予算委員会 第20号
- 発言数
- 400 件
- 登壇者
- 47 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1980/04/03
会議録
○委員長(山内一郎君) 予算委員会を開会いたします。 昭和五十五年度一般会計予算、昭和五十五年度特別会計予算、昭和五十五年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
○委員長(山内一郎君) まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 昭和五十五年度総予算三案審査のため、本日の委員会に日本銀行総裁前川春雄君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山内一郎君) 御異議ないと認めます。 なお、出席時刻等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山内一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
○委員長(山内一郎君) これより山崎昇君の締めくくり総括質疑を行います。山崎君。(拍手)
○山崎昇君 まず冒頭に、大変世の中が春に向かって明るい方向に向かっているのに、連日起きます事件が暗いものばかり起きてまいりまして心痛むわけでありますが、亡くなられた長岡陽子さんと寺沢由美子さんには心からお悔やみを申し上げるわけでありますけれども、けさの新聞等を私ども見まして、どの新聞も、この寺沢由美子さんの事件はもし警察の初動捜査にミスがなければ防ぎ得たのではないか、こう報道されております。たとえば、見出しだけで申し上げましても、朝日新聞が「初動ミスで第二の犠牲」、毎日新聞は「後手に回った広域捜査」、読売新聞は「悔い残した広域捜査」、こう報ぜられております。 したがって、私は、まず警察庁から、今日までの捜査の概略で結構でありますが、報告を求めたい。さらに、いま申し上げましたようなこの批判に対して一体警察はどうこたえるんだろうか。私は、今後この種の問題が起きないために警察にお聞きをしておきたい。特にこの点は国家公安委員長の見解を聞いておきたいと思うんです。
○政府委員(中平和水君) お答えいたします。 お尋ねの事件は二つございまして、第一の事件は、岐阜県で発生した女性殺人、死体遺棄事件でございます。事件は昭和五十五年の三月の六日、岐阜県の吉城郡古川町の地内におきまして、富山県婦負郡内の女子高校生長岡陽子さんが頸部にへこ帯を巻かれまして絞殺死体となって発見された事件でございます。第二の事件は、長野市内における身のしろ金目的の誘拐事件でございまして、本件は五十五年の三月の五日の夕方、長野市内の信用金庫の職員である被害者の方が近くのバス停のところから誘拐されまして、被害者の氏名は長野信用金庫に勤める寺沢由美子さんという二十歳の女性でありますが、被害者の自宅に三千万円の身のしろ金の要求がなされておった事件でございます。 この第一の事件につきましては、富山と岐阜県警が協力をいたしまして鋭意捜査を進めているところでございます。第二の事件につきましては、長野県警におきまして去る三月三十日被疑者二名を逮捕いたしております。 なお、本件の被害者であります寺沢由美子さんは、昨夜、長野県下で遺体になって発見をされているわけでございます。犯行の動機、殺害方法あるいは共犯者の有無、こういうものについては現在鋭意捜査中でございます。 それから、第二のお尋ねのこの種の事件についての初動の措置に手落ちがなかったかどうか、今後さらに警察としてはどういうふうにこういう事件に対処していくつもりかと、こういうお尋ねでございますが、結果的に私どもこういう不幸な事態になったことはまことに残念に思っておりますし、それからこの事件の反省、教訓というものは今後の捜査に十分生かしていかなきゃならぬと、こういうふうに決意している次第でありますが、この最初の岐阜の事件は、二月の二十三日にこの被害者の長岡さんという女性が石川県の方のある学校に入校されるということで自宅を出られたわけであります。その後、三日、四日たっても子供さんが帰ってこられないということで、二月の二十六日の日になって、御両親の方で親戚等と相談した結果、近くの所轄の警察署に届け出がなされたわけであります。届け出を受けました富山県警では、直ちに家出人という形で手配をいたしまして、県内はもとより隣県等にも一斉の手配を一応しておったわけでございます。しかし、その後所在がわからないままに、三月の六日の日になって岐阜県内で遺体となって発見されてまいったわけでございます。したがいまして、遺体を発見した岐阜県警では、その身元の確認等をやりますと富山県の長岡さんという女性であると、こういうことがわかった次第でありまして、したがいまして、富山県と岐阜県警は共同の捜査態勢を組んで事案の真相に当たっておったわけでございます。 一方、三月の五日、岐阜の死体が発見されましたのは三月六日でございますが、それに先立つ一日前の三月の五日に犯人は長野県にあらわれて、そうした身のしろ金目的の誘拐事件に着手しているわけでございます。長野県といたしまして、三月の七日の夜まで大体八回だろうと思いますが、数回電話をかけてきまして身のしろ金を取ろうといたしましたが、最終的に失敗し、以後連絡は一切絶ったわけでございます。 この事件につきましては、これは被害者の安否がかかっておりますから、報道協定ということで一切の取材、報道は一応御遠慮願って報道機関の自主的な協定のもとに私ども隠密裏に捜査を続けてまいったわけでございます。捜査を続けてまいりますと、だんだんにこれは富山の事件と長野県警の事件とはどうも犯行の手口、手段、方法が相似ていると。そういうことで鋭意捜査を遂げた結果、同一事件であるというふうに認定をいたしまして、去る三月三十日、まず長野県警が誘拐の容疑で逮捕状をとり、現在鋭意真相をきわめていると、こういういきさつでございまして、したがいまして、これは犯行の舞台が富山、岐阜、それから長野、さらに身のしろ金受け渡しの場所が最終的には群馬県にわたったわけでございまして、捜査は非常に広域にわたり、しかも非常に犯人が機動的に動いた事件でございます。各県警がその間いろいろと連絡をとり合ったわけでございますが、そういう点で私どもは捜査は百点であったと決して申しておりません。いろいろこれから反省点、問題点を積み重ねながら、自後こうした不幸な事態が起こらないようにさらにこうした事件に対応を強めてまいりたいと、こういうように考えておる次第でございます。
○国務大臣(後藤田正晴君) 今回の事件は富山、岐阜、長野、現在のところ三県にまたがった事件でございます。各県の警察としてはそれぞれ全力を挙げて捜査に努力をしてくれたと、かように考えております。ただ、やはり県をまたがった事件ということになりますと、まあそれぞれ熱心の余りであるということだと思いまするけれども、とかく、すきができがちであるということは間違いがございません。しかも、こういった数県にまたがっておるということになると、なおさら広域捜査のむずかしさということが出てくるわけで、こういった際には特に関係警察が本当に一体となってやらないとなかなか所期の効果が上がりにくい、こういう性格のものでございますが、従来から、そういう意味合いで管区警察があり、同時にまた警察庁もあって、こういった事件の際には適切なそれぞれの県警の権限の調整ということをやるわけでございますけれども、どうしてもそこにすきができがちであるということは否定ができません。 今回も、けさの新聞を私も読ましていただきましたが、初動捜査に多少のそういった抜かりがあるのではないかという御批判があるようでございますが、まだ捜査全体が終わったものではありませんけれども、いずれにいたしましても、事件捜査というのは、たとえそれがうまくいった場合であっても、いわんや欠陥があるというときには厳しい反省をして、こういった批判を素直に受けとめて、それを自後の捜査に生かしていくという努力がこれは何よりも肝心だろうと思います。そういう意味合いにおいて、この事件についていろいろな御批判がありますから、これは率直に警察としては受けとめて今後の捜査に生かしてくれるものと、かように考えておるわけでございます。
○山崎昇君 確かに報道機関の協力も得て、警察もむずかしい事件の捜査に当たったことは私どもも認めるにやぶさかではありません。しかし、きょうは、私は多くのことを内容的に見ておりませんから、そう突っ込んで議論しようとは思いませんが、いま公安委員長から、熱心な余りすきができていたのではないかと思うという趣旨の答弁がありました。これは受け取り方によってはやはり初動の捜査に多少問題があった、あるいはまたその後に、広域捜査のむずかしさという、また一体感というものをなかなかとりにくいというふうな趣旨の発言もありました。言うならば、一部やはりこれらの批判というものをあなた方は受け入れたと私は考えるわけです。その率直さには敬意を表しておきますが、しかし、今後この種の事件がやっぱり起きないように——あるいはこの内容を見ましても、富山、岐阜で起きた事件以来かなり突っ込んだ捜査をやりながら手抜きが行われたような感じもある。そういう点を私の方も指摘をしておきたいと思いますので、今後この種の初動捜査のミスのないように重ねて私から指摘をして、また公安委員長から重ねてその決意を聞いて、この事件については終えておきたいと思います。
○国務大臣(後藤田正晴君) ただいまお答えをいたしましたように、批判は素直に受けとめて今後の捜査に生かしていきたい。ただ、私の立場として、やはり今回の捜査はもちろんのこと、一線の警察官は全力を挙げてやってくれておるんだということだけは申し上げておきたいと、かように思います。
○山崎昇君 続いて私は、総理にもう一度この政治姿勢というものについてお聞きをしておきたいと思うんです。 私は、三月十日のこの席から、政治不信を解消するためにはやはり総理が毅然たる態度で、いま起きております問題点の一つである浜田幸一問題やら、あるいは糸山選挙違反事件やら、あるいは宇野亨選挙違反事件やら、きちっとした対策を講じなければますます政治不信が起こるんではないか、そういう意味であなたの見解を聞いておりました。しかし、この三週間余り何にもそれらの進展がありませんで、逆にいま与党内では、党刷新連盟でありますとか、あるいは実力者と称される方々の見解は、なぜ与党は浜田幸一の喚問を封ずるんだとか、こういう動きになってまいりました。加えて、このままでは参議院選挙に勝てないからこの問題は何とかせよと。私は、参議院選挙だけ意識してこの政治問題というものを扱っちゃいけないんじゃないだろうか、もっと本質的には政治家の倫理の問題も含めまして議論をしなきゃならぬであろうと考えています。そういう意味では、与党の総裁であり、一国の総理でありますから、あなたの姿勢というものがきわめて私は重要性を帯びてくると思っています。そういう意味で、再びこれらの問題と関連をして、あなたはどうされようとするのか、聞いておきたいと思うのです。
○国務大臣(大平正芳君) 政治不信は取り除かなければなりませんし、疑惑は解明されなければならぬわけでございまして、そのことは山崎さんの、御指摘を待つまでもなく、私は非常に重い責任を持っておりますので、痛切に、痛いほど感じておるわけでございます。したがって、浜田さんの事件につきまして、これを抑えようとか、隠そうとかいうようなつもりは毛頭ございません。ただ、この問題を処理するにいたしましてはもう少し事情をつまびらかにしなければならぬと存じまして、その努力を続けておるわけでございまして、何もしていないわけではございません。しかし、これはなるべく早く処理したいということも私が一番痛切に感じておるものでございまして、鋭意この処理を急いでいかなければならぬと考えております。いまもう少し事情をつまびらかにしなければならぬと存じまして、そのことに努力をいたしておるところでございます。 わが党の中におきましては、御承知のように、これは党紀委員会で事情を聞いたらどうだという意見もございますし、そうでなくて、私を頂点とした執行部が直接責任を持ってやるべきであるという議論もございますし、私といたしましては、われわれ執行部の責任を回避するつもりは毛頭ございません。ただ、党紀委員会で一応党紀の問題として考えて論議をしてもらうという必要があろうという意見もありますので、それを尊重しなければならぬと存じまして、急いでその手続を履修いたしたいと考えております。執行部といたしましてはこれについて最終の責任を持っておるわけでございますので、できるだけ早く処理をいたしたいと考えておるわけでございまして、糸山さんの事件、宇野さんの事件等につきましても同断でございまして、私どもはできるだけ手を尽くして事情をつまびらかにした上におきまして党紀を正してまいり、政治の倫理を正してまいって政治不信の解消に努めなければならぬと、あなたと全く同様な考え方でやっております。参議院選挙があるから急がにゃいかぬとか、参議院選挙を戦えないとかいうような次元の問題ではございませんことば、御指摘を待つまでもございません。政治の倫理自体の問題として厳粛に対処していきたいと思っています。
○山崎昇君 それに関連して、昨年の総選挙の際にいろいろなことが論ぜられましたが、わけてもこの政界浄化の一つの問題点として、政治資金の規制ということがきわめて大きな課題になっている。そこで、内容的には、個人収支の公開あるいは寄付の禁止、あるいは連座制の強化等、公選法の一部にもかかわる事件も含んでおりますが、いずれにいたしましても、こういう政治資金規正法の改正の問題でございますとか、あるいはまた最近起きております一連の天下り問題あるいは官庁の汚職事件等々に関連をして会計検査院法の改正でありますとか、あるいは国民からはもっと政府は多くの情報を提供すべきではないかという意味で情報公開法の制定でありますとか、多くの要求が出されておりますが、一体それらについて総理はどうお考えになるのか。あるいは官房長官は閣議をまとめる一つの立場でありますが、これらの法律案についてどういう考え方をお持ちなのか、この機会でありますから、重ねて聞いておきたいと思う。
○国務大臣(大平正芳君) お尋ねの政治資金規正法でございますが、いまの政治資金規正法は、山崎さんも御承知のように、政党とか団体を規制いたしておりまして、個人の政治資金につきましては触れておりません。これは恐らく個人が自発的に政治家としての自覚を持って処理するものという期待を込めて立法がなされておったのじゃないかと思うのでございますけれども、しかし、最近の記事を見ておりますと、個人の政治資金の明瞭化を図るべきであるというのが恐らく出てまいりましたいろいろな事件との関連において国民の声であろうと思うのでございます。それで去年、私どもの内閣で有識者をお招きいたしまして、この政治倫理の確立についてのいろいろな御意見を聞いた中質個人の政治資金の明瞭化を図る措置も工夫すべきではないかというような御提言をいただきまして、早速自由民主党と政府で検討を始めたわけでございます。幸いにいたしまして、自由民主党の選挙制度調査会の小委員会におきましては一応の案がまとまったわけでございます。その要綱の姿でございますけれども、それをいま党内で機関に諮っておるところでございまして、私は、それがまとまってまいりますならば、成案を得て今国会に提出いたしたいと考えております。 それから、情報公開法の問題でございますが、これはたびたび本委員会におきましても御答弁申し上げておるとおりでございまして、現在、政府はいろいろな手だてで政府の持っておる情報、知識を公開しておる、展示しておる、白書等の姿で国民に開示いたしておるわけでございますけれども、なお現在どこが足らないのかという点をまずきわめなければならぬと存じております。それから同時に、諸外国がこの問題についてどういうようなことをやっておるのかも十分検討せなならぬと存じまして、いま政府の中に係を置きまして、そういう問題を集中的に調査を急いでおるところでございます。これは立法政策上の問題として、情報公開法をつくるかどうかという問題は、たびたび申し上げておりますように、そういった問題のほかに、行政の手続との関連でございますとか、あるいはプライバシーの保護の関連でございますとか、公務員の守秘義務との関連をどうするかとか、ほかの法域との間にいろんな問題があるわけでございます。そういった問題も含めまして検討を急いでおるところでございますが、いつどう公開法をお願いするかということ、お願いするとすればどんな内容のものかというようなことを申し上げるところまではまだ至っていないことは御了承いただきたいと思います。
○国務大臣(伊東正義君) お答え申し上げます。 先生が御質問になった中で一つ残っておりました検査院法の問題でございますが、前の官房長官時代からこの問題に取り組みまして、私も引き続きやっておるのでございますが、いわゆる肩越し検査といいますか、政府関係の金融機関から融資を受けた対象——土地改良区でございますとか中小企業者でございますとか、いろいろな先まで検査を法的にやったらいいだろうという、やるようにすべきであるという検査院の考え方と、そこまで法制化するということは政策金融をやっていくのになじまない、金融を受ける農民とか土地改良区とか中小企業者が心理的な圧迫を非常に受けるということで、政策金融となじまぬじゃないかという行政庁の意見となかなか一致しませんで、どこか私は妥協点がないかと思っていま苦慮しているというところが現状でございます。
○山崎昇君 いまの答弁で確認されたのは、政治資金規正法についてはこの国会に提出する予定だ、あとの二つについては問題点を整理をしていま検討中だというのですが、やはりこういう政界の浄化という問題が国民からも一番大きいテーマとして指摘をされている時期に、この種の問題というのはきちんとしませんと、時間がたったのではなかなかかえって実現できないんじゃないだろうか。もちろん、問題点の詰めはしなければいけませんが、強くこれは要請をしておきたいと思うんです。 それからもう一つ、政界浄化の問題と関連いたしまして先般来議論されております問題に、官財の癒着の問題があります。また、天下り問題等もございます。そこで時間がありませんから一点だけお聞きをしますが、最近人事院は二百三十二名という承認をしたわけでありますが、これに対してもかなり強い批判がいま起きつつあります。人事院は何かそれについて検討をしているとも聞いておるんですが、この天下りという言葉は余り私は好きではありませんが、公務員の民間への就職についてもう少し厳しさがあっていいのではないか。そういう意味で人事院総裁の見解も聞いておきたいし、また官房長官に。関係労組で出しました天下り白書によりますというと、依然として一人が六カ所も七カ所も渡り鳥みたいに回って歩いて多額の退職金をやっぱりもらっている。こういうことはやめるやめると言いながら一向にやめていない。この点についてどうされるのか、きちんとした見解を聞いておきたい。
○政府委員(藤井貞夫君) 公務員がやめまして民間の企業に就職をするという規定の運用につきましては、かねがね世間的にも大変厳しい批判を受けておることは重々承知をいたしておるところでございます。そもそも各省庁と民間企業との関係というものはずっと固定的に続いていくというものではございませんで、その当時の社会情勢なり経済情勢、また企業の実態等の変動に従っていろいろ変わってくるものでございます。それらの事情も十分に把握しながら法の精神というものを貫いていくということが制度運用の私は眼目であるというふうに考えておりまして、その情勢、情勢に応じて従来の基準というものをさらに強めるというようなことも随時やってきておるつもりでございます。たとえば、いままではある会社がありまして、その会社について就職をするという場合に親会社との関係というものは触れておらなかったということでございましたが、しかし、その点は親会社との関係というものが非常に密接であれば、やはり親会社と各省庁との関係というものは放置すべきでないということから、親会社との関係も非常に厳密に調べるというようなことにも心がけておるわけでありまして、今後とも法の精神というものを逸脱しないように厳重に事には処してまいるという姿勢でやってまいりたいという覚悟をいたしておる次第でございます。 何分にもこの問題は、累次御論議をいただいておりますように、いわゆる公務員の憲法上の職業選択の自由、それと公共の福祉の関係というものとの兼ね合いの問題でございますので、それらの点を参酌をしながら世間の御批判というものも謙虚に受けとめて今後とも厳重な運用ということには心がけてまいる所存でございいます。
○国務大臣(伊東正義君) お答え申し上げます。 先生おっしゃったのは、特に特殊法人の役員が転々何カ所も渡っているという実績があるじゃないかということでございます。 過去においては先生おっしゃったようなことが間々あったわけでございますので、昨年の十二月に行政改革の閣議決定をしましたときに一緒にその問題も取り上げまして、本当にやむを得ざる場合はこれは別だけれども、なくしようということで、昨年の十二月以降は特殊法人の間を役員が渡って歩くということは認めないことにしようということでいろいろ人事をやっておりますが、昨年の十二月からはたしか一件もやっていないはずでございます。今後もその方針を厳に貫いていくということで運用してまいりたいというふうに考えております。
○山崎昇君 この種の問題が議論になれば、同じような答弁を必ず繰り返しているんです。しかし何にも改善されてないんです。ここが問題なんですね。 それから、ほとんどの役員が役人出身者で占められておる、これもまた指摘されている事項です。特殊法人その他は、基本的には半官半民みたいな組織でありますから、したがって、民間の血がそれなりに入らなければおかしいと思うんだが、ほとんどの役員が全部と言っていいぐらい官僚出身だけで占められる、これもまた改まっていないんですね。ですから、私はきょうは問題点だけ指摘しておきますが、本当に実行してもらいたい。総理、実行できますか。そうしませんと、幾らここできれいな答弁しても国民は信用しないんです。総理から決意のほどを聞いておきたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) あなたから御指摘をまつまでもなく、その非難を受けるのは私どもでございますので、私どもが申し上げましたことは実行するということが政治信頼の根底であることはよく承知いたしております。
○山崎昇君 それはもうあなたが一番被害者なんというんじゃないんです。あなたがやらなければだれもできない、あなたが実行しなきゃならぬ、その点だけ重ねて申し上げておきます。 それから、もう一つの問題点であります行政改革で一点聞いておきます。大変声高々にいろいろやっているようでありますが、私が先回も申し上げたように、中央の行政事務の改善というのは、これからやるんだそうでありますが、一つもなされていない。 そこでひとつお聞きをしたいのは、一つは審議会というのが一体どういう状況になっているのか。私も多少調べてあります。多少過去に合併したのもありますが、合併しても委員は何も減っていない、逆にふえている。一体これはどういうことなんだろう。さらに、最近は私的諮問機関と称する、国家行政組織法八条違反と思われるような組織が数多くでき上がっておりまして、行管でも余り掌握できてない。一体この私的諮問機関というのは何なんだろうか、これが第二点目。第三点目は、ブロックの機関を多少整理されるそうでありますが、事務の流れを変えなければ私は逆に複雑になるんじゃないんだろうか、こう思います。言うならば、専決処分なり委任規定なりやりまして、第一線の機関にそれ相応の権限をおろさなければ逆に複雑化するんではないだろうか、こう思うんですが、この三点についてお聞きをしておきます。
○国務大臣(宇野宗佑君) 審議会に関しましては、現在二百十二ございます。今回の五十五年行革第一次においては審議会は取り上げておりませんが、実はこれは御承知のとおりに五十三年行革で三十六減らして、審議会の委員の数も千名減らすという大なたをふるっておりますから、とりあえず第一次は定員削減を含めて五本の柱ということで出発いたしました。しかし、その後審議会に関しましては、予算委員会等を通じまして国会からも大きな批判の声が上がり、またわが党からも出ておりますから、これはひとつぜひとも取り上げたいと、かように考えておる次第でございます。そして、審議会の中で、合併したが少しも整理されておらぬじゃないかというのが確かに先年の整理分の中にはございます。中央精神衛生審議会、栄養審議会、結核予防審議会及び伝染病予防調査会、これを統合いたして公衆衛生審議会になっておりますが、それぞれ内容的には重要な部面がございますから、まあ一本になったがその審議会のメンバーの数は同様であったというふうなものが三つばかりございます。それはそれぞれの特色があろうと思いますので、これは特異な例ではないかと思いますが、今後、整理の場合にはそうしたことも十分考えまして、やはり委員の縮減等のことをも考えていかなければならないと思っております。 その次に、私的諮問機関でございますが、審議会はあくまでも法律によって設置され、そのかわりに何か諮問機関があるんじゃないかということでございますが、これは各省庁においてそれぞれ大臣の諮問機関等々においてつくられておりまして、言うならば、機関の意思決定はここではもちろんいたしません。したがって、個々の委員の個個の意見の発表というものはありましょうが、それを事務局が取りまとめて、この諮問機関はこうであったということはあろうかと存ぜられますけれども、行管といたしましては直接これにタッチするわけではございませんが、各省庁に対しましても極力そうしたものが審議会の替え玉であるというふうなことがあってはならないし、十二分に留意をして運営をされるように常に望んでおるところでございます。 第三問は、ブロック機関の整理、再編成、先週閣議決定いたしましたことは御存じのところでございまして、確かに統合だと言っても二重、三重手間になっては、これは話にならぬじゃないかと、仰せのとおりだと思います。私も、A地点とB地点、これが統合されたと、ところが東京に対してちょうど三角形で、何のことはない三角形の二辺をたどるようなことになっては大変だと、こう思いますから、この点に関しましても、今回のブロックの整理、再編成に関しましては十分各省庁とも事務の簡素化、仕事減らし、器減らし、こういうことでやっておるんだということを周知徹底してその実を上げたいと考えております。
○山崎昇君 それらの点は私は見守っておきたいと思います。 次に、私は大蔵大臣に財政問題等で多少お聞きをしたいと思うんですが、まず第一に、恐らくあす予算案は成立するのではないかと想像しておるわけですが、それにいたしましても予算のない日が四日続く、言うならば空白であります。一体この予算のない空白期間というものをどういうふうに私ども理解をしたらいいのか、なぜ暫定予算というものが組まれないんだろうか、暫定予算を組まなくてもいいという法的な根拠はどこにあるんだろうか。まずこの点、大蔵大臣にお聞きをしておきたい。
○国務大臣(竹下登君) 政府といたしましては、新年度開始以前に五十五年度予算が成立させていただけるものと期待をいたしまして、そこで年度内不成立を予想した上で暫定予算を編成するという措置はとらなかったわけであります。しかし、現実には五十五年度予算は、いま山崎委員の御発言によれば、明日成立すると仮にいたしましても三日間の空白期間というものができると、まあこういうことになるわけであります。そのことにつきましては、前例に従いまして、緊急措置として必要最小限の財務処理を行うことによってこれに対処をしてきたわけであります。 一例で申し上げますならば、国会の立法事務費は両院議長の決定により毎月一日に支給されているが、両院議長の御決定によって支給日をおくらせていただくと、こういうことであります。それから、刑務所等における被収容者食糧費につきましては、前年度からの持ち越し食糧によって措置をしておる等々の最小限の事務処理、これは過去の例による主なものでございます。したがって、御案内のように、多額な国費が支出されるというのは、五日に国会職員の方等の給与というような問題がございますので、それまではこのような措置でもって最小限の財務処理を行うことによって、前例にならって対処をさしていただいたと、こういうことであります。
○山崎昇君 それは事実行為としてやっているだけの話で、予算がないのに本来なら支出なんてことはあり得ない。これは理論で言えば。だから私がお聞きしたのは、財政法と関連してどういうことになるんですか。この点明確にしておいてください。私は、ことしは事実行為として過ぎていますから、これ以上のことは言いませんが、来年度以降もやっぱり問題点としては繰り返される。そういう意味では、私は、財政法がある意味では空洞化していく状況にもなるんじゃないかという心配をいたしますから、財政法との関連でお聞きをしておきます。
○政府委員(田中敬君) 国の支出につきましては、すべてこれを予算に計上して支出をしなくてはならないという規定になっておる、これは根本原則でございますが、財政法によります暫定予算につきましては、同法三十条におきまして、「内閣は、必要に応じて、一会計年度のうちの一定期間に係る暫定予算を作成し、これを国会に提出することができる。」というふうに規定されております。先ほど大臣が御答弁申し上げましたとおり、私どもはあくまでただいま御審議いただいております五十五年度予算は期間内に成立させていただけるものと三十一日までは信じて御審議をいただいてきたわけでございますが、こういう事態になりまして、かつまた一般的に、あとわずかの期間で予算の成立を図っていただけるという御意向というものがわかりました段階で、それが二日ないし三日程度であれば、過去の例もあることであるし、ただいま大臣が申し上げました緊急避難的な財務処理によって処理をすることが可能であるということで暫定予算を組まなかったわけでございまして、法律的にはあくまで国の支出は予算に基づいて行わなくてはならないということが財政法の基本でございます。
○山崎昇君 苦しい答弁のようですからこれ以上は申し上げませんが、いずれにしても財政法からいけばいいことではない。ただ過去にこういう例があったからそれに従ったまでだということにしかなりません。そういう意味では、私は厳密に財政法をきちっと守ってほしいということを指摘をしておきます。 次に、いま五十五年度予算をやっているわけでありますれども、日本の予算の編成というのが言うならば増分主義というのをとられておるようであります。しかし、昭和四十四年に一度科学的財務管理をやってみてはどうかというので、調査費を一億つけて検討された時期があったように私ども聞いております。したがって、将来この科学的財務管理という方法をとるお考えがあるのかどうか。最近はゼロベース予算というようなこともかなり議論されておりますが、それとの関連でひとつお聞きをしておきたい。
○国務大臣(竹下登君) 予算編成に当たりまして、増分主義にとらわれることなく、歳出を根底から見直す努力をいたしてきたわけでございますが、いま山崎委員の御質問は、いわゆる四十四年に調査費を計上いたしましたPPBSと、こういうのがございます。プランニング・プログラミング・アンド・バジェッティング・システムと、こういうことでございますが、当時非常に財政硬直化のみぎり、学者の方等からの意見も非常に強かった、議論の大いにあった問題でございますので、それが経過につきましては政府委員からお答えすることを御容赦いただきたいと思います。
○政府委員(田中敬君) 昭和四十四年に一億円の調査費をPPBSにつきまして計上いたしております。御承知のように、昭和四十三年にジョンソン大統領がアメリカにおきましてPPBS予算を初めて採用いたした、その翌年でございます。もともとこのPPBSと申しますのは、マクナマラが一九六三年の国防予算に適用したという経緯がございまして、当時からわが国におきましても科学的手法による予算編成が必要であるということで、これを採用すべく調査費を計上いたしたわけでございます。しかしながら、調査費を計上いたしまして理論的な研究あるいはアメリカに行っての実地研修、あるいは科学的な分析表について各種のケースについてのスタディーを行いました上、財政制度審議会にも諮りまして御審議をいただきまして、翌四十五年の十二月の末に財政制度審議会から御答申をいただいておりますが、この御答申によりますと、やはり時期尚早であるという御意見をいただいております。 私どもも、その後同様の線上で調査を続けてまいりましたけれども、アメリカにおきましても一九七三年にこれが廃止をされました。それは一つには、この予算の編成方式と申しますものが一つの政策目的を達成するために、いわゆる目的に従って別の対応策というものを考えて、その費用対効果を分析してみるというようなことでございましたけれども、これを遂行してまいりました段階で、一つの政策目的といってもどうしても二つ以上の目的が重なり合う。そうすると、目的別のプログラムが非常につくりにくいとか、あるいはこれが経済的な観点からの分析に過ぎて、いわゆる所得再配分の観点からの分析が足りない欠陥があるとか、それから目的を掲げます場合に要求官庁が自分の都合のいいような分析結果しか出さない、それを大局的に判断するのに優劣順位がわからないというような欠点も指摘されましたので、PPBSにつきましてはそのようなことで一応の研究を終え、現在採用するに至っておりませんけれども、私どもはあくまで従来方式の増分主義の査定というものを改めるべきであるということで、あるいはゼロベースあるいはサンセット方式、一律削減あるいはシーリング枠の設定というようなことで、将来とも何らか科学的なむだのない予算、効率的な予算編成方式を今後とも検討してまいりたいと考えております。
○山崎昇君 私は、いまお聞きしているのは財政再建との関連でお聞きをしておるわけです。ただ、私よくわかりませんが、大蔵省には一つの憲法があるそうでありまして、それは主計局に、予算査定権は神聖にして侵すべからざるものだという憲法があるそうであります。その予算査定権の最終責任者はだれかというと主計局の次長が持っている。言うならば、増分主義というのと、予算に飛躍なしというこの原則と、予算査定は大蔵省の官僚の手の中にあるんだという、この三つからいけば、これは一体どういう財政再建ができるのだろうか。いまのままでいって一体財政再建なんぞというのはできるだろうか、私はこういう危惧を持っているわけです。そういう意味で、いま説明ありましたが、アメリカではゼロベース予算ということが検討されている。過去に、いま説明ありましたように、科学的な財務管理方式というものが一応検討された。しかし、検討されたけれども一年でそれば捨てられてしまう。こんなことをやっておったのでは私は財政再建がむずかしいのじゃないかと思うので、いま聞いているわけです。 いま、二、三新しいことを言われましたが、どうかひとつ、いま指摘しましたようなことを中心にやられたんでは財政再建はできませんから、それらの点は十分配慮願うと同時に、二、三重ねてお聞きをしておきますが、私は、いまの予算案を見ておりまして、まず第一に、国債が大変な状態になってきましたね、大蔵大臣。もうすでに国債問題で自殺者が出てきた。さらに補助金は整理する整理すると言うけれども、昭和五十五年度の予算を一つとって見ましても大したものではありません。また、国庫債務負担行為というのが五十六年度以降物すごいものがあります。さらに国債の償還に伴います国債費というのがこれまた大変な問題になってくる。これらを考えてみるときに、財政再建と一口で言うけれども、これはよほどのことを決意してやらなければ私はできないのじゃないかと、こう思うわけです。そういう意味で重ねて大蔵大臣から見解を聞いておきたいと思うんです。
○国務大臣(竹下登君) まず最初、大蔵省内部における慣用語としてございます予算査定権は神聖にして侵すべからず、これは慣用語でありまして、法律上は財政法第十八条の規定に基づいて、大蔵大臣が各省各庁の「見積を検討して必要な調整」を図ると、「概算を作成し、閣議の決定を経なければならない。」、最終的には閣議で決められるべきものであります。そうして国会へ提出して御審議をいただく、したがって、内部における予算査定の神聖不可侵というようなものは慣用語として存在しますが、それだけ厳しく身を律しておれという内部に対する戒めの、自戒の言葉であると、こういうふうに御理解をいただければ幸いであります。 次に、財政再建に立ち向こう基本的な姿勢であります。先ほど来御指摘のありました予算編成に当たって増分主義の予算編成というようなものは、当然これはわれわれとしては何が何%伸びた、何がどれだけ伸びたとかいうことだけでもって予算の基準とするような考え方は持っておりません。御指摘のあったゼロベース予算というような気構えで、五十五年度予算編成に当たりましてもサマーレビュー等を通じて問題点を根底から洗い直して今日に至っておるわけであります。したがいまして、五十五年度予算が財政再建の第一歩を踏み出したというふうに御理解をいただけるといたしますならば、それは一つは、やはり前年当初に対して公債を一兆円減額したということ、二つには、やはり歳出規模を徹底的にこれを抑えたと、一般歳出につきましてはとにかく前年比に対する五・一%ということでございます。それから三番目には、これは税制面の見直しを行ったと、このことであります。第四番目には、先ほど来宇野大臣からもお話があっておりましたいわゆる行政改革、それに伴って補助金等の整理合理化に手を染めたと、この四つの点が私は財政再建第一歩を踏み出したという証左として御理解をいただければ幸いであると思っております。 これからの道はなお厳しいものであります。したがって、基本的には本院において御決議をいただいております財政再建決議のその趣旨に沿って、五十六年度以降に当たりましては、まず歳入歳出両面にわたって国民各階各層の意見を聞きながら財政再建に対してじみちな、そして根気強い努力を続けなければならぬと、これが基本的な物の考え方であります。
