農林水産委員会 第7号
- 発言数
- 245 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1980/04/08
会議録
○委員長(青井政美君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る四日、山崎昇君が委員を辞任され、その補欠として案納勝君が選任されました。 また昨七日、三治重信君が委員を辞任せられ、その補欠として木島則夫君が選任されました。 —————————————
○委員長(青井政美君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い理事が一名欠員となっておりますので、この際、理事の補欠選任を行います。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(青井政美君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に川村清一君を指名いたします。 —————————————
○委員長(青井政美君) 農業災害補償法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は前回聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○村沢牧君 私は、法案の審議に入る前に、大臣に一点、経過の報告を求め、その見解をただしておきたい問題があります。 それは、去る三月二十八日、当委員会で、私は通産省の矢野事務次官の発言に対して追及をし、武藤農水大臣の見解を求めたところ、真意をただし、本人並びに通産省に対してしかるべき措置をとるという意味の答弁があったわけであります。その事務次官の暴言をめぐって、農業・農民団体はもちろんのこと、国会の中におきましても、与野党から強い抗議、批判、追及の動きがあったわけであります。政府部内においては、一応決着を見たような感がありますけれども、しかし、この問題はまだ尾を引いておりまして、解決をしておりません。もちろん、この暴言に対しましては、国会で議決をした一元化輸入に対して挑戦をするものであり、つまり政府の高級官僚が国会のこの権限を侵すようなものであり、同時にまた、養蚕業にとっては輸入の拡大につながり、さらに、繭糸業にとってもこれは問題のあることであります。 そこで、大臣はこの問題に対してどのような措置をとられてこられたのか、その点について、経過を含めて所信を明らかにしてください。
○国務大臣(武藤嘉文君) ここの委員会で、私は、もしそういうことが事実であると大変けしからぬことであるということで、善処するというお約束をいたしまして、早速新聞記事も見まして、もしこれが事実であるならば大変な問題であるということで、厳重に抗議を申し込んだわけでございます。 特に私ども問題といたしておりますことは、あの新聞記事が事実でございますと、養蚕農家の存在を否定するような形でございますので、とても私どもそういうことは許すわけにいかないということで、厳重に抗議を申し込んだわけでございます。それに対しまして、私のところへ正式に通産大臣から連絡が参りまして、すべてこの次官の発言は撤回をさせていただく、ぜひそういうことで、また、そういう誤解を招いたことに対しては厳重に次官に対して注意をしたので、ひとつ理解をしてもらいたい、大臣から私に対して、そういう了承を求めてまいりました。そして、その後、次官も直接参りまして、大変申しわけがないことでございましたと、しかし、私は決してこういうことは言っていないつもりでありますということでございましたが、いずれにしても、事実でなかったにしても、こういう事態を招いたことに対しては非常に責任があるのではないか、ひとつその辺をしっかり自分としてその責任を感じてもらいたいということを、私から強く本人に申しました。そして文書でも陳謝の意の表明を通産省からしてまいりましたので、まあ私ども政府の中でいつまでもそういう形でいるということは、なかなか政府の中で余りこういうことでいつまでもということでは、すべてを向こうは撤回をしてまいりましたので、私どもとしては、十分それで気持ちよくということではございませんけれども、政府がいろいろ行政をやってまいります場合に、農林水産省と通産省がいつまでもいがみ合っているということもいかがかということで、私ども政府間では一応それで決着をつける。しかし、国会で議員提案で成立を見ております一元化輸入の法律に対してのいろいろのこともあるようでございますので、これは、国会と事務次官との関係ということで、いまなお議会の中でいろいろ議論がなされており、また抗議的な質問がなされておることは、私は出席をいたしておりませんでしたが、この間の衆議院の農林水産委員会でもそういうことであったようでございまして、これももっともなことでございまして、これは私どもの提案した法律ではございませんですが、一応議員の提案によってなされ、それに基づいて私ども一元化輸入をやっておるわけでございまして、それに対してのもし挑戦であるならばこれも許すわけにはいかないということでございます。ただ私が、たまたま繭糸価格の基準糸価決定に当たりまして、特にその点は私の談話として発表いたしまして、その中にはまあ矢野次官の発言とは書いて発表はいたしておりませんが、言外にそれを含めて、いずれにしても、養蚕農家の存亡について、養蚕農家の方々に非常に心配をされるような風潮があることは、これはもう私どもは大変そういうことはいけないので、決して心配は要りませんと、一元化輸入の問題を含めて、今後養蚕、繭業一体となった形でのひとつ振興を図ってまいりたいということも私は談話でも申し上げておるわけでございまして、あくまで私ども農林水産省としては一元化輸入を今後とも続けていくと、こういう考え方でおるわけでございます。これは、通産省と議会との間の問題は、私どもがとやかく言うことではございませんので、私ども農林水産省としては一元化輸入を引き続いてこれは続けていくと、こういう姿勢でおるわけでございますので、それもつけ加えて私から申し上げさしていただく次第でございます。
○村沢牧君 時間がありませんから、その問題はこれ以上申し上げませんが、政府部内では一応の決着を見たということでありますが、国会の中において、さらには農業団体においては決着をしておりませんから、いずれまた改めてこの問題については追及してまいりますけれども、しかし、いずれにしても、この種の発言に対して通産大臣が全面撤回をする、あるいは通産省が陳謝の意を文書でもって表すということは、発言がなかったわけじゃないんですから、こういう行動があるんですから、いま大臣が答弁されたように、農林水産大臣もしっかりして、そのような圧力に屈しないようにひとつ農業行政をやってもらいたいと要望しておきます。 さて、本論に入りますけれども、農業共済制度は、昭和二十二年に、農地改革の達成と食糧の確保を目標とした政策保険として発足をしたわけでありますが、その後、農業情勢の変化に対応して幾多の法改正が行われてきたわけであります。つまり、過去における法改正は、農業事情の変化に関連をしてきた。いま農業の見直し作業が行われており、農政の転換がされようとするときに、農業共済もこれに対応した新たな局面を迎えているのではないでしょうか。今回提案された改正案は、果樹と蚕繭、それから家畜共済の一部に限っておるわけでありますが、今後の農業共済全般についてそのあり方を基本的にどう考えておられるのか、大臣の見解を求めます。
○国務大臣(武藤嘉文君) いま御指摘のとおりで、その都度その都度農業の事情の変化に応じまして、いろいろの改善がなされてきたわけでございます。今回も果樹その他の状況を見ながら、一応の改善の方向をとらしていただいたと私どもは考えておるわけでございます。いままた水田利用再編対策ということで転作をお願いをいたしておるわけでございまして、そういう面にも私ども今後対処していかなければならないと考えております。 いずれにいたしましても、農業事情が今後とも変化をすることはあり得ると思いますけれども、あくまで農業の災害補償の趣旨を十分踏まえながら、農民の皆様方に少しでも安心していただけるように、この制度が常に充実をしてまいりますように私どもとしては努力をしてまいりたいと、こう考えておるわけでございます。
○村沢牧君 農業災害制度は、災害によって生産物が減少をしたことを補てんする作物保険であるわけでありますが、しかし、農業生産の危険は、収穫量の減収だけでなくて、価格変動を原因とする経済的な危険もたくさんあるわけなんです。特に果樹、園芸あるいは畑作物については、米麦のような行政価格がありませんので、需給関係によって価格が変動してくる。そうしてその経済的な危険も大きいわけであります。農業共済が究極的には農家の経営の安定を目指すものであるならば、この経済上の損失についても当然問題にしていかなければならないというふうに思うのです。農業の変化に対応して農業共済制度を改正してきた経過、これに即して、今後価格変動を考慮したいわゆる収入方式、これに対して新しい道を開拓すべきではないか、このように考えますが、見解はどうでしょうか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 確かに農家の経営の安定という点から考えれば、いわゆる価格変動を対象にした収入共済方式というものが大変有効なものであるということは、これはもう私も全く先生と同じ考え方でございます。 ただ問題は、いまのこの制度は、いま御指摘のように、災害の損失の補てんということを考えて今日まで来たわけでございまして、いまの、一般的な価格が下がったときにそれを補てんするということになりますと、率直に申し上げて、なかなかこの制度でなじまないのではなかろうかと私は思うのでございます。やはりこれは保険でございますから、保険で全国的に全部——何といいますか、価格が低迷するときは大体全国的に、たとえばいま、ミカンにいたしましても、全国のミカンが安くなっているわけでございまして、そうなってくると、それを全部補てんするということになると、その金は一体どこから出るのか。これはいま加入者が掛けておるお金から——もちろん国からも出しておりますけれども、相当加入者に負担をお願いすることになるわけでございますし、またそうすると、今度は、保険というものは、もらう人はある特定の人がもらうのが保険でございますけれども、そういう場合になると、もらう方もこれは全部の加入者がもらうということもあり得るわけでございまして、なかなかこの保険という制度の中でそれを考えていくというのは大変むずかしい問題ではなかろうかと私は思っておるわけでございます。 ただ、今回も私ども一つの考え方として試験的に入れておりますのは、災害を受けた農家については、その収穫量の減少によってその生産金額も落ちてきた、その分を一応共済金で支払うということを試験的に実施をすることに今度法律でお願いをいたしておるわけでございまして、そういう試験を実施した結果も見ながら検討はさしていただかなきゃいかぬと思っておりますけれども、なかなか私は、率直に言って、この制度にそういうものはなじみにくいものではなかろうかという感じは持っておるわけでございます。
○村沢牧君 いわゆる収入に対しててん補していくということですね、直ちにいままでの制度の中で取り入れるということは大変むずかしい問題もあるというふうに思いますが、時代も変わってまいりましたし、そのような要求もたくさんあるわけであります。あるいは学者各位の見解なんかを見ても、ぼつぼつ日本でもこういうことを考えるべきではないか、こういう意見も出されておりますから、直ちにそのような方式を取り入れることは困難としても、農林水産省としても、やっぱりだめだということではなくて、前向きに検討をしていく、そういう姿勢をひとつ今後持ってもらいたいというふうに思います。これは要望です。 それから次は、この災害制度は、保険料の国庫補助やあるいは国庫の再保険など、政府の財政支出あるいはその指導によって支えられてきたわけなんです。したがって、この農林水産予算の中でも農業保険費の占める率はかなり大きなものがあるわけです。これは制度が拡充されてくれば予算が大きくなることは当然のことでありますが、私は心配することは国の財政事情が苦しくなったということで、こういう制度の後退につながるようなことがあってはいけない、そのことを大変心配しておるんです。災害は、農作物に限らず、他の災害であっても予算が足らなければ予備費をもっても充当していくというわが国の行政機構の仕組みの中で、今後国の財政上いろいろな事情があってもいままでどおりの制度は堅持をしていくんだ、さらに拡充をしていくんだ、そのことに対して、大臣の見解というか、決意をお聞きをしたいというふうに思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) これは国も入りましての制度でございまして、その制度を信じて皆さんは加入をしていただいているわけでございますから、その国の財政が苦しくなったからといって、国の方ではもうめんどう見ないよなんということはこれは言えないわけでございますので、私どもとしては、今後とも必要な金額についてはこれは確保していかなきゃならぬ、これはそういう決意でいかなきゃならぬと考えておるわけでございます。
○村沢牧君 提案された改正点に入る前に、一言畑作共済について聞いておきたいんですが、畑作物共済の作物品目の拡大については、かねてから要望されていたところであり、また、本委員会においても附帯決議でもって政府の取り組み方について要請をいたしておるところであります。畑作物もたくさんあるわけでありますが、私はこの際、特に加工用トマトを畑作物共済に加えることについて質問をし、要請をしたいというように思うんです。 加工用トマトは水田再編対策の関連で非常に増大している。たとえば長野県を例にとってみても、栽培戸数は一万五百一戸面積は千六百ヘクタール、総生産額は四十億円に達するという主要作物の一つになっているのです。私は農水省からも資料をいただいたんですが、長野県等を含めて十数県で、五十三年度の加工用トマトの生産量は三十二万八千三百八十五トンということになっているわけです。したがって、災害が発生をすれば、これは栽培農家に与える経済的影響もきわめて大きなものがあるわけですね。私が特に加工用トマトをここで強調することは、加工用トマトというのは契約栽培であって、引き受け要件は十分把握することができる状態にあって、保険設計上も容易である、他の野菜とは違うんだ、そういう意味でこのことを言っているわけでありますけれども、この加工用トマトを畑作共済にしたがって追加すべきであるというふうに考えますけれども、農水省のひとつ見解を聞きたいというふうに思います。
○政府委員(松浦昭君) 畑作共済につきましては、当委員会の附帯決議もございまして、できるだけその拡充に努めているところでございますし、また加工用のトマトにつきましては、確かに先生おっしゃいますように、きわめて重要な畑作物の一環であるというふうに考えておるわけでございますが、私どもこの畑作物共済に追加すべき対象といたしまして露地野菜の共済事業をいろいろと考えておるわけでございます。例を申しますと、葉菜類でございますけれども、キャベツにつきましてはこれは昭和五十二年から、スイカにつきましては五十四年から調査を行っているところでございます。加工用のトマトも野菜でございますので、その野菜であるトマトの一つの用途ということで、共済の制度化につきましては、基本的には野菜共済の一環ということで考えていくべきであるというふうに考えているわけでございます。 ただ、ただいま先生の御所見のように、確かに、加工用のトマトにつきましては他の野菜類と若干違ったところがあるんじゃないかということは私どももわかるところでございます。と申しますのは、野菜共済はやはり一番むずかしい点は何かと申しますと、損害の評価あるいは引き受けというところでなかなか物が特定しないというところにあるのだろうと思いますが、ところが、この加工用トマトにつきましては、加工業者と契約で栽培されるわけでございまして、さような面から、引き受けの面におきましてもあるいは損害評価の面におきましても、資料等もかなり的確なものが徴取できるというようなことがございますので、さような側面も含めまして新しい角度から私ども検討いたしていきたいというふうに考える次第でございます。ただ何分にも料率その他の資料は何もございませんので、そのような点で今後努力が必要であるというふうに考えますけれども、基本的にはさような態度で検討したいというふうに思っております。
○川村清一君 関連。 畑作共済の問題が村沢委員からいま出されましたので、関連してちょっとお尋ねしておきたいと思うんですが、実は五十三年の当委員会におきまして、当時私その理事をやっておった関係で、附帯決議案をつくるその仕事をやったわけでありますが、その中で、いま問題になりました畑作共済につきまして、村沢委員からは加工用トマトということでいま質問された、それで経済局長からまあ露地野菜というものを検討しておる、その中に含めて検討しておるというような御答弁でございました。その五十三年度の附帯決議案をつくるときに、当然露地野菜の問題も指摘してその中に入れたんですが、そのほかに、「茶、ホップ、たばこ、イ草等を実情に即して追加するとともに、共済目的の種類の細分化を合理的に行うこと。 なお、調査対象作物に飼料作物、そば、果菜類、なたね等の転作裏作奨励作物をすみやかに加えること。」というふうに品目を明示して附帯決議をしたわけであります。もちろんこうやったから一遍にできるとは思っておりませんけれども、毎度附帯決議をしますと、大臣は、趣旨を尊重して検討し、実現のために努力しますという御答弁をされておるわけでありますから、やはり十分検討して、まあこの農業災害補償法の改正案は毎年のように出ているわけでありますから、ここで提示したもののうち、たとえばお茶とかあるいはホップとかいったものが一つでも二つでも出てこないと、何しに附帯決議をやったかわからないことになるわけで、こちらの方も何にでも附帯決議をつけているのはまるで何か慣習のようなふうになって、いささかそれも思うわけでありますが、しかしながら、こっちもまじめに出しているわけですから、大臣もまじめに受けとめられて検討されなければその委員会の権威にも関係することでございますので、特に稲作を転換して畑作をいろいろやるように奨励されておるわけでございますから、そこの中には地域の特殊作物等もあるわけでございますので、十分ひとつ検討して実現のために努力してもらいたいということを私は申し上げたいんです。 そこで、五十三年度の附帯決議に出したこういう品目、作物を具体的に出して決議しているわけですから、こういうようなものは当然検討されていると思いますが、どの程度調査検討されておるのか、そしてこれをまあ来年あたりのまた国会には一つでも二つでもそういうものを出されるという、そういう御用意があってしかるべきだと思うわけでございますが、この点についてちょっと御答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) 私の承知しておりますのは、そういう附帯決議がございましていろいろ調査を進めてまいりまして、たしかホップについては五十六年度から実施をするという予定でいま進めているはずでございますが、細かい点については経済局長から答弁をさせていただきます。
○政府委員(松浦昭君) 附帯決議の御趣旨を尊重して、私ども検討を進めておるわけでございまして、やや具体的に申しますと、地域の特産物では、茶及びホップにつきまして、昭和五十一年度から試験調査をいたしております。それから、イ及びたばこにつきましては、被害状況調査をそれぞれ主産県において行っておりますが、ただ、たばこは、全国たばこ耕作組合中央会がたばこ専売法による災害補償制度を樹立するという方向で、このわれわれの制度にはのらないということで御決議をなさっておられますので、五十五年以降、一応調査を中止しております。それから露地野菜でございますが、キャベツ、レタス及び白菜につきましては昭和五十二年度から、スイカにつきましては昭和五十四年度から、保険設計に必要なデータの収集のための調査を主産県で実施しております。また五十五年度からは土物類を追加して調査を始めております。さらに、そのほかの農作物につきましては、ただいま先生御指摘の飼料作物、牧草、青刈りトウモロコシでございますが、このほか、なたね、ソバ、落花生及びカンショにつきまして、五十三年度から保険需要等の調査を主産県で着手いたしたところでございます。いま一のところ比較的進んでおりますのがホップ、茶でございまして、ただいま大臣からも御答弁ございましたように、ホップにつきましては昭和五十六年度を目途に最終的な詰めを行っておりまして、これは別に法律は要らないわけでございます。政令で指定すればふえるわけでございますので、さようなことを目途に、ひとつ最終的な段階に入りましたので、これはぜひ実施に移していきたいというふうに考えております。 なお、茶につきましては、いろいろな問題点がございまして、何分にも茶は北から南までいろいろな主産県がございまして、その間の意見調整も必要でございますし、損害評価等の手続につきましてなお詰めを残しておりますので、さような点につきまして、現在鋭意早期結論に到達するように努力をしているところでございます。
○村沢牧君 いま川村委員の質問に対して、それそれ指定した畑作物についていろいろ調査をしておるようでございますが、私が冒頭質問した加工用トマトも、先ほど来お話があるホップや茶、たばこその他よりも少し立候補は遅いようでありますが、農業情勢の変化によってこういうのがふえてきたのですから、いまお話があったように、ひとつ前向きに調査をしてもらうように、ひとつ確認をしておきたいと思うんですが、経済局長どうですか。
○政府委員(松浦昭君) 実は、ただいま御答弁申し上げましたように、加工用トマトにつきましては調査の予算が現在のところございません。しかしながら、これから先の予算の措置といたしまして、このようなことも検討の対象として考えてまいりたいと、さように努力したいと思っております。
○村沢牧君 農業共済が期待を持たれ、共済の仕事が多くなってくるわけでありますけれども、この共済事業を運営する組合の組織が非常に弱体であり、市町村の事務の片手間でやっているようなところが大変多いわけですね。行政も農業団体も広域化している現在、あるいはこの共済組合も広域化して内容の充実を図らなければならないではないかというふうに思うんですけれども、その指導性はどうか。 もう一つ、果樹共済は共済金の支払いが遅いという大変不評を買っているんです。このことは、事務量が米の七倍も八倍もかかるから遅くなるんだという意見もあるんですね。やはり事務を簡素化して共済金を早期に支払う、この体制が必要だというふうに思いますけれども、共済組合の強化と共済金の早期支払いについての見解をお聞きをします。
○政府委員(松浦昭君) ただいま先生御指摘のように、今日なお組合等の中には、その運営の組織なり、あるいは事業基盤の弱体なものがあることは事実でございますし、また同時に、特に市町村営の場合には、その組織がさらに一般の組合に比べまして弱体だし、また共済に対する熱意も必ずしも組合ほど高くないという実態があることは事実でございます。 そこで私ども、一つは組合等の組織の整備ということで、いわゆる広域合併というのを進めてまいりまして、一郡一組合を目途にいたしまして組織の整備に努めておるわけでございますが、この系統で申しますと、やはり従来同様に一郡一組合というものを基準にした広域合併を進めてまいりますと同時に、またなかなかこの基準による合併がむずかしいところは、一郡でなくても、その中で可能な組合は合併させていくということを考えたいと思っております。また、特に一市町村内に二以上の組合がありますようなところは、ぜひこれは組合単位で合併するようにということにいたしたいと思います。 さらにまた、市町村の問題にお触れになりましたけれども、市町村営の場合には確かに問題がございますので、ただいまの広域合併を進めていく際に、その中に市町村営のものがある場合には、これを広域の組合の中に取り込んでいって、組合の組織の中に包含するというようなことを考えてまいりたいというふうに思いますし、さらにまた場合によりましては、 一部事務組合といったようなものをつくりまして、市町村の組織の強化というものを図っていきたいというふうに考えておる次第でございます。 第二点の、できるだけ共済金の支払いを早くするようにというお話でございますが、これは農家の実情、特に損害を受けた農家が一日も早く共済金をもらいたいと思っておられる気持ちはよくわかるわけでございまして、ただいま申しましたような組織の整備によりまして、職員の専門化またその質の向上といったようなことを図ってまいりますれば当然共済金の支払いも早くなるということでございますけれども、また同時に、このたび改正の中に盛り込みました一つの制度といたしまして、果樹共済につきましては、いわゆる半相殺という方式を導入しているわけでございます。これは全相殺の場合には、被害があった圃揚も、それからまた被害がなかったところも全部調査を行わなければならないという状態でございますが、半相殺方式というのは、被害のあったそういうところだけを調べるということでございますので、そのために相当事務手続等も簡素化していくというふうに思います。 さらに、共済金の早期支払いにつきましては、一層早く損害評価等を進めるように指導いたしますと同時に、どうしてもおくれますところは、いわゆる仮払いの措置というものを実施したり、あるいは再保険金の概算払いといったようなことで、できるだけ早期に共済金が支払われるよう対処してまいりたいというふうに考える次第でございます。
○村沢牧君 共済金の支払いはもう年内に支払われることは果樹については余りない。米だと年内に大体支払われるんですね。そのぐらいおくれておるんですから、どうしても事務を簡素化して早期に支払いができるように、いま答弁もあったところでありますけれども、早急にひとつこの体制をつくってください。 次は、この提案された改正点についてお聞きをしてまいりますけれども、果樹共済のうち収穫共済の加入率は二四・五%、樹体共済が八.一%というようにきわめて加入状況が悪いわけであります。そのために政府の特別会計の赤字が二百二十一億円という多額に上っておる。今回の法律改正も、こうしたことから、ひとつ果樹共済も改正をしなければならないという一つの原因もあったというふうに思うのですけれども、目標と期待を持って発足したこの果樹共済がなぜこんなに普及状況が低調であるのか。それから、今回法律改正をすることによって加入率はどのくらいになるという目標を立てあるいは期待を持っているのか。
○政府委員(松浦昭君) 確かに先生御指摘のように、果樹共済の加入率が、年々上昇はしておるものの、いまだ低位な状態にとどまっているということは事実でございます。不足金の発生は、一方において果樹共済が、きわめて不幸なことに発足以来非常に大きな災害に連続的に見舞われたということもあろうかと思いますが、やはり加入率が低いためにある種の逆選択が起こっているということは事実だろうというふうに考えます。 このために、やはり今後の加入をふやしていかなきゃならぬわけでございますが、そのためには、その原因がどこにあったかということを探求してみるということが非常に重要だと思います。私ども考えておりますのは、 一つは制度発足問もない状態でございまして、われわれも十分PRに努めたつもりでございますが、しかしながら、なかなか農家の方々の十分な御理解が得られなかったという点もわれわれとして反省しなきゃならぬというふうに考えておりますけれども、また、樹種とかあるいは地域によりまして加入率に相当な差があるということは、やはり農家間におきまして栽培の形態とかあるいは技術に相当な差がございまして、たとえば専業的な果樹農家の方々が余り意欲がないような状態になる、そういう制度というものが従来の制度であったんじゃないかというふうに思います。ある意味では、保険の需要にマッチしていない実態であったということが指摘できるわけでございまして、かような点につきましては、今回の改正におきまして、より加入の促進になるような措置を講じまして、それによって加入率を上げたいと思います。 この改正によってどの程度まで加入率が上がるかということの具体的な数字はなかなかむずかしいわけでございますけれども、私どもといたしましては、現在二六・四%の収穫共済でございますが、せめてこれを五〇%程度までには上げたいということで、そういうことを目標に加入に努めておるというつもりでございます。
○村沢牧君 加入率は総体的に低いけれども、しかし、この内容を分析して府県別に見ると、団体の努力によって比較的いい成績を上げているところもあるわけなんです。反面、主産県であるけれども、加入が悪いところもある。つまり政府の努力ももちろん必要であるけれども、その組合の取り組む意欲と姿勢、これが反映してきているというように思うんですね。したがって、団体が積極的に取り組めるような体制づくり、この指導行政ですね、これが必要だというふうに思いますが、どうですか。
○政府委員(松浦昭君) 確かにおっしゃいますように、地域によりましてはかなりの加入を確保しているところもございますし、また地域によっては非常に低率な地域もあるわけでございます。このような状態をできるだけ解消いたしまして、そのような格差も解消すると同時に、全体の加入率を引き上げていくということが必要であるというふうに考えるわけでございますが、そのためには、先生おっしゃいますように、確かに組合等をさらに督励いたしまして、指導を加えることによりまして農家の加入率を上げていくということが重要でございますが、さらにその裏に、農家の方方が加入しやすく、また組合がそれをお勧めすることができるような法制度にしておくということが非常に重要であるというふうに考えるわけでございます。そのためには、従来どうしても農家問あるいは産地間に特に格差がございますところの果樹共済におきましては、やはりいままでとってまいりましたオールリスク保険と申しますか、すべての被害というものを画一的にとらえまして、同一樹種あるいは同一地域に料率も一律に定められるといったような、そういう画一的な方法というものが必ずしも適当ではなかったんじゃないかというふうに考えるわけでございます。 さような観点から、できるだけその地域、その農家の実態に合ったような保険に、共済に入っていただけるということを考えまして、今回幾つかの改正点をお願いいたしておるわけでございまして、たとえば共済事故の選択制を拡大するとか、あるいは加入資格の最低規模というものを変えていくとか、もちろんこれは組合の選択によるわけでございますが、さらにまた無事故割引制といったようなものを導入いたしまして料率の調整を行う。さらには、防災施設等が完備しているような農家につきましては掛金率の割引をする、あるいは共済金額の基礎になりますところの単位当たり共済価額をできるだけ品種問あるいは地域間の価格の動向に応じまして、個別的に定めていくといったような、そういう仕組みを今回用意することによりまして、農家の加入をさらに勧めていただくということにいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
○村沢牧君 次は加入方式ですが、今回の改正によって、加入資格農家の上限を三十アールにしようとしているわけでありますが、その理由は何かということが一点。 それから、従来二十アールであったものを三十アールにする。この二十アールと三十アールの間の農家数の占める率はどのくらいになるのか。 さらに上限を上げることによって、小規模果樹曲辰家の加入を阻害をする、あるいは切り捨てにつながってくるのではないかということですね。それから関連をして、上限を上げることによって、今回の法律改正によって加入に対してどのような期待を持っておるんですか。
