沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第3号
- 発言数
- 104 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1980/10/30
会議録
○小沢委員長 これより会議を開きます。 沖繩及び北方問題に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。上草義輝君。
○上草委員 きょうは外務大臣が御出席でありますので、まず私は伊東外務大臣に昨今報道されておりますイランの人質の問題、解放されるか否かということにつきましても、わが国の対ソ連との外交あるいは対米との外交について大きな意味を持ってくると思いますので、何かきょうじゅうにもイラン議会が解放を決定するやにけさも報道されておりますが、この人質が解放された結果におけるわが国の外交上の影響について、簡単に外務大臣からお答えいただきたいと思います。
○伊東国務大臣 お答え申し上げる前に私、この委員会に初めて出席いたしましたので、おくればせでございますが、国益を踏まえまして一生懸命外交に取り組むつもりでございますので、本当に皆様方の御指導、御支援をお願い申し上げる次第でございます。 いま御質問の点でございますが、新聞、テレビ等で、きょう人質解放の条件の提示があるのじゃないかというふうなことが報道されておるわけでございますが、われわれは、これは本当にいままでいろいろなことがありましたので、実際にそれが実現するまではなかなか安心ならぬという慎重な態度で実は見守っているところでございます。アメリカも、過去において何回もその直前までいったのだけれどもそれが崩れたということで、非常な慎重な態度を実はとっているのです。第三国の飛行機か何かでイランを離れたというときでないと、人質解放になったと言えぬというような、非常に慎重な態度をアメリカはとっております。われわれも、ああいう国際法秩序を無視したことは、国連決議にもありますように一日も早く解放になり、解決することを期待しているわけでございますので、注意深くきょうあるかなと思って見ておるところでございます。 それから、これは仮定の問題でございますが、人質が現実に解放になったということになりますと、これは全員解放ということを前提にしての仮定の議論でございますが、アメリカも経済制裁をやっていたことの解除ということに踏み切るだろうと思われますし、日本はECと相談して経済措置をやっておりましたので、これも根拠がなくなりますから、なるべく早い機会に解除をするということをやらなければいかぬと思います。問題は、そういうことは今度のイラン・イラクの紛争に介入することではない、これはもう全然別なことだということで、アメリカに対しましても実は、日本側としては、人質解放になってもアメリカが介入する、これは連鎖反応を起こすおそれが多分にありますから、それこそ大動乱になるというようなことも考えられるでしょうし、介入すべきじゃない、人質解放は人質解放だということでアメリカにも意向を伝えておりますが、イラン・イラクの紛争が、いまイスラムとかあるいは非同盟とか国連安保理事会とかいろいろやっていますが、なかなか見通しがつかぬのでございますが、この人質解放というようなことによって場合によっては、このイラン・イラクの紛争が解決が早いというような働きをするかもしらぬということも想像される。あるいはしかしそうでないかもしらぬ、いろいろ情勢はわかりませんが、私はこれによって何かイラン・イラクの紛争の解決が一歩進むということになることを期待しております。
○上草委員 この人質事件以来、わが国がアメリカをとるかイランをとるかというようなことでの論議があったわけでございますが、解放された後の制裁措置の緩和であるとかいろいろな問題がまた出てくると思いますが、ひとつこの点につきましては、あくまでもわが国の国益のために慎重に対処していただきたい。イラクとの問題もありますし、あるいはペルシャ湾岸の国の関係もあるわけでございますので、この辺特にお願いしておきたいと思います。 ここで私は伊東外務大臣に北海道民の一人として心からお礼を申し上げたいと存じます。 去る十月の二十五日、二十六日の二日間にわたりまして、わが国固有の領土である北方領土を現地において御視察をいただきました。陸海両方から二日間にわたって御視察をいただいたわけでありますが、当時の地元の北海道新聞あるいは北海タイムス、本当に外務大臣のその御熱意なりあるいは真摯な姿勢に大きな期待を寄せて、大歓迎を申し上げたわけでありますが、過去において宮澤外務大臣の当時あるいは園田外務大臣の当時、それぞれ御視察をいただきましたが、視察をした直後といいましょうか間もなく退任をされておりますので、伊東外務大臣としては、いよいよこれから伊東外交を展開していただこうという、それに先駆けて御視察をいただいたわけでございますので、道民の期待もいやが上にも大きくなっている、こういうことでございます。 外務大臣、現地へおいでいただきまして、実際現場を見ていただいたり、あるいは、地元の方々の生の声あるいは旧島民の方々の生の声を聞いていただいたと思うのでありますが、その率直な感想をお聞かせいただきたいと存じます。
○伊東国務大臣 お答え申し上げます。 伊東外交なんて、そんな大それたことじゃございませんで、鈴木内閣の一員として、どうして国益を守って、平和繁栄に役立てるかということで努力しておるところでございます。 先般、国連でもこの北方領土の問題に触れ、グロムイコ外相との会談でもこの問題に触れ、日ソ共同宣言、昭和三十一年でございましたか、あのときに戻ってひとつこういう問題を考えようじゃないかというようなことを言ってきたわけでございます。 私は実は、外務大臣になるずっと前の話でございますが、水産の長官をやっていたことがございます。水産というものを通して北方領土の問題に大きな関心を持っていたわけでございますので、外務大臣になりましても、ソ連というのは隣の国で、日ソ外交というのは日本の外交の中で非常に重大な外交でございますから、その根本になっておる領土問題、平和条約のできない原因が領土問題でございますので、ソ連との関係を考えても、この問題に取り組んでいくという考え方を外務大臣として持ったわけでございまして、過去においても四島は見たことがあるのでございますが、外務大臣として、自分の目で見て思いを新たにして、また、日本側はこの四島一括返還が不動の姿勢なんだということを内外にわかってもらうというためにも必要だということで、現地へ行ったわけでございます。 海上から陸上から四島をながめまして、本当に歴史といいますか、非情というか厳しさというものをこの目で見、また、根室地区のたくさんの人々にお会いして、三十五年の苦労、いまも経済的にも精神的にも、墓参ができないとか苦労しておるのだというようなお話を率直に承ってきたわけでございまして、その目すぐに鈴木総理にもその旨報告して、外務省としてやれることは一生懸命これから日ソの問題として取り組む、国内的に同島の人々の経済的な苦労等を少しでもやわらげるということをやる必要があると思いまして、総理にもすぐ報告したというようなことでございまして、この目で四島を見、地元の関係者の生の声を聞いて、思いを新たにした噂ということでございます。
○上草委員 いま大臣も触られましたが、さきの国連総会で大臣が領土問題に触れられたわけでございます。 過去においては、昭和四十五年に佐藤元総理が国連総会の演説でこの北方領土問題を取り上げておりますし、昨年は大川大使が第一委員会でこの領土問題を取り上げておられます。しかし、久しぶりに国連総会で堂々と取り上げていただいた外務大臣、今回特に取り上げたその真意といいましょうか動機といいましょうか、その御熱意は十分理解できるところでありますが、特に何かおありになったのかどうか。 そこで、その折にグロムイコ外務大臣とソ連代表部でお会いになったわけでありますが、その会談の内容、特に安全操業の問題であるとかこの領土の問題、あるいはいま大臣が言われました北方領土墓参の問題について、いま安全操業と墓参については、旧島民の方はもちろんですが、地元の漁業者の方も最大の関心を持っていることでございます。自分の身内や先祖が眠るお墓にもお参りできないという状態が何年も続いているわけでありますから、お墓参りだけは何とか早期に実現をさしていただきたい、これが現地の願いであり、旧島民の方々の本当の願いでございます。この点についていまどういう状況になっているか、ぜひお答えいただきたいと思います。
○伊東国務大臣 国連で取り上げましたのは、日本の外交方針一般を議論しましたときに、日本はできるだけ国際協調という立場でどの国とも平和友好関係を保ちたいのだという中で、残念ながらソ連とはまだ平和条約は結んでいない、それは領土問題がもとなんだということで、あの四島の問題あるいは北方領土に対するソ連側による軍備の充実というようなことは、日本人の神経を逆なでするようなものだ、善隣友好ということとおよそ反するのじゃなかろうか、ソ連も善隣友好と言われるなら、それは態度で行動で示してもらいたい、日ソ友好をやっていく上にはどうしてもそれは必要なんだということで、北方領土問題に触れてソ連の注意を喚起したということと、もう一つは、そういう問題がまだあるのだということを国連の場で演説することによって、国際世論が日本の態度を理解してくれる一助になるのじゃないかという考え方から、私は演説に北方領土の返還問題を述べたようなわけでございます。 次の日、グロムイコ外相と一時間四十分ぐらいやりましたが、主たる内容は、日本が軍国主義化しているのじゃないかということをグロムイコさんが盛んに言ったわけでございまして、そんなことは全然違う、日本の憲法から言っても、軍事大国なんてそんなことは全然考えてないということでこの問題をやり、それから、国連決議にありますように、アフガニスタンからの全面的な即時撤兵の問題を議論しました。それから領土の問題、領土に対する軍備充実の問題を議論したのでございます。 時間の制約がございますので、具体的な問題、貝殻島のコンブの問題でございますとか、いま先生おっしゃった墓参の問題、安全操業の問題があるのでございますが、そういう問題に触れる時間がございませんでしたので、グロムイコさんとはそういう問題には実は触れませんでした。最後は、日ソ友好というものは大切なことなんだから、お互いにどうやったらこれができるか努力しようじゃないかということで別れたのでございまして、いまの点は触れなかったわけでございます。 ただ、この間地元へ行きまして、墓参の問題、安全操業の問題、これは何人もの方々から意見が出たわけでございます。墓参の問題は、これは先生御承知のように領土絡みになってきて、それで中止されているという現状でございますので、領土の問題が解決するまでは、これは本当に人道上の問題なんですから、人道上の問題として何とか解決できないか、これから日ソの間でいろいろ話し合いをする機会も私はあると思いますので、努力してまいりたいと思います。 それから安全操業の問題は、領海十二海里だったところへ二百海里問題が出てきたものですから、これは非常に問題がむずかしくなったわけでございますが、これは農林水産省と一緒になりまして、やはり今後、墓参の問題、安全操業の問題、貝殻島のコンブはいま北海道水産会が窓口でやっておられますけれども、外務省としてはこれから最善の努力をしていきたいというふうに思っております。
○上草委員 つい最近の報道で、ソ連政府の機関紙イズベスチヤに、日ソ共同宣言の満二十四周年を記念した東京特派員の論文が発表されまして、その中身については、未解決の問題について両国が云々というような一部があるわけでございますけれども、これについては、すぐ翌日訂正されるというようなことがございました。そこで私どもが考えるには、やはり未解決の問題云々という部分を、逆にわが方の一つの方法といいましょうか手段として、これからの交渉を進めていくべきではないかと思います。そこで外務大臣、これから近くグロムイコ外務大臣と会うような、接触されるような機会があるのかどうか、あるいは訪ソの意思、予定があるのかどうか、それをちょっと伺いたいと思うのであります。 それから、いま大臣もちょっと触れられました北方領土の軍備の関係、軍事力の関係でありますが、最近の報道では、水晶島にヘリポートが建設されたとか、あるいは格納用にするようなトンネルが建設されているという情報が確認されております。現在、北方領土における軍備というものが増強されつつあるのかどうか、その辺の実態について大臣、あるいは防衛庁の方お見えでございますか。——それでは結構てございますが、時間もありませんので、この北方領土の軍備関係についても、北海道民は非常な関心を持っているところでございますので、これから伊東外務大臣の外交を進めていっていただく上でひとつこの辺にも重大な関心を持ち、あるいは、わが国の情報そのものにつきましてもできるだけ正確を期していただきたいと思いますし、この辺をわれわれ道民にひとつ正確に伝えてほしいと思うわけでございます。 あと、いまちょっと触れました情報云々ということでは、レポ船の問題が、ことしの二月に根室で三人が逮捕されるというようなことがありまして、検挙されたようですね、これは後を絶っていないようでございます。朝の日本の新聞、朝刊は昼にはもう向こうの島に渡っているといううわさがまことしやかに伝わっておりますし、もう北海道ではこれが常識になっているぐらいでございます。しかも、向こうの監視員か軍人かわかりませんけれども飲む酒は、日本のウイスキーあるいはビールを飲んでいるというようなことを盛んに聞かされるわけでありますが、私はこのレポ船そのものよりも、わが国の情報関係について、スパイ防止法だとかなんとかというような、この辺までやらなければこういった問題についてとうてい解決できないのではないか。幾ら監視を厳しくしましても、その監視の目を盗んでやる行為でありますからどうにもならない、こういうことでございますが、スパイ防止法そのものについていま政府がどのように考えておられるか、ちょっとお聞きしたいと思います。
