予算委員会 第4号
- 発言数
- 382 件
- 登壇者
- 36 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1980/03/10
会議録
○委員長(山内一郎君) 予算委員会を開会いたします。 まず、理事の補欠選任を行います。 委員の異動に伴い理事二名が欠員となっております。理事の補欠選任につきましては、先例により、その指名を委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山内一郎君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に栗原俊夫君及び沓脱タケ子君を指名いたします。 —————————————
○委員長(山内一郎君) 昭和五十五年度一般会計予算、昭和五十五年度特別会計予算、昭和五十五年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 —————————————
○委員長(山内一郎君) まず、公聴会開会承認要求に関する件についてお諮りをいたします。 昭和五十五年度総予算三案審査のため、来る三月十八日に公聴会を開会いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山内一郎君) 御異議ないと認めます。 つきましては、公聴会の問題、公述人の数及び選定等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山内一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。 —————————————
○委員長(山内一郎君) 次に、総括質疑に関する理事会の協議決定事項について御報告をいたします。 総括質疑は七日間分とすること、質疑割り当て時間は総計九百八十分とし、各会派への割り当ては、自由民主党・自由国民会議及び日本社会党それぞれ三百六分一公明党百五十三分、日本共産党九十二分、民社党六十一分、参議院クラブ及び第二院クラブがおのおの三十一分とすること、質疑順位及び質疑者等についてはお手元の質疑通告表のとおりとすること、以上でございます。 右、理事会決定どおり取り運ぶことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山内一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。 —————————————
○委員長(山内一郎君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。 昭和五十五年度総予算三案審査のため、本日の委員会に日本銀行副総裁澄田智君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山内一郎君) 御異議ないと認めます。 なお、出席時刻等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山内一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。 —————————————
○委員長(山内一郎君) それでは、これより総括質疑を行います。山崎昇君。(拍手)
○山崎昇君 私は、日本社会党を代表しまして、一九八〇年代を迎えるに当たって、この中心議題であります予算に対して多少の質問をいたしたいと思います。 まず、先般衆議院におきまして、野党三党——社会党、公明党、民社党の修正要求が一部通りまして、与党との間に、国対委員長間ではありますが、調印が行われました。この予算修正につきましては、これは政府も了解をしているものと私ども判断いたしますが、まず総理に見解をお聞きします。
○国務大臣(大平正芳君) 三党の修正要求がございまして、これに対しまして自由民主党から文書をもって回答いたしました経緯並びに内容はよく承知いたしております。
○山崎昇君 いや、内容は承知だけではなしに、これは当然政府も与党との間に連絡調整をやっているわけでありますから、私どもは、当然政府は了解をしておるのではないだろうか、こう考えているんです。もう一度ひとつきちっとしておきたいと思う。
○国務大臣(大平正芳君) そういう経緯を承知いたしておりまして、これに対しましては、政府として誠意を持ってこたえるつもりでございます。
○山崎昇君 誠意を持ってこたえるということは、政府も了解をしていると私は理解をいたします。 そこで、私どもも政党でありますから、内容は多少承知いたしておりますが、予算案でありますから、大蔵大臣からその内容について御説明を願いたい。
○国務大臣(竹下登君) 五十五年度予算に対する社会党、公明党、民社党共同修正要求への回答という形になって、自由民主党・自由国民会議から五十五年三月三日返答をいたしまして、それに対して右合意するということで、自由民主党・自由国民会議国会対策委員長、日本社会党国会対策委員長、公明党・国民会議国会対策委員長、民社党・国民連合国会対策委員長の署名をされたものでございます。 その内容につきましては、 一、福祉予算 (一) 老齢福祉年金については、今後、社会労働委員会の審議を経て国会の結論が得られれば、その支給月額を八月から二二、五〇〇円に引き上げる用意がある。その場合、老齢福祉年金以外の福祉年金、五年年金並びに福祉年金に連動する児童扶養手当等の引上げについても、右に準ずるものとする。 それで、支給月額のところへ(一、〇〇〇円)と書かれてあります。それから、「右に準ずるものとする。」というところの下に(二四八億円)(平年度七〇〇億円)と、こう書かれてあります。 (二) 特定疾患治療研究の対象疾患の拡大については、専門家の意見を聴いて、検討する。 (三) 老人ホーム入所者の費用徴収については、今後の実施状況を見極めながら、引き続き費用負担の適正化に配慮する。 二、雇用対策 (一) 地方雇用開発委員会については、今後、地域の実情を踏まえ、増設に応ずる用意がある。 (二) 中高年齢者雇用開発給付金の期間指定の基準の緩和については、関係審議会に諮り、指定期間の延長に努める。 (三) 高年齢者労働能力活用事業補助については、今後の実施状況を見極めながら、円滑な事業運営が図られるよう配慮する。 三、物価関連の施策 今後の物価動向に細心の注意を払い事態の進展に即応して適切な対策を講ずる。 (五〇〇億円) 四、国鉄運賃 国鉄の通学定期運賃割引率については、現在、運輸審議会に諮問中であるので、その審議を通じ、原案の割引率三パーセント引下げを一・五パーセント引下げに改める用意がある。(三三億円) 五、電気・ガス料金の値上げ抑制 電気・ガス料金については、極力抑制する。 なお、電気料金の改訂が行われる場合には、低所得層の負担増に配意して電気税の免税点(現行月額二、四〇〇円)を見直す必要があると考えているので、今後料金改訂の状況をみながら対処するつもりである。 六、四十人学級など教職員定数改善計画 概ね三年後に、各般の状況を勘案し、その後の計画につき検討する。 七、中小企業信用保険公庫出資の増額 中小企業信用保険公庫出資については、同公庫の保険金支払の状況等を勘案し、必要に応じ所要の追加を行うことを検討する。 八、行政経費の縮減(三〇〇億円) 今後の執行状況等を見極めつつ、行政経費の縮減を図ることとする。 九、金融機関の週休二日制 金融機関の週休二日制については、関係委員会において引き続き検討する。 十、環境アセスメント法案 環境アセスメント法案については、政府において関係閣僚協議会を設置し、法案提出の調整にあたるよう要請する。 十一、行・財政改革 行・財政改革は、国民の世論で、現下の最重要課題の一つである。今回の御提案は、行政の簡素化・効率化を一層推進すべきであるとの立場に立つものであり、基本的方向については概ね見解を同じくするところである。 今後とも行政改革の実施に当っては、社会・公明・民社三党の御協力をお願いしたい。 なお、補助金等の整理・合理化についてサマーレヴューを行うこととする。 右合意する。 昭和五十五年三月三日 そして、四党の国対委員長の署名であります。
○山崎昇君 関連をして厚生大臣にお聞きしますが、いま大蔵大臣から説明のありました中に、老齢福祉年金に準じて関連する問題は引き上げることになっておりますが、どういう内容が関連をしてくるのか、御説明願いたい。
○国務大臣(野呂恭一君) 児童扶養手当のほかに、具体的には特別児童扶養手当、それから福祉手当及び原爆諸手当、その原爆諸手当の中には特別手当、健康管理手当、医療手当、それから保健手当、家族介護手当等を指摘いたしておるものでございます。
○山崎昇君 いや、もっと内容について、具体的に一体どれぐらい上がってどうなるのかということを示してもらいたい。
○国務大臣(野呂恭一君) 老齢福祉年金を含めまして、予算総額では平年度七百億を予定いたしました。八月実施の初年度におきましては二百四十八億に相なるかと考えるわけでございます。一項目ずつ予算を申し上げますか。——老齢福祉年金におきましては二万二千五百円ということに相なるわけでございます。五年年金におきましては二万二千六百円。児童扶養手当でございますが、これは二万九千三百円。特別児童扶養手当については三万三千八百円、福祉手当におきましては月額九千二百五十円。原爆関係の手当でございますが、特別手当は月額六万七千五百円、健康管理手当につきましては二万二千五百円、医療手当については二万四千五百円、保健手当につきましては一万一千三百円、家族介護手当については九千二百五十円。毒ガス障害対策、その健康管理手当は月額二万二千五百円、保健手当は一万一千三百円。予防接種事故対策としての医療手当は月額二万四千五百円、障害児養育年金八万三千六百円等でございます。
○山崎昇君 次に、経企庁長官にお聞きしますが、物価関連の五百億が追加になるというふうになっておりますが、恐らくこれから内容的に詰めるというふうには考えますが、すでに調印されたのが三日です、きょうまで一週間かかっているわけでありますが、一体、経企庁としてはどの辺をどういうふうにするというお考えであるのか、あればこの機会に示してもらいたい。
○国務大臣(正示啓次郎君) お答え申し上げます。 大変物価問題を重要視されまして、自由民主党を初め三党で、五百億円の物価対策費を追加するようにと、こういうお話がまとまったことは十分私どもも承知いたし、感謝をいたしておるわけであります。これをどういうふうに使うかは、山崎委員も御承知のように、情勢は常に非常に大きく動いております。近く重要な公共料金の決定等を見るような状況でございますので、またわれわれの当初予算にも相当のこれは対策費を計上いたしておるわけでございますけれども、情勢の変化いかんに対応して、いわゆる備えあれば憂いなしという気持ちでこういう対策を講ぜられたものと考えます。各党の御意見も十分拝聴しながらこれから具体的に詰めたいと思いますが、その一つの事例といたしましては、最近急騰を続けました野菜対策として、これは五十四年度でございますけれども、春野菜の早期出荷その他に対しまして約五億円の緊急支出を先般いたしまして、おかげで野菜価格も漸次鎮静しつつあることは一つの事例として注目すべきことかと考えております。
○山崎昇君 次に、通産大臣にお聞きしますが、聞くところによりますというと、二十一日には電力、ガス料金等を決めるようにも聞いております。この三党で、低所得層の負担増に配慮してと、こうあります。先般、私は北海道の公聴会に参りました際に、灯油の問題に関連して、北海道、あるいは二十の市町村でありましたが、福祉灯油という制度を設けて一定の補助をいたしております。強くこれは国としても制度化してほしいという意見がありましたが、後ほどこれは質問するにいたしましても、この低所得層に対する配慮というのは一体どういうふうにお考えになるのか、聞いておきたい。
○国務大臣(佐々木義武君) 御承知のように、電気料金は原価主義あるいは公平の原則と、二つの原則でこれをつくり上げるのでございますけれども、したがいまして、一部に政策料金を使いますと他の方がそれだけふえるという不公正になることになりますので、できるだけ制度としてはそういう政策料金というものはつくり得ないのでありますけれども、さらばといって激変を緩和する要もございますので、そういう点を加味して生活保護者等には何らかの措置を考えたいというふうに考えております。
○山崎昇君 何らかの措置といって、まあこれから詰めることにはなると思いますが、これはよほど慎重に配慮しませんというと大変だと思います。 それから大蔵大臣にお聞きしますが、金融機関の週休二日制が議論されているようでありますが、去年内閣委員会で、あなたの前の大蔵大臣が、次の国会には必ず銀行法十八条の改正については出しますと約束いたしました。これは私に約束いたしました。いまだにこれは関係委員会で議論はしているようでありますけれども、明確でない。週休二日制についてどういう日程でどういうふうにあなた方は実現しようというのか、明確にしてほしい。
○国務大臣(竹下登君) 金融機関の週休二日制につきましては、昨年六月二十日に出された金融制度調査会の答申あるいは六月一日の衆議院大蔵委員会決議におきまして、十分な国民的コンセンサスの成立、郵便局、農協等の関連、関係法令の準備等の諸条件の整備が必要であるとされておりまして、そのため努力を進めてきているところであります。 したがって、今回の予算修正の経緯を踏まえ、政府としても、自民党の回答内容、そして四党合意につきましては、今後誠意を持って検討を進めたいというのがこの予算修正に対する基本的な考え方であります。 そうして、山崎委員にお約束を申しておりますいわゆる銀行法の改正の提出問題であります。この問題につきましては、いま鋭意政府部内におきましてこれが成案を急いでおるところであります。ただ、何分昭和二年以来の大改正でございますので、これが提案された限りにおいては早期に通過、成立を図りたいという意味におきまして、いま各党関係者の方と提出する時期、あるいは今国会か次の国会かというような問題は相談をしておるという状態であります。
○山崎昇君 この国会か次の国会か相談をしておると、こう言うんですが、いずれにしても、ことしじゅうにはこれに決着がつくと私ども考えておきたいと思うのですが、よろしゅうございますか。
○国務大臣(竹下登君) 各党の関係者のお方からも、五十五年度というような感じでいま山崎委員御指摘のような御意見をちょうだいしております。
○山崎昇君 次に、環境庁長官にお聞きしますが、環境アセスメント法案につきましては、何かいろいろ後退説もあったり、何か部内がまとまらぬということが報道されたり、いろいろあります。しかし、少なくともこれは四党が合意した内容でありますから、いつの時期にどういう形で提案してくるのか、少なくとも公党の約束で言うならば、この国会に提案をすべきだと思うのですが、見解を聞いておきます。
○国務大臣(土屋義彦君) お答え申し上げます。 環境影響評価の法制度化につきましては、ただいま関係省庁におきまして鋭意検討がなされております。そうして、先ほど先生御指摘のとおり、自民党と三党間の話し合いの線に沿いまして内閣に関係閣僚協議会も設けていただくことになっておりまして、私といたしましても、早い機会に国会に提出をさしていただくべく最大限の努力をいたしておる次第でございます。
○山崎昇君 長官、早い機会と言っても、私ども承知する限りは、大体予算関連法案も含めまして最終的に国会に法案を出すのは三月十四日ぐらいと私ども聞いております。あと四日しかないですね。約束できますか。また多少おくれたとしても、当然今度の国会で議論できてこれができ上がるような仕組みで出されなければ意味がないんです。その点きちんと約束できますか。
○国務大臣(土屋義彦君) お答え申し上げます。 三月十四日までに国会に提出いたすべく最大限の努力をいたしておるのでございますが、先生御案内のとおり、率直に申し上げまして、十八省庁に関係をいたしておりまして、それで各省庁基本的ないろいろむずかしい問題も抱えておりまして、その点で多少難航をいたしておるような次第でございまして、十四日提出は非常に厳しい状況にあることを申し上げさしていただく次第でございます。 いずれにいたしましても、近々閣僚協ができますものですから、一日も早く国会に提出でき得ますように重ねて最大限の努力をいたしますことをお約束をさしていただきます。
○山崎昇君 極力だとか前向きだとか、この法案が手をつけられてからすでに四年も五年もたっておって、いまだにまだふらふらしたような状態になっている。きわめて私は遺憾だと思う。いまお話ありましたように、三月十四日を目途にして提出できるようにやってもらいたいということを重ねて申し上げておきます。 そこで、いま修正された内容等々については一連の御説明がありました。政府がこれだけ実行しなければならぬというなら、当然予算書をかえて出すのが本筋ではないだろうか、こう私ども考えます。なぜこの修正について予算をきちんと改めて提案をしなかったのか、見解を聞いておきます。
○国務大臣(竹下登君) 予算書の書きかえを行わないのはなぜか、こういう御質問でございますが、政府としては、今回合意された回答について今後予算の執行段階で誠意を持って検討を進め、適切に対処したいと考えておりますので、予算上の措置につきましてはその段階で適切に対応してまいりたいと考えております。したがって、議事日程の都合でございますとか、あるいは国会の修正権の問題を念頭に置いてこのような措置をとったものではありません。
○山崎昇君 私どもきわめて不満の意を表しておきます。 最後に、厚生大臣にもう一点確認をしておきますが、三党のこれ内容を見ましても大筋福祉関係が中心であります。そこで、こういう方向であなた方確認をしたということは、あなたと大蔵大臣との間に結んだと言われます見直しの覚書は事実上なくなったものと私ども考えていいんじゃないかと思うんですが、どうですか。
○国務大臣(野呂恭一君) 五十五年度の予算編成に際しまして、大蔵大臣と厚生大臣あるいは官房長官、党三役との間に交わしましたいわゆる覚書なるものは、私ども覚書とは解釈をいたしておりませんが、いずれにしても、そういうメモは、今後長期的な展望に立っていろいろの福祉問題に対してお互いにその認識を確認したと、こういうものでございまして、これは将来の予算の上において拘束するといったようなものではもちろんないのでございまして、お互いの認識の確認においてこうあらねばならないではないかということを改めてメモにしたということでございます。
○山崎昇君 しかし、いま申し上げたように、各政党ともこれだけ福祉問題等について議論がされ、方向を一応確認をしているわけでありますから、当然それらの覚書みたいなものはなくなったと私ども理解をしておきたいと思うんです。あなたは、覚書ではない、単なるメモだ、こう言いますから、私はこの場は単なるメモとして受け取っておきますが、いずれにしても、そういうものはもう解消されていてないものだというふうに理解をしておきたいと思うんです。 そういう意味で、予算修正につきましては、私ども予算を審議するに当たって、これだけの内容があるのにかかわらず、予算書の修正もせずに審議しなければならぬということはきわめて遺憾だと思っておりますが、最終的にもまた遺憾の意を表して、この問題は終えておきたいと思います。 次に、私は大平内閣の政治姿勢について二、三総理にお聞きをしたいと思うんです。 この大平内閣の誕生というのはきわめて異例な形で誕生してきておりまして、今日までどの世論調査等々を見ましても余りいいものはございません。「奇怪な大平首相の連立工作」だとか、新聞の見出しだけで言えば、「「祝福されざる内閣」の出発」だとか、さまざま書かれております。そして最近またNHKでありますとか、読売新聞で世論調査等が行われておりますが、これを見ましても、あなたの支持というのは三割前後が大体推移した経過だと私ども考えます。世の中に三割自治という言葉がありますが、これを当てはめればあなたの場合は三割総理にしかならない。なぜあなたはこういう支持しかないと世論が見ているのか。それについて、まずあなたの感想から聞いておきたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) 私も政権をお預かりいたしまして、内外の状況を踏まえて最善を尽くしておるつもりでございますが、いま仰せのように、十分の支持をいただいていないのは大変私も残念に思っております。その原因を探索してみますと、圧倒的に多いのは物価政策、経済政策の面におきまして政府の施策に対して不満が表明されておるようでございます。もっともだと思うのでございます。 世界経済がこういう激動期にございますので、その荒波をもろにかぶっておる日本経済でございまして、これをできるだけ影響度の少ない状態にしなければならぬと全力を挙げておるところでございますけれども、まだ十分その成果が出ていないというところに一つの大きな不満の原因があるのではないかと見ております。 第二といたしまして、政府の政治姿勢、行政に対する姿勢についての御不満があるように思うわけでございます。去年来行政各省庁におきまして不正経理を初めといたしましてもろもろの好ましからざる事件が発覚いたしてまいりましたこと、大変残念に思っておりまして、したがって、これらに対しましては行政の綱紀を正すことを政治の基本に据えなければならぬと存じまして、去年の暮れ以来まず内閣からその姿勢を正さなければいかぬと存じまして、せっかく対応をいたしておるところでございます。精いっぱい努力をいたしまして、国民の不安、不満ということのできるだけ少なくなるように配慮をしなければならぬと心得ております。
○山崎昇君 いま総理から二点挙げられました。一点は、経済政策がうまくいかない、国民の生活が不安であるとみずからあなたは認めました。二つ目は、一連の汚職事件やその他についてうまい対応ができてなかった。これをいまあなたが挙げられた。最近のNHKを見ますというと、汚れた政治の体質を改めることを積極的にやっていない、そうだというのが七割だ。そして、あなたを評価しないというのが合わせて六割だ。これが一番新しい世論調査というものです。そして私は、これを分けてみるというと、あなたがそう言われましたが、わけても政治家の不正事件に対してあなたが厳しい態度をとらない。一番いい例が、けさも「朝日」のトップで出されました、最近では浜田代議士のばくちです。アメリカでやったといえども、庶民の感覚からいけばこんなことは了承できない。四億五千万も五日間も毎日ばくちをやって何しに行っておったのだ、そういうことについて何の厳しさもない。第二には、千葉二区におきます宇野代議士の二億に及びますあのまた買収事件にいたしましても、これまた何にも措置がとられてない。さらに、あなたが任命した糸山政務次官は、これもまた、政務次官という肩書きさえつけられておる。 こういうふうに考えてみると、最近起きた事件だけ見ても、政治家のモラルといいますか、こういうことについて厳しさがほとんどない。こういうところにあなたに対する強いこういう批判がひとつあるのではないかと思うんです。これに対してあなたはどうしますか。どういう厳しさを持ちますか。もう一度重ねてあなたの見解を聞いておきたい。
○国務大臣(大平正芳君) 政治の姿勢は正しくなければなりませんし、政治家のモラルは厳しいものでなければならぬと考えております。私も人後に落ちずそのことの大切さを認めておるものでございます。そして、それをどのようにして正してまいりますかにつきましても、懸命に努力をしておるつもりでございます。 ただ、山崎さんの御指摘になりました三つの件につきましてでございますけれども、宇野さんの事件、糸山さんの事件、これはいま司直の手にかかっておるわけでございまして、そこで真相が解明されておるわけでございまして、私ども、その結果をいま静かに見ておるわけでございます。民主主義の社会におきまして、そういうことが正確な事態を踏まえないで、政府が政治家の行動につきまして一つの行動を起こすというようなことは、これはよほど慎まなければいかぬわけでございますので、せっかく司直が実相の究明をいたしておるわけでございますから、その結果を待つべきじゃないかというのが私の立場でございます。浜田さんの事件につきましては、御本人が強く否定いたしておるわけでございます。で、これは全く私といたしましては手のつけようがないことなんでございまして、政府は、それにもかかわらず、浜田君に対して何らかの措置をとれというのは、それは山崎さん、無理な相談だと思うのでございます。 冒頭に申しましたように、政治家のモラルは厳しくなければなりませんし、姿勢は正さなければならぬことは万々承知いたしておりまするし、そのことをいまうわさされておる方々も痛いほど身に感じておることと思うのでございまして、これの解明並びにその措置につきましては、進んでおる手続が進みまして事態が明らかになってまいりまして、それを踏まえた上で公明にやってまいるというのが民主社会における政治のあり方じゃないかと考えておるわけでございます。くれぐれも申しますけれども、そういう手順を尊重しておるということと、この究明をおろそかにしていいと考えておるということは同一でないことだけはあなたも御理解をいただいておかなければならぬと思います。
○山崎昇君 それは同一であったら大変ですよ。私は、議員になるというのは、これは大変なことだと思う。それがたとえ新聞報道でありましても、これだけでかく出て、そして、何といっても私は許せないのは、庶民感覚とはもう離れている。特権階級意識もいいところだ。これなら、もしこれが事実だとするならば、KDDの佐藤室長とどこが違いますか。あれは会社の金を使って手前で遊んで飲んで歩いた。自分の家でいろんな物を買った。人に金を払わして自分はばくちやって負けた。どこが違いますか、本質的に言ったら。私は、汗を流して自分で働いて、その金でお酒の好きな人は飲みに行ってもいいでしょう。バーへ行きたい人は行ってもいいでしょう。多少の競馬でも競輪でもやる人もいいでしょう。これはそうじゃないじゃないですか。こういうことを私は放置をしておいて、ただそれは違いますということだけで世の中通るわけではない。この点は厳しくやっぱり考えておいてもらいたいと思っています。 もう一つ、私はあなたに政治姿勢として申し上げなければなりませんのは、今日までいろんな方々の意見を聞くと、諸悪の根源は総裁選挙だという。福田さんはこう述べています。私は総裁選挙には公職選挙法を適用すべきだという意見です。事実上これで一国の首相が決まるのですから、これは大事中の大事な公職を決める選挙です。そこで実弾が動きでもしたら贈収賄となる。これは福田さんの演説です。そして、最近あなた方やっております総裁選挙では、党費の立てかえは事実上の買収だと彼はきめつけている。これによってあなたが総理になって、あなたが総理大臣としてここに座っておるけれども、一体、買収の上に成り立ったと仮定したらどうなりますか。総理大臣をやった方々が指摘しているんだ、私どもが言っているんじゃないんだ。そういう意味では、もっとあなた自身政治姿勢については、あるいは総裁選挙等も含めまして厳しさを持たなければならぬのじゃないんでしょうか。これについてのあなたの見解も聞いておきます。
○国務大臣(大平正芳君) 浜田君の問題が朝日新聞に出ておりましたことを御指摘になりましたけれども、あなたも仰せになりましたように、もしそれが事実であれば許しがたい事件だと私は思います。事実であるかどうか、いままだ明らかでない時点でございますので、私の方といたしましては、いまどのような措置をとるかに苦悶をいたしておるところでございまして、そのことについて糾明の措置はいまとりようがない、本人が否定いたしておるわけでございますから。そういう状況にあるということだけを御理解していただいておきたいと思います。 そのことのために、政治姿勢を正すことに不熱心であるというようにはおとりいただかないようにお願いをいたしておきたいと思います。 それから、第二に総裁選挙についてのお尋ねでございました。総裁選挙のことは自由民主党がその政治責任で行っておることでございまして、あなたの御指摘を待つまでもなく、自由民主党としてその良心とその責任においてやっておることでございまして、そのことについての指弾は自由民主党の責任において受けとめにゃいかぬと考えております。 私は、自由民主党が従来議員政党的な政党としてまいりましたけれども、この政党は、やはり党員を基盤にいたしました近代政党に脱皮する必要があるとかねがねから考えておったわけでございます。そして、数年前からその方向に施策をいたしまして、まず党員党友をベースにいたしました国民政党というものに脱皮の方向をとったわけでございます。しかし、これはその当時から申し上げておりましたように、壮大な一つの党改革運動でございまして、一朝一夕にできるものとは思っておりません。しんぼう強くこれはやってまいらなければならない不断の私どもの課題だと思っておるわけでございます。その一歩として、党員党友の手によって総裁を選ぶという道を選んだわけでございまして、そのためには党員党友による総裁選挙という手順をとることにいたしたわけでございまして、私は大部分の党員党友の方々がその良心に従いましてりっぱな投票をしていただいたと思っております。なるほど、一部には急にそういう方向をとったために党費の立てかえということがあったかもしれません。しかし、そのことは長い道程において漸次改めてまいりまして、真実にその党員の意思が反映した選挙に持っていくようにいま努力をいたしておるところでございまして、自由民主党という大政党の改革がそんなに短時間の間にりっぱにでき上がるものというようなことは、山崎さんも私は期待されていないだろうと思うのでございます。私は、そういう意味で自由民主党がとりました総裁選挙の道順は誤っていないと思いまするし、いままでやってまいりましたことに間違いはなかったと思っておりますが、不行き届きな点は漸次これを時間をかけて改めていくということをいたしたいと思っております。 福田さんの御発言の中でも、もし買収がありとすればそれは許せないということです。ちょうど浜田君にその事実がありとすればというようなことと同じでございまして、もし事実がありとすれば許せられないことだと思うんでございます。私自身も総裁選挙に立候補いたしました者でございますが、私は良心に従いまして買収をした覚えはありません。で、もしありとすれば、事実をもって、こういう事実があったがおまえはどう思うかということで御糾弾をいただかないと、単なる言葉で買収だとか、金権選挙だとか、物量選挙だとか言われることは大変迷惑なんでございまして、党の内外を通じまして具体的な事実を踏まえて御質疑をいただきたいと思います。われわれは真剣に党改革をやっておるわけでございますので、そのことにつきましては友党として社会党さんからも御理解をいただかなければならぬと思います。
○山崎昇君 いや、いま総理に聞いているのは、福田さんはまず第一に公選法を適用すべきだと、こう言っている。それについてあなたの見解をひとつ聞いている。 もう一つは、これは福田さんが述べたというふうに報道されているから聞いているんです。「党費を立て替えるという事実上の“買収”が大量に行われている現状は政治の浄化、政界刷新のうえから看過できない。とくに、自民党総裁という事実上の首相の地位がカネで左右されるようなことがあってよいのか。このままでは国民から非難される」、あなたと会談したときのこれは福田さんの言葉だと。私はあなたが買収したとかしてないとか言っているんじゃない。こういうことによって仮にあなたの一方の対立候補であります福田さんが、そして一国の総理をやった人がこういう発言をしたということは、われわれは重大だと思っているんです、これは。一野党の議員が言ったとか、まあ失礼ですけれども、自民党の一議員が言ったなんということとは重みが違います。そういう意味でいまあなたに見解を聞いているわけですよ。もう一遍お答えください。
○国務大臣(大平正芳君) 私は、自由民主党の総裁選挙に公職選挙法の適用をお願いしようというつもりは持っておりません。いま申しましたように、この選挙、われわれの力によりまして、努力によりまして充実した権威あるものに法律の力をかりないで党の力でやっていかなければならぬと考えております。 それから、第二に福田さんの言われたことも、そういう事実があったとすればいけないことであると、大量の立てかえ、党費の立てかえ払いというのは適当でないじゃないかということでございますが、私は大量の党費の立てかえ払いがあるとは考えていないわけでございまして、一部に確かにとりあえず自分の方で立てかえておこうというケースはなかったと私も強弁するわけじゃございません。しかし、それはただいまも精査いたしておるわけでございまして、いよいよ党員の資格をお与えする場合におきましてはきちんとしておきたいと考えて、いま念査をいたしておるところでございまして、そういう事実がありとすればそれは許せないことであるということは、福田さんがおっしゃろうと、だれがおっしゃろうと、それは当然われわれが戒めてかからなければならぬことでございまして、現に自由民主党も全力を挙げて過般の党員募集の結果の審査に当たっておるわけでございまして、これのできばえを見てからの御批判をお願いいたしたいと思います。
