農林水産委員会 第8号
- 発言数
- 210 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1980/04/24
会議録
○委員長(青井政美君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い理事が一名欠員となっておりますので、この際、理事の補欠選任を行います。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(青井政美君) 御異議ないものと認めます。 それでは、理事に北修二君を指名いたします。 —————————————
○委員長(青井政美君) 増田農林水産政務次官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。増田農林水産政務次官。
○政府委員(増田盛君) このたび農林水産政務次官に就任いたしました増田盛でございます。 わが国の農林水産行政は幾多の困難な課題を抱いておりますが、武藤大臣を補佐いたしまして全力を傾けてこの難局に当たりたいと存じております。 何とぞ委員各位の御支援のほどをお願い申し上げましてごあいさつといたします。(拍手) —————————————
○委員長(青井政美君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案の審査のため、本日、農林漁業団体職員共済組合理事長吉田和雄君及び全国農業協同組合中央会農政部長山内偉生君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(青井政美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(青井政美君) 昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は前回聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、御多忙中のところ、本委員会に御出席をいただき、厚く御礼申し上げます。 それでは、質疑のある方は順次御発言を願います。
○村沢牧君 大臣の出席がおくれるようでありますから、私は質問の順序を変更いたしまして、事務的な問題から伺ってまいります。 本年度の農林年金の改正案は二回に分けて提案をされる。つまり、厚生年金がらみで、厚生年金とのかかわりのある部分については別途提案されるようでありますけれども、今後提案される改正点は何でありますか。
○政府委員(松浦昭君) 今度とおっしゃられますのは、新たに次にという意味でございますか。 四月の中旬に国会に提出をいたしました農林年金法等の改正法律案は、現在国会に提出中の厚生年金法の一部改正による改正内容と均衡を図るために行うものでございまして、その主な内容を申し上げますと、第一は退職年金等の通算年金方式及び通算退職年金の算定法中にございますところの定額部分、この額を引き上げるということが一つでございます。それからいま一つは、農林漁業団体職員共済組合法等に定める退職年金等のいわゆる新法最低保障額、この額を引き上げることでございます。以上が主な内容でございます。
○村沢牧君 農林年金の旧法と新法の格差是正については毎年論議をされておるところであり、当委員会の附帯決議でも政府に要望しているところであります。旧法年金者には通算年金方式や遺族年金の扶養加算が適用されておらない。また、本法則の最低保障との格差があるわけでありますけれども、旧法と新法との格差の是正についてどのように取り組んできたのか。それからまた、今回の法律改正によってどの程度格差が縮まるというふうに考えておりますか。
○政府委員(松浦昭君) 先生御指摘のように、新法と旧法の間にはかなりの格差がございましたために、共済年金制度の共通の原則といたしまして、この問題、いろいろと取り組まなきゃならぬ話があったわけでございますが、やはり基本的に申しまして、共済年金制度につきましては、その基本的な考え方として、給付事由が生じた時点によるべきであるということが原則でございまして、このために、旧法年金に対しまして制度的に新法水準を保障するといったことは相当困難であるというふうに考えておるわけでございます。また、先生も十分御案内のように、農林年金は共済グループの一つでございますために、農林年金だけに新旧の格差をなくするというような有利な扱いができないといったような事情もございますし、また恩給等の関係から、やはり給付財源につきまして恩給は全額国庫負担ということでやってまいりました関係上、その扱いというものを考慮いたしますと、何分にも恩給制度の適用者が約二百五十万人あるという事情もございまして、この格差を解消するためには、恩給制度そのものに相当大きな手を入れなきゃならぬという問題もございまして、なかなか困難な問題として取り扱われてまいったわけでございます。しかしながら、新旧格差はできるだけ是正しなきゃいかぬということでございまして、特に御要請の強い年金受給者の最低保障額の改善、あるいは寡婦加算等によりまするところの遺族年金の改善というものを通じまして、この格差の是正に努めてまいったところでございまして、今後ともその改善に努め、できるだけ格差を解消してまいりたいというふうに考えております。 お尋ねの、今回の改正によりましてどの程度まで新旧格差が縮まったかということを二、三例を挙げて申し上げますと、まず第一に、農林年金給付水準の新旧モデルで比較いたしますと、これは期間二十年の同一給与者ということを前提にいたしまして計算いたしますと、新法におきましては八十一万六千円という水準でございますが、旧法が、この新旧モデルの比較でいきますと七十万七千円ということになりまして、旧法が八六・六%のところまで新法に対して追いついているという形になります。また、遺族年金は今回寡婦加算を非常に大きく旧法適用者について加算することにいたしましたために、新法におきましては、遺族年金のやはりモデル計算をいたしますと五十四万円、これに対しまして旧法は実は五十六万四千円ということで、一〇四%という状態になっております。これは寡婦加算の額が非常に上がったからでございます。 それから、恐らく先生のお尋ねは、最低保障の状態で一体新旧がどうなるかということが重要なお尋ねであるというふうに思いますけれども、まず退職年金で申し上げますと、六十五歳未満の場合で計算をいたしまして、六月の時点をとりますと、五十五年度の六月では新法が六十八万四千円に対しまして旧法が五十二万五千円でございまして、七六・八%に相なります。それから、特に絶対最低保障額の適用者が千百九十九人おりまして、大部分の適用者でありますところの遺族年金の受給者でございますが、この点につきまして見ますると、組合員期間二十年未満の場合でございますが、五十五年度の八月の水準で、今回の寡婦加算が非常に上がったという状態で計算をいたしますと、新法の状態が六十二万一千六百円に対しまして旧法が五十五万一千三百円でございまして、八八・七彩というところの率まで近寄ってきているわけでございます。
○村沢牧君 いま最低保障額についても答弁があったわけでありますけれども、新法は厚生年金の最低保障額に準ずる、旧法は恩給制度に準ずるということですね。 そこでお伺いいたしますけれども、一体この最低保障額というものの性格は何なんですか。その水準は何によって計算をしているのか。つまり、年金の発生時期によって、すなわち新法と旧法とによって最低保障額が異なるというのはきわめて不合理だと思うのですけれども、格差は縮まったといっても、いま答弁になったような開きがあるわけなんです。その点についてはどういう考えですか。
○政府委員(松浦昭君) 最初に御答弁申し上げましたように、やはり受給権が発生したときの時点において、その受給者に対する給付の状態というものが決まるというのが年金の原則になっておりますので、旧法の適用者に対しましては、どうしても恩給の方がより関連が強い形でその給付内容が決まってまいりますし、新法の方は、それからやや離れた形で給付の内容が決まってくるということがこの両者の差の原因である。この点につきましては、どうしても恩給制度というものが国家公務員の共済制度に影響を及ぼし、それと同じグループにある農業共済、農林年金の制度にやはり影響を及ぼすという形になっておりまして、この点はいわゆるプリンシプルと申しますか、原則としてこの状態を是正するということは非常にむずかしいというふうに私ども考えておるわけでございますが、しかしながら、その中にありましても、実質的にこの給付内容を改善するということで両者の差を縮めてまいりましたし、今後ともまた縮めてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○村沢牧君 ぜひこの最低保障額と旧法の絶対保障額ですね、つまりその人たちの生活をする最低の水準を保障するという意味があるとするならば、やっぱりこの格差はなくさなければならないというふうに思いますから、今後とも格差是正のためにひとつ努力をしてもらいたいというふうに思いますが、その点はどうですか。
○政府委員(松浦昭君) 今後とも格差の是正には努力をいたします。
○村沢牧君 今回の改正で、標準給与の下限を六万九千円にして上限を四十一万円に引き上げたわけであります。これはあくまでも標準給与でありますから、六万九千円以下の者もあれば四十一万円以上の給与を取っている人もあるというふうに思うんです。そうした実情を踏まえて、この四十一万円という最高の額ですね、これは適正な数字だと言えるかどうかということですね。さらに、単純な考え方ですが、四十一万円以上の給与者もおるわけですね。そうだとするならば、それにふさわしい掛金も納めてもらってもいいではないかと、こういうことも成り立ってくるわけですけれども、この標準給与の上限、下限の数字は実態の中から適正であるかどうか、その辺についての見解はどうですか。
○政府委員(松浦昭君) 今回の法律の改正におきまして、この標準給与の月額の上限額と下限額を改定をいたしたわけでございますが、この考え方の基礎となりますのは、大体いままで受給者の一%程度、これが下限の額以下のところにいくようにということでわれわれ慣例的に計算をしてきておりまして、今回全体的な給与の上昇がありましたのでこのような改定をいたしておりますけれども、その内容を見ますると、最終的にこのような金額で決めました場合にも、大体〇・七%ぐらいの人が下限額以下ということになっておりまして、これで大体適正な水準であるというふうに考えている次第でございます。 それから上限の額の方は、これは従来から決めております国家公務員の給与の額を前提にいたしまして、それで計算をいたしておりまして、そのために上限の額というものが決まってきている次第でございます。 付加答弁がございます。 ただいま申し上げました上限と下限につきましてでございますが、この該当者の実態をもう一度申し上げますと、六万七千円から六万九千円ということで今回下限の額を引き上げたわけでございますが、その場合の下限値以下にあります組合員の人数は全組合員の〇・七%でございます。それから上限の方が、先ほど申しましたように、国家公務員の行政職(一)の最高俸給一等級十五号俸を基準といたしまして四十一万円を適用いたしましたが、その場合の適用者は全体のうちで一・三%であります。
○村沢牧君 標準給与ですね、特に上限については、他の共済にも見習っているということでありますから多くを申し上げませんけれども、やはり給与を多く取っている人はそれに見合うようなひとつ掛金も納めてもらう、そういう方向に逐次改善をしていくべきものだというように思うわけです。 続いて、遺族年金ですけれども、遺族年金を退職年金の八〇%程度に引き上げてもらいたいという要望が非常に強いわけであります。今回の改正案では、旧法年金者の寡婦加算額を二倍ないし二倍半に引き上げた。寡婦加算額を大幅に引き上げたということは大変結構なことであるけれども、その意味するものは何であるかということですね。また、今回の改正でもって遺族年金に寡婦加算あるいは扶養加算等を加えた給付水準は、遺族年金支給率に換算をするとどの程度の水準になるか。つまり退職年金と比較してどの程度の水準になるのかを明らかにしてください。
○政府委員(松浦昭君) 今回、旧法による遺族年金の受給権者でありますところの有子の妻等に加算されるいわゆる寡婦加算の額につきましては、御指摘のように昭和五十五年八月以降、二倍から二・五倍ということで非常に大きく引き上げたわけでございますが、この場合、なぜこのような寡婦加算の体系をとったかと申しますと、もちろん私どもも、遺族年金につきましてその支給率を上げてほしいという御意見があることは、当然承知しておるわけでございます。しかしながら、やはり遺族年金をお受けになる方々の中にも、お子さんがたくさんおられる方とか、あるいはお子さんがなくてお年寄りになっておられる方といったような方々につきましては、特に寡婦の方々はこの点非常に経済的にもおつらい方々でございますので、一律に遺族年金を支給率をして引き上げますよりは、やはり寡婦加算の額を上げていくといった方が妥当ではないかということで今回このような考え方をとったわけでございます。 これによりまして、今回の法改正により措置される旧法年金者における遺族年金の額でございますが、もちろんこの場合には、寡婦加算の支給がある場合は、これを加えたものの退職年金額に対する割合というものを計算いたしますと、六十歳未満の子のない妻は五〇%でございます。六十歳以上の子のない妻は六二%、子一人を有する妻が六二%、子二人以上を有する妻が七一%になるということに相なります。
○村沢牧君 寡婦加算の額を引き上げたことは、私は先ほど申し上げましたように、適当な処置だというように思うんですよ。いま局長の答弁では、寡婦加算を引き上げた方が妥当であるという考え方から引き上げたということなんですけれども、単なるそういう抽象的なことで引き上げたんですか。あるいは横並びであるからこれを引き上げたということになるわけですか。
○政府委員(松浦昭君) もちろん、このやり方は横並びでやったわけでございますが、各関係省ともこのような寡婦加算の方式が妥当であるということで判断をいたしまして、かような引き上げの方式をとった次第でございます。
○村沢牧君 旧法には、いま質問いたしましたように、寡婦加算が二倍ないし二倍半引き上げられた。それでは、新法の寡婦加算はどうなんですか。
○政府委員(松浦昭君) 新法の遺族年金及び寡婦加算につきましては、今回の取り扱い上は入れておりませんので、いわゆるこの次にお出しいたします農林年金の法案の中でいかにこれを取り扱うかということが問題になるわけでございます。ところが、この点につきましてはいきさつがございまして、そのいきさつを御説明の上御回答を申し上げたいわけでございますが、子のない四十歳未満の妻に対する、いわゆる子なし若妻と言われている方々でございますが、この方々の遺族年金の取り扱いにつきまして、厚生年金におきましては今回の改正法案におきまして遺族年金の支給を行わないという実は内容になっているわけでございます。これは、いわゆる失権でございまして、したがいまして、四十に達した以降も子なし若妻の方には遺族年金が支給されないという法案になっております。 そこで、農林年金につきましては、他の共済年金を所管する各省庁とも、その取り扱いにつきまして、いかにこれをこの次にお出しいたします年金法の中で処理をするかということで検討してまいったわけでございますが、去る三月二十五日の国家公務員共済組合審議会におきまして、四十歳未満の子のない妻に遺族年金を支給しないこととし寡婦についての加算を大幅に引き上げることについては、多くの問題を含んでいる、そこで、遺族年金のあり方ともあわせ十分検討の上、なるべく速やかに成案を得ることとされたいという旨の答申が行われた次第でございます。したがいまして、私どもといたしましては、この国家公務員共済組合審議会の御答申を踏まえまして、今後いかにこの新法の寡婦加算を考えるかということで実は目下検討中でございまして、四月十八日に国会に御提出を申し上げました農林年金法等の改正法案でもこの点は見送っておりまして、できるだけ早く検討をいたしまして新法の寡婦加算の問題あるいは遺族年金の問題を決定いたしたい、そして新たにまた御審議をお願いしたいというように考えている次第でございます。
○村沢牧君 旧法適用者には寡婦加算を大幅に引き上げたが、新法適用者については目下検討中だということですね。先ほど私は新旧の農林年金の制度の格差を是正をすることを求めたんですが、これではまた、逆格差になっちゃうんですね。この次の法律でこの提案をしたいというような答弁もあったわけですけれども、この次の法律というのはいつなんですか。この年度内ですか、それとも来年ころになるんですか。
○政府委員(松浦昭君) 現在、四月十八日に国会に御提案申し上げた農林年金法の改正法案の中には、ただいま申し上げました理由でまだ入っておらないわけでございますけれども、私どもといたしましては、新旧との関係もございますので、できるだけ早く検討いたしまして、検討を終わりました最も早い時期の国会、必ずしも次の通常国会とは言わないできるだけ早い時期にこれを提案申し上げたいというふうに考えている次第でございます。
○村沢牧君 それでは、今国会には——いま衆議院の方へ提案になっているこれには含まれておらない、そのことも承知をしておるんですが、本年度じゅうに、ひとつ、臨時国会等もあれば提案されるというふうに理解していいですか。
○政府委員(松浦昭君) 検討をできるだけ早くいたしまして、できるだけ早く提案をいたしたいと思っております。
○村沢牧君 そこで、先ほどの答弁で、四十歳未満の子なし若妻、子のない人ですね、これについては見直しを行う、こういう答弁があったわけですけれども、現在厚生年金の審議が行われておる衆議院の段階においても、果たしてこのことが認められるかどうかきわめて微妙な段階にあるというふうに思います。 そこで、この厚生年金でもって四十歳未満の子なし若妻の法律が仮に通ったとするならば、農林年金もそれを見習ってこういうことになりますかどうか、その辺はどうなんですか。
○政府委員(松浦昭君) 先ほども申し上げましたように、私どもがその改正を行います際に、当然その御答申を踏まえて処理をしなければならない、国家公務員共済組合審議会の御答申では、子なし若妻について遺族年金を支給しないこととしたということにつきまして、また寡婦加算を大幅に引き上げることにつきまして、多くの問題を含んでいるという御指摘をなすって答申をなすっておられるわけでございます。私どもはその御答申を踏まえて次の改正を考えるということでございますので、その検討の際には、この御答申の趣旨が恐らく私どもの検討の最も重要な基準と申しますか、考え方の基礎になっていくというふうに考える次第でございます。
○村沢牧君 四十歳未満の子なし若妻の年金は従来は認められておったわけですけれども、これを打ち切るということは社会保障制度の後退につながるものである。夫はいままで組合員としての掛金もかけておったし、つまり、この若妻は受給権はあるんですね。遺族年金をもらう権利はある。受給権のあるものを打ち切るということはきわめて問題であるというふうに思うんですけれども、ただ厚生年金なり国家公務員共済年金に準ずるということでなくて、農林省としてはどういうふうに考えるんですか。
○政府委員(松浦昭君) ただいまの先生のお言葉の中に、厚生年金、国家公務員共済に準ずることなくとおっしゃいましたが、実は、子なし若妻の失権を規定しておりますのは厚生年金だけでございます。いまの状態では。したがいまして、われわれとしては、国家公務員共済その他横並びの共済制度があるわけでございますが、これを扱います国家公務員共済の組合審議会において先ほど申しましたような御答申がありまして、それを基礎にということを申しておりますので、その問題提起がありました状態を踏まえまして私どもとしては検討いたしたいと考えておりまして、この場合、最終的な判断まで申し上げることはできませんけれども、農林水産省といたしましては、当然この答申のお考えというものを基礎にいたしましてわれわれの考えをまとめてまいるということになろうかと思っております。
○村沢牧君 大臣が見えましたから、遺族年金のことについて大臣の見解を求めますけれども、遺族年金の水準を思い切って引き上げるべきだという意見は、社会保険審議会厚生部会の意見書でも述べられているところなんです。農林年金が今回旧法について寡婦加算を大幅に引き上げたということ、このことは、そのことも踏まえて引き上げたという趣旨の答弁があったわけでありますけれども、しかし、一部には、これだけ寡婦加算を多くするならば遺族年金そのものをもう少し上げたらどうかという意見もあるわけなんです。その辺の見解について、大臣としてはどういうふうに考えていらっしゃるのか。ただ厚生年金並みだということだけでなくて、あるいはまた厚生年金の改正を待っているということだけでなくて、みずからも検討して、農林年金の実情の中から独自性もやっぱり創造していくべきだというふうに思いますが、大臣の見解はどうでしょうか。
○国務大臣(武藤嘉文君) まあこの年金で独自性を出していければ大変いいのでございますが、なかなかやはり、国家公務員共済その他の年金との横並びというのは従来からある程度あるわけでございまして、全く独自のものを打ち出すことはできないと思うのでございますが、いま御指摘のように、寡婦加算の大幅引き上げだけではバランスがまた崩れてくる場合もあるわけでございまして、それよりはいっそ遺族年金の率を上げた方がいいんじゃないか、こういうことは理論的には私はよくわかるわけでございます。しかしながら、その横並びということがあるものでございますから、なかなか私どもだけの独自でそういう方向には行けないわけでございまして、今後、その遺族年金全体の水準あるいは要件、こういったようなものを、いま申し上げました横並びで現在あります共済年金の各省庁とよく打ち合わせをある程度しながら、極力ひとついい方向になるように努力はしていかなきゃならないと思っております。
