文教委員会 第10号
- 発言数
- 87 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1980/05/13
会議録
○委員長(大島友治君) ただいまから文教委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨十三日、塩見俊二君が委員を辞任され、その補欠として山本富雄君が、また本日、望月邦夫君が委員を辞任され、その補欠として堀江正夫君が、それぞれ選任されました。 —————————————
○委員長(大島友治君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い、本委員会の理事が一名欠員となっておりますので、ただいまから理事の補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大島友治君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に小巻敏雄君を指名いたします。 —————————————
○委員長(大島友治君) この際、東大原子核研究所の汚染事故について政府から説明を求めます。篠澤学術国際局長。
○政府委員(篠澤公平君) 東京大学付置原子核研究所におきまして、去る五月八日に放射能の汚染事故が発見されました。この発見に至ります経緯、並びに現在の時点におきます文部省といたしまして、事情聴取しました中間的な段階でございますが、概要を御報告申し上げます。 九州大学工学部応用原子核工学科の研究者グループ、助手二名、技官一名、大学院生一名でございますが、本年四月七日から二十八日にかけまして、東大原子核研究所にございます空しん——空のしんでございますが、空しんベータ線実験室におきまして、カリホルニウム252を使用する核分裂生成物の核構造研究のために、空しんベータ線実験室を利用いたして実験を行ったわけでございます。その後、実験を二十八日に終了いたしまして帰りました。その後、実験室は使用されないままでございましたが、本月八日、次のグループが実験をいたしますために、同実験室をあらかじめ、事前に放射能等の測定を行ったわけでございます。その際に同実験室におきますカリホルニウム252による汚染が発見されたわけでございます。これは五月八日の夜のことでございました。 五月九日、十日にかけまして——五月十日におきましては、科技庁の安全関係の関係者が来られましての調査を実施いたしました。それによりますと、汚染されました場所は、同実験室並びに実験室で使用いたしました消耗品等を焼却いたしました焼却炉、その二ヵ所におきまして汚染が明確にされたわけでございます。 その調査に基づきますと、原因はどういうところにあるかということでございますが、九州大学の研究者が密封されました容器に封入して使用すべきカリホルニウム252の線源を、本来開封してはならない同実験室で開封したというところに一つ大きな原因があったわけでございます。したがいまして、本来であれば実験室で密封線源としてきちっとしたものにするわけでございますが、これを改めて、また開けてはならないベーター線実験室で開けた。そのために酸化をいたしまして、一部線源が剥離をし、脱落したということのために、実験室が汚染されたということでございます。 さらにもう一点の問題は、同実験室で実験が終了いたしましてから、これを核研の管理者に終了届けをし、引き渡す際に、十分な実験室の検証、チェックが行われなかったというところが第二の問題点だと思うわけでございます。 核研といたしましては、五月十日に科学技術庁の御協力を得まして調査を行いました。その結果、実験に従事した者あるいは焼却に従事した者等の関係者に対する、人に対する汚染は見られなかったということでございます。また、汚染物は焼却いたしたわけでございますが、焼却いたしました汚染物中におきますカリホルニウムの量を測定いたしましたところ、紛失をいたしました部分とそれから汚染物、焼却いたしたものの中から発見されました量とは等価でございましたので、それ以外にはカリホルニウムによる汚染はないということが理論的には言えるわけでございます。 なお、外部環境につきましては、研究所内に常設してございます四ヵ所のモニターによりまして、自然環境を測定しているわけでございますが、このモニターには異状が検出されておらないわけでございます。 なお、所内三十六ヵ所におきまして、十分な調査を実施いたしました。それらにつきましても汚染の事実は発見されなかったという報告を受けているところでございます。 本件につきましては、日曜日——一昨日早朝並びに昨日引き続き、また本日も詳細の報告を求める予定にいたしておりますので、現時点におきましては以上の経過を御報告申し上げる次第でございますが、文部省といたしましては、三月中旬に高エネルギー研究所におきますストロンチウムの紛失事件がございました。引き続きまた核研におきますこのような事故が起きましたことに対して、全く遺憾に存じている次第でございます。 引き続き私どもといたしましては、放射能物質等の取り扱いにつきましては、十分な注意を払うということはもちろんでございます。そのために実は三月から徹底的な放射能物質を取り扱う諸研究についての実態調査をかねて進めているところでございますが、その結果の整理と分析を行いまして、今後かかる事故が発生いたしませんように、最大の努力を払いたい、こう考えているわけでございます。 以上、簡単でございますが、経過の報告等あわせて申し上げた次第でございます。 —————————————
○委員長(大島友治君) 学校教育法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず発議者から趣旨説明を聴取いたします。勝又君。
○勝又武一君 ただいま議題となりました学校教育法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 学校には、校長、教頭、教諭のほか、養護教諭、学校事務職員、学校栄養職員、司書、給食調理員、用務員、警備員など各種の職員が配置されており、これらの職員が一体となって活動しなければ、学校教育の目的を十分に達成することはできません。これらの職種のうち、特に養護教諭及び事務職員につきましては、その職務の重要性にかんがみ、小・中学校及び盲・聾・養護学校には原則として置かなければならないことを学校教育法において定めているのであります。 しかるに、学校教育法制定以来、三分の一世紀を経過した今日においても、法制定時の事情から未設置の根拠となっている経過規定や例外規定がいまだに撤廃されず、養護教諭及び事務職員の全校配置は実現を見ていないのであります。すなわち、昭和五十四年度における公立小・中学校の平均配置率を見ますと、養護教諭が八〇・六%(定数上七七・七%)、事務職員が八〇・〇%(定数上七三・九%)となっております。 また、本年度から発足いたしました第五次学級編制及び教職員定数改善十二年計画においても、この計画が終了する昭和六十六年度になお公立小・中学校の二%約七百校が養護教諭及び学校事務職員を未設置のまま放置されることになっております。 養護教諭と学校事務職員の重要性、必要性につきましては、すでに当文教委員会においてたびたび真剣に論議されてきた問題でありますが、行政の理解不十分と努力不足はまことに遺憾であります。そこで両者の職務の重要性と全校配置の必要性につきまして重ねて御説明申し上げます。 まず第一に、養護教諭について申し上げます。 御承知のように、養護教諭は児童、生徒の保健、安全に関する管理と指導というきわめて重要な職務を行っております。特に近年、社会、経済等の急激な変化に伴う生活環境の悪化と、入試準備教育の過熱を背景として、心臓、腎臓、胃などの疾患、齲歯、近視、脊柱異常、情緒障害の増加、さらには骨折の多発、肥満、背筋力の低下など、子どもの健康、体力について、きわめて憂うべき状況が生じており、養護教諭の役割りの重要性が一段と高まってきているのであります。その結果、父母や学校関係者から、子供の生命と健康を守るために養護教諭の必買を求める声がますます強まってきております。この要請にこたえるため、各都道府県は標準定数法の定める定員を上回って養護教諭を配置せざるを得ないばかりか、相当数の養護教諭が複数校の勤務を強いられる事態を生じ、子どもの健康管理を十分に行えないだけでなく、養護教諭自身の過労など人権にかかわる問題まで生ずるに至っております。また、近年における学校事故の多発が、その事務処理等養護教諭の職務の過重を招来していることも見逃がせないところであります。 次に留意すべき問題は、学校教育法第二十八条第十二項で、特別の事情のあるときは、養護教諭にかえて養護助教諭を置くことができる旨の規定が置かれていることから生ずる問題であります。すなわち、政府は現在養護教諭の増員計画を進めておりますが、その養成制度の不備等から有資格者が得られず、資格を持たない養護担当教員が安易に配置される傾向が目立ち、教育現場に混乱と問題を起こしているのであります。子供の生命と健康に直接かかわる職種であり、また助教諭の場合と異なり各学校に一人しか配置されておらず、他の養護教諭の指導等を受けることができないことを考えますと、専門職としての資格を持った養護教諭が配置されなければなりません。 次に高等学校の養護教諭については、学校教育法上任意設置のたてまえとなっておりますが、すべての高校に養護教諭を配置する必要性のあることは、小・中学校と同様であります。またこのことは、高校における養護教諭が全日制の課程と定時制の課程の兼務を余儀なくされて、労働過重になっている事態を解決するためにも必要な措置であります。 第二に、学校事務職員について申し上げます。 学校事務職員の職務は、まず一般的な事務として文書、統計、給与、経理事務などがあり、また直接子供にかかわる事務としては、教材教具、施設設備及び就学奨励などに関する事務、さらには地域の父母にかかわるPTAの諸活動への援助など、きわめて多方面にわたっております。 