受けるということもございましょう、貿易の上ではいろいろなことがありますので、そういうことはもはや困難だと思います。であるならば、どのようにして沖繩のパイン産業を育成なさろうとしておられるのか、ひとつきちっとしたお答えをいただきたいと思います。

小坂隆雄農林水産省農蚕園芸局果樹花き課長

○小坂説明員 パインかん詰めにつきましては、先ほど来申し上げておりますように、沖繩物それから冷凍パインそれからグローバルとあるわけでございますから、グローバルにつきましても、いわゆる沖繩産の生産状況等に配慮しながら十分やっておるつもりでございまして、たとえばことしの上期の割り当てにつきましても、前年九十万ケースでありますのを七十万ケースというふうに二十万ケース落としておりますし、下期につきましては、まだ発注しておりませんけれども、需給状況等を十分勘案していきたい。また冷凍パインにつきましては、どのような形で秩序ある輸入ができるのか、これにつきましては先ほど申し上げておりますように、パイン関係者の需給会議等で自主的にうまく秩序ある輸入ができるような指導というものを進めてまいりたい、かように考えておるわけでございます。

小渡三郎自由民主党

○小渡委員 今期は上期七十万ケース発券しておられるようでございますけれども、下期はゼロでも間に合わないと私は思っているのです。そこで、あなたの方でどう予測なさっておられますか。ことしの販売量の総額はどのくらいになりそうですか、そして、年末の在庫はどのくらいになりそうですか、それをちょっとお伺いしたいと思うのです。

小坂隆雄農林水産省農蚕園芸局果樹花き課長

○小坂説明員 ただいま私の手元に年末における在庫の見通しその他につきましての資料がございませんので、御容赦をお願い申し上げたいと思います。

小渡三郎自由民主党

○小渡委員 じゃ、参考までに私の方で調査したのが、これは正しいかどうかわかりませんけれども申し上げておきますので、ひとつ十分検討してもらいたいと思いますが、大体今年は、販売量は二百六十万ケース、このぐらいになるだろうと思います。しかし、前年の繰り越しと今期の入出荷分を合計しますと三百五十六万ケースぐらいになるだろう、そう見ているのです。したがって、在庫は九十六万五千ケースぐらいになるだろう。そのうち、沖繩物が八十万九千ケースになるだろう、そしてグローバルが年末在庫は十万六千ケース、約十万ぐらいだろう、冷凍は五万ケースぐらいだろう、こういう予測をしております。ですから、こういう予測の上に立つならば、下期における発券というのはゼロでないといかぬ、それでも間に合わない、こういう感じがいたします。参考にしてください。  次に、抜本的な解決の方法でございますけれども、ただグローバルの取り扱い、冷凍の取り扱いだけではもう沖繩のパッカー業界とかあるいは生産者に対する意欲とかそんなものをいやして、しかもとりなして、そして、前向きに果樹農業振興特措法に従ってこれから発展していくような姿勢をとることはできないと私は思います。もっと抜本的なものがあろうかと思うのです。これも一つの提言として出しておくのでございますけれども、その前に、パイナップルの生果の沖繩現地での取引価格とそれから要求価格と決定価格、これをずっとここ五、六年見てみますと、非常におもしろい現象があるのです。おもしろいというのは、楽しいわけじゃございませんよ、ゆゆしい状態と言ってもいいのですよ。どうしてかといいますと、五十年は生果の決定価格が一キログラム当たり三十一円四十一銭だったのが、毎年上がりまして、今年は五十四円九十銭になっているのです。ところが、これを対前年比の伸び率で見ますと、五十年は九二・一%なんですよ。五十一年は一一三%だから一三%伸びているわけです。五十二年は二二・五%伸びているわけです。五十三年は一二・六%伸びている。五十四年は一〇%になっている。五十五年は一%になっている。五十二年を境として、生果の取引価格は毎年順調に伸びてきたけれども、五十三年からだんだん落ちてきていることになるのですよ。金額は上がっているけれども、対前年比伸び率は鈍ってきているわけですね。  ところが、かん詰めの値段はどうかというわけですよ。生果とかん詰めとの関係です。かん詰めの方は、スライスかん一かん当たりの価格が、五十年は対前年二・五%の伸びなんです。五十一年は一二%の伸びなんです。そのとき生果は一三%の伸びで、これは平均しておるわけですね。五十二年は八%しか伸びていない。生果は二二・五%伸びているわけです。それから五十三年は、かん詰めば四・四%伸びたけれども、生果の方は一二・六%伸びているのです。それで五十四年は、かん詰めば一%ですが、生果の方は一〇%伸びているわけです。ことし五十五年は、かん詰めば対前年を割っておるわけですよ。九七%ですから、三%余り対前年マイナスなんです。ところが生果の方は一%伸びているわけです。生果自体も、五十二年までは順調に伸びてきて、五十三年から調子悪くなっているのに、かん詰めの方は皆ずっとこの伸び率よりも悪いわけですよ。五十年以降、もうずっと低減されてきている状況が続いているわけです。  これを見ますと、赤字の要因がこの辺に出てくることはもう明確なんですよ。だから開金は——開金というのは沖繩振興開発金融公庫でございますが、あそこには一社八千万程度の借り入れができるくらいの資金量もあるのです。ところが、これまた借りる力がないのです。担保能力がないのですよ。担保の全部を出して金を借りて、運転資金にやった、設備資金にやった。そうすると、その金利と元金の償還に追われて、とてもじゃないが経営が順調にいかない、こういう状況が現に続いているわけです。その辺の企業の内部分析というのですか、これをいち早くやらないといかぬと思いますよ。そうせぬと、皆さんの手の打ちようがないんじゃないですか。  そこへもっていって今度はかてて加えて、協会側から最近言われていることは、一かん当たり十円くらい下げなさい、そうしないと、これはどうしても市場で太刀打ちできない、あんたたちのものを買い取るわけにいかぬぞ、こう言っておるのですよ。そこで五十五年は、五十四年に比べて一かん当たり値段を五円下げたのです。ところが、五円じゃだめだ、十円下げろと言っているのですよ。それがどういう結果になるかと言ったら、沖繩側の製造原価、いまもちょっと説明いたしましたけれども、生果代とか労務賃、空かんの値段、こういうものの含まれた製造原価が一かん当たり十四円三十銭アップしているんです。そこへ五円落とすわけですからまさに十九円三十銭で、もう二十円下げていることになるんですよ。これじゃ経営できるわけないですよ。そういう実態、本当に皆さんはおわかりですか。わからなければ手の打ちようがないんですよ。  大変失礼な言い方ではございますけれども、需給調整機関をやろうやろう。その需給調整機関をやる前に、いま手を打たなければならない問題がある。その辺を皆さんはじっくり分析せぬといかぬと思いますよ。一かん当たりの製造原価が十四円三十銭も上がったというのは、さっきも申し上げましたけれども、空かんの値上がりとか砂糖の値上がり、それから海上運賃、こういうのがあるわけですよ。労賃については、生産性を向上させることによってカバーできますし、いま合理化も進めているわけですから、その分は理由にならぬでしょうが、どんなに合理化に努力しましても、製造原価になるものがコストアップしていけばどうにもならないわけで、そういうところに沖繩のパイン業界の混乱があるんですよ。そこで先ほど申し上げたように、それじゃ何か解決策はないかと考えました結果、一つ二つ提言しておきたい、こう思います。  いままで私が申し上げましたように、国内における総需要量の中で、沖繩産、グローバル、冷凍、これが入り乱れているわけです。しかし、年末における在庫の大半は沖繩物で占めている。これを何とか打開する方法を考えていかなければならないのが一つである。それは、発券とかそういうもの等によって幾らでも調整はできると私は思います。グローバルは非自由化品目ですから可能だと思います。しかし、これから企業が合理化をし、生産農家が意欲を持って取り組んでいくためにも、農林省として何とか解決する道はないものだろうかということで御検討なさったのが、需給調整機関だとは思います。それも一つの方法として考えられますが、そのほかに、こういうことを考えたらどうかなと私は思います。  それは、かん詰めの価格差の補てん、これを考えたらどうだろうかと思っています。いわゆる生果物買い入れ価格と、その生果物でつくったかん詰めの価格がございます。同じ一キロ当たりということで換算をいたしまして、その価格差がございますから、それを補てんしたらどうだろうかと思うんですよ。私が試算したところによりますと、一かん当たり大体三十円。だから、三号かん三ダースになりますと千八十円くらいになるんです。これを百二十万ケースということになれば十二億九千六百万円、こういう価格差補てん額ということになります。それを考えましたのは、沖繩の分みつ糖や含みつ糖についてはそれぞれ奨励費がございまして、農家に対しては再生産のための奨励、それから工場に対しましては、工場が赤字を持ちましたときには、そういう赤字の分析を十分いたしまして、それで赤字がそんなにいつまでも続くことのないような助成措置、こんなようなことを実は講じているのでございますから、大体それも十二億から二十億、その内外でございますよ。  そんなようなのがございますので当然、沖繩の基幹作目としてはサトウキビとパインでございますから、いままで何もそういう点については助成されていないので、何か方法はないかなということではじき出してみましたら、そういう数字が出てきたわけでございますけれども、これを生果価格のみに補てんする、かん詰め価格ではなくて生果価格だけだということで補てんをするということになると、これは農家の手取りはキロ当たり五十四円から五十四円九十銭です。ハッカーが引き合う価格というのは四十四円なんです。これは提示価格なんです。だからその差がございますね、十円から十円九十銭くらいあるわけです。それを原料五万トンで掛け合わせてみますとどの程度の額になるかといったら、五億から五億五千万程度になるんですよ。こういう補てんの方法もあるわけなんです。そんな方法もいろいろあるのだけれども、何かここら辺で知恵を出していただかないと、これは沖繩のパイン産業はもたないですよ。そういうことを一つ考えたのです。  さらに、その基礎の資料というのですか、そういう理由づけというのですか、それをまた私は考えてみたのですが、グローバル製品の方から見ますと、台湾のグローバル物はC&Fの価格でもって三号かん二ダース入れで十二ドル二十セントなんです。フィリピンは十三ドル、マライは十七ドル、タイは十三ドルなんです。台湾が一番安い十二ドル二十セントですが、これは現在の関税でまいりますと、C&Fの場合は、C&F価格の十二ドル二十セントに二百二十円掛けまして、出た数字は二千六百八十四円になるのです。保険料を算出してみますと、大体二千六百八十四円に〇・七七を掛け合わせまして十八円七十八銭ぐらいになるのです。そしてさらに従価税です。従価税は、いま言った二千六百八十四円に十八円七十八銭を加えたものに七・五%を掛け合わせます。そうしたら従価税が出ます。二百二円七十銭になるわけですよ。それで今度は従量税です。どっちを採用してもいいわけだから従量税をとりますと、これは五十四円に〇・五六五グラムを掛けまして、それに三号かん二ダースですから二十四かんを掛けますと、七百三十二円二十四銭になるのです。これは従量税の方です。それでその税額は、従価税と従量税を加えたものは、二百二円七十銭に七百三十二円二十四銭を加えますと九百三十四円九十四銭になるのです。  そうしますと、C&F価格とそれから保険料と、そしていま言うものを全部合計いたしますと、三千六百三十七円七十二銭になるのです。限界税率の三〇%でまいりますと、二千七百二円七十八銭に三〇%を掛けると八百十円になります。その対比を見ますと、どのぐらいの差があるのかということになると、いわゆる五五%と東京ラウンドで決めた税率との比較なんです。その対比で見ますと、二千七百二円七十八銭対九百三十四円九十四銭ですから、まさに三四・六%になるわけです。したがって、暫定の五五%との差は幾らになるかといいますと、二千七百二円七十八銭掛ける五五%、すなわち千四百八十六円五十三銭、それから九百三十四円九十四銭を引いた五百五十一円五十九銭なんです。それが三号かん二ダースでございますから、これを三号かん三ダースにかえぬといけません。したがって、その差は五百五十一円となります。その五百五十一円に二百二十五万ケース、これを掛け合わせますと十二億三千九百七十五万円という数字が出るんですよ。私がいま申し上げたのは、これは基礎の算定なんです。五五%の暫定関税から東京ラウンド関税に変わったために沖繩のパインがどれだけの打撃を受けたかという数字なんですよ。それが十二億三千九百七十五万円になるんですよ。くしくも先ほどの十二億ぐらいの補てんが必要だろうという数字と大体似通っているわけでございます。それはキビにおける臨糖費の取り扱いの額ともそう変わりはないわけでございます。そんなことを考え合わせながら、ぜひ沖繩のパイン産業のために、五五%から東京ラウンド関税に変わったために打撃を受けたであろうと思う価格、これを沖繩側に補てんするようにしていただくならば、沖繩のパイン業界は、政府の三十四年以来の方針に従って着実に伸びを示していくのではなかろうか、こういうぐあいに考えているわけでございます。これが提言の一つでございます。  二番目の提言は、先ほどもちょっと申し上げたのですが、十二月末現在の沖繩の在庫が五十五万八千、これはもう対前年とは比較になりません、前年は二十万ですから。それを現在価格ではじき出しますと、滞貨金額というのが三十四億円ぐらいに上るだろうと言われています。そこで、これだけの資金が眠るわけでございますので、何とかこれを長期低利融資ですな、そういう方法を考えていただかなければいけないのではないだろうか、そういうぐあいに考えております。それで開金の資金——開金というのは沖繩振興開発金融公庫です。これは八・七五%で償還が五年以内なんですよ。ですから、これではまた二重に苦しみを負う可能性もございますので、農林省の方でもっと何か長期低利資金の支出が制度上考えられないだろうか、それによって三十四億をカバーすることができないだろうか、いまこういう二つの提言をしているわけでございますが、御見解を伺いたいと思います。

小坂隆雄農林水産省農蚕園芸局果樹花き課長

○小坂説明員 いろいろと教えていただきまして、ありがとうございました。  提言が二つなされたわけでございますが、いわゆる輸入品と沖繩品の差額補てんが何か仕組めないのかということが一つでございますが、制度的にまた財政的にうまく仕組めるかどうか、いろいろとむずかしい問題があろうかと思うわけでございますが、ひとつ検討してみたいというふうに考えます。  なお、この沖繩のパイン産業に関する長期資金の供給につきましては、種々の資金の貸し付け自体につきまして、沖繩振興開発公庫が一元化されておる、こういうようなこともございますので、やはりそういった点を御活用願うのが適当ではないかというふうに感ずるわけでございます。

小渡三郎自由民主党

○小渡委員 質問もいたしましたし、提言もいたしましたが、結果はすぐ出てくるわけです。一年、二年、三年待ちません。大体出てくるわけですから、そのときに目くじらを立ててここで再び追及することのないように、この問題については本当に真剣に取り組んでいただきたいと思います。  それで、パイン産業というのは非常に付加価値の高い産業なんですよ。それは原料千トンの生果に対しまして、その生果は大体五千五百万円ぐらいになりますね、それをかん詰めにするためには、空かん代、砂糖代を除いて約三千万ぐらい金がかかるのです。この三千万というのはどういうものに使われるかというと、労賃、消耗品、燃料費あるいは輸送賃、こんなものにかかってくるわけですよ。だから原料千トンに対して、そしてそれの買い上げ価格が大体五千五百万ぐらいですから、それをかん詰めにするのにさらに三千万加えるわけです。しかもそれがほとんど一〇〇%沖繩の市場に落ちるわけです。だから、沖繩は労働事情も非常に悪いのですから、そんな状況にあって失業率も大変高いのですから、これらが閉鎖するような状況になっていきますと、もう県内の労働、経済に及ぼす影響というのは非常に大きい。  しかもパイナップルというのは沖繩のどこにできているのかというと、北部と久米島と八重山です。酸性土壌です。しかもそこに行ったのは戦後、軍用地に接収されて土地がない人たちが移民の形で出ていったのが大半なんです。こういう十字架を背負っているのですよ。そして選択されたパインは、干ばつと台風にまた強いという特性を持っているわけです。わが国では沖繩にしかできないということなんです。大事にせぬといかぬのじゃないですか。また、これは他の作物と競合がないのです。課長はさきに他の作物との競合のお話をされたけれども、実はこれはないのです。その畑からは競合はないのです。しかも家族労働で五ヘクタールを管理できるというのは、沖繩の農作物にはないのです。そういうものでございますから、大事にしていただきたいと思うのです。関係者は十万人に及ぶのです。大事にしてください。  農林省はそれで終わりますが、あと三分ばかりでございますから、長官に……。  大変長い時間申しわけありません。先ほど私、冒頭で申し上げましたように、沖繩のパインという問題は、このように非常に重要な作目でありながら危機に瀕しているわけでございます。農業基盤の整備だとかあるいは灌漑施設だとかあるいは改良事業だとか、いろいろな意味で沖繩には第一次産業に対するまだ残された、しなければならないものがたくさんこの中に含まれていると思います。特に沖繩の農業に占めるパインの地位というのは非常に高うございますので、深い御認識をいただきまして、農業基盤整備には全力をかけていただきますようにお願いを申し上げたいわけでございます。  では、最後に中城湾の開発の早期整備に関する要請がいまなされているところでございますが、具体的に申し上げる時間がございませんので、この中城湾港の開発の主な経過というのは、昭和四十四年から始まりまして今年に至っております。まさに十一年間に及んで、政府も県も市町村もみんな対応して、それぞれ中城湾港を開発するんだということで全力をかけてまいりました。いまいろいろ聞くところによりますと、これが直轄事業にするのかしないのかというような議論もあるようでございますけれども、港湾法第五十二条とかあるいは振興開発特別措置法の八条、これにおいて重要港湾になっているわけでございますので、港湾管理者からの申請に基づきましてぜひ直轄工事として定めていただきたい、このように思いますし、現にまた、那覇港や平良港あるいは石垣港などが全部直轄工事で行われております。これを県で行うということになると、能力、技術、資金、情報、そういういろいろな面で、これはとてもじゃない、荷が重いと思いますので、直轄工事でぜひ、要請の中身にありますとおり次年度着工できますように、全力をかけていただきますことを特に要請申し上げたいと思います。御答弁をいただきます。