○村沢牧君 大臣にお伺いしますが、五十五年度の予算編成の際、大蔵省は、財政再建という名目のもとに福祉の引き下げを強硬に主張した段階もあったわけでありますけれども、これは国民世論の反撃に遭って、最終的には前年度どおりに大体おさまったわけであります。しかし、この過程で福祉見直しについて大蔵大臣と厚生大臣との間で覚書が交わされるなど、年金を含めた福祉問題は今後に手直しが持ち越されたというふうに思うのであります。財政再建も必要でありますけれども、財政再建の本来の目的は国の財政のもとで充実した福祉を国民に提供することであろうというふうに私は思うのでありますけれども、福祉を削って財政を再建しようなんていうことは全くもって本末転倒だというふうに思うんです。 また、わが国の社会保障水準を国民所得との関係で見るならば、国民所得に対して社会保障水準は大体一〇%という現状である。しかし、たとえばスウェーデンは三一%、西ドイツは二五%というふうに、福祉の水準はわが国は先進諸国に比べて低いわけであります。大臣は年金も扱っているわけでありますから、わが国の福祉の現状と財政再建に関連をして、福祉のいわゆる見直しあるいはまた引き下げ、これらについてどのように考えておられますか。
○国務大臣(武藤嘉文君) やはり先進国、特にいまスウェーデンのお話がございましたけれども、わが国が世界でナンバーワンであるとは言えないわけでございます。そういう面で、今後とも福祉の充実を図っていかなければならないことは一つの方向であると思います。ただ、その方向でございますけれども、私は決して財政再建のために福祉を後退させるべきではないと、こう思います。しかしながら、後退させるべきではないということはわかりますが、いま先生も御指摘のように、財政再建もやっていかなければならないわけでございます。そこで、これからは、福祉を充実をしながら日本の場合高齢化社会になっていくわけでございますから、当然将来においては福祉を享受する立場の方が多くなって、それに対して負担をしなきゃならない後世代の人たちが結果的には少なくなるというか、相対的にはいまよりは。そういうことになるわけでございますから、もちろん、国の財政といってもこれは国民の税金でございます。一体国民の税金でどのくらい負担をするのか、あるいはその福祉関係のたとえば保険料その他でもってどのくらい負担をするのか、こういうことがやはりこれから検討をされないといけないのではなかろうかと思っておるわけでございまして、その中で、適正な形での国の負担分と、それぞれの保険、年金なら年金の加入者の負担分というものをどうするかという適正な配分がどこにあるのかということをやはり検討していかなければならないのではなかろうかと思っておるわけでございまして、私どももそういう議論の中で、この農林年金についても、やはりどんどんどんどんこれからは高齢化されて給付を受けられる人の方が多くなるわけでございますから、こういう考え方でこの年金のあり方についても私どもはやはりしっかりしたものをつくらなければならないのではなかろうか、こう考えておるわけでございます。
○村沢牧君 農林年金のあり方や国の負担のあり方、これらについては以下質問してまいりますが、その前に、社会保障制度審議会は、今回の農林年金法の一部改正に対する諮問について農林大臣あての答申を行っておるわけであります。 これを見ますると、 今回の諮問は、恩給の措置にならう趣旨のものであり、従来の慣例からすればやむを得まいが、近年恩給は著しく社会保障的性格を強めてきており、この観点からすれば、生活保障に属する部分については、厚生年金との関係を考慮する必要がある。 なお、年金支給開始年齢引上げの経過措置が長きに失することについては、昨年の本審議会の答申で述べたところであるが、国家公務員の六〇歳定年制が近く定められることにかんがみ、これに併せて経過年数を短縮することは、厚生年金との均衡からも当然というべきである。 という答申なんですけれども、この意見について大臣としてはいかなる見解を持っていますか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 生活保障に属する部分につきましては、今回の改正に当たりましても、極力厚生年金との関係を考慮して先ほどの寡婦加算などについて措置をしたつもりでございます。 それにもう一つは、支給開始年齢を引き上げるについては、できるだけ経過年数を短縮して厚生年金との均衡を図れと、こう言ってきておるわけでございますけれども、これはこの間の臨時国会におきまして私ども支給開始年齢を五十五歳から六十歳に引き上げをお願いをいたしましたときに、よく厚生年金との引き合いをこの委員会においてもお出しになりまして、一体どうなのかということの御指摘をいただいたわけでございまして、そのときにも、私どもはとにかくいま六十歳に引き上げということをお願いをしておるのであって、六十五歳にそのまままたすぐ引き上げをしていくようなことはいますぐというわけではございませんということを私は申し上げた記憶がございます。それを踏まえまして、この年金関係閣僚協議会を持ちましたときにも、厚生大臣からはいろいろと厚生年金との関係がございましたけれども、私は、そういう年金の法律を審議をする過程においてはそういう発言をしてきてもおる、答弁もしてきておるので、そう簡単にはいかないと、こういうことを閣僚協議会で私は申し上げたわけでございます。そういうことが結果的には厚生省のお考えどおりにはいかなかったことは先生御承知のとおりでございまして、私はそういう考え方で現在はおります。今後ともそういう意味において、この経過、その審議会の私どもの方への答申の中で私どもへこういうことが出されてきておりますけれども、私としては慎重にこれは対処していかなきゃならないと、こう考えておるわけでございます。
○村沢牧君 経過措置が長過ぎるから短くしたらどうかという答申については、私もこれは問題があるというふうに思います。せっかく昨年あれだけ論議をして経過措置を置いて支給開始年齢を引き上げたんですから、いま大臣の答弁のように、このことは堅持をしなければいけない、堅持してもらいたいというふうに思うんです。 そこで、いま大臣から若干発言があったわけでありますが、厚生年金との関係、農林年金は厚生年金の横並びという仕組みに大体立たされておるわけでありますが、 〔委員長退席、理事片山正英君着席〕 厚生年金は支給開始年齢を六十五歳にしよう、こういう提案をしたところでありますが、わが党を初め各団体の反対に遭ってこれは取り下げになった、厚生省は引っ込めた。しかし、これは完全に白紙に戻したとは言い切れない、あるいはまた厚生省も将来にわたって支給開始年齢の延長をしないということも言っていないわけですね。 そこで、私はもちろん厚生年金六十五歳引き上げなんというのは絶対反対でありますけれども、そのようなことを踏まえて、大臣としては、仮に万一厚生年金がこういう形になったとしても、農林年金は昨年決めたとおりの支給開始年齢を守っていくという決意がなくてはならないというふうに思いますが、どうですか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 厚生年金の問題につきましてはここで私がお答えする筋合いではございませんけれども、この間うち六十五歳に引き上げる問題が出ましたときに、特にこちらを道連れにしていくことはないじゃないかと、おまえの方がそれをやることはそれは勝手だけれども、こっちまで何も道連れにしてやろうということはないのじゃないかという話をしましたら、今度は官民格差という問題が出てまいりまして、いや官民格差の問題がいろいろ言われているんだから、やっぱりそれは同じ歩調をとってくれということで、そうはいかないということであれはつぶしちゃった——私どもの内部では、いま御指摘の、外でもいろいろあったことは事実でございますが、私どもの方でもそういうことであれはつぶしちゃったわけでございますけれども、しかし、将来未来永劫にそういう形でいけるかどうかという問題は、私はやはり厚生年金もそうでございましょうし、また、農林年金といえども、やはり未来永劫にそれじゃ六十歳をそのままにしていくかどうかということは、これはやっぱり考えざるを得ない場面も私は将来あるのではなかろうかと思うのでございます。 それはなぜかと言えば、一つは先ほど申し上げますように、非常に給付を受ける方々がこれから多くなってくる。そうなってくると、それを負担をしなきゃならない後世の人たちの負担がどうなるかという問題、あるいは国の負担をどうするかという問題、その中で給付を受ける方がどんどんどんどん多くなってまいりますと、結果的にはこの年金財政が破綻をするという場合もあり得るわけでございまして、その年金財政が破綻をしないようにするためには一体どの辺で調整をしていくかという問題を私は考えざるを得ないときがあるのではなかろうかと思っておるわけでございます。ただ問題は、もしそういうようなことが将来考えざるを得ないときになっても、支給開始年齢を引き上げるのか、あるいは後世代の人の負担を多くするのか、これはいろいろ私はどちらにウエートを置くかというのがやっぱり議論されるべきことであろうと思う。あるいは、それに対して国の負担を一体どれくらいにするのが適正なのかというようなこともやっぱり議論されて、そして支給開始年齢をどれだけにするのか、現在六十歳のままにするのかと、こういうことがやはり議論されなきゃならないと思います。 それからいま一つは、この問題とやはり結びつけて考えていかなきゃならないのは、やっぱり定年制の問題というものを無視してこういう議論はできないだろうと思います。当然やはり年定でやめざるを得ないときには年金がすぐもらえるということでなければいけないわけでございますから、そういう面では、一体いつおやめになって、それに対していつ支給がもらえるのかという問題ももう一つの大きな要素として議論をしなきゃならない問題であろう。 そういう問題はやっぱりいろいろこれから議論して決めていかなきゃいけないわけでございまして、私がここで、まあそのころ私が大臣はやっていないわけでございますけれども、参議院の農水委員会で、武藤農林大臣というやつがこういうことを言ったけれどもと、その当時の大臣がいろいろおしかりをいただいてもいけませんので、そういう点は私がここで未来永劫に支給開始年齢は引き上げませんということは申し上げられませんけれども、支給開始年齢だけを簡単に引き上げるということは、これは私はいつの時代になってもそれは許されないことであろうと。やっぱりいま申し上げたいろいろな関連でこれは考えていかなきゃならない問題であると、こういうことだけは私は間違いないことであろうと思っておるわけでございます。
○村沢牧君 未来永劫ということはずいぶん、その期間をどのくらいにとるか、これはわかりませんが、少なくとも一九八〇年−九〇年ぐらい、このくらいは支給開始年齢を引き上げるなんということは言わないと、そのように私は理解をしておきます。 そこで、年金制度の共通の課題として言えることは、八〇年代以降、高齢化社会の到来と年金制度そのものの成熟度が高くなるということであるというふうに思うんです。特に農林年金は成熟度化が急速に進んできておって、給付効率の伸びも速いということが一つの特徴であろうというふうに思うんです。そこで若い組合員の中には、いまは多額の掛金を掛けているけれども、自分たちが退職するころには一体農林年金はどうなるであろうという、こういう不安もなきにしもあらずなんです。そこで大臣、そのような心配、不安は絶対ございませんということをぜひ言明をしてもらいたいとともに、あわせて農林年金が抱えている問題点、それを克服していく課題について、詳細は以下質問してまいりますけれども、総括的に大臣の考え方をお示しください。
○国務大臣(武藤嘉文君) この年金に加入しておられる方々は、将来とも老後の保障としてこの年金を期待をいたしておられることは当然でございまして、そういう面において私は将来とも年金というものがそれこそ未来永劫にわたって健全な形で存在していかなければならない。そして、そのときそのときの制度によって支給開始年齢になった方々に支給がなされるようにしなきゃならない、こう考えております。
○村沢牧君 後段で質問いたしました農林年金の抱えている問題点、それを克服していく課題、詳細にわたっては以下質問してまいりますけれども、率直に言ってどういうことなんですか。
○政府委員(松浦昭君) この農林年金の抱えている克服すべき課題ということになりますと、何と申しましても、高齢化社会へ現在日本の社会は移行しておるわけでございまして、その中で農林年金が抱える最も大きな課題というのはやはり年金財政の悪化という問題だろうというふうに思います。このような悪化をしていく農林年金の財政の実情を、長期にわたりまして健全な形で維持発展させていくためにはどうしたらいいかということが、これからわれわれが検討しなければならない最も重要な課題であるというふうに考える次第でございます。 ただ、現在の時点で農林年金の財政状態というものを考えてみますると、成熟率につきましては、あるいは年金の収支比率というような状態で比較しますと、私学共済とかあるいは厚生年金といったような非常によい共済につきましては別でございますが、大体現時点の水準はさほど悪化していないという状態でございます。 しかし、問題はこれからでございまして、掛金につきましては過去ほぼ十年にわたりまして据え置き同様の措置をとっておりますし、またさらに、急速に成熟率が高まっていくということがございまして、現在の段階では大体十人に一人の方が掛金を掛けておられる方に対する受給者になっておるわけでございますけれども、この比率がだんだん高まってまいりまして、恐らく十年後には三・四人で一人の方を給付しなければならぬというふうになりますし、二十年後になりますとこれが二・五人で一人の受給者に対して掛金を負担している方々が給付をしていかなければならぬというような状態になっていくわけでございまして、この成熟化率の悪化の状態というものは他の年金に比べましてもかなり高い状態ではないかというふうに考えておる次第でございます。 まあ別な観点からこれを計算しますと、掛金率をこのままに推移するということになりますと、昭和五十八年には年金給付が掛金収入を上回るという状態がまいりますし、昭和六十五年には年間総支出が総収入を上回るという状態になり、昭和七十四年には保有資産がゼロになるという状態も試算として成り立っておるわけでございます。したがいまして、今後年金財政の健全化ということがわれわれの最大の課題であり、今回の財政再計算という事態におきましても、この点が最も念頭に置くべき課題であるというふうに考えておる次第でございます。
○村沢牧君 本日は農林年金の吉田理事長さんに参考人として御出席願っておりますので、若干お伺いいたしますが、農林年金の抱えている課題についてはいま農林省当局から答弁があったところでありますが、吉田さんは農林年金運営の責任者として、農林年金の現状あるいは将来展望の中からいまあるような課題をどのように克服していったらいいのか、あるいはまた政府としてはどうすべきか。吉田理事長の見解をお尋ねいたします。
○参考人(吉田和雄君) 農林年金が抱えております問題は、いま経済局長から言われた財政の問題が最大の問題でございますが、いま一つ、やはり共済組合でございますから、当然相互扶助というのが存立の基本になっておりますけれども、最近どうもこの相互扶助の意識が薄らいできておりますので、これをやはり回復させまして、もっときずなを強くせねばならぬというふうに考えております。 〔理事片山正英君退席、委員長着席〕 前段の財政の健全化の問題につきましては、極力やはり工夫をいたしまして財政が長もちをするようにいたしたいと思いまして、従来とも支給開始年齢の延長ももとよりでございますけれども、これに関係いたします自己努力といたしまして、福祉事業の見直しだとかいろいろなことを従来手がけてやっておりまして、そういうあらゆる努力をしていけば相当やはり長もちをするのではないかというふうに考えておる次第でございます。そういう努力をこれからも続けてやっていきたいというふうに考えております。
○村沢牧君 まだ理事長から、理事長という立場で政府に対してどういうことをやるべきかということもお聞きをしたんですが、答弁ありませんが、それは後ほど答弁してください。 そこで、あなたは、農林年金制度を守り、さらに発展をさしていくために、加入者もみずからの問題として連帯責任で努力をしなければならないということを団体に対しては呼びかけている、強調していることは私も承知をしているんですけれども、みずからの努力とは具体的にどのようなことを指すんですか。
○参考人(吉田和雄君) みずからの努力というのは、やはり一番農林年金の財政を支えております大宗と申しますか、財源の一番大きなものは掛金であります。したがいまして、この掛金をやはり快く、われわれは相互扶助でつくっておる団体であるんだから、快くひとつ掛金を拠出をしようではないかというようなところが、そういう気持ちになっていただくことが最も中心でございますけれども、その掛金問題に至る前に、掛金以外のやはり財政健全化のいろいろな努力をいたしまして、それで、しかる後に、こういう努力をしたけれども、これだけはどうしても御負担願わにゃならぬというようなふうに私としては持っていきたいというふうに考えております。さらに、政府の方にもいろいろと期待をいたしておることも事実でございます。
○村沢牧君 農林年金共済組合のそういう提唱に呼応して、農林漁業団体はみずからの努力として農林漁業団体振興会なるものをつくって、福祉事業の発展や財政の健全化を図ろうとしておるわけです。農林年金に加盟をする団体は数多くありますけれども、その最も大きな地位を占めているのは農協組織であります。きょうは全中の山内農政部長に参考人として御出席を願っておるわけでありますけれども、このいわゆる振興会というものの設立について、全中からも、あるいは県農協中央会の代表者も加わって研究会を今日まで持ち、一定の計画をつくってきたわけでありますけれども、この振興会というものに対して、その目的、それから事業内容、構成員、出資金あるいは会費、その骨子をここで明らかにしてください。同時に、振興会をつくることについて、全中の指導性、それから単協の対応はどのように進んでおるか。以上の点についてお答え願いたいと思います。
○参考人(山内偉生君) 農林漁業団体振興会という、いま村沢先生のお話ございましたが、現在われわれ系統組織で検討しておりますのは、農林漁業が現在直面をしている事態に対応しまして積極的にその再建を図っていくためには、農林漁業者の生産意欲を高めることはもちろんでありますが、農林漁業の衝に当たります農林漁業団体役職員の士気を鼓舞しまして意欲を高めていくということが一番大切だと、かように考えております。で、いまそのために、農林漁業団体役職員の資質の向上、それから福利厚生など多面的な施策を講じていくということが喫緊の要件であろうと考えております。農林漁業団体の各系統機関が相寄りまして、農林漁業団体役職員の資質の向上対策事業並びに福利厚生補完事業を組織的、体系的に仕組むことにいたしております。その結果が、先ほど先生が御指摘になりました農林漁業団体振興会になろうと存じますが、現在はこの構想につきまして、私ども農林漁業団体の系列団体ごとに、この事業の仕組みと推進方策を、現在、都道府県段階それから市町村段階の組織に浸透を図ってお願いをしておるところであります。 御指摘の事業計画、それから資金等の計画でございますが、私も実はこの問題に直接タッチをしておりませんが、この事業の円滑な推進を図っていくためには、まずその系列組織で現在一万三千ばかり団体がございますから、この団体から出資の形で資金を造成していただくというのが一つでございます。もう一つは、事業運営に当たりまして経費がかかりますので、それに充てるために会費を納入していただくということでございまして、そのために組織内の合意をわれわれとしては取りつけなければならないということに現在なっております。このことが最大の前提要件でございまして、現在、私ども農林漁業団体系統組織別に検討を進めております。そういう段階に現在至っております。
○村沢牧君 いま山内参考人の答弁では、この振興会なるものが全く農林年金とは何かかけ離れたような印象を与えるような答弁ですけれども、吉田参考人にお伺いいたしますが、共済組合で毎月発行している「農林年金」という冊子を見ても、参考人はかなり振興会という言葉を使って、これによって農林年金をよくしていこうという意味の発言をされておるわけですけれども、吉田さんはどういうふうにお考えですか。これは農林年金とは関係のない組織なんですか。
○参考人(吉田和雄君) 全く関係がないということはございませんで、かなり密接に関係してくるというふうに思います。いま山内参考人から申されましたように、主たる目的は農林漁業団体の役職員の資質向上なり身分の安定、福利厚生等でございますけれども、いま一つの目的といたしましては、余裕があれば農林漁業団体のそういう拠出したものの中から農林年金の方に、いまやっております相互扶助事業のような形で割愛をしていただくというようなことは考えられておりますので、そういう面から関連が出てまいると思います。
○村沢牧君 私が知っている限りで振興会の進め方と、いまの答弁を聞いておりますと、何か奥歯に物がはさまったような言い方ですがね。場所が場所ですから、まあそれ以上に皆さんには答弁を要求しませんが、大臣、農林漁業団体がみずからも努力して、いまお話がありましたように、団体職員の福祉の向上を図るためにこういう組織をつくろうということで実際動き出しているわけですけれども、私はこれは大変結構なことだというふうに思うんですよ。したがって、農林水産省としても、どの程度皆さんが御相談にあずかっておるかどうか知りませんけれども、こうした計画に対して指導あるいは必要な援助も与えるべきではないかというふうに思いますけれども、団体のこうした計画をどのように農林水産省は評価をし、計画が成功するために協力しようとされるのでありますか。
