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91回国会参議院1980/04/02

予算委員会第二分科会 第4号

発言数
70
登壇者
9
会派数
4
開催日
1980/04/02

会議録

栗原俊夫日本社会党

○主査(栗原俊夫君) ただいまから予算委員会第二分科会を開会いたします。  分科担当委員の異動について御報告いたします。  昨日、丸谷金保君が分科担当委員を辞任され、その補欠として大木正吾君が分科担当委員に選任されました。  また本日、渋谷邦彦君が分科担当委員を辞任され、その補欠として中尾辰義君が分科担当委員に選任されました。     —————————————

栗原俊夫日本社会党

○主査(栗原俊夫君) 昭和五十五年度総予算中、経済企画庁所管を議題といたします。  それではこれより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言を願います。大木正吾君。

大木正吾日本社会党

○大木正吾君 大分企画庁関係で物価問題をやってきましたから何ですが、分科会ですから少し砕けた話をぜひ聞かしてほしいんです。最近の円安で二百四十九円八十銭ぐらいだったやつが二百五十三円というふうになってしまっているんですけれども、土地の高騰問題とかあるいは卸売物価の年間風速三六・一%を見ていますと、どうもやっぱり狂乱とは言えないわけでしょうけれども、またミニ狂乱とも言えないし、半狂乱といいましょうか、そういった状態に入っていく心配がありますし、同時に商品市況等もやっぱり価格景気の観がございますから、そういう点で、きのうも長官は大分財界の方々に対して厳しいお話をしたようでございますけれども、どうでしょうか、日銀をきょう呼んでいるわけじゃございませんが、思い切ってもう一遍金利を二けたに上げるとか思い切ったことをやらないと、どうも心配でならぬのですけれども、二百五十三円という状態なり、あるいは土地の増高、一般の経済界の価格景気という状況を見ますと、確かに四十八、九年のあのときとは違うとは言いながらも、少しやっぱり心配が残るわけで、ですから、マネーサプライが一二%前後かもしれませんけれども、金が偏っているという、こういう感じもしますので、きょう日銀さんを呼んでおりませんけれども、長官のこういった、きのう、きょうの状態に対しまして、物価を抑えるために相当御苦心されていることはわかるんですけれども、なお何らかの方途を講じられるお考えがあるかどうか、まず冒頭そのことをお伺いいたしたいんです。

正示啓次郎自由民主党・自由国民会議経済企画庁長官

○国務大臣(正示啓次郎君) けさ寄りつきは二百五十六円、いま私の方へ報告がございました。きのう来の為替市場の状況、本当にわれわれとしてはちょっと予想外の事態でございます。この前大木委員からいろいろ日本銀行総裁等にも御質問がありましたが、日本銀行としては、バーゼルの会議でアメリカを初めとする主要国の金融最高責任者とも会いまして、いわゆる金利引き上げ競争というものの弊害、こういうことについて十分お話し合いをいたしまして、日本としては最高の九分というところへ公定歩合の引き上げをやった。それで金利の天井感が出るというふうなことも期待され、それがまた円レートにもよい影響を及ぼすということをわれわれは内々もう全部そういう期待を持っておったことはそのとおりだと思うんです。しかるに、その後アメリカは公定歩合の引き上げはやりませんでしたけれども、プライムレートが上がっておるわけで、これは日本なんかとちょっと違うわけで、アメリカではプライムレートの方が先行してそこで金利水準が決まっていく、こんなような関係になっておることはもうすでに御承知のとおりでございます。しかし、これに対しまして西ドイツなりスイスはあえて公定歩合の引き上げは差し控える、こんなような非常に冷静な対応を示しておられるわけでございますから、まさかこんなような事態に発展していくというふうには考えなかったわけでございますが、しかし、いまこういう事態が展開しておりますので、大木委員は、もっと思い切った金融政策あるいは為替政策というようなことが必要ではないか、こういう御意見のようでございますが、私は、いま恐らく日本銀行、大蔵省ではそういうふうな点も十分いろいろ考えてはおると思いますが、さしづめ一番大事なことは、この前大木委員も非常に強く主張されましたように、国際協調、これが非常に大事だと思うんです。幸いスイスとの間に二千億円というんですか、これは規模は小そうございますけれども、具体的にそういう取り決めも行われておるようです。もう一つのファクターとしては、日本の外貨準備が二百億ドルを割るというふうなことが報道されますと、これがまた若干円に対する弱気の判断の材料になっていくというようなこともありますから、私は、やっぱりそういう点はあわせてこれから為替政策というものは心配なくやっていくんだと、これはやっぱり国際協調によってそういう保証が与えられていくんだろうと思うんですが、そんなようなこともただいま具体的にやっておられると思うんです。  それから、もう一つは、私ども前から申し上げますように、いよいよ予算も参議院で御承認をいただいて成立する、ここで一体財政政策をどういうふうに展開していくか、四月、五月という非常に大事な物価、一種の非常時、物価の正念場というふうなことが言われておりますが、ここでやはり財政政策について本当に物価危機を乗り切るという決意を込めた決定が大蔵省を中心といたしまして関係省庁との間に話し合いをつけて発表せられる、こんなようなことで財政、金融政策の物価非常時突破、物価正念場を切り抜けていく決意のほどが示されていくんじゃなかろうか。したがって、いまここで急にどうこうということよりも、いままで懸案となっておったような問題を着々やると同時に、国際的な一種の思惑的なものがあるとすれば、それを払拭するようにじみちな努力をすることが非常に大事ではなかろうか、こんなような感じを持っておるわけでございます。

大木正吾日本社会党

○大木正吾君 長官、非常にホームメードインフレに対する御警戒心も強くて、財界等に対する御指導にも苦労されているわけでございますけれども、資本収支の少しオイルダラーの日本への還流等を考えた場合に、ドイツが最近やっていますけれども、円建て国債等について中近東、特にサウジアラビアとかイラクとか、そういったところとの話し合いなどで、スワップもわかるんですけれども、やはり資本収支面からの手だてとか、これは日銀の前川さんの担当でございますけれども、やっぱり二けた台の金利も確保するぐらいの気持ちでもって当たらないと、波打ち際でもって撃退しようと言ってもどうもやっぱり限界があるという感じがいたしますので、これは企画庁の持ち場じゃありませんから、予算がいずれ上がるでしょうから、上がった前後にすかさずそういった話をぜひ大蔵大臣、日銀総裁等としていただきたいし、そうしませんと、とにかく国内物価も四月に入って公共料金が上がり、恐らく五月、六月続いて上がっていくでしょうし、春闘も控えていますからね。非常に何といいましょうか、皆さん方が不透明な状態ということを感じながら、労使交渉もそうでしょうし、同時に経済政策等につきましても会社の経営者の方々もそうでしょうけれども、要するに日本の経済の行く先について見通しのないままにみんなが苦労する、こういう状態になってしまいますから、私の希望としますれば、できることは思い切って、もう少し通貨の発行量を抑えるとか公定歩合をあと二%ぐらい上げるとか、あるいは資本収支問題で公債の発行を、どうせ五十五年度の公債発行について国内消化が完全にいけるかどうかなかなかむずかしいわけですから、そういったものについてあらゆる手法を講じるようにぜひ内閣の中でお話し合いをしてもらいたいと、こういうふうに私のこれは感想からしている助言的なことなんですけれども、お答えは要りませんけれども、そういったことを希望しておきます。  次の問題でございますが、きのう長官大分がんばって財界の方々と話し合いされた模様ですが、そのときのやりとりを新聞で一部ちょっと拝見いたしたんですけれども、異常な決意でもって話をされた状態はわかります。同時にこういった具体的なことを言ったことは、たしか私の記憶では、最近石油の狂乱のとき前後をいたしまして余りなかったと思うんですけれども、どうでしょう、そういった意味合いでの財界の各主要業界の反応、そういうところについてお聞かせいただけませんか。

正示啓次郎自由民主党・自由国民会議経済企画庁長官

○国務大臣(正示啓次郎君) きのうは、まず最初に閣議でも、大木委員も御承知のように公示地価、地価の公示が行われまして、大変な上がり方である、こんなようなことから閣議もこの問題を中心に物価対策、こういうことにほとんど終始いたした次第でございます。総理も年度開始の初日に当たって物価問題、これにひとつ全閣僚が全力投球で当たりましょうと、こんなようなことを言っておられました。そんなような空気を受けまして佐々木通産大臣と一緒に経済四団体の代表の方々にお目にかかったわけであります。ここにおける個々の話し合いということは、一応両方で了解して発表いたしましたものが新聞等で報道されておりますので御了解いただきたいと思うのでありますが、空気といたしましては、もういま大木委員が御指摘のような内外の情勢に対する認識においては、財界の方々も政府の認識も、また国会における皆様の御理解とほとんど開きはない、こういうふうに受けとめたわけであります。  そこで、先般来申し上げたように、電灯、ガスの消費者物価への直接の影響というふうなことを具体的に数字を上げて申しまして、あと電力の間接的影響をどの程度にするかは一にかかってこれは経済界の皆様の御努力にお待ちする以外にないんだから、この際そういう点を十分御理解の上御協力いただきたいと、こういうことを強調いたしたのであります。これに対しまして私の前の発言等が若干便乗値上げというふうなふうに受けとられた点がありましたので、それに対する釈明等もございました。私は何も便乗というふうなことを具体的に考えてはいないわけでありますけれども、しかし、こういうときは財界のトップという方のいろいろの言語というものは、もう非常に大きな影響力を持つので、その点から解明せられざるままに重要なアクションがとられるというようなことについては、これはやはり今日日本の経済の一番の問題は、労使の間にいたしましても、消費者とメーカー、流通業界との間にいたしましても、相互の信頼関係——コンフィデンスの問題、リライアンスの問題こんなようなことが非常に大事な要素になっておることは改めて申し上げるまでもございませんので、そういう点については十分ひとつこれからもやってお互いに努力していこうではございませんかと、こんなようなことで話は終わっております。  これに対して、まず財界の方から政府の努力、これについては相当厳しく批判を受けておりますので、われわれとしても今後一層行政の能率を向上する、あるいは行政改革をさらに推進する、あるいは政府のやっております、古い言葉で言いますと勧業というのでございましょうが、公共企業体の能率向上、そういう点についてもっとしっかりやらなきゃいけないんじゃないかというふうな非常な強い御指摘もあったわけでありまして、これは双方大いにこういう事態に対処して、緊張を本当に最高限度までお互いに高めて最善の努力をしなければならぬということを痛切に感じたわけでございます。

大木正吾日本社会党

○大木正吾君 財界の方がそういうことをおっしゃることは、それは一つの理屈でしょうけれども、実際問題として、これは極端なことを言いますけれども、この中にも戦争の経験者の方々が相当おられるはずなんですが、昔の職業軍人の場合でしたら大体尉官クラス、特務曹長ですね、その辺の賃金がいまの恐らく中央官庁の大体係長ぐらいが定石だったと思いますね。ただ、兵隊の場合には、大体人件費ですと、現在の公務員賃金の三分の一以下ですよ。だから、ずばっと思い切ったことをやるんだったら、そんな三万人をどうのこうのとかいうことを言っていてもしょうがないわけですからね。しかし、お金を払わなかったら自衛隊に来ないということも現実にあるわけです。だから二十四、五万の自衛隊の人件費などについても一回ばさっと、昔流の軍隊のような仕込み方があればそれは非常に特効薬的な決め手になりますよ、これは。それでも結構志願兵があったんですからね、あの当時。私そのことがいいとは思いませんけれども、思い切ってばっさりやれというのだったら、そういったことも一つの、何といいましょうか、財政的な問題について急激に物をやれというのだったら一つの考え方ではあるんです。別のことをやれ、やらぬとは言っていませんけれども、例として挙げているわけですからね。覚えがあるはずです。みんな初年兵でもって入ったら半年で伍長とか下士官か行きますわね、その途中またかわっていきますけれども、入った半年間ぐらいというものはものすごく自衛隊のほぼ三分の一ぐらいで、私は現に当時の貯金通帳、野戦でしたから、持っておりまして調べてみますと、ほぼ出てくるわけですよね。ですから、これは例として申し上げているだけのことでして、海外インフレ問題については政府の責任だという言い方は私は少しく財界も勝手過ぎると思うんですね。政府としてもずいぶんと私自身見ていまして一生懸命やっているけれども、むしろ財界の中の、これは通産省もなかなかできないと思いますけれども、やっぱり生産性の上昇、同時に最近の銀行から鉄鋼関係の大手などは借金を返していっているわけでしょう、現実に。そういった状態等を考えていきますと、やっぱりマネーが、通貨が偏在しているということもあるかもしれませんし、ちょっと手元でもって試算してみたんですけれども、配当の関係とか減価償却の場合などは相当ここ、不況期にも起きました当時と現在の状態を見ていますと、ちょっと中だるみがありますけれども、一二%から一三、四%上昇ぎみなんですね。ですから、こういった問題に政府が直接介入はできないでしょうけれども、私は、財界に対しまして何らこういった問題につきましても、やっぱりうちの竹田さんがおっしゃったときに石油の備蓄と電気料金値上げ問題で少し時期を延ばす云々という話もあったんですけれども、ちょっと見ただけでも配当の経過とかあるいは減価償却とか、同時に三月期もほとんどの企業が一部上場、二部上場含めて八割以上が大変な決算なんですね。そういったことであるにかかわらず、一部の新聞、日経新聞ですかの調査ですと、相当な品目、七割ぐらいの品目が値上がりすると、こういう傾向が書いてありますね。ですから、そういったことについて財界の反論はありましょうけれども、もう少し綿密な指導といいましょうか、誘導といいましょうか、介入はできませんけれども、やっぱりそこまでの気持ちでもって物を見ませんと、労働組合への説得力もないし、同時に、政府責任の追及ということを言うことも確かに財界は言うでしょうけれども、しかし、みずからの内部における吸収率ということは、配当を若干遠慮するとか、減価償却を少しく下げるとか、そういったことで国民に対して、中間製品あるいは最終商品もそうですけれども、とにかく値段を上げないという形でもって具体的に財界の努力ということもしてもらいたいと考えているわけですけれども、それについてなかなかこれは聖域でそこには入れないと通産省もおっしゃるかもしれませんけれども、参考までに私調べてみたら、そういった傾向値をここに幾つか持っているんですけれども、少しく去年の前半ぐらいからそういった傾向が高いものですから、むしろ一般論としまして政府が言うことは構わぬわけですから、そういうところについても少しく遠慮したらどうだということぐらいは、長官は非常に言いにくいでしょうし、同時に財界の突き上げもこわいでしょうけれども、やっぱりその辺のことを具体的に示していただかないと、財界が努力している、あるいは生産性で吸収しているということについて国民は納得せぬと思うんですね。ですから、そういったことについて政府が物を言いにくいことはわかりますけれども、何らかの方向でもってそういったことについてサゼスチョンなり、あるいは財界首脳の特に限られた方々とともに、物価が上がっちまったら純益は実質的に減るわけですから、そういった面でもうちょっと説得のある話し合いを持つように通産大臣等と一緒になってやっていただけないかと、こう考えておるんですがね。

