予算委員会第四分科会 第4号
- 発言数
- 135 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1980/04/02
会議録
○主査(亀長友義君) ただいまから予算委員会第四分科会を開会いたします。 分科担当委員の異動について御報告いたします。 昨一日、喜屋武眞榮君が分科担当委員を辞任され、その補欠として山田勇君が分科担当委員に選任されました。 また、本日、高杉廸忠君、内田善利君及び橋本敦君が分科担当委員を辞任され、その補欠として丸谷金保君、馬場富君及び安武洋子君が分科担当委員に選任されました。
○主査(亀長友義君) 昭和五十五年度総予算中、労働省所管を議題といたします。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。丸谷金保君。
○丸谷金保君 いま予算の説明書をずうっと一読しまして、特に一番最初に高齢化社会に対応する労働者対策、これを本年度の予算の最初に持ってきているということは、特に本年度、労働省としてこの問題に重点的に取り組むという意気込みがあるんでないかと思いますが、そこいら辺の事情を御説明ください。
○国務大臣(藤波孝生君) 八〇年代の新しいいろいろな政治、行政としての対応を進めなきゃいかぬということで、昨年から、従来積み上げてまいりました労働行政をいろいろ検討もしてみて、そして今日以降の日本の社会のいろんな動きを展望しましたときに、一番大きく特徴として出てくる社会の動きは、何といっても高齢化社会に移行をしていくということ、しかもそれが先進諸国の例と比較をいたしまして、非常に速いスピードで高齢化が進むということ、もう八〇年代の初頭から思い切った手を打っていかなければ政治、行政が対応できない、こういうふうに考えます。 特にこの高齢化社会の中で一番大きな問題は、今国会でも種々御論議をいただいてきておりますように、雇用の確保、働く能力があり、意欲のある方々にいかにして雇用の確保をしていくかという問題、それから、どのような年齢になったら労働の第一線を引いて、その後どのようにして生活を進めていかれることになるのかといったようなことが、やっぱり高齢化社会の中で最も大きな課題になっていくだろう、こう考えますが、労働省といたしましては、そういった高齢化社会の中での雇用の確保ということに最も大きな行政課題を認識をいたしまして取り組んでいくことにいたしておるわけでございます。定年の延長その他あらゆる総合的な対策を講じて、この中高年齢者、特に高齢者対策を積極的に進めていきたい、このように考えておる次第でございます。
○丸谷金保君 ちょっとこの説明では捕捉できないんですけれども、そういう意味での高年齢者の雇用対策給付金、それは五十五年度は幾らくらい措置しておるのでございますか。
○政府委員(関英夫君) ただいまの御指摘のものが中高年齢者の雇用を促進するための雇用開発給付金のお話かと思いますが、雇用開発給付金制度については、先生御承知のように、昨年の六月から一年の時限措置として、緊急対策として発動いたしたものでございます。で、ことしの六月以降もう一度発動するかどうか、こういうことが一つ問題になっておりますが、その問題につきましては、与野党の間で発動基準を見直して関係審議会に諮れというようなお話もございまして、近々中央職業安定審議会に諮りまして、五十五年度においてももう一年間発動していくというようなことで考えていきたいと思っております。
○丸谷金保君 そうすると、まだその面についての予算措置はなされていないということですか。
○政府委員(関英夫君) 昨年の十二月の予算編成段階で、ことしに入りましての中高年関係の状況がどうなるか、全般的な雇用、失業情勢がどうなるかよく見通せませんでしたので、私どもとしては発動してもいいように、予算措置としては計上いたして予算の御審議をお願いしておる、そういうことでございます。ただ、具体的に発動するかどうかはその時点では決まっておらなかった、で、今後審議会にかけて諮って決めていきたい、こういうことでございます。
○丸谷金保君 それで、それの予算措置がいかほどされているかということでございます。
○政府委員(関英夫君) 五十四年度は三百八十四億でございましたが、五十五年度は引き続き発動した場合のことを考えまして、六百八十三億を計上いたしてございます。
○丸谷金保君 去年に比べると相当思い切った予算措置がなされてこれを発動する構えでやっておられると。非常に緊縮財政と言われている中で、パーセントにすると九〇くらいですか、伸び率は。恐らくもう予算としても異例と言えるくらいの大きな伸びである。そういうふうなことからも、これは政府が高齢化社会に対応した取り組みをいかに重点にしているかということの一つのあらわれでなかろうかと、こういうように感じますが、しかし実際に予算措置をして、うまくそれらが発動していっているのかどうかということになると大変疑問がある。いろんな世論等でも、高齢者対策というのはなかなか軌道に乗ってないというふうな新聞論調等も多うございます。これらに対する労働省側としての認識はどうなんでございますか。
○政府委員(関英夫君) 確かに、こういった給付金の関係につきましては計上した予算額と実績との間に相当の差があるということが、国会でもずいぶん御指摘をいただいておるわけでございますが、中高年関係の雇用対策について見ますと、この中高年雇用開発給付金制度につきましては、従来から予算に対しまして実績がわりあい伸びておるところでございます。来年度特にこれを大幅に引き上げましたのは、昨年の六月から非常に手厚い制度に変えて、その制度がようやく夏以降成果を上げてきて、受給資格といいますか、支給対象者として決定した数が月々相当数伸びてまいりました。ちょっと申し上げますと、五十四年に入りまして、たとえば十月、十一月、十二月あたりは月当たり八千人程度ということでございますので、相当昔に比べまして、たとえば五十三年の十月は三千三十二人、それに対して五十四年の十月は八千七百三十八人というふうに伸びてまいりました。一つには、制度が非常に手厚くなって、かつ周知も行き届いてこれの利用が進んだということだと思いますし、一つには、五十三年に比べて五十四年はやや景気が上向いてきて雇用にもやや積極的になる事業主もふえてきたということだろうと思います。 来年度につきましては、ことしの採用で支給対象として決定した者の支給が来年度にも及んでまいります。そういう意味で、来年度はことしの分がさらに給付が続いていくというようなこともございまして、私どもことしぐらいの実績をさらに上げていきたいと思いまして、そういう、ことしからの支給の継続分を合わせて先ほどの予算額を計上してきたわけでございます。実際問題といたしましては、この雇い入れ後六カ月後に支給申請をして支給していくということになりますので、ことし雇い入れた者のうち、多くは五十五年度の支出に回ってくるということもございます。そういうことを含めまして、とにかくここを重点に取り組んでいきたいということで予算額を計上してお願いをいたしておる次第でございます。
○丸谷金保君 昨年五月の本会議で私が指摘いたしました当時においては、不用額が七割も八割も出るというふうな予算の執行状態だったわけですが、結局あれでしょう、私の指摘した後に緊急にこの対策変えましたわね。非常に早い対応をしていただいたんで、その点はまあすべての施策が国会で指摘するとすぐこのように幅を広げ、それから施行上のいろんな問題点も大きく緩和して受けやすくしていただいたと。このことは大変私は評価しておるわけなんですが、ただその面と同時に、やはりこれだけの高年齢者の時代が来ておるんですから、これは定年延長が最低六十歳というふうなことについての行政指導、ここにも書かれておりますけれども、やはりそれらと相まって積極的に行わなければならないんじゃないか。これは労働行政の中から、まずその六十までは働くんだ。このことによって年金の受給者でなくて、支払いをする方の側の人数がふえるわけですし、いろんな面に大きく影響してくると思うんです。これらについて、ここで字づらでは一生懸命というふうな話ですが、実態として進んでおりますか。
○政府委員(関英夫君) 定年制の現状につきましては、先生すでに御承知のとおりだと思いますが……。
○丸谷金保君 余り知らぬから聞いているんです。
○政府委員(関英夫君) 五十三年の労働省の調査では、六十歳以上の定年も不況下にかかわらず徐々にふえてまいりましたが、一番問題がございますのは、なお五十五歳という定年制度をとっている企業が、定年制のある企業のうち、まだ四一%も残っているというところに問題があると思います。六十歳以上とする定年もどんどんふえてきていることも事実でございますけれども、なお五十五歳定年が四割近くあると、ここに大きな問題があろうかと思います。 そういう意味で私どもとしては、これを昭和六十年までには六十歳定年を一般化するということを新経済社会七カ年計画あるいは第四次の雇用対策基本計画として、昨年閣議決定をもってそういう方針を決めたところでございます。その閣議決定で決まりました昭和六十年六十歳定年の実現を目標といたしまして、定年延長の促進に最大限の努力を払っていきたいと思いますが、具体的には定年延長が比較的おくれている産業といいますか、業種につきまして、業種別に定年延長推進のための会議を私どもで開催してまいりました。来年度におきましては、これを労使会議として使用者側だけでなく労働組合代表者にも御出席いただいて、定年延長の阻害要因をお互いに三者で探り合って、延長への機運を醸成していきたい。こんなふうに考えております。 それから二番目には、五十五歳以上に定年を引き上げた事業主に対しまして支給される定年延長奨励金制度、この奨励金制度につきましては、先生から予算額に比して実績が少ないということで十分御指摘をいただいたところでございますが、これも大幅に拡充をいたしました。また来年度におきましても、さらに増額を図って魅力あるものとして、これの活用を図ってまいりたいと思います。 確かにいままで余り定年延長が大幅に進まなかったために、私ども予算で考えましたような実績が伴わなかったと、こういうことがございましたが、昨年秋の鉄鋼の労使の定年延長への合意、あるいはそれに続く私鉄労使の定年延長への合意、こういうものがきっかけになりまして、ことしの春闘を通じてさらにそういった労使の合意が進んでいくのではなかろうかと思っておりますが、こういった定年延長奨励金制度のような助成策を活用していきたいと思っております。 もう一つは、高齢者の雇用率というものを中高年雇用促進法で六%というふうに決めております。で、昨年六月一日の調査によりますと、全国平均しての高齢者の雇用率は五・八%でございます。まだ六%に達しておりませんが、特に未達成の企業がまだ半数近くあります。その未達成のところで特に雇用率の低いところにつきまして、その雇用率達成のための計画をつくってもらうように命令をいたしました。その計画の提出を求め、その計画に沿って高齢者の雇用を進めていくように、具体的な個別企業に対しての第一線での指導を強めていく。あるいはまた定年延長の阻害要因について、どうしたらそこを解決できるかというような好事例を集めたり、いろいろな考え方を示したような資料、パンフレット、そういうようなものを十分用意して、事業主や労働組合の参考にしていただくような活動も来年度さらに強めてまいりたい。こんなふうに考えております。
○丸谷金保君 定年延長の問題と六十以上の就業の問題がありますが、六十歳以上の人たちの雇用の場を広げる、これは非常にむずかしいことではありますけれども、何かこれにつきましては、こういう業種は六十以上の者を何割使えとかというような、そういうことでの考え方ございませんか。たとえば、レストランのサービスをやるサーバー、これらなんかですと六十過ぎでも相当、ヨーロッパなんか行きますとたくさんおりますわね。十分やれる職種なんです。こういう具体的な、こういうところはどうだというふうなことで挙げて、それらを重点的に高年者の雇用促進を進めると。これは労働省だけでなかなかできる問題でないでしょうけれども、労働省がひとつそういうことで企画を立てて各省に提言していく、こういうふうなことは考えておりませんか。
○政府委員(関英夫君) 御指摘のように、六十歳以上になりますと業種によってはなかなか労働を続けることが困難な業種もございましょうし、あるいは職種別に見てもそういうような問題もございましょうが、今後の高齢化社会を考えますと、六十歳代前半、その前半層の雇用対策というのが非常に重要になってまいります。そこで、もちろん企業として定年延長ができるところは私ども六十歳定年ということで終わりでなく、六十五歳まで定年を延長していただきたいという指導がまず第一でございます。それから、企業としては全体的には定年延長は無理だけれども、ある職種に限っては働くことが可能だという場合もございます。そういう場合につきましては、再雇用、継続雇用という形での六十五歳ぐらいまでの雇用継続、これを助成していきたいということで、先生御承知のような継続雇用奨励金制度といったものもとっているわけでございます。これにつきましては従来、予算以上に実績を上げてきている。そういう意味で六十歳代前半層の雇用対策を進めていきたいと思いますが、やはりそこには先生御指摘のように、労働可能な業種なり、職種なり、そういうところについて施策を進めていきませんとうまくいかないという問題があろうかと思います。 従来労働省ではそういった高齢者に適した職種というようなものを調査し、発表してそういうところへの雇用の促進というようなものを内部機関の公共職業安定所を通じてやっておりますけれども、従来まではまだ五十五歳定年が四割あるというようなところが行政の一番の課題でございまして、正直に申し上げまして、六十歳代前半層の対策というものはようやく始まったばかりで、これからますます力を入れていかねばならぬところでございます。そういった場合に、先生のおっしゃいましたような職種的な考え方というものも十分取り入れて指導を強めていかなければならない、こういうふうに考えますし、今後ともさらに研究を続けていかなければならないだろうと思っております。
○丸谷金保君 ひとつその点しっかりやってくださいよ。意気込みはなかなかいいと思うんですが、実態を見ますと、非常に遅々として進まないというふうな現況でございますので、これらについてはひとつ十分お考えをいただきたいと思う次第です。 それから、今度労働安全衛生法の一部を改正する法律案が国会に提出されるということになっておりますね。特に、建設業では大型災害が多いというふうなことなんですが、建設業の災害というのは大型はマスコミでも取り上げますし、世論も非常に強く指摘をいたしますけれども、下請、孫請、あるいは本当にわずかな人数でやっている地方の建設会社、小さなところですね。こういうところでも意外に災害が起きているんです、目立たないけれども。十人のところで一人の死亡というのは目立たないんです。しかし、一万人のところで百人死亡すれば、あるいは人千死亡すれば、これはもう大変なことになるということなんですが、今度の法律によりますと、大体大規模な建設事業ということが要綱の中にうたわれておりますね。この大規模な建設事業というのは一体どの程度の範囲を指すんですか。
○政府委員(津澤健一君) ただいま御指摘の部分は、特に計画の届け出等に関して労働大臣がこれをいたすことにしたいと考えておる大規模、その部分を御指摘のことと存じますが、これは現在一定のかなり小さな規模から工事を開始するときに、労働基準監督署長に対して届け出を行い、これを審査することになっておりますもののうち、危険で、かつ大規模、こういうしばりに考えておりますが、たとえば長さが三千メートル以上を超えるようなトンネルでございますとか、あるいは径間が五百メートルを超える橋、つり橋でありましては千メートル以上でございますとか、そういう非常に大規模な工事でありまして、技術の進歩等によりまして新たな危険が生じておるというようなところに着目をし、これはまた最近の災害の実例等に徴しましてそのようなことを考える次第でございます。
○丸谷金保君 安全と衛生の関係について、確かに大型災害ということは非常に問題でございますけれども、私たちは小さな事業所に対する指導といいますか、こういうものが非常にまだ欠けているんじゃないか。その点で大型災害と言われるもの、一体どの程度から言うのか、ここで言う大型災害は。 それからそれ以外のもの、そしてそれの何というか区分と、一体総体として件数はもちろん小さいのが多いと思いますが、総体としてたとえば死亡事故等は、いわゆる労働省で考えている大型災害での死亡事故と、その他の事業所等における死亡事故との比率というのは一体どんなふうになりますか。
○政府委員(津澤健一君) 私ども内部では、大型の災害というのを重大災害という名前で実は呼んでおりまして、これは一つの事故で一時に三人以上の死傷者を生じたものというのを対象に考えております。こういったものは全産業の中の六〇%程度が建設業で起こっておるわけでございます。しかし御指摘のように、個々の一人一人がある工事で亡くなられますとか、そういった災害はもちろん全国各地で行われております小さな工事でも発生しておりまして、これを合わせますと非常に高い数になるわけでございます。こういったものをすべて合わせまして、建設業における労働災害はただいまのところ、全産業の中の死傷で申しますと三分の一、死亡者で申しますと約半数、こういう状況になってきておるわけでございます。
○丸谷金保君 大体統計数字見ましても、建設業が三四%くらいで製造業が三二%ぐらいと、この二つが一番大きいようでございますが、特にあれですか、製造業の方はまだ安全基準とかいろんな点でわりと厳しくといいますか厳格に現場なんかでもやられておりますわね。建設業の方がそういう点では従来は非常に手薄だったと、これに対する法改正が出されているわけなんですけれども、小さいのはもう少しちゃんとしてもらわないと、実際に現場で困るんですよ。ほとんど野放しと言ってもいいくらいな状態ですね。それは手薄だと言えば手薄なんでしょうが、私たちの知る限りでは、労働省がそういう安全衛生の関係で現場に来て見回るというふうなことの記憶が余りないんですよ。ほとんど見回ってないんでしょう、小さな建設現場なんというのは。どうなんですか。
○政府委員(津澤健一君) 御指摘のように、小規模の建設工事というのは全国四十数万の建設業者が各地で行っておるわけでございまして非常に数が多いわけでありますが、しかし私どもは限られた監督の能力の中でも、従前から建設業の労働災害の防止には重点を置いておりまして、特に上下水道工事とか木造建築工事などの小さな規模の工事は工期が短く、かつ現場もあちこちに散らばって非常にむずかしいわけではありますけれども、こういった特殊性にはまた別の観点から着目をいたしまして、たとえば上下水道工事のような場合には、これらの発注機関等と協力をいたしまして発注機関の経営規模と申しますか、そうもので一つの単位をとらえて一定の地域あるいは一定の期間を定めました集中的なパトロール的な監督、こういったものもやっておりますし、あるいは、建設業の個々の現場ではなくて店社単位でございますが、こういったものを単位として、それらが持っております現場を含めた監督をやるというようなことで、できるだけ数の多いものに対して効果的なやり方を進めようということで、これまでも力を入れてきているところでございます。 このほか小規模なものの例としては、特に木造建築などが一つの例となろうかと思いますが、こういったものも先生御指摘のように、現在、建設業の労働災害の中の約三分の一ぐらいがこういうところから出ておるわけでありますけれども、これらの対策といたしまして、いろんな関係団体を通じまして、ただいま各県に、この木造建築の災害防止のための協議会といったものをつくってもらっております。この中には、大工さんでございますとかとびでございますとか左官でございますとか、そういった職方の団体ないしは代表の方も入られまして、どうしたらそうした災害を防止ができるかということを一緒に協議をしながら、また必要な場合にはパトロールをするというふうなことをやっておりますし、さらに一つの助成措置といたしまして、このような工事で、特に災害の発生が見られます足場等を安全なものにするということの考え方から、五十四年度から安全な架設機材を共同で購入をし、それをみんなが使うというふうなことのために融資制度をつくりまして、この促進を図っておるというふうなことがございます。 なおまた、私どもの主体的能力の及ばない範囲につきましては、たとえば建設業労働災害防止協会等におきまして機会あるごとに各種の安全教育を行うようにいたしておりますし、また零細な建設業者がそうした恩恵を受けられますように、ただいま申し上げました協会の会員の獲得等にも努めておるところでございます。