○政府委員(松浦昭君) 大臣がお答えになります前に、私から、農林省が聞いている状態をまず申し上げたいと思います。 農林漁業団体役職員の福利厚生あるいは資質の向上等の面で活動を強化いたすということで、これまで三カ年間にわたりまして農林漁業団体の全国機関等によって構成されております連絡協議会が中心になられまして研究会を設けておられるということを私ども承っておりまして、お尋ねのような検討、また、現在参考人がおっしゃられたような段階までいろいろと検討がなされ、全国の農協中央会を初めといたしまして、農林年金加入の関係団体の役職員の福祉の向上対策に意欲をもって取り組まれているということは私どもも承知しております。 これらの検討結果に基づく福祉活動強化の構想につきましては、ただいま山内参考人からもお話がございましたように、まだ団体の内部で煮詰めておられるという段階でございまして、実は率直に申しまして、具体的な内容を農林水産省としては聞いてはおらない段階でございます。大体の粗筋は、こういうことをしているという連絡はございましたが、正式にはまだその内容を十分聞くに至っておりません。もちろん、団体の自主的な意欲によりまして農林漁業団体の役職員の資質の向上なり、あるいは福利厚生面での充実を図っていかれるということは、農林水産団体の活動の強化、ひいては農林水産業の健全な発展ということのために、私どもはそういう意味で評価をいたしたいというふうに考えます。ただ、お尋ねのような活動に関する援助等の問題になりますと、具体的な内容等まだ聞いておりませんので、これから固まった内容を伺いまして、その上でどのように対処するか、十分に検討してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○村沢牧君 この農林年金を含めて、共済年金制度の格差是正が世論となっているときに、公的年金の中でも農林年金は、他の年金に比べて給付額が非常に低いというふうに思います。たとえば、退職年金の場合、五十三年度末で農林年金が平均年額九十五万九千五百四十七円に対して、私学共済が百十七万八千四百円、国家公務員共済が百四十五万五千六百円というふうになっているわけです。各種の共済は、制度ごとに特殊性がありあるいは歴史的な経過があるにしても、農林年金は今後さらに改善をして、他の共済との格差を是正しなければならないというふうに思うんですけれども、これ大臣の見解はどうですか。
○国務大臣(武藤嘉文君) いろいろ横並びとよく言われます五つの共済年金につきましては、歴史的な経緯がそれぞれ違っておるわけでございまして、そういう面である程度ばらつきが見られることはやむを得ないことであると思いますけれども、私どもといたしましては、やはり農林年金の充実のために今後とも極力努力をしていくということはこれは当然のことでございまして、そういう努力をしてまいりたいと思っておるわけでございます。
○村沢牧君 局長にお聞きをしますが、このような格差があるということは、歴史的な経過やあるいはまた制度の特殊性もあることは私は承知しているんですけれども、その最大の原因は何だというふうに思いますか。
○政府委員(松浦昭君) ただいま大臣からも御答弁がございましたように、各年金がその歴史がございますので、それぞれその差があるということもございますが、私どももずっと努力をいたしてまいりまして、制度の仕組みの上といたしましては、いわゆる共済グループの中では農林年金は他とほぼ同様の制度になってきているというふうに考えます。ただ、給付につきまして、先ほど先生も御指摘のように、平均で見まするとどうしてもこの差が出てくるということがございますが、この給付の立ちおくれは、一つは組合員の年金加入年数が他の制度に比して低いということでございます。これが一つございます。それからいま一つは、農林漁業団体が主としてやはり農村部にございますので、給与水準の格差がどうしても給付水準の格差に影響を及ぼしてくるということがございまして、この二つが、おおむね制度上等しいにもかかわらず、このような現実の給付に格差を生ずる原因ではないかというふうに考えている次第でございます。
○村沢牧君 いま答弁がありましたように、給付の仕組みは公務員並みであっても支給額が少ない。その原因は、一つには年数が少ないということと、給与水準が低いということ。特にやっぱりその中で大きなウエートを占めておることは、農林年金組合員の給与が低いということであろうというふうに思うんです。たとえば農林年金組合員の標準給与の平均月額は五十三年度末で十四万七千三百三十円、地方公務員共済の組合員は十八万六千百八十円、国家公務員共済の組合員は十七万二千七百九十八円、あるいは私学が十七万六千百五十四円というようになっておるわけですね。この数字が示すように、農林関係職員の給与が低い。給与を支払うのは団体でありますけれども、団体職員の給与あるいは労働条件を改善をすることは農林漁業の発展にもつながる問題であります。農林水産省はこうした実態をどのように考え、あるいは今後指導していかれようとされますか。
○政府委員(松浦昭君) ただいま村沢先生御指摘のように、各年金の平均的な給与水準を比較いたしますと、やはり農林年金が見劣りをするということは事実でございますが、これは一つは組合員の平均年齢にもかかわっておりますし、また、学歴、職歴等の関係もあろうかというふうに考えるわけでございますが、実態をやや詳細に申し上げますと、農林漁業団体の職員の給与で最も比較をしやすいと申しますか、比較をする対象として適当なものは町村の職員であろうというふうに思います。と申しますのは、やはりそこに住んでおられる生活条件というものが共通でございますので、町村職員の方々と比較をするのが一番正しい方法かと思いますが、これは最近におきまして農林漁業団体もかなり給与の水準が上がっておりまして、大体三%程度のギャップという状態になりつつございます。 さらにまた、職員の平均年齢でございますとか、平均の勤続年数、あるいは勤務地の地域格差といったようなことを考えますと、町村職員に対しましてはさほど遜色のない水準ということになりつつあると思います。 それからいま一つは、一般の中小企業あるいは民間の企業の給与の上昇率に対しまして、農協の給与の上昇率は、昭和五十年以降、かなりその率が他と比べまして高い状態にございまして、キャッチアップの状態はかなり進んできているというふうに考える次第でございます。 しかしながら、なお、給付の水準につきまして、そのもとになりますところの平均給与の水準が高まっていくということは、先生御指摘のように、これからともに努力をしていかなきゃならぬということで私ども考えておるわけでございますが、何分にも給与そのものは、これは農林漁業団体の労使間の自主的協議によるものでございまして、私どもが特にこれに対して介入をするわけにはまいらないという性格のものでございますけれども、私どもといたしましては、何と申しましても農業協同組合その他の団体の経営基盤を強化するということによりましてこのような給与水準を上げていくという方向に向けていきたいというふうに考える次第でございます。
○村沢牧君 山内参考人にお伺いしますけれども、農林年金組合員の中で平均的な水準にあるのが総合農協である、このような理解をしておるわけですけれども、いま局長は、農協職員の給与水準は高いというようなお話もあったわけですけれども、私は実態としてそのようには感じておらないのです。たとえば総合農協の五十三年度末平均給与月額は十四万七千九百三十九円。公務員や他の団体と比べて決して高いとは言えないんですね。そこで全中も、農協の職員の労働条件の改善等についても指導性を発揮しているというふうに思いますけれども、どのようにあなたの組織内の単協に対して労働条件の改善なり、あるいは給与の上昇について皆さんは指導しているのか。それに対して各単協は職員の待遇改善についてどのように取り組んでおられるというふうに見ておりますか。
○参考人(山内偉生君) 村沢先生御指摘のように、私どもの持っておりますデータによりますと、まあ総合農協で見ますと、やはり先ほど経済局長も言われましたが、町、村の単位で比較するのが適当だと思いますが、やはり現状でも、総合農協の職員の方が役場の吏員の給与よりもやや低いというのが現実だと思います。ただ、先生の言われたとおりに、私ども系統農協では、職員の待遇改善については毎年運動として進めております経営基盤の確立等の運動を通じまして鋭意これに取り組んでおりまして、また最近では、若年労働者を雇用する場合に、他の関連する地場産業との関連では、やはり農協も相当の給与を出さないといい人材が集まらないという実態にあります。したがって、そういう実態も反映してお吟まして、現在では相当給与面では改善が行われていると私どもは考えております。
○村沢牧君 改善は行われてはおるけれども、しかし、あなたが胸を張って、農協は給与は低くありませんなんて言える状態ではないですからね。やっぱり全中の運動としても農協職員の給与改善を含めて労働条件の改善のために努力してください。 そこで、定年制の問題について伺ってまいりますけれども、私は昨年の農林年金の支給開始年齢の引き上げの法律改正の際にも当委員会で強く指摘をしたところでありますけれども、この定年制の問題と支給開始年齢との関係で政府も指導性を発揮すべきである、まあこういう要請をしたところであります。その際大臣は、定年年齢の延長、雇用関係の見直しあるいはその改善について適切な指導をしていくというような答弁があったわけであります。その後、これらの問題について経済局長の通達を出したようでありますけれども、この通達を受けて農業団体はどのような取り組みをしておるのか、政府の指導性は具体的にどのような動きとなってあらわれてきておるのか、これらの点について、経済局長、時間がありませんから長々と答弁要りませんから、単刀直入にひとつ答えてください。
○政府委員(松浦昭君) 先生御指摘のように、当委員会の御審議を踏まえまして、昭和五十五年の三月十七日付で経済局長名の通達を出したところでございます。各都道府県の農協中央会におきましては、この通達を受けまして逐次各団体に趣旨の徹低を図っているというふうに考えておりまして、この状況については、現在の段階で私ども正確に把握をいたしておりませんが、かなりの程度これは普及しているというふうに思います。また、全国の農協中央会におきましては、今後農協系統における定年年齢の延長等につきまして、行政当局の指導と相まちまして前向きに取り組むということで姿勢を示しておられるところでございますので、農協系統における定年の年齢は、私どもの局長通達、さらにこれを受けましての全中の指導によりまして、漸次延長の方向に向かうものというふうに考えておる次第でございます。
○村沢牧君 山内参考人にお聞きをするようなことを局長も答弁をしてしまったわけでありますけれども、局長の通達を受けて全中も積極的に取り組んでおるという局長の答弁があったわけですけれども、全中として、この定年制延長なりあるいは給与体系の改善など、実際に取り組むのは農業団体でありますから、全中としてはいかなる指導性を発揮して、その全中の指導性に基づいて単協はどのような取り組みをしておられるわけですか。
○参考人(山内偉生君) 高齢化社会の到来と、それからわれわれ農林年金にとっては、農林年金の支給開始年齢が上がったこともございまして、農業協同組合系統では、やはり村沢先生御指摘のとおり、定年制の延長問題が最大のこれは労務管理問題になっております。 で、経済局長から御指導いただいた通達を受けまして、私ども全中でも、ことしの三月二十一日に、都道府県農協中央会に向けて、局長通達の趣旨を生かして取り組むように御依頼をしております。 私どもの基本的な考え方は、やはり定年年齢といいますか、これを段階的に延長していくという立場をとっております。ただ、やはりそのほかの産業の定年問題の動向等も見ながら、やはり系統農協全体として取り組んでいくということになろうと思いますが、基本的には定年年齢の延長に段階的に各農協とも取り組んでいただくということで現在指導申し上げているところでございます。
○村沢牧君 そこで、この支給開始年齢の引き上げと、それに伴う定年年齢の延長を農林水産省もあるいは系統団体も努力をしていると。その他の方は結構ですが、そこで問題になってくるのは、給与体系がどうなるかということですね。定年が延長になっても、たとえば給与が五十五歳以上になった場合にはアップしない、打ち切りになる、あるいは実質引き下げになる、こういう可能性も団体によっては出てくるわけですね。そういうことになれば、年金の額は退職年数に比例して上がらないということになってくるわけですけれども、この給与体系に対して農林水産省の指導性あるいは考え方はどうですか。
○政府委員(松浦昭君) もちろん、定年制の延長ということがまず前提になってまいるわけでございますが、しかし、給与がこれに伴って、特に高齢化された職員の方々に対してどのように支給されるかということにつきましては、やはり団体自体の自主的な御判断にまたなきゃならないというふうに考えておりますので、さような点につきましては団体側の御意思というものを尊重してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○村沢牧君 そこで、公務員関係やあるいは国が直接雇用する関係においてはこれは政府が考えるとしても、いま経済局長の答弁にもありますように、これは団体のまあ自主性と言ってしまえばそれまでですが、しかしそうかといっても、経済局長、団体に全部任したんだらいいという形では通らないと思うんですよ。そんな無責任なことじゃだめですよ。 全中にお伺いしますが、農業団体のいまの年齢なり給与の状態の中から、給与体系というのは、一体全中としてはどういう考え方を持っているんですか。
○参考人(山内偉生君) 定年年齢が延長しますことで三つ問題が出てまいります。一つは、先生がいま御指摘なさっております給与の関係、それから待遇ですね。それと退職金の問題が出てまいります。これはまあ非常に私ども農業協同組合の経営にとっては大変な問題でございまして、もう一つは労務管理全体の問題になってきます。 賃金に関して申し上げますと、当然年功序列型の現在の賃金体系をどういうふうにしていくかということになろうと思いますが、やはり一定の年齢以上につきましては賃金の上昇ベースを緩やかにしていくような、そういう賃金体系にならざるを得ないのではないかと。で、延長した年齢も従来どおりの年功序列型でまいりますと、相当農業協同組合の経営に圧迫要因となろうと思います。ただ、そこで据え置くと、賃金を据え置いておくというわけにも相まいらないと思いますので、やや緩やかなカーブで賃金の問題を考えていきたいというふうに、現在私ども全中ではそういうふうに県の中央会と御相談をしております。
○村沢牧君 農業団体、農林年金にかかわらず、定年制延長というのは、私どもの党においても民間労働者の定年制を六十歳まで延長しなさいということで法案の提出等も考えているわけですけれども、そこで給与はどうするかということが問題になってくるわけですね。ですから、定年制は延長したけれども給与は一定の年齢で打ち切り——打ち切りというわけではないけれども、とどまって、以後ベースアップはないよということではいろいろなものに影響してきますから、その辺については全中も十分考えられておられることと思いますけれども、今後とも農協に働く皆さんが不利にならないように検討を進めてもらいたいというふうに思うんです。このことは参考人にも御要請を申し上げておきたいと思います。 そこで、農林年金の財源率の再計算は本年の十一月ごろになるというふうに言われておるわけですけれども、現在の財政状況及び今後の年金財政の見通しから、掛金率はどのような傾向になるというように想定されますか。
○参考人(吉田和雄君) まだ本格的な財源率の計算に入っておりませんで、いまの段階は、そういう財源率を決めるいろんな基礎データといいますか、モメントといいますか、そういうものをどういうふうにしていったらいいか。脱退率をどのくらい見るかとか、それから毎年の加入率をどのくらいに見ていくかという基礎の段階をいまやっている最中でございますので、掛金が一体どのくらいになるかということをお尋ねになられましても、なかなかお答えできない段階でございます。 ただ、すでに昭和五十三年末で、これは概算的な試算でございますけれども、すでに掛金率にいたしまして千分の十五ほど不足をいたしておりますので、毎年大体千分の四内外不足してくるということになりますと、かなりの掛金が、掛金としては従来のように千分の二とかそういう程度のものでなくて、二けた台にはどうしても乗らざるを得ないんじゃないかというふうに想像いたしておりますけれども、いまのところ正確なところはまだやっておりませんのでわかっておりません。必要財源率が出ますのは、先生の言われましたように十一月になるというふうに思っています。
○村沢牧君 私は、きょうの段階でもって掛金率がことしの再計算の場合どうなるかという正確な数字を皆さんにお尋ねをしているわけじゃないのですね。大体どのくらいになるかというような見当は、おおよそこのくらいということは皆さんもつかんでいらっしゃると思う。農林省当局もつかんでいるというふうに思いますから、経済局長の方からひとつ御答弁願いたいと思います。
○政府委員(松浦昭君) 今回の財源再計算におきまして掛金がどのようになるかということにつきましては、ただいま吉田理事長からお話ございましたように、まだ正確な数値は出ていないわけでございますけれども、いままでの傾向からどうなるかということでわれわれが推定をいたしてみますると、次のようなことになると思います。 現在の総財源率、これは数理的保険料率と整理資源率の合算額になるわけでございますけれども、四十九年の末を基準にいたしましたときが、これが千分の百七十二・四一だったということは先生の御承知のとおりでございます。ただ、いま吉田理事長からもお話がございましたように、その後五十年度から五十四年度までの組合員の給与の改善あるいは年金受給者の年金額の改善等を見込んで試算をいたしました場合には、五十四年度末における総財源率は、一方におきまして数理的保険料率は若干下がるにしろ、いわゆる整理資源率の方が上がりますので、このため総財源率がおおむね千分の二十程度の数値で増加するんじゃないかというふうに推定されるわけでございます。これはもちろんこの総財源率は、そのほかに国庫補助の問題であるとか、あるいは修正財源率をどの程度見込むかとか、あるいは利差益をどのように見込むとか、そういう問題がございまして、今後そこの中がどうなるかということによって動いてくるわけでございますが、仮にこのような修正の要素というものを一定と置きますか、現在程度というふうに仮定して計算をいたすということにいたしますと、掛金率は大体千分の十を相当上回る、しかし二十まではいかないんじゃないかという程度増額するんじゃないか、増加するんじゃないかというふうに見込んでおります。
○村沢牧君 そこで、いまお話がありました修正率あるいは利差益充当率、これについて伺っておきたいんですが、これをまた今後どういうふうに使うかということも今後の問題だというふうに思いますけれども、しかし、従来の例を見ると、農林年金の修正率は七七・五%、これを用いているわけでありますけれども、他の共済年金は八〇%であるわけです。修正率が高ければ掛金にすぐ反映をしてくる、しかし、余り低くすると後代負担になってくるわけですね。一体この七七・五%という数字はこれは妥当なものであるかどうかということ、その辺の見解。それから、利差益率はどのように考えるかということです。本来、私は利差益率というのは福祉事業なりあるいは年金の運営に回すべきものだというふうに思うんですけれども、これを財政が苦しくなってきてこちらに持ち込むということについても問題点がなきにしもあらずだというふうに思いますけれども、この辺はどういうふうに考えますか。
○政府委員(松浦昭君) 確かに、農林年金の財政方式は従来までは平準保険料方式を採用いたしておりましてやってまいったわけでございますが、前回の再計算のときから、財源率が余りにも大幅に増高いたしましたので、御案内のように修正積立方式をとりまして、必要財源率に七七・五%の修正率を乗ずるということにいたしたわけでございます。しかし、確かに先生御指摘のように、このように修正率を乗じますということは、現在の組合員の負担の急激な増高というものを避ける効果はありますけれども、それだけ将来の組合員の後代負担と申しますか、その負担を大きくしていくわけでございまして、さような面では世代間の公平を欠くという議論が出てまいると思います。私どもといたしましては、このような七七・五というのが正しいかどうかということをお問いになられれば、前回の計算時においてはこれは確かに私どもも妥当だというふうに考えたわけでございますけれども、次期再計算におきましてはこの点は相当慎重に検討してみなきゃいかぬという、相当慎重に検討していかなきゃならぬというふうに考えておる次第でございます。 また、利回りの点でございますけれども、われわれ積立金の運用は五・五%以上の利回りの確保ということで義務づけておるわけでございますが、実際上はこれを上回る、五十三年度におきますと七・五五%という利回りを生じておりまして、いわゆる利差益が生じているわけでございます。前二回の再計算では、当面の掛金率を抑制しますために、この利差益というものを見込みまして掛金率を設定したわけでございますが、これはまことにユニークな制度でございまして、この農林年金だけが実は採用しているという制度でございます。しかしながら、現在のように年金財政の厳しさが高まってまいりまして、将来積立金についても減少に向かうということが懸念される状態のもとにおきましては、やはりこのような措置を続けることが財政の健全性を維持する上で妥当かどうかということは、やはり私ども慎重に検討しなければならない問題であるというふうに考えている次第でございます。
○村沢牧君 大臣にお尋ねしますが、財政再計算によって掛金が若干上がることはやむを得ないといたしましても、大幅に上昇するというようなことは、農林年金あるいは農林団体職員のいろいろな事情の中から避けねばならない、いま局長の答弁では、現在千分の九十八が千分の十は上回るであろう、二十までいかぬだろうというような答弁があったわけですけれども、その数字はやがて十一月ごろはっきりするでありましょうけれども、前回の再計算においては掛金上昇率を千分の二に抑えているんですね。したがって、この掛金率を極力抑えていくということについて、大臣の見解を尋ねたいというように思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) 先ほど先生御指摘のように、掛金率を余り上げない場合には、逆に将来の後世代の負担というものにもつながるわけでございまして、なかなかこの問題については非常に全般的な、この年金財政全般の中で考えていかなきゃならない問題でございまして、極力それは上げない方がいいということはもうもちろんでございますけれども、年金財政の中でこれは考えていかなきゃならない問題でございます。特に来年は財政再計算の年でございますので、財政再計算をいたしますときにどうするかということで、いま局長から答弁いたしましたように、千分の十から千分の二十の範囲で上げざるを得ないんじゃないかというのがいまの状況でございますけれども、その範囲においてもできるだけそれは抑えられれば抑えるようにしていくというのが私は当然かと思っているわけでございます。