○伊東国務大臣 最初の昭和三十一年の日ソ共同宣言でございますが、これは私もグロムイコ外相には、それを引いて何回も実は言ったわけでございます。その後田中総理が行かれまして、あれは四十八年でしたか九年でしたか、また口頭でございましたが、ブレジネフ書記長との間で、第二次大戦後の未解決の問題の中には領土問題が入っているんだというような話し合いをされたのでございますが、その後ソ連の態度は、そういうことじゃないと、またそれを打ち消すような非常に波のある態度でございます。新聞に、向こうのイズベスチヤ紙でございましたが、日ソ共同宣言が取り上げられて、次の日は領土問題はないのだというような訂正がありましたが、最近、共同宣言を取り上げて二十四周年だ、あのときに返ってというような議論が向こう側から出たのは久しぶりなんです。それで、それがどういうことでああいうものが出たのか、私どももあの問題は実は慎重にいま見ているところでございます。 それから、グロムイコさんとの会談の問題でございますが、これは毎年、平和条約について交互に訪問をして協議をするという約束があるわけでございます。それで日本側は最後は、たしか園田さんが外務大臣のときにモスクワに行かれて相談をされた。今度はグロムイコ外相が日本に来て相談をする番になっておるわけでございます。私どもはそれがまだ履行されておりませんので、私が向こうへ参りましてという日程はいまのところまだ考えておりません。日ソ間の交渉といいますか話し合いといいますか、どういうルートでどういうふうにやったら一番いいのかということは、先生御承知のようなアフガニスタンの軍事介入の問題等もいろいろ関連しまして、いまむずかしい状態にございますので、いまのところは実は、外相会談はまだ具体的な日程としては考えてないということでございます。 それから、北方四島に対する軍備の強化の問題でございますが、これは本当は防衛庁から来られて具体的な説明があれば一番いいと思うのでございますが、私ども防衛庁から聞いておりますのは、やはり四島に対して軍備が増強されているということを報告は受けております。水晶島のヘリポートの問題も伺っておりますが、トンネルの問題はまだ十分確認されていないような報告だったと思うのでございますが、私、根室に行きましたときに根室の人たちが、やはり自分たちは不安を感ずるという表現で言っておられました。四島に軍備が増強されるということは不安を感ずるんだという話をしておられまして、やはり地元の人はそういうことを心配しておられるのだなということを感じてまいったわけでございまして、われわれとしましても、これは防衛庁からよく連絡を受けておりますし、また、そういう紛争はないようにすることが外交の役目でございますので、私ども平和裏に問題は解決することに努力をしてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。 それから最後の問題でございますが、実は私、大平内閣当時官房長官をしておりましたときは、そういうことがいろいろ議論をされましたが、国家機密というものは、どういうものが国家機密ということになるのか、あるいはまた、裁判をやった場合に、裁判公開でございますから、いろいろなことが公開をされることもございましょうし、いろいろな点から考えてなかなかこの問題は、いわゆるスパイ防止法というのは、よほどいろいろな法体系から考えて慎重にやらないといかぬものだということで、結論は出してなかったわけでございます。むしろどちらかというと否定的なような考え方でやっていたわけでございますが、鈴木内閣になりましてからまだそういう相談をわれわれは受けたことがございませんので、政府としてどうだと言われますと、まだ的確な返事をする立場に私はないのでございますが、外務大臣としての考え方から言えば、これはなかなかむずかしい問題だな、よほど慎重に取り扱わなければならぬ問題だと考えております。
○上草委員 わが国がロシアと正式なつき合いをしてことしで百二十五年目になるんだそうでございます。一世紀と四分の一、対ソ外交のむずかしさというものは本当に十分理解できるわけでありますが、ひとつこれからも、経済の問題はもちろんでありましょうが、わが国としては、何としても領土の問題あるいは安全操業を含めた漁業の問題、これに尽きるわけでございます。ソ連からはわが国に対してのいろいろな働きかけがあろうかと存じます。特に来年から第十一次の経済五カ年計画が始まろうとしているわけでございまして、いろいろな働きかけが実際にあるのではないかと思いますが、そういった交渉の過程の中におきましても、伊東外務大臣のそのような毅然とした姿勢で、領土問題を何とか一歩でも二歩でも解決するようにひとつ御努力を願いたいと存じます。 そこで、北方領土返還運動そのものでありますが、実は中山総務長官も非常な熱意を持ってこれに当たっていただいておるわけでございますけれども、たとえば北方領土の日を制定しようという機運がいま盛り上がっておりますし、あるいはいま一つ、北方対策本部の予算そのものにつきましても、ちょっと外務大臣や総務長官の熱意からすると、この予算そのものが少な過ぎるのではないかという感じは否めないと思います。全国の都道府県あるいは市町村の庁舎の前に北方領土返還の広告塔を建てるとか、あるいはたれ幕を下げるとかといった運動をどんどん展開していかなければ、国民の盛り上がる世論というものはできないと思うわけでございます。これは直接外務大臣の担当ではありませんけれども、ひとつ総務長官ともどもに北方領土返還運動そのものにも一層の御理解を願いたいと思います。それからまた、われわれも努力してまいりますけれども、その辺についての御協力をお願いしたいと思います。もし大臣から何かお答えをいただけましたら……。
○伊東国務大臣 先生からたくさんの御質問があったのでございますが、十一次の五カ年計画は、まだ正式に日本に対してどういう要請とかいうのは具体的にはないわけでございます。ただ仄聞するに、シベリア開発という非常に大きな問題が五カ年計画の中にはあるのではないかということをいろいろ言う人がございます。あるいは、消費財の方にもっと力を入れるべきだというようなことがあるということを言われるのでありますが、まだ何も正式な具体的な連絡はないわけでございます。 それから領土の問題は、本当にむずかしい問題でございまして、三十五年、なかなか成果がなかったわけでございますが、先生おっしゃるように通すべき筋はちゃんと通して議論する、無原則な妥協とかそういうことが日ソ関係であってはいかぬと私は思う。常に毅然として主張すべきことを主張する、その方が相手方からも尊敬されると私は思うのです。私はそう思っておるわけでございまして、今後とも息長く、焦らず、筋を通してその問題は主張してまいりたいと思うわけでございます。 それから、総務長官が非常に熱心なこと、私もしょっちゅういろいろなことで相談を受けるわけでございます。北方領土の日の設定の問題でございますとか予算の問題、いろいろ相談を受けるわけでございますが、何としても外交というものは国民の皆さんの支持がなければできないわけでございますので、日本の国論はいつまでたっても変わらないんだ、一部の人だけが言っているんじゃない、国民の総意なんだ。国会でも何回も議決していただきましたし、そういう支えがあって初めて外交ができるわけでございますので、国論の盛り上がりといいますかそういうことに対しましては、関係大臣とよく相談をしてやらなければならぬということをよく承知しております。 いま予算の問題をおっしゃいましたが、根室地区の振興予算の問題でございますとか、あるいは総理府そのものの予算もございましょう、直接の所管ではございませんが。私は二十六日、飛行場からすぐ総理のところへ行きまして、実情こうだ、挫折感、絶望感を持たせないためには、そういう国内の対策をしっかりやらなければいかぬということを総理に進言してきたのでございまして、今後とも北海道開発庁とか総理府とかに御協力申し上げて、少しでも現地の人の希望が達せられるようにしてあげたいという努力をしてまいるつもりでございます。
○上草委員 ありがとうございました。時間がありませんので、私は実はきょう教科書の問題、北方領土について正しく書かれてあるのかどうかということを確認したかったわけでありますが、また次の機会にいたします。 時間が参りましたので、これで終わります。どうも大臣、ありがとうございました。
○小沢委員長 伊藤茂君。
○伊藤(茂)委員 日ソ関係について大臣の御所見を伺いたいと思います。 先ほどの御答弁を伺っておりましても感ずるわけでありますが、日ソ関係が最近、厳しさを加えている状況にあるわけでありますし、また軍事的な面でも、いわゆる潜在脅威と規定されているようでございますけれども、何か仮想敵国状態のような方向に行ってしまうのではないかということを非常に心配するわけであります。地理的にも離れることのできない隣国、隣人の関係でございますから、そういうことになった場合、この方向は大変心配であります。大臣も当然、こういう脅威を除く、より円滑な関係にいくように努力をされるというふうなことであろうと思いますし、先ほども積極的伊東外交というお話、大変謙虚なお話がございましたが、積極的に効果ある外交活動を外務大臣、ぜひ進めていただきたいと思うわけであります。 最初にお伺いしたいのは最近、毎日新聞とか一、二取り上げられておりましたが、対ソ外交の面でドイツとかフランスとか、いわゆるシュミット外交と言われる努力、あるいは同じようなジスカールデスタンのやっておる努力、カーター大統領にも直接話をし、あるいはまた、モスクワを訪問してブレジネフ書記長と直接会談してデタントの努力をする。これはドイツの場合でも、ブラント前総理以降の伝統でございますから、私も社会主義インターナショナルの会議などで何遍かブラントさんにお会いして、非常に尊敬しているわけでありますが、なぜシュミット外交と比べて日本の場合の外交の方途か現実か、ポジションが違うのだろうかということを感ずるわけであります。 これは世論的にも日本の場合には最近、いろいろな世論調査で、好きな国きらいな国、アフガンもございますからきらいな国のトップにソ連がいつも結論が出る。きらいな国というキャンペーンがなされるのと相呼応した形で、ミリタリーの部面での増強が進んでいくみたいな悪循環がある。ドイツの方は、そういうマスコミやあるいは国民感情としても、非常に冷静に、クールに、現実的にとらえていくというふうなこともいろいろあるのだろうと思いますが、私は特に、近いソ連との関係でありますから、シュミット外交のような方途がもっと積極的にあるべきではないのかというふうに思うわけでございますけれども、なぜ違いがあるのか、大臣の御所見を伺いたいと思います。
○伊東国務大臣 先生おっしゃったように、外交は好ききらいとかそういうような問題で左右されちゃいかぬと、私ども十分この点は注意してまいります。 御承知のように平和憲法の枠内で、軍事大国にはならぬ、平和外交に徹してやるんだということを基本にしているわけでございますが、日ソの関係を見ますと、温かい時代もあったし比較的冷たい時代もあった、率直に言っていまその冷たいときだと私は思います。なぜこんなような状態かということを振り返ってみますと、基本に領土問題があるわけでございます。四島に対する軍備の強化というような問題が去年の初めから出てきておる。あるいはその後、国連の大多数の賛成で撤兵が決まった、決議をやりましたあのアフガニスタンの軍事介入というのが去年の暮れでございます。あれ以来、対ソ経済措置、オリンピックをボイコットする、大きいところではアメリカ、ドイツでございますが、そういうようなことで冷たくなってきたわけでございまして、原因は、北方領土の問題そこに軍備の強化の問題、あるいはアフガニスタンに対する軍事の介入という問題がございまして、何も日本からの原因でこういうふうになったんじゃちっともない。私はやはりソ連の方の行動によってこういうことが引き起こされるというふうに思っているわけでございます。ブレジネフさんがこの間演説で、日本の出方次第だというようなことがございましたけれども、あれは違う。日本はいままでそんなことはしたことはないんで、私は原因はみんなソ連側だというふうに見ているわけでございますが、いま現実は冷たい関係であることは間違いございません。 それで、先生のおっしゃったジスカールデスタン大統領でございますとかドイツの東方政策、ブラント前首相の東方政策を引き継いでシュミット首相が会っているではないか、日本はもっと考えるべきではないかという御質問でございましたが、外交は、その国の置かれた地位とか環境とか過去の歴史、そういうものの上に立っての外交でございますので、画一というわけにはいかぬというふうに思っております。特にフランスとかドイツと違うところは、北方の領土問題がある、そこに軍備が強化されているというような、日本人から見ますと神経を逆なでされるような事態が起こっているわけでございます。私どもは、ソ連は隣国で、日ソ外交というのは、日本の外交政策にとって大きな問題でございますので、何としても相互理解の上に立ってソ連との間は、友好関係を続けていきたいということには間違いないのでございまして、何も対決しょうとかそんなことは考えているわけじゃないわけでございます。 でございまして、いまの点を考えますと、話し合いを続けるというには、やはり話し合いができるような環境をつくらなければいかぬ、それにはソ連にもっと、善隣友好と言われるならば、そういう態度といいますか環境づくりに努力してもらうべきじゃないかという考え方で、いまの姿勢をとっているというのが現状でございます。この問題をどう考えていくか。先ほどのイズベスチヤ紙に出ておりました論文が最近初めて向こうで取り上げたのでございまして、どういう動きになるかということを慎重にいま見守っているというのが現状でございます。
○伊藤(茂)委員 対決をするというわけではもちろんないという御趣旨のお話もございましたが、残念ながら現実には、にらみ合いというふうな関係が多くの現象としてあらわれているということではないかと思います。 いま大臣のお話を伺ったのですが、フランスあるいは西ドイツの場合と違って領土問題がある、あるいはまた、そこでの軍事施設の問題とか、最近のアフガンの問題とかいうことが挙げられるわけでありますけれども、そこはちょっと違うのじゃないだろうか。たとえばドイツの場合に、アデナウアーからブラントへかわって、そして七〇年前後の数年間いわゆる東方政策の努力があり、またそういうことがベースになって五年前ですか、ヨーロッパ安全保障のヘルシンキ最終文書という問題に実は進展をしてくるわけであります。その経過を見ますと、大小は私は正確には存じませんけれども、千島の領土問題と同等かそれ以上の大きな領土問題と自分の国の分割問題ということをかけてあの東方政策の経過があったという、これは歴史であろうと思います。また、いろいろな資料などを読みますと、当時ブラント首相が、ヨーロッパの将来と自分の国の将来あるいは平和の問題をかけて大変な御努力をされた、最終結論のときには、東西両方のドイツ国民から大変熱烈な支持の声が上がったというようなことも実は記録で読むわけであります。 私はこんなことを言って恐縮でございますけれども、大臣が外務大臣に御就任になる前から、もともと大変良識あるりっぱな方だというふうに伺っていたわけでありまして、こういう仮想敵国状態のことが起きつつあるときに、やはり日本の将来のために、さっき言ったようなマスコミの好きかきらいかというようなことに流されない努力をするというのは、政治家の見識といいますかそういうものだと思いますね。私どもそう思うわけでありますけれども、何かそういう方向に一歩努力をされるということが必要なのであって、そういう意味から言いますと、ドイツの場合と比べてみても、領土とかそれからアフガン、アフガンもシュミット首相は、ブレジネフ書記長に予想以上に非常に厳しい論議をやったそうでありますが、しかしああいう結果をとっているわけであります。 何か最近報道などで伺いますと、与党の中でも石田さんとか赤城さんとかいろいろな方々が、敵視をして危機感をあおっても問題は解決しないし、あるいはアフガンの問題でも直接に議論をした方がいい、遠ぼえか逃げ腰にならないで、いろいろな交流を直接やることが必要ではないかというふうに言われているわけであります。ですから、そういう姿勢をぜひ持っていただいて、そして、表現がいいかどうかわかりませんが、ソ連のかたい壁も破っていくというようなことがあっていいのではないだろうかというふうに思うわけでありまして、そういう意味で一言、重ねてお願いしたいと思います。
