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91回国会参議院1980/03/31

予算委員会第四分科会 第2号

発言数
182
登壇者
14
会派数
4
開催日
1980/03/31

会議録

亀長友義自由民主党・自由国民会議

○主査(亀長友義君) ただいまから予算委員会第四分科会を開会いたします。  分科担当委員の異動について御報告いたします。  去る二十九日、市川正一君及び市川房枝君が分科担当委員を辞任され、その補欠として、内藤功君及び山田勇君が分科担当委員に選任されました。     —————————————

亀長友義自由民主党・自由国民会議

○主査(亀長友義君) 昭和五十五年度総予算中、文部省所管を議題といたします。  これより質疑を行います。質疑のある方は順次御発言を願います。

小野明日本社会党

○小野明君 きょうは同和対策、特に教育にかかわります問題について大臣にお尋ねをいたしたいと思います。  そこで、この同和対策事業特別措置法が一昨年三年間の延長をいたしたわけでございます。その際、三項目にわたります附帯決議がつけられております。しばしば国会における附帯決議というのは非常に軽視されがちである。そこで参議院としては、参議院改革の一環として、附帯決議が行政府によって厳重に履行されているかどうか、それを監視しようではないかという声さえも上がっているところでございます。しかしながら、なかなか附帯決議というものが重視をされない、いわば法案を通すための一つの方便みたいな、いわば国会軽視の考え方があるわけでございます。まず、大臣に附帯決議に対する考え方をお尋ねしたいと思います。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(谷垣專一君) 附帯決議につきましては、当然その委員会あるいはまた本会議等でもございますけれども、本文と申しますか、その実体の問題に対する議論の中でいろいろ出てきましたことを附帯決議として決議をなすっておられるわけでございますので、当然これは尊重すべきものだと思います。ことに、私も議員としての経験から見ましても、若干その附帯決議の内容的に非常に議論の結果として決議ができておるものと、わりあい軽い決議というと語弊がございますが、そういうものは中にはあろうかと、若干決議の中での差異はあろうかと思いますけれども、しかしそれはそれぞれかかっております法案等の審議の中で議論が行われましたものでございまして、重要であろうと考えております。当然できるだけの努力をして、決議の附帯そのものも重視すべきものである、かように考えております。

小野明日本社会党

○小野明君 大臣の御答弁の中で、比較的軽いものがあるんではないかというような御発言がありましたが、これはもってのほかの発言であります。それなりの理由があってつけられているわけですから、これは附帯決議の趣旨を十分大臣としてもそしゃくをされて、この実行に努めるということが国会に対する私は責任を果たすことではないのか。軽重があって軽いものがあるからこれはどうでもいいんだというふうにいま私は聞きましたが、そういうことがあっちゃならぬ、これはそれなりの理由があってつけられているんですから、これは大臣、いまの御発言は私はおかしいと思う。これはしっかりひとつその点は国会の意思を尊重するのかどうかという分岐点でもありますから、きちんとしてもらいたい。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(谷垣專一君) 誤解を招くような発言でございまして大変恐縮でございますが、そういう意味で申し上げたわけではございません。附帯決議そのものに対しましては、十分にこれを尊重して守っていく必要があることは御指摘のとおりでございます。

小野明日本社会党

○小野明君 そこで、同和対策事業特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議というのが一昨年つけられているわけですが、その第一項に御案内のように「法の有効期間中に、実態の把握に努め、速やかに法の総合的改正及びその運営の改善について検討すること。」、まあ第二項以下は省略をしたいと思いますが、これは御承知と思いますからね。第二項は、あえて読み上げますと、同和問題に対する地方公共団体の財政上の負担の軽減を図ること、第三項で「同和問題に関する事件の増発状況にかんがみ、国民の理解を深めるため、啓発活動の積極的な充実を図ること。」、こういう三項目でございますね。そこで第一項、実態の把握に努め、法の総合改正、その運営の改善、この点がうたい込まれておるわけですが、この附帯決議第一項の趣旨を尊重するために、趣旨を生かすために文部省としてはいかなる努力をなさってこられたのか、その点をひとつ重点的に御説明をいただきたいと思います。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(谷垣專一君) 少し事務的な部門もございましていたしますので、政府委員の方から答弁をさせていただきたいと思います。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 同和対策事業特別措置法の中で、同和地域の振興のためにいろいろ国のやるべき施策がございますが、そのうちで文部省、特にわれわれ初中局の仕事の大きな仕事になっておるわけですが、具体的には、一つは高等学校の修学奨励費の拡充という問題がございまして、これは大体年々教育委員会の方から対象生徒数の予想を出してもらって、それをもとにして予算折衝をして、対象範囲と予算を決定するという仕組みで充実を図ってまいりました。もう一つは、小・中学校の現場に対して同和担当教員の加配の問題がございまして、これは同和地域の実態が明らかでないと適切な措置ができないということで、総合的な調査としては御承知のように五十年の総理府調査がございますが、その後も毎年五月一日現在で、その調査に上乗せをしまして、各県からその後の変更した事情等を聞いて、それらをもとにして五十四年度の加配数を決定し、なおいま御審議を願っております五十五年度から十二年計画による教員定数の中における同和対策教員の増を幾らにするかというような、その積算も五十四年度の五月現在の調査で計算をしたというようなことで、総理府の総合調査は五十年度限りでございましたけれども、端的に申せば、その後の事態の変化に対応して、文部省としては必要に応じて各県教育委員会から調査資料を取って行政を進めてきたと、こういう実態でございます。

小野明日本社会党

○小野明君 いま初中局長から御説明がございました。当然これはいままでの定数改善は五年計画ごとにこう来ておるわけですから、それに付随をいたしまして、いまのような五十四年の調査ということが行われるのはこれは当然であろうかと思いますが、なお附帯決議の趣旨を生かしまして、詳細なひとつ実態把握に努めていただくように、そしてその運営、改善を図っていただきたいと思うんです。  局長の御答弁はございましたが、私がここで指摘をいたしたいのは、この時点で大体この同和行政に携わります各省というのが、それぞれほとんどの大臣が部落の実情視察をされておるわけです。ところが、文部大臣だけはまだ実情視察を行っておられないわけです。内藤文部大臣は体が弱かったということもあるかもしれぬが、それならもう体が弱くて実情視察に行けないというようなことであれば、これはもう大臣やめてもらわなければいかぬわけで、国会に出てこられるようならば、これは当然部落の実情視察、各省大臣はみんな行かれているわけですからね、これはあってしかるべきだと私は思います。はなはだこれは遺憾なことであると思うんです。ほかの大臣が全部実情視察に行って、文部大臣だけは行かないと。これはまことに遺憾なことだと思います。谷垣文相は京都の出身でもございますから、部落問題については御理解があろうかと思うんです。大臣はひとつぜひ懸案になっております部落の現状視察、把握のために、これを実施をしていただきたいと思うんですが、いままでは政務次官が高校総体のときに滋賀県をちょこちょこと見て帳面消すというようなことしか行われていないんですよ。谷垣さん大臣になられて、ぜひひとつ教育が部落の現場でどのようになっているかということを見るために、ぜひ視察をお願いしたい。これは御自分の選挙区だけ見て回るというようなことじゃいけませんぞ、これは。日本の文部大臣ですからね、それぞれ要請のあった地域に出かけていくと、そういう熱意をひとつ示してもらいたいと思いますが、いかがですか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(谷垣專一君) 前任の内藤さん、体が悪くてなかなか思うように行けなかったという事情もよく存じておりますが、そのかわりと言っちゃ語弊がありますが、政務次官ずっと回っておられたと思います。私も機会があれば、小野先生のおっしゃいますような視察をいたしたいと考えております。

小野明日本社会党

○小野明君 非常に大臣は熱意のない答弁ですね。機会があれば見に行こうと、これは何という言う方ですか。その機会をつくって、そして部落の視察に行くと。部落における差別教育は一体どうなっているんだと、教育の現状はどうなんだと、そういう機会をつくれと私は質問しているんですよ。機会があればとか何とか、高校野球には早々と国会にここへ行きますからというようなことでアグリーを求めて行くのに、一番肝心な部落差別の問題、教育の問題に、牛に引かれてというような、そういう言い方はないでしょう、大臣。機会をつくって行きなさい、行ってもらいたい、行くべきだと、こう私は申し上げているんですよ。大臣どうですか、取り消してください。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(谷垣專一君) 小野先生のおっしゃっているとおりのことを私も考えております。

小野明日本社会党

○小野明君 念を押しますが、それでは大臣は部落の教育実情視察に出かけられるわけですね。もう一回。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(谷垣專一君) そういうふうに努力をするつもりでおります。

小野明日本社会党

○小野明君 これは、努力をするつもりとかいうのがどうも奥歯に一枚物がはさまった言い方で、大臣どうですか、谷垣さん、私は視察に行きますと、ぴしゃっとこれ言えないですか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(谷垣專一君) いや、私はそのつもりで言っておるつもりでございますが。

小野明日本社会党

○小野明君 部落の子供たちの教育の現実について、初中局、大学局としてもどのようにその特徴を把握し、理解をされておるのか。これは毎国会、さきの国会でも多くの議員から教育現場における差別事件というものが年々増大をしておるということが指摘をされておるわけです。この相継ぐ部落差別事件の頻発、増大と、こういう事実があるわけですが、文部省としてはこの事実をどう把握をされておるのかお尋ねをいたします。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 中学校、高等学校等について考えますならば、ただいま先生御指摘のように、ときどき教育の現場等におきまして、いわゆる部落出身者に対する差別というような形で問題が起き、報道等に掲載されることは御承知のとおりでございまして、その都度いろいろ事情を聞くわけでございますが、率直に言いまして、それらの事件というのは、やはりその地区地区の抱えております長い歴史的経緯の中にあって、学校や高校の教師がどう対応していくかという、かなり個別、具体的なケースとして、その適正なあり方というのはなるほどむずかしいなというふうに、私率直に言ってそういう認識を持つわけでございますんで、個々のケースについて、これはどこが悪いんだというふうに、なかなか私自身として判断できない問題がございますけれども、やはり全体的に言えますことは、この部落の問題というのがその基本にあるのは、一人一人の児童、生徒、あるいは教師が、それぞれ部落出身者であろうとなかろうと、やはり人間としては皆同じであるというところの基本的人権の尊重という、この思想をやはり根底に据えて教育活動を推進していただかなければいけないんではないか。そういう意味で、常々県の教育関係者等を通じて一層の充実を図ってもらうように協力をお願いしておるというのが実態でございます。

佐野文一郎文部省大学局長

○政府委員(佐野文一郎君) 大学におきましては、これまで関西地区を中心といたしまして、幾つかの大学でいわゆる差別的な落書き等がございました。これらについては、それぞれ大学から事情を聞き、担当課長等に対しまして指導も行ってまいりました。各大学におきましては、再びこのようなことが起こらないように、学長告示等をもって全学的に注意を喚起をする、あるいは専門委員会を設置することによって、同和問題について全学的な取り組みの体制をとるとか、あるいは同和教育に関する授業科目を開講するとか、さらには学生、教職員に対する講演会を行うというような対応をそれぞれいたしてきているわけでございます。最近では関東地区の若干の大学でも同様な落書きが起こるというような事柄が生じております。これらについても報告を受けまして、必要な指導を行ってまいっているところでございます。  大学の教育研究のあり方というのは、もちろん大学がみずから自主的に決めていく事柄ではございますけれども、私どもも各大学において、いろんな機会に同和教育が充実されるような適切な配慮を加えてほしい、そういう点について十分留意をして、指導をしてまいりたいと考えております。

小野明日本社会党

○小野明君 大体大まかにはいま両局長の御答弁で集約されていると思うわけですが、最近小・中学校、高校のみではなくて、大学における、お話しのありました差別事件というものが非常に頻発をしております。私手元に資料を持っておりますが、大阪市立大学、日にちまでこれは申し上げると時間がありませんから名前だけ申し上げておきますが、関西大学、それから大阪大学、近畿大学、帝国女子大学、大谷女子大学、特にこの大谷女子大学の場合は氏木という教授がこういうことを発言をしておりますね。講義をしておる。教材研究、社会、教職必修科目の授業中、「やたらと〃同和、同和〃に目をむけている教育は堕落教育である。間違った教育であり、まともにすべきである。」、そして同和教育のやり方は偏向教育である、こういうような発言、許すべからざる発言をやっておりますね。それから、最近は早稲田大学でも差別事件があっておりますね。永井という講師ですが、永井講師自身も差別講義をいたしましたと、「被差別部落に対する差別観念にもとづいて、障害者差別を固定する内容であった。」ということを永井講師自身も認めておるわけです。どういうことかというと、教育学部の宗教社会学の授業でありますが、「自分のうまれた所のそばにきちがい部落がある。そこは川のへりや山のへりに住んでいて、劣悪な環境のために差別をされている。そのため近親結婚になって、きちがいが多く生まれる。」云々と、こういう内容の講義をしておるわけです。これはなかなか差別であるということを認めなかったんですけれども、指摘をされて初めてこの永井講師自身が隣町の被差別部落のことを言っておったということを認めたわけですが、早稲田大学なんていうのは、最近は不正入試等で世間を騒がしておりますが、こういう差別を助長するような講師がおり、講義が行われるというのは全く私は意外だったと思う。これも是正をしてもらいたい。  それから大阪の平野北中学、さらに高等学校を若干挙げますと、これも大阪ですが箕面自由学園、北淀高校、柴島高校、こういうふうに年々、文部省は両局長、いま差別事件がなくなるようにいろいろ配慮をしておるというお話でしたけれども、ますます頻発をし事件が増大をしておると、こういう事実をどのように認識をし、是正をなさいますか、お尋ねをいたしておきます。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 小・中・高等学校の場合は、やはり一般と教師の指導力というのが非常に大切だと思うんです。そういう意味からしまして、先ほども申しましたように、各県等に対しましても、同和地区の教育に当たる先生方については、一層そういう点について適切な指導をしてもらいたいということをお願いしておるわけでございまして、それからまた関連する問題として、やはりこの問題は一人一人の人間の意識の問題ですから、教育だけを切り離しては解けない問題がたくさんあるわけです。たとえば高等学校を卒業して就職する場合も、その就職者の扱いというようなものも、やはりその関係者がみんなそういう同和の意識というものをしっかり持っていただいて、公平適切な態度を持ってもらうということが必要でありますから、そういう意味では学校だけでなしに、いまの教育委員会等を通じて、今度は高校を卒業する人を雇用する側にも同じような意識を持ってもらうように努力をするというようなことで努力をしてまいりたいと、かように思っておるわけでございます。

佐野文一郎文部省大学局長

○政府委員(佐野文一郎君) 大学の関係につきましては、これまで国立大学の学長会議、あるいは国立大学の事務局長会議等におきまして、全大学のこの問題についての十分な留意方を促してまいったところでございます。  確かに差別的な落書きの件数等につきましては、二、三年前よりは若干減少の傾向にはあると、報告を受けている限りにおいては承知をしておりますけれども、しかしその範囲が広がっておること、依然としてただいま先生御指摘のような講義に関連をした、あるいは講義における差別的な発言というものが後を絶っていないことについては、私たちもまことに遺憾なことと考えております。大学におけるそうした事柄が起こらないように、基本的な人権を尊重する観点から、それぞれの大学がこの問題に対してさらに認識を深めるように、私どもはあらゆる機会をつかまえて大学の留意を促してまいらなければならないと考えております。

