予算委員会第二分科会 第1号
- 発言数
- 164 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1980/03/29
会議録
○町村金五君 ただいまから予算委員会第二分科会を開会いたします。 本院規則第七十五条により、年長のゆえをもちまして私が主査及び副主査の選任につきその議事を主宰いたします。 これより主査及び副主査の選任を行いますが、選任は投票によらず、主宰者の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議、こざいませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○町村金五君 御異議ないものと認めます。 それでは、主査に栗原俊夫君、副主査に成相善十君を指名いたします。 ————————————— 〔栗原俊夫君主査席に着く〕
○主査(栗原俊夫君) ただいま皆様の御推挙によりまして主査を務めることに相なりました。皆様の御協力を得ましてその責務を果たしたいと存じます。 よろしくお願い申し上げます。
○主査(栗原俊夫君) 審査に入ります前に、議事の進め方についてお諮りいたします。 本分科会は、昭和五十五年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、大蔵省、通商産業省、防衛庁及び経済企画庁所管を審査することになっております。 来たる四月二日の委員会において主査の報告を行うことになっておりますので、議事を進める都合上、主査といたしましては、本日は大蔵省、三月三十一日は通商産業省、四月一日は防衛庁、同二日は経済企画庁の順序で進めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(栗原俊夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○主査(栗原俊夫君) 次に、お諮りします。 各省庁予算審査の冒頭、各省庁から聴取する予算の細部にわたる説明は、これを省略し、それぞれの審査日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(栗原俊夫君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
○主査(栗原俊夫君) 昭和五十五年度総予算中、大蔵省所管を議題といたします。 それでは、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。丸谷金保君。
○丸谷金保君 ただいま配付されました予算に関する説明書、これをちょっと見てまいりますと、海外経済協力基金の千二百二十億と、経済協力費の三百七十六億四千七百万というのがございます。これは国連の負担金等が入っているのかと思いますが、この二つのそれぞれの違いについて簡単に。いまおたくの方で配ったからぼく聞いてるだけなんで。——私の方で御説明しましょうか。十四ページ。
○政府委員(吉野良彦君) ただいま御指摘の経済協力費の関係、経済協力費につきましては御指摘いただきましたように、大蔵省所管におきまして五十五年度は三百七十六億四千七百万を計上さしていただいておるわけでございますが、御指摘がございました海外経済協力基金につきましては、実は技術的になりまして恐縮でございますが、予算書上、項といたしましては、政府出資の項の中に海外経済協力基金への出資が計上されてございます。組織大蔵本省の項、政府出資の中に海外経済協力基金の千二百二十億円は含まれているわけでございます。項、経済協力費といたしましては三百七十六億四千七百万、こういうことでございます。
○丸谷金保君 協力基金の方は、そうしますとアジア開銀とか、そういう金融機関に対する出資等も含まれているわけでございますね。 それから経済協力費については国連やあるいはUNIDOなどの分が入っていると、これは西垣次長の方の所管かと思いますので、いらっしゃっておらないか。
○政府委員(吉野良彦君) 私直接担当いたしておりませんので、あるいは間違いがあろうかと思いますけれども、先生の御疑問は恐らく想像いたしますに、私どもは主要経費別で経済協力費というグルーピングをしていることがございます。文教、科学技術振興費でございますとか、社会保障関係費でございますとか、そういうものと並ぶ意味での主要経費としてまとめました経済協力費がございます。その意味での主要経費別の経済協力費は、五十五年度におきましては三千八百二十五億円になっているわけでございます。御指摘の海外経済協力基金の出資でございますとかあるいは外務省所管でございますが、国際協力事業団への交付金でございますとかあるいはもろもろの国際関係機関の分担金でございますとか、それはただいま申しました主要経費別の経済協力費の中に含まれているわけでございます。先ほど御言及ございました狭い意味での大蔵省所管の項、経済協力費が、先ほど御指摘こざいました三百七十六億四千七百万、そういう関係になっているわけでございます。
○丸谷金保君 イラン石化の関係で大蔵が負担し、年度内にも出資をし、さらに明年度残りの分は出資するということになっている分はこのうちのどこから出るのですか。
○政府委員(吉野良彦君) 早速連絡いたしまして、少しお時間いただきましてお答えさせていただきたいと思います。
○丸谷金保君 大臣、実は日本も最近は経済協力費等で予算措置をする分が諸外国に比べて決して劣らない。特に国連の分担金等においても非常に多額になってきております。さらにまた、その他の関係国際機関に対する出資あるいは協力費等も順次ふえてきておるわけです。どうも私たちの感触として、こういう数字の上で日本もこれだけ援助するようになったと、ここまでで自画自賛している感が非常に強うございます。しかし、同じような環境の西ドイツその他のEC諸国等におきましては、お金を出した分だけは必ず人もつけて出している。たとえばウィーンにあるUNIDO——海外技術援助機構でございます、国連の。分担金が同じくらいでありながら、西ドイツは日本の十倍の人を送っております。国連全体についてみても非常に日本からの人の送り方が少ない。要するにお金は出すけれどそこまでであって、それから後のことについては余りにも口出しをしないんじゃないか。こういう点についてお考えになったことございますか、大臣。金は出すけど口は出さないという。
○国務大臣(竹下登君) いわゆる経済協力等につきまして、日本の場合は経済協力というものが民間ベースに対する輸銀とか、そういう金を使って民間が一線へ出ている例が多いわけでございます。政府ないしは政府関係機関というのは、確かに人は他国に比べては少ないと私も感じたことはございます。お金にいたしますと、確かに対GNP比で見ましても相当なところへ行っておりますが、その限りにおいては、特にあっちこっちへ出かけますとよくドイツと一緒になりますけれども、ドイツなどはそういう感じでは人と金とがくっついて出ているという印象は私も受けたことはございます。
○丸谷金保君 これから税理士法の本格的な論議が始まるわけでございますけれども、この論議の中でもしばしば外国との対比の答弁が衆議院段階でも行われておりました。いまの西ドイツと日本の違い。日本は金は出すけれど口は出さないと、人を出さなければ口は出ないわけですから。ヨーロッパ諸国の場合は金を出せば必ず口を出す。この違いが実は政府自体にあるわけなんです。 国際機構におる友人が来てこのことで大変こぼしておりました。だから日本の経済外交その他については人がいなくて十分なことできないんだと、もったいないお金出していると、こういう話なんです。私はそのときこれは仕方がないんだと、日本の国民が税金は出すけれどやっていることに対して余り口出さない。同じことが政府、そういう風土の中だから政府も数字だけでこれだけ出した、協力した、こういうことで後うるさいことを言わない。それは国民が税金は出すけれど、その使い道について余りうるさくないということの、そういう国民性からきているんで、これはやむを得ないんじゃないかという非常に苦しい説明をして実はお引き取り願ったことがあります。日本の税制を全体として考える場合にでも、このことを基調として持っておかないと大変大きな間違いを起こすんじゃないか。外国の制度を入れてきましても全然風土が違うんだということを、まず十分考えに入れておかないと時に大きな混乱を起こすということになりかねないんですが、この点は大臣どうお考えになりますか。
○国務大臣(竹下登君) 確かにそういうことは注意すべきことであると思います。ただ傾向として見ますと、従来はやはりそういう貿易立国というような立場からして口を出しておったという点で見ますならばタイドローンが多かったと思うんです、ひもつきでございますね。それはむしろ他の先進諸国から日本もアンタイドにもっとしろというような要請があって、そういう傾向も幾らか私は手伝っているのじゃないかと、いまはアンタイドが多くなりましただけに。しかし、総じて言えますことは政府ないしは政府関係機関の人が比較的諸外国に比べては少なく出ておる。民間の人はそれぞれタイドであろうとアンタイドであろうとそれに着目をしてかなり出かけていくと、こういう傾向にあるのだろべと思います。
○丸谷金保君 質問の方が悪かったかと思いますけれども、私のお聞きしたいのはそういうことじゃないんです。その関係は人も口も出せというのは国際機構に対してなんです。企業の問題とは全然別で、これはひもつき融資とかそういうものとは全く違いますので、その風土というのは、いま申し上げましたような風土からきている。要するにそれは国民がそうだと、違うんだと、納税者意識というのは国の方にも足りないし、国民の方にも足りないということです。そこへ納税は義務なんだということだけで物事を処理していこうとすると大変な混乱が起こるし、現に憲法でうたわれている納税の義務に対しても依然として国民感情としては取られると、納めるという感じより取られるという感じが強いのは、こういう協力費やなんかを国自体がやっぱり取られるんであって、納めるというんじゃない感じ。ですから、納める タックスペイヤーの精神がありませんから国も同じことじゃないか。国際機構に対してどんどんと人を入れていって、その中での意見を出していかないと、納めればいいんだと、ここでとまってし まう。国民も取られると、まあ仕方がない。使い道については余り口を出さないという一連の風土、このことについての御認識を伺いたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) わかりました。要するにそういう二国間におけるローンとかそういう問題ではなく、国際機構たくさんございますですね、IMFにいたしましても、世銀にいたしましても、アジ銀にいたしましても、そういうところへこれは日本の雇用形態が要するに出向という形で行って、定住するという風土にまず一つはないと思うんですよ。したがって、諸外国の例を見ますと、まさにその機構の中に終身自分を置くというような風潮がありますが、日本の場合は出向してまた帰って来る。そういう点もあろうかと思うんです。だから日本自体のそういう何と言いますか、いままでの雇用形態とかあるいは教育とかそうしたものの中で、その機構の中へ住みついてしまうという傾向は確かにございませんでした。会議だけには行って発言はする。それはかなり人も出しておると思うのですけれども、それは私もわかるような気がいたします。
○丸谷金保君 大変しつこいようなんですが、これはこれから論議する税理士法改正の下敷きとして大事なことで、いま御確認を願っているので、国も、そういうことですね。同じように国民も取られると、取られてしまえば、申告済んでしまえば、また一年間はまあまあということで、一体われわれの納めた税金、国民の側から言うと、取られた税金がどんなふうになっていくんだということに対してきわめて関心が薄い。 たとえば、ロンドンのおばあちゃんが市役所に電話をかけるときに、私は納税者だというふうな電話をかける。こういう意味で、それぞれの行政機関に来る人というのは、きわめて少ない。取られるという意識しかない。国もやはり同じように、そういう風土の中からできている国家ですから、海外機構に対しても、お金を出してもらって、後の機構の運営とか、そういうところには余り積極性がない、こういうことにつながるんでないかと。その前の方の部分だけの御答弁を受けたんですが、国民と国との税に対する考え方について、そういう御理解をいただいておりますかということです。
○国務大臣(竹下登君) 要するに、どういうふうな理解をした方がよろしゅうございますやら、アメリカの場合、いま丸谷さんおっしゃったように、タックスペイヤーという、それから自主申告をセルフアセスメント——自分で評価して税金を払う。わが方は、納めるとかあるいは徴税をするとかいうような感じは、シャウプ勧告以後のときにも言葉の点でいろいろ議論されたことがあるようでございますが、前から使われておったような言葉がそのまま残っておる。しかしそれだけに、今度はその税金がどう使われたかということは関心がないのか、あるいは支出に関する政府なり地方公共団体のPRが不足しておるのか、その辺私もどちらかわかりませんですが、比較的寛大な国民だというふうには私も思います。したがって、逆にまた、自分がタックスをペイしているという感じでなくして、今度はやたらと国に対して要求するという方は、今度は納めるという立場を失念して、やたらと要求するという傾向もあるんじゃないかな、こういう感じはいたします。
○丸谷金保君 大事なところを上手にお外しになるんで、もう一回聞かなきゃならぬですが、国民が、税は取られるという感じを持っているということに対する認識はございますか。
○国務大臣(竹下登君) それはあります。タックスをペイしているんじゃなくして、納めているとか徴税されているとか、そういう意識はあると思います。
○丸谷金保君 予算書、こういうのを配られましても、ちっともわからないわけですよね。そしてまた、分厚いものが来てもなおわからない。わかりやすいような形で国民に、もっと言うならば、国民を代表して論議する、審議をする国会に対するこうしたものの配付についても、十年一日の、ことき、ちっとも進歩が見られないんです。読んでもわからないようなもので審議する。ですから、そういう予算の中身についての、慣行でどうなんだと、こういう論議が進まないで、どうしてもそのときそのときの問題を取り上げざるを得ないような国会論議になっちゃう。本来、予算や決算の論議というのは、もっとじみな詰めた論議をしていかなきゃならないんですが、こういうもの、ちっともわからないものしか出てこないんで、それらを研究しているうちには、もう委員会は終わってしまうという繰り返しじゃないかと思うのです。こういう予算の説明書、これらをもう少しわかりやすいものにして提案していくというふうなことを来年度からやっていただけないでしょうか。どうでしょうか、大臣。
○国務大臣(竹下登君) これは財政法とか会計法とか、そういう法律に準拠しますと、勢い予算書というものはそういう形にならざるを得ない。したがって、わかりやすい予算の説明といいますか、PRにこれ努めるために、私見ておりませんけれども、何かそういう説明書みたいのものがあるようでございます。確かにそういう感じがしましたのは、この間の予算修正の話し合いのときに、私出ますと、これはいまではわかりやすい言葉になっておりますけれども、中高年齢者雇用給付金、そうしたら、ある人が、ああ、お年寄りを雇った人に、ほうびのお金を差し上げるのだなと、こう言った。国民の方には、それは非常にわかりゃすい、そういう点は、日本の予算の中には確かに私もたくさんあると思います。そういうことはできるだけかみ砕いて、国民にもわかっていただくような努力はしなければいかぬ。しかし、予算書そのものが会計法とか、そういうものに準拠してつくられておるものが、どれほど砕けたものになるかということになりますと、私もにわかに自信はございません。
○丸谷金保君 法令事項によって既定のものを出さなければならない予算書、これは当然その書式がありまして、款項目節で、きちんとしておるわけでありますから、それは動かすことはできないと思います。しかし、それだけで、おまえらの方はわかるだろうと言っても、ただいま御質問申し上げましたように、同じ主計局次長さんでも、隣のことはわからないのですよ。大蔵省のベテランの主計局の中でさえも、次長さんが二人おれば、片方のことは片方わからないというくらい、わからない形の中で私は論議をし、審議をするということは、ちょっと無理じゃないかと、そういう点での一工夫をまずお願いいたしたいと思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(竹下登君) 工夫してみましょう。
○丸谷金保君 それで、どうしてもこういうじみな具体的な問題の論議ができないから、委員会では、現実に起きている問題を取り上げざるを得なくなってくるのですよ。これは昨日も申し上げたのですが、浜田さんの問題、これについて国税当局は、何かきのうもあんまり歯切れのいい御答弁がなかったのですが、事実であれば徴収するということでなくて、調査権を持っているのですから、これは検察とは別に、独自の判断で捜査を開始してしかるべきでないかと思うのですが、国税庁いかがですか。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 実は強制調査権を持っておりますのは、これは捜査の問題でございまして、あるいは国税で申します査察の問題でございます。では担当の査察部長、政府委員でございまして、御答弁させたいと思います。
○政府委員(矢崎新二君) ただいま御質問の、いわゆるK・ハマダなる者の問題でございますけれども、これは去る三月六日の東京地裁の公判におきまして、冒頭陳述の補充訂正が行われまして、明らかにされたということは承知をいたしておるわけでございますけれども、査察調査の問題としての御質問でございますと、これは通常の税務調査とは異なりまして、逋脱犯の告発を目的といたしまして、強制調査権を発動して行うという、かなり特殊な性格の仕事でございます。したがいまして、その要否については慎重に判断をする必要があるというふうに考えておるわけでございます。 御参考に、一般論として申し上げますと、こういった査察調査を発動いたします犯則事件として立件をすることにつきましては偽りその他不正の行為に該当する行為があるかどうか、それから不正の行為と通脱の結果との間に因果関係があるかどうか、それからさらに通脱の範囲があるかどうかといったような問題につきまして立証できるだけの積極的な見通しを持って行う必要があるわけでございますけれども、私どもといたしましては本件の場合そういった意味での査察事案として立件するだけの見通しをいまだ持つに至っていないというのが現状でございます。