○伊東国務大臣 アフガンの問題もお触れになりましたが、私もグロムイコ外相に会いましたとき、こういうことは世界の平和にとっておかしなことだということをやかましく主張したのでございますが、アフガンからのぜひ来て国内の秩序を維持してもらいたいという要請でいまやっているんだという、よく言われる論理で私らの主張することを聞いてもらうということでございましたが、日本としましても、それは機会があるたびにそういう主張はし、通すべき筋は通すべきだというふうに思っているわけでございます。 それから、仮想敵国状態とちょっとおっしゃいましたが、私はそういうことは考えておりません。求めて対決するというようなことじゃない。ただ、根室の人が不安を感ずるというようなことを言いましたが、確かに潜在的な脅威はあるということをわれわれも言っているわけでありますが、それは仮想敵国とかそういうことではございませんので、私どもはそういうことは考えておりません。 それから、ドイツとの違いをおっしゃったのでございますが、これは私、数年前にドイツへ行きましてある政治家に会いましたときに、ドイツは条約を破ってソ連に第二次大戦のときに入った、だからドイツはソ連とはそういう関係に、条約を破ったという立場にあるんだけれども、日本は何も条約を破ったんじゃないじゃないか、もっと強く主張すべきことを主張したらいいじゃないかということを、ドイツのある政党の領袖が私らに言ってきたことがございましたが、歴史的なことはいろいろございますが、やはりその国その国で置かれた立場、環境というのは違いがあるということだけは先生御理解をいただきたい。 ただ最後におっしゃったように、全然話をしないというようなことではおかしいじゃないか、やはり話し合いをして糸口をつけていくべきではないかとおっしゃったことはよくわかります。いまやっております経済措置でも、全然やらぬというのじゃないのです。通常の貿易はやっているのです。それから、政府ベースの信用供与はケース・バイ・ケースで考えていこうというようなことで、この間も森林開発とか石炭の探鉱のプロジェクトの追加融資とかそういうことは実はやっておるわけでございまして、対話の窓口はあけてある。それを積極的にやれるような環境づくりが必要だということで、いまいろんな動きを注視しているというのが現状でございまして、先生のおっしゃったようなことはよく心得て今後とも対ソ外交をやってまいるつもりでございます。
○伊藤(茂)委員 一般的な姿勢のお話を伺いましたので、具体的な対応のことを三つほど、恐縮ですが一緒に御所見を伺いたいと思います。 一つは、先般のブレジネフ書記長のアルマアタ演説と言われる内容であります。御承知のことだろうと思いますが、何かその後新聞を読んでおりますと、政府筋といいますか外務省筋と申しましょうか、コメントとか新聞の評論でも、政経分離はだめなんだとかというようなこともございました。私も先般、社会党の一員としてモスクワを訪問しまして向こうの関係者に、対立状況が深まることはまことに憂慮にたえない、私どもも野党外交、あるいは国内でいろんな努力をしたいが、ソ連側にもぜひ自制を望むというふうなことをいろいろ言っているわけでありますけれども、何か政経分離であるかないかみたいなとらえ方が実はあったようであります。向こうの関係者の話を聞きますと、いや、そういう意味合いではないのだ、政経を含めて全体の姿勢のことを言っているのだというようなことを言っているわけでありますが、その御感想を伺いたいことが一つであります。 二つ目には、日ソ間で従来ございましたいわゆる事務レベル協議の問題ですが、大臣がグロムイコさんとお会いになる前のいろいろな報道では、ソ連側から提案があったらこの事務レベル協議についても日本は受けましょう、近い機会にやることにいたしましょうというような姿勢であったが、話が出なかったので結局、何もなかったという状況になっているわけでありまして、こんな表現をして恐縮ですけれども、にらみ合いというよりもいわゆるにらめっこみたいなかっこうで、どっちが先に言い出すかという感じも実はするわけでありまして、先に言った方が弱いとか負けるわけでもないし、あるいは、先に言った方が毅然としたイニシアチブを発揮できるという面があるとも思いますし、こういうことは、さっき大臣もおっしゃった必要な話し合い、交流、メンツというのじゃなくて何かうまいきっかけをつくって、そういうことができるような配慮をぜひおやりになって、主張は主張としてきちんと言い、聞くべきものは聞き、相互理解を半歩でも一歩でも進めていくという場をつくられるべきではないだろうかと思いますが、ワシントンでその話は出なかったようなので、私はあった方がいいと思いますので、そういう方向づけについてのお考えを伺いたい。 もう一言伺いたいのですが、これも報道で見ますと、いわゆる北海道大使問題といいますか、何か人選も決まって間もなくオープンのような報道を伺うわけであります。いままでいろいろな論議が国会でもあったわけでありますけれども、こういう場面になって考えてみますと、相手国がアグレマンを出す普通の外交官とは違うわけでありますし、外務省の職員の一環としての活動というふうな基本的な性格だろうと思いますが、近く発令しオープンをする通称北海道大使と言われますけれども、一体どういうアンバサダーなのか、その身分、性格、それからオープンするに当たって、活動の柱をどういうものにしてオープンするのか、その辺、近くオープンされるということなのでお伺いをさせていただきたいと思います。
○伊東国務大臣 順番が逆になって恐縮でございますが、北海道に外交官を駐在させるという話でございますが、これは道側から御要請があれば外務省としては積極的に御協力申し上げますという態度でございまして、まだ正式な御要請というのはないわけでございますが、道議会で予算等が通ったという話を私、聞いておるわけでございまして、近く道側から外務省の方に要請に来られるという話は聞いております。まだ現実にきょうの時点で受けているということはないわけでございます。人選等につきましてはまだ全然決めておりません。前に一回新聞に載ったことがある。これはどこでどういうことでございますか、私が外務大臣になる前のことだったと思うのですが、そういうことはございませんで、人選はいままだ決めておりません。要請があってから初めて人選に取りかかるということでございます。 役目でございますが、恐らく、これから具体的な要請をよく聞いてみなければならぬわけでございますが、北海道に関する国際問題等について啓蒙開発というようなこととか、あるいは北海道庁、知事さん以下の要請にこたえて国際問題の助言をするとか、本省との関係がある問題なら早急にその人が仲に立ってやるとか、恐らくそういうことになるのじゃないかなと思うわけでございますが、まだこれは要請があった上でひとつ考えてまいりたいというふうに思うわけでございます。 それからブレジネフ書記長の演説でございますが、あの演説のとり方でございますが、あの中に経済というものを特に抜き出して、経済関係その他の関係は両国にとって非常に有益な関係だというようなことを言われたり、あるいは、それが成功するかどうかは日本側の態度にかかっているのだ、一にかかって日本側の態度なんだというようなことが演説にあるわけでございます。経済ということが特に書いてありますので、いま先生言われたように、経済だけひとり歩きするということは私はないと思うのです。政治も広い意味で関係があるものだというふうに思いまして、経済だけがひとり歩きして領土問題は全然別だというようなことではない、やはり政治の問題の一環、経済とも非常にそういう問題も関係してくるというふうに私は見ているわけでございます。 それから事務レベルの会議でございますが、いま先生おっしゃったように会談では出ませんでした。全然話は出なかったのでございますが、これにつきましては、実はいろんな動きがあることを私も承知しているのです、この会議をやるかやらぬかについて。でございますが、正式にはまだ何も表立ってどうかという相談もないわけでございますが、何か考えていくとすれば、こういうものが一つの糸口になるということは私もよくわかります。でございまして、いまここでそういうものをやるということはまだ決めたわけでもない、やはりわれわれとしては筋を通して考えるということでおりますが、こういう問題は、将来の問題としてどういうふうに発展していくかというときの一つの糸口だというふうには考えております。
○伊藤(茂)委員 次に、日ソ共同宣言のことでお伺いをしたいと思います。 先ほどの質疑の中でございましたけれども、いろいろと鳩山さんが大変な御努力をされて日ソ共同宣言を結ばれて、あれ以来年月が経過する中で、いろいろと複雑な状況になっているというふうに思うわけでありまして、先ほど話題にございましたイズベスチヤ論文などのこともよくその意味はわかりません。ただ、最近のソ連側の発言で言いますと、日ソ共同宣言に含まれているいわゆる領土問題も含めて状況は変わったというような評価が、ソ連側の態度としていろいろ言われているように私も直接間接に伺うわけであります。共同宣言が結ばれた当時といろいろ状況は変わりましたという説明をなさるわけであります。それから先般、大臣が北海道へ行かれまして、その後の新聞報道を見ますと、四島一括返還という態度をとられております。これは政府も自民党も前から言われてきた立場でございますから、それなりに伺ったわけでありますが、それと日ソ共同宣言と外交プロセスとして一体どうなるんだろうかということも、いろいろ問題といいますか一つの課題ではあろうというふうに思うわけであります。 私は、この共同宣言ができてからずいぶん年月がたって、記念のいろんな論文や解説が載ることも結構でありますけれども、じゃ一体今日、日ソ共同宣言というものがどのように価値あるものなのだろうかということを実は思うわけでありまして、日ソ双方からこれはもう共同のベースになるものではないような解釈になりますと、またいろいろと心配なことも多い、また、いろいろ変化も現実にはあるというようなことになるわけであります。また考えてみますと、日ソ共同宣言というのは、両国間の基本に関する唯一のベース、あるいは両国会、日本の国会でも承認をしたそういう権威ある一つの歴史的なベースということも言えるわけでありまして、そのような経過をたどってきた今日時点で、日ソ共同宣言というものをどういうふうにお考えになるかということを伺いたいと思います。
○伊東国務大臣 昭和三十一年に鳩山さんが行かれまして共同宣言を出されて、あれは国会の批准もあったわけでございますので、これはもう日ソの国交回復の基礎になったものである、あれによって平和条約も今後継続しておる、そこに領土問題もあるということを認めたものだというふうにわれわれは解釈しておりますし、あのときとほとんど時を同じゅうして松本・グロムイコの交換書簡ということもございまして、それにも領土問題がちゃんと触れられているということでございます。われわれはあの日ソ共同宣言というものは、もう国交回復の基礎になったものだとして非常に高く評価しているわけでございます。 その後ソ連側が、領土二島を引き渡すということをちゃんとあそこに書いてあるのですけれども、それも安保条約でだめだというような主張をしたことも私は知っております。それから田中総理が行かれて、第二次大戦後の未解決の問題というのは領土問題が入っているんだということを、ブレジネフとちゃんと話し合いをされたというのも事実でございますが、その後ソ連側は、そんな問題はないと言っていることも事実なんでございます。 いろいろな経過があるわけでございますが、国会の決議でもいただいておりますように、われわれとしては四島返還、あれは歴史的にも国際法上も四島というものは明らかに日本の固有の領土だ、これはサンフランシスコ条約の草案をつくったアメリカもそうだ、こう言っているのでございまして、国際的にもそうでないということを言っている国は少ない。ソ連と、あとどこにありますか、ぐらいに少ないわけでございます。そういうことをいろいろ考えれば、われわれはあれは一部の人が言っているんじゃない、ほとんど国民の総意なんだという考えでこの問題には対処していくということでございます。
○伊藤(茂)委員 そういたしますと、大臣の御所見としては、一九五六年、日ソ共同宣言が結ばれたあの内容といいますか、あれが今日時点でも、両国のベースとして、あるいは、それが結ばれたときのような両国の政治環境あるいは両国関係の状況というようなことになることの方が望ましい、好ましいというふうにお考えになりますか。
○伊東国務大臣 私は領土問題なんというのは全然ないんだというようないまのソ連の主張、それを容認するわけにはいかぬ。あの日ソ共同宣言をやったときは、平和条約の交渉も書いてございますし、領土の問題もあることをはっきり書いてあるわけでございますので、私はそういう前提に立って物を考えていくということが必要だという
○伊藤(茂)委員 巧みにお答えになりましたから、別のテーマに移ります。 いわゆる対ソ経済制裁の今後の取り扱いについて伺いたいわけでありますが、先ほどもちょっと大臣からお話がございましたけれども、特に経済界の方からも、EC、ヨーロッパ諸国の対応と日本の対応についてのさまざまな議論が現実問題としてあるようでありますし、また大臣がワシントンに行かれたときにアメリカ側にも、こう足並みがそろわないんじゃ困るというようなお話をなさったようにも実は伺っているわけであります。 この間ある資料を読んでおりましたら、最近のソ連の貿易の統計でいって昨年に比べて、これは今年の第一・四半期と昨年の第一・四半期の比較ですが、フランスが七七%もふえた、ドイツが三九・一%ふえた、フィンランドでは五二・八%ふえている、アメリカでも二七・五%ふえている、わが国が七・六%の伸びにとどまっている、数字が正確かどうかは別にいたしまして、いずれにしても対照的に起こっているこのような現実であります。またそういう中で、特に大型プラントなどが西欧で占めるようになって非常に困るという声もあるわけであります。直接の窓口の御指導その他は通産省なのか知りませんけれども、外交と兼ね合うわけでありますから、外務省の御意向も現実には非常に大きいというふうなことであろうと思います。私はアフガン経済制裁ということ自体の是非ということにはここでは触れません。ただこのような状態の中で、何か日本だけがカーターさんの御希望にいじらしいほど御協力を申し上げているというふうな感じもするわけでありまして、経済界からもそういう声があるようにも伺っているわけであります。 さっき大臣がブレジネフ書記長のアルマアタ演説の評価に関連をいたしまして、政治経済分離するわけにはまいらないということを言われました。私もそのようなことであろうと思います。そういう意味と関連をいたしまして、この間ある雑誌、朝日ジャーナルの巻頭言を読んでおりましたら、こういうことが書いてありました。「シュミット首相をはじめとして、西ドイツにはブレジネフ書記長と会談できる政治家や財界人が少なからずいる。日本人でブレジネフ書記長と会談できたのは、田中首相と土光経団連会長(いずれも当時)の二人だけという事実は、日ソ間のパイプがどんなに細いかを示している。」そして、これは雑誌に書いてあることでありますけれども、「力の信奉者であるソ連が、日本について評価するのは経済力のみである。その経済力をいかに政治的に利用するかが、対ソ外交の課題であろう。」と書かれています。 私この評価に全面的に賛成するかどうかは別にして、一つの見方であろうと思う。ですから、さっき大臣が政治経済、これは分離できるものではないという意味のことを言われましたが、それではこういう状態の中で、日本だけが損をしているような対ソ経済制裁を強力な効果のある方にやるというよりも、いま読み上げたソ連に対する外交の一つの重要な日本のパワーとか要素として活用して、今日の壁を破る努力の方向に活用される、こういうことがあってもいいのではないだろうかという気がするわけでありますが、いわゆる対ソ経済制裁ということについての御所見を伺いたいと思います。
