文教委員会 第8号
- 発言数
- 130 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1980/04/22
会議録
○委員長(大島友治君) ただいまから文教委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨二十一日、粕谷照美君及び安永英雄君が委員を辞任され、その補欠として、吉田正雄君及び小谷守君が選任されました。 —————————————
○委員長(大島友治君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い、本委員会の理事が二名欠員となっておりますので、ただいまから補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大島友治君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に前田勲男君及び小巻敏雄君を指名いたします。 —————————————
○委員長(大島友治君) 粕谷照美君外二名発議に係る義務教育諸学校等の女子教育職員及び医療施設、社会福祉施設等の看護婦、保母等の育児休業に関する法律の一部を改正する法律案及び安永英雄君外二名発議に係る義務教育諸学校等の女子教育職員及び医療施設、社会福祉施設等の看護婦、保母等の育児休業に関する法律の一部を改正する法律案、以上両案を便宜一括して議題といたします。 発議者から順次説明を聴取いたします。勝又君。
○勝又武一君 ただいま委員長からお話のありました二つの法案につきまして、私から発議者を代表いたしまして、提案理由の説明を申し上げます。 最初に参第九号、義務教育諸学校等の女子教育職員及び医療施設、社会福祉施設等の看護婦、保母等の育児休業に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由を申し上げます。 ただいま議題となりました義務教育諸学校等の女子教育職員及び医療施設、社会福祉施設等の看護婦、保母等の育児休業に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由と内容の概要を御説明申し上げます。 全国の多数の女子教育職員等の長年の懸案であった育児休業制度を創設する法律は、御存じのように昭和五十一年四月より施行され、早くも四年を経過するに至りました。その間、本制度の利用状況等については必ずしもつまびらかにされておりませんが、医療、福祉施設の看護婦、保母等に比べて、多く利用されていると思われる公立学校教員においてさえ、五十二年度の利用率は四七・〇%、しかも、その休業の期間は約半数が六カ月以下の短期間という状況にあります。このように、育児休業制度は遺憾ながら十分に普及、定着したとは言えない段階にあります。その原因、問題点については、女子職員その他の関係者から数多く指摘されているところでありますが、当面以下の諸点について早急に改善を図る必要があると考えるものであります。 その第一は、育児休業期間中の期末、勤勉手当の支給に関してであります。 育児休業期間中の女子教育公務員等に対しては、本法第六条第二項により、給与が支給されないこととされております。そのため、期末、勤勉手当についても、いわゆる同手当の基準日である三月一日、六月一日または十二月一日に育児休業中である場合には支給されないことになっております。その結果、産後休暇に引き続き育児休業に入らず、産後休暇後基準日まで勤務に復帰してから、育児休業に入るという不自然な状況も一部で出てきており、母性保護や乳児の養育上の見地からも、学校の教育、医療施設等の運営の上からも問題となってきているのであります。 また、本来、これら手当の支給対象となる在職期間があるにもかかわらず、これにかかわる手当を支給しないことは、育児休業制度の趣旨から見てまことに不合理でもあります。 したがって、基準日が育児休業期間中であっても、手当支給の対象となる在職期間に応じた額の手当を支給すべきであると考えるのであります。なお、同法附則第二項及び第三項により、育児休業制度の目的達成のため、当分の間、必要な給付を行うことができることとされております。現在、人事院勧告に基づくこの給付額は、共済組合の掛金分相当額にすぎないため、これら職員に不可欠な自己研修のための費用、互助会の掛金、育児のための経費等々経済的負担が重くのしかかり、育児休業制度の利用をちゅうちょさせる大きな原因となっております。各種の調査でも明らかなように、育児休業期間中、互助会等で何らかの金銭的給付を行っている県において、育児休業の行使率が他県に比べて高いことは、そうした事情を物語るものと思われます。こうした点からも、せめて手当支給の対象となる在職期間に応じた期末、勤勉手当は支給すべきものと考えた次第であります。 なお、人事院の勧告により、給付額の抜本的改善が行われる必要があることも申し添えたいと存じます。 第二は、育児休業の許可に伴う臨時的職員の任用についてであります。 本法第十五条においては、任命権者は育児休業期間中、業務等に支障がない場合を除き、教育職員または看護婦、保母等を臨時的に任用するものとする旨規定されております。すなわち、いわゆる臨時職員が育児休業期間中の職務を補助することが原則とされているのであります。しかし、その臨時職員についてはいまさら申すまでもありませんが、多くは六カ月で任用を更新するなど、その身分は不安定であり、しかも賃金、待遇等も劣悪な状態に置かれております。また、学校においては育児休業期間中、いわゆる臨時の教員が数回かわる場合もあるなど、子供の教育上の観点からも問題が指摘されております。 このように、現行の臨時的任用制度は、身分的に不安定で、かつ勤務条件の劣悪な臨時職員を多く生み出すという制度的な矛盾を有していると同時に、人材誘致や、適切な職務の遂行という面からも十分でなく、育児休業中の業務の円滑な実施にも支障を来すに至っているのであります。 また、すべてを臨時的任用に依存している現行制度の場合、必要な数の臨時職員が確保できず、育児休業が許可されないケースも起こり得るなどの問題もはらんでおります。 したがいまして、育児休業の場合も、女子教職員の出産に際しての補助教職員の確保に関する法律におけると同様、臨時的職員の任用のみならず、正式任用の特別の教育職員または看護婦、保母等を配置できる道を開く必要があると考えるのであります。これら特別の教育職員等の数については、育児休業の利用の実績により、ある程度の必要数が想定できますので、今後はできるだけいわゆる正規の職員を任用し、臨時職員は必要最少限にとどめる努力が必要と考えるのであります。 なお、こうした措置が義務教育諸学校等の教育及び医療施設、社会福祉施設等の業務の円滑な実施につながることを確信するものであります。 以上が本改正案を提出した理由でございます。 次に改正案の内容について申し上げます。 第一に、期末、勤勉手当については、いわゆる基準日が育児休業期間中であっても、手当支給の対象となる在職期間がある場合には、これを支給できることとしております。 第二に、任命権者は、育児休業期間中の職務を補助させることができるような特別の教育職員または看護婦、保母等があり、それらの者にその職務を補助させる場合には、育児休業に伴う臨時的任用を要しないことといたしております。 第三に、この法律は、昭和五十六年四月一日から施行することといたしております。 なお、最後に、参議院文教委員会におきましては、第七十五回国会において本法律を可決した際、給付の拡充、保健婦等の範囲の拡大、財政措置等について政府、人事院が配慮すべき旨の附帯決議が全会一致で行われたことも念のため申し添えます。 以上が本法律案の提案の理由と内容の概要であります。何とぞ十分御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願いいたします。 以上が第九号でありまして、引き続いて同じ表題でありますが、これは第十号、職種を拡大するという趣旨の内容のものであります。 参第十号、義務教育諸学校等の女子教育職員及び医療施設、社会福祉施設等の看護婦、保母等の育児休業に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由を申し上げます。 ただいま議題となりました義務教育諸学校の女子教育職員及び医療施設、社会福祉施設等の看護婦、保母等の育児休業に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由と内容の概要を御説明申し上げます。 去る七十五回国会におきまして、両院とも全会一致で可決成立を見ました女子教育職員等の育児休業制度は、女子教育職員、看護婦、保母等の継続的な勤務を促進することにより、教育及び医療、社会福祉に関する業務の円滑な実施を確保するために設けられたものであり、これは全国の多数の女子教育職員等の長年にわたる念願が実現されたものであります。 ところで、育児休業制度を利用できる職員の範囲については、本法第二条及び第三条により、一歳未満の乳児を養育する義務教育諸学校等の女子教育職員及び医療施設、社会福祉施設等の看護婦、保母等とされており、さらに女子教育職員については、校長、教頭、教諭、養護教諭、助教諭、養護助教諭、講師、実習助手及び寮母に限定されております。これらの職員が育児休業制度の適用対象とされた理由は、その職場において果たす役割りが重要である上に、その職務内容が高度の責任を伴った特殊のもので、かつ経験を必要とし、さらには、人材確保の見地から職務に慣熟した者の離職をできるだけ防止する必要性等が着目されたからであります。 このような立法趣旨からいたしますと、現在育児休業制度の適用対象となっていない養護学校等の看護婦、学校事務職員及び学校栄養職員も当然その対象に加えなければならないのであります。 まず第一に、養護学校等の看護婦についてであります。養護学校等における看護婦は、児童、生徒に対する療育、すなわち深い教育的配慮のもとでの看護業務に従事しているのであります。特に昭和五十四年度より養護学校の義務化が施行され、従来にも増して心身の障害の程度の重い子供の療育を養護学校が行わなければならなくなった現状を考えますと、そこでの看護婦の業務の重要性はさらに増してくると同時に、その人員も増加する必要性が高まってきております。したがいまして、これら看護婦については、本法でいう教育職員に含める必要があると言わなければなりません。さらに、医療施設、社会福祉施設等における看護婦の業務の困難性、専門性と比較しても、また資格、免許の同一性に着目しても、育児休業制度の適用対象に加えるのは当然であり、むしろいままで適用されなかったことは、立法政策上のミスと言っても過言ではないのであります。 第二に、学校事務職員についてであります。学校事務職員を育児休業制度の適用対象に加えるべきかどうかについては、立法時にも検討されたところであります。しかし、当時はいわゆる産休代替の職員の確保に関する法律の適用対象に事務職員を加えることが問題となっていたため、その解決を待って検討するということで、ひとまず見送られてきたところであります。 御承知のように、学校事務職員は、学校教育上きわめて重要かつ広範な役割りを果たしているのであります。すなわち、まず一般的な事務として文書、統計、給与、経理事務などがあり、また、直接子供にかかわる事務としては、教材教具、施設設備及び就学奨励などに関する事務、さらには地域の父母にかかわるPTAの諸活動への援助など、きわめて多方面にわたっております。さらに、これらの複雑多様な学校事務を適正に行うためには、学校教育の理念、教育内容、教育行政の仕組み、子供に必要な学習環境など、学校教育に関する深い知識、経験が要請されており、一般行政事務とは異なった専門性を持たなければならないのであります。この認識に基づいて、学校事務職員については、学校教育法第二十八条において、原則として置かなければならない職員として位置づけられ、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律並びに公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律においては、その標準定数が定められ、また、地方公務員法第五十七条においては、一般の地方公務員と比し、その職務と責任に特殊性が存する旨が規定されているのであります。 さらに、第八十四回国会におきまして、学校事務職員について産休代替の職員を確保するための改正法案が、両院とも全会一致で可決され、学校事務職員の専門性、特殊性が確認されたところであります。 かてて加えて、学校事務職員は各学校に一名置かれている場合が多く、慣熟した職員に離職されると、すぐには専門家を得にくく、また育てにくい環境にあります。さらに同一職場に勤務する他の教育職員とのこのような不均衡、不平等は、学校の一体的運営を阻害するばかりでなく、人材の確保、積極的な職務態度等の障害ともなりかねないところであります。 第三は、学校栄養職員についてであります。学校栄養職員は、児童、生徒に必要な栄養量の算定、味覚、嗜好を考慮した食品構成による献立の作成などの栄養管理、食品、施設設備、従事職員に対する衛生管理のほか、給食運営に必要な事務処理や物資管理、さらには教員や児童、生徒に対する栄養指導などを職務としております。 御存じのように、第七十二回国会では、学校栄養職員の職務と教育的役割りの重要性から、学校給食法等が改正され、その職務の明確化が図られるとともに、県費負担教職員として位置づけられ、いわゆる標準定数も定められたのであります。さらにその教育的役割りにつきましては、同法が改正された際に出された初等中等教育局長、体育局長通達の中で、学校栄養職員を「栄養管理にあたる教育的専門職員」と定義していることや、第八十四回国会において、いわゆる産休代替の職員の確保に関する法律の改正で、学校栄養職員もその適用対象に加えられたことからも明らかであります。また、実際に学校においても、校内放送で栄養指導を行ったり、子供や家庭に配る献立表の中で、栄養知識や食品の解説を行ったりしているところであります。 その上、学校栄養職員も各学校、共同調理場に一名置かれている場合が多く、学校栄養職員に離職されると、すぐには専門家を得にくい環境にあることは学校事務職員の場合と同様であります。 したがって、学校栄養職員についても、育児休業制度の適用対象に加えるべきであると考えるものであります。 以上、それぞれ申し述べました理由から、養護学校等の看護婦、学校事務職員及び学校栄養職員を育児休業制度の適用対象に加えるため、本改正案を提出した次第であります。 次に、改正案の内容としては、育児休業制度の適用対象となる職員に、養護学校等における看護の業務に従事する看護婦及び准看護婦、学校事務職員並びに学校栄養職員を加えることとし、それに伴ない法の題名中の「女子教育職員」及び本則中の「教育職員」の字句を、それぞれ教育職員と事務職員等の総称である「女子教職員」、「教職員」に改めることといたしました。 なお、この法律は昭和五十六年四月一日から施行することといたしております。 以上が、この法律案を提出いたしました理由及び内容の概要であります。何とぞ十分御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。 以上であります。 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○委員長(大島友治君) 次に、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。谷垣文部大臣。