○山崎昇君 基本的なことはもう今日までずいぶん議論されているんですよね。ただ私は、やはり財政再建なんというのは、これはなまやさしいことでありませんし、相当なこれはやり方を変えなければできぬのではないだろうかという意味でいまお聞きをしているわけです。 そこで、話題を少し変えて、いま政治の上で最も論じられてまいりました一つに物価対策があります。私は過去ずうっとやってまいりました物価対策をながめてみますというと、いろいろなその年その年でありますが、大筋四つに分かれるのじゃないかと思っております。一つは公共料金を抑制をするということ、二つ目は管理価格というものについてこれもまた相当な規制をしなきゃいかぬ、第三点は流通機構の改善、そして第四点が国際収支という、この四つに集約をされるのじゃないかと考えている一人です。これはその年その年でかなり問題点が違いますが、ずっとなべてみるというとこの四つにわたるのじゃないか。そこで経企庁長官から、この四点私の方で指摘いたしましたが、これについて総合物価対策との関連でどうされていくのか、重ねてひとつこれは整理をしておきたい。 それから、あわせまして日銀総裁から国際収支の面について御見解を聞いておきたい。これは中身としては貿易収支の黒字を見込んでおりますが、これが一体どうなるのか。第二点は、総合収支で昨年よりも赤字が減ることになっておりますが、一体それが可能なのか。赤字が減れば貿易面で国際摩擦が大きくなってくると思うのですが、それらに対してどういう見解をお持ちなのか。さらにいま外貨準備高は一体どういう現状になっておるんだろうか。またきょうも二百五十六円ぐらいの円相場になっておりますが、また日銀ではスイスとのスワッピングとかいろいろな対策を講じてまいりましたが、この円安傾向というのはなかなか抑え切れない。きょう見ますというと、アメリカではついにプライムレートが二割に達したと言われます。そういう意味では、一体この円相場というものをどういうふうに見通されるのか。続けてお聞きしますが、あわせまして欧州の通貨基金制度の創設に伴いまして金の活用をうたっておりますが、一体、金に対する政策をどうおとりになろうとするのか。少し羅列いたしましたが、あわせて見解をお聞きをしておきたい。
○国務大臣(正示啓次郎君) ただいま御指摘のように、物価問題が正念場にいよいよ差しかかっておるわけでございます。そこで、山崎委員は従来の物価政策を全体としておながめになって、公共料金の抑制、管理価格に対する対策、流通機構の改善、国際収支と四つの観点からお考えになっておられる。私も非常に重要な点かと思います。 そこで、一わたりお答えを申し上げますが、まず公共料金については、予算のときにこれはもう各省庁から御協議がございましたので、大蔵当局とも十分連絡をとりながら政府の関係の行政的なものあるいは企業的なものを通じまして経営を徹底的に合理化する。これはいずれ民間の方々にお願いをする段階に来るわけでございますから、政府としても、まずみずからこれをやっていかなければならぬ。行政管理庁とも非常に関係が深いわけでございますが、そういう見地から徹底的にこれを見直しまして、ずいぶん御批判ございますけれども、消費者米価等につきましても本当にぎりぎりまで農林水産当局ともやりまして、最小限度のものを二月から実行していただいた。これは一例にすぎません。なお国鉄等についてもいろいろ御議論がございますが、これは四十二万体制を三十五万というふうなことを前提にいたしまして、相当の努力しておるということの一例としてお聞き取りをいただきたいと思うのであります。 それから何といっても電力、ガスでございますが、これは余り長くこれに時間はとれませんが、この間うち総理を初め内閣全体で取り組みました。通産当局が中心でございます。そこで後から日本銀行総裁からお話があると思いますが、円レート等も北海道では二百三十七円、そして八電力では二百四十二円、それから原油価格は北海道で三十一ドル強、それから八電力では三十二ドル強と、それから八%に配当は抑えてくれ、減価償却は石油代替以外は全部定額法で見てくれ、ベースアップは五・五%と相当きつい抑制をしていただきまして、しかも必要なエネルギーの安定供給等、物価対策という点から本当に私は努力をしていただいたと思っております。しかし、これがこれから実行できるかどうか、一にかかって原油価格あるいは国際収支からくる円レート、こういう問題については後で日本銀行総裁からお話があると思いますが、われわれとしては決してなまぬるいことはいたしておりませんということを特に申し上げておきたいと思うのであります。 管理価格につきましては、これは電力の若干の波及、そういう点において、いまわれわれは経済界に対しても強く生産性向上で吸収してほしいという要望をしておることはすでに御承知かと存じます。また、公正取引委員会におきましては、同調的値上げの疑いのあるものとかその他につきまして厳しく監視をし報告を求めると、こういう態勢で進んでおることは御案内のとおりでございます。 流通機構につきましても、これは多年の積もり積もったものがございますが、これに対して毎年度予算等においても改善の経費を計上いたしましていろいろ努力をしておるわけでございますが、一朝一夕にはまいりませんが漸次改善されつつある、特に産直といいますか、生産地から消費者へ直結する、こういう面では相当やっぱり改善を見ておるわけでございまして、スーパーなんかでは価格を凍結するというふうな動きもございます。あるいは消費者組合の価格関係で大いに貢献をしておられるというふうな点もございます。私は、これから経済界の方々に生産性を向上してコストの波及をできるだけ食いとめてくれという御要望をすると同時に、消費者の方々にはできるだけ生産地から直接新鮮な、また価格の安い物を獲得するようにみんなでひとつやろうじゃありませんかと、こう私は呼びかけようと思っております。これがやっぱり物価対策としては重要な一つの柱だと思っておりますから、そういう点を考えておるわけでございます。 後で日本銀行総裁お見えになりますが、円レートをやっぱり適正なところに保つことは物価対策の大きな要素であることは御指摘のとおりと思いますが、これは日本銀行総裁からお答えがあると思います。
○参考人(前川春雄君) お答えいたします。 最初に国際収支の見通しでございます。国際収支もいろいろ内容がございますけれども、まず貿易収支でございますが、輸出は、最近の円安傾向もございますし海外市場がかなりインフレ的な情勢になっているということもございまして、現在のところ着実に輸出は上昇傾向にあるというふうに思います。一方、輸入でございまするけれども、何分原油価格その他の一次産品価格全部大幅上昇いたしましたので、輸入を金額的に見ますると、まだかなり前年に比べて高いわけでございますけれども、輸入の数量的にはもうすでに上昇傾向はとまりましたし、現実にはやや減少傾向が出てきておるということでございまして、これから総合的な物価対策ということの効果も出てまいりますし、総需要に対する適切な管理ということが効果が出てまいりますれば、そういうふうな貿易収支の改善傾向というのは着実に進むものであろうというふうに思っております。そういう意味で、経常収支につきましてはまだ現在のところ赤字が続いておりまするけれども、昨年の十−十二月が赤字のピークであったというふうに思いまするので、今後これからは改善に向かっていくことはまず間違いないというふうに思いますが、そのスピードは余り速くないというふうに思います。経常勘定以外の国際収支の項目といたしましては、資本勘定の動きがございます。これも黒字対策として資本の流出促進策をいろいろ過去にはとってまいりましたけれども、現在では状況が一変いたしましたので、むしろ資本勘定の流入促進策をいまとっておるわけでございまするが、そういう効果はこれから着実に出てくるであろうというふうに考えております。そういう意味で、国際収支につきましては漸次改善に向かうことは大体確実に予想できるであろうと思います。 貿易摩擦等についての御懸念もございますが、前回の第一次石油ショックの後は高度成長からかなり強い引き締めが行われました。そのために内需が極度に圧迫され、いわゆる需給ギャップというものが出ましたので輸出プレッシャーが非常にかかったわけでございますが、今度はそれほど大きな成長率の屈折はございません。その点は前回とはかなり違うのではないかというふうに思いますが、ただ個々の商品についてはそういう危険が起こることは十分考えられますので、前回の経験もございまするので、各業界においてはそれぞれ十分情勢を的確に判断されて自制していただきたいというふうに私どもも希望しております。 外貨準備がいま毎月減ってきておりまして、三月末に百八十五億ドルぐらいになりました。三月、相場安定のためにかなり強度の市場介入をいたしましたために外貨準備が必然に減るわけでございますが、現在の水準が私どもが適切な為替政策を運営してまいります上において十分な水準であるというふうに私どもは考えております。また、これが非常に不足いたしましたときに、これを補てんする方法はいろいろ方法ございまするので、その点については全然心配をしておりません。 円安、円相場の問題についてでございまするが、円相場は為替市場における外貨と円との需給関係でございまするので、基本的に国際収支が赤字を続けておりまするときには円安になる傾向を持つわけでございまするが、相場は何分市場における需給関係のあらわれでございますので、そういうふうな国際収支だけでなくて、国際収支の先行きに対する見通しというのが市場関係者によってどう受け取られるかということが大きな要素になります。また、何分マーケットのことでございまするから、心理的にいろいろの要素で動きます。現在は心理的にやや行き過ぎておるというふうに私ども判断いたしております。もう一つ、相場は通貨の間の相対関係でございまするので、ドルが強くなりますると円が安くなるというような傾向になります。いろいろそういうふうな要素が総合されまするので、的確にそのときの情勢をそのときどきに判断することはなかなかむずかしいわけでございまするけれども、私どもいまの状態で円相場はいろいろそういう状況を総合いたしましてもやや行過ぎておると、円安の方に行き過ぎておるというふうに判断いたしております。いろいろ三月の初めにアメリカ、ドイツ、スイスとも相談いたしまして市場介入を強める、同時に行き過ぎた円安傾向に対してそれを阻止するような動きの措置をとったわけでございまするが、その主要国がそういうふうに協調して為替相場の安定に努力するということは非常に市場の心理的にもいい影響があるというふうに判断しておりますが、その一環といたしまして一昨日スイス中央銀行との間のスワップ協定も結んだわけでございまするが、こういう措置がだんだん功を奏しまして市場の安定化に進んでほしいというふうに思っております。 アメリカの高金利というのはいま非常に大きな問題になっておりまして、米ドルが強くなっておりまするのも大きな背景の一つでございます。世界的な高金利競争ということをいろいろ言われておりまするけれども、確かに高金利が続くことが望ましい状態ではございませんけれども、一方、物価の上昇傾向がそれぞれ主要国で二けたになっておりまする状態では、金利についてもそういうふうな高い金利が続くということはある程度やむを得ないことでございます。現在主要国の間の共通の認識といたしましては、高金利は確かに望ましいことではないけれども、それぞれの国がまずインフレを収束することが一番肝要であるということが共通の認識になっておりまするので、そういう意味で、高金利も続いておりまするが、漸次そのインフレの収束とともにその高金利がだんだんおさまっていくことは望ましい状態であるというふうに思っております。 金の問題についての御質問ございました。国際通貨制度の中でIMF協定の第二次改定が先年行われまして、その結果IMFの取引の中で金というものを排除するという方針が決まりまして、日本もその線を支持しておるわけでございます。国際通貨制度全体の中で金の役割りというのはだんだんもう、少なくとも国際的な取引には金を使わない、あるいは金を中心には考えないという思想になってきておるわけでございまするが、しかし一方、各国の外貨準備の中で金の割合はまだかなり多いわけでございまするので、金の価格が非常に変動するということは望ましいことではございません。」われわれは、そういう金の価格が安定することは望ましいというふうに考えております。ただ、御承知のように、一月には八百五十ドルになり、現在では五百ドルを割るというような非常に大きな激しい変動をいたしておる金を再び国際通貨制度の中心に据えるということは非常に危険でございまするので、そういう論評が一部にはございまするけれども、私は現実の姿としてはそういうことにならないと思いますし、また、現に金の産出量も、いまは工業用あるいは民間の需要で手いっぱいでございまして、通貨用に金をさらにふやすというような余裕がございませんので、そういうふうな金が再び脚光を浴びるというふうなことはないと思います。ただ、先ほど申し上げましたように、全体の各国の通貨準備の中の、外貨準備の中の金の割合は大きいわけでございますので、その価格が安定することは望ましいことであるというふうに考えております。
○山崎昇君 総じて国際収支関係についてはそう心配は要らないんじゃないかというふうにもとれる回答がいまあったわけですから、そのとおり承ってだけおきます。 ただ、私は三月の十日にここで質問したときには、円相場が二百四十八円ぐらいでして、当時、副総裁の澄田さんとの間に二百五十円をめぐっての攻防ではないかという論議をしたわけでありますが、いまもうすでに二百五十六円ぐらいでありますから、二百六十円をめぐっての何か攻防戦みたいな様相になってきている。これは幾らがいいのかということは、幾らあなたに聞いても答えられないことではあるんだろうけれども、ただ、当時の論議からいけば、やはり二百五十円ぐらいまで何とか守ろうとするのかなあという気持ちを私ども持っているのですが、私どものその気持ちがいいのかどうか、答えられる範囲内でひとつお答えを願っておきたい。
○参考人(前川春雄君) 三月中の円相場は二百四十八円、九円のところで推移いたしまして、ほとんど月中変動しておりません。かなり安定しておったというふうに思います。その間、たとえばドイツマルクあるいはスイスフランというのは三月中にそれぞれ一〇%下落しておるわけでございます。ああいうふうに非常に世界的には強い通貨であると思われておるドイツマルクあるいはスイスフランが月中に一〇%の低落をしておる。一方、円はほとんど横ばいであったという点は、それなりに円の安定的な効果があったというふうに思います。しかし、なぜドイツマルク、スイスフランがそういうふうに大きく下落したかというのは、確かに一つは、一番大きな原因はやはりドルが強くなっているということ、非常に大量の資金、資本がヨーロッパからアメリカに移っておるわけでございます。その背景は、確かにアメリカの高金利というものもございまするけれども、もう一つは、やはりアフガニスタンその他の欧州の国際的な政治不安ということが背景にあったというふうに思っておるわけでございます。 先ほど申し上げました為替相場を動かす要因というのは幾つかあるわけでございまするけれども、相手方の通貨が強くなりますと、どうしても反射的に弱くなるという面がございまして、それに対して私ども市場介入を非常に強化いたしまして、その結果外貨準備があれだけ減るというような結果になったわけでございまするが、しかし、それにもやはり市場心理が一方に非常に傾いたときにはなかなか介入だけでとどめられないその限界がある程度あるというふうに思います。一方、市場心理がそういうふうに行き過ぎて動いておるときには、やはり反動的にまたもとへ戻るという期待は十分考えられるわけでございます。 私ども、為替相場についてどこが適正な水準であるというのは、市場で決まるわけでございまするから、なかなかそれは申し上げにくいわけでございまするけれども、いずれにいたしましても、相場を安定することが極力望ましいことでございまするので、できるだけそういうふうに今後もしてまいりたいと思います。けさも寄りつき二百五十七円から始まっておりまするけれども、その後二百五十六円まで円高になってきております。市場心理でもそういうふうに行き過ぎますと訂正されるという動きがございまするので、そういう動きが今後もさらに強まることを期待しております。
○山崎昇君 次に、経企庁長官に一点お聞きしますが、いま、インフレ収束、物価問題で議論しているんですが、何か秋口あたりから景気の動向が少し下がるのではないかという観測がもうすでに流されておるわけです。したがって、この物価の問題と景気の問題というのはなかなかむずかしい点もありますが、この景気動向に対してどんな見通しを持っておられるのか、お聞きをしておきたい。 それから大蔵大臣にもお聞きしますが、きょうの新聞報道でありますが、予算が成立すれば一般経費も一部留保するというような見出しで出ておりますが、この予算執行と関連をして物価対策をやっておるわけでありますけれども、しかし、景気動向というのもまた財政面から見るとこれは大変大きな課題に私はなっていくんではないんだろうかという意味で、大蔵大臣の見解もひとつ聞いておきたいと思います。
○国務大臣(正示啓次郎君) 先ほどお答え申し上げたように、当面は、物価正念場、物価非常事態という認識で物価対策に全力投球をいたしておりますが、おっしゃるとおり、経済の堅実なる成長、これもまた片時もおろそかにできない問題でございます。当面の景気は、設備投資の底がたい増大傾向、それから円安は、これは申し上げにくいのですが、輸出に対しては相当有利に働いておることも事実でございます。輸出はいろいろ摩擦現象というようなこともございますけれども、本当は相当喜ばれて、省エネルギーの日本の自動車とか、あるいはOPEC——オイルダラーを持っておられるところへは切実に要望されるプラント輸出というふうなことで、これも非常にむずかしいところでございますが、外交関係等に十分配慮しながら今後とも堅実に伸ばしていきたい。 それから個人消費も、今日のところ非常にまだ堅調でございます。しかし、これはみんなインフレと非常に関連の深い問題でございますので、物価の安定ということがこの前提になっておるわけでございますから、努力をしなければならぬと思っております。 そんなようなわけで、生産が堅実に伸びておりまして、出荷も増加傾向にあるというのが今日の状態でございます。しかし、さっき申し上げたような物価面、特に卸売物価、これは相当大きく上がっておりますことはもう御案内のとおりであります。ただ、その中で原油なんかは、先ほどもちょっと申し上げたように、余り上がらないようにいろいろ民間の方々も政府もこれはもう万全の努力をしていかなければならぬと考えておるわけでございますが、そういう物価関係の警戒信号というものは依然として非常にこれは強いものでございますから、そういう面あるいはまた、いまお話しの為替レートの面、私は、日本の経営者の方々が、何かやっぱりしっかり経済の足元を固めて、今後の経営の方針を立てる基盤を早く安定させてほしいと、これがいま切実なる御要請であり、またそれは本当に無理もないことだと思いますので、先ほど日本銀行総裁がおっしゃられたように、また、いま大蔵大臣もお答えになると思いますが、われわれの十九日の総合物価対策は、適切なる総需要の管理、生産性向上、これを柱にいたしまして、まず足元をしっかり固める、インフレに対するわれわれのこれを勝ち抜けるという自信を皆さんに持っていただく。これが経営者、労働組合の方々、消費者の方々にも非常に大事な点かと思っております。そういう努力が実っていきますと、いま山崎委員がお示しになったように、下期に大変景気は落ち込むというふうな一部の見方もありますけれども、私は日本の経済の持っておるバイタリティー、これは私は相当なものだと思うんです。問題はその足元をしっかり固めるということが先決だと思っております。そういうことをいたしますれば、私は、われわれの見通しである四・八%、これはあの最初予算提出ころ、どうも経企庁の四・八は甘いんじゃないか、民間はもっともっと低いぞと、しかし、いまはもう民間はだんだん四・八の方へ歩み寄ってこられまして、どうも四・八ぐらいはいきそうだなと、こういうのが一般の声だと思うんです。ただ六・四についてはこれはしっかりやらなきゃだめだ、こういうことだと思いますので、これからもその成長については堅実なる歩みを確保するように努力したいと思っ ております。
○国務大臣(竹下登君) けさの朝日新聞に、大蔵省は五十五年度の厳しい財政事情にかんがみて一般行政経費の一定部分の留保をする方針を固めたではないか、こういうような報道があったことは私どもも承知しております。 基本的に申しますと、五十五年度予算の執行がかなり厳しい状況にあることは確かでございますものの、現在いま本院で御審議をいただいておる段階でこのような方針を固めたというような事実はございません。五十五年度予算の執行につきましては、予算成立後の段階で慎重に検討してまいらなければならない課題であります。ただ四党申し合わせの中におきましても、節減、合理化の具体的な数字まで示していただいておりますので、そういうことを踏まえて、この予算執行に当たっての検討は慎重にしてまいらなければならないと思っております。ただ、そういう記事が出ます背景は、先ほど抽象的に過ぎましたが、いま山崎委員から御指摘のあった国債を年度内にでも可能な限り減額するという気構えがあるではないか、あるいは補助金整理もそれなりの千六百六十七億円というものを減額いたしましたものの、もっとこれからサマーレビューもやるそうだが、その中で、もとより五十六年に対しては当然であるが、いろんな執行に当たっての配慮をするではないか、あるいはまた、もう一つは公共事業の抑制の問題、いま正示経済企画庁長官からもお話がありましたように、「当面、抑制的な事業施行を図るものとする。」、ここまで決めておるわけでございますから、いま鋭意各省庁との間で予算現額が現実問題としての繰り越しがどうなるかという正確な数字を把握中でございますので、これらに対しても、予算成立後、この「抑制的な事業施行」という方針でまた執行の方針を検討してまいらなきやならぬというのは当然のことであります。それがまた物価対策にも資することである。下期の問題については、経済企画庁長官からもお答えがございましたが、そのときの弾力的な運営によって対応していかなければならぬというふうに考えております。
○山崎昇君 関連して通産大臣に一点お聞きしますが、石油の需給の見通しと、それからこれは通告しておりませんでしたが、最近また一、二のところで価格の値上げが通告されたとも聞いておりますが、需給の見通しと、それから石油の価格について今後の見通し、どういうお考えを持っているか、この機会に聞いておきたい。
○国務大臣(佐々木義武君) 石油の今年度五十五年度の見通しでございますけれども、これはIEAの見通しが一番定着しているんじゃないかと思います。それによりますと、大体需給関係は少し供給の方が上回るということで、世界的には需給はまずまずの状況でいけるんじゃなかろうかというふうに見られてございます。 価格の問題でございますけれども、価格の問題に関しましても、需給状況がそういう状況でございますから、それを反映いたしまして、ただいまスポット物などはわりあいに下がったと申しますか、落ちついてきていますので、全般的には去年の暮あるいはことしの一月等に見られましたような、ああいう狂奔的な価格上昇というものは原油に関してはあり得ないんじゃないかというふうに考えております。いま方々の国で1方々と言うと少し言い過ぎでございますけれども、値下げをしておる国もございます。あるいは値上げをしようというところもございまして、にわかに判断はできませんけれども、しかし、総体的に判断いたしますと、いま申しましたような傾向だというふうに考えてございます。
○委員長(山内一郎君) 前川参考人には、御多忙中のところ御出席くださいまして、まことにありがとうございました。御退席いただいて結構でございます。
○山崎昇君 次に、自治大臣に地方行財政で一、二点お聞きをしておきたいと思います。 一点は、地方制度調査会の十七次答申、また十八次の会合が持たれておりますが、その中でも出ておりますように、この答申について今後具体的にどういうふうにされていくのか、その具体的な方針について一点お聞きしたい。 それから二点目は、国の行政改革に関連をしまして、自治体にも政府としては要望しておるようでありますが、自治体の事務というのは大体七割を超えているのが機関委任事務と言われております。したがって、この機関委任事務についてきちんとした見解を持たなければ自治体の行政改革というのはなかなか事実上進まぬではないか、したがって、それについての見解。 それから第三点は、昭和二十二年に地方自治法が施行以来問題になっております附則八条の国費職員の身分移管という問題についてどうされるのか、これはあわせて関連いたします運輸大臣、そしてまた厚生大臣、労働大臣からも見解を聞いておきます。 それからあわせまして地方交付税の問題が議論になっておりますが、交付税の性格について確認をしておきたいと思います。これは私ども承知する限りは一般財源と同様であって、これは地方公共団体の固有の財源だという趣旨のことが今日まで述べられておりますが、そのとおりでいいかどうか、もう一遍確認をしておきたいと思います。 それからその次に、ことしは交付税の繰り越しをやっておりますが、一体これはどういう理由で、その根拠は何かということもあわせて御説明を願いたい。 それからもう一点は、昭和五十年の十月に地方六団体が調査をいたしまして六千三百六十億円という超過負担というものを明示をいたしておりますが、これがもうほとんど解消されてない。先般、地方公聴会に参りましたら自治体の代表から、五十四年度でわずか三百六十億円、五十五年度では二百四十二億円、この程度の解消であってほとんど進んでいない、いまのままでいけば二十年もかかるんじゃないか、一体、中央は何しているんだという声がございました。そういう意味で、この超過負担の解消についてどういう見解を持つのか、まずお聞きをしておきたいと思います。
○国務大臣(後藤田正晴君) 最初の御質問は、十七次の地方制度調査会の答申をどうするんだと、こういうことでございますが、これは御承知のように、一つは国、地方を通ずる行財政の簡素、合理化、いま一つは地方分権の推進と、この二つの御答申をいただいておるわけでございますが、この中身は、現在地方団体が抱えておるいろいろな課題について徹底した御論議をしていただいてその解決手段まで御答申をいただいておるわけでございまして、私どもとしては、まことに尊重しなきゃならぬ御意見だと、かように考えております。したがいまして、最近、国のこの行財政の改革問題、これと並びまして、やはりこういった問題は国、地方を通ずる問題でございますから、非常に機会としてはいい機会だと、したがって、この御答申の趣旨を生かしながら、私どもとしては、地方団体について事務、事業の見直しであるとか、あるいは補助金の問題であるとか、あるいは地方公務員の問題であるとか、いろいろな点についての改革をこの線に沿ってやっていきたい。ただ、十七次のこの答申は、やはり何といいますか、中長期にわたる基本的な問題を含んでおりまするので、やはりできるものから、私どもとしては、あらゆる機会をとらえて実施をしてまいりたいと、かように考えるわけでございます。 その次の御質問は、機関委任事務が大変多いじゃないかと、こういう御意見でございます。現在のこの地方団体の仕事の多くは法令に基づいておるわけでございます。ところが、法令に基づく事務というのは国、地方公共団体がそれぞれの立場で深い関心を持っている事務がほとんどでございます。したがって、どうしてもその場合に国の出先機関だけで仕事をするというわけにもまいらない、地方団体だけというわけにもまいらない。両方が関心を持っているわけでございますから、そこでどうしてもその中間的な物の考え方として、機関委任でやってもらおうと、こういうことで、だんだんふえております。しかし、その中身をしさいに見ますと、毎年毎年これはふえているんですね。しかも、本来、言えば身近なところでやる仕事は地方団体の事務、団体事務として任してやるのが適当であろうというものが私はたくさんあると思います。これらについても国、地方を通ずる行政改革の一環として漸次見直しをしていただきたい。また、法令の見直しと同時に、新しい法令をつくるときには、こういった点も十分配慮していただくように各省庁に自治省としてはお願いをしていきたいと、かように考えます。 もう一つは、地方事務官制度はどうだと、こういうことでございますが、これは御案内のように、ことしの六月までに結論を出すという方針を政府は決めております。いま残っておるのは陸運関係、それから社会保険、職安、雇用保険、大体これだけが残っておるわけでございますが、平たく言えば、これはぬえみたいなものなんですね。これは昭和二十二年以来三十年も「当分の間」で置かれているわけですから、いかにも私はふぐあいだと思います。ただ、これについても関係省はそれなりのやはり存在理由を認めているわけですから、私どもの主張どおりにまいるとは思いません。しかし、私どもとしては、やはりこういったぬえのようなものは早く解決すべきだ。同時にまた、地方の府県の職員となっているんですから、そこらを踏まえまして、私どもとしては、できる限りは、この権限の分配と並びまして、そしてこの身分問題もでき得べくんば都道府県の職員にしたいというのがこれは自治省としての考え方でございます。 それからもう一点は、地方交付税の性格はどうなんだと、こういうことでございますが、これは現在の国、地方の事務の配分、税源配分というものを前提としながら、地方公共団体の調整の財源であると同時に、地方の財源保障の性格を持っておる地方税と並んでの一般財源であると、かような私どもとしては考え方を持っておるわけでございます。そこで、ことしの補正予算に関連をして繰り越したのはどういうことだと、こういうことでございますが、これは五十四年度の補正予算に伴う国税三税に対する地方交付税分というものは、これはやはり五十四年度で配分するのがこれは私は原則であろうと思います。しかし、御案内のように、五十四年度は税収もございましたし、地方団体の財源不足というものも当初の計画どおり大体いけると、しかも年度末押し迫っての配分ということになりますとそこらに多少の問題が出てきますし、ここで配分のし直しということになりますと、税収との関連において団体によってはこれは減額を受けるところもあるわけですね。そういったことを考えたのと、同時にまた、五十年以来毎年毎年これは巨額の財源不足を生じておりますから、五十五年度もやはり財源不足が相当出てくるということを私どもとして予想しておったわけです。ならば、この際はやはり五十五年度に繰り越すことによって五十五年度の財源不足をできるだけ減らす。同時に、その際に、地方債、財源対策債ですね、これをできる限りは減らしたい。そのことが地方財政の再建にやはり役立つのではないのかと、こういう観点で例外的な処置をしてことしは繰り越したと、かような次第でございます。
○山崎昇君 超過負担。
○国務大臣(後藤田正晴君) 失礼しました。 超過負担の問題、これまた長い課題でございます。そこで、四十二年でしたか三年でしたか以来毎年、超過負担というのはこれは財政秩序を乱すもとでございますので、大蔵省、同時にまた関係省庁とも実態調査をやっているんです。その実態調査に基づいて毎年毎年数百億ずつ超過負担の解消ということで努力をしております。今後も努力をしていきたい。ただ、この際に地方にも考えていただかなきゃならぬ点があります。国としては、当然量の問題、それから単価の問題、これらについて直すべきところは直していただきたいと、かように思いますが、地方も、何といいますか、一定の基準以上に、どうしても施設等について見れば、この際同じやるのならといったようなことでの超過負担もあるわけですから、そこらは両々相まって私は努力をして解消を図りたいと、かように考えます。
○国務大臣(地崎宇三郎君) 陸運関係の地方事務官制度の取り扱いにつきましては、昨年十二月の閣議で決定されておりますので、その方針によりまして、自動車の検査登録関係の事務を国の直轄事務とすることとする内容といたしました道路運送車両法の一部を改正する法律案を今国会に再提出をしております。これによりますと、陸運関係の地方事務官二千九百四十三人のうち約九割については解決されるわけでございまして、残される輸送行政事務の取り扱いにつきましては、本年六月までを目途として結論を得るように関係省庁間と検討しているところでございます。
○国務大臣(野呂恭一君) 厚生省関係の地方事務官制度の取り扱いでございますが、運輸大臣からもお話がありましたように、昨年の十二月の閣議決定に基づきまして、本年六月を目途として結論を得たいということで関係省庁と協議をいたしておりますが、厚生省といたしましては、この問題は、業務の性格、実態によって考えていかなきゃならぬ問題でございます。したがって、社会保険業務のあり方と切り離すことのできない問題でございますから、全国統一的に事業を実施するという社会保険業務の性格を踏まえて、国が保険者としての経営責任を全うし得るためには、やはり国家公務員で実施する必要があるというふうに考えておるわけでございます。 第二点の超過負担の解消でございますが、厚生省はかなりこの問題は多いわけでありますが、やっぱり地域の状況、事業の種類によって対応が異なっておるわけでございますから、一律にこれを論ずることは大変むずかしい問題でございますが、従来から地方公共団体に過大な負担のかからないように努力を進めてまいったわけであります。五十五年度におきましては、五十四年の大蔵、厚生、自治三省の合同の実態調査を踏まえまして、社会福祉施設等の設備整備費の補助金の超過負担解消措置を講じたわけでございまして、たとえば養護老人ホームであるとか特別養護老人ホームの対象面積を広げまして、超過負担解消額としては約四億八千三百万円というものでございます。また補助金、いろいろの単価の改善をいたしてまいっておるわけでございまして、補助の対象の範囲あるいは基準面積の拡大、補助内容についての充実を図ってまいりまして超過負担の解消に努力をいたしておるわけでございます。
○国務大臣(藤波孝生君) 職業安定に関する行政は、委員御理解をいただいておりますように、求人、求職という両方の面から考えまして、都道府県という区域を越えて全国的な規模で対応していかなきゃいかぬという一面と、同時に、それぞれの地域の特色を十分頭に置いて対応していかなきゃいかぬという面と両面持っておるわけでございます。そこで、地方事務官という仕組みの中で所要の調整の機能を当分の間十分に果たしながら今日に至ったと、こういうふうに考えておるわけでございます。その仕事が着実に進められてまいりましたことを私どもとしては非常に意義があったというふうに確信をいたしております。 ただ、十二月の閣議で、いまそれぞれお話がございましたように、行政改革の計画に基づきまして、六月の末に一つの結論を得るということになっておりますので、関係省庁と十分協議をいたしまして一つの結論を得るように努力をしてまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○山崎昇君 地方事務官の問題は、今日まで同じ答弁を繰り返しているだけです。そして、あらゆるところで出しております結論は、都道府県に移管すべきである、こういう結論なんですね。ですから、私は当然地方自治体の意向をくんであなた方はこの問題の処理をすべきであるということを重ねて指摘をしておきます。 さらに、超過負担の問題は自治大臣から調査中という話でありますが、すでに地方六団体が調査して出したのは五十年十月です。一体この五年間何をやっておるんですかね、そうなれば。中央政府というのは地方団体が一生懸命になって調査して出しても余り顧みない、こういう態度に対して私どもはやっぱり納得ができないんです。そういう意味で、さっぱりこれは解消されておりませんから、もっと真剣にやってもらいたい。少なくとも地方六団体が一致して、これは現実に調査したものでありますから、その点だけ重ねて指摘をしておきたいと思います。 それから次に、官房長官にこれはお聞きしますが、オリンピック問題について聞いておきます。一体、これはどうされますか。すでにIOCの大勢は参加の方向になっている。あるいは西欧十六カ国のオリンピック組織委員会等々の動向もまた参加の方向になっている。またアメリカの国内の動向も変わってきている。こういう点を考えると、一体、日本政府はこれをどうするのだろうか。さらに、私は河野さんに会ったわけではありませんが、体育協会の会長としては参加の方向の意思を持っているようであります。加えて、これも出ておりますのは中央公論の四月号です。「朝日」のアフリカの特派員の報道として、カーター大統領の特使として行きましたあの拳闘をやるモハメッド・アリがタンザニアで答弁できなかったという、なぜ答弁できないか。それは一九七六年のモントリオールの五輪をボイコットするときに、アメリカは、スポーツと政治は別だ、こう言ってあの問題に同調しなかったと報道されています。したがって、この点をつかれてアリさんは答弁ができなかったと報道されております。私は、このオリンピックの問題でいま一番重要なのは、参加するかどうかで選手が一番いま苦しいのではないか、一番大事なときではないか。なぜアメリカだけに追随してこの問題について政治的な圧力をかけるのか、一遍政府の見解をきちんとしておきたいと思うのです。日本の組織、オリンピック委員会等で決めたら、それに政府としては従ってもらいたい。そして積極的な応援態勢をしいてもらいたい。このことを官房長官から聞いておきたいと思います。
○国務大臣(伊東正義君) お答え申し上げます。 オリンピックの問題は、御承知のように、二月一日にレークプラシッドあるいはメキシコでオリンピックの関係者の集まりに日本の代表も出られますときに政府の意向を伝えたわけでございます。あのときは、オリンピックというのは世界の平和の祭典で、世界じゅうから祝福されて催さなければならぬものと思う、片やソ連のアフガニスタンの軍事介入によって国連初め厳しい内外の世論が出ている、そういうことも踏まえて最後はJOCが参加、不参加を決めることであるので、各国のオリンピック委員会とよくそういう情勢を踏まえて相談をされたいというような意向をあのときに出したわけでございます。その後、先生がおっしゃいますように、いろんな動きがございます。国内の世論も実はいろいろ参加すべきでないというようなのが多い世論調査もあり、参加すべしということが多い世論調査もあり、論説その他も区々でございます。それから世界じゅういろいろな意見が出ておりますこと、先生おっしゃるとおりでございまして、われわれとしましては、そうした国内の世論あるいは国際世論というものを静かに見守っているというのがいまの政府の態度でございます。 それで、エントリー、参加申し込みの最終があれは五月十九日とも二十四日とも言われるわけでございますが、そこまでに決定をしなければならぬ問題でございまして、世界各国でもその前にいろいろな国内委員会があったりすることは先生の御指摘のとおりでございますが、私どもとしましては、やはり国内の世論も見る、あるいは世界の世論というものも参酌するという態度で、実はいま静観をしておるところでございます。気持ちとしましては、二月一日に政府の見解を出しました、あの見解のままでいまおるわけでございまして、政府が何か意思表示をする必要があるかどうか、あるとすればいつごろかということは、いまじっと見守っているというのが現状でございます。