○政府委員(松浦昭君) 一戸当たりの平均栽培面積で見ますると、果樹全体では三十七・五アールというのが現状の規模でございまして、ただ樹種問でいろいろと見てまいりますと、これがずいぶん差がございます。たとえば温州ミカンでは四十・三アール、リンゴが三十九・九アール、こういったものは非常に大きな経営規模でございますが、小さいものでは梅が十一アールとか、桃の十一・一アールといったようなものもございます。このように樹種間にも非常に差がございますし、また県別に見ましても、たとえば佐賀のミカンあるいは北海道のリンゴ、青森のリンゴといったものはかなり大きな経営規模を持っておりますけれども、小さな場所もあるわけでございます。このように組合間においてもかなりの差がございます。そういうようなことで、果樹の共済につきましては、やはり水稲等とは違いまして、かなり地域別にあるいは樹種別に違いがございますので、できるだけ組合がその自主的な選択によりまして、この共済に加入していただく農家の規模というものをできるだけ実態に合わした形で選択していただくということがこの改正の目的でございます。 特にこのようなことによりまして、たとえばかなり大きな果樹の経営規模を持っており、また専業農家の非常に多いようなところ、こういうところにつきましては、組合の内部で自主的な判断をしていただいて、三十アールまでその加入の規模を拡大できるという形にいたしたのが今回の改正でございます。 ただ、しかしながら、もちろんこれは選択の幅を規定しただけでございまして、下限は依然として五アールになっておりますし、その意味では、あくまでもこれを強制していくというような考えはないわけでございます。 お尋ねの二十アールと三十アールの間の割合でございますけれども、二十アールと三十アールの農家の割合は全体の平均では一三%でございます。 主な樹種について見ますと、温州ミカンが一三%、リンゴ一五%、ブドウ一七%、ナシ一八%、桃一五%ということになっております。 それから、最もこの制度で御心配なさるのは、御指摘のとおり、上限を引き上げたことによって小さな農家が犠牲になるんじゃないかということでございますが、私どもはさようないわゆる小さな農家を切り捨てるというためにこの制度を設けたというつもりは全くないわけでございます。というのは、保険の設計上、できるだけ多くの農家の方々に加入をしていただくということは、これは保険の理想でございますし、さような意味ではわれわれとしては多くの農家の加入を期待しておるわけでございますが、ただ、効率的な制度の運用といったような観点であるとか、あるいはどうしても余り小さな農家ばかりが加入しておられまして、そのために専業の栽培農家が離反していくといったようなそういうおそれがあるということがございますと問題が起こるということで、このような選択の幅をつくっているということでございます。 もちろん、この選択をいたします場合には、組合は自主的に選択をいたすわけでございまして、これは総会あるいは市町村の場合には議会でこれを決定することになっておりまして、その場合には三分の二以上の議決ということになっておりますから、もちろん組合の実態に即した形でこれは決定されていくというふうに考えておるわけでございまして、結果的には三十アールに拡大をいたしましても、上限を上げましても、その地域地域の実態に即した形で決定がなされていくというふうに考えております。 なお、このような措置によりましてどの程度まで一体加入率が上がるかということはなかなか申しがたい点でございまして、確かに特定の地域では専業的な農家が余り入りたがらなかったといったようなことがございまして、これが加入をしてくるということによって加入率が増大してくるということは考えられるわけでございますが、結果的に申しまして、この制度のみによってわれわれは加入の確保を図っていくということを考えているわけではないわけでございまして、先ほど申し上げましたようないろいろな対策を講じまして、その総合的な結果によりまして加入率が五〇%程度まで上がるようにということで努力をいたしてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○村沢牧君 加入の問題について、今回の改正でもう一点、集団加入方式をとるということが出されておるわけです。集団加入方式は、このやり方によれば加入を促進をする一つの方法であるわけでありますけれども、しかし、集団加入をすればこれだけよくなりますよという条件が事前に示されなければならないというふうに思うのです。 そこで伺いますけれども、集団加入という、この集団という意味は、その地域の農家が一〇〇%入らなければ集団と言わないのかどうか。その程度の問題はどうか。 それから集団加入をすれば奨励措置を設けるか。その内容は今後政令によって定めるようでありますけれども、どの程度の奨励金が出されるのか。この奨励金は単に団体の手数料程度のものか、あるいは農家の掛金の割引、農家に還元をされるようなものか、そのような内容。 それからもう一点は、集団加入に対して期待をするということ、これだけ集団加入制度をつくればかなりのものが入ってくるという期待があるのかどうかということ、以上の点について御答弁を願います。
○政府委員(松浦昭君) 今回果樹共済の加入率を高めまして、特に事業の運営の安定を図りますために、特に果樹共済とは密接な関連がございます出荷団体等によりましていわゆる加入のとりまとめを行っていただくということを考えておるわけでございまして、そのために奨励金の措置を考えたいということが今回の改正の趣旨でございます。 その場合に、まず一体どの程度の集団加入をしたならば集団加入として認めるかというお尋ねでございますけれども、実はこれは地域でとらえようという考え方ではございません。むしろ、出荷団体としてまとまりのあるところであればその出荷団体をとらえていくということでございまして、地域の何割程度が加入した場合にそれが集団の出荷ということで認めるかというふうな考え方は持っていないわけでございます。そこで、このような集団がございますれば、それをとらえまして当然集団加入の対象ということで考えていきたいと思っておるわけでございますけれども、余りにもその集団が小規模であるというような場合には、これは共済事業の効率性から見て適当ではないので、やはり一定戸数以上の基準は定めたいというふうに考えております。これはまた後ほど検討いたして具体的に決めていきたいというふうに考えておるわけでございます。 それから、この加入奨励金がどの程度のものであるかということでございますけれども、やはりこのような加入の推進を行ってまいります場合には、やはり一定数あるいは一定割合以上の加入のとりまとめを行っていただくということが必要であるわけでございますが、もちろん、団体の中で一定の割合あるいは一定の数をとりまとめていただくということになるわけでございますが、その場合に奨励金を交付するわけでございますけれども、それは昭和五十六年度の予算で実は勝負をいたしたいというふうに考えておりまして、目下の段階ではこれを幾らということを申し上げる段階ではないわけでございます。しかし、私どもの考え方では、少なくとも出荷団体のとりまとめ事務費、とりまとめのコスト、これはカバーできる程度にこの奨励金は設定いたしたいということで努力をいたすつもりでございます。 なお、集団加入をした場合に、確かにそれだけ母集団が拡大するわけでございますから、加入率がふえ、その結果掛金が安くなり得るということは理論的に考えられるわけでございますけれども、しかしながら、実際に一体被害率がどの程度まで低下するかということはこれはその地域地域の実情によっても違いますし、また、あらかじめこれを設定するということが非常にむずかしゅうございますので、このような加入の奨励措置によりまして、実際上掛金率、特に集団加入者を中心にしましたその農家の料率が結果的に下がっていくということを期待していきたいというふうに考えます。また同時に、このように集団加入をいたしてまいりますれば、当然組合員の数も、果樹共済に加入しておられる方の数もふえてまいりますし、また同時に、加入推進費の低下等が期待できますので、賦課金も下がってくるのじゃないかということが考えられますので、さような面では掛金率及び賦課金が結果的に次第に下がってまいって、そのような意味でさらに加入の促進になっていくと、まさに逆選択の逆の効果が出てくるというふうに考えておる次第でございます。
○村沢牧君 この法律が制定をされれば、そこで加入に対しての運動等が活発に起こってくることを期待するものですけれども、そのためにも集団加入に対する奨励金、これらは五十六年度予算によって決まるのでしょうけれども、農林水産省の基本的な考え方等はなるべく早く示してもらうことが必要です、それによって張り込みも違ってきますから。 もう一つ、いま答弁の中で集団加入をする単位は一定農家の数の加入ということであったんですけれども、これも今後皆さん方が基準を定めるようでありますけれども、いままでの経験から言って、いまの実態の中から一定農家数というのはどのぐらいを考えているんですか。
○政府委員(松浦昭君) これは先ほども御説明しましたように、集団で加入してくる場合には、集団の中で一体どのぐらいかということになりますが、その場合の一定数は目下検討中でございますけれども、いま私どもの頭にあるのは大体百五十戸ぐらいという見当で考えております。 なお、先ほど一つお尋ねの点で答弁を落としてしまいましたけれども、それは、これによってどのぐらい加入が期待できるかということでございますけれども、これもこの集団加入ではっきりとこのぐらいの率が伸びますということを申し上げるのはなかなかむずかしゅうございますけれども、やはり集団加入を行っていただきます地域がいわば核になりまして、その周辺地域がだんだん入ってくるということで、私どもとしてはかなりの加入率が期待できるというふうに考えている次第でございます。
○村沢牧君 いま一定農家数というのは百五十戸程度という答弁があったのですが、これは果樹の出荷団体によって大小さまざまでありますから、私はそういう戸数でもって制限するよりも、やはり小さな集荷団体も対象にして加入をふやしていくという面から見れば、やはりその集荷団体の中の組合員の数の何割、そういうふうな示し方の方がやっぱり実情に合っているのではないか、そのように考えますが、どうでしょうか。
○政府委員(松浦昭君) もちろん私どもとしましては、余りに小さな集荷団体の場合にはこれは問題であろうと思いますけれども、しかしながら、ある一定規模の集団的な加入が行い得るというようなそういう団体があります場合には、できるだけこれをとらえてまいりたいというふうに考えておりますし、また率という考え方も一つあると思います。私どもとしてはやはり最低の水準での農家の方ということで一応百五十戸と考えまして、それでやはりそれに加えて率の問題も考えていきたいというように考えておりますが、目下のところ百五十戸というのはまさに私どもまだ頭の中にある状態でございまして、これは共済団体あるいは関係方面との意見を十分調整いたしまして、その最低規模は決めてまいりたいというふうに考えております。
○村沢牧君 次は、共済事故の選択方式ですが、これについて局長からも先ほどちょっと触れられておりますけれども、選択方式も拡大をしていきたいという御答弁なんです。果樹共済も発足してから六年もたって、関係団体の努力によって加入促進を図っているけれども、先ほど申しましたように加入は依然として低い、このことは、一番保険需要を必要とする専業農家の期待が薄いことが一つの原因だというふうに思うのですね。つまり、被害があっても補償の対象となる機会が少ないこと、こういうことであろうと思うのです。したがって、選択方式を拡大して加入を促進する、こういうことは必要な措置だというふうに思うのです。そこで、現在選択方針の対象になっているのは暴風雨だけであって、五十三年度の場合を見ると、暴風雨方式の加入農家はわずか二%、こういう状況なんですね。この方式の加入率が低いというのは、その基準にやっぱり問題があるんじゃないかというように思いますけれども、どうでしょうか。
○政府委員(松浦昭君) 確かに、暴風雨方式等の共済事故の選択制というものを開きまして、不可避的な災害のみに限定いたしまして共済事故とすることによりまして掛金率も安くなる、したがって、特に専業的な農家の方々は安い掛金でいざというときの非常に深い厳しい事故に備えるということで、われわれとしてはこれは非常にいい制度であるというふうに考えておるわけでございますが、御指摘のように、確かに加入率が二%ぐらいでございまして、これはまだ余りこの制度の内容というものが普及されていないということにもありますけれども、御指摘のように、確かに減収暴風雨共済にはその事故がかなり厳し過ぎるという問題点があろうかというふうに私どもも考えております。特に共済事故をいわゆる平均風速でとらえまして一三・九メーター毎秒ということにいたしますと、どうしてもリンゴ等の被害実態を見てみました場合に、風力階級七未満の風速あるいは瞬間最大風速二十メートル程度の風速でも落果するといったようなことで、収穫期においてはかなりの被害があるということが知られているわけでございまして、このような点で、ややこの基準は問題なしとしないというふうに考えております。 したがいまして、この問題についてはさらに検討を加えてみたいと思うわけでございますが、風力階級を下げて風力を六にするといったようなこと、あるいはこの平均風速と瞬間最大風速を併用するといったような考え方があろうと思いますので、もちろん、これによりまして掛金率が上がるということになりますと逆にこの共済の魅力がなくなるという問題もございますから、その点のところは十分彼此勘案しなきゃならぬというふうに思いますが、さようなことを配慮しながら、ひとつこれは検討してみたいというふうに考えている次第でございます。
○村沢牧君 いま答弁があったように、暴風雨方式は、最大風速は十三・九メートル、損害額は三割を超える場合ということになっておるわけなんだけれども、この十三・九メートルという基準、私はよくわからないんですが、どこからこういう数字が出てくるんですか。 それから、答弁にあったように、最大風速は十三・九メートル以下でも瞬間風速は二十メートル、三十メートルもあって、かなりの被害が起きている地域がたくさんあるわけですね。そこで、私はこの十三・九メートル、三割以上という基準を改めて、瞬間風速も対象にする両立性にする、このような改正が必要ではないかというふうに思いますが、いかがですか。
○政府委員(松浦昭君) これは昭和五十一年の改正で入ったのでございますが、その際に、当初は台風、これは風力階級八以上の風速以上のものを対象にするということを予定していたわけでございます。ところが、現実には台風の風速未満の場合におきましてもかなり被害が発生するという御意見が強い反面で、この基準を大幅に引き下げる場合には、損害評価を効率的にできないといったようなこととか、あるいは料率算定の資料としても余り台風以外には十分な資料がございませんで、そのために一階級下げまして風力階級七ということで決まったというふうに経過は聞いておるわけでございます。 ただ、先生御指摘のように、確かに平均風速だけではこれは現在の設定しております風力ではかなり基準が高過ぎるという議論もございましょうし、それから瞬刷最大風速ということがかなり落果の原因になるということもわかっておりますので、ただいま申し上げましたように、平均風速の風力を下げるか、あるいは瞬間最大風速と併用してこれを考えていくか、そのようなところも交えまして、今後この問題については検討してみたいということを御答弁申し上げた次第でございます。
○村沢牧君 今回の改正で、暴風雨方式のほかにひょう害を加えて、その他準備の整ったものから実施をするということにしておるわけでありますけれども、準備の整ったものとはどのようなものを想定しているんですか。今後の選択方式の対象となる共済事故はどのように拡大をしようとされるんですか。
○政府委員(松浦昭君) 今回考えておりますのは、共済事故の選択方式の中に特定危険を入れてまいります際にひょう害を入れたいというふうに考えているわけです。 ただ、このほかにわれわれとして準備の整ったものから実施したいと思っておりますのは、実は病虫害を除外する方式というものを考えておるわけでございまして、特に専業的農家の加入を促進するということで考えてまいりますと、病虫害事故には十分防除の技術もあって対処できるといったような方々が加入していただくということを考えますと、病虫害を除く事故を特定危険の事故とするということが適当ではないかと思っておるわけです。ただ、これには損害評価につきまして問題がございまして、いわゆる病虫害分割減収推定尺度というのが必要でございます。これは水稲等においてはすでに確立しておるわけでございますが、果樹は目下検討しておりまして、昭和五十一年から主要県に委託しまして、尺度の作成を実施いたしておりまして、これができ次第、われわれとしてはこの病虫害除外方式というものを導入したいというふうに考えております。 なお暴風雨とひょう害とを組み合わした、セットにした方式というものも一つの検討の対象になっておりまして、これにつきましても早く結論を出したいというふうに考えております。
○村沢牧君 今回取り上げたひょう害方式を選択できる要件、内容、それはどのように考えていますか。
○政府委員(松浦昭君) 現行の制度におきましては、いわゆる栽培面積二十アール以上、栽培経験五年以上ということが実は省令で定まっている選択方式の要件でございます。これは、できるだけ技術のすぐれた専業的農家の積極的な加入を図るという点からこのような要件を課しておるわけでございますが、しかしながら、現行の減収暴風雨方式におきましても、この基準を果樹の種類ごとに栽培面積が二十アールを下らない範囲内ということにいたしておるわけでございますが、昭和五十四年から追加されました桜桃であるとかビワとか梅、スモモ等につきましては、一般に栽培規模が従来まで実施してきました果樹共済の対象の果樹に比べまして小さいという点がございますので、今回の改正を機に、業務の規模の基準につきましては若干引き下げる方向で検討してみたいというふうに考えております。
○村沢牧君 そこで私は、この選択方式に凍霜害を加えるべきである、こういう要請をし、意見を求めるものでありますけれども、凍霜害は地域によって毎年発生をして、むしろひょう害よりも被害の大きいものがある、これは農水省の資料ですが、昭和五十四年度の果樹共済に対する災害支払い金の調査等を見ますると、五十四年度で一番多かったのは台風害で、これは全体の四二%、その次に凍霜害が一九%、ひょう害が一八%、以下干害が一二%等々となっているわけですね。これを見てもわかるように、凍霜害の被害は非常に大きい。五十四年度の場合はむしろひょう害よりも大きいわけですね。この凍霜害の被害の数字は、恐らくオールリスクによる災害の共済金の支払いというように思うんですけれども、これをやっぱり選択方式の中へ加えていくとするならば、やっぱり専門的な果樹農家の加入も促進をされてくる、こういうふうに考えるわけなんです。一口に気象災害による被害としては、台風、それからひょう害、凍霜害は御三家だというふうに思うんですね。局長の答弁では、台風とひょう害とのセットをつくるなんて言っておりますけれども、病虫害を除くのもそれは結構ですけれども、一方は除くけれども、やっぱり必要なものは加えてくるという措置がなくてはならないというふうに思うのです。そうすることによって共済金の引き下げにもなるし、あるいは加入促進にもなる。逆選択の防止にもなる、非常に有効であるというふうに思うのですけれども、これは凍霜害をなぜ対象にしようとしないんですか。その辺の見解はどうですか。
○政府委員(松浦昭君) 凍霜害が、先生おっしゃいますように、非常に大きな事故であるということは事実だと思います。むしろこの問題は保険技術的な問題でございまして、いわゆる事故とそれから損害との問に完全な相当因果関係を立証できるかどうかということに問題があると思うのでございます。つまり、分割してうまく評価ができるかどうかということに問題があるわけでございます。特に落葉果樹につきまして凍霜害の被害というものを考えてみますると、新しい枝が出てくるといったときに凍霜害が起こりましてその枝が枯れる。あるいは花が咲いたとき、あるいはその花の咲く前、前後に受精障害といったような事故が起こりまして、それが後になりまして果実に影響が及んできて、落果その他の損害が起こってくると、これが凍霜害の特色であるというふうに思います。つまり、暴風雨でございましたら、その時点に起きました暴風雨という災害が、直ちに落果あるいはその他の損害につながってくるというわけで、暴風雨によってどの程度の損害が起こったかということは分割して評価ができるわけでございます。しかしながら、凍霜害は、いま申しましたように樹体に影響があるといったことでじわじわと損害が出てまいりまして、最終的に結果の被害につながる。結果というのは、実がついたその実についての被害につながるというところに問題があるということでございます。 特に凍霜害の被害を見てみますと、このように樹体に被害が起こる。特に緑の出てくる枝であるとか、あるいは幹から分かれた枝のその先に果実がつく、そこの小枝のところがやられる。これもかなり早い時期にやられるというところに問題があります。したがって、ほかの被害と重複した場合にじわじわ起こるそのような樹体の被害が、この分が凍霜害の分であるということを明確に区分できないというところに非常に大きな問題がございまして、このために、従来から選択方式の中に入れてこれなかったし、また、今後とも非常にきわめてむずかしい問題であるというふうに考えるわけでございますが、なお、この点につきましては研究課題として検討いたしてまいりたいというふうに考えます。 ただ、一言つけ加えて申し上げますと、凍霜害のみを共済事故とするということはなかなかむずかしいわけでございますけれども、自然災害の大部分が凍霜害であるという地域もございまして、そのような地域におきまして特に凍霜害を分割してくれというお話があると思うのでございますが、そのような地域ではほとんど被害の大部分は凍霜害でございまして、オールリスクでやりました場合には、凍霜害ということで被害を受けました場合にも料率はほとんど凍霜害の部分ということで掛金を掛けていただき、共済金をもらうというようなことになると思います。ただ、この場合問題になりますのは、やはり病虫害の事故というものが次に位する事故になりますので、病虫害の除外方式というものを適用していけば、実態的には凍霜害を分割したと同じような形で選択制をしけるんじゃないかというふうに考えておりまして、このようなことで病虫害の事故除外方式ができますれば、凍霜害が非常に多発する地域におきましてもかなり分割した形でのいわゆる選択的な共済事故の方式ということが、それに近い方式が実現できるんじゃないかというふうに考える次第でございます。
○村沢牧君 凍霜害の被害が実証することがむずかしいという見解は、あなたたちが凍霜害の現場を見ていないことなんだ。見ればわかりますよ。凍霜害の被害というものが必ずわかるわけ、私も何回も現場見ていますけれども。ですから、こういう被害があるからオールリスクによって共済金を昨年の場合全体の一九%もの率を支払っておるんですよ。ですからそんなことではなくて、やはり前向きに検討していくんです。 ただお尋ねしますけれども、皆さん方が凍霜害の被害がむずかしいということは、凍霜害もやっぱりこの対象にしようという準備をした、調査をした、そういうことがあるんですか。皆さんたちは、局長、あなたは準備ができないから対象にしないんですよ、準備しようとしないから。一体この準備が整ったものというのはどういうことなんですか。整わないからやらないということでしょう。だって、保険の方から見れば準備が整っていないかもしれぬけれども、農林省の統計情報部へ行ったって、ほかの部局へ行ったって、凍霜害の被害というのは歴然と発表になっているんですよ。その辺はどうなんですか。
○政府委員(松浦昭君) 二つ、まず申し上げたいと思いますが、一つは、確かに凍霜害の被害というのは見た目でわかるわけでございますけれども、それが具体的な減収量に凍霜害分として幾らになるということが問題でございまして、それをつかむのが非常にむずかしいということを申し上げたわけです。 それから第二点といたしまして、確かに県全体その他かなり広域な地域におきまして凍霜害の被害が幾らあったかということは、当然統計調査上も出しているわけでございまして、さような状態では被害がつかめないとは申し上げておらないわけでございます。問題は、共済金を支払うというきわめて個別的な農家の凍害被害がどれだけあったかということを認定するためには、分割の評価がむずかしいということを申し上げているわけでございまして、その点はおわかりいただけると思うわけでございます。 なお、従来までこの点につきましては、昔からこの議論は行われてきたわけでございまして、基礎的な研究というものはいたしてきたわけでございますけれども、しかしながら、いま申し上げましたような点から分割して評価ができないということのために、これを特定事故として選択制を設定するということができないと考えておりまして、そのためにその基本的なところを研究課題として取り組まなきゃならぬということから、具体的にデータを集めたり、あるいは掛金率をはじいたりというようなための準備はいたしていなかったということでございます。 〔委員長退席、理事片山正英君着席〕
○村沢牧君 ぜひこのデータはあるというふうに思いますから、積極的に検討してください。 それから、先ほど来局長は病虫害を一つ除きたいということを力説したんですけれども、なるほど、今日果樹農家の技術も上がってきて、優秀農家ではとにかく病虫害被害というのは少なくなってきた。逆に優秀でない農家の方が多くなって、優秀農家がそれらの農家のものも負担をするということになって評判が悪いわけなんですね。そこで、病虫害を除けということはかねてからの主張なんです。いま局長からも答弁があったところですが、いつ除くんですか。
○政府委員(松浦昭君) 先ほどもも御答弁申し上げましたように、いわゆる病虫害分割減収推定尺度というものができ上がりますれば私どもはこれを実施したいということでございまして、米麦等につきましてはすでにでき上がっておりますけれども、果樹はまだ十分に整備されておりません。結果的に申しまして、できるだけこの分割尺度を急ぎまして、私どもの気持ちでは一両年中には一部樹種については実施してみたいということで努力をしてみたいと考えております。
○村沢牧君 次に移ります。 次は、共済金額ですが、共済金額の算定の基礎となる果実の単位当たりの価額算定を現行よりも細分化して、品種ごとに、また都道府県の区域を分けた地域ごとに定めるように改正しようとしているわけなんです。調査が適正に行われれば細分化することによって実態に即した価額を把握することができるわけでありますけれども、細分化することによって、この調査に要する事務量も組合にとってはなかなか大変なことだというように思うのですけれども、現在の組合でこうしたことを処理する能力があるのか。あるいは処理能力の体制づくりをどのように進めていこうとするんですか。
○政府委員(松浦昭君) この単位当たり価額の細分化というものは、保険の事業というものの具体的な実態に即応した形で共済金額の設定をしていきたいという考え方から出ておるわけでございますけれども、確かに先生がおっしゃられますように、細分化した場合にはやはり引き受けとか損害評価において現状より労働力がより要るということで、大変な事務であるということはよくわかっております。 そこで、私ども考えておりますのは、きわめて細かく細分化していくということまで考えていないわけでございまして、やはりわれわれの現在の労力なり、あるいは事務執行体制の中でできることをやっていこうという考え方でございます。しかし、その中でも私どもとしてはかなりの合理化ができると考えておるわけでございます。 たとえて申しますと、現在の価額の設定に当たりましては、国光とふじとが全く同一の価格水準になっているというような状態でございまして、これは一見してそれを細分化するということは当然であるということでおわかりになると思いますし、また、特定地域におきましては相当名の通ったブランドがあるにもかかわらず、ほかの地域と同じような価額で設定されている。そういうところを手直ししていきたいというふうに考えておりまして、この事務量がふえてまいります状態と細分化の程度によりまして保険の二ーズにマッチしていく、そのバランスをよく考えながらこの問題については対処してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○村沢牧君 細分化するのがたてまえだけれども余り細かくは考えていないということは、現在の農林水産省の分類方法でもって対処しようとしていこうと、そういうような考え方も出てくるわけですね。そうすると、農家間、地域間における不公平も生じてくる。たとえばブドウにしても、これは巨峰なんという生食用のものもあれば加工用のものもある。あるいはナシにしても、二十世紀とアカナシとは、これは価格も違ってくるわけですね。その他、取り上げてくればいろいろな問題が出てくるんですよ。 そこで、法律のたてまえは品種ごとに細分化すると言っているけれども、これは事務的になってくると農林水産省はとかくめんどうくさいことはきらいなんですね。だから、一定の枠の中におさめてしまおうとするんです。これを細分化するということは、たてまえだけでなくて、実質的にも実態に即したようにすべきだと思うが、そのようにいままでの基準内容を変えていくんですか。
○政府委員(松浦昭君) もちろん、品種を一つ一つ特定いたしましてその中で一つ一つの価格を決めていくということは、これは大変なことでございますので、ただいま先生も御指摘のように、事務が余り煩瑣になり過ぎるという面がございます。そこで、細分化するにいたしましても、大体品種で同じ程度の価格であるというものであれば、それをグループにしながらくくっていくというようなことで私ども対処いたしてまいりたいというふうに考えます。ただ、このことはあくまでも共済の二ーズというものにマッチしていこうという考え方でございますから、従来大ぐくりでございましたものをそのままにしておくというような気持ちはないわけでございまして、事務の煩瑣の状態を見ながら、われわれとしてはできる限り細分化していくということを考えている次第でございますし、また、その地域、地域におきまして、われわれはこんなふうにやりたいということがございましたら、そのような御意見も十分に尊重し、伺いまして、その地域地域の保険の需要にマッチしていくということを考えていきたいというふうに考えておる次第でございます。
○村沢牧君 一つのグループに分けて分類をしていくということですが、いま局長の最後の答弁にあったように、地域なりその組合の実態によって、これはぜひ分類をしてもらいたい、そういう要請があれば農林水産省としてはこれを認めていきますか。 〔理事片山正英君退席、委員長着席〕
○政府委員(松浦昭君) そのような地域の自主的な御判断につきましては、十分尊重して設定をいたしていきたいというふうに考えます。
○村沢牧君 基準収穫量あるいは標準収穫量、この設定とその連動性について聞きたいんですけれども、果樹は、申すまでもありませんけれども、樹齢によってあるいは管理状況によって収穫量が異なってくる。また、同じ樹齢であっても農家間、園地ごとに差異もあるわけなんです。したがって、正確を期するなら、すべての園地において樹勢や管理状況を実際に調査しなければならないわけでありますけれども、この基準収穫量、標準収穫量、これはどのように設定をするんですか。その具体的な方法について御答弁を願いたい。 それから、基準収穫量は平年の収量を基準として設定されるということでありますが、何をもって平年の収量とするんですか。
