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91回国会参議院1980/04/02

予算委員会第三分科会 第4号

発言数
216
登壇者
23
会派数
5
開催日
1980/04/02

会議録

下条進一郎自由民主党・自由国民会議

○主査(下条進一郎君) ただいまから予算委員会第三分科会を開会いたします。  まず、分科担当委員の異動について御報告いたします。  昨日、山中郁子君及び木島則夫君が分科担当委員を辞任され、その補欠として沓脱タケ子君及び柳澤錬造君が分科担当委員に選任されました。  また、本日、桑名義治君が分科担当委員を辞任され、その補欠として渡部通子君が分科担当委員に選任されました。     —————————————

下条進一郎自由民主党・自由国民会議

○主査(下条進一郎君) 昭和五十五年度総予算中、農林水産省所管を議題といたします。  これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。片山甚市君。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 わが国の食糧自給率は先進諸国間で最低であるということでございますが、そのとおりでございましょうか。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○政府委員(渡邊五郎君) お答えいたします。  わが国の食糧自給率、いろいろ作目によって異なりますが、わが国の特徴を多少述べさしていただきますと、野菜なり果実あるいは肉類、鶏卵等の生鮮食料農産物につきましては大部分を国内生産で賄っておりまして、米については一〇〇%ということで、主食用の穀物については六八%の自給をしております。ただ、わが国の場合、特徴といたしましては、飼料穀物——えさ用の穀物でございますが——を含めました穀物全体の自給率は現状では三四%となっております。  したがいまして、この状況を西欧諸国と比べますと、わが国の自給率は野菜、果実等におきましては高くなっておりますし、また畜産物についても同程度でございますが、穀物の自給率、先ほど申しましたえさ用の穀物を含めました自給率では西欧諸国より下回っておるというのが現状でございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 そうすると、アメリカの対ソ穀物輸出禁止措置に見られるように、食糧が石油と同じように戦略物資であるということについては間違いございませんか。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○政府委員(渡邊五郎君) お答え申し上げますが、先般、アフガニスタンの問題に関連しまして、アメリカにおきまして食糧の禁輸措置というふうな形で外交的手段に用いられたというのは、最近でも非常にまれな例のようにも思います。ただ、そうした事態があるということは承知しておりますが、食糧全体が現在戦略的あるいは外交的な手段で輸出入等が図られるというふうには考えておりません。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 めでたい限りでございまして。それを覚えておきなさいよ、忘れぬように。泣き面かかぬように。そんななまやさしい世界情勢じゃないんです。  と申しますのは、八〇年代後半には世界の人口の増がありまして、三月十五日現在で大体四十五億だと言われてますが、二十億から三十億になるまでには三十二年かかってます。その後、三十億から四十億になるまでに十四年しかかかってません。五十億になるのには大体五、六年だろうと推計されておる。これから後、寒冷化あるいは食糧不足などが必至だと言われるときに、わが国の食糧の供給の実態が十分に知らされておるかどうか。これはどうでしょうか。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○政府委員(渡邊五郎君) 世界の人口なり食糧生産の関係からお答え申し上げますと、御指摘のように、現在四十億人ぐらいの人口と言われております。今後、一九九〇年には約五十二億人、二〇〇〇年には六十一億人になるというような見通しもあると聞いております。それに対する食糧生産の問題は、相当の増産が図られるべきだということは、長期的に、御見解があるところだと思います。  ただ、現状におきまして食糧の世界的な状況を見ますと、先進国におきます相対的な過剰、開発途上国における不足というような状況がございまして、わが国におきましてもこうした先進国の一つとして、生産の事態が需給の調整を図らなければならない生産のあり方という観点で、現在米を初めといたしまして農業の生産の再編成を図りまして、需要に応じた生産を図っていくということによって自給力を高めていこうと、こういう考え方に立っておるわけでございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 いまお話がありましたけれども、南北の関係では開発途上国の食糧の問題等については非常に不足をしておることは御承知のとおり。日本の国が、いまお話があったように、穀物における自給率が先進国でも最低であるということはわかった。その他外国から飼料を買って、そして鶏を飼ったり豚を飼っていることも事実です。そういうことで日本の国民の生活の状態を見るときには非常に不安定だと思うんです。戦争という状況がなくても、政治、経済的な局地紛争や、アメリカなどわが国への食糧の供給をするところが港湾ストをやるとか、あるいは交通ストをやるとかということで供給がストップするような危機がある。たとえば昭和四十七年の大豆や飼料のパニックが起こりましたが、あのときのような場合に、政府は国民に対して不安を与えないだけの食糧の備蓄をすでに行っておると、こう言明できますか。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○政府委員(渡邊五郎君) 確かに御指摘のように、かつてそうした食糧の危機問題がございました。農林水産省としましてもそうした経験にかんがみまして、少なくとも短期的な需給不均衡が生じた場合の供給対策、供給が一時的に阻害されるような事態に備えまして、現在でも食糧用の小麦につきましての在庫につきましては二カ月程度、あるいは飼料穀物の備蓄につきましては、トウモロコシ、コウリャンにつきまして配合飼料供給安定機構によりまして約四十万程度の備蓄をいたしております。大麦につきましては食管特別会計で措置しておりますが、そのほか大豆の備蓄につきましては大豆供給安定協会というのをつくりまして備蓄対策を講じております。したがいまして、御指摘のような港湾スト等の問題に対処しての短期的な対策としての備蓄対策というのは、農林水産省としてもできるだけの措置をしておるわけでございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 安全保障というのは人間の命のことでありますが、人間の命というのはいわゆる食べていけることが原則です。皆さんが安全保障と言うと、軍隊を持って攻めていくとか攻められるとかいうことを安全保障と言うそうですが、私は、私のことはですよ、大臣に答えてもらおうとは思いませんが、とにかく安全保障というのは、まず戦争が済んだときに食べるものがなくてイモのつるを食べたりした思い出があるんです。すいとんを食べるんでも食べられなかった。雑炊を食べるのに並ばなきゃならなかった。このごろの人人はそういうことを忘れてしまっている。日本の国には食糧があり余っておるんじゃないかと誤解をさすような政治をしておって、米が余るだの何が余るだのと言っておるけれども、二千九百万トンも穀物を買わなければならないようになっておることについては、もっとやはり政府自体が物を言うべきじゃないか。石油がなければアメリカの農産物はできないんであります、飛行機で種をまいたり、トラクターでしておるんですから。省エネルギーと言うんなら穀物もちゃんとそのうちの一つでありますから、これは私が言わなくても大臣わかっていますが、私は次のことについてお聞きしたいと思う。  農水省が非公式に計算したわが国の食糧のオリジナルカロリー自給率によると、牛肉は三五%、豚肉はゼロ、鶏卵もゼロということでございますが、このようなデータが国民に知らされているのかどうか。国民の命を守る上でこれを危機的な状態と受けとめるかどうか。いまのお話によると、いわゆるバラ色といいますか、大丈夫ですよ、こういう話ですが、大臣いかがでしょうか。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○政府委員(渡邊五郎君) オリジナルカロリーの点につきましては私の方からお答えいたしますが、いわゆるオリジナルカロリーと称されますのは、総合的なカロリー計算に基づきます総合的自給率の算定と私ども心得ております。そうした形で飼料の熱量等換算いたしまして畜産物等の迂回生産物につきまして加工した算定をいたしますと、現在五十二年度でこの私どもの試算したオリジナルカロリーは四五%程度と見ております。なお、これは別途第一次試算という形で長期見通しにつきまして、昨年の十一月農林水産省が農政審議会へ提出しました第一次試算の六十五年試算でも、このオリジナルカロリーは四五%程度というふうになっております。なお、先ほど申しましたように、輸入穀物の点につきまして申し上げますと、中小家畜の飼料用の穀物の大部分が輸入に仰いでいることは事実でございます。そうした関係から、穀物の飼料用を含めました穀物全体の自給率は、現状では三四%程度になっていることは事実でございます。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) いまいろいろ御議論をいただいておりますけれども、私どもとしてはいま日本の自給率が現在のままでいいとは決して思っていないわけであります。今後より自給率を高めていかなきゃならないということは私ども考えておるわけでございます。ただ、先ほど来官房長から御答弁いたしておりますように、すでに野菜においてもあるいは鶏卵においてもあるいは豚肉においても、これは大体自給しているわけなんです。ただ問題は、なぜその自給率が日本の場合低いかと。これは先ほどから議論がなされておりますように、結局穀物自給率が非常に低いわけなんです。それで穀物の場合には、穀物自給率がなぜ低いかと言えば、飼料用穀物がほとんど実は外国から入れているわけですね。ですから、これがもし卵にしたって豚にしたって、いまそれが入ってこないと今度は自給率が低下すると、こういうことになるわけでございます。そこで何とか飼料穀物を日本で自給できれば一番いいんでございますけれども、まあこれ正直コストの面でございますが、外国から入ってきておる飼料穀物が大体トン当たりトウモロコシにしても三万円前後である。そうすると、日本でトウモロコシなどを実際問題トン当たり三万円前後でつくるということはもう不可能だと私は思うんです。それはどうしたってアメリカであればトウモロコシをつくっているところが、四百ヘクタール以上のようなところでつくっているわけでございますから、日本ではそういう耕地をちょっとつくるわけにはまいりませんので、そういう点で非常に不可能だと思うのでございます。将来やはり国民的コンセンサスが、ある程度飼料穀物は高いものでも国内でつくってやはりそれで自給率を高めていけと、こういうことになってくれば、私ども当然そういう方向に農業を進めていかなきゃならないと思うのでございますが、残念ながらまだそこまで私は日本の国民の合意が得られていないと、こう考えておるものでございますから、やむを得ず飼料穀物は外国に依存せざるを得ないであろう。そうなれば、極力いまの話で備蓄も一カ月ないし二カ月しているわけでございます。この一カ月ないし二カ月の備蓄が少ないのか多いのかと、こういう議論ももちろんこれはあるだろうと思います。将来はやはり一カ月ないし二カ月のものを、よりもう少し三カ月なり四カ月なりに持っていくことも必要であろうと、こういうふうに思っておりますが、これも正直それだけの物入れが要るわけでございますから、財政的な問題もこれは伴ってくるわけでございまして、早急にはできないと思いますけれども、長期的に見ればそういうことも考えていかなきゃならぬと思っておりますが、いずれにしても、私ども決していまの現状でいいとは考えていないわけでございまして、今後も極力ひとつ農業の生産性を高めながら、そしてそれによってコストをより安くできるような方向に農業を進めながら、国民の合意を得つつ、より高い自給率を確保するために、できるだけこれからとも農業の生産においては国内で賄えるものは極力国内で賄うと、こういう方向に努力をしていきたいと考えておるわけでございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 大臣の方から穀物の自給率が低いと、で、大体六十年目標として三七%、六十五年目標で三〇%程度であろうと、耕地面積としては五百八十四・六万ヘクタール、六十五年では五百五十一万ヘクタールと、こういうようなことで耕地面積ですら減るようであります。私たちこのような事態を解決するために、どうしても国民がどう思っておるのかということになると、総理府が昭和五十三年の八月調査をしたところによると、国民の六七%が外国の食糧に依存せずに自給しなさいと要求し、同じ政府のデータでありながら、特に現在の農政が世論と逆行しておるんでないかと思っておるのですが、国民のコンセンサスというのは、やはり相当食糧にだけはやはり一朝事あるというのは単に戦争ではないんで、いろいろなアクシデントがあって船積みができない、日本に届かなければほかのものに代替がきかないという意味で、これはもう一度大臣から決意を表明願いたいと思います。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) これは国民のコンセンサスと私申し上げましたのは、国民としても食べるもの、口へ入れるものは、これはやっぱり私どももそう思いますし、国民もこれはみんな自分のところでできるだけつくってもらいたい、私どもつくろうと、こういう考え方だと思うんです。私が必ずしも国民的コンセンサスが得られていないのは、口で食べるものをつくるために必要な飼料穀物でございますね、これがたとえばこのごろ養豚においても残飯を集めてやっていただいている方も中にはあるわけでございまして、そういう地域もございますけれども、とにかくまあほとんどがいまの輸入飼料穀物に依存しておると、この輸入飼料穀物に依存するのをもしやめた場合は、大変高い今度はえさ代が結局コストの中に占められてまいりますと、それこそいま国際的にある程度競争力が出てまいりました豚あるいは卵、ブロイラー、こういったものももう大変高いものにこれは値段が価格的につくわけでございます。そういう点まで果たして私ども国民的コンセンサスが得られているのかどうかと、そういうことは余りお感じにならないで、とにかく何でも日本でそれは国内でできるものはつくってもらいたいというコンセンサスでありまして、その辺のコスト的な点まで十分含めたコンセンサスは私はまだ得られていないと、こういう判断をいたしておるわけでございまして、今後とも私どももそういう点もより国民に率直にお話をしながら、一体どうしたらいいのかと、こういう形でいかなきゃならない。本当に高い豚でもあるいは卵でもいいから、やはりえさも国内でつくれと、こういうことになれば、大変私どもは農業をこれから振興していく上にこれは楽なことでございますけれども、なかなかそうはいかないので、先ほど申し上げるように、われわれとしては生産性を高め、そうしてその中でもちろん飼料穀物も含めてより日本で自給力を高めていくことのできるものは努力をしていかなきゃならないと、こう考えておるわけでございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 大臣の飼料穀物についての意見はわかりました。  さて、生産農民は米が余ったから減反しなさい、しかも政府が奨励した牛乳、ミカン、豚肉、葉たばこなど生産過剰になると生産調整を強制されます。一体農業の将来展望をどういうふうに立てたらよいのかということでは農民は絶望しておる。生産農民に何をどの程度いつまでつくれという計画を明示をした上で自給率を高め、目標を国民に示さなければ、今日の農政では農業は荒廃する一方だ。いわゆる農水省の言っておることを聞いておると食べていけないじゃないかと。こういうことは一番端的に言えばミカンに示されるようなものでありましょうし、これはどうでしょう。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 大変むつかしいのは、完全な国家統制でありますれば、国がこれだけのものをつくりなさいという数量まで決めまして、そしてそれを割り当てて農家につくっていただく、そしてもちろんその数量の基本としては大体消費はこのくらいだと、こういう見込んで、また消費の方も配給制度でやれば、これはもう間違いなくいけると思うんでございますが、私どもはそういう体制をとっていないわけでございまして、農家を指導はいたしますけれども、ある程度の生産見込みというものを立てて農家のそれに対しては自主的と申しますか、主体性をもってやっていただいているわけでございますし、完全な私どもそういう統制をしていないわけでございます。ですから、その中では私どもの見通しについてももちろんある程度そごを来しておることもありまして、これは反省をいたしております。反省をいたしておりますが、正直私どもが見通しを立てた以上に、いまのお話のミカンでも相当できてきてしまっておるわけでございまして、そういう点ではまあ私どもの見通しの甘かったことももちろん反省をいたしておりますけれども、また農家の方々が決してそれなかなかむずかしいかと思いますけれども、やはりおつくりになる、それが自分で考えておつくりになる、あるいは農協が指導しておつくりになる、それがたまたまでき過ぎてしまったと、こういうことであろうかと思うんでございます。しかし、今後はそういう反省の上に立って私どもの見通しもより極力厳しく踏まえてやっていかなきゃならないということで、この間十一月に出しました六十五年度を見越しての長期見通し、いま農政審議会で議論をいただいておりますけれども、そのたたき台に出しましたのは相当厳しい需給見通しを立ててお出しをしておるわけでございまして、私どもはその結論を得た上でこの夏ごろには長期の見通しを立てなきゃならないと思っておりますけれども、今度こそは農家の方に決して御迷惑をかけないようなものをつくっていきたい。ただこれもしかしいま申し上げますように、私どもは長期見通しを立てますけれども、あくまでそれは一つの指針でございまして、その指針に基づいて農業団体がいろいろと御相談をいただき、まあ農家がよく御判断をいただいておつくりをいただかなきゃならないわけでございます。まあわれわれとしてはこういうものは絶対に相当不足いたしますよということは、いま水田利用再編対策で転作作物としてより特定作物としてお願いをしておる麦とか大豆とか飼料作物、これはもう本当に足りないということだけははっきりしておるわけでございますが、その他の問題についてもできるだけ将来余り間違いのない形でのひとつ見通しを立てたい、こう考えております。しかし、いま申し上げるように、指針でありますのでそういう点だけは誤解のないように御理解をいただきたいと思います。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 指針はよろしいが、農政という立場から聞いてますから、そのぐらいの程度だといういいかげんなものだということがわかりました。  食管制度についてお尋ねしますが、昭和十七年に発足し、戦前から今日まで消費者と生産者の利害を調整しつつ食糧の安定供給に果たした役割りは大きかったと思いますが、この歴史的な経過について政府はどのような見解を持つか。ところが自主流通米の導入、全量買い上げ制度の廃止、銘柄格差の導入など次々と食管制度の機能が骨抜きにされてきたと思います。その背景は何か、国鉄や健保と同じ理由で赤字だということからなっておるんでしょうか。まずそれをお聞きいたします。簡潔に答えてください。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 食管制度はただいま先生が御指摘がございましたように、国民の食生活の安定と農民の所得確保というために大きな役割りを果たしておると思いますが、制度発足以来食管制度を取り巻きます状況が変わってきておりますので、そのような状況の変化に対応しながらこの制度を運用をしてまいっております。  いま御指摘がございました自主流通米制度や買い入れ制限というようなものも、決して私どもは食管制度の本来を覆すようなものではなくて、このような環境に即した対応の仕方として出てきておるものというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、今後ともこのような環境の変化に対応した食管制度の根幹を堅持するという考え方で進めてまいりたいというふうに考えております。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 わかりました。  食管の赤字の実態、赤字というよりもむしろいわゆる生産者米価と消費者米価との間のいわゆる割り戻しという金額。軍隊をつくったり警察をつくったと同じで、国家安全の保障でありますからね。こんな赤字、赤字というなら自衛隊や警察はよほど赤字ですね。事故がなければ何で飯食ってああいうふうに兵隊がおるんですか、独立採算にならぬ。そういう意味で結局納得できませんが、食管の赤字の実態は資料によると昭和四十九年から五十一年までは八千億円の台で、農林予算の三〇%台を超え一般会計においても四%前後と高うございましたが、昭和五十一年から生産者米価の据え置きと消費者米価の値上げで六千五百億円台で農林予算の二〇%台になり、一般会計に占める割合は二%台に縮小されていますが、こういうような状態をどう受けとめられますか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 食管の赤字はただいま先生から御指摘がございましたように、単なる赤字ではなくて、やはり農民の所得を確保し、者に対して安定した価格で食糧を供給するというために必要な経費であるというふうに考えておりますが、ただ財政との関連というものを考えませんと、この食管会計自体の健全化を保つことができませんので、そのためにただいま御指摘がございましたような改善策を講じまして、財政負担の割合というものは漸次軽減してきておるわけでございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 いまお答えがあったように、やはり食管の赤字というよりは国民生活の安定のための支出、必要経費というように見るべきであって、いわゆるこれを一般の国鉄や健保のような形の赤字論を適用されることについては非常に心外だと、こう思います。これはもう大変、食管の問題についてはこれがあるためにかずのこのようないわゆる投機が行われなかっただけでも大変うれしいことだと思っておりますから、その点では農林省のお手柄と、こういうことで、今日国民生活が安定できとるのは食管制度やめろやめろというのをやめなかったということから起こっておると理解をしてもらいたいと思う、そこで、私は政府は財政再建の名のもとにこの食管の赤字をさらに縮小するために、生産者原価の抑制や消費者米価の引き上げによる逆ざやの解消にとどまらず、行政改革と称して管理費の削減を図ろうとしておりますが、食管制度における赤字とはいまおっしゃったように、国民の生死にかかわる主食の確保の必要経費でございますから、いわゆる利益やあるいは損益で赤字ということにならない、こういう意味で私が申し上げたことについては御同意を願いたいと思いますが、いかがでしょうか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 先生御指摘のように、食管の経費は単なる赤字ではございませんが、しかし、食管の会計を健全に維持するというために必要な措置はとっていかなければならないと思います。そのために生産者価格なり消費者価格につきましても、そのような財政事情も考慮した決定ということは起こってくるものというふうに考えております。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 大臣の方からお話がありました飼料の関係もございますが、食管制度の重要性は戦前の米騒動や戦後の米不足の時代を通じて十分に認識されておると思うし、ただいまもお話がありました。国民の食生活の習慣が変わったとしても、それでは国内の生産体制として小麦やトウモロコシ、ジャガイモにかえられるのかどうか。主食を輸入で賄わなければならないのは、輸出立国といって自動車や電気製品を無原則的に売りまくって、その逆手をとられてわが国の生活資源であるところのいわゆる穀物輸出国にすべてを握られているんではないか。私たち真に独立するとすれば食糧がある程度自給を堅持されなければならぬ、こういう立場でありますが、いかがですか。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 私どもいま小麦を正直輸入をいたしておりますが、それは日本から自動車その他を輸出をしたからその見返りでやむを得ず小麦を輸入しておるとは考えていないわけでございます。私どもとしては、極力小麦も国内でつくっていただきたいということでお願いをいたしておるわけでございまして、ところが四十年ごろから非常に高度経済成長になりまして人手不足も出てまいりましたし、いろいろの観点から小麦の生産が減ってきたわけでございまして、私どもは、いま新しい農政としては、そういう小麦はできるだけ今後はつくっていただきたい、国内でできる限りつくっていただきたいと、こういうふうにお願いしているわけでございまして、決して外国から言われて私ども小麦の生産を落としているというようなことはございません。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 時間が間もなくありませんので、二つほど聞きたい。  食管制度は、生産者には再生産の確保、消費者には家計の安定を図ることを目標にして、二重価格制度をたてまえとしておりますが、したがって独立採算制を原則とした赤字解消、すなわち行政費を含めた食糧管理費がゼロになるようなことはできない相談であると思いますが、現在の程度の食管経費は、国民の食糧確保の必要経費として認めるべきであると思いますが、大臣のお答えをいただきたいと思います。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 私ども、あくまで食管は主食を管理するという意味において、その根幹は変えていかないということは私ども今後も変わりません。ただ、問題は、しかしいま何か、この管理経費というのは幾らかかってもいいというものではないわけでございまして、やはり財政的に今日の状態から見ても、できるだけ負担が少なくなることは望ましいわけでございまして、無理に経費を落とすということではございませんけれども、やはり、合理的な運営によって経費が節減をされるように努力をしていくのは当然の私どもの務めであると考えておるわけであります。