正示啓次郎自由民主党・自由国民会議経済企画庁長官

○国務大臣(正示啓次郎君) きのうも、これはわれわれから申し上げたというよりむしろ御質問に答えたわけでありますが、たとえばいま御指摘の配当、これは電力、ガスについても相当増資をしたい、それには一〇%というぐらいのことはぜひやりたいというのがもともとの申請の中にあった強い要望ではございました。これを最終的に八%ということにして御承認をいただいた。それから人件費のアップにいたしましても、公益事業としてこういう時期に最小限度のところでひとつ能率を上げるというので五・五%というふうなこと。それから原油価格の見方、円レートの見方、そういうことはいろいろ御質問があったものですから通産当局からもお答えをしたような次第でございます。そういう事態をだんだんお聞きになって、財界の代表的な方々は、これはやっぱり電力、ガスについては相当厳しい対応をしておるのだなというふうなことで、そういう実際の例をごらんになって、相当強くいま御指摘のような点についても財界も心を新たにして対処していかなければいけないというふうな空気もお持ちになった。それだけにまた政府に厳しく、君たちもしっかりやらなければいかぬ、こういうふうなことではなかったかと、こういうふうに私も理解をいたしておるわけでございます。

大木正吾日本社会党

○大木正吾君 まあ、労働組合の側と国民の側も全部しんぼうしているし、かずのこ倒産ということの例がこれから他の商品にも及ぶことがあるかもしれませんけれども、いずれにしましても、そういった中ですから、ただ、私が見ている限りは純益、純利益さらに減価償却、配当を遠慮しているような傾向値がほとんどないんですよ。ですから、便乗とは何だということはわかりますけれども、しかし、むしろ従来の収益なりあるいは減価償却、そういったものにつきまして少し財界も遠慮して、たとえば配当なら配当が一二%あったらそれを一一%に下げるとか、減価償却率についても少しくやっぱり遠慮するとか、そういうことを具体的な数字でもって示さなければ、単なる便乗値上げがどうのこうの言ってみても、やっぱり抽象論に終わっちまうんですね。ですから、なかなかそれは大臣の職権の中のことでもありませんですが、きょうここに土光さんもあるいは稲山さんもいないわけですから、話はなかなかしにくいですけれども、そういったことについてもぜひ視点をしっかり据えておいていただきませんと、われわれは国民とともに新聞なんか見ているわけですから、こんなにもうかっているのにまた値上げするのかということになってきてしまいますので、その辺についてなかなか入りにくいところでしょうけれども、お願いといいましょうか、要望しておきたいと思うんです。  次に、国土庁に伺いますけれども、土地が大変な値上がりですが、まず第一に、今回の国会でもって出されました政府の税制緩和問題とこの土地の高騰問題との関係についてどうでしょう、どういう因果関係が生まれるでしょうか。土地は出てくるでしょうか。

渡辺尚国土庁土地局土地政策課長

○説明員(渡辺尚君) 最近の地価の動向は、先生も御存じだと思いますが、最近の特徴が大都市圏、それも住宅地を中心に値上がりが激しい。で、地価の高騰といいますか、地価の値上がりの要因等をいろいろ分析しておるわけでございますけれども、やはり最近の傾向を見ますと、いわゆる住宅地の需給ギャップ、これによることが非常に大きいというふうに認識しておるわけでございます。そういうような背景を踏まえまして、今回の税制改正におきましては、従来の土地譲渡所得税、これの基本的な枠組みはそのまま堅持して、そして、いわゆる宅地供給、特に大都市における宅地供給という観点から見直しを行うというわけでございます。したがいまして、今回の税制改正は、いわゆる土地譲渡所得に対する公平な負担というものを維持しながら、最近の情勢に合った見直しをしていくというふうに理解をしております。

大木正吾日本社会党

○大木正吾君 最後の部分ですよね。最近の状況に見合ったという言葉は、それはそういう言い方をすれば簡単なんだけれども、しかし最近の情勢に見合っていますか、あの緩和問題は。むしろ、これは四十七、八年から九年ごろの問題と若干違うと思うのですけれども、ミニ開発をとにかく、土地つきの十五坪の家でもほしいというサラリーマンの心理はそれはわからぬわけではないけれども、しかし物価がどんどん上がっているときには、私が土地を一千坪持っておったら絶対放さないですよ、それはもう。もし貯金を五百万持っておったら、その金でもって虎視たんたん、建設省その他に内緒でもって調べて、どこにインターチェンジができるか調べて、その周辺の土地を買ってしまうわけですね。だから、そういう心理が動いてくるということは、これは正示さんに非常に気の毒ですけれども、インフレマインドというものが下から来るわけですからね、換物運動、アメリカほどにならないといたしましても。私はむしろ、だから今度の税制緩和問題について私自身も実は失敗した一人なんですが、たとえば税制調査会、一時四十何年ですか、四、五年ごろに一遍税率を緩和しましたね、土地成金がベストテンにずらっと入っちゃったことがあるので大変な批判を受けたんです。あのとき税制調査会のメンバーに私の名前も入っていたわけでして、そういった失敗を繰り返した経験者でございますから申し上げるんだけれども、むしろ与党多数でもってあの法案が通るとしますれば、これはある意味では若干実施を延ばして、もう少し物価の鎮静状態のときに、条例化するなり、あるいは発動する、そういうふうにでもしないと、こんなふうにしていきますと、結果的にはやっぱり土地は持っていなければ損だ、物価はまだ上がっていくぞ、こういうふうになっていきますから、そういったことを、要するにインフレ心理とかインフレマインドというもののためには、今度の税制緩和というものは私は背反逆行という感じがするので、むしろ少しく慎重に考えてもらいたい。私自身の説からしますと、これは飯田久一郎さんともずいぶん議論したことがあるんだけれども、ここにいる、きょうの主査にも怒られたことがありますが、C農地問題についても、私は東京人ですから、本当に農業経営しているかどうか、もっと厳密に調べてみなさいと。調べてみて、その一家の生計が、三多摩とか一部東京周辺にある土地のC農地にありまして、本当に農作物でもって生活をしている、半分以上生活しているならばこれはいいと。でなかったら宅地並み課税をやれと、こういうことを言って農民組合、栗原先生などの組合からばーっと電報を一千通、夜中におどしの電話もかかったこともある。大分受けたんですよ。だから、そういうこと等を考えていき、また私からすれば、やっぱり税制緩和というものはもうちょっと物価が安定しているときにやれば、これはある程度土地は出てくるだろうと思う。しかし、こういうときには少しそういったことについて厳しく考えておかなくちゃいけない。同時に土地をもしももっと解放しよう、もっと住宅地にしようというなら、逆に土地税制については一定の面積について、インフレでもって公示価格も売買価格も上がっていきますね、そういったものに対して何らかの税制上の、値上がりに対する税金を取りますよというやつをやった方がこれはある意味じゃ土地が出てきやすいかもしれないし、そういった議論は真っ向からぶつかるわけですけれども、私はそういう考え方を持っておるのです。  もう一つは、買った土地の利用期間、住宅公団の方はおられませんでしょうけれども、政府なり公共団体が土地を造成したときに、一般に抽せんでもって分けるときには三年以内とか二年以内に必ず家を建てなさい、そういった厳しい規定があって、そして建てなかったら取り上げます、これまで入ってきているわけですからね、そういったものがある意味では、これから会社とかあるいは大きな不動産会社が土地を買うときには三年以内に必ずそれを住宅地に転用するか、あるいは住宅地としてみんなに分けていくか、三年以内にやはり目的に沿って始末をしていくということとか、そういったことをしないと、どうもやっぱりこの問題はなかなか解決をしないというのが私の説なんで、別に私に同意だということを言ってもらわぬで結構なんですが、むしろ土地問題はこう波が幾つかありますけれども、特に四十五、六年の大阪万博以降の動向を見ていますと、明らかにこれはもう大都市周辺の土地については思い切ったそういったことをやらない限りは土地は出てこないと思う。むしろインフレの中で、日本じゃ石油も鉄鉱石もないわけだから、資源がないのですから、言えば日本の資源というのは土地しかないのだから、都市周辺の土地。だからそういうことに着目すれば、公的な介入の仕方はもうちょっと、私は二つ申し上げたけれども、むしろインフレでもってじわじわ上がってきますね。それについて何%かの税金を取るとか、同時にもしも一千坪以上の分譲というもので買った方は三年以内に目的に沿った形でもって必ずしなければ銀行も金を貸さないとか、売買に介入していくとか、そういったことについて考えた方が私はやっぱり、あなたもそうでしょう。どこに住んでいるのか私は知りませんけれども、いま一番気の毒な人は官庁の課長とか係長クラスですよ。それこそいま綱紀粛正とか行政改革の問題でもって、次官の方でやめて立候補する方々が大体四千五百万ぐらい退職金をもらって、退職賞与的なものでもって二、三割また上積みしたり、しかし五千万もらったって東京の土地が何坪買えるのですか。そういう点を考えていけば、いまやめていく人はまだ幾らか買えるかもしれない。諸君が、あなたみたいな課長さん方が次官になったときにどうなるかということを考えたら、もうちょっと、いわば自分の気持ちに立って土地政策を考えないと、余り上の人の言うことばかり考えていたって全然実が上がらないわけだから、私は、そういった意味でもって今度のこの土地の税制緩和問題についてしばらく成り行きを見守るぐらいに、きのう閣議で御相談もあった模様ですけれども、してもらわぬと、正示さんの一生懸命に政治生命をかけた努力が水泡に帰する心配があるので、もう一遍国土庁なり企画庁長官の見解を聞かしてくれませんか。

渡辺尚国土庁土地局土地政策課長

○説明員(渡辺尚君) 先生いま御指摘になりましたように、四十七、八年当時の一〇%、一五%というようなものと、今回の場合には四分の三という長期譲渡につきましても基本的なものは残している。それから、当然のことながら、短期課説、これは御存じのように四〇%あるいは五〇%、これも堅持されている。そういうことで、四十七、八年当時のような状況というものは起こらない。むしろ先ほど申しましたような現在の問題を踏まえた改正である。特に大都市地域の土地の高度利用ということを考えまして、いわゆる買いかえ、いろいろ条件がついてございますけれども、四階以上の高い建物を建てる場合の買いかえの特例等も今度できることになったわけであります。そういう形で、やはり四十七、八年当時とはさま変わりしておりますし、現在の問題に対応している税制であるというふうに考えております。