○山崎昇君 じっと見守っておって、一体、選手諸君はどうするんですか、それじゃ。私は、いま選手の諸君にとっては一番重要な時期だと思うんですよ。それから、いまあなたが言われましたが、日本国内の世論でどの世論が反対が強いですか。私の見る限り反対の強い世論なんて一つもない。そして、一番問題になっておりましたイギリスにおいても十五対一でイギリスのオリンピック協会は参加を決めたという。西欧十六カ国の動向もその方向だという。IOCの発表によれば、不参加は六カ国で、未定はまだ三十二カ国ありますが、大勢は参加を決めているという。一体、日本政府は何をしているんですかね。確かに二月の政府決定は、JOCが自主的に決めるものだということは言っている。しかし実際は、あなた方いろんなことを、政治的な発言があるものですから、なかなかそれが進まない。国内では混乱しているんじゃないでしょうか。混乱させているのはあなたじゃないでしょうか。だから、こういう動向から判断すれば、もはやモスクワ・オリンピックというのは参加しないなんということにはならない。大体、世界の方向はやろうではないかというところへ来ている。そういう判断をして一日も早くやっぱり選手諸君に安心感を私は持たせるべきじゃないかと思うのだが、重ねてあなたの見解を聞いておきます。
○国務大臣(伊東正義君) 世論調査も、先生もう御承知と思うんですが、反対が多いのもあるんです、新聞によりまして。いま何新聞とは言いませんけれども。それから政府も二度やったんですが、一度は反対が多い、二度目は賛成が多いというようなことが出ております。これは、やる時期によりまして、レークプラシッドで銀メダルもらったなんということが出た直後にやりますと高いとか、いろいろございまして、率直に言いまして両論あるのでございます。でございますので、われわれは国内の世論も少し見ている。国際世論も、先生おっしゃいましたが、最終的にいろいろ決定するのは大体これからでございます。でございますので、そういうものを見まして判断をしようと、政府としてもどうするのかというふうに見ているところでございますが、この間、三月二十六日のJOCの総会があったということを新聞でわれわれも拝見しましたが、そこでもいろんな議論があったということを聞いております。でございますので、私どもとしましては、政府がもう一回意思表示する必要があるのかどうか、その辺のところはまだこれからの情勢でわかりませんが、いまのところは静観をしているというのが偽らざる態度でございます。
○山崎昇君 同じ答弁を繰り返してもらってもしようがないのですが、二月の決定というのは、モスクワ五輪参加は適切でない、JOCが独自判断で参加を決めても、とめるわけにはいかないというような趣旨のあなたの発言になっている。だから、第一項の五輪参加は適切でないというのを取り消したらいいじゃないですか、事は簡単。もう決断の時期じゃないですか、この問題については。政府はもうこの言葉はやめて、JOCが自主的に決断できるような仕組みにするのがあなた方の任務じゃないでしょうか。もう私はその決断の時期だと思いますが、どうですか。
○国務大臣(伊東正義君) あのとき申しましたのは、オリンピックというものは本当に平和の祭典なんだから、そういうことが文字どおり平和裏にモスクワでオリンピックが行われるというような政治情勢をつくることがやっぱり私はソ連の役目じゃないかと。これはIOCも同じことを言っているわけでございまして、その情勢が私は本当に平和裏に開けるような情勢になることを心からもう期待しているわけでございます。 どういうふうに考えるかという問題につきましては、これから世界あちこちで、アメリカが四月十二日ごろやるとか、ドイツもそのころやるとか、いろいろ情勢があるわけでございますので、私はまだもう少し様子を見てから判断する、政府が意見を必要があれば言うということになろうかと思いますが、現時点では、先生と若干違うのでございますが、あの二月一日に出したとおりの気持ちでおりますというのがいまの情勢でございます。
○山崎昇君 全く優柔不断で決断がありませんな。これは早急にひとつ政府としての態度を決断をして、そしてオリンピックに参加するであろう選手諸君に私は勇気を与えてもらいたい。このことを重ねて申し上げておきます。 次に、時間が途中になっちゃうんですが、環境保全と公害問題で一、二点お聞きをしておきます。 環境庁長官にお聞きしますが、環境アセスメント法案がどうも要綱が決まったようであります。ただ、内容的にまだたくさんの問題があるようでありますが、問題になっている点等だけで結構でありますが、その概要と、それから一体いつごろ国会に出して、この国会でどういう処理をしようとしているのか、その点をまずお聞きをしておきたいと思います。
○国務大臣(土屋義彦君) お答え申し上げます。 環境影響評価法案につきましては、さきの自民党と社公民三党との話し合いによりまして、自民党の方から内閣に対しましてお話がございまして、去る三月四日に内閣に関係閣僚協議会を設けていただきまして、第一回目の会合を三月十三日に開いていただきました。それとあわせて関係省庁の局長会議を十二回にわたりまして開いていただきまして、あらゆる角度からいろいろ内容等につきまして御検討いただき、そして去る三月二十八日に三回目の閣僚協議会におきまして要綱を御決定をいただいたような次第でございまして、現在、その要綱に基づきまして、関係省庁におきまして成案を得るべく努力をいたしておるのでございますが、成案を得ましたならば、何と申しましても自由民主党の御了承をいただきまして、でき得れば四月の中ごろまでには何とかひとつ国会に提出をさしていただきたいと、かように心から念願し、また私も最大限の努力をいたしてまいりたいと、かように考えておる次第でございます。 大体まあ大方煮詰まってまいっておるのでございますが、いま一番大きな問題は、都市計画法との関連の問題が大きなネックに相なっておるような次第であります。 以上でございます。
○山崎昇君 政府委員でいいんですが、都市計画法とのどういう点が問題になっているのか。それから住民参加の点でどういう点が問題になっているのか。きょうの新聞等によりますというと、多少前進さしている点もあるようでありますけれども、特にそのほか問題になっている点は何なのか。その点だけひとつ簡潔に説明願いたい。
○政府委員(金子太郎君) 都市計画法との関係でございますが、私どもが現在考えておりますアセスメント法案は、事業者が調査、予測、評価を行い、環境への影響を十分に配慮した事業を行わせると、こういうことを骨格といたしておりますが、都市計画法におきましては、御承知のとおり、知事等が都市計画決定をいたします。その関係から、都市計画法におきましては、都市計画決定の際に事業者にかわって知事等がアセスメントをすることができる。これは主として技術的な問題でございますが、都市計画法は非常に詳細かつ複雑な法律でございますので、技術的な詰めが必要でございます。 住民参加につきましては、住民に対して事業者が調査、予測、評価を行いました準備書を公告、縦覧いたしまして、説明会を開く。そして、文書をもって関係住民が意見書を提出することができることといたしますとともに、関係都道府県知事がその準備書について意見を述べることができる。意見を述べるに際しては、公聴会等を開いて関係者の意見を聞くこともできる。こういう仕組みにいたしております。その他、評価書ができ上がりました段階で環境庁長官が評価書について意見を言うということになっておりますが、その問題の関係で幾つかのむずかしい技術的な問題が残っていると、こういうことでございます。
○委員長(山内一郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめます。 午後零時三十分から委員会を再開し、山崎君の質疑を続行いたします。 これにて休憩いたします。 午前十一時五十八分休憩 —————・————— 午後零時三十二分開会
○委員長(山内一郎君) 予算委員会を再開いたします。 昭和五十五年度総予算三案を一括して議題とし、山崎昇君の締めくくり総括質疑を続けます。山崎君。
○山崎昇君 時間の都合もあるようでありますから、立て続けに私の方から聞いていきます。 環境庁長官にお聞きしますが、先般有燐洗剤については環境庁が率先をして追放する、各省庁にも協力を願う、こういうことになっておるようでありますが、その後一体どういう状況になっているのか。それから民間等に対してこれがどんな影響を与えているのか、業界との関係はどうなったのか、その点お聞きをしたい。 それから次に、最近大問題になっておりますスラッジの海洋投棄の問題でありますが、海上保安庁に聞きます。これは一体どういういま状況になっているのか、調査しておればその現況。 それから、これに関連をしまして労働大臣にお聞きをしますが、作業員が朝行った者と帰ってきた者とは違うという報道もあります。言うならばどこで消えているのか、途中で何かガスで倒れて水葬をされているという報道もありますが、労働大臣から聞いておきます。 それからその次に、スモン病について厚生大臣に聞きます。これもこの前の総括のときに、あるいはわが党の委員から繰り返し繰り返しこのスモン病の問題については聞いておりますが、一向に進んでいません。その後一体あの和解に基づいてどうなっているのか、あるいは投薬証明のない者、まだ製薬会社が渋っておりますが、それとの関係は一体厚生大臣としてどうされていくのか。私は少しオーバーな表現を使えば、厚生大臣の職をかけても説得してみせますというぐらいの強さを示さなければこれは解決しないんじゃないかと思いますが、あなたの見解を聞いておきます。 それからもう一点、これは労働大臣と郵政大臣にお聞きをしておきたいんですが、従来まで林野庁だけで白ろう病というのが大変問題になっておりました。しかし、最近はこの振動障害というのが全逓の郵便を配達される方々の郵務員につきましても大変出てまいったと報道されておるし、また私どもにも連絡がございました。そういう意味では、このバイクの振動というものについて労働省は今後どうされるのか、あるいはまたその認定基準というものについてどういうふうに検討されていくのか。 また、郵政大臣からお聞きしたいのは、この問題がもう発生していると私ども思っておりますが、一体今後これらに対して所管をしております郵政大臣としてどういう対策を講じていくのか。これがだんだん深まっていきまして、たくさん患者が出てからあわててどうこうしても間に合わないと思います。そういう意味では、いま出始めたといいますか、そういう段階で具体的な方針というものを明示して対策を講ずる必要があるんじゃないか、こう思うんですが、一括して関係大臣からひとつお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(土屋義彦君) お答え申し上げます。 私は、昨年暮れに環境庁長官を拝命いたしまして、霞ケ浦、続いて東京湾を視察いたしまして、富栄養化対策の重要性というものを深く痛感をいたした次第でございます。先生も御案内のとおり、最近閉鎖性水域におきまして富栄養化が進みまして、プランクトン等が発生いたしまして水道の水が濁ったり、また、ろ過障害等々が起こっております。このような状況にかんがみまして、環境庁といたしましては、やはり総合的なこの富栄養化防止対策の一環といたしまして、無燐または低燐の洗剤、石けん等の適切な使用につきまして指導、啓蒙を行うとともに、国の機関におきましてもこれに協力をしていただきますように、先月の二十四日各省庁に対しまして燐を含む合成洗剤の使用について特段の御配慮をお願いいたした次第でございます。もちろん、環境庁といたしましても全職員に対しまして率先実施をするよう通達をいたしておる次第でございます。 今日、環境庁といたしましては、今後とも関係省庁とよく連絡をとりながら地方公共団体に対しましても適切な指導を行い、関係機関の協力を得まして富栄養化対策の推進を図ってまいりたいと、かように考えておる次第でございます。それから業界等に対しましても、通産省等を通じ燐の無燐化、それから無燐製品の開発等に対しましても強く要請をいたしておる次第でございます。民間につきましては、地方自治体を通じましてこれが啓蒙に対しまして強く要請をいたしてまいりたいと、かように考えておる次第であります。
○政府委員(真島健君) 「徳山丸」事件の概要と現況、捜査の状況を簡単に申し上げます。 概要は、「徳山丸」という出光タンカー所有の十三万六千総トンのタンカーでございますが、これが四国沖においてタンククリーニング作業中、このタンククリーニング作業を請け負いました内外産業従業員数名が同作業に伴ってスラッジを数回にわたって海洋に投棄した、こういうことでございます。 私どもは三月二十一日に情報を入手いたしまして、その後捜査に着手をいたしました。現在までに「徳山丸」、さらにタンククリーニングを請け負いました内外産業その他約八カ所、これを捜索をいたしまして証拠等を押収いたしております。そのほか「徳山丸」の検証、これを実施いたし、現在さらに内外産業、「徳山丸」の乗組員そのほかの関係者の事情聴取と取り調べを続行しておるというのが現状でございます。なお、現在までに容疑の特定ができました内外産業の従業員二名、これを神戸地検に送致をいたしております。 以上、簡単でございますが現在の状況でございます。
○国務大臣(藤波孝生君) 海洋投棄に関しまして先生から御指摘いただきましたようなこと、労働者に関しまして調査をいたしましたが、そのような事実はないというふうに確認を得ております。 それから、いまお話がございましたのも一緒にお答えをいたしますが、モーターバイクの使用に係る健康障害につきまして、郵便集配業務等の外務労働者の中にいわゆるチェーンソー等による振動障害の症状とよく似た形の健康障害例が発生しているということを私ども承知いたしております。郵政省におきましてこの健康障害の実態などをよく調査になられまして、疾病の性質でありますとか、どのような状態の中で発生をするのかといったようなことについていろいろと御検討、調査をいただいておるというふうに、これまた伺っておりますが、なお医学的な調査研究でありますとか、モーターバイクの改良でありますとか、いろいろな多岐にわたる検討を進めて今後対策を講じていかなければいかぬと、こういうふうに考えておるところでございますが、今後郵政省ともよく連絡をとりまして労働省といたしましても対処してまいりたい、このように考えております。
○国務大臣(野呂恭一君) スモン患者の救済の問題でございまして、大変御心配をかけておることを恐縮に存じております。 御承知のように、三月七日に東京地裁の所見が示されまして、政府といたしましては、この所見に従いまして救済に当たる、和解の解決に当たりたいということを申したわけでございますが、一方、関係製薬会社は回答延期などのことを申しておるわけでございまして、こうした企業に対しまして、早急に検討して国と同じように責任を持って患者との和解に当たるようにということを強く要請してきておるわけでございます。 連日その説得に実は当たっておるわけでございますが、正直に申し上げて、説得という言葉は簡単でございますけれども、なかなかむつかしいということで私も苦慮いたしておることは、大変申しわけないことでありますが、しかし、今後とも全力を傾けて誠心誠意説得を続けて早期解決に当たってまいりたい。来週明けには少なくも何らかの関係企業からの裁判所に対する回答も寄せられるのではないかという期待も持ち、かつ連日この説得、早期解決に当たっておるということで御理解を願いた、と思うのでございます。
○国務大臣(大西正男君) お答えいたします。 いま御指摘のいわゆる振動病を原因としての公務災害の申請につきましては、昭和四十九年度に初めて申請を受けましてから本年の二月までに二百十八件になっております。なお、現在までにそれらの中で公務上二十一件、公務外五十七件の判断をいたしておるところでございます。その他は現在本省あるいは郵政局におきまして審査中でございます。 この問題に対します郵政省の姿勢についてのお尋ねでございますが、郵便局の外勤作業にはモーターバイクによらざるを得ないものがたくさんございます。したがいまして、モーターバイクの乗務によります振動障害が発生をするということは郵政省にとりましてはまことに重大な問題である、このように認識をいたしておりまして、現在その発生原因と対策につきまして鋭意調査研究を行っておるところでございます。遠くない時期に結論を得るものというふうに承知をいたしております。その結論を得ましたら、これに対する対策を確立したいと思います。また、これと並行いたしまして、現在モーターバイクの改良あるいは振動障害に対しまして有効とされております防寒対策などを現在も強力に推進いたしておるところでございます。
○山崎昇君 この問題は、本人の生命にももちろんかかわりますが、それと家族を含めまして生活上の問題がきわめて深刻なものがあると私ども考えます。したがって、認定基準につきましても、またこれからの対策につきましても十分やっぱり当該の組合とも相談をし、それから労働省におきましても積極的にこの問題については対策を講じてほしいということを私の方から要請をしておきたいと思います。 それから次にお聞きをしたいのは、北海道で発生しましたレポ船についてお聞きをしておきます。この問題は衆議院の予算委員会でわが党の安井委員からかなり質問のあった点でありますが、私はこの議事録も読ませてもらいましたけれども、何としても納得できないのは、警察が逮捕して勾留をいたしました、そして関係省庁が集まって相談をしたようでありますけれども、なかなか問題の点が解明できない。この議事録によりますというと、釈放しているわけでありますが、その言葉をそのまま読めば、「技術的に言えばいわゆる余罪というような形にもなろうかと思いますが、そういう点をなお補充的に捜査をする必要がある」ので「一括処理をするのが適当」と考えて身柄を釈放したと、こうなっています。 そこで、検察庁にお聞きしますが、一体その後どういう背景を調べ、どういう捜査をしておるのか、まずその点を検察庁に聞きたいと思うんです。 それからさらに関税法違反と検疫法違反という言葉が述べられておりますが、あそこの地域は理屈で言えば日本の領土となっておりますから、一体、関税法違反とはどういうことなのか、検疫法違反とはどういうことなのか、この点私ども法律的に見ましてもわかりません。 さらに、公安調査庁にもお聞きしますが、公安調査庁の三人の課長が当たっておるわけでありますが、職務としてこの清水という船長に接触をしておる。相手から情報を得るために接触をしておるわけでありますが、多少自分の方も、どういう内容のものか知りませんが、情報を提供しているのではないだろうか、こう考えます。そういう意味でいうと、この清水という船長はスパイといいますかレポといいますか、そういう意味では法律上に該当してこないのではないだろうか、だからどこから調べてみましても、逮捕されていろいろ調べられたけれども該当する法律がないのではないか。合法的にやっているとさえ言われるのではないだろうか。そういう意味では、この問題の処理を誤りますというと、もっともっとレポ船というものがふえてくるのじゃないだろうか、こう私ども判断をいたします。 そういう意味で重要だと考えますので、まず逮捕しました警察から事情を聞きたいし、また、処分保留のまま釈放いたしました検察庁からその後の状況を聞きたいし、これを扱っております公安調査庁から見解を聞いておきたいと思うんです。
○政府委員(鈴木貞敏君) それでは、最初に警察の方から御答弁申し上げます。 御承知のとおり、これは一月九日でございますが、北方領土に駐留するソ連国境警備隊の指令によりまして情報活動を行っておりました根室の漁民、清水等三名を関税法並びに検疫法違反で逮捕しまして、一月の十日に釧路地検に送致いたしました。 逮捕の理由となった事実は、被疑者らがソ連国境警備隊と連絡のため、昨年の九月二十五日、同月三十日の二回、ひそかに「第十八和晃丸」という約十トンの船で色丹島穴澗港に行きまして、その際、北海道内で購入しました露文タイプライター、スーツケース等の物品を渡しまして、これら物品を不法に輸出し、さらに根室港帰港に際しまして検疫の手続をしなかったという理由でございます。 以上、警察の段階でのまず御報告をいたしておきます。
○政府委員(前田宏君) お尋ねの事件の当初の逮捕事実、また勾留事実はただいま警察からお答えがあったところでございますが、その後検察庁におきまして事件の送致を受けまして、警察と協力をいたしまして捜査を続けておったわけでございます。 そこで、先ほど御指摘のように、一月末に一応釈放しておるわけでございますが、その後、先ほども御引用になりましたようなことで、いわゆる余罪につきまして補充的な捜査、また当初の事実についての裏づけの捜査等を続けておったわけでございます。その間に、関税法違反につきましては税関による調査もございますし、また、いわゆる密漁によりまして相当多額の所得を得ておるという事実も身柄拘束中の捜査、調査等で判明したことでございます。 そのようなことで、多額の所得につきましての課税の問題、これは税務当局の調査ということに相なるわけでございますが、そのようなことがいろいろとございまして、若干処理までに時間を要しておるわけでございますけれども、いま申しました補充捜査、また関係当局の調査等もおおむね終了いたしましたので、間もなく処理の見込みであるというふうに聞いておるわけでございます。したがいまして、最終的には最終の段階で特定されました事実関係に応じた処理がなされるものと、かように考えておるわけでございます。 なお、関税法と検疫法の関係につきまして、いわゆる北方領土が本来わが国の固有の領土であるというのに関税法違反あるいは検疫法違反が成立するのはおかしいではないかというお尋ねでございますけれども、関税法の面では政令、また検疫法の面では施行規則、まあ省令でございますが、その面で特にそれぞれの法律の取り締まりの目的から、いわゆる北方領土をこの法律の適用の面では外国扱いをするという特別な規定がありまして、そういう法令の適用関係になっておるわけでありまして、実体が変わるわけではございません。
○政府委員(西本昌基君) お答えいたします。 公安調査官には任意調査権しか認められておりませんので、調査の方法といたしまして、公然資料か、または公然資料をまとめた程度のものの部内資料を渡して、それ以上の情報を取るということは許されるものと解しております。 また、捜査当局からの連絡によりまして私どもで承知しているところによりますと、旭川地方公安調査局の船山課長が流していたとされる資料は秘密文書とは認められないわけでございます。したがいまして、同課長の行為は正当であると考えている次第でございます。
○山崎昇君 私、これは聞いておって本当に不思議なんです。旭川公安調査局の三人の課長は、職務としてこの清水船長に接触しているわけです。そして、清水一巳という人から何がしかの情報を取る目的でもちろん接触しているんだと思うのですが、自分の方からも、後で調べたら公務員法違反になるような秘密事項ではないと言うが、多少のものはいっている、こういうことになるわけです。その限りでは、これは一体どういうふうにわれわれ理解したらいいのか。 ただ、この清水という人がつかまって、いま説明ありましたように関税法違反と言うが、これは税関の告発はまだないはずです。検疫法違反と言うが、これも規則で、あそこだけは外国扱いにしている。一体、そうなると、北方領土問題とこの規則や訓令というものはどういう関係になってくるんだろうか。これもまた不思議な一つの状況であります。そして、近く処理されるであろうと言うけれども、それもまたいろいろ聞いておるというと、実際は起訴しても公判の維持ができないのではないかとすらいま言われておる。そして、問題が発生すると、接触しておった公務員が何かこうたたかれてくる、スパイをやっているようなたたかれ方をする。その公務員だけが汚名を着せられるような仕組みになっちゃう。こういうことについて私どもやっぱり納得できない。 いま聞いた限りでも私はどうも納得できませんが、重ねて検察庁にお聞きしますが、いまあなたが間もなく処理されるであろうと言うのは、これは起訴という意味ですか。聞いておきます。
○政府委員(前田宏君) 処分前のことでございますので、この段階で起訴にするとか不起訴にするとかいうことについて明確なことを申しかねるわけでございますが、先ほどいろいろ御疑問があるということでございましたけれども、そういう法律問題はいわば技術的な問題といたしまして解決がされているわけでございまして、そのようなことで、また、あるいはいま御指摘のありましたような公安調査官が若干関与したというようなことがございますけれども、そのことは犯罪の成否あるいはこの事件の処理には直接関係のないことでございます。
○山崎昇君 直接関係がないと言ったって、現実的には一人の課長が死んでいるじゃないですか。あなた方に呼ばれて話をした後に。だから、その人はあるいは病気であったかもしれません。しかし、かなり精神的には圧迫を受けておることは事実です。そういう意味でいうと、どうも私は、このレポ船の問題というのは、本当に何が所在して、どこがどうなっているのか、聞けば聞くほどわからなくなってくる。また、多くの船があってこういう行為が行われているとも言われております。そういう意味では、きょうは時間がありませんから、私はこの問題だけ指摘をしたわけでありますが、ぜひひとつ関係各省庁できちんとした対策を練ってもらいたい、このことだけ申し上げておきたいと思います。 それから次に、これは総理に本当は聞かなきゃならぬと思うんですが、海洋政策について一言聞いておきます。 先日、海洋開発審議会から第一次と第二次の答申が出ておるわけなんですが、総理はこの国の海洋開発というものに対してどういう見解をお持ちなのか。それから海洋開発審議会の答申によりますというと、海洋開発委員会の設置あるいは海洋開発基本法等を制定をしてほしい、また扱う組織も総合的な組織をきちんとつくってほしい、こういう答申になっております。さらに、この海洋の扱いいかんによりましては国連の海洋法会議の動向とも関連してくると思うんですが、新しい国際海洋秩序との関係についてどういうふうにわが国は対応するというのか、お聞かせを願っておきたいと思います。 これは総理の諮問機関である海洋開発審議会から答申されて、私もいろいろ聞いてみるのですが、科学技術庁の一課が何か事務的に扱っているだけであって、どこもこれは本腰を入れて扱っているところがないんですね。答申は膨大なものです、きょうは持ってきておりませんが。そういう意味ではこれは官房長官に最後はお聞きしなければなりませんが、一体どういう行政機構をつくってこれらの問題を扱うのか、お聞きをしておきたい。
○国務大臣(伊東正義君) 私から総理にかわってお答え申し上げます。 海洋の問題は、世界の海洋法の会議も何回もやって、私も出たことがございますが、非常に広範多岐にわたって新しい制度をつくっていこうということでございます。二百海里制度なんというのはその中の一部が先取りされたわけでございますが、漁業の問題もございますれば海運の問題もあり、あるいは海底のマンガンノジュールの開発の問題もあり、深海の開発、いろいろございます。各方面にわたっておりますので、この問題は、いま先生がおっしゃいました科学技術庁で取り扱っておるわけでございますが、非常に広範にわたった問題でございますので、これはどういうふうに取り扱うかということにつきまして、実はいま内閣の方でも、たとえば推進本部のようなものをつくるか、どこかで何かまとまったことをやっていかないといかぬじゃないのかということで、いま検討を私は実は命じまして検討している最中でございます。何らかの対応策をとらなければいかぬということは先生のおっしゃるとおりだと思っております。
○山崎昇君 総理の見解も最後に聞きたいんですが、本当にこれは、たとえばいまからしばらく前でありますが、一九七一年に通産省から資源問題についての資料がたくさん出ておりまして、私も当時からこれは見ておるわけですが、海というのは大変大きな課題になってきている。日本の陸地はきわめて小さいんですけれども、二百海里時代を迎えて海洋面積というのは大体四百五十から五百平方キロあると言われております。そして面積で言うならば、ソ連の海洋面積に匹敵するとも言われています。したがって、これから海洋をどうするかはきわめて大きな課題だと思っておるものですから、いま取り上げているわけなんですが、総理、いま官房長官からも答弁ありましたけれども、総理としてもこれから海洋政策というものをどうおとりになるのか、あなたの見解をひとつ聞いておきたいと思うんです。
○国務大臣(大平正芳君) いまお話がございましたように、これは海運の問題、漁業資源の問題、海底資源の開発問題を初めといたしまして、これから海洋開発は非常に広範なわれわれにとって課題になってくると思うのでございます。そのためには、まだ未開の分野でございまして、どういうような法制を考えなければならぬか、あなたがおっしゃるように、どういう体制でこれに取り組まなければならぬかということが課題でございまして、いま官房長官がお答え申し上げましたように、政府部内でいま検討を急いでおるところでございます。 その場合、国際的な関連が広範にございますので、国連の海洋法問題の検討の推移と関連しながら対処していかなければなりませんし、国連の海洋法の審議につきましてはわれわれも積極的に参加いたしまして、その推進に努めておるところでございまして、国の内外にわたりまして非常に広範、多彩な問題を抱えておるわけでございます。これについての法制問題、体制問題、技術開発問題等々含めまして、これから先政府が取り組むべき最大の問題の一つとして対処せにゃならぬと考えております。具体的にまだ御報告申し上げる用意がございませんけれども、そういう心組みで取り組んでまいりたいと考えております。
○山崎昇君 中途半端な質問で大変私も心苦しいんですが、時間がありませんので次に進ませていただきます。 次に、先般、総理府から老人問題の現状等について大変りっぱな印刷物が出まして、読ましてもらいました。そこで、私は細かいことを申し上げませんが、日本の人口というのが、たかだか百年ぐらいの間に大体ほぼ一億ふえているんですね。私の調査では、明治維新のとき三千三百万ぐらいといいますから、これは大変なふえ方だと思うんです。そこで、人口がふえるということは、もちろんあらゆる政策に影響してくるわけですが、特に最近高齢化が物すごいスピードでやってまいります。したがって、いままでの制度というのは、人生五十年を一つのめどみたいにしてほぼいろんな制度というのがっくり上げられたのではないんだろうか。しかし、これからはこの平均寿命の延びを考えますというと、人生八十年ぐらいを基礎にしてこの制度というものについて全般的な見直しが私は必要ではないか。たとえて言えば、雇用の問題もそうであります。それから教育関係もそうであります。大学を出てから就職している間、五十年ぐらい就職しなければなりませんから、したがって、教育の問題もそうであります。賃金のいまのような年功序列型賃金もこれは考えなきゃならぬであろう。あるいはまた、結婚生活も五十年から六十年という過程になってまいりますから、これも考え直さなきゃならぬじゃないだろうか。あるいは子供も、これは従来ならば長男坊だけで、あと小さいのがおりましても、長男坊と一緒に生活すれば老後の生活がある程度できたということになりますが、いま核家族でありますからそうはなりません。また、婦人の方が長生きしているわけでありますから、言うならば老人問題というのはある意味では婦人問題でもあると思うんです。そういう意味で言うと、制度全般について見直す必要があるのじゃないかと思うんですが、ただ、今日まで、年金なら年金、医療なら医療で議論されているきらいがあるんじゃないだろうか。そういう意味では、かつて三木総理あるいは福田さんのときにライフサイクルという構想が一遍発表になりました。もう一遍これは真剣に考える必要があるのじゃないかと思うんですが、これはどなたが答弁してくださるのかわかりませんが、ひとつお聞きをしておきたい。 それから、あわせまして文部大臣に、唐突でありますが、これはかつて福田さんが書きました政策の中に、人口学講座というものを大学に設けて、真剣にこの人口問題については研究する必要があるのではないかという一項がありました。そういう意味で、一体そういう見解をあなたはお持ちかどうか、唐突でありますけれども聞いておきたい。 それから労働大臣にお聞きしますが、老後の問題の一つの焦点として住宅問題がありますが、財形貯蓄ができましてから、金だけは余るほどありますけれども余り住宅対策になっていないと私ども考えます。したがって、財形貯蓄の現状と今後のあなた方の考え方について聞いておきたい。
○国務大臣(野呂恭一君) 本格的な高齢化社会に対応して、制度全般にわたって大きな社会構造の変化に対応していく必要があるのではないかという御指摘でございますので、私の方からお答え申し上げたいと思います。 御指摘のように、年金とか健保とかばらばらの施策でなくて、ライフサイクル全体を見通しながらその高齢化社会にどう対応するかということが大変大事なことであることは言うまでもございません。私は、国民それぞれのライフサイクルごとの生活実態に対応できる医療保障、それから所得保障、福祉サービスなどの制度の整備が行われなければならない。したがいまして、出生時においてはどうするか、あるいはまた児童期においてはどうするか、青壮年期あるいは老齢期においてどうするかといったような制度全般にわたる整備の必要なことは御指摘のとおりだと思います。ただ、一方、この高齢化に伴いまして、社会保障の給付費が一層増大されていくことでありますから、今後の社会保障の推進に当たっては、何といっても私はこの体系的な効率化、これを進めるという以外にむつかしい問題を持っておるのではないか。もう一つは給付と負担両面にわたるやはり社会的公平をどう確保していくか。それからもう一つは、そういう社会保障全体にわたって考えなきゃならぬ、社会連帯という基盤の上に立たなきゃならぬわけでありますから、国民的合意をどう得るかということがやっぱり問題点であろう。最後にもう一つは、いろいろ他省庁との関係でございますけれども、御指摘のように、やはり雇用対策の問題あるいは住宅政策との問題、あるいは生涯教育制度の整備の問題、これは国民生活にとって重要な問題でございますから、これらの施策と社会保障施策をどう有機的な連携を持っていくかというような問題があろうかと思うのでございます。構造的な見直しの時期が来たということは御指摘のとおりであると考えております。
○国務大臣(藤波孝生君) 御指摘のように、人間の平均寿命が延びて、特に日本の国が高齢化社会に入ってまいります。その中で、特に労働の時間が非常に長くなるというようなことから、いま省を挙げて八〇年代の労働行政総見直しをいたしておりますが、特にその中の一つに、高齢化社会への対応ということに焦点を合わせましてあらゆる施策を講じているところでございます。一つ一つこれから具体的にいろいろな仕組みの改善でありますとか、あるいは新しい仕組み等を開発をしていかなきゃいかぬ、そして現状に対応していくようにいたしたいと思います。その中の一つに、いま御指摘がございました勤労者の財形制度につきまして、非常にこの勤労者の資産形成が立ちおくれているということから、金融資産の形成と持ち家の取得を容易にするためにこの仕組みが出発をいたしまして、従来その実績が積み上げられてきておるところでございます。金融資産の形成につきましては、いま財形貯蓄残高で三兆円に達しております。これは非常に順調に伸びてきておりまして、資産形成の上で非常に成果を上げてきておるのではないかと、いささか自負をいたしておるわけでございます。しかし、その財形貯蓄を原資といたしまして還元融資をいたしてまいります財形融資につきましては、融資残高が約七百億円にとどまっておりまして、非常に低い数字でございます。こういったことから、この持ち家の取得を中心とした仕組みがもっともっと活用されていくように、労働省といたしましても勤労者の方々によくPRし、理解を深めていただくように働きかけもしてまいらなければなりませんけれども、同時に、もっと魅力のある仕組みにしてどんどんと活用していくというメリットを考えていくことも非常に大事だろう、こういうふうに考えておる次第でございまして、その機能がさらに果たされてまいりますように、いま鋭意検討を進めておるところでございます。特に省内でもその努力をいたしておりますが、勤労者財産形成審議会基本問題懇談会におきましてもその御議論をお願いいたしておるところでございまして、その御意見の推移等も踏まえながらより魅力のあるものにいたしまして、この仕組みがもっと活用されていくように努力を重ねていきたい、このように存じておる次第でございます。
○国務大臣(谷垣專一君) お答えをいたします。 私たちの方の人口問題について特に考えなきゃなりませんのは、出生いたしました子供がだんだん大きくなるにつれて、その受け答えの教育の施設、受け答えをどうするか、それから、このごろは非常に生活環境、社会環境が変わってまいりまして、いわゆる生涯教育としての社会教育の場が非常に広くなっております。これをどういうふうに考えていくか、こういうところに人口のいろいろな問題についての私たちの問題点があると思っております。 それから、いま人口学講座のようなものをどうだというお話がございました。福田総理の御意見、実は私よく存じておりませんが、いま人口問題研究のやはり一番中心になっておりますものは厚生省にあります人口問題研究所であろうと思います。いま国立の大学等で人口問題の講座を持っておるところは、いまのところございません。そういうところが、私たちとしては人口のいろいろな問題に対しましての対処する方法であろうと考えております。
○山崎昇君 大学にないから、したがって、総合的なこの問題をやるについては少なくとも、全部でありませんが、やっぱり大学に人口学講座のようなものを設けて本格的に検討する必要があるんじゃないか、そういう意味で申し上げているので、ぜひ御検討を願いたいというふうに思います。 いよいよ時間がなくなりまして、最後に、外交、防衛で一、二点聞いておきます。 防衛庁というのは、これは国家行政組織法で第三条機関ですが、自衛隊というのは一体どういう機関でしょうか。
○政府委員(塩田章君) お答えいたします。 自衛隊は、自衛隊法第二条によりまして、長官、政務次官、事務次官、参事官、それにいわゆる内部部局、それから統合幕僚会議、附属機関、防衛施設庁、陸海空自衛隊をもって構成されておりまして、いま申し上げましたような構成でございますから、防衛庁といわゆる自衛隊とは一体といいますか、同じ行政組織体でございまして、組織法上の機構といたしまして静的に見た場合にこれを防衛庁と言い、行政作用面で動的に見た場合にこれを自衛隊と言うというふうに私どもは理解いたしております。