さらに、これらの複雑多様な学校事務を適正に行うためには、学校教育の理念、教育内容、教育行政の仕組み及び子供の学習環境に関する知識を習得する必要があるなど、一般行政事務とは別の意味での専門性が要請されており、学校事務職員は教員の教育活動と相まって、学校運営を有機的、一体的に進めるためにきわめて重要な役割りを果たしているのであります。特に、近年における学校教育の役割りの増大等による学校運営の複雑困難化に伴って、事務職員の職務の複雑高度化が一層進みつつあります。さらにまた、事務職員も、日々子供たちと親しく接する存在でありますから、子供への深い愛情の持ち主であることが教員と同様に必要であることも見逃せないところであります。 次に、学校事務職員の置かれていない学校は主として小規模校でありますが、校務すなわち学校運営に必要な業務の種類は、学校規模と関係なく同様であります。したがって、小規模校においては、少数の教員が多くの校務を分掌せざるを得ない上に学校事務を分担しているのであります。そのため、教育活動や学校事務の処理に支障を生ずるなど、学校教育の正常な運営が阻害されているのが実情であります。 なお、各都道府県が標準定数法の定める定員を大幅に上回って学校事務職員を配置していることにも、その必要性があらわれております。 以上述べました理由から、養護教諭及び学校事務職員の全校必置を速やかに実現しなければならないものと考え、本改正案を提出した次第であります。 なお、養護教諭の必置制を実現するためには、養成機関の増設とその内容の充実、養護教諭の地位、処遇の改善等がきわめて重要であることを付言しておきたいと存じます。 次に、改正案の内容について申し上げます。 第一は、高等学校に置かなければならない職員として養護教諭を加えることとしております。 第二に、小・中・高等学校等に養護教諭を置かないことができる期間を、昭和五十九年三月三十一日までの間に改めております。 第三に、昭和五十九年四月一日以降、養護教諭にかえて養護助教諭を置くことはできないこととしております。 第四に、小・中学校等に事務職員を置かないことのできる期間を、昭和五十九年三月三十一日までの間としております。 第五に、附則において、政府は速やかに養護教諭の養成計画を樹立し、これを実施しなければならないこととしております。 以上が本法律案を提案をいたしました理由と内容の概要であります。何とぞ十分御審議の上、速やかに御賛成くださいますよう、お願いいたします。
○委員長(大島友治君) 次に、女子教職員の出産に際しての補助教職員の確保に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、発議者から趣旨説明を聴取いたします。勝又武一君。
○勝又武一君 ただいま議題となりました女子教職員の出産に際しての補助教職員の確保に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案の理由と内容の概要を御説明申し上げます。 学校教育がその目的を達成するためには、児童、生徒の教科、生活指導のほか、財務、会計、学習、生活環境の整備、子供の健康、安全と福祉などにかかわる活動が一体として機能しなければなりません。そのため学校には、いろいろな職種の教職員が配置され、その共同による有機的運営が期待されているのであります。 しかし、児童、生徒の教育に直接従事する教育職員以外の職員の重要性、必要性については、必ずしも十分に認識されるに至っていない現状であります。特に学校教育法上、必要なときに置くことができる職員として、その職名及び職務内容が明定されるに至っていない職員、すなわち学校図書館司書、養護職員、学校給食調理員、用務員、警備員等の職務内容の確立と地位、待遇の保障がきわめて不十分と言わなければなりません。申すまでもなくこれらの職員は、それぞれ学校図書館活動、学校保健、学校給食、環境の整備、保全など学校における児童、生徒の学習、生活に密接にかかわる重要な職務に従事しており、また日々子供たちと親しく接する存在であります。したがって、子供たちに与える教育的影響も大きなものがあります。ちなみに、昭和五十三年度において国公私立の小・中・高等学校、盲・聾・養護学校及び幼稚園にこれらの職員が配置されている数は約十四万五千人であり、そのうち約九万四千人が女子職員であります。 しかるに、昭和三十年に本法が制定されて以来、昭和三十九年には実習助手を、一昨年は学校事務職員及び学校栄養職員をそれぞれ法の対象に加える改正が行われ、今日では上述の職員のみが本法の適用の対象外に置かれているのであります。 この結果、これら職種の職員は、多くの場合各学校に一名程度しか配置されていない実態から、出産の場合、産前産後の休暇を十分にとることができず、無理な勤務を行わざるを得ない状況に追い込まれているのであります。それのみでなく、これがまた学校運営上さまざまな障害を生じているところであります。すなわち、これら職員が産休で休みますと、他の教職員へのしわ寄せ、学校給食内容の低下、教育環境の整備、保全がおろそかになるなど多くの問題を生じております。 さらに、産休代替職員制度について、同一職場におけるこのような不均衡、不平等な取り扱いは、学校の一体的運営を阻害するばかりでなく、人材の確保、積極的な職務態度の維持等の障害ともなりかねないところであります。 したがって、このような不合理な実情を改め、かつ母体及び乳児の保護と正常な学校運営を確保するため、これらの職員を本法の適用の対象に加える改正案を提出した次第であります。 次に改正案の内容としましては、女子教職員の出産に際しての補助教職員の臨時的任用制度の適用範囲を拡大するため、小・中・高等学校、盲・聾・養護学校及び幼稚園に常時勤務する女子教職員のうち政令で定める職員を加え、すべての女子教職員を適用の対象とすることを目指そうとするものであります。 なお、この法律の実施については、その準備期間の必要性を考慮して、公布の日から起算して三月を経過した日から施行することにしております。 以上が本法律案の提案の理由と内容の概略であります。 何とぞ十分御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願いいたします。 以上です。
○委員長(大島友治君) 以上、両案に対する質疑は後日に譲ることといたします。 —————————————
○委員長(大島友治君) 次に、昭和四十四年度以後における私立学校教職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。谷垣文部大臣。
○国務大臣(谷垣專一君) このたび政府から提出いたしました昭和四十四年度以後における私立学校教職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 私立学校教職員共済組合は、昭和二十九年一月に、私立学校の教職員の福利厚生を図る目的のもとに、私立学校教職員共済組合法により設立されたものでありますが、それ以後、本共済組合が行う給付については、国・公立学校の教職員に対する給付の水準と均衡を保つことをたてまえとし、逐次改善が進められ、現在に至っております。 今回は、昭和五十四年度に引き続き、国・公立学校の教職員の年金の額の改定に準じて、私立学校教職員共済組合法の規定による既裁定年金の額の改定等を行うため、この法律案を提出することといたしたのであります。 次に、この法律案の概要について申し上げます。 第一に、私立学校教職員共済組合法の規定による退職年金等の額を、昭和五十四年度の国家公務員の給与の改善内容に基づいて行われる国・公立学校の教職員の退職年金等の額の改定に準じ、昭和五十三年度以前の退職者について昭和五十五年四月分から増額することといたしております。また、これらに伴い、旧私学恩給財団の年金についても同様の引き上げを行うことといたしております。 第二に、既裁定の退職年金、廃疾年金及び遺族年金の最低保障額を、国・公立学校の教職員の既裁定年金の最低保障額の引き上げに準じ、昭和五十五年四月分から引き上げるとともに、同年六月分以後、さらにこれらの額を引き上げることといたしております。 第三に、国公立学校の教職員に係る給付の改善に準じ、遺族年金に加算される寡婦加算の額を引き上げるとともに、寡婦加算の受給者が、同時に退職年金等を受けることとなる場合には、必要な調整を行うことといたしております。 第四に、標準給与の月額の上限を国・公立学校の教職員の掛金等の算定の基礎となる俸給等の限度額の引き上げに準じ、三十九万円から四十一万円に引き上げるとともに、下限についても六万七千円から六万九千円に引き上げることといたしております。 最後に、この法律の施行日につきましては、他の共済組合制度の例にならって、昭和五十五年四月一日といたしております。 以上が、この法律案の提案の理由及び内容の概要であります。 何とぞ、十分御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。 なお、衆議院において施行期日等に関する附則の規定の一部が修正されましたので念のため申し添えます。
○委員長(大島友治君) これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○松前達郎君 ただいまの法律案について、これは毎年この委員会で取り上げられる法律案でありますけれども、私としましては、昭和五十三年の五月三十日の本委員会でこれに関連した事項について質問をさしていただいておるわけでございます。ですから、その時点の委員会の質疑等を踏まえてお伺いをいたしたいと思うわけであります。 まず最初に、資料をいただいておりますが、私立学校の加入状況ですね、これについては資料で提出されておりますから、これによってわかるわけですが、現在において未加入の学校は一体どのぐらいあるか、その点をお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(三角哲生君) 現在におきます非加入校でございますが、全体で合計が五十九校になってございます。それで内訳といたしましては、短期給付、長期給付とも適用除外になっておりますものが四十、短期給付について適用除外になっておりますものが十五、長期給付につきまして適用除外になっておりますものが四という、そういう学校数でございます。