○政府委員(松浦昭君) まず、標準収穫量と基準収穫量の考え方について御説明をいたしたいと思いますが、確かに先生おっしゃいますように、果樹の引き受けに当たりましては、基準収量を適正に設定するために、やはり農家ごとの果樹の状況、これは品種もございましょうし、樹齢もございましょうし、樹勢もございましょう。いろいろな条件が違っております。さらに園地の状況も一つ一つ違っているという状態でございます。また、農家の栽培技術、肥培管理の状況というものも一つ一つ違っておるわけでございますが、従来のように基準収穫量というものを非常に短時間に、いわゆる引き受けの前に集中してこれを実施するということになりますと、なかなか実態に即応した基準収穫量が設定できないという問題がございます。 そこで今回は、われわれの考え方といたしまして、標準収穫量というものをまず設定しておきまして、それにさらにやや時間をかけまして、引き受けの後におきましても基準収穫量をさらに具体的に設定していくという二段階の方式をとろうということを考えたわけでございます。ただ、その場合に、標準収穫量の方がおろそかになって非常にずさんなものになりますと、共済金額の設定に狂いが出てまいりますし、また農家間の不公平も出る。したがいまして、まず標準収穫量を設定して、これは引き受け時に設定するわけでございますが、その後において基準収穫量を補正的にさらに正確に設定するということがございましても、なお両者の問の連動性というものを確保しておかなきゃならぬ、これは先生御指摘のとおりであると思います。 そこで、この二つのむずかしい問題をどうやって解決するかということでございますが、まず第一は、やはり標準収穫量をできるだけ実態に即応した形で設定するということが必要であると思います。この標準収穫量は、先ほどから申しておりますように、引き受けの時点で設定をするわけでございますけれども、やはりあらかじめ樹齢別の標準収穫量を地域の実態に即応した形でもって作成をいたしておきまして、これによりまして加入申し込みの農家ごとにこの表で当てはめまして標準収穫量を設定し、金額を算定するわけでございます。ただ、これによって引き受け事務は簡素になりますけれども、それによると標準収穫量があるいは基準収穫量から大きくかけ離れてくるという可能性もあるわけでございます。 そこでわれわれは、標準収穫量の設定に当たりまして二つのチェックを考えております。それは、農家問においてかなり著しい技術の格差があるといったような場合、あるいは樹体の損傷等によりまして園地ごとにやはり違いが出てくるといった場合には、それを勘案いたしまして、必ずしも収穫量表にのっとって算定した収穫量ではなくて、これを修正する道をひとつ開いていきたい。これが標準収穫量をより適正に設定する道だろうと思います。 それからまた、組合等におきまして、信頼するに足る農家ごとの過去の生産実績があるといったような場合には、これも参酌いたしまして、標準収穫量表以外にこれらの資料も使いまして、農家ごとの標準収穫量というものを設定していくということを考えてみたいというふうに思っております。 こういうことによりまして、まず引き受け時において標準収穫量をできるだけ適正に設定するということをやりまして、さらにその上に損害評価の基準になります基準収穫量の方につきましては、年ごとの隔年結果であるとか、あるいは肥培管理の状況の差ということもございますので、これを反映いたしますように、引き受け事務が一段落いたしました後におきまして、さらに時間をかけて実地調査を行って基準収穫量を設定していく、こういう二段構えでやっていきたいというふうに思っている次第でございます。
○村沢牧君 標準収穫量は共済金額の基礎になる、それから損害評価は基準収穫量が基礎として決められるということに今度の改正でなるわけですけれども、やはり保険金の掛金の基礎になる数字と、あるいはまた損害を受ける数字とはこれは同じなら一番話がわかるんですけれども、このように分ける理由、これはどこにあるのか、この方が実際果樹の実態からいいのかどうかということですね。その辺はどうなんですか。
○政府委員(松浦昭君) やや先回りして御答弁を申し上げたようなことになりますが、繰り返しになりますけれども、まず基準収穫量というものを引き受け時において設定して、その基準収穫量によって共済金額を設定し、かつ損害評価もやるというのがこれが基本原則でございまして、農作物等はこれでやっておるわけでございますが、何分にも果樹の場合には隔年結果その他また肥培管理の状況等にもいろいろ差がございますので、引き受けの時点において的確な基準収穫量を設定することがなかなかむずかしいわけでございます。そこで、まずわれわれは標準収穫量というものを引き受けの時点で設定し、そこで共済金額を設定いたしまして、さらにこれを引き受けが後わった後に、やや組合員も暇ができてまいりますから、そのときに標準収穫量を補正する形で基準収穫量というものをきうんと決めていくという形で二段構えにしてはどうかという御提案を申し上げているわけでございます。それが二つに分けた理由でございます。 しかしながら、確かに先生御指摘のように、この両者、つまり標準収穫量と基準収穫量の間において差が出てまいりますと、共済金額を一方で設定し、一方では損害評価の基礎になるわけでございますから、その間に連動性がなくなるということはまずいということで、先ほど申しましたように、標準収穫量についてもできるだけいろいろな資料を使いまして補正をするということをやりまして、そしてまた実態に合わせるように基準収穫量の方も事後にチェックをして、両者の差ができるだけないようにしていくということを考えたいというふうに御提案を申し上げているわけでございます。
○村沢牧君 その提案の趣旨はわかりました。わかっておりますが、そのように分類することが果樹農家にとってどのようなメリットがあるのかということ。掛金が少なくて損害保険金が多くなればそのときはこれはいいでしょうけれども、しかし、こうしたことが将来の料率にこれははね返ってくる問題。逆に、掛金が高いわりあいに損害保険金が少なければ農家の不満が出てくる。先ほど来私も連動性ということを言っておるんですけれども、農家にとってメリットがどのようにあると考えられますか。
○説明員(海野研一君) 確かに、いまの基準収穫量と標準収穫量の問題、実は先生の御出身地のように、共同出荷が非常にうまくいっておりまして、出荷データによっていろんなものが律せられるところでは確かに余りこの必要性というものを感じられないのではないかと思います。特に共同出荷の場合に出荷データによってすべてがわかると、しかもこれが落葉果樹でございますから、余り隔年結果という問題もないということになりますれば、まさに本当に引き受け時点で基準収穫量に相当するようなものがまさに決められるというケースが十分あり得ると思います。その場合には、確かに標準収穫量と基準収穫量と別々のものを決める必要というものは余りないわけでございまして、その場合には、全く基準収穫量を決めると同じ精度で標準収穫量を決めていただきまして、基準収穫量も全く同じ数字が決まるということになろうかと思います。 ただ、問題は、先ほど先生が事務量とかそれから組合の能力とかいうことをおっしゃいましたけれども、確かにまだ全国的には、職員が一人とか二人とか三人とか、そういう組合があるわけでございます。しかも、共同出荷が相当進んできたとは申しましても、共同出荷データによって損害の評価や基準収穫量の設定ができない地域というものがまだまだ相当多いわけでございまして、そのような地域でどうしても引き受け時点に基準収穫量を決めるということは容易なことではないわけでございまして、その意味で、現在基準収穫量、引き受け時点で決めるということになっておりますが、なかなかそこが正確に決められないということで、私ども、少なくとも今度の標準収穫量という段階で現在実際の運用として決まっている程度の詳しさでは決めておきまして、それをさらにその後具体的な現地の状況によって基準収穫量にしていくというようなことで、さらに一層基準収穫量決定の精度を上げていくというふうに考えております。
○村沢牧君 このいま答弁のあったような方法によって共済掛金も決まってくるわけなんですけれども、共済掛金の見通しについて聞いておきたいんですけれども、五十六年、共済掛金の改定期になっているわけですけれども、現在の情勢ではかなり掛金が上がることが予想される。この法律が改正されたとしても、掛金に直ちに影響してくるようなメリットはそんなにあらわれてこないであろうと思いますが、掛金の見通しはどうなんですか。
○政府委員(松浦昭君) 先生も御案内のように、多額の不足金が生じてきているわけでございますが、この果樹共済に不足金が生じたのは、やはり連年の災害が非常に大きかったということでございまして、私どもといたしましてはやや不測の事態だったということが言えると思います。特に試験期間中におきましては、わりあい料率も安定した形で低い料率で取っておったわけでございますけれども、その後本格実施になりましてからの連年災害を考えますと、掛金率は、地域によって一概には申せませんけれども、かなり上昇するということはやむを得ないというふうに考えられます。 ただ、今回の制度改正によりましても、新たに事故除外方式というものを導入したり、あるいは防ひょうネットその他を持っているような農家については掛金率の割引をするといったようなこともございますので、一般的に掛金率が上がらないというところもございますけれども、全体を達観して申しますと、やはり掛金率は上がるということでお考えおきを願いたいというふうに考えるわけでございます。 ただ、長い目で見ていただきますと、今回の改正によりましていろいろな手段、方法を講じまして加入率が上がってまいりますので、さような意味では逆選択の防止といゐたようなことにも役立つと考えますので、長期的な目で見ていただきますれば掛金率の低減を期待し得るというふうに考えているのでございます。 なお、近年の災害によりまして連年共済金の支払いを受けた農家の掛金がある程度上昇するのはやむを得ないと思いますけれども、先ほど申しましたような無事故割引といったようなことで料率を調整したり、あるいは事故除外方式あるいは防ひょうネットの料率の割引といったことを積極的に指導をしてまいりまして、さようなことによりまして、一般的には掛金率が上がる状態をできるだけ低い掛金で非常に大きな災害には対応できるといった形で処置をしてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○村沢牧君 これ大臣にも要請しておくんですけれども、まあ現状から見れば明年度掛金は上がる、こういうことも私も想定するわけなんですけれども、余りこの掛金が上がりますと、やはりまた加入が少なくなってしまうという悪循環を繰り返してまいりますから、掛金の上昇率については十分配慮をして、最小限度におさめていくということをひとつ大臣の方からも強く指導し、処置をしてもらいたいというふうに思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) いま御指摘のとおりで、掛金が余りまた上がりますとまた加入が少なくなると、こういうことになるわけでございますので、その点は十分配慮していかなきゃならぬと思いますが、まあしかし、そうかといって、やはり保険金がより多く払われていく場合には、またこれ保険の考え方からいって掛金率も高めていかなきゃならないという問題はあろうかと思います。ただ問題は、保険金がより多くもらえる場合には結果的に掛金もまたより高くなっても、これは承知ができるわけでございますけれども、どうも掛金ばかり掛けさせられて、ちっとも保険金はもらわないという場合に掛金率が高くなったのでは、これはとてもじゃないけれどもおつき合いできないという気持ちもあるわけだろうと思いまして、そういう点では、今回導入予定の無事故割引というようなものは、私はそういう点においてはある程度そういう方々に対しては、まあ何といいますか、少し喜んでいただけるような制度になるのではなかろうかと思っておりまして、そういうものも補完的にそういう制度なども入れていきながら、その辺を考えていかなきゃならないと思っているわけでございます。
○村沢牧君 いま大臣から答弁のあった、いわゆる無事故割引ですね。この制度を取り入れたということは一歩前進であるというふうに思いますけれども、無事故割引の内容について一、二点伺っておきたいんです。 一定の年間以上共済掛金の支払いを受けたことのない農家を対象としてこの無事故割引をするというふうに言っておるんですけれども、この一定の年間というのはどのくらいの期間を想定しているんですか。そのことが一つ。 もう一つ、そして同時に割引の率はどのようにして定めるのか。 三つ目には、この無事故割引の財源は他の農家が割り増しをして負担をするということに、結局、終局的にはなってくるわけですけれども、これが掛金率に影響を及ぼさないかどうか、以上三点について。
○政府委員(松浦昭君) まず、第一点の一定年数とはどのぐらいの期間かというお尋ねでございますが、これは組合等の定款または条例で最終的に決めていただくつもりでございますが、省令で最低年限は二年以上ということで決めたいというふうに考えております。 第二に、割引率はどの程度かということでございますが、何分にもこの無事故割引制度は初めてのことでございますので、余り最初から農家負担の割合に高低ができてくるということが出てまいりますと問題が生ずるというふうに考えますので、大体、最高三割程度の範囲内で、割引対象農家の分布状況等、地域の実態に即しまして無事故年数のランク別にこれを定めるということで考えてまいりたいと思います。ただ、地域によりましては、かなり大幅な割引、たとえば最高五割というようなことが考えられますが、そういうことが適当であるという御意見もございますので、今後、現実に農業共済団体等の意見も十分徴しまして、その限度というものを決めていきたいということで考えておりますが、いずれにしても余り急速にこれを入れますと、さっきから——第三点で申し上げておきたいと思うわけでございますが、結局この割引を受ける農家と、それから連年災害をこうむりました結果、そのために料率が上がる農家との間に余り大きな懸隔ができますと、事業の運営上問題が生じますので、その程度は十分に慎重に考えてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。 なお、ただいま先生おっしゃいますように、この無事故割引制度というのは一種の料率の個別化というふうに考えていただきたいわけでございまして、いわゆる無事戻しの制度とは違っておるわけでございます。無事戻しは、連合会あるいは組合に剰余金が出ました場合に、それは無事故の農家に返していくという制度でございますが、その点が実は違っておるわけでございます。 そこで、このような料率の個別化の一環ということでこれを考えてまいります場合には、どうしても当然のこととして連年無被害であった農家に掛金の割引を行えば、収支は常に保険業務としては均衡しなければならないという前提に立ちますと、それは被害が多かった農家に対して料率が上がってくるということが生ずるわけでございます。これはこの制度のやむない点であるわけでございますが、しかしながら、この導入の仕方を図って、より料率を個別化するということは、これは特に被害の少ない農家の加入を促進するという上において非常に重要なことでございますので、この無被害農家と被害農家との問のバランス状態というものを十分に配慮しながら、過重な負担にならないように十分配慮してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○村沢牧君 いま最後の答弁にあった料金の関係ですね。こういう制度を取り入れたことによって掛金に影響するということになれば、結局割り増し負担ということになってくるわけですね。したがって、なかなかこの制度、組合で取り入れるかどうかということは疑問になってくるわけですけれども、その辺の指導はひとつ十分やってもらいたいというふうに思うんです。 それから、今回の改正でもって全相殺方式、半相殺方式を分類した。果樹農災で一番評判の悪かったのは全相殺であって、しかも足切り三割ということであったわけですね。この面では一歩前進をしたけれども、しかし、全相殺は足切りを二割にしたけれども、半相殺は依然として三割。なぜ半相殺地域についても足切り率をもう少し下げることができなかったのかどうか。地域をそういうふうに割るということだけで、やはり足切りも非常に評判の悪い原因ですから、この辺についてはどういう検討をしたのですか。
○政府委員(松浦昭君) 半相殺方式の場合の足切り三割ということにしたということについての御意見であろうと思いますけれども、足切りを決定するということは非常にむずかしい共済制度の問題点でございまして、この場合には当然被害の発生の態様であるとか、あるいは農家の自家保険能力であるとか、あるいは損害評価の難易、またその労力、あるいは道徳的危険の防止ということも考えなければなりませんし、さらにもう一つ重要なことは、共済掛金の負担能力ということが非常に重要なポイントになってくるというふうに考えるわけでございます。 果樹共済につきましては、現在の掛金率の水準がかなり高い状態でございまして、先ほども申し上げましたように、最近の被害の実態から申しますと、どうしてもある程度料率を上げなければならぬということでございまして、もしもこのような形で半相殺を実施し、かつ足切り率も下げるということをいたしますと、かなり料率が上がるという側面がございます。したがいまして、われわれとしては、半相殺の場合には三割で足切りということにいたしたのでございます。 ただ、このような半相殺の三割支給につきまして、損害の発生の態様によりましては、現行よりてん補率が下がるんじゃないかという御議論があろうかと思いますけれども、これには、増収園地の分につきましてはカウントしないで、現行の全相殺よりも共済金の支払いの機会が増大するというメリットがございますし、また何と申しましても、損害評価が、増収分を見ないということになりますから非常に省力化できまして、その精度の向上もできるということがございますし、また先ほどから申しましたように、共済掛金率の上昇をある程度まで抑えることができるといったような、そういう点がございまして、彼此いろいろな点を考えて、またその共済金支払いについての農家の公平感というものを考えますと、足切り三割ということが妥当な線ではないかというふうに考えたわけでございます。 なお、つけ加えて申しますと、従来までは全相殺で足切り三割でございましたが、全相殺の場合には足切り二割ということで下げておりますので、そのバランスも考えたということでございます。
○村沢牧君 足切り二割と三割の格差ですが、損害の発生の態様によっても考えたということでありますが、この発生状況の中で、二割から三割の間における被害率はどのぐらいになっておるのか。それから半相殺地域の足切りを三〇%以下にするとすれば、掛金にどのように影響するのですか。具体的にひとつ答弁してください。
○説明員(海野研一君) 現在の制度が三割以上のものに対して共済金を支払うということになっておりますので、私ども現在果樹共済について、二割と三割の問のデータというものは、申しわけございませんが、持ち合わせがないわけでございます。したがいまして、これをいじった場合に何%動くということをはっきり申し上げられないわけでございます。ただ、かつて水稲につきまして、一筆単位から半相殺導入する際に考えた場合、あの場合は半相殺三割と半相殺二割とで七割から入割の掛金の差が生じたという一例がございます。
○村沢牧君 二割から三割の間のデータがない、それにもかかわらず、足切りを一部は、一つの方面は二割にし、一方は三割にとどめたという、これは余りにも無責任であって、説得力がないと思うんですね。それが掛金にどう影響するかもわからない。それでは半相殺の地区は、なぜもう少しこの足切りを下げなかったかということになる。そんなことで、あなたたち専門に共済をやっておって、そんなことじゃ説得力ないですよ。ただ何となくやったんですか。
○説明員(海野研一君) いえ、半相殺につきましては従前も三割でございます。今度も三割であるわけでございます。ただ、全相殺につきましでは……
○村沢牧君 それは知ってるよ。
○説明員(海野研一君) 確かに、三割から二割に下げるということにつきましては、これはその場合の掛金への影響というものは考えなければならないわけでございます。確かにおっしゃるとおり、その辺のデータなしに全相殺二割ということを踏み切るのは問題かもしれませんけれども、ただ全相殺につきましては、今回ゼロスタートということを含めて考えますと、二割にいたしましてもそれほど大きな掛金の上昇を招かないであろうというふうなことを考えまして、二割を御提案しているわけでございます。
○村沢牧君 私が言っていることは、全相殺を二割にしたことが問題じゃないんですよ。そのことは私も了承して、結構なことです。半相殺を、なぜ三割から下げることができなかったかを、データによって検討したんですか。半相殺をもう少し下げるとすればどれだけ掛金に負担しまして保険料はどうなるということを計算してこういうことになったのか。さっき水稲の場合もお話があったんですけれども、水稲の場合はかつてこういう方式であったけれども、現在は御承知のとおり全相殺は一割ですね。半相殺は二割ということになって違ってきているんじゃないですか。データがなくてやったんですか、そんなことを。
○政府委員(松浦昭君) 足切りの率を決めます場合に、もちろん掛金の国庫負担、掛金の農家負担の状態も十分勘案しなければならぬというごとは先生おっしゃられるとおりでございまして、その間のデータを十分に調べていなかったということは確かに問題があろうかというふうに考えるわけでございますが、われわれは、まず全相殺の場合には二割ということで、従来全相殺をやっておりました地域につきまして、全相殺をやっておった事態に対しましては足切り率を下げるということで考えてまいりました。その場合のバランスを考えますと、どうしても半相殺の場合には、それだけやはり掛金率が上昇するということは当然のことでございますので、全相殺二割ということと半相殺三割というものがほぼ同じ程度の掛金の負担になっていくと、率としては同じじゃないかという判断のもとにそのような設定をしたということでございます。
○村沢牧君 まあ検討するデータがなかったというか、検討しなくてやったということになれば論議しても答弁になってこないですから、これ以上答弁は求めませんけれども、いずれにしても、将来の問題として、半相殺地域においても足切り率を下げることができないのかどうか。これはデータに基づいて検討しなければいけない。過去の被害の態様によって、そのことが掛金率にどういうふうに影響してくるか、そのくらいの検討をしなきゃ無責任ですね。もう説得力ないですよ。まあいいです。それは答弁を求めたってそれ以上出てきませんから、これからの問題として検討してください、いずれかの機会に私はまた質問をいたしますから。 それから、事業分担の制度も改正しようとしているわけでありますけれども、手持ち責任を一割から二割に拡大する道を開こうとしているわけですね。このことは、災害の発生の少ない組合においては運営がよくなる。しかし、災害の発生がしょっちゅうあるところや、一度に大きな災害が来た場合においては、組合の負担もなかなか大変になってくると思いますが、このままストレートにやっていいのかどうか。 それから、加入の促進が図られる場合にはこういう制度もいいでしょうけれども、現在のような情勢でこんなことをやったら、またかえって組合が負担をしょい込むことになってくるのではないか。 それから三つ目には、現在組合は経営が困難でかなり削減支払いをしているんですね、せっかく皆さん方がいま、改正されたらデータによって掛金もつくる、あるいは損害があったらこれだけてん補しますというものをつくるけれども、組合の財政が悪ければそのとおりにいかないんですね。いわゆる削減支払いだ。一体削減支払いの実態はどうなんですか。以上三点について。
○政府委員(松浦昭君) まず、削減支払いの現状から御説明を申し上げますと、昭和四十八年度の引き受けから昭和五十二年度の引き受けまで五カ年間の組合等の削減状況を見ますると、収穫共済では共済金支払い組合等数延べ四千三百八十組合の中で五六%に相当する延べ二千四百五十一組合等が削減を実施しております。その金額は組合等の責任分、これは一割でございますが、これが三十九億円でございますけれども、そのうちの六一%二十四億円が削減されているという状態でございます。 それから樹体共済でございますが、共済金支払い組合数延べ四百七十四組合等の中で四四%に相当する延べ二百十三組合が削減を実施しておりまして、その金額は組合等の責任分の一億円のうちで六千二百万円六三%ということになっております。つまり、末端の組合ではかなりの削減率だということを言わざるを得ません。 そこで、先生お尋ねのように、確かに末端の組合に大きな責任を持たせますと、そのために異常な災害が生じた場合には、当然組合がこれに対応できなくて削減をかなり頻度多くやらなきやならぬという状態ができてまいりまして、そのために組合員に迷惑がかかるという状態が起こると思います。しかしながら一方におきまして、やはり組合にある程度まで責任を持たせればそのために加入率もまた上がってくる、また一生懸命に指導もする、損害評価もきちんとやるという側面もございます。この二つの面をどうかみ合わせるかということが、が、今回の手持ち責任をどうするかという問題にかかわってまいると思います。 私どもといたしましては、現在の果樹共済の現状から申しますと、必ずしも組合に歩合の保険としてかなり多くの手持ち分を持たせるということは危険であるという考えを持っておりまして、そのためには、やはり削減等がなるべくない状態にした方がいいという考えは一方においてあるわけでございますけれども、しかしながら、組合の中にはやはり優良な組合もございまして、かなり手持ち責任を持っても一般事業を遂行できるというところがございますので、私どもとしましては、先ほど御説明いたしました広域合併組合百六十ございますが、この中の優良な組合につきましては、やはり二割程度の歩合の責任を持ってもらっても大丈夫ではないかというふうに考えまして、一割から二割の選択制という形で、優良組合には手持ちの保険責任を増すということを考えたわけでございます。当然この場合には、十分、組合の実態等も勘案いたしまして指導してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○村沢牧君 削減支払いが全組合の五六%もあるということは大変問題だと思いますね。だって、規定によって掛金は掛ける、損害があったら、規定に基づいて損害のてん補をしてもらうのが保険でしょう、しかし、組合の経営状態が悪いからといってそのとおりには払えませんよということじや、ますますこの果樹共済は評判が悪くなっちやうんだよね。いかにしてこんな削減はなくするようにしていこうとするんですか。いまお話があったように、一割から二割に負担を、組合の責任をさらに上げればますますこういうことが出てくるんじゃないですか。
○政府委員(松浦昭君) もちろん、先生も御案内のように、九割の分については国と連合会が持っておりますので、共済金の支払い等に当たりまして相殺を行うのは一割の分だけでございますが、それにいたしましても、削減状態が常に生じるということは適当ではないというふうに考えます。私どもとしましては、できるだけ共済事業全体を安定するということが必要であると考えますので、その意味では、加入率を増加させまして、できるだけ組合に剰余金がたまるどいったような状態を実現しまして、それによりまして削減をしないで済むという事態をつくってまいりたいと思いますし、また、共済基金から融資を受ける等の措置をとりまして、いわゆる時間的な経過によってこのような削減をカバーしていくということも考えられます。さような指導はいたしてまいるつもりでございますが、やはり基本的には、先ほど申しましたように、組合の責任というものを上げます場合にも、それはあくまでも組合の判断に基づいて、しかもその場合にはできるだけ組合としての経営基盤がしっかりしたところに歩合責任をよけい持たせるという形で対処していくことが適当であるというふうに考えておる次第でございます。
○村沢牧君 組合の情勢、経営状態も大変でありますが、連合会もかなりの厳しい運営をしているところがあるんですね。一体この連合会の実態はどうか。時間がありませんから、特徴的な問題について御答弁願って、その対処についての方針を聞きたいんです。簡単でいいです。
○政府委員(松浦昭君) 御案内のように、果樹共済の連年災害によりまして、御指摘のように、連合会にもかなり不足金を生じているところがございまして、三十六連合会で十三億九千九十七万円、樹体共済では十八連合会のうちで八連合会約四千万円の不足金が発生していることは事実でございます。このようなことで、連合会の段階の収支が必ずしもよくないというのが果樹共済の実態でありますけれども、やはり今後ともこの制度等の改正を機にいたしまして、安定的な経営を図る、そのためには何と申しましても加入率を上げるということによりまして、栽培農家の御協力も得てこの事業を安定させることによって長期的には不足金の解消ということに努めてまいりたいと思います。ただ、暫定的な措置といたしましては共済基金等の融資もございますので、それによって対応していくという考えでございます。
○村沢牧君 私は次は家畜共済について一、二点お伺いいたしまして、川村委員の方からこの問題についてはお聞きをいたしますが、家畜共済も、牛、馬については七、八割が加入している。しかし豚は極端に悪い。まあ牛、馬についても、全県的なバランスを見れば必ずしも全部がいいというわけではない。この豚の加入促進をどのように進めていくのかということ。 それから、家畜共済の評判が悪いということは、せっかくこの共済掛金を掛けても、損害があった場合において支給されるいわゆる共済金額というのはわずか四割か五割しかないんですね。一頭いま三十万も五十万もしている牛は、事故があってもその四割か五割しかこのてん補がならない。これは評判が悪いですね。この問題についてはどのように改善をしていくんですか。 以上二点。
○政府委員(松浦昭君) まず加入状態でございますけれども、確かに牛、馬は七、八〇%の加入率を確保しておるわけでございますが、中家畜はそれほどの加入率になっておりません。率直に申しまして、種豚で一八・二%、肉豚で五・一%という状態でございます。これはやはりこのような養豚農家というのはかなり経営規模も大きゅうございますし、また一頭当たりの価格がそれほど高くございませんので、そのために経営の中である程度まで危険が分散できるということから、保険需要がなかなかわき起こらない、そのために加入率が低いのではないかというふうに考えられるわけでございます。しかしながら、大きな被害が起こりましてそのために養豚農家に大きな被害が生ずるといったような場合には、やはり国の政策の面から申しましても、保険に掛けておいていただくということが必要であるわけでございまして、今後ともこの加入率は引き上げていかなきゃならぬというふうに考えております。今回、肉豚でございますが、制度の改正もございまして、共済掛金率の国庫負担も増したのでございまして、さようなことを契機に、今回はひとつ家畜共済につきましてもぜひとも加入の推進の事業を進めてまいりたいというふうに考えております。 また、共済金額が平均いたしまして約四割ぐらいにしかならない、そのために、被害が起こりましてもてん補の度合いが少ないために魅力がないのではないかという御指摘でございますが、確かに国庫割合が低いということは事実でございます。しかし、これにつきましてはいろいろと年々の指導によりまして国庫割合もふえておりまして、特に牛につきましては毎年一万円ぐらいずつの価格の上昇ということを見ているわけでございまして、今後ともこの点につきましては、加入の促進に当たり特に病傷あるいは死廃ともに必要でございますが、特にその中でも病傷共済につきましては、いろいろと獣医さんあるいは家畜診療所等の活動もあわせて、いかに共済というものが必要なものであるかということを十分に趣旨徹底をしながら加入率を上げ、かつ共済金額を上げていくということに努めていきたいというふうに考える次第でございます。