○山崎昇君 それはおかしいね。以前は、しいて言えば自衛隊は国家行政組織法の第八条のその他の機関だと思いますという答弁なんです。そう理解しておいていいですね。 それから防衛庁長官に聞きますが、専守防衛というのは改めて聞きますが、一体何でしょうか。
○国務大臣(細田吉藏君) 専守防衛という意味でございますが、自衛のために必要最小限度の範囲内で、これは憲法の制約がございますので、防衛体制をとるということでございまして、したがって、逆に言いますと、守ること本位でありますので積極的に攻勢に出るということはやらない、したがいまして、もっぱらわが国の領域及びその周辺において防衛を行うこと、これを専守防衛という言葉で私どもあらわしております。
○山崎昇君 そこで、こういうふうに解説した人がいますが、それはどうですか。専守防衛とはショーウインドーのガラスみたいなものである、幾ら薄くとも、あると、どろぼうは割らなければ中の物は取れない、こういうふうに解説した人がいますが、これでよろしゅうございますか。
○国務大臣(細田吉藏君) お答え申し上げます。 物の比喩というのは、比喩のとり方によりまして非常に危ないものでございまするので、そのまま、いま実は突然のお話でございますので、そういう面のあることは間違いないであろうと思いまするけれども、それで全部であるかどうかということにつきましてはちょっとお答え申し上げかねる次第でございます。
○山崎昇君 そういう面もあると言うのですから、肯定したものと考えておきます。 次に、私は、はしょって聞きますが、これは外務省に聞くのか防衛庁に聞くのかわかりませんが、第二次大戦後一体世界で起きました紛争、これは全部でなくても結構ですが、主なるもの、その紛争の原因は何で、そしてその結果はどんなふうになって、それに米ソ二大国がどういう介入の仕方をしたのか、わかりましたらひとつお教え願いたい。
○国務大臣(大来佐武郎君) 第二次大戦後の世界における主な紛争、特に米ソがかかわった紛争、これにはいろいろな形態、形がございますが、国際紛争、動乱、戦争、挙げますと二十ぐらいになりますので、どういたしましょうか、それぞれ読み上げて……。
○山崎昇君 主なるものでいいですよ、特徴的なもので。
○国務大臣(大来佐武郎君) 一九四六年の十二月にインドシナ戦争がフランスとベトナム、当時の仏印の間に起こっております。四八年にベルリン封鎖、五〇年に朝鮮動乱、五六年にスエズ動乱、五六年にソ連軍ハンガリー侵入、六〇年にコンゴ動乱勃発、六一年東西ベルリン境界封鎖、六二年中印紛争、六二年キューバ危機発生、六四年トンキン湾事件、これがベトナム戦争になりました。六七年第三次中東戦争勃発、六八年ソ連軍チェコに侵入、六九年中ソ武力衝突——珍宝島事件、七一年インド・パキスタン戦争、七三年第四次中東戦争、七五年アンゴラ内戦勃発、七七年アフリカの角の紛争、それから七九年一月カンボジア紛争、七九年二月中国軍ベトナムに進攻、七九年十二月ソ連軍アフガニスタンに武力介入、主なものはこういうことでございます。
○山崎昇君 私がこれを聞いたのは、第二次大戦後、俗に言う侵略戦争なんていうものにはなっていないんですね。ただ、その国の政治が乱れて一方に加担して外国の勢力が入ったということは私ども承知しております。そういう意味で言うと、最近わが国で盛んに脅威論が出ておりますが、わが国の政治がきちんとしていれば外国が無理無体に侵略してくるなんていうことは私はあり得ないという見解をとるものだから、いま聞いてみたわけです。これずっと、いまあなたの説明したのを見ましても、国内の政治が多少の問題があっていろんなことが起きておりますが、そうでなくて、何もないのに他国が侵略したということはあり得ないですね。私は、そういう意味で、最近のわが国におきます防衛論争というのはきわめて危険な方向にいっているんじゃないかという意味でいま聞いたわけです。時間がありませんから、これはきょう申し上げませんが、いずれにいたしましても、一番重要なのは国内の政治体制だろう、国内の政治であろう、この問題を真剣に私ども考えませんと大変であろう、こう思いますから、その点だけ申し上げておきます。 もう時間が来ましたから一点だけ聞いてやめます。 最後に、外務大臣にお聞きしますが、ある報道 によりますというと、安全保障理事会の非常任理事国に日本が再び立候補するという報道もありますが、それが事実かどうか。もしその場合に、前回敗れたわけですが、その教訓は一体どう考えておられるのかという点が一つと、それから最終的に総理に、あなた四月の末からアメリカ等を回られるわけでありますが、一体どういう考え方でこれらの外遊をされるのか。またアメリカとはどんな話し合いをしてくるのか。外交上の問題でありますから、あらかじめこれこれということを言えない点もあるかもしれませんが、政治的な考え方としてお聞きをしておきたい、こう思います。
○国務大臣(大来佐武郎君) 安保理立候補の問題でございますが、これは本年秋の第三十五回国連総会で行われます安保理選挙に際しまして、わが国といたしましてはアジアグループの統一候補として立候補すべく、いまアジアグループ及びその他の国々に内々打診工作を行っておるところでございまして、実際の選挙はことしの十月ないし十一月でございますから、まだ相当期間がございますので、今後の情勢を判断しながら最終的に態度を決めるということでまいっておるわけでございます。
○国務大臣(大平正芳君) 国会の方の御了承もいただけたようでございますので、私は四月三十日に立ちまして、アメリカ、メキシコ、カナダ三国を訪問して五月八日の夜帰ってくる予定にいたしております。 目的はメキシコ、カナダ両国からかねがねわが国の首脳に対しまして招待が来ておりまして、この両国との関係は年とともに濃密になっておりまするし、相互補完性を強めておりますので、この機会に首脳との間に隔意のない意見の交換を遂げて相互の信頼を深めておきたいと存じておるわけでございます。その機会にアメリカのワシントンに立ち寄りまして、ワシントンでは大統領と短時間でございますけれども国際情勢その他両国の共通の関心事である問題につきまして懇談を遂げると。これは日米間の間断のない対話の一環としてのものでございまして、特に今回の訪米が意味があるものとは考えておりません。
○委員長(山内一郎君) 以上で山崎君の締めくくり総括質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(山内一郎君) 次に、原田立君の締めくくり総括質疑を行います。原田君。
○原田立君 総理、一番最初にお伺いするわけでありますが、ただいまも山崎理事より質問がありましたアメリカを初め各国の訪問でありますが、その日程についてはもう大体本決まりになられたんですか。
○国務大臣(大平正芳君) まだ細部は詰めるに至っておりませんけれども、いま申し上げましたように、四月三十日に立ちまして五月八日の夜帰るという大まかな枠をつくりまして、いま各国との間に細目を詰めておるところでございます。
○原田立君 何か一時は西独の方にも回られるようなお話がありましたが、それはもうなくなったものと、こういうふうに理解してよろしいのかどうか。 それから、ただいまも質問がありましたように、今回の訪問で日米間でのいろいろな諸懸案を話し合ってくるんだろうと思いますけれども、まあ巷間伝えられるところによれば、対米自動車の輸出の問題であるとか、あるいはまた防衛力の増額要請問題だとかいうようなことがあるのではないかと思うのであります。ところが、いま何かワシントンに寄られて、短時間ではあるけれども大統領と会って日米の対話の一環にするというような御答弁だったけれども、ちょっとお軽いんじゃないかというふうな感じがするんですが、いかがですか。
○国務大臣(大平正芳君) 西独訪問の予定はいま持っておりません。 それから今回の訪米でございますけれども、いまも申し上げましたように、日米間には間断のない連絡がございますので、その間断のない対話の中の一環として日米首脳会談も位づけておるのだということで、とりわけて今度の訪米に特別の意味があるというようには私は考えていないということを申し上げたわけでございます。しかし原田さんがおっしゃるように、現在日米間に若干の問題があることは御指摘のとおりでございます。そういった問題は、私の訪米にかかわらず解決、調整に努めておるととろでございますが、もし訪米の段階で話題になることがありましても、それは別に不思議ではないと考えておりますが、私どものレベルで問題になりました場合には、そういった問題、経済の問題が政治に転化することのないように周到な配慮をしていかなければならぬという心構えで臨みたいと考えております。主眼は両国が共通の関心を持っておる国際情勢につきまして忌憚のないお話し合いをいたしておく、相互の理解と信頼を確かまておくということがあくまでも基調であると考えております。
○原田立君 大来外相の訪米で防衛費の着実でかつ顕著な増額が米国より強く要求、要請をされたことは先日の当委員会に報告があったのでありますが、そこで、この要請に日本政府はどう対応をするのか、その後の検討はどう進んでおりますか。
○国務大臣(大来佐武郎君) この問題につきましては、私よりは、短期間に大幅な増強ということは日本政府として困難と思うけれども、防衛の問題は総理以下政府全体の判断を必要とすることであり、特に内容については防衛当局が検討すべきことでありますから、アメリカ側の希望というものを日本に帰ってからお伝えしますというふうに対応してまいったわけでございます。
○原田立君 新聞報道等によりますと、在日米軍の駐留費分担で、日本側の負担を増加することが検討されているということでありますが、そういうことですか。
○国務大臣(大来佐武郎君) 先方の希望の中にそれも含まれておりまして、これも帰ってからそれぞれ報告をいたしております。
○原田立君 黒字減らしという一時的な対策の一環として行われた在日米軍駐留費の分担強化が恒久対策として使われることはちょっとすっきりしません。労務費以外の分野で日本が肩がわり負担を検討している項目、そういうふうなものがあるのかどうか、その点をお伺いしたい。
○政府委員(玉木清司君) 労務費以外につきましては、施設経費について検討しております。
○原田立君 金額等についてわかっていたらば説明願いたい。
○政府委員(玉木清司君) 現在御審議願っております昭和五十五年度の予算におきましては、総額三百七十四億二千八百万の予算を御審議いただいておりますが、そのうちの二百二十六億九千九百万が施設関係経費であります。この内訳は、大体隊舎とか住宅、環境関係施設、こういうものを建設する予定で進めておりますが、今後におきましても同様のものが対象になろうかというように考えております。
○原田立君 次に、米国の防衛力増強の要請にどうこたえるかという点で、いわゆる中期業務見積もりを第五次防衛力整備計画に格上げしようとの考えが外務省筋に強まっていると聞いているわけでありますが、外務大臣、防衛庁長官、いかがですか。
○国務大臣(大来佐武郎君) 中期業務見積もりは、これは防衛庁限りの案でございまして、政府全体の案になっておらないわけでございます。したがって、これは外務省からとやかく申すべき筋のものではございませんで、これは私ども外務省の方の記者懇談の際に、中期的な計画がある方がいいと思うかどうかというような質問がございまして、対外的な説明には何かそういうものがあった方が都合がいいかもしれないという意味での応答をいたしたわけでございまして、現存の中期業務見積もりをそのまま政府計画に格上げしろとか、するなとかというような意見を申したわけじゃございませんで、本来これは防衛庁あるいは政府全体としての検討課題だろうと存じます。
○国務大臣(細田吉藏君) 中期業務見積もりを第五次防衛計画にするというようなことにつきましては、防衛庁としては一度も申したこともありませんし、考えてもおりません。ただいま外務大臣からの答弁にもありましたが、中期業務計画は防衛計画の大綱の範囲内で、五十五年度から五十九年度までの五年間でそのうちの主なものについて、五年間、防衛庁としてこういうことをやりたいという防衛庁限りの見積もりを立てたものでございます。それを五十五年度の予算である程度実現をし、さらに五十六年度というふうにして、五十九年度を最終年次としているものでございまして、そういうものでございまするので、これをいま長期計画として政府全体の計画に上げるという考え方は持っておりません。
○原田立君 総理、総理は金沢の自民党の政経パーティーで、中期業務見積もりは政府として認知したものではないが、必要があれば認知を検討しなければならないというようなことが言われたというふうに報道されているわけでありますけれども、これは事実かどうか、これが一つ。 それからさらに、必要があれば、というのは、日本政府の判断というよりも米国政府の必要にこたえるために必要と、こういうふうなことなのか。その点はいかがですか。
○国務大臣(大平正芳君) 必要があれば認知の検討をしたいということは、言った覚えはございません。政府としてまだ認知したものではないということが一つでございます。 それから防衛庁の腹構えとして持っておる案は、国防会議とか閣議で検討したことはありません。ないのですが、この問題を政府として勉強してみるということになれば勉強してもいいんだけれどもということでございまして、格段、検討を要請されておるからとかいうことを踏まえて言っているわけじゃ決してございません。
○原田立君 次に、防衛費のGNP一%の確保について、そういう問題について外務大臣は訪米の際どのような話をし、またアメリカの感触はどうだったですか。
○国務大臣(大来佐武郎君) 今回のブラウン国防長官及びバンス国務長官との話し合いで一%という問題は双方から出なかったわけでございまして、ブラウン長官からは、日本の防衛力、現世界の情勢にもかんがみて、着実かつ顕著な増加を希望したい、という発言はございました。
○原田立君 外務大臣は、出発前の当委員会の答弁で、防衛費増加の努力要請に、アメリカやNATOの方式によればわが国の防衛費は米国の非難を招くものではないというような趣旨のことを言っておられましたが、訪米の際、そうした計算の仕方で先方と討議をしたのか。その結果はどうであったのか。
○国務大臣(大来佐武郎君) ただいまの問題は、アメリカの国防当局、国務当局も先刻承知していることでございまして、NATOの計算方式、これも秘密事項になっておりますので正確なことはわかりませんが、恩給費等を加えればGNPの一・五ぐらいになると。これはアメリカが五ないし六%、ヨーロッパ、西欧諸国が三ないし四%・GNPの比率を防衛費に使っておるという比較をする場合には、比較のベ−スをそろえないと意味がございませんので、そういう意味での見積もりでございまして、そのことについて今回特に触れたわけではございません。その向こうの当局との会談は、先方も承知しておりますので……。
○原田立君 大蔵大臣、あなたは経費間のバランスを見、そのときどきの経済的、社会的要請を勘案していくことが大事だと、こういうふうに言われたことがございますね。現状は防衛費の一人歩き、聖域化の危険がないとは言えないと、こういうふうに私は思うのでありますけれども、その点どうお考えになるか。あるいは大蔵大臣としてはGNPの〇・九%の防衛費対策が対米外交の負い目となると思うのかどうか。あるいはまた一%を計上したら対米関係に問題がなくなるのか等々のことについて御見解をお伺いしたい。
○国務大臣(竹下登君) 私が常日ごろ申しておりますのは、防衛計画の大綱に基づきまして、そして御案内のように、対GNP比一%を超えざる範囲内においてということが国防会議あるいは閣議で決定しておるわけでございます。その線に沿って、そのときどきの財政事情に応じ、そしてまた各種施策とのバランスの上に立って、この妥当な計上をする、こういうことを申し上げておるのでありまして、私自身の予算編成、最終的には内閣一体の責任で予算編成はすべきものでございますが、予算の調整権の範囲内において、それが対米関係にどう響くであろうかとか、そういうようなことは、私が直接担当でございませんだけに、お答えするらち外の問題ではなかろうかというふうに考えております。
○原田立君 次に、金融、国債関係についてお伺いするわけでありますが、日銀総裁、大変お忙しいようでございますので、順序を逆にしてお伺いするわけでありますが、国債の大量発行が続く中で、今後さらに大蔵省、日銀の国債の保有が増加することが考えられるわけでありますが、政府及び日銀の国債保有の歯どめについてはどう考えておられるのか、これは総裁並びに大蔵大臣にお伺いしたい。
○参考人(前川春雄君) 日本銀行が国債の保有を増加いたしまするのは、御承知のように、日本銀行は新規国債の引き受けを禁止されておりまするので、仮に保有額がふえるといたしますれば、それは市中から買ういわゆる国債の買い上げオペレーションということでふえるわけでございます。ただ、このオペレーションにつきましては、私ども、いまの金融調節方式といたしまして、いわゆる成長通貨の範囲内という原則をとっておるわけでございます。銀行券は毎年全体の経済成長に伴いましてある程度の増加をいたしてまいります。これはマネーサプライとして全体としてある程度の増加をいたしませんと全体の経済活動が円滑にならぬということから、この銀行券のある程度の増発ということは当然考えられるわけでございまするが、その銀行券の増発、経済の成長に応じた適正な範囲内の増発、それを日本銀行としていかにして賄っていくかということにつきまして、これは日本銀行の貸し出しではなくて債券のオペレーションで供給していくという一つの方式、原則をとっておるわけでございます。現在、成長通貨、銀行券の増発は大体一〇%前後でございまするので、年間一兆数千億というものの成長通貨の増加があるわけでございまするが、これを極力貸し出しによらないで供給していくというわけでごいます。したがいまして、その範囲内でそのときどきの金融情勢に応じた債券の買いオペということをしておるわけでございます。そういう意味で、国債は毎年十兆以上ふえておりまするけれども、日本銀行の国債の保有額の増加というのは成長通貨の範囲内ということの原則で、その金額は昨年度につきましては大体数千億、三、四千億であったというふうに思っておりますが、少なくともその成長通貨の範囲内で保有額というものについては考えるということでございます。
○国務大臣(竹下登君) 私に対するお尋ねは、国債のいわゆる政府引き受けと申されましたが、資金運用部資金によって引き受けておる問題に対する考え方というふうに受けとめてお答えをいたします。 いま日銀総裁からお答えございましたように、日銀の国債買いオペというものは、御案内のように、経済成長に必要な通貨の供給ということがあくまでも目標であるわけであります。そうして私どもの運用部で引き受けます問題につきましては、資金運用部資金は元来が国民の貯蓄をもとにしたものでございまして、これによる国債引き受け購入は市中消化の原則に反するものではこれはございません。そうしてまた、資金運用部による国債引き受けは、原資事情とかそのときどきの財政投融資計画による資金配分あるいは経済、金融全体の中で総合して、これだけのものは国債でもって運用をしようということを決めていくわけでございますし、これはマネーサプライ等に影響するものではございません。運用そのものを国債でもって引き受けて運用するわけでございますので、したがいまして、このことはそのときどきの状態の中で許される範囲内において適切に行うと、こういう筋に相なろうかと思うわけであります。
○原田立君 今回、政府の物価対策の目玉と言われる公定歩合の一・七五%引き上げで九%という最高水準の金利まで持っていったことについて金利の先高感を一掃できるとお考えなのかどうか、その点はどうですか。
○参考人(前川春雄君) 今回の政府が打ち出されました総合的な物価対策、これはもちろん大きな柱は財政と金融、両政策、それに個々の物資に対する対策あるいは独占禁止法、そういう政府の持っておられるあらゆる施策を動員して物価安定への実を上げていこうということでございまするが、金融政策につきましては、二月に公定歩合を上げました後、とかく物価の状況、一層警戒を要する段階になっておるというふうに判断いたしております。そういうことで、ちょうど政府の方もそういうふうな総合的な物価対策をお出しになるということで全体的な、総合的な需要、総需要の適切な管理という線を打ち出されたわけでございまするので、私の方も金利につきましての打ちどめ感をここで出しておくということが必要であろうということからああいう線を出したわけでございます。前回の第一次の石油ショックのときにも公定歩合を一挙に二%上げまして九%にいたしましたが、それと同じ水準まで持ってまいりまして、ここで金利の打ちどめ感を出したいというふうに考えておるわけでございます。
○原田立君 総裁、さきのバーゼルでのBIS会議において、世界的な金利引き上げ競争といったものに歯どめをかけなければならない、あるいはまたインフレ対策についてはもはや金融政策のみでは限界があるというようなことについては、どういうふうな議論がなされましたか。
○参考人(前川春雄君) インフレ対策に関しましては、あらゆる面の経済政策を全部動員いたしまして対応いたしませんとなかなか効果が出ません。財政政策かあるいは金融政策その他の所得政策等、どこの国でもそういうふうなあらゆる政策を動員してこれに対応するということをやっておるわけでございます。そういう意味におきまして、金融政策だけによってインフレが収束するということはなかなか困難でございまして、そういう意味で財政政策あるいはその他の政策をぜひ総合的に実施していただきたいというのが私どもの希望でもございまして、今回の総合的な政府の物価対策というのはその線に沿ったものであるというふうに理解しておるわけでございます。 金利につきましては、高金利が続きますことが必ずしも望ましい状況ではございません。そういう認識はあるわけでございまするけれども、一方、インフレをまず収束させるということが現在の主要国の間の共通の認識になっております。まずインフレを収束させるということをやろうということでございまして、そのためには高金利が続きますことも望ましいことではないけれども、ある程度やむを得ないという認識になっておるわけでございます。決して金利の引き上げ競争をやるということではございませんで、現在のインフレ状態に対応いたしましては、ある程度の高金利はいたし方ないというのがいまの共通認識でございます。
○原田立君 円売りが集中し、大幅な円安ドル高となっておりますが、円相場の安定を目指したスイスとのスワップ協定を行ったにもかかわらず一時は二百五十八円にもなったのでありますが、予測はむずかしいと思いますが、円安のピークをどの程度と見ておられるのか、また円安に対する具体策はいかがですか。
○参考人(前川春雄君) 為替相場、円相場を動かす要因というのは為替の需給から申しますると、いわゆるファンダメンタルズと申しまするか、国際収支でありまするとか、あるいは基本的な物価でありまするとか、そういうことが基本でございます。ただ、それ以外に、マーケットで立つ相場でございまするから、相手国の通貨が強いとこちらが弱くなるというような面もございますし、またマーケットでございまするために心理的な要素というのが非常に大きく作用するわけでございます。三月初めぐらいから急激にドルが強くなりまして、円ばかりでございませんで、ドイツ・マルクあるいはスイス・フランが急速に弱くなったわけでございます。三月中それぞれそういう主要通貨が一〇%ぐらいの下落をしておりますが、円はまず三月中は何とか二百四十八、九円で推移してまいったわけでございまするが、四月になりまして一日のうちに三円も四円も安くなるという状態が二日続いたわけでございます。いまの経済状況、ファンダメンタルズがこの二日間ぐらいの間にそんなに悪くなったということはございませんので、明らかにこの円安というのは行き過ぎであるというふうに私どもは判断いたしております。 円安がどの辺までいくかということについてのお尋ねでございまするが、相場は全く市場で動きまするので、どういうふうになりまするか、私の立場からそういうことを申し上げることは差し控えたいと思いますが、現在の状況は明らかに円安の行き過ぎであるというふうに考えております。
○原田立君 現在、円は異常な安値を記録しておりますが、政府は国際収支の大幅赤字、貿易収支の改善にどう取り組んでいくのか、改善の見通しはどうかということと、四カ国協調介入体制で日本対アメリカ、日本対スイスがスワップの取り決めを行ったのでありますが、西独との関係はどのようにするつもりなのか、この点はいかがですか。
○国務大臣(佐々木義武君) 貿易収支の現況並びに見通しに関しましては、先ほど日銀の総裁からもお話がございましたとおりでございまして、私どもも同意見でございます。 現在の状況は、御承知のように、輸出は去年以来回復基調に向かっておりますし、輸入も原油等の一次産品の上昇とかあるいは内需の堅調等で高水準を保っておりましたので、貿易収支としては赤字基調でございますけれども、今後の見通しにつきましては、輸出はいまの円安の状況等から、あるいは世界的なインフレの進行等から緩やかな上昇を示していることは御承知のとおりでございます。一方、輸入の方は価格的には原油の価格の高騰等で高水準でありますけれども、数量から見ますと伸び悩みというふうな状況で、いわば鈍化的な傾向でございます。したがいまして、五十五年度におきましては輸入の伸びは輸出の伸びを下回るという貿易収支だろうと思いますので、国際収支は五十四年度に比べまして若干改善してくるのだというふうに見込んでおります。
○参考人(前川春雄君) 国際収支につきましては、私どももすでに赤字のピークは過ぎて改善の方向に進みつつあるというふうに思います。どの程度に早く改善するかということは、いろいろな状況がございますので一概には申せませんけれども、はっきり改善の方向に進んでいるということは間違いないというふうに考えます。 為替相場も基本的にはそういうふうな国際収支を反映するものでございまするから、そういう意味で、これから国際収支の改善に伴って為替相場につきましても安定した状態が続くであろうというふうに思っております。私ども、為替相場につきまして、少なくとも三月初めぐらいの状況では、基本的な、ファンダメンタルズの影響以上に心理的な要素というものは非常に大きく働いたというふうに考えまして、三月の初めでございますが、二日にアメリカ、ドイツ、スイスとも相談をいたしまして市場介入をそれぞれ強化する、なお緊密な連絡を保ち合って市場安定に努力するという方向を打ち出しました。それによって各国とも円の買い支えもしてもらったわけでございますが、それが一つは三月中比較的円が安定しておったゆえんであろうというふうに思います。こういうふうに主要国が為替の相場の安定あるいは市場の安定のために協調して行動をとるということが非常に有意義なことであり、また有効な措置だろうというふうに考えております。スイスとの間のスワップを急遽取り決めましたのもその一環でございます。 ドイツとの間にどうするかというお話がございました。ドイツも現在のところ非常にドイツ自身のドイツ・マルクがアタックされておりまして、非常に安くなって困っておるわけでございます。私どもドイツとの間に具体的な取り決めをする計画を持っておりませんけれども、先ほど申し上げました主要国が一緒になって市場の安定に努力するという線は確認されておりまするので、将来、必要があればそういう線で何らかの措置がとられるというふうに思いますが、現在のところはそういう段階でございます。
○原田立君 日銀総裁、総裁は百八十億ドル外貨準備があるから心配ないとたしか午前中の答弁でも答弁なさったように私は思うのでありますが、そうすると、わが国の外貨の適正準備高、これはどのぐらいとお考えになるのか。あるいはまた円相場の暴落が続く中で、総裁は、市場介入政策だけでこの異常な円安を抑えることができるかどうか、どうお考えでございましょうか。ないしは、物価情勢から見て非常に厳しい時期となるわけでありますが、四月から電気・ガス料金の大幅値上げに伴い、諸物価の上昇は避けられません。その上、円安の進行はますます物価上昇に拍車をかけることになろうと思うのであります。まさに正念場ということになるわけでありますが、円安防止に全力を尽くすべきだと、こう思うのでありますが、具体策等お伺いいたしたいと思います。 以上三点お伺いします。
○参考人(前川春雄君) 外貨準備につきまして現在百八十五億ドルぐらいになっております。私、けさも申し上げたわけでございますが、現在私どもが為替政策を運営してまいります上において、この百八十五億ドルの外貨がすでに不足であるというふうには考えておりません。介入を強化して——いまのような心理的な行き過ぎた相場の動きに対しましては、介入によってそれに対応しようという姿勢は変わっておりません。外貨準備につきましては、仮にそれが足りないという事態になりますれば、これを補てんする方法は、スワップの引き出しなり資本の流入なり、いろいろな方法があるわけでございまするので、現在外貨準備高について不足だとは思っておりません。 適正な水準はどうかというお尋ねでございますが、これはもう人によっていろいろ違うと思いますし、適正な水準はないというわけではございませんけれども、そのときどきの国際収支全体の動きあるいは物価の状況、そういう事態に対応してそれぞれ個別に判断をされていくべきものであろうというふうに思います。 介入につきましては、いま申し上げましたように、明らかに相場が行き過ぎておるという現状に対しましては強力な介入をもってこれに対応していくということでございまするが、介入ということだけで相場の水準を自由に動かせるというものではございません。日本の市場ばかりでなしに海外、ロンドン、ニューヨーク、香港、世界じゅううのあらゆる市場で四六時中相場は動いておるわけでございまして、そういう事態に対応して日本が東京だけの介入で対応できるものでもございませんし、世界じゅうのマーケットに介入するというわけにもまいりませんので、介入には限界があるというのはそういう意味でございます。基本的にやはり相場はいわゆるファンダメンタルズで、国際収支なり物価なり、そういうものの改善によって安定を期すべきものであろうというふうに思っております。 物価に対して円相場というもの、円安になる状態というものは非常に大きな影響がありますることは御指摘のとおりでございます。四月の物価上昇、物価状況は楽観を許しません。公共事業の料金の引き上げというものがございますし、そういう意味から、またそれにさらに円安が物価の上昇に拍車するということは極力避けなければならないところであろうというふうに考えておりまするので、そういう意味で私どもも全力を挙げて相場の安定ということに努力しておるつもりでございます。
○原田立君 日銀総裁は結構でございますから。 ちょっと国債問題のことを聞こうと思っておったんですが、総裁の都合もあったので、その分だけを先にやりましたので、多少順序が狂っているのでありますが、大蔵大臣にお伺いしますが、物価の上昇が激しい中で政府は金融引き締め政策を一段と強めております。現在の公定歩合九%という水準から見て、これが限界とも思うが、これ以上の物価上昇への対策は金融政策としてはどうするか、お伺いしたい。
○国務大臣(竹下登君) いわゆる公定歩合の問題につきましては、日銀総裁からお答えがございましたように、九%といういわば天井感がこれによって打ち出されたと、そういう効果が物価安定の上にあらわれてくることを現在期待し、これを静かに見守っておるということであります。 一方、金融政策自体で考えますと、これはそのときどきの経済情勢に応じまして、やはりいまの引き締め基調というものは維持していかなきゃならぬと、そういう基本的な考え方に基づきまして、物価の安定ということがひいては素原材料から中間製品から完成品から生産性の向上、合理化によって安定すれば、それがまた安定してくるわけでございますので、何よりも物価の安定を第一義的な方針として打ち出しておるとき、公定歩合以外における金融政策によってのこれの対応というのは、まさに当面引き締め基調を堅持しながらそのときどきのニーズに応じて弾力的な運営を図っていくと、こういうことであろうと思います。
○原田立君 物価の動向はこれからが本番でありますが、電力・ガス料金を初め、一連の公共料金の値上げなど、まさにこれからであります。この物価の高騰への対策として金融政策以外のものとなると、過去の総需要抑制策のような相当のきめ細かな対策まで必要になってくると思うのでありますが、その点はいかがですか。
○国務大臣(正示啓次郎君) お答えします。 仰せのとおり、総合的にいわば一種の総力戦だと思っております。公定歩合も最高の水準まで来ております。財政についても、予算が成立後直ちに大蔵省を中心に抑制的な実行をしていくと、こういうことで基本的な条件を整えまして、おっしゃったとおりの適切な総需要の管理を行う、そこから個々の物質につきましても需給動向、価格動向を見守りましてこれに対応する施策を講じていく、また野菜その他についても適切なる対策を講ずる、もういわば総力を挙げて物価の安定に努力していこうと考えております。
○原田立君 高金利時代への急激な変化はわが国の経済にも多くの混乱を引き起こしつつあるわけでありますが、国債相場安定への対策はいかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 当面、一つは国債消化ということに対しては、まさにわれわれは厳しい状態にあるという、厳しい環境にあるという認識のもとに対応していかなければならないわけであります。したがって、五十四年度当初に比べて一兆円を減額し、そしてその上に民間消化分を五十四年度当初に比べて二兆円圧縮したと、こういうことであります。そして、きょう現在におきましては、いわゆる四月発行債の条件でございますとか、そういうことについてすでにいま協議に入っておるというのが現状でございます。そもそも、国債管理政策というものの基本は、何よりもやっぱり額が多過ぎるということが一番問題点でございますだけに、先ほど申しましたような施策をとってまいりましたものの、今後もそういう事態が生じたら、まず減額ということを最優先するという物の考え方で臨まなければならないというふうに考えておる次第であります。 そして、いま一つ発行者といたしましては、国債市況が思惑とかあるいは不安心理等によって不安定に動くことが一番好ましくないというふうに考えておりますので、その間にありまして、いわゆる総理もお使いになりました国債エゴイズムというような角度ではなくして、やはり国債整理基金等による既発債の市中からの購入等、それも一つの方法として行って、そして基本的には債券市場全体の安定ということを心がけていかなければならない施策であるというふうに考えております。 一方、いま先ほど四月債等の発行についての協議に入っておると申しましたが、今後とも市場のまさにニーズに応じたところの商品、いわゆる商品を用意するというようなこともやっぱり不断の検討課題として持ち続けていなければならない精神であるというふうに考えております。
○原田立君 まさに大臣もよく御承知のように、大量国債発行によるいろんな諸問題が起きているわけでありますから、その一つの例として、ついこの間までは国債が七十七円台であったのが今日七十二円八十五銭というふうにまた下落したように報道されております。大量発行によるその消化難、こういうのがこれは心配されるわけでありますが、昭和五十五年度十四兆二千七百億円という巨額な国債消化については、関係各界では消化困難という声が非常に強いのでありますが、大臣いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 五十四年のまだ残っております分につきましては、これはいわゆる出納閉鎖期までに諸般の事情を勘案してどのような形で消化していくか、こういうことになろうかと思います。 五十五年度につきましては、まず根っこが一兆円減額されておるということで、そしてシ団引き受けそのものを二兆円減額したということできようから協議に入っておりますけれども、私は何とか理解と協力を得て消化ができる可能性を期待しながら鋭意いま折衝に当たっておるというところでございます。
○原田立君 昨年五月、大蔵省は現在と同じく国債相場の値下がり対策として七項目の国債管理政策を打ち出しましたが、しかし、その後の経過を見ると、どうもあの対策は一時的な効果しか出ていないんじゃないか、成功したとは言えないんじゃないか、こんなふうに思うのでありますが、新たな対策を考えておられますか。
○国務大臣(竹下登君) まあ七項目というものを昨年五月発表いたしまして、まさにその中でシ団引き受け予定の十年利付建設国債を減額するとか、そうして資金運用部で中期国債を引き受ける等々、また国債整理基金の資金を活用して国債市場の安定化を図る等々、七項目の施策をそれなりに実施してまいりまして、私はこれがそれなりの効果は得られたというふうに考えております。が、重ねて申し上げるようでございますが、いまの委員御指摘のとおり、国債管理政策の基本は何かというと、とにかくいかにして減額するかと、まあこういうことでございます。したがって、可能な場合には何よりも優先的にそういうことを行うという考え方のもとに、そうして今後やはり投資家のニーズ等を勘案いたしまして、特に国債残高の累増、流通市場の拡大の実情に配意しながら国債管理政策の適切な運営を進めていきたい。したがって、七項目というものはそれなりの効果は上げたであろうと。しかし、より多様化したニーズに対応するこの対応策も絶えず検討しながら進めていかなければならない。貴重な御提言として受けとめさしていただきたいと思います。
○原田立君 まあ大蔵大臣、一生懸命答弁しているんだけれど、別な面で言いますと、国債の消化については民間の金融機関でつくるシンジケート団で行われているわけでありますが、銀行などの国債引き受けは限界に来ているという、そういう声が強い。というのは公定歩合が九%、銀行の貸出金利が一〇%から一一%、そういうときに国債は八%台でありますので、いわゆる国債を持っている保有のメリットがない、こういうふうなことで国債消化が非常にむずかしいんじゃないかと言われているわけでありますが、先ほど大臣は何とか明るい見通しがあるだろうというふうなことを言っておられたけれども、こういう例から見るとちょっと苦しいんじゃないかと思うんですが、いかがです。
○国務大臣(竹下登君) ただ、国債の場合は、短期金利等々からいたしまして、公定歩合の変動に伴いまして金利が動くというようなものではなく、長期にわたるものでありますだけに、それだけにやはり投資家の一つの魅力はあるものだと思うわけであります。したがって、いま委員の御指摘のように、もう銀行まいっているぞ、とても引き受ける状態じゃないぞと。まあ一つの客観的見方として、私どもも絶えずそういう警告なり、ある意味においては御鞭撻なりを受けておるわけでありますが、とにかく数日前に、もう銀行は引き受けをやめたそうだというような記事が出ましたが、現実いまシ団との交渉に入っておるという状態でございますので、われわれも一生懸命やります。また原田さんからも御協力をお願いいたします。
