予算委員会 第9号
- 発言数
- 495 件
- 登壇者
- 45 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1980/03/15
会議録
○委員長(山内一郎君) 予算委員会を開会いたします。 昭和五十五年度一般会計予算、昭和五十五年度特別会計予算、昭和五十五年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 —————————————
○委員長(山内一郎君) まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 昭和五十五年度総予算三案審査のため、本日の委員会に日本銀行総裁前川春雄君及び日本弁護士連合会環境法部会長山村恒年君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山内一郎君) 御異議ないと認めます。 なお、出席時刻等につきましては委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山内一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(山内一郎君) これより馬場富君の総括質疑を行います。馬場君。
○馬場富君 最初に外交、防衛問題について質問いたします。 外務大臣は最近訪米することになっておりますが、駐日アメリカ大使はこれについて、経済と防衛が主要議題になると言っておりますが、防衛問題についてはどのようなことが議題となる見込みか、お尋ねいたします。
○国務大臣(大来佐武郎君) 防衛問題につきましては、現在の世界情勢の判断といいますか、そういうものについての意見交換、特にアフガニスタンへのソ連の武力介入以後の情勢等についての意見交換が行われるかと存じますが、これに関連して、日本の防衛についての考え方、日米安保条約に基づく日本の役割りというようなものについての話も恐らく出ることだろうと存じます。この点につきましては、日本のなし得ることとなし得ないことについての考え方、あるいは今国会におきまして特に日米安保をめぐっていろいろ御意見が出ておるわけでございまして、こういう日本側の考え方、国会の議論というようなものも私の方から先方によく伝えたいと考えておるわけでございます。
○馬場富君 昨年末ごろからアメリカの国内の要人が日本はもっと防衛に努力すべきだという発言を相次いでしております。こうしたアメリカの日本に対する防衛力増強の声を政府はどのように受けとめておるか、お尋ねいたします。
○国務大臣(大来佐武郎君) 元の国務次官をやりましたジョージ・ボール氏の空母二隻貸与論とか、あるいはテキサス・インストルメントの会長の日本の負担による軍艦建造論とか、確かにいろいろな意見がアメリカの各方面で出ておるわけでございますが、政府から正式な形での申し入れといいますか、要求というのは、いままでに具体的な形ではないわけでございます。
○馬場富君 このまま放置して日本が対応を何もしないと、これは大きな日米問題に発展する恐れがある性格のものか、その点をお尋ねいたします。
○国務大臣(大来佐武郎君) アメリカの国内にもいろいろな見方、見解がございます。日本が着実にこの防衛の質的向上についての努力をしている、それを評価するという見方も従来からございますので、日本側としてもできるだけ、日本のやっている努力、それから日本の本来の立場上平和憲法あるいは専守防衛あるいは非核三原則、こういう基本的な枠組みを崩すわけにいかないという立場についても、これは直接日本問題を担当している政府の人たちは十分アメリカ側でも承知しておると思いますけれども、さらにこういう点について日本の立場から念を押してまいる。日本の可能な分野での協力というものを考えることによりまして、話し合うことによりまして、日米間に重大なひびが入るというようなことを避けてまいりたいと考えておるわけでございます。
○馬場富君 この点ですが、アメリカの要人は何が不満でどうしてほしいと、こういう要求をしているのか、また政府はこの点をどのような形で受けとめておりますか。
○国務大臣(大来佐武郎君) 先ほど申しましたように、いろいろな方面の方々が不満の表明といいますか、日本の防衛努力を強化してほしいというような意見を出しておるわけでございますが、一つには、日本の経済力が過去に比べてはるかに強大になっているじゃないかというようなこととか、あるいはアメリカ自身としても自己の力の限度というものがあるので、他の友好国にある程度分担してほしいとか、いろいろな立場はあると思いますけれども、日本の立場も、先ほど申しましたように、あるわけでございまして、こういう点について十分話し合って先方の理解を深める必要があるというふうに考えております。
○馬場富君 このアメリカの期待にこたえるために具体的に何か方策は考えていらっしゃいますか。
○国務大臣(大来佐武郎君) この防衛力の近代化ということについてもいままで着実な努力が払われておりますし、今後もそれを継続する、あるいは在日米軍の経費の分担ということについても可能な限り日本側も努力すると、こういう面におきまして、いまの現在の段階におきまして数字的なことを申し上げることはできないと考えますけれども、努力の方向ということで話し合ってまいりたいと存じております。
○馬場富君 この点、けさの新聞等でも、防衛費を着実にふやしていくという問題点や、その中でも防衛費の総額の伸び率を重視していくという点や、あるいは在日米軍の駐留費分担のうち施設費に重点を置くと、こういうような点が述べられておりますが、この点はどうでしょうか。
○国務大臣(大来佐武郎君) GNPに対する比率ということよりもむしろ伸び率という考え方があるわけでございまして、これはアメリカが、自分のところは実質的に年に四ないし五%の国防支出の増大を図る、NATO諸国についても三%の増大を図ると、そういう約束をしておるわけでございまして、先方でも伸び率を問題にしておるわけでございますが、日本としては経済成長率が欧米に比べて高いということもございまして、経済七カ年計画で申しますと、今度の見直しで実質五・五%でございましたか、でございますから、日本の経済の実質成長率に見合う程度の防衛努力でもいま欧米が考えておる防衛費の伸び率よりも高いことになるわけでございまして、そういう意味で伸び率を一つのめどにする可能性があるのじゃないか。これは先ほど申しましたように、いまの段階で具体的なことを発言でき得る状況ではございませんが、これが一つの考え方でございます。
○馬場富君 これについて駐日大使は、日本はこの十年間年率で八%で防衛支出を伸ばしておることを高く評価すると言っております。今後ともこの防衛費はこの程度は伸ばしていくというのが政府の方針ですか。
○国務大臣(大来佐武郎君) マンスフィールド大使の発言は、過去の実績についての発言でございますが、将来もその率で伸ばすという問題、これに大使は別に触れてはおらないわけでございますし、日本政府としても、先ほど来申しましたように、まだそういう数字について申し上げられる段階にないと考えております。
○馬場富君 この点については、大蔵大臣は、負担増という問題ですね、伸び率に対してこれはやっぱり厳しく監視する必要がある、低く抑えるという考え方が私はなければいかぬと思うんですが、この点どうでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 防衛費の伸び率を抑制せよ、こういう御意見を交えての御質問でございますが、馬場さん御案内のように、わが国は従来から「国防の基本方針」、これは昭和三十二年の国防会議及び閣議決定であります。これに基づきまして、わが国の独立と平和を守るため、国力国情に応じ自衛のため必要な限度において効率的な防衛力を漸進的に整備することとしております。 そこで、今度は五十五年度予算におきましても、そのような方針を踏襲しまして、真に必要な経費に限って予算計上を行ったところであります。五十五年度の防衛関係費の伸びは六・五%、映和三十五年度の〇・六%以来の低水準となっておるわけであります。そうして、いま一つ五十一年の国防会議・閣議決定で、GNPの一%を超えざる範囲内において云々と、こういうことが決定しておるわけでございますので、したがって、私どもといたしましては、やはりそれこそ国力国情に応じ、その都度他の予算とのバランス等を勘案しながら規模が決定されていく性格のものであるというふうに思うわけでございます。したがいまして、これを凍結するという考えは、これは意見を異にするところであります。
○馬場富君 もう一つは、アメリカ国内で安保ただ乗り論がかなり厳しく出ておるという点ですが、これは日本の負担が軽過ぎるという批判だということだと思いますが、政府は、この点についての判断はどうでしょうか。
○国務大臣(大来佐武郎君) 安保ただ乗り論といたしましては、先ほどちょっと申し上げましたが、日本のGNPがアメリカの半分に近いところまで拡大してきておる、それに対してアメリカはGNPの五ないし六%防衛費に使っておる、ヨーロッパの西側諸国も三・五ないし四%防衛関係に支出している。日本はそれに比べて〇・九%というのは余りに低いではないか、この点は私もせんだってこの委員会でも申し上げましたが、NATOと同じような計算をすれば一・五%ぐらいになる。これは統計上の問題でございますが、そういう横並びの比較と、もう一つは、日本の自動車あるいは鉄鋼その他の工業製品の対米輸出の増加に関連いたしまして、日本は防衛費の支出を最低限に抑えて、その浮かんだ経済力を輸出増進のための競争力強化のための投資に向けているんではないかと、これはアンフェアだと、不公正だというような議論とか、まあ、さまざまな議論があるわけでございます。しかし、これは政府の正式の態度としてアメリカ側で表明されているわけではございません。
○馬場富君 重ねて外務大臣にお尋ねしますが、この点については外務大臣はもっともだという意見なのか、それとも、この批判についてはやはり基地提供等も考えた日本の立場としてこれは誤りであるかと、この点について答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(大来佐武郎君) 日本は、日米安保条約に基づきまして日本の国民の安全というものについてアメリカの協力に期待しておるわけでございます。そういう意味では、アメリカに国民の安全を守ってもらうということの依存をしておるといいますか、依頼をしておる関係がございます。さらに、極東におけるソ連の軍事力が過去十年間ぐらいの間に急速に拡大されたというような事情もあるわけでございまして、そういう点から見ますと、アメリカの国内でいろいろ行われておる議論に対しましても全く間違っているとも言い切れない面があるように思いますが一先ほど申し上げましたように、日本の持っております基本的な平和国家としての行き方、こういうものが基本にあるわけでございまして、そのたてまえを崩すわけにいかない。そういうたてまえの中で、いまのような米国にございますいろいろな意見にある程度こたえ得る道がないかということで、これについては直接の防衛努力以外に、たとえば開発途上国に対する援助、今回パキスタンに対してもかなり大幅の援助増加を約束したわけでございますが、そういうことも広い意味での日本の国際的責任にこたえる道であろうと考えるわけでございまして、そういう面での努力を強めることによって、ただ乗り論に対する一つの回答にもなり得るのではないか。さらに、日本がやはりこのアジアの経済発展あるいはアジア各地域の安定に資しているということも、広い意味での安全保障、これはアメリカの安全保障にも寄与しているということも申してよろしいのではないかと考えております。
○馬場富君 先ほど説明の中に出ましたいわゆる防衛費のGNPの一%の問題でございますが、五十一年十一月五日の閣議決定では、これをやはり超えないということをめどにするということが決定されておりますが、少なくとも十年間はこの決定事項は変える必要がないと、こうやはり断言できるかどうか。その点、防衛庁長官、外務大臣、大蔵大臣、総理にそれぞれ見解をお伺いします。
○国務大臣(細田吉藏君) お答えをいたします。 防衛費の問題につきましては、外務大臣が今度アメリカへ行かれますので、十分に連絡をとっておりますから、先ほど防衛費について述べられた外務大臣の御意見は私どもと十分調整をしたもので、同じ意見でございます。 ただいまお尋ねがございましたGNPの一%を超えざるところをめどとしてという防衛計画の大綱でございますが、これを現在のところ変える考え方はございません。
○国務大臣(大来佐武郎君) ただいま防衛庁長官から答弁されたとおりでございますが、十年間という年限については特別の取り決めはないように了解いたしております。
○国務大臣(竹下登君) 防衛庁長官からもお答えがございましたように、正確に読み上げますと、「防衛力整備の実施に当たっては、当面、各年度の防衛関係経費の総額が当該年度の国民総生産の百分の一に相当する額を超えないことをめどとしてこれを行うものとする。」と、そういう今日考え方であります。
○国務大臣(大平正芳君) 防衛力の整備大綱は、GNPの一%以内において策定いたしていこうということでございまして、この防衛力大綱をいまわれわれは変更するつもりはございません。
○馬場富君 先ほどの質問の中でまだ答えが出ておりませんが、在日米軍の駐留費の分担の関係でございますが、新聞等でも、これは労務費をこれ以上ふやすことは無理だから施設費に重点を置いて考えていきたいと、これについてはどうでしょうか。
○国務大臣(大来佐武郎君) 現行の地位協定によって解釈される範囲でございますと、労務費についてはほぼフルに日本側が負担をいたしておることになります。ただ、施設関係については、物によってさらに日本側で負担する余地があるかもしれない。これは今後具体的に防衛庁の方で検討される問題でございますが、そういう考え方でございまして、なお、地位協定については改定する考えは現在ないわけでごございます。
○馬場富君 防衛庁長官にいまの質問、お願いします。
○国務大臣(細田吉藏君) ただいま外務大臣からのお答えもございましたが、労務費については現在の地位協定ではもうこれ以上のことはできない、もう増加する考えはありません。それからその他の施設でございますが、これも現行の地位協定の範囲内で考えなきゃならぬものがあるかどうかということで検討いたしまして、その範囲内で考え得るものについては、ある程度増額ということが可能であればいたしたいと、かように考えておりますが、そうむちゃくちゃにふやすというようなものではございません。
○馬場富君 次に、米軍の第七艦隊に所属する二隻目の空母の新母港として横須賀が最適であるとの結論に達したと伝えられておりますが、この事実はどうでしょうか。
○国務大臣(大来佐武郎君) そのような新聞報道がございましたけれども、政府ルートを通じては何ら連絡がございません。念のために外務省から先方について目下照会中でございますけれども、いままでのところはまだ政府筋を通じてのそういう要請というものは受けておらないわけでございます。
○馬場富君 要請はなかった、が、要請があった場合はどうするかという点と、もう一つは、日米安保条約の上からこれを断わることができるかどうか、この見解ですが。
○政府委員(淺尾新一郎君) ただいま大臣から御答弁いたしましたように、現在のところ要請はございません。仮定の問題として、仮に要請があった場合どうするか、これは安保条約の目的、さらにその母港化に伴う地域への影響等を考えて、政府としては慎重に決定していきたいというふうに考えております。
○馬場富君 次に、行政改革について質問いたします。 行政改革の断行は各方面から強く求められておりますが、政府の行革はかけ声ばかりだという批判も強いわけですが、これに対して行政改革に対する考え方を、総理とそれから行政管理庁長官、二人にお尋ねいたします。
○国務大臣(宇野宗佑君) しばしばかけ声ばかりだという声を聞くんですが、決してさように考えておりません。ひとつ内容を詳細に見ていただければ、十二月末決定いたしました昭和五十五年行革の第一部は、規模において戦後最大のものであると私は思います。特殊法人一つにいたしましても、本当に歴代内閣は苦労なさいましたが、わずか五十日の短期間とはいえ各省庁の協力を得まして十八削減し、内容におきましても百二十名という役員数を縮減すること、こういうふうな効果を挙げているわけでございます。続きまして、地方支分部局にも手を出しますし、特によく問題にされております米の検査等に関しましても、各町村にありました三千の出張所は今回の行革でゼロとなります。こうしたことが意外と知られておりません。その間また米の検査員を八千人純減でございます。こうしたことが余り知られておりません。全部大いにPRいたしておるのでございますが、ただ特殊法人だけを問題にしたり、その数だけを問題にされております。しかし特殊法人の数にいたしましても、昭和三十八年に特殊法人の数は九十三でございましたが、ちょうどそこまで一挙に数を減らしたという意味においても私は大きな効果を得ておると思います。もちろん、決してこれに満足いたしておるものではございません。今後も第二弾、第三弾を打つ予定でございますが、今回は特に直接財政効果という面でいろいろ批判があると思いますが、私は財政効果を上げようとするのならば人減らし以外にないと考えております。しかしながら、その人減らしはすでに国会決議において、御承知のとおりに、出血を伴う人減らしはやってはいけない、こういうことでございます。国会決議はやはり政府は尊重しなければなりません。だから、定員削減という方法において人減らしを図り、あるいは将来の人減らしの資となすために器減らし、仕事減らしをしておる、これが今回の行革でございまして、さような観点から見ていただきました場合には、私は評価をしていただいてよいのではないかと考えております。
○国務大臣(大平正芳君) 行革がかけ声に終わらぬように、政府としては最善の努力をいたしたいと思っております。また、法案を構えまして国会の御審議を得なければなりませんし、これからが行革にとりましては正念場でございますので、国会を初め各方面の御協力によりましてかけ声に終わらぬように、御協力を願いたいと思います。
○馬場富君 政府の五十五年度の行政改革を見ますと、先ほど長官がおっしゃったような行革の問題が挙げられておりますが、この中に、行組法の八条に基づく審議会はなぜ対象にならなかったかという点でお尋ねします。
○国務大臣(宇野宗佑君) 結論から申し上げますと、五十五年行革のパートツーにおきまして審議会も当然取り上げようと考えております。ただ第一部では、御承知のとおり第二次大平内閣が十一月の八日に発足いたしまして、十二月の二十九日予算査定が終わるまでにやってしまおうということで、総理みずからが先頭に立たれまして四本の柱を打ち立てたわけでございますが、審議会は昭和五十二年行革で実はこれの整理統合が図られておりまして、そして三十六純減、審議会が整理され、また役員数も減らすように努力がされたわけでございます。法律を伴いますので、その法改正の作業が終わりましたのがちょうどもう昨年、一昨年というふうなことになりますから、さような意味で実は審議会は第一部においてはこれが扱われなかったという経緯でございます。
○馬場富君 この点、今後対象にされるかどうかですね。
○国務大臣(宇野宗佑君) 過般来、衆議院の予算委員会、また参議院の当委員会におきましても、審議会に関する与野党の強い御意見がございましたので、当然対象としたいと考えております。
○馬場富君 それでは、現在その種の審議会はどれほどの数と人数を持っていますか。
○政府委員(加地夏雄君) 審議会の数と委員の数の御質問でございますが、お答え申し上げますと、現在審議会は二百十二でございます。これはただいま長官から御答弁申し上げましたように、前回の行政改革の際に、審議会を約一五%、三十六純減いたしました結果の数字でございます。さらに、委員につきましては、現在四千五百名弱でございます。これも前回の審議会の整理におきまして、委員数約千人の減を計画いたしまして、現在の数はこういうふうになっているわけでございます。
○馬場富君 審議会が特に多い省庁というのは、各大臣がおのおの掌握されておると思いますけれども、私の方の調べでは、総理府、厚生省、通産省、大蔵省、農林水産省、労働省、文部省、運輸省でございますが、各大臣はこれについてどのように掌握されていますか。
○国務大臣(小渕恵三君) 総理府におきましては、総理府本府に設置をされております中で、本府で庶務を担当いたしておりますのが十三、総理府の外局で庶務を担当いたしておるもの八、各省で庶務を担当しておるもの十二、計三十三でございます。
○国務大臣(野呂恭一君) 厚生省所管の審議会の総数は、常勤でございます社会保険審査会を含めまして二十一審議会がございます。委員の定数でございますが、定数は七百三十人でございまして、現員が六百五人でございます。
○国務大臣(地崎宇三郎君) 運輸省所管の審議会等は十一でございます。現在員は二百五十二でございます。
○国務大臣(竹下登君) 大蔵省所管の審議会は本省十四、国税庁三でございます。委員定数は二百七十一名以内と、このようになっております。
○国務大臣(佐々木義武君) 通産省の附属機関の審議会は三十二ございます。
○国務大臣(武藤嘉文君) 農林水産省は、農林本省が十三、食糧庁等の関係で六、合計十九でございます。
○国務大臣(藤波孝生君) 労働省は、現在本省関係の附属機関といたしまして十二の審議会がございます。現員は二百二十二でございます。
○国務大臣(谷垣專一君) 文部省は、文化庁を含めまして審議会十七でございます。審議委員が六百七十名以内。
○馬場富君 いまお答えのように、まだたくさんの数があるわけですけれども、行管庁長官、この二百十二の審議会の中で一年間以上全然会議が開かれていない審議会は幾つありますか。
○国務大臣(宇野宗佑君) 二百十二のうち、過去三年間、昭和五十二年から五十四年度にかけまして開催実績が全くないのは、十一審議会ございます。
○馬場富君 私の方の調べでは十八になっていますが、それはしっかりと調べてもらいたいと思います。 その中で、特に休眠状態のひどいのがあるわけです。たとえば、大蔵省でいけば、関税不服審査会等は四十七年から一回も開かれていない。通産省の情報処理振興審議会等につきましては、これは五十一年から全然開かれていない、こういう状況ですが、おのおのの大臣にこの状況を説明していただきたいと思います。
○国務大臣(宇野宗佑君) 各大臣の前に、私の手元でそうしたことも理由を調査いたしておりますから、概括して申し上げておきます。 ただいま申し上げました三年間開いておらない十一審議会のうち、公務員制度審議会、選挙制度審議会及び情報処理振興審議会、これらはいずれも開かれておりませんが、その性格なり、調査審議すべき基本的諸問題、これは当然あるわけでございますので、今後の推移をながめてまいりたいと思いますが、ほかには大体不服審査であるとか、あるいはまた紛争処理等の審議会が多うございます。だから、個別の事案が発生いたしましたときに開かれるという性格のものも含まれておりますので、さようなことも今後検討していきたいと考えております。
○国務大臣(佐々木義武君) 情報処理振興審議会は、通産大臣が電子計算機——コンピューターでございますけれども、その利用高度化計画を定める際にこの審議会の意見を聞かなければならないということになっておりまして、お話しのように、五十一年三月に計画を一度定めまして、したがいまして、これはしょっちゅう高度化計画というものは変えるものではございませんので、その必要が参りますればこれを開かにゃいかぬのでございますけれども、五十一年に決めました計画の有効期限は五十六年三月末に到来いたしますので、五十五年度中には新たにこの審議会を開きまして、そして新しい計画を決めにゃならぬと、こういうことになっておりますので、今後とも、大変これは高度な科学知識を要する問題でございますので、必要な審議会と存じております。
○国務大臣(竹下登君) 関税不服審査会は昭和四十七年以来開催されていないではないかと、こういう御指摘でございます。そのとおりでございます。これは事の性質上、関係不服審査会は、関税等の徴収に関する審査請求は、やっぱり国民の権利に対しまして絶えずその受けざらだけはあるべきものであって、したがって、その請求がなされないということがむしろ好ましいことでございます。しかしながら、現実開かれないということからいたしまして、今国会に上程さしていただいております関税定率法等の一部改正案におきまして、現在の関税不服審査会とそれから輸入映画等審議会——ポルノの審査などでございますが、これを合併いたしまして、新たに関税等不服審査会、そういうことに再編をしようと、こういうことにいたしておるわけでございます。したがって、これからは年三、四回はどうしても開かれるようになるであろうと思います。
○国務大臣(野呂恭一君) 厚生省関係の審議会の中で、いままで一年に一回も開かれていないのは何と何かということでございますが、中央社会保険医療協議会は二年ぶりに先般開いたということでございます。なお、ずっと開かれておりません中央優生保護審査会でございますが、これは事案が発生していないというものでございます。言うまでもなく、中央優生保護審査会は都道府県優生保護審査会の行った優生手術に関する決定に対しての再審査機関でございまして、人権保護のために置かれておるわけでございます。したがって、再審査の要求がないとこれは開く必要がないと、こういうものでございます。
○馬場富君 いま三省に聞きましたが、その他もたくさんあるわけですけれども、そういういろいろな理由はおっしゃいますが、七年も八年も五年もと休眠状態ですね。それが果たして妥当か、これは納得できません。やはり、それなりのこれは解決をしなければならぬと思いますが、そういう点、長官どうでしょうか。
○国務大臣(宇野宗佑君) 大切な御指摘だと思います。したがいまして、各省庁において十分検討してもらい、また、行管といたしましても、各省庁の事情を説明を受けまして、極力休眠審議会等々はこれは整理をすべきであると考えております。
○馬場富君 次に、人数について、四千五百名の委員でございますが、常勤と非常勤がございますが、この常勤と非常勤とはどう違うのか、委員のうちでどういうふうに色分けしておるのか、この点御説明願いたいと思います。
○国務大臣(宇野宗佑君) 詳細にわたりましては政府委員から説明をいたしますが、一応政府といたしましては、昭和四十四年の閣議決定で審議会の委員は非常勤を原則とすると、こういうふうな原則が打ち立てられております。しかし、中にはやはり常勤でなくてはならないという部面もございますが、そうした審議会は二百十二のうち一応数少ない部門しかないということで、それはそれなりの一つの理由があるかと存じます。しかしながら、原則は原則でございますから、そういう原則にのっとりまして、各省庁に適正な運営をお願いをいたしております。 詳細は政府委員から説明をしてもらいます。
○政府委員(加地夏雄君) ただいま長官から御答弁申し上げたとおりでございますが、常勤と非常勤の区分けと申しますのは、いま長官から申し上げましたように、審議会の回数がいわゆる審議案件の多寡によって決まるわけでありまして、その意味で一般的には非常勤を原則としているわけでございます。ただ、たとえば原子力委員会でございますとか、あるいは当庁におきます行政監理委員会のように、その審議会の性格とか機能、事務量、そういった問題でいわば常時的に審議をわずらわしていただく、そういう必要のある審議会もあるわけでございます。いま申し上げましたような形で、例外的ではございますけれども、わずか十九の審議会の中に常勤がいらっしゃる、こういう状況でございます。
○馬場富君 それでは、行管庁長官の関係の中で該当の委員会がございますけれども、行管庁の中にもございますが、その常勤の給与と非常勤の給与と、これについてちょっと御説明していただきたいと思います。
○政府委員(加地夏雄君) 御承知のように、審議会の委員の非常勤の場合は、いわゆる非常勤手当という形で、いわばその一回一回の出席に応じて支払われるものでございます。常勤委員につきましては、いわゆる常勤的給与でございますから月幾らと、こういう形で決められておるわけでございます。
○馬場富君 金額についてはどうですか。
○政府委員(加地夏雄君) 各審議会の常勤委員の先生の給与につきましては、行政管理庁が直接関与するわけではございませんので、正確な額はわかりませんが、通常約七十万ないし八十万、こういう形で支払われておるかと思います。
○馬場富君 ここで、いま常勤委員の問題が出ましたが、常勤委員を持っておる審議会の所管大臣こ——総理府、行管庁、環境庁、国土庁、法務省、厚生省、運輸省、労働省、自治省と十省庁ほどございますが、このおのおのの大臣に質問でお答えいただきたいわけですが、時間の関係もございますので、ひとつ資料で、その常勤委員の氏名と年齢と前歴を私の方にお願いしたい。委員長、資料をお願いいたします。資料要求です。
○委員長(山内一郎君) 資料について答えます。
○国務大臣(伊東正義君) お答えいたします。 先生から御要望でございまして、大体常勤の委員のおられるのは国会の両院の同意を要する委員がほとんどでございますので、そのつどお名前は御相談して決めるわけでございますが、資料でお名前と、あと何でございますか。
○馬場富君 年齢ですね。
○国務大臣(伊東正義君) 年齢と……
○馬場富君 前歴。
○国務大臣(伊東正義君) 前歴とまとめて御報告いたします。
○馬場富君 資料は後から見さしていただくことにいたしまして、私どもの調査の結果では、常勤委員の委員の中には非常に天下りが徹底して多いということですね。こういう点について総理、官房長官はどのようにお考えですか。
○国務大臣(伊東正義君) お答えを申し上げます。 いま申し上げましたように、常勤の委員のおられるのはほとんど大部分が法律によりまして任命について国会の同意を要する方でございます。この委員会、審議会等二十八ありまして、その委員の数が百五十八名でございます。その中に、いわゆる公務員から来たという人が、国家公務員の経験者が四名ということになっていますが、これはまた調査ではっきり申し上げますが、この常勤委員の中には、公務員からのいわゆる天下りというのはなるべく少なくしようということでやっているわけでございます。
○馬場富君 行管庁長官に、特殊法人については年齢制限の問題がかなり厳しく言われておりますが、この点、審議会についてはどうですか。
○国務大臣(宇野宗佑君) いま官房長官、天下りという面からはやはり自粛を必要とするであろうというお答えございました。しかし、審議会の性格によりましては、中にはやはり専門的知識を必要とする審議会も私はあると思います。たとえば、他省は問わず、わが行管庁におきましても御承知の行政監理委員会がございますが、ここでやはり常に勤めていただいておる方にはいわゆる行政府出身の方がおられますが、これは行政問題ですから、やはりそうした方がおられなければなかなか判断できないという問題もございます。そうなりますと、勢い年を召されておるということもございましょうが、まあ日本人の平均年齢も非常に高くなって、世界で一、二を争うというところまで参ったわけでございますので、あながち私は高齢者がだめだというふうには判定できない時代ではないか、かように思いますので、年齢に関しましては、それは常に新陳代謝、大いに若手が登用されるということも必要でございましょうが、高齢者だからどうかという点に関しましてはまだまだ研究が進んでおりません。
