内閣委員会 第6号
- 発言数
- 159 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1980/03/27
会議録
○委員長(古賀雷四郎君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る二十五日、糸山英太郎君が、また去る二十六日、和田静夫君、坂倉藤吾君及び成相善十君が委員を辞任され、その補欠として藤川一秋君、野田哲君、案納勝君及び源田実君がそれぞれ選任されました。 また、本日、藤川一秋君及び中西一郎君が委員を辞任され、その補欠として竹内潔君及び石本茂君が選任されました。 —————————————
○委員長(古賀雷四郎君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(古賀雷四郎君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に林ゆう君及び村田秀三君を指名いたします。 —————————————
○委員長(古賀雷四郎君) 皇室経済法施行法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本法律案につきましては、前回趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○穐山篤君 前回提案の理由をお伺いをしたわけですが、ごく簡略な説明でありましたので、内廷費あるいは皇族費のよって立つゆえんとか、あるいは算定の根拠というふうなものにつきまして改めてお伺いをいたします。
○政府委員(山本悟君) 今回の皇室経済法施行法の一部改正をお願い申し上げましたのは、提案理由でもお述べいただきましたように、内廷費及び皇族費の定額につきまして改正をお願い申し上げたいということでございます。 内廷費及び皇族費の性格につきましては、内廷費は天皇を初め内廷皇族の日常の諸費に充てるためのもの、皇族費につきましては皇族の品位保持の資に充てるためのもの、こういうことにそれぞれ皇室経済法によって規定をされているところでございまして、それぞれ年額を定額で国庫から支出をする、こうなっているものでございます。 それで、この内廷費及び皇族費をどういうかっこうで改正をお願いをするのか、その基礎でございますが、これはいろいろなやり方があったわけでございますが、昭和四十三年以来一つの原則を決めていただきまして、それによってその後の改定をお願い申し上げている。今回もその原則によっているわけでございます。その原則と申しますのは、四十三年の十二月に皇室経済に関する懇談会というものをお開きいただきまして——お集まりいただきました懇談会のメンバーとは、皇室経済会議のメンバープラス総務長官ということでございましたが、それらの方々に、当時の方にお集まりいただきましてその原則を立てていただきました。 原則は、結局物価の上昇率及び国家公務員の給与改善率を勘案して、前回の定額改定後の増加見込みの額が定額の一〇%を超えた場合を目途として改定する、こういう基本原則をお立ていただいたわけでございます。 それに至ります間におきましては、いろいろと定額改定のやり方等も内閣委員会等でも御議論あったわけでございますが、やはり何かの基準をつくった方がいいじゃないかということがございまして、さようなことが四十三年に行われたわけでございます。それ以来、この基本原則に従いまして定額改定を数回お願いを申し上げてまいったと、かようなことに相なっております。 今回お願いいたしますのは、いま現行法で決まっております定額は内廷費一億九千万、それから皇族の定額の基礎になります額は千七百六十万、こういうことが決められておるわけでございますが、この金額は実を申しますと五十二年の四月に決められた定額でございまして、以来三カ年、同一定額を二、三、四と使ってまいったわけでございます。この三カ年間におきますところの物価の上昇率及び国家公務員の給与の改善率、これらを計算をいたしてみますと、物価で申し上げますと、この現行法の定額を決めましたときの基礎は五十一年の一月から十一月までの平均物価指数、それをとっていたわけでございますが、今回お願いをいたしました明年度予算との関連におきます定額改定、この基礎といたしましては五十四年の一月から十一月までの月平均の物価指数、これは東京都区部の消費者物価指数の総合でございます。これでいきますと、その三カ年間に一六・九%の消費者物価の値上がりになっている、こういう数字がございます。 それからもう一つ、国家公務員の給与改善でございますが、五十二年、五十三年、五十四年、それぞれ人事院勧告に基づきましての公務員の給与改定がございました。御案内のとおり、五十二年度が六・九二%、五十三年度が三・八四%、五十四年度が三・七〇%、これらを連乗いたしますとその結果が一五・一三%、こういう率に相なるわけでございます。したがいまして、これらの率はいずれも四十三年にお決めいただきました、そしてその後それに従ってやっておりますところの定額に対して一〇%を超えた場合ということに該当をいたすわけでございまして、やはり三年間同一単価というようなことになりますと、御案内のとおり、内廷におきましても、宮家におきましても、それぞれ人件費等もこの中から支弁している部分も相当数あるわけでございまして、そういった観点からやはり御不自由をおかけしないためにはひとつ定額の改定をお願いすべきではないか、こういうことで、昨年の十二月二十日に皇室経済会議をお開きいただきまして、その御議決に基づきまして予算要求をし、また法律の改正をお願い申し上げる、かようなことになっているわけでございます。 そうして、先ほど申し上げました消費者物価の上昇率、これを物件費相当部分に掛け、それから公務員の給与改定率の上昇率を人件費相当部分に——大体三分の二が物件費、三分の一が人件費でございますが、そういう操作をいたしまして、今回の新しい定額といたしまして平年度におきましては内廷費は二億二千百万、それから皇族費算出の基礎になる定額は二千四十万、こういうお願いを申し上げたいということになっているわけでございます。 ただ、五十五年度につきましては、現在の財政事情あるいは経済情勢ということを勘案をいたしまして、いろいろの経費の支出等につきましての御工夫をお願いをいたしたいということで、実質的には年度の半分、後半から引き上げると同じような考え方に立ちまして、ただいま申し上げました通常ベースであれば、引き上げられるべき額の半分を五十五年度ではお願いを申し上げている、こういうようなことになっている次第でございます。
○穐山篤君 内廷費もそうですし、それから皇族費もそうだと思うんですが、公の公務員を雇用してやっている部分もありますし、それからそうでない私の使用人といいますか、そういう方々もかなりおいでになるわけですね。なかなか、公私の判断といいますか、公私の基準というのはむずかしいと思うんですが、大まかに言って、こういう場合にはこれが公でこれが私の費用だというふうな何かそれらしき定義ですか、そういうものはおありなんですか。