○丸谷金保君 消防法の中で、事業主の責任で作業所の安全点検というふうなことが義務づけられているわけです。私消防司令やっていたんですが、聞いてみましても、小さな事業主ね、余りそういうことも知らないんですよ。恐らく事務屋さんかだれかがそういうあれの届け出するときには、すすうっと書いて出すんだと思うんですよ。そして、それの点検の責任者はだれだれとかという名前もね。それから実際に、その事業主自体が、この労働省の基準があるからそれにペ−パーに書き入れて出すことはしても、まあ二、三十人くらい使っているようなそういう程度のところですと、実際にはそういう法の存在も知らないような事業主もいるわけです。ですからいまのお話のように、一生懸命やっておるのはわかりますよ。しかし、一生懸命やっているということと、現場へ行って具体的にそれが浸透しているということは別なんです。 この点で、どうもその労働行政というのは、ずっと上の方は走るけれども、ちっとも下へおりていかない。おりていくときには、何か実効の上がらないようなものになっているんじゃないかという、この問題一つとってみてもするんです。確かに大規模な事業所あるいは大規模な工事、こういうところについては非常に熱心におやりになるでしょう。しかし、たとえば事故発生件数が各業種の中でまあ三分の一程度と、しかし、事故死亡率というのは五〇%近いですわね、建設業というのは。それはやはりそういういろんな細かいところ、これらを業界に依存して、直接的に下へ入っていくというふうなことを監督官庁自体が余りおやりにならないから、こういうことになるんじゃないかという気がするんですが、いかがなんですか。
○政府委員(津澤健一君) 先ほど来御説明申し上げましたように、私どもとしては各般の努力をいたしておりますが、現実の災害は確かに先生御指摘のような形になっておることは事実でございます。私どもは、先ほど来申し上げました方法も含めて、さらにどうやったら効果的に下まで浸透がなされるような形になるかどうかも含めまして、さらに十分な検討を行いまして、ただいま労働安全衛生法の改正と並行しながら、たとえば政令、省令で足らざるところを補うというような作業も並行いたしておりますが、そういったものを踏まえて、一層きめ細かな監督指導を行いますとともに、発注機関等がもっと側面からそういった啓蒙をして、協力をしてくれるような対策などにつきましてもさらに一生懸命やってまいりたいと存じます。
○丸谷金保君 実際問題として、たとえば建設業界の場合に、親請、元請がありましてね、それから下請の孫請とか、ずうっと細かくなっていっています。ですから親請の段階でいろいろ御指導なさっても下へなかなか行かないのです、それが。ところが建設省の親企業と下請企業の労働災害率という表を見ましても、どういうわけか、建設だけが調査されていないですね。どういうわけなんですか。表あるんですが、これないんで、要求してもどうもないらしいんです。
○政府委員(津澤健一君) 私どもは狭い範囲ではございますが、死亡災害がまあ年間千数百件発生いたしておりますけれども、これが元請の労働者であるのか下請の労働者であるのかという区分はとっております。これによって見ますと、大体約六割が下請労働者という数字が出てまいります。意外に少ないではないかという感じをお持ちかもしれませんが、これは非常に零細な工事等で、業者みずからがみずからの労働者を使ってやっておりますような、そういう工事での死亡者も出ております。これは先ほど御指摘のとおりでございます。したがいまして、そのような数字に相なるわけでございます。
○丸谷金保君 おたくの調べの統計資料の中で、ほかの造船業だとか化学工業、鉄鋼業、ずうっと親請、下請、その労働災害率というものを発表しておるのですね。建設だけどうして発表しないのですか。
○政府委員(津澤健一君) 建設業の死傷災害がどういう場面に出たかということを把握いたします場合に、通常の一般の工場のような企業とは違いまして、業者の規模というものと、それから工事現場の規模というものが実はございます。私ども監督の対象といたしましては、工事現場を単位にどうしてもとらえることに相なりますので、そういう形での把握しかできないということがございまして、非常にやりにくい面がございます。確かに御指摘のように、その元である店社と申しますか、業者そのものの規模でこれをつかまえなきゃならぬということも非常に重要だと考えておりまして、今後そのような方法についてもただいまも検討いたしておりますが、できるだけ早急にそういったことができるように考えたいと思っております。
○丸谷金保君 これは建設業界からの圧力があるんじゃないですか。こういうものの調査について、建設業界からの圧力で発表できないんじゃないですか。実際は調査しているんじゃないですか。
○政府委員(津澤健一君) そのような細かな調査は、他の産業ほど私ども自身が非常にできにくいのでございまして、業者の圧力で出さないというようなことはございません。
○丸谷金保君 そうですか。 建設業界というのは、非常に下請とその元請とのバランスというふうなものを発表したがらない本質的体質を持っております。それだけにここらの実態をきちんと踏まえて、その上でこういう法律のかぶせ方しませんと、せっかく法律だけはりっぱなものできても、消防法の関係と同じように下の方へ届かないという危険性が非常に私はあるんでなかろうかと。特に大規模災害というか、大規模事業というふうなものに限ることにも実は問題があると思うんですよ、建設業の場合は特に。大臣、その点、建設業界というのは一番むずかしいのでおくれているんだろうと思うんですが、それだけに法の改正もやって労働省としても一生懸命取り組もうとしても、なかなかその業界の体質そのものが非常にむずかしいだけに、一生懸命やろうとしてもどこかで抑え込まれるという可能性が私は強いんでないかと思うんです。この点、十分ひとつ大臣の方でも、いわゆる下請企業との関連で労働省が、表としてほかは出るんだけれども建設業だけはなかなか出しにくい現況、これらが、今度のこの安全衛生法を改正してもうまくそれらが作動しないことになりかねない問題持っていますので、そこら辺、ひとつ大臣がしゃっきりと下の方がやれるような姿勢で労働災害、特に建設業界に臨んでいただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(藤波孝生君) 先ほど来の先生の御質疑を伺っておりまして、確かに労働行政を進めていく上で、どうしても大企業であるとかあるいは大きな業界であるとかということから中心に動き出していって、だんだんといろんな空気が一般化をしていくということをねらっていろんな制度などでも行政指導していくきらいがございます。これはやっぱり津々浦々、すみずみまで一般化していこうと思うと、そのことが非常に手っ取り早いし、また効果も上げていくという一面もございます。 それから、いろいろな安全衛生上の関係につきましても、これは労働時間などについても、あるいは労働条件全般についてもよく言われることなんですが、もっと労働基準監督官をふやしてきめ細かく指導に出かけたり、あるいは監督をしたりということを徹底をさせろと、こういうよく御指導もいただくんですが、これもまあ人員に限界もあることなもんですから、できる限り抱えておる人員で能率を上げて機能を高めて、その目的を達成するというふうに努力をしていかなきゃいかぬというような、省内督励をし合いながら進めておるようなことでございます。しかし、先生御指摘のように、労働者の安全と衛生上の問題ということになってくると、これは人命がかかっておることでありますし、そういういいかげんなことを言っておれない一いいかげんなことではなくて、そういう一般的なことを言っておれないということを先ほど来も痛切に感じながら伺っていたところでございます。 特に建設業界は、まあ先生も御指摘がありましたように、なかなかつかみにくい、関連産業もいろいろございますし、それから下請などといっても何かちょっと突っ込んでいってみると名目だけの下請であったり、実際はその一部分が働いている下請であったり、完全にまるまる抱え込んだ下請であったりというふうなこともありますし、そのときそのときの発注条件によって動いていくというようなことが非常に多うございまして、なかなかその実態をつかみ切れないところがございます。しかし、今回は大きな規模の工事を中心にいたしまして、安全性を確保するための法改正をお願いをしておるところでございますけれども、特に建設業界の小さな元請、下請に関するいろんな災害の発生状況などもかんがみまして、この安全性を確保していくという仕事は、やはり労働行政上非常に大きな課題だというふうに痛感をいたす次第でございまして、まずやっぱり実態をよくつかまなきゃいけませんので、今後とも建設業界の実態をつかんでおりませんというような御答弁を申し上げるようなことではまことに申しわけのないことで、よく実態も把握することに業界にも呼びかけて協力も願って、強い姿勢で実態を把握をして、きめの細かな安全と衛生上の対策を講じていくようにさらに努力をいたしたいと、このように深く決意をいたしておる次第でございます。
○丸谷金保君 次に、積雪寒冷地冬期雇用促進給付金、われわれは積寒給付金と縮めて言っておりますが、この積寒給付金の問題についてなんです。期限延長をしていただいて、特にこの問題の一番大きな地域である北海道としても、まあその点では大変喜んでおるところでございます。ただ、この適用の関係につきましては、私が前にも申し上げたことあると思うんですけれども、もう少し自治体を使う工夫をしていただきたい。いまのところ安定所を通じてです、安定所を通じての予算の流れですがね。実態の中には一これはこのもの自体が決して予算が悪いというんでないんですよ。これはもう大変結構なことだと思うんですが、たとえば冬季間どうしても保安要員その他で事務所とかそういうところに置いておかなきゃならない事業主というのはたくさんおりますわね、五十人はもう季節労働者として要らないけれども、五人だけは残しておかなきゃならぬと。こういうのが、逆に解雇してこの資金の中でオンするというふうなことも行われるし、それから、まあ仕方がないから安定所から言われるからやろうかというふうなことで、事業の進捗を進める上で、まだまだやれそうなことがなかなか進まないんです。こういう点についての実態の把握というふうなものは安定所を通じて行ってありますか。私たちは実態よく知っているんです、これだって具体的に申し上げられませんけれども。
○説明員(菊田顯君) お答え申し上げます。 五十三年の実施状況について、職安を通じまして北海道の状況について把握をしております。そういう中で、先生おっしゃられましたように、就労日数の問題としましては、全体として三十一・九日、三十二日ぐらい働いている。そのうち実際に就労した日が二十九・三日、それから、職業講習等を受けた日が二・六日となっている。それから、各建設業が約九割を占めているほか各産業にもわたっておりまして、それから講習の中身とか賃金の支払い状況とか、それから事業主のこの制度に対する活用の心構えとか、その期待とか、それからもう努力の形態ですね。いわゆるこの一−三月にいろいろ仕事を探しながら、そして開拓しながら、その労働者を雇い入れて仕事をやっている、そういう実態を把握しております。
○丸谷金保君 まあ講習会とかそういうのは大変よく集まります、最近非常にこれ盛んになっていまして。それはいいんですがね、その講習会はいいんですけれども、やはり冬季の仕事をもう少しつくっていく方に本来回っていかなきゃならないんです。なかなかそういうふうな実態になっておりませんわね、御存じと思うんですが。たとえば町村ですとね、自治体の植林の枝打ちとかいろんな仕事たくさんあるんです。緊急失対事業のようなものもありますし、町村でやる気になれば。ところがそれは事業主ではなかなかやれないんですよ、そういうこと。しかしいまのこの制度ですとね、こういう町村がいろいろ行おうととするきめ細かい、それぞれの地域によってみんな違うんですが、これがなかなかなじまないんです。私はこれどうしてだろうかなと思ったんですがね、考えてみると安定所のいまのあり方、ここいらにもなかなかなじまない問題の一つがあるんじゃないかと。自治体とこうびたっと相談——これは大臣の答弁では、これは相談してどんどん自治体のアイデアを引き入れてやらせるようにしますと言うんですよ。この間もおっしゃいましたね。言うんですけれどもいかないんです。これは私は一つには、いまの安定所その他がこれ労働省の地方事務官というふうな形で国家公務員ですわね。そして、あるいはまた地方公務員ではあるんだけれども人事や給与というのは労働省から出ている。これは前々から全国知事会初め地方団体は、安定所その他の労働省の地方事務官の制度、そういうものも全部地方自治体に移譲せいということで強い要望があるわけなんです。そして、これらについては前向きに取り組むということになっておるし、国会決議もそういうことで、そういうふうに進めよと、そういうふうになっているにもかかわらず、全然進んでないんですよ。これ大臣どうなんですか。やる気おありですか。
○政府委員(谷口隆志君) ただいま御指摘のございました地方事務官の問題につきましては、御指摘のとおりかねがね問題になっておるところでございます。私どもの考え方といたしましては、職業安定行政は労働力を対象とする行政でございますので、労働力の需要なり供給というものが行政区画を越えて移動するということが非常に多い場合もございますし、そういう意味では都道府県の行政というよりも幅の広い行政であるということが一つございます。他方、御指摘のように雇用とか就業とかいうようなことを通じて住民の福祉ということにも関連のある仕事でございますので、そういう意味では全国的なものとそれからそういう地域の要請というようなものがうまく調整できるような形が望ましいわけでございますけれども、いま御指摘のように、身分上公務員で職業安定課なり雇用保険課が県に要るというようなことで、業務は知事に委任しているというようなことから問題があるということで御指摘を受けておりました。御承知のように昨年暮れの閣議決定では、六月末を目途に結論を得るものとするということで決まっておりますので、現在そのための結論を得るように検討いたしておるところでございますけれども、いま申し上げましたように両面の問題にこたえるには、まあ私どもいまの形もそれなりに非常に大きな効果を持った形だと思いますけれども、国家公務員か地方公務員かどちらかにしろというようなことになりますと、なお慎重に検討いたしまして、地方における労働行政のあり方全体から見ても、直接国家公務員にするというような考え方もあるわけでございまして、そういうことを含めて六月末を目途に結論のためにさらに検討を続けていきたいというふうに思っているわけでございます。
○丸谷金保君 大臣ね、これ三十年当分の間続いているんです。これは地方自治法の附則で、都道府県職員のうち、政令に定めた者は当分の間これを官吏とする、こういう附則があるんですよ。これ当分の間、三十年も続いているんです。そして行政改革の中でも当然これは行うべきだと国会の決議もあるんです、昭和四十九年ですか、七十二通常国会で、これは早く改めよと。ところが、なかなかこれ関係各省のなわ張りもありますし、いざとなると中央官庁の中で非常にもめる。もっともそれは一番労働省が抵抗しているんだと思いますがね。しかし、労働省は表ではそれは当分の間ですし、国会決議もあるし、地方団体からの知事会だとか都道府県議会だとかいろいろな要請もあるし言えないけれど、建設省とかいろんなところの、各省のいろんなこんなことがあってなかなかできないのだという理由づけでここへきているのです。今回の行政改革で出てくるかと思ったら何となく引っ込んでしまった。当分の間が三十年も続いて国会決議もあるんだと、こういうことで、やはり前向きに労働行政が本当にきめ細かくやっていくためには、ここいら辺をきちっと直さないと、せっかくいろんなことをおやりになってもじっと土の中へしみ込んでいくような効果が上がってこないと、一番のポイントは私はここにあるのじゃないかと思うんです。その点についてひとつ大臣のお考えいかがでしょうかね。
○国務大臣(藤波孝生君) 先ほど来御指摘をいただいております労働行政を進めていくという立場では、国家公務員という資格であろうと、知事さんの采配のもとに行政が進められているという形であろうと、実資的にその労働行政の前進については、そのことによって支障のないようにはあらゆる努力をしてきておるところでございますが、いまの形が少しどちらかと言えば奇妙な形のまま当分の間が続いてきているということは、御指摘のとおり覆い得ないところであろうと思うんです。この間も全国の職業安定所の所長さんをやって今度退職をされる方、全国の、御苦労さんでしたと言って東京へ集まってきてもらっておねぎらいのごあいさつを申し上げたんですが、きのうもある知事さんが夕方訪ねてこられまして、いま異動で辞令を渡してきたけれども、ほかはみんな知事の名前で辞令を渡したんだけれども、安定所の所長さん、労働省の関係は、労働大臣の辞令を知事が渡すと。いまそれを渡してきたところだけれども、どうも渡していて妙な感じがしましたよと言って夕方労働大臣室へ訪ねてきてくれましたが、あちらこちらでそんな話題もあるわけであります。 行政改革は順次進めていくことにしておりまして、特殊法人の問題でありますとか、それから御存じのようにブロックの関係についていま発表になったところでありますが、県単位の問題については六月末で一つの決着をつけるという非常に強い姿勢で政府全体が取り組んでおりますので、いまここでどのように持っていくかということを私から申し上げることは、なおいろいろ検討中でございますので差し控えさせていただきたいと思いますが、六月末には関係省庁いろんな話し合いの上で、政府としてこの問題についても成案を得て一つの結論を得ることになろう、このように考えておる次第でございまして、そういった方向に向かってあと残された四、五、六の間に労働省としても労働省の考え方をまとめていくようにしなければいけない、こう考えておる次第でございます。そういった一つの形が出れば、それなりにまた、従来は努力をしながらその問題点は克服をしてきておるつもりではありますけれども、また新しい立場に立って前進をしていくことになるのではないか、このように考える次第でございます。真剣に対応させていただきたいと考えております。
○丸谷金保君 時間ですので、最後にひとつこれ読みますね。今後ともILOその他の国際機関に積極的に参加する、協力すると、それから先進国労働大臣会議というものに出席して国際交流を推進すると、こう書いてあるんです。大臣ね、労働基本法関係でもってILO条約の批准になっていない条約が何本あるか御存じですか。大臣どうですか。何本くらいあると思いますか、おおよそでも。−御存じないですね。たくさんあるんですよ。二十以上あるんです。いいですか。この中には特に農業における最低賃金決定制度に関する条約だとか、いろいろそれぞれの職種にわたって決めていかなければならない問題もありますから、労働省だけでいかない面もあると思います。しかし、こんなにたくさんまだ残っていて、説明書の中で、ILOその他に積極的に参加する、協力すると。ちょっとこの説明とは合わないような気がするんです。この点はもう時間ですからひとつ指摘しておきますので、これらの基準法関連の条約の批准を急ぐように要望して、私の質問を終わります。