○山崎昇君 できばえを見てくれと言うから見守っておきましょう。 次に、私は、大平内閣ばかりでございませんが、戦後の保守党の政治を見ておりまして、一つの問題点があると考えているのがあります。 それは大臣の任命という問題についてですね、少しく考えてみたいと思っている一人なんです。これはなぜかというと、実はその端緒になりましたのもこれもまた新聞報道で恐縮でありますが、五十三年六月二日の毎日新聞のこれはニューヨーク支局の実は新聞報道であります。「あき足りぬ日本外交 外相は七変化」という表題になっておりまして、中身は何かというと、「年一回の通常総会に出席する外相の「顔」が毎年変わるのは、日本ぐらいなものだ。お付き合いした限りでも、七三年大平、七四年木村、七五年宮沢、七六年小坂、七七年鳩山の各外相、そして今度は園田外相だ。」、こういう見出しの新聞報道がございまして、そこで私は戦後の内閣というものをずっと見ておりまして、あなたは御存じだと思いますが、第二次大戦後あなたは十四代目の総理大臣です、御存じかもしれませんが。今日までこの十四人の総理大臣で任命した大臣というのは驚くなかれ七百六十九名、平均の在職年が十カ月です。いまそこに並んでおられます閣僚も十二月の総裁公選になったらまたなくなるんじゃないかと私は思っているんです。一体、一人の大臣が十カ月ぐらい就任して次から次とかわっていく、政変があったとか何かあるなら別でありますが、ずっと調べてみるというと、必ず一年ごとに人心一新という形でこの内閣というのはかわっていく。大臣がかわっていく。そしてその裏の言葉として、日本は官僚政治だと。官僚政治というものをつくり上げているのはだれかと言えば与党だ、大臣は何の指導性もないんだ、適当に十カ月ぐらいになれば抱負だけ述べていなくなっちゃう。これでは日本の政治がよくなるわけがない。私は何も閣僚の留任運動でも何でもやっているわけじゃありませんけれども、少なくともこれを見た限り、外交が重要だとかこの行政が重要だとか言いながらも、十カ月ぐらいずつで大臣がかわって一体何ができるんだろうかと私は不思議に思っています。この大臣の任命もまた、それは具体的にとあなたは言うかもしれませんが、派閥の順送りだとか総裁公選の論功行賞だとか、世間ではさまざまなことが言われる。必ずしもそのポストにふさわしい人がなっているわけでもない。だから一年もたったら人心一新という形で交代させられちゃう。これで一体日本の政治がよくなるんだろうか。残念ながら、野党に政権担当するだけのまだ力がないのは大変残念でありますから、私は野党の一議員として、少なくともいま政権を持っておられますあなた方にきちんとした政治を望みたいと思っているんです、正直な気持ち。それを監視するのが野党の任務でもあると思っています、いま。そして最高の行政機関の責任者であります大臣がこんなことで一体日本の政治がいいんだろうか。肝心なことになれば役人に聞かなきゃ何にもわからない。これについて総理の見解を聞いておきます。
○国務大臣(大平正芳君) まあそれぞれの国にそれぞれの国柄がございまして、二十年も三十年も同じ大臣のポストに同一の人が座っておるケースも承知いたしております。またあなたが御指摘のように、日本の閣僚の更迭の頻度が多いのではないかという御指摘も私は理解できないわけじゃございません。長いのがいいのか、短くて新たな感覚を持って、新たな決意を持って行政に当たっていただくのがいいか、この判定は結局政治全体がどういう効果をおさめたかというところから御判定いただくよりほかに道はないのではないかと考えております。 しかし、いま御指摘のように、平均寿命が十カ月程度であるということでございますけれども、日本の場合におきましても、重任、再任の場合あるいは同一の方々が何回も閣僚のポストについていただくケースはずいぶんあるわけでございまして、その経験は十分活用していっておるのではないかと思うのでございまして、総体として政治と行政の成果という点から見まして御判定をいただいて、野党の御批判もいただきまして、どうあるのがよろしいかという道をやはりお互いに模索していくべきじゃないかと考えております。
○山崎昇君 幾ら短くていいと言ったって、あなたね、一体十カ月でどうなるんだろうか。それは再任の人もいますよ。そういう人をひっくるめますというと、その数だけで言うと、ざっと四百六十ぐらいです、再任の人も入れますとね。しかし、とにかく十四人の総理大臣でつくり上げた大臣は七百六十九名、この数もまた明らかな数字です。そして私は歴代の総理がどういうふうにやったのか、全部記録してみた。全部ここに資料を持ってきています。後でこれをあなたにお見せしてもいいと思う。いずれにしても、毎年毎年大臣をかえなきゃならぬその理由が人心一新だけです。これは考えてみなきゃならぬところじゃないでしょうか。 そして、先ほどの読んだ新聞につけ加えて、「グロムイコ・ソ連外相の二十一年は別格としても外交には継続性も必要であり、戦後のフランス第四共和制下で十八年間に十九の政権が交代した時でも、外相はやたらに代わらなかったはずだ。こんなふうだから、国連記者会で日本の外相の名前など知っている者はいない。」、これがこの新聞の批判です。一体、いま外交は、後でも聞きますが、重要な段階を迎えているときに、毎年毎年こんなに大臣かわって、一体外国でわかるわけがない。これは総理ね、私は何年がいいとかどうとかという意味で言っているのじゃありませんが、余りにも日本のこの内閣の交代というものは安易ではないだろうか。何か行き詰まったら、すぐ大臣だけ首切って終わり。こういうやり方だけは真剣に私は反省してもらいたい。 あわせて政務次官もそうです。だれが政務次官なんかみんな信用していますか。政務次官にものを聞く人いますか、正直に言って。こんなことで私は内閣があっていいかどうか。私は真剣に考えているつもりです。もう一遍総理の見解を聞いてこの問題を終えておきます。
○国務大臣(大平正芳君) 人事は慎重でなければならぬと、行政の継続性というものも尊重しなきゃならぬというあなたの御趣旨は、私よく理解できるわけでございまして、現在の制度は制度として、それぞれの理由もないわけじゃございませんけれども、そういった観点から、内閣の人事におきましてはもう一度考え直してみるということにつきましては、あなたの御批判に対しまして前向きにそういう方向で内閣としても考えてみるというように御理解をいただきたいと思います。
○山崎昇君 もう一点政治姿勢に関連してお聞きしたいのは、綱紀粛正の問題でございます。 私は、いろいろなことがありますけれども、一連のこの不祥事件を見ておりますというと、一つの特徴点がある。それは年齢にして大体五十歳前後、そしてポストは課長補佐あるいは主査、主任、言うならば事務の精通者。人生で言えば最も分別盛りの方々がその中心になってこの事故というのが起こされている。その対処の仕方を見れば、またこれ、ただ一片の通達を出して終わりというのが今日までの姿でございました。 そこで、ずうっと調べてみるというと、この事故を起こしたときの監督者といいますか、直接の上司はいまその場にいませんから処分も何もされない。言うならば、事務の精通者の責任で、キャリアと言われる方々は出世をしていく。事件が発覚をすれば、事務をやらされた者が処分を食う、これが今日までのあり方でありました。最近人事院は、このノンキャリアの諸君の扱いについても検討されておると私ども聞いておりますが、これは真剣に私は考えてもらいたい。人事管理上の問題として考えてもらいたい。そうしなければ、役所の仕事というものが停滞をしていくんではないんだろうかというふうに心配をいたします。この点について行管長官、総務長官の見解を聞いておきます。そしてあわせて人事管理上の問題から、人事院総裁の見解も聞いておきます。
○国務大臣(宇野宗佑君) 人事問題に関しましては、ノンキャリアの人たちの登用をすでに人事院も考えておるということでございますから、私といたしましても同感の意を表したいと存じます。特に若い、局長前の人たちが他面におきましていろいろな体験を積むことも必要でございましょうし、やはりそうした意味合いにおきましては、今後行政改革の面におきましても特殊法人との交流を図るとか、いろんなことをやりながら、ひとつ十二分に実力を発揮してもらうような素地を与えることも行政上必要であろうと、こういうふうに存じております。
○国務大臣(小渕恵三君) 官庁綱紀の粛正につきましては、全くお説のとおりと心得ております。 お説にありましたように、いろいろ事件が発生した場合に、いわゆるキャリア組というものが移っていってしまうのではないかと、こういう御指摘のようでございますが、私どもとしては、人事配置は何年かに一遍行わなければ、これまた活力が出てこないわけでございますので、そういった点を踏まえて配置をいたしておるわけでございますので、たまたまいろいろな不祥の事件が起きたことは残念でございますので、こうした点につきましては、今後とも全力を挙げてそれがなくなりますように努力をいたしてまいりたいと思っております。 なお、ノンキャリア組というものの昇級試験の問題につきましては、人事院が担当するわけでございますが、私どもといたしましても、実力のある者がいろいろな試験を通じながらそのことが認められるということにつきましては賛成でございます。
○政府委員(藤井貞夫君) 人事管理のあり方についての御見解は、方向としては私も全面的に賛成でございます。そういう方向でできる限り理想の形に持っていくという努力をしてまいらなきゃならぬというたてまえで、今日まで私としてもやってきておるつもりでございますが、なかなか現実の問題といたしましてはそのとおりにまいらない面もあることは事実でございまして、それらの是正についてはさらに努力をひとつしてまいりたいと考えております。 御指摘にございましたノンキャリア組の処遇の問題でございますが、これはノンキャリアといえども大変優秀な人材もおられることは、これは事実でございます。日ごろの職務の遂行に当たって、りっぱな成績を上げておられる方も多いわけでございまして、これに対しましてはふさわしい処遇をしていかなきゃならぬということは当然でございます。 先生御承知のように、現在、公務員法におきましては、いわゆる任用試験の制度がございますが、その中でいわゆる入り口のところの採用試験だけではなくて、在職者についてそれを上へ上げると申しますか、その職責にふさわしい処遇をしていくという門戸を開くための昇任試験というものが制度としてはございました。ただ、いままでのところ、いろんな事情からそれが制度的に実施をされないで今日まで来ておるということがございます。しかし、私といたしましては、もうそろそろと申しますか、時期は遅きに失したとも言えましょうと思いますが、やはり昇任試験というものを制度化していく、それによっていわゆるノンキャリアと言われる方々の将来にやはり励みを与えていく、また、仕事自身もそれにふさわしいあり方に持っていくということが必要であるというふうに考えておりまして、これは事務当局にも連絡をいたしまして、昇任試験制度の実施について、具体的な検討を実は開始をいたしております。今日ここの段階で、いつから、どういう具体的にということは申し上げる段階ではまだございませんが、その方向に向かって、ひとつ精力的に、積極的に取り組んでいきたいということを私自身も決意いたしております。その方向の努力をしてまいりたいという考えであることを申し述べておきたいと存じます。
○山崎昇君 私は、明らかに人事管理上の欠陥があったんだと思う。そこで、この問題は時間もありませんから多く申し上げませんが、ただ、私もかつて公務員をやった一人で言えば、なかなかこのものを片づけるのはむずかしいし、どうかなあと思っても、職務命令という形でくると拒否できない。一つのこれは問題点だと思っています。 もう一つは、守秘義務というものがあって、なかなか内部から告発することが困難である、これも検討してみなければならぬ一つの時点ではないだろうか。もちろん、それに関連をして本人がよけいなことをすることは、モラルの問題でありますから、当然、公務員のモラルの問題としても考えなきゃなりませんが、この点も私が人事院で十分な検討を願っておきたいと思う。もしあなたに意見があればこの機会にお聞かせください。
○政府委員(藤井貞夫君) 公務員についてはいろいろな制約なり、義務というものがございます。これは公務の執行に当たる者として当然のことでございます。それだけに人事管理のあり方というものは、やはり慎重の上にも慎重にやっていかなきゃならぬと思うのであります。公務員法その他については、その点は万遺憾のないような体制だけはできております。ただ、それが実際に本当に守られているのか、理想的にそいつが遵守されておるのかと申しますと、それが十分でないために世の批判を浴びるようないろいろ綱紀上の問題が出ておるということも事実でございます。 私は常に申し上げておるわけでありますが、服務規律というものがございますけれども、それに対して率先してやっていかなきゃならないのはやはり管理者の姿勢である。そのつもりになってめんどうを見ると申しますか、言葉は悪いようでありますが、やはり使っていく者に対して無理のないように十分目を光らして、しかも、温情を持って対処していくという姿勢を徹底をしていくことによって大体の過ちというものは事前に防止できるのじゃないかという考え方を持っております。それらの点はいろいろな機会もございますので、今度ともひとつ十分徹底をして遺憾のないような、間違いのないような措置を具体的にさらに積極的に進めてまいりたい、かように考えます。
○山崎昇君 次に、私は外交問題で少しお聞きをしておきたいと思うんですが、外務大臣にお聞きします。 いま園田さんが特使で回られておって、あとインドだけのようでありますが、今日まで回っておって、まだ、外交上の問題でしょうから、そんな内容まで言えないかもしれませんが、どういう状況にあるのか、まず御報告を願いたい。
○国務大臣(大来佐武郎君) 園田特使は近く帰国されますが、今回の旅行先から随時報告が届いておりますが、全体としての評価ということはまだ早過ぎるかと思いますが、大体のいままでの状況から判断いたしますと、日本の立場、日本に対する期待というものがこの地域に相当強くある。特に中東の地域は、御承知のように、いま紛争がいろいろございますので、この場合に日本が経済力、特に技術力を持ち、しかも、平和的な手段以外には国際問題に関与しないというたてまえ、あるいは過去の日本の歴史、あの地域に特別の関係を持たなかったということも含めまして、日本に対する期待が相当あるということを特使も感じておられるようでございますし、今後の中東外交あるいは南西アジアとの関係を日本がいろいろな役割りを果たしてまいります上に、今回の特使の御経験はいろいろ役に立つかと考えておるわけでございます。
○山崎昇君 さっぱり中身、わけがわからないんですがね。何をあなたは言ったのか、ちょっと私にはわかりかねる。 巷間相変わらず油ごいに歩いたのではないかとか、いろいろ批判もあるわけなんですが、どの国に行ったときにはどうだったということまでここであなたにいま述べろとは言いませんが、いまのあなたの言っていることでは何を言ったのかさっぱり私にはわかりません。もう一度、少しわかるように言ってくれませんか。園田さんが行って、何をして、どういうふうに会談をして歩いて、それがどういうふうに日本政府としては受けとめるのか、もう少しわかるように言ってほしい。
○国務大臣(大来佐武郎君) 全体の評価は帰られてから直接御本人からよく伺った上ということで考えておりましたので、あるいは抽象的だったかと思いますけれども、一つには、中東問題に対する日本の考え方につきまして先方の理解を深めたということ。それから第二には、先方の事情についての日本側の理解、特に日本に対する期待と役割り、これは日本があの地域で何をなすべきかというこれからの政策を考える上の材料になるかと思いますが、先ほど申しましたように、日本の役割りについて強い期待があるということが明らかになってきております。 それから、この石油問題につきましては、今度のミッションは石油問題が中心ではございませんけれども、そういう一般的な中東の事情の理解、日本側の理解に基づいて、幾つかの国でこの石油供給について積極的な約束ないし発言がございました。これは資源外交という面でも成果の一つになると思うわけでございます。中東と、最後にインドにも回っておられるわけでございますが、いろいろ特使の感想の中で、やはりあの地域が超大国という谷間にはさまれ、それが結果的にこの地域を危険に巻き込むということについて相当警戒的でございまして、特にアフガンに対するソ連の軍事介入に対してかなり強い反発をしておるというような状況もございます。 パキスタンにおきましては、日本は先ほど申しましたような平和的な手段によって国際問題に関与するというたてまえから、この経済援助の具体的な額を日本側から、園田特使から伝えたわけでございまして、これに対しても強い謝意といいますか、これを高く評価するということをパキスタン政府の首脳者から返答があったわけでございます。 全体を申し上げましても、これは先ほど申しましたように、特使が帰られてから、何かまとめた形でまた御報告の機会を得たいと思いますので、一応この程度にいたしたいと思います。
○山崎昇君 それじゃ、大臣に重ねてちょっとお聞きしておきたいんですが、いまお答えの中に、中東に対する日本の考え方というものを説明に行った、もう一つ大きいのは、何をなすべきかということをいろいろ意見を聞きに行ったと、こう言うんです。そこで、出発に当たっては、当然特使と外務省との間にこれらの点について意見の交換があったものと私は思うんですが、外務省としては、中東に対する考え方をどういうふうにまとめられて園田さんに持たせたのか、そして、どういう点について何をなすべきかという点については、どういう点について中東の主として意見を聞くというふうに特使に言われたのか、この点お聞きをしておきます。
○国務大臣(大来佐武郎君) 御質問にありましたように、特使の出かけられる前にいろいろの打ち合わせをいたしたわけでございます。中東につきましては、日本が国連決議二百四十二号を尊重して、このイスラエルが占領地域からの速やかな撤退を求めるという立場、政府の従来の方針として明らかにしております。同時に、パレスタインの自決権というものを認める立場も明らかにしておるわけでございまして、そういう立場での日本の考え方を中心にして先方に伝える。それから先方からは、また、先ほど申しましたようないろいろな反応があるわけでございまして、日本のそういういま申しました立場については、この中東・アラブ諸国は好意的な反応を示しておるということでございます。
○山崎昇君 重ねてあなたにお聞きしますが、三月十九日から二十三日まであなたが訪米されます。これは、その目的は何でしょうか。そしてどういう方々と会って、どんな話し合いをしてくるのか、私は外交上の機微についてまで言えという意味ではありませんが、おおよそについて伺っておきたい。
○国務大臣(大来佐武郎君) 三月十九日の夕方出発いたしまして、二十日、二十一日、ワシントン、二十二日に向こうを出発いたしまして、二十三日、日曜日に帰ってくるという日程でございます。これは国会の方の御了解を得ての上でのことでございますが、目的といたしましては、日米間にいろいろな問題が出ておるわけでございまして、一般的に経済関係について幾つかの問題がございますし、それから安全保障をめぐる問題も出ております。この点は、特に今回の国会におけるいろいろな御論議もございまして、日本側の考え方について、さらに先方側の理解を深めるという必要があるように考えておるわけでございます。それから、さらに最近の国際情勢一般についての考え方、これについての意見交換を行う必要がある。大体以上三つを考えておるわけでございます。
○山崎昇君 どうもこれは行くことを私どももやむを得ぬということを認めた立場ですから、あなたに重ねてどうこう言うのはおかしいと思うのですが、どうも私は、いま聞いた限りでは、一般的な経済関係について、安全保障について、その他について、これだけ緊急に急いで行かなければならぬ内容なのかどうか、私にはちょっと判断がつきかねる。しかし、各党やむを得ませんということで、あなたの行くことを認めたんですから、これ以上のことは申し上げませんが、感じとして、私はやっぱり納得できないものを持ちます。なぜ国会の開会中にこんなに急に行かなければならないのか、なぜアメリカ参りしなければならないのか、その方が先にくる。そういう意味で私は納得できませんが、この点はこの程度で終えておきたいと思うのです。 そこで、次にあなたにお聞きしたいのは、最近、日本の外交についていろいろ意見がございますが、わけてもかつて大使をやられたとか、あるいは外交問題の専門家と言われる方々は、日本の外交にビジョンがない、何が中心で何をしようというのか明確でないという批判が一番多い。そこであなたにお聞きしますが、日本外交のビジョンは何ですか。
○国務大臣(大来佐武郎君) まあ私もこの外務大臣、これで四カ月目でございますが、いろいろ感想もございますが、一つには、外交というのは、そのときどきの起こってくる状態に対処していかなければならないという問題がございます。もう一つはやはり長期的なビジョンを必要とするということだと思うわけでございます。この外交のビジョンというのは、戦後、特に日本の長い間の三十数年にわたる国際関係の背景の上にでき上がってきておる問題でもございまして、簡単に、まあ非常に手短に申せば、この国際問題の平和的な解決にできるだけ日本の力を役立てる、それから世界の経済、特に開発途上国の経済発展に日本の経験なり技術を積極的に役立てる。そういう平和的、建設的な役割りを果たすということが日本の外交の大きなねらいだろうと考えるわけでございます。また、日本国民の生活と安全を守るということが外交の基本になっておる。それからもう一つは、議会主義制度、言論の自由と、こういうフリー・デモクラティック・インスティチューションと申しますか、自由な社会制度、これを守っていくということも大きな意味での外交の筋になるかと思うわけでございます。これはいろいろさらに具体的な中身の問題もあるかと思いますが、大きな筋として以上のとおりかと考えておるわけでございます。
○山崎昇君 そんなことは何も外交のあなたビジョンでも何でもないと思うんですよ。議会制度を守るとか、それは政治の問題です。国内政治で十分です。なぜこういう批判をされているかというと、たとえば中国では反覇権という一つのビジョンがある。西ドイツでは東方外交というものが基本にすわっていると言う。アメリカではいまデタント——いろいろな批判ありますけれども、あるいはいまカーターで言えば人権外交とかいろいろある。日本は何があるかと言えば、ただ国連を通じてだとか、あるいは日米協調だとか、そんな程度のものであって、日本自身の外交方針というのは何もないのじゃないでしょうか。だから、その都度その都度対症療法は確かにうまいかもしれない。うまいかもしれないけれども、基本的なものは何もすわってない。これが一番いま批判されている日本の外交上の問題じゃないんでしょうか。あなたは民間においてずいぶん有名な人らしいけれども、またなって四カ月ですから無理かもしれません。無理かもしれませんが、やっぱり責任者ですから、一体日本の外交というのは何がビジョンなのか、この点は総理からも私は聞いておきたいと思うんです。何なんだろうか、日本の外交というのは、基本は。
○国務大臣(大平正芳君) 国際社会の中にありまして、その責任ある一員といたしまして日本がその力量に応じて何をなすべきであるか、何をなすべきでないか考えなければならぬわけでございます。 そこで、外交面におきましてはそれを踏まえた上で平和外交に徹しなければならぬと、また、日本の世界経済に対する責任を果たさなければならぬと、そういうことを通じて日本の国益を守るということでなければならぬと考えておりまして、先ほど大来外相が言われましたことは、日本の力量に応じて、日本のただいまの国際環境に照らして、日本の外交の志向すべき方向を申し上げたものと私も理解いたしております。
○山崎昇君 どうですか、重ねて外務大臣に。
○国務大臣(大来佐武郎君) まあ一言で言えば、日本の外交の性質は平和外交だと思います。これは一ころ日本が経済大国になってくるに従いまして軍事大国になるんではないかという懸念が多くのアジア諸国等から言われた時代がございますけれども、最近はそういう声が少なくなってきておるわけでございまして、私どもは将来の世界のあり方を考えますと、この狭い地球で激しい対立を続けていくことができるんだろうかと、やはり超大国を含めてお互いに相互依存の関係を悟り、平和的に問題を解決する道を探っていかない限りは、これは人類の破滅、非常に危険な事態も予想されるわけでございまして、そういう意味では、日本がいまとっております平和外交というのはあすの世界の外交のあり方を先取りしているのだ、そういうふうに考えてもよろしいのじゃないかと思うわけでございます。
○山崎昇君 平和外交ということになると、まあ短絡的に私は言うつもりはありませんが、やっぱり軍備の縮小、核兵器の全廃とか、そういうことに、日本が相当なこれをやらなきゃ平和外交なんぞ言えないのじゃないでしょうか。アメリカから言われたから自衛隊増強します、防衛費上げます、軍需産業どんどんやりますと言ったんでは、これは平和外交にはならない。そういう意味で言うと、私は本当にあなたが平和外交に徹してやると言うなら、社会党の言う非武装中立ということが中心でなきゃならぬのじゃないでしょうか。それに基づいて外交というものが展開をされてくる、それは現実はいろんな問題ありますよ。承知してますよ。しかし、少なくとも将来を展望してやると言うなら、それが中心でなければ意味がないのじゃないでしょうか。これだけやっておるわけにいきませんから、重ねてその点だけ聞いておきます。
○国務大臣(大来佐武郎君) すべての国際的紛争を平和的な手段によって解決するというのが、これが私ども人類の理想だと考えております。ただ、現実の世界を見ました場合に、まだいまのこの段階におきまして人間がそれほど利口になってないという面もあると思うのでございますが、やはり自国の、もし外からの侵入がある場合に、これに備えるだけの力を持つことは平和外交と矛盾することではないと考えておるわけでございます。
○山崎昇君 どうもはっきり日本の外交——平和外交ということだけはわかりました。それを一生懸命やるということだけはわかりました。これは今後詰めなきゃならぬと思います。 次に移りたいと思うんですが、私は一九八〇年代を迎えて、外交案件というのは毎日いろんなことが起きているわけですから一概には言えないと思いますが、私、集約しただけでも十一、二点になると思っています。 それはくしくもこの一九八〇年の幕あけに基づいて起きている事件でありまして、一つは、中ソ同盟が破棄になって、その後の中ソの交渉というのが大変大きな課題になるであろう。第二には、ソ連の五カ年計画がことしで終わりますから、ソ連の経済状況がどうなるかによってこれまた世界の政治にかなり大きな影響を及ぼすんじゃないだろうか。第三点は、安保条約が改定になりましてことしは二十年を迎えるわけです。最近のアメリカの戦略の変更から言うならば、安保条約は日ならずして改定されるのではないだろうかというふうに考えます。そして次には、アメリカとの関係で言うならば、日米の経済摩擦もまた自動車その他等々を中心にして大きな課題になってくるのではないだろうか。さらには、朝鮮半島におきます朴大統領の暗殺後の朝鮮の政治情勢、南北の自主的な話し合いの進展ぐあい、韓国の民主化の度合い等々、朝鮮半島をめぐります問題もまた緊急の課題ではないだろうか。さらには、いま起きておりますアフガニスタンへのソ連の軍事介入等々から始まります一連の中東情勢、あるいは日中平和条約を締結後の日ソ間の問題、あるいは中国とベトナムとの関係等々、いま起きております問題だけ考えてみましても、これらに対処するということは大変なことだと私は思っています。これは政府も大変な努力が要るんだろうと思います。 しかし、この中で私がこれからお聞きしたいのは、時間がありませんから一、二点にしぼりますが、主として日ソ関係について一、二点まずお聞きをしておきたいと思うんです。 そこで私は、アフガンの問題もございますけれども、今月の七日に、朝日新聞の記者と駐日ソ連大使との会見内容というのが報道になりました。この中で大きい課題と私が考えますのは、一つは北方領土の問題について述べられているくだりでありまして、それは「はっきりいっておこう。日ソ間で、領土問題は解決済みだ。将来、どのような条件のもとでも、再検討することはありえない。日ソ間に未解決の領土問題があるというのは、一方的で、正しくない」、この記事を読む限り、どのような条件になっても、もはや領土問題というのはないんだと。これは私は見逃されない記事ではないんだろうか、こう思っています。これに対して外務省はどんな見解をとりますか。
○国務大臣(大来佐武郎君) これは駐日ソ連大使の発言でございます。最近、ソ連の政府筋の発言には、この領土問題はすでに解決済みという発言がしばしば行われておるわけでございますが、日ソ共同宣言、鳩山内閣時代の共同宣言にはこの領土問題が残されていることが明らかでございまして、これはソ連側の一方的な発言でございまして、日本側としては絶対に承認できないことだと考えております。
○山崎昇君 そこで外務大臣。田中さんが訪ソされまして、その後に日ソの共同声明が締結になった。ところが、そのときに当時の田中さんから、第二次大戦後の懸案事項の中には領土問題が入っているんだと、こういう報道でありましたし、また、そう今日まで答弁をされております。私どももその上に立っていろいろ決議その他やっておりました。ところが、私がきょう持ってまいりましたのは、これは松井茂というかつて公安調査庁の元関東公安調査局調査官、この人の、「ソ連の対日戦略」という本であります。この中に大変重要なことが指摘をされております。これは活字でありますから、そのまま読ませていただきますが、ブレジネフ書記長と田中首相とのやりとりがここに載っています。これを見る限り、田中さんの言うように、未解決の問題に領土問題が入っているということにはなっていない、これを読む限りはですよ。そして、これは大平総理にも伺っておきたいんですが、当時あなたは外務大臣——「日ソ首脳会談の結果について、外部からたずねられたら成功だと言え、との内部指示を出していた。また、田中首相は随行記者に、相当額の金一封を渡した。そのため、新聞記事の多くが「未解決の諸問題」の中に「領土問題」が入っていると書き、「領土問題」は従来に比べて一歩前進したと評価した」と、こう載っている。私はこの記事を読んでびっくりした、これもまた。公安調査局にいた人がどういう資料に基づいて書いたものか知りませんが、この人自身は領土問題があり得ないということに反対の立場をとっているんです。とっているんですが、書いている内容はいま一部読んだとおりであります。ですから、かつて政府の中におった人の一員でありましても、必ずしもあれがあなた方の言うとおりなものでないんだということが、こういうふうに市販されてくる。私は、そういう意味で、この記者会見の記事を読んだときに、あながちこれは一方的にそうではないと言い切れないものがあるんではないんだろうか、そういう気もいましているんですが、いまあなたにこれを読んで聞かせましたけれども、それと関連してどうあなたは考えますか。
○国務大臣(大来佐武郎君) 田中前首相の訪ソのときの模様について、私必ずしも詳細を存じておるわけではございませんが、ただいまお読み上げになったその内容がどういう具体的な資料に基づいて書かれておるのか、著者がその場に立ち会われたとは考えられないんですが、そういう推測がいろいろあり得るのかもしれませんが、それをもとにしていろいろ議論することはどうも困難なように感ずるわけでございます。つまり、資料の出所の権威、権威と申しますか信頼度というものをまず検討しなければならないように考えるわけでございます。
○山崎昇君 私もね、これを読んだときびっくりしましたのは、まくら言葉にこうなっています。「外務省筋によると、北方領土問題について田中首相とブレジネフ書記長の間で次のようなやりとりがあった」と、こう書いてある。だから、出どころは外務省じゃないでしょうか。この人はですよ、私が言っているわけじゃありませんが。ですから、少なくともそういうことがやはり日本国内で言われ、疑問を持たれている。これでは外交が進むわけはないと思うんです、私は。ましてや、これは政府の一つの機関におった人です。全くの民間人ではありません。そういう意味で私はこの問題が大変重要だと指摘を一つしておきますが、私どもも決議に従っていま運動している一人であります。私も何回かソ連へ行って議論している一人でもあります。必ず言うのはこの点です。ですから、ここまで来ればやっぱり一九五六年の日ソ共同宣言でやる以外ないのではないんでしょうか、あれは。あれ以上のものではないし、あれ以下のものでもないんじゃないだろうか。その点についてあなたの見解を聞いておきます。
○国務大臣(大来佐武郎君) 御承知のように、共同宣言が出されたわけでございますが、平和条約ができなかったのは領土問題が未解決だったということは天下に明らかなことだと考えております。
○山崎昇君 次に、このソ連大使の中に、アフガニスタンへの介入について事前に日本にも連絡してあると書いてあります。これは事実かどうかわかりません。それはこう書いてあります。実際は十二月の二十四日に入ったんだと、そして、「決してこれを隠そうとしなかった。たとえば、日本も含めて多くの国の政府には昨年末に、外交ルートを通じてしかるべき方法で通知した。」と、こうなっている。これが事実かどうか。もし外交ルートをして通知があったというならば、どういう通知があったのか、その内容について説明願いたい。
○国務大臣(大来佐武郎君) 私は事前に通知があったとは了解しておりません。 正確のために政府委員に発言させたいと思います。
○政府委員(武藤利昭君) ソ連から通告がございましたのは昨年の十二月二十八日でございまして、事前ではございません、事後でございます。そのときの模様につきましては、当時新聞にブリーフしたとおりでございますけれども、要点を申し上げますと、一つは、アフガン指導者からの要請に基づきアフガニスタンに軍隊を入れたと、ただこれは目的が達成され次第速やかに撤退する。で、これは国連の憲章の趣旨にも沿うものであるというようなことを説明をよこしたわけでございます。十二月二十八日でございます。
○山崎昇君 外務大臣はこれ知らなかったわけですか、そういうことは。外交ルートを通じてそういう連絡のあったことはあなたも御存じですか。
○国務大臣(大来佐武郎君) 当然よく承知しております。
○山崎昇君 それに対して、実際は十二月の二十四日に入ったという。しかし、新聞報道では十二月の二十七日に入ったことになっているのですね。通知が来たのが十二月二十八日だと言う。それに基づいて外務省としては、これにどういう対処の仕方をしようとして部内で御相談になったのですか、お聞きをしておきます。
○国務大臣(大来佐武郎君) ソ連大使の申し入れを外務省の鹿取審議官が受けまして、外務省といたしましては、このソ連の挙げております、先ほど欧亜局長が申しました理由は、どう考えても正当なものとは考えられないということを発言して、日本側から申しておるわけでございまして、そういうことに基づきましてアフガン問題に対する外務省の見解を当時年末に発表いたしております。
○山崎昇君 重ねてもう一つお聞きをしておきますが、アフガニスタンの問題については国会でも決議をいましようという段階にあります。また、それぞれの政党も、ソ連の行為について速やかに撤退すべきだという見解はすべてお持ちのようであります。そういう意味では国内の世論あるいは意見に相違はないと私は思っておるわけです。 ただ最近、フランスあるいはドイツ等々を中心にしまして、アフガニスタンの非同盟といいますか、への志向並びに中立化という方向がいろいろ論議をされているように私どもは聞いております。こういう方向について外務省では検討をされていると私は思うんですが、どういう見解をお持ちなのか聞いておきたいと思います。