正示啓次郎自由民主党・自由国民会議経済企画庁長官

○国務大臣(正示啓次郎君) 先ほど来、大木委員と国土庁の間で、これは国土庁の方からは今度出しております法律案、あと農住組合法ですか、こういうこともいま考えておられるようであります。私はいままで党におりましていろいろ聞きまして、こういうときの、あめとむちというふうに通常言われておりますが、それが本当によく調和のとれた土地政策として活用されてきたかどうか、こういう点について大木委員がいま御自分の体験に基づいていろいろ御提言になったわけで、これはわれわれとしては十分心して伺って参考にするようにいたしたいと思います。  昨日の閣議では、総理も大変重大な関心を持って、われわれいろいろ申し上げて、それじゃ早速関係閣僚で土地問題これは地価はもちろん重要な問題でございますが、宅地を初め土地の供給をどうして確保していくかということと、そしていま御指摘のような物価非常事態のもとにおける地価の動向、こういうことが非常に重要な問題だからこれに万全の対策を急いで確立すべく関係閣僚会議をつくりましょうということがきのう一決して、いま国土庁を中心にいろいろ準備を早速始める、こういうことでございます。予算が成立いたしますと、これは関係省庁で相談をいたしまして特に予算に計上されておりますので、全国二十四地区を特別調査地区に指定をいたしまして、そこの情報については中央も的確にこれを把握するような体制、そういうことを一方でやり、現実の動きを見ながら中央では最高の責任者がよりより協議をして国会の御意見あるいはその他関係各方面の御意見を十分伺って機動的に土地問題に対処していかなければならない、こういうことが決められたわけであります。  私、先ほど来伺っておりまして、本当に地価というものがどうなるか、これがある意味でインフレのバロメーターみたいな形になっておるという点にわれわれ物価担当庁としては非常な関心を持つわけでございます。そこで、きのうは閣議においてもそういう点を指摘いたしまして、これはもういまわれわれはインフレとの闘い総力戦を展開しておる最中だから、そういうときにこういう地価の動きというもの、しかも、それが実態よりも相当内輪なものであると、実態はもっとひどいものであるというふうなことからマスコミでも大きく取り上げられておるんだから、われわれとしてはこの問題に全力を挙げて解決に当たらなければならない、こういう決意で閣議はいまのようなことを決めまして、これから土地問題を具体的に処理していくに当たりまして、またいろいろと御意見もちょうだいいたしまして私どもは対処に誤りなきを期していきたいと考えます。

大木正吾日本社会党

○大木正吾君 土地問題について国土庁と私自身の見解は余りそぐわないんですけれども、ただ私自身、今度の税制改正の結果、またこれは失敗か成功かという問題について見た上でもって、もう少しやっぱり国会の中で、政府もやるでしょうけれども、税制だけに頼るということもどうかと思いますし、需給の関係その他ずっと見ながら考えていくべき問題だと考えていますから、とにかく政府のそういった関係の各省の方々の緊急な——とにかく、一般の物価を抑えよう抑えようとしましても、結果的にこれは一種の換物運動ですね、下手をすると。そういう傾向に走っている姿が東京都関係で一八・三%というふうな数字になっているわけですから、だから上の方で火事を消そうと思っているけれども、何のことはない、下の方でまだまだどんどん燃え盛っているか、あるいは消えたかに見えながらもくすぶっているという状態ではどうにもなりませんから、そういう点でもって、企画庁長官の方は大変なお気持ちでしょうけれども、特に国土庁等がもっとしっかり協力して、インフレ心理、そういったものについて、大体日本の問題のところはそこにあるわけですから、十分なひとつ努力をお願いいたしたいし、今後また時間があるときに私自身の見解等も述べたりする機会を持ちたいと、こう考えております。  時間も迫っておりますから次のことに移りますが、この前、実は長官、物価集中審議のときにちょうだいいたしました企画庁の例の年間四万九千六百九十円、この中の一つを取り上げてみますけれども、百十円という授業料、これは担当の課長か局長で結構ですけれども、どういうような形でもって授業料百十円という数字が出てくるんでしょうか、これ教えてください。

藤井直樹経済企画庁物価局長

○政府委員(藤井直樹君) 国立大学の授業料につきましては、年額三万六千円の負担増加になるわけでございます。ただ、私ども公共料金からの影響がどうなっているかということをとらえる場合には、やはり平均的なものとして考えていかざるを得ないのではないかと。これはそれぞれの公共料金の影響の範囲というのが全く違いますので、そういう意味で、国立学校授業料の場合につきましては、増収額が三十八億円ということになっておりますので、これを全世帯数の三千五百三十五万世帯で割って出したものが百十円ということになるわけでございます。  ほかにも、たとえば国鉄の運賃とか郵便とかいろいろございますが、こういうものになりますと、法人の負担等があったりいたしますので、そういうものにつきましては家計調査から出すというようなことでやっておりますが、御指摘のような、どの料金についてどのようにして一世帯当たりを出すかということについてはいろいろ問題があるかと思いますが、平均的な世帯としてとらえるということで算定したものでございます。

大木正吾日本社会党

○大木正吾君 これは国立大学の授業料が上がるということは、私立あるいは公立、さらには高校関係でもやっぱり調べてみれば上がっているわけですね。私はきのうちょっと聞いてみたんですけれども、日本における大学と高校の学生の総数、高校が四百四十八万四千七百二十九人ですね、それから大学生が国立、公立、私立を含めて百八十四万六千三百六十八人。別に企画庁、人数のことは結構ですけれども、三千五百万世帯、その中でトータルしますと六百三十二万人の学生がおるわけですよ。このうちの大半の方々は授業料の値上げ問題等の影響を受けている方々なんですね。ですから、百十円という数字があくまでも企画庁の中の机上の計算で出てくる数字かもしれませんが、国民の実感というものは、特に中年の四十歳かち五十四、五歳ぐらいの方々のところの子弟が一番多いわけですね、一番苦しいわけですよ。そういうことでございますから、やっぱりこういうけたが一つぐらい違うような感じのものにこれはどうしてもなってしまうんでしてね。国立大学だけでいきますと、確かに三十九万八千三百五十九人ですから、そういったものを三千五百万世帯との関係でもって割っていきますとそういう数字が出るかもしれませんけれども、この辺はどうしても実感と合わない典型的な姿と、こう見ているんですが、私の見方は間違いでしょうか。

藤井直樹経済企画庁物価局長

○政府委員(藤井直樹君) 国立学校に入学している子弟を持つ親の負担ということになりますと三万六千円ということになるわけでございますので、そういう点が実感として出てくるのではないかと思います。  それから、私どもは今回は国立学校授業料だけ取り上げておりますが、今後公立高校等の値上げの動きがございまして、これが各地方公共団体で行っておりますのが判明いたしますれば、それによってどの程度家計費がふえるかということはまたやらなくちゃいけないと思っておりますので、その場合にはさらに国立大学以外のものとしての負担増も出てまいりますので、あわせて考えてみますと今回一連の授業料の改定の家計負担というものの全貌がわかってくるわけです。とりあえず予算に計上いたします国立大学の授業料ということだけでとりますと、平均的にはそうならざるを得ないということでございます。

正示啓次郎自由民主党・自由国民会議経済企画庁長官

○国務大臣(正示啓次郎君) 大木委員にちょっと私の実感を申し上げたいんですが、この予算のときに、国立大学の授業料を上げなきゃならぬ、物価問題から言うと確かに上げたくない。しかし、まあ上げざるを得ない、その一つの理由に私立大学とのバランスということがあるんです。ほっておいても私立大学の方は上がりますよと、こういうことで、いま大木委員はむしろ国立大学の授業料が主導的で私立大学、こういうんですが、まあやっぱり私立大学等も上がっていく、そこでアンバランスがますます拡大されていく。そういうことになると、やっぱり国立大学もある程度バランスを考えて上げざるを得ないんじゃないかという実感を私はしみじみ持ったんです。  そこで、いま御指摘のような点は、実感からいってどうかとおっしゃるんですが、やはり私立大学の授業料というものは国立大学に比べて相当割り高であることもまた事実でございますので、まあまあこんなようなところで、いま藤井物価局長が御説明いたしましたようなことで、全体のCPIへの影響ということになると、いまのような点であると。これに対して、私立大学等はいまのところ入っていませんが、今後は公立大学、公立高校、そういうふうなものも含めて、できるだけ実感に沿うようなものにしていきたい、こんなような感じを持っておりますことをつけ加えてお答えしておきます。

大木正吾日本社会党

○大木正吾君 恐らくこの部屋の中の方で標準米を食べている方はあんまりいないと思うんですが、これは大臣には直接伺いませんけれども、この統計の米価二千円年間というのは、ちょうどこれは十二で除していきますと、ほぼ月にいたしますと大体百三、四十円でしょうか、私は東京都内の下馬生協に行っていろいろな議論をしてきたんですけれども、この数字はやっぱり標準米を食べている家庭の数字と、こういうふうな数字になるわけで、この議論をしますと、貧乏人は麦を食えと言った池田さんの話になってしまいますから、あんまり言いたくはないんですがね。だから、私が思うのは、たとえばこの中には社会保険料関係の問題が入っていないとか、これが大きいし、同時に、まあ言えばことしのベースアップによりましてサラリーマンがまた結果的には所得税が四百万の方のところでもって年間たしか三万五、六千円ふえるんですね、地方税含めたら五万円ぐらいになるんですね。ですから、そういうこと等ずっと見ていきますと、非常に生活の実感との違いがどうしても出てきてしまうわけで、問題は二つあると思うんですね。  一つは、長官、やっぱりもっと生活の階層別に物価の影響度合いが違ってくるわけですから、だから中間層の方々のところは、レジャーを毎週出た人が月に二回にするかとか、あるいは娯楽なんかの費用を詰めることは可能だと思いますけど、とにかく一番生活の厳しいところの順位のところにいる方々は非常に厳しいと思うんですよ。  ですから、私、なかなか物価問題については、総理府の統計に対しても、まあケースのとり方によってたくさん違ってきますから、ただ実感とあんまりかけ離れたことはまずいと思う。私自身がぶつけた十九万何がしということもずっと調べてみましたがね、これも少しくこの中から引けますから、大体十四、五万という感じが出てくるんですけど、同時に企画庁が出した四万九千何がしも、どうにも一般のサラリーマンなり国民から見た目では、やっぱり政府の認識というのはその程度なんかなあと、こういう感じになってしまうので、これから総理府の方とも御相談いただいて、物価問題に対する資料等お出しになるときには、生活の順位を五つに分けなくてもいいですよ、たとえば富裕層と中間層、そして一番生活保護世帯に近い層、三つぐらいに分けまして、そして標準米を食べている方々、そんなことを言っちゃうと、ちょっとこれは言葉の言い方、言い回しがむずかしいんですけどね、そういうふうにしませんものですから実感とどうしても離れてしまう、ここに問題があると思うんですね。ですから、その辺のことについて企画庁自身が物価について物を言う際には、こういう資料を出すときもそうですけれども、総理府と御相談なされまして、階層別、階級別に物価の指数などについてもお出しになる方が国民に対する説得力になりますよね。そういった意味でもって関係局長さんの意見なり大臣の今後の対処の仕方を少し伺っておきたいんですがね。

藤井直樹経済企画庁物価局長

○政府委員(藤井直樹君) この前の予算委員会の集中審議のときにもお答えいたしましたけれども、たとえば公共料金の支払い額が家計消費に占める比率等は五分位によって違うということを御指摘ありまして、私の方から数字でお答えしましたが、まさに第一分位の数字と第五分位の数字とには差がございます。そういう認識は私ども持っておるわけでございまして、たとえば総理府の統計局の消費者物価につきましても、平均的な家庭だけでなくて家計支出の額によってある程度区分を設けまして消費者物価の動き等も発表するようにいたしております。そういう形で、だんだん家計下位層に即した形での統計の整備ということも進んでおりますので、私どもとしても、そういうことについてなおこれからも一層その点について十分考えに入れた形での取り扱いをしていきたいと思っております。

正示啓次郎自由民主党・自由国民会議経済企画庁長官

○国務大臣(正示啓次郎君) 御指摘のように、私どもの経済見通しあるいは物価の見通し、これは相当抽象化されて、あるいは標準化されて出てくる、これが一体実際の生活実感からしてどういうふうに受けとめられるか、常に反省をしなければならぬと私ども考えます。それを裏づけるように、いま物価局長も言いましたように、生計費における実績をどういうふうにいたしておるか、これは五分位とかいろいろ分けまして細かく後づけをする、こういう態度が私はぜひ必要なことである、大事なことである、こういう認識を持っておるわけでございますので、これからもできるだけ抽象化されたものにしても工夫を加えますと同時に、ぜひとも後づけ、実績に照らして一体政策はどういうふうに国民の生活の中に反映しておるか、こういうことの後づけも注意深くやってまいらなければならぬ、かように考えて今後も努力していきたいと思っております。

大木正吾日本社会党

○大木正吾君 下馬生協へ行ってみたんですが、結局四十八年ごろの生活水準をそのまま今日の物価の上昇に移しまして試算いたしますと、二十七万——当時十二万一千六百九十九円ですけれども、今日の段階でも、一月ですけれども試算をいたしますと二十七万何がしですね。この方の場合には、たとえば結局外食を減らすとか、奥さんと一緒に食事する、五十二歳の方ですから、減らすとか、あるいは着る物ですね、いろいろ流行がございますけれども、そういったものを節約するとか娯楽費を少し削るとか、そういった中でこれは一月の実消費支出が二十三万八千百九十四円、こうなっているわけで、本人の努力でもって四万円ほど節約をしているわけですね。こういうケースもあります。  私は、やっぱり総理府が出すときには、あるいは企画庁も協力していただくでしょうけれども、こういった実際の例と同時に全体の統計の数字と、要するに国民に対して余りにも実感が違うようじゃこれはまずいと思うんですよ。だから、実際家計簿をつけている家庭、世帯からやっぱりやってみる。同時に全体の統計、さっきの百十円の授業料じゃありませんけれども、ああいう試算もしてみる。両方ぶつけてみて実際こうなっているんだということになれば、もうちょっと世論に対する物価問題などについては信頼がわいてきますから、そういう点でもって今後の対処手法をお願いしておきたいんです。  その次の問題ですけれども、長官、コストプッシュ問題について、人件費はコストのもちろん有力なものでございますけれども、プッシュ要因としてことし作用しているかどうかについては、どういう御感想でしょうか。賃金問題人件費です。