○主査(亀長友義君) これにて丸谷君の質問は終了いたしました。 —————————————
○主査(亀長友義君) 分科担当委員の異動について御報告いたします。 本日、丸谷金保君が分科担当委員を辞任され、その補欠として片山甚市君が分科担当委員に選任されました。 —————————————
○主査(亀長友義君) 片山甚市君。
○片山甚市君 まず、大臣にお伺いいたしますが、去る二月二十一日、大臣の所信表明の中に、第三の課題として労働生活の質の向上について触れておられ、労働者の安全と健康の確保を最重点課題として取り組んだとあるが、労災死亡事故、労働基準法違反、不当労働行為などの増減傾向はどういうことになっておりましょうか。まず大臣として述べられた以上、考え方を述べていただき、事務当局から簡単な御説明を願いたいと思います。
○政府委員(吉本実君) 労働基準法、労働安全衛生法等の労働法法規の遵守状況を見ますと、定期監督の実施事業場に対する違反事業場の割合は、ここ数年六〇%台を推移してございます。そのうち主要な違反事項を見ますと、危害防止基準の問題あるいは健康診断、労働時間、割り増し賃金、就業規則等に関する違反がございます。 それから最近の労働災害の発生状況を見ますと、長期的に見ますと減少傾向にはございますが、昭和五十一年を境に災害発生は横ばいから若干増加に転じております。五十三年には労災保険の新規受給者数で約百十四万三千、それから休業四日以上の負傷数で約三十四万九千、死亡者数で約三千三百人、こういうことになっております。昨年の五十四年の災害状況につきましてはまだ確定しておりませんが、若干減少の傾向が見られるというところでございます。 それからなお、不当労働行為の状況でございますが、これは労政局の所管でございますが、ここ数年の地方労働委員会の係属状況は約二千件で、横ばい状況だということでございます。
○国務大臣(藤波孝生君) いま局長から御説明を申し上げましたように、全体的なあれは、非常に長期の目で見まするとそんなにいまふえてきているというわけではありませんけれども、私どもが労働行政上意図いたしております労働者の安全と衛生の確保でありますとか、あるいは特にその中でも、労災事故を起こさないようにあらゆる未然の防止を進めていくといったようなことでありますとか、あるいは労働環境が正しく秩序立てて守られていって、労働基準法の違反などというようなことのないように、みんなが気持ちよく働ける職場環境をつくっていく、こういう目標からいたしますと、なお違反の件数なり災害の件数は非常に多いというふうに私どもとしてはとらえておりまして、その事態を非常に心配をいたしておるわけでございます。いろいろな手立てを講じてまいらなければなりませんけれども、各般の対策を講じて強く行政指導を進めて、こういった事態を一日も早くより改善をしていくように努力をしてまいりたいと、このように考えておる次第でございます。
○片山甚市君 昭和五十四年八月の労働省のパンフレットによると、いわゆる「一倍に増えた労働基準法の適用事業場」と、こう書いてあります。そして全労働の中央執行委員の内山さんの文章によると、私のところへ来ているところによると、「昭和四三年以降四次にわたる定員削減により、五四年度末には労働省定員の約一〇%、二三一五人を削減し、予算人員の面から労働行政の形骸化をすすめてきましたが、行財政改革の一環として強行した第五次定員削減計画では、五五年度以降五年間に、一四一〇名の削減を計画し、行政の形骸化にいっそう拍車をかけようとしています。」そうして続いて「一〇〇種類を超えるぼう大な雇用保険関係各種給付金制度は、職員の不足によりその周知すら満足に行なわれないなど充分活用されていないのが実態です。労働基準監督では、未払賃金立替払制度や、労災・職業病関係業務の増大のため、臨検監督率は五二年以降五%台に落ちこみ、最も必要な労災・職業病予防のために役立つものとなっていません。」、こういうように訴えておりますが、あなたの方では「三倍に増えた労働基準法の適用事業場」というものの数、これだけの人をふやして、先ほど大臣は前の丸谷君の質問に、労働基準監督官をふやすことはできないとか、そういうことは無理だとか言っておるけれども、人の命を大事にするというのなら、福田赳夫という人が総理大臣やったことは覚えておられると思う。あの人はこんなことを言いました、ダッカで。人の命は地球より重い、どろぼうと人殺しでも何でもそうだ、こう言いましたね。ならば、私は自衛隊をふやすなとかどこをふやすなとは言いませんけれども、このぐらいのものについては監督、パトロールするという——機動隊みたいなもの何するのですか。このごろデモもないのによく遊んで、毎日毎日うろうろうろうろしやがって。言うたらどうですか。あれだけの人間、自衛隊などというのは戦争せぬのに、プラスマイナス言えばマイナスばっかり。戦争する意思もないんだから。攻めてきたって守らりゃせぬ、中古のアメリカの飛行機で。こちらもやる気もないけれど——そういうことで、労働省に対する私が言うのは人命のためのことですからね。これは大臣だけを責めておるのじゃないですよ。本当は私は予算委員会の総括でやらなければならぬことですが、時間がないので、これは大臣が、人の命を預っておるところ、厚生省は人の命をさらによくしていく、生活をよくしていくところですね。雇用というものをつくるところです。しかし、一番肝心なことは労働災害ふえておるでしょう。こういうことについては大臣どう思います。
○国務大臣(藤波孝生君) 政府全体といたしましては簡素な、しかも効率の高い政府をつくるという大方針のもとに、数次にわたる定員削減計画を実施をいたしまして行政改革を推進をいたしておるところでございます。そのような中で、労働基準行政につきましては、先生御指摘のように労働災害の防止対策、労働者の賃金や労働時間などの労働条件の確保を図りますために、毎年そういった非常に厳しい行政に対する国民のいろんな御意見のあります中で、あるいは政府自身も行政改革を進めていくという姿勢の中で、毎年労働基準監督官等の増員にはできる限りの努力を進めてきておるところでございます。 五十五年度におきましても、これらの行政課題を適切に遂行いたしますために、労働基準監督官を中心にいたしまして体制の強化に努めておるところでありまして、労働基準監督官三十人を増員をいたしまして、それら全部引っくるめますと八十二人の増員ということになりますが、特にこの労働基準監督行政を強化するという方向で努力をしてきておるところでございます。今後とも人数をもっともっと増員をしてまいりたい、その要求はどんどんとしていきたい。そして御指摘のように労働者の、特に生命、安全を守るという非常に大事な労働行政上の責任を達成をしてまいりますために努力をしていきたいと思いますが、同時に職員もそれぞれ出先で、できる限り能率的にそれぞれの関係企業等をうまく監督ができるように、従来の行きがかりを捨てて思い切った発想で、担当持ち分をもっと機能的に連絡し合うとかあるいは機動力を発揮をして、できる限り巡回して指導ができるようにするとか、いろいろなことを工夫をいたしまして、定員がなかなか思うように伸びないところは十分それを補って、御指摘のように責任を果たしていくようにしなければいけない、このように考えておる次第でございまして、出先も含めまして省内緊張した感じで、労働基準監督行政を今後とも推進してまいりたいと、このように考えておる次第でございます。
○片山甚市君 量は質に勝てないと言いましてね、悪貨は良貨を駆逐するようなもので、二十年間で——あなたの方が書いているんです、これ。私書いたんじゃない、九十五万の事業所から三百十一万、三倍にふえたと、人は減ったといっておるわけです。そこを言うてるわけです、私が言うてるのは。職員のしりたたきを私は大臣としてやりますとか、みんな一生懸命やりますというようなことは、私は一度も労働省の職員が役人風を吹かして遊んでおるなどと言った覚えがないんです。これでは合わないじゃないか、余分に遊んでおる者がおると言ったらおかしい、自衛隊や警察官といったらあくびするほどおるじゃないか。その方は一向に言わぬと三十名ふやしたとか、四十名ふやしたとか本当にスズメの涙にもならぬようなことを大臣が言わなきゃならぬということは、これは大平内閣というよりも日本の国の政治そのものがやはり人権尊重でないという立場で、大臣が主観的に努力することはよろしいよ、私は努力しておるんだと、さあするんだと。しかし、現実に幾らやったってそれだけの膨大な工業地帯ができて、それだけしなきゃならぬ、できないと。これだけ言っておきます、答えは要りません。したらまた言明せなんだらまた大臣、総理大臣におこられましょうからね。もうやめときなさい。屋上屋は。 それはどちらにしても、あなたの方は労働災害がその間にどれだけふえておるかと、こういうことになると、昭和五十三年に三十四万九千人の多数の者が死傷をしたと、それで大体労働災害の問題は四十年代には減少したんです。五十一年いわゆる石油ショック以降では無理がたたっておる、人を減らして仕事をさしておる、いろんなことをやっているということで災害がふえた、私たちはそう思っておりますから。政府の方は資本家の肩をお持ちになるんですからそれはやむを得ません。しかし、私たちとしてはどうしてもそういう点でこれからの労働行政の中で、雇用問題については相当の努力をしていただいて、若干持ち直したような面もありますが、何といってもただいまのところの労災の問題を中心に、若干の質問をしたいと思います。 ここにある資料でも明らかなとおり、極端に言えばもう労働行政は指導監督の機能が放棄されておるのではないか、機能回復の具体的なことをやらないとだめじゃないか、こう思います。 そこで、労働安全衛生法の一部改正が別途審議されることになっておりますが、これも大規模の工事の災害発生後の場当たり的な手直しだという批判もあり、こんなことでよいのかどうか、こういうように考えます。場当たり的であるのかどうか、昨年三月二十日の大清水トンネル火災、これは十六名死亡したんですが、あの際の事故の直前に労働省の幹部等が現場視察をしているとのことであります。たとえ事故原因が不測のものであったとしても、日常的な作業管理に十分な指導監督の目が届いておれば未然に防げたかもわからない、紙の上の安全対策などは何にもならない。具体的に増傾向の労働災害を減らすということについて、どういう考えを持っておられるか、確言できるかどうかお伺いしたいと思います。
○政府委員(吉本実君) 今回、労働安全衛生法の一部改正の法案を御提出して御審議を願っておるわけでございますが、これは先生御承知のように、特に最近の建設業におきます労働災害が非常に多く、しかも、内容も非常に大規模化、重篤化しておると、こういうことでございまして、そういう意味におきまして建設業におけるそういった労務災害の実態にかんがみまして、その防止対策を全般的に推進をしよう。そのうちの一環としまして法律改正事項にかかわる対策の充実を図ろうというのが、この法案の趣旨でございます。で、この法律改正につきましては、昨年九月に公労使三者構成によります中央労働基準審議会で御検討を願って以来、同審議会の中におきます労働災害防止部会あるいは建設専門委員会におきましていろいろ慎重に御審議をいただいて、その結果に基づきまして、審議会の全会一致の賛成を得て提案しているものでございます。 それからさらに、大清水事故の問題につきまして、今回の法改正でどうなのかということでございますが、先生御承知のような災害が起こったわけでございますが、労働省におきましては、日常の監督、指導をより慎重に行うことを中心にいたしまして、さらにこういった事故が起きましたので、爆発火災防止対策ということを実現するために、別途、労働安全衛生規則の一部改正も、こういった作業を進めているところでございます。また、法案にもございますが、火災爆発等が生じたことに伴いまして、労働者の救護に関する措置がとられる場合におきます労働災害の発生を防止するために、必要な内容を先ほどの法案の中にも提案しているようなことでございます。 私どもとしましては、こういった全般的なひとつ対策を進めていくことによりまして、災害の減少に努めてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○片山甚市君 丸谷委員からも先ほどから質問しておりましたからそのことは繰り返しませんが、建設業においては、公共工事の増大が死亡事故増加の傾向の原因であるように私は見ました。そこで、発注者責任の面から言えば、たとえば安全対策費は原価、管理費などと明確に切り離して、受注者においても現場作業にまできちんとそれがおりていき、それが確認されるようにしてもらいたい。また、それは十分なものでありませんで、契約上も現場でチェックができるようになっておらないと思いますが、何としてもこの安全対策の費用というものが下までおりるように業界を、先ほどの言葉で言えば、さらに突っ込んで言うんですが、これは文書でもいいし、何でもいいから、きちんとおりていく。確認ができなければ——やはり発注者がやってない。元請がやるべきではない。発注者が金を出しておるんだからそれはこの分だと、こういうふうにしないといかぬのじゃないか。特に民間の場合の問題は別としても、公共工事になればなおさら、公共事業体がやる場合は下までおりる、非常に重構造になっていますから、直営でありませんから、幾らおりていっても、最終段階でそこにいけばわかると、こういうことについてこの機会に指導し、明確にする意思はございませんか。
○政府委員(津澤健一君) 最近の建設業におきまする労働災害の状況と要因の一つは先生御指摘のように、最近非常に公共投資がふえまして、その関係で災害が増加した要因がありますことは事実でございます。御指摘のように、建設工事におきましては施工計画の段階から安全経費等を十分考えまして、またそれに合う工事の計画が遂行されることが大事でございますので、こういう事柄につきまして、私どもはかねがね発注者であります各種の機関との連携をとりまして、たとえば通報制度などを通じまして必要な指導を行い、あるいは協議等もやってまいっておるわけではございますが、何と申しましても建設工事の労働災害防止対策といたしましては、安全経費というものがその積算の中にどういうふうに入って、それが契約時においてどのように位置づけされておるかということが大事である。こういうことにつきましては、実は私ども中央労働基準審議会から五十三年の九月にちょうだいいたしました建議の中でも指摘されておるところでございます。その具体的なあり方をどうするかということについて検討をいたしておるところでございます。 いずれにいたしましても、労働省といたしましては、発注機関というものとの連携をとりまして、工事の施工中のそういう安全衛生を配慮した設計、積算というものが実施されますように強く要請していくところでございます。たとえば、私ども五十三年から始めたわけでございますが、建設省あるいは農林省あるいは運輸省といいますような機関と私どもとが、本省ベースで連携をとりますばかりでなく、これらの出先であります地方でも労働災害の防止に関する連絡協議会を設けまして、そういった問題について話し合ってまいっておりますばかりでなく、さらには最近は県、市町村というようなところにもそういった意味合いの手を伸ばしまして、連絡協議に努めておるところでございます。さらには、たとえば設計、積算等を行われます市町村の皆様方が安全衛生法の中身と申しますか、そういったことも必ずしも十分保障してないというようなこともございまして、これらの機関とも協力をしながら、私どもがそういった面の講習会を開催する等のこともやってまいってきておりますし、それから、さらに私ども本省のベースではございますが、どういうふうにやれば安全経費として合理的な計上ができるかというようなことも検討しなければならない問題が多々ございますので、そういったことの実態を別途調査をいたしておりまして、これらを踏まえてそうしたもののあり方をさらにきめ細かく打ち出してまいりたい、このように考えておるところでございます。
○片山甚市君 えらい親切に答えてもちいまして、ありがとうございました。親切なだけに、何もしてないということがわかった。 実は、公共事業というものについては国がやったり地方団体がやるんだから、下までおろしなさい、その明示がなかったら、その証拠がなかったら、発注してもそれは認めない。わかりますか。公共事業が多くなったために事故が起こっておるんです、日限が切られますからね。一般産業の会社の方がずるいから、ずるずると安全を考えてやりよる。そういうことですから、請け負うのは大企業が請け負います。それで発注された方から請け負います。しかし、おりていくときに順々ごまかしていきよるんです、わかっておるんです、丸谷さんが言うたんやから。今度は一番下で安全費をどう使っておるのか、明らかにできぬようだったらもう発注しないというように、一度労働大臣、新大臣の構想として、人の命は地球より重いと言った福田さんの言葉がきらいか好きか、派閥の関係であって、好きかきらいかは別といたしましても、とにかく私は大好きです。あの人の言うたんでたった一つだけ好きな言葉はそれですね。 そういうことで労働大臣を務めてもらいたいと思いますが、いま聞いたことでは、研究しますというのはあかぬのです。やはり国がやる、地方自治体がやる仕事ぐらいは、やはり安全対策費がちゃんと組まれておって、こういうことになっていますと、末端にいくまでやるように指導し、実行してみたいと思います、モデルもつくりたいと思いますぐらいの決意を述べてもらいたいんですが、大臣いかです。
○国務大臣(藤波孝生君) 最近の、事故がいろいろ頻発をしておるのが、公共事業がふえたことからくるかどうか、それは早急に一回省内としても検討してみたいと思いますが、この事故の現場の実態等もです。これは、絶えずそういう状態を把握をしておるわけでありますから、じきに実態の把握はまとまると思いますが、そのまとまり方によりまして、国、地方の公共事業執行者が、やっぱり安全衛生上の配慮を欠くものである、あるいは経費の中に安全上の経費をもっと見込む必要があるというふうに判断をいたしましたら、早急に今回の安全衛生法の改正を機会に、全国的にそのようなお願いをして、そういったことからくる事故を絶滅をするように早急に対策を講じ、努力をいたしてまいりたいと思います。