○伊東国務大臣 制裁とは言っておりませんで、経済措置と言っておりますので、その点は一度も私は制裁と言ったことはないのでございますが、ケース・バイ・ケースで政府の信用供与はやっていこう、普通の貿易はそのままと手をつけていないわけでございますが、そういうことをやっていることは確かでございます。 私アメリカに行きましたときに、先生いまおっしゃったように、ばらつきがあってはおかしいじゃないか。同じ経済的な措置をとるといっても、ココムの場合は大体一緒なのでございますが、いわゆる信用供与の問題でございますとかこういうものについてばらつきがあることは、先生おっしゃったように現実の問題としてはあるのです。でございますので、もしこれを続けていくということであれば、やはり相談をしてでこぼこにならぬようにすべきじゃないか、どの国だけが得をしたとかどの国が損したということにならぬようにそういうことをやる必要があるということを、私はアメリカに対して言ったのでございますが、この点につきましては、今後どうしていくかということは、日本とEC、アメリカを含めまして相談をしなければならぬことだと思っております。 もう一つ先生がおっしゃった経済を政治に活用すべきじゃないか、これは一つの御高見であると思いますので、この点は日本は、軍事力というものは日本を守るだけで、ないのですから、そういうものの影響ということでどうということはないわけでございますので、経済力がソ連に大きな力になる、あるいは国際世論もなると思いますが、そういうことだと思います。ただ、これは無原則に何でもそうだというわけにはいかぬ。先生も政治とも関係あるとおっしゃったとおりでございまして、無原則な妥協は私は行うべきでないという考え方を持っているわけでございまして、この経済措置につきましては、これは実は先生も御承知のように、日本とソ連というだけじゃなくて、グローバルないろいろな問題があるわけでございます。アフガンの侵入の問題もあるだろうし、いろいろな問題があるわけでございますから、この点につきましては、私ども先生の御心配も頭に置きながら慎重にこれは取り組んでまいります。
○伊藤(茂)委員 時間でございますから、もう間だけさせていただきたいと思いますが、いまの大臣の御答弁に関連をして、私は冒頭から申し上げたように、何もドイツ、フランスとすべてを比較して、どちらが合格でどちらが落第とかいうふうなシェーマ的なことを言う意思はございませんけれども、やはりいい意味での国益といいますか、国益が世界の平和にもつながるという広い意味での国益という方向に向けて、ドイツやフランスやイギリスの対ソ経済措置というのですか経済政策ですか、関連した姿勢も、もっと厳しくやれというのではない日本のパワーの活用の仕方ということを、ぜひ積極的に模索、追求をしていただきたいという意味であります。 一つだけ最後に御感想を伺いたいのですが、来月中旬に第二回日ソ円卓会議がモスクワで開かれます。最初は二十人ぐらいという話だったのですが、そのうち、五十人になり百人を超す人が参加をする、十五人ぐらいの与野党を含めた政治家が参加をされるという計画になっているわけであります。第一回が昨年東京で開かれまして、私も参加をしましたが、そのとき受けた印象は、非常に友好的な雰囲気の中で、しかも自由に遠慮なく率直にわいわい議論するという雰囲気でありまして、これは非常にいいことだなということを実は私、感じたわけであります。 何か御参加される方の名簿を見せていただきましたら、与党自民党の議員の皆さんも八人ぐらい参加をされる、私ども社会党が四人参加をしますけれども、各党から参加をされる。これはさっきも申し上げたような、マスコミ論調に流されていやな国には行かないということではない、そういうときほどやはり政治家の見識として直接議論をして努力をされようという意味で、私はその関係者にも実は大変敬意を表しているわけであります。 そういう意味で、そういう経緯がございますけれども、今日の日ソ関係を考えますと、政治家、経済界も含め、あるいはマスコミ、学者、科学者、文化人、いろいろな層を含めて、率直な直接の話し合いの場がたくさん持たれるということは、望ましいことではないだろうかと思うわけでございますが、大臣の御感想を伺いたいと思います。 それから、これは御答弁は要りませんが、お願いなんですが、日中国交打開に至る経過を考えましても、井戸を掘った人という表現にあるように、さまざまな民間の努力がございました。古井先生とか高碕達之助さんとか、私どもの党の中でも何人かございましたし、いろいろな民間の長年の努力があって日中間でも実を結んだ。しかもその民間の方々の努力で、それぞれの当時の政府の関係者なり外務大臣なり、非公式にいろいろとお話し合いのパイプをつなげながら、打開の糸口をつかまれたという経験といいますか教訓があるのではないだろうか。私は今日の日ソ関係についても、公式の席上でそうしますとかしませんとかとお答えする話でございませんからあれですけれども、ぜひそういう対応をもってこの第二回日ソ円卓会議、恐らく毎年交互に持たれることになるのでありましょう、こういうことにも臨んでいただくように、これは要望であります。 前の方の経過を御承知でしたら、そういう経過についての御感想をひとつ伺って、終わりたいと思います。
○伊東国務大臣 先生おっしゃいましたように、外交というのは何も外務省だけがやるわけじゃないのでございまして、国民外交というのがあることはわれわれもよく知っております。日中の経過等につきましてよく知っているわけでございます。 円卓会議が開かれるということを私どもも承知しておりますが、それについてとやかく私が意見を述べるということは差し控えさせていただきたいと思いますが、私はどういう集まりであってもやはり日本として言うべきことはちゃんと言う。いまこういうことになったのは、一つはアフガニスタンに対するソ連の軍事介入ということ。国連の決議にもありますように、撤兵すべきだ、そういうことをすべきでないということが言われているのでございまして、御出席になる方があったら、これは強くソ連に要望してもらいたいことでございますし、それから領土の返還の問題、領土の軍備の強化の問題ということは、やはり日本人から見れば本当に大きな問題で、まだ戦後は終わってないというような気持ちでしょうということをこの間根室の人にも言ったのでございますが、そういうのが日本人の総意なのだということを、やはり言うべきことをどの段階でもソ連側に主張してもらうということは、いい機会でございますからぜひやっていただきたいというお願いを私どもからいたすわけでございます。この会議そのものについてどうこうということは申し上げませんが、いろいろなレベルの話し合いというものはあり得ると私は思っております。ただその場合の心構えだけは、私はぜひそうしていただきたいということをお願いして、答弁にかえます。
○伊藤(茂)委員 質問を終わります。
○小沢委員長 斎藤実君。
○斎藤(実)委員 私は北方領土に関連しまして、対ソ外交について外務大臣に若干質問したいと思います。 最近政府は、防衛費の増額あるいは装備の拡充、こういったことから軍事大国への道を歩んでいるのではないか、国民の目からすれば、一歩も二歩も軍事大国化へ進んでいるのではないかというふうに受けとめられているわけでございます。政府の右傾化の根拠は、ソ連の脅威論、またソ連の北海道侵攻論の二つがあると思うのですね。五十五年度の防衛白書には、北方領土へのソ連軍の配備は「潜在的脅威の増大」というふうに書かれておるわけですね。北海道がソ連にかすめ取られるという刊行物が書店に並べられておりまして、根室に上陸するとかあるいは稚内だとか、ずいぶん無責任なものばかりが出ておるわけです。中には、荷物をまとめていつでも逃げられる用意をしている市民もいるという話も飛び出しているわけですね。防衛費の増額のたびにするソ連脅威論はもう私はたくさんだと思うのです。北海道の道民にとっても大変迷惑しているわけです。 そこで外務大臣にお伺いしますが、現在の国際情勢が、日本がソ連脅威、脅威と大合唱しなければならないほどの国際環境になっているのかどうか、大臣、どういうふうに分析されていますか、まずお伺いしたいと思います。
○伊東国務大臣 いまの国際環境でございますが、非常に厳しい国際環境だ、結論的に申し上げますと私たちはそういう感じを持っております。 一つは、やはりソ連が軍備の増強をずっとやっておる。その結果、アフガニスタンに対しまして、これはもうソ連の衛星圏というよりも、イスラムの国でございますが、第三世界だったわけで、そういうところへの軍事介入があったとか、あるいはアフリカ等に対してエチオピアの問題でございますとか南イエメンの問題とかいろいろな問題が出ているとか、あるいは中東の問題、御承知のようなイラン・イラクの紛争を通じまして、あれが拡大でもしたらえらいことになるわけでございます。あるいはインドシナの半島におきましても、ベトナム軍がカンボジアに入る、軍事介入をするということによって非常に不安定な状態になっておるというようなことでございまして、デタントというものは崩れたとは私は思っておりません。デタントというのはやはり東西関係の基調であるべきだと私は思っておりますが、それにかげりが見えるということだけは確かなのでございます。そういう国際環境で、結論的にはなかなか厳しいぞというように思っておるわけであります。
○斎藤(実)委員 ソ連の脅威論あるいは国際環境が非常に厳しいという答弁がございました。この問題については、時間がありませんので、また別の委員会で論議したいと思うのです。 外務大臣も北海道へ行かれまして、よく事情をつぶさに視察をされたわけでございますが、私も何遍か行っているのです。あの周辺に働いている漁民は、脅威だ脅威だというふうにあおられていては生活ができないわけです。対岸の火事を見ているような脅威論をぶつのは無責任だ、困る、むしろこういう声がずいぶんありました。率直に申し上げて政府の一連の発言は、軍事費増額が目的で、危機感をあおって、つくられた脅威論だと私は思っていますが、大臣、いかがですか。
○伊東国務大臣 その点は先生と私は考え方が違うのでございますが、脅威論というのは、潜在的脅威論等があるということを国会で防衛庁長官も言っておるのでございますが、そういうことを言うことは、軍事費の増強が目的なんだということを先生がおっしゃいましたが、防衛力の強化の問題は、そういうことを言って強化するということじゃなくて、これは自衛権の最小のものは日本として備えるべきだ。日本の防衛というのは、日米安保条約をもとにしまして、安保体制ということで日本を守っていこうということでございますが、しかし、それは他国に脅威を与えるとかいうことじゃなくて、少なくとも侮られるようなものであってはいかぬ、しかし他国に脅威を与えるものではないというのが私は原則だと思うわけでございますが、やはり安保体制を円滑、有効に運用していくには、日本としても自衛の最小限のものは自分で自助努力をしていくのだ、着実にそれはやっていくのだということで、自分の防衛、専守防衛ということを考えているわけでございまして、軍事大国になるとか、そういうことは憲法上はできないということははっきりしているわけでございますから、私は外務大臣としまして、これは平和外交に徹する、非核三原則、個別的な自衛権あるいは専守防衛ということはもう基本でございますので、これは外交努力によって平和外交をやって、紛争に巻き込まれないように、あるいは、どこかで紛争が起きそうなときはそれをなくしていくとかいうような平和外交の努力をやってまいるつもりでございます。
○斎藤(実)委員 大臣、私はこの軍事力の増強よりもむしろ、先ほど外務大臣から日ソ平和外交、親善友好外交というものを積極的に進めるという御答弁がございましたので、そういう意味で申し上げているわけでございます。 そこで、私は何としてもソ連との友好関係を深めなければ、この領土問題も含めてこれは解決しないだろうと思う。そこで昨年、稚内に日ソ友好会館の建設が行われましたね。これは友好関係修復のあらわれだと私は思うのですが、現在、こういう会館は札幌、稚内、釧路にあるのですが、さらに小樽など三カ所に建設する動きがあるようでございますが、この建設について大臣はどういうふうにお考えでありますか。
○伊東国務大臣 日ソ友好会館の問題の御質問がございましたが、これが本当に純粋な日ソ友好に使われるということをわれわれは期待しております。それが何かたとえば領土返還の問題に水を差すような動きがあるとか、たとえばの話ですが、何かそういう純粋な日ソ友好関係以外に使われるということであれば好ましくない問題でございますので、そういうものができて本当の純粋な日ソ友好のために役立つということであれば、私どもは一向差し支えのない問題だというふうに思っております。
○斎藤(実)委員 私は対ソ脅威論をぶち上げたりこういうことを述べるよりもむしろ、対ソ友好関係を深めるべきだ、こういうふうに考えている一人でございます。そのためには相手の事情を知る上から、人的交流、文化交流を積極的に行うべきだろうと思うのです。 そこでお伺いをいたしますが、日ソ文化取り決め、これは政府間の行政取り決めなんですが、今日まで二年ごとに有効期間を延長してきたわけです。前回は五十三年一月二十七日に延長の書簡交換が行われているわけですが、これが五十五年一月二十七日で打ち切られたのかあるいは延長になったのか、現在どうなっているか、お伺いしたいと思うのです。
○平岡説明員 お答えいたします。 御指摘のとおり、昭和四十七年に締結されましたところの日ソ文化取り決め、これは二年ごとにずっと更新されておりまして、前回は五十三年、それで今年の一月二十五日に再び二年間の延長をいたしまして、これが五十七年一月まで有効となっております。
○斎藤(実)委員 日ソ文化協定は、ソ連のアフガニスタン侵攻に対して不快感を示す措置として、交渉は無期延期されたというふうに伺っておるわけですが、その後文化協定はどういうふうになっておりますか、お尋ねしたいと思います。