○国務大臣(谷垣專一君) このたび、政府から提出いたしました公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 今日、学校教育に対する国民の期待はますます高いものがあり、学校教育が担う役割りは一層重要なものとなっております。わが国における初等中等教育は、その普及度においては世界に誇り得る高い水準に達しているのでありますが、今後の最も大切な課題は、その教育の内容の質的充実に一層努力することであります。すなわち、一人一人の児童、生徒の能力と適性に応じた教育を行うことにより、基礎と基本をしっかり身につけた人間性豊かで創造力に富む、心身ともに健全な国民の育成を図ることが重要な課題となっておるのであります。 公立義務教育諸学校の学級編制と教職員定数の標準につきましては、昭和三十四年度以降四回にわたり計画的に改善を行い、公立高等学校等の学級編制と教職員定数の標準につきましても、同様に昭和三十七年度以降三回にわたって改善を行ってまいったところでありますが、教育条件の一層の充実を図るため、このたび、小学校及び中学校における四十人学級の実現をはじめとして、公立の義務教育諸学校及び高等学校等の学級編制及び教職員定数につきまして、さらに計画的にその改善を図ることとしたものであります。 次に、法律案の内容について御説明いたします。 まず第一は、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準を改善したことであります。 すなわち、公立の小学校及び中学校の学級編制の標準に関しまして、同学年の児童または生徒を一の学級に編制する場合の標準を、現行四十五人から四十人に改善するとともに、二個学年複式学級及び特殊学級の学級編制の改善を行うことといたしました。 また、公立の特殊教育諸学校の小学部及び中学部の学級編制につきましても、その改善を図ることといたしました。 次に、公立の小学校及び中学校の教職員定数の標準に関しましては、教頭定数及び小学校の専科教員の数を充実し、小規模中学校等における免許外教科担当教員の解消を進めるほか、寄宿舎を置く小学校または中学校について加算する教員の数を改善することといたしました。 また、養護教員、学校栄養職員及び事務職員につきましても、その配置基準の改善を行うことといたしました。 次に、公立の特殊教育諸学校の小学部及び中学部の教職員定数の標準に関しましては、教頭定数及び小学部の専科教員の数を充実し、中学部の免許外教科担当教員を解消するため、小学校及び中学校と同様の改善を行うほか、養護訓練を担当する教員の数及び寄宿舎を置く学校について加算する教員の数を改善することといたしました。 また、寮母及び学校栄養職員につきましても、その配置基準を改善することといたしました。第二は、公立高等学校等の学級編制及び教職員定数の標準を改善したことであります。 すなわち、公立の高等学校の教職員定数の標準に関しまして、教頭定数及び職業教育を担当する教員の数を充実し、新たに習熟度別学級編成に伴う教員の加配を行うこととするとともに、通信制の課程について教員の配置基準を改善し、寄宿舎を置く学校について新たに教員の数を加算することといたしました。なお、教職員定数の算定方法の基礎を、生徒数から学級数に改めることといたしております。 また、養護教員につきましても、義務教育諸学校に準じてその配置基準を改善することといたしました。 次に、公立の特殊教育諸学校の高等部の学級編制の標準に関しましては、小学部及び中学部に準じてその改善を図ることといたしました。 また、教職員定数の標準に関しましては、小学部及び中学部に準じて、教頭定数及び寄宿舎を置く学校について加算する教員の数を充実するとともに、寮母につきましてその配置基準を改善することといたしました。 さらに、高等部に置かれる学科について、政令で定めるところにより、教職員の加配措置が行えるようにいたしております。 第三は、小学校及び中学校の養護教員、学校栄養職員及び事務職員並びに高等学校の養護教員につきまして、一部の都道府県に関して講じてまいりました保障措置が、このたびの配置基準の改善に伴い、不要となったため、これらの関係規定を整理したことであります。 第四は、経過措置についてであります。 この法律案は、昭和五十五年度から施行することといたしておりますが、その実施につきまして必要な経過措置を設けることといたしました。 すなわち、公立の小学校及び中学校の同学年の児童または生徒で編制する学級に係る一学級の児童または生徒の数の標準につきましては、昭和六十六年三月三十一日までの間は、今後における児童生徒数の推移等を考慮しつつ、新しい標準に漸次近づけることを旨として、毎年度、政令で定めることといたしました。 また、小学校及び中学校の複式学級及び特殊学級の学級編制並びに特殊教育諸学校の学級編制につきましては、昭和六十六年三月三十一日までの間は、今後における児童、生徒の数の推移等を考慮しつつ、新しい標準に漸次近づけることを旨として、各都道府県等の実態に応じて、都道府県の教育委員会等がその基準を定めることといたしました。 次に、公立の義務教育諸学校及び高等学校等の教職員定数の標準につきましては、昭和六十六年三月三十一日までの間は、今後における児童、生徒数及び教職員の総数の推移等を考慮しつつ、新しい標準に漸次近づけることを旨として、毎年度、政令で定めることといたしました。 なお、衆議院において、施行期日等に関する附則の規定の一部が修正されましたので、念のため申し添えます。 以上がこの法律案を提出いたしました理由及び内容の概要であります。 何とぞ、十分御審議の上、速やかに御賛成くださいまするようお願い申し上げます。
○委員長(大島友治君) これより本案に対する質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。
○高橋誉冨君 ただいま提案理由を説明を聞いた途端の質問ですので、要領を得ない質問になるかと思いますが、御了承いただきます。 言い古した言葉ですが、何といいますか、四十人学級あるいは標準法、この前に前提となる大きな問題を幾つか最初に質問いたします。 一年の計は穀を樹うるにあり、十年の計は木を樹うるにあり、百年の計は人を樹うるにある。教育こそ国家百年の大計であり、民族繁栄の基礎である。その一番の責任者である文部大臣としてのまず覚悟をお伺いしたい。
○国務大臣(谷垣專一君) 国政の基本は、将来の日本を担う頼もしい日本人を育てる教育がその基本であると私は考えております。教育の基本を個人の創意、自主性及び社会の連帯感を大切にしまして、わが国の発展と世界の平和と繁栄に寄与することのできる知育、徳育、体育、均衡のとれた国民の養成に置いて教育を進めてまいりたい、こういうふうに考えておるのであります。
○高橋誉冨君 そういうりっぱなお覚悟ならば、私は文部大臣がちょいちょい変わらないで、末永く、私が決めるわけじゃないんですが、文部大臣の座にあって初志を貫徹していただきたい。 ところで、現実の教育実態というものをどう見ているのか。私は、公務員法九十六条に「国民全体の奉仕者として、職務の遂行に当っては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。」あるいは教育基本法に「法律に定める学校の教員は、全体の奉仕者であって、自己の使命を自覚し、その職責の遂行に努めなければならない。」、こういうのがあるんですが、このとおり現在の日本の教職員というものが本当にやっているのかどうか。私の見る目では本当にやっている精励型といいますか、そういう型の職員、それと反対に、横着型と言っては語弊がありますが、違法ストをやったり、サボったり、上司に反抗したり、こういう労働者としての教育者、二つの大きな流れがありまして、その中間ももちろんある。私は、大臣の認識どうしているか知らないけれども、やっぱり公務員法九十六条、教育基本法六条の二項にあるように、使命を自覚して、職務の遂行に当たっては全力を挙げてこれに専念する、こういう教職員の活動にする教育行政機関の最高者としての責任があるんじゃないかと思いますが、この点ひとつお考えを承りたいと思います。
○国務大臣(谷垣專一君) 教育の問題は、結論的には結局その教育をいたします教師に適切な人材を得ることにあると思います。教育は人にありと申しますが、まさにそうだと考えております。すぐれた教員を確保しまして、しかもその資質、能力を絶えず向上をしていく、生徒に対しましての深い愛情をもって教育に当たる、こういうことが私は教育の場では一番大切なことであろうと思います。しかも、それはその理想を追求いたしますのに不断の努力が必要である、こういうように考えておるわけでありまして、新規採用教員を考えました場合でも、したがいまして、研修等の問題、あるいは現場におきましてのいろんな教育に対しましての研究ということが大変必要だと考えております。 いま、先生が御指摘になりましたような教育現場におきまして、これらの一つの理想として考えていかなければならない、追求していかなければならない環境、あるいは雰囲気というものが損なわれておるといたしましたならば、これは大変遺憾なことでございまして、その是正をいたしますことに努力をしていかなければならないと思っております。 今後とも万全の措置を考えていく必要があるし、また教育の現場におきましては、こういう教育に対しましての熱心な先生が、十分に教育の場に当たっていただけるような努力をしていく必要がある、こういうように考えております。
○高橋誉冨君 ただいまのすぐれた人材を確保してりっぱな教育をしたい、本当に私どもごもっともだと思います。そういうすぐれた人材を確保するということで、人材確保法案、これは学校教育が次代を担う青少年の人間形成の基本をなすものであるということにかんがみ、義務教育諸学校の教育職員の給与について、特別の措置を定めることにより、すぐれた人材を確保しようとするものである、こういうことなんですが、そういうような趣旨に基づいた人確法が果たしてそのとおり徹底していっているのかどうか、一例を挙げますと、その主任手当をこの人確法の三次か何かのあれで出されたんですが、それが各個人に渡っていない。渡ってから拠出したかどうか知らないけれども、金を出して、その金がどっかへ集まっている。都市では、私の聞いた範囲では大体一八%ぐらいそうだ、農村地帯では八、九〇%がそうなっている。あの当時一年間累積した金ですから、四万円前後。税金だけは返したそうですから、四万円前後の金が拠出されたわけなんですが、その金が一体どうなっているのか、それは立法の趣旨に沿っているのかどうか、そういうように人材確保法案というものを出したにかかわらず、そういうことであっていいのかどうか。それから、また一般の公務員はこういう批評をしていますよ。われわれは一生懸命働いている、これは学校の先生も一生懸命働いているから、そういう優遇措置をとったのはいいのかもしれないけれども、学校の先生の中にも一生懸命でない先生がいっぱいいる、あれなら私たちもやっぱり同じような優遇措置もらってもいいじゃないか。とにかく東京都をやり玉にあげるわけじゃないんですが、大体東京でお三時先生といって、三時になるともうそわそわしちゃって、四時になると下校する。そして、うちの方では普通五時まで勤めていますから、帰ってきた先生がもううちでちゃらちゃらしている、うちの方の先生は一生懸命働いている、何だかおかしいじゃないか。よく聞いてみたら、東京都では四十五分の休憩というのを一番後へ持ってきちゃって、家庭で休養している。こういうことがやっぱり地方公務員や、ほかの公務員からすれば、われわれ五時まで一生懸命働いているのに、先生は四時に帰ってきて、それで人材確保法だなんて優遇措置をもらって、それでいいだろうか、おかしいじゃないか、こういうことで、だんだんわれわれにも優遇しろ、人材確保法案でせっかく優遇措置を決めても、優遇というものがだんだん何か消されていく傾向になってきたとしたら、私は人材確保法案のやっぱり立法の措置が消えてしまうのじゃないか、こういうことを考えまして、これは法律でどんなりっぱなことを決めても、末端がそういう考え方、そういう心の持ち主ではいけないんじゃないか、国民のこうしてもらいたいというその願いに応じていないんじゃないか、こう思うんですが、見解を承りたいと思います。
○国務大臣(谷垣專一君) いま先生が御指摘をされましたような問題、主任手当の、主任制度の運営の問題におきましても、その運営上、法律を通しましたその法律の趣旨が、必ずしも完全に理解されて行われていない例があるという御指摘を私も耳にいたしております。大変に残念なことだと考えておりますし、また、それの是正を図っていかなければならぬと思っております。ただ、他の職場に比べていろいろと御議論がいまございましたけれども、人材確保のためのああいう措置をいたしましたことの立法の趣旨も、教育というものについては特に大切な職場であるという、そういう前提が私は基本にあると思います。したがいまして、他の職場の方々からの御批判あるいは国民の側からの批判に、いわば批判を受けて、しかもそれが人材確保の法律をつくりました趣旨と逆の批判を受けるような実情がありますれば、これは大変に残念であり、また文教の責任者として申しわけないことだと私は考えております。東京都の例等につきましては、私まだ十分に承知をいたしておりませんが、御指摘のような事実がございますれば、十分にこれは反省もし、やっていかなければならない点だと思っております。教育の現場というものは、他の職場と若干違っております点は、人と人との関係でございまして、しかも、それが将来のある児童、生徒の気持ちをどういうふうに引き出してやっていくかという、ほかの一般的な職場とは違っておるところに教育に対する大切な、また国民の期待があるものだと思います。先生が長い間の教育の経験を生かしてそういう御意見をいただきましたことについては、十分に私たちは戒心をして将来の対策を進めていかなければならないと考えております。
○高橋誉冨君 しっかりした答弁だと思いますが、人と人との関係だからこそ教員はそういう心がけであってはいけない、やっぱり真剣な、深い気持ちで当たらなくちゃいけないと、こういうふうに私は考えるわけですから、そういう意味で教職員の指導、管理を徹底していただきたいと思います。 これはいい例と言っちゃおかしいんですが、一つ問題になったのは、私の近くで一キロぐらい離れているところに八千代東高校というのがあって、例の背番号で予算委員会で質問され、新聞に大分騒がれましたが、私はそこの校長も、教頭も学校もよく知っているんですよ。実際は非常に使命感に燃え立ったりっぱな学校です。それがまあ何千人も父兄がいれば、それは一部不平者もありますし、これは顕微鏡的に拡大すれば悪い点がいっぱい出てくるかもしれませんが、そういうことでマスコミにたたかれ、週刊誌でたたかれ、いろんなものにたたかれて、何か全国的にたくさんの方があそこには来てますから、あの教育が悪いんだというような印象を与えると、使命感に燃えて一生懸命やろうという学校がだんだん少なくなっちゃうんじゃないか。まあ犬も歩けば棒に当たるだから、歩かなければ何にも当たらない。一生懸命創意工夫していろんなことをやったら非難を受けたと。それで歩かない犬、何にもやらない学校ばかり多くなっちゃったら、これは決して教育の進歩にはならないと思いますし、また、もう一つの例は、これは二キロぐらい離れているんですが、八千代松陰高校というのがあるんです。これは創立二年で甲子園へ出場しまして、やっぱり日本じゅう騒がれた学校ですけれども、あの校長は、その学校を創設するときに私と会って、おれは高橋先生、命がけで当たるんだ、おれの信頼している教員を本当に日本じゅうどこからでも集めてくる、それで徹底した私は真実の教育を仕立ててみたい、命がけでやりますよ、とにかくびた一文ない校長が、二十何億かの校舎を建てて始めたんですけれども、本当に命がけだと思うのですよ。そしてやった結果が、まあ野球が強くなったから云々じゃないんですよ。野球は私はあの学校の教育の一つの横断面にすぎない。ほかのものもすばらしいと思います、生活態度でも、教科の力でも。そういうことを大臣は、まあ水戸黄門か暴れん坊将軍じゃありませんが、たまには現場にふらっと行って、実態はどうなのか、本当に悪いのか、本当にいいのか、非難する者が悪いのか、やっている学校が悪いのか、この真実を突きとめろくらいのことをしてもらいたいと思います。