○村沢牧君 そこで、掛金の上昇率を低く抑えることができるかどうか、このことは国庫補助金のあり方によってもうんと違ってくるんですよ。私は昨年当委員会で、農林年金に対する国庫補助の増額を、あなたや、それから大蔵省主計官に強く要請したわけなんです。また、当委員会も、国庫補助率を百分の二十以上に引き上げる、さらに財源調整費及び事務費の増額をせよということを附帯決議でもって強く要請しておるんです。 そこで大臣、大臣はこれらの要請や附帯決議を受けて、五十五年度の予算編成の際、いかなる取り組み、いかなる努力をされたのですか。それからもう一点、農林年金に対する国庫補助のあり方をどのように考えていますか。
○国務大臣(武藤嘉文君) ちょうどここの委員会でもそういう御指摘をいただきまして、私ども、最終的には大臣折衝まで持ち込みまして、何とか少しでも国庫負担率を上げるように努力をしたのでございますけれども、結果的には五十四年度と同じ形で国庫負担率も決まり、まあ財源調整費の方も同じく一・八二ということに決まったわけでございまして、そういう面では従来以上にならなかったという点はまことに遺憾に存じておる次第でございますが、まあ正直、最後の大臣折衝までやりまして、やはり横並びというものが常に出てきたわけでございます。何か農林年金だけでこううまくいく仕組みができれば、私は大変将来の問題として非常にやりやすいと思うのでございますけれども、なかなか横並びの議論からまいりますと、片っ方にはまだ百分の十五でございますか、たしか国家公務員の共済だったと思いますけれども、そういう数字も片っ方にあるものでございますから、なかなかその辺が思うようにいかなかったということは事実でございまして、今後ともしかし、国庫負担の割合を少しでも引き上げるようにやはり努力をしなきゃならないと思います。それにはどういう形で財政当局と折衝したらいいのかと、やはりこれからの作戦はひとつ私もよく考えていかなきゃならないという反省をいたしておるわけでございます。
○村沢牧君 まあ大臣も努力をされたでしょうけれども、昨年と何ら変わりながないということは大臣も遺憾だったかもしれませんけれども、私どもはなおさら遺憾ですね。もう少しやっぱり努力をしてください。 そこで、横並び横並びと言うんですけれども、いいことはやっぱりうんと並んでもいいけれども、悪いことまで横並びにすることはないわけですね。厚生年金は二十になっているでしょう。横並びだったら二十にしたっていいし、あるいは国家公務員年金のことについてもお話があったんですが、国家公務員年金の場合には、支給開始年齢を引き上げるとともに事務費等を上げているわけですね。農林年金はちっとも横並びになっていないじゃないか。悪い面ばっかり横並びになって、いいこともやっぱり横並びになっていかなきゃまずいと思うんですがね。その辺どうですか、厚生年金と比べてみて。
○国務大臣(武藤嘉文君) 厚生年金は、御承知のように、支給開始年齢が遅いわけでございまして、そういう点は、やはりもし支給開始年齢が同じであれば、相当私は変わってくるのではなかろうかと思うのでございます。 また、国家公務員共済も、確かにあれ少し改善がなされたと思いますが、一%引き上げになりましたが、これはまだまだしかしいまの農林年金と比べれば低いわけでございまして、そういう点では私ども、決して他と比較して農林年金が一番悪いということではないと思っておるわけでございます。しかし、先ほど申し上げますように、農林年金は農林年金として、一つの独自の考え方で何かいい工夫はないか、これから検討していかなきゃならないと、こう考えておるわけでございます。
○村沢牧君 国の財政がこういう情勢でありますから、大変厳しい問題もあるというふうに思いますが、いま大臣が言われたように、実際この掛金が低くおさまるような形で何か工夫はないかというようなことを、ぜひ前向きにひとつ検討してください。 そこで、昨年、支給開始年齢を引き上げる際に、これは農林年金の財政の健全化を図るためにもやらなきゃいけないという趣旨もあったわけですけれども、財政再計算に当たって、支給開始年齢を引き上げたことによってどのような影響なりあるいは財政に効果を及ぼしてくるんですか。
○政府委員(松浦昭君) 支給開始年齢の引き上げは、年金財政の健全化という一面も持つということを申し上げたわけでございますが、これは財源率の影響を計算いたしますと、大体推定で給与額の千分の十五程度引き下げになるということになると思います。 ただ、そう申し上げますと、先ほど私が、千分の十から千分の二十の掛金率が引き上げになるということで、ちょうどこれで相殺するんじゃないかというふうにお思いになるかもしれませんが、実はそれに加えて申し上げざるを得ないことがございます。と申しますのは、退職一時金の制度をこの間やめたわけでございます。この退職一時金の制度をやめにいたしました理由は、もう昨今はいろいろな年金に加入するということになりまして、退職一時金をもらっておやめになりました場合にも、さらにほかの年金に継続して加入する、いわゆる通算年金という制度がございますので、もはやこの退職一時金は必要ないというふうに考えてやめたわけでございますが、そのときの退職一時金の制度は、通算退職年金をもらうために一定の財源を留保していたということは先生御承知のとおりでございます。この一時金をやめることによりまして、当然、そのために積み立てられた分、積み立てていかなきゃならぬ分、つまり控除しなきゃならぬ分というのが約千分の二三ぐらい手元に入ってくるというかっこうになりますけれども、千分の二十三程度年金財政に寄与するというかっこうになりますが、逆に今度は、退職一時金がなくなりますがゆえに、通算職年金側で、今度は掛金の方から積み立てをしなきゃいかぬというかっこうになるわけでございます。この積み立ての方の比率が実は千分の三十から三十一ぐらいじゃないかと私ども思っておりますので、二十三と三十ないし三十一ということで比較をいたしますと、大体千分の八ぐらいが実は先ほどの支給年齢を引き上げたことに伴う引き下げ、つまり千分の十五に対しましてマイナスの要因で働いていくというかっこうになりまして、結局総体といたしまして、この財源率への影響が大体千分の八ぐらいかなという考えになっておる次第でございます。
○村沢牧君 掛金の負担割合について伺っておきますが、掛金の負担割合は労使が折半をするという、こういう規定であるわけですけれども、これは職員、つまり労働者に掛金を二分の一以上負担をさしてはいけないよというのが強行規定である、しかし、二分の一以下にするということ、たとえば使用者が六で労働者が四、あるいは使用者が七で労働者が三、このことは強行規定ではない、任意規定であって、労使の交渉によって決まるべきものだ。このことは従来も行政当局においては認めてきたところであるけれども、この際改めて確認をしておきたいと思います。
○政府委員(松浦昭君) 掛金率につきましては、現行法上、組合員、団体の折半となっておりますが、組合員たる農協の職員等が二分の一を下回る負担であるからと申しまして、法律上違反であるということはないというふうに解しております。現に、事業主側において五〇%を超える負担を行っておる事例も見られるところでございます。
○村沢牧君 そこで、また山内参考人にお聞きしますが、いま経済局長答弁にありましたように、掛金率の負担割合については労使の交渉によって決まるべきものだと、また、必ずしも二分の一でなくても法律違反ではない、こういう答弁もあったわけであります。そこで心配になりますことは、今後掛金率が高くなることによって団体の負担が多くなる、そのことを理由に、いままでたとえば七、三であったものを、あるいは六、四であったものを折半にしよう、こんなことがあってはいけないというふうに思うんですが、そういうようなことがないようにひとつ考えてもらいたい、指導してもらいたい。 もう一つ、私は冒頭、振興会の問題について質問したんですけれども、なかなか歯切れの悪い答弁ですけれども、この振興会は、私の承知しておる限りにおいては加盟する団体が千分の二を会費なりあるいはまた出資として出すということになっておる。団体の負担が多くなるわけですね。そうしてまいりますと、団体がこれだけ出すんだから掛金はやっぱり法律どおりやりますよということであってはいけないと思うんですね。そのようなことがあってはならないというように思いますが、全中の指導性についてこの際ただしておきたい。
○参考人(山内偉生君) 農林年金の掛金は法律で折半になっておりますので、大多数の団体は折半でやっておると思います。それから、いま経済局長が言われたように、一部には経営者負担を多くしておるところもあるというふうに私どもも聞いております。それから、先生の御指摘のありましたように、掛金率が仮に財源再計算期を迎えて上がるといたしますと、やはり農協で働いている人たちに相当負担をまたかけるということになります。恐らく経営者としては、余り職員に負担をかけたくないというのが経営者の気持ちだろうと思いますので、先生が御心配になったような方向には行かないと私は確信をしております。また、そういうふうなことになることのないように、全中としても適切な指導をいたしていくのがやはり責務であろうと思っております。
○村沢牧君 せっかく労使の交渉によって取り決めをしたもの、あるいは今後また交渉によって取り決めをするかもしれませんが、こうしたことが、団体が負担が大きくなることによって組合員である職員に負担が重くなることのないように、ぜひひとつ全中としての指導性を発揮してください。 それから、先ほど来お話があります福祉事業ですね、これについてお伺いいたしますが、農林年金は福祉事業を行っておりますけれども、たとえば貸付事業でもあるいは宿泊事業にしても、他の共済年金と比較して利用度が劣っておる、組合員のニーズに合っていない、こういう面がたくさんあるように思うんです。また、福祉事業の財源は年金の積立金からの借り入れに頼っているために、積立金のどのぐらいの率を福祉事業に回せばよいかという問題も出てくるわけです。 そこで、農林水産省は、この福祉事業に対してどのように判断をして、あるいは改善を求めた方がいいというふうにお考えになっているわけですか。
○政府委員(松浦昭君) 福祉事業の内容については先生よく御承知でございますので、もはや申し上げる必要はないと思いますが、この事業につきましては、やはり資金需要の動向なり年金の財政事情等を配慮しながら、できるだけ組合員の御要望にも応じていくということが重要であるというふうに考えておるわけでございますけれども、やはり先生御指摘のように、その財源を将来の給付に備えるために積み立てているという、その積立金にまさにこの事業は依存しているわけでございますので、年金財政にも非常にかかわりが多いわけでございます。したがいまして、やはりこの福祉事業の運用に当たっては、長期的視野に立ちました資金計画に基づいて行う必要があるというふうに考えますし、また、この面から、今後年金の福祉事業につきましては両方の要望のいわゆるバランスのとれたかっこうというものが重要でございまして、特に年金財政全体の展望の中で考えていく必要があるというふうに考えている次第でございます。
○村沢牧君 吉田参考人にお伺いしますが、吉田理事長は冒頭の答弁の中で、農林年金として福祉事業をさらに検討していかなければいけないという答弁があったわけでありますけれども、農林年金当局も福祉事業の全面的見直しを行うようにいま検討しておるというふうに聞いているわけですけれども、福祉事業の現状とその課題、そしてそれをどのように見直しをしていこうとされるんですか。
○参考人(吉田和雄君) 福祉事業につきましては、一昨年の秋に見直しを指示したわけであります。 なぜやったかと申しますと、一つは、福祉事業を始めた当時よりも時代が変化、特に組合員のニーズが非常に変化をしてきておる。たとえば、貸付事業にいたしましても、インフレでだんだん物価等が上がってまいりますので、住宅にいたしましても、あるいは教育費といいますか、育英事業にいたしましても、やはりその上がったものに相応していかなければならぬということがございますし、また宿泊事業にいたしましても、全体の傾向として温泉保養所的なものがだんだん需要が少なくなりまして、大都市のビジネスホテルは需要が非常に強いというようなニーズの変化が実はあるわけであります。そういうニーズの変化に従来ほとんど対応しておりませんので、このニーズの変化に対応するようなことをやっていこうではないかということが第一でございます。 それから第二には、福祉事業は、先ほど経済局長からお答え申し上げましたように、積立金からの貸し付けで成立をいたしております。したがいまして、この貸し付けの限度というのが二〇%ということになっておりますけれども、現在が一三%程度でありますが、野方図にどんどん貸し付けていきますと、貸付残高が雪だるま式にふくらみまして、間もなく限界に達してしまう。そういたしますと、それから後の人は前の人よりも均てん度が薄くなるというようなことが当然出てまいります。また財政的に見ましても、福祉事業が本来の任務である給付事業を圧迫するというようなことも出てまいりまして、組織の中でもいまでも、福祉事業は二次事業だからやめたらどうかという声がかなり強いわけでございまして、やはりわれわれとしては、本来の任務の給付事業に支障を来さない範囲で福祉事業を永続さしていかにゃならぬという気持ちでございますので、そういうニーズの変化への対応と財政的な配慮という両面から考えまして、全面的に見直しをいたしたいということを、現在も、実は三月の組合会で承認を得まして、本年度から実施する考えでございます。
○村沢牧君 私は、時間がありませんから、この福祉事業の内容について細かくは質問してまいりません。しかし、この貸付事業なんかを見ますと、農林年金の加入団体が幾つもあるわけですけれども、その中で農協の組合員の利用度が他の団体に比べて低いということですね。これは現実が物語っているわけですけれども、これらの現象はどうしてそういうことになるのか。農協の職員が給料がよくて借りなくてもいいということになるのか。決してそんなことじゃないと思うんですが、山内参考人はこの問題について、制度そのものに問題があるのか、あるいはまたほかの原因があるのか、どのようにお考えになりますか。
○参考人(山内偉生君) 私ども総合農協の系統では、農協個々で福利厚生事業をやっておりまして、住宅貸し付け等も農協が独自に自己資金でやっておるケースもございますし、利子補給等も行って住宅資金の融通の道を開いておるというようなこともございまして、恐らくそういうことが影響しているのではないかと思います。
○村沢牧君 吉田参考人、いま農協からも答弁があったように、農協独自でやっておる方が農林年金よりもいいんだと、制度上ね。ですから、利用度も少ないということになっておるというふうにも感ぜられますけれども、そこらもひとつ参考にして、皆さん申すまでもなく御承知のことだというふうに思いますけれども、やっぱりこの内容を改善しなきゃいけない。 それから、私は指摘をしておきますけれども、たとえば宿泊事業の話があったわけでありますけれども、この宿泊施設を利用するについて、きわめて施設ごとにアンバランスがある。しかも組合員の利用率が少ないということですね。これらもやっぱり何か制度上問題があるのではないかというように思うんですが、せっかく皆さん方が見直し作業を進めておるということでありますから、それ以上申し上げませんが、十分ニーズに合ったような福祉事業を進めてもらいたいというように思うんです。 そこで、先ほど来この年金財政と福祉事業との関連についての答弁もあったわけでありますけれども、積立金の運用を、低利の福祉事業に回すよりも高率の資金運用に回した方がいいんではないかというような、財政上の面からだけ考えればそういうことも耳に入ってくるんですよ。しかし、こういう考え方から福祉事業を見直していくという、そういうところには問題があると思うんですね。やっぱり福祉事業を本当に組合員のニーズにこたえるような改善をするとともに、それから財政運用も福祉事業を通じて組合員のための直接恩恵もあるんだというふうに財政的な考え方をすべきではないかというふうに思うんですが、どうでしょうか。
○参考人(吉田和雄君) 私どもは福祉事業というのは、やはり特に若い組合員にとっては相互扶助のきずなを強めるために、任意事業といえども必要な事業というふうな前提で考えております。ただ、その福祉に回すお金をどのくらいにするかというのは実は程度問題でございまして、先ほど申しましたように、限度は積立金の二〇%でございますが、現在は一三%。で、一三%を金額に換算いたしますと、一三%というものからこれは五分五厘で貸すわけでございますが、それと平常利回りとの差額が大体十三億円でございまして、掛金率に換算いたしますと、ちょうど千分の一・三くらいになるわけでございます。ところが、これがどんどんふえまして二〇%になるということになりますと、私の予測では必ず組合員なり組織の中から、少数の人のためにわれわれまでがそんな金を出す必要ないじゃないかという、そういう声が出てまいりまして、福祉事業自体が非常にやりにくくなるようなことになると思います。ですから、できるだけ二〇%に近づけないように、資金の回転をもっと速くいたしまして近づけないようにいたしたいというふうに私は考えております。
○村沢牧君 時間がぼつぼつ参りますから、次に一、二問質問して終わりますけれども、組合員の資格に関連して、育児休暇について伺っておきます。 近年、労働条件の改善によって、他の共済制度にあってはこの育児休暇ということが大変考慮されるようになってきたわけです。たとえば国家公務員共済を見れば、休職を発令された者は無給であっても組合員資格を継続している、この期間が大体一年ぐらいだというように思いますけれども。私学共済にあっては、育児休業法に基づいて組合員資格を継続していく。それから電電公社共済にあっては、休職を発令をされた者は、復職を前提に組合員期間を継続している。これは三年認めておるということですね。しかし、農林年金の場合は、これに比べて育児休暇の日時が非常に短いというふうに言われておるわけですね。現実そういう問題が出ているんです。組合員資格とこの育児休暇との関係はどのように現実はなっていますか。
○政府委員(松浦昭君) 法令の上の面での措置を申し上げますと、農林年金の組合員が育児休業等によりまして長期間休業した場合には、農林年金の組合員期間の取り扱いにつきまして、農林年金法第十四条第二項の規定によりまして、組合員が勤務する農林漁業団体の就業規則等において、休職の取り扱いを受ける者について、給与の支給がなくても休業前の給与を受けているものとみなして、掛金を納付することにより組合員期間を継続するということになっております。 それからお尋ねは、恐らくたとえば構成——組合の……
○村沢牧君 質問がわからないようなら申し上げますが、その期間はどのくらい認めているんですか、育児休暇の期間を。
○政府委員(松浦昭君) この実情はよく私ども把握しておりませんが、組合によりましていろいろと違った期間が決められているんじゃないかというふうに考えております。
○村沢牧君 把握していないと言ったって、規定によってやっているんでしょう。あなたたちが知らなくて、幾らでもじゃ認めているんですか。
○説明員(三井嗣郎君) ただいまの件につきましては、農協の就業規則によって定めるところでございますけれども、この実情につきましてはいろいろな状況があるように漏れ聞いております。大変申しわけございませんが、その具体的な実情のつまびらかなところは私ども現在のところ承知をいたしていないところでございます。
○村沢牧君 確認をしますが、就業規則で仮に育児休暇を三年認めますという就業規則をつくったらば、その就業規則を認めて組合員期間は継続しますか。
○説明員(三井嗣郎君) ただいまのお尋ねにつきましては、たとえば電電公社などにおきましては相当長期のものを認めているということがあるように聞いております。しかしながら、これはたとえばその公社の場合でございますと、電話交換手など特殊技術というようなこともございまして、その長期の育児休暇を認めてまで雇用を継続したいというような状況もあるやに考えておるところでございまして、農協におきましてそのような形のことを認めるかどうか、これはそれぞれの実態によるところでございます。ただ、行政的にそういうものを決して許してはならないというようなふうに私ども農林行政の立場から申し上げる立場にはございませんので、それぞれの組合の実情によりまして判断されていく問題ではないかと考えております。
○村沢牧君 その答弁、きわめて抽象的なことでありますけれども、育児休暇を法律によってあるいは労使の交渉によって従来よりも長い期間認めるようになったと、これは時代の趨勢ですね。他の共済においては、先ほど申し上げたように育児休暇をかなりの期間認めておる。私の聞いておる範囲では、育児休暇は、農林年金においてはせいぜい認めて半年だということを聞いておるんですよ。団体の中では、労使の交渉によって、たとえばこの人が必要だと、農協にとって。そういう人があるわけですよ。だから、育児のために休暇を二年間認める、そういうことも話をしているんです。ただし、農林年金は継続しませんよということなんです。育児休暇は、組合は認めるけれども農林年金は切れちゃうと。こういうふうになってはならないというふうに思うんですけれども、具体的な問題を提起いたしましたから、これについて答弁があったら答弁してもらうし、なかったらひとつ検討してください。