○政府委員(山本悟君) 御指摘のとおり、職員におきましても、宮内庁職員は国家公務員といたしまして宮内庁費の方で給与等は支払いをさしていただいているわけでございますが、内廷におきましても約二十五名程度の職員を抱えていらっしゃいます。それから、各宮家におきましても、公務員としての宮家付の宮務官でございますとか侍従長とか運転手とかというのがございますけれども、宮家限りの者も数名ずつ雇っていらっしゃる、かようなことになっております。 それで、内廷関係で申し上げれば、もちろん宮内庁としての組織をもってやっております部分は、これは国家機関でございますから全部宮内庁費でございますけれども、いまの二十数名の職員を内廷で抱えている、その職員のどういうところに主に充てられているかと申しますと、一つは祭祀関係でございます。それから掌典職というのが昔からございますけれども、このお祭り関係の職員はすべて内廷費でございます。要するに国家公務員ではございません。そういう扱いが一つ。それから、陛下の生研、御研究でございますか、その関係の職員、これも相当部分というのは内廷でお雇いになっている、こういう点がございます。それから、奥向きのごく身近なところの何といいますか、使用人というのが数人と、こういうようなものはそれぞれ内廷費の方からお払いをなさっておると、こういうような事情になっております。
○穐山篤君 古い話で恐縮ですが、一九四五年の八月十五日で区切りが一つついたわけですが、そのときの天皇家の財産というものは当然処分をいたしましたし、それから新憲法ではすべてこれは国の財産、こういうことになっていたわけですが、終戦時におきます天皇家の財産あるいはその処分ですね、われわれ昭和一けたの者はよくわからないんですので、その辺ひとつ教えてください。
○政府委員(山本悟君) 手元に正確な数字は持っておりませんけれども、たしか三十五億前後の当時財産があったと考えております。御案内のとおり、そのうちの大部分は、現在で言えば国有林野特別会計になっているわけでございまして、御料林というかっこうで非常に大きな財産を皇室は持っておられたわけでございますが、これらはすべて御案内のとおり国の方に移管をされているわけでございます。それから、昔で言えば帝室博物館でございますとか、こういったものもまさに帝室であったわけでありますけれども、こういったものも当然離れているというようなことでございまして、それからあの当時財産税がかかったわけでございまして、あらゆるものをそういった意味で出されたわけでございますが、で結局、やはり不時の用に要るであろうということで、当時といたしましては千五百万の現金といいますか、それだけが皇室に残ったと、こういうようなことになっているはずでございます。 御案内のとおり、いま、宮殿初め皇居あるいは御用邸、こういったものはすべて国有財産でございまして、内廷で申し上げれば、いわゆる不動産は全然お持ちになっていないというようなたてまえに——たてまえだけじゃなくて事実そうでございますが、そういうかっこうになっているものでございまして、その基金として最初に、二十一年でございましたか、二年でございましたか、当時できました千五百万はいろいろ株あるいは債券等にかわっていたわけでございまして、あるいはその途中でいろんな御慶事等の際にそれが減ったりふえたり——まあふえることはございません、減るということはありますが、あとは、経済活動、通常の株の増資とかなんとかいうことで多少はふえておりますけれども、その程度のものである、こういうことになっております。
○穐山篤君 いわゆるお手元金というのは定額で決めているわけですが、古い話でこれまた恐縮ですが、一時大変なやりくりというようなことも新聞その他で伺ったことがあるわけですが、そういう意味で窮屈なお手元金であるのか、多少は弾力性があるのか、なかなかむずかしいと思いますけれども、おおむねどんなものでしょうか。
○政府委員(山本悟君) 内廷費の関係で申し上げれば、やはり陛下としての、あるいは内廷の皇族方に直接御不自由をおかけするということではならないという気持ちではもちろんいるわけでございます。そういう点から言って、やはり物価等が上がった場合には、一定限度を超えればこうやって定額改定もお願いせざるを得ない。やはり三年間も同じ単価でいけば、次第に苦しくなるのは当然でございます。早い話が、毎年公務員の給与改定があれば、その二十数名の職員に対する給与改定は国家公務員に準じて実施をいたしてきているわけでございます。したがってそういう点では、いろいろと御工夫までお願いしなきゃならぬし、ただ、計算の基礎に一割というようなものの予備費というものを最初のときにはとっていただきますが、それはその二年目、三年目でもって食われてしまうわけでございまして、そういったものはなくなってくる、そういうような事情にございます。それから、大きな御慶事があるというようなことになりますと、やはり相当の金の方も取り崩すというような場合も当然起こり得るわけでございます。 この点は、皇族方の場合におきましても全く同様な事情に相なっておるというように存ぜられます。皇族方の場合には、内廷と違いまして、財産のある方ない方といろいろ、全部同じじゃございません。ただし、それにいたしましても、何と申しますか、営利事業を皇族方がおやりいただくという考え方は持っていないわけでございまして、また事実にも営利事業ということに直接関与してどうこうやっていただくというかっこうはないわけでございまして、そういう点から申せば、この皇族費というのが大部分御生活のもとになっているということでございます。伺ってみると、いろいろとやりくり等もなさっている、こういうように拝聴をいたしているところでございます。
○穐山篤君 五十一年度の決算、それから五十二年度の決算、五十三年度はまだ総括表しか来ていないので分析のしようがありませんが、宮廷費の中で少し特徴的なことがあるわけです。その年々にいろんな行事があったり、皇室外交という言い方が適当かどうかわかりませんが、外国旅行をする場合もありますので変動があるのは当然だと思うんですが、少し気になりますのは修繕費なんです。たとえば昭和五十一年度宮廷費の中で払われました修繕費といいますのは、決算が八億四千九百六万円になっています。それから五十二年度で見ますと、予算が九億五千六百七十五万、支出済みが同じく九億五千六百七十五万円、こういうふうに過去の例をずっと調べているわけですが、年年増額をしているわけですね。九億のお金と言えばかなり宮廷費の中で占める割合は高いと思うんですね。それが毎年毎年ふえていくというのには何か原因がなければならないし、またその理由もあるだろうというふうに思いますが、この点いかがですか。