中山太郎自由民主党・自由国民会議総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○中山国務大臣 ただいまの先生から、一次産品の中でのパインの問題等について、大変貴重な御意見を承ったことを感謝申し上げます。  また中城湾港の開発は、沖繩本島中部産業の発展につきましてもきわめて重要な関連を持っております。そういう認識に立ちまして私どもといたしましては、五十六年度予算にぜひひとつ入れてまいりたい、このように考え、大変厳しい財政事情でございますが、財政当局と鋭意折衝中でございます。これをもってお答えをさせていただきます。

小渡三郎自由民主党

○小渡委員 ありがとうございました。質問を終わります。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢委員長 上原康助君。

上原康助日本社会党

○上原委員 まず最初に、開発庁の方にお尋ねをさしていただきたいと思います。  せんだっての本委員会でも、目下進められております第一次振興開発計画の期限が五十六年度末で切れるので、その後の沖繩振興開発をどう進めていくかということで若干お尋ねをしましたし、長官初め開発庁の御見解というか御認識は、相当部門で計画目標に達しかねる面もあるし、また引き続いて振興開発計画を進めていかなければならないので、第二次振興開発計画の必要性をお認めになって、目下点検作業なりこれからの二次振計に向けた構想をといいますかそういう考え方をまとめつつ、同時に、第一次的には県側から案が策定されてこなければならないので、それを参考にして結論を出したい、おおよそこういう御見解だったのじゃないかという感じがするわけですが、私どもも独自の案を策定しまして、せんだって県知事にも具体的に提言をいたしました。さらに党中央におきましても、沖繩対策特別委員会でいろいろと専門的にやっておられる方々の御意向なども入れて、県の作業の進捗状況並びに国の作業の進めぐあいなども見計らって、適当な時期に党としての見解なり申し入れをやろうと考えております。  そのこととも関連をして改めてお尋ねするのですが、二次振計は必要であるという前提で私は作業を進めていると見ているわけですが、そのように理解をしていいのか。県案は大体十二月ごろまでには作成をしたいというのが県知事の御意向でした。それから、三月ないし遅くても四月までには県の振興開発審議会などにも諮って、開発庁の方と具体的に調整をして第二次振計案をまとめたい、こういうお考えを持っておることが明らかにされたのですが、これに対する国側の方の対応の仕方あるいはお考えを改めてお聞かせをいただきたいと思います。

美野輪俊三沖繩開発庁総務局長

○美野輪政府委員 お答えいたします。  第一点が、二次振計の必要を前提として考えているのかというお尋ねかと思いますが、私ども四十七年以降八年余にわたりまして、現在の振興開発計画のもとで努力をしてまいったわけでございます。その中で、およそ公共施設等についてはかなりの成果を上げ得たものというふうに考えておりますが、なお今後、産業の振興あるいは雇用問題あるいはエネルギーの問題、いろいろ重要な課題を抱えておるという認識をいたしておるわけでございまして、政府としての態度をまだ決定しておるわけではございませんけれども、私ども沖繩開発庁といたしましては二次振計が必要なのではないか、こういう認識をいたしておるところでございます。  それから、今後の検討のスケジュールについてのお尋ねでございます。私ども、県におきましてはかねてから二次振計は必要なものという認識で、県庁内部におきましてあるいは県の審議会に諮りまして種々検討をしておるということを承知いたしておるわけでございます。そういったことを踏まえながら、私どもも県と十分連絡をとりながら検討を進めていきたい、このように考えておる段階でございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 そこで、これはお尋ねするまでもないと思うのですが、若干懸念されることは、この振興開発特別措置法の第四条でも、案の策定は沖繩県知事の方にあるわけですね、県知事が作成をし、内閣総理大臣に提出するものとする。県はその独自の立場で、独自の判断で案の作成はできるわけでしょう、どうなんですか、そこいらは。いろいろ調整とか事前の協議の必要性も場合によってはあるかもしれませんが、第二次振計をどういう形にしていきたいとか、その性格あるいは位置づけ、目標とかあるいは理念とかいうのは、もちろん流れとしては一次振計のものを踏まえるという面もあろうかと思うのですが、一次振計の反省の上に立って、総括の上に立って、どういう沖繩像に二次振計で持っていこうかという方向づけをすることは県にあるのであって、開発庁がちょっかいを入れたりいろいろと注文をつけたりすることはないと思うのですが、その点もう少し明確にしておいていただきたいと思うのですが、どうなんですか。

美野輪俊三沖繩開発庁総務局長

○美野輪政府委員 先ほどもお答えいたしましたとおり現在、県においては二次振計が必要であるという県独自の判断によりまして、その検討を鋭意続けておるところでございます。  ただいま御指摘の原案をどこでつくるかという問題につきましては、これは現行の沖繩振興開発特別措置法におきましては、県において原案を作成し、国に提出をする、こういう手順が定められておるわけでございますが、この問題はまだ私どもといたしましては、これから検討していく段階にあるわけでございまして、特別措置法の延長の問題の検討の中で検討する予定にされておる条項でございまして、現在一概にどうこうということはできないわけでございます。先ほどもちょっと申しましたとおり基本的には、できるだけ県と協議をしながらよりよい計画をつくっていくということを、私ども考えていかなければいかぬのじゃなかろうか、このように考えておるところでございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 ちょっと抽象的なお答えで必ずしも釈然としませんが、いまお断りしましたように、若干懸念される雰囲気が県と開発庁の関係にあるやに私は承っております。それがどう発展するか私たちも注目したいわけですが、少なくとも事前から枠をはめたりあるいは注文をつけられるということには、いまは県の考え方と国の考え方、そんなに政治姿勢やそういう面で変わっているとは思わないのだが、しかしそういう関係でさえなきにしもあらずという話があるので、その点は長官はどうお考えなんですか、ちょっと御見解を聞いておきたいと思うのです。

中山太郎自由民主党・自由国民会議総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○中山国務大臣 沖繩開発庁といたしましては、沖繩県の御意見というものを十分拝聴した上で、方針を立ててまいりたいというふうに考えております。

上原康助日本社会党

○上原委員 そこでもう一点は、復帰作業を進める段階では、いまも問題になりつつある特別措置法の点を含めて、各省庁に対策室とかいろいろな窓口をつくったわけですね、農林省なら農林省、運輸省なら運輸省、通産なら通産。今回の場合も、やはり総括官庁は開発庁で御苦労いただくことに当然なろうと思うのですが、各省庁横の連携をとりながら、お答えありましたようによりましな二次振計をおつくりになるということになりますと、開発庁だけで進めるわけにはいかない分野も相当あると思うのです。そこいらはやはり何か窓口を各省庁に設けるかあるいは連絡会議を持つか、いろいろな工夫をしなければいかぬと思うのですが、そこいらの点はどのようにお考えで、またどう進んでいるのか、お答えいただきたいと思います。

美野輪俊三沖繩開発庁総務局長

○美野輪政府委員 沖繩振興開発計画、現行計画、先生御指摘のとおり大変に幅の広い計画でございます。沖繩開発庁のみならず、各省庁の所掌にわたる部分が非常に多いわけでございまして、私ども今後のこの検討を行っていく上におきまして、各省との連絡調整ということもきわめて重要な問題であるというふうに考えておるわけでございます。したがいまして私どもといたしましては、すでにこの問題につきましての各省連絡会議を設けまして、それを連絡の場として今後の検討を円滑に進めるように配慮していきたい、このように考えておるところでございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 その連絡会議の性格なりあるいはどういう方々で構成するのか等も関心の持たれるところですが、そこいらを十分手抜かりのないように御配慮を賜りたいと思います。  そこで、この二次振計とも非常に関連をしてまいりますけれども、中山長官が再三御見解なり述べておられる点が一つあるわけです。例の南北センター構想、これがどういう設置構想に基づくものをお考えなのかということと、新聞でしか拝見しませんが、鈴木首相も基本的には同意をなされたという報道もあります。一方ではまた、沖繩側ではコンベンションホールという、国際交流大会議場というのか、大体似たようなものかとも思ったりもするんですが、こういうこと。このコンベンションホールとの相違点があれば相違、また一本にしぼるならしぼるということで、ここで改めて開発庁長官、お考えの南北センターの構想というか計画ということ、具体的にどういう性格、位置づけでどういう規模のものをお考えなのか、また県側との詰めばどの程度進んでおるのか、御見解を承っておきたいと思います。

中山太郎自由民主党・自由国民会議総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○中山国務大臣 南北センターにつきましては、沖繩振興開発を進めていく上で、沖繩県を国際交流の場としてその機能を果たすための環境の形成を図ることが、きわめて大切であるというのが私の基本的な考え方でございます。そういう中で、沖繩というのはやはり日本の領土の中では、亜熱帯の領域にある非常に特殊な地理的条件を持った場所である、また沖繩の琉球大学の建学の精神と申しますものは、いわゆる国際交流の大学というものと、建学当初の建学の精神の中には、南北の科学技術交流センターという機能を果たしたいというのが琉球大学の建学の精神だということを、私は学長から直接伺っているわけでございまして、そういう意味で、東南アジア諸国及び広く言えば第三世界、そういうものまで含めた地域の中での日本の一つの研究の機関としての位置がつくれるかどうかというふうに実は考えておるわけでございます。地理的条件に加えてもちろん、それによる風土の近似性というものもございますし、そういう意味で、ぜひひとつASEANを含めた大きな意味での国際的な学術交流のセンターとして位置づけをいたしたい、このように実は考えており、ただいま国際機関とも接触をいたしておるちょうどさなかでございまして、具体的な内容等につきましては、発表の段階ではございませんが、適当な一つの結論を出した節には発表をさしていただきたいと考えております。  なお、お尋ねの沖繩県の構想しているコンベンションホールにつきましては、名前のとおり会議場ということでございますし、このコンベンションホールの持つその設立目的ということが具体的になっておらない段階でございますので、沖繩県に対してもその点の考え方というものを詰めてもらいたいというふうに開発庁としては考えております。

上原康助日本社会党

○上原委員 大変結構なお考えかと思います。そういった沖繩の持つ特殊性を生かした、ある面では人材養成を含めて学術交流、それから国際文化の交流といいますか、さらには、八〇年代以降の外交面においても南北問題というのは大変重要な課題でありますし、そういう面で相互間に理解をし合っていくということなどを含めて、実現をすれば——いま大臣がお述べになったことは、琉球政府時代から長期計画の中では、その種の構想というものは盛られておったわけですね。残念ながら今日、いろいろな紆余曲折がございまして実現はしていませんが、ぜひそういった純学術的というか、文化交流の位置づけとしてのセンターが立地できるように、いま国際機関ともということでしたが、具体的にはどういう機関か、差し支えなければお答えいただきたいと思います。  さらに、そうしますといま一つは、県が考えているコンベンションホールということとへいま長官お述べになった南北センターというのはおのずと性格は違う。開発庁は開発庁のお考えで進めておられるので、どうなんですか、コンベンションホールもよければやる、一方また南北センターも進めていく、両面併用してやっていかれるのか、あるいはやはり一つのものにしぼっていかれるのか、ここいらはもう少しお答えをいただいておきたいと思うのです。

中山太郎自由民主党・自由国民会議総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○中山国務大臣 南北センターとコンベンションホールとはおのずから、その本質的なものが違うというふうに御理解をいただきたいと思います。私のただいま提唱し、準備を進めております南北センターなるものは、先ほど申し上げましたように、ASEAN各国及びもう少し広い意味での国際社会の中における学術交流の場というふうに御理解をいただきたいと考えております。

上原康助日本社会党

○上原委員 それはまた、より具体化した段階でわれわれの方も、いろいろ問題提起なりあるいは考えが明らかにできる面があればやっていきたいと思うのですが、いずれにしましても、そういった国際学術交流の場としての構想を早目に具体化をさしていただいて、同時にそれは、先ほど引用なさいました琉大側の御意向なりあるいは県の教育長など県庁の意向というのも大切だと思いますので、県民のコンセンサスが得られる方向で具体化を求めたいと思います。  そこで、これとも関連いたしますが、次に、運輸省来ておられると思うのですが、一方ではまたアジアポートの構想もあるわけですね。余り突っ込んだお話はきょうはできませんが、これはたしか十月の末ごろですか、ブラジル政府の企画大臣が塩川運輸大臣にアジアポート構想で協力要請をした。しかし一方では、本来はわが国がこのアジアポート構想を考えておって、ブラジルなりに提案をしたという話もあるわけですが、この構想が具体的にといいますかどういう段階なのかが一つですね、いわゆる運輸省が考えておられる構想内容ということ。  二点目に、いま仮にこのアジアポートが立地をするとすれば、まあ鹿児島県なり大分県、あるいは沖繩が最近また、西銘知事がこれも沖繩に持っていきたいという積極的な姿勢を示した。この件でお話をしたことはございませんが、報道される限りにおいては、そういったお考えがあるやに聞いております。ここいらの点を含めて、まず運輸省の方から御見解をお聞かせいただいて、先ほども少しございましたけれども、恐らくアジアポートというような広大なポートを立地せしめるとすると、第二次振計なり目下議論になっております中城湾港の開発と私は関連づけられてくる問題だと見ているわけです。ここいらとの関連性を含めて、開発庁の方の御見解も聞かせておいていただきたいと思います。

向山秀昭運輸大臣官房国際課長

○向山説明員 アジアポート構想でございますが、この構想は、ブラジル側の方から、昨年の八月に開かれました日伯閣僚協議会で話題に出されまして、その後、ブラジル政府の方から検討してくれと要請があったものでございます。先生が御指摘になられましたように先般、ブラジルのデルフィン・ネット企画大臣が来日いたしました折にも、私どもの運輸大臣の方に、よろしく検討してほしいというお話がございました。  この構想でございますが、趣旨を申し上げますと、ブラジル側には豊富な鉱物資源がございますし、そのほか穀物、林産物等があるわけでございますが、これを最も必要としておりますアジア地域に大量かつ安定的に輸出する、そのための輸送のシステムをつくるということが趣旨でございます。具体的にといいますか、構想としてブラジル側から聞いておりますのは、アジア地域にこれを受け入れる大型の港をつくり、ブラジルそのほかのラテン諸国から大型船で、先ほど申し上げましたような物資を輸送していきたい、こういうプランでございます。  ただし、現在の構想の検討段階というお話でございますが、まだブラジル側からそのアイデアを聞いたというような段階でございまして、今後これを進めていく上には、技術的な点あるいは経済的な点からいろいろな多面的な研究をしていかなければならない問題ではないかというふうに考えております。現在、運輸省の方で内々に研究会を設けて初歩的な研究を始めておりますが、その検討段階といたしましては、まだ検討の緒についたという段階でございます。  そういうわけでございますので、第二点の具体的な立地の問題でございますけれども、まだ立地について云々する段階ではございませんし、したがいまして、まだ沖繩県との間で具体的なお話をしたこともございませんし、目下のところではとりあえず、構想の実現可能性についての検討を行いたいというふうに考えております。

海原公輝沖繩開発庁振興局長

○海原政府委員 エーシャンポートの構想につきまして、ただいま運輸省の方から御答弁のあったとおりでございますが、先生のお話の中に中城湾との関連の御質問がございましたので、補足させていただきたいと思います。  中城湾の構想については先生御案内のとおり、中城湾に新しい港を建設いたしまして、地場産業の移転拡張を推進する、そして将来、新企業の導入をも計画することによりまして、那覇周辺への過度な集中を解決したい、こういう構想になっているわけでございます。これも沖繩県の計画案では、全体計画といたしまして、昭和六十五年目標で三百六十四ヘクタールということを想定いたしておるわけでございます。そのうち第一期工事といたしましては、六十年目標で百五十四ヘクタールという形になっているわけでございます。  中城湾の一番大きなバースはマイナス十三メートルということで考えておりますので、エーシャンポートの雄大な構想では要するに、パナマ運河経由、これは数万トンでもよろしゅうございますが、それを避けて大型化によりまして喜望峰経由ということでございますので、船舶の大きさも二十数万トンという大規模なものでございます。構想自体いろいろ日伯間で詰めていく問題がございますけれども、二期の計画をどのくらいに置くかという期間の問題もございましょうが、当面私どもといたしましては、それとはかかわりなく、俗に言う小さく生んでという考え方で進みたい、こういうふうに思っております。

上原康助日本社会党

○上原委員 ある程度わかったような感じがしますが、問題は、この種の構想というのはいろいろな誘致合戦、合戦と言うと語弊があるかもしれませんが、計画したいということも方々から、いまのところ私が聞いている面では三カ所程度と思うのですが、しかし問題は、場合によってはあれもこれもというわけにもいかない点もあるわけですね。したがって、二次振計の中ではどういうものを優先していくのか、優先度もある程度選択してかからなければいけない点もあると思うのです。したがって、先ほどの南北センターあるいはコンベンションホール、こういったアジアポート構想等々、一応県側から出てくるかもしれませんが、結論的には、やはり住民コンセンサスというか、そういう点を十分御配慮の上で進めていただきたいということをこの点では申し上げておきたいと思います。  次に、実はサトウキビ価格、農業問題については明日、農水委員会でちょっとお尋ねをしようと思っておったのですが、あしたの農水の時間が私の予定とどうしても調整できませんので、きょう急遽二、三点だけ農業問題についてお尋ねをさせていただきたいと思います。  せんだってビート価格が決まったわけですが、今月の二十日までにキビの価格についても決定をする作業が目下進んでいると思うのですが、五十五年度産のサトウキビ価格の決定に当たって政府は、どういうお立場で結論を出そうとしておられるのか、まず基本的といいますか、おおよその作業の進捗状況を含めてお考えをお聞かせいただきたいと思います。