○国務大臣(大来佐武郎君) この中立化構想というのは、EC外相会議、ローマで開かれました外相会議でイギリスの外相が提案をしたものでございまして、その後の状況といたしましては、ECの内部でさらに具体案を練ってソ連側と接触するということになっておると承知いたしております。これは、このアフガニスタンの問題の解決の一つのあり方として、その方向は非常にわれわれとしても関心を持つべきものだ、平和的な解決の一つのあり方を示しておる。ただ、これまでのソ連側の反応は、必ずしも積極的と見られない。いろいろな発言がございますけれども、現実問題としてはソ連は軍隊を増強しておるわけでございますし、この現実問題としての撤退が非常に困難になっておると見受けておるわけでございまして、この構想の動きにつきましては、各国の動向、外務省としてもできるだけ情報を集めまして、注意深く分析しておるわけでございますが、現在の段階では、この一つの方向として重要な解決策だと。ただ現段階でこれにすぐに大きな期待を置き得るかどうかについては、多少まだ確信を得ないというのが現状でございます。 しかし、いずれにしても、このアフガニスタンの問題の解決を見出さなければならないわけでございまして、このような構想が出ましたことは、一つの建設的な動きとして評価すべきだと考えております。
○山崎昇君 そうすると、大臣、現状はなかなか困難な状況がたくさんある。しかし、方向としてはやっぱりその方向に向いていくのがいいのではないんだろうか、こうもいま受け取れるわけなんですが、恐らく外務省は、アメリカなりフランスなり、あるいはドイツなり、そういうところといろいろ連絡をとるんだと思うのですが、外務省自体としてはその方向に向かって動くという考え方をお持ちですか、日本として。
○国務大臣(大来佐武郎君) アフガニスタンをめぐる地域につきましては、日本も関係の深い国でございます。中国、インドあるいはパキスタンさらに中東地域、この各国の情勢を踏まえながら、でき得れば日本としても事態の平和的解決に多少なりとも寄与したいと考えておるわけでございます。
○山崎昇君 先ほどあなたは日本のビジョンは平和外交と言うのですから、積極的に私はやっぱり役割りを果たすべきではないか。そうでなければ、言葉だけあって何も行動が伴わないのじゃないでしょうか。その点は強く要請をしておきます。 それから、たくさん外交問題ありますが、もう一遍朝鮮の問題について一言聞いておきたいのですが、あれだけの権力者でありました朴さんが殺された。そして朴さんによって殺されようとされた金大中さんが今度大統領候補になるかもしれぬと、こういう状況ですね。私は、まことに政治というのは厳しいし、あすも見れないような状況もあるんじゃないかという気もいたしますが、いずれにいたしましても、この朝鮮の問題をめぐってやはり日本としても考え直さなければならぬ時期に来ているんじゃないだろうか。そういう意味で、北朝鮮との関係を一体今後どう発展をさしていかれようというのか。さらには金大中事件の見直しについては強い要請が各党からあります。これはもう率直に言って考えてみなければならぬ問題じゃないんだろうかと思うのですが、この二点についてまずお聞きをします。
○国務大臣(大来佐武郎君) 最近、朝鮮半島におきます南北会談が開始されておるわけでございまして、この間いろいろ開催地の問題その他事務的な詰めが行われていると承知いたしております。日本といたしましては、南北の対話を可能にする国際的な雰囲気の醸成に寄与するということが従来の方針でもございますので、ただいま始まりました南北会談の行方を注意深く見守っておる段階でございます。 金大中氏の問題につきましては、韓国の国内の政情もいろいろ変化をいたしておりまして、御指摘のとおりでございますが、これは韓国の国内の新しい動き。で、従来の金大中事件につきましては、日本も刑事上の問題としての捜査は継続いたしておるわけでございまして、いわゆる公権力の介入ということを明確にするような証拠があらわれれば、従来の政治的解決を見直すということがその当時からの政府の方針になっておりますので、現在の段階では、まだこの方針に特に変更が必要だというふうには考えておらないわけでございます。
○山崎昇君 もちろん朝鮮の問題は朝鮮自身でそれはいろいろやっていかなければならぬ課題でありますから、日本がとやかく言うべき筋合いのものでもないことはわきまえて私は言っているつもりであります。 しかし、いずれにいたしましても、自主的な話し合いの機運というのがやっぱり出てきておるわけですから、そういう意味で言えば、韓国との関係は従来政府との間にかなりな連絡がありますが、もう一方の方とは、たとえば文化的な交流だとか多少の交流はありますけれども、政治的なという意味の交流というのはほとんど皆無に等しい。これはやはり南北の自主的な話し合いの進展を図るという意味から言うならば、当然もう一方の方との政治的な交流もまた日本としては考えなきゃならぬ時期に来ているのじゃないだろうか、こう判断するわけです。そういう意味で、いままでにはいろんな障害等々があったかもしれませんが、これについて外務省はどういうふうに検討をされるのか。また、総理にもお聞きしておきますが、そういうお考えありませんかどうか聞いておきます。
○国務大臣(大来佐武郎君) 外務省といたしましては、この南北対話の行方に非常に強い関心を持っておるわけでございます。この状態によりましては、さらに北との関係を一歩進める道も開けてくるかもしれないという意味でも重大な関心を持っておるわけでございます。
○国務大臣(大平正芳君) 従来、御案内のように、政治にわたらない経済等の部面で関係を積み重ねてまいるという方針に終始してまいったわけでございます。今後政治にわたるおつき合いの部面に足を踏み入れるかどうかという問題につきましては、政府はまだそこまで決意いたしていないわけでございまして、いま外務大臣がお答え申し上げましたように、南北対話の進展、その他朝鮮半島の状況というものをもう少し見きわめさしていただきたいと思います。
○委員長(山内一郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめます。 午後一時から委員会を再開し、山崎君の質疑を続行いたします。 これにて休憩します。 午前十一時五十二分休憩 —————・————— 午後一時開会
○委員長(山内一郎君) 予算委員会を再開いたします。 昭和五十五年度総予算三案を一括して議題とし、山崎君の質疑を続けます。山崎君。
○山崎昇君 冒頭に一点、これは予告しておりませんが、お聞きをしておきたいのは、きょう昼のニュースでもやっておりました早稲田の入試問題で、警察当局から捜査の現状を御報告願うと同時に、文部省はこれにどういう対応をするのか、まずその点をお聞きします。
○国務大臣(谷垣專一君) お答えをいたします。 文部省の方へは大学当局からその都度御報告がありますが、きのう、きょうの段階については、まだ私のところまでは正式に来ておりませんので、何とも申し上げかねるわけでございます。大学の方といたしましても大変に心痛しておりますし、文部省といたしましても大変遺憾なことと存じております。どういう対応をいたしますかは、実情がわかって、そして大学当局としても慎重に考えておるようでございまするので、しばらくそれを見守りたいと私の方は考えておる次第でございます。
○国務大臣(後藤田正晴君) 事務方が来ておりませんので私から簡単に御報告します。 二月の二十四日に早稲田大学で行われました商学部の入学試験につきまして、試験問題の一部が事前に漏れておるのだといったような記事が毎日新聞に出たわけでございますが、警察としましては、社会的に非常に重要な問題であるということで、大学の独自の内部の調査委員会ですか、それの調査結果を待っておったところが、三月の八日の深夜に大学側から所轄の戸塚警察署に、入試問題を印刷した者を含む大学の職員ら三名による入試問題の漏洩をしている疑いが濃くなったので捜査当局として調べてもらいたいと、こういう御要請がございまして、捜査官が大学の方へ出かけまして調べたのでございますが、事案の性質上、これは窃盗罪ということでございますが、紙切れ三枚か四枚の窃盗罪というのもいかがなものかなという気もせぬでもありません。従来この種の問題は業務妨害というようなことでやったことがございますけれども、やはりそれはぐあいが悪いというようなことで、今回も一応窃盗罪ということでございますが、こういった事件の性質上逮捕して取り調べようということで今日鋭意捜査をいたしております。もちろん背後関係等も十分追及して、事柄の性質上、事案の内容を明らかにしたいと、かように考えております。
○山崎昇君 これは深くやるつもりもありませんが、ただ私は、いま新聞報道等でやられている限りで見れば、背後にやっぱり多額の金が動いておる、いま学歴社会だとかいろんなことを目指して入試の問題というのが大変大きな教育上でも課題になっている、そういう点を考えますと、やはり心配なわけです。 それから、きょうはもう時間がなくなってきているわけですが、私は、最近青少年の犯罪が大変多くなってきて、加えてそれが年齢の低い方に移行しているということを心配している一人です。そういう意味でいうと、ここでこの問題も含めて、私は、文部省もそうでありますし、関係する警察もそうでありますし、法務省もそうでありますが、一連のこれらの問題について、もう少し政治舞台で関心を向けなければ、次代を背負う日本人を教育するわけでありますから大変なことになるんじゃないか、こう思っておりますので、もう一遍ひとつ文部大臣からそれらの点を含めまして御見解を聞いておきたいと思います。
○国務大臣(谷垣專一君) お答えをいたします。 入学試験という問題は、先ほど警察関係の方からの御意見がございましたけれども、私たちの方にとりましては、一枚、二枚の紙切れという問題とは全然性質の違う問題でございまして、少なくともその試験における公平の問題が保たれなければいけない問題だと考えておるわけでございます。そういう観点からしまして、この問題は非常に遺憾な残念なことだと痛感をいたしておるわけでございます。大学当局も非常に心痛をいたしております。したがいまして、まず事実の究明をはっきりさしていかなければなりませんし、それに対処して今後大学がどうするかという問題を、まず大学の自発的な判断を少し私は見守ってまいりたいと、こういうふうに考えております。 それから、それと並んで御指摘にございました、最近のことに義務教育の段階におきましてもいろいろな問題が起きております。これも非常に残念なことでございまして、何とかこれをそういうことでないようにさせねばならない、教育の問題におきましてはもう一番大きな問題ではないかというように心痛をいたしておるわけでございますが、これに対しまする原因等いろいろ言われます。善悪のけじめをはっきりさせないままにそれをおろそかにしておるような環境、風潮というものが片一方にあると思いますし、また単にこれは学校教育だけの範囲にとどまらないで家庭教育の問題にも関係があることだと思います。また、これはとにかく学校の関係におきましてもそういう非行少年が出ます原因の一つに、学校において、ついていけないような子供たちが出てまいりまして、その子供たちの一つの何と申しますか、自己主張と申しますか、そういう形もある面では考えられますので、そういうついていけないような児童の出てこないやり方を教育の面でもやっていかなければならぬと思っておりまして、それが指導要領等の今度の改定あるいは四十人学級等をいたします際の基本的な考え方の中に、そういう子供と教師との密接な関連というものを実は期待いたしておるわけでございます。 それから地域社会の問題が一つございます。たとえば、このごろよくございますが、スポーツ少年団をつくっていろいろな指導をいたしますとか、あるいは地域ごとにいろいろな野外活動等を通じて子供たちの連帯感を養わせるというような社会教育の場がございまして、これは非常に大切なものだと実は考えております。そういうような問題を全力を尽くしてできるだけやっていかなければならないと教育の場におきましては考えておるわけでございます。
○山崎昇君 これ以上触れませんが、本当に真剣にこれは政治の場で私はやっぱり取り上げてもらいたい、こう思います。そして出ております事犯を見ますと、そう貧しい家庭の者はわりあい事故を起こしてない、何とはなしに裕福といいますか、順調といいますか、そういう家庭の子供が起こしておるという実態を見るときに、私はやはり相当真剣にこの問題は考えていただきたいということだけ最後につけ加えておきたいと思うのです。 もう持ち時間も少なくなってまいりましたので大変はしょっていかなければなりませんが、次に防衛問題で一、二点お聞きをしておきたいというふうに考えます。 まずしょっぱな、これは田原総一朗さんの本でございまして、本ばかり皆さんに言うのも大変恐縮でありますけれども、これもまたかなり重要なことが書かれておりまして、私は、これだけ公に出しているわけでありますから、心配をしているんですが、これを見ますというと、端的に言いまして、自衛隊の制服の中では自衛隊が憲法違反だと考えておらない者は一人もおらぬ、恐らく国会で答弁している者もみんな違反だと思っているんじゃないか、こうまず述べております。そして自衛隊としては憲法に注目をしているが、それは第七条に注目をしている。七条は何かというと、これは天皇の国事行為でありますが、天皇を擁してクーデターというものを考えておるということが、その趣旨が述べられております。さらにこの本によりますというと、関連する方々何人かとのインタビューをやっておりますが、否定した者がおらなかったと書かれております。私は、これだけの本でありますから、これはゆゆしい問題ではないだろうか、こう思います。これについて防衛庁長官と最高責任者であります総理の見解をお聞きしておきたい。
○国務大臣(細田吉藏君) お答えいたします。 大変重大な御質問でございますし、またその本の中に出ておることがそのとおりとすれば大変なことでございます。いやしくもクーデター云々というようなことは絶対排除すべきことでございまして、私ども自衛隊の中にそのような者が一しかも、いま御質問では否定した者がいなかった、また憲法違反もだれも皆そうだと答えたと、こういうようなことでございますが、私どもそのようなことは絶対にないと考えておる次第でございます。こういう点につきましては、事自衛隊の基本の問題に関する重大なことでございますので、今後私どもが十分に、もちろん言うまでもないことでございますが、警戒をしなければならぬことでございまして、ただいまのところそのようなことはないと、かように存じておりますが、今後とも十二分に警戒、注意をしなければならぬと、かように考えておる次第でございます。
○国務大臣(大平正芳君) 自衛隊と憲法の関係でございますが、これにつきましては、政府が従来から主張いたしておる主張が最高裁の判決でも裏づけられておるところでございまして、憲法違反というようなことは政府としては考えていませんし、自衛隊に職を奉ずる者が、憲法違反であるということを考えておる者は私はいないものと確信をいたしております。 第二に、自衛隊の運営でございますが、これにつきましてはシビリアンコントロールを徹底いたしまして、いやしくもその筋を外れることのないように厳重にやっておりまするし、今後もそういうことはいたさないように十分戒めてかかるつもりでございます。
○山崎昇君 いま答弁ありました。しかし、私は本当にこの本を読んでびっくりしているのは、「本当は、天皇の存在は儀礼的なものではなく、使い方によっては、大へんに実質的な存在になる。この七条の実体を担いでだ、九条を叩きつぶすために立ち上がる。それが、第二次大戦の呪縛から解放された、われわれの世代の任務ではないか、と思っているのですが」間違っていましょうかと、こう言うんです。きわめて私はこれは重大だと思う。よほどこれは政府はシビリアンコントロールというものについて重大な決意を持っておかなきゃいかぬのじゃないでしょうか。堂々とこういうことが——衛隊のこれは二佐だというが、述べられております。きわめて私は遺憾だと思うし、危険だと思っています。そしてずうっと書いて、これは時間がありませんからもう読みません。 ただ、私はこれに関連をしまして、これは海原さんと久保さんの防衛論議でありますが、久保さんがこうこれらに関連して述べておられる。それは、週刊誌などに自衛隊のクーデター論なんということが出るが、こんなことは大変な誤解なんです。にもかかわらず、週刊誌などが取り上げることは、そういう懸念があるということだと思うんですと書いています。言うならば、かつて自衛隊の幹部をやった方々でも幾分かはこういう懸念というものを持っている。これはゆゆしいことでありますから、政府としては重大な決意を持ってこういうことのないように重ねて私は指摘をしておきたいと思うのですが、総理の決意を聞いておきたいと思うんです。
○国務大臣(大平正芳君) 申すまでもないことでございまして、自衛隊がそういう道を外れたことにならぬように十分戒めてかからなければなりませんし、現に非常に気をつけておるところでございます。今後も十分注意いたします。
○山崎昇君 なお先般来、宮永のスパイ問題等もやられておりまして、これもまた最後にこういう指摘がございます。それは何かというと、雑誌社でありますとか、そういうところにはかなり秘の文書が行っているのではないか、こう書かれています。その趣旨を読むと、「第三次大戦に日本がまき込まれる、という近未来ルポルタージュを書いてくれ、とある雑誌から頼まれた」「数カ月前のことだ。資料を見せられた。おびただしい量だった。あきらかに防衛庁の内部資料だった。わたしは、結局、その仕事は断わったのだが、内部資料あるいは秘などと判を押したものが、おびただしい資料があったと、」こう田原さんは述べています。国会には余り明らかにされない。極秘だ、秘だと言ってあなた方は出さない。しかし、どこかの雑誌社がある企画をするとそういうものがどんどん出てくる、それに基づいてこういう方々に執筆を言われるという、ここら辺に私は自衛隊の内部の一つの問題があるのではないかと思います。これについて防衛庁長官どう考えますか。
○国務大臣(細田吉藏君) ただいま御質問にもございましたように、国会からの資料提出に際しましても、秘密関係の資料につきましてはお断りしておるというような状態でございまして、雑誌社とか、あるいは出版社等に自衛隊あるいは防衛庁から資料を提供して書かせるというようなことは、これはもう絶対にございません。この田原さんの本にもありますが、盗み出されたのじゃないかというようなこともございましたが、こういったいわゆる秘密文書につきましては、先般のスパイ事件等もございまして、私どもこれの取り締まり方につきまして、ただいま私どもの事務次官を長とする委員会をつくって、いままでよりさらに一層厳しくこの点については取り扱いを厳重にやってまいりたいと、かように考えておる次第でございます。
○山崎昇君 本来なら防衛はもっともっとたくさん細かに聞きたいと思っておりましたが、もう時間がありませんので経済問題に移らしていただきます。後日、同僚議員の方から詳細な質問があると思います。 そこで、まず経企庁長官にお尋ねしますが、二十一日に電気、ガス料金を決める、あわせて総合物価対策を何か出されるというふうに聞いておりますが、その概要等について御説明をお願いいたします。
○国務大臣(正示啓次郎君) 先週金曜日の閣議でございましたが、その前に通産大臣ともいろいろ打ち合わせをいたしまして、電気、ガス料金のいま最終的な決定について通産大臣を中心にいろいろ御苦心をしておられるわけであります。そこで、これは非常に重要な問題でございますので、その決定と大体見合いまして、私ども、いまのところは本月中旬以降にと、こういうふうに考えておりますが、電気、ガス料金の決定は恐らくいま山崎委員御指摘のような期日になろうかと思うのでありますが、そういうときに大体あわせまして総合的な物価対策を樹立、実行することが、これはもう国会の各委員会、予算委員会を初めいろいろ御意見がございまして、電気、ガス料金の波及といいますか、影響を最小限度に食いとめるように努力をすべきである、これが国民的な私は総意であろうかと、かように存じますので、それに向かって各省庁の打ち合わせをいたしたい、ついては総理を初め関係閣僚の方々にぜひ御協力を願いたいということを閣議の席でお願いしたのは事実でございます。 その考え方はこれから各省庁とお打ち合わせをして決めるわけでございますが、大きな考え方の根底には、財政金融政策はもとより、いまの物価情勢を悪化させないように持っていくということを基本にいたしまして、個々の物資の需給あるいは経済の動きに対しましては、所管各省庁において物資の需給関係あるいは供給をさらに需要にあわせて適時適切にするための努力、また海外からの輸入等も含めまして総合的な需要と供給に見合って運営していく、こういうふうな考え方のもとにただいま具体的にお打ち合わせを進めておる段階でございますので、いずれまとまりましてからまたいろいろと御批判を願いたいと考えております。
○委員長(山内一郎君) 関連質疑を許します。竹田四郎君。
○竹田四郎君 経企庁長官、二十一日という日にしたのはどういう意味なんですか。私は実にいまの大平内閣は物価に対して鈍感だと言わざるを得ないと思うんですね。 総理、あなたはこの前白菜をどこか自宅の近くでお買いになって大変値段が高いことにびっくりされたというんですが、いまお宅の近くの金物屋でセメント四十キロ一袋どのくらいでお買いになれるか御存じですか。
○国務大臣(大平正芳君) 寡聞にしてまだ承知いたしておりません。
○竹田四郎君 この間までは四百二十円で買えた、いま七百六十円ぐらいしている。しかもガラスなんかにいたしましても網入りの少し厚いガラスはもう店にないんです。もうそういうふうにこの二月末から三月にかけて物価は急上昇しています。そういうお感じには総理はならないんですか、あるいは経企長官はそういう感じにならないんですか。
○国務大臣(正示啓次郎君) ただいま御指摘のように、最近物価の騰勢、特に季節的な食料品、これについていま白菜の御指摘があったわけでございますが、これに対しましては、先ほど山崎委員にもお答えいたしましたように、緊急対策といたしまして春野菜の繰り上げ出荷あるいは契約栽培中のキャベツの出荷促進あるいは輸入というふうな手を用いまして、また農林水産大臣にお願いをいたしまして生産地を督励していただくとか、あるいは地方市場にいろいろお願いするとかいたしまして、やや私は鎮静の傾向が出ておると思いますが、しかし、先ほども申し上げましたように、インフレムード、これを未然に防ぐということが非常に大事でございますので、先ほども申し上げたような対策を講ずるわけでございますが、ただ、竹田委員がいま二十一日に決めたのはとおっしゃいましたが、実はできたら、まあ二十一日は、先ほど申し上げたように、電気、ガス料金を正式に閣僚懇談会において決める時期でございますが、あるいはそれより早くできましたら打ち合わせを詰めてやりたいと、こんなようなことで中旬以降というふうに考えておるわけでございます。
○竹田四郎君 きょうから二十一日というと、あと十日間あるんですよ。この間にどんなことが起きるかわからないでしょう。カーターがどんなインフレ対策を打ち出すのか、金利をどれだけ高くするのか、これもわからぬわけですね。果たしてその際にわが国がいまの公定歩合七・二五でいいのかどうなのか。さらに、そのままでおけば今後の円安というのはもっとひどいものになって、外国要因によるところの国内物価の値上げということが起きるという心配は非常にあるわけですね。そういう意味で、いま日銀総裁がBISの会議へ行っていらしゃいますけれども、ここでどのような結論が出るかということ、これは私は国民ひとしく非常に心配して見ていると思うのですよ。こういう時期に、しかも金曜から決めたというのですからほぼ二週間先ですよね。大平さん、こんなのんびりした経済の動きじゃないと私は思う。もっと急激に経済の情勢というのは変わっていくと思う。それに対応していくのにはどうも遅過ぎる。少なくとも五日なり、できたら一週間ぐらい、この二十一日という総合物価対策を政府が発表する日を早めていただいて、いま起こりつつあるところの便乗値上げ、こうしたものをいまのうちに征伐しないと狂乱物価以上のものになってしまう心配がある、私はあるのです。国民も私はそう思っていると思う。そういう意味では、総理、ひとつもう少し各省庁を督励して、これを早くするということをお考えになりませんか。
○国務大臣(大平正芳君) この前の石油危機のときと比較いたしまして、たびたび申し上げておりますように、消費者も非常に自重していただいておりまして、生産財、資本財、消費財とも一様に上昇を見ましたその当時と比べまして、御存じのように、今日までは比較的落ちついた状態にありましたことは、竹田さんも御承知のとおりでございます。ただ、いま御指摘のように、最近になりまして卸売物価の上昇がその他の物価に波及してまいる懸念が非常に濃厚になってまいりましたし、経済の動きもにわかに予断を許さない状況になっておりますることは御指摘のとおりでございまして、私どもといたしましては、この機を逸せずに、適切な措置をなるべく早く講じて対応していかなければならぬと考えておりまして、世界的に大変むずかしい段階でございますが、いずれの国にも劣らない対応をして国民の期待にこたえなければならぬと存じております。したがって、総合物価対策もできるだけ早く政府部内でまとめて実行に移すようにいたしたいと思います。
○竹田四郎君 日銀副総裁にお尋ねしたいと思いますが、通告してございませんのであるいは失礼かと思いますが、先ほどもちょっと述べましたように、アメリカはカーターがインフレ対策として公定歩合を二%ぐらい上げるんじゃないだろうかということが新聞報道で言われているわけでありますが、アメリカはそうなりますと公定歩合が一五%ぐらいになるだろうと思うのですね。日本のいまの公定歩合はこの間やっと上げまして七・二五%、そうなりますと、もう金利差は日本の約倍ということになりますれば当然ドルはアメリカに流れていく、金利の高い方へ流れていくというのは当然であろうと思う。そうすればまた一つ円安の問題が起きてくる。この間の日銀の公定歩合の引き上げ、これはいままでに比べれば大変決断を要した引き上げであったと思うのですけれども、あれでも世界的に見れば日本の公定歩合の引き上げ方は遅過ぎた、こういう評価があるだろうと思うのです。もしここでアメリカが今週中にでも二%の公定歩合を上げるということになったならば、日銀はどうなさいますか。
○参考人(澄田智君) 日米の金利の関係につきましては、ただいまおっしゃるとおりでございますが、ただ、アメリカにおきましても公定歩合を一三%に引き上げた後市中の金利が上がっております。プライムレートは上がっておりますが、そういった言ってみれば天井知らずの高金利というものに対するいろいろな動き、それの影響等も出ているわけでございまして、今後アメリカが、伝えられる総合物価対策等におきまして金利についてどういうスタンスで臨んでくるかということは、なお注視を要することではないかと思います。 いま御質問の点でございますけれども、二月の十八日に公定歩合を引き上げました。さらに二月の二十八日に預金準備率の引き上げもいたしました。従来の三回にわたります昨年中の公定歩合の引き上げによりましてマネーサプライも逐次低目になってきておりますし、貸出金利の上昇その他金融の引き締めの浸透は進んでおりますので、現在の段階といたしましては、いままでの金融引き締めの状況に加えて二月にとりました措置の効果の浸透というものを見守っていく、そういう段階であるというふうに考えております。もちろん状況は先ほど申しましたようなことでございますので、今後とも十分注意深く対処してまいりたいと、かように存じております。
○竹田四郎君 注意深く対処するというのは、見守っていくというのは急変があれば対処をしていくと、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○参考人(澄田智君) 御発言にもありましたように、円の相場等を含めまして、状況につきましては、国内、国外各般の内外の情勢等を見守って今後の金融調節のやり方について十分そういう情勢を考慮に入れて対処してまいりたい、かような意味でございます。
○竹田四郎君 最後でございますけれども、総理は消費者物価六・四%、これは実現できるんだと、こういうふうに衆議院でおっしゃっていたわけでありますが、最近の情勢で果たして六・四%というものが実現できるかどうか。これに対して労働側というのは八%というわりあいマイルドな線でいま要求していると思うんですね。この点は私も労働組合の良識でこういう形になっていると思うんですけれども、これはやっぱり六・四%が守られるということが私は原則だと思うんですよ。これが守られない、あるいはこれが八%なんかになるということになれば、これは様子はまた当然違ってくるわけでありますから、私は六・四%を総理にぜひ守ってもらいたい。しかし、ただ口で守りますと言うだけではこれは説得力がないと思うんです。その点は具体的に六・四%をいまも恐らくお守りになる、そのための政策を進めていくというふうにお考えになっていると思うんですが、その辺を具体的に、ただ六・四%を守りますと言うだけじゃこれは国民はいまの状況の中では信頼できませんから、この点を御答弁いただきたい。
○国務大臣(大平正芳君) 五十四年度の消費者物価は四・九%というところに抑えたいということを申し上げておきましたが、これは幸いにいたしまして、国民の協力を得ましてこの範囲内にとどめることができると確信を持っております。五十五年度は六・四%という目標を設定いたしました。これにはいま予定いたしておりまする公共料金のある程度の値上げというようなものももちろんカウントいたしておるわけでございますけれども、相当緊張した真剣な経済運営をやらなければ達成できないことは重々承知いたしておりますけれども、政府といたしましては、この目標は何としても守り抜かなければならぬということで、諸般の政策を適時適切に、かつ機動的に展開いたして目標を達成する政治責任を果たしたいと考えております。
○山崎昇君 日銀に一点お聞きをしますが、実はゆうべ十時からNHKで国際収支の問題をやっておりまして、あれを聞いておりましたら、円のレートは二百五十円という線を防衛するのが一番いいのではないかというような趣旨のことが、竹内さんでしたか、述べられておりました。ずいぶん公定歩合を上げたり、あるいはアメリカ、ドイツ、スイスなんかと協調してやっておるんですが、それでもなおかついま不安定な状況にある。そういう意味では、日銀はこれから円というものをどの程度を中心にしてお考えになっていくのか、この一点をお聞きしておきたいと思います。
○参考人(澄田智君) 三月二日に発表いたしました国際収支及び円に対する対策といたしまして、これはアメリカの通貨当局並びに西独及びスイスの当局とも打ち合わせをし、そして発表したわけでございますが、その結果、日本銀行として東京のマーケットあるいはニューヨークのマーケットで介入するのは当然でございますが、アメリカも従来の方式に加えてアメリカ側の自分の勘定で介入をする、それからスイス、西独もこれに協力するという意味で、スイスの通貨当局もヨーロッパのマーケットで介入をしておりました。これは初めてそういう協力が、共同動作による共同による介入ということが行われているわけでございます。その結果、十分とは申せませんが、しかし一時非常に懸念されておりました円安の方向は若干地合いは変わってきて、ある程度鎮静をされてきていると、こういうふうに考えております。 ただいま御質問の円の相場をどの程度に維持するのが適当かという点でございますが、私どもの方は介入をする責任を持っております介入当局でございますので、幾らがいいかということは、これは申し上げることはいろいろ不測の影響がございますので御容赦いただきたいと思います。
○山崎昇君 なるほどそうだと思うんです。思うんですが、盛んに学者だとか、あるいはゆうべの解説もそうでありますが、二百五十円という線を防衛するのが何か一番いいような言い方をしますので、われわれ素人から言えば、ああその辺かなという気がしておるものですから、専門家でありますあなたにいま聞いてみたわけです。ただ、影響あるでしょうから、これ以上は申し上げません。しかし、いずれにいたしましても、これから国際収支の赤をめぐりまして大変重要な段階だと思うので、一段とひとつ御協力をお願いをしておきたい、こう思います。 そこで、もう時間がなくなってまいりましたが、物価問題を論ずるときに必ずと言っていいくらい出てくる問題の一つに流通機構の改善というのがございます。一体今日まで流通機構というのはどういうふうに改善して、またどんな成果があったのか。しかし、それにもかかわらず、なぜいまだに流通機構の改善が叫ばれておるのか、さらにこれから通産あるいは経企はどういう形でこれを直していこうとしているのか、まず流通機構についてお聞きをしておきます。
○国務大臣(佐々木義武君) 通産省に関連のある物資に関しまして、おおよそいま何をやっておるか、またどういう効果があるか、御説明いたしたいと思います。 まず、流通機能の高度化あるいは需給の円滑な結合と流通コストの引き下げ等が主たるねらいでありますけれども、そのために講じておる主たる——いろいろなことをやっておりますけれども、主なものを申し上げますと、伝票の統−化など商取引の合理化が一つございます。それから大規模物流施設の建設促進、物流の合理化。それから業種別流通の近代化の問題でございまして、これは業種別の実態に即して流通の合理化を図っております。四番目には、中小流通業者の共同化あるいは協業化といったような多種多様の施策を講じることによりまして、まあこれを要するに流通面からも物価の安定に寄与するように、それから多様な社会のニーズにも即応できるようにということで、積極的に先ほど申し上げましたような施策を講じてございます。
○委員長(山内一郎君) 澄田参考人には御多忙中のところ御出席くださいましてまことにありがとうございました。御退席していただいて結構でございます。