下条進一郎自由民主党・自由国民会議

○主査(下条進一郎君) 片山君、時間が来ております。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 いま私は食糧管理費をゼロにすることはできないと、こう言った。大臣と同じですから。  最後に、福井県の石油備蓄基地誘致問題ですが、私の手元に、福井市及び三国の三漁業協同組合並びに三国町議会の公害対策特別委員会から膨大な資料がこうやって届いておるのでありますが、本日は時間がないので、若干の質問にとどめます。  福井臨海工業地帯の一部に石油備蓄基地を、また一・九キロ地点の天然魚礁群の中に一点係留ブイの新設が計画されておりますが、地元では本問題の推移について重大な関心が寄せられているのです。水産庁にも関係団体から陳情その他が行われておると思いますが、一つには沿岸漁業育成という観点から、二つには近接地、東尋坊周辺にある国費の事業としてのバフンウニ大規模増殖事業がありますが、これに影響が絡み、多くの疑問が持たれております。そういう意味で、石油の国家備蓄というものについてはよくわかりますけれども、地元に対して大変大きな心配事があると思いますのは、水産庁としては、地元にこのような漁業振興についての視点からどのような説明をしておるのか、これが一つであります。  それで、最後に、いずれも中央港湾審議会答申を踏まえても、地元が納得するのが前提であろうと思います。まして、関係省庁がこれらの疑問にこたえてやることが国策的事業への、備蓄をするという上での責任であると思いますが、これをサボることば許されません。そういう意味で、農水省としては十分に地元の意見を聞いて対処してもらいたい。  時間が来ましたので、質問をして終わります。

下条進一郎自由民主党・自由国民会議

○主査(下条進一郎君) 今村水産庁長官、簡単に願います。

今村宣夫水産庁長官

○政府委員(今村宣夫君) 前段の件につきましては、事業の実施までに関係業者に対し十分説明を行いまして了承を得るようにということで対処をいたしております。  後段につきましては、石油備蓄基地建設につきまして、いま想定しております事業に影響はないと考えておりますので、その事業は実施をいたすつもりでございます。

下条進一郎自由民主党・自由国民会議

○主査(下条進一郎君) 以上をもって片山甚市君の質疑は終了いたしました。  次に、柳澤錬造君の質疑を行います。

柳澤錬造民社党

○柳澤錬造君 最初にお聞きしていきたいことは、食糧不足ということが世界的な傾向だということはもうおわかりだと思うんです。人間はどんどんふえてくる。そうして食糧をつくる陸地はもうふえやしないんです。どうしてもそういう点からいくと食糧というものを海に求めるようになる。魚とか、そういうようなものが重要な食糧資源になっていくということもおわかりだと思うんです。そういう情勢の中で食糧供給の重要な産業である漁業というものについて、政府がいろいろの産業がある中でどの辺に位置づけをして、どういうお考えを持っておるのかという大枠のところをまずお聞きをします。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 私ども現在の水産業も日本国民の動物性たん白質のうちの約四七、八%、魚を供給していただくことによって維持されているわけでございますから、そういう面で水産業というものに対しては相当重要な私は産業として位置づけをしていかなきゃならない、こう考えておるわけであります。

柳澤錬造民社党

○柳澤錬造君 そこで今度続いてお聞きをしていくことは、一昨年の機構改革で農林省から農林水産省に改名といいますか、名称が変わった。漁業振興部も新設をされたんです。ところがことしの、五十五年度の水産庁の予算を見ますと、一般会計が一〇・三%の伸びをしているのに、水産庁の予算はわずかに三・七%しか伸びていない。そうすると、いまお話がありましたように、水産業というものは大変重要な産業として認識をしておりますというのだけれども、そうすると本当に漁業振興ということについての意思がおありなのかどうなのかというところがちょっと疑問に感ずるのですが、その辺もつけ加えてもう一度御答弁願いたい。

今村宣夫水産庁長官

○政府委員(今村宣夫君) ただいま大臣が御答弁申し上げましたように、二百海里時代の本格到来を迎えまして、水産業の振興と水産物の安定供給を図るために、予算につきましても毎年これを充実しておるつもりでございます。たとえて申しますならば、五十一年から五十五年度までの水産予算の平均の伸び率は二一・二%になっておりまして、国の一般会計予算の伸び率が一五%台でございましたときに比べまして、かなり高いものになっています。五十五年度予算の伸び率は三・七%で低うございますけれども、国の全体の予算との関係でございまするし、あるいはまた公共関係が一般的に伸び、低く抑えられたということになるわけでございまして、公共事業費を除きました水産予算の対前年の伸び率は六・五%でございまして、国全体の対前年の伸び率の六・一%を上回っているということでございます。私たちとしましては、内容的にも苦しい予算の中でございますけれども、ある程度諸情勢に対応する予算を確保したと思っておりますが、今後とも水産予算の確保につきましては私たちとして十分な配慮と努力をいたしたいと考えておるところでございます。

柳澤錬造民社党

○柳澤錬造君 言われることはよくわかりますんですが、具体的にじゃ今度は内容に入っていって幾つかの点をお聞きをしていくわけです。  一つは、昨年来の漁業用燃料油の異常なと言ってもいいほどの高騰があったわけです。大変なコストアップをしているわけです。ところが、漁業生産者の方ではそれだけコストアップをしてもなかなかお魚の値段に転嫁ができない状態にある。それで水産庁の方が、漁業用の燃油が生産費に占める比率がどのくらいになっているのか、一昨年から昨年、ことしといってどういう変化をしているというふうにおつかみになっているか、それをお聞かせをいただきたいんです。それに対して政府としてどういう対策を持っているのか、あるいはどういう助成をやろうとしているのかということをお聞きをしてまいります。

今村宣夫水産庁長官

○政府委員(今村宣夫君) 御指摘のように、漁業用燃油の高騰は非常に漁業経営を圧迫しておるということは御指摘のとおりでございます。漁業は石油の占めるコストが非常に多うございまして、昭和四十八年の末ごろまでの燃油費の割合は六%ないし八%ぐらいであったわけでございますが、石油危機以来だんだん上昇いたしまして、五十三年では大体漁業種類、規模によって違いますけれども、少ないところで二%、多いところで一九%ぐらいに相なっております。  五十四年におきましては、さらにこれに、私たちの概算でございますからわかりませんけれども、それぞれ業種によって一〇%ぐらい上乗せになる、非常に大ざっぱに言いますと。ですから、二〇%、多いところで三〇%を超えるというふうな形に相なります。これは漁業種類によって違いますけれども、大体概算をいたしまして、そういうことになるわけでございます。  そこで、そういう厳しい漁業経営の状況を踏まえまして、私たちもできるだけのことをいたしたいと考えておるわけでございまして、当面の対策といたしましては、五十四年度に特別資金等——漁業用の燃油の対策の特別資金といたしまして三百億円を低利融資を行ったところでございますが、五十五年度におきましても、予算が通過いたしますれば、五百億円の融資を行いまして、経営に及ぼす影響の緩和に努めたいと思っておるわけでございます。  長期的に見ますると、やはり従来のような、できるだけ石油をたくさんだいて、早く魚をとって早く基地に帰って水揚げをするという燃料の多消費型の漁業構造というものを、やっぱり省エネルギー型の漁業構造にかえていく努力をしなければいかぬ。これは官民一体になってそういうことを考えていかなければいけないと思いますので、現在、省エネルギー推進懇談会を開催をいたしまして、今後の方策について検討をしておるところでございます。  それからまた、中央の業界団体におきましても、最近における厳しい経営環境に対処するための方策ということで、生産構造も含めまして、検討が行われておるところでございまして、私の方といたしましても、そういう業界の意向でありますとか、漁業種類ごとに置かれておる実態も踏まえまして、あるいはまた、生産構造も含めまして、今後さらに十分検討をしてまいりたいと思っておる次第でございます。

柳澤錬造民社党

○柳澤錬造君 燃料多消費型から省エネ型漁業ですか、の転換をという、それは石油ショックの後でも政府はそういうお考えをお持ちになったんではないかと思うんです。それで、いま御答弁が無理ならば、別にそれ以上お聞きいたしませんが、石油ショックのときに、一度そういうことを取り上げておやりになった。それで、また、いま第二の石油ショックだと言われるような状態が来ているんだけれども、その過程の中で、そういうものを取り組んできて、こういういい結論が出たんですと、現実にそういう問題でもって、いま省エネ型の漁業というものを進めているんですと、何かあったらちょっと説明してくれませんか。

今村宣夫水産庁長官

○政府委員(今村宣夫君) 確かに御指摘のように、第一次石油ショックのときに、これはいかぬということでいろいろ検討をいたしておったんでございますが、五十二年、あのときの第一次石油ショックのときには、若干おくれまして、魚価が高騰をいたしたわけでございまして、それに、早く言うと救われたみたいな形になりまして、ちょっと、そこの努力が手ぬるくなってきたということは確かであろうと思います。しかし、今回の場合は、よく考えてみますると、石油が上がったからといって、魚価がそれについて上がるという状況にもなかなかございませんし、また、石油が上がったから魚価を上げて、魚離れということになってもまた困りますものですから、今度は本腰を入れて、と言うと語弊がございますけれども、本当に真剣に取り組むべき状況ではないかと思います。  そこで、いろいろと考えておるんですが、たとえば、経済的な運航速力を守るとか、あるいは今後建造される船舶については、省エネ型のものをつくっていくと、これは現に省エネ型のものが四十何隻かもう就航いたしておりますが、そういう船をつくる。  第三番目に、機械や漁業設備等についても最小限度のものを装備するというふうな、そういう一つの、船と船の運航問題というのがございまするし、その他、それぞれ分科会に分かれまして、いろいろの問題を検討いたしておるところでございます。

柳澤錬造民社党

○柳澤錬造君 長官、その辺は引き続き御検討していっていただきたいと思います。それで、石油の調整というものは、もう悪くなったってよくなることはないのですから、将来の長期展望を持ちましても大変なことになると思うので、十分にお取り組みいただきたいと思うのです。  次に、行政管理庁にお聞きをするのですが、三月の二十八日の新聞を読んで私お聞きをするのですけれども、その前日の参議院の予算委員会で、財団法人魚価安定基金が行政改革の対象にされているような政府の答弁があったのですけれども、その辺は事、実かどうかということについて。

渡辺修行政管理庁行政管理局管理官

○説明員(渡辺修君) 私ども承知していますところでは、当日、私どもの大臣から御答弁を申し上げましたのは、一般論としまして、公益法人の設立等につきましては、主務大臣の許可にかかっているところでございまして、行政管理庁として直接関与する立場にない。しかし、行政改革の広い意味での一環としまして、補助金の合理化、適正化という問題があるわけでございまして、公益法人に対する補助金のあり方については、その一環として検討されてしかるべきだろうという一般論を述べられたというふうに承知しているわけでございまして、いま問題になっております魚価安定基金を直ちに行政改革の対象とするという趣旨ではないと承知しているところでございます。

柳澤錬造民社党

○柳澤錬造君 じゃ、財団法人魚価安定基金そのものを対象にして補助金の打ち切りをしろ、やめてしまえ、そういうことで発言したんではないんだというふうに理解してよろしいわけですね。

塚原喜朗行政管理庁行政監察局監察官

○説明員(塚原喜朗君) 行政管理庁では、昭和五十四年から二カ年計画で、各省庁の補助金の調査をやっております。農林水産省につきましては昨年やりまして、水産庁所管のものを今年度調査することになっております。その対象として、魚価安定基金も調査をするという予定になっております。なお、補助金調査と申しましても、これも行政改革の一環であると私どもは考えております。

柳澤錬造民社党

○柳澤錬造君 先ほどの答弁と、また何か前に戻っちゃって、私がお聞きしているのは、魚価安定基金、財団法人の。それを対象にして、対象にすると言ったのですかと言うと、いや、大臣は、公共法人一般論について述べただけなので、魚価安定基金というものについて云々と触れたんではないですと言うから、じゃ、魚価安定基金ということについて廃止云々することは何もないのですねと言ったら、いや、それも対象にしていますという御答弁だと、また話が逆になるんで、その辺もうちょっと明確に答弁してください。

塚原喜朗行政管理庁行政監察局監察官

○説明員(塚原喜朗君) 私ども補助金につきましては整理をするということだけで、調査をしているわけではございませんで、運営改善等も含めまして、国の補助金について見ているわけでございます。したがいまして、魚価安定基金そのものを対象とするわけじゃございませんで、国の補助金が出ているものについて数多く調査をする、その一つの中に、たまたま魚価安定基金に対する補助金も含まれているということでございます。

柳澤錬造民社党

○柳澤錬造君 こんなところで別に私時間をとって聞こうと思ってないのだ。ただ、前の予算委員会の答弁が、対象になっているような答弁をなさっているんで、いま聞いたわけです。だから一般論のそのことならば一般論でいいんだけれども、少なくもいまもうここにきて予算が上がるんですからね、あと数日で。その対象の中の一つに入っていますという答弁では済まないわけです。だから、対象にしてやりました、やりましたけれども、これについてはどういう判断をいま持っておりますんですという、そこまでいかないと、きょうのこの時点の答弁にならぬですよ。

塚原喜朗行政管理庁行政監察局監察官

○説明員(塚原喜朗君) 水産庁関係の補助金につきましては、五十五年度調査でこれから調査する中身に入っておりまして、結果はまだ出ておりません。これから五十五年度、今年度に調査をするということを考えておる次第でございます。

柳澤錬造民社党

○柳澤錬造君 じゃその辺で、それ以上言っても何ですから。少なくとも三月二十七日の参議院予算委員会における、これは行管庁長官の答弁でしょう。その言われたことは一般論ですという、そういう理解をしておきましょう。  それから次に、これは水産庁にまた聞いておかなきゃいかぬのだけれども、いま取り上げました財団法人魚価安定基金、私がお聞きしたいのは、むしろこれを拡充強化して水産物の調整、保管事業を柱にして需給の安定も図っていく。それから魚価の、いわゆる価格の安定にも役立たせるということに進めるべきではないかと思うんですが、どうなんでしょう。具体的に言いますと、機構なんかも、政府の代表もちゃんと入ってくる、それから同時に消費者の代表も入ってくる、それでこの魚価安定基金がいろいろやっていることが消費者も一般みんなもが理解ができるような、そういう運営というのですか、ことをされる方がいいと思うんですが、その辺についてのお考えいかがでしょう。

今村宣夫水産庁長官

○政府委員(今村宣夫君) 魚価安定基金を拡充強化すべきではないかというお話はごもっともなお話でありまして、私たちとしましてもそういう方向で考えていきたいと思っております。  ただ、そのときに農産物と同じように、たとえば最低価格を決めて、それを補てん方式に直し得るかどうかという問題になりますと、水産は残念ながら、生産調整、あるいは需給調整と言った方がいいかもしれませんが、それをどうするかということは農業ほど簡単に処理ができないという問題がございます。そういう需給調整ができないところへもってきて、補てん事業というのを果たして仕組めるのであろうかというのが私たちが基本的に解決するといいますか、できないところでございますが、しかし、生産者団体の方におきましても、いろいろ魚価安定の問題につきましては検討されておりますし、私の方も漁政部長が窓口になって両者の意見を十分交換しながら対処、検討していくということになっております。したがいまして、現在の水産の実情を踏まえ、かつまた将来の方向も考えて、どういう形で整備拡充していくのが最も現実的であるかという観点に立って物を考えていきたいと思っております。  それからまた、消費者代表その他を加えて魚価安定基金の機能なり何なりを十分理解して対処すべきではないかというお話はごもっともだと存じます。魚価安定基金の評議員会等には、学識経験者その他も入ってもらいまして、いろいろ議論をしていただいておるわけでございますが、それらの点につきましても、また今後十分考えていきたいと思っております。

柳澤錬造民社党

○柳澤錬造君 むずかしい点があることは事実だと思うんですけれども、冒頭から何したように、やっぱり食糧という観点から考えても大変大事なことだと思うんで、これは真剣に取り組んでいただきたいと思います。  それで、現在魚価安定基金でやっている無利子の貸し付けですね、このやり方なんかも補てんに切りかえるといいますか、いわゆる機構がもう少し役立つようにする方法をお考えはございませんか。あるいは金利だとか冷蔵庫の保管経費なんというものも、たしか二分の一ですか、いま助成をしているわけですけれども、いろいろ実際にこういうものができたんだけれども、品物が多くなった、値が下がったんじゃと言って保管をしてやっておっても、なかなかそれが値が回復しない。ですから、結局そういうことの効果が十分あらわれない。現在のところ、何か五%ぐらいしか利用——利用と言っちゃおかしいけれども、これが生かされていないんだということも聞いているわけなんです。ですから、その辺の点でもう少し、無利子でもって貸し付けをするんだというんじゃなくて、思い切ってある程度のところについては補てんをしてやるなり、そういう助成ももうちょっと強化することもお考えいただいて、この安定基金が役立つような方法にするということについてのお考えはいかがですか。

今村宣夫水産庁長官

○政府委員(今村宣夫君) 現在の魚価安定基金は、御指摘のように、中途半端と言うと語弊があるんですけれども、ではないかという御指摘だと思いますが、確かにそういう点があるんでございますけれども、先ほど申し上げましたように、魚価というものは、魚を見ればどうしてもとってくるわけでございまして、値段が下がっても困るからこの辺にしておこうかということはできないわけでございます。そこで、そういう需給調整という機能がないところへ持っていって補てん事業を仕組むということは、これはお金が幾らでもあればいいんですけれども、そこら辺との関係もまだございますものですから、いまの制度は、たとえば生産者団体が自分の事業として行っている中で魚価安定をどういうふうに仕組むかという、そういう仕組みになっておると思います。それがいいかどうか、機能を発揮できるかどうかということになりますと、またいろいろ問題がございますので、私たちは両方を含めまして、どういう改善の方途があるかということを模索していかなければいけないという、非常にむずかしい問題があることをひとつ御理解をいただきたいと思います。

柳澤錬造民社党

○柳澤錬造君 むずかしいことはわかります。だけど、長官ね、いろいろ私も調べていって、疑問といいますか、魚がいま国内で約一千万トンでしょう。それでその価格が二兆五千億。それで輸入の魚が、五十四年のこれを見ますと百十五万トン。約一割ちょっと。で、価格が九千三百億という膨大な輸入をしているわけですね。果たしてそれだけのことが必要なのか。それから、けさも新聞で、もうどんどんドルが大幅に減っているようなこういう状態の中で、ですから、もちろん輸入しちゃいかぬと言っているわけじゃないんであって、輸入をすることも必要なんだけれども、国内生産が約一千万トンちょっとということで、量的には十分な量があるわけなんで、そうして輸入もあってもよろしいけれども、今日の日本の状態から言って、一兆円近いお金をお魚の輸入に使うほどゆとりがあるんだろうか。それらのことも含めて考えていくと、先ほどから非常にむずかしい点はわかりますけれども、農業についていま政府が取り組んでいることから考えれば、漁業にだってもうちょっと私はおやりになれると思うんです。ですから、その辺の点で、細かいことはさておいて、もうちょっと本気になって取り組みますという、その辺のところをきちっと言ってください。

今村宣夫水産庁長官

○政府委員(今村宣夫君) むずかしい問題でございますが、私たちとしては真剣に取り組んでいきたいと思っております。

柳澤錬造民社党

○柳澤錬造君 じゃ次に、お魚の値段の問題なんですが、これは魚の種類にもよりますから、全部が同列に言えないんですけれども、生産者から渡る浜値、それが、その値段から消費者が買うときには大体浜値の八倍だということが言われている。恐らくそういう細かいことは皆さん方のところには入ってないと思うんですけれども、私は、ですからこのお調べもいただかなくちゃいけないし、すべてがそうだと言うわけでもございません。しかし、余りにも暴利というか、不当なことなんで、流通経路に問題があるわけなんですから、そういう浜値の八倍とか何倍とかというようなことで実際に消費者の方に渡るなんということは、いま物価対策からも政府が本気になってやらないかぬことなんですから、いろいろとお調べをいた、だいて、そういうものが発覚したならば、それは買い占め(売り惜しみ)防止法を適用するのかどうかということの、その辺をお聞きをしてまいります。