小野明日本社会党

○小野明君 教育現場でいま御説明のありましたように、差別講義が行われる、差別の何たるかも理解をしない、またこれを故意に逆手にとって差別を助長するなんという講師や、あるいは教授がおるということは、まことにこれは遺憾きわまりないことだと私は思います。さらに大学局においても、十分なひとつ是正を努力をしていただきたいと思うんです。  それから教育現場における差別事件もございますが、部落の地名総鑑というのを大臣御存じですね。地名総鑑を購入をして、そして就職差別を行う、こういうきわめて重大な事件がございます。われわれは法務省にも、あるいは総理府に対しましても、この地名総鑑について厳重な抗議をしておるわけですが、部落の地名総鑑購入差別事件、これと相まって就職差別事件が頻発をいたしておるわけでございます。この点についての実態把握、そしてその対策をどのようにとられてきたか、御説明をいただきたい。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 部落出身であるがゆえに、せっかく高校を卒業しても適正な就職ができないというような、その具体的事例の把握というのはなかなかむずかしい問題でございますけれども、すでに先生御承知のように、こういう青年が就職するに当たって、企業側に向こうが求める必要な応募書類を出す、とその資料の中に、この青年は部落出身でありますよというようなことがはっきり総合的に見てわかるような記載内容を要望するという例がないわけではなかった。そこでそういうことを改善するために、文部省としては、高等学校長協会、労働省等と相談をいたしまして、その就職応募に必要な書類の書式というものは、必要最小限のところにとどめて簡潔にすべきであるというようなことで、そういう趣旨の通知を昭和五十年に出しておるわけでございますが、その後その実施を見ておりますと、御指摘のように必ずしも企業側でそういう内容によらないで、もう少し詳しいものをという要望を出すケースもないわけではないというふうに聞くわけでございますが、これはやはり関係者の協力によらなければ達成できない事柄でございますので、その後も教育長協議会等でいろいろ指導してきたわけでございますが、今後も引き続きそのようなことで、そうしたことから就職において不当な取り扱いがなされることのないよう指導してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

小野明日本社会党

○小野明君 お話がありましたように、統一用紙というものにだんだんこれを敷衍していくように努力していくようになっていますね。ところが去年の五月ですが、香川県の教育委員会が、教員免許状を交付する際に、統一用紙の趣旨に反する差別的な履歴書を本人に書かせていましたね。これは局長御存じですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 私十分承知しておりませんでした。

小野明日本社会党

○小野明君 これは、大体統一応募用紙というのは本籍だけ書けばいいわけでしょう。ところが香川県が、肝心の行政機関ですよ、これはね。文部省が指導、助言しなければならぬ県教委ですが、これが旧戸籍名まできちっと書かせるように指示をしておるわけですね。皆教員になりたいですから、それは強制されれば書かざるを得ない。これは香川県教委の事件というのはきわめて重大であると思いますが、是正をさせたのですか。どういう措置をおとりになったのですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 私承知しておりませんでしたが、いま担当者に聞きましたところ、御指摘のように、本籍について詳細な所番地まで要求しておったので、それは適切でないということで指導をいたしまして、本籍地には何々県という記載にとどめるよう指導し、そう改善させたそうでございます。

小野明日本社会党

○小野明君 大学局長ですね、最近大学におきましても学籍簿に記入すると称して戸籍抄本を提出をさせる、あるいは大学入学の願書に統一応募用紙違反の内容を書かせる、こういう事例が相次いでいるわけです。こういう事実について局長はどう把握をされておりますか。

佐野文一郎文部省大学局長

○政府委員(佐野文一郎君) まず就職の際には毎年大学局長名で通知を出しまして、大卒者の採用、選考に当たって、職業選択の機会均等の本旨にのっとって、本人の資質、能力に関係のない理由によって不利益な取り扱いをすることがないように、経済団体等の雇用者側に対して依頼をし、また国・公・私立大学の学長あてに、学生が就職をするに際して、本人の資質、能力に関係のない形式的な理由によって差別を受けることがないように、企業への働きかけ等の十全な措置をとるようにお願いをしているところでございます。各大学関係団体に対しまして、いまお話のありました求人、求職関係諸書類の統一の問題を含めて、この問題の改善についての検討方を現在依頼をしているところでございます。  なお、大学入学者の選抜についてでございますが、毎年大学の入試担当者を対象として、入試の説明会を全国で開催をいたしておりますが、その際に入学願書の記載様式、方法等について十分留意すべき旨を指導をしております。共通一次試験の場合には、御案内のように、本籍地につきましては道府県名のみを記入をし、親の職業だとか、あるいは家族構成というような欄は設けていないわけでございます。第二次試験におきましても、国立の場合には統一の様式はまだ定められておりませんけれども、本籍は県名だけを書いていることになっております。公・私立大学については入試の説明会で指導をして、不必要なものは書かせないように極力指導をいたしているところでございます。  学籍簿への記入を理由として戸簿抄本等を徴取をしているという事案については、私はまだ報告を受けておりません。

小野明日本社会党

○小野明君 これは現実にあるんです。ですから、就職の際のそういう統一応募用紙に違反する件についての御努力はわかりましたけれども、直接大学の入試に、入学に関しましてね、入学願書に統一応募用紙違反というような事例が起らぬようにひとつ十分な指導、できればその実態の把握を願いたいと思うわけでございます。  それから、高卒で就職する際、新規採用ですが非常に各企業とも差別の事例が、違反の事例が非常に多いですね。私が企業の名前を申し上げますと、近畿相互銀行、ベスト電気、東京の丸井百貨店、九州中央現像所、フィルムの会社です。それからあの問題のあった平和相互ですね。それから東京航空計器KK、松下電器貿易KK、関西電力KK、久保田鉄工KK、ナカバヤシKK、ビワコカラー現像所、興人富士工業、リコーの厚木事業所、コンピュータ・スクール——このコンピュータ・スクールというのは東京の千代田区内幸町にあるんですね。それから滋賀県にあります日本精工KK石部工場、東京三鷹の日本無線、福岡の富士ゼロックス、東京の中央区日本橋田中貴金属、神奈川県の日立電子エンジニアリングKK、それから横浜の東芝電気KK京浜事業所タービン工場、それから京都の池田染工、大阪の東洋ホテルと、もうこれは枚挙にいとまがないですね。  ただ、就職の際のこういう統一履歴書違反、あるいは差別的な面接というのは、単にこれは文部省だけの努力ではなかなか目的を達成するわけにはいかない点があろうかと思います。  そこで、労働省とも協議をするようになっていると思うのですが、いま申し上げた中でもひどいのは田中貴金属工業KKですね。それからこの系統の会社ですが、非常に身上調書でも、ここに私持ってきていますが、本籍地をきちっと全部書かせることはもちろんでありますが、思想——資本主義、社会主義、共産主義等自己の信奉、共鳴または同調する思想について。あるいは支持する政党、こういう思想調査等も田中系の会社では身上調書として書かしています。さらに、家族の最終出身校を詳細に、職業、これも統一用紙にはないはずであります。それから主義、信条、こういう全く政府の指導が何をやっておるんだというようなことまでこれ要求をしておるんです。極端な例だけ私申し上げたんですが、これはひとつ大臣から、実態把握に努めるとおっしゃるけれども、一向にその効果は上がっていない、また、実態を把握していない、改善の跡が見えない、こう私は指摘をせざるを得ぬわけです。大臣どうお考えですか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(谷垣專一君) いま御指摘の、各企業がそれほどたくさんのものがやっているというふうにはちょっと私もいままで考えておりませんでしたが、一般的に申しまして、これは私たちだけの力では十分なかなかいきにくい問題があることと思いますけれども、しかし、大切な就職の問題でございますので、これは先ほどからお話がありますような統一されてせっかくおできております、高校の先生方もそういうふうにやっていただいておるそういう履歴関係等の精神を十分生かすように考えていかなければならないと思います。当然労働省とも関連のあることでございますけれども、労働省とも十分話し合いをいたしまして、努力をさしていただきたい、かように考えております。

小野明日本社会党

○小野明君 初中局長、労働省ともこの就職に関しては協議をするようになっておるんではございませんか。どうやっておりますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 制度的に労働省と協議するということにはないわけでございますけれども、たとえばその就職、選考とか、募集の時期とか、こういうことは労働省の方の審議会の御意見があって、それにわれわれの意見も加えて決定をしてもらうという仕組みでございますから、できるだけ密接に協力しながら、今日までもやってきておるという実績でございます。

小野明日本社会党

○小野明君 労働省とも、制度的にはないとおっしゃいますが、やはりこの差別をなくしていくというのは、これは文部省だけではなくて社会全般の問題であると思います。これは答申にも書いてあるとおりですが、しかし一番私は、その根にありますのは、やっぱり教育というところが原点でなきゃならぬと、差別をなくしていくのは。それだけに、大臣、文部省の熱意というもので私はそういう部落差別が行われるということを解消し、排除していっていただかなければならぬと思うんです。ですから、制度としてなければ、制度的にそういう協議を持ってもらいたいし、またこの同対法というのは総理府が所管であるかもしれませんが、関係省庁がこういう部落差別の問題について、顕著な効果を上げることができるような制度をひとつこしらえてもらいたい、大臣いかがですか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(谷垣專一君) これは、私たちの方から申しますと、せっかく学校で勉強してやってきた諸君が、いよいよ就職をするという大切なその段階で、いろいろといまのような差別の問題が起きてくることは大変残念でございますし、せっかく学校で教育をいたして、養成をいたしました諸君に対しましても、これは大変な痛恨事であろうと思います。御指摘のように、そういう気持ちから私たちはこの問題をうまく解決していくように努力をせなきゃならぬと思っております。ただ、果たして、就職の問題でございますので、制度的にどこまでそれが話が進められるか、これは少し検討さしていただかないと、すぐの返事はなかなかできにくいと思います。ただし、先ほどから申し上げておりますように、就職の分野には労働省の発言なり、労働省のいままでの経験がずいぶんございますので、労働省の諸君の十分な努力を私たちの文部省の方といたしましても要請をいたしたいと考えております。

小野明日本社会党

○小野明君 大臣、私がかなり高い要求をしたとお考えであるかもしれませんが、そうじゃないんですね。まず統一応募用紙一つとりましても、これは労働省ときちっと協議をしていただくと。あるいは大学の入試、あるいは高校入試、高校選抜その他についても、統一応募用紙一つとりましても、違反が後を絶たっていない。そういうことから、地名総鑑というものをひそかに買う企業がふえている、こういうことが言えると思うんですよ。ですから、思想を調査したり、あるいは旧戸籍名まで書かしたりするようなことがないように、せめて統一応募用紙だけでもきちんと守っていただく、行政としてそれをやらせるということをやってもらわなきゃならぬと思うんですね。スタートはそこからだと私は思いますよ。その辺について。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(谷垣專一君) 私もそれは確かにそうだと思いますね。具体的な問題で一つ一つ固めていく必要があると思います。せっかく統一応募用式がこういう形ででき上がっておるわけでございますので、まずこれを守らしてやっていくということ、これは文部省の管轄いたしております分野では十分そういうふうな努力を当然いたさなきゃならぬと思いますし、やってまいりたいと思っておりますし、また就職というように、外部のことになりますけれども、これはやはり一つのけじめをつけると申しますか、区切りをつける問題でございますので、関係の当局——労働省とも十分相談をしてそれを実現するようにいたしたいと考えております。

小野明日本社会党

○小野明君 ただいま私は企業の場合だけ申し上げたんですが、専修学校等各種学校の場合も非常に事例が多いんです、統一応募用紙違反というのが。いま一々この名前を申し上げる時間もございませんが、これは後でまたお届けをいたしてもいいですが、たとえば順天堂の看護専門学校とか、医療関係ですね、非常に多いですね。こういう学校にもそういう違反の傾向が見られるということをひとつお知りいただきたい。  それから最後に、時間もありませんから、これは私の方から申し上げたいと思いますが、初中局長、部落出身の生徒の高校進学率が年々下がりつつございますね。私の統計では下がりつつあります。私の持っております数字を申し上げますと、これは大阪ですが、七五年の三月で、部落出身生徒のパーセンテージが八六・七、大阪府の平均で九二・三であったものが、七八年、おととしの三月を見ますと、府下平均で九〇・二、部落出身生徒で八〇・一と、六・五%高校進学率が、全日制ですが、下がっています。それからさらに、途中で進学を断念させられるという者が非常に多くなっていますね。これとうらはらの関係にありますが、こういう傾向について、これは、ただ単に大阪だけの傾向ではないんではないかと思いますが、同和教育の推進という問題から見て、局長、どのようにこれは把握しておられますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 大阪の事例を挙げられましたけれども、この点につきましては、先ほど冒頭に申し上げましたように、奨学金の予算要求をいたします段階で、各県等から事情聴取をいたしますので、大体の数字はつかんでおるわけでございます。ただ、進学率あるいは奨学金の支給対象者の数は確定いたしますけれども、同和地区の同年齢者がどのくらいあるかということになりますと、多少そこに把握のむずかしさというものがあるように感ずるわけでございますが、私ども全国平均で見ますと、一、二例を申し上げますと、たとえば昭和四十二年度における全国の高校進学率が七四・五%に対して同和地区は五一・一%、四十六年度は八五・五%に対して、同和地区は七二・八%、それから五十四年度は九四%に対して、同和地区は八九・〇%ということで、若干まだ全国水準には及んでおりませんけれども、全国的に同和地区の伸びを考えますと、かなりのところまで来ておるという実態でございます。しかし、御指摘のような大阪のような例につきましては、そのような事実がどう把握されておるかという点は、なおよく私の方でも調査をいたしまして、適切な対応をするように努力をいたしたいと、かように思います。

小野明日本社会党

○小野明君 大臣、いま局長が御説明になりましたように、高校進学率は全国的にはかなりの水準にいっておる。しかし、四十八年の総理府の実態調査をこれ見ましても、二〇%近くの進学率の差がございます。ですから、冒頭に申し上げましたように、附帯決議の趣旨を尊重するとこれはもう附帯決議があるなしにかかわらず、当然行政の仕事としてやらなきゃならぬことですが、大臣、初めての文部大臣だと思いますが、ひとつ教育における差別をなくすという面においても、大いに努力をしていただいて、ひとつ成果を上げていただくということを要望いたしまして、近々の機会に再度この問題で私またどこかの場所で大臣にこの実績のほどをひとつ尋ねてみたいと思いますから、しかと肝に銘じていただきたいと思います。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(谷垣專一君) 御指摘のように、ことに高校への進学率の問題でまだ差がありますことは事実であろうと思います。とにかく、能力があって、当人がそういうまた意図を持っております諸君が、そういう状況でありますことは大変残念なことだと思いますし、同和教育だけにとどまらず、惜しいと思いますので、御指摘のような高校進学への奨励をいたします施策が幸い文部省の方でございますので、それを十分活用いたしてまいりたいと思います。また、同和教育全体につきまして、なかなかこれはむずかしい問題であることも承知はいたしておりますが、十分な努力をいたしたい、かように考えています。

小野明日本社会党

○小野明君 終わります。

亀長友義自由民主党・自由国民会議

○主査(亀長友義君) 小野明君の質疑は終了いた  しました。     —————————————

亀長友義自由民主党・自由国民会議

○主査(亀長友義君) 分科担当委員の異動について御報告いたします。  本日、松前達郎君及び小野明君が分科担当委員を辞任され、その補欠として、吉田正雄君及び村沢牧君が分科担当委員に選任されました。     —————————————