岩崎充利農林水産省食品流通局砂糖類課長

○岩崎説明員 サトウキビの原料価格につきましては、二十日までに告示をするということで、十八日には決定いたしたいということで作業を進めております。  その場合の考え方といたしましては、サトウキビにつきまして、パリティを基準といたしまして、てん菜等の他の作物のバランス等も総合的に勘案して決定してまいりたい、このように考えております。

上原康助日本社会党

○上原委員 これは議論すれば大分あります。いまパリティーということを言ったのですが、今度パリティは尊重なさるのですか。私も時間的なあれもあって資料など準備不足もあるのですが、その他の事情の勘案ということとパリティはどう関係するのですか。いままで生産費所得補償方式でということを言ったら皆さんはパリティ、パリティと言っている。今度はパリティは幾らで、それはどういうふうに価格に反映されるのか。

岩崎充利農林水産省食品流通局砂糖類課長

○岩崎説明員 やはりパリティを基準といたしまして、その他の経済事情ということで、他の畑作物との関係等々も十分考慮しながら決定してまいりたい、総合的に勘案して決定する、このように考えております。

上原康助日本社会党

○上原委員 ですから、次年度のパリティは幾らで、パリティの算出はどういうふうにしたのか、それも一応説明しておいてください。

岩崎充利農林水産省食品流通局砂糖類課長

○岩崎説明員 四月から八月までのパリティでございまして、前の年は四月−八月、一〇・〇九という形でやっております。

上原康助日本社会党

○上原委員 質問する方も答える方もわかっておって言うものだから……。  私は余り専門じゃないのでなんですが、パリティで一〇・〇九ならそのまま、パリティ方式でいくというなら理屈で言うとやらなければいけないですね。そうなりますか。

岩崎充利農林水産省食品流通局砂糖類課長

○岩崎説明員 パリティを基準といたしまして、その他の経済事情等を勘案してやる、こういうことでございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 それではやはりさっきのパインの話でもそうなんですが、農民の立場というのはいつも切り捨てられたり、十分に生産費に還元する支持価格というのは出てこないわけですよね。その矛盾というのは、どうもわれわれの方より皆さんの方にあるということは、ひとつ御認識いただかなければ困ると思うのですよ。そこで、その他の事情というのがくせ者なので、納得しかねるのです。  もう一点、てん菜とキビ価格についても、いまのあなたの御答弁からいたしますと、大体同様な畑作物であるということと、生産されるものが同じ砂糖だということで、価値観というか、それでは大体同等にしか見られないということかもしれません。それも一つの理論、理屈かもしれないけれども、しかし、てん菜とサトウキビを同一視するということ自体が私たちは問題があると言うのです。何もてん菜はいいかげんでいいということじゃないのですよ。北海道の農業基盤と沖繩の農業基盤、あるいは農業の歴史を考えてみたって、それを同じサトウキビだからということで横並びにするというところにより問題がある。この点については一体どうお考えなのか、これが一点です。  もう一つは、これはいつものことなんですが、たとえば価格決定に当たって農林省がいつも出している生産費がありますね。五十四年度生産費ですと二万二千六百五十九円になっている。しかし、五十四年度の価格というのは御承知のように一万九千三百五十円、これは農家手取りですね、奨励金千百円を入れても。皆さん沖繩開発庁なり沖繩総合事務局農林水産部が出す生産費と比較しても非常な差が出ているということ。基準価格で言うと四千四百九円の差が出るわけでしょう。こういう矛盾点を、数字というのは生き物ですから、これは農民の方々だって関係者は見ますよね。何で農林省が出すのが二万二千円で、ぼくらの手取りというのは一万九千三百五十円にしかならないのか。これもいままで何回か議論されてきましたが、こういった点はどういうふうにお考えなのか、ここをまず御答弁いただきたいと思います。

岩崎充利農林水産省食品流通局砂糖類課長

○岩崎説明員 確かに先生御指摘のように北海道の場合には、経営規模も大きい、土地基盤等も進んでいるというようなことがございます。ただ、それに比べてサトウキビについてはおくれているということでございますが、やはり基本的にはサトウキビについても、そういうような土地基盤とか生産振興対策を講ずることによって、生産性を上げていくということが基本ではないかというふうに私どもとしては考えておるわけでございます。  ただいまの価格決定のときに価格が生産費を償わないというか、生産費の方が多いという問題につきましては、確かに先生御指摘のとおりでございます。ただ、先ほども申しましたように、一つには反収がなかなか上がらないとい問題、もう一つは剥葉労働の問題がございまして、そういう点で非常に問題があるということで、これも先ほど申しましたように基本的には、やはり生産振興対策とか土地基盤というような形での構造政策を進めるということで対応していくというふうに考えております。価格につきましては、先ほど申しましたような形で、パリティを基準として、その他の経済事情を十分参酌して適正に決定していきたい、このように考えております。

上原康助日本社会党

○上原委員 優等生の答弁をしたって、あなた実際にそうなっていないんじゃないの。生産費の問題にしたって、確かに矛盾はあるわけでしょう。  そこで、いまおっしゃいましたが、剥葉というのは皆さん必要とされるのかどうか。確かに労働時間その他の資料を見ましても、剥葉労働に相当の時間が割かれているということは言えるわけですが、それでは一体、それがなければ反収も上がりて、皆さんが常々おっしゃる生産性というのは上がるのかどうか。ある面では、剥葉しないとかえって落ちるということもあり得るわけでしょう。しかし、鹿児島より沖繩の方が確かに剥葉率は高いですね。だから、それも農家の知恵で、剥棄した方が反収は上がるということと、その他のネズミの害とかいろいろな面があるので、それは必要だと見て農家の方々はわざわざ念を入れてやっていらっしゃるという面もあるので、あなたのいまの答弁からすると、それは必要じゃないということにもなるのですが、ぼくはそういう問題じゃないと思いますね。これはどうなんですか、それが一つです。  それから、時間がたくさんありませんので、生産奨励金は今度の価格決定ではどうなさるのか。さっきのその他にみんなぶっくるめば、それもその他で調整するかもしれませんが、本来、奨励金というのは全額、本価格に織り込むべき性質のものではなかろうかと思うのですが、ここいらの点はどういうふうにお考えなのか、あわせてお聞かせをいただきたいと思います。

畑中孝晴農林水産省農蚕園芸局畑作振興課長

○畑中説明員 前段の剥葉労働の部分をお答え申し上げたいと思います。  鹿児島と沖繩と生産費なり労働時間を比べてみますと、確かに剥葉の分だけ沖繩が多くなっているわけでございますが、これは、いま先生御指摘のように習慣というものも一つあろうかと思いますが、沖繩県としても、やはり剥葉をある程度やった方がいい地域といいますか、そういう畑を限って指導しているというような面がございますので、必ずしも全く必要のない作業ということでは考えておりません。  剥葉そのものにつきましては、剥葉作業をやった後、収穫作業との因果関係を見ましても、剥葉をやったために収穫が非常に楽になるというような形にもどうもなってないという実態がございます。私どもとしては全体として、収穫なりあるいは剥葉なりというものは、サトウキビの生産の中では大変大きな労働時間を占めるわけでございますので、これは先生よく御存じでございますけれども、中型の機械というようなものを中心にして前々から開発をし、それを現地におろしていろいろな実証をやりております。ああいう作物でございますのでなかなかうまくいきませんけれども、従来からずっと引き続き、実験事業なりあるいは実験集落をつくるというようなことで努力をいたしておりまして、かなりいい機械もできておりますので、収穫なり剥葉なりそういったものを含めて、生産の労働時間を縮めていくことに精いっぱい努力をしたいというふうに考えております。

岩崎充利農林水産省食品流通局砂糖類課長

○岩崎説明員 生産奨励金を価格本体に組み入れるべきであるという先生の御指摘でございます。ただ、実はこれは糖価安定制度の制度上の仕組みで上下限価格の中に合理化目標価格を置くということで、その上下限価格の中に置きます合理化目標価格の中に奨励金を組み入れますと、これは上限価格を突破してしまう、そういうようないろいろな制約がございまして、なかなか非常にむずかしい問題ではなかろうか、このように考えております。

上原康助日本社会党

○上原委員 そういう事情があれば、今度の取り扱いはどうなるのですか、奨励金は。

岩崎充利農林水産省食品流通局砂糖類課長

○岩崎説明員 奨励金の問題も含めまして、検討していきたいというふうに考えてございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 明日また農水で、専門のお立場で島田先生あたりからもお尋ねがあると思うので、私はちょっとほかの件もありますから……。  それで、来期の生産量が当初目標の生産量よりも相当落ち込みますよね、これはどういうふうに見ておられるのか。それと、歩どまりは次年度は大体どの程度見込まれるのか、お聞かせいただきたいと思うのですが、生産計画目標はたしか百七十四万トンですね、それに第二回見込みでは百三十七万トン前後になっているわけですね、かなりの落ち込みになる。対前年度よりも少なくなる可能性が出てきております。これだけ減産が見込まれるということになりますと、農家にとってもいろんな面で減収が出てくるわけで、そのことと価格とが直接は結ばないかもしれませんが、しかし、やはり株出し不萌芽の問題があったということとか、さらにはサトウキビの生育初期から旺盛期にかけての干ばつ被害だとか、せんだっての十九でしたか台風の被害等々によってこういう結果になっておるわけで、少なくとも沖繩の基幹作目中の基幹作目であるこのサトウキビがこれだけの減産になり、農家の手取りもしたがって落ちるということになりますと、やはりそれなりの助成措置というものもあわせてやらなければ困りますよね。そこいらはどのようにお考えなのか、ひとつお聞かせをいただきたいと思います。  さらに、構造改善の面でもちょっと聞いておきたいのですが、生産基盤の整備拡充も復帰後、復帰後といいましても昭和五十二年度あるいは五十一年度から進められておるわけですが、これまたきわめてまだ達成率というものは低い。一七、八%前後、ある面ではそれ以下になっている。こういう面からしますと、やはり農業基盤整備、その基盤整備の場合も、サトウキビ生産一本やりのいまの基盤整備のあり方にも若干工夫を要する面もあるわけですね。花卉園芸、そういったほかの作物との輪作というようなことも考えると、もう少し工夫をする面がある。それと、土地改良事業の促進、農業用水の確保、こういうもの等については、私はせんだっての委員会でも申し上げたのですが、二次振計でも最も重要視をすべき一つの柱だということ、産業育成という面で、地場産業、農業育成、第一次産業育成という面で申し上げたのです。そういうふうにわれわれは考えているのですが、政府としてどういうふうにこれを進めようとしておられるのか。  それと、これもかねがね申し上げてきたことなんですが、たとえば国立の糖業試験場の設置ということ。この間沖繩県の農業試験場百周年式典があって、私もちょっと顔を出してみたのですが、なかなか盛大に持たれて、今日まで農業試験場が果たした役割りというのが相当高く評価されたのです。そういう面では、サトウキビということを考えるならば、沖繩に原原種試験場をつくったからということでなくして、やはり国立の糖業試験場というものを立地させるべきだと私は思うのですね。品種改良、土地改良、そういう面をもっと具体化をしていくには、各種のそういった試験研究機関の充実化というものはまだまだ不十分で、既存の機関の充実強化を含めて、新しいそういった試験場なり研究機関というものを立地をさせぬと、これからの沖繩農業の発展ということを考えた場合にぜひ必要なんですね。これはあわせてひとつ御答弁をいただきたいと思います。

岩崎充利農林水産省食品流通局砂糖類課長

○岩崎説明員 まず歩どまりの問題でございますが、十月一日に県の調査がございます。その後、台風十九号等が起こりまして、歩どまりが確かに先生御指摘のように下がってくる、こういうものもございますので、そういう事情も十分勘案して決定していかなければならない、このように考えております。  また、先ほど先生から御指摘がございましたように本年産の場合、干ばつあるいは台風十九号等等でいろいろな形でやられておりますが、この点につきましては基本的には、やはり災害対策、たとえば必要であれば自作農維持資金あるいは共済等々の災害対策は十分やっていかなければいけないというような形で進めていかなければならない、このように考えております。  それから土地基盤については、私のところでございませんのであれなんですが、もう一つ、国立の糖業試験場の問題等につきましては、これは私の所管ではございませんが、先生の御指示については関係のところに十分お伝えいたしたい、このように考えております。

長野孝夫農林水産省構造改善局建設部水利課長

○長野説明員 基盤整備事業につきましてお答えを申し上げます。  沖繩の基盤整備の水準は先生御指摘のとおり、確かに本土に比べましておくれておりますので、私どもといたしましては、採択基準あるいは補助率、そして予算という面で極力特別の措置を講じておりまして、鋭意推進をしておるところでございます。ちなみに予算額を申し上げますと、先生から先ほどお話のございました五十一年時点では、国費といたしまして約六十四億六千万でございますが、五十五年度時点ではその約三倍になっておりますし、五十五年度の予算の伸びも、全国ベースで一〇〇%でございますが、沖繩につきましては一〇二・九%という措置を講じております。  五十五年度予算を少し具体的に申し上げますと、国費の総額で百九十五億六千三百万でございまして、国営事業の実施地区を一地区、全体実施地区を一地区、それから補助事業といたしましては、灌漑排水事業、圃場整備事業、畑地帯総合土地改良事業等、これらを中心といたしまして、県営で八十三地区、団体営で百七十地区というものを実施しております。今後とも一層強力に進めてまいりたい、このように思っております。

上原康助日本社会党

○上原委員 それはぜひもっと強力に継続して推進をしていただきたいということを強く要望しておきたいと思います。  そこでもう一つ、生産振興対策、これは来年度概算要求を見ますと、たしかサトウキビ作の経営改善総合対策事業が新しく設けられて十二億円計上されているようなんですが、この事業の内容とその効果というものはどういうふうに見込まれているのか、沖繩、鹿児島にどういうふうな配分を予想されているのか、ここいらをこれまたちょっとお聞かせをいただきたいと思います。  それと、さっきサトウキビの収穫機械の研究開発が進んでいるということ、進んだから予算要求は落としゼロになったか知りませんが、予算上はなくなっていますよね。どうなんですか、これは。

畑中孝晴農林水産省農蚕園芸局畑作振興課長

○畑中説明員 お答え申し上げます。  それでは、先に収穫機の方からお答え申し上げますけれども、予算上はいろいろな予算の柱の整理で中へ入っておりますけれども、いわゆるサトウキビの収穫機の試作をいたしましたり、それを現地にいろいろ適応させて改造させていくというような予算としては、サトウキビの収穫機械改良対策事業というようなことで実施をいたしておりまして、五十五年度も三千三百万の予算を組んでおります。また、来年もそういうような予定で進めてまいりたいというふうに考えております。  それから、前にお尋ねになりましたサトウキビ作の経営改善総合対策事業というのを、私ども来年度新しく予算要求をしておるわけでございますが、これはサトウキビ作の経営改善研究会というのを五十三年から五十四年に持って、そこでもいろいろ討議がございましたけれども、どうもサトウキビだけに限定をして生産性向上対策をやってもなかなか実が上がらない面があるというようなことで、輪作の中にいろいるなものを取り入れていくということが一つございます。それからサトウキビの場合には、冬の労働に非常に集中をしてしまいまして、それ以外の期間があいてしまう。そうしますと、農家の方はよそへ働きに行くというようなことで、なかなか畑に手が入らないというような問題もございますので、ここへ野菜でありますとか花とか養蚕とか畜産とかいろいろなものを結びつけて、複合的にサトウキビ作を中心に出した経営を育成していこう、こういうねらいでございまして、いまお話のございましたように、来年度十二億の予算要求をしているわけでございます。  まだ予算がとれておりませんので、当面とることにひとつ全力を挙げていきたいと思いますので、鹿児島と沖繩の配分は、それぞれ面積なり従来のいろいろな予算の配分がございますので、そういうものを参考にしてきちっとやっていきたいというふうに思いますが、とりあえずはとることに全力を挙げさしていただきたいというふうに存じます。

上原康助日本社会党

○上原委員 いずれにしましても先ほどありましたように、価格決定が十七、八日ごろだということですので、これ以上農民やわれわれの期待を裏切らない価格決定をしていただきたいことを強くお願いして、ひとまず農業問題を終えたいと思います。  そこで、ちょっと時間が足りなくなりつつありますので、最初に米軍演習被害について簡単にお尋ねしたいのですが、これはお尋ねするのも腹立たしく思うのです。  今度の米海兵隊によるキャンプ・ハンセンにおける山火事事件ですが、水源涵養林あるいは民有林まで含めて大きな被害を受けている。しかも二十九日に山火事が発生をして、米軍が消火作業を開始をしたのは十月三十一日、まる二日も燃えるに任してほったらかしておったということ、こういう無謀ぶりを防衛庁も外務省も許しているわけですね、こういったアメリカの軍事演習というものを。これは全くもってけしからぬ。しかも自分たちで山火事を起こしておって、とうとう消し切れないで——消し切れなくなったのか意図的なのか知りませんが、あげくの果てというか、十一月一日になって自衛隊がのこのこ出ていった。漫画や、全く。アメリカが大砲を撃ち込んで山火事起こすと、自衛隊が行って国民の税金を使って山火事を消す、マンガチックな話をいまでも沖繩でやっている。一体これはどうしてこういうことになっているのか、被害はどの程度でどういう対策をこれからやろうとするのか。この点についてはきょうは簡単に触れておきますが、私はこれはアメリカにも外務省にも防衛施設局にも断固抗議をしておきたいと思う。一体何と思っているのか、沖繩の山というのを。まずその点から簡単にお答えください。

