予算委員会 第3号
- 発言数
- 276 件
- 登壇者
- 38 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1980/02/14
会議録
○委員長(山内一郎君) 予算委員会を開会をいたします。 昭和五十四年度一般会計補正予算、昭和五十四年度特別会計補正予算、昭和五十四年度政府関係機関補正予算、以上三案を一括して議題といたします。 —————————————
○委員長(山内一郎君) まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。 昭和五十四年度補正予算三案審査のため、本日の委員会に石油公団理事松沢明君及び新東京国際空港公団総裁大塚茂君を参考人として出席を求めることについて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山内一郎君) 御異議ないと認めます。 なお、出席時刻等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山内一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。 —————————————
○委員長(山内一郎君) それでは、これより質疑を行います。馬場富君。
○馬場富君 最初に外交関係について質問いたします。 一九八一年度のブラウン米国防長官の米国国防報告の中で、私はさきに日本政府首脳と会談した際、日本の防衛力強化とあわせ、ソ連の世界的な軍事力増強に対応するため、日、米、西欧の合同防衛計画努力立案についての考慮を要請したと述べておりますが、だれがお会いになってどのような話をなされたか、お尋ねいたします。
○国務大臣(大来佐武郎君) ただいま御質問の部分につきましては、これは特定の会見ではございませんで、一般的な事務レベルの話し合いに基づいた発言と了承しております。
○馬場富君 質問に答えていただきたいと思います。だれがお会いになったかということ。それから、この会談で日、米、西欧の合同防衛計画の具体的内容というのはどういうものなのか、教えていただきたいと思います。
○国務大臣(大来佐武郎君) この合同計画につきましては、米国防報告書の中に書いてありますのは、世界的なソ連の軍事力増強に対抗するためには米国、西欧及び日本の共同の計画努力が必要とされるであろうことを認識するよう日本の指導者たちに対し慫慂したと、これが国防報告書の中に出ておる部分でございまして、私どもの方の解釈では、日本が自主的に自衛力を整備していく場合におきましても、アメリカあるいは西欧がやっております努力、方向を念頭に置いて同じ方向でやってほしいという一般的な願望の表現というふうに受け取っているわけでございます。 先ほどの御質問の、だれに会ったかということにつきましては、先ほどお答えしましたように一般的な事務レベルの話し合いと理解しておりますが、この点につきましては、政府委員に答弁させたいと存じます。
○政府委員(淺尾新一郎君) お答えいたします。 ただいまの御質問の件でございますけれども、ブラウン長官訪問の際にも国防当局あるいは国務省当局の随行者がおりまして、その随行者と外務省事務当局の話し合いでございます。
○馬場富君 日米安保条約とNATOとの合同防衛計画とも受け取れる節がございますが、この問題については政府はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(大来佐武郎君) ただいまお答えいたしましたように、一般的なアメリカ側の願望の表現であるという理解でございまして、日本としては安保条約の範囲を超える問題はないと考えておりますので、NATOとの関連も出てまいらないことでございます。
○馬場富君 これは日、米、西欧という関係を通しましても、集団的自衛権の行使を前提としたように私たちも受け取れるわけですけれども、そういう点はどうでしょうか。
○国務大臣(大来佐武郎君) 御承知のように、日本は集団的自衛権、これに参加することはできない立場にございます。したがって、集団的自衛権の問題はこの場合に発生してまいらないわけでございます。 なお、先ほど申しました、先方の願望の表現であるという点については、念のためにアメリカ国防省に私どもの方から照会いたしまして、そのとおりであるという返答を得ておるわけでございます。
○馬場富君 それでは、政府は将来とも集団的自衛権の行使を前提とした条約には入れないと、こういうことを私たちは思うわけでございますが、それを改めてもう一遍ここで、心配がございますから確認しておきたいと思いますが。
○国務大臣(大来佐武郎君) 集団的自衛権には入れませんし、入らないと申し上げます。
○馬場富君 次に、衆議院の予算委員会の質疑等を見ておりますと、日米安保条約の運用については政府は大幅に拡大解釈をしておるではないかという私どもは疑問があるわけでございます。そこで、次のような問題点についてひとつ答弁していただきたいと思います。 政府は、ペルシャ湾への沖繩海兵隊の行動は、移動であれば問題でないと、こういうふうに言っておるわけですが、移動とはどういうことなのか。その定義をひとつ示していただきたい。この問題につきましては、出動とかあるいは出撃だとか、あるいは中継、補給、こういう言葉が使われておりますが、それぞれの定義を示されて、対ペルシャ湾との関係でこれらはすべて認められていると、そういう点についてはっきりとしていただきたい、こう思います。
○国務大臣(大来佐武郎君) ペルシャ湾につきましては、直接日本の基地を使用して戦闘行動を行うということは事実上あり得ないと解釈いたしておりますが、ただいまの用語の正確な内容につきましては政府委員から答弁させたいと思います。
○政府委員(淺尾新一郎君) 安保条約上はっきりした定義がございますのは戦闘作戦行動ということでございます。これは御承知のように、日本の施設及び区域から直接戦闘作戦行動のために発進するということでございます。 移動ということは、安保条約上必ずしも明確な定義はございませんけれども、日本の施設及び区域から軍隊が離れていくということでございます。それから、出動ということは必ずしも明らかでございませんけれども、常識的には戦闘作戦行動及び移動の両方を含まれるということと思います。それから、中継でございますけれども、これはいわゆる米軍が日本の施設区域に一時立ち寄っていくという、立ち寄りという方の意味で使われております。
○馬場富君 いままで国会等の答弁で総理の答弁を聞いておりますと、ペルシャ湾における有事の際はわが国は——政府はですね、無条件に日米安保条約を通して米国を支援するという、そういうような形に私どもはとれるわけでございますが、そこの基本的な方針を総理大臣お願いしたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) 現行安保条約は締結以来全然変わっておりませんです。政府のこれに対する解釈も変わっていないわけでございます。しかし周囲の状況は、ベトナムの戦争があったりペルシャ湾に緊張状態が起こったりしておりますことは御指摘をまつまでもないことでございますが、安保条約が変わっていない以上は、私ども周囲の事情が変わったからといって安保条約を弾力的に解釈したり運用したりすることはいけないことと心得ておるわけでございまして、安保条約の運用におきましては以前と少しも、こういう周辺の事情が変わりましても安保条約の運用におきましては従来どおりの方針に従ってやっておるわけでございます。アメリカも同様の見解を持っておられることと思っております。
○馬場富君 それでは、現在沖繩からペルシャ湾に向けてそういう行動を起こしておるわけですけれども、それについては条件がございますか。
○国務大臣(大平正芳君) ペルシャ湾に若干の緊張が見られるということは事実問題としてあるわけでございまして、それに対してアメリカがある種の対応をいたしておるわけでございますが、安保条約上支障を来すようなことは全然起こっておりません。
○馬場富君 では、いまの行動というのはやはり安保上の一つの義務でございますか。
○国務大臣(大平正芳君) 安保条約におきまして在日米軍が行動を規制されておる場合は、日本を作戦基地として出動する場合は事前協議の対象になっておりますが、それ以外はアメリカ軍として自由でございますので、安保条約上これを規制する何らの規定もないわけでございます。
○馬場富君 そういう規定がないなら、日本の政府としては、在日米軍の基地の使用に問題があったときには一定の歯どめをかけることができるかどうかです。
○国務大臣(大平正芳君) 安保条約はそんなことは書いてありませんし、われわれはそういうことをまた新しく、新しい規制を設けようと、そういうことも考えておりませんし、アメリカも考えていないと思います。
○馬場富君 たとえば弾薬の輸送だとか、あるいは重要な補給基地となるような、こういう場合に、相手国に日本への攻撃の口実を与えるようなおそれができる場合があったとしたら、米軍の在日米軍基地の使用を制限したり、そういう場合はストップすることができるかどうかということです。
○国務大臣(大平正芳君) 安保条約に制限がない限りにおきましては自由なのでございまして、格別の制限を加えることは日本としてできないわけでございます。ベトナムの戦争のときがそうであったように、今日の場合も変わりありません。
○馬場富君 第三国の相手国がそういうアメリカの行動によって日本を攻撃するというような、そういう問題が生じた場合のことですよ。
○国務大臣(大平正芳君) 恐縮ですが、もう一度御質問の御趣旨を。
○馬場富君 アメリカと日本と日米安保条約によっての関係性があると、そういう場合に、アメリカが戦争状態に入ったような場合に、相手国から日本がそのために攻撃されるような口実を与えるような条件になったときに、非常に日本が危険にさらされた場合、そういう場合に日本が基地使用等について制限をしたり断ったりすることができるかということです。
○国務大臣(大平正芳君) 私が申し上げておりますように、現行の安保条約の条章並びにそれに基づくところのいろいろな協定は従来どおり堅持しておるということでございまして、それに抵触しない限りにおいて自由でございますし、それに抵触する場合には日本として事前協議にかけるとかなんとかやらなければならぬと思っておるわけでございまして、いまあなたが提示されておる問題は、具体的な場合どのようなケースに当てはまるのか私ちょっと理解しかねるわけでございますけれども、要するに、安保条約の誠実な運用を通じて私どもは対処していっておるわけでございますし、いま現にそうやっておりまするし、今後もそうやっていきたいと思っております。
○馬場富君 次に、米ソ間の緊張状態が続いておりますが、今後の見通しを政府はどのように見ておりますか。
○国務大臣(大来佐武郎君) この米ソ間の緊張はアフガニスタンの問題を契機に高まっておることは事実でございますが、同時に、デタントということが全面的に否定されたとは私ども考えておりません。これはカーター大統領の教書の中でも、SALTの交渉を継続するということ、それからアメリカとソ連が世界の平和の維持に重大な責任を持っておるのだということを申し述べておるわけでございますし、ブレジネフも、このデタントの問題を否定する者は世界じゅうにないだろうというような発言をいたしておりますし、また、先般行われました独仏首脳会議におきましても、デタントの継続の重要性を認めておりますので、確かに緊張は高まっておりますけれども、同時に平和を維持しなきゃならないということについての関係各国の決意は継続しておるものと私どもは見ておるわけでございます。
○馬場富君 現在の日ソ間というのは、アフガニスタン介入以来やはり悪くなっているのか、それとも何ら変わっていないかどうか、その点について答弁願いたいと思います。
○国務大臣(大来佐武郎君) 全然変わってないとは申しかねると思います。確かにこのアフガニスタンへのソ連の軍事介入につきましては、日本政府も正式にこれに対する抗議を申しておりますし、また緊急国連総会におきましても、日本代表から即時撤兵を求める発言、あるいは決議に参加しておるわけでございまして、この国連の決議には百四カ国がその決議に賛成し、日本もその一つに加わっておるわけでございます。
○馬場富君 この問題については、総理は施政演説等で相当強気で、犠牲を伴うものであってもそれを避けてはならないという意味の答弁をされておりますけれども、ソ連の軍事介入という問題は、国の立場を考えてみますと、やはり北方問題等につきましては、これは前途が非常に厳しくなってきたのではないかと、こういうふうに私どもは見るわけでございますが、この点はどうでしょうか。
○国務大臣(大来佐武郎君) これはやはり今後の情勢の推移を見なければならないことでございますけれども、この問題が直ちに北方問題に直接に響いてくるかどうか、これは今後のソ連側の出方を見なければ判断できないと考えております。
○馬場富君 三月ごろからは日ソ間で漁業交渉の時期となってくるわけですが、今年度の日ソ漁業は大きな影響を受けるのではないかと、こういう心配がされますが、この点はどうでしょうか。
○国務大臣(大来佐武郎君) 今春の日ソサケ・マス漁業交渉につきましては、現段階で見通しを述べることは大変困難なわけでございますが、わが国としては、漁業の維持及び安定を考えながら対処していかなければならないと存じております。
○馬場富君 現在のソ連政府は、色丹島に軍事施設を構築しております。その一方では、領土問題は解決済みであるという態度を示しておるわけでございますが、これは日ソ共同宣言の九項の違反の疑いがあるじゃないかと、こういうふうに私どもは見るわけです。今日も日ソ共同宣言は有効に生きているかということについてソ連の態度はどうでしょうか。
○国務大臣(大来佐武郎君) 共同宣言は正式な外交文書でございまして、日本側としては当然この文書はいまもって有効であると解釈いたしておりますし、ソ連側からは別に意思表示はございません、これを否定する表示はございませんので一ソ連側としても同様のことだと考えております。
○馬場富君 次は、いま問題になっております北海道のレポ船のソ連側への情報提供の問題についてでございますが、この種の関係についてはソ連側となれ合いの拿捕だという、そういう疑いが強く持たれております。この点につきましては、やはりこれは重大な問題でございますが、その点についての調査はどうされておりますか。
○政府委員(鈴木貞敏君) お答えいたします。 ただいまの御質疑の北海道のいわゆるレポ船の事件でございますが、この件につきましては、ことしの一月九日、北方領土に駐留するソ連国境警備隊の指令によりまして情報活動を行っておりました根室の漁民でありまする清水一巳それから坂下登、坂下雄二、この三人を関税法並びに検疫法違反で検挙しまして、一月十日に釧路地検に送致しているわけでございます。 この逮捕の理由となった事実は、被疑者らがソ連の国境警備隊と連絡のために、昨年の九月二十五日、それから三十日の二回にわたりまして、ひそかに——約十トンぐらいの船でございますが、第十八和晃丸という船で色丹島の穴澗港に行きまして、その際、北海道で購入しました露文タイプライターであるとかスーツケースであるとか、こういった物品を渡しまして不法に輸出したということと、さらに根室港帰港の際に検疫の手続をしなかったと、こういうふうな容疑で逮捕したというふうなことでございます。
○馬場富君 それとは別に、やはりソ連側との関係で、拿捕の問題等についてはなれ合い的な行動がかなりあると、こういう疑いの声がずいぶん出ておるわけですが、それに対する調査はどうでしょうか。
○政府委員(鈴木貞敏君) いわゆるレポ船というものにつきましては、いろいろ多くの風評があるということは警察も承知をしております。そういうことで、その実態を解明するということで北海道警察も努力しておるということでございます。
○委員長(山内一郎君) 関連質疑を許します。宮崎正義君。
○宮崎正義君 いまのレポ船の問題でございますが、残念なことには現職の調査官も自殺をしております。この事件に関係があるかどうか、この問題についてはまた別としましても、かなりのうわさがあるわけであります。こういう事件をどう総理は受けとめておられるか。それからまた、その原因というものはどこにあるのか、こういう点と、もう一つは、今後この対応策をどうしていこうとされるのか、こういう問題について、またこれはスパイ罪等の問題に関係いたしましてもどういうふうにお考えになっているのか、この点を伺っておきたい。またこの事件について閣僚と話し合いをされたかどうか、この点もまずお伺いいたしたいと思います。 それから、関係の各大臣に私はそれぞれの所管の立場でこの問題についてのやはり対応処置、そういうものについての御所見を一応伺いたい。外務大臣、法務大臣、自治、大蔵、運輸、厚生、農水大臣のほかに公安調査庁の長官のそれぞれの所見を伺って、この問題に対する処置というものを考えなければならないと思うわけでございます。