今村宣夫水産庁長官

○政府委員(今村宣夫君) ただいま八倍というお話がございましたが、私たち調べますとイワシだとかサバとかサンマというので大体五、六倍でございます。それからスルメイカとかハマチなどをとりますと大体二倍ぐらいになっておるわけです。イワシ、サバのところが五、六倍というのは非常に高いのでございますが、これは浜の値段はイワシ、サバのえさ用と食用と込みになって浜の値段が決まるわけでございまして、小売の段階になりますと食用ばかりというそういう形になりますから、そこのところの一つの特徴があるかと思います。しかし、いずれにしましても流通段階の問題というのは、これは非常に重要な問題でございますから、その実態を十分把握いたしますと同時に、その合理化に努めてまいらなければいけないと思います。そういうことの買い占め売り惜しみというふうなことがあった場合に、防止法を適用すべきではないかということでございますが、これは需給事情、物資の性格から見て買い占め等が行われているのか、おそれがあるのか、そういうことで、あるいは市場価格が短期間に非常に上昇しているか、またそのおそれがあるかということを判断して適用すべき問題であろうと思いますが、いま直ちにその流通過程の問題のみをとらえて売り惜しみがあるかどうかということは言えないというふうに考えております。いずれにしましても、食料品の供給が合理的な価格で行われることは非常に重要な課題であると考えておりますので、需給事情の把握あるいはそれの状況による適切なる行政指導あるいはまた買防法の適用に該当をするというふうな事態に至りますれば、それの適用ということを考えてみたいと思っております。

柳澤錬造民社党

○柳澤錬造君 長官、それでよろしいですよ。それでやっぱりあんまり波紋を起こすような答弁もできないだろうからあれだけれども、そういうことが明らかになったときは適用すると、きちんとしておいていただきたい。  それから八倍とはちょっと——あれだったらそれは材料出してもよろしいけれども、そこまではやることはないですわね。だって五、六倍だって高いじゃないですか。ずっと前のときも私はサンマが塩釜で一匹三円のときも調べておって、どんなに東京の中を探しても八十円より安いのはなかったんです。それは八倍、十倍どころじゃないわけです。ですから、特にことしなんかは石油の関係からこれだけ物価が問題になっているわけでしょう、じわじわいま上がってきていることもあって政府だってお困りになっているんですから、ですからそういう点に立ちまして少し姿勢を改めてと言っていいのかなんですけれども、少し厳しくして、それで中間における不当な利益を得て、最終的な消費者のところにいって高くなにしている点はお取り締まりをいただきたいと思います。そしてそういうものをなにしたならば、場合によれば買い占め(売り惜しみ)防止法を適用して、二、三そいつを発動するぐらいのことをされることの方が示しがついて私はいいと思うんです。だって魚、そんなものを、私がそんなことを言って、長官おわかりのようにいまなんじゃないですか、船が港に着く前に無電でもってみんな商社と電報でやって、これ幾らといってくれば競りにも何にもかけないで、そのままみんな冷蔵庫に入っちゃうんですよ。私が知っていることを長官が知らぬはずはないんです。その辺の点を少し立入検査ぐらいしてやってくださいよ。  それから次にお聞きをしていきたいのは、韓国の漁船が福井県の沖に来て魚をとっているというんで、日本側が船でデモンストレーションをかけるようなこともどうもしているようなんです。それから同時に、向こうが来るということだけで騒いでいちゃいけないことで、それから正直に言って日本側の漁船もまた韓国の西側の方のずっと上の方までかなりこれは行っているんだそうです。ですから私が心配するのは、こういうことから日韓間の外交関係にひびが入ったり悪くなるようなことになったら私はよくないと思うんです。ですから、そういう点でもってことしの秋も恐らく日韓閣僚会議もおやりになるだろうと思うし、いろいろそういう点については皆さん方もお聞きをしているんだろうと思うんで、現在どういう対処の仕方をしているのか、そしてそういうことが外交関係を悪くならぬように本気になって扱っていって善処をしているんですというなら、そういうふうな答弁ができる状態になっているのか、その辺をお聞きをします。

今村宣夫水産庁長官

○政府委員(今村宣夫君) 御指摘のように、韓国漁船が最近京都、福井の大体二十海里から三十海里付近に出没をいたしておるわけでございますが、本年も一月から三月にかけて韓国のトロール船の操業が行われております。大体百トンから二百トン級の漁船でございまして、隻数はおおむね五隻で、これは韓国は試験操業だと称しておるわけでございます。そこで私たちとしましては、一つは資源保護の問題であり、一つは漁具被害の問題でありますが、これについて地元では退去ということで先生のお話のようなことがあることを私十分承知をいたしております。私たちとしましては、その韓国船の秩序ある操業ということをまず求めたいと思うわけでございます。それから第二点は、やはりわが国漁民が行っておるようなそういう操業の形をとってもらいたい、日本近海に来てやるときは。それは十二海里の中は別でございます。十二海里の外でありましても、やはり資源保護という観点から日本の漁業者が規制を受けておるという、そういう規制のもとに操業をしてもらうのは当然のことではないかという主張をいたしておるわけでございます。これらにつきましては、日韓定期閣僚会議あるいはまた両方の水産庁長官会議でも強く私たちは主張しておるところでございます。それで、現実に福井沖におきます漁船の操業につきましても、韓国の在日大使館を通じましてそういう申し入れをいたしておりまするし、また近く日韓の漁業の実務者会議が大体四月の十日ぐらいに開かれますから、私の方の振興部長が参りますので、それらの点について韓国側と十分話し合ってその速やかな解決に努めたいと思っておるわけでございます。

柳澤錬造民社党

○柳澤錬造君 じゃ、その辺はよろしくやっていただきたいと思います。  それからもう一つ外交関係が絡んでくる問題ですが、日ソのサケ・マス交渉、もうそろそろ始まるわけですけれども、この取り組む姿勢がどういう姿勢でことしは取り組もうとしているのかということが一つと、それからもう一つは、日ソ漁業共同事業というかっこうで日本船が行ってお魚をとる入漁料というんですか、払っているわけですけれども、これがいずれもみんな赤字になっているんだそうです。赤字になっていてもことしもまた行きたいというふうなそういう考え方を持っておるようなんですけれども、この日ソ漁業共同事業でもってやっている、これを今後どういうふうに政府として御指導しようとしているのか、二つの点をお聞きをしておきたい。

今村宣夫水産庁長官

○政府委員(今村宣夫君) 本年の日ソ・サケ・マス交渉は四月の二日から開始をされております。ソビエトはことしは不漁年に当たると、それからサケ・マスの資源状況がきわめて悪いということは昨年の十二月の日ソ、ソ日の交渉のときにも言っております。そういう主張を繰り返しておりますので、今度の交渉は非常に厳しいものであるということは覚悟をいたしております。しかしまあ悲観もいたしておりませんし、また楽観もいたしておりません。厳しい状況を踏まえてやはり伝統のある北洋のサケ・マス漁業の維持安定という観点から、私たちは最善の努力を払いたいと思っているわけでございます。  それから第二点の、日ソ漁業共同事業でございますが、本年も相当の規模がございます。御指摘のように、入漁料といいますか、水揚げ量の分け前というのは相当ソビエトは高いこと言うんですが、高いことを言われながらも行きたい行きたいという希望が非常に多いわけでございまして、そんなに赤字になるのに何で行きたいんだと、こういうことを言いたくなるようなこともあるんですが、しかしそれは漁業者の立場としてはいろいろの立場で希望が多いんだろうと思いますが、私たちはやはり秩序をもって共同事業を取り進めていく、整々として共同事業を取り進めていくということが一番必要なことで、ただ単にソビエトに足元を見られて、行きたい行きたいということだけで、足元を見られて高い入漁料を取られるということは適当でないと思っております。したがいまして、共同事業の実施に当たりましては、秩序をもって整々と行っていくということが一番大事なことだと思っていますが、なおあわせまして、国内の日ソ、ソ日等の対象になっております魚種あるいは漁獲量、そういうものに影響を与えるようなことになってはいけませんので、そういう国内での漁業の関係の調整が十分図られる。それから、そういう日ソ・ソ日等の漁業交渉に悪影響を及ぼさないという、そういうたてまえで所要の申請について判断をいたしまして、ソ連と話をつなぐという方針で臨みたいと思っているわけでございます。

柳澤錬造民社党

○柳澤錬造君 もう時間もございませんので終わりますが、ソ連との漁業交渉の問題について、長官それから大臣の方にもお願いしておきますが、毎年やってきているんですから、言うならば、いつも最後は苦い水を飲まされてこちらの方が折れているということになってきているわけですが、やはり毅然たる態度でもって取り組んでいただきたい。こちらにもあれだけたくさん相当なやっぱり漁業労働者がみんなおるんですから、そういうこともお考えいただきたい。それから、日程の問題も、これももういろいろ無理もありましょうけれども、やっぱり余り前におくれることのないようにしていただきたい。そして、いまの日ソ漁業共同事業の方も、これも十分検討をしていただいて、そして本当に私もそんなに赤字を出して、ことしも二十七社か何か希望出ているというんだから、何で行きたいんだろうかと思うんですけれども、十分その辺も当事者の意見も聞き、そしてやっぱり相手のあることですから、やっぱり相手に足元を見られてなめられてということは、政府の皆さん方がそこでやっぱりやって、コントロールしていかなきゃだめなんですから、そういう点十分にお考えいただいて、日本の漁業がこれからも発展して栄えてやれるような御指導のほどを要請を申し上げまして、最後に大臣から何か一言あればお答えを聞いて終わりたいと思います。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 日ソ関係の問題は、これは相手もあることでございますし、特に相手がああいう国でございますから、なかなかむずかしい問題であると思いますけれども、いま御指摘のように、私といたしましてはやはり毅然たる態度で言うべきことは言い、決して卑屈な態度でなくてひとつ努力をして、しかしながら伝統ある北洋漁業に携わっておられる人もありますので、極力円満な形で妥結が得られるように努力をしてまいりたい、こう考えております。

下条進一郎自由民主党・自由国民会議

○主査(下条進一郎君) 以上をもって柳澤錬造君の質疑は終了いたしました。     —————————————

下条進一郎自由民主党・自由国民会議

○主査(下条進一郎君) この際、分科担当委員の異動について御報告いたします。  本日、片山甚市君が分科担当委員を辞任され、その補欠として丸谷金保君が分科担当委員に選任されました。     —————————————

下条進一郎自由民主党・自由国民会議

○主査(下条進一郎君) 次に、丸谷金保君の質疑を行います。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 先般指摘しておりました北海道の土地連の問題について調査ができておろうかと思いますので、まずその報告がいただけましたらお願いいたしたい。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○政府委員(杉山克己君) 調査いたしましたのは北海道土地改良事業団体連合会釧路支部長が関係市町村に請求した土地改良事業特別負担金の関係の問題でございます。北海道土地改良事業団体連合会は道内の土地改良事業団体等から道営及び団体営の土地改良事業を円滑に実施するための種々の作業を行います。具体的には法律上の手続を進めるとか、年度実施計画の地元調整を行いますとか、あるいは一部調査設計を行いますとか、こういった作業を行うわけであります。それからまた、道営の土地改良事業についての監督、補助の受託業務、これらのために市町村から要請があった場合には、同団体等に対して必要な技術者を派遣することとしております。それから、北海道土地改良事業団体連合会釧路支部管内におきましては、五十四年度は北海道の釧路支庁、それから北海道土地改良事業団体連合会、同じく釧路支部、それから釧路土地改良事業促進協議会及び関係市町村が協議いたしまして、その結果、六名の派遣が必要であるという判断のもとに、五十四年四月一日から一カ年間の約束で六名の職員を派遣しております。それから、これは連合会ではなくて、同じ釧路管内の町村職員、これは標茶町と鶴居村、各一名、合計二名の職員が応援職員としてこの前述の業務を担当いたしておるわけでございます。  そこで、二月十八日付の釧路支部長名で出されました文書は、これらに要した人件費等道営事業等の業務委託費として北海道の土地改良事業団体連合会、それから標茶町、それから鶴居村、これに対して道から負担として支出されたものを除いた分でございますが、これについて関係市町村に対して事業量等に応じて負担を求めたものでございます。したがいまして、この負担金は正当な業務についてその費用負担を求めたものでございまして、特に問題はないと考えておりますが、ただ、負担金の徴収の手続、事務的な処理につきましては、若干問題もございましたので、遺漏のないよう現在指導しているところでございます。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 若干の問題なんですけれども、これは町村職員が応援に出ると、従来はその分を、大体応援に出るのは自分の町の事業があるからなんですよ。大きな構造改善事業とかあるから応援という形で出向するけれども、実際はそれは大きな事業をやっているところ、そしてそれは従って、私の記憶の限りでは、それぞれの出向させる町村がその分を持つと。持ったって、自分のところの仕事をやってもらうんですからね。特に今回これを全部の市町村にその経費を割り当てるというところに問題があるんですよ。だから、いろいろに想像されるんです。これは一体本当はそういうことでないんでないか。いいですか、どうして急にああいうものを今回に限って全部の町村に負担をするというふうな話し合いがついたんでしょうか。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○政府委員(杉山克己君) 事業に伴って生ずる作業、そういったことについての負担は当然受益の市町村が負担すべきである、そういう原則のもとに受益の市町村が職員を出してその作業に従事させるというのは、これは一般的なあり方であろうと存じます。ただ、釧路支庁管内の場合、関係市町村十カ市町村あるわけでございますが、応援職員は六人でございます。ただ、事業量の比較的大きい標茶それから鶴居、こういったところは一人ずつ出しておるわけでございますが、それ以外の市町村はそれほどの事業量もないということで、プールして六人の応援の職員を求めたわけでございます。そういう端数になる関係もありまして、全体として作業をしてもらい、その割り掛けをして、それぞれ分担を求めたということでございます。  それから急にということでございますが、この管内の土地改良事業の事業費は最近とみに大きくなってまいっております。そういった関係から今回確かに初めてこういう負担を求めたわけでございますが、これは今後とも事業がさらに続けられる限り同じような形で続けられる、負担を求めるということになろうかと考えております。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 事業のないところが相当の負担もやはりしなきゃならない。これは事業割りというふうなこともありますが、事業割りだけでないんです。通常的な負担でないんですよ、これ、どう考えても。通常的な負担でないんです。特にことし多くなったとか、そういうことでもありませんし、こういうことは北海道内や都道府県、ほかではこういうふうな、あれですか、負担割りを特別に——派遣する二人の職員の文書見ますと、人件費から出張旅費から全部、物件費、人件費みんなこうずっとこれだけかかるというやつが出ていますわね、内訳が。そういうやり方をしているところあるんですか、ほかに。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○政府委員(杉山克己君) プールして負担を割り掛けたという形は私もほかには聞いておりませんけれども、土地連がことし職員を派遣した総数は百四十名でございます。したがいまして形式は別でございますが、それぞれ市町村に負担は求めているということになっております、その派遣職員の費用については。  それから、事業のないところには負担はかけておりません。私先ほど関係市町村と申し上げましたのは、それぞれ事業を行っていて、当然負担してしかるべき市町村という意味で関係市町村と申し上げたのでございます。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 土地連派遣の職員もこれはプールして使うんでなくて、大体その事業に張りついてその地域、二つにまたがる場合もあります、町村が。ありますけれども、そこの行ったところの市町村が別に負担しているんですよね、いつも。だからそれとこれとは別なんですよ。それはもうちゃんと行ったところのそれぞれの町村が負担するんですから、従来も土地連に上納しているんです、派遣職員を要請した場合には。それとは違うんですよ、今回の場合のこれは。町村が土地連に派遣するけれども、また自分も持ってくる。これを、これは地財法の関係もあると思いますよ、私こういうのに。一体こういうところに町村が出せるんだろうか、使途は明らかなんですから、よその仕事に、自分のところのでないんですからね。という問題があるんです。  それから断った市町村ありますね、今回のこれは、聞いていますか。これは出せないという、聞いておりませんか。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○政府委員(杉山克己君) 負担すべからざるものを負担するようにと要請した性質のものではない。それはほかの仕事というわけではなくて、それぞれ事業を行っている市町村に関係のある作業についての負担分というふうに私どもは理解いたしております。直接その市町村に行って作業を行うこともございましょうが、関係市町村間の調整を行う、手続を共同して進めるというようなことについては、これは個々の市町村の仕事でもあると同時に、全体としての仕事でもあろうかと思います。そういう意味で当然負担してしかるべきものについてその負担の割り掛けをしたというふうに理解いたしておるわけでございます。  それから断った市町村があるかというお尋ねでございますが、私先ほど申し上げましたように手続、事務的に遺漏があったというようなこともありまして、断ったとまでは承知しておりませんけれども、確認した上、新年度において措置するというふうになっているし、これは具体的に申し上げますと、釧路市がそうだということは聞いております。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 問題になってから、やっぱり市議会でも問題になって、これ計上してないんですよ、これはね。予算計上してなかったら出せないでしょう。そうでしょう。私はそれはもう出せないということに聞いたんですが、その後いろんなあの分この分、あの手この手というふうなことでからめ手から圧力かかってきて、また決めるかもしれませんよ、それはね。しかし、ぼくは全体としてやっぱりおかしいということだけは、まだいまの説明で釈然としないんですが、きょうはもっと大事な問題があるんで先へ進みます。  実は牛乳の問題について南北戦争とかいろんなこと言われます。結局は、これは輸入乳製品の問題に尽きると思うんです、国内の商品がかみ合うわけでないんですから。それについては先般、大蔵大臣及び総理大臣に大蔵委員会で私は提言しておきました。関税定率法の審議をいたしておりまして、相殺関税という各国間の協定がありまして、その中でそれぞれの国が国内産業を補助するという意味で財政支出をした場合、そしてそれが輸出された場合に相手国の産業を著しく阻害するような場合には、関税をその分だけ上積みしてもいいと。乳製品関係について見ますと、ECでは相当、一キロ当たり九円ちょっと一きょうは表持ってきておりませんが、九円何がしだと思いますが、というふうな多額の補助金を出しております。ですから、これは相殺関税は発動できるじゃないか、これは検討してみるということになっております。いまの日本の酪農を見た場合に、明らかにもう国内産業は圧迫されていることは間違いございませんし、その点については農林水産省から出席した方も非常に困っているということを総理の耳にもその場で入れてくれました。したがって、今度はこれ農林水産大臣にお願いしたいのは、そうした点で南北戦争なんかさせないような対外的な輸入の規制の問題についてひとつ積極的に取り組んでいただきたい。そのことについての今後の進め方の手配り、決意等についてお伺いいたしたいと思います。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) いま御指摘の点につきましては、相殺関税の問題でございますが、私の聞いておりますのは、確かにヨーロッパ、ECにおいてはそういういろいろの輸出補助金みたいなものが出ておるようでございますので、結果的には相殺関税を掛けられるのではないかというふうに思うわけでございます。問題は、これは外交交渉の中でやはりそれだけのこちらが被害があるという証拠を向こうへ出して、そして外交交渉しなければならないわけでございますから、成功するかしないかはこれは別でございますけれども、考え方としてそういう先生の御指摘のような考え方は私は理解ができるわけでございます。ただ問題は、この間もちょっと聞いてみますと調製食用脂については相当ベルギーあたりから入ってきておるようでございますので、こういうものについてはたとえば可能性があるのかもしれませんけれども、なかなかその他のものについて、たとえばニュージーランドとかオーストラリアから入ってきている、これはもう全然問題になりませんので、その点は御理解がいただけると思いますけれども、一回これはせっかく御指摘をいただき、大蔵委員会でも検討することになっておるようでございますので、私といたしましてもこの問題は十分ひとつ検討をして、本当にそういう可能性を持つものならば、これはやっぱり遠慮なく外交交渉の中でやるべきであると、こういうふうに考えておるわけでございます。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 どうも日本の場合、東京ラウンド、これの大蔵の関税からの本が出ましたんで調べてみて、これも質問をいたしましたが、われわれの認識、国民全体と思いますが、日本は関税高いんだ、だから下げていかなきゃならぬのだという認識を持っていますわね。大体がそういう認識だった。ところが実際は、確かに譲許税率で八年後にパーに、同じレベルにするということはあっても、現行はほかから比べるとずいぶん安いんですよ、ほかの先進諸国に比べると。安いからずうっと同じように下げていくと、八年間ずっと日本は安い関税率を下げていくことになるんです。農産品についてもその中にたくさん入っているんです。ことしはたいしたのではないんです、ないんですが、ずっと東京ラウンドで。そうするとこれはいま酪農の乳製品が余っているようなときに、関税がよそよりも安いんだということをもう少し農民に知らせたらどうですか。知らないですよ、みんな。恐らくびっくりしますよ。関税が高いんだし、まあ仕方がないという面もある農民がびっくりすると思うんです。ですから、ここら辺ひとつ十分農林省がんばっていただきたい。特にこれは資料、前にもらったのですが、これ質問のときに間に合わなかったんですが、吉野メモ、外務省の当時の審議官、五十一年の十一月にECにこういうメモを出しているんです。「相互の接触が増大することについてEC側に全面的に協力する用意があり、」、要するに輸入貿易の均衡問題についてこういうふうなことを、あと細かくいろいろありますが、農産加工品についても、動物検疫官の現地派遣だとか加工肉の問題だとか、加工品、粉ミルク、いろいろありますが、こういうことについても協力する、輸入に。ということは、日本からどんどん工業品がいくからバランスをとるために農産品の輸入、農産品だけとは限りませんけれども、協力するというメモなんです。前にもちょっと取り上げましたけれども、原文はその後資料要求して外務省から取り寄せました。そういう外交交渉の中で非常に日本が弱いんで、そういうことのないようにやっぱり農民を守る、南北戦争なんかを避けていくために、それから輸入規制品目についてのもう少し厳重な農林省としての対応と、擬装乳製品に対してはいま申し上げましたような形での対応の仕方、これらをぜひお願いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。