○馬場富君 いままで質問の中でわかりますように、審議会の人員とか、あるいは数、内容等についても問題の点が多々あるわけでございますが、そういう点でやはり行政改革の立場からもやはりポイントは民意を反映する意味で、必要不可欠なものは除き整理統合すべきだという点で私どもも考えるわけですけれども、改めて長官と総理の見解をお伺いいたします。
○国務大臣(宇野宗佑君) やはり審議会も必要欠くべからざるものが存在の本来の意義であろうと、かように存じます。
○国務大臣(大平正芳君) 御趣旨を体して対処いたしたいと思います。
○馬場富君 次に、工業団地について質問いたします。 高度成長時代のツケと言われるような状況で、各地で工業団地の見直し問題が論議されております。これにつきまして、工業再配置計画のねらいと概要について説明いただきたいと思います。
○国務大臣(佐々木義武君) 工業再配置計画は、工業再配置促進法に基づきまして工業の集積度の過度に高い地域から集積度の低い地域に工場の移転等を促進いたしまして、そして過疎過密の同時的な解消を図ると同時に、国土の均衡ある発展を図るために五十二年七月に作成されたものでございます。その計画におきましては、昭和六十年度を目標年といたしまして工業配置の目標、工場移転の目標、誘導地域における工場の新増設の目標、環境面、雇用面の配慮事項等につき工業の適正な配置という観点から指針を示しておりまして、ただいま申しましたように、そのねらいといたしましては、あくまでも過疎過密の同時解消と工場の適正配置ということで国土の均衡ある発展を図ろうとするのがねらいでございます。
○馬場富君 この工業再配置計画の基準となる点について御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(佐々木義武君) 具体的な事実に入ってまいりますので、担当局長から御説明さしていただきます。
○政府委員(島田春樹君) いまお尋ねの基準となる点というのは、ベースになるたとえば経済の見通しとかそんなものというふうに御了解してよろしゅうございましょうか。
○馬場富君 いや、計画趣旨です。
○政府委員(島田春樹君) お答えいたします。 この計画の趣旨というのは、いま大臣からお答えいたしましたように、日本の何といいますか、工業の全体の配置というのを適正に持っていく。片一方では過密があり、片一方では過疎がある、この過密過疎の同時解消というのを図りながら国土の均衡ある発展を図るという点がねらいでございます。
○馬場富君 この中心に成長率は年間実質で五・七ないし六・三、工業出荷額で六十年を目途にして百六十兆ないし百七十兆、これに対して現状から言ってこの達成というのはできるかどうか、この点です。
○政府委員(島田春樹君) お答え申し上げます。 いま御指摘のように、この工業再配置計画を策定いたしましたときには、大体五十一年から六十年に至る十年間の実質経済成長率を年率五・七ないし六・三程度というものを一応想定いたしまして策定をいたしたわけでございます。御案内のように、計画期間のこれまでの実質経済成長率というのを見ますと、五十一年から五十四年の見込みまで見ますと、おおむね御案内のように六%前後というようなかっこうになっておりまして、もともとこの工配計画というのはある幅を持って策定をいたしておりますので、大体この計画の幅の中に従来はおさまってきておるというふうに考えております。 今後の見通しでございますが、一応新経済社会七カ年計画というのが六十年まで五・五%という見通しを持っておるわけですが、この工配計画の見通しのときの下限の数字とほぼ近いということでございまして、もともと、先ほど申しましたように、工配計画のねらいというのが過密から過疎へというかっこうに工場を移転さしてバランスをとっていくという一つの指針としての性格がございますので、そういう性格との関係で考えますと、従来のところおおむねその想定、それほど乖離は来さないのではないかというふうに考えておる次第でございます。
○馬場富君 出荷額については、ここ四十九年から五十三年あたりまでの実質の面でいきますと、やはり百兆あたりがめどですね。そういう点について、これだけの増額ができるかどうか、その点どうですか。
○政府委員(島田春樹君) お答え申し上げます。 この計画をつくりましたときの出荷額は、六十年の出荷額を昭和四十五年価格でその想定をいたしておりますので、これからの工業出荷額のねらい、その換算をどうしていくかという点、ちょっと私もいま手元に資料ございませんが、先ほど申し上げましたような経済の実態というものから考えますと、要するに、ねらいである過密過疎の解消という観点からいきますれば、計画の指針としての性格では大体その枠の範囲内というふうに考えられるのではないかというふうに思っておるわけでございます。
○馬場富君 この計画の中の工場移転の目標はどうなっておりますか。
○政府委員(島田春樹君) お答え申し上げます。 目標でございますが、この計画では、移転促進地域全体の工場敷地面積を四十九年当時に比べまして、昭和六十年で約三割程度減少させるということを目標にいたしておるわけでございます。工業統計調査の結果によりますと、移転促進地域の大宗を占めております東京、大阪、名古屋、この工場敷地面積というのが昭和四十九年に約五千ヘクタールでございましたが、昭和五十二年に約四千三百ヘクタールということになっておりまして、約一五%減少をしておるわけでございます。したがいまして、四十九年を一〇〇にした場合に五十二年がその指数で見ますと、いま申しましたように、八五・三というところまで来ておりますので、この十年間の計画というラインを考えてみますと、大体その工配計画のラインに沿って進んでいるというふうに考えて差し支えないと思います。
○馬場富君 移転促進については、やはり対象企業の意向が私は大事だと、こう思うんです。そのために通産省が調査された工場移転動向調査、五十二年の実績で結構ですので調査結果の移転意向と、それからもう一つは移転ネックについてここで読み上げてもらいたいと思います。
○政府委員(島田春樹君) お答え申し上げます。 この調査結果の「移転意向」の点を読み上げますと、「移転意向は、四十九年度に大きく落ち込んで以後、低調裡に推移して」きております。回答企業二千九百七十七のうち、すでに移転した百七十一工場を除く二千八百六工場について見ると、移転意向の強いものは全体の一二・四%でございます。これに移転意向がそれほど明確でない、将来移転することもあり得るが、当面は移転の考えがないというものを加えますと三九・七%でございます。本年度は前年度比やや改善を見せておりますが、依然基調としては大きな変化は見られないということでございます。 全体を読み上げますとやや長くなります。以上でよろしゅうございましょうか。
○馬場富君 移転ネック。
○政府委員(島田春樹君) それから次に、移転ネックでございますが、工場が移転を行う際ネックとなる点について、移転を行う意向のある五百二十工場に対して回答を求めたところ、五百一工場から回答がございました。 回答率の高いものにつきまして申しますと、移転資金の借入金利、新工場の設備償却負担という点を挙げておるものが五二・一%、それから現工場の従業員がついてこないというのが二五・五%、それから輸送費、通信費等運転費用負担というのが二三・二%でございまして、以上の点から申しますと、いわゆるコスト、移転のネックというのは財務上の圧迫要因というのにウエートが移っているというふうに考えられるということでございます。
○馬場富君 それでは、移転促進地域からどれだけの企業が四十九年以降移転したのか、説明してもらいたいと思います。
○政府委員(島田春樹君) お答え申し上げます。 移転促進地域から誘導地域への移転状況でございますが、地域振興整備公団の融資実績で見ますと、五十四年末までに移転促進地域から誘導地域に移転をしたものが合計百九十六工場、跡地面積で約四百二ヘクタールという工場が移転をいたしておるわけでございます。
○馬場富君 それは、六十年度に移転促進地域——首都圏、近畿圏、中部圏、この三圏からいわゆる三割程度減少させる、こういう計画からすると、これは全然数字が上がってないじゃないですか。 たとえば四十九年現在で見ますと、この三圏の面積というのは五千十六平米に該当しておる。その三割というと千五百四平米に該当しますよ。それからいくと、これは融資対象だけですけれども、これは全然計画と違うじゃないか。
○政府委員(島田春樹君) お答え申し上げます。 いま融資の数字で申し上げましたので、必ずしも全体ということではございませんが、先ほど申しましたように、立地の工業統計調査の方で見ますと、先ほど申しましたように、明らかに移転促進地域の工場敷地面積というのは年を追いまして減少してきているわけでございまして、四十九年の一〇〇に対して五十二年が八五・三というところまで、東京区部、大阪市、名古屋市というものの工場敷地面積の合計で見ます限り、面積が着実に減ってきておるというような状況から見ますと、この工配計画で挙げております目標の三割程度減少させるという点については、大体そのラインに沿っておるというふうに考えて先ほどお答えした次第でございます。
○馬場富君 この論議は後にしまして、じゃ次に移りますが、計画の中で誘導地域での新増設の目標をどの程度に置いていらっしゃいますか。
○政府委員(島田春樹君) お答え申し上げます。 新増設の目標の方でございますが、工配計画におきましては、五十一年から六十年までの全国における新増設のうちで、敷地面積で見まして約七割程度を誘導地域で新増設が行われるということを目標にいたしておるわけでございます。 私の方で行っております工場立地動向調査というのがございますが、これによりますと、敷地面積ベースでの誘導地域内の立地率でございますが、五十一年から五十三年までの累積で見ますと、立地率が約六三%ということになっておるわけでございます。六十年までの累積で約七割というようなことを一応目標にいたしておりますところでございますので、大体その線に沿っておるんではないだろうか。いまのところ累積率は七割より若干低くなっておりますが、これは五十一年に特殊な要因がございまして、この年は五〇%の立地率になっておるんですが、その後、五十二、五十三は七七、七〇というような立地率になっておりますところから見まして、傾向としては大体目標の線に沿っておるのではないかというふうに考えております。
○馬場富君 これは全然理解ができません。 それじゃ次に、この動向調査の中で重要視されておる問題点というのは、調査結果と非移転理由でございますが、これについて五十二年度の調査結果の中で非移転理由について説明してもらいたいと思います。
○政府委員(島田春樹君) 非移転理由でございますが、私どもの方が最近行いました移転動向調査で見ますと、工場が移転できない理由として挙げておりますのは、一番大きいのが移転資金の借入金利、それから新工場の償却負担、こういったようなのが一つの障害になっておってなかなか移転に踏み切れない。それから、輸送費とか通信費等の運転費用が負担になるためになかなか踏み切れないというようなところが主な理由になっておるということでございまして、移転を現在阻害している要因というものの中ではコスト面の要因というのが大きいのではないかというのが調査結果でございます。
○馬場富君 そんなことを聞いておるんじゃないんです。調査結果の中の——五十二年度にあなたのところが調査した動向調査があるでしょう。それの非移転の理由というのが、あなたのところから出した五十二年度の調査の中ではっきり出ておるじゃないですか。いいかげんなことを言うなよ。
○委員長(山内一郎君) 答弁を早くしてください。
○政府委員(島田春樹君) お答え申し上げます。 御指摘の点は恐らくこの点かと思いますが、業種別に見ました場合に、現工場の生産設備の拡張を行わないというのと、それから現工場において増設の余地があるというものを加えた比率というのが全業種、特に繊維とか、精密機械、電気機械等は高い比率を示しておる。それから、公害対策——地域住民との関係も良好であるというような比率が高いというものが非鉄、鉄鋼、窯業、土石、こういうような理由を挙げておるという点かと思いますが……。
○馬場富君 全然違いますよ。私が読みます。 あなたのところで出しておるこの動向調査の中の非移転理由の中には、移転の考えは全くないというものが千八百二工場中千七百八十六工場がそういう回答を寄せたと書いてあるじゃないですか。これはあなたのところが出しておる動向調査の中にはっきりと出ておるじゃないですか。その中でも工場移転を行う状況にないというものが五七・三%、現工場の生産設備の拡張は行わないというのが四一・二%という、そういう大きい数字がみんなこの動向調査の中に、移転対象工場等について調査した結果が出ておるんです。この点、通産大臣どうでしょうか。
○政府委員(島田春樹君) お答え申し上げます。 ちょっと私、質問の御趣旨を取り違えて恐縮でございました。そういう意味の移転動向調査による移転動向の推移の移転意向のところの数字で見ますと、いまおっしゃいましたように、移転の考えは全くないというのが六〇・二%。それから、将来移転することがあるが当面移転の考えはないというのが二七・二%という数字でございます。
○馬場富君 いま私が言ったのが通産省の調査の結果でございますが、対象となる企業が特に中小企業が多いわけですが、現在の経営状況あるいは業界の動向から工場移転を行う状況ではないと、こういう反応をはっきりと示しておると。そうすると、先ほど通産大臣が説明になった工業再配置計画の趣旨とは正反対の意向を示しておると、こういうことになると思うんですね。この点、通産大臣の御答弁をお願いします。——大臣に聞いておるんです、大臣に。
○委員長(山内一郎君) まず局長が答えてからやります。
○国務大臣(佐々木義武君) 私はつまびらかでございませんので、局長から説明させます。
○政府委員(島田春樹君) お答え申し上げます。 いま調査の結果で申し上げましたように、確かに多くの企業で現在のところなかなか移転に踏み切れない、移転の考えが少ないというアンケートの結果が出ておるのは事実でございます。四十年代の後半から経済全体の活動が停滞し、投資意欲が低調になってくるという全体の経済の流れの中で、やはり企業としても投資態度が慎重になるというところからこういう状況に相なっておるわけでございますが、一方、最近におきましては経済環境のやや好転に伴いまして、五十二年を底にいたしましてやや立地動向が、何といいますか、立地意向というのがやや強まる兆しを見せておるわけでございます。工配計画と申しますのは全体としてのバランスをとった国土の均衡ある発展を図るという観点から、できるだけその場合に過疎地域に工場を持っていって均衡のある発展を図りたいという考え方で施策を講じておるわけでございますから、できるだけそういった立地の場合に、そういった地域の立地というのを促進する施策を講じまして、工配計画のラインに沿って実現を図っていきたいと考えている次第でございます。
○馬場富君 それでは、その計画の中で、過去五年の工業再配置の計画の中で補助金及び跡地見返り資金、移転運転資金等の予算と実績の動向を説明してください。
○政府委員(島田春樹君) お答え申し上げます。 工業再配置促進費補助金でございますが、これは誘導地域における企業立地促進のために設けられたものでございまして、五十四年度の予算額が三十九・三億円、五十五年度の予算——今度お願いしている予算案におきましては四十三・六億円というのが計上されてございます。使用状況につきましては、五十三年度実績が五十五・八億円ということでございます。補助金につきましては、五十一年度まで予算額でかなりの繰り越しがなされてきたわけでございますが、先ほど申しましたように、最近における立地動向がやや回復してきたこと、それからわれわれとしてもできるだけ再配置を促進したいということで助成を手厚くしようという考え方をとっておりますので、そういったところから次第に不均衡というのは是正されてきております。 それから、地域振興整備公団の融資事業につきましては、五十四年度の予算事業規模でございますが二百三十億円、五十五年度の予算案の事業規模約二百億円ということでございます。使用実績につきましては五十三年度で百五十六億円ということになっております。これの方につきまして、この貸し付けの融資事業につきましても、過去は景気の後退、それから金融事情が非常に緩んでおったというようなところから予算規模と事業実績の乖離というのが相当大きかったわけでございますが、補助金のところで申しましたように、同じような理由で貸し付け規模の増大というのが今後は期待されるというふうに考えております。
○馬場富君 その説明でいきますと、補助金については繰越金ないしは不用額というのが四十九年からずっと五十三年まで四五%ないし六〇%出ておると、こういうことです。 それから、いまの説明でいきますと、見返り資金と移転運転資金については五〇%以上が毎年使い残しがあったと、こういうことですが、これに対して通産大臣はどう考えていますか。
○国務大臣(佐々木義武君) この種の計画は余り短兵急に見ないで、やはり長く大局的に見て、そうして、おおむねの傾向としてはほぼ目的に沿うて進んでいるということであればまずまずということで進むべきではなかろうかというように私は考えております。
○馬場富君 次に、後の問題がございますから進みますが、工業再配置計画の中で地域振興整備公団が行っております中核工業団地についての概要について説明していただきたいと思います。
○政府委員(島田春樹君) 中核工業団地の概要でございますが、地域振興整備公団では、中核工業団地につきましては現在まで十二の中核工業団地、二千百三十一ヘクタールの造成工事に着手しております。その中で、昨年末までに四団地につきまして分譲を開始しております。ごく最近さらに一団地の分譲を開始いたしたところでございます。 それから、先行して分譲を開始した三団地につきましては、大体四分の一ぐらいがいま売却されておるということでございます。今後ともこの振興公団の努力、それからまた、地元地方公共団体の御協力というようなものを得ましてこの企業誘致の促進というのを図っていきたいと考えておる次第でございます。
○馬場富君 これにつきまして十三団地の中で四団地が公募を開始しておる、こういう状況ですが、この分譲中のいわゆる売れ行きの状況ですが、四団地ともパーセントでひとつ説明していただきたいと思います。
○政府委員(島田春樹君) 団地別に申し上げるのですか。
○馬場富君 はい。
○政府委員(島田春樹君) 米沢が一三・四%、それから勝央が四八・六%、佐賀東部が一四・〇%、これが昨年に売り出したものでございまして、この三つで合計で二四・一%。それから能登はまだつい最近でございますので五・四%ということになっております。
○馬場富君 その中で、移転促進地域から移動された件数はどのくらいありますか。
○政府委員(島田春樹君) お答え申し上げます。 いまの四団地につきましては、移転促進地域から移転をした工場数ですが、米沢が二工場、勝央の六工場が移転促進地域から移転した工場でございます。
○馬場富君 この団地につきましては私どもも現地調査を行いましたが、いま説明のように、その販売の状況等につきましても一割五分ないし二割というような状況のところがほとんどであるという点と、それから、趣旨であるいわゆる首都圏、近畿圏、中京圏、こういうところからの移転はほとんど少ない。こういうことと、現地に私どもが行った結果におきましても、そういう点で確かに遠い、遠隔地で山や丘を開発して開いたところだから、環境としては緑したたる団地ではございますけれども、工場が団地に移転してこないというような工場団地をつくっても本当に意味がないんじゃないか。この点、通産大臣どうでしょうか。
○国務大臣(佐々木義武君) 私は団地の実際を見ておりませんので何とも申し上げられませんけれども、しかし、恐らくはいまの過疎過密を解消しようということでせっかく努力しておりますので、できますれば工場移転を促進できるように、もう少しいろいろ勧誘その他宣伝等をするべきじゃなかろうかという感じがいたします。
○馬場富君 これは計画そのものがかつて四十六、七年高度経済成長当時の計画からこれは出発しております。そして、いわゆる移転地域が中京圏、近畿圏、関東圏と、そういう東京、大阪、名古屋を中心とした地域に限定されて、しかも、その移転受け入れ地域は北海道だとか、そういう遠い地方ばかりに焦点を置いておると、こういうような状況の中で、この計画そのものがいまの経済状況から言って非常に問題があるわけなんです。それをいまずっと私は質問の中で聞いたわけですけれども、そういうことが数字の中からも判明しています。そういう点で、これはやはり現在の立場からもう一遍これを見直さなきゃならぬじゃないかという点をひしひしと感ずるわけでございますが、これについて通産大臣と総理の答弁をお願いいたします。
○国務大臣(佐々木義武君) せっかく御調査くださいましてありがたい御指摘でございますから、御指摘を踏まえましてよく検討さしてみたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) 工業再配置計画でございますが、これは昭和五十二年の七月に策定されたものと承知いたしております。これは昭和六十年を目標年といたしまして、配置の目標、移転の目標、誘導地域における工場新設の目標、環境上の配慮事項等について指針を示しておりますけれども、これまでの実績によりますと、おおむね指針の範囲内で推移しておると聞いております。政府といたしましては、今後とも過密地域からの工場の分散を推進すべきであると考えておりまして、御指摘の点も十分考えながらその推進に当たりたいと考えております。
○馬場富君 行管庁長官に、この地域振興整備公団につきましては、五十五年のやはりこの行革の中で、一つは合理化の点が挙げられておりますが、この内容について説明していただきたいと思います。
○国務大臣(宇野宗佑君) 五十五年行革に地域振興事業団も内容の合理化、要員の縮減を挙げました。これは、いま御指摘のとおり、三部門に分かれて工業再配置あるいは産炭地振興、地方開発をやっておりますが、時代の推移、特に不況の影響等々もございますから、内容的に検討をし、合理化を進めてもらいたいということであります。 詳細にわたりましては政府委員から説明をさせます。
○政府委員(加地夏雄君) ただいま長官から御答弁申し上げたとおりでございますが、御承知のように、今回の特殊法人の改革につきましては、十八法人の統合のほかに、この振興公団を含めて十四法人を合理化を図った上のその一つでございまして、今回、いま申し上げましたような実態に応じまして工配部門につきまして定員の縮減あるいは開発所の廃止、こういうことを内容としたものでございます。
○馬場富君 次に、国債の相場について質問いたします。 高金利の中で債券市場が非常に混乱をしてきております。そういう点で、昨日あたりは多少持ち直しておりますけれども、六・一等の相場の暴落が非常に厳しい。この原因についてお尋ねいたします。
○国務大臣(竹下登君) 御指摘のように、国債市況は最近急速に悪化をいたしておりまして、特に六・一国債は年初来八十三円から八十五円前後で推移しておりましたが、二月中旬以降軟化いたしまして、三月六日には八十円を割りました。そして、三月十二日には七十五円八十銭をつけました。御指摘のように、昨日ちょっと反発いたしております。 この原因は、そもそも物価上昇懸念の強まりや諸外国の金利の上昇等の要因に加えまして、金融引き締め下で短期金利の急騰が生じまして買い総手控えとなった状況下で、金融機関の期末決算——三月でございますから、を迎えたことによります一時的な要因もありまして、非常に商いは薄うございます。が、値下がりが生じたものというふうに理解をいたしております。
○馬場富君 昨年来さみだれ式に国債の値崩れがしておりますけれども、これに対する政府の対策はどのようになされておりますか。
○国務大臣(竹下登君) 対策は、率直に申しまして、こういう高金利時代におきまして国債だけをどうするかということになりますと、言葉は適当であるかどうか別といたしまして、国債エゴイズムみたいな形になって、まあ債券市場全体の問題でございますので、それのみのまあエゴイズムというわけにもまいらないわけでございますけれども、しかし、いわゆる国債整理基金でオペをすることにいたしまして、これは二月二十九日が第一回、それから第二回が三月五日と、そういうふうにやっておるわけであります。 したがって、その状態に応じましてそのようなオペもしなきゃならぬというふうな考え方を持っておりますが、総体的に申しますと債券市場全体の問題でございますので、いわゆるファンダメンタルズの問題であるというふうに理解をいたしております。
○馬場富君 五十三年度末の国債残高と、あわせましてこの残高の中の政府並びに日銀対金融機関、海外その他一般の保有率のパーセントをちょっと教えてもらいたいと思います。
○政府委員(渡辺喜一君) 五十三年度末現在におきまして、政府並びに日本銀行保有の登録債が三〇・八%、それから市中金融機関保有の登録債が四八・六%、その他の登録債が三%という比率でございまして、そのほかに、登録債以外の本券分が一七・六%ございます。これはどこがどういうふうに所有しているかは統計上わからない分でございます。
○馬場富君 その両方の合計の割合は、やはりいまの数字でいきますと、政府・日銀が三〇・八%、その他一般民間保有が六九・三%ということになるわけですけれども、これはちょうどその数字からいきますと、民間保有というのは五十三年度で三十兆余ということになるわけでございますが、国債が一円下がれば三千億の損ということになるわけです。そういう点で、いまのずっと一月から三月までの平均値下がりの長期物の国債は七円平均下がっております。そうしていきますと、約二兆の一般金融機関の保有者の中に損失が起こっておると、こういうことになるわけです。これでは国債の買い気というのが上昇するわけはございません。この点について、見通しを説明していただきたいと思います。
○政府委員(渡辺喜一君) ただいまの国債市況の状況は、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、金融情勢あるいは国際的な関連その他もろもろの観点から、国債その他公社債一般についての値下がりを生じておるわけでございます。基本的にはこういうファンダメンタルズの改善ということに財政金融政策一体となって努めなければならないわけでございますが、国債だけについて申し上げますと、何と申しましても国債の発行量が多過ぎるというところに一番基本があるわけでございますので、私どもといたしましては、五十四年度につきましては補正で一兆二千二百億円の減額をいたしておりますし、五十五年度につきましても当初ベースで前年度比一兆円の減額ということで予算を組んでおるわけでございます。今後とも情勢の推移に応じまして、事情が許すならばできるだけ実行上の国債発行は減額していきたいと、かように考えておるわけでございます。 なお、毎月毎月の発行につきましても、そのときどきの市場の状況等十分配意いたしまして、市場のニーズに合ったような発行条件の設定、発行量というふうなものに配意をいたしまして円滑な消化に努めてまいりたいと、かように考えておるわけでございます。
○馬場富君 いま、大量発行が原因だということを言ったわけですが、やはり、政府が個人消化ということを大きくPRして今日まで持ってきた、そういう立場からも、これに対する圧縮という方向で、大蔵大臣はどのようにこの点考えてみえますか。
○国務大臣(竹下登君) いま局長からも申し上げましたとおり、また委員からの御意見のとおり、国債管理政策はどこに問題があるかということは、まずは発行額が大き過ぎる、これの一語に尽きるわけであります。したがって、政府といたしましては、五十四年度の補正予算でお願いいたしましたように減額をいたしました。今度は当初予算ベースでございますが、一兆円の減額をした。したがって、絶えずそういうことに関心を持ちながら、いま今年度予算を審議していただいておるさなか、補正をしますとか、そういう言葉は使えるものではございませんけれども、絶えずそういうことに対応するだけの姿勢、減額への姿勢を持ち続けていかなければならぬということは委員と同感であります。
○馬場富君 五十五年度の財政収支試算表からでも、六十年度におきましての国債残高と国債費を示していただきたいと思います。
○政府委員(田中敬君) 五十五年度予算ベースで提出いたしました財政収支試算によりますと、六十年度末におきます国債残高予定額は百三十一兆六千億円、利払い、償還その他に要します国債費は十二兆四千六百億円と財政収支試算に示されております。
○馬場富君 いま、なぜ六十年度をお聞きしましたかというと、膨大な額が、一つは六十年度に向かって国債が進んでいくわけでございます。そういう点で、やはりここで私どもが心配するのは、これに対する対策というもののなかなか決め手というのがいまの答弁の中でも見当たらぬ。そういう点で、最近の公共料金等の値上げを初めとした諸物価の高騰から考えていきますと、こういう状況等を見たときに、やはり政府はこの対策にインフレの期待をかけているんじゃないかというふうな疑問が起こるわけです。この点についての大蔵大臣の答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 確かに、その御懸念があろうかということは私にも理解できないわけではありません。しかしながら、財政対応力の回復ばかりではなく、インフレを通じる国民生活の破壊を回避するために、すなわち、本院でも決議されましたところの財政再建を図れということが急務となっておるわけでございますので、これからは、五十五年度は言ってみれば、入るをはかって出るを制するよりも、まず出るを制して、そして入るをはかるは最小限にとどめたわけでございますけれども、本院の決議にも沿って、歳入歳出両面にわたり広く各界各層の意見を聞きながら努力を続けて、いやしくもインフレに期待しているというようなことの批判は断じて避けなければならない、このような決意であります。
○馬場富君 かつて政府が、こういう状況のときに、新価格体制という言葉のもとに調整インフレということがあったわけでございますが、この苦しい状況を見ますと、再度こういうような懸念もあるわけでございますが、この点について大蔵大臣と総理に御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 特に中小企業対策というようなことがそういう体制の際には弱いわけでございますので、中小企業金融等につきましては各般の施策を機動的に展開していきたい。そして、調整インフレなどということは毛頭考えてはならない課題であるというふうに理解をいたしております。
○国務大臣(大平正芳君) 調整インフレというような安易な道を選んでは大変だと考えております。
○馬場富君 この国債値下がりにつきまして、日銀総裁の見解をお尋ねしたいと思います。
○参考人(前川春雄君) 国債価格の値下がりの原因につきましては、先ほど来御答弁ございましたように、物価の情勢、金利の状況等から債券一般に値下がりがございまして、その中でも一部の国債につきまして人気的に行き過ぎて価格が下がっておるというふうに思います。 その原因につきましては、御答弁がございましたように、基本的にはやはり大量発行ということが原因であろうというふうに思っております。国債発行の減額につきましては、私どももかねがね政府に極力圧縮していただくようにお願いをしておるわけでございます。政府当局の非常な御努力で明年度の予算についても減額が図られておりまするが、年度中におきましても、余裕がございましたらばぜひ減額していただきたいというふうに考えております。