○原田立君 まあ、大蔵大臣の努力を期待します。 ところで、国債費の増加は年々財政に占める率が高くなっていることから、政府としてはできるだけ国債の金利は低金利にしたい、しかし国債の発行量は減少できないと、こういうふうな悪循環から、無理な国債発行のとがめがいわゆる預貯金金利の低めにあらわれている、こんなふうに思うんですけれども、その点はどうお考えですか。
○国務大臣(竹下登君) 先般の第五次公定歩合の引き上げによりまして、たとえば短期プライムレートというようなものは、金融機関の自主性で決められるわけでございますが、結果として自動的に決まっていくわけであります。それに続いて、また長期プライムレートとか諸般の金利がいろいろ変わってくる。 そこで、いま原田委員おっしゃいますのは、この国債というものに魅力を持たすために、たとえば郵貯であるとか、そういう金利をむしろ抑えて、そうしてこれをできるだけ魅力を持たすために国債というものを無理な条件で、それ以上にまた長期金利等を抑えていくんじゃないかと、こういう懸念もあろうかと思いますが、その辺は私ども各方面と協議し、特に郵貯なんかになりますと、これは郵政審議会なんというものもございますし、その辺との話し合いの中で、そうして今度、発行条件をいま相談しております国債というものがそれに対して大変な悪い影響を与えないように諸般の情勢を勘案してやるつもりでございますので、御理解を賜りたいと思います。
○原田立君 第一次オイルショックのときの最高の公定歩合が現在と同じように九%でありましたが、その当時の預貯金の金利はどのくらいであったのか。今回の九%の公定歩合に合わせた預貯金の金利はどの程度なのか。あるいはまた預金金利を低く抑え貸出金利は高い、当然金融機関の利益が大きくなる。反対に庶民は損をすることになりますが、その点の見解はどうですか。ないし、巷間言われるところによりますと、何か銀行などに対して政府は大量の国債を引き受けさせる見返りとして預金金利と貸出金利の差の拡大を放置しておるというような、こんなことも聞くのでありますけれども、以上四点指摘したのでありますが、お答え願いたい。
○国務大臣(竹下登君) 銀行局長からお答えさせます。
○政府委員(米里恕君) 第一次石油ショックの後、四十八年の十二月に公定歩合を引き上げまして九%という史上最高の公定歩合になっておりますが、このときの九%の水準下における預貯金金利の最高が一年もの定期預金で七・七五%でございます。したがいまして、ちょうど今回九%という公定歩合に対しまして一年もの定期であれば〇・七五%アップ、七・七五と、過去最高と同水準になったという状態でございます。これは第一次石油ショックの後の消費者物価の高騰その他を考え合わせますと、現水準としては最高の預貯金金利ということで、四十八年十二月の水準に並びましたということは、私どもは適正なものであるというふうに考えております。 それから、金融機関の貸出金利と預貯金金利との関係でございますが、これは必ずしも一義的なものはございません。公定歩合に結果的にスライドいたしまして、いま大蔵大臣も申し上げましたように、短期プライムレートというものが決まってくると。それで、大体結果的には現在公定歩合の〇・二五高ということで短期プライムレートが決まっておりますが、この短期プライムレートと預貯金金利との相互の関係というのは、その時期、時期によりまして非常に千差万別でございます。と申しますのは、いまさら申し上げるまでもなく、公定歩合という短期の金融調節の手段と預貯金金利というやや貯蓄性の性格を持った金利との間に必ずしも密接な相関関係が直接にはないという関係がございますので、そのときどきによりまして、場合によっては預貯金金利が短期プライムレートを上回るというような時代もございましたし、またそうでないときもあると、いろいろでなかなか一概には申し上げられないと思います。 それから、そういった金融機関の貸出金利、預貯金金利の関係と国債保有の関係ということは、私どもは直結して考えておりません。金利の方は、そのときどきのそれぞれの金利バランスあるいは金融情勢というものによって決まってまいります。そういうことで、直接の関係はないというふうに考えております。
○原田立君 最近の物価動向については非常に厳しいものがあるわけでありますが、五十五年二月の卸売物価は前年比で何と二一・四%も上昇し、年率換算では三六・一%の上昇と狂乱物価以来の高騰となっているのは、もう長官御存じのとおり。また消費者物価についても、この卸売物価高騰の波及が出てきており、かなりの上昇傾向にある。四月一日から実施された電力・ガス料金の大幅値上げの影響、その上に各種公共料金の値上げがメジロ押しである点からすれば、消費者物価が大幅に上昇することは必至の状況であると、こういうふうに多くの人が言っておりますし、見ております。 結論としてお聞きするのは、最初にお伺いするのは、本当に六・四%が責任持って大丈夫なのかというのが最終なんだけれども、その答弁は後回しにして、ガス料金や電気料金の値上げの影響、これがいまから出てくるわけだけれども、消費者物価が大幅に上昇することは必至じゃないかという、この点についてのお考えはいかがですか。
○国務大臣(正示啓次郎君) 卸売物価はもう非常に上がっておる、御指摘のとおりでございますが、まず五十四年度は、一という見通しが若干——これは卸売物価の方ですね、上がってもわれわれは四・七という目標は達成できる。それで六・四の方は後で答えろということですから、これは後回しにいたします。 もう電灯、電力、ガスの値上げがあったし、その他の公共料金がメジロ押しであるから消費者物価が非常に上がるであろう、こういうふうに言っておるがどうかという点については、私どもはそれを上げないようにいま努力をする、最善を尽くす、こういうことで総合物価対策をお決めいただいた。そのときに、公定歩合は最高の水準にいっておる、また財政はこれからである、こういう条件を整えて、あと個別物資対策、その他管理価格対策あるいはエネルギーの消費対策等、また公共料金について一部引き下げをやる、こういうことを全部入れまして、総力戦をやることによって必至であろうと言われるものを、そうではなく、政府の見通しのところにおさめるように全力を尽くすということでやっております。 いろいろございますが、私どもは、原田委員からの予告もございましたが、生産性の向上というのは、これは実は総理みずから今度の対策の中へ強調して入れられたんですが、いままでの便乗値上げより非常に積極的なんです。専守防衛じゃなくてこれは攻撃なんです。生産性を向上するというので吸収しようというわけです。こういう体制をとることによってぜひとも消費者物価は政府の見通しのようにおさめたい、こういうことでございます。
○原田立君 政府は、卸売物価について素原材料、中間品は上昇しているが消費者物価に直接関連するところの完成品は比較的落ちついているというようなことを言っておりますが、その点はどうなのか。あるいはまた完成品、特に消費財については昨年の十月の三・五%がことしの二月で六・四%と上昇してきております。中でも非耐久消費財は、昨年十月の四・四%がことし二月では七・九%と着実に上昇してきておりますが、急激に上昇する時期が来るのではないかと心配するのですが、その点はいかがですか。
○国務大臣(正示啓次郎君) まず全般的に申しまして、卸売物価の上昇の基本的な原因は、外国から入ってくる原油その他の値上がり、それから先ほど来御議論のありました円レートの安いこと、こういう点につきましては、円レートの方は、先ほど来お話しのように、なかなかいまのところきついのであります。 しかし、原油等の値上がり方は去年一年で二倍以上に上がっておりますが、そういうことはとてもとてもことしは考えられない。それからロイター商品指数等も一時非常に上がりましたがこのごろは落ちついておる。そこで火の元の方がやや火勢が衰えておる、こういうふうに御理解をいただきます。 ただ、御指摘のように、いわゆる素原材料、中間製品、完成品というところにおいては若干波及ということは確かに行われておりますので、そこでさっき申し上げた生産性向上を強力にひとつお願いをいたしましてそういう波及をできるだけ少なくしてくれと。電灯で〇・七、ガスで〇・三、したがってCPIは一と、こういうことで電灯とガスの消費者物価の方の影響を一応われわれは算定しておるわけでございますが、ところが電力の分はプラスアルファである。これをいま原田委員が御指摘のようにどんどんどんどん波及していくと、これはもう大変心配でございます。そこでそのプラスアルファを最小限度におさめてほしい。こういうことで、先般来通産大臣と御一緒に経済団体の代表にもお会いしております。これからも関係各方面にお願いをいたしまして、生産性向上による吸収ということに全力を挙げてお願いをしていきたいと思っております。
○原田立君 今回の第三次物価対策がどこまで功を奏するのか、はなはだ疑問だという気持ちがあるのでありますが、いま正示長官は熱弁をふるって決意を述べられたから、これでこれは質問しません。期待だけしておきます。 次に、鉱工業生産活動は昨年来からかなり順調に伸びてきておりますが、しかし、こうした中において最近の生産者製品在庫率指数を見ると増加傾向にあります。数字はまた通産大臣の方からお示しいただきたいと思うのでありますが、在庫のこの増加をどうごらんになりますか。
○国務大臣(佐々木義武君) 去年の八月が一番ボトムでございまして、なるほどお話しのように鉱工業の製品在庫は順次緩やかな上昇傾向をたどっております。しかし反面、生産とかあるいは出荷の方は大変好調でございまして、上昇速度は在庫の上昇率よりもずっと高うございますので、これから判断いたしますと、ただいまの在庫増はそれほど問題にするに当たらぬのじゃなかろうかというふうに考えております。
○原田立君 問題にしないということでありますが、では次に、鉱工業製品の在庫の増加は明らかに仮需、買い占めが行われていることを示しているのじゃないか。ないし、企業の製品原価が上がったことにより、製品価格の値上げを放置することは結局便乗値上げを許しているということになるんじゃないかと、こう心配するんですが、いかがですか。
○国務大臣(佐々木義武君) 具体的に数字を申し上げた方がはっきりすると思いますけれども、去年の八月に比較しまして、ことしの二月の生産が上昇率は七・三%でございまして、出荷が八・〇%、在庫は五・五%でございまして、生産、出荷の上昇から見ますと低うございますので、いまお話しのようには見ておりません。
○原田立君 現在この時期は、国民生活安定緊急措置法等、法的な価格政策に乗り出さないと政府自身企業の値上げを後押しする、こういうことになるんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(正示啓次郎君) いわゆるオイルショック、第二次の原油の値上がり、そういうことから原田委員はこの前の第一次ショックのときにお与えをいただいた生活二法等を発動すべきではないかと、こういう御意見のように伺ったのでありますが、あのときは非常に諸般の条件が違っておりましてトイレットペーパー騒ぎというようなことになりましたので、われわれとしてもそういう法律の力をかりたわけでございます。今回はその点において、もう御承知のように、原油の需給関係も若干緩んできておる、需要と供給の関係はですね。そこで石油需給適正化法というふうなこともこれは必要でないじゃないか、そしてまたこの生活二法については、先ほど申し上げたように、企業の経営者、労働者、消費者、これが前の経験に照らしてきわめて賢明に処していただいておるわけでございます。そしていわゆる市場原理、競争原理が発動いたしまして、かずのこ戦法に見られるように、賢い消費者の実績をりっぱに上げておられるわけでございます。ここでわれわれがこの生活二法を発動いたしますと、とかく高いところへ張りついてしまうような傾向を非常に心配しております。したがって、当分の間はさっき申し上げたような努力を積み重ねることによってやっていきたい。しかし、与えられた法律でございます。これは必要に応じてはいつでも発動できるような準備は整えておかなければならぬと考えております。
○原田立君 第三次物価総合対策で便乗値上げを監視するとしておりますが、いかなる基準に基づいて便乗値上げの監視をし、具体的にはどういう措置をとるのか、あるいは単なる価格の監視や調査、あるいは関係業界への要請ということでは便乗値上げを一掃できないんじゃないかと、こういうふうに思いますが、いかがですか。
○国務大臣(正示啓次郎君) 先ほど通産大臣からお答えになったように、全体の産業界の状況も、生産は着実に伸び出荷も堅実に動いておる。在庫は余り、いわゆる駆け込み等の買いだめ等は行われていないような状況である。しかしこれは予断を許しませんので、先ほど申し上げたように努力をしておるわけでございます。 そこで、まず申し上げたいことは、ただ単なる消極的な便乗値上げを監視するということではなくて、どこまでも生産性を向上して吸収してくれと、こういうことで通産省の中にも主要物資の需給価格動向連絡会議をつくっていただいて、各局長さん方がいつでも個々の物資について見張っていただいておる。全国に一万七、八千人のモニターその他の監視員がおりますので、これがそういう方面に情報を流すその源になっておるわけでございます。そういうふうな体制をとって、先ほど申し上げた電力の値上げが製造過程を通じて波及していく、どこからが便乗値上げかというのは非常に限界がむずかしゅうございますけれども、この波及度を極力少なくしていく、こういうふうに生産性を向上することによってやっていくことが私どもは最善の便乗値上げ防止の対策である。それをまた見張って、個々の消費者の方々とも常にコミュニケーションを交わして、高いところは買わない、安いところをひとつ最優先的に買っていこう、こういう態度でやっていこうというのが今度の物価対策の眼目になっておるわけでございます。
○原田立君 五十五年度の公共事業の執行計画はどうなっているのか、また執行ベースのダウンも一つの手段ではございますが、思い切って一割カットなどを打ち出すことが効果があるんじゃないか、こんなふうに思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 先般の総合物価対策におきまして、抑制的施行を図ると、こういうことが決定されておるわけであります。したがって、いま予算審議中でございますが、どれだけのものが繰り越すのかということを、三十一日が終わりましたので、いま鋭意これを各省との協議の中で詰めておるわけでございまして、その上に立って抑制的方向で総需要を管理しながらこの執行の方針を決めていく、こういう準備を進めておるところでございます。 いま委員の思い切って歳出、公共事業の一割カットをしたらどうだと。いませっかく御審議いただいておるさなかにそういういわゆる減額補正というようなことを言える状態でもございませんし、公共事業そのものが対五十四年度予算に比しまして前年同額という厳しい姿勢でもっておりますので、当面は抑制的基調でもってその執行を図って物価安定に好影響をもたらしたいと、このように考えております。
○原田立君 結局、政府は先行きの問題等から機動的な財政執行を図るという口先だけの話から一歩も出ていない、そんな感じがするのであります。とすれば、財政執行からの対策も金融政策と同様に現下の物価安定対策からいって限界があると、そんなふうに感じる。いわゆるマクロ的な金融政策、財政政策は物価対策上限界に来ていることは明らかであり、この際個別対策にしか残された決め手はないと思うのであります。 先ほど正示長官もこの個別対策のことを言われておりましたが、政府は物価総合対策でどのような公共料金対策や個別物価対策をとっていこうとするのか、具体的に答弁を願いたい。最初の方は大蔵大臣、後の方は正示長官でしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 金融政策によるところの物価対策あるいは財政によるところの物価対策というのが限界に来ておると、私は限界に来ておるとは思いません。今後の運用によってまさにその効果が出ることを期待しながら弾力的な厳しい姿勢で運用に臨んでいくということに尽きると思うのであります。 いま個別対策の中で、しいて私は大蔵省自身に関係のある問題で申しますならば、先般の本院において成立さしていただきましたたばこの値上げの実施というようなもの、あれは三月からの歳入に見込んでおったものでございますが、四月二十二日というようなところへ施行日を設定したのも個別対策の一つのあらわれであると、こういうふうに御理解をいただければ幸いであります。
○国務大臣(正示啓次郎君) まず個別対策で申し上げたいのは野菜なんでございます。実は五十四年度末非常に心配をしたのは野菜でございました。去年の秋、冬にかけて御案内のような台風、長雨、これが不作の原因になりまして非常な暴騰を見たわけであります。そこで、農林水産大臣等にもお願いしまして五億円程度の緊急措置を講じまして、いまだんだん愁眉を開く状況になっております。これからこの新しい年度の春野菜、それから夏、秋、冬にわたりまして作付においても十分これに備えていく。水産物等についても生産、出荷、流通という方面に万全の対策を講じていただくようにしております。また、通産省につきましては、先ほど申し上げた主要物資の需給価格動向の連絡会議を省内に設けていただきまして、毎日動静を打ち合わせをいただき、それについて備蓄の放出あるいは出荷の繰り上げ等の対策を講じていただく、こういうふうなことをやっております。また、管理的な価格については公正取引委員会が同調的値上げはないかということで厳重に監視をしていただいておる。こういうふうに個別個別にきめ細かな体制をとりまして、いま申し上げたような生産性向上のメリットを十分発揮できるように努力をしてやっております。
○原田立君 ちょっと時間がオーバーしてきますから、政府側の答弁もなるべく簡略にしてください。 ところで、政府は今回の予算案の中で国鉄、たばこ、郵便料金等を初め各種公共料金の値上げを盛り込んでいるわけでありますが、これを既定方針どおり行うというふうなこと、大蔵省は、たばこはぜひやるんだなんというような話だけれども、物価情勢が緊迫している異常な時期だけに、また物価問題が最大の政治課題であるならば、公共料金の値上げについては実施時期の延期あるいは値上げ幅の圧縮等前向きに再検討すべきだと思うのでありますが、いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 私に直接関係の問題はたばこでございます。たばこは先般本院で成立さしていただきまして、その施行日は理屈で言えばわれわれにお任せいただいておるわけでありますが、諸般の事情を考慮し協議をした上で、施行日は四月二十二日ということでずらしたのも一つの対策であると、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。
○国務大臣(正示啓次郎君) ほかの予算関係公共料金は、予算編成のときに相当厳しく折衝いたしまして、経営の徹底した合理化、また物価、国民生活への影響等について十分考えております。したがって、われわれとしては、予算を原案のとおりお通しいただくと同時に、それに盛り込まれました公共料金も原案のとおりに御承認を賜るようにお願いをしたいと考えております。
○原田立君 五十五年度消費者物価上昇率を六・四%としており、達成できるとしているが、いままでいろいろと指摘した点を考えればきわめて困難な状況であると思うのであります。民間研究機関等の見方では八%ないし九%程度だと、情勢によっては二けた上昇になるんじゃないか、そういうふうなことを言っているのがあります。まず、政府の六・四%達成ができるという根拠は一体何なのか、それがまず一つです。 それから、政府の試算においても、先ほど長官も言っておりましたが、予算関連公共料金の値上げで〇・八%、大幅な電力・ガス料金の引き上げによる直接的波及が一%、単純計算でも一・八%となり、残りは四・六%と、こうなるわけでありますが、さらに五十五年度への持ち越し分、いわゆるげたの部分は三・三%を見込むと、予算関連の公共料金は五・一%となる。残り一・三%分も一電力・ガス料金の間接的波及や地方公共団体の公共料金を入れると六・四%は吹っ飛んでしまうんじゃないか。六・四%へ何としても抑え込みたいという長官の発言は願望であり、ちょっと無理なんじゃないかと、こう思いますが、いかがですか。
○国務大臣(正示啓次郎君) まず御理解いただきたいのは、五十四年度、これは最初卸売物価一・六しか上がらないと、一・六と、それがいま一二・一、実績は若干卸売物価はこれを上回るのではなかろうかと考えておりますが、しかし、消費者物価は当初四・九%と見込んだのを四・七に下方修正してこれを達成できる、こういう実績をひとつ御理解をいただきたいと思います。 いま仰せのとおり、六・四という五十五年度の見通しを達成することはこれは容易ならざる難事業であることはお説のとおりであります。しかし、これを達成することは、見通しを実現することは不可能ではない。それはいま原田委員が御指摘になりましたように、五十四年度からのげたという考え方でございますね、これにわれわれは大いに異論がございまして、これは衆議院の方でもいろいろ申し上げたのですが、すなわち、げたの大部分が先ほど申し上げたように野菜価格からきておる季節的なものが多いわけでございますね。これがそのまま続くという状態であれば、仰せのとおり、非常にむずかしいのですが、幸いにして野菜等は非常に好転をしていき、また、いまから備えることによって、さらにその効果を大きくしていける。それから、先ほど申し上げたように、電力、ガスについてもこれはもう通産当局その他非常な御努力で査定をいたしまして、一%でプラスアルファ、それに対して生産性の向上によってカバーしていく、吸収していただく、こういうことをやっていけば、私はこれから努力をしていきますと、経営者また労働組合の方々、消費者の方々の御協力があれば決して虚構のものではない、達成不可能なものではないという点で、先ほど来申し上げた総合物価対策をこれからも強力に展開していきたい、かように考えております。
○原田立君 六・四%を必ず抑え込むという話がありましたから、非常に危惧はするのでありますけれども、ぜひそれを実現してもらいたい、これを強く要望しておきます。 次に、日ソサケ・マス交渉が昨日から始まっているわけでありますが、非常に厳しい交渉が予測をされております。アメリカの対ソ経済措置などの影響も考えられるが、基本的にはどのような姿勢でこの交渉に臨まれるのか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 昨年の日ソ漁業委員会におきましても、マスの不漁年であるとか、あるいはサケ・マスの資源が大変悪い状況であるというようなことがいろいろソ連側から言われておるわけでありまして、そういう点、またいろいろアフガニスタンとの問題も多少はあるかと思うのでございますけれども、この間の何とかという新聞記者の論文がソ連側から伝えられておりまして、そういう問題も多少政治的にもあるかと思いますが、いずれにいたしましても、そういう厳しい事態というものは十分認識しながらも、私どもとしては私どもの主張を粘り強く続けまして、北方のサケ・マス漁業という伝統的なこの漁業に対してその維持、安定を図っていく、こういう観点から、よりよい結果が出るように努力をしてまいりたいと、こう考えておるわけであります。
○原田立君 一般報道では、漁獲量を三、四割程度の削減、あるいは漁業協力金についても二〇%前後の増額との強い姿勢があるというふうに言われておりますが、二百海里時代に伴い、わが国の遠洋漁業の漁場確保ということからもきわめて重要であると思うのであります。大臣の決意はいかがですか。
○国務大臣(武藤嘉文君) いまの三、四割削減とかいうようなお話は、先ほど私ちょっと申し上げましたこれはノーボスチ通信社のカチューラという記者の論文と私は承知をいたしておりまして、そういうことも向こう側の新聞では言われておるわけでございますけれども、いま申し上げましたように、私どもは、提案といたしましては四万五千トンという形で提案を正式にいたしたわけでございまして、一応私ども提案をした以上この数量の確保のために全力を挙げてまいりたいと考えておるわけであります。
○原田立君 全力を挙げる、ぜひそういう成果を得るように努力すると、これは期待しております。 次に物価、特に野菜の件についてお尋ねいたしますが、公共料金の値上げに伴い諸物価の高騰が続いておりますが、野菜にしても高値に安定しているのが現状であります。そこでお尋ねいたしたいのは、農林省は出荷調整としてどんな方法を指示しておられるか、その点はいかがですか。
○政府委員(森実孝郎君) お答え申し上げます。 今回の野菜の出荷奨励に関しましては、一つは規格外品の出荷奨励を京阪神地区、京浜地区等を対象に十二月以来実施しております。それ以外に、三月から春野菜の若取り出荷ということを中心にして奨励措置を京浜地区と京阪神地域を対象にして実施しております。
○原田立君 白菜の貯蔵、たとえば冷蔵庫に入れて保存し、状況を見ながら出荷していくこと、これは可能だと思うんですね、現実にやっているんだろうと思うんですね。そのようなケースは全国でどのくらいあるのか。保存量あるいは地名等、言えたら言ってください。
○政府委員(森実孝郎君) お答え申し上げます。 三月の中旬から四月にかけて西日本の地域では冷蔵しまして白菜を出荷する姿がございます。地域は全国にまたがっておりますが、代表的なのは兵庫県の淡路地区でございます。それ以外に福岡県の行橋地区、岐阜県の各務原地区等、私どもの報告でも十数県に及んでおります。
○原田立君 冷蔵庫に保存できる日数は約二ヵ月間と言われておりますが、いまも局長から話のあった兵庫県淡路島の農協では約三万トンもの白菜が保存できる状態にあり、本年一月には一万五千トンもの白菜が保存され、値上がりを待っていたという事実がある。こういうことが人為的につくられた野菜の高値と言われる原因になるのじゃないかと、こう思うんですが、どうですか。
○国務大臣(武藤嘉文君) いま局長が答弁いたしました中にも淡路島があったわけでございまして、私も実態を必ずしもしっかりは把握をしていないのでございますが、従来から聞いておりますところでは、計画的に出荷をしていくということで貯蔵が行われているわけでございまして、ことし全体の数字は前の年と比べますと五割程度しか貯蔵がなされていないわけでございまして、そういう面では、私どもは、全国的には従来よりより多く出荷をしてもらえたと、もちろん全体の数では少ないのでございますけれども、いわゆる貯蔵部分については昨年よりこの五十五年の方が五割程度少なかったと、こういうふうに判断をいたしておるわけでございます。
○原田立君 農水省は生産地に対して特定地域への出荷指令を地方の農政局を通じて行っているんだろうと思うのでありますが、ところで、過去何十年の間出荷していた白菜が本年は全く出荷されない。これは博多の中央卸売市場と淡路島の関係であるわけでありますが、この状況について御承知ですか。
○政府委員(森実孝郎君) お答え申し上げます。 福岡の市場につきましては、冬白菜の供給は大部分実は従来熊本、大分等の九州各県でございました。兵庫県からの出荷は大体五十三年の例を見ますと年間で一%前後になっております。それからなお、絶対量で申しますと、ことしの二月、三月の兵庫県全体から、これは淡路だけではございませんが、大部分は淡路でございますが、入荷量は二十九・五トン、昨年の二月、三月の入荷量は四十三・五トンでございまして、六八%に減っておりますが、全国の入荷量の減少の大体レベル程度、若干高い程度という数字になっております。
○原田立君 この博多の中央卸売市場は例年四百五十トンぐらいの白菜を淡路島から入荷しているのでありますが、本年は一月に十二トンしか入荷してないんです。そして出荷も拒否されたと、その理由が、先ほどもちょっと話があったけれども、大都市が品薄のため白菜が高騰しており、市場を冷やすために東京、名古屋、大阪を中心に出荷しなさい、そのかわり他のところへの出荷は近畿農政局の許可を受けるようにと、こんなふうな指示があったということなんです。この事実は本当にあったんですか。
○政府委員(森実孝郎君) お答え申し上げます。 規格外の出荷あるいは春野菜の出荷奨励に当たっては、先ほど申し上げましたように、京浜地域、京阪神地域を中心に行いました。その限りにおきましては主要産地の野菜が全国の価格形成の中心になります東京市場、大阪市場のございます両地域に極力集中する形をとったことは事実でございます。ただ、現実に福岡の市場の白菜の入荷量につきましては、全体の入荷量も去年の二月、三月の例で申しますと二千四百トンが千四百トンに減っておりますが、大体淡路も四十三トン入荷量があったものが二十九・五トンでございますから、大体全体の入荷量の減少と同じ程度の姿という形になっております。
○原田立君 現に二月上旬、現地で近畿農政局の人と会っているわけでありますが、その他本省からも現地に行ったはずであります。福岡を初め九州各県では九州農政局を通じて近畿農政局に対して、出荷拒否をしないようにしてくれと、こういうふうに働きかけをしたのですが、とうとう出荷してもらえなかった、こういうことが調べてわかったのでありますけれども、こういう点をどういうふうに理解なさいますか。東京や大阪あるいは中京が大事なことは当然ですよ。じゃ、博多や熊本は要らないのか、地方都市は要らないのか、こうなるとちょっと議論は素直に受け取りがたい、いかがですか。
○国務大臣(武藤嘉文君) いまの御指摘の点でございますけれども、私もいま聞いておりまして、多少行き過ぎの点があったかもしれませんが、私どもが督励をいたしましたのは、正直、京浜地域と阪神地域に集中的に野菜を出してほしいと、こういうことで全国的に私どもの職員も派遣をいたしまして督励をいたしたわけでございます。それが効き過ぎていま御指摘のような点があったのかと思うのでございますけれども、私どもはなぜそういうことをやったかと言えば、いま御承知のとおり、神田なり大阪なりの市場の価格というものが全国的なやはり市場価格を決める上の指標になっておるわけでございまして、やはりそういうところへより多くの品物が出てくれば結果的にそこの値段が安くなるわけでございまして、やはり価格の高騰を抑えるためにはそういうところへ集中的に物を出さなければ結果的には価格がもっと上がったと私は思っておるわけでございまして、そういう点ではやむを得ない措置であったと御理解をいただきたいのでございます。ただ、多少需給関係にまで大変迷惑をかけた点があった点については、これはやっぱり今後検討をしていかなきゃならぬ点であろうと思っておるわけであります。
○原田立君 大臣、野菜が豊作のときはまだしも、本年のような品薄のとき、大都市を除く地方の市場は品物も少なく、その地域の人はより高いものを買わされるわけで、非常に矛盾があるわけです。 ところで、出荷要請をしてから一体どれほど値が下がったか。これは調べてみたところ、かえって現実は値が上がっている。二月七日東京の神田市場で三千円、それが二月十八日では三千七百円、淀橋市場では同じ日で二千五百円から三千五百円と千円上がっている。名古屋では二千六百円が三千五百円、大阪では二千八百円が三千五百円と、こう逆に上がっているんですね、これはどう説明なさいますか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 確かに御指摘の数字は間違いないと思うのでございますけれども、これはやはり先ほど来申し上げておりますように、局長から御答弁申し上げましたように、結局、白菜の量というものが絶対量が大変少なくなったわけでございまして、そのために価格的には出荷量が少なければ価格が上がっていくわけでございます。いま御指摘のように、確かに値段はそれぞれ上がってきておりますけれども、それは量的にその時期が少なかったわけでございまして、先ほど御指摘のような九州へ行くべきものが京阪へ来たというだけではないわけでございまして、絶対量が結局非常に少なかったために価格が上がってきたのである。私どもの努力が足りなかったか、それはいろいろあれでございますが、少なくとも私どもが努力をいたしまして、もしこの努力がなかったならばもっと上がっておったのではないかと、こういうふうに私は判断をいたしておるわけでございます。
○原田立君 問題は出荷要請をしてからどれほど値が下がったかというのが重大な問題なんですよ。かえって逆に上がっている。大臣は品薄だったから上がったのはあたりまえなんだと、こういう意見なんですけれども、これはちょっと受け取れないですね。 ところで、例年より品の少ない博多が二月七日で千八百円、二月十八日で二千九十六円と、他のところよりも千円も安い、これは非常におかしいことじゃないですか。農林大臣は、最近白菜を含め秋冬物の野菜が値下がりしてきたと、それはあらゆる努力をしてきたからだと答弁されておられますが、時期的に秋冬物はもう終わりに近づき消費者の需要が減ってきたからにすぎない、こう私は思うんです。どうですか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 私は、白菜の値段も含めてとは、まだたしか申し上げていないと思うのでございます。白菜を除けば値段は下がってきた、こういうことを言っておるわけでございまして、確かに御指摘のとおり品物が多くなってきたということもございますけれども、しかし、これはキャベツその他大根などが下がってきたのは、やはり普通ならば四月に出荷されるべきものが私ども早出しをお願いをいたしまして三月にそれが出荷された、これが結果的には下がる時期が早くなったというふうに私どもは判断をいたしておるわけでございます。
○原田立君 野菜の高騰を防ぐべき手段を全くしていないと言えば酷な言い方になるだろうと思うのでありますが、打つ手は後手、見通しは甘い、これではお百姓さんたちから信用されるわけがないと思うのであります。消費者にも厚く、また生産者にも納得できる農業・物価政策を本当に行っていく決意をお示し願いたいと思うんです。本年度から行われる新たな施策、方針、さらに将来行っていこうとしている政策、それらもあわせて答弁願いたい。
○国務大臣(武藤嘉文君) 従来からやってまいりました野菜の計画的な集団産地育成、これをより進めていくこと、あるいは将来産直というものをもっと広めていくべきかどうかという問題、いろいろ従来からも検討しております。あるいは実施しておりますことをやってまいりますが、それに加えて、ことしこの五十五年度予算の中で予定をいたしております重要野菜需給調整特別事業でございますけれども、これはいろいろと最初は御批判があったと思います。いわゆる価格をつり上げるためにやるのではないかというような御批判があったかと思いますが、私どもこの間うちのいろいろ野菜の状態を見まして、せっかく新しくつくるこの制度については、作付のときにより多くつくってもらうように指導しよう、そして、結果的には余ったときにはそこで処分をしてもらうということもやむを得ない、それに対しての負担もある程度私どもは応援をしよう、こういう形で今度その制度を活用していこうということでいま検討を進めておるわけでございまして、私は、そういうことになれば消費者にも喜んでもらえるし、生産者も安心してつくれるということになるわけでございますから、この制度については強力に進めてまいりたいと考えておるわけでございます。
○原田立君 次の問題に移りますが、総理は肉を切って骨に達する決意で行革に取り組むと、こう仰せになりましたね。特殊法人、地方出先機関、補助金及び綱紀粛正の四本柱を立てて実施すると言っておりますが、ブロック機関の統廃合一つをとってみても、現実は国民の期待にはほど遠い。総理の行政改革に対する基本姿勢についてまずお伺いしたい。
○国務大臣(大平正芳君) 政府の国民に対するサービスの質を落とさないようにしながら行政費の節減、行政の簡素化を図るということは、綱紀の維持とあわせましていま国民の強い要請だと思うのでございます。しかし、このことは言うはやすく行うは大変むずかしいことでございまして、私が冒頭で申し上げましたように、総論にみんなは賛成でございますが、各論にまいりますと必ずしも賛成が得られないという性質のものでございます。しかし、それだからといって手をこまねいてはならないわけでございます。そこで、政府としては五十五年行革を立案いたしまして、幾つかの項目につきまして各省庁の協力を求め、国民の理解のもとで実行に移してきたわけでございます。必ずしも満足すべきものとは思っておりません。しかし、従来から比較いたしまして相当大幅の改善が可能になったと考えておるわけでございます。しかし、いまはもくろみをつくって、法律をつくって予算をつくってという段階でございまして、これは誠実に実行して実を上げてまいるのが当面の私どもの任務だと思っておりますが、しかし、行革はあくまでも不断のわれわれの仕事でなければならぬわけでございまして、これをもって必ずしも満足しておるわけじゃございませんで、次々と行革に新たな構想をこらしながら実行してまいらなければいけないものと考えております。
○原田立君 政府は去る三月二十八日、「地方支分部局の整理再編成について」という閣議決定をなさったわけでありますが、国民に対する行政サービスと行政改革との調和、あるいは行政サービスと財政再建との関連などについて基本的にどう行政改革を実施していかれるのか。長官、いかがですか。
○国務大臣(宇野宗佑君) 今回の行革の趣旨に関しましてはただいま総理のおっしゃったとおりでありますが、率直に私はこれまでの経緯から考えますと、国民の方々の行革に対する集約的な御希望は次の二点ではないかと思います。その一点は、増税をやめて行革で金目のものを出してほしい、こういう要望が一番強いんじゃないだろうか。第二番目は、なぜお役人の首を切りませんか。これが国民の二つの一番大きな行革に対する考え方ではないかと思いますが、残念にいたしまして、国会決議等々もあり、また今日の経済情勢から、そう簡単に生首をとるという情勢ではございませんから、これは何度も私がお話し申し上げたところであります。 また、行革即財政再建一〇〇%受け合うんだというものでもないということも、これまたかねてお話ししたとおりでございます。しかしながら、やはりむだなところは排除する、ぜい肉は排除する、これを考えていかなくちゃなりません。 私といたしましては、今日ただいま国民と一番近いところにあるのが地方支分部局であるが、その中において、もしも民間に過剰介入している部分がありはしないか、あるいはまた逆にかえって迷惑を与えているような面がありはしないか等々のことをおもんばかりまして、やはり行政は常に国民にサービスをするということが中心でございますから、そのような意味で、まず地方支分部局、そうしたところから手をつけた次第でございます。したがいまして、いま御指摘のとおりに、先ほどもお話をいたしましたが、統合はしたがサービスが落ちたということであってはなりませんし、統合したためにかえって手間暇がかかるというようなことであってはならない、かように考えております。行革はあくまで簡素にして効率的でございますから、先ほど三角形のお話を申し上げたんですが、できるだけ三角形の一辺において国民へのサービスができる、また国民も行政に対するいろいろな手続が行われる、そうしたことが一番いいのではなかろうか、その実を上げたい、これが今回のブロック機関の整理再編成でございます。