○丸谷金保君 本人は否定なさっているようですが、客観的な情勢から言うと四億六千万、明らかにこの金が動いたということは事実のようでございますね。そうして、そういうことになると当然贈与税の対象になるし、昨日申し上げましたように、重加算税、利息等を計算いたしますと六億近い税が収納できる可能性を秘めているわけです。大変厳しくやるところはおやりになりますわね。中には、やったけれども、結果は事案として成功し、税を徴収するに至らなかったというふうな事件もあるくらいですから、余り慎重になっていると時効完成しますよ。どうなんです。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 時効の問題はまた別途御説明さしていただきたいと思いますが、私ども申し上げておりますのは、あくまで公判において名前の出ましたK・ハマダという、そのK・ハマダが何者であるかわからない、その者についての問題でございます。したがいまして、われわれといたしましては昨日も御答弁いたしましたとおり関心を持っております。ただ、われわれの調査と申しますのは、何もなくて手ぶらで、たとえばどこか行ってすぐしかるべき人に聞くという性格のものでもございませんので、われわれといたしましては、また現在公判係属中の問題であるという問題も考えまして、直ちに税務当局の立場から調査に着手するわけにはまいらない。こういう性格のものかと考えております。今後公判廷において事実が明らかにされ、それが税務上措置すべき問題であれば、これは当然適正な処理をとると、このように考えております。
○丸谷金保君 実は「国税・検察の黒い霧」という本が出ておりますね。これは国税庁の皆さんお読みになっておりますわね。読んでますでしょう。御存じないですか。出た当時大量に国税庁が買い占めたといううわさが出たくらいの本なんです。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 私も昨年七月国税庁に参りましたものですから、残念ながらその点については承知しておりません。
○丸谷金保君 国会図書館にあるのでお読みいただいた方がいいと思うんですが、どなたも読んでおられませんか、「国税・検察の黒い霧」というのを。
○政府委員(矢島錦一郎君) 私もまだ読んでおりません。
○丸谷金保君 これによりますと、太平洋テレビ事件というものの詳細が出ております。実に国税当局もこれを見て名誉毀損か何かで事実でないなら訴えてしかるべきでないかというような、どぎつい表現で「国税局、証拠を握りつぶす」、「租税正義をふみにじる税務官僚」、以下実に目次だけでもどぎつい表現で、中身はもっとひどいのです。もっとひどいけれども、この本に関する限りどうも事実のようなんで、こういうときには実に果敢に国税当局は強制調査をして、しかも十年裁判で結局国税庁の方が負けるのですね、この裁判は。太平洋テレビ事件が敗訴になっているという事実は次長御存じですね。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 太平洋テレビ事件につきましては、昭和三十五年九月一日から昭和三十六年八月三十一日までの事業年度につきまして、法人税法違反嫌疑で国税犯則取締法に基づきまして三十七年四月十七日強制調査を行い、昭和三十九年二月二十六日東京地検に告発したものでございます。その結果、本件は同年九月十六日起訴され、昭和四十六年十二月二十一日第一審判決で無罪となり、同年十二月二十八日検察官が控訴、昭和四十九年三月二十九日第二審判決で無罪が、これを控訴しなかったために確定いたしました。 こういう事件であることは承知しております。
○丸谷金保君 ですからね、調査に入って、いろいろやってみたけれども無罪になったという場合もあるわけです。ですから、これだけ疑いが持たれたら当然調査してしかるべきでないのですか、どうなんです。無罪になるということだってあるのですから。いや、もしかしたらどうも無罪になるかもしらぬから入れないというふうなことを考える必要ないわけですわね。
○政府委員(矢崎新二君) ただいま御指摘の本の記述内容については私も詳しく承知いたしておりませんけれども、この事案は現在民事事件といたしまして裁判中のことでもございますので、この事案につきましてコメントすることは差し控えさしていただきたいと思っておる次第でございます。
○丸谷金保君 私はこの民事の問題も法務省へ行って調べてみました。国が三十四億の賠償請求されているし、この本で見る限りそれくらい払っても仕方がないなと思うくらいずいぶんいじめ抜いております。一人の人間の、大変うまくいっている事業を台なしにして一生を棒に振らせるような、したがってこの当事者の清水さんという方が得べかりし利益その他でもって請求をしている。ただ、そこで実は非常に大事なことに気がついたのです。そういうことでもって一家離散、商売できなくなる、いろんな形で国税庁が強制捜査に入って、強制捜査に入ったということだけでもうあとの事業が全くできなくなるという事案があったり、法律の争いの中で国の方が負けた。昨日も申し上げましたような支払い利息の算入の問題等についても二審で国側が負けております。ただ、そういうことで損害賠償の請求が出て、私の会った人たちが、私の知る限りではと言うのですから、明治や大正時代にあったかもしれませんよ。しかし、少なくともここ何十年かの間にこの種事件で国が賠償を裁判で払ったという例がないんだそうですね、どういうわけか。そうですね、民事に持ち込んでも払ってないのですね。まず大抵払わなくてもいいようになる。このことがもっと私は大変なことだというふうに実は気がついたんです。間違いございませんね。それはおたくの方は関係ないですか。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 過去においてこういうふうな問題につきまして損害賠償の請求を受けまして、これを支払った例があるかないか、残念ながらわれわれ古いものをただいま調査したものを所持しておりませんものですからお答えいたしかねますけれども、十分検討さしていただきたいと、このように考えております。
○丸谷金保君 この種問題を担当している法務省の人たちは、私の記憶の中ではないと言うんですから、ここ十年やそこらはない。これは昔のことまではそれこそ調べてないからわかりませんけれどもということですが、ずいぶん訴えが起きても、大臣実は税務行政というのはこういうことなんです。非常に強権力を持って強制調査にも入ります。強制調査を受けた人の話を聞きますと、さっと朝早く来て金庫から畳の下から屋根裏まで全部調べて持っていきましたというくらいに機敏に対応するんです。結果としてはこういうふうに何もなかったということがあるんです。そうして、そういう場合でも非常な損害を受けるんですよ。現金なんかもこれは脱税の疑いですから全部差し押さえて、いざというときに取りっぱぐれのないように金庫の中の金全部持っていって、こういうふうなことですから商売できなくなっちゃうんですよ。そしてがんばれば取引先へ今度は全部調査に行きます。そうすると取引先は迷惑するから、おまえのところのは取引やめる、取引やめると言うからおまえはがんばらないでこれに判こ押しなさいというふうなことを、そういう事例を幾つも私も聞いております。国民は取られるという感覚の中で、さらにまた強制捜査でもそういうような状態があり、無罪になって非常な損害を受けた人たちが賠償を民事の訴訟へ申し込んでもずっと長く続くのでなかなかなかなかまず金が続かない。そのうちに年をとって気力もなくなる、ほとんど立ち消えになっている、こういう実態の中で税理士法が一日から慎重な審議に入るというそういう下敷きを だからその法律だけ見ていてもだめなんです。同じようにハマダ何がしなる問題にしても、そういう国民感情の中にある国税庁に対する見方、国に対する見方の中でもしもこの種の問題をやらなければ、この種問題何らかの理由で国税当局が調査を行い。少なくとも国民にわかりやすく説明のできる措置をとらなければ税不信はますます強まるということを指摘して、大臣の御答弁をいただいて終わりにしたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 確かに税務執行上たとえにお出しになった太平洋テレビ問題でございますとか、そういう反省すべき点があると私も思います。そういう事件があるところ、一方K・ハマダの問題とは別に一般論として大変緩やかな点があれば国民がそれに対して一方俊敏であれ、片方は大変緩慢であるということに対する不公平感を感じていくだろうということは、私も理解できるところであります。
○政府委員(吉野良彦君) 大変失礼いたしました。先ほどのイラン石化の関係でございますが、御案内のように昨年十月の閣議了解で二年間で海外経済協力基金から二百億円の出資をするということが決まっているわけでございますが、五十四年度分につきましては現在まだ最終的に決まってございませんが、近く約三十億円を海外経済協力基金から出資をするというふうに聞いております。 なお、五十五年度分につきましては海外経済協力基金の全体の投融資の事業規模が約四千二百二十億円ということで用意をされてございますので、その中で必要に応じて出資をされるというふうに承知をいたしております。
○主査(栗原俊夫君) 佐藤三吾君。
○佐藤三吾君 まず、いま質問を私の方で予定しておったんですが、資料の中に十二ページに公務員宿舎施設の問題が出されておりますから、この関係ちょっと先に聞いておきたいと思うんですけれども、決算委員会で御存じのとおりに、具体的に言えば空港公団の総裁初め退職公務員が規定を違反して、いまだに公務員宿舎におけるという問題が出されて、たしか大臣、これは善処しますという、早急に措置しますという回答をいただいたんですが、こういったいわゆる退職公務員がなおかつ規定に違反して不法に残っておるという実態についてどのように改善をしてきたのか、それをちょっと聞きたいと思うのです。
○政府委員(金成圭章君) 退職後、公務員宿舎に居住している場合には、原則として退職後六ヵ月以内に退居していただくわけでございますけれども、これを徹底すると、それから種々家庭の事情やむを得ない場合には、いつまでに退居するかという計画をとりまして、その事由を厳重に審査して承認をするという手続にしております。 従来からそういう趣旨であったわけでございますが、昨年十二月、国会で御議論がございましたので、これを踏まえまして各省各庁の宿舎担当課長会議を開催いたしまして、この趣旨を徹底するようにしたわけでございます。大蔵省の所管の宿舎につきましても、同じようにこの趣旨を徹底するということにいたしておるわけでございます。
○佐藤三吾君 いや、それは聞いておるんですけれどもね、その結果どうなったかというんです、そのことを、現状のを聞いておるわけです。 たとえば空港公団の例を一つとりますと、退官当時の退職金が六千万程度もらっておると。これは空港公団の副総裁ですか、そういった事例等が出されて、決算委員会で追及されて、いまあなたがおっしゃったような答弁もいただいたんですけれども、しかし家がないとかいう、社会一般の常識でいって許される性格のものじゃないじゃないかと、こういうことで早急にひとつ措置しますということになっておるんですが、もうかれこれ四ヵ月近くなる。どうなったかということを聞いておるんです。
○政府委員(金成圭章君) 大変恐縮でございますが、公務員宿舎全般につきましては理財局の方で担当しておりますので、ただいま担当課長が参りまして御答弁申し上げることになると思います。大蔵省所管につきましては、厳しい措置をとりまして、問題となるようなケースについてはすべて改善されておるというふうに申し上げたいと思います。
○佐藤三吾君 じゃあなたのところが、逆に言えばそういう公務員宿舎の管理を一括して各省持っておるわけでしょう。それの現状の状況を、三月末で結構ですから、ひとつ資料として要求しておきます。よろしいですか。
○国務大臣(竹下登君) ただいまの資料要求でございますが、私もその佐藤さんが御質問になっておった決算委員会に出ておりました。それで、わが方の恐らく理財局だと思うんです、したがって、そして実際問題としては、会計課長の場合は大蔵省のものの所管をしているわけです。全部各省ごとに違うと思うんです。それがまとめ切れるのかどうなのか、まとめる窓口にあるのかどうなのか、私もしかと存じませんので、恐らく報告を取っておるのかいないのか、これも聞いておりませんので、可能な限りの努力をしてみます。あと数日しかございませんので、その間に全部取れるかどうかはわかりませんが、可能な限りの努力はしてみます。
○佐藤三吾君 そういうことでひとつぜひお願いしておきます。 きょうは時間が短いですから、こくしぼって私は質問をしたいと思っておるわけです。 一つは、行政改革が大平政権の目玉といまなっておるわけでありますが、これは次々に改革案が発表されて、昨日も今度はブロックの行政改革の内容も発表されました。ただ、これを見ますと、新聞でもそういう取り上げ方をしておりますが、どうも数合わせというか、形式とかこういうところに流れておるような感じがしてならぬのです。 先般、地方制度調査会の中で官房長官に直接議論がございました、行管長官も含めてですね。まさに国民の行政改革に期待する内容とはかけ離れた、単なる国民の目をごまかすだけのものになっておるじゃないか。こういう指摘がされて、官房長官が、まあそう言われても、精いっぱいやっておるんですということでごまかしておりましたが、私はそれがいまの国民の皆さんから見る見方だと思うんです。もちろん雇用の問題は重要ですから、単に首を切るという性格のものじゃないと思います。しかし、一体この行政改革を国民の皆さんが強く求めておる理由はどこから生まれてきているのか、ここら辺がきちんと整理されていないところに、私は庶民の感覚から見ると、大変かけ離れているものになっておるんじゃないかと思うのです。 そういった意味で、一体三閣僚とか——今度の行政改革は、宇野長官の話によりますと、落下傘方式ということで三閣僚を基本に置いて、そしてここでまず決めて各省庁におろすと、こういうやり方をとっておるらしいんですが、大蔵大臣はその一員でもあると。基本的に一体どういう観点でこれに取り組んでおるのか聞きたいと思うのです。 私が、なぜかけ離れているかと言えば、一番大きな問題は何かと言えば、特殊法人の乱造、そこにおける一連の乱脈経理、しかもそれが発展しまして、今度は大蔵省初め各省庁のカラ出張、宴会政治、こういった問題に対して第一に何とかならないのかと、この強い国に対する不信、これが第一のスタートだと思うんですね。これに全くこたえていない。警察の、司直の手が加わって初めて、郵政省のように絶対にございませんと言っておったのが、逮捕されて初めて、もういま、きのうの決算委員会では郵政大臣がまないたの上にのったコイだという開き直ったようなことを言っている。こういうことが一つ非常に私は不信があるんじゃないかと思うんです。 それから、さらにまたいよいよ中身を、改革の具体化を見てみますと、たとえば局を部に変えたり、部を支局に変えたり、出張所にしたり、宇野長官自体が地元の陳情団で削減反対の陳情が来ると、いや決してつぶすんじゃありません、看板を変えるだけですから御心配要りませんと、こういう姿勢に一体何を国自体が、政府自体がやっておるのかと、これが率直な私は実感だと思うんですよ。いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 行政改革の基本というのは、やはり昭和三十九年に出されました臨調、長い間かかって臨調でやっていただきまして、チープガバメントというといかにも安っぽい政府という感じがするから、最近は簡素にして効率的政府と、こういう言葉を使っておりますが、そういうことが本筋であると思うのです。そこで、それが最近の世論を、いろいろさまざまな、御指摘のような問題が出ました。そこで、世論の背景というものがかなり熟したという、それにこたえるためにこの機を失せず、いままでは計画だけを立てて、実際問題としてじみちな実効はございましたが、目に見えるような実効はなかったと。そこで、やっていこうということになりまして、まあ三閣僚と申しましても、私の方はどちらかと言えば補助金の整理という意味がありますので、加えていただいておるわけでございますけれども、いろいろ議論をいたしまして、最もドラスチックにやるならば、それは中央省庁に手をつけるというようなことなら大変ドラスチックだとも思いました。しかし、やはり環境が熟したという表現がいいのか、とにかくあれだけ問題の多かった特殊法人というものからまず手を染めようというのが第一弾で、十八法人をとにかく減らそうということにした。そこで、第二弾で何をやるかということが、今回のブロック機関の統廃合をやろうと。第三弾が、六月末ということになっておりますのが、これがいわゆる府県単位のものに手をつけようと、そうして五十五年行革というものは、それが将来にわたって続くわけでございますから、その後また本格的なものをやっていこうと。いま行政監理委員会というものがございまして、常勤の委員会でございますから、ここでも本質的なものを詰めていただきながら、第四弾というものをまた出していこうというような手順でやっておるわけです。したがって、今度の、いろいろ批判はございますが、確かに宇野さんが喜怒哀楽をあらわしてはならぬというような心境になって、だれと会っても同じ顔しておらなければいかぬというようなことを表現しておるぐらい苦労しておられました。そこで、最終的に運輸省と農林水産省との大臣折衝はまさに深夜にも及んで、最終的には昨日の閣議で決着がついたといべことでございますので、決して私は、これがそのうちに一本化した法律として御審議いただくことになると思うのでございますけれども、いわゆる焼け太りと、そうして看板のかけかえは絶対いかぬという趣旨を貫こうと、すなわち焼け太りと申しますのは、二つが一つになって、同じ人数がそのままおってというようなことはいけない。そうして、局が部に変わっただけでもいけないということで、鋭意いまそれぞれの段階で詰めておりますので、私は人減らしというのには、やはり本院の決議もございますけれども、確かに問題はございます。血刀ぶら下げて生首切りに行くというような性格のものではない、雇用問題もございますから。そこに工夫をしながら、まず仕事減らし、器減らしからやっていこうということでございますので、私は第二段としてとにかく打ち出されたということは、それなりの宇野さんが大変苦労して勇気があったなというふうに私どもは評価いたしております。 まあ隗より始めよということを言われまして、それには行管と大蔵省から一つずつ出すと、こういうことでございましたが、まあ隗より始めよという構えでやったわけじゃございませんが、私どもも南北の九州の財務局を統合いたしまして、そして九州財務局を熊本につくると、こういうことを決めるにつきましても、かなり抵抗がございまして、私は国会におりますものですから、事務次官が現地へ行きますと、まあ殴られまではしないんでございますが、大変なつるし上げに遭って帰ってくるというようなこともございましたけれども、やはり方針に従って勇気を持って対処していこうという意味で、決して数合わせということでは私はないだろうというふうに理解をしております。またそうあらしめてはならないと思っております。