亀長友義自由民主党・自由国民会議

○主査(亀長友義君) 吉田正雄君

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 昨年の夏来問題になってまいりました例の各都道府県の教育長、あるいは政令都市の教育長承認に当たっての面接の問題が出ているわけです。    〔主査退席、副主査着席〕  すでに衆議院の文教委員会でもわが党の木島委員が、この点に関してはいろいろ文部省の見解なりをただしておりますけれども、なおきわめて重要な問題でありますし、さらに、これがただいま中野区の教委準公選制の問題と何か微妙に絡んでいるやに思われますので、この点についてお尋ねをいたしたいと思うんです。  昨年三月、当時の内藤文相が諸澤初中局長に対して、私が初中局長時代の三十一年から三十七年当時に個人面接をやっていたということを話されて、諸澤局長に個人面接をやりなさいという指示をされたということは、これは報道なんですが、されているのですが、その事実というのはあったのですが、局長。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 当時の大臣としては、御自身の局長時代の経験もあり、そういうお話も私ども伺いましたし、一般論で言えば、教育長の承認については、承認という制度がある以上、その責任を十分保てるように運営すべきであるという御趣旨で、そういうお話があったことも事実でございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 その際、特に人物の識見なり、人柄なり、あるいは教育行政に対する理解であるとか、そういう点ですぐれた人でなけりゃいかぬ。そこまではいいけれども、その後、特に文部省の言うことを聞く人でなければ困る、こういうことがつけ加わっておる。これは一つの新聞でなくて、幾つかの新聞に報道もされ、さらに社説にも取り上げられておりますから、単なるうわさではない。また、そう疑われても仕方のない前文部大臣の経歴でもありますので、そういうことで、その事実があったのかどうなのか、そのことをまずお聞かせください。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 前段のように、教育長としての適格者をお願いしたいという趣旨、それは大臣からも伺いましたけれども、いま御指摘のように、文部省の言うことを聞く人を選びなさいというような御指示は、もちろんあろうはずもないし、私もそういうことを聞いた記憶は全然ございません。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 それを言ったとしたら大変な話ですが、密室の中ですから、それは話をされたと私は思うんですよ。それが記事になって、社説にも堂々とそれが書かれるということですから、その事実がなかったらその新聞報道に対しては当然抗議をされなきゃならぬわけですね。もしなかったとしたら抗議されましたか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 私はそこまで当時の大臣にもお尋ねし、御意向を伺ったことございませんからわかりません。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 その面接を復活した真意というのは、それじゃどこにあったんですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 面接を復活したとおっしゃいますけれども、そうしますと何かそれまでは全然面接というものがなくって、ある時点から突如として必ずやるようになったかというようにもとれるのですけれども、私どもの方は、その前にも全然面接をやらないというわけではなかったんでございますね。ただ、あれはたしか去年の三月ごろでしたか、ただいま先生もお話しのように、衆議院の文教委員会でも教育長の任命の問題でいろいろお話などあったりして、十分適切な対応をして、責任持って承認という行為をすべきだという考え方から、必要に応じて面接をする、こういうことでやってきたわけでございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 事実関係だけははっきりしておきたいと思うんですがね、前の文部大臣は自分が初中局長のころはやっておったということを言っているわけですね、これは報道ですけれどもね。いまの局長のお話ですと、復活したと言われるとこれまたちょっと違うんで、何かいままでそれまでもやってきたと言う。じゃ、やってきた事実というのはいつからどうなっているんですか、それは。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) これは人事案件の一つの手続ですから、いつだれと会ったというのは恐らく記録にもないと思うのですね。それですから、いつからどういうふうになったということは具体的には申し上げられませんけれども、毎年教育長の交代というのが平均すると十二、三人くらいはございますから、そのうちで、多い少ないはあると思いますけれども、必要に応じてお会いしてきたと、こういうことだと思います。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 そうすると、昨年の三月のわれわれにすれば復活というふうに受けとめられる時点までは、何件くらいの教育長の面接をやられたのですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) いまちょっと記録で調べてもらいまして、五十四年度の承認に係るものが十五件ございまして、そのうち十一件お会いしたと、こういうことですね。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 それは、五十四年度というのは要するに昨年の三月以降の話になるんですよね。だから、それは復活した後の話なんですよ。それまでにもやってきたとおっしゃっているから、それじゃその事実をおっしゃってくださいと言っているのです。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 五十三年度に係るものが十三件中八件でございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 そうすると全員に対してでなくて、十三件のうち八件だけ面接をされたと、こういうことなんですね。特に全員やらないで八件選んだという、それはどういうあれですか。やるなら一定の規則なり、一定の手順ならば、これは全部やるというのが普通でしょうけれども、何で八人だけにされたのか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) これは、教育長の交代というのは、ちょっと手続申し上げますと、まず教育委員長が見えまして、まあ四月から新しい教育長を任命したいと思うというようなことで、その方の履歴等お話伺うわけですが、中には、私どもがそれまでも常日ごろ十分接触しておる、たとえば教育次長を今度教育長に上げたいというような方があるかと思うと、まあ言ってみれば県の部長人事の一環として、県庁側の何々部長を持ってきたい、その何々部長さんというのは、私は会ったことも聞いたこともないような方の名前が突如として出てくるというようなのがございますから、やはりそれを教育長として承認をする場合には、私どもの判断で、この方は全然聞いたことないから一遍お会いしてみたい、こういうことになるわけでございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 これはあれですか、承認はだれがするんですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 文部大臣でございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 だれが面接するんですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 初中局長がいたしております。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 そうすると、初中局長としてはいままで面識があるから、会っていい、会わぬでいいということなんでしょうけれども、最終的には文部大臣が承認をする権限を持っておるということであるならば、私はむしろ大臣が面接——まあ面接という言い方は変でしょうけれども、ふさわしい人であるかどうか、どうしても会ってみる必要があるならば、私は初中局長よりも承認をする権限者であります文部大臣が会うのが私は至当ではないか、同じそういう手続を踏むとするならば、そうでないから、官僚行政だとか、そういうことを私は言われるんじゃないかと思うんですよね。  それはあれですか、初中局長が会ってあれするというのは、どこかもうきちんと定められておるわけですか、それをちょっと聞かしてください。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 文部大臣が承認する行政事務というのはたくさんあるわけでございますから、全部大臣が御自身でお会いになって御判断なさる機会があればそれも一つの方法かと思いますが、一般の行政事務の進め方の一環として、そういうやり方を私どもはさせていただいておるわけでございまして、またこれはいま申しましたように、承認という一つの人事案件をどう進めるかという内部手続の問題ですから、格別それの進め方について規則があるわけではございません。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 そうすると、私はそれはおかしいと思うんですよ。これは各県の教育委員会の場合でも、人事案件というのは教育委員会の承認を得なきゃならないものもあるわけですよね。そういうものを内部の手続だからといって、教育委員会に諮ることなく、教育長が一方的にやるなんということはこれは考えられないことなんで、文部大臣の承認を得てということになるならば、単なる内部手続ではないですよね。法律に基づいた一定の法行為なんですよね、これは。法行為でないと言うんならいいですよ、単なる内部手続的なものであるということになれば、そうすればまた単なる行政事務であるということになるならば、面接をしますからということで呼び寄せてやるという権限も文部省にはなくなってくるわけだけれども、法律にはそうじゃないですよね、承認を得るということになっているわけですから。やっぱり文部大臣の権限なんですよね。単なる内部手続的なものではないわけですよ。それはおかしいんじゃないですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 教育長を承認するというのは確かに法律に基づく一つのあれですから、それは法の定めに従ってやるわけですが、それをどういうふうな手続でやるかということは、これは文部大臣以下に任されておるわけですから、その範囲内で適切な方法で面接することもあるし、あるいは書類審査のこともあるというのは、私は行政の進め方として当然あることじゃないかと思います。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 それはたとえば内規であるとか、省令であるとか、一定の規則に基づいて、法律で定められたその権限をだれだれに事務委任するというものが明示をされて、それはだれにする。事務次官にするのか、初中局長にするのか、大学局長にするのか、内部的な手続というものもそれはきちんと定められなきゃいかぬですよ。その判断だれがするんですか、それじゃ。教育長の承認は大臣の権限だと言いながら、事務的なものを一々大臣にやってもらうわけにいかぬから内部でやるんですと言ったって、だれがやるということも何も定めてなければ、これはしようがないじゃないですか、内部手続というか、内部規定はどうなっているんですか、それじゃ。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) いまの文部省設置法の五条の十九の三というのには文部省の権限として教育長の任命をするということが書いてありまして、さらに八条の一の二の初等中等教育局の事務の中にそれが入っておりますから、そうすると、初等中等教育局の長は私でございますから、私がその仕事を遂行する、こういう関係になるわけでありまして、ここに法律の根拠があるわけでございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 いまあなたはそれを根拠規定にされましたけれども、私はそれはちょっとおかしいと思うのです。  大臣、そういう細かい法技術論の問題はとにかくとしまして、いまの説明を聞いておっても、面接を必要とするかしないかという判断が初中局長の一存で決められるわけです。そうすると、お尋ねしますが、初中局長の面接の段階で、初中局長がふさわしくないと思われた、仮にそういう事態があったとした場合、それは大臣に話をされるのが先になりますか、それとも各県教委に、公的ではないですけれどもどうも私の判断ではとか、感じではとか、そういうことで話をされるのか、その辺は一体どう判断されますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 私はまだ不承認というような事案のケースにぶつかったことがないわけですから、御設問のようなお答えはできないわけですが、いままでの事務の処理を申し上げますならば、先ほど申しましたように、具体的候補者が上がってきた段階で、私自身がその方をどの程度知っているか、いないかということを担当の課長、審議官等とも意見交換をしました上で、会うかどうかということを決めて、会いました場合に、その会った場合のいろいろのお話の内容等もあわせて示して、大臣の決裁をいただく、こういうやり方をしておるところであります。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 そこが大臣、これは聞いておいていただきたいと思いますけれども、もし初中局長が判断を誤りますと、私は大変なことになると思うのです。それは、五十三年度の例を見てもわかりますように、十三人の承認案件のうち、面接をやっているのは八人ということなのです。つまり、すでに五人というのは会わないで、会わないということは初中局長の判断で会っていないわけですよ。たとえば教育次長からの昇任である、次長のときに会ってよく知っているとか、県の部課長をやっておって、それまでに面識があり、つき合いがあるからわかっている、こういう言い方ですけれども、しかし教育次長としてつき合っておったときの評価というものと、その人が果たして教育長になることがふさわしいのかどうなのかということは、これはまた違ってくる場合が非常にあるのです。そこに私は人事のむずかしさというのがあると思うのです。そういう点で、もう実質的には初中教育局長のところで実質的な承認権というものが発動されて、あと大臣のところには全く報告というだけで、形式化をしている。これでは、重要な人事案件ですから、大臣が私は一体責任を持つことができるのかどうなのかという感じがするのです。大臣はいままで会われたことがありますか。任せてあるといったって、大臣が会うと言ったら会えるのですから。いままで会われたことがありますか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(谷垣專一君) 私はいままでまだ会ったことはありません。特に忙しい時期でもございましたものですから、会ったことはありませんが、先ほど来のお話を聞いておりまして、この案件以外にもずいぶん文部大臣としての権限になっておるもので、各局にその裁きをゆだねておるものもある。ただし、先ほどちょっと話がありましたけれども、承認するかしないかという場合の書類その他のあれは目を私が通しまして、それでそれによろしいという合意を与えたサインをするわけでございます。そういう手順は当然とっておるわけでございまして、したがいまして、私の方から特にこれは自分が面接なら面接をするか、あるいは何をするかということを言いますれば、それはそういうことになると思いますし、ほかの案件でもそういうことはずいぶんあることでございます。教育長の問題は人事の中でも非常にむずかしい、あるいはまた重要な問題でございますから、十分そういう意味の配慮はいたさなければならぬと思いますけれども、やはり、先ほど話がありましたように、全体の設置法並びにその分掌規程の中にございまする権限をどういうふうに目的に応じてうまく使っていくかというところが、行政の運用であろうと私は思います。したがいまして、いろいろ御心配の点はございましょうが、また考えてみますと、人事でございまして、従来からよく顔を知っておる人、あるいはその人とのつき合いが長いような場合がございました場合には、それは改めてその人をもう一回面接をする必要は私は必ずしもないのではないか、制度として教育長になるという方々を、全部それでは面接をしなければならぬかということになりますと、必ずしもそこまで窮屈に考えていかなくてもいい場合が出てくるわけでございます。そういうのは結局運用の問題であろうと思って、私は先ほどからのお話を聞いておったわけでございますが、私自身はまだ教育長の候補者の方々に面接をしたことはございません。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 大臣の場合には、書類審査をされたもので判断をしていくと。最高の責任者です。最高の責任者は直接会わないで、報告を受けて書類審査で判断をしていくということなのですね。私はいま諸澤局長が人を見る目があるとか、ないとかと言っているのではなくて、手続としても、いま言ったように、十三人のうち八人は面接をしているけれども、あとの五人は面接をしないとか、こういうもう判断がそこに出てきているわけでしょう。だから、面接をするならば、これは私はやはりきちんと全部面接するのが筋だろうと思うのです。そのことによっても、あらぬ疑いとかで見られることもなくなってまいるでしょうし、いろいろな意味で、私は人事であればあるほど、手続的にも第三者が見ても、そこに作為的なものが感じられないというものでなければいけないと思うのです。私の人事は公平だと幾ら言ってみても、特定の人間だけ除外する、差別をすると受けとめられるようなものであっては、私はそれは通らないと思うのですよ。主観的であってはいかぬと思うのですよ、人事というのは。客観的なものがなければいけないと思うのです。そういう点で、この問題については、各県の教育委員会がまず選考して上げてくるわけです。五人の教育委員がいろいろな観点から、特に県内の情勢については中央の初中局長よりも地元に直接責任を負って、しかも県知事の任命を受け議会の承認を得た教育委員によって選任をされてくる教育長なのです。そういう点で、私は書類審査ならば書類審査で通していけばいいでしょうし、特定のふるい分けをやって、片方は書類審査、片方は面接審査というふうなのは、どう考えても好ましいとは思いませんので、この点はひとつ大臣も検討していただきたいと思うのです。  そこでもうちょっとお尋ねしますと、県教委がとにかく候補を決めます。決めて、これは教育委員長になると思いますし、委員長が都合が悪ければ委員長代理が文部省に足を運んで、それこそ初中局長のところに恭しくお伺いを私は立てると思うんですけれども、その際、教育委員長との間にはどの程度のまず話がなされるんですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) これはどの程度と言われても、この程度ですというその程度を御説明するというのはむずかしいですけれども、まあ事実を言えば、端的にこういう候補者を考えておりますと、それでこの方はどういう経歴の人でいま何をやってますと、発令はいつにしたいと思います、大体そういうようなお話でございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 そういう話があって、それでは局長の方で、いやその方はよく知ってますから会う必要はありませんとか、書類審査だけで結構ですと、これはこれでいいですね。ところが、いややっぱり知らないから会いましょうと、会ってみる必要があるというふうに局長が判断をされると会うことになると思うんですが、県教委から上申というか、承認届けと言ったらいいのか、願いが出てから、面接をされるまでは通常はどれくらいの日時を要していますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) これは教育委員会の方の申請を持ってくる時期にもよるんですね。率直に言いまして、県の首脳部の人事の一環としてやるなんといいますと、知事さんといろいろ御相談なさったりなんかして、部長をこっちへ持ってくるなんというのは、きわめて異動の直近になっちゃう場合があるわけですね。そうなるとできるだけ早くそれは進めなきゃならぬ。そうじゃなくて、現場の先生をまた持ってきて教育長にしたいという教育委員会だけの人事でありますと、かなり前からお話があるということですから、私どもは余り直近に持ってこられちゃ困りますよ、できるだけ早く持ってきてくださいということは申しておりますけれども、それは絶対何日以内でなきゃならぬとか、そういうような枠ははめておりませんし、できるだけその点は弾力的に運用しているわけであります。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 私の質問ちょっとこれ違っているんですが、県教育委員会から申請が出て、教育委員長が来るでしょう。来て話をされて、それじゃ会いましょうということになる、その期間というのはどれくらいあるかと聞いておるんですよ。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 先ほどもちょっと申し上げましたけども、私がお会いするという意味は、あくまでも大臣を補佐して、大臣の最終決定の資料を提供するという意味で会うわけですね、これは。大臣がその承認者ですから。そして、また一方はだれを教育長にしたいというのは、いま先生御指摘のようにすでに、各県としては五人の教育委員が十分御相談をなさって、そこで具体的人間が挙がっているという、こういう段階での承認という問題ですから、これは文部省が具体的にだれをするとかしないとか、白紙の上で決定することではない。