○川村清一君 関連して、家畜共済につきまして二、三お尋ねして質問を終わりたいと思いますが、一括して申し上げます。 第一点は、これは五十三年の審議のときに、私いろいろ質疑の中で意見を申し上げたんですが、現行法によりますと、家畜共済の掛金の国庫の負担割合ですが、牛は二分の一、馬は五分の二、種豚は五分の二、肉豚は三分の一、こういうような点でございまして、この点につきまして、牛と馬が違うのはおかしいじゃないか、牛と馬は同じにするべきじゃないか、種豚と肉豚も同じにすべきじゃないかということを強く申し上げましたら、今度改正案では馬が牛と同じように二分の一になった。肉豚も種豚と同じように五分の二になった。意見を申し上げたのが取り上げられたことを評価いたします。そこで大臣、このように委員会で委員が熱心になっていろいろ議論をしているわけです。村沢委員が二時間にわたっていろいろ意見を述べておると、こういったようなことが一つ一つ、一遍にできなくても、財政問題がありますから一遍にできなくても、こういうふうに実現されていくようにひとつがんばってもらいたいと、この点は非常に私、評価しているわけです。こういうような考え方で今後とも行政を進めていただきたいということを強く要望しておきます。後で大臣の御見解をいただきたいと思います。 それから第二点でございますが、これは五十三年のときの附帯決議の中にあるんですが、家畜診療所の整備、これをしっかりしなさいということ。といいますのは、家畜診療所の設備として医療機械が非常に整備されておらないわけです。そこで、医療機械の整備のためにもっと力を入れなさいということを申し上げたわけであります。 それからもう一つは、診療点数の改定であるとか、獣医師の待遇改善を配慮してもらいたいということを附帯決議につけてあるわけであります。と申しますのは、現在家畜診療所の経営が非常に赤字経営になっているわけなんです。これではしっかりした診療もできませんので、診療点数を改定するとか獣医師の待遇改善にもっと力を入れてもらいたいと、これを附帯決議としておりましたが、その後どのように進められておるかをひとつ御回答いただきたいわけであります。 それからもう一つ、これも附帯決議の中に入れてあるんですが、生産共済を制度化するように検討してもらいたいということです。この生産共済というものが、いろいろこれは問題があると思いますが、結局牛、豚の死産であるとか、あるいは馬でありますというと明け二歳になってから保険の対象になるわけですが、その以前に死亡するというような事故もあるわけで、こういったような保険の対象にならないものも対象にするように検討してもらいたいというこの要望をつけてあるわけですが、これに対してどのような検討をなされておるのか、これもひとつお聞きしたいと思います。 それから、最後でございますが、家畜は、いわゆる損害が発生されてから補償措置をすると、これが農業災害補償法のたてまえでありますが、そこで、これはほかの農産物と違いまして、家畜の方は生き物でございますから、けがとか何かは別にいたしまして、疾病のために死亡するというのは非常にある。しからば、人間と同じように死なないように病気の予防措置というものがなされなければならない。家畜の疾病の予防措置というものがどのようになされておるのか、ここに力をもっと入れるべきじゃないかというのが私の意見でありますので、それに対する考え方をひとつ示していただきたいということであります。 特に申し上げたいのは、私は北海道は目高の産でございまして、日高というのは日本一の競争馬の産地でございます。二、三日前桜花賞の競馬がありましたが、あの競馬で優勝した馬も私の町から出ている馬でございまして、そういう地域であるということをまずひとつ頭に入れてもらいたい。そういう立場で私がこれから申し上げるわけでありますから、御検討をいただきたいと思うわけであります。 この競争馬の種馬は非常にこれは高いのであります。やはり常に改良していかなければよい馬が出ませんので、それでイギリスであるとかフランスであるとか、アメリカであるとかというところから種馬を輸入いたしますが、一頭、現在は四億だ、五億だという非常に高価な馬が来るわけでございます。そこで、人間の世界でもそうでございますが、世界の交流がもう激しくなったと、要するに交通が非常に便利になって地球が小さくなったと言ってはおかしいですが、それほど人的交流が激しくなった。そういう結果、さらにまた高度経済成長の中で工業がどんどん発展しまして、その結果公害による奇病ですね、いままでかつてないような病気が出てきているわけです。それで、人間の世界でもこれはわからないんです、何の病気なんだか。といったようなことが、あるいはスモン病であるとかあるいは水俣病であるとかといったような、こういう病気になっておる。と同じように、家畜の世界、特に競争馬の世界には非常にあるわけです。外国から馬が入ってきますから、いままでかつてないような病気がある。何の病気だかわからないわけですね。そういったようなものに対応して予防措置ができるとかなんとかという、こういう技術が必要になってくるわけでございます。 そういうわからない病気のためにそういう高価な馬が流産をするとかなんとかということで多大の損害を受ける。しかしながら、その共済金額というのは何億なんという馬にそんな共済金額がかかるわけがないですから、今度改正になって一般の馬は百十九万二千円まで共済金額になると、それから種馬になりますと五百十四万五千円までが共済金額になるといったような、こういうようなふうに改正されたようで、これは結構でございますが、これらの問題でとても解決するものでございません。 そこで、私のこれから申し上げることはどういうことかというと、これは本当に特殊産業でございますので、全国的な問題でございませんが、日高あたりの軽種馬生産をやっておる牧場主あたりが強く要望されておることは、この地域に家畜衛生研究所といいますか、そういうものを研究するものをやってもらいたい。本来ならばこれは文部省所管で、たとえば北海道は帯広に畜産大学がありますから、この畜産大学がこういう地域にそういう研究所を設けてくれればいいけれども、なかなか文部省ではこれはやる気があっても財政的に力がなくてできませんが、そこで、農林省、あるいは競馬が盛んになって多大にもうけておる中央競馬会、これは国庫納付金に中央競馬会から恐らく昭和五十五年度は千五百億、それ以上ぐらいの金が国庫に入っているはずです。千五百億国庫に入るということは、馬券の売り上げが一兆五千億あるということなんです。競馬法によって馬券の売り上げの一〇%が国庫へ入るわけですから、そうすると一兆五千億という以上の馬券の売り上げがあった。この間の桜花賞だけで一日で百億近い九十何億。これがダービーであるとかあるいは天皇賞なんかの競馬になると、有馬記念競馬なんかになると一日百五十億ぐらいの馬券が売れているわけですね。それがばくばくと一〇%は中央競馬会へ入るわけですから、そこであんな発馬機なんというああいう問題、KDDと同じような問題が、こんなにばくばく金が入るから出ているわけなんで、そういうような金を、いま言ったような家畜のそういう医療研究所をつくるようなものに使われるような指導なり——まあ国がやってくれれば一番いいんですが、国も簡単にお金がないからできないでしょう。そういうような措置を考えてもらえないかどうか。これは検討してしかるべき問題だと思って問題を初めて提起したわけでありますから、ここでそれはやりますとかやりませんとかという答弁でなく、十分これは検討すると、あなたのおっしゃる点はよくわかったから、そういう点に向けて検討するということだけ、ひとつ大臣なりあるいは局長から御答弁をいただいて、私の質問は終わります。 以上です。
○国務大臣(武藤嘉文君) 基本的な問題について私からお答えをさせていただきます。 先生御指摘のとおりで、ほとんど毎年と言っていいくらいこの農業共済制度について議会に私どもから法律の改正を御提案をし、本当に真剣に御討議をいただいておりまして、大変私はありがたいことであると思っております。農民の経営安定のために、災害が起きたときにやっぱり救済できる制度というものはより充実したものにしていかなければならないことは当然でございまして、いろいろ附帯決議で御決議をいただきましたことに対しても、私ども率直に受けとめまして、従来からも一生懸命努力をしてきたところでございます。これからも、こういう制度というものは常に完全なものというのはなかなか一度にはできないと思うのでございます。できる限りより完全なものに近いように私どもは努力をしていくべきであり、そして法律にも、国の再保険その他いろいろと私どもが責任を政府として負わなきゃならぬ点も十分承知をいたしておりまして、国としてもこういう制度が円滑に行われるようにできる限りの努力をしていかなければならないと、こう考えておるわけでございます。
○政府委員(松浦昭君) 大臣が御答弁なすった基本に沿いまして、私どもがやってまいりましたことを申し上げたいと思うわけでございます。 まず、附帯決議にもございました家畜診療所の整備についてでございますけれども、この点につきましては、まず昭和五十四年度から五カ年計画で、基幹的な診療所について設備強化を行うということにいたしておりまして、先生御指摘の診療機械、これにつきましてもかなり充実した形で予算を組みまして、五十五年度予算におきましても一千四十六万九千円の金額を計上いたしている次第でございます。 それから、診療点数、これはもとより、獣医さん方の待遇の改善、さらには設備の強化のために必要なものでございますが、これにつきましては、従来から共済掛金標準率の改定に合わして実施するということでございましたが、次期改定期でございます五十六年には、前回の改定、五十三年以後の人件費及び診療用機械器具等の直接費の動向も反映いたしまして、改定をいたしたいというふうに考えております。 それから、獣医さんの待遇一般でございますけれども、これは適正な診療点数の設定のほかに、家畜共済特定損害防止事業あるいは家畜共済地域対策事業等におきまして、獣医師さんの雇い入れの日当というものを引き上げたいというふうに考えておる次第でございます。 それから、牛の生産共済の問題でございますが、これも附帯決議の中に入っておるわけでございますけれども、御案内のように、農業災害補償法の施行後に、牛馬の胎児と生後六カ月未満の子牛、それから当歳馬を対象とする生産共済を実施しておりましたけれども、どうも保険の加入が芳しくありませんで、これを四十一年をもって廃止したという経緯がございます。しかしながら、昭和四十七年以降に多発した牛の異常産を契機といたしまして、種々の事故がございまして、やはり生産共済が必要だという声も高まっておりますので、五十一年度からその保険需要と危険率算定の基礎資料を得る目的で調査を行っておりまして、五十四年度からは、これまでの調査結果に基づきまして、比較的保険需要の多い肉用牛につきまして、制度試案によりまして試験調査を行っているという段階でございます。このような調査を実施しておりますので、過去のような逆選択を招かないという見きわめをつけまして、ひとつこの調査の結果も踏まえましたところで、生産共済の再開をするかどうかということを検討してみたいというふうに考えている次第でございます。 最後に、先生御指摘のとおり、病気が起こってから共済金を支払う、あるいは診療によって共済金が支払われるということよりも、むしろやはり飼養管理なりあるいは予防ということによりまして、共済事故を減らしていくということが非常に重要でございまして、このために、加入頭数の少ない地域につきまして、あるいは共済掛金率の高率な地域におきまして、いわゆる家畜共済地域対策事業の一環ということで予防衛生の事業もやってまいっておるわけでございますが、この点につきましては、五十五年におきましても所要の予算を組んでおりますので、さらに予防衛生も含めまして、十分な地域対策というものを実施してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○委員長(青井政美君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時二十分再開することとし、休憩いたします。 午後零時二十五分休憩 ————————————— 午後一時二十七分開会
○委員長(青井政美君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、下田京子君が委員を辞任せられ、その補欠として立木洋君が選任されました。 —————————————
○委員長(青井政美君) 休憩前に引き続き、農業災害補償法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○降矢敬雄君 今回の農災法の一部改正なかんずく果樹共済につきまして御質問を申し上げるわけでありますが、農災法が創設をされましてから今日まで、農家経済を維持、発展をさせるためにこれは農政の大きな柱として多大な貢献をいたしてまいりましたから、私ども大変重要な一つの農政として期待をいたしております。 なかんずく果樹共済は、創設をされて日も浅いし、その成熟度から見ますと大変不安定な要素を抱えており、心配を実はいたしております。そういう特に共済財政も厳しいと思われる中で、今回の改正は大変農家サイド、生産者サイドから見ましても期待をされておる向きが多いわけでありまして、また中には、なかなか知恵をしぼられて、たとえば集団加入奨励金とか割引制だとか、まあちょっと異論もありますが、足切りのいろいろの操作とか、なかなか知恵をしぼられておられます点、大変厳しい中で御努力をいただきまして、私はまず最初にこの御努力を多といたしたいと思います。けれども、大変果樹共済制度は不安定な要素を将来に向かって抱えておりますので、これらを中心にしまして、また私どもの期待も含めまして御質問を申し上げたいと思います。 どうしても果樹制度をいろいろやってまいります際に心配になります点はその不安定であります。実は国庫の支払い財源の不足の繰り入れ法等も、四十八年創設以来、五十一年、それから本年二月に繰り入れ法を議決をしましたけれども、今日までのいわゆる支払い財源の赤字累積額は再保険においてどのくらいになりますか。いわば赤字というのはちょっと語弊があるんですが、収支の不均衡はどのくらいになりますか。それから県連段階においてはどのくらい、それから組合ではどのくらいの推定になりますか。正確な数字でなくても結構ですから、その辺のあり方につきましてまず御説明をちょうだいいたしたいと思います。
○政府委員(松浦昭君) 果樹共済につきましては、昭和四十八年の引き受け以来五十三年の引き受けまでの六カ年間、この間の再保険段階におきます累積の不足額は二百六十六億六千三百九十三万円ということになっておりまして、これは本格実施以来、まことに残念なことでありますが、連続して異常災害が発生したということ等に基づくものでございます。また連合会段階でございますが、昭和四十八年度の引き受けから昭和五十二年度の引き受けまでの五カ年間の連合会における累積の不足金でございますけれども、収積共済におきましては、実施四十三連合会のうちで三十六連合会が赤字を持っているわけでございまして、その累積の額が十三億九千九十七万円、また樹体共済におきましては、実施十八連合会のうちで八連合会が赤字を持っておりまして、その累積の赤字の額が三千九百九十一万円ということになっております。なお、組合段階でございますが、組合段階の収支の実績で見ますると、収穫共済では千百五組合等のうち収支相当の組合が二百九十二、余剰のある組合数等が四百八十八、剰余額が七千三百万円、赤字の組合等数が三百二十五、不足額が一億九千百万円と、また樹体共済におきましては延べ引き受け二百六十八組合のうち収支相当の組合等数が二十一、余剰のある組合等数が二百三、剰余金二千万円、赤字の組合等が四十四、不足額五百万円ということになっております。
○降矢敬雄君 これは相当なものでして、これがいろいろな面に尾を引かなければいいがという心配は当然これ持つわけでありますが、大体保険事業ということには、先ほど局長が言われますように、収支相当の原則というのがございますよね。ところが、この農業災害には収支相当の原則というのは別な要素が加わって、やっぱり政治的な保護政策的な面がありますから、これを収支相当の原則でどうするかというと、結局国庫負担が多くなる、そういう理解をしてもいいのではないか。増長があるということで大変これはむずかしい面が含まれていますけれども、やっぱりこれは収支相当の原則、これは政府も含めて今後どのように取り扱っていくかということは強い期待を持っておるわけでありますが、あえて私はこれをどうするかと、いま聞いてもどうにもなりませんけれども、それらを含めた上での収支相当というものを十分やっていく、特に組合の一億、二億近い赤字等につきましては十分な指導が行われますように、削減支払い等が減少されますようにこれは期待をいたしておるわけであります。 そこでもう一つは、相対的に、裏腹に加入率の問題を当然伺っておかなければならないわけでありますが、特に私はこの際、平均加入率、それから、特に高い県、低い県、これらにつきまして、ミカン、リンゴ、ナシ、ブドウ、桃、この大きな五品目について一応お知らせをいただきたい。
○政府委員(松浦昭君) 加入率につきましては、果樹共済の最も重要なポイントになるわけでございますけれども、平均的な加入率は年々上昇いたしておりますものの、五十四年度におきまして収積共済で二六・四%、樹体共済七・七%ということで、決して芳しい状態ではないわけでございます。もちろん、この率は一般的な率でございまして、樹種あるいは地域によって先生御指摘のとおり差が見られるわけでございますけれども、主要県の収穫共済について見ますると、温州ミカンにつきましては和歌山県が高うございまして、これが五四・一%でございます。静岡県が低うございまして七・八%という状態でございます。リンゴは総じまして一般的に高いわけでございますが、青森県が特に高うございまして六四・三%、山形県がやや低い状態で二二・九%ということになっております。ナシも一般的に高い部類でございますが、このうち鳥取県が非常に高うございまして七〇・六%という加入率で特に高うございますが、やはり低いところもございまして、埼玉県の二六・二%といったやや低目のところもございます。ブドウは岩手県が高うございまして五三・九%ということになっておりまして、低い方では岡山県が低い状態でございますが、ここでは一〇%という状態でございます。桃は一般的に低い状態でございまして、最も高い福島県でも一八・九%、岡山県は三・六%という状態でございます。
○降矢敬雄君 どうもこのあれを見ますと、各県の経済状態にも大変支配をされているんじやないかと思うんですけれども、共済制度そのものから見ての原因はどのように御判断でございますか。
○政府委員(松浦昭君) やはり加入率の問題につきましては、当該地域のいろいろな実情によりまして変わってまいるわけでございますけれども、一つは団体が非常に熱心に、特に出荷組合等も通じながら一生懸命加入を推進したというようなところもございますが、やはり私ども聞いておりますのは、どちらかと申しますと、果樹の専業的な農家というものがなかなか加入に消極的であるというようなことも聞いておりまして、いま申し上げた県の動向から必ずしも画一的に申し上げる状態ではございませんけれども、どちらかと申せば、本来果樹農家の中で専業的な方々が多いような地帯がもうちょっと入ってもいいんじゃないかというような感じを持つわけでございます。
○降矢敬雄君 いわゆる専門にやっています優良農家の加入率が大変思わしくないということは、これは大変心配が多いわけであります。よく保険制度の悪循環ということを言われます。特に優良農家が比較的遠慮をし、そっぽを向くという制度が——これは全部そっぽを向くならば共済制度はなくてもいいわけなんですが、なかなかそうはまいらない。であるとすると、やっぱり収支の不均衡がいろいろな意味で掛金率の増長にもつながりますし、逆に優良農家にそっぽを向かせることにもなりますし、平均被害率がまた高くなる結果を招く。どうもこの点大変むずかしい問題を、あえて言うならば制度の危険性さえも感じるようなひとつの不安を持つわけでありますが、この点の果樹共済の制度運用、そういう面から見まして悪循環と、もう判断をされておりますか。その点の御見解はどのようにいま局長としてはお持ちでございますか。私見でも結構ですから率直に……。
○政府委員(松浦昭君) 冒頭に私御答弁申し上げました現在の果樹共済の収支の状況につきましては、やはり基本的には、制度の本格的な実施でございます昭和四十八年度から連年異常の災害に見舞われたということが大きな原因であったというふうに考えるわけでございますけれども、やはりただいま先生おっしゃられますように、本来われわれが期待をしておりますところの専業的な果樹農家というものが余り加入を進んでしないという状態がございまして、やはり一種の逆選択と申しますか、そういう状況に陥っているのが一つの原因であるというふうに考えられるわけでございます。やはりこのような悪循環を断ち切るということが非常に重要でございまして、そのよって来るところは、やはりこのような農家の保険需要にマッチした形で制度が必ずしも仕組まれていないという点に問題があろうかというふうに考えますので、今回の制度の改正をお願いしているという次第でございます。
○降矢敬雄君 私どもは今度の改正を見ましても、いま局長が言われますように、やっぱり農家のいろいろの実情に合わせて加入率をふやしていこうという大きな期待を持ってそれぞれ改正をされたように判断します。したがって、その努力を多とするわけでありますが、改正されましたものにもいろいろ問題点なしといたしません。 改正につきましていろいろ質問をするわけですが、まず最初に、今度新たに採用されました選択制、これは特に私は北海道とか九州とか、いわゆる九州は暴風雨、北海道は雪害等、一律的に受ける災害というのは、特に、先ほど長野の村沢委員からも御質問がありましたように、この中部地方の災害とは大変微妙な災害の態様を持っていると思うんです。そういう中で、大変これも問題があるんですけれども、現在のこの選択の導入は当然優良農家の二ーズに特に沿っていこうとするねらいだと思うんですけれども、さて、この中でどういうような災害をまず選択制に任せるのか、またこれから将来どのような選択を加えていくのか、この辺の御見解、見通しはいかがでございますか。
○政府委員(松浦昭君) ただいま先生もおっしゃられますように、私どもできるだけ専業的な果樹農家もこの共済制度に加わってほしいという気持ちを持っておりまして、そのような方々をも軸といたしまして加入率を高めてまいりたいというふうに考えておるわけでございますが、そのためには、やはり掛金ができるだけ安くて、しかもこのような専業的な農家の方が本当に恐れておられる異常にひどい災害、これを選択的に共済事故とするという制度も一つの大きな柱になり得るんじゃないかというふうに考えておるわけでございます。 そこで、この共済事故の選択制でございますが、もちろんこれはオールリスクの制度である現在の制度を基幹といたしまして、それに補完する形でこれを実施してまいりたいというふうに考えておるわけでございますが、現在のところは暴風雨による被害を選択的な事故ということで選べることになっているわけでございます。しかしながら、さらにこれに加えまして私ども今回考えたいと思っておりますのは、ひょう害による事故でございます。さらに、将来検討を加えましてできるだけ早期に実施をいたしたいと考えておりますのは、特に専業的な農家で防除技術の自信がある方、そういう方が進んで入ってくださるということを期待いたしまして、いわゆる病虫害を除外した形での選択的な共済事故という制度も考えてみたいというふうに考えております。さらに暴風雨とひょう害をセットにいたしました災害というものも選択制の対象になり得るのではないかというふうに考えている次第でございます。
○降矢敬雄君 実は私ども山梨県は果樹王国と言われているのですが、ひょう害、凍霜害、寒害、これを三つの災害の王様ということがずうっと前から言われておるわけです。そこで、比較的反収も高い技術を持ってきておりまして、まあ優良農家が比較的多い地域だと思うんですが、このひょう害、凍霜害、寒害はどうしてもこれは防げない。そこで、ひょう害は今回選択制になっておりますが、凍霜害、寒害につきましてはこれは可能だとお考えでしょうか。これはどうももうだめだというふうにお考えか、率直にいかがですか。むずかしいとお考えですか。むずかしさはわかるんです。
○政府委員(松浦昭君) 午前の御審議におきましても、私、村沢委員の御質問にお答えいたしまして私どもの考えを申し上げたわけでございますが、いわゆる新しい枝ができてくる時期あるいは花が咲く時期の前後に凍霜害が起こるというようなことが起こりますと、やはり受精障害なりあるいは枯死といったような事態が起こりまして、いわゆる樹体に被害が起こってまいるわけでございます。この樹体の被害はその時点だけの被害ではございませんで、その後におきまして実がなり、そこで着果いたしましたものがほかの被害によってやられました場合にも、樹体に損傷があるために凍霜害とミックスした形でほかの被害が起こってくるということがこの凍霜害の特色でございまして、これをうまく分割して評価することができれば、共済事故との相当因果関係というものを追求でき、その間に一定の共済事故について明確に損害が把握できまして、この結果共済金を支払うということができるわけでございますが、残念ながらそのような分割の評価の手法というものがまだでき上がっておらないわけでございます。そしてまた、この手法というものは私どもの現段階の研究では非常にむずかしいものであるというふうに考えております。 このようなことで、凍霜害とひょう害とは相当違うわけでございますが、寒害につきましても、同様に樹体に対する影響というものが大きい被害でございまして、他の損害と分割してこれを評価するということがなかなか容易ではないものでございます。したがいまして、せっかくの先生のお尋ねでございますが、この問題は技術的に非常に難点が多いということから、今後の研究課題ということでさらに詰めてみたいと思うわけでございますが、きわめて困難な課題であるというふうに申し上げざるを得ないと思います。
○降矢敬雄君 まあ局長は、きわめて困難だと大変遠慮をしながら、そのぐらいじやどうも不可能に近いというふうなニュアンスにも受け取れるわけなんですが、実は私はどうもこれは不可能に近いと。いま局長の言われるように、いわゆるこれが凍霜害のみによって行われた被害であるというふうに独立をしてはじき出すということはこれは大変困難なんです。これは独立してはじき出そうとしているからなかなか困難であって、これから一歩外れますと私は決してこれは困難ではないんじゃないか。というのは、たとえば、これは冒頭私は大変知恵を働かしていただいたと。これは知恵を働かすところではないかとこう思うんですが、現実に凍霜害というのはこれは被害の対象になっている。そうすると、じゃあいままでの凍霜害の被害はどうしたんでしたかという疑問にも突き当たりますから、不可能とかむずかしいとか言ってはいけないのではないか。現状はむずかしいですけれどもね。 そこで、私はこういうのはどうだろうかとこう実は思うんですが、というのは、今回も基準収穫量を引き受け時に決めなくてやや期間を置いて補完をしましたね。私はこれは大変結構な知恵だと思うんです。やればできるんです。これは。そこで、この凍霜害の被害も、いまはちょっと葉がみんな枯れちゃった、けれどもこれは収穫にどういう影響を与えるかということは皆目わからない。で、恐らくいままでもそういうデータなんていうものは積み上げてこなかったと思う。検討はしていると言ってもそういうものはしてこなかった。そこで、これは収穫時において——その後これはミックスしてきますよ。凍霜害だけでなくて、必ず凍霜害があるときには寒害がある、凍霜害と寒害とは一緒に来ますから。それはミックスしても、やっぱり収穫量に影響があるということならば私は構わない。ただ、選択性ということになりますとこれはひっかかってきます。 そこで、やっぱりこれは、いま私が言いますように、凍霜害も寒害もこれは一緒にしまして選択制の中へ入れまして、そこはむずかしいものをいつまでもむずかしいと言って入れないということになりますと、やっぱりこれは共済制度の生命にいろいろ影響が出てまいりますので、この辺の発想をちょっと変えますと、この辺の選択制も可能な道が開けてくる。独立してということばかり考えてますと、これはいつまでたってもなかなかできない、若干の期間を置いて結果を待つまでは、それは災害——いわゆる凍霜害の発生をしたという事実は認定をしておいて、収穫時まで——ただ、その間いろいろ他の災害も入ってきますからいろいろミックスはされてまいりますけれども、それはそれとして、これはやりようによってはこれらの問題も可能である、そういう見解を実は私は持つわけですし、幸い、基準収穫量につきましても、そういう一定の期間というものを置いて、さらに慎重に、さらに補完を、さらに正確なものにするという制度にされたわけでありますから、この辺もひとつ十分検討に値するのではないかと、こう実は私うぬぼれておるわけなんですが、この点に対していかがでございましょう。
○政府委員(松浦昭君) 私、あるいは先生のおっしゃられることを誤解して受け取っておるかもしれませんが、現在の制度では凍霜害は事故になっていることは御承知のとおりでございます。それで、現在のオールリスクの保険でございますから、凍霜害なりあるいは暴風雨の害なり、あるいは鳥獣害なりあるいは病虫害なり、こういうものが全部合わさりまして、先生おっしゃられますように、まさに最後の結果と申しますか、果実が全部でき上がった時点で損害を評価して、その中にも凍霜害の部分が入っているというかっこうで現在の保険制度が仕組まれていることは御承知のとおりでございます。 したがいまして、私どもとしましては、むずかしいと申し上げておりますのは、そういう最後の結果の時点を見る前に凍霜害分だけ抜き出して、ここで幾らの損害があったかということを認定するのがむずかしいということを申し上げておるわけでございまして、凍霜害事故そのものを抜いてしまうということは考えていないわけでございます。 そこで、午前中も申し上げておりますように、先生の山梨のような場合にはどうか私よくわかりませんけれども、多くの非常に大きな被害というものが凍霜害なり寒害で起こっているということになりますと、料率の中に含まれている大部分の被害というものはそれになっているというふうに考えるわけでございます。ところが、恐らくその場合に、いま一つの大きな被害の大宗は病虫害じゃないかというふうに考えられます。したがいまして、もしも凍霜害が非常に大きな被害の割合を占めているようなところでございました場合には、病虫害を除外するということによって実は大部分の被害というものがカバーできる、しかも、同じように凍霜害を抜き出したそういう共済と比較的似た共済ができるんじゃないかということを申し上げげておるわけでございまして、さような観点から詰めてみたい。 なお、そういう分割の評価ができればこれに越したことはないわけでございますので、その方の研究はなお続けてみたいということでございます。
○降矢敬雄君 これは強く要望をいたしておきますが、分割の評価だけにとらわれておりますとなかなかこれは道遠しだというふうに思います。したがって、やっぱり一つか二つをとっても選択ができるというような幅を持ちますと、これはもう大変加入率にも大きく響くと、こう思いますので、これらは分割評価の至難性というものだけにこだわらずに、ひとつ幅を持って今後検討をいただきたいと、こう思います。 次に、災害のてん補についてでございますが、私は五十三年の八十四国会の改正のときにやっぱりこの委員会で御質問を申し上げました。私の主張としては、より加入率を高め、より明快に、進んで加入できる一つの方向としては、どうしても全相殺より半相殺、半相殺よりも一筆単位だという主張を実はしたんですが、当時、今井経済局長は、道徳論、それから農家の責任論を主張されて——これは改正をした法案ですから、直後からまた改正しますなんていうことは言えないんでしょうけれども——主張されたんですけれども、今回、半相殺をとにもかくにも併用をされたということは大変好感をもって迎えられておりまして、その御努力は多とするわけですが、実は私は全相殺に疑問を持っておるわけなんです、果樹共済に関する限り。当然これは全相殺をやるためには、いわゆる生産団体が完全に農家のシエアを握って、完全に共同出荷、たとえば米のように完全に共同出荷ができて、全収穫量が明確に把握できることで初めて全相殺制度というものは完全に実施ができる。果樹共済で実は完全出荷なんて把握できるような組合があるのだろうか、団体があるんだろうか。これは現実にはどうも絵にかいたもちなんではないか。あるとすれば和歌山あたりにありますか、どうですか。あるとしてもごくわずかではないか、こういうふうに実は思うんですが、その点いかがですか。