○平岡説明員 先ほど御質問の文化取り決めと別に、日ソ文化協定の取り決めの交渉の問題につきましては、かなり前に、昭和五十一年度くらいから話が始まった件でございます。 〔委員長退席、阿部(文)委員長代理着席〕 念のために申しますと、文化取り決めの方が、全く政府間の措置だけを取り決めますもので、公の刊行物とか政府派遣の人物交流とか、それから政府主催の映画会とかいうものに主に限定されておる狭い取り決めでございまして、行政取り決めとして政府間で締結しておりますのに反しまして、日ソ文化協定の方は、民間も含めました広い国全体としての文化交流を規定するところのものでございます。 これにつきましては、交渉は五十一年以来、当初からかなり難航していた事情がございます。その後、わが方の対案というよけなものがソ連側に示されておって、ずっと回答が来てないというのが現状でございます。どのみち、回答が参りますような時点におきましても、アフガン情勢等もございますので、それを推進するような情勢にないというような状態が続いてきたわけでございます。
○斎藤(実)委員 大臣にお伺いしますが、ソ連のアフガニスタン軍事介入を契機として、政府は米国に同調して対ソ経済制裁措置をとられたわけですね。公的人事交流の抑制、それから新規信用供与の停止、高度科学技術製品の輸出の規制、これは今日までとり続けているわけですが、こういうことから日ソ関係は完全に冷え切っているというふうに見てもいいのではないかと思いますが、伊東外務大臣が国連総会に出席されましたね、それでグロムイコ・ソ連外相とも会談をされました。先ほど答弁のように対ソ関係の糸口を模索されたようでございますが、先ほどの答弁で、北方領土問題あるいはいろいろアフガニスタン問題についても平行線をたどったというふうな答弁がございました。それで大臣、今後ソ連が態度を改めない限り、わが方から何もしないという基本的な態度は崩さないのかどうか。もしこういう態度を崩さないということになれば、日ソ関係の修復というのは相当長期にわたって見通しがなくなるのではないかと私は考えるわけです。それでソ連の態度が改められるという、ソ連側の具体的な行動として外務大臣、どういうことをソ連に期待をされているのか、伺いたいと思います。
○伊東国務大臣 冷たくなりました起こりは、日本の固有の領土である北方領土に対して、返還のあれはないことはもちろんでございますが、軍備の増強というようなことが行われた、あるいはアフガニスタンに対する軍事介入、第三世界に対して軍事介入をしたということが、日本から見れば事の起こりなんでございます。でございますので、これは先生がどういう場合ということをおっしゃったので、たとえばで申し上げますれば、領土問題を前提にした平知条約の交渉をやろうじゃないかとかというのも私は一つのきっかけになろうと思いますし、アフガニスタンに対する軍事介入につきましてソ連が変化を見せる問題でございますとか、北方領土から軍備を撤去する問題でございますとか、いろいろ事の起こりはそういうことでございますので、たとえばということであればそういうようなことが考えられるわけでございますが、何もそれだけに限らぬかもしれません。これはいろいろと日ソの関係だけでなくて、アフガニスタンなんということになると本当に世界的な問題でございますし、いろいろの国際情勢の変化等もあるいはそういう場合にあるかもしらぬ。いろいろなことが想像されるわけでございますが、いまこれでなければならぬというようなことで日本が限定をして決めているということではございません。私どももソ連との関係は、それは大きな隣国なんですから、何としても相互理解の上で長い平和友好関係を保てるということは最も日本側も希望するところでございますので、そういう道をわれわれも模索しているという態度で日ソの問題は取り組んでまいりたいと思います。
○斎藤(実)委員 大臣から例を引かれて、アフガニスタンからソ連軍が撤退した場合は対ソ経済政策も考える、あるいは北方領土のソ連軍事基地が撤去された場合、この二点を触れられましたですが、私はいま大臣がおっしゃったようにそういう基本的な姿勢を今後も崩さない限り、ソ連もますます硬直するだろうし、その糸口もまた見出せないのではないかと思うのです。アメリカの対ソ経済制裁を境として米ソのデタント時代は終わった、経済関係でも冬の時代を迎えて、米国の対ソ政策が果たして世界の平和に役立つのかどうか、あるいは米国の対ソ経済制裁がソ連にどれほどの打撃を与えたのか、その効果に私は疑問を持つ人は非常に多いと思うのですね。政府は、わが国が西側の一員であることを強調してきましたし、米国の対ソ政策に協力し、ソ連に他国への武力侵入が高いものにつくということを思い知らせる必要があると言われるが、対ソ経済制裁を真っ正直に堅持し続けていることは、将来日本が気づいたときに、日本だけがばかをみるのではないか、こういう心配をするわけです。 よもや食糧を武器にしないだろうと思われた米国の穀物輸出制限を見ますと、オーストラリア、EC、カナダが、対ソ穀物輸出を伝統的水準以上に増加しないと米国に約束したわけですが、伝統的水準を各国が勝手に理解し、非常にふえているわけですね。オーストラリアは七九年七月から八〇年三月までの間にソ連に百七十万トン輸出しています。前年同期に比べて実に十一倍、金額でも十七倍になっている。カナダも八〇年一月の対ソ穀物輸出を通常ベースの年間約二百万トン以上増加させて、すでに三百五十万トン輸出するとともに、米国追随は大失敗であったとして八月一日より禁輸を解除した、こういうふうに報道されているわけでございます。さらに二大穀物輸出国であるアルゼンチン、ブラジルは、米国に協力することを拒否して事実上米国の肩がわりをしておる、米国の意図は失敗しておるというふうに見られているわけでございます。 また、高度技術輸出の面を見ましても、イギリス、フランス、西ドイツの三国は、ケース・バイ・ケースとしながらも、新規の対ソ信用供与に踏み切っている。対ソ貿易量がいま飛躍的に伸びているわけです。アメリカ自身も五月八日、ソ連向け石油採掘装置の販売契約を承認しておる。こういうふうに、いままでアメリカに追従してきた各国が勝手にケース・バイ・ケースということで、ソビエトに対する経済輸出をしておるわけです。外務大臣、こうした事実をどういうふうに受けとめられているのか、まずお伺いしたいと思います。
○伊東国務大臣 米ソのデタントは終わったという御発言があったわけですが、私どもはやはりデタントは、かげりはあるけれども、デタント関係を維持していくということで努力しておるというふうに見ております。それはこの間、私ブラウン長官に会いましたときにSALTIIの批准の問題を議論したのですが、大統領選挙が終わればなるべく早い機会に批准をしたいのだ、ブラウン国防長官自身がそういうことを言っておりましたし、あれは十月の何日からでしたか、スイスで戦域核の交渉が米ソで始まっているということでございまして、私はかげりは出たけれども、やはり基本的にはそれは続けていくのだというふうに考えておると信じておりますし、私どももその方が望ましいというふうに思っておるわけでございます。 それで、もう一つの対ソ経済措置の問題でございますが、これの効果について先生御発言がございましたが、やめたコスイギン首相があるところで、やはり西側の経済措置によって一時的に被害を受ける、影響をこうむることがあるがというような演説をしたのをわれわれ知っておりますが、やはり私はある程度の代償を払わせるということに対して効果があるんだということを実は考えておるわけでございます。 それから、ケース・バイ・ケースでということでございますが、日本も実はケース・バイ・ケースで考えておるわけでございまして、先生のお話のありました石油の削岩機の問題は、これは日本も関係しておるところでございまして、アメリカに対してこういうことはやるべきじゃないかというようなことを言ったことがございます。日本でもケース・バイ・ケースで考えておる。政府ベースの信用供与は、森林の問題でございますとか、やっておるわけでございます。 ただ先生のおっしゃったように、ほかの国の方がもっとやっておるのじゃないか、ばかを見るのは日本だけじゃないかというお話がございましたが、これはそういうことがあってはいけませんので、私もこの間アメリカへ行ってそのことをアメリカ側に注意もし、いま選挙でございますから、終わればひとつそのことについての話し合いを具体的に有効にやれるということを実は話してきたわけでございます。先生のおっしゃったような、まだいま途中でございますが、最後帳じりを合わしてみたら日本だけがばかを見たということにならぬように、これは極力私どもも考えていきたいと思います。
○斎藤(実)委員 大臣、まだ政経分離には応じられないと言われるのですが、ソ連はわが国にとって木材、石油、石炭、これらの一次産品の輸入先でありまして、日本のエネルギー資源の確保という経済安全保障上の見地からも、私はこの際改めて考えなきゃならぬと思うのですね。いま大臣から、ケース・バイ・ケースで必要最小限度の協力は進めてきたし、これからも進めるというふうに言われているのですが、たとえば日ソ経済協力プロジェクトの第三次極東森林資源開発あるいは南ヤクート原料炭開発の案件が議題になっているわけですが、これらについて大臣、どういうようにお考えでしょうか。
○伊東国務大臣 いまの御質問の二件については、もう終わっております。いまの二つの件は、もうやることにしてその話は終わっておるのでございます。
○斎藤(実)委員 以上で、私の質問を終わります。
○阿部(文)委員長代理 小沢貞孝君。
○小沢(貞)委員 伊東外務大臣には、この間の国連における北方領土問題の演説といい、その後のグロムイコとの会談といい、それから先ほど来発言がありましたように、あの宮澤、園田外務大臣と違って就任早々北方領土を視察をしていただく等、積極的にこれに取り組んでいただいておって、これは厚くお礼を申し上げます。ちょうど九段の北方領土返還国民大会が開かれる日に外務大臣が北方領土を視察されたわけですが、その大会における盛り上がりというものは、最近のうちでは最高の盛り上がりではなかっただろうか、私はこういうように考えております。 それで、この返還問題についてどういうように具体的にこれから進めていくか、具体的な問題が実は大切ではなかろうか、私はこう思うわけであります。外務大臣の方針をひとつお聞かせいただきたいと思います。
○伊東国務大臣 確かに先生おっしゃったように、これからがむずかしいところだと私も思っております。国連で私、演説しましたのは、ソ連に対して領土問題を主張しますとともに、日ソの間にはそういう問題が戦後の問題として未解決でまだ残っているのだ、そういうことで平和条約が結べないのだなということを、世界じゅうに知ってもらうということも考えて私は演説をしたのでございます。 ただ、この問題はもともとは日ソ間の固有の問題でございますので、これは日ソ間であらゆる機会をつかまえて、平和条約締結の前提としてこの問題があるということを主張し、努力をし、実現をするという、二国間の問題だというふうに考えておりますので、何としてもそれが実現できるような機会をつかむということをやりたいと思っております。一方、世界に対しましては、国際世論が日本の主張を理解してくれるようなことは必要でございますので、そういう機会があれば、またそれは主張するということをいたしますが、もともとは日ソ間の固有の問題だというふうに考えております。
○小沢(貞)委員 外務大臣が北方領土を視察した後、ソ連のたしかタス通信だったでしょうか、外相視察に抗議するというような記事を拝見したわけです。日本の外務大臣が日本の固有の領土である北方四島を視察するということについて抗議をするという態度も、私はさっぱりわからない。これは内政干渉と考えられないだろうか、それが一点であります。 それから後、総理にこのことを報告したということが新聞記事に載っておりました。今後の方針その他について総理に報告されたかどうか。今後の方針とは、北方領土返還の具体的なプロセスその他について外務大臣としてはどう考えておるかということについてまで報告したか、その報告内容等も御発表いただきたいと思います。
○伊東国務大臣 私が行った後にソ連の新聞にそういうことが出たことは知っております。この問題等につきまして、この問題だけじゃなくて、日本が軍国主義化しているとかいろいろなことがございまして、新聞で言われたり演説で言われたりしたことがございましたので、私が国連に行きます前に外務省から、それは違うんだということで見解を出しまして、おかしいじゃないかという意味の抗議をソ連側にしたのは国連に行く直前でございましたが、そういうことで日本の見解を述べたことがございます。それで、今度のことにつきまして、新聞にそういうことが出たのでございますが、これについて抗議をするとかいうことはいまは何も考えておりません。これは従来からソ連が言っていたことの繰り返しにすぎないと私は思いまして、私どもは日本人としてあたりまえなことを言っただけで、あたりまえのことをしただけだと思っておりますので、今後ともまた続けてああいうことが出てくれば別でございますが、ただ一回新聞に載ったからといって、いますぐそれに対して反応するということはいまは考えておりません。 それからあの日、すぐに飛行場から総理のところへ行きまして、報告をしたのでございますが、根室で出ました話は全部報告してございます。墓参の問題、貝殻島の問題等を含めまして全部、今後の根室地域に対する振興対策の問題でございますとか、もう一つ先生の言われた、これからの日ソの取り組み方の問題になるわけでございますから、平和裏にこれをどうやって話し合い、実現していくか、日ソの関係をどういうふうに考えていくかという基本的な、先ほどたくさんの先生から御質問のあったようなことに関して総理と話し合いをしました。内容は、どう言ったということはひとつ御勘弁を願いたいのですが、そういうことはいたしました。
○小沢(貞)委員 外務大臣のことですから、積極的な取り組みを総理に進言されたものと私たちは理解しながら、きょう発表できなければそれ以上私はお尋ねをいたしませんが、外務大臣の北方視察のときに現地からも強い要望があったと思います。十月二十五日の全国大会にも大きな声として出てまいりましたが、私の記憶では、総理大臣が北方領土を視察したことがかつてないんではなかろうか、こういうように考えます。積極的に取り組むという鈴木内閣の姿勢を示すためにも、まず総理が北方領土を視察されること、これが当面一番重要な問題ではなかろうか、こういうように考えます。いま非常に大切なときですから、先ほど来論議がありましたから私の意見は後ほど申し上げますが、国論を一本にするという意味においても総理か視察することが大切だと私は思いますし、第一に返還運動の原点というのはあそこの根室周辺の人々であります。ここの人々を激励するという意味においても大変よいのではないか。そして、ソ連に対して日本はこの領土を返させるんだということを強く意思表示することにもなるんではなかろうか。以上の三点の理由から、鈴木総理がぜひ近いうちに北方領土を視察されることを私は強く要望するわけであります。外務大臣、どうでしょうか。
○伊東国務大臣 現地でもそういう話が出ました。日本の総理は一回も来られたことがないんだけれども、総理も来てみてもらいたいという要望があったことは確かでございます。その点は、こういう要望がございましたという意味で、総理にも現地のことは皆報告してございます。ただ総理は、御日程の都合いろいろございますので、どういうふうに判断されますか、いまここでこうだとは申し上げかねますが、現地の声としてそういうことは総理に伝えてございます。 それから原点は根室だというお話で、実は私も現地で、原点は根室だということを言ったのでございますが、すぐに反論されまして、原点は日本全部だと私は根室で反論されまして、これはしまったなと思ったのでございますが、そう言われました。御参考までに……。
