予算委員会 第12号
- 発言数
- 256 件
- 登壇者
- 38 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1980/03/21
会議録
○委員長(山内一郎君) 予算委員会を開会いたします。 昭和五十五年度一般会計予算、昭和五十五年度特別会計予算、昭和五十五年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 これより上條勝久君の一般質疑を行います。上條君。
○上條勝久君 予算委員会のひとつ運営を円滑にする意味におきましても、簡明にお尋ねをいたしますし、各大臣にも賛成か反対か、前向きに検討するか、そういうことでひとつお答えを賜れば大変ありがたいと思います。また、賛成であれば、うなずいていただければお答えは要らない場合もあろうかと思いますから、あらかじめお願いをしておきます。 最初に、建設大臣は今回の行政改革に当たって各省に先んじて改革に手を染められた大臣でありますが、きょうは公共事業の執行について二、三お尋ねをいたしたいと思います。今日、御承知のとおり、石油価格の急激な変動によってアスファルトであるとかあるいは生コンクリート、燃料油等の特定建設資材の価格が流動化しておりまするために、災害等を含む公共事業の執行が非常に心配をされておる。さらにまた、特に中小企業等の経営の上にもこれが影響を来すのではないかという心配がございます。このことについて、建設大臣はそつなく対処される措置を講ぜられておるやに聞いておる次第でありますが、その点について、この際ひとつどういう御措置をいただいておるのか、確認をしておきたいと思いますから、お答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(渡辺栄一君) お答えいたします。 ただいまの建設資材の価格の変動に伴います請負契約約款上の措置につきましては、先般中央建設業審議会の御答申をいただきました。要約いたしますと、五十五年度工事の工事請負契約につきましては、当面の措置として、工期内に特定建設資材の価格に変動を生じました場合には、発注者と請負者が協議の上で請負代金額を変更できるものとする条項を設けることといたしたわけでありまして、その具体的な適用といたしましては、対象品目は、石油価格の高騰の影響を直接受けるもの、なおあらかじめ確保のできないもの、備蓄することが困難なものでございまして、燃料油、アスファルト類、セメント、アスファルト合材、生コンクリートでございます。なお、変更額は資材価格の変動分の四分の三を限度といたしまして、事務処理上資材価格の変動分が少額で二百万円未満のものは除くものとしております。ただし、中小規模の工事に対しまする配慮としまして、工事の規模に応じまして段階的に資材価格の変動分が二百万円から五万円までのものも対象とするということにいたしまして、中小企業対策の万全を期しております。 なお、国庫債務負担行為によりまする二カ年度以上にわたります継続工事につきましても、五十五年度分につきましては、四月一日の単価を基準としまして契約を更新し、単年度工事と同様な措置をとるというふうに決めた次第でございます。
○上條勝久君 大変適切な御措置であると思います。 次に、災害その他下期に発注された公共事業件数はかなりに及ぶと、かように思います。年度末消化不能件数がかなり出ると見込まれますが、そうなりますると、これまた、さなきだにあえいでおる中小企業等に対する影響はかなり大きいと思います。したがって、従来から余り公共事業等を繰り越しますると、地方の土木部長なんかの成績にも影響するし、検査院等でもぐずぐず言うというようなことが言われておるわけでございますけれども、今日のような異常の状況のもとでは、私は、変わったそのときに応じた先手の施策が大事であると、かように思うわけでございますが、これについて、そういう公共事業については一生懸命やってもなかなか消化する見込みがないというものについては明許繰り越しの制度を活用する以外にない、これが明朗な仕事のやり方であろうと、したがいまして、明許繰り越しを極力簡素化して、積極的にこれを奨励していただく、指導していただくということによって事業の円滑な遂行と中小企業者に対する戸惑いをなくしていただくということは、私はこれは当然必要なことであると思いますが、一言ひとつこれに対する考えを官房長、お答えをいただきたいと思います。
○政府委員(丸山良仁君) お答えいたします。 建設省所管公共事業の執行につきましては、従来とも予算の適正な執行を図るということはもちろんでございますが、手続の簡素化、合理化等につきましては極力努めてきたところでございます。いま先生御質問のように、今回は特に留保措置等も講ぜられたわけでございますから、その点も配慮いたしまして、予算の繰り越しにつきましては手続のわずらわしさによりまして公共団体に御迷惑をおかけする、あるいは中小企業の皆さんに御迷惑をおかけするというようなことがないようにする考えでございまして、大蔵省とも十分協議をいたしまして手続の簡素化を図ったところでございますし、この点につきましては官房長名をもって通達も出しておりますし、また土木部長会、議の席上等につきましてもよく周知徹底しているところでございます。なお、申し上げるまでもないことでございますが、今回の留保措置に係るものにつきましては、これも大蔵省と御相談の上、ごく簡単な手続で済むような措置を講じたところでございます。
○上條勝久君 次に、市街化の都市計画の線引きについて、建設大臣、農林大臣に伺いたいと思います。 現在の市街化区域は、全国的には私は窮屈な状況にはないと判断をいたしますけれども、都市化の状況によりましては、たとえ地方都市であっても、その状況、そのときに応じて休耕田等を含む調整区域の一部を市街化区域に編入して、そして円滑な町づくり、住宅づくりを進めるための線引きを必要とする場合があろうかと思います。さような場合には、この線引きの変更は何年に一回変えるとか、そういったようなことでなくして、臨機応変に変更してしかるべきものと考えますが、ひとつ大臣のお考えを念のために伺っておきたいと思います。
○国務大臣(渡辺栄一君) お答え申します。 私どもは、極力線引きの見直しには前向きに取り組んでおるつもりでございますが、特に宅地供給等にかんがみまして積極的に進めておるところでございまして、市街化区域及び市街化調整区域の区分の見直しにつきましては、市街化の動向等を勘案し、また、計画的な市街化を図る上で必要が生じました場合には機動的に対応するという方向で都道府県知事を指導しておるところでございます。
○上條勝久君 農林水産大臣、休耕田。
○政府委員(渡邊五郎君) 農林水産省といたしましては、優良な農用地はできるだけこれを確保するという立場に立っておりますが、同時に、都市計画上の都市の発展状況を考慮しまして、市街化区域なりの要請に対しても対応するようにいたしたい、こういうふうに考えておりまして、必要な市街化区域の編入につきましては弾力的に対応するよう個々の事例に即して対処してまいりたいと考えております。
○上條勝久君 官房長、いまのあなたのお答えは大臣のお答えとして承っておきますから、御了承をお願いします。 次に、国土庁長官、ひとつお願いします。国土庁における政策策定の基本についてお尋ねをいたしたいと思いますが、国土庁は、私の承知する限りでは、昔企画院という役所があった。それから内務省がありまして、これらの役所から建設省が引き継いだ国土計画、地方計画、これを大目玉として所管されておる行政機関であると、かように思います。したがって、主として公共施設計画の基本となる政策の策定機関であって、いわば施設経済企画庁とも言うべき性格を持つものであると考えます。したがって、土地利用基本計画の文字どおり土地の利用の基本を定めるものであって、各省庁に対して一つの基本的なめどを与える。したがって、省庁における施策の実施を拘束するものではない、かように理解をいたしておりまするが、当然そうであろうと思いますけれども、長官のお考えをこの際ちょっと承っておきたいと思います。
○国務大臣(園田清充君) お答えをいたします。 国土庁についても一番御理解ある、また御存じの先生からの御質疑でございますが、まさに御指摘のとおりでございまして、国土庁は国土を適正に利用することにより均衡のとれた国土の発展を図っていくということを基本としておりますし、長期的な国土開発の指針は現に三全総で示したとおりでございます。 そこで、いま御指摘がございました土地利用計画の問題でございますけれども、土地利用計画は都市計画法、その他各省庁の個別規制法に基づく諸計画の上位計画として総合機能を果たすということがその使命でございます。また性格でもございます。そこで、個別規制法を通じて間接的に土地利用の規制の基準としての役割りを果たすものだというふうに私どもは考えておりますし、この考え方から、各県知事から承認を求められる場合においても、各省庁十分協議の上で知事に対しての承認を与えておるし、そこで各県知事にそれぞれの上位計画の中で各省庁の意向を参酌しながら、国土の適確な利用、活用を図っていただくということが個々の法規に対する対応の姿勢だというふうに理解をして進めております。 以上でございます。
○上條勝久君 長官、そうだろうと思いますが、どうかひとつ各省庁と協議するという場合も、そのことによって全省庁の意見を聞くというようなことでなしに、必要な省庁の意見を聞いて、なるたけ地元の意見を生かしていただくように御配慮を願いたい、こう思います。そのために時期を失したりなんかするようなことがあってもどうかと思います。この点はお願いを申し上げておきたい。 次に、きょうは、私の質問はどうも細かいことが多いわけでありまして、いま一つだけ日本の将来に備えるための提言を含めまして国土庁長官にお願いをしてみたいと思いますが、これは松下幸之助さんの何も受け売りをやるわけじゃありませんけれども、私も長い間こんな仕事をさせていただきまして、若いころからそう思っておるのでありますが、日本は御承知のとおり四方海に囲まれた国でございまして、海岸線に大変恵まれておる、同時に狭いこの国に多くの人口を抱えておる、しかも無資源の国であります。最近どうもいろいろ世の中がこういうことになりましたからやむを得ませんけれども、いろいろな点で細かい話が多過ぎる。十坪の土地にも家を建てる、あるいはまた財政再建についても税がどうだこうだ、いろいろ問題があります。そこでひとつ、国民にあっと言わせるような大計画を一つぐらいは展開したらどうかという感じがいたします。 私は、これは今日まで、もう間もなく七十でありますけれども、非常に大きな若いころの痛恨事がありますから、この際御紹介を申し上げたいと思いますが、実は戦後、司令部の命令で日本の国の空き地という空き地には自作農を創設すべしという命令が出たことは御承知のとおりであります。そのとき、われわれは都市計画的な立場から都市計画区域には自作農創設はすべきでないということで農林省を通じてかなりGHQにも折衝を試みましたけれども、これはもう全く問題にならぬ。当事、農林省はバックボーンがあるし、内務省は間もなくつぶれていく役所であるというようなことから勝負になりませんでしたが、区画整理の区域であるとか、あるいは事業の計画のある区域というようなことにだんだん押し込められまして、結局はその他の地域には自作農を創設するということに相なりました。そこで私は当時、こういう情勢の中でわれわれが逆立ちしてもとてもかないっこない。だから自作農創設を逆手にとって、むしろこの際ひとつ空き地という空き地にはことごとく自作農を創設させるということにして、戦災復興をやるとか、あるいは被戦災都市で都市計画事業を急いでやらなきゃならぬというところを除いては、むしろ宮城の周辺に至るまで自作農を創設してはどうか。そのことによって将来——これは当時の自作農というのは非常に安い価格で国が買い上げあるいは借り上げたわけでありまするから、そうして土地を確保しておいて、それから都市化の現象に従って逐次これを都市的施設に転用してまいるということにすればかえって将来いいじゃないかということで、当時の都市計画の第一人者と言われた石川栄耀博士、当時は東京都の建設局長でありましたが、話し合ったことがございます。まあ、あのときそれをやっておいて、私は——笑い話でありますけれども、宮城の周辺で、すげがさをかぶって田植えをする、そこを電車が走っていくというのもおもしろい、いい風景ではないか、いま総理がおっしゃっておる田園都市、そういうものじゃないかと思うのでありますが、これはいま顧みてまことに痛恨であります。そうやっておけば今日の宅地問題といい、公共事業に必要な公共用地の確保といい、私は円滑に進めることができたんじゃないかというふうに思います。 これは余談でありますけれども、そういうことから、経験をいたしておりますために、ひとつこの辺で先見性を持った先手の行政が非常に大事でありまするので、国土庁では海岸線や港湾、河口等を対象に国土造成可能適地の一斉調査を実施されて、そして国土増大計画でも打ち立てられてはどうかと、まずそれには一応調査でもやっていただいてはどうかと、かように思いますが、大臣のひとつ御所見をちょうだいいたしたいと思います。
○国務大臣(園田清充君) お答えをいたします。 非常に教えられるところが多うございまして、実は私どもの所管ではございませんけれども、海洋開発ということで科学技術庁がすでにいろいろな研究に取り組んでいることは先生御承知のとおりだと思います。あわせまして国土開発構想という観点から、いまお示しいただいたこと、実は国土庁自体で考えておりますことは、過疎過密を解消するということで、モデル定住圏ということでこの過密過疎をひとつ、東京あるいは三大都市圏の人口を地方に定住させるということをまず先行的にひとつ進めようということで現在進めつつあるわけでございますが、私どもは、そうした姿の中で、地方の時代と言われる地方分権的な——中央集権的な政治、文化あらゆる問題をこの際地方に移していくという基本的な考え方を持ちながら問題に対処していかなければならないと思いますし、いま先生が御指摘になったような、国土増大計画というようなことで海岸線等あるいは港湾等の調査をやってみるということ、御提言としては非常に前向きに私どもとしては対処しなければならない問題だと考えますので、帰りまして、ひとつ役所としても十分協議をして対処したいと思います。
○上條勝久君 ありがとうございます。 次に運輸大臣に、いま問題になっている国有鉄道地方線の取り扱いについてお尋ねをいたしたいと思います。 国鉄赤字対策の一環として赤字地方線の合理化対策が進められておることは私もよく承知いたしております。これは全くの一例でありますから誤解のないようにお願いをいたしたいと思いますが、一例であります。たとえば高千穂線のごとくに、現在は短距離のために赤字であっても、わずかな区間が開通すれば、新幹線、縦貫自動車道の主要経過地である熊本と文化観光地高千穂を経て工業都市延岡を結ぶことになりまして、産業、観光等に貢献し、赤字線からの脱却も必ずしも私は不可能でないと考えるわけであります。他面、九州の東中央部を縦貫する鉄道の線形からいたしましても、鉄道配置計画の条件を備えておるものと考えられます。御承知のとおり、いまこの大分県、鹿児島県の海岸線には一本の山越しの道路も鉄道もございません。政府は単に赤字線ということだけでなしに、これは一例でございますが、このような事情も踏まえていただいて、今後立体的に将来の展望に立った立場から全国的にこれらの路線については慎重に御検討をいただきたいものである、かように存じますが、お考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(地崎宇三郎君) 今国会で御審議をお願いいたしますいわゆる国鉄再建法案は、幹線一万三千キロを昭和六十年までに六万四千人の人を定員削減いたしまして、何とか収支を合わせるように持っていく、残りの九千キロの中で、いかに努力をいたしましても貨客の減少によって、過疎化によってどうしても国鉄としての運営ができないというところをバス転換等を図ろうと、こういうことになるわけでありますが、いずれ政令等によって御審議をお願いするということになっているわけでございますが、いま先生御指摘のように、高千穂線のような場合は横断鉄道になりますので、現在は一日九百数十人のキロ当たりの乗客人員でございますが、もしつなぐことができれば将来の展望も図れるのではないかということも考えられます。いずれにしても、政令で決まりました以上、地方の自治体あるいは国鉄、国等、あるいは道路管理者の方々に入っていただきまして、いろいろ廃止路線に決定したものの内容の中でいろいろ御検討願うことになっております。その際に、こうすれば将来の見通しがあるではないかという御意見が出ます場合には、十分判断をして、そして廃止か廃止でないかという問題を議論していこうと、こういうことで考えておりますので、その土地土地の実情、観光開発あるいは将来の住宅開発その他そういうものもいろいろ検討して決めていきたいと、かように考えております。
○上條勝久君 どうもありがとうございます。 それじゃ、自治大臣が御用があるそうですから順序を変えて、これは一番最後に大蔵大臣の御答弁を期待したんですけれども、先にやります。 航空自衛隊の基地対策について、ちょっと防衛庁長官、自治大臣、大蔵大臣にお伺いをいたしたいと思いますが、日本の国、国民の生命、財産を守ることは政府の責任であると同時に私は全国民の義務であると、これは言わずもがなのことでありますけれども、さように確信をいたしております。各大臣、御異存はないと思いますが、いかがでしょう。——御異存ないと承りました。 そのためには航空自衛隊の責務はきわめて重要であると私は思います。安保条約下の日本でありまするから、私は日本でやれることはこれはやはり非常に重要なことである。そのためには航空自衛隊の責務がしたがって非常に重要である。現在本土に十一の基地があり、特に青森県の三沢、宮崎県の新田原はその性格上重要な任務を持っていると私は思っております。とするならば、基地及び周辺の公共団体や住民に対しては全国民の責任において一これはやはり関係ないところの国民はのほほんとしておるわけでありますが、やはり感謝の気持ちを忘れてはならぬし、公共施設を初めとする住民の生活環境の保全整備についてはもう十二分の手厚い配慮があってしかるべきであると、かように思います。 しかしながら、現在の政府の措置では私は必ずしも十分とは言えないんじゃないか。予想したくないことではありますけれども、三沢、新田原のような基地の増設を将来必要としないという私は理論的保証はないはずである、かように考えます。政府は将来を展望して、基地の円滑な維持と住民の理解を深めるために必要な適切な措置を思い切って講じていただかなければいけない、これも御異存はないと私は思います。さしあたって、現行制度の中で許す範囲の最高限の予算措置を講じていただくことが緊要であると、かように思います。 特に、調整交付金制度がありますが、この運用が必要でありますが、本年度は九十五億円であり、来年度は百一億円が計上されておる。例としてはどうかと思いますけれども、今日、これは建設大臣にはまことに申しわけありませんが、例としてですからお許しをいただきたいと思います。例といたしましては、橋一本かけるにも、気のきいた橋であれば百億程度の金が要るわけであります。安保下における国を守る上において基地の重要性や将来を思うなら、政府はこれは慎重に前向きに考えていただかなければならぬことと私は思います。 ひとつこのことについて防衛庁長官のお考えを承り、また、自治体を御指導いただいておる自治大臣のお考えを伺って、最後にひとつ実力大臣の大蔵大臣の明快なお答えをちょうだいいたしたいと、こう思います。
○国務大臣(細田吉藏君) 国の防衛に対する基本的な考え方につきましてはもう全く同感でございまして、深い御理解の上に立っての御質問でございまして、大変私ども感謝する次第でございます。 防衛そのものが国民の御理解を得た上で進めていかなきゃならぬ、これはもうそういうことでございますが、特に基地並びに基地周辺の地域の方方には、これはまた全般的な御理解以上の御理解をいただかなければ、これはどうにもなりません。先般も新田原で日米共同演習をやりましたが、若干遺憾な点がございまして、私もこの席でも申し上げたわけでございますが、このようなことがあってはいけない。しかし、これまでもずいぶんと御協力を賜っておるところでございます。今後ともこの点につきましては、ただいま御説がありました点そのままでございますけれども、私ども本当にきめ細かくあらゆる努力をして皆様方の御理解をいただくし、また、御理解をいただくにつきましては、やはり十分ないろいろな裏づけ的なものもいたさなければならないと考えておる次第でございます。 いまお示しの予算の点につきましても、調整交付金は逐次ふやしてまいっておりますが、ただいま御審議をいただいておる予算でも百一億円でございます。逐次増加してまいっておりますが、今後ともこれらについては、窮屈な予算の中であるとは思いますけれども、必要なものについては増額を是が非でもお願いをしなきゃならぬと、このように考えておりますが、詳細な点がもしございますれば、政府委員からお答えをさしていただきます。
○上條勝久君 いや、結構です。
○国務大臣(後藤田正晴君) 御説のような趣旨から、基地の円滑な運営は非常に重要な課題でございますので、従来から基地所在の市町村には基地交付金あるいは調整交付金等を交付をいたしております。毎年財政当局にお願いもいたしましてその増額に努力をいたしておる次第でございます。ことにまた飛行場所在の市町村あるいは当該市町村の住民の皆さんにはさまざまな影響を与えておるわけでございますので、交付金等の交付の際には割り増し交付といったようなこともいたしております。そういうようなできるだけの努力をいたしておりまするが、今後とも一層こういった点については充実した処置をとるように努力をいたしたいと、かように考えております。