○国務大臣(大平正芳君) 問題の公安調査官の自殺問題でございますが、これは私が受け取る報告では、病気を苦にして自殺の道を選んだという報告を受けております。そして、この者を通じて秘密が漏れた形跡はないという報告を受けております。これが私がただいままでこの事件について受けました報告の概要でございます。
○宮崎正義君 この種の事件の原因、対応処置。
○国務大臣(大平正芳君) それだけの報告を受けておるわけでございまして、それ以上の事実関係が明らかになってまいりますならば報告があるでございましょうし、その報告を踏まえて判断したいと思います。
○宮崎正義君 総理ね、この種の事件がなぜ起きているのかというその原因と、それからこのレポ船の問題、将来どんなふうな対応策をしていくのかということを聞いているわけです。それと同時に、スパイ罪なんかの考え方はどういうふうなお考えを持っているかということを聞いているわけですよ。ちゃんと答弁してくださいよ。
○国務大臣(大平正芳君) それはまだ早いのでございまして、いまこの公安調査庁の調査官の自殺問題についてはそういう報告を受けておるという以上の報告を私受けていないのでございまして、これから憶測をたくましゅうすることは私の立場でできないことを御承知願いたいと思います。
○宮崎正義君 私、関連質問ですからね、時間のこともありますのでね、突き詰めた質問だけしているわけです。 そのレポ船は、漁民が安全な中で操業を行わなきゃならないそういう環境、そういう原因があってこのレポ船事件というものが起きているわけです。問題の根拠はどこにあるのか、そういう原因を聞いて、その原因をどう処置していくのかという、これは国が漁民を守るためにも、そして安全操業をさせるためにも、先ほど馬場委員からも質問があった北方四島は固有の領土であるというその問題点からもこの問題が派生しているわけです。そういう原因のことを明らかにしていかなければ、この問題は将来もずっと続いてくるということなんです。だから聞いているわけですよ。
○委員長(山内一郎君) 宮崎君、各大臣に聞いてからまた最後に総理にされたらどうですか。
○宮崎正義君 はい。
○国務大臣(大平正芳君) あなたの御質問は、レポ船の事件とそれから公安調査庁の調査官の自殺事件と一緒にしての御質問のようでございますが、私は公安調査庁の問題をお聞きいただいたと思いまして、それにつきましてはこれだけの報告を受けておるにとどまっておると。レポ船との関係などということは、私はまだ耳にしていないわけでございます。それは御承知願いたいと思います。 それから、レポ船の問題につきましては、いま調査が行われておるようでございまして、この調査によって事態の解明が行われて、それを通じてこれに対する対応措置を考えなければならぬと存ずるわけで、どういう原因で行われたかというような点は、事実をよく明らかにした上で対応を考えなければいかぬのではないかと考えております。
○国務大臣(倉石忠雄君) 昨日のこの席でも御報告申し上げたのでありますが、公安調査庁の船山課長、しばらく前から病気をいたしておりまして休んでおったのでありますが、それがたまたま自殺をいたしたということでございますが、レポ船というのは、もう申し上げるまでもなく御存じのように、それ自体が特別な考えで独断でああいうことをやっておるのでございまして、これは私ども公安調査庁の方の立場から申しますというと、現にそういうものが存在いたしておりますので、やはりいろいろな情報をとるためには、漁業者からもいろいろな情報をとることは当然あり得ることでございます。 そういうことについてどういうふうにしたらいいかと。これは漁業を守る、またわが国の権益を守るという上においても重要な事柄でございますので、私どもといたしましては、情報をとることについて公安調査庁はその責任を負っているわけであります。先ほど警察側からもお話がございましたように、そのために今回の事件で国家の機密が漏れたというふうなことはございません。なお、これからも慎重にこういう調査活動は続けてまいるつもりでございます。
○国務大臣(後藤田正晴君) いわゆるレポ船事案というものが現地では相当行われておるという風評はかねがね聞いておるわけでございます。なぜこういう事件が起きるのかと言えば、あなたがいまおっしゃったように、確かに領土の問題あるいは二百海里の問題、安全操業の問題、漁民の生活の問題、さらには国民意識全般の問題、いろいろ複雑な私は要因があるのではないかなと、かように考えておりますけれども、警察といたしましては、やはりまあ俗な言葉ですけれども、検挙にまさる防犯なしと、大変狭い立場でございますけれども、そういう言葉があるくらいでございまするので、私どもとしてはやはり現行の諸法令を活用することによってそういう事案の予防並びに検挙ということに努力をすることで国の秘密が外に漏れるといったような事案に対処していきたいと、かように考えておるわけでございます。
○国務大臣(武藤嘉文君) 北方の漁業につきましては、御承知のとおり、日ソ漁業協定に基づいて操業が行われておるわけでございます。今後ともその安全操業が、また漁業の維持安定が図られるよう、私どもの立場としては一層努力をしてまいりたいと思っております。
○政府委員(西本昌基君) お答えいたします。 旭川地方公安調査局の船山課長の自殺の原因でございますが、以前から慢性胃炎と高血圧症の持病がございまして、それに加えてことしの一月五日から一月十八日までの間、声帯ポリープの手術のために入院していたのでございます。そういった病気を苦にした自殺だと推察されるわけでございます。 この自殺した船山課長は、地域住民と幅広く接触いたしまして情報活動に努めていたと考えられます。したがいまして、その中に拿捕された漁業関係者もいたということは十分考えられるわけでございます。
○国務大臣(地崎宇三郎君) 海上保安庁といたしましては、違法操業に対しましては十分取り締まりをしておるわけでございますが、この問題について私は熟知しておりませんので、感想を述べることに対しては御遠慮いたしたいと思います。
○宮崎正義君 いまの答弁、聞こえなかった。運輸大臣の語尾がわからなかったので、もう一回説明を。
○国務大臣(地崎宇三郎君) この問題につきましては十分熟知しておりませんので、感想を述べることについては御遠慮させていただきたいと思います。
○国務大臣(野呂恭一君) この事件に直接厚生省がどういう関係を持っておるか……
○宮崎正義君 検疫だ。
○国務大臣(野呂恭一君) 検疫の問題がございますれば、そういう事件が起こらないように今後とも十分に留意してまいりたいと考えます。
○宮崎正義君 各関係大臣の答弁を聞いて——まだ大蔵大臣、言っておりませんけれどもね、関税の問題があります。それから運輸大臣、海上保安庁の警備の状態はどういうふうになっているのか、その面もありますし、いろいろこの海域の問題については、それぞれの関係省庁がこのレポ船という事件のただこれだけでなくて、この背景にあるものの考え方、この点をはっきり私は知っていかなければならないと思うから言っているわけです。もう先ほども申し上げましたように、北方領土四島は固有の領土であるのだという、言うならば、日本の領土内で漁民がその生活権のために操業をしている、そうしたその問題点の根本を解決しなければならない、北方領土の問題を解決しなければならない、そこから生ずる問題なんですから、そういうことを加味しながら私は大臣の皆さんにも伺っていたわけなんです。 最後に、総理大臣の意見を聞いて私の質問をやめます。
○国務大臣(大平正芳君) 北方水域における安全操業の問題、仰せのように、日ソ間の未解決の領土問題をはさんだ環境のもとで行われておるわけでございまして、この安全操業を確保していくにはいろいろ工夫が必要だと存じております。関係当局を中心にこの円滑な安全操業の確保のために最善の努力を払っていかなければならぬと考えております。 第二に、そういう間におきまして、機密漏洩というようなことが行われておったかどうか。これは警察当局の調査の結果に待たなければならぬわけでございますけれども、その調査を踏まえまして、政府としては、国家を守る立場から、国益を守る立場から妥当な措置を工夫していかなければならぬものと考えておりまして、この問題につきましては、御質問を待つまでもなく、政府としては慎重にまた真剣に対応してまいらなければならぬと考えております。
○馬場富君 次は、石油価格の高騰につきまして、昨日も卸売物価の高騰が発表されております。この原因の中で石油の値上がりがやはり大きいウエートを占めておると、こういうふうに私ども思うわけですから、その点について経企庁の方からの御答弁をお願いします。
○国務大臣(正示啓次郎君) 御指摘のとおり、最近の卸売物価の非常な上がり方につきましては、一番大きな原因は、原油価格の高騰にあることはそのとおりでございます。私どもは、その影響をできるだけ国内に波及させないように、いわゆる素原材料の段階でできるだけそれを抑えまして、中間製品、完成品の方にはこれを波及させないことが物価政策の一番大きな眼目と心得て努力をいたしております。
○馬場富君 続いて、石油製品の値上がり問題について質問いたしますが、五十年十二月一日に通産省は、石油精製業者の石油製品の販売価格の標準額を告示しておりますが、この数字について示してもらいたいと思います。
○政府委員(森山信吾君) ただいまの御指摘の石油業法に基づきますところの石油製品販売額につきましてお答えを申し上げます。 実施は五十年の十二月一日でございまして、四油種につきましての標準額を設定したわけでございます。 まず第一に、自動車用揮発油キロリッター当たり五万三千七百円、それからナフサ、キロリッター当たり二万九千七百円、それからC重油は、〇・三のローサルファがキロリッター当たり二万九千七百円、それから三・〇のハイサルファの分につきましてはキロリッター当たり二万一千九百円、こういうことになっております。
○馬場富君 この標準額設定につきまして、このとき石油審議会が標準額設定についての答申をしております。その理由と、このときの石油製品価格の現状について説明してもらいたいと思います。
○政府委員(森山信吾君) 五十年の十一月二十九日に石油審議会の答申がございました。 端的に申し上げますと、当時の石油製品の平均価格がコスト割れの状態にあるというのが一つの理由でございます。それから、五十年の十月一日以降のOPECの原油価格の引き上げ、この二つの理由によりまして、大変安定的な供給に支障があると、こういう理由のために標準額を設定すべきであると、こういう答申をいただいたわけでございます。 それから第二点の当時の石油価格について申し上げますと、先ほど申し上げました油種について申し上げますと、ガソリンにつきましては、五十年十月現在の価格で五万一千二百円でございます。それからナフサが二万六千円でございます。それからC重油につきましては二万二千円と、こういう状況になっております。
○馬場富君 そのときの標準額設定については、石油の標準額が実は高くて、そしてそのときの時価の方が安かったわけですね。こういう標準額の決定というのは、値段を高くつくりあげるための一つは設定であると、こういうわけで、そのために結局この措置というのは石油精製業者をもうけさせたと、こういうことに私たちは理解できると思いますが、この点どうでしょうか。
○政府委員(森山信吾君) 先ほどお答え申し上げましたとおり、当時の市況が大変悪うございまして、いわゆる安定かつ低廉な石油の供給に支障があると、こういう理由が標準額設定の理由になったわけでございます。これは答申で示されたとおりでございまして、いま馬場先生御指摘のとおり、市況より少し上の価格設定をしないと、いたずらな過当競争が起こりまして、石油企業の存立に大変な危機感があると、こういう理由によりましていわゆる下支え的な標準額を設定したわけでございます。これはあくまでも石油の安定供給という観点からの措置だというふうに私どもは理解をしておるところでございます。
○馬場富君 この設定について法律的な一つ根拠があると思いますが、その個所の条文をちょっと読み上げてもらいたいと思います。
○政府委員(森山信吾君) 石油業法第十五条でございますが、「通商産業大臣は、石油製品の価格が不当に高騰し又は下落おそれがある場合において、石油の安定的かつ低廉な供給を確保するため特に必要があると認めるときは、石油製品の生産費又は輸入価格を基準とし、石油製品の国際価格その他の経済事情を参酌して、石油精製業者又は石油輸入業者の石油製品の販売価格の標準額を定めることができる。」「通商産業大臣は、前項の規定による標準額を定めたときは、遅滞なく、これを告示しなければならない。」。 以上でございます。
○馬場富君 それでは次に、経企庁の方に。 五十二年から円高が始まりまして、五十四年まで続いたわけでございますが、五十二年と五十三年の円高差益による石油業界の利益を示してもらいたいと思います。
○国務大臣(正示啓次郎君) 数字をいま政府委員からはっきり申し上げます。
○政府委員(藤井直樹君) 石油関係の円高差益につきましては、五十一年度の状況に対して五十二、五十三年度がどういうことになってきたかということで、主としてレートの変化に着目して算定しているわけでございますが、五十二年度につきましては八千百億円、五十三年度につきましては二兆一千三百億円という数字が算定されております。
○馬場富君 いま読み上げてもらった数字を見ますと、五十二年、五十三年は国民は円高不況で困っておったときに石油業者だけはこのようなもうけがあったと、こういうことに理解してよろしゅうございますか。
○国務大臣(正示啓次郎君) これは円高差益を、いま申し上げたように、把握できるわけでございまするので、御案内のように、通産当局におかれては、その環元についても措置をされたように承知をいたしております。
○馬場富君 それじゃ次に、時間がございませんので。 イラン革命によりまして昨年から原油がさらに値上がりを始めました。そのために、待っていたとばかりに石油製品の価格が上がり始めたわけでございますが、ここで五十年、五十一年、五十二年、五十三年の関税通過の原油価格とそれから灯油の小売価格について、それからまた、五十一年度は一月から五十五年度の一月まで月ごとの発表をしてもらいたいと思います。
○政府委員(森山信吾君) まず最初に、原油の輸入価格の推移をお答え申し上げたいと存じます。 五十年は、年平均いたしましてキロリッター当たり二万二千百四十二円でございます。五十一年が二万三千四百八十九円、五十二年が二万二千九百二円、五十三年が一万八千三百六十六円ということでございます。 それから、灯油価格の推移につきましてお尋ねがございましたが、五十年の平均で申し上げますと、十八リッター当たりの値段が六百七十九円でございます。それから五十一年が七百六十四円、五十二年が七百九十一円、五十三年が七百五十九円、五十四年が九百四十四円、こういう状況でございます。
○馬場富君 五十四年一月から五十五年一月までの月間の関税通過の価格と、灯油の小売価格については経企庁の方で結構ですから発表してもらいたいと思います。
○政府委員(藤井直樹君) 灯油価格につきましては、東京都の区部の数字で総理府の小売統計から申し上げますと、五十四年の一月は七百二十六円、二月は七百二十九円、三月七百二十九円、四月七百二十九円、五月七百三十八円、六月八百八十七円、七月九百六十八円、八月千四十円、九月千百十円、十月千百五十円、十一月千百八十四円、十二月一千三百三十三円でございます。
○政府委員(森山信吾君) 原油の輸入価格の月別を申し上げます。五十四年の一月が一万七千五十九円、二月が一万七千八百四十八円、三月が一万八千七百七円、四月が二万四百二十八円、五月が二万二千七百六十五円、六月が二万三千九百一円、七月が二万五千六百十七円、八月が二万八千七百二円、九月が三万六百六円、十月が三万二千二百十円、十一月が三万六千五百五十七円、十二月が三万九千十三円と、以上でございます。
○馬場富君 いまの数字でおわかりだと思いますが、原油の値上がりの比率よりも灯油の小売価格の方がはるかに大きいということがわかるわけです。それに灯油の値上がりの方は非常に急激に上昇しております。そういう点で非常に原油価格の上昇よりも一つは上がる方が早いと、こういうような結局状況がこの数字の中から見えるわけですが、この点について、やはり原油の値上がりの損失は灯油を買う国民に多くあるということをこのデータは私は示しておると思うんですが、この点についての御答弁をお願いしたいと思います。