○松前達郎君 教職員の数はトータルでどのぐらいになりますですか。
○政府委員(三角哲生君) 全体で、五十九校につきまして一万四千五百十一人ということでございまして、短期、長期とも非加入のものに係る教職員数が一万六百人、短期について非加入に係る学校の教職員が三千六百三十九人、それから長期について非加入の学校に係る教職員数が二百八十二人という状況でございます。
○松前達郎君 そうしますと、先ほど申し上げた五十三年ですね、そのときに答弁の中で、未加入は五十九校一万四千五百十一人という数の答弁があったんですけれども、それと全く変わってないということですか。
○政府委員(三角哲生君) ただいまの制度上新しく学校ができました場合には、これは当然に加入をなさいますので、非加入校の数といったようなものにつきましては、その非加入校が廃止されない限りは、その数がずっと続くということになるわけでございます。
○松前達郎君 この未加入校に対して、何らかの加入勧誘といいますか、恐らくこういった制度というのはなるべくたくさんの人が加入してもらった方が、運営上非常にやりやすい面もあろうと思いますけれども、こういうふうな未加入校について、加入を勧告するとか、あるいは勧めるとかいうふうな活動、そういう活動をしておりますか。
○政府委員(三角哲生君) いま御指摘の現在なお未加入である学校についての取り扱いの問題でございますが、文部省といたしましては、さきに昭和四十八年に、当時適用除外校の加入措置を講じた法律が施行されたわけでございますが、これもただいまちょっと委員からもお話がございましたが、これは非常に異例の措置として、大変むずかしいことを当時立法措置を講じていただきまして、やったわけでございます。でございますから、文部省といたしましても、当時は各学校法人あてに非常に意を尽くして、これが本当に最後の機会であるということで、そういうふうに思われるので、このせっかくでき上がりました法律の趣旨を十分学校内に理解を浸透させて、加入についての態度を決めるように助言指導を行った経緯があるわけでございます。これは各学校の中で、それぞれ学校が教職員の意向を確かめた上で、その際の最後と思われるこの加入の機会に加入するか、それともあえて加入しないかという決断を当時いたしたわけでございますので、これは再びこのようなことをすることは非常に至難のことでございまして、私ども当局といたしましては、この非加入問題については、これは国会の立法もあって、そういう段取りを踏んでおりますことでもあり、一応これは決着がついたということのような考え方といいますか、扱いにいたしておりまして、その後未加入校についてどうしようかというようなことについては、具体の現実の日程の上には上っておらないのでございます。
○松前達郎君 そうしますと、この数字はいつまでも今後変わらないということになるわけですね。
○政府委員(三角哲生君) 先ほども申し上げましたが、学校が廃止されない限りは、五十九校という数字はそのまま存続することになると思っております。
○松前達郎君 わかりました。 それでは次に、経営関係で、財源の計算ですね、これはやはり非常に重要な問題ではないかと思うんですが、昭和五十四年度ですね、これの責任準備金の額というのは、一体どのぐらいの額になっているのか、それについて。
○政府委員(三角哲生君) 五十四年度におきます責任準備金の推計額でございますが、これは一兆一千六百四十八億四千六百万円という数字でございます。
○松前達郎君 五十二年度の時点からは大分額としてはふえてきておるようですが、こういった責任準備金ですとか、あるいはその他収支の問題と責任準備金の問題、こういうものを全部踏まえてみて、文部省として、この共済の将来に関して、十分やっていけるという見通しがありますか、どうですか。
○政府委員(三角哲生君) ただいま申し上げました責任準備金に対しまして、必要となりますこれは引き当てを行うことなんでございますが、五十四年度の私学共済組合の計画といたしましては、約七千億の引き当てを行う。そのほかに保有資産が約三千八百億というようなことの数字になっておりまして、したがいまして、差し引きの不足の見込み額が約七百六十億余り、こういう数値になっておりますが、これは私学共済組合といたしましては、五年ごとに必要がありますとその中間的にも試算をいたしまして、計算をしながら掛金についての取り扱い等についても検討をしていくということでございまして、この不足金が過大になりませんような経営上の努力もしてまいる必要があると思っております。ここ二年にわたりまして掛金を上げるということもいたしましたために、五十二年当時に比べますと、不足金の見込みは減ってきておるという状況になっております。
○松前達郎君 その将来見通しというのは、一体どういうふうにお考えになっておりますか。
○政府委員(三角哲生君) これはずっと先までの見通しは、なかなか正確には困難であるかと存じますが、一応の試算をしたもので、ただいま手元にあるものについて申し上げますと、長期経理について、組合員数が昭和六十年以降が一応一定——仮定を置きませんと計算ができないわけでございますので、一定と見て、その数字としては一応三十四万七千四百人程度にしてございます。 それから、給与の改定率でございますとか、年金改定率、これを八%、それから資産運用利回り、これが若干また増減があろうかと存じますが、過去十年間の平均で七%といたしまして、そして掛金率を現行のままで据え置くということで計算をいたしますと、単年度の収支におきましては、二十四年後の昭和七十九年度、それから保有資産につきましては、三十二年後の昭和八十七年度に赤字になる、そういうような見通しの計算をいたしておるのでございます。
○松前達郎君 じゃ将来いずれにしても赤字になるという見通しはあるわけですね。それに対して、やはりいまから長期見通しのもとに健全なる運営というものを図っていくべきじゃないかということになろうと思うんですけれども、そうなってきますと、当然いろいろな問題がこれに派生するというか、関連して出てくるんじゃないかと思うんです。いまの、その他の共済関係ずっと見ましても、大体そううまくいっていないというのが現状でありますから、いわゆる、三Kというような問題もありますね。そういったようなことにならないようにいまから手当てをしておかなければいけないんじゃなかろうかと。そのためにはどうしても国庫補助の問題というのが絡んでくるんじゃないかと私は思うわけです。 そこで、もう一つだけお伺いしたいんですが、都道府県の共済組合掛金に対する助成ですね、これについては、現状は、概略で結構ですから、大体どういうことになっておるんでしょうか。
○政府委員(三角哲生君) 五十四年度についての状況を申し上げますと、四十七都道府県のうち、大学から幼稚園までの全部の学校種類に対して千分の八の補助を行っておりますものが三十七県でございます。したがいまして、十のものが完全な補助をしておらないということになりますが、そのうち、全然補助金を出しておらないのが四県、それから一都につきましては、東京でございますが、これは大学、短大、高専については補助をしない、こういう状況になっております。それから一府、一県におきましては、補助期間をまるまる十二ヵ月ということでなくて、短縮をするという形での圧縮のような扱いが見られます。それから学校法人に対する補助はしないで、いわゆる、組合員の掛金分についての補助だけをするというのが北海道のほかに二県でございますから、三道県となりますが、そういう状況でございまして、大体前年度とほぼ同じような状況でございます。五十二年度当時よりは若干こういった扱いを圧縮する府県が、ごくわずかでございますが、減ってきておるという状況でございます。
○松前達郎君 そうすると、地方財政が非常に苦しいということもあろうと思いますけれども、だんだんと補助に対しては後退をしつつあるという傾向だと受け取ってよろしゅうございますか。
○政府委員(三角哲生君) 一番状況が悪かったのは三十五年当時ではないかと思っておりますが、そうして、いまおっしゃいましたように、地方財政の状況もございまして、五十一、五十二とそういう状況が、若干の改善は見ましたが、続いておりまして、そうして五十三、五十四をあえて申しますれば、それほど目立った改善は見られないが、ほぼ現状維持できておる、こういうことで、私どもも都道府県に対しまして、前々からの当委員会での御意見もございまして、できるだけ努力をしていただくようにお願いしてきておりますが、悪化はしないけれども、それほど目立った改善も見ておらないというのが現状でございます。
○松前達郎君 これについては、また今後もひとつ都道府県に関して要望なり、なんなり続けていただいて、だんだんと後退して最後なくなるというようなかっこうにならないように、ひとつ御努力をいただければというふうに思うわけです。 そこで、毎回この法案が通過するときに附帯決議が行われるわけですね。附帯決議というのがどれだけ威力があるのかどうかよくわかりませんけれども、この五十三年のときでも附帯決議が幾つかついておるわけです。これについてその後どういうふうな対応をされておるのか、それについてお伺いをいたしていきたいと思うんですが、まず最初にさっきの質問申し上げたことと関連もあると思いますけれども、長期給付に要する費用に対する国の補助率、これが百分の二十に引き上げるようにしてくださいという附帯決議があるわけですけれども、これはほかの方との関連もあるかもしれませんが、先ほど申し上げたような長期展望に立っていきますと、やはりいまからこの手当てというのは十分考えておかなきゃいけないんじゃないかと思うわけなんです。これについてはどういうふうに対応されておるか、それについてお伺いいたします。