○国務大臣(正示啓次郎君) 流通機構は大変むずかしい問題であることはもう山崎委員よく御承知のとおりであります。ただいま通産大臣からもいろいろお話がありましたように、通産省所管物資につきましても大変いろいろ努力をしておられます。また、農林水産大臣にもお願いいたしまして、これまた大変な御努力を願っておるわけでございます。また、運輸、輸送力、これも大事な問題でございますから、その方面にも御協力を願っております。これから物価対策を決めていく場合にも、この先般来の野菜の状況等も踏まえまして、できる限り生産地で農民が努力をされた成果が消費者の方へ参るように、それらの点についても一層の努力をしていただくようにわれわれとしては合理化をお願いしておるわけでございまして、これからもいろいろとやっていく考えでございます。いわゆる産直というんですか、産消直接というんですか、そういう点につきましても、大きな方向としてはできる限りその方向に向かって合理化を進めていくわけでございますが、これには雇用その他の問題もございますので、漸次そういう方向に向かって関係省庁と力を合わせて努力をしてまいりたいと考えております。
○山崎昇君 いま聞いた限りでは、何かよさそうな気もする。しかし、最近たとえば大型の冷凍にいたしましてもそれに関連する輸送にいたしましても、その部分だけはなるほど流通はよくなった。しかし逆に、大型化されて冷凍が設備が完備されて、別な輸送ができて、それによって供給が適当にコントロールされちゃう。逆にそれによって物の値段がつり上げられるというのがいまの状況じゃないんでしょうか。そういう意味で言うならば、片っ方では流通機構は多少直ったようなことになるけれども、それによって物価が別な形でつり上げられるという状況にいまなっているんじゃないでしょうか。その点は一体通産なり経企はどういうふうにやるのか、あわせて——公取委員長大変お待たせして済みません。本当はもっと聞きたいんですが、いま言うようにやっていきますというと、独占までいかないけれども、俗に最近管理価格という制度がずいぶんいろいろ言われているわけなんですが、独占禁止法を扱う公取から見てこの流通機構の改善というのはどういうふうにしたらいいとお考えになるのか、その面からひとつお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(橋口收君) 流通問題につきましては一九八〇年代の独禁政策の最大の課題の一つとして現在本格的に取り組んでおるところでございますけれども、対象品目としましては十数品目を挙げまして、その流通機構、流通過程、流通行為における競争政策上の問題点につきまして解明をいたしておるところでございまして、さらに法律的な観点から申しまして、主として流通系列化の問題につきましての問題の分析をいたしておるところでございまして、それらの問題を通観して感ぜられますことは、いまおっしゃいましたような流通過程における寡占の問題、それから寡占メーカーが主として行う流通系列化の問題、これはいずれも末端におきまして価格が弾力的に作動しないという面を持っておるわけでございまして、そういう点から申しまして、流通過程とか流通行為における問題だけではなくて、市場における構造の問題に本格的に取り組まないと、まあ言葉の本当の意味における解決というものはなかなかできないのではないかと思っておるわけでございまして、ただ、こういう問題につきましては相当時間がかかるわけでございますから、われわれとしましては中長期の問題として今後とも本格的に検討いたしてまいりたいというふうに考えております。
○山崎昇君 もう時間がなくなりましたが、最後に大蔵大臣に一、二点お聞きします。 七カ年計画がもう改定されているというように聞いておりますが、あの前提になりました一般消費税の導入ができなくなった。しかし、昭和六十年度には二六・五%の租税負担ということが依然として残っているように聞きます。一体増税をどういう形で導入をして財政再建をやるというのか、この辺が不明確です。この点が一つ。それから予算を私も見ておりまして幾つか心配になる点は、一つは国庫債務負担行為が物すごく多い、後年度に。五十六年度以降に大変多くなっています。したがって、この国庫債務負担行為を通じて一体どうなっていくのか。三番目に最近国債の状況が余りよくありません。一体この国債の消化、管理というものをどうされていくのか。私は五十六年度予算編成等と関連して多くの課題があるのではないか。それから補助金の問題につきましても、単に四分の一にするとかということを言っておりますが、これは御案内のとおり、法律上の補助と予算上の補助があります。法律上の補助はそう簡単にはいきません。この点を第三番目としてお聞きをしておきます。 最後にこの行政改革も絡んでくるわけですが、いまやっている行政改革は周りだけぐるぐるぐるぐる回っている、中央の改革は一つもない。これから第二次、第三次でやるそうでありますけれども、何もない。出先機関がどうだとか特殊法人がどうだとか外側ばかりぐるぐる回っておって、肝心かなめの仕事のやり方とか、そういうもの何もありません。そういうものについて一体行管はどう考えておるのか、この点聞いて私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) まず最初が財政再建の手だてでございます。財政の公債依存体質を改善をいたしまして、財政の対応力を図っていくと、これが何としても急務となっておりますが、今後財政再建を進めるに当たりましては、具体的な手だてとして結局負担と受益の関係になると言うほかないと思うのであります。まず一つは公共サービスの維持、充実を目指すために負担の増加をお願いするのか、また逆に負担の増加を回避するために公共サービスの水準の低下に甘んじていただくのか、そしてあるいは両者の組み合わせによって対処するかと、およそ三つにしぼられると思うのであります。政府といたしましては、この点につきましては広く各界、各層の御意見を承りながら十分検討して再建の手だてを進めてまいりたいと。したがいまして、この経済七カ年計画という問題では、御指摘のように、二十六カニ分の一というようなこと、あるいは社会保障十四カニ分の一でございますか、そうした目安を置いておることは事実でございますけれども、それに対して財政収支試算は、言ってみればその目安に対して今年度の予算から平均的に年度の手がかりを示しておるというにすぎないものでございます。したがって、国会決議等の精神を踏まえて、あのようにして「いわゆる一般消費税(仮称)」は取らないと、しかしながら、消費一般にかかわるこの消費税というものを全部否定したら、これはまた全く税体系上問題が多いというところから、国会決議を踏まえつつ各方面の意見を聞いてどういう形で対応していくかということをこれから慎重に検討をしていかなければならぬという段階であると思うのであります。 それから国債管理政策でございますが、確かに国債管理政策は、一口に言えば多過ぎるから問題があるということであろうと思うのであります。いま決していい成績ではございません。しかし、これは全体の公社債等に一般的にそういう影響が出ておりますので、だからといって国債エゴイズムとでも申しましょうか、それだけで対応するわけにはいかぬと。いまのところ整理基金等で若干のオペをいたしまして対処しておるという状態でございます。やはり少しく長期の視点に立って見守って、冷静に対応しなければならぬ問題であろうと思います。 それから行革の問題についてのいわゆる補助金の問題であります。 御説のとおり、法律補助が大体八〇%、あるいは社会保障、教育、それから公共事業、これでくくってみましてもまた八〇%、それから地方へいくものでくくってみましてもまた大体八〇%であります。したがって、法律補助というものではなかなかこれを削るということはむずかしいというのは、私も意見を同じくするものでありますが、したがって、さればいわゆる行政補助を見ましても、一概に補助金性悪説をとるべきではない。やはりときどきのニーズに応じて、意義あるものは私は補助金をつけてもいい問題であると思います。しかし、やはり一つのめどを置きませんといけませんので、したがって、四年間——五十五年度を含め四年間にわたって何とか四分の一というものは整理合理化していこうということで、また先般の衆議院の予算修正の際にもございましたので、サマーレビューをやってまず取りかかれと、こういう四党の合意でありますだけに、そういう精神を踏まえながらサマーレビューでどんどん個別的に詰めていきたいと、このように考えておるところであります。
○国務大臣(宇野宗佑君) 五十五年行革は、昨年の暮れにその第一次分を閣議決定いたしました。その中におきましては、御指摘のとおりに、中央本省庁には触れておりません。しかしながら、今回の行革の目的は、いわゆる特殊法人等々不正経理があったではないか、綱紀がきわめて弛緩しておるではないか、だから粛正をせよ、そういう国民の要請もございました。したがいまして、まず中央省庁と大きくは大切な関連にあるけれども、いわゆる実務面から整理統合を図りたい、かように思った次第でございます。特に実務面におきましては、やはり国民と一番近接しておるのがいわば特殊法人であり、あるいはまた地方支分部局であると、かように思いますと、国民のニーズというもの、あるいは時代の変遷というもの、それによりまして、おのずからもう役目を果たしたもの、あるいはもう統合してもいいもの、いろいろあろうと思いましたので、したがいまして、そういう方面に重点を置いた次第でございますが、決して中央本省の問題を忘れているわけではございません。しかし、申し上げますならば、中央本省の機構の改革というものは、国家行政組織の根幹に触れるものでございますから、常に私は慎重でなければならないと思いますが、部局の再編成ということもやはり国民のニーズによりまして時と場合には必要な場合もございます。だから本年度におきましては、御承知のとおりに、郵政省におけるところの電気通信政策局というものを新設をいたしましたが、この場合といえどもスクラップ・アンド・ビルド方式によりまして決して純増をもたらしておりませんし、また定員削減も第五次、三万七千やりますが、これは一般的に四・二%の削減率でございますが、恐らく中央におきましては一般職が多いと、こう思いますと、一〇%ばかりの削減になるのではないかと、かように存じておりますので、今後そうした面におきましても、やはりわれわれといたしましては常在行革の精神でやっていきたいと思っております。
○山崎昇君 終わります。(拍手)
○委員長(山内一郎君) 以上で山崎君の総括質疑は終了いたしました。 —————————————
○委員長(山内一郎君) 次に、熊谷太三郎君の総括質疑を行います。熊谷君。(拍手)
○熊谷太三郎君 私は自由民主党・自由国民会議を代表しまして、総理並びに関係大臣に若干の質問をいたします。 まず、綱紀の保持につきまして総理大臣にお伺いいたします。 総理は、先般の施政方針演説におきまして、「綱紀の保持こそあらゆる施政の原点である」と言われておりますが、まさにそのとおりであります。しかし、何事も問題が起きましてからその対策を講ずるというのでは手おくれでありまして、不断にその心構えを堅持することがきわめて大切であると存じます。また、昨年十一月、総理の指示に基づきます綱紀保持の担当機関として総理府人事局並びに内閣官房審議室の二つが決定されたようでございますが、できることならば、これは一カ所に集中して、より強力な管理を進める方が適切ではないかと考えられるわけでございます。以上につきまして総理大臣の御所見を承りたいと存じます。
○国務大臣(大平正芳君) 綱紀の粛正が施政の第一の要請でありますること、御指摘のとおりでございまして、政府としてはそのように心得て、そのためにはまず政府自身が、そして内閣自身がこれに真剣に当たるということから始めなければならぬと存じまして、去年の暮れ、具体的な綱紀粛正にかかわる申し合わせをいたしたわけでございまして、それを基本といたしまして各省庁で実施項目を定めて、いま厳正に実施いたしておるところでございまして、いま政府部内におきましては、政府機関を通じまして指弾を受けるような綱紀の弛緩はないものと私は確信をいたしておるものでございます。しかし、第二に仰せのように、この問題は後追いであっては困るということでございまして、政府もそのとおり心得ておるわけでございまして、まず政府自身が真剣な姿勢で諸般の問題に取り組むということを通じまして、今後こういったいままで御指摘を受けたような不正、不当な問題の惹起をすることがないようにいたしたいと考えております。 この綱紀粛正の問題をどこで、どう取り扱うかということでございますが、いま内閣官房と総理府にまたがって問題の整理をしていただいておりまするけれども、申すまでもなく、これは政府全体でかからなければならぬことでございまして、内閣自体が、閣議自体が中核体となりまして推進していかなければならぬと考えておりまして、それは閣議の方針に従いまして、各省庁にその実効を上げるような運営のことをお願いしていくように心がけていきたいと思っております。
○熊谷太三郎君 次に、国際関係について。 わが国が常にアメリカと緊密な協調を保っていかねばならぬことは言うまでもないところでありますが、最近のアフガニスタンに対する隣国ソ連の武力介入が行われております現在、いよいよその必要を痛感する次第であります。総理は、先般の演説におきまして、日米安保体制を基礎とした米国との揺るぎない相互信頼関係がわが国外交の基軸であると述べられ、また、過日の新聞によりますと、去る二月二十一日、マンスフィールド駐日米大使と会談されました際、この方針に沿って自動車、対ソ経済措置モスクワオリンピックの不参加、わが国の防衛努力の強化その他につきまして米国と協調する旨を話し合われた由でございまして、いずれも適切なお考えであると存じますが、その後、これらの諸問題につきましてどのような処理をお進めになっておられましたか、お伺いをいたしたいと存じます。
○国務大臣(大平正芳君) 日本とアメリカ合衆国との間におきましては、不断に、安全保障面ばかりでなく、経済関係等につきましても意思の疎通を図っておるわけでございます。したがいまして、東京並びにワシントンにおきましては、不断に双方の接触が行われておるわけでございます。その中におきまして、アフガンの事態に対処することにつきましても、アメリカ初めヨーロッパ諸国との協調を通じまして実効ある対応をしなければならぬと心がけておるわけでございまして、その中で対ソ連に対する対応——経済関係の対応でございますが、国会におきましても申し上げましたとおり、ココムに係る技術の供与、高度の技術の供与というような点につきましては、ココムの場において関係者の協議を通じて対応をしていくという態度を決めておりまして、この態度はその後も変わっておりません。 第二に、対ソ信用供与の問題でございますが、これにつきましては従来やっておりますることと新たにソ連から要請がありましたものとがございますが、従来からやっておりますることにつきましてはこれを引き続き実行いたしておるわけでございます。新たな問題の要請がございましたことにつきましては、目下アメリカとの提携の問題もございますし、ヨーロッパの対応を見なければならぬ問題もございますので、まだ検討中であると申し上げる以外にないと考えております。 第三のモスクワ・オリンピックに対する対応は、かつて政府が決めてJOCに申し入れましたことがございましたが、それ以来、この方針を変えていないわけでございます。 防衛協力の問題につきましては、アメリカ側から一般的にわが国の防衛努力の強化につきましての要請がありますることは事実でございますが、これは申すまでもなく、わが国の責任において、わが国が主体的に決めなければならぬ問題でございます。しかし、これを決めるにつきましては、アメリカ側の理解も得なければならぬわけでございます。私どもといたしましては、この問題は国内におきましても十分納得のいく措置を講じながら対応していかなければならぬ問題と考えておりますし、その過程におきまして、アメリカ側の理解も得るように努力していきたいと考えておりまして、しょっちゅう話し合いの場を持っておる両国でございますし、三月十九日から大来外務大臣も訪米することでございまするし、そういう機会におきましても、この問題につきましては隔意のない意見の交換を遂げて相互の理解を深めていきたいと考えております。いずれにいたしましても、やるかやらぬか。どの程度やるか、いつやるかというような問題は日本が決めることであると私は考えておるものでございます。
○熊谷太三郎君 ただいまちょっとお触れになりましたが、防衛問題ないし外交関係に関しまして、この際一言お伺いをいたします。 これも新聞によりますと、外務省首脳は来る三月十九日大来外相の訪米の際、米議会関係を中心にわが国の防衛努力につきまして、あるいはわが国の防衛予算がNATOの方式では百六十億ドルになるとか、あるいは自由主義国中第六位になるとかを説明して積極的な理解を求めていく方針だというようなことが伝えられておりますが、率直に言いまして、実質的な増強の努力も示さないでこういう釈明に等しい説明で果たして相手の理解を得られるかどうか。言うまでもありませんが、アメリカ側では実質伸び率〇・七%の緊縮財政にもかかわらず、国防費三・一%の実質増などを提案して防衛に積極的な姿勢をとっているわけでありますから、こういう相手側をかえって刺激してその不信を招くといったような結果にはならないか、憂慮されるところでございます。この際、総理の御所見をお伺いいたしたいと存じます。
○国務大臣(大平正芳君) アメリカ政府といたしましては、日本の置かれた立場、日本の憲法上の制約、戦後の日本の国家運営の基本的な姿勢というものにつきましては、アメリカ自身がよく承知いたしておると私は存じております。先ほど申しましたように、アメリカがそれにもかかわらずわが国に対しまして防衛努力を、一般的にその強化を要請していることは事実でございます。そしてそれに対しまして、私が申しましたように、これは日本が主体的に受けとめて、日本が対応しなければならぬ問題である、日本の問題であると心得ておることも先ほど申し上げたとおりでございます。外務省当局はそういう状況の中で、ただいま支出いたしておりまする防衛費というものも計算のしようによってはこういう取り方もあるのではないかという一例を挙げたにすぎないと考えておるわけでございまして、外務省がいろいろな取り方を通じまして日本の防衛費の評価につきましてその事例を提示していくということも私はむだではないと考えておりまして、そのことが対米関係に影響があるとは私は考えておりませんので、アメリカもそういった点につきましてはよく承知いたしておるものと考えております。問題は、日本が一般的なそういう要請に対しましてどのように対応していくか、日本自体の問題だと思うのでございまして、日本がどう対応するかは、先ほども申しましたように、アメリカも日本の立場として理解できると、両国の間にクレジビリティーギャップはないというようにやっていかなければならぬと私は考えておるわけでございまして、そのために日米外交、外務省の外交努力もなされなければならないし、政府もそれを踏まえて防衛費、防衛努力等につきまして対処していかなければいかぬと考えておりまして、肝心な点は日米間に信頼の亀裂が起こらぬようにすること、それが根本だと考えておるわけでございまして、それに関しましては私はみじんも不安を感じていないわけでございまして、政府として十分それに対応して御心配ないようにしていきたい、またいけると考えております。
○委員長(山内一郎君) 関連質疑を許します。秦野章君。
○秦野章君 世界の平和と安全を願いながらも、しかし、現実にはしばしば血を流すような場面が出てきているわけですけれども、そのことに関連してお尋ねしますが、いま日本人で海外に在住する者、常時どのくらい海外に出ているか、特に中東、ペルシャ湾地域はどのくらいですか。まずこのことを聞きます。
○国務大臣(大来佐武郎君) 昨年十月一日現在の海外在留邦人数は四十三万五千人でございます。三十年前は平和条約締結以前でもありまして、政府として当時の海外在留邦人を把握していないわけでございます。ちなみに、戦後外務省として海外在留邦人の組織的、総合的な調査を行うようになりましたのは昭和四十三年からで、同年三月一日付の在留邦人数は約三十二万でございました。
○秦野章君 ペルシャ湾、中東地域にどのくらい在住、働いたりなんかしておりますか。
○説明員(大村喬一君) 約一万人でございます。
○秦野章君 この一万人の日本人の生命、財産、これが非常に危殆に瀕した、その国がそれぞれの責任を持って秩序を維持するといっても、それが必ずしも実現できないという状況になることもあり得るわけですが、そういう場合どういう対応をなさいますか。
○説明員(大村喬一君) 政府といたしましては、中東地域のみならず、世界各国におきまして、緊急事態の発生のために常時在留邦人の数を把握しておること、それから緊急連絡網の確立、それから緊急の場合にどういう経路をとって避難すべきかということを常時把握しておりまして、いろいろなケースに応じた対策をとるよう万全の準備をいたしておる次第でございます。
○秦野章君 もっと緊迫した情勢で、それを救い出さなければならぬといったような事態が起きたときにはどうしますか。
○説明員(大村喬一君) これはいろいろなケース・バイ・ケースによって違うわけでございますけれども、非常な異常な事態が起きた場合には、たとえば政府の救援機を派遣する、あるいはさらには友好国と協議をいたしまして、それぞれ友好国の自国民の保護のために協力をするということとしております。
○秦野章君 大臣、友好国と協議——たとえばペルシャ湾で日本人を千人とか二千人とか救出せにゃいかぬというような場合に、友好国と協議とは具体的にはどういうことですか。
○国務大臣(大来佐武郎君) たとえば近接する地域に移動するというような場合も、その近接国と協議しなければならないと思いますし、それから、ただいまのように緊急に航空機を提供するというような場合、それで足りない場合に他の国の航空機の利用を申し入れる。いろいろな場合が考えられる、状況に応じて考えられると思います。
○秦野章君 ほかの国に頼もうといっても、ほかの国も忙しくてやれないというような場合にはどうするかということをお尋ねしているんですよ。あの辺は米軍はおるんですけれどもね。
○国務大臣(大来佐武郎君) これはまあ情勢に応じて考えませんと、具体的には申し上げかねるわけでございますけれども、日本の憲法の趣旨から言えば、日本自体がこれを救出するということ、武力を持った形で救出するということは不可能だと考えております。そうでない形での、軽い形での救援ということは場合によって考えられるかと思いますが、これも状況によることだと思います。
○秦野章君 武力を持たないで救出するという方法は何かありませんか、そういう場合に。
○説明員(大村喬一君) 日本の場合には、政府救援機と申しましても民間機でございますので、異常な場合には空港が閉鎖されたり、実際問題として到着できないというような場合も実は想定できるわけでございます。そのような場合には、実は過去にも例がございましたけれども、たとえばニカラグアの例でございますけれども、友好国、特にアメリカと協議をいたしまして、わが在留邦人がアメリカの軍用機で救出されたということもございます。
○秦野章君 やっぱりアメリカに頼むということがあるわけですね。そうすると、アメリカがその場合にほかの方で忙しいときは、頼んでもやってくれないときはもう仕方がないと、見殺しと、こういうことで外務大臣いいですか。
○国務大臣(大来佐武郎君) 状況に応じてあらゆる手を尽くすということになるかと思います。
○秦野章君 大砲に封印して救出のために自衛官が出ていくということは不可能ですか、防衛庁。
○国務大臣(細田吉藏君) お答えいたします。 ただいまの自衛隊法の規定上は、出ていくことは不可能だと考えております。この必要がある場合にどうするかという問題につきましては、防衛庁限りでは何ともお答え申し上げかねる次第でございます。
○秦野章君 要するに法律があるから自衛官も救出には行かれないと。そうするとまあ見殺しになるということもありますが、ハイジャックでは超法規でやりましたけれども、何百何千の人間が、日本人が四つの島以外にこう動いているときに、やっぱりこれ見殺しにするというのはしようがないのかなという感じがするんですが、総理、この辺はどうでしょうかな。法律があるからできないと、そういうことでよろしいでしょうかね。武力参加じゃないわけですね。
○国務大臣(大平正芳君) 在留邦人の生命、財産を保護することは、政府の重要な任務だと考えております。したがいまして、いま秦野さんがおっしゃったような事態に立ち至る前に、政府としては万全の措置を講じて、在留邦人の安全を図らなければならぬわけでございまして、国際紛争が起こりました地域におきましては、これまでも絶えずそのことを考えながら、在留邦人どの連絡もとりながらそういう措置を講じてまいっておるわけでございまして、武力の発動というようなことに立ち至らないで生命、財産を守る方途をぎりぎり考えていくということで、御信頼をいただきたいと思うのでございます。 武力を使うという問題につきましては、現在の法制上、いま防衛庁長官が言われたように、発動の条件が法定されておりますので、解釈上それは非常に無理なようでございます。しかし、それがそうだからといって、在留邦人の生命、財産を無視できるわけじゃないわけでございますので、前広に万般の備えをいたしまして、そういった不幸な事態にならないように政府としては万全の備えをいたすつもりでございます。
○秦野章君 総理の答弁、ちょっと間違っておりませんか。武力を使わないでも自衛隊は行けないんだと、自衛官は行けないんだというような答弁だったと思うんですが、どうですか。その点再確認。
○政府委員(角田禮次郎君) 秦野委員の御指摘のとおりでございますけれども、第一段は、武力の行使を伴うということは憲法上不可能であるというお答えをしたわけです。第二段は、秦野委員は武力の行使を伴わないという前提でお尋ねになって、防衛庁長官はそれは現在の自衛隊法上は認められないというお答えをしたわけです。それが正しい答えでございます。
○秦野章君 法律があるからできない、わかりました。 次に、総理、新聞で見ると訪米をされるというふうな記事も出ていますが、多分そういうことになるということでございましょうか。
○国務大臣(大平正芳君) 連休を中心といたしまして若干の時間をとって、メキシコ、アメリカ、カナダを訪ねることができればと念願いたしておりますけれども、まだ先方の都合も打診いたしておりまするし、国会の了解も得なければなりませんので、いままだそういうことを打診しておる、国の内外において打診しておる段階でございます。
○秦野章君 多分、打診の結果はおいでになるということになるんでしょうね、大体。
○国務大臣(大平正芳君) 私としてはそういう希望を持っております。
○秦野章君 訪米されて、外務大臣も行かれるわけですけれども、懸案というか、問題点というものはどんなところにあるということになりますか。
○国務大臣(大来佐武郎君) 私の訪米は三月十九日からというただいまの予定でございますが、主な問題としては日米間の経済問題での懸案事項、あるいは最近起こっておりますような問題についての話し合い、それから第二には安全保障の問題、それから第三には国際情勢一般の判断の問題、大体こういう三つのテーマを考えておるわけでございまして、テーマについてはなお先方と打ち合わせ中でございます。
○秦野章君 総理にお尋ねしますが、経済摩擦の問題は当然爼上に上ってくると思いますが、日米経済摩擦というものは日本の防衛努力と関係があるのかないのかという点はどうお考えになりますか。アメリカの世論の中には安保ただ乗り論みたいなものもかねがねあるわけですけれども、日本の防衛努力と経済摩擦というものは関係があるのかないのかという点ですね。
○国務大臣(大平正芳君) 経済摩擦は経済摩擦として緩和し、ないしは解消していかなけりゃいかぬ問題でございまして、これと防衛との問題は直接関係はございませんで、情緒的な関連はあるかもしれませんけれども、論理的な関連はないと思います。
○秦野章君 政治外交、政治はしばしば情緒であり感情であると言われますけれども、情緒と感情とは無縁であり得ないと私は思うんですが、防衛問題と経済摩擦とは全く関係がないというように自信をお持ちでございますか。
○国務大臣(大平正芳君) まあ日米間ばかりでなく、日本と他の国との間におきましては相対的に関係をトータルとして考えなければなりませんので、理屈ばかりでまいりませんで、情緒とか感情とかいうような問題も無視してかかれるものとは考えておりません。
○秦野章君 したがって、関連がないと言えばない、あると言えばあるということになりますね。そう理解してよろしいですか。やっぱりあるんじゃないですかね。ないと言い切れないと思いますがね。もう一遍、申しわけないですけれども。
○国務大臣(大平正芳君) 仰せのとおりだと思います。
○秦野章君 この間の新聞で見たんですけれども、例の経済摩擦で昨年大騒ぎした電電の資材の問題で賢人会議含め、政府がこれ早期解決しろと、早期解決すべきだというお話がありましたが、私どもは、これは去年で大方済んだんだと思ったらまだ済んでいないな。どういう問題があるんですか、外務大臣。
○国務大臣(大来佐武郎君) これは昨年の牛場・ストラウスの合意によりまして、電電公社の問題は日米双方で詰めてまいりまして、一応本年の暮れまでに解決に到達するというたてまえでございますけれども、できるだけ早い機会、むしろそれよりも早目に合意に到達することが望ましいわけでございまして、その内容につきましてはすでに三回ほど事務ベースの話し合いが行われておるわけでございまして、この相互主義といいますか、アメリカの電信電話関係が日本から調達する、日本の電電公社がアメリカから調達する、こういうもののバランスを図っていかなければならないというたてまえになっておるわけでございます。 もう一つは、東京ラウンドのガットに関連いたしまして、政府調達の開放という問題がございまして、この両者の絡み合いで日米間に現在話し合いが行われている状況でございます。
○秦野章君 いまのお話で、つまり昨年と違った新たな問題があるんだということですか。
○国務大臣(大来佐武郎君) 昨年と変わったことはございませんで、牛場・ストラウスの話し合いがただいま申しましたような内容を持っておるわけでございます。
○秦野章君 牛場・ストラウス会談の両方に何というか、受け取り方の食い違いみたいなものがあるんじゃないですか。何かそんな話もあるのですけれども、どうですか。
○国務大臣(大来佐武郎君) 一つにはアメリカの電信電話関係は民間事業ということになっておりまして、政府の電電公社は国の事業でございます。民間の事業ではございますけれども、こちらの電電公社に対応するわけで、このアメリカのATTといたしましては外国から相当買い付けばしておりますが、重要な部分について必ずしも一般競争入札になっていないという問題がございまして、この辺が一つの議論の山になっておるわけでございます。東京ラウンドの方に従いますと、これは一般公開入札という政府調達の開放ということになってまいりますけれども、電電公社の機器等については、物によっては一般公開入札になじまないものがあるわけでございまして、この辺、日米間の相互主義、この問題についてのたてまえからどこで話がまとまるか、これが現在のところはまだ十分煮詰まっておらないわけでございますけれども、できるだけ話し合いを促進するということで、近いうちに安川前駐米大使も特にこの問題について米側との話し合いに渡米される予定になっておるわけでございます。
○秦野章君 外務大臣、ちょっと私ポイントを伺っているのは、この牛場・ストラウス会談の受けとめ方に、日米両国で受け取り方がちょっと食い違っているんじゃないかと。ガットの問題、日米関係でもって解決する問題、そういったどっちを行くのかといったような問題、ガットに関連するんだけれども、どうもそこらどうなんですかね。そういうことがポイントとして伺いたいのと、それから去年の、昨年のあのパターンの線上に問題がまた持ち上がっているのかどうかという問題なんです。
○国務大臣(大来佐武郎君) 確かに御指摘のように、両方の理解について食い違いがあるわけでございまして、これは事務当局の話し合いでだんだん明らかになってきておる点でございます。しかし、両者の話し合いが不可能というわけではございませんので、これがこれから詰めていく問題になっておるわけでございます。
○秦野章君 まあ通信機本体とかいった問題になれば、言うなれば国益という問題に大変関連があるし、広い意味の安全保障的な性格もあるわけですから、その辺のところを踏まえてしっかりやっていただきたいと思うのでございますが。 次に、総理にちょっと最後に伺いたいのは、政権を担当しておられる総理の政治姿勢といいますか、そういうものに関連するのですが、参議院選を控えてみんな一生懸命やっている、それぞれ各政党やっているわけですが、総理のお考えではっきりとしてもらった方がいいと思うのは、部分連合とか連合とかということが何か新しい時代のものであるがごとき、そういう雰囲気が醸し出されているという感じがするんですよ。そういうことが一体メリットとして、ヨーロッパその他の例もあるんだけれども、一体どういうふうに受けとめておられるのか。この選挙でやっぱりそういった事態になっちゃうのか。その辺の確信の程度をひとつ伺いたいと思うんですがね。
○国務大臣(大平正芳君) 自民党は、これまでも単独で政権を預かってまいりましたし、現に預かっておりまするし、今後もわが党の責任において国政を担当してまいるという基本の方針に変わりはありません。ただ、自民党が多数の議席をちょうだいいたしましても、野党の協力を得なければ円滑な政策の推進はできませんので、これまでの内閣も私の内閣と同様、野党の協力をいろいろな場面で求めて政権を回してきたわけでございまして、今後も野党の理解と協力を求めるためには努力してまいらなければならぬと思います。 ただ、いま部分連合という言葉が出ましたが、この言葉は必ずしも私は適切な用語ではないと思うんです。つまりこの私が言う意味は、野党の協力を求める場合に、個々の条約とか法律とか、個個の案件について野党の皆さんが賛成をいただけるかどうかということを確かめてそしてやってきたということを仮に部分連合ということだとすれば、そういうことは今後もやってまいらなけりゃいかぬのであると、つまりケース・バイ・ケースの野党の理解と協力を得ることを言ったつもりでございますが、政治勢力の間の連合というような大きな意味にとられますと、これは非常に誤解を生みやすいことでございますので、そういうものではないというふうに御理解をいただいておきたいと思います。
○秦野章君 そうすると、今度のたとえば選挙で総理はちゃんと自信がおありですね、そういうことにならぬという。たとえば数が減ったらどうなるんですか。
○国務大臣(大平正芳君) 自信があるないとかいうことでなくて、国民がどこまでわが党を理解し、わが党を支持していただけるかでございます。私といたしましては、国民の理解を得てわが党が両院を通じて過半数を制して、わが党の責任におきまして国政を運営したいという強い希望を持っております。