○政府委員(森山信吾君) 原油の輸入価格は、先ほど申し上げましたように、五十四年の一月が一万七千円でございまして、十二月が三万九千円でございましたから約二三〇%のアップということでございまして、二・三倍になったわけでございますが、この一年間の灯油につきましての値上がりは、私どものつかんでいる範囲内では、平均いたしますと大体九〇%ぐらいの値上がりということでございますので、灯油の値上がりよりは原油の値上がりの方がはるかに高いという実感を持っておる次第でございます。
○馬場富君 ここでひとつ通産省に注文いたしますが、前からも、現在の原油価格でこれだけ国民が石油製品の高騰で困っておるわけだから、それを監督する官庁である通産省が現在の原油価格で精製したならば小売価格のものはどれほどのものができるかという算出をしてみるべきだということを私は再三通産や経企庁に要求したわけですけれども、この点どうでしょうか。
○政府委員(森山信吾君) ただいま御指摘の灯油の小売価格のしかるべき基準を公表しろという御質問に対しましては、私どもも常日ごろお答え申し上げておるところでございますけれども、現在は何といいましても量の確保、原油の量の確保をすることが最大の課題である、こういう認識でこの需要期に対する対策を講じてきたわけでございます。したがいまして、ある一定の小売の希望価格的なものを公表いたしますと値段がどうしても固定化いたしまして、それがひいては原油の調達に大変な支障を来す、また石油の流動的な動きに対して適切な対応ができない、こういう理由のためにあえて公表に踏み切れない、こういうことでございまして、根幹はいかにして原油の調達を確保するか、その上でいかにして灯油の量を確保するか、こういうことにあるということを御理解を賜りたいと思う次第でございます。
○馬場富君 私は、いまここで公表してくれと言っているわけではございません。そういう点で委員長にお願いをして資料請求をしたいと思いますが、現時点の原油の購入価格での小売値段は標準価格を決定する方程式に基づいたら幾らになるかということを一つは要求いたしたいと思います。
○政府委員(森山信吾君) 標準額を設定するという考え方のもとに、幾ら幾らの値段が適切であるかという基準を示せという御質問でございますけれども、これも先ほどお答え申し上げましたように、ここで私どもが一つの基準を決めましてそれを国会の場で公にするということになりますと、どうしても価格というものが固定化するおそれがある。そういうことで、先ほどお答えいたしました量の確保に支障を来す危険性がございますので、ここでその数字を申し上げることは控えさしていただきたい、かように存ずる次第でございます。
○馬場富君 私の手元に資料をいただきたいということを言っているわけです。
○委員長(山内一郎君) 後ほどまた理事会で協議します。
○馬場富君 何回か請求しても国民のために出すことがなかなかむずかしいようですから、私は、そのために十一月の原油値段三万六千五百五十七円をもとにして、通産省が五十年の標準価格を決めたときの算定方式でもってこれを計算してみました。そしたら、それはやはりマージン等も入れまして小売価格は十八リッターが千七十八円という数字が出てきました。それで現在の千三百三十円の小売からいきますと、そういうやはり開きが通産省の出した方程式でもってやってもこういう結果が出る。こういうことを見まして本当にこの点についてもっともっとやはり監督すべきではないかと思いますが、その点はどうでしょうか。
○政府委員(森山信吾君) ただいま先生の御指摘になりました点は、原油の値段と製品の値段の期間をどう見るかということだと思います。したがいまして、標準額設定のときに私どもが使いました方程式は、それなりに方程式として使えると思うのでございますけれども、私どもがとっております政策は、原油の値段が上がりまして、それを上がった値段で買った時点から二カ月後に製品価格に転嫁させると、こういう仕組みをとっているわけでございます。その二カ月は、原油が通関されるまでに一カ月、それから通関された後製品になるまでが一カ月と、この二カ月でございまして、その期間をどう見るかによりまして価格はまちまちになるということでございますので、私どもの価格の決め方のメカニズムをいま御紹介した次第でございます。
○馬場富君 あなたが二カ月とおっしゃるから、私は、だから十一月のあれで、二カ月のあれではじいたわけですよ。それだから、何らあなたが言うことと変わっておるわけじゃなくて、二カ月の過程での算出をしておるわけです。 これはここでおきまして、このような状況で石油価格が実は上昇してきておるという状況でございますが、これは五十年のときには下がるのをとめるために一つは標準価格が設定された。今度は国民がこれほど困るような状況になってきておる。そういうときに、いままでの議会答弁等を見ましても、総理等も、これは自由に任せるべきだというような意見を述べていらっしゃいますけれども、そういう点について、ここらあたりでやはりこの石油価格については、五十年等の石油業法の問題もございますので、検討すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(森山信吾君) 先ほど石油業法の第十五条をお読み申し上げましたときに申しましたことでございますが、石油製品の価格が不当に高騰するおそれのある場合ということでございまして、その不当性の問題をどう見るかということでございます。 私どもが考えておりますのは、先ほどお答えいたしましたとおり、この需要期に際しまして国民の皆様方に量的に不安を与えることのないようにすることが第一の条件ではないかということでございまして、供給にまずウェートを置いたと、それから価格の問題と、こういう二段構えでやったわけでございます。 したがいまして、その不当性の問題はさておきまして、原油の量の確保を図るためには、ある一定の価格転嫁メカニズムを認めないと原油というものは海外へ流れていってしまいます。そこで市場メカニズムにある程度任せるという方式をとったわけでございまして、その方式の結果、御承知のとおり、昨年は二億八千万キロリッターという計画どおりの原油が調達されたわけでございまして、そこで量が確保されますと、後の問題といたしまして、その価格をいかに便乗値上げをさせないかという二段目の政策になってくるわけでございますので、現在は先ほど申し上げましたような方程式で便乗値上げにならないように十分気をつけておると、こういう状態でございますから、需給の関係が全くバランスがとれておると、こういうことでございますので、不当に価格が高騰するというときには当たっていないと、こういう解釈で現在は標準額のことは考えていないと、こういうのが実情でございます。
○馬場富君 次に、やはり石油危機を救うものの中に、一つは中国原油の輸入の問題がございますが、この点について現況を説明していただきたいと思います。
○国務大臣(佐々木義武君) 中国原油は、いまお話がございましたように、供給源の多角化という面から見ましても大変重要性をただいま増しつつございます。御承知のように、一九七三年から輸入が始まりましたが、その年には百万トンそこそこでございました。それが一九七八年には七百二十万トンになりまして、ことしは八百万トンの予定でございましたが、いままでの交渉では、なかなか七百万トン以上はという話でございまして、懸念しておりましたけれども、先日中国の貿易部長の李先生が見えまして、いろいろ交渉いたしました結果、その後本年も予定どおり八百万トンは出しましょうということになりまして、安心しているところでございます。 今後どのくらいそれじゃ入ってくるのかということでございますが、これはいままでの計画によりますと、一九八二年は千五百万トン、八三年以降は千五百万トン以上ということになっておりまして、その計数等はその後の折衝にということになっております。
○馬場富君 これは数字を見ましても、まだ全体の三%程度しか現在輸入されておりませんが、この点についても強力な推進をお願いしたいと思いますが、あわせましてヨーロッパの石油危機を救った一つに北海油田の開発がございました。その中でやはりオランダ等は、ほとんどガスの使用を一つはエネルギーとして対策を行っておるのが状況でございますが、中国関係の油田の中でガスの埋蔵量はどんな状況でございますか。
○政府委員(森山信吾君) 天然ガスの埋蔵量につきましては、いろいろな調査があるわけでございますけれども、一応確認されました埋蔵量といたしましては七千億立方メートルということでございまして、原油換算にいたしますと約七億キロリットルに相当いたします。
○馬場富君 この天然ガスについては、現地調査をされた関係で、石油公団から来ていただいたので、その事実の状況を教えていただきたいと思います。
○参考人(松沢明君) お答えいたします。 天然ガスの埋蔵量というものは、ほとんど中国側は発表しておりませんので正確な教字はわからないのですが、ただ専門家がいま森山長官が申し上げたような数字を出しているということ。ただ、最近中国では、非常にいままで掘った油田の深いところを新しくアメリカから輸入したようなリグで掘るようなことをやっております。そうしますと、やはり深いところはどちらかというと非常にガスが多くなる、そういうのは一般的な技術的な理由づけができるわけでございまして、そういう意味で、中国では、これから深い油層の開発をやりますと、それに伴って天然ガスがかなり大きな量で出てくるという可能性を秘めているのではないかと、こういうふうに考えます。
○馬場富君 ちょうど中国原油が一つは重質油のためにコスト高になるというマイナス面がございますが、やはり天然ガス等につきましては、距離が近いという点でコスト安という点が考えられるので、そういう点をあわせてこれからの日本の近い距離のエネルギー対策としては重要点ではないかと、こう考えますが、どうでしょうか。
○政府委員(森山信吾君) 先生御承知のとおり、私どもは石油の依存率、エネルギーに占めます石油の依存率を十年間の間に五〇%に引き下げていこうという基本的な目標を持っているわけでございます。その際の代替、石油にかわるものといたしまして天然ガスの比重を大変重く見ているわけでございまして、そういう意味からいいますと、いま御指摘のとおり、近隣の国からのLNG等の輸入といいますものは今後の日本にとりまして大変大きな課題になってくるということでございますので、私どもも真剣に取り組んでまいりたいと、かように考えておる次第でございます。
○馬場富君 次に、交通事故の被害につきまして質問いたします。 交通事故は依然として自動車台数のふえるに従って後を絶ちません。そういう点で、やはり長期の療養や、死亡されたり、あるいは後遺症のために本人や家族も大変な状況の人が多いわけですが、事故後の処理のために高額な支出ができないで苦しんでおる人がございます。そういう点で、この保障の状況を説明していただきたいと思います。
○政府委員(飯島篤君) お答えいたします。 自動車事故の救済につきましては、自動車損害賠償保障法によりまして、自動車の運行による人身事故について自動車の保有者等の損害賠償責任を無過失責任に近づけますとともに、損害賠償義務の覆行を確保するため自賠責保険制度等を設けているところでございます。また任意の自動車保険がこれを補完するものとしてあるわけでありいます。さらに自動車事故の被害者の保護の一層の増進を図るために、自動車事故対策センターにおきまして交通遺児等、自動車事故被害者に対する生活資金の貸し付け、自動車事故により重度の視器障害に陥ったものに対する介護料援助等の業務を行うほか、各種の被害者救済対策事業を実施しているところでございます。
○馬場富君 事故の被害状況の調査等を見ましても、やはり事故後の家庭の困窮度が非常に目立っております。そういう点で、最近治療費がかさむ関係で治療関係費の百二十万円を超える治療というのは相当多く出てきておりますし、それからまた、このために家族の生活を保障する休業補償や慰謝料等ももらえないと、このような状況が考えられますが、そういう点についての見解を聞かしてもらいたいと思います。
○政府委員(飯島篤君) 傷害の場合に、自賠責保険におきましては治療費、休業損害、慰謝料等の各項目につきまして定められた基準によりまして損害額を算定して、一定の限度額の範囲で基本的な保障をするということになっているものでございます。 傷害の程度が重くて治療費がかさむような場合には、御指摘のように、被害者が結果として休業損害及び慰謝料を実質的に受けることができないことがあり得ることは、先生御指摘のとおりでございます。しかしながら、このような場合でございましても、限度額の範囲でトータルで見ますれば、被害者の損害が軽減されるということになるわけでございます。
○馬場富君 やはりこういう限度額を超えるような、そういう請求等に対して百二十万の枠というのを一つは増額することと、それからもう一つは支払いの区分の仕分けをした方がいいんじゃないかと、こういうように考えるわけですが、その点はどうでしょうか。
○政府委員(飯島篤君) お答えいたします。 自賠責保険におきます傷害保険金の限度額につきましては死亡、後遺障害の場合の保険金の限度額の改定に合わせまして、五十三年の七月に百万円から百二十万円に引き上げたところでございます。 今後の改善につきましては、裁判所における判決、調停等におきます賠償の水準、物価、賃金等経済社会情勢の動向、保険収支の状況等を勘案しながら、被害者保護に欠けることのないよう検討してまいりたい所存でございます。 また、先ほどお話のありました診療費、休業損害、慰謝料について、各損害項目につきまして限度額を設けることにつきましては、これらの項目が被害者の損害についての積算区分にすぎない。たとえば診療費につきまして限度を設けましても、これを超える費用は結局は被害者の負担となること、治療費のみが高くて限度を超え、他の休業損害や慰謝料が少ない場合には、総支払い額が現状よりも低額となるということがあり得るというふうな点、いろいろ問題がございますので、先生御指摘のように、現行の制度を変えることについては目下のところ消極的に考えております。
○馬場富君 もう一点、高度の後遺症につきましては、非常に長期療養のために一時金等ではとうてい補えないというような気の毒な人が多いわけですけれども、そういう点について労災保険等の年金制度、もしくはそういうような長期保障ができるような対策をやっぱり考えるべきだと思いますが、どうでしょうか。
○政府委員(飯島篤君) お答えいたします。 自賠責保険の支払いの方法として年金制度を導入してはどうかという御意見だと思いますが、一般的に自動車事故を含めまして不法行為に基づきます損害賠償というものは一時金払いが通例でございます。また、私ども調査によりますと、被害者も一時金を好んでいる方が多いということ、それから年金制度にいたしますと、運営に当たりましてかなり大きな管理運営組織が必要となること、その他幾つかの大きな問題がございます。大変重要な問題でございますので、今後さらにその可能性につきまして慎重に検討してまいりたいと思います。 なお、重度の後遺障害者のうちでも特に症状の重い視器障害者につきましては、その適切な介護を確保するために、今年度よりこれらの被害者に対しまして自動車事故対策センターを通じまして介護料の援助を行う制度を発足させたところでございます。
○馬場富君 最後に、モスクワ・オリンピックの開催についてIOCで決定されましたが、アメリカの反対という点もございまして現状はボイコットの国もかなり出てくるんじゃないかという点と、四年後のロサンゼルスの開催ということをあわせましてこう見たときに、近代オリンピックの一つの危機が来ておるんではないかと、こういうふうに思うわけです。そういう点について、日本は政治とオリンピックを今後どういうふうに考えていくかという点についての見解をお示し願いたいと思います。