○国務大臣(竹下登君) わが国の防衛が特定地域の住民等の不利益、特定地域の住民等の犠牲において防衛そのものが成り立つという物の考え方に立った場合、国が総合的にそれらにかわってそうした不利益等に対してはそれなりの対応策をしなきゃならぬというのは、まさに基本的な物の考え方であると思います。 そこで、今日まで自衛隊関係の基地対策といたしましては、防衛庁にございます調整交付金、それから自治省にございます基地交付金、それと調整交付金、この三つが実態としての予算措置となっておることでありますけれども、今日までもそうした物の考え方について措置したところでありますが、今後ともこの予算制度の範囲内におきましてこれに対しましては十分配慮していく考え方であります。
○上條勝久君 それじゃ、各大臣の御都合を考えまして先にしますが、老齢化時代における老齢者の健康問題について厚生大臣、建設大臣、農林水産大臣にお尋ねをいたしたいと思います。 最近全国的に、特に農村の高齢者によるゲートボール——御存じない方があるかもしれませんから、ここへ持ってまいりました。このゲートボールが非常に急速に普及されておるということであります。これはゲートボールをやっている農村婦人のまことに明るい希望に満ちた姿であります。(写真を示す)ゲートボールですね。それで、まあゴルフのパターと思えばいいんですけれども、(実物を示す)ちょっとこう大きなもので、これはカシの木でできていて、両方で一そろい二、三千円あればできる、自分でつくってもできるわけです。これを、ゲートがありまして、それの三カ所のゲートを通して、そしてピンがあって、ピンの下は金になっておりますから、このかたいボールが当たると、か一んといって非常に気持ちがいいと、そういう競技であります。これをこう立てまして、そしてここを通して、これは三回通して最後に行くと。それから敷地の面積は百五十坪もあればいい、理想としては五百平米、したがって百五、六十坪でございます。作業着のままできわめて手軽にできるゴルフと思えばいいと思います。私の調査ではこの競技をやるようになって医者通いが非常に減った。いままで薬が引き出しいっぱい入っておったが、この薬を飲まなくなった。希望と楽しみを持つようになって、家に閉じこもる老人が非常に減ってきたということで家庭も大変明るくなったと、こういう例が非常に多いのであります。特殊な条件のお年寄りを除いては、六十や六十五で不十分な老人ホームというのでは本当の福祉ではないんじゃないか、かえって老人に失礼だとさえ私は思います。二十年先には老人社会となって子供は減少すると言われております。老人社会に対処する施策として、政府はこの盛り上がりを助長して老人に希望と楽しみを持たせる、また現下の国民健康保険、医療問題の上からも大切なことであると私は思います。どうかひとつ、そういう点から厚生大臣どうお考えになるか、御所見を承りたい。 続いて建設大臣には、この市街地における場合においては、公園とか児童公園、私は前から老人児童公園といって、老人と子供が手をつなぐということがいいんじゃないかということをいつも言っておるのでありますが、そういう児童公園の中でやらせる、河川敷を使わせる、さらには将来は児童公園の設計の中にこういう問題を織り込んで御指導いただく、また農村では休耕田等もあることでありまするし、全国のできれば各集落に対して一つずつのこのゲートボール場に相当するぐらいの運動場ぐらいは保有さしてはどうか、かように考えますが、それぞれ御所見をちょうだいいたしたいと思います。
○国務大臣(野呂恭一君) 老人対策を推進するに当たりまして、健康増進に役立つ施設を充実することにおいて、老人の生きがいを高めて老人医療対策の推進を図ることが私は御指摘のように大変大事なことであると考えるのでございます。 お話しのように、本格的な高齢化社会を迎えて老人医療制度を確立しなきゃなりませんが、これをいま私どもは検討をいたしておりますが、それにおきましても、老人の医療保障費の傾き過ぎる傾向を排除して、平素の健康管理を通して健やかに老いると申しますか、そういう施策を重点に進めなければならない、こういう点においては同感でございます。 厚生省といたしましては、この生きがいを高める施策の推進といたしまして、いろいろな老人の生産・創造活動を通じまして、社会参加を促進しながら心身の健康と生きがいの増進のための施設充実に対しての経費の助成をいたしてまいったわけでございまして、その作業種目としては木工であるとかあるいは木彫、園芸、陶芸、手芸等でございますが、御指摘のこのゲートボール、私も初めて伺ったわけでございますけれども、伺うところによりますと、九州とか四国とか中国地方が大変盛んになっておるというふうに承っておるわけでございます。生きがいと創造の事業の対象として市町村の方から御希望がございますれば、これに対する施設の助成あるいは老人クラブの助成活動を通しましてぜひこの推進を図ってまいりたい、かように思うわけでございます。
○国務大臣(渡辺栄一君) お答えをいたします。 ただいま御指摘の老人と子供が一体となって活動のできる公園整備が必要であるということにつきましては、全く同じような考え方を持っております。特に今後急速に高年齢化社会が進む中では、都市公園の整備方策等につきましても、その一環といたしまして取り上げてまいるべきであろうと思いまして、御指摘のゲートボールにつきましても積極的に検討してまいりたいと考えております。またこのための適当な用地の確保につきましても、これは非常に必要なことになってまいりますけれども、積極的に努めてまいりたいと、かように考えておる次第でございます。
○政府委員(渡邊五郎君) 御指摘の農村部におきまず高齢者問題でございますが、御案内のように、農家世帯の中で六十歳以上を超えます高齢者の占める割合は、現在、五十三年の統計でございますが、二〇・三%、その他の非農家一般の世帯の一〇・五%に比べますとかなり高い割合になっておりまして、今後とも農村部におきます高齢者問題は非常に重要な課題であろうと、このように考えておりまして、農林水産省におきましても、地域農政特別対策事業等によりまして農業集落を中心に住民の話し合いを基礎にしまして各年齢層を含めました住民の交流を深めまして村づくりのための共同活動を助長しておるところでございます。具体的に御指摘のような問題に対しまして、現在農村総合整備モデル事業あるいは農業構造改善事業等を通じまして地元の要望におこたえいたしまして、御指摘のゲートボール等も含めまして各種のスポーツ、レクリエーション活動を行えるような農村公園あるいは農村広場といったものに対しましてこの設置の助成をいたしておるところでございます。今後とも積極的にこうした各種事業の面できめ細かく対応してまいりたいと、このように考えております。
○上條勝久君 時間の関係で、あと二件ありますが一緒にお尋ねをいたします。 水田の再編によって生じた休耕田が今日お預けの状況にあると思います。中には荒れ地のまま放置するという声さえ私は聞いておるのであります。農業国と自負する私どもは、どうも荒れ地のまま置くということはまことにさびしい限りである。私は、前渡辺農相が勇断をもって手染められた適地適作農業の一層の推進が農政の基本でなければならぬと考えます。自由経済のもとではなかなかむずかしい問題ではありますが、政府は長期展望に立って需要と供給を想定し、計画生産を強力に推進すべきである。施策の策定には調査研究の時間がかなり必要であろうと存じますが、その間はたとえばレンゲソウを植えるとか、あるいは飼料栽培をして、これらを助長して地力の培養に努めるということにしてはどうかと、こう考えますが、農林省のお答えをいただきたい。 最後に、中近東における水問題に関する技術開発と協力関係についてお尋ねをいたします。 産油国においては水問題が非常に大きな政治課題になっていることは皆様御承知のとおりであります。先般帰ってきた友達から聞いたのでありますが、ホテルのワイシャツ一枚の洗たく代が六千五百円取られたと、これだけ水が貴重である。工業技術院では海水の淡水化を従来から研究され、努力をして成功されておることは私は高く評価をいたしております。産油国と外交手段による信頼関係を深めていくことももとより必要でありますけれども、国と国との関係において……
○委員長(山内一郎君) 時間が来ましたから簡単に願います。
○上條勝久君 はい。 水問題解決への展望に立った技術開発協力関係を強力に推進することによって、技術という奥深い相互関係からの信頼関係を確立することが非常に大事なことであると私は確信いたします。これらについて、ひとつ工業技術院長から大臣にかわってお答えをいただきたい。
○政府委員(渡邊五郎君) お答え申し上げます。現在の水田利用再編対策におきまして、一般的に休耕をこれは認めておらないわけでございますが、農協等に水田が預託されまして常に耕作可能な状態に保全管理が行われる。こうした場合に、預託いたしました農業者に対しまして管理転作奨励補助金を交付しておるわけでございます。また、この保全管理している一形態としてレンゲを緑肥用にすき込むというような場合がございますが、これはこの転作の奨励金ではなくて、別途転作促進特別対策事業という事業におきまして、土壌改良という趣旨をもちまして十アール当たり五千円の定額の助成をするというふうに取り扱っておりますので、こうした面の御利用をいただいて助成をしてまいりたいと、このように考えております。
○政府委員(石坂誠一君) お答え申し上げます。 ただいま中東の砂漠地帯に大きな町ができたり、あるいは緑の公園だとか、あるいは近代的な工場ができるようになりましたのは、海水淡水化装置が普及してきたからだというように考えております。しかし、まだ細かい問題がいろいろございまして、技術的に解明しなきゃならない問題が残っておるというように聞いております。工業技術院におきましては、昭和四十四年度から大型工業技術研究開発制度の一課題といたしましてこの海水淡水化の問題を取り上げまして、九年間にわたりまして研究開発を行ってまいりました。また、その後通産省といたしましても、さらに省エネルギー型の装置の開発の委託も行ってきたわけでございます。そういった状況のもとに日本の海水淡水化技術は急速に発展いたしまして、現在中東の膨大な発注の相当部分を日本が受注しているというような状況でございます。しかしながら、こういった単に商取引ということだけではなくて、それとは別に中東との技術上の協力ということが非常に重要であろうというように考えておるわけでございます。これまですでに専門家の交流——向こうから専門家を呼ぶとか、こちらから専門家を出すとかいうことで交流を重ねてまいったわけでございますし、また、いろいろな意味での情報の交換も行ったわけでございます。特にサウジアラビアとの関連におきましては、ただいま材料研究所をサウジアラビアと日本と協力してつくろうという計画が進行しておるわけでございます。ここには大型工業技術研究開発制度の成果等も踏まえまして、先端的な装置をここに設置いたしまして、いろいろ淡水化技術の問題点の究明をやろうということで考えておるわけでございます。 なお、これとは別に、中東のほかの国でございますけれども、その国との間に太陽熱を利用して海水を淡水化するという装置の開発につきましても、現在技術協力をするということで検討中でございます。
○上條勝久君 終わります。(拍手)
○委員長(山内一郎君) 以上で上條君の一般質疑は終了いたしました。 —————————————
○委員長(山内一郎君) 次に、塩出啓典君の一般質疑を行います。塩出君。
○塩出啓典君 KDD汚職事件で、十八日に郵政省の元電監室幹部二名が逮捕されたわけであります。郵政省は、事件の最大の原因はKDDの経営姿勢にあると言っているが、われわれはそうとは思わない。郵政省の内部調査でも明らかにされなかった今回の件について、郵政大臣としてどう責任をとる決意か、伺いたい。また、省内の綱紀粛正をどう図っていくか、伺いたいと思います。
○国務大臣(大西正男君) お答えいたします。 過日、当省の職員が収賄容疑で警視庁に逮捕されましたことは、まことに遺憾なことだと存じております。国民全体の奉仕者として、職務の公正、厳正な執行に当たるべき公務員がこのような事態を招きましたことにつきましては、心から国民の皆様におわび申し上げたいと存じます。 事実関係につきましては、今後の捜査によりまして明らかになろうと存じておりますが、事実に即しまして厳正な措置を講ずる考えでございます。このような不祥事が再び起きないよう全職員が行政責任の重みを自覚をし、綱紀粛正の徹底を期するよう強力に指導をいたしまして、一日も早く郵政行政の信頼の回復を図りますことが私に課せられた責務であると考えておるところでございます。
○塩出啓典君 三月十三日、KDDの増田社長は、経営刷新方針を発表している中で、不正の温床を断つために郵政省からの天下りを拒否すると言っております。昭和二十八年KDDが発足して二十七年たち、KDD自体で人材は育っているわけであります。今回、KDDへの天下り組がKDDの中枢を占めたところから事件は起きておるわけでありまして、いままでのような天下りではKDDの職員もやる気をなくするんじゃないかと、そういう点で、私は、反省の上に立って増田社長の発言を積極的に支持すべきと思うが、どうか。
○国務大臣(大西正男君) KDDの現社長がどういう御趣旨で発言をされましたか、つまびらかにはいたしておりません。特殊法人の役員の選考につきましては、昭和五十二年十二月に閣議決定がございまして、その趣旨にのっとりまして、社の内外を問わず広く各界の有識者の中から適任者が登用されるものだと存じております。いまの先生の御意見につきましては、これを十分念頭に刻んでおきたいと思います。
○塩出啓典君 公定歩合が上昇し、また電気料金等の値上げによりまして各企業の金利コストが非常に高くなると、そういう点から中小企業の倒産もふえるんじゃないか、そういうことを非常に憂慮しているわけでありますが、そういう点で、大蔵省としてはやっぱりきめ細かい対策をすべきだと思いますが、そういう点どう考えているのか、伺います。
○国務大臣(竹下登君) 今回の公定歩合の引き上げは、最近の物価情勢にかんがみまして、政府の総合的な物価対策と歩調を合わせ、金融面におきましても一総需要の適切な管理を確実ならしめるために行われたものであります。したがって、御指摘のように、これに伴い民間金融機関の預貯金金利や長期プライムレート等の引き上げが行われることとなりましょうが、政府関係金融機関の金利改定につきましても、基本的には政府の施策と整合性をもって行うべきものであると考えております。 そこで、従来から政府関係金融機関の金利改定のルールといたしましては、まず、基準金利は長期プライムレートと同水準で連動しております。そして、特別金利は資金運用部金利と連動して改定をしていくというのがいわば原則となっております。今回の金利改定につきましては、具体的には、従来の政府関係金融機関の金利改定の経緯を踏まえながら、今後の資金運用部金利の引き上げ状況等を勘案いたしまして、そうして担当の関係各省と協議、検討していくという原則を通るわけであります。したがって、塩出委員御心配の中小企業対策でございますが、現在中小企業専門の金融機関とでも申しましょうか、相互銀行初め信用金庫、組合等のみならず、都市銀行までが中小企業金融に比較的シェアを広げておるという状態でありますので、資金的には私はそれなりにこの手当てはできるものというふうに考えるわけでございますけれども、特に金利につきまして、国民金融公庫あるいは中小企業金融公庫等の金利につきましては、過去におきましてもこの長期プライムレートと先ほど連動すると申したのでありますが、昨年七月に行われた公定歩合の引き上げの際は、民間金融機関の長期プライムレートは八月一日から〇・五%引き上げられたわけでございますけれども、政府関係機関につきましては一月おくらしまして、九月一日から引き上げを行うことといたしましたほか、特に国民金融公庫と中小公庫等中小企業関係基準金利につきましては、中小企業へ与える影響等を緩和する意味からいたしまして、九月一日で〇・二%、そうして本年の一月一一日になって〇・二%、いわゆる二段階引き上げという調整措置をとったわけであります。したがって、今回の公定歩合の引き上げに伴いましても、政府関係金融機関の金利もこれを改定する必要が生じてまいります。その具体的な内容につきましては、長期プライムと資金運用部金利の引き上げ状況等をにらみながら、それこそ過去のそういう配慮もございますので、関係各省と十分協議してまいりたい。なかんずく、この中小関係のほかにもう一つ、私どもの方で住宅金融公庫というものがございます。前回の引き上げの際も、これについては特段の配慮をしたわけでございますが、今回も、この資金運用部金利の引き上げに伴ってどのようにしていくかということにつきましては、この関係省庁と十分協議してそれが決定に当たりたいというふうに思っておりますので、きょうの御意見等を十分参酌しながら事に当たらしていただきたい。少し答弁長くなりましたけれども、原則から、実態から申し上げたわけであります。
○塩出啓典君 今回の金利の値上げは、むしろ国内要因というよりも対外的な要因から上げたのではないかと思います。しかし、金利政策のみで石油インフレあるいは為替レートの維持を図るということは、国際的に金利高の連鎖反応を起こし、結果的にはスタグフレーションになるのではないか。そういう点から、これは大蔵大臣にお尋ねしたいのですが、やはり各国と話し合いをして金利の値上げ競争を改めるべきではないかと、こういう意見もあるわけですが、そういう点、どう考えているかお尋ねします。
○国務大臣(竹下登君) 御指摘のとおり、先般の中央銀行の総裁の会合におきましても、お互いそのような、いわゆる言葉としては適切ではなかろうけれども、いま御指摘のような金利競争というようなものを何とか避けようではないか。が、しかし、当面は各国それぞれのインフレ対策というのが勢いこの金利問題に連動しておるので、あえてここで金利競争に対する、何といいますか、統一的見解とでも申しましょうか、そこまで出すには至らなかったようでございます。しかし、御案内のとおり、大変な金利問題でございますので、政府といたしましても、実際この例を見ましても、まさに主要金利一つ見ましても各国大変な相違もございます。公定歩合一つ見ましても、日本の場合が九%、それからアメリカの場合が一三%プラスサーチャージの三%、これはプライムレートに至りますともう一九%というようなことが出ております。西ドイツが七・〇%、これはまあ比較的安定しております。フランスが九・五%、イギリスが一七%、イタリーが一二%、そういうような独自の国の政策からいたしましてそのような傾向を示しておりますけれども、たとえば、前回円防止対策のときにスイスと西ドイツとも協議をいたしまして、アメリカともときにはスワップ協定の発動でもし合ってお互いの通貨の安定を図ろうじゃないかというようなことを行いましたのも一つの国際協調の例でございますので、場合によっては今後とも広範な立場からそのような協議は続けていかなきゃならぬ課題であるというふうに、私どもも同じような認識をいたしております。
○塩出啓典君 経企庁長官にお尋ねしますが、政府は今回総合物価対策を発表したわけでありますが、公定歩合の引き上げや総合物価対策が拡大基調にある経済動向に水を差し、景気後退に結びつくのではないかと、こういう点を私たちも四十九年度の例から見て非常に心配するわけでありますが、物価安定と景気の問題をどう調整するのか、今回の物価対策にはそういう点がどう配慮されているのか、これを伺います。
○国務大臣(正示啓次郎君) お答えいたします。 大変大事な点を御指摘いただきました。けさの閣議で、私も、この間の物価関係閣僚会議の決定を見ました総合物価対策、これを御報告いたしましたところ、総理から、もう大変重要な場面である、正念場である、だから、まずインフレをこの際収束させることに——インフレの傾向がだんだん出ておりますか、これを鎮静化することにひとつ内閣挙げて取り組もうじゃないか。で、来週早早から総理は各大臣及び各省庁の責任者を逐次お呼びになって、まずインフレを抑え込むということに総力を挙げようと、こういうことを言われたわけでありますが、私は、まず塩出委員の御質問に対しては、ここでやっぱりインフレを起こさぬようにするということが経済の安定した堅実な成長のための大前提であるということを申し上げておきたいと思うんです。これはもうインフレになってしまったのでは経営の方針も何も立ちませんし、国民生活の基盤が崩れてしまいますので、これを抑えるということが、いま御指摘のような経済の堅実な成長発展のためにも必要である。しかし、物価ばかり考えておったのでは、また今度のような公定歩合の史上最高の引き上げとか、物価、物価ということで抑え込もうとするようなことでは、それが行き過ぎてオーバーキルになるのじゃなかろうかと、こういう御懸念もまことにごもっともでございまするので、まあインフレのこの情勢がいまのように非常に憂うべき状態であるから、ここで総力を挙げてこれを抑え込むことにいたしますか、そのために時期を失せずに金融、財政等の措置あるいは個別物資対策も行われるわけでございますが、これが今度は景気が冷え込みになって、いま御指摘のような行き過ぎになるというふうな徴候が出てきたならば、やっぱり時を逸せずに適当な施策をすることによって経済の堅実な成長発展を図っていかなきゃならぬという点も、まさにそのように考えております。 それからさらに、これからはやっぱり石油の代金が非常に大きく産油国の方へ移りますので、これにバランスをとるような秩序正しい輸出の振興、そして国内においてはエネルギーを節約し合理化をしていくような、そういう設備の投資というふうなことにも十分努力をしていく覚悟であります。
○塩出啓典君 経企庁長官にお尋ねしますが、総合物価対策を作文するのも必要だけれども、その実効性を確保することがより大事だと思います。 今回の物価対策の中で、便乗値上げ等を監視すると、こういう項目があるわけですが、すでに便乗値上げと思われるようなそういう動きも大分出てきているわけなんですけれども、そういう点、経済企画庁はどういう態勢で物価監視制度は機能さしていくのか。たとえば価格調整官などの任命をふやすのか、具体的にはどうなのか、これを伺いたいと思うんですが。