○政府委員(松浦昭君) 私ども、まだこの就業規則の内容につきまして十分な実態調査をいたしておらないということは事実でございますが、ひとつ私どももこの実態をまず調査いたしてみまして、その結果私ども指導すべき事態がありますれば、労働行政の方とも連絡をとりまして、これにつきましての指導方針を立てて末端を指導してまいりたいというふうに考えます。
○村沢牧君 時間が参りましたから、一点だけ再答弁を求めますけれども、就業規則、就業規則というお話があったんですけれども、就業規則で定めた育児休暇の期間は農林年金は継続していく、そのように確認してよろしいですね。
○政府委員(松浦昭君) 就業規則におきまして決められた期間は、当然、農林年金は掛金を納付することによりまして継続するという形になります。
○原田立君 吉田参考人に前もって御通知申し上げておりませんでしたんですが、若干質問させてもらいたいと思います。よろしくお願いします。 実は、三月二十七日の日本農業新聞、この中で、「厚生年金と比べて掛け金はどうか。」という質問に対して理事長は、「厚生年金よりも給付、福祉が良いので、掛け金が高くなるのは仕方がない。」と、このような御答弁をなさっておられるんですですけれども、そういうふうに御承知ですか。
○参考人(吉田和雄君) そのとおりでございまして、モデルをとってやってみますと、両方とも三十五年にして、同じ条件でモデルを給与も同じということにしてやってみますと、大体厚生年金より一四%程度給付が高い水準にございます。したがいまして、掛金の方も若干高くなるのはやむを得ないというふうに考えております。
○原田立君 ちょっと認識が違うんじゃないかと思ってお聞きしているんですけれどもね。 たとえば、退職老齢年金すなわち退職年金でありますが、この厚生年金保険で五十二年では九十一万三千六百三十四円、農林漁業団体職員共済組合では八十六万二千二百四十五円、少ないと私は認識しているんですけれども、いかがですか。
○参考人(吉田和雄君) それは結局、農林漁業団体に奉職する役職員の給与水準が他の産業よりも低いところから主な原因は出てきておりますので、同じ条件にいたしますと先ほど申しましたようなことになります。
○原田立君 最後の方がよくわからなかったのですけれども、また、「今後の財政見通しは。」という問いに対してあなたは、「ありえない話だが、仮に掛け金が現行の千分の九十八のままだとすると、掛け金収入と給付は五年で、全体の収入とは十年先には逆転し、財政がパンクする。」と、こういうふうなことを仰せになっているということでありますが、何かこうお聞きしていると、あなたの考えの中で掛金率の引き上げはもうあたりまえなんだというようなことを言われているように私強く感じるんですけれども、そういう基本的なお考えですか。
○参考人(吉田和雄君) いま先生の言われた数字は試算をしてみた結果でございまして、たとえばベースアップを五%程度にした場合とかあるいは七%程度にした場合とか、いろいろな場合を想定して試算をいたしまして、ひっくるめて申しますと大体五年で掛金と給付の関係が逆転いたしまして、十年で総収入と総支出の関係が逆転をいたします。それからそれ以降は、結局積立金を食わざるを得ないということが出てまいるわけでございます。したがいまして、先ほども申しましたけれども、いろいろ政府の補助金だとかあるいは積立金の利回りをもっと高くするとか、いろいろな方法がございます。ございますけれども、そういう方法を尽くして後、やはり一番掛金が大体六三%ぐらいを財源の中で占めておりますので、やっぱり究極的には掛金を上げなければ財政はもっていかないということをそこで言っておるわけでございます。
○原田立君 いま、理事長あなたもくしくも言われたように、いろいろ努力してみて、そしてなおかつどうしても上げなければいけないというならば、これはもうやむを得ないと思うんですよ。だけど、そこいら辺の努力を怠ってただ安易な掛金率の引き上げということについては、これはちょっと問題があると思うんです。そういうふうなことはなさらないだろうとは思いますけれども、再度お伺いしたい。
○参考人(吉田和雄君) 実は、三年前から今日あるを予期して、いろいろとそういう掛金以外の財政健全化の努力をずっと今日までやってきておる次第でございまして、先ほど申しましたように、なし得るあらゆる努力をやりましてしかる後にどうしても残るものとしては掛金を上げざるを得ないというふうな段取りに持っていきたいというふうに考えております。
○原田立君 ちょっとひっかかりますね。そういう段取りでいきたいなんて、何かもう上げることを既定事実のようなことを言われるように思うんですが、局長、ここいら辺のところの取り扱いは、あなたどうなさるのですか。
○政府委員(松浦昭君) 財政再計算の状況は、ただいま吉田理事長からもお話がございましたように、目下進行中の状態でございまして、たまたまそういう現在の進行中の状況を前提にして推計をいたせば、これは先ほど私も御答弁いたしましたように、ほかの諸要素が一定と仮定いたしますと、掛金率は千分の十は超え、千分の二十までには至らない程度には上げざるを得ないというふうに見ておるわけでございますが、その場合に、たとえば後世代の負担をどう持っていくかとか、あるいは先ほど大臣からも御答弁ございましたけれども、今後の国庫負担、それについてどのような工夫ができるかとか、あるいはさらに利差益というものをどう見込むかといったことが種々もろもろの要素がございますので、その状況を十分勘案した上で最終的な掛金率の決定というところに至りたいというふうに考えている次第でございます。
○原田立君 まあ急な質問だったもので、一番最後に実は質問したかった問題を一番先にやってしまったということです。大変ありがとうございました。 昭和五十五年二月十二日に、農林漁業団体職員共済組合年金の法律等の一部改正に関する答申が社会保障制度審議会から意見として出されておりますが、答申に至る経過及びその内容は何なのか、具体的にお示し願いたい。
○政府委員(松浦昭君) 今回御審議をいただいております改正法案につきましての社会保障制度審議会への諮問は今年の一月三十日に行いまして、二月十二日に御答申をいただいておるわけでございます。答申が行われるまでの制度審自体での御審議の経緯につきましては、諮問を行った政府側といたしましては十分承知しておらないわけでございますが、答申自身はこれは私もいただいておりますので、その内容を申し上げます。 今回の諮問、年金額の改定等は、 今回の諮問は、恩給の措置にならう趣旨のものであり、従来の慣例からすればやむを得まいが、近年恩給は著しく社会保障的性格を強めてきており、この観点からすれば、生活保障に属する部分については、厚生年金との関係を考慮する必要がある。 なお、年金支給開始年齢引上げの経過措置が長きに失することについては、昨年の本審議会の答申で述べたところであるが、国家公務員の六〇歳定年制が近く定められることにかんがみ、これに併せて経過年数を短縮することは、厚生年金との均衡からも当然というべきである。 という御答申でございました。
○原田立君 これは三点に要約されると思うのでありますが、「従来の慣例からすればやむを得まい」、これが一つですね。それから、「近年恩給は著しく社会保障的性格を強めてきており」、これが二つ。それから、「年金支給開始年齢引上げ」、この三つに示されると思うのでありますが、特にこの年金支給の開始年齢明き上げに関する経過措置についてはどう対応するつもりですか。
○政府委員(松浦昭君) 先生御指摘のいわゆる支給開始年齢の引き上げの措置につきましては、やはり定年制等の雇用の動向を考えなければなりませんし、特に受給者の方々が、また、現在掛金を掛けている組合員の方々が、生活設計の面で急激な変化が生じないようにするという観点から、この支給開始年齢の引き上げ措置につきましては、相当の経過期間、御審議いただきましたように、一歳引き上げるために三年間を要するということで実は実施をすることにいたしたわけでございます。 御答申は、この経過期間を短縮することにつきましておっしゃっておられるわけでございますが、私どもといたしましては、支給開始年齢の引き上げ自体が先般行われたばかりであるということが一つございますし、また定年年齢は農業団体においても漸次引き上げられていくということでございまして、個々の団体の中には、経営の置かれた条件ということから、これを早期に引き上げていくということはなかなか困難なところもあるというふうに予想される事情もございます。このようなことから、御答申のように、短縮ということにつきましては慎重な配慮と検討を要するところでございまして、現時点では経過期間の短縮は考えておりません。
○原田立君 この「経過措置が長きに失することについては」云々とこういうふうに、この経過措置をいま政府では二十年間というふうに考えておるようだが、これは非常に長いのじゃないか、こう言っておるわけです。これについてはどうですか。
○政府委員(松浦昭君) 先ほども御答弁申し上げましたように、このような経過期間を設けたのは、それはそれなりの理由がございまして、やはり定年制等の雇用の動向が今後どうなっていくかということも頭に置きましたし、また一方で、組合員の方々の生活設計の面で急激な変化が起こってもいけないということで二十年間ということを考えた次第でございまして、私どもといたしましては、御提案の際に申し上げましたように、この点については現在も妥当なものであるというふうに考えておる次第でございます。
○原田立君 年金の支給開始年齢が段階的に引き上げられるということになっておりますが、この支給年齢の引き上げに関連して、定年制の延長あるいは雇用条件の安定、改善に対して適切な措置が必要だと、こう思うわけでありますが、これについてはどうですか。
○政府委員(松浦昭君) 先生の御指摘の点は、通常国会の冒頭におきまして前の法案を御審議いただきました際、当委員会においても非常に重要な点として御指摘をいただき、また附帯決議の中にも入っている事項でございまして、この点につきましては、それを受けまして、五十五年の三月十七日でございますが、農林経済局長通達を発しまして、全国農協中央会に、都道府県及び団体に対しまして定年制の受けとめ方につきましての指導方針を流した次第でございます。これを受けまして、全国農協中央会におきましては、都道府県の農協中央会及び全国農協中央会の会員である全国段階の農協連合会に対しまして、この趣旨を踏まえました定年年齢の延長等につきましての指導をいたしておる次第でございまして、現在、この趣旨は各団体に逐次徹底普及を図っている、そういう状況でございます。
○原田立君 「雇用関係の見直し・改善の一環として、定年年令の延長についても適切な指導を行うこととされたい」、あるいはまた、「職員の労働問題については、労働時間管理、定年年令の男女間格差等の面で適正を欠くものが見られるので、経営基盤の充実、給与体系の改善等所要の条件整備を図ること」、あるいは「男女別定年制等については」「雇用関係の適正を欠くものとしてその是正を図る必要がある」と、こういうふうに大体大事な要点として三点あると思うんでありますが、これらについて、ただ通達だけで順次浸透するとは私は思わない。もう少し掘り下げたところでその見解をお伺いしたいと思います。
○政府委員(松浦昭君) もちろん私どもも、一片の通達をもちましてこの趣旨が十分徹底するかどうかということは問題があることはよく存じておりますが、何分にもこの通達を受けまして、各団体がこのような労働時間の管理なり、あるいは定年の実施なり、あるいは給与体系の問題なり、男女別格差なりというものを、具体的な就業規則なり労働協約で決めていただくということが重要でございまして、この分はむしろ各団体の自主性を尊重しなきゃならぬと考えております。つまり、この通達を受けましての自主的な団体の動きというものが重要になるわけでございまして、この点につきましては、今後この趣旨の徹底というものがどの程度まで図られていくかということを十分こちらの方でも調査をいたしまして、それに応じ、また今後とも指導をしていきたいというふうに考えている次第でございます。
○原田立君 答弁があったかどうか、私聞き漏らしたかしらぬけれども、この通達を出したのが三月十七日だから、ついこの間だから、まだ全国的な状態で恐らく集約されていないだろうと思うけれども、あらあらのところで、こういう問題が十分検討されているという把握度はどうですか。
○政府委員(松浦昭君) 私ども、都道府県の段階にはかなりこの通達は浸透したというふうに考えておりますが、そこから下にどう流れるかというところがこれからのところでございまして、むしろいま、下部団体に対しまして逐次県の中央会等が指導の徹底を図っているという段階でございまして、私ども、そこまでの状況でどうなっているかということはまだ把握しておらない状況でございます。
○原田立君 都道府県段階はいいと。じゃ、その下の単協の問題、そこら辺が実際は問題ですよね。まだ把握されていないということで、これはやむを得ないと思いますけれども、そこら辺がやっぱり実際一番大事な問題だと思うのでありますが、じゃ都道府県段階でのつまり認識の度合い、経済局長名で通達を出したこの趣旨は十分尊重して、こういう方向で行うということに大体なっているんですか。
○政府委員(松浦昭君) 全国の農協中央会が下部会員に流した指示の状況は私どもつかんでおるわけでございますが、それを受けまして都道府県の段階でさらに下に流した状況についてはまだしっかりとつかんでおらないわけでございますけれども、私どもは私どもの趣旨というものは下に徹底していくというふうに期待をいたしておりますし、またそのようにいくというふうに考えておる次第でございます。
○原田立君 いや、私が聞いているのは、まだ下部の徹底はできないでしょうと、だけれども、都道府県段階ではあなたの出した通達はもう十分了解して、それはもうその趣旨徹底を図っているのか、それとも、いやそうじゃないというふうなところがあるのか、そこら辺はどうですかと聞いているんです。
○政府委員(松浦昭君) 私どもの考えておりました趣旨におきましては、それを了解いたしまして都道府県は下に流しているというふうに考えております。
○原田立君 財源率の再計算を待たずとも、財政は非常に厳しい状況下にあることは事実であります。だからといって、安易に組合員に対する急激な負担増を強いては断じてならないと思うのであります。これについての見解をまず一つ。 また、農林年金等共済組合制度全体の立場から、共済制度において共通する基本事項については一元的に調査検討するなり審議を行う専門機関を設置するよう努めるべきであろうと思うのでありますが、二つの点についてお答え願います。
○政府委員(松浦昭君) まず第一の点でございますが、今回財源の再計算を行いますに当たりまして、やはりいままでの給付の改善の実態等を反映いたしまして、やはり財源率がどうしても上がらざるを得ない。これに対しまして、仮にこれを引き下げる方向に向かいますところの諸要素、たとえば後世代にどの程度まで負担を転嫁していくか、あるいは国庫の負担をどうするかといったようなことを仮に一定として考えてまいりますと、先ほども御答弁申し上げましたように、その掛金率は、現在の千分の九十八に対しまして大体千分の十をかなり超え、二十までには至らない程度は増高せざるを得ないというふうに推定できるわけでございます。しかしながら、これはあくまでもこのような控除の状態を一定としたことから出てくるわけでございまして、われわれとしましては、今後、先ほども大臣から御答弁申し上げましたように、後代の負担をどうするか、あるいは利差益をどうするか、さらには国庫負担の問題をどのように工夫していくかといったようなことにつきまして種々検討を加えまして今後の掛金率の決定をしていかなきゃならぬというふうに考えておりまして、決して安易に掛金率を上げるということのみを考えているわけではございませんが、ただ、国庫負担につきましては、何分にも横並びの問題がございまして、これは非常にむずかしい問題があると思います。その中でいかに工夫ができるかということが今後の私どもの課題であると考えておりますし、また同時に、最終的には、やはりいろいろな工夫をこらしましてもなおかつ掛金率を引き上げるという事態があり得るというふうに考えておるわけでございます。 いま一つの、共済制度の一元的な検討機関を設けるべきであるという御質問でございますが、確かに年金制度につきましては、高齢化社会への移行なりあるいは年金の成熟度等が進展する中で、制度のあり方そのもの、また、財政基盤そのものというものをどうしても検討しなきゃならぬという時期に来ていると思います。このために、共済年金を所管いたしております各省間で協調して共済年金制度の今後のあり方を検討するための研究会、これを五十五年度から発足するということにいたしております。ここで、学識経験者等によりまして大体十人ぐらいの程度の方々にお集まり願いましてこの研究会を発足いたしたいというふうに各省共通で考えているところでございますが、この研究会で、共済年金制度の職域年金制的な性格にも配慮しながら、総合的な視野に立ちまして、共済年金制度のあり方、他の公的年金制度との相互の関連、その間の調整問題等につき御検討願うことが好ましいんじゃないかというふうに考えておる次第でございます。
○原田立君 これは大臣に聞くところなんだけれども、当委員会で決める附帯決議は、大臣は必ず尊重いたしますというふうに答弁するんだけれども、局長もちゃんと尊重するお考えはおありなんでしょうな。
○政府委員(松浦昭君) これは大臣もおられますれば同じお答えをなさると思いますが、私局長といたしましても、また農林水産省全体といたしまして、当委員会で御決定になりました附帯決議は、これに対しましてこれを尊重し、善処していくということは当然のことでございます。
○原田立君 それで、五十四年十二月二十一日、当委員会で決めた附帯決議の中に、第八項目に、「共通する基本的事項について一元的に調査審議する機関を設置するよう検討すること」と、あるいはまた第六項目には、「組合員負担の急激な増加をきたさないよう努めること」と、こうあるわけです。で、いろいろお答えになっている、まあ何とか多少進んでいるなというような感じはするんだけれども、非常にまだ物足りない感じがするわけなんです。ひとつ附帯決議等を十分尊重して、しっかりとやってもらいたいと思います。 毎回の本委員会における附帯決議がなされておりますが、高齢化社会への本格的移行、年金財政の健全化への対応がますます重要となってまいります。これらの点を踏まえてこのただいま申し上げた去年の十二月二十一日の附帯決議が決められ、八項目にわたってずっと問題があるわけでありますが、具体的にどんなふうな検討状況になっているか。六番目と八番目はいまお聞きしましたから、他のところについて、余り時間がないから簡単に御答弁願いたい。
○政府委員(松浦昭君) まず一番最初に、できなかったところから申し上げなきゃならないことが非常に残念でございますが、財政の健全性を確立するために国庫補助率を引き上げよという附帯決議でございますが、五十五年度予算の編成の際、大臣折衝までやりましてできるだけ努力をいたした次第でございますが、残念ながら国庫補助率の引き上げはできなかった次第でございます。ただ、いわゆる財源調整費の補助につきましては、一・八二という前年の状態は踏襲をいたしております。 それから第二に、退職年金の支給開始年齢の引き上げに伴いまして、今後定年の延長、給与水準の改善、その他雇用条件の改善につきまして適切な指導を行うようにということでございますが、これは先ほどお答えをいたしましたように、五十五年三月十七日付で局長名をもちまして通達を流して、目下その趣旨徹底に努めておるところでございます。 第三点といたしましては、受給者の年金給付の実情を勘案して、最底保障額の引き上げを図るとともに、特に旧法年金の給付改善につきまして、最低保障額につき新法水準を考慮する等、新法年金との格差の是正に努めることというのがございますが、この点につきましては、今回最低保障額の引き上げにつきまして、退職年金の六十五歳以上の者は五十五年四月分から六十四万七千円が六十七万一千六百円、さらに六月分から七十万円ということで、八・二%の引き上げを行うことといたしております。 さらに、遺族年金の中でも特に生計に配慮をしなければならない寡婦の方々につきましては、加算額二倍から二・五倍という引き上げを実現したくお諮りをいたしている次第でございます。 それから第三は、遺族の生活保障を高める立場に立ちまして遺族年金の支給率の引き上げを図るようにということでございますが、この点につきましては、支給率の引き上げということではございませんですが、遺族年金旧法の対象者につきましては、最低保障額の引き上げと、それから寡婦加算額の大幅引き上げを図っておるところでございます。 五につきましては、「既裁定年金について、公務員給与の上昇に対応した年金自動スライド制による改定を行うよう検討すること。」ということでございますが、この点につきましては、今回も既裁定年金につきまして、国家公務員給与の上昇に応じた引き上げをお願いしているわけでございますけれども、年金自動スライド制ということにつきましては、今後研究会が設けられますということを申し上げましたとおりでございまして、ここでこの問題は諮ってまいりたいというふうに考えております。 六につきましては、「財政再計算の結果による不足財源の処理に当たつては、」十分後代負担とか、それからその他を考えて、今後「急激な増加をきたさないよう努めること。」ということでございますが、これはこれからの問題でございますということで、先ほどその考え方を申し上げた次第でございます。 それから七の、「本制度の成熟化の進展に対処し、長期的観点に立ち、年金給付の改善と財政の安定等についての研究・検討を進める」ようにということでございましたが、これは五十四年度から、農林年金の財政を中心といたしまして、実は農林水産省経済局長の委嘱によりまして、学識経験者をもって構成する研究会、これを農林水産省の中でやっておるわけでございます。第二回目を一月の二十三日に開いておりまして、これは逐次このようなことで研究いたしまして、今後特に財政の問題が問題でございますので、その点を詰めてまいりたいというふうに考えております。 また、組合員等に対する徹底につきましては、農林年金の予算の中に連絡協議会の予算を持っておりまして、この予算によりまして下部へのいろいろな協議体制をつくり、組合員の理解を図っていくということを考えてまいりたいと思っております。 それから八点目は、「農林年金制度等共済組合制度において共通する基本的事項について一元的に調査審議する機関を設置するよう検討すること。」ということでございますが、この点につきましては、先ほど触れましたように、研究会を五十五年度に発足させたいというふうに考えて、現在各省とその体制に入っている次第でございます。