正示啓次郎自由民主党・自由国民会議経済企画庁長官

○国務大臣(正示啓次郎君) 労働生産性の問題といわゆるコスト要因との関係についての御質問かと思います。  私は詳しいことは、あるいは政府委員から補足してもらった方がいいかと思いますが、とにかく日本の最近における労働生産性の向上は、これはもう本当に著しいものがございまして、いままでの実績から見ますると、非常に消費者物価の安定あるいはまた企業の中でのいわゆるコストの吸収、そういう面において大きな役割りを果たしておられることは私よく理解をいたしておるつもりでございます。そういうわけで、賃金と労働生産性との関係を常に大所高所から考えておられる組合及び経営者の方々の自主的な交渉というものはりっぱな私は成果を上げておられると、こういうふうに考えております。なお、これらの点につきましては、私どもは雇用全体をひとつ大きく見守っていく必要があろう、また、物価を初めとして生活の実質を向上さしていく必要がある、こういう認識を強く持つわけでございまして、この点も労使双方非常によく理解され、そういう点においても良識ある解決を図っておられることは世界の私はりっぱな実例として誇るに足るものではないか、こんなような感じを持っております。

大木正吾日本社会党

○大木正吾君 日本がスタグフレーションに入っていないという、まあスタグフレーションの傾向はありますけれども、入るかどうかの入り口に立っているかもしれませんけれども、しかし、アメリカとかヨーロッパと違うのは、賃金に関しましての物価スライド条項がないということが結果的にはコストプッシュの中の人件費のウエートがプッシュ要因といたしましては小さいと考えていいわけでしょう。  私も事務局長をやった立場で、皆さん方から大分二、三年前には憎まれた立場なんですけれども、ずっと見ていますと、最近の労働団体の交渉力というのは、何というのか、なまくらでもって、だらしがなくて、むしろどんどんどんどん下降しているわけですね。去年の場合でも国民所得全体を見まして、賃金が六%前後ですからね、そうして全体的に八・四ということでもって、国民所得自身も五十年、五十一年不況当時、五十一年のときから見ても下がっているわけですよね。そういう点になりますと結果的に、まあスタグフレーションといいましょうか、要するに、むしろ購買力が落ちるという心配が逆にありまして、もっと労働組合の幹部よ、しっかりしなさいよということを言いたいわけだけれども、相当にやっぱり遠慮してやっている、こういう感じがありますし、このことは物価問題のときにやりましたので、これ以上言いませんが、長官の口から、どれぐらいがいいということはもちろん言えないでしょうけれども、いま出ている六%弱というようなばかげたことでいけば、まさしく経済のバランスが崩れてしまうということなども心配でございますしね。  それから同時に、これを延長していきますと、実は話題が変わりますが、最後にちょっと関連して伺っておきたいのは、企画庁は、七カ年計画ですね、ああいったものについてはもうやらないということなのか、やるのか。やる場合には、たとえば国際的な経済動向ですね、金融まで全部入ってきますから、その方から攻めてきてやるのか。日本をまず、いわば日本的な経済の計画をつくってからよそを見るのか。それはなかなかウエートの置き方ですからね。だから、いままでの経済計画を見ていますと、やっぱり国内的な要因を中心としながら国際動向を見る、こういうパターンであったと思うんですがね。むしろ最近の傾向を見ていると、やっぱり外国の方がインフレが激しいですから、スタグフレーションが激しいですから、たとえば外国の経済状態を見ながら企画庁自身が何らかの経済計画を持ち、同時に大蔵省は、大臣がはっきり私に対して答えた中にあるんだけれども、財政計画をつくると、こうおっしゃっているんですね。財政計画といいますと、財政収支試算とはもう違って、なかなかこれは大変なことなんですよ。まあどういう気持ちでおっしゃったかわかりませんけどね。五年計画が三年ぐらいにアフターケアしなきやならなかったことで、五年、五年とこうやったけれども、実際には二年半ぐらいでもってつぶれたのがずっと実情ですからね、日本の経済というものは。  そういう点等を考えていきますと、要するに経済のパターンが外国輸出貿易に依存をする形に、長官の期待したのはやっぱり内需へいきたかったけれども、そうなってしまった。そういったこととの関係で、今後の経済動向に対しての見通し等の作業にいつごろから入って、そして日本の国民が、やっぱり日本の政府、大蔵省、企画庁等は日本経済をあっちに引っ張っていくんだなということについて、七カ年計画がどうなるのか、将来どうするのか、その問題について大蔵省との関係も含めて話を少し聞かしていただけませんか、今後の作業の問題です。

正示啓次郎自由民主党・自由国民会議経済企画庁長官

○国務大臣(正示啓次郎君) 大変むずかしい問題を提起されたわけでありますが、まずわれわれは、第二次大平内閣発足が去年の十一月の初めでございましたが、以来もう物価問題が当面の最喫緊の問題である、こういう認識を持ちまして進んでまいったわけであります。しかしながら、と同時に物価の安定ということを至上命令にしながらも、しかし雇用問題、景気の堅実なる維持拡大、こういうことをまた片時も忘れてはいかぬ、こういう非常にむずかしい選択を迫られまして、これによってやってまいりました。  そこで、大木委員も御承知のように、新経済社会七カ年計画につきましては、五十四年度の実績見込み、それから五十五年度の予算、こういうことを経済見通しというふうなことを基礎にいたしましてフォローアップを行いまして、経済審議会において御討議がございまして、これが政府に報告されたわけであります。そのとき不幸にして総理は国会の関係で出席できませんでしたから、私が終始その審議会に出まして、いろいろ委員の方々からも御意見をちょうだいいたしました。まあ、委員の方々の中にはこのフォローアップで五十四、五十五は来たけれども、しかし、あと四カ年間、これとの関係はどうするんだというふうな点から、いまお話しのように、一体そういう中期的な見通しというものがつくれるのかどうかというふうな点も御議論になったわけであります。一方、国会の予算審議では、大蔵省が何とかして財政計画をつくりますというところへ答弁をいたしましたので、先ほどお示しのようなことになったと思うんです。やっぱり世界の基本的な諸条件というものができるだけ早く新しい安定の見通しが立てられるようになることを私は心から希望するわけでございます。原油を初めまた国際関係その他、やはり一応の安定というところへ一日も早く到達をいたしまして、その基礎の上にやはり新しい中期的な経済の見通しあるいは経済運営の基本的な政策のポイント、ポイントが形づくられるということが一番望ましいことなんです。私は一日も早くそういう事態が来ることをこいねがっておるわけでございますが、差し当たりは仰せのように、各国ともインフレーションあるいはスタグフレーションとの闘いで日夜これ忙殺されるというふうな事態がいま続いております。しかし、こんなような事態はそう長々と続いてはなりませんので、一日も早く総理の訪米、あるいはわれわれもまたパリ等においてOECD等々の接触もございます。ベネチアのサミット、その他あらゆる機会に国際的な交流を通じまして日本経済の実情というものを諸外国に理解をしていただく、また諸外国の実情をわれわれも十分理解をすることによってそうした新しい事態に対処するお互いの努力の足並みもそろっていく、その上に一つの安定する見通しを一日も早く手がかりをつかんで、私は、やはりできたら財政計画とともに経済の中期的な見通しというものを新しい実情に合わしてつくっていく努力は、また、そういう心組みというものは片時も忘れずにそういう努力をやっていくべきである、こんなような感じを一応参考までに申し上げておきます。

大木正吾日本社会党

○大木正吾君 終わりますが、とにかく先進工業国でもって財政計画も経済計画も持たない国というのは、今日のいまの時点で日本だけですからね。ですから、どんなにローリングが激しくても、やっぱりたとえば二百四十兆といった七カ年計画の社会資本投資、国民の立場からしますれば、あれは本当に、経済がどっちに揺れようとも、あのウエートは下げずにやってくれるものだろうと、こう考えているに違いないですね。同時に経済が何%ぐらい実質上がるかということは、企業の経営者などにとっては非常にこれは大事な問題でございますしね。税金が二六・五%の負担率になるんだということになれば、自動増税装置が入っているから大体物品税を少しふやせば済むんだということかもしれませんけれどもね。そういった姿については、ことしなんかは原油が若干だぶついてきているわけだし、上げればそう上げる条件はないですからね。私は、この国会が予算が終わったらすぐに大蔵省と相談されまして何らかのものを示せなかったら、それはもう政府の資格なしですよ、はっきり申し上げて。政府が国民に対してこういう道を経済政策なり財政政策で歩きますよということ示せなかったなら、これは私はやっぱりどんなにりっぱなことを言ったって、言えば倫理観とか何とかと総理が訴えてますけれどもね、国民が飯を食う道といいましょうか、生活をしていく路線がはっきりせぬということは、全く無政府とはあえて申し上げませんけれども、不親切きわまりない政府になりますから、ぜひこのことは早急に大蔵と連絡を取り合ってやっていただきたい、このことを申し上げて終わります。

栗原俊夫日本社会党

○主査(栗原俊夫君) 以上をもって大木正吾君の質疑は終了いたしました。  次に、中尾辰義君。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 それでは、引き続いて物価対策についてお伺いします。  とにかく経企庁長官、物価対策は本年度最大の要件でもありますから、各委員会でいろいろと風当たりも強いでしょうけれども、ひとつがんばってもらわにゃいかぬでしょう。そこで、政府は昨年の十一月に次いで三月十九日には「当面の物価対策について」という総合物価対策を発表したわけですけれども、その中身は第二次物価対策とどういう点が異るのか。余り新しい要旨も出てないように思いますし、果たしてこれで物価が鎮静するのか、その期待はわれわれとしては余り持てないように思うんですが、総理は六月ごろは物価は鎮静すると、こういうこともおっしゃっていますけれども、どういうふうに長官はお考えになっていらっしゃるのか、まずその辺から。

正示啓次郎自由民主党・自由国民会議経済企画庁長官

○国務大臣(正示啓次郎君) 文章をごらんいただいて、また同じようなことを書いておるなという御印象をお受けになるのは、私は大変これはやむを得ないことだと思うんですが、一応いま中尾委員御指摘の前文に二つのことを強くうたい出しております。それは「適切な総需要の管理」ということを申したわけでありますが、これはちょっといままではそういうこと思い切って言っておりません。どういう意味かと申しますと、いままでは便乗値上げを排除するとか、需給の適合を図ってそれに対応する個別物資対策をやるとかというふうなことはよく言っております。また、財政金融政策についても締めぎみにやるというようなことは言っておりますが、ここで総需要の適切なる管理をうたい出した気持ちは、これは仮需だけではなくて実需についても物価動向からいって調節を必要とする場合はこれを思い切ってやると、こういう意味を打ち出しておるわけでございます。  そこで、同じ第一項目の財政金融の問題につきましても、財政についてこれから予算が成立いたしまして、それを実行する段階になりますと、まあまあ普通ならば四半期に分けてどうだというふうなところが出てまいると思いますが、しかし四月、五月は物価の危機だ、これはもう非常時だというふうな気持ちから公共事業の執行についても思い切った調節、管理をしていただくということが各閣僚の同意のもとにここにうたい上げられたと、こういうふうに御理解いただきたいと思うんです。  それから金融の面につきましては、いまの円レートなんかは非常に弱いものですから、これからどうなるかというふうな御不安もあるようですが、私は、やっぱり日本銀行、大蔵省は本当に思い切って、本年もわずかの期間に二回にわたって、しかも最高限度まで公定歩合を引き上げたという英断はこれは大いに買っていただきたいと思うのでして、そういうこととコレスポンドするように適切なる総需要の管理ということを申しておるのであります。  それからもう一つは、生産性向上ということをその前文の終わりの方に強調しております。これは実は大平総理がいままで初めて、便乗値上げを排除というふうな消極的なことではなくて積極的に生産性を向上してコスト増の部分を吸収するんだと、こういう気持ちを入れてくださいと、私も全く同感でございましたので早速それを入れさせていただいた。こういう点で、二次対策とはわれわれの少なくとも意気込みがやや違っておるという点をまず御理解いただきたいと思っております。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 私、余り時間がありませんので、結局あれですか、四、五月は物価が山場に差しかかって、何とか乗り切れるであろうけれども、その後は安定という意味は、高値で安定をしていくと、こういうことですか。