○馬場富君 ちょうど日銀総裁も見えますので、ここで、公定歩合のアップについて新聞等で取りざたされておりますが、経済界においても、金利はまだ上がるという、そういう気持ちを解消する意味で、かつての最高金利である九%までは上がるんではないかという予想等がございますが、この点、総裁どうでしょうか。
○参考人(前川春雄君) 金融政策につきましては、昨年初め以来海外からの物価上昇要因が高まりまする中で、そういう上昇が国内要因から増幅されないように、あるいは加速されないようにということで金融の引き締め政策をとってまいりました。 公定歩合につきましても昨年中に三回の引き上げをいたしまして、本年になりまして去る二月の十八日に第四次の公定歩合の引き上げをしたわけでございます。これの効果は、累積的な効果もございまして、金融面の引き締まり感というのは次第に右回まってきておるように思います。 マネーサプライを余り大きくしないようにと、これは前回の第一次石油危機のときからの経験でも、マネーサプライを極力抑制していくことが必要であるというふうに判断をいたしておりまするので、そういう意味で金融引き締め政策をとっておるわけでございます。 現在の物価状況、世界各国物価が上昇しておりまするので、それに対応いたしまして高金利が世界的にびまんしておるわけでございまするが、その背景は、申すまでもなく、物価上昇がなかなかとまらないというところにあるわけでございます。わが国におきまして、いまの物価状況、必ずしも楽観を許しません。今後も十分警戒をしてまいらなければならないというふうに私どもも考えております。 新しい金融施策をとる考えがあるかどうかという点につきましては、もちろん、いままでの金融政策の効果が浸透してまいっておりまするところを十分に注視してまいる必要があるというふうに思っておりまするが、現在新しい施策につきましては全く白紙でございます。
○馬場富君 最後に、金融引き締めと原材料の高騰の中で、中小企業の倒産が特に二月は相当量増加して、そういう点では三月危機と、こういうことが言われておりますが、これに対して二、三月の倒産状況を通産省はどう把握されておりますか。
○政府委員(左近友三郎君) 本年二月の中小企業の倒産は、件数にいたしまして千二百七十件余りでございます。負債金額は大体千九百五十億円ということになっておりまして、いずれも前年同月よりも高いという状態を示しております。また、この三月でございますが、これはわれわれの見通しとして考えますと、毎年この三月は決算期でございますので、一、二月は倒産件数が比較的低く、三月が高まるという傾向がございますので、これについてはわれわれも十分この将来を見てまいりたいと思いますが、金融引き締めというようなことから中小企業の資金繰りも次第に窮屈になっておるという状況もあらわれておりますので、この状態を三月は十分注視いたしまして、必要な場合には必要な対策をとるように考えておるわけでございます。
○馬場富君 特に最近の倒産の動向の中で、その中心が中小企業にしわ寄せが相当来ておるわけでございます。そういう点について、いままでと違った中小企業独自の対策を立てて守らなければ、やはりこの金融のしわ寄せというのは、窓口では選別融資等でどうしても中小企業に来てしまうと、こういうのが実情でございます。そういう点で、これに対する対策を特別考えていただきたい。こういう点で、これについて通産大臣、大蔵大臣、総理大臣に見解をお尋ねいたしまして、質問を終わります。
○政府委員(左近友三郎君) 中小企業の倒産を防止するという意味におきまして、従来とも政府系の中小企業金融機関の特別融資あるいは中小企業信用保険法に基づく特別保証というようなものをやっておりますし、さらに一昨年からは中小企業倒産防止共済制度を開始いたしました。そのほか全国の主要商工会議所に倒産防止相談室というものを置きまして、倒産に瀕する中小企業に個々に親切に御相談にあずかるというようなこともやっておるわけでございます。 この五十五年度の予算につきましては、以上のようなものにつきましてさらに拡充をする予算も組んでおりますし、さらに信用保証の限度の引き上げ等々も計画をいたしております。したがいまして、今後予想される事態に対しましては、この五十五年度の拡充の趣旨を生かしまして十分な対処をいたしてまいりたいというふうに考えております。
○国務大臣(佐々木義武君) 倒産関係に対する対策はただいま御説明したとおりでございますけれども、金融の引き締め等で中小企業に極端なしわ寄せが寄らないように、またそれに対してきめ細かい配慮を払ってまいりたい、こういうふうに考えております。
○国務大臣(竹下登君) 御指摘の中小企業金融の現状を見ますと、相互銀行等中小企業金融専門機関ばかりではなくて、都市銀行等の一般金融機関も引き続き積極的に中小企業金融を行っております等からいたしまして、総じて申しますならば、資金繰りは順調に推移しておるというふうに承知いたしておるところであります。したがって、現在の金融政策によりまして健全な中小企業の金融に支障を生ずる懸念は直ちにはないというようにも考えますが、そのような懸念が持たれた場合は、当局として、実態に合わせてきめの細かい方策を講じていかなければならないというふうに考えております。 中小三機関等への指導等は、先ほど通産省からのお答えがあったと大体等しくいたしております。
○国務大臣(大平正芳君) 内外の経済大変激動期でございまして、技術力、信用力、経営力が十分でない中小企業に対しましては、政府といたしまして、その補強、その向上につきまして十分配慮いたしましてこの難局に十分処していけるように対処してまいりたいと思います。
○委員長(山内一郎君) 前川参考人には、御多忙中のところ、御出席をくださいましてまことにありがとうございました。御退席していただいて結構でございます。 以上で馬場君の総括質疑は終了いたしました。 (拍手) 午前の質疑はこの程度にとどめます。 午後零時五十分から委員会を再開することとし、これにて休憩します。 午前十一時四十七分休憩 —————・————— 午後零時五十一分開会
○委員長(山内一郎君) 予算委員会を再開いたします。 昭和五十五年度総予算三案を一括して議題とし、坂倉藤吾君の総括質疑を行います。坂倉君。
○坂倉藤吾君 五十五年度の予算の社公民の共同修正が衆議院で提出をされました際に、政府回答の中で、環境アセスメント法につきまして関係閣僚協を設置して、そうして法案の提出の調整に当たる、こういう旨の政府回答があったわけでありますが、その後努力が重ねられてきておるというふうに判断をするのですが、その経過につきましてどうなっておるのか、まず環境庁長官の報告を受けたいと思います。
○国務大臣(土屋義彦君) お答え申し上げます。 ただいま先生がお述べになりましたとおり、自民、社公民三党の話し合いの線に沿いまして、三月四日に、閣議におきまして関係閣僚会議を設置することを決めていただきました。続きまして、去る三月十三日に、官房長官を初め関係閣僚の御理解、御協力を賜りまして第一回目の関係閣僚会議を開いていただいたような次第でございます。また一方、三月六日、三月十一日、三月十四日、三回にわたりまして関係各省庁との局長会議を催しまして鋭意調整に当たってまいった次第でございます。今後、私といたしましても、局長会議初め関係閣僚会議等を開いていただきまして、これが一日も早く法案として国会に提出でき得ますように最大限の努力をいたしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○坂倉藤吾君 聞くところによりますと、昨十四日というのが本国会に対する法案の一応の締め切り日だと、こういうふうに伺っておったわけでありますが、この法案提出につきましては、どういう昨日の会議での内容になっておるのでしょうか。論議に上ったのか上らなかったのか、さらには上らせる必要がなかったのか、さらにまた期限が付されておるとすれば、その期限というのはいつなのか、お答えをいただきたいんです。
○国務大臣(伊東正義君) お答えを申し上げます。 いま環境庁長官からお話がありましたように、十三日に関係閣僚が十四人集まって相談をしたわけでございます。まだ詰める問題が残っておりまして、一応、原則として十四日の閣議で法案の提出を最終的に決めようということになっておりますが、実は、この間も議運に出て御説明申し上げたことがあるんですが、大体十一件ぐらい十四日には間に合わぬ法案があったわけでございます。定年法の問題でございますとか、週休二日制の問題でございますとか、環境アセスメントの問題でございますとか、農地法の問題でございますとか、約十一件まだ調整がつかぬでおくれておりますということを議運でも申し上げたことがあるのでございますが、きのうの閣議におきましては、そういう法案を私から申し上げまして、なるべく早く残った法案も関係者あるいは党との間でも詰めまして、できるだけ早く提出できるように努力をしていただきたいということを各大臣にお願いするということをやったわけでございまして、本問題につきましても、長い間問題であったわけでございますが、関係大臣が全部集まって相談したというのはいままで余りなかったことでございますので、鋭意調整に努力をするということでございます。
○坂倉藤吾君 伊東官房長官を軸にいたしまして大変熱心にお取り組みをいただいているという話はお聞きをしているわけであります。しかし、現実に当初予定の十四日の日に間に合わなかったということは、いまも答弁のありましたように、相当多くの中心的な課題としての問題が残されておる、言うなら未調整部分がきわめて多い、こういうことになろうと思うんですが、そのポイントになる分野というのは一体何なのか、この法案を早くまとめろという指示をなされた総理はその状況についてどう把握をされておるのか、さらにポイントについての決断というものは総理としてどのようにお考えになるのか、お聞かせをいただきたい。
○国務大臣(伊東正義君) お答えを申し上げます。 閣僚会議もやりまして、事務的にも詰めてもらっておるのでございますが、対象事業の範囲の問題でございますとか、基準を設ける場合に基本的な事項をどうやって測定するんだとか、指針とかですね、あるいは地方公共団体の関与の仕方の問題でございますとか、あるいは条例との関係とか、あるいは都市計画法の関係とか、まだ事務的に詰めねばならぬ問題があるわけでございまして、これはやっぱり事務的にちゃんとしておきませんと、これはなかなか上だけで話をしてという問題でもなし、やっぱり事務的にちゃんとしてから案を得たいということで、この間の閣僚会議でも、いま申し上げたようなことを早急に事務的に詰めて、そして随時閣僚協を開いて調整をしていこうということを関係閣僚の間で申し合わせたわけでございまして、最善のひとつ努力をしてみようというつもりでございます。
○国務大臣(大平正芳君) 関係閣僚会議を信頼いたしまして、この会議を通じまして早急に調整ができ上がるように私は期待いたしておるわけでございまして、その推移を見ながら、私といたしましては、必要等がございますならば、この閣僚会議を督促するようにいたしたいと思っております。
○坂倉藤吾君 この問題は五年来の問題でありまして、確かに関係省庁は十八ある、こういうふうになりますから、相当その調整というのは広い範囲だけにむずかしかろうというふうには思いますが、少なくとも今日、十八の各関係省庁がばらばらでは、とてもじゃないけれども不可能だと思わざるを得ません。ごく限られた省庁に集約をされてきておるんだろうというふうに推察をいたしますが、一体、どことどこの省が、何が問題になっておるのか、お話をいただければ。
○国務大臣(伊東正義君) いま先生おっしゃったように、もう長年の問題でございまして、それだけにまた非常にむずかしい問題でございます。 座長を一回やりまして各大臣の御意見も伺っておるわけでございますが、確かにむずかしい問題がございますが、何とかして調整をしたいと思って努力しているわけでございまして、いま主な問題点は先ほど申し上げましたが、どの省がどうだということじゃなくて、閣僚協の中で誠心誠意ひとつやってみますので、どうかもうしばらくお待ちを願いたいと思います。
○坂倉藤吾君 それじゃ、私の方からお聞きをしますが、通産省はどういうところに問題ありとしておるんでしょうか。さらに建設省はどうですか。運輸省、農水省、国土庁、資源エネルギー庁、それぞれの庁の問題をひとつ明らかにしてもらいたい。
○国務大臣(佐々木義武君) 通産省といたしましては、環境アセスメントの実施が円滑に行われるような法案にするのが必要だという考えから、ただいま協議を行っているところでございます。
○国務大臣(渡辺栄一君) お答えします。 いま官房長官がお話をされたような経緯でございますが、私ども建設省としましては、すでに本四架橋あるいは高速道路、あるいは宅地開発等につきまして環境調査を実施しておるわけでございますから、また今後、事業を実施するにいたしましては、関係機関の御理解、御協力がなければ円滑な実施はできないわけでありますから、今回の環境アセスメント法案につきましては前向きに対処いたしておるつもりでございます。ただ、その実施に当たりまして、いたずらな混乱あるいは停滞が起きるということでは大変混乱をいたすわけでありますので、そういう意味におきましては、法制に当たりましては、合理化あるいは現実性にかんがみまして、現制度との調整を十分に図っていただきたいということをお願いしておりまして、ただいま鋭意事務的に詰めておる段階でございます。したがいまして、その事務的な調整を見ながら、閣僚会議におきましてなるべく早くこれらの成案を得るように努力をいたしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○国務大臣(園田清充君) お答えをいたしますが、私どもは三全総を進めていく立場から、同時に、過密過疎を解消していくというたてまえから、必然的にかなりの強い実は関心を持っておるわけでございます。
○坂倉藤吾君 関心じゃ困るんだ。
○国務大臣(園田清充君) ただ、この中には、三全総の中には、いまお困りだということでございますけれども、私ども、効果的な環境影響評価を実施するための制度等の体制の整備を図る必要があるということを明確にうたっておりますので、ある意味では環境庁と同じ立場に立った姿で問題を詰めきしておると申し上げてよろしかろうと思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) 農林水産省といたしましては、基本的に異存はないのでございますが、現在、農林水産業の振興との調和という観点から調整を環境庁とやっておる最中でございます。
○国務大臣(野呂恭一君) 特に厚生省としては問題はございませんが、事業者が作成いたしました環境影響評価準備書に対しまして、環境庁長官が主務大臣に意見を述べるという制度が盛り込まれておりますが、これに対して厚生省は異論はございません。ただ問題は、この法案におきまして、廃棄物の最終処理施設の新設と港湾などの海面埋め立て事業との間におきまして、二重の手続が要るのではないかというふうな規定に相なりますので、この点につきましては、現在事務レベルで調整をいたしておるわけでございます。
○国務大臣(地崎宇三郎君) 運輸省といたしましては、空港、港湾、新幹線等、環境に対して重大な関心を持っておるものでございますが、現在、環境庁と詰めておりますことは、地方公共団体の関与のあり方、免許等処分手続とアセスメント手続の関係等について詰めておるところでございます。
○坂倉藤吾君 いまずっとお聞きをいたしましたが、聞きましただけでも大変重大な問題であるにもかかわらず具体的に何も責任者が掌握をされてない、こういう感じを率直に言って私は受けました。そんなことで果たして煮詰まるものが煮詰まっていくんだろうか、こういう危倶を持たざるを得ません。私は、きちっと今日の問題点について、一体何なのか、整理をして構えてもらわなければいかぬだろう、こういうふうに申し上げておきたいと思います。 次に移っていきますが、この環境庁の任務の問題につきまして、設置法第三条は、「公害の防止、」、それから「自然環境の保護及び整備その他環境の保全を図り、国民の健康で文化的な生活の確保に寄与するため、環境の保全に関する行政を総合的に推進することをその主たる任務とする。」と。これが設置法第三条。ところが、この第三条を受けて第四条の中でその権限等を具体化をしておるわけですが、環境保全に関する基本政策の企画、立案、推進の権限、さらには、関係行政機関の環境保全に関する事務の総合調整の権限、これなどが具体化をされておる。しかし、聞くところによりますと、与党の中で、むしろこの権限付与の第二項目、いわゆる意見調整というふうに置きかえて、それぞれの関係省庁の間で異論がある場合にその意見の調整をするのが環境庁の任務ではないか、こういうすりかえ論議を当然、堂々とやっておる、こういうところがあるわけであります。私は、これはきわめて重大な問題であろうと思いますし、今日、アセスの法案を成立をさせようとして鋭意努力している環境庁に対する各責任者の協力というのは一体どうなっておるんだろうか、きわめて疑いを持たざるを得ませんが、総理は、そうした状況を含めて環境庁の性格、いま私が申し上げましたようなたとえば与党の論議、これがあるとすれば、一体それにどう判断をされますのか、お聞きをしたい。
○国務大臣(伊東正義君) お答え申し上げます。 いま先生のおっしゃいました党の中の論議というのは、私は詳細に存じ上げないのでございますが、今度のアセスメント法案をめぐりましても、やはりこれはいま先生のおっしゃったような設置法の目的に沿うたものにすべきだと思いまして、私どもも環境庁と協力してそれが行われるように、まとまるようにということに努力しているわけでございますので、その点は内閣としましてはそういう考え方でいま取り組んでいるということをお答え申し上げます。
○坂倉藤吾君 一般的に総論としての問題点は、実は環境庁の企画調整局から問答形式で出されている書類の中におおむね集約をされる、こういうふうに考えるわけですが、この資料によりますと、問いの一が環境影響評価の法制度化については時期尚早ではないか、二つ目がこの法制度化よりもまず公害健康被害補償制度の見直しをすべきじゃないか、わが国の環境影響評価の過程への適正な住民参加を期待するにはまだその社会的基盤は成熟していないのではないか等々、大体問答にして八問あるわけです。これは具体的に消化をされておるんでしょうか。
○政府委員(金子太郎君) ただいまの資料は、昨年の秋以来、産業界にアセスメント法案に対する消極的な意見が強かったものですから、そういう御意見に対して私どもの考え方を明らかにするために配付し、説明をしたものでございますが、残念ながら産業界の方ではそれについて十分に御理解いただくということにはならなかったものでございます。
○坂倉藤吾君 これは政府間の具体的な煮詰めの問題に該当しませんか。
○政府委員(金子太郎君) これは全く産業界に御理解いただくためにつくったものでございまして、政府間のものではございません。
○坂倉藤吾君 通産大臣にお尋ねをいたしますが、通産省は環境庁の法案骨子に対して、通産省としての検討をした立場を踏まえて環境庁に質問が出されているというふうにお聞きをしますが、どういう内容の質問をされておるんでしょうか。
○国務大臣(佐々木義武君) 環境庁の方から官庁の慣例に従いまして、法案を出す前には関係各省に丹念に内容を説明いたしまして、それを聴取した上で、関係官庁ではそれぞれ問題点あるいは質問事項等を出し、それに対してまた環境庁から答えを出してというふうにだんだん詰めていくものでございます。これは申すまでもないことでございますが、そういう意味で、長い間説明を聞き、こちらからも質問を出して、相手の方からも回答が来たというふうな、いまやりとりをしておる最中のように聞いてございます。
○坂倉藤吾君 それで、環境庁長官にお聞きをいたしますが、やりとりの中で環境庁の当初の法案に対する考え方というのは変化をしていくんでしょうか。
○国務大臣(土屋義彦君) お答え申し上げます。 環境庁といたしましては、昨年の四月の十日に中央公害対策審議会から速やかに法制度化すべきであるという答申をいただいておりまして、その線に沿うべく鋭意関係省庁と折衝をいたしておるような次第でございます。
○坂倉藤吾君 いままでの答弁を聞きますと、昨年の情勢とほとんど進んでいない。進んでいるのは、大平総理が法案提出に向かって努力せよという、いわゆる促しを行われたこと、それから衆議院におきます予算審議の過程でそのことが公にされたこと、そして閣僚協が設置をされて、伊東官房長官が座長になって大変御苦労されていること、その辺は進んでおりますが、内容的に全然進んでない、こういうふうに見ざるを得ませんが、その辺の私の判断はこれは取り越し苦労でしょうか。
○国務大臣(伊東正義君) お答えを申し上げます。 いまの御質問の点でございますが、総理から、これは最善の努力をしろと、こういう指示をいただきまして、また、自民党と三党との申し合わせでも、閣僚協をつくって提出の調整に当たれということでございますので、閣僚協を設置しまして会合をやったわけでございまして、いままでこういうことは一回もなかったわけでございます。それで、この前やりまして、いろいろな御意見が出たわけでございまして、それを集約しまして、またいま事務的に詰めているということでございまして、恐らく来週中にもまた閣僚協を開こうということになろうかと思うわけでございますが、私どもは、問題を各大臣が皆はっきり認識していただいて、そういう閣僚協の場でまた議論してもらって、それで詰めていくということで何とか政府の案というものをひとつつくりたいということでやってるわけでございまして、私どもはいままでよりはその点は大分歩き出して進んでいるというふうに考えております。
○坂倉藤吾君 ここで、参考人として御出席いただきました山村さんにお願いをいたしたいんですが、本日は勝手を言いまして、遠路、御多忙のところを御出席いただきまして、ありがとうございます。 山村参考人は、長らく日本弁護士連合会の環境法部会長を務めておられますし、アセスメントに関しては、国民の生命と健康、さらには権利の立場から、貴重な体験と御意見をお持ちであろうと、こういうふうにお聞きをいたしておりますので、特に法制化に当たって、その法制度の中に欠かすことのできない骨組みといいますか、その柱といいますか、これをひとつ中心にして参考御意見をお聞かせをいただきたい。
○参考人(山村恒年君) 山村でございます。 まず最初に、簡単に環境アセスメントの基本的な発想と、そういうものから始めまして、先ほど御質問ございました、どうしてもこういうことは盛り込むべきではなかろうかという点について説明をさしていただきたいと、こう思っております。 環境アセスメントの最初の環境という字を取りまして、アセスメントというのはどういうことなのかということをまず御説明さしていただきますと、アセスメントだけを考えますと、これはある政策なり目標を達成するために最も合理的な意思決定をする一つのプロセスのことをアセスメントとわれわれは呼んでおります。 その施策といたしましては、方法といたしましては、まずいろいろな代替案を考えまして、それぞれについての予測、評価を行いまして、それぞれのメリット、デメリットを分析いたしまして、さらにそれぞれの代替案ごとのメリット、デメリットを比較した上で、最も適切な意思決定を選択する、こういうふうなのを合理的な意思決定の方法としてのアセスメントと、こういうふうに考えております。したがいまして、これは環境だけに限定される手法ではございませんで、たとえば企業が経営をするときの経営アセスメントもこういうふうな方法で行われます。さらには、われわれが人生を送る場合におきましても、人生の中でいろんな意思決定をするについて、自分の生涯において、どういう意思決定が最もベストな意思決定であるかということを考える場合にも、人生アセスメントというふうなものも考えられるわけでございます。したがって、こういうふうな中立的な意思決定の方法を環境保全のために使おうというのが環境アセスメントである、こういうふうに理解しておりますし、現にアメリカで行われておりますところの環境アセスメントもこういう発想方法に立って行われておるわけでございます。 したがいまして、このアセスメントはどういう方法がいいのかというのは、実はアメリカでは行政管理学あるいは経営管理学の分野におきましていろいろと研究され発達してきたわけでございます。したがって、アメリカにおきまして現在行われております環境アセスメントの発想方法の一番基本的な考え方と申しますのは、昨年度ノーベル経済学賞を受賞されたH・A・サイモン氏、この方は現在アメリカにおける経営学会の会長をされておられる方でございますが、この人の考え方の原理というものがアメリカにおける環境アセスメントの一つの考え方の基本をなしておる、そう考えていいのではないかと思っております。 それでは、行政を行う場合に、あるいは事業を実施する場合になぜアセスメントが必要かということになりますと、その点につきましては、これは組織——行政とか企業とかいう組織が意思決定を行う場合には、それぞれの組織特有の病理現象というものがございます。これはたとえば、一番典型的なのが縦割り行政というふうなのが一つの病理現象として挙げられておるわけでございますが、こういう病理現象を治療して合理的な意思決定を担保するというのがどうしても必要なわけでございまして、環境アセスメントにおきましても、いわゆる環境のことを余り考えずにそれぞれの開発計画なりを立てていくというのは、やはり縦割り行政というふうな、そのほかのもろもろの組織の病理現象から出てくるわけでございまして、そういうものを是正するために総合的な意思決定の治療対策といたしましてアセスメントが必要なわけでございます。 ただ、このような組織の病理現象を治療する方法としましては二つぐらい考えられるわけでございますが、一つは、根本的にその病気が起こってくるところの体質そのものを改善するというふうなアセスメントのシステムと、単に対症療法として痛みどめの薬を与えるというふうな治療方法とがあるわけでございますが、どうも現在わが国の政府サイドで考えられておりますところのアセスメントの法案を拝見いたしますと、やはりその後者のいわゆる痛みどめの薬を与えるような対症的治療方法というふうな感じがしてならないわけでございますが、やはり環境アセスメントの場合には有効で適切な環境政策というものがまず与えられて、そしてそれに基づいて環境に影響を与える行為を行おうとする者に環境の質の価値を尊重させ、本気になってそれに対する悪影響を回復するための措置をとらせるような制度を確立することであります。このためには現在の縦割りの意思決定というものを是正するために総合的に各行政官庁との間の意見調整なり、あるいは広く住民の意見を聴取いたしまして、いわゆる非常に多くの情報なり意思決定というものをその中にインプットいたしまして、その中から最もベストな、環境にとって適切な意思決定を確保するというのが環境アセスメントではなかろうかと思うわけでございます。 そういう観点からやはり環境アセスメントの重要なあり方を列挙いたしますと、まずその環境の範囲でございますが、この環境の範囲を典型七公害あるいは一部の自然保護だけに限定すべきではなく、もっと生態系の保全を含んだ広範囲な環境というものを保護法益とするようなシステムを考えることがまず大事かと思うわけでございます。 第二番目には、意思決定の法理からいたしますと、幾つかの代替案というものを考えることを義務づけるということが必要ではなかろうかと思います。たとえば企業の経営アセスメントにおきましては、ある新製品を開発するときに二千四百種類ぐらいの代替案を検討して、その中からベストな製品を開発するというふうな手法が行われております。現在の政府関係の案にはこの代替案の検討というのが義務づけられてないというところが一つは問題ではなかろうかと思うわけでございます。 それからその次にやはり重要なのは、住民の意見を広く取り入れるということでございます。これは環境庁案にもありましたように、情報提供、参加という観点から現在のアセスメントのたたき台と申しますのはできておるわけでございますが、情報提供、参加という観点から見ますと、この情報の範囲は広ければ広いほどいいわけでございます。たくさんの情報の中からきらっと光るような玉のような情報を選び出すためには住民の範囲を限定することはこれはおかしいのではなかろうか、こういうふうに考える次第でございます。 さらに、現在のわが国で考えられておりますところのアセスメントは実はアセスメントではなくて、公害基準の事前合格テストと申していいのではなかろうかと思います。これはそういう観点から見ますと、アメリカの場合には単なる環境基準なり排出基準に合格すればいいというふうなテストではなくて、先ほど言ったようなよりよい意思決定をするというところにポイントがあるわけでございまして、やはり環境アセスメントは公害基準の合格テストだけではだめだというふうに考えられます。そのためには環境に対する価値というものをできるだけ定量的に、たとえばお金に換算すれば海は一坪百万円とか一千万円になるとかいうふうな観点をできるだけ工夫して、環境の価値を配慮して、それによってメリットとデメリットというものを比較考量いたしまして、できるだけ環境の価値というものを守っていく。そして重要なことは、われわれの現在生きている世代だけの者がこの環境を食いつぶしてしまって、これから生まれてくる世代の人たちが使えなくなってしまうようなことを避けるということが一番重要ではなかろうかと思うわけでございます。これは企業についても当てはまることでございまして、現在の企業の経営者が自分の世代の重役の時代にだけ利益を上げてしまって、後続の重役の人たちが利益を上げられなくなってしまうというふうなことでは、企業生命としては適切でないわけでございます。したがって、環境の資源というものは平等に将来の世代に向かって保存しておくべきであるという観点から環境アセスメントは行われなければいけないのではなかろうかというふうに考えております。 そういう観点から、総合的な意思決定としての環境を配慮し、住民の意見をよりよく取り入れて、各省庁間の合理的な調整を図った上での環境を配慮した行政を行うために環境アセスメントが必要ではなかろうか、そういうふうに考えておる次第でございます。 なお、その他細かい問題点がございましたら、後ほどの質問の際に詳しくお答えしたい、こう思っております。
○坂倉藤吾君 いまお述べをいただきました意見の中でも明らかなように、住民の範囲の限定の問題だとか、あるいは参加の手法の問題だとか、あるいはそれらの評価を求めるに当たってのいわゆる幾つかの計画、試案だとか、幾つか重要な課題が、当然これが準備をされなければならぬ、こうなっておるんですが、こうした骨組みに対して各省庁の中で異論をお持ちのところがあるんでしょうか。これは官房長官、おわかりでしたら御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(伊東正義君) お答え申し上げます。 いま、参加する住民の範囲の問題でございますとか、あるいは環境というものは次代の人類のことまで考えておかなきゃいかぬとか、いろいろなお話があったわけでございますが、いま議論をしております中に、やっぱり住民の範囲等につきましてどこまでが関係の住民かとか、そういう議論があることは確かでございます。そういうような問題に触れまして事務的にいま討議をしているというところでございます。