森山武防衛施設庁施設部長

○森山(武)政府委員 先般のキャンプ・ハンセンの山火事については、非常に大きな山火事になって御迷惑をかけたことを申しわけなく思っております。  先生のお尋ねの一点、なぜ消火活動がおくれたという点につきましては、当該山火事が着弾地区域の中で起こっておるということが第一点でございます。したがいまして着弾地区域内には不発弾等があって、陸からのあるいは空からの消火活動もできないということで、その成り行きを見守っておりました。それで十月三十一日の朝になりまして、着弾区域以外に火が燃え移る勢いになりましたので、早速米軍も地上から約六十名それから空の方からはヘリコプターを使って消火活動を始めたわけでございます。その後、なお火の勢いが衰えませんで、沖繩県知事の要請もございましたので結局、十一月一日になって自衛隊のヘリコプターで化学消火剤をまいたというふうな経緯になっております。米軍の消火活動のおくれましたのは、当初の火事が着弾地区域内であったということで積極的な消火活動ができなかったということでございます。  それから被害の件につきましては、ただいま調査いたしまして、燃えた個所は大体百十ヘクタールくらいであろうと言われておりますが、なお詳しく調査いたしたいと思います。これは前に航空写真を撮ったのもありますし、今後また航空写真を至急撮りまして、詳しい被害状況その他は早急に調査の上、たとえば施設、区域内においては中間補償という形で立木補償がございます。それから施設、区域外につきましては十八条5項の補償措置がとられるわけでございます。  なお、今後の対策といたしましては、これは当初、私どもも早く積極的に消火活動をすべきじゃないかと現地で米軍に申し入れたのでありますけれども、先ほどの着弾地内における消火活動を積極的にできないというふうなことがありまして、それならば施設、区域外に燃え移るおそれがあるときは直ちにやってほしいというふうな申し入ればやっております。それから、実は最近になりまして十一月六日、施設庁長官から在日米軍の参謀長に対して、今後このような火災が発生しないように十分留意してほしいというのが一点、それから万一火災が起きた場合の消火体制、これの強化に努めてほしいということを申し入れまして、同参謀長は直ちに現地軍に指示してその対策を検討する、こういうことになっております。

上原康助日本社会党

○上原委員 いまの点で確めておきたいのですが、沖繩県知事から自衛隊に出動要請があったわけですね。

森山武防衛施設庁施設部長

○森山(武)政府委員 三十一日の十五時ごろあったと聞いております。

上原康助日本社会党

○上原委員 それと、米軍が使った砲弾は何ですか。

森山武防衛施設庁施設部長

○森山(武)政府委員 ただいまの県知事の要請は、三十一日の十七時の間違いでございます。  それから米軍の使いましたのは、対戦車砲による火災が二十九日でございます。それから三十日に機関銃による火災が起きまして、火災発生というのが二カ所に起きたのでございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 ですから私が聞いているのは、使用した砲弾の種類、性能は何だったかということなんですよ。  われわれがいままで聞いたのは、根本施設局長の自衛隊出動要請があって自衛隊が出たということ、これは私は疑問を持っておったのです。いま犯人はだれであるか明らかになりましたので。それで、この点も納得いきませんが、次に進めていきたいと思います。  外務省が来ましたので、次に進む前に、地位協定上は合衆国軍隊が使用する施設内での作業は、公共の安全に妥当な考慮を払わなければならないとなっていますね。これは前もいろいろ議論をしましたが、これは地位協定上から考えても、私たちは明らかに大変逸脱した行為だと見ているわけですね。こういうことに対して森林法も適用されない、ここはどうなんですか。せめてここらについては施設庁も外務省ももっと注文をつけることはできないのですか、その点だけ一遍確かめておきたいと思うのです。

丹波実外務省北米局安全保障課長

○丹波説明員 お答えいたします。  まず、本件火災事故につきましては、外務省としても大変に遺憾と考えております。米側の関係者にもしかるべくそういう遺憾の意を表明したところであります。  ただいまの地位協定の条項との関係でございますけれども、先生まさに御指摘のとおり地位協定第三条三項は、「合衆国軍隊が使用している施設及び区域における作業は、公共の安全に妥当な考慮を払って行なわなければならない。」と明文で規定しておるわけで、ここで「作業」という言葉を使っておりますけれども、私たちは米軍の一般的活動が演習も含めて大体すべて含まれるであろうというふうに考えております。それではここでいいますところの「妥当な考慮」というのはどういう基準かという問題があるわけですが、これは個々のケースで判断されなければならないわけですが、一つは米軍の行動という問題と、それが施設、区域外の住民に与える影響というものの二つを比較考量して決める問題であろうというふうに考えております。

上原康助日本社会党

○上原委員 山火事を起こして三日三晩燃え続けても、それが妥当な考慮が払われているとは恐らく良識ある人は判断しないでしょうね。  きょう林野庁に来ていただきましたが、時間がありませんから、聞いても——聞いておきましょうか。  さっきちょっとお尋ねしても、地位協定が優先するので、森林法の適用は——本当に適用はだめなんですか、林野庁。北部の演習場を含めて保安林としての指定ということを、施設庁も外務省も林野庁も真剣に考えてもらわなければだめですよ。どこにいまごろそんなばかな行為をわがまま勝手に許すあれがありますか、あなた。せっかく来たんだから一言だけ聞いておきましょう。

松本廣治林野庁指導部治山課長

○松本説明員 御指摘の点についてお答え申し上げます。  現在、保安林の指定につきましては、第三次の整備計画に基づきましてその促進に努めているわけでございますが、御指摘の基地内の森林につきましては、保安林の制度の目的の達成と施設、区域の提供目的の達成、これの間に調整つきがたい面がございまして、保安林として指定して管理することは適当でないと私ども考えている次第でございます。しかし、先生御指摘の森林につきましては、水源涵養上も大変重要な森林でもございますし、この管理が適切に行われるように米軍に理解を得ていくことが重要なことでございまして、私どもも積極的に関係省庁と連絡をとりまして、そういうふうなことで対応をさせていただきたい、こういうふうに存じておる次第でございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 それは外務省、施設庁、やりますね、いまの林野庁の言い分。野方図ではいけませんよ、山火事を起こしていろいろな被害を与えているんだから。少なくともアメリカ側を含めて検討はしてみてください。いいですね、安保課長。

丹波実外務省北米局安全保障課長

○丹波説明員 お答えいたします。  ただいまの林野庁の方の答弁の趣旨は、ケース・バイ・ケースで必要に応じて米軍と話し合って実体的に問題を解決していきたい、こういうお考えだと私は理解いたしますけれども、林野庁からの要請がございますならば私たちといたしましても、側面的にこの実体的な話し合いを援助していきたい、こういうふうに考えます。

上原康助日本社会党

○上原委員 それは逆だよ。安保を担当しているのは北米局でしょう、何が側面的ですか。そんな答弁をするからこっちの方も本当に時間を食っちゃう。アメリカ側との話はまさにあなた方が主体的にやらなければいけないことなんだ。もう一遍答弁しなさい。それじゃだめだ。

森山武防衛施設庁施設部長

○森山(武)政府委員 私どももキャンプ・ハンセン周辺の水不足とかそういったことについては、十分承知しているつもりでございます。したがいまして先ほどからの御答弁があったように、実質水源涵養林というものをどのように保護していくかということだと思いますので、そういう立場で米軍と積極的に話し合いをして、水源涵養林の保護という面からも折衝してまいりたい、このように思っております。

上原康助日本社会党

○上原委員 安保課長、それはあなた知っておってそういう答弁をなさるから本当に困るんだよ。林野庁よりあなた方が積極的に運用、適用を考えなければいけない重要な問題なんだよ、それは。それを実質的に云々と言う。しかも、地位協定上はわが国の法律を遵守するということもちゃんと書いてある。それがなされていないじゃないですか。そこはひとつもっと検討課題としてやっていただきたいと思います。  そこで、時間が来ましたので、あと十分程度しかないから、次に、この間もお尋ねしましたが、公用地法の問題についてもう一度聞いておきたいと思うのです。  せんだっての質問でも、現在の公用地等暫定使用法が一九八二年の五月十四日で切れるので、その後はこの法律の延長は考えずに、駐留軍用地等の使用に関する特別措置法を適用していきたいという件が明らかになったわけです。  私はせんだってもお尋ねしましたが、果たして地籍が最終確定というか、位置境界などが不確定のまま、不明のままこの特措法を適用することが可能なのかどうか、大変疑問を持ちますので、適用できないという見解をわれわれはとるのですが、その点についてまずお答えいただきたいと思います。

森山武防衛施設庁施設部長

○森山(武)政府委員 公用使用の対象が位置境界がはっきりしないで現実的に特定できなければ、手続は進められないと思います。それで私どもが現在考えておりますのは、なるほど地籍明確化作業としては、これに反対する地主の方の押印がないと次の手続には進めないという事情のある土地が幾つかあります。しかしながら、公用使用を進める上においての特定でございますね、要するに、その対象土地を現地に即して特定できるかどうかという面になってそれが特定できれば、ただいま先生御指摘の地位協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法の手続を進める上においては支障がない、このように考えております。

上原康助日本社会党

○上原委員 しかし、あなたそうおっしゃいますけれども、それにはちゃんと手順があるわけでしょう。まず、所有者への意見照会から始まるわけでしょう。そうしますと、所有者に意見照会をしても、その所有者が意見書とかそういうものを拒否した場合は何もとれないのじゃないか。スタートからできないわけでしょう。それでも強制使用、強制収用できるという見解に立っているわけですか。

森山武防衛施設庁施設部長

○森山(武)政府委員 ただいまの所有者の意見書というのは、那覇防衛施設局長が内閣総理大臣へ使用認定申請をするに際して所有者の意見書を添付する、このことをおっしゃっているかと思います。それで、私どもは所有者への意見照会を始めましたら、相当な期間返事を待ちたいと思います。それで現在、三週間程度を考えておりますが、そのような期間を過ぎてもなおかつ意見書の提出がない場合には、そのような事情を疎明して裁決申請ができる、このように考えております。

上原康助日本社会党

○上原委員 まさに強奪じゃないですか。もう三度目です、こういう形で使用しようというのは。これは短時間ではとても議論できない問題なんです。  そうしますと、所有者の意見書、調書がとれない、しかしその場合はその事情を付してやる、それも皆さんのお立場でやろうと思えばあるいはできることかもしれませんが、実際にはその手続規定などでは、この間もちょっと引用いたしましたが、様式第一号なり第二号を適用する場合でも、そこには所在地、それから土地数量とか明確にされていますね。そういうものは一切所有者とは関係なく、そういう事情だったということだけ防衛施設局長がやればできるということは、われわれから見ると、まさに所有権への重大な侵害ですね。それでもやるということになると、これはやはり権力による土地——アメリカがやったのと同じような形でやっていくということになるので、そう簡単にはいかないと思いますよ。  そこで、いま三週間程度ということでしたが、せんだってはもうそろそろ手続をとらなければいけない段階だということでしたが、いつから手続を開始するのか、それが一つですね。さらに、自衛隊基地に対しては土地収用法の適用は断念をしたという話もあるわけですが、それは事実なのか、土地収用法を断念したとするならば理由は何なのか、聞かしていただきたいと思いますし、同時に、すでに何か幕僚監部を含めて、自衛隊基地にある契約拒否地主の使用等をどうするかということについての調査団も大挙沖繩へ派遣されたということなんですが、そこいらはどうなっているのか、ひとつお答えいただきたいと思います。

森山武防衛施設庁施設部長

○森山(武)政府委員 当初の米軍関係の公用使用の手続、すなわち所有者への意見照会をいつ始めるのかという御質問に対しては、従来から御説明していますように、収用委員会における裁決の審理期間、このようなものをどうしても一年はとりたい。そうしますと、私どもの手続から収用裁決申請まで半年くらいかかるだろうということで、ほぼ一年半くらいはどうしてもかかるんでということで、そろそろやむを得ずこの手続に進まなければいけない、このようなことを考えておりますが、現在、いつ始めるというふうなことはまだ決めておりません。  それから第二点の自衛隊関係、これは那覇空港の近くに三基地ばかりありますが、防衛施設庁、それから防衛庁本庁、両方含めまして慎重に検討した結果、現在ある未契約地を、更地のところはそのまま返し、建物敷地になっているところはそれを移転することによって対処したい、そのことによって若干の不便は自衛隊側としては当然生ずるけれども、そういう対処の仕方でできるという結論を得ましたので、自衛隊用地につきましては、駐留軍用地特別措置法ではなくて土地収用法でございますが、こちらの適用はしないことにした、このような方針決定をしたわけでございます。

上原康助日本社会党

○上原委員 時間も参りましたのでこれで終わりますが、これはいずれにしましても強権発動であることは間違いない。われわれとしてはそういうやり方はもちろん、承服できない問題だということを指摘したい。  それと、第六条にもありますけれども、関係行政機関等の意見の聴取ということ、これは県庁にはすでに通告済みなのか、あるいは関係機関というのは県庁だけに限るのか、市町村長なども含んでいるのか、ここいらはどうなのか、この点も少し明らかにしておいていただきたいと思います。

森山武防衛施設庁施設部長

○森山(武)政府委員 六条において、そこに書いてあります関係機関というのは、国の行政機関のことだと私ども解釈しております。したがって、私ども現在考えておりますのは、未契約地のあるほとんどの施設、区域に農業用地があるということで、農林大臣には意見を聞くということでございます。(上原委員「県側への通告は」と呼ぶ)県側に対してはまだこれから、やることになりましたら、その旨を説明し、協力を依頼するということになるんじゃないかと思っております。

上原康助日本社会党

○上原委員 終わります。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢委員長 玉城栄一君。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 まず最初に、沖繩の旧日本軍使用の土地問題についてお伺いをいたしたいと思いますが、沖繩の旧軍使用の土地の問題は、現地沖繩においてもまた政府としても、きわめて重要な戦後処理の問題であると思うわけであります。私は従来、そのうち先島の分と沖繩本島の分とは切り離して考慮すべきであるとの見解に立ちまして、本問題の解決のために力を注いでまいった一人であります。本日は、そのうちの先島の分について質疑をいたしたいと思います。  先島の旧軍使用土地については、沖繩本島と違い、旧軍と土地所有者との間に売買が行われた証拠が現存することを調査確認いたしましたので、国に移った所有権を現地農民に取り戻すには、払い下げによるしかないことを提言いたしてまいったわけでございます。この提言に対しては沖繩の従来の声としては、反発もあったわけでありますが、宮古島の下地町、上野村両関係者がこの提言に耳を傾けられ、勇気ある選択により、当該地区についての払い下げ申請が行われたことに対して、私は質問の前に敬意を表しておきたいと思うわけであります。  そこでまず第一点として、大蔵省の方にお伺いいたしたいのでありますが、この下地、上野地区の国有農地の由来とその面積その他の概要を御説明いただきたいと思います。

桜井直大蔵省理財局国有財産第二課長

○桜井説明員 お答えいたします。  御質問の旧野原、旧洲鎌飛行場の両財産でございますが、まずその沿革でございますけれども、昭和十九年に旧日本陸軍が飛行場を建設する目的で買収したものでございます。終戦後は、当時の食糧増産というふうなことがございまして、旧地主等が中心になりまして農地としてそこで復元された。その後、昭和二十五年になりまして、宮古群島政府というのが発足いたしましたものですから、そこで耕作者に有償貸し付けされたようでございます。また二十六年以降は、米国民政府の管理下に置かれまして、米国民政府のもとで二十六年六月一日付で、耕作者との間に新たに賃貸借契約を締結して管理を行っていた、そういうことが続いておりまして、昭和四十七年五月十五日に沖繩の本土復帰が行われた際、大蔵省に引き継がれまして、普通財産として引き続き貸し付けるというかっこうで現在までに至ったものでございます。  御質問の面積等でございますが、口座名田野原飛行場、これの面積は国有財産台帳上百十九万四千平米でございます。種目は畑、宅地そのほかになっております。それから、口座名旧洲鎌飛行場でございますが、面積が国有財産台帳上五十二万七千平米ということになっておりまして、種目は同じく畑、宅地でございます。     〔委員長退席、川田委員長代理着席〕

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 いま野原飛行場跡、洲鎌飛行場跡合わせて約百七十万平米になるわけでありますが、これは現在、大蔵省から農林省へ所管がえ、受け渡しの作業が行われると承っておるわけでおりますが、この下地町、上野村の関係者から払い下げ申請の行われた時期についてお知らせいただきたいと思いますし、その後の手続、経過についてもあわせてお伺いしたいと思います。