○国務大臣(伊東正義君) お答え申し上げます。 IOCがモスクワの大会を開催するということを決めたわけでございますが、あの中でも現下の国際的な諸条件からオリンピックに対してはきわめて大きな試練が来ているとか、ソ連のNOC及びモスクワ大会の組織委員会に対しまして、各国のNOCがモスクワ大会参加問題について自国政府との関係で困難な立場に立たされていることをソ連の最高首脳部に伝えてもらいたいというようなことが中にいろいろ書いてあるわけでございます。 それで政府としましては、この前JOCに意向を伝えたときと考え方は同じでございまして、オリンピックというのは平和友好の祭典であるので、世界じゅうから祝福された雰囲気の中に開催さるべきものだというふうに考えておりまして、いまの情勢はアフガン侵入に伴う世界の厳しい国際世論、国連の決議、また国内の世論といろいろございますので、政府としてはそういう問題に重大な関心を払っているということはそのとおりでございまして、ただ、参加するかどうかというのは、これはJOCが決められるものでございまして、世界じゅう皆同じ国内の委員会が決めるわけでございますので、JOCが世界の国内のオリンピック委員会とも十分に連絡して適切な対処の仕方をしてもらいたいという意向を伝えたわけでございまして、現在も政府としては同じ考えでございます。 スポーツと政治の関係でございますが、スポーツ振興法にも書いてございますように、国も国民がスポーツを通じまして健康な身体をつくっていくということに対して施設面その他で国としては助成、助長をしていくという立場をとっておるわけでございます。
○馬場富君 いまお話を聞いておると、国はそのことについてはJOCに任して、全然関与しないということですか。
○委員長(山内一郎君) 馬場君、時間が来ましたから。
○国務大臣(伊東正義君) IOCの決定もございましたし、その後、それの後の情勢としまして、国際的ないろいろな動きがあるだろうと私は思うわけでございます。また、国内世論もいろいろ参考にしなければならぬと思うわけでございますが、JOCと政府とは十分に連絡を緊密にしまして今後この問題に対処していくつもりでございますが、最終的に参加するかどうかはJOCが責任を持って決める問題だということでございます。
○馬場富君 委員長、もう一問だけ。
○委員長(山内一郎君) じゃ、時間が来ましたから一問だけ。
○馬場富君 これに関連しまして、一九八八年の開催に実は名古屋や中部三県が名のりを上げておりますけれども、これにつきまして、申請時期等も迫っておりますが、この点につきましての政府の見解をお尋ねいたします。
○国務大臣(伊東正義君) お答え申し上げます。 名古屋のオリンピック招致運動につきましては、県とか商工会議所でございますとか、いろいろ熱心にやっておられるのは知っております。何しろオリンピックというのはもう本当にこれは大事業でございますし、一方、財政は非常に厳しい状態にあるということでございますので、これを政府としてどうするかということは、今後この問題は慎重に検討していかなけりゃならぬというふうに考えております。
○委員長(山内一郎君) 以上で馬場君の質疑は終了いたしました。 —————————————
○委員長(山内一郎君) 次に、井上計君の質疑を行います。井上君。
○井上計君 先般行われました総理の施政方針演説を承りました。大変格調の高い文言と承って理解をいたしました。その中で政治と行政の対応力の回復ということで、特に政治不信解消のために総理は格段に努力をする、こういうふうな意味のことをおっしゃっておられました。 そこで、総理にお聞きをいたしたいと思いますけれども、総理は具体的にその後どのような努力をされておられますか、ひとつお伺いをいたします。
○国務大臣(大平正芳君) 政治の基本は国民の信頼をかち取ることが第一だと思います。そのためには、政府がまず率先してみずからの綱紀を正してまいることが大事だと思います。政府と申しましても、内閣がまずその姿勢を正さなければならぬと存じまして、去年の暮れ、各閣僚に具体的な指示をいたしまして、それをベースにいたしまして各省庁の間で申し合わせを行いまして、勤務体制を厳正にしてまいること、官庁間の接遇その他につきましては自粛をしてまいることなど、具体的な申し合わせをいたしまして、現にそれを誠実に各省庁とも実行いたしておるところでございまして、今後いよいよ新しい決意をもってこれに当たらなければならぬと考えております。
○井上計君 そこで、総理にもう一つお伺いいたしますけれども、やはり施政方針演説の中で、従来の制度や慣行の中には、もはや十分にその機能を果たすことができなくなり、その見直しが要請されているものも少なくありません。そこで、こういう課題に取り組もうとする意欲が国民の間に強まりつつあることを感じております。こうした活力を新しい時代の開拓に結集することができるかどうかがわれわれの将来を左右することになると申せましょうと、このような内容がございます。 従来の制度あるいは慣行のために、悪いとわかっておっても、あるいは是正をしなくてはいけないということが言われておっても、なかなか改めることができないという問題がたくさんあろうと思いますけれども、具体的に総理、どのようにひとつお考えになっておられますか、お伺いいたします。
○国務大臣(大平正芳君) 戦争後二十年ぐらいの間、わが国といたしましては内外の恵まれた条件に支えられまして経済が順調に成長してまいりました。そのために、年々歳々予期以上の自然増収と申しますか、収入を確保することも財政面でできたわけでございます。したがって、政府といたしましては、こういう状態がいつまでも続くということは望ましいし、またそれは可能でなかろうかという想定で、行政機構的にもいろんなふくらみが出てまいりました。肥大化現象を来しましたし、また財政面におきましても、いわば若干節減というよりは、むしろ財政の膨張を来すようになってきたことは井上さんも御承知のとおりでございます。 しかし、ここ三、四年条件が一変いたしまして、大変厳しい環境のもとに置かれるようになって、経済の成長も大きく期待できなくなりまして、財政はむしろ非常な体質の悪化を招来するということで、その再建にかからなければならぬということになってまいりましたので、いままでのやってまいりました慣行をもう一遍見直すと、いやおうなしにやらなければならぬときになってきたと思うのでございます。政府の施策におきましてもそういう方向で処理いたしておりますし、国会の論議を通じましても、経費をたくさん使えという議論ではなくて、むしろむだを省けという方向にだんだん論議が展開されてまいるようになりましたことは、もう御案内のとおりでございまして、日本の国民はそういう環境の変化を厳しく受けとめていただいておると私は承知いたしておるのでございまして、これを乗り切るには、国民のそうした認識を踏まえた上で官民が一緒になりまして努力していくことができるかどうか、これがこの危機打開のかぎではなかろうか、そういう感じを施政方針演説で申し述べたつもりでございます。
○井上計君 思い切った発想の転換といいますか、制度の見直しをやらなければ、総理がいまお述べいただきましたけれども、なかなか従来の慣行、特にその惰性というものを打破できないという面がたくさんあると思うんです。したがって、これからもぜひいまお述べいただきました御決意を強力にひとつ実行していただくようにお願いをしたいと思いますが、さて、ところが、特に公務員あるいは行政の面で既得権は絶対にもう侵されないと、捨てないんだというふうな機運が依然として強いというふうに感じる面があります。ごく一部の人たちの誤った考え方あるいは行動であろうと思いますけれども、そのために大部分の公務員としての使命感に燃えておられる人たちが非常に肩身の狭い思いをしておる、あるいは国民から誤解をされておると、こういう面も多々あろうと思いますが、まあテレビのドラマで「水戸黄門」が、あのような内容だと思いますけれども、長年しかも非常に高い視聴率を上げておるという原因は、勧善懲悪といいますか、やはり先憂後楽といいますか、これらを国民が非常に待望しておるという理由だと言われておりますが、ぜひそういう面につきまして今後とも総理の一段のひとつまた御努力をお願いをいたしたいと思います。 そこで、厚生年金の支給年齢の繰り上げ六十五歳という問題、大分問題になっておりましたが、昨日これを当面見合わすというふうなことを決定されたようであります。これについては了といたしますけれども、そこで、私は昨年もあるいは一昨年もこの当予算委員会で提言をしておりますけれども、公社公団あるいは特殊法人の役員の人たちで、まあいわば官僚OBの人たち、それらの人たちの年金だとか恩給の支給の問題等についてひとつ質疑を行いたいというふうに思います。 自治省と大蔵省に、現在どのような支給状況になっておるか、ひとつまずお伺いをいたします。
○政府委員(田中敬君) 国家公務員を退職いたしまして、特殊法人でありますところの公団、事業団等に転職をいたしました官僚OBの共済年金につきましては、従前は共済年金法の規定によりましてその事業団等で受ける給与の額にかかわりなく、何らの支給制限を受けておりませんでしたが、昨年末共済年金法が改正されまして、新しい規定によりますと、年金以外の給与が六百万円以上であり、かつ年金の受給額が百二十万円以上である者につきましては、百二十万円を超える年金の額の二分の一を支給停止をいたすという規定になりました。具体的に申し上げますと、たとえば一千万円の収入、給与所得がある公団の役員がたとえば二百五十万円の年金の受給資格を持っております際は、二百五十万円と百二十万円の差額の二分の一が減額されることになりますので、二百五十万円の年金の受給額にかわって、受給額が百八十五万円になるという給付制限措置を新たに規定したところでございます。
○井上計君 それと、恩給の場合。
○政府委員(小熊鐵雄君) 恩給法におきましては、普通恩給の受給者のうち高額所得者についての支給停止、これは百三十七万円を超える普通恩給を受けている人、この人について停止がかかるわけでございます。この場合恩給外の所得、これは六百六十万。これを超える方について支給停止——これは多額停止と私ども申しておりますが、これがかかってくるわけでございます。この停止される部分は、恩給外所得とそれから恩給の額を超える部分の二〇%でございます。
○井上計君 自治省、お願いできますか。
○国務大臣(後藤田正晴君) 私、細かな数字の扱いは知りませんけれども、大体地方の公務員の場合も国との均衡原則がございますから、国の扱いと同じになっているはずでございますが、現実は、地方の場合は恩給をもらっておれば、退職後の場合にはそれを差し引いた大体金額で就職をしておるというのがほとんどでございます。
○井上計君 地方公務員の場合あるいは恩給の場合については余り具体的なお答えがございませんでしたが、いま国家公務員の年金あるいは恩給の場合の高額収入の場合の減額等についてお話しいただきました。二百五十万の年金受給資格者が一千万円の他の所得収入があった場合には、二百五十万から百二十万を引く残りの二分の一、したがって百八十五万が年金としてもらえる。要するに月約十五万円であろうと思いますが、これらの数字を一つ考えましても、従来から言われておりました官民格差、すなわち厚生年金の受給資格、受給制限、所得制限とは大幅に違うというふうなことは、これは明瞭であろうというふうに思います。 私は、この問題につきましても、昨年、一昨年と過去二回本委員会でこの問題については提言をいたしてまいりました。そこで、改めてきょうまた総理にひとつお伺いし、また提言をしたいと思いますが、五十年の八月に国家公務員共済組合審議会の今井会長からこの問題等については提言があったはずであります。そのような人たちについては在職中これを支給停止すべきであると、このような提言があったということは明瞭であります。それらにつきまして、なお昨年、一昨年も私はこれを提言をしておりましたけれども、その後大蔵省におきまして検討されたことがあるかどうか、まず大蔵省にお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(田中敬君) 厚生年金と共済年金との格差につきまして、ただいま一つの御指摘がございました。それは厚生年金につきましては、転職をして他の会社に入って給与を受ける場合には、確かに年金の支給制限がございますけれども、およそ年金あるいはそういうものは一つのグループを脱退したことによって受給資格が生まれるものでございまして、たとえば民間の方がA会社からB会社に移られました際は、やはり同じく厚生年金のグループでございますので、そのグループを脱退して自営業者あるいは完全に退職をした場合に初めて受給資格が出てくるという問題でございまして、共済年金の場合でございますと、国家公務員共済というものの組合員を脱退したときに受給資格が出てくるという制度の本質の違いがございます。しかしながら、いま御指摘のございましたようないろいろの官民格差につきましての問題がございますので、国家公務員共済年金あるいは地方公務員共済、いわゆる共済制度全般につきまして、今後新たな視点からこれを検討いたすべく五十五年度の予算に新たに予算を計上いたしまして、学識経験者から成る研究会を設けて、共済年金の今後のあり方につきましてさらに検討を加えていくという方策を講じたところでございます。
○井上計君 昨年も一昨年も、いま局長からお答えをいただきましたように、制度が違う、仕組みが違う、したがって、やむを得ないんだというふうなことを過去二回にわたって承っておるわけです。ただ、いま若干前向きに検討をする審議会を設けるというお話でありました。公社公団、特殊法人の役員の数が約八百名程度、そのうち官僚OBの方が約五百名程度と、このように承知をいたしておりますけれども、この官僚OBの役員以外のやはりOB職員もまだ相当あるわけでありますから、これらの人たちが片方ではかなりの給料を取っておられる。そうしてまた、先ほど計算を示されたような形で、厚生年金から比べると相当多くの年金あるいは恩給を受給しておられる。それらのところが国民感情として、やはり政治不信解消のためにはそういうこともまた是正が至急必要であろうと、このように考えます。 そこで、総理、大変御無礼でありますけれども、総理も恩給を受給をしておられるわけであります。恩給額が幾らか、恐らく御存じないと思いますけれども。そこで、これは私の提言であります。昨年も提言をいたしましたけれども、まず範を示すために、先憂後楽という意味で、いま各大臣、閣僚の中で多分九名か十名の方が年金あるいは恩給を受給をしておられると思いますし、衆参両院議員七百両名の中で、私の調査では百七十名程度の方が何らかのやはり年金、恩給を受給をしておられるようでありますが、そのような制度を停止するとかどうかというふうな制度をつくる前に、まずどうでしょう、辞退という方法をひとつお考えになる御意思はございませんか、お伺いいたします。
○国務大臣(大平正芳君) 私の場合は、井上さんの御質問がございまして調べましたんですが、九十八万五千円恩給を受給いたしております。しかし、閣僚の場合は、閣僚としての年限は恩給法とは遮断されておりまして、国会議員の年金制度の中に包括されておるようでございまして、いまの立場は恩給制度とは関係ないようになっておると思うのでございます。 問題は、閣僚であろうとどうであろうと、国会議員の立場で現職中恩給または年金を辞退するのも一つの自粛をあらわす方法ではないかという御提言でございまして、私はその仰せになる意味はよく理解できるわけでございます。いまのように、恩給、年金問題がこれから政治の中で最大の問題になろうといたしておる。高年齢化が進みますと、これはのっぴきならぬえらい課題になるわけでございまして、相当思い切った措置が講じられなければこの制度自体を維持していくことさえ至難になることが予想されるという面もあります。したがって、政治に対する信頼の問題、あるいは年金制度の存続問題、まあそういった関連から、いま御提言のありましたようなことは考慮に値する御提言であろうと私は感じます。
○井上計君 私は、年金制度の改正あるいは老齢化社会を迎えるに当たっての各種の問題の整理、いろいろございます。ただそこで、私が先ほど申し上げましたように、まず国民に政治への信を、国民の間にある不信感を取り除くためにどうするかという、ひとつ姿勢の問題からして、総理及び閣僚の中で共済年金あるいは恩給等を受給をしておられる方、それからさらに国会議員の中でそのようなものを受給しておられる方、いわば在職中は、まあ金額的には大した金額ではありませんけれども、また金額ではありませんからよけいに、そのようなものをこの際自発的に返上すると、自分たちもこういうふうな姿勢を示すんだということが私はある意味では大変効果があるんではなかろうかと、こういう意味で、大変御無礼でありますが、提言をしたということであります。また、御検討をお願いをいたします。 そこで、国鉄総裁お越しをいただきましたが、公務員の綱紀粛正というふうな意味で、これもまた総裁にも昨年の本委員会でも質問をいたしておりますけれども、再度、復習になりますけれどもひとつまたお伺いをいたしたいと思いますが、昨年私が国鉄総裁に対して、国鉄の職員の服装服務規程についてどうお考えですか、大変乱れておるがと申し上げました。総裁は、わかっておるけれどもなかなか労使関係を円満にしていくためにはむずかしいと、まあこういうふうな非常に情けない御答弁があったと記憶しておりますけれども、最近の状況はどうですか、お伺いいたします。