○佐藤三吾君 なかなか四十分という限られた時間ですから、いろいろ議論をしたいんですが、私は一日が行管、内閣それぞれ分科会を持っておりますから、行政改革問題はそこでも議論をしたいと思います。ただ、きょうはせっかく大臣いらっしゃるわけですから、大蔵省の問題にしぼって二、三点まいりますが、まず第一に、いま大臣の答弁の中に出ておりますように、行政改革という中に、私は第一には、あの公費天国に対する批判からスタートを切っておるというこのことを、行政改革ですりかえようとしておるんじゃないかというような感じがぬぐえないんですよ。これはもう率直に言って。大蔵省だけ例とりましょうね。 十月の二十九日ですか、官房長を含めて若干の処分をやって、もうこれで一切終わりだと、こういうことで、決算委員会でも大臣は、これでもう一連の問題のけりはついたんだと、こういう言い方をしましたね。ところが、その処分の対象は何であったのかと言えば、鉄建公団の問題を軸にやったんだと、こう言っておる。今度はKDDがいま問題になっていますけれども、これが今度は大蔵省に波及しないとは限らない。そういった問題が出たときには一体どうするのかと、こういう次々疑問が出てくるわけです。 そこでまず第一に聞きますが、十月の十九日の朝日新聞にいわゆる赤坂の料亭の実態が出ていましたね、大蔵省主計局を中心とする宴会政治の。これは認めるんですか認めないんですか、大蔵省自体は。それが第一。それを認めた上での二十九日の処分なのかどうなのか。 それから鉄建公団を私いろいろめくってみますと、あれはたとえば許認可であるとか人事であるとか、こういう問題は大蔵省とは直接関係ないんですね。いわゆる各公社の段階では、主務大臣と大蔵大臣の協議事項というふうに言っておるけれども、これは言ってないですね。その鉄建公団が、何で、大蔵省が認めた範囲でも、約八ヵ月か九ヵ月の間に六百万の宴会接待をやっておるわけでしょう、大蔵省が認めただけで。官房長が認めただけで。運輸省が約六百万。こういったことが事実とすれば、大蔵省の所管しておる六十くらいの特殊法人の場合には、もっと数倍の宴会政治がやられておるんじゃないかと思うのですね。これは推測ですよ。こういった問題について、どういう感覚でとらえておるのか、私はあの処分の内容を見てもどうしても理解できない。いかがですか。
○政府委員(松下康雄君) ただいま最初の御指摘の赤坂の問題の関係につきまして、処分の対象の中に含まれておりましたかどうかという点でございます。 十月の十九日の新聞報道に、具体的な会食の事例が列記をしてございましたけれども、その中には、一つは関係がないものが含まれてございましたが、その他の点につきましては、事実おおむねこの報道のようなことがございましたわけで、これは私どももお認めをいたしておる次第でございます。これがこの処分の中に反映をしておるかどうかという点でございますが、あの新聞報道の行われました十月の十九日、たまたまそれまでの鉄建公団の裏経理に関係する職員の接待の問題が問題となっておりましたこともございまして、省内に綱紀の総点検委員会を発足をさせたわけでございます。そこで、この委員会におきましては、鉄建公団の裏資金関係による接待の事実について究明をいたしますとともに、十九日の新聞報道の内容についても一応の調査検討を行ったわけでございます。その結果、十月の二十九日の職員に対する処分となったわけで。ございまして、この処分の中には、鉄建公団の関係で実際にこの会食に参加をした者あるいはそれを直接に監督をしておった者の責任についても処分をいたしてございます。これは一つ一つの内容はともかくといたしまして、非常に回数が多うございまして、したがって全体として見れば、鉄建公団との間の会食の関係は度を過ごしていたものという判断をせざるを得ないということで処分をいたしたわけでございます。 ただ、このとき同時にそれ以外の接待関係につきましても全体の判断をいたしまして、それらの接待は判明しております限りでは、人事異動に伴います担当者同士の顔合わせの会合でございますとか、あるいは予算が成立をいたしましたときに顔合わせをいたしまして予算の内容等についていろいろ意見を交換するというようなことで行われました。当時の考えで言えば、儀礼的といいますか、社交の範囲というものであったというふうに思われたわけでございます。ただ、一つ一つはそうでございましても、やはり全体として見ますと、大蔵省と他省庁との間のそういう会食の関係は大変頻繁にわたっておりますことと、それからその場所でございますとかあるいは金額でございますとか一慣例とは申しますものの、長年の間にだんだんとぜいたくになっているということに対する反省もございましたし、またそれらに対する世の厳しい御批判もございましたので、これらの問題について個々の行為者はともかくといたしまして、全体としてもっと厳しい態度で職員の指導をすべきであったということから、責任者であります官房の担当者の処分をいたしたわけでございます。 ただ、これは処分をいたしただけでとめたわけではございませんので、同時に二十九日付で官房長通達を出しまして、職務上の関係者あるいは各省庁等との会食の招待には原則として応じてはならないということで、それ以外にも幾つかの項目がございますけれども、大蔵省としての姿勢を正してまいりたいという措置をとりました。その後、この通達に基づきまして厳正な運用をいたしております。 いま御質問の中に、他にいろいろな問題が将来発生すればどうするのかというお尋ねでございますけれども、このように厳正な姿勢を出しております以上、今後も度を過ごしたそういう会食接待というような事実が判明いたしましたならば、その都度適正な処分をいたす必要があると考えております。
○佐藤三吾君 「朝日」が取り上げたあれは赤坂の「大野」という料亭ですがね、それは何というんですか、大蔵省余り行かないところというんですね。大蔵省がいわゆる行きつけのところじゃないというんですよ。それですら月三回、鉄建公団だけで。そして、月三回平均行って、一人一回四万五千円、そういう飲み食いをやっておる。しかも、鉄建公団というのは大蔵省が認可権を持ったり、役員の認可なり、予算とか、そういうのを持っているのかと思うと、そうじゃないんですね。そういう団体まで大蔵省をそれだけ接待するというその行動というのは、認可権を持っており、許可権を持っておればもっと密着しているだろう。たとえば横浜のいわゆる大蔵省の行きつけの料亭などの場合にはほとんど連日という実態が続いておった。そういったことが、あなたが何か霞が関でこの二月六日の新聞によりますと、社交儀礼の範囲だと、何かこういう新語をつくったらしいですね。官房長、これが社交儀礼の大蔵省の範囲、その感覚からきた私は処分じゃないかと思うんです。だから、とうてい庶民の感覚から見ると理解することできない。まさに腐敗、不正というか、乱費というか、その中にどっぷり首までつかり切っておると、こういうことはぬぐい切れないと思う。ここら辺でやっぱりもし行政改革をやる、国民の不信を取り除くというんなら、一罰百戒じゃございませんけれども、大胆に宴会政治に行った者全員を社会的な納得できる処分できちっとけじめをつける。そこから今後はしませんと、こういう姿勢というのがないんじゃないかと、そこが私はもう非常に憤慨にたえないんですけれども、これは時間もございません、大臣いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 個々にいろいろ調査もされたようでございますが、私が就任いたします直前の処分でございますが、私なりに理解しましたのはいわゆる行政事務の最高責任者、それが国家公務員法に基づく処分を受けたということが私は全体に対する士気としては、なるほどこれは一つのやり方だなあというふうな印象を率直に受けました。一人一人仮に調査して、社交儀礼の範囲内であるか外であるか、いろいろなまた問題のむずかしい点もあろうかと思います、現実私が当たったわけじゃございませんけれども。したがって、やはり行政事務の最高責任者、それに次ぐ人というようなところを国家公務員法に基づく処分ということは、ある意味において一罰百戒というのはそういう姿であらわれた方が効果があるのかなあ、こういう感じで引き継ぎの報告を聞いたことは事実であります。
○佐藤三吾君 たとえばいまヤミ超勤問題が地方でも指弾されてきておる。その対応を見てみますと、ごらんのように市長を含んで減給処分をほとんどやってますね。これは何かといえば、ヤミ超勤というんじゃなくて、言うなら組合と団体交渉で公式の中で決めてきたんだけれども、出す手続が、言うならば議会の承認を求めてなかったとかいうことの問題についての責任のとり方ですよね。それをしなければリコールが起こるような状態にある、国民感情としては、住民感情としては。 それから対比しますと、こういった一連の中央官庁における、しかも国家財政を一手に引き受けている大蔵省で、湯水のような宴会政治が連日やられておったという実態に対して、あなたはそのときの担当大臣でなかったかもしれぬ。しかし、やっぱりこれはどんなに行政改革をするんだとこう言ってみても、それは承知しませんよ。現にそうでしょう、たとえば大西郵政大臣がKDDの問題のときにやっぱり同じことを言った、社交儀礼、社会通念上の範囲を越えておりませんと。しかし、いよいよ司直が入っていってみると、現職のキャリアまで含めて当時のKDDの関係の最高責任者の逮捕ということになる。今度はどう言うかというと、もうまないたの上に上がったコイです。これでどうして国民が納得しますか。綱紀点検委員会をつくってやるということでも、その点検委員の中にもう犯罪者がおるんじゃないかというような感じを持ちますよ。ここをやっぱりきりっとしないと私はいけないと思うので、そこら辺はひとつ、まあ大臣が就任前の事件だろうけれども、まだ事件は、事態は続いておるわけです、現実的に。ですから、ここら辺はひとつぜひ大臣は決意を持って対処してもらいたい。よろしいですか。
○国務大臣(竹下登君) 私は、いままで行われた一つの刮目すべき最高責任者、それに続く者の処分、それはそれなりに評価いたしております。今後の問題につきましては、当然厳正、厳粛、ある意味においては冷厳な態度で臨まなければならぬことであるというふうに考えております。
○佐藤三吾君 もう時間がございませんから、もう一つ、二つ質問しますが、一つは、各省の予算査定は大蔵省でやるんでしょうが、大蔵省自体の予算はこれも大蔵省がやるわけですね。そこで、いわゆるあらかじめ旅費に二〇%水増しをしておく、それが大蔵省のカラ出張の財源になると、こういうことが報道されておるわけですね。私は、この点をやっぱり仕組みを変えた方がいいんじゃないか。大蔵省の査定については、たとえば一時ございました、臨調で査定権を内閣でやったらどうかと、こういった意見もあるわけですが、やはりそういった方法をとらないと各省から見ても納得できない。もちろん国民から見ても納得できないものがあるのではないかと私は思うのです。行政改革の第一に、ここら辺の問願の検討というのは一体どうなのか。 それから、各省回って見ると非常に意見が多いのは、大蔵省予算上はどうか、その点については私はまだこれから調査をしてみたいと思いますけれども、超勤の配当がべらぼうに多いというんですね。いわゆる各省の二倍とか三倍とかいう数字じゃない、直接職員に支払っている超勤については。問題は、ヤミ超勤とかいろいろ起こる問題は何かというと、超勤のいわゆる事業超勤とか事務超勤とかいう形の枠をあらかじめ押さえておるから、その範囲の中でやりくりしなきゃならぬという問題があると思うのですね。ところが、大蔵の場合にはそこら辺が天井なしじゃないか。こういうことが各省で共通して出ていますね、事務官庁中心に。まあ現業官庁の場合には事業超勤がつくということもありましょうけれども、事務官庁の場合には非常にその点が強い。これについて一体大臣どう改善して不信にこたえようとするのか、ここをひとつ聞きたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 一つの点が確かに佐藤さん御指摘のように、三十九年の臨調で、私ちょうど内閣官房副長官になったばかりでございまして、大変関心を持ってその予算編成の問題を勉強いたしました。私が帰結した結論というのは、いわゆる歳入と歳出と、そうしてもう一つは金融、なかんずく変動してまいりますから国際金融、そうしたものを一貫して持っていないとやはり調和のとれた予算編成というものはできないという、最終的にはそういう結論になったんです。最初は、私もなったばかりでございましたし、三十九歳でございましたから、取り上げてみたらどうだなんということも考えました。その考えから、人事管理の人事局と行政管理庁の管理局というようなものに力をもたらしてきたという事実はございますけれども、この問題は最終的にはそういう結論になったわけです。 そこで大蔵予算でございますが、私も中身は詳しく知りませんけれども、たとえば国債費とか、こういうのはまさに事務的に出てくる予算でございます。そうして他の、地方自治体に交付する補助金というようなものもないと。そうすると、一方国税とか関税とか、これはある意味において御理解をいただけると思うのですが、その税務行政とか関税行政。そういう、今度内局自身を見ますと、その超勤がどれぐらい多いか私知りませんけれども、まさにちょうど国会の大蔵委員会と同じように夜なべをする役所でございまして、特に八時間したらロンドン市場があく、十四時間したらニューヨーク市場があくというような、私もなってみてわかりましたが、本当に四六時中起きてなきゃいかぬ役所だという感じはいたしましたので、そういう意味における仕事の量というのは大変なものだなあという感じはしております。具体的にどのように超勤等がありますかは知りませんけれども。だから大蔵省内の予算というものは決して自己査定でぜいたくにしておるというような性格のものじゃない、そういう性格の予算はきわめて少ないんじゃないか、項目自体が、そういう感じを受けております。
○主査(栗原俊夫君) 時間も参りましたから……。
○佐藤三吾君 時間がございませんから、これはまたひとつ具体的な資料で一遍大臣示しますよ、各省との支給実態を。そうすれば、あなたがいまみたいなことがもう言えなくなる。そういう実態にあることだけは一つつけ加えておきます。 それから、そのほか特殊法人の給与その他の問題で予定しておったんですが、時間がございませんから一つだけ言っておきたいと思うのは、給与は十二月二十八日の閣議で今度は一般職の指定職と同様の算定方式ということに変えた。ところが、それは現給をそのまま置いておってそういう方向にやったわけだから、ここに矛盾が一つ出てきておる。それからもう一つは、退職手当についてはいま百分の三十六ですか、これはまあ人事院の方に調査を依頼して、その上でひとつ解決するという方向になっておるんですが、私は、民間の経営者で集団をつくっている日経連自体が批判しておりますように、退職公務員なんだから、退職公務員にこれだけの過大な退職金や給与を出しているということについては厳しい批判を持つということを、これは内閣の方にも出していますね。ですから、逆に言うなら、民間自体がそういう批判も持っておるという理解で受けとめておく必要があるんじゃないか。そういう意味でこの問題に対処する必要があるんじゃないかということを私は意見として加えておきたいと思う。 もう一つの問題は、なぜ五十前後になったらキャリア組がやめていくのか、私はそこにも問題があるような気がしてならぬ、この問題は。やはり、せっかく公務員になって国政に尽くしておるわけですから、少なくとも五十五ぐらいまでは保証してやっていくと。第一の任務を終わると、まあひとつ第二の任務をどうするかというところにくれば、給与、退職金問題もおのずと道が開けてくるんじゃないかと思うんです、いままでのやりとりの中から見て。ところが、次官をだれにするかということが決まる前にはその同期生は全部やめるのが慣習だと、こういうことで、したがってそれにならうように今度は全体がやめていくというようなかっこうのしきたりは、もう近代国家なんですからひとつこの際、公務員で奉職した以上は公務員で生涯終わるというようなそういう体制というものを考えるべきじゃないかと。これも一つ加えておきたいと思うのです。 最後に、これはいま焦点になっておるんですけれども、会計検査院の院法の改正案が出されると。これは日商岩井その他いろいろロッキード、グラマンから問題になりましたように、いまの規定では、政府出資の、二分の一ですか、そこまでは入れるけれども、そこから貸した民間企業の検査ができないという仕組みになっておる。それをひとつ拡大してもらいたいということです。これは衆参両院の決算委員会でも決議をされて、そして院法改正が起こってここまできた。ところが、これはいま官房長官預りになっていますね。官房長官に何でそういうことになっておるのかということをただしてみますと、どうも大蔵と通産が猛烈に反対すると。これは、竹下大臣が大蔵大臣であって、どうも理解しにくいんですけれども、やっぱり事実そういうことが原因のようにある。私は何とかして今度の国会でこれを通すのが国民の負託にこたえる一つの道だと思うんですよ、公職選挙法の問題もありますしいろいろありましょうけれども。しかし、どうして大蔵が反対しておるんだということを聞いてみると、大蔵自体の権限の中に、いわゆる縄張りの中に検査院が入ってくると困ると。これはKDDもそういう理屈で郵政省が反対しておったと思うんですよ。ところが、今度は、事件が起こった途端に結構ですと、こうなっておる。事件を起こさなければ結構と言わないのかどうなのか、ここら辺は篤とひとつ大臣の見解を承っておきたいと思うんです。
○国務大臣(竹下登君) 三つございます。退職金問題については民間からもそのような指摘があるではないかと、これは事実でございます。したがって、二年たった今日検討に入ったということであります。一方、先般も民間と話し合いをやりまして、これも宇野さんと官房長官と私とでやったわけですが、民間から公社、公団の人をいただこうじゃないかということになると、今度は給料が安いからなかなか出にくい、まあこういうような事態もあって、むずかしいものだなあということを感じたことも一つあります。 それから次の、五十前後のキャリアがやめていくということ。実際問題として、その官庁機構というものの中には絶えず活力が入っていくということは好ましいと思うんです、マンネリにならないように。しかしながら、人間の寿命も延びてきましたし、いまどういうことになっているかというと、結局三十五年かかって十五歳だけ上がってきたということは言えると思うんです。昭和二十年、たとえば岸信介さんとか椎名悦三郎さんとかああいうクラスは皆四十そこそこで次官になっているわけですね。それでいま大体、私は大正十三年生まれですが、大蔵省で大正十三年生まれといえば事務次官であり主税局長であり主計局長であり、皆……、ちょうど私もいい年になったなということを実は、感じたわけですが。したがって、五十五、六にまで上がってきましたから、三十五年で十五歳上がっているんです。これをいまこの間から工夫して、どういうふうなローテーションを組んでいって、いわゆる六十歳定年という法律も出る今日でございますから、いっそこまで上げていくかという工夫をしようじゃないかということを内部でも折々話し合いをしておるということでございます。 それから最後が院法の改正でございますが、大蔵、通産−いま官房長官預りになって調整していただいておるというところでございますが、大蔵省の主張というものをかいつまんで申し上げますならば、民間への過剰介入になりはしないかと、なかんずく、国民金融公庫等々にとたで貸し付け先まで行った場合には、あそこの店は会計検査院が入ったそうだというと税務署の査察以上に不名誉なことに感ずるようなまだ客観的に認識ではなかろうかというようなこと等々、いろいろ議論をしておるようでありますが、私自身がよく勉強してみますと、いまの契約約款の中で私は十分やり得ることではないかと、ただ、会計検査院の機能はこれは強化しなきゃならぬと私も思います。が、院法の改正でそれをやるよりもいまの契約約款の中でそれは十分にやり得ることではないかという印象を私も最近強くいたしておりますが、まだ閣僚ベースにまでは上がってまいりません。この官房長官の、内閣官房で調整していただいているのがまだ事務段階のようでございますけれども、私のところへはまだ上がってまいりませんけれども、私の勉強した限りにおいては、これは契約約款で十分やり得ることじゃないかという感じは抱いていることは事実であります。