言ってみれば教育委員会が大体の筋を決めた、それを承認するかしないかということですから、そこで教育委員長さんといろいろお話をしておるうちに、その候補者を選考してきた経緯というものがわれわれとしてもしっかりわかるわけで、そこで、その際に、文部省のほかの首脳部とも相談して、この方は君らも会ったことない、わしも会ったことない、それじゃ一遍来ていただこうかとか、そういうような判断をそのときに来てお願いすることもありますし、あるいはちょっと考えさせていただきたいということで、後ほど御連絡することもありますし、それはケースバイケースでございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 すると、ケースバイケースですが、長引く場合にはどれくらい長引くんですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) ちょっと御質問を聞き返して恐縮ですけれども、要するに会うか会わないかを決めるのに相当時間がかかる場合があるかということですか。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 ええ。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 普通そういうことはいままでの経験ではございません。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 具体的にちょっとお聞きをいたしますけれども、昨年の新潟県の教育長については、何日に申請といいますかが出ておりますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) いまそういう御質問があると思いませんでしたから、調べておりませんから後ほど調べてお伝えいたします。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 先ほど面接というのは何もいま復活したんでなくて、過去もずっとやってきたということなんですが、先ほどの話では、過去——過去というのはこれは諸澤局長ということではなくて、法律に基づく承認ということになってから、承認をされなかった教育長はございますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 承認をされなかった教育長はございません。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 ここが私、大臣、問題だと思うのですけどね、これはあれだけ新聞でも報道されましたから、京都の教育次長を教育長に承認する際と、それから大分の場合にもこれはあったわけですよ。これは承認しなかったというよりも、承認をしないという文部省の体制からわかったわけですから、各県として下げざるを得なかったという、こういうことになると思うのですよ、表向きはですね。しかし、実質的に不承認という判断を文部省は下されたということは、これは客観的にはっきりしているわけですよね。そういう点で、私は承認制度の内容とか、運用というものについては、本当に教育行政が国民に直接責任を負うとか、あるいは教育の地方分権、そして本当に各県の教育委員会の主体性というものを尊重するという、そういう立場からも、また不当な支配に屈しないという、服さないという、こういう点からも、私はこの教育長の承認のあり方については、承認権そのものにも一定の枠、制限、そういうものが私はやっぱり課せられているんじゃないかというふうに思うんですよね。そこで抽象論議をやっても仕方がないと思いますけれどもね。しかし、一応いま言った点についてはあれですか、大臣としてはどのようにお考えになっていますか。承認権というものに対して、これはもう絶対権だというふうにお思いですか、それともやはり地方教育委員会が上げてくる、承認をして教育委員会の決定として上げてくる、承認案件ですからね、そういう点ではこれは最大限私は尊重すべきだというふうに思うんですが、いかがですか、それは。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(谷垣專一君) これは私は十分経緯はまだ存じていないんですけれども、恐らく承認権を決めました場合に、いまおっしゃるような問題大分議論なされたんじゃないかと思うわけです、私十分そこは存じませんけれども。それから承認権ですから、これは任命権と違いますから、それは初めから任命権と承認権の差を議論するのはむしろちょっとおかしいことだと思います。したがいまして、承認は承認としてのこれは意味合いはあるだろうと思います。    〔副主査退席、主査着席〕 しかし、問題が人事ですから、最初からこう何と申しますか、非常に固定をして、これはここまでだというような形のものではない、かなり運用の幅のある問題ではないかと、大変抽象的な表現で申しわけありませんが、そういうふうに考えております。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 現在まで、いまの時点で、それでは各都道府県教育長、承認を必要とする教育長のうち、教職やあるいは教育行政の経験のある人というのがどれくらいなのかということと、それからもう一つ、俗に言う文部省であるとか、自治省であるとかの天下りの教育長という者がそれぞれの省庁から何人なのか、これもうわかっていることなんですが、一応お聞かせください。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 昭和五十五年三月現在で、教職歴のある教育長というのが二十四名ですね。そのうち教職歴及び教育行政歴の両方ある方が二十二名、それから教育行政歴だけあるという人が十二名、いずれもないという方が十一名。なお中央官庁から行っている者はどうかというお話ですが、文部省から一人、自治省から七人、建設省から一人、農林水産省から一人、計十人と、こういうことになっております。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 私も教育職におったことがありますから、その辺の裏もある程度はわかっているつもりなんですよ。そういう点で私は特に教育長人事というのが承認案件であればあるほど、いわゆる天下りと絡んで、今度は中央官庁同士のなわ張り的な、そういう争いというものが出てくるんじゃないかということを恐れるわけです。これはまあ大臣はお聞きになっておわかりと思うんですがね。文部省からの天下りが一名、自治省からが七名、それから建設省から一名、農林水産省から一名と、こうなっておりますが、しかし、これが次長クラス、課長クラスになりますとまたちょっと違ってくると思うんですよね。この比率がそのままではないということはこれははっきりしているんですけれども、そういうことで、実は私がきょう新潟のことでちょっとお聞きをしたかったのですが、資料がいま手元にないとおっしゃるからちょっと聞けないんですけれども、実は新潟県のいまの教育長人事については、ちょうど大平内閣の発足の前後ということもありましたけれども、実質的には約二十日間という空白期間があったんですよ。実質的には二十日間なんです。これはもう日もはっきりしているんですけれども、そういうことで、何で実質二十日間も一体空白があったのか。前教育長と現教育長との間の発令の日取りを見れば十日間なんですよね、これはあくまでも日取りとしてそうなんですけれども、実質的には二十日間の空白期間があるんですよ。つまり、なかなか面接が受けられなかったということなんですね。何で受けられなかったのか私もよくわかりません、それは率直に言って。しかし、現教育長も前教育長も、新潟県の場合には歴代文部省から天下った教育長というのは一人もいないんですよ。私はまた率直に言って望ましくないと思っているんです、これは。天下りは。そういう点で、やはり教育というのは、これは生徒、父母に直接責任を負うのが教育行政の本来の姿でなきゃいかぬわけですから、そういう点で、中央統制とか、俗に言う官僚教育ということになったんでは、これはもう現在の教育基本法の理念、あるいは憲法の理念にも反するわけですから、そういう点で、私はこの教育長人事というものについては、本当に憲法や教育基本法理念というものに沿った人事でなければならない。承認権というものを振り回して、ここに不当に政治なり、権力というものが介入をしていくということは、私はこれは大変なことだというふうに思うんですね。  そういう点で、きょうはいま手元に資料がないということですからお聞きもできませんが、一応なぜそういう空白期間があったのか、これは県側に責任があるのか、文部省側に責任があるのか、あるいは、いま私の、まあこれはうがった推測だということにあるいはなるかもわかりませんけれども、どうしても新潟県にひとつ文部省派遣の教育長というものを実現をしたいという、日ごろの強いそういうものがあって、自治省出身の教育長については素直に承認できなかったという見方というものが実は流れておるわけですよ、これは率直に言って。私が勝手に言っておるんじゃないんです、そういう見方というものが新潟県では流れておるわけですよね。そういう点で、まあ私がこういう問題をここへ持ち出すこと自体いまの教育長にとってはかえって迷惑かもわかりませんが、しかし、そういう事実なんですから、またそういううわさなり、見方というものが流れておることは、これは否定できませんので、ですから私はこの教育長人事の承認については、これは大臣ももう少し政党という場でなくて、文部大臣という教育行政の最高の責任者として、あるべき姿というものを追求をしていただきたい。私は諸澤局長のおっしゃっているのは、あるいはもう一つの面があるというふうに考えられないわけじゃないですよね。大臣が、これは政党政治ですから、時の与党から、逆に言えば、今度は官僚の立場から見れば大臣が天下ってくるわけですからね。ということで、下手な政治というものが人事に介入しないために事務当局できちっと、事前の予備審査と言ったらいいんでしょうか、評価というものをやって、そして大臣に上げていくという、そういう意味から大臣に直接面接をさせないというあるいは意図があるのかもわかりませんね。まあそうであればそれはそれなりの一つの見識だろうと思いますけれども、いずれにいたしましても、しかし大臣、次官、局長というふうに、これはやっぱり行政というのは一体になって進めるべきものですから、特定個人の判断で、少ない人の判断より私は大ぜいの人の判断の方が誤りがないと思うんですよ。そういう点でこれはぜひひとつ考えていただきたいということをお願いをしておきたいと思うんです。  そこで、いま盛んに報道されておりますけれども、中野区の教育委員の準公選制をめぐって、一応区議会ではこれを認めたわけですね。認めたわけですけれども、この二十八日の予算委員会では、それまで賛成をしておった党派の一部が、政党不介入の保証がまだ得られていないとか、これは新聞報道ですけれども、得られていないとか、あるいは公選法による政治選挙と準公選についての区民の理解というものが必ずしも十分得られていないというふうなことを理由にして、区民に対する広報経費は認めたけれども、選挙そのものを実施する経費については今回は削除をしたということなんですね。区長としては、しかしそれはすでに条例としても認められておるので、これはやっぱり実施に向かって努力をしていかなければいけないということで、さらに理解を得ながら、できたら六月議会にこの選挙実施費用というものを計上していきたい、こういうことを言っておるわけです。ところが、先ほど来申し上げております教育長の面接の問題と絡んで、どうも文部省が準公選制については、現行法律からして違法とまではおっしゃらぬでしょうが、どうもふさわしくないというふうな意見をいままでも述べられているというふうにも聞いておりますし、そういう点で、いきそうになった準公選が、むしろ文部省側から抵抗といったらいいんですか、圧力によって、これがいま一とんざを来しておるのじゃないかということが報道されておるわけですね。そういう点で、この準公選制について、文部省としてはどのように理解をされておるのか。また、問題があるとすれば、どこに問題があるのか、まずこの点をお聞かせ願いたいと思います。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) いまの地方教育行政の組織及び運営に関する法律によりますと、区の場合には、区の教育委員は区長が自分の判断で、だれが候補者として適当だという判断をして、その方を区議会に提案して、その同意を得て任命するということで、言ってみれば、候補者の選定をするのは区長の独自の権限とされておるわけでありますが、この条例によりますと、区長はまず区民投票を実施しなきゃならぬという、投票実施という責めを区長に負わせ、そしてその投票の結果を尊重して候補者を選ぶという、尊重するという制約をさらに加えるという意味で、いま申しましたように、本来法律的には自由なはずの候補者の選定を、二重に制約するという意味で、これは地教行法に反して違法であるというふうに文部省は考えておるわけでございます。さらにつけ加えますならば、教育委員というものは現行法におきましては、その過半数が同一の政党に属することとなったときは、それを過半数にならないように一名を罷免しなければならない。あるいは教育委員というものは積極的に政治活動をしたり、政党その他の政治団体の役員となってはいけないという、こういうふうな規定がございますが、これは教育委員会の運営に政治的な中立を確保をしようという趣旨でありますが、いまの公選制によって候補者を選ぶということになりますと、そのような趣旨が守られないおそれがある、そういう意味でこの公選制は地教行法の趣旨に反する、この二点を挙げて文部省は反対をしておるということでございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 もうちょっと法的な面で聞きますと、仮にいまこの議会で予算も認められて、そして実際選挙が行われて、そして区長がそれを尊重して任命をすると、こういうことになったらどういうことになりますかね、これは。これは仮定じゃなくて、現実にそうなったらどういうことになりますかね、これは。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 私どもの判断では、そういう場合には違法な手続によって教育委員が任命された、こういうことになろうかと思います。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 その委員はどういうことになりますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 現在の法制ではそれを無効にするとか、あるいは指導官庁である東京都とか、文部省がどういう措置を講ずるというような各般の強制措置をとれるような法的措置はございませんから、それを直させるということは法律上は方法はないと思います。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 この地教行法の改正をめぐっては、これはもう昭和三十一年に大論争があったわけですね。国会でも大変な論議が行われてきた歴史的な経過があるわけですね。しかし私は大臣ね、教育が本当に不当な支配に服することなく、いま局長がおっしゃったように特定政党でもって過半数以上の教育委員を占めると、それによって特定政党の意図というものが貫徹をされていくんじゃないかというふうな御懸念をお持ちかもわかりませんが、そういう懸念をされるならば、じゃ現在の政党政治の中にあっては、現在の政府というのは自民党政府なんですから、自民党によって全部やっていかれるじゃないかという、こういう話になっちゃうんでして、だから、そうでないために、内容的に不当な支配に服さないような教育基本法というものが設けられ、さらには学校教育法等いわゆる基本法体制というものができ上がっているわけですからね。だから自民党がいま仮に政権をとっておったからといって、そう自民党の思うような形で教育が支配をされていると、大分支配されている部分はあるとは思いますけれども、しかし思いどおりにはならぬということはたしかだろうと思うんですよね。そういうことで、私はこの中野区の教育委員の準公選制というのは、やはりまだというよりも、いかに法律を変えてみても、やはり教育基本法の精神からするならば、教育委員というのは、公選というのが望ましいんではないかというこの考え方というのは、私はまだ多くの国民というものが持っていると思うんですよね。いかに法律があったからといっても、その法律がいいか悪いかという判断はまた別問題ですから、そういう点で、私はこの中野区のこの問題が契機ということではないんですけれども、改めて私は教育基本法体制にのっとって、地教行法の見直しというのをやるべきではないかというふうに思っておるわけです。特にこの中野の場合は、私は局長違法だからけしからぬとおっしゃっていますけれどもね、これは法律学者に聞いてみても、やり方によっては違法だ違法だと言って決めつける必要もないのではないかという見方もあるわけですよね。そういうことで、まず教育委員の将来公選制に向けての検討を文部大臣としてはおやりになる決意がおありなのかどうか、それからいまのやり方によってはそれを違法と決めつけるまでにはならないのじゃないかということについてはいかがですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 私の方から便宜そのやり方によってはという点について私どもの考えを申し上げますが、やり方といいましても、条例が決まって、その条例に基づくまた規則か何かができて制度化されたその制度の中でやらないと、やり方が自由自在という規則をつくられちゃこれは困りますから、そうするといまの条例をどう読むかということですね。たとえば私は条例見ますと、区民投票を実施しなきゃならぬと、それで投票の結果を尊重して候補者を選定する、さらにある条文を見ると、得票順にそれを尊重してと書いてあるんですね。得票順に尊重するというのは、これはもう具体的に決まっちゃうわけですね、だれか。それをやり方によっちゃそうでなくてもできるんですよというような意味のことを何か法学者の方が五人ぐらい集まって中間報告というのをつくっておられますがね、それ読むと何かそういうふうにも読めるように書いてあるんですけれども、私は条例直すんならともかく、そうでないとちょっとこれは拡大解釈じゃなかろうかというふうに思うんで、そこのところはやっぱり公選という立法政策上その方がよろしいという立場に立つ方があるのは私も十分承知しますけれども、それを肯定するために、いまの条例をできるだけ拡大解釈して読めばできるのじゃないかという、それはやっぱり一つの仕組みをつくる問題ですから、やはりきちんと解釈すべきところは解釈してやらにゃいかぬじゃなかろうかというふうに私は考えております。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 大臣にお聞きしたいと申しましたのは、仮に中野区だけでなくて、政治状況が違いまして、仮に各県や至るところで、教育委員のいま言ったような公選制を実施をしていくということになると、これは法律と真っ向から対立する状況というものが地方にどんどん出てくるということになるわけですね。私は教育の地方分権というのはきわめて重要だと思いますし、それから大平総理の公約でありますが、地方の時代なんておっしゃっていますが、そんなことでなくて、私は教育の本来あるべき姿からしても、教育委員の公選制というのは望ましいんじゃないかというふうに思っているんですよね。現実にそういう要求というのが各地域に非常に強いわけです。そういう点で、大臣、もうそろそろ二十数年の時間も経過をしておりまして、いまの任命制のやはり長短というものがある程度明らかにされ、評価できる時間的経過も持っておるんですよね。そういう点で、いますぐここで改正しますとかなんとかということは困難でしょうが、一応見直す検討は私は開始をされてもいいんじゃないかというふうに思うので、その点についての御見解を承りたいんです。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(谷垣專一君) いろんな、何と申しますか、立法論としての御意見が出てきたり、議論されることは、これはことに立法府の関係でございますので、これはまた当然といっていいことだと思います。しかし、いま申しますような現実に法律ができて、しかも御指摘ありましたように、私は当時おりませんでしたけれども、三十一年のときに相当厳しい御議論の上にいまの法律ができて、私たちはやはり現行の法律なり、そういうものを尊重していかなきゃならぬという義務がございます。しかし、先ほどお話しのとおり、一人の政治家としてはいろんな立法論を闘わす必要があることも十分承知はいたしております。しかし、いま吉田委員から御指摘のように、文部大臣はそろそろ研究をする気持ちはあるかと、こう非常に端的なお話がございますが、私としましては、いまこの問題を特に検討して研究をして、何らかの改正をするための努力を開始するという気持ちは、いまのところ持っていないわけでございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 時間がなくてこの問題についても突っ込んだ論議をやることがきょうはできませんから、いずれそのうちに大臣からも考えを変えていただけるように、ひとつ私もたまにはこの委員会に出てきて私の見解を申し上げたと思うんです。  最後に予算のことでちょっとお尋ねをいたしたいと思うんですが、予算をざっと見させていただいたんです。非常にいろいろ申し上げたいことたくさんありますが、一つだけお尋ねいたしますが、「エネルギー関連科学の推進」ということで新規に計上されてもおるわけです。私が一つ疑問に思いますのは、何か一つ問題が出ますと、これは日本人の習性と言っていいんでしょうかね、流行性と言っていいんでしょうか、わっとそこへたかっていくという傾向が見られるんでして、もうエネルギーといったら各省庁どこも代替エネルギーだ、新エネルギーの研究開発だということで、同じような項目、同じような内容で金をつぎ込んでやっている、非常に私はむだが多いんじゃないかと思うんですよね。  そこで、文部省が特に今回省エネルギーであるとか、代替エネルギーというふうなことで、新規の項目まで計上されてやられるという、その一体方向なり、方針なり、内容というのは、他省庁との関係ではどうなっておるのか、そのことだけ聞かしてください。