○片山甚市君 一層大臣の努力をお願いいたします。 実は、手元にある五十三年度のいわゆる全産業の死亡者三千三百二十六名のうち、建設業が千五一百八十三人で四七・六%、製造業が六百五十名で一一九・五%となっておりますが、いわゆる非常に発生した災害で重篤度の高いのがやっぱり建設業で、一・二八%の人、それから回数で多いのはやっぱり建設業の八・四三%、全産業平均の大体二・二倍程度のものがやられてます。ですから、全産業平均のいわゆる重篤度の率から言うと三・七倍ということになりましょう。こういうことでやはり建設業におけるところの安全ということについては、十分に努力をすること、これはまあやはり人命尊重といいますか、大変大きなことだろうと思うんです。私は、元請がやはり下請に出す場合に、ちゃんと経費で組まれておるんでありますから、それをきちんとおろすようにすることだ、それを監督することができないようになっておるのは、天下りしてもう一遍どこかの会社へ入ろうと思う助平根性があるからできないと思いますから、そういうのをやめて——いや、あなたが入ると言いませんよ、そんな人がおりますので、ついついへぬるくなる。実は先ほど申しましたように、労働基準法違反や不当労働行為が多発しておるということについては横ばいだとこう言っておりますから、その横ばいがいいのかどうか、もう一遍私ども検討しておきましょう。 で、できるだけ違反というものが見つからないように——事業所が三倍になった、監督官などは減らしていく——監督官ふやしてもらっても帰ってきて報告する事務所の人がおらないとできないんです。監督官幾らふやしてもだめなんですよ。まあ大臣は仕事しないからわからぬでしょうけれども、仕事した者はわかりますよ。監督官帰りますでしょう、報告書を書かなきゃいかぬのですよ。報告する事務所におる人間を要らぬといったら、何ぼ監督してもなかなかむずかしいんです、これ。非常にしんどいんです。まあ仕事しない人は楽でよろしいが、仕事をした私らなどは大変苦労しますから、監督官だけをふやしてもだめなんです。監督官はふやさなきゃいかぬのだが。 そういう意味で二十年に一遍か回らぬということになると、企業は笑いがとまりませんな、どんな悪いことしておっても。というのは、私は労働組合があるところはいいと言うんですよ。いいと言ったらおかしいけれども、大体生意気にも労使対等で話しておるはずですから。労働組合もない程度のところが大変困るでしょう、実際は。それを回るのが労働省と違いますか。労働組合のあるところなんか回らぬだって勝手に労使一体となったりしますな。企業組合だったり御用組合だったり、いろいろ種類がございますけれども、ありますな。私は労働基準監督署が、監督官などが回ってほしいと思うのは、むしろ組合もつくれないようなところ、いろいろなところについてやはりいいアドバイスを与えてやる。労働災害が起こらぬようにすることが私の願いですが、大臣、私の気持ちとは違うでしょう、大企業の方がやっぱり優先したいでしょう、この方が金が入るし——個人的な話じゃなくて自民党としては都合いいし、政府としても都合がいいから目こぼしをする。小さいところはときどき回っていこうかと、こういうことですから。そうでなければ、いまの三十名とか四十名ふやしたんではだめですから、これは大蔵省に言わなきゃならぬことですけれども、いわゆる総理府に言わなきゃいかぬことですけれども、あなたの方が三十名でよろしいと言ったと思わぬけれども、どうも腹が立つので、こんなところで言うのはやぼな話ですが、本来ですとやはり大蔵省呼ぶなりほか呼ばにゃいかぬのですが、時間がありませんからこのぐらいにしますが、大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(藤波孝生君) 例年人員、機構を要求をいたしまして、まあずいぶん厳しい態度でやはり関係省庁と接触を重ねて毎年きておるところでございまして、労働行政を、非常に行政の対象が多様化し、複雑化してきておりますし、雇用対策、職業安定行政など、きめ細かくやっていかなきゃならぬ高齢者対策であるとか、あるいはまた、最近特に力を入れております身体障害者の雇用対策でありますとか、これを従来よりもずっときめ細かくやる必要が生じてきておるわけでありまして、そういった職業安定上の行政にいたしましても、あるいはいま御指摘の労働基準監督の行政を推進をしていくという角度からも、強く人員の増加を要求をしてきておるところでございます。御指摘のように五十三年の例を見ますると、臨検監督を実施をしているという実施率といたしましては五・七%という数字になっておりまして、なかなか事業場を回り切れないということになっているわけでございます。私も一人の人間の人命は地球よりも重いという言葉が大好きでありまして、大好きだけじゃなしにそのことに徹して行政は進んでいかなければいかぬというふうに心の底から考えておりまして、できるだけ現場を臨検するという率を高めていくように今後ともあらゆる努力をしていきたい、こう思います。 特に御指摘の大企業、大事業場かあるいは労働組合もない小さな事業場をどうするかということにつきましては、大企業、大事業場はどうしても労働基準をきちっと守ってもらわなければ与える影響も非常に大きいわけでありますし、該当する人員も大きいわけでありますから、そこは十分監督をしていく必要がでざいますけれども、それでもなお問題があれば、浮かび上がってくる、表面に出てくるという可能性は高いと思うのです。国会などでも各党いろいろな御質疑の中で出てくるような事業場の労働基準上問題があるというのは、大体大きな企業の名前が出てくるわけでありまして、そんなことを考えてみても、問題があれば表面に出てきて私ども気をつけるということになる可能性がまだ多いわけでありますけれども、なかなか見えにくい中小企業あるいは規模のきわめて零細な企業等におきましては、御指摘のように労働組合もないというようなことで、閉鎖的な社会の中で非常に陰湿に労働基準違反等のことが行われておる場合が多いわけでありますから、いろいろ現場を臨検していくというようなことで、毎年毎年重点をどこに持っていくかということを相談をして進めておるわけでございますけれども、そういった中でできる限り中小企業、零細な企業を指導をしていく機会を多くしていくように、今後とも現場第一線で働いておられる方々とよく連絡をとって、対策を講じていきたいと考えておる次第でございます。
○片山甚市君 大臣の積極的な気持ちはわかりました。 この際、労働基準法違反などについて、基準監督署の機能をカバーする機関として、たとえば労働委員会のうち公益、労働側に指名された者で構成するチェックシステムで摘発を促進させるようなことはできないだろうか。 また、行政改革といえども不当労働行為などが後を絶たない現状で、労働委員会の機能を制約するがごとき画一的な対策は絶対認めるわけにいかないのですが、そのようなことはしておらないかどうか、二つお聞きします。
○政府委員(吉本実君) 労働基準法等の履行確保につきましては、労働基準監督官がその権限に基づきまして監督指導をしておるということでございます。また、労働委員会の方は、集団的な労使関係の場におきます紛争を取り上げている機関でございます。したがって、労働委員会の中で基準法違反等に対します刑事上の措置のためのチェックシステムをとるということはその性格から言って必ずしも適当ではないのではないかというふうに思います。しかし、基準法に関連します民事的な紛争につきまして、監督機関の処理になじみにくい面もございますので、労働委員会の機能等の関係も含めましてその点は検討をしていく必要があるのではないかというふうに思います。 それから第二の御質問で、画一的に云々というようなことでございますが、そういったことは、目下全然そういうことは考えておりません。
○片山甚市君 私は、やはり労働委員会のうち公益、労働側などというものは労働基準の問題についてはよくおわかりでなければならぬ人々だと思っておる。そういうような人たちがプロジェクトチームのような形でチェックができるような協力体制ができないだろうか。そんなに忙しい人が労働委員になったりしておるのじゃないのだろう、少しぐらい年齢もいっておるししておるが、こういう人たちに御協力を願う、こういうことで考えていました。いまお話があって、監督官が監督権といいますか司法権を持ってやっておるのですから、それをやれと言っておるのじゃないのです。そういうものについての摘発、こういう状態があるということがわかったら網の打ち方がいいですね。魚とるかとらぬかはこれは監督官の力ですけれども、こんなことがありますよ、あんなことがありますよと、通報制度ですな、通報制度をつくるようなことをやれば非常に都合がいい。ただしこれは経営者側が絶対反対をしてまいりますから、わからぬですが。そういうことについて検討をしてもらいたい。担当の方、事務局では私の意見はどうでしょう。大臣に答えさしたらそれはむずかしいかもわからぬけれども、担当の方はどうです。
○政府委員(吉本実君) 先ほど申しましたように、労働委員会の機能という観点からいいまして、基準の違反にかかわるような一つの御示唆つまり網の打ち方等の問題でございましょうが、そういった点をやるというのは性格上むずかしいのではないかというように思います。しかし、先生のおっしゃるのは、要するに公益的な立場の方が客観的に見て、現実にどういう点が手薄であるかというようなところをいろいろ検討していただいてその上で監督をかけたらどうか、こういうような御指摘であろうかと思います。そういった点につきましては、先生の御意見も十分考えながらこういった点についての検討をしてまいりたいと考えております。
○片山甚市君 答弁には納得しません。いわゆる公益側が何かりっぱで労働者側は何かりっぱでないようなことを言いますが、実は労働基準というのを守らせる立場にあるのは公益側と労働者側で、守る方は使用者側なのですよ、本当は。労働委員会といえども。事実を知らぬのですよ。何も知らぬからそんなことをのうのうと答えておるけれども、普通知っておる人だったら、使用者側同士というのはぐるになってでも何とかこれ軽微におさまらぬだろうか、うまくおさまらぬだろうかとやる。資本家はぐるになるものです。使用者側というものはぐるになるものです。労働者もぐるになりますね、守ろうと思って。あたりまえのことです。団結と言うのですそれを、日本語で言うと。ですから、私は、労働基準を守らせる立場の者がチェックをしなければ、守らなければならぬ立場にチェックさしたら、麻薬業者に麻薬の手入れをあしたするぞという通報をするようなものですから、できません。まあよろしい。大体労働省がいかに使用者側の代表であるかということがわかっただけでも本日は成果である。 次に、週休二日制ですが、昨年の本委員会第四分科会においても本件をただしましたが、それを足がかりとして銀行法の改正について第九十一通常国会で審議できるように作業中だと明快な答弁をいただいたところでありますが、大蔵省の銀行局のお話によると、ただいまのところ各党の御意見を受けて検討中だということですが、これから大体大臣の方ではどのような段取りになられるか、省としてお答えを願いたい。
○政府委員(吉本実君) 週休二日制を推進することにつきましては、私ども一つの重点としてやっておるわけでございますが、ただいま御指摘の銀行等におきます週休二日制の根底につきましては、ただいま先生御指摘のように大蔵委員会等におきましていろいろとその点のお進めをしているというふうに承知しております。私どももそういったそれぞれのレベルでこういった作業が進んでおるということを見守り、またそれを期待しているわけでございまして、今後の週休二日制の推進の中で、そういった金融機関等がそういった点で進めることが他の産業に与える影響も非常に大きいのではないかというふうに考えまして、そういった点についての推進をお願いをしておるというような次第でございます。
○片山甚市君 郵便局は国家公務員法の適用を受けておる関係から、銀行局に言わすと、郵便局がどうしてくれるんかによったら、おれの商売が困るのでいま考えておるんだと、こう言うのですね。もう一度日本語で言うと、郵便局がどうしてくれるんかによりゃ、おれの方の商売が大変な目になるんだと。郵便局の方が週休二日制にしてくれるのなら、土曜日休んでくれるならおれの方もさっぱりするんだけど、日本の政府はそうせぬじゃないか。ということはいろいろと意味があるんでしょうけれども、それ以上聞きませんがね。そういう言い方をする中で、何が優先をされておるのかと、こういうことになると、金融業界の競争の問題が労働条件をもより近代化してない。OECDに行ったら、日本は週休二日制でないし週四十時間でないと。こう言われて、レーバー・アタッシェの連中がどういうふうに答えておるか知らぬけれども、日本の賃金が高いや言ったって、一番世界中で、目に見えるのは労働時間ですから。そうですね。それから一カ月に三十時間も三十五時間もよけい働いておるというような労働時間表を見せたりすると、働き中毒のウサギ小屋などという寝言を外国人に言われる。腹が立っても、しょうがないですしね。私もまれに外国に行くけれども、外国人の生活の態度とわれわれの態度は違うんですから、そう一概に比較すべきではないけれども。 大臣にお伺いしますが、銀行の労使では七五年二月に土曜日の休日を合意しておりますし、あと残されておるのは、国家公務員が四週五休というようなことを言っておるようですけれども、郵便局の取り扱いを早く決めてもらって、これが全国の代表にならない……、国家公務員とか役人というのは怠け者じゃないかなどと言ったのは、それは商売人の餓鬼どもがというか人たちが金が欲しさに言うとるんでありまして、われわれはそんな間抜けなことしておらないで一生懸命やっとるつもりですよ。私は、役人というか、電信電話の仕事をやってきた人間ですから——景気がよくても金くれませんしね、悪かったらすぐに首切りの話が出るしね、本当の話。今度あんたたち退職金減らしてくれるという喜ばしいのか悲しいのか知らぬけれども、私は悲しいんですが、法律まで出すほど——ほんなら好景気のとき金くれましたか、ボーナス。——くれませんでしたよ。大臣はもろうとるかもしらぬけれども、うちらの職員はもろうとりませんよ。こういうことを平気で押しつけてくるような生意気な態度は許せない。こんなあなた、法案を出してきよるやつも出してきよるやつだ。片一方の方の労働時間短縮は、銀行局の言葉で言えば、約束しておるんですから、ことしからやりましょうという。これをするのには、郵便局の人が土曜日やられたんじゃこの金が全部行ってしまうからおれはいやだと。労使一体になったかどうかわからぬが、うろうろしておるそうですよ。それについては明快に、いつごろまでに解決するようにされますか、大臣。
○国務大臣(藤波孝生君) もう釈迦に説法でございますからくどくどと申し上げませんが、週休二日制も含めて労働時間を短縮をしていく、これは国際的に見ましてもまた国内労働者の福祉の増進を図るという意味合いからいたしましても、また直接は影響はないとしましても、長い目で見るとそのことが言える。非常に高度成長の時期から低成長、安定成長社会へ位置づけていきますために、みんなが分かち合って生きていく時代という角度から考えてみましても、非常に大事な労働行政上の課題である、このように考えております。 そこで、週休二日制につきましては、今日三十人以上の規模で約四五%の企業は何らかの形で週休二日制を実施をしている。また、その適用を受ける労働者は約七割であるというようなことでありますが、やっぱりどうしても大企業が中心になって一般化をしていくようにせざるを得ないわけでありまして、そういう方向の行政指導の努力を重ねているところでございます。そこで、週休二日についてもう一つ思い切って前進をさせようと思いますと、そのためにというのではおかしいのですが、ここでやっぱり一番大きな問題は国家公務員、それに準じて地方公務員の週休二日制がどう前進をするか。 それからもう一つは、特になかなか週休二日に踏み切れないところが中小企業などが多いわけでありますから、そのあたりをいろいろ考えてみると、金融機関が週休二日になるということであれば、皆準じてそういうことになろうというような話がいろんな業界との話し合いの中でも出てくるわけでございます。したがいまして、公務員の週休二日制と金融機関の二日制というのを今後のやっぱり週休二日制推進の非常に大きな目玉に私どもとしては考えておるわけでありまして、国家公務員の週休二日制、まあ御指摘のように四週五休というようなまだごく入口でありますけれども、そういった仕組みを取り入れてまいりますためにも関係閣僚に強く要請をいたしまして、労働省としては努力を重ね、やっと法案を提出するところへこぎつけてきているわけでございます。 銀行等金融機関の問題につきましても、絶えず大蔵省と接触をいたしまして推進に努めてきておるところでございますが、銀行は郵便局のことを言い、郵便局は農協やあるいは漁信連のことを言う。こういうことでやっぱり金融機関全体がそういう構えにならなきゃいかぬ。全体を掌握するという立場で、今度は大蔵省が単に銀行という立場だけではなしに、強いひとつ指導力を持ってこの問題に取り組んでもらいたい。大蔵大臣にも強く要請をして、関係閣僚との話し合いを進めていただくようにお願いをしておるところでございますが、ずいぶんその機運は出てきておりますので、今後とも労働省としての立場では強力にこの仕組みが前進をしていくように努力をいたしたい。ただ所管をいたしておることではありませんので、いつまでに必ずやりますということについて明確なお答えを申し上げることは控えさせていただきたいと思いますが、あらゆる努力をしてこういった週休二日制、労働時間短縮の方向に向かって労働省の方針を出して、さらに強力に推進をしてまいりたいと考えておる次第でございます。
○片山甚市君 労働省だけでやれないことはわかっておりますから、先ほどから申しますように仕事を分かち合うということが雇用安定とのつながりで労働省としては大きな発言力を持ってもらいたい。 業界におけるところの利益配分の問題は、ただそれなりにやってもらったらいいけれども、労働省としてはやはりそれぞれ雇用が安定ができる、これからの若い人たちのためにも、また長寿をした、長生きをした人たちの年金を、掛金をかけてくれる若い人をどんどんつくるためにもやってもらいたい。どちらもよくなりますから。私、社会労働委員会にきて六年、その間ちょっと建設委員会のぞきましたが、もうそればかり言ってきたんですが、余り馬の耳に念仏といいまして、すうっと通ってしまうような話で非常に残念でございますが、たまには耳をとめてください。 さて、無定見な画一的な行政改革は、公務員の削減の大義名分でありますけれども、公共サービスの充実という、先ほど申しましたように監督官を単にふやせと言ったんじゃなくて、労働省の労働サービスというのは非常に雇用をつくるということで意味がある。ですから、いわゆる何としても労働省の充実ということは、これは国民の利益に直接つながってくる。先ほど全労働の組合がこういうことを言ってますと私ちょっと紹介をしましたけれども、全部言うとこれだけで一時間かかるものだからやめますけれども、彼ら皆さんの部下として仕事をしておる者が、この仕事もある、あの仕事もある、この仕事もふえたと。それで国会開くたびにいい法律をつくる、法律をつくったら実施しなければならぬのは職員なんです。大臣じゃないんですわ。それが減っていくということは、私はするなということになると言うんだ。法律だけできたって何にもならぬ。 こういうことで、もうお答えをいただくというよりも、まず農林水産省に人が余っておるからそれをもらってうちへひとつ足そうかと、こんなことじゃなくて、農林水産省はむしろ日本の食糧の安全保障のために自給を高めるためにはもっと働いてもらいたい。農林水産省とか労働省みたいなところ減らすというようなことはやめて、減らすんならただ飯食らっておる自衛隊の人々とか、警察官とか、機動隊のおっさん、もう毎日体をもてあましておるんです。あれはどぶさらいでもさしゃいいんですよ。あんな餓鬼がたくさんおる。餓鬼というか方々というか、日本語で言うと餓鬼というんですが、普通の人が言うとこれは人々ですが。 そういうことですから、労働省というものが、いままで述べてきました労働行政が、いまのままでいったら事実上麻痺をしておると言ってもいいんじゃないかというように心配する面がある。それをよくアピールしてもらって、このような、こんな言いわけのようなんじゃなくて、もっと宣伝しなさいな、これ、本当に。わかってもらってない。それで困ったら雇用調整金がどうだのこうだのいう話はするんだけれども、実際上知らぬぷりしておる。人が足らぬようになったらやかましゅう言う。これで老人ができたということになると、切り捨ての案を出しよる。こういうことですから、いまや経済団体の方でも、御承知のように、週休二日制はいよいよしくべきだ、こう言われておるし、銀行の方も言ってきたようでありますから、機が熟したと思いますが、これらについて労働省がいま何をやるべきかということになると、労働省の役人の首がどうのこうのじゃなくて、これからどんどん働いてもらわなければならぬという意味で奮発してもらいたいと思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(藤波孝生君) 全く御指摘のとおりでございまして、私ども政府という立場では、何回も申し上げますが、行革をやっていくという非常に大事な今日の政治課題をこなしていくために取り組んでおるわけでありますけれども、第一線の職員の皆さん方の気持ちも考え、またその行政の量などを考えてみまするときに、てんてこ舞いをしておるわけであります。手いっぱい仕事を抱えて体を壊してしまうというような、第一線の実例などもたくさんにございまして、そういった意味でも心配もまたいたしておるわけでございます。今後ともますます多様化し、かつ非常にニーズが高まってきております労働行政に対する国民の期待にこたえてまいりますために、人員の増強等を中心にいたしまして、さらに密度の高い行政を展開をして御期待にこたえ、責任を果たしていかなければいけない、このように考えておる次第でございます。