○佐藤三吾君 時間がちょっと超過したので、それじゃまた次にやりましょう。いまのは私は承服できませんからね。
○主査(栗原俊夫君) 中尾辰義君。
○中尾辰義君 最初に、総合物価対策の一つとして、公共事業の進め方につきまして若干お伺いをしたいと思います。 わが国の総合インフレ対策は、もう大体大蔵大臣も感づいていらっしゃるだろうと思いますけれども、次々と公定歩合が引き上げになりまして、金融政策の面に少し偏っておるのじゃないかと、こういう批判もあります。大臣も御存じでしょう。アメリカの方はかなり財政の緊縮を主軸とした厳しい方針が出されておるわけでありますので、そこで今度のわが国の総合物価対策において、昭和五十五年度上期公共事業の契約率六〇%前後目標というのは物価対策として少し手ぬるいんじゃないかと、こういう感じもするわけであります。ここで物価対策失敗しまするともうこれは大変なことになるわけでありますから、四十九年の二の舞にならないようにやらなきやならない。そこで、その契約率も契約の目標率も具体的には決められてないし、公定歩合を狂乱物価当時と同水準の九%にしたのですから、本来なら上期の公共事業の契約率も四十八年、四十九年並みの五五%以下に抑制しなければならぬのじゃないか、こういう感じもしますが、いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 四十八年五五・八、それから四十九年五三・九でございまして、これは抑制でございます。今度は、総需要の管理と、こういうところなんです。したがいまして、御趣旨は非常に私もよくわかるんです。確かに、いわゆる金融も、なかんずく日銀の金利調整の方へ傾斜がかかり過ぎて財政が稼働してないんじゃないか、こういうことでございますね。五十四年度の五%を一応留保とさしていただいて、もうさようになりましたからこれは繰り越しになりますから、これは確かに一つの財政的手段だったと思うのであります。 そこで、五十五年それを含めた予算現額が決まるわけです。その予算現額はもう来週になれば大体つかめるような方向にございます。したがって、今度は各省とのいま折衝に入っているわけです。その結果、幾らにするかというのは、最終的には四日の閣議には間に合わないかもしれませんが、四日とか五日には決めなきゃならぬということであるということで、鋭意いま急いでおるところでございます。ただ、感じとして申しますと、四八、四九までやると不況感の方が先に出ちゃうんじゃないかという印象は持っておりますが、数字はいままだ言える状態ではない、ただ、当面抑制的実施をいたしますと、こういうことでございます。
○中尾辰義君 そうしますと、大体六〇%の目標というのは多少修正がある、こういうふうに考えていいですか。契約率は。
○国務大臣(竹下登君) ちょっと、数字だけはもう少し勘弁してくださいませ。
○中尾辰義君 それでは、次に、預金金利の引き上げのことにつきましてお尋ねをしますが、公定歩合は第五次引き上げにより狂乱物価最高水準の九%となったわけでありますが、引き上げ率は一・七五%に対して預貯金金利の上げ幅がきわめて不十分で、定期預金の一年物を例にとりますと〇・七五%の引き上げとなっておるわけであります。一方、今度は、貸出金利の方は短期プライムレートで見ると公定歩合と同じ引き上げ幅の一・七五%であり、預金者、国民大衆の預金に対する配慮が欠けているように思われるのであります。また、これを過去一年間の推移について見ると、五十四年三月時点との比較では、公定歩合と短期プライムレートが五・五%引き上げられたのに対し、定期預金は三・二五%の引き上げにとどまっている。このように預金金利の引き上げを小幅にとどめた理由はいかなる理由によるのか、明確にひとつ答弁を願いたいと思います。
○政府委員(米里恕君) 実は、預金金利の問題でございますけれども、まだ最終的に確定いたしておりません。 御承知のように、まず、プロセスでは、大蔵大臣が発議いたします。これはもういたしました。それから、日本銀行政策委員会がこれを受けまして金利調整審議会に諮問する。それで、金利調整審議会が答申いたしまして、日銀政策委員会が最終的に決定する。御承知のように、こういうプロセスになっておりますが、日銀政策委員会が決定いたしますのが恐らく来週になると思います。そこで決定されることになりますので、私どもといたしましては、いま、どう決まったとか、決まりそうだとかいうことを申し上げる段階にございませんので、具体的な数字は申しわけございませんが差し控えさせていただきたいと思います。 そこで、一般論でございますが、一般論といたしまして、預貯金金利と公定歩合、あるいは短期プライムレートの関係でございますが、短期プライムレートは、これも、先生よく御承知のとおり、公定歩合が決まりますとほぼ自動的にそれと同じような上げ幅あるいは下げ幅になるという形になると思います。これは、本来は、自由化しておりまして、どう決めても各金融機関の自由でございますが、結果的にはそういう形になっておるという性質のものでございます。そういたしますと、公定歩合と預貯金金利というものが過去どういう形で連動してまいっておるか、あるいはどういう考え方でやっておるのかということでございますが、私どもは、公定歩合と預貯金金利は、理屈で申しますと、必ずしも相互関係がそのまま直にあるものだというふうにも考えておりません。公定歩合は金融政策、特に短期の金融政策といたしまして非常に弾力的に上げ下げする、政府の姿勢を示したものである、中央銀行の姿勢を示したものである、こういう性格のものだと思いますが、一方、預貯金金利の方は最近では非常に定期性預金というものがウエートを増しておりまして、そういった意味からある程度安定的なものでなければならない、そういった貯蓄的な目的に沿ったような性格のものでもあると考えております。そこで預貯金金利を決めます際には、そのときの金利全体のバランスあるいはまた長期金利の動向、そういったようなことをいろいろ勘案して決めるわけでございまして、御指摘がございましたが、過去の短期プライムレートと預貯金金利の推移というものも時代によっていろいろでございます。たとえて申しますと、狂乱物価の直後の公定歩合が過去最高になりました公定歩合九%のときは、定期預金一年の金利が七・二五%、その後定期預金金利だけ〇・五上がりまして七・七五%、これが過去最高の定期預金金利でございますが、それ以後下げの過程でまたいろいろ両者の関係は変わってまいっておりますし、また今度の上げの過程でもそのときそのときの金利バランス、金融情勢等いろいろございますので、必ずしも短期プライムレートと定期預金の金利が直に連動するという考え方ではないかと私どもは思っておりますが、まあ今度具体的にどうなりますかということにつきましては、冒頭に申し上げましたように、恐らく来週日銀政策委員会が決定されるというふうに考えております。
○中尾辰義君 余り時間がありませんので、それ以上追及もしませんけれども、とにかく今回の総合物価対策はいろいろの角度からの評価が行われておるわけですけれども、最も大事なことは国民のインフレ心理を抑制することである、こういうふうに思うわけであります。 そこで、対策の内容は、いまも申し上げましたように、どちらかといえば金融政策依存になっておるし、預貯金金利の引き上げが〇・七五%にとどまっているし、公共料金の相次ぐ引き上げ、さらに卸売物価急騰の波及による消費者物価の今後の上昇にかんがみますと、預貯金の目減り感がますます強まることが予想されるわけであります。そうしますと、まあ貯金をするよりも物を買えと、こういうような風潮が広まると、これは大変なことになるわけですからね、インフレ心理に火がつかないように預貯金の目減り対策を講じ、万全の措置を講ずべきではないかというためにも、思い切った預貯金金利の引き上げをすべきだと、こういうふうに思うわけですが、重ねて大蔵大臣の御意見を伺っておきます。
○国務大臣(竹下登君) 確かに大変に消費者物価が上がるぞよと、それなら物にかえておいた方がいいという換物思想が働くというのは、これは厳に慎まなければならないところでございますが、預貯金金利問題というのは必ずしも公定歩合に連動するものではなく、そして長い、つまり中長期の時点でこれとらまえるわけでございますから、いつでも弾力的に上げ下げのできる公定歩合とは全く、その限りにおいては、異なった性格でございますので、連動さして何とかいたしますというような性格のものではないと思うわけでございます。したがって、いま銀行局長から説明したような手順で進行中で、ございますので、きょうの先生の御意見などはもちろん貴重な御意見として考えの底に、根底に置かるべき問題ではあるというふうに理解をいたしておるところであります。
○中尾辰義君 次に、郵便貯金の伸び悩みの原因、これは郵政省来ていませんけれども、大蔵省からひとつ……。 これまで著しい増加を続けてまいりました郵便貯金は、二月以降伸び悩みが目立っておりまして、五十四年度の増加額が二十一年ぶりに前年度実績を下回ることは確実となったと聞いておりますが、どうなっておるのか。その原因も推測をしますると、やはり国民一般の可処分所得の伸びの鈍化と金利改定による貯金の預け控えがあったことであろうと思われるのでありますが、このこと自体国民が金利に敏感であり、与えられた枠の中で少しでも貯金の目減りを防ごうとする行動にほかならないと思います。今回の貯金金利の改定に当たって郵政省は定額貯金については最低一%は引き上げるよう主張したと伝えておりますが、一年六ヵ月以上のものについては〇・七五%に抑える。こういうことにつきまして政府のというか、大蔵省の考えをちょっと聞いておきたいんです。新聞等におきましては郵政省の弱腰とかあるいはKDD関係に引っかかって郵政省の幹部が収賄容疑に発展したので腰が弱かったとか、いろいろ出ておりますけど、その辺大蔵省の見解をちょっとお伺いしておきます。
○国務大臣(竹下登君) 郵便貯金につきましてはおっしゃるように郵政省の管理しているものでございますので、その伸び悩みの状況とか見込みについて大蔵省がどう判断しているかといった答弁は一応できないというたてまえです。が、私今度は政治家として、一般論としていま先生のお話等を承っていますと、確かに九五・七%ということになります、前年度に比べてそれだけ減っておるわけです。本当に預金金利の引き上げ実施前の預け控えという、いま御指摘になりました、これらは、私はその御指摘もっともだと思うのですよ。したがって、銀行局長申しましたように、来週という表現しておりました。だから三月中にふえていくということはこれはちょっと考えられないと思います。これは事実でございます。ただ、郵便貯金というもののむずかしさはございます、これも一般論でございますけれども。いわゆる郵政審議会でやるものですから、一般的ないわゆる臨時金利調整法に基づくような物の考え方とはまたちょっと考え方の違ったところがありまして、一度上げると下げないとか、いろんな点が一般論としてはあるわけでございます。KDDで弱腰になったかどうか、それは新聞の批評は自由でございますけれども、私どもはそういうふうにはお答えするわけにはまいりません。
○中尾辰義君 いいです。 それじゃ次の質問にまいります。 オイルマネーの還流につきまして二、三お伺いをいたします。 OPECの加盟国の経常余剰金はすでに年間一千億ドルに達すると言われておるわけですが、いわゆるオイルマネーはどのくらいあるのか、これ一つ。 それから非産油。開発途上国の資金不足など国際金融市場での資金偏在が問題になっておりますが、その実情はどうなっておるのかお伺いします。
○政府委員(加藤隆司君) 最初の御質問でございますが、いろんな統計がございますが、一応権威があると思いますイングランド銀行の推計でございますが、七四年以降昨年の九月末までで累積残高が約二千億でございます。 次の御質問の方でございますが、これもいろいろな数字がございますけれども二つ申し上げてみますと、OECDの数字で申しますと、先進国が大体三角の五百から五百五十でございます。OPECが七百五十ぐらい、黒でございます。非産油途上国が三角の六百ぐらい、それから、先ほど申しましたイングランド銀行の八〇年の見通しで申しますと、先進国が三角の七百、OPECが黒の千百ぐらい、非産油途上国が赤の五百ぐらいというような数字になっております。
○中尾辰義君 それでは次に、わが国へのオイルマネーの還流は、邦銀の本店あるいは海外支店への預金、公社債への投資、株式の取得、いろいろとあらわれておるわけですが、その実態、現状はどうなっておるのかお伺いしたい。
○政府委員(加藤隆司君) 最近の外資の流入実績を見ますと、非居住者によります株式、公社債の投資でございますが、昨年の十二月以降大体月千億を超える流入になっております。たとえば十二月が、流出、流入のネットでございますが、千二百億ぐらい、一月が千百億ぐらい、それから二月が千二百億というように、大体千億を超える流入超になっております。
○中尾辰義君 その内容はどうなっているか。
○政府委員(加藤隆司君) その内容でございますが、株式が大体二月の数字で申しますとネットで六百六十億ぐらい、公社債が五百五十億ぐらいというようなことになっております。御質問の趣旨は産油国の余剰資金がどのぐらいあるかという御趣旨かと思いますけれども、新聞にはいろいろ出ておるわけでございますが、率直に申しまして、産油国の投資家の投資というのはいろいろな名前を使ったりクッションが入ったりしておるものですから、私どもも把握をしたいわけでございますがなかなか具体的な把握ができません。それで、計数的に感触などもつかみたいわけでございますが、なかなか困難でございます。ただ、いま申し上げました数字のかなりのものが産油国からのものであろうと思われます。
○中尾辰義君 次に、オイルマネーの還流が従来は債券投資が中心として見られてきましたが、最近は株式の投資に矛先が移っているというふうに言われておるのであります、いまの答弁でも。 そこで、三月二日の日経新聞によりますと、産油国はすでに全国に上場されている百四十九社の株式を取得、持ち株数は一億四千百五十一万株、時価総額八百八十億円に達すると言われております。クウェート、ブルネイ、カタール、アラブ首長国連邦、サウジアラビア等が主な国々であり、しかも株式取得の傾向は今後強まると予想されている。このような実態をどのように把握をしていらっしゃるのかお伺いをしたい。 それから、このような傾向について、わが国の国際収支赤字の穴埋めにも役立つため流入が極端にふえない限り望ましい動きという見方もなされておるようでありますが、政府としてはどのように受けとめ、またどのように評価をしているのか、この二つをひとつ。
○政府委員(加藤隆司君) 先ほど申し上げました数字の中身になるわけでございますが、たとえば十二月の場合にネットの流入が、株式で約三百億、公社債の方では約九百億になっています。ただ一月、二月になりますと、一月もまだ株の方が少のうございますが、たとえば二百七十億、公社債の方が八百億になっておりますが、二月になりますと御指摘のように株の方が六百億ぐらい、公社債の方が五百五、六十億ぐらいというような傾向が確かに見受けられます。これが今後どうなるかという問題でございますが、株を選択するか公社債の方を選択するかということは非常ないろいろなファクターがありますから、一概に、これから株式投資が引き続き大きくなっていくのかということになりますと、具体的にいろいろな条件を考えますと見通しが非常に困難でございます。 第二点の方でございますが、私どもとしましては結局、先ほど申しましたOPECが千なら千の黒になる、それから先進国が五百なら五百の赤になる、後進国が六百なり七百の赤になるという場合に、本来貿易黒字という問題があるわけでございますけれども、日本が仮に貿易で黒を出せばよその国が赤字になるというそういうような問題がございまして、第一オイルショックのときもそうでございましたが、やはり当面はいわゆるリサイクルということ、OPECの黒字の還流ということでしのいでいくというような考え方が国際的にコンセンサスになっております。前回の第一次オイルショックの経験もございますので、今回の場合も、そういうかっこうで日本自身の問題あるいは非産油途上国の赤字の補てんの問題、そういうものがいわゆるリサイクル、OPECの余剰資金の還流というかっこうで解決されていくという見通しを持っておりますが、その場合に御指摘のように私どもがどういうかっこうの金が入ってくることを望んでおるのかあるいはそういうものについてどう考えるのかという点でございますが、私どもといたしましては、言うならば安定的なかっこうで入ってきてもらいたい。入ってくるのはいいのですがすぐ出ていってしまうとかそういうかっこうは困るという点が何よりも第一点でございます。第二点は、御指摘の預金とか公社債とか株とかいろいろなかっこうがございますが、一つのものに集中するということはいまの安定というような点からいって問題が出てくるわけでございますので、バランスのとれたかっこうで入ってきてもらいたい、こんなようなことを考えております。
○中尾辰義君 いまの、安定的に入ってくるのが望ましいということですが、それをもうちょっと詳しくひとつ説明してください。
○政府委員(加藤隆司君) 言うならば人から金を借りるわけでございますので、先方の資産の運用の考え方がございます。したがってこちらでなかなか勝手にいくわけではございませんけれども、先方の方もいろいろな資産運用の考え方としては、安全というようなことを考える問題、それから利回りなり要するに収益がほしいというような場合、それから流動性をとるというような場合、大ざっぱに申しますと、私ども個人の国内の生活の場合と同じでございましてOPECの方の資産運用のタイプもその三つになりますが、私どもが承知しております限りでは流動性よりも安全確実とかあるいは利回りがいいとかいうようなことを選択する。いろいろな国がありますのでいろいろ特色がございます。そういう先方の投資方針といいますか、資産の運用の考え方に即した商品を取りそろえなければならぬわけでございますが、その場合に御指摘のように私どもの方はできるだけ、入ったはいいけれどもすぐ出ていってしまうとかそういうものでないということ、それからいろいろなものがバランスがとれている、相互にそういう不安定要因を相殺できるようなかっこうでバランスをとってやりたいというふうに考えております。
○中尾辰義君 それではもう時間がありませんので、最後に一問お伺いをしておきます。 二月十四日の日経新聞によりますと、クウェート政府が出光興産、丸善石油などに原油供給の見返り.として資本参加を要求していることが報道をされております。四月からのDD原油交渉の過程でクウェート側が強く要求してきたと言われており、その条件は、発行済み株式の二五%を時価でなく額面で取得したい。二番目が出資分については年間二五%の配当を保証する。三、出資した石油会社にはクエート政府から役員の派遣をするなどであります。これは産油国が原油販売だけでなく、付加価値の高い精製分野にも進出しようとしている走りと見られるわけでありますが、豊富なオイルマネーを背景にわが国企業への資本参加、経営参加を求める動きは今後も強まるのではなかろうかと思われますが、このような傾向は歓迎すべきことか、あるいは一定の節度を持って対応すべきことか、政府の見解をお伺いいたします。