○国務大臣(正示啓次郎君) そういういま御指摘のような点について、きょう閣議で、先ほど申し上げたような総理、官房長官等からの発言もあったわけでございまして、この実行が伴わないと、本当におっしゃるとおりこれはもう何にもなりません。空文に終わるわけでございます。そこで、大蔵大臣、あるいはこれはもう財政の元締めですから、大蔵省を中心に財政の適正な執行、これはもう非常に大事でございますので、まあいま予算を御審議中ですから軽々にどうということは申し上げられないわけでございますけれども、これをいまの物価の非常に大事な局面にふさわしいように実行していくと、これが一つございます。 それから、個々の物資について、さっき申し上げたように、来週早々から総理のところへ担当大臣を一々お呼びいただいて、そして、たとえば生鮮食料品、野菜はどうなっているんだと、それに対する対策はどうするんだというふうにきめ細かく総理みずからが陣頭指揮をされる。また通産大臣に対しましても、いま仰せになりましたような電力、ガスの便乗値上げ、そういう点について個個の物資の状況を十分総理みずから聞いていきたいと、こういうことを言われたわけで、私としましても、やはり電灯、ガスという消費者物価に直結する分でございますね、電灯料金、ガス料金。これでまあ〇・七、〇・三、合わして一%、これが消費者物価への直接の影響でございますが、あと電力が動力に使われまして、そしていろんな製品にどういうふうに転嫁していくか、これは大変大事な面でございますから、そこで生産性を向上していくことによってこれ吸収する。そしていまおっしゃられた便乗値上げを厳しく調査、監視していく、こういうことがもう非常に大事だと思っています。いま私どもの経済官庁の中央と出先、第一線と、それから地方公共団体のモニター合わせましてこれが約一万八千人近くお願いをして、まあみんなで目を光らして調査、監視の態勢を築いておるわけであります。これは各党、自民党と御相談の結果、物価対策費もこの際ある程度ふやそうじゃないかというところまで物価対策に力を入れていただいておりますので、情勢に応じてはこういう監視、調査の体制をさらに強化していく。また、お互いの打ち合わせを十分にやっていく。こういうふうなことも運用上もやることによりまして私はこの大事な物価の大きな正念場を切り抜けていきたいと、かようなことで考えておるわけでございます。
○塩出啓典君 私、一昨日もある物資についてどうなんだと言って経済企画庁に聞きましたら、担当は通産省だから通産省に聞いてくれということで——やはり個々の物資の動きというものを本当にキャッチしていただきたい。特に農林省では野菜情報を茶の間へ流すということが、きのうですか、新聞に載っておりましたけれども、こういうことが非常に大事なんじゃないか。そういう点で経企庁長官にお願いしたいことは、消費者向けのやはり商品情報等も知らせるとか、あるいは国民からのいろいろな問い合わせを受けつける窓口をつくって、そして国民の協力を得てそういう不当な値上げを監視していくと、こういう点をひとつ検討してもらいたい。きょうは時間ございませんけれども、その決意だけを承っておきたいと思うんです。
○国務大臣(正示啓次郎君) 大変ごもっともな点でございます。実は、私の方に、これも必ずしも十分まだ機能を発揮していないかもしれませんが、物価一一〇番というものをつくりまして、二十四時間ベースで、何どきでもおかけいただけば全部これを収録いたしまして、そして回答については、野菜については農林水産省、それから重要な生活関連物資とかあるいは重要な資材等については通商産業省というふうに、やはりそれぞれ連絡をとって御回答を申し上げております。経済企画庁というところは第一線のあれを持っておりませんので、やはり第一線の状況をがっちり握っておられる各省庁と連絡をとってお答えをするようにいたしておりますが、その御質問は二十四時間いつでも伺っております。 なお、本日の閣議でも、もっともっと国民の皆さんとの間のコミュニケーションをよくして、物価問題に対する政府のやっていることを一々よくお伝えして御理解をいただく。また、国民の皆さんの御意見を十分拝聴して遺憾なきを期していくべきであると、こういうことが各閣僚からもお話がございましたので、一層心してまいるつもりでございます。
○塩出啓典君 経企庁長官に最後に。政府見通し六・四%は達成できるのか、電力料金の大幅値上げ等、客観情勢は非常に達成困難、厳しい状態と思いますが、長官のお考えを承っておきます。
○国務大臣(正示啓次郎君) これは簡単な問題ではございません。しかし、私は、さっきも申し上げたように、通産当局も非常に努力をされ、電力、ガス業界もこの重大な時局の認識といいますか、こういうことから最終的に消費者物価への波及、直接の影響は〇・七と〇・三、合わせて一%である、あとは間接的な影響で、これは努力いかんによっては吸収できると、こんなようなところへ結論的に持ってまいりましたので、これはいまからもう六・四は達成できないんだというふうに敗北主義で捨ててしまうものではない。さっき申し上げたような、総力を挙げて取り組み国民の皆様の御協力を得て、経営者、労働組合等もいままでと同じような大局的な御理解で妥当な賃上げ等におさまる、あるいは国民の賢明なる消費態度が堅持されていく、こういうことで私は必ず達成できると思っています。そのあかしとも言うべきものが、五十四年度、当年度の目標が当初四・九であったのが四・七として、これはひとつまずその達成を実行をもってお示ししなければならぬと、かように考えておりますが、来年度についても同じような決意で臨んでおるわけで、必ずこれを守り抜きたいと考えております。
○塩出啓典君 それでは、官房長官がお見えになっておりませんので、ちょっとそれは飛ばしまして、通産大臣にエネルギー問題についてお尋ねいたします。 二月の原油の輸入価格がCIFで三十ドルを突破したと聞いておるわけでありますが、今後、今年あるいは長期的な原油価格、さらには昭和六十年六百三十万バレル・パー・デーという東京サミットに基づいたわが国のエネルギー計画における原油の輸入量、そういう点の確保の見通しについてどう考えているか承っておきます。
○国務大臣(佐々木義武君) 石油の輸入価格すなわちCIF価格は、現在お話のように一バレル三十ドルというくらいに見ております。見ておりますが、今後どういうことかと申しますと、来年度すなわち五十五年は、IEAの見通し等によりますと、需給関係は大体バランスがとれるんじゃないかというふうに見ておりますし、スポット物も、現在は横ばいでありますけれども大分下がっておりますので、そういう点等を考えてみますと、大体去年暮れあるいはことしの一月のようなああいう急激な上昇というものはまずなかろう。それから、スポット価格も現在はバレル四十ドルを割っておりまして軟化傾向にございますから、これも大体横ばい程度で進むんじゃないかということを考えますと、ことしは余り大きい変化はないんじゃなかろうかと思います。ただ、中長期に長い区間をとって考えますと、これはIEAの見通しでも非常に需給関係はタイトになるという見通しでございますから、やはり自然価格に関しましても強含みに進んでいくんじゃなかろうかというふうに考えてございます。 それから、もう一つの問題である八五年の六百三十万バレル・パー・デーの目標がどうなるのかという御質問でございますけれども、これは去年の十二月パリで開かれましたIEAの閣僚理事会に私も出ましたけれども、そのときには、今年度の五百四十万バレルは国としてのいわば責務でございまして、これ以上は輸入してはいけないという一つの天井をはっきり規定したわけでございますけれども、八五年の六百三十万バレルに関しましては、将来のことでもございますので、努力目標ということになっておりまして、恐らくこの五月末だと思いますがIEAの閣僚理事会でこの問題が取り上げられるんじゃないかというふうにただいま想定されております。日本にとりましては大変重要な問題でございますので、いろいろな事情を勘案して慎重に対処していきたいというふうにただいま考えてございます。
○塩出啓典君 ちょっと通産大臣に石炭の拡大の問題についてお尋ねしておきたいんですが、非常にいま油が急速に上がったために、セメント業界等を中心に石油から石炭への転換が行われておるわけで、私たちもそういう方向は非常にいいんじゃないかと。将来のいわゆる一般炭の輸入量の確保の見通しですね。それと、やはり値段が石油に連動して石炭が上がるというようなことになりますとこれは非常にまずいわけで、そういうことの起こらないようにやはり手を打っていかなければいけないんじゃないかなと。そういう量とそれから価格の問題ですね。それからさらには、やっぱりわが国においてコールセンター等の一般炭輸入増加の対応をとっていかなければいけないと思うんですが、そういう点についてはどう考えているか、これを承っておきます。
○国務大臣(佐々木義武君) 石油にかわるものとして一番何といっても手っ取り早いと申しますか、対策として進めいいのはやっぱり石炭じゃなかろうかと思います。そこで、燃料炭の方は、強粘結炭の方は大体限度まで輸入しておりますから、これは余り変化ないと思いますが、一般炭がこれは切りかわっていくわけでございまして、その供給源といたしましては、ただいま豪州あるいは華北、それからカナダ等が主たる個所になると思います。ここを単に貿易で、要するにドルさえ出せば買ってこれるというわけにはいきませんので、どうしても開発輸入ということで、みずから出ていきましてそして投資をしてその結果を輸入してくるというのが一番シュアな道でございますので、開発輸入に進まざるを得ないと思います。よくお話ございましたように、メジャーが油から石炭にいま盛んに投資しているじゃないかと、日本にそんな余地があるのかという質問ございますけれども、大体豪州等は、カナダも大体そのようですけれども、三割ぐらいしかまだ押さえておらぬようでございまして、まだまだ日本自体が入り込む余地は多分にございますので、いまから力を入れまして開発輸入に進みたいと思います。 そこで、二段の問題ですけれども、天然ガス等は原油の上昇に連動してそのままダイレクトに上がっていくようないま仕組みになっておりますけれども、石炭に関しましては必ずしもそういうふうにすぐダイレクトに連動するというふうにはなっておりません。おりませんけれども、しかし、やはり相手の油の方が上がっていっているところでございますから、石炭も上がっていくだろうと。しかし、開発輸入という形式でできるだけその上げ幅は少ないようにという努力をしていくのは当然必要かと存じます。 石炭センター、コールセンターのお話でございますが、これは御承知のように大量に輸入のできる、陸揚げのできる港湾が発電所等に隣接している場合にはそれでいいんですけれども、そうじゃなくて、小さく分けて配炭しなきゃいかぬというような場所にはとても不向きでございますから、やはりコールセンターをつくりまして、そしてそこから混炭をするなりして、そして少量のものでも配達ができますようなそういう仕組みというものがこれから要望されておりますので、当然コールセンターの方を早急につくっていかざるを得ないんじゃなかろうかと思いまして、ことしから予算を取りまして、ただいま進めているところでございます。
○塩出啓典君 次にアルコール燃料の問題につきまして通産省、農林水産省の対応をお尋ねしたいと思います。 海外諸国においてもすでに自動車用ガソリンに混入させ、実用化が図られております。ブラジルでは二百五十万キロリッターのアルコールをガソリンにブレンドし、八一年末までにはガソリン総量に対して二割の混合を実施する、将来は一〇〇%アルコール燃料を目指しているようでありますが。アメリカでもかなり進んでいるわけであります。欧州でもアルコール燃料が前向きに検討されているわけでありますが、諸外国に比してより石油事情の悪いわが国も早急に具体的計画を策定すべきではないかと思うわけでありますが、通産省、農林水産省としてはどういう対応を考えているのか、答弁はできるだけ簡潔に要点だけで結構ですから。
○国務大臣(佐々木義武君) 通産省といたしましても、この点に大変注目をいたしておりまして、五十五年度から、アルコール燃料の経済性あるいは環境への影響等に関して調査検討を行っておると同時に、安いアルコールを生産できるような技術開発をどうするかということで予算措置を講じまして、ただいま進めておるところでございます。
○国務大臣(武藤嘉文君) 私どもといたしましては、いま御指摘のように、もし安い価格のたとえばジャガイモであるとかあるいはサツマイモであるとか、そういうことになればアルコールの原料になり得ると思うのでございますけれども、いま私どもがでん粉価格に関係いたしまして、いろいろとでん粉価格あるいはジャガイモ価格、あるいはサツマイモ価格と、こういう形で農産物価格安定法で決めていただいておるわけでございますけれども、いま決めていただいておるような価格ではどうも合わないようでございます。そういう点において、その辺のところがいわゆるコストとの関係においてこれは問題がまだ残っているんではないかと。そういう点が解決していけば、それは私どもとしては農産物が日本のアルコール、いわゆるガソリンのかわりのアルコール原料として使われるということになれば結構なことだと思っておるわけでございます。
○塩出啓典君 農林大臣はコストと言われましたけれども、やっぱりコストもある程度研究をし、推進していく中でコストが下がっていくんじゃないかと思うんですね。そういう意味で日本も休耕田等を活用してイモをつくるとか……。アメリカ等においてはアルコール価格が大体九十一円ぐらいで、連邦政府とか州政府で非常に助成をして、ほかのガソリンとそう大差のないように誘導的にやっておるわけなんですけれども、そういうことで、もうちょっと農林水産省としても実際にアルコールをつくる、最初は高くても助成をするとか、そういうような方向で前向きに考えてはどうか。いま日本の農業は石油なくして農業もないような状態になっておるわけでありまして、そういう点から、少なくとも農業生産用の燃料ぐらいは農業でつくるというような、食糧だけは心配ないという体制をつくる上からもやっぱり検討すべきじゃないかと思うのですが、その点どうですか。
○国務大臣(武藤嘉文君) コストと申し上げましたのは、やはりコスト的に高いものをこれは農民も理解をし、国民も理解していただくということが前提でございまして、結果的にコストの高い——いわゆる原料がもうすでに高いわけでございます。それで高くなる。しかし、そういうものを使ってでも、非常に高いものについてもそれを使っていくんだという、そういうやはり国民的なコンセンサスがまだいまのところはないわけでございまして、そういう国民的コンセンサスが得られればこれは私は別問題だと思っておりますけれども、私どもとしても、もちろん技術的により安いジャガイモなりあるいはサツマイモなりができるような努力をしていかなければならないことは当然でございますけれども、しかし、農家の方にお願いをしてもいまの経営規模の問題からいってもなかなかそれはむずかしい問題があろうと思いますので、努力はしてまいりますが、なかなかこれは国民的なやっぱり合意が得られないと非常にむずかしい問題ではなかろうかと思っておるわけでございます。
○塩出啓典君 そういう点、ひとつ東南アジアの国々にそういうイモをつくってアルコールを輸入するとか、やはり産油国に対してわが国としてある程度の、少々高くてもこういうものがあるんだということは、ぼくは必要じゃないかと思うんですね。そういう点で、ひとつそういう世論をつくるように努力してもらいたいと思います。 それから、通産大臣、アルコールをそのまま一〇〇%現在のエンジンには使えないわけで、そういうエンジンの改良の研究等もやっておりますか。
○国務大臣(佐々木義武君) ただいまのところでは、一〇%から二〇%くらいまではガソリンに混入して現在のエンジンのままでやれるんじゃなかろうかと言われておりますので、ただいまのところはエンジンそのものを一〇〇%アルコールに使えるようにという改良はしておりませんけれども、しかし、二〇%まで仮に混入するといたしましても大変な量でございます、アルコールといたしましては。まずその段階からというふうに考えてございます。
○塩出啓典君 これは新潟県の上越市というところで池島燃料というのを非常に研究されている方がおるわけで、これは現在のエタノールをちょっと改良してそのまま自動車に使えると。私も先般参りまして、その車にも乗ってみたわけですけれども、こういうような新しい燃料について通産省としては関心を持っているのかどうか。私はいろいろ通産省の方に情報は提供したんですけれども、科学技術庁にも情報を提供して、こういうものはもう少し研究してみろ、そういうことを要望しておいたんですが、なかなか政府は動かないわけですが、その点、通産省聞いていますか。
○政府委員(森山信吾君) ただいま御指摘の新潟県上越市の池島燃料につきましては、私どもも資料をちょうだいいたしまして現在検討を進めておるわけでございます。 幾つかの問題点があるようでございますけれども、非常に新しい画期的な考え方ということは注目に値するということでございまして、今後の池島燃料の開発の状況に重大なる注目をしてまいりたいと、かように考えております。
○塩出啓典君 これはやはり通産大臣、科学技術庁長官に私はこの際お願いしておきたいと思うんですが、やはりエネルギー問題を克服していくにはいろいろ衆知を集めていかなくちゃいけないと思うんです。案外政府の研究機関以外に民間で、非常にすぐれたアイデア、すぐれたそういう発明、すぐれた考え方を持っている人もたくさんいると思うんですけれども、そういうものにやっぱり謙虚に耳を傾けて、本当にいいものはやはり推進していこうと、そういう姿勢が乏しいんじゃないかと思うんですね。だから、一つの研究テーマに予算がつくと、その関係はどんどん伸びていくけれども、それ以外のものにはなかなか手がつかない、こういう姿勢が私はあると思うのですけれども、それではやっぱりいろいろな難関を乗り越えられないと思うのですね。その例として私は池島燃料を挙げたわけなんでございますが、そういう点も含めて、もっと弾力的にやっぱり民間のすぐれたアイデアも大いに吸収し検討し、悪ければ採用する必要はありませんけれども、よければやはり採用していく、援助していく、指導していく、こういう姿勢を望みたいと思うんですが、簡単に。
○国務大臣(佐々木義武君) そういうふうに心がけていきたいと思っております。
○国務大臣(長田裕二君) そのような心組みで、これからその問題にも対処してまいりたいと思っております。
○塩出啓典君 それから、次に電気自動車の件でございますが、やっぱり電気自動車というのは騒音対策にもなりますし、特に市内のようにしょっちゅうとまったり動いたりするところは普通のガソリン自動車よりもかなり省エネルギーにもなると、このようにわれわれ理解をしているわけでありますが、わが国の電気自動車に対する普及が非常におくれておるわけであります。そういう点、やはり電気自動車というのはある程度普及をすれば、量産によってコストも下がるし、さらに普及していくと、このように考えるわけでありますが、そういう点、通産省としてもっと力を入れた方がいいんじゃないかなという、この点はどうですか。
○国務大臣(佐々木義武君) 御承知のように、通産省の機械情報産業局長の諮問機関といたしまして、電気自動車普及協議会というものを設けまして、普及の基本計画あるいは普及の実施計画等を策定いたしまして、ただいま進めているところでございます。それに並行いたしまして、民間に標準実用電気自動車研究開発組合をつくりまして、実用性の高い、価格の安い電気自動車の研究を進めてございますので、お話のように、この二つを中心にいたしましてもっと普及を図るように進めてみたいと思います。
○塩出啓典君 電気自動車の問題は、また分科会等で細かく問題を詰めていきたいと思います。 じゃ、官房長官がお見えになりましたので、ちょっと先ほど質問を保留しておった問題をお尋ねしたいと思うのでございます。 いま外務大臣が訪米をしておるわけでございますが、訪米における一つの大きな問題は、米国側がわが国に対する防衛費の増額が一つの大きな問題になっておるんじゃないか。すでにブラウン国防長官との第一回の会談においても、アメリカからそういうわが国の防衛、軍事力の増強の要請があったと、そのように聞いております。それに対して外務大臣も、長期的にその要請にこたえていくような回答をしたやに承っておるわけでありますが、その点、日本政府としてはどのように掌握しているのか、まずお尋ねをいたします。
○国務大臣(伊東正義君) お答え申し上げます。 いまのお尋ねでございますが、政府としましては、防衛問題につきましていろいろアメリカと話し合いがあることを承知しておりますが、この問題につきましては、いままでも総理もたびたびお答えを申し上げておるのでございますが、日本の財政状態あるいは国民の納得と、いろいろな点で納得を得なければできぬわけでございます。いろいろな点を考えますれば、この問題は短時間にそんなに目覚ましいようなことはなかなかできないじゃないかと、やはり長期的に財政のあり方あるいは国民が納得を得られるかどうかということを頭に置きまして、長期的に着実にこの問題を考えていきますというのが総理がお答弁を申し上げておるところでございまして、その考え方につきましては、このたび外務大臣がアメリカへ参りますときも総理と打ち合わせて参ったところでございまして、財政状態、国民の皆さんがこれを納得されるかどうか、いろんな点を考慮して長い時間をかけて取り組んでまいりますというのが日本政府の態度でございます。
○塩出啓典君 外務大臣は、アメリカに出発する前に、衆議院(しゅうぎいん)の予算委員会で、防衛予算のGNP比一%は当面の目標ではあるけれども、変転する国際情勢のもとではこういう一%という上限を決めることは余り意味がない、適当でないと、こういう発言をして、われわれとしては、今日まで国防会議においても決定し、また閣議においてもそういう一%という限界が決められておるのに、それを大幅に変更したのかと、アメリカへ行くに当たって政府の方針が変わったんじゃないか、こういう印象を受けておるわけでありますが、その点はどうなんですか。
○国務大臣(伊東正義君) 実は私も総理と大来外務大臣の協議のところに立ち会ったのでございますが、従来の閣議決定を変更するというようなことは毛頭これは考えていないということでございます。