○国務大臣(谷垣專一君) 先生の実際の体験からの御意見でございますし、ことに教育の場で、教育に対しましての一つの熱情を持った先生方が、懸命になって教育の現場でやっていただいていることは私も承知をしております。一般的な評価、いろんな議論があろうかと思いますが、私は日本の教育が全般的に見まして、いまおっしゃられましたような熱心な方々によって、やはり支えられておるということは疑うべき余地はないと私は思います。できるだけ私もそういう現場の先生方の御意見も聞いていく機会を持ちたいと願っておりますが、まだなかなか不十分なところで、時間がございませんが、極力現場の皆さん方の御意見も伺っていかなければならないと考えております。
○高橋誉冨君 つけ加えますと、これはいいか悪いか知りませんがね、これは松陰高校に、組合があるのかと言ったら組合はないと言う。東高校にも組合あるのかと言ったらないと言う。ないことがいいとは私は言いませんよ。言いませんけどね、自然、そういうことをやっている暇がなくなっちゃったと言うんですよね。これもいいか悪いか知りませんよ。それで私は、そこで四十人学級という問題に移りますがね。このように文部省の意図するものと現実とが何かぴったりしないものがあるとすると、今後いろんな法規を出しても、その運用と実際というものをよっぽど私は指導、徹底しないとうまくいかないんじゃないかという気がいたします。また四十人学級にしても、これは教師と子供の人間関係をもっと深くするんだ、一人一人の子供の能力をよく見きわめさせるためなんだ、こう言っても、その先生自体が違法ストをやったり、その先生自体が四時になるとさっさとうちへ帰っちゃったり、そういうことで、四十人になったら今度は採点するにも、作文読むにも楽になっていい、そういう感覚で四十人学級にしたんでは、私はその標準法の定員の改善はこれは意味をなさないと思います。私実際に三十年近く先生をやっていて、すぐれた教師というのは、四十人いても、四十五人いても、五十人いても、すばらしく教育能率を上げるし、すばらしい教育をやるんですよ。ところがさっき言った横着者の、だらしのない先生というとこれは語弊がありますけれども、そういう先生——先生でもいろいろありますから、受け持たせますと、三十人、二十人にしても、これは恐らく十人集めてもその先生には教育能率を上げることができないと思うのですよ。そういう事実をやっぱりはっきり把握して、四十人学級の意味というものを十分生かすようにしてもらいたいと、こういう要望を申し上げまして、次に私は具体的な細かい質問をさっと一通りやりますから、どうぞ簡明に今度は答弁願いたいと思います。 そこで、まずこの改善計画を発足された意味について、もう一回お伺いいたします。
○国務大臣(谷垣專一君) 四十五人学級のいままでの編制から、四十人学級の制度を導入をいたす決心をいたしましたことは、これは一人一人の児童、生徒の持っております能力を引き出して、そしてしっかりした教育をやっていく、先生と生徒との間の緊密な関係というものが醸成できる環境をつくることが、私はこれの本来の目的であると思います。したがいまして、先ほど御指摘がございましたけれども、この次に問われてまいりますのは、先生、教師の側の識見、能力、努力、こういうことに私はなってまいると思います。それが両方が一緒になって動きませんというと、四十人学級を実施いたします本当の趣旨が十分に達せないことになると思います。四十人学級の要望は、これは当委員会におきましても、また衆議院の文教委員会におきましても、非常に長い間の懸案として、強い政府に対しての御要望のございました案件でございまして、これを実現いたしますことが、文教の流れの中でどうしても大切だと、こういうことで今日のようなお願いをすることに実現をしたわけでございますので、何といたしましてもこの四十人学級が、本来の期待をいたしておりますような効果を上げることを、強く私たちは希望をいたしておりますし、この制度が政府の予算案として決まりましたときに、各地の関係の皆さんのところにも、ぜひとも今度はしっかりとした教育をやってもらいたいという要望を申し上げたところでございます。
○高橋誉冨君 大体先ほどの説明でお聞きしたわけですが、今回の改善計画の概要につきまして、義務教育関係の内容を説明願いたい。
○政府委員(諸澤正道君) 今回の改善の計画は、五十五年度から六十六年度までの十二年間に約八万一千人の教員増を行って改善をしたいというものでありますが、その中身としましては、四十人学級の実現のために四万三千人の教員増をいたします。そのほかに、複式学級、特殊学級の学級編制の改善、それから小学校の専科担当教員の増、中学校の免許外担当教員の解消、それから事務職員、養護教諭、栄養職員、そして教頭の増、それからその他特殊教育諸学校の改善、以上の内容を合わせまして約三万八千人の増、合わせまして八万一千人の増というのがその概略でございます。
○高橋誉冨君 この小・中学校の間で四十人学級の実現が大きな柱になっているわけですが、四十五人基準の現在、全国的に学級編制の状況はどのようになっているか、ばらつきが各府県によって相当あるんじゃないか、御説明願いたい。
○政府委員(諸澤正道君) 御指摘のように、これは大変ばらつきがあるわけでございまして、五十三年五月の調査でも、全国を平均しますと、小学校の一学級の平均は三十三・二人、中学校は三十七・一人となっておるわけでございますが、これらの諸県のうち、埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、京都、大阪、兵庫及び奈良という、過密九県と言っておりますが、これらの九県だけの平均をとりますと、小学校は三十六・六人、中学校は三十九・四人ということでありまして、したがいまして、四十一人以上の学級の分布状況を見ますと、小学校の全学級数の二六・二%、中学校の全学級数の五一・一%が四十一人以上の学級ということになっておりますが、それぞれの約半数がいま申し上げた過密九県に集中をしておると、こういう実態でございます。
○高橋誉冨君 わかりました。 今回の改善計画で四十人学級をどのように実現していこうとしているのか、お伺いしたい。
○政府委員(諸澤正道君) 五十五年度を初年度として実施をするわけでございますが、いまの計画といたしましては、五十五年度から発足させました四十人学級は、人口減少市町村の学級で、しかも、そのために格別の施設の増を必要としないところに限ったわけでございまして、これが約五百五十校ぐらいであったかと思いますが、そのほかの学校は五十八年度から学年進行で実施をするというような形にいたしたいと思っておるわけでございます。 なお、中学校の方は、さらにその状況を見ました上で、人口減少市町村は六十一年度から、その他の市町村の中学校は六十四年度から実施するというようなことを一応のめどとして現在考えておるわけでございます。
○高橋誉冨君 過疎地帯からやるのが順序としてやりやすいということはうなずけますが、過密地帯をそのまま放置しておいていいのかどうか。過密地帯は、この間ちょっと校長らと会いましたら、実際言うと私たち過密地帯もそのまま放置されちゃ困る。特に若い女の教員が多いのでお産が多い。それからいろんな事故が多い。そういうことでやっぱり増置教員のようなものを過密地帯に欲しいと。特に事故なんかあってぽっと休まれる率が非常に多いというんですね。そういう場合に、何か契約と言ったらおかしいんだが、結んでおきまして、事故があったら電話をかけるとさっと来るというような、そういう退職者の中の優秀な人間を何人か、予約と言ったらおかしいが、予約しておいて、来たときに、日給制か時間給制か知りませんが、そういうので手当を払うようにして、そういう措置を講じてもらうと実際にはまことに私たちは都合がいいと、こういう話をゆうべ聞かされましてそうだなと私うなずいたんですが、何かそういう対策考えられますか。
○政府委員(諸澤正道君) いま御指摘のような点は、先ほど議員御提案のございました育児休業期間中の代替職員の任用の場合等は現在やっておるわけでございまして、各県ともそういう先生方をあらかじめ予定をしておりまして、育児休業期間なり、あるいは産前産後の休暇中には、そういう先生が代替するというような制度が法律上できておるわけでございますが、いま御指摘のような、特定の先生について突発的に事故があって、一両日休まなければならぬというような場合についてまで、この制度は現在できておらないわけでございます。ただ、実態としましては、先生御指摘のような、たとえば千葉県で言いますと、船橋とか、市川といったような大都市になりますと、大体大規模な学校が多うございますから、比較的教員配置に余裕があるというようなこともございまして、格別の手当てをしていないわけでございますが、ただこういうところは、船橋などは仮に五十五年度から学年進行で小学校もやるとしますと、物すごい教室増を必要とするわけなんですね、五十五、六、七と三カ年。それで市当局などの御意見も聞きましたけれども、やはりちょっと延ばしていただかぬと実際問題として困難だというようなことがございますので、五十八年度以降といたしたわけでございまして、その間先生御指摘のように、それらの学校におきましてはいろいろ困難の問題もあろうかと思いますが、その間ごしんぼういただきまして、それ以後の改善に待つということでやらしていただきたいと、かように思うわけでございます。
○高橋誉冨君 いま教室の問題出ましたが、そういう教室やなんかの整備の問題を計画的にどのように考えているか、もっと詳しく御説明願いたいと、こう思うんです。
○政府委員(諸澤正道君) 教室の整備の問題につきましては、ちょっといま正確な数字持っておりませんけれども、この小学校が五十六年度で全国的にピークに達し、中学校は六十一年度ということになりますと、これから主として中学校の教室増が多くなるわけですが、五十五年度以降その自然増に対応する教室分だけでも全国では四万七千教室ぐらいたしか必要なんですね。ところが、この四十人学級につきましては、いま申しましたような十二年計画で人口の減少に合わせて実施をいたしますと、全国で約八千三百教室ぐらいで済むものですから、そういう点も配慮して、いまの四十人学級の緩慢な実施ということに踏み切ったわけでございます。
○高橋誉冨君 まあ四十人学級は長年の懸案であり、これが私は実施に踏み切ったということは大変いいことと思いますので、円滑にこれが実現されるよう願います。 また、同時にその運営については、先ほど言いましたように、四十人学級になったから楽になったという、教育者天国だというような考え方で受け取らないで、やっぱり子供の個々の能力をよりよく伸ばすんだと、そして子供との人間関係を密接にするんだと、こういう趣旨を生かされて運用されますよう私の方から希望いたしまして、四十人学級の件は以上で終わりたいと思います。 次に、定数改善問題でお伺いしたいんですが、今回の改善計画では、小規模中学校の定数改善を行っていると聞いているが、その内容はどういうものなのか、御説明願いたい。
○政府委員(諸澤正道君) 今回の免許外教科担任教員の解消のための増員予定者は二千百四十人となっておるわけでございますが、小規模中学校で問題になりますのは、一学級、二学級、三学級、四学級程度のところが一番問題になるわけですけれども、今回の改善で一学級編制のところも、校長含めて五人、それから二学級が七人、三、四学級が九人という配置になります。理屈を申しますと、中学校の教科は九教科でございますから、その程度おれば大体それぞれの担当の専門の先生がお願いできるということになるわけですが、しかし、実際の運営としましては、その中学校の各教科の授業時数が、音楽、美術などは一週間に七、八時間程度、国語は十五、六時間になるというようなことですから、必ずしもそのそれぞれの専門の先生を準備すれば、完全に免許外担当教員の解消になるかというと、私はそうはならないと思うんですけれども、ただ現状を見ますと、かつての第一次のベビーブームの際における特定教科の教員をよけい採ったというようなこともあって、そもそもの教員の専門別配置が必ずしも適正でないというようなこともございましたので、今回の定員の増と合わせて、そうした教員の配置の状況についてもより適正化を図るということで、できるだけ小規模中学校における免許外担当の実情を解消する方向で努力を払ってまいりたい、かように思うわけでございます。
○高橋誉冨君 養護教諭や事務職員についてはどういうことになっておりますか、お伺いします。
○政府委員(諸澤正道君) いまの現状は、御承知のように養護教諭も事務職員も全小・中学校の四分の三まで置けるという定数でございますが、今回の改善によりまして、小・中学校とも四学級以上のものには全校必置と。さらに三学級の小・中学校については四校に三人の割合で配置をしようと、こういうことでございます。 そうしますと、勘定の上では、三学級の学校の四分の一と、一、二学級に配置されないと、こういうことになるわけでございますが、ただ、今度の法律改正で小、中隣接校、つまり学校間の距離が五百メートルくらいのものは一つの学校として考える。こういう隣接校というのは大体小規模学校に多うございますから、そういうふうに考えますと、三学級程度の学校にはほぼ行き渡ると。あと一、二学級の小・中学校というのは、実態としては一校の児童、生徒数が十人前後でございますので、これはそれぞれ専任が置ければよろしいわけでございますが、一挙にそこまでというのも非常に困難な課題でございますので、そうした点につきましては、少し距離は離れておりましても、他の学校との併任というような形で巡回指導していただくとか、あるいは、事務であれば当該学校の先生に兼務していただくというようなことでやっていただきますと、ほぼ九八%ぐらいの学校に事実上配置されると、こういうことになるわけでございます。
○高橋誉冨君 養護教諭とか、事務職員とかというのは、小規模学校というのはとかく何かなおざりにされがちだが、小規模学校ほど私は必要じゃないかと思うんですが、この点いかがですか。
○政府委員(諸澤正道君) おっしゃるとおりの面があると思うわけでございますね。それで、特に養護教諭につきましては、実際小規模学校のあります僻地などになりますと、無医村、無医地区というようなものもあるわけでございますので、こういう点につきましては、学校の規模にかかわらず無医村、無医地区には養護教諭を一名配置するという原則にいたしておりますので、その点のカバーはしておるわけでございます。 また、この事務などにつきましては、おっしゃるように、小さい学校であっても一校としての事務があることは事実でございますが、この点につきましては、やはり現状としては、その当該学校の先生方に交代で見ていただくというような御努力も、現段階ではしていただかざるを得ないんではないかと、かように思うわけでございます。