○政府委員(加藤隆司君) この新聞が出ましたときに、私どももいろいろ事情を調べてみました。それで、具体的な点になりますとなかなかわかりません。それでまあこういう話が本当にあったのかどうかという点も確認ができなかったわけでございますが、私どもとしてはこういう話が具体的になりますと、外資法上当然に認可の対象になっておりますので、私どもの方に来るはずでございますが、そういう際には関係省庁と相談をして、十分慎重に対処いたしたいと思っております。問題はどういう問題があるかということでございますけれども、OPECによりましていろいろな考え方がありまして、巣なる資産運用として運用しようというようなことを重点に考えている国もあります。それから、この新聞記事にございますように、どっちかというと石油の付加価値を上げるというようなかっこうで、精製業界に経営参加をしていこうというような考え方、これは余り多くはないようでございますけれども、そういうような考え方を持っている国もあります。要するに、私どもは御承知のように石油精製業というのは外資法上制限業種になっておりますが、その考え方はやはり一国のエネルギーというようなものについてやはり独立的な運用というのが好ましいというような考え方が背後にあるわけでございますが、個々のケースについて話があった場合にはそういう法的なスキームがございますので、先方の話を聞いて関係省庁の間で入ってきてもらうのがいいのか、あるいはほかのかっこうにしてもらった方がいいのか、そういうような取り扱いを個々のケース・バイ・ケースで検討せざるを得ない、こういうふうに考えております。
○中尾辰義君 わかったようなわからないような答弁だけどな。個々でということで。結構です。
○主査(栗原俊夫君) 午前中の質疑はこの程度にとどめ、午後は一時に再開することにして、休憩いたします。 午後零時四分休憩 —————・————— 午後一時開会
○主査(栗原俊夫君) ただいまから予算委員会第二分科会を再開いたします。 午前に引き続き、昭和五十五年度総予算中大蔵省所管を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。渡辺武君。
○渡辺武君 専売公社からおいでいただいていると思いますが、いらっしゃいますか。——どうも御苦労さんです。 総裁は御存じかどうか知りませんけれども、山口県の宇部市小串寺山というところに米原蘆洲さんという、これは重度身障者です。この方が五十二年の十月の二十四日にたばこ小売店の指定を受けて、いま元気で店をやっているんですが、私は先日その米原さんに会いましていろいろ事情を聞いたんです。そうしますと、米原さんいわく、たばこの小売店というのはこれは身障者にとっては非常に適した商売だと、いま自分のところでは公社の標準販売量の三倍ぐらい売り上げがあるということを言っておりました。それで、来年は国際障害者年でもありますので、身障者に対してたばこ小売店を開設する上で公社が何か優遇措置でも考えていただくと国際障害者年に非常にふさわしいことになるんのやないかというふうに思いますが、その点をお考えになっていらっしゃいますか。
○説明員(泉美之松君) 身体障害者の方につきましては、御承知だと思いますけれども、身体障害者福祉法の第二十四条という規定がございまして、たばこ専売法第三十一条第一項各号の規定に該当しない、つまり免許しちゃいけないという条項があるわけですが、それに該当しない場合には、たばこ小売人に指定するよう努めなければならない、こういう規定がございます。私どもといたしましては、この身体障害者福祉法の規定を受けまして、その取り扱いといたしまして、身体障害者をたばこ小売人に指定するに当たりましては、一般の指定基準、これは地区によって違えておるわけでありますが、他の既存の小売店からの標準距離あるいは標準取扱高というものが個別的に決まっているわけでございますが、その適用に当たりまして、一般には緩和しないわけでありまするけれども、身体障害者の方が申請をされる場合には二割緩和して適用するようにということにいたしておるわけでございます。そのせいもございまして、最近は身体障害者福祉法の適用を受ける方が小売店となっておられる数が相当多うございまして、五十三年度末で申し上げますと五千三百六十三店になっております。その伸び率は昭和三十年を一〇〇といたしまして四三五でございまして、他の一般の小売店の伸び率が昭和三十年を一〇〇といたしまして一六九になっておるのに比べましてかなり大きく伸びてまいっておるのでございます。 私どもといたしましては、今後ともそういった身体障害者の方の状況を考慮いたしまして、この規定の運用に当たりましては一層十分配意してまいりたいと、このように考えておるところでございます。
○渡辺武君 非常に結構な答弁だと思いますけれども、実際のところを言いますと、なかなかその趣旨がよく徹底していないのじゃないかと思われる節があるんです。それで、きょうわざわざおいでいただいたんですが、たとえばいま申しました米原さんの場合、一番最初に申請をしましたのが昭和五十年の二月の七日なんです。その後それも含めて四回にわたって指定を申請した。私も公社に伺いまして事情もよくお話しして、そのことも恐らくあろうかと思いますけれども、やっと指定を受けることができたという実情なんです。その間、地域の人たちも、身障者に対してたばこ小売店の指定をぜひやってほしいということで大変声援、応援などもしてくださいまして、これも大きな力になっているんですね。 それで、なぜそんなに長引いたのかといいますと、第一回目の申請のときには店舗がないという理由で不指定の決定があったわけです。そこで米原さんは、これは金のない方ですから、金を借り集めて、小さな店ですけれどもやっと店舗をつくった。そうして第二回目の申請をしたわけですね。ところがこれもまた不指定になった。その理由は、標準取扱高が不足しているのだと、こういうことなんです。つまり予定営業所付近は一年先を見込んでも地区の標準に達するとは認めがたいという理由で不指定になったわけですね。ところが、不思議なことに第三回目にまた申請をしたところが、今度は競願者があって、その競願者と比較した結果不適当であるというふうな理由で不指定の決定があったのですよ。そのときに不適当の理由の中に、総合点において身体障害者福祉法を考慮してもやや劣るんだということが書いてありまして不指定になったんです。第四回目のときには、それはおかしいじゃないかと。初めには標準販売高、取扱高ですね、これに適合しないのだという理由で却下しておいて、不指定にしておいて競願者が出たらそれには指定をする。そうしておいて身体障害者福祉法、これを考慮してもやや劣るのだということで、米原さんの方は先願者ですよ、この方を不指定にしてしまった。おかしいということで、さっきも申しましたけれども、私もほかの方と一緒にその点の再検討をお願いしてやっと指定を受けることができたというような状況なんですね。そういう経過を見てみますと、どうもいま総裁のおっしゃった趣旨が十分に現地には徹底していないのじゃないかというふうに思われますけれども、その点はどう考えていらっしゃいますか。
○説明員(泉美之松君) 私どもとしては、公社のそういった趣旨を地方支部局に十分徹底するようにいたしておるつもりでございますが、この米原さんの場合につきましては、最初は店舗がないでは売るわけにまいりませんので、これはお断りするのがあたりまえかと思うのですが、競願者との件につきましては、実は米原さんの店を出そうとする近くに団地ができまして、当初、米原さんの申請された当時はまだ団地がそれほど多くございませんで販売見込み数が少なかったわけです。標準取扱高に達しなかったので第二回目をお断りしたわけでございます。第三回目に出されたときには、競願者がおって、その競願者の方の販売見込み数量の方が米原さんの販売見込み数量よりも、これはまあ二割しんしゃくしても米原さんの見込み数量よりも多かったというのでそちらの方に認めたということのように聞いております。ただ、その後、団地がふえまして、五十二年の段階になりますと、米原さんに認めてもその一店一店としての取扱高が標準販売数量を超えるように認められますので、そこで認めた、こういうことでございます。確かに経緯の段階でいろいろ問題があったことは私も承知いたしております。今後の運用に当たりましては、そういう点につきまして地方支部局に十分徹底させるようにいたしたいと、このように思っております。
○渡辺武君 もう指定をしていただいたんだから私は非常に結構なことだと思っているんですが、今後ひとつ轍を踏まないようにという意味で申し上げているのですから、その辺はひとつ御了解いただきながらお聞きいただきたいと思うんですけれども、その競願者というのは、いま米原さんが店を出している、つまり、ここへ出したいというふうに申請をした道一つ隔てたその真向かいなんですよ。ですから、団地がふえるかふえないか等々は同じ条件なんです。しかも、身体障害者福祉法を考慮してもなおかつだめなんだと、さっき総裁がおっしゃった二〇%は考慮する、いわば八〇%で考えてみるというそこのところですね。その辺がちょっとやっぱり機械的に考え過ぎているのじゃないか。特にさっきおっしゃった専売法のこの欠格条項ですね、この辺は余り機械的に当てはめて考えるということになりますと、いま申したような結果になってくるんじゃないか。実際のこの結果はどうなったかといえば、競願者は、気の毒だから私のところはじゃ遠慮しましょうということで、身を引いてくれて、そして米原さんが指定を受けることができた。実際やってみたら標準の三倍も売り上げがあると非常に喜んでいるのですよ。そういうこともありますので、問題は、実際の適用に当たって特に二〇%考慮するというのはこれは結構なことですけれども、その辺も二〇%でいいのかどうかですね。その辺もぜひ御検討いただきたいと思いますけれども、その点どうでしょう、少し弾力的に温かい態度でひとつぜひ臨んでほしいということなんです。特にその二〇%ですね、この辺はもう少しやっぱり考慮の余地があるんじゃないかというふうに思いますが、どうですか。
○説明員(泉美之松君) 私どもとしては、身体障害者法の規定の趣旨を生かす意味で、いま申し上げましたように、条件を二〇%緩和して考えるということを申し上げたのでございますが、もちろん、この二〇%というのはそう機械的に適用すべきものではございませんので、個々の実情に照らして適当な処置をすべきものとは思っております。ただ、この二〇%という数字を余り動かしてしまうというのも変なことになります。私どもとしては、ほかの一般の小売店指定の場合とのバランスを考えながらやっていかなきゃなりませんので、十分弾力的には考えていきたいと思いますけれども、いま二割という水準そのものを変更するほどの必要はないのではないかと思っております。なお、この点につきましても今後検討いたしてまいりたいと思います。
○渡辺武君 もう一例申し上げます。くどいようですけれども、実例ですから。 やはり同じ山口県の下関で、これも身体障害の方ですが、佐々さんという方がおられるんです。これはまだ年は十歳と、私が去年伺ったときは十歳と十ヵ月くらい、小さな方ですね。実は親御さんが非常に心配して、この子の将来をどういうふうにして生活を保障してやるか、自分たちが死んだ後どうなるかということで、これは神奈川県に住んでおった方ですけれども、親戚知人の多い下関にわざわざそれで引っ越したんですね。そして、娘のためにたばこ店を開店できるよべに家も建てた。だから店舗もあるわけですね、つくろべと思えば。そして申請をしたわけですよ。ところが、年がまだ成人に達していないということも私はあろうかと思いますけれども、しかし、その人よりも後からすぐ道一つ隔てた向かいの家が申請しまして、そして先願者である佐々さんの方はこれは不適格になりまして後願者である道一つ隔てた家が指定を受けた。私は現地へ行って見たのです。条件はほとんど変わらないんですよ。そこは新興住宅地でどんどん家がいまふえているという状況なんです。それで、いろいろいま審査請求などもしておりますが、不指定の理由としては、競願者と比較し予定営業所の位置がやや劣るという理由なんですね。その位置がやや劣るくらいのところで、道一つ隔ててのことですから。いま身障者のことで一番やっぱり親もそう考えるくらい、生活を支えるのに適した商売であることはこれは明らかだと思いますし、特にいま言った身体障害者福祉法にもはっきりと、たばこの小売ということでわざわざ一条設けて言っているくらいに重要視していることでしょう。だから、これは具体的なケースですから、その点についてはなお今後の推移を見てということにもなっておりますから、別にこの問題について直接お答えいただこうとは思いませんけれども、もしお答えいただければいただきたいし、同時に、全体としてこれらの例が示しているところを考えてみますと、やはり身体障害者福祉法の趣旨が十分徹底していないんじゃないか。欠格条項を機械的に適用し、いま言った二〇%条項ですね、これを機械的に適用するというようなことで割り出して適格、不適格というようなことを考えるのでは、やっぱり実際の施策上の温みというものがなくなってくる、そう思いますね。ですから、その点をやっぱり改める意味もあって、趣旨徹底のために、来年のこともありますから、改めて通達なり、そのほかの方法を講じていただきたいということなんです。どうでしょう。
○説明員(泉美之松君) いまお話の下関の方の件は私は具体的に存じませんけれども、お年が十歳十ヵ月というのでは、未成年の方にそういう小売店の指定をすることは欠格条項になっておりまして、もちろん、私ども標準取扱高であるとか標準距離については弾力的に考えなきゃならぬと思っておりますけれども、身体障害者法にもありますように、三十一条一項各号の欠格条項の規定に該当しない場合はというふうになっておるので、欠格条項に該当する場合は、これは法律上当然だめということになっておりますので、それを弾力的にとおっしゃいますと、それはむずかしいと思います。ただ、標準距離であるとか標準取扱高という点につきましては今後も弾力的に考えてまいりたい、このように思っておるわけでございます。
○渡辺武君 何らかの趣旨徹底の措置をとられますか、改めて。来年国際障害者年ですからね、国際身障者年です。
○説明員(泉美之松君) 先ほど申し上げましたように、私どもはすでに通達を出して趣旨の徹底を図っておるわけでございますが、なおかつ趣旨の徹底を図るために営業部長会議において指示いたしたいと思っております。
○渡辺武君 どうもありがとうございました。 それでは、沖繩の石垣島の旧軍飛行場の用地の問題について伺いたいと思うんです。 それで、開発庁からおいでいただいていると思いますが、戦争中軍に土地を強制的に取られて、これがいま国有財産となっているのをその所有者に返還されないということで沖繩の各地で紛争が起こっている。非常にこれは嘆かわしいことだと思うんです。開発庁としてはこういう問題を私は早急に解決するために努力していただきたいと思いますが、その点どうでしょうか。
○説明員(野村誠一君) お答えいたします。 旧軍の買収国有地にかかわる問題につきましては大蔵省において一応処理されておられるということでございまして、その辺の内容等につきましては、去る五十三年の四月十七日と承知しておりますが、衆議院の予算委員会にその調査結果が報告されているということでわれわれ承知しておるところでございます。 沖繩開発庁の基本的な考え方でございますけれども、直接この問題の取り扱いとしてはやはり大蔵省で御処理いただくという問題でございますので、その内容についてわれわれが触れるのはいかがかと思いますけれども、一応沖繩の振興開発を進めるという立場から考えまして、一般的に旧軍用地についてもできるだけ有効な土地利用が図られる、そして地元の農業なり何なりの振興の開発のために活用されるということを期待している、そういうことでございます。
○渡辺武君 私のところに五十五年二月三日付で旧日本軍平得飛行場元地主会会長西本貞治さんという名前で要請書が来ております。これは私もうすでに本院でも沖特及び大蔵委員会などでも取り上げ、現地に足を運びまして実情をよく調べてもまいりまして至急にこれを解決したいというふうに考えているわけですけれども、その要請書に最近元地主会が総会を開いたその総会の決議が載っております。そのうちの第一項にこういうことが書かれているんですね。「該土地は軍命により強制的に買収された事実に基き早期に旧地主に所有権が返還されるよう要請する。」と、こういうことになっております。強制的に買収されたんだ、だから旧地主に所有権が返還されるようにしてほしい、従来もそうでありましたが、この決議の第一項にも盛られているところでもわかりますように、これが基本的な要求なんですね。この点についてはどうなさるおつもりなのか、これは大蔵省の方から伺うことになると思います。
○政府委員(迫田泰章君) 平得飛行場の用地の買収でございますが、この買収手続がどうであったかというのはいろいろ調査をしたわけでございますが、調査の結果によりますと、土地の売り渡し証書とか領収書等も相当発見をされておりまして、また、ここは戦災に会わなかった関係で登記簿が残っておるわけでございますが、登記簿によりますと取得原因は売買ということになっております。そういう関係から見ますと、当時ああいう戦争中のことでございますので、買収に際してはいろいろ現在とは違う状況があったかとは思いますが、われわれは正当な手続で国有財産として買収をしたんだ、こういうふうに考えておる次第でございます。
○渡辺武君 いままでの大蔵省の答弁はずっと一貫してそういう答弁だったと思うのですね。ですから、私は何回も申し上げるんです。形はそれは確かに随意契約による売買という形になっているだろうと、私自身も若干調べてみて土地の登記簿などでは売買と記入されている実例を見ております。しかし、買収されたのは昭和十六年からたしか十七年にかけてのことですね。ですから、もう戦争も終末に近く沖繩戦の直前というような事態もあって非常に緊迫した状況のもとでこうした土地の買収が行われているわけですね。ですから、当時は海軍だったと思いますけれども、軍隊と農民との間で自由意思に基づく随意契約が行われ売買が行われたというふうに見るのが大体無理なんですね。 それで、きょうは時間がないので長いことは申し上げられませんが、私はここにこの地主会のいま申し上げました会長の西本さんの回顧録というものの西本さん自身の手による抜粋を持ってまいりました。これによりましても、昭和十七年の六月に海軍飛行場建設のことが発表と宣言された。そして発表の主管は佐世保海軍施設部の海軍中尉さんで名前はよくわからぬ。集合と発表の場所は八重山警察署の武道場にみんな集められた。そして、そこに集まった人たちは八重山支庁長並びに上級職員、八重山警察署長外上級職員、八重山在郷軍人会長外幹部、八重山郡下各市町村長外上級職員、八重山郡下各小中学校の校長さん、それから新聞社の記者さん、それから八重山群島内各区長及び部落会長、この西本さんという方も区長、部落会長の責任において当日出席したわけですけれども、そのときにこの主管から位置と構造について図面をもって説明をされた。そうして所要面積は百町歩余だと、名称は日本海軍石垣島飛行場、それで用地買収、用地代、地上農作物の撤去とその補償の有無等については追って通知をするということであった。しかるに用地買収価格の定めは後で一方的に低廉の代金が定められたが、不服はなかったが地上農作物の補償は皆無で、その損失の大なる損害をも聖戦協力の純心で応じたんだというふうに言っているんですね。そうして「中尉殿より参加者全員に特に言い与えられた事」として、「我国日本は今某国を相手に臨戦準備にそなえるために石垣島にも海軍飛行場を建設する、依って、大命たることをよく知れ。」、それから二として「本問題につき機密をよく守る中で地域住民に速かに発表して周知に努めよ」、「建設工事については命によって絶対協力せよ」というふうに言われているわけですね。そうして、いわば相対の随意契約なんという状況でなくて、武道場に集められて警察官から何から一ぱい臨席した上で部落長に申し渡したという状態が実際の状況なんですね。それで、そのほかにもいろいろな証言が私の手元に来ておりますけれども、たとえばある部落で土地所有者の会合があった、憲兵が来てもう俳回している、見張っているという状況のもとで部落会で土地の売買についていろいろその通知が行われるというような状況なんですよ。ですから、当時は軍の命令についていやだとか何だと一言でも言ったら、たちまちのうちに売国奴だとか非国民だとかいうような状況に置かれている。そういう状況のもとで、形はなるほど随意契約というようなことになっているかもわからぬが、実質はそうじゃない。これは強制的な収用にすぎないんだという点を私は何回も繰り返し主張してきたんですね。さっきおっしゃった昭和五十三年に衆議院の予算委員会へ出されたあなた方の資料ですね、これを見ても、その点についてどういう調査をして、どういう結論があったのか、どういう声があったのか、何一つ書いてない。ただ形式上これは随意契約で売買でございますということが書いてあるにすぎないじゃないですか。一体、部落の人たちのそういう実情について真剣になって調査したことがあるかどうか、これをまず伺いたい。
