予算委員会第三分科会 第2号
- 発言数
- 320 件
- 登壇者
- 31 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1980/03/31
会議録
○主査(下条進一郎君) ただいまから予算委員会第三分科会を開会いたします。 まず、分科担当委員の異動について御報告いたします。 去る二十九日、立木洋君及び柳澤錬造君が分科担当委員を辞任され、その補欠として山中郁子君及び栗林卓司君が分科担当委員に選任されました。 また、本日、上林繁次郎君が分科担当委員を辞任され、その補欠として三木忠雄君が分科担当委員に選任されました。 ―――――――――――――
○主査(下条進一郎君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 昭和五十五年度総予算中、国土庁及び建設省所管審査のため、本日の分科会に参考人として、本州四国連絡橋公団総裁尾之内由紀夫君及び同理事大富宏君及び日本道路公団理事大島哲男君の出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(下条進一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○主査(下条進一郎君) 昭和五十五年度総予算中、国土庁及び建設省所管を一括して議題といたします。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。村沢牧君。
○村沢牧君 八〇年代は地方の時代と言われますが、真に地方の時代をつくるためには、行財政の大幅な地方への移譲と自治権の確立がなされなければならないというふうに思います。 こうしたこととはお構いなしに、大平総理のロマン的な田園都市構想が打ち出され、そして定住圏構想を田園都市構想の足がかりにしようとしたようでありますけれども、この地方の時代や田園都市構想あるいは定住圏構想の結びつきについては、後日、ゆっくり論議をするといたしまして、本日は、私の持ち時間は三十分しかありませんので、単刀直入にお伺いいたしますけれども、モデル定住圏は、五十四年度四十圏域を指定したわけでありますけれども、今後、さらにふやしていくのかどうか。また、モデル定住圏計画は何年間で事業を実施するのか。さらに、一圏域の事業費の枠とそれに伴う国庫補助金の制限はあるのかどうか、以上の点について最初に伺います。
○政府委員(四柳修君) 第一点の定住圏の数のお尋ねでございますけれども、御案内のように、モデル定住圏は原則として一県につきまして一つの圏域ということを想定しております。したがいまして五十四年度に四十圏域、五十五年度に三圏域という作業を進めておりますけれども、今後、そういった物の考え方に計画策定の手法がだんだん浸透してまいりまして、あるいは同じようなものをやりたいとか、そういう話が出てまいりましたときには、関係省庁の連絡会議の方でいろいろ御相談いたしまして、その時点で考えたいと思います。 第二点の、計画期間はどのくらいかというお尋ねですけれども、一応、私どものお預かりしておりますモデル定住圏計画の中心をなします特別事業につきましては、おおむね五年程度というものを前提としております。 それから第三点の、一圏域当たりの事業費、あるいはそれに関連しました補助金のお尋ねでございますけれども、現在、関係地方公共団体におきまして作業中でございまして、それぞれの圏域によって実情が違うと思います。ということで、特に事業枠幾らという制限は設けておりません。したがいまして、これに関連いたします事業もいろいろ態様があろうかと思いますものですから、そのための補助金の枠とか、そういうことにつきましても特に現在は考えておりません。
○村沢牧君 モデル定住圏についてはいま答弁になったところでありますが、いわゆる定住圏というのは全国に幾つぐらい区域をしようとするのか、その定住圏の位置づけ、さらにまた定住圏で計画を実現するためにはどのように考えておられますか。
○政府委員(福島量一君) 定住圏一般についての御質問でございますので、私の方からお答え申し上げます。 定住圏につきましては、三全総におきましておおよそ全国にわたって二百ないし三百の定住圏というものを想定しております。具体的に定住圏を、今後、モデル定住圏に始まりまして全国に推し進めていく過程におきまして、定住圏の圏域の決定等は、国が指定するものではなくして、関係の市町村と県とで御相談願って、定住圏の趣旨、目的にかなった圏域を取り上げていただくということを予定しておりますので、最終的にどのぐらいになりますか、この段階でお答えしにくい点もあるわけでございますが、いまの地方生活圏とかあるいは広域市町村圏といったものの数等から判断しますと、三百は上回るのではないかなというのが、これは私のまだいわば私見でございますが、そんな感じでございます。
○村沢牧君 各省庁はいろいろな地域開発を打ち出しておるわけであります。その中で中核的なものとしては自治省の広域市町村圏、建設省の地方生活圏、こんなものが挙げられるというふうに思うんですけれども、定住圏構想について内閣として確固たる見解がないために、自治省にしてもあるいは建設省にしても、自分たちの施策こそ定住構想である、田園構想につながるものである、こんな見解を持っているような感じがするんです。 そこで、モデル定住圏とこれらの事業との整合性はどこに置いているのか。それからモデル定住圏が三全総の定住圏構想の核になるのか。また、モデル定住圏は、各省の進めている、また進めようとする地域づくり、たとえば広域市町村圏それから地方生活圏これらと並列的なものであるかどうか、以上について。
○政府委員(四柳修君) 御案内のように、ただいま各省の計画の例をお挙げになりましたけれども、それぞれがそれぞれ、何といいますか、独自の性格あるいは重点の置き方の差でそういうふうにとられている点があろうかもしれませんけれども、やはりいずれもが相まっていわゆる定住構想の推進を図りたいという計画だろうと思います。 より具体的に申し上げますと、モデル定住圏の計画の場合には、やはりその地域の特性を踏まえまして、特に地域住民の意識、意欲といったものを調査して、それを集約したものをいわば重点課題特別事業という形でまとめまして、それらを中心とした整備計画をつくり、その計画の策定なり、その実施に当たりまして関係省庁がそれぞれ御協力いただくという仕組みでございます。 これに対してまして、いままで建設省が地方生活圏と言っておりましたけれども、これらとの計画のドッキングを図るために、定住基盤総合整備計画という表現に改めておりますが、これはたまたま全国でございませんから、今回のモデル定住圏の圏域とほぼ一致いたします。その圏域につきまして、所管の道路等の基盤整備の面からこれらを総合的に支援し、建設省所管の公共事業の重点的整備を図っていきたい。つまり、建設省所管分のハードの面の施設整備計画でドッキングをしていくという形になります。 それから、例にお挙げになりました自治省の新広域市町村計画でございますが、これは従来からやっておりました広域市町村計画というのが、御案内のように、市町村のいわば一部事務組合から発達しまして、広域的な市町村行政の処理体制という形から、その関係の各種の施設の共同整備という話がさらに大きくなりまして、そういった広域行政の策定する圏域のあらゆる地域課題に対応していろいろ総合的な施設整備を図りたいという形でございまして、つまり、私どもの方は住民のニーズを中心とした特別事業、建設省は建設省所管の基盤整備事業、自治省の方はこれらも含めた一般的な市町村を中心とした施設の整備事業という形で、それぞれいわばそれなりのドッキングなり調整を図っておるところでございます。
○村沢牧君 そうすると、モデル定住圏も、広域市町村圏なりあるいは地方生活圏と同じような形であって、それらよりもむしろモデル定住圏の方がもっと大きいんだとか、あるいはもっと期待をするようなことをやるんだという優位性というものを持っているわけじゃないわけですか、同じことなんですか。
○国務大臣(園田清充君) 事務的にはいま地方振興局長が御答弁申し上げましたけれども、実は、各省庁、十七の省庁の連絡会議を私どものところで持ちまして、これで大きくは過密過疎の解消ということで人口の地方移動を図りたいという考え方、それで四十圏域をまず指定いたしましたが、それで実施省庁に対してお願いをしていることは、いわゆるモデル定住圏という名がついて、そして圏域を選定はするが、それには地域住民の方々のこうしてほしいという、従来までの中央集権的な姿の中から押しつけられた新産あるいは工特的な性格のものと違った、地域の伝統とか文化とかというものを尊重しながら、住みよい地域社会づくりをしていくんだという観点に立って進めていくということで、むしろ官製よりも私どもは民製に重きを置いて定住圏を選定し、地方に御協力を願っておるわけでございます。 先生の御出身の伊那の町は、この間もテレビでも放送しましたけれども、伊那の人たちが何をしていいのかわからないということで、そこで伊那が将来どうあるべきかということには、産学協同ということでひとつ学問的な世界からの参画も求めて協力を求たいと思っていますと、たとえば自分の町であるからということで、御承知のとおりリンゴの並み木が今度は中学生によって管理されておるんでどろぼう一ついないと。それが私どもの理想とする一つのモデル定住圏であって、そのためには雇用の場もつくっていきたいし、だからといって、それはたとえば重工業がいいからこれがいいでしょうとかという昔の押しつけ的なものじゃなく、地域住民の方々が伊那なら伊那のよさというものを保持しながら、なるほどということで来ていただくような都市づくりということを理想としながら、役人の論理的なものを離れての私の理想的な一つの考え方として事務当局に指示もしておるわけでございます。 だから、強制ということじゃなくして、あくまでも民意を尊重した街づくりということで進めていきたい、こう思っておりますので、いろいろ御指摘の点があれば参考にしながら今後の定住圏構想の推進の努力の資にしたい、こう思っておりますので、よろしくひとつ御協力をお願いしたいと思います。
○村沢牧君 定住圏構想は、政府の十七の省庁に関係すると言われておるわけですけれども、その中で私は自治省が最も大きなウエートを持っておるというふうに思うんです、国土庁はもちろん窓口でありますけれども。 そこで、自治省は地方団体の指導だとか交付税だとか、あるいは起債の問題で、どうしても自治省に大きな力を発揮してもらわなければならないわけでありますけれども、たまたま私どもが感ずるところによると、自治省はこのモデル定住圏に対しては何か冷たいんではないか、こういうことが耳に入ってくるわけですね。自治省は、モデル定住圏に対してどういう理解をし、あるいはモデル定住圏の成功のためにどのように取り組んでいこうとされるのか、自治省の見解を聞きたいというふうに思うんです。
○説明員(井下登喜男君) モデル定住圏につきましては、現在、国土庁を中心にいたしまして各地方団体で線引きを行っている最中でございます。そういった意味で財源措置についてどうかということは、まだ実は海のものとも山のものともわからないわけでございます。いずれにいたしましても、私どもとしては、関係省庁も十七に上るということでございますし、各省庁の持っております事業費の予算を活用しながらこのモデル定住圏を進める、こういう動きでございますから、新たな財政措置というものは特に必要ないんではないか、従来のルール化されました財政措置によって大体足り得るんではないか、こういうふうに考えているわけでございます。決してモデル定住圏につきまして冷たいということではございません。
○村沢牧君 自治省の方でもモデル定住圏が計画する事業について、自治省は自治省として、その事業が達成できるように積極的に協力をし指導をしていく、そういうふうに理解しますけれども、やっていただけますか。
○説明員(井下登喜男君) これは先ほど国土庁長官なりあるいは国土庁の局長の方からもお答えがございましたように、自治省で申しますと、広域市町村圏とのドッキングをどうしていくかという問題がございますが、そういう意味で、これはやはり定住圏という構想の中で広域市町村圏というものをどう位置づけるかという問題に関連してくるだろうと思います。そういう意味で、それぞれの自治省の持っております機能と申しますか、それを活用しながら、これは関係省庁と協議してまいりたいというふうに考えております。
○村沢牧君 定住政策のかなめは、何といっても雇用の確保であろうというふうに思うんです。政府は、モデル定住圏で計画する事業を通じて安定した職場と環境が得られるように具体的に取り組まなければならないというふうに思うんです。 そこで、三点ほど伺いますけれども、余りにも大都市に集中し過ぎている生産機能あるいは流通機能あるいは知識情報機能を地方に分散をさせること。それから二番目には、大学や専門学校などの地方分散や地方設置の対策を講ずること。それから三番目には、定住圏の促進の絶対的条件であると言われる医療の関係の整備。これらについて、政府は一般論だとか抽象論ではなくて、モデル定住圏に対して積極的に取り組むという方針と具体的な施策があったら、ここで明らかにしてください。
○政府委員(福島量一君) 定住圏の整備に関しまして、最も重要な点は、ただいま御指摘になりましたような地域におきまする就業機会の確保であると思います。もう旧聞に属しますけれども、一昨年の秋に、私どもが全国の三千市町村の市町村長さんにいろいろアンケートをいたしました際にも、最重要課題は就業機会の確保であるというのが示されておるわけでございます。したがって、三全総におきましても、地方の定住条件を整備するにつきましては、やはり工業の分散あるいは地場産業の育成等々、地域の特性に応じた条件にかなった産業の振興を通じて雇用機会を確保するということを強調しているところでございまして、また同時に、近年、所得格差というものがだんだん縮小してまいりましたこととか、あるいは生活……
○村沢牧君 ちょっと済みません。答弁中ですが、時間が限られておりますから、質問に答えて、こういうとこを積極的にやるのかどうかという、そのことについて答弁してください。
○政府委員(福島量一君) 三全総におきましても、御指摘の教育、文化、医療といった側面についても、その地方の適正配置を図ることによって住民のニーズにこたえる、それがまた若者の定住を促進する重要な課題であるということを指摘しておるわけでございます。 で、私どもといたしましても、先ほどお話しになりました関係省庁の連絡会議等を通じて定住圏整備についての各般の施策について打ち合わせをする。それから、いまお話の出ましたモデル定住圏計画、それぞれ地域のニーズに合った計画がいま策定されつつあるわけでございますが、その中に盛り込まれました事案については、できるだけ実現する方向で各省庁にお願いをし、国土庁も、できるだけ、たとえば調整費の活用といったようなものも考えながら対処してまいりたいと思っておるわけでございます。
○村沢牧君 大臣にこれはお願いしておきますけれども、いま私が申しました雇用の確保については、ただ一般論や抽象論は私どもも承知いたしますから、そういうことでなくて、せっかく地域のニーズに基づいて定住圏構想ができて、もうすぐ定住圏に取り組むんですから、定住圏については積極的にやるんだという方針と決意をぜひ持ってもらって仕事を進めてもらいたいと思うんです。これは要請しておきます、時間がありませんから。 次に、自治省に重ねて伺いますが、先ほど自治省からはもっぱら財源の問題について答弁があったわけなんですけれども、モデル定住圏の特別事業等の実施に当たっては、たとえば起債で優先的充当だとか、あるいはまた事業によっては交付税の関係等もあるんですが、交付税の傾斜配分だとか、そのようなことは自治省としては考えておりませんか。
○説明員(井下登喜男君) 先ほどもお答えいたしましたとおり、現在、まだ計画が固まっている段階ではございませんので、具体的にどうするかということはちょっといまの段階では申し上げにくいわけでございます。一つには、その事業計画が固まった段階でその辺については検討するということはもちろんでございますが、とりあえず関係省の持っております補助金等の優先配分ということが行われました場合、それについての起債なり何なりというのは従来の措置で大体賄えるのではないかというふうに考えているわけでございます。
○村沢牧君 事業を実施していく段階において、国庫補助制度との関係なんですけれども、モデル定住圏については優先的に補助金をつける、こういうふうに各省庁のコンセンサスができておるかどうかということなんです。 私の関係する地域にも一つ指定されておるんですが、たとえば、この地域は農林業を発展させて雇用を確保する、あるいは医療と福祉を進めるんだということで特別事業費を出しているんですけれども、これを集めてみるとずいぶん大きな金になるんですね。それに対して農林水産省なり厚生省がモデル定住圏であるから来年度予算で優先的につけましょうというようなことになっているかどうか、その辺はどうなんですか。
○政府委員(四柳修君) まだ最終的に数字をまとめておりませんが、いま御指摘の点は、確かに個々の地域の個々の団体なり個々の事業の関係者の方からごらんになりますと、この際というお気持ちがあるかもしれません。しかし、それを全部寄せ集めてみますと膨大な額になるだろうと思います。逆に言いますと、その裏負担というものが当該地域でできるかどうかという問題にもなろうかと思います。それらのことを調整した上で重点事業として特別事業をしぼりまして、そのしぼりました事業につきましてできるだけ優先的に各省の方で御協力をお願いいたしたい、こう考えるところでございます。
○村沢牧君 モデル定住圏あるいは定住圏構想による事業は、地方の創造に期待をするということで、地方がひとつ計画を立てなさい、自分で考えなさいというようなことを言われておるんですけれども、御承知のとおり、地方の持つ力というのはいまの中央集権下のこの機構の中ではきわめて少ないものだと思うんですね。したがって国がかなりこれに対して補助の面についても指導の面についても力を入れなければ、せっかくモデル定住圏構想をつくったって仕事になっていかないと思うんです。この辺に対して、大臣、国土庁としてはモデル定住圏構想に対して国の助成なり、あるいは指導なりの積極的な援助をしていくという気持ちはどうなんですか。
○国務大臣(園田清充君) 事務当局と私の考え方が若干違うかもしれません。また、実施省庁等においては私に対して御不満があるかもしれません。しかし、私どもは、三全総というのは閣議で決定している、その閣議決定事項でいまの定住圏を是認され、そして推進をしていく。だから事務的に詰めてまいりますと、四柳局長が御答弁申し上げたように、重点的にどこからやっていくのかという事業の優先順位というものが出てこようかと思います。しかし、少なくとも定住圏の中で各県が選択をし、同時に地方自治体が財政上からも考えて、そしてこれからやってほしいと言われることには優先的な予算配分をしていくということは、各実施省庁として私は御協力を願いたいと思っていますし、また、させてもいきたいと思っております。 横着な言い方ではございますけれども、せっかく閣議決定された三全総の問題がそれぞれの個々の省庁の都合によっておっしゃるようなことで分散したんでは、一体、何のための定住圏かということになってまいりますので、その点はかたい決意の中で実は各省庁にもお願いをしてまいりたいと思いますし、特色を出す部面においては、さっき御質問の中にもございました学校の問題むしろ文部省からきょう出てきていらっしゃるなら私どもの方から蒙を開きたいと思うぐらいで、教育までが中央集権的な姿に陥っていくところに日本の一つの問題が残されておる。だから、そういう教育機関の地方分散というようなことをやはり明治の先哲がやったようなことに学んでやるべきだというのが私の決意でございますし、むしろそういう考え方、決意の中で国土庁が、独走はいたしませんけれども、各省庁の協力を得ながら、いわゆる地域住民的な、地方分権的な地域づくり、社会づくりのためにやっていくのが国土庁の当面の務めだというふうに理解をいたしております。
○村沢牧君 大臣、各省庁はそれぞれの施策も持っておるし、セクトも持っておるんです。しかし、三全総を推進する上で、国の施策は一つの理念、一つの目的で一元化するべきものだというふうに思うんですね。 そこで、国土庁が各省庁に要請をし、お願いをしてモデル定住圏事業が達成するように取り組むんではなくて、むしろ、この際、国土庁として予算を持って、そしてモデル定住圏については国土庁が予算の配分をするんだ、そういう方向に持っていってモデル定住圏あるいは定住圏構想については国土庁が全部引き受けていく、そういう姿になるべきだというふうに思うんですが、それができないですか。
○国務大臣(園田清充君) 実は、これは私のところに調整費というものもございます。そこで、調整費の活用の問題と絡ませながら各省庁の協力を得ながら、主導権と言うとおかしいけれども、調整役所らしく、ただ単に調整ということでなくして、主導権と調整とを兼ね備えた推進の心構えというもので三全総の推進に当たっていきたいというふうに考えておりますので、そのためには皆さん方の理解ある国土庁に対する御協力がないと、各省庁が勝手気ままなことになりますから、ひとつその点は国土庁に対する格別の御協力を私は願いたいと思います。
○村沢牧君 御協力をお願いするということは私に言うんじゃなくて、あなたが国土庁長官として閣議なり他の省庁に言うことなんですよ。だから、大平総理の発想のもとにこういうことができたんだから、もう少しやっぱり国土庁が力を持って各省庁に要請をするんだと、各地区から総意を上げてこういう計画が出たんだからこれは優先的につけるんだという、こういう力をぜひ持ってもらわなければ困ると思うんですね。 そこで、このモデル定住圏計画は六月までに策定をして国土庁のヒヤリングを受ける、こういうふうに聞いているわけであります。しかし、モデル定住圏構想が地方の自主性を尊重し、地方の特性を生かしていくものであるとするならば、国土庁がこの計画が実現するように助言をする指導はすることはあっても、地方の持ってきた計画を査定したり、計画変更なんということはあり得ないと思うんですが、その辺はどうなんですか。
○政府委員(四柳修君) 大変むずかしいお尋ねが若干入っていると思うんです。ということは、この際、いろいろの構想を整理しまして、その中から特別事情をしぼっていく、それをやはりそれぞれの入れ物に合わせて計画をつくらなくちゃなりません。そういう過程の中で、地方におきましても、部門別あるいは地域別にそういったことの調整が必要でございます。そういうものを踏まえた上でこの計画がつくられれば御指摘のようなことはないと思いますが、そういう過程の中で、やはりそういった地方での選択ということを私の方でお願いしなくちゃならない問題があるいは出てくるかもしれません。決して査定するということではなくて、こういう計画づくりの物の考え方として重点をしぼっていただきまして、いろいろ御検討いただきたいというふうに対処してまいりたいと思います。
○村沢牧君 定住圏の指定を受けた地方では、十分その内容は知っているというふうに思うんです。したがって、計画を持ってまいりますね、冒頭話がありましたように、五年間で実施をする、それでは五十六年にはこういうことをやりますと言って皆さんが認めた事業については必ず五十六年度予算につけさせる、そういう保証をひとつ与えてもらいたいと思うんですが、どうでしょうか。
○政府委員(四柳修君) 当然のことながら、この定住圏計画の中心をなします特別事業につきまして各省一緒でヒヤリングをするわけでございますから、それぞれの省庁でそれぞれのおつもりでそういう対応をしていただけるものと思います。
○主査(下条進一郎君) 時間が来ております。
○村沢牧君 あと一問で終わります。 いままで大臣や国土庁あるいは自治省の答弁を聞いておっても、どうもこのモデル定住圏という旗を上げたけれども、果たして皆さん方の期待をするような、あるいは特に指定県においては、これはモデル定住圏に指定を受けたんだから、この地域はうんとよくなるということで大変な期待をかけているんですね。どうも期待に報いるようなまだ情勢になっておらないというふうに私は感ずるんですね。ですから、この計画に盛られた事業が順調に推進するかどうか、あるいはまた定住圏構想がうまくいくかどうか、このことは、大臣、しっかりした決意を持つとともに、せっかくこれだけ期待が上がっているんですから、期待が実現するように取り組んでもらいたいというふうに思うんですけれども、最後に、大臣の決意というか見解というか伺って、私の質問は終わりたいと思います。
○国務大臣(園田清充君) 御指摘がございました、たとえば私どもがいま六月からそれぞれ各地方や地域で御選定をいただいたモデル定住圏の構想というものをお持ちいただく。それと国とでいろいろ協議をいたしますが、その段階で特別事業として合意、決定をいたしましたものについては、これは優先的に御指摘があったとおり予算をつけて措置をいたします。努力をするんじゃなく、つけますということを明らかに申し上げてよろしかろうと思います。それだけのことがないと、おっしゃったように、ただ羊頭を掲げて狗肉を売るような形にならないようなことだけにはしたいという決意の中で取り組んでおりますので、私ども、合意を得たものの中からなるほどやったなということが来年度認めていただけるようなことでひとつ実現をしていきたいと思っておりますので、御了解を賜りたいと思います。
○主査(下条進一郎君) 以上をもって村沢牧君の質疑は終了いたしました。 次に、久保亘君の質疑を行います。
○久保亘君 最初に長官にお尋ねをいたしますが、インフレ物価対策ということで公共事業の抑制が政府の方で検討されているようでありますが、公共事業の抑制という場合に、特別立法によって行わてれおります奄美群島振興開発事業などにも一律にそのような考え方が適用されるということになれば多くの問題が出てくると思うのでありますが、担当庁であります国土庁として、来年度の予算案の中でも奄美群島振興開発事業のほとんどは公共事業でありますが、この点についてのお考えを承っておきたいと思います。
○国務大臣(園田清充君) 御指摘がございました離島というのは私どもの担当でございますが、通常の場合でも、離島関係では本土と比べて非常におくれていることは私自体も承知をしております。 そこで、景気調整でいろいろ問題がございますけれども、国土庁としては、この離島の公共事業の取り扱い等については、たとえば離島でやったからこれが景気にどうという影響力、いろいろなことを加味して考えてみましても、さほど問題にするなにはないじゃないか、だから、この地域性をどう引き上げていくかという公共投資については、いまの状態の中で一般的な事業の扱いとは別にひとつ考えてほしいということで、各省庁の協力を求めながら、離島の振興のためには、いま物価問題と絡ませて抑制されるのではないかということでございますけれども、さようなことのないようなことで努力をしてまいりたいと思っています。