○高橋誉冨君 次に、特殊学校、特に養護関係で伺いたいんですが、五十四年度から義務制になったけれども、一年間実施してみてどのような相違があるか、お伺いします。
○政府委員(諸澤正道君) 昨年四月の義務制実施によりまして、養護学校の数は全国で約六百五十校程度になりました。子供の数も五万七千人ということで、これは前年度に比べますと一万七千人ほどの増になっておるわけでございますから、かなりの子供が一挙に養護学校に就学したということで、これは普通学校の特殊学級などにいた子供が養護学校へ入ってきたのと、それから、従来は身体障害のために義務教育を猶予ないし免除されておった子供が約一万人おったわけですが、その猶免者が三千三百人程度に減ったということがこの就学率、就学児童、生徒の数の増大につながっておるわけでございまして、そういう意味では、この義務制というのは非常に意味があったわけでございますが、ただ実施に際しまして、もちろんいろいろ困難な問題もございまして、たとえば、この六百五十校できたといっても、やはりそれぞれの障害を持つ子供さんにとっては、通学の問題などいろいろあるわけでございまして、そういう問題と絡んで、またせっかくの義務制が実施されましても、子供の親としては普通学校へやりたいというような希望があったりして、その辺をやはり養護学校教育の意味というものを十分に理解していただくというこのことが、義務制の発足に当たっては非常に大きな仕事でございまして、そのために就学指導委員会等を設けて、そういう希望のある親御さんについてもよく話し合いの機会を持たせて、納得して養護学校に行かせるというような努力を関係者にしていただいたわけであり、このことは今後とも続けなければならない課題であろうというふうに思うわけでありますし、また一方、普通の学校の教師なり、一般の父兄につきましても、そういう養護学校教育に対する理解というものを十分持っていただきまして、そのことによって障害の軽い子供さんは、やっぱり必要に応じて適時普通学校の子供とのいろんな行事などでの交流を図ると、こういう努力もしていかなきゃならぬわけでありまして、そういう意味で、制度としては養護学校として別個に確立したわけでありますが、今後はその辺の児童、生徒の教育なり、扱いという問題をさらにきめ細かくやってまいりたいと、かように思うわけでございます。
○高橋誉冨君 そういう現実を踏まえまして、また今後改善する余地があると思うんですが、どのような改善をしたいか、それをお話し願います。
○政府委員(諸澤正道君) これは物心両面いろいろあると思うんですが、物の面から言えば、たとえばその養護学校への通学についてもっとスクールバスを充実して、障害がある子供さんが遠くからも容易に通えるようにするというような課題もありますし、また今回の義務制実施によりまして、かなり重度の障害児、あるいは重複障害児といったような方が学校へ来られますと、この教育というのが従来にも増して非常に手がかかる問題でありますから、これに対する学校の設備なり、あるいはこれを扱う教員の資質の向上なりというようなことが非常に大切になってこようと思うわけでございます。 それから先ほど申しましたように、就学指導委員会のこの専門職員の方々の、就学を指導するに対しての専門的見地からの経験なり、能力の増大というようなことも非常に大事な課題であると考えますので、そういう面での講習会の開催なども、本年度から力を入れておるところでございます。
○高橋誉冨君 心身障害者の教育が実を結ぶためには、子供のときからの障害者に対する理解、いたわり、思いやり、そういうことが非常に大事だと思うんですが、それに対する施策がありましたらお伺いしたいと思います。
○政府委員(諸澤正道君) この問題につきましては、先ほどもちょっと申し上げましたように、一般の学校の教師なり児童、生徒なりが、やはりそういう心身障害者に対しましても、同じ友達として、あるいは人間として仲よくしなきゃいけないんだと、こういう認識を子供のうちから持つことが非常に大切だと思うわけでございます。したがいまして、いまの小学校の学習指導要領でも、「だれにも親切にし、弱い人や不幸な人をいたわる。」とか、あるいは中学校では「温かい人間愛の精神を深めていく。」とかというようなことが必要であり、そしてそうした一般の小・中学校の教育に対応して、養護学校の新しい学習指導要領の中では、その障害を持った子供の一般の学校における展覧会とか、あるいは遠足とか、その他の細細した学校行事などの際に、普通の子供と交わるような機会をできるだけ持たせるようにと、こういうようなことで指導しまして、五十四年度から心身障害理解推進校というのを各県に小・中学校一校ずつ設けまして、それらの小・中学校と障害者の養護学校との交流を深めるというようなことをモデル的に進めるというようなことをやっておるわけでありまして、またそうした心身障害児をより一層理解してもらうために、「心身障害児の理解のために」というパンフレットですけれども、手引書をつくりまして、全国の小・中学校に配付するというようなことをやってきておるわけでございます。
○高橋誉冨君 来年は国際障害者年でもありますし、私は、特にそういう気の毒な方に対する愛情豊かな日本をつくる上にも、温かい手を差し伸べるような努力をしてもらいたいと思います。特に私は、三、四年前ですか、メキシコへ行きましたときに、そこにいた自動車の運転手が、あなた方は三十年も四十年もこっちへ来ていて、日本へ帰りたくありませんかと聞いたところが、私たちは、昔は日本へ帰りたくてしようがなかった。帰るとまた人情が細やかで、喜んで迎えてくれるし、喜んで送ってくれたと。ところが、最近は私はもうメキシコの土になりたいと思います。なぜですかと言ったら、日本へ帰っても昔のような温かい人情味がなくなったと言うのですよね。私はやっぱり大きな教育上の何かの欠陥じゃないかと思いますが、特に心身障害者なんかを中心にしまして、温かい心の結ばれ合った日本であるように努力していただきたい。心身障害者についてはその要望をもって終わります。 次に、高校関係について若干お伺いします。 最初に、高校関係については、今回の計画でどのような改善計画を図ろうとしているのか、その概要について御説明願います。
○政府委員(諸澤正道君) 高等学校関係は、御承知のように職員の給与費は地方交付税の中で見るわけでございますので、そういう意味合いの高校標準法の改正でございますが、この計画の中身としては、十二年間に約一万名強の増でございますが、その中には、高校の四十人学級は入っていないわけでございます。その最も大きな部分は、例の習熟度別学級編成に必要とする教員増が六千六百名ぐらいだったかと思いますが、それと養護教諭の増、あるいは家庭、商業といったところにおける専門教科担当教員の増というようなものが主たる中身でございまして、このほかに高等学校では、今後十年くらいの間に高等学校の生徒が約百万以上増をするということで、それに対して、言うところの自然増に対応する教員増というものが四万くらい必要になるだろう、こういう見通しでございます。
○高橋誉冨君 高等学校で四十人学級を見送った理由は何か、御説明願います。
○政府委員(諸澤正道君) いまのお話の続きになるわけでございますが、そういうふうに、高等学校の生徒が百万以上もふえるということになりますと、しかも、そのふえるふえ方が、先ほど申しました小、中の場合と同じように大都市に集中するということになりますと、これらの自治体では、高等学校を増設するための場所の設定からして非常に困難を来すというようなことで、先般の幕張における集団高校のようなものでも考えないと、とても実際にやれないというような実情でございまして、それを反映して東京や大阪などでは、本年度は高校の学級編制基準四十五人を上回って、四十七人でやらざるを得ないというような状況でございますので、この状況がしばらく続くわけでございますから、四十人学級が高校においても望ましいのはもちろんでございますが、この十二年間には四十人学級を計画として持つことは事実上不可能であるということからして、今回は見送らざるを得なかったわけでございます。
○高橋誉冨君 この同校で、習熟度別学級編成というものをつくったわけですが、これはどういう趣旨からやったものか。またそれがあるために、かえって何といいますか、生徒の間に、おれはこっちの優秀なクラスだと、おれはそうじゃないんだという差別的な感情が生まれることは教育上よろしくないのじゃないかとも考えられるが、その点お伺いしたい。
○政府委員(諸澤正道君) 一昨年高等学校の学習指導要領を改定したわけでありますが、その一番のねらいは、現在高等学校の進学率が九四%にもなって、高等学校の生徒と一概に言いましても、その能力や適性に非常に差ができているという実態があるわけでございます。したがいまして、せっかく高等学校へ入ってきても、実はその入学試験で、英語も数学もほとんどゼロ、あるいはゼロ点に近いような成績でも入ってきておる子供がおるわけでございます。そうしますと、そうした子供に、さらに英語や数学の勉強をさせる場合に、すべて他の子供と同じにやっても、実際問題として効果が上がらない。そこで、これをどうしたらよいかということが、実はこれまでも関係者のいろいろ苦心するところであったわけですが、この習熟度別学級編成というのは、そういう実態を踏まえて、子供の教科内容に対する習熟の度合いに応じて、これを適宜グループ分けして丹念な教育をしよう、こういうわけでございますから、これはたとえば、戦前などで、いわゆる能力別学級編成といいますか、成績のいい子悪い子を学年の初めから固定的に、A組、B組、C組というふうに分けてしまって、それをもう一切動かさない、こういうようなことではなくして、いま申しましたように、英語や数学など特定の教科の勉強の場合に、その子供の習熟の度合いに応じて、適宜グループ分けをして、そのグループの中で、また一学期間やってみて、進度のいい者はもう一つ上のグループに移すというように、グループ分けを固定化しないというやり方でございますので、これはそうしたやり方に十分気をつけて、関係者の理解を得た上でやりますならば、いまおっしゃったような、子供に劣等感を持たせるとか、あるいは落ちこぼれをつくるとかいうようなことをなくすることができるわけでございますので、私どもは、その趣旨を十分説明して、やり方に十分注意をして、これはやってくださいということで進めることといたしておるわけでございます。
○高橋誉冨君 高等学校は、ほとんどいま九四%ですか、進学しているということですから、非常に大事ですので、その質の向上に努めてもらいたい。小学校、中学校、高校と比べますと、私の見ている点では、高等学校が一番学校管理が私はまずいと思うんですよ。この点やっぱり十分留意してもらいたいと思います。 それから、最後に大臣にお伺いしますが、先ほど、四十人学級にしましても、あるいは何にしましても、一番大事なのは教員だと、こういうふうに私は受け取っておりますが、教員の質の向上というものが私は実際大事だと思うんです。それで、いま何が一番欠けているかというと、知識、技能も大事だけれども、一番欠けているのは教育者魂というか、使命感を持ったそういう教育者が一番大事だと思うんですよ。それが私は初め教育大学を全国へつくるというから、終戦後だれでも教員になったというような教員を、もう一回教育者魂をしっかりと植えつけるような、そういう機関だと思ったんですよね。兵庫とか、新潟にできましたが、それがそういう二つくらいの学校じゃそういう使命をとても果たせないんじゃないか、文部省がそういうことをねらったにしても、何かいろいろ考えさせられて後退しちゃったんじゃないかと思うんですが、この点やっぱり私はどんどん推進されて、いまの日本を、さっき言ったような使命感に燃えた、国民全体の奉仕者として全力を傾注して教育に当たるような、そういう教員をつくってもらいたい。 それからもう一つは、いま教員の条件採用というのがあるわけですね。その制度が有名無実のような気がするんですよ。これは千葉県にあった例ですがね。子供は教室でけんかさせる。カラスは飼う。教室じゅうカラスのふんだらけにしてしまう。それでいて校長の言うことは聞かない。とうとう校長は困り果てて、条件に合わないから、成績良好でないので本採用したくないと言ったら、裁判になりまして、地裁では負けたと思いましたが、大分問題を醸しました。そういうようなことでおじけふるっちゃって、どこでも条件採用した者はそのまま全部本採用になっちゃった。条件採用というものは全然意味をなさない。条件採用というのは、大事な子供を、次代を背負う子供を教育するのだから、これは公務員もそうでしょうけれども、条件に合わなかったら、やっぱり私は本採用しない、こういうくらいの考えが実際にされていいんじゃないかと思いますが、大臣のお考えをお伺いして、私の質問を終わります。
○国務大臣(谷垣專一君) 先ほど御指摘がありましたように、結局教育は人、ことに適切な教師をどう確保して、そしてそれが現場で子供たちと一緒になってもらってやっていくというところが教育の私は一番大切な点だと思います。 先ほど御指摘がございましたけれども、新しい、たとえば上越、あるいは兵庫、また今度は徳島県の方にも一つ計画を持っておるわけでありますが、これらの教育大学も、私はやはり非常に大切なものだと思っております。これは御存じのように、主として現職の教員の方々をもう一度大学院コースと申しますか、そういうところで深く教育をしてもらおう、研さんを積んでもらおう、こういう考え方でございますが、先ほど先生がおっしゃったように、教育に対する熱情というものが大学院制度で直に得られるかどうかという問題につきましては、これはいろいろ問題があろうと思いますけれども、しかし、それはそれなりに一つの私は効果があるものだと思います。しかし、教育に対する熱情というものがそういう制度の中からこれは出てくる、それだけに期待しては本当は出ない、むしろ出にくい性格の問題であるところが教育の非常に重要であり、かつむずかしいところでございますので、これは単に大学院のことだけでない、現在ありますいわゆる教育大学の中におきましても考えていかなければなりませんし、さらには、もう少し深いところで、やっぱりすぐれた教育者をつくる教育者がむしろ必要であるというようなことも、これはすでにどなたでも言っておられるところでございまして、むずかしい問題であることは事実であります。しかし、これは避けて通れない問題でございますので、いろいろと工夫をしていかなければならぬと思っております。しかし、その大学院制度自体を持った、新しく現職の教員の皆さんを、もう一度そこで自分の識見を確めて、そしてやっていただくということは、私は現場での教育の体験を経てきておられる、また、そこにおけるいろんな問題を自分の中に受けとめて、いろいろとある意味では悩み、そしてそれを克服していく、そういう過程におられるわけでありますので、この大学院制度というものは、私はやはりそれはそれなりの意味を持っておると思いますし、また、持たせなければいけないと私は思っておるわけであります。いろいろと工夫をこらしてやっていかなければならぬことは十分に承知をいたしておりますが、そういうふうに考えておるところでございます。
○高橋誉冨君 条件採用の件は。
○国務大臣(谷垣專一君) 実は私まだよくそこらの状況がわかりませんので、お答えが十分できないのでございますけれども、もう少し研究をさしていただきたいと思います。
○高橋誉冨君 終わります。
○委員長(大島友治君) 本案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。 —————————————