○坂倉藤吾君 たとえば住民の範囲の問題等につきまして、実は他の法律をずっと調べてみましたら、どこにも住民の範囲を限定するような法律というのはどうも見当たりません。ただ、地方自治法の二百四十四条の二項に「住民」という言葉が出てくるわけなんですが、この辺は、このアセスの法をつくるに当たって環境庁はどのようにお考えになっているんでしょうか。
○政府委員(金子太郎君) 事業者の出しました環境影響準備書の内容について意見を提出できる住民の範囲は関係地域住民、こういうことにいたしております。
○坂倉藤吾君 その関係がよくわからぬのです。
○政府委員(金子太郎君) 環境に著しい影響の及ぶ地域をまず第一義的にとらえまして、その地域に入ってくる市町村、この市町村に住所を有する者、これが関係地域住民であるというふうに考えております。
○坂倉藤吾君 そうすると、たとえば原子力発電所等の事故が発生をしたとしたときに影響を与えるところのものは関係住民、その場合、これでいいんですか。
○政府委員(金子太郎君) 先生御承知のとおり、原子力関係は原則としてわが国の環境法の体系の法域外になっておりますが、たとえば火力発電所等の場合でございますと、その発電所の排出する煙とか温排水とかいうものが影響する範囲の相当地域、こういうところに住んでいる住民、こういうことだと思います。
○坂倉藤吾君 これは二月十四日付で経団連から私あてに「「環境影響評価制度の立法化問題について」の意見」ということで送付をされてきております中に、適正な住民参加が期待できない、こういう表現や、同時に、「「反対のための反対」運動」、こういう表現、大変私は穏当を欠く表現だと思いますが、こういう文書が参っています。この文書等から見ましても、住民の範囲というのはきわめて私は重要な問題点であろうと思うんです。その重要な問題点等について漠然とした形の中で論議をされておったのでは、これはお話にならぬと思うんです。むしろ住民というのは、このアセスにおいてはとりわけ限定をしないんなら限定をしないという立場をきちっと明らかにして論議をすべきではないか、こういうふうに思うんですが、その辺は、これまた官房長官にちょっと、どうでしょう。
○国務大臣(伊東正義君) どうもお名指しでございますからあれでございますが、まだ実は政府の案というのは決まっていないわけでございます。これから政府の案をつくろうということでやっておりますので、いま先生、ここで環境庁の案はどうだ、どこはどうだ、こう言われますと、これから調整してまいるに非常に都合が悪いことも起きてくるおそれがありますので、いま政府の案が決まりましたらひとつ御批判をいただきたい。御意見は御意見として十分承っておきます。
○坂倉藤吾君 そういうふうに言っていただきますと話が非常に早く行くのでありまして、先ほど参考人の方からも意見を述べていただきましたように、私どもとしても、三月十一日の日に社公民三党が共同で法案に関しての申し入れを土屋環境庁長官にいたしたわけでありますし、その際、とりわけ日本社会党としては文書でどうしても欠くことのできない要素として八点の申し入れをいたしたわけであります。これは関係閣僚会議に報告をされたというふうに私は聞いておるわけでありますが、ぜひひとつ総理の耳にも入れていただいて、法案提出に当たって必ず盛り込んでいただくようにひとつ約束をいただきたい、こう思うんです。
○国務大臣(土屋義彦君) お答え申し上げます。 ただいま先生がお述べになりました三党並びに社会党の方から文書をもって申し入れのございました点につきましては、さきの第一回関係閣僚会議におきましても私から報告をいたしておるところでございます。先生のおっしゃることはよく私なりに理解ができるのでございますが、いざ、これを実際に法案にするということになると非常に厳しい面もあるかと思いますが、大変貴重なものと考えますので、私といたしましても一生懸命勉強さしていただきたいと思います。
○坂倉藤吾君 この種の答弁を環境庁長官がしなければならぬところにどうも問題がありそうであります。 これは、とりわけ意見として申し上げておきますが、耳に入ってきます情報からは、環境庁長官がどうもいい子になっているんじゃないか、先走ってもらっては困ると言って足を引っ張っている閥僚が非常に多いというふうに聞いておる。これではせっかくの提出をしようとしている決意がどうにもならぬことになるわけでありますから、そういう不謹慎なことのないように、ぜひひとつがんばってもらいたいと思います。いかがでしょうか。
○国務大臣(伊東正義君) お答え申し上げます。 御意見よくわかります。それで、閣僚会議をつくりましたのは、みんなで合意をしてやっていこうじゃないかということでございますので、おっしゃるようなことは十分注意して内閣として取り組んでまいりたいと思っております。
○委員長(山内一郎君) 山村参考人には、御多忙中のところ御出席をくださいまして、まことにありがとうございました。後退席していただいて結構でございます。
○坂倉藤吾君 次に、下水道の関係に移りたいと思いますが、下水道の今日の整備状況、これは公共下水道、流域下水道、都市下水路の三区分に従って概況をお聞かせをいただきたいと思います。
○政府委員(升本達夫君) お答えいたします。 公共下水道の整備水準は、総人口普及率、総人口に対します処理人口の割合でございますが、この普及率であらわしますと、昭和五十三年度末におきまして二七%となっております。流域下水道につきましては、現在整備に着手いたしております個所数で申し上げまして、昭和五十三年度における事業実施個所数六十二カ所、このうち供用開始、すでに処理を開始しております個所数は十六カ所となっております。都市下水路につきましては、雨水の排除を目的とする施設でございますので、主として公共下水道計画区域外の浸水防除対策として実施されておりまして、整備水準という形で申し上げるのは困難でございますけれども、昭和五十三年度末までに整備を完了した都市下水路の個所数は千百五十六カ所となっております。
○坂倉藤吾君 いまのその進捗状況というのは、当初計画から見て順当なんでしょうか。
○政府委員(升本達夫君) 下水道の先ほどの総人口普及率で申し上げますと、ただいま実施をいたしております昭和五十一年から五十五年度にかけましての第四次下水道整備五カ年計画におきまして、最終年度でございます五十五年度末に四〇%の普及率を目途といたしておりましたところ、現在までのところ、先ほど申し上げましたような数字にとどまっておりまして、五十五年度の予算執行後の五十五年度末において想定されます普及率で見ましても約三〇%という形にとどまる見込みでございます。
○坂倉藤吾君 そのおくれておる最大の原因というのはどこにあるのか、把握をされておりますか。
○政府委員(升本達夫君) 一般的には、当初予定されておりました事業費に対して、それに相応する事業量が結果として伸びにくかった。まあ物価の問題等もございます。そのほか、具体の個所に関して申し上げますと、やはり終末処理場の場所の確保ということにかなり手間を取っておりまして、その関係で事業の進行がおくれているところもございます。ほぼそのような状況にございます。
○坂倉藤吾君 下水道法の第二条の二の一項の都道府県が定めます流域別下水道整備総合計画というのは、全国的にもう提出されておるんでしょうか。
○政府委員(升本達夫君) 御指摘の流域別下水道整備総合計画は、御承知のように、河川等の公共水域につきまして、水質環境基準の達成を図りますために所要の下水道の整備計画を水系ごとに調査し計画を立てるという趣旨の計画でございまして、できるだけ多くの水系ごとにその計画が樹立されることが望ましいわけでございますので、現在着手できる限りのところに着手をいたしております。現在のところ、百四十九カ所について何らかの形で調査に入っております。
○坂倉藤吾君 第二条の二の四項によりますと、これは建設大臣が整備総合計画については承認をして、そうして事業実施に移っていくことになるわけですが、いまの答弁からいくと百四十九カ所、これは全国的に見て何%になるんでしょうか。
○政府委員(升本達夫君) 現在の段階で計画を立案を予定しております対象個所数は百七十カ所でございます。そのうち、先ほど申し上げました数について着手をいたしておるということでございます。
○坂倉藤吾君 質問に答えてもらいたいんですがね。流域別、しかも公有水面にかかわるところについては区域を設けて、その関係のところがそれぞれ協議をして計画を立てると、こうなっているんでしょう。これは全国周辺全部なんですよ。そのうちの先ほど言われました百四十九カ所というのは何%に当たるんですかと、こう聞いているんです。
○政府委員(升本達夫君) 先ほど百七十というふうに申し上げましたのは修正をさしていただきます。恐縮でございますが、三百七十カ所を予定をいたしております。三百七十カ所の個所数に対しまして百四十九に現在計画着手をいたしております。 それから、パーセンテージとおっしゃいましたけれども、個所数で申し上げますと三百七十分の百四十九でございますが、対象の地域は水系ごとに下水道整備で手をつけなければならない範囲を拾っておりますので、全国に対する面積的なパーセンテージは直ちにはお答えできないと思います。
○坂倉藤吾君 押し問答をしてもしようがありませんからやめますが、必要なところが区切られて、そしてそれを個所に設置をしたときに三百七十なら三百七十でいいんです。それなら三百七十のうちの百七十がもうすでに計画が完了してますよと、それは何%ですと、こう答弁すればいいんじゃないですか。 問題は、計画がなかなか進んでない。進んでないのは、どうも答弁を鈍らしておるようでありますが、ちらっと出ましたように、特に終末処理場建設をめぐってということになっておりますが、問題は、流域下水道という大規模計画がゆえに、とりわけ終末処理場に問題が集約をされてきて、そこでの低民の納得が得られない。ここに下水道計画がなかなか進捗をしていかない最大の問題があるんじゃないでしょうか。これは建設大臣、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(渡辺栄一君) お答えいたします。 私ども、下水道整備は非常に必要な施策でございますから、全力を挙げて進めておるわけでございますが、お話しの流域下水道は御承知のとおりでありますが、二つ以上の市町村の区域にわたる下水道は根幹的な部分を一体として整備するということになっておりまして、下水道計画を単独の公共下水道にするか、あるいは流域下水道にするかということにつきましては、地域の地形的な条件あるいは市街地の配置状況、これらを勘案いたしまして、慎重に決めておりまして、むやみに流域下水道をやろうということはもちろん考えておりません。 特に、流域下水道は流域下水道を利用する関係市町村の下水道整備を促進し、また、その水域の水質保全が一体的になるという利点がございます。もう一つは、単位処理水道当たりの建設コストが、あるいはまた維持管理コストが軽減できるということも利点であると考えております。もう一点、処理場を集約化することによりまして、非常に不足をしております有能な維持管理技術者の確保ということも容易になるのではないかと。これらのメリットを私どもは認識いたしておりますけれども、これらは地域の実情を十分踏まえまして、公共用水域の水質汚濁の防止、また、下水道整備の効率等から見まして効果的であるというふうに判断をいたしました場合に流域下水道を計画し、実施をいたしておるわけでございます。 建設省としましては、定住基盤の整備を推進すると同時に、また、総量規制等に対応するために下水道の着実な整備を推進いたしてまいりたいと考えておりますが、今後とも地域の状況あるいは下水道整備によりまする水質保全効果等を総合的に勘案いたしまして、最も適切な下水道計画を定めてまいるという方針のもとに効果的な事業実施に努めてまいりたいと思っておりまして、流域下水道の実施につきましては十分な検討をいたしまして進めておるつもりでございます。
○坂倉藤吾君 進める基本方針は、いま大臣御答弁がありましたように、流域下水道のメリットを重視をして、これを中心にしている、こういうことであろうと思うんですが、現実にはその計画が全国各地で破綻を来している。今日、その流域下水道計画に参加をしておる市町村が、いつまでたっても完了しないということで、参加費や分担金は取られたけれどもいつになってでき上がるかわからぬということで、脱退の傾向が続いている、こういう現実をどうお考えになりますか。
○政府委員(升本達夫君) ただいまおただしの問題の事業個所があるのではないかという御指摘でございますけれども、五十四年度末まで行いまして、全国事業実施個所六十六カ所の流域下水道、実施個所でございますが、このうち、反対運動が現に生じております個所は九カ所でございます。九カ所のうち、現実に事業の進行が滞っております状態のものは六カ所でございます。 それから後段の、脱退の状況というおただしでございましたけれども、私ども、いままでのところ、ただいま申し上げました六十六カ所についての下水道実施中の地域につきまして、現実に脱退の市町村が出たということはございません。
○坂倉藤吾君 いま、計画があってなかなか進んでいかない数が九と六というふうに示されましたが、その中にたとえば三重県の北勢沿岸下水道は入っていますか。
○政府委員(升本達夫君) ただいま申し上げました九カ所のうちの一カ所でございます。
○坂倉藤吾君 福島の阿武隈川流域下水道、これは県北と県中とありますが、これはどうですか。
○政府委員(升本達夫君) 阿武隈上流のうち、県北についてはまだ事業計画のスケジュールから実施の段階まで至っておりませんが、県中の処理区につきましては、ただいま申し上げました九カ所のうちの一カ所でございます。
○坂倉藤吾君 長野県の諏訪湖流域下水道はどうなりましたか。昨年の十月の一日に運転を開始いたしましたが、その後どうなっていますか。
○政府委員(升本達夫君) 諏訪湖につきましては、すでに一部供用を開始しておりまして、現在その処理区域の拡張に努力をいたしておる過程にございます。したがいまして、先ほどの九カ所のうちには含まれてございません。
○坂倉藤吾君 いま長野県ではこの諏訪湖流域下水道について計画の見直しが行われておる、こういうふうに私は掌握をしているんですが、その辺はいかがですか。
○政府委員(升本達夫君) 担当課の方におきまして、計画の見直しということについてはいまだ伺っておりません。
○坂倉藤吾君 島根県の宍道湖、愛知県のいわゆる境川、刈谷市、岐阜の長良、これは一体どうなっていますか。
○政府委員(升本達夫君) 宍道湖につきましては、現時点では話し合いがつきまして事業の進行が図られる状態になっておるように聞き及んでおります。 それから愛知県の矢作川、境川並びに岐阜県の木曽川右岸、この二カ所につきましては、先ほど申し上げました九カ所のうちのそれぞれ一カ所でございます。したがいまして、現時点では事業の進行がとどめられているという状況にございます。
○坂倉藤吾君 いま、各地方自治体では流域下水道に対して補助率が公共下水道よりも高い、こういうことで、これによらざるを得ないという財政事情からこの計画に走りがちでありますが、真実は公共下水道で処理をしたい、こういった意見が相当強く出てきておりますが、この傾向については御承知いただいておるのでしょうか、これは大臣。
○国務大臣(渡辺栄一君) お答えいたします。 先ほども私が申し上げましたように、これは地域の事情あるいはそれを取り巻く環境等によりまして非常にまちまちでございますので、必ずしもそのような御意見ばかりではございませんけれども、一部にそういう御意見のあるということは承知をいたしております。
○坂倉藤吾君 私は、本日は技術的、さらには科学的な立場でのこれのよしあしを言うつもりはありませんし、また論議をしてこなかったわけであります。しかし、流域下水道には全国各地域で問題が発生をしている、これは現実であります。したがって、そういう形では私は下水道はなかなか進んでいかないだろう、もっと手っ取り早くこの整備に着手のできるような措置を講じなければならぬだろう、それには法律的に決められております補助率の問題等についても再検討を要する時期になっておるのではないのか、こう考えるのですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(渡辺栄一君) 先ほど来御説明を申し上げておるような現状でございまして、流域下水道も一割程度がいろいろな紛争その他で進行しておらないという事実はございますが、いま鋭意努力をいたしておりまして、その中でも近く解決を見まして前進をいたす予定の個所もあるわけでございます。そういう意味で、流域下水道につきましては特に政治的な配慮からも財政的な援助が多くなっておるわけでございますが、全体として下水道に対しまする国庫補助等につきましては他の公共施設と比較いたしましても遜色のない配慮をいたしておるわけでございますので、私どもは、いろいろな財政の情勢とにらみ合わせてまいらなければなりませんけれども、現在の制度の中でも鋭意努力をいたしまして目的達成に進んでまいりたい、かように考えておりますが、先生のいろいろな御意見につきましては今後とも慎重に検討したいと存じます。
○坂倉藤吾君 問題は、水利用の観点からいきましても、生活水準が進むに当たって、あるいは社会科学がどんどん進むに当たって、なるべく水は細かいサイクルで利用していくということが筋道であろうと思うのです。それを流域にまとめて大きくしているところにそもそも水利用の観点からいっても問題が発生をしやすい。こうした要素を持っているわけでありますから、そうしたところも含めて、地域実態に見合って、しかも地方自治体が財政上でこちらがいいかあちらがいいかというような検討を補助率で、財政上というよりも補助率のいいか悪いかで選択を片方に押しつけられるというような感じを持たれないような措置というものがこれからつくられていかないといけないというふうに私は思います。そのことが水質汚濁防止法のいわゆる水質をよくしていく問題にもきわめて密接にかかわり合ってくる。しかも、これは早期にやらなければならぬ、こういう課題でありますから、ぜひその辺についてもっと重要なポイントとして検討をいただきますようにお願いをいたしたいのですが、お聞き届けいただけますでしょうか、ひとつ最後の決意をお聞きをいたしたいと思います。
○委員長(山内一郎君) 坂倉君、時間が来ました。
○国務大臣(渡辺栄一君) 先ほど来御説明をいたしておりまする現状でございますし、なお今後そのような方針で進みますが、先生の御発言のございましたことにつきましては慎重に私も検討してまいりたいと思います。
○委員長(山内一郎君) 以上で坂倉君の総括質疑は終了しました。(拍手) —————————————
○委員長(山内一郎君) 次に、栗原俊夫君の総括質疑を行います。栗原君。
○栗原俊夫君 私は、食糧問題、またこれに関連する農政問題等について二、三提案を交えつつ若干の質疑を行いたいと思います。 本論に入ります前に、大平内閣の政治のあり方について一、二お尋ねをしたいと思います。 私は、農村へ入る、職場等へ入るというと、大平第二次内閣は難産で生まれた、大変がんばっておるようだけれども、どうも政治をどこを中心にして推し進めておるかもう一つはっきりしない、こういうことをよく言われます。大平内閣がしっかりやっておることは評価されておるようでありますが、何を中心に、何を大黒柱に据えて政治を推進しておるか、ひとつ国民にわかりやすく御説明を願いたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) 第一は、政治の倫理を正して行政の綱紀を正してまいるということを基本にしてやらなければならぬ、これは内閣自身が率先して当たらなければならぬものと心得まして、具体的な方途を立てて各省それぞれ真剣にこれに対処いたしておるところでございます。 第二といたしましては、内外の状況大変むずかしい局面でございます。こういう段階におきましてわが国の国益を守る、人権を守ってまいる、社会の安定、生活の安定を図ってまいるということは至難のわざでございますけれども、それに全力を挙げていかなければなりませんが、それをやる方途といたしましては民主的な手順を丹念に踏んでやってまいるということで、いませっかく苦心をいたしておるところでございます。
○栗原俊夫君 大変一生懸命説明されておるようでありますが、もう一つ私にもわからぬ。聞いておる国民にもどうもわからぬだろうと思うのですが、こういう言い方をしては無理なのですか。人間を一番大事にして政治をやっているのだ、こういうぐあいに集約できないのですか。この辺はどうなんです。
○国務大臣(大平正芳君) 結局においてそういうことに通ずると思います。
○栗原俊夫君 総理はそういう気持ちでおっても、どうもぴたりといかぬというと一般国民にはどこが柱かわからぬ、こういうようなぐあいに受け取られております。 そこで端的にお聞きしますが、私もそうですが、総理も明治末期の人間で古い教育を受け、旧憲法の中で育ったのでありますが、いまの日本では命より大事なものがありますか。どうお考えですか、ひとつお答え願いたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) そうですね、人格の品位とかいうものは命同様に大事だと思います。
○栗原俊夫君 何かわからぬようなお答えですが、私が言うのは、われわれは命より大事なものがあると教わったんですよ、これは。そういう教育を受けて育ってきたんです。しかし、新しい憲法のもとでは、やはり一番命が大事なんじゃないか、こう思うのですが、そういうことをばんと表へ出してその命を守るという政治を展開していく、こういうことを国民によくわかるようにやってもらいたいと思うんですが、この点いかがでしょう。
○国務大臣(大平正芳君) そういう方向で努力します。
○栗原俊夫君 そこで、その一番大事な命を守るには何が必要かということで食糧問題へ話が展開するわけなんですが、命を守るにはいろいろ条件があるけれども、基本的には空気と水と食い物ですね、これ。空気と水と食い物をどれ一つ欠いても一番大事な命は守れないと、こういうことになろうと思いますが、所見はいかがですか。
○国務大臣(大平正芳君) 仰せのとおり、思います。
○栗原俊夫君 命の問題が出ましたので、いま一つ、これは防衛庁長官にお聞きしてみたいと思うんですが、日本の憲法では国際紛争を解決するのに武力は用いないというような第九条の規定があるわけですが、いろいろ論議した結果、とは言っても自衛権はあるんだ、こういう認識のもとにいま自衛隊というものが生まれて、これに対していろいろとアメリカからは増強せいなどという論議が行われておるわけなんですが、そこで自衛権というものは一体何を守る、自衛権というものはある、自衛権で何を守る、それを具体的に国民にわかりやすくひとつ、まず防衛庁長官、そしてこれを受けて総理大臣から取りまとめの答弁をお願いいたしたいと思います。
○国務大臣(細田吉藏君) 自衛権で守りますものは、何と申しましても一番大切なのは国民の生命と財産でございます。そのほか日本の経済を守るとか、いろいろなことがございましょうが、一番基本的なものは国民の生命、財産を他国からの攻撃に対して守るということが自衛権の本旨だろうと思います。
○国務大臣(大平正芳君) 防衛庁長官が申されたとおり心得ております。
○栗原俊夫君 そこで、防衛庁長官にお尋ねするのですが、これはなかなか聞きにくいからだれも聞いたことがないと思うのですが、防衛のために、自衛のために自衛隊ができており、自衛隊員に防衛庁では守るためには命までもという教育をやっておるんですか、おらぬのですか、この辺をひとつ明らかにしてもらいたいと思うのです。
○国務大臣(細田吉藏君) この点につきましては、実は自衛隊法の第五十二条に「(服務の本旨)」というものが定められております。それからもう一カ条、五十三条に「(服務の宣誓)」というものが規定をされておるのでございます。わが国の平和と独立を守り、国の安全を保つことを任務としている自衛隊の隊員の基本的な心構えをこの二つの条文が決めておるのでございますが、この条文の中に、日本の法律ではこれはもう非常に特異な条文だと思うんでございますが、有事に際しては、隊員たる者は身をもってその責務を遂行し、もって国民の負託にこたえるという字句がございます。したがいまして、これは端的に隊員に対しまして国を守るために命を捨ててもという、捨てろというような強制ができるという規定ではございませんけれども、ここまで、身をもってというところまでこういう規定をし、そしてそれを本旨とし、そのやはり「身をもって」という言葉で宣誓をさせておる、ここまでであると思っております。
○栗原俊夫君 総理大臣もひとつ答えてください。
○国務大臣(大平正芳君) いま長官が言われたとおり心得ております。
○栗原俊夫君 自衛隊の問題については、私の所属しておる党としてもいろいろ論議があるところでありますが、たとえどういうことがあろうとなかろうと、これだけお互いの命を守り、財産を守り、生活を守ってくれる国ならば、これが侵されるならばと、こういう形になっていけばきわめて自然だろうと思いますが、いまも言うとおり、命をささげて国を守りという規定はないし、そういう規定はできるはずはないと思うんです、これはわが国では。そういう点でこの論議は短い時間ではとてもでき切れません。以上にとどめます。 そこで、本論の食糧の問題に入っていきたいと思うんですが、世界の人口の今後のふえていく見通し等について、これは食糧の関係は農林水産省だろうと思うんですが、農林水産省でお答えを願いたいと思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) この間FAOが、まだ正式ではございませんが、中間的な一つの報告として出しておるのを見ますと、人口の増加は大体二〇〇〇年には六十億から六十三億ぐらいになるであろう、そうしてそれに対して食糧関係においては現在と比べて大体五割増産をしないと需給均衡がとれないんではないか、こういう中間報告をしておるのを承知をいたしております。
○栗原俊夫君 二〇〇〇年に対するFAOの見通し、二〇〇〇年には五割を増産しなければふえいく人口には間に合わぬ、こういうお話でありますが、人口の方はそうしてふえていく、五割ふえなければ足らぬというのに、実態的にはどんな食糧の供給ができていく見通しであるか、これについては何か展望がございませんか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 大体FAOの報告を見ておりますと、現在においても開発途上国においてはある程度不足ぎみである、今後においてはなお一層、生活の水準が上がっていくということと人口の増加と両方合わせまして不足するであろう、その中身としては、どちらかといえば畜産物関係がふえていくんではなかろうか、こう指摘をされておるようでございます。
○栗原俊夫君 ただいま大臣のお話の中で後進国では不足をしておるらしいふうだという話でありますが、私たちも具体的にはわかりませんけれども、東南アジアあるいはアフリカ等では飢えておる、餓死者まで出ておる、こういうようなことが伝えられてきております。どんな地域でどんな飢餓状況、そうした状態があるのか、わかっておったら御報告を願います。
○政府委員(松浦昭君) お答えを申し上げます。 どのような地域でどの程度ということは定かではございませんが、いわゆる栄養不足人口と言われておる人口は七五年の状態で約四億というのがFAOで発表されている数字でございます。 なお、その地域ではやはり戦乱の地域とか、あるいはアフリカの低開発国地域といったようなところがこのような栄養不足に悩んでいる地域ではないかというふうに考えられます。
○栗原俊夫君 お聞きのように、世界の全体的な食糧の需給関係は決してよくない。私も素人考えで、人口はふえていく、生産手段はこれに伴ってふえていかない、こういうことになれば勢い食糧の需給関係は不足の方向へ進むであろうと、こう思っておったんですが、政府当局からのお話でも、世界の状況はそうだと、こういうお話でございますが、それでは日本の食糧状況は今後どういう展望でございますか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 日本は、私どもまだ二〇〇〇年とあわせて実は出していないんでございますが、いま農政審議会で議論いただいておりますのは十年先、昭和六十五年を目途としてのいま議論をしていただいているわけでございます。六十五年と比較をいたしますと、大体今後人口が〇・八%ぐらい伸びるのではなかろうかと言われているわけでございます。この間、私ども農林水産省で十一月に農政審議会に実は御議論いただくたたき台として出しました試算がございます。この試算では一・一%の食糧の増加と、こういう考え方でございますので、人口の増加率の〇・八%よりはあの試算においても一応食糧の生産の方が高くなる、こういうふうに判断をしていただいて結構かと思います。
○栗原俊夫君 方向としては悪い方向でなくていい方向に進んでいると、こういうお話でございますが、それでは、現時点のわが国における食糧の自給率は一体どうなっておるか。そしてその自給率は六十五年度まで試算なされているようでありますから、どんなぐあいに、向上されていくと言いたいんですが、どうなっていくのかひとつ御報告を願います。
○国務大臣(武藤嘉文君) 大体におきまして、主食関係の食糧自給率は今後とも現水準を維持していきたいと、できればより高い水準に持っていきたいと考えております。どうも残念ながら穀物自給率については現在よりも落ちていく状況でございます。 数字で申し上げますと、いま大体三四%ぐらいでございますが、これが三〇%ぐらいになるのではなかろうかと、こういうことになっておりますが、これはもう先生御承知のとおりで、現在の日本の畜産関係、特に養鶏、養豚関係はほとんど飼料穀物、特にトウモロコシ、マイロなどを原料としたものをえさに使っておるわけでございまして、このえさの価格というものが大体外国から入ってきておるわけでございます。それがトン当たり三万円にもならないというようなことでございまして、もし日本の畜産が将来高いえさでも何でもいいからということになれば別でございますけれども、やはりえさという価格がそういうところでどうしても維持をしなきゃならないとなりますと、日本の現在の農業の実態から申しますと、正直無理だと私は思います。それはなぜかと言えば、アメリカなどは大体トウモロコシをつくっておるところは四百五十ヘクタールぐらいのところでつくっているわけでございまして、日本ではそれだけの耕地面積は幾らこれから努力をしても私はむずかしかろうと。そうすると、どうしたってこういう収益性の低い作物でございますから、よほど耕地の広いところでなければ外国と競争ができないわけでございまして、日本において食生活が多様化してきて、そして畜産関係のやはり需要が今後ともある程度伸びていくと私ども見ておるわけでございまして、その伸びていく分のやはりえさが外国のえさの穀物に依存せざるを得ない以上は、残念ながら穀物の自給率はどうも減退をたどらざるを得ないんではないかと、こういう考え方を持っておるわけでございます。