正示啓次郎自由民主党・自由国民会議経済企画庁長官

○国務大臣(正示啓次郎君) 大平総理の御発言について先ほどお触れになったようですが、総理は、四月、五月はもう物価で大変だ、景気のことはその物価問題をおさめてからと、そんなようなことで発言をされたように私どもは推測をいたしております。私はその席におりませんが、大体その気持ちならばわかる。そこで、物価非常事態は四、五月でおさまるのか、あるいは若干六月にずれ込むか、いずれにしましても、いま中尾委員御指摘のように、高値安定というふうではございませんので、来年度の目標の六・四、これを達成するためにこの非常事態をまず乗り切っていく、そして基盤を固める、その上に経済の堅実な歩みの問題をぜひとも時を失せずに手を打つ、このような気持ちでございます。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 そうあればいいんですが、情勢ははなはだ厳しいようにいろいろと民間の情報等にも出ておりますが、いまも少しありましたけれども、第二次物価対策の反省が第三次対策にどう生かされておるのか。たとえば野菜の問題を取り上げましても、野菜の価格安定対策一つをとってみても、政府の緊急価格安定対策にもかかわらず現実にはキャベツ、白菜などが急騰し、一時は一個千円もするというようなばか高値を記録したわけです。いまは少しは安くなっておりますけれども、これはちょびっとですよ。長官がおっしゃるようにほとんど安くなってないですな。ところが、その反省がこの第三次対策に少しもなされておらず、今回も野菜については、「先般の緊急価格安定対策を推進するとともに、今後需給の動向を注視し、機動的に対処する。」、こういうような紋切り型の作文に終わっておるわけでありますが、それとも何か新しい対策を用意しておるのか、その辺をまずお伺いします。

藤井直樹経済企画庁物価局長

○政府委員(藤井直樹君) 先般の緊急対策と申しますのは春野菜の繰り上げ出荷、さらには輸入の促進、それから契約しておりましたキャベツの放出というようなことをあわせて対策を講じようということでございまして、そのほかには保管のきくタマネギとかバレイショのようなものの価格は比較的安定しておりますので、そういう保管の効果もあったかと思いますが、現在、三月に三%ほど前月に対して下がっております。下がり始めたという感じがいたします。  そこで、今後の問題でございますが、こういう台風の後遺症が残って出てきた価格上昇というものは春野菜が本格的に登場いたしますとこれは消滅するわけでございますが、また同じような気象条件その他によって需給が逼迫することもあり得ますので、そういうときに対してどう措置するかということは、そのときどきの事態で違いますが、基本的にはやはり供給をやや大き目にするというような生産計画、これをまずつくることが大事ではないかと思います。そして、緊急的な事態に対してはやはり出荷指導をするとか、それから放出をするとかいうようなことが相伴わなければならないと思いますが、もう一つは、この第五項目の四番目に「生鮮食料品等の生産出荷体制の整備、取引改善の指導、」というようなことをここに取り上げておりますのは、今回の経験にもかんがみまして、特に市場の取引について、競りその他の取引の実態についてさらに適正を期していくような指導をしていこうということを農林水産省が考えておられます。そういうことも含めまして生産出荷体制の整備についても野菜の集団産地の育成というふうな従来の政策を進めるということと同時に契約栽培とか保管制度を充実していくとか、そういうようなこともあわせて実行していこうということでございまして、そういう意味では新しい事態に対しての対応をこういう形で十分やっていくということがこの対策のねらいでございまして、この線に沿って具体的な事態に即して対策をとろうということにいたしております。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 問題は、これは閣議で決まったんですけれども、各省庁が具体的にどういうふうに物価対策上取り組むかということなんですね。経済企画庁はプランメーカーですから、どちらかというと計画をつくっておればそれでいいわけですよ。それでいいというわけじゃないけれども、だから長官、各省庁になめられぬようにしっかりやってもらわないと、あんなものはプランメーカーが書いたんだから、わしはそうはいかぬ、こういうことでは全然だめなんですよ。いままでがそうだった。だから、今度はしっかりやってもらわなければいけませんよ。あなた、経済企画庁長官というのはもうちょっと、長官も大物だが、大もとをでんと据えて、各省庁にハッパをかけなければ大体実効性は上がりませんよ。それで正示長官は、通産大臣や農林水産大臣と会って具体的に協議をする、こういうように言っておられたが、協議はされたのか、まだしていないのか。したとすればその内容はどういうような内容か。

正示啓次郎自由民主党・自由国民会議経済企画庁長官

○国務大臣(正示啓次郎君) 大変大事な点を御指摘になって、同時に非常に力強い御激励をいただいたのでありますが、本当に経済の問題は、これは、本当にわれわれ経済企画庁だけでは何ともなりません。各省庁の全面的な協力、また国会の先生方のいまのような御意見を十分拝聴してやっていく、当然でございます。  そこで、通産大臣とはしょっちゅうやっております。しかし、著しいのは、きのう経済団体四団体の代表と一緒になって会いまして、その前にいろいろ国会でも物特も開かれまして、通産大臣とおまえと電力料金、ガス料金で考えが違ったのかと、いや、それは結論を出すまではいろいろ言いました、しかし、結論は一身同体ですというふうなことを申して、そうして経済団体に当たったのが先ほど大木委員からも御質問のあったように、何とかして経済界では今度の電力、ガスの値上がりを製造工程において吸収してくれ、そして製品価格に転嫁することはできるだけ抑えてくれと、こんなようなことを二人で口を合わしてお願いした。これなんかはまさに経済企画庁というものはプランメーカーであるけれども、同時に通産大臣と一緒になって経済団体にぶつかったと、こういうふうに御理解をいただきたいんです。  それから、農林水産大臣の武藤さん、これは閣僚中の若手でして、非常に私は人選よろしきを得たと思っておりますがね。彼は産地へ出かけたり市場へ出かけては、今度は野菜は下げますよというふうに、しょっちゅう連絡してくれるんですよ。私の方は資料をちゃんと持っていまして、果たして下がっているかどうか、これを毎日チェックして、また農林水産大臣にさらに一段の努力をしてくれと、こんなようなことをお願いした結果、やや愁眉を開いたといいますか、五十四年度末は、まあ大体私どもの見通しであった四・七、これに端数はつくと思いますが、枠組みとしてはそれを守っている。しかし、ここで気を緩めてはいかぬので、物価局長が言いましたように、新年度については五十四年度の体験を生かして作付から大いに計画的にやってくれよと、そして国民の台所に直結する生鮮食料品、これは野菜を初め水産物等においてもぜひ心配をかけないような、また農民や漁民の方々にも喜んでいただけるような政策をやってくれと、もう一心同体でやっておることを御報告申し上げておきます。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 だから長官、何でもやっとるやっとるだけじゃ国民に通じないでしょう。やっぱり結果が出ませんと、それはやったうちに入らぬのですよ、消費者が見ますと。だから結果を出してくださいよ。説明はせぬでも、予算委員会ずっと私も何遍も聞いとるんだから。  それで、きのうの新聞を見ると、また地価が物すごく荒れ狂ってるですな、六年ぶりに地価が物すごく急騰したと、これは私は一般質問でも国土庁長官に質問しましたんですよ。しましたけれども、あなたも企画庁長官ですから、あのときいらっしゃらなかったので、ちょっと聞いておきますけれども、きのう公示価格が発表になったでしょう。それで、あれはこの地価対策を見ても、国土利用計画法の適確な運用、これが書いてあるんですな。ところが、あれだけ上がったにもかかわらず一遍も、規制区域の指定、すなわち国土利用計画法十二条の発動がないわけですな、この点につきまして長官はどういうふうにお考えになっていますか。これだけ上がっていまだにあの法律は死んだようなものでしょう。全然生かされてない。どうお考えでしょう。

正示啓次郎自由民主党・自由国民会議経済企画庁長官

○国務大臣(正示啓次郎君) これはもう大変大事な点でございまして、中尾委員の御所属の公明党さんでも非常にこれは御努力になった結果、議員立法でああいう法律をつくっていただいたんです。あれができたために地価はずっと鎮静したという実績を持っておりますからね。私はこの法律の御利益というものを本当に高く評価しているのです。  ただ、昨日国土庁長官から公示価格の報告が閣議でございましたので、そこで、われわれほとんど全閣僚がこの地価問題について、総理も非常に重大な関心を持って、いろいろ話し合った結果、急遽土地問題関係閣僚協議会を設置する、そして新年度に当たって、いま御指摘のように地域別に実情をもっと的確に把握することが必要じゃないか。二十四地区、これは予算の中に入っておるわけでございますが、二十四地区を特別調査地区に指定をいたしまして、そこの状況は手にとるがごとく中央において報告を受け、また実情を見てその動向に対し適切な措置を講じていこうと、こういうことなんです。  そこで、中尾委員が御指摘のように、この国土利用計画法を発動したらいいじゃないか、こういう考えは私も実は持ったんですよ。夜中に物価局長に電話かけましてね、ひとつ今度はあの法律の御厄介になろうじゃないか、こう言ったんですがね。それで関係事務当局は相談してくれたんですが、と言いながら私もよく考えてみますと、これは中尾委員にもひとつこれから御協力いただきたいんですが、ここであれをぱっと発動したらどういう効果があるかといいますと、恐らく土地取引というものが全面的に一応とまるんじゃなかろうか、そうすると、一方では先ほど国土庁からも説明がありましたように、若いあるいは中年のサラリーマン諸君が何とかしてマイホームを持ちたい、宅地が供給されないものかと、こういうふうな要望を持ってこつこつと貯蓄もするというふうなことでやってきた方々にいかにこたえるか。すなわち、地価を抑えるという目的と、そういう方々の多年にわたる努力を実らせるための宅地を確保してやるという対策と両方がうまく調和されて出てくることが必要ではないかと、こんなようなことから、私どもは、いま直ちにあの法律の発動ということには踏み切り得ないのでありますが、いま申し上げたような当面の要請を充足させるにはどうすればよいか。まず行政的にこれに努力する、そして場合によっては土地対策、価格の抑制、供給の増加、それを税制その他金融の方面も含めて大至急対策を確立して実行したい、こういうことでございます。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 時間がありませんですね。しかし、あの法律は、投機的売買があったかなかったか、そういうことによって規制区域に指定する、そういうことですけれども、そのためにいま二十四地域を調査するというんでしょう。もう調査なんか済んでいるんじゃないですか。あれだけ毎年毎年新聞にも公示価格は発表してあるんですからな。いまから調査をしていたらまたそれは上がりますよ。とにかく、やることが手ぬるい感じでしょう。きのうでも、朝日、毎日、読売の新聞論調を見てみなさいよ、全く政府の地価対策ぼろかすに皆論調が出ているんですよ。それだけまどろっこしく思っとるんですからね。これはもうちょっとこれにこたえませんと、全くマイホームなんてもう夢の夢になっちゃうでしょう。住宅ローンだってできなくなっちゃうんですよ、できませんよ。一千万、二千万借りたって、サラリーマンにはもう一生涯夢になってしまう。政府の責任ですよ、あなた方の責任ですよ。あなたもその一人に入っとるんですよ、長官だから、地価を上げた責任者に。私は、この辺はやっぱり伝家の宝刀は抜くべきじゃないかと、こういうふうに思います。それはよく検討して早急に対策を講じてください。  それから、物価対策と景気との関係につきまして。第三次総合物価対策は個別物資対策など具体的な内容も若干含んではおりますけれども、対策の基本は、長官も言っていらっしゃるように、短期決戦型の総需要管理に踏み切る、そういうことであるようであります。そこで、狂乱物価のときの四十八年十二月の物価対策を見まするというと、「総需要抑制策の強化」と、こういうふうに当時はなっておったわけですね。この総需要抑制と今回の前文にある「適切な総需要の管理、」、これは具体的にどう違うのかですな、その辺まずお伺いします。

藤井直樹経済企画庁物価局長

○政府委員(藤井直樹君) 前回のときはまさに狂乱物価の過程で、それを収束していこうということに伴いまして総需要抑制を大幅に実行したわけでございまして、そのときはある程度景気の方は犠牲にしてもやむを得ないという形で政策を推進したわけでございまして、今回の場合につきましては、短期の間でございますが、財政、金融を通じての需要について抑制的な運営をしていこうと  いうことでございますが、これにつきましては、現在の景気の状況等から見まして、また全体の雇用その他のことも考えますと、やはり五十五年度におきまして見ております当初の四・八%の成長率というものは、ことしは何とか確保していかなければならないという前提があるかと思います。そういう中で当面の物価対策において総需要につ  いてのコントロールをしていこうということでございますので管理という言葉を取り上げておりますが、極端な物価上昇が生じておった狂乱物価のときの態度とはもちろん違うわけでございます。しかし、そういう効果を上げるためにやむを得ずこの際短期的にやろうということでございますので、いままで登場しておりませんでした一いままでといいますのは昨年来二回にわたって総合物価対策を講じておりますけれども、その際には登場しておらなかった需要面についての政策を取り上げるという取り上げ方につきまして管理という言葉を使ったわけでございます。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 わかったようでわからぬような話ですけれども、まあ、いいでしょう。  それで、これは景気と物価の調整というのはむずかしい問題ですけれども、その辺どういうふうに長官がかじをとっていかれるのかですな。それと、さっきも大木さんの質問にちょっとありましたが、物価対策が金融引き締めの方にいま偏っている。金融政策依存の方に偏っているので財政の面からどうかというふうなことも考えられるのですが、いまの抑制と管理の面からも関連するわけですがね。アメリカなんか相当カーター大統領は総需要抑制の方向で財政面から縛っておるようですが、これからどういうふうになっていくのか。たとえば公共事業だって前期契約率六〇%、しかし四十八年の当時のときは、たしか五五%ぐらいだったと思うのですね。あれをあのままにしておくのか、金融一本でいくのか、その辺のところ、長官、ちょっとお答えがむずかしいでしょうが、まあ統括的にひとつ感じを聞いておきましょう。