篠澤公平文部省学術国際局長

○政府委員(篠澤公平君) お答えいたします。  御指摘のとおり、五十五年度の予算案の審議におきまして、「エネルギー関連科学の推進」ということをお願いいたしてございます。  本件につきましては、実は五十二年度にかけまして、いろいろ検討を実は続けてきた事柄でございます。特に従前の「重要基礎研究の推進」の中では核融合ということを柱に立ててございました。エネルギー全般の問題が非常に社会的要請としても重要になってきたという認識はあったわけでございますので、五十二、五十三にかけまして種々検討いたしまして、五十三年度の末に、エネルギーを全体として進めるにはどうしたらいいかということの報告を実は学術審議会からいただいているわけでございます。そういうことから、五十五年度の予算の中には核融合も含めまして「エネルギー関連科学の推進」ということを重要事項にさしていただきました。  それから、各省との全体との調整といいましょうか、そういう関連につきましては、部分的にはございます。たとえば、核融合につきましては原子力委員会の中にあります核融合の、これは総理府でございますが、会議がございまして、その中で国立学校、あるいは所轄の研究所等で行われます核融合についての全体の調整を、あるいは分担を相談しておるわけでございまして、その他のエネルギーにつきましてはそういったシステムはございません。ただ、科学技術庁の中におきましては、エネルギー全体についての年次計画を定めて、これを推進していくという計画がございますので、その中で大学がどの部分を背負っていくかということを、この予算をもって実現していきたいと考えているわけでございます。

亀長友義自由民主党・自由国民会議

○主査(亀長友義君) 吉田君時間が来ました。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 時間がありませんから要望だけしてやめますが、実は日本は御承知のとおり地震国であり、火山国なんですよね。ところが従来からも指摘をされてきておりましたように、この地震、あるいは火山等の予知対策費用というものがきわめて私は少ないと思うんですね。そういう点で、これ大臣ね、これは訓練ばかりじゃないんですね、東海地震なんというのが近く来るんじゃないかなんて言われていますけれどもね、対策も予算もきわめて微々たるもので、はだ寒いものが私あると思うんです。そういうことで、核融合なんという華々しいところへばかり予算をつぎ込むんではなくて、本当に国民生活に直結をし、しかもいつ襲ってくるか——現実にこれ来ること間違いないわけですからね。ただいつかというだけの話だと思うんです。そういう点でいま申し上げた予算については、これはまあことしは仕方がないんですが、来年度予算では私は大幅に増額をする努力をしていただきたいことを要請しまして私の質問を終わります。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(谷垣專一君) いまの問題につきまして簡単に御答弁さしていただきたいと思いますが、私たち基礎的な研究部門、これが文部省としては考えていかなきゃならぬ問題だと思います。したがいまして、非常にその現実的な、目的的な考え方に余り左右されますと、結局大切なところが抜けてしまいます。そのことをむしろ文部省の研究の体制としては心配をしていくべき問題だと考えております。基本的にそういう考え方で進めてまいりたいと思います。  それから、御指摘がありました地震の問題、これは地震予知の問題も含めまして、あるいは地力の、地熱の問題等そのエネルギーの問題もございますが、こういう問題につきましては、先ほど申しましたような試験研究、あるいは科学技術の研究の基礎的な立場を堅持しましてやってまいりたいと思います。時勢に応じて余りはでなことが学術を本当に進めていく道ではない、むしろそういう基礎的な問題を大学関係の研究その他は進めていくべきであるという立場でやってまいりたいと思いますので、御指摘の予算の問題、来年度につきましても十分に考えていかなきゃならぬと思っております。

亀長友義自由民主党・自由国民会議

○主査(亀長友義君) 吉田君の質疑は終了いたしました。  次に和泉照雄君

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 私は文教政策に関連をして、まず第一に、たしか昨年の六月ごろだったと思うんですが、愛媛大学の医学部の付属病院に起こりました汚職事件、これに関連をしまして、ここ五年間ぐらい、国立大学関係医学部、それから付属病院の間に起こった不正事件についての概要ですね。それと文部省として打たれた措置、これについて説明を願いたいと思います。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(谷垣專一君) 少し問題が事務的な問題がありまして、私が十分心得てないところがございますので、政府委員からお答えさしていただきたいと思います。

佐野文一郎文部省大学局長

○政府委員(佐野文一郎君) 最近五カ年間におきます国立大学医学部付属病院関係の不祥事件でございますが、いま先生御指摘の、五十四年の六月に愛媛大学付属病院に起こりました医療機器等の納入をめぐる収賄容疑事件、これが一件ございます。  愛媛大学医学部は四十八年に設置をされまして、付属病院が五十一年度に開設されたわけでございますが、付属病院の整備が進められていた五十年度から五十三年度にわたり、医療機器、研究機器、薬品の調達に関連をしまして、大学の教職員三名が関係業者四名から物品、現金の贈与を受けたという容疑で、関係者それぞれ収賄、贈賄で逮捕され起訴されたものでございます。現在公判が進行中でございますが、これら三人の教職員につきましては、いずれも現在刑事休職の処分をとっております。公判の進行によりまして事実関係が明らかになった時点で、公務員の服務規律に照らした適切な措置を講ずるように大学を指導しておりますし、大学側もそのような考え方で対応をいたしております。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 そのほかにはこの五年間というのは一件もないわけですか。

佐野文一郎文部省大学局長

○政府委員(佐野文一郎君) いわゆる不正事件として私どもが承知をしておるものは生じておりません。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 じゃ、次は別の問題でお尋ねしますが、人事院に提訴されていました徳島大学の医学部の抗争問題の概要についてと、それから最近下した人事院の判定について説明を願いたいと思います。

佐野文一郎文部省大学局長

○政府委員(佐野文一郎君) 徳島大学医学部の耳鼻咽喉科の教授選考に関する問題でございますが、五十一年の十二月一日に大崎教授が発令をされたわけでございます。しかし、その時点以来同教授の履歴書に不実記載等があるということで、耳鼻咽喉科の医局や、あるいは学生の間から診療拒否、授業ボイコット等が行われまして、現在に至るまで同教授の教育研究と診療が事実上行われない状態にあるという問題でございます。文部省としましては、大崎教授の選考が所定の手続を経て行われたものであるにもかかわらず、このような教授の職務執行が阻害されるということはきわめて遺憾であると考えまして、事態発生直後から学部長を再三招いて、教授会の努力によって早急に事態の正常化を図るように指導してきたものでございます。その間、耳鼻咽喉科の医局員等によって、同教授の任命取り消し請求訴訟が文部大臣を被告として五十二年の二月に提起されたというような事態もございましたけれども、五十三年九月に至って原告側が訴えを取り下げました。文部省としても、当事者間の自主的な解決がより望ましいし、その促進に資するであろうということでこれに同意をして、教授会の一層の努力を促した経緯がございます。教授会は問題解決のためにさまざまな手段を講ずべきことは当然であるけれども、それと同時に、大崎教授自身が医局員なり、あるいは学生等との信頼関係をつくり上げることが必要であるという考え方に立っておりましたために、教授会がまずできるだけの努力をすべきであるという大崎教授の主張との間に対立がありまして、同教授は五十四年の六月に、人事院に対して行政措置要求を行うに至ったものでございます。  人事院はこれに対して、五十五年の三月二十六日に御判定をお示しになったわけでございますが、その要旨は、大崎教授の選考は法律上適正な手続を踏んで行われたこと。大崎教授の着任時の排斥行動は、大学関係者としての良識及び節度を著しく逸脱したものであること。医学部の当局は、大崎教授が授業を行えるように適切な措置を講ずべきであるのに、事態を放置してきたと。したがって、徳島大学当局は、大崎教授が速やかにその職務を遂行できるように適切な措置を講ずべきである。そういう御判定であったわけでございます。

山田庫之助人事院事務総局公平局長

○説明員(山田庫之助君) ただいま文部省の方から御説明があったわけですけれども、いまの話にありましたように、本件事案は、昭和五十一年の五月に、徳島大学の医学部の耳鼻科の教授が、他の大学に転出したことに伴いまして、その後任の教授の選考をめぐっての問題でございます。そもそもの発端と申しますのは。そこで、そのとき教授候補者は五名でありまして、最終的には、申請者とそれから日根徳島大学の助教授の決選投票ということになりまして、十月二十八日の教授会において、申請者が一票の差で教授予定者に選考されたと。そして申請者は、さらに同年の十二月一日文部大臣によって同大学教授に発令されたという経過がございます。  ところが、その前後から、申請者の教授就任をめぐって反対運動が起こりまして、学内におきましては、耳鼻科の医局員らがその先頭に立って、申請者に履歴詐称の疑いがあると主張しまして、これを学内掲示だとか、ビラ等を通じて学生に強く訴えたという動きがございました。このために申請者は、徳島に着任いたしましてもみずからの教室に入ることもできず、その後もこれらの医局員からその職務を妨害される等の排撃を受けまして、学生も、このような反対運動に刺激されて、申請者の授業をボイコットするに至った。そこで申請者は、教授就任以来現在に至るまで、その本務である学生に対する授業、あるいは付属病院における診療等が行われない状態であった。  そういうことでございまして、それについて申請者は、昨年の六月に人事院に対して行政措置要求を行いまして、学生に対する耳鼻科の授業等を行えるようしてほしいということ、それから医学部付属病院における診療等を行えるようにしてほしいということ、この二つを大体骨子とした措置要求を起こしたわけでございます。  これにつきましては、当事者には三月二十六日付の判定をもって、中では三月十九日の人事院会議におきまして決定いたしたわけでございますけれども、当事者に対する送達は二十六日に行いました。  それで、その骨子とするところは、本件教授選考は法律上適正な手続を踏んで行われているものである。それで、文部大臣の発令があった後までこれを不服として、新任の教授に対してその適格性について批判したり、あるいはその教授就任に反対するようなことは本来許されるべきことではない。ところで、医学部当局がこれら医局員らの教授就任反対運動に対して何らの抑制措置をとらず、またその後も学生対策とは言いながら、申請者に授業を行わせないようにして事態の収拾を図ってきた。それからさらに、医局員の申請者に対する職務妨害等に対し、何らこれを抑制する措置をとらなかったということはきわめて遺憾である。したがって、徳島大学当局は良識をもって事の理非を明らかにし、申請者の本務の遂行を阻んでいる障害を除去して、学内の秩序を回復し、申請者が速やかに本務を遂行できるよう適切な処置を講ずべきである、これが判定の趣旨でございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 四年近くこのまま放置されておったということは、私は文部省の方も責任が重大であると、こういうふうに指摘したいわけでございますが、あなた方の方でも医学視学委員の方を派遣したり、いろいろ努力をしておられることは認めますけれども、そのほかに何か強い行政指導をおとりになったことがあるんですか。

佐野文一郎文部省大学局長

○政府委員(佐野文一郎君) 事柄が大学の教官人事にかかわることでございますから、文部省の対応が事の性質上きわめて慎重を要することはもとよりでございますけれども、このような状況を放置をしておくということについては、私どももまた責任を痛感をしておりますので、再三にわたって医学部長あるいは大学の学長を招きまして、事態の早期正常化について指導をしてきたわけであります。率直に言って、最初の段階でいろいろと疑義が出た際に、教授会がこれに対して対応する態度、方針において十分でない点があったということは、その後の事柄の処理を著しく困難にしたものとして、私どもは教授会に対し、強くその点の反省を求めているところでございます。人事院の判定が示されたことを機にいたしまして、さらに大学当局並びに大崎教授の場合においても、事柄の早期の解決のために、積極的な対応をされることを期待をして、私どももさらに指導を続けてまいりたいと考えております。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 四年間近く一教授であっても授業をさせないとか、診療させないとか、そういうような圧迫をしておられて、あなた方が強い指導をされてもなかなか聞かない。今度人事院の判定がありましたけれども、人事院の判定も、これは、抱束力はないわけでございますから、果たして徳島大学の教授陣、大学当局がそれを素直に聞くかどうか。これは私たちは大変に疑問に思っておるわけでございますけれども、両者が和解をしてスムーズにその関係が改善をされていくためには、大臣のやはり異例な決意が必要だと思うんですが、大臣いかがですか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(谷垣專一君) 非常に何と申しますか、言ってみますと恥ずかしい案件だと私も思って、申しわけなく存じております。ただ、先ほど申しましたように、いまいわゆる大学の自治という問題の中心が、やはり一つは人事の問題であるわけでございまして、そのためにこれがこじれておるわけでございます。したがいまして、教授会なり、徳島大学自体がどういうふうに処置をするかというところに問題のポイントがあるわけでございますけれども、そのために、いま私たちの方としては、そういうことに対しましての文部省としての意向、これを強く表明しながら、大学の努力を今後一層やってもらわなければならない。そうしませんと、現実にその分野においては大学の機能が停止しておるわけでございまするから。そういうふうに考えておるわけでございまして、大変、実は苦慮をいたしておるところでございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 これはまさに氷山の一角というんですか、いま大臣がいみじくも言われた、本当に国立大学の医学部の恥部といいますか、世間で言う白い巨塔といいますか、本当に恥ずかしいところが日本全国の各大学にあるやに聞いておるんですが、一つ問題を提起しておきましたんで、あとまたいろんな点でそういうお気づきの点がいろいろあろうかと思いますが、やはり非常なる決意で取り組んでいただかないと、やはり医学部でございますんで、患者である国民にも非常に影響がある問題でございますので、ひとつ積極的に取り組んでいただきたい、このことを強く要請をしておきます。  次の問題に移りますが、最近衆議院の予算委員会の分科会でございましたか、某大学のカラ超勤ですか、ヤミ休暇等のことが問題にされておるようでございますが、文部省の監査、並びに会計検査院の監査の結果ですね、国立大学関係のカラ出張、カラ超勤、あるいはヤミ休暇等、こういうことについて指摘をされたようなことがあったら具体的に説明を願いたいと思います。