○栗原俊夫君 食糧というものは、御承知のとおり、農地からつくる、穀物はそうである、家畜も動物たん白に転化するけれどもその飼料は農地からつくる。こういうものであろうと思うのですが、食糧政策として日本の主食というものを国民の嗜好の変化によって米からほかに変わっていってもいいと、こんなぐあいに考えるんですか。それとも、やはり日本は米が適地適産なんであるから主食は米ということに据えていこうとするんですか。ここは非常に今後の日本の食糧政策の大事なところであって、総理の腹を据えたひとつ方向をお示し願いたい、このように思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) 私から先に答弁をさしていただきます。 やはり日本人の食生活というものは、私は今後とも米が中心であっていくと思いますし、またそうありたいと考えております。 しかしながら、やはり消費者の嗜好というものを私どもは強制するわけにはまいりません。どうしてもいま国民の食生活の嗜好というものは、どちらかと言えば必ずしも米だけ食べて、後は日本の国内でできるもので、昔のように、いま先生が明治とおっしゃいましたが、明治の方の場合でございますと、大体昔は御飯を食べ、みそ汁を食べ、そしてつけものでしんぼうする、こういう時代があったと思うのでございますが、なかなかいまの時代の方々はそうはいかないわけでございますし、特に核家族化時代あるいは男女同権ということで奥さん方も職場に行かれる、こういうことを考えてみますと、なかなかそうはいかないわけでございまして、簡単なやっぱり朝はパンでというようなことがどうしてもいまの生活上あるんじゃなかろうかと思うのでございます。そういう点においては、やはり私ども米が中心とは思いますけれども、その食生活の多様化したものに対応していくだけのやはり私ども農業においても考えていかなければならないのではなかろうかと、こう考えておるわけでございます。
○国務大臣(大平正芳君) 民族のルーツにやっぱり米というものは切り離すことができないものを持っておると思うのでございます。米を中核といたしまして主食を考えていきたいと思いまするし、またそういう方向に持っていかなければいかぬと思っておりますけれども、いま農林大臣が言われましたように、米から離れる傾向がないわけじゃございませんが、これに対応する方向といたしましては、できるだけ米を生かす方向で努力しなければならぬと私は思います。
○栗原俊夫君 これは冒頭、命を守るためには水と空気と食い物だという話をしたんですが、まさにいまの食糧は水、空気と同じように欲しいものは何でも入るという状況に確かにあると思うんです。しかし、それでは絶対にこういう状況が安定して続いていくかと言えばそうばかりもいかない場面も考えなければならぬ、このように思います。 とりわけ食糧の半分以上を海外に依存しておる現状は、これで果たして本当に安心しておられるんだろうか、こういうことを考えざるを得ません。まあいまの農林大臣は恐らくあの終戦前後の事情はあるいは知らぬかもしれませんが、われわれは率直に言って配給を受け、配給で足らなくて、すいとん一ぱい食うために路上に三十分も一時間も並ぶというようなひどい目に遭い、まじめに配給だけで食ったある判事はついに餓死したというような事情さえあるわけですから、こういうことはあってはならぬとは思いますけれども、ないという保証はない。ここにやっぱり問題があると思うのです。そこで、やはり自給率というものをどうしても高めていかなきゃならぬ。総理大臣も農林水産大臣も、それぞれの所信の表明の中で、食糧自給率を高めていくと、こういうかたい決意を表明されておるのでありますけれども、そういう方向のときに、具体的には水田利用再編というような一つの政策の中から減反、米の生産調整と、こういう政策が打ち出されております。初め十カ年計画ということで、当初の三カ年計画が固定すると、こういう形で出発し、二カ年間はそれでやっていったのですが、明年三年目には早くも絶対に変えませんと、こう言った計画に大変更を来した。三十九万町何がしを五十三万町何がしに拡大する、こういうことになったわけですが、これらの事情について、そしてそういう方向でもやっていけるのだという確信についてひとつ御説明を願いたいと思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) 水田利用再編対策につきましては、正直、いま御指摘のとおりで、三十九万三千ヘクタールから出発をいたしまして、五十三、五十四、五十五、この三カ年間は変えないということで出発をいたしたわけでございます。それを三年目にして変えざるを得なかったということについてはまことに申しわけがないと私は思っておるわけでございます。しかしながら、私どもの予測以上に反収がよかったということ、これは天候が非常によかったわけでございますが、それから技術が非常に改良されてまいりました。それから一方においては、消費の面を見ますと、私どもの予想以上に消費が減退をした、この二つの現象によりまして、御承知のとおり、昨年十月末には約六百五十万トンという在庫を抱えざるを得ないようになった。こういう事態を踏まえて、もしこれをこのまままた従来のような形でまいりますと、そして米の生産がより多く高まってまいりますと、あるいは七百五十万トンあるいは八百万トンというような在庫をこの五十五年の十月以降抱えざるを得ないかもしれない。そうなってまいりますと、食管制度そのものにも大きく響いてまいりますし、そうなってくると、将来においては、それはいまのお話で米が足りないときもございますから、つくっていただかなきゃなりませんけれども、農家の方々に米をつくっていただく意欲もなくなるような事態が起きないとも限らない、こういうことを私どもは非常に心配をいたしまして、何とか単年度の自給を図りたいと、こういう形から五十三万五千ヘクタールのひとつ生産調整——生産調整というより、私どもは実は生産調整とは考えていないわけでございまして、米からの転作をひとつしていただきたい、そして日本で必要な小麦なり大豆をつくっていただきたいと、こういうことでお願いをした、これが経緯でございます。
○栗原俊夫君 ここ数年来、有事立法などというものがにぎやかに議論されておるようでありますが、お尋ねしますが、そういうことがあってはならないけれども、有事立法で考えられるような有事のときに、海外依存しておる食糧は完全に供給してもらえると思いますか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 有事の場合ということを私どもは考えるというよりは、そういうことはないように、われわれは平和な国家を願っておるわけでございますから、そういうことはないようにと思っております。ただ私どもは、そういう面だけでなくて、私どもの所管しておる農業においても、万が一、天候が非常に悪かったとか、必ずしも不作の年がないとは限りませんので、そういう意味において、そういうときを考えての備蓄というのは考えておるわけでございまして、現在はお米は幸いそういうことで六百五十万トンほどの在庫を抱えておりますけれども、そういう場合でないときにおいても、米においては約二百万トンというものも考え、また小麦などについてもいまは大体一カ月分持っておりますけれども、これをもう少し将来ともふやしていきたい、こういう考え方を持っておりますし、穀物関係においても御承知のように配合飼料安定供給機構において、これも大体一カ月分そこそこ持っております。そういう形で、それが十分ではないと思いますけれども、あとはひとつ各国と友好関係を深めながら安定的な供給を図っていきたいと、こう考えておるわけでございます。
○栗原俊夫君 むろん有事などは考えたくもないし、あってはならないことでありますが、先般来、エネルギー問題で石油問題が大問題になる。しかし、これが戦略物資として、金があっても望んでも気に入らなければ輸出しませんよという厳しい政治的な戦略物資になる。食糧もイラン問題が起こったとき、人道問題上、アメリカからの食糧の輸出禁止はかなり人道的な論議がされたようでありますが、事アフガン問題が起こると言うと、対ソ連関係では一たん契約した小麦もずばりととめる。こういうことが予想ではなくて現実問題として起こっておる。まさに食糧は戦略物資である、こういうことで、わが国に対する供給国は主としてアメリカであり、そのアメリカとは軍事ばかりでなくて経済問題も含んだ安全保障条約があるから心配ないのだと、こう思うかもしれませんけれども、心安いは常のことという言葉がございますから、まあそんな不信な言葉を投げかけてはいかぬとは思いますけれども、やはりいかなることがあっても、生活ができなくても生存できる程度の食糧は自給をしなきゃならぬというのが、少なくとも国の独立を主張する国のあるべき姿ではないかと、このように思うのですが、このあたりについて農林大臣並びに総理の所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) 私は、実はこのアメリカの対ソ穀物停止、こういう事態を見て大変憂慮いたしまして、先ほど申し上げました農政審議会に、昨年十一月に一つのたたき台として第一次試算というものを出したわけでございますけれども、その後、省内でも議論をし、また農政審議会にも議論をいましていただいておりますのは、そういう事態を踏まえると今後また食糧が外交的手段に使われるということが起きないとは限らない。やはりそういうことを踏まえて、こういう自給率の向上というものもひとつ検討すべきではなかろうか、あの試算は過去のいろいろの統計数字、それに趨勢の方向を入れて出したものでございますが、なおこれに政策的にもう少し加味をして、もう少し自給率をそれぞれ高めることはできないかという議論を実はいましていただいているわけでございます。これは先生御指摘のような、そういう事態を踏まえて、私はそういう方向でより高めることができないかという努力をしておるわけでございますし、また、あの試算においても、たとえばいま申し上げました米あるいは小麦においても、めん類の分については大体自給ができるという考え方でございますし、それから野菜関係、それから養豚関係——豚でございますが、それから養鶏のブロイラー、卵、果実、こういったようなものは、いまの私どもの出しておる試算でもこれは自給自足ができる。こういう考え方に立っておるわけでございまして、全体を見れば、先ほど申し上げた特に飼料穀物が低いものでございますから、低いというか、もうほとんどゼロに近いものでございますから、非常にパーセンテージが落ちておるわけでございますけれども、そういうものについてはすでに現在でも自給自足ができつつあるわけでございまして、こういう点はすべてが自給自足ができていないかということではないわけでございますので、そういう点はひとつ御理解をいただきたいと思うわけでございます。
○国務大臣(大平正芳君) 食糧は石油に劣らない、またそれ以上の戦略商品になり得るものだと考えておかなければならぬと思いまして、その自給力の向上ということは政治が常に忘れてはならない道標でなければならぬと思っております。安保条約の第二条には、なるほど経済政策上に食い違いがないように協調していく精神が盛られておりますが、これがあるからといって安心できないことは仰せのとおりでございまして、われわれは国際経済の中にございまして、それが円滑に運営できるような原則を守ることに忠実でなければなりませんが、一面、食糧という大事な戦略商品の確保ということ、いかなる条件のもとにおいても可能な限り確保する方途を忘れては一刻もならないものと思っております。
○栗原俊夫君 ただいま、いかに安全保障条約があってもやはりできる限り自給を上げていかなきゃならぬという総理のお考えであります。現に大豆等は輸出制限をやってみせたんですからね——わが国に対して、大豆については。今回ソビエトに対して一千七百万トン輸出をとめる。それを日本に買ってくれと言ったとか言わぬとか、いろいろ聞いておりますけれども、まあいろいろ外交交渉がある。現に防衛費の増強についていろいろ強い要求があるようでありますが、やらなければとは、まさか言いますまいけれども、命の糧である食糧を握っておれば、やはり言わず語らずのうちに強力な圧力がかかりますよ、これは。そういうことになりますからね、形は独立国でも真の独立国じゃありません。四つの島に閉じ込められて、アメリカからえさをもらい食いする一億一千万の日本人などということになっちゃならぬと思うのですよ、これは。いざとなれば食っていけますよと、胸を張っていける食糧自給というものは是が非でもやはり確立していかなきゃならぬ。そこで、私はお聞きするのですが、食糧というものは経済合理主義にのっとった一般商品と同じに考えていいものなのですか。食糧は商品じゃないと私は思う。生きるための糧である。この点についての所見、農林水産大臣いかがですか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 農業というものを考えます場合には、私は経済合理性というものを全く無視していいとは考えておりません。それではやはり国民から理解がされないと思うわけでございます。しかしながら、そうは言うものの、いまの御指摘のように、国民の生命を預かる食糧を供給するという意味において農業は大変大切な仕事でございますので、そういう意味においてはただ単なる、いま御指摘でございますが、普通の産業と同じように考えていいかという点においては疑問がございます。私はいまの予算を見ておりましても、農産物関係について約八割のものが補助対象になっておるというのはそういうところから私は出てきておるのではなかろうかと、こう考えておるわけでございまして、必ずしもまだその予算が十分であるかどうかという議論はあろうかと思いますけれども、相当私はそういう点においてはほかの産業とはおのずから違った形で農業をよりしっかりやっていただくための国の気持ちというのはあらわれておるのではなかろうかと、こう考えております。
○栗原俊夫君 聞くところによると、食管法について何らかの手をつけようということでいろいろと苦労をなさっておるやに聞いておりますけれども、その点の状況を御説明願えませんか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 食管法というものが昭和十七年にできたわけでございまして、その後一つは、いまの米の需給関係が非常にそのころとは変わってきたということもあるわけでございますが、現在のようになりますと、当時は米穀通帳で買っておりましたものがいまほとんど米穀通帳を利用して買っておられる人はないというのが実情でございます。そういういろいろの現実が全く遊離しているところもあるものでございますから、そういう点において見直しをしたらどうかという声がここ一、二年前から出てきておりまして、そういう点についていろいろと検討を進めておるわけでございますが、この国会に出したいという気持ちで、提案したいという気持ちでいま努力をいたしておりますけれども、正直、きょうが提出期限ということもございましたし、なかなかまだ見通しとしてははっきりしていないのが現状でございます。
○栗原俊夫君 食糧管理法については、いま大臣から昭和十七年にできて今日までというようなお話がございました。できたときは確かに食糧が大変であって、乏しい食糧を公平に分けてお互い国民が生き延びようではないかという背景の中で生まれたものだと思うのです。したがって、その内容は、言うならば足らない物をいかに公平に分けるかというところに中心が置かれておると思うのですが、私は食糧の重要性にかんがみて、これでは片刃であると。そうではなくて、食糧というものが国際的にいろいろ戦略化されてきており、自給食糧を持つことが独立の基本的な条件であるということが確認されるならば、食糧管理というものは、そしてそれをマネージするといいますか、管理する法律は、足らないときはこうだ、余っておるときでも万一に備えて基本的に自給の食糧を守っていく、自給食糧の生産を守るという刃もつけ加えなければ本当の意味の食糧管理法にはならぬのではないか。私は、いま現行の食管法の何条をどう変えろとか、そういう言い方をしておるわけではありません。お互いに生きるためになくてはならぬ食糧というものをつくったり、食ったりしていく一億一千万の日本人、全部がつくっておるわけではありませんけれども、一億一千万が生きるために絶対になくちゃならぬ食糧、これを自給することが独立の大きな柱である、こういうことであるならば、一応当面は何とかなるような食糧事情に置かれておっても、金があれば買ってこられるという状況の中にあっても、やはりそういう状況にあって、まあ言うならば、古い言葉で笑われるかもしれませんけれども、治にいて乱を忘れずの口で自給食糧の生産を守る。それにはどうするか、こういうことになろうと思うのですけれども、つくったものは国民の責任において食って生産を守っていく。そういう意味合いにおいて食管法というものを見直していくべきではないかと、こう考えるんですが、農林水産大臣いかがでしょう。
○国務大臣(武藤嘉文君) 大変むずかしい御質問でございます。と申しますのは、いま食管法をどうするかということを議論しておる最中でございまして、これがここで公になりますと、なかなかその波及する影響が多いものでございますから、つい私もなかなか本音が言えないのでございますが、いま議論しておる中では、そういうような先生のお話しになっているような議論もしながら、いま食管法の改正をするかどうか、見直しをするかどうかについて検討をさせていただいていることだけ申し上げます。
○栗原俊夫君 あちらこちらから影響が出るからと言いますが、そういう影響を全部論議した中でいいものをつくり出してもらったらいかがでしょうね。隠しておいて、固めてからこれだと言うようなやり方はどうも民主的ではないように思うんです。 そこで、これは総理にお伺いするのですけれども、どうでしょう、われわれが経験した終戦間際、終戦後のあの食糧状況、あのときには、私も実は二十二年にある田舎の村長になりました。米の供出に協力したわけです。たくさんつくれ、これだけ取れたはずであると、飯米までも強権徴収をしたものであります。農民は泣く泣くこれに応じた。中には供出米が出せないからと言って首つりまで出た、こういう事態なんです。そんなことは二度と来ないよと考えておれば話は別ですよ。しかし、こういう農民にいまのような減反だ、生産調整だということをむちゃくちゃにやっていって、足らなくなったからさあつくれ、割り当てだ、強権徴発だというようなことができますか。やはりそういう場面も考えておかなきゃならぬ。というならば、やはりその生産というものは国民全体の連帯責任の中で生産を守っていく、こういう方途を講じなきゃならぬと思うんですよ。私は農民運動者の一人ですから、農民が生きよいようにしたいということは腹にありますけれども、何も農民がもうかればいいとか、そんな問題じゃありません。まさに独立国日本の食糧問題、食糧政策として、これはどうしても自給食糧というものを守っていくためにはこうしなきゃならぬ。そして、日本の主食糧というものは適地適産であり、やはり米なんだ。幾ら国民が粉食動物に仮になったとしても、日本で小麦で主食の大半を供給するということはできない。やはり米で、米食民族としての日本、こういう形になっていく。それは確かに嗜好はあります。確かに農業基本法をつくったときに、米麦中心過ぎると、選択的拡大だと、畜産三倍、果樹二倍だと。粉を食う、肉を食う、食後には果物が食いたくなると、こういう説明だった、当時。しかし、そういうことではなくて、やはり何といっても食糧問題として徹底的にやってかなきゃならぬ。それには自給食糧の稲作、米作というものを守る方向というものを国民連帯の責任の中で打ち出していく、こういう方向について、総理はいかがお考えになりますか。
○国務大臣(大平正芳君) あなたが仰せのように、食糧をめぐる環境というのが食管法ができた当時から一変いたしておることでございます。そういう中にありまして、非常に保守的と言われた農林省がこの問題、いまの食管制度がこのままでいいかという点について、ひとつ改正について模索を始めておるということでございます。私はまだその状況を聞いておりませんのでコメントする知識はないわけでございますが、保守的でございました農林省がこの問題に手を染めておるということでございますが、いま栗原さんが言われたようなことは十分農林当局としては念頭に置いてやっておるはずだと私は思うのでございまして、やり方がまだ足らないではないかという心配をされる必要は、農林省に関する限り私は心配がむしろないと考えております。 それからもう一つは、食糧自体が物理的にめんどうな商品であるというよりは、これが普通の商品であるという状態が非常に平和な世の中だと思いますが、これが戦略性を帯びてくるということは非常に政治的な現象だと思うのでございまして、そういうことができるだけないようにわれわれは努めていくということが政治の任務だと思います。けれども、常に忘れてはならぬことは、万一そういう戦略性を秘めておるものだということは終始、寸刻も忘れてはならないことであると私も存じております。
○栗原俊夫君 もっと議論したいんですが、時間がございません。一つだけひとつやってまいりますが、いろいろ議論しても、百姓がいなくなっちまえば問題はなくなるわけなんですから、後継者問題というものが当然必要なんです。後継者問題について農業を必要だと考える以上後継者が必要だと、どうやって後継者をつくるか、このことについてひとつ端的に御説明願います。
○国務大臣(武藤嘉文君) 私どもは農業が後継者がなけりゃならないという考え方に立ちまして、たとえば後継者育成事業という形で補助も出しておりますし、また各県に農業大学校というものがございまして、そこでいろいろと後継者の養成もやっておりますし、また、特に私どもは中核農家の育成という考え方で、本当に農業をやろうという人たちを中心に考えていきたいと思っておりまして、地域農政の中でもそういう考え方を持ち、それぞれの地域の若いリーダーの養成と、こういう形にも力を入れておるわけでございます。 また、それ以外に農地の相続の問題についても従来努力をいたしておりますし、あるいはこの国会で御議論をいただきます農業者年金についての経営移譲年金といったようなものも私どもはやはり後継者養成の一環であると、こう考えておるわけでございます。
○栗原俊夫君 後継者が必要だと言いますけれども、なぜ後継者がないかということをもっとしっかりと掘り下げなきゃいかぬのですよ。端的に言います。百姓では食えないからなんですよ、はっきり言うと。食えない百姓に跡継ぎができないんですよ。食える百姓を、農業をつくらなきゃ後継者は生まれません。しかし、私は、何が何でも食えるようにしろと、こう言うんじゃないですよ。二反三反つくって五人も生んだ子供を全部大学へ出すような農業にしろなんて言っちゃいませんよ、それは。標準的な農家ならば他産業に従事する人たちと同じような生活、子供の教育もできるような農業にしなきゃだめだということ、これが一つであります。 それからいま一つ、これは農業の中へ入るというと、こういうことを言っている。次男や三男はみんな大学へ出して、おれは真っ黒になって百姓をやっていると、女房と一緒に。おやじがぽろっと死ぬというと均分相続だと、これじゃ困る、まあこういうこと。それを取り上げて確かに今回はあるいは自家営業、農業等で遺産分に寄与した分については優先的に均分相続から優先相続するというような民法改正ができそうでありますけれども、そうでなくて農民が言うのは、いまでも二十年間農業をやっておれば相続税については云々という優遇があるらしいんですが、それでもまだ納得できぬと、本当に跡を継ぐ農家には生前贈与を無税にしてくれと、これでなけりゃおれたちは、本当に真っ黒になって跡を継いでやる気にならないとこう言っているんだけれども、こういう点については主管省、また法律関係では大蔵省か法務省か知りませんが、ひとつ御所見を承りたいと思います。
○政府委員(高橋元君) いまお話のありましたように、農業の後継者の育成ということに資するという趣旨で、現在の税法の中に、農地を一括生前贈与いたしました場合には、一括生前贈与でございますから農地の全部または採草放牧地ないし準農地の三分の二、それ以上の土地を推定相続人のうち十八歳以上で農業を継続して営む意思のある者、農業委員会の証明が必要でございますが、そういう方に贈与した場合には贈与税を贈与者、つまりお父さんでございます。その方が亡くなるまで贈与税を延納をするという規定がございます。お父さんは多分贈与者でございますから、それが亡くなった場合には通常の相続が起こりますが、相続税について御承知の延納制度、納税猶予制度がございますから、その後二十年間営農しておられる場合には、結局、その相続税も免除になると、こういう規定でございます。
○栗原俊夫君 時間がなくなりました。最後に一つ、蔬菜の問題等についていろいろ論議がなされておりますが、まあ百姓心理というものをよく知っていただければわかるように、農民の皆さんはなかなか隣ばかり見て全体を見ない。したがって隣が何をつくるかというような調子で物をつくる、あるいはまた、去年よければことしもよかろうなんていうことで、一年交代になるというようなことになっておるんですが、ひとつそういうことのないようにするには、私も農協の人たちともよく話しておるんですが、やはり法制的にはできなくても、農民を総結集しておるような農協が中心になって総需要を計算して、これに見合う計画生産をやりなさいと。計画生産をすることによって、出荷するときにも幾らでもいいよという出し方ではなくて、少なくとも指し値出荷をしなさいと。べらぼうなことを要求するのでなくて、生産費がこれだけかかると。こういうような計画生産、価格指示と、こういう方向をやれと言っておるのですけれども、そういう指導の気持ちをひとつ確認して、私の質問を終わります。
○国務大臣(武藤嘉文君) 五十五年度の予算が成立いたしますと実施をさせていただけることになっております重要野菜需給調整特別事業は、実は農協が中心になっていただいて作付のときからある程度ゆとりを持った作付をしていただき、そして出荷についても農協がその辺をうまくやっぱり調整をしてやっていただきたいと、こういうお願いをし、これは消費者のためにもなり農民のためにもなると、こう考えておるわけでございます。特に今回の野菜の値上がりについても、いわゆる畑買いというのが行われたりして商人系が買い占めをしたというのなどは大変遺憾なことでございまして、これなども私は農協がしっかりしていただいたらこういうことにはならなかったのではなかろうかと、こういうふうに思っておりまして、その点については今後も農業団体とよくお打ち合わせをしてやってまいりたいと思います。ただ、先生の御指摘の価格指示という点は、やはり野菜というものはいまのところは自由な市場で競りで行われているのが原則でございますので、大変恐縮でございますけれども、その点だけは少し取り上げさしていただくわけにいかないので、この点は御理解をいただきたいと思うわけでございます。
○栗原俊夫君 終わります。(拍手)
○委員長(山内一郎君) 以上で栗原君の総括質疑は終了いたしました。 —————————————
○委員長(山内一郎君) 次に、桑名義治君の総括質疑を行います。 〔委員長退席、理事桧垣徳太郎君着席〕
○理事(桧垣徳太郎君) 桑名君。
○桑名義治君 日本時間で本日午前六時三十分にカーター大統領が総合インフレ対策というものを約五項目にわたって発表をしておりますが、このことにおける日本の経済に対する影響あるいはまた政府の対応、こういった点について、通産大臣あるいは大蔵大臣、最後に総理の御見解を承りたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) では私からお答えいたします。 カーター大統領がインフレ対策五項目を発表したがどのようにこれを理解しておるか、こういうまず一つは大局的なお尋ねであろうと思っております。今回の対策につきましては、財政、金融など各般にわたる措置を含んでおりますので、米国におけるインフレの抑制に好影響を与えることが期待される、そのように理解いたしております。 したがいまして、今度は私どもといたしましては、何分出たばかりでございますので、これの具体的内容とその反響につきまして慎重な調査をいまいたしまして、これに対する対応といたしましては検討中であると、ただ、全体的に好影響を与えることが期待されておるという認識の上に立っております。
○国務大臣(正示啓次郎君) ただいま大蔵大臣からお述べのことで骨子は尽きておるわけですが、先般来アメリカが金利政策を主にいたしましてインフレの高進を抑上しようとしておったのが今回は財政を思い切って均衡をさせる、こういう政策を打ち出された、これが大変大きな特色であろうかと思うのであります。ちょうど日銀総裁もお見えでございますが、先般バーゼルの国際決済銀行の会議で向こうの連邦準備制度理事長にもお会いになって、やはり金利を引き上げる競争みたいなことになっては大変だという認識を持っておられたと思います。しかし、同時に今度はサーチャージという形で、公定歩合自体は動かしませんけれども、若干の日本で昔から高率適用というふうな言葉で言われたような金融引き締め措置は堅持しておられるわけであります。 その他いろいろ事細かな、たとえば賃金等につきましても一定の水準を超すようなものについては、政府はそこへ発注はしないというふうな政策をとっておられることも御承知のとおりでございますし、各般にわたることはただいま大蔵大臣お述べのとおりでありますが、 〔理事桧垣徳太郎君退席、委員長着席〕 わが国へは、さしあたりアメリカのインフレがおさまっていただいて、そして、しかも経済が安定的に推移していただけば、対日関係も私は落ちついていくというふうな希望を持っておるわけでございます。そして、さしあたりやはりドルが強いということになりますと、円その他の通貨が弱くなるわけでございますが、そういうことも、いま大蔵大臣お述べのように、すぐさま円はさらに低下するというふうに即断することもできませんけれども、これらの点につきましては、週明けといいましょうか、これからの為替市場、そういう動向については金融当局は十分注視をしておいでになるものと考えておる次第でございます。
○国務大臣(佐々木義武君) 詳細な検討はまだしておりませんけれども、石油輸入の節約が強化されますと世界的には好影響を与えるものじゃなかろうかと思っております。
○国務大臣(大平正芳君) 賃金、物価のアメリカにおける上昇を懸念されてアメリカ政府において総合的なインフレ対策が実行に移されたことでございまして、このことは、アメリカ経済の安定、ドルの安定を願っておりまするわれわれといたしましても歓迎すべきことと考えております。わが経済にとりましてもこのことは直接間接いい影響を持ってくるのではないかと思いますが、これに対する日本政府としての対応につきましては目下検討をいたしておるところでございまして、誤らざる対応をいたしたいと考えております。
○桑名義治君 けさの問題でただいまの質問ということになれば対応はまだ決まっていないとは思いますけれども、一応きょうの夕刊には大蔵省は大蔵省なりのコメントあるいは日銀は日銀なりのコメントがつけられておるわけでございますので、その衝に当たっている大蔵大臣はもう少し詳しい対応を説明なさるのではなかろうかと、こういうふうに思っておったわけでございますが、大変残念でございます。 そこで、日銀総裁においでを願っておりますのでお尋ねするわけでございますが、日銀は週明けに公定歩合を一・七五%の引き上げ、すなわち年率九%にするということが大体決定をするという記事が載っておるわけでございます。もう既成の事実のようでございますが、しかし、今回の場合、アメリカでこういうふうないわゆる政策を発表しているわけでございますが、これにどのような影響を与えるか、あるいは影響はないのかどうか、あるいはまた影響がないとするならば公定歩合の一・七五%は大体いつをめどに上げるのか、お知らせ願いたいと思います。