桜井直大蔵省理財局国有財産第二課長

○桜井説明員 お答えいたします。  まず、払い下げ申請がいつごろ出たかという経過でございますが、宮古島の下地町、上野村に所在いたします旧野原飛行場の跡地と旧洲鎌飛行場跡地につきましては、五十二年八月ごろでございますか、地元の下地町と上野村の農業委員会の要請がまずございまして、それにこたえまして沖繩県で翌年、五十三年十二月十四日付の文書で両農業委員会に対しまして、沖繩県としては農地法に基づき現在の耕作者に売り渡すことにするのが適切であるという結論に達した、そのための作業を進める所存であるという旨の回答を行いまして、考え方を明らかにしたわけであります。  これに基づきまして沖繩県及び沖繩総合事務局、ここには財務部それから農林水産部等が関係部局としてございますが、そこにおきまして、この当該土地を大蔵省から農林水産省へ所管がえいたしまして現耕作者へ売り渡すために必要な、たとえば境界を確定する調査でありますとか、現耕作看等を明確にするというふうな調査を実施してきたわけでございます。その後、沖繩総合事務局の内部で、財務部、農林水産部とございますが、その内部で、農地の所管がえに関する内協議が行われ、その所管がえにつきましては、ことしの十月六日に開催されました国有財産沖繩地方審議会、そこに諮問しまして、その同意を得て内協議が整ったわけでございます。この内協議を受けまして農林水産大臣から大蔵大臣に、国有財産法第十二条に基づきまして当該土地を十一月一日付で所管がえを受けたい旨の協議がなされまして、十月三十日付で大蔵大臣がこれに同意をしたわけでございます。したがいまして近く現地におきましては、この財産の授受が行われるということになっておりまして、今週中にも完了するような手続中であると伺っております。それから後、それ以降の払い下げの手続等は、農地法に基づいて農林水産省等で進められるということになっておるわけでございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 そこでもう一点、大蔵省に伺っておきたいのですが、いまの御説明で、十月三十日に同意がされて、大蔵省から農林省への所管がえが実際はもう行われてしまっているわけですね。

桜井直大蔵省理財局国有財産第二課長

○桜井説明員 日付は十一月一日付で所管がえが行われることになりますが、所管がえには、あと財産の授受の手続が必要でございまして、現在、その手続が継続進行中であるというふうな状態でございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 現在、その手続が進行中であるということでございますが、それでは大蔵省から農林省にその国有財産が所管がえになるわけですが、そこで、無償譲渡ではないわけですから価格があるわけです。それはどんなふうな価格で大蔵省からの所管がえをされているわけですか。

桜井直大蔵省理財局国有財産第二課長

○桜井説明員 先生の御質問のように、これは有償の所管がえをするというのが国有財産法のたてまえになっておりまして、有償でございます。しかしながら現在、手続が進行しておりますこの所管がえの後、これはいずれ現耕作者に売り払いが行われるわけでございますが、この所管がえの価格と耕作者に対する売り払いの価格は同じというのが現在の法制のたてまえになっております。それで、売り渡し等の価格は農林水産省の方等で手続が進められるわけでございますが、いまだに公示されていないわけでございます。そういう段階でございますので、私どもの所管がえ価格につきましても現段階においては、明らかにすることを私ども差し控えたいと思っておりますので、御了承いただきたいと思います。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 いま知りたいのはその価格なんですね、関係者もわれわれも。ですから私がいま伺っているのは、農林省から現耕作者である農民の方に払い下げをする価格を聞いているのではなくて、大蔵省が農林省に所管がえをするときの価格臓幾らですかということを伺っているわけです。

桜井直大蔵省理財局国有財産第二課長

○桜井説明員 同じことを繰り返すことになりますが、所管がえの価格、総額でいきましても、やはりこれは所管がえの面積それから所管がえの価格というのがわかりますものですから、売り渡し価格の公示前に明らかにすることは、いろいろ事情がございまして差し控えさせていただきたいと思っております。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 事情がございましてということですが、重ねて伺うのですが、どういう事情で差し支えがあるわけですか。     〔川田委員長代理退席、委員長着席〕

篠浦光農林水産省構造改善局農政部農地業務課長

○篠浦説明員 いま大蔵省の方からも御説明があったわけでございますが、現在、所管がえ財産の現地での受け渡し手続というのが進行中で、所管がえがまだ完了していないということが一つございます。それから私どもの手順としまして、所管がえが完了しました段階で農業委員会で、その所管がえが終了した、これから売り渡しする予定だという公示をするという手順になっております。したがいまして、一応いまの時点で私ども手続上所管がえ——所管がえの価格といいますと、イコール売り渡しの価格でございますので、そういった価格をお答えするのは差し控えさしていただきたいということでございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 その売り渡し公示はいつごろを予定されておりますか。

篠浦光農林水産省構造改善局農政部農地業務課長

○篠浦説明員 所管がえ財産の現地におきます受け渡し手続でございますが、これは今週中にも終了する。それから私ども事務手続を県にも促進していただくように協力方をお願いしまして、来週中にも公示ができるようにいたしたい——いたしたいといいますか、これは農業委員会がされるわけでございますが、来週中にも明らかになるだろうというふうに考えております。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 そうしますと、来週中にはその売り渡し価格というものは公示の段階で明らかになるということになるわけですか。

篠浦光農林水産省構造改善局農政部農地業務課長

○篠浦説明員 おっしゃるとおりでございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 そこで現在のこの時点では、その価格はいろいろ大蔵省も農林省も差しさわりがあるのでというようなことでありますが、それでは皆さんすでにその価格についてはもう詰まっているわけです。ただ、来週とおっしゃいますから、現在では算定されているわけですが、その価格算定の方法について概略御説明いただきたいと思います。

篠浦光農林水産省構造改善局農政部農地業務課長

○篠浦説明員 お答えいたします。  所管がえの対価といいますのは、先ほどお答えしましたとおり農地の売り渡しの対価にもなるわけでございますが、この対価の算定は、農地法施行令の二条の規定に基づいて行うということになっております。これは政令でございますので、大変かた苦しい言葉を使って御理解いただきにくいと思いますので、私どもなりに整理して申し上げますと、まず、本件土地の周辺の、近傍類地と言っておりますけれども、近傍で立地条件とかあるいはその他社会経済的条件が非常に似ておるという土地の、自作地でございますが、自作地の取引事例価格というのを調査いたします。これは十例、十件以上調査するということで、特殊なケースは除くことにしております。たとえばきょうだいの間で売り買いするとか、あるいは負債整理のために緊急に売らなければいかぬというような、特殊な事情による高値、安値を除きまして、まず近傍類似の自作地の価格がどうなっておるかということを調査するわけでございます。  それから、その自作地を仮にだれかに貸し付けるとしたときに小作料がどのぐらいになるか、妥当な小作料、相当小作料と言っておりますけれども、どのぐらいになるかということを計算するわけでございます。そして、先ほど申し上げました取引事例価格をその小作料で割るわけでございます。価格割る小作料というと、一定の倍率が出てくる、五十倍とか四十倍とか倍率が出てくるわけでございます。そこで、その倍率は一つおいておきまして、現在問題になっている所管がえ予定地ですね、これは一般ルールを申し上げておりますけれども、所管がえ予定地の小作料額というのがございます。その所管がえ予定地の小作料額に先ほど申し上げました倍率、これを掛ける、その所管がえ予定地の小作料額に、さっきの近傍類似の土地の小作料分の価格でございますが、その倍率を掛けるということで算定をするというのが一般的なルールでございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 そこでいまその近傍類似の周辺地域の自作農の小作料、貸し付けた場合の小作料でさらにその取引事例価格を割る、そして現在の所管がえをする土地の小作料を掛けるとか割るとかその辺ややこしい御説明ですが、いずれにしましても私が伺いたいのは、これはよく御存じのとおりであります。これは先ほど大蔵省の御説明にもございましたけれども、いわゆる戦時中に旧軍が飛行場をつくる。これは有無も言わさず——確かに売買された証拠は私たちも確認しました。したがって非常に特殊な状況でこれは国有地となった。したがって飛行場跡地ですから、これはコンクリート、石ころ、そういうものを当時の関係の農家の方々が畑地にしたわけですね、そういう特殊な状況があったわけです。これまで畑に仕上げるために、そこに相当な労力が投じられていることは当然であります。  したがって当時、五十二年に決算委員会で私が伺ったときに大蔵省の担当の方のお話もあるいは開発庁の長官も、そういう事情というものは払い下げの時点には当然考慮されるというようなお話等もあったわけであります。したがって、いま私が申し上げましたそういう関係村の農民の方々のこれに投じた労力、そういうものはどのように農林省はいま、あるいは大蔵省と農林省の所管がえあるいは売り渡しの段階で考慮されているのかいないのか、その辺を明らかにしていただきたいと思います。

篠浦光農林水産省構造改善局農政部農地業務課長

○篠浦説明員 お答えいたします。  この土地は先生おっしゃるとおり、飛行場跡地ということでいろいろな経費をかけて復元して畑地として耕作されておる、それは私ども有益費と言っておりますけれども、その有益費を支出しておるということでございますので、その点を考慮しました小作料——先ほどのにちょっと戻るのですけれども、先ほど所管がえ予定地の小作料に倍率を掛けるというふうに申し上げたわけですけれども、その所管がえ予定地である本件土地については、有益費が支出されておるということで、その有益費を考慮しました小作料というのを出しまして、それに先ほど申し上げました倍率を掛けるというふうにいたしておるわけです。  補足的になりますけれども、飛行場跡地を農地に復元するというときに、これは終戦後間もなくでございますので、どのくらいの経費を実際に支出したのかというのはなかなかわからないということもございまして、いま申し上げましたような有益費の経費を差し引くということはいまの時点ではなかなかできない。そのかわりに小作料の面で有益費を考慮する。言ってみますと、有益費を支出する前の土地の小作料に大体等しいといいますか、大体そういう価格に——これも先ほど若干申し上げましたように、もう少し同じくらいややこしい式があるのでございますが、結論としましては、有益費を支出する前のその土地の小作料というのに大体当たる小作料を算定しまして、それに倍率を掛ける、こういう方式をとっておるわけでございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 有益費を支出する前の小作料、それに掛けるという考え方は、そういう一つの方式があるのでしょうけれども、私が伺っておきたいのは、皆さんが今回算定しました農民への売り渡し価格の中に有益費というものは大体どんな感じで見ていらっしゃるのか。さっき御説明申し上げましたようなそういう特殊な状況があったということから、その部分を知りたいわけです。現在の売り渡し価格はいまは明らかにできないとおっしゃるなら、皆さんがおっしゃる有益費というものを小作料算定の中でどのぐらい見られたか。

篠浦光農林水産省構造改善局農政部農地業務課長

○篠浦説明員 先ほど最初に、売り渡し価格をいま申し上げる段階でないというお答えを申し上げたわけですけれども、同じような意味合いで、有益費をどのように考慮したかというのは、申し上げることを差し控えさせていただきたいわけでございます。  繰り返しになりますけれども、有益費を出す前の小作料といいますと、原野とは言いませんけれども、そういう状態であった、そういったことで、私ども一定の方式に従いまして価格を算出したわけでございます。ルールにのっとって計算したわけでございますが、結果としまして、農家の方々にこれが明らかになったときには、御納得いただけるといいますか御理解いただけるといいますか、そういう価格になっておるというふうに思っております。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 来週になりますとその価格は明らかになり、それは関係農民の方々あるいはこの問題に注目しているわれわれも含めて、納得がいくような価格であるということをおっしゃっているわけです。なぜこの価格をいまここでは明らかにできないかということ自体が私たちにはの取込めないわけですが、これ以上言っても皆さん方は言わないと思います。したがって、納得のいく価格である、私がさっき申し上げました特殊な状況でのそういうことであったということを踏まえて、きょうはこの程度でなにしておきたいと思うのです。  そうしますと、実際に申請された農家の方々にその土地が移る見通しですね。来週は告示ですが、大体どんなふうな感じで受け取っていいわけでしょうか。

篠浦光農林水産省構造改善局農政部農地業務課長

○篠浦説明員 お答えいたします。  受け渡しが済みましてから、いろいろな事務手続がございます。これは売り渡し予定の土地ですという公示期間がたとえば二十日とか、それから申し込みを受け付ける期間が二十日とかいうような期間がございまして、実際に農家の方に売り渡し通知書が届くというのは一月中旬ぐらいになるのじゃなかろうか、鋭意早めたいと思っておりますけれども、一月中旬ぐらいになるのじゃなかろうか。ただし価格につきましては、所管がえの日にさかのぼって売り渡すかっこうになりますし、所管がえの価格で売り渡しはする、要するに十一月一日現在の価格でもちろん売り渡しをする。現に耕作もしておられるわけで、その面で支障ございません。要するに、通知書が正式に行くのが一月中旬ごろというふうに考えております。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 農林省に最後に伺っておきますが、決して納得のいかない価格ではないということしか出ませんので、それを信じて、そういう納得のいく価格でありますと、申請された農家の方々はその土地代金の支払いに困難は来さないと思います。しかし、多少はお金を払うわけでありますから、それ相当の用意もせぬといかぬと思うのですが、そういう場合にどのような方法を考えていらっしゃるのか、たとえば融資の制度であるとかあるいは年賦のいろいろなやり方であるとか。

篠浦光農林水産省構造改善局農政部農地業務課長

○篠浦説明員 二通りございまして、先生もおっしゃいましたように、一つは農地法四十一条という規定がございまして、年賦支払いができるということになっております。これは年利五・五%の均等年賦支払い、支払い期間は三十年ということになっております。これが年賦払いというかっこうでございます。それからもう一つは融資の制度でございまして、これは農地取得資金という制度がございまして、これは利率が三・五%、償還期間が二十五年、据え置き三年ということでございます。そういった二つの道がございますので、有利な方を選んでいただくということになろうと思います。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 時間がございませんので、農林省の方それから大蔵省の方は結構であります。ありがとうございました。  長官、これは御要望になりますが、いまお聞きになったような事情でありまして、やはりこれは沖繩の農業振興という立場、またこの土地のいきさつ等から考え、またその価格の問題もお聞きになられたとおりでありまして、長官とされても積極的に推進方をお願いしておきたい、このように思います。  それでは次に、防衛施設庁の方に伺いたいわけでありますが、わが国に米軍基地があり、米軍がいる限り起こり得る一般的な問題として地位協定上どう判断するかということを、私は過日の外務委員会で質問をさせていただいたわけであります。この問題は、先ほど上原先生からも御指摘があったわけでありますが、私が外務委員会でこの問題を取り上げましたときに、一般論として、外務省の方は帰っておりますが、外務省の答弁としては、いわゆる基地内の管理責任は地位協定上、全面的に米軍にあるということをおっしゃっておったわけでありますが、念のために施設庁の方にも伺っておきたいのですが、そのように考えていらっしゃるのか、いかがでしょうか。

森山武防衛施設庁施設部長

○森山(武)政府委員 先生御案内のように、地位協定三条に米軍の権能がうたってあるわけでございますが、施設、区域内においては米軍はあらゆる管理能力といいますか権限を持っておる、このような規定になっております。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 したがって、さっき念のためにお伺いしたとおり、米軍基地内における管理権、その責任というものは当然、米軍に全面的にあるんだということになるわけですね。  それで今回の、先ほどもお話がありました先月二十九日から一日にかけてのキャンプ・ハンセン内の火災、山火事ですね、これは当然、米側の管理不注意ということが言えると思うわけでありますが、その件について先ほどは、防衛施設庁の方から米軍に申し入れをしたというお話がありましたですが、米側はどうなんですか、謝罪の弁とかそういうのはあったのですか。

森山武防衛施設庁施設部長

○森山(武)政府委員 先ほど答弁いたしましたように、防衛施設庁長官から在日米軍司令部の参謀長に対して、二度とこのようなことを起こさないような体制と消防体制及び能力の強化というのを申し入れた際に参謀長の方から、このような事態になったのは申しわけない、今後起こさないようにしたいので、現地に今後の対策といいますかその検討について指示する、このようなことがございました。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 そこで、今回の四日にわたって燃え続け、そして米軍に消火能力がなかった等の問題は、その原因の一つに基地内に不発弾の処理がされていなかったという問題もあるわけであります。それで、米軍は基地のすべての管理責任という立場からしまして、こういう不発弾の処理等というものは当然、米側がやっておくべき問題だったと思うのですが、いかがでしょうか。

森山武防衛施設庁施設部長

○森山(武)政府委員 これは非常にむずかしい問題でございまして、たとえば全然人が入らないというふうな着弾地区域ですと、そこに不発弾をそのまま置いても支障がないという結果になるわけです。そのような観点から、キャンプ・ハンセンにおける着弾地区域の不発弾の処理というのは、立入禁止区域でございますから、なされておりません。  ただ今回の火事の場合、まさに先生御指摘のとおり、着弾地区域内の火災であるから不発弾の爆発等のおそれがあって、早期に積極的に消火活動を始められないというふうな事情のあったことも確かでございます。そのようなことを踏まえて今後、キャンプ・ハンセンにおいて山火事等が万一起こった場合に、どのような体制をしいたらいいのかというふうなことを検討をいたしたい、このように思っておるわけでございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 いま御説明もありましたとおり、そういう四日も燃え続けた原因の一つは、不発弾の処理がされていなかったということなんですね、原因はその一つもあったんだということ。当然、米軍としては基地内のすべての管理の責任があるわけですから、そういうきわめて危険なものがごろごろしている状態であるということは、これはもう非常に大問題です。したがって、それがためにそういう消火活動ができなかったということからしますと、当然、防衛施設庁としては米側に対して、その管理上の責任の立場からも、そういうことは強く言っておくべきですし、言うべきだと思うのですが、いかがでしょうか。

森山武防衛施設庁施設部長

○森山(武)政府委員 ただいま御説明したとおり、着弾地区域内の不発弾の処理というのは非常にむずかしい問題もございます。それで、今回の山火事の早期の積極的な消火活動というのが、そこに原因があるのならば、そのようなむずかしい問題も踏まえて、どのようにしたら今後、着弾地区域外、ひいては施設区域外に類焼するようなことのないことができるかというふうなのを、真剣に検討していきたいと思っております。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 そこで、先ほどの上原先生へのお答えの中に、自衛隊の消火活動について、県の要請があったというお話がありましたね。ちょっと私、沖繩県の要請によって自衛隊が消火活動に出動、それは米軍基地の中に入っていったわけですね、そういうことはできるのですか。