○久保亘君 ぜひ、そういう方向で国土庁としてがんばってもらいたいと思うわけです。実際には、やっぱりそういう一律に網をかぶせて公共事業の執行を抑制するというような空気がないわけではありませんので、もしそういうことになりますと、長年にわたって国の力の入れ方が足りなかった地域、特に十年にわたって戦後本土から切り離されておりました際のツケとも言うべきものをいま特別立法によって解消しつつあるわけでありますから、それがそういう一律な適用によって抑制されることがないように特に要望いたしておきます。いまの長官のようなお考えで進めていただきたいと思います。 次に、国土庁の地域開発の考え方についてお聞きしておきたいのですが、最近、公害を伴う危険産業といいますか、そういうものが離島に集中して目標が設定をされるという傾向が強まっておりますが、国土庁でお考えになります地域開発、離島振興などというのは、こういう地方の時代という名前をかぶせて公害を伴う危険産業を押しつけることが国土庁の離島振興や地域開発の考え方ではないと、私はそう思うのでありますが、国土庁として、この離島の振興開発について、CTSとか核燃料の再処理工場とか、こういったようなものを起爆剤として持ち込むということについて考えておられることがあるのか、あるいはこの問題についてどういうふうな見解を持っておられるのか、お伺いしておきたいと思います。
○政府委員(四柳修君) 私どもの方でお預かりしております離島といったような後進地域の振興というのは、一つは、地域の道路とか港湾といったような基盤施設の整備、それを通じて関係地域のいろいろの条件のレベルアップといいますか、あるいは就業の場の確保といいますか所得の増といいますか、そういう点が一つ。二番目に、そういった地域におきましても簡易水道、下水道あるいは屎尿等々といったような生活関連施設の整備、つまりそういった各種の公共施設の整備によりまして関係地域を総合的計画的に振興し、いわゆる格差を解消する、それが基本だと思います。 そこで、お尋ねのCTSあるいはその他の施設の整備についての考え方でございますが、御指摘の中にもございましたように、これらの施設の特殊性につきましてはいろいろ地元の理解もあろうかと思います。あるいは地元の住民の方の協力体制とかいろいろな問題があると思います。そういう意味で、これらの問題の処理に当たりましては、離島であるがゆえにどうこうということではなくて、関係問題につきましての理解なり協力なり、そういったものが地元で要請され、あるいは理解されない限りは、国としてみて特に計画的に推進するような地域として離島を考えてはおりません。
○久保亘君 それでは、通産省にお尋ねいたします。 今回の石油国家備蓄基地の調査対象地として全国四カ所を選定されたそうでありますが、その中で鹿児島県の馬毛島、屋久島という離島が特に調査対象の候補地として選定された根拠は一体どこにあるのか、お尋ねしたいと思います。
○説明員(森清圀生君) 先生御指摘のように、今般、第二次分の国家備蓄の調査対象地点として四カ所、そのうちに離島の屋久島、馬毛島が入っておるわけでございますが、今回の第二次調査地点四カ地点、具体的に苫東、金沢、屋久、馬毛と四点ございますけれども、これらを選定いたしました主たる理由だけを概括的に申し上げます。 一つは、地元の自治体当局から積極的な誘致と申しますか、国家備蓄の基地建設に対する積極的な協力の申し出があったところ、これが第一です。それから第二番目としましては、先生御案内のとおり、石油の備蓄基地ということになりますとかなり広大な土地を必要といたしますので、国家備蓄に適した広い土地が入手し得る。それから第三番目としましては、土地と並んで港湾条件がかなめになりますので、備蓄基地建設に適した港湾、つまり三十万トンクラスのタンカーが入着できるような港湾施設を建設し得るかどうかという港湾条件があります。それから第四番目といたしましては、備蓄基地としてのその他一般的な気象、海象条件、かような点を判断のメルクマールといたしまして、最終的には、全国約十カ所程度候補地点があったわけでございますけれども、冒頭申し上げました四地点を選定いたした次第でございます。
○久保亘君 地方自治体当局からの誘致とか広大な土地とか港湾条件とか、そういうことをお述べになっておりますが、それでは、従来、鹿児島県当局が馬毛島については石油企業を前提としない開発ということを再三にわたって県議会でも言明をしてきてまいっておりましたものが、今回、そうなりましたのは、県並びに市町からの誘致が非常に大きかったという意味だろうと思うのです。であるとしますならば、新大隅開発計画とかかわりを持っております志布志湾を調査対象としてほしいということについて、県は、地元住民に反対の意向があるにもかかわらず、かなり強くあなた方の方に要請を行ってきたはずでありますが、志布志湾が、今回、第二次の備蓄基地の調査対象から除外された理由は何でしょうか。
○説明員(森清圀生君) 志布志につきましては、県から御要望があったことは事実でございますが、志布志の場合には、先ほど申し上げました要件のうちの土地の取得という点につきまして、県の現段階での志布志湾における国家備蓄を誘致なさろうとする御計画では、備蓄用の用地はすべて埋め立てで行う、俗っぽい表現をしますと、出島みたいな方式で備蓄用の用地を新たに造成していこうという御計画なものですから、そういうことですと、私ども、用地の取得が比較的容易で、その結果、おおむね六十年度末までに当該地点における国家備蓄の基地の建設が可能であるというふうに見込まれる、こういうことを一つの私どもなりの条件的なものと考えておりますので、その関係で出島方式による全面埋め立てという県の志布志構想につきましては工期的に問題があるのじゃないかということで、今回は、私どもとしては、第二次国家備蓄の調査地点としての選定から除外したということでございます。
○久保亘君 この点について地域住民の合意が得られにくいというようなことも、調査対象として検討される場合に、条件をいろいろあなた方が勘案される場合の一つの要素になっておりますか。
○説明員(森清圀生君) 今回取り上げましたのは、あくまでも国家備蓄の地点として技術的経済的に可能かどうかの調査を行う地点ということでございまして、最終的に国家備蓄の地点として決定する際に、今回行います調査の結果、技術的経済的にも適性あるいは可能性が十分あるという判断が出た地点について、地元の御同意を得て――御同意が得られなければ、仮に技術的経済的にオーケーという調査の結果が出た地点であっても、国家備蓄の地点として決定することには相ならないわけでございまして、このような意味で地元の同意と御了解を得るというのは、今回の調査の結果、オーケーという結論が出て、最終的な地点決定の前までに合意をとるという手順になっておりますので、今回の調査では、地元の合意を得る、具体的には、自治体当局ではなくて、地元の関係者の合意なり御了解を得るというのは検討の対象外でございます。
○久保亘君 それは少し石油公団の見解とは違うんですよね。私、石油公団の担当役員ともこの問題についてお会いしていろいろ話を聞いておりますが、やはり地元の合意が得られにくい場所は、今回は、調査対象から外したということを言っておられるのです。だから、それはあなた方と少し違う。 それともう一つは、もし志布志が出島方式でやるならば、現状のままではとうてい技術的経済的にもう要件を満たさない、こういうことなら、第三次計画の際にも、現状のままであれば志布志は当然これはもう対象となってこない、こういうふうに理解していいですね。
○説明員(森清圀生君) 第三次の候補地点の選定作業について、いつごろ具体的にどういう手順で進めるかまだ決めておりませんが、先生御指摘のことに関する一番重要なポイントは、国家備蓄の第三次の計画分の完成年度をいつごろに置くかということにかかわってくると私どもは理解しております。つまり、第二次分は六十年度という、まあ差し迫ったというわけではございませんが、かなり短い時期を完工の目標年度としておりますけれども、第三次分についてまだ私どもとして具体的にいつという明確な目標期限を定めておりませんので、目標期限との絡みでどうなるかということに相なろうかと思います。
○久保亘君 それから、もう一つお聞きしておきたいのは、離島やそういうところを特に候補地として選んでいくのは、いろいろあなたの方で条件を言われたけれども、先ほど私が言いましたように、公害を伴う企業の危険分散という考え方はありますか。これは石油公団の方ははっきりそう言われておりますから、その点をあなたはよく承知の上で答えてくださいよ。
○説明員(森清圀生君) 私ども、国家備蓄、現在、三千万キロリッター計画というのが政府部内の方針として打ち出されているわけでございますが、この三千万キロリッターの国家備蓄の計画を全国どういうふうな配置で実現していくか、こういうことになりますと、一般論としては、一カ所に、あるいは特定の地域に余り集中することなく、できるだけ分散をした形でこの三千万の配置を進めたいということは基本的に考えておりますけれども、その際に、特段離島を優先するとか、そういう考え方は持っておりません。 ちなみに申し上げますと、第一次分につきましては四カ所、すでに調査が終わったのもございますし、現在、ほぼ調査が最終段階にございますが、第一次分としてむつ小川原、福井、上五島、白島ということになっておりますけれども、すでに着工済みのむつ小川原、あるいは事務折衝中の福井にいたしましても離島ではございませんし、今回、調査した中の東苫小牧、金沢、これはいずれも離島ではございません。
○久保亘君 離島という表現が悪ければ、要するに、いまあなたが言われたように、一カ所に集中することはどうか、だから分散したいということは、これはやっぱり危険分散――企業メリットからいったら、もしこれが危険を伴わないものであれば一カ所に集中した方が非常に効率的なんだから、これはやっぱり危険分散という考え方。この危険というのは、公害という意味もあろうし、いろんな大きな災害が起きた場合の事故とか、そういうものもあるだろうけれども、そういうような考え方でやられていく。それでその場合に、どうしても開発のおくれている後発地域に、もういまや既開発地域に立地困難となったものはそういう地域に分散して押しつけていくという傾向が非常に強まっている。だから計画しておいて住民合意を取りつける、いろいろなことが工作される。立地交付金だって私はそうだと思いますよ。公共事業の優先的な配分だってこういうものにくっつけていくというのはやっぱりそういう思想のあらわれだと思うんで、この点については、いまあなたの方の御見解もお聞きしましたので、さらに時間のあるときに、私、もう少し詰めて論議をしたいと思います。 それからもう一つの問題は、三月一日に設立されました原燃サービス株式会社の事業目的は核燃料再処理工場の設置だと聞いておりますが、この会社の設立は国の原子力発電所の計画全体とかかわってきているものでありますから、当然、原燃サービス株式会社の設立に当たっては、国の方もいろいろと協議というか、相談にあずかったものと思いますが、その点はいかがでございますか。
○説明員(熊野英昭君) 一般的に申し上げまして、原子力の開発利用、当面は、原子力発電でございますけれども、を進めていくためには核燃料サイクルのかなめでございます再処理事業の確立が非常に大きな課題であるというふうに私ども国としても考えております。 こういう観点から、日本全体といたしましては、昭和六十五年度ころの運転開始を目標といたしまして、民間会社によります商業プラントの、いわゆる第二再処理工場と申し上げておりますけれども、建設を行うことが必要であるということで、関係業界等で、先生ただいま申し上げられましたように、三月一日に、この中心母体としての日本原燃サービス株式会社が設立された次第でございます。
○久保亘君 この原燃サービス株式会社は、九州電力を中心に、役員を見ます限り、設立されておりまして、特に取締役、立地調査部長には九州電力の幹部が配置をされております、社長ももちろんそうでありますけれども。このことは、通産省としても、再処理工場の設置については大まかに言って九州を一つの立地目標に置いて考えられている、こういうことなのでしょうか。
○説明員(熊野英昭君) 日本原燃サービスの役員につきましては、社長が九電の元副社長の方でございます。それから御指摘のように立地担当部長は九電の御出身でございますけれど、必ずしも九電だけではございませんで、十数名の常任役員、それから非常勤も入れますと二十数名になろうかと思いますけれど、各電力会社、北電、関電、九電、中部電力等いろいろなところにわたっておりますし、それから関係業界からも御参加されております。 いずれにいたしましても、第二再処理工場の立地問題につきましては、先ほども申し上げましたように、日本原燃サービス株式会社が三月一日に設立されたばかりでございますので、現状のところ、具体的にどこを立地するかということについては全く白紙でございまして、今後、当日本原燃サービス会社が、自然環境とか社会環境とか、あるいは地元の御意向等を十分配慮しながら、具体的な立地地点を選定していくということになろうかと思います。 そういう意味で、繰り返しになろうかと思いますけれど、現時点におきましては、日本全国を対象地域としていま申し上げましたような各種の立地条件等を検討し、その立地条件に適合するのはどこかということで作業を進めていく、こういう次第でございます。
○久保亘君 あなたの方でいろいろ言いにくいだろうけれども、実際はそういうふうに動いているんじゃないじゃないですか。 それじゃ、日本工業立地センターが、鹿児島県の徳之島再処理工場を想定しながら、調査をやったという事実については御存じですか。
○説明員(熊野英昭君) ただいま先生御指摘の調査というのは、財団法人日本工業立地センター、現在は日本立地センターと名称を改称しておりますけれど、この法人が、不動産業を主たる業務といたします株式会社徳之島興業からの委託を受けまして、通常の委託調査といたしまして私契約に基づいて昭和四十九年度に調査をしたということは聞いております。これはあくまでも、立地センターがお金をいただきまして、要するに委託調査としてやったものでございます。したがいまして、これは特に今般設立されました民間再処理会社の日本原燃サービスとは全く無関係のものであるというふうに承知している次第でございます。
○久保亘君 いまあなたの方では、地元の合意とかいろいろ言われましたが、原燃サービス株式会社の方は六十五年操業開始をめどにということになれば、十年ですね。十年ということになれば、しかも、この核燃再処理工場は、あなた方の立場から言えばもう不可欠のものである、原発との関係で。そういうことで六十五年操業開始をめどにして動くということになれば、いまから日本全国にわたって、白紙状態で、そしてどこか受け入れてくれるところがあればということでは、そうすると、もう通産省としては、これは一応そう思うけれどもできないことだと、こう思っておやりになると考えなきゃいかぬ。原油基地なんか、たとえば志布志湾は、六十年度までは埋め立て方式ではもう無理だから外したと、その先も、長い計画ならばここを検討することもあるかもしれぬというお話なんですよ。この核燃再処理工場に限って、いままだ全国白紙でございまして私ども何にも考えておりません、そういう漠然たる状況で、六十五年操業開始というような言い方は結びつかぬのじゃないですか。
○説明員(熊野英昭君) 民営再処理工場につきましては、先ほど来申し上げておりますように、昭和六十五年度ころの運開を目標としております。この運開を目標としてスケジュールを考えてまいりますと、立地地点の選定につきましては、この一、二年の間に立地点の選定を行う必要があろうかというふうに考えております。
○久保亘君 一、二年の間に立地点の選定を行うということなら、どこも目標なしに、どこかないだろうかというようなことではそんな一、二年の間に決まりませんよ。そうすると、当然、通産省としても、原燃サービス株式会社としても、一応頭の中に、もし合意してくれるならあそこはどうだというようなことで想定されているところがあって初めて調査も可能になってくるんであって、そういうことも全然なしですか。 たとえて言いますと、徳之島なんというのは、これは民間の不動産会社が勝手に工業立地センターに調査を依頼したのであって、徳之島を候補地などとして考えたことは通産省もなければ、原燃サービスも徳之島を候補地として考えるようなことはないんだと、こういうようなことをあなた言っていただけますか。
○説明員(熊野英昭君) 徳之島につきましては、先ほど御説明申し上げましたように、昭和四十九年度に徳之島興業という一不動産会社がそういう調査を行ったということは知っておりますけれども、私どもはもちろん無関係でございますし、それから日本原燃サービスあるいは日本原燃サービスの会社設立の準備をしてまいりました電気事業連合会等も、全く承知しないとはっきり言っております。 いずれにいたしましても、国の立地問題に関する立場と考え方といたしましては、これから再処理工場の立地についてどういう立地条件が必要であるかについて入念な検討をする必要もございますし、それから、それにあわせて、いろいろ具体的な各地点に合わせてどこがいいかといったようなことを順次調査をすることになるわけでございますので、そういった再処理会社によります立地調査の進展を待ちまして、必要な段階におきまして私どもとしては所要の指導なり助言なりをしてまいりたい、こういうふうに考えている次第でございます。
○久保亘君 時間がありませんので、最後に、あなたにもう少しはっきり言ってもらいたいのは、徳之島について再処理工場の立地を考えたことは通産省としてもなければ、原燃サービスの準備をしてきた企業の方でもそういうことを検討したことはないんだ、こういうことならば、徳之島に三つの町がありますが、個々の自治体を含めて町民の間にはそういう調査が行われて、そしていろいろ、原燃サービス会社が発足したりして、九電が主体でやっておられるということで大変なやっぱり不安と動揺があるわけです。それじゃ徳之島をいま特別に候補地として原燃サービスや通産省が検討しているというような事実は全くありませんと、こういうことを答えていただけますか。
○説明員(熊野英昭君) 通産省といたしましては、個別の再処理工場をどこにつくるかというふうなことを、現段階においては、検討も通産省自体としてはやっておりません。先ほど来申し上げますように、原燃サービスがこれからいろんなことを調査して、いずれかある程度進展した段階で通産省にも具体的な相談を持ってまいろうと思いますので、そういう段階に所要の指導なり助言なりをやってまいりたいというふうに考えております。 ただ、一般論として申し上げますと、会社といたしましても、地元の御理解ということが必要であるということは当然でございますし、また、地元の理解なしに事が進められるというようなことはあり得ようがないと思っておりますけれども、なお、私どもといたしましても、地元の理解を十分得ながら事を進めるようにということの指導は、一般論といたしましては、すでに原燃サービス会社によく私どもの方から話はしてある次第でございます。 それから、徳之島の地元におきまして、地元でいろいろな市町村の御決議とか、そういうものがあることは私どもも十分承知をしておりますし、他方、その件につきましては当原燃サービス会社に十分に私どもの方からも伝えてございます。
○久保亘君 時間が参りましたので、これで終わりますが、私は、そういうあなた方の考えならば、いま徳之島を核燃料再処理工場の立地の予定地または候補地として原燃サービスもそういうことで考えているという事実はない、そういう作業もやっている事実はない、内部においても。そういうことについては原燃サービスを指導して明確にしないと、無用な労力、無用な混乱を起こしておるばかりですよ。だから、そういうことについては、私が国土庁にも申し上げましたように、国土庁としても、こういうものを地域開発の起爆剤になどという考え方はないと言われるのです。だから、あなた方としても、ちょっと私ひっかかるのは、最後にあなたが言われた地元の合意を得られるように努力してと言われる、それが問題なんです。そうでなくて、もう地元で合意を得られないんだから、そういう立地センターがやった段階で地元の合意はもう得られぬのだから、その点については、ここを対象地として考えているような事実はないということを明確に原燃サービスにもやらしたらどうですか、全く白紙なんだから。白紙の中にそんなものがぽこっと起こっているということはよくないことでしょう。
○説明員(熊野英昭君) 繰り返しになって大変恐縮でございますけれども、現時点におきましては、会社も設立されたばかりでございますので、これからいろんな検討をやっていくということでございますので、現時点でどうかと言われますと、一応、日本全国を対象として考えていくというふうにしか、その点でお答えは察していただきたいと思います。
○主査(下条進一郎君) 以上をもって久保亘君の質疑は終了いたしました。
○主査(下条進一郎君) この際、分科担当委員の異動について御報告いたします。 本日、村沢牧君及び久保亘君が分科担当委員を辞任され、その補欠として小野明君及び浜本万三君が分科担当委員に選任されました。 ―――――――――――――
○主査(下条進一郎君) 次に、三木忠雄君の質疑を行います。
○三木忠雄君 私は、地震対策の問題を中心に質問をいたしたいと思います。 特に、大規模地震対策特別措置法ができまして、特に東海地域が地震防災対策強化地域に指定をされているわけでございますが、その指定地域の外周部においても強化地域の指定を強く要請していることは御案内のとおりだと思います。特に、人口の多いこの東京あるいは南関東方面というのはこういう外周部として指定地域に入れるべきではないかという、こういう強い声もあります。この問題について、まず、国土庁長官から、南関東あるいは東京を除外したその理由について御答弁願いたいと思うんです。
○政府委員(柴田啓次君) 技術的な問題でございますので、私からお答えさしていただきます。 このたび、大規模地震法によりまして地震防災対策強化地域の指定を行ったわけでございますが、その際に、当面、懸念される地震として東海地震を考えたわけでございます。東海地震につきまして、東海地震の発生をするいわゆる断層モデルというものを想定いたしまして、その断層デモルで想定されるような地震が発生した場合に、地震動に起因する著しい地震災害が生ずるおそれがある地域というものを地域指定したわけでございます。これにつきましては、専門家から成ります専門委員会において鋭意御検討いただいたんでございますが、その検討の結果、地震動の流れ、あるいはその地域の地盤、地層、そういうものから判断をいたしまして、木造建築物または低層建築物が著しい被害をこうむるおそれがある震度六以上の地震動を受けると予想される地域を地域指定したものでございます。 御指摘の東京につきましては、震度六に達しない震度五あるいは四ということでございますので、地域指定の対象とされなかったものでございます。ただ、問題といたしまして、長周期の地震波、あるいは自然斜面の滑り崩壊、地盤の液状化、こういうものの被害というものが想定されるわけでございます。これにつきましては引き続き専門委員会において検討をしているところでございます。なお、東京につきましては、ただいまも申し上げましたように、一般的に震度五以下とは考えられるのでございますが、万全を期するために、地域防災計画におきまして、警戒宣言が発せられた場合の情報の伝達等の対応を定めるように指導してまいっておるところでございます。
○三木忠雄君 そうしますと、この自然斜面の滑り及び崩壊、こういう問題は後でお聞きしたいと思いますけれども、大体、そうすると、東京は震度六以上の地震は当面起こらないという、こういう専門委員会の検討でございますか。
○政府委員(柴田啓次君) 東海地震に関する限りは、そのように理解しております。
○三木忠雄君 そうすると、東海地震という問題に限定しているわけでありますけれども、東海地震じゃなしに、相模沖とかあるいは関東周辺の震源地が六とか七とかいう、そういう予想をされることは、いまの地質構造学上から言って、ないと専門委員会は検討したのかどうか、その点について。
○政府委員(柴田啓次君) マグニチュード八程度の地震というのは、いま想定されるものは駿河トラフだけでございます。この前関東大地震の起きました震源である相模トラフにつきましては、エネルギーを放出しているので、しばらくの間マグニチュード八というような地震はないだろう、こういう考え方でございます。 ただ、先生の御指摘のように、直下型でマグニチュード六とか、それ以下のものというのはあり得るわけでございます。ただ、それにつきましては、いまの技術的な予知という体制ができない。大規模地震対策特別措置法というのは予知というものを前提にして組み立てた制度でございますから、それによる強化地域の指定というのは、予知の可能な、いまの技術段階ではマグニチュード八とかいうものの地震を想定せざるを得ない、それは東京については、しばらくの間は、考えられない、こういうことでございます。
○三木忠雄君 そうしますと、マグニチュード八以上の地震は東京周辺は当面ない、これは専門家の意見ですから、それを信憑するかどうかというのはいろいろな問題があろうと思いますけれども、当面そうないとして、ただ、この特別措置法専門委員会の検討した七項目に映っている長周期の地震波によるという、こういう問題の被害ですね。こういう問題を考えたときには、やはり石油タンクとか超高層ビルとか、こういう問題が震度六ぐらいでも相当な影響を受けるんじゃないかという、こういうふうな問題になってくるんじゃないでしょうか。
○政府委員(柴田啓次君) いまお話がございましたように、地震の周波によりまして、長周期の地震波というものがございますというと、大型の構造物等に予想もしないような被害ということが考えられるわけでございます。それからまた、先生が御指摘になりましたように、自然斜面の滑り、崩壊あるいは地盤の液状化というのがあるわけでございます。地盤の液状化というものがございますというと、埋立地等において地盤が液状化をいたしまして、そのために崩壊をするというようなことも考えられるのでございます。 これにつきましては、先ほども申し上げましたように、いまも地域指定の専門委員会をそのまま続けまして、毎月一回ずつは会議を開きまして、いろいろ検討しているところでございます。ただ、その検討には非常にたくさんの資料の収集、整備というものが必要でございまして、まだかなりの期間を要するんでないか、なるべく早く検討結果をまとめたいと思っておりますけれども、かなりの期間を要するのではないかと考えております。
○三木忠雄君 東海地域の問題はきょうはさておきまして、長周期の地震波等によってやはり人口密集地域の東京とか横浜で、たとえば石油タンクとか超高層ビル等の被害というものが非常に大きな危険にさらされるのではないかということに都市住民は非常に危惧を抱くわけです。そういう点で、いろいろ専門委員会で検討はしているらしいんですけれども、こういう問題についてはやはり早急に――まあ早急と言っても、これは学問的な問題ですから、いろんな問題点は私はあろうと思いますけれども、こういう問題についての結論をどういう過程で、あるいはどれだけの予算をつけて、どういう検討結果を出すかというプロセスを明確にしておくべきが当然じゃないか、こう思うんですけれども、その点についてはいかがですか。