○参考人(前川春雄君) 新聞等に日本銀行の公定歩合につきまして種々憶測の記事が出ておりますることは、私どもといたしましては、はなはだ遺憾に考えております。金融政策につきましては、昨年の初め以来引き締め政策を一貫してとってまいっております。今年になりましてからも先月公定歩合の第四次の引き上げをしておるわけでございまして、こういうふうな累積的な効果が物価上昇の抑制にそれなりに効果を上げつつあるというふうに私どもは確信しております。昨年初め以来の引き締めの累積的効果がかなりの程度におきまして金融面に出ておるというふうに思っておりまするので、私どもはその引き締めの浸透状況というものを十分注視してまいるつもりでございまして、ただいま新聞にいろいろ出ております第五次の公定歩合引き上げにつきましては、現在のところ全く白紙でございます。 アメリカの今回のインフレ対策がどういうふうな影響を持つかということでございまするが、先ほど来御答弁のございましたように、アメリカがインフレに対しまして財政面並びに金融面から、その他の面におきましても、あらゆる施策を講じてインフレに対抗していこうという決意を示しましたことは、私ども大いに評価するものでございまして、世界経済にとってもその安定化に向かって必ずや貢献するものであろうというふうに思っております。 日本に対する影響といたしまして、世界的にいまインフレに悩んでおるわけでございまするので、そういう意味で世界的なインフレの中で非常に大きな力を持っておりまするアメリカのインフレ傾向が収束に向かうことは、日本の経済にとっても必ずやいい影響が出るであろうというふうに思っております。わが国の物価の上昇傾向は海外の物価上昇傾向というものが非常に大きく影響しておりまするので、そういう意味で海外の物価上昇傾向もおさまるということは、日本にとってもわれわれがいまやっておりまする物価上昇抑制にとっていい影響があるだろうというふうに考えております。
○桑名義治君 いま総裁のお話では、一・七五%の公定歩合の引き上げは絶対にあり得ないというふうなお話でございますけれども、しかし新聞紙上によりますと、各社とも一斉に、大体十八日に総合物価対策と歩調を合わせて決定して十九日に実施の公算が大であると、ここまで各社とも一斉にざっと発表しているわけですよ。それがえらいすげないお話でございますけれども、大蔵大臣どうですか、この問題は。
○国務大臣(竹下登君) 私ども若いころ聞かされた言葉——これは当時三井、三菱とかいろいろな財閥が金融を支配しておったということもあったかもしれません。がしかし、余りにもいま適切な言葉とは思えませんけれども、公定歩合の操作と国会の解散はその瞬間まで言えるものではないというふうに教え込まれてまいりました。したがって、私どもは、いまの場合まさに日銀の専権事項でございまして、むしろ第四次公定歩合の引き上げの浸透を冷静に見詰めておると、こういうことであります。
○桑名義治君 底意がよくわかりました。 そこで、今回のアメリカのインフレ対策によれば、公定歩合の引き上げは行ってはおりませんけれども、しかし大手銀行などに対しては特別な条件をつけて三%の上乗せをすると、こういうふうに発表になっているわけでございます。そうすると実質的には三%の上積みと、こういうふうに考えなければならぬと思うのですが、その場合一・七五%、この線がいま一応上がっているわけですが、もし仮に上げるとするならば、これは適切な処置でしょうか、この数字というものは。どうでしょう。
○参考人(前川春雄君) アメリカの今回の措置につきまして現在まで私どもが承知しておりまするところは、公定歩合の一三%というのはそのまま動かさない、しかし、特定の場合には課徴金の三%を取るということでございます。この課徴金の三%を取る、したがって一六%になり得るわけでございまするが、それがどういう場合に適用されるかということにつきましては、まだ完全なる情報を得ておりません。現在まで私どもが得ておりまする情報によりますると、公定歩合が一三%であって、市中金利はいま一八%ぐらいになっておるわけでございます。したがいまして、連邦準備銀行から金を借りて市中に貨しますれば銀行は非常にもうけるわけでございます。したがいまして、そういうふうな市中銀行の中央銀行依存というものを断ち切る、あるいはその程度を抑えるために特定の場合には三%をかけるということでございまして、三%をかけられる銀行が果たしてどのぐらいになるかどうかということは、これはまだ実際の状況を見ませんと判断できないわけでございます。そういう借りる銀行がたくさんございますれば、それは一六%というのは実質的な金利になる。あるいは連邦準備銀行の力がよく及んで市中銀行が必ずしも連銀から金を借りないということになれば、実質の中央銀行金利というのは一三%になるということでございまして、その程度につきましては、いまのところ何とも判断いたしかねるところでございます。 そういう状態と日本の金利との関係はどうかという御質問であろうというふうに思います。金利水準だけではなかなか比較できないわけでございまして、現在、御承知のように、イギリスの金利は一七%、それからイタリーが一五でございますが、カナダは一四くらいでございますか、それからドイツが七%ということで、金利差がそこにあればすぐ資金流出があるというふうなわけでもございません。為替の相場の先行きに対する見通しによってその点は違ってまいります。それから金利が違いましても、為替相場の先物のカバーのコストによってもその辺が違ってまいりまするものでございますから、必ずしも金利水準だけでそれが適正かどうかということを判断することは適当でないというふうに考えております。
○桑名義治君 いずれにしましても、いま日本の経済は大きな曲がり角にも来てますし、物価対策に当たってもこれは非常に大事な時期を迎えているわけでございます。早急な適切な処置をお願いをしたいと思います。 そこで、政府はこの物価問題に対しましていろいろな措置をとられているわけでございますが、卸売物価は依然として狂乱の再来とも思えるような異常な上昇を続けていることはだれも否定することのできない事実だろうと思います。この卸売物価の上昇を食いとめることは政策上果たして不可能なのだろうか、そうでなければまたいつこのような異常な高騰は落ちつくだろうかと、こういうふうに思うわけでございますが、政府としてはどのようにお考えですか。
○国務大臣(正示啓次郎君) 御指摘のように、卸売物価は大変高騰しておりまして、政府もこれについては万全の対策を講ずべく、昨日も総理からいろいろ御指示をいただき、ただいま経済企画庁を中心に各省庁、日本銀行等にも連絡をとりながら、財政金融全般の引き締め基調を堅持していくという基本方針のもとに対策を講じております。 大変御心配のことは、われわれも心配にたえないのでありますが、原油価格も昨年は二倍以上に上がっておるわけでございます。これに対して本年はそんな上がり方はとうてい考えられない。また、国際情勢から見ましても、いろいろの重要な資材の輸入価格もそんなに暴騰ということは考えられません。そこで、昨年に比較いたしますと、私どもは卸売物価の上がり方も低目に見ておることは桑名委員すでに御承知のとおりでございます。したがって、これから総合的な対策を講ずることによって卸売物価の上がり方をだんだん低目に持っていく努力をしながら、しかも物価対策の根本は、いわゆる外来のインフレーションのムードがホームメードにならぬように、卸売物価が消費者物価に波及しないように、そこのところで何とか食いとめるような、また影響を最小限にするようなことを基本としてやっております。 なお、きょうカーターさんの放送を見ておりまして、アメリカは一八%のインフレで日本は二十何%、あれは大変な間違いでございまして、日本は六%でございますから、どうかその点はひとつ皆様ぜひ御理解の上御支援を願いたいと思っております。
○桑名義治君 そこで、卸売物価の上昇の主要要因の一つになっておる円安の問題でございますが、現在は日銀が介入をして円を買い支えているわけで、やや持ち直したというような感があるわけでございますが、この見通しについてお伺いをしておきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) これも私からお答えした方が適当かと思います。 現在の円相場はやや円安に過ぎるのではないかという考え方は一般論としては持っております。したがいまして、去る三月二日に円相場安定策を西独、スイスと協議してアメリカと同時間に私と日銀総裁の談話を発表いたしたところでありますが、私どもといたしましては、その効果が着実に浸透していくことに期待しながら慎重に円相場の推移を見守っておるところであります。したがって、私も通貨当局者の一人でございますので、今回の為替相場について今後の見通しを述べるということは、国際的な影響がございますので、それは差し控えさしていただきたいと、こういうことを申し上げざるを得ないわけであります。
○桑名義治君 総裁、何かございますか。
○参考人(前川春雄君) いま大蔵大臣がお答えになったとおりでございます。
○桑名義治君 そこで、卸売物価の消費者物価に対する波及の問題でございますが、第一次の石油ショックのときは、四十八年十月原油が一挙に二倍になったわけでございます。三カ月後素原材料が前年比四三・九%と、こういうように急上昇をしている事実があるわけでございます。同時に中間品、完成品も前月水準に比べて急騰した。今回は段階的な原油価格の値上げによりまして素原材料が継続的に上昇をしている中で中間品、完成品も次第に上げ足を速めている。いわゆる川上から川下へとずうっと影響が及んでいるわけでございますが、消費者物価に波及することは避けられない状況だと、こういうふうにどうしても見なければならないわけでございますが、政府は、この点についてはどういうふうに見ていますか。
○国務大臣(正示啓次郎君) ただいま桑名委員も、短い表現でございましたが、前回の第一次オイルショックのときとの違いを御指摘になったわけでございます。私どももこの点は大変重要な点だと思っておるわけでございます。 それからもう一つは、前回はおっしゃるように卸売物価も消費者物価も一緒に上がったということ、しかも海外から輸入する重要な物資は、前回は原油だけでなくてほかのものも非常に上がっておるのですね。今回はその点は、先般の国際情勢の関係から一時ロイター商品等が上がりましたけれども、漸次やはり落ちついておる。そこへ先ほど大蔵大臣、日本銀行総裁がお述べになったような円安対策、円の安定のために国際的な協調のもとにやる。こんなようなことから、外国からの影響も、できる限り原油価格を安定させるということによってその大きさをだんだん小さくしていくと、こういう政策をとっておることが今回の大きな特色かと思っております。 それからもう一つは、前回は非常に大きく、前回と今回の違いは、前回は賃金なんかは四十九年に実に三二・九%上がっておるんですね。これに対して今回は五十四年が六%。これは私は本当に世界に誇り得る日本の経営者、労働組合の大変な大きな御功績ではないか、こういうふうに思っております。そこへマネーサプライ、これも前回は二七・六%という大変な急膨張をやっておりますが、今回は金融当局の御努力によって一一%あるいは一〇%というふうな低い足取りで落ちついておる。こういう点がございますし、総じて消費者、企業、経営者、また労働組合その他国民各層が非常に冷静に、しかも大局的に判断をして消費行動をしておられるというふうなこと。それからまた、きのう総理から特に御指摘があったんですが、外国からの影響があろうともどこまでも生産性を向上して——ただ単なる便乗値上げを排除するだけではなくて、生産性を向上して吸収していく努力をさらに強めなきゃいかぬと、こういう御指示があったことは私は全く重要な点だと思います。これからあらゆる価格政策の根幹に、日本はやはり生産性を向上してエネルギーの消費を節約しながら価格への波及をできる限り抑えていくような方向で、これは政府も企業も消費者皆さんとともにやっていきたい、かように考えております。
○桑名義治君 そういうふうな決意はよくわかるわけでございますけれども、前回の狂乱物価のときには、いわゆる素原材料が前年比の比率に対して中間品の上昇率が同率もしくは半分、これだけ上がりますと消費者物価は急激に上昇しているわけですね。それで、今回の二月の場合を見てみますと、素原材料の前年比上昇率が七二・二%でしょう、それで中間品は二四・六%。まあ半分までは達していませんが、それに徐々に近づいている。それに電気料金にガス料金、そういった一般公共料金が上がってくると当然押し上げてくるのではないかという十分なおそれがあるわけでございます。そういった意味からも電気料金のいわゆる圧縮というものは十分にやっていかなきゃならぬ問題だと思うんですが、この点についてはどういうふうにお考えですか。
○国務大臣(正示啓次郎君) 電力、ガスの料金は非常に重要な問題として通産当局も非常に御努力をされていろいろと案をおつくりになったわけです。私どもも物価、国民生活への影響という観点から、ガスにつきましても、電力につきましても、法定の原価主義、公平の原則というものを曲げるわけにはまいりません。しかし、その原理原則の枠内ででき得る限り物価、国民生活への影響というものを最小限度に食いとめるべくあらゆるファクターについて事務的にも折衝を続けておるわけでございます。ちょっと後先になりましたけれども、そういう努力を前提としながら今後とも波及を食いとめる——いま桑名委員御指摘のように、傾向としては確かにじわじわと波及の傾向がございますから、それを食いとめるように万全の対策を講じていくと、こういうことでやっておるわけでございます。
○桑名義治君 そういうように消費者物価へ波及効果が非常にあらわれるおそれが十二分にあるわけでございまして、それと、いま大臣がおっしゃいましたように、前回のときには給料が上がったからまあまあもったわけですね。ところが今回の場合給料が抑えられている。そうすると国民の生活というのは極度にやっぱり圧迫をされてくる。こういう情勢があるということもこれは認識をしておく必要があると思います。 そこで、電気料金の値上げが四月の一日からというふうに言われておりますが、実際はどうです。
○国務大臣(佐々木義武君) 申請は四月一日になっておりまして、四年くらいこれは御承知のように抑えておりまして、今度の三月過ぎるまでは一切値上げはまかりならぬということで抑えてきております。その間、御承知のように、主原料である原油が大変な値上がりをしておるわけでございますから、何とかこの際業界の希望に沿えるような期日でと思いまして、ただいま鋭意査定を進めている最中でございますけれども、それでは四月一日確実かと申しますと、これからの問題でございまして、ただ私ども期待といたしましては、そうしたいということでただいま作業を進めております。
○桑名義治君 そうしますと、もう日にちはないわけですが、査定に当たって一〇%配当、減価償却は一部定率法の採用、それから為替レート、輸入原料価格、こういった問題をどのように詰めようとお考えになっていらっしゃるのか。ちょっとお伺いしたいと思います。
○政府委員(森山信吾君) ただいま御指摘の原価の中の各諸元につきまして現在経済企画庁と鋭意詰めをやっているという段階でございます。
○桑名義治君 私は部分的に聞いたんですよ。これとこれはどういう方針なんですかと聞いたんです。そんなことを聞いたんじゃない。
○政府委員(森山信吾君) 個別の問題のお尋ねがあったわけでございますけれども、現在通産省と経企庁の間で事務的に詰めておる段階でございますので、この席で幾ら幾らで詰めをやっているということにつきましては御勘弁をいただきたいと思う次第でございます。
○桑名義治君 ただ方針を聞いているんですよ。ぼくは数字を聞いているんじゃないですよ。
○政府委員(森山信吾君) 方針につきましては、過去私どもが電気料金算定要領というものに基づきまして査定をいたしておりますので、そういう方針に基づきまして査定を行わさしていただいていると、こういう現況でございます。
○桑名義治君 非常に不親切な答弁でございますけれども、時間がありません。 次へ進みますが、報道によりますと、電気料金の問題については、自民党と通産省の間で五一%程度ということが言われているわけでございますが、経企庁としては、物価抑制、景気の持続の面から五〇%を超える値上げについては納得していないというような演説が、次官の話がきのうあっているわけでございますが、この点についてはどういうふうに考えていますか。
○国務大臣(佐々木義武君) けさの新聞記事で経済企画庁の次官の発言なるものを私も読みました。しかし、正確な内容なり意図というものは必ずしも明確ではございません。いずれにいたしましても、電気料金につきましては、法律に示すとおり、原価主義によりまして厳正に査定を行っておるところでございます。また行う所存でございます。
○国務大臣(正示啓次郎君) 経済企画庁といたしましても、ただいま通産大臣、それからその前にエネルギー庁長官がお話しになったように、法律に定めた原則をかたく守りながら、いわゆる物価、国民生活への影響を最小限度にするように努力すると、こういうことに尽きるわけですが、御指摘の宮崎次官の発言につきましては、本人から私よく聞きまして、その趣旨は、まあ電気料金は現在政府部内で検討の段階である、先ほど森山長官がおっしゃったとおりで、いろいろ数字が言われているが、まだ決まっているわけではない、また、数字を予断して、ある数字以上なら原価主義、それ以下なら原価主義から外れているというようなことは適当ではない、あくまでも原価主義による厳正な査定を行うという趣旨を申し述べたというふうに私は承知をいたしておるわけでございます。
○桑名義治君 幅について載ってるでしょう。五〇%以下に抑え込むことができると、こう発言しているようになっていますよ。
○国務大臣(正示啓次郎君) それは原価を突き合わしていって、そういう結果になるかどうかということはわかりませんが、初めから超えるものだとか、それを割り込むものだとかいう予断をもってやっておるのではない、こういう趣旨を申し上げておるわけでございます。
○桑名義治君 新聞の記事によりますと、いわゆる値下げ幅を五一%台より低くすることができる、こういうふうにはっきり載っているわけですよ。この点どういうふうに考えているんですか。
○国務大臣(正示啓次郎君) これは先ほど来通産当局がお述べになったところと私どもは全然変わっておりませんので、どこまでも最初に申し上げたように原価主義、公平の原則、それによって原価各項目を突き合わして、その結論として出てくるものだと、こういうふうに考えております。
○桑名義治君 総合物価対策を政府は打ち出すというふうに言われているわけでございますが、それについてはいつをめどに打ち出す予定ですか。その内容については大体どういう内容でございますか。
○国務大臣(正示啓次郎君) そのお尋ねの点について昨日総理からいろいろ御指示をいただいたわけで、また、きのうの閣議でも総理からいろいろお話があったわけでありますが、いまのところ段取りとしては、御承知のように十八日でございますか、これはもう桑名委員は非常にそこで主役を演ぜられると思うのですが、商工委員会、物特の合同審査を参議院でおやりいただくことになっております。私どもはそこで貴重な御意見をいろいろ伺うことに心得ております。そういうふうなこともございますので、そうした貴重な御意見をいただき、また、先般の閣議で各省大臣、各省庁の御協力をいただいて、ただいま経済企画庁を中心に寄り寄り案をまとめておりますので、そうした案を中心といたしましてこれから最終の仕上げをいたすわけでございます。 その考え方は、やはり先ほど申し上げたように、こういう大事な時期でありますから、外からくる物価引き上げの影響を極力波及をさせないような努力をさらに強化していく。こういう考え方のもとに、便乗値上げの排除はもとよりでありますが、さらに生産性を向上して吸収するような努力をしていく。それから、需要と供給を適合さして供給不足からくるような思惑の上げ方というふうなものについては絶対にこれは起こらないような努力をすべきである、そのための財政金融の環境というものは、これはもう本当に引き締めの環境というものは堅持していただかなければならぬ、そういうふうな考えが骨子になっております。 それから、個別物資につきましては、いま年度末において非常に御心配をかけておりますような野菜の非常な暴騰状況がございましたが、これについてはさらに一段の努力をすることによって正常な需給関係を形成し、落ちついた足取りに持っていかなければならぬ。また、その他の重要な物資につきましても、備蓄、放出あるいは在庫の繰り上げ出荷等も必要に応じてやっていただくと同時に、需給関係について厳しく監視していただく。こういうふうなことが骨子になるわけでございます。その他、公取の正常取引をかたく守るとか、いろいろの万般のことを私どもとしてはぜひ取り入れまして、万遺漏なきを期したいと、こういう考え方で進めておるわけでございます。
○委員長(山内一郎君) 前川参考人には、御多忙中のところ再度御出席をくださいまして、まことにありがとうございました。御退席していただいて結構でございます。
○桑名義治君 大変に総花的な美辞麗句を並べられた物価対策のように思われてしようがないわけでございますが、今後の物価の安定を期するポイントは、いわゆる個別の物価対策が必要だと、これが中心にならなければならない、こういうふうに思うわけでございますが、この具体的な中身がありましたらひとつ御答弁を願いたいと同時に、私は、物価統制等の政策的介入は避けるとしても、法的な強制力を伴わぬ物価対策というのは、これは効果的ではないのじゃないか、こういうふうに思うわけでございますが、この発動はどうでしょうか、検討なさっておられますか。
○国務大臣(正示啓次郎君) 個別的な対策といたしましては、農林水産省、通産省でそれぞれの野菜、生鮮魚介類その他食品等についていろいろやっていただくわけでございます。これらはきのう総理からも非常に強く御指示がありまして、農林水産省と緊密に打ち合わして具体的に対処していきたいと思っております。 それから、何と言いましても、財政の執行に伴う重要な資材、これが値上がりのために予算の執行が思うようにいかぬというふうなことではこれは申しわけないわけでございますから、それらの重要資材についても、これは建設省その他でも十分いろいろ対策を講じていただくように考えておるわけでございます。一種の需要全体を余り急膨張させないように、時期的にもなだらかな需要関係、そうしてそれに対して供給が十分対応できるということ、これを中心といたしまして個別物資対策をやるわけでございます。いろいろと電力、ガスの波及というふうな問題もございますし、また重要な鉄鋼の値上げの動き等もございますから、それらについては通産省でいま関係局長が常時連絡会議を開いて個別物資についての動向をよく把握をして対策を講じておられるように伺っておりますが、それらをさらに一層きめ細かにやっていただくようなことをぜひお願いをいたしたいと考えておるわけでございます。
○桑名義治君 法的強制力、法的措置。
○国務大臣(正示啓次郎君) この点は、昨日でしたか、ほかの委員の方にもお答えいたしましたが、法律で標準価格というふうなことになりますと、ついそこへみんな張りついてしまうというふうな現象は、これはもうどこにでもある現象のように伺っております。前回はやむを得ずああいうことをやりましたが、やはり自由主義市場機構、そこによる競争、特にさっきから申し上げる生産性を高くすることによって、桑名委員もいみじくも御指摘になったこの勤労者と経営者がともどもに苦しい中をしのぎながらインフレという大敵に向かって取り組んでいく姿勢、これはやっぱり法律だけで防ぎ得るものではございませんから、みんなが努力をしてそうした強敵に立ち向かうような体制で努力をしていくことは、市場経済、自由主義経済の私は非常なよきメリットではなかろうかと、こういうことを考えております。もちろん絶対にそれに頼らぬというわけではございませんが、いまのところはそうした努力をさらに続けさしていただきたいと考えております。
○桑名義治君 石油需給適正化法あるいは買い占め売り惜しみ防止法、これは前回の狂乱物価のときにできたんですね。実際に狂乱物価と対比できるだけの情勢が生まれているということなんだ。したがって、これもある程度は加味をして今後の物価対策に臨んでいかなければならないのではないかということをいま申し上げているわけであります。それからもう先ほどから申し上げておりますように、また大臣からもいみじくもお話が出ましたが、前回の狂乱物価のときには給料も非常に高騰したと。したがって、いわゆる物価は上がったけれども、一応給料も上がったために、所得も上がったために何とか生活ができた。ところが、今回はそうではなくて、物価だけが上がって給料が抑えられるという実情があるということは、どうしてもこれは否めない事実であります。そういった立場から、消費者保護の立場から総理大臣の決意を最後に聞いてこの問題は終わりたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) 物価問題につきまして御心配いただいて大変恐縮に存じます。いまの物価は単に物資の需給の国際的な状況から出てきた問題と申しますよりは、戦略商品である石油の急激な値上がりということによって大量の所得が産油国に移転すると、それをどのようにしてカバーするかという側面を持っておるわけでございまして、これを経済の過程を通じまして国民が公正に負担しないと日本の経済のバランスがとれないという問題も含んでおるだけに一層対応がむずかしいわけでございまして、普通の物価問題に対応する以上の勇気を持って対応せにゃならぬ問題であると心得て、政府といたしましても、財政、金融、行政各般にわたりましての総合対策を去年の十一月からやっておるわけでございますが、この際もう一度見直しまして、もう一度かんなをかけ直しましてこれに対応しようといたしておるわけでございまして、国会の御理解と御協力をお願いする次第でございます。
○桑名義治君 次は産炭地問題についてお伺いをしておきますが、産炭地域振興臨時措置法、これは昭和三十六年にできまして施行後二十年を迎えているわけでございますが、いよいよ五十六年の十一月に期限切れになる、失効する、こういうことでございます。しかしながら、産炭地の実情をながめてみますと、いまだに経済的にも社会的にもその打撃から疲弊度が十分に回復をしていないというのが実情でございますが、住民の生活水準、雇用情勢、企業誘致の状況などをどういうふうに佐々木通産大臣、藤波労働大臣は認識をされておられますか。
○国務大臣(佐々木義武君) まず企業誘致の状況でございますけれども、地域振興整備公団が造成した団地に立地した企業及び同公団の融資を受けて進出した企業両方合わせまして約千五百社、そのうち福岡県では六百社に上ってございます。 それから雇用面でございますけれども、いま申しました企業によって新規の雇用人員は約十万五千人、うち福岡県だけでは四万人に上りまして、相当な効果があったものと思うのでございます。
○国務大臣(藤波孝生君) 御指摘の産炭地域の雇用情勢につきまして少し数字で御説明をいたしますと、これはやはり全国平均で少し御説明した方がわかりいいかと思いますが、最近の雇用・失業情勢は全国平均で本年一月の有効求人倍率が〇・七五でございまして、昨年の同期の〇・五九に比べますと、ほんのわずかでございますけれども上昇している。失業率につきましても、本年の一月で一・八七%でありまして、昨年同月の二・一〇に比較をいたしまして〇・二三ポイント低下をするというふうに、なお厳しい情勢下にはありますけれども、全国的に見て雇用・失業情勢は改善の傾向が見られると、こういうことになっております。それに比較をいたしまして福岡県を例にとりますと、有効求人倍率が一月で〇・三四でありまして、昨年同月の〇・三〇に比較をいたしまして〇・〇四ポイント、わずかではありますけれども上昇している。こういう状態が福岡県としては出ております。 それに対しまして産炭地域をさらに例にとってみますと、たとえば産炭地域の代表的な筑豊地区を例にとりますと、本年一月の有効求人倍率は〇・二四でありまして、前年同月の〇・二三に比べてほとんど同水準、しかも非常に低い数字になっております。通産大臣からお答えをいたしましたように、産炭地域のいろいろ振興の問題につきましてはいろいろな角度から努力を進めてきておるところでございますし、特に雇用対策につきましては万全の対策を講じて努力をしてきておるところでございますけれども、なお全国平均などから見ますると、産炭地域の雇用・失業情勢は非常に数字としては低い、つらい状態の中で推移している、こういうことを率直に申し上げなければならぬと、こう思うのであります。
○桑名義治君 角度を変えますと、いわゆる生活水準というものはいわゆる生活保護率というものから見るとよくわかると思うんですが、昭和三十五年度は全国が一二・一%、それに対して福岡県は三九・六%、筑豊地区の六条地域は八九・二%と、こういうふうに生活水準が大変に低いわけでございます。とりわけ生活保護者の多いいわゆる川崎、金田、大任、糸田、碓井、こういった地域の生活保護率をそれぞれ数字で全国平均の数値の何倍くらいになっておるか、説明をまずしてもらいたい。
○政府委員(山下眞臣君) 五十四年十二月現在で全国の保護率一・二三%、パーミルで申しますと一二・三パーミルでございます。福岡県下が四三・八パーミル、それから筑豊地区だけに限りますと一〇四・四パーミル、一〇・四%。 町村別はよろしゅうございますでしょうか。
○桑名義治君 町村別やってください。
○政府委員(山下眞臣君) そうですか、申し上げます。 ちょっと町村、先生がおっしゃったのと違うかもしれませんが、碓井町、これが保護率で申し上げますと二〇・三%、それから金田町、これが二三・六%、それから川崎町、これが二五・六%、糸田町、これが二〇・九%、それから大任町——大任町というのでございましょうか、二二・一%、こういう状況でございます。
○桑名義治君 いまお話がありましたように、大変ないわゆる疲弊した地域でございます。これはもう完全に産炭地振興対策というものがまだまだ緒についたばかりだと、こういうふうに言わなければならないというふうに私たちは認識をしておるわけでございます。 そこで、雇用対策の問題でございますけれども、先ほどから多少数字が挙がっておったわけでございますが、産炭地の疲弊した地域の雇用を促進をするということは、新たないわゆる経済活動の場をつくるということもこれも当然大事なことでもございます。それと同時に、そのためには企業誘致が最も重要になってくるわけでございますが、この状況がどういうふうになっているのか、今後またどういうふうな計画がおありなのか、まず伺っておきたいと思いますし、さらに炭鉱離職者につきましてはかなり老齢化が進んでおります。したがいまして、多数の中高年齢の失業者が地元に滞留をしているということは事実であります。厳しい雇用状況の中でこれらの失業者を救済するためには炭鉱離職者緊急就労対策事業、それから産炭地域開発就労事業、それから特別地域開発就労事業、こういった事業が今後も相当長期間にわたって継続する必要がある、こういうふうに考えているわけでございますが、この点については労働大臣どのようにお考えですか。