○秦野章君 したがって、そうするとまあ自信を持っておられるわけですね、そういう体制に。願望でございますか。いかがですか、それは。
○国務大臣(大平正芳君) そういうことは強く希望をいたしておりますし、それができない相談でもないと考えております。
○熊谷太三郎君 では、大蔵大臣に一言お伺いをいたします。 予算に計上されました経費を年度内に消化しないと、そのまま切り捨てられてしまうというのが通例のようであります。そのため、たとえば出張旅費のように無理をしても使えるものは使ってしまう反面、やむを得ない事情がありまして、どうしても消化し切れなかった各種の事業費のごときは、そのまま切り捨てられてしまいますと同時に、必要があっても翌年度に追加計上することがなかなかできないのみならず、逆にその使用されなかった分を差し引いた額が実績になりまして、翌年度の予算査定などに大きな影響を与える傾向があるやに見受けられるわけであります。したがって予算の使用に当たりましては、たとえ計上されていても、実際に必要のないものはなるべく支出させないように努めますとともに、事情があって消化できなかった必要な事業は、翌年度の予算査定に際しまして十分考慮しますとともに、消化できなかった分を差し引いたものを必ずしも実績とは認めないというふうに、予算の使途及び予算の査定などに、より弾力的な配慮が望ましいと考えられますが、大蔵大臣のお考えを承りたいと存じます。
○国務大臣(竹下登君) まず御指摘になりました予算の執行の問題でございますが、これは各省各庁の責任において行われておるところであります。その執行に当たりましては、法令または予算の定めるところに従いまして適正な執行が図られなければならないことは、これは申すまでもありません。年度末の予算の執行に当たりましても、財政当局としては、当然のことながら各省庁におかれてそれぞれ予算や業務の目的に照らして必要な限度において適正に執行されることを期待をしておるという立場に立つわけであります。そしてまた、十分努力されておるところであろうというふうに思っております。そこで出張の問題でございますとかいろいろな問題ございますが、年度末において予算を消化するために無理な執行をすることはないと思いますものの、やはりいささかなりとも国民の批判を招くことがないように、これからさらに厳正な執行を期待しておるわけであります。 具体的な問題でございますが、大蔵大臣の予算執行のコントロールとしましては、支払い計画の承認行為が考えられますが、これは項別に国庫の状況を勘案して調整するために行われるものでありまして、日ごとのたとえば個々の旅費、庁費等の執行コントロールを目的としたものではございませんし、またそうし得るところまで財政当局として入り得るものではない。したがって、政府全体の姿勢として適正な執行がなされるように絶えず強く要請しておる、こういう状態でございます。 次の御指摘のありました予算の不用額が出た場合に翌年それを削ってしまう、こういうことでございますが、現在は特に批判が強いところでございますので、そのような姿勢はもとよりとってはならぬと。庁費等で非常に節減されたといたしますならば、むしろそれは気持ちの上では増査定でもするぐらいな気持ちでかかるべき問題ではないかというふうに思うのであります。そうして、他の要因によりまして、たとえば雪が降って工事が遅くなったとか、そういうような問題は、初めからそれによって減額査定などするということは毛頭考えてはならないことであるし、これはこれまでも、また将来にわたって厳正な態度で臨みますので、御了解をいただきたいと思います。
○熊谷太三郎君 それでは、エネルギー問題につきまして通産大臣、科学技術庁長官並びに関係各位にお伺いをいたします。 昨年八月発表されました長期エネルギー需給暫定見通しによりますと、六十年、六十五年、七十年度を通じまして、石油代替のエネルギーとしまして、海外石炭、LNG、原子力発電すなわち原発の三者に依存します度合いが非常に高くなっているわけであります。また、本年一月に公表されました電気事業審議会の電力需給見通しにおきましても、水力は一応別としまして、この三者に依存する度合いが特に高くなっております。政府はこの三者を計画どおり確保することにつきましてどんな見通しを持っておられますか、通産大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(佐々木義武君) 去年決めました長期エネルギー需給暫定見通しは、お話しのように、昨年の東京サミットで合意を得ました国際的な責務というものの遂行がまず第一でございまして、かつ中長期にわたるエネルギーの安定供給を確保するというものを目指してつくったものでございまして、言うなれば官民挙げて最大限の努力と協力を前提としてその目標を達成するということでつくったものでございます。したがって、言うなれば努力目標と称してもいいと思いますけれども、その努力目標が——努力をすれば、最大の眼目である代替エネルギーの原子力とかLNGとか、あるいは石炭が目的どおり達成できるのかと、こういう御質問でございますけれども、それぞれに濃淡はございますけれども、挙げて努力をしていけば私は大体達成できるんじゃないか、またそういうことを期待してただいま進めてございます。
○熊谷太三郎君 いまいろいろ承りましたが、この三つのエネルギーのうち、海外炭、LNGはもともと海外に依存するものでございますから、あるいは予想されない支障が突発するかもしれませんが、原発は国際問題や自主技術などまだいろいろの問題はありますが、一応準国産ともいうべきものでありますから、少なくとも最低限度の計画、できますればそれ以上少しでも多く確保しまして、海外依存のエネルギーを補給しなければならぬ立場にあるわけであります。 しかるに現状では、この原発が非常におくれていまして、たとえば昭和五十年の見通しでは、昭和六十年四千九百万キロワットでありました予定が、四年後の現在の見込みでは二千八百万キロワットというふうに大きくダウンしてしまったことは御承知のとおりであります。これはいろいろ原因はあると思いますが、大きな原因は安全性に関する国民の理解を十分得られないことに基づく立地難がその主因であると思いますが、政府はこの安全性に関する国民の理解を進めますためにどういう方法をとっておられますか、通産大臣、また科学技術庁長官にお伺いをいたします。
○国務大臣(佐々木義武君) 安全性の問題が立地の促進を阻害する一番主たる原因かと存じますが、安全性に対してそれではどういう対策を講じるのだ、それからもう一つは、国民の理解を得るためにどういう手段を講ずるかという二つの問題のようでございますが、私は、安全対策といたしましては、原子炉自体の安全性、いわば原子力工学と申しますか、の面から見まして、その炉自体は安全なものだというふうにつくり上げるのが一番根本だと思います。熊谷先生も御承知のように、原子力研究所を中心といたし、あるいは原子力工学試験センター等で安全研究あるいは実証試験をただいま行っていますので、こういうものを通じまして、その集積で改良標準化的なものができまして、これでもう絶対安全だというふうなものができますれば、これが一番よろしかろうと思いますし、二番目には、その炉が安全だという検査体制が一番重要で、熊谷さんが長官時代に御承知のようにできましたダブルチェック等が権威を持って進められますので、この点も従来から見ますとずいぶん改善されたと思います。 そこで、従来一番手薄だと思われました運転中の監視体制を一体どうするのか。この強化も大変重要でありまして、特にこれは御承知のように、アメリカのスリーマイルアイランドの問題以来非常に重要性を増した問題でございまして、このためには国の保安関係等の専門家の配置をふやすとか、あるいは運転員の資格制度を導入するとか、あるいは品質保証体制の確立をするとかというふうなことが一番重要だと思っています。最近は万が一の緊急対策をどうするんだという対策に大変皆さんも関心を持ってきておりますので、その対策のためにいろいろ諸方策を講じ、また研究を進めてございます。 以上が安全問題に対する主な対策だと思いますが、それにあわせまして、こういう体制を整備しつつ、それを国民の御理解をいただくことが一番重要なことでございますから、きめ細かく御理解いただくようにただいまPRその他で努力中でございます。
○国務大臣(長田裕二君) お答えいたします。 原子力発電の推進につきまして、その設計、建設、運転の面につきましての安全性を非常に極度に高めていくということの必要性と、それの対策につきまして、ただいま通産大臣の方からお答え申し上げたわけでございますが、私どもの方の立場から見ましてもそれがまず大前提だと。そうして原子力発電所の安全運転の実績をじみちに積み上げまして、国民に原子力発電の安全性をはだで感じていただくということが非常に大切だと思っております。 そしてまた、それに関します知識、情報を広く伝えまして、それにつきましての認識を深めていただくということが非常に大切な問題だと思いますし、政府としましては、従来から各種の講習会の開催、パンフレット、映画等の作成などを行いますほか、御承知のように、原子力の日を設定したり、あるいは科学技術週間を中心とする効果的な広報活動などを実施しているところでございます。なお、地方公共団体、電気事業者あるいは関係広報団体などによる広報活動の促進も政府全体として努力をしているところでございます。
○熊谷太三郎君 いろいろのお話、一応ごもっともでございますが、ただ安全性に関する理解を深めてまいりますためには、現在のように、直接には関心の薄い一般国民に対しまして抽象的なPRを繰り返すだけでは十分効果が上がらないと思っているのであります。それよりは一応原発を受け入れております各地の地元の現実的な理解や認識がおのずから国内に浸透していくという方法をとるべきではないかと考えているわけであります。それにはもっと政府と地元が連携を密にしまして、地元で日常生起しますような問題はどんなささいなことでも、あるいはどんな素朴なものでも、あるいは、科学的、技術的には根拠の乏しいようなものでも一々取り上げてわかりやすく説明していく、そういう努力を積み上げてまいりまして、原発は安全法規を忠実に守って慎重に運転しさえすれば十分実用に耐え得るものである、決して心配するものではないという現実的な理解なり認識なりが地元を中心にして国内各地に広がっていく、そういうPRの方向が望ましいと考えているわけでございますが、そういう考えにつきまして何か御意見がありましたら承りたいと思います。
○国務大臣(佐々木義武君) まさしく御指摘の点が一番重要な点だと思います。 そこで、通産省といたしましては、本年度の予算に広報・安全等対策交付金というものを新しく創設いたしまして、いままで都道府県が中心でございましたが、それを市町村にまでその対象をふやしたということ、もう一つは、建設が終わりますと打ち切ったようなかっこうにしておりましたけれども、そうじゃなくて、運転期間中もその交付金を交付して、そしていま御指摘がございましたように、きめ細かい御理解をいただくような、そういう方策をしようじゃないかといったようなこと、あるいは有線テレビの放送を活用したり、あるいは地域振興モデルプランの作成をしたりしてきめ細かく地域住民の御理解を得たいというふうに考えてございます。そのほか防災時に対する緊急通報体制等、ことしから予算もつきまして、ただいま着手しようとしているところでございます。
○国務大臣(長田裕二君) ただいま通産大臣からお答え申しましたことなどのほかに、熊谷委員が科学技術庁長官を務めておられましたときに設立されました、原子力発電立地推進懇談会におきます活動成果なども踏まえながら、先ほど申し上げましたような一般広報活動を、特に原子力発電所がすでに設置されているところ、これから設置されようとしているところなどを中心にしまして優先的に展開していく、そういうこと、あるいはまた原子力連絡調整官——地元に配置しておりますが、こういうものを通じまして地元の動向を十分に把握しながら適切な方策を進めてまいりたい、そのように考えております。
○熊谷太三郎君 昨年のスリーマイル島事件でございますが、これは結局運転員の安全法規違反が発生の引き金でありましたから、運転員の強化を図りますことこそこの事件の第一の教訓とすべきであると信じているわけであります。 ところで、現在わが国の原発におきましては、公的な資格を持っております運転者は、一基について主任技術者一名だけであります。他の五十名平均に及びます運転要員は、一切そういう資格を与えられていないわけであります。現在、自動車の運転にさえ一々免許が与えられておりますのに、これだけ安全安全と騒がれる原発の運転員に一人も免許も資格も与えられていないということは、考えてみますとまことに不思議と言うほかはありません。これでは安全性の推進に関する国の熱意を疑われてもいたし方ないのではないかと思います。 言うまでもなく、現在の運転員はそれぞれ必要な技術と長年の経歴を有しておりまして、日夜原発の運転に従事し、りっぱにその職責を果たしてこられましたエキスパートばかりでありますから、これらの人々に一刻も早くそれぞれに応じた一定の免許ないし公的資格を与えまして、今後一層の誇りと責任感を持って業務に当たっていただきますとともに、今後新たに採用される人々には必要な技術的条件を満たした上で資格を与えて運転員に加えるべきだと、このように切に思っているわけであります。こういう点に関しまして、原子力安全委員長、原子力委員長でございます科学技術庁長官、この原発の管理に当たられます通産大臣、最後に総理大臣の御所見をお伺いできれば幸いでございます。
○国務大臣(長田裕二君) 原子炉の安全にとりまして、運転員が非常に重要でありますことは御指摘のとおりでございます。わが国に直さましては、設置者、電気事業者が十分な教育訓練を行った後に運転員として配置しておりますように、その資質の維持向上には従来から格別の努力がなされておるところであります。また、御指摘のように、スリーマイルアイランドの事故の教訓としてもその点が再認識されておりまして、原子力安全委員会のもとに設置されました米国原子力発電所事故調査特別委員会におきましても、あの事故の教訓といたしまして、わが国の安全確保対策に反映させるべき事項としまして、運転員の長期養成計画など、運転員の資質向上を図ることの重要性が指摘されているところでございます。この指摘に対しまして、目下関係省庁との間に御質問の運転員の資格制度の問題を含めまして鋭意検討が進められているところでございます。 なお、その他の点につきましては安全委員長等からお答え申し上げます。
○説明員(吹田徳雄君) 御指摘のように、昨年のTMI事故からいろいろなことを学びましたが、その中で一番大事なのは人間と機械とのインターフェースでございます。その中で特に重要なのは、御指摘の的確な運転管理の重要性でございます。安全委員会といたしましては、TMI事故の直後からわが国に反映すべき重要事故を五十二項目摘出いたしまして、その一項目が運転員の資格制度の問題をも含めました長期養成計画等、運転員の資質向上を図るための検討を指摘いたしましたところでございます。安全委員会といたしましては、関係行政機関の検討をも踏まえまして、総合的な観点からこの問題に対処していく所存でございます。
○国務大臣(佐々木義武君) 御承知のように、PWRにおきましても運転訓練センターがございまして、そこを中心に電力会社で基礎訓練をし、あるいは事故時の対応訓練等をしておりますけれども、おっしゃるように、この問題が一番重要な問題になってきておりますので、遅まきではございますが、やはり資格免許等まあ形式上ではございますけれども少しはっきりしておいて、間違いないようにした方がよろしかろうと思いますので、至急そういう検討を始めたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) 原子力発電所の運転要員の資格制度等につきましては、御指摘の点も踏まえまして、わが国の国情に合いました制度をどうするかにつきまして真剣に検討を進めてまいるつもりでございます。
○熊谷太三郎君 ぜひこの資格制度につきましては早急な御検討をお願いしたいと考えておるわけでございます。 それから、原発の立地推進対策としましていま一つ、周知のように、地元に対するメリットの還元という問題がございます。これにつきましては、数年前電源三法が制定されましたり、あるいは核燃料消費税などが設けられましてそれなりに大きな寄与をしておりますことは大変結構でございますが、この際一歩を進めまして、生産県の電力料金を消費県よりは低くするという、いわゆる地域別料金制度を早急に実施されますことを強く要望いたしたいと存じます。この考え方は、昭和四十八年の当委員会におきましてメリット問題が論議されました際も、時の田中総理は必ずしも否定されなかった考え方でありまして、原発立地の推進策としましては大きな効果があると考えるわけであります。なおまた、原発地域はほとんど過疎地帯に近い地域でございますから、企業を分散させまして均衡のとれた国づくりを進めるためにも大きな役割りを果たすと考えます。 この問題は電力会社の間で早くも幾つかの理由を挙げて難色を示しておられますが、この制度は電力会社を煩わす問題ではなく、エネルギー対策上、大局的な立場から政府自体が取り組むべき問題であると考えますので、通産大臣並びに総理大臣のお考えを承ることができますればまことに幸いでございます。
○国務大臣(佐々木義武君) 御承知のように、電気料金は原価主義でできております。したがいまして、各電力会社がそれぞれ自分の持ち分の供給区域を持っておりまして、そこで統一的な料金でただいま進んでおることは御承知のとおりでございます。それをさらに細かく割りまして、そして原発の立地地点に特殊な地域別料金という政策料金をつくれぬものかというお話でございますけれども、実は私も何遍かこの問題は地方に行くたびに陳情を受けるのでございますが、大変技術的にもあるいは原則的に見ましてもむずかしい問題がございまして、たとえば原価主義という根本論から申しますと、大変そういう政策的な料金をつくるということは、そのこと自体が問題であるばかりでなしに、具体的に、じゃ原価計算する場合にどうするかといいますと、たとえば本社費用がどうだとか、あるいは送電、変電の費用はどう考えるとか、あるいは原子炉がとまっているときにはそれじゃ一体どうするんだとかいったような非常に厄介な問題がたくさんございますほかに、地域区分を一体どうするんだといいますと、これ二県にわたる場合もあるかもしれませんし、あるいはいままでの概念と違った一つの地域区分が必要になってまいりますので、そういう技術的な事項等をいろいろ考えなければならぬ問題がたくさんございまして、にわかに賛成するわけにまいりませんけれども、しかし、これは長期的にじっくりもう少し時間をかけまして検討さしてもらいたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) いま通産大臣からお話がございましたように、いまの原価主義のたてまえから申しまして差別料金を設定するということは至難のようでございますが、何か工夫がないものか、その点につきましてはもっと検討さしていただきます。
○熊谷太三郎君 電力料金の問題につきましては、また十分御検討もお願いしたいと存じまして、きょうはこの程度にとめておきますが、いろいろの御検討を重ねてお願いしたいわけでございます。 エネルギー問題につきましてなお一言申し上げたいと存じますが、わが国には、従来の考え方では、経済性あるいはその他の点から開発されないで残っております小規模の水力発電が相当残っていると承知しているわけであります。エネルギー危機に当面しております現在、開発の経費とか、あるいは制度のあり方を再検討していただきましてこれを活用すべきではないかという意見が非常に各方面にありまして、全く同感であると考えておりますが、そういう未開発の小規模水力発電地点が大体どれくらいありますか、あるいはその活用をお考えになっておられませんか、その点について通産大臣に承りたいと存じます。
○国務大臣(佐々木義武君) 御承知のように、水力発電を、こういう緊迫した事態になってきておりますので、もう一遍見直してみようじゃないかということで、昭和五十五年度から、ことしから四カ年計画で小規模の地点も含めまして調査をすることになって、ただいま調査をしております。いままでのところでは、一般水力の開発可能量は千三百五十万キロワットでございまして、この調査の実施等によりまして、さらに千六百万キロワットくらいまではこの千三百五十万キロワットをふやせるのじゃなかろうか。その中で小水力は一体どのくらいあるんだと。小規模水力というものの定義がもちろんはっきりしておりませんので何とも申し上げられませんが、千キロワット未満、ごく小さいものを拾ってみますと大体百万キロワットくらいあるんじゃなかろうかというふうに考えられます。これの開発に関しましては、私ども党におりました当時も議員連盟みたいのをつくったりしていろいろ研究しておりましたが、当時は利子補給でどうだろうという考えもございましたけれども、これにもいろいろ難点がございまして、むしろいっそ補助金にしたらどうだというので、ことしの予算から補助金をつけまして、積極的にこの開発をしようということで、ただいませっかく努力中でございます。
○熊谷太三郎君 それでは、中小企業の育成強化について再び通産大臣にお伺いいたします。 昨年におきます中小企業の倒産を見ますと、負債額一千万円以上の倒産は一万六千三十件、負債総額は二兆一千九百十三億円という大変高い水準に達しておりまして、中小企業がいかに経済変動のしわ寄せをもろにかぶっているかを示しております。言うまでもなく、中小企業に働く従業員は三千一百万人を超え、製造業出荷額の五〇%、商業販売額の六〇%を占め、中小企業は地域経済を支えますとともに、わが国経済の発展の基盤であり、原動力にもなっているわけであります。今後ますます経済界の激動が予想されるわけでありますから、この際中小企業の育成強化にはさらに思い切った対策が必要だと思いますが、通産大臣はどうお考えになっておられますか、お伺いをいたします。
○国務大臣(佐々木義武君) お話のように、わが国の産業の中で中小企業の占める地位は量的にも質的にも非常に重要なものでございますし、また地域社会の発展を支える重要な要素だと考えてございます。したがいまして、中小企業の果たす役割り等は高く評価すべきものじゃなかろうかと思いまして、これに対する諸施策をあらゆる施策の中で最重点の施策の一つとしてただいま進めてございます。活力ある中小企業の育成というのを眼目にいたしまして、経営力の強化あるいは近代化の推進等、従来の施策をさらに強化するばかりでなしに、こういう新しい施策を加味いたしまして、自主的な中小企業の努力に対しては十分報いられるように、そういうことでただいま進めているところでございます。
○熊谷太三郎君 それでは、次に農業問題につきまして若干お伺いをいたします。 手元にあります昭和五十二年度分の食糧需給表によりますと、現在の食糧総合自給率は七三%になっていますが、最も肝心な穀類の自給率は三五%にすぎない状態であります。このうち、まず主食用穀類では、米を除きますと小麦四%、大豆三%、雑穀〇・五%足らずであり、また飼料用穀類に至っては国内産濃厚飼料の一〇%を除きまして、大麦、トウモロコシ、コウリャンなどはほとんど自給できない現状でありますことは御承知のところであります。食糧自給を目指しますことはきわめて重大であり、もちろん政府でも全力を挙げてこれに取り組んでおられることと思いますが、この食糧自給率の向上に関します農林水産大臣の御方針、また御決意をお伺いいたします。
○国務大臣(武藤嘉文君) いま御指摘がございました五十二年度の数字は確かにそのとおりでございまして、現在、実は農政審議会に昨年の十一月に私どもの方から第一次試算といたしまして、たたき台になる数字を出しておるわけでございます。それは昭和六十五年の自給率がこんな姿になるんではなかろうかという数字を出しておるわけでございます。これがいまの小麦でございますと一九%という数字を出しております。それから大豆でございますとこれが八%でございます。それからいま御指摘の穀物の関係は、トウモロコシ、マイロ、こういうものは依然としてやはりほとんど輸入に依存するということで、大変自給率が低いわけでございます。 そこで、これは昨年の十一月に出したわけでございまして、その後、御承知のとおり、アメリカの例のソ連のアフガニスタン進出に伴いまして対ソ穀物の輸出停止ということが行われまして、非常に世界的に食糧というものが外交の手段に使われるという風潮が出てまいりました。また一方、FAOで二〇〇〇年、いわゆる二十一世紀の初頭でございますが、二十一世紀の初頭には現在よりも大体五割ぐらい食糧の増産をしないと世界的に大変みんなが困るのではなかろうかと、こういう見通しも、これは非公式でございますけれども出ておるわけでございます。そういう点を踏まえまして、現在農政審議会でいろいろ議論をいただきます上において、私といたしましては、一応昨年のたたき台は過去の統計数字、それからその趨勢の方向、こういうものを勘案をして出したものでございますが、なおそれに加えて、今後の政策をより強力に進めていく場合には食糧全体の自給率はもう少し高められないだろうかと、こういうことで議論をしていただいておるわけでございます。 なお、飼料穀物につきましては、これはもう大変問題は、現在トウモロコシにいたしましても、マイロにいたしましても、アメリカにおきましては大体四百ヘクタール以上のところでつくられておるわけでございまして、とても日本で今後ともそのような耕地はなかなか確保できないという現状から、いま現時点においてはとても外国でとれるコストに見合うようなものは国内ではむずかしかろうと、こういう観点から、どうしても飼料穀物については輸入に依存せざるを得ないというのが現状の考え方でございます。しかしながら、やはり世界的ないろいろの事情を踏まえれば、今後やはりそうは言うものの努力はしていかなきゃならないと思っておりますので、できる限り努力はしたいと考えておりますけれども、何にいたしましても、飼料穀物については大変むずかしい状況であるということは御理解をいただきたいと思うわけでございます。
○熊谷太三郎君 大変むずかしい問題かとも思いますが、事の性質上一層の御努力をお願いしたいと考えるわけでございます。 次に、最近米の需要が減少しまして、米作農家はいずれも減反に悩んでおるところでありますが、食糧自給を少しでも高める意味から、まず国内を挙げてできるだけ米の消費拡大に努めねばなりません。たとえば米の粉でパンをつくりますとか、その他いろいろな方法があるかと思いますが、当局はそういう米の消費拡大という問題についてそういう努力を試みておられますかどうか、あるいはそういう試みに対しまして関心を払っておられますかどうか。さらに、最近飼料用の米を開発するという問題が相当論議されておりますが、そういう問題についてはどういう考えを持っておられますか。これらの点について御意見を伺いたいと存じます。
○国務大臣(武藤嘉文君) 日本人の食生活を考えましても、また今日までの日本の農業技術を考えましても、日本人の食生活において米が中心的な役割りであっていただきたいと私どもは考えておるわけでございます。最近において、御指摘のとおり、米の消費が必ずしもうまくいっていない、どちらかというと減退傾向にありますことは大変残念に思っておりまして、何とか歯どめをかけたいと私ども努力をいたしておるような次第でございます。 米の消費拡大一般について言えば、従来の県単位から五十五年度の予算では市町村単位まで範囲を広げて、消費の拡大の運動をひとつ全国的に展開をしてまいりたいと思っておりますし、あるいは学校給食などについても価格の据え置きをやり、あるいはこの四月から新米に切りかえるとか、まあいろいろ努力をいたしておりますが、その一環としていま御指摘のございました米の加工食品と申しますか、こういうような問題についてもできるだけ私どもは取り上げ、助成をしていきたいと考えておる次第でございまして、現在も全農においても行われておりますし、また個人でもいろいろ御熱心にやっていただいている点については、私どもは積極的に応援をさしていただいているような次第でございます。
○熊谷太三郎君 飼料米の方をちょっと……。
○国務大臣(武藤嘉文君) 飼料米につきましては、いろいろこの国会においても大変多くの方々から問題点を提起を受けておるわけでございます。まあ従来は、この飼料米につきましてはなかなか問題点があると。それはどういうところにあるかと言えば、先ほども申し上げましたけれども、日本の飼料、従来の穀物、トウモロコシ、マイロ、これはほとんど外国から輸入をいたしております。それはコスト的にどうしても採算が日本ではなかなか合わない、トン三万円以下でございますから。そういう点においてもし飼料米が幾らまでできるのか。まあいまの米はトン大体二十八万円でございますが、一体将来、そういう二十八万円でできておるものが、三万円に近いものができるのかどうかという点においては非常にむずかしかろうということが一つと、いま一つは、幾ら飼料米と言いましても米は米でございまして、それが主食用とどう違うんであろうか、そこで横流しができないように一体その識別をどうできるのか、こういう二つの点から、非常に従来は消極的な方向であったわけでございますけれども、まあしかし、将来の日本の農業のあり方、あるいはまた先ほどの国際間におけるやはり自給率を高めていくという意味において、国の安全保障という考え方から、飼料穀物についても輸入に依存していっていいのであろうかという問題点も提起をされておるわけでございまして、その点、今後農政審議会においてもこの問題についてもいろいろ御議論をいただきたいと思っておりますし、私自身も正直、飼料米のサンプルは見ておりますけれども、全国的に試験をやっておられる方々の話もぜひ聞きたいと思います。また、私どもの方の農事試験場でも研究はいたしておりますので、私自身現地をひとつ見させていただいて、ひとつ今後の検討課題として真剣に取り組むための判断の材料を私が自分自身に得たいと、こう考えておるわけでございます。
○熊谷太三郎君 どうかその点ひとつ今後も十分御検討をお願いいたしたいと存じます。 その次に減反でございますが、今後もこういう減反を伴うような生産調整や作付転換が避けられない事態があるかもしれませんが、そういう際にはいわゆる適地適作主義を貫かねばならぬと存じますが、これにつきまして大臣の御所見を重ねて承りたいと存じます。
○国務大臣(武藤嘉文君) 私ども水田利用再編対策という形で米の生産調整をお願いをいたしておりますけれども、もちろん地域の特性に応じて、それぞれに合った農業の再編成を進めていくというのが趣旨でございまして、そのためには都道府県別の私どもの目標面積を配分するに当たりましても、それぞれの特性を尊重して考えておるつもりでございます。地方においてもそういうことをまた考えて、市町村の配分などにも当たっていただいていると思っております。 ただ問題は、それではそういう特性に応じてやれということになってくると、それじゃ米しか適さないところは米でいいじゃないかということがまた全国的にもし起きてまいりますと、これは大変困るのは、やはり一方においてはこれだけの過剰な米の在庫を抱えておる現状からいたしますと、どうしても転作をしていただき、そして私ども麦や大豆というものの定着を図っていただきたいと、こう考えておるわけでございまして、そういう点においては、一方においてはやはり多少はごしんぼう願わなきゃならぬ点もあろうかと思うんでございます。お互いにやはり苦しみを分かち合うという考え方で行っていただかなきやならぬ点もあると思いますので、なかなかその辺が、それじゃ全部特性——おれの方は全部米が一番適しているんだと、こういうような話になってしまっても、これは正直困るものでございますから、なるべくその辺は地域の特性を尊重しながら、しかしながら、全体の中ではある程度また御協力も願いたいという形で、私どもそれぞれの都道府県別の転作目標面積を決めさしていただいているようなことでございます。
○熊谷太三郎君 たびたび恐縮ですが、重ねてもう二問ほどお尋ねいたします。 減反などによります作付転換を円滑に進めますためには、転換に適する作物の開発でありますとか、あるいは価格に関する配意、これは十分御検討になって、御配慮になっておられるとは思いますが、さらにこの問題とあわせまして基盤整備の推進なども図らねばならぬと思うわけでございますが、要するにこの転換に際しましてのこういう開発でありますとか価格でありますとか、あるいは基盤整備、そういった問題につきまして今後の施策をどうお考えになっておりますか、ひとつ承りたいと存じます。
○国務大臣(武藤嘉文君) もちろん転作をお願いする場合においては、農家の方が転作をしても米をつくるのと同じような所得が得られるということがまず大切だと思うのでございます。でございますから、転作奨励金などの金額もやはり米との相対的な収益性というものを考えて私どもは決めさしていただいていると思っております。今後もその方向は貫いていかなければならないのではなかろうかと思います。 また、それ以外においても、転作をしていただくそれぞれの価格政策については、できる限りのことを私どもは考えていかなきゃならない。それには、交付金制度であるとか、いろいろの仕組みは作物によって違っておりますけれども、大体御承知のとおり、農産物については約八割が価格政策をとっておるわけでございまして、できる限りその点については今後も考えてまいりたいと思います。 また、いま御指摘の基盤整備についても、この水田利用再編対策に伴いまして、私どもは排水事業というものを中心にして、できるだけそれに重点を置いた形でやっていきたいし、従来の基盤整備につきましても、水田の汎用化と申しますか、田畑輪換と申しますか、そういう考え方でいま進めさしていただいておるわけでございます。
○熊谷太三郎君 それでは、物価問題につきましてお尋ねをいたしたいと存じます。 大変、物価の問題、重大な段階になりましたが、まず、最近におきます主要六カ国の物価動向によりますと、昨年十二月現在で消費者物価は、前年同月比、西ドイツ五・四%、日本五・八%、フランス一一・八%、米国一三・三%、イタリーが一六・九%、イギリスが一七・二%というふうになっておりまして、消費者物価に関しましては、この六カ国のうちで日本が比較的上昇率が低くなっておるようであります。しかるに卸売物価は、西ドイツ七%、フランス一三・一%、米国一四・七%、英国が一五・六%、日本は一九・三%、イタリー二一・一%というふうになっておりまして、きわめてこの上昇率が高くなっているところであります。こういう点につきまして簡単にどういうわけでそういうぐあいになっているか、この事情ないし理由を一応お伺いいたしたいと存じます。