○原田立君 政府は、十八に上る特殊法人の削減を今後五年間で実施すると、こうお決めになっておりますね。また、行政管理庁が監察の調査対象を四十八特殊法人から百十一特殊法人に広げるための法案を提出するということにもなっているようでありますが、しかし、特殊法人が削減されると認可法人ができ、認可法人が削減されると財団法人ができる。こういうふうなぐあいに、機構は違った方向へと拡大されるのではないかと、こう思うんです。今後五年間に十八特殊法人の削減を実施すると言っているが、内容を伴った削減ができるのかどうか。これは長官と総理にお伺いしたい。
○国務大臣(宇野宗佑君) 特殊法人の削減は、社会経済情勢の変化に伴ってお役御免のやつがあるのではないか、あるいは民間に移行した方がよいものがあるのではないか、また同一の機能だから統合した方がいいのではないか等々、この三つを中心として十八の統廃合が決まったわけでございます。したがいまして、これはそのとおり動いていきます。従来はいわば手形に日付が入っておらなかったのですが、今回は全部日付を入れましたから、そのとおりに動いていく予定でございます。 なお、特殊法人を減らして財団法人等々いわゆる民法法人が誕生した、公益法人が誕生したという御指摘でございますが、たとえば今回「こどもの国」なんかはもう特殊法人でなくてもよいというふうに判定をいたし、また厚生省もそのような判定をいたしましたので、これは社会福祉法人になったという経緯でございますから、決して衣がえをしたゆえんでも何でもない。極力、やはり特殊法人に対する風当たりが多うございましたし、また高度成長期のいわばぜい肉の一つであったかもしれぬ、そういう考え方から私たちとしては整理をいたしております。公益法人には、これは前からも御答弁いたしておりますが、それぞれ民間の需要に基づきまして各主管大臣が許可を与えるものでありますから、そういうふうな風潮のもとにどんどんできてよいものではないとわれわれは考えておりますから、認可法人また公益法人、ともに内閣全体の問題として、今後はその設立に当たりましてもよほどの注意をして、そうしてふえるということがあってはならない。こういう姿勢を貫いていきたいということであります。
○国務大臣(大平正芳君) 今回の特殊法人の整理によりまして高度成長期に膨張いたしましたものを整理いたしまして、三十八年の姿に返すことができたと思っております。これはいま申し上げましたとおり、お約束したとおりそのまま断行をいたす所存でございます。しかしながら、それにあわせまして、これが公益法人とか認可法人に化けて、実際、実質はすっきり、とした整理にならぬのじゃないかという御懸念でございますが、さようなことがないように政府としても十分目を光らしてまいるつもりであります。
○原田立君 特殊法人と同様、認可法人についても設立等に審査権を持たせ、調査についても全認可法人を対象とすべきだと考えますが、長官、いかがですか。
○国務大臣(宇野宗佑君) 御指摘のとおり、現在はそれぞれ認可法人は各省庁において各大臣が認可をいたしておりますから、行管といたしましての審査権はございません。しかし、これにもいろいろ問題がございます。私は全部が全部もう認可法人は不要だとは申し上げません。昨年のスモン病のときの基金、これは特殊法人はもうすでに設立すべきでないからというふうなことになれば、緊急事態として認可法人ということで設立されておるという経緯等も考えますと、やはりそういう場面もあるかもしれませんが、しかし、やはり衣がえであってはいけない、隠れ法人であってはいけないと、こういう御意見でございますから、これは官房長官等々と相はかりまして、内閣全体の問題として今後極力抑えていく。現にことしの予算査定のときに二つそういう問題がございましたが、お互いに相談し合いまして、所管大臣みずからが認可をされなかったという経緯もございますので、そういう姿勢で今後も臨んでいくべきであると考えております。
○原田立君 現在、国家公務員の定員はいわゆる総定員法で規制されておりますが、要するに医科大学のない県ですね、この解消計画に基づく新設医科大学の定員、沖繩の国の行政機関の定員、それから地方事務官の定員、これらは総定員法の枠外となっているわけでありますが、この公務員の定員管理の方法いかんによっては今後公務員の定員がふえる可能性もあるわけでありますが、この問題についてどう対応するのか、また新しい定員管理制度をどう考えていくのか、この点はいかがですか。
○国務大臣(宇野宗佑君) 国家公務員の数はおおむね九十万、うち五十万が一般職で総定員法の対象となっておりまして、残りの四十万のうち約三十万ないし三十五万が現業で、残り五万ばかりがいまおっしゃいました地方事務官であるとか沖繩の政府関係者の方々であるといったような人たちによって占められております。特に、医科大学関係は新しい政策でございました。まあこれは国民の一つのニーズであるかもしれません。だから、新しい政策として一つの学校をつくりますと千名は確実に定員がふえるというわけでございますので、総定員法のあとの問題でございましたから、枠外にはみ出ておりますが、総定員法の中におきましてもやはり抑えるべきところは抑える、伸ばすべきところは伸ばす、こういう姿勢でございます。したがいまして、枠外に出ているとは申しながらも、十二分に新規需要に対しましては抑制をするとか、あるいはまた予算査定におきまして十二分に削減を図るとか、いわゆる定員管理、これは厳しく今後もやっていく所存でございます。試みにこの十二年間を考えていただきますと、その間に経済も相当伸びた高度成長期があったわけで、予算も伸びたわけですが、国家公務員の数は、その率にいたしましては伸びておらぬ。大きなカーブをつくっておりますが、国家公務員の数はその率においては伸びておらない、むしろマイナス八千という結果でございますので、やはり必要なところはこれはまた補充をしてあげなくちゃならぬとは思いますが、総体といたしましてむだのないように考えていきたい。それが私たちの定員管理の方針でございます。
○原田立君 質問に二つまだ答弁がないんです。沖繩の国の行政機関の定員、地方事務官の定員、この件についてはいかがですか。
○国務大臣(宇野宗佑君) それはいま申し上げましたとおり、総定員法の外にある定員でございます。したがいまして、これも行政需要等を考えながら、予算査定のときにそれぞれ定員管理を行管がやっておりますから、十二分にその面におきまして考えた定員をそこに定めておる、それを大蔵省と相談をして予算をつけておる、こういうことであります。 地方事務官の問題は、先刻来もお話がありましたから、いま各省庁間で十分話し合いが続けられております。現在といたしましては国が俸給を払っておるわけでございますが、しかしながら、その姿がよいかどうか、今後の問題でございます。
○原田立君 公務員の職域病院についてお伺いいたします。 国鉄副総裁来ていますか。——国鉄副総裁にお伺いしますが、鉄道病院については、国鉄の赤字減らしの一環として一般の地域住民にも門戸を開放する計画のようでありますが、この実現の見通しはいかがですか。
○説明員(馬渡一眞君) お答えいたします。 国鉄の医療の現状をちょっと言わしていただきますと、病院から診療所まで百三十カ所、職員数約五千、それに対して患者は年間約四百七十万人、それから健康管理で延べ約百万人、これだけの仕事をいたしておりますが、残念ながら、収支で申しますと、収入が五十三年度約百億円、支出が三百億円弱に達しております。その中には先ほどの健康管理のための収入を伴わない仕事がございますけれども、ともかくこのまま放置してはいけないということで、ただいま専門委員会を設けて検討いたしておりまして、近く結論が出る予定でございます。 ただいま先生のお尋ねのいわゆるオープン化ということにつきましては、その中の一環として考えておりまして、その方向で努力をいたしておりますが、何と申しましても保険医療機関としての指定をいただくことが一つ、それからなお地元の医療機関並びに医師会の御理解と御協力が必要でございますので、ただいまその接触を始めておるところでございまして、いま直ちに成否ということになりますると申し上げかねますけれども、その方向で努力をしておるということで御了解いただきたいと存じます。
○原田立君 国鉄は鉄道病院再建計画案というものをつくって、これまで閉鎖的な職域病院から踏み出して一般に開放しようとしておると、こう聞いているんですが、それは間違いないですね。
○説明員(馬渡一眞君) そのとおりでございまして、努力をしておる、成否までとおっしゃいますといままだわかりませんけれども、その方向で努力をしておるということをただいま申し上げたわけでございます。
○原田立君 そこで、大蔵大臣、それから郵政大臣、電電公社総裁、専売公社総裁にお伺いするのでありますが、それぞれの職域病院は一体どうですか、一般の地域住民に開放する計画はあるんですか、ないんですか。
○国務大臣(竹下登君) 私の方の所管で申しますならば印刷局病院と造幣局病院でございます。御指摘のように、大変利益率の低いところであります。したがいまして、これは基本的には御指摘の点が一番だと思います。早速衆議院の予算委員会で御指摘を受けました後、赤字対策につきましては改善を命じ、対処しておりますが、それは診療単価の引き上げ、そういうようなことをいたしたわけであります。しかし、それによってその増収を見ますのも印刷局病院について八千万円という予測でございますが、基本的には、いま御指摘のような点で、いわゆる地域の医療機関、地元医師会との関係、そういうむずかしい問題がありましても、その可能性について今後ともじみちな努力を続けていかなければならぬ。たまたまわが方の国家公務員共済というものの病院がありまして、これは大平給与課長時代におつくりになっておりますが、これは地元へ開放してありますので、大変いい成績なんです。その若い時代——いまでも若うございますけれども、若い時代におつくりになりましたそういう精神を生かしていかなきゃならぬと言って折々部内で反省、検討をしておるところであります。
○国務大臣(大西正男君) お答えいたします。 郵政省は逓信病院を持っているわけでございますが、この逓信病院は、先ほど国鉄副総裁からのお話にもありましたように職域病院でございますので、一般病院とは性格が異なっておりまして、したがいまして、もちろん経費の節減とか、あるいは経営の合理化とか、そういったことは推進をしなければなりませんし、これは努力をいたしておるところでございますけれども、収支償っていくということについては、これはいろいろむずかしい問題があろうかと思います。 しかしながら、そうは申しましてもやはり収支の改善を図っていくということは当然必要なことでございますので、この四月一日から診療料金につきまして改定を行いました。 それからさらに、一般の方に開放してはどうかというお話でございますが、この利用者の範囲の拡大ということにつきましても、職域病院としての機能に支障のないような方途で前向きにいま検討しておるところでございます。
○説明員(秋草篤二君) お答えします。 電電公社も、ただいまのところ全国に十七の病院を持っています。 先般衆議院でも御指摘されましたように、収入は七十六億、支出は二百三十億、かなりの赤字でございます。その趣旨は職域病院でございますが、しかし、昨今私どもの病院その他につきましてのいろいろな批判、国会の論議等もございますので、懸命にこの節約に励むとともに、これから先生の御主張のこれを開放するということにつきましても、地域需要の状況を見まして、郵政省とも十分相談の上前向きに検討したいと思います。郵政省と同じような意見でございます。
○説明員(泉美之松君) 専売公社は、東京と京都に二つ病院を持っております。その職員は四百九十六人でございます。その収支率は、五十三年度で見ますと、支出一〇〇に対しまして収入三七%といった割合で、収益率は大変悪うございます。この改善につきましては衆議院予算委員会でも御質問がございまして、まずさしあたりすぐできることは、他の病院を持たないいろいろな保険団体、政府機関等の共済組合がございますので、その共済組合と診療契約を結びまして診療の範囲を広げることでございますが、それだけでは十分でございませんので、先生御質問のありましたように、一般に開放する必要があるわけですが、そのためには地元医師会の了解を得まして保険医療機関としての資格を与えてもらわなければなりません。現在、厚生省の方に、職域医療機関としての設立目的を変更して、そういうオープンな病院にするということで申請をいたしております。の認可を得ますれば、今度は東京都の方に保険医療機関としての指定をいただくようにお願いするつもりでおりますが、何分にも地元の医師会の御了承がまだ得られませんので、オープンになるまでには若干の時間を要するかと存じます。
○原田立君 いまもいろいろと説明があった中で、みんなもう大赤字なんですね。鉄道病院が二百四億五千七百万円、専売公社病院は二十一億二千八百万円、電電公社病院は百五十六億五千七百万円、逓信病院は九十八億八千三百万円、大蔵省の病院は七億七千万円、造幣局病院が三億四千万円と、こういうふうに非常に高額な赤字になっているのですが、この赤字は一体だれが負担するのかという大きな問題があります。結局は一般国民が納めた税金でこれは賄うしかないと思うんです。そうすると、一般国民は全然それが使用できない、その病院が。使用できない国民に、まあ言葉で言うとちょっとおかしいですけれども、しりぬぐいをさせるようなことはとても国民が納得できない点であります。 いろいろ細々としたことを聞きたかったのでありますが、政府は口を開けば財政再建だの行政改革だの言っておりますけれども、こんなずさんで、特定の公務員だけしか特別扱いする病院経費の実態をほうっておいていいと思うのか、これは行管庁長官に行政改革という観点からお伺いするのであります。 また、一般にも開放すべきだということは当初申し上げたとおりであります。いま泉総裁の答弁の中に、厚生大臣、いま厚生省に医療関係の申請をしていると言うけれども、それを許可なさることは、各病院で申請があった場合なさるおつもりなのか。 いろいろとお聞きしましたけれども、御答弁願いたい。
○国務大臣(宇野宗佑君) これはそれぞれの所管大臣の直接事項でございますから、私からとやかく申し上げる筋ではありませんが、行革進行の最中において、こうしたことが病院でしばしば問題にされ、また明らかにされております。当然政府全体の問題として、やはり所管大臣と協議の上速やかにむだなことは排除していくべきであると、そういうふうな思い切った整理が必要だろうと私は考えております。
○国務大臣(野呂恭一君) 三公社などの職域病院を地域に開放すべきかどうかということにつきましては、開設の目的あるいは経営収支に照らしてまずやっぱり開設者が御判断すべき問題でございますが、厚生省といたしましては、一般的に結論を出すわけにはまいりませんが、医療機関の有効利用あるいはまた医療機関の適正配置という観点から、人口の急増地帯などにおきまして病床の不足が生じておるわけでございますので、そういう地域の状況に応じて一般に開放されるということは一つの方向であり、厚生省としては望ましいことでございます。したがいまして、御指摘のように、それぞれ開設者が厚生省に相談をし、あるいは協力の要請がありますれば具体的にその問題に対して対応してまいりたいと、かように考えております。
○原田立君 じゃ、許可する方針、方向でいきたいというような答弁でありますから——先ほど大蔵大臣は、自分の方はだめだなんていうような、まことに冷たい言い方をなさっておられたけれども、それは前言を取り消してもらって、一般開放の方向に向くように努力してもらいたい。これはまあ要望だけにしておきます。
○国務大臣(竹下登君) そういうことを申しておりませんのでい基本的には、それがないと、ただ単価をいじっても七千万円程度のことにしかならぬと。基本的には大平給与課長がおやりになったように、その地域医療の中へ溶け込んでいく、すなわち開放していくという方向で努力しなければだめだと、こう言ったわけでございますので、御理解をいただきたいと思います。
○原田立君 次の問題に移ります。 離島振興の中で、特に離島航路問題について若干お伺いするわけでありますが、国土庁長官、運輸大臣、この離島における航路は陸上での道路、鉄道に匹敵するものと受けとめているわけでありますが、こういう航路は形を変えた国道になると判断しているが、見解はいかがですか。
○国務大臣(園田清充君) お答えいたします。 離島航路の問題は、離島全体の振興策と大きな関係がございまして、離島に生活される方にとっては必要欠くことのできない交通機関でございますし、私どもとしてはというよりも、政府としてはそれぞれいろいろ助成策を講じて、島民の方々の便を図っているところでございますが、恐らく具体的には離島振興対策特別委員長から政府に対して申し入れられた高速艇の就航等について考えろということも含んでの御質疑ではないかと思いますが、この点については、離島振興対策特別委員長の言を受けまして、政府としては前向きの姿で検討を進めておるというのが現状でございます。
○政府委員(妹尾弘人君) 離島航路につきましては、離島の島民の生活を維持する唯一の生活手段でございますので、この維持については政府といたしましても常に真剣に取り組んでいるところでございます。 先ほど、国土庁長官からジェットフォイルの問題も出ましたので、あわせてお答えいたしますと、ジェットフォイルにつきましては、佐渡島において現在佐渡汽船がやっておりまして非常に好評を博しているわけでございますけれども、これは非常に高価な船舶でございまして、同時に非常にたくさんの油を使うということで、相当量の利用客がないと採算がとれない、こういう面がございますので、一般の離島航路に使用することにつきましてはかなり問題があるというふうに考えております。 お尋ねの現在問題になっております五島と本土との関係でございますが、これにつきましては、長崎県が試算いたしましたところでは、年間約五億円程度の赤字が出ると、このように試算されております。現在、離島航路の予算が大体年間二十七億程度で、これで百何十航路というものをやっておりますので、一航路に五億も赤字を出すということはなかなか困難である。こういったようなことも考えられるわけでございますが、国民生活の向上に伴い、離島航路につきましても、サービスあるいはスピードというふうな点で改善の要望が高いことは承知いたしておりますので、運輸省といたしましても、国土庁と連絡の上検討は続けていきたいと、かように考えております。
○原田立君 御承知のように、私は現在長崎と五島を結ぶ高速艇ジェットフォイル導入運動についてお伺いしようとしたわけであります。 前もって通知してあったから先回りして答弁があってしまったのでありますけれども、いま運輸省の方は、何かずいぶん赤字が出るからちょっとなかなかむずかしいなんていうような意味の答弁だったし、国土庁長官は、もう積極的な姿勢で前向きでやると言っているし、一体どっちを信用したらいいんですか、これは。
○国務大臣(園田清充君) お答えをいたしますが、国土審議会の中の離島振興対策特別委員会の二階堂委員長から政府全体として検討をしろという実は強い要請の意見の開陳を受けておるわけでございますので、政府全体としてひとつ検討をさしていただきたい。ただ、いま運輸省から率直に申し上げましたとおり、非常に高くつくということで、採算性の問題で若干問題があるようでございますので、その辺を含めてひとつ政府部内の検討をさしていただきたいと、こう思います。
○原田立君 検討は結構なんですけどね、それがだめだなんていうふうな方向に向いたんじゃ何にもならない、その検討がね。また、審議会の方からも設置するような方向でいけというような意味での検討をするようにという答申も出ているんですから。先ほどの大臣の話の中では五十五年度予算の中から調査を進めるというようなことをちらっと言われたように私は聞こえたわけなんです。もしそうでなければ、審議会の答申は無視しちゃって五十五年はやらないのか、あるいはやるという方向でいくのか。私は、やるという方向にぜひ決めてもらいたいと、こう要望するんですが、いかがですか。
○国務大臣(園田清充君) 前向きで検討するとは申し上げましたけれども、五十五年度から実施をいたしますという答弁は私はやっていないつもりでございますけれども、ただ、これは本来ならば運輸大臣から御答弁申し上げるのがたてまえかと思いますけれども、離島だということでございますから私から答弁を申し上げますけれども、総合交通運輸体系というようなことで、五島に飛行機を飛ばせろとか、いろいろな地元の要請もあってるようでございます。それで、これらの問題等にらみ合わせながら担当省庁とも十分ひとつ協議をして、委員会の御要請にはどうこたえていくかということについてひとつ前向きで検討さしていただきたいと、こう申し上げておるのでございますので、現在前向きで検討しておるということでひとつ御了承賜りたいと思います。
○原田立君 前向きに検討ということは、実現の方向に前進してると、こういうふうに受けとめておきます。またこれで時間使っても、あと四分しかありませんから、もう議論はしません。いまのように強く要望しておきますから、その点をお含み願いたい。 それから次に、新エネルギー総合開発の新機構は石炭鉱業合理化事業団を統合するということでありますが、従来の石炭鉱業合理化事業団の業務を主体にして、代替エネルギー開発の業務をつけ加えた程度にすぎないのではないか。合理化事業団の業務、人員、新機構の関係、一体どうなっておりますか、御説明願いたい。
○国務大臣(佐々木義武君) 合理化事業団を吸収することは事実でございますけれども、それは決して主体じゃなくて、本体は新エネルギーの開発でございます。
○原田立君 ちょっと、よく聞こえなかったんですが……。 新機構は原子力は含まれていないのでありますが、その理由は各省庁間のなわ張り争いによるものだと、こういうふうに言われておりますが、原子力を含めた代替エネルギー開発体制の一元化を図るべきではないかと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(佐々木義武君) この問題は機構の予算を通すときにもずいぶん議論した問題でございまして、原子力の体系は、御承知のように開発体系はもう三十年近くたっておりまして、研究所、あるいはそれをさらに実用化するための中間機関、あるいは実用になってそれを伸ばす機関と、それぞれ任務が体系的に決まっておりまして、いまこれを別に壊して新しいところに吸収するという必要は毛頭ないものですから、従来の体制のままでこれは進むべきだという判断でございます。原子力以外のものは努めてこの機関で吸収いたしまして、そこで伸ばしていきたいと、こういう計画でございます。
○原田立君 石油ショック以来、代替エネルギーの開発について政府はどれだけの資金でどれだけの効果を今日までに上げてきたのか、また代替エネルギーとしての石炭液化、太陽エネルギー、地熱等々を実用化する上で環境、技術面での問題など数多くの解決すべき点があるわけでありますが、かなりの時間を要すると言われておりますが、その間大きな焦点として省エネを行わなければならないというふうな問題もあるわけでありますが、それらのことに関しお伺いしたいと思います。
○国務大臣(佐々木義武君) 代替エネルギーに対してどれほどの資金がいままで投入されたかとなりますと、原子力以外のものをどのくらいかと申し上げた方が早かろうと考えますけれども、今後大体十カ年で二兆円くらいが必要かと思っております、原子力関係以外で。それを年度割りにいたしますと、大体ほほ見当がつくわけでございますが、今年度がいわばそういう代替エネルギーの元年となぞらえまして、いままでも研究はそれぞれ進めてまいりましたけれども、今度はひとつ思い切って向かおうじゃないかということで財源も考え、お話のように新しい機構もこの行政改革のさなかではございますけれども特にお認めいただきまして、いま法案として商工委員会に提出していよいよ審議に入る段階になってございます。 それから、いままでの省エネルギーはどうなっているかと申しますと、去年は、御承知のように、サミットの会議以来五%の節約ということで進めてございましたが、ちょうどいま四月に入って昨年五十四年度は終わったばかりでございますが、集計してみますと、石油の消費量は計画よりも若干下回っております。にもかかわりませず、経済成長は六%予定どおり大体まいりますので、そういたしますと、その間それだけの計算でまいりましても大体五%の消費の節約は達成されたと見ていいんじゃないかと。それをさらに産業あるいは民生、輸送等にブレークダウンしてそれぞれ計算してみましても、実績は五%というふうになってございます。 今年度は、この一月に総理からのお達しもございまして、五%を七%に変えようじゃないかということで、ことしから七%を目指しまして、いままで準備をしまして、これから進めてまいるところでございます。今後さらに五年後には一%までこれを遂行していくというのがいまの長期計画の目標でございますので、今後省エネルギーあるいは節約等に関しましては一段の努力が必要だと考えております。
○原田立君 産業の構造転換で石炭の需要が多くなってきているわけでありますが、これに対する対応はどのようになっているか、これが一つ。 それから、従来多くの関係諸団体が二千万トン体制を日本は、ぜひしくべきであると、こういうふうに言っておりますが、それに対するお考えはいかがか。 また、当委員会で三月十五日にわが党の桑名委員が質問している石炭六法の延長の要請を質問したわけでありますが、産炭地はこのことを非常に強く要請しておりますけれども、延長できるようにぜひお取り扱い願いたいと思うのでありますが、いかがですか。
○国務大臣(佐々木義武君) 油にかわる、とりあえずと申しますか、一番主流をなすものはやはり原子力と石炭かと存じます。中でも石炭はすぐでもこれは使えるわけでございますので、ただ国内の石炭は二千万トン以上はあらゆる点から考えまして無理でございますので、審議会等でお決めいただきました二千万トンを崩さぬようにということでせっかく努力していきたいと思います。それ以外はどうするかと申しますと、海外炭でございますので、海外炭の方はやはり単に輸入するというだけでは安定供給になりませんので、努めて開発輸入ということでみずから出回りまして、海外の優秀な炭鉱を開発して所要の石炭を確保したいということで今後とも進みたいと思います。 もう一つは石炭の液化、ガス化等の問題がございますし、これも御承知のように、ただいま新機構をつくりまして、これを中心に進めるつもりでございます。 それから石炭関係六法の期限がお話のように五十六年、五十七年でそれぞれ切れてまいりますので、これをどうするんだということは石炭対策特別委員会でさんざん私どもも各党の皆さんから漏れなく要望がございまして、ただいま検討中ではございますが、できるだけ最善の道を選びたいということでただいま進めてございます。
○原田立君 石炭六法についてはできるだけ最善の方向で進みたいということは、延長の方向に向くというふうに理解して受けとめておきます。 石油の方の問題でありますけれども、国家備蓄として現在約五百万キロリッターのタンカー備蓄が行われておりますが、このタンカー備蓄は今年末には二ヵ年の契約が切れるが、今後このタンカー備蓄はどう考えていくのか、あるいは五十五年度はさらに二百五十万キロリッターの増加ということが言われておりますけれども、この分もタンカー備蓄にするのか、その点はいかがですか。
○国務大臣(佐々木義武君) 油の備蓄問題は、ヨーロッパの百三十五日、大体平均でございますけれども、その水準に日本も達すべきだということでせっかく努力中でございまして、民間の備蓄は九十日、残余は三千万キロリッターを国の備蓄として、国家備蓄として蓄えたいということで、調査費等もちょうだいいたしましてただいま地点を選定中でございます。お話の現在までの約五百万キロリッターぐらいの備蓄量は陸上の備蓄基地が整備が間に合いませんでしたので、とりあえずタンカー備蓄として備蓄していることはお話しのとおりでございまして、これが陸上の備蓄が整備してまいりますれば順次そちらの方に切りかえるのが本筋かと思いますけれども、さらばといって陸上の備蓄がどんどんと予定どおりできてくるかと申しますと、なかなかこれまた至難のわざでもございますから、当分はやはり海上備蓄も併用するという結果になってくるんじゃなかろうかというふうに考えてございます。
○委員長(山内一郎君) じゃ、時間になりましたから一問だけ。
○原田立君 大臣、最後の一問でありますが、世界各国で燃料用アルコールの実用化が話題となっているわけでありますが、多少燃料の値段も上がるかもしれませんか、この研究はぜひ進めるべきだと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(佐々木義武君) お話のとおりだと存じます。けさもブラジルの鉄道大臣が参りまして、開発問題の要求に参ったんですけれども、こちらの方からは調査団を近く派遣するので、ぜひひとつアルコールの今後の生産計画なりあるいはどれくらい輸出できるか、どうしてまた油に、自動車にどれくらいの混用でこれを進めるか等の話をいたしまして、よくお願いしておきました。ブラジルのみならず、インドネシア等からもぜひ芋や何かでつくりたいという申し出がございまして、これから国内の問題も兼ね合わしまして開発を進めてまいりたいと存じます。
○委員長(山内一郎君) 以上で原田君の締めくくり総括質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(山内一郎君) 次に、橋本敦君の締めくくり総括質疑を行います。 〔委員長退席、理事桧垣徳太郎君着席〕
○理事(桧垣徳太郎君) 橋本君。
○橋本敦君 当面アメリカの要請にこたえての防衛力増強問題というのが非常に重大な問題になってきておりますが、この問題はいやおうなしに現在の深刻なわが国の経済という問題との関係で重大な幾つかの問題を私は提起せざるを得ないと、こう思っております。深刻な問題は幾つもありますけれども、まずその例の一つとして、依然として中小企業が高水準の倒産を続けているという事態は、これは大変深刻であります。 まず通産省に伺いますが、中小企業倒産の実態はいかがになっておりますか。
○政府委員(左近友三郎君) 最近の中小企業の倒産状況でございますが、昨年の十月から十二月にかけましては、いわゆる危機ラインと言われております月間千五百件を上回ったということでございます。そして今年に入りまして一月、二月というのは大体千二百件前後ではございますけれども、これはやはり前年に比べますと件数も大体二割ぐらいふえておるということでございます。例年、年末が高うございまして、一月、二月が若干低下し、また三月、四月が上昇するというふうなパターンでもございますので、三月以降を十分注視してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○橋本敦君 七七年が中小企業倒産では史上最高と言われたわけですが、七七年の一月、二月に比較しても倒産件数は多くなっている、負債額も多くなっている、こういう実情ですね。
○政府委員(左近友三郎君) お話しのとおり、昭和五十二年が一番倒産件数が多かった年でございまして、年間で一万八千四百件強でございました。その時期の一月、二月に比べますとやや少ないわけでございますが、しかし五十二年以外に比べますと、ことしの一月、二月はほかの年に比べると高いということでございます。
○橋本敦君 その理由ですけれども、帝国興信所の民間調査機関の指摘によりますと、増勢基調を中小企業倒産が強めているのは、昨年四月以来四次にわたる公定歩合の引き上げと窓口指導の強化など引き締め本格化、これが原因だということを第一に挙げております。政府はこの原因についてどう思いますか。
○政府委員(左近友三郎君) 先ほど御説明申し上げました倒産の増加の原因でございますが、一つには、いま御指摘のような金融引き締まりの傾向というのがございますが、実はこれについては、われわれが中小企業にいろいろアンケートやなんかで調べておるところによりますと、昨年暮れまではまだそれほど顕在化しておらない。昨年の暮れの予測で、ことしになってそういうものが強まってくるであろうという予測をしておるということでございます。 そこで、われわれの見ておりますのは、いままで倒産の多かったのは、やはり石油価格の引き上げに伴います原材料高というのが非常に大きかったと。そして実は以前の第一回の石油ショック以来の不況、それから円高の時期におきます非常に中小企業は傷を負ったわけでございますが、その傷を回復し切れなくなって、いまのようなまた原材料高で倒産したんだろうと思いますが、今後はやはりそういう金融引き締めの影響も出てこようかということで、中小企業自身もそういう予測をしております。
○橋本敦君 そこで、日銀総裁に御多忙中御無理をお願いしましたが、お伺いしたいんですが、公定歩合の引き上げがほとんど天井だと、こういうような意見もあるのですけれども、最近の情勢を見ますと、この問題はそう楽観できないのではないか。アメリカではプライムレートの史上最高という問題が飛び込んできました。総裁としては、この公定歩合を四月以降引き上げねばならぬという状況があるかどうか、そこらあたりはどうお考えになっておられますか。
○参考人(前川春雄君) 私ども金融政策の引き締めを昨年の初め以来やっておるわけでございますけれども、その目的は一にかかって物価の抑制ということを主眼にやっておるわけでございます。本年になりまして四月、五月と二度引き上げましたけれども、政府の総合的な物価対策ということで、財政政策その他の施策とともに、ここで総需要の適切な管理ということを目的に取り組んでおるわけでございます。 〔理事桧垣徳太郎君退席、委員長着席〕.私ども今度も一・七五という非常に大幅な引き上げをいたしまして、九%というのは第一次石油ショックのときの最高でございます。打ちどめ感を出す必要があるということからやったつもりでおります。今後どういうふうに対応するかということにつきましては、もちろん情勢次第でございますけれども、今度の引き上げは、そういうふうに打ちどめ感を出すことが必要だというふうに判断して——四、五月と申しましたけれども、二、三月の間違いでございます。打ちどめ感を出すというつもりで実施した次第でございます。
○橋本敦君 打ちどめ感を出すというお考えはわかりましたが、今後の推移として、必ずこれは打ちどめだということを確信を持っておっしゃれる状況かどうかと聞いているわけです。
○参考人(前川春雄君) 金融政策は機動性をとうとぶわけでございまするので、情勢次第ということを一般論としては申し上げざるを得ないわけでございます。しかし、常に情勢次第ということで、まだあるかまだあるかというような状態になっておることは非常に望ましくないというふうに一考えまして、二月に続きまして三月、一ヵ月以内にさらに大幅の引き上げをし、しかも九%という過去の最高まで持っていきまして、打ちどめ感というものを市場一般に与えるということが必要だというふうに判断したわけでございます。そういうことで、今後絶対やらないかどうかということについて私が責任者としてここで申し上げるのは不適当だと思いますけれども、考え方としてはそういうふうな考え方から引き上げをしておるということでございます。
○橋本敦君 重要問題ですから、含みのある御発言になるわけですが、もう一つ経済不安定要因として、円のいわゆる転げ落ちるような円安問題、そしてまた新聞もエンドレスレースに入ったんじゃないかという書き方をしておりますが、この円レートの安定ということについて、一体果たして見通しがあるのかどうか。この不安定は長期に続くと見ているのかどうか、総理はどう見ていらっしゃいますか。
○国務大臣(大平正芳君) 私どもが打ち出している総合的な物価対策を丹念に実行いたしまして、この乱気流状態を早く突き抜けて安定状態を取り戻さなければならぬわけでございまして、それは私ども可能であると見ておるわけでございまして、国の内をまず固めることが第一だと思うのでございまして、国際情勢、経済情勢がどう動くか、これは逆賭しがたいものがございますけれども、その状況の変化に応じまして機動的な対応策を可能な限り持っていきまして、少なくとも円為替が不当に動揺することのないように努めなければならぬと思っております。内外の経済情勢は厳しゅうございますけれども、対応に周到を期してまいりますならば総体的に安定を保ってまいるということは不可能でないと思っています。
○橋本敦君 一応、総理のそういうある意味では楽観的な見通しとも聞こえるお話ですが、私はそう簡単にはいかぬだろうという心配をして質問をしておるわけなんですね。 日銀総裁、もう一つ問題は、中小企業の問題を私は取り上げたのですが、この中小企業の倒産の原因の一つといたしまして、いわゆる金融引き締め、そしてまあ選別融資の体制が、日銀指導のいわゆる貸付枠減少という方向から実際は中小企業は非常に窮屈になってきている。だから私は中小企業対策の一つとして、中小企業に対して一律割賦方式というんじゃなくて、弾力的に中小企業には金融、これはやっぱり幅を持って手当てをしていくという方向の指導が望ましいと思っているんですが、いかがでしょうか。
○参考人(前川春雄君) ただいま金融引き締め政策といたしまして量的な引き締めというのが非常に重要な施策でございまするので、おっしゃいましたように窓口規制ということで、金融機関の融資の総量について一定限度内にこれを抑えるようにお願いし、それが実施されておるわけでございます。それなりに融資活動が制限されまするので、影響が出ることはいたし方ないところでございまするけれども、私どもは、いまの金融機関の取引先の中で中小企業というのは重要な取引分野になっておりまするので、以前のように限界的に引き締めになればすぐ中小企業の金融が詰まるというような事態にはなっておらないというふうに思います。また、その他のアンケート等によって見ましても、中小企業が特に金融的にも詰まっているというふうに私どもは理解しておりません。 ただ、もちろん健全な中小企業の育成ということは非常に必要なことでございまするので、そういうふうな健全な中小企業について問題があるようなことにならないように、私どもはそういう点について十分注意を怠らないでまいりたいというふうに考えております。