○政府委員(山本悟君) 御指摘のとおり、修繕費というものが宮内庁費の中ではウエートの大きな経費でございます。 宮内庁の所管事務といたしまして、皇居の宮殿を初め各種の皇室用財産の維持管理、これをいたしているわけでございまして、その関係でいろいろの施設があるわけでございます。ただ、中身として修繕費で大きなものを挙げてまいりますと、宮殿その他もございますけれども、それよりも非常に大きなものといたしましては、一つは桂離宮、これも宮内庁所管であるわけでございます。桂離宮というのは、御案内のとおり解体修理を何百年ぶりかでいたしているわけでございますが、あれもこの中に入っているわけでございます。それから各所に陵墓を持っております。——これは全部ではございません。なかなか手がつけられませんけれども、必要なものから逐次約一億程度の金をかけて修繕をしていると、こういったようなものがそれぞれ大きなものとして入っているわけでございます。そのほか京都御所の修理というようなものもある程度の年限で、必要な部分だけ手をつけている。たとえば屋根のふきかえを一部やるとか、へいをどうするとか、これだけでもなかなかやはりこのごろでございますから、経費といたしましては——まあ要するにいまの建物のつくり方でもって直すわけじゃございませんものですから、そういった意味でのものがかかる。こういうようなのがそれぞれの年度に分散をして入っているわけでございまして、はっきり申し上げまして、たとえば修繕費関係等を見ましても、平年度的に四億前後のものはいろんな意味での宮内庁所管の、宮内庁舎も含めまして全部でかかっていると思いますけれども、約半分強が特別修理というかっこうになっております。いま申し上げましたようなのは特別修理として大きく上がってきているというようなものでなっておるわけでございます。 また、宮殿にいたしましても、実を言いますと昨年で新宮殿が建ちましてちょうど十年たつわけでございますが、多少ずつその間の修繕というようなものを要するところも出てくるというような、あるいは機械等についても交替をしなければならないというようなことがそれぞれのところで上がってまいっているわけでございまして、一つ一つ御説明申し上げれば御納得いただけるような内容なのではなかろうかというように存じているような次第でございます。
○穐山篤君 事柄によっては建てかえができないものもありますね。補修、修繕で維持管理をしなければならぬものもあるし、それから、そっくりそのまま取りかえる、新築というのもあるだろうと思うんですが、傾向として予算は大体この程度に毎年ふえていく可能性をお持ちなんですか、それとも一定のところに来ればさしたる金は要らないというふうな御判断でしょうか。
○政府委員(山本悟君) この関係で申し上げますと、桂離宮といったような一種の文化財的なものの保存というようなことになりますと、桂離宮一つとりましても、いまは本建築というか、御殿そのもののところをやっておりますけれども、あと茶室が幾つかある、こういったようなことが出てまいります。あるいは修学院離宮というようなところをとりましても、やはり建物を旧来の文化財として維持していくためにはある程度の年限のところでは直す必要が出てくる、こういったようなことがございます。それらはいずれも宮内庁独自の判断でこれが適当だろうということでお願いするというよりも、むしろそういった関係の学者といったような方にいろいろ集まっていただきまして、あるいは文化庁というものとよく相談をいたしまして、もうやはりこれは手をつけないと維持できないぞというようなところになってお願いをするというようなことでございます。これは出入りがそれぞれのときに出てくる問題だろうと思います。 それから先ほど申し上げましたやはり大口の一つでございます陵墓というようなことになりますと、やはりこれは相当な数があり、かつ古いものも多いわけでございますし、あるいは古墳式のものでございますと、やはり周辺との関係でお濠その他に手を加えなきゃいかぬというようなこともそれぞれのときに出てまいります。何といいますか、ずっとたまっているものを逐次計画を立てて、余り金額の増減がないようなかっこうで毎年度予算執行をしているというようなことでございまして、希望から申せばもっともっとやっていきたいという場合があるわけでございますが、そういう意味で非常に長い目で見れば、もちろん一定のところでもって、そうふえるものじゃないということとは存じますけれども、ある程度の増というものは、何といいますか、そういったものがたまっておるという意味におきまして起こり得る。起こり得ないとは申し上げかねると思います。 宮廷費全体といたしまして、そう大幅な増加にならないようにという配慮は、当然私どもとしても国家財政に負担をかけているわけでございますから、当然配慮しなければならないこととは存じますが、また同時に、宮内庁としての負っておりますそういったようなものの維持管理というような機能も、これもやはり相当な文化財も持っているわけでございますので、それらのことにおきまして支障のないようにということは十分配慮していく必要があると存じております。
○穐山篤君 この十年の間に皇族の皆さん方、家を新しくかえられたわけですが、この建て方といいますか、構造といいますか、そういうものについては何かひな形みたいなものはあるんですか、あるいは基準というんですか、もしそういうものがあればお伺いをしておきたいと思います。
○政府委員(山本悟君) それぞれの宮家によりまして、御家族の構成も違いますし、いろいろなお考えもございましょう。要するにお住みになるところでございますから、規格のアパート式なわけにもまいらないわけでございますけれども、やはりある程度の大きさというようなものにつきましては、実例としていま御指摘のとおりこの十年の間につくってきたわけでございますが、おのずと、相場というものにもよりますが、というものはあろうかと存じます。御案内のとおり、皇族様としての御活動というのは、やはり相当に公的な部分がございます。そういった意味で何といいますか、皇族といったような関係、宮邸というような関係じゃなくてもいわゆる公邸という制度があるわけでございますが、あの場合におきましても公邸部分あるいは私的な部分というような観念があろうかと思いますが、そういった点は当然公的な活動も、外国人あるいは大公使というようなもののレセプションというようなものがある程度できるようなかっこうとか、そういったものは必要なものはつくらなきゃならない。 それから、もう一つ何といいますか、職員関係の、事務関係等もございます。こういうのはやはり各宮家において配置されております各種の者等あるわけでございますので、そういうようなものを勘案して、要するに事務的な部分というのもおのずと出てくるというようなことでございまして、もちろんお住みになる方の考えというのも大いにあるわけでございますが、同時に、おのずと規格といいますか、そういったものも出てくるのじゃないか。ただ、具体の問題になりますと、地形でございますとかなんとかいったようなことでいろいろ設計上は影響されてまいりますので、それらは具体にはいろんなかっこうのものができると思いますけれども、そういうようなことで運用をいたしているようなところでございます。