○国務大臣(正示啓次郎君) 御指摘のように、日本は、消費者物価におきましては主要先進国の中で比較的落ちついた足取りで今日までは参っておるわけでございますが、卸売物価については、いま御指摘のように、もう大変な高騰を続けておることは、そのとおりでございます。 これにつきまして二つ申し上げますが、一つは、この卸売物価の品目が非常に諸外国と日本は違っておりまして、日本は正直に輸入原材料等を全部入れまして卸売物価を出しておる。これに対しましてアメリカは輸入原材料は入れずに完成品でやる。それからイギリスも工業品。西ドイツに至りましては、国内の工業品というふうに、品目のとり方が違っておるという点が一番大きな私は相違の原因であろうと、こういうふうに申し上げることができると思うのであります。 そこで、一応そういう調整をしまして、わが国についても工業製品、こういうことで見ますと、いまお挙げになった数字より若干低くなりまして、日本は一四%ぐらい。これに対して、いまお挙げになったような諸国とは、西ドイツ等に比較いたしますと、やっぱり高いことは高いんでございますが、それでも大分いまお挙げになった数字よりは低くなっておる、こういうことが言えるわけでございます。 それから、もう一つ関連して申し上げますと、ずっと後で御質問あるかも存じませんが、卸売物価と消費者物価の乖離現象といいますか、通常の場合は卸売の方が下回っておる、最近はもう逆に卸売物価が大変高い、しかるに消費者物価の方が比較的落ちついておるのは、これはもう日本はいわゆる輸入インフレで、原油を初めとする原材料の高騰、それから円安と、こういうものが卸売物価に非常に大きく反映しておるわけでございますが、その卸売物価から消費者物価に至る状況を見ますると、消費者物価に影響するものは約六割ぐらいでございまして、六割ぐらいの品目のものが消費者物価に影響するわけでございまして、残りの四割、この中にはいわゆるサービス料、これが入っておるわけでございますが、その点が御承知のように、最近の労使の非常な良識的な、また大局的な御交渉によりまして比較的賃金の妥結がきわめて穏やかな妥結を見ておる、こういう点からサービス料の安定があって日本の消費者物価は比較的安定を見ておると、こういうことになると思うのであります。
○熊谷太三郎君 ただいまお話のありましたところとちょっと重複いたしますが、昭和三十五年以来、二十年間の長期的動向を見ますと、四十八、四十九、両年及び五十四年度——これは見込みでございますが、この三年間を除きまして、いまお話しのように、消費者物価の上昇率が常に卸売物価の上昇率をはるかに上回っている状態であります。しかるに、この五十五年度の見込みでも、小売物価の上昇見込みが六・四%に対し卸売物価は九・三%というふうに、いまの三カ年と同じように卸売物価の方が非常に高くなっているわけであります。それで、いまお話しのように、輸入原材料の上昇といったような特殊の事情もあろうとは存じますが、こういうふうな状態で消費者物価の上昇を果たしてこの程度で抑える見込みがおありになりますかどうか、ひとつお伺いをいたしたいと存じます。
○国務大臣(正示啓次郎君) 先ほど山崎委員あるいは竹田委員からも総理に対しても御質問のあった点でございまして、私どもは結論から申し上げますと、何としてもこの政府の打ち出しました目標を達成すべく努力したい、また、しておるわけでございます。 そこで、一般的に申しまして、先ほどもちょっと申し上げたように、普通の場合はこれはもう卸売物価の方が落ちついて、消費者物価にはいわゆる生産性の向上をやれないような低いサービス価格あるいは流通コストが相対的に高い上昇を示すようなものが入ってまいりますので、消費者物価の方が高いと、こういうことでありますが、そういう状況をはるかにオーバーいたしまして、ただいま申し上げたように、輸入物資特に原油その他の原材料、あるいは円安と、こういうことから卸売物価が異常な騰貴を示すという、こういうことでございます。しかし、その状況も、五十四年度に比べますと五十五年度は若干上がり方が低くなってまいりますので、いまお話しのように、卸売物価九・三%程度、消費者物価は六・四%程度と、こういうふうにわれわれは見込んでおるわけでございます。一番大事な点は、その卸売物価の高騰を何とかして企業努力その他によって吸収をいたしまして消費者物価に反映する度合いを低めていく、これが一番の物価政策の眼目でございます。今日までは、経営者、労働組合その他、一般消費者の冷静な対応によってこの非常にむずかしいことが日本では世界の驚異と言われるような形でだんだんと達成せられたことに、私は関係各位に非常な心からなる敬意を表するものでありますが、これがだんだんとタイムラグ等の関係で徐々に波及をしてまいることが一つ。そこへもってきまして、コスト高に伴う公共料金の改定もぎりぎりのところこれはやむを得ないというふうなことになりますので、いま熊谷委員も御心配くださいましたように、果たして六・四%達成できるのかと、こういう御趣旨であろうと思います。しかしこれは、私どもとしましては、あらゆる努力を、けさほど総理も申されましたように、意を傾注いたしましてこれを達成しなければならぬ。先ほど山崎委員もおっしゃられましたように、春闘その他もこの政府の見通しが達成されることを前提にいま良識ある交渉にこれから入るんだと、あるいは交渉しておられるんだと、こういう御趣旨でございます。私も全く同感でございまするので、これをわれわれは達成することに全力を尽くす、そのための総合物価対策もいま寄り寄り協議をしておりますので、そういうことに対しまして、内閣はもとよりでございますが、国会その他各方面の御協力をいただきまして、ぜひ達成したいと考えておる次第でございます。
○熊谷太三郎君 最近のこれまた新聞でございますが、電電公社が四千億円もうかったという記事でいろいろなことが書いてあるわけでありますが、大変話題になっておりますが、利益はどれくらいの見込みになりますのか、郵政大臣にちょっと御所見をお伺いしたいと存じます。 それから、一緒に申し上げますが、経済企画庁長官は物価担当の大臣とされまして、この電話料の値下げをひとつ何とか勧告される御意思はありませんか。これもお伺いいたします。 公共料金といいますと値上げというのが従来の通り相場のようになっているようでございますが、公共料金でありましても何も値上げするばかりが能ではないことは言うまでもありません。 これも新聞でございますが、実は大変失礼ですが、新聞に書いてありますとおり申し上げますと、「ちょっぴり善政」という見出しをつけまして、大平総理が深夜の長距離電話や登録手数料の値下げの検討を指示されたということも報道されているわけでございます。したがって、ぜひ御検討の上この電電公社関係の値下げが実現しますように努めていただきたいと考えますが、郵政大臣のお答えと企画庁長官のお答えをひとつ承りたいと存じます。
○国務大臣(大西正男君) お答えいたします。 電電公社の五十四年度の決算状況につきましては、まだ結論が正確に出ているわけではございませんけれども、一千億近いものが余分に出てきそうだと、こういうことでございまして、収支の差が予算によりますと約二千九百億近いものでございますから、それに一千億近いものを足しまして約四千億ぐらいになりはしないかということが報道をされておるところでございます。数字的な詳しいことは後から政府委員からお答えをいたさせますが、先般閣議におきまして、総理からも各省庁に対しまして、何か公共料金の中で値下げのできるものがありはしないか、これを検討するようにということでございました。 いま先生御指摘の電電公社につきましては、その通話料の遠近格差というのがあるわけでございます。これは外国に比較をいたしましても、遠距離が高くて、中距離はまあ大体大差ございません。それから近距離が日本の方は安くなっておるわけでございます。そこで遠距離の格差を是正をしろという声が高いわけでございます。そういうことでございますが、ただ、電電公社の経営が安定をしていかなければなりませんので、そういう経営の安定ということを念頭に置きつつ、この遠近格差の問題をやはり重要な政策課題として私としては取り組んでいきたいと考えておるところでございます。 当面の問題といたしまして、いま先生御指摘になっております夜間の料金の割引料金でございますが、その中で深夜料金についてさらに割引率を引き上げてはどうかということで、その検討をしてもらっておるところでございます。 そういう状況でございます。
○国務大臣(正示啓次郎君) ただいま郵政大臣がお述べになりましたように、総理からも特に閣議でそういういまのような御趣旨の御発言があり、電電公社ではその方針に沿いまして極力早く、と言っても、大分これ設備等で時間がかかるというふうに伺っておりますが、実現すべく努力をしておられるということが一つでございます。郵政大臣のお答えのとおりでございます。 そのほかに、いわゆるKDD、これも対米通話料等について若干の引き下げをお願いいたしましたが、ヨーロッパ向け等についても、最近首脳部がおかわりになって、経営状態等についても厳しく見直しをしておられるかに伺っておりますので、これもまた引き上げの余地が——いや引き下げの方でございます。どうもこのごろは上げ上げと言うくせがついてしまいましたが、おっしゃるとおり、下げるべきものは引き下げるのが当然でございますので、そういう努力をお願いしておるわけでございます。
○熊谷太三郎君 いまの電電公社の電話料の問題でございますが、そういう値下げの余地がありとしますならば、やっぱり余り一般の何が使わないようなそういう電話料よりは、なるべく一般の国民に行き渡るような値下げをひとつぜひ考えていただきたい、これをつけ加えて申し上げます。 それから、物価抑制、特に消費者物価抑制の御方針なり、御決意につきましては、先ほど一応承りましたが、しかし、言うまでもなく、国民はこの物価問題に関しましては最も深い関心を寄せているところでございますから、一応承りましたが、重ねて御決意のほどを承りたい。物価抑制に関します、あるいは物価対策に関します御方針と御決意を重ねてお伺いいたしたいと存じます。
○国務大臣(正示啓次郎君) 先週の金曜日でございましたが、閣議で、けさほども申し上げたように、お願いをいたしまして、大変重要な時期に参っておりますので、早速各閣僚にも御協力をいただきまして、ただいま寄り寄り協議をしておる総合物価対策、その根底は、いま御指摘がございましたような重要な公共料金の改定ということを控えまして、それの一般心理的な影響を含め、各方面への波及の状況を最小限度に食いとめていく必要がある、こういう考え方を基本にいたしまして、財政金融政策はもとよりでございますが、きわめて重要な問題でございますが、そのほかに各省庁所管の物資につきましても需給の状況をにらみまして、適宜適切なる需給適合の方策を講じ、また、いわゆる思惑的な動きに対しましては厳しく行政の監視の目を、一般の国民の皆さんとともに厳しく監視をいたしまして、これに対して適切なる指導を加えていくと、また農林水産物資等につきましては、時期的にも非常にいろいろ御無理をお願いしておりますけれども、若干の繰り上げ出荷等によって今日の異常な事態を抑えていく、こういうふうな政策をさらに強化してまいりたいと考え、これによって消費者物価をぜひとも本年度は、最近改定いたしました下方修正をいたしました四・七%、来年度は六・四%という目標を達成すべくあらゆる努力を傾けていくことに考えておるわけでございます。
○熊谷太三郎君 次に、福祉関係について厚生大臣にお尋ねいたします。 社会保障給付額の対国民所得比は日本が一一・一%、米国が一四・一%、英国が一七・二%、フランスが二四・三%、西ドイツが二五%、スウェーデンが三一%というふうに、日本が一番低い状態でありますが、これは老齢指標、すなわち六十五歳以上の人口の全人口に占めます割合が、日本が一番低いわけでありますから、したがって、だんだんこれから高齢化が進むわけでございまして、老齢指標を仮に諸外国並みといたしました場合、この割合はおのおのどの程度になりましょうか、お伺いをいたします。
○国務大臣(野呂恭一君) お答え申し上げます。 御指摘のように、わが国の社会保障費の国民所得に占める割合は一一%——五十二年度でございますが、一一%でございます。これはお話のように、総人口に占める割合が現在は八・六%——六十五歳以上。それが二十年後になりますと一四・二%にも相なるかと考えるのでございます。 したがいまして、現時点におきましては老齢人口が総体的に少ない。したがって、これを欧米諸国並みに補正いたしますならば約二〇%程度ではないかということに考えられるわけでございます。したがって、お話のように、アメリカの一四%、あるいはイギリスの一七%よりも高いと、今日制度上におきましては欧米諸国の水準に到達いたしておると、こう申し上げられるかと思います。
○熊谷太三郎君 いまお話がありましたように、わが国も今後人口が次第に高齢化していくわけでありまして、給付を受けます人々がふえて、この老人指標が高くなっていきますが、給付を仮に現在の水準に保つとしましても、現在これらの各国の中で一番低い租税及び社会負担の三〇・三%が次第に高率化していくことは避けられないわけでございますが、それについてのひとつ御所見を承りたいと考えます。
○国務大臣(野呂恭一君) 今後の人口の高齢化に伴いまして社会保障の給付費が増大してまいります。したがいまして、租税負担あるいは社会保障負担が高まることは避けられないわけでございます。現在の社会保障の水準を維持していくだけでもかなりの国民の負担が必要になってくるわけでございます。後の世代の過大な負担を避けるためには、一方では社会保障の各領域にわたりまして施策の体系化、そして効率化を図っていくことが必要でございますが、その上でなお必要な負担増につきましては、社会保障の長期的な安定のためにもぜひお願いをしなければならないものと考えるわけでございます。しかし、それには世代間にわたりまする国民的合意を得ることが必要であることは言うまでもございません。
○熊谷太三郎君 もう一つお伺いしますが、今後の福祉対策、いろいろお話もございましたが、特にこの老人対策を考えました場合、各国の例が示しますように、単に経済的な給付だけでは不十分で、精神的な配慮が大いに必要であると考えますが、こういう点にかんがみまして政府の御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(野呂恭一君) 老人対策は経済的保障のみでは十分でないという御指摘でございます。高齢化社会を迎えまして老人対策をどう進めていくか、これは今日の私は社会保障の上におきまして大きな課題であると考えるわけでございます。すなわち所得の保障あるいは保健医療、福祉サービスなどの各種の施設の総合的な推進を進めていくことはもちろんでありますが、同時に生きがい対策などの精神的な対策を忘れてはならないわけでございまして、この生きがいといった精神的な対策こそ一層増大をしなければならない問題だと考えるわけでございます。こういう観点から、厚生省といたしましては、従来から生きがいと創造の事業、老人就労あっせん事業あるいは老人クラブの助成事業あるいは老人福祉センターの整備など、各種の施策を推進いたしまして、老人の生きがいを高めるための環境整備に努めておるわけでございまして、今後ともこれらの施策の拡充強化を図りながら、豊かで調和ある老後を形成するように努力をしていきたいと考える次第でございます。
○熊谷太三郎君 次に、定住圏構想につきまして、国土庁長官の御所見を承りたいと存じます。 政府におかれましては、第三次全国総合開発計画における定住構想の具体化の第一歩としまして、昨年来モデル定住圏を選定し、その整備を推進されていると承っております。このモデル定住圏計画というのは地方公共団体の主体性のもとで展開されると承知いたしておりまして、それは大変結構なことだと思いますが、国としましても国土の均衡ある発展を実現する責任上地方公共団体の自主的な活動を積極的に支援していかねばならないと思います。 そこで、国土庁長官にお尋ねいたしますが、今後国としてモデル定住圏の整備をどのように推進していかれますのか、承りたいと存じます。
○国務大臣(園田清充君) お答えをいたします。 先生自体が実は戦前に福井の市議会の議長を長いことなすっていらっしゃる、戦後十五年間市長として実はお務めになっていらっしゃる経験からして、率直にお答えをいたしますが、総理が施政方針の中でも述べておりますとおり、田園都市国家構想ということも三全総を踏まえての私どもは発言だと、そのためにやはりその基盤整備をする、基礎づくりというものがいま御指摘の定住圏構想の進め方でなくてはならないという考え方の中に立って全国四十の地域を選定をいたしまして、現在定住構想のそれぞれの計画の策定を地方に実はお願いをして進めているわけでございます。 御承知のとおり、日本は北は北海道から南は沖繩に至る寒冷地から亜熱帯までの南北に長い列島でございます。そうした国土の中で私どもがどう地域的に住みよい社会を形成していくかという、いま厚生大臣の生きがいのある社会という国土づくりのために、実はいまお話があったように、どちらかというと天下りでない、地域の住民の方々がみずから渇望される社会をつくっていこう、地域社会をつくっていこうというのが願いでございます。 そのために、三大都市圏における、日本の国土面積の約一割のところに人口的には約半数の五千三百万が住まっておると。これを住みよいひとつ国土づくりをすることが三全総の願いでもございますし、この機会にひとつお願いを申し上げておきたいと思いますのは、実は三全総の中に問題地域ということで六カ所指摘をいたしております。それは北海道、東北、それから先生の御出身地である裏日本、日本海沿岸と、それから四国の西南、南九州、沖繩というところで六つに私どもは大きな実は期待を寄せているわけでございまして、問題地域よりも、こうした過密過疎を解消して住よい国土づくりをするためには期待地域と申し上げた方がよろしかろうかと思いますが、そういう地域に定住していただくためにはどうしたらいいのかと。いままでは行政と政治だけがこれに対応してまいりました。そこで私自体、三全総の中で特に事務当局に指示をいたしておりますことは、いま申し上げましたとおり、当然これは雇用の場が必要になってまいりましょう。そうしたときに、全国画一的な考え方でなくして、やはり地域のこうした計画に産業界、それから地方大学の先生方に御参画願って、地域の特性を生かしたような姿の中でひとつ定住構想を進めていきたいということで進めておるわけでございます。
○熊谷太三郎君 モデル定住圏のかなめであります特別事業の実現につきましては、関係省庁がそれぞれの所管に応じて優先措置を講ずるとのことでありますが、ぜひそのように国土庁が積極的な調整をされますよう要望いたします。 もう一点、モデル定住圏についてお尋ねしますが、モデル定住圏の範囲は都市と農山漁村の両方にまたがっておりまして、いまお話のありました福井県の武生・鯖江地区モデル定住圏を例にとりますと、過疎地域もあれば山村、豪雪地帯も含まれております。したがって、モデル定住圏の整備に当たりましては、中心の都市ばかりではなく、周辺の農山漁村の整備も一体的に進める必要があると思われますが、周辺の農山漁村の整備をどのように図っていかれるのか。特に過疎地域対策については、本年度末に過疎地域対策緊急措置法の時限が来ることになっておりまして、過去の成果と反省に立って新たな施策が展開される方向にありますが、モデル定住圏の整備におきまして、これらの地域を取り残すことなく整備していくべきであると考えますが、長官の御所見を重ねてお伺いいたします。
○国務大臣(園田清充君) お答えをいたします。 前段御指摘がございましたとおり、実は国土庁の中に十八省庁から成る定住圏構想推進連絡会議というものを設定をいたしまして、いずれもモデル地域に対しては各省庁優先的に協力をしていくということで現在進められておるわけでございます。 なお、今後の整備に当たっては、いわゆる過疎農山漁村というものの整備をどう考えていくのかということでございますが、私どもとしては、この指定の地域の中の都市に通ずる、都市だけの整備でなくして、周辺部をどう整備をしていくかということも当然なことでございます。そこで、御指摘のように、過疎地域等を含む農山漁村においても、生産関連の施設のみならず、生活環境の整備という問題についても大事なことでございまして、このため、ただその中心となるべき都市の整備でなくして、交流を円滑にするためには、道路網の整備を初めとし、たとえば地域における特産品の生産、集出荷等の施設、自然と伝統とを生かした文化、レクリエーションの施設整備充実ということに対しては積極的に国としても協力をしてまいりたい、かように考えております。
○熊谷太三郎君 それでは教育問題に関しまして、小中学校のいわゆる四十人学級の問題でございますが、これに関しまして文部大臣に御質問をいたします。 昨年末の予算折衝を経まして、政府は、非常に財政事情の厳しい中でございますが、小中学校の四十人学級の実現に踏み切られたのであります。教育重視という観点に立った一つの英断であると存じますが、この際、四十人学級の意義につきまして文部大臣にお伺いいたしておきたいと思います。 さらに、子供たち一人一人に、より行き届いた、きめ細かい教育を施しますためには、四十人学級も大事なことでございますが、何といいましても教育に当たりますのは教師の皆様でありますから、四十人学級の実現とあわせまして、一人一人の教師の方がこの趣旨を十分体した教育を実践していただかねばならぬと思うのであります。したがって、この際教師の方々の一層の資質の向上を図る問題につきまして、文部大臣はどのようにお考えになっておられますか。 この二点についてお尋ねを申し上げます。
○国務大臣(谷垣專一君) お答えをいたします。 現在の初等中等教育におきまする重要な課題は、児童生徒一人一人の素質と能力を生かしていくということだと思います。基本と基礎をしっかり身につけさせまして、そして創造力のある人間性の豊かなそういう生徒児童を教育していきたい、これがいまの初等中等教育の重要な課題であると考えておるわけであります。四十人学級を実現しようとしますのは、この趣旨を生かしていきたい、そして、生徒と教師との関係を密接な状況に置きまして、一人一人の能力が伸びていくような教育をいたしたいというのが、四十人学級実現をいたしますための私たちの念願であるわけでございます。こういう非常に財政状況が苦しい中におきまして、将来の第二の私たちの跡を継いでくれる国民をつくっていきますために、中長期の計画を立てましてこういう方針でやってまいりたいと考えるわけであります。 いま御指摘を受けましたように、次の問題と申しますか、というよりも、教育は人なりと言われるように、教師の質の問題が重要でございます。ことに四十人という制度的な環境を整備いたしました上は、特に教師の質の向上と申しますか、優秀な教師を確保するということが非常に大切なことであると思います。人確法によります処遇改善がすでに実現いたし、四十人学級のめどが立ったわけでございますから、全国の教師の皆さんに、ぜひひとつ教師としての重要な役割りをもう一度このあたり自覚をしていただきたいと願っておるわけでありますが、さらに文部省といたしましては、従来、新規採用をいたしました教師の諸君に教員の研修授業を行っておるわけでありまして、これを初めといたしまして各種の研修授業を従来やっております。これをひとつますます促進してまいりたいということ。さらには、教員の経験を経ましたような方を、さらに教育者を養成するための大学の課程を今度は兵庫県及び上越の地帯で始めるわけでございます。そういうことを含めまして、教員の質の向上、いい教師を確保してまいる仕事を進めてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○熊谷太三郎君 それでは運輸大臣に二、三お尋ねを申し上げます。 政府は今回きわめて問題の多い国鉄再建法案を提出され、赤字解消のため特定地方交通線の廃止手続を決められますとともに、この対策協議会なるものを経まして、廃止される国鉄線をバス輸送に転換するか、あるいはまた第三セクターなるものをつくられまして、それに経営を移して鉄道を存続させるかなどを御協議される由でありますが、率直にお伺いしますが、バス輸送や第三セクター、そういうものによります経営が黒字になる見込みがあるかどうかということでございます。あるいはまた、それが依然赤字の見込みになりますかどうか。もし黒字になる見込みがあるとしますと、わざわざほかに経営を移される必要もないと考えられますとともに、やはり赤字という見込みならば、そういう赤字経営のものを引き受けるいわゆる引き受け手があるかどうか。まあ普通に考えればないと思わざるを得ませんが、こういう点に関しまして、一応運輸大臣の御所見を承りたいと存じます。
○国務大臣(地崎宇三郎君) 危機的状態にあります国鉄の再建のために、いわゆる再建法案を今国会で御審議をしていただくことになっております。この案の中で大変反発と申しますか、関心を呼んでおりますのは、いわゆる地方交通線の対策でございます。ただいま考えておりますことは、一日二千人以下の地方交通線を対象にいたしまして、国、国鉄、地方自治体等に集まっていただきまして協議会をつくっていただきましてこの問題を御討議いただく、そしてバス転換あるいは第三セクター等に転換等をお図りを願うように御検討を願うという案の内容でございますが、御指摘のように、赤字のところを他が引き受けても黒字になる可能性はないのではないかという御意見もございますが、現在の地方交通線に平行して走っておりますバス会社等で一括お引き受け願えれば一応そろばんも合うようになるのではないだろうか。また、地元の御要望によりまして、ぜひ鉄道を残して第三セクターで引き受けるというような場合には、国鉄ではなかなか考えられない地域開発とか、あるいは省力化とか、いろんな形で私は黒字転換を図る創意工夫をしていただけるものではなかろうか、かようにも実は考えておるわけでございます。 なお、地方交通線の軌道のまま第三セクターでお引き受けいただきまして、しばらく赤字が出る場合には二分の一程度の補助をするということ等も考えております。バス転換になるときには、バスの車庫あるいは車両の購入等を考えまして、キロ当たり三千万円からの補助を考えるというような対策を講じてまいりたい、ぜひ地元の御理解をいただきたいと考えております。
○熊谷太三郎君 詳しい内容を見たわけではございませんが、この法律が仮に施行されるとしますと、その内容としまして、こういう一般的な方針は決まっても、豪雪地帯でありますとか、あるいはラッシュ時の乗客が多い線区など、数線区は除外されるということになっているようでございますが、このような場合、もしその線区の中に一部だけいま言ったような点が該当すると、そういう場合はどういうことになりますか、影響をお伺いをいたしたいと存じます。
○国務大臣(地崎宇三郎君) 対象になる路線の中で豪雪地常で転換ができない、あるいは一時的に大変な通勤客が非常に多いというようなことで転換ができない、また代替の道路が求められないと、こういう場合は当然廃止の中から除外されるというふうに考慮をいたしております。
○熊谷太三郎君 そういう線区の中に該当する部分があった場合に、その部分だけですか、全線も。
○国務大臣(地崎宇三郎君) もちろんそれも採用したいと思います。そのつもりでおります。
○熊谷太三郎君 今回の構想は、率直に申し上げまして、数十年の悲願が実ってようやく鉄道の実現を見ました山村や過疎地帯にとりましては、文字どおり青天のへきれきとも言うべきものでありまして、その失望と不安とははかり知れないものがあると考えられるわけであります。赤字解消ということでございますが、国鉄の赤字はほかにもいろいろ根本的な理由が、真因があると考えられております。いまその点についてかれこれ論議をするいとまはありませんが、ただ、そういう赤字の埋め合わせのために、国有鉄道法の第一条にもあります、「公共の福祉を増進することを目的」とするという趣旨を没却いたしまして、さらでだに恵まれない過疎地の住民に多大の打撃を与えますことはまことに忍びがたいものがあると考えるわけであります。法案が成立するとしますと、このような実情を十二分に考慮されまして、その運用には特段の御配意を希望するわけでありますが、これに関しまして運輸大臣の御所見を承りたいと存じます。
○国務大臣(地崎宇三郎君) モータリゼーションの発達あるいは飛行機時代というようないろいろな条件が重なりまして、国鉄が独占的な輸送機関の体制を維持できなくなってきておるわけでございます。したがいまして、国鉄のあり方といたしまして、将来は短距離大量輸送の時代に入ってくるのでなかろうかと思います。マイカー時代あるいは道路の発達、こういうものをぜひ御理解をいただきまして、国鉄の再建に対していろいろ御配慮を願い、この法案をぜひ通していただきたい、御理解をいただきたいと、かように考えておるわけでございます。
○熊谷太三郎君 まだ審議を経なければ、この法案の取り扱いその他について詳しい意見を述べる段階ではありませんが、十分この点ひとつ御検討をお願いしておきたいと存じます。 時間がまだありますが、もう一つだけ申し上げまして終わりたいと思います。 最後に、雪害に関します問題につきまして、自治大臣に一言お伺いをいたします。 言うまでもありませんが、国土の半ばを占めます積雪寒冷地帯は、雪のない表日本に比べまして大変不利な条件にありますことは申すまでもありません。所得税法や地方税法などで現在いろいろと庇護されている面もありますが、これがなかなか実情にそぐわないために、せっかくの法律が生かされないで、恩典に浴することができない点が見られますことは、まことに残念であります。この点に関しましては、非常に広い問題でありますし、従来からもいろいろ主張してまいりましたが、まだなかなか結論には遠い状態でありますので、いずれ検討をさらに続けてみたいと思っておりますが、この際、さしあたって、非常にささやかな問題かと思いますが、一つだけ当局に考慮していただきたいと思いますのは、積雪寒冷地域における固定資産税の減免措置についてであります。 現在積雪寒冷地帯の木造家屋は、損耗の度合いに応じまして、十分手厚く考慮されているようでございますが、最近こういう地帯で非常にふえてまいってきております鉄筋コンクリートの建物につきましては、まだ何ら減免措置は講じておられない状況であります。もちろん、コンクリートの建物といえども、こういう地帯におきましては建設費が非常にかさむわけでありますし、また、積雪時に雪によります損耗も激しいわけでありますので、このコンクリートの建物につきましても減免措置を講じていただきたい、このように考えるわけでございますが、自治大臣のお考えをひとつ聞かせていただきたいと考えています。
○国務大臣(後藤田正晴君) 積雪寒冷地の特別な財政需要につきましては、御案内のように、交付税あるいは特別交付税等でできる限りの配慮をいたしておるのですが、御質疑の固定資産税の減課の問題ですが、現在は、積雪寒冷地の場合の構造上の問題であるとか損耗率の問題等を配慮しまして、木造のみならず、軽鉄骨の建物までは減課をいたしておるわけでございます。 ただ、御質疑の鉄筋コンクリートの場合、これは損耗率等を見まして、現在は、特別な個別的に損耗となる場合には個別の損耗減点補正率というもので処置をいたしておりまするので、できる限りはそういったことでやらしていただきたいと思いますが、全般的に一律に減課制度を適用することにするかどうかということにつきましてはいましばらく検討さしていただきたいと、かように思います。
○熊谷太三郎君 ぜひひとつお願いをいたします。 それじゃ、これで終わります。(拍手)
○委員長(山内一郎君) 以上で熊谷君の総括質疑は終了いたしました。 —————————————
○委員長(山内一郎君) 次に、竹田四郎君の総括質疑を行います。竹田君。
○竹田四郎君 国鉄の方、お見えですか。
○委員長(山内一郎君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(山内一郎君) 速記をつけてください。
○竹田四郎君 通産大臣にお伺いしますが、先ほどこの書類をごらん願ったわけでありますけれども、こういう点字図書をつくる印刷装置、これは、何か通産省でおつくりになったという話なんですが、通産省の助成で松下技研その他がおつくりになったというお話なんですが、そのとおりですか。
○国務大臣(佐々木義武君) 通産省で医療福祉機器研究開発制度というものがございまして、その一つのテーマとして、五十一年から五十三年の三年にわたりまして、点字複製装置の開発を実施した次第でございます。
○竹田四郎君 そのつくられた機械の性能というようなものはいかがでしょうか。
○国務大臣(佐々木義武君) 失礼しました。これは厚生省と共管で実施したものでございまして、大変性能がいいので、盲学校、点字図書館等へ今後の普及を大変期待しているところでございます。
○竹田四郎君 私も大変いいものだと思うわけでありますが、総理も一回、ちょっとごらんになっておいていただきたいと思います。(資料を手渡す) ただ、問題は、このせっかくの印刷機が活用されていないということなんですが、これは印刷機を使う人がいないというんですか、厚生省は一体どう考えていらっしゃるのか。
○国務大臣(野呂恭一君) 御指摘の点字複製装置でございますが、私も、過日、御承知の国立身体障害者のリハビリセンターの展示場にこれが展示してございまして、それを見る機会が与えられまして、また、その装置によりましてつくられました、いま総理がごらんになっております印刷物、出版物ですか、それを見せていただいたわけでございますが、確かに、迅速にして大量、かつ、点字書等の作成の上において大変いいものであると考えますが、ただこの装置は、昨年の夏ごろに試作品が完成したばかりでございまして、開発間もないためにまだ市販されておりませんし、価格もいまのところ未定でございます。さらに、大量の点字図書を製作しなければその経済効果というものが薄いという点、もう一つは、この操作のためにはよく訓練した職員が必要である、こういった点におきまして、点字図書館では現在のところ実用の段階に至っていないというのが正直に厚生省のこの装置に対する考え方でございます。しかしながら、今後、関係各省庁を初めといたしまして、盲人利用者などの意見を聞きながら、これを点字図書館に普及させていくかどうかということについて検討させていただきたいと、こう考えております。