○国務大臣(藤波孝生君) 先ほど通産大臣からもお答えがございましたように、産炭地域に企業の誘致を行って雇用の効果を上げていくという施策を推進してきておるところでございます。何といいましても基本的にその地域が経済的に振興していくということが基本でありまして、単に産炭地域の非常につらい状態になりました後始末をしていくということだけで表面上糊塗していくということではその地域の真の振興にはならない、そういうことを考えますと、さらに今後とも企業の誘致に努めまして、基本的に地域が振興していくように努力をしていかなければいけない、こう考えるわけでございます。 ただ、御指摘のございました炭鉱離職者緊急就労対策事業、いわゆる緊就事業と申しておりますが、そういった緊就事業などの諸事業につきましては、就労者の就労の状態あるいは先ほども社会局長から御説明のありました生活の実態、さらに産炭地域におきます先ほど申し上げました雇用失業情勢などを踏まえまして今後どうするかということを検討してまいらなければなりませんけれども、いま申し上げてまいりましたような数字からいたしまして、とてもこれらの事業をいま打ち切るというような状態にはないというふうに認識をいたしておりまして、今後とも全力を挙げてこういった事業を推進をしていくようにしたい、このように考えておる次第でございます。
○桑名義治君 また、残存鉱害量というものが問題になるわけでございますが、残存鉱害量は全国でどのくらい、福岡県ではどのくらいですか。
○国務大臣(佐々木義武君) 昭和四十七年に策定されました鉱害復旧長期計画におきましては、残存鉱害量は全国で千七百億円、福岡県で千三百億円ということになっております。
○桑名義治君 そうしますと、鉱害の復旧の長期計画による復旧事業の進捗率は現在どの程度になっていますか。
○国務大臣(佐々木義武君) 御承知のように、昭和四十七年から五十四年、昨年まで二千二百億円の政府の補助金を投入いたしまして、総事業費で全国二千七百億円、福岡県には二千百億円の復旧を進めてまいりました。その結果、石油危機を契機としていろいろ復旧費等の高騰もございますけれども、昭和五十四年度末の進捗率は大体六一%ということになっておりまして、なお二千三百億円の鉱害量が残っているという計算になっております。
○桑名義治君 そうすると、期限切れの五十七年の七月までにどのくらいの、全部の鉱害が処理できますか。
○国務大臣(佐々木義武君) 五十五年末には七一%程度と想定されますので、五十七年の七月までに完全に鉱害の復旧を行うということは恐らくむずかしかろうというふうに考えてございます。
○桑名義治君 市町村の財政も非常に逼迫をしておるわけでございますが、このいわゆる財政力指数はどういうふうになっておりますか、産炭地域の市町村の状況をお知らせ願いたい。
○政府委員(土屋佳照君) 先ほどお示しのございました町村で申し上げますと、川崎町が〇・一八、金田町が〇・一五、大任町が〇・一九、糸田町が〇・一八、碓井町が〇・一九ということでございまして、県下市町村平均が〇・三六でございますから、それに比べるとこの地域は低いという感じでございます。
○桑名義治君 いま数字でもおわかりのように、市町村財政というものも非常に厳しい局面に立たされているということは事実でございますが、しかしながら、社会生活を維持していくためにはどうしても鉱害復旧事業、炭住改良事業あるいは生活保護、失業対策、それから企業誘致事業、こういったものを続行していかなきゃならぬわけでございますが、この点についてどういうふうに政府としては取り組もうというお考えですか、各大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(後藤田正晴君) ただいまお答えをいたしましたように、産炭地域市町村の財政力は非常に低うございます。しかしながら、産炭地域については鉱害復旧事業であるとか、失対あるいは炭住、生活保護、こういったいろいろな事業がございまして市町村は困っておるわけです。場合によると超過負担もあるといったような話も間々聞くわけでございます。 そこで、政府としましては、こういった事業に対してそれぞれ補助負担率のかさ上げをやるとか、あるいは臨時交付金を出すとかということで財政的な支援をやっていることは御案内のとおりでございます。しかし、ただいま言いましたような財政力も非常に弱いし、一部超過負担もあるということでございますので、こういった事業に伴う国庫補助負担制度、これをまず第一次的には各省において強化をしていただくという意味合いから、私どもといたしましては、自治省としては各省庁に国の財政支援の強化を一層やっていただきたいということは今後とも御要請をしてまいりたい。同時にまた、私ども自身としましては、従来から交付税あるいは地方債、こういったものの傾斜配分、これは十分やっているつもりでございますけれども、やはり関係市町村の実情に応じてさらにこういった点については今後とも適正にやってまいりたいと、かように考えております。
○国務大臣(野呂恭一君) 先ほど御指摘のとおり、特に産炭地域におきましては、その生活保護率がきわめて高いわけでございまして、筑豊地区においても一〇%を超えておる。したがって、その二〇%は市が負担する、町村については県が負担しておる。しかし、その財政数字に占める保護費の割合がきわめて高いことは事実でございます。しかしながら、この地方負担分につきましては、先ほど自治大臣のお話のとおり、地方交付税法によりまして必要な財政措置が講じられておるわけでございます。しかしながら、産炭地域、特に福岡県の場合におきましては各町村に保護世帯が多いという関係から、市町村が単独でやっておる仕事、あるいは県自体がそれを補う意味におきまして負担軽減の処置を講じていられるわけでございます。したがいまして、厚生省といたしましては、自治省の対策と同時に、負担軽減のための補助事業に対しましては特別補助をいたしておるわけでございます。今後こういう問題につきまして、市町村の生活保護関係におきまする負担の軽減のために努力をいたしたいと考えております。
○国務大臣(藤波孝生君) 御指摘のありました非常に厳しい産炭地域の自治体の財政事情の中で失業対策諸事業の占める財政負担の割合は非常に大きいということを私どもも承知をいたしております。労働省といたしましては、そのために事業費単価につきまして年々その増額を図ってきておるところでございますが、また、これらの事業の運営に当たりましては自治体ともよく相談をいたしまして、事業種目の選定などにできるだけ相談をしながら経費のかからないような方向で、しかも失業対策事業等が円滑にいくように努力をする、こういうようなことで今日まで来ておりますが、今後ともなお関係町村とよく連絡をとり合いながら進ませていただきたいと考えております。
○国務大臣(竹下登君) 産業及び生活基盤整備対策、これが一つ、それから企業誘致対策、これが二つ、地方財政援助対策、これが三つ等を中心にいたしまして産炭地振興対策につきましては関係省と相談の上十分配慮してまいりたいと、このように考えております。
○桑名義治君 いまそれぞれの大臣から実情についていろいろ数字を挙げて御説明を伺ったわけでございますが、大変ないわゆる疲弊した地域でございます。したがいまして、これは石炭六法といわれるものがそれぞれ期限が来るわけでございますけれども、これの延長を非常に地域としては望んでいるわけでございますが、この延長問題についてはどのようにお考えになっていらっしゃるのか、まず、これは総理大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) 産炭地域振興臨時措置法等の石炭関係法律の期限後の措置につきましては現在検討中でございますが、産炭地域の実態、鉱害復旧の現状、石炭鉱業の実情等を十分考慮して検討を進めてまいるつもりであります。
○桑名義治君 そこで、当然これは審議会にかけられると思いますけれども、その審議会にかけられる前の素案、その素案をつくる段階でこういった鉱害の各市町村の代表の方を呼んで意見を十二分に聴取していただきたい、このことを要望したいと思いますが、この点についてはどうでしょうか。
○国務大臣(佐々木義武君) そのとおりにいたしたいと思っております。
○桑名義治君 最近は建設資材が非常に急騰をしているわけでございますが、特に木材、合板、セメント、生コン、鉄材、この一年間の価格動向を説明願いたいと思います。
○国務大臣(佐々木義武君) 五十四年の二月、五十五年の二月、一年分の比較を御質問の全物資にわたりまして御説明申し上げますが、生コンは一万一千四百円、これは一立方メートル当たりの価格でございます。五十五年二月には一万二千六百円、千二百円の上昇でございます。セメントはバラ物と袋物と二つございますけれども、バラ物は一トン当たり一万一千円から一万二千五百円、千五百円の上昇でございます。袋物は一袋当たり四百八十円から五百七十円、九十円の値上がりでございます。骨材は砂利と砕石と二つに分かれているわけでございますけれども、砂利につきましては立米当たり三千五百円、それが四千円になりまして五百円の値上がりです。砕石は一立米当たり三千四百円から三千九百円、五百円の値上がりでございます。鉄材につきましては、主として建設資材であります小形棒鋼でございますけれども、市中価格につきましては、昨年の同期に比較いたしまして、三月十三日現在でございますが、六万一千円であったものがいま七万八千円になってございます。大体、以上でございます。
○桑名義治君 いま説明がございましたように、大変な急騰を続けているわけでございますが、まだまだ電気料金の値上げ等一連の公共料金の値上げが行われればさらに急騰を続けるであろうというふうに思われるわけでございますが、それについて中小、いわゆる零細の建設業者は倒産のおそれがある、こういうことが言われているわけでございますが、この点については建設省としてはどういう対応をなさろうとお考えですか。それと同時に、いわゆる公共事業についてはどのようにお考えですか。所見を伺いたい。
○国務大臣(渡辺栄一君) お答えいたします。 ただいま資材の高騰の状況は通産大臣からお話があったとおりでございますが、最近におきます建設業の負債金額一千万円以上の倒産の実情でございますが、五十三年は四千四百二十二件、五十四年は四千五百十九件となっておりまして、前年対比二・二%の増加となっております。建設業の倒産要因にはいろいろなものがございますけれども、それらはいろいろと絡み合っておるわけでございます。従来の実情を見ますと、関連企業の倒産、シェア拡大のための無理した出血受注あるいは金利負担の増大、不良不動産の購入、兼業部門の不振等によるものが主な要因でございますが、さらに最近は金融の引き締め、石油価格の高騰による工事費増高の要因がこれらに加わっているものと考えられるわけでございます。そこで、私どもといたしましては、このような情勢下でございますので、ことしの一月から三月までの分につきましては、すでに御承知のように五%の留保をいたしておるわけでございますが、明年度の実行等につきましても、特に物価並びに景気の状況を十分慎重に注視いたしながら関係の各省庁と連絡を密にいたしまして適切なる発注を行うようにいたしたいと、かように考えております。
○桑名義治君 公共事業の問題につきましては、建材価格の見直しを検討すると、こういうふうに言われているわけでございますが、この問題はもう見直しは終わりましたか。
○国務大臣(渡辺栄一君) 見直しと申しまするよりも、最近セメントの供給のトラブル等もあったわけですけれども、そういうような意味におきましては、通産省とも連絡をとりまして円滑な供給を図っていただくようにお願いしておりまするが、価格の見直しと申しまするよりも、それらの建設資材の高騰に伴いまする、たとえば請負金額に対しまする約款の是正等につきまして答申をちょうだいいたしまして、これに適切な措置をとることにいたしたわけであります。
○桑名義治君 いずれにしましても、これは大変な問題でございますので、鋭意検討を続けていただきたいと思います。 それから、全国各地で生コン業界に対して独禁法違反の事件が発生をしているわけでございますが、この点についてのいわゆる実態をつまびらかにしていただきたいと思います。
○政府委員(橋口收君) 生コンクリート業界の問題でございますが、率直に申しまして公正取引委員会としても手をやいておるわけでございまして、全国広範に事件が発生をいたしておるわけでございまして、過去二年間で立入検査をいたしましたのが十二件あるわけでございます。今日におきましてもまだ継続審査中の事件がたくさんあるわけでございまして、生コンクリート業界の構造改善という名のもとに協同組合を利用して価格の決定を行ったり、あるいは協同組合以外の者と取引する者に対しては生コンを供給しないとか、あるいはアウトサイダーに対してセメントを供給しないようにセメント業者に圧力を加えるとか、いろいろな問題も生じておるわけでございまして、御承知のように、生コンでございますから、地区で協同組合にほぼすべての業者が加入をいたしますと地域においてある種の独占性が発生するわけでございまして、一定の時間たちますと凝固するわけでございますから、したがいまして、他から運ぶということがほとんど困難でございます。そういう点で申しまして、もろもろの問題が出ておるわけでございまして、冒頭にも申し上げましたように、われわれとしてはこういう事件がなくなることを強く熱望しておるものでございます。
○桑名義治君 この問題については、いま御説明がございましたように、公取の調査が行われているわけでございますが、あるいはまた、一部には勧告が行われております。しかしながら、この勧告が徹底をされていないという面が十二分にあるわけでございまして、したがって、この問題がいまだに長く問題として残っておると、こういうふうに言わなければならないわけでございます。 時間があれば、細かい問題を事例を挙げながらこの問題は質疑を続けていきたいわけでございますが、時間がございませんので、最後の一問として、建設業者の中小の生コン業者が生コンをとめられることは生死にかかわる問題でございますし、いまお話がございましたように、一時間以内に生コンは性質上どうしても運んでいかなければならないという性質を持っております。したがいまして、いままでの協同組合のカルテル行為あるいはその他の行為というものは許されないと、こういうふうに思うわけでございますが、公取の勧告、指導で効果が出ないときは独禁法の八条の二をも発動せざるを得ないと思いますが、この点についてはどのようにお考えですか。
○政府委員(橋口收君) 過去二年間で立件審査をいたしました事件に対しまして、すでに三件は勧告をいたしておるわけでございまして、事業者としては勧告を応諾をいたしておるわけでございます。 ただ、いま先生お話がございましたように、まだ勧告の効果があらわれていないんじゃないかということでございますが、たとえば大阪地区の問題について申しますと、これは二月の十三日に正式に審決が確定をいたしたわけでございまして、それに基づきまして事業者としてはとるべき措置がございます。そういうものにつきまして現在公正取引委員会に対して了承を求めてきておるわけでございますから、そういう点から申しまして、まだ正式に審決の執行は終わっておらないわけでございます。なお、審決の執行が終わりました後におきまして、さらに必要があれば監査も行いまして、審決が確実に実施されるように十分監視をいたしてまいりたいと思います。 それから、最後におっしゃいました、どうしても審決が執行できない場合にはどうするかということでございますが、これは法律の規定によりまして事業者団体の解散を命じることになっておりますが、しかし、解散の相手方は協同組合でございまして、これは法制によって設立をされた組合でございますので、ある事実に関しましては事業者団体性というものが発生をいたしますが、仮に解散を命ずるということになりますと、協同組合の存立そのものを否定するということになりますので、法律的に見ますとかなり問題があるのではないかという感じがいたします。つまり、協同組合としては、事業者団体の行為のほかにもろもろの行為をやっておられるわけでございますから、それら存立の基盤になっておりますものまで法律の規定によって奪うことが果たしてできるかどうか、また適当かどうかということはさらに今後検討すべき問題ではないかというふうに考えております。
○桑名義治君 終わります。(拍手)
○委員長(山内一郎君) 以上で桑名君の総括質疑は終了いたしました。 —————————————
○委員長(山内一郎君) 次に、神谷信之助君の総括質疑を行ないます。神谷君。
○神谷信之助君 まず、自動車の保安行政についてお尋ねをしますが、通産大臣と運輸大臣、自動車の頻繁なモデルチェンジについてどのような規制をなさっているか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(佐々木義武君) 自動車のモデルチェンジにつきましては、法的規制措置はございません。ただ、乗用車につきましては、昭和四十九年に、省資源、省エネルギーといったような観点から、モデルチェンジは公害安全対策等社会的な要請に応ずるものを最優先に行うべき旨の通達を出してございます。この通達に基づきましてただいま運用しております。今後も過度なモデルチェンジの自粛をするように指導してまいってございます。
○国務大臣(地崎宇三郎君) 運輸省におきましては、自動車メーカーからモデルチェンジの申請に基づき、自動車の安全性の確保、公害防止の観点から審査を行っております。したがって、自動車メーカーから申請があった時点でモデルチェンジについて把握することができるのでありますので、自動車メーカーが計画中のものについては事前に把握をしておりません。
○神谷信之助君 それで実効が上がっていますか。通産省、通産大臣及び運輸大臣、いかがですか。
○政府委員(栗原昭平君) モデルチェンジの過去の実績でございますけれども、ちょっといま手元に資料を持っておりませんが、昭和四十九年、五十年、五十一年あたりは、かなり数字としては低い数字であったと思います。ただ、五十二年以降、排ガス対策に関連いたしましたモデルチェンジというものが行われまして、若干数字がふえているということに相なっております。いずれにいたしましても、単なるモデルチェンジのためのモデルチェンジということでなしに、先ほど大臣からも御答弁いたしましたように、公害対策あるいは安全対策等の見地から、やむを得ず行われるモデルチェンジというものになっているというふうに考えております。
○政府委員(小林育夫君) お答えいたします。 ただいま通産省からお答えのありましたとおりでございまして、最近におきましては公害規制並びに安全規制がほとんど毎年のごとく行われております。したがいまして、その公害規制並びに安全規制に適合するためにモデルチェンジが行われる、その方でふえておりますけれども、いわゆる中身のない形だけのモデルチェンジというものはございません。
○神谷信之助君 それじゃ運輸省、五十年以降の各年ごとのリコール件数、それから対象台数、それから推定経費、これを報告してもらいたいと思います。
○政府委員(小林育夫君) 五十年以降のリコールの件数でございますけれども、昭和五十年度の国産車のリコールの届け出の件数は八件、対象の台数は五万六千三百四十二台、推定経費は三億五百万円でございます。それから五十一年度の同じく国産車のリコールの届け出件数は九件、対象台数は十五万一千五百十八台、推定経費は七億六千四百万円でございます。それから、同じく昭和五十二年度の件数は十五件、対象台数は百六十七万五千八百五十七台、推定経費は六十六億三千七百万円。それから五十三年度の件数は二十一件、対象台数は七十一万二百五十二台、推定経費は三十六億千三百二十万円でございます。それから、五十四年度はまだ終わっておりませんが、ただいままでに件数は八件、対象台数は十八万九千四百七十七台、推定経費は八億九千四百万円でございます。
○神谷信之助君 いまの五十四年度はちょっと違うんじゃないですか。きのうもらった表では、十件になっていますよ。
○政府委員(小林育夫君) お答えいたします。 五十五年三月七日現在におきまして、五十四年度は八件、対象台数が十八万九千四百七十七台でございます。
○神谷信之助君 いまのやつで、五十四年の一月から五十五年の三月現在までですが、きのう報告いただきましたが、十件中、設計ミスによるものが五件というように説明を受けましたが、それは間違いありませんか。
○政府委員(小林育夫君) 先ほどの件数は、恐らく先生の方へは暦年と年度の差だと思います。いま御指摘のとおり、間違いないと思います。
○神谷信之助君 五十年の初めから今日まで、総額で百二十四億四千二百万円余りの損害になっているのですね。だから、認定申請に当たって厳重に審査をなさって、そしてよろしいということになって販売をされた自動車で、しかも業者が認めてリコールした分だけでこれだけなんです。しかも、五十四年の一月から今日まで十件ありますけれども、そのうちの半分五件は設計ミスなんですね。だから、品質が不良だとかどうとかいう問題ではなしに、設計ミスによってだめだという、そういう欠陥車が出てきているわけです。私は、これは重大だと思うのです。 そこで、そういう点から言いますと、通産省及び運輸省の方でこの点で指導の改善をさらに考えてみる必要があるんじゃないかと思うのですが、いかがですか。
○政府委員(小林育夫君) お答え申し上げます。 私ども、かねてから欠陥車につきましては体制の強化を図っておりまして、本省並びに地方陸運局にこれの監視の要員というものも配置しておりますし、それからメーカーに立入検査というようなものも行っております。 ただ、この欠陥車というのがどうして起きるかという原因を調べてみますと、二つございます。一つは設計上に起因する問題でございます。それからもう一つは製造上の問題。製造工程でミスがあったとか、あるいはまた下請から多くの部品を入れておりますけれども、そういう部品に欠陥があったということでございます。 設計のミスがなぜ審査の段階でわからないのかという、恐らくそういう御指摘だと思いますけれども、これは設計の段階で、当然設計者はミスが起こると思って設計をするわけではございません。通常起こり得ないような条件が重なったためにそういう欠陥が出てくるということでございます。新しい車を出す場合には、メーカーにおきまして、大体三十万とか四十万キロの走行試験をやっておるわけでございますけれども、これはメーカーのテストコースにおきましてプロのドライバーがテストをするわけでございます。しかし、一たん町に出ますと、一般の方が非常に常識で考えられないような条件で使う場合があります。そういうことで設計上の余裕が足りないために出てくるという問題が一つあるわけでございまして、こういう問題につきましては、なかなか設計の段階には発見できにくいという問題が一つございます。 それからもう一つの問題は、部品とか製造工程の誤りによるものでございますけれども、これは常に起きるということではございませんで、ある期間、ある会社あるいはある下請の工場でつくったものに欠陥があるということでございまして、これも製造の初めの状態ではなかなか発見できにくい、そういうことがございまして、監査の体制を強化するだけではなかなか防げない。そういう問題が一つございますけれども、私ども、できるだけ早期発見して過ちないようにしていきたい、そのように考えている次第でございます。
○神谷信之助君 それじゃ、もう一度運輸省に尋ねますがね、モデルチェンジ車が販売のルートに乗るまでの間に、どういう——申請からOKが出るまでの間の過程ですね、ちょっと説明してもらいたいと思います。
○政府委員(小林育夫君) モデルチェンジする、しないにかかわりませず、一般に車がメーカーで製作されますと、ディーラーと称する販売店でございますけれども、メーカーからこの販売店を経由いたしまして一般のお客さんに渡るわけでございますけれども、その過程におきまして、各都道府県にございます陸運事務所という事務所がございます。ここで登録並びに検査を受けまして、そして検査証の交付を受け、ナンバーをもらって後に初めて運行の用に供せられる、そういう過程があるわけでございます。
○神谷信之助君 その中で型式指定というのがあるでしょう、あれはどういうことなんですか。
○政府委員(小林育夫君) いま申し上げましたように、一般の車はそういうことで一台一台陸運事務所に持ち込んで検査をしなければならないわけでございますけれども、同じ型の車を非常に多くつくるという場合には、型式指定自動車として届け出をするものにつきましては一定の条件のもとにこれを認めまして、メーカーのラインにおきましてメーカーが完成検査をして、その完成検査の終了証を提示すれば国の検査にかえて手続を行う、そういうものでございます。
○神谷信之助君 そうすると、申請をしてまず型式指定を受ける、その間はどのくらい時間かかりますか。
○政府委員(小林育夫君) 物によって違いますけれども、通常申請から承認になるまで二、三カ月だと思います。
○神谷信之助君 運輸省からもらいましたモデルチェンジの実施状況で見ますと、申請から型式指定というのは大体四カ月くらいかかるんじゃないですか。
○政府委員(小林育夫君) 先ほども申し上げましたように、その時期、時期によって多少違いがございます。どういうふうに違うかと言いますと、たとえば、五十一年規制とか、五十三年規制とか、非常に厳しい規制がございまして、すべての車がある一定時期に全部対応しなければならないというようなことになりますと非常に申請が込んでまいります。そうした場合には相当時間がかかります。それから逆に非常に申請が少ない時期に申請されたものについては二カ月ぐらいで処理されるということでございます。したがいまして、四カ月ぐらいかかるものもございます。
○神谷信之助君 そしてそれがおりてから量産体制に入るにはどのくらいかかるんですか。
○政府委員(小林育夫君) ちょっと私はメーカーの方の話はわかりませんけれども、私ども審査を行いますと、並行してメーカーでは量産体制に入っておる、そのように考えております。
○神谷信之助君 どういうこと、最後は。
○政府委員(小林育夫君) 生産ラインは、すでにもう新らしい型式をつくる場合には、すでに一年とか、一年半前から準備をしております。ですから、そういう意味では準備はされておるわけでございます。ですから、いつでも車をつくり得る状態にはあるわけでございます。
○神谷信之助君 そうしますと、もう審査をするまでにライン化ができておる、そうして型式指定がおりればすぐ審査に入ると、こうなりますね。ところが、これはメーカーは基礎設計から始めて大体三年ぐらいかかる、その間に百億とか二百億の金が投資されてできますね。で、申請をすると、それはあなたの方は、これはだめだ、あれはだめだということによっていろいろチェックされてくると、これは全部またはラインを変えなきゃならない。これはなかなか大変なことになるわけですよ。そうなると、その運輸省のなさる型式指定というのはきわめて形ばかりのものになってしまう、そういうことになっているんじゃないですか。
○政府委員(小林育夫君) そういうことはございません。そのために私ども保安基準という基準がございまして、それに適合すれば自動的にといいますか、通ることになっております。したがいまして、そのときどきで基準が変わるということではございませんので、メーカーにおきましてもその基準に合うようにラインをつくり、設計をし、生産をするということでございますので、間々審査に合格しない車というのはありますけれども、それは一部の手直し等でまた正規に合格する車になり得るわけでございまして、本質的に通らないというようなことは現在までのところはございません。
○神谷信之助君 だから言っているんですよ、だから本式にこれはだめだというのはほとんどない、一部の改善ぐらいのものだと。そういう検査をやって市場に出ているからリコール車がどんどんどんどんふえてくる。さらに、リコールしていないクレームのついた欠陥車というのはそれよりよけいあるわけですから、これは人命に重大な影響を与えるものですから、安全性についてはちゃんとしなきゃならぬだろう。たとえば変速器本体の支持方法が不適切なためにリコールされたという事例もあります。明らかな設計ミスですね。そういうものがまかり通って、そしてリコールされて、もう一遍やり直さにゃいかぬと、こうなっているんですから、むだですよね。省エネどころの騒ぎじゃない、消費の節約どころの騒ぎじゃない、ものすごいむだが行われているんです。 そこで、続いて聞きますが、通産省や運輸省の方で今後のモデルチェンジの計画、御存じでしょうか。
○政府委員(小林育夫君) 先ほどから御説明申し上げておりますように、私ども自動車の安全の審査をしておるわけでございます。したがいまして、新しい型式の車が出るということはメーカーから申請がありまして初めてその審査に当たるわけでございまして、今後どのような型式の車が計画中であるかということは、計画の段階では把握しておりません。
○神谷信之助君 通産省どうですか、通産省。
○政府委員(栗原昭平君) 私ども法律に基づいた手続というのはございませんので、通達によって要請をしているわけでございますが、私どもの承知しておりますのは、運輸省に申請を出されると、ほぼ同時期に私どもに届け出がございます。そういう意味におきまして、大体二、三カ月、数カ月の範囲内のものが私どもの承知している範囲内ということでございます。
○神谷信之助君 通産大臣、運輸大臣のところにもお配りしましたが、トヨタ、日産の主力車種のモデルチェンジ計画、これはわが党が関係者の御協力を得て調査をして整理をしてみたものであります。これは通産省あるいは運輸省は御存じ——いまの話ですと御存じないと思いますけれども、どうですか。
○政府委員(栗原昭平君) かなり先までの数字が入っておりますし、私もよく承知しておりません。
○神谷信之助君 それじゃ運輸省ちょっとごらんいただきたいと思いますが、この表でトヨタのセリカはことしの九月にマイナーチェンジをして、来年の九月にフル・モデル・チェンジの計画をしています。それから、日産のバイオレットはことしの三、四月にマイナーチェンジをして、そうして来年の五月に今度はフル・モデル・チェンジを計画をしている。私どもの調査では、そういうことが確認できたわけです。これはむだなことだと思うんですが、こういうむだな計画は中止させる必要があるのじゃないかと思いますが、運輸省いかがですか。
○政府委員(小林育夫君) 先ほどから御説明しておりますように、新しい車をつくるというのは新しい安全並びに公害の規制ということに適応するために新しい車を出すわけでございます。恐らくその前に、この計画については私ども存じておりませんけれども、もしあるとすれば、先生御承知のように、省エネルギー法案によりまして自動車の燃費の向上のターゲットというものが定められております。したがいまして、それに適合するためには、やはり省エネルギー用の車というのを型式ごとに直していかなきゃならないという要請がメーカーサイドにあるわけでございます。そのためには、非常に多くの型式を持っておりますので、五年なら五年の間に一車種ずつやらなければならないということになりますと、毎年ある型式ごとの変更が出てくるというのはある程度やむを得ない措置ではないかと、恐らくそういう要求に基づいて出てくるものではないかと。 私ども、先ほど通産大臣からも御説明がございました、あるいは通産省から御説明ございましたように、そういう規制にミートする、あるいは省エネルギーの目的のために変えると、そういうことでない限りはやらないというふうに通産省ともども指導してきておりますので、そういう点につきましては今後とも強く指導してまいりたいと、そのように考えておるわけでございます。