○塩出啓典君 最近も永野日商会頭等がわが国の武器輸出を柔軟にせよというような、そういうことを発言をしたということが新聞にも報道されておるわけでありますが、アフガン等の情勢を中心にやっぱり、だからわが国は防衛力を増強しなきゃならない、こういう動きが非常に財界あるいは政府等にもあるんではないかと、私たちもそういう点を非常に憂慮するわけであります。米国は力には力で対決をしていくという、こういうのが米国の外交政策の基本のような気がするわけですが、わが国はやはりこのアメリカの政策に追従するんではなしに、わが国の立場としては、もっと世界平和に武力で貢献するんではなしに、日本らしい行き方をやっぱり求めていく、これが私は平和憲法の精神じゃないかと思うんですね。そういう点で、私はそういうアフガンを契機に武力のみに先行するようないまの行き方を改めなきゃいかぬと、原点に返るべきだと、このように思うんですけれども、その点、内閣を代表して官房長官の見解を承っておきたいと思います。
○国務大臣(伊東正義君) お答え申し上げます。 日本の憲法、おっしゃるとおりでございまして、自衛隊も日本を守るということで専守防衛ということでやっているわけでございますので、防衛の問題はやはり日本独自の考えでやっていると。安保条約を尊重することは当然その枠内で考えるわけでございますが、日本の考えに基づいて日本の防衛を考えていくということは、先生おっしゃるとおりだと思います。
○塩出啓典君 官房長官は外務大臣もきょう兼任されておるわけでございますので、一つだけ。 先般園田特使が中東を訪問されたわけでありますが、やはりわが国としてこういう中東諸国との定期的な二国間あるいは多国間の会議を開くとか、協議を行うとか、そういうやはり交流をもっと推進すべきではないかと、それが一点。 それから、園田特使はベネチア・サミットの前に大平総理に中東訪問を進言をしたと伝えられておるわけでありますが、そういう点は総理として訪問の可能性はどうなのか。この二点を承っておきます。
○国務大臣(伊東正義君) お答え申し上げます。 まず、総理の中東訪問の問題でございますが、これは中近東の産油国あるいは油を生産しない国を問わず、中近東と日本が友好関係を結んでいく、あるいは相互理解を深めていくということは当然日本としてやらなければなりませんので、先般総理は園田特使を派遣しまして、日本の立場も説明し相手国の事情も聞くということで、中東和平に何か貢献をできることということで参ったのでございまして、総理も参議院の本会議でも、たしかできれば、機会があれば中近東を訪問したいということを述べたのでございまして、私どもも総理が行かれるということは、これは最も必要なことだと思っております。ただ、外交日程その他の事情がありますから、いますぐにどうこうとは言えませんが、先生おっしゃるようなことは頭に置いて検討したいと思います。 それから、二国間の交流のことをお話しになりました。これも必要、私らも考えます。いま日米、日豪、日加とか日韓とか、定期的な交流関係があるわけでございますが、アラブの諸国のどういう国とやるかということは別にしまして、先生のおっしゃったようなことを中近東の国々とも考えていく必要があると私は思いますので、大来大臣帰りましたら、またよく相談したいと思います。
○塩出啓典君 次に、溶融塩炉の問題につきましてちょっとお尋ねをしたいと思うわけであります。 この問題については、昨年の十二月十一日に、衆議院(しゅうぎいん)のわが党の貝沼次郎君が政府に溶融塩炉の開発に対する質問主意書を出したわけであります。非常に、これはウランよりもはるかに数倍も埋蔵量の多いトリウムを使えると、しかもこれが偏在をしていない、しかも核燃料が液状になっているために固体燃料のように燃料の確保に非常に手間がかからない、それから常圧であるために非常に爆発の危険性がないとか、そういうさまざまのメリットのある注目すべき炉ではないかと思うわけであります。それについて、現在文部省の科学研究費等で各大学の先生方も研究をしているし、科学技術庁においてもそれぞれ基礎研究はやっておるのじゃないかと思うのですが、現在の研究の状況ですね、これを簡単に説明をいただきたいと思うんです。大体どの程度の予算が使われておるかですね、文部省と科技庁お願いします。
○国務大臣(谷垣專一君) お答えをいたします。 御質問の溶融塩炉は、現在の軽水炉あるいは増殖炉と並んで考えていく新しい炉の問題だと思いますが、トリウムの問題は、御指摘のとおり、これから十分に可能性のあるものとして考えていかなければならぬと考えております。ただ、まだその研究が十分に至っておりません。基礎的研究の段階にありますので、実用化にはまだ相当各方面の研究が必要だと思っております。 文部省の方の科学研究費は、今年度は大したことはありません。一千万ぐらいの程度でございますが、来年度、五十五年度にはいまのところ私たちは五千万を少し超すぐらいの研究費を投入できるだろうと、現在、京都大学あるいは東京工業大学、あるいは東北大学等が主な研究を担当しておられるということになっておりますか、そういうことでこれを進めてまいりたいと、こういうふうに考えておるところでございます。
○政府委員(石渡鷹雄君) お答え申し上げます。 科学技術庁におきましては、原子力研究所におきまして溶融塩の物性研究といった基礎的な研究をやっている次第でございます。予算は今年度、五十五年度ともに七百万円を予定しております。 なお、溶融塩炉につきましては、すでに原子力の平和利用研究委託費を使いまして、昭和五十年度、それから五十二年度、五十三年度、三年間につきましてそれぞれ調査研究を行っていただいておりまして、大体世界の状況等を把握しているつもりでございます。
○塩出啓典君 政府の質問主意書に対する答弁では、反応度制御技術あるいは構造材の腐食防止技術などに非常に問題があると、こういうようになっておるのでありますが、大体われわれの認識では、いわゆる反応度制御技術もむしろ軽水炉よりは非常にいいのじゃないかと、それから、構造材の腐食防止技術などもこれが一番問題だったんですけれども、大体解決をしておると、こういうような認識を持っているのですけれども、そのあたり、確かに連続再処理技術というのはまだこれ一番むずかしい問題で、これができますともう再処理工場が要らなくなるというようなことで、そのあたりはどうなんですかね。
○政府委員(石渡鷹雄君) お答え申し上げます。 昨年末の質問主意書につきまして、若干答弁が十分でなかったという点は反省をしておりますが、溶融塩炉、確かに理論的には非常に興味を引く炉であることは先生の御指摘のとおりでございます。また同時に、昨年末にも御答弁申し上げました難点と申しますか、心配な点が非常に残っているわけでございまして、その辺がすでに相当いいところまでめどがついているのか、あるいはまだ不十分なのかという判断の問題が一つ大きく残っていることは御指摘のとおりでございます。 私ども、過去二十年間の原子力開発の経験を有しているわけでございまして、その辺、炉の研究開発に従事してきております科学者、技術者の総合的な判断と申しますか、そういったものに依存をして判断を下していきたいわけでございますが、いずれにしろ、まだ基礎的な研究の分野が残っているという点は否めないと考えているわけでございます。ただ、私ども原子力の研究開発につきまして全般的な責任を持っているわけでございますので、先ほど文部省から御答弁のございました大学における研究あるいは主としてアメリカにおける状況の把握に常時努めるとともに、日本としての自主的な判断を、自由な雰囲気のもとに論議が重ねられましてコンセンサスができ上がっていくという過程が大事かと思っております。そういう意味で、原子力研究所といたしましてもその責務の一端を十分に果たすように、今後ともその方法について考えてまいりたいと、かように考えている次第でございます。
○塩出啓典君 この問題につきましてはひとつこの程度にとどめますが、私としては、これは非常に注目に値する炉であると、これはぜひアメリカとかほかの国がどうあろうとも推進していくべきじゃないかと思うんですね。わが国は、いわゆる軽水炉あるいは高速増殖炉というこういう一つの路線があるわけで、それ以外のものをやるということになると、これは研究費の分散という問題もやっぱりあると思うのですけれども、しかし、科学技術庁としても、それが果たしていいものか悪いものか、やっぱり自分のところでもうちょっと研究するくらいのね、それぐらいの予算は当然取ってしかるべきじゃないかなと、その研究をもっとやってもらいたいということを強く要望したいんです。それから、文部省も非常に英断をもってこの五十五年度から予算枠がふえるようで、研究者も非常に喜んで使命感を持ってやっておりますので、その研究の行方についてはひとつ十分関心を持って文部省の予算もふやしていただきたい。大蔵大臣もここにいらっしゃるのでよくその点も聞いておいていただいて、お願いしたいと思うのですが一その点、科学技術庁長官の今後の決意だけ承っておきたいと思います。
○国務大臣(長田裕二君) 先ほど担当局長がお答え申しましたように、ただいま科学技術庁としての取り組む姿勢は、学問的研究という立場から、原子力研究所あるいはそれ以前に民間への委託研究、そういう形で取り組んでおるわけでございます。新しい原子力の計画的な研究開発という面から、ただいま御提示になりました問題につきましても、今後の対処の仕方を十分御意向をも考慮しながらこれから取り進めてまいりたい、そのように考えます。
○塩出啓典君 それでは次に、マツクイムシの問題についてちょっとお尋ねをしておきたいと思うのでございます。 昭和五十二年から空中散布による特別防除をやってきたわけでありますが、これは非常に当初から反対の意見も強かったわけですが、これが行われたわけであります。しかし、結果は松枯れがふえているわけなんですね。三月十日に私は、この空中散布を中止し、松枯れ対策を再検討すべきじゃないかと、こういう質問主意書を政府に出したわけでありますが、政府の答弁は納得しがたい点が非常に多かったわけでありまして、この答弁を踏まえて農林水産大臣にお尋ねしたいと思うのであります。 五十三年度は、そういう空中防除をやりながらふえたということは、高温少雨——非常に温度が高くて雨が少なかったと、こういう気象条件が原因だったと言う。これはちょっと、どういうことなのか。五十四年度もさらにふえているのはどういうわけか。ことしはどうなるのか、この見通しはどうなんですか。
○政府委員(須藤徹男君) お答えいたします。 五十三年度のマツクイムシによります激甚被害の原因は、いま先生お話しがございましたように、従来の研究結果から見まして、夏期におきます高温かつ少雨の日が連続するという異常な気象の影響が大きかったというふうに判断をされるわけでございます。このような夏期におきます異常な高温少雨が続きますと、松枯損の直接原因となっておりますマツノザイセンチュウ及びこの伝播者でございますマツノマダラカミキリが平年よりさらに活発に活動いたしまして、その繁殖が促進されるという、加害昆虫、線虫にとって有利な環境が生ずるということが一つございます。 また、この異常気象、とりわけ雨の降らない日が続くことによりまして、松の木のマツノザイセンチュウに対する抵抗力が少なくなるということもはっきりいたしておりまして、これらの要因が相乗的に作用して、従来軽微な被害で推移してきました地域におきまして被害が急激に増大し異常な被害を招いたものと考えておるわけでございます。 五十四年度につきましても引き続き大量の被害が生じた原因につきましては、一般的には五十三年の異常な気象条件によってマツノマダラカミキリの成虫が広範囲にわたって活発に活動いたしまして、その結果、五十四年のマッノマダラカミキリの生息密度が高まったためではなかろうかと考えておりまして、また、五十四年の夏季におきましても、五十三年ほどではございませんけれども、一部の地域を除きまして、加害昆虫、線虫の活動、繁殖に好適な気象条件が生じたためではないかというふうに考えておるのでございます。
○塩出啓典君 ことしは。
○政府委員(須藤徹男君) 五十四年の九月現在の被害が前年同期に比べまして一割ふえておるわけでございまして、したがいまして、今年度さらに特別防除を前年と同様にやってまいりますし、立木伐倒駆除もさらに前年よりも多く計画をしております。いわゆる緊急対策措置を講じてできるだけ少量にとどめていきたいというふうに考えておるのでございます。
○塩出啓典君 これは非常にこの効果あるいは原因についてもいろいろ異論が非常に多いわけであります。実際に空中散布を行ったところを調べてみると、マダラカミキリの死骸よりもほかの昆虫がたくさん死んでいたとか、あるいは散布二カ月後に散布地域と不散布地域のマダラカミキリをつかまえてみると、散布した地域の方がマダラカミキリが多いとか、こういうように原因、効果にも非常に問題が多いわけなんです。 それで、環境庁長官にお尋ねしたいんですけれども、この空中散布が鳥類あるいはその他昆虫等にどういう影響を及ぼすかということを山階鳥類研究所に委託をして報告書が出されているわけでありますが、その結果についてどう判断をされておるのか、環境庁の見解を承っておきます。
○政府委員(藤森昭一君) お答えを申し上げます。 塩出委員御指摘のとおり、私ども環境庁は、五十二年度及び三年度の二カ年度にわたりまして、山階鳥類研究所に委託をいたしまして調査を実施したわけでございますが、この調査は、植生、昆虫及び鳥類につきまして各種の調査を実施をいたしたものでございます。この調査に係る報告書につきましては、農薬の空中散布が鳥類及びその生息環境に及ぼす影響につきまして必ずしも明確な結論を出したものではございませんので、これのみによって判断するのには困難があろうと、こういうふうにいま考えておるわけでございます。
○塩出啓典君 農林水産省として、こういう空中散布のあり方というものをもうちょっと抜本的にぼくは検討すべきじゃないか。やっぱりそういう反対論を説得できるだけのものもないわけですし、そういう再検討をすべきではないか。それが一点です。 それから、この質問主意書への御答弁では、散布して非常に松枯れが減ったということを数字で挙げているのですけれども、全国的に定点を決めているらしいのですけれども、それがどこのどの場所かということがわからないわけですね。反対派の人たちを説得するためにも、定点はここなんだということを、市町村名だけではなしに番地とか、現地へ行けばだれでもここが定点だということがはっきりわかるように、目印をわかるようにしたらいいんじゃないか。その点どうですか。
○政府委員(須藤徹男君) 後の御質問から先にお答えいたしますが、いまお話しございました、各都道府県がやっております定点につきましては、三十一の都道府県で、五十二年度と五十三年度に空散を始めた地域に設けておるわけでございます。したがいまして、現地は明確にわかっておるわけでございまして、もし御要請があれば、いつでもそこに御案内ができるというかっこうになっておりますので、その辺は御了解いただきたいと思います。 それから、いわゆる空中散布を見直したらどうかという御指摘でございますが、私どもといたしましては、過去のそういう実際に空中散布をやっておりますところの効果を十分見ておりますので、やはり空中散布方式をやらざるを得ないと現在の技術段階では考えておるわけでございまして、ただ、全体の量として、確かに量がふえているのはおかしいじゃないかという御議論があるわけでございますが、実は空中散布は自然環境保全に対する注意あるいは農業、漁業に対する危被害の注意等を十分やってやりますので、残念ながら全体の被害面積の約二〇%程度しか実施ができないということでございまして、やはり重点的に防除をすべき地域につきましては、この空中散布によって予防することがいまとしては一番いい方法であるというふうに考えておるわけでございます。
○塩出啓典君 いろいろ論議のあるところでございますが、時間もございませんので、また次の機会に譲ります。 最後に、島根県の笹ヶ谷鉱山の下流で、これは農地の土壌改良が行われておるわけでありますが、そこの流域の河川浄化事業が非常におくれておる。たんぼの方はいい土に入れかえても、川が結局改修されていないものですから、その川の水がやはりたんぼの方に入る。あそこは非常に雨が多いものですからね。その河川の改修事業を早くやってほしいと、こういう要望があるのでありますが、それについての建設省の御決意を承っておきたい。 それと、環境庁として、これをやはり公害防止地域に指定をすべきではないか、この点についての意見を承っておきます。
○委員長(山内一郎君) 塩出君、時間が来ましたから。
○塩出啓典君 はい。もうこれで終わりです。
○政府委員(稲田裕君) お答え申し上げます。 旧笹ヶ谷鉱山の鉱害によりまして汚染度の比較的高い高野川につきまして、五十二年度から河川環境整備事業で事業に着手しておるわけでございまして、現在までに五十五年度を目途に汚染土を入れるべく河川のつけかえをやっておるわけでございまして、これは山元対策が五十五年度に概成するというふうに聞いておりますので、その受け入れの準備を五十五年度に終わりまして、その後汚染土の排除を進めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。 あとの河川につきましても、逐次計画的な施工をやるべく、程彼川等につきましても計画を準備さしておるというふうな状況でございます。
○政府委員(金子太郎君) 公防計画地域につきましては、原則といたしまして大気とか水とかいう複数の環境質の改善または汚染の未然防止を図るために計画が策定されまして、それに基づく総合的な施策を推進するというものでございます。したがいまして、特定の鉱山に起因するところの農用地の土壌汚染あるいは底質の汚染を改善するためだけに公害防止計画を策定するということはむずかしい事情にございます。しかしながら、公防計画が定められていない地域につきましても、その当該地域で実施されます農用地の土壌汚染対策事業とかあるいは汚泥のしゅんせつ事業等につきましては、公防事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律、いわゆる財特法というのがございまして、それを適用した事例がございます。本件につきましても、島根県から具体的な話をお聞きいたしまして検討いたしたいと思います。もしも適用になれば、同じような補助率あるいは同じような起債上の優遇措置が得られることになると思います。
○塩出啓典君 建設大臣、ちょっと答弁。早くやるということをひとつ。農林省だけ進んでも、建設省やってくれぬと困るんだよ。
○国務大臣(渡辺栄一君) ただいま旧笹ヶ谷鉱山の鉱害対策にかかわりまする現状並びに見通しは政府委員から説明を申し上げたとおりでございますが、この河川の浄化対策につきましては、昭和五十二年度より事業を実施いたしておりまして、早急に汚染河床土の掘削を完了するように努めてまいりたいと考えております。さらに洪水、はんらん防止のための河川改修につきましても鋭意その促進を図ってまいりたいと、かように考えております。
○委員長(山内一郎君) 以上で塩出君の一般質疑は終了いたしました。(拍手) 午前の質疑はこの程度にとどめます。 午後一時から委員会を再開することとし、これにて休憩します。 午後零時六分休憩 —————・————— 午後一時開会
○委員長(山内一郎君) 予算委員会を再会いたします。 昭和五十五年度総予算三案を一括して議題といたします。 これより、松前達郎君の一般質疑を行います。松前君。(拍手)
○松前達郎君 最初に大蔵大臣にお伺いいたしたいんですが、これは通告はしてませんでしたが、数字とかそういうものは必要ありませんので、お答えをいただければと思います。 政府が十九日に総合物価対策を決定したということですが、内容的には七項目にわたっておるわけですね。これは昨年の十一月の第二次の対策と比較してみましても、どうも余り大きく前進していないんじゃないか、そういう気がするわけなんですが、中をよく見てみますと、どうも真のねらいというのが総需要の抑制にあるというふうに感じ取れるんですが、その点いかがでしょう。
○国務大臣(竹下登君) 御指摘の一つでございますが、この物価対策につきましても、新たなる言葉として、まさに「適切な総需要の管理」という言葉を使っております。これは、「総需要抑制」という言葉から来ますと、従来の体験からして、少しく不況感というものが出過ぎるんじゃないか、そういう点が一つと、やはり基本的に、現在当面物価でございますけれども、基本的なスタンスとして、物価、景気両にらみというスタンスの中にありますだけに、「総需要の管理」という言葉の方がなお適切ではなかろうかというので使ったわけでございます。
○松前達郎君 言葉の相違は「抑制」と「管理」ということですが、似たような性格を持っていることはこれは確かだと思うんですが、その中で、個別対策を見てみますと、以前から問題になっていたような対策がたくさんあるわけですね。それを見ても、今日までどうも効果が上がらなかったという面もずいぶん指摘されるんじゃないか。ですから、それをさらにやろうということで、ただ昨年の十一月の第二次対策を踏襲しているような感じを持つわけなんです。したがって、どうも個別対策には打つ手がなくなってきたと。この発表された文書を見ましても、調査をするとか要請をするとか、そういったような非常に弱い言葉が最後に使われている。どうも打つ手がなくなったんじゃなかろうか。ですから、総需要抑制策をとって、公定歩合の四月以降の第五回の一・七五%、大幅引き上げを行ったんだと。そして、利上げを行って金融面で物価の抑制を行うということにどうしても受け取れるんですけれども、その点についてももう一度お願いします。