○竹田四郎君 いままでの点字の図書というのは、金属板に穴をあけて、二つの金属板を合わせて、それをローラーでぎゅうとやって点字を出すということですが、これは発泡インクでやっておりますから、印刷して熱を加えるとずうっと盛り上がってくる。ですから非常に大量に、しかも安くできる。したがって、目の不自由な方々は、これが何とか早くもっとできないのか、もっと安く手に入らないのかという希望があるんですが、どうも厚生省の方は展示しておいて使ってくれないという不満が非常にあるわけでありますけれども、これを何とか早く、あるいはそういうものをつくれる人がいるんです、現実に。厚生省がやらなくてもいるわけでありますから、何かもっとうまい利用方法を考えて、一刻も早く日本の有名な作品を目の不自由な人でも読める、こういうふうに私はすべきだと思うんですが、厚生大臣、これについてはどうですか、もう少し努力をしてそうした人たちの福祉を増進させるために、早急な措置をするつもりはございませんか。
○国務大臣(野呂恭一君) 現実はまだ実用の段階に達していないといううらみはございますけれども、十分この問題につきましては、関係機関、さらにまた盲人利用者などの意見を聞きまして、何とか普及に対しまして積極的な検討をいたしたいと、こう考えるわけでございます。
○竹田四郎君 それで、いままでの点字では地図や絵というようなものをなかなか表現することができなかったわけでありますが、この発泡インクによれば地図や絵というようなものを簡単に表現が実はできるわけでありますが、郵政大臣、盲人用の点字物の郵送は、これはたしか無料だと思うんですが、そういうようなものは、これは将来どうするんですか。絵や地図が入っているもの、あるいは黒い字が入っているようなもの、これは一体どういうふうにするんですか。有料にするんですか、それともいままでどおりにするんですか、どうするんですか。
○国務大臣(大西正男君) お答えいたします。 現在、盲人の方々の関係の郵便物につきましては、それぞれ区分をいたしまして、無料とか、あるいは郵便料を減額するとかいう措置を講じてきておるところでございます。いまの御指摘のあれは発泡インクですか、それによりますものは、先ほど私も初めて拝見をしたところでございますが、いま厚生大臣のお話では試作の段階だと、こういうことでまだ実用には至っておらないようでございます。そこで、この問題につきましても実用段階に達するまでの間にすべきであろうと思いますけれども、その間にそれを郵便物としてどのように取り扱うことが可能であるかどうか、そういった点を十分に検討いたしたいと思います。その上で料金等の問題についても考慮をいたしたいと、こう思うわけでございます。
○竹田四郎君 文部大臣、こういう図書が出るということについて、文部大臣としてはどういうふうなお考えでしょうか。
○国務大臣(谷垣專一君) お答えをいたします。 いいものができたという話を聞きましたので、私の方の国立特殊教育研究所というのがございます、ここでいまその問題につきまして検討を続けていただいております。この結果、その他の状況を報告受けまして、どういうふうにこれを推せんしたり利用したりしていくかということを決めたいと実は考えております。
○竹田四郎君 厚生大臣、非常にボランティアの人たちがこれを利用して、確かに正式ではないんですけれども、そうした図書をつくって目の見えない人たちに分け与えたいという非常な熱意があるんですが、何といっても所沢の非常なへんぴな所に展示してあるんじゃ、これは使い物にならないわけなんです。もう少し、たとえばそれが試作品であれ、東京の近くのたとえば高田馬場付近にありますか、点字図書館にそういうものを置いて、ボランティアもこれを利用できる、改善すべきものはもっと改善するというような形を私はとるべきだと思うのです。そのことを目の見えない人たちがどんなに望んでいるか、目の見える人にはわからない望みというものを持っているわけですからね。ぜひこれは早くそういう人たちのために、もうすぐそこまできているわけですから、少しやれば——その本をつくった人もあるボランティアなんです。できるんです。ぜひそれを進めていただきたいし、もっとみんなが利用できるところにそういう機械をひとつ据えて、飾っておくだけじゃなくて、通産省がこれは大変な金をかけてつくっているわけですから、眠らしておいては私はもったいないと思うんですがね。その辺はもう少しぴしっとみんなの利用ができるような形に早くしてほしいんですが、どうなんでしょうか。
○国務大臣(野呂恭一君) 御指摘のように、所沢の国立身体障害者リハビリセンターに展示をいたしておるわけでありまして、所沢といえば、それは東京からいえば田舎かもしれませんが、全国の身体障害者のしかもモデル的なセンターでございまして、ここは何としても身体障害者の福祉増進のためのセンターとして中心的な場所に展示をしておるわけでございまして、外国からも視察の方も見えております。全国のそうした盲人たちがこういうセンターを訪れていられるわけでございますから、決してこれは田舎で隠して置いておるということではないと思います。しかしながら、このせっかくの発泡印刷、新しい装置は大変機能的に見ましても役立つものであるわけでございますから、十分関係機関、盲人の方々と御相談の上でこの普及、開発の上にさらに協力を進めてまいりたいと、かように考える次第でございます。
○竹田四郎君 飾っておくんじゃ意味ないんですからね、利用できるようにひとつ早くしてほしいと思うんです。 国鉄の方、お見えになりましたか。——横浜の羽沢貨物駅というのは、いつから開業しましたか。
○説明員(藤田義人君) お答えします。 昨年、五十四年十月一日から開業いたしました。
○竹田四郎君 この駅で使っている近代的な施設というのはどんなものがありますか。
○説明員(藤田義人君) この横浜羽沢駅はいままでになくいろいろ機械化いたしまして、自動仕分け、そういうことで非常に機械化が進んだ駅でございます。
○竹田四郎君 その機械の中に台車転倒装置、ダンパーというのがあるようでありますが、これはどういうことをする機械ですか。
○説明員(藤田義人君) 初めて荷物をパレットで運ぶようにいたしまして、全国から横浜羽沢駅に集まりましたパレットをダンパーでいわゆる抱えまして、ベルトコンベヤーにその荷物をおろすという装置が先生がいまおっしゃいましたダンパーでございます。
○竹田四郎君 この機械がいつまで作動しておりましたか。
○説明員(藤田義人君) 開業から営業に入りましたわけでございますが、それ以前はいろいろと試運転をやっておりまして、開業後は十一月の十二日で、いろいろ問題がありましてダンパーの使用を中止いたしております。
○竹田四郎君 中止の理由はどういうことですか。
○説明員(藤田義人君) いろいろ荷物の中で荷傷みが生じたということと、一方、年末に入りまして非常に荷物が多くなってきたと。当初から、その機械設備の能力から言いまして、オーバーについては人力であるという面、また、非常に壊れやすいものがございますので、そういうものがあるときには人手でやると。そこいらが十分できておりませんで、いま先生御指摘のように、このダンパーについては昨年の十一月十二日以来停止しまして人手でやっております。いわゆる荷物が傷んだということでございます。
○竹田四郎君 現物を見ると、高いところから荷物を落とすわけですから、下にある荷物は上の荷物で傷つけられて、ミカンとかリンゴなんかは、これは傷むのはあたりまえなんでありますけれども、この機械は一体どこでつくって、幾らするんですか。
○説明員(藤田義人君) 川崎重工でつくりまして、四千四百万でございます。
○竹田四郎君 この機械は、ほかのどこかの貨物駅、あるいは国鉄のどこかでいままで使ったことがあるわけですか、どうですか。
○説明員(藤田義人君) 当横浜羽沢駅で初めて使いました。
○竹田四郎君 使って、開業して四十日足らずですでに故障でなくて使えないようなものを四千四百万円も出してやるということは、一体、事前の研究というのは何らしてないんですか。どこかで研究があって、この点は大丈夫だからというので取りつけたんですか。とにかく、機械に欠陥があるわけじゃない。故障してとまっているわけじゃない、使えないという。荷物をかごから落として、下にコンベヤーがある、それに落とすわけですが、一メーター五十ぐらい、人間の高さのところから落とすわけでありますから、当然下にある荷物は傷むということは、これは普通の人だってわかるわけです。そういうものが公然とここに四千四百万円もかけてつくられている。これは運輸大臣、運輸省はこういうものを事前に知らなかったんですか。相談を受けたんですか、どうなんですか。
○国務大臣(地崎宇三郎君) 相談を受けておりません。
○竹田四郎君 受けていないんですね。
○国務大臣(地崎宇三郎君) はい。
○竹田四郎君 しかし、これは運輸省としては、こういう新しい機械を入れて、しかも、四十日前後でもう使えないと、こういうことについて運輸省はどういう対策をこれに対してしておりますか。
○政府委員(山地進君) 国鉄にいろいろ設備投資が多いわけでございまして、これはみんな借入金で賄うものでございますので、効率的な資金の運用ということについてかねがね国鉄の方によく指示しております。それから資金の全体的なまとめをしております予算の作成に当たりましても、その資金が効率的に使われますようによく国鉄の方に話しておりますし、個々の計画に当たりましても慎重に対処するようによく指示しておりますところでございます。
○竹田四郎君 慎重に少しも対処していないんじゃないですか。しかも国鉄は大赤字だということで、先ほどの質問者のように、あちらこちらの地方線は切られる、そこの住民の不便はあるというのに、横浜の羽沢の貨物駅だけには使われない四千四百万円もの機械がどかんと座っている。座っているだけじゃない。その機械が作動しないから、させないから、しないんじゃなくて作動させないから、この荷物の仕分けのために荷物をコンベヤーにパレットから載せるために一日五人の人が働いている。この費用はどうなっておりますか。
○説明員(藤田義人君) ただいまの先生の御質問でございますが、先ほど申しましたように、ここは方々の荷物を集めまして近代化した設備でやりましたが、従来の手作業に比べますと約二百名少い要員で対処しております。 なお、そういう中で、初めてでございますから、一般でございますと、いままでの実績でもっていろいろ契約を進めますが、新しい駅でございますし、先ほど来のお話のように、相当な変わった作業でございますので、一応暫定契約でやってきております。これはあくまでも新しい臨時の事態でございますので、三月末までに清算するように現在作業を進めておるところでございます。
○竹田四郎君 そうすると、三月末になれば清算するというのは、機械が動くということですか。
○説明員(藤田義人君) 人工に対する支払いということでございます。
○竹田四郎君 じゃ、その後はどうするんですか。
○説明員(藤田義人君) ただいまダンパーにつきましては、いろいろ改良を進め、またパレットに入ります荷物の問題につきましても、いわゆる取り扱いについても、このダンパーを生かすよういろいろと検討を進めておりまして、早い時期に結論を出すように努力中でございます。
○竹田四郎君 その一人当たりの人工賃というのは、一日、午前九時から休憩時間を含めて午後五時まで五千五百円見当だということであります。まあ支払いはそれだけで支払っているんではないという話でございますけれども、機械を入れるまでに十分な実験とか検討とか、一体したものですか、しないものなんですか。四千四百万円だって安い金じゃないですよ。国鉄の赤字の中で、やっぱりこういうものが使われる、使われない、これは私はそう簡単に見過ごす問題じゃないと思う。機械が故障したとか、これは古いものであるということであるならまた話は別です。日本における最新設備の駅でしょう。その駅の一番中心ポイントの機械が使えないということですね。故障じゃないんですよ、使えない。そういうものを公然と入れてる。そして国鉄は赤字だ、税金で補う、こういうことが総理あっていいんですか。私はその点、新しい駅ができましたけれども、非常に奇怪です。奇々怪々と言うべきでしょう。こういうのを国鉄の中でやって、それに対する運輸省の監督なんというのは、先ほどの話であります。これで一体国鉄の赤字が黒字に転化できますか、どうですか。
○国務大臣(大平正芳君) 国鉄としても、省力の意味で新しい機械の導入を考えたと思いますけれども、それが作動しないというようなことは、あなたがおっしゃるように、事前に十分の検討を欠いておるのではないかと思いまして、こういうことは再建途上の国鉄にとりましては許せないことでございまして、監督官庁の監督を待つまでもなく、国鉄自身が進んで改善措置を早急に講じていかなければならぬものと思います。
○竹田四郎君 まあ、これは機械が悪いんじゃないから、そう簡単に私は直らぬと思うんですがね。一体、だれがこれを導入したんですか、その責任者はだれなんですか、はっきりしてください。
○説明員(藤田義人君) この問題につきましては、荷物また機械というふうな両面から、手小荷物の省力化を図るべく、四十四年以来いろいろ勉強してまいりました過程でございますので、いま先生の御指摘の点につきましては、十分内容をまた精査して処理するように考えております。
○竹田四郎君 こういうふうな、われわれでもちょっと見ればわかるような、そういうものを平気で導入したその責任者は一体だれなんですか。
○説明員(藤田義人君) いままでの経緯から言いまして、十分その点は検討させていただきたいと思います。
○竹田四郎君 だめですよ、そんな。検討じゃないですよ、責任者を聞いているんだ。
○委員長(山内一郎君) 藤田常務理事、再答弁してください。責任者を聞かれております。
○説明員(藤田義人君) 結局、こういうダンパーそのものにつきましては、いわゆる荷物の扱い方というものがいろいろと過程の中で変化してまいりまして、最近の実情の中でダンパーの使用について、いわゆる全部荷が傷みやすいもの、また傷むもの、そういうものを整理して使う必要があるわけでございますから、そういう点から処理していきたいと思います。
○竹田四郎君 責任者がはっきりしなきゃだめよ。責任者をはっきりしてください、こんなむだ遣いをしているんだから。
○委員長(山内一郎君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(山内一郎君) 速記を起こしてください。 藤田常務理事、再答弁をしてください。
○説明員(藤田義人君) 再答弁させていただきます。 このダンパーの問題は、全体の手小荷物の近代化を図る一環のものでございますので、そういう意味ではパレットの問題にしても、またいわゆる自動仕分けになりますコーディングの問題にしましても、そういういろいろな問題を扱うそれぞれのプロジェクトをつくりまして、手小荷物扱いの改善のプロジェクトの中で、またそれぞれのテーマの技術課題の中で一つ一つこの改善策をつくり上げてまいっております。特にこの羽沢基地が決まりました四十五年からは、その中でより近代的なものを羽沢駅につくるということで進めてまいりました。いわゆる荷物を扱う方の旅客局、機械をつくる方の工作局、また技術研究所、そういうものが相集まりまして研究を進め、最終的にはこういう構造でということで工作局機械課の方で設計をし、先ほど申しましたように、ダンパーについては川崎重工、その他それぞれのパーツ、パーツにつきましてほかの社にもこれを発注をして、現在の羽沢の基地の設備ができ上がった次第でございます。
○竹田四郎君 あのね、国民は片っ方では運賃値上げを毎年のようにされて、そして荷物を届けるところは大体遠くなってしまって不便になっています。送る荷物は壊れちゃう。そういうことの研究が私は真剣にされてないと思うんですよ。本当に国鉄を再建するというならば、初めて入れる機械であるだけに私はもっと慎重に考えるべきだと思うんですよ。たった四十日使ったら後使えない、しかも、その後は人工賃を出さにゃならぬ。これだってただでやるわけにはいかぬでしょう。これはもう少し私は真剣にそれを——失敗したんですからね。初めはなるほど人手を少なくしようとする意図、これは買いますけどね、実際にはその人は国鉄あるいは国民に責任を負わなければならぬと私は思うんです、だれが中心になるかわからぬけれども。これは私は運輸大臣にその責任はやっぱり厳しく追及してもらわなきゃ困ると思う。
○国務大臣(地崎宇三郎君) 国鉄は国から大変な助成を受けて、危機的な状態にある内容でございます。この問題につきましては、国鉄の合理化、省力化を考えて行ったものだと思いますが、もっと慎重に対処し、検討をしてもらうように指導してまいりたいと存じます。
○竹田四郎君 責任問題は。
○国務大臣(地崎宇三郎君) 国鉄当局と相談いたしまして、責任問題も調査いたしたいと存じます。
○竹田四郎君 ただ調査だけでは国民は納得しないと思うんですよ。赤字のところへ、仕事をしないで赤字をふやすようなことをしている。これはね、やはり責任者はその責任をとる、このくらいの厳しい方向でなけりゃ国鉄の再建は私はできぬと思う。どうですか、総理、そのぐらいの責任は国鉄が負うべきだと思うんですが、どうですか。
○国務大臣(大平正芳君) よく事情を調査いたしまして、責任も明らかにしなければなりませんし、善後処置も講じていかなければならぬと存じます。
○竹田四郎君 一応、この問題は、その後の推移を見守っていきたいと思います。 通産省にお伺いしたいのですが、電力料金の査定の作業はどんなふうでございますか。
○国務大臣(佐々木義武君) 公聴会の開催あるいは特別監査の実施等を終了いたしまして、ただいまその結果を踏まえて申請内容を厳格に審査している最中でございます。
○竹田四郎君 石油備蓄は、政府、民間おのおのどのぐらいいま備蓄があるんですか。
○国務大臣(佐々木義武君) 石油備蓄は、民間石油会社による備蓄が九十一日でございまして、石油公団によります国家備蓄は七日分、合計九十八日分というのが五十五年一月末の備蓄水準でございます。
○竹田四郎君 石油備蓄については、政府としては、税制上あるいは金融上どういう助成措置をとっておりますか。
○国務大臣(佐々木義武君) 税制上等の措置に関しまして、あるいは助成措置全般にわたりましては、資源エネルギー庁長官に御答弁させたいと思います。
○政府委員(森山信吾君) 備蓄につきましては、先ほど大臣がお答え申し上げましたとおり、国家備蓄と民間備蓄があるわけでございまして、まず、国家備蓄につきましては、石油公団におきまして、土地取得あるいはタンクの建設等の費用につきまして財政資金を使うということで助成をいたしておりますし、それから原油の購入代金につきまして財政資金を充てたいということで助成をいたしております。それから、民間備蓄につきましては、これは二通りございまして、一つは、民間の方々が備蓄されますときの備蓄代金につきましての利子補給あるいは設備建設計画につきましての一部の助成ということと同時に、いわゆる共同備蓄と称するものがございまして、民間と公団が共同で備蓄するものにつきましては、土地の取得費あるいはタンクの建設費等につきまして助成を行っている、これが一連の助成手段でございます。
○竹田四郎君 あんまりよくわかりませんけれども、たとえば備蓄石油の購入資金融資では、五十四年度では金利は二・一、融資比率は全体の九〇%、したがって五%の利子補給、五十五年度は金利は二・七%でありますから、したがって、五・五%の利子補給ということで、非常に安いお金でほとんど石油を買っている、こういうふうにおおむね理解してよろしゅうございますか。
○政府委員(森山信吾君) 原油の調達に関しまして、いま先生の御指摘のとおりの方法を講じているということでございます。
○竹田四郎君 備蓄というのは、緊急時に備えて石油の備蓄をするのだということでありますが、今日の状態では緊急時ということにはなるんですか、ならないんですか。緊急時というのは戦争のことを指しているのですか。あるいは石油価格が非常に上がったときも私は緊急時だと思うんですが、どうですか。
○政府委員(森山信吾君) 緊急時と申しますのは、石油の供給に非常な不安があるというときのことを私どもは考えておる次第でございます。
○竹田四郎君 供給に不安があるというのは、量もありますが、価格は含まれないんですか。
○政府委員(森山信吾君) 量につきましては、いま申し上げたとおりでございますが、価格につきましては、供給に不安が生じまして、そのために不当に価格が上昇する場合は該当するというふうに考えます。
○竹田四郎君 民間備蓄の約九十日分、量で言いますと六千三百三十四万五千キロリッターぐらいになるようでございますが、この石油は一体買ったときの値段は幾らになっていますか。
○政府委員(森山信吾君) 民間備蓄につきましては備蓄の方法が大変複雑多岐にわたっておりまして、たとえば先入れ先出し方法もございますし、あるいは後入れ先出し方法もございますし、あるいは月別移動平均法もございまして、各社それぞれまちまちの方法をとっておりますので、いま御質問のどういう水準で備蓄を行ったかにつきましてはちょっとお答えしかねるというのが現状でございます。
○竹田四郎君 一月末段階で九十日分の石油が備蓄されているということになりますと、九十日で三カ月分ですから、二カ月分の石油というのは少なくとも十二月末以前にタンカーの中に入った石油というふうにおおむね理解してよろしゅうございますか。
○政府委員(森山信吾君) 先ほどお答えいたしましたとおり、各社によりましてそれぞれまちまちの備蓄方法をとっているわけでございまして、たとえば月別移動平均法によりますと、毎月に移動されました平均の備蓄水準が示されるわけでございますけれども、たとえば半期総平均法あるいは年間総平均法でまいりますと、御指摘のような事態になるのではないか、こういうふうに考えます。
○竹田四郎君 値段も大変スポット物と長期物といろいろ値段があると思うんですけれども、普通の長期契約物で十二月の中東の石油というのはおおむね幾らぐらいから幾らぐらいしておりましたか、バレル当たり。
○政府委員(森山信吾君) 十二月の時点で日本のCIFの価格でございますけれども、二十五ドル三十六セントというふうに考えております。ただ、この数字につきましてはちょっと問題がございまして、と申しますのは、先生御承知のとおり、十一月時点にさかのぼりまして、たとえばサウジアラビア等々の国が後払いの要求をしてまいっておりますので、いま申し上げました二十五ドル云々の数字は若干低目の数字が出ているのではないかという感じがいたしますけれども、通関統計上は二十五ドル台の原油がCIFとして入ってきているというのが実情でございます。
○竹田四郎君 それを石油会社が払い出しといいますか、生産に入れるときの値段は幾らに仕切っているんですか。
○政府委員(森山信吾君) これは先ほどお答えいたしました数字は総平均の数字でございまして、それぞれ石油会社がどういう国から買っておるかということによりましてまちまちでございますので、平均的な数字を申し上げることはちょっと不可能ではないか、こういうふうに考えます。
○竹田四郎君 いずれにしても、石油備蓄というのは、石油が次から次へこういうふうに上がってくるということは、庶民的な考え方で見れば、政府公認の買いだめということですね。そうしますと、当然十二月に、カラカスの会議以降かなり値段が上がってきたわけでありますが、二カ月分というのは大体前の値段、それを今度は仕切るときには恐らく大部分は時価で仕切っているだろうと私は思います。そうすると、石油会社はかなりそこで大きな利益を得ている。メジャーがそうでしょう。メジャーがそれを仕切るときに時価で仕切っているからこそ、いまメジャーが非常に扱う量は少なくとももうけている。これは日本の石油会社も同じだと思うんですが、どうなんですか。
○政府委員(森山信吾君) 石油は、御承知のとおり、市況商品でございますので、それぞれの国によって仕切りの形態が違っております。たとえば欧米の先進国等におきましては、一部の国でございますけれども、いま御指摘の原油の値段が上がりましたら直ちに国内の仕切り価格を上げるという国々もございますけれども、日本はそういう制度をとっておりませんで、原油の値段が上がった後二カ月後にその価格を反映させる、そういう仕切り価格をするように通産省といたしましては行政指導をしておるというのが実情でございます。
○竹田四郎君 その二カ月後というのは、荷物を積むときからでしょう。日本に来てからじゃないでしょう。
○政府委員(森山信吾君) 二カ月という意味は、通関に要する期間が一カ月、通関後製品になるまでの間が一カ月と、こういう意味で二カ月ということでございます。
○竹田四郎君 それにしても大きな利益がある。通産省は、そういうような利益はない、全然いまの石油会社は利益がないと、こう見ているんですか、どうですか。
○政府委員(森山信吾君) 原油が非常に国際的にタイトな時期になりますと、ある一定のマージンを確保しないことには原油の調達ができないということもございますので、私どもは全く石油会社が利益を得てないとは思っておりませんが、適正な利潤が得られておるものというふうに判断いたしております。
○竹田四郎君 まあ利益があるということであります。 そこで、通産大臣——通産大臣じゃなくて、むしろ経済企画庁長官にお聞きしたいのですが、今度の電力料金の値上げが物価に及ぼす影響というものはどんなふうにお考えですか。恐らく電力料金の値上げがあれば、経済企画庁がよくおっしゃる数字的なものでなくて、いろいろな波及的なものまで含めるとどんなふうになりますか。
○国務大臣(正示啓次郎君) 先ほど通産大臣がお答え申し上げたように、ただいま政府部内で、また国会の委員会等ともいろいろ御意見を伺って、せっかく最終案を決定の過程でございます。したがって、なかなかどの程度の影響かということを的確にお答えすることができないのはまことに遺憾でございますが、これはすでに当委員会でもお答え申し上げたと思いますが、まあ仮に一〇%程度の値上がりと、こういうことをいたしました場合に電力では〇・一八ぐらいと、こういうふうな数字をわれわれは見ております。そこで、竹田委員御承知のように、そういうことだけではなくて、いろいろ波及効果があるであろう、心理的にもあるであろうと、こういう点についても十分配慮をしながら、先ほど来申し上げた総合的な対策を講じなければならぬ、こういうふうに考えておるわけでございます。
○竹田四郎君 先ほどの山崎委員の関連質問でも私は述べましたけれども、いま非常に物価が狂乱的になり始めている。なったとはまだ申し上げられませんけれども、なり始めている非常な危険な私は時期だと思うんです。恐らくその一つが、四月一日から電力料金が上がるだろうということが狂乱に一層輪をかけていることになるだろうと思いますが、石油備蓄による石油が、先ほど申し上げましたように、購入資金が利子補給をされて、二%とか二・五%という、まるで金利がないようなお金を九〇%も借りてやっているわけですから、こんなに国民のお金を使ってやる備蓄の石油を使ってもうけるというのはもってのほかだと思うんですよ、私は。むしろこの石油を、これだけ電力が高くなって物価を押し上げるというならば、その備蓄の分を電力に回したらいいと思うんですね。これは現物を回すんじゃなくて、帳簿上回せばそのことは私はできると思うんです。そのことによって電力料金の値上げ幅を引き下げる、あるいはそのことによって一カ月なり二カ月なり電力料金の値上げを先にずらしていく、こういうことによって物価上昇の心理状態を冷やしていくということはできないはずはない。これはどうですか。通産大臣あるいは大蔵大臣にもこういう点はお聞きしたいと思うんですけれども、そうすることによって私は物価の鎮静あるいは電力料金の値上げを抑えていくことができるだろうと思うのですが、どうですか。
○国務大臣(佐々木義武君) 私どももお話のようなアイデアが実現できれば大変結構なことじゃないかと思いましてずいぶん研究してみました。研究の結果をそれでは資源庁長官からお示しいたします。
○政府委員(森山信吾君) まず、備蓄には御承知のとおり二つございまして、民間備蓄と国家備蓄があるわけでございまして、ただいま竹田先生から御指摘の点は主として民間備蓄のことを言っておられるのじゃないかと思います。民間備蓄につきましては、先ほど申し上げましたとおり、幾つかの備蓄の方法がございまして、月別の移動平均法、その他五種類ぐらいの備蓄の方法がございまして、各社の備蓄水準がなかなかまちまちになっておりますので、平均の単価が幾らであるかということは一概に言えないということは先ほどお答えしたとおりでございます。 そこで、一部にせよ安い油があるのではないかという御指摘でございますけれども、この油を電力会社に供給することによって電気料金の上げ率の引き下げと申しましょうか、値上げの実施をおくらせることができるじゃないかということでございますけれども、この点に関しましては、やはり先ほどもお答えいたしましたとおり、この備蓄の払い出しというものはあくまでも緊急時——この緊急時の意味は先ほどお答えしたとおりでございまして、現段階におきまして供給に非常な混乱が来ておる、あるいはほかの要因で価格が上がっておるということが言えない段階でございますし、やはり九十日の備蓄を持っているということは、国民の皆様方にそれなりの安心を与えるということのために九十日備蓄を持っておるわけでございますので、いま直ちに電力会社に対しましてこの備蓄の払い出しをするということは大変不可能なことではないかと、こういうふうに考えます。 それから国家備蓄につきましても同じようなことが言えるわけでございまして、現在七日分ございますけれども、確かに購入いたしたときの値段は大変安い価格で購入いたしておりますので、それを払い出すことによりまして利益を得る、たとえば電力会社に供給することによりまして電気料金の引き上げを相対的に小さくする効果があるのではないかということは、一つの御意見としてはわかるわけでございますけれども、現在国家備蓄として預っております油は中東の油でございまして、いわゆるS分が大変高い油でございます。電力会社は、御承知のとおり、生だきの原油を主として使うものでございまして、環境規制の問題からいいましても、現在国家備蓄で預っております原油をそのままたくわけにはまいらない、こういうような感じを持っておるものでございますから、現実の問題としては大変困難な問題ではなかろうかと、こういうふうに考えております。
○竹田四郎君 長官、ごまかしちゃいかぬですよ、私素人だと思ってね。備蓄する油というのは、九十日分というのはいつもそこに固定してあるわけじゃないんです。次から次に入れかわっているんですよ。ですから、量として九十日分を置くということはこれは決まっているでしょう。しかし、中の原油はかわっているんですよ、ずっと。そうでしょう。ごまかしちゃいかぬですよ、そういうところを。
○政府委員(森山信吾君) 専門家でいらっしゃいますから、ごまかすという気持ちは全くないわけでございますけれども、確かに民間備蓄につきましては九十日が水準でございますから、三カ月に一回回転するということでございます。私が先ほど申し上げましたのは国家備蓄のケースを申し上げたわけでございますので、民間備蓄の九十日につきましても三回転いたしますけれども、その三回転の中におきます払い出しの方法等が各社全部違っておりますので、一概にそれを律することはできないということを申し上げたわけでございます。
○竹田四郎君 先ほど緊急時という話を聞いたときには、価格はこれは緊急時に入らんと、こう言っているわけです。ですから、量の問題では確かに九十日という備蓄が必要なんです。価格については何かこう九十日の備蓄は金額で幾ら幾らでなくちゃならぬという規定はあるのですか。
○政府委員(森山信吾君) 備蓄につきまして、価格が幾ら幾らでなければいけないという基準はございません。
○竹田四郎君 ですから、私は先ほども言いましたように、量を移すと言っているのじゃない。帳簿上の価格の面で操作すればそれはできるじゃないか。量を移すということは一言も言っていない。帳簿上の操作でそのぐらいのことをできないはずは私はないと思う。どうなんですか、これ。
○政府委員(森山信吾君) 確かに九十日備蓄でございますから三十日ごとに入れかえますと三カ月で終わるわけでございますけれども、御承知のとおり、いわゆるランニングストック分というものと、いわゆるデッドストックと申します部分と両方あるわけでございまして、私どもは、ランニングストックの分につきましては備蓄は確かに回転するというふうに考えますけれども、基準になるべき備蓄量というものはある一定量を確保しなくちゃいかぬということも御理解いただけるのじゃないかと思うわけでございます。したがいまして、三カ月で全部回転してしまうということではないわけでございまして、一部のものが回転をしていくということでございます。したがいまして、その一部のものの回転ということに着目いたしますと、先ほど先生が御指摘になりましたように、価格は非常に安くなっておるということはなくなるわけでございまして、いわゆるランニングストック分の回転で見ますと、ほとんど値段というものはそう大きな変動はなくなってきておるんではないか、現状価格とほとんど近づいておるのではないかという観点がございますから、確かに全体としまして、九十日全体を見ますと一部の中には安い備蓄分もあるわけでございますけれども、それはあくまでも全体として見た場合のケースでございまして、いま申し上げましたように、全体として全部動かすということにはなかなかまいらない、デッドストックが必ず必要だということは御理解いただけるのじゃないか、こういうふうに考えます。
○竹田四郎君 森山長官、あなた誤解があると思うんですがね。私、一年間を全部平均してやれということを言っているのじゃないんですよ。値段が二十ドルから三十ドルになったとき、このときの分はもうかっている。それを吐き出して、これだけみんなが困っているのだから、将来インフレがどうなるのかわけがわからぬというふうに、毎日の円の値段や公定歩合がどうなるかと、これほど心配しているときに石油会社だけがもうける必要ないでしょう。そういうものが、これだけ手厚い融資やその他の助成措置を受けておるわけでありますから、当然、石油は国家なりですから、そのぐらいのことが私はあっていいと思う。また、政府はそのくらいのことを私はやるべきだと思う。これは総理どうですか。いまの時期にやらなければ、三カ月先へ行ったら意味ないんですよ、平均化されちゃいますから。価格差ができているときにそれをやりなさい。まだストックのところには価格差があるんです。買いだめしているんです。買いだめは出しなさいと言うんです。