○橋本敦君 注意を怠らないというお話がございましたが、大蔵大臣もこの問題について中小企業対策としては慎重な検討を払っておられると思いますが、いま政府の答弁にありましたように、公定歩合の引き上げ、金融引き締め、これが今年度これからの中小企業倒産原因になるんじゃないかという不安が一般化してきている。大蔵省としては、この中小企業対策として、中小企業向け金利その他の問題含めて、どう対応されるおつもりですか。
○国務大臣(竹下登君) 中小企業対策についての大蔵省の役割りと言えば金融であろうと思います。したがいまして、まず総体的に見まして、中小企業金融というものは従来の中小企業専門金融のみでなく、地方銀行あるいは都銀にまである程度範囲が広がってきたと、しかし、今度いわゆる引き締め政策によって多かれ少なかれ影響を受けるであろうということは考えられます。一方、政府関係三機関の問題が出てくるわけであります。政府関係三機関におかれては、その金融量を一応当初見込みとしていま確保しておられる、したがって、私はそれなりの対応はできる体制にはあると思うのであります。 ただ、御心配の一つに金利の問題がございます。その金利の問題につきましては、いわゆる長期プライムレートに、これは原則としてではございませんが、いままでのものを見ますと、これに連動した形になって決められておる。すなわち大企業の最優遇金利というものが中小企業三機関の貸し出しに対しては、それが広く中小企業全体に与えられるということと、そしていままではその金利引き上げにつきましても二段階方式というようなものをとりながら、その影響ができるだけ少ないような方法がとられてきた。このたびにおきましても、そのような方向でもっていま鋭意作業、検討を進めておると、したがって、中小企業向けの金融政策、なかんずく中小公庫三機関、そしてそれの金利政策については誤りなきように期していきたいというふうに考えております。
○橋本敦君 日銀総裁の時間がお急ぎでしたので最初にお伺いしましたが、どうもありがとうございました。これで終わります。 委員長、結構でございます。
○委員長(山内一郎君) 前川参考人には、御多忙中のところ御出席をくださいまして、まことにありがとうございました。御退席していただいて結構でございます。
○橋本敦君 いずれにしても中小企業問題がそう簡単に、いままでの倒産増勢基調が解決するという見込みはそう簡単にないと思いますね。 そこで、話は防衛力増強問題に戻しますが、外務大臣にお伺いしたいんですが、アメリカにお行きになりまして、着実かつ顕著な防衛力増強という要請に対しては、顕著なの問題は無理だが、着実にということで要請にこたえるという方向を約束をされた。顕著なという増強が無理だと御判断になった外務大臣の理由は何ですか。
○国務大臣(大来佐武郎君) 先方から着実顕著な防衛努力という話がございましたが、それに対して、短期間に大幅な増強ということは日本の国内の諸般の事情から言って無理のように思われる、ただ、この問題は政府全体としての意思決定、さらに防衛当局自体の考え方もあることでありますから私自身がこの返事をすることはできない、米側の意向を日本に帰りまして関係方面に伝えましょう、という応答をいたしたわけでございます。
○橋本敦君 防衛庁長官にお伺いをいたしますが、新聞報道によれば、米海兵隊の総司令官バロー大将に長官は着実かつ顕著な増強についてこれは努力をするという約束をされた、これは間違いありませんか。
○国務大臣(細田吉藏君) 先般大来外務大臣がアメリカへ行かれまして、ブラウン国防長官からの話があったと、これは私は大来外務大臣から承ったわけであります。その中身は、いまおっしゃるようにステディーに、そしてシグニフィカントリーにということであったと。ただ、これはその言葉だけでなくて実は中身もあるわけでございまして、これは実際ことしの一月十五日に前の防衛庁長官が会ったときにブラウンさんから話があったものの延長線上と私どもは思っておりますが、日本の防衛計画の大綱の範囲内であることがもう前提になっておるわけでございますし、それから防衛庁として立てております中期業務見積もり、これの範囲内でもある、これはもちろん大綱の範囲内であること当然でございますが、これをできるだけ早くやってもらうのだと、そういう枠組みがございまするので、私としては、防衛庁としてはできるだけ努力をするということは、そういうつもりでおりますので、さように考えておる次第でございます。
○橋本敦君 そうすると、いわゆる中期計画をできるだけ早期に達成するという努力をするという意味で、着実顕著な増強という要請にはそれなりに努力すると答えられたと。
○国務大臣(細田吉藏君) 今度の国会で衆参両院を通じまして一貫してお答えをしておるとおりでございまするので、そういう意味で防衛庁長官としては努力すると、かようにしたいと存じておる次第でございます。
○橋本敦君 総理の了解を得てそういう話をされましたか。
○国務大臣(細田吉藏君) 防衛庁長官としての努力の表明でございますし、そういう考え方でございまするので、これは予算に関連のある問題でございまするから、しかも、中期業務見積もりというものは閣議決定したものでもございませんし、政府としての方針として決めたものものでもございませんので、これは総理に御相談をしてどうこうという、した上での話という話ではございません。
○橋本敦君 重大な答弁ですね。 一つは外務大臣のおっしゃる顕著なということまでも約束されたという状況が一つ。それから政府が公認をしていない中期業務見積もりの達成というのが、政府が公認しない、総理も了解しないままにひとり歩きをしてアメリカとの間で話がついていくと、こういう傾向が助長されるという心配があるんですよ。どうですか。
○国務大臣(細田吉藏君) ちょっと誤解があるといけませんので、この中期業務見積もりというのは防衛の大綱の範囲内なんでございます。大綱というのは政府で決まっておりますので、その範囲内での努力ということなんでございますから。
○橋本敦君 それは一つの弁解じゃありませんか。中期業務見積もり自体をどのようにどう達成するかということについて、そのこと自体を政府はまだ公式に承認していませんよ、防衛庁の計画にすぎないんですよ。
○国務大臣(細田吉藏君) 大綱というものは決まっておるわけでございます。それからGNPの一%を超えない程度ということも閣議で決まっておるわけでございます。中業というのはその範囲内のことでございますので、それに対して努力をするということは政府の方針に反しておるということには相ならないと私は考えておる次第でございます。
○橋本敦君 大平総理は、外人記者との会見でこの問題についてインタビューをなさいまして、それが「タイム」のことしの二月二十五日号に載っておりますね。総理もごらんになったかと思います。それで、いま言った防衛力増強あるいはGNP一%への問題についての質問で、結論として総理はこの問題については、「スローリー トライツー シーク ア ニュー ディレクション」、つまりゆっくりと新しい方向づけを探求するような検討を私はしたいと実に慎重におっしゃっておられる。こういう総理の考え方というのはいまもお持ちなのかどうか、まずこれを伺いたい。
○国務大臣(大平正芳君) 政策を実行する場合はできるだけ誠実にやらななりませんので、足元を踏みしめながら慎重にやってまいるのは当然のことと思っております。
○橋本敦君 考え方は変わっていないという理解として承ってよろしいわけですか。いま私が指摘した、つまりゆっくりと検討していくという方向、これは変わっていないんですか。
○国務大臣(大平正芳君) これはまあ防衛政策ばかりでなく、すべての政策に対してそうでなければならぬと思っております。
○橋本敦君 ところが、大綱の範囲内だと言うけれども、中期計画の早期達成という問題が現に非常に具体的な問題として出てきておる。これはまさに「スローリー」ではなくて着実かつ顕著な方向へ行っているという問題を指摘せざるを得ない。外務大臣も防衛庁長官も、アメリカは中期計画の早期達成という要請があったという事実を指摘をされて、これに向けて早期達成、つまり五年というやつを前倒し達成という方向で努力するという考え方をお持ちのように思いますが、それぞれお答えをいただきたい。
○国務大臣(大来佐武郎君) せんだって衆議院の予算委員会で大内委員からの質問がありまして、この問題について中業の達成をどう思うかということでございましたので、外務省の立場では早期達成が望ましいと思いますということを申しました。アメリカに今回参りましたときに、着実かつ顕著なということについては、着実なことはやらなきゃならないと思うけれども、顕著という意味では、国内のいろいろな情勢があるから、帰って政府に伝えるけれども、また今度参りましたのもそういう物事を決めに来たのではございませんので、よくそれぞれ担当の方に伝えますということで、先ほど申しましたようなことで戻ってまいったわけでございます。
○橋本敦君 いや、私の質問にちゃんとまともに答えてくださいよ。早期達成をあなたは主張されておるんですねと言っている。
○国務大臣(大来佐武郎君) 私は早期達成ということは言っておりませんけれども、着実な増強ということは必要だというふうに言っておるわけでございます。
○国務大臣(細田吉藏君) 防衛庁の立場といたしましては、できるだけ早く達成するようなことが望ましいと考えております。しかし、いろいろなむずかしい条件があることはもちろん承知いたしておるつもりでございます。
○橋本敦君 大来外務大臣は、この前はアメリカの早期達成というのは尊重すべきだという御意見を言われたんだが、きょうは若干後退的答弁をされた。防衛庁は早期達成、これはもうはっきりおっしゃって、若干の矛盾がある。 防衛庁にお伺いしますが、防衛庁は五十六年度の防衛庁の予算の基本的な概要を早急に詰めるという作業をやっておられる。総理訪米までに詰めたいという御意向のようですが、間違いありませんか。
○国務大臣(細田吉藏君) 五十五年度の予算がいままだ審議中でございまして、五十六年度の予算にまでかかっておるわけではございませんし、総理訪米云々というような話は、私どももそんな早期にどうこうというふうに考えておるわけではございません。ただ、今後五十六年度予算がどうなるかというようなことにつきまして、それぞれの部局あるいはそれぞれのところでは用意はいたしておると思いますが、私どもの方でまだ取りまとめをするなどというような段階ではございません。
○橋本敦君 新聞報道を否定されたわけですが、しかし、総理が訪米されますと、当然防衛力増強問題がアメリカとの協議の議題になることが予想されるいま政治状況である。そして、その中で中期計画の早期達成という問題が現に大来外務大臣に要請があったわけですから、その問題について帰って政府に伝えると答弁されてきておるんですから、総理がお行きになりますと、この問題は総理としてどうですかということが必ず議題に私はなると思う。総理は、早期達成問題、これはどういうようにアメリカ側に対処されるおつもりでしょうか。
○国務大臣(大平正芳君) わが国がもちろんこれは決めなけりゃならぬ問題であるということが一点でございます。われわれが決めるにつきましては、財政、経済の事情ももとよりでございますが、国民の納得を得なければならぬということ、当然のことだと思っておりますが、同時に、同盟国としてアメリカも理解ができるというようなものでなければならぬわけでございまして、私は、そういう意味で、外務大臣は着実な増強が望ましいという見解を持たれておる、防衛庁長官は防衛庁の立場において防衛計画大綱の枠内で中期見積もりの早期達成ということを強く望んでおるということ、それなりに理解できるわけでございますが、国内のいろいろな意見というものも十分踏まえた上でこれは対処せなければならぬ問題でございます。 今度、私が訪米に当たりまして、そういう問題が話題になるかどうかまだわからないわけでございまして、私の方から申し出る、話題を提供するつもりはありません。もし先方からお話がございますならば、当然なこととして、日本といたしまして日本の責任において決めないけないことでございますと、鋭意検討すると言うことがいまの私の立場であろうと思っております。
○橋本敦君 いま総理のお言葉にもあってわかるように、総理が訪米される前に大来外務大臣が約束された。防衛庁長官がバロー大将と話をされた。そして、そういうことが総理が向こうで話をされる一つの前提になっていっている。私が先ほど既成事実化だと言ったのはこれなのです。中期計画だってそうでしょう。防衛庁の単なるプランだと、こう言うけれども、ブラウン報告を見ると、アメリカは日本政府の計画というように評価をした形で報告しているじゃないですか。何でもそういうことでアメリカ側の方向づけが先へ先へ進んで、そしてそれに追随をしていくという、こういう傾向は、いま総理はわが国自身の自主的立場とおっしゃったけれども、本当に貫かなくてはいけませんね。 大蔵大臣に伺いますが、大蔵省は防衛関係費の対GNP比を一%とした場合の各年度予算の伸び率を考えておられる。まあ中期計画は五十九年度までに大体一%という目標でやっておるのですが、そういきますと、試算では各年度の防衛関係費の伸び、一般予算の伸び率、これとの関係でどうなりますか、防衛関係費の純増はどれくらい見込まれますか。
○国務大臣(竹下登君) これは防衛関係費の対GNP比を一%とした場合の各年度予算伸び率の比較、これは試算でございます。佐藤昭夫議員要求に対する資料でございます。これはGNP伸び率を各年度一一・四%と仮定してあります。防衛関係費は各年度等比で伸ばしてあります。一般会計伸び率は財政収支試算、これをも一とにしてつくったものであります。だから、そういういわば前提が置かれたものでございますが、これによりますならば、それは仮に五十六年度に一%としようということになれば二三・八%対前年度伸び率、それから五十七年度を一%としようとすれば一七・四%、それから五十八年とした場合は一五・四%、五十九年とした場合は一四・四%、六十年とした場合は一三・八%、こういうことになるというのを機械的に計算したものであります。
○橋本敦君 五十九年度一%達成として防衛予算の純増はどれくらいになりますか。
○国務大臣(竹下登君) 純増はちょっと計算してみなければわかりませんが……。
○橋本敦君 大体一兆五千億円。
○国務大臣(竹下登君) まあ、大ざっぱにそういうことですね。
○橋本敦君 だから一兆五千億円も防衛費が純増するという、しかも今年度防衛費伸び率は六・五%ですが、毎年一四・四%、一般会計伸び率よりもはるかに高い指数で伸びていくということが試算で出てくる。これを下敷きにして検討しますと、この中期計画五年を四年で仮に達成するという早期達成をやるといたしますと、これは非常にやはり財政圧迫ということが当然に出てくる。 大蔵大臣にお伺いしますが、財政再建ということは緊要な課題であります。五十九年度から赤字公債をなくすという、そういう点で五十九年度から赤字公債をなくすということが、中期計画の四年での達成ということで、実際に大蔵大臣は努力されておりますが、できるでしょうか。また、一般関連公共投資やあるいは福祉、そういうものは減退する。そしてまた同時に、二兆七、八千億円も使う中期計画を前倒し四年でやるとするならば、当然、財政収支試算に出ておりますような五兆円近い増税をやらざるを得ない、ここへ追い込まれるのではないでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 財政収支試算の性格というものは、経済社会七カ年計画の最終年度を想定いたしまして、その後フォローアップされたそれぞれの指標をそのまま置いてやや機械的に結んだものでございます。したがって、これは増税額を提示したという性格のものではございません。しかし、財政再建ということに当たっては、それは本院においても決議をなされましたように、まさに歳入、歳出全般にわたって国民各界各層の意見を聞いてこれに真剣に取り組めと、こういう決議をいただいておりますから、そういう姿勢で取り組む、こういうお答えになります。
○橋本敦君 お答えになりますということですが、私の質問にはお答えになっていないように思いますのでもう一遍聞きますけれども、中期計画を前倒し四年で実行する、こういうことになりますと、五十九年度赤字国債をなくすというそのこと自体は必ず実行できるという確信がおありでしょうか。そしてまた当然、財政収支試算に見合うそれと同じとは言いません。それに見合うような増税が新たに必要となるという事態を心配されませんか。この二点いかがです。
○国務大臣(竹下登君) 中期計画——中期業務見積もりのことでございますね。これがいわゆる金額にして幾らになるかというようなことを私は承知しておりません。したがいまして、これは仄聞するところによればということに相なりますので、私、正確にこの点は関知いたしておりません。したがって、私が佐藤委員の要求に基づきまして出したものは、中期計画を前提として置いたものではなく、一%というものを前提にして置いたものであるというふうに御理解をいただきたいと思います。
○橋本敦君 だから、それを下敷きに検討して答弁してほしい。 それでは、こう聞きます。防衛庁長官に聞きますが、いわゆる中期計画は五十九年度GNP一%になるということがベースになっていますね「端的に答えてください。
○政府委員(原徹君) 中期業務見積もりは、正面装備として二兆七千ないし二兆八千億かかると、それだけ積み上げたわけでございます。したがいまして、防衛関係費全体につきましては積み上げをやっておりませんわけでございますが、しかし、二兆七千ないし二兆八千をするとするならば、いまの〇・九%の線では達成できないので徐徐に一%に近づいていくであろう、そういう感覚を持っておる、そういうことでございます。
○橋本敦君 大蔵大臣、お聞きのとおりです。だから、それを下敷きに答弁してくれと言っておる。それを前倒しでやって、大蔵大臣、自信が持てますか。もう一遍答弁してください。私は大変むずかしいと思う。
○国務大臣(竹下登君) この出した資料は、中期業務見積もりとは全く関係がないという立場において、五十九年度にGNP比一%を達成する場合の資料として出したわけでございますので、いままだ中期業務見積もりというものを、きょうも質問がありましたが、総理の会見のお言葉とすれば、まあ認知していないという状態の中で、私の時点においてはまだ仮定でございますので、それをもとにお答えすることは私はできないことである、こういうふうに思います。
○橋本敦君 できないわけじゃないと思うのですがね。それじゃ大蔵大臣、この試算に基づいて聞きましょう。五十九年に一%達成、この表に基づいて、ということでいけばどうなりますか、心配されるでしょう。
○国務大臣(竹下登君) それでは、佐藤昭夫議員要求に対する資料、そして前提を置いたものにおいて出したこの資料において、五十九年度に一%とした場合は三兆八千百五十億円、こういうことになりますので、これはなかなか困難な数字だと、こういうふうに私も感想としては認識をいたしております。
○橋本敦君 わかりました。いま総理が思わずお笑いになりましたけれども、これは本当にもっと真剣に議論したいのですよね。 総理はこの問題について、私が指摘した「タイム」で非常に慎重にいいことをおっしゃっております。私はこのとおり読みますと、そのGNP一%へ向けて防衛努力をやるということ、それをやっていくということについては日本にとっては三つの結果を招来するであろう。一つは「インクリースト ディペンデンス アポン パブリック ボローイングス」、つまり赤字公債の増大という問題、それからもう一つは「ア カット イン アワ スペンディング フォア パブリック アメニティーズ」、国民関連生活関係投資、公共投資のカット、それからもう一つは「インクリースト タックシーズ」、つまり増税、こういう三つのものが将来出てくるということに直面せざるを得ない。したがって、この選択をどう選択するかはきわめてむずかしい選択だ。「ベリー ディフィカルト チョイス」とおっしゃった。まさに私は防衛力増強計画、GNP一%に向けての問題というのは、総理自身がおっしゃっている、赤字公債がなくせないんじゃないかという問題、増税の問題、それから福祉関連公共事業の減少という問題、これにぶつからざるを得ない。これは非常にむずかしい選択だ、こうおっしゃっている。これはまさに事実ですね。
○国務大臣(大平正芳君) 防衛費をほかの財政の、ほかの財布から出すわけにまいりません。日本のわれわれの予算から積算して充当していかないかぬわけでございますから、これを増額しようと思いますならば、それだけ日本の経済が非常に順調に成長いたしまして、多くの自然増収が予期以上に出てくるということが期待されますと、それはある意味においてやさしい、ある程度助けられるわけでございますけれども、財政再建をやっておるときでございますので、そういった自然増収が出てまいりますならば、まず公債の漸減に充ててまいるということを財政再建の間はやらなければならぬということでございますので、この間で防衛費の増額をやるということになると、いま言ったような三つの選択、険しい選択にならざるを得ないというのが常識だと思うのでございます。そういう問題として国民にもよく考えてもらわないかぬということでございまして、だれが考えてもそうじゃないかと思います。
○橋本敦君 国民にもよく考えてもらわないかぬが、政府自身もしっかり考えにゃいかぬ問題ですね。まさに総理がおっしゃったような重大な三つの選択、増税か、国債の発行継続か、それとも福祉の後退か、こういう問題が出てくる。だから大来外務大臣がアメリカへ行ったからといって、軽軽に着実な増強結構だと、そう簡単に言っちゃ困るんですよ。防衛庁長官、バロー大将が来たからといって、防衛庁は早期に達成するようにがんばると簡単に言ってもらえるような問題じゃないんですよ。わが国財政というのはもっと大変だ。 たとえば教育の問題一つとってみましょうか。文部大臣に伺いますけれども、われわれ四十人学級は五年、六年でやってもらいたいと言っておる、文部省は九年でやりたいと言っておった。どうなりました、それが。
○国務大臣(谷垣專一君) お答えをいたします。 四十五人の現在の学級を四十人にして実施するということ、これは五十五年度から始めることにして十二年間でやる、こういうことになったわけでございます。
○橋本敦君 それもやっぱり財源問題でしょう、文部大臣ね。公立高校に対する補助は全国知事会の切実な要望ですよ。これは今年度予算は去年より削られました。これも財源でしょう、そうでしょう。文部大臣。
○国務大臣(谷垣專一君) 財源の問題が中央、地方を通じまして大きな問題であったことは事実でございます。
○橋本敦君 福祉の問題がこういう危機にさらされるということになれば、それを預かる厚生大臣として、このGNP一%問題で防衛力増強をやっていくということは福祉を守るあなたの立場にと ってやっぱり心配な事態だ、こう思っていらっしゃるんじゃないかと思いますが、どうですか。
○国務大臣(野呂恭一君) 厚生行政の中ではいろいろやっぱり低成長経済下の中で工夫すべきものは工夫して、そしていろいろのニーズの多様化にもこたえていかなければならないのでありまして、必ずしも財政だけで仕切られるものではないと私どもは考えておるわけでございます。
○橋本敦君 財政問題が心配でしょうと言っている。
○国務大臣(野呂恭一君) 財政的にはそれはいろいろの制肘を受けるわけでございますから、心配はいたしております。
○橋本敦君 外務大臣、防衛庁長官以外みんな心配なんですよ、一々聞きませんけれども。私は総理に、アメリカへ行ってもしこの話が出たら、まさに日本の自主的立場を貫いて、着実かつ堅実、どっちでもいいですが、防衛費増強というアメリカの要請に簡単にこれに応ずるというようなことはとってもらいたくない。まさにいまの国内の財政問題は大変だ。こういうことで私は強く総理にお願いをして、先ほどおっしゃった自主的立場を貫くということをぜひお願いしたいんですが、もう一度お答えいただきたい。
○国務大臣(大平正芳君) あなたの御要請を待つまでもなく、当然のことじゃございませんか。日本政府が自主的に決める問題でございます。
○橋本敦君 その自主的に国民の期待にこたえて決めてほしいということですけれどもね。私が心配するのは、こういう防衛力の増強問題、歯どめがかからずにアメリカとの話し合いでどんどんどんどん総理が責任を持つまでに先に進む、これはもう大問題だと思いますよ。 それからもう一つ、財界でも、徴兵制度の検討をやれというような発言を財界のそうそうたる首脳である関経連の日向会長がおっしゃった。法制局長官いらっしゃいますけれども、徴兵制度なんていまの憲法でできますか。
○政府委員(角田禮次郎君) たびたび申し上げておりますが、いまの憲法のもとにおいては徴兵制度は許されません。
○橋本敦君 大平内閣は憲法を改正しない、憲法を守る、こういう立場に立っておられる。これは間違いございませんね、総理。
○国務大臣(大平正芳君) 現行憲法を守らなければならぬ厳粛な責任を持っています。
○橋本敦君 私はそういう大平内閣の姿勢が明確でないから、まさにそうそうたる政治家である、そうして自民党の幹事長である櫻内さんが自主憲法制定会議、まさに天皇の元首化、憲法九条の改正、改廃、こういったことで運動を進めている自主憲法制定会議への政府の公然たる要請をなさったという事態が起こったと思うんです。これについて総理はどうお考えですか。
○国務大臣(伊東正義君) 私からお答え申し上げます。 いまの先生の御質問の点は、この前、政府と与党で定期的な連絡会議があるのでございますが、その会議が終わった後で食事をしたときに、雑談をした際に、幹事長からいまのお話のような政府で援助できないものかということが雑談的に出たのでございます。公式ということではなくて、それで私にお話がありましたので、いま総理からお答えしたとおり、政府としては憲法を忠実に守っていくというのが態度でございますので、その話は一笑に付したわけでございます。一笑に付したということで政府の態度をわかっていただきたいと思うわけでございます。
○橋本敦君 なかなか、一笑に付した姿を私は見ていませんので、私は一笑に付せないから聞いておるわけですよ。総理、稻葉法相問題がありましたね。この自主憲法制定会議、ことしも行われますよ。個人として参加されたということでやっぱり国会の大問題になった。御記憶ありますね。私は、やっぱり総理が憲法を改正しないという大平内閣の方針を堅持されるなら、この自主憲法制定国民会議の大会、ことしも行われますが、大平内閣の閣僚は個人であっても参加しない、これはやっぱり総理の立場においてそれは徹底さしていただきたいと思うんですが、どうですか。
○国務大臣(伊東正義君) お答え申し上げます。 前の内閣の際も、個人と公人というのはなかなか区別がしづらいからひとつ参加しない方がいいじゃないかということで、前の内閣でもそういう態度でやったということでございますので、われわれもそういう態度でまいろうと思います。
○橋本敦君 総理に伺いますが、マンスフィールド大使が、ことしの三月二十七日に米国繊維製造業者協会年次大会において演説をなさいました。それのスピーチ・テキストが各社に配られ、われわれにも手に入っておりますが、この中でマンスフィールド大使は、日本が軍事的役割りを大きく増大することには三つの制約がある。一つは平和憲法の存在。二つ目は非核三原則。三つ目は武器禁輸の政策。こういう指摘をしておられる。そしてマンスフィールド大使は、「われわれはわれわれの共同対処計画プロセスを通じてわれわれの相互安全保障を高める具体的方途の探究に努めてきた。そして、日本の一層大きな努力がすべてこうした協議に結びつけられることを期待している。」ということを言っておられる。この三つの原則というのは、これはもう日本にとっての大原則ですから、仮にこういう三つの障害を取り除いてほしいというアメリカ側の要請があった場合、断固としてこれは拒否すべきである、当然だと思いますが、総理のお考えはいかがでしょう。
○国務大臣(大平正芳君) 自由民主党歴代の内閣、いま御指摘になりましたように、憲法上の制約、それから非核三原則、それから武器輸出規制三原則というものを堅持してまいりました。私の内閣もそれを堅持してまいるつもりでございます。変えようというようなつもりはありません。アメリカからこれを考え直してくれないかというような注文も全然ございません。
○橋本敦君 わかりました。私は、最近の防衛力増強ということが歯どめなしに、総理自身の直接の監督もしくは判断なしに事実上進められる、こういう問題について危惧を述べ、そしてまた国民生活から見て、着実であれ、堅実であれ、防衛力増強を急ぐべきでないという立場でいままで質問をしたわけであります。 次に、話題を変えまして、身体障害者雇用促進の問題が来年の障害者年を控えて非常に大事だと思いますので、一、二点質問いたします。 労働省に伺いますが、いまこの雇用問題で、雇用促進法に言う達成状況はどうなっておりますか、特に大企業についてどうなっておりますか。お伺いしたい。
○政府委員(関英夫君) 身体障害者の雇用状況、昨年六月一日現在の状況で申し上げますと、民間企業におきましては法定の雇用率一・五%に対しまして実際の雇用率は一・一%ということになっております。 企業の規模別にこれを見ますと、大企業ほど雇用率が低く未達成企業の割合が高い、こういうことになっておりますが、ただ、一年間に新しく雇い入れられた身体障害者について見ますと、たとえば千人以上の規模の企業で新規雇い入れの四三%を占めているなど、最近大企業の身障者雇用への積極的な姿勢が顕著になってきているというふうに言えるかと思います。
○橋本敦君 大企業の平均達成率、千人以上。
○政府委員(関英夫君) なお、千人以上の大企業の実際の雇用率は〇・八六でございまして、未達成企業の割合は七九・四%になっております。
○橋本敦君 いま、数字で言うと千人以上の大企業だけで人数にすると三万四千人が未雇用ですね。これだけを本当に雇用すれば、身障者の皆さんにとっては本当に大変なやっぱり前進なんですよ。労働省はこれの雇用率の達成にいろいろ努力しておられてきたところでありますけれども、特に私はいま電力値上げをやった関西電力、これがあれだけの値上げをやって、社内内部留保、利益もたくさん持ちながらわずか〇・七六%、いまおっしゃった平均より悪いですよ。平均よりも悪い。東京電力は〇・九九ですから平均よりわずか上だ。しかし、法定よりもはるかに低い、こういうことは私は許せぬと思うんですね。 そして大臣に伺いますけれども、あの八一年の来年の障害者年に向けて大企業に雇用率を法律どおり全面的に達成させるためにいま全力を上げるべきだ。そのためには勧告、公表、この手続を一段と進める態勢をとるべきだ。いかがでしょう。
○国務大臣(藤波孝生君) 今日、労働行政の中では、委員御指摘のように、身体障害者の雇用問題を非常に大事に考えまして、鋭意第一線を督励をいたしまして努力をいたしておるところでございます。 身体障害者の法定雇用率の未達成企業のうち、特にその達成状況の悪い一千二十一の企業に対しまして、まず雇い入れ計画の作成を命じたところでございます。現在、この雇い入れ計画が計画どおり実施されるように、いま申し上げましたように、いろいろな指導を行っておるところでございますが、その計画の達成状況の悪い企業に対しましては、後を追っかけて身障法十五条第五項に基づきましてその適正な実施を勧告をしているところでございます。強く行政指導をして、勧告をして雇用率を達成してもらいたい、こういうお願いをして進んでいるところでございます。さらに今後ともそういった指導を進めてまいりたいと思いますが、いま御指摘がありましたように、身障法の十六条には未達成企業を公表するといったような項目もございます。いますぐに公表まで持っていくということは、当面、勧告をして指導を進めておるところでございますので、いまのところまだ手続をとっておりませんけれども、そういったこと等もございますので、強い姿勢で今後とも行政指導を進めていくようにいたしたい、こう考えておる次第でございます。
○橋本敦君 重ねて大臣に伺いますが、八一年の障害者年にはこれはもう全部達成するという、そういう意気込みで指導を強めてもらいたいという私の要請なんです。これに答えてほしい。 もう一つは未達成についてこの三万円というのは、これは三年来全然金額が変えられていない。未達成であっても三万円払えばいい、これは低過ぎると思うんですね。改定の機会がありますから、これも検討して、やっぱり断固たる姿勢でやるべきじゃないでしょうか。
○国務大臣(藤波孝生君) 納付金の問題は、身体障害者の雇用に伴う経済的な負担の調整を図るということを目的といたしまして納付金を徴収することにいたしております。身体障害者雇用促進法によりまして身体障害者を雇用する場合に、健常者に比して特別に必要とされる費用の額を基準として定めておるものでございます。したがいまして、金額につきましては一つの考え方、基準を持っているわけでございます。 ただ言えますことは、納付金を納めたらそれでいいんだということではなくて、あくまでも雇用率を達成をする。これを義務だというふうに考えて受け入れていただくように、いろいろな工夫や努力をしていただくということが大切でございますので、当面のところは納付金の金額を上げるというふうに考えるよりも、強い行政指導を進めていくことによりまして雇用率を達成していくようにいたしたい。このように考えておりまして、何分にもこちらはお願いをする側でございますから、今後あらゆる努力をして達成をしていくようにいたしたい。このように考えておりますが、法律に基づいたやっぱり義務をぜひ履行してもらいたいという形でお願いをしていくことでございますので、今後とも順番を追って計画の作成、勧告、場合によったら公表いきますよと、こういうことでありますけれども、順を追って強い姿勢で進めて目的を達成をしていきたい。このように強い決意を持っておりますので、御理解をいただきたいと思います。
○橋本敦君 達成目標年次。
○国務大臣(藤波孝生君) 目標達成年次に達成をするようにあらゆる努力をしてまいりたい。
○橋本敦君 時間がもう少なくなりまして、次にいわゆるK・ハマダ問題を伺いたいんですが、けさの新聞で見ますと、この問題に関連をして自民党の中に刷新連盟というのができて、証人喚問要求を含めた動きというのが一層自民党の中でも動いてきておる。こういう刷新連盟ができたことについて、総裁であられる総理、どうこの問題をお考えですか。
○国務大臣(大平正芳君) 自民党として自浄機能を果たそうということでございますから、結構なことと思っています。
○橋本敦君 総理が結構だとおっしゃるなら、この結構な動きについての意見も十分聞かれる必要があると、こうなりますね。証人喚問せよというのは自民党の中の意見でも有力意見としてある。これはどう受けとめられておられますか。
○国務大臣(大平正芳君) 私の承知しておるところでは、浜田さんの問題は国会対策委員長のレベルで相談いたしまして、この問題を航特委の問題にすべきかどうかということが論議されておる段階で、いま自民党で事情をそれじゃ聞いてみようという段階だと存じておるんです。航特委に取り上げるということが決まって、それに対して自民党が回答を求めておる段階とは聞いていないわけなんで、喚問をわれわれが抑えておるようにとられておるのは非常に心外なんでございまして、そういうところまで問題はいっていないわけでございます。この問題につきましては、先ほど申しましたように、もう少し事情を承知しないといけないと存じて私も努めておりますが、自民党におきましても党紀委員会の方でいろいろ事情を聞いてみようということをやっておるわけでございますので、頭からこれは喚問を断わっておるんだなということではないということは橋本さんも御理解をいただきたいと思います。
○橋本敦君 自民党の中でそういう問題を党紀粛正でおやりになるかどうかは自民党の問題。しかし、まさにこれは国会で証人喚問問題を含めて国政問題のひとつ、こういう形になってきている。たとえば政治倫理の確立の問題、ロッキードの徹底究明という問題にも関連して国会の問題となっている。そういう意味での証人喚問にどう対応するかという意味で総理にお答えをいただきたいんです。いかがですか。
○国務大臣(大平正芳君) まだ航特委員会の方でそのような御決定があったとは聞いていないわけでございまして、その前段階だと承知しております。
○橋本敦君 総理は、あのK・ハマダなる人物が浜田幸一代議士だというのは公然公知の事実にもはやなっているんです。総理の認識はいかがですか。
○国務大臣(大平正芳君) 浜田君に尋ねましたら、自分は伝えられておるような事実はないというお返事が返ってきたわけでございますが、それにつきましてはもう少し事情を聞いてみたいと思っていますが、K・ハマダというのが浜田君と同一人であるということにつきましては、まだ私確たるお話は聞いていないわけでございまして、それが問題になっておるということは伺っております。
○橋本敦君 これはロッキード事件に関連をして、検察官は冒頭陳述補充で、K・ハマダなる人物という問題を冒頭陳述で指摘されたわけです。そして、そのK・ハマダなる人物はそういう指摘ですが、あの冒陳で指摘された二十万ドルを小佐野がロスアンゼルスで受領して、ラスベガスへ行ってサンズホテルで支払った。そのラスベガス行きに浜田幸一代議士も同行しておった。この事実は検察官が、刑事局長は私にはっきりそのとおり間違いないと答弁しておる。こういう事実は知ってますか。
○国務大臣(大平正芳君) K・ハマダという呼称が問題になっておることは聞いておりますが、それが浜田幸一君であるかどうかということにつきまして断定的なお話は聞いておりません。
○橋本敦君 委員長、すみません。ちょっと質問に答えてもらっていない。ちょっと説明しますけれども、総理ね、冒陳で小佐野賢治が二十万ドル受け取ってラスベガスへ行ってそれを支払ったわけです、こう書いてある。そのときに同行者があったと書いてある。その小佐野賢治の同行者の一人に浜田幸一代議士が入っていたという事実は刑事局長が答弁しているのです。こういうことは御存じですかと聞いておる。
○国務大臣(大平正芳君) 詳しい事情はまだ報告を受けておりませんけれども、浜田幸一君が問題になっているということは聞いておりますけれども、詳細はまだ私は聞いておりません。