犬伏孝治農林水産省畜産局長

○政府委員(犬伏孝治君) お答えいたします。  まず、乳製品の関係の関税率の問題でございますが、先般の東京ラウンドの交渉におきましては乳製品の関税率を譲許することはいたしておりません。関税率の水準の高い低いの問題はいろんな見方があろうかと思いますが、乳製品については全般的に見ますと二五%から三〇%ないし三五%、これは他の産品に比べますとわが国の関税率といたしましては高い水準の方に属しておると存じます。  ただ、他国におきまして、たとえばECの場合には可変課徴金のような制度がございますだけで、それと比べればどうかという問題はもちろんございますが、これは制度が異なるという問題もあろうかと存じます。  それから、先般の吉野外務審議官のメモの問題でございますが、これは五十一年の十一月に開催されました日・EC定期協議の際に、EC側から提起されました日・EC間の貿易問題について吉野外務審議官からグンデラックEC委員にあてたものでございます。これは政府の見解を訓令によりましてECに伝えたもので、その中で脱脂粉乳につきましては、五十一年度の下期のえさ用脱脂粉乳の輸入枠につきましては、五万六千トンということを決定した旨、さらに必要に応じてその期のえさ用の脱脂粉乳の追加割り当てを考慮したいというふうに考えている旨等々について述べたものでございまして、それは自後の脱脂粉乳、バター等の乳製品の輸入の増加を約束したものではないという立場に立っておるわけでございます。当時の世界の酪農品の需給動向から見て、また、国内のそういった特定用途に向けられる乳製品の需要の動向を見てその上に立って述べたものでございまして、このことが乳製品の総輸入量のその後の増加をもたらしたものということには必ずしもなっていないと考えております。  しかし、結果として五十年を境にして自後自由化されておる乳製品についての輸入量がふえてまいっております。これは御指摘のありました擬装乳製品につきましても業界の自主規制が行われているココア調製品を除きまして、そういう傾向があることは事実でございます。これにつきましては、国内の輸入乳製品の需給動向が過剰状態にある、また、国内の牛乳の生産の現在の動向としても過剰基調にあるということから、需給の均衡を国内において図らなければならないという現時点におきまして、輸入乳製品が増加していくということは、国内の酪農の健全な発達のために影響があっては困るというふうに考えておりまして、輸入につきましては輸入制度のもとで輸入が規制できるものについては、これはたとえば事業団の一元輸入品目についてはこれはいたさない、輸入割り当て制、IQのもとにあるものについては、これは特定用途の学校給食とかえさ用のものでございまして、これは必要な範囲で特定用途に向けるということで入れざるを得ないわけですが、それも必要量を十分精査をして入れていく。  それから自由化されている乳製品につきましては、これは分量としてはそれほど多くございませんが、国内の需要者に対してはできるだけ国産品を使うように要請をするというようなことをいたしておるわけでございます。  なお、先ほど大臣からお答え申し上げましたような点につきましてもなお十分実態を調べて対策を検討してまいりたいと考えております。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 それからいま隣で労働省関係の質問やっておったんですが、そこで気がついたことが一つあるんです。  労働基準法関係のILO条約の未批准の中に「農業における最低賃金決定制度に関する条約」というのがあります。これがまだ批准されていないんです。これはひとつ農林大臣、農林省が圧力かけているんじゃないかという気がするんですよ、そんなことやられては困る。そんなことないですか、どうですか。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○政府委員(渡邊五郎君) いま担当の局長が来ておりませんで恐縮でございますが、私の方でもよく調べてみまして、きちんと私どもでどのように対応したかもございますので、後ほどまた御報告申し上げたいと思います。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 これはいま私もそっちで聞いてきたばかりの話なんで、すぐお答えいただけないかもしれませんが、ひとつこういうのが早く批准できるように、大臣どうですか、内容は知りませんけれどもがんばっていただけますか。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 私もちょっとILOの条約の中身を承知いたしておりませんので、いま御指摘のような、何か私どもで農業者の、何といいますか、所得を抑えるような方向で労働省に対して圧力をかけているというようなことはないと思うんでございますけれども、私よく調べてみます。

下条進一郎自由民主党・自由国民会議

○主査(下条進一郎君) 以上をもって丸谷金保君の質疑は終了いたしました。

下条進一郎自由民主党・自由国民会議

○主査(下条進一郎君) この際、分科担当委員の異動について御報告いたします。  本日、大森昭君が分科担当委員を辞任され、その補欠として坂倉藤吾君が分科担当委員に選任されました。

下条進一郎自由民主党・自由国民会議

○主査(下条進一郎君) 次に、坂倉藤吾君の質疑を行います。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 私は、三月二十四日の一般質問に引き続いて、大分そのときの質疑の内容で保留をいたしておりましたので、きょうは続きをお伺いをしていきたいと思います。  それは砂糖の売り戻し特例法の運用の問題であります。この法律が制定をされます当時の砂糖業界というのは糖安法がありましたが、需給調整機能がなかったと、こういう状況の中で、糖価の安定、それから企業の安定、こうしたものを求めるために二度にわたるカルテル形成があったんですが、カルテルの形成時だけはかろうじてという形がありましたが、それが切れますとまた過当競争で業界全体が混乱をする、さらにまた経営の危機にさらされる、そしてそこに雇用される労働者の継続雇用も危ぶまれる、そういう大変な危機的な状況であったわけであります。とりわけ政府が関与をいたしまして、そして豪州原糖の長期輸入契約、これがあったわけでありますが、これが履行ができない。そのために東京湾等に砂糖をいっぱい積んだ船が浮かべられて長期間停泊をしなけりゃならぬ、こういう事態がありましたし、それから、国産糖の売買に当たって国庫支出が異常に増大をする。またさらに、どこまでいくんだろうか、こういう心配が当時あったわけであります。それから、精製糖企業の国産原糖を引き取るに当たっても、大変むずかしい問題でしょっちゅうトラブルが絶えなかった、さらにまた、先ほどちょっと触れましたように、当時失業問題というのは各産業にわたって、特に不況産業にわたって大きな不安があって、大問題になったことは事実なんですが、砂糖業界も働く人たちが雇用関係について脅かされる、こういう事情があったわけでありまして、これはまさに背景、現実ということになろうと思います。したがって、そうした問題を何とか解決をしていきたい、そのことが検討された結果特例法案の提出になり、その制定になっていった、こう私は認識をしているんですが、この認識に間違いありませんか。

森実孝郎農林水産省食品流通局長

○政府委員(森実孝郎君) 御指摘のとおりだと思っております。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 したがいまして、その特例法の特徴といいますか、仕組みの柱になっている分野というのは、これは需給見通しをきちっと農林水産省で全国的に把握をして立てること、そして需給見通しに基づいて各精製糖企業へのシェア割り当て、原糖の引き取り、このシェア割り当てがある。したがって、この需給見通しとシェア割りが密接な関係にあり、したがって、このシェア割りに基づいて立てた需給見通しがそのとおり動いていき、市場を安定させると、こういう立場にあったと思うのですが、これも間違いないでしょうか。

森実孝郎農林水産省食品流通局長

○政府委員(森実孝郎君) 御指摘のとおりだと思います。要するに、輸入数量と申しますか売り戻し数量と、溶糖数量と、売り渡し数量が連動した形でその話し合いの上に立って実績を基礎としてシェアが決められたということでございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 そこで、この特例法を制定するに当たって、この参議院におきましても附帯決議がなされました。この附帯決議は私自身が提案者でありますのでその立場からいきますと、附帯決議の中に、精糖業界の体質改善は関係商社も含めて業界全体の体質改善に適切な農林水産省としては責任を持って指導をしてほしい。同時に、それらの体質改善を通じながら、指導と体質改善を進めながら労働者の雇用、それから中小精糖企業の立場をやっぱり生かしていくように、こういうふうに附帯の中で言っているのですが、これは御存じでしょうね。

森実孝郎農林水産省食品流通局長

○政府委員(森実孝郎君) 附帯決議につきましては先生御指摘のとおりでござざまして、十分了知しております。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 そこで、業界の体質改善というのはその当時も大変困難なことであろうというふうに質疑の中で私は指摘をいたしましたが、法制定以来この体質改善というのは具体的にどのようなところの体質を、どういうふうに改善をされてきたのか、農林省幾つかあると思うのですがね、この取り組みの状況、結果、これを説明してください。

森実孝郎農林水産省食品流通局長

○政府委員(森実孝郎君) 先ほども御指摘のように、基本的にはたとえば五十二年九月期で申しますと、上場十一社で九百四十二億円という累積赤字があったわけでございます。非上場会社を含めますと千億を超える累積赤字があったと。結論の数字から申しますと、五十四年九月期には三百三十三億円まで累積赤字が減少はしております。しかし、その内容を調査してみますと、これはたとえば内容的には特別利益で三百三十億円、経常利益で二百五十九億円が主な内訳で、合わせて六百九億円損失が縮小されたという形になっております。  御指摘の体質改善の問題はいわばこの特別利益の計上がどうやって行われたかということと、それから経常利益を改善するという、経常利益を上げていくために経営改善の努力が行われたかという二点に分かれると思います。特別利益の問題につきましては主として株券とか不動産等の資産処分が主力でございまして、これによって計上したものでございます。経常利益は基本的には何と申しましても数量調整のもとで市価が比較的堅調に、安定的に推移したということの計上利益があるわけでございますが、一、二の企業については委託専門の製造会社をつくる等、各種の努力も一やったことも事実でございます。しかし、遺憾ながら基幹になります過剰設備の廃棄という問題につきましては、一つは労働問題もあり、他方では、一社一工場ないし二工場という規模が大半を占めておるという実態でございまして、なかなか遅々として進んでいない。私どもといたしましても、先生御指摘のように関係商社についてもこの構造改善の推進について協力を呼びかけてきておりますけれども、設備廃棄の問題がなかなか進んでいないということはまことに遺憾なことであると思っております。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 総体の趣旨といいますか、そういう関係からいけばある意味ではいいんですが、問題の体質改善というのは、具体的に幾つか私は指摘をしたと思うんです。その一つの例に、精糖工業会とそれから精糖企業に働く労働者とのいわゆる団体交渉を保障するような形、労働組合は一本になっておるわけですが、それに対する精糖工業会がそれに対応するような形になってない。いろんな意味で幹事会だとかその他つくられておるようですが、必ずしもそういう労働条件等について中央段階で話をするというようなかっこうになっていない。これらもぜひひとつ検討し、それに向くような形をとってもらいたい。それから、個々の企業等については、たとえば精糖をやっていく工程の中で、設備過剰だと言いながら新鋭工場化をして、新鋭工場化は能率を上げるということで、それを抑えるわけにまいりませんが、フル回転をしてそしてやっていくという話になれば、当然これは問題が出てくるであろう。したがって、これは労働条件ともかかわりあって、その辺についての、それぞれの企業の精糖過程における労使の話に基づいてその辺の整備をしていくべきじゃないのかと、いろんなことを提起をしてきたわけであります。ところが、そういう観点からいくと余り何も進んでいない。しかも商社系列というのはきわめて系列化をしていく傾向にあったので、商社の力が余りそれぞれの工場の中に直接働き込むということについては、これは注意を要する、こういうふうに申し上げてあったわけでありますが、それはむしろ深化をしている。こういうふうに見ざるを得ません。一番骨組みになっておる分野というのが、残念ながら改善をされてきた傾向の中には、むしろ逆な、改善じゃなくて改悪をされているように私としては判断をせざるを得ぬのですが、その辺はどうでしょう。

森実孝郎農林水産省食品流通局長

○政府委員(森実孝郎君) 三点の御指摘があったわけでございます。確かに精糖工業会、先生御指摘のように弱体であり、企業全体に対する指導力がなお不足しているということは私は否みがたいと思います。関係商社も含めて、その協力も得ながら、精糖工業会の体質の強化ということは行政としても取り組んでいきたいと思っております。  二番目は、個々の企業の問題でございます。確かに過剰設備がある。これを廃棄しなければならないということ。それと稼働率との関係。それからもう一つは、やはり今日の技術革新の中で生産性を上げていくための新しい投資が必要だと、この点が現状では明らかに二律背反的でございまして、うまく機能していないという点があると思います。    〔主査退席、副主査着席〕 臨時特例の法律等基本的な状況を、一般的な状況下の場合は一律に議論できないと思いますが、なかなかそこは臨時特例法のもとではむずかしい点があるということは御理解を賜りたいと思っております。  商社の系列化の問題でございます。確かに、精糖企業については商社の影響力が大きいということは、私は事実だろうと思います。ただ、現実の問題としてはやはり、端的に申しますと、原料についての金融という問題が一つ原料入手という問題が一つあるわけでございます。それに伴ってかなりの債権を保有している。商社としても、精糖企業に対してかなりの債権保全的な立場で関与していかなきゃならぬということであります。さらに、会社が破産する、倒壊する過程において、倒壊をしないためにむしろ商社が出資も大幅に引き受けて倒壊を防止していたというふうなケースもないわけではございませんで、そこら辺なかなかむずかしい問題がありますが、商社の指導が健全な経営の運営に支障になることは私好ましくないと思いますので、そういう視点からは十分注意をしてまいりたいと思っております。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 先般も指摘をしました神戸精糖などは、その実態から見ましていま労使紛争で長期にわたってもめている。組合の良心もありまして、本来ならストライキを打ちたいところをがまんしてきている。こういう問題もたくさんあります。だから、そんなに大きく穴をあけてストライキやっているわけじゃない。しかし、そのことが何といいますか、会社側、企業の側、あるいは企業を運営している商社の側から見ますと好ましくなくって、さらにどんどんと攻撃をかけてきている。これが神戸精糖の私は例だと思いますね。そういう観点からいって、もっと個々のところを縛るというのは大変農水省の立場からいってむずかしかろうと思う。しかし、全体の体質改善を考えていこうとすれば、個々の問題にも立ち入っていかないと私は全体がセーブができない。そういう立場で私は、せっかくのこの体質改善に向かって取り組んでいくという義務ができているわけですから、農水省の立場からいっても、附帯決議をやり、当時の大臣は、その附帯の趣旨を十分踏まえてやりましょうと、こうやって答弁しているんですから、ぜひひとつその辺にさらに農水省として、大変いやなことかもしれませんが、個々の商社の行き過ぎ、そうしたものについては、私はやっぱり入るだけ入って正しい道に進んでいくようにやってもらわなきゃならぬ、こう思っているんです。  時間の関係がきょうはわずか三十分しかいただいておりませんから次へ移っていきますが、先般の中で、委託加工の手段というものが、これは森実局長の答弁にあったんですが、二十二社中十五社にわたって常に行われておる。通常行われておる委託加工の形態というのは、実はおたくからいただきました資料によると、加工専門会社へ委託をしているケース、それから同糖種の等量交換といいますか、同じ量をそれぞれが交換をし合っている委託の形態、それから異糖種相互委託、こういう形態——異糖種というのは、異なる砂糖の種類をそれぞれ得意の物をつくっているところへやろう、こうなっている。それから一方的な委託、こういうふうにありまして。私は農水省、先ほど確認をいたしましたシェアの重要性からいきまして、一点目の加工専門会社への委託、それから同糖種の等量交換委託、それから異糖種の相互委託というのは従来からの慣行もありましょうし、それからある意味ではシェアが移動しない、こういう委託ですからこれはわかるんです。ところが、一方的な委託というのがこの中にもやっぱりある。こういうふうになっているわけでありまして、これらの見解は一体どうなっているんですかね。

森実孝郎農林水産省食品流通局長

○政府委員(森実孝郎君) 二つの点があるだろうと思っております。一つは、委託につきましては私どもやはり溶糖実績というものは販売実績にも連動しているし、当然溶糖販売の中には話し合いの過程で従来から行われていた委託というものがトータルとして織り込まれて話し合いが進められて当面の特例法下のシェアが決められている。そういう意味においては一般的に委託をやはり認めていかざるを得ない実態にあるという点が一つあると思います。それからもう一つの点は、いま先生御指摘のように、一方的な委託をどう見るかということでございます。一方的な委託と申しましても、いわば精糖工業自体の特殊性から生まれるもの、工場の操業がある程度停止しなきゃならぬ期間もあると、そういうことから生まれるとか、あるいはまた、いわゆる加工度の高い、たとえば氷砂糖とかなんとかの原料のための加工をするために委託生産をやる、いろんなケースがあるわけでございまして、私ども一応行政の指導としての分類としては三つに分けておりますが、一方的な委託がそれ自体好ましいこととは思いませんけれども、やはり委託の態様としては個別事情に基づくものとして認めざるを得ないのではないだろうか、それがいいか悪いかいろいろ議論はあると思いますが、臨時特例法下の臨時特例の措置としては現実には認めざるを得ないのではないだろうか、こう思っております。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 余り望ましいことではないが実態から認めざるを得ないと、こうなっていますね。そういう判断のもとに、私は九州製糖の委託の加工の問題が起こったり、それから神戸精糖における十二月の玉突き委託の問題が発生をしたり、こうなっていると思うんですね。ただ、いま局長が説明がありましたように、たとえば生産計画ですね、年間のそれぞれの企業の生産計画、経営計画、こういう形の中で、いつからいつまでは工場の清掃その他の作業で実際には生産を停止をする。これは年間の経営計画の中に含まれてくる問題ですね。そうなりますと、そこで欠落をする部分は、市場に影響を与えては困るから、その間については他に委託をするという場合はそれはあるでしょう。しかし、少なくとも私はこの九州製糖やあるいは神戸精糖の場合には労使紛争が中心になって問題が発生している、ここに通常行われてきた形とは違った一つの要素があるんじゃないのか。それまでもこれは形が同じだからよろしいという話には私はならぬと思うんです。これは社会通念からいきましても、先般も申し上げましたように、労働組合の活動というのは労組法で保障をされてやっている問題であり、それに対して政府機関が労使に介入をしていくというのはこれはもう問題だろう。異常な形についてはそれは担当の、たとえば労働省があるいは労働委員会がこういう形で指導する場合はあるだろう。農水省が労使の関係の中へ入り込むというのは問題がある。ところが、現実にたとえばこの九州製糖やあるいは神戸精糖の問題が、それが従来もやっている形と同じようなことだから、だからよろしいという話になって農水省が承認をしているとすると、私はこれは農水省が好まずとも労使関係の紛争の中に介入をしたことになると思う、大変重大な問題が発生する。そこの観点は明確にしてもらわなきゃならぬ。だから、特例法の中でそこまで細かく位置づけをするということについては、法体系上私いろいろと問題もあろうと思う。しかし運用上の問題としては、少なくともシェア割りをし、それが重要な法案の柱になっているという限りは、そのことを生かしていく立場というものは貫かれる、しかも貫いていく姿勢の中に、社会通念上許されていることなのかあるいはどうなのか、そしてそのことに承認を与える問題として政府機関がたとえば労使関係の中に介入をすることになるのかならないのか、ここの判断は的確にして私は農水省としてのこの特例法の生かし方というものを考えていくことがこれが正しいんじゃないだろうか、こういうふうに思うんですが、その辺はいかがでしょうか。

森実孝郎農林水産省食品流通局長

○政府委員(森実孝郎君) 私どもも企業内の労使関係が円満に解決されるということは期待しているところでございます。また、先生御指摘のように、具体的な企業内の労使紛争の問題については、農林行政として介入すべきものでもないし、またすることもできない問題だというふうに思っております。ただ、委託加工の問題は、私どもも実はこの労使紛争の問題とはやはり次元の異なる問題ではなかろうか。委託加工の是非が云々されますということは、いわば臨時特例の法律としての特例下の固有の問題と私ども思っております。私が申すまでもなく、特例法のもとでは、数量規制の上で価格安定を図っていくということと、それから反面、やはりそれぞれのメーカーの地域あるいは供給ルートに即しての供給責任を果たさせるという両方の面を考えなければならないと思います。そのこと自体は、先ほども申し上げましたように、溶糖実績の中に委託も含めて議論をされ、過去の実績を基礎としてシェアをメーカーが何回も何回も話し合ってどうにかこうにか決めたという実態があるわけでございまして、なかなか動かせないという事情もあるわけでございます。そういう意味で、そのシェアの枠内で地域的に、あるいは供給ルートから見て供給責任を果たせないという場合については、やはり委託加工を認めざるを得ないということで認めているわけでございまして、たまたまそれが労使紛争に関係があるかどうかということは、結果としてはあるわけでございますけれども、私どもはそれはやはり別の問題ではなかろうかと思っているわけでございます。    〔副主査退席、主査着席〕