○小沢(貞)委員 機会があればわれわれもまた総理に要請したいと思います。これは当面の一番大きな問題だと私は思いますので、現地を早く視察されるように私は強く総理に要請をしておきたいと思います。 外交的手段でいろいろ解決していかなければならないことは当然でありますが、ハーグの国際司法裁判所へこの問題を提訴する意思はないだろうか、これは大臣でなければ局長でもだれでもいいのですが、それについてお尋ねをいたします。
○伊東国務大臣 詳細は欧亜局長から御答弁申し上げます。 先生御承知のように司法裁判所は、相手も提訴することを了解しないと、あれは片一方だけではだめでございますので、そういう問題があって過去においても提訴していないというのが事実でございます。 詳しくは欧亜局長からお答え申し上げます。
○武藤政府委員 先生御承知のとおりソ連は、国際司法裁判所の強制管轄権の受諾宣言を行っておりませんので、わが国が北方領土問題を国際司法裁判所に提訴しようとすれば、日ソ間でそのための特別の合意が必要となるわけでございます。実は過去におきましても日本側からソ連に対しまして、この北方領土問題を解決するということを国際司法裁判所でやるということはどうかということを持ちかけたことはあったわけでございますが、当時ソ連は、いや、ソ連は自分の領土の問題を国際司法裁判所に決めてもらうつもりはないというようなこともございまして、ソ連が北方領土問題について国際司法裁判所で争うということを受諾する用意はないと私どもとしては判断いたしております。
○小沢(貞)委員 私もそういうことは承知いたしております。しかし、国際司法裁判所に持ち込む、これは国際司法裁判所がソ連に例の強制管轄権の受諾をさせるのですか。あらかじめわが国がソ連と相談をしておいて両方の合意が得られなければ出せない、こういうことなんですが、二つの道があると思うのです。われわれはまず国際司法裁判所に持ち込む、強制管轄権の宣言をさせる運動、こういうことも一つの交渉であり、一つの運動ではなかろうかと思います。いま一方は、あらかじめソ連と国際司法裁判所に持ち込もうじゃないか、こういう交渉を直接やる、これも一つの運動だと思います。 かつてそういうことがあったと言うが、外務省はそおっとだれにも知られぬ中でそういうことをやっていても、国民運動といいますか国民の支持、そういう背景がなければこの問題は解決できないわけですから、国際司法裁判所に持ち込んだ、いやソ連はひどいやつだ、ソ連も言うことを聞かないか、今度はソ連に直接、国際司法裁判所に出そうじゃないか、ノーと言ったら、これまたひどいやつじゃないか、こういうことになると思います。私はそれが世論を盛り上げる一つの非常に大きな原動力になるのではないか、こういうふうに考えるわけです。どうでしょう。
○武藤政府委員 ただいま御指摘のとおり、方法は確かに二つあるわけでございまして、あらかじめソ連と合意の上持ち込むという方法と、一方的に提訴いたしまして、それにソ連がどう出てくるかということを見る方法とあるわけでございます。実は従来、アメリカがソ連を相手にいたしまして、国際司法裁判所に提訴したことがたしか三、四回あったと思いますが、いずれの場合もソ連が応訴いたしませんでしたので、国際司法裁判所としてはこれを取り上げるに至らなかったということはあったわけでございます。ただ、そのような国際司法裁判所に対する措置をとるということが、いま先生御指摘のようないろいろな意味があるということは、私どもも内々は考えているわけでございまして、今後とも慎重に考えるということにいたしたいと存じます。
○小沢(貞)委員 大臣、局長は私が言っているようなことが意義があると思うから慎重に考えたい、こう言っています。大臣、どうでしょう。
○伊東国務大臣 この領土返還の問題は、国民の皆さんの支持がなければ、これはなかなか外交として力が入らぬ、実現しないだろうとおっしゃることはそのとおりだと思いまして、どうやって国論を盛り上げるか、国民の支持を得るかという方法論の一つとして先生はおっしゃったわけでございます。 過去においてそういう交渉をしたことがあるという話でございまして、今後どういう交渉をして、だめだということで、交渉したがだめだとして発表するか、片方だけ先にこうやってやるかというようなことを先生がおっしゃったわけでございまして、これは私はいま初めてそういう方法がというので伺っていたわけでございまして、局長もひとつ検討してみるということでございますから、外務省の中でどうやったら一番いい方法なのかという問題の一つとして検討の問題にするということをいたしたいと思います。
○小沢(貞)委員 大臣からも検討しよう、こういうお話でありますから、これは外務省内でぜひ積極的に検討をしていただいて、そして提訴をしてもソ連はこういう態度であったということを国民に知らせることは、国際の法秩序を彼らが大変乱しているんだ、こういうことにもなるわけで、世論喚起の非常に重要な一環となると思います。そういう意味においても、提訴について積極的に検討をしていただくようにこれは要望いたしておきます。 防衛庁見えていますか。——具体的にお尋ねをしますが、北方四島のソ連軍の配備の状況、国後、択捉のほかに色丹にも増強されてきたというように新聞報道等で伝えられておるわけです。いつ、どこへ、どのくらい配備されてきたか、それについて発表していただきたいと思います。
○宝珠山説明員 ソ連は第二次大戦後、一九六〇年ごろまで、北方領土に地上部隊を一個軍団、それから防空戦闘機部隊を約四十機、これはいずれも国後、択捉を中心とするものでございまして、そのほか国境警備隊を全島にわたって配備しておりました。しかし一九六〇年夏以降は、地上部隊のすべてを本土に引き揚げました。それから一九六六年春には、国後島におりました防空戦闘機部隊の約半分、二十機を樺太に移動させております。その後、そのような状況が続いておりましたが、昭和五十三年夏以降、国後それから択捉島に地上軍、それから五十四年夏になりますと色丹島にも地上軍部隊を配備し、基地建設など進めてきております。ちなみに、色丹島にソ連軍が配備されたのは戦後もこれが初めてでございます。 それから、おのおの配備の状況というのはまだ私どもなかなか確認できていないわけでございまして、詳細は申し上げられる状況にございません。しかし全島といたしましては、部隊の規模は師団規模に近いものであろうと推定いたしております。装備といたしましては、戦車や装甲兵員輸送車、それから各種の火砲などの師団装備、通常のソ連師団が装備いたしておりますもののほかに百三十ミリの火砲、それからハインド、ヘリコプターなども配備されている状況でございます。
○小沢(貞)委員 いま外務大臣お聞きのように、色丹島は、私の記憶が間違っていたらなんですが、歯舞郡色丹村だか、色丹郡何とか村だか、これは一九五六年の日ソ共同宣言の中にも名前が、歯舞、色丹だけはとこういうことに、第一群に属する島だと私は思います。そこへ去年の夏からソ連の軍隊が駐留をするようになったということは、これは法律的に言えば、日本は侵略をされている、こういうことですか、あるいは日本の領土を不法占拠しているということですか、外交専門語で言えばこれは一体どういう状態にあるわけでしょう。
○伊達政府委員 お答え申し上げます。 わが国といたしましては、北方四島を現在、ソ連軍が占拠しておるという状況は、不法占拠であるというふうに考えております。
○小沢(貞)委員 防衛庁にお尋ねをいたします。 ソ連軍のこの不法占拠をしている軍隊は、どういう意図を持っておると考えるでしょうか。
○宝珠山説明員 先ほど申し上げましたように、ソ連軍が北方領土に地上軍部隊などを配備しております意図というものについては、明確にできるわけではございません。しかし、私どもとして分析しております——それは推測と申し上げるのかよろしいかと思いますが、そういう観点から申し上げますと、ソ連の世界戦略というような観点から見ますと、最近のミサイルなどの性能向上に伴いまして、北方領土並びに千島列島、あるいはオホーツク海と申し上げてよろしいかと思いますが、この地域の重要性が軍事的に高まった、そういう観点から一つ見ることができると思います。 もう一つは、一九六〇年代後半から極東ソ連軍の増強は続いているわけでございますが、そういうものの一環として北方領土にも配備されるようになったということが申し上げられるかと思います。 それから第三点といたしましては、わが国の北方領土を、先ほどの不法占拠というものを日本に容認させようというような目的もあるかもしれないというふうに判断いたしている次第でございます。
○小沢(貞)委員 私、大変重要な問題だと思います。これは最近の五十四年夏からの現象ですから、特に重要な問題だと思います。こういうことについて外務省はどういう手を打ってきたか、打ったらいいだろうか、これが一点であります。 それから、私個人的にこの前視察に行ったときに、根室の市長さんだと思いましたが、根室に自衛隊を駐とんさせてほしい、こういうような要望がありました。私たちは二七普通科連隊を視察させていただいて、連隊長とも話してまいりましたし、その後、師団長とも話してまいりましたが、私たち防衛では率直に言って素人であります。九百人ばかりの普通科連隊、これが前方、北海道の大きく言えば五分の一、四分の一ぐらいは守らなければならぬ九百人の普通科連隊、いや、これでは私は北海道民ならず日本国民といえども、目の先に一個師団も精鋭が増強されてきている中でこれでいいだろうか、こういうように率直に感じたわけであります。したがって、私たちは余り軍事的なことはよくわからぬけれども、根室の市長が不安がって自衛隊を駐とんさせてほしいという要望は、私はかなえてやることの方が不安をなくするんではなかろうか、こういうようにも考えます。どうでしょうか。
○武藤政府委員 ただいまの御質問の前半の、北方領土におきますソ連の軍事基地建設問題についての外務省の対応ぶりについて、まず私から御説明申し上げます。 まず、国後、択捉島にソ連軍の軍事基地が建設されたということが判明した時点におきまして、これは昨年の二月でございますが、早速当時の高島外務審議官からポリャンスキー大使へ抗議をいたしました。その後、昨年の秋になりまして、色丹島にまで軍備増強が行われたということが判明いたしました時点において重ねて、十月二日でございますけれども、高島次官からポリャンスキー大使へ抗議いたしております。その後、十月十九日の国連の第一委員会におきまして大川大使が本件に触れたということも、先生御承知のとおりでございます。その後、折あるごとにソ連に対して本件は提起いたしておりまして、たとえばことしの二月でございますけれども、スパイ事件についてソ連側に抗議をいたしましたときに重ねて、北方領土における軍備増強についても抗議をいたしているわけでございますし、その後、大臣の国連における演説、大臣とグロムイコ外相との会談等において本件が提起されたことは、御承知のとおりでございます。
○池田説明員 北方領土に対するソ連側の軍事的な増強につきましては、われわれも重大な関心を持ち続けて、引き続き注視しているところであります。また、わが国の固有領土であります北方領土に対して、わが国の自衛権が及ぶことは当然のことでありますけれども、御承知と思いますけれども、自衛権の三原則というものがございまして、われわれとしてはこの地域に対して自衛隊が行動するということは考えておりません。こういう事態に対しまして引き続き注視することはわれわれの当然の責務であると考えておりますけれども、この事態から直ちにわが国として、自衛隊として対応しなければいかぬという状況にいまあるとは考えておりません。 しかしながら、重大な関心を持っておりまして、われわれとしてもいろいろなことを行っておるわけでありますけれども、これは念のために申し上げますが、こういう事態に直接に対応しているというものではございませんが、北海道につきまして、陸上自衛隊について見ますと、人員で約三割弱、師団の数でいけば三割強の師団を常時配置しておりますし、また、当面の地域は第五師団の管轄でございますけれども、五師団には三個連隊展開しておりまして、その人員の充足も努めて向上するように努力しております。また、新しい装備の導入に当たりましては、こういう地域に対する装備の展開を特に重視して考慮しております。また、本州、九州を含めました部隊を、これは毎年やっておりますけれども、北海道に移動させまして訓練を行っておりまして、今年度も実施しておるところであります。また、北海道のこの地域には矢田別演習場がございまして、日本でも非常に有数のところでありますので、われわれは常時これを活用するという努力を怠っておりません。 根室の問題でございますけれども、われわれも、根室市議会が西厚床地域に一個連隊相当のものが来てほしいという議決をされまして、その旨がすでに根室市長から総理大臣及び防衛庁長官に陳情があったことは事実でございまして、現在のわが国の国情を考えてみますと、至るところ基地反対が非常に多いわけでありますけれども、その中にあって、自衛隊に対してこういう提案をされることについては心から敬意を表するところであります。しかしながら、陸上自衛隊は御承知のように十八万に限られておりますし、また先ほどから申し上げますように、状況の変化に対応していかなる事態にも対応できる訓練をわれわれは怠っておりませんし、そういう意味で、なかなか御要望には沿いがたいものを感じるところであります。
○小沢(貞)委員 あとの部分はまたいずれ要望申し上げますから、できるだけの努力を願いたいと思います。 それから、外務大臣に一つだけ、これは自民党の中に政経分離で日ソ修復論的なものを新聞で拝見をしているわけです。私はやっぱり領土抜き友好とか政経分離でもって、ソ連がむしろ要請をしているようなベースにはまることの方が領土の返還に役立たない、こういうように考えるわけで、これは自民党の中でも動きがあるようですから、外務大臣としては十分党内の方の意見も一致させながら、この領土返還について対処をしていただきたい、こういうことだけ要望をしておきたいと思います。
○阿部(文)委員長代理 瀬長亀次郎君。