○片山甚市君 できるだけ部下を大事にして、部下が働きやすいような条件をつくっていただきたい。労働省の職員がやはりそういうようなサービスのできやすいような状況をつくってくれることが、大臣の決意として実っていくようにお願いしたいと思います。 三つ目に、労働災害の問題ですが、労災の重度障害者死亡後の介護家族の補償について、これも私のところへ福岡市西区飯倉七丁目九の二十三大塚守一さんからもう一度、前の国会のときにも申し上げたんですが、かたかなのタイプでお手紙をいただいております。私の手元に障害一級の人からもらっておるんですが、この人が言うのは、労災重度障害者の介護家族が、長期介護の上、本人死亡時に老齢化している場合は、労災年金などの補償を継続して受けることができないため、その瞬間から生活の道が閉ざされる、すなわち生活保護法ということになる。そういうことになるので、労災重度障害者一級から三級の数は現在どのぐらいあるのかわかりませんが、同名あるのかわかりませんが、老齢化した障害者のうち何名が、これらの介護の家族の現状の調査結果おるのか。私は昨年お聞きいたしましたから、ことしは大体介護家族は現状どういうことになっておるのかお聞かせを願いたい。まずお聞きします。
○説明員(小田切博文君) 重度障害者で年金をもらっているような方々の生活状態がどういうことであるか、調整をしたのかというようなお話でございますが、五十三年でございますか、先生のそういう点について調査をすべきだというような御指摘も踏まえまして、私ども昨年の三月でございますか、障害年金をもらっている方々の実態調査をいたしたわけでございます。当時、障害年金をもらっている方々全体で五万人いたわけでございますが、これは重い者——一級、二級、三級のほかに、軽度の者——四級、五級、六級というような者を含めまして全体で五万人いたわけでございますが、軽度の者の方が当然多いわけでございます。一級、二級、三級というようなことになりますと六千人というような数になろうかと思いますが、七級まで含めまして全体で五万人おりますうち、五千人程度を対象にいたしまして調査をしてみました。 その結果、たとえば症状が固定して病院から退院すると、家庭生活に戻るというようなときに不安を感じたことがあるかというような問いにつきましては、八五%の方が不安を感じたと。その不安を感じたという方につきまして、どういう点について不安を感じたかというようなことを聞いてみますと、家計、生活費の問題がある。それと並びまして、日常生活の身の回りの世話の問題で不安があったというような答えになっております。さらに家庭に戻って日常生活で不便を感じたことがあるかどうかというような項目につきましては、八割五分ぐらいの方が不便を感じたことがある。その不便の内容としてはどういうことかということについて聞いてみますと、不便を感じているという方、八割五分いるわけでございますが、その方について聞いてみますと、実際に他人の介助、手助けを受けているという人が六五%ほどおる。で、介助に当たっている人は八割強が配偶者の方がその任に当たっておられるというような実態でございます。その辺、昨年一年間ほど労災保険審議会でいろいろ制度改善の問題、御議論していただいたわけでございますが、そこにそういうようなデータを提出いたしまして御説明いたしまして、御議論していただいたわけでございます。 その結果、たとえば現在介護料というような制度がございますが、介護料につきましては、長期に療養を続ける必要があるというようなことで、傷病年金をもらっている方々についてのみ現行の制度では介護料が出ているわけでございますが、症状が固定したというような状態になっている重度障害者につきましても、いま言ったような実情にあるというようなことで、介護料を拡大してしかるべきではないか、その他退院いたしました場合に、玄関であるとかふろ場であるとか住宅の改造が必要になってくるわけでございますが、そういうことに使われます労働福祉事業団がやっております社会復帰資金貸付制度を拡充してしかるべきではないかというような御意見をいただきまして、それらの点を盛り込んで、このたびの全体としての労災保険制度の当面の制度改善を考えているというようなわけでございます。
○片山甚市君 余りわかりにくかったので、私の方の意見を申し上げますと、労災保険の福祉事業の一つとして、支給金規則の改正でも可能だという専門家の意見があるんですが、これはできないか。 もう一つは、日常生活を容易にするための住宅改造資金貸し付け七十万円——これは重度の脊損の方にされていますが、それから自動車の購入資金貸し付けとして八十万などがありますが、他の障害者も同じように労災受傷者の立場からきめ細かい福祉事業への配慮をしてほしいということでありますが、この二つのことについてはいかがでしょう。
○説明員(小田切博文君) ただいま御指摘の、社会復帰資金貸付制度につきましては、いま上限七十万円でございますが、百万円に引き上げるというようなことを考えております。また対象も若干御指摘のような点につきまして拡大したいとこういうふうに考えております。 それから最初の、長い間障害年金をもらっている被災労働者御本人が亡くなってしまった場合、その介護に当たっておられた家族の方々がその後の生活に困るというような点につきまして、特別支給金支給規則というようなものを改正して、何か手当てができるんではないかというような御指摘でございますが、この点につきましては、特別支給金につきましても広い意味で労災保険制度の中でやっているわけでございますから、労災保険制度の基本的な枠組み、労働能力の損失をてん補するというような観点から申し上げますと、非常にむずかしい問題というふうに考えております。
○主査(亀長友義君) 片山君、所定の時間が来ておりますから……。
○片山甚市君 そうですか。そうすると所定時間が来ておるようですから、あと質問を略しまして、実はせんだってから提案をしておるところの国立生命科学センター構想ということで、大阪におけるグループから、労働省としては、産業安全研究所所属の産業安全博物館が東京にあり、大阪には産業安全技術館がありますが、機能が十分でない、こういう意味で陳情をしておる内容がございます。これについて、労働省としては十分に検討して取り上げていただけるかどうか。経費の問題でなくて、この構想についてはすでに大阪府議会ではいわゆる調査費をつけて議決をしておるような次第でありますから、これについて受け答えをしてもらいたい。このことについては大阪の労基局もよくわかっておるはずだと思うんですが、簡単に答えていただいて終わります。
○政府委員(吉本実君) ただいまの生命科学センターの建設構想が地元で提唱されておることは承知しております。ただ具体的内容等につきましてまだ十分検討しておりませんが、大変広範な人間科学に関するものであるというふうに理解さしていただいておりますが、大変その内容につきましてはいい方向ではないかというふうに思いますが、労働省だけで対応できるものでもないと思いますけれども、労働省といたしましても先生のそういった御指摘に応じまして、いろんな角度から援助できるものがあれば、そういった点も十分考えまして検討してまいりたいというふうに思います。
○片山甚市君 どうもありがとうございました。
○主査(亀長友義君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。 午後零時二分休憩 —————・————— 午後一時開会
○主査(亀長友義君) ただいまから予算委員会第四分科会を再開いたします。 休憩前に引き続き、昭和五十五年度総予算中、労働省所管を議題とし質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。馬場君。
○馬場富君 最初に中高年の雇用対策について質問しますが、労働白書では、中高年層の雇用の安定をうたっておりますけれども、中高年の雇用状況をお伺いいたします。
○政府委員(関英夫君) 昨年の六月一日現在の調査によりますと、高齢者の雇用率でございますが、全国平均で五・八%ということになっております。まだ、六%という高齢者の雇用率を法律で決めておるわけでございますが、そこに達成してない、到達してない企業が約半数ちょっと以上あるというのがまだ現状でございます。
○馬場富君 労働省の年齢別職業紹介状況調査によりますと、中高年層の雇用に明るさが見えてきた、こういうことを言っておりまして、その理由には、景気の回復が雇用情勢を上げるという状況がございますけれども、その反面、公定歩合の引き上げだとか景気の一つは落ち込みという問題等もやはり重なってきております。こういう点で、中高年の雇用情勢の見通しをひとつお伺いしたいと思います。
○政府委員(関英夫君) いま先生御指摘になりましたのは、年齢別の職業紹介状況につきまして毎年十月調査しているものの去年の調査結果について御指摘があったんだろうと思いますが、その結果によりますと、中高年齢者の求人倍率も五十三年に比べてやや改善の兆しが見られるということ、全体として中高年の雇用情勢はなお一層厳しい、なお現在もさらに厳しい状況にある、こういう結果が出ているわけでございます。 で、今後の見通しにつきましては、たとえば石油情勢が今後どうなっていくか等々非常に不透明な部分がございまして、非常にむずかしいことではございますが、政府の見通しのような今年度の経済成長が達成されるならば、雇用関係は最近やや改善を見せてきたその傾向を持続していくのではなかろうかと思いますし、私ども経済の情勢を見守りながら、いろいろな施策を弾力的に運用して、特に中高年の雇用の促進に力を尽くしていきたいと思います。たとえば、中高年雇用開発給付金制度のようなものもさらに活用しつつ、中高年の雇用対策を進めてまいりたいと考えておる次第でございます。
○馬場富君 ここで大臣に見通しですね、いまの、これを一点お願いします。
○国務大臣(藤波孝生君) 従来も雇用の確保につきましてはあらゆる努力をしてきておりまして、特に今日の状況では、やはりわが国の経済をインフレに持ち込まないように、物価対策を緊急かつ総合的に進めていく必要がある、こういう姿勢で政府としても経済運営に臨んでいるところでございますが、しかし一方、やっぱり公共事業を少し事業執行をおくらせましたり、あるいは公定歩合の引き上げ等、物価対策ということで思い切った手を打っていくということになりますと、一方でまた経済の成長が非常に緩やかなものになってしまうというようなことも心配をしてまいらなければなりません。いずれにいたしましても、石油問題など海外要因に影響されるところが非常に大きいわけでありますし、今後特にわが国の社会が高齢化に入っていくというようなことを考えてみましても、なかなか見通しを立てて手を打っていくということが非常に困難な時代であります。しかし、そういった中で、労働行政として従来積み上げてまいりましたいろいろな仕組みなどを十二分に活用をいたしまして、政府全体のいろんな施策の中で、絶えず雇用の確保ということに最善の重点を置いて取り組んでまいりたい、そしてできる限り心配のない状態に持っていくようにこれはもう適時適切に手を打ちながら進んでいくという以外にないと思いますけれども、そんな決意で臨んでまいりたいと考えておるところでございます。
○馬場富君 いま大臣のおっしゃったとおり、私もそのように、中高年以外の一般労働者にも厳しいやはり情勢が来ておる。その中で、中高年層のやはり雇用が一つは重要なポイントであるけれども、むずかしい状況下にあるということは私も思うわけです。そういう点やはり確かに中高年層の雇用がこれからの雇用の中で重要だと言ってみてもやはりそこらあたりが非常にむずかしいという状況ですね。やっぱりここらあたりをどのように一つは労働省としては対策を考えてみえるか、ここらあたりを対策をお願いしたいと思います。
○政府委員(関英夫君) 中高年の雇用対策といたしましては、一つは、第一線機関において中高年齢者一般に職業紹介に当たって非常に手厚くかつきめ細かい相談をしていく、そのために、高齢者には特別のコーナーを設けるとかいうような形で綿密な職業相談をし、職業紹介をやっていくことがまず基本だろうと思います。また、中高年の雇用を少しでも促進いたしますために中高年齢者のための雇用開発給付金という助成制度がございます。安定所の紹介で中高年齢者を雇用した事業主に対して支払う賃金の中小企業の場合は、五分の四というような非常に手厚い助成をする制度がございます。この制度の活用によりまして中高年齢者の雇用促進を図っていくということが第二点でございます。 それから第三点は、できるならば中高年齢者が長い間企業の中で働いてきた知識、技能、経験、そういったものを生かしていくことが非常に重要でございます。したがって、中高年齢者が企業の外に出てまた新たなところへ就職するというのは非常にむずかしいわけでございますので、できるなら企業で雇用を継続していただく、そのためにはまず基本となるのは定年延長の問題であります。定年延長につきましては、昭和六十年に六十歳定年を実現するべく行政指導を強めておるところでございます。また、定年延長が困難なところには再雇用なり、勤務延長というような形で雇用を継続していただく、このための継続雇用奨励金制度も活用していく、そういうことによって中高年齢者が企業外に出るのをできるだけ少なくしていくということが三点目でございます。 また、高齢者の雇用率という制度が中高年雇用促進法にございます。企業は高齢者を六%以上雇用に努めなければならないという努力義務が規定されております。この雇用率の非常に低い企業——大企業に多いわけでございますが、そういうところにつきましては、雇用率を達成するための計画というのを作成して提出していただく。そして企業が立てました雇用率達成計画に即して個別企業に高齢者の雇用を進めていく、計画の達成を行政指導で強めていく、こういうような施策をまた引き続き努力していきたいと考えております。 また、中高年齢者の雇用のためにはいろいろ職場の工夫その他むずかしい問題もございます。そういったことにつきましては、企業に対しまして中高年齢者雇用の好事例を示していくとか、あるいは職務の再設計をどうしたらいいかというような好事例を集めて企業に提供していく、そういうようなこともさらに力を入れて講じていきたいというふうに考えておるところでございます。
○馬場富君 その他私ども聞いておる範囲では、来年度から実施予定になっておりますけれども、高年齢者労働能力開発事業というのが計画されておるという、これについて概況でよろしゅうございますから、説明していただきたいと思います。
○政府委員(加藤孝君) 高齢化社会の進展に伴いまして、六十歳を超えてなお一般の企業で常用で働きたい、こういう方々もたくさんあるわけでございますが、一方におきまして、六十歳を超えてまいりますと、いろいろ個人差も出てまいりまして、体力、能力等から、もはや常用雇用を希望しないけれども、しかしまだ一応体力等も健康もいいというようなことで、何らかの就業を通じて自分の労働能力を生かしたい。そしてまた、自分の生きがいにも役立てたいし、またいろいろ地域社会のお役にも立ちたい、こういうような方々もあるわけでございます。 他方、大都市等におきましては、核家族化が進む、あるいは共働きというようなものも増加するというようなことによりまして、地域住民の日常生活に関連いたしましたいろいろ補助的、短期的な仕事の需要も増加しつつあるわけでございます。そういう意味におきまして、今般労働省としては、こういう地域社会の補助的、短期的な仕事を組織的に把握をいたしまして、これを地域の高齢者に提供する、こういうことを目的とするシルバー人材センターというものを育成、援助することとしたわけでございまして、全国の主要都市におきまして百団体に対しまして一団体当たり六百万円、総額六億円の助成を行う、こういうことをしたところでございます。特に、来年度は初年度のことでもございますので、それぞれの都道府県でひとつこういったものをモデル的に育成していく、こういうような観点で、おおむね人口二十万人以上の市、またはこれらと同規模程度の事業の実施が見込める市で実施をすることとしておるわけでございます。また、対象とする者は、原則として六十歳以上六十五歳未満の健康な高齢者ということで考えておりますが、六十五歳以上の方でありましても、健康で、かつこういうセンターで扱う仕事に就業する能力のある方については対象としていく、こんなような考え方で臨んでおるところでございます。