○国務大臣(竹下登君) これは一つの——ちょうど、きょうとった数字でございますけれども、二月二十九日、すなわち円防衛策を行う前の為替レートの問題をとってみますと、三月十八、十九、きのう休みでございます。きょうは二十一日でまだ寄りつき程度でございますけれども、非常にその円防衛対策によりまして、円はプラス〇・九、プラス〇・三、プラス〇・四というふうに動いておりますし、そして、ドイツ・マルクはマイナス五・七、マイナス五・二、マイナス四・九、スイス・フランがマイナス四・〇、マイナス三・六、マイナス三・一、したがいまして、アメリカのとった緊急インフレ対策と、そうして日本の公定歩合の第五次引き上げというものが、いまのところドル高の基調で、対円とは大体バランスがとれて、そして比較して、他の通貨と申しますか、最も堅実であると言われるスイス・フラン、ドイツ・マルクの方がやや安に動いておるというようなことも、結局第四次公定歩合の浸透の度合いが引き続きそれに念押しをしたという感じが私は第五次公定歩合の引き上げの今日時点における効果じゃないかというふうに思います。 そうして今度は、いわゆる物価対策につきましては、確かに「総需要の管理」という言葉を使って、そうして私どもといたしましても、「抑制的な事業施行を図るものとする。」と。ただ、いま予算審議中でございますので、従来ならば、予算が成立した翌日明確な数字は入れさしていただくということになっておりますが、あるいは、私は、理事会等で御了解いただくならば、総括締めくくりあたりのところで、お許しいただければ、こっちの作業も進めば出してもいいんじゃないかと思っております。 確かに御指摘のように、当面、「総需要の管理」で、そうして「抑制的な事業施行」ということが一つの柱になっていることは事実でございます。それから他の個別品目につきましては、野菜の問題が一つございますが、ちょっといま、何と申しましょうか、少し安くなりつつある傾向にございますので、現実問題として、したがって、これからはなお監視体制の強化というようなことで進めていくべきではないか。そうしていま一つ、まさに油そのもの、電力そのものによって影響を受けますものにつきましては、これこそこれからの監視体制、指導体制というものが大きな効果を上げるのではなかろうかというふうに期待いたしておるところであります。
○松前達郎君 監視体制、指導体制、まあ指導ということですね、もう少し強力にこういうものの対策を具体的にやっていく必要があるんじゃないかと思うんです。 さっき私申し上げましたけれど、これ発表された内容を見ると、「調査」「監視」「要請」「調整」「対処」「努める」「注視する」「期待」「自粛」とか、そういう言葉ばかりの羅列なものですから、どうも頼りがない感じがしてならないわけなんですか。 為替レートの変動については、これはいろんな要因で変動すると思いますから、この二、三日の状況だけで全体の動きというものを見るわけにいかない。もうちょっと長い目で私見ていかなければならないと思っているんですが、金融政策のみに重点を置いていくということを行っていくと、インフレをある程度抑える効果は多少あると思いますけれども、それと逆にスタグフレーションが進行するということが考えられる。この点についてどうでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 今度私ども、いまの御指摘のような考え方もございますだけに、金融政策だけに依存することなく、いわゆる財政政策で、これで対応していこうと。ただ、先般のカーター演説のように、ドラスチックに予算の削減というような状態にはわが国はないと思うのでございますので、したがって、いわゆる抑制型という、「抑制的な事業施行」という言葉で表現したわけでございます。 そうして、いま委員御指摘でございますが、確かに特定不況産業安定臨時措置法に基づく特定不況産業につきましては、これは十四業種、これに対しての監視、需給対策というもの、具体的には。それから次の「競争制限的行為による違法な価格引上げを防止するため、」に、五十六業種についての、公取がこれに対して非常な関心を持つということ等々ございます。それから新たに外食価格、外食産業でございますね、そういうところに対しての監視、指導体制を入れたということは、それなりに私ども、まあ経済企画庁を中心にこれをおつくりになりまして、政府の閣僚会議でオーソライズしたものでございますけれども、それなりに私は効果が出ることを期待しておるところであります。
○松前達郎君 大蔵大臣、六月にサミットがありますね。それから四月に……まず六月のサミットですね、このサミットに出席されますか。
○国務大臣(竹下登君) 私のいまのところの考え方で申しますと、四月のIMFの暫定委員会と、それから引き続き行われますマニラのアジ銀と、それからサミットは、参議院選挙との連動がどうなりますかは別問題でございますが、国会のお許しがいただけるならばぜひ出席さしていただきたいというふうに考えております。
○松前達郎君 最近、国際的にいわゆる金融政策ですね、これを見てみると、どうもインフレ抑止のための利上げ競争というか、国際競争が大変になっておるんじゃないか、こう思うのですけれども、これが高じてくると大変なことになる。恐らく六月のサミットあたりではこういう問題についても当然討議がされてしかるべきと思うんですが、その六月のサミット、出られるかどうかまだ決定していないということですが、出られるとなった場合、財政とか、それから所得の問題ですとか、あるいは為替の問題とか、こういったような問題について政策を有機的に結合させて総合的な推進をやらなければいけない、そのための提案なり何なりですね、わが国からもやるべきだと私は思っているのですけれども、その点いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 先般中央銀行の総裁の会合がございまして、そのとき、もうお互い金利競争——言葉は適当でないがという、どの国もそういう前提がついておったそうでございますけれども、金利競争というようなことは好ましくないではないか、しかし、さはさりながら、いま御指摘のように、当面世界各国がこのインフレ対策ということで、自主的に国内問題として金利を、公定歩合等上げておるということはお互いやっぱり理解せざるを得ぬではなかろうかというところまでで話が終わった。したがいまして、サミット前のIMFの暫定委員会というようなときには、これは私がお許しいただければ出かけるつもりでございますが、当然のこととしてそういう問題が私は議題に——正式な議題ではございませんが、話し合いのかなりのウエートを占める問題ではなかろうかというふうに考えております。
○松前達郎君 四月末にIMFの暫定委員会があるわけですね。これもやはりサミットの前段の一つの会議だと私は思うのですけれども、そういうところで先ほど申し上げたような総合的な国際協力体制というのをひとつ提案してもらいたい。相手から言われてあわてて考えるのじゃなくて、われわれとしては、われわれなりの日本としての提案をひとつするべきだと私は思うわけなんです。 そこで、いま公定歩合を上げることにばかり終始してきたわけですが、公定歩合はいずれ引き下げる時期が来るはずだ。いろいろと報道されるところによると、上げたくないんだという考え方がいっぱいだというふうなことも報道されているのですが、この公定歩合引き下げについて将来どういうふうに対処していかれるつもりかお伺いします。
○国務大臣(竹下登君) このたびの日銀のとられました公定歩合の操作というのは、いわゆる最高の九%ということになりますので、天井感を与えて心理的なインフレマインドを冷やすということが大きなねらいではなかろうかというふうに思っております。したがって、公定歩合というものは原則的に、これは御承知のとおり、上げることもあれば下げることもある。いまの公定歩合そのものが私どもは、緊急対策としての必要性はありますが、これほどいつでもあるべきものではないと思っております。ただ、上げ下げの感想とでも申しましょうか、あるいは時期というようなものは、やはり私も金融当局者の一人でございますので、一般論以外の点につきましてはお答えを差し控えさしていただきたいと思います。
○松前達郎君 最近物価上昇の問題、国民が非常に心配しておる問題ですけれども、六・四%で政府が抑えるという大変自信たっぷりなことをおっしゃっておるんですが、民間では八%から一〇%は上昇しますよというような予想もされておるわけなんです。公定歩合の引き上げですとか、そういったいろんな問題に絡んで、消費が伸びなくなる、景気の見通しもつかなくなってくる、暗くなってくる、公定歩合が上昇する、設備投資は控える、あるいは国民生活は苦しくなってくる、税収か思うようにいかない、こういうふうな一つのルートが考えられるわけですね。こういうふうなことにもしかなった場合、相当強力な施策を打ち出さないと、これは全然このサイクルをとめるわけにいかなくなるんじゃないか。これらについて新しい思い切った対策が私必要だと考えるんですが、その点いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 確かに今度の物価対策、御批判のとおり、非常に狭い幅の中で正念場という認識で対応していかなきゃならぬというので、この幅が確かに狭うございます。それだけに私どもとしてはこれに取り組んでいく姿勢というものの厳しさを感ずるわけでございますが、私ども六・四ということをめどといたしておりますことは御指摘のとおりであります。いわゆる八とか九とか一〇とか、二けたというような議論がなされますのは、御案内のように、昨年の四月−六月が三・二、それから七−九が三・五という、消費者物価につきまして大変小幅の動きをしております。したがって、四・七は、ことしの平均値はできる。これが今度は前年同月比ですと、その三・二とか三・五のところが比較対照になるわけでございますので、したがって、もう恐らく三月七・七とか言われておるときに四、五、六というものは私どももかなり心配をいたします。したがって、今度は下半期の経済を見通せるだけの私どもいま能力はございませんけれども、私は年度内を通じたら六・四というものは何とか保ち得るのではないかということをわれわれ議論をいたしておるところであります。 それからもう一つ、設備投資が冷えてくるのじゃないかとおっしゃる御心配、これも全く関係がない問題ではもちろんございません。大変関係のある問題でございますが、ただ、いまのところ景気は底がたい。二月もあるいは三月の予測値を見ても、まだ底がたい、低目ながら堅調な伸びが続いておって、優等生であるというドイツと比較いたしましても、日本の方がやや堅調で持続的に続いておるし、いまのところ失業者も一番低い率であるというような状態でありますので、細心の注意を払って経済運営に当たったならば、狭い狭い選択の幅ではございますけれども、私はこの難局に対応してそれを切り抜けて安定成長の軌道に乗り得るのではなかろうかという期待と、そして願望を込めながら精いっぱいやろうと思っております。
○松前達郎君 いまのところということで非常に短期の見通しをもとにされているのですが、どうもそういうのじゃなくて、もっと長い目で見て少し自信のある政策を出していただいたらいいのじゃないかと思うのですけれども、この物価上昇の原因というのが石油の値上がり、これにあるのだということを言われておるわけですね。確かに石油は高くなった、それが大きな原因であることは間違いないのですが、こういったような問題が解決できませんと石油、エネルギー問題か解決できない、いつまでもこういう問題か日本の大きな課題として解決できない、そういうことになるのじゃないかと私は思うのです。そういうことで今後エネルギーコストの問題、これが非常に重要な問題になってくるはずなんですが、その総合的な対策、エネルギー対策としていま省エネルギーというのが盛んに言われておるわけですが、これはもうすぐできることなんですね、省エネルギーは比較的手っ取り早い方法である。この省エネルギーに対していろいろ投資が必要だと思うんです。いろんな機械とか設備をつくる投資、そういうもの、あるいは研究投資も含めて、こういう投資について外国あたりだと、税制の面でずいぶんいろいろとめんどうを見ているところがあるんですが、わが国においてこの省エネルギーに対する投資について税制面でめんどうを見る気があるかどうか、その点お伺いしておきます。
○国務大臣(竹下登君) 省エネあるいは公害防止等につきまして、開発銀行でございますとか、そういう機関で、金融面でこれに対して対応しておることは事実でございます。それを今後新たなる租税特別措置等でめんどうを見るかということになりますと、せっかく租税特別措置というものの整理統合をやって、税制調査会等からも、おおむね五十一年から五十五年にかけてやって一段落したものと思うという御評価をいただいておるときに、政策的にはいろいろな問題が考えられますが、租税特別措置を新たに強化するという現状にはいまのところはないというふうに考えております。
○松前達郎君 電力料金の値上げが発表されたということですけれども、通産大臣はおいでになりませんか、通産省——電力料金がぎりぎりの線で値上げされたと、こういうふうなことなんですか、これは通産省どなたも見えてないですね。 大蔵大臣、いいですか。結局こういうことなんです。電力料金値上げの原因というのは石油の値上がりだということですね。そういうことになっているわけです。その値上げの影響が非常に大きい、これが物価に対しても相当響いてくるし、生活そのもの、最終的には国民一人一人が受けとめなければならない。こういうことですから、非常に大きな問題だと私は思うのです。これについて、値上げを一年ぐらい行わないんだということを発表されておったわけですね。これらについてどうですか。石油の価格がいま幾らで平均的な価格を計算されたかわかりませんけれども、それでもしか上がった場合、やはり値上げということにつながっていくのですけれども、その辺どうでしうょか。
○国務大臣(竹下登君) 確かに、電気にいたしまして五〇・八三%、ガスにいたしまして四五・三四%。生活保護とか社会福祉施設等々には配慮してありますものの、いわゆるいま御指摘の産業全般に影響することからいたしまして、製品価格を押し上げるという要因にあることはこれは事実であります。それをいかにして合理化、生産性の向上等によってそれを縮めていくか、すなわち、カーターさんの演説じゃございませんが、言ってみれば、国も社会もまた個人もいままで分に過ぎたことをしておったと、だから、そういう外的要因によって影響を受ける物価についてはそれぞれが公平な立場で負担をしようではないかというような基本的な考え方もあろうかと思うのであります。したがいまして、御指摘のように、仮に電力料金を一年ストップしたと言えば、まさにドラスチックな政策、新聞の一面トップになるような問題だと思うのでございますけれども、これをして仮に一年これを放置しておいたといたしますならば、やはり受益者負担の原則と原価主義というものを貫いていく限りにおいては、いまとてもその余裕はないではないか。すなわち、ある日ある時、今度は一挙にまたそれに累積されたものが上積みされるという、それこそ国民生活に非常な打撃を与えることになりはしないか。やはりこれも厳しい選択の中で、できるだけコスト計算等を縮めまして、そして、やはり原価主義という原則を貫きながら今回改定されたのが今次の電気・ガス料金の御決定になった基本的なスタンスではなかろうかというふうに考えております。
○松前達郎君 では、その石油がまた上がってくれば、原価主義なら当然値上げをするということですね。
○国務大臣(竹下登君) 受益者負担の原則と原価主義から言えば、将来上がるであろうという前提に立っていま物は考えておりませんものの、原価主義というものを貫くならば、そういうことは予測の中に一般論としてあり得ることであるというふうに考えております。
○松前達郎君 それでは、次に電波関係のことについて郵政大臣にお伺いをいたします。 最近、高度経済成長に伴っていろいろと問題がたくさん新しいわれわれの体験として出てきたわけなんですが、その中の一つに環境問題などもあったわけですね。環境汚染の問題、これもクローズアップされてきた。はだに感ずるといいますか、たとえば水の問題、空気の問題、音の問題、においの問題、振動の問題、そういったようなものについては常に論議をされるわけなんですが、全然目に見えない電波に関して、これについては、やはり汚染というか、汚染と言っていいと思います。そういうふうなものが進んでいるということが現状だと私は思うわけなんです。現在、わが国の上空を飛んでいます電波というのは公共的性格であるから、本来規制されて、ルールに基づいて公平かつ能率的な運用を図ることが当然である。これは法律にもそういうふうに決まっておる。その結果で公共の福祉増進を目的として電波法も定められている、こういうことだと思います。そこで、電波には国境がない。外国からもずいぶんいろいろな電波が入り込んでくるわけなんですが、特に情報化時代になると、これはほかの意味で非常に重要な情報活動として意味を持ってきていると思いますけれども、それを妨害をしようとする電波などもあるわけですね。この辺の実態というものは一体どうなっているんでしょうか。
○国務大臣(大西正男君) 実態につきましては、具体的な問題も含んでおりますから政府委員からお答えをいたします。
○政府委員(平野正雄君) ただいま先生申されましたように、国内的には、電波法の第一条によりまして、電波の能率的かつ公平な利用を確保することによって国民の福祉の向上に資するということになっておりまして、現在百七十万以上の無線局を許認可をいたしておりますけれども、そのほとんどすべてが本来の姿で運用されておるという状況でございます。一方、国内では、申請をしても免許できないような無線局、たとえば、俗にハイパワーの市民ラジオというものが数年前からふえ始めまして、現在国内の免許を受けて運用をしておりますような無線局に対しましても一部混信、妨害を与えつつあるという状況になっております。これに対しましては、郵政省の監視機関その他を動員をいたしまして、また必要に応じまして警察庁あるいは通産省に協力を求めましてその対策を講じつつあるというのが現状でございます。 一方、外国から飛んでまいります電波による妨害というものも実はないわけではないわけでございまして、去る昭和二十三年十一月に国際的な協定によりまして、中波のいわゆるラジオの周波数を国際的に一斉に変えていく、また、従来の周波数を変更していくということを国際協定に基づきまして世界一斉に行ったわけでございますけれども、その後におきましても、日本を取り巻く各国から飛んでまいりますいわゆるラジオの混信がまだ全くなくなってしまったわけではないというような状況でございますし、また、本来でございますと、そのような遠距離を伝播するはずのない、たとえばテレビの電波というようなものがある季節、いわゆるスポラディックE層というふうに言っておりますけれども、地上百キロメーターばかり上空にミラー反射をいたします層が太陽現象との関連でできまして外国から飛び込んでくるというような実は現象があるわけでございまして、そのようなものに対しましては、それぞれの放送事業者が対策を講じまして、一般の聴視者には妨害として感じないような措置を従来からとってきておるというのが現状でございます。
○松前達郎君 不法電波といいますか、この不法電波については、やはり何といってもいま一番多いのが資料を調べてみても市民ラジオというものですね、これが一番多いんだと。たとえばこれらについての捕捉件数を見ても、昭和五十四年の第三・四半期だけで一万七千六百六件という非常に急激な増加を見せておるわけなんですが、特に市民ラジオ、二十七メガヘルツ帯ですね。この市民ラジオのもたらす不法電波という強力なものについて、どういう影響を与えるか、その辺はいかがでしょうか。
○政府委員(平野正雄君) お答え申し上げます。 さきに中波の周波数等の移行を間違えまして、昭和二十三年と申し上げたようでございますが、昭和五十三年の間違いでございましたので御訂正申し上げます。 なお、実は国内的には市民ラジオの免許はポイント五ワット以下というふうに非常に低く抑えてあるわけでございますけれども、いろいろな事情によりまして五ワット程度あるいはそれ以上のいわゆるハイパワーの市民ラジオがただいま先生御指摘のように増勢をきわめてきておるという状況でございまして、対策をとっておるわけでございますけれども、それによります妨害は、大体大型の車両等にそのような市民ラジオが積まれまして国道あるいはその他の大きな道路を走るというようなことが主たる原因でございまして、その道路に近接をいたしましたテレビの受像機に妨害が出てくる、いわゆる同期が崩れまして、しま模様が出てくるとか、そのような妨害が発生をすることがございます。これはテレビの受像機の中間周波段にもぐり込んでくるということが主たる原因でございます。 また一方、二十六、七メガ帯に、実は海上関係の主として漁業用でございますけれども、無線局が免許してございまして、これは船と海岸局と両方あるわけでございますけれども、そういった道路に近接をしたところに海岸局があるというような場合に、それにハイパワーの市民ラジオから妨害があるというような状況でございます。しかしながら、いままでの調査によりますと、自動車に搭載をいたしました無線局の発信時間がきわめて短いというようなこともございまして、具体的に大きな被害を与えたということは、現在までのところは聞いておらないわけでございます。
○松前達郎君 大きな被害を与えないけれども、これは不法電波なんですね。短ければいいというんですか、そういうことじゃないでしょう。やはり電波を発射するのはちゃんとした局の免許を持っている人じゃなきゃできない、その局じゃなきゃできない、こういうことですから、まあそれは結構です。 この不法電波は、これはいま妨害といっても電波的な妨害についていろいろ申されたんですが、いろんなのがあるんですね。これは私も資料を持ってきましたけど、とにかく新聞等で報道されているだけでも厚さが一センチぐらいになるくらいあるんですね。覚せい剤の密売の連絡ですね、それから信号機が誤作動をする、暴力団の資金源、電波料巻き上げですね、それから秘密無線クラブをつくって会費を取る、あるいはいまの漁業遭難信号無線に妨害を与える。熊本あたりですと、これが原因で死傷事件が起きる。まあ情報交換、あるいはトラックなどはいわゆるスピードの取り締まりなんかの情報も流していると、これは会員制で流すんですからね。そういったいろいろな社会的な面で非常に大きな悪い影響を与えているのじゃないか、電波そのものの秩序にも与えますけれども。こういった面で非常に大きな問題であろうと私は思うんです。まあアマチュア無線の連中に言わせると、アマチュアが全部これをやっているんだというふうに社会の人から誤解を受けているような、そういうことでいろいろと文句も来ておるわけなんですが、現在こういったいわゆる市民ラジオ、CBの機器ですね、これが一体どのくらいわが国で出回っているか、それについて、これは通産省だと思いますが——それじゃ、郵政省でもおわかりでしょう。