向後清会計検査院事務総局第二局文部検査第二課長

○説明員(向後清君) 文部省の検査に当たりましては、事業費が膨大でございますので、過去におきましてカラ出張とか、カラ超勤について、内部検査を実施していなかったことは事実でございます。したがいまして、カラ超勤につきましては、過去に指摘した事実はございません。カラ出張につきましては、先般実施いたしました愛媛大学で一件ほどございました。これは金額も過少でございますので、すぐ返納の措置をとっていただきました。そのほかの大学につきましては現在のところございません。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 文部省の監査は。

植木浩文部大臣官房会計課長

○政府委員(植木浩君) 文部省におきましても、毎年度春と秋に私ども大臣官房の会計課の職員が、大学等の会計の実地監査を行っております。毎年必ずしも、大学によっては二年に一度とか、三年に一度というようなことに相なるわけでございますが、会計経理の全般にわたりまして、抽出的な調査を行っております。その範囲では、いま先生から御指摘いただいたような点については私どもとしては特にございませんでした。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 私の聞いたところでは、某大学の教授や、あるいは教官のそういう中には、カラ出張や、出張期間の水増し、こういうことが日常茶飯事のように行われて、その関係者が非常に不信を起こしているということも聞いております。その話の中では、国立大学医学部あたりの教授さんの中には、いつからいつまで出張するということを届け出すと、すぐ出張旅費がおりて、もうきわめて簡単におりてきて、そして果たしてそれをおやりになったかどうかの確認とか、チェックというのはほとんどなされてない、こういうような話も聞いておるんですが、そういうような事後報告とか、チェック機能はどのようになっておるんですか。

植木浩文部大臣官房会計課長

○政府委員(植木浩君) 国立大学等の職員の出張に関しましては、従来から私どもとしては厳正にこれを行うということで指導をいたしておるつもりでございます。その事前の出張にかかるいろいろな出張目的であるとか、族程であるとか、事後におきます復命という点についても、これまで適正に執行しているつもりでございますが、最近、特に先生から御指摘のカラ出張等がいろいろと問題になりまして、官庁綱紀の粛正についてということで政府部内でも申し合わせを行っておるわけでございますが、その中でやはりそういったカラ出張等予算の違法、不当な支出の根絶を図るということで、職員の出張報告についても、原則として文書による復命を励行する、こういうことになっております。従来出張の数もいろいろとございますので、必ずしも文書ではなくて口頭による復命も認めてきておるわけでございますが、現在におきましては、なるべく文書による復命を励行するという指導を私どもとしてもしておる矢先でございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 いろいろと実際の面を聞いてみますと、やはりあるところでは教授の印鑑がそのまま置いてあって、そして勝手についてというようなことを行われておるようでございますので、あなたたちが通り一遍の通達を出されて、それが必ずしも励行されておるとは私は思えないわけでございます。そういうことで、その通達を出されたら、その出した通達が本当に励行されておるかどうか、その辺の点もひとつ見直す必要があるんじゃないかと、こういうふうに思います。  それで、またこの問題に関して、反面職員の中には、医学部あたりではもうほとんど職員旅費の額は、教授の人たちが出張されると、ほとんど助教授とかあるいは講師、助手の人たちの旅費の該当分はないというようなこともあるやに聞いております。こういうことがカラ出張のプール財源をつくろうという、そういうことにもなりかねないわけでございますので、やはりこういうような財源の見直しというのも私はされる必要があるんではないかと、こういうように思いますが、その点はいかがですか。

植木浩文部大臣官房会計課長

○政府委員(植木浩君) 現在行政経費の節減合理化ということが非常に叫ばれておりまして、そういう観点から職員旅費につきましても、これを非常に厳しく見ておるわけでございますが、ただし実際にいま先生おっしゃいましたような、教官のみならず、職員もいろいろな用務で出張することが必要であるわけでございますので、そういう厳しい枠の中で、最大限有効にこの旅費の執行をするように努力をしてまいりたいと思います。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 次は国立大学の医学部の方々の兼業問題これについてお尋ねをします。  国立大学の職員は国家公務員法を守らなければならないはずでございますが、国家公務員法第九十六条には「服務の根本基準」が定められ、第百一条には「職務に専念する義務」を規定され、第百四条には「他の事業又は事務の関与制限」が規定されているようであります。大学医学部の教授の兼業は文部大臣の許可を要するということになっておりますけれども、この許可の実態についてはどのようになっておるか、御報告を願います。

宮地貫一文部大臣官房長

○政府委員(宮地貫一君) 先生御指摘のとおり、国立大学の医学部の教官が報酬を得まして兼業を行う場合には、国家公務員法第百四条の規定によりまして許可を要するということに相なっております。昭和五十四年一月から十二月までの間に、文部省において国立大学の医学部の教官の兼業の許可をいたしました件数は、総数で約千二百件ということになっております。文部省におきましては、これらの兼業については、各大学に対して本務に支障の生ずることのないよう指導いたしておるところでございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 その千二百件の中で、教授とか助教授の方々の人数といいますか、それとパーセンテージはどういうふうになっていますか。

宮地貫一文部大臣官房長

○政府委員(宮地貫一君) 国立大学の医学部教官の兼業の許可の件数でございますが、総体でただいま申しましたとおり約千二百件でございますが、具体的な数字の比率につきましてはちょっとお時間をいただきたいと思います。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 私の調べたところによりますと、やはり無許可で兼業をおやりになっておる方々が非常に多いやにうかがわれるわけでございますが、ちょうど去年の十二月だったですか、防衛医科大学の問題で同僚議員が質問をして、それから文部省の方でも一月に厳しい通達が出たというふうに聞いておりますが、それから若干上がっておりますけれども、依然として許可を受けないで兼業をおやりになって、そしてよくないことは、報酬を受けておられるという、そういうような方々が大分いらっしゃるんじゃないか。これは確定申告の問題も出てきますし、また、法を遵守しなければならない問題を守らないという、法の遵守違反にもなるわけでございますので、そういうような善処の対処をどのように措置をとられるのか、大臣、いかがですか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(谷垣專一君) これは、ことに大学の教授が、法律が決めておりますことを守らないのはけしからぬ話でありまして、道義的には一般の社会人よりも強く責められてしかるべき問題だと思います。先ほどからのお話を聞いておりますと、ことに医学部の問題を先生は非常に問題にしておられるようでございますが、これは医学部に特にそれが多いのか、ほかの学部にまたあるのか、そこらのところは、先ほど来私たちの担当の方からの説明では、はっきりした実態がないという報告をしておるわけでございますので、それはそれとして処置をせなければならぬと思いますが、御指摘のような問題があれば、これは当然厳しく善処方を要請をすべき問題だと私は考えております。

宮地貫一文部大臣官房長

○政府委員(宮地貫一君) 先ほどお尋ねのございました教授についてのパーセントでございますが、医学部教官約千五百名に対して、教授は五百三十二名でございます。比率として約三〇%を超えるということになろうかと思います。助教授の場合は、助教授の方の総数約千六百に対して、兼業の許可を得ております者が二百四名でございます。  以上でございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 いま官房長が御答弁されたような状態で、大臣、ですからいま御答弁があったとおり、ひとつ前向きに厳しく対処していただきたい。  次は、定員外の職員についてお尋ねをいたしたいと思います。  まず初めに、国立学校において現在どの程度の定員外の職員の方がおられるのかお伺いをいたしたいと思います。また、これらの定員外の職員の現在の問題点をどのように認識していられるのか、文部省の見解を伺いたいと思います。

宮地貫一文部大臣官房長

○政府委員(宮地貫一君) 国立学校には非常勤職員が昭和五十四年七月一日現在で八千三百十四人在職いたしております。これは国立学校における教育研究等の業務の特殊性から、その従事する職務も大変多岐にわたっておるわけでございます。  先生御承知のとおり、非常勤職員は、本来は季節的、一時的業務でありますとか、あるいは仕事の量の変動する業務を処理するために、臨時に雇用するたてまえのものでございまして、昭和三十六年の閣議決定の方針によりまして、日々雇い入れることを予定する職員については、必ず発令日の属する会計年度の範囲内で任用予定期間を定め、終了したときは引き続き勤務させないというのがたてまえとなっております。ところで、具体的な非常勤職員の雇用につきましては、それぞれの大学に任かせられているわけでございますが、教育研究等の必要性に応じまして、その雇用が行われております。  ただ、任用予定期間満了後も再び勤務することにつきまして、本人から強い希望のある場合があることなど、一部の者につきましては一日の空白を置いて再雇用するというのが実態となっているというぐあいに聞いております。また、その結果再雇用によりまして、事実上相当長期間勤務することになるという非常勤職員が増加の傾向にある、これが具体的な問題点であろうかと思います。  これらを受けまして、文部省といたしましては、国立学校における事務の簡素化であるとか、あるいは業務の民間委託等の改善、合理化を進めまして、非常勤職員の雇用の抑制ということには従来からも努力をしてきておるところでございまして、具体的な数で若干御説明申し上げますと、昭和四十七年度には約一万名を超えておりました非常勤職員を、八千三百人まで減少させるようにいたしてきております。また、定員増や欠員が生じました場合には、非常勤職員のうちから適性その他を勘案いたしまして、可能なものについては毎年相当数の者を定員内職員に採用しているというようなのが現状でございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 そこで、一例として、東京大学の総合図書館に勤務する定員外の職員の問題にしぼって伺ってみたいと思います。  昨年の九月、総合図書館では会計検査院の実地検査が行われて、定員外職員の給与の支払いについて疑問点が指摘されたそうでございます。大学当局ではこれを受けて、会計経理上の改善を行ったけれども、このこと自体は当然のことかと思います。ところが、そのために定員外職員の給与は、多い人で月四万円もカットされることになり、すでにこの一月から実施されているということでございます。そのために個人の経済生活にも大きな影響を与えておることは当然でございます。  従来から、定員外職員といえども常勤職員と仕事の上では何らの区別もないわけで、勤務しておるわけでございますが、その実態から見ても、私は現行の行(一)の場合のいわゆる七−四の頭打ちを見直さない限り、この問題は解決されないのではないかと、このように思いますけれども、行(一)のこの七−四の頭打ちの状態を解消するということについて、文部省はどのようにお考えでしょうか。

宮地貫一文部大臣官房長

○政府委員(宮地貫一君) ただいま先生から具体的な御指摘があったわけでございますが、非常勤職員の各月の給与の実際の支給額は、御案内のとおり勤務日数の差異等から変動が生ずるということになるわけでございます。  そこで、具体的な御指摘のケースでございますけれども、非常勤職員の一月の超過勤務手当相当給与の支給額が十二月の場合に比較しまして、たとえば約五千円から二万六千円程度減少しているということは事実でございます。これはただいま申しましたような勤務日数の比較が、十二月と一月の場合で異なるというようなことなども原因になっておるわけでございます。  そこで、非常勤職員の頭打ちの問題について御指摘があったわけでございますが、非常勤職員は、本来先生御案内のとおり、事務補佐員、技術補佐員等として採用されているわけでございまして、補佐員としての職務に従事する、かつその給与は予算の範囲内で支給するものであるというようなところから、現行の給与制度から考えますと、六等級相当に格づけするということは必ずしも適当ではないというぐあいに考えております。しかしながら、先ほども御説明いたしましたように、一部の大学では、実際には大変長期にわたって経験を積んでいる者もいるというような実態等も踏まえまして、御指摘の頭打ちの問題については、私どもとしても早急に具体的な結論を得るよう検討いたしたいと、かように考えております。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 いまの文部省の説明では、いままでの答弁よりより一歩前進した答弁であるというふうに受けとめますけれども、できれば新年度から早急に実施していただきたい、このように思うわけでございます。きょうはたまたま三月三十一日で、年度末に当たるわけでございますが、そうしますと、定員外の職員の方々は、法的にはきのうで退職の形ということになるわけでございますが、総合図書館の現状からすれば、これらの定員外の職員が引き続き勤務しない限り、図書館のサービス低下あるいは業務への影響は、重大な支障を来すということは明らかでございますが、これについて現在東大当局が実施しようとしている「非常勤職員の人事取り扱いについて」といういわゆる六四四通知について、いまいる定員外職員にそのまま文字どおり当てはめることはきわめてむずかしいことだと思いますが、定員外職員の勤務は明四月一日以降も継続していくものと了解してよろしいのかどうか、またそのこと自体は来年度以降も同じような状態にあるということを理解していいかどうか、お答え願いたいと思います。

宮地貫一文部大臣官房長

○政府委員(宮地貫一君) 先生御指摘の通知が出ているということは承知しております。これは非常勤職員の人事取り扱いにつきまして、各部局長あてに通知したものでございますが、従前の通知を統一的、体系的に整理する等の観点から行われましたものでございまして、この通知によりまして、現在勤務している非常勤職員を解雇するというような考え方ではないというぐあいに、東大当局から説明を伺っております。したがいまして、五十四年度に勤務していました非常勤職員について、五十五年度勤務を希望する者であれば、再雇用される方針であるというぐあいに伺っております。なお、さらに明年度以降のことについてもお尋ねがございましたが、特別の事情のない限り、同様の取り扱いがなされるものであろうと理解いたしております。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 ただいまの文部省の御答弁は了とするものでございますが、最後に、これまで東大の総合図書館ということで伺ってきましたけれども、これまでの当局の答弁は東大及びその他の部局にも当てはめて、同様の方向で実施されると期待してよいかどうか、まずお伺いしたいと思います。

宮地貫一文部大臣官房長

○政府委員(宮地貫一君) 先ほどのお尋ねにお答えしましたように、東京大学におきましては、新しい通知によりまして、従来他の部局にゆだねられておりました非常勤職員の雇用、給与決定について、本部の上申事項といたしまして、学長が決裁するということに改めたわけでございまして、したがいまして、今後できるだけ部局間における非常勤職員の人事取り扱いに不均衡を生じないようにする趣旨にあると、かように聞いております。非常勤職員の基本的な事柄については、原則として同一基準により適正な運用が図られることになるものと理解をいたしております。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 いわゆる七−四の頭打ちの解消ということも、他の大学にもこれは適用していくべきものと考えますが、そのように理解してよろしいですか。