○政府委員(三角哲生君) 私どもも附帯決議の趣旨は尊重されなければならず、その御趣旨に従って努力をしなければならないと思っておる次第でございます。ただいま御指摘の長期給付の国庫補助率の改善の問題でございますが、まあ例年のように私どももこれを百分の二十に引き上げていきたいということで、財政措置につきまして努力をいたしたわけでございますが、やはり今年度は非常に国全体の財政が困難な回り合わせにもなっておりまして、それからやはり国庫補助につきましても、これは年来の経過のあることでもございまして、これは厚生年金に対する補助率、それから私学共済ないしは農林年金に対する補助率、それからもう一つのくくりといたしましては、国家公務員あるいは地方公務員に対する共済に対する補助率といったような、それぞれが以前からの経過の上に立ちまして、全体の均衡といったようなことも考えながら、財政的な措置を行ってきておる経緯もございまして、私学共済につきましては従来等も農林年金と同じ百分の十八ということで、今年度も従来の数値と同じ数値で結論を出さざるを得なかったというのが実情でございます。
○松前達郎君 ほかの年金との、公的年金制度との比較をするとそういうことになると思うんですけれども、趣旨としては先ほど申し上げたように、これが今後将来にわたって健全な運営がされるというのが趣旨だと思うんです。そういう意味で、引き上げについて百分の二十以上引き上げるという附帯決議ですね、これについて今後もひとつ努力をしていただきたい、かように思うんですが、その点大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(谷垣專一君) 全くこの問題は御指摘のとおりでございまして、私学共済に関しましては、私はほかのあれに比べて、ほかの方が非常に悪いのが多うございまして、将来の見通し等について暗いのに比べますと、私学共済の方はまだそこまではいっていないという点があろうかと思いますが、しかしそれにいたしましても、共済の持っておる性格から言いまして、国の補助率をもう少し上げてもらいたいという希望は終始持っておるわけでございます。先ほど局長からもお話がありましたように、農林年金の方の関係でありますとか、厚生年金の関係でありますとかいう実は横並びの問題を非常に財政当局が厳しく言ってまいりますので、ここだけというわけにはまいらない状況がございます。それはもうやむを得ぬと思うんですが、しかし共済全体の立場から見まして、ことに私学共済の持っておる重要性から考えまして、御指摘のような努力は今後とも続けてまいりたい。五十五年度は残念でございましたが、来年度につきましても同様の努力をさらに進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
○松前達郎君 まあほかの制度が悪いからそれと比較してというふうなことをよく言いがちなんですけれども、ほかの制度が悪ければこの制度はそれなりに直していけばいいんでしょう。何も下の方を見て右へ習えする必要もないんじゃないかというふうに思うんです。そういうことでひとつ今後ますますの努力をお願いしたいと思います。 それから、同じ附帯事項の中の長期給付に対する私学振興財団の助成金の問題、これについても強化措置を図ってくださいというふうな附帯決議が行われておるわけですけれども、これについてはどういうふうに対応されておるんですか。
○政府委員(三角哲生君) 私学振興財団の方から、できますれば私立学校教職員共済組合の方の助成金を充実するということは、私学振興財団がその事業活動を通じまして、私学の方から納めていただきました利息をまた私学なり、教職員に還元するということでございますので、それができれば非常に好ましいことでございますし、私学振興財団としても努力をしなければならない事柄なわけでございます。ただ、これも前にも御説明申し上げたことがございますが、必ずしも私学振興財団の収益と申しますか、収支の状況が非常にぐあいよくいくというふうにまいりませんものでございますから、なかなか窮屈な状況が続いてございまして、正直申しまして、若干の、わずかでございますが、上向きの状況には持ってきておりますけれども、目立ったほどの改善はまだ前回の御審議以来見ておらないというのが正直なところ実態でございます。 それから、私学共済組合の方は非常に発足以来だんだんと給付の内容等がスケールが大きくなってまいりまして、いわゆる標準給与総額といったような金額の伸びが非常に大きいわけでございますが、必ずしも私学振興財団が各私学に対しまして主として施設の整備を中心とする貸し付けを行いますその事業規模というものは、私学共済のスケールの拡大とパラレルにまいらないというようなこともございまして、なかなか比率的に申しますと、昔やっておりましたようなほどの比率を維持しながら、助成の内容を充実していくということが客観的に見ても困難な状況に置かれておるということもございまして、先ほど御説明申し上げたような実情になっておるのでございます。
○松前達郎君 これは財団そのものが、やっぱり政府出資金といいますか、この増額を獲得していかなければなかなかこれむずかしい問題と思うので、その辺もまた今後努力をしていただきたい、かように思うわけです。 それから、短期給付に要する費用についての国庫補助の措置、これについても附帯決議が行われていると思いますが、これはどうなんですか、どうも予算案の作成のときを見ますと、文部省の方から出すべきときにもうすでに文部省側の要求額はゼロになっているわけです。これは一体どういう理由で要求をしなかったのか、これについて御説明いただきたいと思います。
○政府委員(三角哲生君) 短期給付の事業に対します国庫補助につきましても御決議もいただきましたし、従前は年々の懸案事項ともいたしておりました。ただいま御指摘のように、昭和五十五年度の予算編成についてでございますが、この予算編成に際しても、したがいまして検討を行った次第でございます。その結果、私学共済組合の短期給付の収支状況でございますが、実は昭和五十二年度につきましては約四十三億円の黒字ということで、それから五十三年度におきましても二十七億円余りの黒字という結果でございまして、そして累積利益金もかなりの金額になっておる状況でございます。そういったことで収支状況が良好でありますということと、それから政管健保におきましては一般の保険料のほかに、いわゆるボーナスからも特別保険料を徴収するというような措置をとってございますが、私立学校教職員共済組合におきましては、短期給付の掛金率は千分の七十六ということで、組合員負担分が千分の三十八ということで、政管健保の一般の保険料率よりも低率でございます。さらには政管健保ではないところの付加給付なども実施して、年々その充実も図っておりますわけで、したがいまして、そういったことでございますとか、それから他の共済制度との均衡も考慮いたしまして、これは概算要求を行うことはどうであろうかという判断に立ちまして、あえて要求を行わなかったという次第でございます。今後につきましては、やはり短期給付の収支状況、医療費の動き、それから掛金率をどういうぐあいに修正をしていったらいいかというようなことを総合的に組合の方で判断もしてもらいまして、私どもも慎重に検討いたしたいというふうに考えておるものでございます。
○松前達郎君 それでは今度は退職手当制度、これについてお伺いいたしたいのです。 附帯決議の内容と関連ないかもしれませんが、私学教職員の退職金について、その解釈についていろいろな議論があるのではないかと思います。たとえば、退職金については、労働省の方では退職手当というのは賃金の一部である、こういうふうに行政的な解釈を下しているのだと私は思うのです。そういうふうなことから解釈いたしますと、この手当というのは経常費として認めるべきじゃなかろうかという問題、この問題が出てくるのではないかと思うのです。ですから、経常費として認めるとすれば、補助対象としてこれが浮かび上がってくるわけなのですが、どうも文部省の方では経常費としては認めない、補助対象は困難だ、こういうふうな見解じゃないかと思いますが、その点いかがですか。
○政府委員(三角哲生君) 退職手当が通常給与制度の一環をなすものというふうに理解されておりまして、そのことについては私どももそういう一般の理解の上に立って考えるべきであろうと思っております。ただ、これがいわゆる経常費か、あるいはそのつどの臨時費かというようなことになりますと、これはそれぞれの組織によりまして、人事構成と申しますか、職員の年齢構成等によりまして、非常に多額に経費を要する年もあれば、それほどでもない年もあるということで、したがいまして、たとえば私学振興財団の経営費の融資の一つの対象項目ともしておりまして、非常に多額の退職手当を必要とするような年に、学校が財団の方から臨時的に資金の貸し付けを受けるというようなケースは具体にあるわけでございます。そういったことから、これが果たしていま御指摘のように経常費と見られるか見られないかにつきましては、私どもとしては、かといって、これは全くの臨時費であるかどうかということについても問題があろうかと思いますので、慎重に検討いたしたいと思っております。
○松前達郎君 その辺十分検討していただきたいのです。一般的には退職手当というのは、後払い賃金であるという解釈をすると同時に、生活給的なものであるということに解釈しているのだと思うのです。ですから、この点十分検討していただきたいと思うのですが、公務員の場合ですと、退職手当法というのがあって、これで手当が支給され、保証されている。私学の場合には制度がないから、法人、学校側の負担になっている。こういうふうな現状だと私思うのです。ですから、これについても、これは臨時費というには余りにも性格が違い過ぎますから、経常費である、臨時費であるというそういうふうな決め方もあると思いますが、十分それらについて検討していただきたい、かように思うわけです。今後、経常費ではないとすると、この手当について一切補助を文部省としてはしないのかどうか、あるいはその点を十分検討されて前向きでこれらの問題に取り組んでいくと言われるのか、その点をひとつお伺いしておきたいと思うのですが。