○説明員(高木文雄君) まあいろんな場面があるわけでございますけれども、たとえば運賃の改定について賛成できない、あるいは合理化について賛成できないということを意思表示する記章のようなものをつけるというようなことは、残念ながらまだとまっておりません。いろいろな機会にこれをどうして是正をしていくかということでございますが、現在の私の気持ちとしましては、昨年もお答え申し上げましたように、ねばり強く話し合いをして外させると。また現にそういうことも、昨年の場合も若干時間がかかりましたけれども実行できたわけでございますので、まあしばしばおしかりでございますが、そのような姿勢で臨んでまいりたいと思っております。
○井上計君 高木総裁ね、昨年私が本委員会でこの問題指摘をしましたところ、あの以降若干よくなったという感じを受けたんですね。ところが、最近また乱れておりますね。どの駅へ参りましても国鉄運賃値上げ反対というリボンがずいぶんとつけられておりますがね、やはりもっと厳しく、先ほど総理おっしゃっていただいたように、やはりそういう面については十分徹底をしていただく、毅然たる態度をとっていただくということが必要であろうと思いますので、ぜひ、また改めてこの問題要望をしておきます。 また、方々にずいぶん立て看板も立てられておりましてね、国鉄の職員が何の目的でこのようなものを立てておるかと疑われるような、そのような看板がたくさん立っておりますから、ぜひひとつ御注意を、しかも厳重に速やかにやっていただくようにお願いをしておきます。 そこで、もう一つお伺いいたしますけれども、例の昭和五十年十一月のスト権スト、長期ストによる国鉄当局が損害賠償の訴訟を国労、動労を相手取ってやっておりますね。昨年もこれお聞きいたしまして、近く結審になるであろうというふうなことを伺っておりますが、最近の情勢はどうでありますか。
○説明員(高木文雄君) この種の民事の案件の平均的なスピードといいますか、そういうスピードで審理は進んでおります。従来公労法十七条が憲法に反するかどうかというような論議を中心に法廷でのやりとりがあったわけでございますが、最近はその面を一応おきまして、具体的な損害が生じたかどうかというようなことを中心に原告、被告の間でそれぞれ準備書面を出して争っておるという状況でございます。
○井上計君 総裁ね、ある新聞、一月の十五日でありますけれども、「売られた?スト権」という大きな記事が出ております。このスト権ストの二百二億何がしの損害賠償について、非常に強い、まあいろんな声が総裁の手元に寄せられておって、総裁がそれらの訴訟の取り下げについて検討をされておる、あるいは訴訟の取り下げが行われるかもわからないと、こういうふうな実は記事であります。まあ新聞記事でありますから、全部が全部私はこれをどうとかとは言いませんけれども、これについてひとつ御所見を伺います。
○説明員(高木文雄君) ただいまも申し上げましたとおり、訴訟が進行しておるわけでございまして、法廷における論議をどんどん煮詰めていくということが当面の問題だというふうに考えております。いま訴訟取り下げというようなことは私ども考えておりません。
○井上計君 法廷の審理を進めていく、したがって、訴訟を取り下げる意思は全くない、このように再度確認をいたしますが、よろしゅうございますか。
○説明員(高木文雄君) 結構でございます。
○井上計君 どのような圧力が加わってくるかもしれませんし、どういうふうな妨害があるかしれませんけれども、やはりこれはただ単に国鉄だけの問題ではないと思いますので、ぜひこの訴訟については引き続き進めていただく、その結審の結果どうあろうとも、それについてはひとつ十分速やかに実行していただく。特に要望しておきます。 運輸大臣、恐縮ですけれども、監督の立場からして、この問題についてはどういうふうにお考えでありましょうか、お伺いいたします。
○国務大臣(地崎宇三郎君) ただいま高木国鉄総裁が答えたとおり指示してまいりたいと存じます。
○井上計君 これは国民注視の的になっておりますので、ぜひとも運輸大臣もこの訴訟の取り下げなんというふうなことがないように、ぜひともひとつ十二分に今後の監督を要望いたしておきます。 なお、国鉄総裁に、このほかにも国鉄の職員のやはり勤務状態その他についていろいろと私は指摘をして是正をお願いをいたしたいと、こう考えておりましたが、時間がありませんので、あとまた次の機会に譲ります。 国鉄の職員の共済組合が大幅な赤字になっておるということについては、これもまた過去二回にわたっていろいろと質問をしております。五十五年度は、たしか本人の掛金率が一五%程度であって、国鉄の会計からの負担金三千三百億円となっておると。この赤字国鉄の職員の共済組合でこれだけ膨大な金額が支給されておるわけでありますから、やはりこれらのこともお考えをいただいて、今後とも、総裁、毅然たる態度で服務規程の遵守、それらについてひとつお願いをいたしたいというふうに思います。 次に、行政改革の問題でお伺いいたしますけれども、宇野長官の御熱意に対しましては大変評価をいたしております。敬意を払います。しかし、いろいろと伝えられております行政改革、実は表向きだけで、中身が一向にまだどうも行政改革と言えないというふうな問題があると思うんですが、宇野長官、農林水産省の生糸検査所の廃止についてはどのように受けとめておられますか、お伺いいたします。
○国務大臣(宇野宗佑君) 横浜、兵庫にございます生糸検査所に関しましては、井上委員からもう数次にわたりまして当委員会で御質問がございます。特に昨年は前長官からも基本的な見直しをするというふうな確約もございました。したがいまして、昨年の末に閣議決定をいたしました昭和五十五年行革におきましてこの二つの生糸検査所を廃止するということを決定いたした次第でございます。
○井上計君 宇野長官、確かに廃止の決定はなされております。承知をしております。しかし、実際に廃止と言っても、事実上はほとんど変わらないという状態なんですね、いままでいろいろと担当者からお伺いしてみますと。というのは、横浜あるいは神戸の生糸検査所が検査課になって、そのかわりに——横浜のごときは、従来、二階の一つの部屋を使っておりました農林規格検査所横浜支所が検査所に昇格をして、言えば中身は同じことで、ただ表札だけが変わると、こういうふうなことで、事実上そう多くの人員削減はむずかしい問題がありますけれども、なされていないと、なされないと、こういうふうに私は感じるんですが、これは宇野長官それから武藤農水大臣、ひとつどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(宇野宗佑君) 詳しくは農林大臣からお答えがあると思いますが、検査所に関しましては、昭和四十二年八百六十二名の定員をこの五十四年末には五百三十三名まで縮減をいたしておりまして、なおかつ今回の廃止に基づきまして百九十まで向こう十年の間に整理するというふうに決めております。 御指摘のとおり、農林規格検査所の方が小さいわけでございますが、しかし、そこへ吸収していくというふうな形になりますけれども、御趣旨の点におきましては、われわれといたしましても廃止の方向でやっておる所存でございます。
○国務大臣(武藤嘉文君) いまお話しの生糸検査所でございますが、廃止をすることと、定員につきましても、昨年——今年度でございますが、五十四年度の大体縮減計画が三十五人でございますが、五十五年度についてはこれを六十一人縮減の計画を立てております。それから昭和六十三年度当初までに現在おります五百三十三人の定員を百九十人まで縮減をしていく、こういう考え方でいるわけでございます。 それから、建物のことでございますけれども、これはもうやはり歴史的な私は背景があるんではなかろうかと。かつては生糸検査所というのは、農林関係においては大変な大きなウエートを占めておった検査所でございます。しかし、いまは御承知のとおり、生糸の輸出がなくなってまいりましたので、その必要性がだんだんなくなってきて、いま国内の流通のための生糸の検査を行っておる。逆に農林規格検査所の方は、やはり消費者行政という点において非常に強く要請されてきたものであるということが歴史的な背景にあるわけでございまして、決して看板を変えたというだけではなくて、その重要性の増してきた農林規格検査所の方がひとつその建物を中心にやはりより活動を活発にしていくことであり、たまたま同じところにございましたので、生糸検査所もその残りはその建物の中で仕事をやっていくと、こういうふうに私どもは考えておるわけでございます。
○井上計君 時間があれば、農水大臣にも長官にも私自身が調査した結果を詳しく申し上げたいと思うんです。時間がないんで大変残念ですが、ただ、いまのお二人の御答弁からいたしましても、十年後に百九十人になるわけですね。したがって、この十年間はまあ年々若干ずつの自然退職、勧奨退職が行われますけれども、ほとんど実態は変わらぬわけですよ。したがって、横浜も神戸も、生糸検査所の言えば設備——機能はそのまま残っていくわけですよね。だから、検査所が検査課になったというだけで、それほど、行政改革このとおりやりましたと言うほど大きく宣伝されるどうも中身ではないと、こういうことを申し上げたわけです。 まあ、いろいろと申し上げたいことはありますけれども、そこでもう一つ、この配置転換の問題ですが、確かに生糸検査所の場合には女子職員が非常に多い、しかも大変高年齢である、非常に給料も高額であるということで、配置転換もむずかしいということはわかっています。そこで、これも先ほど総理お答えいただきましたように、やはり従来の慣習、慣行というふうなものを根本的にやっぱり見直しをして、新しい発想の配置転換、あるいは他の必要な部門への出向ということもぜひ御検討いただきたいというふうに思います。 同じく、米の検査官の問題、これも私は火をつけた一人でありますから、たびたびいままで本委員会で取り上げております。これについても大変矛盾があります。もう、これまた内部告発がずいぶん私どもの手元へ来ておりますが、まことにもってひどいというのがたくさんあります。いま申し上げる時間がありませんから申し上げませんけれども、そこで、これまた農水大臣お考えのように、思い切ったひとつ削減をお考えをいただく。 その段階として、一つ提言ですけれども、この減反政策、この兼業農家出身の検査官が全体の大体五〇%ぐらいいますよね。それらの人たちにもう一律な減反というのは、これは不公平だと思うんです。だから、それらの人たちはひとつ、減反というよりも自家飯米だけにして、あとは全部転作すると、これぐらいの強い姿勢をおとりいただいたらどうかと思いますが、どうでしょう。
○委員長(山内一郎君) 井上君、時間が参りました。
○国務大臣(宇野宗佑君) 今回の行革は、御承知のとおり、器減らし人減らし——器減らしが人減らしにつながる、仕事減らしが人減らしにつながる、こういう方式を用いております。仰せのとおり、行革が財政的に最も寄与するのは人減らしだと思いますが、今回はその順序をひとつ後にいたしまして、前には器減らしをするということでございますから、したがいまして、さような意味で、長い目で見ていただきました場合には相当な私は行革の効果が上がると、かように存じておりますので、その点も御了解賜りたいと思います。 また、配置転換に関しましては、これは従来から各省庁それぞれプライドがございますから、なかなか実施困難であったのでございますが、今回は行革という大きな国民の声の前に各省庁も協力をしていただきまして、そして二百五十名以上の省庁間における配置転換ができると、かように考えております。
○委員長(山内一郎君) あと一問だけ。
○井上計君 時間がもうなくなりましたので、あといろいろとまだことしの貿易収支、経常収支の見通し、あるいは外貨準備高の見通し、その他またお伺いしたいと思っておりましたが、もうなくなりましたから、これまた次回に譲ります。 そこで、最後に総理に一つだけお伺いしたいと思いますが、総理はソ連の特に最近の行動等につきましてどういうふうなお感じをお持ちであろうか。ソ連の脅威というのは、もう潜在的な脅威をはるかに通り越して、もう直接的な脅威というふうな感じを国民の大多数が抱きつつあります。抱いております。特に北海道の人たちは大変いま不安な気持ちに駆られておりますけれども、それらについて総理のお考え、特にまた北海道の人たちに対してどういうふうな今後姿勢で北海道の人たちの不安の解消に努力をされるのか。このことにつきまして総理並びに防衛庁長官にお伺いをして終わります。
○国務大臣(大平正芳君) 軍事的脅威は軍事的能力とそれから軍事的意図と両方から成り立つものだと思うんでございまして、軍事的能力におきましては、ソ連は近年大変な国防力の増強を図られておるようでございますし、日本の周辺におきましてもその配備が強化されておると、これは客観的事実として認めざるを得ないと思うのでございます。したがって、われわれとしては、ソ連の潜在的な脅威は増大したものと見ざるを得ないと考えております。ただ、それがどういう意図によって行われておるかということにつきましては、憶測の域を出ないわけでございますので、ここで申し上げる自信はございません。
○国務大臣(細田吉藏君) お答えいたします。 ソ連の潜在的脅威につきましては、ただいま総理からお答えがありましたと同様でございます。北海道の方々が特にいろいろ御心配があるということについても十分私どもわかるわけでございます。私ども防衛庁といたしましては、私どもの防衛の本義に基づいて、防衛は御承知のように枠があるわけでございますが、防衛力の充実ということ、こういうことで基本的な線が決まっておりますので、その範囲でいろいろ十分対応するようにして国民の皆さんの御心配が少しでもないようにいたしたい、かように考えております。
○井上計君 終わります。
○委員長(山内一郎君) 以上で井上君の質疑は終了いたしました。 —————————————
○委員長(山内一郎君) 次に、秦豊君の質疑を行います。秦君。
○秦豊君 久々に発言をいたしますけれども、総理にまず伺っておきたいんです。私のソ連観は、変わったというのはアフガン直後のジミー.カーターの反応なんですね。ところがあなたの場合は、さきの本会議における秦野議員の質問に対してもあのような木で鼻を式な対応でしかなかった。お立場はわかりますけれどもね。私はあえて総理に伺っておきたい、まず対ソ連観を。あなたによれば、ソビエトという国家は警戒すべき国なんでしょうか。
○国務大臣(大平正芳君) わが国の隣邦としてソ連があるわけでございまして、わが国と友好関係を維持していきたい国と心得ておるわけでございます。警戒すべき国というよりは、友好関係を持っていきたい国だと考えております。
○秦豊君 ならば、信頼に値する国とお考えですか。
○国務大臣(大平正芳君) 信頼したいと念願いたしておるわけでございますが、近来、ソ連の国防力の増強等が行われておることは客観的事実でございまして、これは先ほどもお答え申し上げましたように、わが国に対する、その意図はよくわかりませんが、潜在的脅威として受け取らざるを得ないのではないかと、そう見ております。
○秦豊君 世論調査一切合財含めまして調査をやりますと、日本の市民の、国民の中で一番きらいな国は、絶えず断然トップはソ連なんですよ、断然。断トツなんですね。なぜでしょう。
○国務大臣(大平正芳君) どうも学者ではございませんので、そのあたりはよく理解できないんでございますけれども、まあ大変親しみやすい国、非常につき合いやすい国というような感じとはやや違ったものをソ連に感じるのではないでしょうか。
○秦豊君 それじゃ総理ね、これは肝心なんですが、あなたは公開の場で何をもってソビエトを防衛的な国と認識されたんですか、発言されたんですか。
○国務大臣(大平正芳君) 大変外交は老練でございますし、何事をやるにも非常に慎重な国でございまするし、過去の歴史を見ましても、数々の侵略を受けて苦い経験を持っておりますので、ソ連が非常に慎重な国だというように私は感じてきたわけでございますが、最近なぜアフガンなどに侵攻をしたのか、そのあたりはどうも理解に苦しんでおるところでございます。
○秦豊君 余り答弁になってませんな。なぜ防衛的かと伺っているんです。
○国務大臣(大平正芳君) 歴史上何回の侵略も受けておるわけでございますので、ソ連の外交政策の基本は防衛、自国防衛というところに力点が置かれておったのではなかろうかというように私は見てきたわけでございます。