○政府委員(平野正雄君) 先ほど申し上げましたように、合法的に免許しておる数は四十万近いというふうに承知をいたしておりますけれども、この不法な市民ラジオの出回っておる数につきましては、通産省あるいは電子機械工業会の下部機関である可能性もあるわけでございますけれども、聞いてみましても、なかなかその数字がつかめないというのが現状でございます。
○松前達郎君 どうもその辺が、まあ数字もいろいろな発表によって全部違うんですね。私の方で調べたのによると、三百六十万台ぐらい出回っているのじゃないかと、国内だけですね。これはアメリカ輸出用のものが国内にあふれ出た、あるいは倒産して二万円か三万円で売っているわけですね。これを買ってくればだれでも不法電波は出せるわけです。こういうことで、恐らくこれは今国会には出せないという情報も私聞いておりますが、特定無線機器の販売を規制する法律というのを考えておられる。これはまた呼んでいない通産省の範疇ですが、そういうふうなことであろうと思うんですが、やはりこういうことは相当強力に郵政、通産、両方御相談いただいて、推進していただかないと、これがとにかく去年、ことしあたり、もうウナギ登りに上がっているんですね。それしか手がないんだと私は思うんですが、たとえば道路を走っているトラックをとめて——とめる権限は、これは警察の方にあるわけですね。そしてそれじゃ今度はその機械を積んでいるかどうか、そこまではわかるわけですが、実際にその機械で電波を出さないと現行犯にならない、だからつかまらない、こういうことですね。大体走りながら出すんですから、これはつかまるわけがないんです。そういうことなんで、その辺についてやはりいろいろと問題があると思いますが、警察庁として何かございますか、名案か何か。
○政府委員(塩飽得郎君) 市民ラジオの問題につきましては、お説のとおり大分迷惑をしている向きもございます。そういったことで、これは電波法違反ということで検挙をしているわけでございますが、おっしゃいますとおり、何分現場を押さえない限り大変捜査はむずかしいわけでございます。たとえて申しますと、昨年一年間で千二百十件検挙しております。これは五十三年が八百十七件で、この二年間で大分検挙件数がふえました。ただ、中身を見てみますと、このふえた分はほとんどが市民ラジオということで、電波監理局で探知したことをもとにしまして、告発を受けて処理しているわけでございますが、これだけ検挙いたしましても現場の警察官の努力だけではいかんともしがたい点がございます。そういったことで、もともと電波を国内で発信してはならないような機械でございますから、販売その他、何らかの規制をそれぞれの所管でしていただくことが大変ありがたいというふうに考えております。
○松前達郎君 市民ラジオについては、いろいろといまのような規制も含めて今後強力にやらないと、これはどんどん広がるばかりだと思うんです。これをまた使って社会的によくないことをやるのがだんだんまた多くなってきているような感じがしますし、私自身もあちこち国道などを走っていると、みんなアンテナを立てたトラックが——ほとんど立てています。いまほとんど例外なしにみんな持っている。これはみんな不法なんです。そういう点を、それぞれ関係省庁連絡してもらって強力な施策をやっていただかないと、これは大変なことになるのじゃないのか、こういうふうに思うんです。そのCB、市民ラジオについてはそのぐらいにします。 次は、FMの問題に入っていきたいと思うのですが、FM放送というのが非常に音質がいい、音楽放送などに適しているということで非常に愛好家がふえているわけですね。そのFMの電波の割り当て等について、進捗状況は一体どういうふうな状況でしょうか。
○政府委員(平野正雄君) お答え申し上げます。 先生御承知のように、現在、全国四地区でFM放送がすでに開始されておるわけでございまして、それに追加をいたしまして全国くまなくFM電波の恩恵を享受できるようにしようということで、実は一昨年さらに四地区を追加したわけでございます。北から申し上げますと、札幌、仙台、静岡、広島というところに周波数の割り当てを追加いたしたわけでございます。現在、相当数の申請書がすでに提出をされておりますので、これからそういった状況を十分に調査をいたしまして、逐次その地区にFM放送局が開設されるように指導してまいりたいというふうに考えておるところでございます。 それ以外の地域につきましても、全国至るところでFMが聞けるようにという方向ではございますけれども、実は先ほど話が出ておりました諸外国からの中波の混信というものが一つ問題点でございまして、すでに免許を得て国民の福祉のために放送をいたしております中波の放送局がやはり相当そういった妨害によりまして経営基盤が弱化してきておるというようなことも考え合わせまして今後のFMの方向を考えていく必要があるだろう。その際に、外国の中波の放送局の周波数が変わり電力が変わったにもかかわらず、やはり相当妨害を受けておる実は地域があるわけでございまして、そのような地域につきましては、国民聴取者の要望等も考慮いたしながら、中波をFMに切りかえていくというような政策につきましても現在検討中でございます。したがいまして、周波数の準備ができて地元の中波の混信がなくて経営基盤がしっかりとしておるというような、それから既設の放送事業者に大きな影響を与えないというような見通しのつきました段階には、ただいま申しました四プラス四にさらに追加をいたしまして周波数の割り当てを考えてまいりたいと、このように存じておるところでございます。
○松前達郎君 これは周波数の割り当てといいますか、郵政省で五十三年七月十日でしたか、早い機会にFM放送の全国普及を目途に周波数割り当てをするという方針を明らかにされたわけなんですね。もう大分時間がたっているんですが、まだまだ審査そのものは始まっていないんじゃないかと思うんです。もうすでに審査は始まっているんですか。
○政府委員(平野正雄君) 中波の放送の移行もすでにある程度諸外国におきまして、日本は優先的に移行を完了したわけでございますが、日本を取り巻く各国における中波の周波数あるいは電力の移行も一段落してきたということを踏まえまして、もうすでに新しい追加のための調査を進めております。
○松前達郎君 たとえば一月二十七日現在で、札幌あたりですとFM放送局、超短波ですね、超短波のFM放送局は百六十五社申請が出ているというふうに聞いているんですが、これは数字としては大体正しい数字ですか。
○政府委員(平野正雄君) 追加をいたしました四地区につきましての申請状況のお尋ねかと思いますが、三月十八日現在で申し上げますと、札幌地区が二百二十七件、仙台地区が七十八件、静岡地区が六十五件、広島地区五十九件でございます。なお、全国で申し上げますと、四百八十件提出されております。
○松前達郎君 まさか、この四百八十局をつくろうということは、これはもうとても話にならないので、恐らく整理して幾つかの局に免許は最終的には与えられると思うんですが、この札幌の例を見ますと、これは送信所といいますか、それからスタジオが全く同じで申請しているのが実に、幾つですか、相当の数あるんですね。大体、これを見ますと申請者の九割は新聞とかテレビグループで占められている。これは気違いじみたというふうな表現を使っているところもありますが、擬装申請みたいな感じがするんですね。名前もFM白樺、エフエム道中、FMはまなす、FM大雪、これはいろいろな名前をずっとつけて、そのうちなくなってしまって、これを逆さにしまして白樺FMとか、そういうふうなことで実に数が多い。私が知っている範囲で約六十近く出ているんですね。これは同じところの送信所で、スタジオを使って六十なんてとても話にならない。こういう申請状況なんで、この辺、やはりそういう内容も踏まえてしっかりした審査をしていただかないとまずいんじゃないかと私は思うんです。それと同時に、公共性の面からもいろいろ考えて、たとえば今度放送大学というのが文部省の方の構想にあるんですけれども、教育的な面でも使えるということも、やはり一つの大きな公共的な役割りを演じるんじゃなかろうか。そういった内容も含めて審査していただかないとならないんじゃないか。これだけあったのじゃ大変だと思うんです。たくさん出しでおくと一つぐらい当たるだろうということかどうか知りません。これが恐らく知事あたりのあっせんで一つぐらいにまとまるんじゃないかというふうに思うんですが、こういう状況なんだということで、その辺をひとつ踏まえて審査——しかも、余りぐずぐずしていると、またふえる一方ですから、やはり早急に対策というか審査をしていただく方がいいんじゃないかと、私はそういうふうに思っておるわけでございます。その点いかがですか。
○政府委員(平野正雄君) お答え申し上げます。 FM放送局につきましては、他の放送局の場合と同様に電波法及びこれに基づく郵政省令でございます放送局の開設の根本的基準に基づいて厳重な審査をするわけでございまして、ただいま先生御指摘になりましたようないわゆるダミー的なもの、あるいは既設のマスメディアの集中排除を考慮しなければならないようなもの、あるいは超短波放送の特質を生かした放送を確保する上で必要かつ十分かどうかというような問題、あるいは地域密着性の確保の問題、そういった点につきまして、すでに相当その分析整理をいたしておりますので、御心配のないように取り進めたいというふうに考えております。
○松前達郎君 その点十分ひとつお願いしたいと思うんです。 それともう一つは、電波法の第七条にありますけれども、「申請書を受理したときは、遅滞なくその申請が」云々というのがありますね、審査しなければいけない。「遅滞なく」というのがありますので、その点も法律にまではっきり書いてありますから、その点もひとつ十分推進していただければと思うわけです。 それから、さっきちょっとお聞きしなかったんですが、もう一つだけ追加して電波に関連して、在日の外国機関の電波発射ですね、大使館とかそういうもの、ところどころにアンテナが立っているのを私見ますけれども、これについてどういう状況か、おわかりでしたらお願いします。
○政府委員(平野正雄君) お答え申し上げます。 電波法第五条の規定によりまして、外国政府またはその代表者には無線局の免許を与えないことになっておりますので、現在、在日外国公館への周波数の割り当てはないわけでございますが、監視機関によりましてチェックをいたしますと、全然電波を発射していないわけではない場合があるわけでございまして、そのような場合には、外国公館と日本政府との関係はその他の外交関係全般に影響する微妙な問題でございますので、その都度外務省を通して対応していただいておるというふうに承知をしております。
○松前達郎君 まあいろいろと電波に関してはどうも無法地帯みたいな感じがしてしようがないので、これはよほど電波行政というのは、目に見えないと最初申し上げましたけれども、そういうものを対象とするのでやりにくい面もあるかもしれませんけれども、しっかりこれやっていただかないとならないと思うんです。と申しますのは、この情報というのがやはり非常に今後重要な分野になってくるし、この情報そのものによって将来の政策決定とか意思決定をやらなければいけない、そういうこともあるわけですから、そういう意味も含めて電波行政をもうちょっときちっとしていただきたい、かように思うわけです。 それと、さっきちょっと申し上げましたが、放送大学のことなんですが、これはテレビを使って放送するという放送大学ですが、これは文部省の方でもいま検討されておられる。まあ放送大学そのものがすぐできるわけではないのですけれども、これについて放送法上の問題が何かあるというふうに聞いておりますが、その点ありますか、いかがですか。
○国務大臣(大西正男君) この放送大学学園法の問題につきましては、いろいろ御議論がございます。それで、放送法の基本的な問題に触れるものではないかという御意見や、また、それがゆえに放送大学法案という法律の附則で放送法の一部改正が行われるということは適当でないではないかといったような御議論があるわけでございます。でございますが、私どもといたしましては、これは放送法の根幹に触れる問題ではないと、大学教育の一手段として放送が行われるわけでありまして、そうして、そのことはきわめて限定をされておることでありまして、したがって、放送法の根幹自体に影響を与えるような問題ではないと、こういうふうに考えております。それから附則で改正するのはどうかという問題がございますが、これはきわめて密接な関係があることでございますので、一本の法律でつくるということが立法技術上適切ではないかと、こう思っておるわけでございます。 以上でございます。
○松前達郎君 また後の機会にこれらについてはいろいろとお伺いすることにいたしまして、ちょっと内容が変わりますけれども、さっき情報の話が出ましたので、これは外務省——外務大臣いまいらっしゃらないので、どなたかお見えになっていると思うんですけれども、情報の集め方ですね。これは前にもこの委員会で問題というか、要望等も含めてあったと思いますが、出先機関の情報の集め方が、私自身も外国へ行っていろいろ接触しますけれども、なまぬるいんじゃないか。国防の問題が盛んに言われますけれども、やはりこの辺が一番キーポイントなんでしてね。外交は最大の防衛だと私は思っているのですけれども、そういうことから情報収集についてお伺いをいたしたいと思うんです。この情報を一体外務省の出先機関がどういうふうに集めて、集まった情報をどう流通さしてどう分析しているか、その点、大まかでも結構ですから。
○政府委員(柳谷謙介君) 御指摘のとおり、この情報収集活動の重要性はここで改めて申し上げるまでもないわけでございますが、大使館の活動といたしましては、当然、大使、公館長によるみずからが相手国の最高首脳や要人と会って収集する情報、そのほかに幹部館員がそれぞれのカウンターパートあるいは外交団との間で受ける情報、さらに若い館員等がそれぞれで受ける情報、いろいろございますが、それらを集めまして在外公館から必要に応じてこれに対する評価も加えて送ってくるわけでございます。それをさらに本省におきまして各公館から来たものを集めて評価、分析を行って、最も妥当な情報ということでこれを利用するというのが、ごく大まかに申し上げましての私どもの情報収集活動でございます。
○松前達郎君 その集めた情報を本省に送ってくる前に、どうも大使に都合の悪い情報はみんなそこでカットされちゃうという話も聞いたのですけれども、これがもしかあるとすれば、せっかく集めた情報、これは悪い情報もいい情報も含めて集めて分析すべきだと思うので、その流通が、あるいは分析が正当に行われていないということになるのです。この辺はここでは議論したくないと思うんですが、しかし、その情報収集に当たるその大使館の皆さんの転勤なんというのは、大体いま何年ぐらいで転勤されますか。
○政府委員(柳谷謙介君) これは情報収集に限らず、在外公館の要員の現在の任期でございますけれども、一応二年ないし三年ということになっているわけでございまして、従来に比しましてはやや長目になってきているかと思います。ただ、申すまでもなく、長く在勤すればするだけ人脈もつくれるしいろいろ経験も積みますから、そういう意味においては三年、四年と長くいた方がいいという側面は確かにございますし、最近は特に言葉の専門家とか地域の専門家等につきましては四年在勤ということもございますし、また、国際会議において長い交渉を扱っている者についてもわりあいに長く在勤させているわけでございます。ただ、長いばかしがいいとも限らない面がありまして、特に本省に帰ってから課長補佐とか課長となっていく人間については、若いうちに幾つかのポストを回って見聞を広めておくと、途上国における勤務あるいは先進国における勤務、あるいは国際機関における勤務を経てバランスのとれた判断ができるという側面もございますので、そういう者につきましては二年とか二年半で回すと、合計五年ぐらい回って本省へ帰るということもまた必要であるということもございますので、結局これは各国ともその辺はいろいろ考えているようでございますけれども、やや短目の在勤者と長目の在勤者の組み合わせということで処理しなければならないと思っておりますが、やや、日本の場合、全体の在外公館要員の手薄というものもございますので、そうなると、不本意ながらやや早目にローテーションに組むということが従来はございました。最近はおかげさまで少しずつではございますけれども在外要員の増強もふえておりますので、それに応じて少しずつ平均的な在外勤務は長目になりつつあるというのが現状でございます。
○松前達郎君 この前外務大臣が在外公館の人数、人員の数もできたらイタリア並みにしたいということをおっしゃっていた。そういうことから見ますと非常に少ないわけです。少ないところへもってきて、情報が重要である。そこで転勤が余り早過ぎると、せっかくつき合った人間と人間の交流、これをまたやり直さなければいけない。人間と人間の交流だけは次の人にバトンタッチできないのです。そういう意味で、この点も十分今後考えていただきたいと私は思います。 それから、もう一つだけ伺っておきたいのは、今後外国にずっと滞在する日本人がふえてくるのじゃないか、その中で教育の問題が非常に重要み問題としてあるわけですね。特に教育で、日本人学校というのが現在ありますが、これは外務省が管轄をされているのですか、日本人学校。
○政府委員(塚本政雄君) お答え申し上げます。 外務省と文部省で共管しておりまして、外務省は主として在外の施設、学校の建設その他を受け持っております。
○松前達郎君 文部省は、ではこれについてはどの辺を担当されているのですか。
○国務大臣(谷垣專一君) 先ほどお話がございましたように、外務省と文部省がそれぞれの分担をいたしておるところでございますが、文部省の方は日本人学校に適切な教師の方々を派遣する、あるいは教育関係の教材を提供する、あるいは先生方のいろいろな研修等もございますが、そういうところを主として受け持っておる、こういうところでございます。
○松前達郎君 文部省は先生の教育等をして派遣して送り込む、そして現地においては学校そのものの運営は外務省が一応管轄する、こういうふうに理解していいと思うのですが、日本人学校に通える生徒はいいのですけれども、そうじゃない人たちがたくさんおるわけなので、こういったような問題、これは教育の問題というのは非常に外国に出る場合に重要な問題ですから、これはいずれ別の機会にまたいろいろとお尋ねしていこうと思っておりますが、最後に一つだけ、日本人学校に通えない人たちのために、いわゆる通信教育による教育体制というのを考えたらどうかと私は思うのです。外国にいる日本人に対する通信、これを私は考えておりますけれども、その点はいかがでしょうか。
○国務大臣(谷垣專一君) 詳しいことは局長の方からお答えさせていただきたいと思いますが、いま大体の状況は、現在海外におるこういう義務教育の就学の相当年齢の諸君が二万五千人ぐらいに達しております。それで、日本人学校が大体全体の四割、それから現地の学校で教育を受けながら日本語の補習を受けておる、これが大体四割、もっぱら現地の学校で教育を受けている者が二割、こういうことでございます。したがいまして、先ほど私申し上げましたように、文部省といたしましては、先生方の派遣、それから義務教育の関係の教科書の無償提供、それから先ほどの日本人学校補習授業校の教材の整備、それからまた通信教育の実施などに必要な施策ということで、そこらを担当しておるわけでございますが、御指摘の通信教育の問題の少し詳しいことを局長の方から御答弁させていただきます。
○政府委員(篠澤公平君) ただいま大臣から申し上げました通信教育は、昭和四十七年から実施をいたしております。対象となりますのは、日本人学校に在学しておりません、先ほど大臣が申されました約二〇%の者並びに補習校におります者で希望する者に対しまして、小学校、中学校合わせまして約七千人を対象といたします。その教科は小学校におきましては四教科、中学校におきましては二教科、これは年おおよそ四回程度添削の通信のために必要な補助金を組んで実施いたしております。
○国務大臣(竹下登君) お許しをいただきまして、松前委員にお答えの中でちょっと私の表現のまずかったことがございますので。 と申しますのは、原価主義の一般論として石油が上がれば電力料金もまた上がり得る場合があり得ると、こういう表現をいたしましたけれども、やはりこれは申請に基づいてそのときどきの合理化努力とか、あるいは生産性の向上とか科学技術革新とか、そういうことで、そのときどきに応じて決まるべきことでございますので、担当でもない私がただ物価関係閣僚の一人として、通産大臣たまたまいらっしゃらないときに、そのようなふうにとられるような感じの答弁をしていたといたしますならば、その点については、ただいま申し上げましたようなことで御訂正をいただきたいということをお願いをいたします。
○委員長(山内一郎君) 以上で松前君の一般質疑は終了いたしました。 —————————————
○委員長(山内一郎君) 次に、山中郁子君の一般質疑を行います。山中君。(拍手)
○山中郁子君 冒頭に、厚生大臣にスモン問題について二、三お尋ねをいたします。 スモン被害者の早期救済についてはたびたびこの委員会でも問題になってきたところでございますけれども、現在に至っても原告の半数近くの人人が和解できずに放置をされているという現状です。こういう事態に対して、東京地裁は三月七日に和解を促進する勧告を行ったということは御承知のとおりです。特に同地裁の原告については、三月二十一日までに裁判所に対し一括して諾否の回答をするよう求めています。当事者の一人として国の問題があるわけですけれども、厚生大臣の見解をお伺いするわけですが、どのような回答をされたか。きょうが期限でございます。 また、田辺製薬及びチバ、武田薬品はどのような回答をしたか、これも厚生省としての行政の指導の管轄の問題としてお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(野呂恭一君) 投薬証明書のない患者の問題につきましては、本日が東京地裁回答の期限でございます。従来から国会におきまして私からもただたびお答え申し上げておりますとおり、去る三月の七日の東京地裁の所見につきましては、厚生省の姿勢に合致をいたしておるものとして評価をいたしておりますために、本日午後一時東京地裁に対しまして、裁判所の所見に従い早急に結論を得たい、すなわちお受けする旨の回答をいたしたわけであります。と同時に、裁判所におかれましても、本件解決のためになお一層の御尽力を願いたいということも申し出たということでございます。 第二点の、製薬会社の回答はどうかということでございますが、現時点におきましては会社の意向が正確に確認できておりません。しかしながら、非常にこのことは製薬会社にとっても重大な問題であるだけに、鋭意検討を行っておるということを聞いておるわけでございます。