○瀬長委員 私は最初に外務大臣に外交の基本の問題についてお伺いします。 沖繩は御承知のように去った十五年戦争で、日本の歴史始まって以来、いわゆる敵軍が入り込んで戦場になったところであって、全国的に見ても三百十万人の犠牲者を出し、アジアで二千万以上の犠牲者を出した。だからこの侵略戦争の反省に立って、再び戦争を起こしてはならぬという、それこそ自主的平和外交に徹しなければならないと思いますが、この点について大臣の御意見を承りたい。 もう一つ、それと関連しまして、去る二十四日、参議院の安全保障及び沖繩・北方問題に関する特別委員会、そこで伊東外務大臣は「とくに沖繩県について、安保条約の目的達成との調整を図りながら県民の要望にこたえるよう努力、安全管理や周辺対策を進めると表明」されたということを報道されておりますが、この点で自民党政府の政策は基地の整理縮小ですね。特に十月の二日に普天間基地で、いわゆる離着陸訓練中OV10ブロンコ、これが墜落したのです。一人死に、一人けがをした。そこは御承知かもしれないが、宜野湾市の普天間で、普天間のど真ん中にあって、住民の密集地なんですよ。そこでこの前二千人の大衆が集まって、この普天間基地だけ撤去してほしい、これは自民党を含む全部の政党、さらに学生が意見発表するという段階にきている。 〔阿部(文)委員長代理退席、委員長着席〕 私その事実を踏まえて言うならば、安保条約、これが外務大臣が言われた、特に沖繩について、安保条約の目的達成との調整を図りながら、県民の要望にこたえるよう努力、安全管理の問題と言っておりますが、この問題は住民の密集地にこの基地があるだけに大変なことなんですね。爆音といい、墜落する等、危険である。この場合、しかもあの宜野湾市民だけではなくて沖繩県議会で、せめて普天間基地だけでも撤去せよという要望なんです。だから、そこら辺と二十四日の参議院での外務大臣の御意見とはどういうことになるのか、この二点からまず最初に……。
○伊東国務大臣 第一点の平和外交の問題でございますが、先生おっしゃるように、あの戦争の惨禍から日本の平和憲法というものができたわけでございますので、私どもはあの憲法にある平和主義というものはもう大切なものだということはよくわかります。でございますので、今後の総合的な安全保障ということを考える場合には、個別的な自衛権をもとにしました防衛力の強化の問題とあわせて、平和外交に徹するという考え方で外交と取り組むつもりでございます。でございますので、平和外交と自衛力の最小限の整備ということと一緒に日米の安保体制ということで、日本の総合安全保障を考えていくという考え方でございます。 特に沖繩は先生おっしゃったように、施設でございますとかあるいは区域というものの密度が非常に高いということは、もう周知の事実でございますので、その施設の運用等が沖繩の人々の生活ともまた非常に関係してくるということをよく考えて、いろいろな御要望があることは知っております。片一方には、日米安保体制ということで、共通の危機に対しては日本とアメリカが一緒に対処するということも日本の安全保障でございますので、二つの要望があるわけでございます。その調整ということにつきましては特に意を用いていかなければいかぬということを、私はこの前ごあいさつをしたわけでございまして、いま具体的なお話がございましたが、これはアメリカ局長から御返事する次第でございます。
○淺尾政府委員 先生の御指摘された普天間飛行場における事故、その事故の直後、外務省として日米合同委員会の事務局に、今回の事件は非常に遺憾である、そして今後、こういう事故が再発しないように申し入れまして、かつ、調査の結果が判明した段階で日本側に早急に連絡してほしいということをいたしまして、さらに十月九日に日米合同委員会において同じようなことをアメリカ側に申し入れてございます。 それからもう一つ、先生の御指摘になりましたこの施設、区域を撤去しろ、こういう問題でございますが、やはり私たちとしてはこの施設、区域自身が、日米安保条約の目的達成のために行っているその理由というものがございますので、いませっかく先生が言われましたように、早急に撤去ということでございますけれども、それは政府として直ちにとることはできませんが、今後とも施設、区域の利用については、地元民の御理解を得るということが大事でございますし、やはり安全の確保ということについては政府としても、瀬長委員と全く意見を同じくいたしますので、その点については今後とも、関係官庁と連絡をとりつつ、また、アメリカ側に対してもその都度必要に応じて申し入れをしていきたいというふうに考えております。
○瀬長委員 さっき外務大臣は、そういった安保条約の運用上の問題だと思いますが、住民との矛盾ですね。特に沖繩は御承知のように、基地が密集しているところでありますので、安保条約の危険性、安全性じゃなしに危険性が露骨に毎日のように起こっているということを一応、頭に入れてもらいたいと思います。 第二番目にお聞きしたいのは、これは毎日新聞から読売新聞、きょうの朝日新聞など一般新聞の論調です。たとえば八月二十日の毎日新聞で、「霞が関の外務省はその昔、米国務省日本課と称されたものだった。対米追従外交への当てつけである。やっと独り立ちできるようになったと思ったら、所属を変更したらしい。こんどは米国防総省日本課」になってしまっているといったようなこと。きょうの朝日新聞は、例の安全保障政策企画委員会がまとめた八〇年代の安全保障政策、これは「西側陣営の一員として軍事面での充実が重要であることを強調したもので「外務省はいつから防衛白書を出すことになった」などと批判をよんだ。」実に辛らつですよ。 大臣、お読みになったか知らぬが、これはきょうの朝日の「記者席」なんですが、これを見ますと、瀬長個人の意見ではなくて、朝日から毎日から読売から、外務省は一体いつごろから国防総省の日本課になったのかといったような辛らつな評価がされておる。むしろ防衛庁ではなくて外務省が防衛白書に似たようなものを出すという評価が行われておる。これは一体どういう圧力があってそういった方向に変わってきたか。これは自主平和外交とはうらはらですね。いわゆる力の外交ということにならざるを得ない。実に危険なんです。いわゆる軍事力、武力、これを背景にした外交は絶対に自主平和外交とは言えない。どういう圧力があって外務省はそういうふうに変わってきたのかということが一点。 もう一つは、二十七日の安保特別委員会で防衛庁の岡崎参事官、この人は外務省出身のようですが、この人が北朝鮮の最近の軍備増強は潜在的脅威の増大であるという見解を述べました。外務大臣は岡崎参事官と同じような見解を持っておるのかどうか、まず、この二点から伺いたいと思います。
○伊東国務大臣 第一点でございますが、外務省は外交白書を出しておるのでございまして、防衛白書は防衛庁でございますから、そこは誤解ないようにお願いしますが、先生のおっしゃったのは、研究会小委員会の第一ラウンドと言って骨子をまとめて出したものをおっしゃったのじゃないかと思うのですが、日本の防衛というものは、これは憲法に自衛権ということが認められているわけでございますから、これは他国に脅威を与えない、専守防衛なんですから、侮られないというような自衛権、自衛をするための防衛努力をするということは、昔から変わっていないと私は思うのでございます。 何か圧力があって外務省が変わったような御質問でございますが、私は三カ月でございますが、外からの圧力というようなことは私は感じたことはございません。アメリカへ行きましても、期待表明がありましたときも、これは自主的に日本が決定することで、自主的に日本が守るのだという見地で日本が考える問題であるということを私は常に主張しておりましたし、それも国民のコンセンサスがなければいかぬ、財政事情もいろいろありますから、これは自主的に日本が判断をしますということを常に私は主張したのでございまして、そういうふうにおとりになるということであるとはなはだこれは不徳のいたすところでございますが、私自身は全然そんな圧力は感じておりません。日本人として考えるべきことは自主的に考える、それだけでございます。 それから、この間の北朝鮮の、朝鮮民主主義人民共和国の関係で議論が出たのでございますが、私どもはあの次の日でございましたか、宮澤官房長官が統一見解を出しまして、そういうことは単に狭い意味の防衛力ということだけでなくて、経済の問題でございますとか政治の問題でございますとか総合的に判断をすべきことでございまして、そういう断定をすることは国益に沿わないという意味のことを官房長官が言っているわけでございまして、政府の統一見解が出ておりますので、その見解に従っているというのがいまの私の考えでございます。
○瀬長委員 私が防衛白書と言ったのは、もちろん外務省は外交白書であるのは当然ですが、ところが、外務省の出しているのはまさに防衛白書だという新聞の評論なんですね。これは相当真剣に考えて反省してもらわぬといかぬのじゃないか。 いまの御答弁は、圧力は感じていない、自主的に外交をしている、それはりっぱですよ。そうでなければいかぬわけですから、何か圧力があって、右したり左したりするということはいかぬわけですから、それはそのとおりでいいと思いますが、事実は、具体的に日本の代表的な新聞が声をそろえて心配しているのですよ。もっと平和外交に徹しなければいかぬのが、武力がどうもちらついて外交が進められているという、まさに痛烈な正しい批判ですから、その批判に耳を傾けてもらった方がいいんじゃないか。 岡崎発言については、統一見解が出されました。私もそのメモを持っているわけなんですが、この統一見解は、外務大臣も参加されてそのとおりでよろしいということになったわけですか、どっちなんですか。
○伊東国務大臣 私の知っておりますのは、統一見解を出しまして、その見解に基づいて私がさっき言いましたように、官房長官が補足説明をしているというのが実情でございます。参画したかどうかということでございますが、外務省の担当の人も当然、それをつくるときには官房長官のところへ行って相談にあずかっておると思います。その人は私の部下でございますので、そういう何かございましたら、私の責任だということでございます。
○瀬長委員 外務大臣があずかっておるとすれば、知らないと言って問題になるのです、知ると言って問題になりますが、この統一見解なるものは、岡崎発言、潜在的脅威、これを否定していないのですね。背景の説明をしているわけです。評論をしているわけです。弁解をしているわけです。これでは岡崎発言が本音であって、すなわち朝鮮民主主義人民共和国が潜在的脅威である。そうなりますと、統一見解を出すのであればなぜ岡崎発言を否定しないのか。全然否定しないのですね。むしろ肯定しながら状況説明をしているのが統一見解なんです。だから、もし外務大臣が最初に言われた自主的平和外交に徹するならば、このような岡崎発言はむしろ、潜在的脅威として認めて防衛の問題も含めて国の外交その他を進めようというわけなんですから、大臣としては進んで、そういったことは適当じゃない、むしろ堂々とストレートに否定するということが当然だと思いますが、これはできますか。
○伊東国務大臣 統一見解の段階で、官房長官が統一見解を出して補足説明で、そういうことはもっと広い見地から考えるべきことなんで、潜在的な脅威だという断定をすることは国益に沿わないものだということを言っているわけでございまして、それをよくそしゃくしていただけばいいんじゃないかなと私は思っておるわけでございます。
○瀬長委員 まさに国益に沿わないとなれば、しかも政府委員としての答弁でしょう、取り消させる、取り消さなければ罷免するというところまでいかなければならないと私は思うのです。それをしないでほったらかしておく。だから本音は武力、この力を背景にした外交、自主的平和外交ではなくてまさに対米従属の幇間外交と断定せざるを得ないと私は思うのです。まさに言っておるのです。言っておることを統一見解は、潜在的脅威であるということをだれも否定をしない。説明しているだけの話です。だから私はこの機会に自主的平和外交に徹する。対米従属の外交ではなくて自主的平和外交に徹するという最初の大臣の発言、りっぱです。これに徹するならば、政府の責任において岡崎発言を取り消させる、取り消さなければ罷免するというところまで国民に対するそういった責任を果たすべきだと思いますが、時間も参りましたので、最後に外務大臣の所見を承ります。
○伊東国務大臣 その問題につきましては、たしか内閣委員会で官房長官の説明で皆様御了解を得て終わったと私は考えておりますので、また別なことを言ってまた統一見解を出すようなことは政府として好ましいことではございませんので、終わった問題でございますから、そういうことで御了承願いたいと思います。 もう一つ、追随外交だとおっしゃいましたが、私は先ほど申し上げましたような態度で、だれに対しても同じことを言うつもりでございまして、日本の国益というものを前提にし、日本の平和、繁栄を守るということの最良の道を皆さんと一緒に進むという決意でございますので、自主的な平和外交をやっていくということにはいささかも変わりはないということを申し上げておきます。
○瀬長委員 時間が参りましたので、締めますが、外務大臣に要望として、現在のこういった国民の悩み、苦しみの根源は、やはり日米安保条約、日米軍事同盟の侵略的な強化の中でいわゆる憲法の改悪の方向が展開されている。私はまさに日米安保条約がいかに安全保障ではなくて危険を温存しながら展開するかということを痛切に感じます。したがって私が最初に申し上げましたように、大臣はせっかくりっぱな自主的平和外交を進めるのだと言われましたが、いかなる場合でも対米従属の幇間外交をやっちゃいかぬという点を強調して、私の質問を終わります。
○小沢委員長 柿澤弘治君。
○柿澤委員 時間を二十分いただいておりますが、一時から本会議だと思いますので、その範囲内で質問をさせていただきたいと思います。 各委員からそれぞれ北方領土、沖繩についての質問が出、私が用意したものとダブる点もありますので、その点をカットしながら、最近の外交問題も含めて質問をしたいと思います。 先ほど対ソ経済措置に関して、ケース・バイ・ケースだというお話をされながら、しかし大統領選が終わるまでは手はつかない、大統領選が終わったら何とか話をする機会が出るのじゃないかということを外務大臣はおっしゃいましたけれども、大統領選は十一月四日でございますから、そういう意味では間もなく、対ソ経済措置の見直しについて具体的な方策をおとりになるおつもりかどうか、その辺をお伺いしたいと思います。
○伊東国務大臣 いまの点は、私この間アメリカへ行きましたとき、向こうの首脳に会いまして、対ソ経済措置の話をいろいろしたのでございます。そのとき向こう側の意見として、いまECと相談とかいろいろあるが、ちょうど大統領選があるので、それまではなかなか手がつかぬ、それが終われば、だれが大統領になるかは別にして、考えるということが出てくるだろうから、それまでは具体的な行動に移るのはなかなかむずかしいという話が向こうから出たわけでございまして、これは私が言ったわけではないので、向こうの話でございますから、その点は誤解ないようにしていただきたいのですが、そういう問題につきましてどう考えているかというようなことを、相談する機会が出てくるだろうというふうに私は考えております。
○柿澤委員 そのお話は向こうから出たということですけれども、問題を提起され議論をされたことは事実でございますから、それが大統領選後というお話になるとすれば、この問題についてはさまざまな立場からいろいろな意見、要望も出ておりますので、年内に一応見直す機会が来る、そう考えてよろしゅうございますか。
○伊東国務大臣 いまの点の時期の問題でございますが、年内に来るか、こう言われますと、的確な返事が来るか来ないかということでございまして、相手のあることでございますから、いまここではっきりお答えはできないと思います。しかし、いままではずっと対ソ経済措置ということでやってきて、関係者でそう相談をするという機会がなかったわけでございますが、今度は恐らくそういう機会が比較的近いところに来るのじゃないかなという予想をしております。