正示啓次郎自由民主党・自由国民会議経済企画庁長官

○国務大臣(正示啓次郎君) 仰せのとおり、先ほど物価局長が申しました総需要の管理というのは、まことに財政、金融面を通じて適切に総需要を管理していく、こういう気持ちをあらわしております。  そこで、いま中尾委員は思い切って財政をというふうなお話もありますが、これはまさにいま国会で御審議中の予算でございますので、われわれは国会に対して、お与えいただいた予算をこうしますなんていうことをいま申し上げることはなかなかむずかしいわけでございます。しかし、物価問題が非常に緊急の事態にあるということもまた国会でもお認めの上いろいろ御質疑があるわけですから、これに対して適切な管理をしていくという方針はまあ申し上げてもよろしいと、こういうわけでございます。  じゃ、具体的にどうかという点につきましては、大蔵大臣がたびたびお答えをいたしておりますように、大蔵省を中心に関係省庁といまよりより協議をいたしておりまして、いま申し上げたような基本的な方針に沿うて公定歩合は史上最高のところまで引き上げられております。まだそれでも不十分でないかとかいうふうな御意見は先ほども大木委員からもあったわけでございます。そういうこととのバランスをとりながら公共事業の適切な執行をやっていきたいと、こういうことでただいま政府の内部で協議が進められておると、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 それでは、次に電気・ガス料金の値上げと物価対策につきまして二、三伺います。  電気・ガス料金の値上げが結局電気が五〇・八三%、ガスが四五・三四%で決着を見たわけでありますが、これは経企長官にお伺いしますが、これもちょっといやな質問かしれませんが、あなたは終始四〇%台を主張してこられたわけなんですよな。結果はいま申し上げたような数字になって、通産省に押し切られたようなかっこうになったというわけですが、正示長官の見解をこの際伺っておきましょう。

正示啓次郎自由民主党・自由国民会議経済企画庁長官

○国務大臣(正示啓次郎君) 私は一度も五〇%を切らなきゃいかぬということは申さなかったんですが、これはもう事実そのとおりなんです。しかし、こういうことは言っております。何%でとどめるというふうな目標をつくるんじゃなくて、徹底的に原価主義で厳正に査定をしないと国民の皆様に御納得をいただけないであろうと、こういうことは言っておりますから、そこで俊敏なる記者諸君は、ああこれは五〇%切るんだなと、こういうふうに報道されたのではないかと。これは私は何も切るとも切らぬとも言っていないということをまず第一に申し上げます。  そこで電灯、電力、ガスの査定率、要するに申請に対して決定はどのくらい切り込んでおるかという数字を申し上げますと、電気全体で二一二〇%切り込んでいるんです。二割一分二厘、これだけ切り込んでいるんです。そのうち電灯、これはいわゆる消費者物価に直接響くものは二二・三〇%切り込んだんです。二割二分三厘ですが、これだけ切り込んでいる。それから電力、これは動力に使う電力、これは二〇・六七%、二割六厘七毛、これだけ切り込んでいるんです。それから内容をごらんいただきますと、原油価格は三十二ドル強でそれ以上上がらない、円レートは二百四十二円、ベースアップは五一五%だ、減価償却は石油を使わない原子力とか水力とか、そういうものだけに限定する、配当は一割と言うやつを八%、相当これは中尾委員ね、きつい査定でございまして、きのうも物特委員会では、こんなことで一体電力やガスの安定供給はできるのかというふうな御心配をいただいておるような事態なんです。というのは、一番困っておるのは原油価格はまだ上がりそうだ、円レートはいま二百五十何円というところですからね、まあまあ決して甘い査定でないということはひとつ御理解をいただいて、これから私どもは円レートを強くするように、これがすなわち物価対策でございます。円レートを強くするように、また原油はできる限り安く手に入るように、またその他原子力の問題等についても、公明党さんや民社党さんの非常な御理解によって、もうやっぱり原子力や石炭を使っておるところは手にとるようにはっきりと料金は安いんですよ。ところが原子力や石炭のないところは高いですね。こういう教訓をひとつ生かして、主査がおられますから、社会党さんを含めて大いに……。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 それでは、あと二、三問。反論もありますけれども、まあ、いいでしょう。長官の御意見を承っておきます。  それで、あと今度の三次の物価総合対策の最大の眼目は電気・ガス料金の値上げをきっかけにインフレ心理が高まる、四、五月の値上げの山をどう越すかということだろうと思いますが、電気・ガス料金の値上げに伴う製品価格やサービス料金の値上げについて極力これを抑えて、いやしくも便乗値上げを許してはならない。業界では早くも価格転嫁の構えを見せておりますが、価格動向の調査、監視について具体的にどのような対策を講ずるのか。

藤井直樹経済企画庁物価局長

○政府委員(藤井直樹君) 従来も重要な物資につきましての監視を続けておりますが、今回の電気料金の値上げに伴いますコストアップについての波及をできるだけ抑えようということでございまして、これは昨日も経企庁長官、通産大臣が関係団体にもその要請をしたわけでございますが、同時に通産省、農林水産省、運輸省等につきまして、それぞれ所管の団体に対して文書で協力要請をすでにいたしております。そういうような要請をしております一方で現実の価格形成がどうなっているかということについては、これは常時見ていくということでございまして、たとえば通産省では主要物資の需給価格動向連絡会というのをつくって定期的に内部での検討をするということにいたしております。そういうことで、中央におきましてはそういう重要な物資についての全体の動きを監視をするということにいたしておりますが、同時に地方公共団体さらには地方団体、地方の出先機関等におきましては物価安定対策事業というのを従来行っておりまして、たとえば基礎物資、さらに生活必需物資について四十六品目についての調査をしております。そういうものにさらに少し物資を追加するというようなことにいたしますのと同時に、外食の関係が非常に重要でございますので、これは農林水産省の方で四月以降の外食の監視を続けることにいまいたしております。  そういうようなことで、文書の要請と同時に、さらには末端の価格の監視をするということと、もう一つはモニターにお願いをしていくということにしておりまして、このモニターは企画庁モニター、さらに通産省のモニター、農林省のモニター、それぞれ従来いろいろなことでこういう価格監視についての経験も深いわけですから、そういう方にお願いをしてやっていきたいということで考えております。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 それでは時間がありませんので、もうこれでおしまいにしますが、大木さんの質問にもあったようですけれども、電気・ガス料金改定に伴うコスト上昇については極力合理化努力により吸収してと、こういうふうに総合物価対策には述べられておるわけですが、産業界では生産性の上昇によるコスト上昇の吸収力、これはもうすでに限界に達しておる、こういうようなことも言っておるんです。正示長官はこの点どうお考えになっていらっしゃるのか。それから電気・ガス料金の値上げが製品価格やサービス料金にどの程度はね返ってくると試算をしていらっしゃるのか。それからもう一点は、これは経企庁の宮崎次官が、今回の対策では監視と行政指導はするが価格介入はしない、こういうようにおっしゃっているわけですが、価格介入は、自由経済ですから直接介入することは決して好ましいことではありませんが、業者に価格引き上げの理由、コストの内容等を報告させる、あるいはそれをチェックする程度のことはやってもいいんじゃないか、そういうふうに思ったというんですが、その辺、ただ野放しじゃどうしようもないじゃないですか。どの程度の価格介入をするのか、その三点お伺いしてやめます。

正示啓次郎自由民主党・自由国民会議経済企画庁長官

○国務大臣(正示啓次郎君) 日本の産業の操業率がだんだん上がってくる、こういうことになってくると、吸収すると言ってもおのずから限界があるんじゃないかという点を御指摘だと思うんですが、これは業界によって相当ばらつきがございます。そこで私どもは、それぞれの業界において今度の電力等の波及効果をできるだけ少なくしてくださいと、これはもう産業全体が生きるか死ぬかを問われておるような重大なインフレの事態であるから、これをとにかく乗り切ろうじゃありませんかと、苦しいでしょうがひとつ努力してください、こういうことでやっておるわけでございます。  そこで、電灯とガスで消費者物価には電灯が〇・七、ガスが〇・三、こういうことで見ておりますから、あと電力がどのくらい波及していくか、これがいわゆるプラスアルファでございます。いろいろな見方がございまして、産業連関表で見ると〇・七という、電灯と同じぐらいのものがあるんじゃないかという計算が出るそうですが、私はたびたび各党の方に申し上げているんです。そういう計算があるからといって〇・七はしようがないんだなんというのは、これは敗北主義ですよと、それをひとつ極力圧縮しようじゃないですか、これは超党派で、与党野党を問わずそういう努力をひとつ経済界、そして経営者にも労働組合の方にもお願いしようじゃありませんかと、こう言っておりますので、吸収の度合いについては努力によって私は相当いける、こういうふうに考えて一層の努力をいたしたいと考えております。  それで、波及度もやはりそれのいわばうらはらの問題でございますので、やはりそういう点から見ますると、いま申し上げたような産業連関表等から計算的に出てくるものよりは私は内輪に持っていけるんじゃないか。そういうふうな努力によって六・四%という新しい年度の消費者物価上昇見通しを守っていくことは不可能ではない、これはもう努力にかかっておる、こういう考え方でこれからやっていきたいと考えております。  また、宮崎次官の言を引用されてのあれですが、私どもは報告を徴したり、どういうわけでこれだけ値上げするんですかということはやっております。しかし、これを強化いたします。たとえば外食産業、先ほどちょっと物価局長から申しましたように、農林水産省では、これはもう非常に大事なんです。外食産業の値上げがございますとCPIにやっぱり大きく響くんですね。だから、そういう点をうんと自覚をしていただいて、やはりインフレになって、外食産業もどんどん伸びておるわけですが、これを伸ばしていくにはやっぱり物価の安定ということが必要で、物価が上がり出したらみんなもう財布のひもを締めてしまって、絶対外食する人が減ってしまいますからね、これは自滅の道である。みずからを滅ぼすか、それとも一層これを健全に育てていくためにはこの際物価政策に御協力を願って、やはりここで努力をしてできるだけ健全な経営をやっていただく。それにはお客さんを大事にしていく、こういう政策にひとつ御協力いただきたいというので、報告を徴し、また上がり方等については、あのちょうど原油の仕切り価格、これをやりますと末端の灯油、ガソリンにどう響いていくかということをチェックしたと同じように、あらゆる業界に対しまして、モニターその他の御協力によっていろいろな報告をいただき、また、これをできるだけチェックする、こういう努力を強化していきたいと考えております。

栗原俊夫日本社会党

○主査(栗原俊夫君) 以上をもちまして中尾辰義君の質疑は終了いたしました。  次に、井上計君。

井上計民社党

○井上計君 きのうも主査に御了承をいただきましたけれども、大変狭い部屋のせいもありますし、われわれ立ってやっておりますとつい演説口調になりますので、着席のままで質疑を行いたいと思いますが、ひとつお許しいただけますか。——それでは長官も政府委員の方もひとつ着席のままで、むしろ懇談をするというふうなことでお願いをしたいと思います。  もう他の委員から質問も出尽くしていると思います。また、私のお伺いすることも大体もう似たようなことだと思います。ダブっておりましたらひとつお許しをいただきたいと思います。  昨日あたり、きょうはどうなっているかわかりませんけれども、円相場の急落というふうなことから、経企庁でお出しになっておりますところの五十五年度の経済見通し、かなり狂ってくるのではなかろうかというふうに考えますけれども、これについての修正、見直しというふうなことをおやりになる必要はどうですか。

井川博経済企画庁調整局長

○政府委員(井川博君) 五十五年度の経済見通しにおきまして、為替レート自体につきましては二百三十七円という計数ではじいておるわけです。この二百三十七円という根拠は、実は作業前一カ月の平均ということで、昨年の十一月ころの数値をそのまま採用したということでございまして、特に根拠はございません。毎年為替相場は大変むずかしいということからそういう慣例になっているということでございます。  ただしかし、現在円相場が二百五十円ぎりぎりに来ておりましたが、きょうは二百五十六円で寄りついておる、二百五十円を突破したという状況でございます。大分かけ離れているではないか、こういうお話だと思うのでございますが、御案内のように、為替相場自体は基本的にファンダメンタルズ、経済の総合的な力、特に物価あるいは国際収支というものに影響をするわけでございまして、現在、わが国の物価の状況、国際収支の状況等々、そういう数字として現段階悪い数字が出ているということ、アメリカのドルが非常に強い、このために日本の円だけではなくてドイツ・マルク、スイス・フランもやはり安くなっているというふうな状況のためにこういう状態を迎えたわけでございますが、五十五年度全体を通じての見通しということになりますと、相場でございますからわかりませんが、物価につきましても、先般来御議論いただいているように、懸命な努力をしている。それから経常収支につきましても、この三月あるいはこの四月ぐらいがピークではないだろうか、こういう赤字が続くということはあり得ない。そういたしますと、年間を通じての推移としては、われわれは、いまのような状況が続くとは思えない、もう少し円高という状況になるんではないかという感じを持っておるわけでございまして、このことだけのために五十五年度の経済見通しが狂うということはないんではないか、こういう感じを持っているわけでございます。