○国務大臣(園田清充君) いま審議官から指定の問題については御答弁を申し上げましたが、やはり予知、予測の問題を別にいたしまして、いかに震災や災害に強い都市づくりをしていくかということは当然私どもとしては考えてまいらなければならないことだと思っております。そこで人口、産業の適正な配置を図るように過密の解消をやる、既成市街地における体系的ないわゆる避難地という空地の確保をしていく、建築物の耐震・不燃化を促進する、あるいは交通通信、水、エネルギー等の大都市の機能を支える骨格的な施設の防災性の強化をやる、あるいは災害に対する対策活動の拠点となる防災基地の整備をやっていくとかということで、取り組まなければならない問題はたくさんあろうと思います。 そこで、国土庁といたしましては、こうした震災に強い都市づくりということで首都改造計画というようなものを実は本年から着手をいたしまして、いろいろな調査をまず前期三年ぐらいでひとつ片をつけたいということで進めておりますけれども、完全な調査結果からこうですという指導体制に入るまでには五年ぐらいかかりはしないかという気がいたしますけれども、いまおっしゃったように、災害というのが、あした来ますぞと予測できる問題でないだけに、なるだけ早い機会に災害に強い都市づくりということにひとつ取り組まして努力をさしていただきたいと思っております。
○三木忠雄君 都市構造の問題は後でちょっと伺いたいと思うんですけれども、地震防災対策強化地域指定専門委員会の報告書の七項目目の、今回の指定の対象とすべき地域の外周で、自然斜面の滑り及び崩壊あるいは地盤の液状化、または長周期の地震波による被害、こういう問題についての具体的な専門委員会の検討は、いつごろまでにこういうものが検討が加えられて実際にこの対象にすべきかどうかという判断を下すのかという、その問題を具体的に聞いておきたいんです。
○政府委員(柴田啓次君) この問題につきましては、強化地域の指定を終わりましたのが八月の七日でございますが、九月から毎月一回専門委員会の先生にお集まりをいただいて、ワーキンググループをつくっていろいろ検討しているのでございます。で非常に複雑な問題でございます。地盤によっていろいろ影響がございますし、たとえば八郎潟の干拓地の堤防というものは十勝沖地震の際に一部分崩れたというようなこともございまして、その距離、地震動、こういうものの想定が非常にむずかしゅうございます。いろいろな実験も行いながら鋭意検討してるところでございますけれども、できるだけ早く結論は出したい、こう考えますけれども、いつまでというお約束をいましかとするのはお許しをいただきたいと思います。
○三木忠雄君 これは日にちをいつまでに決めてやれと言ったって、これは正直言ってなかなかそんなにできるものじゃないけれども、ある程度のやはり検討する方向性を出すという結論は、大体二、三年なら二、三年でできるのか、あるいは予算が足りなくて実際こういう研究ができないのか、そういう専門家が集まっても、確かに複雑なことがあろうかと思いますけれども、時間がかかるのか、どういう点が一番大きなネックになってこういう問題が見通しがきかないというのか、その点について。
○政府委員(柴田啓次君) やはり資料の点で、いままで得られております資料だけでは不十分な点がたくさんございます。で、それぞれモデル式をつくりましていろいろな計算をしているところでございます。先生いま御懸念くださいましたように、予算がないとか、そういうような事情でございませんので、幸い、この大規模地震法の施行の予算につきましてはいろいろ御配慮をいただいておりますので、十分にやっているわけでございますが、何分にもその資料の収集、整備というのは、それぞれの地域の地盤の問題も絡みますし、さらにその技術的な限界というようなものもございます。予想もしないような事態ということも考えられるわけでございます。それらの点を毎日いろいろ詰めているところでございます。
○三木忠雄君 毎日詰めていることはわかるんですけれども、東京都民の立場から立ってみれば、やはり強化地域指定から外されたというのは、考えてみれば東京、横浜方面は相当な費用もかかるし、あるいはそういう指定地域にするといろんな予算上の措置もあるんじゃないかという、いろんな問題点を含んでいるんじゃないか、げすの勘ぐりじゃないけれども、そういう問題も考えざるを得ないのではないかと私は思うんです。 したがって、やはりこういう問題について、特に超高層ビルの問題だとか石油タンクの問題だとか、東京あるいは横浜等についてのいろんな問題点はあろうと思います。確かに学問的にも資料がないとか、いろんな問題はあろうかと思いますけれども、やはりこういう点についてはもっと積極的な対応をしていかなければ、都市の住民、東京一千万、横浜五、六百万という人口を抱えているところですから、いつごろこういう問題があらまし結論出るのかという、それに向けて技術――何もそれができなかったから罰則規定があるとかなんとかいうものじゃないわけですよ。その日暮らしでやっているみたいな感じで、のらりくらりやっているような状態では、都市住民としては非常に不安じゃないか、こう思うんですよ。その点についていかがですか。
○政府委員(柴田啓次君) 私も、先生と同じように、いつまでものんべんだらりとこういうものを検討ばかり続けるのでなく、できるだけ早く結論を出したい、こういうように考えているところでございます。なるべく早く結論を出すように努めたいと思います。
○三木忠雄君 これはこのまま論議をしても専門的な問題もあろうからあれだと思いますけれども、国土庁長官、こういう都市の特殊な問題点について、専門委員会でいろいろ検討はされているとは思うんですけれども、指定地域と指定外とでは大分いろんな手当てが違うわけですね、地方公共団体についても。そういう点は、強化地域ではないけれども準指定地域なら準指定地域で、それに国として対応ができるような地域としてやっぱり考えていくのが妥当じゃないか、こう思うんですけれども、この点についてはどう考えますか。
○国務大臣(園田清充君) 率直にお答えいたしまして、準指定地域云々ということではございますが、私どもとしては、ひとつなるべく専門家の意見を尊重しながら、いまのような地域も限定された姿の中でなくして、おっしゃるように広範囲な地域で、人命の尊重というような観点から安全の確保ということでひとつ努力をするようなことを今後続けてまいりたいと思いますが、これにはやはり自治体の理解ある協力と努力というものが必要でございます。 実は、土曜日に、指定外の地域でございますけれども、川崎市で防災センターをおつくりになりました。それで私は落成式にも行ってまいりましたけれども、三万名は収容できるということ、同時に、中継地点でございますから、そこから安全な地域に誘導するというようなことで、非常に川崎の市長さんを初め市議会を挙げての御協力の中でできているので、国土庁としても、全国で初めての防災センターというものを、指定地域ではございませんけれども、川崎に設置をし、それから大阪、名古屋と、ことしで三年目を迎えましたけれども、東京もまた横浜も、おっしゃるようなことで、なるたけひとつそうした施設を広げながら、同時に、専門家の意見を聞きながら、危険のある地域は、準と言わずに、ひとつ地域指定あたりを拡大する必要性があるならば、拡大をしてまいりたいという考え方で対処していきたいと思います。
○三木忠雄君 地域に指定されない川崎がそういう対策をやっているわけですね。それは何かと言うと、やはり川崎の密集地域という、市長が非常に真剣に考えている問題だと思うんです。東京だって江東六区方面は、これは後でお伺いしたいと思いますけれども、やはり真剣なんです。そういう点で、強化地域に準ずるというか、あるいはむしろもう早くこういう地域を強化地域に入れてそうしてやるべきじゃないか、こういうふうに私は強くこの問題は要望しておきたいと思うんです。早急にこの七項目目の専門委員会の検討を早く出して、そしてこういう地域が本当に防災に強い街づくりができるような対応をすべきではないか、こういうことを強く要望しておきたいと思うんです。 それからもう一つは、東海地域では二十四時間常時観測体制ができ上がっているわけですね。ところが、東京やあるいは南関東地域には常時観測体制ができてない。こういう点から考えますと、やはり強化地域と強化地域でない地域との間にはいろんな差があるわけです。確かに地震がそれだけ東海の方が早く来るという観測のもとかどうか知りませんけれども、そういう点で、観測体制の整備拡充はやはりやっていくべきではないか、予知についての問題ですけれども、この点についてはいかがですか。
○説明員(倉持哲士君) お答え申し上げます。 地震予知の専門家及び研究観測機関の研究代表者で構成されております地震予知連絡会におきましては、特に観測を強化すべき地域といたしまして東海及び南関東地域を指定しております。また、これまでに四たびにわたりましてわが国の地震予知計画を建議してきました測地学審議会におきましても、南関東地域においては東海地域と同様に短期的予知に有効な高密度の観測研究を集中すべきであるということを指摘してございます。 このため、政府の地震予知推進本部におきましては、首都圏の社会的経済的重要性にかんがみ、南関東地域におきます観測網の充実に努力しているところでございます。すなわち、気象庁におきましては大中小地震及び体積ひずみ観測ですとか、国立防災科学技術センターにおきましては三つの深井戸によります微小地震及び地殻傾斜観測、あるいは国土地理院におきます測地測量、それから地質調査所におきます地下水観測等、それに加えまして大学における基礎的研究、観測が行われているわけでございます。さらに、これらの諸観測のデータを短期的あるいは直前の予知に結びつけるために、東海地域と同様に、逐次、気象庁へのデータの集中及び常時監視体制の強化を図っているところでございます。
○三木忠雄君 常時、整備拡充を図っていることはわかるんですけれども、予知の問題についてはもう少し東海地域並みに整備拡充し、あるいは二十四時間気象庁がやっている東海地域の監視体制と同じような体制ぐらいは、どのぐらい予算がかかるのかどうかという問題もあろうかと思いますけれども、強化すべきじゃないかと思いますけれども、この点についてはいかがですか。
○説明員(倉持哲士君) いま先生のおっしゃいました常時監視体制につきましては、五十四年度は十一点でございますが、来年度におきましては気象庁において倍増されることになっております。そういう計画でございます。
○三木忠雄君 気象庁、そうするとあれですか、五十五年の予算で東海地域並みの常時観測体制ができるんですか。
○説明員(柳原一夫君) 現在、すでに東海地域の監視体制の中に、南関東地域も五カ所の体積ひずみ計を埋設いたしまして、これは一緒に監視体制の中に組み込まれております。それから、さらに将来にわたってそれの増設を図っていきたいと考えております。
○三木忠雄君 その増設を図るんだけれども、常時監視の体制ではないんでしょう。いろいろデータが送られてきて、それを分析するとか、そういう体制であって、東海地域には二十四時間常時監視体制が気象庁としてはしかれている。それから比べると、南関東の方はそういう常時監視体制はしかれてない、いろいろなデータは送られてくるんでしょうけれどもね、その点については。
○説明員(柳原一夫君) 現在、すでにいわゆる観測のデータの収集は常時監視体制の中に入っております。ただし、これは地震防災対策強化地域でございませんので、それを即時解析して判定会にお諮りして、その結果を解析するという段階まではいっておりません。しかし、データの収集はすでに気象庁の分だけは行っております。それから東海地域ですと、他省庁のいろいろな観測がやはり集中されておりますけれども、その分については南関東の分はございません。気象庁のひずみ計並びに気象庁における地震計による観測のデータは資料電送網等により絶えず集中することになっておりますので、データの解析だけはできる体制がございます。ただし、まだ数では東海地域ほど十分ではございませんが、それは今後次第に増強を図っていくつもりでおります。
○三木忠雄君 東海地域では、大体、常時監視体制でどのくらい予算がかかっているんですか。それと、南関東地域のそれを東海並みにした場合の予算の関係といったらどの程度ですか。
○説明員(柳原一夫君) 非常にいまのはむずかしい御質問でございますが、東海地域の監視体制の機械だけに限定して申しますと、整備に二十一億程度の金がかけてございますが、それはそれだけで済みませんで、資料電送網とか、あるいはその入れ物も必要でございまして、東京の気象庁がパンク状態でございますから、それの入れ物を大きくしなければならない、そういう関連予算がそれにさらにつけ加わって必要でございますので、東海地域だけのものにどれだけという算定は細かくは算定してございません。 それから今度は南関東地域で、その辺の予算はどれくらいかというお尋ねでございますが、これはいろいろな他省庁の機関でおやりになる観測も集中するというような予算が伴いますので、私どもだけで単独で常時監視体制の予算というものをちょっと算定するわけにまいりませんので、いまのところ、正確な算定はちょっとむずかしいと考えております。
○三木忠雄君 それは科学技術庁ですか。予知推進本部の方で予算の配分をし、常時監視体制――たとえば東海地域並みの予知体制を東京あるいは南関東地域に常時監視体制をしくとした場合の予算の配分等については、予知推進本部の方で対策をやっているわけですか。
○説明員(倉持哲士君) 政府の地震予知推進本部で、その辺の具体的な計画を関係各省庁に集まっていただいて検討いたしまして、決定していただくことになると思います。
○三木忠雄君 それが配分をしているんだけれども、中心になっているのがどこもなかなかないんで、私も質問しようと思っても各省にばらばらになって、地震を国土庁が一応専門にやっていることはわかるんだけれども、実際に予知の体制だと科学技術庁が推進本部を持ってやっている。この地震だけはどうもあちらこちら揺らいでいるような調子で、実際に科学技術庁として予知推進本部の予算をとっているんであれば、やはり東海地域並みに南関東もあと何年ぐらいすれば完全な――気象庁もあるでしょう、あるいは文部省に対する予算もあるでしょう、いろいろそれをひっくるめて予知としての体制がいつごろにでき上がるのか、どのぐらいの予算であとはでき上がるのか、そこらの問題はどうですか。
○説明員(倉持哲士君) いま先生の御質問は非常にむずかしい質問でございますけれども、一つは、実は、科学技術庁は予算を特別に取りまとめ配分しているわけではございませんので、各省庁さんでそれぞれの特色を生かしまして、それぞれ分担して研究観測をやっていただくことになっておりますが、推進本部といたしましては、その辺はできるだけ円滑にいきますように調整をやっておるわけでございます。たとえば具体的に今後どれくらいの計画でどれくらいの予算でそれが実施できるかといいますのは、ただいま直ちに御回答申し上げられませんが、今後とも、推進本部を中心にして鋭意検討してまいりたいと思います。
○三木忠雄君 推進本部が実施はわかるのですが、国土庁長官、常時監視体制は東海地域はできておる、関東方面も気象庁とか部分的にはいろいろなデータが集まってきておるわけですけれども、予知として予知推進本部はいろいろ推進はしているんでしょうけれども、予算的ないろいろな措置がない。そういう関係から考えた場合に、南関東地域も東海地震並みの予知体制はしくのか、しかないのか、あるいはしくためにはあと何年ぐらいかかるのかという、こういう問題なんですね。この点についてはいかがなんですか。
○国務大臣(園田清充君) いまそれぞれの省庁から御答弁申し上げましたように、予算上どうかということになりますと非常に問題があるようでございます。私ども、国土庁として地震担当の役所でありながら、実は、明確な答弁ができないことを残念に思います。 ただ、南関東地域に対してどうかということでございますけれども、具体的に申し上げまして気象庁それから皇居の東御苑に高感度観測計を設置して、気象庁としては常時観測体制をしいておるということを申し上げてよろしかろうかと思います。ただ、それが東海地震のように整備された予知連絡会議という性格的なものが設置されていないだけで、気象庁としては、常時、いまのようなことで努力を願っておるというのが現状で、そこで南関東地域についても常時監視体制は続けておりますと、だから、万一のことがあれば気象庁としてそれに対応いたしますということが言えるのではないかというふうに、私ども、国土庁としては理解をいたしておるわけでございます。
○三木忠雄君 これは議論するとちょっといろいろ違いがあると思いますけれども、限られた時間ですから、まあいずれにしてもこの予知体制をもう少し明確にやはりやれるような体制だけはしっかりしいてもらいたいということです。 最終の質問として、江東六区方面の問題でちょっと伺っておきたいと思うんですけれども、大都市震災対策推進要綱の中に、都市防災化事業の推進、特に東京江東地区に対してはいろいろ取り上げられているわけでありますけれども、実際、この江東地区の地震に対する防災対策、国としてどのような手当てをしていたのか、この点についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(渡辺栄一君) 東京江東地区の防災対策でございますが、大震災時に住民の生命、財産の安全を確保するということを目標といたしました防災拠点、それから避難路等の整備を進めておる次第でございます。 江東地区の防災拠点は、地区内各地点からおおむね三十分以内に徒歩で到着できる、こういう六地区、約五百五十ヘクタールになるわけでございますが、これを計画いたしまして、避難地として機能する公園を中心に、いずれも外縁部を高層防火建築帯で囲む、あるいは周辺を一定の幅で不燃化するということによりまして避難者の安全を確保するということにいたしております。 この防災拠点の建設には、市街地再開発事業、それから公園事業、街路事業、その他各種公共住宅建設事業等を総合的に活用いたしまして、整備を進めてきた次第でございます。特に市街地再開発事業につきましては補助制度の拡充を図ることといたしておりまして、防災拠点にかかる事業の推進に努めてまいった次第でございます。また震災対策の一環としましては、避難地、避難路の安全化を図るため、昭和五十五年度からこれら施設周辺の建築物の不燃化を促進するための計画といたしまして都市防災不燃化促進事業計画というものを立てまして、これに沿いまして建築されます耐火建築物に対しまして助成を行うということを考えておりまして、大地震火災対策の一層の推進を図ることといたしておる次第でございますが、この進捗の具体的な状況につきましては局長から詳しく説明をさしていただきたいと思います。
○政府委員(升本達夫君) お話しの江東防災拠点は、御承知のように、六拠点ございますが、六拠点につきまして、概略、その進行状況を申し上げます。
○三木忠雄君 簡単でいいですから、要点だけ。
○政府委員(升本達夫君) まず、白鬚地区でございますけれども、白鬚地区につきましては、東地区につきまして総事業費千三十七億円余をもちまして、現在、市街地再開発事業の実施中でございまして、五十四年度までの進捗率四一・三%ということになっております。それから西地区につきましては同じく再開発事業を予定いたしておりますが、現在、計画策定の段階でございます。それから亀戸、大島、小松川地区でございますけれども、これも市街地再開発事業を予定いたしまして、総事業費二千六十億余をもって実施を予定いたしておりますが、現在までのところは、このうちの第一地区について着手をいたしましたという段階でございます。それから木場につきましては、これは木場公園といういわゆる公園事業を昭和五十二年度から着手いたしております。総事業費に対する五十四年度までの進捗率は八%でございます。 それから両国地区並びに墨田地区でございますが、この両地区につきましては、先ほど大臣からお話がございました都市防災不燃化促進助成、五十五年度新事業等をもって推進いたしたいというふうに予定いたしております。それから中央地区の猿江地区でございますけれども、これも市街地再開発事業予定地区でございまして、千四百億円余の総事業費をもちまして、これはそのうちの一部の公園事業を昭和四十四年度から実施をいたしておる状況でございます。全体の進捗率は四・一%でございます。四つ木地区につきましては、御承知のとおり、現在まだ基本構想の段階にとどまっております。概略、以上でございます。
○三木忠雄君 この六拠点、私も実情はよく知っているわけでありますけれども、実際に権利変更の問題が非常にむずかしい問題ですね。こういう点で、やはり十年かかっても、白髪もやっとあそこまでこぎつけているわけですけれども、やはりいろいろ建設省も努力していることはわかるんですけれども、地方自治体としても予算の関係もあるだろうしいろいろ問題があって、実際にこの再開発事業という六拠点、白髪のようなやり方で、あとの四拠点をやるのは不可能じゃないかという意見すらこれあるわけですね。そういう点で、やはり防災対策として緑地をつくるとか、いま五十五年度からやる都市防災不燃化事業、この促進もいろいろ考えられたんだろうと思うんです、権利変更の問題があって。そういう点で当初考えたのとこれからやろうとすることは幾分変わってきたんじゃないかという感じを私は受けるんですけれども、この点はいかがですか。
○政府委員(升本達夫君) 御指摘のように、市街地再開発事業は大変権利調整の困難な事業でございまして、お聞き取りのように大変手間がかかっておる状況にございます。 したがいまして市街地再開発事業をもって進行し得るところは市街地再開発事業をやらしていただく。それから、いまおただしのように、都市防災不燃化促進助成というような、民間の各権利者の方々の努力でお進めいただいて、これに国が助成するという制度でございますが、この制度でもってお進めいただけるところはこの制度の活用を図ってまいりたいということでございまして、先ほど来御説明申し上げましたように、公園事業その他の事業も含めまして、総合的に防災の効果が上がるような事業を組み合わせて実施してまいりたいというふうに考えております。
○三木忠雄君 公園の方はいま補助率は二分の一ですか、公園取得の。この問題についてはまたいろいろ検討されるという話も一部聞いているわけです。 それから、この都市防災不燃化事業の方ですね、これはたとえば六拠点のうちの一拠点か二拠点について、実際にその拠点内の不燃化事業にするのか、あるいは全国的に東京なら東京の各地域をそういう点で新しく指定をするのか、そういう問題についてはどうお考えになっておりますか。
○政府委員(升本達夫君) 都市防災不燃化促進助成につきましては、先ほど大臣から御説明がございました都市防災不燃化促進事業計画というものを地区単位で決めていただきまして、決められたところにつきまして権利者が耐火建築物をお建てになるときに三階までを限度として助成をする、こういう仕組みで考えておりますので、この促進事業計画の立てられたところについて逐次実施してまいる、こういうふうに予定をいたしておるわけでございます。なお、五十五年度が初年度事業でございますので、五十五年度から一斉に広範囲にということはなかなかむずかしいわけでございますけれども、これは年を追って逐次対象を拡大してまいりたいというふうに考えております。なお、先ほど先生のおただしのように、墨田区等の区で単独でかなりそういった事業を考え、一部着手しているというような話も聞いておりますので、そういう方向にできるだけ助成していくように努力いたしてまいりたいと考えております。
○三木忠雄君 区でもあるいは都でもやっているわけですけれども、あの六拠点を決めてからもう五年、十年たって、やはり権利者の変更等の問題で非常にむずかしい問題を、いろいろ私たち地元の議員との間でも、あるいは地域の人たちからも聞いているわけです。したがって、やはりもうそういうふうな再開発事業的な一本でやるというやり方は不可能だろうと、実際、権利者の問題があって。しかし、震災対策としての、防災対策としての都市づくりをしなきゃならない。そうすると、緑地とか公園とか避難路、こういうものの確保という問題になってくると区や都だけではできない。したがって国の財政助成の強化を図っていかなきゃならないだろうし、不燃化事業だって、これ五十五年度の予算では、当初でしょうけれども、どの程度の規模で、将来、これの方を主力に置いてこの防災対策の都市構造を考えていくのか、この点についてはどうお考えになっていますか。
○政府委員(升本達夫君) おただしの都市防災不燃化促進助成は、五十五年度事業費といたしましては、事業費で一億六千三百万、国費で八千二百万ということでございまして、まだ少額のものでございます。これは五十五年度初年度事業でもございますし、これからの進行を見ながら必要に応じて所要費を確保してまいりたいというふうに考えております。何分にも初年度の事業でございますので、この事業の進行状況によって、ただいまも御説明いたしました私どもの対応もこの事業の進行状況を見ながら考えてまいらなきゃいけない面が多いかと思っております。市街地再開発事業についても、必要なところについては、さらに助成を厚くしながら推進を図ってまいりたいと考えております。
○三木忠雄君 じゃ最後に、建設大臣、公共団体の財政が非常に厳いしいという中にあって、この再開発事業あるいは地震防災計画を推進していくということは、なかなかこれは時間がかかる大変な問題だと思うんです。先ほどから言っている東海地域の強化指定地域とそれからこういう防災計画に基づいて街づくりをしようという地域との間には、いろんな財政的な問題での対応が違ってくると思うんですよ。したがって東海地震に関しては強化地域には入ってないかもしれないけれども、防災都市としてやはり東京周辺あるいは神奈川周辺というものは相当てこ入れをして、防災計画にのっとった政府の助成とか対策というものを強化していかなきゃならないんじゃないか。したがって、私は、準指定地域にでも入れるべきじゃないか、そしてそこを強力に防災都市計画を推進していくべきじゃないか、こういうふうに主張したわけですけれども、建設大臣のこの防災都市計画づくりについての、いままでの質疑を通しての意見を踏まえての答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(渡辺栄一君) 先ほど来申し上げておりますように、鋭意努力をしておりますし、中央におきましても財政事情の厳しいことは御承知のとおりでございますが、これは人命に関する重要な問題でもありますから、今後、一層努力をいたしてまいりたい、かように考えております。
○主査(下条進一郎君) 以上をもって三木忠雄君の質疑は終了いたしました。 次に、浜本万三君の質疑を行います。
○浜本万三君 私は、本日、本四連絡橋の今治・尾道ルートの問題について質問をさしてもらいたいと思います。 今治・尾道ルートの橋の性格につきましては、これは本土と四国の連絡橋としての性格のみでなくして、あわせて離島対策としての性格を保有しておるというふうに私は思っております。したがって、この事業の推進につきましては、地域の社会、経済、文化を初め福祉に寄与することが非常に大きいというふうに思っておる次第でございます。もちろん、そうではありましても、この工事の推進に当たりましては、まず第一に、瀬戸内海の環境を保全すること、それから関係住民の生活環境を守ること、さらに労働者の安全と雇用対策にも配慮すること、加えて旅客船、漁業関係者などの諸団体の理解と協力を得て事業の完遂をいたさなければならぬというふうに私ども思っておるわけなんでございます。 そういう立場に立ちまして二、三この問題について質問をさしてもらうわけですが、まず第一は、五十五年度の予算における尾道・今治ルートの事業計画の内容について説明していただきたいと思います。