○政府委員(迫田泰章君) 当時戦争中でございますので、飛行場建設というのは、本土はもちろん、沖繩は特に多くて買収がされていったわけでございますが、どこでも同じような状態ではなかったかと。いま先生がおっしゃいましたような、皆を集めて軍の方から来て説明をして、いやおうなしにやらせているではないかというような状態は、現在の平和の時代から考えますとおかしいではないかと、こういうことが考えられるわけでございますが、あの戦争をやっておった時代でございますので、単に沖繩石垣島に限らず、本土においても同じような手続、状況で用地を買収をしていったんではないかと、こういうふうにわれわれは考えておるわけでございます。
○渡辺武君 あのね、平和な時代で考えるからおかしいという、そんな論理は成り立たぬですよ、実際の実情を言っているんだから。あなた自身認めているように、軍が乗り込んできて軍の命令だということで言われて、これがどうして随意契約ですか。民法の九十六条の第一項になりますか、「詐欺又ハ強迫二因ル意思表示ハ之ヲ取消スコトヲ得」と、こういうことになっておりますね。私は、よろしくこれはもうあなた方の主張する随意契約なるもの、売買なるもの、これは強迫に基づいたものだということをはっきり確認して取り消して、この土地は旧地主に返還すべきものだというふうに思いますが、その点どうですか。
○政府委員(迫田泰章君) 繰り返すようでございますが、民法でいう強迫というような状態ではなかったと思うわけでございます。御承知のように、国家総動員法による土地収用の規定もあったわけでございますので、実際には総動員法を適用して収用した例はないんでございますが、それに至る前に戦争に協力をするということで皆さん方に土地の買収に応じていただいたと、こういうふうに私たちは考えておるわけでございます。
○渡辺武君 この点は地元の人たちはとうてい納得できないと思いますが、時間が問題ですから、総会決議の第二項目へ移ります。 第二項目にはこう書いてある。「万一やむを得ない場合は、何らかの形式方法により該土地が早急に旧地主に所有権の移転ができるよう要請する。」と、こういうことが書かれている。この点ついては宮古の方では、農地法の三十六条ですか、これに基づいて解決の方向が出ているということを聞いているんですけれども、農林省の方に、三十六条に基づく解決の措置というのはどういう内容のものなのか、これを伺いたいと思います。
○説明員(篠浦光君) 御質問の石垣の土地につきましては現在大蔵省の財産でありますので、それは農地法の規定に乗せまして農林水産省から売り渡しをするというためには、まず所管がえを受けるということが前提になるわけでございます。所管がえを受けましてその後売り渡しをするわけでございますが、先ほど先生のお話にありました農地法三十六条の規定がございまして、小作地につきましては、その耕作者が、現在耕作している人が将来自作農として農業に精進する見込みがある、適格者であるという場合にその耕作者に売り渡しをするということになっておりまして、それ以外の人に売り渡しをすることはできないということでございます。したがいまして、本件の場合、旧所有者が耕作者であれば問題ないわけでございますが、現に耕作をしておられない方がある場合にはこの三十六条の規定で売り渡しをするということはできないということでございます。
○渡辺武君 そうすると、現耕作者に払い下げるということで、旧地主ということではないということでございますな。
○説明員(篠浦光君) おっしゃるとおりでございます。
○渡辺武君 そうすると、その価格の算定に当たってですね、現地の農家の人たちが、さっき私が読んだ言葉の中にも出ておりますけれども、その飛行場をつくるときに、もう実際いろいろな農作物があるのにもかかわらず、それをみんなぶっつぶされてしまった、それについての何の補償措置もなかったと。それからまた今度は戦争が終わってから飛行場にされた土地をですね、もう苦労をして耕して農地にかえていま農業をやっていると。こういう費用ですね、これらをひとつ価格の算定の場合考慮してくれるかどうか、それからまた実際自分の土地であったのに強制的に軍に取られて、いままで地代を払って自分の土地を耕作してきた、こんなばかなことはないと、この地代を払った分についても払い下げ価格を決める場合に考慮する必要があるんじゃないかと言っているんですが、その点どうでしょう。
○説明員(篠浦光君) まあ売り渡しは耕作者にするわけでございますが、その耕作者が旧飛行場用地から農地にするために、いろいろ復元するために経費がかかったという場合、具体的にいろいろ調査が必要かと思いますけれども、売り渡し価格を算定する場合にしんしゃくするということは可能でございます。それから貸付料のお話もあったわけでございますが、そのあたりにつきましては、大蔵省の方でこの土地につきまして売買で入手されまして、それでそれを貸し付けておるということでございますので、それを売り渡しの際にしんしゃくするということは困難だろうというふうに考えております。
○渡辺武君 農作物の被害については。いやいや、さっき伺った点です。飛行場に取られたときには農作物があったのに、全部つぶされてしまったと。
○説明員(篠浦光君) そのあたりの問題は、その土地を買い上げる場合にどういう態度で買い上げをしたかということに係る問題だと思いまして、売り渡しをするときにその問題をしんしゃくするということはできないというふうに思っております。
○渡辺武君 そうしますとね、総会決議の第三項に移りますけれども、いまおっしゃったように、仮に農地法三十六条で払い下げを受けるにしても、現耕作者に払い下げると。そうすると、旧地主でいま耕作していない人、これに対しては何の補償措置もないということになりますね。ですから第三項が出てきたと思いますが、これは大蔵省の方に伺いたいんですが、「公共用地として使用されている土地及びその他の土地については凍結されたままの土地代(預金及び国債証券等)の適正な換算による払い戻しを要請する。」、こういうことになっているんです。これら三つの要求、特に二と三ですね。これは統一した要求で、現耕作者及び地主それぞれの問題を解決する上で欠くことのできない問題だと現地の人たちは言っているわけですね。私は、ここに預金通帳やら、それから当時土地代として渡された国債ですね、こういうものを持っている。もうすでにインフレがひどくて、とてもこんな金をいまもらったってどうにもしようがないという状況ですから、これをやっぱり適正に換算して払い戻しをする、当然のことだと思いますが、その点どうでしょう。
○政府委員(迫田泰章君) 当時、買収したときの支払い方法でございますけれども、これは平得でございますが、これについては預金、定期預金あるいは現金、いろいろすべて書いてございます。それを見ますと、国債で支払った事実は全然ございません。あとは現金とか当座預金とか定期預金とか、そういうものでございますが、これは平得で申しますと、現在の鹿児島銀行——旧鹿児島興業銀行でございますが、ここの八重山代理店に預金をされたものだと思うわけでございますが、ここの代理店の預金残高は二十年の三月三十一日で約二千八百万ぐらいある。しかし、これは土地代か何かは全然内容はわからないわけですが、これにつきましては、三十年の五月から内地居住者に対する支払いを始め、三十三年六月から沖繩居住者についても支払いを始めておりまして、現在においても預金通帳などを持ってきていただければ銀行の方で支払いに応じておるという報告を銀行から受けております。
○渡辺武君 大臣、お聞きのとおり、とにかく大変な苦労をして、土地を取られてもう本当に飢え死にした子供まで出てきておるというような実態のもとでこういう切実な要求が出ておるんですね。それで農地法三十六条で現耕作者に払い下げるという道は一つあるわけですが、旧地主について何らかの補償措置を講じないと、これは統一的な解決にならぬというふうに私は思うんです。以前、愛知さんが大蔵大臣のときに、温かい気持ちでこれの解決に向かいたいというような趣旨のお言葉がありました。いまもう時間がないので、預金等々についていま論争する時間はないんですが、実際現地の人たちに聞きますと、預金通帳という形にされていたということも土地の返還運動をやって初めてわかったことだというんですね、そう言っていますよ。御承知のように、終戦後はアメリカの施政下に置かれておりましたからね、だから、さっき話のあった鹿児島興業銀行、これは沖繩の本土にはもう支店がなかったんですね。そういう状況のもとで土地の返還運動をやって初めて預金通帳があるということがわかって、そのころにはインフレがひどくてそんな金をおろしてもらったって何の足しにもならぬという実態になっておったわけですね。そういうこともありますので、ひとつこの地主さんたちの切実な要望、これを十分に彼此勘案していただいて、ぜひひとつ二項、三項の統一的な解決が図られるように大蔵大臣としても御検討いただきたいというふうに思いますが、どうでしょう。
○国務大臣(竹下登君) お話を聞きながら私も西本さんからの沖繩総合事務局長殿という要請書というものだけを読ませていただいただけの知識しかございませんが、現実問題としては、私も昔農地委員をやってたことがありますけれども、恐らく農地法の関係で所管がえを求められたというような手続じゃないかなあと漠然と私はそういう認識をいたしたわけでありますが、沖繩返還に際して、もろもろの戦後処理といいますか、そういうものをやりましたですね、現実問題。そういうところにどういう位置づけになるのか、これは勉強さしてくださいませ。私自身いまにわかに、沖繩国会は私が担当でありましたけれども、こういう問題にまでは知識がいまのところございませんので、勉強さしていただきたいと思います。 —————————————
○主査(栗原俊夫君) この際、分科担当委員の異動について御報告いたします。 本日、丸谷金保君が分科担当委員を辞任され、その補欠として大木正吾君が分科担当委員に選任されました。
○主査(栗原俊夫君) 中村利次君。
○中村利次君 五十五年度予算案もいよいよ大詰めを迎えつつあるわけでありますけれども、予算案の審議の過程におきましても予算の執行に大きな影響のあるようないろんな条件が生まれておるわけであります。日銀は最近思い切って一・七五%公定歩合を引き上げて九%というまさにこれは最高の金利水準を設定されましたけれども、果たしてこれでとどまるのかどうか、海外の要因は必ずしも楽観を許さないようであります。これらのことはもちろん国内だけの問題ではございませんけれども、しかし、予算案の中に示されております十四兆を超える公債の発行、その中でも七兆約五千億、七兆四千八百五十億円は特例公債でありますけれども、この公債の発行条件及び消化が果たしてどうなるのか。これはもう五十四年度におきましても公債の発行条件なり消化というのは大変なやっぱり問題があったところでありますけれども、インフレ問題あるいは円レートの問題、金利の問題、こういうものを総合いたしまして、かなりこれは予算の執行上問題のあるいろんな条件が新たに生まれつつあるということを私どもは認めざるを得ないわけであります。 そこで私は、この前提となるようないろんな課題について、きょうは経企庁お見えになっておりますので、まずお伺いをしたいと思いますが、円防衛の緊急策をアメリカや西独あたりの同調を得て政府は打たれたわけであります。これはあくまでも緊急策でありまして抜本策ではない、一応これはまあまあの成果を得たかに思ったんですが、最近では、これはドルの強含みということもあるんでしょうけれども、いろんな要因があるにしても、ついにこれは二百五十円前後あたり、きのうあたりは終わり値は二百四十九円八十銭になっておるのでありますが、中心相場は二百五十円台である。高値は二百五十円十銭ですか、日銀が積極的に介入をしたそういう中で終わり値が二百四十九円八十銭であります。大体この経済見通しと円レートの当面の見通しについてどういうぐあいにお考えか、まず伺いたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) この間から中村委員のいろいろな御指摘を聞いております。円対策発表直前とそれからアメリカがインフレ対策を発表したその直前、それからずっと見てみますと、大体円は〇・四とか〇・三とか、きのうが〇・〇、すなわち円対策発表した直前と一緒になった、こういうことでございます。それに位してドイツマルクは最初は一・三%でございましたが下がってきて、きょうのところで七・九%。八%といいますと、仮に日本円にいたしますと二十円、日本のレートで言いますと二十円安くなったわけです。スイスフランも六・六というところまで来たわけです。それからアメリカが物価対策を発表した直前から見ますと、日本は〇・四%マイナスでございます。それからドイツマルクは四・六%マイナス、スイスフランは一丁六%マイナスと。言ってみるならば円対策というものはそれなりの効果があって、それでややドルに対しても少し強含みになってきたわけです。それが今度はその後のアメリカのインフレ対策とわが方の総合物価対策、公定歩合の九%を含めて、それはちょうどカウンターパンチみたいになって相殺されたというような印象でおとといまで見ておったんです。きのうになってから、やっぱりこれはいままで大体〇・〇とか〇・一でございましたが、〇・四ということになりましたので、やはり国際的なドル高基調、他の通貨等も比較してみますと。そこで言えることは、いろいろな評価もいただいたわけですが、仮りにもしあの円対策をやっていなかったら、あるいは先般の総合物価対策をやっていなかったとしたらどうなったんだろうかというようなことを考えてみますと、それなりの効果が上がったではないかという感じがしておりますので、これから今週は、きょうは土曜日だからございませんから、今週はここまで来た、さあ来週どうかという感じがいたしておりまして、これはやはり適時適切なる安定策というものを機動的に行われていかなきゃならぬものだなという印象を非常に強くしております。それに対して今度は、先ほども御指摘になりました国債が少し戻したという感じはしますけれども、全体的にだんだんだんだん弱くなってきておって、ただこの原因が私どももよくわかりませんが、日によっては、たとえば東京の市場ですと、店頭物は別として、たった一件しか商いがなかったというようなこともあるんです。非常に薄商いで総買い控えというような状態だものですから、これはやっぱり各金融機関の三月期末のあるいは三月決算に対するもろもろの情勢からそういう薄商いの情勢になっておるのかなという感じもいたします。これに対してもう国債整理基金からオペを行っておるわけでございますけれども、国債整理基金というのは限られた量しかもちろんございませんし、それがまたマネーサプライに逆な効果を与えはしないかと、その辺はまた日銀と連絡をとって、日銀の窓口規制の方でその辺のマネーサプライの管理はしてもらっているというような状態でございますので、非常に慎重に見守っておるというのが偽らざる、きのうひけて土曜日になった竹下登の心境でございます。
○中村利次君 確かに非常に慎重に見守りながら対応していかれるということが必要であろうと思うんです。やっぱり大臣がおっしゃるように、円の緊急対策なり、その後いろいろの手をお打ちになった、このことがやっぱり功を奏しておると私も思いますよ。これは無為無策でやったら、かなりまた違った結果になっておると思うんですけれども。しかし、私が心配をいたしますのは、これはまあ弱気弱気の見方かもしれませんけれども、それほどの手を打ってもなおかっこうであるというところに、これはかなり結果して慎重に対応していかなきゃならないということになるんでしょうけれども、公債の問題につきましては、品薄のところにというあれもございましたが、これは整理基金の出動と相まって品薄になるような手を打ったから品薄になったと、逆に言えば幾らか相場が持ち直したという、そういう因果関係もあるようでございますから、今後のやっぱり慎重な対応というものは、大臣の御答弁をそっくりそのままいただいて、ぜひそういう慎重な対応をお願いをしたいと思います。 そこで、やっぱりすべてが関連をいたしますけれども、インフレ懸念はますます強くなっておるわけでありまして、最近の政府の発表によりましても、三月のこれは東京の小売物価ですか、七・二%、二月の全国平均八%というのは。三月の東京の七・二%というのは、これも政府の野菜に対する緊急対策が効果があったということが伝えられておりますけれども、野菜はもっと下がるんでしょうね、これは。下がるんでしょうが、少なくとも政府が目標とされる五十四年度あるいは五十五年度に四・八とか六・四とかいう、そういう消費者物価に比べると、現在ただいまでこれはとてもその範囲内にはおさまらないのではないかという見通しをとらざるを得ない。弱気強気というよりも、とらざるを得ない。そういう物価の見通し、あるいは加えて、大臣に答えていただいた後同じ種類のお答えをいただくのはあるいは答えにくいかもしれませんけれども、やっぱり物価動向、インフレ問題には円レートの問題なんかは不可分で、とてもこれは切り離して考えるわけにいかないと思うんですね。あるいはもっと進展すれば、石油価格なんかどうなんだと、まあそこまではここではお尋ねしませんけれども、物価動向、それから円相場、こういうものについて経済企画庁はどういう見通しなりお考えをお持ちか伺います。
○説明員(佐藤徳太郎君) ただいま先生の方から御指摘がございましたように、最近の物価動向といいますものは、卸売物価につきましては、原油等の海外産原材料が大幅に高騰している、あるいはお話の、こざいましたように円安傾向があるというようなことで、三月の中旬値で前年同月に比べまして二一・九%という高い上昇を示しております。それから一方、消費者物価につきましても、いまお話しのように、野菜価格はやや下落の傾向が見えてきておりますけれども、まだ水準としては高うございます。また、卸売物価上昇の波及等もございまして、物価動向はやはり私どもとしては警戒すべき情勢にあるというぐあいに考えておるわけでございます。そのようなこともございまして、先ほど大蔵大臣からのお話もございましたように、総合的な物価対策というものを去る十九日に物価問題関係閣僚会議を開きまして決定いたしております。 それから、先ほどお話がございましたように、日本銀行の公定歩合の大幅引き上げをいたしておるわけでございます。そういうような手段を講じまして、私どもとしては、五十五年度の消費者物価の上昇率見込み六・四%程度、前年同比六・四%程度でございます。これをぜひ達成していくとい一う心構えで一生懸命やっているところでございます。