○馬場富君 先ほど、いまの中高年雇用対策について、いまのお伺いした中で、いわゆる雇用率だとか、定年延長の問題等もなされましたし、きめ細かい対策を考えておるということですけれども、私は現場を見ておりまして、いまこちらから、いまの高年齢者の労働能力開発事業ということをお聞きしましたけれども、やはりこういう具体的な、一つはそういう方々に手を差し伸べて方向性を出さなければ、この問題は、やはり上で幾ら計画を立て、対策を立ててもだめだということをしみじみ感ずるわけです。そういう点では、私は、この事業というのは非常に時を得たものであるということで、これはどんどんと積極的に進めていただきたいと、こう思っておるわけです。 そういう中で、いま実際、労働省やあるいは厚生省の手を打たれるのを待ち切れずに、現場では、地方団体や各投資家たちが、そういう点で、高年齢者の方々の一つは、退職後の問題あるいは老後に生きがい等を感じながら自主的に、こういう動きが全国的に起こってきている。実例としては、東京都や愛知県あたりでは、その高齢者事業団というような形で、任意団体ではあるけれども、こういうものがスタートしておる。こういう状況です。だから私は政府がこういう対策を立てられたならば、そういう、これから新しくつくっていくという方法も結構ですけれども、やっぱりあるものを、これを抱えて助成していく、こういう形はよけい運動が乗るんではないか、こういうことで、私は現場の作業を見ておりまして、そういうことを痛切に感ずるわけです。 そういう点で、厚生省の考え方は、一つは生きがいの対策として考えておる。そういう点では六十歳以上六十五歳を超えても、一つはその生きがいのために一生懸命働こうとする人を抱えていこうという考え方、労働省の方は、一つは中高年者対策ですから、ある程度まで、六十五歳という年齢制限を持っていると、こういうところ等の一つは食い違い等がありますので、ここで何点か、私はそういうものを抱えていただくためにギャップがあるということを申し上げますから、そういうことをこれからの上で考慮してもらいたいと。一つは場所を百カ所一応指定される予定になっておる。それで、しかも人口三十万以上に大体一カ所というような形でいきますね。そうすると、これは非常に農村地域の農村の土地とやはり大都市とでは非常にそのバランスが違ってくる。たとえば政令都市ですね。そういうところで一カ所ということになってくると、非常にこれは、実質いままでやってきた人たちやら地域性を考えても非常に無理な状況があると。そういうようなことで、指定都市等については、一つは一カ所と言わず、この点の配慮をお願いしたいと。特に高齢者の問題等については地域性が非常に大事なんですね。そういう点で、大きくまとめればいい、広くまとめればいいという考え方でなくて、もう少しやっぱり地域に根差したような形で、一つの組織化ということを考えていった方が効果的だし、事実いま東京都でも愛知県あたりでもやっておりますけれども、名古屋市やあるいは東京都あたりでいけば各区、名古屋市あたりでは各区にそういうようなものの固まりを持ちながら推進をしておる。こういう状況ですので、一つは百カ所という問題と、二十万都市以上は一カ所という問題についての場所の指定について、ひとつ一遍よく検討していただきたいという点です。 それから、原則が六十歳以上六十五歳までということですが、年齢の点についても、そういう点で御配慮いただきたい。いわゆる六十五歳以上についても、やはり実質その現場を皆さん方が見られて、これはやっぱり対策の上にかなっておるというものがあれば配慮すべきだという点ですね。 それから、会員が最初二百名以上という一つの限定がございますけれども、実際これはおやりになってみるとわかると思いますが、最初から大きく固まりはなかなかできないものなんです。そういう点で、確かに推進していけば多く、二百名以上に必ずなると思うのですが、やっぱり最初のスタートの段階として、非常にそういう点で二百名を限定するとむずかしいと。いずれも私が見ておりますけれども、最初はやはり二百名を下がるような人員からスタートして、大きく拡大しておる。こういう現状から見て、この二百名という限定も多少融通性を持たしてもらったらどうだという点でございます。 それからもう一つ、社団法人にせよという一つの限定がございますけれども、これはいろんなやはり補助をしていく面の中で、非常に大事な一つの信用問題であると思いますけれども、たとえば実質いま行われておる東京都や愛知県、あるいは名古屋市あたりで行われておる問題を見ますと、市なり県なりが指導して、福祉協議会等に一つは委嘱して、そういうところから役員等も派遣してまで、まる抱えの状況でやっておりますけれども、現場そのものがやっぱり社団法人にするということは非常にむずかしい状況があるわけです。そういう点で、これはやはり任意団体でも、そういう公的機関が指導管理しておる状況があれば、こういうものもやはり考えるべきではないか。社団法人でなければいけないという限定が少しは無理な状況があるんじゃないかと。実情に合って、そういう補助対象に該当できる団体かどうかというやはり確認等があれば、この点がいいんじゃないかという点での問題が一つございます。 それから、こういう人たちに対して事故対策が一つ考えられてくるわけですけれども、事故対策等について、やはり労災の適用が受けられるような、そういう考え方を一つはぜひしてほしいと、高年齢者のためにですね。一たん職を離れて、自由労働というような形でこの仕事が進められていくものですから、雇用先がしっかりしたところなら結構ですけれども、そういうやはり一つは、終始常用で勤めるという形がとれない人もできてくるわけですね。そういう人たちに対しての事故対策というようなこと等についてもひとつ考えていただくということが必要じゃないかと。 それから、あれが一つは、五年の期限があるわけですね。こういう点についても、こういう事業というのは五年なんかだと、一つは会社が乗ってきて、事業を進めかけたら、これは終わりだというようなことになってしまうので、この期限の問題等についても配慮がやはり必要じゃないかと。 以上何点か申し上げましたが、そういうような状況の中で、現場で実はそういう問題が、各地方団体が中心となってやって、これに適合したような一つは事業が行われておるわけですけれども、こういうものに対して、これが乗っかれるような配慮をひとつお願いしたいと思いますが、この点担当者と大臣から御答弁いただきたいと思います。
○政府委員(加藤孝君) いろいろ御理解ある御指摘をいただきましてありがとうございました。 この人口二十万ということで言っておりますのは、やはりそこにある程度の会員がなきゃいかぬ、あるいはまたある程度の仕事がなきゃならぬというようなことから、おおむね二十万、こういう線を打ち出しておるわけでございますが、御指摘ございましたように、東京とか名古屋とか、こういう大きなところになってまいりますと、逆にいろいろそういう御指摘のような問題もあるわけでございます。東京の場合には、現に各区単位で、これは特別区という事情もございまして、各区ごとに一団体ということでスタートをしたいというようなことでいま検討を進めておるところでございます。名古屋なんかの場合にもいろいろそういう問題ございますが、いろいろまだこれから検討しなきゃならぬ問題もございまして、今後東京都のそういう状況等も踏まえながら、ひとついろいろ検討さしていただきたいと、こう思っております。 それから、年齢につきましては、先ほど申し上げましたように、一応六十から六十五歳というものを原則としておりますけれども、六十を超えられてもそういう体力、能力ございますれば入っていただいて結構である、こういうことで対応していく考えでございます。 それから、会員二百名以上というのは、実は私どもの考えとしては、団体として発足する以上ある程度の会員数がなければならぬだろう、そういう意味で、一応当初スタートする時点で百人から二百人ぐらいの会員数を目指して努力をしたらどうだと、こういうようなことで申しておるものでございまして、これが二百名以上なければ対象にならないという意味ではなく運用をしていきたいと思っておりますので、その辺は弾力的に、もちろんスタート時点ではそういうものにこだわらず、これは努力目標としてそういったものを一応目指していったらどうか、こんなことで運用していきたいと思っております。 それから、社団法人ということでございますが、一応国の補助金あるいは地方公共団体の補助金がつく、取り扱うものでございますので、そういう意味で、やはり財産主体あるいは団体の性格がはっきりしたものでなければならぬ、こういうことで法人というものを原則としており、また法人である以上、これは財団法人がいいか社団法人がいいかということになってまいりますと、高齢者の自主的な団体、こういう観点からいきますと社団法人であることが望ましい、こういうことでお願いをしておるわけでございますが、ただ、いろいろ既存の団体等、必ずしもすぐに乗り切れない問題も私ども承知いたしておるわけでございまして、そういう意味で、経過的には財団法人等であっても対象にするけれども、できるだけ早い機会にそういう社団法人に切りかえるような努力をしてほしいと、こんな考え方で対応しておるところでございます。 それから、事故対策での労災適用の問題でございますが、これも御指摘のような問題あるわけでございます。したがいまして、特に危険度の高い仕事等につきましては、労災の特別加入というような方向を出せないかということでいま検討を進めておる、こういうことでございます。 それから、期限が五年ということでございますが、これは御承知のように、補助金等を財政再建の中でいろいろできるだけ整理をしていくと、こういう原則の中にありまして、新規の補助金については、とにかく一応期間を五年とすると、そして、五年後においてなお継続するかどうかということについては、十分その必要性を確かめた後において、どうしても必要なもの以外は切ると、こういう原則があるわけでございまして、そういう意味での五年でございますので、五年後におきまして十分また検討をさしていただきたいと、こう思っておるわけでございます。
○国務大臣(藤波孝生君) いま失業対策部長から具体的に一つ一つお答えをしたところでございますが、基本的にはやはり、先生の御指摘のように、民間の活力を展開していく。官製で枠をつくって、この中にはまり込まなければこの仕組みで活用できませんというような形ではなくって、やはりその地域地域で需要もあり、また、ぜひ働きたいというお年寄りの方々が自主的に組織が進められていくと。これがこう自然に需要に対応していくというような構えがあって初めてこの仕組みというのは動いていくものだろうと、こういうふうに基本的には考えているわけでございます。したがいまして、余り窮屈な枠の中に入れていくということは労働省としても本意ではないわけでありますが、今日の財政事情の中で、しかも補助金という仕組みのものが新たに出発をする、これは非常に大蔵省としても注目をしてくれて出発をしていくことになったわけでございますけれども、そんなことから、個所数でございますとか、あるいは大体のめどでこういうようなところを基準に置いて、とにかく第一年度出発をさせよう、そうしてその動きを見て、また、だんだん労働省としても考えていかなきゃならぬところがあったら一緒にひとつ改善をしていこうと、こういうふうな気持ちでとにかく五十五年度出発をさせていきたい、こういうふうに考えております。民間御自身のやっぱり力が盛り上がって初めて成功することだと思いますし、いろいろ自主的な運営への意欲があって初めて回転していくことだろうと思いますし、わけても、地域社会の非常に深い、広い理解がなければこういう仕組みは動いていかないだろうというふうに思いますので、基本的には先生のお考えと私どもも全く同じでありまして、仕組みとしては少し窮屈な感じを出しておりますのは、そういう意味で御理解をいただきまして、今後ともぜひ御指導をいただきたい、このように考えておる次第でございます。
○馬場富君 次に、雇用対策の中で各種給付金が非常に消化不良になっておるという点がずいぶん指摘されておるわけでございますが、そのことで、いま財界の調査機関が、「産業と雇用の構造政策」と題して提言を行っておりますが、この点について労働省側の感想をひとつ聞かしていただきたいと思います。
○政府委員(関英夫君) ただいまの御指摘は、日本経済調査協議会の「産業と雇用の構造政策」という形で出た提言の御指摘だろうと思います。 この提言は、大きく分けますと、まず第一に、第三次産業の雇用拡大、これは今後とも雇用拡大していくにしても、これにのみ安易に依存するのではなくて、第二次産業を重視した雇用の促進に努める必要がある。それから第二に、男子中高年齢層の就業機会を確保するためには、定年延長あるいは雇用延長等の中高年対策の強化が不可欠だ。それから第三に、今後の雇用政策の推進に当たっては産業政策はもちろん、地域政策や年金政策と調和をとりつつ総合的な観点から進めていく必要があるというようなことを内容とする提言であるというふうに承知いたしております。 この提言の中には、今後の安定成長の中における雇用問題に関しまして、非常に参考となる意見あるいは研究が含まれておりますので、私どもとしては、これらの内容を十分勉強し検討して、今後の雇用政策の推進に当たりまして十分参考としていきたいと、こんなふうに考えております。
○馬場富君 いまお述べになった中の一点の、中高年の雇用の中の、第二次産業の方が第三次産業よりベターとして、三次産業に就業したのは、女子を初め、従来は非労働的だった人で、男子中高年齢層を中心とした二次産業の離職者は失業しているという点を言っております。 そこで、男子中高年で、二次産業の離職者の実態というのはどんな状況か、ひとつ説明していただきたいと思います。
○政府委員(関英夫君) 中高年齢者につきましては、二次産業ももちろんでございますが、各産業とも若年者に比べて離職率が高くて、また高齢者になるほど人員整理やあるいは事業の不振の場合の会社都合による離職者といったものが多くなっております。 それで一方、先ほどお話ございましたように、年齢別の求人倍率、昨年の十月の調査によりましても中高年齢者が一たん離職した場合、その再就職は非常に厳しいものがございます。中高年齢者ほど失業者として顕在化しやすいという指摘はそのとおりだろうと思うわけでございます。私どもとしては、このような厳しい中高年齢者の雇用実態を踏まえまして定年延長の推進や、先ほど申し上げましたような助成措置の活用等、中高年齢者の雇用の安定に全力を挙げてまいりたいと考えておるわけでございます。
○馬場富君 その中の二次産業の離職者の状況というのは、実態というのはどうなっていますか。
○政府委員(関英夫君) 二次産業の、産業別にとりまして、二次産業の年齢別の離職率というようなものが労働省で行いました雇用動向調査で出ております。製造業をとってみますと、四十五歳から五十四歳層の離職率は一〇・四%、五十五から六十四は二三・七%というようなことになっておりまして、たとえば金融、保険、不動産、運輸、通信、そういったようなところに比べますと非常に高い離職率になっておるということが言えるかと思います。
○馬場富君 そこで、男子中高年の雇用促進は二次産業でという提言をされておっても、さらに定年延長などの中高年雇用政策の強化が欠かせないということを指摘しておりますし、そして六十五歳までの雇用の継続を早急に実現すると言っておるわけですけれども、この提言の中には。労働省のこの点についての見解を伺いたいと思います。
○政府委員(関英夫君) 今後の高齢化社会のことを考えます場合に、諸外国にも例を見ない非常に高率の、比率の高い高齢化社会にいままで先進諸国が経験したことのないスピードで進んでいく、こういうことを考えますと、高齢者対策というのはこれからの雇用政策の最重要課題だと考えるわけでございます。そういう意味におきまして、先ほど昨年の夏でございますが、閣議決定いたしました社会経済七カ年計画あるいは第四次の雇用対策基本計画におきまして、高齢者対策としてまず第一に定年延長を進める。そしてその目標として、昭和六十年には六十歳定年というものを一般化する、このことに向けて定年延長奨励金制度の活用なり、その他産業別の労使会議の開催等々いろいろな施策を強めていく、これがまず第一でございます。それから六十歳定年をまず昭和六十年まで一般化させるわけでございますが、昭和六十年以降になりますと、六十歳以上層の急激な増加の時期に当たります。そこで、いまから六十歳以上の人のための対策も講じておくべきであるということで同じ計画の中でうたっておるわけでございます。その計画の中でうたっておることとしては六十歳以上についてはまず定年延長できるところは定年延長を進める。しかし六十歳以上になりますと、産業や職種によっては六十歳以上まで働くということが無理な場合も出てくる、あるいは個々人によって差も出てくる。そういう場合には十分な働く能力のある人を再雇用するなり勤務延長するなり、そういう形で継続雇用を進めることが必要であるということで、第二に勤務延長なり継続雇用を進めていく。それからまた、先ほど先生御指摘になりました高齢者能力活用事業のような形で、六十歳以上になって常用雇用につくことは無理だけれども、もう少し短期的なあるいは臨時的な仕事ならできるという人の対策も講じていくべきであるということを計画にうたっておるわけでございまして、その一つが来年度からやろうとする先ほど御指摘の、仮称でございますがシルバー人材センターと言っているものの事業でございます。そういうことにも努めていく。それからまたどうしてもやむを得ず離職して常用雇用につかなければならない高齢者につきましては中高年齢者の雇用開発給付金のような手厚い助成制度を通じて再就職の促進を図っていくというようなことで、この提言に盛られておりますように三次産業だけに依存するわけではございませんで、第二次産業も含めて中高年齢者の雇用促進を図ってまいりたいと考えております。
○馬場富君 制度審議会や先ほどの提言の中にもございましたし、私どものやっぱり野党も六十五歳定年を主張しておりますが、そういう点で六十五歳までの雇用確保のための一つは考え方ですね、それと法制化はどうかという問題についてひとつ大臣からも御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(藤波孝生君) 政府といたしましては、昭和六十年度に六十歳定年を一般化するという第四次雇用対策基本計画に基づきまして強力に行政指導をしているところでございます。しかし、高齢化社会への移行の状況などをいろいろ考えてみて、六十歳でそれで終わりだというものではありませんでして、職業安定局長からもお答えをいたしましたように、昭和六十年度の六十歳を目指して努力をしてまいりますけれども、六十歳を超えて働いていただける方にはぜひさらに定年を延長していくということにお願いをできれば一番いいわけでありまして、したがって、六十歳というのは決してゴールではなくて一つの過程だ、プロセスだと、こういうふうに考えて努力をしていきたいと思っているところでございます。したがいまして、どんどんと六十三歳、六十五歳、ぜひお願いをしますと、こういういま立場でお願いをしておるわけでございます。 問題はそれを法制化をしてやっていくかどうかということでございますが、わが国のように終身雇用慣行のもとで定年を延長をしていこう、こういうふうに考えますと、やはりその前提として年功的な雇用賃金慣行の見直しをしていくことが非常に大事である、その中で労使がいろいろと工夫をして、高齢者がさらに働いていくことができるように工夫をし、協力をしていくという構えがないと、どうしても年をとってその企業にいてもいづらいようなことになってもいけませんし、ただもう義務的に上からおっかぶさってきたんでそうしなきゃならぬなと言って企業が泣く泣く定年を延長させるというようなことであったのでは本当の意味の名実ともに定年の延長ということにはならない、こういうふうに考えるものですから、少し時間はかかりますけれども、十分労使のお話し合いを煮詰めていただいて定年の延長を一つ一つ積み上げていただきたい、心から期待もし、またそういった行政指導を進めてきておるところでございます。しかし、なおどのようにしたらそういった定年延長の実効のある推進を図ることができるかどうかという心配をいたしておりますので、そういったこと等につきまして立法化問題も含めて雇用審議会に昨年の六月に諮問をしたところでございます。その作業が進められておりますので、いろいろと御議論を積み上げていただくその様子等を十分踏まえまして今後対応していきたい、このように考えております。したがいまして、政府としては当面はいま法制化に踏み切っていくということにはなりませんけれども、いままでの方針をさらにひとつ充実をさせまして行政指導を強力に展開をしていく、こういうことで各方面に呼びかけもし、お願いもしていきたい、このように考えておる次第でございます。
○馬場富君 いまお話の中に出ました雇用審議会の答申というのはじゃいつごろ出る予定になっていますか。その点と、それから私ども公明、社会、民社でいまこの定年制の問題についての国会提案をしようという動きがございますけれども、これに対するひとつ見解と、あわせて御答弁いただきたい。
○国務大臣(藤波孝生君) 雇用審議会における審議につきましては、各業種、業態の実情などを十分検討していくことが必要でございますので、昨年の六月に諮問をお願いをしましたときの当時の大臣の所見としましては、二年から三年を目途に審議をお進めをいただく、こういうごあいさつになっておるわけでございます。私も少しせっかちな方なもんですから、もっと時間は煮詰まらないかという気持ちは持っていますけれども、やはり事の性格上、十分慎重に各業種、業体の動きを見る、あるいはその実情を検討するということは非常に大事なことだというふうに思いますので、昨年もずいぶん定年の延長につきましては、労使のいろんな話し合いの中で前進をしましたし、ことしの春闘でも非常に主要な話し合いの議題に上っておるわけでございますので、さらに機運は前進をしていくだろうというふうに考えておりまして、それらの動き等も十分踏まえながら、さらに審議会の御審議を促進をお願いをしていきたい、こう考えている次第でございます。野党三党から御提案をいただくということも新聞等で拝見をいたしておりますが、まだ中身も拝見をいたしておりませんので、十分また拝見をいたしまして、労働省としての対応を考えさせていただきたい、このように考えておりますが、いずれにいたしましても、雇用審議会の答申を待ってということになりますけれども、三党を初めといたしまする国会におけるいろんな御議論は、十分審議会の作業にも反映されていくものと思いますし、また、そのようにしていかなきゃいかぬというふうに思いますので、三党の御提案は今日の時代の非常に重要な御提案として法律で構えていくべきだというお考えに対しまして、十分謙虚に承らせていただきながら今後の対応を考えていくようにいたしたい、こう考えている次第でございます。