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 まだちょっと私の質問の趣旨と受けとめ方が違うんじゃなかろうかと思うんですがね。これは大臣お聞きをいただいておりまして、この特例法の中でシェア割りというのは一つの柱なんですね。したがって、このシェア割りというのは当然需給に直接結びつく問題、言うなら、販路を通じて市価を安定させる、それから必要な量を供給をする、こういう立場に全部結びついているものですね。したがって、それを四半期に分けて農林省が各企業に割り当てをしている。だから、先ほど言いましたように、等量の交換だとか、あるいは異糖種の製造を委託をするとか、これはそういう割り当てたシェアが動かないから私はそれはよろしいと、それはやむを得ぬだろうと。しかし、少なくともその期に必要なものということで割り当てをしている量が、それが農水省の言うなら指導の範疇じゃなくて会社の都合でもって勝手に量が動いていくという形になりますと、せっかくシェア割りをしている価値というものがなくなってしまうんじゃないか。だからそこはきちんと抑えることが原則ですよと。その原則の上に立ってなおかつ、たとえば工場の清掃だとか、あるいは、これは例の話ですが、火事で焼けて工場が動かなくなった場合に一体需給の関係でどうするかとか、こういう場合は大体社会通念的に認められる要素というのはあると思うんです。そこまでは農水省が申請があればそれは認めていきましょうと。むしろ農水省としては、あなたのところはできないけれども、この場合にはどこどこへ委託をしたらどうですかという話があって私はあたりまえだと思うんです。ところが労使の争議等になってまいりますと、これはちょっと質が違うじゃないか。だから、そこの問題についてのチェックというものは私は歯どめをしていく必要があるだろうと。なぜそう言うかといいますと、先ほどの商社も含めた体質改善の問題にかかわるんです。砂糖業界というのはきわめて私は勝手気ままをしてきている。一つの規制法をつくるとその抜け道をどうやって探すかということで今日までやってきた歴史がある。私はそこに大きな問題があると思うんです。しかも、自分たちはどんなことをやっているかといいますと、たとえばこの東海製糖とのかかわりです。これもこの前ちょっと出しました。東海製糖に対して実はいま裁判所に会社更生法の問題で提起をしております。これがこの二月の一日のときに、地裁の方ではこれはもうだめですよと、こうなりました。ところが、法的手続に基づきまして控訴をしているんです。したがって、控訴をしている関係はまだ、地裁で一たんの結論は出たけれども、受理をされていますから引き続いてのものだと思うんです。それに対しまして豪州糖輸入協定幹事会というのは、あなたのところのもう能力はありませんとこう認定をして、あとの豪州糖の引き取り義務はあなたのところはなくなったんですよ、こういう通知まで勝手に出している。法律がありながら、法律が生きてそのことが生きておりながらそれを無視をしまして、一審で出たんだからそんなものいいじゃないかと。いま豪州糖が言うならば世界の国際糖価に比してある程度楽になってきたら、こういう結論を勝手にやり出すということで、これは容赦ができないと思うんです、こういう法を無視したようなやり方は。こんな勝手気ままをやっていることを許しておったのでは私は農水省として問題がある、こういうふうに思いますので、体質改善に含めて、いま私が申し上げますように、シェア割りをきちっとするんならそのことをひとつ踏襲し、原則を踏まえた上で私は対処をしていってもらいたい。それが農水省の責務じゃないのか。しかも、そのことに対して幾つか文句を言うんでしたら、私は糖安法の中できちっと農水省の、六十四条です、立ち入り検査権も持っている。虚偽の報告をしたらこれは罰則規定まで出てくるわけです。こういうところをきちっと生かして適正な指導というものが図られていくべきだろうと、こう思うんです。ひとつその辺についての私は農水省の基本的なあり方、これはひとつ大臣から御答弁をいただいて、事務的な補足があれば局長の方からお答えをいただきたい。

森実孝郎農林水産省食品流通局長

○政府委員(森実孝郎君) 事務的な点を先にお答えさしていただきます。  まず東海製糖の問題でございます。基本的には、輸入協定の九条二項で幹事会の判断にゆだねられている問題でございますし、留保条件をつけたことも事実でございます。しかし、確かに先生御指摘のように、即時抗告が行われて確定していないことも事実でございますし、それから以前の未引き取り分の問題についてもまだ実は私ども見ると決定もしていない実態でございます。この幹事会の決定には私もやはり問題があると思います。その意味で適切な指導を今後行いたいと考えておりますので、御了解を賜りたいと存じます。  それから第二に、シェアの問題等でございますが、これは、先ほど申し上げましたように、年間及び四半期ごとの需給数量は決めておりますが、シェアは実は当初業界が再三話し合って決めたシェアを踏襲しているという事実がございます。これはいろいろ理屈もあると思いますが、これが恒久法であれば確かに先生おっしゃるようにシェアを改めるルールづくりをするということもあると思いますが、二年数カ月の限時法で、ただシェアを変えるということはなかなかうまくいかないという事情があることを御理解賜りたいと存じます。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) いろいろどうも精糖業界というのは大変ややっこしいようでございまして、せっかくこういう法律に附帯決議がありながら、農林水産省は決して指導をしていないということではないと思うんでございますけれども、業界が業界だけになかなかうまくいっていないという点でいろいろと御心配をいただいておると思います。私どもできる限り今後、そういう業界は業界という現実は踏まえながら、できるだけしかし法律の趣旨に沿い、また附帯決議の趣旨に沿って、何かいい方向に行くように、そういういろいろと御指摘をいただくようなことのなるべくないような形にこれから努力をしてまいりたいと、こう考えております。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 私はこういうふうにいろいろ指摘をしてまいりましたが、この売り戻し特例法の言ういわゆる需給調整機能というものは、これは私はきわめて必要な今日の状況の中での分野だと思っております。だから、こういうややこしいものをつくったからいろいろというふうなお考えにならぬように、これは大臣も局長もきちっと腹へ入れておいてもらわなきゃならない。  それからこのシェアの問題は、きょうは時間の関係で余り突っ込みませんでしたけれども、少なくとも農林水産省がシェア割りをしているこの期の中で、時期をくくってたとえば交換をしている。その間に、農水省おまえのところそれはおかしいじゃないかと言ってもとへ戻した、こういうのがいままでの九州製糖なり神戸精糖のあり方ですよ。これはもう明らかにその期からいきますとシェアが移動している、当該期から移動している。移動しているやつをもとへ戻すということは往復ともシェアが無視をされたと、こういうことになるわけですよ。私は、これは本当にせっかくの機能というものを業者の、いわゆる企業側の勝手によって破られている。しかもそれは往復許す、これはもうけしからぬ話だと思うんで、ぜひひとつ是正をいただくように、その辺のことを申し上げて終わりたいと思います。

下条進一郎自由民主党・自由国民会議

○主査(下条進一郎君) 以上をもって坂倉藤吾君の質疑は終了いたしました。  午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時再開することとし、休憩いたします。午後零時十三分休憩      —————・—————    午後一時開会

下条進一郎自由民主党・自由国民会議

○主査(下条進一郎君) ただいまから予算委員会・第三分科会を再開いたします。  まず、分科担当委員の異動について御報告いたします。  本日、坂倉藤吾君及び柳澤錬造君が分科担当委員を辞任され、その補欠として村沢牧君及び栗林卓司君が分科担当委員に選任されました。

下条進一郎自由民主党・自由国民会議

○主査(下条進一郎君) 午前に引き続き、昭和五十五年度総予算中、農林水産省所管を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。渡部通子君。

渡部通子公明党

○渡部通子君 私はきょう牛乳の消費拡大ということをめぐって若干質問をしたいと思います。  最近、牛乳の生産過剰ということが大変話題になっておりまして、ひどい乱売状態などというものもいろいろ報道されておりますが、バターや乳製品類も在庫が異常にふくれ上がって、かつてない様相だと言われておりますが、農林水産省はこのような事態をどのように掌握をされているのか、まず概括的に伺いたいと思います。

犬伏孝治農林水産省畜産局長

○政府委員(犬伏孝治君) ただいま御指摘のとおり、牛乳、乳製品の需給は昭和五十一年度以降、消費の伸びを上回る生産の伸びが見られましたために、大幅な需給緩和の状態で推移をいたしております。  数字について若干申し上げますと、五十一年度、二年度、三年度におきまして生乳の生産量の対前年伸び率は大体七%ないし八%の伸びであったわけでございます。これに対しまして、飲用牛乳の消費の伸びはこの五十一年度から五十三年度にかけて見ますと四ないし六%、それぞれ対前年比の伸びということで、そのために乳製品向けの生乳の供給量が大幅にふえ、そのことによって乳製品の生産が増加をして在庫がふえる、それが過剰在庫となってまいっておるわけでありまして、昨年十二月末現在の乳製品の在庫状況を見ますと、バターにつきましては事業団在庫も含めまして五・八カ月分、脱脂粉乳につきましては、これも事業団在庫を含めまして十・六カ月分という状態にあったわけでございます。  このような状況から、生産の面につきましては生乳の生産者団体が自主的に計画生産を進める、さらに消費の面につきましては、生産者それから乳業処理業者並びに販売業者が一体となって消費拡大を進めるということで取り組んでまいっておりまして、昨年の秋以降、幸いこれらの対策が漸次効果をあらわしてまいっておりまして、需給事情は改善の兆しを見せてまいっております。関係者の適切な対応があれば、需給の均衡は早期に、比較的早い時期に回復することが可能ではないかというふうに考えております。国といたしましても、これらの生乳の自主的計画生産対策並びに飲用牛乳の消費拡大事業に対しまして、五十四年度は三十二億円の対策費を助成いたしておりますし、五十五年度におきましても引き続き同額三十三億円をもって助成を行うこととしておるわけでございます。

渡部通子公明党

○渡部通子君 牛乳がだぶついて大変に困っておる御様子はよくわかるんですけれども、対策としては総合的なものがいろいろ講じられなきゃならないことは当然ですけれども、私はやっぱり一番大事なことは消費の拡大ということだろうと思うわけです。日本の牛乳の消費量が非常に、一人当たり一日何ですか八十——まあ後でその数字は言いますけれども、そういう非常に少ないという観点、それから国民の栄養という面から考えた場合には、もう絶対的に消費の拡大をすべきだというのが至上命令だと思うんです。そして、消費拡大がなければ酪農の安定もあり得ないと、こういう見地でひとつ農林省には対策を進めていただきたいと思うんです。牛乳をいつでもどこでも飲める状況、いつでもどこでも買える状況、このくらいに消費拡大を進めていただきたいと思うわけでございますが、そういう観点でひとつきめ細かく若干お尋ねをいたします。  国鉄さんきょうおいでいただいているんですが、昭和四十五年に新幹線の車内では牛乳を販売をしておりました。私も現実に買っておりました。しかしながら最近はやっておらない御様子ですけれども、それはどういう理由なんですか。

大西克巳日本国有鉄道事業局次長

○説明員(大西克巳君) 現在、先ほどお話ございましたように、新幹線列車での牛乳の車内販売は行っておりませんが、食堂車では在来、新幹線とも販売しております。また、北海道における特急列車の一部では車内販売を続けております。  先ほどのお話の新幹線での牛乳の車内販売を始めましたのは、昭和四十五年五月から始めておりまして、これはいまの御趣旨のように牛乳の消費拡大の要望に沿いまして、これを始めたものでございます。しかし、やってみますと思いのほか需要が少なく、牛乳業者並びに販売業者ともども採算割れという状況となりまして、やむを得ず四十九年の十二月以来休止の状況になっております。

渡部通子公明党

○渡部通子君 売れないから、それで利益がないからという御答弁ですけれどもね、全然熱心でないんです売り方が、私に言わせればね。本当に消費拡大に何とかして少しでも役立とうと、消費拡大だけではなくって、もう国民の体位の上からも絶対的に必要なことですからね、そういう中で何とか売ろうという努力がほとんどないですよ。まあ、お弁当やら残った飲料水については、三つ残った弁当でも持ってしつこくしつこく売りに来る。ところが牛乳にはそういう熱心さというものが全くなかったということは、これは事実お認めになるしかないと思うんです。だからそういった意味で、売れなかったというんじゃなくて売る熱意が足りなかったと、PRも不足していた、これはお認めだと思うんです。そういう観点に立ち返って、いつでもどこでも買える牛乳という、そういう目的に沿うならば、もう一回これを再検討なさるおつもりはございませんか。

大西克巳日本国有鉄道事業局次長

○説明員(大西克巳君) 御存じのとおり牛乳は非常に腐敗しやすいものでございまして、食品衛生上常に摂氏十度以下に冷却する必要がございまして、そのための冷蔵設備が必要でありますというような思わぬ経費もかかります。と同時に、過去の経験、それから現在北海道での販売実績等からかんがみまして、列車内の需要が思いのほか少ないということをわれわれとしては感ぜざるを得ないのでございまして、いま先生のおっしゃいました復活につきましてはきわめて困難ではないかというように思われます。まあしかし、むしろ現在駅の構内では、地上でございますが、およそ少なくとも一日十万本は販売しておりまして、売店だとか自動販売機によった牛乳の普及を図っていくことが効果的であるし、そういう面で国鉄といたしましても牛乳の普及に御協力したいというように考えておるんでございますが。

渡部通子公明党

○渡部通子君 冷蔵設備などで非常に費用がかかるとおっしゃったけれども、これはジュースだってビールだってみんな冷やして売っているんですよ。あれと同じなんです。あえてそれをおっしゃるならば、いまLL牛乳というのが多少製造もしていることですからね、そういうものも導入すればビール並みの冷やしをしておけば何にも心配はないのでありまして、それは理屈に合わないと思うんです。業者間にいろんなこともあったと私は承知いたしておりますけれどもね。大臣、これに対していかがでしょうかね。やっぱり私は、それはスタンドで売ってもいい、ホームで売ってももちろん結構でございます。そちらで、消費拡大は国鉄さんやっておりますと言うけれども、新幹線ってなかなか長いものなんですよ。特に博多なんて七時間もあって、延着なんかしたりすると十時間も十五時間にもなる場合だってあるんです。お弁当全部売り切れますよ。子供や赤ん坊が乗っている場合もあります。そういったことを考えたときに、牛乳を置くということはそういう面からも非常に大事なことではなかろうかと思います。これに前向きに御検討の御用意があるかどうか、農林水産省に伺います。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 私はいま極力日本の牛乳が売れるように努力をしているわけでございますから、きょうの先生のお話は私は大変ありがたいお話だといまお聞きをしておったわけでございまして、国鉄がいずれにしてもやっていただかなきゃならぬことでございますので、私どもよく協議をいたしまして、できるならばひとつ積極的に国鉄も販売促進に御協力を願うように私どもからもお願いをしたいと、こう考えております。

渡部通子公明党

○渡部通子君 ひとつ前向きにそれはお願いをしたいと思います、特に需要期にこれから入ってまいりますので。  それから次に、またきめ細かなことを伺います。いま自動販売機の設置状況ですけれども、乳飲料と清涼飲料によって何台ぐらいずつですか。

犬伏孝治農林水産省畜産局長

○政府委員(犬伏孝治君) 牛乳の自動販売機の普及率でございますが、昨年の末取りまとめたところでは普及台数が十万九千四百三十台、対前年比で一一六・九%ということになっております。なお全体の自動販売機、清涼飲料等を含めました全体のものでございますが、四百二十一万七千台、対前年比が一一一・九というふうに承知をいたしております。

渡部通子公明党

○渡部通子君 いまのお答えから見ても非常に乳飲料の販売機は少ないわけですね。私が用意しましたのは、これは通産省の機械統計の資料ですけれども、同じようにやはり乳飲料の自動販売機が五十四年度実績で四万八千台、それに比べて清涼飲料の自動販売機が三十二万八千台なんですね。だからこれ概略、対比だけをわかっていただけば結構ですけれども、清涼飲料自動販売機に比べて牛乳を置いてある販売機というのは比較にならないほど少ないわけなんですね。だから私はこういった面でも、特に日本は離島なんか多いですから、僻地とか離島とかそういったところで牛乳屋さんなんかないところたくさんあります。そういったところでコカコーラばっかり売らないで牛乳販売機をもっときめ細かく設置をする必要があると思いますので、それに対する御答弁をいただきたいことと、それから国会の中や各省庁の中に牛乳の自動販売機を置いてはどうかという提案をしたいと思います。と申しますのは、私昨年のちょうどこの分科会でローファットミルクについての質問をいたしまして、おかげさまでローファットは低脂肪乳として売り出されるようになったわけです。ですから、牛乳を飲んで太るだろうという心配をなさっている方も、ローファットをお飲みをいただけば低脂肪ですから、そこへもってきてビタミンとカルシウムの栄養価というものを考えたときに、本当にどんな人でも日本人はもう少し牛乳を飲まなきゃいかぬと思うのですね。私声を大にしてどこへ行ってもこれ言っているんですけれども、なかなか消費者向けに農林省がそういう点では運動が少し不足していると思いますのでね、そういった点でまず国会や省庁の中に牛乳の、特にローファットの効用も明記した上で、自動販売機を置くおつもりはないかどうかお答えいただきたいと思います。

犬伏孝治農林水産省畜産局長

○政府委員(犬伏孝治君) 牛乳の自動販売機の普及率につきましては先ほど数字を申し上げましたところでございますが、何分牛乳は新鮮度をとうとぶということで保存期間が短いということ、そのために手間がかかるとかロスがあるとかいろいろ技術的な問題もあるわけでございますが、私どもとしては飲用牛乳の消費の拡大、これはあらゆる可能性を求めていろいろ検討をし努力をしてまいらなきゃならぬと考えております。五十三年度におきましても、実は高等学校にモデル的に設置を助成をしたことがございますが、自動販売機の破損だとか電気代の負担等の管理上の問題があって、これ以上伸ばすことはなかなかむずかしいという問題もあったわけでございます。そういったいろいろ経験の積み重ねもございますので、そういうこれまで払ってきた努力の上にさらに積み重ねて、より改善された形で自動販売機による消費拡大が進むようにしてまいりたいと考えております。  ただいま御指摘の国の機関等に設置をする問題につきましては、関係方面ともよく相談をしてまいりたいと考えております。

渡部通子公明党

○渡部通子君 相談をしてまいりたいという御答弁では前向きなのか後ろ向きなのかよくわからないのですけれどもね。牛乳の消費拡大を含めてまず自分たちの役所にも自動販売機を置こうではないかということを地方自治体にも通達をするとか、そういった面で前向きの姿勢をおとりになるおつもりはございませんか。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 私どもの役所にはあるようでございます。私はまだ実は買ってないんですけれども、私どもの役所にはあるようでございますので、ひとつこれは各省庁いろいろ考え方はあろうかと思いますが、一つの国の農業政策の中で酪農を振興していかなきゃならない、それには牛乳の消費拡大をしていかなければならないというのはこれは政策でございますから、できるだけ各省庁にも御協力をいただくようにひとつこれはそれぞれ官房同士で話し合いまして対処してまいりたい。私どもとしてはできるだけひとつ前向きで取り組んでまいりますけれども、どこまで説得できるか、いま局長から答弁いたしましたようにいろいろの問題もあるものでございますから、どこまで成果が上がるかは別といたしまして、とにかく努力をしてみたいと、こう考えております。

渡部通子公明党

○渡部通子君 さすがに農林省で、農林省だけ置いてあるそうですが、厚生省さんあたりも積極的に置いてしかるべき役所ではないかと思いますがね。こんな質問通告をしてございませんけれども、厚生省さんは置くおつもりありますか。

瓜谷龍一厚生省環境衛生局乳肉衛生課長

○説明員(瓜谷龍一君) お答えします。現在厚生省にも置いてございます。そういうことでございまして、ただ積極的にこれを設置させるということにつきましては、農林水産省の意向も踏まえまして十分対処してまいりたいと考えております。

渡部通子公明党

○渡部通子君 ひとつ国会内にも置くように、これは私からもお願いをしたいと思います。さらに、もう一つ細かなことを伺っておきますけれども、いま幼稚園牛乳飲用普及促進事業というのをやっていらっしゃるようですが、それを対象拡大するとかあるいは幼稚園よりはむしろ保育園にこれを普及していくというおつもりはございませんか。