○国務大臣(大平正芳君) あなたの言われるような問題提起を私からもいたしまして、いろいろ検討をお願いしたわけでございますけれども、先ほどのような答えが返ってきたわけでございます。 備蓄制度を維持するということは大事だと思うのでございまして、備蓄制度を壊してしまったらいかぬと思いますが、それはあなたがおっしゃるように、価格的にやればいいことで量的には損傷はないんじゃないかということでございますが、価格的にやる場合でも、お話を伺っておると、石油の価格の問題でございまして、電力料金の問題にすぐ切りかえていいものかどうか。石油の値段を安くするために備蓄石油の再評価をやれということになりますと、石油の方の値段の改定全体に及ぼさなければいかぬのを電力料金の値上がりを少なくするために使うということがポリシーとしてどうかというような疑問も出てくるわけでございます。 いずれにいたしましても、石油会社はもうけるために備蓄しているわけじゃなくて、営業を安定的にやっていくために緊急事態に備えてやっているわけでございますので、そういう備蓄制度を壊してしまうというようなことのないようにしていかなければならないのじゃないか、そのために備蓄制度を電力料金の犠牲にするというようなことはいかがなものかという疑問も実は沸いてくるわけでございまして、なおよく検討いたしますけれども、まあ、いまのところむずかしいように思います。
○竹田四郎君 これは石油会社あるいは商社やなんかが備蓄として国家資金を使って買った分について私は言うわけでありまして、そのほかの分について私は言っているわけじゃないんです。そういう意味じゃ非常に幅が狭いと思うんです、私の言っている分野は。ひとつこれは検討してもらいたいと思うんですよ。それでなければ、幾らうまいことを言ったって、あそこにもうけて買いだめしているやつがあるのに、あそこは黙っていておれたちだけをいじめるということに最終的にはなると思う。これは十分検討してもらいたいと思います。いまのエネルギー庁長官の説明では私は納得しません。もしそれをおっしゃるなら、各社が具体的にどのくらいの備蓄を持っていて、どのくらいの形で仕切りをやっているか、ここまでおっしゃっていただければあるいは理解ができるかもしれませんが、あなたのお話だけでは私はこれは理解できませんから、ひとつこれは検討してもらいたい、こういうふうに思います。 それから次に移りますが、この間、新日本製鐵が鉄鋼価格を一一%上げましたね。これについて通産大臣はどんなふうにお考えですか。
○国務大臣(佐々木義武君) 通産省では、個別的な物資の価格形成は需要者側と供給者側の双方の当事者間で自主的な交渉によって決定されるものだというふうに考えておりまして、この鉄鋼の値上げもそういう態度でいま交渉に入っているそうでございますから、その推移を見守っているところでございます。ちなみに、改定の動きにつきまして、どういう原因か等はもちろん調査いたしたのですけれども、鉄鋼メーカーによりますと、五十五年度には鉄鉱石、原料炭、重油等の原燃料の値上げその他による大幅なコストアップが見込まれるので、このままでは赤字に転落するおそれがあるというので値上げを希望しているとのことでございます。こういうコストアップの内容の評価や、どの程度の価格の値上げをいつから行うかにつきましては、先ほど申しましたように、メーカーと需要家との今後の交渉によりまして決まっていくものでございますから、その推移を見守っているところでございます。
○竹田四郎君 これは世間では先取り値上げだと、電力料金もまだ決まっていないのに電力料金が上がるからこれだけ上げる——将来上がるだろうということはいいと思う。具体的に金額まで示して、これだけ上がりますから上げますよということを、しかも日本の一番大きい、しかも世界的に一番大きいと言われる新日鐵がこういうことをやるということは、これは通産大臣どういうように思いますか、行為として。通産大臣がどう思うか。そんなもう官僚の答弁することじゃない。
○国務大臣(佐々木義武君) 先ほど申しましたように、メーカーと需要者側の交渉でそういう不都合な点が仮にあるとすれば、あるいはそれに対して十分な説明がつくようであれば当事者の折衝の際におのずから決まっていくものじゃなかろうかと思っております。
○竹田四郎君 企画庁の長官、どう思いますか。
○国務大臣(正示啓次郎君) これはもう竹田委員お詳しいように、まあ新日本製鐵も非常に強力ですが、日本の自動車会社は世界的にいまもう恐れられている強力なものであります。また弱電メーカーもしかりであります。こういう強力な方々がこれから折衝に入るのでありますから、ただいま通産大臣がお答えいたしましたように、一方の言い分どおりになるなどとは私はとうてい考えられない。これから激しい交渉が展開されるものと考えております。
○竹田四郎君 日産やトヨタみたいに大きなところはいいでしょう。小さなところは一体どうするのですか。
○政府委員(大永勇作君) 交渉の対象としましては、いま先生御指摘のように、日産あるいは弱電メーカー、造船等が中心でございますが、その価格が決まりますと、メーカーが販売いたします分についてはその価格で販売されるということになるわけで、その間差別はないわけでございます。
○竹田四郎君 そうなりますと、大きなメーカーは力があるからいいけれども小さなところは先取り値上げの犠牲になると、私はこういうふうになるんじゃないかと思いますね。現にその他の鉄鋼三社もこれに同調をして、まあ数字がこちょこちょっと違うだけでほとんど同じであります。むしろ——総理、どうですか。こういう物価が非常に危険な事態になっているときに、赤字なら仕方がないでしょう、鉄鋼各社が赤字でどうにもやりきれないというなら値上げもやむを得ないでしょう。そうじゃないでしょう。物すごい経常利益を与えている今日です。それに先取り値上げで、何々が上がるであろうからこれだけ上げてくれ、これはまさに物価値上げの旗を振っているようなものじゃないですか。あなたの六・四%は守れませんよ、こんなことを許しておいたら。私はむしろ、経済にお詳しい大平さんですから、少なくとも警告ぐらいは出すべきだと思うのです。もしこれがそのままずっと通っていくようなら、ほかの方もまた、私の方は将来これだけ上がるという話があるそうですからこれだけ上げます、私の方もこれだけ上げます、どんどんどんどん上がっていっちゃいますよ。真に六・四%を大平内閣が守るというならば、私はこの新日鐵のあるいは鉄鋼四社に対する値上げについては自粛をしなさい、警告を出すべきだと思うのですが、どうですか、総理。
○国務大臣(大平正芳君) 価格形成は本来自由な価格形成を許しているわけでございまして、一々政府が干渉するわけにはまいりませんが、あなたがおっしゃるように、よくよくの事態になれば政府としては行政指導をしなければならぬと思いますけれども、今日の鋼材の問題につきましては需要者と供給者との間の話し合いというようなものの推移、交渉の推移を見さしていただきたいと思います。
○竹田四郎君 総理、物価が落ちついているときなら私は文句を言いません。市場原理を私は尊重します。あるいはお互いの交渉ということに任せようと思うのです。一方、労働組合はどうですか。何とか八%でがまんしようじゃないかと言って労働組合の幹部は一生懸命いま困っているのじゃないですか。将来物価が上がらぬようにわれわれも八%でがまんしようじゃないかと言っている中でしょう。ところが力があるのはどんどんどんどん上げますよ、賃金は六・五%で抑えますよ。こんなことで八%という賃金が一体守れますか。片方で八%という賃金問題があるんですよ、いま。それにもかかわらず片方じゃどんどんどんどん——じゃ労働者だって、一五%上げるなり二〇%をおれたちは賃上げしたいのだと言ってがたがたストライキをやるという方がと、そういうふうになっちゃいますよ。どうですか。
○国務大臣(大平正芳君) けさほど山崎さんにもお答え申し上げたわけでございますけれども、われわれが目標といたしておりまする六.四%という水準は確保してもらわなければならぬという要請は労働組合の方からも受けておるわけでございます。私どももこの公約は何としても果たさなければならぬと考えておるわけでございまして、個々のものの物価、これはよくよくの事態になれば十分警戒しなければなりませんけれども、全体として六・四%の消費者物価の目標というものは達成しなければならないし、また私はそれはできると考えております。
○竹田四郎君 総理、ひとつ考えていただきたいわけですが、かつての佐藤総理が、生産性が上がったならばその分は価格を下げなさい、こういうことを言ったときがあるのですよ。いままさに企業はもうかっているから、大蔵大臣、自然増収が出るんでしょう。もうかっていなければ自然増収が出るわけはない。そのもうかっているときに、私も上げますよ私も上げますよでは物価がおさまるわけがないじゃないですか。だから、私はこれを総理に要望して、時間がありませんからきょうやめますけれども、ぜひひとつ、もうかった分は価格の引き下げに使いなさいよぐらいの話は私はいまあっていい時期だと、こう思いまして要望しておきますけれども、御所見がありましたらお答えください。
○国務大臣(大平正芳君) いまの物価問題というのは、海外の資源高というものをもろに浴びまして、それを受けて資源の乏しい日本がどのようにしてこの圧力を排除していくかということでございますが、これはわが国の国民がその持てる技術、能力を通じましてこれをはねのけていくより手はないわけでございまして、したがって、今日まで日本の国民はこの相次ぐ資源の暴騰にかかわらず、みずからの努力とみずからの技術を傾けて上がるべきものを抑え込んで、今日まで比較的安定した物価水準を維持することに成功してきたと思うのでございまして、絶対的に上げないようにしろということはなかなかむずかしいと思うのでございますが、その上げ幅をどこの国よりも幅少なくするために国民は努力してまいりましたし、それだけの成果を上げてまいったわけでございまして、今後もその方針に変わりはございませんし、それだけの能力を日本の国民は発揮していくと思うのでございます。そういうような方向で、労使はもとよりでございますが、政府も一緒になりまして努力をいたしまして、政府が決めたターゲットはちゃんと実現できるようにいたしたいと思いますので御鞭撻を願いたいと思います。
○委員長(山内一郎君) 竹田君の残余の質疑は明日行うことといたします。 本日の質疑はこの程度にとどめます。 —————————————
○委員長(山内一郎君) なお、引き続き派遣委員の報告を聴取します。大蔵大臣、厚生大臣、農林水産大臣、通商産業大臣、運輸大臣及び自治大臣にはお残りを願いたいと思います。総理大臣以下他の閣僚は御退席くださって結構でございます。 本委員会は、昭和五十五年度総予算三案審査のため、大阪府、石川県及び北海道にそれぞれ委員を派遣し、去る二月二十六日、各地において同時に地方公聴会を開会し、つぶさに現地の意見を聴取してまいりました。これより、その概要について御報告を願います。 まず、大阪班につきましては下条進一郎君にお願いをいたします。
○下条進一郎君 予算委員会地方公聴会大阪班につきまして報告申し上げます。 大阪班は、山内委員長、亀長理事、鈴木委員、松前委員、安恒委員、中尾委員、橋本委員、井上委員、秦委員、それに、私、下条が参加し、去る二月二十六日、大阪市において開催されました。 公述項目は、地方財政、経済動向、都市経済及び消費者問題の三項目であり、八名の公述人から意見を聴取し、これに対し各委員より熱心な質疑がありましたが、以下、公述順に従い公述人の陳述概要を御報告申し上げます。 地方財政関係では、大阪府知事岸昌君及び神戸市助役井尻昌一君から意見を聴取いたしました。 まず、岸公述人は、最近とみに相対的地位の低下している大阪経済を活力あるものとするためには、公共投資面を首都圏並みにすることによって均衡のとれた発展が期待されるのであるが、大阪府財政の現況は、昭和五十年度以降財政収支が著しく悪化し、五十四年度一般会計においては、なお百二十億円程度の赤字の見込みであり、財政構造の面においても、経常収支が九五%にも達し、府税収入など通常の一般財源だけでは、経常的経費を賄うのに精いっぱいで、政策に充て得る財源は極度に限られた状態になっている。 その理由としては、歳入面では府税収入が四十五年度を境に伸び率が鈍化し、その後の回復ぶりもきわめて低調に推移し、特に法人関係税は、本年度でようやく四十九年度水準に戻ったという状態となっている。歳出面の問題として、大都市圏域特有の財政需要が増高して財政を圧迫していることで、土地の高騰、人口の急増、過密環境の悪化等に伴う特別な財政需要の発生など、多額の財源を必要としているにもかかわらず、財源難のため、公共投資の面でも年々その落ち込みが著しく、特に高校等教育施設の整備拡充については、用地の入手難、財源の確保に苦慮している。 国に対する要望として、国の公共投資の大阪府城に対する一層大幅な配分が望ましく、また、地方交付税の算定には、大都市圏において増高の著いし財政需要を基準需要額に算定すること。国庫補助金については、超過負担の解消、高校義務教育に対する国庫補助金の拡充を図ること及び地方税源、地方債の拡充についても述べられました。 次に、井尻公述人は、神戸市の抱えている問題は、神戸市の人口密度が高く、産業も集中しているため、いわゆる過疎過密現象が兵庫県においては特に目立っている。このような過密現象に伴う市民の要求に対する行財政のあり方や工場等の再配置という、都市経営の問題点が見直されなければならない時期に来ているとの指摘がありました。 神戸市財政は、市税の伸び悩みにもかかわらず、公共デベロッパー起債主義、公債基金の活用、外郭団体の積極的活用によって辛うじて全般的には比較的安定した財政運営ではあるが、しかし、その反面、企業会計の中でも、公営バス、高速鉄道、病院の各事業は経営悪化の一途を余儀なくされている状態にある。 五十五年度予算案は、市税の伸び悩み、地方債の総量圧縮と一般公共債を初めとする起債充当率の低下等により緊縮予算となっている。 市の国への要望として、特に地方債の枠拡大と借入条件の改善、病院事業に対する国の財政援助、地方交付税制度の改善及び神戸ポートアイランド博覧会開催についての協力要請等について述べられました。 次に、経済動向については、関西経済連合会常任理事里井達三郎君、大阪銀行協会会長磯田一郎君及び神戸貿易協会理事鈴木正君から意見を聴取いたしました。 まず、里井公述人は、近畿地域、特に京阪神を中心とするいわゆる地盤沈下に対する復権運動について、単に、種々の経済指標における量的シェアの維持、拡大ということではなく、質的側面において日本経済全体の発展に寄与するということでなければならない。この観点から、基本的方向は研究開発、新規成長産業の育成等、新たな経済発展基盤の強化、中枢管理機能等企業経営と経済運営の意思決定の機能の強化、国際社会に対する窓口としての機能の強化及び文化振興の面における地位の向上、以上四点に集約される。また、近畿復権の主要な課題は、この基本的方向に沿って当面、学術、文化機能の充実、交通体系の整備、産業構造の高度化及び関西新国際空港であるとの意見が述べられました。 次いで、磯田公述人は、景気動向については、素材・輸出関連産業の比重が高い産業構造となっているため、第一次石油ショックの打撃を強く受け、回復もおくれたが、この一年は市況の回復、円安の進行に伴って景気は順調に拡大し、そのペースは全国平均を上回っている。しかし、今後は石油、電力等のエネルギーコストの上昇に伴う影響がより多く出るため、全国より幾分早く景気が悪化する懸念がある。 金融情勢は、昨年来の金融引き締め政策の結果、金融機関の資金繰りは窮迫している状態にあり、この間、企業金融面も徐々に引き締まりの方向に向かいつつあるが、業種別に見ると鉄鋼、電機などに余裕があり、電力、建設、繊維、中小輸入業者は逼迫しているというように破行性が強まっている。しかし、今後はコストアップによる収益の悪化から全般的に資金繰りが引き締まっていく可能性がある。 このような情勢から、金融政策については、金利政策への過度の依存や窓口指導、政府系機関の役割りを見直し、財政再建には行政改革の推進、歳出の合理化努力が必要であるが、やむを得ぬときは租税負担増も考えられる。国債管理政策については、発行条件、金融機関の窓口販売等について意見が述べられました。 次に、鈴木公述人は、神戸における、特に繊維、雑貨関係の中小輸出貿易業界の現状等について述べ、諸物価の高騰、さらに発展途上国の追い上げ等によって、わが国の繊維、雑貨関係は世界市場から脱落し、加えて昭和五十二年、三年と二カ年に及ぶ円高の試練にさらされ、神戸の中小輸出業者はその影響をまともにこうむる状態となっているが、中小輸出業者が石油ショック、円高攻勢に対処し得なかった一つの要因は、中小企業には確実な情報が流れてこないことにあり、今後、通産省等関係省庁の事前の情報提供について配慮願いたい。最後に、来年三月に開催される神戸港ポートアイランド輸入商品常設展示場への期待は大きく、この継続開催と拡大についての要望等が述べられました。 最後に、都市経済及び消費者問題について、大阪商工会議所経済法規委員会委員長樋詰誠明君、大阪府中小企業団体中央会会長太田十君及び灘神戸生活協同組合専務理事高村勣君から意見を聴取いたしました。 まず、樋詰公述人は、税制問題とそれに関連する土地政策を中心に述べられました。 税制については、徴税上不公平があったのでは政治に対する国民の不信を増大させることになる。高福祉高負担は当然だが、増税の場合は間接税より直接税を優先させるべきで、間接税によらざるを得ない場合にも、一般消費税ではなく物品税を考えるべきだと思う。法人税の増徴は、八〇年代の不測の変化にもたえ得る企業体質を確保すべきであるから適当ではない。 土地政策については、憲法問題より法律問題であって、その高騰を抑えるには、土地の譲渡益に対する課税の軽減などでは問題は解決しない。土地の所有権ないし利用権は公共の福祉のために制約されても当然で、特に利用権については公共の福祉を優先するようその行使を強力に推進するという原則を確立すべきで、地価値上がりによる利益を地主のみが享受するのはおかしいので、税の重課など社会にその利益を還元する方途を講ずべきであるという意見が述べられました。 次に、太田公述人は、大阪府下の中小企業は約三十五万と言われており、各企業は、昭和五十三年秋以降現在まで、国内の民間需要を中心として、ほぼ堅調な上昇傾向を示しており、円高で苦境にあった輸出関連産業も、最近の円安によって再び春が訪れたかの感があるが、五十五年に入って原油、木材、その価輸入品の大幅高騰による原材料の大幅値上げによるコストアップを製品の販売価格に転嫁できず、さらに昨年以来四回にわたる公定歩合の改定は、ここに来て中小企業金融を窮屈なものとし、金利負担増ともなり、今後、企業経営の悪化が懸念される。 国に対する要望として、中小企業金融の円滑化と金利の低減及び物価と為替の安定の必要性が述べられました。 最後に、高村公述人は、灘神戸生協は神戸市を初め、十四市四町を認可区域として、同地区の総世帯の四六%を超える四十八万世帯を組合員に組織され、約百カ所の事業所を有し、五十四年度の供給高は千五百億円を超え、そのうち約七五%が食料品となっている。その他、組合員の日常生活に密着した活動を行っている。 国に対しては、消費者物価の抑制、国民生活を守るエネルギー政策の確立、出店規制の緩和、米・酒販売免許取得の便宜供与等を要望されました。 以上、大阪地方公聴会の報告を終わります。
○委員長(山内一郎君) 次に、金沢班については安田隆明君にお願いをいたします。
○安田隆明君 金沢班につきまして御報告申し上げます。 金沢班は、栗原理事、栗林理事、成相委員、勝又委員、藤原委員それに私、安田の六名で構成、去る二月二十六日、金沢市において公聴会を開催してまいりました。金沢班の公述項目は、地方財政、経済動向、農業及び伝統工芸でありまして、それぞれの項目につき各界の代表から意見を聴取した後、派遣委員から熱心なる質疑が行われました。 以下、公述の要旨について簡単に御報告申し上げます。 まず、地方財政につきましては、石川県知事中西陽一君、金沢市長江川昇君、石川県町村会長松崎従成君から意見を聴取いたしました。 中西公述人は、五十五年度の地方財政計画は、国の厳しい財政事情を考えるとおおむねやむを得ないものと判断するが、財政基盤は依然として借金依存の不安定な上に成り立っている。加えて、五十年度以来の借入金並びに地方債依存等により、財政硬直化が深刻化しており、国地方を通ずる行財政改革、地方財源の充実強化が何よりも必要である。石川県においても、職員定数の削減や凍結、組織の改廃を鋭意実行している。五十五年度の予算は、二千七百二十六億円、前年対比七・八%増と、二十二年ぶりの低い伸び率となり、住民ニーズにいかに対応していくか頭を痛めている。国においては、地方の時代に対応した財源措置、すなわち、単独財源の充実に特段の配慮を願うとともに、補助金のメニュー化、地方事務官制度の解消、自衛隊基地交付金の増額を図ってほしい。また、中小企業が多い石川県の産業構造にかんがみ、景気の動向に即応した財政の弾力的執行を講じてほしいとの意見が述べられ、次いで江川公述人から、金沢市は昔ながらの城下町のたたずまいを多く残しており、このことが結果として、都市計画、下水道事業の施行の上で大きな障害となっており、財政需要もその面で高い。その上、最近ドーナツ化現象の進行が著しく、そのために市内中小河川のはんらんが絶えず、河川改修所要額は八百億円、三十三河川に上っており、補助の対象河川は、わずか四河川にすぎない。また、小中学校のプレハブ教室が五十三もあり、国の補助枠では生徒急増に対応できない。四十人学級の実現もこの面で疑問を感ずる。これら各事業に対し補助の拡充等特段の配慮を要望したい。さらに、金沢市の持つ地方伝統文化の振興のため、文化施設の整備に国の積極的な対応を求めるほか、伝統文化の町金沢を地方文化モデル都市に指定していただきたいとの意見が述べられ、次いで松崎公述人から、大平総理の田園都市構想による地方町村への諸施策を大いに評価する。そして、これの実現のためには、町村における雇用創出がかなめである。特に、大学の移転希望が五十九大学あり、大学の地方分散誘致を施策の重点に置いて実行すべきである。そして、その前提として、第一に、町村の税財源の増強、安定化を図り、実情にそぐわない交付税配分を改め、町村への交付税の傾斜配分を強化する。第二に、国民健康保険制度が町村財政の圧迫要因となっているため、国民健康保険制度の改善合理化並びに臨時財源調整交付金の増額等を図る。第三に、水田利用再編対策について、国民コンセンサスを得つつ農政の基本方針を早期に決める等の措置を強力に推進してほしいとの意見が述べられました。 次に、経済動向につきましては、北陸経済連合会会長原谷敬吾君、福井県繊維協会会長前田栄雄君、三協アルミニウム工業株式会社社長沖外夫君から意見を聴取いたしました。 原谷公述人は、北陸経済は、一昨年後半から昨年にかけて徐々に明るさが出てきて、現時点では総じて堅調な推移をたどっている。内容的には繊維、機械工業、アルミ加工が高水準にあるものの、化学肥料等の素材型産業は原料高から採算が次第に悪化している。また、個人消費や雇用情勢は好調な推移を続けている。しかし、この先、資源エネルギー、物価、金融動向等を考えると前途はきわめて暗い。特に、北陸は産業構造の近代化がおくれているため、経済変動の影響が大きく衝撃も強い。この産業構造の近代化を図るための一助として、先進工業地帯からの近代的知識集約型企業の進出が望まれるが、交通基盤、特に鉄道の近代化がおくれているため、時間的距離が隘路となっている。国においては、北陸新幹線の持つ機能を考え、最優先的に着工してほしいとの意見が述べられ、前田公述人から、北陸の繊維産業は、第一次オイルショックで壊滅的打撃を受けたが、それに耐えながら、高付加価値製品化と革新織機導入による画一的量産化を指導してきた。また、通産省のファイバーメーカーに対する指導の適切さと市況の立ち直りもあり、一昨年中旬から活況が見られ始め、昨年はフル操業を行うことができた。特に北陸の高付加価値製品化への技術、中でも薄番手物の製品は、諸外国の追従を許さぬ高いものがある。こうした高い技術を維持し、繊維産業を振興させて行くためには、海外市場調査や海外見本市の開催に対する国の大幅助成が必要であり、加えて技術開発、人材育成に対する助成も不可欠である。また、諸外国の革新織機導入に対処すべく新鋭織機の導入を進めているが、資金面で商工中金の高金利が問題であるとの意見が述べられ、続いて沖公述人からアルミ産業については、政府の景気刺激策により好調に推移してきた。しかし、最近、石油価格の値上げでアルミ地金が五次にわたって値上がりとなったこと、円安基調となっていることなどから、きわめて深刻な事態に直面している。このため国は、アルミ製練業安定基本計画による設備処理計画の手直しや、公共工事請負契約約款に単品物価スライド条項を特約として加えるほか、省エネルギー製品の生産業種で産地化している地域及び企業に対し税制、金融面の優遇措置を講じてほしい。さらに北陸の経済効果を高めるために、東海北陸自動車道の早期建設を図ってほしいとの意見陳述がありました。 最後に、農業及び伝統工芸につきましては、石川県農業協同組合中央会会長藤井栄次君、石川県物産協会会長小川甚次郎君から意見を聴取いたしました。 藤井公述人は、農業を日本の基幹産業として、長期的展望に立った農政の基本方針を明示してほしい。特に、米を初め農畜産物の相対的過剰の中で生産の地域分担と食管制度の堅持は必須条件である。また、水田利用再編対策については、その目標数量が六十年代には八十万から九十万ヘクタールと言われているが、明確な目標を示してほしい。その際、北陸の自然的条件を十分加味することを切望する。転作については、大型圃場への基盤整備を行う場合、権利の調整、受益者負担の軽減などを図るほか、転作作物の価格の安定を図る対策が不可欠である。さらに、本年産生産者米価については生産者の手取りを前年より低下さないよう買い取り価格の引き上げを図るとともに、米の消費の拡大等についても配慮してほしいとの陳述があり、次いで小川公述人から、石川県の伝統産業は、旧加賀藩の手厚い保護のもとに育ったもので、今日現存する伝統技術の数は三十種類に及んでいる。現在、四十九年に公布された伝統的工芸品産業振興法に基づき、九谷焼、輪島塗、山中漆器、加賀友禅、金沢仏壇、七尾仏壇、金沢箔及び金沢漆器の八業種が指定され、生産販売量の漸増が見られるが、指定業種以外にも貴重なものが数多く存在しており、これらの振興策が重要な課題となっている。また、国内産地間の競合や発展途上国の類似品の進出があり、その存続が危ぶまれる業種も出ている。国においては、金価格の安定対策の推進や現代の生活様式に対応した商品の開発指導並びに伝統的工芸品産業振興法の指定条件の拡大を講じてほしいとの意見が述べられました。 以上をもちまして、金沢班の御報告を終わります。
○委員長(山内一郎君) 最後に、札幌班について桧垣徳太郎君にお願いいたします。
○桧垣徳太郎君 北海道班について御報告申し上げます。 北海道班は山崎理事、真鍋委員、山本委員、林委員、対馬委員、宮崎委員、小笠原委員及び私、桧垣の八名で構成、去る二月二十六日、札幌市において公聴会を開催いたしました。 公述は、経済動向及び物価問題、地方財政、農業及びエネルギーの三項目であり、七名の関係者より意見が述べられました。以下、公述の要旨につき簡単に御報告申し上げます。 経済動向及び物価問題について、まず、北海道商工会議所連合会会頭今井公述人から、北海道経済は現在、石炭、造船の構造的不況業種や農業、水産業の生産が低迷しているものの、五十二年以来の公共投資拡大により企業の稼働率も高く、収益も増加し、民間設備投資もふえるなど、総じて底固い動きを示している。しかし、石油価格の上昇によって基礎資材への価格転嫁が浸透し始めており今後、中小企業の経営が深刻になるものと懸念している。したがって、各般にわたる国の適切な物価対策が望まれる。この意味で来年度の公共事業が抑制されたのは当然である。しかし、資材の値上がりで北海道開発予算が実質的に縮小され、公共事業契約も、年度間に平準化されると、国の財政支出に依存し、公共事業の上期発注が多い北海道にとって、深刻な影響が予想される。適切な工事発注と地場産業への優先確保を願いたい。 過度な国の景気政策に頼る脆弱な体質から抜け出すには、付加価値の高い産業構造に転換することが重要で、苫小牧東部を初めとする産業基盤の整備や新幹線などの大型プロジェクト推進に国も努力願いたい旨述べられました。 函館ドック株式会社社長田中公述人は、北海道の造船業は石油ショックや、二百海里問題、円高による受注減と為替差損で構造不況に悩んでいる。労働集約型産業のため企業の存亡が直ちに地元経済に影響する度合いも強い。函館ドックでは、五十二年十月から六百億円の借入金のたな上げ、生産縮小による千七百人体制の確立、大型船舶建造設備の買い上げを進め、現在千七百人体制に見合う受注と生産体制の確立に努力している。しかし、減量経営の過程で千四百名を超える離職者が発生し、特定不況業種離職者臨時措置法等により生活の安定と再就職が図られたが、五十五年一月現在もなお中高年齢層で地元に就職を望む人々が残っている。今後、従来の造船専業から陸上部門にも進出し、バランスのとれた経営体制をつくり上げつつ、離職者の発生を防止していきたい。この意味で陸上工事に関係の深い公共事業の弾力的運用を図るなど造船業界に対する需要創出に配慮願いたい旨述べられました。 北海道生活協同組合連合会会長岡田公述人は灯油は北海道の生活を考える場合最も重要な問題である。五十四年春以来、北海道では量不足から灯油がグループ共同購入によっても必要量が確保できず、札幌などの新規転入者の場合供給されなかった事例がある。灯油の価格も現在、標準価格のときの二・二倍に上昇し、省エネルギーの努力を払っても年間二千リットルは使用せざるを得ないため、一家庭で十五万円以上の負担を余儀なくされている。今後公共料金が値上げされ、食料品等の生活必需物資も石油価格を理由に引き上げが予想されるので、一般家庭はもちろん、生活保護受給者等社会的に弱い家庭にとって過重な負担となろう。現在道庁及び一部市町村で灯油購入のための貸し付けや補助の福祉灯油制度を実施しているが、国の施策としても確立し、現在恩恵にあずからない人々にもその利益を均てんさせてほしい。また寒冷地に対するいわゆる石炭手当については減免税の措置を講ずるべきである旨述べられました。 次に、地方財政につきましては、まず函館市長矢野公述人が、四十一年度以来毎年、国は超過負担の解消措置を進めているが、その金額が少なく、是正内容も地域の実態とかけ離れており、超過負担は解決されていない。政府は絶えず、補助事業の適切な見直しをしてほしい。また、各省庁で類似したり、地方自治体と競合する補助金は整理統合し地方に交付する一方、地方自治体も安易に補助金に依存する従来の姿勢を戒めていきたい。 構造的不況業種の企業を抱える地方自治体に対し、自治省が特定不況地域振興対策要綱にのっとり、地方債の弾力的運用や特別交付税措置を講じており、地域全体の不況克服のための施策遂行に寄与している。今後地域全体の総合対策を強力に推進するため、同要綱の立法化を実現してほしい。また、病院や交通等の公営事業について、地方自主型の行政が進め得るよう国の弾力的な指導運用を願いたい旨述べられました。 夕張市長中田公述人は、産炭地域の夕張市は自主財源比率がきわめて低く、財政基盤が弱い状況にある。地域経済は、石炭産業にのみ依存してきたため、相次ぐ閉山によって疲弊し税収が激減した反面、生活基盤の整備、閉山跡地の処理など地域振興対策の解決に迫られ、財政需要は増加を余儀なくされている。自主財源の乏しい地方自治体に国の抜本的財政対策を望みたい。 第一に、地方の自主財源強化のため地方税のウエートを強化する方策とともに、地方交付税率を四〇%に引き上げ、財政力の弱い団体に補正を行い、基準財政需要額の算入措置を講ずること、第二は、義務教育施設整備など一定の行政水準の確保が困難な場合、補助率の引き上げと起債枠の拡大等補助内容の充実を図ること、第三に産炭地の振興のため五十六年十一月に期限切れとなる産炭地域振興臨時措置法の延長を図るとともに、その内容の充実強化を望みたい旨述べられました。 最後に、農業及びエネルギーにつきまして、北海道農業協同組合中央会副会長小林公述人は、北海道は三全総に位置づけられたとおりわが国の食糧基地の役割りを果たしていきたい。現在、稲作転換が最も重要問題で、他府県と比較し三倍の過重な転換目標を強いられ、今後転作の上積みが強化されると専業農家の多い北海道の稲作は崩壊のおそれがある。第二期水田利用再編成対策に当たって全国に公平な転作を割り当ててほしい。また転作奨励金の十年間継続、特定転作作物への小豆の組み入れと転作物の価格保障を願いたい。 北海道の畑作物は海外産品と競合関係にあるので、国内産で賄えない範囲に輸入を限定するとともに、現在野放しの半加工食品の輸入を規制すべきである。 全国生乳の三分の一を生産する北海道の酪農農家は、多くの負債を抱え、経営の合理化に努めている。今後、第四次酪農近代化計画設定の際、北海道のシェアを四五%以上に高めるとともに、三月の保証乳価等の政府告示価格は物価の動向を勘案し、再生産可能な水準に確保願いたい旨述べられました。 北海道電力株式会社副社長中野公述人は、北海道はエネルギー自給率が高く、中でも石炭への依存度が全国水準を上回っている。今後、年率五%のエネルギー消費が予想される一方、OPECの動向を勘案すると、エネルギー源を多様化し脱石油を進める必要がある。北海道電力は、現在、石炭、水力、石油火力がそれぞれ三分一ずつ依存しているが、今後石炭と原子力の発電を進め、十年後に石油の比重を二五%までに引き下げたい。石炭火力に転換した場合、容易に他のエネルギーに置きかえられず石炭の安定供給が重要となるので、国内炭の二千万トン体制確立の具体策と海外炭を導入する際の開発リスクや受け入れ港の整備など政府の配慮を願いたい。原子力発電は料金の価格安定の点からも必要で、立地のための合意づくりや地域振興策の強化を望みたい。 このほか、三百万キロワットと予想される地熱発電も有力なエネルギーであるが、有望地域が国立公園に含まれるなど、行政内部で調整すべき点が残されており、解決が望まれる旨述べられました。 以上報告を終わります。
○委員長(山内一郎君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。 明日は午前十時から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後六時十分散会 —————・—————