○神谷信之助君 公害の問題あるいは安全対策上からモデルチェンジしているのじゃないんですよ。モデルチェンジをすることによって売り込みをうんとふやしていくと、売るためにモデルチェンジしているのですよ。だから、その認識がまず私は間違っていると思うんですよ。一部の手直しをやって、翌年今度は全体変えるんです、フル・モデル・チェンジをやる。それなら一緒にやりゃいいじゃないですか。もしこういう申請が出てきたらどうなさるんですか。たとえばあなた方の説明ですと、通産省もそれから運輸省も、これはことしの九月の場合は出てくる。しかし、来年の九月にフル・モデル・チェンジするということはわからぬ。わからぬから、ことし出てきたやつは、マイナーチェンジは許可する、そしたらまた後から出てくる。それのいままで繰り返しをやっているじゃないですか、ずっと調べて——五十二年以降のこの型式指定の状況をずっと報告聞きますと、その繰り返しをやっているじゃないですか。これ通産大臣、こんなむだ遣いを許しておいていいんですかね。
○国務大臣(佐々木義武君) 冒頭申し上げましたように、法的規制措置というのはないのでございまして、通達等で要望している程度でございますから、この要望にこたえてくだされば大変ありがたいことだとは思いますけれども、無理な強制はできないものと考えます。
○神谷信之助君 そうすると、いままで運輸省がやる型式指定というのは何のためにやるか。強制はできない、無理なことはできないと、だからもうけのためにはちょっと手直しして、またモデルチェンジして新車新車といって売り出す、一定の期間がたつと、今度はフル・モデル・チェンジやってごそっと変える。それの繰り返しによってこの売り込み商法をやっているわけでしょう。そうして、そういう車がどんどんできるものですから、欠陥車や、あるいはリコール車がふえてくる。もう最大のむだをずうっと政府が奨励しているようなものじゃないですか。どうですか、これは。
○政府委員(小林育夫君) 技術革新の世の中でございますから、モデルチェンジをしない、新しい技術ができても取り入れないということでは、これはなかなか自動車の進歩というものもないわけでございます。加えまして、安全規制にいたしましても、私ども保安基準をほとんど毎年のように変えて規制の強化というものを図っておるわけでございます。したがいまして、絶対にモデルチェンジをするなと、こう言われましても、もう規制の方を五年間なら五年間塩づけにして、それでそのモデルチェンジをするなと、こう言うのならば、それはそれでまた一つ筋であろうかと思いますけれども、年々規制を強化をしくなおかつモデルチェンジをするなと、こう言うのではなかなか対応ができないということもまた実態であろうかと私は思うわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、先ほど申し上げましたように、そういうその規制の強化に適合するような内容を伴わないものは、極力行政指導で排除していくということで従来からやってきておりますし、今後もそういう姿勢でやってまいりたいと、そのように考えておるわけでございます。
○神谷信之助君 運輸省、ちょっと尋ねますがね、型式指定の前に、承認が出る前に量産体制に入るということはあり得るわけですか、あり得ないんですか。
○政府委員(小林育夫君) 量産体制という意味でございますけれども、恐らくメーカーは、型式指定がとられてからラインを組むということではないと思います。恐らくラインを組んで、いつでも生産できる体制にメーカーはある、それをいま先生おっしゃった量産体制をとるという意味に解すれば、量産体制をとるということになろうかと思います。
○神谷信之助君 それじゃ聞きますが、トヨタのクラウンの五十四年のフルモデルチェンジ、その場合、生産開始はいつというように報告を受けていますか。
○委員長(山内一郎君) わからなければ後で調べてください。
○神谷信之助君 わかっています。言ってある。
○政府委員(小林育夫君) クラウンの生産開始は五十四年九月五日という報告を受けております。
○神谷信之助君 それは事実と違うんですよ。わが党がこのクラウンの関係者あるいは業者などを含めまして、現場の人たちも含めて調査をしますと、この夏休み明けの八月二十二日ごろから生産開始です。八月に三千百台余り、九月に七千四百台余りの生産をすでにやっています。型式指定がおりる前にもう生産の開始が始まっているというのが私ども調査した事実であります。いかがですか。
○政府委員(小林育夫君) ただいまの御指摘の事実につきましては、私どもまだ調査をしておりませんので、何ともお答えいたしかねます。
○神谷信之助君 これは現場の関係者から私ども調べてきたわけですから間違いはありません。ですから、そこで、先ほど何ですか、トヨタのマークIIがことしの九月、日産のローレルのモデルチェンジ車は今年の十月から量産体制に入る、生産開始に入ると。これについては型式指定がおりる前にそういう生産体制に入ることのないように厳重に指導する必要があると思いますが、運輸省いかがですか。
○政府委員(小林育夫君) その辺のところがちょっとわからないわけでございますけれども、私ども型式指定をいたしまして、指定した車が完成検査をすると、その完成検査の時点がいつであるか、その辺が一つ、型式指定を受けない前に完成検査終了証が出ているということになりますと、法的に問題かと思います。しかし、それ以前にメーカー側で車を生産してストックをしておる、そして型式承認がおりた時点で完成検査をする、それが違法であるかどうかということになりますと、これは少し研究さしていただかないと、違法であるかどうかということにつきましては議論のあるところではないかと思いますので、その辺はもう一度検討さしていただきたいと思います。
○神谷信之助君 冗談じゃないですよ。たとえば八月に三千台つくったでしょう。一台平均二百万円ぐらいすると、約六十億もストックを持っている。それで承認が九月になってから出てくる。その承認をする前に、これは不備があると、こう改善せいと。そうすると、ライン体制をもう一回変えなければいかぬ。六十億からの商品はパーになるのですよ。だから、逆に言うと、あなた方の型式指定の承認がおりる前に生産をするということは、ちゃんともう何といいますか、うのみにしてくれる、認めてくれると思うからやる、業者の方は、メーカーの方は。そういうことになるわけでしょう。厳正な審査がやられるとすれば、それはちゃんと承認がおりてから、さあ生産開始と、これはわかります。そうじゃないのです、現実の問題。これは重大な問題ではないですか。
○政府委員(小林育夫君) メーカー側において——いま先生御指摘のように、もし承認にならない場合は、それはメーカー側のリスクでございます。したがいまして、リスクを覚悟でそういうストックを持つ、これはいわば半製品でございます。ですから、そういう半製品を抱えることが違法かどうかということになりますと、これはやはり法的には問題があるのではないか、もう一回検討してみないと結論が出ない問題ではないか、私はそのように考えておるわけでございます。
○神谷信之助君 私は違法というようなことは一言も言っていないですよ。それは好ましいことではないのではないかと言っているのです。ですから自動車の大手メーカーというのは、これは売らんがためのモデルチェンジをどんどん繰り返す、そうして型式指定のときには、もうすでに、先ほども話があったように、ライン化されているわけです。ですから運輸省の審査というのは、もう形式的に終わってしまう。そうして出てきた新車は、売られるとあちこちで事故を起こす、そうしてリコール車になって、百数十億からの損害を与える。五十年度以降からこういうのがいまなお続いているのですよ。わが党は、この点数年来指摘をしてまいりましたが、いまだに改善をされない。その改善をされない中に、私はずっと調べてみますと、運輸省の官僚が自動車業界に天下りしているでしょう。たとえば日産の専務の山崎さんは通産省の通商局長だったし、トヨタの専務の山本重信さんは通産事務次官だった。こういう方々が、通産省あるいは運輸省のお役人さんが業界の中に天下っている。お手元の資料にありますように、これは五十四年度の一九七九年、一年間に退職した本省の局長以上の就職先を報告をしてもらいましたが、こういう資料が報告されてまいりました。こういうように高級官僚が自動車業界に天下りをしている。これが通産省や運輸省の先輩、後輩ですから、厳しく審査をしたり査定をしたり指導するというのができぬと、そういう状況じゃないかと思いますね。ですから臨時行政調査会の答申の中にも、天下り官僚の存在は特殊の関係が生じやすく、公務の公正を阻害するおそれが多い。したがって、これを規制をするその強化の答申を出しています。これについて、ひとつ総理の見解をまずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) 公務員の退職後の就職につきましては、一定の規制を設けて厳重に人事院の認めたフレームの中でやっておるわけでございまして、これは仰せのように、一定の期間を置かなければ就職ができないとか、退職前の五年間その者が占めた機関と関連のある職にはつかないというようなことを設けたのは、恐らくそういう弊害を除くために設けた制度であろうと思うのでございまして、これを厳正に実行してまいるということで対応いたしておりますので、御懸念のようなことは私はないものと考えております。
○神谷信之助君 それが一定の規制をして、厳正にやっているというように総理は思っておられますが、事実は違うんです。 そこで、いまお話がありましたが、人事院の方で天下りについて規制はどうなっていますか。
○政府委員(藤井貞夫君) これは国家公務員法に規定がございまして、離職前五年間に関係のあったところには離職後も二年間は就職ができないという規定がございます。これはまあいろいろ従来も論議がございまして、ある程度手直し、あるいは国会の場で修正等も行われて今日まで来ておるわけでございます。いろいろ論議があることは重々承知をいたしておりますが、ただ公務員につきましてもこれは同じ国民でございますので、職業選択の自由というものはこれは当然あるわけでありまして、それとやはり公正な確保をしていくということとの兼ね合いということが大変問題になるわけでございます。いま私から申すのもいかがかと存じますけれども、このいわゆる天下りの規定ができます際に、特に参議院におきましても大変論議がございまして、そういうことはやはり公務員について就職の自由を制限することではないのかというような議論も大変活発に行われたということを私自身も承知をいたしております。そこのにらみ合わせの問題が大変むずかしいことでございまして、私たちといたしましては、別の意味で最近特に言論界その他でもいろいろ論議をされております弊害の問題等についても十分留意はいたしております。そういう意味で、これによって弊害が起きますると大変事は重大でございますので、人事院といたしましても与えられた職員というものを厳正に守りながら、これについての審査をやっているつもりでございます。各省ともそういう趣旨は十分理解をしていただきまして、この線に沿って努力をしてもらっておるというふうに私自身としては確信をいたしておりますが、いろいろ世論もございまするし、今後とも私自身といたしましては十分に厳正に事を処理してまいりたいと、かように考えておる次第でございます。
○神谷信之助君 二年間就職できない規定になっていますが、特に申請をして承認をとればいいということがありましたね。そこで、一九六三年から一九七八年の十六年間に承認した件数、不承認の件数、これはどうなっていますか。
○政府委員(金井八郎君) 営利企業への就職の承認、不承認の件数でございますが、ここで不承認と申しますのは、申請者が各省の大臣あるいは長官でございます関係もございまして、事前にいわば事務審査という形をとっております。その際に、とてもこれは見込みがないと思う者はお引き取りを願っておりますので、そういうものをいわゆるここで不承認というふうに申しております。そういうことで昭和三十八年から昭和五十三年までの承認、不承認の件数を申し上げますと、昭和三十八年は承認……
○神谷信之助君 いや、十六年間の合計でいいです。
○政府委員(金井八郎君) 十六年間で承認が計二千六百四十七件、いわゆる不承認が二百三十八件でございます。
○神谷信之助君 その二千六百四十七件中、局長以上は一体何件になりますか。
○政府委員(金井八郎君) 各省庁の局長以上の承認件数でございますが、これはいまの十六年間で百三十二件でございます。不承認につきましては、ちょっと数字が出ておりませんので……。
○神谷信之助君 その承認理由の内訳はどういうことになっていますか。
○政府委員(金井八郎君) 承認の理由別内訳を申し上げますと、まず第一に、在職した省庁と就職しようとする営利企業との間におきまして事業の監督関係があるという場合に、本人が当該事項を所管する官職に在職しなかったという場合が三十二件でございます。それから、在職した省庁と就職しようとする営利企業との間に契約関係等の具体的な関係があったけれども、本人は当該事項に在職中関与しなかったという場合が十三件。それから、前二者の併合した場合が二十三件。それから、在職中に当該企業と職務上の関係がございましたけれども、その内容が比較的軽微であった場合が六十四件と、以上が承認の内訳でございます。 不承認は、先ほど申し上げましたように、ちょっと数字が出ておりませんので省略いたします。
○神谷信之助君 あなた方の方からもらっている報告の中で、国会報告が出されていますね。あの資料に基づくと、非役員であるのも一つの理由になったり、離職後の相当期間経過というのも理由になったりしていますが、どうですか。
○政府委員(金井八郎君) 就職の承認を審査する場合に、役員の場合と非役員ではやはり審査の内容において違ってくるわけでございまして、役員でございましても関与関係がきわめて薄いとか、期間も中にはその二年ぎりぎりになるというようなところで、全体的内容から見まして関与関係が軽微だという者は中には審査の場合に承認することもございますが、役員におきましては審査の際に承認しないというのが大体の内容でございます。
○神谷信之助君 そうすると、百三条で禁止されている「営利企業の地位」というのは役員だけということになるのですか。
○政府委員(金井八郎君) 営利企業の地位で役員と申しますのは、必ずしも役員——要するに役員だけでなくて一般の非役員の場合でも営利企業の地位には該当いたします。
○神谷信之助君 もともとは「営利企業を代表する地位に」あるというのだったのが「営利企業の地位」というように、二十三年の十二月ですか、改正になっておるんですよ。そうすると、役員でないからということで承認をするというのは、まさに法律を踏みにじっている法違反の行為だと思いますね。 それから、そのうち十五人は離職後二年以内に役員に就任をしているわけでありますが、これもまた百三条違反と言わなければならぬと思いますが、いかがですか。
○政府委員(金井八郎君) 最近の審査におきましては、いま御指摘のようなことにつきましては承認をしないことにしております。要するに、非役員で就職しました者が役員になるという場合には、その場合もやはり離職後二年以内でございますればわが方の審査を受けなければならないわけでございますけれども、役員の審査の判断基準から申しまして、非役員の場合なら承認ということであって役員の場合は承認できない場合というのももちろんございますので、そういう場合は承認しないという扱いでやっております。
○神谷信之助君 そのほか、離職後相当期間を経過しているということを理由に、わずか一年しかたっていないのに承認をした例もありますね。
○政府委員(金井八郎君) これはいろいろ御意見等もございまして、わが方でも審査の際に昭和四十七年以降はそういうものについてはやっておりません。審査で承認はしておりません。
○神谷信之助君 総理大臣にちょっと最後にお伺いしたいと思いますが、総理の諮問機関である臨時行政調査会、これが三十九年の九月ですが、天下り人事に対する対策としてその強化を指摘をしています。それから行政監理委員会も四十四年の三月十二日に天下り問題についての意見を出しています。ところが、この天下りの役員によって官界と財界、そしてさらに政治家が加わって癒着をしての構造的な汚職腐敗というのが最近続々と芽を吹き出していると。きょう佐藤さんが起訴されましたが、あのKDDの問題でもそうですね。前社長の板野さん、それから副社長の鶴岡さん、そしていま逮捕されている佐藤陽一さん、あるいは取締役の高仲さん、これらは全部天下りの高級官僚。そこで、新社長の増田さんは、不正の温床を絶つために郵政省から天下りを拒否をするというようなことまで明らかにされています。そういう事態に対して、汚職腐敗の一つの根っこであるこの高級官僚の天下りの問題について、一体どのようにお考えであり、どのような措置をとろうとなされるのか。行政改革、これを一つの公約として進めてこられておる総理の見解を最後にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) 国家公務員の営利企業への就職の制限に関しまして、仰せのように、行政改革臨時調査会の答申、これは三十九年にございました。それから四十四年には行政監察委員会、要するに監理委員会でございますかの答申がございましたことは御指摘のとおりでございまして、現在政府といたしましては、その趣旨に沿ったこの問題に対する運用並びに検討がおこなわれておるものと私は承知いたしております。 本来、国民は憲法のもとで勤労の権利、職業選択の自由が保障されておるところでございますけれども、国家公務員法は、公共の福祉確保という要請から、公務員法上に一定の制限を設けておるものと私は解釈いたしております。審査機関たる人事院は、これらの諸要請の調和を図りながら、厳正かつ慎重に審査に当たっておるものと承知いたしております。したがって、今日いろいろなことが起こっておりまするが、この問題の取り扱いにつきまして私はみじんも間違いはないと承知いたしておりますが、今後一層われわれは緊張した姿勢でこの問題に厳正に対処して国民の信頼にこたえなければならぬと考えておりまして、現在こういう制度を改むべきかどうかという点につきましては、基本的にはこの制度をいま改めようというつもりはございませんけれども、運用においていろいろ改善をしていかなければいかぬと努力いたしておるところでございます。先般来問題になっておる特殊法人に対する天下りの制限につきましても半数以下にこれを抑えていこうという方針のもとで、いま着々と実行に移しておりますことは神谷さんも御承知のとおりでございまして、今後一層厳正にやっていかなければならぬと考えております。
○神谷信之助君 人事院総裁、審査基準の改善についてどういうお考えですか、最後に。
○政府委員(藤井貞夫君) これは毎度申し上げておりますが、いわゆる天下りというものについてはそれなりの大変重要な意義があると思います。ただ、これは世界の各国の実情等を見てまいりますと、日本の場合はかなり厳しい、比較をいたしまして大変厳しいという点もこれは事実でございます。そういう点もございますので、いろいろ慎重に考えなければならぬというふうに私自身は思っておるわけでございますが、しかし、審査基準についてはやっぱり弊害が起こらないようにできるだけ厳正にやっていかなければならぬという姿勢はとっているつもりでございまして、そういう意味で毎年一歩一歩そういう方向に向かっての努力は重ねておるつもりでございます。具体的に申せば、親会社と子会社の関係でありますとかそつ他についてもいろいろ配慮をしつつ今後とも対処してまいりたい、かように考えております。
○神谷信之助君 では、次に婦人問題に移りますが、まず総理、ことしは国連婦人の十年の中間点、言うなら折り返し地点で、世界会議も予定をされております。ですから、前半の実績を踏まえてこれからの後半について総理の見解を聞いておきたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) 仰せのように、ことしは国連婦人の十年でございますか、そのちょうど折り返し地点にあたっております。この過去五年間にあらゆるいろいろな面におきまして相当の婦人に対する施策が進んだと承知いたしておりまするけれども、なお十分でないということでございますので、この五年間の歩みを静かに回顧いたしまして、なお足らない点を十分念査の上、これからの五年間にどのようにこれを充実してまいるかという点につきまして一段と政府としては力を入れなければならぬと考えております。
○神谷信之助君 具体的にもう一つ総理にお伺いしておきたいと思いますが、七五年の国際婦人年の世界会議で採択をされました世界行動計画序章の二十項で、保育所、育児施設は男女平等促進のかぎであると、こういうように規定をしておりますが、この点について総理の見解を聞きたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) 仰せのとおり、国際婦人年世界会議におきまして採択されました世界行動計画の国内施策への取り入れのため、五十二年一月に策定いたしました国内行動計画におきまして、男女平等を基本とするあらゆる分野への婦人の参加の促進を図るための重点施策の一つとして、保育施設の整備など育児等に関する環境の整備に政府も努めてまいることを掲げております。今後ともこの施策の推進には一層努力を傾けてまいりたいと考えております。
○神谷信之助君 努力されていることは認めますが、まだまだきわめて不十分な状況だと思うんです。 そこで労働大臣にお伺いしますが、就業労働者における婦人労働者の増加の状況は一体どうですか。
○国務大臣(藤波孝生君) 女子就業者及び雇用者の数は、四十九年、五十年には一たん減少をいたしましたが、五十一年以降の景気回復の過程でぐんと増加をいたしてまいりまして、女子の就業者数は、五十年の千九百五十三万人から五十四年には二千百十七万人と、百六十四万人増加をいたしておりまして、そのうち女子雇用者数は、千百六十七万人から千三百十万人と、百四十三万人増加をいたしております。この間に男子を少し比較をいたしてみますると、男子の雇用者の数は八十七万人増加をいたしまして、女子の増加を下回っております。 こういった状態で、雇用者総数に占める女子の割合は三三・八%、これまでの最高水準に達したと、このように数字は示しておりまして、非常に女子の職場への進出が顕著になっておると、こういうふうに申し上げていいと思います。
○神谷信之助君 そこで労働大臣、続いて婦人労働者の退職状況ですが、特にその退職の理由ですが、出産とか育児、こういったことで退職をするという理由、これが大体どのような状況かお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(藤波孝生君) 婦人の労働者の場合には、やっぱり就職したり退職したりという場合が男子に比較をいたしまして多いわけでありますが、労働省の雇用動向調査によりますと、五十三年の女子離職者の数が百七十一万人という数を数えております。その離職の理由は、個人的な理由によるものが七九・八%を占めて最も多く、そのうちの二〇%が結婚、出産、育児などを理由にして離職をいたしております。非常に家庭的な、あるいは女子の生活の変化に伴いまして離職するという場合が多いように思います。
○神谷信之助君 そこで厚生大臣にお伺いしますが、保育にかける子供の数、そしてそれに対する対策、年々の整備状況、こういったものについてお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(野呂恭一君) 保育の必要な子供が全体に占める割合も漸次推移をいたしておりまして、昭和三十九年には一二・五%、昭和四十二年には一四・五%、昭和五十一年一八・六%というふうに進んでまいっておるわけでございまして、昭和五十一年の保育の需要実態調査によりますと、当時の要保育率は一八・五%、先ほど申し上げたとおりでございます。その児童の数は二百二十六万六千人と推定されるわけでございます。しかしながら、出産率が低下いたしておりますので、率は伸びておるけれども実際の子供の数は必ずしもふえていかないと、こういうふうな動向にあるのではないかというふうに考えております。したがって、保育に対しての全国的なレベルにつきましてはかなり充足されておる。ただし地域的な偏在がございますので、これを是正することを考慮に入れながら今後効果的に保育所の対策を進めていかなければならない、かように考えております。
○神谷信之助君 それで整備の方、保育所の建設ですね、これの状況は一体どういうように進んでおりますか。
○国務大臣(野呂恭一君) 先ほど申し上げましたとおり、全国レベルではすでに充足をしております。しかしながら、今後の問題としては、地域的な偏在の是正をどうするかということを考慮しながら、緊急必要なところにおいては効果的に保育所の整備を進めていくことが大事であると、こういうふうに申し上げたわけでございます。
○神谷信之助君 全国的には整備が完了したようなお話ですが、地域的に非常に不均衡ですね。ですから、都市では非常に保育所建設がおくれて、保育にかける子供の保育が追いつかないという状況です。四月に保育所が開所するときにはもう満員ですね、乳幼児含めまして。ですから、たとえば京都市ですと昼間里親制度をつくっている。ですから、四月のときには満ぱいにしないであけといて、後から出産をしてきた乳児をそこへ収容すると。それでも十月ぐらいにはもう大体全部満ぱいになります。そうすると、それから以後に子供が生まれてきますと、さて、産後の休暇を終わって働きに行こうと思っても働けないですね。そこで無認可保育所をやむを得ずつくる運動をやらなきゃならぬし、このようになりますと、逆にもう一つ営利的なそういう保育所が出てきているのですよ。子供をずってとバスで集めて回るんです。それで自分のところの保育所に連れてきます。あるいは親が持っていっても、入り口で受け取って、中は見せない。中は見せないのですよ。中はもう蚕だなみたいに子供をだあっと寝かしておる。もちろん遊び場もないし庭もない。だから、保育所と言うけれども、保育をしているのじゃなしに、ただ子供を預かっておるだけという、それで営利的にやっておるわけですね。だから児童福祉法の保育所の認可を受けようとしないのだ、それをすればいろいろ指導されますから。それは採算が合わぬと、こうなる。そういうところに来ているのですね。私は、その実態をまず厚生省は把握をしておられるのかどうか、しておられなければひとつ調査をなさったらどうかと、こういうように思いますが、いかがですか。
○国務大臣(野呂恭一君) 御指摘のいわゆる無認可保育施設でございますが、確かにこれは営利を目的としたものも含まれておると思いますが、その実態はさまざまでございまして、児童福祉法上の規制外にございますので、その実態把握はきわめて困難でございます、申しわけないと思いますが。 しかしながら、この無認可の施設に対しましては、基本的には保育所の整備を推進することによって解消を図っていくことができるではないか、そういう方針で進めてまいります。また、これらの無認可の施設のうち、認可保育所としての要件を備えておるものにつきましては、国といたしましては、個々の事情に応じて指導、援助を行ってまいりまして、いわゆる小規模保育所制度、三十人前後の小さな保育所でございますが、その適用を積極的に行うことによって解消することができるのではないか、こういうふうに考えておるわけであります。
○神谷信之助君 そういうようにお考えではあるけれども、現実に大都市は特に保育所は足りませんよね。足らないでしょう。そこで、特に指定都市、京都市もそうですが、先ほども言いましたような昼間里親制度なんかをやっています。これは二十四条のただし書きに基づく措置です。保育所に対しては国が八割の措置費を負担をする規定がありますね。この二十四条のただし書きも当然補助対象にすべきじゃありませんか。あるいはまた、このような昼間里親制度とか保育ママなんかを制度化すべきじゃないかと思いますが、いかがですか。
○委員長(山内一郎君) 神谷君、時間が来ました。
○国務大臣(野呂恭一君) 市町村長は保育にかける乳幼児を保育所に入所措置することにされておりますが、付近に保育所がないとか、あるいはまた保育所に収容能力がないといったような場合におきましては、これにかわる適切な保護をやっていかなければならないということがただし書きの規定でございます。したがいまして、このような場合におきましては、市町村長といたしましては、地域の事情に応じていろいろの努力を払っていただいておるわけであります。たとえば児童館であるとか、あるいは児童センターの活用とか、母親クラブであるとか、僻地の保育所の整備であるとか季節保育所であるとかいったようないろいろな施策をやっておるわけですが、国としても必要な助成をこれらに対して行ってきておりますが、市町村が独自に行っております施策についてすべて助成するということには至っていないわけでございます。
○神谷信之助君 義務化されているじゃないですか。ただし書きが規定されているんだからね。
○国務大臣(野呂恭一君) 今後これは小規模におきまする保育所を認めることによりながら保育所の不足を解消していくという方法を講じてまいりたいと思いますが、いずれにいたしましても、いろいろの角度において足りない保育所の整備、あるいは国としての対応を示してまいりたいと考えております。
○神谷信之助君 検討していますか、いまの点。里親制度ですよ。
○委員長(山内一郎君) 神谷君、立って発言してください。
○神谷信之助君 答弁になっていないじゃないか。中間里親制度とか保育ママ制度、やっているでしょう。それは二十四条のただし書きの措置なんだから、補助の対象になるんじゃないか。
○国務大臣(野呂恭一君) だから、保育所の整備として従来からの基本の姿勢を国は持っていきまして、そして一定規模の保育所の整備が困難な地域におきましては小規模の保育所も認めていかなきゃならぬ、したがって、それによって保育所の不足を解消することができるんだと、こういう方法で進めてまいりたいと考えております。
○神谷信之助君 最後に一つ……
○委員長(山内一郎君) 時間になりましたから、あと簡単に一問だけです。
○神谷信之助君 中央児童審議会の中間答申にも、乳児がいわゆる家庭と同じような状況で保育をされるのも非常に好ましい、したがって、里親制度とか、そういう制度は考慮する必要がある、それに対して国は援助する必要があるということも答申の中に入れているのですよ。だからこれは再検討してもらいたいということと、総理ね、とにかくそういう状態で、同時にまた子供の非行化も進み、それから婦人の労働したいという意欲も、乳児、子供ができますと会社をやめなければならぬという状態になったりパートになったりしなければならぬし、あるいはどうにもこうにもならなくて、もうとにかく子供にとってぐあいが悪いと思っても営利的な保育所に預けざるを得ないという、そういう状態が起こってくる。それから婦人の労働権を保障するために私はこれはちゃんとせなきゃいかぬというふうに思うので、最後に一つ総理の見解を聞いておきたい。
○国務大臣(大平正芳君) 婦人の雇用の機会を増してまいること、それからその機会を維持するように努力することは仰せのように大事なことだと思います。それには保育所等の施設の充実に政府としても努力しなければならぬことはよく承知いたしておりまして、先ほど来政府の方から申し上げた方向で努力を惜しまないつもりでおります。
○委員長(山内一郎君) 以上で神谷君の総括質疑は終了いたしました。(拍手) 次回は明後十七日午前十時から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時二十三分散会