犬伏孝治農林水産省畜産局長

○政府委員(犬伏孝治君) 牛乳の消費拡大の一環といたしまして、五十四年度から幼稚園での飲用牛乳の消費をしていただく、そのことを促進するために助成を事業として取り上げまして進めておるところでございます。全体の消費拡大のための対策費といたしまして、五十五年度畜産振興事業団の助成費で生産の方の需給調整と合わせまして三十三億円の予算を計上いたしております。昨年はその三十三億円のうち十一億円を消費拡大の方に使ったのでございます。五十五年度の事業計画でこれをどうするか、ただいま関係方面と協議をいたしております。総額としては前年と同額で確保いたしておりまして、決まったのが三月の末でございましたものですから、それをさらに具体化することでいま相談を進めておるところでございます。幼稚園の集団飲用につきましては、前年度を少なくとも下回ることのないようにしてまいりたいと考えております。  それから保育所の関係でございますが、保育所につきましては、児童福祉法に基づきまして児童保護措置の経費が国から交付をされておりまして、これでは父兄負担の関係がございまして、現在のところは脱脂ミルクの給食が行われておるところでございます。父兄負担の増額を伴わない形で牛乳に切りかえる必要があるわけでございますが、そのためには非常に膨大な財政負担が必要であるということで、現在直ちにこれを実行するということはなかなか困難な状況にございますが、今後とも検討をしてまいりたいと考えております。

渡部通子公明党

○渡部通子君 ごくごく素朴な感じで、やっぱり牛乳を捨てなきゃならぬというような状況がある。在庫がたまっていて困っているという、そういう中で保育園あたりに廉価で上げられないもの、だろうか、だれしも考えつくことだと思うのですね。難民に上げたらどうかなどということをおっしゃる方だってたくさんいるわけです。そういう中で、財政負担が大き過ぎて、それがなければ保育所に余った牛乳が回せないというのは、少しどこにネックがあるんだろうかということは私は不思議でならないんですけれども、いま前向きに検討するということでございますから、ぜひとも幼稚園よりは私は保育所の方へ生乳を回していただきたいと、こう思うんですけれども、何とか突破口は開けそうですが、いかがですか。

犬伏孝治農林水産省畜産局長

○政府委員(犬伏孝治君) 五十四年度におきまして、保育所の関係につきまして実はごくわずかの量でございますが御協力をいただいて、国産品を使うようにお願いをした経緯があります。その御協力をいただいたわけでございます。そのために父兄負担がふえるということで、さらにふやすということはなかなか困難な状況にあったわけです。ただ、その際も生乳ではなくて国産の脱脂粉乳という形であったわけです。非常にいろいろ取り扱い上の手間その他の関係があって、生乳に切りかえられるのはもう一つ技術的にむずかしい問題があるということで、国産脱脂粉乳を使っていただくように御協力をいただいたわけでございます。先ほど財政的に非常に負担が増大をするということを申しましたけれども、現在の児童保護措置の対象人員が百八十三万人ございまして、父兄負担をいまの脱脂粉乳から生乳に切りかえるためには一人当たり一日三十三円、それで供給日数を二百日といたしますと、約百二十億円の負担増が出てまいるということで、これは所管は厚生省でございますので、私どもとしてはその負担をつけてこちらからお願いできればよろしいのでございましょうが、厚生省の方のお話によりますと、児童保護措置費というのは国の交付金をもって充てるということがありまして、やっぱり厚生省の方の財政措置をもってしなければならないという制度のたてまえになっておるということがございまして、その辺も制度的に検討をしなければならない問題があるわけでございます。  先ほど検討いたさなきゃならぬというふうにお答えいたしましたけれども、財政負担なり負担のあり方、それからその財源措置、それらの問題について検討が必要なことでございます点を御理解いただきたいと存じます。

渡部通子公明党

○渡部通子君 ちょっとむずかしい感じを受けるのですけれども、ちょっとお話の観点を変えます。  私きょう一貫して消費の拡大なしには日本の酪農の発展もあり得ないという観点で消費拡大の点だけを限って伺っているわけでございますけれども、先ほどから聞いておりますと、確かに自動販売機にしても牛乳は保存とか衛生に手間がかかると、心配があると、こういう御懸念を伺いました。それから国鉄さんが売れないというのも要冷蔵というのに大変手間がかかるというような話を聞きました。そうしますと、やはりヨーロッパあたりでは常識になっている常温流通ということが当然日本の国でも考えられてしかるべきではなかろうか。もうお店へ参りますとLL牛乳——ロングライフ牛乳、常温で置いて構わない牛乳が冷蔵庫の中に入れて売られているわけですね。この問題をめぐって私、いろんなむずかしいことがあるのはよく承知しておりますから、それにどっちに軍配を上げろなどという話はきょうは絶対いたしませんけれども、牛乳がいつでもどこでも買えるような、どんなときにでも飲めるような、そういう状況を消費拡大の上からつくっていくためには、多少なりともロングライフを僻地とか離島とか観光地あたりに置くような用意があってしかるべきではなかろうかと私は考えます。特に輸送費は安くて済みますし、それから牛乳を飲んでよく下痢をするという人がいますけれども一、あれは冷た過ぎるからなんですね。冷蔵庫の中から急に出して飲むからそういうことなんであって、ある程度の温度を保っていればかなり消化力は違うわけですね。そういったことをいろいろ考えてみたときに、ロングライフということが当然いろんな意味で脚光を浴びてこなければならないのじゃなかろうか、こう思うのでございますが、それに関してまず厚生省さんに、ヨーロッパあたりではもう常温流通が大半になっておりますが、それを状態を調べていらっしゃるのかどうか。それから品質の安定とか、あるいは生乳が輸入されるのではないかという心配、こういうものに対して歯どめがかけられるのかどうか、その辺厚生省さんはどう考えていらっしゃるのか、まず伺いたい。

瓜谷龍一厚生省環境衛生局乳肉衛生課長

○説明員(瓜谷龍一君) お答えいたします。  ヨーロッパにおきます、いわゆるロングライフミルク、その普及状況につきましては、ある程度のことは把握いたしております。それで、ただいま御質問にございました輸入が多くなるんじゃないかというような問題でございますが、これはある程度農林水産省にも関係いたす問題でございますので、その辺農林水産省ともよく検討してまいりたいと思っております。

渡部通子公明党

○渡部通子君 品質の安定。

瓜谷龍一厚生省環境衛生局乳肉衛生課長

○説明員(瓜谷龍一君) 従来牛乳は、先生もよく御存じのとおりいわゆる栄養成分がバランスとれてございまして、非常にいい食品だと言われております。したがって、これの安全確保、われわれは安全確保の面から対処しておりますが、いろんな安全確保につきましては、そういう観点から従来から十度以下保存ということが衛生的な意味の品質確保上非常に結構なことであるということで十度以下保存というふうにしております。

渡部通子公明党

○渡部通子君 質問の趣旨をよく聞いてください。  常温流通がヨーロッパあたりで大半を占めるようになっているけれども、それに対していま日本の国で心配があるのが常温の場合には品質確保、品質の安定が大丈夫なのか、あるいはロングライフという形で大量に輸入されるのではないのか、生乳が。そういう二つの心配が大体要約すると大きいと私は考えている。この二つの心配に対して厚生省さんはどうお答えになりますかと、こう聞いているんですよ。

瓜谷龍一厚生省環境衛生局乳肉衛生課長

○説明員(瓜谷龍一君) いわゆるロングライフミルクというのは非常に比較的保存性が長いということでございまして、現在いろいろ試作もされておるようでございますが、われわれ厚生省としまして食品衛生を担当する立場から、これにつきましては種々検討しなくてはいかぬことがあるというふうに考えております。  その第一点としまして、製品は無菌でなくちゃいかぬというふうに考えておりまして、したがって、無菌状態を得るための殺菌の条件を検討しなくてはいかぬということでございます。  第二点としましては、いわゆる充てん、これは牛乳は容器に入れますので、空気中にはいわゆる微生物といいますか、細菌があるというようなことがございまして、充てんする場合のいわゆる無菌的な充てんということも必要でございます。したがって、それらについての条件も検討しなくてはいかぬというふうに考えております。  それと第三点としまして、いわゆる容器の条件でございます。これにつきましては材質の問題でございますとか、それから強度の問題、それから容器自体の殺菌の方法ということもございます。これらの点についても検討しなくてはいかぬというふうに考えております。  それから第四点としまして、製品の管理の条件でございます。いわゆる比較的長期保存するというものの中にもし不良品が入った場合、これが食品衛生上非常に大きな被害を及ぼすおそれもあるということで、それらの不良製品の確認排除といいますか、それらの条件につきましても種々検討しなくてはいかぬというふうに考えております。衛生上の観点から以上の点を検討しなくてはいかぬと思っておりますが、将来におきましては、消費者が買って飲むものでございますので、その製品についての特性につきまして消費者への啓蒙ということも、さらに考えていかなくてはならぬというふうに私ども考えております。

渡部通子公明党

○渡部通子君 いまおっしゃった第一、第二、第三、第四と、こういう観点から現在厚生省は、業者がつくっていらっしゃるLL牛乳に対しては安全でないと思っていらっしゃるのですか、それともそれは確認していらっしゃるのか、それとも将来認める用意があるのか、それをお聞きします。

瓜谷龍一厚生省環境衛生局乳肉衛生課長

○説明員(瓜谷龍一君) 現在のロングライフミクにつきましては、いわゆる十度以下の保存規制温を適用させております。それで現在のいわゆるロングライフミルクと言われておるものにつきましての安全性の確認ということは、必ずしも十分行われておりませんので、先ほど言いました四つの条件、主として四つの条件等につきまして今後前向きに検討してまいりたいというふうに考えております。

渡部通子公明党

○渡部通子君 将来認める用意があるか。

瓜谷龍一厚生省環境衛生局乳肉衛生課長

○説明員(瓜谷龍一君) いわゆるこの四つの条件が完全に満たされた場合に、仮定でございます、すればそういうような方向になり得るかもしれませんが、ただ、先生も御承知のとおり、いわゆるこれは酪農行政に非常に大きな関係がございます。したがいまして、単に、衛生上の問題からLLミルクをどうするということではございません。したがいまして、農林水産省の意向も十分踏まえまして私ども対処してまいりたいというふうに考えております。

渡部通子公明党

○渡部通子君 時間がないので余り議論ができないのは残念なんですけれども、大変な矛盾なんですね、いま話を聞いててみると。もうすでに市場にはLL牛乳というのは出ているわけですよ。で、LL牛乳というのは六十日ぐらいは常温で流通するということはみんな知ってるんです。ですから、私などもLLを買ってくれば平気で部屋の中に置いておく、冷蔵庫の中に入れないわけです。それがまだ確認してないなどと厚生省はおっしゃる。それはおかしな話だと思いますよ。LLだったらば常温だというのはもう世界の常識ですからね。そのLLを流通させているからには、いまは十度C以下という省令が改正になっておりませんから、業者でもお店でも必ず冷蔵庫に入れておきますが、知っている人はみんなそれは常温でいいと思っているわけです。それが衛生上確認されてないなんというのはとんでもない行政のおかしな矛盾だと思いますよ。だから、LLとして流通させるからには、それはもう安全性を確認した上で常温に置いてもある一定の期間なら大丈夫だということぐらいはあたりまえだと思って私たちは認識をしておりますから、その点、厚生省わかってらっしゃると思うけれども、農林省との兼ね合いもあるそうですから、最後には農林大臣に伺っておきましょう。  そういうものが確認されれば将来認める用意があるとおっしゃいました。  私はもう一点、いま省エネということがこれほどやかましく言われているときですから、その観点からも前向きに取り組んでいただきたいと思っています。で、これはテトラパックの会社が野村総合研究所に頼んで調査をした結果を見ますと、要冷蔵で輸送した場合は牛乳一キロ当たり二十四円から二十五円かかるというんです。これは北海道から本州に持ってくる場合です。それから、Lしの場合だったらば一キロ当たり十二円から十三円と、輸送費というものが大体半分以下になっているわけですね。確かに冷蔵コンテナで輸送するというのは大変な手間もかかれば、大変なエネルギーも消費するし、そして費用も高くついているわけです。今度電力が値上げになりまして各商店が一番先に言っていることは、お店の冷蔵ケースですか、あれの面積を小さくしなければならない、それから温度を高めなければならないと、それ以外に電力値上げに対する対抗措置はないということがいろんなお店で言われていることなんです。これほどエネルギーを、電力を節約しなければならないというのに、いまは業界がまさに五万トンを目標に生産しているLL牛乳を、要冷蔵でエネルギーを使って販売し、エネルギーを使って輸送している、こんなナンセンスなばかげた話はないと思うんです。ですから、この省エネの観点から見ましても、あるいはいつでもどこでも、僻地でも飲めるという、こういう拡大の観点からいたしましても、せめてつくられているロングライミルクについては要冷蔵を外して常温流通にしてしかるべきではないか。いますぐとは言いません。それから、日本の牛乳全部をそうしろとなんて決して言ってないんですよ。これはもう酪農の間に南北戦争があるなどということも私はよく承知しておりますし、酪農の発展は願っている一人です。しかし、消費の拡大がなければ酪農の発展もないという観点から見れば、いま置かれていない離島とか僻地とか観光地、そっちに牛乳を普及させ、あるいは省エネルギーの観点から見て、いま生産されているLL牛乳あたりは常温流通を認める方向へ検討していただくのが当然ではなかろうかと思いますが、最後に農林省の御見解を伺っておきます。

犬伏孝治農林水産省畜産局長

○政府委員(犬伏孝治君) 農林水産省といたしましては、LL牛乳は常温で長期間保存ができるということでございますので、飲用牛乳の消費の多様化という見地から新規需要の開拓も可能であろうと、したがって牛乳の消費拡大にも貢献をするということで、基本的にはそのように考えているわけでございます。先生御承知のとおり、これを実現するためには関係する生産者間の問題、それから処理関係をする乳業メーカーの中小業者と大企業との関係、それぞれ複雑な問題を包蔵いたしております。農林水産省といたしましては、これを前向きに進めるためにはそれらの関係者の意見の調整を図る必要が当然あるわけでございまして、そういう調整を図る場を設けてやってまいっておりますが、なおなかなかむずかしい問題がございます。現状の牛乳の需給状況、冒頭お答えいたしましたような状況でもございますし、また将来の牛乳の消費拡大というのが日本の国民の健康のためにも貢献するというような見地から、その調整の場におきましても意見の取りまとめをできるだけ早くできるように、農林水産省としてもより積極的に対応してまいりたいと考えておるところでございます。

渡部通子公明党

○渡部通子君 大臣の御決意だけひとつ最後に聞かしてください。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) いまいろいろと局長から御答弁いたしましたように、先ほど御指摘のあった南北問題であるとか、あるいは乳業メーカーの大、中との関係であるとか、いろいろ私どもの方にもこれは問題がないわけではございません。厚生省の方の食品衛生法の適用除外にする問題、これも厚生省の方でやるわけでございます。いまいろいろと、すでに検討は進めておるわけでございまして、私どもできれば何とかいい形でお互いの話し合いができて、こういうものが進められ、そして特に先ほども御指摘のありましたけれども、余りそういう自動販売機もないような僻地などへも行けるとか、いろいろ工夫をしていけば、私は相当牛乳の消費にも役立つんではないかと、こう考えておるわけでございまして、いま話し合いが進められておりますのを期待をしながら見守っておるわけでございますので、できるだけ早く促進をして、いい形でうまい話し合いができるというか、円満な形でその協議が調うような方向にいくように私どもも努力をしていきたいと思っております。

渡部通子公明党

○渡部通子君 終わります。

下条進一郎自由民主党・自由国民会議

○主査(下条進一郎君) 以上をもって渡部通子君の質疑は終了いたしました。  次に、村沢牧君の質疑を行います。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 私は、林業労働者の確保と白ろう病対策についてお伺いいたします。  林業を取り巻く情勢、大変厳しい中におきまして、長期的に見れば、世界的に木材が不足をすることが想定をされておるわけでありますので、国内林業の見直しをしなければならない時期になってきておるというふうに思います。国内の林業生産にとって幾つもの課題があるわけでありますけれども、その一番大きなものは、林業労働力をいかにして確保し、定着化をするかということであろうというふうに思うんであります。林業労働者は年々減少して、政府の資料でも、四十八年には二十一万人いたものが五十四年には十八万人、四十歳以上の者の占める率が八〇%近くなっているという現状であって、若い者で林業で働こうとする者がほとんどなくなっておるわけであります。  そこで農林大臣、林業労働者の現状と、その確保のためにいかなる対策を講じており、講じていこうとされるんですか。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 私どもも、林業というものが将来の国土の保全から言っても、またいま御指摘のありましたように、長い目で見ればやはり国内の木材の需給関係の中で国産材がより確保されていかなきゃならないということも当然でございまして、何とか林業労働者の確保を図っていかなきゃならないと思っております。現状はいま御指摘のとおりで、相当減ってきておるわけでございます。ただ、ここ二、三年と申しますか、は少し四十年代よりは減少の度合いが少なくなって、多少横ばい傾向になっておりますが、ただ御指摘のように、非常に高年齢の人が多くなっておるわけでございまして、やはり若い働く方がより来ていただけるような方向に持っていかなきゃならない、これにはどうするかということですけれども、やっぱり基本的には林業そのものをやはりより振興していかなきゃならないというのが一番大切な問題であろうと思います。私ども今度の新しい林業構造改善事業でも、そういう観点で国産材の生産から流通、加工までひとつ一貫した形で思い切った政策を進めていきたいと思っておるわけでございますし、またもう一つは山で働いていただく方々の生活環境の整備ということも大変大切な問題でございます。町で受けると同じような生活を、文化的な生活を享受できるような、そういう生活環境の整備をつくっていかなきゃならない。それから、三つ目にはまあやはり労働条件いろいろむずかしい問題もあろうかと思いますが、やはり労働条件の改善に私ども積極的に取り組んでいくと、こういう三つの方策がこれから必要ではないかと思って、大体そんな方向で努力をしてまいりたいと思っておるわけであります。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 林業労働者が減少するということは、林業が重労働であるということ、あるいは所得が不安定であるということもありますけれども、敬遠される一番大きな原因として、振動病があるんです。そこで振動病の認定患者ですね、その動向について国有林、民有林、それぞれからこれ数字だけで結構ですから、説明してください。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 国有林におきます振動障害認定患者数の累計は、昭和五十三年度末現在で三千四百六十名でございます。それから民有林につきましては、昭和五十四年三月末現在で三千九百六十九名の認定となっております。  なお、この国有林につきましては、昭和四十九年度が一番多く発生をいたしておりまして、七百八十八人という認定患者が出たわけでございますが、以後減少傾向をたどっておりまして、五十三年度は八十七人というかっこうになっておる現状でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 減少傾向をたどっているということは、国有林について言えることですか、民有林もそうですか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) ただいま申し上げましたのは、国有林について申し上げましたわけです。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 労働省、いるですか。——私は国有林と民有林についてそれぞれ報告しろと言ったんですが、民有林担当するのは労働省でしょう。

原敏治労働省労働基準局補償課長

○説明員(原敏治君) 民有林関係の労働者の振動病認定状況は年々ふえてまいっております。昭和五十年が五百五十六人、五十一年が八百九十九人、それから昭和五十二年が千三百四十八人、五十三年が千四百三十一名でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 そのトータルは、いま林野庁長官から民有林については三千九百六十九人というような説明があったんですが、そういうことなんですか。

原敏治労働省労働基準局補償課長

○説明員(原敏治君) さようでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 国有林は減少傾向であるけれども、民有林はかなりのテンポで増大をしている。私は、こうした増大傾向が今後続くんではないかというふうに思うんであります。  そこで、このように民間林業における振動病がふえておるということは、一つには行政側の指導監督が不十分であるということ、二つ目には事業主の努力不足によること、三つ目には林業労働者の組織が弱いということ、こうしたことが挙げられるというふうに思うんでありますけれども、関係官庁はどのように考えておるんですか。これも労働省並びに林野庁双方から答弁してください。

林部弘労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課長

○説明員(林部弘君) いま先生御指摘のございました要素はおっしゃるとおりだと思うんです。私どもといたしましては、監督を強化するということを考えまして、行政の重点の課題の一つとして指導、監督してきておるわけでございますが、やはり何と申しましても、この病気につきましての事業主あるいは労働者も含めまして、関係者の理解というものがなお十分でないような問題もあるわけでございますので、やはりこの病気についての認識というものを高めていくと同時に、いま御指摘になりました認定患者が次第にふえているという問題につきましては、すでに先生御承知の四十八年以降、巡回委託方式の健康診断を行いまして潜在患者の発掘ということに資するような施策を行っているわけでございまして、それが一方では先ほど先生から御指摘がございました患者の認定数がふえてきているということにもかかわっているわけでございます。そういうようなことで、基本的には、関係者の理解を深めると同時に、私どもとしても監督指導を実施して予防に努めてまいるというようなことで対応してまいりたいというのが基本的な考えでございます。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 先生すでに御承知のとおり、厚生省の医務局長、労働省労働基準局長、林野庁長官によります振動障害対策推進関係省庁連絡協議会というのがございまして、相互間の連絡調整を密にいたしましてそれぞれの対策を実施しておるわけでございますが、林野庁といたしましては予防対策を中心として従来から進めてきておるわけでございまして、特に振動機械使用時間の規制の予防措置というものの徹底、それから振動の少ない機械及び代替機械の開発導入あるいは特殊健康診断、治療実施体制の整備、なお五十五年度は新たに振動機械使用者の多い市町村に振動障害対策巡回指導員を設置いたしまして、振動機械使用者に対しまして振動障害の予防、健診等の徹底を図ることにいたしておるのでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 振動病を防止し、振動病にかかった人を早期に治癒させるためには予防、健診さらに治療が必要であることは申すまでもないわけでありますが、まず予防についてでありますが、労働省は労働安全衛生法に基づいて事業主に対して指導監督を行っているわけでありますけれども、しかし、現場の監督官の不足などによって労働省の通達を守らせるために監督官が十分活動ができない、こういう現状があるわけなのです。また、民間の事業主の中におきましても、林災協等をつくって取り組んでおるわけでありますけれども、なかなか予防についての意識、意欲が欠けた面があるわけです。予防措置や健診は単なる通達だけでもって完全に履行できるものではないというふうに思うのであります。そこで、通達ということでなくて予防措置や健診を法定事項にする、その点はどうか。  もう一つは、先ほど申しましたように、監督官を大幅に増員をして全作業現場の点検が実施できるように当面すべきである、このように考えますが、労働省としてはどういう見解を持っておりますか。