○中村利次君 これは、政府はどなたにお伺いしても、政府が立てた消費者物価というものはこれは何としても守りと、そう答えなければ役割りが務まらぬでしょうから。しかし、私はいつもこれは指摘しますけれども、結果してできなかったことをもう見直し修正をする直前まで大丈夫です、これでやれますと、これは国民の信を失うもう決定的な理由になっているということをちっともやっぱり反省なさらない。私は、一番物価と景気回復の足引っ張りに注目すべきであると思っておりましたのは原油価格なんですけれども、しかし、これはどうなるかわかりませんが、私は五十五年度は少なくとも需給関係から見てそう心配は要らないように思うんです、将来はえらいことですけれども。五十五年度目先は需給バランスから言えばそう心配は要らぬだろうと。そうなればOPECが——いろんなインフレ率がかなり高い、世界のインフレ率は。あるいは先進国のGNPの伸び、これだってやっぱり原油の値上げ要因になるわけでありますけれども、幾ら低成長であるといえども、そういうことを言って年に四回も見直しをやろうということも言っている国もあるようでありますけれども、しかし、需給バランスの見通しからいけばそれほど原油価格をOPECが上げて上げられるような状況にはないだろう。まあまあこれはそう心配は要らぬだろうと思ってほっと安心をすると、これは後門のトラというのですか、前門のオオカミだけではなくて、後ろの方にはトラもいて、やっぱり円相場が下落をしちゃってということ、結果して日本は、私前々申し上げますように、無資源国、エネルギー資源はゼロみたいなものだ、その他のあらゆる生活物資あるいは資源、原材料、ほとんど輸入に頼らなければならないわけでありますから、この無資源国の日本がやっぱり最小限度いまの国民生活水準を維持あるいは向上しようとすれば、やっぱりこれはどうも世界の工業基地としての役割りを正しく、間違ってやるとやっぱりアニマルなんということになりますから、正しくそういう役割りを果たしながら貿易収支を、国際収支をきちっとバランスをとって、そして国民生活を支えていく以外にはないということになります。またそこでいろんな課題が出ちゃうのですよ。さっき円相場の見通しだとかについてはお答えをいただきませんでしたけれども、何といっても内閣は連帯責任でございますけれども、経済企画庁というのは、これはそういう課題に対する対応省庁であるはずでありますからね。この円相場をどう見るのか、景気の動向あるいはインフレ、消費者物価がどう年度内に変化していくのか、それくらいのことはやっぱり正しく把握をしていただきませんと、正しい把握からスタートしなければ正しい対応はとうていできっこないんです。そこで、大変に何か疑り深いようで恐縮ですけれども、かなり心配なのはこの間の電気・ガス料金の査定に当たりまして、通産省は円レートを二百四十二円、経済企画庁は二百三十七円ということでいろいろ議論があったという。通産省はお見えになっておりますね、二百四十二円というのは過去三ヵ月の平均という根拠ですか。
○説明員(浜岡平一君) 私の直接の所管ではございませんが、先生御指摘のような考え方で通産省としましては作業いたしたと承知いたしております。
○中村利次君 それでは、経済企画庁に。
○説明員(丸茂明則君) 円相場の動きにつきましては、先ほど大蔵大臣からお答えいたしましたんですが、私どもといたしましても、最近の情勢は先ほどお話しのあったとおりでございます。今後の見通しでございますけれども、これも御承のことで恐縮でございますけれども、変動相場制のもとでございますので、各国の物価情勢、成長率あるいは国際収支状況というような種々の要因によりまして為替市場の実勢によって決まっていくという状況でございますので、今後為替相場がどのくらいになるかということを見通しを立てることは非常に困難でございます。したがいまして、もちろん急激な円相場の変動に対しては適切にこれを防止するための施策を講じていく、現在までも講じておりましたし、今後も続けていくということが必要だと思いますが、今後どのくらいになるかということは数字的に申し上げることは非常に困難でございます。
○中村利次君 まことにこれはどうも、だから不安になってくるんです。それはおっしゃるとおり、変動相場制下においてなかなかその実勢をつかむのはむずかしいと。しかし、できるだけ実勢に近いような判断、国内外のいろいろな要因を見きわめつつそういう判断をしてその上に経済対策を立てる、あるいは物価対策を立てる、こういうことをおやりになる役所でしょう。先ほど私は具体的に申し上げましたのは、円レートで通産省の二百四十二円、これは伺ったところでは根拠があるわけですね、過去三ヵ月の平均。これは通産省はそういうものをいままでもずいぶん古くからおとりになっているようですから、私はそれを知っておる。これは将来にわたって当たるか当たらないかはわからぬけれども、根拠としてはなるほどそういう根拠はわかるんですよ。経済企画庁がお出しになった二百三十七円というのは、しからば根拠は何ですか。
○説明員(丸茂明則君) 今年度の経済見通しに際しましての計算の前提といたしまして使いましたいまの御指摘の二百三十七円という円の対ドル相場でございますが、これはこの見通し作業をいたしました直前の十月中旬から十一月中旬までの一ヵ月間の実績をとっております。従来も大体こういう方式をとっております。なぜそういうふうな単純な前提を設けるかと申しますと、先ほど申しましたように、円レートが将来一年間どうなるかということを見通しをするということがきわめて困難であるということがもちろん一番大きな原因でございますけれども、同時にまた、これは政府として公表といいますか、計算をするものでございますので、円相場がこのくらいになるということを外に出すということは必ずしも、なかなかむずかしいし、好ましくないというようなことがございます。また、ほかの各国の経済見通しの立て方、私も十分承知しておりませんけれども、OECDなどにおきましても大体、若干方法は違いますけれども、作業いたします直近の時点での為替レートをとりまして、その見通し期間というものを前提として計算するというのが多く取られているところでございます。
○中村利次君 それはそういうことをおやりになっておるならおやりになっとるとして受け取る以外にはしょうがないんでしょうけれども、まあこれは一般から見れば全くいいかげんということにならざるを得ないと思いますね。 去年の十月から十一月の一ヵ月間、それで円レートの見通しはきわめてむずかしいとおっしゃる、そのとおり。そして、ことしに入って円安傾向がもうはっきり出ておる。それから、ここへ来てはいろんな一連の対策も政府は打っておる。そういう中で二百五十円前後。どういう手を打っていくのかということがこれからの大変な課題ですよ。そういうときに、まことに気楽に去年の十月から十一月、まあたった一月で、いろいろの問題もあろうけれども、いままでもそれでやっとるんだから、それで円レートは大体五十五年度二百三十七円にするんだと。そうなりますと、これはもう先ほどから申し上げましたように、日本は貿易立国ですから。この後でいろんな私は心配なことをまだ時間のある限り聞きたいと思いますけれども、とにかく石油だけで二百三十七円と。二百四十九円から五十円程度にしますと七千億以上でしょう。エネルギーの輸入だけだって、経済企画庁が円レートをことしはこれくらいとお考えになっておるものから比べたら、一兆前後ぐらい違う。全部ですよ、これはそのほか。これは経常収支が問題だと、そして、その経常収支の赤字が円安の原因をつくっておると。なおそれに加えて、やっぱりその根本をずっとたぐっていけばエネルギーである石油である、日本は石油に一番弱いと。一体これで大平内閣の経済のかじ取りは大丈夫かという、まことにどうも心配があるんですけれども、大丈夫ですか、任しといて大丈夫だと言い切れますか。
○国務大臣(竹下登君) それはまあ私が別に助け舟を出すわけでも何でもございませんが、固定相場制からスミソニアンレートになって、それから変動相場制になりました当時私は官房長官をしておりまして、一体何ぼで組んだと、予算でございますが、海外経済協力とか、あるいは外交官の給与を。そうすると三百六十円のときは非常にこれは予算の中が動くということがなかったわけです。で、三百八円になったときには、あれは三百八円で計算しましたけれども、途中の段階でこれは予算書を書き直すべきだという議論を国会でいただいたことがあるんです。したがって、そこで幾らで予算を締めるかということは、一つの基準を持ってきて、ここからここまでの平均値とかというようなことで、そうして上がることもあれば下がることもあるという意味において、予算書の書きかえは仮に途中で為替相場の変動があってもしないと、こういうことにしていただいたんですよ。これはフロートになったときですから、まさに私も非常に強烈な印象でそれを覚えております。今度が実は公定歩合を国会開会中に、予算審議中に二回にわたって引き上げております。これは有史以来初めてでございまして、これに対しては私も非常に慎重に考えてみました。というのは、予算書の書きかえを伴うではないかということになると、事実上書きかえてくればまた二週間かかる、そうすると暫定予算必至だ、そういうことであった場合には、そういうことからして、とにかく為替相場の問題は別として、公定歩合の問題で話しますときに、確かにたとえば住宅金融公庫を五一五%に据え置くためにはそれだけ利子補給をよけいせにゃいけぬということになりますよね。そういうことで非常に私も悩みに悩んだんです、今度。結局、言ってみれば、いままでは四ヵ月間、予算編成から予算が通過するまでの間は、まあ裏返して言えば、政府が日本銀行の専権事項に対する拒否権を発動しておったと同じことじゃないかと。これだけ国際経済社会になれば、もうこの問題はやっぱり円レートのときと同じように、上がることもあれば下がることもありますということで御審議いただかざるを得ないというので私は踏み切ってお願いしたわけです。幸い御理解をいただいて、予算書の書きかえすべきだという議論なしにこうして御審議いただいておるというのは、私は、歴史に先例をつくったというぐらい心ひそかに、誇ってはおりませんが、大変よかったなと思っているんです、本当のところは。 したがいまして、そういう経験から言いますと、経済企画庁は確かに経済の動向についての見定めをなすっていただく責任官庁ですね。しかし、円レートに対してだけは、なかんずく、それが将来の見通しに立ってそれをお示しなさいますと、これそのものがフローティングしている今日、また為替相場自身にいろいろな意味において影響を与えてくると。そうすると、やっぱり機械的にいつからいつまでという間の平均値をおとりになるというのが、結論からいうと、やはりやむを得ざる措置とでも申しましょうか、そういうことになりはしないかなという感じが、最近この二度にわたる公定歩合の引き上げと、そうしてこれだけの変動した国際通貨の社会の中にあって、私が一番感じていることでございますので、別に助け舟で言ったわけではございませんが、まあ政府としてはそうせざるを得ないということであろうと思います。
○中村利次君 前段につきましては私も敬意を表します。これはいろいろないきさつがあったでしょうけれども、予算を出して、フローティングがあったからこれをやり直す、出し直す、そんなことは、これはその時としては政府の責任追及という意味を持って野党はやるでしょうけれども、そいつを支えられたことに対しては敬意を表しますが、後段について、私は、大蔵大臣の答えだから、もう時間もないし、これでよしますが、経済企画庁長官としてのお答えでしたらこれはもう猛烈な反論でやるところですけれども、やっぱりそれでは私は一億一千万余りの経済を預かっていけるのかという問題があると思いますよ。それは中期見通し、長期見通しについてかなり精度の高いものをおやりなさいと言ってもそれは無理です。それはもう百も承知です。しかし、いまの動向を踏まえながら、目先のことを何とか想定するというのができないようなら、そんなのは本当にもうやっぱり体制を変えてもらわなきゃ私はどうしようもないと思うんです。 質疑時間がもうだんだん尽きそうでありまして、きょうは通産省にもお願いをしておりますが、これはきのう総理にもちょっと質問したんですけれども、時間が足りなくってあれだったんですが、いま申し上げますよべに、大変にむずかしい条件の中で、このインフレだって何も国内で片がつくようなあれだけではない、それは国際的な要因がたくさんある。円の防衛策にしても、やっぱり世界の中の日本、こういうものでできるだけ、だからぴたっとどうしなさいこうしなさいと言わないけれども、できるだけやっぱり正確な判断と見通しの上に立っていろんな効果のある対策を立ててもらわなければ、これは国民は政府に対して信頼を置くことはできないということになるわけでありますから、したがって、そういうむずかしい中で、たとえばあの昭和四十八年のオイルショック前といまの原油価格を比べますとこれはもう十何倍、ほんの数ヵ月前に比べても二倍以上という。ですから、日本の経済基盤というか、貿易収支というか国際収支というか、この収支の帳じりを合わすためには、あるいはオイルダラーの導入なんというのがありますけれども、アメリカのプライムレートだとかあるいはユーロダラーの金利なんかでも、あれは大変なことになって果たして現在の条件の中でオイルダラーをどこまで導入することができるのか、いろんなこれは課題がありますよ。しかし、そういうことをすべておきまして、とにかく五十五年度少なくとも原油代金だけに六百億ドル前後ぐらいの大変なこれはもうびっくりするような外貨を払わなければならない。これはもう去年に比べて三、四百億ドルくらい、そのほかまだいろいろありますよね。LNGだってあるいは石炭だって、エネルギー資源なんかはみんなほかの原材料なんか除いても大変なこれは貿易収支のアンバランス、ものすごい赤字を背負わなきゃならない。ところが、何回申し上げても同じですけれども、日本は先ほども申し上げました無資源国である、エネルギー資源はほとんどゼロに近い、そして国民の生活を支えるのはやっぱり世界の工業基地としての役割りを正しく果たしながら国際収支を何とかバランスをとっていく以外にはないということになれば、これはやっぱり輸出をしなきゃどうにもならぬ、輸出をしなきゃ。ところが円安になって輸出がしやすい、これはまた全然別次元の話題になっちゃってこんがらがるといけませんけれども、そうなって輸出ドライブがかかると、アメリカとの貿易摩擦がある、あるいはEC諸国との貿易摩擦がある、日本は死の商人であるという大変な課題がある。やっぱりいままでそういうことをやってきた。原油価格が二ドル何十セントあるいは七、ハドルあるいは十ドル、ここら辺まではまあまあ何とか、それでもいま大幅赤字ですけれども、何とか支えなければならぬということが現実的に聞こえたんだが、これから三十何ドルの原油の分を国際収支バランスとらなきやならぬということになると、これは貿易摩擦とやっぱり赤字に見合う輸出をどう達成をしていくかという大変むずかしい課題が出てきちゃうんですけれども、どうも、このことだけを取り上げて、これは総理以下にお尋ねをすべきような重大課題だと思いますが、いかがですか、どうもこれは大変お気の毒なあれですけれども。
○説明員(川崎弘君) 先生御指摘、これは全く私もそのとおりというふうに考えておりますけれども、通産省としましては、こういう状況の中で輸出の健全な伸張を図るという意味におきましては、国際経済社会との調和を図りながら適切な対外政策を展開するということが一つと、もう一つは、対外摩擦を未然に防止するというふうな意味で輸出を伸ばすというふうなことを考えなければいけません。 じゃ、具体的にどうするかということでございますが、まず第一には、たとえば国際収支の黒字が非常に大きい、具体的には産油国でございますが、そういうところへの輸出を伸ばすというのが一つの方策だろうと思います。もう一つは、特定の地域に特定の製品が集中的に出るということになりますと、これはまた貿易摩擦の原因になりますので、そういうことは避けた秩序ある輸出をする。それから第三番目には、これはいわゆる商品の性格からして貿易摩擦になりがたいものといたしましてはプラントの輸出というものがございます。こういう発展途上国等で非常に喜ばれるような品物の輸出、こういった三つの分野で輸出の秩序ある拡大というものに努力してまいりたい、通産省としてはそういうふうに考えております。
○主査(栗原俊夫君) 中村君の質疑は終わりました。 次に大木正吾君。
○大木正吾君 実はきのう竹下大蔵大臣に対しまして、二百五十円が十銭でも超えたらまた総括物価集中のときの延長戦やるという話をしておったわけですが、幸い引け際がちょっと十銭ほど低かったわけですから、その方はいま中村先生がおっしゃったことでやめまして、きょうは変わった視点から少しお聞きいたします。 実は、大蔵委員会でもってすでに議決されました法案に絡むわけでございますので、総理府の方におじやましてお話ししようかと思って悩んでおったんですが、むしろこれは大蔵省の方がいいと思ってこちらにおじゃまいたしました。それはいわゆるグリーンカード、少額貯蓄等利用者カードのことでございますけれども、これに絡みまして、附帯決議などもついて委員会を通り、恐らく三十一日の本会議で議決になるものかと思いますが、このグリーンカードに対する具体的ないわば作業なりあるいは取り扱いの方法について、いろんな新聞がこう書いていますけれども、まだのみ込めませんから、ちょっとそのことを冒頭にお話しいただきたいんですが。
○政府委員(梅澤節男君) ただいまお話がございましたように、現在国会に御提案申し上げております所得税法の改正によりまして、昭和五十九年一月一日から利子配当の総合課税を実施するわけでございますが、その手だてといたしましてグリーンカード制度、これは法律上の名前は少額貯蓄等利用者カードと称しておりますが、俗称グリーンカードと言っております。このグリーンカードを導入することになっておるわけでございます。このグリーンカードと申しますのは、いわゆる納税者番号と違いますところは、非課税貯蓄をなさろうという方の申請によって交付をするということでございます。それから五十九年一月一日までに実施する手だてでございますが、これはその前提といたしまして国税当局におけるコンピューターシステムの整備が条件となりますので、そういう状況等も踏まえまして、実際にグリーンカードの交付申請があり、交付を開始いたしますのは五十八年の一月一日からということにいたしております。 なお、このグリーンカードは、ただいま申しましたように、利子配当の総合課税の本人確認のための手段、同時にそのカードに番号が振ってあるものでございますから、その番号を使いまして大量の機械処理をするという二つの技術的な意味を持っているものでございますが、その性格上納税者のプライバシーに重大なかかわりがございますので、御提案申し上げております所得税法の改正案におきまして、まずこのカードは国税の事務以外に使用してはいけない、つまり多目的使用の禁止という規定と、もう一つはこのカードの交付に携わります税務職員の守秘義務、これは懲役二年罰金三万円という加重された罰則によって担保されました守秘義務が課されておる、以上が大体この制度の概要でございます。