○国務大臣(渡辺栄一君) 私も、尾道・今治ルートの持っております意義は先生のお説のように考えまして、鋭意、努力をいたしておりますものでございます。 本州四国連絡橋尾道・今治ルートのうちで、昭和五十年十二月には大三島橋に着手いたしまして、昭和五十四年の五月には完成させまして、ただいま供用中であることは御承知のとおりでございます。それから因島大橋につきましては、昭和五十二年一月に着手をいたしまして以来、鋭意、その進捗を図っておりますが、昭和五十四年度までに下部工事及び塔の架設を完了した次第でございまして、昭和五十五年度の事業計画としましては、つり橋のケーブル架設等の上部工事を実施する、同時に、陸上部道路工事につきましてもその進捗の推進を図るという考え方でございますが、五十七年度完成を目途に事業を推進してまいりたいと考えております。また、伯方・大島大橋につきましては、昭和五十五年度において自然公園法に基づく環境庁との工作物設置協議を行いました上で下部工事に着手をいたしたい、かように計画をいたしておる次第でございます。
○浜本万三君 大臣から尾道・今治ルートの全体の工事計画について説明をいただいたんでございますが、特に、私、最近関心を持っておりますのは因島大橋の工事の進捗状況でございますが、この点についてもう少し詳細に御説明をいただきたいと思います。 〔主査退席、副主査着席〕
○政府委員(山根孟君) 因島大橋の工事計画につきましては、先ほど大臣からお答え申し上げましたように、昭和五十五年度におきましてはケーブルの架設工事、それからケーブルからハンガーをおろしまして、そこに車両その他が通りますいわば橋体の部分でございすが、この橋体の部分をなします補剛トラスの製作工事、それから陸上部の道路工事を進めてまいりたい、かような考え方をいたしておりまして、五十五年度建設費といたしましては百三十二億円を見込ませていただいているものでございます。 昭和五十六年度以降には、先ほど申し上げました補剛トラスの架設を開始いたしますとともに、陸上部におきましては舗装工事を進める予定といたしておりまして、昭和五十七年度において所要の工事を完了させたい、こういう予定を組んでおるわけでございます。五十五年度から五十七年度までに必要な建設費としましては、昭和五十四年価格で見込みまして二百二十億円程度と見込んでおる次第でございます。
○浜本万三君 次に、尾道・今治ルートには新しく向島・尾道と言っても差し支えないと思いますが、尾道と瀬戸田間に大型自転車道の併設が予定されておるやに伺っておるわけでございますが、その計画内容についてお尋ねをしたいと思います。
○政府委員(山根孟君) 御指摘の大規模自転車道瀬戸田・向島線でございますが、昭和五十五年度からその整備に着手いたしたい、かように考えておりまして、全体の事業費としましては約二十億円を見込んでおりまして、この大規模自転車道につきましては昭和六十二年度に全線の整備を完了いたす予定を立てておるわけでございます。 なお、因島大橋の部分についてこれをどう考えるか、こういうことが問題になるわけでございますが、現在、私ども因島大橋に自転車・歩行者道を設置する、こういう考え方で、現在、詳細な設計等を進めておるところでございます。
○浜本万三君 その自転車・歩行者道の設置に当たりましては、結局、二階建てになるというふうに理解してよろしいんですか。
○政府委員(山根孟君) そのとおりでございまして、先ほど補剛トラスの上面の部分と申しますか、上弦材の部分につきまして車が通るところ、それから下弦材、補剛トラスの下の部分の一部を利用いたしまして、そこに自転車・歩行者道を設置する、こういう考え方をもちまして、現在、検討を進めておるところでございます。
○浜本万三君 合わせて幅員はどの程度でしょうか。
○政府委員(山根孟君) 幅員といたしましては四メーターを考えておりまして、歩道といたしまして七十五センチ、自転車関係が一メーター五十ずつ、原動機つきの自転車、通常の自転車一メーター五十ずつを考えておりまして、これに必要な路肩を加えまして全幅員四メーターということを考えております。
○浜本万三君 私の考え方で言えば、せっかく計画が決定をいたしまして取りかかった以上は、できるだけ問題点を早く解決いたしまして工事の進捗を図る、そういう立場でこの事業に賛成をしておるわけでございますが、最近、伺いますところによると、若干工事の進捗に曇りが出たのではないかといううわさがごいます。その第一の心配の点といたしましては、政府の物価対策で、一部公共事業の抑制というような問題が出ておりまするので、あるいは連絡橋の事業計画に対して何らかそういう抑制的な考え方が出るのではないかという心配がありますが、その点は心配ございませんか。
○政府委員(山根孟君) 事業の進め方に関する問題でございますが、私どもといたしましては、いま先生お述べになりましたような事柄、つまり物価問題あるいは材料関係といったようないわば工事にかかわりますもの、工事の資材、雇用といったような観点からの制約条件が出てくるということはないのではないか、かように考えております。
○浜本万三君 それでは、これは公団の方へ伺った方がよろしいんじゃないかと思うんですが、私が前から心配をしておりました第二の点は、たとえば旅客船協会、そういうところでありますとか、あるいは漁業組合関係などとの協力、合意というものが必要であろうというふうに思うのでございますが、その点について、鋭意、当局の方で誠意を持って交渉されておるということは、私も近くでございますから、よく承知をしておるわけでございます。しかし、いろんなうわさがやはり飛びまして、漁業組合との関係において、まだうまく合意が成立していないとか、旅客船協会との間においてもめごとがあるとかいうようなうわさが絶えません。したがって、そういう問題についての現状について、公団の方から説明をしていただきたいと思います。
○参考人(尾之内由紀夫君) 平素、いろいろ因島大橋のことにつきまして御心配いただきまして、ありがとうございます。 ただいまお話しのように、因島大橋の工事、これまでおかげさまで順調に進んでまいりましたが、この三月、実はもう塔もできまして、つり橋の架設のためのケーブルをかけよう、こういう予定にいたしております。ところが、このケーブルをかけますにつきましては、あの海峡の海上を横断しなけりゃならぬということになっておりまして、これを行いますためには海上交通安全法の必要な手続が要るわけでございます。そのために、行政指導によりまして、あらかじめ海事関係者の同意、了承を得る、こういうことになっておりまして、いまお話しのような日本旅客船協会でありますとか、あるいは全日本海員組合、こういう関係の方々が集まりまして協議会をつくっておりまして、その協議会の場で同意をいただくことになっておりますが、これはかねてからの問題でありますが、特に日本旅客船協会の方から、橋ができて後の営業補償等につきましていろいろ問題が絡んでおりまして、不幸にして、この協議会を開くについて、その方からの出席をいただけないというようなことになってしまいまして、実は、この三月にそういう手続を経ましてケーブルに入るということがいまだにできない状況でございます。 私どもといたしましては、今後、さらに関係の方々と御相談いたしまして、また、政府の御指導もいただきまして、この問題の解決に当たり早くケーブルをかけたい、かように考えております。目下、そういう状況でございます。
○浜本万三君 ケーブルの架設工事は、結局、いつごろから停止しておるわけですか。
○参考人(尾之内由紀夫君) この三月十日に、一応、そういうめどがまだ立ちませんので、工事の中止をいたしております。目下、問題の早期解決を図りまして、所要の手続を経まして再開したい、かように考えております。
○浜本万三君 もう少し突っ込んでお尋ねするのですが、旅客船協会との間で、いまのお話では営業補償の問題ということなんですが、営業補償の問題だけなんですか、ほかに何かあるんじゃないですか。
○参考人(尾之内由紀夫君) 営業補償等と申しましたけれども、営業補償だけではございません。いろいろ退職金の問題でありますとか、あるいはその前に関係します航路の再編成の問題、また職員の自後の就職の問題でありますとか、あるいは廃止になります業者の転業の問題でありますとか、そういった問題が全部一緒に絡んでおるわけであります。
○浜本万三君 いまのような問題は、当初から話し合いの課題であったんですが、大体、雇用の問題でありますとか、あるいは再編成の問題でございますとかいうような問題はほぼ話がつきつつあったという話を私は聞いておるんですが、全然話し合いの内容は固まっていないんですか。
○参考人(大富宏君) 御案内のとおり、大変大きい問題でございますので、五十三年の九月に政府における基本方針が定まっておりますが、その中身の一つに、基本方針を実施するために中央及び地方に連絡協議機関を置くということが書いてございまして、現在、中央には五十四年五月そういった中央関係者による中央連絡会議ができております。これにつきましては、もうすでに毎月一回ずつくらい、もう八回ぐらい会議を進めておりまして、いま先生がお述べになりましたようなことは一通り問題点を煮詰めまして、今度はさらに転業、転職の問題に入る段階になっております。 それからさらに、現地におきましては、尾道・今治ルートにつきまして、ことしの一月に、そういった連絡協議機関ができまして、それには広島、愛媛の両副知事が入っておりますが、広島の副知事が会長になりまして、これも幹事会を進めております。鋭意、問題の煮詰めに当たっておりますけれども、まだ結論には至っていない、こういう状況でございます。
○浜本万三君 そうすると、一番重要な問題は、橋がかかった後の営業補償の問題というように理解してよろしいですか。
○参考人(大富宏君) 橋がかかることによって旅客船業者が現在の事業を廃止または縮小する場合に対する措置対策というのは、いま先ほど総裁がお述べになりましたように、単に営業補てんの問題だけではなくて、航路の再編成の問題なり、あるいは従業員の退職の問題その他もろもろの問題がお互いに関連してあるわけでございまして、補てん問題だけ片づけばすべてが終わるということにはなってございません、総合的に検討を進めております。
○浜本万三君 現地の方ではいろんなうわさが飛ぶのですが、その内容で一番ぼくらいやらしいのは、結局、最近、自民党の議員さんが補償問題について特に介入されておって、したがって、そこのところの話がなかなかうまくいかないので、旅客船協会の方との話がうまくいかなくて工事が中断せざるを得ないというようなうわさが盛んに飛んでおるわけなんですよ。しかも、これは選挙を直前にしておることでもございまするし、とかく政界、官界に対して国民の皆さんから厳しい批判が出ておるときなんでございますから、私どもはやっぱりえりを正して問題の処理に当たらなきゃならぬというふうに思っておるのですが、この点、大臣も担当大臣とされまして、よく御存じでしょうが、自民党の方はそういううわさはもちろんないとは思うのでございますが、何かこの問題について窓口になるとか、あるいは話し合いの糸口をつけるとかいうようなことをやっていらっしゃるんでしょうか。
○政府委員(山根孟君) 自民党の方といたしましては、この旅客船問題等を含めます、いわば本州四国連絡橋が供用開始をされました場合に影響をこうむるであろう旅客船事業並びにこれに関するもろもろの問題があるわけでございますが、こういったいわば海上交通をどのように考えていくべきであるか、こういう観点から検討をするための会が持たれておるわけでございまして、当面、旅客船問題等に起因をいたしまして工事がおくれるということに対してどのように対処をすべきか、こういう点についていろいろ精力的に御議論をいただいておるわけでございますが、この場合に、ただいま御指摘になりましたような補てん問題だけでは解決できない問題があるわけでございまして、航路の再編成、営業補てんを含みます事業者に対する措置の問題、それから従業者に対する措置の問題等々、さらには、航路を廃止し、あるいは縮小することになる企業並びに関連する従業者の方々を一体どういうぐあいに考えていくか、こういったいわば総合的な観点も含めまして、私どもも、現在、先ほど本州四国連絡橋公団の方からお話し申し上げましたようないろいろな問題について現状を御説明申し上げている、こういう段階でございます。
○浜本万三君 問題は、地方協議会と中央協議会がある、そういう問題を主体的に地方協議会で解決しようとしておるのか、中央協議会で解決しようとしておるのか、そこのところの姿勢が問題なんですよ。だから、地方協議会で解決しようとするなら、両県知事を中心に関係者が集まって相談をしてもらって、問題をほぐしていくという姿勢が必要なんです。そこのところが何かわれわれから見ますと、どっちに重点を置いているのかわからぬから問題がこんがらかっていると思うんですが、どっちですか。
○政府委員(山根孟君) この問題につきましては、五十三年九月に、実は、政府におきまして「本州四国連絡橋の建設に伴う旅客船問題等に関する対策の基本方針」が決定をされたわけでございます。これに基づいて中央の協議会、地方の協議会ができて、鋭意、この問題を詰める、こういうことになっておるわけでありますが、これはいままでにない一つの新しいルールと申しますか、そういうものをつくっていく、こういうことにあるわけでございますので、一方では、ルールを確立してまいりますための個別の具体的な事項に関する調査が必要である、その限りではやはり地方協議会におきますいろいろな現地におけるお話し合いが一方では必要である、そういった実情を把握した上で、これが中央の方にまいりまして一つのルールをどういうぐあいにつくっていくか、こういうことで、その一つのルールがまたこの地方協議会の場でいろいろ議論をされるという、いわばフィードバックをするような形で考えてまいりませんと、やはりいままでに例のないことでございますので、そういったことから両方それぞれの役目を果たしながら決定をしていく、こういうことになる、こういうぐあいに考えております。
○浜本万三君 いまの山根局長が言われることはよくわかるんですよ。ただ、もう三月の工事がストップしているということでしょう。そこで、両県知事が中心になって地方協議会の中で問題をほぐして、工事が再開できるようにすることもできるんですよ、これは。現にやっていたんです。ところが、中央で政界の人が入ってこられて、中央にそういう問題が移るような事情になりますと困る。そうするとどっちやっていいかわからないでしょう。たとえば最近そういう会合が何か六、七回も持たれたというんでしょう。そういうことじゃ地方でやれと言ったって地方では話し合いはできませんよ。だから、そこのところをぼくらとしては、どっちに比重を置いて当面の関係を改善して工事同意を得るようにできるかというところがいま問題の焦点なんですよ。だから、たてまえとかやり方はどうでもいいんですよ。いまの問題をどうしてほぐすかということが一番問題なんで、その点を聞いているんです。
○政府委員(山根孟君) やはりこれはそれぞれ旅客船協会の方々それから従業者の方々、いわば中央、地方におきます構成メンバーの方々と、政府べースとしては、御理解を得るように努めてまいらなければならないわけでございますが、その一つの問題として先ほど来話題の出ておりますいろいろな問題がございますので、その問題を早く答えを出してくれと、こういうことがいわば旅客船協会等の御要望であるわけです。それはただいま申し上げましたように、やはり個別実態にいろいろ調査をし、それを組み立ててまいりませんと、これまた答えが出ない問題でございますので、そういった事情をよく御理解を得て、ひとつこの中央、地方において個別の議論ができますように、また、これは運輸省の方の航路再編成の問題とも絡みますので、そういったことを十分話し合いができるようなそういう形に持っていく最大限の努力をしなければならぬ、こう考えておるわけでございます。
○浜本万三君 私は提案しますが、大臣、あなたが両県知事をお呼びになりまして問題のほぐし方について相談してもらえませんか。
○国務大臣(渡辺栄一君) ただいまいろいろ貴重な御意見を承っておりまして、私は、それぞれの立場で促進するように御尽力を願っておるものというふうに理解をいたしておりますが、いずれにしても直接関係のある方々の御意見をお聞きするようにということでございますから、十分御意見を尊重いたしまして善処してまいりたい、かように考えております。
○浜本万三君 それじゃ時間がないので次へ移らせてもらいます。 もう一つお尋ねしたいんですが、因島大橋は五十七年度に先ほどの説明で完成する計画になっておるわけですが、それに関する取りつけ道路及び因島市、尾道市、向島町などの関連道路の整備がこれに追いつかなければならないと実は思っているわけなんですが、その整備計画は十分間に合うように計画をされておるでしょうか。
○政府委員(山根孟君) 因島大橋の供用に伴いまして関連する道路の整備につきましては、関係機関と協議を行いまして、円滑な交通に支障がないように調整を図っているところでございます。 因島におきます因島インターチェンジに関連をいたします県道でございますが、これにつきましては、中庄から重井町までの区間につきましては、五十六年度までに一次改築を完了いたすように事業を進めております。向島におきましては、主として向島のインターチェンジから日本道路公団の尾道大橋に至る区間につきましては一応一次改築が完了をいたしておりますので、特に支障はなかろうかと、こういうぐあいに考えております。ただ、因島市から尾道市に至る交通は因島大橋が供用されますとほとんど尾道大橋を通ることになろうと思います。ところが、現在、尾道市内におきます国道二号の交通量が多くて、この有料道路との交差点におきまして交通混雑が生じておる状況にあるわけでございます。因島大橋の供用に伴うこの混雑解消の方法につきましては、今後、交通の流れの状況を十分把握するとともに、その具体的な対策について関係機関と協議を進めて何らかの対策を立ててまいらねばならない、かように考えております。
○浜本万三君 時間がなくなりましたんで、二つだけ要望して終わりたいと思います。 まず第一は、先ほど関連道路の件で山根局長から御説明がございましたのですが、なお加えて申し上げますと、尾道市、向島町の彦の上地点というところなんですが、因島大橋の取りつけ道と広島県の県道歌道越線が平面交差をする計画になっておるわけなんですが、これは先ほどのお話しのように因島大橋の供用が開始されますと相当交通量が多くなってまいりまするので、いますぐとは申しませんが、尾道の新しい大橋が完成する時点で立体交差に直すように計画をしてもらいたいということが第一。 それから第二番目の要望は、この大橋完成に伴いまして因島側は記念公園の整備が計画をされ、いま進められております。したがいまして対岸の向島町におきましても同様の公園整備についての希望がございますので、これは県並びに町を通じまして要請されると思いますので、そのときには前向きに対応して助成措置を講じてもらいますように、二つ希望をして私の質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
○副主査(安恒良一君) 以上をもって浜本万三君の質疑は終了いたしました。 ―――――――――――――
○副主査(安恒良一君) この際、分科担当委員の異動について御報告いたします。 本日、浜本万三君及び小野明君が分科担当委員を辞任され、その補欠として穐山篤君及び赤桐操君が分科担当委員に選任されました。 ―――――――――――――
○副主査(安恒良一君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○副主査(安恒良一君) 速記を起こして。 次に、穐山篤君の質疑を行います。
○穐山篤君 きょうは、高速道路のことをお伺いします。 中央道ですが、これの最初山梨県内の中央道の建設の状況を、まず御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(山根孟君) お答え申し上げます。 中央自動車道は、東京から山梨県の大月を経由して富士吉田に至ります延長九十三キロメートルの富士吉田線と、大月ジャンクションで富士吉田線と分岐をいたしまして小牧に至り、小牧から、すでに供用いたしております名神高速道路を経て西宮に至る延長四百六十三キロメートルの西宮線、さらに岡谷市の岡谷ジャンクションで西宮線と分岐をいたしまして松本を経由いたして須坂に至る延長七十九キロメートルの三路線から成っておるわけでございます。 富士吉田線につきましては、すでに全線を供用いたしておるわけでございますが、このうち二車線で暫定供用しております大月ジャンクションから富士吉田間につきましては四車線化の問題がございまして、現在、用地取得及び工事の促進を鋭意図っておるところでございます。昭和五十五年度におきましては事業費約七十億円を予定させていただいておりまして、五十五年十月には大月ジャンクションから都留間六キロメートルのうち、花咲トンネルを含む一・三キロメートルの区間が完成する予定でございます。また、残る区間につきましても、今後、事業の進捗を図ってできるだけ早期に完成させたい、かように考えております。 西宮線については、総延長四百六十三キロメートルのうち、今月の二十六日に供用を開始いたしました甲府・昭和から韮崎間の十一キロメートルを含め、大月・勝沼間十九キロメートル、甲府・昭和から小淵沢間三十五キロメートル、伊北・西宮間三百三十八キロメートルの計三百九十二キロメートル、全延長に対しまして約八五%でございますが、これが供用中でございます。残る勝沼から甲府・昭和の間二十三キロメートル及び小淵沢から伊北間四十八キロメートルにつきましては、現在、用地取得及び工事の促進を鋭意図っているところでございまして、昭和五十五年度は事業費約三百五十億円を予定しております。このうち昭和五十五年度には小淵沢・伊北間、五十七年度までには勝沼・甲府・昭和間を供用する予定というぐあいにいたしておるわけでございます。
○穐山篤君 そうしますと、昭和五十七年度中には山梨県内は全通をする、こういうふうに確認してよろしゅうございますか。
○政府委員(山根孟君) そのとおりでございます。
○穐山篤君 名神高速でもあるいはその他の高速道路でも同じでありますが、最近、幾つかの事故が発生をしておりますし、そういう経験を踏まえて安全対策をとらなきゃならぬというふうに考えるのは当然でありますが、この中央自動車道全体について交通安全対策で特別な設備なり施設というものを計画はされておりますか。
○政府委員(山根孟君) 高速自動車国道全般の安全対策につきましては、まず、基本といたしましては、道路本体におきます交通安全を配慮した構造を持たせる、こういう点がまず第一でありますが、その点については十分これまでも配慮をしてまいっているところでございます。 この場合に、一つ問題になりますのは、先ほどちょっとお話し申し上げました点でございますが、二車線のところを四車線化にする、つまり上下線を分離するということはまさに高速自動車国道におきます一つの大変重要な問題でございますので、富士吉田線につきましては、その方向で鋭意努力をしているところでございます。 また、恵那山トンネルが実は両方向の交通になっております。したがって、これを解消すべく、現在、二期線の本格的なトンネル掘削工事を進めておりまして、これは昭和五十九年度の完成を目途に事業を実施しておる、こういう状況でございます。 それから、その次の問題としては、高速自動車国道の場合はインターチェンジだけからしか車の出入りができないといったことから中距離ないし長距離を運行する車両に対しては労働上の問題が出てまいります。これはしばしば国会でも御議論いただいておるところでございまして、これに対してはパーキングエリアにつきましてはおおむね十五キロ間隔、サービスエリアにつきましては五十キロ間隔、こういう考え方のもとに運転をなさる方の疲労を回復し、所要のいろいろな安全対策あるいはその他の対処ができますような施設を整備いたしております。中央道につきましても、そういったパーキングエリアなり、サービスエリアなりを整備いたし、また駐車施設等につきましても十分配慮をいたしておるところでございます。 それから、さらには、その他標識の問題でございますとか、そういった交通安全に関する施設の問題がございますが、こういった点に対する配慮、あるいは交通情報を適切にドライバーに伝えることによって安全を確保するといった面もございます。こういったいろいろな総合的な観点から安全対策には最善の努力を払っているところでございまして、また、今後とも、交通の実態等にあわせまして対処していかなければならぬ、かように考えておるものでございます。
○穐山篤君 全線開通をしますと、かなり交通量はふえてくると思うわけです。ふえる中で、この中央道の性格から見まして生鮮食料品を初めとしてトラック輸送というのは激増するというふうに判断がされるわけです。 さて、そこで先日も例があったんですが、一週間の間に九州に行って北海道に渡って戻るというむちゃくちゃなトラックがこの間あって事故もあったんですが、去年の暮れに労働省の労働時間に関します通達が改めて出されまして、ハンドル時間にしましても、あるいは休日、休憩にしましても、相当たてまえの上では改善をしてきたわけです。それも事業主なりあるいは運転労働者が守らなきゃならないと思うわけですが、それを守るためには高速道路におきます福祉対策というのですか、運転労働者の仮眠所といいますか、そういうものを考えなければならぬと思うわけですね。 たとえば全線を考えてみた場合に、山梨県内から発送する食料品というよりも、長野県から出るであろうと思われます食料品、果物、こういうものは東京方面、それから中京あるいは関西方面に多く出ていくわけですね。そのことを考えてみますと、運転労働者の労働時間をきちっと守らせるためにはそれ相当の施設が高速道路上になければならないというふうに特に感ずるわけです。この点についても十分配慮がされた設計なり何なりというものがあってしかるべきだと思うわけですが、その点いかがでしょうか。
○政府委員(山根孟君) 御指摘のとおりでございまして、私ども、そういった観点から、先ほど御説明申し上げましたように、サービスエリアなりパーキングエリアという施設を高速国道の一環として整備をいたしまして、御指摘のような御要望にこたえる努力をいたしておるわけでございます。 ただ、東名等の例に見られますように、駐車升が大変数が特に大型車のために足らなくなっておるというような事態もあるわけでございます。中央道の場合には、これがどうなるかという点は、これは全線が開通をいたしてみなければわからない点もあるわけでございますが、山梨県、長野県からのいろいろな出荷問題ということになりますと、比較的、東名を利用なさる方のトリップ長、利用延長よりはかなりどちらかというと足の長さは短い交通が多いのではないか、こういうぐあいに考えておりますが、しかし、なお中央道自身も東名のいわば大きな意味での代替路線と申しますか、そういう機能もあろうかと存じますので、今後、十分そういった点は交通状況等も検討しながら対策を講じてまいりたい、かように考えるわけでございます。
○穐山篤君 高速道路が完成をしますと、それぞれの地域で大いにメリットを得たいと努力をするのは当然ですが、また、その反面、デメリットが出るのも当然です。それはそれぞれの市町村あるいは自治体で十分対応しなければならぬというふうに思いますが、当面、沿線の市町村に対して助成をするという方針になっていると思うわけですが、この基本的な考え方ですね、まず、その辺を明らかにしていただきたい。