○橋本敦君 検察官がK・ハマダなる人物と、こう言って冒陳を補充しておる。このロッキード事件は重大な事件ですから、検察庁としては大臣に報告し、大臣に報告する事件として取り扱っております。これはもう前に聞いておりますから、きょうは聞きません。だから、総理はK・ハマダなる人物がだれであるか、これは実在だと検察庁も答弁しております。だから、これは報告事件ですから、法務大臣を通じて検察庁にK・ハマダなる人物は実在のだれか聞くことは可能なんです。これだけ大きな問題になってきている。そして国民は浜田を喚問すべきだと、ここまで言っておる。総理は、法務大臣は検察官に報告を求めてこれを聞けばすぐその日に、その途端にわかる問題、これはおやりになりませんか。
○国務大臣(大平正芳君) K・ハマダが浜田であるという話はまだ聞いておりません。いま申し上げたとおりでございます。ただし、浜田君はわれわれの党の方でございますので、わが党といたしましては浜田君から事情をいろいろ伺ってきつつあるわけでございまして、この事情、事実関係を踏まえた上でこの問題の処理をやっていかなきゃならぬじゃないかと私は考えております。
○橋本敦君 K・ハマダなる人物が浜田代議士だとわかったら、総理はどう処理されますか。
○国務大臣(大平正芳君) まあ、それは一つの有力な判断資料になるのじゃないかと思っておりますけれども、そういう報告にはまだ接しておりません。
○橋本敦君 わかる方法があると私は失礼ですが御指摘申し上げておる。裁判干渉になりません。報告事件で報告することになっているのですから、報告を求めたらわかる。これをおやりになったらわかるのです。おやりになりませんか、わかったらぐあい悪いですか。
○国務大臣(大平正芳君) そういうことは私にお任せいただきたいと思います。
○橋本敦君 お任せしてわかるようにあなたが本当におやりになるなら、綱紀粛正をおっしゃる、ロッキードの徹底解明をおっしゃる、言行一致の方向でほんまにおやりにならなくちゃならない。こういう浜田氏を証人喚問せよという私どもの要求は全く正当だと思います。将来、K・ハマダなる人物が浜田代議士であることがわかったというような状況も踏まえて、将来の状況によっては総理はあえて証人喚問には反対しないと、こういう御意向はおありと考えてよろしいでしょうか、将来の推移によって。
○国務大臣(大平正芳君) この問題は御指摘を待つまでもなく、政治倫理確立の上から申しまして、政治不信解消の上から申しましてできるだけ早く公明に処理しなければならぬ課題だと心得ております。それは何よりもまず自民党の問題であるし、何よりも私の問題であると心得ておるわけでございます。したがいまして、これをやるにつきましては一応事実関係をできるだけつまびらかにいたしまして、それを踏まえた上でできるだけ早く公明な処理をしなければならぬと考えておるわけでございますので、私どもは、これをぐずぐずしょうとか、この問題から回避しようとか、そんなことは一向考えていないのだということは御信頼をいただきたいと思います。
○橋本敦君 最後ですが、一問だけ。
○委員長(山内一郎君) じゃ、時間が来ましたから簡単にひとつ願います。
○橋本敦君 総理ね、K・ハマダなる人物が浜田氏だとわかったら、それなりに対応の一つのきっかけだとあなた答弁なさった。だから、将来の推移によっては証人喚問には応じるという、こういう御意見をお持ちですかと端的に聞いているんです、将来の推移によっては。どんなことがあっても反対じゃないということですか。
○国務大臣(大平正芳君) 先ほど申しましたように、これを覆い隠そうなんて考えていないわけでございまして、事実関係をつまびらかにいたしまして公正に対処したいと考えておりまして、国会の方の問題につきましては、国会からの要請を受けまして、受けた場合にはそれに対してそれなりの自由民主党の責任において対応していかなければならぬと考えております。
○橋本敦君 終わります。(拍手)
○委員長(山内一郎君) 以上で橋本君の締めくくり総括質疑は終了いたしました。 —————————————
○委員長(山内一郎君) 次に、井上計君の締めくくり総括質疑を行います。井上君。
○井上計君 最初に、物価問題からお伺いをいたしたいと思います。 去る三月の十九日の物価問題に関する関係閣僚会議の「当面の物価対策について」という資料を見ておりますけれども、その中に「適切な総需要の管理、便乗値上げの防止等物価対策に全力を傾注し、」と、このようにありますけれども、総需要の管理と抑制と実はどう違うんですか。これはひとつ経企庁長官にお伺いをいたします。
○国務大臣(正示啓次郎君) これは今度初めて総需要の適切なる管理と、こういう言葉を使ったわけであります。しかし、一方では抑制的に運営するということも言っております。そこで、どうして「適切な総需要の管理」という言葉を使ったかと申しますと、いままでは便乗値上げを排除するその他の表現で、仮需的なもの、実需でないような需要、そういうものは排除するとか、そういうものを監視して悪質なものについては一層取り締まるというふうなことまで考えておりますが、今回は物価問題が正念場であり、非常な重大な段階であるから、実需的なものについても、実際の需要があるものについても、時期的にこれを調整していっていただく必要がある。それを適切にやっていくんだと、こういう気持ちで書いておる次第でございます。
○井上計君 そこで、特にきのうあたりから大きな問題となっておりますが、物価対策とも大変重大な関係があります土地の問題であります。 きのうの新聞に土地公示価格が発表されておりますけれども、すべて各新聞とも「再び狂乱」という表現でこれを報道しております。新聞論調を見ますと、政治の怠慢である、あるいは「地価高騰は政府の責任だ」、「遊休地政治を笑う」、あるいは土地値上がりは政治の無策である、土地値上がりの「仕掛け人は政府」であるとかと、こういうふうにすべてが政府のあるいは政策の責任である、失敗であると、このように指摘をしております。私も残念でありますけれども、そのように感じておりますが、これは所管大臣である国土庁長官、どのようにこの新聞論調からしてお感じになっておりますか、最初にそれをお伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(園田清充君) お答えをいたしますが、まず、土地価格が異常な値上がりをしておるが、これをどう受けとめておるかということでございます。 そこで、土地鑑定委員会が発表いたしました変動率についてちょっと説明をさしていただきたいと思いますけれども、昨年からの一年間、全国で見てみますと一〇%の増を来しております。それから用途別に見ますと住宅地というのがほとんどでございます。それから圏域別に見てみますと、全国平均の変動率を上回っているのは三大都市圏だということでございます。それで従来と同じく大都市の住宅地中心型の値上がりのパターンというのが繰り返されておるというふうに受け取っておるわけでございますが、そこで今後の地価の動向についてどう見ておるかということでございますけれども、私どもは四十七、八年当時のような狂乱的な土地価格にはなってこないと、そのためには地価の監視を引き続き強力に行っていく必要がある。当面の地価対策といたしましては、投機的な土地取引の防止のため、国土利用法の適確な運用をやり、土地譲渡益の短期重課税制度を今日しいておりますが、これを堅持していきたい。そして不要不急の土地の購入等に対する融資をひとつ抑制していきたいということを考えておりますが、現状の中で率直に値上がりの要因を見ていますと、従来見られたような土地の投機的な取引というのは見られません。それから効用増ということが新聞あるいは報道関係等でも報じておりますとおり、実は公共事業が進んだとか、あるいは地下鉄の乗り入れがあったとかということで地域的に異常な実は値上がりを来している地域がございます。そういう点と、最大の原因は供給不足ということが挙げられておりますが、では一体、土地をどの程度の階層が求めているかと申し上げますと、職業別に見ますと、サラリーマンの方が大体六三%、それから年齢層で見ますと三十歳から四十歳までがやはり六二%ということでございます。それから所得で見ますと三百万円未満の方たちが大体五〇%ということでございまして、私も報道機関等を通じましてひとつ買い急ぎをしてくれるなというお願いを実はいたしておるわけでございますが、これは午前中の山崎委員の質問にもございましたとおり、財形の問題ともかかわり合いがございますので、ひとつ一面からはぜひこの国会で農住組合法案というものを出して、そして土地の供給を増進したいという考え方でございます。 全国的な動きを見てみますと、建設省が大体予定をいたしております土地の必要なものが一万三千ヘクタールぐらい予定をいたしておりますが、いま九千前後が三大都市圏で実は売買されておるわけでございます。それであと三、四千ヘクタールが供給面で可能になればバランスがとれてくるということで、土地価格というものも安定してくるんではないかという考え方を持って問題に対処しているわけでございますが、ただ御指摘のとおり、いまこの価格の上がっているものにどう対応していくかということでございますが、平均価格を上回っているものが七県ございます。これがいずれも三大都市圏に集まっていまして、そこで三大都市圏を中心とする関係部課長を緊急にあした実はお集まりを願って、そして私どもは私どもなりのひとつ指導協力を願いたいと思いますことと、少し長くなりますけれども、実は国土庁からも人を出して見ています。ところが、公示価格制度の発表の仕方自体にも研究をしていかなければならない点があるのではないかという気がいたします。それは呼び値とか店頭価格とかと言われるものが、調べてみますと、発表をした直後に東京圏あたりでは二〇%上げた店頭価格が掲げられておるという事実がございます。それでこうした業者の指導ということにも積極的に取り組んでいかなければならないというふうに理解をいたしておりますし、各県知事に対しても、実は依命通牒という形で次官通達を出しておりますし、今後監視、指導の強化というものを図りながら、いまの実情に伴ったひとつ法案を至急に提出をいたしますので、いろいろ御検討の上、なるだけひとつ早期に需要供給のバランスのとれた土地対策が運べるようなことで御協力いただけば土地価格も安定してくるだろうというふうに理解をいたしておるわけでございます。
○井上計君 大変詳しい御説明を伺いまして、大いに期待をいたしておりますが、一部新聞にも書いておりましたけれども、政府の土地政策は従来すべてが、表現がそのとおり言いますと、どろぼうを見てなわをなう、こういうふうなこと、すべて後手後手になっておるというふうな、そういう指摘もなされております。今度は遅まきながらそういうことになりませんように、ひとつ大いに期待をいたします。 そこで、いま国土庁長官から御説明いただきましたいろいろの中に、今後の具体的な方策等ありましたが、その中に一つなかったので念を押してお聞きしたいと思いますけれども、市街化地域の農地の宅地並み課税、これについてはもう断行の時期に来ておると思いますが、どうお考えでしょうか。
○国務大臣(園田清充君) お答えをいたします。 実は、政府税調の答申に、五十六年度までで五十七年度から改正をしろという政府税調の答申もございます。その関係で私どもとしては、A、B農地にかけられている税金、地方自治体の考え方の中でいろいろ減免の措置がとられておるというようなことがございまして、自治大臣にもいろいろ相談をして善処方をひとつ御検討を願いたいということで、政府一体となっていまのような問題の対策を検討さしていただいております。C農地について、率直に申し上げまして、法律の運用上問題があるのではないかと私自体が実は若干疑問を持っておるわけでございますが、それは四十三年だったと思いますけれども、新都市計画法で線引きが行われた。ところが国が必要としたものは九十万ヘクタールぐらい。ところが、実際線引きの中に入ったのは百三十万ヘクタールだということで、極端に申し上げますと、農地が線引きに入ったがために課税が減免をされていくというようなことで、むしろ線引きの前に走り込みのような姿が行われておる。この辺に一つは問題があったんではないかという気がいたします。いまの農地課税から、率直に申し上げまして、宅地並み課税というものが片方は住宅地であれば二百万ないし二百五十万払わなきゃならない土地が一万円払えば済むというようなこと、この辺に宅地供給の一つの隘路があるのではないかというふうに私は理解をいたしておりますので、ひとつこういうことが速やかに改正されるような努力をしてまいりたいと考えております。
○井上計君 かなり国土庁長官は、前向きにいろいろとお考えいただいておるようであります。ただ単にこれは国土庁長官お一人の御決心では進まないというふうに思います。したがいまして、総理の御見解はお聞きしなくても結構でありますけれども、総理はこの際ひとつ勇断をふるっていただく、いろいろなむずかしい問題があることは承知をいたしておりますが、勇断をふるっていただくことによって土地の需給のアンバランスを速やかに解消してもらう必要がある。先ほどお話がありましたように、六三%の人が土地を欲しがっておる。しかも三十から四十代という一番大切な年代の人がやはり土地を欲しがっておるわけですから、それらの人たちの希望にこたえる政策をとること、私は大変重要であると考えますので、意見として申し上げておきます。 さらに、土地は生産財と同じように商品としての扱いがなされておるとごろにこれまた大きな問題があると思います。公共財でありますから、そのためには私的な土地の売買を禁止するぐらいのことを検討したらどうか、こう思いますけれども、これは総理にお伺いするのもどうかと思いますが、総理どうでしょう、お考えは。——じゃ、国土庁長官お願いします。
○国務大臣(園田清充君) 国土利用計画法の中で、規制地域の指定をする十三条で権限が総理に与えられていることは御承知のとおりでございます。ただし、議員立法であるだけに立法時の時点において衆議院の委員長から、本法案の運用については自治体の意向を十分尊重しろということが付言されておりまして、当時の政府代表が御趣旨は十分尊重してまいりますという答弁をした経緯もございます。 しかし、御指摘のとおり、いまのような土地の値上がりをどう抑制するかということでございますので、本年度お願いをしている予算には、それを前提として二十四の地域の調査を実は進めることにしておるわけでございます。そして、さっき申し上げました依命通達も実は各県知事あるいは市長にそうしたことを含みとして御協力願いたいということの通達を出しておりますので、地域的には、先生がおっしゃったように、東京圏あたりで世論調査をしてみますと、私有権の制限という問題についても約七〇%の人たちが土地の問題については私有権を制限すべきだということ。同時に、土地に対して従来農地という観念で見ていたものが主観が変わってきつつある、この十年ぐらい。この辺にも一つ問題のとらえどころが検討していく場合にあるのではないかというふうに考えておりますので、いまのような場合どうしたら宅地が供給ができるかということ、同時に、重大な決意を持つ場合にはひとつ自治体の協力を得ながら、理解を得ながら、時が来たならばという決意であることもまた御了解を願いたいと思います。
○井上計君 土地の問題、私も素人ながらいろいろな意見を持っておりますが、もう時間がきょうは限られておりますから、また次の機会に譲ります。 次に、いま物価問題とこれまた大変重大な関係がありますが、エネルギーの問題につきましてお伺いしたいと思いますが、原油が値上がりをした、さらに値上がりをする傾向にある。したがって貿易収支が悪化をする、そのために外貨準備高が急激に減少する、したがって、また円安を招く、さらにそれが物価値上がりという悪循環の繰り返しが続いております。これからもさらにまたそのような繰り返しが続くであろうということを憂慮されております。もちろん原油の値上がりだけがすべて物価値上がりの原因だとは言いませんが、しかし大部分の原因はやはり原油の値上がりにあると、私はこれはもう間違いなかろうと思います。 そこで、総理にお伺いいたしますけれども、石油の価格安定と安定供給確保、それから省エネルギー対策の強力な推進、脱石油政策の推進、この三つをこれからさらに強力に進めていかなくちゃいけないというふうに思います。総理、お答えにくい問題かと思いますけれども、もしお聞かせ願えれば大変ありがたいんですが、先般、フランスのジスカールデスタン大統領がサウジ等の産油国に対して、武器の輸出、供給、それから武器製造工場の建設等を見返り条件として長期的な安定供給を約束したと、このように新聞が報じております。それから韓国あるいは台湾等においては、もう数年前からでありますが、土木建築の技師だけでなくて多くの労務者を産油国に派遣をして、それによって、どの程度かわかりませんけれども、かなり日本から見ますと格安な条件で、有利な条件で石油の安定供給を約束をしておると、このように聞いておるんですが、総理の御所見、あるいはまた外務大臣の御見解をひとつお伺いできれば結構だと思います。
○国務大臣(大来佐武郎君) 御指摘のフランスとサウジアラビアの間の合意ということが伝えられておりますけれども、私どもの方ではこれはまだ確認できないことでございますし、また、こういう問題についての他の国の政策について政府の立場でコメントを申し上げることは避けたいと思うわけでございます。韓国の労働者があの方面に大ぜい行っておりますことも聞いておりますが、これはそういう仕事に競争力を発揮して、韓国からコンサルタント、労働者等が参っておるわけでございまして、そのこと自体はコマーシャルな活動だと考えておりますので、特別にそのことが石油の問題に関係してくる一ある程度は関係すると思いますが、それ自体が油のためということではないのではないかと存じております。
○国務大臣(大平正芳君) 井上さんも御承知のように、石油危機、第一次の石油危機が起こりまして七年たちますけれども、この間ともかくも、統計が示しますように、わが国の原油の確保はできております。大体政府のもくろんだとおり輸入が確保できておりまするし、日本が特に不利な条件で引き取らされておるということも回避できておると思うのでございます。これからしかしわれわれも一層周到な配慮をいたしまして、安定供給、あなたの言う第一の政策の安定確保に努力しなければならぬと考えております。 それから第二に、しかしその場合に、第三の御質問に関連してでございますけれども、将来の安定供給を確保するために武器の輸出その他経済協力というような、労務協力というような点があるがということでございましたが、われわれはそういう方法によらなくてもいままでやってまいりましたし、今後もあらゆる手だてを講じまして確保に努めたいと思いますが、武器輸出の三原則を侵してまでそういうことをやらなければならぬものとはまだ考えていないわけでございまして、あらゆる手だてを講じまして確保に努力いたしますけれども、いまの政府の基本的な姿勢を変えるというようなことはいま考えておりません。 それから、第三の石油の消費の徹底節約でございますが、まず五十四年度は皆様の御協力によりまして、ほぼ政府の目標どおりの節約ができたという報告に接しておりまするけれども、ことしはさらに七%ということになりますと、これは大変しんどい計画でございますが、一段と国民の理解を得まして推進してまいらなければならぬことと考えております。それから石油にかわる代替エネルギー政策、これはたびたび論議されておりますように、精力的に原子力、石炭その他を初めといたしまして、クリーンエネルギーの開発には一段と力を尽くしていくつもりでございます。
○井上計君 総理からお尋ねした三点の問題につきましての御答弁いただきました。もちろん総理としてはお答えにくい問題もございましょう。先ほど橋本委員の御質問に対しての武器輸出の問題等についてもお答えがありました。若干私とは見解が異なりますけれども、これ以上申し上げますとまた物議を醸しますし、総理もまたお答えにくい問題でありましょう。また別の機会に譲るといたします。 そこで、いまお答えがありました省エネルギー対策、幸いに五十四年度は五%の目標を達成したと、こういう御発言でございました。確かに新聞報道で先日エネ庁長官の発言を見ますと、確かに五%の目標は達成されたようでありますが、しかし、意地の悪い見方をしますと、五十三年度の実績から見るとわずかに〇・五%の節約量である、こういうことになります。それから同時に、ことしの冬は大変暖かかったということもあります。それから、非常に異常な値上がりをしたために、そのために買い控えがあったというふうなことも幸いをしておるのではなかろうかというふうに実は思うわけであります。同時にまた、いま総理、本年度の七%の節約目標は非常に厳しいと、容易なことではないというふうな意味のお答えがあったわけでありますけれども、所管大臣としての通産大臣、さらに省エネルギー対策についての主管でありますところの総務長官、七%の今年度の節約目標についてどのようにお考えでございますか。
○国務大臣(佐々木義武君) 五%の今年度の計画は達成されたわけでございますから、その線はそのまま強化いたしてまいります。新しく一月十一日でございましたか、決めました七%の節約の二%上積みの分でございますけれども、これは主として暖房を十九度を十八度に下げましてそれで暖房の節約をするという分と、それから御承知のように、省エネ法が去年成立いたしましたので、これを活用いたしまして、主として産業部門でございますけれども、省エネを、燃料の節約をする。それからもう一つは油にかわって石炭を使う等の代替をするという、この二つの面が大変大きゅうございまして、その三部門を主にいたしまして二%の上積みを考えてございます。
○国務大臣(小渕恵三君) 七%の目標を達成するために全力を挙げていかなきゃならぬと、こう考えております。 私、省エネ省資源推進会議議長という立場でございますので、国民の皆さんにより理解を求めますと同時に、政府といたしましても努力をしなきゃならないと、こう考えております。 そこで、政府といたしましても、昨年三月以来、官用車の使用等も二〇%削減いたしまして、現在実は土曜日ノーカーデーを実施をいたしておるわけでございますが、こうしたことをさらに続けてまいりますとともに、二月一日が省エネの日として決められておりましたが、今後、毎月省エネの日を設定をいたしまして国民運動を展開いたしますとともに、政府といたしましても、その日を効果あるようにいたしていこうということで先般四項目の問題を定めましてこれを実施いたしていくことにいたしまして、官用車の使用をやめる、エレベーターの運転台数を半減する、あるいは昼休み等につきましては全面的消灯に努める、また故紙の放出に努めまして省資源に努めるというようなことをいたしまして、努力を積み重ねていきたいと思っております。
○井上計君 主管大臣である総務長官、ひとつ大いにがんばっていただきませんと、国民の中には省エネルギーの深刻な受けとめ方というのがまだ薄いと思います。これはいろいろな面でもっとひとつ国民の間に協力を求める、そのような啓蒙をする必要があると思いますので、大いに要望しておきます。 そこで、省エネについて一つ提案がございます。これは国家公安委員長の所管でありますので、ひとつ後藤田自治大臣、お聞き取りをいただきたいんですが、自動車の渋滞、交通渋滞、これはもう大変なものがあります。特にこのところはなはだしいと思います。もう最近は大都市だけでなくて地方の小都市においてもますます渋滞度がひどくなっておりますが、同時にやはり自動車公害がこれまたやかましく言われておること。自動車は凶器だということについても、これまた私も当然そういうふうな問題についてはやむを得ないというふうに思いますけれども、しかし、自動車公害を考える余りに全く省エネルギーということが無視されておるのではなかろうか、こういうふうに考える面があります。もちろん、人命尊重第一でありますから、それを優先して施策を講じなくちゃいけませんけれども、いまのように青で行ったら次が赤、またその次が青、また赤というふうにもう交互に、むしろ自動車は走らさないというふうな交通政策と思われるものがあるわけです。これでは大変なロスがあると思うんですね。時間がありませんから余り詳しく申し上げませんけれども、私のあるところから得た資料によりますと、二十分間スムーズに走った場合と現在の都市でのあの交通信号によってストップしたこれとを比較をして実験した人があるんです。その資料によりますと、平均して四割のガソリンが節約できたと言うのですね。四割のガソリンの節約といいますと、ちょっと粗っぽい数字になるかと思いますけれども、現在のわが国のガソリン消費量の四割が節約できると、原油にして約九千万バレル、すなわち約一千五百万キロリッター節約できることになるんですね。先ほど五%の節約で実質五十三年度対比でできた節約はわずかに百五十万キロリッターです。その十倍が節約できるわけです。現在の価格にすると三十億ドル以上のものが節約できるという、こういう実験の結果試算が出ておるんですが、どうでしょう。自治大臣、交通行政、交通政策を省エネルギー政策と共同さす、あるいは連動さすということについてのお考えはありませんか。
○国務大臣(後藤田正晴君) 交通信号等について、省エネの必要性は感じております。ただ御案内のように、今日交通事故による死者が八千五、六百名あるわけですね、同時にけが人が六十万と、これだけの大被害を出しておるという事実は、これはやはり放置するわけにいきません。そこで警察としましては、やはり交通安全ということを第一に今日の実情から見て考えざるを得ないと、この点は御理解を願いたい。 しかし、さればといって、今日エネルギー節約の重要性はよくわかっております。したがって、基本は安全に置きながら、交通の信号その他についての省エネのための工夫、これはしなきゃならぬと思います。私どもとしては、いま大体九万二千基ぐらいあるんです、あれは。古いときに立てたもので、交通事情が変わりますから、したがって、それの位置の再点検、これは必要だろうと思います。それから何よりも交通管制センターを整備充実をする、あるいはまた交通の信号の系統化、感応化、こういうことをやる。同時にまた信号の電球ですね、あれのワットを下げることはできるわけですから、そういったようないろいろな施策を講じながら省エネに協力をしてまいりたい、この作業を、準備をいま進めているような段階でございます。この点御理解願いたいと思います。
○井上計君 もちろん人命尊重、もう優先第一でありますから、当然それについてはもう最大の配慮をしなくちゃいけません。しかし、必ずしもいまのようなとまって走って、またとまってなんというふうなものは、これが交通事故防止の最たるものだということはちょっと違うと。逆にやたらにもう走れない、もうとまってばっかりいる、そこでいらいらして青信号になったら一挙に走り出すということがこれまた交通事故の大きな原因にもなっておると、こう運転する人からも聞いておりますので、十分ひとつ御配慮をお願いをいたしたい、御検討をお願いをしたい、こう思います。脱石油政策の必要なことは、もう先ほど総理からもお話がありました。代替エネルギーの早急な開発、当然であります。特に今回の電気料金の値上げ認可等についても、原子力発電を行っておる電力会社についてはやはりコストが安いということもはっきり立証されておるわけでありますから、原子力発電をもっとやはり強力に進めていく、その他代替エネルギーの開発等についてもやはり万難を排してやるぐらいの意気込みがないとなかなか計画どおりにこのエネルギーの節約、今後のやはり石油依存から脱することはできない、私はこう思います。石油をまだ経済的な物資だと考えている人が多いようでありますけれども、完全に国際的にもう戦略物資でありますし、ある意味では私はエネルギー問題は国の防衛、安全保障と同じであると、このように実は考えるべきだと思いますが、これにつきまして、これは通産大臣どうお考えでしょうか、これからの対策をいま一度お伺いいたします。
○国務大臣(佐々木義武君) その考え方に関しましては全く同感でございます。具体的な今後の進め方等、御質問がございますれば詳しく御説明申し上げたいと存じます。
○井上計君 時間がありませんので、また別の機会にこれらの問題等について詳しくひとつ通産省からまたお伺いしたいと思います。 そこで、先ほどのまた物価対策と関係しますが、「当面の物価対策」の前文の最後に、「生産性の向上が物価安定に欠くことのできない要件であることにかんがみ、各界が一層の生産性向上に努めることを期待する。」と、このように記されております。そこで、その「各界」という問題でありますが、私は感じますのに、もう民間産業は第一次オイルショック以来大企業も中小企業も、もう出血どころかさらに出血を通り越して骨まで切るような実は合理化努力をやってきたわけです。現実にこういうふうな情勢の中で、諸材料の値上がり、原油の値上がり、それらのものを合理化努力によって吸収をするという余地はもう非常に少ないと思うんですね。 そこで、私は一番合理化努力がなされていないところというと、もう率直に申し上げますと、しばしば申し上げておりますけれども、官公庁であり公共企業体だと思うんです。だから、この「各界」の中に、当然でありましょうけれども、官公庁、公共企業体の生産性向上が入っておると、このように理解しておりますが、総理、そのとおりですか。
○国務大臣(大平正芳君) 当然でございます。
○井上計君 これはもうこの問題はこれだけで、後でまた別の機会にもっとお尋ねをいたします。 そこで、やはり生産性の向上をやれというためには、また同時に、何かやっぱり政府でもいろいろとやりやすい、また励みになるようなことも考えてやることがいろいろと必要であろうというふうに思います。そこで、きょうは時間がありません。一つだけひとつ提案をいたしますけれども、これは自治大臣にお聞きをいたしますけれども、電気税であります。先般、本会議におきましてこの電気税の免税点が引き上げになりました。しかし、二千四百円が三千六百円でありますから、事実上数字を置きかえたというだけにしかすぎません。そこで、お伺いいたしますけれども、五十五年度地方財政計画で電気税の税収見込みは幾らになっておりますか、お伺いいたします。これは自治省、お伺いいたします。
○政府委員(石原信雄君) 五十五年度の地方財政計画上の収入見込み額は約二千六百億円でございます。
○井上計君 約二千六百億、二千五百九十五億ですか、私が持っております資料によりますと。としますと、今度平均して五〇%強の電気料金の値上がりで、従来どおり五%の電気税とすると大変な税収増になるんじゃないですか、どうでしょうか。
○政府委員(石原信雄君) 五十五年度中の料金の引き上げに伴う増収見込み額は約一千億円と見ております。
○井上計君 自治大臣、税収予定は約二千六百億円ですね。いまお答えありましたけれども、このままでいくと一千億円以上の税収増になるわけですね。これは明らかに便乗だと思うんですがね、どうでしょう。
○国務大臣(後藤田正晴君) 私は別段便乗とは思ってないんです。物の値段が上がれば価格に何ぼと、こういっているんですから、これは自然増収と、こう理解すべきだと思うんですよ。ただ、御案内のように、確かに税収はふえます。しかし、同時に地方団体はほぼ同額程度の歳出の増を来します。病院だとか、いろいろなものがございますから。そこはひとつ御理解を願いたい。なおまた、この税金は性格は消費税ですから、その点も御理解をしていただかなければぐあいが悪い。そこで、現行の税制ではできる限り原料課税になることはこれは避けなきゃいけませんので、今日記憶に正確であれば、八十二品目ぐらいの産業用の課税は非課税措置にいたしておるのでございます。同時にまた、繊維関係はほとんど輸出だといったようなことで、軽減措置も講じておるわけでございます。こういったこの税の性格から見ての必要な非課税措置というものは私どもとしてもやっておると。しかし、同時にまた、非課税措置は整理せにゃならぬ面もございますから、そういうような点についての整理もやるというようなことで、そのときどきの情勢に応じた税の合理化ということはやっておるつもりでございます。この点御理解賜りたいと思います。
○井上計君 便乗でないと言われると、いささかちょっとこれは唖然とするわけなんですが、私は全般的に全部五%の電気税を減税をすべきだとは言いません。しかし、いまのような情勢の中で大変中小企業は困っておるわけであります。特に今度電力料金の値上がりが非常に経営を圧迫することは、これは間違いない事実です。そこで、せめて大体予定ぐらいにとどめて、ということになりますと、三%か三・五%で十分だと思いますが、どうですか、自治大臣、お考えになる余地はございませんか。
○国務大臣(後藤田正晴君) 御意見はわからぬわけではありませんけれども、中小企業なるがゆえにということでの税を軽くしろというのは税の性格から見て私は実際は困難であろうと、かように考えるわけでございます。ことにこれは個別の消費税でございますから、五%を割るということはこの税制はなくなるという前提でなければ踏み切れないんだということも御理解を願いたいと思います。
○井上計君 自治大臣ね、五%を割ることはこの税制がなくなるといういまお答えでありますが、しかし過去のずっと例からいくと、何も最初から五%じゃないですよね。それから中小企業に対してだけということは税の性格上できないというお答えでありましたが、それじゃ法人所得税の中小企業に対する軽減税率があるわけです。できないわけじゃないですよ。時間がありません。これ以上申し上げませんが、通産大臣、中小企業対策としてこの問題をどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(佐々木義武君) 私どもといたしましては、お説のような方向が望ましいとは思っております。したがいまして、税率は下げ、あるいは免税点を引き上げるという努力は長い間続けてまいった次第でございます。
○井上計君 通産大臣はいま大変好ましいと、こういうふうなお答えでありました。自治大臣、ぜひひとつ御検討をいただきますように要望しておきます。 そこで、時間がなくなりましたが、これはどなたにということじゃありません。むしろ文部大臣にお伺いした方がいいかと思いますが、最近の風潮であります。特にもう連日新聞あるいはテレビ、まことに悲惨な、皆さん方胸を痛めておられるような報道がなされております。悲惨な事件、凶悪な事件、もう相次いでおります。さらに銀行強盗が発生をしておるとか、あるいは先般の大学入試問題、あるいは借金のために親が子供を殺した無理心中、もういろいろとありますけれども、その原因は何だと文部大臣はお考えでしょうか。
○国務大臣(谷垣專一君) 大変に広範かつむずかしい御質問を受けたわけでございますが、これはまた、もちろん世の中の大きな変化の中に対応できない、そういう部分があることは事実であろうと思います。都市集中もございますれば、生活の態様も変わってまいりました。家庭のあり方も変わっておる。それに対する対応がまだ十分に確立されていないということであろうと思いますが、そう言ってしまえば責任を他にゆだねたようなことになりますが、教育の問題を担当しております文教関係の私といたしましては、こういう風潮をなくする、その根幹に家庭教育あるいは学校教育、あるいは社会教育等を通じましての非常に大きな問題がある。これをどうしても努めてまいりまして、物の考え方自体というものを改めていくような努力を進めていかなきゃならぬと考えておりますが、やはりこれは単に文教の者にのみ責任を負わせるというのには問題が大きいと思います。国民の皆さん、家庭の皆さんすべてにわたってお考えを願い、私たちが一生懸命やっていかなきゃならぬ、こういうふうに考えておるところであります。
○井上計君 文部大臣、もう一つ伺いますが、いまタケノコ族というのが発生しているんですがね、御存じですか。
○国務大臣(谷垣專一君) 井上委員からの質問の予告がございましたので、大急ぎでタケノコ族とは何かというのを——私も戦中派でごさいますので、自分の身につまされまして、家財道具を売っておるのかと思いましたら、そうではないのでありまして、いまの原宿付近で、日曜日のいわゆる歩行者天国の場合に、異様な風俗で踊り回っておる若者たちのことを言うんだということがわかりました。私はまだ見ておりません。しかし、こういう風潮は確かに世の中の一つの傾向をあらわしておるものと思います。これに対しましての対策、教育の立場におります者は十分に戒心をせなきゃならぬと考えております。
○井上計君 いま文部大臣がおっしゃったように、タケノコ族というのは、あの戦後の要するにタケノコ生活というふうに私も実は最初混同しておったんです。ところが全く違う。先日、日曜日に実は原宿へ行ってあの風景を見てまいりました。もう何とも言えない異様な実は感慨に打たれました。ぜひ文部大臣ひとつ一度ごらんください。そうしてなぜああなったのか、それでこれらの若い、若いといってもティーンエージャーですけれども、十四、五ぐらいの人ですが、これらの者を教育するためにどうするかということをぜひお考えをいただきたいというふうに思います。 なくなりましたがもう一問。 そこで法務大臣に最後にお伺いいたしますけれども、私はいろんな最近の風潮等から見て感じますことは、余りにも犯罪者に対して刑が軽過ぎるんではないか。犯罪者に対して、犯罪者の人権を尊重し過ぎるというふうなことも私はまた犯罪の発生、横行にやや拍車をかけておるというきらいもあると思うんですね。昨日行われました防衛庁のスパイ事件の論告、求刑、宮永被告が懲役一年、大島、香椎の十カ月、これは動機はともかくとして、あるいは経過があるでしょう。しかし、一歩誤れば国の安全と国民の生命、財産が実は危殆に瀕する犯罪なんですね。その犯罪に対してわずかに懲役一年あるいは十カ月という判決は余りにも軽過ぎると思いますけれども、どうですか、法務大臣、どうお考えか。また、今後これらの問題等についてどのようにお考えか、ひとつお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) 先ほどお話のございましたただいまの社会風潮につきましては、私どもも非常に重要な関心を持っておるわけでありますが、文部大臣からお話のございましたように、これはやはり社会教育の問題でもあり、また法運営の警察、検察等の職分もあると思います。したがって、関係各省連絡をとりながら、お話しのようなことについては善処してまいる必要があると思っております。 それから、刑のことでございますが、これは立法政策の問題でございますからなかなかむずかしいことでありますが、御存じのように、自衛隊法というのは法律によって一年以内がたしか刑罰になっておると思います。それらのことにつきましては、立法政策としてなお検討を要するものがあると存じます。
○井上計君 終わります。(拍手)
○委員長(山内一郎君) 以上で井上君の締めくくり総括質疑は終了いたしました。 明日は午前十時から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時四十七分散会