○穐山篤君 次に、宮内庁関係についてお伺いするわけですが、特別職にいたしましても、あるいは一般の方々にしましても、大分年齢構成が高いというふうに前から指摘をされているわけですね。やむを得ない部分もあるんだろうというふうに思いますが、大体特別職で平均何歳ぐらい、あるいは一般職で何歳ぐらいというのはすぐおわかりになりますか。
○政府委員(山本悟君) 特別職で何歳というのはちょっと持ってきておりませんが、ただいま手元にございます資料では、五十四年の七月一日現在において、宮内庁の平均年齢は四十一・〇一歳、国家公務員の、これは去年の一月の数字のようでございますが、平均年齢が四十・四歳ということで、六カ月弱総平均としては高いという数字が手元にございます。 御案内のように、あるいはただいま御指摘のございましたとおりに、宮内庁の職員の中には特別職というグループがございます。これは、長官でございますとか、侍従長、侍従次長、式部官長、それから女官長、東宮大夫といったようなことが御案内のとおりにずうっと上の方の人で、これは年齢ははっきり言って高うございますが、これは事柄の性質上さようなことに相なっていると思います。そのほか、特別職といたしましては、いわゆる一般の侍従、それから女官、それから東宮侍従、東宮女官、これはいま現在特別職になっておりますが、これらはそれほど通常の他の官庁に比べても現在のところはそう高いとは思いません。ただ、やはりこういった人のほかに、一般職ではございますが、侍医でございますとか、あるいは宮付の宮務官でございますとか宮付の侍従長でございますとか、こういうようなことになりますと、事柄の性質上一般公務員のようなかっこうでの年齢というものをちょっと考慮するわけにはまいらないような事情がございます。こういった点、なかなかむずかしいもののようでございますが、特別職的なものは、そういうような意味で側近というようなことになりますと、やはりそれぞれおつかえする方の御年齢といったようなものも当然影響してくるわけでございまして、なかなか年齢からいう新陳代謝というようなものになじみにくい点があることはお考えおき賜りたいと存じます。 そのほか、一般に宮内庁の職員と申しましても、何といいますか、通常の行政官庁と多少ニュアンスの違った点も否定はできないところでございます。宮内庁職員約千百強いるわけでございますが、そのうち三分の一はいわゆる行(二)の職員と。これは考えてみましても、宮殿あるいは皇居のお庭から何から管理する者から、それから何と申しますか、いわゆる雅楽をやっているような職員からいまの陵墓の管理をやっている、ずっと全国の各地に陵墓があるわけでございますが、そこのところの管守をやっているといったような者からいるわけでございまして、そういうような者をそれぞれ考えてまいりますと、やはりきわめて一般行政事務とは違ったようなニュアンスの職員が相当あるわけです。そのことを念頭に置いた上でやはり職員構成といったものを考えていかなきゃならないと、かように存じているところでございます。
○穐山篤君 宮内庁といえども行政改革だとか定員削減を逃げるわけにはいかぬだろうと思うんですね。今日まで、あるいは今日現在でも結構ですが、この定員削減についての宮内庁の対応の仕方、あるいは行政改革についてどこの分野をどういうふうに改革をしていくという計画になっているのか、その点をお伺いしたい。
○政府委員(山本悟君) 御指摘のとおりに、宮内庁もやはり行政官庁でございますから、定員削減計画の中にはカウントされているようなわけでございまして、行管との協議の結果、毎年削減率を決めております。どういうところからやるかというのは、それぞれの部局の大きさ、その他の閑繁を見まして割り当てをやっておりまして、年度によって違うわけでございます。いわゆる一般の行政事務的なところにおいて主として削減をやっていくということにならざるを得ないような実情でございます。削減計画によりますと、五十五年度におきましては五人の削減を割り当てられていると、こういうことになっております。
○穐山篤君 機械的に定数、定員が減らされるということになりますと、職掌柄なかなかむずかしい点があるだろうと思うんですね。専門的なそれぞれの方を切るわけにはいかないし、また補充もしないわけにはいかないというふうに思いますが、その点はどんなものでしょうか。
○政府委員(山本悟君) 御指摘のとおり、なかなか一律にどこの部分にも人数を用意して割り当てるというわけにはいきかねる点はございます。そうなりますと、やはりできるだけそういうことの可能な分野、もちろん官庁としての分野もあるわけでございますので、可能な分野においては考えていかなきゃならない。ただ同時に、どうしてもふやしていただかなければならないものもないわけではないわけでございます。これはやはりいろいろの側近、その他の体制というものを考えていくと、やはり事情は変わってくる。その場合に、振りかえのきくものもあるし、きかないものもあるしというようなこともございましょうし、また、たとえばきわめて特殊な例でございますが、宮内庁の仕事の中で、宮内庁書陵部というところでは非常に古い本等も保管いたしておるわけでございますが、そういったような場合に、これを修補、直すような技術などというものは民間にはほとんどなくて、むしろ宮内庁のそこでやっている技術が民間に出ていって活用される、こういうようなことであります。そうすると、やはりそれを絶やさないためには、若い人だってその部分で増員をしてでも雇ってつくっていかなければならない。こういったようなきわめて特殊なものでございますが、そういう例もあるわけでございまして、そういう点は、やはり必要なときには行管庁なり大蔵省とかけ合って必要な措置はしてもらう、こういうような考え方、態度で臨んでいるところでございます。
○穐山篤君 皇居なり宮内庁は非常に質素にやっている、こういうお話を新聞ではよく読むわけですが、最近のように、省エネルギーという声がかかりますと、これまた、皇居あるいは宮内庁も協力の立場をとらざるを得ないと思うんですが、実際はどんなふうなことで行われているんですか。