森山武防衛施設庁施設部長

○森山(武)政府委員 米軍と調整の上、円満に協力体制をしいて入った、このような報告を受けております。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 米軍と調整の上、円満に入っていったということですが、県の要請であったにしても、米軍の要請がないと自衛隊ははいれないでしょう。やっぱり米側の要請、米軍の要請があったということなんでしょう。

森山武防衛施設庁施設部長

○森山(武)政府委員 着弾地区域外に燃え移った状態で、なお施設、区域外にも燃え移る勢いであるというふうな事態を踏まえまして、自衛隊側の消火ということについて米軍と調整したわけでございます。その調整の結果、消火に当たった、このように聞いております。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 調整ということをおっしゃいますけれども、たとえば仮に嘉手納米空軍基地に自衛隊が、あるいは県の要請等があって、フェンスを破って入っていって消火活動なんて、そんなことできませんわね。あくまでもやはり米側の要請というものが前提にあってしか、米軍の基地内に自衛隊は入っていけないわけですから、これは調整とかなんとかという言葉でなくて、米軍の要請があったということが前提になっているわけでしょう。

森山武防衛施設庁施設部長

○森山(武)政府委員 一般的にいいますと、地方公共団体等と米軍と消防協定等がございます場合にはわりとはっきりしているのでございますが、沖繩においては、復帰前において消防協定があった、ところが復帰後、その取り扱いがどうなっているかということに若干疑問が持たれている、これは別問題として、私どもも消防協定の必要性は感じておりますので、側面から協力したいと思いますが、それとは別に、調整の上、入ったということは、当初要するに、米軍は自衛隊の消火活動を要請はしてないけれども、その調整の段階で話がついたわけですから、そこで米軍の要請があったというふうに考えてよろしいかと思います。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 したがって、調整の段階で米側の要請があった、そして自衛隊が消火活動に出動していった、形としてはそのようにしか受け取れないわけですね、それでいいのですか。おっしゃいました、米軍の要請があった、そのように理解していいというお話ですが、米軍の要請によって自衛隊が米軍基地内に消火活動のために出動していったというふうな理解の仕方でいいわけですね。

森山武防衛施設庁施設部長

○森山(武)政府委員 金武町長等から山火事の早期鎮火について要請がありました。それから県知事の方からもそのような要請がありましたので、これは米軍の方は、米軍自体の消火力で消せると思ったのかもしれませんですけれども、やはりこういう問題は、とにかく早く消さなければいけない、施設、区域外にも類焼のおそれがあるというふうなことで、そこで調整した結果、入ったということでございますから、それをどのように解釈するか。まあ調整した結果、入って、消火活動を米軍は日本側にやってください、こういう調整でございますから、その段階で米側の要請があったと考えてもよろしいのじゃありませんかというふうなことを、私の考えとして申し上げたわけでございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 その辺は非常に大事な問題でありますので、そういうあいまいな形で——これは重大問題です。米軍の要請によってわが国の自衛隊が出動していくということになると、これは大問題なんです。ですから、そういう調整とかなんとかで——事情をよくわかった上で私、申し上げているわけですよ。そういうことで、とんでもないですよ。この米軍の基地管理のあり方ですね、不発弾はごろごろして、山火事はやる、あるいは自衛隊も出てきて消火してくれとか、そんなことが実態的に行われるということを私は問題にしているわけですね。  それはもうそれで、時間がございませんので、もう一点は、例の読谷補助飛行場なんですが、これは防衛施設庁が、あの地域にこういうパラシュート訓練場があることは非常に問題があるといういろんな理由を挙げまして、確かに日米合同委員会の施設委に提起されておるわけですが、あれから半年も超えておるのですが、その後、これはどうなっているのでしょうか。

森山武防衛施設庁施設部長

○森山(武)政府委員 御案内のように、三月十八日の施設分科委員会に日本側として提案したわけです。その後、はっきり申しまして、なかなか具体的に進まない、むずかしい問題があるということで、去る十月九日に合同委員会において、適当な代替地を検討するための特別作業班を設置することに合意いたしました。したがいまして今後は、この特別作業班における検討を通じまして、落下傘降下訓練場の移設の促進を図りたい、このように思っております。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 いまの問題で、そうしますと、作業班が設置されて促進していくということでありますが、三月にこの問題が提起されて以来、半年経過しているわけです。見通しは大体どんなふうな感じでいまのところ理解しておったらよろしいのでしょうか。

森山武防衛施設庁施設部長

○森山(武)政府委員 米軍の検討が進まないというのは結局は、適当な代替地がないということだと思います。そういう意味において、なかなかむずかしい問題とは思いますが、現在、詳しく作業班において、具体的に米側と折衝し検討する必要があるので、いろいろな資料を那覇局の方に作成等を命じている段階ですが、なるべく近いうちに特別作業班を実際に開いて積極的に検討を進めていきたい、かように考えております。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢委員長 この際、篠浦農地業務課長より発言を求められております。これを許します。篠浦課長。

篠浦光農林水産省構造改善局農政部農地業務課長

○篠浦説明員 先ほどの答弁で正確さを欠いたところがございますので、修正させていただきたいのですが、年賦払い三十年と申し上げましたが、これは三十年以内でございまして、その中に据え置き期間も含んでおります。それから農地取得資金二十五年も、二十五年以内ということでございます。  それからもう一点、有益費がわからないので差し引けないというような趣旨の答えをしたかと思います。有益費がわからないというのは事実でございますが、先ほど申しました政令二条の方式が有益費を考慮するという言い方になっておりまして、差し引くというかっこうになっておりませんので、その点、修正あるいは補足させていただきます。どうもありがとうございました。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 以上でございます。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢委員長 部谷孝之君。

部谷孝之民社党・国民連合

○部谷委員 きょうは沖繩問題、北方問題、両面にわたってお尋ねをしてまいりますが、限られた時間でございますので、ひとつ要を得た御答弁をいただきたい、このように思います。  まず、サトウキビの生産者価格の問題がいわば大詰めに来ておるわけでありまして、沖繩のサトウキビ問題について端的にお尋ねをいたします。  農林省来ておられますか。——ことしの夏の干ばつとそれから台風による被害はどの程度になっておるのか、そして、それに対する救済策はどのように進められておるのか、まずお答えを願います。

岩崎充利農林水産省食品流通局砂糖類課長

○岩崎説明員 まず、干ばつによる被害でございますが、確かに七、八月にかけて降水量が少なくて、全県的に干ばつということでございましたが、その後の雨台風等によってかなり解消されてきたのではないかというふうに考えております。問題は、台風十九号による被害でございまして、この暴風雨によるサトウキビの倒伏、折損、潮風による塩害がかなり発生した。特に、県の報告なんですが、折損等につきましての減収は、沖繩で大体五%内外、鹿児島の方は若干少なくなりまして約二%程度という形になっております。これらにつきましては被害農家等につきましては、自作農維持資金の融資の問題あるいは共済の適用等々について鋭意検討している、こういうことでございます。

部谷孝之民社党・国民連合

○部谷委員 干ばつの被害である程度成長のとまったのが、あと雨が降ってもなかなかもとに戻らないというふうに私は聞いておるのであります。それはともかくといたしまして、沖繩のキビ作農家の一戸当たりの農家所得と農業所得、これらは全国の平均と比較いたしましてどのようになっておるのか、お示しをいただきたいと思います。

畑中孝晴農林水産省農蚕園芸局畑作振興課長

○畑中説明員 サトウキビ作そのものを分離して比較することはなかなかむずかしゅうございますので、沖繩の農家の場合には八割近くがサトウキビをつくっておりますので、沖繩の農家と全国とを比較させていただきたいと思います。  五十四年度の数字でございますが、農業所得で申し上げますと、全国が百十二万円、それに対しまして沖繩県が八十三万円、これは端数を丸めておりますが、でございます。それから、農家所得にいたしましてもほぼ同じくらいの傾向でございまして、全国が四百四十一万円に対しまして沖繩が三百八万円ということで、沖繩の場合には、いわゆる経営面積も全国に比べますと低いということもございまして、全国の約七割の所得になっておるわけでございます。

部谷孝之民社党・国民連合

○部谷委員 農家所得あるいは農業所得が約七割だということでありますが、これは偶然にもいわゆる県民所得が七〇%になっておることと実は符合をいたします。しかし、県民所得が当面八〇%を目標にしていま七〇%ということになっておるのですが、その県民所得が八〇%というのは、これは八〇%になるとかなり全国、つまり大都市を含めての八〇%でありますから、ある程度高位のところへ行くと思いますが、農業における八〇%ということはやはりきわめて低位にあるということになろうかと思うわけであります。  その問題についての御答弁は要しませんけれども、そのような状態の中で沖繩の産業構造では、農業の占める割合がきわめて大きい、また将来とも第一次産業に重点を置かざるを得ない、そういう状態にあるわけであります。しかも沖繩の農業の中では約半分をサトウキビが占めておるわけでありまして、こうした状況の中でサトウキビの価格の問題は当然、沖繩経済に重大な影響を持っておると思います。さらに、干ばつ、台風、そういうものの常襲地帯であるわけでありますので、沖繩についてのサトウキビの価格という問題には格別の配慮が必要であろう、このように思うのでありますが、このたびの価格決定にそうした問題がどのように配慮されておるか、御答弁を願いたいと思います。

岩崎充利農林水産省食品流通局砂糖類課長

○岩崎説明員 確かに先生御指摘のように、台風等による被害がございました。この点につきましては、各種の災害対策等を十分講ずることによって対応しなければならない、このように考えております。  また、サトウキビの価格の問題につきましては、これは糖価安定制度に基づいて措置を講じているわけでございますけれども、パリティを基準といたしまして、てん菜等の他の作物とのバランス等も十分総合的に勘案して決定してまいりたい、このように考えております。

部谷孝之民社党・国民連合

○部谷委員 いま私がお尋ねをいたしましたのは、単純なパリティだけではそれだけのいろいろな要素を解消しないと思うので、そういうものを価格決定については十分配意されるが妥当であるということを申し上げたわけでございまして、近くこれが決定されるわけでございますから、ひとつそうした配慮を十分されますように、これは要望をいたしておきます。  次いで、北方領土問題に入りたいと思います。  きのうミス北方が大臣をお訪ねになりまして、長官の働きぶりがきわめて心強い、そうした激励を美しい女性から受けられたという報道を拝見いたしましたが、まずこうした期待にこたえていただきたいということを私も念願することを、冒頭申し上げたいと思います。  そこで、頻発しております拿捕問題について、まずお尋ねをしたいと思いますが、昭和二十一年の四月に根室の第二暁丸が拿捕をされまして以来、幾多の漁民が北方海域で拿捕をされております。その上、二百海里時代に入りまして、拿捕に対する状況はさらに厳しさを増してきておるわけであります。  まず、保安庁と水産庁にお尋ねをいたしますが、ソ連の日本漁船に対する拿捕の状況、これは船の数あるいは人数等々どうなっておるのか、お尋ねをいたしたい。そしてまた水産庁には、北方海域における罰金攻勢が大変強くなっておるわけでありますが、その内容はどういうふうになっておるのか、まずお尋ねをいたします。

加藤正義海上保安庁警備救難部警備第二課長

○加藤説明員 お答えいたします。  ソ連によります日本漁船の拿捕は、本年十一月十日現在、千六百十四隻、一万三千二百四十五人で、未帰還は五百八十九隻、一人でございます。なお、このうち本年は、二十五隻、百七十六人が拿捕されております。  このため海上保安庁は、わが国漁船の出漁状況等を勘案し、道東及び道北方面のソ連主張領海線付近に巡視船艇を配置しまして、漁船の監視、保護に当たっておりますほか、漁業基地においては関係機関、組合を通じまして、あるいは海難防止講習会等を通じて、拿捕防止指導を行っておるような次第でございます。

中島達水産庁海洋漁業部国際課長

○中島説明員 北方水域におきますわが国漁船に対するいろいろな罰金あるいは違反事件の検挙等の状況でございますが、水産庁におきまして本年十月の末日までに漁業者から報告のあったところによりますと、ソ連による検挙事件の件数は、本年一月以降九十件を数えているわけでございます。  その具体的な内容について若干申し上げますと、まず違反内容でございますが、一番多いのは、操業日誌に関する未記入あるいは誤記入が四十一件、それからその次に多いものとして、区域外操業が十八件等という内容になっておるわけでございます。  また、漁業種類別にこれを見ますと、底刺し網、はえなわの漁船三十四件、それからいわゆる底引きの北転船が十五件、それからイカ釣り船二十五件、これらのものが多い内訳でございます。  なお、参考までに昨年の同じ期間、つまり一月から十月末までの件数を見ますと、昨年につきましては同じ期間におきまして百四十八件でございます。なお、昨年一年間におきましては百五十六件あった、こういう状況に相なっておるわけでございます。

部谷孝之民社党・国民連合

○部谷委員 一方、今度はソ連側の方も、同じような違反事件を日本の領海の中でやっておるわけでして、ことしの二月には茨城県沖合いで二度にわたってソ連船が領海侵犯を侵しておりますが、それらを含めまして、ソ連船の侵犯等の違反操業に対する処罰、これは大体どのようになっておるのか、お尋ねいたします。

加藤正義海上保安庁警備救難部警備第二課長

○加藤説明員 お答えいたします。  当庁の巡視船によるソ連漁船に対する立入検査件数は、本年十一月十日現在、千四百六件ございます。法令違反によります検挙件数は、外国人漁業の規制に関する法律違反としましては、領海侵犯操業一隻、一件、罰金二十万円、漁業水域に関する暫定措置法違反としては五十隻、五十三件、担保金二千九百四十万円でございます。  同措置法違反の内容は、禁止区域内操業三隻、三件、担保金六百万円、操業日誌関係違反四十三隻、四十六件、担保金二千三百万円、その他の違反四隻、四件、担保金四十万円でございます。  なお、担保金または罰金の一件当たりの平均金額は約五十五万円でございます。

中島達水産庁海洋漁業部国際課長

○中島説明員 ソ連によるわが国漁船の違反に対する処罰の内容といたしましては、これはその違反を問われた内容によってさまざまではございますが、まず区域外操業につきましては、ソ連側による罰金は通常一万ルーブル、円とルーブルの関係で現在時点で換算をいたしますと、大佐三百三十万円ということに相なるわけでございます。それから操業日誌の関係での違反につきましては、ソ連側によります罰金は、これは具体的な事件によりまして若干違うわけでございますが、通常千ルーブルから五千ルーブル、これは円に換算いたしまして約三十三万円から百七十万円というところになっているわけでございます。

部谷孝之民社党・国民連合

○部谷委員 いまお聞きしたところでは、大体ソ連船に対する日本のペナルティー、これは平均して五十五万、侵犯について大体二十万、措置法の違反が大体五十件、二千九百万でありますから六十万であります。こういうふうのようであります。それから、日本船に対するソ連のペナルティー、これはさっきの侵犯、日本で二十万円科するのに相当するものが大体一万ルーブルで三百三十万、それから日誌等のいわゆる措置法に関しましては、日本が大体六十万円程度のペナルティーをかけておるのに対しまして、三十三万から百七十万、この数字を見ますと、日ソ両国間の罰金が非常に差が大きい、そういうのに対して日本の漁民の人たちの間に大変不公平である、そういう感じを強く持つと思うのですけれども、そうした問題に対する解消、これは必要がないのでありましょうか。

中島達水産庁海洋漁業部国際課長

○中島説明員 先生御指摘のように、違反漁船に対する日本あるいはソ連の罰金につきましては、差があるのは実態でございまして、多かれ少なかれ、漁業者の方々といたしましても、不公平ではないかというような気持ちを持っておられるというふうに承知をしておるわけでございます。  そこで、ソ連により違反を問われた事件の中には、確かにソ連側の監督官によります不当と思われる事件もあるわけでございます。水産庁といたしましては、かような不当な検挙に対しましては、外交ルートを通じて、あるいは日ソ漁業交渉の場におきまして、さらには、洋上におきまする漁業監督官同士の話し合いによりまして、ソ連に対して抗議を申し入れると同時に、そういった事態の根絶を申し入れているわけでございます。今後ともあらゆる機会をとらえまして、こういった不当な取り締まりあるいは検挙というものがなくなるようにソ連側に申し入れていきたいと考えているわけでございます。  それから、日ソ両国の漁船の違反には担保金あるいは科せられる罰金について内容的に相違があるということ、非常に不公平なことになるのではないかというような印象を与えておるというようなことも否定はできないと思っているわけでございます。  いずれにいたしましても、水産庁といたしましては、海上保安庁御当局とも密接な連携を保ちまして、ソ連漁船に関しましても適正な取り締まりを行っていくと同時に、また、わが国の漁船に対する不当な取り締まりがなくなるように、また、わが国自身の漁船の秩序のある操業といったことについても、水産庁といたしまして十分指導をしてまいる所存でございます。

部谷孝之民社党・国民連合

○部谷委員 私はこうした膨大な罰金を漁民は一体どういう支払いをしておるのか、実は大変心配なのであります。特に新聞記事を集めてみますと、五十三年には七十五日東丸が四億六千万、また五十四年には第一青葉丸が五億二千万、それから第二十三長福丸が五十五年二月には四億七千万、そういうふうな判決を受けております。こうした問題がどう決着がつけられたか、いろいろ私としてはまだ疑問があるのですが、もう時間がございませんので、その辺はまた具体的に個人でお尋ねに参りますので、ひとつその辺のことは聞いてみたいと思うのです。  北方におけるこうした漁業に関するいろんな問題、これはレポ船の問題あるいは北海道庁の取り締まり船がソ連に贈り物をしたという洋上会談の問題等々、いろいろございまして、もちろんこれらは断じて許すことのできない問題でありますが、しかし一方では、これらの魚の水揚げが一挙に減じていった、そしてソ連の臨検攻勢がきわめて高くなってくる、そういう中で起こった北辺の漁業の苦悩、こういうものを浮き彫りにしておるとも言えると思うわけでありますが、そうした問題が拿捕問題として一つ北海道民の上に大きくのしかかっておるという実態は、われわれははっきりと認識しなければならぬ、このように思うわけであります。  それから次は、根室地域の振興の問題でありますが、北方四島への渡航の拠点といたしましてあるいは交易基地といたしまして繁栄してきた根室は、商業を初めといたしましていろいろの経済基盤が落ち込んで昔日の面影がない、こういうことになっておるわけであります。しかも旧島民の八割が根室支庁管内に居住をしておるのでありまして、根室市を中心とする道東一市四町では、特にこの地方の地域振興を求める声が強いわけでありますが、これに対しまして政府はどのような施策を進めておられますのか、お尋ねをいたします。