○委員長(大島友治君) 次に、教育、文化及び学術に関する調査を議題とし、質疑を行います。質疑のある方は順次御発言を願います。
○小谷守君 教員養成大学が発足をしたわけでありますが、この発足に当たっての今日の状況はいかがでありますか、大学局長から概要をひとつ御説明を願いたいと思います。
○政府委員(佐野文一郎君) 二つの新しい教育大学が、御案内のように五十三年度に創設されたわけでございます。このうち兵庫教育大学は、五十四年の四月に大学院から学生を受け入れるという年次計画に従いまして、すでに昨年の九月に第一回の入学者選抜を円滑に終了いたしまして、多数の志願者の中から現職の教員百三十四人を含む百五十人の合格者を受け入れているわけでございます。上越の教育大学は、五十六年の四月に学部から学生受け入れを行うことといたしておりまして、目下、学生受け入れに備えて教官の陣容を整えたり、あるいは施設設備等の整備を鋭意進めている段階にございます。 なお、兵庫の教育大学の場合には、今年度から付属の幼稚園と小学校を、地元と十分に協議をいたしましてスタートをさせることにいたしております。
○小谷守君 この教員養成大学の発足に当たっては、一昨年六月に本院文教委員会においても附帯決議が行われたのであります。この附帯決議の趣旨にのっとって、両大学は進められておるかどうか、私どもは強い関心を持っておるところでありますが、いま局長から御報告のありました、たとえば兵庫の場合、いろいろとこの大学の発足についての懸念が強かったわけでありまして、私は一昨年の十一月二十七日であったと記憶いたしますが、地元の代表の皆さんを当時の文部大臣でありました砂田さんに面会をあっせんいたしまして、私も同席をしたことでありますが、その際、当時の砂田文部大臣としては、地元の不安に対してかなり明快な見解をお漏らしになった。地元の諸君としては、反対意見を持っておった諸君も、大臣の熱意にかなり動かされた様子であったわけであります。 ところが、今日の発足の状況を見ますというと、大臣の当時の言明というものはほとんど守られておらぬ。いま局長からお話のありました、たとえば付属幼稚園、あるいは付属小学校の問題にいたしましても、過疎が進みつつあるこの大学の設置場所でありますが、そこに大変な迷惑を深刻に及ぼしてきておる、こういうふうに思いますが、当時の砂田文部大臣が関係者に漏らされた見解というものは、文部大臣室で行われたわけでありまして、文部省の関係者も陪席をしておられたことでありますから、局長もあらましのことは御承知になっておることと思いますが、なぜこれが守られぬのか、こういう点についてひとつどういう事情であるのかお聞かせを願いたいと思います。
○政府委員(佐野文一郎君) この大学の付属の小学校、幼稚園を開設するに当たりまして、地域の事情を十分に考慮して、かねて地域にあった不安というものが解消するような努力をすべきであるということは私どもも十分承知をしておりましたし、また大学も私はそういう方向で努力をしたと考えております。地元におきまして、この大学の付属の小学校なり、幼稚園が、いわゆるエリート教育を持ち込むのではないかとか、あるいは人口の規模から考えて、既設の公立の小学校なり、幼稚園に影響を及ぼすのではないかというような御懸念があるということは、これは私どもも承知をいたしております。もともと付属の学校というのは、本来そういったエリート校的なものではなくて、大学の教育研究に十分協力をしながら、教育実習生を受け入れて、実証的、実験的な研究を推進していくという任務を持ったものでございます。大学としてはいろんな機会を通じまして、このような付属学校の目的、性格について、まず十分に地域の御理解を得られるような努力を重ねてきているところでございます。 この付属の規模でございますけれども、御指摘のように、大学の設置された社町及び周辺地域の児童数というものがございますので、その実態等を十分に考えた慎重な対応が必要でございます。大学におきましては、地元の教育委員会とも十分協議をいたしまして、既設の公立の学校に御迷惑を及ぼさないような範囲において、妥当な規模の付属学校を設置するという配慮をいたしまして、付属学校の規模を決めたわけでございますし、さらに、公立学校における教育実習の体験も非常に大事でございますから、地域の公立学校の御理解と御協力を得ながら、付属学校と公立学校が相まって充実した教育実習が展開できるように、努力をいたしているところと承知をいたしております。
○小谷守君 二月七日に付属校の生徒募集が締め切られたようでありますが、その結果はどういう状況でありますか。
○政府委員(佐野文一郎君) 二月に入園者、入学者の募集を行ったところでございますが、まず小学校につきましては、一年次と四年次を本年度から開設することにいたしておりますが、両者合わせまして二百四十人の募集に対して、百十二名の応募がございました。幼稚園につきましては、三歳児と四歳児の学級の募集をいたすわけでございますが、合わせて五十五人の募集に対して八十二人の応募者があったと承知をしております。
○小谷守君 これは小学校の場合再募集はなさいますか、どうですか。
○政府委員(佐野文一郎君) 小学校の場合は、いま申し上げましたように、入学候補者が募集人員に満たないという状況でございますので、三月の五日から補欠の応募を受け付けたと承知をしております。
○小谷守君 大臣ね、兵庫県加東郡社町、大臣の御郷里とも近いわけですが、播州の北部、かなり過疎の進んでおる地域であります。ここへ教育大学ができた。さあ付属の小学校をつくるというわけでありますが、しかもこれ三学級です。四十人の計算にしましても百二十名。あの地域では一学年三学級という学校は大規模校なんです。突然教育大学の新設に付随して、こういうものがあの地域に忽然としてあらわれる。こういうことになりますと、あの地域での教育の体系というものはかなりな迷惑を受けるわけであります。しかも、大学局長は、付属校というものはエリートを集めるものではないということを先ほど問わず語りにお話になりましたけれども、付属校というものの一般の持っておる価値観というものはなかなかそこまでいっていない。これをやられますと、この近隣の地域の教育というものは甚大な影響を受ける。私が申し上げたいのは、たとえば例の筑波大学の場合におきましては、付属校は旧教育大学に残しておる、こういうふうに承知をしておりますが、この際、そういうことも私はお考えの中に入れていただく必要があるのではなかろうか、たとえば神戸なら神戸に。一学級ぐらいは地元に置くとしても、あとは過密地帯の方に付属校を配置すると、こういうふうなことがあってもいいのではないか、こういうふうに思われますが、これはどうですか。
○国務大臣(谷垣專一君) 先生の方はもうあのあたりの状況はお詳しいから御質問のことでございますが、私も全然知らぬわけじゃございませんが、いまの御指摘の問題、私まだ十分に検討を実はしておりませんけれども、筑波大学の付属の問題は、これはもう先生御存じだと思いますけれども、従来この付属の小学校としてあったもの、教育大学としてあったものですね、それが教育大学が筑波へ移ったということ。それで小学校にしましても、付属校の場合はその子供たちが自宅から通学をするという事情がございますので、従来あったものを大学が筑波へ移ったからという形にはなかなかやりにくい点があるわけでございますが、社の場合は今度は逆の問題が起きまして、地元の地域の教育のいろんな環境に対しまして一つの変化と申しますか、衝撃を与えた。しかし、付属校でございますので、これは大学のそばに付属して置いておくことがやはり必要だし、またそうなけりゃならぬのじゃないかという私は感じがいたしております。 ただ、御指摘がありましたように、何と申しますか、よくそこでの教育をします途中で、その地域地域の協力校というような形で、教育の現場としての経験を得さしてもらうというような形のものは、これはあるわけでございまして、それがそういう大都会の中に協力校をお願いするという形は、これは考えられると思うんですが、これは新設なもんですから、やはりちょっと筑波の場合と違った形にならざるを得ないんじゃないか、こういう私は気がいたしておるわけでございまして、先ほど先生がおっしゃいましたように、確かに過疎——過疎とまでいかぬかもしれませんが、とにかく学校の児童、生徒数がそう多くない地帯のことでございますので、当然教育大学としましても、そこらの付属校の持っていき方については、十分考えていかなきゃいかぬと思いますし、それは先ほど局長がいろいろ御答弁しておったようでありますが、神戸市の問題につきましては、ちょっと私まだ十分に検討しておりませんが、ちょっと無理なんじゃないかという気がいたしております。
○小谷守君 この付属校ができたことによって、地域の義務教育というものが、深刻なやっぱり影響を受けているということは事実なんです。そこで、これに対しては、しっかりした保証を文部省としては考えてもらわなくてはならぬと思うんです。 これは大学局長からでも結構です。初中局長もおられますから伺いますが、この付属校を開設したことに伴って、地元の義務教育学校の中で、当然子供が引き抜かれるわけでありますから学級減が起こる、また教員の定数減が起こります。こういうことについての保証はお考え願っておりましょうかどうか。 〔委員長退席、理事高橋誉冨君着席〕
○政府委員(諸澤正道君) 私どもが調べましたところでは、この四月に地元の小学校から付属小学校の方へ志願した者は、社町で言いますと、社小学校というのが、これが四学級編制の学校のようでございましたが、一年生で本来社小学校に入るべかりし者が二十九名、それから四年生で、これは三年の在学だったと思いますが、それが二十名それぞれ移りましたので、そうなりますと、本来ならば一年、四年ともそれぞれ四学級であったであろうものが、それぞれ三学級になったということで、一年と四年が一学級ずつ減ったということでございます。 同じような事情になりましたのが、この社町の三草小学校というんですか、その学校では一年生が、これは非常に微妙なところですけれども、本来なら四十七名入りまして二学級になるべかりしところが、三十九名で一学級ということですから、この付属学校のスタートによりまして、近隣の小学校で実際問題として学級編制が変わったのは以上の三つのケースということになるわけで、そのうち、社小学校の方は二学級減、三草小学校の方は一学級減ということでございますから、この両校の教員配置関係につきましては、いまつまびらかにいたしておりませんけれども、一般的に言いますと、県内の全小、中学校の学級編制の見通しというのは大体三月の初めごろにはわかりますので、その時点で適宜教員の異動をして、過剰教員なり、不足教員がないようにするという配置をするのが一般的でございますので、本件の場合もそういう意味での手当ては済んでおるというふうに私は理解しておるわけでございます。なお、今後この地区について同じようなケースが起こることが予想されるわけでありますんで、それの対応につきましては、あらかじめ教育委員会において十分実態の把握に努めていただきまして、不都合のないように指導してまいりたいと、かように思うわけでございます。
○小谷守君 これは文部省としてはしっかり保証をお願いしなくてはならぬと思うんです。 大学局長に今度は協力校という問題についてお伺いをしたいと思いますが、これはどういうものですか、協力校というのは。 〔理事高橋誉冨君退席、委員長着席〕
○政府委員(佐野文一郎君) 本来であればと申しますか、あるいは理想的に申せば、養成大学の場合には十分な規模の付属学校を持って、そして充実をした教育実習をその付属学校で展開をするということが望ましいわけでございます。しかし、なかなか付属学校の規模を教育実習に対応して十分に整備をするということができない場合がありますし、さらに進んでは、いろいろな地域における公立学校における教育の実態というものを、教育実習の場として活用していくということが、教員の養成の場合により望ましい姿である場合もあるわけでございます。したがって、国立の教員養成大学の場合に、地域の教育委員会と十分に御相談をいたしまして、幾つかの公立学校に教育実習の受け入れ方について御協力をお願いをする。そして大学、付属学校との十分な連携、協力のもとに教育実習をその公立学校においても展開をするということを考えるのが協力校のシステムでございます。この兵庫教育大学の場合には、先ほど来御指摘のような地域の事情がございまして、通常の教員養成大学の場合よりも、はるかに小さな規模の付属学校を設置をする計画になっているわけでもございますので、先ほど大臣からお答えを申し上げましたように、協力校の計画については、より積極的に大学としては考えていく、そういう考え方を持っているわけでございます。
○小谷守君 協力校のことはわかりました。 そこで伺いたいのは、これは従来の地域で決めておるカリキュラムをゆがめるようなものであってはならぬと思うんですが、どうですか。
○政府委員(佐野文一郎君) もとより教育実習を受け入れていただくということ自体が、一般の公立学校の場合にかなりいろいろと御迷惑をおかけすることになるわけでございますけれども、協力校の場合には、十分に大学側と教育委員会あるいは当該学校との間で協議をいたしまして、そういった意味での御迷惑がかからないように、むしろ教育実習を受け入れていくということを通じて、付属学校、公立学校両方を通じたより充実をした教育が展開できるような配慮をしてもらわなければ困るわけでございます。その点は大学も十分に心得ておりますので、公立学校での教育の展開なり、カリキュラムにやはり御迷惑をかける、それが支障を生ずるというようなことのないような配慮は十分にいたしてまいるつもりでございます。
○小谷守君 最後にお伺いしたい点は、この教育大学の受験に当たって、現職教員が受験をするわけでありますが、その際、教育委員会の事前の同意書の添付を大学側が義務づけておると、これを提出することを義務づけておると、こういうふうに聞くわけでありますが、文部省はそういう指導をしておられますか。もししておられるとすれば、これは開かれた大学とは言いにくいと思いますが、事前にこういうものは必要でありますか。
○政府委員(佐野文一郎君) 新教育大学を創設するに当たっての法案の当委員会における御審議におきましても、その点はいろいろと御指摘のあったところでございますが、この大学院は現職の教員の大学における教育研さんの機会を確保するということを趣旨として設置されたものでございます。したがって、現職のままで大学院に教員が入学されるわけでありますが、この場合には、大学としては入試の事務処理の上から申しましても、あらかじめ現職のままで入学をし、勉学を続けるということについて、市町村教育委員会等の同意があることを確認をしておく必要がございます。これはこの大学の大学院に限らずに、他の大学の大学院におきましても現職の者が大学に進学する。その場合に、現職のままで大学で勉学を続けるということであれば、所属長の同意というものを出願に当たって求めているのがいずれも通例のケースでございます。それに従ってこの大学におきましても、市町村教育委員会の同意というものの確認をしているわけでございます。
○小谷守君 現職のままで大学院に入るわけでありますから、遅かれ早かれ教育委員会の同意というものが必要であることを私も認めます。しかし、受験するに当たって事前にそういうものを添付しなきゃならぬということは、これはいかがであろうか。そこまでの必要があるのかどうか。私はあなたのお言葉でありますけれども、どうも納得いたしがたい、こういうふうに思いますが、同意そのものを私は否定するわけじゃない。当然それは遅かれ早かれそのことは必要だと思いますが、受験のときにそういうものを添付しなきゃならぬということはいかがでございましょうか。