○山中郁子君 期限はきょうなんですよ。官庁執務時間の常識で言えば五時です。もうあと三時間しかないわけです。どうなさるおつもりですか。ちゃんと責任持って指導すると何回も国会で約束をされていらっしゃった厚生大臣としてのいまの立場、すぐに呼んでそして解決、回答をしろという指導を強力に行うべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(野呂恭一君) 所見が示されまして以降、製薬会社に対しましては、国とともに患者救済に当たるように強く要請してまいったわけでございます。先ほど申し上げましたとおり、いまの時点におきましては会社の回答を確認いたしておるわけでございませんが、厚生大臣としては解決のために誠心誠意努力する決意でございます。
○山中郁子君 じゃ、きょうの五時までにその承諾の回答を製薬会社がするということを厚生省の判断として持っている、こういうことですか。
○国務大臣(野呂恭一君) 説得の時期とか、もしきょう五時までに回答が示されないとするならばそれに対して努力をいたさねばなりませんが、説得の時期あるいは方法等については、適切なやっぱり情勢判断の上に立たなければならないというふうに思っておりますので、もちろんできるだけ早い機会にそのように進めてまいりたいと考えております。
○山中郁子君 期限がきょうだから、それじゃ、その期限を守るという観点からやりますと、呼んですぐ指導しますと、こういうふうに承ってよろしいですか。
○国務大臣(野呂恭一君) きょうの五時というのは向こうの回答の期限でございますので、その情勢を把握しなきゃなりませんし、五時の時点に立って、それならばそれ以降きょうじゅうに呼んで話をしたらどうだろうかということも、どういう考え方に立っておるのか、どういう検討を企業側はしておるのか、それもいろいろ判断をしなきゃなりませんので、その時期につきましては、いまは明確に申し上げるわけにはまいらない。
○山中郁子君 私、無責任だと思うんですよね。勧告が出てから日数がたっているのだから、その間にそれじゃどういう指導をなすったんですか。きょうの期限だというこの時期までに何もしないでほっといたんですか。
○国務大臣(野呂恭一君) きょうの期限は向こうも承知しておりますから、国の大体の意向も含んでおることだと思います。したがいまして、期限までに回答をするようにということは十分向こうにも言ってあるわけでございます。したがって、どういう反論を持っておるのか、それはもう少し時間をいただかなければその情勢の判断もできないということでございます。いずれにいたしましても、誠心誠意問題の解決に当たってまいりたい。
○山中郁子君 誠心誠意というのは中身がなくちゃだめなんで、それじゃ、いままで勧告が出てから厚生省は一度も製薬会社にこの問題について、どういう考えなのか、承諾するんだなと、話を全然把握しなかったということですか。
○国務大臣(野呂恭一君) 十分いままでの機会にそのように努めてまいっておることは言うまでもありません。
○山中郁子君 スモン患者の実情は、これ以上和解をおくらせるということはもう許されない状態に来ているわけです。政府の対応によっては、この国会に製薬会社の責任者を呼んで、そしてこの問題についての決着をつけるという対応をしなければならない、そこまで来ているということを私は申し上げ、重ねて厚生大臣の真剣な努力を要求いたします。 次に、教育問題に入りますけれども、初めに学校教育の問題。 学校教育において体罰は禁止されているということははっきりしていると思いますけれども、この点について文部大臣、それから法務大臣、それぞれその内容も含めた見解をお示しいただきたいと思います。
○国務大臣(谷垣專一君) 学校教育法において体罰を禁止しておるところでございます。
○国務大臣(倉石忠雄君) 子供の体罰のことでございますが、昭和二十三年の十二月に、「児童懲戒権の限界について」と題する回答を国家地方警察本部長あてに出しておる事実を承知いたしております。
○山中郁子君 いま答弁されました、「児童懲戒権の限界について」の内容、要旨を述べていただきたいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) 人権擁護局長から申し上げます。
○政府委員(中島一郎君) ただいま大臣申し上げました回答、これは警察からの照会に対する回答でございますが、第一問から第八問まで、八問にわたっての照会がございまして、その第一問が「学校教育法第十一条にいわゆる「体罰」の意義如何。」ということになっておりますので、これがお尋ねの点に当たるのではないかと思います。この点につきまして、当時の法務庁法務調査意見長官回答は次のように申しております。「学校教育法第十一条にいう「体罰」とは、懲戒の内容が身体的性質のものである場合を意味する。すなわち、」「身体に対する侵害を内容とする懲戒——なぐる・けるの類——がこれに該当することはいうまでもないが、さらに」「被罰者」、罰を受ける者でございますが、「被罰者に肉体的苦痛を与えるような懲戒もまたこれに該当する。たとえば端坐・直立等、指定の姿勢を長時間にわたって保持させるというような懲戒は」場合によっては「体罰の一種と解せられなければならない。」と、このように申しております。
○山中郁子君 ところが、いまの趣旨に全く反する事実が現実にあって、しかもこれが広がる傾向を示していると言わなければなりません。私は実態をつぶさに調査をいたしました。大変憂慮すべき状況があると思わざるを得ませんので、具体的事例を挙げますので、文部省としての見解、また必要な場合には法務省としての見解をお示しいただきたいと思います。 一つは、愛知における県立高校の実態です。天白高校と豊明高校、東郷高校という三つのいわゆる新設校と言われている学校なんですけれども、これは地元では、全部頭文字がTで始まるものですから恐怖の三丁と言われておりますが、ここで厳しい体罰が日常的に行われています。 まず初めにお伺いしますが、公立高校において、男女交際を禁止するという規律のもとに、学校内で男女生徒が二人だけで話をする、あるいは町を歩く、歩くといっても、校門を出てからたとえばバスの停留所まで行くという、そういうことも含めて禁じているわけです。男女共学の公立高校でこういうことはあり得ないことだと私は思いますけれども、この点はいかがですか。
○政府委員(諸澤正道君) お答えします。 いま先生がおっしゃった、男女生徒が校門を出て駅まで一緒に話しながら歩いただけで怒られたと。他校生との交流禁止、他校生と、中学時代の同級生などと会ってはいけないというようなことですね。これは具体的事実を挙げて、東郷高校でそういう指導の事実があるかというふうに愛知県の教育委員会を通じて照会を得ましたところ、こういう回答でございました。男女交際が校則で禁止されているという事実はありません、ただ、生活の乱れなどが生じている場合に注意することはあると、このような場合でも、罰を与えるようなことはないというような回答でございました。
○山中郁子君 私はそういうことが行われていることはあり得るのかと聞いているんです。教育基本法の第五条にはどう書いてありますか。男女交際を禁止するという規律、そのことをお尋ねしております。
○政府委員(諸澤正道君) おっしゃるように、教育基本法では大体男女共学ということを勧めておるわけでございますから、先ほど先生が御指摘のような事実は、教育委員会もないと言っておりますし、私もないのではないかというふうに思っておるわけでございます。
○山中郁子君 お尋ねしますけれども、私は調査をしてそして、生徒からも話を聞き、先生からも話を聞いて、現実にそれが行われているということを確認しておりますので、少なくともそれは重要な問題で、そういうことがあってはならないという角度から積極的にお調べになったり指導なさる御意思はないですか。
○国務大臣(谷垣專一君) 先ほど局長の方からお答えをいたしましたように、御指摘のような事実を県の教育委員会、愛知県の教育委員会を通じまして調べましたところが、ああいう返事が参ったと、こういうことでございます。
○山中郁子君 同じことを言わせないでほしいんですけれども、調べてきてそういう事実がある。つまり帰宅後や土曜、日曜にも外出したり遊びに行ったりしてはいけないというのですね。しかも家族と一緒でもだめだというのです。家族と一緒にテレビの視聴者参加番組に出たのを見られて、そしてこれもしかられたと、事実あるのですよ、そういうことがね。だから、私が言ったように、積極的に調べてそういう問題をなくさなきゃならないという、そういうお考えはないんですかということをお伺いしている。
○国務大臣(谷垣專一君) そういう事実があるのかないのかということを教育委員会の方に照会をしまして、どうだということを調べたわけでございます。そうすると、いま申しましたようなことを言ってきておる、こういうことでございまして、山中先生がおっしゃるように、そのことについて私たち調べなかったというわけではないわけでございます。
○山中郁子君 教育委員会に聞いただけじゃだめと言うの。あるんですから、現実に。 現実にそういう問題がありますけれども、そのことは別としても、法務大臣に伺いますが、こういうことは個人の自由を束縛する基本的人権の侵害に当たると思いますが、いかがですか。
○国務大臣(倉石忠雄君) 学校教育におきましても、児童の人権が尊重されなければならないことはもう御指摘のとおりでございますが、教育の場における児童の人権は、まず教育行政の担当者において十分配慮されるべきものと考えます。もっとも、児童の人権を侵害するような事案があるとすれば、人権擁護行政の立場から、具体的事案に応じて人権尊重の思想を徹底されるように努めていくべきものと私どもは考えております。
○山中郁子君 これらの高校では、たとえば林間学校に行く際に、バスで三時間もかかるようなところへ行くんですよね。その中でしゃべってはいけない、眠ってはいけない、食べてはいけない、本を読んではいけない、こういう規律を課しているんです。違反者は腕立て伏せ十回だとかという、そういう制裁を加える。また宿舎——林間学校へ行って宿舎へ入りますでしょう。そして食事のときにはイナゴのつくだ煮だとか蚕のサナギの煮たもの、いやだと言う人にまで無理やりこれを食べさせるんです。食べないとまた制裁の対象になる。こういうことは人権侵害であるし、教育上あってはならないことでしょう。そこのところをはっきりさしてくださいな、現実に行われているんだから。
○政府委員(諸澤正道君) 林間学校あるいは臨海学校へバスで行くという場合に、通常はその学校で計画を立てる場合に、向こうにおける生活だけでなしに、行き帰りのバスの中でも行く先についての説明であるとかあるいは日課の説明であるとか、そういうこともやるわけですね。ですから、バスの間じゅう一切口もきいちゃいかぬ、あるいは物を食べてもいかぬというのは、これはちょっとどうかと思いますけれども、バスの中といえども教育活動の一環としてその行動のあり方をある程度規制するというのは私はあることだろうと思うのですね。また出先で、向こうで食事をする場合に、まあ最近の子供は口が肥えてますから、われわれのような戦前と違って、何を出されてもみんな喜んで食べるというわけにはまいらぬこともあるでしょうから、それを食べないという物を無理に口に押し込むようなことは、もちろんこれは人権侵害になると思いますが、そうでなきゃ、出先でせっかくつくってくれた食事は、なるべく食べるようにしなさいという指導は学校でもするんじゃなかろうかというふうに私は思うわけです。
○政府委員(中島一郎君) お答え申し上げます。 具体的な事案によりまして事実関係が異なってまいりますので、十分調査した上でございませんと人権侵犯に当たるかどうかということを確定的なことは申し上げることはできないわけでありますけれども、私どもは、教育の基本というのは、個人の尊厳を重んじながら、心身ともに健康な国民の育成を目指して行うべきものであるというふうに理解をいたしておるわけでございまして、このことを基本として、そして学校教育法十一条の趣旨をも勘案した上で、具体的な事案が人権侵犯か否かということを判断することになろうかというふうに考えております。
○山中郁子君 法務省に重ねて伺いますけれども、いま私が申し上げました三時間かかるバスの中で、食べてもいけない、眠ってもいけない、しゃべってもいけない、物を読んでもいけないと、こういうことはやはり人権侵害に当たりますわね。
○政府委員(中島一郎君) お答えを申し上げます。 御指摘のような事例につきましても、しさいに事案を検討いたしませんことには、人権侵犯かどうかについての見解を確定的に申し上げることはできないわけでございますけれども、調査の結果によっては、ただいま御指摘のような事案は、児童生徒の人権を侵害したものというふうに理解される例もあるのではないかというふうな感想を——ごく感想でございますが、持っております。
○山中郁子君 先ほど諸澤さんは幅を広くして答弁されたけれども、私は、そういうことが臨海学校自体が教育そのものであるということはあたりまえのことなんですよね。だからバスの中であろうと、宿舎へ行った生活であろうと、教育の面からそういうことはあり得るんだけれども、そういうことではなくて、全然別の次元です。食べたくない物を無理やり押し込んで食べさせたり、いま言ったように、バスの中で何にもしちゃいけないと、こういうことを強いることが教育上よくないでしょうということを言っているんです。もう一度聞かせてください。
○政府委員(諸澤正道君) いまの二つの事例についても御質問がございましたから、私の方でも教育委員会を通じて調査をしたわけでございますが、その回答は先ほど私が申し上げたような趣旨でございまして、そういうことは現にないと、こう教育委員会で言っておりますので、私はそれに対して直接お答えをしなかったわけでございます。
○山中郁子君 そういうことがあなたの方の調査なら、実際そういうものが現実にあって、そして教育上のゆがみが出ていることにどう文部省は対処しようとするんですか。どういう道があるんですか。重ねて伺いますけれども、こういうことに違反したと言って教室や廊下、そういうところで正座、それから頭をまる坊主にさせる、髪の毛を引っ張る、そういうものが日常的に行われている状況があります。また指導と称して職員室に長時間何人もの生徒を呼びつけて、そしてその人たちに対して生活指導主任あるいは学級主任、学年主任、たくさんの教師から指導と称していろいろしかられるわけです。そしてこの結果、ひどい例では一日のうち一時間しか授業を受けられなかったという生徒がいるんです。現実に私はそれを話を聞いてきました。こういうことは体罰であり、先ほどの見解に基づいても、直ちにこういう事態はやめさせていかなければならないと思いますけれども、どうですか。
○政府委員(諸澤正道君) おっしゃるように、学校教育で体罰をしてはならないということは当然でございますが、ただ、ここの学校の方針を聞きますと、特に高等学校などでは戦後しばらくしてからやっぱり一人一人の子供の個性を伸ばし、大事にするということが大切なのと同時に、反面やっぱり学校も一つの教育をする組織体ですから、そこにある子供が集団生活に適応するようなことが必要でございます。そこで、文部省でも集団行動の手引きというようなものをもう十数年前に出しておりますが、それによって子供の集団的な行動に規律を持たせるというようなことを指導しておりますので、それを各個の学校が受けまして、どういうふうに生活訓練をするか、あるいは生活指導をするかということは、学校においてはもちろん幅がございますけれども、私は、そういう意味で見た場合に、こういうことはやっぱり必要ではないかというふうに考えておるわけでございます。
○山中郁子君 私はいま指導というふうに一言で言いましたけれども、具体的にどういうふうにやっているかと言いますと、指導を要求される生徒は職員室へ来ますと、そこの入り口で「指導をお願いします」と大声で叫ぶんですよ。そして入って、教師からいろいろ言われて、終わりますでしょう、そうすると、「指導ありがとうございました」と言ってまた大声でどなるんです。そうすると、「聞こえない」と言って何回も何回もそれを言わされる。女生徒もそうですよ。まさに私は軍隊式の管理教育だと思います。文部大臣のちょっと所見を聞かせてください。現実にそれは行われています。
○国務大臣(谷垣專一君) これは教育の現場で、教育者としての立場から一つの幅を持った判定をしながらやっておることだと私たちは信じております。いま具体的にお話がありました、そういうときに部屋へ入るときにそういうことを言い、それから帰っていくときにそういうことを言う、これはそれだからいけないというふうに言い切るわけに私はいかないと思います。現場におきます教育をする方々の一つの幅の判断であろう。そのことをすぐに昔あった軍隊的教育だという論断は、これは範疇が別のものだというふうに私は考えます。
○山中郁子君 大声で、「指導ありがとうございました」「聞こえない」、何回も何回もそれを言わされるということがあってもいいというお考えですか。 もう一つ例を挙げます。掃除のときに何人かの掃除の担当が並ぶ。そうすると先生に来てもらって、手を挙げて、何年何組掃除を始めますって、これでやるんですよ。そういうこともよろしいの、あり得る教育の実態なんですか。
○政府委員(諸澤正道君) これは先生がどなたからお聞きになったか、直接現場を見られたのじゃないと思いますけれども、お聞きになった結果だと思いますが、私どもが県の教育委員会を通じて聞きました結果を申し上げますと、いまおっしゃった職員室における指導というのは、職員室で指導する場合に、入室の際、失礼しますという程度のことは言わせておるが、大声で叫ばせたり、担任の教師、学年主任、生徒指導主事というふうに次々にたらい回しをするようなことはさせていない、こういうふうに言っております。 それから、いまの清掃時の問題ですけれども、これなどは最近は高等学校の生徒でも掃除をさせるというところが出てきたわけでございますが、これを効率的に、そして生徒らしくやるために、掃除当番について番号をかけさせて、何人でやりますというようなことをさせたり、あるいはお掃除中にしゃべっておって掃除をしないというような場合には注意をするというようなことはしておりますということで、はなはだ恐縮ですけれども、先生が御指摘のような事実はないということでございます。
○山中郁子君 じゃ、私が指摘したような事実があれば、それは適切でないというふうにお考えになるということですね。もう一度、諸澤さん。
○政府委員(諸澤正道君) 先ほどの先生の御指摘でございますが、いまの掃除の場合などは、私はやっぱり規律を持って掃除を一つの団体活動としてやるというような指導は必要だろうというふうに思うわけです。それから職員室へ来て指導を受ける生徒に、お願いしますと大きな声で言えと、まあ大きな声といってもまたこれ限度がありますし、もう一回言ってみろということはあるかもしれないし、そのときのケースによって判断しなきゃならない問題でございまして、一般的に先生がおっしゃることはみんなけしからぬというふうにも私は言えないんじゃなかろうかというふうに思うんです。
○山中郁子君 私が言ったことも含めて、昔の軍隊式な生徒の管理ということはあるべきじゃないですね、どうですか。
○国務大臣(谷垣專一君) 軍隊的教育が今日教育の場であることはあり得ないことでございまして、それはすっかり前の時代と違っておるわけでございます。ただ、教室へ入りますときにそういう声をかけて入るとか、それから出ていくときにそういう声をかけて出るとかいうようなことは、これは必ずしも私は昔の軍隊的なあれだというふうに、質そのものが一緒であるというふうには私は判定いたしておりません。声が大き過ぎたらいかぬとか、あるいは何回も繰り返してやることば少し度が過ぎているとか、そういう指摘は出てくるかと思いますけれども、これはやはりおのずから現場における教育者としての教師が生徒との関係におきまして、教師の良心において判断をしていくことだと私は思います。
○山中郁子君 教育基本法の第一条をちょっと読んでくださいよ、大臣。何が書いてありますか。
○政府委員(諸澤正道君) 第一条でございますか。
○山中郁子君 はい。
○政府委員(諸澤正道君) 第一条「教育は、人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたつとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。」。
○山中郁子君 個人の価値をたっとび自発的精神に充ちた、そういうことが尊重されてないということを私は申し上げております。そして、これがたまたま特別な、特にそういう強い考えを持った教師によって行われているのではなくて、学校ぐるみ、校長なり教頭なり、そういう考えによって行われているということで、教師自身が心ならずもそういうことを強制されているという事態があるということを私はさらに重視をしております。 たとえば一つの例として申し上げますと、年間一日も年次休暇をとらなかった教師に対して校長が金一封を与えているんです。中身は三千円とか五千円です。そういう非常識なことが現実に行われていますけど、これは教育上、またそれから教師の権利の上から言っても、当然あってはならないことだと思いますが、いかがですか。
○政府委員(諸澤正道君) その点は、私どもが聞きましたところでは、校長が与えたというか、PTAで集めたお金をそういう休まない先生に差し上げたということのようですけれども、これは現在はやっていないそうですが、私は、やはりPTAの活動というものの本来の意義を言えば、先生と父兄とが対等の立場で学校の円滑な運営、教育の振興を図るという趣旨でございましょうから、そういう意味から言えば、PTAが特定の先生について金銭を差し上げるというのはその仕事の外であるような気がいたします。