滝沢浩北海道開発庁計画官

○滝沢説明員 お答えいたします。  北方領土に隣接する根室地域に特別の振興対策を進めてほしいという要請を、かねてから当庁も十分聞いて承知しております。北海道開発庁としては、北方対策本部とも十分相談いたしましてこの対策に適切にこたえていくということは、北方領土の返還を期するという国政の基本方針に照らしまして、きわめて重要であると考えておるわけでございます。また、地元の要請の趣旨から見まして、この問題に適切に対応していくには、関係省庁にも入ってもらいまして、この問題を前向きに受けとめるための体制の整備が必要であると考えておりまして、現在、その体制の整備について関係省庁と鋭意折衝中でございます。できるだけ早く結論を得て、この問題に前向きに取り組めるように努力してまいりたいと考えております。

部谷孝之民社党・国民連合

○部谷委員 開発庁としては目下、そうした地域の要望にこたえるために体制の整備を進めておるところだ、そういう御答弁でございますが、大臣、現地へ先般行かれまして、この問題に対するいろいろな要請、陳情を受けられたと思うのであります。現地の感じ方は、御承知のように沖繩の返還のときには、あれだけ国費を投入して、そして、国を挙げての運動の中でこうした問題が成果を上げてきたけれども、どうも北方に対しては十分でないというふうな不満があると私は思うのでありますが、そうした北方領土地域振興について、たとえば沖繩振興特別措置法に類するような立法をしてほしいという意向が強いと思うのですが、大臣いかがでしょうか、そうした御意向はございませんか。

中山太郎自由民主党・自由国民会議総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○中山国務大臣 私も北方対策本部長といたしまして現地根室にも参りまして、地元の方々あるいはまた引き揚げてこられた方々の御意見も拝聴いたしてまいりました。  御指摘のように、沖繩返還に伴う政府の姿勢に比べますと、北方領土返還に伴う根室地域周辺の振興対策というものについては相当な見劣りがあるということは、私は御指摘のとおりだろうと考えております。私といたしましては、この根室を中心としたいわゆる旧島民の方々の失われた産業の権益といいますか漁業権といいますか、いろいろなものを含めまして、このまま放置してまいるむけにはいかないというふうに考えております。関係省庁とも十分協議をいたしましてひとつ善処してまいりたい、このように考えております。

部谷孝之民社党・国民連合

○部谷委員 大臣、私はもう少し積極的な具体的な何かが出てくるということを期待しておったのですが、どうもそういう積極的なものが出てこないと思うのですが、委員長、この問題は委員長自身も現地へ行かれていろいろと耳を傾けられたその地元の意向というものは、そういった少し間延びのしたことでは対応できないと私は思うのです。いわば返還問題というのは国を挙げての一つの大事業でありますので、議員立法ででもこうした問題に取り組む姿勢が必要じゃないかと思うのでございます。委員長、そのようなお取り計らいをひとつお願いできたらと思うのですが、いかがでしょうか。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢委員長 委員長に対する要請でありますが、また後刻理事会に諮って善処をいたしたいと思います。

部谷孝之民社党・国民連合

○部谷委員 それから次に、引き揚げ者等に対する援護の問題でありますが、現行法によりますと、昭和二十年の八月十五日以前に島で生活をしておった人あるいは当時島で漁業権を持っておった人を対象として、融資の事業が行われておるのでありますが、一万六千人おられました引き揚げ者は現在では一万一千人、五千人の方々はすでに亡くなられたという状態になっておるようでございまして、三十五年たって、引き揚げ者は年々死亡し、高齢化し、そうした状態にあるわけであります。そして生存しておられる方々は、なお北方四島が返還されないことによって、本来享受できるべき経済的恩恵も受けられないということになるわけでありまして、こうした二十年の八月十五日以前生活をしておったこれらの人々の二世、三世という人々に対しても、援護を継承していくことが必要ではないかと私は思うのですが、どのようにお考えでしょうか。

藤江弘一総理府北方対策本部審議官

○藤江説明員 お答え申し上げます。  本土に引き揚げられた旧島民の方々が新たに生活基盤を備えるまでの間、非常に困難な状態にあるということで、これに援護の手を差し伸べようといたしましたのが立法の趣旨でございます。しかしその後、ただいま先生御指摘のような事情の変化もございます。したがいまして私どもといたしましては、実情をさらに十分に把握いたしました上で対処してまいりたいと考えております。

部谷孝之民社党・国民連合

○部谷委員 以上、私は拿捕の問題、地域振興の問題、あるいは引き揚げ者の持っておられるいろいろな諸点ということをお尋ねいたしまして、北方領土が返還されないことにより島民の方々がきわめて厳しい現実に直面しておられることを、いま浮き彫りにしてみたわけであります。  そこで先般、去る十月二十五日、北方領土返還要求国民大会が九段で開かれまして、関係九十三団体によって九段会館を埋め尽くす大変な盛会であったわけでございますが、この大会に出席された大臣の御感想をまずお聞かせいただきたいと思います。

中山太郎自由民主党・自由国民会議総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○中山国務大臣 先生御指摘のように、当日は雨でございましたが、九十三団体の所属の方々が集まられて、大変熱気にあふれる返還要求の国民大会でございまして、私も大変深い感銘を覚えたわけでございます。  御案内のように、われわれの古来の領土を返還してもらうという外交交渉の背景には、国民各層の力強い願望というものの盛り上がりがなければ外交は成功しない、このように考えて実は、その大会に臨んできたようなことでございます。

部谷孝之民社党・国民連合

○部谷委員 そこで教育の問題だとか、総理にぜひ現地を見ていただきたいとか、いろいろな決議、要望がされたようであります。その問題についてもあと触れられれば触れてみたいと思うのですが、各団体を代表いたしまして同盟が提案いたしました北方領土の日の制定の問題であります。  こういうふうな返還運動をさらに全国的なものにするために、北方領土の日を制定すべきだという提案に対しまして長官は、政府としても積極的に努力したい、こういうふうに述べられておるのでありますが、北方領土の日制定につきまして、私は見てないのですが、けさどこかのマスコミで、二月七日の線で内定したというような報道がされたやに聞いておるのでありますが、どのようだ形でおまとめになろうとしておられるのか、御方針を伺いたいと思います。

中山太郎自由民主党・自由国民会議総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○中山国務大臣 先般の十月二十五日の領土返還要求国民大会で同盟の方から、北方領土の日を設定しろという提案がございました。いま先生のお話のように私はお答えを申し上げたようなことでございますが、先般の参議院の内閣委員会におきまして、やはり北方領土の日を決めろという御意見がございまして、政府といたしましては、北方領土の日を設置いたしたい。設置するその目的は何か、それは、衆議院で十回、参議院で五回、各会派が満場一致で、この古来の領土四島の返還を要求する決議をされているわけでございますから、政府といたしましても、両院の全会派一致の決議を受けてやはり政府の姿勢を明確にすべきである、このような観点から北方領土の日を制定したい、しかも近い将来に制定いたしたいと考えております。  なお手続といたしましては、とにかく国民の盛り上がる気持ちというものが基本でなければならない、こういうことで、十月三十日でございますか、関係各団体の会合がございました際にもこの御意見が出ましたが、各単位団体で御協議をいただいているというふうに報告を受けております。きわめて近い将来に第二回の会合が開かれます。各団体の御意見を受けて、私どもとしては最も好ましい日を決定いたしたい、このように考えております。

部谷孝之民社党・国民連合

○部谷委員 さっき申しました二月七日も、下田条約の締結の日でありますので、好ましい候補の一日であることは間違いないわけでありまして、そのほか、八月を中心とするいろいろな日にちもございましょうし、また鳩山内閣の共同宣言の日もありましょうし、これはいろいろこれから御協議をいただいて、最も適当な日をしていただくことが適当だと思うのですが、その北方領土の日というのは祝日とお考えでございましょうか。つまり、祝日ということであれば、祝日法あるいは議員提案によるところの立法が必要でありましょうし、それでなければ閣議決定あたりで決定すべき問題だと思うのですが、その辺はどのようにお考えでございましょうか。

中山太郎自由民主党・自由国民会議総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○中山国務大臣 現在の時点では、祝日というふうな扱いにする意思はございません。私どもとしてはあくまでも国民が全部意識の中に、その日がわれわれの古来の領土をぜひ一日も早く返してもらいたいという願望の日にいたしたい、このように考えておりまして、手続等については改めて発表させていただきたいと考えております。  なお、先ほど御指摘がございました二月七日というマスコミの報道につきましても、二月七日というのは、日露通好条約の結ばれた日で、ロシア帝国も日本国もともに平和のうちに、択捉島と得撫島の間を両国の国境とするということを外交上決めた日でございますので、両国にとってはきわめて意義の深い日であるということは、御指摘のとおりであろうと考えております。

部谷孝之民社党・国民連合

○部谷委員 そこでもう一つ、現地では先ほど申しましたように、総理大臣にぜひ視察をしてもらいたい、こうした願望がきわめて強いわけでありまして、特にいま領土返還のそういう国民的な高まりもあるわけでありますが、そうした総理の視察実現に長官としても積極的に進言していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。

中山太郎自由民主党・自由国民会議総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○中山国務大臣 御趣旨を体して努力をいたしたいと考えております。

部谷孝之民社党・国民連合

○部谷委員 そういうことで、今度は各県でもそれぞれいろいろな大会を開催し、研修会を開きしておるわけですが、しかしこの運動は、先ほど大臣みずからもおっしゃいましたように、もっと国民の間に定着させる必要があると思うわけでありますが、そうした国民運動を喚起するために政府としてはどのような対処をしておられますか、お尋ねします。

中山太郎自由民主党・自由国民会議総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○中山国務大臣 すでに御案内のように、千七百万人の国民の方々に署名をしていただいておりますし、多数の地方議会においても御決議をいただいておるようなことでございます。また、全国市長会におきましても最近、全国の市役所に領土返還に関する懸垂幕を掲示する決議を満場一致でしていただいておるようなことでございます。私どもといたしましては各県、各市において、その地方自治体が御決議の線でこのような国民運動が盛り上がるように、政府としても十分対応してまいりたい、このように考えております。

部谷孝之民社党・国民連合

○部谷委員 都道府県の中で県民会議が設置されておると思うのですが、この設置状況というのはどういうふうになっておりますか。

藤江弘一総理府北方対策本部審議官

○藤江説明員 現在までのところ、十三県におきまして設置されております。私どもとしましては、これを可及的速やかに全県において設置されますように目下、全力を挙げて取り組みをいたしておるつもりでございます。

部谷孝之民社党・国民連合

○部谷委員 時間が参りましたので最後に、北方領土の返還要求運動連絡協議会、これは九十三団体で構成をされまして、返還実現の推進力としてがんばっておるわけでありますが、政府もこうした団体と十分連携をとりながら、もっと北方領土に対する返還に力を入れていただきたいと思います。いままでの大臣の御答弁の中で、そうした御決意のあることを聞かせていただいたのですが、ひとつ最後に力強い御決意をもう一度聞かせていただきたいと思います。

中山太郎自由民主党・自由国民会議総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○中山国務大臣 先般の九十数団体に及ぶ共同の国民大会、及び先日の佐々木更三先生が責任者をやっておられる社会党あるいは社民連、公明党、野党の方々が含まった組織での北方領土返還に関する決議、こういうこともございまして、私どもとしては両院の決議も踏まえて、政府としては積極的に運動を展開してまいりたい、このように考えております。

部谷孝之民社党・国民連合

○部谷委員 終わります。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢委員長 瀬長亀次郎君。

瀬長亀次郎日本共産党

○瀬長委員 沖繩の振興開発計画について中山開発庁長官は、七月二十二日午前のNHKインタビューに答えて、新しい産業をどう発展させるか方針をはっきりさせ、それを関係方面に認識してもらう、新しい第二次沖繩振興開発計画を進行させることが必要だということで、私はそういった長官の姿勢を了として、中身についてお伺いしたいと思うのです。  ことしの七月に沖繩開発庁から「沖繩振興開発の現状と課題」というのを出しておりますが、長官は第一次振興開発計画をどう評価しておられるか、その点を簡潔に総括的にまずお伺いしたいと思います。

中山太郎自由民主党・自由国民会議総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○中山国務大臣 第一次振興開発計画というのは、スタートしてからすでに八年半たつわけでございます。当初の目的であった当時の九十六万の人口を百万に乗せるということは、すでに百万を突破したわけでありますから、県の人口というものについては所期の目的を達成しました。こういう中で経済の問題で、本土並みといいながら、他府県と比べると県民所得が平均で七〇%にしか達していない。この問題は、第一次振興開発計画を終わろうとする、あと一年半を控えた今日の時点では、やはり経済をいかに発展させるか。ことに、失業率が他府県と比べると非常に高い状態でありますから、雇用機会を増大させるということが一つの大きなポイントになってくることは、先生も御理解いただけると思います。そういうことで、第一次振興開発計画を終わろうとする現段階において、やはり次に沖繩の経済をいかに発展させて雇用機会を増大させるか、県民所得を引き上げるかということがポイントになってくるだろう、私はこのように考えております。

瀬長亀次郎日本共産党

○瀬長委員 それで中身に入りますが、第一次振興開発計画では産業振興、特に第二次産業の振興を図る、計画期間中で産業別構成、これを第二次産業は一八%から三〇%に、それから第三次産業は七四%から六五%に変化させる、こういったような産業構造の改善が予測されておりましたが、ところが、いまさっき申し上げたこの中でもはっきりわかるように、五十三年度で第二次産業は一八%からわずか二%増、しかもそれは建設業が主なんですね、そして公共事業、これが主であって、製造工業が余り予期したようにいかない。この中には地場産業の問題もちろんあるでしょう。第三次産業、これは七四%から六五%にするという計画が、七四%から上がって逆に七五%になっておるのですね。いわゆる第三次産業肥大化という方向に行っておる。私この問題でまず三つの点をお伺いしたいのですが、問題の基本はどうもそこら辺にあるのじゃないかと思うのですよ。  一つは、この計画の発足時にそういった計画を立てながら、むしろ第三次産業は一%もふえておる、第二次産業は三〇%を期したのが、いまだに二〇%をちょっと上回る程度である、これはなぜそういうことになったのかといった一つの問題。  もう一つは、いま私、最初に申し上げましたように、長官があのNHKのインタビューで答えられたように問題点は、沖繩は他府県と比較して非常に占領支配のいろいろの傷跡もあるので、それも治しながらやっていくのに大変な問題を抱えているということです。雇用・失業問題を考える場合に、失業の率はやはりまだ全国の二倍とかいうふうに総理府の調査でもある。これはなぜそういうふうになるのか、これが二点ですね。  最後に、特別措置法の三十八条に書かれておる問題の取り扱い方、やはり失業吸収のための事業の実施、これはもちろん所管大臣は労働大臣でありますが、窓口の開発庁長官も協力して、この三十八条、相関連する三十九条、これに基づく国家事業として興さなければならないというふうに考えておりますが、その三点ですね、これについて所信をお伺いしたいと思います。

中山太郎自由民主党・自由国民会議総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○中山国務大臣 細部のことにわたりますので、政府委員から答弁させます。

美野輪俊三沖繩開発庁総務局長

○美野輪政府委員 お答えいたします。  三点についてのお尋ねでございます。  まず産業構造、特に二次産業が伸びない、したがって第三次産業のウエートが依然として非常に高いという状況についてのお尋ねでございます。この点につきましては、沖繩は本土と遠く隔たっているということ、こういう地理的な条件、あるいは市場が狭隘といいますか、大体百万規模の市場ということで、企業の立地にとって、特に大きな企業の立地にとっては市場が狭過ぎるといったような問題、そういったもろもろの企業立地上のデメリットがございまして、そういったことのために企業の立地がなかなか進まなかったというような点があろうかと思います。さらに、日本全体の経済情勢といたしまして、四十九年の石油ショックに端を発しましたわが国の経済基調の変化と、それに伴います民間設備投資意欲の減退等の影響等があったものと私ども考えておるわけでございます。そういったことで、二次産業の振興が必ずしもスムーズにいかなかった。それに三次産業の面から申し上げますと、観光産業等がある意味では予想以上に伸びたというようなこともございまして、総体的に見ますと、ほぼ復帰時の産業構造と変わらないような状態で現在推移しておる、こういうことが言えるのではないかと思います。  それから雇用の問題についてお尋ねでございますが、沖繩の失業率は最近、若干緩和してきておるものの、依然として全国平均の二倍以上の高い率を示しておりまして、私どもこの対策といたしましては基本的には、産業を振興いたしまして雇用機会を確保するということが必要であるというふうに考えております。当面の措置といたしましては、公共事業あるいは広域職業紹介事業等の推進に努めておるところでございます。  第三点にお尋ねの特措法三十八条、三十九条に基づく措置につきましては、これは私どもからお答えするのは適当かどうか、所管の労働省からお答えいただくのが本来的であろうかと思いますけれども、先ほどちょっと申しましたように、まず産業を振興いたしまして雇用の機会を増大するということがやはり基本的に重要であろう。ただ、先ほども申しましたように、雇用情勢は非常に悪い、完全失業率も非常に高いというような状況を踏まえまして、やはり公共事業の推進とか、あるいは県内志向が非常に強うございますけれども、広域職業紹介等を推進するというようなことで努力していくことが必要であろうかと、このように考えております。