宮地貫一文部大臣官房長

○政府委員(宮地貫一君) 最初にお答えいたしましたように、非常勤職員の給与そのものは、これは予算の範囲内において支給するということになる。これはまあ当然のことでございます。国立大学等において非常勤職員の雇用、給与決定等はそれぞれの大学等にゆだねられているところでございます。しかしながら、まあ文部省といたしましても、これまで非常勤職員の待遇改善に努力もしてきておりますし、その給与の取り扱いについて、一般的な取り扱い基準を定めて、適正な運用ができるようにというぐあいに従来とも指導してきております。御指摘の頭打ちの問題については、国立大学等における非常勤職員の待遇改善の一環として十分検討いたしたいと、かように考えております。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 私たちは、今後とも公明党としては定員外職員の問題には積極的に取り組んでまいりたいと思いますが、ちょうど時が行政改革という美名のもとに、こういう定員外職員の方々の弱い立場の方々をより以上当局はひとつ守っていただきたいと、改善をしていただきたいということを、特に要望を申し上げておきます。  次は、幼稚園の問題についてお伺いをいたします。  まず幼稚園、保育所の幼保懇談会の動向についてお伺いをいたします。  去る五十二年の十月二十四日、文部省及び厚生省は昭和五十年十一月の行政管理庁の勧告に基づきまして、幼稚園及び保育所に関する懇談会を設置したが、以来二年半を経過しておりますけれども、その間どのような問題が取り上げられ、どのような論議が行われていたのか明らかにしていただきたいと思います。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) 行管の勧告を受けまして、五十二年の秋に文部省と厚生省からそれぞれ幼児問題に関する専門の方を推薦し合って、十五名で懇談会を設けたわけでございます。そして具体的会議の進行としては、今日まで十回ほど会議をやっております。そしてその主たる論議の中身は何かといいますと、一つは幼稚園と保育所がまだまだ整備状況が不十分であり、地域に偏っておると、それを両者整合性ある整備計画を立てるためにはどうしたらよいかという問題と、もう一つは幼稚園といい、保育所といっても、幼児の保育ないしは教育を預かるという意味では同じである以上、そがで行う保育ないしは教育活動に内容の共通性を求めなけりゃならぬ、その辺をどういうふうに考えていくかというようなものが主な議論の中身でございまして、その審議の過程におきましては、いろいろな地域、都市によって、もっぱら幼稚園を整備しているところ、あるいは保育所に重点を置いているところというふうに、それぞれ地域の考え方によっていまのところはかなり偏りがございますので、そういう地域の教育担当者においでいただいて、実情とともに、問題点を指摘していただくというようなことで検討しておるわけでございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 ではこの懇談会の結論を出すというのは、大体いつごろをめどにしておられるんですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) これは先ほど申しましたように、厚生省と両方で運営をしておりますので、私の方から具体的にいつということは申し上げられないのでございますけれども、率直に申しまして、もうかなり十回ほどやりまして、いま申しましたように、いろいろ意見等も聞きましたので、できるだけ早い機会に今後ひとつ御結論を出していただくようにお願いしたいというふうに、内々ではお願いしておるわけでございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 この懇談会の協議事項は、一つは幼稚園、保育所の整備計画、二つ目が幼稚園、保育所の教育と保育内容の連携、三番目がその他となっているようでございますが、幼稚園、保育所の制度の一元化という問題については、どのような論議がなされているのか、また本懇談会から一元化構想が期待されていいのかどうかお伺いします。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) この懇談会を設けました趣旨は、先ほど申しましたように行管の勧告にあるわけですが、行管の勧告自体は本来幼稚園と保育所は制度的に別なものであり、別々の機能を持ってスタートしたものであるという前提で、両者の言ってみれば調整ということを考えなさいという趣旨ですから、そういうことからいたしますと、この懇談会からいま御指摘のように、言うところの幼保一元というような結論を率直に期待することはなかなかむずかしいんではないかというふうに思うわけでございますが、ただ、ずっと議論の過程を拝見していますと、いままで申しましたように、それぞれ拡充整備し、教育の内容をどうしていくかということの議論の結果として、やはり幼保一元化ということも一つの検討の課程だなあというようなニュアンスで、議論のあることは事実でございますが、それがこの懇談会の、繰り返しますが、本来の趣旨として議論されているというものではないように見ておるわけでございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 大臣にお尋ねをしますが、この懇談会は幼保一元化構想について正面からいまおっしゃったとおり議題としてはないようでありますが、幼稚園及び保育所の関係団体を初め、多くの政党は幼保一元化を主張しております。これに対して大臣はどのような御所見をお持ちでしょうか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(谷垣專一君) その一つのあれといたしまして、先ほどの懇談会をお願いをしておるわけでございますが、懇談会がこれからどういうふうな結論を出されるか、あるいはどういうところに御議論が集中していくかということにつきましては、いまこちらから余り予測はせぬ方がいいと実は思っておりますが、いままでの状況では幼保一元化という問題も議論はされておるようではありますけれども、初めからその問題に終始をしておられるわけではなさそうでございます。しかし、私たちは幼保一元化の問題についても、せっかくのお企てでございますので、御議論をいただきたいものだと実は考えております。  それじゃ文部省として幼保一元化についてどう思うかということでございますが、これはやはりその懇談会の御意見を、せっかくこういう形で設けておりますので、それを待たないで御議論するわけには私はまいらぬと思います。ただ、現実の対処の仕方といたしましては、やはりこれは両方のそれぞれの目的なり、設置のあれがございますので、ただ、先ほど来政府委員の方から答弁いたしておりますように、地域的な非常なばらつきがあるという問題がありますし、あるいは幼稚園の場合ですと、保育と違いまして、一定の時間幼稚園で教育をいたしますけれども、後はそれぞれの自宅に帰すわけでございますし、保育所の場合はそういうわけにまいらない事情がございまして、家へ帰っても母親がいない、こういうことであるようなことがございますが、そういう場合の一つの調整案として、幼稚園に付設して保育所のようなものが置かれていけば、幼稚園が終わりました後もそこで保育が見られる、こういうような一つの、基本的な解決にはなりませんけれども、そういうような一つの調整案のごときものがかなり出てきておることは事実でございます。これはこれとして一つの動きとして、私たちもそういうものを注目していきたい、こういうふうに考えております。制度的にこれをいまどうこうということは、相当これは大きな問題がございまして、もうちょっと懇談会の状況もひとつ十分注目をしながら、その後にしていかなければいけないんじゃないかというふうに考えております。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 大臣が昨年の十二月の十四日、決算委員会でしたか、この幼保の一元化の問題なかなか結論の出しにくい問題があると。いま一つ二つお答えになったようでございますが、そのほかに何か問題が具体的にあったらひとつお示し願いたいと思います。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(谷垣專一君) よく世上で何と申しますか、これは役所が違っておるから、両方で子供たちを取り合いしているというような御意見を、言ってみますと冗談めかしてお話を聞くこともあるわけでございますが、そういうふうなものが問題の重要な点になっておるとは私たちは考えておりません。やはり保育は保育としての必要性から出てきておりますし、幼稚園は教育的な問題を含めて出てきておるわけでございますので、それはいろいろな問題があることもあろうと思いますけれども、要するに制度として出発いたしますときからのあれが違うというところに、私は大きな問題があるのではないか、こういうふうに考えます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 私たちはすべての幼児がひとしく高い集団保育を受ける機会をつくるように、抜本的な制度改革を主張しているわけでございますが、そういうような観点からしますと、行政管理庁の勧告は、あくまでも現行の二元行政の徹底を図ることにとどまっておるようでございますから、これを受けた本懇談会の任務もおのずから限定されており、私は不満と言わざるを得ないわけでございますが、そういうことから文部省としては、幼保一元化の構想の上に立った、新しい保育制度を樹立するための国民的な検討機関を樹立する必要があるんじゃないかと思うんですが、この点について文部大臣の御所見をお伺いをいたします。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(谷垣專一君) 問題がいろいろこういうふうに提起されておるわけでございますので、私はそういう企てがあってしかるべきであろうと思いますが、私たちといたしましては、いま申しましたように、それぞれの専門家の方をお願いをいたして、懇談会をやっていただいておるわけでございます。それで、もうその懇談会はだめだからこういうふうにしろということを、私たちの口から申し上げる筋のものでは私はないと思います。また、懇談会は懇談会で幼保一元化を無視してやっておられるのではないのでありまして、幼保一元化のことについても議論を闘わせながらやっておられるわけでございますので、これを見守って、その結論をどういうふうに出していただくかということの後に、いろんな問題を考えていかなきゃならぬのじゃないかと、私はいま当分そう思っております。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 最後に、モスクワのオリンピック問題についてお伺いをいたしますが、アメリカを中心としたモスクワオリンピックのボイコットも行われておるようでございますが、日本政府もJOCに事実上の不参加を求める見解を先月二日に発表をして、JOCにもその要請を行ったようでございますが、その後アメリカの同盟国であるイギリスが最近になって参加を決定しておりますけれども、政府はこのままアメリカ追随でいくつもりでおるかどうか、お聞かせを願いたいと思います。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(谷垣專一君) 御指摘のように、私たちはこの二月一日に、ちょうどレークプラシッドにおきまするIOCの総会に、日本におられるIOCの委員の方々が出発をなされる前、あるいはメキシコシティーにおいて開かれます世界各国のNOCの会議に、日本を代表して行かれる方々の出発されるまでに、その直前にちょうど適当な時期であると思いまして、政府の意向を表明してお伝えをしたわけでございます。  大変長いようで恐縮でございますが、その意向は「オリンピック大会は、本来スポーツを通じてより良き、より平和な世界の建設に助力し、国際親善を作り出すことを目的としている。したがって、モスクワオリンピック大会について、政府はソ連のアフガニスタンへの軍事介入、これに対する厳しい国際世論等に重大な関心を払わざるを得ない。日本オリンピック委員会は、この事態を踏まえ、諸外国の国内オリンピック委員会と緊密な連携をとって、適切に対処されたい」と、こういう意向を伝達をしたわけでございまして、JOCの委員長は、こういう私たちの意向に対しまして、「JOCは、オリンピック憲章の根本精神にのっとり、オリンピック大会は世界の若人が友好と平和裏に安心して競技できるふん囲気と状態のもとに開催されなければならないと確信する。JOCは各国のNOCと連携を取りながら、この趣旨を確保するよう強くIOCに要請したい。」と、こういう意向を公表をされた、こういう順序と申しますか、経緯があるわけでございます。  それで、官房長官等から申し上げておりますように、いま私たちの意向は、この当時の意向と別に変更はないわけでございます。したがいまして、先ほど委員からお話がありましたように、日本がアメリカの意向にそのまま右へならえをしておるというのとは、これ意向をお聞きいただければおわかりになるように、そういう趣旨のものとは苦干違って、オリンピック本来の、オリンピック憲章の目的、条章といたしておりますものの上から考えてみて、議論をいたしておるわけでございまして、当然、したがいまして、私たちの意向は意向として申し上げておりますが、オリンピックに参加するか否かの決定はJOCがすべきもの、こういう見解に立っておるわけでございます。ただ、ここで申し上げておりますように、アフガニスタンへのソ連の軍事介入という問題という事実が、どういうふうになるかという、外部要因としての非常な、ここで言っておりますことの状況がどう変わっていくのか、あるいは世界各国のもちろんNOCの対応がどうかというような問題、先ほど委員からお話がございましたように、イギリスのNOCがどういうふうな判断をしていくかというような問題等いろいろございます。したがいまして、御存じのとおりオリンピックのエントリーは五月二十四日が最終的に参加するか否かということを決定するその時期になっておりますので、だんだん時期は迫っております。したがいまして、JOCがどういうふうな判断をいたしますかということは、これからますますいろんな状況が出てくる可能性もこれ考えなきゃならぬと思いますけれども、そういう状況を、やはり私たちといたしましてはよくその状況を判断をして、またJOCの方にもそういう情報が私たちの方へ参れば、そのこともよく連絡をしてやってまいると、こういうところでございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 最後に、一方アメリカの方では、アメリカが中心となって、モスクワオリンピックをボイコットするというかわりに、開く予定にしております国際スポーツ祭典の準備会議への出席要請が日本にあったようでございますが、日本は出席を断ったようでございます。このことは、モスクワオリンピック参加問題について、もう少し事態の推移を見て、世論を配慮して慎重な姿勢を見せ始め、場合によってはモスクワオリンピックへの参加もあり得ると、政府はそのような意思表示のあらわれであると、このようにとってもいいかどうか、御見解をお聞かせ願って質問を終わります。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(谷垣專一君) アメリカの方からモスクワオリンピックにかわります代替のスポーツの競技大会ということになると思いますが、それの準備をするために日本への参加が内々あって、それは断っておるという状況を外務省の方からの連絡で私も承知をいたしております。そのことがそれならば、日本のモスクワオリンピックに対する態度を何というか、変えたというか、あるいはまた参加しないというのか、参加するというのか、という問題とは少し私は違っておるのではないか。つまり、二月一日の私たちの考え方は、そのまま今日続いておる、こういうことであろうと思います。

亀長友義自由民主党・自由国民会議

○主査(亀長友義君) 以上で和泉君の質問は終了いたしました。  次に内藤功君

内藤功日本共産党

○内藤功君 高等学校進学者の急増対策についてお伺いしたいと思います。  この春、中学校を卒業するほとんどすべての生徒が、高校進学を希望しておるという状況であります。複雑高度化する社会において高校までの教育を受けたい、これは人間としての生きていくための当然の要求であります。また、子供たちの健全な成長というものを願うすべての親の共通の願いでもあるわけであります。  そこでお伺いいたしますが、高校教育が事実上準義務教育化したという現状におきまして、また昨今地方自治体における深刻なる財政危機という状況のもとにおきまして、高校進学希望者の急増対策については、地方自治体はもちろんのことでありますけれども、国の教育行政に責任を持つ文部省として、教育の目的遂行に必要な諸条件の整備、確立ということに責任を持つ文部省として、最大限の努力を払う、言葉を強めて言えば、このために蛮勇をふるうということが非常に大事だと私は思っておるんですが、大臣のこの点についての御認識をまずお伺いしたいと思います。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(谷垣專一君) 御指摘のとおりだと思っております。ただ、現実には高校に対します進学率は非常に高度の率を示しておりますけれども、やはり義務教育である小・中学の場合と高校の場合とは、いまだ義務教育という形になっていない高校の場合は、これは大分条件が違わざるを得ないのではないかと思います。高校教育まで、そこまでの高い比率を示しておる状況であるから、これを義務教育化してしかるべきではないかという議論も出てまいりますし、私たちも重大なその問題については関心を持たざるを得ないわけでございますけれども、これはこれとして立法論としての段階であろうと思います。したがいまして、ただ現実問題として高校進学の要望が非常に強いわけでございまして、しかも、それが人口の急増しておる、人口集中の激しいところで特に問題が先鋭化しておるということでございますので、これは私たち高校におきます私立高校の役割りというものも十分考えながら、対策を講じていかなきゃならない、頭の痛い重要な問題であると、こういうふうに認識をいたしております。

内藤功日本共産党

○内藤功君 確かに私立高校の問題と表裏の問題でありますが、私立高校の問題は後でお伺いすることにしまして、文部省として把握している状況認識をお伺いしたいわけですが、高校普通科における一学級の定数基準と、学級数の規模はどうなっておるか、これはまあ公立、私立別に具体的な数字をもって御説明をお願いをしたいと思います。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸澤正道君) ちょっと概略の数字で申し上げて恐縮ですけれども、高等学校の一番新しいのは五十三年度くらいの入学者だと思うんですけれども、大体総入学定員が全国的に言いますと百五十万くらいなんですね。そのうち欠員ですね。定数とその実員との欠員数というのが三万七千くらいたしかあるはずなんです。それで逆に、過年度中学卒業者ですね、要するに中学を本当に浪人しているかどうか、あるいは本来希望の学校へ入れずにほかの学校に入って次に入り直すというのも相当いるかと思いますけれども、そういう過年度卒業者が約一万くらいいるという実態でございまして、全国的に見ますとそういう実情だということなんですけれども、問題は、いま御指摘のように、東京とか大阪とかいう大都会ですね、ここでは確かに非常に全日制普通課程に入りたいということでありますんで、東京なども実績としては相当の過年度卒業者が入っているというような、中学浪人的なものが出ておるという実態だと思うのですね。  一方、一学級の学級編制はどうなっているかといいますと、いま高校標準法では、これは全日制普通課程の場合は四十五人となっておりますけれども、特別の事情がある場合はそれによらないことができるということになっておりまして、五十五年度では、東京都の百六十校以上ある高等学校のうち九〇%以上は四十七人までにしようというようなことで、いまやっておるようでございます。大阪も同じような歩調をとっておるということで、これはいわば本則に対して、過渡的例外措置だと思います。  一方高等学校の子供がこれからどれだけふえるかということなんですけれども、これが五十四年の中学校の総数が約四百九十万なんですね。これが六十一年になりますと五百九十万で、百万ふえるわけです。それがいまのような進学率でいくと約百万くらい高等学校がふえると、そのふえ方も大都会に集中するということですから、率直に申しまして、東京や大阪その周辺の県では、今後高校急増対策にいかにして施設設備を間に合わせるかというのが非常に大きな課題であって、いまおっしゃったような学級編制も過渡的にある程度それはやむを得まいというふうな私どもは判断をしておるわけでございます。  なお、つけ加えて私立高校のことを申しますならば、東京都の私立高等学校の収容割合というのは五六%くらいなんですね。約六割近いわけで、これまでの実績から言いますと、やはり私立高校についても相応の協力をしてもらって、できるだけその進学希望者に道を与えるというようなことでやってきておるというのが実情でございます。