○柿澤委員 その点については、その結果はともあれ、やはり一度見直す時期に来ていると思いますので、できる限り早い時期に関係者と御相談をいただくように要望いたしておきます。 それから先ほど小沢委員長からも、北方領土の返還の国際世論といいますか、それを高めるために、国際司法裁判所への提訴が一つの具体的な方法ではないかというお話がありました。私もまさにそうだと思いますけれども、それと同時に別の方法として、たとえば北方領土に関する関係国としてはサンフランシスコ条約の締結国があるわけですね、その締結国がそれぞれ北方領土、千島の定義その他についてどう考えているか、これは日本としても関心を持たざるを得ないところだと思います。アメリカや中国はすでに日本の考え方、つまり、北方四島は日本が放棄した千島には入らないという判断に同意をしているようですけれども、その他の国についてはまだ明らかでない。その点に関してわが国の立場を説明をし、そしてできる限り理解を得て、こういう行動を起こすべき時期だと思いますけれども、その点についていかがでしょう。
○伊東国務大臣 先生おっしゃるのも、サンフランシスコ条約で日本側が意思を表明した問題でございますので、サンフランシスコ条約の締約国の何か意見を聞くのも一つの方法じゃないかというお話で、これは先生の御意見も、確かにそういう御意見もあるかと思います。ただ具体的に、果たしてそういうやり方がいいかどうかということ、いま先生がおっしゃったようにアメリカと中国は言っているわけでございますが、ほかの国はまだ何もないわけでございまして、そういうやり方が果たしていいのかどうかということについては、これはよほど検討してみないと、目的と沿わぬようなことが出てきてはまたまずいこともございますので、その辺のところは慎重に検討させていただきたいと思います。 ただ、さっきもほかの先生にお答えしたのですけれども、これはあくまで日ソ両国の関係でございまして、実現ということに努力するのは、やはり日本がやらなければならぬわけでございまして、私は国際世論が日本の考え方を理解をしてもらうようにということで国連で呼びかけた、日本の意見を言ったわけでございます。でございますので、あくまで日ソの問題だという前提の上で、どうやったが一番いいか、先生の一つの御提案でございましたが、これはいろいろ慎重に考えてみたいと思います。
○柿澤委員 いま慎重に考えてみたいというお話がありましたけれども、しかし答弁の中では、意に沿わないような結果が出たら困まるからというようなことをおっしゃいました。意に沿わないような結果が出たら困るからという、その不安は具体的にどういうことでしょうか。
○伊東国務大臣 世界の国々にいろいろ意見があると思うのです。それが全部アメリカと中国のような意見になるのか、あるいはいろいろな条件でもつくのか、これは国際情勢といろいろ関連するわけですからわからぬわけでございます。そういうようなことも考慮の中に入れなければならぬ問題でございまして、これはやはり真剣になってやるのは日本、相手はソ連ということでございますので、私はそれを踏まえて、これはやはり日本の問題として考えなければいかぬ。世界の世論に日本の考えを理解してもらうということで世論喚起は必要でございますが、一々意見を聞いてみてどうするということになると、これはよほど慎重に考えてみなければいかぬ、こういうことでお答えしたわけでございます。
○柿澤委員 大臣のお話を聞いておりますと、北方四島は日本の固有の領土であるというわれわれの主張に対して、いささか異なる見解の国がどうも出てくるかもしれない、出てくるおそれもある、こういうニュアンスの御発言でございますけれども、外交交渉を進めようとしている外務省がそんな自信のなさで始めてよろしいのでしょうか。それで国連総会で、北方四島は日本の固有の領土である、こう宣言をされた、それはそんな自信のなさに裏打ちされた宣言だったのか、私はどうもそこのところは納得がいきません。国連総会で堂々の発言をしたのであれば、その議論を説得しに各国を歩くぐらいのことを外務省でやってもいいのじゃないでしょうか。そして国際世論ができなければ、もちろん最後は日ソの問題ですから、ソ連がうんと言わなければいけないわけですけれども、日本が一国でそれをなし遂げられるとは思わない、やはり国際的な世論がバックアップをしてくれなければできる話ではないと思うから、そういう御提言を申し上げているわけでございます。それがどうも自信がないということで始まるのであれば、これはもう返還交渉そのものが非常に腰砕けになるおそれがあるのじゃないでしょうか、その点はどうでしょう。
○伊東国務大臣 先生はそういうふうにおとりになっておりますが、私は日本に領土を返してもらうのに最もいい方法を考えなければならぬという立場でございます。先生のおっしゃっておることは方法論の問題でございます。その方法論を考える場合には、世界の国際情勢というものもよく考えなければいかぬ。サンフランシスコ条約に加盟した国はいま全部ソ連と悪いのだ、ソ連は参加しなかったから、あるいは、入った国は全部いまソ連と非常に冷たい関係があるかと言えば、そうでもない国もあるわけでございまして、そういう国際情勢等のむずかしさというものは当然、方法論として考えていかなければいかぬというふうに思うわけでございます。 ですから、先生のおっしゃった説得等の努力をしろということは、あるいは、日本の立場はこうだと言えということだけならわかります。そういうことは何も私は反対ではございません。しかし、その結果どういうものが出てくるかということで、日本のためにまずいことがあったのでは、日本の責任でやらなければならぬことですから、それは方法論としてまずい。どれが一番いい方法論かということを考えておるわけでございまして、国際情勢を抜きにして、サンフランシスコ条約に加盟した国はという大前提で、全部いまもソ連と非常に関係が悪いというふうにはなかなかいかぬ問題があるのじゃないか。そこはよほどこの国はどうだ、この国はどうだという国際情勢の中に置かれたものを考えないといかぬということを私は申し上げましたので、そんな自信がないのではおかしいじゃないかと言われると、私はそういう意味で言っているのじゃない。日本に返してもらうのに最もいい方法はどれかということを慎重に考えなければいかぬ、責任は最後まで日本にあるのだということを申し上げたわけでございます。
○柿澤委員 私ももちろん、伊東外務大臣の北方問題に関する熱意とかその意図について疑問を持っているわけじゃありません。もちろん、方法論の問題で議論をしたいと思っているわけでございます。私も外務省で外交官として四年間お世話になりましたので、全く素人ではありませんけれども、ソ連と悪ければ日本にいいというものでもないでしょう。ソ連といいからといって、この問題について日本に共鳴してくれないとも限らないと思うのです。そう単純に割り切ることはむしる危険だと思います。 そういう意味で、まず締結国の意見を聞くというふうにおとりになったかもしれませんけれども、まず説得の旅をする。国連総会でこういう趣旨のことを述べたのはこういう意味だ、もっと具体的に法理論としてはこうだ、歴史的な経緯はこうだということを最低限説明し、サンフランシスコ締結国、もちろん全国連加盟国にやっていただければ結構なのですが、最低限サンフランシスコ締結国の関係国だけでも、多数は日本の考え方を理解する、支持するという前に少なくとも理解をするというところまでは見解を取りつけておかないと、ソ連と議論をしても、国内ですら特別の政党の皆さんなどは、その解釈はおかしいじゃないか、国後、択捉は放棄した千島に入るのじゃないかという議論すらあるわけですから、それについて、そうじゃない、国際的な世論もわれを支持してくれる、大多数は支持してくれるという環境づくりをしなければ、ソ連だっておいそれとしりは上げないだろう。 その意味で、まず意見を聞くよりももっと積極的、能動的に説得の旅をする。外務大臣御自身がむずかしければ、政府特使とか外務省の担当の方とか何かそういう形で、この機会に国連での外務大臣演説をそのまま単発の打ち上げ花火にしないためのフォローアップとして具体的な行動をおとりいただけないだろうか、その点をお考えいただけないかということでございます。
○伊東国務大臣 御趣旨はよくわかりました。一部私が誤解をしていたことがあればここで取り消しますし、申しわけございませんでした。 国連で演説をしましたときに、すぐに反対討論に立ちましたのはベトナムで、その領土問題だけ取り上げて言ったわけじゃないのですけれども、ベトナムが反論したということがございましたが、われわれは歴史的にも国際法的にも日本の固有の領土であるということはもうかたい信念でございまして、そういう信念を持って、いま先生御心配なことがございましたが、国論を統一していく。また、国会でも何回も決議がございましたし、この点をわれわれは踏まえてやっていくつもりでございます。 方法論の一つとして先生は、まず理解を得る、説得をする一つの方法として考えてみろということでございました。私どもは先生の御意見も一つの御意見として頭に置いて、本当に返還させるにどれが一番いい方法かということで考えていきたいというふうに思います。
○柿澤委員 国際問題ですから微妙な点があることはよくわかりますけれども、できれば私ども沖繩特別委員会の委員等も各国の議会を訪ねて説得をする、そのくらいのことをやってもいいと思うのです。そうした政府や国会の熱意が日本国民の中の北方領土返還に対する不変の信念というものになっていく。そして、これは日本のエゴイズムではなくて、国際正義という立場からも支持されているのだという信念を持たないと、これは何か後ろめたいという気持ちではいかぬのじゃないか。その点では、多数はわれを信じてくれる、支持してくれるという信念で行動をしていただきたい、こういうふうにお願いを申し上げるわけです。 それから、国連総会でそうした形での活動をされましたことは大変結構なことだと思いますが、それに関連して、日本は今度安全保障理事国に選ばれました。安全保障理事国に立候補し当選をした以上、安保理事国として日本はかくかくの責任を果たしていきたいという御意見がおありと思いますけれども、その点をひとつお伺いをいたしたいと思うのです。特に安保理事国になれば、たとえば中東の紛争等が今後解決に向かうときその他各段階で、中東の和平に国連監視団を出すとか、それから最近のホルムズ海峡の共同パトロール構想に日本の船を出すもしくは分担金を出す、こういうような問題がいろいろ議論されると思うのですけれども、そういう点については日本は前向きに各国と歩調を合わせて積極的な役割りを果たせるのか、その点はどうでしょうか。
○伊東国務大臣 安保理の非常任理事国に当選しまして、来年の一月から理事国として世界の平和安定のために取り組むつもりでございますが、これは先生も御承知のように票数は、百四十七の有効投票のうち、百四十一票という非常に圧倒的な多数で当選をしたわけでございまして、それだけに責任は重いというふうに思っておりまして、いま先生のおっしゃった中東問題、あるいはインドシナ半島の問題、あるいはアフガンの問題とかいろいろ紛争があるわけでございますので、こういう問題については世界の場において積極的に取り組んでいくという態度でございます。ただ日本は、御承知のような自衛隊法あるいは憲法の制約ということがございますので、その範囲で考えていくということは、これはもう前提になるわけでございますが、できるだけの協力をしていくということは当然やらなければならぬというふうに思っております。
○柿澤委員 安保理事国としての積極的な貢献といまの自衛隊法というものの間に立っての妥協案というのが、分担金というような話になってくるわけだと思うのですけれども、そういうものが提案されれば、これは合憲だという解釈のもとで外務省は積極的に負担をしていく、こういうお考えでございますか。
○伊東国務大臣 過去におきましても、監視団でございますとかそういうような決議の場合には、特別な分担金があって分担をしたことは確かでございますので、そういう前例もございますから、これは当然やっていなかければならぬ問題だと思います。 ただ、国会でいままで何回もパトロールの問題が出て、その分担金の問題等の話が出たわけでございますが、私ども答弁をしていますのは、まさか西側がパトロールするときに日本に分担金なんてみみっちいことを言ってきませんよ、それは仮定の問題でお答えするということはどうもぐあいが悪いことでございますので、余り仮定の問題は言いませんが、そんなみみっちい、西側の共同パトロールに分担金なんて、どういう対応かわからぬです、何にもわからぬときに、頭からそんなことは考えられませんよというような答弁を私したことがあるわけでございますが、安保理事会というのは、いろいろな国が東西皆入っておるわけでございますから、そこでどういう対応の決議になるかということはなかなか想像できない問題でございますので、共同パトロールというような仮定の問題でございますが、そういう問題につきましては、法律論等もございましょうし、現実の問題が起きてきた場合に、どうするかということはよく検討したいというふうに思っております。
○柿澤委員 時間が参りましたので、最後にもう一言だけお伺いしますが、いまの監視団その他へ賛成はしながら、日本としては賛成をしながら、実は具体的な貢献はできないんだ、お金を出すのが精いっぱいだという形で手を縛られたままで、安保理事国として百四十一票の重みにこたえられるのか、その辺について外務省当局としては悩みとか矛盾というのはないんでしょうか。
○伊東国務大臣 そういう問題、中で何回も実は議論しています。議論をして、こういう場合はどうか、こういう場合はどうかというような議論をするということ自身が、やっぱりそういう問題が伏在しているということだと思います。 それで私どもは、やっぱり日本の平和憲法というものは、これはもう厳としてあるわけでございますから、この許される範囲の協力だということは大前提だと思うのでございます。もう一つ今度は、自衛隊法という問題があるわけでございますが、私どもとしましては、これは法律的には、監視団、武器を持たない場合はできるとか、あるいは、場合によっては紛争に巻き込まれるおそれもある維持軍とか、いろんな法律的に仕分けをして、これは法律的にできる、これはできないとか、いろいろございますが、私はやっぱり政策判断としまして、お金だけでなくて人の協力をするというような場合には、いわゆる自衛隊ということでなくてシビリアンで、これは各省の人もあるかもしらぬ、民間の人もあるかもしらぬ、お医者さんとか通信の関係とか、いろいろあると思うのです、そういう面でこれは協力するものは協力していくという、政策的な考えの方がいいじゃないか。法律論だけで、あれはできる、あれはできないなんという議論じゃなくて、私は現実の問題としてそういうことで協力を——すぐ何か自衛隊と、こういうのが出てくるのでございますが、私はそうじゃなくて、人の問題でシビリアンで協力できることが相当あるんじゃないか、そういうふうに考えております。
○柿澤委員 ありがとうございました。終わります。
○小沢委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時五分散会