○原田立君 研究会というのも前進だろうと思いますけれども、附帯決議では、調査審議する機関をもう少ししっかりしたものをつくりなさいと、こういう意味なんです。研究会でも一歩の前進だろうとは思うけれども、さらに前進あることを希望します。 また、いまも説明がありましたけれども、年金財政の健全化に伴い、給付に要する費用の国庫補助率の引き上げは、昭和四十七年に百分の十六であったのが百分の十八に引き上げられたのを最後に、今日まで八年間据え置きになっているわけであります。また、財源調整費補助についても、昨年〇・〇五%引き上げられたにすぎません。給付に要する費用、さらに財源調整費補助及び事務費の、国庫補助の引き上げ、事務費の増額は財政の健全化にますます重要なウエートを持ってきておると思うのであります。この点に対する今後の見通しはどうか。また、この問題は毎回の附帯決議に盛り込まれているものであり、最重要なことであろうと思うのでありますが、慎重に取り組むべきであると思いますが、お答えを願いたい。
○国務大臣(武藤嘉文君) 国庫補助率の引き上げにつきましては、先ほども御答弁いたしましたけれども、前国会におきましてもぜひひとつ努力しろということでございまして、努力をしたのでございますが、結果的に前年並みということにとどまったのは、やはり他の共済年金とのある程度バランスということがどうしてもございまして、最後の大臣折衝まで行っても実現ができなかったということでございます。 それから、踏まえて今後の見通しということはどうかということでございますけれども、私ども努力をしていかなけりゃならないことは当然でございます。しかしながら、ことしの予算の編成に当たっての折衝に当たりまして、私が率直に感じましたことは、どうも最終段階でほかの年金との並びがあるではないかということがつい言われて、なかなかこれだけを持っていくことはむずかしいと、こういうことになってしまったわけでございます。そういう面におきまして、私はやはりこの農林年金は農林年金、横並びはございますけれども、横並びは横並びとしながらも、農林年金として何か独自性が打ち出せないかをぜひ来年度の予算編成までに検討をひとつしてまいりたい、こう思っておるわけでございます。
○原田立君 既裁定年金の額の改定については、国家公務員の給与の上昇率を基準にしてことしは三・五%程度の引き上げが行われることになっておりますが、去年は三・六%だったですね。〇・一%ダウンしているのでありますが、これはダウンするような方向じゃなしに、前進できるような、増額できるような方向をもっともっと考えてもらいたいと、こう思うんですが、これが一つ。 それからまた、給与上昇率を昨年三月三十一日を基準とし、公務員給与のベースアップ時期より一年おくれとなるという問題でありますけれども、これは改善を要する問題じゃないかと思うんですが、この点はどうですか。二点お伺いします。
○政府委員(松浦昭君) この年金制度につきましては、ほかの共済制度との関連もございまして、国家公務員の給与の上昇というものに合わせまして、毎年給付の改定をお願いしているという形になっておるわけでございます。恐らくお尋ねの点は、これを物価にスライドするということにしてはどうかというお尋ねかというふうにも思うわけでございますが、物価の上昇を基本として行う方式というものもございまして、厚生年金におきましては、まさにそのような考え方をとっているわけでございますが、しかしながら、実態から考えてみますると、確かにことしにつきましては、消費者物価の上昇率の方が公務員の給与の上昇率よりも高い、あるいは去年が同様だったということがございますが、しかしながら、三十五年以降五十三年まで、ほとんど大部分は国家公務員の給与の上昇率の方が高かったわけでございまして、したがいまして、やはりこの制度は公務員の給与の上昇率に応じて上げていくという方が、従来の方式でございますが、この方がいいのではないかというふうに考えている次第でございます。 それからいま一つのお尋ねの、年金額の改定が一年おくれとなっているが、これを改善すべきではないかということでございまして、確かに既裁定年金の改定の時期が、現職者、つまりわれわれ公務員の給与の改定に比べて時期がずれるということは事実御指摘のとおりでございますけれども、しかしながら、この点は恩給等他の公的年金制度の改定の時期との関連もあるので、なかなかむずかしい問題でございます。やはり既裁定年金の改定に当たりましては、どうしても客観的な数値というものが出てまいらないといかぬわけでございますけれども、その場合には、やはり現職者と全く同時並行的にやれるということは、やはり活用する指標というものがどうしても後になって出てまいりますので、その面の制約面がございます。ただ、先生も御承知のように、昔は毎年これは十月から引き上げを実施しておりましたけれども、四十九年以降改善をいたしまして一カ月繰り上げておりますし、さらに最近は繰り上げまして、五十三年、五十四年とも四月に実施しているということで半年は繰り上がっているわけでございます。今回の改正も同様に四月から実施するということで今回の法案を御審議願っているという状態でございます。
○原田立君 半年繰り上がって一年になったから、これで努力したじゃないかと、こういうことだけれども、同じ人間で、同じような仕事に携わる者が、片っ方はちゃんとなっているのに片っ方の方は一年おくれだなんていうのではまだちょっと気の毒に思うんですよ。これはもう少し、もっと繰り上げるような努力はするというふうにお約束はできますか。
○政府委員(松浦昭君) これは全く各年金制度の横並びの問題でございますので、私どもだけで決めるわけには、また努力をいたしてその結果が実るということをお約束できる状態ではございませんが、各年金制度の関係者とも、横並びの状態はありますけれども、よく研究はいたしてまいりたいというふうに思います。
○原田立君 研究するでははなはだ不満な答弁でありますけれども、それ以上出ないんでしょう。まあせっかく努力していただきたいと思います。 それからまた、先ほどの附帯決議の中にもあった自動スライド制の導入ですね。これについては、何か簡単にちょろちょろっと言っちゃったものでよくわからなかったんだけれども、これは極力強力に導入すべきだと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(松浦昭君) この点につきましては、現在この制度は人事院の給与に係る制度の勧告に準拠をいたしまして、毎年このような方式で法律によって改正するということでお願いを申しているわけでございますが、この点につきまして、実は各関係省庁の間でつくっております連絡会議で、これは公的年金調整連絡会議と申しておりますが、その会議においていろいろと研究をいたしまして、やはり学識経験者による検討の場で研究をしていっていただいたらいいんじゃないかという結論でございました。したがいまして、先ほども御答弁いたしましたが、今回五十五年度から共済横並びの制度を研究する研究会が発足いたしますので、この研究会の一つの課題としてこの問題は御討議を願い、その結論によって処理してまいりたいというふうに考えております。
○原田立君 既裁定年金の額の改定は平均三・五%程度の増額であり、昨年同様上薄下厚方式の改定が行われることになっておりますが、この上薄下厚の改定方式は大変評価できる改定であると思うのであります。今後の見通しとして、この方式をずっと採用していくのか、あるいはまた一、二年の間、数年だけの間というようなことになるのか、そこいら辺のところはいかがですか。
○政府委員(松浦昭君) これまた横並びのことばかりを申し上げて恐縮でございますが、各年金制度共通の問題としてこれは毎年討議していることでございまして、ことしは上薄下厚方式をとりまして先生のおほめもいただいたわけでございますが、今後の見通しにつきまして、必ずこれを毎年採用するということは明確に申し上げることはできませんけれども、私どもの気持ちといたしましては、やはりこの年金制度の性格ということを考えてまいりますと、できるだけ社会保障的な要素というものを考えまして、上薄下厚方式というものを常に念頭に置きながら、今後の給与、今後の既裁定年金の改定というものを行ってまいりたいというふうに考える次第でございます。
○原田立君 新法と旧法年金とでは適用上からかなりの格差が生じております。退職年金、遺族年金にしても、最低保障の額が非常に異なっておるのでありますが、この新旧の格差のないようにしていくことは当然のことであろうと思うのであります。今後、この新旧年金の格差是正に対してどう取り組むつもりでおられるのか、具体策をお伺いしたい。
○政府委員(松浦昭君) 先ほども御答弁申し上げましたように、やはり新法、旧法の格差というものの是正につきましては、この委員会におきましても毎回御指摘を受けているところでございまして、私どもといたしましては、できるだけこの格差の是正には努めてまいりたいと思うわけでございます。しかしながら、やはりこの年金制度と申しますのは、その給付の事由が生じた時点によりましてその後の内容が決まってくるということでございまして、この意味で、旧法年金に対しまして制度的に新法の水準を保障するということは困難であるということは申し上げざるを得ないわけでございます。また、これは共済年金グループの共通の問題でもございますので、うちの年金だけで処理はできないということでございます。 しかし、このような状況の中におきましても、私どもといたしましては、新旧格差の問題につきまして前向きに取り組んできたわけでございまして、いわゆる絶対最低保障額の引き上げということにつきまして、五十五年度におきましても引き続いてその引き上げに努めた次第でございますし、また、特に旧法適用者の中で一番配慮をしなきゃならない遺族年金につきましては、その寡婦加算の額を二倍から二・五倍ということで大幅に引き上げた次第でございまして、このようなことで計算してまいりますと、かなりの新旧格差の是正、その間の格差の縮小というものになってきたというふうに考えている次第でございます。
○原田立君 退職年金、遺族年金にしても、その性格上から判断しても、ただいま局長のお話にあったように、所得保障的要素が多分にあるわけであります。であれば、さきの新旧の格差が生ずることは決して好ましいことではないと局長自身も思っておいでだろうと思うのであります。最低保障という点から考えても大幅な引き上げが必要だと思う。退職年金では新法で六十三万三千九百七十二円。旧法では六十五歳以上の人はやや多くて六十四万七千円。六十五歳以下の人は四十八万五千三百円。それから遺族年金にしても、新法では五十一万三千九百七十二円。これが六十五歳以上の人は四十二万円。六十五歳以下の人は実に三十一万五千円。非常に差がついているんですね。一応、年金が所得保障的要素が多分にあるというようなことを言われているのでありますから、当然その格差是正については、ただ単に横並びだからしようがないんだというようなことではなくて、十分引き上げにもっともっと大いに努力すべきだと思うんですが、その点いかがですか。
○政府委員(松浦昭君) 私も先生のお考えよくわかるわけでございまして、できるだけこの格差是正に努めたいと思って、今回もかなりの格差の是正になっていると思います。先ほど先生も数字をお挙げになったわけでございますが、平均的なものではなくて、いわゆる新旧モデルで比較いたしてみますと、これが一番の比較の仕方で正しいと思うわけでございますが、この比較によりますと、退職年金におきましては、大体新法に対しまして旧法の状態が八六・六%のところまで来ております。 また、遺族年金につきましては、先ほど申しました寡婦加算、これが二倍から二・五倍に引き上がっておりますので、新法と旧法の対比をいたしますと、実は旧法の方が一〇四%ということで、現在の時点ではやや旧法の方がいいという状態になっております。 それから、最低保障の新旧の格差を比較いたしますと、退職年金で六十五歳未満の場合でございますが、これも旧法に対する新法の状態が逐年回復いたしまして、七六・八%の状態まで来ております。 〔委員長退席、理事片山正英君着席〕 それから、遺族年金につきましては、さきの寡婦加算の問題の措置もございまして、五十五年の六月時点で比較いたしますと八八・七%まで回復するという状態になっておりまして、その格差はかなり縮まったと申し上げたのはその意味でございますが、なお、先生の御指摘もございますとおりでございまして、今後ともこの格差の是正には努めてまいりたいというふうに考えます。
○原田立君 政府は、公的年金制度の中で、他の年金に比べ農林年金の給付水準が低いことは承知しているだろうと思うのでありますが、その低いことについてどういうふうにお考えですか。
○政府委員(松浦昭君) この給付水準が低いということでございますが、恐らく平均的に見ますると、この給付水準がやや他の共済に比較いたしまして低いということであろうと思います。ただ、五十三年度の新規の受給者について比較をいたしてみますると、やはり農林漁業団体の給与改善等を反映いたしまして、他の年金との格差がかなり改善しておりまして、国共済とかあるいは私学共済などには劣りますけれども、厚生年金よりは高い状態になっているわけでございます。要は、この農林年金制度が、他の制度と比較いたしまして、仕組みそれ自身は決して見劣りをするというものではございませんが、やはり一つは、農林年金に加入しておられます組合員の加入年数がどうしても短いということと、それからその給与水準が他に比べてまだ必ずしも等しい状態になっていないというような状態からこのようなことが出てくるわけでございまして、むしろ私どもは、この農林年金に加入しておられる団体の役職員の方々の所属する団体、この団体の経営基盤を強化することによりまして給与水準が上がっていき、それによって給付水準が上がっていくという状態を実現することが最も正攻法であるというふうに考える次第でございます。
○原田立君 農林年金は余り見劣りはしないぐらいなことをいまあなたはちらっと言ったけれども、退職年金を例にとってみても、農林年金の平均が九十五万九千五百四十七円、これに対して私学共済は百十七万八千四百円、国共済が百四十五万五千六百円と非常に高くて、農林年金と格差があります。これでも余り大したことないとでも言うんですか。これは非常に差があり過ぎるのじゃないかと私は思うのであります。政府は、各制度ごとにその特殊性、歴史的経過が違うからというふうなことを言うかもしれないが、厚生年金でさえ最近大きく給付改善が進められているのでありますから、農林年金の場合も、他の共済制度と同様、もっと強力に改善に努力すべきであろうと、こう思うんですが、いかがですか。
○政府委員(松浦昭君) ただいま先生のおっしゃいました給付水準の比較は、恐らく平均で比較をなさったと思います。平均で比較をいたしますと、どうしても農林年金の場合には平均組合員期間が短うございまして、たとえば農林年金でございますと二十三年といったようなところが平均でございますが、国共済では三十年、そういうことで出てまいりますので、平均で比べますと、どうしても見劣りがするという状態でございます。したがいまして、たとえばこれを新規の年金の受給者ということで比較いたしてみますると、五十三年度におきましては、やはり給与水準も相当改善されておりますし、平均の組合員期間も二十五年というぐあいに長くなっておりますので、その新規の年金の受給者の平均の年金額は百二十一万六千円、年額でございますが、ということで、これはほかの共済に比べまして確かに高いとは申せませんが、たとえば厚生年金は百二万五千円という状態でございまして、非常に悪いということでは私はないと思います。しかしながら、ただいま申し上げておりますように、やはり組合員期間が長いということと、それから給与水準がそもそも高くなければ同じ制度を適用いたしましても給付水準が上がらないわけでございますから、やはり組合員の方々の給与水準を上げていくということが今後最も重要な点であろうというふうに申し上げた次第でございます。 〔理事片山正英君退席、委員長着席〕
○原田立君 遺族年金の給付内容は退職年金の五〇%台にしか至っておりません。遺族年金は、その家庭の生活を支えるもので、せめて退職年金の七〇%ないし八〇%程度に引き上げるようにという強い要望がございます。この点について、社会保障制度審議会厚生部会の意見書によりますと、遺族年金の水準を、受給者の生活実態や諸外国の水準等をも勘案して思い切った引き上げを図るべきであると、こういうふうな意見書が出ているわけでありますが、この点についてどういうふうにお考えですか。
○政府委員(松浦昭君) 遺族年金につきましては、やはり非常にお気の毒な方々が多い年金の制度でございますので、これはできるだけ給付の額を上げていくということが必要であろうというふうに考えまして、恩給制度等に準じまして最低保障額を毎年引き上げるとともに、遺族年金は特に寡婦の方々がお気の毒であるということから、寡婦の年齢あるいはお子様の有無ということによりまして保障の度合いというものを考え、これを引き上げてまいっているわけでございます。今回も、旧法適用者の遺族年金につきましては、その寡婦加算を二倍から二・五倍に上げましたのもこのような考え方でございまして、今回の制度改正に当たりましては、絶対最低保障額を八・二%引き上げるということも加えまして特に考慮をした次第でございます。この旧法の適用者が、先ほども先生特に考慮しなきゃならぬということでございましたが、遺族年金を受給されておられ、かつ絶対最低保障の適用を受けておられる方が現在の農林年金の受給者の中では最も多いわけでございますから、その点について特に配慮して今回の改正もお願いしているという状態でございます。
○原田立君 その点については結構だと思うのでありますけれども、いま言った意見書の中のもっと後段の方に、有子寡婦あるいは高齢の寡婦、それから子なしの寡婦、これらについては今回処置がされたのでありますけれども、その次に、父母、祖父母等についてもそのあり方を検討する必要があると、こういうふうにあるわけであります。今回の改正案の中には、父母、祖父母のことについては何ら触れられていないと私は思うのでありますが、この点についてはどういう取り組み方をするんですか。
○政府委員(松浦昭君) 確かにお話しのように、遺族年金の中でも特に老齢の寡婦の方あるいはお子さんのある寡婦の方につきまして今回は手厚い引き上げをいたしたわけでございますが、しかし、その他の方々につきましてもやはり今後考えていかなければならないと思います。特に、従来最低保障額なり寡婦加算の引き上げ等によって対処してまいりましたけれども、寡婦以外の方々と寡婦の方とのバランスもそろそろ配慮しなきゃならない時期に来たということもございまして、この面から、遺族年金の全体といたしまして、その水準なりあるいは要件等につきまして、今後共済関係の各省ともども、関係の審議会の御意見なども拝聴しながら検討していきたいというふうに考えております。
○原田立君 先ほどから説明のある下限、上限の引き上げですね、これに該当する対象といいますか、その数は一体どのぐらいのものだと把握なさっていますか。
○政府委員(松浦昭君) 下限、上限に適合する方々の人数でございますが、この下限の方に該当する状態を想定いたしまして今回の給与月額の下限も設定いたしたわけでございまして、その結果は、この引き上げによりまして、全組合員のうちで約〇・七%が下限以下の方になるというふうに考えております。それから上限の方でございますが、これは国家公務員の行政職(一)の最高俸給というものを基準にしまして今回の上限の引き上げ五・一%を行ったわけでありますが、その該当者は全組合員の一・三%ぐらいというふうに考えております。
○原田立君 農林年金が他の共済年金に比べて格差を生じている原因は、局長からもさっき話がありましたように、給与水準の低さに問題があると思うのであります。たとえば国家公務員共済が十七万二千七百九十八円、地方公務員共済が十八万六千百八十円、私学共済が十七万六千百五十四円と、それぞれ二万五千四百六十八円あるいは三万八千八百五十円、二万八千八百二十円と、大幅な差が生じているわけでありますが、この実態を改善しない限り、小手先の下限及び上限の給与水準を引き上げたとしても、根本的改善にはならない。思い切った対策を実行する必要があると思うのでありますが、この点についての見解はいかがですか。
○政府委員(松浦昭君) ただいまお話のございましたように、農林年金の対象となる組合員の方々の給与水準が低いために給付水準が低いのではないかということでございますが、私どもやはり給与水準そのものは、これはその地域、地域の実態に応じた給与の水準というものが決まっているわけでございまして、確かにただいま先生御指摘のように、国家公務員なり、あるいは地方公務員なりと一律に御比較なさいますとさような問題が出てまいるというふうに考えますが、ただ、実際に組合の中で一番多く占めておりますところの農協の総合単協の場合を比較して考えてみますると、一番それに比較しやすい方は、これは町村の役場の方であろうと思います。これらの方と比較いたしますと、農業協同組合の方は必ずしも役場のところまでいきませんけれども、最近かなり給与水準は上昇いたしまして、平均では町村役場の約三%ぐらい下というところになってきております。実際上、民間企業に対しまして、かなり農協の給与の引き上げの状況は現在キャッチアップしてきている状況でございまして、今後とも、さらに一層経営基盤を築くことによりましてこの給与水準を引き上げていくということが必要になってくると思います。
○原田立君 高齢化社会に対する公的年金制度のあり方について、年金制度基本構想懇談会による中間意見及び報告、共済年金制度懇談会の「共済年金制度改正の検討項目整理メモ」、あるいは社会保障制度審議会の勧告等々、ここ二、三年、関係各方面からの専門的意見が多く発表されているわけでありますが、共済組合制度の改善事項など、農林年金にも直接関係する内容のきわめて重要な問題が多く含まれていると思うのであります。これらの意見に対してどう対処していかれるのか、今後の基本的な姿勢をお伺いしたい。