○政府委員(松浦昭君) 全相殺方式、半相殺方式の導入、足切り率の問題につきまして、前局長との間で丁々発止の御議論をおやりになりましたのは、私も議事録を読ましていただきましてよく承知をいたしております。確かに全相殺方式につきましてはいろいろな問題があったということは事実でございまして、たとえば損害評価にいたしましても、本来出荷団体を中心にして完全に出荷統計によりまして事故が把握できればこれは問題はなかったのでありますけれども、実際に実施をいたしてみますると必ずしもそういうわけにいかない。結局は大部分の組合におきましては、増収と減収と両方を圃揚において調査するという事態が起こりまして、やはり半相殺を導入して減収分の圃場だけを見てみようという制度に切りかわらざるを得なかったということはこれまた事実でございます。 ただ、全相殺方式でこれで全く全国どこもできないかということになりますと、私どもは地域地域の実態によりましてはこれができるところもあるというふうに考えておるわけでございまして、全相殺の方式におきまして特に出荷率の高い地域ということをわれわれが調査をいたしまして、その結果でございますが、たとえば道府県を通じましての果樹共済実施組合等のうちで、共同出荷率九〇%以上の組合、これがどのぐらい全組合の中であるかということを調査いたしましたところが、温州ミカンについては一二・八%、ナツミカン一七・二、指定柑橘一八・二、リンゴ一四・○、ブドウ三〇・八、ナシ四〇・二、桃三〇・○、カキ五七・一、クリ五九・二というような状態でございまして、まあ全樹種平均で二五・九という数字でございます。したがいまして、樹種により、また地域によりましてこのような方式は依然としてとり得るのではないかというふうに考えておるわけでございます。
○降矢敬雄君 そうしますと、平均して七五%は半相殺で実施をしていくということで理解してよろしゅうございますか。
○政府委員(松浦昭君) やはりただいま申し上げましたような数字で御説明をいたしましたように、かなり多くの組合は半相殺によらざるを得ないというふうに考えておりますが、全相殺ができますところではできるだけ全相殺でやっていただくというふうに考えております。これは損害評価等が非常に楽だからであります。
○降矢敬雄君 私は農水省は、これはわかるんですが、一筆単位よりも半相殺、半相殺よりも全相殺、これは共済の進度によっていわゆる全相殺がより高度な方法であると、こう言われる。ところが、未熟なうちに一遍に全相殺にいくから、また半相殺に戻らなければ——農水省の意見をかりればですよ、戻らなければならないというようなことになってくるわけです。ですから、この点はやっぱり出荷団体の状況とか、それから流通過程のあり方とか、そういう共済制度の成熟度に応じてこれはいくべきものであって、ただ理論的にだけそういう進度だけをあげつらうことについては、やっぱりこれは若干問題があるのではないかと感ずるわけです。したがって、私は素直にあり方とか成熟度、それから農家の期待等を入れて、もっと単純明快にその辺は操作をしても決しておかしいことではないし、その方が共済運用上は大変効果があるというように思うんですが、この点は端的にいかがでございますか。
○政府委員(松浦昭君) 全相殺、半相殺、圃場単位の各制度につきましては、これは長い長い論争の歴史がありまして、私も若いころ保険課の事務官をやっておりました際からずっとこの論争は続いておったわけでございます。もちろん一つの歴史の歩みという形から申しますと、やはり当初農作も一筆でございましたが、だんだんと半相殺、全相殺の方向へと進んでいったわけでございますけれども、やはり先生おっしゃいますように、その時点その時点におきますところのやはり共済の対象というものの実態に即応した形で、損害評価なりあるいは引き受けなりということをやってまいらなきゃならないということでございますので、現在私ども決して制度を後退させたというつもりはございませんが、やはり半相殺の方式をこの際導入した方がいいというふうに考えたわけでございます。 なお、このようないかなる引き受けの単位の方式をとるか、その場合にまた足切りをどうするかということは、非常に各共済についてこれを特定していく場合の非常にむずかしい問題でございまして、この場合には当然掛金率のことも考えにゃいけませんし、あるいは自家保険の能力の問題も考えにゃいかぬ、あるいは損害評価の点も考える、道徳的危険の点も考えるといったような、そのような観点からその共済その共済についての理想を追いつつも、やはり現実を直視した形でその段階における共済のあり方というものを考えていくべきだと思っております。
○降矢敬雄君 まあいま松浦局長の御意見を聞きまして、私は半相殺をとったということは、農水省がとっておったそういう古い行き方は、純学問的な半相殺から全相殺までのそういう制度としての成熟度からいけばそうなんでしょうが、その一方、半相殺を伴った実態に即して私はこれは評価をいたしておるわけであります。ですから、今後もまあこれ後刻出てきますけれども、犠牲を払わして結果的には加入率を一生懸命やらせようというようなそういうねらいがあるならば話はまた別ですが、そうでない限り、ひとつ今後もそういうことにとらわれずに、実態に即した知恵を働かしてほしいということを期待をいたすわけであります。 そこで、従来農水省がとってきたそういう一筆単位よりも半相殺、半相殺よりも全相殺というような形でいきますと、今回、理由はわかるんですが、全相殺を二〇%の足切りにして半相殺を三〇%にする、そういう論法からいくと、今度は一筆単位をもし併用するとすれば四〇%の足切りになる、そういう理屈になるわけだ。けれども、しないからそんなことは答えられませんなんてなことになるかどうか、それは別にいたしましても、そういう皮肉な質問も実は出てくるわけです。ところが、どうでしょうかね、その半相殺と一筆単位というものはそんなに違わないんじゃないか。ずいぶん違いがありますか。その点いかがですか、現実論から言って。
○政府委員(松浦昭君) 二つの点からお答えをしなければならないと思いますが、一つは確かに先生がおっしゃられますような、いわゆる足切りとの相関関係でございます。そういう観点から申しますと、先ほど保険管理課長からもお答えをいたしましたように、一筆から半相殺に移りましたときの経験によりますと、水稲共済においては、やはり掛金率が足切りを同一にいたしますと七割ぐらい上がったという状態がございまして、さような点では相当な格差が出てくるというこどになります。 さようなことから考えますと、やはり果樹の場合で申しますれば、全相殺を今回二割にいたしまして、半相殺が三割足切りということなれば、一筆が四割というようなことになるわけでございまして、果たしてさような保険需要があるかどうかというような議論もございましょう。また同時に、私ども本質的に考えまして、先ほどはやはり理想を追いつつもということを申し上げたわけでございますが、それはやはり基本的に申しまして園地単位で引き受けをいたしてまいりますと、当該園地について非常に大きな災害が起こり、ほかのところは増収があったというような場合においては、農家経営というものの角度から見ましたらさほどの大きなダメージになっていないというようなケースにおいても、やはり偏った被害といえどもわれわれは補てんしなきゃならぬという共済の理屈がございまして、さような点では、やはり一筆よりは半相殺、半相殺よりは全相殺がいいということを理想と申し上げたのはそういう意味でございます。さような点も私ども追いながら物を考えておるということは先ほど申し上げたとおりでございますが、いまの掛金率の関係、特に足切りも関連いたしました掛金率の関係、それからただいま申しましたような大きな共済の流れというようなことを彼此勘案いたしまして、今回は半相殺三〇%足切り、全相殺二割ということで御提案を申し上げたという次第でございます。
○降矢敬雄君 これは一応専門にやっていますと、この保険制度とか共済制度というのは、いろいろ先ほどありましたように、農家の責任論もあり、道徳論——道徳論と言うときれいだけれども、大変疑いやら何かを持つ、そういうものも出てくる大きな原因はこの足切りにあるんですね。それから頭を切るから頭切りもあるでしょう。それからいままで土台切りがあったんですね。まあ私はあえて土台切りと、こう言うが、いろいろそういう切ることがあるから不信感を持つわけなんですね。で、これはこの論議を始めますとすべてに関連があることですから、それだけで片がつくものではないですから、これは私はこの点で切りますけれども、今回共済金の支払い率——私の言う土台切りですね、一割から出発をしている。今度はその土台は切らずにゼロ出発をするというんですから、一応土台切りはなくなった。これは大変な面で、従来批判のあるところであったのですけれども、少なくともこの一割出発をゼロ出発にするような土台切りもできたり、先ほどの御答弁にもあるように、足切りも、いろいろ関連の中で二〇%にしたり、三〇%にしたり、四〇%も可能であるという意見が出てくるわけです。これは実態に即して、そういう——前には種切りというのがありましたね。種切りと言った。いろいろ切られているわけ。種の発芽してからの災害ですからね。ですから、これらの切っているものは、それなりに共済の中で必要があって生まれてきているものであることは間違いがない。だから、出ている。けれど、これはやっぱりなるべく明快に農家ができるようなふうに、今後も引き続いてひとつ、このそれぞれの、ちょっと悪口めいて恐縮ですが、数えれば種切りとか、首切りとか、頭切り、足切りなんてあるんですから、これは明快にひとつこれから整理をする努力はぜひ続けてほしいと思うんです。 そこで、この土台をゼロ出発にされたということは大変私はこれは多とするわけでありますけれども、同時に、この足切りがありますから、足切りの前後のボーダーラインのこの差というもの、災害に入った、では災害金をもらえる、一%の差で災害はもらえない、これに対しても大変これは責任論からくる意見もあるし、道徳論的な、逆に不道徳論的な意見もあるし、いろいろありますけれども、とにかく加入率に影響のある論議であることは間違いがない。そこで、支給率をゼロ出発からいたしましたから相当緩和はされておると思いますけれども、この点の緩和につきましての御所見をまず局長からひとつ伺いたいわけであります。
○政府委員(松浦昭君) 今回、果樹共済だけではなくて、蚕繭共済につきましても、足切りのところ、つまり支払い開始をいたしますところが、従来支払いを開始いたしますとその時点で一割もらえるということになっておりまして、この制度につきましてはメリットもありましたし、またデメリットもあったというふうに私どもは思っております。特に比較的高い被害に対してはできるだけ高い補償を出すというような意味から、三割を超える損害については支払い率の方を一割からスタートするということで従来まで考えてまいったわけでございますけれども、確かにこのボーダーラインというのは非常に問題を起こすわけでございます。農家の方にしてみれば、二割九分と三割との問に一体どれだけ差があるのかと、とたんにそこで一割払われる、片方はゼロだということはいかにも納得しがたいという公平感の問題にもつながってまいります。また、そのようなことを考えたくはございませんが、どうしても損害評価の際に、人情でございますから、二割九分と認定しても、やはりそこは三割で、一割上げようという気持ちになるのじゃないかということも、これまたそういうおそれがなしとしないという感じもいたします。 さようなことで、今回は農作物共済やあるいは畑作共済と同じように、果樹及び蚕繭についてもゼロスタートということにいたしましてこの点をすっきりいたしたわけでございまして、これによりまして、共済制度は全般的にこのボーダーライン問題はなくなったというふうに考えております。
○降矢敬雄君 全面的になくなったというふうに言い切っちゃうとあれですけれども、これは今後もこのボーダーラインについてはどう緩和措置をとっていくか。けれども、これはうかつに緩和措置を下へおろしますと、またそこがボーダーラインになりますからね、これはいつも追いっこになりますから。これはなかなかむずかしい問題ですけれども、これらの緩和措置につきましては、これも知恵を働かせれば出てくるわけですね。たとえばお見舞い金制度にするとか等々あるわけですが、このボーダーラインに対する批判の面について、これは私もいい批判だけではなく、いわゆる不道徳論から出てくるあれもありますよ。けれども、これをいつまでも置きますと、不道徳がさらに不道徳で、よく言えばお互いに同情し合いっこをしたり、二九%を三〇%にしてしまうとかというふうなそういう作為が行われる可能性がある。ですから、あえて真正面から道徳論だけを言っておって、逆に不道徳な不信感を抱かせる点もありますから、これはひとつ十分今後も検討をしていただきたい、こういう希望をいたしておきます。 それから、組合の責任分担、事業の責任分担でございますが、これも先ほどの全相殺完全出荷体制と同じように、この一割から二割の責任を持って、それだけ余裕を持たしていこうとする親心的な、将来に向かっての方向はよく理解ができます。これは将来ずっとそうなっていく方向が好ましい、これはわかります。ところが、やっぱりこれも先ほどの御答弁にありましたように、削減支払いの問題も半数を超えておる、超えております。そういう面で、どうもこれ現実に、現在二割の責任を負っていこうと、その方がうちの組合は有利であるというような組合は現実にはないのではないかというふうに思うんですが、この点ありますか。
○政府委員(松浦昭君) 実は、この責任保有を二割に拡大してほしいという御意見は、共済団体の方から実は御要望があってそれを取り入れたという経緯がございます。しかし、それはともかくといたしまして、私どもの考えといたしましては、確かに先ほどから御説明いたしておりますように、連年の災害あるいは加入率の低さといったようなものからかなりの被害というものが生じ、そしてまた不足金が生じている。末端の組合におきましては歩合の形で責任を持っておりますので、一割の責任も持ち切らないで削減をするといったような事態がございまして、これを歩合保険の形でさらに拡大していくというかっこうになりますと、その削減の度合いも大きくなってしまうというような危険性もあるわけでございます。そういうことになれば、当然農家の方にも御迷惑がかかるということになり、ひいてはこの事業の存立にもかかわってくるということになります。 しかしながら、一方で組合にほとんど責任を預けないということになりますと、すべてまあこれは連合会の話だとかあるいは政府の話ということになりまして、保険、再保険のところだけが責任を負うというかっこうになってまいりまして、したがいまして、組合が自主的に加入を促進するとか、あるいは損害評価を的確に行っていくといったような、そういう意欲がわかないという問題がございます。この間をどう兼ね合いをとっていくかということが今回の政府の改正の一つのポイントでございまして、これは決して二割の責任保有を強制するものではありません。組合によりましてそれを選択するという形にいたしたのもその理由でございます。 先生のお尋ねの、そういう組合があるかということでございますが、実は広域合併組合が、現在、果樹共済のやっておる組合だけで百六十ございます。これらの組合につきましては、かなり事業の運営も安定しているという実態が把握できておりますので、このような安定した組合の中で、事業規模の大きい組合等ではこういうものが実施されていく。そしてまた将来加入率が促進されまして、その結果、安定した共済事業になっているということになりました場合には、さらにこういう組合もふえてくるだろうということを想定いたしまして、実はこのような制度を開いたということでございます。
○降矢敬雄君 百六十組合から、全組合が進んで二割の責任を負うようになりますように私は期待をいたしておるわけですが、逆に、削減支払いという犠牲の中で、組合がもっと加入率だけに狂奔をしなきゃならぬようなところまで結果的にいきませんような、そういう配慮を希望をいたしておきます。 次に、割引制度でございますが、これは優良農家と駄農との——あえて申し上げますが——格差の是正に相当一役買ってまいります。ですから、これはいい面でありまして、この改正を歓迎をするわけでありますが、逆にこの被害農家が、先ほど大臣の答弁の中に、被害があったんだから掛金はしょっていこうというふうに理解をしてくれる農家があればいいわけですけれども、被害も受けたり、また被害を受けない農家の分まで負担をしていくのはかなわぬという、余りほめられないけれども、まあ現実論としてそういう批判もあるわけです。けれども、これはなかなか耳をかして、そのとおりしますというわけにはまいらない。これは大臣も言われておりますように、まいらない。 そこで、ただしこれも加入に影響がございますから、この制度へ移行して急激な変化というものは大変これはいけないんじゃないかと。ですから、その過渡期について、特に料率等につきましては、緩衝的な、自然に移行できるような配慮が必要だと思うのですけれども、その点はいかがにお考えですか。
○政府委員(松浦昭君) 確かに無事故割引制度というのは盾の両面を持っているものでございまして、一方におきまして掛金が割り引かれるという農家がございますと、一方では掛金が上がる農家があるわけでございます。これはいわば料率の個別化という性格を持っております以上、やむを得ないことであるというふうに考えておるわけでございますが、先生おっしゃいますように、確かにこれを急速に行いますと、かえって今度は掛金の上がった農家が離反していくことも起こりますので、私どもとしましては、その辺のところは十分に見きわめまして、最初から急速に大きな掛金の幅をつくるといったようなことがないように、十分当該組合の実態を見ながら措置をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○降矢敬雄君 その点お願いをいたしておきます。 次に、集団加入奨励金、これは大変知恵を働かして結構な制度だと、こう思っているのですが、実は私はこの制度をちょっと拝見したときに、まあ生産出荷団体に交付をするということでぴんと頭へきたわけです。というのは、ほとんど全国で生産出荷団体というのは、総合農協、中には果樹販売単一専門農協とか、そういうあれもありますけれども、農業共済とは比較的縦割りの関連性のない団体が実は出荷をしておるわけであります。これは農業共済的縦割りの団体がやっているところはそんなに問題ないと思うのですが、実はどっちかというと、農協共済と強い関係のある総合農協ないしは専門農協が出荷を担当している。そうなりますと、この集団交付金の運用によっては逆効果も起こり得る。これはもう局長御案内のように、短期共済と長期共済、農業共済と農協共済、特に農業機械のあの共済等につきましても、三八協定がどうのこうのとか、三八協定を中心にして大変な競合が行われて、感情さえももうあらわに露呈をしている県、これは多いわけですね。率直に言えば、総合農協、言いかえれば長期共済をやっている農協共済をつくっておる総合農協がそっぽを向いたらばこれはちょっと厄介になるのではないか。したがって、このせっかくのいい知恵を働かしていただいた集団加入の奨励金というものも、その点を十分加味して、運用の面で十分県等の指導も参加させて、感情論を言いはしないような、逆効果を導かないような配慮がやっぱり運用で——せっかくいいものですから——必要だと思うのですけれども、その点の御判断はいかがでしょうか。
○政府委員(松浦昭君) 従来からも、果樹共済の円滑な運営を営るためには、生産流通の段階で力を持っておられます総合農協等の団体の御協力を得るということで、資料の御提供あるいは損害評価への協力といったようなことをお願いしてまいっておりまして、その間においてはかなりの御協力をいただいてきたというふうに思います。また果樹の場合には、必ずしも総合単協だけではなくて、いわゆる特殊単協の方々もおられますので、さような面でも総合農協とはちょっと別に変わった御協力はいただけるというふうに考えておりますが、やはり先生おっしゃいますように、基本はやはり農業団体の中でもその大きな力を持っております総合農協とそれからこの共済団体とが仲よくやっていくということが非常に重要であろうと思います。私、着任をいたしましてからも、ぜひ三八協定のもとにおける争いというのはないようにしたいというふうに念願をいたしておりまして、その点は両団体の方々とも非常によく考えていただきまして、少なくとも中央段階におきましては、この間から問題が起こりました地震共済の問題につきましてもほぼめどがつきましたし、また農機具共済の問題につきましても、ただいま先生御指摘がございましたが、地震共済の問題も関連いたしておりますけれども、これもおおむね解決のついた状態でございまして、そのようなことで、ぜひ三八協定を遵守しつつ両団体が今後とも円満にいくということが、やはりこの果樹共済においてもうまくいくもとであるというふうな気持ちで今後とも指導してまいりたいというふうに考える次第でございます。
○降矢敬雄君 その点、大変むずかしいことですけれども、お願いをしておきます。 それから次に、リスクの区分割合ですが、当初来、基礎の数字を北海道から南は九州まで三区分に分けておりましたが、私はこれを、要するに三区分では——まあ生命保険などは死亡率、危険率というものは全国一律でございますけれども、災害が態様が違いますから、これは大変これではあらぬ責任を負わなければならないという不信感が出てまいります。したがって、できれば組合ごとのいわゆる災害の態様によってもっと細分化する必要があるという主張をいたしたところでございますが、その後——これは政令ですか、その後いかがですか、改正されましたか。
○政府委員(松浦昭君) 先生の御指摘は、たしか私前回の質疑の模様を読ましていただきましたところでは二つあったと思いますけれども、果樹共済の分野につきましては、これは都道府県単位に料率は決めておりまして、さらにそれを細分化いたしまして市町村単位におろしていくということにいたしておりますし、これは危険階級に応じまして地域区分ごとにおろしておりまして、かなり細分化しておるわけでございます。 ただ問題は、国と県の責任分担にかかわりますところのいわゆる通常標準被害率、いわゆるqというラインでございますが、このqのラインにつきまして従来は資料の不足等がございまして、この区域を全国三つぐらいにくくりまして、それでqの算定をしたという経過がございます。しかし、資料の蓄積が進んでまいっておりますので、五十六年度の改定におきましてはさらにその細分化に努めてみたいというふうに考えております。 それから、特に先生が前回御指摘になったのは園芸施設共済ではなかったかと思いますけれども、園芸共済につきましては、当初はやはり試験的な実施でございましたために、全国を三つに区分してやっておったことは事実でございます。しかしながら、本格実施に際しましては、八十四国会の先生の御指摘も踏まえまして、非常に不十分な資料ながらもできるだけこれを細分化したいと思いまして、区域を六区分にいたしまして掛金率を算定したということになっております。
○降矢敬雄君 まあ大体六区分ぐらいにすればそんなに文句はなく、支障なくいけるんじゃないかと思いますけれども、さらにまたこれは十分実態に合いますように御検討をいただきたいと、こう思っております。 次に、園芸共済の通常事故と異常事故というのがありますね、これがどうも不明確で、実際起こりますとどうも政策的に異常にしたとかなんとかというようなことが起こりかねぬという心配をするわけであザますが、これは明確にやっぱりその限界を、できるものについては区分を、一線を画すべきだと、こう思っていますが、その点いかがでございますか。
○政府委員(松浦昭君) 園芸施設共済につきましては、まれに発生します非常に深い被害、つまり超異常災害と申しておりますが、これにつきましては、農業団体ではとうてい回復しがたいそういう不足金が生じますので、このような災害につきましては特定いたしまして、いわゆる煙突方式と申しますか、全額国が責任を持つというかっこうにしているわけでございます。先生御指摘のように、このような被害につきましては明確にしておかなきゃいけないということでございますので、異常事故として定める災害は、広範囲の地域でかつむねごとに見ても深い損害をもたらすものということが適当だというふうに考えまして、現在はこのような条件を満たすものといたしまして一定基準以上の地震、これは震度六以上でございます。風害、これは最大瞬間風速六十一・ニメーター毎秒以上、それから及び風雪害、最大瞬間風速五十五メーターから四十メーター毎秒と、それに積雪量、これは降水量に換算いたしました積雪量でございますが、十五から三十ミリの組み合わせという、この四種類ということで明確に告示をいたしております。
○降矢敬雄君 一定のものを区切りますと、またそれに対する御批判もありましょうけれども、とにかくそれはそれとして、これは明確に一定区切られたことは大きな価値のあることだというふうに評価をいたします。 そこで、先ほど村沢委員からも御質問がございましたように、現在、被害はオールリスク制をとっておる。やっぱり畑作物共済その他、特に畑作物はそうですけれども、全農作物について共済の網をかけていくことが私は理想だと、こう考える。けれども、それぞれ保険制度にのせるためになかなかむずかしい面もありますが、まあ大豆やインゲンをのせたんですから、これはもうすでにああいう相揚のあるものものせたんですからのせられないものはないと、こう思う。で、これは全農作物にやっぱりその網をかぶせていくということを理想として私どもは期待をしておるわけでありますが、特に茶、それからホップ、レタス、キャベツにつきましては、従来検討してきていただいております。いつごろから政令でこれを加えられるような事情にありますか、その年度につきまして、端的で結構ですから。
○政府委員(松浦昭君) 以上の農作物につきましては、前回の法改正の折に附帯決議の内容ともなっておる事項でございますので、私どもも鋭意御趣旨に沿うべく検討いたしている次第でございますが、茶とホップにつきましては昭和五十一年から試験調査を実施いたしておりまして、ホップにつきましては昭和五十六年度から畑作物共済の対象とするということを目途に最終段階の詰めという状態でございます。それからお茶につきましては、私どもも早急に問題点を整理いたしまして、、できるだけ早く結論を出したいということでございますが、お茶につきましては依然として技術的にいろいろな問題がございます。損害評価にいたしましても、お茶は一体どのような状態が損害になるのかということの基本的な議論がございますし、それからまた全国北から南までいろいろなお茶がいろんな時期に茶摘みで摘まれるわけでございまして、そのときにどのように一体これを制度的にうまく仕組むかということで、各県の御意見も徴しておりますが、これがなかなか一致しておりません。そこでいましばらく時間をいただきまして、早期に結論を出すように努めますが、まだちょつと時期が言えないという状態でございます。それからレタスとキャベツは目下五十二年から調査をいたしておりますけれども、まだ保険設計に必要なデータを収集するための調査の段階でございます。
○降矢敬雄君 大臣がお見えになりましたので、最後に大臣からひとつ御見解をいただきたいと思います。 実は今回の果樹共済を初めの改正は、大臣お留守のときにも局長にいろいろ申し上げたんですが、生産サイドに立ちまして一遍に満点だとは申し上げませんけれども、大変な御苦労、また知恵をしぼられていい方向に向いておられます。大変多とするわけでありますが、先ほどもちょっと大臣おいでのときのあの足切り論、それからまあいろいろ切るやつがあるんですが、これやっぱりその保険制度の成熟度に応じて、どれが高度であってどれが低度であるなんということは余り価値がないと私は思う。やっぱりその実態に応じて、生きた方向でいろいろそういうものが操作をされてしかるべきだと考える。その方が私は生きた共済制度として価値がある。けれども、歴史から見ればいろいろありますけれども、早く生まれたものや遅く生まれたものはありますけれども、今後も共済制度が悪循環に、いわゆる未熟児であります果樹共済が悪循環を来して制度の危機に陥りませんように、これは料率と国庫支出と合わせまして、これらも勇断を持って、大臣ひとつ、りっぱに果樹共済が生産農家のためになるように育てていってほしいと、こう思うわけで、それには厳しさがございます。目下大変不安を持っております。どうか果樹共済を、これから随時事実に即していろいろ改正もされていかれてほしいと思うわけであります。大臣の御所見をお伺いをいたしたい。
○国務大臣(武藤嘉文君) 先生御承知のとおり、果樹共済はまだ歴史が浅いわけでございますし、その中で、いろいろこれでまた今回の改正においても一応改善をしておると私どもは思っておるわけでございます。しかしながら、その加入率から申しましてもまだ大変低いわけでございますし、なかなか思うように成熟をしていかないわけでございまして、私どもも何とか今度の改正を機に、より一層成熟度が高まるように努力をしていかなければならないと思っておりますし、あわせてまだまだいろいろの問題がこの果樹共済にはあるわけでございまして、これはまあしかしほかの共済と比べると歴史が浅いのでございますのでこれはやむを得ないことではなかろうかと思いますけれども、いま御指摘のように、掛金率の問題あるいは国の負担割合の問題、やはり健全な財政になっていく中でしかも共済金が円滑に払われる、そしてそれに対して農家の方も喜んで加入をしていくというような制度に持っていくようにしなきゃならないわけでございまして、今後とも、その意味においては私どもせいぜい努力をしなければならないと考えております。
○原田立君 わが国の農業災害補償制度は昭和二十二年に制定され、創設以来三十有余年の歳月が経過したわけであります。わが国の農業情勢は、多様な変化のもと、現在では米の過剰基調に起因して農業の再編が重要課題となってきておりまするが、このような状況を踏まえ、今後の農業災害補償制度のあり方等、総合的に調査研究を行うとともに、時代に対応した制度の検討を行う必要があるのではないかと思うんですが、大臣の所見はいかがですか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 農業がやはりそのときそのとき変化をするに応じまして、農業共済制度も改善をしてきたわけでございます。今後も、いまたまたま水田利用再編対策をやらせていただいておりますが、やはりいろいろと農業を取り巻く環境は変わってくると思うのでございます。それに対処いたしまして、よりそれに即応できるような形に共済制度が充実をしていかなければならないことは当然でございまして、政府としてもそういう考え方で努力をしてまいりたいと考えております。
○原田立君 昨年五月、農業共済団体から八項目にわたる制度改正についての要望が出されておりますが、今回の改正案にどの程度これが反映し得たか、具体的にお伺いしたい。