林部弘労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課長

○説明員(林部弘君) 初めの法制化の問題でございますが、先生御指摘のように、できますれば通達ベースよりは法制化して規制をすることの方が望ましいわけでございますが、ただ法制化に導きますためには学問的にもそれを裏づけるだけのものが必要ということになるわけでございまして、私どもといたしましては、そういった法制化に至る前段としてなお学問的に未解明な部分が残っているということから、直ちに総合的な振動障害の防止規則のようなものがまだつくれない段階にあるという認識でございます。と申しますのは、振動障害自体が非常に多彩な症状を呈する、どちらかといえば症候群というような形の疾病でございますし、局所的なものととらえるのかあるいは全身的なものととらえるのかというような問題につきましても、臨床医学の立場でなお専門の先生方の間でも議論が分かれているというような状態もございます。  それから、もう一つは、法規制をするということになりますというと、どのぐらいの振動の暴露を受けた場合にどのぐらい生体の側の反応が起こってくるか、一般に技術基準を定めるための一つの目安となります暴露基準と申しますか許容限度と申しますか、そういう問題がどうもまだ十分にだめの詰めれる段階になっていない、そういうことでございます。ただ私どもといたしましては、法制化できる部分はできるだけ法制のかさの中に入れようということで、できるだけチェーンソーそのものの振動の少ないものを使用させるという目的から、もうすでに五十二年の段階でチェーンソーの規格の制定をいたしておりますし、それから実際にそういうチェーンソーを扱う場合の従事者についての特別教育につきましても、法的に義務づけをしているというような形をとっているわけでございます。なお、そういうようなこと以外の部分につきましては、先ほど申しましたように委託巡回方式の健診によって潜在患者をできるだけ発掘するとか、あるいはチェーンソーの具体的な操作方法等の作業管理の問題につきましては通達ベースでできるだけ定着を図りたい、そういうような努力をしているということでございますので、流れといたしましては、究極の姿はおっしゃるように立法的なと申しますか法的な規制に持っていくということがいいということは認めているわけでございますが、いま申し上げましたようなことで段階的に手のつけれるものから施策を講じていく。法制化に至らないものは通達ベースでもって定着を図りたいということでございます。  第二点の、監督官の増員の問題につきましては、かねがね御指摘のあるところでございますが、私どもも増員について努力をいたしておるわけでございますけれども、しかしながら、先ほど申しましたように、非常に林業労働というものが労使間の特別な関係、あるいは作業の現場が次々に短期間で移動するというようなこともございますので、監督官の増員ということだけであっても対応できないという面もございますので、監督官の増員につきましては努力いたしておりますけれどもそれだけではとても対応はできない。やはり多くの関係者の御理解がいただけるような施策というものを相当力を入れていかなければならない、こういう認識でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 私はいま時間がありませんから林業労働者に限って質問しておるのですけれども、振動病は林業労働者だけではない。御承知のように郵便を配達する人にもあるいは国鉄に働く人にもあるいは民間にも多数出ているわけなんです。したがって、そういう現状の中において、学問的にまだ解明されておらないから法制化も踏み切れない、あるいはいまの通達でもって何とかするのだというお話ですけれども、通達でだめなんだから私はそう言っておるのですよ。したがって、健診をする、あるいは予防をする、そうしたことについて法制化に踏み切る、そういう準備というのですか、検討を労働省でぜひ進めてもらいたいというふうに思うのですが、どうでしょうか。

林部弘労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課長

○説明員(林部弘君) 基本的には、いま御指摘のように、私どもも法制化できることが一番望ましいというふうには考えているわけでございますが、その前段階として段階的にいろいろなことをやっているわけでございます。その一つは、いま先生の御指摘のように、振動障害というのは林業だけでございませんで、いろいろな振動工具を用いることによって発生するという問題がございますので、振動そのものの測定というようなことから始めなければいけないということで、国際的なISOの方で定めております測定方法を基準にして……

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 発言中ですが、時間が限られておりますから私の質問だけに答えてください。

林部弘労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課長

○説明員(林部弘君) そういうことで測定方法を決めまして、それでことしの段階では、昨年から具体的にいろいろな振動工具について測定をしているといったような基本的な部分での積み重ねというのはやっておりますので、先ほど申しましたように法制化になじむ熟した段階にくればそうやりたい。それが間に合わない段階につきましては、できるだけ多くの関係者に理解していただくということで、本年は新たに予算化をいたしまして、関係者に集まっていただいて、チェーンソーを扱う作業管理ができるだけ定着するようなものを林業が問題になっているような県を中心に少しずつ持ってまいりたい、そういうことでキャンペーンを図っていくということも五十五年度から手をつけていきたいというふうに考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 林野庁長官、民有林の労働者のことを聞いているのですが、民有林の労働者も民間だけで働いておるとは限らないのです。国有林が最近合理化をして請負に大変出しているのですけれども、国有林で働く民有林労働者に対して振動障害が起こらないような形の作業を監督すると同時に、それにふさわしいやっぱり請負単価も出すべきだというふうに思うんです。私は少なくとも国有林で働く民間の労働者に対しては、あなたたちが全林野労働組合と結んでいる予防措置、その程度のものは最小限度として行わせること。それに違反した者については請負をさせないこと、そういう措置が必要だというふうに思いますが、どうですか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) ただいま先生御指摘ありましたように、わが国全体の事業量からいたしますと、国有林の請負に出しておる分は少ない量ではございますけれども、しかしながらやはりそういう仕事をやっておるわけでございますから、民間事業体の労働安全衛生確保対策につきましても十分気をつける必要があるということでございまして、五十一年八月にすでに長官通達に基づきまして関係行政機関との連携を図りながら必要な指導に努めておるわけでございますが、とりわけこの請負事業体の振動障害の防止につきましては、発注者としての国有林野事業の立場から指導の充実を図っておるわけでございます。当然請負事業体が契約内容や法令等を遵守して事業を実行するということが当然でございますけれども、五十四年度から請負事業体の登録制を実施いたしまして、一定の要件を具備した適切な請負事業体による実行体制の確立を図っておるということでございます。  また、いま御指摘のございました単価の点につきましてもそういう点を十分配慮しながら単価の査定をやっておるというところでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 次に健診の問題でありますけれども、振動機械使用者の健診は少なくとも一年に一回はすべきだというふうに思うんですけれども、必ずしもこういう体制がとられておらない。定期健診やチェーンソー使用者の特殊健診は、これは使用者の責任で完全に実施するということは当然だろうというふうに思うんですけれども、この健診費用だとかあるいは旅費、日当等についても、民間の労働者は、なかなか負担も大変でありますから、これは全額雇用主が負担をするんだ、当然のことでありますが、このような義務づけ指導を労働省としてぜひやるべきだというふうに思いますが、その点はどうですか。

林部弘労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課長

○説明員(林部弘君) 振動障害の健康診断の実施につきましては、御指摘のように、私どもといたしましては事業場における労働者の健康を守るという意味で、本来事業主の責任においてやっていただくという大原則があるわけでございますので、監督あるいはいろいろな関係者の集まっていただいたような場合とか、あらゆる機会にいろいろな手段を用いましてその周知に努めているところでございます。基本的にはそういうような線でPRの徹底を期するように努めておるところでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 なかなかPRの徹底がされておりませんからね。より一層積極的に指導してください。  それから、この振動病患者の治療なんですけれども、振動病の治療ができる医療機械器具の整備された施設が圧倒的に少ない。また振動病を診察をする、治療をする医師も不足であります。したがってなかなか適切な治療ができず放置をされているわけでありますけれども、この体制整備について国も自治体も取り組み方はきわめて消極的なんです。さりとて民間で振動病専門の施設をつくれと言ってもこれはなかなか大変なことでありますから、林野庁なりあるいは厚生省なりまた労働省が公立病院に専門施設をつくる、それに対しては国も金を出す、こういう体制をつくるべきだというふうに思うんです。同時に、国有林についてはこのような施設が若干あるわけでありますけれども、これを国有林労働者に限定することなくて、民間の労働者にも利用さしてもいいと思うんですが、その点について労働省と林野庁双方から答弁を願いたいというふうに思います。

原敏治労働省労働基準局補償課長

○説明員(原敏治君) 労災保険では、治療の関係では労災病院を全国に三十六カ所設けてございますが、そのほかに労災の委託病棟という方式で全国に十四カ所病棟を委託いたしております。労働災害や職業病一般に関しての治療をそういうところで実施するようにいたしているわけですが、特に振動障害の治療のためにはパラフィン浴施設とか、あるいは交代温浴施設というような理学療法的施設が必要でございますので、労災病院にこれらの施設を整備拡充してきているところでございます。今後ともこの面に一層の努力をしていきたいと思っております。  また、振動関係では五十二年度に北海道の洞爺病院に委託病棟をつくっておりまして、振動関係の療養治療機具の整備を図っております。  それからまた公的医療機関に対しまして、振動病関係の治療機器を貸与する制度をつくっております。これは各公的医療機関から申し出がございましたら治療機器を国の費用で貸与するこういう形になっておりますので、これによって治療施設の拡充が図れると私どもは考えております。

下条進一郎自由民主党・自由国民会議

○主査(下条進一郎君) 簡単に願います。

原敏治労働省労働基準局補償課長

○説明員(原敏治君) 以上の措置のほかに、また委託病棟等もさらに拡大をいたしておりまして、今後ともこの面の努力をしていきたい、こういうふうに考えております。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 国有林におきます振動障害の医療施設には直営の営林病院、診療所、それから公立病院等に治療を委託しております併設施設がございます。これらの施設は国有林従事者の健診や治療で現在のところほぼ余裕のない状況にございますけれども、民有林の従事者につきましても施設に余裕があって受け入れ可能な場合は健診、治療を積極的に行っていきたいというふうに考えておりますが、現在まで五十三年、五十四年を通じまして、秋田営林病院、青森営林健診医療センター等で健診、治療を行っておる実績もございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 林野庁長官、国有林も全国に存在してますからね。その治療機関が全国で数カ所程度でもって全国の労働者がそこに集まるわけにいかないのですよ。ですから、やっぱり主要なところに対しては国有林としてもその施設を設置をする、しかも私が指摘をしたように民間の労働者にも利用させる、ぜひそういう体制をとっていただくように要請をしておきたいというふうに思いますが、大臣よろしくひとつ御答弁をお願いします。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 努力いたします。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 次は補償の問題でありますけれども、労災として認定を受ければ労災補償の対象になるわけでありますけれども、労災を受けるまでこの補償というか治療する費用がないわけなんですね。なかなか労災認定を受ける場合にもかなりの時間が要するし、また労働者は認定まで待っておられなくて林業から離れて他の職種に転向してしまう、こういう形になっておりますから、労災認定に至らない段階での補償対策、これを講じて早期治療に努めるべきだというふうに考えますが、労働省の見解はどうですか。

原敏治労働省労働基準局補償課長

○説明員(原敏治君) 労災保険の運用につきましては、労働者側から疾病、職業病等につきまして申請がございますれば検討の上業務上のものについては支給をするという体制になっております。そのような体制の中に乗せていだたくように、潜在している患者の方々につきましても治療その他必要な施策がとられる場合には請求する道があるということをPRしているところでございますが、今後ともこの面の努力をしていきたいと思います。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 認定患者が治療の結果症状がだんだん軽くなった。そして職場復帰をしたい、そういう場合においてもなかなかうまく職場に復帰できない場合もあるし、さりとてまたチェーンソーを持って重労働すればまた振動病にかかるということになりますから、この職場復帰の問題と、それからその間においてやはり労働者の生活を保障する何かのやっぱり対策を講ずる必要があろうというふうに思いますが。

原敏治労働省労働基準局補償課長

○説明員(原敏治君) 振動病等で治療に当たっている人々につきましては、休業補償給付を支給しておるわけでございますが、この支給要件は法律で明確に規定してございまして、それは労働者が業務上の負傷または疾病にかかって、それによって療養するために労働することができない場合、そのためにまた賃金がもらえない場合について休業補償給付を支給するという形になっております。そういうことで、入院している方々あるいは通院して療養している方々について休業補償給付を支給しているわけですが、稼働する機会が得られないというだけではこの法律上の要件に該当いたしませんので、制度のたてまえからいって、そのようなものについては休業補償給付が支給できないという形になっております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 あと一問で終りますが、振動病の発生を防いで早期発見、早期治療をするためには、何といっても事業主の理解と対策が前向きにならなければならないというように思うんです。事業主の方も林災協等つくって取り組んでおるわけでありますけれども、まだまだ無理解あるいは非協力の面もありますので、事業主に対するひとつ指導、監督、この辺について一層徹底をしてもらいたいということを要請をし、なおかつそのことに対する答弁を求めて私の質問を終わりたいというふうに思います。

原敏治労働省労働基準局補償課長

○説明員(原敏治君) 振動病の予防から治療に至るまで、あるいは補償に関しましても確実に迅速に支給されるような徹底をしていきたいと思いますし、その関係につきまして関係の林業事業主等につきまして必要な援助の措置をとるよう、今後とも努力をしていきたいと思います。

下条進一郎自由民主党・自由国民会議

○主査(下条進一郎君) 以上をもって村沢牧君の質疑は終了いたしました。  次に、沓脱タケ子君の質疑を行います。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 それでは、きょうは私、都市農業の問題について、主として農水省の見解をただしたいと思います。  都市農業の果たしてきた役割りでございますが、これは私も大阪出身なものでよくわかるのですけれども、一つは生鮮食料品、特に野菜類、果物などの供給源としての役割り、これは私ども大阪で、大阪府の統計等を見ましても、これは府民全体の約二〇%の供給をやっておるというデータが出ておりますし、東京都でも一〇%を超す、物によっては、野菜等では多摩あたりでは四〇%になんなんとする供給源を、役割りを果たしていると。さらに防災関係、災害防止ですね、特にたんぼというものが、今日では水害時における遊水帯としての役割りというのは改めて住民の意識に上るほどの状況になってきています。さらには緑地帯としての保全あるいは空間の確保、それから防災の避難地帯としての役割り、特に昨今の事情から言いますと、情操教育の場としても軽視できない状況が起こってきているというふうな等々が考えられると思うのです。そういった点について、都市近郊農業の果たしてきた役割りについて農水大臣としてはどういうふうにお考えになっておられるのか、ひとつお伺いを最初にしておきたいと思います。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) いま御指摘がございましたように、都市のいわゆる農業の役割りとしては、その都市の消費者への野菜その他の供給という面において大変大きな役割をしてきていただいたと思っております。今後ともその役割りは相当期間続くんではなかろうかと思いますが、ただ問題は都市農業もいろいろあるわけでございまして、たとえば市街化区域の中の農業をどうするかという問題になりますと、これは国の政策全体との整合の問題において、やはり市街化区域はできる限り市街化をしていくという一つの方向があるもんでございますから、その中にある農業者に対してはどうこれから対処をしていくのかという問題になると、多少従来の役割りは役割りとして評価しながらも、その点についてはいろいろとこれから逆に私の方が御協力をいただかなきゃならぬ問題もあるのではないかと、こういうふうに判断をいたしておるわけでございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 それでね、都市農業の果たしてきた役割りについては、恐らく私ども都市生活者の一人としてもそのことが認識を新たにしていると同じように、もっと御専門の農水省としてはその点の確認については大臣がおっしゃるとおり、後段の話は別でね、現在都市農業が果たしてきている役割りについての御認識という点では見解が一致するんじゃないかと思うんですね。それはそうでしょう。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) いま申し上げましたように、いままで果たしてこられた役割りは私ども大いに評価をしておるわけでございまして、またここ当分の間はそういう役割りを果たしていただかなきゃならないと私どもは考えておるわけでございます。ただ長期的に見ると、いまちょっと申し上げたようなことがあると、こういうことでございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 後の話はいいです。それでね、その都市農業に対して農水省としては現在どういう施策をやっておいでになるか、簡潔で結構です。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○政府委員(渡邊五郎君) お答えいたします。いま大臣からお答えの中にもございましたが、都市計画区域の中にも御承知のように市街化区域なり調整区域というのがございますので、おっしゃる趣旨は都市農業全体につきまして私ども一般論として申し上げるならば、他の農業とそう変わるところはないわけでございます。ただ線引きいたしました市街化調整区域におきましては、これは御案内のように、都市計画区域内の市街化区域内でございますが、御案内のように農地法上の農地転用が許可制から届け出制になっているというようなこともございまして、十年以内に計画的、優先的に都市化するという条件に置かれております。したがいまして、効用の長期に及ぶような土地改良等の施策はこれは実施しないことにいたしておりますが、その他当分の間農業経営が行われるために必要な施策といたしまして、災害復旧あるいは短期の効用が及びます機械施設あるいは病害虫防除あるいは復旧事業等は施策の対象として実施しておるわけでございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 そういうことに加えて、特定野菜についての価格保証もこれは市街化区域もやっておいでですか。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○政府委員(渡邊五郎君) 市街化区域内を対象にしました野菜供給としましては、短期的な施設の助成制度はいたしておりますが、一般的な蔬菜対策の対象からは必ずしもこれを中心には考えておらないわけでございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 特定野菜はやっているでしょう。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○政府委員(渡邊五郎君) 多少調べて正確にまたお答えいたしますが、恐らくは特定野菜としては加入している場合には入っているというふうに思います。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 これは、あなたのところからもらった資料では入ってますな、やってますね。それで、そういうことで、時間の制約がありますので、ちょっと次に移りますが、今度の国会で提案を予定されているという農住組合法案について国土庁にちょっと聞きたいんです。内容を簡潔にお伺いをしたいと思います。

渡辺尚国土庁土地局土地政策課長

○説明員(渡辺尚君) いまお示しの農住組合法案につきましては、先生御存じと思いますが、いま政府部内で鋭意詰めておるところでございまして、したがって、成案ができていないわけでございます。したがいまして、現段階で申し上げるのはいかがかと思いますが、基本的な考え方としてわれわれが構想しておりますものは、市街化区域の中には相当たくさんの農地があるわけです。一方、最近の地価動向等から考えましても、やはり宅地の供給ということが非常に重要な施策である、二つの面があるわけでございます。そうしますと、宅地を供給していこうという場合に当然非常にたくさんあります農地というものが、その供給源として注目されるわけでございますけれども、しかしその農地には農民の方がおられる、そして営農を続けたいという方もたくさんおられる。そこで、当面の営農ということになると思いますが、そういったものをある一定限度で続けながら、一方、宅地を供給していく。そのために農民の総意といいますか、自発的な意思を集合するような意味での農住組合というものをつくる。その農住組合によって、区画整理でありますとか、あるいは上物建設でありますとか農業関係のもので、そういったものを一体的、総合的にやっていこう、そういう考え方でございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 まだ成案がまとまり切ってないという段階だと伺っておりますが、非常に重大な影響を及ぼすと思うので、実はお聞きをしたいと思っているわけです。といいますのは、すでに報道されたりしております法案の中身を見てみますと、これは最終案じゃなかろうかとは思いますけれども、しかしすでに公表というか報道等でされているという内容から拝見をいたしますと、端的に言うと、これはたとえば趣旨のところにはこう書いてあるんですよね。「大都市地域の市街化区域内農地について、必要に応じて当面の営農の継続を図りつつ住宅地等への円滑かつ速やかな転換を促進するため、」というのが目的だというふうにうたわれておるのを拝見いたしますと、農住組合法案の目的というのは、営農というのは当面必要に応じてということであって、その中心的な目標というのは市街化区域の農地を速やかに宅地に転換をするということを目的とする法案だということですね。

渡辺尚国土庁土地局土地政策課長

○説明員(渡辺尚君) 先ほども御説明いたしましたように、現在の大都市圏における土地問題あるいは農地……

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 余りむずかしいこと言わぬと、イエスかノーかでいいです。

渡辺尚国土庁土地局土地政策課長

○説明員(渡辺尚君) その現状を踏まえまして、現実的に対応しようというのが考え方でして、したがって極端に宅地供給だけを考えるとか、そういうことではございませんで、何といいますか、農住両全と申しましょうか、そういったことをまさに国土庁がそのために一生懸命努力しているということでございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 そう言うてるとややこしいから、ちょっと具体的に聞いていきたい。  いわゆる報道されていると言われる文言の内容の一つ一つがちょっと気になるところを確かめておきたいんですが、法案をつくりたいという考え方からしてどうなのかということでお答えいただいたらいいんですが、一定規模以上の一団の市街化区域内農地というのは、一体どの程度の規模を言うか、規模を考えておるか。