○馬場富君 次に、政府として中高年、特に高齢者がどのような仕事をして、どのような形で職業生活から引退していくかという、いわゆる高齢化社会体制を迎える、それに対する調査を、一つはやはり非常に重要な問題だから、すべきではないかということを思うんですが、この点はどうでしょうか。
○説明員(田中博秀君) お答えいたします。 先生の御質問にございました高齢者がいまどういう職業についているかとか、あるいはどのような形で引退していくかということにつきましては、これまでもいろいろな調査がございまして、たとえば仕事の中身といたしましては製造業部門とかあるいは農林水産業部門、あるいはサービス業、商業等の分野で働いている人の割合が比較的高くなっておりますし、また職業で見ましても、職種で見ましても、工場労働者と申しますか、技能工、生産工程従事者というような職種とか、あるいは農林業関係の職種のウエートが高くなっているというような実態になっておりますし、また引退の状況につきましては、これはこれまでの調査では、的確にそのものを調べたものはございませんけれども、たとえば労働力率というような数字がございますけれども、これは百人の人がいた場合、その中で何%ぐらいの人が働いているかということを調べたものでございますが、労働力調査の数字などを見てまいりますと、男子の場合ですと五十歳から五十四歳という年齢層の場合には九五・六%の人が働いておりますけれども、五十歳代後半になってまいりますと、その率が九一・九%というように下がってまいりますし、さらに六十歳代の前半ぐらいになりますと、七七・一%というように、だんだんと働いている人の比率、労働力比というのは下がっていくというようなデータもございます。こういつたような労働力率の低下というのは、一つの労働者の引退過程を示すものではないかというように判断されるわけでございますが、いずれにしましても、そういった個々の調査によって部分的に出てくるデータではなくて、もっと総合的に、一体高齢者の方々が現在どういう職業についておられるのか、あるいはその職業の中身は何なのか、そしてその就労しておられる、働いておられる動機とか理由は何なのか、あるいは逆に働いておられない方がおられるならば、なぜ働いておられないのか。それはたとえば健康上の理由によるものなのか、あるいは経済的に働かなくてもいいというような条件があるかないか、そういう問題につきまして総合的に調査をする必要があるということで、五十五年度に高齢者の実態につきまして調査をさしていただくようにただいま準備をさせていただいているところでございます。そして、調査のそこで考えておりますのは、いま検討しております内容といたしましては、五十五歳から七十歳ぐらいの男女の方々三万五千人ぐらいの人を対象にいたしまして、いま申し上げましたような働いているか、働いていないか、あるいはその実態はどうか、その背景ないし要因はどういうことかということを総合的に調査をいたしたいということで検討を進めているところでございます。
○馬場富君 じゃ次に、政府の五十五年度重点政策にあります週休二日制労働時間対策推進計画について、計画はいつこれが発表されるのか、また計画の目的ですね。これをひとつ説明していただきたいと思います。
○政府委員(吉本実君) 週休二日制の推進につきましては、昨年の八月に閣議決定されました第四次雇用対策基本計画におきまして、昭和六十年度までに週休二日制を含め「労働時間の水準が欧米先進国並みの水準に近づくよう努める。」と、こういうふうにされているところでございます。そこで、ただいま御指摘の週休二日制等労働時間対策推進計画でございますが、これは来年度におきまして、予算の裏打ちを持ちながらこういった計画を立てたいというふうに思っておりますが、それは労働省としまして、先ほど申しましたような目標に向けまして段階的な改善を図るために政府も、それから労働側も、使用者側も含めまして、これらを推進すべき方策を明らかにしたような、いわば推進のプログラムといったようなものを作成したいというふうに考えているわけでございます。その計画の作成に当たりましては、当該週休二日制等の労働時間の実情なり、あるいは産業別、規模別の問題点なり、また従来の行政指導をやってまいりましたいろんな成果等も考えながら、十分そういった点を入れて計画をつくってまいりたいというふうに思っております。したがいまして、なおいつこれを発表するのかということでございますが、いま申しましたように、来年度の計画としてそういうことをしておりますので。私どもはできるだけ早く策定したいと思いますが、時期につきましては現在まだ未定でございます。
○馬場富君 特に中高年層の雇用の確保にはワークシェアリングが必要であるということを労組の関係からも、あるいは先ほどの財界の調査機関からも、各方面からもひとつ言われておるわけですけれども、政府の見解をひとつ聞かしていただきたいと思います。
○政府委員(吉本実君) 週休二日制等労働時間短縮と、それから雇用の関係の問題でございますけれども、確かにワークシェアリングというようないろんな御議論が出ておりますが、現実の問題としましては、わが国の賃金なり雇用関係等の面でいろいろ考慮すべき点が多いものですから、直ちにそれが雇用増に結びつくかどうかというところは必ずしも明らかではないというふうに思います。しかしながら、長期的に見ますと、週休二日制等の労働時間短縮に伴いまして、自由時間が増大してまいりますし、それによって国民生活のパターンにも変化が生じてまいります。そういったようなことで、いわゆる余暇関連分野等の分野で雇用拡大というものがもたらされるだろうというふうに考えているわけでございます。そういう意味で、今後もわが国の雇用情勢というものを考えた場合に、雇用機会の確保と、こういうふうな観点からも労働時間短縮の持つ意義は重要だろうというふうに思いますので、こういった観点からも時間短縮なり週休二日制の普及に努めてまいりたいというふうに思っております。
○馬場富君 これ大臣に。この雇用問題についての最近のいろんな専門家等の意見の中から、分かち合いの時代だということの提言がかなり出されておりますけれども、これに対して大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(藤波孝生君) 従来の高度成長期にぐんぐんと急な上り坂を上っていった時代から、これからは低成長でいろいろ海外の非常に不測の要因も抱えながら進んでいかなきゃいかぬ。そんな中で、低成長ではあるけれども、緩やかに上り坂を上っていくというような構えで進んでいかなければならぬ時代に入っておりまして、何でもかんでも一部のごく限られたものでがんばっていくというような構えから、広い立場でみんなで分かち合って進んでいかなきゃいかぬという時代が、やっぱり八〇年代の一つの合い言葉になっていくぐらいに大きな意味を持っているというふうに考えておる次第でございます。そういう意味では、たとえばいろんな経済界の動きにいたしましても、大きな企業も、あるいは中小企業も、きわめて規模の小さな企業も、みんなが立ち行くようなやっぱり共存共栄の方途を講じていかなければならぬと思いますし、同時に、働くということを考えてみましても、国際的な観点からながめてみましても、もっともっと週休二日制であるとか、労働時間を、それぞれの企業によっていろいろ条件は違いますけれども、短くしていくというような中で、密度の濃い労働の時間を持つことにより、常に新鮮な労働力を供給をする。そして寿命も長くなって、長い職業生涯を絶えず新鮮な感覚で労働の場に臨むといったような角度でやっぱりとらえていかなければならないのではないだろうかというふうに考えます。労働時間がそれぞれ短縮をされて、すぐにそれが非常に大きな雇用の場がまた確保されていくのかということにつきましては、どこまでそれが結びつくかどうかということは、いま局長が申し上げましたように、あると思いますけれども、全体としてはやっぱりそんな感じで、みんなで分かち合って進むという時代に入ったというふうに考えておりまして、そのような方向に向かって労使のいろんな話し合いが積み上げられていくように期待もし、また行政指導もしていきたい、このように考えておる次第でございます。
○馬場富君 それにつきましてもう一百大臣に。労組の意識調査等の、労働組合等の意識調査の結果等を見ますと、残業は、やはり定時間収入では生活が苦しくなるので、これはやめられないという、意識調査の中から出てきたことですけれども、もう一つは、有給の消化は同僚に迷惑がかかるということで余りとられていないというような、こういう問題等も一つは労働者の意識調査の中から出てきておるわけですが、こういうこと等もあわせまして、やっぱり現場で働く人と、そこらあたりの問題が非常にむずかしいんではないかと。この点、どうでしょうか。
○国務大臣(藤波孝生君) 今国会で予算委員会や社会労働委員会などでいろいろな御質疑をちょうだいをしておりますが、その中で出てまいります議論が、何か非常に不景気な時代にいろいろ合理化を進めて、非常に限られた労働力になっていると、企業が。それが限られた労働力で今度景気がよくなってきた仕事をこなしていこうとするので、相当に残業のような形になる。それは相当無理な残業になっていないかというような御指摘も一方でございました。しかし一方では、これ残業をやっていかなければなかなか食っていけないということだとすると、働く者の立場からすれば、むしろ残業があった方がいいんで、余り残業などのことについていろいろ言うなというような感じの御意見もなきにしもあらずでありまして、やっぱりお考えになるお立場によって御意見はいろいろになるわけでございます。また与えられた休暇はしっかりとって、そしていま申し上げましたように、休むときにはしっかり休んで、働くときにはしっかり働くということでいくべきではないのか。しかしどうもいま申し上げたように、限られた労働の人員でやっておるもんだから、なかなか休暇は与えられていても休めない。いま御指摘のように同僚、仲間、周りのことが非常に心配だというような御意見もあるというようなことも承ってきておるところでございます。一番いいのは、いい給与で働くことができて、そして休みもしっかりとれて、みんなが分かち合って働き、かつ生活を楽しみ、労働者の福祉を十分充実させながら進んでいくことができるような構えができれば一番いいわけでありますけれども、これはまた企業によっていろいろでございまして、みんながなかなかそういった水準に達するにも容易なことではないというふうに考えますけれども、労使それぞれの立場で十分それぞれの立場を理解をし合って、一人一人の労働者がやっぱり余り残業しなくてもやっていけるというふうな構えに経済そのものがなっていかなければいかぬと思いますし、企業もがんばっていかなければいかぬと思いますし、また働く方々もせっかく与えられた休暇であるならば、自分たちの堂々と胸を張って休める休暇であるならば、そういうときにはゆっくり休んで生活をエンジョイをしていく。そしてフレッシュな気持ちで働く時間に働く場に臨むと、こういうふうなことが進められていくことが一番望ましいわけでありまして、お立場によってなかなか御意見はいろいろでございますけれども、その辺も十分踏まえて労使がお互いに理解をし合って進んでいっていただくことを心から念願をいたしておるわけでございます。
○馬場富君 次に、厚生年金の支給年齢のことでございますが、昨年十月に社会保障制度審議会が総理に答申した中で、厚生年金の支給開始年齢を六十五歳としながらも、その前提として雇用政策と年金政策の間にすき間が生じないように努めるべきだということを言っておりますが、この制度審の建議についての見解をお伺いしたいと思います。
○政府委員(関英夫君) 御指摘の社会保障制度審議会の建議は高齢者の能力を有効に活用するような仕組みをつくり上げ、そのことによって年金財政についても解決を図ることが必要だと。雇用政策と年金政策との密接な連携とその効果的な接続の遺憾なきを期することが緊急の課題であるというふうに強調されております。この御提言は高齢者に関します雇用政策について具体的な今後の進むべき道を示されたものと思いますし、私ども今後の政策運営の上の重要な指針として参考としていきたいと考えております。 労働省としては、こういった御提言に盛られているような線に沿いつつ、高齢者に対する施策を今後とも積極的に展開していきたいと考えております。
○馬場富君 次に、この六十五歳支給について厚生省から労働省には相談があったでしょうか。
○政府委員(関英夫君) お話の問題は、昨年暮れ以降厚生年金法の改正に関連しての六十五歳支給開始年齢の問題についてのことだろうと思いますが、労働省と厚生省とは年金政策と雇用政策の間に有機的連携を図ることが必要であるというお互いの考え方から、昨年初めから随時協議を重ねておりまして、特に法案作成の段階におきましても綿密にお互いの意思疎通を図ってきたところでございます。今後とも年金政策と雇用政策との関連というのは非常に重要な問題でございますので、十分協議を重ねていきたいと考えております。
○馬場富君 厚生年金六十五歳について労働大臣としての考え方をお伺いしたいと思いますし、また妥当な年齢はどうかという点についてもひとつ答弁していただきたいと思います。
○国務大臣(藤波孝生君) 長い生涯を職業生涯、労働生涯として働いてまいりましてどのように第一線から引いていくかということは、さっき田中課長から御説明を申し上げましたように、やっぱりいろいろでございます。その辺を労働省としても実態を把握するために昨年、ことしと特に高齢者のところの第一線を引いていく様子などをいろいろと調査をいたしましたり、また実態に基づいて対策を十分綿密に立てていかなきゃいかぬという作業を急いでおるところでございます。何歳がどうかということにつきましては、いま職業安定局長お答えをいたしましたように、十分この第一線を引いてから安心して老後を送っていくことができるというふうにならなければいけないわけでございまして、そのお一人お一人の生活に行政は対応していかなきゃいかぬ。それは年金政策と雇用対策が十分連係、リンクをしていくようにしなければいかぬ、こういうふうに考えておるわけでありまして、いま労働省といたしましては高齢者対策を総合的に打ち出しまして全力を挙げてこれに取り組むということで進んでおりますので、何歳がいいかということについては御意見を申し上げることは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、ひとつこちらも力いっぱいにがんばっていきますから、なかなかしかしこの年金財政が大変なものですから、厚生省が言っておるような気持ちもよくわかる、わかるんだけれども、一人一人の国民にどう対応するかということを考えてみると、行政の責任は非常に大きなものがあるというふうに考えておりますので、労働省としては全力を挙げて高齢者対策をやる、そして当面六十歳定年一般化を図る、六十五歳まで働きたいと思う人には働いていただくことができるというような仕組みもつくり、努力もしていくというようなことで六十歳から超えますと一人一人いろいろでございますから、いろいろではあるけれども、いろいろであってもいろいろにやっていけるというふうな構えができるように労働省としてはがんばっていかなきゃいかぬ、こういうふうに決意をし、努力をしておりますことだけをお答えを申し上げたいと思います。
○主査(亀長友義君) 馬場君の質疑はこれにて終了いたしました。 安武君。
○安武洋子君 来年は国際障害年でございます。国際障害年を迎えるに当たりまして障害者の雇用を考えるということは、これは労働省としてもますます重要になってきていると思うんです。労働省としても可能な限り雇用を促進する必要があろうかと思います。官公庁とかあるいは特殊法人とか、そして一千万を超えております労働省を擁しております民間の企業で障害者の雇用を促進していくということが重要でございますけれども、中でも大企業におきまして雇用を拡大するということが私は大変重要だろう、ここに労働省の強い指導が必要だろうというふうに思います。障害者の雇用拡大について、まず最初に、私は大臣がどういう御所見をお持ちかということをお伺いいたします。
○国務大臣(藤波孝生君) 身体障害者の方々が働きに出るあるいは職を得るということは、身体障害者対策というのはいろいろ講じていかなければなりませんけれども、お一人お一人の個性と能力に応じて社会にも参加をしていくということもいろいろ奥深く考えてみますると、働く場を得ていっていただくということの意味は身体障害者にとって非常に大きな意味があるというふうに考えておりまして、労働行政上の最も大事な課題として従来も取り組ませていただいてきておるところでございます。雇用率の達成等を中心にいたしまして全国第一線の職業安定機関の非常にきめ細かな対応を進めまして、少なくとも身体障害者の方々で働きたい、自分たちの能力、個性に見合った職場を得たい、こういうふうにお考えになる方にはそういった場が確保されるように、少し言葉は極端かもわかりませんけれども、元気な人はどんな道ででもがんばっていけるんですから少し遠慮してでも、身体障害者の方々が働きたいと思うような職場には優先的にひとつ働いていただくことができるというような親切な行政を強力に進めていくようにしなけりゃいかぬ、基本的にはそのように考えて省内がんばらせていただいているような次第でございます。