○政府委員(三角哲生君) いま現実の姿といたしましては、松前委員も御存じのとおり、高等学校以下につきましては、各都道府県におきまして、退職手当資金の支給を目的とする財団、社団等を各私学が都道府県の協力を得てつくっておりまして、そうしてこれは加入の会員の出資金や、あるいは都道府県の補助金等を財源として運営されておるわけでございまして、これを大学あるいは短大レベルでどういうぐあいにするかという問題でございますが、基本的には、全体を統一するような制度はいろいろ問題がありまして、それぞれの学校法人が経営の主体でございますので、それぞれの学校法人の給与制度について、どの程度統一的な集中的な扱いができるかというようなことが一つの問題になるかと存じますが、ただ、文部省といたしましても、退職手当の問題については前から懸案といたしておりますし、それから私学の集まりの団体の側におきましても、いろいろ検討を進めておりますので、退職金に関する都道府県に見られますような団体を設置することによりまして、その団体に各私学が資金を集中する場合に、その資金が経常的経費と見られるかどうかというようなことも研究の課題になろうかと存じます。ただ、昨今、こういった団体の設置ということはなかなか行政改革その他もございまして、これ自体についても問題がございますので、私どもは私学側とも十分に意見を交換しながら、この問題につきましてさらに詰めた検討を進めてまいるようにいたしたいというふうに考えております。
○松前達郎君 これは二つに大きく分けられると思うのです。たとえばいまおっしゃいました大学、短大、これは文部省が直接指導をする教育機関です。それからもう一つは各都道府県での高校以下の教育機関、この二つに大きく分けられると思うのですが、特にその辺を分けて短大、大学等について、さっき申し上げたようないわゆる退職手当というものがどういう性格なものかというのを検討していただくことと、それからさらにまた、もう一つ大きな問題があるのは、各都道府県に退職財団みたいなのがそれぞれできているわけですけれども、これがまたそれぞれまちまちでして、たとえば一つの法人で私学で県をまたがって高等学校なり、あるいは中学校なり、小学校なりを持っている場合、教員人事異動をやろうといったってできない。というのは、県が変わりますと内容が変わってきますから、当然全部一遍退職をして、それで新しい県に移らなきゃいけないという問題があって、非常にこれは人事異動上の問題として大きな障害になっている面があります。これは県によって全然違うというのですね。これを全部統一するというのもまた大変なことだと思うんですが、その点の問題等もあるということをひとつ頭に置いていただいて、今後これについても御検討いただければ私は幸いだというふうに思うわけなんです。 年金とかそういった問題含めていろいろ考えてみますと、日本の場合まだばらばらで非常に統一とか、そういう問題が出てくるけれども、やりにくい面もあろうと思いますけれども、こういった問題は非常に今後老齢化社会といいますか、そういうふうな問題との関連で非常に重要な問題になってくるんじゃないかと思いますので、また同時に、その基盤がやはり確立される、共済年金ももちろんですが、その他を含めて、しっかりした基盤をつくり上げておかないとならないんじゃないか、かように思うわけなんで、その点今後ともひとつ十分な御努力をいただきたい、かように思うわけですが、大臣ひとつその点御意見などをお願いいたしたいと思います。
○国務大臣(谷垣專一君) いまの点は十分に私たちも問題点として意識をいたしております。今後ともにこの問題があることを頭に入れまして検討してまいりたいと、かように考えております。
○松前達郎君 終わります。
○柏原ヤス君 私学共済の長期給付費についてお尋ねいたします。 ここ十年、特に十年というところに力を入れて申し上げるんですけれども、毎回、しかも十年、私学共済の年金改定法案の審議のたびに、長期給付に対する国の補助率を百分の二十に引き上げるべきであるという附帯決議が全会一致で行われてきているわけです。しかも、ことしもこの百分の二十の補助率の実現が見送られた。十年にわたって、当然百分の二十にすべきだというこの補助率の、また補助の実現ができない。これはこの委員会では年じゅう取り上げられ、きょうも先ほどから取り上げられているわけですけれども、私もくどいようですけれども、この問題について取り上げ、文部大臣が全会一致の附帯決議をどう受けとめているか、実現する意思があるのかどうか、そして実現できない理由、これが納得できるような御説明をしていただきたい。また、来年度の見通し、これについても積極的なお答えをいただければと思っておりますけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(三角哲生君) 長期給付に対する国庫補助の問題につきまして、先ほどもちょっと御説明を申し上げておったわけでございますが、御指摘のように毎回のように御決議をいただいて、私どもも予算の折衝の際にはそれなりの努力をしてまいってきたわけでございますが、やはり従来からのいろいろな各共済制度、あるいは年金制度のそれぞれの経緯でございますとか、それから現状におきます横のバランスといったようなこともございまして、百分の二十ということがなかなか実現できない状況でございます。ただ、これは補助率とは別ではございますが、柏原委員ももう御存じのとおり、財源調整費というようなことで、例年、これは制度としてやっておりませんので、毎年毎年のことになりますが、しかし毎年これは確保させていただいて、なるべく実質百分の二十に近いところまで手当てをするという形ではまいっておるのでございますが、正規の補助率ということでは本年度も実現を見るに至っておらないのでございます。経緯と申しましたが、私学共済につきましては、発足当初百分の十という補助率が三十年に百分の十五になりまして、四十一年まで百分の十五でまいりましたが、四十一年から十六にし、それから四十七年に至って十八にしたわけでございます。公務員共済の方は、百分の十から発足いたしましたが、現在百分の十五ということでございます。ただ、厚生年金の方が私学共済あるいは農林年金と同じように、ずっと十五でまいっておりましたのが、四十年以来二十という扱いになっておりますので、二十というのが一つの努力目標であるというふうに思っております。
○柏原ヤス君 いまの御説明では、本当に今後百分の二十の補助率で補助ができるかどうかという点について何か文部省は弱気じゃないか。いまの御答弁の中で、財源調整費を含めれば大体百分の二十に近いというような言い方をなさっておりますけれども、この長期給付費の補助百分の十八というのは、財源調整費を考えてそして百分の二十ということをよしとしているわけじゃなくて、財源調整費はこれは別な問題であって、こういうものを頭に置きながら、百分の二十というようなことを考えているようじゃ私はおかしいと思うんですね。そういうところに文部省が強気で大蔵省にぶつかれないんじゃないか、こういうことを考えるわけでございます。また、財源調整費だってふえるときもあれば、減るときもあって、必ずしもそういうものを含めても百分の二十になるかどうか、また不安定なそういう考え方じゃならないと思うんですね。そういう点、大臣にぜひこの点について来年度の見通し、これに対する取り組み、その点を力強い御答弁を期待しておりますけれども、いかがですか。
○国務大臣(谷垣專一君) 御指摘のとおりだと思います。これは御存じのとおり、厚生年金の方は百分の二十ということですでにやっておるわけでございまして、私たちの方もぜひそこまで持っていけと、制度的に安定したものでなきゃ困るという主張を続けてきておるわけでありますが、なかなかそれがいかなくて、いまの財源調整費のところで、言ってみると結末をそこで妥協したようなかっこうになっておるわけで、制度的に一つの確立をする必要があるだろうということは十分私たちも心得ておるわけでございますが、来年度の予算編成、どういうふうに取り組んでいくか、まだ最終的な結論は出しておりませんけれども、長い間のこれ問題点であることはもう十分承知をいたしておりますので、極力力を尽くして実現に文部省といたしまして努力をしたいと、かように考えておるところであります。
○柏原ヤス君 次に、長期給付掛金に対する都道府県補助についてお尋ねいたしますが、共済制度発足以来、都道府県がこの長期給付掛金の千分の八相当額の補助を行ってきておりますが、最近は特に地方財政の悪化、こういうことが理由になって、補助率を低くしたり、あるいは、大学に対しては補助をしないというような都道府県があると聞いております。この現状に対して、各都道府県が少なくとも千分の八の補助、これをすべての大学について行う、これがやはり当然だと思うんです。そういう点で、いままでも指導なさっていたと思いますけれども、さらに強い指導、こういうものが必要じゃないか、特に、具体的にこういうふうにというようなことが行われているのかどうか、具体的にお聞かせいただければ、お聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(三角哲生君) 御指摘のように、大学に対しましての掛金の補助につきまして、若干圧縮と申しますか、しておりますのは、都道府県のうち五つがそういう状況で、それから大学、高専、短大等に全然補助を行わないところが一つあるわけでございます。それから、つけ加えて申しますと、一切補助をしてないというところが四つあるわけでございます。私どもとしましては、特に高校以下の学校につきましては、都道府県が所轄庁でもありますし、地方交付税上の措置もされておるわけでございますから、これは極力やはり補助をしていただくように御努力をお願いしたいと思っていますし、それから大学、短大等につきましては、これは直接の所轄ではないとは申せ、やはり地域社会の教育、文化の向上に非常に寄与をしておるという点にも着目していただきまして、そしてやはり前からやっていたものがだんだんに後退の方向に行くということは遺憾でございますので、いろいろな機会を通じて、都道府県当局に対して御努力をさらにお願いしてまいりたいというふうに思っておる次第でございます。