○政府委員(松浦昭君) 今次改正に当たりまして、共済団体の方から御提案のございました御意見のうち、私どもはこれをできるだけ取り入れたいということで考えてまいりまして、幾つかの点につきましてはそれを全面的にあるいは部分的に取り入れた次第でございます。 たとえば半相殺方式の導入あるいは無事故割引制の導入あるいは正常な出荷ができなかったものを減収量に換算することによりまして共済金を支払うといったような御要望につきましては、これを全面的に取り入れた次第でございます。 また、収入共済につきましては、まあ完全な Q制度ということで御要望があったわけでございますが、午前中大臣から御答弁申し上げましたように、なかなかこれは保険設計上むずかしいということはございましたけれども、しかしながら災害PQという形で非常にユニークな制度でございますが、これを実験的に実施するということで採用いたしたわけでございます。 また同時に、基本的な考え方として重要な問題としてわれわれ検討いたしましたのは、いわゆる事業責任分担を農作物共済と同様にしてほしいというお考えでございまして、いわゆる通常標準被害率の上下によりまして責任の分担を変えていくという方式でございますが、この方式につきましてはなおこれは検討が必要であるということで、果樹共済につきましてもまだ日が浅い実施の状況でございますので、さらにもう少し資料が整備された段階でこれを検討してみたいというふうに考えておる次第でございます。
○原田立君 いま局長余り口が早いものだからね。これ八つあるんですよね。私が持っているのは五月二十五日の日本農業新聞の切り抜き社説を持っているんですけれども、一から八までずっと並んでいるのですけれども、どれとどれを導入してどれが取り入れられなかったのか、それだけちょっともう一遍お願いします。
○政府委員(松浦昭君) ただいま申し上げましたように、八つの項目のうち四つは取り入れた次第でございます。半相殺、無事故割引、それから災害PQそれから品質の低下に応じた減収量の算定、こういった問題は取り入れたわけでございます。
○原田立君 結局半分は取り入れたけれども半分は見送りにしたという結論のようであります。 昨年四月の第一回会合から九回にわたる調査検討による資料に基づいての果樹共済に関しての検討結果ではないかと思うのでありまするが、今回果樹共済のみにしぼった理由は一体どういうところにあるのか、その理由はいかがですか。
○政府委員(松浦昭君) 農業災害補償制度につきましては、御案内のように、制度創設以来、農業事情の変化に対応して常に拡充強化を図ってまいったわけでございまして、先般は畑作共済を全面的に実施いたしましたし、その前には果樹土ハ済を全面的に実施するということでございました。ただ、農作とかあるいはその他の共済事業につきましてはかなり制度の内容も充実しておりまして、特に現段階で改正を要すると考えましたものは、まず第一に果樹共済でございまして、これは御案内のように非常に加入率も低い、そのために不足金も非常に出ている、このためにこれを早期に改善する必要があると考えまして、まず果樹共済に手をつけたわけでございます。それからまた、蚕繭共済につきましては、これまた多年の御要望でございました足切りの問題であるとかその他の問題が蚕繭共済についてはございましたので、蚕繭共済についても今回は手を触れております。それから、家畜共済につきましても、多年の御要望でございました馬の掛金国庫負担、それから豚につきましては種豚と肉豚とを同じような水準の掛金の国庫負担にしてほしいという御要望がございましたので、これにつきましても改正をいたしている次第でございます。
○原田立君 果樹共済以外についての共済制度及び今後制定を検刮しているものについてはとう対応するつもりでいるのか。また、新規に共済制度を設ける予定としてどんな内容を考えているか。調査検討状況及び新規導入の見通し等、公表できるならばしてください。
○政府委員(松浦昭君) まず今後の共済制度の改正の見通しでございますが、基本的な制度の改正につきましては、やはりこの制度が災害対策上農政における非常に重要な柱であるという認識を私ども持っておりまして、今後とも慎重な対応は要するものと思いますけれども、やはり農業の事情の変化に対応し、また共済の需要の変化に対応いたしまして、今後とも各種共済の充実に努めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。 特に御指摘の新種保険と申しますか、新しい共済制度の対象にすべき保険として附帯決議の中に盛られておりますものにつきましては、たとえば茶、ホップ等につきましてはすでに試験調査を開始しておりますし、イグサ、たばこ等につきましても調査を開始しております。それからまた、露地野菜につきましては、キャベツ、レタス、白菜あるいはスイカ等につきまして、データの収集をいたしておりますし、その他畑作物につきましては、飼料用作物、なたね、ソバ、落花生及びカンショ等につきまして調査を開始いたしております。この中でも調査が進んでおりますのは茶とホップでございまして、ホップにつきましては昭和五十六年度から実施ができますように、それを目途に最終段階の詰めを行っておりますし、それにつきましてはいましばらくお待ちをいただきたいわけでございますが、これにつきましても早急に問題点を整理いたしまして、制度の実現に努めたいというふうに考えておる次第でございます。
○原田立君 いまお茶とホップ、イグサ、たばこ、これらのお話があった中で、飼料用穀物についても考えているというようなお話だったけれども、これは見通しはどうですか。
○政府委員(松浦昭君) あるいは私の発音が悪かったかもしれませんが、飼料用作物でございまして、牧草と青刈りのトウモロコシについて現在調査をいたしております。
○原田立君 調査という段階で、まだ別に見通しははっきりしていないんですか。
○政府委員(松浦昭君) まず共済を始めます場合には、保険需要がどの程度あるかということを調べることが非常に重要でございますので、その保険需要の調査から着手をしているという状態でございます。
○原田立君 そんなことはわかっているのだよ。見通しはどうかと聞いているんです。
○政府委員(松浦昭君) この飼料用作物につきましては、実は保険需要の調査をやっておりますが、率直に申しまして余り需要が強くないという結果が出ております。
○原田立君 それは多少問題発言のように思いますけれども、次に進みましょう。 現在の果樹共済の実態は、保険収支の悪化、共済掛金率の上昇、加入率の低下、保険収支の悪化という非常に悪循環を繰り返しているのは、先ほど来指摘されているとおりでありますが、この悪循環を打開するためには専業農家の加入促進が強く期待されているわけです。制度が発足して七年になりますが、加入促進のため現在までどのような施策を講じてきたのか。
○政府委員(松浦昭君) 確かに現在の果樹共済の加入率は年々上昇しているものとはいえ、依然として収穫共済で二六・四%、樹体共済で七・七%という低い状態でございます。このように加入率が一般的に低いのは、やはり制度発足間もないということもございまして、必ずしも私どものPRが行き届いていないというわれわれの責任もあろうかというふうに考えるわけでございますが、一方におきまして、樹種とか地域によりまして加入率に差があるといったようなこと、そのために専業的な農家になかなか加入の意欲がわかない、あるいは現在の制度が必ずしも実態に合っていないという点があろうかと思います。農林水産省といたしましては、これまでのところ、果樹共済の普及、加入の推進につきましては、諸般の会議等を通じまして、農業共済団体を指導してPRに努めさせるということをやってまいりましたほか、昭和五十二年度から減収暴風雨方式を導入するといったような方法もとりましたし、また五十三年度からでございますが、三年間、果樹の主産県において果樹共済モデル組合等育成指導対策事業というものを実施しまして、加入促進を図ってまいりましたが、必ずしも現在までのところ、その加入の状況がよくないという状況でございます。
○原田立君 いまの原因は、制度が発足してまだ間もない、あるいは政府のPR不足だと、二つ理由を挙げられたように思うんですけれども、実際五十四年度までで二六・四%しか実績が上がっていない。ただそれだけではないような気がするわけなんですが、その点どう考えるかが一つ。 また、今回の法改正の中心が果樹共済であるのは当然ですが、改正による加入促進効果をどう見込んでいるのか。先ほど、何か効果としては五〇%ぐらいはぜひ加入さしたいんだというようなことを言っておったが、あわせて答弁をお願いしたい。
○政府委員(松浦昭君) 先ほども御答弁の中に入れておいたつもりでございけれども、決して私どもPRが足らなかったということだけではないと思っておりまして、やはり専業的な果樹農家を中心にいたしまして、共済に加入するという意欲がわかない。それはなぜであるかと申せば、やはり制度が現実の保険需要にうまくマッチしていないという点に一つの原因があろうかというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、より制度を保険の需要に合わせるような形で今回の制度の改正をお願いしているわけでございます。 さらに、どの程度までわれわれがこの制度の改正によって加入の促進ができるかということについてでございますが、もちろんこれは実施をしてみなければその結果はわからないわけでございますけれども、諸般の改正をいたしまして、特に専業的な果樹農家の加入意欲をそそるような改正はいたしているつもりでございますので、そのような効果を考えますれば、私ども五〇%程度の加入は見込みたいというふうに思いますし、そこまで持っていくように努力をいたしたいと思うわけでございます。
○原田立君 要するに、農家の人たちが本当にありがたい法律だと、ぜひつくってくれと、こういうふうな要望があれば、五〇%なんか言わなくっても、七〇でも八○でも入ってくると思うんですよ。やっぱりそこに何らかの穴があいているものだから結局魅力がないと、こういうことになるんだろうと思う。ことしの二月の二十二日の新聞に、清水さんという人が、農民の声を十分聞くべきであるというようなことを言っております。これはつけ加えとして申し上げておくわけであります。 果樹共済が本格実施されて七年、この間支払われた共済金は、五十三年末で三百九十七億一千四百万円。果樹経営の安定には十分役立っているわけでありますが、一方、加入率の低さから年々不足金が累増し、二百六十億三千五百万円の赤字になっているわけであります。そこで、財政危機を理由に大蔵省から制度見直しを迫られていると、こう聞いているわけでありますが、制度見直しに対する大蔵省の要望は具体的にどんなようなことがあったのか。また、農林水産省としてどういうふうにこれに対処したのか。その点お伺いしたい。
○政府委員(松浦昭君) 果樹共済における制度運営の実態は、ただいま原田先生御指摘のとおり、政府段階における四十八年から五十三年の引き受けまでの累積不足金で二百七十億に達したわけでございます。したがいまして、このような事態を打開するということのためには、どうしても加入率を引き上げなきゃならぬということでございまして、今回は団体等の意見を徴しますと同時に、また財政当局も含め、政府部内でいろいろと検討を行ってまいったわけでございますが、財政当局の意見としては、やはり問題点は加入率にあるということでございまして、加入の増大を通じて事業の健全な発展を図る上いうことが必要だというのが財政当局の見解でございまして、そのために具体的な方策として私どもが用意いたしました今回の改正案を財政当局の方も了解いたしまして、これによってやってほしいということでございます。
○原田立君 大臣、いまも話があったけど、変なふうな妥協をして、その果樹農家の人たちが泣くようなことがあってはならぬと思うわけなんです。担当大臣としてそんなことはしないだろうと思いますけれども、お考えをお伺いしたい。
○国務大臣(武藤嘉文君) 泣くようなことのないようにというお言葉がどういう意味なのか、私あれでございますが、想像するのに、せっかく掛金を掛けておって災害が起きたと、そこで共済金がもらえるはずなのが、共済金がもらえなくなるということであろうと思うのでございますけれども、少なくともそういうことのないように、私どもはこの制度の運用がしっかりやっていただけるようにしなきゃいけないと思っております。ただ、法律にもありますように、削減をすることができるとその法律の中にはあるわけでございます、それで現実に今日までそういう削減した組合もあるということでございますが、これは決して好ましいことではないのではないか、やむを得ない措置としてこういうことが許されておると思いますので、できるだけそういうことはないように極力私どもは努力をしてまいりたいと、こう思っております。
○原田立君 農業共済事業は現在では果樹、畑作、施設園芸も制度化され、共済事業の対象は農畜産物の主要な分野のほとんどを占めるに至っているわけでありますが、そこで重要になってくるのは共済組合組織の整備であろうと思うのであります。せっかく共済事業の拡充が図られても、元請組織としての組合が脆弱であっては、制度の効果的安定的運営が図れない。元請組織の実態はどうなっているのか。また、広域組合等の実現のための対策をどう進めているのか、その点はいかがですか。
○政府委員(松浦昭君) 先生おっしゃいますとおり、元請組織である組合等がしっかりと事業を行っていくことが、何と申しましてもこの事業の基礎であるということは御指摘のとおりであろうと思います。そこで、できるだけ組織の基盤を整備していくということが非常に重要な課題になってまいるわけでございますが、今日なお、組合等の中には運営組織が必ずしも強いという状態でないものが多く存在しております。それからまた、いま一つの問題として、市町村がその事業を行っているところがございまして、ここではやはりやむを得ず市町村が組合から共済事業の移譲を受けたというような事態から、必ずしもその組織が強くないということが言えるわけでございます。 そこで、組合につきましてはできるだけ広域化を図るということで、一郡一組合ということで組合営による広域合併を推進してきたところでございまして、かなりの数が合併をいたしておりますけれども、なお残りました組合につきましては、やはり一郡一組合で推進してまいりますが、なお一郡一組合という基準では合致しないというところでは、郡の中のもう少し小さな合併でも結構でございますが、そのような合併を促進したい。また少なくとも一市町村内に二組合あるといったようなところは、これは一組合になるように合併を促進したいと思っております。また市町村営につきましては、これが支配的な地域につきましてはできるだけ一部事務組合といったようなことも考えてまいりたいと思いますし、また広域合併をいたします際に、中に市町村がございました場合にはそれも取り込んで大きな組合にしていくといったようなことを指導してまいりたいというふうに考えております。
○原田立君 この共済制度の円滑な運営を図るためには、共済団体等の職員の資質が最重要課題となると指摘されております。昭和五十四年度現在、この共済制度を運営している数は、組合営が千百三十三、市町村営が千百七十六団体と、こうなっておりますが、おのおのの役員及び職員数の実態は把握なさっておりますか。
○政府委員(松浦昭君) 最近時点におきます市町村営の職員数は五千三百人、組合営の職員数は九千三百人でございます。また組合営の役員数は約一万九千一百人、うち理事一万五千五百、監事三千六百人でございます。
○原田立君 ちょっといま数字がはっきりしなかったんですけれども、組合営の方が職員が九千三百人で、市町村営の方が五千三百人、これは間違いないですね。いま理事の数というようなことを言われたときに一万五千人とかなんとか言われたんだけれども、そんなに多いんですか。それをちょっとお願いします。
○政府委員(松浦昭君) そのとおりでございます。
○原田立君 農業災害補償制度に関する検討結果の中で、多様化してきた果樹共済制度の整備とともに、それを担う農業共済団体等の職員の資質の向上が重要である。したがって、果樹に関する技術研修を含めこれらの職員の研修を拡充強化する等により本制度の的確な運営を期する必要がある、こういう指摘になっておるわけでありますが、果樹のみにかかわらず、すべての共済制度に同じことが言えるのではないか。具体的にどう対応し、資質の向上を図るのか。
○政府委員(松浦昭君) 職員の資質の向上を図ることは、果樹共済のみならず、共済事業の円滑な運営にとりまして最も重要な事項であるということの先生の御指摘はまことにごもっともでございます。特に共済事業の内容が多様化しておりまして、制度の的確、円滑な運営を図りますためには、役職員等に対しまして十分な研修、講習をいたしまして資質の向上を図っていく必要があると思います。逐年中央段階におきましても講習事業を拡充してきておりまして、五十五年度予算において役職員の研修、講習に要する経費は二千四百万円を計上いたしております。また、中央団体における講習のほか、都道府県段階でも各種の研修等を開催しておりまして、今後ともこれらを十分に行いまして資質の向上を図ってまいりたいというふうに考えております。
○原田立君 その資質の向上というのは、たとえて言えば仕事に、その内容に精通する、勉強させるということになるんだろうと思うんですけれども、そういう意味での研修というのか、そういうのが年に一回とか二回とか行われるんじゃないかと思うんですが、その点の実態はどうですか。
○説明員(海野研一君) 全く先生おっしゃったとおりでございまして、主として中央へ集めまして、長いものでは一カ月ないし二カ月の研修、これも新しく共済組合等の職員になった段階のもの、それから中堅職員用のもの、さらには各事業専門の職員用のものと、いろいろなことをやっております。それからまた中央だけではなくて各ブロックでの講習というようなものもやっております。
○原田立君 現在、加入資格農家の幅は五アールから二十アールで、組合等が地域の実情に合わせて決めるようになっておりますが、現在の最低引き受け規模の設定について実態はどうですか。
○政府委員(松浦昭君) 現在、加入資格につきましては組合の定款等で定めておるわけでございますが、この選択の状態を申し上げますと、五アールから九アールの範囲内で定めている組合等が最も多うございまして、その割合は全体の六〇%になっております。次いで十アールから十四アールまでが三七%、二十アールまでが三%となっております。これを樹種ごとに見ますると、温州ミカン、指定柑橘及びクリが十アール以上の比較的高い基準で定められている組合等が多いわけでございますが、リンゴ、ブドウ、ナシ及び桃では十アール未満の低い基準で定められている組合が多く見られます。
○原田立君 今回の改正では、五アールから三十アールに加入資格農家の幅を広げているわけでありますが、組合等によっては、最低引き受け規模を上限に近い水準に設定することも考えられるわけであります。小規模果樹農家の加入を阻害する可能性があると思うんですが、その辺の配慮はどうお考えになっていますか。
○政府委員(松浦昭君) 今回、加入資格の上限を二十から三十アールまで引き上げたわけでございますが、それによりまして私どもは画一的に、加入資格を実際に組合において決定します場合にそれを引き上げろということを申しているわけではございません。私どもといたしましては、あくまでもその地域、地域の実情に応じまして加入の資格条件というものを決めていっていただきたいというふうに考えますので、特に三十アール程度の、二十から三十アール程度の大きな規模の加入を促進したいというような組合がありました場合に、そのような選択の幅を広げるという意味で三十アールに引き上げたというだけでございます。実際上、加入資格基準につきましては、総会あるいは市町村営の場合には議会の場でこれを決定するということになっておりまして、その場合の意思決定は、組合の場合は三分の二の多数決によることになっております。したがいまして、実態に即したような基準が選ばれるということでございまして、私どもといたしましては、小さな農家を切り捨てるというようなことはないと信じておりますし、また、そのような指導をしてまいりたいというふうに思います。
○原田立君 改正案では、掛金率の改定を従来の四年から三年に短縮しておりますけれども、どういう理由でそういうふうにしたのか。また、明五十六年度は料率の改定時に当たるわけでありますが、無神経なアップはじり貧な果樹共済制度に追い打ちをかける結果になりかねないと心配するわけでありますが、どう対処なさるおつもりですか。
○政府委員(松浦昭君) まず、料率の改定期間を四年から三年に短縮した理由でございますが、やはり果樹共済の被害の発生の実態に即応いたしまして、できるだけ料率を適正に設定したい、つまり、被害の実態を料率に早期に反映したいという考えで三年ごとに改定をするというふうにいたしたわけでございます。今後加入が促進されて、それによりまして料率が安定する状態ができますれば、これまた短縮した期間によりましてできる限り早期に安定した掛金率になっていくというふうに考えられます。 また同時に、五十六年度の料率改定につきましては、連年の災害の実態がございまして、これを反映いたしまして、残念ながら一般的に申しますと、掛金率が上がらざるを得ないということを申したわけでございますが、このような状況に対処いたしますためには、どうしても技術水準の高い専業的な果樹栽培農家の加入を促進いたしまして、被害率を低下させ、長期に見て被害率が低下した結果、料率が下がるようにいたしてまいりたいというふうに考えております。 しかしながら、今回の改正の中で事故除外制度といったような新しい制度を設け、事故除外制の拡大といったようなことをいたしますと同時に、無事故割引制といった新しい制度も導入いたしたわけでございまして、かようなことを考えてまいりますと、諸般の制度の改正とあわせまして、農家によりましては安い料率で加入ができるという道も開いたわけでございます。
○原田立君 共済掛金率は、過去一定年間における被害率を基礎として、農林水産大臣が定める収穫基準共済掛金率を下らない範囲内で組合等が定めること、こういうふうになっているわけでありますが、加入促進のための割引制度の導入がかえって逆効果になることも考えられるのであります。導入によるプラスマイナスをどのように認識しておられるか。
○政府委員(松浦昭君) ただいまの先生のお尋ねは、無事故割引制度を実施するに当たって、その制度の実施が加入への阻害にならないかというお尋ねであろうと思います。 確かにこの制度は、一種の料率の個別化といったところに意味がある制度でございまして、無事故の割引を受ける農家がございますれば、収支相当の原則ということを前提にいたします以上、やはり掛金率の上がる農家というものがあることは事実でございます。したがいまして、このような料率の個別化というものが専業的な農家を加入させるために必要な制度であるというふうに私ども考えておりまして、これは実施したいというふうに考えておるわけでございますが、同時に、この制度の適用によりまして急速に掛金率の上がるような農家が出てまいりますと、先生の御指摘のように、円滑な事業の運営に阻害要因になるということもあろうかと思いますので、その実施に当たりましては十分に慎重を期し、また組合等の意見も聞いてこれを実施してまいりたいというふうに考えております。
○原田立君 次に、収穫共済は原則としてオールリスク方式がとられておりますが、共済事故除外の規定として、減収暴風雨方式のみがその対象となっております。その実施状況は一体どうか。またどのような利点があったか。その点についてお答え願いたい。
○政府委員(松浦昭君) 暴風雨方式は昭和五十四年度においては十三県において実施いたしておりまして、収穫共済全体の加入面積に対する割合はいまだ二%という低い水準でございます。これはやはり大きなメリットがあるというふうに考えておりますが、このメリットといいますのは、やはり掛金率が低くなるという点でございまして、特に専業的な農家では、安い掛金率で自分が防止できない本当に深刻な被害を受けたときに手厚い保護が受けられるという意味でメリットが大きいというふうに考えます。また、共済責任期間を一年間としたので、農家にとっても理解しやすいということを期待したわけでございます。 しかしながら、先ほど御説明いたしましたように、加入率がまだわずか二%ということは、この共済の真のメリットがまだ理解がされていないという点もあろうかと思いますけれども、やはり一方におきまして現在の基準がややきついという点にあろうかと思います。 〔委員長退席、理事片山正英君着席〕 その特に問題になります点としましては、リンゴなどにつきますと、風力階級七というのが現在の制度でございまして、平均風速が十三・九メートル毎秒という状態でこの基準を設定しているわけでございますが、これ以下の風速あるいは瞬間最大風速が二十メートル程度の風速によりましても、収穫期においてはリンゴの実が落ちるというような状態がございまして、もう少し風速の基準を下げてほしいという御要望がございます。私どもといたしましては、一方でこのような基準を緩めますと掛金が高くなるという問題もございますが、やはりこのような基準がややきつきに過ぎるんじゃないかという御意見もございますので、その辺のところは十分考えまして、今後とも検討してみたいというふうに考えている次第でございます。
○原田立君 これはちょっとダブリになるかもしれませんが、果樹農家の中には、この共済事故の選択方式の拡大を望む声が強いわけであります。現行制度の原則であるオールリスク方式から見て、この共済事故除外の規定の拡大をどう位置づけをするのか。あるいはまた、今回共済事故の選択方式を拡大し、現行の暴風雨方式のほかにひょう害方式その他準備の整ったものから実施することとしているというわけでありますが、今後選択方式の対象となる共済事故の拡大の方向と見通しについてお伺いしたい。また、説明の中にある、準備の整ったものから実施するとあるが、これは一体どういうものを指すのか、その点をお伺いしたい。
○政府委員(松浦昭君) 私どもはやはり共済制度の本質から申しまして、基本的にはオールリスク制というものが共済制度の基本であると考えておりますし、果樹共済につきましても今後ともやはりこれが基幹になっていくというふうに考えております。むしろ、共済事故の選択制を入れてまいりましたのは、このオールリスクのいわば補完的な役割りというふうに考えているわけでございます。と申しますのは、特に技術水準の高い農家ということになりますと、やはりオールリスクということよりも、掛金が安くてしかも非常に深い被害というものをてん補してもらえるということでさらに加入が増すのではないかと考えたからでございます。しかし、このような選択的な制度を取り入れましても、オールリスクそのものの需要というものが衰え、あるいはそれによる加入が減ってくるというふうには考えておりません。と申しますのは、今回オールリスクの面につきましても、いろんな制度改正を行っておるわけでございますし、さらに、特に被害率の低い農家はこれまで加入をしていなかったと考えられますので、むしろ特定の危険によりますところの共済事故の選択制のもとに入ってくる農家は、プラスアルファで入ってこられる農家ではないかというふうに考えられます。それからまた、多くの果樹農家は自分の技術にかなり自信を持っておられるというふうに思いますので、必ずしも技術水準の高い農家から順に事故除外制を選択するというわけでもないだろうというふうに考えます。また、無事故割引制等によりまして、技術水準の高い農家もオールリスクの果樹共済に入りたいというお気持ちを持っていただけるのじゃないかというふうに考えますので、 〔理事片山正英君退席、委員長着席〕 少なくとも今回の改正によりましてオールリスクが食われてしまうということはないと思います。したがいまして、オールリスクを基幹とし、かっこれに補完的な役割りを果たすということで、共済事故の選択制を考えてまいりたいというわけでございます。 さらに、現在は暴風雨についてのみ共済の事故の選択制を取り入れておりますが、今後の方式といたしましては、私ども考えておりますのは、ひょう害を取り入れたいというふうに考えております。さらに将来準備が整ったならば実施したいというものといたしましては、病虫害を除外する方式というものを取り入れたいというふうに考えておりまして、これは病虫害の損害を分割して評価できる尺度ができますれば、これを実施いたしたい。先ほども御答弁いたしましたように、でき得れば、一両年のうちにこのようなことができればというふうに考えている次第でございます。なお、このほかに、暴風雨とひょう害とを合わせてセットにした共済の方式も考えてみたいというふうに思っております。
○原田立君 本制度の本来の趣旨はオールリスク方式であると、いま局長もお話しありましたが、事故除外方式が拡大された場合、本制度の運営上何らかの支障が考えられますが、双方のバランスをどのように考えていくのか。
○政府委員(松浦昭君) ただいまも申し上げましたように、やはり基幹はオールリスクであるというふうに考えておりまして、今回の共済事故の選択方式を取り入れまして、オールリスクでない保険を実施いたしましても、それはオールリスクに付加されるいわば補完的な保険ということで、さらにプラスアルファになるというふうに考えておりまして、オールリスクとは基本的には矛盾しないものというふうに考えている次第でございます。
○原田立君 引き受け、てん補方式を簡明にしたいわゆる特定危険方式の採用についてはどのように考えられているのか。
○政府委員(松浦昭君) 共済団体が従来からこの特定危険方式というものをお考えになっておられたということは私どもも承知しておりまして、恐らく先生のおっしゃられるのもその意味であろうと思います。その共済というのは、特定の共済事故のみを選択した場合において、共済金を被害時における被害割合に応じて算定する方式というふうに規定をしてよろしいかと思うのでございます。これは確かに収穫期に共済事故によって被害を受けたような場合には、損害評価を非常に楽にできるという点でメリットを持っていることは事実でございますが、次のような点に問題がございまして、なお検討を要するのではないかと思います。 それはきわめて技術的な問題でございまして、一つは果実がだんだんだんだん大きくなっていくという、その大きくなっていく時期に特定の共済事故が発生したという場合には、果実の損傷のほかに、枝とか、あるいは葉っぱとか、そういう樹体が損傷を受けるわけでございまして、これがどのように収穫に影響するかという認定はなかなかむずかしいということが一つございます。 それから、これは非常にわかりやすい例であろうと思いますけれども、たとえば花が咲いた時期に、特定の共済事故以外の事故、指定した事故以外の事故でございますが、たとえば凍霜害が起こった、それで花がたくさん落ちちゃったと。で、残った花がわずかしがなかったところにもってきて、最後の実がなったときに今度は特定事故である暴風雨がやってきたというふうなときには、この被害によりまして全部実が落ちちゃったというケースを想定してみますと、その場合は、判定は着花数に対する損傷花数の割合によって判定をいたしますので、これは全損ということになってしまいます。ところが、実は凍霜害によって起こった事故も開花期によってあるわけでございますから、暴風雨に特定いたした事故というのが特定できないという問題がありまして、この問題の技術的な問題を解決しなければなかなかこれはむずかしいんじゃないかというふうに考えている次第でございます。
○原田立君 改正案では、共済金額は基準収穫量の設定と切り離し、地域の標準的な数量を基礎として設定することとしておりますが、改正の主たる理由はいかがですか。