○政府委員(山本悟君) 御指摘のとおりにこういう御時勢で、必要なる協力といいますか、それは当然しなければならないという基本的な態度でいるわけでございます。宮内庁は、先ほど申し上げましたように、やはり官庁というかっこうのところでございますから、これは政府の方で、省エネルギー・省資源対策推進会議でお決めになりました事項、これは当然、官庁といたしまして宮内庁はやるわけでございます。実際のところ、例のことしの冬で言えば暖房十八度ということ、そういうことはもちろん宮内庁はそのとおりやっております。去年の冷房の二十八度、大変暑うございましたけれども、あれも、まず宮内庁といたしましてはそのとおり、実施の時期、その他につきましても決められたとおりをやっております。また、例の省エネの日におきます車の問題だとか、あるいはマイカー通勤の自粛の問題だとか、やはり職員にも協力を求め、そういう措置をいたしているわけでございます。 宮殿というようなことになってまいりますと、これはいささか、通常官庁ベースのとおりにいけるかどうかというのは非常に問題でございます。ただ、宮殿というのは相当行事がございますけれども、常に全館を使っているというようなものではございませんから、その辺はきめ細かく、機械設備との関連はございますけれども、使用する部分についてもきわめてきめ細かないまの冷暖房等も処理をするというようなことはもちろんでございますし、実際上は、宮殿の諸行事の際にも、暖房で申し上げましても、従来こういったことがなかった時代に比べますと約二度程度は温度を下げて運営をことしはいたしておりまして、それほど支障があったとも思っておりませんけれども、そういうような処理をいたしておりますし、昨年の夏の場合には、官庁と同じにやってみた儀式なり午さんみたいなものがあったわけでございますが、これはやはり服装というような点が上着脱ぎでというようなことにならぬものでございますから、やはりある程度は官庁よりはそういった面も配慮せざるを得ませんけれども、従来のそういった事情のなかったときに比べれば、大いに考慮をいたしましてそういう運営をする、こういうような考え方で実際もいたしていましたし、またこれからもしなければならないと思っております。
○穐山篤君 憲法十五条には、「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない。」、こういうふうに定めがあるわけですが、宮内庁職員、公務員の場合に、広い意味では全体の奉仕者ということも考えられそうなんですが、ある特定な部分、あるいは一部の部分だけに奉仕をしている感がなきにしもあらずというふうに思われるわけですが、その第十五条の全体の奉仕者と宮内庁の公務員の皆さん方の立場というんですか、この規定はどういうふうに理解したらよろしゅうございますか。
○政府委員(山本悟君) 言うまでもなく天皇は、日本国憲法によりまして日本国及び日本国民全体の象徴ということになって、そういう御身位、お立場に立っていらっしゃるわけでございまして、その天皇なりまたそれを取り巻くところの、すでに憲法によって認められました皇族というもののお世話を申し上げるということそれ自体、やはり日本国憲法を守っていき、それを推進するゆえんであると、かような気持ちで公務員たる宮内庁職員は対処をいたしているというように私は思っているところでございます。 何と申しましても、陛下ということが非常に宮内庁から見れば身近に御存在でございますから、そういった方に目を向けるということでは、いま御指摘のとおりに一部の奉仕者じゃないかという疑問もわくわけでございますけれども、陛下に奉仕を申し上げるということが、やはり日本国憲法に認められた象徴天皇という制度というものを守っていくと、こういうことに相なるという気持ちで、その間には全体の奉仕者ということと矛盾するものではないと、かように存じております。
○穐山篤君 天皇の公務というのは非常に多いと聞いておりますし、週刊誌なんかの発表を見ましても、非常に激務であるというふうなことが報道されるわけですね。 そこで、非常に恐れ多いことなんですけれども、一年間にたとえば法律などの決裁をやったとか、あるいは宮内庁関係の決裁を行った、さらにはいわゆる親書の交換とかあるいは電報とかというものもあるだろうし、それから儀式もあるだろうし、行幸というふうなものも非常に多いと思うんですね。大体仕分けして、一年間どんなような状況になっているか、ひとつ御披露をいただきたいと思います。
○政府委員(山本悟君) 確かに御指摘のとおりに、いろいろの陛下としての公務と考えられるものがあるわけでございます。 その第一は、もちろん日本国憲法に定められました国事に関する行為ということになろうかと思います。これは言うまでもなく憲法三条によりまして、内閣の助言と承認に基づいて行われるわけでございます。多くの項目が憲法第七条に列記してあるということになるわけでございますが、これは具体的には、これら各事項につきまして内閣が閣議決定を行いまして、これを書類にして送付してきたものを陛下が宮殿の表御座所でごらんになる。そこでこれらの書類には毛筆で御署名になるか、またはそれぞれの印をお押しになると、かようなことになるわけでございます。五十四年中にこれらの書類は、法律、政令、条約の公布、あるいは国会の召集、総選挙の施行の公示、あるいは各大臣の任免等の認証、特赦、大赦の認証、栄典の授与、批准書の認証あるいは大公使の接受といったようなことでございまして、五十四年中には約九百件それらのことがございました。 また、同じく国事行為でございます憲法七条に書いてございます儀式、これは新年祝賀の儀が国事行為として指定をされておりますが、そのほか国事行為に関連しました儀式といたしまして、認証官の認証式とか、あるいは総理大臣の場合には親任式でございますが、あるいは外国の特命全権大使の信任状及び解任状の捧呈式と、こういったような儀式が昨年は約四十回ございました。これらはいずれも宮殿で行われているわけでございます。 それから、こういった憲法に直接基づく国事行為ではございませんが、象徴としてのお立場から催されます各種の公的な儀式、行事、御会見、あるいは茶会、拝謁、謁見と、いろんなものがあるわけでございますが、これらが昨年は二百四回行われていると承知をいたしております。また、外国元首との御親書、御親電の御交換が約五百件という数字が出ているわけでございます。 これらは宮内庁関係を除いた数字でございまして、宮内庁関係といたしましては、ごらんになっておかれるか、あるいはお伺いして決めていただいた方がいいといったような各種の書類がございます。これは相当数、非常に多い数の書類をごらんに入れているというようなことになっているというような状況でございます。
○穐山篤君 資料いただいたんですが、「皇族の各種団体名誉総裁等御就任状況」というのがあるわけですが、それぞれの皇族が総裁または副総裁、あるいは名誉学長というふうなものがあるんですが、これは宮内庁の推薦というんですか、あるいはそういう団体からの要請というんですか、何かその就任についての基準とか定義というものが何らかあるだろうと思うんですが、その点いかがですか。