○秦豊君 これは総理、総論として伺っておくんですがね。いまの米ソ間の新たな摩擦、これをかなり長期の戦略、展望に基づいた長期の新たな冷戦の展開と見るべきか、逆に、カーターは選挙を控えていると、その演出と計測を含めた一時的な状況と見るか、この辺どうごらんになっています。
○国務大臣(大平正芳君) 何事も予想することとか予断を申し上げるなどということは国会では慎まなきゃいかぬことでございます。ソ連の行動が長期的な方針で展開されておるのか、短期的なものであるかというようなことをここで私が論評するのは余り穏当じゃないと存じます。私がそれでは全然そんなことは考えていないかというと、私は私の考え方がございますけれども、そういうことはここで言うべき性質のものではないと思っております。
○秦豊君 立場は一応はわかる。しかし、たとえば、ぼくはデタントとか緊張というのは一種のサイクルだと思う。プラスとマイナス、上限、下限がある。そこで、来年のいまごろはまた米ソ両超大国の国際的責任というふうな新デタント論が展開されていないともわからない。 しかし、じゃ、これは具体的な質問なんだが、総理、当面のアフガンだイランだというふうなことをターゲットにして、きな臭い過剰な反応はすべきでないというぼくは基本的な認識を持っておるんだが、それについては総理はいかがです。
○国務大臣(大平正芳君) できるだけ周到に対応せにゃなりませんけれども、冷静に対応せにゃならぬと私思います。
○秦豊君 周到と冷静、なるほど言葉は選んでいらっしゃるんだが、まあ確かに過剰な反応はいけない。肩に力を入れてはいけない、そうでしょうね、しかあるべきです。それと総理の、去る二月三日首相官邸、細田長官に対する四項目指示、防衛力水準の早期充実というのは矛盾しませんか、整合してますか。
○国務大臣(大平正芳君) 細田長官の御就任に際しまして、私は綱紀の粛正を指示いたしました。ただ、その他の問題につきましては、現在政府がやってまいっておりますることを、こういう方針で今日までやってまいりましたということを細田君に申し上げたことで、改めての指示というように私は考えていないのでございまして、すなわち防衛力の整備は防衛力整備大綱がございますので、それをベースにして考えておると。有事立法につきましては防衛庁内におきまして検討をいたしておるという事実をそのまま、その方針をいま変えるつもりはないということを申し上げたにすぎません。
○秦豊君 あなたは相互安保論が持論ですよね。だけど最近、何かあなたが眼を見開いて、ペースを速めて、テンポを、アレグロぐらいで、新たな転換を切ったのではないかという懸念も一部にはある。じゃ、全くあなたの防衛についての安全保障論は変わっていない、こう認識していいですか。
○国務大臣(大平正芳君) 別に変わっておりません。
○秦豊君 細田長官、あなた、いきなり登板させられて、それにしては無難にこなしているのかなという、そういう評価があるかどうか、ぼくは知りませんよ。しかし、御苦労だと思います。けれど、やりがいがあるでしょう。いかがです。
○国務大臣(細田吉藏君) 国の防衛のことは、これは国の大事でございますから、やりがいがある以上の、もう大変な問題だと思っております。
○秦豊君 かなりもうレクチュアも進んだろうと思うから、ちょっと具体的に質問しましょうね、あなたに。ちょうど受験シーズンだし。 中期業務見積もり、これでは例の防衛計画大綱の水準が達成できませんね。
○国務大臣(細田吉藏君) まだ大綱の水準まで達しないという見通しでございます。
○秦豊君 で、まあ総理は変わっていないと。しかし、ぼくたちは大平さん目を開いたなと、見開いたなと思っているわけですよ。ならば、ある一定の水準を速くテンポアップしてつかみたい、達成したいということだと思うんだが、そうならば長官、中業の方を見直すのか、大綱の方を手直しするのか、両方とも一緒に再検討するのか、どうなんでしょう。
○国務大臣(細田吉藏君) ただいまのところ、大綱について見直しをするというふうには考えておりません。
○秦豊君 中業はいかがですか、中期業務計画。
○国務大臣(細田吉藏君) 中期業務計画につきましては、ただいま五カ年間の見通しを立てております。で、国力、財政、いろんな点から考えまして、これでやっていこうと、こういうことにいたしておるわけでございます。
○秦豊君 ちょっと球筋を変えましょうね。 一月十四日、来日したブラウン長官、総理も一連会われた後、防衛庁筋から、かつてない露骨な要求があったと伝えられた。一体どういうことを言われたんです。
○国務大臣(細田吉藏君) お答えいたします。 私の前任者が直接会ったわけでございますが、私が聞いたところで申し上げます。 全般的な一般論としての要望があったわけでありますが、具体的にどれをどうしようとか、あるいは額をどうしようというようなことはなかったというふうに承っております。
○秦豊君 原局長に伺いましょう。 もう少し、デテールに入って、遠慮しないで。
○政府委員(原徹君) ブラウン長官が申されましたのは、アフガン事件の後でもございましたので、現在の国際情勢にかんがみて、アメリカあるいは西側諸国がやっている努力も十分考慮に入れて、さらに防衛努力をお願いしますと、そういうことでございます。
○秦豊君 じゃ、単なる表敬プラスアルファぐらいですか、余り具体性がないんですか。
○政府委員(原徹君) ただいま申しましたとおりで、具体的に何をどうということは一切ございませんでした。
○秦豊君 防衛局長ね、御苦労さんですけれども、その際単なる表敬じゃなくて、ぼくらの印象では安保条約の保ち方についての具体的な指摘はなかったですか。何かこうどきっとするような表現はなかったんですか。安保の一年ごとの自動延長、これはどうも再検討というふうな意見はなかったんですか、応酬は。
○政府委員(原徹君) ございませんでした。
○秦豊君 リムパックという、小出しにいま発表がされているんだが、これは参事官の方かもしれないが、リムパック自体には特有の、特定の戦略構想があるはずだと思うんだが、どう理解されていますか。
○政府委員(佐々淳行君) お答え申し上げます。 御質問の趣旨が、よく言われておるシナリオがあるかどうかというお尋ねであるとすれば、これは特定の国が特定の国を攻撃するのに対して共同して防衛するというシナリオ、そういう戦略構想はございません。戦術、技量向上のための訓練でございます。
○秦豊君 あなた方は絶えずそう言って逃れようとする。そうじゃない。ぼくが聞いているのは、たとえば中部太平洋横断東西海洋ルート、略称SLOC、これを基軸にした総合演習がリムパックでしょう。
○政府委員(佐々淳行君) お答えいたします。 リムパック80の訓練内容につきましては、近くアメリカ側と共同発表する予定でございますが、おおむね78リムパックと同様ということでございます。 その訓練内容は、対艦、対潜、対空総合訓練プラス電子戦訓練等の総合的な艦隊訓練でございまして、海洋交通路の防衛という具体的な目的を持った共同訓練ではございません。
○秦豊君 それが無理なんだな、参事官。つまり中部ルートとANZUS国ルート、それから日本の南東、南西ルートとの接合、その総合的訓練、これがベースじゃありませんか、重ねて。
○政府委員(佐々淳行君) ただいまお答えいたしましたとおり、そういうものではございません。
○秦豊君 それじゃ、海上自衛隊のシーレーン防衛構想というのは十年以上前からやっているんだけれども、基本的なあなた方の海上シーレーン、防衛の基本構想というのは一体どういう想定で、どういう見積もりをし、何を踏まえて構想を練り上げたのか、参考のために伺っておきたい。
○政府委員(原徹君) 海上自衛隊はもちろん専守防衛の自衛隊の一部でございますので、わが国を守る。その際、海上交通の保護をしなきゃならない。しかし、活動範囲は要するに周辺数百海里、航路帯にして千海里程度のものについて海上の防衛をすると、そういうことで私どもはいま海上自衛隊の整備というものを考えているわけでございます。
○秦豊君 そんな雑駁な答弁を当委員会でしてはいけない、防衛局長。あなた方には試算があるでしょう。緊急時民族生存に必要な物資、どういう数字、データを基礎的に踏まえた海上シーレーン防衛構想かを聞いている。答弁ではない、そんなものは。
○政府委員(原徹君) 海上自衛隊において生存に必要な輸入がどのくらいかというような計算をかつていたしたことございます。それはしたがいまして、わが国は海に取り囲まれておる国でございますから、海上防衛というものは大変必要であるという見地になるわけでございますが、それをその計算に基づいて何をどうするというところまでには至っていないわけでございます。
○秦豊君 ならば、もうユニホームの間では常識になっている海上戦略論という非公開の小冊子がありますね、じゃあれを提出できますか。何でも書いてあるでしょう、あれには。もっと率直にもっと具体的に書いてあるでしょう。
○政府委員(原徹君) 大変残念でございますが、私その小冊子を見ておりませんので、見た上で御回答さしていただきます。
○秦豊君 後ほど私の質問が終わるまでに調べて答えなさいよ。この程度は初歩的なガイドブックなの、防衛局長。 それでは、あなた方はリムパックとは何事の不思議なしと、きわめてビジネスライクな演習だ、演習だと言っているんですが、ならば、アメリカ上下両院の軍事委員会がしょっちゅうやっているように、仮にですよ、何事もない戦技向上ならば、われわれの内閣委員会や予算委員会の担当委員が、議員が仮に視察を申し込んだ場合には、何の妨げもないんでしょうな。
○国務大臣(細田吉藏君) リムパックの主催者であります米海軍は非公開を原則としておるわけでございます。また、この訓練を参加国の国会議員が視察したという前例はないように聞いております。二月二十六日から始まるということでございますので、いま直ちにこれについて私どもができるかできないかということをお答えすることはできませんけれども、今回のリムパックについては調整する時間的余裕がないこと等から大変むずかしいんじゃなかろうか。一般論としてはどうであるかということは別な問題だと思っております。
○秦豊君 迫ってまいりましたので、例の三海峡封鎖論とか、ぼくは一種のフィクションだと思うんですけれども、リアリティーがないと思うんだが、概論として長官のあれを伺っておきたいんだが、いざ三海峡封鎖が必要な事態というのを具体的に例示してくれませんか、具体的に。
○国務大臣(細田吉藏君) 宗谷、対馬、津軽の三海峡封鎖というのは非常に重大な問題でございまして、必要性とか能力とかいろんな点からもう大変重大な問題であり、また影響も大きな問題でございます。したがいまして、三海峡封鎖だけを切り離してどうこうということではないと思うんですね。そのうちの一つの海峡についてもそうだと思うんです。いろんな点を考えなきゃならぬと思うわけでございまして、特にわが国が攻撃を受けると、あるいはもうそのおそれが絶対あるというときにこれは考えられるわけですが、いろんな対応があると思うんですね。ですから、どんな場合とどんな場合ということをいま直ちに私はお答えすることは、能力もございませんが、しかし、これは非常に重大な問題でございますから十分ひとつ考えなきゃならぬ問題である、かように存じておる次第でございます。 なお、私の御答弁で足りない点は政府委員からお答えをさしていただきたいと思います。
○秦豊君 八一年のアメリカ国防報告に三海峡に関連した記述がありますね、御存じですね。ちょっと披露してください。
○政府委員(淺尾新一郎君) ブラウン国防長官の国防報告の中に、アメリカ海軍の能力を一般的に述べた中で、まずNATO方面については英国及びその以北でソ連の海軍の進出をとめる、さらに地中海における制海権を確立することができる、さらにアジアの部分については日本海からのソ連の進出を封鎖することができるというふうに述べております。
○秦豊君 ほぼ正確だと思いますね。正式な要請はなくとも大きな期待がある。そういう公式な文書に記述がある。これを細田長官、当然とお考えですか、過大評価だなとお考えですか。
○国務大臣(細田吉藏君) ただいま外務省の政府委員から答弁があったとおりだと思っております。
○秦豊君 日本が直接攻撃を受けなくてもアメリカの要請で封鎖を要求されるという場合には、断然としてじゃあノーを言い得るのか。どうなんです。
○政府委員(淺尾新一郎君) 先ほども述べましたように、まだアメリカから具体的な要請はございませんで仮定の問題でございますし、いろいろな状況が考えられるので、一概にここでお答えすることはできないんじゃないかと思います。
○秦豊君 大来外相、今度初めて行かれますね。具体的にどういうふうに交渉のポイントをしぼられるんですか。
○国務大臣(大来佐武郎君) まだ参ることになるかどうか、これは国会の御了承を得なきゃなりませんので決まっておりませんのですが、もし参りますような場合には、日米間の問題全般的に話し合ってまいりたいと考えております。
○秦豊君 特に何を力点にされます、ポイントに。
○国務大臣(大来佐武郎君) 経済問題では、御承知のように、自動車問題等が出てきておりますし、またいろいろなイラン、アフガン情勢が出ておりますし、私も外相就任以来まだ一度も行っておりませんので、なるべく幅広く、日米間の問題、国際情勢の問題についての意見交換をしてまいりたいというふうに考えております。
○秦豊君 もう少し踏み込んで。たとえば最近の安保論議はどうされます。
○国務大臣(大来佐武郎君) 話題の一つとして出るかもしれませんが、それを重点ということには考えておりません。
○秦豊君 まとまったものはどういう形式で発表されますか、仮にまとまったものがあるとすれば。
○国務大臣(大来佐武郎君) まだ、いまの段階では参りますこと自体が仮定の問題でございますので、発表の形式までは考えておりません。
○秦豊君 外務大臣にはもう一つだけ伺っておきましょう。 PLOが、たとえばですよ、たとえば八〇年に臨時政府を樹立するというふうな動きが散見される。フランス、アメリカあるいは西ドイツの対応は素早いかもしれない。そういう場合は承認という行為をあらかじめ考えておかねばならぬが、あり得るケースでしょうか。
○国務大臣(大来佐武郎君) 現状においては、まだそういう事態が非常に近い将来に起こるというふうには私ども見ておりません。
○秦豊君 一問、よろしいですか。
○委員長(山内一郎君) じゃ、あと一問にしてください。
○秦豊君 KDDの問題についてぜひとも申し上げておきたいことがあります。いま、この委員会にはせっかく自民党の玉置委員もお元気で御在席ですけれども、御本人は要請あらば捜査当局に協力の用意ありとおっしゃっている。ならば、捜査当局はそれにこたえる、好意を無にしない対応と準備の備えがあるのか、方針があるのかないのか。あるいはすでにもう応分の協力を得ているのか。これが一つですね。 それで連関して、委員長、実は私も、これは私の自省を込めて申し上げるんですけれども、一昨年私は五百数十人の友人の協力によって励ます会を開いていただいた。その中に私の年来の友人であるすぐれた人物がおります。それがたまたまKDDの役員であって、私自身も七枚のいわゆるパーティー券への協力を得たわけであります。したがって、私自身のそういう自省を込めて申し上げたいことは、少なくともこの問題が国会における自浄能力の一種のメルクマールでもある。しかも幸いにして、保田氏亡き後板野氏なり佐藤氏なりは徹底的に厚い壁に閉じこもろうとするだろう。ならば、保田氏と最も親交のあった玉置委員がせっかく協力の用意ありとも言われておるし、しかも国会議員であられる。しかも当委員会の委員でもあられる。ならば、まさに玉置委員をこの際証人として当委員会にお招きをして、徹底的に国会みずからが、あらゆる政党にまたがっているとおっしゃっているんですから、ならば、その全容を解明する一つの突破口というか、契機というか糸口というか、その辺をぜひ委員長並びに各党理事の諸先生方にぜひとも御高配を賜りたいということが私の前半質問を交えた追加なんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(後藤田正晴君) ただいまKDDは警視庁で鋭意捜査をしておるわけです。いわゆる保田メモ等についても新聞等ではいろいろ報道せられておることも十分承知をしておりますけれども、それが捜査とどの程度のかかわり合いがあるのか。これは一にかかって捜査の進展に待たなければならぬわけでございます。したがって、捜査の進展とにらみ合わせながら、玉置さんの御協力を仰ぐかどうかということはその上で判断をすべき事柄であろうと、かように考えております。
○委員長(山内一郎君) 玉置議員の件は理事会で協議をいたします。