○政府委員(山根孟君) お答え申し上げます。 高速自動車国道が通過をする市町村に対する財政上、税制上の問題につきまして、数年間にわたりまして種々議論がされてまいりました。このため、昭和五十三年六月に有料道路負担問題検討委員会が設置をされました。約一年間に及ぶ検討の結果、昨年の七月に結論が得られました。 その委員会の答申でございますが、その骨子は、高速自動車国道等の公共性及びその整備の現状等を総合的に考慮すれば、これまでの扱いを積極的に変えてまで、新たに高速自動車国道等に対して固定資産税等を課することとすることには問題があると考えられるが、高速自動車国道等の通過市町村において、その通過に基因して現に種々の財政需要が生じているのも事実であるので、その実態を考慮して、高速自動車国道等の通過市町村の特別の財政需要に対応するための措置を講ずべきである、こういう考え方から、特別の財政需要に対応するための措置といたしまして、高速自動車国道等の通過に関連をいたして必要となりますあらかじめメニュー化された交通安全施設、児童遊園、集会所、用排水施設等のうちから各市町村が自主的に選択をした施設に対して助成を行うということに考えたわけでございまして、高速自動車国道全体としては、整備計画区間五千四百十五キロメートルに対して、来年度からおおむね十カ年で助成をしてまいろう、総額を約三百億円と設定をいたしまして実施に移してまいろう、こういう考え方であるわけでございます。
○副主査(安恒良一君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○副主査(安恒良一君) それじゃ速記を起こして。
○穐山篤君 そのメニュー化されたものの中から選択をするということなんですが、実は、そこで問題になりますのは、メリットのたくさんある市町村ないしは県全体とすれば、余り要求がないわけじゃないと思いますけれども、要求がわりあい遠慮がちになるわけですね。ところが、デメリットの多いと思われる市町村あるいは県全体とすれば、この際、そのデメリットにそういう分野で大きく国が助成をしてもらいたいという希望が出るのも、一面、無理からぬと思うわけです。そこで、その選択の手順といいますか、それはどういうふうにお考えですか。
○政府委員(山根孟君) 具体的な内容、手続関係あるいはその他の問題につきましては、現在、検討中でございますが、御指摘の点につきましては、各市町村それぞれいろいろ事情が違う点は確かでございます。そういったことから、一応、メニュー化いたしました施設の中で、どれをひとつ重点に置こうかというところは、これはやはり市町村の自主性と申しますか、そういったことに任せるべきではないか、こんな考え方をいたしておるわけでございます。
○穐山篤君 いま検討中というお話があったんですが、その交付基準なぞ、でき上がるのはいつごろでしょう。
○政府委員(山根孟君) 五十五年度から日本道路公団から交付をするというような形でございますので、現在のところ、いつまでにこの成案を得るかについては明確な日取りを明らかに申し上げる段階になっておりませんが、これはやはり五十五年度には実施できるようにできるだけ早く詰めてまいりたい、かように考えております。
○穐山篤君 大ざっぱな計算で五千四百キロに対して十年間で三百億、こういう一応の分母があるわけですね、そうしますと、そこの通過県あるいは自治体に対して五千四百キロ分の何キロというような形で計算をするんでしょうか、大体の考え方で結構でございます。
○政府委員(山根孟君) 一応、考え方といたしましては、すでに供用されているところと供用されていないところということでやはり取り扱いが変わってくるのではないか、こういうぐあいに考えるわけでございます。それから当該市町村を通過する延長というものが基本的な要素になってまいろうか、さらに通過市町村自身が大変人口密度が高いところであるかどうか、こういった要素が実は大きな要因になろうかと存じます。 以上のような要因を勘案いたしまして一つの配分の方式を考えておるということでございまして、通過延長に関連をいたします基本配分額と、これを人口密度等によって補正をいたします補正配分額とから算定をしてまいろうという考え方をとっておるわけでございます。
○穐山篤君 もうおおむね計算は終わっていると言っちゃ語弊がありますが、大体東京はこのくらい、山梨、長野はこのくらいというようなのは概算出ていますか。
○政府委員(山根孟君) 一応のまだ試算段階でございまして、最終段階はいろいろ精査をしてまいる必要があろうかと思いますが、山梨県の場合を仮に事務レベルで試算をいたしてみるといたしますならば、市町村数が二十五市町村ございまして、百二十一・四キロメートル、このうち供用中が八十六・一キロメートル、建設中が三十五・三キロメートルでございまして、数字を丸めて申し上げまして三億九千万円程度というぐあいに試算をいたしております。
○穐山篤君 時間がありませんので、最後に、最近、中央道でもあるいはその他のところでも一部高速道が開通をして結構なことなんですが、開通式を見ておりますと、知事なり公団の総裁なりがテープを切る、その後ろには車が何台か並んで自動車パレードで開通式が終わるというのが非常に多いんですけれども、やはり高速道を建設するためにはいろいろな方面からの協力を得られておりますし、一たん車が走ってしまうと人間が歩くというわけにはいかないと思うんですね。 そこで、一つの提案ですけれども、少なくとも今後開通するであろう高速道路につきましては、そういう単純なひな形のような開通式というのはやめたらどうか。一部かつてもやられておったようですが、その県内でマラソン大会をその前の日にやるとか、あるいは沿線の住民代表を、協力してもらったわけですから、何台かのバスに乗せて、一生歩けない道路を見さしてやるというふうな少し変わったことをしながら、高速道路に対する気持ち、理解、認識というものを変えていく必要があるんじゃないか。そこのけそこのけというふうな態度では、これからの道路建設というのは非常にむずかしいというふうに考えますので、その点についての工夫をぜひしてもらいたいというふうに考えますが、いかがでしょう。
○国務大臣(渡辺栄一君) 高速道路の供用が開始できますというのは、やはりお話しように地元の方々の御協力をいただいたたまものでございますから、ただいまの御提案は、通過地域の住民の方々との交流を深めるというような立場から、大変貴重な御意見ではないかというふうに思っております。 現に、最近は、そのような行事を行っておる例もあるわけでございますが、今後、高速道路の開通に際しましては、各地域の地元関係者ともよく相談をいたしまして、沿線住民の方々に参加をいただきまして、歩け歩け運動あるいはまたマラソン大会、これからのものも実施ができますように日本道路公団を指導してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○副主査(安恒良一君) 以上をもって穐山篤君の質疑は終了いたしました。 次に、赤桐操君の質疑を行います。
○赤桐操君 千葉県の東京湾岸幕張地区、検見川地区周辺の湾岸道路を中心とした問題についてこれからお尋ねしてみたいと思います。 千葉県の公害審査会において、千葉市の幕張西地区千五百十二名の住民の皆さんから出されておりました東京湾岸の道路、東関東自動車道の建設使用差しとめの問題でありますが、これをめぐる調停申請が行われていたわけでありますが、審査の結果が最近出ております。二月に入りましてから調停案の受諾の勧告が出された経緯については、建設省側の方もこれを受けとめておられますので十分御承知だろうと思いますが、建設省、公団がこの調停案を受諾するに至った根拠と経過について、まずひとつ伺いたいと思います。
○政府委員(山根孟君) お答え申し上げます。 千葉市幕張西地区の調停につきましては、五十二年十二月十五日に申請がなされまして、これにつきまして五十三年の三月十八日を第一回として二十二回に及びます調停が行われたわけでございまして、その結果、私どもといたしましては、五十四年十二月二十七日の受諾勧告書に対して、一月二十二日にこの調停案に対し受諾をする旨の返答をいたしたわけでございます。 この東関東自動車道及び三百五十七号につきましては、受諾勧告書にございますように、騒音、二酸化窒素の環境基準の維持に努めること、環境対策の追加といたしまして遮音壁、遮音築堤のかさ上げ等、そういった点につきまして、私ども勧告書で提示をされました内容を実行し得るという観点から受諾をいたしたわけでございます。
○赤桐操君 この調停案の内容を見ますと、騒音と二酸化窒素の問題については触れております。しかし、騒音関係に対する具体的なものは出ているんですが、大気汚染の方の関係全体については触れられていないんですがね、具体的なものが。これについてはどういうように建設省側は受けとめておられますか。
○政府委員(山根孟君) 大気汚染の問題につきましては、この東関東自動車道等を利用する自動車から排出される二酸化窒素につきましては、道路端におきまして、これは昭和六十年における年平均値に対する試算値でございまして、東京湾岸道路に起因をする二酸化窒素の予測値といたしましては、道路端で年平均値〇・〇〇五ppm、付近の住宅地では〇・〇〇三ないし〇・〇〇四ppmというぐあいに予測をいたしておりまして、これに将来のバックグラウンド濃度としては自動車排出ガス規制の効果も考慮いたしまして、おおよそ〇・〇二三ppmと予測をいたしております。これらを合わせましても〇・〇二七ppm程度で、環境基準の年平均相当値の〇・〇三ppmを下回るというぐあいに予測をいたしておるわけでございます。
○赤桐操君 そこで、建設省の方の側は、二酸化窒素についてはそういうことで自信を持っているわけですね、よろしいわけですね、それは。
○政府委員(山根孟君) この予測値につきましては、自動車排出ガス規制の効果等も含めて、十分これは環境基準内におさまるのではないか、こう考えております。ただ、固定発生源その他の問題がどうなるか、こういうことも一方であろうかと思いますが、私どもといたしましては、自動車からの排出ガス関係からの大気汚染につきましては、先ほど申し上げましたような数字になるというぐあいに予測をいたしておりますので、十分対応できるというような考え方を持っておるわけでございます。
○赤桐操君 そうしますと、いま言われた御答弁についての問題はまた後に譲ることにいたしまして、建設省側はそういうことで自信を持ってできるということで受諾をした。そこで、問題は、住民の方の側でありますが、これはどんなふうに受けとめておられますか。
○政府委員(山根孟君) この点は、私ども、現在、反省をいたしておりますのは、東京湾岸道路を発生源とする二酸化窒素の数字について、いわばこの関係の方々にこの資料をお示しをした、したがって非常に低い数字、つまりバックグラウンドを加えてない数字をお出ししたものでございますから、そういった点のバックグラウンド濃度を加えた値を併記を仮にいたしておきますならば、あるいは誤解がなかったかと思いますが、その辺の若干の誤解があったのではないかというぐあいに考えております。
○赤桐操君 いや、私の認識をもって申し上げますると、ここの千五百十二名という人たちは、受諾をした者が五百四十三名、それから調停案を拒否した者、これが五百三十五名、あとこれに対して棄権をした者、投票しなかった者がそのほかにあるわけですね。したがって、そういうことで、ここの皆さん方は賛成、反対で明確に意思表示をした者が大体半々になっております。あとは、わからないから投票しなかった者もあるだろうし、意思表示しなかった者もあるだろうし、全然いなくてどこかへ出張しておって投票しなかった者もあるだろうと思うんですが、ともかく半々なんですね、大体意思表示した者が。 こういう状態の中で、これは受諾をした者とそれから拒否した者と分かれて、拒否した者との間は調停が不能になった、打ち切りになった、こういう処置がとられたというように私は認識しているんですが、あなたのお考えはいかがでしょうか。
○政府委員(山根孟君) 調停申請人千五百二十二人と私ども聞いてございます。これは五十二年十二月十五日以降参加をなさいました五百四十八人の方を含めました人数でございますが、この千五百二十二人の方々のうち、公害紛争処理法に基づきます調停が成立したと認められる、受諾された方は約三分の二に相当いたします九百八十七名、受諾をなさらなかった方が五百三十五名というぐあいに理解をいたしております。
○赤桐操君 総数で十名ばかり食い違いがあるようでありますから、それは後でよく調べてもらいたいと思いますが、千五百十二名が正しいんですから、御訂正を申し上げておきます。 それから、九百八十七名というのは、これは調停を受諾するという意思表示をした者と意思表示をしなかった者とあると思うんですよ。しなかった者が大体四百三十四名となっておるわけですね。ところが、この時点においては、もうすでに百四十人ぐらいの人がもう転居していなくなっておった。この人は意思表示をする、そういう立場にはもうなかった。それが大体約百四十人くらいいたようであります。ですから、九百八十七名という数字の内訳はそういうことになっているんですがね、この点はどうですか。
○政府委員(山根孟君) お答え申し上げます。 調停委員長からの文書によりますと、「申請人小西清助ほか九百七十三名、参加人森淳二ほか四百九十九名及び参加人小木曾槇子ほか四十七名と、被申請人国及び同日本道路公団との問の千葉県公害審査会昭和五十二年第一号事件、昭和五十三年第一号事件及び昭和五十三年第二号事件について、昭和五十四年十二月二十七日付けで公害紛争処理法第三十四条第一項の規定による調停案の受諾を勧告したところ、その結果は下記のとおりとなったので、公害紛争処理法施行令第十二条第三項及び第九条第四項の規定により通知します。」こうなっておりまして、「記」といたしまして、「申請人のうち別紙に記載した木村昌義ほか五百三十四名を除いたそのほかの者からは、指定した期間内に受諾しない旨の申出がなく、また被申請人国及び日本道路公団からは、昭和五十五年一月二十二日付けでそれぞれ受諾する旨の申出があったので、公害紛争処理法第三十四条第三項の規定により、これらの当事者間には、調停案と同一の内容の合意が成立したものとみなされた。」というぐあいに通知をいただいておりますので、そのような理解をいたしておるということでございます。
○赤桐操君 いま申し上げましたように、その中で、受諾と認めておるようでありますが、百四十人くらいの受諾の意思表示ができないでおる人が受諾の中に入っております。この点については、正確を期する意味で検討しておいていただく必要があると思いますから、これは明らかにしておきたいと思います。 〔副主査退席、主査着席〕 いずれにしても、こういうぐあいに内容的には大変三分の二の人たちが大体賛成だからと、こういう言い方でさっき言っておられましたけれども、実態はいま申し上げたようなわけであって、中にはまた意思表示をする余裕のなかった人もあるだろうし、結局、本当に意思表示をした者は半々であるというように私どもは認識をいたしております。したがって、その内容から見ていっても、かなりいろいろの問題を残しておるように思うんですね、これだけの人たちがまだ反対しているわけですから。しかも、いろいろと中身を各条項ごとに検討してみるというと、もっといろいろな問題が大分出てきているように思うわけでありまして、これについてはひとつ、少なくともこれから大きな問題として考えていかなけりゃならないように思います。 調停案を受諾した人たちの立場をまず考えてみたいと思いますがね、この人たちは、ここにある内容を善意において受け取っていると思うんですけれども、ここの人たちに対するPRをどういうふうにやったか知りませんが、全体のやり方を見ているというと、どうもまことに何というか私どもには理解のできない内容が大分幾つか出てきております。 たとえば大気汚染の問題を一つ取り上げてみても、一体、大気汚染に対してはどのように具体的に担保をしていくか、保障していくかということについては触れられていないわけですね、具体的なものは。しかし、漠然としたこの調停案で何とかやってもらえるんだろうと思って、みんな恐らく受諾していると思うんですけれども、こうしたものについてはどういうような方法で将来保障するんですか。
○政府委員(山根孟君) 具体的な、現段階といたしましては一つの予測値であるわけでございます。したがいまして、それなりの私どもは一つの現段階におきます知見のもとでの最善を尽くしておるわけでございますが、やはり大気汚染の問題につきましては、一つには固定発生源等との絡みもあって大変むずかしい問題が一方ではあろうかと考えますが、東京湾岸道路に起因をいたします自動車の排出ガスによります大気汚染問題につきましては、今後とも、十分チェックをしてまいりたい、かように考えるものでございます。
○赤桐操君 その程度のことで住民の皆さん方が納得されたと、こういうように理解していいわけですね。受諾した人たちはいま局長の御説明のような趣旨で理解をして受諾した、こういうように理解してよろしいですか。
○政府委員(山根孟君) 受諾をなすった方の直接の御意見を私承っておりませんので、その点につきましては確かめてみたいと存じます。
○赤桐操君 拒否をしているグループの方々は五百人を超えているんですよ、賛成した者と反対した者は半々だ。意思表示をしない保留をしたのが三分の一ある。五百人を超えているこの人たちというのは、これは将来法廷闘争をやっても断固として闘うのだ、こう言っているわけですよ。それにはそれだけの理由があって私は後に引けないと思うんですけれども、こういう人たちに対する対策は今後どうなさいますか。
○政府委員(山根孟君) これは反対と申しますか、納得をされてないのは納得をされないやはりいろいろ御疑問の点があるわけだろうと推測をするわけでございます。したがいまして、私どもとしましては、その納得されないという点について私どもの御説明が足りないということであるとするならば、それはやはり私どもの考え方を十分御理解をいただいた上でどうかと、こういうことになろうかと思いますが、いずれにしても、そういう意味で私どもの考え方を詳細に御説明をしてまいらねばならぬ、こう考えるものでございます。
○赤桐操君 大体わかりました。そういう程度のことであってはとても、これは二十何回か調停をやったそうですけれども、その都度あなた方の方も出ていかれたのだろうと思うけれども、これはとてもじゃないが、この地域は納得するはずがないです、それは現実の問題として。それはわかりました。きょうは時間がないから、あと十日の日の委員会に細部の問題については譲りたいと思います。 この間、ことしに入った一月の二十一日の日に千葉、習志野周辺の関係四市を集めて建設省側は東京湾岸道路の関係地元に対しての説明を行ったようでありますが、環境影響調査報告書ですか、ここに持っていますが、これでしょう(資料を示す)これで説明をされたようでありますが、その際に、自然環境や生活環境の汚染については、結論として心配ないということで保証されたそうでありますが、これはそういうことでよろしいですか。
○参考人(大島哲男君) ただいま先生のおっしゃいました調査報告書は道路公団と建設省が一緒になってつくったものでございますが、ただいまの先生の御趣旨のとおり、私どもは心配はないと思っております。
○赤桐操君 そうしますと、この報告書の中の六十七ページに将来の交通量の想定が出ているわけでありますが、幕張と検見川間の十四号線分についてはゼロということになっておるようでありますが、これはどういうことでしょうか。
○政府委員(山根孟君) この数字そのものの意味するところでございますが、東関東自動車道が市川・幕張間で八万台のものが、幕張で一万台――これは差し引きでございますので実際の流出入交通量は若干違うわけでございますが、その出入りを差し引きいたしまして、幕張・検見川間が一万台減って七万台と、この一万台は差し引きの量でございますが、幕張インターチェンジを中心といたします一帯の地域に分散をする交通であるということでございます。
○赤桐操君 この図面でごらんにならないとわかりませんが、その間ゼロになっているところがあるんです、幕張と検見川の間で。これはまずこういう予測というのはあり得ないということが一つ、これはひとつ指摘しておきたいと思います。時間がありませんから、先に進みます。 それからもう一つ、八十八ページの幕張地区のNO2の濃度の問題でありますが、これが一日十三万台の交通量を想定しておいて道路側から至近距離で〇・〇〇五ppmということになっておるんです。これは大体比較してみるというと、どっか大変空気の非常にいいところの状態のようでありますが、これは一体どういうことなんだと、とても考えられないことじゃないのかということであります。いずれにしても、そういうような問題が随所に出てくるんですがね。これらを非常に私どもは理解できないんですよ、この問題は。 それで皆さんも専門家かもしれぬけれども、これを見てやはり理解する、大変知識を持って勉強している方々も地元にはたくさんいるんです。五百三十余人の反対される方々というのは専門家に近いほど勉強しておりますよ、真剣ですから。そういう中から疑問が出されてきたものについて解明していないんじゃないですか、建設省側も、これに対しては、環境庁も。だから、地元のそういう真剣に取り組んでいる人たちは、これはわからないから最後まで反対しているわけでしょう。全然そういうものについて勉強しない人はよくわからないから、それでいいのかなと思って賛成したんじゃないですか。本当に事実を知ってきたら、だれだってこれ反対するのは普通じゃないですか。とてもじゃないが、ここには住んでいられないと思ったら、真剣に反対するのはあたりまえじゃないですか。そういう人たちが五百人以上おるということは重大な問題だと私は思うんです。 それで、これらの問題については、またこの次十日の日に改めてもう一遍御答弁いただいたり、討論しても結構ですけれども、そういうようなわけで、大変どうも四市を集めて説明をされた、心配ないと言って断言をされた内容が、検討をしてみると、いろいろ問題点が含まれている、こういうことになってきているわけです。 それで、この調査報告書というのは、建設省所管事業環境影響評価技術指針細目というのに基づいて行ったようでございますから、この点をひとつ伺っておきたいと思いますが、そうすると、これの基本をなすものはこの細目になりますね、具体的には。
○政府委員(山根孟君) アセスメントと申しますか、大気汚染並びに騒音の予測につきましては、五十三年七月に出されました建設省所管事業に係る環境影響評価に関する当面の措置方針についての事務次官通達に基づく環境影響評価技術指針案及び同年十月に出されました技術指針細目道路事業編に沿って行ったものでございます。
○赤桐操君 間違いありませんね、そういうことですね。
○政府委員(山根孟君) そのとおりでございます。
○赤桐操君 それでは、いろいろこれに基づいて行われたわけでありますから、この指針細目の各項目に基づいてこれからいろいろ実施されていくと思いますけれども、ついてはひとつお願いをしておきたいと思うんですが、時間の関係がありますからもうまとめたいと思いますが、これは私どもの同僚議員である小川衆議院議員が委員会で求めたときに、五十二年の建設省実施の広域シミュレーション、これについては提出することを約束されたそうですから、十日の日の委員会の前に、これは提出していただきたいと思います。 それから二つ目といたしまして、この指針細目を運用するときのマニュアル、手引きですね、こうしたものがなければならないはずでありますから、これについてもひとつ明らかにしてもらいたい。 それから三つ目としては、実測値、予測といいますか、計算値といいますか、こうしたものと照合したものをいただかなければこれは話にならないので、いろいろ疑問点がたくさんありますから、私どもの方にデータを一通り提出していただいて、私の方にもこれを検討する専門家がたくさんおりますから、それに基づいて検討して、十日の日には本格的にひとつ論争してみたいと思うので、以上の三つのものについての提出を求めたいと思います。
○政府委員(山根孟君) 先生の申されました三つの資料につきましては、十日に先立って、先生のところにお届けいたしたいと存じます。
○赤桐操君 わかりました。終わります。
○主査(下条進一郎君) 以上をもって赤桐操君の質疑は終了いたしました。 次に、栗林卓司君の質疑を行います。
○栗林卓司君 まず、第三期住宅建設五カ年計画、この進捗状況をお尋ねしたいんです。 五十四年度、五十五年度はまだ終わっておりませんので、これは計画もしくは推定で結構だと思いますが、それでお尋ねしたいのは、住宅建設の総合計、これがどんなぐあいに進捗するだろうか。二番目が、裏づけとなる宅地供給の進捗状況はどうであろうか。以上二点をお尋ねしたいと思います。
○政府委員(関口洋君) 実績見込みは、全体といたしまして、民間自力も含めて、合計四百八十三万二千五百戸でございまして、進捗率は五六・二%でございます。以上が五十三年度までの状況でございますが、五十四年、五十五年につきましては、いま先生御指摘のとおりに、民間自力建設の動向がはっきりいたしませんので、公的住宅についてだけ申し述べさしていただきますと、公的資金住宅につきましては、五十四年、五十五年の計画戸数どおりに達成されれば、最終的な進捗率は一〇六・八%になりますが、公営住宅及び公団住宅に建設の停滞が見られるものの、公庫住宅の順調な伸びによりましていま申し上げましたような数字に相なるものと、かように予測いたしております。
○政府委員(宮繁護君) 宅地の供給につきましては、住宅建設五カ年計画におきまして、五カ年間で新規の宅地供給、すなわち、いままで宅地でなかった農地とか山林原野が宅地化する見込み量でございますが、これを六万六千ヘクタールと見込んでおります。これはきわめてマクロな数字でございますが、年間平均いたしますと一万三千ヘクタール弱ということになります。これに対しまして、現在までのところ、新規の宅地供給量は、昭和五十一年では一万二百ヘクタール、五十二年では九千三百ヘクタールというような数字でございます。五十三年度は近く見通しが出る予定でございます。 そこで、かなりギャップがございますけれども、このギャップは、一つは、既存宅地の在庫量からの吐き出し、もう一つは、最近の職住近接によりますマンション志向を受けまして、既存の市街地ですでに宅地になっておる土地あるいは工場敷地等が高度利用されまして、そこでマンションが供給されまして、いま住宅局からお話の出ましたような住宅の供給が行われてまいった、こういうふうにわれわれ理解しております。
○栗林卓司君 第一期を見てみますと、六百七十万戸に対して実績が六百七十四万戸、ほとんど計画どおり達成できました。で新規宅地の供給量を見ると、五万二千九百ヘクタールが五万二千九百三十ヘクタール、これもほぼ達成なんです。で、第二期を見ますと、計画戸数が九百五十八万、実績が八百二十八万で、八六%の達成率なんですが、大変興味が深いのは、新規宅地供給量が目標七万五千ヘクタールに対して実績が六万五千九百ヘクタール、達成率が〇・八八、いろんな経緯はあるんだけど、マクロで見ますと、やっぱり新規宅地の供給が計画どおりどうであったかということは戸数についての傾向と大きな違いはない。 第三期についても、なるほどいまお話しのように一部にマンションブーム化等の傾向があるけれども、ごく大まかに言って新規宅地の供給の計画に対する未達成度合い、それが住宅総戸数の計画に対する未達成度合い、大体こうなると、腰だめで見て間違いないんではなかろうかと思いますが、いかがですか。