○柏原ヤス君 その点も今後後退しないようにひとつ文部省から強い指導をお願いしたいと思います。 次に、私学振興財団の助成についてお尋ねいたします。 昭和三十七年に当時の私学振興会と私学共済組合の申し合わせによって、掛金率に対しては千分の六相当額の助成を行うことになっているわけですけれども、五十五年度の助成額はわずか三千万円、掛金の率にしますと千分の〇・〇三という、申し合わせによる額と比べると極端に少ないわけです。この理由はどのように文部省としては考えていらっしゃるか、また理由が何であるかということを文部省に答えていただきたいと思います。
○政府委員(三角哲生君) これは昨年の御審議の際にも御指摘いただいた事柄でございますが、確かに御指摘のとおり、昭和三十七年の時点で、私立学校教職員共済組合側と、当時の私立学校振興会の両方の間で、御指摘のような助成をやっていこうという協議、申し合わせが行われたわけでございます。三十七年当時は、実際の助成率にいたしまして千分の三・六ということでやっておった次第でございます。三十年発足のころは実際の助成率は千分の五・六ということで、千分の六に非常に近い数字でございましたので、その数値を恐らく一つの目標として申し合わせが行われたというふうに理解しておる次第でございます。 それから、いま御質問のどういうふうな理由で現在のような状況になっておるかという点でございますが、いろいろあるとは思いますが、一つにはやはり私学共済の方の全体の事業規模と申しますか、あるいは給付のスケールというものが非常に大きくなっておりまして、三十七年に比べますと約二十五倍ぐらいになっておるのでございます。一方私学振興財団の事業規模というものは約十三倍ぐらいでございまして、半分ぐらいの伸びでございますので、そういった面から収益を伸ばすということも、そういった事業の規模から申しまして制約が一つございます。それからもう一つは、やはり貸し付けにつきましても、できるだけこの貸し付けを長期低利の有利な条件で貸し付けようというのも、一つの私学振興財団の事業のあり方でございますので、そういった面から、余りこの利益金を上げることだけに着目して事業も運びにくい面がございます。それと同時に、ここ数年来の、最近またちょっと事情が変わってきつつありますが、低金利時代というような状況もございましたりして、利益金の高が必ずしも順調に伸びてまいらないということで、例で申しますと、三十七年には貸し付け事業に基づきます利益金が約五億一千万ございました。たとえば四十二年当時は八億八千万というぐあいに伸びてきておりましたが、五十二年はまただんだんに減りまして五億七千万、五十三年度で五億八千万というようなことで、利益金が三十七年と同じ五億台にしかなっておりませんものでございますから、非常に俗な言葉になりますが、ないそでは振れないというようなことが端的にあらわれまして、そうして私学共済に対する助成金でございますが、やはり既年金者に対する年金の増額分、これは年々に現実に支払いに充てる金でございますので、その方に必要な三億何がしのお金をまず確保いたしまして、そしてあと余裕のある分を長期給付の整理資源の方に回します関係で、いま御指摘のような非常に少ない金額にここ数年来はとどめざるを得ないというようになっておるわけでございます。ただ、それも極力できるだけ入れられる分は入れようということで、非常な少額ではございますが、年々千万円から次の年は二千万、それからさらに三千万というようなふうに少しずつではございますが、これをできるだけ回復の方向に道をたどうしていきたいと思っていますが、ただ、現状で申しますと、まるまる千分の六確保するためには、約四十五億円ぐらいが必要になっていまして、とても現在の経理状況ではそこを直ちにというのがむずかしいという、そういう実態の中に置かれておるわけでございます。
○柏原ヤス君 いろいろ理由をお聞きいたしましたが、この私学振興財団が私学共済に助成するその財源というものが、貸し付け事業を行って、そうしてその利益を得ると、その利益金を充ててやっているわけですが、この利益金が窮屈になっているので、共済に十分な助成ができないということになるわけです。この利益金をじゃふやすのにはどうすればいいかと、これは私が申し上げるまでもなく、貸付事業の元金、利息の安いもの、あるいは無利息のもの、こういうものがたくさんあればいいわけで、はっきり言えば無利息の政府出資金が多くなればいいわけです。それについてだんだんというようなお話ですけれども、格段にこれをふやすというような見通しがあるかどうか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(三角哲生君) 出資金をふやしますれば——出資金は柏原委員御指摘のとおり無利息でございます。そのほかの原資は財政投融資資金なり、あるいは私学共済からも借り入れて、それを私学の施設費等に回しておるわけでございますが、これはまあそれぞれ借入先に適正な利息を支払いませんと回っていかないということでございますので、出資金の増額は非常に重要なことでございまして、私ども毎年毎年ずっとこれについては力を入れてまいってきておるわけでございます。 ちょっと経過を申し上げますと、実は四十五年以降五十二年まではずっと毎年十億——それでも努力しましてこの出資金を絶やすことなく十億ずつ計上してきてまいっておりましたが、五十三年にはこれを十五億にふやしまして、五十四年に二十億に増額をし、五十五年度は非常にやはり財政上むずかしい年ではございましたが、この二十億を維持し確保して、五十四年と同額を今年度も確保させていただいておりまして、そして合計として現在累計として約三百四十億円という出資金を確保しておるのでございまして、非常に窮堀ではございますが、この努力はやはりできるだけ続けていきたいというふうに思っておる次第でございます。
○柏原ヤス君 そこでもう一点、いままでのそうしたやり方、これでなくて、国が千分の六相当額を直接私学共済に補助として行ってもいいんではないか、こういう考え方、これは検討すべきだと考えておりますが、いかがでしょうか。
○政府委員(三角哲生君) 御提案でございますが、これはまあ共済組合の制度というのはかなりいろいろな観点から、従来からの経緯あるいはそれぞれのいろいろな各共済制度の間の均衡でございますとか、それからそれぞれの共済の持ちますいろいろな状況等を勘案して、非常に複雑なところをいろいろと整理をいたしまして、組み立てられておるものでございますので、ただいまの御提案、直ちに私ども意見を申し上げにくいのでございます。現状ではやはり何とか私学振興財団の経営の改善と申しますか、できるだけ上向きの経営に期待して、この千分の六というのは非常にむずかしい数値でございますが、できるだけの補助の充実を期してまいりたい、そういうふうに考えたいと思っております。
○柏原ヤス君 次に私学共済の短期給付の改善、そして国の補助についてお聞きいたしますが、公立学校の共済の短期給付と比較しますと、家族療養費の付加給付が悪い、非常に問題だと思います。そして、これはぜひ改善すべきだと考えておりますが、改善のできない理由が特にあるんでしょうか。
○政府委員(三角哲生君) 付加給付につきましては、これはやはり他の共済組合の給付内容も十分に参考にいたしまして、これを勘案いたしまして、私立学校教職員共済組合としては、ここのところ年々努力をいたしまして、改善に努めてきたところでございますが、ただいま御指摘の家族療養費付加金の改善につきましては、昭和五十五年度の同組合の事業計画の作成に当たっても検討をなさったところでございますが、五十五年度は御指摘のように、この改善につきましては見送ったところでございます。これは家族療養費付加金につきましては、私立学校教職員共済組合におきましては、自己負担額から二千円を減じた額につきまして、その八〇%を見ておる。まあ比較の対象としまして、公立学校教職員共済組合をとりますと、これは自己負担額から千円を減じた額の全部を給付しておるということでございまして、したがいまして、その点につきまして、なお私学共済の方は改善をしなければいけないじゃないかという御指摘があることは十分理解できるのでございます。ただ、現行制度と比較しまして、これを公立学校共済組合並みに改善いたしますと、約十八億弱の給付増となりまして、五十五年度だけの収支見込みでは若干剰余を見込んでおりますけれども、ただ五十五年度に積み立てなければならない支払い準備金等、そういったものがございまして、これが十三億八千万円というふうな金額が必要なんでございますが、これを積み立てることができなくなるというようなことで、こういう付加給付を考えますと、逆に組合員あるいは学校法人に新たな掛金の負担をお願いしなきゃならなくなるというようなことがございます。ほかにも事務処理上の問題等もございますが、基本的にはいま申しましたようなそういう収支のバランスの観点から申しまして、なお現状ではちょっと時期的にそこまでまだ力が及ばないということでございます。 ただ、五十五年度には、いまの家族療養費の方は無理でございましたが、埋葬料あるいは結婚手当金、あるいは災害見舞い付加金といったような、そういう若干、家族療養費のようないわゆる大型のものではございませんけれども、できますものからこの付加給付の改善をやらしていただいたという結果になっておるのでございます。