○政府委員(松浦昭君) 高齢化社会の到来を迎えまして、年金制度全般にわたりまして、ただいま先生おっしゃられましたとおりの種々の重要な御意見が出されていることは私どもも承知いたしておりまして、政府全体の立場から今後いかに年金制度というものを考えていくかということにつきまして、きわめて重要な御示唆もあることは事実でございます。ただ、私ども公的年金制度と申しましても、それぞれ独自の沿革を持っておるわけでございまして、制度の仕組みも違いますし、また、八つの公的年金制度につきましては、その制度の仕組みを基本的に変えていくことにつきましてはいろいろ問題がございます。そこで、私どもといたしましても、やはり共済年金は共済年金なりとして、この成熟化時代、高齢化時代にどう対応していくかということが重要であろう、その中でまた年金財政をどう考えていくかということが重要であろうというふうに考えまして、先ほども申し上げましたような、共済年金グループに属しております各制度の基本的な問題について検討をいたします研究会を五十五年から発足いたしますので、この場で御審議を願いまして、われわれとしましてはこの共済グループの考え方というものを今後研究してまいりたい、検討してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○原田立君 高齢化社会の端的な目標数字として、年金受給者の被保険者数に対する割合、つまり成熟率を見ますと、年金全体では昭和五十三年度が一一・四%、それから六十五年度は一八・六%、八十五年度は二八・一%と、こう高まりを示すとの見通しを厚生省では言っているわけでありますが、この成熟率の高まりを農林年金ではどのような数字を見通しているのか、明確なる数字をお示し願います。
○政府委員(松浦昭君) 農林漁業団体職員共済組合の加入者数は近年おおむね横ばいの状態でございまして、一方で受給者数の方は急速に今後ふえていくわけでございます。したがいまして、成熟率も当然高まってまいりますので、現在の段階では五十三年が成熟率が一〇・九でございましたが、これが六十五年には二九・一、つまり三・三人に一人の受給者を抱えるという状態でございますし、七十五年には三九・四、二・五人に一人の受給者を抱える、さらに八十五年にはこれが四三・二という成熟率になるという見通しでございます。
○原田立君 五十五年の二月十二日に、まあ今回の改正案は社会保障制度審議会に諮問をされ、去る二月十二日にその答申が提出されたわけでありますが、これが三点にわたって答申が出ておりますが、これについてはどのような見解をお持ちですか。
○政府委員(松浦昭君) この点につきましては、三つほどの問題点がございまして、一つは、御答申の内容としまして、恩給の措置にならう趣旨のものであるので、従来の慣行からすればやむを得ないけれども、近年恩給は著しく社会保障的性格を強めているという観点からすれば、やはり厚生年金との関係を考慮すべきだということと、それから、年金支給開始年齢の引き上げの経過措置が長きに失するということで、今後、経過年数の短縮をするということは厚生年金との均衡からも当然というべきだという御答申でございましたが、最後の点につきましては私先ほど御答申を申し上げた次第でございますけれども、その他の点につきましては、今回の制度改正につきましても厚生年金との関連は考慮いたしまして寡婦加算等のこともお願いをいたしている次第でございまして、われわれ、この御答申は、先ほど申しましたように、経過年数の短縮ということにつきましては私ども現在の段階では考えていないということを申し上げた次第でございますが、その他の点についてはいろいろと配慮をいたしまして今回の制度改正をお願いしている次第でございます。
○原田立君 農林年金においては、数年前から毎年度財政検証が行われているわけでありますが、これらの状況から判断して、農林年金に対して政府はどういうような見解を持っているのか。成熟率、財政の健全化、財源問題等、総合的立場からの見解をお伺いしたいのでありますが、時間がありませんので、大臣にお伺いするのでありますが、今回の農林漁業団体職員共済組合法の法案も一歩前進であろうとは思いますが、さらなる努力をして内容充実を図るべきであると、こう私は思うのであります。大臣の所見をお伺いして私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) やはりこの年金に加入をしていただいている方々が将来ともに老後の保障として十分役立つような年金制度として確立をしていく必要があるわけでございまして、そういう面からまいりますと、どんどんどんどん成熟率が高まってくる今後においてはどうしていくかを真剣に考えなきゃならない問題であろうと思います。 そこで一つは、先ほども申し上げましたけれども、やはりそういう給付を受ける層が多くなってくる。そして、それを負担する後世代の方がどちろかと相対的には少なくなってくる、そういう中で、掛金をどうするかとか、あるいはその中でひとつ国の負担、国の補助率をどのぐらいに持っていくとか、あるいは給付水準をどの程度に持っていくとかいうことをやはり総合的に考えなきゃならないわけでございまして、要は、健全な年金財政のもとに安心して将来とも給付を受ける方々が受けられるような仕組みに持っていかなきゃならないと、こう考えておるわけでございます。
○原田立君 努力するんですか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 具体的にそれじゃ国の負担をどのくらいに持っていくかということについて、いまここで、先ほども申し上げましたけれども、私がこうすると言うことはなかなかむずかしいんでございますが、考え方といたしましては、どうしてもある程度国の負担も将来においては上げざるを得ないときもあるんではなかろうかと、できるだけ上げざるを得ないんではなかろうかと。しかし、国の負担を上げることは上げるにしましても、それにはおのずから限度があるわけでございますから、ある程度、後世の負担ということにおいて掛金率についてもある程度上げざるを得ないんではないかというのが私は将来の方向ではなかろうかと思います。
○下田京子君 今回の農林年金に関しましては、幾つかの改正点もございますけれども、他の委員からも非常に問題にされておりますいわゆる財政再計算期に当たっての財政問題非常にこれまた深刻な点でもあると思うんです。 具体的にお尋ねしたいその第一点なんですけれども、掛金の引き上げ率を抑えるということでもって当面やることができないだろうか、こう思うわけなんです。なぜならば、現行が千分の九十八ですね、これがいろいろ先ほどから議論によっておりますけれども、千分の十から千分の二十の範囲で引き上げようという話も出ている。ことしの吉田理事長の年頭のごあいさつなんかを聞きますと、千分の十五程度はこれはやむを得ないんではなかろうかと、それをどうするかというようなことについてはいろいろ議論があるけれども、掛金引き上げの率のことが具体的に出てきているわけなんです。この件につきまして、これは局長自身が、四層一日、衆議院農水委員会で御答弁されていると思うんですけれども、昨年暮れの九十一国会の冒頭でもって、いわゆる年金開始年齢の引き上げということを行ったと、これを財政的に見るとその効果はどのくらいかと言えば、ちょうど千分の十五程度に当たるんじゃないかと。こういうことを見ますと、まあそのほかいろいろございますでしょうけれども、先ほどからの局長、大臣の答弁から見ましても、将来にわたってはいろいろ問題があるけれども、当面はそう危険でもないということも言われておるんで、まずこの引き上げということは当面抑えるべきだと、そして大きくはやっぱり福祉のあり方、その中でも年金のあり方、そして国家財政の再建というふうな大きな観点からの見直しということをやっぱり図るべきではなかろうかと、こう思うわけなんです。
○政府委員(松浦昭君) ただいま先生の申されました非常に重要な点は、私が衆議院の農水におきまして、千分の十五程度支給開始年齢の引き下げによりまして財源に余裕ができるんじゃないかということを申し上げたという点が一つの基本になっておりますが、確かにこの措置によりまして、いわゆる財源率計算をやります場合に、予測といたしましてこの程度の余裕ができるということは事実でございます。ただ、やや不十分な説明だったかもしれませんけれども、このほかに数理的保険料率を押し上げる要因があるわけでございます。それは何かと申しますと、先生も十分にこの制度の内容は御承知でございますのでくどくどは申し上げませんが、いわゆる退職一時金の制度をやめたわけでございます。そういたしますと、御案内のように、退職一時金は、組合員として一定の年間組合員資格を持っておりまして、その結果給付の事由が生ずる前におやめになった方に対して支給されるわけですが、これは通算退職年金もできましたので、そちらの方に当然通算されるという前提でこの退職一時金の制度をやめたわけでございますが、退職一時金を支払う場合に通算退職年金のことも考えて、実は一定のリザーブと申しますか、控除をしてそれを積み立てたわけでございます。この積み立ての分は、財源率の計算に当たりましてこれも財源率を引き下げる、数理的保険料率を引き下げる要素になるわけでございますが、これが私どもの推計で申しますと千分の二十三ぐらいに当たるんじゃないかなという感じがいたします。ところが、これをやりましたために今度は逆に控除分を積み立てる方法ができなくなりましたので、今度は通算退職年金のための掛金の負担をしなきゃならぬと、こういう形になりまず。この掛金の上昇分が私どもの現在の推計では千分の三十ぐらいになるわけでございまして、差し引きこれで約七%ぐらいの損に——損と申しますか、実はマイナスの要素ができます。したがいまして、千分の七程度のマイナス要素ができます。したがいまして、先ほど支給開始年齢の引き上げによりまして千分の十五程度助かると申し上げましたが、この要素が加わりますと千分の八ぐらいかなと思うわけでございますが、その程度が数理的保険料率にはね返ってまいって引き下げ要素になるという形になります。したがいまして、このほか御案内のように、整理資源率の方はどうしても千分の二十なり千分の三十近く上げざるを得ないということになりますと、数理的保険料率の引き下げを帳消しにする大きな整理資源率の上昇がございますので、先ほどから御答弁申し上げておりますように、他の要件にして一定ならば、千分の十は相当超え、二十までは至らない程度の引き上げを行わざるを得ないという状態になるわけでございます。
○下田京子君 いろいろ引き上げ要因を御説明されたわけですが、これは次のまた再計算時期のときにいろいろとお話ししたいと思うんですけれども、問題は、私最初に指摘しましたように、国庫補助率の問題やらあるいは大きな財政再建との関係の中で、年金や福祉のあり方はどうあるべきかという点からの検討が大事なんだということを御理解いただきたいと思います。 そこで、大臣、ちょっとこれはまたお話があったわけなんですが、特に私は五十三年、もう二年前からこのことでいろいろと質問してまいりました。そのとき国庫補助率を現在の一八%を二〇%にした場合にどのくらいの国家財政の負担になるんだと聞きましたら、当時局長が、こう言いましたら、財政的に金額的に見るとそう大したことでございませんという断りをしまして、およそ十一億六千万円だという話だったんです。ただ問題は、いろいろお話がありますように、他の年金との並びであるとか、どうも財政当局が厳しいとかというふうなお話なんですね。しかし、これは本当にもう該当する大臣がどういう決意で臨むかという姿勢がいま大変問われてくるんではなかろうかと、こう思うわけなんです。 特にこれは昨年暮れのときにも私指摘申し上げましたけれども、年金開始年齢の引き上げ、そのことによって、実際的に個々の言ってみれば労働者にどういう負担をかけたかと言えば、金額にしておよそ約六十億円になると計算していただいたわけなんです。その六十億円というのは、つまり国庫負担率を三〇%に引き上げた場合には年金開始年齢の引き上げをしないでも済むというような額にもなるわけなんですね。あれやこれやありますけれども、私は大臣の姿勢、決意を伺いたいわけなんです。つまり国庫補助負担金の現行一八%を二〇%に持っていく、それから財政調整費の一・八二%を三%にという問題について、とにかく今度の財政再計算あるいは来年度の予算要求等を含めて、いろいろ要因はあるけれども、所管大臣として本当にこれらが実現するような方向でやるという決意がどうかということだけはまずお聞きしたいと思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) 先ほどもお答えしたのでございますが、ことしの予算編成、この五十五年度の予算編成に当たりまして、最後までやった結果どうもうまくいかなかったのは、一つは、いま御指摘のとおり財政事情もございますが、それよりもやはり大きな問題は、どうしても横並びという意見が強かったわけでございます。今後もこの問題をやっていこうといたしますと、一つのやり方としては、財政当局に対して、五つの横並びでいくと言われておる共済年金が一体となって財政当局と強く話し合いをするか、あるいはこの農林団体の職員の共済年金はこういう特殊の事情があるんだから、これはひとつほかの年金がどうあろうとも、これはこういう事情でひとつやれという作戦でいくか、その辺のところが、正直、今度の予算編成に当たりましては農林水産省としてもしっかりしたその辺のところがなかったことは事実でございまして、大体従来と同じやり方でやってまいりましたのでこれがうまくいかなかったわけでございます。 私はやはり五十六年度、特に財政再計算の年にも当たっておりますし、今度は、どういう方法でいくかをしっかり見定めていかないと正直なかなか私はむずかしい問題だと思っておりまして、その辺を何かいい知恵をひとつ出したいという気持ちでいまおりまして、まだ現時点ではどういうものを出すかは具体的には出ておりませんけれども、よく事務当局とも知恵をしぼり合いまして、その辺をしっかりした態度で何か臨んでいきたいと、こう考えているわけでございます。
○下田京子君 財政問題については次の再計算期で本当に本格的な議論になると思うんですけれども、そういう方向で検討されているとおっしゃっておりますので、期待したいと思います。 ところで、大臣、それから関係者の皆さん御承知のように、いまも私指摘しましたが、昨年の通常国会冒頭に年金開始年齢の引き上げということになって、財政的に見れば職員、労働者の皆さん方が約六十億からの負担をしているというような状況の中で、実際にその後、言ってみれば年金の開始年齢は引き上げられたけれども、定年制の延長はどうなっているんだろうか。空白問題があのときも非常に議論になりました。そのときにどういうことを御答弁されているかといいますと、局長が御答弁されているんです。覚えていらっしゃると思うんですが、いろいろ、特に女子職員との、男女の定年差別問題、このことについては重々承知したと。そして、大臣も前向きで改善の方向で答弁していると。よって私も——私もというのは局長がですね、東北のケース等も踏まえて、わけても定年延長と労働条件問題というのは労使のことにかかわるので、使用者側であるいわゆる農協に対しての指導を強めていきたい、こういう御答弁をいただいているんです。だから私はお伺いしたいわけなんですが、特に事例を挙げまして、秋田、山形の件でお尋ねしました。そういう局長答弁に基づいて、その後三月等に通達もお出しになったということは知っておるんですけれども、実際にその個々に、秋田、山形県につきましてどういう指導そしてどういう改善がなされたのか、いまどういうことを問題だと思っていらっしゃるのか、それらを踏まえてまず御答弁いただきたいと思います。
○政府委員(松浦昭君) 当委員会におかれまして、先般、定年制の問題と年金支給年齢引き上げの関係とが非常に重大な関連を持っているということの御指摘がございました。特に、附帯決議におきましても、その関係を明確にして今後の指導に当たるようにということでございましたので、三月十七日の局長通達をもちまして、私どもといたしましては定年制の今後のあり方というものを指導をいたしたわけでございます。中でも男女格差の問題につきましては、「定年年令の男女間格差等の面で適正を欠くものが見られるので、経営基盤の充実、給与体系の改善等所要の条件整備を図ることと相まつて、その改善に努められたい。」という通達を出しておりまして、これを受けて、農業団体の方は下部の団体に対しまして諸般の指導をいたしているはずでございまして、これは先ほども御答弁いたしましたように、県段階にはすでにわれわれの通達の趣旨は十分に伝わっているというふうに考えておりますが、そのさらに下の段階がいかなる状態になっているかということは、残念ながら現在の段階では私ども把握をいたしておらない段階でございます。何分にも三月の十七日に局長通達を出したばかりでございまして、そこまではまだ把握をしていないという状態でございます。
○下田京子君 労働省の婦人少年局の方にお尋ねしたいと思います。 国際婦人年の十年ということで行動計画を立てられ、その計画に基づいて非常に労働省内でも婦人少年局が努力されていることを私たち見てきております。 そこで、具体的な点でお尋ねしたいことは、ただいまも農水省の経済局長の方にお尋ねしましたけれども、男女の定年差別の問題で、特に農協労働者の件で、私、昨年六月時点で、国会法の七十四条に基づいて質問主意書を出しました。それに対して七月十日付でもって、大平正芳内閣総理大臣から答弁をいただいているわけなんです。それによりますと、たとえば具体的に、婦少局の方で山形等につきましては改善勧告文も交付しているというふうなことで努力をされているようなんですけれども、当時、山形県に限って言いますと、六十七農協中で男女の差別定年を決めて就業規則の中に盛り込んでいる農協が四十四農協あったわけなんです。昨年の六月段階で。ですから、具体的にこういう改善勧告文を交付した結果、どの程度の改善がなされたのかという問題と、それから、現在山形県下で新たな問題といいますか、どんなことが起き、承知しているか。さらに今後、行動計画十年ということでお立てになった中で、特にこの定年制の問題については五十二年度より計画を立てていろいろやられてきて、五十四年度までにはいわゆる若年定年ということで四十歳未満の問題についての解消に力を入れてきたところも承知しております。で、五十五年、五十六年と二年間で今後この差別を撤廃していきたいという方針を持たれていること、私どももその方向でぜひ一緒にやっていきたい、こう期待しているわけなんですが、そういう方向に向けてどういう見通しをお持ちになっているか。それからまた問題点が何か。いろいろお聞きして恐縮なんですけれども、ひとつ掌握している範囲で御答弁いただきたいと思います。
○説明員(佐藤ギン子君) お答え申し上げます。 いま先生御指摘ございましたとおり、婦人少年局では五カ年計画をつくりまして、五十四年度までには四十歳未満の男女別の定年制と、それから結婚退職、妊娠出産退職等につきましては全く解消するということで努力をいたしてきているわけでございます。 また、五十五年度、五十六年度では五十五歳未満のものは解消したいということで指導してきておりまして、まだ五十四年度の結果は出てきておらないわけでございますが、五十三年度までの結果では四割近くのものが解消してきているという状況でございまして、五十五年度からは年齢が非常に高くなるということと、対象が一万ぐらいになりますのでなかなか指導もむずかしくなってくるとは思いますけれども、私どもとしてはこの解消について力を入れていきたいと考えております。 先生御指摘の山形でございますけれども、山形につきましても、現在農協の関係のものにつきましては、先生の把握なさいました時点と私どもの把握いたしました時点が若干違っておりますので数字が全く同じではございませんけれども、かなりの数の男女別の定年制があるわけでございまして、私ども、これまで農協の男女別定年制につきましても指導を重ねてきておりますが、必ずしも十分な改善は進んでおらないわけでございます。私どもといたしましては、五十五年度さらに力を入れて改善は進めていきたいというふうに考えております。農協につきましては、やはり経営改善その他いろいろな問題がございまして、それとの兼ね合いでなかなかむずかしいというような御趣旨の説明をされるところも一部にあるというふうな報告を受けているわけでございます。
○下田京子君 農水省の方は通達を出した、県の方には行っている、だけれども単協に行ったらわからぬ、こうおっしゃっているわけです。だから、労働省の婦人少年局の方ではいろいろと努力もしているけれども、特に山形等に限った場合には数字的なことの御報告がなかったということは、まだそれらの実態も含めて詳細な把握がないということと同時に、苦慮されている点でもないかとも思うんです。 私、具体的にちょっと聞きたいんですけれども、最初に、農水省、山形県の新余目農協の問題についての実態をどれほどお聞きになっているか、まず御存じかどうか、知っていればその内容、いまどういう状況になっているか。つまり、私の方でちょっと申しますと、ここの農協は四十一年に合併しました。合併する前までは男女の定年差別は規定がありませんでした。合併と同時に、就業規則の中に男子五十五歳、女子四十五歳という、そういう就業規定、差別が出てきました。こういう中で、現在いま当面四十五歳満年齢を過ぎてもう目の前にその退職を迫られている労働者、婦人労働者が三人いらっしゃいます。このことについて。
○政府委員(松浦昭君) 詳細は承知いたしておりませんけれども、私ども知っております範囲は、新余目農協の就業規則では男子五十五歳、女子四十五歳という定年年齢が規定されておりまして、近く、多分四月末日ではないかというふうに聞いておりますが、三名の女子の職員の方が定年の時期に到達するというふうに聞いております。
○下田京子君 そのことについてどういう問題意識をお持ちになって、どういう指導をいま進めていただいておりますか。