井上計民社党

○井上計君 局長のいまの御説明、お答えでありますけれども、私どももでき得ればそうありたいという願望があることはこれはもう同様なんです。ただしかし、現実にそのとおりにいくであろうかどうかという不安感がいま特にこの数日非常に高まっておるというふうな感じがするものですから、もちろん軽々しく経済見通しを修正できないことについても承知をいたしておりますけれども、しかし、こういう情勢の中で大幅に狂ってきた場合のやはり国民の政府に対する受けとめ方あるいは不信というふうなものが出てくる。さらに私はインフレの加速ということに結果出てくるのではなかろうかというふうな感じがするわけでありますので、したがって、見通しはもちろん困難でありますし、また、いまおっしゃるような見通しがあることもよくわかりましたけれども、しかし、こういうことであるけれども、万が一こういうふうなことが起きた場合にはこうだというふうな、何かそういうふうな幅を持つといいますか、ひとつの試案的なもの、そんなふうなものを差し支えない範囲で国民に知らすというふうな方法については、これは長官考えられませんか。

正示啓次郎自由民主党・自由国民会議経済企画庁長官

○国務大臣(正示啓次郎君) お気持ちはよくわかるんですが、いま調整局長が申しましたように、われわれは決して不可能なことを可能であると言い張っているわけじゃないんです。まあ、その生きた証拠といたしまして五十四年度、これをちょっと振り返ってごらんいただきたいと思うんですが、あれは日本は大変な黒字を出しておったんですよ、最初は。ところが原油の暴騰でどんどん赤字になっちまったんです。あのときの最初の見通しでは、卸売物価を一・六%ぐらいしか上がらないと、ところが、経済の成長は六コンマ幾ら、まあ六%と最終的になったんですが、それから消費者物価はたびたび申し上げるように四・七と、こんなようなことでずっと来たんですが、大変な変化があったにかかわらず狂ってないのは経済企画庁の経済見通しだけだなということを盛んに言っていただいているのです。これは、いま井上委員御指摘のように、いろいろなものが大きく変わるときに何もそれを墨守するとか固守するとかというのはおかしいじゃないかというふうな御議論もありますけれども、やっぱり私どもは、五十四年度の実績から言っても努力をしていくということがまた一方で必要でございますから、たとえば原油についてはいま相当上がりそうですけれども、これはまあひとつ外交的なあるいは商取引のいろいろな努力でできる限り上げないようにする、円はできる限り強くしていく、また輸出はこれは一国に集中的にいけばいろいろ摩擦が起こりますが、世界各国に本当に喜ばれるような輸出をやっていくこと、いろいろな努力を積み重ねていけば、五十四年度の私どもの実績から申しましても、五十五年度についてなお努力の余地があると、そして努力をすればそれが実っていくのだと、こういう一応強い自信のもとにこれからもやっていきたいと思っています。もちろん大変な大きなまだ予想しないような事態になってくればこれはそのとき考えるのでありますが、いまのところはそういうことで、過去の年度の実績から言って、体験から言って、なおわれわれは可能な見通しであると、こういうふうに考えております。

井上計民社党

○井上計君 いや、もう長官のお考え、また方針、また今後の具体的に努力する手段、これはもうよくわかります。またそのとおりでなくちゃいけないと思いますが、これはまた別の機会に私としても私の考え方を言いたいと思っておりますが、長官が言われますような努力が総合的に果たして政府全体として、あるいは国民を含めて国全体としてなされておるかどうかということについては、かなり私は実は残念ながら疑問を持っておるのです。これはまた別の機会に譲るといたします。  そこで、いまお話しの中にありましたけれども、五十四年度のいわば卸売物価が一二・一%と大幅に上昇する見込みであるけれども消費者物価は四・七程度にとどまっておると、これについて御努力の成果ということについては評価いたします。しかし、御努力は評価をしますけれども、努力のほかに、私は、卸売物価が急上昇したにかかわらず消費者物価が上がらなかった理由がもう一つあるのではなかろうかという感じがするのです。それは一般のやはり景気回復は除々に昨年、五十四年度後半特にしてはおりますけれども、総体的な供給過剰という面があって、どうしてもやっぱり売り値というふうなものについての原材料費の値上がりを吸収して価格修正ができなかった、特に中小企業においては出血販売、出血生産というものがかなりあったという事実があるのですね。それらのものが卸売物価が急上昇しているにかかわらず消費者物価が余り上がらなかったという理由の一つではないだろうかという、私はそういう判断をしているんです。その点どうでしょうか。

正示啓次郎自由民主党・自由国民会議経済企画庁長官

○国務大臣(正示啓次郎君) これは井上委員が一番お詳しいと思うのですが、電力やガスを非常に円高のときは利益を還元していただいた、値下げをしていただいた。そして今度は原油がどんどん上がってきた、途中から値上げしたいのはやまやまであったけれども五十四年度中は値上げしないと、こういうのがやっぱりインフレをこう大きく防いでくれる私は役目を果たしたと思うのです。それで、電力、ガスがそういうことでございましたから、鉄鋼なんかも上げたいというふうなことがあっても、これも上げなかった。そういうところから、物価についてはいま御指摘の中小企業の涙ぐましい努力、これももちろんあったと思います。中小企業を含めて日本の経営者の方々、また労働組合の方々、ともどもにとにかく前の石油ショックのときのようなインフレになっちゃ大変だと、賢明な消費者、これなんか打って一丸となってやっぱり消費者物価を抑えていただいたということは、卸売物価が非常に上がったのに消費者物価安定の私は大きな成果を生み出したその原動力だと、こういうふうに認識をいたしておりますから、これはもう大変大事な点でございますので、新年度においてもそういう御努力というもの、御協力というものを継続していただいて、まあ若干の事態の変化はございましても、われわれも四・七が六・四程度には消費者物価も上がらざるを得ないんじゃないかと。しかし、卸売物価の方は一二・一が若干まだ上へ行くかもしれません。しかし、われわれの五十五年度は九・三、これもある程度上がるかもしれません。しかし、消費者物価については六・四という見通しを何とか守り抜きたい、こんなようなことを考えております。

井上計民社党

○井上計君 もう長官のお気持ち、また長官のどうも願望とも言えるようなこの御決意、よくわかるんですよ。わかるんですが、先ほど中尾委員からの御質問にもありましたけれども、特にこれは私は中小企業に限定して申し上げるわけですが、中小企業だけとは言いませんけれども、生産性の向上による原材料費の値上がりの吸収ということは事実上もう不可能になっておるんですね、もう事実上は。ただ、先ほど申し上げましたように、過当競争、供給力過剰というような面で、もうマージンを下げるだけではなくて事実上の出血というふうな形の面で何とか企業運営がなされておるというケースがこれは大分あります。事実その辺は  一つのあらわれだと思いますけれども、一月、二月の倒産は五十二年以来史上第二位と、こう言われておるわけですね。通常でありますと、御承知のように、一月、二月というのは倒産としては実は少ない月であるわけなんです。ところが一月、二月が対前年度比あるいはまた五十二年以来史上第二位の倒産であるということは、そのような卸売物価の上昇に比べて消費者物価が上がっていない。言いかえますと、その上がっていないのは生産性の向上によって吸収したんでなくて、上げられない、価格修正ができない、出血というふうな面での経営がそういうふうな倒産という結果を生じておるんではなかろうかという感じがするんですが、その点どうでしょうか。

正示啓次郎自由民主党・自由国民会議経済企画庁長官

○国務大臣(正示啓次郎君) 非常に大事な点の御指摘なんですが、やっぱりここに自由競争原理、市場原理のやっぱり努力すればこういう経済の激しい競争場裏でやっぱり勝ち残っていけるということと、そして消費者は前の第一次石油ショックのときはトイレットペーパーで右往左往した。今度はかずのこ騒ぎのように冷静にこれを見て、そして冷厳な判断を下した。大きな違いがやっぱりあるわけでございまして、したがって、経営をやられる方々にはそれだけ大きなまた苦しみもあることはよくわかります。しかし、倒産が全部きわめて堅実な経営をしておったけれども、どうしても需給関係からオーバーサプライになったと、それで倒産したんだと、まあこういうふうにも私は言えないような個々の事態についていろいろ聞いておりますが、やはり若干経営が放漫であるとかいうふうな点も中にはあるんじゃないか。これらについてはやっぱりひとつ貴重な体験を生かして新年度に対処していただきたいと思うわけでございますが、しかし、たとえばこれからのさらに一層適切なる総需要の管理政策をやっていく上において、それが中小企業や零細企業にどういうインパクトを与えるか。これについてはきめ細かな対策をとって中小零細企業に対する対処策をやはり同時に進めていかなければならぬことは、仰せのとおりわれわれも心得ておるわけでございます。

井上計民社党

○井上計君 おっしゃるように、もちろん倒産の原因のすべてが全体的な供給過剰、需給のアンバランスによってやはり経営が悪化したと、それだとは言いません。いま長官おっしゃるように、やはり放漫経営があり、あるいはかずのこに見られるように、消費者からボイコットを食うような、いえば思惑というふうな面もかなりあると思います。しかし、私どもは現場でいろんな中小企業のそれぞれの実態を見ておりまして感じますことは、もう限界に達しておると、その原材料費の値上がり分を生産性向上によって吸収することはもう限界に達しておると。したがって、生産を縮小せざるを得ない。そうして赤字を縮小するために、さらにもう減量経営というよりも縮小による赤字の縮小を考えざるを得ないという空気がとみに最近強くなっておる、こう感じるんですね。  そこで、去る三月十九日の物価問題に関する関係閣僚会議で言われております前文の中に「生産性の向上が物価安定に欠くことのできない要件であることにかんがみ、」、これは当然であろうと思います。「各界が一層の生産性向上に努めることを期待する」と、こうなっておりますけれども、もう全くそれはこのとおりでなくちゃいけないと思いますけれども、かなりここに私は実際問題としてはそうはまいらぬ面が特にこれから強く出てくるのではなかろうかということを懸念をしておるのですがね。これについて経企庁として、生産性の向上に努めてそのようなものを吸収をする、さらに成長率を落とさないために生産性を向上さすことについての具体的な何か方策というふうなものについてはお考えでしょうか。

正示啓次郎自由民主党・自由国民会議経済企画庁長官

○国務大臣(正示啓次郎君) やはり基本的には、これはさっき大木委員にもお答えいたした点でございますが、日本では前の石油ショックのときには実に三二・九%の賃上げをやっておるんですね。それがあのトイレットペーパー騒ぎと私は相表裏する現象であったと思います。今度はその点が非常に違っておりまして、消費者も非常に賢明である、労使の関係も非常に良識ある行動をとっておられる。そんなようなことから経済全体に落ち着きがある、マネーサプライも非常に落ち着いた足取りでいっておる。インフレというものを何としても避けなければいかぬ、こればが国民の総意である、こういうことでございますから、いま井上委員が御指摘のような生産性向上といっても、これはもう非常に飛躍的に生産性を高めるというようなことじゃございません。もう本当に爪に火をともすような努力、工夫によって吸収をしていって生き残っていきましょうと、こういうことをそこでわれわれとしては気持ちとしてはうたい込んでおるわけでございます。そしてこのインフレの危機、これを乗り切っていくことが将来への明るい展望につながるんだ、こんなようなことでございますので、そこで華々しくどの程度生産性向上ができるかということじゃございませんで、やっぱり労働生産性は非常に高まるけれどもその程度まで賃上げはやっておりませんよと、労働者の方は生産性を高めながら賃上げはこの程度にして雇用労働全体の拡大に協力していますよというような考え方、これを個々の企業においても忘れないでひとつさらに努力をしていくというふうな気持ちをそこに込めておるわけでございます。したがって、それは一々の企業についてどうかということでございますが、生きた証拠が電力やガスについてもこの査定の過程において大変厳しい原油価格、円レート、償却、配当その他のリターンですね。こういうところで相当厳しくやっていただいておるということがすなわち生産性の向上による吸収である、その生きた私は実例であると、こういうふうに申し上げておきたいと思います。

井上計民社党

○井上計君 この問題は立場の違い、観点の違い、これはもう若干の疑義を残しながら平行線だと思いますのでこれ以上申し上げません。ただ、私はここで要望しておきたいと思いますのは、いま長官がいろいろと御説明、お答えをいただきましたが、各種のこのようなやっぱり資料徴取等についても、もちろん各ランク別にいろいろとずっと調査をされた結果、それらによってのデータに基づいて出されておるのは承知をしておりますけれども、どちらかといいますと大企業、中堅企業に主体が置かれて、大多数を占める中小企業といっても小零細企業の実態がほとんど取り上げられていない。これはもう経企庁だけじゃありません。通産省にしても大蔵省にしても、各方面のいろいろな調査資料というものがなかなか行き渡っていない。これはまた調査資料を提出をする企業の責任でもあるわけなんです。これは私自身がいままでずっと長い間そういうことを中小企業の指導をしてきまして、実際にはそういう資料は出てこない、出さない。だから、つい正確なものが集まってこないというふうなことがしばしばありましたので、私も大変困ったことがありますけれども、だから実態は必ずしも長官おっしゃるような実態と違うと、特に生産性向上等の問題については。八%程度の今度の賃上げの一つの目標が生産性よりか相対的に下回るというような中での物価抑制というようなことについての寄与ということも考えられておりますが、しかし中小企業の場合、特に小零細企業の場合には、生産性向上といっても、電力料金を初め公共料金の値上がり等から言ってほとんどゼロに近い、もう余力がないというような企業が多いという、これはそういう私は実感を持っております。これは御参考に申し上げておきますので、今後そういう面についての調査等の場合のまた御配慮もひとつお願いをいたしたいというふうに思います。  そこで、時間もありませんし、またもう皆さん方、朝からなんでお疲れでありましょうから、これは長官としてお答えにくい問題であろうと思いますが、先ほどもちょっとお話に出ておりましたけれども、公定歩合が史上最高九%である、しかし、このまま仮に——さっきも円安に歯どめをかけるんだというお話がありましたが、またいろいろ具体的な方法も後でちょっと私は提案したいと思っておりますが、やっぱり円安が進むと考えた場合さらにやはり物価抑制政策としてまた強力なものを打ち出してこられる、また打ち出さざるを得ないというふうに思うんですが、その場合、公定歩合を九%がもう最高のものとして、これがもう天井だというふうに考えていいのかどうか、あるいはもうこの辺でさっき四月過ぎれば一応また明るい見通しがというふうなお話もありましたが、そうなった場合実は引き下げということが当然考えられると思うんですけれども、そのことの情勢等についてはどのようにお考えでしょうか。