○安武洋子君 これは私が申し上げるまでもなく、民間企業の雇用率といいますのは、これは企業の規模が大きくなればなるほどこの達成率というのが下がっているわけです。ですから、こういう大きな企業というのが身体障害者に対して門戸を開くということで、私はさらに労働省の指導をお強め願いたいということを申し上げます。 それから大臣もいまおっしゃいましたけれども、身体障害者の社会に出て働きたい、働いて人間として成長したい、こういう素朴な願いというのはいま高まる一方です。これは先天的な障害者とかさまざまな事故で障害を受けた人も含めましていまや大きな社会問題になっていると思います。この中で起こった事故なんですが、先日神戸市で大変痛ましい事故が起こっております。身体障害者の事故なんですが、この人はクモ膜下出血で倒れられまして、その後一年三カ月機能回復のために本当に血のにじむような努力をなさったわけです。右半身の自由がきかなかったけれども、軽度の後遺症という程度まで回復をされたというふうなことで、やはり職につきたいということで、これは職業安定所とかあるいはいままでこの能力の回復に援助をしてきた能力開発センターとかというところが非常に慎重に対処しまして、中村義輝さんといいますけれども、この方の就職に奔走いたしております。そうしてやっと事業所を見つけまして、でも、ここに本人を連れてまいりまして、この仕事の現場を見せてこの仕事はどうだろうかという下見までして慎重な措置をとっております。本人はかすかな不安を抱きながらも、しかしそのほかのところに就職をするということになりますと、これはなかなか就職口がないというふうなことでこの新しい職場で働き始めているんです。旋盤を使っているわけですけれども、御存じのように、旋盤というのは右手で使用するというふうになっておりますが、右半身が機能を失いましたので、やはりきき腕は左手ということで、まどろっこしいこの右手を使うというのではなくて、きき腕の左手を使っていた、こういうことで一週間後に機械に巻き込まれて死亡をなさっておられます。これは本人は非常に熱意を燃やして、機能回復に情熱を傾けて、そして新しい職を得て一生懸命がんばろうと言っていた矢先です.し、職安も一生懸命この雇用開拓、求人開拓に奔走しまして職場を見つけてきた、そうして能力開発センターも職安も慎重を期してそこに本人を就職させたというふうなことなんです。非常に皆の善意の中で起こった痛ましい事故だというふうなことで、私はこういう事故を再び繰り返してはならないというふうに思っております。 ここで考えられることといいますのは、もし専任の指導員というのが一定期間つきっきりで援助してその仕事に慣れさせる、こういう処置がとられていたら、こういう事故は防げたのではなかろうかというふうに考えるわけなんです。しかし、いまの制度を拝見いたしますと、この制度では五人以下には指導員が適用にならないというふうになっております。しかも十四人以下は一人という決めがございます。そして十五人以上二十四人までは二人というふうなことであとは十人ふえるごとに一人というふうになっております。これを見てみますと、企業力が小さくて、そうして職場の中に行きましても、その身体障害者にこの職がいいだろうというふうなことで与えられる職というのが非常に限定されている小さなところにはこの指導員が置けない。そして最大限置きましても十四人に一人ということになるわけなんです。そうして職種の選択が非常にたくさんあろうというふうな大企業でございますね、職種が見つけやすいというこの大企業は指導員の数が厚くなる、こういう仕組みになっているんです。中小企業の方が、私が先ほども申しましたように、身体障害者の雇用率が高いわけですね。ですから、一生懸命この身体障害者を雇おうというふうな熱意を示している中小企業に対して指導員が非常に層が薄くなっている、あるいは置けないというふうなことから、こういう痛ましい事故を起こさないためにはこういう指導員というのは私は中小企業、零細企業、ここにも置けるようなひとつ運用をぜひお考えをいただきたいと、こういうことをお願いいたしますが、いかがでございましょうか。
○政府委員(関英夫君) まず、初めの第一点の大企業の身障雇用率の問題については、先生御指摘のように、大企業——企業規模が大きくなりますほど雇用率が低い、たとえば千人以上につきましては昨年の九月一日現在の雇用率は〇・八六、全平均で一・一二でございます。そういうわけで企業規模が大きくなるほど雇用率が低いという実態でございます。そういう意味で、私どもは大企業の雇用率の特に悪いところを中心に雇用率達成のための計画作成を命じまして、計画を出していただいております。今後計画の適正実施を個々に勧告していくと、実施状況の非常に悪いところに適正実施の勧告をするというようなところにも踏み込んで雇用率の達成指導をやっていきたいと、こういうふうに考えております。 第二点の御指摘は、非常に痛ましい不幸な事件であると伺いました。こういうような事故が再び起こらないように私ども職業紹介に当たってさらに細心の注意を重ねていかなければならないと思いますが、お話のございました身体障害者等専任指導員設置助成金というのは、心身障害者を雇用する場合には職業生活に関する相談及び指導を行うなど雇用管理面でいろんな措置が必要であるという観点から設けられたものでございまして、したがって、そういう管理を行うそのために専任する指導員を置くということになりますと、一人一人の障害者に一人一人置いていけばこれはもう一番の理想でございましょうけれども、なかなかそこまでは無理がある。また法律上も五人以上のときはそういう生活相談なんかに応ずる人を置かなければならないということにも身障雇用促進法上なっております。そういうものを受けましてといいますか、そういうことも参考といたしまして、通常専任としての、そのことだけに専任する指導員というのはやはり五人程度以上の心身障害者が雇用されている場合だというふうに考えましてこういう制度をつくったわけでございます。二、三人程度の場合には専任までいかないで、仕事をしながらも通常の監督者がいろんな指導をするということも目が届く範囲として考えられるんじゃないかということでございます。なお、重度障害者の場合にはこれは非常に大変であろうということで、一人の重度障害者であっても雇用管理助成金を出すというふうにいたしております。そういうようなわけで、現在の身障専任指導員の設置については五人以上ということになっております。
○安武洋子君 いま制度の御説明を聞きましたけれども、それは承知の上で私はこの痛ましい事故を例に引いてお願いをしているわけなんです。ここでもやはり何かほかの仕事をしながらその方に目を届かすというふうなことで十分なら、こういう私は事故は起こらなかったと思うんです。やはり私が先ほど申したように、大企業の方がこういう層が厚くなると、そして、中小零細企業、一生懸命善意で身体障害者を雇おうと、その率が高いという中小零細企業の方にそういうふうに兼任でやらせるということは、目が届かないからこそいま言ったようなこういう痛ましい事故が起こる。だから、こういうふうな制度が設けられているけれども、これを積極的にもっと運用を拡大して、こういう善意で身体障害者を小規模であっても雇おうとしている事業所に対して私は政府の施策を行き届かせるべきではないか、そういうふうに積極運営をしていただきたいと、こういうお願いをしているわけです。大臣いかがでございましょうか。
○政府委員(関英夫君) ちょっと事務的に。 先ほどもちょっと申し上げましたように、指導員として身障者のそういう指導に専任するということになりますと、たとえ助成措置がございましても企業にとって非常に負担も大きいわけでございます。そういうことで重度の場合には私ども一人でも必要だというふうに考えまして、新しく助成制度をつくったわけでございますが、重度でない場合にはやはり企業側としても非常な負担を伴いますので、五人ぐらいの身障者がいるとすればどうしても、たとえ負担であろうと一人の指導員が必要じゃないか、専任の者が必要じゃないか、こう考えているわけでございまして、それを余りに下げるということがかえって企業側にとっても負担にたえないという問題もございます。いずれにいたしましてもこの辺のところはさらに十分検討してみたいと思います。
○安武洋子君 それに私はちょっと加えまして、五人以下のときは企業が負担が高くなるというのは十万しか出ないからなんですね。だから、こういうところには期間をある一定期間もう少し金額をたくさんにして、企業の負担にならないようにとかいろいろなことが考えられるはずなんです、やっぱり考えようと思えば。来年障害年を迎える中でこういう痛ましい事故を繰り返してはならないから、なぜこんな事故が起こったかということを私は例示しまして、再びこういう事故を起こさないためにということで検討をお願いしておりますので、私がいま申し上げたことも含めてもう少し弾力的運用をお考えいただきたいと思うんです。大臣の御答弁をいただきとうございます。
○国務大臣(藤波孝生君) 先ほどの御質疑にも出てきましたが、一人の人命は地球よりも重いというお話がございました。特に心身障害の方々が労働の場に臨むということを、そのときの気持ちであるとか、あるいはいろいろな置かれた環境、条件を考えてみますときに、先生の御指摘のように一人の人あるいは二人三人の人にも指導員がつききりで指導しながら気をつけていくというふうな構えになることはもう当然望ましいことでございます。ただ、企業にとっても負担もあればまた補助をしていく場合にはいろいろな仕組みのいろいろなバランス上横並びの検討もまたしなければいけない、国民の税金を使わせていただくわけでございますから、そのためのいろいろなまた検討もしなければいかぬ、こういうふうに考えるわけでありまして、気持ちは十二分に、先生のお話を伺っておりましてもうそのままお返事を申し上げたいわけでありますけれども、いろいろなそういった他のいろいろな仕組みとのバランス等々のこともございますので、今後さらにひとつ検討させていただいて、何かもっといい知恵がないか、たとえばこれは無責任なことは言えませんけれども、たとえば指導員が特にそういった気をつけなければならぬ方々のところを地域社会の中で巡回をするとか、いろいろなそんなようないろいろなこと、いままでも十分研究はしてきておりますけれども、さらにひとつ前向きに検討さしていただくということで少し時間をいただきたいというふうに思いますので、御理解をいただきたいと思います。
○安武洋子君 じゃあ、中小企業に対しても非常に厚い指導が行き届きますようにということを希望しまして、次の問題に移ります。 やはり仕事につく問題なんですけれども、どういう形で仕事についておられるかということを調べてみますと、公的機関によるものと私的なもの、つまり個人でコネを探して就職するというふうなことを調べてみますと、大体半々なんです。障害者の方々というのはできるだけ就職をするときに近くで、そしてできるだけ相談する場所と人、これが近くでということを望んでおられるわけなんですね。職業安定所の窓口の問題ですけれども、これは一人の障害者を就職さすということは大変な仕事です。求人開拓に行きましてもおいそれと障害者を雇うなんていう事業所はそうございませんから、やっぱり座り込んで障害者を雇ってもらうためにはというふうなことで相当話し込み、しかも何度も何度も足を運んで行くと、こういうじみちな活動の上に立ってやっと一人の人が就職していくというふうなことになるわけですね。ですから、やはり障害者の方もコネを頼らないとなかなか就職ができない、公的な機関に行けないというふうな面もありますし、それから個人的なコネで就職をいたしましても、これは後で申し上げますけれども、いろんな問題が出てくるわけなんです。こういうことに対応するということになりますと、私は公的な職安の窓口というものが非常に大きな役割りを果たさなければならない。求人開拓、それから求職の相談に来られましても、一般の求職者と違いますから相当綿密な求職相談、それは生活相談までも含むと思うんですが、そういうこともやらなければならないということで、そういう障害者の要求にこたえるということになりますと、その方が各地に出ていくとかいろんなことを考えていただいても、安定所の窓口だけということでなしに、いろんなところで相談ができるというふうになることが非常に望ましいわけなんです。ということになりますと、いまの安定所の障害者を扱っている窓口の人員ということではこれはとても不可能であるというふうなことで、私はいろんなところ、必要なところにはそういう必要な人員を配置すべきだというふうに考えておりますけれども、この点いかがでございましょうか。
○政府委員(関英夫君) 御指摘のように、心身障害者の職業相談あるいは求人開拓、これは非常に大事なしかも時間のかかる、手数のかかる仕事でございます。行政の簡素、合理化という観点から定員削減というような措置の中で、身障者関係の就職促進指導官なりあるいは精薄者の相談員もしくは協力員、そういったものにつきましては年々増員を図ってきております。ただ、それがまだまだ不十分じゃないかと、こういう御指摘だろうと思うんですが、今後ともそういう方面については私ども力を入れていきたいと思っております。また、安定所の仕事のやり方にも改善、工夫を加えるということで、今度全国的に安定所の中の再編整備を行いまして、自主的な職業選択ができるような人には相談の時間を余りかけなくともどんどん自主的に職業選択をしていただくかわりに、身体障害者とか中高年齢者とか綿密な相談が必要な方には特別の相談をしていくような形で機能の再編といいますか、整備を図ってできるだけ少ない人員の中で効率的な運営を図る、そういうようなことにもこれからも努めていきたいと、こういうふうに考えております。
○安武洋子君 ここを充実していただくということで、ほかにしわ寄せがいかないということで、身障者の雇用の問題について職員をやはり充実していただきたいということを申し添えます。 それから、就職いたしましても、残念なことに一年後には七〇%から八〇%が離職しているという統計が出ております。早くて三月。これは一生懸命就職に熱意を燃やして就職しましても、希望している仕事でない、それでもそうは言っておれないということで就職しますので、がんばってもなかなか人についていけないというふうなことで無理が重なっていくというふうなことで離職につながるという問題がたくさんございます。で、こういうふうにせっかく障害者が職を得ましても離職せざるを得ないというふうな状況の中で、この実態がなかなか把握をされていないわけですね。この谷間にできているのが、これが共同作業所なんです。これ厚生省、労働省ともこういう実態というのは私はお伺いいたしますと、余り把握をなさっていらっしゃらないようなのです。ここでひとつお願いしておきますけれども、やっぱり総合的、本格的に共同作業所という実態を把握していただきまして、やっぱり実態を把握するというところから心の通う施策というのが出てくると思うんです。この調査をお願いするとともに、私は共同作業所についてちょっとお願いをいたしとうございます。 いろいろな例がございますけれども、この共同作業所は、障害者の養護学校は出たけれども行くところがないとか、テレビ相手の毎日であるとかというふうなことがマスコミにも報道されております。作業所は障害者の働く権利、労働権、これを保障して、しかも職業訓練とか就労の場になって非常に貴重な場になっているわけですけれども、これが国の施策を待ち切れずに始まっているというふうなことで、マスコミも「民間人の犠牲で成り立つ障害者共同作業場に、いますぐあたたかい行政の手を」というふうな報道をいたしたりもいたしております。で、文字どおり私はいろいろなところを見て回りまして、障害者とその親たち、それから周りの人たち、そういう人たちの犠牲の上にこの共同作業所というのは成り立っていると思います。 神戸市に「いかり共同作業所」というのがございますけれども、これは昨年度から母親とかボランティアとか福祉団体が中心になりまして共同作業所の準備を進めております。開所資金の確保のために、廃品回収とかあるいはカレンダーなどの物品販売とかというふうなことで障害者自身も取り組んでいるということで、当分オフセット印刷の仕事をやりたいということで、入所者十名ぐらい、指導員二名というふうなことで取りかかっておりますけれども、何といっても非常に資金面で困難に陥っていると。それからもう一つ例を挙げますけれども、兵庫県に多可郡中町というところで松葉園というのがございます。これは知恵おくれの子供の親の「北橘手をつなぐ親の会」がやっているわけですけれども、何と会長さんの退職金、私財をなげうってここは建設しているわけなんですね。十六歳から二十六歳の八人の知恵おくれの人たちが働いているわけで、シイタケの栽培とか園芸作業を行っております。この製品の輸送とか送迎車の購入とか、こういうことで維持管理費がかかって経営というのは火の車と。で、ここの園長さんが言っておられますけれども、行政の責任で経営して、私らのように熱意のある者が運営に当たらせてほしいと切実な声を上げておられるんです。で、ここで聞きますと、園長さんと指導員のお給料というのは両方とも五万円ずっと、こういう状況なんですね。こういう共同作業所に対しましてほとんど国の施策の対象になっていないというのが実情なわけです。労働省としても、雇用の拡大とか促進とか、あるいは障害者の社会、労働参加とか、こういう見地から作業所に対して何らかの助成措置を講ずるべき時期ではなかろうかというふうに思っているわけです。特に来年は障害年を迎えるわけですから、こういう私財をなげうってとか、あるいは五万円ぐらいでとか、廃品回収をしてとか、カレンダーを売ってとかというふうなことではなくって、本当にこういう共同作業所に対して温かい行政の手を差し伸べていただきたいということで大臣の御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(藤波孝生君) 御指摘の共同作業所は今後もなお調査を進めてまいりますが、従来いろいろお話を伺ってきたところでは、やはりその近いところの心身障害の方々が作業所の中でいろんな軽い仕事などをなさって、そこで十分働きもし、また社会に参加するという意識もお持ちになる非常に大事な労働の場であるというふうに私ども伺っております。そのように認識はいたしております。ただ、今日労働省がとってまいりました措置は、雇用保険の適用関係の存在などから見まして、雇用関係があると認められるところにつきまして身体障害者雇用納付金制度に基づく助成金の支給を行ってきたところでございます。これは身体障害者雇用納付金の制度からくる制約がございまして、雇用関係が結ばれているかどうかということが一つのいわゆる非常に大きな要件になるわけでございます。その雇用関係が不明確なところにつきましては、助成金を支給するということは法律上無理がありますけれども、できればそんな仕組みを御活用をいただいたらというふうには考えて、雇用関係のあり方について御相談があればできる限りそういった指導もしていくようにしたいと、こう考えているわけでございます。ただ、いやそんなそちらの方の形に乗っからなきゃだめだというふうな話ではだめだというふうな話でございますと、この仕組みを活用することはむずかしくなるわけで、しかしいずれにしても、共同作業所というものでお働きになる方々に対して行政がどう対応するかということにつきまして、労働省は従来そういう考え方で取り組んできております。なお、厚生省ともいろいろ相談をしてまいらなきゃいかぬというふうに考えているわけでございます。
○安武洋子君 厚生省と相談をなさるというふうな国会の御答弁があるということは知っております。で、私はそれはどのように進めていらっしゃるかということもお伺いしたいわけですけれども、一つは、実態を十分調査をしていただいて把握をしていただきたいということ、これをお願いしておきます。 それから、いま納付金制度の範疇でお考えでございますけれども、やっぱりいま大臣御自身も言われたように、納付金の範疇ではもう私はだめだと思うんですね。この以外に共同作業所のあり方、実態を把握していただくと、私はそういうお答えが出なくて、本当にこの共同作業所について、もう障害年を迎えて障害者の社会参加、これをどう労働省としても保障していくのかということで厚生省と相談すれば、私はもっといいお答えが出ると思うんです。そういう点で前進的な検討ということで大臣に御期待を申し上げたい。その点で大臣の御決意をお伺いいたしまして、ちょうど時間になりましたので、私の質問を終わります。
○国務大臣(藤波孝生君) 余りいいお答えを申し上げることができなくて大変申しわけないと思いますが、実態の把握によく努めて、今後厚生省とも相談をしていくようにいたしたい、こう考えます。
○主査(亀長友義君) 以上をもちまして労働省所管に対する質疑は終了いたしました。 これにて本分科会の担当事項であります昭和五十五年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、警察庁、北海道開発庁、環境庁、文部省、厚生省、労働省及び自治省所管に対する質疑は終了いたしました。これをもちまして本分科会の審査は終了いたします。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを主査に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(亀長友義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。これにて散会いたします。 午後二時三十二分散会 —————・—————