○秦豊君 わかりました。
○委員長(山内一郎君) 以上で秦君の質疑は終了いたしました。 —————————————
○委員長(山内一郎君) 次に、山田勇君の質疑を行います。山田君。
○山田勇君 限られた時間の中で質疑をいたします。かなりピッチを上げてお尋ねをしたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。 まず、政治資金規制についてでありますが、二院クラブとしては事あるごとに提言をし、質疑してまいりましたが、何と申しましても企業献金の廃止を一番に考えるべきだと思います。企業から政治家なり政治団体に献金をするのはどんなメリットがあると考えてするのでしょう。総理はその点についてどうお思いでしょうか。まずその一点をお伺いいたします。
○国務大臣(大平正芳君) 企業も一つの法人としての社会的実在でございまして、これが政治的活動の一環として政治資金を提供するということをして悪いということではないと思うのでありまして、問題はそれが節度あるものである限りにおきまして許されることではないかと考えております。
○山田勇君 受ける側はどういうつもりでいただくのでしょう。
○国務大臣(大平正芳君) 政治活動に要する金として献金されたものとして受け取るものと思います。
○山田勇君 まあ受ける側はどういうつもりでいただくかはケース・バイ・ケースでしょうが、多額の金銭の授受はどうしても純粋なものとしては考えられません。多くの一般国民は、利益誘導、賄賂性を強く感じております。企業献金の廃止はぜひ実現すべきだと考えますが、総理の考えはいかがでしょうか。
○国務大臣(大平正芳君) いま申しましたように、これを禁止する理由は別にないと思いますけれども、先ほど申しましたように、節度あるものでなければならぬと思いまするし、でき得れば漸次これを個人献金に移行していくような努力を積み重ねてまいるべきであると思います。
○山田勇君 大平総理は、先般の施政方針演説の中でも政治倫理の確立と金のかからない選挙制度の実現を特に強調されましたが、いまこそまさに私は本腰を入れて改革に取り組まなければ悔いを千載に残すものと思います。ロッキード、ダグラスなど一連の航空機に関する疑惑、各官公庁の不正経理、KDD問題について、政、官、財界ぐるみの腐敗は国民の政治不信をますますつのらせています。この夏の参議院選挙でははや八当七落とか言われ、八億円とか七億円とかいう億単位の、われわれ国民にはとうてい理解のできない多くの金の使い方で当落が決まるというようなことがマスコミに報じられております。これもいまに始まったことではなく、選挙の回を追うごとにその金額は上昇しております。国民は、なぜそんなにまでして金を使って議員になりたいのか、よほどうまい汁が吸えるのだろうと考えるわけです。もちろん使った金は取り返した上でのうまい汁ということです。そして、それらの金はどこから回ってくるのか。たとえば、つまるところ国民から取り立てた税金の中からということではないでしょうか。国民もおぼろげにわかっているのでしょうが、その巧妙で複雑な手口の実態を明らかにするのは至難のわざであります。航空機疑惑の五億円の金が賄賂か献金かと法廷に持ち込まれても、その決着はいつになるかわかりません。 あるこれは週刊誌の記事ですが、「「公共事業費の一%が時の自民党主流派に逆流する」という、あまりおだやかでない説が検察庁筋から流れている。」と書かれておりますが、この件について総理はどういうふうに考えておられますか。
○国務大臣(大平正芳君) そういうことは存じません。そういう議論をされる場合には、何とぞ具体的な事実を踏まえてお願いしたいと思います。
○山田勇君 これはサンデー毎日の七九年十二月の九日に書かれております。そのコーナーで、「サンデー・エコノミスト」にそういうふうに記事が書かれております。 そうしますと、たとえば五十四年度の一般会計公共事業費はざっと六兆五千億ですから、その一%は六百五十億円という金額になります。もちろん、総理が先ほど言われたように、その真偽は確かめようもありませんが、しかし、一人の候補者が七億とか八億とかいう億単位の金を使って選挙することを考えれば、あながち的を外れているとも言えないのであります。また、昨年大平総理が政権維持にかけた異常なまでの執念を考え合わせますと、国民としては、よほど政治とはもうかるものと短絡的に考えるものであります。莫大な金をかける選挙に諸悪の根源があるとも言えます。千葉二区の選挙違反事件では、選挙民は金をもらって投票するのが当然といった風潮さえあったようですが、これは大変恐ろしいことです。金権腐敗選挙の撲滅こそ目下の最大な課題だと考えますが、総理の具体的な考え方をお聞かせください。
○国務大臣(大平正芳君) 政治に金がかからぬようにやらなけりゃならぬ、選挙はできるだけ金をかけないようにやらにゃいかぬと、これは国民の声でもありまするし、またわれわれ政治家としてそれを強く望んでおるところでござざいます。したがって、そういうラインで各党御協議の上選挙制度につきまして、また選挙運動のやり方につきまして御協議をいただきまして、新たな金のかからない仕組みができ上がることを私は希望をいたしております。政府としてもそれには全幅の協力を惜しまないつもりでおります。 それから、政治資金の規制につきましては、政府といたしまして目下鋭意検討をいたしておるわけでございまして、成案を得次第国会の御審議を願うべく、いませっかく検討を重ねておるところでございます。 それから、いま山田さんのお話を聞きながら、いろいろ風評とか推定とかいうようなことで御論議が行われておるようでございますけれども、事柄はやっぱり政治の信頼にかかわることでございますし、政治家の信用にかかわる問題でございますので、具体的な事実を踏まえた上でお願いをいたしたいものと思うのでございまして、単なる風評で議論されますと大変迷惑する人が多いんじゃないかと思うのでございます。議員になること、あるいは政権をあずかることというのは、金もうけのためにやっているわけじゃないのでありまして、われわれは厳しい監視の中で手順を踏んでやっているわけでございますので、その点は山田さんもよく御承知のことと思うのでありまして、議論をされる場合にはどうぞそういう点もちゃんとお踏まえの上お願いしたいものと思います。
○山田勇君 全く総理の言うとおりで、政治に参加する原点である選挙そのものを清潔にしていくということは大変必要だと私も思います。 政治に対する国民の信頼を取り戻すのには清潔な政治家の姿勢が必要だということを総理は答弁なさったわけですが、政治家の資産公開など一つの方法だとも私は考えますが、まあ、政治家の範囲などで、いろいろなこれは個人的なプライベートの問題があると思います。とりあえず、これ、総理、閣僚全員の資産公開からまず始めてみるというようなことはお考えになっておられませんか。
○国務大臣(大平正芳君) 私が政権をおあずかりするときに私だけはやらしていただきましたけれども、政治家というものが資産公開を挙げてするかしないかということをいろいろ突き詰めて考えてみますと、これは結局、政治家個人の判断にまたなけりゃいかぬことではないかと思うので、政府の方から強要をしたり慫慂をしたりする性質のものではないと思うのでございます。したがって、私は施政方針演説でも申し上げたんでございますけれども、この問題はやはり国会で一遍御論議をいただいていく性質のものではなかろうか。少なくとも政府がイニシアチブをとるような性質のものではないのではないかという考えを持っております。
○山田勇君 二月十二日の各新聞夕刊は、第一面トップにでかでかと卸売物価の急騰を書き立てていますが、これはいよいよインフレ到来といった感じであります。第四次公定歩合引き上げも間近という感じでありますが、もし公定歩合の引き上げがなされた場合、前回引き上げが見送られた預貯金の金利の引き上げについて大蔵大臣並びに郵政大臣はどうお考えになっておりますか。これは質疑通告を郵政大臣にはしておりませんが、政府委員の方でも結構です。どういう考えでおられますか。
○国務大臣(竹下登君) お尋ねの公定歩合の問題でございますが、これは委員御承知のとおり、日銀法十三条に基づきまして、まさに日銀の専権事項でございます。したがいまして、引き上げの前提に立った御質問にお答えをするということはこれは適当でないというふうに考えます。したがって、あえて一般論として申し上げますならば、この預金金利というものは、臨時金利調整法という法律がございまして、これに関しては大蔵大臣が発議する立場にあるわけであります。したがいまして、一般論として申し上げますならば、公定歩合の変動に必ずしも連動して動くものではなくて、金融情勢の推移や金利バランス等を総合的に勘案して判断していくべきものと考えておりますが、金利体系全体が動く場合には、その一環として預金金利も動くことになろうことはあり得るということであります。あえて一般論としてお聞き取りいただければ幸いであります。
○国務大臣(大西正男君) お答えいたします。 郵便貯金の金利につきましては郵便貯金法に規定がございまして、これによりますと二つの原則があるわけでございます。その一つは、貯金をしておる方の利益を増進をし、貯蓄の増強に資するよう十分な考慮を払うということが一つであります。それからもう一つは、これにあわせて、一般の金融機関の預金の利率についても配慮をしていかなければならないと、こういうことになっておるわけでございます。郵便貯金の利率につきましては、この原則に従ってこれまでもやってきたところでございます。したがいまして、今後ともこの原則に従いまして、一般のといいますか、民間の金融機関の預金利子の動向や、それから経済、金融の諸情勢を注目しながらこれに対処していきたい、こう思っております。
○山田勇君 国土庁が一月の三十一日に発表した五十四年の公示地価の動向速報によりますと、またまた地価の上げ足が急加速をし、特に東京、大阪、名古屋の三大都市圏の住宅地の上昇率は昨年の一年間で平均一五%となっておりますが、今後の動向と地価抑制対策をどういうふうに考えておられますでしょうか。
○国務大臣(園田清充君) お答えをいたします。 その前に、国土庁として地価をどう把握をしておるかという、私どもの仕事をひとつ御了解願いたいと思いますけれども、御承知のとおり、毎年正月一日の地価というものを公示いたします。そのために全国一万七千カ所余りを調査をいたしております。同時に、四半期ごとに五百五十カ所、これは十万以上の都市並びに県庁所在地から抽出をいたしまして調査をし、かつそのほかに、いま御指摘のあったいわゆる地価動向というものを的確にとらえていくという観点から、一般調査といたしまして二百十三の地域を調査をいたしておりますし、来年度から国土利用計画法の規制地域というものを頭に置きながら、価格抑制のための規制を頭に置きながら特別調査地域として二十四の地点を実は考えておるわけでございますが、そうした前提に立って地価の抑制に努力をいたしておるわけでございますけれども、いま御指摘のとおり、実は三大都市圏の住宅地を中心として若干強含みの傾向が出ておることは否定をいたしません。 そこで、長期的な考え方としては、三全総の線に沿い、また総理が提唱しておられます田園都市国家構想、私どもは定住構想として全国四十カ所を選定をして、実は地方の伝統を生かしながら都市づくりということを考えておるわけでございますが、それは三大都市圏でいま御指摘がございました地域に、実は国土として見ますと約一割近く、そこに、一〇%の地域に四六%、約五千万の人間が集中してきておる、九割の地域に残りの人間が住まっておるという、国土の高度利用という面から考えても、長期的に私どもが考えておる三全総の進め方というものには間違いはなかろう。同時に、都市機能をやはり機能させるためには、いま御指摘がございましたとおり、地価の抑制策としては土地取引に対する今日の税制上の問題あるいは財政上の問題等から抑制を図っていきます反面、宅地の供給をやはり促進していくということと、今日の地価を見てみますと、四十八年のような投機的な動きによって地価が急上昇をしている傾向はございません。そこで、やはり宅地の供給を促進するためには、都市の再開発、大都市地域内におけるいわゆる市街化農地の宅地化の促進というようなことを積極的に進めますとともに、税制の問題でも長期、短期に分けまして、そして長期的な取引については私どもはこの促進に役立つような姿の中で課税の軽減を図ってまいりたいというような総合的な措置を講じて、いま御指摘のように、地価の値上がりを抑制しながら土地政策を今後とも進めてまいりたいと、こう考えておりますのでよろしくお協力をお願いいたします。
○山田勇君 最後にお尋ねいたしますが、過酸化水素が、動物実験の結果発がん性があると一月の十一日に発表され、その後一月の三十日に厚生大臣の諮問機関でまとめられた意見によりますと、食品に残留しなければ使用してもよいということになったが、業者も消費者もこれは大変戸惑っているわけですが、問題は、だれがその残留のゼロをチェックし、また保証するのか、検査体制が万全なのかということですが、疑わしきは使用せずというのは大切なことと思うのですが、この点についていかがでございますか。
○委員長(山内一郎君) 山田君、時間が来ました。
○国務大臣(野呂恭一君) 御指摘の食品に使用いたしております添加物としての過酸化水素が学者グループの調査の結果発がん性を持っておるということになりましたので、厚生省といたしましては、この問題に対して慎重に扱って、一月の十一日に事前通告の形で加工業者、製造業者に対しまして自粛を要請するということで公表をいたしたわけでございます。 そこで、お尋ねの問題につきましては、調査会が厚生省に意見を申し出ておりますので、問題は最終の加工段階において食品に過酸化水素が残留しなければよろしいと、こういうことでございます。したがいまして、こういう調査の結果に基づきまして、近く過酸化水素の使用基準についての告示の改定をいたしたいと考えておるわけでございます。 その場合、全国的に約六千五百人の食品衛生監視員がおるわけでございます。したがいまして、この監視員によって食品製造、加工業の施設などを含めまして十分監視をし、間違いのないような指導をしてまいりたいと考えております。
○委員長(山内一郎君) 以上で山田君の質疑は終了いたしました。 これにて質疑通告者の発言はすべて終了いたしました。昭和五十四年度補正予算三案に対する質疑は終局したものと認めます。 —————————————
○委員長(山内一郎君) それでは、これより補正予算三案に対する討論に入ります。 討論の通告がございますので、順次これを許します。なお、発言者は賛否を明らかにしてお述べ願います。対馬孝且君。
○対馬孝且君 私は、ただいま提案をされました昭和五十四年度一般会計補正予算、同特別会計補正予算及び同政府関係機関補正予算三案に対し、日本社会党を代表し反対の討論を行います。 わが国の経済及び財政の状況はかつてない困難な局面を迎えております。景気は順調な過程をたどっており、企業収益の中でも大企業の収益は史上空前の好況を満喫しておりますが、中小企業の倒産及び経営内容は依然として好ましくありません。一方、国民生活に直接打撃を及ぼす物価は、卸売物価が十五カ月連騰で、一月の上昇は年率で二八・三%と暴騰しており、このため公共料金の大幅な値上げ、消費者物価上昇へとはね返ってくることは明らかであります。 また財政的には、先進国に見られない、五年連続での歳入の三割を国債に依存するという赤字財政を続けており、財政インフレの危険性も高まっているのであります。 このような状況のもとで今年度の補正予算が編成されたわけですが、財政再建という当面の緊急課題に取り組む予算の補正としてはきわめて不十分であります。 第一には、今回の補正の特徴は、一兆九千九十億円という巨額の年度内自然増収に助けられた国債減額というものですが、税収の見積もりについては政府がいかにずさんであるかを示すものであると言わなければなりません。歳入予算は見積もりであるとは言え、かかる巨額の過小見積もりを当初予算で行ったことの政府の責任はきわめて重大なものがあります。 第二に、経費の節減の不十分なことであります。公共事業等予備費二千億の減額は、当初予算において景気対策のための公共事業費の過大な計上がなされた結果であり、いわば政府当初予算編成のあり方の誤りをみずから認めた形となっております。ところで、行政経費の節減はいまや国民的な要求でありますが、今回の節減額は七百四十六億円にすぎません。しかも、その中身は国債減額に伴う不用額が大部分であり、これでは国民の期待にこたえたとはとうてい言えません。また、公共事業費が数千億円繰り延べられると伝えられていますが、次年度に繰り越すものはこの際削減することが財政民主主義の観点からも、建設国債の削減という財政再建の観点から必要でありますが、政府にその姿勢が見られないことはまことに遺憾であると言わなければなりません。 第三には、国債減額のための税収増対策を考えるべきでありますが、その意欲が見られません。狂乱インフレのときには会社臨時特別税を創設をしてもうけ過ぎ企業の利益を吸収した前例があります。いまからでも遅くはありません。来る三月末決算企業に対し課税を考え、国債減額の財源とする姿勢こそ国民にこたえたものと言わなければなりません。また、大企業には十分負担にたえる能力があります。 第四には、財政投融資計画について触れたいと思います。周知のように、財投計画は国会の議決を経ないとはいえ、実質的には第二の予算と言われていますが、その欠陥が次第に明らかになってまいりました。特に日本輸出入銀行、日本開発銀行などの資金は未消化が出ております。昨年十一月末で十機関が手つかずという状況であります。したがって、この際特に財投機関のあり方の再検討が必要でありますが、政府にはその発想すら見られません。 以上、今補正予算案に関して主なる問題点を指摘し、私の反対討論を終わります。(拍手)