○政府委員(松浦昭君) 実はこの状況を知りましたのはごくごく最近でございまして、指導をまだいたすに至っておりませんが、私ども承知している関係では、農協に対しては関係の方面からの御要請もございまして、山形県、特に婦人少年室と農業経済課でございますが、これが適切な措置を行うように、つまり男女定年格差の是正をするようにということで指導を行っているということでございますが、まだ改善に至っていないというふうに聞いております。
○下田京子君 同問題について婦人少年局の方でどのように実態をつかんでおられて、いま現在どういう状況になっているか。それから改善の見通しがあるかどうか。そのためにどんなお働きをされているか。
○説明員(佐藤ギン子君) この新余目農協につきましては、先ほどお答えにもございましたように、定年年齢が男子は五十五歳、女子四十五歳と定めるものでございますが、この農協に対しまして山形の婦人少年室が五十三年度から指導をいたしてきております。山形の婦人少年室が五十三年の十月と五十四年の十月に改善説明会というのをやりましたが、そこに御出席をいただいております。この農協ではこの説明会においでになっておられますので、私どもの改善年次計画、また行政指導の趣旨は十分御理解をいただいているものと存じます。また、ことしの四月の九日に山形の婦人少年室長がこの農協を訪問いたしまして組合長にお会いしておりまして、改善方につきまして指導いたしているわけでございます。この指導につきまして農協の方では、まず経営基盤の安定を図ることが第一であるというようなお答えをいただいておりまして、そのためにちょっと定年延長については困難であるというような趣旨の御返事をいただいておるわけでございますので、私どもとしては、今後も関係機関と連携をとりながらさらに改善指導に努めたいと考えているところでございます。
○下田京子君 いま非常に労働省についても農水省にしても、一面ではまだ実態を詳しくつかんでない。そのために、四月も末日であるという実態はわかっているけれども具体的に手を打てないでいるという状況をお話しになったのだと思うのです。 これは大臣に私、お願いしたいのです。具体的にお話し申し上げます。私、先日御当地に行ってまいりました。三人の方に会ってまいりました。お名前も申し上げておきます。一人は工藤さんという方です。もう一人の女性は石川さん、もう一人は皆川さん。この三人がどういう状況のもとにあっていまその定年退職の勧奨を受けているかということであります。実はその工藤さんという方は、第一子、お嬢さんがお生まれになった。その後、今後出産をしないということを理由にして勤務を継続しております。しかし、満四十五歳を過ぎたということでもって、就業規則にあるということで一方的にやめなさいと、こう言われてきています。それから石川さん。この方はお嬢さんが大学に入ったばかりで非常に経済的に困難な状態に置かれております。その中で、御主人一人ではとてもじゃない生活が成り立たないという中で、一方的に就業規則を盾に、もう一つは経営困難ということを盾に出してきております。それから皆川さんという方なんですけれども、この方は一時出産のためにおやめになっているのです。それで臨時雇用ということなんですが、合併を契機にもって正職員になった。しかし、いまこの委員会で問題になっている年金については期間が十四年間しかないのです。そういう実態に置かれまして非常に苦労されている。 ところが、組合長という方がこれまた前近代的な感覚の持ち主です。どういう点かといいますと、経営改善が先だとさっき婦人少年局の課長さんがお答えになりましたけれども、どういうことをおっしゃっているかというと、私、驚きました。組合長さんは直接いらっしゃらなかった。いるはずだったんですけれども、当時何かあったのでしょう、見えなかった。参事さんがお話ししてくださいました。その中でどういうことをやられているかといいますと、経営改善と称してコンピューターを五千万円で導入しているのです。ところがフル回転していない、そういう状況。そして経営改善、経営改善と称しながら、農家の皆さん方に何と言っているかというと、もう本当にこれ以上あの人たちに働いていただくと大変なんだと、もう一年間に一千万からの出費になるから、だからやめてもらわなければならないんだという形で、理事を通じたり御親戚を通じたり御主人を通じたり、大変です。それは。ところが、一方でどういうことをやっているかというと、御自分の給料を二〇%引き上げのやつをあしたの二十五日の総会に提出案件で出しているんです。一般の労働者はいま七%か八%かの賃金引き上げ問題でまだ妥結もしていない、話している、そういう状況の中で、経営改善と称しながらみずから二〇%の引き上げを出しているんです。 私は、ここで言いたいのは、経営改善とは何かといったら、これは私なぜ大臣に言うかといいますと、そもそもは農協自身の経営がいま大変である。その基本には農家経済が容易でない。いわゆる農業の所得が、前の質問等でも指摘しましたけれども、マイナス成長になっている。そういうところから来ているのが基本なんです。しかし、だからこそ職員そして使用者一体になって、農業の再建のために、農業経営はどうあるべきかという経営指導改善問題というのはそこにこそ重点を置かれるべきであると思いますし、同時に、農協の中での事業をどういうふうに改善していくかというところに私はあると思うんです。そのことを抜きにした改善というものはないと思うんです。私はどんな理由をつけようとも、これはもうさきにお話をされました経済局長の通達の文書から言っても問題であると思います。それから過去の、もう全国各地で裁判に問題になって全部勝利しておりますけれども、そういう点から見ても、すべてこれ問題だと思うんです。 この前近代的な、いわゆる経営者の時代錯誤的なこういう考え方を改めていくという点では、前委員会のときにも答弁されておりますように、農協等については直接指導も行う、こういう立場もございます。これはもう日切れなんですよ。四月いっぱいしかないんです。大臣に、もう具体的な調査も含めて御指導——もちろん経済連等々関係機関と強力な連携をとって速やかに改善の方向で手を打っていただきたい、こう思うわけです。
○国務大臣(武藤嘉文君) この通達が三月十七日に出ておるわけでございますし、まだ末端までよく徹底をしていないかと思うのでございますが、山形県県庁に私どもよく、なお一層調査をするようにして、いまのタイムリミットもあるようでございますから、できるだけ通達の線に沿ったような形で処理されるように指導してまいりたいと思います。
○下田京子君 大臣、安易に答えていただきましたけれども、ぜひ実効ある方向で頼みたいということを再度要望いたします。 それから、労働省の方ですけれども、これは婦人少年局の方に、まず個別に改善措置を出せないものでしょうか。それは基準局の方ともあわせてお願いしたい点なんですけれども、いかがでしょう。
○説明員(佐藤ギン子君) 私どもでは必要に応じて個別の指導を行っておりますので、この件につきましても個別の指導をこれまでも行ってきているわけでございますが、さらに指導を続けてまいりたいと思っております。
○説明員(岡部晃三君) 労働基準法におきましては、その第四条で男女同一労働、同一賃金の原則はうたわれておりまして、これに違反する行為の禁止の規定はございます。労働基準行政といたしましてはこの規定の施行に当たっているわけでございますが、ただいま問題になりましたような男女別の定年制の問題につきましては、労働基準法そのものには書かれているわけではございません。したがいまして、労働基準監督機関といたしましては、職権をもってこれを是正させるというような性質のものではないわけでございます。 この新余目農協の問題につきましては、山形婦人少年室が指導、調査をしているということでございますので、私どもとしてはその推移を見守ってまいりたいと思います。 なお、一般的にこの男女差別、定年制の問題につきましては、これは婦人少年行政の問題ではございますけれども、労働基準行政においてもこれに無関心であってはならないということで、たとえば過般開かれました全国の課長会議等におきましても、この問題について十分関心を持つようにというふうな指導をいたしているところでございます。直接法律に基づかない分野でございますので、これは婦人少年室に対する側面からの御援助ということになろうかと思いますが、そういうような形でこの制度の解消にさらに努めてまいりたいというふうに考えております。
○下田京子君 いまの労働省の基準監督局の方の御答弁に対して、ちょっと私は問題があると思うんです。つまり、職権をもってやるべきものではないというふうなことをいまお答えになっております。これは婦少局と連絡をとってやっているということですけれども、実態をつかんでいません。どこをつかんでいないかということで以下申し上げます。 一つは、ここの新余目農協の問題につきましては就業規則上に矛盾がございます。どんな矛盾があるかという点、第一に、この就業規則そのものはつまり労働者側が認めておりません。就業規則の中の第五条の中でこの定年差別問題を出しております。しかし、これについては、いわゆる労基法の八十九条に基づいてこの就業規則を当地の鶴岡労基署に届け出しておるわけです。しかし、五十何年だったか、一度届け出しているだけなんです。それで昨年暮れに変更しているんですけれども、一つは変更の届け出もしていないんです。それからもう一つは、いま言うように、労働者側が労働協約の中でもこのいわゆる定年制の問題については個別協約を結んでいません。同時に、この定年差別の就業規則の第五条については労働者側が認めていないということを添付して当地の労基署に通知しております。この問題。 そういう点から見ますと、これは労働基準法の九十二条違反だと、私はその疑いがあるとこう思うわけです。つまり、その法令または労働協約に反してはならないということになるかと思うのです。ですから、私は、先ほどから婦少局と連絡をとっていると、それからまた一方では、任せているものではないと言いますけれども、新余目農協のこの問題については実情をつかんでいないとこう思います。ですから私はお願いしたいのは、速やかにこの基準局直接に当地の監督署と連絡をとってやっていただかなければ、過去何回かにわたっての通達等をお出しになっても、それはまさに紙一枚にしかすぎないとこう思うんです。 特に、最近こういった問題が相次いで起きて、男女定年差別問題がすべて行政指導で改善できないという中で裁判に任されている。ところが、その裁判の結果はどうかと見れば、次々と憲法第十四条、それから民法九十条、そして労基法の精神という点から見て、すべて勝利をしているわけなんです。そういう点とも相まって、定年制の延長と絡んでこれほど社会問題になっているときに、当の労働省の労働基準局がそのような態度でよろしいですか。 そういう点から私はあえてお願いしたい点は、昭和四十八年五月二十三日付で、「男女同一賃金、及び女子の若年停年制の問題について」ということで、個別で熊本労働基準監督署長がテレビ熊本に対して個別指導をやっているんです。私は再度お願いしたい点は、みずから実態をつかんでください。早急に、いま私が指摘したような問題があるかないかをまず確認してください。そのために現地の労働基準監督署長を含めて、実態を把握した上で私の方に速やかに改善できたという御報告をお待ちしたいと思うんです。
○説明員(岡部晃三君) ただいまの、先生お述べになりましたまず第一点の就業規則の作成の手続の問題でございますが、これは労働組合あるいは労働組合がない場合には労働者の過半数を代表する者の意見を聞くということでございまして、その「意見を記した書面を添附しなければならない」ということでございますが、この意見と申しますのは賛成の場合もあれば反対の場合もあるわけでございます。しかし、それが不幸にして反対の場合におきましても、その添付がなされておれば作成の手続はそれで一応完了しているわけでございます。 それから第二点の、労働協約の中で個別的な協約がないということでございますが、それは労働協約の中でこの定年制につきましての規定がないという御趣旨であろうかと思いますが、その場合は、労働協約では空白であるわけでございまして、したがいまして、その部分につきましては就業規則の定めるところによるということになろうかと思うのでございます。 いずれにいたしましても、この問題、先ほども申し上げましたように、労働基準監督行政といたしましては、側面的な援助を婦人少年局とともどもやっていくということでございますが、やはりその職権をもってこれを是正させるというふうな私ども権限を持ち合わせていないわけでございます。この問題は、先生御指摘のように、いろいろな社会的な問題となっており、あるいは男女平等法の問題となってこれから昇華してまいろうかと思うのでございますが、現在のところ、私どもの権限といたしましては、男女差別定年制につきましてこれを監督機関において行うというふうな直接の権限はないということはひとつ御了解をいただきたいと思うのでございます。 しかしながら、やはりこの問題、現地において関心を持って対処しなければならぬということは御指摘のとおりでございます。ごく最近も、最近赴任いたしました現地の局の課長が山形県農業協同組合中央会の会合に出席いたしましていろいろ指導をいたしました中に、男女定年差別の問題につきましても言及したというふうな私ども報告を受けているところでございます。そのような形におきまして行政指導を行う等の措置を充実してまいりたいというふうに考えております。
○下田京子君 私は納得できません。それは法に基づいていま言うように幾つかの裁判でみんな勝っているんです。労働者の権利を守っていく労働省がそういう態度であったらけしからぬということが現地でも実は出ているんです。就業規則について、署長さんあなた目を通しましたかと言ったら、忙しくて人員不足で目を通していませんと、こう言っているんです。忙しいことはわかっています。目も通していないんです。ですから、私はあえてもう一回申します。現地の監督署と連絡をとって、そして側面援助じゃありません、熊本の例に絡んで直接的な——御承知ありませんか。何ならお見せします。どうぞ。(資料を示す)責任を果たしていないので、その点は、時間が私なくなってきているんですが、どうしてもこれは譲れません。現地と連絡をとって直接的におやりいただくと、調査をまずおやりいただきたいと思うんです。
○説明員(岡部晃三君) 私どもの基本的な考え方はただいままで申し上げたとおりでございます。その山形婦人少年室がせっかく御努力中というふうに伺っているところでございまして、私どもといたしましても、これと協力して、この問題につきまして私どものできる範囲でこれについて努力してまいりたいというふうに考えております。
○下田京子君 大臣、お願いがあるんです。事務当局の話だけじゃこれらち明かないんです。さっき大臣が直接お話で努力するということだったので、その労働省の大臣等も含めて、特に農業関係の職員の問題でですから、通達を一応出しているというふうな観点から、連絡をとってやっていただきたいと、そのことをひとつつけ加えてお願いしたいと思うんです。
○国務大臣(武藤嘉文君) それは、うまくいかなかった場合にはまた労働大臣とも話をし合わなきゃならぬ場合もあるかと思いますが、先ほど申し上げましたように、私の方の責任でひとつ山形県を通じてよく実情を調査をし、そしてタイムリミットは先ほどお聞きしましたので、その前にできるだけの通達に沿った処置がなされるように指導してまいりたいと、こう申し上げたわけでございますので、それをやってからのこれは話になるかと思います。
○下田京子君 段階的であっても当面することから手を打っていただくということなので、私残念ですけれども、もう時間がありませんので、そのことに期待をかけたいと、こう思います。 ただ、最後に一言申し上げますけれども、まさに死活問題なんですね。いま皆川さんという方は御主人が営農指導員ですから、部落に営農指導に入っていく中で、お宅のお母ちゃんやめればというかっこうでやられていると、大変な状態になっているということを改めて押さえて速やかに改善いただきたいと、こう思います。 それで、そのほか予定していたこともあるんですけれども、次にお願いしたい点は、静岡県の問題なんですよね。これはやはり定年延長との関係でもっていろいろ問題にしなきゃならないと思うんですけれども、実はさっきは大変いい点で私たちも評価しているんですが、この三月十七日の経済局長の通達がどうも誤解されている向きがあるんじゃなかろうかと私たち心配しているんです。つまり、どういうことかといいますと、そこに、農協中央会の労務管理のあり方というものを、これは参考でありますよと言っておりますけれども、出しました。その結果どういうことが出ているかといいますと、非常に問題が出ているんですね。たとえば静岡県の農協の人事対策委員会がこのたび出したことのその中によりますと、八年から十年の間に六十歳定年にしたいと。ここら辺は別としましても、問題点は次にあるんです。五十一歳から昇給率を低く抑えると言うんです。それから五十一歳−五十五歳で退職者の優遇措置をとるんだと、つまり、五十一歳から肩たたきをしますよと言っているんです。そのほか、退職金の算定基礎となる基本給は五十五歳で終わりですよと、こう言っているんです。それから年功序列をやめて職務、職能給でやっていくんだと、こういうふうなお話が出てくるんですね。いろいろあるけれども、私はここで問題なのは、何といっても既得権であります言ってみれば現在五十五なら五十五で決まっている、それを五十一歳に引き下げて肩たたきを始めるという問題点があります。それから同時に、昇給率を抑えてしまうんだというような問題もあるんですね。この改善は速やかにやらなければならないんじゃないかと思うんです。 それから、これはせっかく職安局が見えておいでなのでお尋ねしたいんですけれども、静岡県ではいろんな問題が出ているんですが、どうも職安法の四十四条違反の疑いがあるような経営がされております。つまり、どういうことかといいますと、ここでは静岡ローディング社というものをつくっているんです。それから静岡コンサルタントという会社もあるんです。これはすべて県経済連のまる抱えの会社なんですね、資本金からいっても土地、財産すべてそうなんですが。そういうようなところで、実は五十五歳でおやめになった方がいまのところにお勤めになっているんです。そこでもらっている給料がどうかというと、その経済連で勤めていたころの半分以下、三分の一程度だという実態が出てきているんですね。大変な状況なんです。こういう状況をつぶさに調査をしていただいて、それでもって改善の方向を考えてほしい。 それから該当の農水省の方では、大臣おりませんから、政務次官がせっかくおいでなので、こういう職安法の四十四条の違反に該当するような、もしあれでしたら局長でも結構ですけれども、どうか改善のために御調査もいただきたいし、指導いただきたいということをお願いしまして、よろしく頼みたいと思います。
○政府委員(松浦昭君) 私の方の担当の分野について御答弁を申し上げますが、私どもの通達は、あくまでもわれわれの指針を示したものでございまして、最後の文章は、執務の参考にしろということを言っただけでございまして、それ以外の部分がわれわれの通達でございますから、したがいまして、われわれの趣旨を伝えた部分でございますから、その点誤解のないようにいたしたいと思います。 それから、静岡の事態につきましては、私どもまだ何もわかっておりません。そのようなことでございますので、担当の県庁の課を通じまして、まず実態を聞いてみたいというふうに考えます。
○説明員(田代裕君) 静岡県下の農協に関連します。職業安定法四十四条の違反の疑いがあるのではないかといういま先生の御指摘でございますけれども、私ども、その静岡農協に関連する問題についてはつまびらかに承知しておりませんので、ここで何ともお答え申し上げられませんけれども、もし——この四十四条というのは、御案内のように労働者供給事業禁止の規定でございますので、その実態がどうであるかということは、現実に即して判断をしなければなりません。そういう意味では、先生御指摘のように、疑いがあるとするならば、私どもの方でも調査をいたした上で、問題があるとすればそれに対して処置をしてまいりたい、かように考えます。
○下田京子君 委員長、最後に一問。 そういうことなので、ちょっと言いますと、この再雇用された方は、非常にお勤めになったときの賃金が安いというだけじゃなくて、お勤めになるときに全然労働条件も明記されていなかったということも明らかになっているんです。それからその賃金を見ますと、どうも年金とセットにされているんじゃないかという疑いなんかもあるんですね。いろいろ問題がございます。それだけに、再度調査をいただいて、本当に六十歳定年だというのがまさにもう有名無実化されてしまっているような状況にならぬように、これは御指導いただきたいということを再度要請して質問を終わります。
○委員長(青井政美君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 それでは、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案を問題に供します。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(青井政美君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(青井政美君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(青井政美君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 農用地利用増進法案、農地法の一部を改正する法律案、農業委員会等に関する法律等の一部を改正する法律案が本委員会に付託されました場合には、右三法案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(青井政美君) 御異議ないと認めます。 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(青井政美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時十五分散会 —————・—————