○山中郁子君 こういうことの小学校版と言えるものが、いまの背番号教育などという呼ばれ方で問題になっている千葉県の八千代市で広がっている事実です。具体的に申し上げますと、八千代台東小学校、八千代台東第二小学校、勝田台小学校、大和田南小学校、西高津小学校、この五校です、私の調査によれば、大同小異ですけれども。 具体的に言いますと、授業中お隣の子にセロテープを貸してくれと言っただけで、しゃべったからといって一時間以上も口の中にチョークを押し込められるんですよ。そして清掃のときにバケツに水を入れて運んで水をたらしたということで鼻血が出るほど往復びんたを食う、これは実際にそういう事故があったんです。私はこのチョークを入れられた子供にも会って聞いてきました。それから並び方が悪いといってつねられる。忘れ物をしたといって一日漢字を百字、二百字宿題だということで課す。これがたまりたまって五千字の借金になっているとか、最高八千字の借金になっているという子がいます。それから、こういうことに違反したということで、給食のおかわりの権利を奪われる、また給食を半分にされる。こういう事態はどうですか、教育上、それから人権擁護の上から、それぞれにお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(谷垣專一君) いまお話しになりました事実は私はいま初めてお聞きいたしまして、よくその事実であるか否かを確認いたしておりません。先生がいまおっしゃいましたようなことそのものが全部事実行われておるとすれば、これは十分に調べなきゃいかぬことだと思います。
○政府委員(中島一郎君) お答え申し上げます。 教育の場における児童の人権に関するものでありますので、教育行政の担当者にまず期待すべきことであろうかと思いますけれども、それが児童の人権上問題があるということでありますれば、私どもの方におきましても、情報の収集をいたしまして、適切な措置をとるべきも一のと考えております。
○山中郁子君 もう一方で、よく言うことを聞いたと、そういう子供たちには、教室でほかの子供がいる前でチョコレートを上げたりお菓子を上げたりする、まさに、あめとむちでしょう。このこともひとつちょっと聞かしてください。私は教育上そんなことはあり得ないことだと思いますけれどもね。
○政府委員(諸澤正道君) ただいま先生から御指摘のあった事柄について、実は全部は調査いたしておりませんので、わかっておるところだけを申し上げますと、いまの児童の口の中に一種の体罰としてチョークを入れたということ、それから逆に教室の中で一部の子供に菓子などを与えたということにつきましては、千葉県の教育委員会を通じて学校から事情を聞きましたけれども、前段のチョークを口の中に入れる等の体罰を伴うような教育は行っていないと、しかし、一部にではあるが菓子などを与えていたという事例はあったので、それは指導上不適当だとして是正をするように指導を行ったと、こういうことの報告がございます。
○山中郁子君 それは事実ですから、重ねて申し上げておきますけれども、こういうことで生徒を管理するために、登校したら帰るまで全部運動着を着せるんです。そして背中に全部背番号をつけさせているんです。これ八千代台東小学校です。そして色と数字で何年何組のだれかということはすぐわかるようになっているのですね。それで全部全校的に毎日チェックをして、そして何年何組何番のということで全部集計するんですね。そうすると担任のところへ行く、担任はそれが自分の成績にかかわってくる、それで教師に対する評価になるわけですね。まさに私は背番号管理教育だと思いますけれども、こういう実態についてはいかがですか。
○国務大臣(谷垣專一君) そのようなことも私は残念ながら初めて聞いておりますので、調べさせたいと思います。
○山中郁子君 それはまずいでしょう、そのことだけでも聞かしてくださいな。
○政府委員(諸澤正道君) 私もこのことは最近新聞の囲み記事のようなところで読んだ記憶があるんですけれども、一般的に言えば、学校で、小学校でも子供を扱う場合、一人一人の名前を呼んで指導するというのが普通だと思いますから、全部の子供に背番号をつけさせて学校じゅうでの生活活動をさせるというのは珍しい例だと思いますが、じゃ、その趣旨は何だろうかということを考えますと、これは恐らくその学校としては、やっぱり一人一人の学校内における活動を個別にできるだけ知れるような状態に置いて指導をよく徹底しようという趣旨だろうと思いますので、そういう意味でのメリットと、それからいま先生御指摘のように、しかし、それが余り行き過ぎますと、小学校の子供がいわばいつでも見られているような意識で伸び伸びとした活動が阻害されるというようなことがあれば、やっぱりこれは教育上どうだろうかという一面も考えられるわけでありまして、要はそういう背番号制そのものが学校活動として全然だめだということではないと思いますが、その運用について十分配慮してもらわなければいけないんではなかろうかというふうに思うわけでございます。
○山中郁子君 大臣に伺いますが、じゃ文部大臣としては背番号をつけるということは、目的はどうであれ、発想はどうであれ好ましいことだと思われますか。
○国務大臣(谷垣專一君) 普通考えますと、番号をつけること、これはなるたけ避けなきゃならぬというふうに私は思いますが、これは現場においてそれぞれの教育者が教育者としての自分の信念あるいは生徒に対しての愛情等を基礎にして、ある判定の幅を持ってやるべきことだと私は思います。したがいまして、私は先ほど申しましたが、実情その他をもう少し調べたいと申し上げましたことは、いま先生からお聞きをしたというその事実、まだ確かめもしないで、文部大臣である私がそれはいかぬと言うのには、まだ私は少し実態を調べさせていただきたい。そういうふうに、現場における従来から教育活動をやっておる諸君、その判断の幅がある程度あっていいのじゃないかということから申し上げておるわけでございます。
○山中郁子君 私も、教育というのは本当に学校あるいは教員の自主性、そしてそれが生徒児童の自主性と結びついて花開くものだし、実り豊かになるものです。そういう上に立って余りにもひどい状況があるからこそ申し上げているので、私はもう耐え切れなくなって転校された子供さんのお母さんからもお話を聞きました。お母さんたちが涙を流して、何とかしてこういう非常識なことはやめてもらいたいと。先生方も結局これが強要されるという、そういうところにはめ込まれちゃうわけですね。私が最初新設校と申し上げましたけれども、これは高校の場合も八千代の小学校の場合も共通しているんです。ですから校風とか伝統とかというのがないところにそういう極端な考え方を持った管理者が行って、そしてそれでもって強烈にそういう体制をしくわけですね。ここにも問題があるということを私は指摘しておきます。 一部の事例しか私は申し上げられませんでしたけれども、もうやめているとか、そういうことではありません。やはり事実です。マスコミで問題になって以降も、あれは過去のことだとか針小棒大に言っているとかというふうに学校側が弁明している向きもあるんですけれども、そうではないということもあわせて申し上げておきます。だから、そういうことで管理だとか体罰だとか、そういう教師や生徒児童に対する強制ではない、真に自主性を尊重する憲法、教育基本法、学校教育法の精神にのっとった教育が行われるよう文部省としての行き届いた指導、助言、それからいま大臣も言われた、もっと虚心に形式的でない調査もしていただくということを、ぜひお約束いただきたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(谷垣專一君) いま先生が言われましたことは、私たちの教育を考えており、またやっております考え方の基本と全然変わってはおりません。先ほど申しましたとおり、そういう実情があるのかないのか調査をさしていただきたいと思います。
○山中郁子君 教育問題の終わりに二つの点について簡単に質問いたします。 高校新増設補助の五年間の時限措置が五十五年度で終わりますけれども、これは当然状況に照らして引き続き措置されるべきであると思いますけれども、この点についての文部省のお考え方をいただき、またお約束もいただきたいと思います。 二点目は私学助成の問題ですが、私学助成に対する要求が大変たくさん強まっていまして、一千万の署名も集められておりますし、私が紹介議員として提出したものも二十数万ございます。ぜひとも私学助成の現状と、それから今後さらに充実強化させていくということについてのお約束をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(谷垣專一君) 御指摘のように、五十 一年度から急増地帯の都道府県に対して五カ年計画で助成をしておったわけでございますが、これが五十五年度で一応切れるわけでございます。大体五十五年度は二百十九億計上いたしまして、いまこの予算委員会でもお願いをしておる、こういうことでございます。五十六年度以降の問題につきましては、いまのところ、まだその方針は財政当局とも相談はいたしていないわけでございますので、実情を十分に調査の上に慎重に対処してまいりたい、こういうふうに考えております。 それから私学助成、私学の方の高校の問題でございますが、この問題につきましても、五十五年度の予算におきましては従前よりも相当増額をいたしてまいりました。約七百億、六百億から百億増額をして予算でお願いをしておると、こういうことでございます。今後ともに努力はいたします。
○山中郁子君 先日の参議院の文教委員会で、小巻委員の質問に対して谷垣文部大臣は、自分としてはやはり継続せざるを得ないだろうと思うという所信も述べておられますので、ぜひとも積極的にその実現が図られるように御努力をいただきたいと思います。私学助成につきましても、関係者の方々は授業料直接補助ということも強く要望されておりますし、経常経費五〇%補助ということも要求されておりますので、その点もあわせて要望を申し上げておきます。 次に、スーパー問題に入ります。 大店法の改正後も、私ども共産党が指摘をしておりましたように、スーパーの進出というのは大変なものがございます。その中で小売市場あるいは小売業者が大きな危機にさらされているという状況は、もう特に御存じだと思いますけれども、この状況をどういうふうに認識されていらっしゃるか、初めにお伺いいたします。
○国務大臣(佐々木義武君) 各地区でそういう問題が起きておることは十分承知してございます。ただ、具体的な調査等は中小企業庁の方で行っておりますので、中小企業庁長官から御答弁申し上げたいと思います。
○政府委員(左近友三郎君) 最近の中小小売商の状況、ことに大手スーパーの進出等々によります影響というものを調べるために、実は本年度から商工会が地域の小売商業の近代化を図るための調査ということで調査を始めております。これは大型店の進出とか、あるいはそれに対応する小売商業の近代化というようなものをどうやってやるか、あるいは実態はどうだということを調べておるわけでございまして、五十四年度、それから五十五年度はさらにこれを増加させまして、そういう実態を確実に把握するように努力をしております。
○山中郁子君 じゃ、その把握をいま現在ではされてないということなんですけれども、通産省の資料でも、五十三年の二百四十三店に対して改正後九カ月で四百六十一店が開店しているんです。進出しているんですね、これはゆゆしい事態だと思うんです。ところで、その開店後ですね、大店法の調整が済んで影響がないとされていた範囲でも、当初の予想に反して大きな影響が出て周辺の小売業者が被害をこうむる、紛争が起きるということが起こっているんですが、これは大店法で調整できるようになっているんですか。
○政府委員(神谷和男君) 御承知のとおり、大規模店舗に関する法律では、大規模小売店舗の出店前の事前調整ということが主体になってございます。したがいまして、出店いたします店舗規模、営業時間等に関しましては、この事前調整ということで事前の万全の措置を行うということで対処をするということでございまして、それ以後の調整ということは想定をいたしておりません。ただ、顧客の送迎に関してバスとか車を使うとか、そういう営業方法に関して特に問題があれば、これは十条における改善勧告で勧告が可能になると、このように考えております。
○山中郁子君 そうしますと、開店後の最初の事前予測の見込み違いということで起きる紛争や問題について、いまおっしゃった項目では対処できないんですね。
○政府委員(神谷和男君) 法律では事前調整は、店舗あるいは店舗開設後の開業といったかなり高度の経営判断に基づくものについての調整でございますので、事前調整を旨としており、その後の調整というものは想定いたしておりません。
○山中郁子君 大店法で救済措置がないということは問題だと思いますが、そうしますと、こういう問題は商調法の十五条三号に基づく「(あっせん又は調停)」で対応するということになりますか。
○政府委員(左近友三郎君) 商調法の十五条に「あっせん」「調停」の規定がございます。これについては、大店法で決めました内容というものをそのまま変えるというふうなものはこの大店法の問題として適当でないということで、実際にその後のたとえば決められた店舗面積の中で、どんな業種の配置の変わり方とか、あるいは取り扱い品目が変わったとか、そういうことで地元の小売店と紛争が生じたという場合には、この「あっせん」「調停」をやろうということで実施をしておるわけでございます。
○山中郁子君 その根拠は何ですか。
○政府委員(左近友三郎君) これは大店法がそういう店舗面積等々についての調整をやっておりますので、重ねてこの商調法でやるというのは適当でないということでございます。
○山中郁子君 しかし、大店法では事後の紛争について調停、あっせんする項目はないんでしょう。じゃ、どうすればいいんですか。
○政府委員(左近友三郎君) 店舗面積等について事前の調整が終わったものについて問題ありとすれば、これはやはり大店法の直接の条文はないとしても、行政的にそれについて検討をするという必要があるんじゃないかと思います。
○山中郁子君 商調法の十五条三号でおたくの方が通達を出しておられますね。この中で、これによりますとできると私は思いますけれども、その点はどうですか。
○政府委員(左近友三郎君) 若干言葉が足りませんかと思いますが、要するに、その調整を受けたものでも、この実際の店舗面積を減少するというようなことではなくて、その大店法の調整を受けたものの運用が地元の小売店に非常に影響があるというような問題については当然商調法の対象になるということでございます。
○山中郁子君 私は、具体的な内容を言っていないんです。要するに、開店後に起きた紛争、見込み違い、そういうものについてはこの商調法十五条三号であっせん、調停の対象にできるんですねと言っているんですが、いかがですか。
○政府委員(左近友三郎君) 開店後に起きた問題についてあっせん、調停の申し出があれば、これは当然承るということになると思いますが、実際のこの判断の仕方についてはやはり大店法のやった調整というものが前にはございますから、そういうものを一つ前提にしてあっせん、調停をどういうふうに受け付けるかどうかという問題が出てくるかと、こう思います。
○山中郁子君 大事なところなのではっきりさせたいのですけれども、要するに、大店法で調整した後出店したケースで、事後のケースについては商調法十五条三号でできるということですね。
○政府委員(左近友三郎君) 事後の大型店の商売のやり方というふうなものについて問題が生じたとするならば、それについてはあっせん、調停の適用があるということでございます。
○山中郁子君 私は、見込み違いでもって、調整したけれどもそれが違っていたという場合のことも含めて申し上げているんです。
○政府委員(左近友三郎君) 見込み違いということにつきましては、現在の大店法の調整というのは商調協を何回もやり決定したことでございますので、その見込み違いを予定して調整をやるというようなことはちょっと私の方からも申し上げることはできないと思います。
○山中郁子君 具体例を申し上げますけれども、名古屋では、いまユニーとか西友の進出で大きく揺れ動いているんですけれども、昨年十月千種区にユニーが進出して最初の調整と大きく変わって三〇%から五〇%以上も売り上げ減になっているというケースが続出しているんですよ。こういう場合どうやって救済するんですか、そうしたら。
○政府委員(左近友三郎君) その具体的な案件、われわれの方も十分調査いたしまして、それについてどういうふうな、御不満についてどういう処置をとるか、われわれも考えてみたいと思います。
○山中郁子君 じゃ考えるというのは、商調法の適用か、ないしは大店法でそれを補充するという考え方ですか。
○政府委員(左近友三郎君) 現実にその地域において紛争が起こり、また、それがもっともであるということであるならば、行政として全然窓口がないというのはおかしいとわれわれも思います。したがいまして、それについてどういう対応でそれをお受けするか、われわれも検討したいと思います。
○山中郁子君 実際にいま申し上げた例の業者の方たちは、県に行ってそういうことを要望したり、またユニーに対して申し入れをしたりしているけれどもみんな門前払いを食っているという状況ですけれども、そのことも含めて行政指導をしていただけますね。
○政府委員(左近友三郎君) 府県とも相談したいと思います。
○山中郁子君 こういう事態が起こる背景には、スーパー業界がお金に物を言わせて調整のときに商調協の委員に物を送ったり、あるいは商店会に入るのに数千万円も一の莫大なお金を出したりと、そういうことがあってね、しかも、それがいわゆる幹部の人たちの個人のふところをふやすものじゃないかというふうに伝えられる、新聞にも報道されるような、そういう疑惑も持って進められている背景があります。この点については、私は、ぜひとも行政の力でやめさせていくということをお約束いただきたいと思いますが、いかがですか。
○政府委員(神谷和男君) 商調協の委員の方々が公正な立場でこの問題を審議し、御意見をまとめていただくということはわれわれが期待するところでございまして、御指摘のような事前工作がなされたり、あるいはそういうもので影響されたような結論が出るというようなことは万々ないと考えております。もちろん御指摘のように、このようなことがあってはならないということは私どもも十分考えておりますので、常に公平な立場での議論が行われるよう機会をとらえて要請し、指導してまいりたいと考えております。
○山中郁子君 すでに、ここに私一枚領収書があるんですけれども、振興基金という名目でたとえば六百万円とか、こういうのを進出スーパーや何かが出すんですね。大きいものはそういうこと。それから小さいものになりますと、ダイエーだとかユニーだとかね、商調協の委員のところに盆暮れのつけ届け、小さいといったって高級洋酒だとか高級毛布だとか、そういうものですよ。そういうことはやはり一掃しなければいけませんね。全国でこういうのはたくさん行われています。
○政府委員(神谷和男君) 商工会議所等で調整を商調協を通じて行う場合にいろいろ経費がかかりまして、それらの経費に関連をいたしまして若干の調整金的なものを徴収するというようなもの、あるいはこれに類似したようなことが行われておるケースがあるということは私どもも耳にいたしました。これも財政的な面である程度やむを得ないところもあるかと思いますが、事前にこのような動きがあることは必ずしも適当ではないと。物事やはりけじめをつけて、ガラス張りの中でそのようなことも処していくべきだろうと考えておりますし、ガラス張りになれないような、先生の御指摘のようなケースというものは万々起こらないようにすべきだろうと、このように考えております。
○山中郁子君 もちろん必要な正当な負担を進出企業がするということば当然なことですけれども、私は、工作としてそういうことが行われる、つまり買収ですよね。そういうことで進出を図っていくということは厳に行政の立場からなくしていくべきことであると思いますので、その点についてのいまのお約束をしっかりと取り組んでいただきたいと思います。 最後になりますけれども、現状でも小売市場や商店の人たちは営業を守るために一生懸命苦労しているわけです。大変な御努力です。こうしたことのために国としては中小小売商業振興法というのがありますけれども、その中の店舗共同化の長期低利の融資ですね「これがいま小売業者が実際共同化を進める、つまりスーパー進出に対抗してがんばっていこうということで共同化を進めるために住宅公団の中に売り場を借りるとか、あるいは鉄道の高架下に借りるとかした場合に、それは適用されないんですね。融資が受けられないんです。これは私はやはり仏つくって魂入れずといういい例だと思うんですけれども、これは何とかして実質的に柔軟な制度運用によって解決の道が図られるように検討もいただき、また努力もしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○委員長(山内一郎君) 山中君、時間になりました。
○政府委員(左近友三郎君) 店舗を共同化いたしましてそこに入居する場合でございますが、この店舗共同化の資金と申しますのは、そういう共同した店舗を持つというその施設に対する高度化資金の助成というものが出ております。そして入居する人につきましては、中小企業金融公庫とか国民金融公庫の特別融資、特利の融資がございますので、そちらの方を利用していただくということになっております。今後ともいろいろ検討してまいりますが、現在ではそういう制度でやっておりますので、極力国民公庫、中小公庫の方の融資を活用していただきたいというふうに考えております。
○委員長(山内一郎君) 山中君、時間が超過してます。簡単に一問だけ。
○山中郁子君 条件が違うので、大変強い要求がありますから、ぜひともそのことを考えていただきたいと思います。 終わります。
○委員長(山内一郎君) 以上で山中君の一般質疑は終了いたしました。 明日は午前十時から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後三時五分散会