○政府委員(佐野文一郎君) 一つの考え方としては、たとえば合格の後に市町村の教育委員会等が同意を与えるということではどうかということがあるわけでございます。この場合には、大学の方の立場といたしますと、合格した者が大学で実際に勉強ができるかどうか、大学院に修学できるかどうかということが大学以外の者の判断によることとなります。大学に修学すべき者についての大学の主体的な決定というものを大学としては確保したい。その主体的な決定に影響が出るということになると、それは大学としてのあり方から考えていかがであろうかということがあるわけでございます。したがって、出願の際に現職のままで修学をすることについてそれぞれの市町村の教育委員会なり、あるいは都道府県教育委員会の全体のその県内における教員の状況というものを考えた上での御判断と、それを求めて入学試験を実施をするということが、大学に学生を受け入れるあり方としてはより適切であろうという判断をとっているものでございます。
○吉田正雄君 私は私学の振興、私学教育の一層の充実、発展を願う立場から、今日の私学の経営とか学校運営、あるいは会計のあり方等について、幾つかの点で質問をいたしたいと思うんです。 これは具体的に申し上げたいと思うんですが、この四月四日の朝日新聞、あるいは読売新聞、毎日等、東京紙を初めとして、新潟県の地元新潟日報等でも報道されておりますけれども、学校法人新潟技術学園、これは現在の理事長が久保田英一になっていますけれども、この学園の教職員組合、これが昨年の九月に発足をいたしておりますけれども、秋以来学校運営のあり方や、経理の明朗化を要求して、管理者側と何回も交渉した結果、昨年十二月と、ことし一月の二回にわたって、学園会計と学園後援会組織の北都振興会の会計というものが公開をされたわけです。 その結果、五十二年春開校の新潟薬科大学では、毎年百三十人の入学者から学債を募っている。そして、そのうち定員入学者が八十人だそうですけれども、八十人からは一人三百万円、その他の、これは補欠入学になると思うんですが、五十人からは四百万円を徴収をしておるわけです。この五十人分が学園の会計には入らないで、後援会であります北都振興会の会計の中に振興債の名目で入っておる。つまり正式な学園の帳簿には記入をされない。つまり裏金として運用をされておるわけです。そして、この裏金の合計が、五十五年、この春の新入生分も含めて、四年間で五億八千七百万円になっておるということが報道されたわけです。そして、この経過の中で、学園長の小林勝理事が、この三月三十一日に責任をとって辞職をしておるということが報道されているわけです。 時間もありませんので、質問には簡潔に答えていただきたい。無用なことは答えていただきたくないんです。見解をお聞きした際には、見解をお聞きしますから、事実だけ私の方で幾つか聞いてまいりますから、イエスかノーの場合にはイエスかノーだけ答えていただきたいと思うんです。 そこで、報道の内容について、さらに新聞報道によりますと、これも朝日の報道ですが、文部省の大谷学校法人調査室長ですか、この方が「初めて聞いた話で、事実とすれば、自己資金などで文部省をだましていたことになるのかも知れない。学園側の説明を聞いたうえで、必要があれば何らかの措置をとる」ということも報道されているわけです。そして、学園側の管理者が四日の日に文部省に出向いて説明をするというふうなことが報道をされているわけですね。 そこでお聞きをいたしますが、この新聞報道の詳細な面や、正確な面はまた後でお聞きいたしますけれども、ほぼこの報道されたような事実があるのかどうなのか、まずこれをお聞きしたいと思うんです。
○政府委員(三角哲生君) ほぼというのはちょっとむずかしいと存じます。学債をとっていたということは事実でございます。それから、御指摘のように、若干金額に差等を設けまして、それを直接学校の発行する学債を引き受けてもらう相手と、それから新潟技術学園振興会、そういうところの発行する学債を引き受けてもらう相手とに仕分けて運営をしていたといいますか、学債の引き受けを求めていたというようなことは実際に行われていたということでございます。裏金といいますか、あるいはその扱い方につきましては、これは見方の面もございますので、全くその裏扱いということであるというふうに言い切れるかは問題があると思っております。
○吉田正雄君 金額に差があるというのは、正規の定員の生徒からは三百万円——百三十人の内訳はどうなんですか、これ百三十人間違いないんでしょう。
○政府委員(三角哲生君) これは年度によって若干のずれがございますが、大学の学債を引き受けておる者が大体年度によりまして七十五人から八十七人までの間でございます。それから新潟技術学園振興債というものを引き受けている者が大体四十一人から五十三人までの間で、年度で若干でこぼこがございますが、大体のところ五十五年で申しますと、学校の学債を八十七名、新潟技術学園振興債という振興会の発行する債券を引き受けている者が四十一名、そういう状況でございます。
○吉田正雄君 だから、その金額は、学債の場合が三百万円で、学園振興債の方が四百万円ということですね。
○政府委員(三角哲生君) これも個人によって異なりますようでございまして、総計で申し上げますと、五十五年は学校の方は二億九千五百万円で、振興会の方は一億五千二百万円ということでございますので、必ずしもはっきり四百、三百と申しにくいのでございますが、振興債の方は一人当たりでいまの数字で割り戻しますと、三百七十万七千円という数字になります。
○吉田正雄君 先ほどの定員は八十名間違いないですか。
○政府委員(三角哲生君) 新潟薬科大学の薬学部の入学定員は百名となっております。
○吉田正雄君 学債の性格と内容についてお尋ねをいたしますけれども、学債は学校法人新潟技術学園がどういう手続でこれを募集をしたといいますか、徴収をしておるのか。それからこの振興債についても、だれがどういう手続を踏んでやっておるのか。それぞれ学校債と振興債についての性格、募集者、それからさらには返還等についての条件ですね、そういうものがどうなっておるのか。 さらにもう少し言いますと、振興債というのは技術学園振興債ですが、これは後援会が募集をしたんですか、技術学園が募集したんですか。その辺、性格がいまの答弁ですと明確じゃありませんから、それぞれの学校債と振興債についての募集者、性格、どのような手続を踏んでそのことが行われたのか、そのことをはっきりさしていただきたいと思います。
○政府委員(三角哲生君) 私どもただいままで当事者から事情聴取と申しますか、いろいろ聞きまして調査を進めておるわけでございますが、必ずしもすべての事項につきまして私どもははっきりと確認をしていない面もございます。そういうわけで、ただいま私どもがわかっております範囲内でお答えをさしていただきたいと思っております。 まず新潟薬科大学学債の方でございますが、これは発行者は学校法人新潟技術学園でございます。それで条件でございますが、これは一口百万円の三口以上というようなことで募集要綱に書いてございます。募集の範囲は新潟薬科大学新入生の父兄ということで、発行条件の一つでございますが、償還期日、これは五十九年四月一日でございますから、発行後満五年間据え置きの上、元金を償還するということでございまして、したがいましてこれは無利子のようでございます。それから、償還期日前の償還はしないことを了承してほしいというようなことが書かれてございます。それからいわゆる新潟薬科大学振興債というものでございますが、これも一口百万円、三口以上ということになってございまして、無利息。償還期日等は先ほどの大学債と同じでございます。発行者は新潟技術学園振興会ということになってございます。この両方についてでございますが、必ずしも細部明確でない点がございますが、大学入学の応募者のいわゆる募集要綱と申しますか、大学の受験の要綱の中に学債があるという旨の表示がございまして、それに関連して、ただいまちょっと内容を御説明申し上げましたような募集要綱で、入学者に若干割り振ってこれに対する応募を求めておるといった運営のようでございます。
○吉田正雄君 募集者というのはわかりましたけれども、この振興会の性格というのは、法上の身分はどうなっておりますか。
○政府委員(三角哲生君) これは、法的性格と申しましても、いわゆる法律に基づくような団体ではございません。あくまでいわゆる任意につくられた任意団体でございます。それで目的としましては、「学校法人新潟技術学園における教育諸環境の整備拡充を図るために必要な資金援助及び研修を行ない、もって学園の発展に寄与する」ということでございまして、会長のほか役員三名ということで組織されておる一つの任意団体でございます。
○吉田正雄君 そういう任意団体が入学時に、片や同じ入学生が学園の学債に応募をさせられる。片や任意団体の振興会が割り振って、ほぼこれは強制的と思われるんですが、こういうことは好ましいことなんですか、これは私は大臣にもよく聞いてもらいたいし、大臣の見解もお聞きしたいと思いますのは、一時期私立大学の裏口入学があれほど問題になったわけです。そこで文部省としては、五十一年度の大学入学生からは、そういう極端な裏口入学を認めるような形での寄付金であるとか、学債であるとかいう名目での、そういうものは禁止をする方向で、厳しい指導を行ってきたと私は思うんですよ。この点は間違いないでしょう、これ。
○政府委員(三角哲生君) 前にもございました主として医科歯科大学を中心とします入学選抜にかかる非常に不明朗な事件が相次いで発生しました際に、私どもは寄付といいながら、これを入学の条件とするような、そういう運営はやめなければならないという指導を強くいたしたわけでございます。いわゆる、委員がただいまおっしゃいました強制と申しますか、必ず負担をしなければならないものは、正規の学納金で負担をしてもらう、あるいは施設のためにある程度の予算が必要であるとすれば、それは施設整備費といったような、これも正規の学納金の種類として明示をしてやっていただくということで、その辺のところはやっぱり不明朗な運営は好ましくないということで、これは一般大学についても申せることでございます。
○吉田正雄君 そういう不明朗な運営をやってはいけないというのに、何で同じ新入生に対して片や学校債、片や任意団体である振興会の振興債というふうに、そのことは好ましいとお思いになりますか。
○政府委員(三角哲生君) 学校が直接に必要とする経費につきまして、学校がそれについて募集とか調達をしますにつきましては、やはり本来は学校法人という組織でございますから、当該学校法人がみずから実施をするということが本来でございますし、好ましいと存じます。ただ具体の例になりますと、たとえば一種の記念事業といったようなものを行います場合に、同窓会とか、そういったようなものが募集をするというようなことはあり得るかと存じます。本件についてでございますが、どちらが好ましいかといえば、やはり私はこういったたぐいのものは統一して全部学校で処理するのが好ましいと思います。ただ、学校で処理しないようなものがあります場合にも、文部省といたしましてはこれを公認会計士の監査事項とするように、学債の受け入れ、あるいは寄付金の受け入れについて監査事項とするように、そういう指導をしておるのでございます。
○吉田正雄君 報道されてからもうすでに、きょうが二十二日ですから約三週間近くたっているわけですね。こういう学債と振興債というふうに、正規の定員入学者と、それ以上に採った学生、補欠入学だろうと思うんですけれども、こういうものとの間に、事実上金額の差があることは間違いないわけですよ。いずれにしても、こういうことが行われてきたということは文部省としてはいつわかったんですか。
○政府委員(三角哲生君) 四月の当初、地元の新聞に報道されまして、私どももこれを知ったわけでございます。
○吉田正雄君 私は監督官庁である文部省として、新聞に報道されるまでの間、こういうことが一切わからなかったということは、きわめて監督不行き届きで、きわめて責任問題だと思うんですよ、これは。そうじゃないですか。事前に厳重な設立認可についての審査を行うわけですよね。しかも私立大学審議会にもかけて、そして慎重な審査の上に文部省が認可をすることになっているわけですよね。ところが、こういう事実というものがわからなかった。しかも、設立初年度からこの学債というものが取られておるわけですよね。そういう点で非常に私は問題だと思う。しかも、これは私も聞いておりますが、これ新聞報道間違いないと思うんですけれどもね。大学側がどういう説明をやっておるかというと、文部省の指導で、自己資金十六億円が必要であったが、不足分六億円を捻出するため、架空の団体技術振興会をつくり、これが銀行から金を借り入れ、学園に寄付をする形をとり、この借入金を返済するため、五十人分の学債を振興債にして返済に充てたと、こういう説明を行っているわけですよ、現実に。この点についてはどうなんですか。設立の段階で学校法人の寄付行為及び寄付行為変更の認可に関する審査基準というのが文部省から出ているわけですよね。この審査基準に基づいて審査は行われているはずです。したがって、任意団体をつくって、これ銀行から借り入れたことは間違いないんですか。その辺は審査の段階でどういう指導をされたんです。大学がはっきり言っているんですよね。文部省から指摘をされて、足りなかったということで、その金を銀行から借りた、その返済金に充てるために振興債というものをとったんだと、これは単なる新聞がでっち上げた記事じゃないんですよ、これは。明確に副理事長が組合の代表に言っているわけですからね。その経過を聞かしてください、審査の段階でどうだったのか。
○政府委員(三角哲生君) 文部省が四月に入りましてからこの事実を知りましたのは、やはり私学に対しまして、私どもはパトロールをしてその中をのぞくというような、そういう相対し方は通常いたしておりませんので、やはり組合と経営者との間で問題が起こって、そういうことから新聞に出るということで事実を知るというようなケースもときどきあるわけでございます。事実を知れば、私どもは学校に対して調査をいたしまして、必要に応じて法令に基づき、適正な是正を図るような指導をいたすというふうにいたしておるわけでございます。 それで、後段の御質問でございます認可に関する事柄でございますが、御指摘のように、この認可につきましては、私立大学審議会と大学設置審議会に諮問いたしまして、両審議会におきまして審査基準に照らしましてヒヤリング、あるいは現地調査等を行いまして、慎重な審査をいたしたわけでございます。 設置経費の問題でございますが、認可申請書によりますと、申請時におきまして、新潟薬科大学の設置経費の総額は計画上約十一億円であったわけでございます。現在はこの大学の設置認可を申請いたします場合には、必要な設置経費は全額自己資金で賄うという制度になっておりますし、それから、その全額を申請時に調達済みになっておらなければいけないという基準になっておりますが、当時の認可基準では、申請時に調達をしておくべき必要自己資金は、施設設備の整備に要する設置経費につきましてはその三分の二、それから開設年度の経常経費の二分の一、これに相当する額の合計とされておりましたので、当時申請時の必要自己資金の基準額は約七億円であったわけでございます。そうしまして、この七億円に対します申請者側の保有自己資金は約八億二千万円でございました。この八億二千万円というものは、当該学校法人の資産運用収入、あるいは資産売却収入がございましたが、そのほかに北都振興会及び小林勝前理事長からの寄付金三億五千六百万円をもって調達されていたというものでございます。それで、私どもがいま聞いております範囲で承知しております点は、いま申しました三億五千六百万円の寄付金につきましては、設立認可申請の段階の審査におきましても、それから今回の新聞報道等を契機に文部省が大学当局から事情聴取を実施いたしましたが、それの両方を通じまして、これは寄付金ということで学校法人に収納されておりますことは、書類、帳簿等の上で確認できております。これらの寄付金のうち、三億円につきましては北都振興会及び前理事長が金融機関等から借り入れてそして調達したものであるということで、そしてその三億円を新潟技術学園振興会から返済したというような説明を一応受けておるのでございます。文部省としましては、やはりこれらの寄付金につきましては、北都振興会と前理事長が、それぞれの責任におきまして学校法人に寄付したものでございますから、これを先ほど来お話があります入学者から学債を引き受けてもらっている新潟技術学園振興会が返済するということにつきましては、これは理解いたしかねるところでございます。 じゃ、それをどうするかということでございますが、この点につきましては、学校法人新潟技術学園をめぐります、いままでお話に上っておりますような関連団体がありますが、こういったものの資金の調達、使途、その他の事実関係をやはりもう少し見きわめたいと思っております。そして結論的には、学校法人に対して不利益を生ずるといったようなことがないような改善ないしは是正の措置をとることが必要であると思いますので、その方向で極力適切な指導を行ってまいりたいというふうに思っておるのでございます。