○政府委員(山本悟君) 皇族様方、いろいろな各種の団体のただいま御指摘のような名誉総裁といったようなものに御就任になっておりますが、もちろん各団体の方からお願いをいたしまして、そのうちで適当と思われるものにつきまして御承諾になるというようなことでございます。 まあ基準というものを決めてそれに従って、という言い方がいいのかどうかは多少疑問でございますけれども、もちろんその御判断をいただきます際には、相手の団体が営利を目的としているものでないこと、個人的なものだとか純粋な私企業といったようなものでないこととか、宣伝のために利用するものでないこととか、あるいはその団体を全く責任者として本当に全部責任を持ってしまうというようなお立場にならないようなものであるとか、いろいろなことがございます。 それから、中身にいたしましても、資料として差し上げました分でごらんいただきましても、日赤を初めといたしまして、そういった社会福祉関係でございますとか、スポーツでございますとか、各種の外国との間の何とか協会——日英協会式なものでございますが、そういったような外国との親善関係のものでございますとか、そういったものが大部分になっていると存じますけれども、そういうようなものとして御承諾いただきますようには、事実上も、それからもちろんこちら側にお尋ねがありました場合の考え方といたしましても、そういうようなことで助言をさしていただいておるところでございます。
○穐山篤君 天皇賞とか天皇杯というのがしばしばテレビで見るわけですが、例のお馬さんのやつもあるわけですが、これは何か基準があるんですか。
○政府委員(山本悟君) 天皇杯、皇后杯というのがありますことは御指摘のとおりでございまして、もちろん願い出があった際に適当かどうかという審査をいたしているわけでございますが、そのときのこれまた基準的な、基本的な考え方を申し上げますと、スポーツの場合で言えばアマチュアスポーツであるということ、それから国民によく普及しているものであること、それから大会があるとすれば全国的規模のものであって、何といいますか、スポーツならスポーツ、その世界におきますところの最高のものであること、それから大会参加者にいろいろな制約がない広いものであるといったようなことでございますとか、大会の主催者というのは自主的なスポーツ団体といったようなもの、自主的な主催者によるものであるとかといったような各種の事項につきまして考慮をいたしまして、適当なものに天皇杯、皇后杯を賜っているというようなことにいたしております。
○穐山篤君 前段の各種団体の中で、私もずっと見さしていただいたんですが、英国、フランスあるいはイタリー、オランダ、まあいろいろなところがあるわけですが、たとえば日中というふうな団体ですね、あるいは日本と社会主義国との間に、現にハンガリーにしろポーランドにしろ、協会があるわけですね。そういうものについても、その団体から申し入れがあれば、要請があれば宮内庁としては検討するということなんですか。
○政府委員(山本悟君) まあ、具体のところの各国につきまして、どれがどうこれがこうということを何とも申し上げかねるわけでございますが、国際親善という立場から真に必要なもの、そしてまた、その団体が大いに希望しているものにつきましては、慎重ではございますけれどももちろん検討をさしていただくことには相なろうかと思います。ただ、やはりそれぞれの宮様が、皇族さんが協会長になられますということは、宮内庁が一律的に決めるというものだけではございません。やはりそれをお引き受けになるかならないかということも出てくるわけでございまして、いままでに日本にこういったような活動というものがどういうかっこうで行われてきているかというようなところで、そういう団体が皇族を名誉総裁にすることを適当という考え方になっているかどうかというようなことがもちろん先行してあるわけでございまして、こちらからどうこうということを申し上げるのはいかがかと思います。 〔委員長退席、理事林ゆう君着席〕
○穐山篤君 ここに取り出した新聞広告は、これは御案内と思いますが、サントリーが朝日新聞に掲載をしております広告なんですがね。これでしたら、そうですね、一紙七百万から八百万円ぐらいかかるんじゃないかと思うんですが、ですからこれはサントリーの宣伝ですね。その上に、財団法人日本鳥類保護連盟というのが書かれておるわけです。で、これの総裁になっておりますのが常陸宮殿下ですね。この資料にありますとおり常陸宮殿下なんです。この保護連盟が鳥を愛護しようというようなキャンペーンを張ることは差し支えないし、またやらなければならない。そのために、その運動を全国民的なものにするという意味も含めて常陸宮が総裁になっているわけですね。ところが、このサントリーというのは酒なりウイスキーなりブランデーなりビールなり、そういうものを売っている会社ですから、まあ営業ですね。こういう広告は、これは三月十六日の朝日新聞に出ていたわけです。こういうのは宮内庁としては了解をされているんですか。
○政府委員(山本悟君) 一つ一つのそういったことにつきまして、宮内庁が一々関与するということはもちろんいたしておりません。しかしながら御指摘の、御指摘されまして私ども気がついたのでございまして、見さしていただきましたが、 〔理事林ゆう君退席、委員長着席〕 まあサントリーが財団法人である鳥類保護連盟の指導によって愛鳥キャンペーンとして両者連名で広告をいたしておることはそのとおり、いまお開きになりました文を私どもも見さしていただきました。 この広告を見ましての印象なんでございますが、広告面全体として愛鳥、自然保護を訴えたものでございまして、一部分に愛鳥ポスターとかレターセットとか便せんなどの広告はいたしておりますけれども、サントリーとしての主製品であるウイスキーその他の広告はその中に出てないというようなこともございますし、また、確かにこの鳥類保護連盟というのは常陸宮様が名誉総裁になっていらっしゃると思いますけれども、この常陸宮様というお名前がその広告に出ているわけでもございません。鳥類保護連盟といたしましては、鳥類保護の立場からその広告を指導したというぐあいに、まあ私の見たところでは思われるわけでございまして、皇族のお名前を一企業のために利用したというほどのことではないんじゃなかろうか。まあ、見たときの印象でございますので、詳しく詰めて内部で議論をしたわけじゃございませんけれども、私としてはそういうような判断をさしていただいたわけでございます。 御指摘のとおり、原則といたしましては、先ほど申し上げましたように、利用されるということはもちろん適当なことじゃないわけでございまして、これがたとえば常陸宮様のお名前を麗々しく書いてというようなことになりますと、なお一層問題であったと、こう思いますけれども、そういう事実がない段階なりあるいは形式でございますので、それほどではないんじゃなかろうかという印象を受けたところでございます。