瀬長亀次郎日本共産党

○瀬長委員 私がいま申し上げました産業構造の問題、これは当初予定したものよりも、第三次産業が一%も上がって、第二次産業が上がったにしても二%前後、しかもこれが建設業が中心だ、これは相当検討しないといかないんじゃないか。なぜこうなったかということ、これをどういうふうに変えて第二次振興開発計画においてこうするんだということは、いまの答弁から出てこないと思うのです。  時間がありませんのでこのやりとりについては省きますが、私が指摘の問題ですね、第一次産業から第二次、第三次、第二次産業を振興させていく、しかも一八から三〇%にしようというわけですからね。やがて倍に近いようなところに持っていこう、第三次産業は低めていこう。ところがこれは高くなっている。この点を開発庁長官としても真剣に討議してほしい、この中からこそ第二次産業の本当の根幹というんですか、骨になるようなものが出てくるのではないかということを考えております。  もう一つお伺いしたいのは、いま三十八条の問題について職業安定所の問題など言っておりましたが、復帰後、沖繩振興開発特別措置法の第六章、これに特別に章を設けて「職業の安定のための特別措置」、三十八条は「職業の安定のための計画の作成等」を労働大臣が県知事の意見を聞いてやる。もちろん開発庁長官の直接のあれになっておりませんが、やはり窓口であるだけに協力し合って、いかにしてこれを生かすかという問題、いわゆる作成するというわけなんです。これが復帰してもう八年余りになる現段階においていまだ具体化されていない。この点については、簡潔でいいから、ひとつ長官の御意見を承りたいと思うのです。三十八条の問題、これは法律に規定されているものだから……。

中山太郎自由民主党・自由国民会議総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○中山国務大臣 先生も御指摘のように、法律にはそのように書かれておりますが、所管の大臣、労働大臣とも十分これから相談をしてまいりたいと考えております。

瀬長亀次郎日本共産党

○瀬長委員 次は、振興開発計画で米軍基地の関係ですが、実は昭和五十二年九月の「沖繩振興開発計画の後期における課題と施策」、この中に、七ページですが、「本県における米軍施設、区域は、大規模かつ高密度に形成され、しかもその大部分が地域開発上重要な本県中南部地域に存在しており、そのことが産業構造や都市形成及び交通体系等に多大な影響を与えているので、県主の総合的、計画的開発利用をすすめるにあたっては、米軍施設、区域の計画的早期返還(整理縮小)と転用の具体的施策を検討する必要がある。」ということを指摘されております。これについて開発庁が七月に出されたものの二十五ページにも「米軍施設・区域の状況」、その中で、整理縮小はわずかに一〇%にすぎない、依然として五三%の面積があるということが書かれていますが、いま私が申し上げましたこの施設、区域、これの評価の問題、いわゆる振興開発計画とこれに書かれておるようなこと、こういうふうにしなければいかぬと書かれておりますが、長官としてはこれに対してどういう御意見、御所見を持っておられるでしょうか。

美野輪俊三沖繩開発庁総務局長

○美野輪政府委員 基地の整理縮小の問題でございますが、現行の振興開発計画におきましては、沖繩の振興開発を進めるためにもできるだけ基地の整理統合を図ることが必要であるということにされておるわけでございます。私どもとしてもそのような方向で努力をいたしてまいりたい。もちろん、米軍基地の整理縮小につきましては、これはわが国の安全保障にかかわる問題でございまして、沖繩開発庁として基地をいますぐ具体的にどうこうするということを申し上げる立場にないわけでございますが、私どもといたしましては、振興開発計画に盛られた線に沿って努力してまいりたい、このように考えておるところでございます。

瀬長亀次郎日本共産党

○瀬長委員 いわゆる施設、区域、これを全面撤去という問題は別として、意見の相違、安保条約を認めている認めていないという問題は別として、自民党や政府の基地問題については極力整理縮小して平和的に利用していくという問題が提起されている。ところが現状は、これも書かれておるように一〇%しか返還されていない。ますます基地は強化される方向にあれ、縮小整理の問題はむしろストップ状態にあるような現状、これでは本当に第二次振興開発計画を総合的に全県的な立場に立ってやるということについてブレーキになると思うのですが、この点についての長官の御意見を承りたいと思います。

中山太郎自由民主党・自由国民会議総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○中山国務大臣 先生も御指摘のように、日米安全保障条約で基地提供の義務を負っておるわけでございますから、必要なものは提供しなければなりません。しかし必要でない基地等につきましては漸次返還を求めていくということは、内閣の姿勢でございます。

瀬長亀次郎日本共産党

○瀬長委員 これは基地問題を根本的に解決するのでなければ、総合的な県民本位の振興開発計画というのは本当に困難になってくるんじゃないか、いわゆる沖繩の特殊事情では許されないような問題であるので、私この点を指摘したわけでありますが、この基地問題の根本的解決は、沖繩の振興開発計画、特に第二次の場合には、ここに焦点を当ててやらない限り結局、かいたもちみたいになってしまうということを懸念するので、この点を重視して質問したわけであります。  それからもう一つ、これは十月十三日の参議院予算委員会での中山長官の発言と関連いたしますが、沖繩電力の問題です。  御承知のように、沖繩のエネルギー源というのは電力会社しかない。水力も別にエネルギー源になっていない。そうなりますと、沖繩振興開発計画にとって、エネルギー源としての沖繩電力の問題は非常に重視しなければならない。これは去年の閣議で、民営に移すとかいうことになっていたようですが、いま民営に移すかどうかという問題討議の前に、移す前に、現在の沖繩電力が本島はもちろんのこと離島も含めて本当にひとり立ちできるように、しかも、燃料が上がったら値上げしなくちゃいかぬ、一年に二回も値上げする、聞いたら、この二回目の値上げをしてもなお赤字が出る、また上げるか、また上げざるを得ない、これでは安定的エネルギー源の供給はできないと思うのです。  これについて、いま申し上げました十月十三日の参議院の予算委員会では、開発庁長官として同電力の民営移管には再考が必要と考えている、通産大臣とも相談して云々と、いわゆる再考することが検討されなくちゃいかぬということも発言されたと思いますが、まず、そのお考えには変更ないかどうか、そのとおりであるかどうか、御意見を伺いたいと思います。

中山太郎自由民主党・自由国民会議総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○中山国務大臣 私の参議院予算委員会における答弁について重ねてのお尋ねでございますが、問題は、石油専焼の火力発電所であるというこの沖繩電力の問題、さらに九九%、ほとんど一〇〇%近いものがいわゆる大蔵大臣、つまり日本国が株主であるということでございます。そういうことで、累積赤字が二百億近くあるわけでございますから、これを閣議で、すでに民営移管を行政改革のたてまえから決定をしていることは御案内のとおりです。このいわゆる赤字を抱えた沖繩電力の株式を買い取ってくれる民間側があるかどうかということが一番の大きな問題でございまして、地元の沖繩県民の方々も産業界の方々も、赤字を抱えておっても構わない、買おうという御意見なのか、そこいらの点も十分検討する必要があるという意味の発言でございます。

瀬長亀次郎日本共産党

○瀬長委員 これは常識から考えても、こういった赤字の会社を買い取って民営でやろうなんということは、いま全然起こってもいないんですよ。この去年の閣議の件は、いま大臣言われたように行政改革の立場からであって、沖繩振興開発の立場からではないということはわれわれ承知しておりますが、この件はぜひ大臣としても、予算委員会で言われたような方向で再検討して、いわゆる電力会社が県民のふところに依拠して、たとえば赤字が出ると値上げすればいいという安易な考え方ではなくて、実際上第二次の沖繩振興開発計画に役立つかどうかという点に立って検討してほしいと思いますが、その点いかがでしょうか。

中山太郎自由民主党・自由国民会議総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○中山国務大臣 御案内のように、この沖繩電力の株式の買い手がない、こういうことになれば、累積した赤字はどうなるか、一体だれの責任で処理をしなければならないか、それは九九%の株主である大蔵大臣、それから沖繩の知事、こういうことになるわけでありますが、大蔵大臣がこの赤字の九九%分を株主としてそれだけの応分の責任をとらなければならないということになると、これはいわゆる本土の納税者の税金でそれを処理するということも考えなければならない。つまり、沖繩県民の御負担いただくいわゆるこの赤字に対する負担分というものは、税額の面で見るときわめて低い率を占めてまいるというふうに私どもは考えております。五十三年度のいわゆる税の徴収実績では、全国は二十一兆九千二百五億でありますが、沖繩県民に御負担いただいた国税は八百八十九億、こういう比率でございますから結局、この比率で分配するということになると、いわゆる本土の納税者が莫大な負担を受ける、こういうことになろうかと私どもは考えております。

瀬長亀次郎日本共産党

○瀬長委員 この問題は結局は、まだ再考を要するという問題から考えましても大きい立場で考えないと、ただ行政改革の立場で考えるととんでもないことになる。もちろんいまの株主は、大蔵大臣と県知事お二人が株主ですが、ほとんどが国が持たなくてはいけない。国が持つためにはいまおっしゃったように、じゃ国民の税金でしか賄えないんじゃないかということでありますが、沖繩の振興開発に特別にそういった法律ができたのは、特にあの占領支配の中から生まれた、前身は沖繩配電から沖繩電力に変わってきているわけですから、そういったようなひずみをどう直していくかということで、特別にできた法律に基づくいまの国営みたいなかっこうになっていると思うので、その点について十分御配慮になって、この沖繩電力の問題を考えてほしいというふうに考えます。  時間がありませんので最後に、私は去る二十九日に起こった山火事の問題について、きのう沖繩県議会は全会一致で山火事問題について決議しておりますが、これは     米軍演習による山林火災に関する意見書   去る十月二十九日、米軍演習によるキャンプ・ハンセンの演習場で発生した火災は、四日間も燃え続け、約百十ヘクタールもの大規模な山林火災事故となり、計画造林地域でも延焼した。   キャンプ・ハンセンの演習場を含む沖繩本島北部山岳地帯は、広大な国、県、市町村、民有林地域で、水源かん養林地域となっているばかりでなく、本島の主要な森林資源地域である。   このようなかけがえのない資源が米軍演習によって破壊されてゆくことは、県民の生命財産の安全を脅かすものであり、大きな憤りを覚えるものである。   本県議会は、これまでも米軍演習による事故に対し厳重に抗議してきたにもかかわらず、このような相次ぐ事故はまことに遺憾である。   よって、本県議会は、今回の無責任、無防災の体制下の演習に対して強く抗議し、下記事項を速やかに実現されるよう強く要請する。     記  一、山林火災の原因となる演習並びに住民に被害を及ぼす一切の演習を即時中止すること。  二、演習による一切の被害について完全に補償すること。  以上、地方自治法第九十九条第二項の規定によ  り提出する。 ということで、これについて全会一致なんですね。  私なぜこれを読み上げたかといいますと、あて先は、総理大臣はもちろんですが、外務大臣、さらに防衛庁、施設庁各長官、中山開発庁長官あてになっているのです。二、三日うちに県議会代表が来ると思いますが、この決議についての所信ですか、考え方を聞かしてほしいと思います。

中山太郎自由民主党・自由国民会議総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○中山国務大臣 いま先生からお読みいただいて拝聴いたしましたが、決議が到着しました段階で十分内容の検討をさしていただきたいと考えております。

瀬長亀次郎日本共産党

○瀬長委員 これはここまで県議会が臨時議会を開いて全会一致で決議せざるを得なかったという理由は、これは前例がないのですよ。施設の中から全部飛び火するので、だんだんはうようにして伊芸区へ行って、町議会では基地撤去は決議しておりません。というのは、これは経済的にいろいろの理由もあると思います。ところが伊芸区の区民は、きょうの新聞でもありますが、もう基地の撤去を要求するということまで言っているんですね、これはがまんできない、ここまで来ているんです。それでこの決議になったということですが、これは開発庁長官としても、施設庁あるいは防衛庁の問題であるのだといった観点ではなくて、真剣にこの点はお考えになってほしいと思いますが、施設庁おられますか。——施設庁にお聞きしますが、この問題は地位協定三条、これは御承知のとおり、米軍が施設、区域を使う場合の権利とかあるいは義務、この三条三項に「合衆国軍隊が使用している施設及び区域における作業は、公共の安全に妥当な考慮を払って行なわなければならない。」こういった規定がありますね。これは妥当な配慮を払わなかったためにこの事件が起こったんじゃないのか、これはどうなんですか。

森山武防衛施設庁施設部長

○森山(武)政府委員 ただいまの先生の御指摘で三条三項に、施設区域内における米軍の作業は公共の安全に妥当な考慮を払わなければならないと規定している、そのとおりでございます。それで、米軍の着弾地における火災というのは、どうしても着弾地に草等がありますと若干の火事は起こる、これはある程度仕方がない、それから着弾地内における消火作業というのがまた、不発弾等があるために積極的にやれなかったというふうないろんな事情が重なり合いまして、それで先般のような大規模な火災になったかと思います。ただ、妥当な考慮を払わなかった結果であるかどうかにつきましては、いろいろ見方があると思いますが、米軍も、火事が着弾地区域外に燃え移る勢いになったときには、米軍の消防隊というのは出場いたしましたし、米軍のヘリコプターもバケットで水を落として消火に当たったというふうな経緯はございまして、ただ、いずれにせよ結果といたしまして、確かに施設、区域外にも類焼を及ぼしたと思われるわけでございます。そういうことで、先ほども私答弁いたしましたが、防衛施設庁長官から在日米軍司令部の参謀長に対して、これは十一月六日でございますが、今後二度とこのようなことが起こらないようにということと、それから米軍の消火体制、消火能力の強化というのを厳重に申し入れております。

瀬長亀次郎日本共産党

○瀬長委員 起こらないように常に話した、話すんだ、外務省も防衛庁、施設庁もその繰り返しなんですね。飛行機が墜落する、この場合でも、起こらないように、安全を保障するようにしてほしいということを申し込んだというのだが、われわれは安保条約、地位協定などに——安保条約にもちろん断固反対しておりますが、ただ、こういった地位協定の三条にすら書かれておることを守っていさえすればこのことは起こらぬですよ。それはそうですよ。「施設及び区域における作業」は、演習もそうですからね、こういった演習などは、「公共の安全に妥当な考慮」を払っておれば起こりようがないでしょう。妥当な考慮を払わなかったからこそああいった火事が起こり、しかも、火事が起こった、起こってすぐ消火したのではないのですよ。私はあのときには向こうにいるのです、沖繩に。それは施設部長よりは実際ははっきり確かめております。火事が起こってすぐさま行ったのではないのですよ。だからそれも含めて、この三項すら守っていないということが事実に基づいて言えるのではないかということがはっきりするのです。  それを踏まえないと、米軍に対するあなた方の申し入れとか要請とかいうことは単なる言葉上の問題であって、本当にはだに感じて日本国民の安全あるいは生命、財産を守るという見地に立つならば、もっと説得力のある言葉遣いでできると思うのですよ。これははっきり書いてあるじゃないですか。だから、これが公共の安全に妥当な考慮を払っておるものとすれば、起こりようがなかったのではないですか。どうなんですか、そこら辺は。考慮を払っていないから起こったのでしょう。

森山武防衛施設庁施設部長

○森山(武)政府委員 結果として施設、区域外にも類焼したというふうなことはきわめて遺憾なことだと思います。どのようにしたら起こらないか。要するに米軍の消火体制、消火能力を高める方法はあると思います。たとえば今回の際に、最初は沖繩県にある消火剤を使ったのでございますが、米軍は持っていませんでした。沖繩県自体も非常に少なかったということで、本土から取り寄せたというふうな経験を踏まえますと、米軍の方にそのような消火能力、消火体制の強化というふうなことを申し入れてそれが実現すれば、今回のような火災というのは防げるのじゃないか。  ただ、一言つけ加えておきたいのは、消火に当たったのが非常に遅いということでございますが、これは着弾地区域内で火災が起きているときには積極的に消火できない、たとえば不発弾等がございまして、そういう事情にあったので、先生のおっしゃるように、着弾地区域外に類焼する勢いになったときに、アメリカ軍は消火活動を積極的に始めたというふうな経緯があることを、つけ加えさせていただきたいと思います。

瀬長亀次郎日本共産党

○瀬長委員 時間がありませんので結論を申し上げますが、私の言いました三条の三項ですね、これをアメリカは考慮していないということははっきり言えるじゃないかということに対して、あなたは返事しないのですよ。ただこれだけなんですよ。もし「公共の安全に妥当な考慮を払って行わなければならない。」ということを実行しておるとすればこんなこと起こらなかった、そういうことについての返事がないのですよ。考慮を払ったのだが火災が起こったのかという問題、その点をお答え願いたい。

森山武防衛施設庁施設部長

○森山(武)政府委員 先生は現場におられて、私はこちらの東京におりましたのですが、私の方から考慮を払っていたとか払っていないという答弁はちょっとできかねますので、何とぞ御了承願いたいと思います。  ただ、二度とこのようなことが起こらないようにということをきつく防衛施設庁長官から在日米軍司令部の方に申し入れしているということを、つけ加えさせていただきたいと思います。

瀬長亀次郎日本共産党

○瀬長委員 終わります。

小沢貞孝民社党・国民連合

○小沢委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後六時十五分散会

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