○吉田正雄君 まあいまの説明を聞いておりますと、私の質問も何も不明朗な面があったとか、だから直ちに罰則を適用して云々という、そういう観点からいま話をしているわけじゃないんですよ。しかし、私はやはり不明朗なものや、適当でないものについては、これは文部省が認可をしたんですから、やっぱり厳しい指導と、それから文部省のとってきた審査の段階での査定がきわめて甘かったといいますか、徹底したものでなかったという点については、私は文部省自身の責任というものはやはりここで明らかにすべきだと思うんです。 いずれにしても、文部省の例の審査基準によれば、いずれにしても基本財産であるとか、あるいは各年度の経常経費の財源に原則として借入金を充ててはいけないんだということになっているわけですね。いまの説明では小林勝前理事長の寄付によってとなっておりますけれども、寄付と言ったって、この寄付自体が金融機関からの借り入れなんですよね。全く形式的には直接学園が借入金という形をとってないかもわかりませんけれども、しかし、現実には銀行から借り入れをしたことは間違いがない、そういうことなんですね。だからそういう点で、一体三億六千万円のうちの三億円というものは、これはいろんな証明書というものを出すわけでしょう、財産目録から何から出さなきゃいけないんですから、借入金なのかどうなのか。土地だって、土地の登記簿から何から、皆さん方の省令や基準の中には明確に定めてあるんですね。そういう点でその審査の段階ではそういうことは気づかれなかったんですか。いま説明を受けてやっとわかったということなんですか。
○政府委員(三角哲生君) 審査の段階では、先ほども申し上げましたが、申請者からのヒヤリング並びに現地調査を行いまして、そして銀行の残高証明書でございますとか、あるいは寄付者につきまして、状況によりましては納税証明書でございますとか、あるいは資金の調達に関する、たとえば物を売りまして資金を調達したというような場合には、その売買を証明するような書類とか、いろいろチェックをするわけでございます。 当時といたしまして、審議会としましては慎重な審査を行いましてこの認可を可とするという答申をちょうだいいたしております。 それで、先ほどの御質問に関連いたしますが、寄付者が、その寄付したお金をどこからか、何らかの方法で調達してくるということは、これはいろいろな場合があり得ると思っております。ただ、寄付者のやはり信用能力でございますとか、それから資産の上での条件というものが問題になりますわけで、たとえば、私なら私みたいな者が億の寄付をしたというようなことでございますと、これは審査をいたしまして、その分の金額は認めないというような運用があるわけでございます。でございますから、寄付者によりましては、その銀行から借り入れてきて寄付をするということもあり得るわけでございます。しかし、その借り入れが今年度になって学校法人に転嫁をされるということがあるとすれば、それはおかしな話であるということでございまして、借り入れた方がその借り入れの始末をしていただくというのがあたりまえの処理の原則でございます。
○吉田正雄君 現実には銀行から借り入れて生徒からの振興債から返しているんじゃないですか、それは。事実はどうなっていますか。
○政府委員(三角哲生君) 先ほど金額的に申し上げまして、当時の認可基準といたしましては、三分の二はいわゆる自己資金でなければならないということで、あとの三分の一は借り入れを認めるということでございまして、でございますから、金額につきましては若干ずれがございます。 ただ先ほども申し上げてございますが、借り入れを学債でもって肩がわりして返済したとすれば、これはおかしゅうございますので、なお事実関係や金額等について精密に精査をし、確認をした上で、それの是正ないし改善は指導いたしたいと思っております。 なお、ただ方向としては、前理事長がある程度まで個人でその是正をすでにおやりになりつつある由でございまして、そして今後もできるだけ是正をするという方向で処理したいという意向はお持ちのようでございますが、これもさらにもう少し状況を見守ると同時に、詳細な報告なり、説明なりを受けた上で確認をしていきたいというふうに思っておるのでございます。
○吉田正雄君 あのね、いまの答弁ははなはだ無責任ですよ。これだけ報道され、副理事長が、学園の責任者が職員にこうですという説明をやっているのにもかかわらず、状況を見守っているんだとか、事実関係が明らかになるのを待っておりますとか、いずれその当事者から説明を聞くことにいたしますとか、非常にのんびりした話ですよ、これは。 これからいろいろお聞きをいたしますけれども、北都振興会に振興債が入っているわけでしょう。五十三年度決算で一体振興債収入幾らになっておりますか。
○政府委員(三角哲生君) 私どもは金の出入りでございますとか、措置につきましては、これは事情をできるだけ正確に把握しまして、その改善、是正は厳正にきちんとやってもらうようにこれは指導するつもりでおりますが、ここは文教委員会の場でございますので、やはり正確なところで正確な御報告を申し上げたいというふうに思っておる次第でございます。 それで、ただいまの技術振興債の問題でございますが、これは学校からの報告も受けておりますので、その数字を申し上げますと、五十二年度は一億八千万円でございますが、四百万円の償還が一件ございますので、差し引き現在では一億七千六百万円、五十三年度は一億六千万円、五十四年度が一億六千四百万円、五十五年度が一億五千二百万円ということで、四年分の合計が六億五千二百万円でございます。
○吉田正雄君 その五十三年度ですね、決算の中で、支出のところで学園に対する寄贈絵画として二百三十五万円。それから共和学園設置基金として二千万円。それから慶弔接待費として千百五十二万円。それから貸付金として株式会社実学舎に三千五百万円ということで、五十四年三月三十一日現在で、この実学舎というものに対する貸付金が財産目録によりますと四千三百三十七万円ということになっておりますね。この点間違いないですか。
○政府委員(三角哲生君) この学校法人関係で振興会なるものが二つございまして、ちょっと紛らわしい点が確かにあります。先ほども吉田委員の御質問に私お答えしましたのは、新潟技術学園振興会の方の金額でございます。六億五千二百万円。それでございますのでちょっとお断りさしていただきます。 ただいまの御質問の方は北都振興会の方の収支決算のお話でございますが、委員ただいま御指摘のと同様の数字を入れてございます書類を私どもの方もいただいておりますので、いま委員がおっしゃるような資料があるということは事実でございますし、それから、北都振興会からいわゆる実学舎というところへ四千三百三十七万円の貸し付けをしているということも事実であるというふうに承知しております。
○吉田正雄君 そうすると、一体学債とか、振興債というのは幾つに分けてあるんですか。
○政府委員(三角哲生君) 先ほど来御指摘のありました学債というのは、私どもが理解している範囲では新潟薬科大学に係る学債でございまして、この学校法人は新潟薬科大学のほかに短期大学と専修学校二校を運営しておりまして、その薬科大学以外の学校につきましては、その北都振興会というところの発行する債券についての、いわゆる北都振興債という名前を使っておるようでございますが、これの引き受けを依頼しているというような、そういうやり方になっておるようでございます。
○吉田正雄君 とにかくいろいろな架空の、実体のない団体をつくって、そして生徒から学債だとか、振興債という名前で金を集めて、トンネル機関にして、そしていま申し上げたような共和学園の設置基金で二千万円。これはさらに五十四年度予算では三千万円出ているのですね。ですから共和学園設置基金としては五千万円という膨大な金が出ているんですね。五十三年度で二千万円、五十四年度で三千万円というふうに共和学園設置基金というのが出ている。これまた共和学園が何ぞやということになってくると、これまた正体不明の学園なんですよ。まだ何ら認可もされてなければ、設置もされてないということです。 さらにいま言ったように、この株式会社実学舎に四千三百三十七万円という巨額の貸し付けを行っているわけです。そして、この実学舎がどのようなことをやっておるのかということになりますと、これまた大変な話で、これは単なる報道でなくて、私の方でも資料幾つか入手をいたしておりますが、この点はどうなんですかね、間違いありませんか。株式会社実学舎というのは、この学校法人の関連会社であって、いま言ったように資金の貸し付けも受けているわけですけれども、不動産資産が二億円以上もある上に、ルノアールの絵画時価九千万円というものを購入をしたり、それからさらに、やめた前学園長が金の延べ棒六キログラムを三千六百万円で買っているとか、それからいま言った不動産のうち、約三千平米の土地を六千七百五十万円で買ったものを、今度は学園に一億二千万円で買ってくれということを言っているわけですね。ところが、私はこれは大変な問題だと思いますのは、いま言った株式会社実学舎というのは、まさに表裏一体なんですね。学園が直接経営していると言っても変わりがない会社なんです。その会社に買わせておいて、これはかつてのロッキード事件で問題になった田中元首相の新生企業が土地を買って、そして土地ころがしをやって、莫大な利益を上げたということと同じく、実学舎が六千七百五十万円で買ったものを、今度は学園に一億二千万円で売ろうとしておるわけですね。これは許せることじゃないんですよ。何で許せないことなのかというと、この実学舎の役員と、それからこの新潟技術学園の役員とが非常に密接に絡んでおるわけなんです。私はこのこと自体私立学校法の役員の定め、規定、さらには寄付行為にもう違反すれすれの役員人事ではないかというふうに思っているわけです。たとえば、新潟技術学園の役員を見ますと、理事長は現在新潟県の教育委員ですけれども、理事兼学園長というのがこの三月三十一日に責任をとってやめた小林勝です。そのお父さんが五十三年の九月まで同じく理事をやっておったわけです。このお父さんというのは、私どもの知るところでは、新潟市役所に勤めておったけれども、汚職でやめた人です、これは。そしてこの亡くなった理事の小林十寸穂という人の二女——いまは嫁いで荒井アヤ子となってますが、この荒井アヤ子とやめた学園長の小林勝はきょうだいです。その荒井アヤ子の主人というのが学園のいま副理事長なんです。そして、この荒井アヤ子というのがこの実学舎の代表取締役会長なんですよね。さらにこの副理事長の荒井貞雄のきょうだいの岡野福松、これも同じくこの学園の理事をやっておるわけです。ですから配偶者、あるいは三親等以内で、各役員は一人以上の役員を出してはならないのだという規定があるわけですよね。これと関連してこういうことは一体好ましいことだと思われますか。非常に私はこれは問題だと思うんです。この役員関係について、実学舎との関係で皆さん方も御存じのはずなんですがね、どのように判断されていますか。
○政府委員(三角哲生君) 実学舎というのは株式会社でございますので、私どもは直接形の上ではどうこう言うことはないのでございますが、ただいま御指摘のようなことでございますので、非常に学校法人の役員構成と密接な関係がある、そういう会社であるということは事実だと思います。したがいまして、この会社と学校法人との関係は、非常にやはり節度を大事にした関係が必要であるということが言えると思います。
○吉田正雄君 そんな私はなまやさしい答弁で済む問題じゃないと思いますよ。もう一人言いますとね、先ほど落としましたけれども、この三月やめた学園長の小林勝の奥さん小林妙子がこの実学舎の代表取締役社長なんですよ、これは。そうして学園の金を実学舎に多額に貸し付けて、そして金の延べ棒を買ったり、絵画を買ったり、土地ころがしをやって、学園にまた高々と買わせようということをやっているわけです。こんなずさんな会計なり、学園運営というものが一体許されるかということなんですね。それが生徒から集めたみんな学債の金から出ているわけですよ。こういうことをやっているから腐敗というものが出てくるわけですし、裏入学というものもまかり通るんですよ。この実学舎の役員というのは全部がこの学園の関係者です。いま言ったように、代表取締役会長というのが副理事長の奥さん、取締役社長がこの三月退任をした理事、学園長の小林勝の奥さん、それから取締役の細井という人が同じくこの学園の医療技術専門学校の副校長、それから真島という取締役が同じくこの新潟技術学園の参事、伊佐取締役も同じく技術学園参事、それから丸亀金作、かつての新潟県教育次長、これが学校法人新潟技術学園の理事、それから小林直司、これが北都工業短期大学助教授、つまりこの学園の短大の教授、阿部という取締役も同じく技術専門学校長代理、さらに監査役として小湊監査役が同じく技術学園財務課長ですよね、なれ合いですよ、こんなものは。それから同じく監査役小野塚さんが北都工業短期大学の助教授、金内監査役が同じく北都工業短期大学の助教授。特に監査役というのは財政や業務を監査するものであって、理事だの評議員だのは、できるだけそういう関係者から近くない人から出すというのが、これは監査の本来の目的なんです。ところが、いまの監査役のトップが、この技術学園の財務課長から出ている。同じ学校の財産扱っている人間が、財務課長がツーツーでやっているわけじゃないですか。こんなことで監査ができるかっていうんですよ。そういう点で私は、私立学校法でこの学校法人の役員については厳しい制限を設けている。にもかかわらず、この役員の構成を見ますと、どんなことでもできる、なれ合いができる仕組みになっているわけですよ。同じ学園の中の人間がそれぞれ兼任し合っている、こういうことでしょう。主人が学園長で、奥さんがその下請会社の会社の社長だなんて、こういうことが行われているわけですよね。ですから何だってやれるわけです、これは。そういう点で私は、文部省の監査というものはきわめてずさんだと思う。指導、監督する立場にありながら、新聞報道されるまで全然気がつきませんでしたと、まあ確かに好ましいことではありません程度で私は済む問題じゃないと思うんですよ、これは。 さらに私はお聞きをしたいと思うんですけれども、この私学は薬科大学だけでなくて、短期大学と、さらに技術専門学校と高等学園という四つの学校を持っているわけですね。したがって、大学の場合には確かにこの所轄庁というのは文部省になりますけれども、高等学園等については、県のこの私学審議会であるとか、県の教育委員会の監督下に入るわけですね。この点間違いないでしょう。