○穐山篤君 まあ私、酒はサントリーしか飲まないから、サントリーはいいんですが、その鳥類保護連盟というのは、常陸宮殿下が総裁になっているということはほとんど国民周知なんですね。そういうことを考えてみると、私はこれを見たときに非常にソフトな宣伝だなと思ったんですが、少なくともサントリーという営業行為をやっているところがこういうものに使うというのは適当ではないというふうに、サントリーを飲んでいる私がいやな思いをするわけです。ですから、飲まない人はもっといやな思いをするだろうと思うんですが、その点いかがですか。
○政府委員(山本悟君) 私の印象は先ほど申し上げましたとおりでございましてあれでございますが、基本的には先ほど申し上げましたように、皇族がああいう私企業あるいは個人に利用されるのは好ましくない、この基本原則はとっているわけでございます。鳥類保護連盟が常陸宮様が総裁である、周知の事実とおっしゃいましたが、非常に先生御関心をお持ちであったのかと思いますけれども、まあどの程度になりますか、それから今度の広告の内容そのものは、何と申しますか、その保護の関係で決まっているわけでございまして、サントリー本来の宣伝広告の内容とはずいぶん違ったものになっているというような印象を持ちました。
○穐山篤君 余り繰り返しはしませんが、実は私も鳥を飼っているんですよ。もう二十年もインコを飼っているんですけれども、本当にいやな思いをするんです。総務長官どうですか。
○国務大臣(小渕恵三君) 私自身もただいま次長がお答えいたしたような印象でございまして、特段にこのことをもって総裁の立場を強調されておるとは考えられないのでございまして、ただ、広告学というような立場から考えますと大変ソフトな広告をサントリーとしてもされておるなという印象はありますけれども、しかし中身そのものは、私はかえってそうした営利企業でありながら自然保護のために大変愛鳥運動を展開しておるということで、余りコマーシャリズムに徹しておることの反省から、むしろそういうことに乗り出していただいて結構なことではないかというのが率直な感想でございます。
○穐山篤君 これはひとつ検討してみてください。いずれも私はこれに該当するわけなんですよ。サントリーも飲んでいるし鳥も飼っている。こういう者がこういうものを見て本当にいやな思いをするんです。ですから、前回の改定の際の内閣委員会にも議論がありましたように、政治的なものやあるいは宗教的なものやさらには営利的なものにはできるだけ遠慮をする、好ましくないということが宮内庁からも言明されているわけですね。ですから、これはきょう問い詰めることはしませんけれども考えてもらいたい。 それから、国会の中にもしばしば見受けるわけですが、宮内庁御用達という品物がたくさんあるわけですが、あれは昔買い上げた、あるいは調達をしたという意味で非常に値打ちがあったし効果もあったんでしょうが、いまこの国会の中にあります、レストランじゃないですかなあれは、物品販売所にせんべいにしろまんじゅうにしろ、宮内庁御用達というりっぱな看板がかかっているわけです。これは放置しているといいますか、特段干渉はされてないわけですか。
○政府委員(山本悟君) いろいろなところにそういう看板等がございますことを存じておりますし、また、非常に古い時代の看板等も出ているときもよくあるわけでございますが、何と申しますか、そのこと自体が事実であった場合に、宮内庁の方からそれはだめだというようなことを言うような立場に現在の宮内庁はないと考えざるを得ないわけでございます。ぎりぎり詰めていけば、それは法律的にもそういう権限が一体宮内庁どこにあるのだというようなことになってきた場合、そういうものが宮内庁に当然の行政権限としてあるというような判定はなかなか出てこないんじゃなかろうかと思うのです。 そういった意味でも、ぎりぎりしたところまではあれでございますが、はっきりとたとえばお写真を何かに入れてあれするというようなことになれば肖像権の問題だとかなんとか言えるわけでございますけれども、なかなかそういうようなことでなければ非常にむずかしい問題もあるわけでございます。ただ、もちろん広告効果としてどういうような判定をあちら側がやっていらっしゃるか知りませんけれども、積極的に宮内庁側としてそういうことを希望しているというか、積極的なわけじゃもちろんございませんし、そっとしておいていただきたいと、そんなことに実は使ってもらいたくないという気持ちはございますけれども、一々どうこうというところまではやっていないような状況でございます。
○穐山篤君 これも深刻に別に私も考えているわけではありませんが、やはり消費者運動が活発になっているときでありますので、公正取引委員会などの立場から見ると適当でない表示というふうな可能性が非常に強いわけですね。このところは多くは申し上げませんが、これまた時間をかけて研究をしてみていただきたいというふうに思います。 それから、昭和五十二年の内閣委員会で天皇及び皇族の陵墓についてということで、当時秦さんが社会党であったわけですが、秦さんからも指摘があったわけですね。いま陵なり墓なり、籍のあるといいますかね、籍を登記してあるというのか、そういうものは具体的に幾つぐらいですか。
○説明員(福留守君) 陵墓は近畿地方を中心に一都二府三十県にわたりまして四百五十四カ所に散在しておりますが、その数は全体で八百九十二でございまして、管理面積は約六百五十二ヘクタールでございます。
○穐山篤君 この管理はどういうふうになされているんですか。
○説明員(福留守君) 本庁の機構といたしましては書陵部の中に陵墓課というのがございまして、それから地方の機関といたしましては関東地方に多摩陵墓監区、それから近畿地方に四監区ございまして、桃山、月輪、畝傍、古市と全体で五監区。配属されております職員は約百五十名でございます。
○穐山篤君 昭和四十七年の四月に、衆議院の文教委員会で与党の方も質問をされている。五十二年の四月に、この参議院の内閣委員会で議論されているわけですが、そのいずれも与野党の議員の提案といいますか、考え方は、この陵墓というものについては、これは憲法八十八条で言う「すべて皇室財産は、国に属する。」、こういう立場をとっているので、言ってみれば国民の財産として取り扱いを考えたらどうか。こういう提案ですが、そのことについてはいまどういうふうに考えられていますか。