○政府委員(松浦昭君) 基準収量は共済金額を算定する基礎ともなり、また、損害評価の基礎ともなります非常に重要な共済制度の仕組みの一つでございますが、果樹共済におきましては、基準収量を設定するということが非常にむずかしかったわけでございます。と申しますのは、やはりいろいろな農家ごとに実際の技術水準も違いまして、その場合に基準収量が違ってくるということがございます。また、圃場ごとに、その地形その他によりまして一つ一つまた基準収量が違ってくるわけでございます。このようなむずかしい果樹共済におきまして、人手が非常に足らない事態の中で、引き受けの時期に一挙にこの基準収量を決めようと申しましても、なかなか適正な基準収量が決められないというところに問題があったわけでございます。 そこで、今回の制度は、まず標準収穫量というものを決めておきまして、これをまずもとにいたしまして、さらに引き受けをやりました以後におきまして実態をよく調べまして基準収量を設定するということを考えてみようと。いわば二段モーションで基準収量を的確に設定しようという考え方でございます。ただその場合に、標準収穫量と基準収量とが離れてまいりますと、共済金額と、それからまた損害評価とがちぐはぐな収穫量によって決まってまいるという矛盾が起こってまいりますので、これはできるだけ双方近づけるべく努力をしようということで、標準収穫量を設定いたす場合には、基本的には標準収穫量を一つの表によりましてこれを決定しているわけでございますけれども、やはり農家間の実態はよく組合で調べていただいて、実態に合った標準収穫量を設定していただく。それからまた、過去に組合員の方が実際に収穫につきましての十分なデータを持っておられるというような場合には、それも参照いたしまして標準収穫量を決定していくということによりまして、基準収穫量と標準収穫量の差をなくしていくということによりましてスムーズな運用を図りたいと思っている次第でございます。
○原田立君 保険は、本来共済金額の基礎となる数量と損害評価の基礎となる数量とは同一、少なくとも連動性が必要であると思うのでありますが、この連動性の点でどのような考え方に立っておられますか。
○政府委員(松浦昭君) ただいま申し上げましたように、果樹共済におきましては、先ほどのような特殊な果樹の実態によりましてなかなか基準収量というものがきちんと決められないということから、標準収穫量と基準収量とを分けて考えるという手段を今度便宜的に導入したわけでございます。しかしながら、先生御指摘のように、両者は常に密接に連動の関係を持っておりますので、できるだけその間の差をなくするということが必要でございます。そこで、標準収穫量を設定する場合には、やはり農家の実態というものを十分に反映した形で標準収穫量を設定していくということにいたしますれば、基準収穫量においてそれほど差が出てこなくなるということになろうと思います。ただ、隔年結果、一年置きに豊作と凶作とが起こりますようなそういう果樹の種類につきましては、これは典型的には温州ミカンでございますが、そういう場合には、やはり基準収穫量の方は隔年結果の事態に応じまして基準収量の方を設定してまいりますので、標準収穫量と基準収穫量の間に若干の差が出てくることは事実でございます。しかしながら、隔年結果というのは豊年あれば不良年、不作、それからまた豊作というふうに交互に起こってまいりますので、標準収穫量としては、長く長い目で見ればそれが平準化されるというふうに考えておりますし、また同一地域におきましては、大体果樹というのは同様な隔年結果の状態を示してくると思いますので、長期的に見ればそのような格差というものが不公平に働くということはないというふうに考えております。
○原田立君 加入促進の上からも、農家の損害感に合った損害てん補を行うためにはこの標準収穫量または基準収穫量の設定はきわめて重要な要素であろうと思うのであります。設定に関する見解、これを再度お伺いしたいと思います。
○政府委員(松浦昭君) 先生御指摘のとおり、この標準収穫量、基準収穫量は、農家の不満感をなくすための最も重要なポイントでございまして、共済のかなめとも申すものでございますが、これにつきましてはできるだけ適正にその収穫量を設定してまいりたいと考えておりまして、これは果樹の状況、園地の状況等を十分調べましてこの収量を決定したいと思っております。また同時に、標準収穫量につきましては、先ほどから御説明申しておりますように、単に標準収穫量表によって決めてしまうということではなくて、組合員の方方の実際の果樹の栽培状況あるいはその方が実際に収穫のデータを持っておられますれば、それをまた基礎にするということで、念には念を入れたかっこうでこれを設定したいと思いますし、また同時に、標準収穫量と基準収穫量の両者の制度を併用するという形をとりまして、引き受け事務が終わりましてから後に念を入れてさらに基準収量を設定するといったようなことで、農家間の不公平あるいは農家の方の不満がないように収穫量を設定してまいりたいというふうに考える次第であります。
○原田立君 農家によっては標準収穫量より基準収穫量が多くなるところと逆に少なくなるところが生じ、農家間において損害てん補等で不公平が出てくる、こういうことはないかどうか。また、基準収穫量は共済責任期間開始後に設定することとしておりますが、基準収穫量の設定が前年産の収穫期ないしそれ以後に行われるとすれば、従前のやり方に比べ、損害評価の基準としてより適正妥当なものになるのかどうか。さらに、標準収穫量に対して上下どのような幅になるのか。 以上三点についてお伺いしたい。
○政府委員(松浦昭君) 標準収穫量と基準収穫量を分ける制度を今回設定したわけでございますが、標準収穫量と基準収穫量の間にできるだけ差がないようにするということは先生御指摘のとおりでございまして、私どもはそのような意味から、標準収穫量はできるだけ農家の実態に即するような形で設定していくということによりまして基準収穫量との差をなくしたいというふうに考えております。主として基準収穫量と標準収穫量との間に差ができますのは隔年結果によるものでございますが、先ほども御説明いたしましたように、長い目で見ればこの隔年結果というものについては問題が起こらないというふうに考えておりますし、また両者の間はほとんど違わないような形でできるだけ設定してまいりたいというふうに考えます。 また同時に、基準収穫量を引き受けの後に綿密に調査し、その場合には隔年結果等の要素も入れて考えてまいりますので、そのような状態で考えてまいりますと、損害評価は従来よりもより的確に行えるということだけは間違いないと思います。
○原田立君 現行の果樹共済制度は農家にとって魅力のあるものになっていないということはしばしば指摘してある点でありますし、農林水産省としてもその点心得て今回の改正になったわけでありますが、今後収量だけでなく、品質、価格差、収入を共済の対象にする考え方がますます提起されてくると思うのであります。農水省はこれらの問題提起をどう受けとめているか、また前向きに検討する用意があるのかどうか、その点はいかがですか。
○政府委員(松浦昭君) 確かに、ただいま先生がおっしゃっておられます品質の要素を入れていく件、あるいは価格の要素を入れていく件というものは非常に農家の要望がある点でございます。 そこで、まず品質の方につきましては、今回いろいろな実際上の損害評価の際に品質の要素も入れまして、たとえばジュース等に向けられるミカンといったようなものが大量に発生しました場合には、その価格の差というものも損害の中に入れていくというようなことでこれをカバーしてまいりたいというふうに考えております。 価格の要素をどう取り込むかということについては、確かに果樹栽培農家にとりましては、収入共済という角度からこれを取り上げてもらうということが、所得の補てんという意味からも有効な手段であるということは考えられるわけでございますが、しかしながら、朝、大臣からも御答弁がございましたように、災害対策として災害による農家の損失の補てんというものを目的にしましたこの災害補償制度のもとにおきまして、一般的な価格低落というものによる損失、いわゆる豊作貧乏というものまでカバーするということは必ずしもこの制度にそぐわないのではないかという議論もございますし、また、朝、大臣も御指摘がございましたように、保険技術的に見ましても、全国一律に起こりますような一般的な価格の崩落といったようなものまでも補てんの対象にするということは、やはり危険の分散という点から考えましてなかなか保険設計になじみにくいという問題がございます。 そのようなことで、収入共済方式を完全な形で実施するわけにはまいらなかったわけでございますけれども、今回はその制度の特色も生かしまして、実は先生御案内のように、災害によって収穫量が減少した農家につきまして価格の要素も含めました収入金額、つまり、生産金額の減少額に応じて共済金を支払うという災害収入方式を導入する、これを試験的に実施するということにいたしましたので、収穫量が減少した農家につきましては、価格の要素も織り込んだ保険を実施してみたいというふうに考えている次第でございます。
○原田立君 温州ミカンについては、現行制度では粗生産額の多い年に共済金も多く支払っているというような状況も生じております。このように、価格が上がって収入額としては一定の水準が得られているにもかかわらず、収量の減収があったということで損害補てんが行われているという実態については、もちろん矛盾があるように思うんですが、どうお考えですか。
○政府委員(松浦昭君) 従来の制度で申しますと、確かにこれは収穫共済でございまして、価格の要素というものは入っていないわけでございます。したがいまして、暴風雨とかあるいはひょう害とか、そういったいろいろな災害によりまして物量として収穫が減る、その結果所得が低下するということのために備える災害補償制度として果樹共済が仕組まれているわけでございまして、そのような面では、場合によっては全般的な被害が起こった結果価格が上がり、そして一方では共済金がもらえるといったような事態が越こっているというふうには考えますが、本来の制度の仕組み上そういうふうになっているわけでございます。
○原田立君 どうもおしまいの方がわからなかった。
○政府委員(松浦昭君) そのような収穫の状態におきまして物量として損害が起こっているということを前提にいたしまして、その面をとらえまして共済金を支払うということになっておりますので、仮に全般的な価格が災害によりまして上がっているという事態におきましても、なおかつ共済金がもらえるという仕組みになっておりますが、今回の災害収入方式は、そのような点では価格の下落とそれから不作によるダブルパンチというものをむしろカバーしようということを考えておりまして、その点で今回の実験によりまして、その辺のところの農家の御感覚がどう出てくるかということを私どもとしては注目したいというふうに考えておる次第でございます。
○原田立君 収入方式は、収量の減少ではなく、所得の減少を基礎に共済金を支払うもので、温州ミカンでは一部試験実施されていると聞いております。特に愛媛県を初め、県単位で六県が実施していると聞いておるのでありますが、各県どのような成果をおさめているのか。また、農林水産省はこれをどう評価しているのか。
○政府委員(松浦昭君) 確かに温州ミカンにつきましては、収入金額が平年の収入額の三割以上減収した場合に、三割を超えた減収額相当分を共済金として支払うという、いわゆる所得共済というものが果樹共済とセットになりまして、実験的に愛媛県において昭和四十八年から、和歌山県においては昭和五十一年から実施されていることは承知しております。 この所得共済は、愛媛県におきましては七百四十戸前後、和歌山県におきましては四百三十戸前後加入しておるわけでございまして、それぞれ支払い共済金を払っているわけでございますが、私ども確かにこの方式は、経営上の損失に対応する方式として農家から好評を受けているということは聞いておりますけれども、一面におきまして、この制度というものは果樹共済とセットになっておりますので、収入が減少したときも、さらに収穫が減少しても、いずれの場合でも共済金が支払われるという非常に有利な共済になっているというところに私どもはこれが成り立っているというふうに考えているわけでございます。したがいまして、所得共済単独で実施した場合に果たして農家から歓迎されるかどうかということにつきましては、にわかに断定はしがたいというふうに考えております。 そこで、所得共済について、果たしてそういうことであれば今後いかにこの収入共済というものを考えていくかということでございますが、この点につきましては、先ほどから御答弁申し上げておりますように、収入共済そのものを実施いたしますことは、保険の制度上も、また保険設計上もいろいろ問題がございますので、今回は災害収入方式という形でこの制度を取り入れていったということでございます。
○原田立君 そのことはわかっているのでありますけれども、それを具体的に本格実施の見通し、これはどうですか。
○政府委員(松浦昭君) 災害収入方式につきましては、目下これから実験をしてやってみようということでございますが、私どもは、その実験の結果によりまして、もしもこれが非常に農家に受け入れられ、そしてまた災害の補てん及び収入の補てんといたしまして効果のあるものということが判定できましたらば、これはもちろん本格的な実施に移す用意がございます。ただ、必ずしもそのような結果にならなかったという場合には、収入共済のみに戻るということも考えられますが、一応実験を行います以上は、これは効果がよければ本格実施ということで踏み切っていきたいというふうに考えます。 —————————————
○委員長(青井政美君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、宮田輝君が委員を辞任せられ、その補欠として高平公友君が選任せられました。 —————————————
○立木洋君 この改正案につきまして、大臣の提案理由の説明の中では、制度が農業事情の変化の実態に即応しない面があらわれてきておるので、そういう点から第一に果樹共済の改善と合理化という点が挙げられていると思うんです。それで、お話をお伺いしますと、このことによっていま膨大な保険収支上の赤字を解消したいし、さらには大変加入率が低いわけですから、これを何としてでも高めて改善していきたいというふうな御趣旨だと承っているわけです。しかし、この赤字が出てきた原因が一体どういうことにあったのか、その背景が一体どうなっていたのかということがやっぱり明確に把握されないと、これは今後の改善の上で実際に生かされないということにもなりかねないわけですから、まず最初に、この赤字が起こってきた原因、その背景等々について御説明願いたいと思うんです。
○政府委員(松浦昭君) 現在、国及び連合会、さらに組合等に多くの不足金が生じておるわけでございますが、やはり基本的に申しますと、この不足金が生じてまいりました大きな原因は、本格的に制度を実施して以来異常な災害に見舞われたということにございます。すなわち、昭和四十九年につきましては北日本一帯の記録的な豪雪や干ばつ等がございましたし、昭和五十年産につきましてはひょう害、凍霜害等による被害がございました。昭和五十一年産につきましては低温と日照不足による受精障害あるいは果実の肥大の抑制、並びにひょう害及び台風による被害がございました。昭和五十二年産につきましては寒害、異常低温による受精障害、ひょう害、長雨等による被害がございました。昭和五十三年産につきましては異常気象による異常落果、干ばつ等による被害がございましたし、昭和五十四年産については凍霜害、ひょう害、台風等による被害がございました。 このような毎年連年の異常災害が続きまして不足金が生じておるのが基本でございますが、さらに加えまして、やはり加入率が低く、その原因としては制度に問題があったというふうに考えている次第でございます。
○立木洋君 いま御説明で、昭和四十九年からの大変な異常災害が連続しておるというお話で、資料もいただいているわけですが、しかし、実際には果樹共済の問題を実施するに当たって、これは本格的に実施されてからはまだ浅いわけで七年間しかたっていないわけですが、実際には、果樹における被害の状態がどうなっているのかということは昭和三十五年から調査をされてきたと思うのですね、八年間にわたって。その後五年間にわたって事実上共済の試験的な実施が行われて、そして七年間の本格的な実施ということになったわけですが、いま言われた異常災害と言われますけれども、それならば本格的に実施する以前の状態、調査された状態から見て、こういうような異常災害というふうな問題がどういうふうにとらえられておったのか、また、本格的に実施されてからはどういうような変化があったのか、そういう点での分析はいかがでしょうか。
○政府委員(松浦昭君) 実は、もちろんこの共済制度を実施する前には長い準備期間を置きましたし、また、試験実施の期間も置きました。そうして、ようやく本格実施に移ったわけでございますが、私ども少なくとも被害率の推移を見てみます限りにおきましては、本格実施以前の被害というのはさほど大きな被害ではなかったわけでございます。本格実施をいたしましたここ数年間の被害というのは、試験実施時期の被害の約倍以上に上っておりまして、さような意味で、今回の連続被害というのは確かに異常な被害というふうに考えておるわけでありますが、いましばらくこれは様子を見まして、果たしてこれが異常な被害であるかどうかという判定もしなければならないと思っておりますけれども、少なくとも試験実施の時期に比べますと非常に大きな被害が連続しているということが言えると思います。
○立木洋君 ですから、この異常と言われるかどうかという問題ですね。それから実際にこういう被害が起こっておる、災害が起こっておる実態についても私は分析的にやっていく必要があるだろうと思うのです。先ほど言われましたように低温の障害から寒害あるいは凍霜害やひょう害等々、さらには台風があり、それから毎年のように病虫害等々も問題になっているわけですね。 それで、一つここでお尋ねしておきたいのは、たとえばブドウの晩腐病の問題ですが、ここ三年間大変な晩腐病が広がっているという状況になっているわけですが、現在その発生した面積が六千ヘクタールにも達しておる、事実上これが果樹面積の二割以上にも広がっているというふうなことで、山形、山梨、新潟、岩手等々に被害が目立っておるということも、現地も私は見てまいりましたし、これはすべてではありませんが、そういうことも聞いておるわけで、この点については今後の対策と見通し等々いかがなものでしょうか。
○政府委員(塚田実君) お答えいたします。 ただいま先生から御指摘ありますように、果樹については大変な災害が出ているわけでございますが、私どもといたしましては災害を復旧するというようなこと、あるいはこうした災害補償によりまして農家の所得を維持するということも大事でございますけれども、いまお話しのように、災害を防止するというようなことが農家の立場に立てばもう一つ重要なことであろう、このように考えております。そこで、特に果樹のような場合につきましては、適地でつくっていただくということがやはり災害防止のために大事なことでございまして、適地適産といいますか、そういう立場から、私ども果樹農業振興基本方針の中に、果樹の植栽に適する自然的条件に関する基準というものを定めておりまして、適正な実地に植栽していくということを指導しているところでございます。また、最近では各種の病虫害も御指摘のものを含めまして出てきておりますし、また、豪雪による被害、低温による被害というようなのが出ておりますので、農林水産省としては、技術指導を、都道府県に対する技術指導でございますが、強めてきているところでございます。ことしの一月には事務次官通達をもって、豪雪対策、低温対策、病虫害対策等について都道府県知事に指示しておりますし、そうしたことの重要性にかんがみまして、今後ともこうした指導の一層の徹底を図るということで災害の防止に努めていきたい、このように考えております。
○立木洋君 大臣も聞いておいてほしいのですけれども、ブドウの晩腐病ですね、あれを除去するのにどうするかといいますと、たとえばかさをかける、あれはカビが雨でだんだん繁殖するというのですね。それで見てみますと、一つ一つのブドウにかさをかけている、これは大変なんですよ。それからビニールを張るとしても、十ヘクタールですか、十アールかな、やっぱり数十万円の金がかかる。それから薬を塗るにしても、あれは幹に一つずつ塗らなければならない。労力から何から言っても大変な状態なんですね。だから、そういう晩腐病なんかを除去するようないわゆる薬を、農薬を、本当に国が本腰入れてやってもらう必要があると思うんですよ。前にリンゴのときでも、この病害の除去の問題についていろいろ何回かお話ししたときにも、それはやらなければならない、何とかしなければならないと言いながら、どうしても時間がかかってしまう。もう現実に毎年のように、果樹の農家にとってみれば、この病気をどう除去していわゆる生産を保持していくかということについては心を砕いているわけですから、こういう農薬の開発等々もぜひ本腰を入れて、問題は、共済がどうするかということと同時に、その前にそういう事態が起こらないようにすることが肝心なものですから、その点ぜひ努力をしていただきたいということを強く要望しておきたいんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(二瓶博君) ただいま先生からブドウの晩腐病を例にとりましてお話があったわけでございます。雨の多い年によく晩腐病は発生するわけでございます。雨よけ等をやりまして被害を軽減する等のことをやっておりますけれども、なかなか現在特効薬的な農薬がない状況でございます。したがいまして、今後何か新農薬の開発というのが一つのテーマになってまいるわけでございますが、この新農薬の開発につきましてはなかなか時間がかかる、それから研究投資にも相当多額の金がかかるというようなことが現実にあるわけでございます。薬効がありましても、それがまた逆に公害といいますか、催奇形性がどうとか、いろんなやはりそういう別な面の副作用がないかどうか、そういうものも十分確かめて、公害をまき散らさないでしかもなおかつ非常に効く、こういう薬を開発しなくちゃならぬわけでございますので、その辺につきましては、農林水産省としましても残留農薬研究所等施設の整備等も力こぶを入れておりまして、その辺の新農薬の開発というものも逐次手がけてまいっておるわけでございます。まだまだ不十分な面があろうかと思いますが、今後ともこういう新農薬の開発の面には十分力を入れてまいりたい、かように考えております。
○立木洋君 大臣、いま申し上げましたように、こういう異常災害と言われるような事態がどうして起こってきているのか、その原因をやっぱりよく分析していただいて、そういう事態が起こらないように防止策もぜひ強めていただきたいということを重ねて御要望しておきたいと思うんです。 それから、制度上の問題に入る前に、私はやっぱり今日の果樹農業の長期的な展望といいますか、見通しといいますか、これをぜひお尋ねしておかなければならないと思うんですが、問題は果樹農業にとっては、ミカンなんかが典型的にあるわけですけれども、どんどんミカンをつくらせるというふうな事態があって、果樹農業振興策ですか、これも私は大変問題だったと思いますし、特にやっぱりアメリカの圧力に譲歩を重ねて果樹輸入がどんどんどんどん進められてきたというふうな事態も問題だったと思うんですね。ですから、昭和四十七年の生産過剰による価格が大暴落して以来、ことしまで隔年ごとに価格の暴落が続いている。そういう状況のもとで、ミカンの農家が立ち直るために努力をしなければならないという状況でさらに大量のオレンジや果汁の輸入等々が進められていくということは、これ果樹農家にとっては大変な事態なんですね。以前は、ミカンについて言えば、かつて米並みのやはり労働報酬があったわけですけれども、現在では多くて六割、四割というふうな状態にまで落ち込んで、果樹の中でも最も採算がとれないというふうな問題にまでなってきております。ですから、農家の方々は果樹農業だけでは成り立っていかないということで、農業外収入、所得に努めなければならないというふうなことが、今度は果樹にとってみますと手入れが行き届かないというふうな事態が起こってきますから、そこからまたいろいろな問題が出てくるということも起こりかねないわけですね。ですから私は、昭和四十八年、四十九年にかけて、いわゆる果樹作付面積を見てみますと、廃園が新植を上回るというふうな状態で、四十三万五千ヘクタールをピークに減少の一途をたどっているわけですから、こういう点、根本的にやっぱり対策をきちっと立てていかないと、この果樹共済の問題を、赤字をきちっと解消して、そして加入率も高めて果樹農家が十分にやっていけるということにはやっぱりならなくなる、そういう基本的な問題をぜひ対策をきちっとさせていく必要があるだろうと思うんです。こういう点で、政府がいま果樹の需要と生産の長期見通しの改定中であるというわけですが、この果樹農業について、的な大臣のお考えを聞かしていただきたいと思うんです。
○国務大臣(武藤嘉文君) 確かに従来の計画の中で、たとえば昭和六十年を見通した計画などにおいても、生産量が予想よりも上回ったということは事実でございます。しかし、確かに果樹振興法というものもございまして、私ども果樹の振興をお願いをいたしておりますけれども、温州ミカンについてはすでに、いまのお話で四十年代の後半から生産過剰になっておりまして、極力転換あるいはその他のいろいろ指導もいたしてきたところでございまして、しかしそれにもかかわらずなお生産量が非常に多くなったと、こういうことでございます。今後はぜひひとつこういうことが二度と起きないように、やはり需給のバランスがとれるような形で長期の見通しを立てていかなきゃならないということで、いまちょうど農政審議会におきまして、昭和六十五年度をめどに、六十五年度の状態をどういう需給関係にするかということで需給見通しをいろいろと検討願っておるわけでございまして、この果樹関係についてもその中で私どもは検討をし、そして今度こそは六十年の見通しのようなことのないようなものをぜひつくり上げたい、こう考えておるわけでございます。
○立木洋君 五十一年の八月でしたかね、昭和六十年度のミカンの需給の見通し、あれがたしか四百五十二万トンだったわけですね。現状から言えばもう三百五十万から三百六十万になったら暴落するというふうな事態になって、見通しが大幅に狂っているということが出されているわけですけれども、これは私はやっぱりオレンジや果汁等々のアメリカからの輸入が大きく響いている。それから六十年度の見通しと、今回、いま検討されている六十五年度の見通し、この試算ですが、これを比べてみますと、やっぱり生産が八百七十九万トンから七百八十万トンにされて自給率が九七%から八一%になっているんですね。ですから、将来にわたって果樹の輸入に道をあけるようなこういうことではなくて、果樹の農業がやっぱりきちっとやっていけるような、こういう自給率を下げることによって問題解決を図るのではない方向を私はやっぱりきちっと出していただく必要があるだろうと思うんです。この点を再度指摘しておきたいんですが。
○政府委員(二瓶博君) 五十一年の八月公表いたしましたのは果樹農業振興基本方針でございまして、これに、先生おっしゃる需要といたしまして四百五十二万トン、六十年の需要見通しということに相なっております。で、問題は、この需要見通しにつきまして、生食需要は大体これは横ばいじゃないかと、こう見ており、また果汁の方は相当増加すると見たわけでございますが、その後の推移を見ますというと、生食需要の方が大分落ち込んでおります、率直に申しまして。したがいまして、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、六十五年を目標年度にする改定作業を現在やっておるわけでございます。 そこで、その際に、先生からの御指摘で、これが非常に輸入がふえてきたと、そういうことも響いているのではないかというお話もあるわけでございますが、一応私たちの方としては、オレンジ等につきましてこの五十五年度から輸入枠等もふやしてございます。ただ、これは温州ミカンの非出回り期、これを中心にということで、六、七、八のいわゆる季節枠といいますか、そういうものを軸に入れるというのを軸に考えておりますので、これは温州ミカンにはそう大きな影響はないのではないかと。むしろ価格低落その他につきましては、国内的な需給のバランス、これのとり方が、必ずしもこちらの指導もよろしきを得なかったという面はあろうかと思います。そういう反省の上に立ちまして、現在農政審議会におきまして農産物の一つとして検討していただき、他面また、果樹農業振興審議会というのもございますので、こちらにつきましてまた並行して審議をいただいておるということでございます。 そこで、現在いろいろ審議をいただいておりますので、まだ具体的な数字というものを最後的に申し上げる段階まで来ていないわけでございますが、いずれにいたしましても、六十年度四百五十万トン程度と思っております温州ミカンの需要、これはやはり現時点から立てば高きに失するというふうに考えております。したがいまして、もう少しその辺の見通しをきちんと立てたものにしたいということで、農政審議会の先生なり、果樹農業振興審議会の先生なり、大所高所並びに専門的な角度から種々検討いただいておるということでございます。
○立木洋君 まあ温州ミカンだけの問題でなくして、これは果実の輸入というのは、リンゴにしろその他にしろいろいろ影響が出てくるわけですね。組合等とのお話を聞いてみましても、一人年間リンゴの消費量がいままで六キロだったのがやっぱり五キロに減るというふうな事態もあるという話も聞いているわけですし、だから、そこらあたり総合的なあり方というのをぜひ大臣よくお考えいただきたいということを重ねて申し上げておきたいと思うんですが、時間があれですから、次に制度上の問題でお尋ねしておきたいと思うんです。 今度の改正される内容、改善される等点について、補償内容を充実させるという面よりも、赤字を埋める合理化の方が何か前面に出ているような感じもするわけですが、そういう点、特に農家だとか共済組合等々にもそういう意見があるやのように聞いております。その点では政府では、できるだけ大ぜいの果樹農家に入ってもらう、そして危険の分散を図って保険収支を改善していくというふうに述べられているわけですが、それは間違いないでしょうか。
○政府委員(松浦昭君) 今回の果樹共済制度の改正は、できるだけ果樹共済を農家の掛金負担の増大とそれによる加入率の一層の低下という悪循環に陥らないようにということで、これを断ち切るという方向でむしろ考えておるわけでございまして、決して縮小均衡と申しますか、収支の改善だけを重く見て問題を考えているわけではございません。諸般の改正を行いまして、それによって加入率が上がり、それによって共済が安定し、また掛金も下がってくるということで、よい循環を繰り返していくという方向に向かっていくための制度改正というふうに考えてお願いを申している次第でございます。
○立木洋君 先ほども議論になりました加入率を高めるという問題ですが、これは基本を言えば、やっぱり果樹農家の方々がこの共済に入って本当によかったと言われる状態があって本当に加入率がふえていくのであって、幾らどのように勧めてみても、農家の方々が喜ばない状態であれば加入率がふえないというのは、これはだれが考えてもはっきりしていると思うんです。全国農業共済協会が果樹共済農家の意向調査等々を行っている点についてはもうごらんになっているだろうと思いますけれども、その中でも、掛金の掛け捨てだという声だとか、あるいは災害でも共済金がもらえないという声が広がっているという点が問題にされているわけですね。それで、何割の被害から損害を受けたと感じるのかという質問に対しても、これは一割から感じるというのが八・三%、それから二割というふうに答えているのが三五・四%、三割というふうに答えているのが三六・九%、四割以上というのが一〇・五%というふうな回答が寄せられているわけですね。それで、今回半相殺方式の導入があったわけですが、依然足切りが三割のままの状態で、このままでは実にやはり半数の人たち、二割以内で一割でも被害があったと感じる、そういう人たちの、結局災害でも共済金がもらえないというような声が事実上無視されたということにならざるを得ないんじゃないかと思うんですが、この点はどのようにお考えでしょうか。