○柏原ヤス君 いま御説明をお聞きして、収支のバランスが崩れるからとか、もしこれを改善すれば十八億増になるとか、掛金の負担の問題、いろいろ御説明があったわけです。だからこそ国が補助をすべきだという附帯決議もついているわけなんですね。ぜひこの短期給付に対する国の補助というものが必要なんです。改善をしないでいればいまのままで黒字でいくかもしれないけれども、当然改善すべき家族療養費の付加給付を改善すれば、黒字だなんて言っていられない状態になってくるんです。それがわかっているんだったら、私は文部省は大蔵省にこの国の補助についてやはり要求すべきだと思うんです。それを全然要求してない。私学共済側からも百分の十という補助を出して強く要望しているわけなんです。ですから、ぜひ給付の改善を行うという、そういう目標に向かって、現在は黒字でも、必ず先に行って経理の事情が変わってくるんですから、改善を考えると同時に、補助についてもっと文部省は強気でやっていっていただきたい、こういうふうに思うわけでございます。大臣に一言お願いいたします。
○国務大臣(谷垣專一君) これは五十五年度は御存じのとおり若干でありますが、付加給付を改善いたしたわけでございます。したがいまして、この経理の内容その他を見まして、漸次こういうものを改善していくことは、これは考えていかなきゃならぬと思いますが、とりあえず五十五年度新しく改善いたしましたから、しばらくこれは様子を見さしていただきたい、こういうふうに考えておるわけであります。 それから長期給付、短期給付の問題があるわけでございますが、短期給付の政府からの、国からの補助金の問題は、政管健保のように非常に状況の悪いところにはやっておるわけでございますが、ちょっとここらの私学共済の短期給付の問題につきましては、先ほど来お話がございますが、黒字が若干、まだほかに比べればいい状況でございまして、ちょっと短期給付の問題に直接国の補助という形にはむずかしい状況であろうと判断をいたしております。共済全体、長期短期全部含めてのいろんな問題を改善をしていくことについては、先ほども御返答いたしましたように努力をいたしていきたい、かように考えております。
○柏原ヤス君 最後に共済組合の事務費に対する補助についてお尋ねいたしますが、この国の補助の割合をずっと見てみますと、年々大幅に下がっているわけです。それが組合員の負担になっているわけですが、少なくとも半額は国が負担すべきではないかと思いますが、その点いかがでしょうか。
○政府委員(三角哲生君) 事務費につきましても、これは各年度で若干ではございますが増額に努めてまいったところでございまして、五十五年度におきましても単価の増を行いまして、前年に比べまして約一千六百六十万増の二億四千四百万弱を計上しておるわけでございまして、この単価増の扱いにつきましては、これは国家公務員共済組合あるいは農林年金共済組合とも同じ内容で同一の扱いで措置をしておるわけでございまして、そして年々全体の比率として、確かに御指摘のように比率的には少なくなってまいっておりますが、やはり極力私学共済組合といたしましても、事務処理の合理化、能率化、あるいは電算機を導入するといったようなことで、必ずしも組合の事業規模がふえましても、それにつられて事務費がふえないような努力もあわせていたしたいというふうに思っております。半額の補助につきましても、これ全体の制度にかかわる問題でございますので、御意見としてはちょうだいはいたしますが、かなり慎重な検討を要することであろうというふうに考える次第でございます。
○小巻敏雄君 大臣にお伺いしたいと思うんですが、私学と申しましても、それは大学の場合とそれから各府県にある高等学校の場合と、その進学していく国民の側からの対応にはやや違いがあろうかと思うんです。高校の場合をながめてみますと、アメリカなんかのやり方を見ると、公立学校は市町村教委で所管しているんですね、高等学校までは。公立に行くつもりならみんな行けるようになった上に、私学がいわばより条件のいい教育をやっているように思うんですね、態容としてはね。教育条件も私学の場合には公立で保障しているのをぬきんでたような状況になっており、教職員の待遇にしてもそういう状況になっておる。日本の場合にも、進学率が五〇%以下くらいの状況だと、さまざまな多様性があって、また独特の事情があったかと思うんですが、一九六〇年代、七〇年代以降、高校の場合にはまあ進学の権利といいますか、九〇何%ですから、いわば不進学の権利があるというぐらいで、特別な人が高校へ進まないだけで、まあ普通には義務教育に準じてみんな行っているわけですね。その限りではぼくは非常に私学の果たす公的な役割りというものは、教科内容にしても、教育条件にしても、もうほぼ公立と同じような状況を目指して進んできていると思うわけですよ。もちろん何もそれに対して政策がついて進まなかったと言っているんじゃないわけです。問題意識もあり、見合って進んでいっているけれども、どうしても現実の進行と、やるべきこととのギャップがある、こういう点から考えて、もう政策的にはやはり公立と私学とこの共済法のごときものも差があっていいということではなくて、速やかに目標を立てて公立並みを実現するということで進むべきだし、進んでいただきたいと思うわけです。その点ひとつ基本姿勢でお伺いをしておきたいというのが第一点です。 それから、すでに各質問者から言われていますから簡潔にしたいと思うんですが、長期給付の問題ですね、これすでに十五年間、昭和四十年以来附帯決議でずっとやってきて、それなりの取り扱いもあったわけですが、少なくとも五年なり、十年の間では段階的によってきたわけですね。今回は先回のいわば改良から九年たつんですね、ことしでは。少なくともいままでに十年以上目標を立てたものが追い送られていったことはないから、もう限度が来ていると思うんですけれども、ことしか来年か、もう再来年になれば十年過ぎてしまいます。そういうような点で、少なくとももうこれは限度が来ておって、緊急、重点的に果たさなければならぬものだというふうにお考えになっているかどうかというのがこの長期給付の問題での御質問です。 短期給付もいろいろ御説明がありました。短期給付の問題も、現地で聞いてみますとやっぱり非常に要求は具体的なんですね。それは政管健保との比較というものもあるでしょうし、政管健保の改善、改良自身が問題になろうかと思いますが、何としてもやっぱり公立共済に速やかに年次的にも目標を立てて接近をするというふうに考えていただきたいと思うがどうかということであります。その各県の、都道府県の補助についても一たん出ておったものが下がるというようなことは、ひとつ突っ張ってでもそうならないようにしてもらいたいと思うんですが、突っ張りをかってあげるという考え方を持っておられるかどうかというようなことであります。 それから退職手当制度、これも前質問でもありましたが、やっぱり文部省は少なくとも退職手当という制度を、学校という状況にかんがみて、後払い賃金、生活給だという見方を確立されるべきではなかろうか、そうでないとなかなか問題は前進しないと思うのです。それに、非常に私学の数もふえてまいりまして、条件の平準化もありますし、そこにおける教職員は大体転勤もなしでいろいろな条件もある中でやっておりますし、それが人的交流が可能になるような基礎づくり、こういうような点も問題意識の中に加えていただきたいというふうに思うわけであります。私は高校で問題がよく見えると言っているのであって、本質的には大学も当然同じことでありますから、そういうふうにながめていっていただきたいと思うのです。特に高等学校の事情を見ますと、谷垣先生の御出身地のあたりであれば、ほとんど公立高校へ進んでいるわけです。福知山から宮津、私もそこで歩んできましたが。東京などだとすでに私学がありますから、これとあわせて教育行政上の進学指導でもやっておるわけで、この問題については他の諸国に比べても非常に日本の場合には私学の公教育性というものの比重が重いだろうと思いますし、つけ加えて申し上げておくわけです。ひとつ御答弁いただきます。
○国務大臣(谷垣專一君) いま先生のおっしゃいました全部につきましてどうも私もはっきりしたお答えができない点がございますが、あとは政府委員からということで御勘弁を願いたいと思います。 私立高校と公立高校とのこういう長期、あるいは短期の問題につきましての共済関係の処遇をできるだけ同じようなものにしたいという願望は、私たちもそういう願望を持っておるわけでございます。しかし、これはいまの日本の、長期、短期ともですが、共済の関係、あるいはこういう保険の関係を見ますと、もっと端的に言えば、それじゃ全部厚生年金なり、何なりに一本になったらいいじゃないかという議論になるのですが、これは大ざっぱ過ぎた議論になるかと思います。それぞれの共済なり、年金の制度が経緯と歴史を持って動いておるものですから、なかなか後の調整の場合に、初めからという形にはなりにくい点があることはもう先生も御存じのとおりだと思います。そしてまた、私立高校の問題にいたしましても、高校段階だけで私立の場合考えるわけにいかない。一種の学園組織の形をとっておりまして、いろいろ問題がその点に生じてくるだろうと思います。きょうもここで御議論がございましたが、大学クラスのところでも現在私学共済に入っていない学園が五十幾つかも存在しておるということ、これはいろいろ議論があってなおかつ現在の私学共済に入らない方がいいという結論を出しておられることだと思いまして、そこらのところはいろいろと経緯があろうかと思います。ただ、基本的に考えまして、公立、私学を問わず、学校関係におられる方々が、同じような条件であってほしいということにつきましては、私たちもそういう努力をすべきだと思います。いま直ちにと申しますと経緯がこういうふうにひっかかってくることだと思います。 長期の問題につきまして、先ほど来、長い間の懸案であるから、いわゆる百分の二十の厚生年金並みの問題に持っていく必要があるのではないかという御指摘でございます。それは、先ほど私も御意見を申し上げましたとおりに、そうあってほしいと私たちも考えております。ただこれは、それでは各年金がそれぞれ右へならえで同じかといいますと、公務員共済の方はそこまでいっていない。それぞれの状況がこれはあるわけでこうなっておると思います。私たちの方の私学共済と右へならえをいたしますものは、大体農林共済のものが同じような歩調で動いておるわけでございまして、厚生年金並みに何とか主張をして持っていきたいという考え方は終始持ち続けておりますので、努力をしなければならぬと思っております。 それから、各県の補助金等が確かにばらばらの状況でございまして、一概には言えないと思いますが、どちらかというと停滞いたしております。あるいは物によって少し悪化をしていく傾向が見える状況、これは非常に心配をいたしております。その根底には地方財政の悪化ということがあることだと思いますけれども、御指摘のようにすでにあるいままでの標準、基準をなるたけ退化させないように、これは機会あるたびにお願いをしていかなければならない、こういうふうに考えておるところでございます。 ほかにも退職手当等の問題もございますしいろいろございますが、先ほど退職手当の問題につきましては政府委員の方から御答弁いたしましたように考えてまいっていきたい、かように考えておるところでございます。