渡辺尚国土庁土地局土地政策課長

○説明員(渡辺尚君) くどくて申しわけありませんが、まだ決まったわけでございませんが、われわれが現在考えておりますのは、大体二ヘクタールぐらいというふうに考えております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 そうすると一定規模以上というのがニヘクタール以上の農地と言うんですが、二ヘクタール以上の農地というのは、三大都市圏のいわゆる市街化区域内にはどのくらいございますか。

渡辺尚国土庁土地局土地政策課長

○説明員(渡辺尚君) その辺の的確なデータがなかなかないわけでございまして、ストレートにお答えするのはむずかしいんでございますけれども、たまたま東京の練馬で区の方でつくりました土地利用現況図というのがございます。その地図で当たりまして推算をしてみたわけでございますが、大体六割程度かなというふうに考えております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 いや六割もあるの。三大都市圏で大体市街化区域内の農地というのは約十万ヘクタールでしょう。これは全国農業会議所の鰐部さん。あの方は三大都市圏ではニヘクタール以上の農地ということで一団の、一定の規模のまとまったというようなものはざっと三〇%内外、三〇%余りだと言っているんですね。国土庁は六割言うてるの。

渡辺尚国土庁土地局土地政策課長

○説明員(渡辺尚君) 先ほども申し上げましたように、全体としての的確なデータはないわけでございます。ただそこで、一つの御参考にたまたま練馬の地図がありますので、それから推算するとそうなるということで、全体的に六割と、そういうことではございません。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 あなたがいま六割、練馬の例を出したけれども、事前にいろいろ教えてもろうたら、大体三割程度や言うている、全体で。それやから国土庁の中でも御意見違うんですな。あかぬですがな、そんなんでは。やっぱり正式なときにまともに言うてもらわぬと。前もって聞いたら三〇%程度やと。専門家の鰐部さんも三〇%か多く見ても四〇%以内や言うてるのに、国土庁はこんなあんた公式の席上で麗々しく六〇%ぐらいなどと言うたら話にならへぬ。ちょっとそれははっきりせぬといかぬのやけれども、私ども国土庁から事前に聞いているのは三〇%ぐらいだろうと、全体としてね。三大都市圏ですよ全体としては。練馬区だけは知りません。そういうふうに聞いているんですが、そうすると二ヘクタール以上まとめて、これはあなた方の法案として考えていってる内容というのは、半分を宅地にして半分を営農地にして残すと、こういう考えですか。

渡辺尚国土庁土地局土地政策課長

○説明員(渡辺尚君) まさに農住組合をおつくりになる個々の農民の方々が、具体的に自分の持っている農地について将来どうしていこうかということによって、その実際の営農が継続されるのが決まってくるわけですが、基本的には五割以上を、相当部分といいますか、相当部分を住宅の方に転換していただきたいというふうに考えております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 半分ずつということにしますと、そうすると一ヘクタール以上の農地というのが農住組合ごとにとれるということになると、いわゆる営農地区内というかな、いわゆる残る農地というのはどのくらいになるか、三大都市圏に、これはね。これを私さっき言うたように三大都市圏の農用地として約十万ヘクタール、そのうちの大体三〇%程度しか二ヘクタール以上はまとまらぬというのが、専門家やおたくの国土庁の御見解だから、その三万ヘクタール、三〇%で三万ヘクタールでしょう、ほぼ。その半分を農地とし半分を宅地とするということになると、これは十万ヘクタールのうちの一五%が計算の上では農地として残ると、こういうことになるわけですね、半分も残るということにはならぬわけですね。

渡辺尚国土庁土地局土地政策課長

○説明員(渡辺尚君) 三万という数字でございますが、実はそういう何といいますか、具体的なデータは全体としてないと思いますので、われわれこれからさらに勉強いたしますけれども、お断わりしておきたいと思います。  それからいまの御指摘のところでございますけれども、御存じのように、実際に三大都市圏なり全国でもいいんですが、宅地供給をやる手段というのは、一般の区画整理もあればいわゆる開発許可による一般の宅造もある。われわれとしてはこの農住組合の制度によって、今後さらに勉強しなきゃいかぬわけですが、それだけでもろてやるわけじゃない。非常にたくさんあるいろんな手法のうちの一つであるという認識をしておるわけでございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 それはあたりまえのことですがな。それは私は無責任だと思うよ、あんた。法案を出そうかというもう段階へきてて、各省折衝をやっている最中やという話を聞いていますわ、前もって。そやのに三大都市圏の中でそれをかぶせたらどのくらいになるかというような計算も事前にせぬと、こんな法案を出してくるというべらぼうなことありますか。ちゃんと計算していますよ、大ざっぱにでも。大ざっぱな見積もりをやってこれをかけたらどうなるかということを考えぬで、わざわざ法律案なんかつくりますか。そんな無責任な答弁聞けませんで、あんた。国土庁というのはもっとしっかりしておるかと思ったけれども、ごまかそうと思っているんですか。ぐあい悪いですよ、そんな態度は。これから勉強しますなんてなことは聞こえません。そんなことを言うんならしょうがないから私は大阪の具体例で、いかに農地が、−半分も残るというような話、新聞等の報道では書かれているけれども、そうならぬということを、いかにひどいことになるのかということをそれじゃ具体例でひとつ言いましょう。  これは大阪の実例ですがね。大阪府下の枚方市というところでは、A、B、C農地というのは約五百ヘクタールある。しかし、この五百ヘクタールの中で一集団ニヘクタール以上の個所というのは、これは農業の専門家の人たちがみんな寄って地図を出して調べてみた。まとめられるところはいま見たら二十カ所あるなしだと言うているんですよ、二十カ所。それでこれをあっちこっち集めて二ヘクタールにしてという形で最大限度拡大解釈をして考えても、二ヘクタール以上の個所をまとめるといったら全体の三〇%以内だというのが実情なんですよ。そうなりますと、五百ヘクタールの三〇%といったら、——三〇%と見ましょう、百五十ヘクタールでしまう、三、五、十五でね。その半分を宅地にし半分を営農地にするといったら、農地として残るのは七十五ヘクタールですよ、五百ヘクタールの中で計算をしますと。そうすると、全体の一五%が営農地区に残るにすぎないという結果になると、こういうことが地図を広げて、農業組合の人やら農協の方々やら皆寄って地図を出して調べてみて、こういう結果が出てきているわけですね。で、一五%しかこれは農業用地というのは残らないということになりそうだというて心配しておるわけです。その理由ば時間がないからちょっと余りごちょごちょ言うてられないんだけれども、地方税法の宅地並み課税の地域に、今度のおたくの法案の考え方というのは、農住法案というのは重なるわけでしょう。ちっとは部分的に違いは出てくるかもわからぬけれども、大部分は重なるわけでしょう。全国一斉に農住法案というのはかける法案と違うような考え方でしょう、三大都市圏だから。そうなると自民党の税調では三大都市圏の特定市のA、B、C農地の宅地並み課税は五十七年度からその実効ある実施をするという方針が出されている。私どもから言うとこういう方針は許せないわけですけれども、しかしこういうことで五十七年度からこれを取っ払うということになりまして強行されるということになりますと、まあさっき言うた五百ヘクタールのうちの七〇%はどうなるか。いま二ヘクタールはまとまらぬけれども、営農をやっている地域が五百ヘクタールあるんだからどうなるかと言うと、宅地並み課税が五十七年度からばさっとかかってきたら、これは農業所得を上回る重課税で農民は耐えられなくなって次々切り売りをして農地を売っていかざるを得ないという結果になると、農住組合法の網のかかったところの一五%しか、たとえば枚方市という形で見れば一五%の農地しか残らないことになるんではないか。報道されているように全体の五〇%の営農地を残すんだというのとは大分違う、実際に現実を見てくると。そういうことになりそうなんですが、そういうことは違いますか。

渡辺尚国土庁土地局土地政策課長

○説明員(渡辺尚君) ただいま先生も御指摘になりましたように、宅地並み課税の問題につきましては、五十七年度からの問題として今後検討することになっているわけでございます。この法案は、先ほど申しましたように、くどくど申しませんが、要するに農民の自発的な意思を何とか尊重して結集していこうというものでございますから、やりたい人が組合をつくってやっていただくということでありまして、いわゆる宅地並み課税というものとは直接は関係ありません。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 それはまああんたとこ宅地並み課税を集める役所と違うからね。しかし役所は、自治省が宅地並み課税を特例を外すんやと、国土庁はわしとこはそんなの集めへんから知らぬ、関係ない言うたって、全然別の土地へ乗せるものと違って、一つの土地の上でそこで百姓している農民の人たちに両方ともかかってくる法律になっているんですね。そんなもの関係ありませんいうたって、関係ないいうことは、それは宅地並み課税をそこの部分は撤廃するんやということなら関係ありませんで通るんですよ。重なるんだ。そんな話通らぬのですわ。しかし、もう時間ないからちょっと次行きますわ。  ちょっともう一つ聞きたいのは、国土庁のいわゆるこの法案の考え方の中では、良好な住宅地の形成ということで区画整理事業なども、さっきも御説明があったけれども農住組合でおやりになっていただくとか。そういうことなんですね、そうですね。

渡辺尚国土庁土地局土地政策課長

○説明員(渡辺尚君) 先ほど申しましたように農住組合はいろんな事業を総合的にやりますが、その中の一つに区画整理を考えていることは事実でございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 これも大問題。というのは、従来C農地というのは道路などの都市施設が整備されていないということで課税の対象から外されていた。ところが今度の農住法を実施しますと、農民の負担でこのC農地に課税対象の条件をつくるような道路その他の都市施設をつくっていくということになるわけですね。だから農民は農住法自身が、たとえば国土庁は農民のことも考えて、宅地も早いことたくさん供給させてと、両方考えているんやとおっしゃっても、農民は敏感ですからね、そういうことをやらせられるんやったら、自分らの土地で、持ち出しで、自分らの負担でC農地に課税対象になるような条件づくりをやらされるんや、それなら今度の農住法案というものは宅地並み課税の布石ではないのかというように受け取るのはもう当然なんですよ。その話わかるでしょう、国土庁さん。

渡辺尚国土庁土地局土地政策課長

○説明員(渡辺尚君) この制度によっていまわれわれが考えておりますのは、農民の方が希望すれば一定の範囲内で営農を継続するような場所ができるわけでございますけれども、そういう制度でありますから、当然といいますか、そういうふうになった農地については仮に五十七年度以降の宅地並み課税という問題が、後の話でございますけれども出てきた場合には、いわゆる五十四年の政府税調の答申にもありますような、営農を継続する意思のある者に対する配慮ということもうたわれておるわけでございますけれども、その措置の一つとして検討されるべきではないかというふうに考えております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 それでね、まあいまの計算でいくと、農地として残る一五%、この一五%にも宅地並み課税がかからないという保障は全くない、ね。しかも、さらにこの一五%、計算の上で残る一五%がさらに減るわけですね。だって道路持ち出したり、いろいろするんだからね。そういう可能性も出てくる。  でね、国土庁のお考えになっておるもう一つの点の宅地になる部分については、優遇措置があるのかないのか知らぬけれども、一定の優遇措置などをとろうとしているというお考えもあるようなんですね。あるのかないのか知りませんが。それで宅地にマンションやら分譲住宅やら建てたらいいというわけですね。ところが、百姓ちゃんと見てますわ。いまね、都市近郊のそういうA農地の地域、回りじゅうの文化住宅といい賃貸住宅というのは大体二五%から三〇%ぐらい空き家です。その地域に建っているマンション五%から七%の空き室になっている。だから百姓にしたらこれ宅地にしたら大体もう賃貸住宅あかぬと、こう言っていますわ。そうなったら分譲住宅しかなくなるわけですが、農民はこれは宅建業者と違いますからね、そない上手に投機的に金もうけするというようなことはとてもできないと。やっぱり農民というのは百姓なんやと、そんなもの、宅建業者のまねなんかできませんよということになっているんですよ。そうなってくると、せっかくの御配慮かもしらぬけれども、農民は土地を取り上げられるだけになってしまう、こういうことにしかならぬということを言っているんですがね。  そこで大臣ね、これは農民がもう本当に真剣に考えていろいろ検討してそういう心配をしている、大阪での出来事ですがね。直接関係があるんだから。こういう事態になっているということを大臣どう思われます。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 国土庁から答弁をいたしておりますように、私どもはまだ国土庁内部で確かに農林省の事務当局とは連絡をとっておるとは思いますけれども、まだ協議をしておる段階でございまして、私の手元にはその法案の内容も一切来ておりませんし、またその農林省として国土庁との間に協議の中でこういう点をどうしたらいいかという指示を受けてくることまだ来てないわけでございますので、どうも私からいまお話は聞いておりましたけれども、ここでどういう考え方であるという答弁をするというわけにはまいらないと思いますのでお許しをいただきたいと思います。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 それはそれで結構ですよ。そういう状況であることも知った上で実はお伺いをしている。  それでね、まあ宅地の急騰とか、それから住宅地の供給についての問題というのが特にここ数日来問題になっていますけれども、宅地の急騰などという問題は、これはまあ私どもから言わしむれば、自民党政府の無策の結果だと思うんですよね。特にあれでしょうがな、ローンで借金してマイホームつくれ、つくれと言って、どんどんやらして、その住みやすい公営住宅どんどん建てるということサボってきたということだって、ずいぶん大きな問題があるし、宅地供給の問題だってこれはいろいろもって総合的に見なければ、百姓だけつぶしたらいいんだという話ではなかろうと思うんですよね。これは不動産業者、大企業の保有地だってこの三大都市圏には、これは建設省の資料だったかな、あれですね、一万七千ヘクタール、あるいは国有地、普通財産で未利用分だって七、八千ヘクタール、あるいは私ども党の政策として常に言うておりますような、米軍だとか自衛隊が使っているような地域の問題点も含めて、こういった点などいわゆる総合的に実効ある施策を考えなければならないということが、これは今日の重大な課題になっているわけです。  これはきょうは時間がありませんし、この問題は別の問題ですが、だからそういう点で私考えますと、宅地供給だといってわざわざ農住法案というようなものをつくって露骨な農地つぶしをやるというようなことは、これは考えなければならないと思うんですよ。農民の声を聞きますと、これはもう非常にはっきりしていると思うんです。たとえば私さっき申し上げた大阪枚方の農民の皆さん方の関係者に、相当多数の皆さん方からいろいろと御意見を聞き、心配の向きを聞いてきましたけれども、今日ただいまでも大体宅地の近くで農業をやるというのは大変だ。だから二ヘクタールを半分ずつ分けて、半分宅地にして半分農地や言われたら大体どういうことが起こってくるかというと、住宅のそばのたんぽというのは風通しは悪くなる、必ず日陰にはなると、部分的にはね。そして必ず雑排水が流れ込むから水は汚れると。どう考えても優良農地ではなくなるということですよ。いまだってそういうこともあるんですが、今日ただいまでもどういう状態かというと安心して百姓はできないんだと。常に住民の皆さん方との間にトラブルを起こしながらも話し合って仕事を進めている。たとえば耕運機ね、耕運機を、大体百姓は朝早いわけな、があっといくと、日曜日の朝から大きな音立てたら困るじゃないかと言ってどなられると。そういう問題は起こるし、農薬をまくと公害や言うて市の公害課に電話がかかると。米つくったときのわらを燃やさなならぬでしょうがな。わらを燃やしたら、それ、洗たく物が汚れたということでトラブルは起こる。スズメを追うのに爆音器をかけたら文句が出ると。こういう状態の中で、しかも何かとしてやはり自分の農業を守りたいということで必死になって苦労してがんばっているんだと。  時間がありませんからまとめて言いますけれども、たとえば農住組合法のお考えでいくと、二ヘクタールなんというようなまとまった土地は、さっきも言うたように枚方の五百ヘクタールの中で二十戸あるかないかやと。それをまとめていくということになったら、どうしてもこれは交換分合もやらぬならぬ。まとめぬでも二ヘクタールいうたって、これも調べてみた。枚方の農民の中で調べたら二ヘクタールまとまる土地はあるけれども地主はどのくらいの数になるかいうたら十五人ないし二十人です。こうなりますと、この法案がまともにかぶってきたら、いやおうなしに交換分合なしにはやり得ないという問題になってくる。交換分合やるということになったらどないむずかしいかいうのは農水省はよお知ってはるわな、実際。私も聞いたけれども、私、農業知りませんがね、本職医者だから。知りませんけれども聞いてみてようわかった。米やったら交換分合やってもできると。しかし、集約農業で施設園芸だとか野菜づくりなんというようなものに交換分合などということは、農民としてはこんりんざい応ぜられないと言うてますよ。だって十アールの土地に四棟のビニールハウスを建ててトマトをつくった場合でも、一番東の棟と一番西の棟とは条件が違うんや。それほど土の条件とはデリケートなんだということを、これは必死になって訴えているわけですよ。こういう状態ですから、これは大変な中で、しかも農民の皆さん方は、近郊農業の果たす役割りについてそれなりに意義を感じてがんばっている。まさに私はその話を聞いて農民魂だなということを痛感いたしましたよ。  時間がありませんので最後に農水大臣にお聞きしたいんですが、私は、市街化区域内の農地というのは、もう新都市計画法で線引きされてしまっておるんだから、国土庁や建設省予算が煮て食おうが焼いて食おうが知っちゃいないというのかどうかということが問われていると思うんですよ、いま。少なくともその態度ではやはり農水大臣としての任務はこれはちょっとぐあいが悪いんじゃないかと思う。現に、先ほども私申し上げたように、大阪でも二〇%の供給源の役割りを果たしている、その他の役割りも果たしているということも大臣もお認めになっておられる。ですから、私はここで特に申し上げておきたい。きょうは実は質問する直前に大阪府の農業会議の会長さん以下五人の方々から、何とかしてこれは重大問題を含んでいるから白紙に戻して再検討してほしいんだというような陳情が、御要望がございましたので、特に私農水大臣に申し上げておきたいんですが、先ほどもお話があったように、法案折衝が始まったばかりだということで、まだ詰まっていない段階でございましょう。だから、私ちょっといま大阪の実例を用いて申し上げましたが、この実態と農民の心をひとつ体して農民の願いにこたえられるように、まああんまりひどいやり方での農業つぶし、農地つぶしということはやめていただくように考えていただきたい、御検討いただきたい、そのことを御見解をお伺いをして終わりたいと思います。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 先ほど私が後段の話を申しかけたら、それは後でと、こういう話であったんで、その後のことを申し上げるわけでございますけれども、やはりいままでの都市型農業といいますか、都市の中で農業をおやりをいただいてきた方を私は評価をいたしておりますけれども、いわゆる後段の分で先ほど申しかけましたように、これからの日本の農業のあり方としてはやはりある程度生産性の高い農業に私ども持っていきたいと考えているわけでございまして、その中でどうしても都市の中における農業、特に市街化区域の中における農業者というものは大変いままで御努力をいただいてまいりましたけれども、これからはできればひとつ市街化の方向に御協力を願いたいと、こういう気持ちでいることは事実でございます。また市街化地域というもの、市街化区域というのは大変土地は高いわけでございまして、そういうところで都市型農業をやろうといったって、これは無理でございます。そこで現実には、先ほどお話しのように、施設型園芸とかいろいろ苦慮をしていただいているわけでございます。それで、それによって相当生産性も高まってきていることも私は承知をいたしております。そういうもので今後とも営農を続けていこうという気持ちを持っていただく方には、私どもやはりそれはそれなりに今度の税制改正を五十七年度以降市街化区域の中の農地については、A、B、C含めて何とかやろうという方向にもあるわけでございますけれども、そういう点には十分配慮をしていただくような考え方でそのときには対処していきたいと思っておりますが、しかし、本当にそれは営農を今後とも長期的にやろうという方であって、できればひとつこの際農業を、何も農業切り捨て論という気持ちはないわけでございますけれども、やはり先ほど来いろいろ農家の方も御苦労いただいているわけで、公害の問題とか、あるいは騒音の問題とかいろいろと御苦労いただいているわけなので、できればそういう一つの新しい町づくりに御協力をいただければ大変ありがたいという気持ちも私は持っておるわけでございまして、なかなかケース・バイ・ケースで非常にむずかしいかと思いますけれども、どうしても営農をやっていこうという方はなるべくそういう施設型でより生産性を高くして残る、それにはできるだけひとつ配慮を加える、しかし一般的にはできるだけ市街化の方向にあるわけでございますから、それに御協力いただけると大変ありがたいと、こういう気持ちは持っておるわけでございます。

下条進一郎自由民主党・自由国民会議

○主査(下条進一郎君) 以上をもって沓脱タケ子君の質疑は終了いたしました。  他に御発言もないようですので、農林水産省所管に関する質疑はこれをもって終了したものと認めます。  以上をもちまして本分科会の審査を終了いたします。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを主査に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

下条進一郎自由民主党・自由国民会議

○主査(下条進一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  これにて散会いたします。    午後二時五十五分散会      —————・—————

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