○大木正吾君 現在、預金者の頭数、つい最近も何か新聞にも出ていましたけれども、口数と言ってもいいんですが、どの程度おるかということについては御存じですか。
○政府委員(梅澤節男君) 一番最近の統計、五十四年三月末でございますが、全国銀行で申しますと、個人預金の口座数並びに証書枚数でございますが、約二億一千万枚、そのうち定期預金の枚数が一億万枚でございまして、これは全国銀行だけでございますので、相互銀行、信用金庫を含めますとかなり膨大な数になるということでございます。 それから郵便貯金は、これも通常貯金と定額貯金、二つあるわけでございますが、これを合計いたしますと約三億一千万枚でございます。そのうち証書の枚数が二億二千万枚でございます。
○大木正吾君 わりあいに国民の方は知らないと思いますが、相当膨大な数なんですね。 それで、いまおっしゃられたように、申請者というようにおっしゃったんですが、最近の新聞の発表等で、平均で大体四百六、七十万の預金と、こう言ってますから、申請者という場合にはどういうことになるんですか。結局、預金の種類が違えば、たしか九百万ぐらいまでの免税があると思うんですけれども、これは貯金の種類が違ったらそうはいかないと思うんですが、いまの口数の中でもって申請しなければならない、義務と言うとちょっと言い方はおかしいんですけれども、ならない立場の方はどの程度出てくるとお考えですか。
○政府委員(梅澤節男君) 現在、おっしゃいますように、民間の非課税貯蓄とそれから郵便貯金という二つの体系があるわけでございますが、私どもとそれから郵政省双方で推計をいたしまして、この間にかなりの重複があるわけでございますが、恐らく頭数にいたしまして、今回の制度ができまして申請してくる人の数は六千万人は下らないというふうに考えております。
○大木正吾君 一億一千五百万のうちの恐らく相当、これはあれでしょうか、預金者が——預金がないというのはこの間の調べで一七、八%という数字がたしかあったと思うんです。そうすると、八割以上の方々が申請しなければいけないという立場に置かれる、こう考えていいと思うんです。 そこで、いまお話がありましたけれども、確かに税務職員の方々は国家公務員でございますし、地方公務員もおりますけれども、公務員ですから守秘義務という問題でもって罰則強化すればいいと思うんですが、税金を扱う方はそうなんですけれども、しかし貯金を扱う、まあ郵便貯金は別ですが、一般の市中銀行、つまり地方銀行、都市銀行その他信託関係、信用金庫等の金融機関の場合には、これはどういうような関係になるんでしょうか。
○政府委員(梅澤節男君) 先ほども申しましたように、国税職員以外の場合はこれは金融機関職員に限りませんで、グリーンカードにつきましては国税の事務以外に使用してはいけないという禁止規定が入っておるわけでございますが、もう一つ、私どもこの法案を立案する過程でいろいろ検討したわけでございますが、グリーンカードの問題を離れましても、現在金融機関はそれぞれお客さんの預金を預かっているわけでございますが、そういう金融機関の守秘義務というのは一体何で担保されておるのだろうかということでございます。これは銀行法とかの金融業法にもそういう禁止規定はないわけでございますが、どうしてそういうことになるのかということをいろいろ研究したわけでございますが、実定法上の規定はございませんけれども、金融機関の職員はお客さんの預金等知り得た財産上の秘密については秘密を守る民事上の義務があるんだそうでございます。 したがいまして、仮に訴訟事件などが起こりました場合には当然損害賠償の対象になるということで、実定法上の規定はないんですけれども、慣習法と申しますか、そういうことで金融機関の職員の守秘義務は法律上確立されておるという前提でこの法案も考えておるわけでございます。
○大木正吾君 いまの御発言、私も分科会ですから余り理屈のやりとりをする気持ちはなかったんだけれども、実定法上の問題として守秘義務があるというお話ですと、相当これは法律的な根拠について大蔵委員会では深めた議論をされたんですか。
○政府委員(梅澤節男君) ただいま申しましたグリーンカードを離れました場合の金融機関の守秘義務の問題については、御議論はなかったように記憶をいたしております。
○大木正吾君 だから実は問題なんでして、恐らく銀行の窓口の方もあるいは支店長さん方も、この問題について銀行の経営者の方なりあるいは大手銀行の頭取の方などは、郵便貯金の方になだれ込むからとか何とか言って反対とか賛成ありましたようですけれども、しかし、これは銀行員の方々個人個人が実定法上守秘義務的なものがあるというふうになりますと、これは法律上の解釈の問題で済ませるか、あるいはそのことをもう一遍銀行法なら銀行法の中で立法化して明確にするかしませんと大変な問題が起きると、こういうふうに感じるんですが、どうですか。
○政府委員(梅澤節男君) 先ほども申しましたように一そういうこれは刑事上の罰則を伴った守秘義務ではございませんけれども、そういう民事上の、法律上の守秘義務のようなものが確定されているということと、現実に金融機関につきましては、そういうお客さんの問題についてトラブルも起こっていない、非常に秩序正しく行われておるわけでございますから、今回グリーンカード制度が入ってまいりまして、税法上こちらの方は罰則の規定がないわけでございますけれども、はっきりと多目的に使用してはいけないという禁止規定も入っておるということで円滑にこの制度が運営されるのではないかというふうに私どもは考えておるわけでございます。
○大木正吾君 ちょっと話題を変えますけれども、大蔵省、現在コンピューターシステムですね、相当大がかりなものが要ると思うんですけれども、朝霞の方に敷地を準備されて、そしてハードからソフト関係のコンピューターシステムの関係の機関をつくる準備を進めておられますか。
○政府委員(梅澤節男君) これに伴いますコンピューターシステムの整備は実は国税庁が所管しておりまして、現在国税庁の内部でいろいろ検討しているところでございますけれども、国税庁から聞いております範囲では、このカードの制度の実施に伴いますコンピューターのハードシステムにつきましては、そのために新しく場所をつくるのかどうか、あるいは建物をつくるのかどうか、あるいはそのコンピューターのサイズと申しますか、どの程度の規模のシステムにするのか、あるいは端末機をどうするのかというような点につきましては現在検討中でございまして、いま固まった具体的なプランはまだ作成されていないというふうに聞いております。
○大木正吾君 私は、共産党さんみたいに暴露記事をやることは余り好みませんが、ただ、ここに持ってきたのは、これは多分——私も電電公社の身柄で終わっちゃって、いまこっちに来ているもんですから、大体見当はつくんですけれども、朝霞のキャンプが帰ってくるでしょう。この中に相当明快な図面が大臣ございましてね、ほぼこれが大蔵省なりあるいは国税庁の今度のコンピューターセンターの候補地ではないかと、こういうことが地元の方ではもっぱら話題にされておるらしいですけれども、審議官、御存じないですか。
○政府委員(梅澤節男君) 先ほども申しましたように、具体的にそういうプランは私どもは進んでいないというふうに聞いております。
○大木正吾君 大臣がおっしゃった新聞記事、日経新聞ですか、三月の二十四日の記事の中に、ちょっとこれはお話しのあった事実かどうかわかりません。新聞ですからわかりませんが、この中に同じような、場所は書いてないんですけれども、電算処理システムの導入計画について、五十八年一月からカード交付、それに備えまして、五十五年度に処理システムソフト面の基本設計と電算処理システムセンターの拠点づくりですね、同時に五十六年度は電算機本体などハードな面の整備ということがございますので、恐らく候補地が決まっていないということはないんじゃないですか。
○政府委員(梅澤節男君) 先ほども申しましたように、これは実務は国税庁で担当しておるわけでございますけれども、過日の衆議院の大蔵委員会で、国税庁次長の方から導入に至りますまでの国税庁でいまやっております準備作業のスケジュールについての概要を御説明申し上げたわけでございますが、その際に、先ほどおっしゃいましたように、五十五年度、五十六年度についてソフトウエアの開発並びにソフトウエアの基本設計、詳細設計に入るということのほかに、ハードシステムについては五十六年度から整備の開始を始めるというふうに説明をいたしておりますが、いずれにいたしましても、そのコンピューターのセンターの場所をどこに立地するか、あるいはそういうことが特段に必要になるのかどうかという問題につきましては現在何も決まっていないというふうに私どもも聞いておりますし、恐らく国税庁はまだそういう段階であろうと思います。予算化もされておりませんから。
○大木正吾君 いいです。場所のことの議論をしようと思って来たわけじゃないんでして、ただやっぱり大臣の新聞発表のとおりに準備していかないと、日本でも十幾つかの官庁、さらに二百ぐらいありますか、そういったシステムがあるわけですから、相当早目にこれは準備しないと間に合わないことはわかりますからね。だから審議官、お話し合いをしたんだから、やっぱり工事が決まったら、あなたは私に早く教える責任がありますから、そのことだけ申し上げておきます。 さて、本論なんですが、これはさっきの銀行の職員の方々の守秘義務、倫理的な問題とか、罰則はないとかお話があったんですけれども、一般の銀行員の方々はそういったことについて、今度グリーンカードが入ってくればおれたちの責任はより厳しく、罰則はないけれども、やっぱり負わされるということについて啓蒙なり、あるいはそういう話などは銀行協会とやっておるんですか。
○政府委員(梅澤節男君) この法案の立案過程におきまして、これは政府税制調査会の中に特別部会をつくっていただきまして、その特別委員の中には金融界、証券界の代表がもちろん入っておられますし、さらに技術的な詰めの段階で、金融界の実務者等の間で詳細な詰めを行っております。仮にこの法案の国会で御承認を得ました場合には、これは金融機関は言うに及ばず、これは全預金者に関係する問題でございますので、国税庁なり大蔵省といたしまして十分PRに努めるということは当然でございますが、同時に、いまおっしゃいましたように、たとえば全国銀行協会とか、そういう各種の金融業界の団体等とも協力いたしましてそういう制度の趣旨がよく徹底するように、これはまだ時間がございますので十分入念な準備なりPRの作業を進めてまいりたいと考えております。
○大木正吾君 これは竹下大蔵大臣から簡単にずばっと答えてもらったら、無理にあと二十分の時間を費やすことはないわけなんですけれども、官房長官、二回目のしりの方で恐らく話題として聞いたこともあると思うんですが、やはりプライバシーの保護につきまして、実は総理府の総務長官もしょっちゅうかわってるものだから、余り責任を持った会合が持たれていない模様なんですね。これは行政管理庁の管理局でつくった本なんですけれども、これが出てるのがおととし五十三年の十一月に出ているわけですね。このときの状態で世界の先進国ですと大体二十ヵ国ぐらいが実施に入っている国もあるし、同時に準備もしている国があるわけですね。ちょうど五十九年から実施、五十八年一月から公布ですから、あと大体二年半から三年ぐらいございますのでね、どうでしょう、大臣。日本でも情報公開法の問題もございますが、逆にプライバシーの保護法について本格的に取り組む、これは国会では実は大蔵委員会で私も申し上げたこともあったと思うけれども、同時に逓信委員会でも、郵便貯金がありますから、そういうときに何遍も申し上げて、そのたびに附帯決議のあさはかな決議が出たり、答弁は前向きにいつも出てくるんですけれども、むしろこのグリーンカードというものが七千万人に影響するならば、これは明らかに背番号というようなとられ方をされても、大蔵省は不本意でしょうけれども、されてもやむを得ないということが出てきますから、同時に審議官の方で自信を持って、国税庁なり税務職員は国、地方を通じまして守秘義務でいけるし、罰則強化ということもあり、同時に銀行の金融機関の方々に対しまして倫理的な意味合いで何とか義務的な面にしたいと、こうおっしゃっていますけれども、私はむしろ、こういうときにこそ、国民のニーズなりあるいは気持ちにこたえるために、一方では公開法がある、一方ではプライバシーの保護法があると、こういった問題に踏み込んでいくべきではないか、こう考えているんですね。ですから、これは別に外国の本じゃないんで、日本の行管庁で出した本ですからぜひ御参照いただきたいのですけれども、データを供給する側の規制ということが一つありますよね。同時にデータについて収集、入力に関する規制がありますよ。この場合には、竹下さんが青嵐会ではないということなど含めまして、あなた御自身の物の考え方までもちゃんとインプットできるわけですから、だから、そういったことで非常に最近のコンピューターは進んでおりまして、竹下大臣は洋酒は飲まず日本酒を飲まれるとか、みんなそれへ入ってしまうわけですね。そうしますと、どうしてもこれは管理をするといいましても管理に限界があるわけですよ。ですから外国、アメリカとかソ連の場合にはもっと厳しい状態で、軍事面の問題が出てきますからやっぱり非常に厳しい規制がありますけれども、そういったことなどを参照していただきますと、いまのこのグリーンカード問題が七千万人にも影響するんですから、いまこそやはり総理府でもって預かって、各省庁集めてやっているわけだし、国内的にも十七、八の省庁でもって全部これは持っているわけですから、そういったものを統合といいますか、全体的にまとめましてプライバシーを守るための法律案をつくる材料は、これは外国のものを全部集めたら十分 できますからね、ぜひ私はやっていただいて、グリーンカードを実行しても絶対に竹下さんが、恐らく私とはけた違いに貯金を持っていると思うんだけれども、そういったことが漏れることはない、出入りも余りはっきり、よっぽどのことがない限りは、刑事事件がない限りは出てこないとか、そういったことなどについて、これはむしろ総理府総務長官、ちょっと荷が重いという感じがしますのでね、官房長官と総理大臣にかわった気持ちでもって、竹下さんの方でもって今度このグリーンカードをやられるわけですから、その裏づけとしまして、やっぱり国民の方々に安心をして貯金してもらいたいと、同時にやっぱり富裕層の方々はそういった面で利子配当等の特別措置は何とか勘弁してもらいたいと、こういったことを説得的にやっぱり受けとめてもらうためにも、私は、いまの機会にこそこのことを実行に移すべきだ、こう考えておるんですが、大臣から、やりますと一言言っていただければこの委員会はきょうは終わりと、こうなるわけですが、どうでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 十日ぐらい、もうちょっと前でございましたか、閣議の後でちょっと入ってくれと、こういうことがありましてね、総理もたしかいらっしゃいました。それで行管長官と総務長官、私はその時間が何の相談があるか実は知らなかったんです。そうしたら、その本やらそれから最近の資料が出まして、行管長官の方から。まことにこれは情報公開法とはうらはらの問題になるんだ、やはりこれだけの国がこのようなことをしておると、まあ一つ一つ見ますと、政府関係だけに対するもの、国もございますし、それから金融機関にも及んでいるところもある、いろいろなケースは違いますけれども、たしかOECDだと言いましたが、そこから勧告も出る模様だと。そうなると、それに対応しなきゃいかぬじゃないか。で、私が呼び入れられたゆえんのものは、大木さんの考え方のようなことをどなたが感じられたのか、それで呼び込まれたと思うんですよ。必ずしも私の所管ではございませんわね。なるほどと思って私も聞いておりまして、そこで、私の頭の一部には同じような考えがあるんですよ。ちょうどそれに合わして国際的な調査もすべてやっていけば、あるいは間に合う問題じゃなかろうかなという感じがしないでもないんです。本当のところ。そこで、またもう一遍寄ろうやということがありまして、それからこういうことでいま朝から晩まで仕事をしておりますので、また行管の方がきのうまで大変忙しかった。喜怒哀楽を顔にあらわしちゃいかぬという行管長官なんですから、そういうようなことで、いずれにしても近日中にもう一遍寄って少しこなしてみなきゃいかぬじゃないかと。私が少なくともその会合に呼び込まれたのは、大木さんの思想でいくと同じ思想で私がそこへ呼び込まれているんですよね、考えてみますと。それでいろいろな説明を聞いてなるほどなあと思いながら、総理にわざわざそれを聞かしたのは恐らく情報公開法とうらはらの問題ですよという意味で、恐らくそういう説明があったと思うんでございますが、したがって、私もそれは十分関心を持って、だれがやるか、当然、私が所管ではございませんけれども、恐らくそれこそ外国の事情なんか調査したりして話が進む課題ではないかなというふうに直感的に私感じたことだけを申し上げまして、まだ決まったわけじゃございませんので、お答えにさしていただきます。
○大木正吾君 竹下大臣のことですから、私も議員の前からの長いおつき合いもございますので、わりあいに信用してずいぶんりっぱになられたと思って国会答弁を伺っておったわけでございますけれども、とにかく、これはやはりタイミングとしますればちょうどいいころ合いなんですよ、率直に申し上げまして。この種のものだけが先行しましても、なかなか国民もよくわからないですね。しかし、実際には各省庁において医療関係を先行しながら銀行関係からずっともうほとんど、警視庁はもちろんですけれども、みんなコンピューターを独自に持っておりまして、そうしてほぼもう整備されて、今度一番これは大きくなる。審議官が答えられましたけれども、七千万人という大変な方々がやっぱり三百万、一つの種類の貯金に対して三百万という方々、以下の方もちろんいるでしょうけれども、相当の方々がやっぱり申告をする立場に立つと思いますね。ですから、私はやっぱりこういうものは国民のコンセンサスがなければなかなか法律をつくった意味がないわけですから、そういった意味合いでやっぱりタイミングを失してはいけないし、同時に空に浮いてもいけないわけですから。そういった意味合いでもって、せっかくこれが二年前に出ているということは、あなたが恐らく官房長官の二回目の末期のころにこの話は出ているんですよ、国会の中には。ぼちぼちですね。私は、やっぱりそういうことを含めまして、ぜひグリーンカード問題に対する附帯決議、いわゆる執行上の問題の附帯決議がございますけれども、相当重たい決議といたしまして、この問題について情報公開法等とあわせまして内閣でもって議論をしていただきたいし、きょうはもうこれは分科会ですが、大蔵委員会その他の総理府関係の委員会におきましても、与党野党は私は関係ないと思います。要するに人間の個人のやっぱり情報漏れあるいはプライバシーを守るわけですから、政党政派を越えた立場でこの問題については取り組んでいくべきだと。このことを最後に自民党の先生方にもお願いいたしまして終わることにいたします。 時間を残しましたことについて実は感謝をしてもらいたい気持ちでございますけれども、終わります。(拍手)
○主査(栗原俊夫君) 以上をもちまして大蔵省所管に対する質疑は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時五十五分散会 —————・—————