○委員長(山内一郎君) 次に、下条進一郎君。
○下条進一郎君 私は、自由民主党・自由国民会議を代表して、ただいま議題となっております昭和五十四年度補正予算三案に対し賛成の意思を表明し、討論を行うものであります。 わが国経済は、昭和四十八年秋のいわゆる第一次オイルショックを境に不況局面が長期にわたって続いてまいりましたが、数次にわたる思い切った財政による景気てこ入れと民間の努力があり、さらに輸出も順調に伸長し、国内経済は着実に回復の基盤を固めてまいったのであります。特に五十四年に見る経済の動向はきわめて良好な姿になっております。四十九年度に実質経済成長率がマイナスに落ち込んで以来幾多の苦難を克服し、五十三年度五・六%、五十四年度実績見込みで六%と、いまやわが国経済は安定成長路線への軟着陸を確実に実現することに成功しているのであります。 この間企業収益の改善にあわせ、雇用も国民の消費生活も順調に回復しており、主要先進国の多くがまだ混迷を脱し切れないでいる中にあって、これはひとえに国民のたゆまぬ努力と大平内閣を初め歴代自由民主党内閣の政策とその運営がきわめて適切に行われたことに基づくものと言えましょう。 しかしながら、最近に至り、こうした好調な国内経済の前に立ちはだかる問題は、言うまでもく、第二次オイルショックと言われるOPEC諸国による石油価格の値上げ攻勢であり、これに対応する石油の量的確保の問題であります。すでに石油値上げにより、卸売物価は五十四年に入って年率にして二けた台の高騰を続け、とどまるところを知りません。そのため、企業活動や国民生活を不安に陥れるような黄信号が目につき始めました。幸いにも、消費者物価が安定的に推移してまいっておりますが、消費者物価への波及は月を追って表面化する傾向にあります。 この際、政府におかれましては、経済の持続的拡大を維持するため、インフレの抑制には勇断をもって臨まれるとともに、財政金融政策の適正運営によって国民生活並びに企業活動の安定を期することを強く要望するものであります。 以下、本補正予算に賛成の理由を申し述べます。 賛成の第一は、この補正予算において、一兆九千九十億円もの巨額の租税印紙収入の追加が計上された点であります。 五十年度補正における三兆八千億円余の巨額の歳入不足の発生以来五十三年度補正までの租税印紙収入の計上は、毎年減額補正を余儀なくされ、減額分は毎年国債の増発で財源を充当するという苦しい状況が続いてまいりました。 しかし、ようやく、今回の補正予算において、大量国債発行下で初めて巨額の税の自然増収を生じ、追加補正を計上でき、財政悪化のパターンを改善する手がかりができたのであります。このことは、政府並びに国民各層の努力の反映であり、まことに意義深いと言わざるを得ません。 賛成の第二は、当初予算において計上されている国債発行予定額十五兆二千七百億円を、本補正において一兆二千二百億円減額し、十四兆五百億円とし、国債依存率を三九・六%から三五・四%に低下させた点であります。 五十年度以降の大量国債発行は、累積国債残高を急速に高め、五十四年度末には五十七兆円台にふくれ上がり、これに伴って国債費の増高と財政の硬直化を招き、さらに国債の消化問題等々大変むずかしい問題を惹起しております。今日、国債発行量の縮減は喫緊の課題であることは申すまでもありません。こうした折に、財政再建元年と言われる五十五年度予算を待たず、本補正において財政再建が一歩前進できたことは大いに評価すべきものと存じます。今後、政府におかれては、国債発行量の圧縮に最大の力点を置き、財政再建を着実に推進されんことを要望したいと存じます。 賛成の第三は、公共事業等予備費二千億円の減額並びに公共事業費の執行留保の措置についてであります。 卸売物価高騰の影響が漸次消費者物価に及びつつあることはさきに述べたとおりであります。今後の物価動向には十分警戒を要する状況にあります。政府の五十四年度の公共事業の執行につきましては、五十二、五十三年度にとられた前倒し執行を改め、年度初来、自然体執行で運営され、景気に対し、中立的に対応されてきたことは周知のところであります。今回はさらに、物価上昇を財政面から刺激することのないよう、公共事業の執行に当たり、予算の五%分を当分留保することとあわせて公共事業等予備費を思い切って全額削減することとしております。 財政のかかる弾力的運営は、不安定不透明な先行きの経済動向に機動的に対応したもので、まことに時宜にかなった措置として評価するものであります。 このほか、本補正には、災害復旧等事業費食管会計繰り入れなど、当初予算作成後に生じた事由に基づき、特に緊要となった事項についてきめ細かな追加措置が講じられており、かかる政府の措置に深く賛意を表するものであります。 以上をもって私の賛成討論を終わります。(拍手)
○委員長(山内一郎君) 次に、原田立君。
○原田立君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました昭和五十四年度補正予算三案に対し、反対の討論を行うものであります。 五十四年度初めより、卸売物価高騰や安定的に推移してきた野菜、魚等の反騰は、国民の実質所得を次第に低下せしめ、生活実態はきわめて苦しくなってきております。さらに五十四年度の企業倒産は史上二番目の最悪の記録をつくるなど、中小企業を中心に厳しい経済環境となっております。 政府が来年度予算がらみで決めている各種公共料金の大幅引き上げは、すでに上昇に転じている消費者物価の動向を全く無視するものであり、国民生活不在の政治と断ぜざるを得ません。 以下、四点について補正予算案の反対理由を申し述べます。 反対理由の第一は、五十四年度当初予算における歳入見積もりに重大な誤りがあった点であります。 五十四年度の税の自然増収は一兆九千九十億円が補正に計上され、当初見込みに対する増収率は実に八・九%と、かつてない大きな見込み違いとなっております。 わが党は、本予算委員会において当初税収見込みの異常な低さを指摘し、適正な把握を求めたのでありました。しかし、政府は、当初見込みに強く固執してきたのであります。もし財政当局が当初予算において意図的に税の自然増収を低めに予定していたとすれば、財政民主主義に逆行する姿勢であり、国民の税に対する信頼を失うことで、納得のいかない点であります。 反対理由の第二は、五十年度以降の国債大量発行のツケがあらゆるところで表面化してきたことであります。 今年度末で五十八兆円に上る巨額の国債は流通市場において暴落を見、金融全体に重大な問題を提起しております。国債消化難打開の切り札として登場した中期国債までが消化難に陥っております。 今回の補正予算において、中期国債は当初発行予定中五千億円減額したにもかかわらず、発行残は依然として一兆二千億円もあり、明らかに借金財政であります。これは安易に国債を増発することだけに重点を置き、国債の総合的管理を放棄してきた政府の失政であり、強く指弾されねばなりません。 反対理由の第三は、当初計上の公共事業等予備費二千億円の全額削除が行われておりますが、公共事業等予備費そのものに疑義があります。いわばひもつきの予備費は、憲法、財政法上疑義があるばかりでなく、その性格が国会の財政コントロールを無力化させるだけのもので、わが党は、新設以来この費目に強い反対の表明をしてまいりました。公共事業等予備費は、五十一年、五十三年、五十四年と三度計上され、五十三年、五十四年と二度も手つかずのまま補正で全額削除されております。このことは、補正財源捻出のために、当初においてあらかじめ計上しておくという安易な財政運営を意図したものであり、断じて許すことはできません。 反対理由の第四は、今回補正予算における既定経費の節減についてであります。 政府は、当初予算編成に当たり、毎年度行政経費の節減、合理化を唱えながら、補正予算提出のとき必ずこの既定経費の節減を行っております。国民はこれを見て、政府の予算編成のあり方、行政改革の取り組み姿勢に多大の疑問を持っております。折しも鉄建公団、KDD、その他行政官庁をめぐる不正経理問題など公費天国に対する国民の目はきわめて厳しく、ごまかしは通用いたしません。強く反省を求めるものであります。 以上四点を強く指摘し、私の反対討論を終わります。(拍手)
○委員長(山内一郎君) 次に、内藤功君。
○内藤功君 私は、日本共産党を代表し、政府提出の昭和五十四年度補正予算三案に対し、反対の討論を行うものであります。 反対理由の第一は、国民生活と日本経済の危機に対する緊急対策においてきわめて不十分であることであります。 今日物価の急騰は危機的事態に立ち至っております。一月の卸売物価は年率換算で二八・三%、一九七四年当時の狂乱物価以来の大幅上昇を示し、電力、ガスを初め相次ぐ公共料金の引き上げは国民生活を直撃しております。他方、中小企業の倒産は一月に史上第二番目の件数を記録し、失業率も依然として高い水準であります。今日、このような国民生活と経済的危機に対する緊急対策こそが強く求められておるにもかかわらず、本補正予算案の内容は全く逆行するものとなっております。 反対理由の第二は、財政再建の課題にとうていこたえ得ないものであることであります。 本補正予算案では、国債発行額を当初予算に比べ一兆二千二百億円減額しているものの、なお十四兆五百億円もの巨額の国債発行額を残しており、これをもっては深刻な財政危機を緩和できるものではありません。真の財政再建を実現するためには、何よりも国民生活防衛を優先させながら不公平税制の抜本的是正、大企業本位の支出、膨大な軍事費など不要不急経費の削減、民主的な行政改革の断行、昨日も本委員会で指摘をされました鉄建公団その他の腐敗、冗費の一掃など、国民本意の財政再建をこそ目指すべきであります。反対理由の第三は、不要不急かつ憲法に違反する疑いの濃い軍事予算がほとんど聖域化されて増強されていることであります。 わが党は、グラマン事件の渦中にあったE2C早期警戒機購入予算の削除を強く主張するとともに、一機百億円に上るP3C対潜哨戒機、F15制空戦闘機などについてもその削減を主張してきました。国会審議の中ではその疑惑は一層深まっております。加えて、何らの法制的根拠のない米軍駐留費に対する肩がわり支出は全く手をつけられておりません。一昨年十一月、日米防衛協力指針いわゆるガイドラインの制定以降、日米の合同演習は拡大され、自衛隊の環太平洋軍事演習への参加、中東への米軍海兵隊を主力とする部隊の緊急投入、さらに出撃の容認など、きわめて危険で重大な動きが現大平内閣のもとで進められております。私は、わが国の平和と安全を守るために、こうした危険な政策を直ちにやめることを要求するものであります。 以上、本補正予算案の性格は、福祉切り捨て、所得税減税見送りによる実質増税、一連の公共料金の大幅引き上げ、軍事費の増強など、国民に対する大収奪を企図している昭和五十五年度予算案へと連動するものであり、強く反対することを表明し、反対討論を終わります。(拍手)
○委員長(山内一郎君) 次に、栗林卓司君。
○栗林卓司君 私は、ただいま議題となりました昭和五十四年度補正予算三案に対して、民社党を代表して反対の討論を行います。 昭和五十四年度予算編成の際の情勢を顧みると、石油も含めて物価は安定し、国際収支は黒字基調であり、内需の振興が差し迫った課題でありました。しかし、年度半ばにして情勢はさま変わりいたしました。したがって、政府としては情勢の変化に対応すべく行政全般の見直し、中でも本年度予算の見直しと修正が急務でありました。たとえば景気対策であります。内需の振興よりも石油の値上がり及び急激な円安によるインフレ対策が当面の課題となりました。一方、景気の実情を見ると、民間設備投資を中心として自律回復力が認められるに至りました。これは財政による景気刺激の必要性が小さくなってきたということであります。 一方、国債市場では価格の下落が注目されました。これはクラウディングアウトの懸念がいよいよ現実のものになってきたことを示すものであります。このときに当たって政府がなすべきことは、国債発行の減額、公共事業費の削減であり、また景気対策に名をかりて怠ってきた行政費の削減に取り組むことであります。 通常、補正予算は十月ごろ国会で審議されます。そして、昨年の十月、十一月には情勢変化の全貌はほぼ明らかになっていたのであります。しかし、この重要な時期に政府は無為無策でありました。情勢の急変に対応する行動をしたのは日本銀行だけだと言っても言い過ぎではありません。しかし、内需の振興からインフレ対策への経済政策の転換を公定歩合と窓口規制にのみ求めることには無理があります。予算規模の縮小を初めとする財政の努力がまず必要なのであります。にもかかわらず、補正予算の提出が年を越した二月となり、しかもその内容において見るべきものがないというのは一体どういうわけなのか。 振り返ると、ロッキード事件及び引き続く自民党の内紛は半年以上の政治の空白をもたらしました。そしてこの空白は、政府の対策のおくれをもたらし、第一次石油危機の傷跡を一層深くしたのであります。私は同様の問題を昨年後半の政治の空白について指摘し、遺憾の意を表明しておきたいと思います。 従来予算は年ごとに決め、決めたら変更せず、忠実に行政を執行することをたてまえとしてきました。しかし八〇年代を展望し、変化が著しいことを考えるとき、こうした従来の予算についての考え方も見直しをする必要があります。年度予算を決めても、年度中にさらに検討を進め、一層事態に適合する努力をすべきであります。 行政費の削減についても同様であります。年度予算でぎりぎりの行政費を計上したというのはあくまでもたてまえであり、なお、削減の可能性が大きいと見るのが常識であります。 では、年度内にどれだけ努力をしたのか。既定経費の節減実績を見ると、昭和五十二年度予算では千五百八十六億円、予算総額に対して〇.六%の節減、翌昭和五十三年度予算では千百三十四億円、〇・三%、そして本年度予算では七百四十六億円、〇・〇二%。予算規模が大きくなっていながら節減額は年を追って減少しております。もちろん事情はさまざまであると思います。しかし、削減額、縮減額が減ってきていることが格別問題にされない雰囲気に問題がありはしないのか。年度予算は、決めたからといって情勢のいかんにかかわらず使ってよいというものではありません。この意味で政府は補正予算をむしろ積極的に活用すべきであります。 以上、問題点を指摘し、反対の討論といたします。(拍手)
○委員長(山内一郎君) 以上で討論通告者の発言はすべて終了いたしました。討論は終局したものと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 昭和五十四年度一般会計補正予算、昭和五十四年度特別会計補正予算、昭和五十四年度政府関係機関補正予算、以上三案を一括して問題に供します。 三案に賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(山内一郎君) 可否同数と認めます。よって、国会法第五十条後段の規定に基づき、委員長において三案に対する可否を決します。 三案について、委員長はこれを可と決定をいたします。よって、三案は原案どおり可決すべきものと決定しました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山内一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 これにて散会します。 午後一時十八分散会