○政府委員(三角哲生君) 大臣の御答弁のとおりでございますが、若干数字的な面につきましてこの際補足をさせていただきますと、先ほど柏原委員の御質問にもちょっとお答えしましたが、長期給付に対する国からの補助の百分の二十の問題でございますが、これは私どもも年来要求もいたしておりますし、その目標をもちろん持っておるわけでございますが、先ほど申し上げましたような財源調整費というものを計上いたしておりまして、したがいまして、これを加えて国庫からの支出金の額自体をとらまえますと、五十二年度につきまして加えますと、これの実績として給付費に対する率を出しますと、ちょうど百分の二十になりますし、五十三年度は百分の二十・〇八というような数字になっておりまして、国からの支出という点では百分の二十を実施した場合とほぼ同じ額を支出をしておるということがございますので、補足をして説明させていただきます。 それから、都道府県の補助につきましては、これも大臣から申されましたように、私どもは地方自治ではございますけれども、できるだけ足並みをそろえて私学の振興のために御努力いただきますように、いろいろな機会をとらまえまして要請を続けてまいりたいと思っておりますが、地方財政の悪化等もございまして、現状では委員も御承知と存じますが、特に私学の多い東京でございますとか、あるいは京都、大阪といったようなところが、五十年ごろからだんだんに縮小をしてまいりまして、京都につきましては五十一年度に大学、短大は打ち切るということになりましたし、大阪につきましては、五十二年度に大学、短大について期間の短縮をして、それがさらに五十三年度にはより短縮をされておるというようなぐあいになっております。それから東京につきましては、五十三年度に大学、短大について打ち切るということでございますが、このような状況をさらに回復をしていただくように、私どもとしては、これは自治体でございますので、全体の状況を十分に説明をして、要請を続けてまいるように努力をいたしたいというふうに考えておる次第でございます。 退職手当の問題につきましては先ほど大臣が申されましたとおりでございます。
○小巻敏雄君 最後に一つお伺いをしておきます。 退職手当はお答えがなかったのですけれども、退職手当の社会的性格というのは、ああいう利益を生み出す大企業に対してでも税法上でもかなりの配慮をして、これは社会的地位を得ておるものですから、よくお考えをいただきたいというのが要望です。 最後に、私学共済と公立共済と比べて、やや異様に思うのは、運営の問題として運営審議会、審査会に常識として労使とそれから学識経験者と三者構成に成るその労の代表というのが、公立共済と比較しても性格が非常にあいまいなんですね。具体的なリストを見ればいろいろ意見が出てくるわけです。この点にはかなりの組織率を持っておる私学教連、全私懇とかいろいろございますが、そういう代表を入れられてしかるべきだろうと思うんです。これは公立共済とのつり合いから見てもそうだと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(三角哲生君) この問題につきましては、毎年度の本法案の御審議の際に、衆議院の委員会におきましても、あるいは当委員会におきましても、御意見を承ってきたわけでございますが、その意味では繰り返しになるかと存じますが、私どもこれまでずっと私立学校側の、これは組合員並びに法人関係両方含めまして意向をくむための方式として、共済組合発足以来、私学団体の推薦で委員を委嘱をさせていただいております。なお、私学共済組合は、他の共済組合が二者構成でございますが、私学の場合は組合員関係、法人関係、それに学識経験者といういわゆる三者構成になっておりまして、それぞれ七名の委員を文部大臣が委嘱をしておるわけでございます。推薦団体でございます全私学連合は、これは改めて申すまでもないかと存じますが、これは学校の経営面のいわゆる役員のみならず、学長あるいは教職員の方々も含んだ、いわば私学の教育の振興を目的とする包括的な団体でございますので、したがいまして、私どもは推薦団体であります全私学連合に対しまして、今後とも組合員関係の候補者の推薦に当たっても、十分にその共済組合員の意向が反映されるように、ふさわしい代表を推薦するようにお願いを続けてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。 —————————————
○委員長(大島友治君) 委員の異動について御報告いたします。 本日、山東昭子君が委員を辞任され、その補欠として中西一郎君が選任されました。 —————————————
○委員長(大島友治君) 以上で本案に対する質疑は終了いたしました。 これより討論に入ります。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 昭和四十四年度以後における私立学校教職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案を問題に供します。 本案に賛成の方は挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大島友治君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 高橋誉冨君。
○高橋誉冨君 私は、ただいま可決されました昭和四十四年度以後における私立学校教職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 昭和四十四年度以後における私立学校教 職員共済組合からの年金の額の改定に関 する法律等の一部を改正する法律案に対 する附帯決議(案) 政府は、次の事項について検討し、速やかに その実現を図るべきである。 一 長期給付に要する費用に対する国の補助率 を百分の二十以上に引き上げるよう努めるこ と。 二 長期給付に対する日本私学振興財団の助成 金について、必要な強化措置を講ずるよう努 めること。 三 地方財政の実情にかんがみ、長期給付掛金 に対する都道府県の補助を充実するため、必 要な措置を講ずるよう努めること。 右決議する。 以上でございます。委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(大島友治君) ただいま高橋君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方は挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大島友治君) 全会一致と認めます。よって、高橋君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、谷垣文部大臣から発言を求められておりますので、これを許します。谷垣文部大臣。
○国務大臣(谷垣專一君) ただいま御決議がありました事項につきましては、御趣旨に沿って十分検討をいたしたいと存じております。
○委員長(大島友治君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大島友治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(大島友治君) これより請願の審査を行います。 第一九号義務教育諸学校建設事業の国庫負担等に関する請願外二百四十六件を議題といたします。 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(大島友治君) 速記を起こしてください。 第二〇号義務教育諸学校の新増設に対する国庫負担等に関する請願外八十二件は、議院の会議に付するを要するものにして内閣に送付することを要するものとし、第一九号義務教育諸学校建設事業の国庫負担等に関する請願外百六十三件は保留と決定することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大島友治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大島友治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(大島友治君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。 教育、文化及び学術に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大島友治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大島友治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時十九分散会 —————・—————