○政府委員(三角哲生君) 大学または短大を設置いたします学校法人の所轄は文部大臣でございます。それから、各種学校の問題になりますが、大学、短大のこの学校そのものですね、設置者たる法人じゃなくて、教育機関である学校そのものは大学、短大は文部大臣の所轄でございます。専修学校の方は都道府県知事の所轄になっております。
○吉田正雄君 指導、監督すべき知事部局から、こういう学校法人だとか、学園の役員になるということは、これは好ましいと思いますか、どう思いますか。たとえば、県の現職の教育委員がこういう学園の理事とか理事長になるということは、これは好ましいことですか。指揮、監督とか、そういう点なかなかできなくなるんじゃないですか。あるいは県の副知事等が、いま県の指揮、監督を受けるとおっしゃったんですが、その指揮、監督をする副知事が、この学園の理事になっているなんということになると、どういうことになりますか。
○政府委員(三角哲生君) この私立学校に対しまして指揮するとか、監督するとかいうようなことはないわけでございます。私立学校はみずからその公共性を高めながら、自主的に運営されるべきものでございます。ただ、問題によりましては、所轄庁からの指導でございますとか、助言でございますとか、調査といったようなことがあるわけでございます。 それから、まあ兼職の問題でございますけれども、これはその方のついております職、常勤であるか、非常勤であるかとか、いろいろなことが関係いたしますので、これはまあ個々具体の判断も必要かと存じますが、地元におきます私学の振興に対して、何らかの形で協力するということはあり得ることではないかというふうに考えます。
○吉田正雄君 寄付行為によれば、予算等については理事会、さらには評議員会の議決を経なきゃならぬことになっているわけですね。したがって、今回のこの学園の予算については、理事会それから評議員会の議決を経たのかどうなのかですね。この点どうなんですか。さらには議事録を備えておらなきゃいけない。全理事の署名捺印がなければいけない。これは各年度の予算、決算についてそういうことが行われているかどうかですね。
○政府委員(三角哲生君) ただいまの御質問に対しまして、私どもは現時点では全部まだ確認をいたしておりませんので、はっきりした御答弁はいたしかねるのでございますが、ただ個々の予算あるいは決算につきましては、公認会計士が監査をいたしております。公認会計士は監査事項の一々につきまして監査をいたしますと同時に、ただいま御指摘になりました所定の手続がとられておるかどうかについても見るはずでございますので、寄付行為の定めに従った手続措置がとられておるというふうに思っておりますけれども、さらに念のために確認をいたしたいと思います。
○吉田正雄君 先ほどちょっと聞き落としたのですけれどもね。この共和学園の設置基金五千万円、それから実学舎に対する五十四年三月三十一日現在の四千三百三十七万円の貸付金、こういうこと許されることだというふうにお思いですか。
○政府委員(三角哲生君) まあ北都振興会というのは、形の上では、これは一つの任意団体でございまして、それなりの目的、事業を持っております団体でございますので、これはまあ学校法人そのものではございませんので、私どもは学校法人に対しますと同じような指導というものをこれに対して行うということはないわけでございますが、ただこういう団体が介在することによって、もし学校法人が何らかの損失なり、マイナスをこうむるということがあると、それははなはだ好ましくないことであるということになるんだろうと思います。それで、ただいまの北都振興会が実学舎なる株式会社に貸し付けをしておるということでございますが、これは貸し付けでございますから、当然やっぱり返してもらわなきゃならない問題であろうと思いますが、貸し付けの条件なり、何なりについて、もう少し確認をいたしたいと思っております。 それから、共和学園というのはどういうものか、私どももはっきり存じません。ただ、実学舎というものが何か学習塾のようなものをやっておるようでございますので、そういうものかどうかというのは、これは想像でございますけれども、そういうものについての設置基金に寄与するために何らかの積み立てに協力するということが、果たしてこの任意団体として適切かどうか。それから、それが直接ないしは間接に学校法人新潟技術学園にマイナスをもたらすような不適当なことであるかどうかは、なお調査の上判断をいたしまして、それに基づいて厳重な指導をいたしたいというふうに思います。
○吉田正雄君 私は、私立学校法二十六条に、この学校法人が収益事業を行うことについて厳しい制限を設けておりますし、さらには昭和二十五年十一月八日の文部省告示第六十八号で「(文部大臣の所轄に属する学校法人の行うことのできる収益事業の種類)」を定める件というものがあって、そこの第一条のところでは、「左の各号の一に該当しないものでなければならない」ということで、六つ条件が挙げてあるわけですよ。「経営が投機的」なものであるとか、「風俗営業に該当する」ようなものであるとか、あるいは「名義の貸与その他不当な方法によって経営されるもの。」であるとか、あるいは「教育に支障のあるもの。」とか、「法人としてふさわしくない方法によって経営」をするとか、これは法人の収益事業とは書いてありますけれども、実学舎というのは要するにトンネル機関なんですよ、これは。役員見たら全部そうでしょう、学園関係者によって役員が全部占められている。全く別の会社ではないんですよ、これは。表裏一体の会社なんですね。単なるトンネル機関なんですよ、これは。事実が明らかになっているわけですね、これは。そういう点で私は、いま答弁されたようなそんな認識で、こういう問題を放置をするから、こういう問題というのがしょっちゅう後を絶たないで続発をしてくると思うんですよね。いま言った二十六条とか、告示の第一条と照らして、こういうことは一体望ましいと思われるんですか、許されることなんですか。
○政府委員(三角哲生君) 告示は告示でございます。まさに役員構成等から見ますと、学校関係者がずっと名を連ねておりますから、非常に密接な関係があると存じます。トンネルのようなことでございますと、これは私どもがやっぱり好ましくない面も十分に調べまして注意をしなきゃいけませんが、やはり基本は金の出し人れが会社と学校の間でどんなぐあいになっていて、そして、その状況が学校法人に対してぐあいが悪くなっていないかどうかという点でございまして、その点については私どもは厳重に調査をしたいと思っております。
○吉田正雄君 与えられた時間がきわめて短いので、お聞きしたいことはたくさんありますが、いまの答弁の一つ一つで、まだやりたいところたくさんあるんですよ。皆さんも私の持ち時間承知で、この辺で答えておけばきょうは済むんじゃないかということははっきりしているんですよ、さっきの答弁でわからぬわけないんです。私よりもあなたたちがわからぬわけないですよ、これは。そうだとしたら全く無責任じゃないですか。いまの答弁では私より知らぬ、内容を。そんなことで委員会を切り抜けていこう、その場限りの答弁やれば済むなんと思ったら、これは大変なことですよ。そういう無責任な行政態度だから、こういう事件というものが後を絶たないわけですよ。 二つだけ言っておきますから、これは次回、いずれかの委員会で私はお聞きをしたいと思っておりますけれども、いまの学園の理事の中には、現在の教育委員長代理の久保田英一氏が入っているわけです。さらに教育委員長の立川晴一氏も入っているわけです、理事として。現職の教育委員長、委員長代理が理事に入っておりながら、このようなずさんな学校運営と会計運営が行われておること自体が望ましくないということは、これははっきり言えると思うんですよね。だれが見たって好ましい状況じゃない。これは皆さんだって好ましいとは思っていないということはおっしゃっているとおりです。現職の教育委員が二人も入っておってこういうことが行われている、このこと自体が大問題であって、私は教育委員としては責任をとるべきじゃないかというふうに思うんですよね。責任問題はとにかくとしても、とにかく非常に大きな問題だということが言えると思いますし、それから、この寄付行為の中で、実は寄付行為の細則というのを設けてありますね。細則ございますね、あるかないか、まず聞きます。
○政府委員(三角哲生君) 細則はちょっといま手元にございません。
○吉田正雄君 私がきょう寄付行為の問題から、認可の寄付行為の審査状況についてお聞きしますということを言ってあるわけでしょう。その寄付行為に伴う細則がないというのはどういうことですか。何言っているんです。
○政府委員(三角哲生君) 細則は、これは学校内でお決めになっていいことでございまして、これは文部大臣の認可事項でございませんので、必ずしもすべての学校の細則を手元に整備しておくということになっておらないのでございます。
○吉田正雄君 そうすると、細則の中で、寄付行為の本則を骨抜きにしたり、本則に違反するような細則がもし盛られておったらどうなりますか、これは。
○政府委員(三角哲生君) 仮定の問題でございますので、委員がおっしゃったようなことは私どもの学校法人指導の基本の趣旨からいってよろしくないというか、ぐあいが悪いことでございます。
○吉田正雄君 仮定の問題って何ですか。私は仮定の話をやっているんじゃないんですよ。細則はないんですか、いま。
○政府委員(三角哲生君) 細則は持ち合わせがないというふうに申し上げております。 それから、仮定の問題と申し上げましたのは、ただいま委員がその寄付行為の本則と全く反するような、骨抜きにするようなというようなことでおっしゃいましたので、ちょっとそういう言葉を使わさせていただいたのでございます。
○吉田正雄君 時間が制限されているからと言いましたけれどもね、きわめて重要で、皆さんのそんな答弁納得できないから、最後に大臣に聞きますよ。 この「新潟技術学園寄附行為施行細則」は六条から成っておりますけれどもね、この第四条のところでどういうことが書いてあるかといいますと、「寄附行為第二五条のほか、寄附行為中「理事長」とあるをすべて「理事長または学園長」と読みかえる」理事長じゃないんですよ、「理事長または学園長」ですからね、学園長でもやれるということなんです。学園長は理事です。 それから「寄附行為中、評議員会を運営評議会、評議員を運営評議委員と読みかえるものとする。」として、本則では理事長が評議員会の招集権限、理事会の招集権限を持っておるのに、学園長と読みかえることによって、理事長をたな上げにしておって、理事である学園長が理事会の招集から、評議員会の招集から、全部できる仕組みにこれは細則の中でなっているんですよ。これいま私が読み上げたのは細則ですよ。これ本則に反しませんか。
○政府委員(三角哲生君) ただいまのような細則は、これはまさに本則の本来の規定をすりかえるものだと思います。「学園長」というような規定はもう本来の寄付行為の中に書かれてはおらないひとつの名称といいますか、称号にすぎないというようなふうに寄付行為上はなっておりますわけでございますから、そのような実質的に理事長の役割りをやるというような、そういうような読みかえの規定は、これは寄付行為の本来の姿に反するものでございますから、私どももその細則を取り寄せまして、その是正、改善は、これは指導しなきゃならないというふうに考えます。
○吉田正雄君 その違法な、本則に違反をし、違法な学園長が招集した理事会や評議員会の決定はどうなりますか。
○政府委員(三角哲生君) これはそれぞれの会議につきまして、いま委員御指摘のような形式手続上の瑕疵があった場合どうするかということでございますが、やはり個々にはその内容についてチェックをした上で、私どもとしてはコメントをさしていただかなきゃならないというふうに思います。というのは、出席者がどういうぐあいであったとか、それから実際に理事長あるいは評議員会がどのように関与したかというようなことも、やはりその事柄につきまして決定の一つの根拠としての実体を備えていたかというようなことが出てくるのではないかというふうに考えるからでございます。
○吉田正雄君 これ最後です。 大臣ね、お聞きになってわかると思うんですけれどもね、とにかくこんなずさんな学校運営、会計処理はないですよ、これは。お聞きのとおりです。時間があればもっと詳しくずっと言いたいんですよ。ところが、私はいま文部当局の担当者の答弁を聞いておって、まだよくわかっておりませんとか、事態の推移を見守りますとか、非常にのんびりとした答弁ですよ。私はそうじゃなくて、おわかりだろうと思うんです。わかっているけれども、ここでそれが明らかになったら大変な事態になると。私は、このとおりのことが事実行われているということが立証されたら、これはあれですよ、学園の取り消しだってあり得る内容だと思うし、罰則規定だって適用になると思うんですね。そういうことを恐れておいでになるんじゃないかと思って、いろいろ言葉を濁しておいでになるだろうと思いますしね、私も学園がつぶれることを願ってるんじゃないですよ。そうじゃなくて、私は本当に私学の正しい発展のためにそういうずさんな運営があってはならない。だから、私は逆に言うならば、文部省の所轄庁としての、これはまさに指揮監督という言葉はとにかくとして、そういう指導的立場にあるわけですから、認可をされたんですから、その認可に違反をした場合にはこれを取り消す権限というのは所轄庁に与えられておるんですよね。それだけに、私はいまの答弁ではきわめて納得できないのですよね。いいかげんな答弁だ。もう責任逃れの答弁です。 そういう点で大臣としては、この問題については徹底的に事実というものを正しく調査をする、そうしてその調査に基づいた適切な行政措置——措置という中身はいろいろありますけれども、適切な行政措置というのはとられるべきじゃないかと思うんですが、この点について最後に大臣の見解をお聞きして私の質問を終わります。
○国務大臣(谷垣專一君) いまだんだんのお話をお聞きしておりまして、私も大変にどうもえらいことが起きておるんだなという感じを持っております。事務当局の方から、言ってみますと、非常に先生のお叱りを受けるような返事をいたしておりますのは、やはり非常に慎重な法令上の立場からの問題で、少し慎重過ぎておるから先生のそういう御指摘があったことと思いますが、全体としての形を考えますと、いろんな団体が出てきたり、それから先ほどの寄付行為そのものがその細則でもとが変わっているというようなことになりますと、まるでカエルがヘビをのむような反対のことになってしまって、まことにどうもおかしなことだというふうに聞いておりました。しかし、これは現実に起きておることといたしますると、非常に大変なことだと思います。実情を十分調査して、そうして適切な措置をとらなきゃならぬと思います。
○委員長(大島友治君) 本調査に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時二十三分散会 —————・—————