○政府委員(松浦昭君) 従来までは全相殺で三割という状態でございましたのを全相殺二割に下げておるわけでございますし、また半相殺を新たに導入しまして、その場合の足切り率を三割ということにいたしたわけでございます。 この足切り率につきましては、先ほどから御説明申し上げておりますように、いろいろな観点を入れてまいらなければなりません。たとえば危険の状態がどのような状態であるかとか、あるいは道徳的危険がどの程度あるかとか、あるいは損害評価がうまくいくかどうかといったような問題、そしてさらに、やはり一番大きくわれわれが考えなければならない、特に加入率との関係で考えなければならないのは掛金率であろうと思います。で、掛金率が上がりますればどうしても加入が促進できない状態になるわけでございますが、確かに現在の調査、おっしゃられましたように三割のところで三六%という数字でございますけれども、その場合に、掛金率が非常に上昇した場合にはやはりそれとの関係ではバランスをとって考えなきゃならぬということを農家の方々もお感じになると思います。私どもといたしましては、半相殺で損害評価をよりやりやすくするということで、これの制度を導入しました場合の足切りの率といたしましては、料率その他の関係を考えてみまするとやはり三割が妥当な線だということで今回それを設定いたしました。ただし、増収分も相殺いたしますところの全相殺につきましては、二割が適当だということでこの足切り率を決めた次第でございます。
○立木洋君 災害でも共済金がもらえないという問題は、一つはその足切りの問題が問題としてあるでしょうけれども、もう一つは、やっぱり農家単位の引き受けが損害実感と合わないというところからも来ておると思うんですね。結局二月で数カ所の園地がありますと、一カ所が全滅しても実際にはその農家全体で三割を超える被害がないと共済金が支払われないというようなところからも来ておると思うので、いわゆる樹園地ごとの引き受けの実施を農家の人々は強く要望しておると思うんです。政府はこれについて、共済金を支払う機会が多くなって掛金率がふえるというふうなお話もあるようでありますけれども、しかし、この点についても、これはもうくどくどここで言いませんけれども、衆議院で議論がされて、そしてこの掛金率がふえるという問題は、引き受け方式がそれを規定するのではなくて、やっぱり被害の補てん水準によって決まるんだというふうなことも衆議院の中で議論されておるということも私も議事録を見たわけですが、そういう点から、やっぱり樹園地ごとの引き受けが実施されない限り、複数の多くの園地を持つ農家ほどやっぱり損害実感と合わないというふうな感じがあって、この農家単位方式をきらって加入に踏み切らないというおそれがあるのではないかというふうに考えるわけですが、この点についても、水稲共済等々で国が奨励をしておるわけですけれども、全相殺、しかし実際にはやっぱり農家は一筆引き受け方式から移行するという状態にはなっていないという実態を見ても、この問題はやはりよく検討してみる点ではないかと思うんですが、その点改めてお尋ねしておきます。
○政府委員(松浦昭君) ただいまのお尋ねの園地単位方式でございますが、これはもちろん足切りとの関係も考えながら判断をしなきゃならぬ問題であろうと思います。まず、先ほど申しましたように、全相殺で二割、半相殺で三割という足切り率で掛金の負担というものを考えてみました場合には、どうしても園地方式にいたしますと、農災の中での農作物共済の経験から申しましても、半相殺と一筆の間に約七割からの掛金率の差が出てくるということを考えますと、さらに足切り率を上げざるを得ない。掛金の状態を一定にしておくということになりますと足切り率を上げなきゃならぬということになると思います。そうなりますと、全相殺二割、半相殺三割でございましたら、恐らく園地単位方式でいきますと、足切りが四割という状態になってくるんじゃないか、それでようやくバランスがとれるという状態になりますが、先ほど先生がおっしゃられたように、四割で災害実感を持つというのは一〇%という農家の状態であるということから考えてみましても、そのように高い足切り率を設定するということは妥当ではないというふうに考えられます。このような足切りと単位引き受け方式、さらに掛金率の三つの循環をどう考えるかということが一つの大きなポイントであろうと思います。 それからいま一つ、これは先ほど御答弁申し上げた点でございますが、降矢先生の御質問に答えまして申し上げた点と同じでございますけれども、やはり園地単位方式というのは、特定園地が非常に深い被害を受けました場合にこれを補てんするというかっこうになりますけれども、どうしても農家全体の経営ということを考えてみますれば、やはりほかで増収している場合もあるということがございまして、特定の圃場に偏って共済金が払われるという状態が起こるわけでございまして、やはりわれわれは理想と申しますか、農作物共済においても常に農家単位方式を追求してまいりましたように、われわれの理想はやはり農家単位という方向で、全相殺という方向であるべきだというふうに考えます。しかし、それだけ、理想だけを追っていては現実にはマッチしないという点がございますので、長い歴史の過程でいろいろ論争もございます。しかしながら、その中でわれわれとしては半相殺方式というものを導入いたしまして、より農家の実感に合った方法を考え、また同時に損害の評価の方式についても、これをできるだけ簡素化するということでこの制度を導入いたしたわけでございまして、さような理想と実態というものの間でわれわれがいかなる方式をとっていくかということで、今回の制度改正を行いたいということで御提案を申し上げた次第でございます。
○立木洋君 いや局長、全相殺を二割だということを基準にするからそういう結論になるわけですよね。水稲共済の場合だと変わってくるわけです。ですから、漸次そういう方向で改善していくということをよく考えてやってほしいということ。いまこの改正案がもう完全なものだというふうにお考えになるから、だから半相殺が三割になれば一筆が四割だというふうな基準が出てくるわけですから、だから、農家が何を望んでいるかということをよく考えて対応してほしいということを私は申し上げているわけで、水稲の場合だって一割、二割、三割でしょう。だからよくこの点も検討していただきたいと思うんです。 それからもう一つは、先ほどの共済団体のアンケートの中に、一つは掛金が高いという問題があるんですね。今回の改正案の点ではこの掛金がどのようになるのか、お答えいただきたい。
○政府委員(松浦昭君) 私、立木先生の最初の御質問にお答えいたしましたときに、まことに不幸なことながら、果樹共済につきましては連年異常災害に見舞われたという実態を申し上げたわけでございますけれども、試験実施のときに想定されました料率に対しまして、実は引き上げ率が相当な高さになりますので、一般的に申しますると、どうしても今回は料率改定をいたしますと掛金率が上がらざるを得ないという実態にございます。 そこでわれわれといたしましては、幾つかのこれに対する対応策を用意したわけでございますが、一つは料率の調整という点から、毎年災害がないという農家に対しましては、料率の割引制度というものを設定したいということを考えておりましたし、また、料率が高くて入りたくないというような農家でも、たとえば特定の被害について安い掛金で深い被害を補償してもらいたいという農家に対しましては、共済事故の選択性というものも開いたわけでございまして、さような場合には掛金率がわりあい低い状態で加入ができるということも考えられます。そのほか、防災ネット等を持っている農家に対しましてはその分だけ料率を割引するといったような制度も考えておりまして、そのようなことで今回の料率の引き上げというものには対応していきたいと思うわけでございますが、一方におきまして、長期的にはこのような諸般の改正によりまして加入率を上げてまいりますれば当然逆選択が防止されるわけでございまして、長期的に見れば掛金率は安定の方向に向かうというふうに考えております。さような方向でこの問題には対処してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○立木洋君 この間いただいた資料によりますと、十アール当たりの共済掛金農家負担額ですね、これは計算してみますと、現在でも水稲に比べて大体五割か六割増しの掛金の状態に実際になっているわけですね。ですから、さらに今度の場合国庫負担がふえるわけではないわけですから、そうすると、どうしても掛金の方に、いまおっしゃるような状態になってくれば、これは一方では加入を促進すると言いながら、掛金が高くなると事実上加入を押しとどめるといいますか、加入をふやす状態を引き下げることになりかねない逆の作用がやっぱりあるわけですね。この点も考えていただきたいわけですし、それから特にこの掛金の国庫負担割合、これは畑作の場合六割ですか、そういう点の改善もあわせてぜひ考えていただきたいんですが、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(松浦昭君) もとより料率を設定いたします場合には、その地域の実態に合いましたような料率を設定すると同時に、できるだけ料率は引き上げをいたさざるを得ないにしても、加入の妨げにならないようなことで配慮をいたしてまいりたいというふうに考えるわけでございますが、ただ、国庫負担によりましてこれを解決するということは、現在の段階では非常にむずかしいと申し上げざるを得ないわけでございます。と申しますのは、やはり国庫負担割合は、それぞれの共済事業によりまして諸般の標準、角度から検討をいたしておるわけでございまして、特にその水準なり、あるいはこれをどのような形で負担するかということにつきましては、一つの基本的な考え方がございます。と申しますのは、当然加入あるいは強制加入というものをとります事業、これは農作物共済あるいは蚕繭共済でございますが、これはやはり強制加入をとっている以上無理して農家に加入していただくという要素もございますので、農家負担の平準化というものを図らざるを得ないということから、被害率が高い農家、つまり掛金率の高い農家に対してはそれだけ負担割合に差をつけて高い負担をするという制度になっておりますけれども、任意加入をとっている制度、つまり家畜共済等につきましてはいわゆる一律負担というかっこうになっております。 それから、掛金に対します国庫負担の水準についてでございますけれども、水準はこれは共済目的となります作物の政策的な重要性であるとか、あるいは災害発生の態様であるとか、特に農家の掛金負担能力、つまり収益性が非常に大きな問題になるわけでございまして、先ほど先生、畑作共済については六割の国庫負担と、これは確かに事実でございますが、しかしながら、果樹農家の経営と比べてみますると、やはり畑作農家の場合にはその収益性に限界がございます。したがいまして、そのバランス等も考えますと、どうしても現在の段階では果樹共済につきましては五割の国庫負担、しかも一律というのが適当な負担であるというふうに考えている次第でございます。
○立木洋君 いま幾つかの点、特に果樹農家の声から、問題を、今後の点をぜひ考えてほしいという幾つかの点を述べたわけですが、当面はその問題で無理だというふうなお話ですけれども、よくやはり加入率を高めて、問題はこの果樹共済をよりよく運営していくという点から考えるならば、そういう実態に即応した面が大切だということを何しろ一番最初大臣自身がおっしゃっているわけですから、そういう方向で今後とも改善をぜひお願いしたいというふうに思います。 それから、次に雪害対策の問題にかかわるわけですが、ことしの一月から二月にかけて東北地方では大変な豪雪がありまして、先日も山形の方のあれを聞いたわけですけれども、ことしの三月二十一日にまとめた時点での報告によりますと、山形県では被害が非常にブドウに集中しておる。それでブドウだなだけで六億七千万円、それからブドウなどの樹体被害、これが一億九千六百万円等等ですね。全農林関係被害の実に九四%を占めておるという資料をいただいているわけですが、被害の集中した高畠町等々を見てみますと、このブドウの過半数の栽培地が被害を受けて大変な事態になっているというふうに言われております。実際にこれは後ほど写真を見ていただいてもあれですが、このブドウの木が全部隠れてしまっているんですね、雪の下になってしまうという状態で、それが雪解けが起こってくると、これが、ブドウだなから木から全部がつぶれてしまうというふうな事態まで起こる。ですから、その後の状況では被害はさらに進むだろうというふうに県当局の方でも話をしておりました。 そこで、幾つかの点をぜひ申し上げておきたいわけですが、一つは、このブドウだなをつくるのに自作農維持資金を借りてやってきたわけですが、それでこういう大変な被害を再び受けて、これを回復するためにはさらに金も必要になってくるので、この償還を延期してもらえないだろうかという要望が出されているわけです。この点をひとつぜひ検討をして、関係地域や関係機関に通達を出していただきたいということ、が第一点です。 それからもう一つは、この地域でほとんど——高畠や南陽市などでは、収穫共済には三、四割、それから樹体共済には三割近くが加入しております。で、ブドウ園の再建にできるだけ早く取り組みたいということで、実際の状況を言いますと、被害の状況を調査をして、それでどれぐらいになるかということが検討をされて、そして共済金が出されるということになるので、大体早くても九月ごろになるのではないかというふうな話なんですね。そうすると、実際にいまブドウだなの被害が甚大なので、多額の費用をかけてこれで再築して再びブドウをやっていくかどうかということで、農家の方々が大変苦慮しているわけですね。聞いてみますと、蔵王などで、ひょう害を受けた場合に、共済金の支払いが確定しない前でも、大体およその見積もりの七〇%を先に仮払いしてもらったというふうな例もあるので、そういうふうなことを今回の場合にぜひお願いできないだろうかという点が第二点ですね。 それから第三点目が、ブドウの栽培にはいわゆるブドウだなが必要不可欠であるということはもう申すまでもないことなわけですけれども、農災法の八十四条では、樹体共済の共済目的を「前号の果樹(省令で定めるその支持物を含む」というふうに書かれてあるわけですね。しかし、必ず、ということにはもちろんなっていないわけですが、そういう点から言うならば、ブドウだなやナシだな等々にいろいろ被害があった場合、当然これも共済に含めて今後検討してほしいというふうに考えるので、以上三点、雪害の問題とあわせてお尋ねしておきます。
○政府委員(塚田実君) まず私の方から自作農維持資金についてお答えいたします。 確かに私どもの調査でも、東北各県の報告によりますと、東北地方だけで雪害による被害が三月中旬現在で十七億。山形県に集中しておりまして、山形県はそのうち約九億程度を占めております。それもほとんどブドウということで、先生のお話のとおりでございます。なお、雪害でございますので、被害の実態は雪解けの時期を待たないとはっきりいたしませんが、かなりふえるのではないかと心配されております。 そこで、自作農維持資金でございますけれども、御案内のように、災害等があって償還困難の場合には、個々のケースに即しまして公庫資金の償還に猶予を行うことができることになっております。したがいまして、自作農維持資金についても、中間据え置き——たとえば据え置き期間の延長あるいは償還期限の延長というような措置ができることになっております。で、雪害がはなはだしいというような情報もありましたので、農林水産省といたしましては、三月の初めに関係機関にこうした措置を指導したところでございます。ただ、末端まで徹底していないというような御批判もありますので、なお周知徹底をさせるということで努力しているところでございます。
○政府委員(松浦昭君) ことしの冬、東北地方、特に山形では豪雪による被害が相当発生しておりまして、特にブドウについて被害が発生しているという状況は聞いております。共済団体としては、まだ雪が深くて被害の状況が調査できないということを申しておりまして、できるだけ近日中には被害概況調査をやりたいというふうに言っております。特に、枝折れがわかりましても野ネズミの被害が雪解けにならないとわからないということがございまして、状況の把握が若干おくれているようでございます。 そこで、果樹共済の共済金でございますが、通常は収穫期ということで、ブドウは大体五月上旬に支払いが行われるというのが通常でございますが、先生がおっしゃられますように、著しい損害を受けた場合には仮払いという制度もございますし、それから、政府からの概算払いということも考えられます。したがいまして、私どもは被害の判明の状況を待ちまして、現地の状況も十分踏まえまして適切な措置を協議していきたいというふうに考えております。 それから第三点のお話でございますが、確かにブドウだなにつきましては、支持物につきまして共済対象とする道が開かれていることは事実でございます。ただ問題なのは、この被害率の資料がないために、この支持物につきましてどのような共済制度を仕組めるかという問題があるわけでございます。で、昭和四十九年から主産県に委託いたしまして被害率等の基礎調査は行ってきておりますけれども、残念ながら実はその調査結果によれば被害の頻度が余り高くないものですから、必ずしも被害率を算定するというところまでデータが集まっていないというのが現状でございます。したがって、さらに今後なお調査を継続いたしまして、調査結果の分析、検討も終わりました場合には、保険需要等につきましても十分調査いたしまして、できるだけひとつそのような方向で、支持物につきましても、ブドウだなも含めまして果樹共済の対象にできますように考えてまいりたいというふうに思っております。 一つ訂正をいたしますが、果樹共済の共済金は、通常、収穫共済にあっては収穫期、それから樹体共済にあっては共済責任期間の終了期ということで決まっております。それまでの間に仮払いの制度もあるということを申し上げたわけでございます。
○立木洋君 それからもう一点、これは大臣にお答えいただいた方がいいかと思うんですが、サクランボの輸入の解禁時期が七月の五日ということで、これは二、三年ということで二年前に——三年前ですか。それで二年と言えば去年までですし、三年と言えばことしも入るわけですけれども、現地の方の要望としては、これが七月一日に解禁が繰り上げられますと、やはりちょうどあすこの山形で出しておるサクランボのナポレオンですか、これの出荷時期と大体二割近く競合するという状況もありますので、何としても七月五日ということでことしもやってほしいと、今後ともそういう流通過程での煩雑な事態が起こらないためにもぜひお願いしたいという要望があるんですけれども、この点いかがですか。
○国務大臣(武藤嘉文君) いまの御指摘の点につきましては、四月の二、三日と、日米担当者間で協議が行われまして、正直話はつかなかったわけでございます。いま引き続いて外交ルートを通じて検討をいたしておるわけでございますが、なかなかそのときの模様からいたしますと、いま地元としても七月五日を御希望になっておるようでございますけれども、なかなかむずかしい状況にあるわけでございますが、いずれにいたしましても、われわれとしては極力努力をして、なるべくそれは御希望に沿うようにしたいと思っておりますが、大変むずかしい状況であるということだけはどうも私も感じておりまして、何かその辺のどこかで妥協せざるを得ないんじゃなかろうかなと、こういう感じでございます。
○立木洋君 じゃ、これで最後にいたしますが、レモンの二の舞にならないように、ぜひその点、当初申し上げました輸入とのかかわり合いの問題というのは日本の農家にとって大切な問題ですし、ぜひ努力をお願いしたいと思うんです。 最後に、私きょうお尋ねしました点で、こういう異常災害が続発するような原因を十分に確かめて、そしてそういう事態に対する防止策を積極的に講じていただきたいという点、それからまた制度上、農家の方々が幾つかの点でさらに要望しておる点もあるわけですし、これで完全だということはもちろんお考えになっていないだろうと思いますけれども、さらに改善を強めていくという点に努力をしていただきたいし、同時にやっぱり果樹農政、農業全体の長期の見通し、これもしっかりした観点から立てていただいて、農家の方々が十分にやっていけるような、そういう農政に強化していただきたいということを最後に御要望し、それについての大臣の御所見を伺って私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) けさほどからお答えをいたしておりますように、やはり農家の皆さんが、災害が起きたときにも意欲を持ってより生産に当たっていただけるようにするためにこの農業共済制度はあるわけでございますから、できる限りそういう方向に努力をしてまいりたい。同時に、やはりあくまでこれは共済制度でございますので、農家同士で助け合うということももちろん根底に必要でございますが、私ども政府といたしましても、法律にも私どもの責務もございますので、できる限り円滑にこの制度が運用され、また先ほど申し上げますように、農業の変化に応じて適時十分適応してこの制度が改善をされていくように今後とも努力をしていきたい、こう考えております。
○委員長(青井政美君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 河田君から委員長の手元に修正案が提出されております。修正案の内容はお手元に配付のとおりでございます。 この際、本修正案を議題といたします。 河田君から修正案の趣旨説明を聴取いたします。河田君。
○河田賢治君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となっております農業災害補償法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。 政府の改正案は、全体としては前向きのものと評価するにやぶさかではありません。果樹共済における掛金割引制の導入、全相殺方式のてん補の改善、災害収入方式の実施など、果樹農家の意向に沿った制度の充実が図られております。また蚕繭、家畜共済でも、これまでより前進した内容になっております。 しかし、果樹共済では、農民の間で最も要望の強い樹園地ごと引き受け方式は実施されず、一方、半相殺方式の導入と引きかえに支払い率を後退させ、また無事故農家への掛金割引も、組合の中の被害の多い農家への割り増しに転嫁するなど、実のある改善になっていません。こうしたことは、加入促進の趣旨とも相矛盾するものであります。 わが党の修正案は、真の制度充実によって農家の期待にこたえようとするものであります。 その主な内容を御説明いたします。 まず、果樹共済では、第一に、改正案の半相殺方式における支払い開始損害割合を三割から二割に改め、農家の損害感覚に合ったものとしたことであります。 第二に、樹園地ごとの引き受け方式を実施し、共済金額は一園地ごとに、単価に標準収穫量を乗じた額の七割の範囲内とし、共済金は損害割合三割から支払うものとしております。 第三に、掛金の国庫負担割合を五割から六割に引き上げ、畑作、蚕繭、農作物共済の水準に合わせるとともに、果樹農業が自然災害を受けやすい実態を考慮し、超異常災害部分は農家掛金に算入せず、全額国庫負担とするものであります。 第四に、掛金の無事故割引制度については、組合任せにせず、無事故農家は自動的に割り引かれることとし、そのため、全国的に掛金率をあらかじめ割引分を見込んで設定するものとします。 次に、家畜共済については、掛金国庫負担割合を、種豚、肉豚を含めてすべて二分の一とするものであります。 最後に、共済団体の損害評価事務費の国庫負担を明文化し、実態に即した補助がなされるようにするものであります。 以上の本修正案による平年度国庫負担割合は、一定の仮定のもとで約五十億円が見込まれております。 今回の改正を実のあるものとするため、委員各位の御賛同をお願いして、提案理由の説明を終わります。
○委員長(青井政美君) ただいまの河田君提出の修正案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣から本修正案に対する意見を聴取いたします。武藤農林水産大臣。
○国務大臣(武藤嘉文君) ただいま御提案のありました修正案につきましては、政府としては反対であります。
○委員長(青井政美君) それでは、ただいまの修正案に対し、質疑のある方は順次御発言を願います。——別に御発言もないようですから、これより原案並びに修正案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御意見もないようですから、これより農業災害補償法の一部を改正する法律案について採決に入ります。 まず、河田君提出の修正案を問題に供します。 河田君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(青井政美君) 少数と認めます。よって、河田君提出の修正案は否決されました。 それでは、次に、原案全部を問題に供します。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(青井政美君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、北君から発言を求められておりますので、これを許します。北君。
○北修二君 私は、ただいま可決されました農業災害補償法の一部を改正する法律案に対し、各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 農業災害補償法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、農業生産の多様化、地域農業の安定振興に対処し、本制度の損失補償内容の充実、事業運営の実効性の確保を一層図ることとし、農業経営の安定と健全な発展に資するよう、次の事項を検討し、その達成を期すべきである。 一、果樹共済については、技術水準の高い果樹農家の加入、生産出荷団体等の協力、集団加入の推進等の積極的な加入促進対策に務めること。 二、果樹共済の実態にかんがみ、地域条件等に対応した単位当たり価額の算定、適正な標準収穫量と基準収穫量の設定、的確な損害評価の確立を指導するとともに、共済金の早期支払いに資するよう事務の簡素化等に努めるごと。 三、果樹共済における災害収入共済の効果的な試験実施に努め、さらに暴風雨、ひよう害以外の特定事故についても、調査検討を進め、病虫害事故除外方式の早期実施を検討すること。 四、蚕繭共済については、基準収繭量の実情に即した設定を指導するとともに、単位当たり共済金額の最高限度額は、実勢繭価水準をできるだけ反映して定め補償内容の充実に努めること。 五、畑作物共済の重要性にかんがみ、低被害の対象作物の足切り水準の引下げを検討するとともに、実情に応じた事業実施地域の拡大、地域性を踏まえた事業運営の整備強化を図ること。 なお、共済事業対象作物としてホツプ、茶等の地域特産物の制度化に努めること。 六、家畜共済の有効な実施に資するため、牛の生産事故を含めた共済事故の拡大、家畜診療所の整備対策、診療点数の改定、獣医師の待遇改善等を配慮すること。 七、果樹共済の連合会等の不足金の累増、蚕繭共済の実態、園芸施設共済及び畑作物共済の最近の被害発生の態様にかんがみ、これらの共済事業についての責任分担の改善につき十分検討すること。 八、本制度の機能強化を期するため、共済組合の広域合併等の組織の整備に努め、各共済事業の普及推進及び事業の複雑な特殊性に対応し、共済職員の研修養成の一層の充実を図ること。 九、最近の共済事業の多様化に対処し、共済組合職員の待遇改善、損害評価員、共済連絡員等の手当の改善に努めること。 右決議する。 以上であります。 委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(青井政美君) ただいま北君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(青井政美君) 全会一致と認めます。よって、本附帯決議案は全員一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、武藤農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。武藤農林水産大臣。
○国務大臣(武藤嘉文君) ただいまの附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして、十分検討の上、善処するよう努めてまいりたいと存じます。
○委員長(青井政美君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(青井政美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(青井政美君) 次に、昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。武藤農林水産大臣。
○国務大臣(武藤嘉文君) 昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。 この法律案は、恩給制度、国家公務員共済組合制度その他の共済組合制度に準じて、既裁定年金の額の引き上げ等を行うことにより、給付水準の引き上げを行おうとするものであります。 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。 第一は、既裁定年金の額の引き上げであります。これは、退職年金等の年金額の算定の基礎となった平均標準給与を、昭和五十五年四月分以後、昭和五十四年度の国家公務員の給与の上昇率を基準として引き上げ、年金額の増額を行おうとするものであります。 第二は、退職年金等についてのいわゆる絶対最低保障額の引き上げであります。これは、恩給制度の改善に準じ、退職年金、遺族年金等に係る絶対最低保障額を引き上げようとするものであります。 第三は、昭和三十九年改正前の農林漁業団体職員共済組合法、いわゆる旧法に基づく遺族年金に係る寡婦加算の額の引き上げ等であります。これは、六十歳以上の寡婦または子がいる寡婦の旧法による遺族年金に加算されるいわゆる寡婦加算の額を引き上げるとともに、寡婦加算の適用を受ける受給者が同時に退職年金等を受けることとなる場合には、必要な調整を行うこととするものであります。 以上のほか、掛金及び給付の額の算定の基礎となる標準給与の月額の下限及び上限の引き上げ等、所要の改正を行うことといたしております。 なお、この法律案に対する衆議院における修正の趣旨につきまして、便宜政府側から御説明申し上げます。 修正の内容は、この法律案の施行期日である昭和五十五年四月一日がすでに経過していることにかんがみ、施行期日を「公布の日」に改めるとともに、標準給与の月額の引き上げについて、昭和五十五年四月一日から遡及して適用する等、所要の規定の整備を行うものであります。 以上が衆議院における修正の趣旨であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願いを申し上げます。
○委員長(青井政美君) 本案に対する質疑は後日に譲ります。 —————————————
○委員長(青井政美君) 次に、請願の審査を行います。 第六〇号米の政府買入価格改善等に関する請願外三十二件を議題といたします。 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(青井政美君) 速記を起こしてください。 本委員会に付託されております三十三件の請願につきましては、理事会におきまして協議いたしました結果、第八二号農業改良普及事業に関する請願外十二件は議院の会議に付するを要するものにして内閣に送付するを要するものとし、第六〇号米の政府の買入価格改善等に関する請願外十九件は、後日改めて審査をすることに意見が一致いたしました。 つきましては、右のとおり決定することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(青井政美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(青井政美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時三十八分散会 —————・—————