○政府委員(関口洋君) 五十四年、五十五年の民間自力建設の動向がどうなるのか定かでございませんが、いままでわかっております範囲で申し上げさしていただきますと、五十四年度については民間自力は当初予定しておったようには建設されていない、これははっきりいたします。それがいま先生御指摘の宅地の需給見通しとどういうふうな関係があるかという点でございますが、この点につきましては、私どもはやはり人口の都市集中であるとか、そういう大きな要素がほかにございますので、直ちにいま申し上げました民間自力はふるわないということと宅地の需給が計画どおり行われていないということの間に直接的な因果関係があるかどうかは、もう少し掘り下げてみないとはっきりしない、かように考えております。
○栗林卓司君 これはちょっと重要なところだと思うんですけれどもね、宅地の供給が特に三大都市圏を中心にして非常に伸び悩んできた、これを一体どうしたらいいかということが非常に重要問題なんだけど、宅地の供給が伸び悩むということは、幾ら努力しても住宅がもう建つ余地がないというぐあいにくくって考えるか考えないかというのは、問題をどの程度深刻に受けとめたらいいかということだと思うんですね。したがって、はっきりしたことは言えないでしょうけど、第三期五カ年計画の宅地の供給から見ると、しかも、これまでの経験では公的な住宅供給をふやしますと見返りに民間住宅建設は減って、合計したものは初期に比べて実はそうふえてこなかったということが、去年、おととしの例の景気刺激策の一環として住宅政策を使ったときに、いやでも思い知ったことでありましてね。ですから、問題は、宅地供給をどうやってふやすかということがもう住宅建設の決め手になってきたのではないか。その点は異論がないんだろうと思うんですがね、数字で言うと、またあれでしょうけど。 大づかみに言って宅地の需給が大変タイトになってきた。そこの中で昨今の宅地価格の上昇というものをどう見るのか。あそこの中に投機的な要因というのは本当に入っていないんだろうか、この点についてはどうお考えになりますか。
○政府委員(山岡一男君) 最近の土地の値上がり状況につきまして全体を見ますと、やはり住宅の建つところ、住居系の地域もしくは準工業地域というところの値上りが平均を超えております。さらに、それを見ますと、三大都市圏のそういうところの値上がりが著しいということでございまして、四十七、八年当時とずいぶんさま変わりをいたしておりまして、大都市圏の住宅地中心というようなことになっております。 その場合、よく見ますと、三大都市圏の中でも特にマンションが毎年建っておりますけれども、そういうものが盛大に建っておるところの値上がりがある程度著しい。それから国土利用計画法で二千平米以上につきましては届け出を全部とっております。それの利用目的等を見ますと、実需によるものがほとんどだ。それからさらに四十七、八年当時には企業等におきましてずいぶん投機的な先買いをしたわけでございますけれども、最近は企業が売りに回っておりまして、手持ちの土地がどんどん減っておるというような状況でございます。それから、さらに値上がりのはなはだしい周辺の市等において見ますと、宅地の取引された量よりも建築着工面積の方が広いというようなことも見られます。それやこれやをしております上に、さらに規制区域指定のために事前詳細調査というのをやっておるわけでございますけれども、全国で二百三十七地域やっておりますが、それらにおきます報告におきましても、現在、投機が起こっている気配はないという報告をいただいております。総合いたしまして、投機は起こっていないという判断をしておるのが現状でございます。
○栗林卓司君 全国の地域別に公示価格の推移を見ますと、五十二年一月一日から五十三年一月一日が東京圏では二・八%、それが五十三年一月一日から五十四年一月一日にかけて七・三%にはね上がってきた。で、この背景にあるのはやはり需給が非常にタイトになってきたということと、それから、この先々宅地が大きく供給される見通しはない、しかも住宅に対する要望は強い、したがって方向としてこれは恐らく値上がりするだろうという期待値を高めるに値する数字になっている。したがって、現在、まだ投機が起こっていないとおっしゃるのなら、ただし投機のおそれが非常に高まってきたと警戒せざるを得ない、そうはお考えになりませんか。
○政府委員(山岡一男君) 四十七、八年当時、非常に全国にわたりまして投機が起こったことにつきましては先生御案内のとおりでございます。四十九年度以降につきまして、三つ大きくさま変わりしております。一つは、国土利用計画法を頂点としますいろんな各種規制法が強化をされたこと、一つは、五十年度以降非常に厳しい短期重課、それから法人重課、特別土地保有税等の投機を抑えるための税制がしかれたということ、それから最近におきまして不要不急の土地に対します融資の規制が厳しく行われていること、それらの点から見まして非常に投機の起こりにくい状況になっておるというのが現状でございます。 したがいまして、私ども先ほど申し上げましたような理由もございますが、同時に、そういうものの効果も非常に上がっておるというふうに考えておりまして、常時監視をすることは必要でございますけれども、現在のところは、やはり投機は起こっていないというふうに見ておりますし、今後も、そういうふうな厳しい制度の中ではなかなか投機が起こる余地は少なかろうというふうに見ておるわけでございます。
○栗林卓司君 では数字をお尋ねしますけれども、これはあるところの調査で、首都圏の通勤百分以内の宅地需要を推定したところが、昭和五十一年から六十年までの新規宅地が三万二千四百ヘクタール、これに対して市街化区域の未開発地三万九千二百ヘクタール。この推定値というのは、市街化区域内の農地を全部宅地にしないととても間に合わないといったことを力説したいためにつくった数字なものですから、多少無理があるかもしれませんが、しかし、実態としてはそういったかっこうにいまの宅地需要がある、そう考えて間違いありませんか。
○政府委員(山岡一男君) 三全総では、五十一年から六十年までの十年間に十二万八千ヘクタールの宅地が必要だというふうに言っております。先ほど計画局長の申された平均で申しますと、一万三千ヘクタールぐらいに符合するわけでございます。それに対して供給が一万ヘクタールを切っておるというふうな状況でございますけれども、私ども、やはり三全総を絵にかいたもちにしないためには必要な宅地の供給が当然必要であるというふうに考えております。 で、いま先生のおっしゃいました三大都市圏の市街化区域内農地の布存状況等を念頭に置きますと、たとえば五十四年の三月三十一日でございますか、現在の市街化区域内の農地、特に問題の多い三大都市圏で見ますと、九万五千ヘクタールというのが現状でございます。で、三大都市圏につきまして、やはり三全総で考えておりますような宅地の供給というものを実現いたしますためには、少なくともこの半分に近い程度のものが宅地化されることが必要かなというふうに数字的には言えるわけでございます。
○栗林卓司君 いま私が申し上げたのは、三大都市圏をさらにしぼって通勤圏百分以内ということで言ったので、数字がその分だけより小さくなっているのだろうと思います。 要するに、傾向としてはそういうことなんですが、お尋ねしたいのは、昭和四十四年に新都市計画法ができまして、都市計画区域が初めて市街化区域と市街化調整区域に分かれた。で四十四年の新都市計画法では、十年以内に優先的かつ計画的に市街地を形成するということで法律ができて、その裏にあったのは、いまおっしゃった土地供給の背景にある市街化農地の扱いを中心にした問題意識があったわけです。そこで、まだ第三期計画が終わっておりませんからわかりませんけれども、終わってみると、やっぱり宅地が足りなかったから、民間住宅建設がいかにも進まなかったからということを改めて思い知らされるだけだと思うんです。 そこで、かねて議論のもとの問題でして、お答えする方も大変お答えしづらいかもしれませんけれども、ただ、ここまで詰まってくると、もういつまでもそういいわ、いいわというわけにいかない。したがって、改めての御意見を伺いたいと思うんですけれども、自治省おられると思いますが、四十四年には申し上げました新都市計画法が施行されて、昭和四十六年には、A農地を昭和四十七年度から、B農地を四十八年度から、C農地を五十一年度から段階的にというものが決まったわけですね。それ以降、四十八年度税制改正、五十一年度税制改正、まことに無残に後退を繰り返してきたわけですけれども、本来、法のねらいというのは新都市計画法にあったわけだと思うんです。そこで、この四十八年や五十一年という税制改正は関係機関の審議を経たものではありましょうけれども、都市計画法という考え方、ねらいからすると、やっぱり好ましいものとは言えなかったんではないかと思いますが、いかがですか。
○説明員(吉住俊彦君) いろいろの経緯がございますことは先生御承知のとおりでございますが、私どもといたしましては、いろいろ都市計画上の問題と深いかかわり合いを持った問題であることは重々認識をいたしております。ただ、私ども、税金の考え方から申しますと、一つには、周辺の宅地等との負担の均衡、このためにいわゆる宅地並み課税を行っていく必要があろうということに加えまして、宅地の供給促進ということで補完的にお手伝いをさせていただく、こういう認識のもとに、御指摘のように四十八年、五十一年、調整率こそ年々上がってまいりましたが、その他のことにつきましては、先生御承知のように、ほぼ同じやり方で今日まで至っているわけでございます。
○栗林卓司君 いや、いまお尋ねしたのは四十四年の新都市計画法に比べて、それはよかった措置でしょうか、どう思いますかという質問なんです。
○説明員(吉住俊彦君) いわゆる宅地並み課税を実施いたしましたことは、それまでの固定資産税並びに都市計画税の課税の状況に比較いたしまして前進したというふうに考えております。
○栗林卓司君 現在、この宅地並み課税で減額措置に関する条例を制定している自治体というのは大変多い、御存じだと思います。首都圏で見ますと、約九割近いところで、せっかく国の方では市街化区域農地については宅地化を原則として考えていくということをしているにもかかわらず、九割近い首都圏の市町村では全然こちらはいやでございますと、したがって減額措置を講じている。それはそれでもしようがないというのが自治省としての御判断ですか。
○説明員(吉住俊彦君) これもいろいろ経緯がございますことでございますが、減額措置の制度を法律上講じましたのは昭和五十一年度からでございます。これは宅地並み課税そのものが、いわゆる生産緑地の指定が関係方面でいろいろ御熱心におやりいただいておるわけでございますが、その状況は、率直に申しまして、まだ足りないのではないかという考え方もございますし、また、市街化のスピードがもっと早いであろうというふうに見込まれたにもかかわらず、意外とその市街化区域農地につきまして市街化の程度が鈍いというようなことを考慮いたしまして、できた減額制度でございます。 したがいまして、これをどうするかという問題、これはもちろん重要な問題でございますけれども、ただ、率直に申し上げまして、確かに適用いたしておりますのは九割近くの団体でございますけれども、税額べースで申しますと、別にこれは私どもの立場を決して弁護するものではございませんが、税額べースにいたしますと、大体六割程度のものを減額措置で返している、こういう結果になっておるわけでございまして、それ以外のものにつきましては一応税金をちょうだいしておる。しかも、その対象になる農地と申しますのは、これまた御承知のように、市町村ごとに設けられております農地課税審議会というようなものの議を経まして、一応だれが見てもこの農地につきましては減額がしかるべきだというふうになったものを減額しておりますので、そこは無秩序に税金をおまけしているというものでもあるまいというふうに考えております。
○栗林卓司君 いま税額で見ると六割というお話があったんだけれども、それは五十歩百歩というもんでね、六割でも七割でもまずいことには変わりがない。しかも、首都圏で見ますと、何%減額をしているかといいますと、一〇〇%やっているのが四割。 問題は、こういう姿をどう見るのか。お立場は、ですから、聞く方も聞きづらいんですが、やっぱり問題の性格からいって聞かざるを得ないんだけれども、開発が進んでおりませんでした、生産緑地の指定が進んでおりませんでした、よってもってというのは、議論の前提になる話じゃなくて、なぜ進まなかったのか、なぜ生産緑地の指定が進まなかったのかが問題であって、問題なのを盾にとって、だからこの際ちょっと考えたというのは、都市計画法を決めたときのいきさつからして本末転倒である、私はそうお伺いせざるを得ないんだけれども、その点はいかがですか。
○説明員(吉住俊彦君) 重要な問題であろうかと思いますが、所掌事務から申しますと、その御質疑に対しましてお答えできる資格にございませんので、御容赦願いたいと思います。
○栗林卓司君 これは国土庁の方なんでしょうか、どちらかちょっとつまびらかでありませんけれども、計画区域を市街化区域と調整区域に分けたいきさつというのは、利用の形態を規制していこう、あらかじめ利用を予定して所有権の行使を制限していこうという意味で私は画期的な法律だったと思うんです。したがって、あの法律ができたということは、その精神を将来に向かって生かしていくんだと思うんですが、そういう理解に間違いないかどうか、念のためにお伺いしたいと思います。
○政府委員(宮繁護君) 自治省所管でございますけれども、私から便宜お答えさせていただきたいと思います。 いま仰せのとおりだと思います。
○栗林卓司君 そこで、これが予定どおりいきますと、昭和五十四年には、少なくも法律の字面上に物事が動いていったら、市街化区域については計画的かつ優先的な宅地が形成されて、いまのこの悩みはなかったのかもしれない。ところが、その後、利害関係の突っ張り合いでこういったかっこうになってしまった。 これは自治大臣にお尋ねしないといけないのかもしれませんけれども、こういう聞き方だったら答えていただけますか。地方自治法の二百四十六条の二、内容を申し上げますと、地方自治法が変わりまして公権的な監督権限というのを国は失いました、それはあくまでも地方自治の本旨に照らして向こうに渡したわけです。とはいうものの、それは地方自治だから何をやってもいいということではありませんで、したがって、心配なものがあったら、特に公益に反するあるいは公益を害していると認められるときには、当該地方公共団体に対して、内閣総理大臣は、改善のために必要な措置をとることができる、この措置というのは当該事務を担当する主務大臣が内閣総理大臣の名前で行う、これがかつての公権的な内務省の地方管理が変わった結果として生まれた条項であります。しかも、この地方の事務というのは、各地方自治体の理事者だけではなくて、地方議会全部をひっくるめて、地方自治法の第二条の三項にざっと並んでいる、地方自治体にやらせることは全部。そこで四十四年に計画を決めた。いろんないきさつで後退しちゃったというときに、この条項に照らして、それは困るではないかという、この「当該事務を担当する主務大臣」――これは、一体、だれですか。
○説明員(吉住俊彦君) 地方税に関することでございましたら、自治大臣ということになろうかと思います。
○栗林卓司君 また、都市計画法に絡まる全般だということになると、建設大臣もしくは国土庁長官ということになるわけだろうと思いますが、そこで、こうくるまでに主管大臣として、それは困るよと、せっかく法律をつくったのはいいけれども骨扱きではないかということを本当は言うべきではなかったのか、この点についてはいかがなんでしょう。
○政府委員(山岡一男君) 都市計画法の運用につきましては建設大臣でございますが、税法に関しまして国土庁もいろいろと各方面にお願いをいたしております。その一環といたしまして、私どもの長官の方からも自治大臣の方に、政府税調でも五十七年度から正確な実施ということが記述をされておりますけれども、その方向に沿ってしっかりお願いしたいという申し入れをされたと聞いております。
○栗林卓司君 そうしますと、自治省にお尋ねしますけれども、五十七年度からは、たしか政府税調答申の中にもきちんとした文句で書いてあったと思うんですけれども、その方向に沿ってこれは完全実施をいたしますということだと理解してよろしいんですか。
○説明員(吉住俊彦君) 便宜、税調答申を引用さしていただきますが、「昭和五十六年度までは現行制度を維持することとするが、」いわゆる宅地並み課税につきましては「長期にわたり営農を継続する意思のある者に対する配慮を行うなど必要な措置を講じつつ、新たにC農地を課税の適正化措置の対象に加えるとともに現在課税の適正化措置が講じられているA農地及びB農地に対する課税を強化するため、十分な検討を行うべきである。」というふうに記されておりますので、検討さしていただきます。
○栗林卓司君 いま内容を引用されましたのでお尋ねしますけれども、C農地も当然検討の対象に入っている。そこで、これは市街化区域の中でおれは営農したいんだと言っている今度は農家の方方の立場に立ってお尋ねしたいんです、というのは、それを検討したいということですから。 ほかの仕事だったら、当然、都市計画法で、そこではもうできないことに相なったんだ、したがって、よそへ行ってやってくれ、そう言われてしまえば、しようがないですねという話になるんだけど、農業というのは転業することが大変困難で、しかも転地をすることが不可能に近い。しかも、農業は性格として経営規模という面で見るときわめて零細、一人親方みたいなものです。そうすると、市街化区域の中にたまたま農地がある、何も好きこのんで入っちゃったんじゃないですよ。しかし、法の精神は、そこで農業をしていただくのは公益に反しますと言っている。そのときに、反しますと言われて、はあそうですかというわけにもなかなかいかない。それで生産緑地とか、まあどうにか半分でも通ずる理屈をこね上げただけの話ですよ。 そうすると、いま五十七年から完全実施の方向でそれぞれ考えますということになると、その答申をもう少し深く読んだとして、市街化区域の中で農業をやっています、将来ともやりたいですという人は、C農地、いや市街化区域外の農地を含めたゾーニングをしたい、多少場所が違うかもしれないけど、農業の永続は可能であるということまで含めて、私は、御検討になるべきだと思う。そうであったら、市街化区域内はもう農業は一切営むことはできませんよということを相当自信を持って言えるんだけど、いまのところは、こっちの部分は何にも触れてない。したがって必要以上に反対も高いということだと思うのですが、そこで、市街化調整区域の問題も含めて、あるゾーニングの問題として、農業を継続したいという人に対しては継続するような機会を国みずからが助けてつくってやるということまで踏み込んでお考えになりますか。
○説明員(吉住俊彦君) いわゆるC農地を検討するに際しましては、先生おっしゃいましたゾーニングと申しますか、市街化区域と調整区域の間の線引きというのも含めて、基本的には考えなければならないのではないかと私どもとしては考えておりますが、線引きの問題は建設省とも関連する問題でございますので、その検討の段階で御相談を申し上げながら勉強させていただきたい、かように存じております。
○栗林卓司君 いまの段階でそういうお答えしか本当は返ってこないんだろうと思うんですけどね。ただ、ちょっと待ったなしになってきた気がするんです、宅地というのは。そこで、いま地価が上がっていますけどね、地価っていうのは油と全然関係ないんですから、しかも一般がインフレだから、したがってつられて上がらなきゃいけないという筋合いのものでも全然ない。それが上がってくる。しかも上がり足が非常に急速だということは非常に需要がタイトになってきた。タイトになってきた背景では、四十四年にせっかく決めてやろうと思ったのが全部しり抜けになっちゃったという状況ですから、これまでのことはこれまでのこととして、五十七年からは完全実施の方向で鋭意これは御努力をいただかなければいけないところだと思います。 そこで別な角度から土地価格の問題をお尋ねしたいんですけれども、土地の価格というのは、中身を割りますと素地の価格、それから造成費、さらに関連公共公益施設費そして金利、まあ利潤を別にしますと、大きく言ってこの四つに分かれるだろうと思うのですが、そう見て間違いないかどうか、もしできましたらごく腰だめで言った中の割合も教えていただけますと幸いです。
○政府委員(宮繁護君) いまお話しのとおり、宅地の価格の構成要素は素地、造成費、それから関公負担分、金利分、これが主たるものだと思いますが、手元にちょっとその構成比をつまびらかにしたものを持っておりませんけれども、大規模団地の造成費につきましては、純粋の宅地部分が大体半分程度で、関公費が大体半分程度を占めるというのが常識的な線だろうと思います。
○栗林卓司君 それで、いまの地価なんですが、相対取引の結果として上がっていく趨勢にはあるわけだけど、一般に土地を持ちたい、その上屋も含めた家を持ちたいと希望している大半の勤労者国民から見て、その水準というのは完全に高ねの花、特に首都圏を中心にしては高ねの花になって、手が届かなくなってきています。これは御異論のないことだと思いますから、とりたててお答えは求めません。 それで、土地というのは、大体銀行の担保に入っていましてね、土地が大幅に下落するということになると信用恐慌になる。したがって下げりゃいいというもんじゃなくて、よほどこれは慎重に扱っていかないといけない。しかも、大体納税国民の半分近くが何らかのかっこうで地主ですから、それを考えると、そう軽率にこれは扱えない。しかし、いまの高ねの花の状態は何とかして合理的に下げていく努力をしなきゃいかぬ。そこだけ見ますと、素地価格、これはしようがないだろう、それから造成費についてもかかった分だけかかったんだからしようがないじゃないか、そうすると残るのが関連公共公益施設費と金利なんです。 まず、この金利から伺いますが、従前よくある話というのは手続の最終承認をもらうまでが時間がかかってしようがない。ひどい場合には三年かかる、三年もかかりますと金利だけでまた上乗せになる、こういう状態に対して何らか対策を私は打つべきだと思うんだけど、この点についてはどう考えますか。
○政府委員(宮繁護君) 企業が素地を入手いたしましてこれを販売に出すまでの期間、しかもその間役所との関連の許認可、届け出、あるいはまた付近の住民の方々との話し合い、いろんな関係があろうかと思いますけれども、現在、私どものいろんな資料から把握したところによりますと、最近におきましては、用地を取得いたしましてから販売するまでの期間が三年とか四年とか、長いものであれば五年というふうにかなりの期間を要するようになってまいっております。
○栗林卓司君 かかるようになってきたんですが、では、かかるようになってきた原因を二つに分けて、たまたま手元の資料にそう書いてあるものですから申し上げるんですが、事前協議期間と開発許可期間と二つに分けて表示してあるんですが、この事前協議期間で最長が五十一年の場合四十三カ月、それから開発許可期間として最長が十九カ月、足しますと六十二カ月、まさにいま局長がおっしゃった一番長い例の一つに当たると思うんですが、この事前協議になぜこれほど時間がかかるのか、それから開発許可になぜこれほど時間がかからなければいけないのか、この点についてはどういうことなんでしょうか。
○政府委員(関口洋君) 住宅公団なり、あるいは公営住宅という直接供給の部面から、私ども推測でございますが私見を申し述べさせていただきますと、一つには、やはり周辺の関係権利者との調整の問題でございまして、この点は特に市街地住宅と申しますか既成市街地内での住宅を建てようとする場合に、周辺住民の方との諸種の折衝に時間を費やすということが一つございます。それから第二番目が、関連公共公益施設のいろんな整備なりあるいは負担問題についての地元の地方公共団体との折衝がございます。それからさらに、大型の団地になってまいりますと、そのほかに水の確保と申しますか、これはところによっていろいろ事情が異なりますが、大規模な団地をつくる場合に、水の需給が非常にタイトなところはダムの建設等と関連して進める、そのためにそういう問題との調整にも時間がかかる、こういうのが実情でございます。
○栗林卓司君 そうしますと、実は、金利のことでお尋ねをしたんですけれども、掘り下げてまいりますと、関連公共公益施設費、それが持っている問題と根っこでは一緒であるということになるんだろうと思います。 で先ほどお答えがありましたように、この関連公共施設費だけをとってみても、いまや売り値の半分近くを占めるようになった。これはかねての議論でございますから、中身を繰り返すことはいたしません。ただ、ひとつお尋ねしたいのは、五十五年度予算で九百億、しかも予算修正を絡めて三百億積んだかっこうになったんですが、この九百億ぐらいではとても足りない。そもそも、これも正確な統計は恐らくないんだろうと思いますが、年間で関連公共公益施設としてそれぞれがやっている事業量の合計というのは何兆円ぐらいになるんでしょうか。
○政府委員(関口洋君) いまおただしの関連公共でございますが、これはいわゆる建設省所管事業にかかるものだけの場合と、それから他省庁所管のものまで含んで議論される場合と二通りございます。で他省庁所管のたとえば学校であるとか水道であるとか、こういうものまでの統計数字を私ども実は持ち合わしておりませんが、建設省所管の関連公共のうちでもいわゆる関連公共施設整備促進事業について申しますと、これはあくまでも建設省所管の、本来の公共事業と申しますと失礼でございますけれども、いわゆる一般の通常の各種公共事業の補助なら補助、これに上積みをするものでございますが、いままでの経験から申しますと、大体まあ半々と言うと大ざっぱでございますけれども、いわゆる関連公共として特別に計上していただきました額のほかに、大体それを同額かあるいは上回る程度が通常の公共事業費から支出されておる、かように承知いたしております。
○栗林卓司君 じゃ具体的にお尋ねしますけれども、五十三年度から発足をしたわけですけれども、五十三年度、五十四年度、それぞれ民間とそれから公的部門と分けますと、五十三年度が民間が二八%、五十四年度が三二%、五十五年度は少しふやして三三%にしようかという話もあるようですけれども、この公的部門と民間とを比べて、せっかく取った予算を民間の方にごく一部しか回さないというのは、効果からいって、これでも正しかったんでしょうか。
○政府委員(関口洋君) この関連公共施設整備促進事業の配分というものは、あくまでも実際にこの事業をされるのはそれぞれの公共施設を所管しておられます地方公共団体でございますので、そこからの申請を待って措置をするということになっております。 五十四年度の例で御説明さしていただきますと、御案内のとおり大体六百億でございますが、三百三十九団地を採択いたしまして、道路に五六%、公園に七%、下水道に一三%、それから河川に二四%、事業別にはこういうふうにつけておりますが、事業主体で申しますと、公団事業に関連するものが全体の三七%、それから地方公共団体、公社等の事業に関連するものが三一%、それに対しまして、民間事業に関連するものはその中間でございまして三二%ということになっております。この三二%でございますが、五十三年度は民間に当たるものが九十八億円の配分をいたしておりますが、五十四年度には国費で百九十三億円の配分をいたしておりまして、大体額では二倍程度に大幅にふやしておるわけでございます。そういうここの数字にわかりますように、私どもとしては、民間事業につきましてもこの制度が十分活用されておる、かように考えているような次第でございます。