正示啓次郎自由民主党・自由国民会議経済企画庁長官

○国務大臣(正示啓次郎君) 公定歩合の問題は、日本銀行のこれはもう専管事項でございますから、私はとやかく申し上げませんが、いま総合物価対策でまだ欠けておるというか、現実になっていないのは公共事業の執行をどの程度やるか。これはやっぱり公定歩合が史上最高にいったことに照応いたしまして、それとのバランスをとって進めていって初めて適切なる総需要の管理が実を結ぶのであると、こういうふうに御理解をいただいて、これはしかし予算をとにかくお通しいただいた上のことでございますから、よりより下相談はしておると思いますが、正式の決定は予算成立後ということで御理解をいただいておきたいと思います。  それから公定歩合については、もちろん、さっき申し上げたように日本銀行で決めるわけでございますが、しかし、一般論として金利政策あるいは金融政策の弾力的な運用ということについては、これはもう非常にこのごろはよくやっておられるわけでございますから、私は金融当局は事態の推移をよく見て適切に機動的に対処していかれると思うのでありまして、いま井上委員がるるお述べになった中小企業との関係その他で、金利がもうこれだけ高くなっておる、そういうものが中小企業に対してどういう影響を与えるか、こういうところも十分考えなきゃならぬことと思いますと同時に、円レートを適正に維持していくということ、これまた非常に大事な面でございますから、そういう双方の要請にこたえた金融の弾力的、機動的な政策運営がなされるものと、こういうふうに一般論としては申し上げて差し支えないと思っています。

井上計民社党

○井上計君 公定歩合の問題は、もちろんこれは日銀の問題でありますから、経企庁が云々される問題でないことは承知をいたしておりますが、先ほどのまた生産性向上の問題に戻りますけれども、現在、中小企業の自己資本比率は、最近詳しいちょっと資料がありませんが、大体私どもの推定では三〇%を切っていると思うんですね。したがって借入金利の占める割合が非常に高くなっております。公定歩合九%ということは、実質的には中小企業の実質金利はもう一〇%を超えるわけです。一〇%を超える実質金利で設備投資はなかなか経済見通しのように進まないであろう。そういう面から考えても、生産性向上とこの物価抑制対策とは、物価安定対策とはなかなか接点を見出しにくいと、こういう感じがいたしてなりませんので、先ほどから、わけのわからぬような実はお尋ねをしたということです。これについては、もちろん私もまだ最近の特に詳しい正確なデータを持っておりませんから、ひとつ感じとして申し上げるだけでありますから、また何かのときにひとつ御配慮いただければというふうに思います。  そこで、これまた経企庁の問題ではございませんが、大蔵省お見えいただいておると思いますが、先ほど来お話のように、問題はやはり物価安定のためには円レート、これはもう欠くことができないといいますか、むしろ円レートの問題をもう一番最優先して考えざるを得ないというふうに思います。ところが、これまた先ほど経企庁のお考えでは、これ以上円安に進まぬというふうなお見通しのようでありますが、しかし、やはり不安は多くあるというふうな点から前提として申し上げたいと思うんですが、為替管理をこの際やはり強化する必要があるというふうに考えておりますが、経企庁としてはどういうお考えでしょうか。

井川博経済企画庁調整局長

○政府委員(井川博君) 大蔵省からお答えいただく前に、先生、一夜明ければとか、あるいはこれ以上円安にならないというお話がありまして、私の説明が舌足らずでなかったかと思います。  先ほど申し上げましたのは、一方において為替レートというのはドルとの関係というふうなことがございますので、国際的にこういう緊張時にドルが非常に強くなる、しかも金利が非常に高いためにドルが向こうにいって強くなるというふうなことのために相対的に円が安くなるという状況と、それから現時点では物価、経常収支ともに非常に悪い数字である。そのことのために、どっちかというと円安傾向にある、しかしながら、私が申し上げたのは、物価についてはいま懸命な努力をし六・四%という範囲で抑えようということで努力をしているし、かつまた経常収支については恐らくまだ四月あたりの数字は二カ月後ぐらいにしか出ないわけですけれども、石油の状況等々からいって現時点が経常収支の赤字の一番大きい時期じゃないか、ここらあたりが見きわめがつきますと、一方において相場という動きがございますが、そこの相場あたりのところを認識をして現在のような円安傾向をむしろ円高に引っ張っていく状況になるであろう、したがって、五十五年度全体を通じてはいまのような趨勢で推移するということはないと、こういうことでございまして、一夜明けてというふうな状況ではございません。もっと長期な話でございます。

正示啓次郎自由民主党・自由国民会議経済企画庁長官

○国務大臣(正示啓次郎君) ちょっと大蔵省から先に。

関要大蔵省国際金融局企画課長

○説明員(関要君) 為替管理の強化という御指摘でございますが、為替管理は、先生御指摘のとおり、国際収支の均衡とか通貨の安定とか、そういうことを目的といたしまして適時適切に運用していくものであろうと考えております。しかし円相場の安定ということにつきましては、やはり先ほど来企画庁長官以下お答えいただいておりますように、やはり一国の経済の基礎的な条件、こういったものがよくならなければならない。いわゆるファンダメンタルといっておりますが、そういったものの改善ということが基本的には重要なことだろうというふうに思います。それからまた円相場の安定に直接関連いたしましても、去る三月二日に行いましたように、海外等からできるだけ資金の流入を促進をするとか、あるいはまた外国の通貨当局と協調を強化いたしましていろいろな介入政策をやっていくというような手段も行っているわけでございまして、そういった総合的な施策の効果を見守っているというのが現在の段階でございまして、いますぐ為替管理を強化するということに直ちに結びつくものではないんじゃないかというふうに判断しているわけでございます。  それからまた、去る前国会におきまして為替管理の根拠法でございます外国為替及び外国貿易管理法の一部改正が成立をいたしました。この法律の精神も、御承知のように、できるだけ対外取引を自由化いたしまして、非常に特殊な事態、いわゆる有事と言われるような異常な国際収支、為替相場が非常な混乱に陥ったときにのみそういう為替管理的な手法を活用すると、こういう精神でできているわけでございます。そういったわけで直ちに為替管理の強化というふうには結びつかないんじゃないかと、かように考えているわけでございます。

正示啓次郎自由民主党・自由国民会議経済企画庁長官

○国務大臣(正示啓次郎君) 井上委員に申し上げますが、やっぱり日本はいろいろな条件、自由貿易、自由通商、それから資本の自由移動、これをやっぱり日本としては全面的に恩恵に浴さなきゃいかぬと思うのでして、今日の国際経済の大きな変化は原油価格のOPECによる操作によって混乱しておるのであって、これを正常化していくのにはやはり国際協調、これを進めていって、やがてOPECにも、インフレというものはあなた方の利益に決してなりませんと、だからお互いにひとつほどほどに全体のバランスを考えたところにいって、そして自由に通商し、自由に資本の移動を行っていこうじゃありませんかという基本的態度で、これは国会でも、いま御説明あったように、為替管理法の改正等で基本的な方向は定めていただいておると思いますので、さしあたりのところ、われわれとしては非常に心配な面もいろいろございますが、これまた国際協調で、スイスや西ドイツ、アメリカとの協力関係でしのいでいくという基本的な方向が私はやっぱり正しいんじゃないかと、こんなような感じでございます。

井上計民社党

○井上計君 私はむしろ第三者的な立場で、あるいは素人のおか目八目的な観点から先行きを不安に感じる点を率直にいま申し上げておるわけなんです。  先ほど来お話しのように、円レート円高の方向に引っ張っていこうという努力、これはしかし国内要因で、国内努力でこれが成果をもたらすもの、もちろんあります。また、そうしなくちゃいけません。しかし、いかに努力をしても国内要因だけでない問題がむしろ現在の先ほど来お話しのように円安であり、また経常収支の赤字である。また貿易収支についても、これは去年の十一月時点でありますからやむを得ないと思いますけれども、この貿易収支の五十五年度の見通しはどうも狂うのではないかというふうな感じがしてならぬわけですね。原油の問題、いま長官からお話がありましたけれども、もちろん、そういう面で国際協調という努力をうんとしなくちゃいかぬわけですけれども、幾ら努力をしてもいろいろな要因でなかなか努力の成果をもたらしにくいであろうというふうなことがもう山積しておる、そういう面で実は申し上げておるわけです。もちろん、いますぐ為替管理を強化することについては、これまた困難な問題もあろうと思いますから、これらについてもやはり大蔵省としても後手に回らぬように考えていく必要があるのではなかろうかというむしろ問題提起なんです。  そこで、時間がなくなりましたので最後にもう一つ、これは大蔵省だと思いますが、あるいは経企庁のまたお考えもあればお聞かせいただけると思いますが、貿易外収支がかなり赤字になっております。その中で、ちょっときのうも伺いまして調べましたら、旅行収支が五十三年が三十二億ドル、五十四年が四十二億ドルの赤字になっておりますね。このままでまいりますと五十五年もさらに旅行収支の赤がかなりふえるんではなかろうか、これだけ海外旅行がふえておりますし。そこで、それらの海外旅行について、これまた現在の自由主義、自由経済の中で規制ということは困難ではありますけれども、国民に対して、現在のわが国の実情、特に物価対策その他の面からして自粛を要望するというふうな運動をしてもいいんではないか。まあ海外旅行が無制限であるならドルの持ち出しも無制限であるというようなこと等から、国内旅行よりかむしろ海外旅行の方が完全な流行的なことで行われておるわけですね。だから海外旅行に行く人が国内旅行に切りかえることによって旅行収支の赤字も若干減るでしょうし、さらに国内の購買力を高めていくというふうなことにもなると思うんです。これは大変むずかしい問題ですが、長官、何かこういうようなことについて少し国民に協力を呼びかけるというふうな方法はとれないものですか。

関要大蔵省国際金融局企画課長

○説明員(関要君) 御指摘のように、旅行収支の赤字というのが近年どちらかというと増加傾向になっているわけでございますが、ただいま先生が御指摘になられました数字はカレンダーイヤー、暦年でとった数字でございますが、これを年度に直してみますと、五十三年度は三十八億ドルの赤字でございます。五十四年度でございますが、現在までわかっております五十四年四月から五十五年の二月までの数字がちょうど三十八億ドルの赤字になっているわけでございます。これに三月の分を足しますと五十四年度の旅行収支の赤が決まるわけでございますが、年度を通じまして若干五十三年度を上回るような感じになるだろうというふうに思われます。  しかし、最近傾向的に見てみますと、どちらかといいますと出国者数の伸びが鈍化をしたり、海外で一人当たりの消費額というものをはじいてみますと、これも五十四年の十月以降やや減少しておりますような傾向も出ておりまして、やはり円安との関係である意味では自動的に調整が行われているような傾向も見られるわけです。そういうわけでございまして、今後、旅行収支の動きも先生御指摘のように注意を払っていかなきゃならないと思いますが、先ほども申し上げましたような経常収支について為替管理を強化するというのはよくよくのことであるということとの関連もございますし、なお慎重に見守っていきたいというのが現在のわれわれの方の立場でございます。

正示啓次郎自由民主党・自由国民会議経済企画庁長官

○国務大臣(正示啓次郎君) いま大蔵省が非常にいみじくも指摘しましたように、海外旅行して円が非常に高い、そうすると非常にこれは外国旅行熱があおられるのですね。第一次大戦の後でドイツへ日本の方々がおいでになって、もう天国のような暮らしだということを私は故老から聞いておるんですが、若干そういう傾向があったと思います。ところが、先ほどの御指摘のように円が安い、持っていってもそう威力を発揮できないということになると、これがチェックの役割りをいたしますので、まあしばらくは事態をよく見ていきたい、こんなようなところでございます。

栗原俊夫日本社会党

○主査(栗原俊夫君) 以上をもちまして経済企画庁所管に対する質疑は終了いたしました。  これをもちまして本分科会の担当事項であります昭和五十五年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、大蔵省、通商産業省、防衛庁及び経済企画庁所管に対する質疑は終了いたしました。  以上で本分科会の審査を終了いたします。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを主査に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

栗原俊夫日本社会党

○主査(栗原俊夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十一分散会      —————・—————

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