内藤功日本共産党

○内藤功君 いまお話の出た東京都、大都会の最も代表的なものですが、実態をいろいろ聞きますと、本当に深刻な問題ですね。いまお話しのように、この四十人学級というのは大勢だと、世論の流れだと。しかるに東京都の教育長はみずからその世論に逆行する愚挙だと自分でもそう自認せざるを得ない状況ながら、既設校と今年開校の六校を含めて一クラス四十七人と、こういう数字をいま出さざるを得ない。学級数も最大の十学級と、こういう現状であります。にもかかわらず、今春の中学卒は昨年よりも一万人ふえまして、従来の都の長年のスローガンであったこの「ふえる子どもは増設」でということは実現されていない。その結果、ここに私は三月十五日付の読売ですけれどもね、ここに東京都の中学校長会の調べが出ているんですけれども、都の中学校長会の調べでは、結局最終的に約九百二十人が未決定者として残るであろうと。このままにしておきますと、進学を一年延ばす中学浪人は二百人を上回って、去年よりさらに多くなる。去年が百八十五人、これを軽く超す、こういう見通しを持っているようです。  大臣に伺いますが、このいわゆる中学浪人の大量な出現、この現象についての大臣の御認識、お考えをここで伺っておきたいんです。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(谷垣專一君) 高校の収容施設が不十分であるという大きな理由が一つあることだと思いますが、そのほかにも、自分の目指す高校へ行きたいと、こういう気持ちも片一方はあると思います。その間のアンバランスをどういうふうにして解決するかというところが問題であろうと思いますが、とにかく高校への非常な希望が多いという現実は、これを何とかこなして受け付けてやっていかなきゃならぬという、その基本認識は私も持って、実は先ほど申し上げましたように、頭の痛い重大な問題だというふうに考えているわけでございます。

内藤功日本共産党

○内藤功君 そこで、これが今春だけの現象じゃなくて、これから先を少し見ますと、五十七年にこれは減少が見られると、以外は今後十年間にわたって増加が続く一方で、今年度の小学二年生の子が進学するときには、二万七千人の増加が予測されると、こういう数字であります。一方、高校増設の計画はどうか。四十九年当時の都の計画によると、昭和五十五年度までに七十校増設、現状ではいまだわずかに三十八校の建設であり、五四%どまり。特に五十三年以降は計画の五〇%から三五%という線になっております。この状況は、言うなれば今後十四年間にわたり、百数十万の子供が劣悪な教育環境、教育条件のもとに置かれるという数字でありまして、教育荒廃の非常な温床をつくっているようなものであります。また、何とか新設した高校、これは非常に努力をしてつくったわけですが、ここではいろんな問題抱えていまして、たとえばことし六校開設したんですが、自校開校は一校のみです、これは日野市にある。あとの五校はいわゆる仮校舎ですね。高校生活三年のうち、自分の学校での生活は一年だけというようなことにもなりかねない。  それから、私は実際に自分で電車に乗って通ってみたんですが、通う子のためにと思って自分で電車に乗って、バスに乗ってみたんですが、一つ例を挙げますと、この通学距離の問題が非常に深刻であります。大森東高校というのが開設をした、大森というから大田区、東京の南の方なんです。ところが、これが足立区の足立新田高校——昨年四月に開校しまして、これは荒川の川っぷちにありまして、北区の中にその部分だけ入り込んでるんです。東京の一番北の方だと言っていいです。さいはてのところです。ですから、蒲田の子供が京浜東北電車でもってずうっと東京を南北に縦断して通うと、そして王子あるいは赤羽でおりまして、王子から都バスで十五分ぐらい、赤羽からは国際興業バスといって、これはもう非常に不定期なバスです。恐らく乗り換え、乗り継ぎの時間を考えてみると、一時間半ぐらいです。運輸委員会じゃないから、余り詳しくそういう運輸の面で言うわけじゃないが、一時間半ぐらいかかる。これは大変であります。しかも、少なくとも上野あたりまでは相当な混雑の時間帯ですね。私、実際に乗ってみまして、非常に深刻な感じを受けたわけであります。これらの点について、あなた方の御認識をひとつ新たにしておきたい。時間の関係でこれについては特に答弁求めませんが、特に強く大臣並びに関係の局長に申し上げておきます。  そこで、高校増設が計画どおり進まない要因としましては、財政の悪化と用地入手の困難と、これらが知事を初めとして言われているわけであります。事実これは深刻です。用地の問題では、やはり教育大の駒場だとか、祖師谷農場だとか、いま大きく筑波大の跡地の払い下げの問題が起きています。それから、東京都内の軍事基地の跡地などの優先払い下げなど、こういった国の援助がぜひ必要だろうと思っているんです。  そこで、大臣に、お伺いいたしますが、いま具体例で示したように、生徒数の急増地帯における公立高校増設の建設補助の特別措置を決めた昭和五十一年当時の状況は、いま私の話によってもあらわれているように、基本的には改善されているわけじゃないんですね。むしろ増幅しているとさえ言える。少なくとも五十一年当時の状況は基本的に変わらず、存続を続けているというふうに考えるんですが、大臣のこの点の御認識を承りたい。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(谷垣專一君) いま先生の御指摘のその状況に対しまする認識は、私も一緒でございます、同じでございます。

内藤功日本共産党

○内藤功君 そういうことになりますと、これはまあ最後に大臣に強く要望ですが、いま五十五年度予算の審議でありますが、同時に、この五十五年度予算審議の最終段階においては、続く年度の大きな腹づもりもしていかにゃならぬ時期だろうと思う。まあ大臣の腹案として、これからどうしていくかということが当然脳中、腹中に去来されておるんだろうと思います。またそうでなければならぬ。そうしますと、いま公立高校を増設するということに非常に熱意を持って取り組んでいる東京都その他の関係地方自治体の関係者、あるいは子供を持つ父母、あるいは教育関係者という方々に、一つのいろんな努力の目標というか、希望というか、光明というか、これを与えてやる意味でも、やはり文部大臣、あなたが次年度に向けてのこの点についての国の政治姿勢、あるいはあなたの腹づもりという面で、こういうふうに積極的におれはやっていくぞと、財政当局に対しても、この財政環境の中でこういうふうにやっていくぞという一つの気概というか、精神がなきゃならぬと思うんですが、そういった面をひとつお聞かせくださいませんか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(谷垣專一君) 御指摘のとおりの状況であることは私も先ほど申し上げましたとおり認識をいたしております。しかし、大変どうも何と申しますか、私が官僚的な答弁をしたようなことでおしかりを受けるかもしれませんが、いままあ五十五年度の予算を御審議を願っておる、いずれこれは早く可決をしていただかなきゃならぬ問題でございまして、その後で当然五十六年度以降の、ことにこの問題は五十六年度予算に新しい体制をどうするかという問題が入りますので、五十六年度の予算編成の方針を決めていかなきゃならぬことでございます。これはいずれこれが済みましたら八月までにはその態勢を整えてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。これはまあ御存じのとおり、いま言った人口急増あるいは高校への進学の希望、こういう問題がございます反面、地方の財政も非常に厳しい、また国の財政も非常に厳しいという、相矛盾する状況があるわけでございます。しかし、教育を担当いたしております文部省といたしましては、文部省としての主張を持っていかなければならない、こういうふうに考えておりますが、まだちょっと五十六年度どうするかというのをいまここで私が申し上げますのはもう少し時間をかしていただきたい、かように考えております。

内藤功日本共産党

○内藤功君 次に、私学の公費助成の問題、高等学校中心に伺いたいと思います。  さっきも言いましたように、公立学校の増設問題と表裏の関係に私立高校の問題はある、特に東京の実態ではそうだと。私のいろいろ聞き、また陳情を受けておる東京都の実態について言いますと、東京の高校生の約六割が私立の高校に修学しておるという状況であります。私立高校を抜きにしてこの大都市の高校問題を語ることができない。ところで、最近、高校進学に当たって、公立の入学希望が、特に昨年ごろから非常に急増しておるのが特徴であります。私のところにいま提示するのは、ある公立中学の五十四年度卒業生のアンケートの例であります。これによりますと、昨年の調査で、卒業者の八八%が都立高校を希望してる。その理由をずっと分析してみると、一番多いのをずっと言ってみますと、一が、兄弟姉妹のうち上の子が私立にすでに入っているので、下の子は私立にはもう家計上絶対にやれないと、どうしても公立に行くしかない、絶対絶命だという。二番目は、中小企業者などの場合に営業が大変で、家計上私立は無理だ。三番目が、一度仲間に誘われて、まあ先生からおとがめを受けたことがあって、私立は絶対に入れてもらえないので公立へと、こういうふうな理由が挙げられておりました。  こうした傾向を裏づける私立高校側のデーターとして、これは宗教的な法人の関係しておられる学校ですが、駒込の高等学校というのが文京区の千駄木にあるんですが、この高等学校の経営者と、それからそこの職員の方がつくっておる公費助成についての推進本部があって、そこのアンケートです。非常に詳しいアンケートですが、御紹介をしますと、この駒込高校の昭和五十四年度一年生、二百四十七人、回収率七〇%、このアンケートで見ますと、当初から公立を希望しなかった——ここは私立高校ですけれども、当初から公立を志望しなかった人は二五%、ほかの七四%は公立を希望し、あるいはぜひ公立をと希望しながら私立に入ったと、こういう人であります。七四%のうちで公立を希望した理由のうち一番多いものをずっと見ますと、これはもう私立は学費が高いからというのが圧倒的な多数だと、こういう数字であります。  そこでお伺いいたしますが、昭和五十五年の東京の私立高校の新入学生徒の授業料、入学金、施設費などなど、いわゆる初年度納入金は総額で大体東京都の場合平均額幾らだというふうに把握をしていらっしゃいますか。私のつかんだ数字もありますが、文部省としての数字ございますか。

三角哲生文部省管理局長

○政府委員(三角哲生君) 東京都の方に間い合わせまして持っております数字でございますが、五十五年度の入学者が入学時に、第一学年のときに払う入学料とか、施設費とか、そういうものを含めた数字は、授業料とそういうものも合わせまして、五十七万六千円程度というふうに承っております。

内藤功日本共産党

○内藤功君 大体そういう数字ですね。もう私立大学と余り差がなくなってきているという状況だと私は思うんです。  先ほどの私立の高校のアンケートでは、五十三年の年収額、税込みで、副収入含みまして、四百万円以下の家庭が五七%を占めているというさっきの駒込高校のアンケートです。そういう決して裕福と言えない家庭の人が多数を占めている。いまのお話でことしの納入金が五十七万円、去年ですと、その割りですと、五十五万円、通学のための交通費は年間五万円と言われてますから、いわば通学するだけで六十万円かかると。四百万円の年収の家庭ですと六十万円というのは一五%が子供に使われている。百万円下げて三百万円の御家庭ですと二〇%を占めると、こういうことになる計算であります。事実、この同じアンケートでも、「私立高校に入学して、学費は家計を圧迫していますか。」という問いに答えて、二五%がそれほど圧迫していない。七四%が圧迫していると答えています。この実態が示しているように、いが私学における最大の問題は、この父母負担の軽減と、学資の公私格差は少しでも縮めるということになると思うんです。  そこで、最後に大臣に質問ですが、第一に、これは私立学校の経常費に対する補助の一層の充実、大幅な増額というものを実現をするために、この点でも大臣はひとつ政治力を発揮し、また蛮勇をふるい、大臣は本来、文部大臣は初めての仕事でありましょうが、ここでひとつこういうことをおやりになったという実績を残していかれるべきではなかろうか、その御決意を伺いたいことと、関連をしまして、私学の補助を要求する請願は、私ども国会に参りまして驚いたんですが、ここ数年来両院を通じて最高の数字ですね、私立学校に対する助成をやってくれというのは。私はさように認識をしております。請願の趣旨は尊重されなければなりません。こういう観点から、父母負担の軽減と公・私立間の格差の縮小をということを図るために、授業料等の学費に対する直接的な助成、これは父母負担の軽減というように呼ばれておるのでありますが、これをぜひ、昭和五十五年度は概算要求にも織り込まれませんでしたが、次の機会に、大臣としてこれはひとつ大蔵省にも強力に要求をするということを私はお願いしたいと思うんです。これはたしか昭和五十四年度概算要求の中では十五億円を概算要求されたことがあります。それに先立って衆議院の文教委員会の御決議で、授業料の直接補助を国としてもこれはやるべきだという御趣旨の決議があったやに私は伺っております。諸外国の例を見ましても、いわゆる経常費の補助だけじゃなくて、授業料補助という形をとっておる、あるいは併用しておる国の制度があるというふうに聞いております。父母の運動、あるいは関係者の運動の中でも切実な要求であります。  かような点の二点を私は最後に大臣にお伺いをして、大臣の積極的なひとつこれに対するお取り組みの姿勢、意気込みというものを伺っておきたいと思うんです。余り官僚的な答弁じゃなくて、ひとつ腹を持って、政治家谷垣專一ひとつどう考えるかということを言ってくださいよ。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(谷垣專一君) 御指摘の点が二点あるわけでございますが、いわゆる私立学校に対します経常費補助の問題、これはことしのお願いをいたしております五十五年度の予算、昨年度に比べまして大体一七%近い伸びで七百億ことし五十五年度には計上してお願いをしておるわけでございます。この問題につきましては、先ほど来の高校の問題もございますし、これは全力をひとつ尽くしたいと考えております。  問題は、第二点の問題、いわゆる直接補助の問題でございます。私まだ経緯は十分検討を、私自身の検討をまだもう少ししたいと思っておるわけでございますが、直接補助に対する御要望もかなり強いことは、今度の国会あるいは前の国会等通じまして、私も委員会等におきましての論議を通じて承知をいたしております。おりますけれども、これはなかなか私は問題むずかしいと思っております。それは、要するに直接個人補助という形の補助形態をとるところが一つ問題であろうと思います。もう一つ、高校生に対しましていわゆる育英資金と申しますか、奨学金と申しますか、そういう制度があるわけでございます。これはもちろん後で返さにゃならぬという問題はございますけれども、一つのこれにかわるべき制度として考えていかなきゃならぬ問題だと思っております。もう少し私もこの点は検討いたしたいと実は思っておりますけれども、しかし、いまここでそれじゃひとつ直接補助に踏み切れということは、ちょっと私はまだむずかしいと思っております。  御指摘のような高校の問題ことに人口急増地帯におきます高校の問題の重要性というのはよくわかりますし、私立高校の持っております役割り、分担もよく承知をいたしております。未熟ではございますけれども、十分にひとつ努力をいたしたい、かように考えます。

内藤功日本共産党

○内藤功君 いままでの経緯をよく自分なりに整理をし、検討したいと思っておるということを承りました。ぜひそうしていただきたい。  そこで、私は大体そういう御答弁であろうと思っておったんですが、たとえば、そうむずかしいことを言っているわけじゃない。昭和五十四年度予算に対して概算要求した内容というのは、とてつもないものじゃないんです。十五億円である。授業料の全額または半額免除。対象者は第一学年一〇%、第二学年以上二%、補助率は定額(三分の一相当)、こういう内容ですね、私の知る範囲では。決して大きなものじゃない。ごくごく初歩的なものですね、これは。それから、そう余り深く深く考え過ぎる必要はないと思うんです、私は。それから、当院ではないが、第一院である衆議院の文教委員会の御決議にあったということは、これはやっぱり推進する上の一つの重要な足がかりになるだろうと思う。経過を御勉強なさるときにはいまのこれらの点も十分に加味してやられることを要求をいたしまして、私の質問を終わります。

亀長友義自由民主党・自由国民会議

○主査(亀長友義君) 以上をもちまして、文部省所管に対する質疑は終了いたしました。     —————————————

亀長友義自由民主党・自由国民会議

○主査(亀長友義君) 分科担当委員の異動について御報告いたします。  本日、吉田正雄君及び和泉照雄君が分科担当委員を辞任され、その補欠として広田幸一君及び柏原ヤス君が分科担当委員に選任されました。  明日は午前十時から分科会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十二分散会

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