○栗林卓司君 いまのお話のように、地方自治体の申請を待ってそれを受けてやるということが原則ですね。そうすると、地方自治体の申請そのものが、いまお話しのように、民間の要望を十分生かしているということにイコールでつながるんだと。 で話がちょっと外れるかもしれませんが、一つ例を挙げて申し上げますと、もともと関公費というのは少しでも地価を安くしよう、少しでも開発を進めようというところからスタートをしたものであったわけですね。ところが、ここに都市開発協会から恐らく大臣のところへ出たと思うんですが、「昭和五十五年度住宅宅地関連公共施設整備促進事業および国土総合開発事業調整費に関する要望」ということで文書があります。中で一カ所を引用して、どういう実態になっておりますかということをお尋ねしたいと思うんです。 一つは、「追加負担の改善」とありまして、「補助採択にさいし、地方公共団体よりその見返りとして民間開発事業者に新たな負担を附加させる事例があるが、このような運用が行われないよう指導されたい。たとえば、(1)別途負担金の追加、(2)事前協議で決定された道路の幅員の拡幅、(3)事前協議では対象とされなかった施設についての新たな負担の附加等。」ここには、宅地開発指導要綱でもありますように、地方自治体の気持ちがこれを見ただけでもまさにまざまざと浮かび上がってくるんで、このことのいいか悪いかは聞かないんだけど、こういう実態はあるでしょう、ということをお伺いします。
○政府委員(宮繁護君) 指導要綱に基づきまして公共施設あるいは学校等の負担を課しておる現況にございまして、これをどう考えるかという点でございますけれども、人口の急増する市町村におきましては、負担にたえかねて、やむを得ずこういう措置もとっておると思います。同時に、この指導要綱は、また乱開発の防止とか居住環境の保持という意味では私はかなりの評価はできるものだと思いますけれども、いずれにいたしましても、いまお話しのような点について、それぞれ具体の点につきましてつまびらかにはしておりませんけれども、合理的でない負担を課することについて、実は、私どもは、これはおかしいと思っております。 それで、都道府県等を通じまして関係市町村にもいろいろお願いしたり指導を申し上げておるところでございますけれども、最近におきましては、たとえば一例でございますけれども、学校敷地をかなりの低廉な、ただに近い価格で提供さしておりました点を見直していただいておる。あるいはまた、二月当たり学校関係の教育負担幾らというふうな金額を決めております場合におきましてもかなり見直し等もやっていただいております。しかし、いまお話しのように、公共団体としては財政事情もありまして関係デベロッパーに無理を言っておる点も否定はできません。しかし、そういう点につきましては、今後とも、合理的な負担につきましては私どもは当然デベロッパーで持ってもいいと思っておりますので、さらに一層指導をしていきたいと考えております。
○栗林卓司君 地方自治体の側で見ますと、それは確かに側には側の理屈があるんで、だからこの問題がかくももめ抜くんだと思うんです。 で宅地供給ということだけを市街化を含めて思い詰めますと、何とも自治省ってとんでもねえひどい役所だという気持ちがつくづくするんだけど、ところが、私の近所の市から「びんぼうはくしょ」というのが出ていまして、中を見ると、なるほどもっともで、市の平均年齢が二十七歳なんです。二十七歳っていうのは、これからどんどん子供をつくるわけ。この義務教育の負担だけで、小さな町のことですから、三十一億二千万円かかる、ところが税金は二億三千万円しか入ってこない。義務教育と道路と清掃と下水道、その費用で追われて、借金に借金を重ねてもう何ともならぬ。これは本当に、お尋ねする大臣が私いないんです、この費用をどこが負担したらいいのか。この町というのは、この十年間ぐらいで人口が四倍になっているんです。その旧住民に相当負担しろと言ったって無理ですよ、新住民は三十歳前後なんですから。それがいま抵抗している真っ最中で、あと理屈に合わないような理屈をこね上げながら自治省が実は苦労している面でもあろうと思う。ところが、そうやって宅開要綱がかかっている。しかも、質の大変いい住宅に入る人は結局土地取得、住宅取得ということで相当の公共費用を負担してくる。片一方、ミニ開発はどうかねと言ったら、ここでもやっぱり学校と下水道と清掃と道路はくっつくんだけど、そっちの費用負担を全然していない。地方における税負担の公平という点から考えると、これは大変おかしいことになるわけでしょう、いかがですか。
○説明員(吉住俊彦君) 直接お答えする資格があるかどうか存じませんけれども、おっしゃるように、人口急増団体の財政需要というのは大変大きいものがございます。そのために、私どもの省といたしましては、いろいろ関係省と御相談しまして、小中学校の補助率のかさ上げを行うとか、あるいは通常は出ませんところの用地の取得に対していろいろ補助を出すように文部省にお願いをするとか、そういうことでもって制度的には対応しているわけでございますけれども、なお現状において十分とも確かに言いかねると存じます。今後も、その方向では努力はしてまいりたいと存じております。
○栗林卓司君 私が申し上げたいのは、とにかく宅地開発指導要綱をつくって、なるべく来てくれるなと言わぬばかりのことをする。する背景には市町村の財政実態というのが確かにある。ところが、ああいう質の高い宅地というのは一般の勤労国民には買えませんから、そうすると、それが買える住宅ということになるミニ開発にならざるを得ない。だれでもミニ開発はだめだと思ったって、あれ禁止したら買えなくなっちゃうじゃないかと言われると二の句が継げなくなって、現在ミニ開発が横行しているわけです。それはピーピー言っているこの市に至っても現在進行中なんです。ところが、このミニ開発が進行しますと、後で今度は関連公共公益施設をつくるわけだから、ないところにつくるのに比べて六倍ぐらい高くなる。結局は、あっちこっち逃げ回りながらまたまた大きな赤字をこの悲しい市はしょわざるを得ない。したがって、目の前の問題を何とか消化しようということだけで片づけていたら、この問題は解けないんじゃないか。 で、これはお答えする立場にあるかどうかは別にして、ひとつ自治省に御意見を伺いたいんだけど、人口が急増している急増地域ですけど、それは幸か不幸か通勤圏に入っちゃったということですね。いま私がここに申し上げた市というのは相模原市なんですけれども、通勤圏に入っちゃった。その通勤の中核になるもの、これは東京にある。東京の再開発というんで新宿の副都心に事務所を中心にしたまるでばかでかい物をつくっちゃった。あれをつくる行為というのは東京都知事の管轄ですから、相模原市はどうしようもない。しかし、もとはと言えば、相模原市の人口急増の責任の一端というのは新宿副都心のああいう開発行為に示されるようなものとかかずらわってはいないか。そうしますと、自治省としますと、相模原市と東京都と何らかの協議をする場所というのがないと、この問題は根っこでは解決できないんじゃないか、その点いかがですか。
○説明員(吉住俊彦君) 大変大き過ぎる問題でございまして、十分なお答えはできないかと思いますが、非常に基本的な問題でございまして、いわゆるメガロポリス地域におきましていわゆるノードと言われますような集積をどこに求めるか、それとベッドタウンとの関係をどうするかということは大変むずかしい問題でございまして、その関係がどうあればいいのかという点については残念ながらお答えを持ち合わせておりません。 ただ、関係市町村あるいは関係都道府県との協議につきましては、これは必要に応じてそれぞれおやりになっているところでございますし、これはまた私の所管する局とは違いますけれども、そういう協議をさらに充実させろということでありますならば、そのようにしなければならないと思いますし、関係部局の方にその点は申し伝えたい、かように存じております。
○栗林卓司君 時間がありませんから、御意見だけ申し上げて質問を締めくくりたいと思うんですけれども、いま通勤圏ということで申し上げたんですが、見方を変えて、よかれあしかれ、そこで都市形成が行われている、そう着目すると、そこで必要なのは実は計画性であり、必要な資金調達。で、その計画性というのは原点がどこにあるかというと、先ほど申し上げた四十四年の新都市計画。資金調達はどうかというと、この資金調達もまた相模原市に求められてもどうしようもない。じゃ神奈川県でいいか、そうもいかない。じゃ東京都と神奈川県と相模原市、三者の中で資金調達を話し合おう、いままでの経緯を推していくと、そういう行政しか私は出てこないと思うんだけど、しかし、こういう都市形成に対する資金調達というのは、それはもう国が口を差しはさんでいくしか道がない。また、当然差しはさんでいくべきだと思う。 差しはさむからには、そこで新しい都市形成が行われているということに着目しながら、やはり市街化区域、市街化調整区域、従来の所有権中心から何がしか利用権に着目をした新しい考え方でつくられた法律がまさに国家の名によって貫徹されていかなければ私はいけないと思う。で、いままでもいろんな御議論がこの点をめぐってありまして、こういった問題というのはそれぞれ弱い立場に立ったりするものですから、なかなかできづらいと思うけど、ただ、私が申し上げたかったのは、先ほど第三期住宅建設五カ年計画でまだ宅地の供給がどういった姿になるのかは出てはおりませんけれども、これから深刻になる一方ですよ。そのときに、ちゃんと四十四年で決めたとおりやっときゃ五十四年度にはもう十年たって終わったんだなあという後悔を繰り返しているようではどうしようもないと思います。 で、お答えは要りませんが、建設大臣、国土庁長官、それから自治大臣にもぜひお伝えいただきたいのは、投機ではないとおっしゃいますけれども、住むところというのは人間の基本的な欲求ですから、それが非常にタイトになる、しかも政治の方が決断をもって臨まない、これは投機をするなと言う方が無理です。したがって、いま市街化農地の宅地並み課税に対して断固とした措置をとることが、弊害もありましょうけど、この宅地問題、将来の都市形成問題、それに対してまさに欠くべからざるいまの対策だと私は思います。意見だけ申し上げて質問を終わります。
○主査(下条進一郎君) 以上をもって栗林卓司君の質疑は終了いたしました。 速記をとめて。 〔速記中止〕
○主査(下条進一郎君) 速記を起こして。 次に、山中郁子君の質疑を行います。
○山中郁子君 初めに、建設大臣に公共事業費の問題についてお尋ねをいたします。 これはことしの二月十七日の読売新聞の報道なんですけれども、政府・自民党の中に防衛費のGNP比一%を確保するために公共事業費の削減論が出ているという報道がございました。 御承知のように、防衛費については、いまアメリカから強い要求が繰り返し出されておりまして、日本政府もそれに積極的に応じると、こういう見解を表明されているわけなんですけれども、防衛庁の中期業務見積もりを見ましても、六十年度までに達成する金額は年間約二千五、六百億円の上積みをしなければならないということにもなります。それで増税か各省庁の経費の削減かというようなことになってくるわけですけれども、そういう面からこの新聞に報道されておりますような建設省における公共事業費の削減というようなことがあり得るのかどうか、建設大臣のお考えを伺います。
○国務大臣(渡辺栄一君) 私は公共事業の所管でございますので、防衛費のことについては触れませんけれども、御承知のとおり、日本の社会資本そのものはなおきわめて十分ではないと思っておりまして、これは着実にコンスタントに実施をすべきであると、五十五年度の予算の編成に当たりましても、そういう考え方を持って臨んだわけでございますが、御承知のような財政再建第一年ということでございまして、全体として前年並みというような基本的な考え方に立ちましたので、やむを得ず、住宅、下水道、公園あるいは身近な市町村道路というようなものにつきましてはある程度伸びを確保いたしましたけれども、全体といたしましては前年並みということで五十五年度の予算を編成したような経緯でございまして、私といたしましては、今後とも、社会資本の充実を図りまして、やはり豊かな地域づくり、あるいはまた国民生活の安定ということの基盤をつくるために一層公共事業は推進をしてまいらねばならぬ、かように考えておる次第でございます。
○山中郁子君 私どもはもうすでに繰り返し主張もしておりますように、軍事費、防衛費の増額には反対をしておりまして、むしろ大幅削減を要求しているところです。この問題との絡みがどうしても出てくるけれども、いま建設大臣の御答弁は、それは横に置いてというお話でございましたので、一つだけお伺いしたいんですが、じゃ、そういう関係で話が出ているということはないと、このように理解をしてよろしいわけですか。
○国務大臣(渡辺栄一君) 少なくとも、私のところに、そういうふうな話で公共事業を削減してというような話は現在のところございません。
○山中郁子君 公共投資に関しては、私ども、これもまたかねてから主張しているところですけれども、産業基盤の公共投資を削減して、より生活基盤の整備のために公共投資の事業費を増額すべきだという主張をしてまいりました。いま大臣もその趣旨のことをおっしゃっておられましたけれども、住宅、上下水道、都市公園、生活道路、地方道路の改良、それから学校建設や治山治水対策などの予算を大幅に増大させて生活基盤を充実させていくということが主要な建設行政の柱であろうというように存じておりますけれども、今後の問題として、やはりかなり建設省としてそうした認識の上に立って積極的な対応をされていくことがどうしても必要だと思っております。総論としてですけれども、もう一度、建設大臣のお約束を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(渡辺栄一君) 私は、今回の予算委員会におきましても、そういうことをはっきり申し上げておるわけでございまして、今後とも、公共事業を通じまして社会資本は一層着実に推進をしてまいらねばならぬ、また、そういう努力を続けてまいりたいと考えておる次第でございます。
○山中郁子君 特に生活基盤、いま申し上げましたそこを重視していくという趣旨をぜひとも貫いていただきたいと思います。 次に、六十一年に山梨県で国体が行われることになっております。それで、この国体との関連で河川の改修についてお伺いをしたいと思います。 甲府市の小瀬町というところに三十四ヘクタールのメイン会場をつくることになっております。私も甲府市は何回も視察もいたしましたし、また建設省にもずいぶんたくさん陳情や要請を重ねてまいりましたけれども、これは大変な水害の場所なんですね。それで直接的にこの小瀬町の関連で言いますと、蛭沢川、五割川が流れておって、雨が降ればもう本当に水浸しになるということが繰り返されているところなんです。地元では、日常的にももちろん河川改修について強い要望があるわけですけれども、とりわけ国体の開催に向けては万全の改修が行われなければならないということで、大変強い要望にもなっておりますので、河川改修の計画ですね、具体的に蛭沢川、五割川についてお聞かせをいただきたいと思います。
○政府委員(稲田裕君) 蛭沢川につきましては、昭和六十一年に山梨県で開催されます予定の国民体育大会の主会場の中を先生おっしゃるように貫通いたしております。それから五割川につきましても、その右支川でございまして、同じく主会場の西側を流れている川でございます。 蛭沢川につきましては、四十六年度に小規模河川改修事業として改修に着手いたしまして、五十四年度に国道三百五十八号線までを完成いたします。引き続きまして、その上流につきましても改修を実施するために五十五年度、来年度でございますが、来年度から新規の小規模河川改修事業として県より要望が出されておりまして、私の方といたしましても、その方向で改修を進めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。 支川の五割川につきましては、下鍛冶屋地先より本川の蛭沢川へ向けて河道をつけかえる計画となっております。これにつきましても蛭沢川の五十五年度から新たにかかります小規模河川で対応してまいりたいと考えておるわけでございます。 いずれにしましても、蛭沢川及びその支川の五割川につきましては、国体の主会場へのはんらん防止という点からも非常に重要な河川でありますので、県とよく協議をいたしまして、国体までに概成するように努力してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○山中郁子君 そうすると、蛭沢川の第二期工事は五十五年度新規改修河川として採用する見通しであるということですね。それからもう一つは、五割川は、そうすると、年度としてはどうなりますか。地元では、遅くても五十七年度で河川改修を行わないと間に合わない、こういう見方があるんですけれども、その点はいかがでしょうか。
○政府委員(稲田裕君) 五割川につきましては、現在、都市計画決定がなされておりますが、細部の計画等をさらにこれから詰めまして、できるだけ早い時期にこの一環の中で処理したいということで考えていますが、年度はいつからかかるかということはまだ定まっておりません。
○山中郁子君 県の方が五十八年というふうなラインを出しているようなんですね。その辺はどういうふうに認識していらっしゃるかということも含めてなんですが、それとの関係で、地元では、県議会でも問題になっているんですが、五十八年では間に合わない、遅くとも五十七年にかからなければ間に合わないので、そこのところにぜひとも焦点を合わせてほしいと。それより早くできればそれにこしたことはないわけですけれども、その辺をもう少し具体的に聞かせてください。
○政府委員(稲田裕君) 県から五十八年着工要望というふうに聞いておりますけれども、これにつきましては、できるだけ早く着工できるように、今後、検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
○山中郁子君 じゃ県はそう言っているんですけれども、五十七年でなければ間に合わないというふうな意見も含めて、県の見解も建設省として聞いていただきまして、国体というのはやはり国のレベルでの行事でございますから、そういう点では、いまお約束をいただきましたように、地元要求の遅くとも五十七年、ないしは国体に間に合う方向で建設省としての行政の面での取り組みを進めていただきたいということを重ねて要望いたします。
○政府委員(稲田裕君) 国体に間に合うように、今後、作業スケジュールを十分詰めまして、着工の時期等については定めてまいりたいと思います。
○山中郁子君 次に、多摩川の河川敷の市民への開放問題についてお伺いいたします。 これは私が昨年の二月二十八日、交通安全対策特別委員会で質問をいたしました。このことがいろいろとやはり問題が残って、解決していないんです。多摩川河川敷は、いまだに五・五ヘクタールのゴルフ場が三カ所残されています。これは私が昨年の二月に質問したときと同じ状況でそのままになっているわけですね。そのうち一つは裁判中ですけれども、これを横に置くとしても、市民にとってみればゴルフ場は全面的に開放されると思っていたわけです、これは建設省の開放計画に基づいてですね。しかし、いざとなったら練習場ということで残してよろしい、こうなった。しかも、常識的に言って練習場というのは球を打ちっ放しの練習場なんだけれども、ここにはいずれもコースがあって、いわゆるゴルフ場なんですね、練習場じゃないんです、常識的に見ても。これで大部分期待をしていた開放がされてないということで大変残念がっています。 特に、あの周辺は人口稠密地帯ですから、こうした市民のためのスポーツあるいはレクリエーションの用地がないわけですから、切実な要求になっているという状況は建設省も十分御承知だと思うんですけれども、建設省として、残った部分について、開放計画に含めて、引き続きその市民への開放のために努力をされるべきだと思っておりますけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(稲田裕君) この前のときにも、次長からお答え申し上げたと思うんですが、多摩川の河川敷のゴルフ場の開放につきましては、先生御存じのように、一次、二次と行ってまいったわけでございまして、ゴルフ場につきましては、一次で六十六・八ヘクタールを開放いたしております。続いて二次におきましては、ゴルフ練習場として再占用を認めたものを除きまして、全面開放するということにしたものであります。この方針に基づきましてゴルフ場として占用していた四十一ヘクタールのうちゴルフ練習場として存置するもの十一ヘクタールを除きまして三十ヘクタールを開放したわけでございます。もちろん、いまの御指摘にございましたように、三十ヘクタールの中には、現在係争中の十五・五ヘクタールがあるわけでございますが、このものにつきましても占用は認めておらないわけでございます。 こういう考え方でやってまいっておりまして、当初、第二次計画をつくったときの開放の方針といたしましても、ゴルフ練習場として計画を変更するものを除いて全面開放の措置をするのだということで、開放計画におきましても、そういう基本方針のもとに行ってきておりまして、ゴルフ場の従業員の対策でありますとか、あるいはまた大衆の利用の便などを配慮したものでございまして、私どもとしましては、現在五・五ヘクタール二カ所で行われておりますミニコースにつきましても、その当時の方針から考えまして、ゴルフ練習場として取り扱って処理しておるというふうな状況でございます。
○山中郁子君 そうすると、建設省の第二次開放はいまの時点でもう全部済んでいるということになりますか。
○政府委員(稲田裕君) 第二次の開放計画につきましては、係争中のものを除きまして、済んでおるというふうに考えております。
○山中郁子君 そうしますと、開放計画それ自体は住民の切実な要求に基づいて建設省の方でもそういう対応をされてきたことなんですけれども、去年の交通安全対策特別委員会での私の質問に対して、当時の重元河川局次長ですけれども、現在ゴルフ練習場として開放計画の中で許可しておりますのは五・五ヘクタール二カ所、こうおっしゃているのね。だから、この五・五ヘクタール二カ所というのは開放計画の中に含まれていると、当然、そのように理解できる御答弁だったんですけれども――もう一度言いましょうか、現在ゴルフ練習場として開放計画の中で許可しておりますのは五・五ヘクタール二所と、こうなっているんですね。だから五・五ヘクタール二カ所は開放計画の中に入っている、入っているけれども練習場として許可をしているんだ、こういう御答弁だったと思いますけれども、そういうことでは、いまおっしゃった第二次開放はもうすっかり済んだというならば、まだ開放計画はすべて終わったわけじゃなくて、その中には練習場として残して許可しているのもあるんだと、このように理解をしてよろしいわけですか。
○政府委員(稲田裕君) 前回、重元次長が開放計画の中で許可しておるものというふうな答弁があったという御指摘でございますが、これは開放計画で対象としておった区域の中で、第二次の方針として、ゴルフ練習場として計画を変更するものを除き、除きの部分がただいま御指摘の二カ所の練習場であるというふうに考えておるわけでございます。
○山中郁子君 そのようにとれない御答弁なんですけれども、いずれにしても、そうすると、これで多摩川の河川敷のゴルフ場の開放の計画は、建設省としてはもうすべて終わりと、これ以降は一切考えないと、こういうことですか。
○政府委員(稲田裕君) 現在までに一次、二次の開放計画を実施したわけでございます。今後のことにつきましては、これからの情勢等の判断があろうかと思いますが、現時点では、開放計画は持っておりません。
○山中郁子君 建設大臣にぜひお願い申し上げ、ちょっとお考えも伺いたいんですけれども、経過は若干いまのやりとりで御承知だと思いますが、開放されるということで大変住民の人たちが喜んで期待をしたわけですね。そしてもう目の前に大きな練習場じゃない本当のゴルフコースがあるんですよ、それも当然開放されるものということできていたにもかかわらず、それが三つも、広大な地域がそのまま練習場だということで、私は、練習場か練習場でないかのやりとりはもう去年の交通安全対策委員会でやりましたから、いまここで繰り返しませんけれども、そんなばかな話はないんであって、そこのところは、ぜひ積極的に、住民のいまの切実な要求を踏まえて対応するという点についての御努力をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(渡辺栄一君) ただいまの多摩川のゴルフ場の開放につきましては、従来からの経緯もございますし、また非常にむずかしい問題が存在しております中を、事務当局としましては、今日まで鋭意進めてきておるというふうに私は考えておりますが、この点は御理解をいただきたいと思いますが、したがって現在の占用形態を大幅に変更することはなかなか困難ではないかというふうに考えられますけれども、先生の御意見はただいま承りましたので、十分、私どもといたしましては、その点は留意してまいりたいと考えております。
○山中郁子君 もう一つ重ねて申し上げますと、川崎市は、この多摩川河川敷のゴルフ場については市の管理にさせてほしいと希望しておりますし、また、当然、それは建設省とのお話し合いも出ているんだと思いますけれども、建設省がおっしゃる、ゴルフ人口はふえていると言っても、結局、それだったら市として、より市民のコンセンサスの上に立って管理をするという方向へ持っていけばいいのであって、その中でゴルフ練習場をつくるということになるかもしれないし、ということがあるべき望ましい姿だと思います。そういう意味では、もともとが国有地である河川敷を営利を目的とする民間会社に借しているということ自体が問題なんであって、問題はやはりそこまでいかなければいけないことになると思うのですけれども、その辺についても、ぜひとも積極的に市に管理をゆだねるという形で地元の市民の皆さんの要求に対応していくという御努力をお願いしたいと存じますが、その点についてはいかがでしょうか。
○政府委員(稲田裕君) ただいま先生がおっしゃいました、川崎市で管理したいというふうな意向は、ただいま私ども承っておらないわけでございます。管理の方向としてはいろんな考え方があろうと思いますし、全般的には、河川敷国有地につきましては、できるだけ大衆に安く利用していただくというのがよかろうかというふうには考えておるわけでございますが、現在、議論になっておりますゴルフ場等につきましては、過去の経緯等もございますし、従業員の関係等もございますので、当面は、この形でやはり管理をしていかざるを得ないというふうに考えております。
○山中郁子君 さっき、大臣は、いろいろむずかしいこともある、事務当局としても一生懸命やっているのは認めてほしいという趣旨のことをおっしゃったんですけれども、いままで建設省が答弁になっていることは、ゴルフ人口もふえてきたから要求もあるんだと、そこで働いている人のこともあると、それだけなんですよね。これはそんなにむずかしいことじゃないと私は思いますんですけれども、端的に言ってむずかしいということは何ですか。
○政府委員(稲田裕君) むずかしいというふうにさっき大臣がおっしゃったのは、縮小するにつきましては、従業員の問題それから従業員を抱えておる経営者の問題というのが当然出てくるわけでございまして、それを縮めるということになりますと、いろいろな方面への一次的、二次的、三次的な間接的な影響等につきましてもやはり配慮しながらやっていかなきゃならぬという点がむずかしいというのが一番大きい問題じゃなかろうか、それを大臣がおっしゃったんじゃなかろうかというふうに推察する次第でございます。
○山中郁子君 それは、具体的な方策は幾らでも立ちます。 それで、問題は、一般論として大臣にもう一つだけ伺いたいんですけれども、営利を目的とする民間会社に、市民の要求がたくさんあるにもかかわらず、そのまま広大な地域を貸して営業させているということが河川敷の活用、利用方法として望ましいものかどうかということも私は問題があろうかと思うんで、一般論としてでも結構ですが、見解をお尋ねしておきたいと思います。
○政府委員(稲田裕君) いま一般論というお話でございますが、この一次、二次開放計画というのは、まさに先生のおっしゃるような河川管理者の姿勢が出たものでございまして、この方針で一次、二次というふうにまいってきたわけでございます。やはり過去のいろいろないきさつ等もございます、これを逐次やっていくというのが望ましいのでございまして、そういう方針で、今後、処理してまいりたいというふうに考えております。
○山中郁子君 大臣はよろしいですか。
○国務大臣(渡辺栄一君) ただいま局長が御答弁申し上げましたように、いろいろな経緯もあるようでございますが、しかし、その中にあって努力をしておるものと私は考えておりますけれども、先生の御意見は御意見といたしまして十分承っておきたいと思います。
○山中郁子君 ぜひともいま申し上げました実情を踏まえて、再検討をしていただきたいということを重ねて要望しておきます。 で、この多摩川の河川敷に関してもう一つ建設省の見解をお伺いし、積極的な対応をしていただきたいと思うことがあります。 それは民有地でグラウンドになっている部分がかなりあるんですよ。たとえばキリンビール一・二ヘクタール、北海道拓殖銀行一・五、日本電気二・九、川崎信用金庫一・四というようなぐあいです。これはずっと上流の方になっておりますけれども、主として川崎市の多摩区の周辺です。このあたりも大変人口稠密地帯でありまして、市民の要望が大変強いところです。こういうところを準開放――いま現に行われておりますけれども、準開放をさせるというような行政指導によって市民の要望に部分的にでもこたえられるようにならないものかということなんですが、その点はいかがでしょうか。
○政府委員(稲田裕君) ただいま御指摘の民有地の分でございますけれども、いままでに、先生も御存じのように、国有の河川敷にある私企業等の運動場につきましては、御承知のように、いわゆる準開放ということで、一週間のうち三日以上を一般公衆に使用させるという措置を講じてまいっておるところでございます。 河川法上は、河川区域の民有地につきましては地権者が河川区域内に一定の工作物を設置し、あるいは土地の形状を変更する場合に初めて当該行為の許可を要するということにされておるわけでございます。河川管理者といたしましては、当該行為によって治水上の支障の有無等を判断して、支障がなければ許可するというふうな方針でやっておるわけでございまして、したがいまして、河川管理者には、本来、民有地内の私企業の運動場に対し準開放のような措置を講ずるという指導をする権限はあり得ないわけでございまして、その点につきましては、私企業にそこまでの指導は河川管理者としても無理ではなかろうかというふうに考えているわけでございます。
○山中郁子君 これらはいずれもグラウンドにするときに原状を変更をしているわけですよね、当然のことながら。で原状を変更する場合には、河川敷の条件のもとでは建設省がかむわけでしょう。その過程で、建設省が市民の要求に基づいて――それを命令するとか強制することはできないということはあり得ましょうけれども、市民の立場に立った行政上の対応をされることは私はできるし、常識的に言って、あり得るんじゃないかと思いますけれども、そういうこともできないわけですか。
○政府委員(稲田裕君) 私ども、管理者といたしましては、先ほど御説明しましたように、河川管理上に支障があるかどうかという判断をする立場にあるわけでございまして、この民有地につきましての使用の中身の制限というのは、やはりなかなか管理者としてはできないというふうな形のものでございます。
○山中郁子君 これはグラウンドだけに限らないけれども、企業の社会的責任というふうな観点からさまざまの面での行政上の対応があるんですけれども、そうすると、これらの問題は、趣旨は大臣おわかりになると思うんですけれども、付近住民にとってみれば大変切実な問題で、全部開放しろと言っているんじゃなくて、せめてそこを使わないあいているときの土日ぐらい、運動会だとか野球の試合だとかに使いたいということですから、何ら問題ないし、常識的な範囲だと思うんですけれども、そうすると、これはどういうところで担当――担当というか、口を出すことになるんでしょうかね、建設省がタッチできないんだとおっしゃるならば。
○政府委員(稲田裕君) もしそういう皆さん方の御要望があれば、やはりこれは一般の民有地と同じでございますから、民有地を所有していられる方々とお話し合いになることがいいんじゃなかろうかというふうに考えます。
○山中郁子君 いや、国としてはどこがかむことになりますか。直接もう話しているんだけれども、らちが明かないらしいんですね。
○政府委員(稲田裕君) 国としてと申しますか、たまたまこの民有地が河川敷地内にあるからというふうなお話でございますけれども、河川敷地内にあるという特殊条件につきましては、私ども、管理上支障があるかないかということでのみ法的に制約をすることができるわけでございまして、それを除きましては、一般の民有地と、私どもとしては、変わるところがないというふうに考えるわけでございます。したがいまして、仮にこれが河川敷でない、たとえば先生がおっしゃったように日本電気なりキリンビールの運動場が一般の民有地にあったとすれば、これは当然民衆の方とのお話し合いでやっぱり取り決めるべきことでございまして、行政が直接タッチするというふうな問題ではなかろうではないかというふうに考えるわけでございます。
○山中郁子君 この河川敷一帯の中にかなりな広さを持っていて、地主が売ってもよろしいというふうな方もいらっしゃるわけなんですけれども、国がそういう観点からそれを買い上げるというような方向で、いま私が繰り返し申し上げています地元の住民の方たちの要望にこたえていくような条件をつくっていくということは考えられるかと思いますけれども、その点はいかがでしょうか。
○政府委員(稲田裕君) 河川区域内の民有地の買収でございますが、これは買収できることというのはまことに望ましいことでございますが、予算上の制約が当然あるわけでございまして、一般の公衆の用に供するために直ちにこれを買収するということは、現時点では、きわめて困難ではなかろうかというふうに考えております。
○山中郁子君 大臣、これはあそこを全部国が買えといま言っているわけじゃなくて、それはまた全部地主も売ると言っているわけじゃないんですけれども、少なくともそういう条件があって買えるところ、そしてそこでもってグラウンドなり何なりがつくれるというふうなものについては、ぜひとも、これだけの切実な要望があるわけで、このゴルフ場の問題もあって地元の不満は大変大きいものになっているんですね、そういう意味から、積極的に――予算の関係があるから、いついつまでに必ず買えみたいなことを申し上げているわけじゃないんですけれども、研究もし調査もしていただきたいと存じますけれども、ぜひお約束をいただきたいと思います。
○国務大臣(渡辺栄一君) 河川局長がるるいま御説明いたしておるようでございますけれども、先生の御意見はまた御意見として十分承っておきます。
○山中郁子君 承るだけじゃなくて、積極的に、大臣、その研究もし調査もして対応していただきたいということをお願いしているんです。 これはなぜかといいますと、もうきょうは繰り返しませんけれども、このゴルフ場の開放の問題に関して住民の人たちはやっぱりだまされたと思っているんですよ。それはそうでしょう、コースがあって、それが練習場なんと言ったって常識では通らないわけ。この前の交通安全対策委員会でも建設省はそれに対して合理的な答弁ができなかったんですよ。できなかったにもかかわらず、依然としてやはりそれが練習場だと言って開放されないわけ、広大な地域が。で地元の人たちはそれをだまされたと思って物すごい不信感を持っているんですね。そういうことに対応していただきたいということを全部ひっくるめてですので、ぜひとも、承るだけじゃなくて、積極的に調査もし研究もしてみましょうと、これはお約束してください、大臣。
○国務大臣(渡辺栄一君) これはいまいろいろ局長が答弁いたしておりますけれども、私も詳細経緯を存じておるわけじゃございませんので、ここで私がはっきりしたことを御回答申し上げることは困難でございますが、先生の御意見は十分承りましたので、今後、また勉強さしていただきたいと思います。
○山中郁子君 次に、分譲マンションの欠陥問題についてお伺いいたしますが、行管庁おいでいただいていますでしょうか。 分譲マンションに関する行政監察を行われました。それでその報告をいただきたいんですけれども、これは報告書は大変長いものですから、直接いま私が取り上げる問題に関係のある施工管理等の徹底の勧告、それから瑕疵担保責任期間に関する勧告の部分を御報告いただきたいと思います。
○説明員(橋元徹志君) 施工管理等の徹底と瑕疵担保責任期間について御報告をいたします。 分譲マンションのような耐火構造の建築物につきましては、通常の工事完了検査では不適正工事の発見が困難である場合が多く、今回の調査により判明した不満の中には、天井とか外壁等からの雨漏り、天井、壁のひび割れ、塗装剥離、床のきしみ等の施工不良によると思われるもの、それから上下階、隣の家の物音、漏水等の設計構造上に原因があると思われるものが見られました。また、施工管理及び工事監理の適正な励行確保を図るためには、施工中における特定行政庁の監視、指導が重要であります。したがいまして、この勧告では、建設省に対しまして、建設業者等による施工管理及び工事監理の徹底並びに宅建業界の自主規制による優良物件の供給に努めるよう指導することを指摘したものであります。 次に、瑕疵担保責任期間の問題でございますが、現行の宅地建物取引業法第四十条では、瑕疵担保責任について特約する場合には、目的物件の引き渡しの日から二年以上とするに場合を除き、買い主に不利となる特約をしてはならないこととしております。今回の分譲マンションに関する行政監察の調査結果によりますと、特約しているものの九〇%以上が最低限の二年間となっている状況にあります。一方、雨漏り、排水不良、天井、壁のひび割れ等、居住性能に対する居住者の不満は入居後二年以上五年未満経過したものに多い状況にあり、施工上の瑕疵によると推定されるものが見られるので、宅建業法に基づく二年間の特約が適当か否か疑問であります。したがいまして、この勧告では、建設省に対しまして、瑕疵担保責任特約期間の最低限度の延長について検討することを指摘したものでございます。
○山中郁子君 行管の結果の勧告はそのように出ているわけですけれども、しかも、この中でも指摘されているのですが、建設省による業者への行政指導後にもこういう問題が起きているんです。で、この行管の勧告も踏まえた上で分譲マンションの欠陥問題について建設省はどう対処されているかをお尋ねをいたします。
○政府委員(宮繁護君) 欠陥マンションの問題は、消費者の保護の観点からいたしましても、また優良な住宅を供給する課題からいたしましても大変重要な問題として認識いたしております。 それで、建設省におきましては、昭和五十一年の十二月に計画局長と住宅局長両名でもちまして施工管理、それから工事監理の適正化につきまして、業界団体におきましても、これらにつきまして十分の措置をするように通牒を発したところでございますが、ただいまお話しのように、行政管理庁の方から勧告をいただきまして、昭和五十四年の十二月に、さきに発しました通牒の徹底を図ると同時に、施工管理、それから物件の事前検査の徹底をするようにということで、業界団体、都道府県、それから所要のところに指導いたしたわけでございます。 それから、もう一つお話のございました分譲マンションの瑕疵担保責任の期間延長の御指摘でございますけれども、分譲マンションを含めまして、宅地建物の売り主である業者は、瑕疵担保責任の期間につきましては、ただいまお話のございましたように、現在、二年未満の特約が法律で禁止されております。これは民法の瑕疵担保責任に比べまして買い主に著しく不利な特約をする例が多かったために、法律が改正されて設けられた規定であります。しかしながら、取引の実態から見ましても、取引のときにおきます隠れた瑕疵は必ずしも引き渡し以後二年程度で発見されるとは限っておりません。また、堅固な建物の構造上の瑕疵につきましては、その担保期間として二年の特約を認めることにも問題点がございます。そういう意味で、宅地建物の取引におきます瑕疵担保責任の期間を延長することを検討いたしております。また、昨年九月には、住宅宅地審議会からもその旨の答申もいただいております。 ただ、問題は、具体的にその期間を決めるに際しましては、第一点としまして、瑕疵問題の発生状況を十分調査し把握する必要もございます。また、第二点といたしまして、建物の売り主と買い主の間の問題ですけれども、建物の売り主と建設業者の問題にも関連してまいります。したがいまして建設業者による請負における瑕疵担保の責任期間との調整の問題も検討する必要があります。三番目には、新築・中古住宅の別、あるいは木造・鉄筋等の構造上の別、それから建物の部位等によりまして分けて規定をする必要があると考えられます。こういった検討がいまだ十分に行われておりませんので、現在、勉強中でございます。今後、できるだけ早期に成案を得まして、住宅宅地審議会の意見等も十分拝聴した上で所要の措置を講じてまいりたいと考えております。
○山中郁子君 現在、年間約十万戸と一口に言われていますね、これは大変な量ですよね。そうして、先ほど行管の報告にもありましたけれども、二年を過ぎた期間で出てくる瑕疵についてのトラブルがやはり当然多いわけで、時間が延びれば延びるほどそのトラブルがふえていくわけです。いまでもたくさんあるわけですからね。そういう点ではなるべく早く、行管の勧告の趣旨にも基づくし、また審議会の答申という面もありましょうし、運んでいかなきゃならない問題だと思うんですけれども、どのくらいのめどで、期間と言っても一年ぐらい延ばすんじゃ意味がないんで、大体どういうふうに考えていらっしゃいますか。
○政府委員(宮繁護君) いま申し上げましたように、いろいろな問題点がございますので、いつまでというふうにお約束をいたすことは困難でございますけれども、できるだけ努力いたしまして、早期に実現を見るようにしたいと考えております。
○山中郁子君 しかも、大幅にある程度、一年とかそういう小幅じゃなくて、それなら問題が解決しませんから、大幅に延ばし、そうしてそれを早期に具体化するというように御努力をいただくということを大臣にも、この際、要望しておきたいと思います。 で、すでに売られた分譲マンションで、欠陥マンション、ないしは欠陥とまでいかなくてもさまざまな不備な点があった場合に、それが瑕疵担保責任期間二年が過ぎた後の問題として出てきた場合には、建設省として、業者にどういう指導を現在されているかお尋ねいたします。
○政府委員(宮繁護君) 最近の瑕疵の発生態様につきましてちょっと御報告申し上げますと、業界の団体に加盟いたしております二百七十八社を対象といたしまして、過去に業者みずからが販売した物件につきまして、購入された方々から昭和五十二年四月一日から昭和五十四年三月三十一日までの二年間に瑕疵の補修に関する申し出を受けました事例の調査を行いました。それによりますと、分譲マンションにつきましては瑕疵のうち八六%が竣工後二年以内に発生しております。残りは二年を過ぎた段階で発見されたわけです。 なお、この場合に、竣工後二年を経過した後発見しました瑕疵につきましても、いま申し上げましたようなこの約二百八十業者は非常に良心的でございまして、二年経過した後におきましても、売り主とか、それからこれを建設しました建設業者が費用を負担して補修をしておるような状況でございます。
○山中郁子君 なかなかうまいぐあいにいってないケースが大変多くて、一生の買い物で皆さんそれだけに深刻なんですわ。 建設省も御承知だと思います、かねてから問題になっている大成建設のマンションについて、私はちょっと建設省としてぜひとも力を入れてあげてほしいと思います。買った方たちは本当に深刻な問題なわけですよね。それで大成建設が施工したもので、建築年月日は一九七三年十二月八日です。入居は七五年四月からです。このときの販売パンフレットには「設計を練り、妥協を許さず、万全の配慮を施しました。あなたのご希望のすべてを満たすことができるはずです。十年後、二十年後を考えて企画、設計、建設をすすめました。」こういうことで宣伝をしているわけ。ところが、建設省も知っていらっしゃると思うけれども、一年もたたないうちに次々と欠陥が出てきたんですね。 それでレンジフードかち煙が逆流するとか、排水の悪臭、水漏れ、それから床がきしむですね。ひどいのは、お勝手の水を下水に流す下水管が途中で切れちゃって、ないんですね。だから水がじゃあとみんな下へ落ちているという、こういうちょっと考えられないんですけれども、そういうことなど、ちょっともう時間がないから一々は申し上げませんけれども、大変な欠陥マンションなわけですわ。そして、これが問題になりまして、いろいろ解決した部分もある。解決したというのは、つまり大成がそれを直すということで、だけれども、基本的には解決していないことがまだたくさんあって、現在残っている主要な問題は床の張りかえ問題なんです。 それでこれが大成建設が部分的に張りかえていっても、そのときはそれで床のきしみがとまるのだけれども、旬日を経ずしてまたきしみ出すということで、住民の人たちは大成建設に不信を持っているのですね。これは具体的にも私は聞きましたけれども、大手の大成が技術的にそんなことができないはずはないので、欠陥住宅を修繕するのに、この修繕がまた欠陥修繕なんですね。余りにも誠意がなさ過ぎるということで、住民の方たちが補償のお金を下さい、そして自分たちがほかの業者に頼むというようないま争いになってきているんです。 私は、その点についてぜひとも建設省に力をかしてあげてほしいと、これは切実に要望されていますのでお願いをするわけですけれども、大成建設は本社が出てこないのですよ。横浜支店でやっているんですね。何回繰り返しても本社が出てこないで、住民の方たちは本当に怒って内容証明で本社に問題を出すというようなところまできているんですけれども、きょうも見えていらっしゃるのですが、ぜひとも本社に、大手メーカーの責任できちんと話に出て、そして補償費を払うなり責任のある対応をするということについての建設省としての指導をしていただきたい。いかがでしょう。
○政府委員(宮繁護君) ただいまお話しのように、かなりの問題があったマンションだと私どもも一応理解しております。購入者の方々も大変御迷惑を受けたようでございまして遺憾なことだと思っております。実は、御質問の御通知をいただきまして、会社側からだけは一応事情を聴取いたしましたけれども、いまお話しのような点につきましても、今後、十分考えて対処してまいりたいと考えております。
○山中郁子君 大臣、本当におわかりになると思うのだけれども、二千万とか三千万とかという一生の買い物ですよね。それをしてそれが欠陥で、しかもひどい欠陥じゃもう泣くに泣けないわけで、それをメーカーがそういうことでちっとも誠意を持って対応しないということは、本当に買った人から見れば、だれが責任を持ってくれるのかということで、この辺はよくおわかりだと思いますので、いま私が申し上げましたような線で対応してくださるというお約束でございましたので、少なくとも大成建設の本社に責任を持ってきちんと解決のために腰を上げるということを指導していただくということをぜひともやっていただきたいと思います。重ねて要望を申し上げておきます。 最後に、湾岸道路の問題の千葉県内の部分についてお尋ねをいたします。 これは先日の公害交通対策特別委員会でも質問いたしましたけれども、そのときには公害関係でございましたので、環境庁長官はお見えになりましたが、建設大臣はお見えにならなかったので、改めて担当大臣である建設大臣にお願いもし要望もし、確認もお約束もいただいておきたいと思います。 一つは、千葉県真砂地区の問題です。この前の公害委員会では建設省の方がお見えになりましたから、そこのところは御承知なんですけれども、いま東関道の工事が進められているんですが、大気汚染それから騒音二つともに住民の方たちが独自の調査、その他も含めて、建設省や道路公団の言うとおりになんか絶対にならないということで、大変不安も持ち不信も持っていらっしゃる。そうしてそういう合意ができていないままに工事はどんどん進んでいくという現状です。それで、基本的に言えば、とにかくいま話し合いをして合意ができないという状況なんだから、その工事を一時やめてほしい、そして十分な話し合いをして、建設省が本当にそれで問題がないんだとおっしゃるならば、そういうことを住民が納得できるという正常な状況をまずつくることが先決だというのが住民の方たちの趣旨です。 先ほども、この問題で赤桐委員の方から御質問があったようでございますけれども、具体的にお尋ねいたしますが、建設省、道路公団の御主張によると、その十四号線ですね、つまり現在の騒音の実測値も六十ないし六十六ホンぐらいあるし、計算値でも六十六ホンあるというように数字が出ております、これは夜間の場合ですね。ところが、昭和六十年の予測値は、道路公団の宣伝資料でも検見川ガーデンハイツの十階をとってみますと夜間で約五十六、七ホンぐらいになるんですね。これは基準値である五十ホンを超えているわけで問題があるし、しかも、これは国道十四号線、東関東自動車道ともに制限速度四十キロ、八十キロで走った場合ということになっているんですが、実際には現状は、この前お認めになりましたように、約二十キロオーバーぐらいで走っているわけですね。二十キロオーバーとすれば二ホンぐらいは高くなるということで五十七だとすれば五十九ホンぐらいになる、当然五十ホンという基準を大きく上回ることになるわけですね。こういうことでは解決ができないし大きな問題が残ると思いますので、この点について、先ほど私が初めに申し上げました住民との話し合いですね、そういうことをよく詰めた上で、既成事実みたいに一方的にこれをやってしまうということのないように、建設大臣のお考えとお約束をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(山根孟君) 東京湾岸道路の真砂地区の問題でございますが、現在、先ほど来お話のありましたように、五十四年一月十三日に工事をいたしますに先立ちまして確認書を実は締結をいたしておりますが、その後、ただいまお話のありましたように、三つの建物から白紙撤回の通知が来ておるわけでございます。 これにつきましては、なお私どもの考え方と地域の方々とどうもやはりまだいま調停の場でもいろいろ議論がなされておるわけでございますが、なおよく私どもの考え方も御理解をいただかにゃいかぬ点がございますし、また、いろいろ数字をもお持ちのようでございますとするならば、また、その数字もお聞かせいただかなけりゃならぬ、こう考えるものでございます。
○山中郁子君 時間が限られてきましたので、確認だけしたいんですが、そちらの資料によりましても、この検見川ガーデンハイツの上層部に行きますと五十七ホン、夜間でですね、になりますね。これは基準を大きく上回っていますでしょう。そのことだけちょっと確認します。
○政府委員(山根孟君) これは地元の方に御説明を申し上げた資料の中にもございますように、一部、上層部でございますが、その区間では、ただいま先生のおっしゃいましたような数字になっておることは事実でございます。
○主査(下条進一郎君) 山中君、時間が来ています。
○山中郁子君 一部、上層部ではなくて、五十ホンというのはもっとうんと下なのね。だから、そういう例外的なところじゃなくて、現実に建設省、公団が出した資料によってもすでに基準を上回るということが予定されるわけです。 建設大臣、私、お願いしたいんですけれども、この騒音の問題が一つです。それから大気汚染の問題も、建設省、道路公団は住民の方たちに、窒素酸化物が〇・一七トンに六十年にはなるから、これはいままでの比較から言えば四十九年は〇・二三トンだったから減るんだから心配ないんだと、こういう説明をなすっているんです。ところが、それじゃ仮に減るとしても、それでは基準のうちにおさめられるのかということについては何の説明というか、根拠がないんです、保証がないんです。そういう大気汚染とそれから騒音、二つながらに問題があります。 いま騒音のことはおわかりになったと思うんです。このことにつきまして、私は、この前、環境庁長官に要求をいたしまして、環境庁長官は、なるべく早く現地を見る、そして建設大臣とも協議をする、住民の方たちの間の問題がどういうものであるかわかったからと、こういうふうにお約束をしてくださいました。それで、私は、ぜひとも建設大臣にも現状を見て、そして住民の方たちの要求というものもよく認識していただいて、そして私が重ねて申し上げておりますそうした対応を進めるための御努力もいただきたい、それからまた環境庁長官とも御協議をいただきたい、このことについてお願いをいたしますと同時に、この問題の当面の解決のための住民の要求としては、問題地域のドーム化なんです。で、このドーム化の問題については……
○主査(下条進一郎君) 時間が経過しております。
○山中郁子君 はい、恐れ入ります。 前に、建設省が研究をするというような趣旨の御答弁をなすったことがあるんです。私は、このドーム化の問題について、単なる勉強ということではなくて、具体化について真剣に取り組んでいただきたい、検討していただきたいということを重ね合わせてお願いを申し上げますので、大臣の所見をお伺いいたします。
○国務大臣(渡辺栄一君) まず、私の基本的な考え方から申し上げておきたいと思うんですが、私どもは、各種公共事業を実施するに当たりましては、昭和四十七年六月の「各種公共事業に係る環境保全対策について」という閣議了解に基づきまして、良好な環境の保全につきまして十分留意をして実施をさせておるつもりでございます。 で、いまお話しの東京湾岸道路につきましては、首都圏幹線道路網の一環としましてきわめて重要かつ緊急に整備を必要とする道路であるということは御理解をいただいておると思いますが、その環境の保全につきましては、できるだけの措置を講じていると考えておりますけれども、環境庁からもお話があるとすれば、もちろんお承りしまして善処をせねばならぬと思います。 また、現地の実情を見ろというお話でございますが、私どもは、極力、現地の実情というものは把握をするということに努めたいと考えておりますけれども、御承知のように全国的に広く事業を実施しておりまして、大臣といたしましても時間的な制約もございますので、御提案の件につきましては、今後、検討させていただきたい、かように考えておる次第でございます。
○山中郁子君 終わります。
○主査(下条進一郎君) 以上をもって山中郁子君の質疑は終了いたしました。 ほかに御発言もないようですので、国土庁及び建設省所管に関する質疑は、これをもって終了したものと認めます。 明日は午前十時から分科会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後六時二十分散会 ―――――・―――――