○政府委員(山本悟君) 皇室財産としての陵墓につきましては、言うまでもなく天皇ないし皇族なりを葬るところでございまして、尊崇の対象としての祭祀が現に行われているわけでございます。管理のやり方等につきましては、先ほど書陵部長から申し上げましたように、そういった組織をもちまして管理をし、そしてそれぞれの祭られている方との対応におきまして祭祀が行われる。式年祭もございますし、いろいろな行事というのが行われているお祭のあっている陵なり墓なりでございまして、だれがというそういった意味での管理がわからなくなってきました一般の古墳と同じというわけにはまいらない気持ちがございます。 したがって、学術研究のためというものでございましても、当然にすべてのそういったものが対象になるというようにはいささか考えにくいというように存じているわけでございまして、ただ、そういったものにつきましても、学者等の見学による研究といったような場合には、先ほど申し上げました陵墓というようなものもいろいろ直したりいたしておるわけでございますので、そういったような工事の場合におきまして宮内庁も、もちろん文化財というような意味におきますところの保護といいますか、そういった工事の仕方もいたしておりますが、そういうような場合に、人数をしぼって学術研究者の見学を認めるとか、あるいは外周部につきましては一定の条件のもとに見学を認めるとか、そういった意味での前向きの姿勢というようなことでここ数年対処はいたしてまいっておりますけれども、基本的には、やはり宮内庁の考え方といたしましては、祭祀の対象になっている、いわば生きたお墓であるということを中心にして考えざるを得ない。その点はいろいろの考え方のあることは存じておりますけれども、やはり祭りの行われている墓である、この点は疑う余地のないところでございますので、それを基本にした上で、可能な範囲内において研究というようなものにつきましても考慮をしていくと、こういうようなことで対処してまいりたいと思っているところでございます。
○穐山篤君 先ほど説明がありましたように、八百九十二基というんですか、あるわけですが、いろんな書物を読みましても、これは間違いなく何々天皇の陵である、何々皇族の墓であるというふうに言えるものと、それから明確に言えないものが文書の上で見ることができるわけですね。言いかえてみれば、やや疑義のある陵なり墓というものが現存をしている。そのことについて、そういう疑問なり疑惑なりについて、しっかりした説明が与えられるならばそれも一つの見方だろうと思うんですが、疑わしいものが幾つか残っている——現にあるわけですね。こういうのをどういうふうに理論づけているんですか。
○説明員(福留守君) 陵墓の御治定でございますけれども、古くは日本書紀、古事記あるいは延喜式に所在が書かれてございます。それから中世以降、戦乱の中で一時所在が不明になったものもございますけれども、徳川時代に入りまして元禄以降、特に幕末の文久の際には、陵墓につきまして新たにここは御陵であるということで治定されまして、またいろいろ修築工事もいたしたわけでございます。明治に入りまして、それまでに決まっておりませんでしたもの、若干の御陵につきましてまた新しく御治定になったわけでございます。 治定の根拠といたしましては、文献面はもちろん、現地踏査もいたしまして、なおその当時、考古学の方は若干のまだ未発達の面もございましたけれども、その当時の最高水準の学者等の考証によりましていろいろ御治定になったわけでございますので、その後、私どもといたしましては、根本的にそれを覆すような資料は発見されてないと考えておりますので、現在の陵墓につきましてはそれが正しいものとして管理しておるわけでございます。
○穐山篤君 天皇家の私的の祭祀の対象というふうに見える部分もありますし、それからまた、見ようによっては国有財産たる皇室用の財産というふうに見える部分もなしとしない。現にこれは天皇家が祭祀をしているんだということになりますと、それは天皇家の祭祀の対象ということが一〇〇%ではないかと思うんですが、その点いかがですか。
○説明員(福留守君) 皇室典範第二十七条に、「天皇、皇后、太皇太后及び皇太后を葬る所を陵、その他の皇族を葬る所を墓とし、」ということがございまして、なお附則三項に、「現在の陵及び墓は、これを第二十七条の陵及び墓とする。」という法的根拠もはっきりいたしておりますので、陵墓を管理いたしますことは国の事務であるというふうに考えております。 なお、祭祀のお話が出ましたけれども、たとえばそこに葬られております天皇、皇族の御命日に当たりましていろいろなお祭りをするということでございますが、その場合に神饌をささげるとか、それから掌典職の職員が参ってお祭りをするということはございますけれども、その場合の神饌料とか、その祭祀をとり行う掌典職の職員は内廷の職員ということで、いずれも内廷費から出ておるわけでございます。
○穐山篤君 私は、むやみやたらに発掘しろなんということを言うつもりはありません。少なくとも国民の、仮に国民の財産というふうに考えるならば、仮にそれが陵であろうが墓であろうが、広く国民に開放するという考え方を持っていいんじゃないか。あるいは文化財保護団体などから、考古学的な立場も含めて開放したらどうかと、あるいは具体的に文化財の指定をしたらどうかという意見も最近強く出ているわけですね。これも国民多くの声だとするならば頭から無視をするわけにはいかないと思うんですが、その点いかがですか。
○説明員(福留守君) 私どもは、陵墓は第一義的に天皇、皇族を葬るところで、祭祀の対象となるものであるというふうに考えております。一面において、国民の文化財たる性格をもちろん持っておるわけでございますけれども、そういう点につきましては、先ほど次長も答弁いたしましたように、保存工事をいたします際に見学をしていただくとか、あるいは工事とは関係なく、一般的にも純粋に学術研究を目的とするもので、歴史学とか考古学を専攻するような方につきましては、堤防その他の外周部ではございますけれども、見学をしていただく。それから、なお工事等に伴いまして、私どもの方でわかりましたことにつきましては書陵部紀要等におきまして公表するというふうにいたしておるわけでございます。
○穐山篤君 それから、天皇が公的な行事あるいは慣例的な行事、いろんなことをなされているわけですが、日本と国交のない国の代表が天皇と、何というんですか、会見という言い方は適当ではないと思うんですが、会われたことがあるというふうに私ども記録で見ているわけです。これは何年でしたか、たしか四、五年前でしたでしょうかね、北朝鮮の代表がある国際会議で日本に参りまして、その団体の一員として、天皇が——その人だけと会ったわけじゃないんですが、その参加者、団体全体の方に会われたという記録があるわけですが、これは国交のない国の者であってもそういうことはあり得るんですか。その点いかがでございますか。
○政府委員(山本悟君) ちょっと私も、ただいまここに並んでおります宮内庁職員も、比較的そう古くないものでございますから、全部のことを承知いたしておりませんので、その事実をちょっと調べさしてお答えさしていただきたいと思います。
○穐山篤君 事実は調べていただきたいんですが、考え方の問題として、国交のない国の人が、その人だけ単独ということはないと思いますが、ある種の国際会議、団体で日本で会議が行われたりした際に天皇が会う、こういうことについては、別にいけないというふうに決めてあるわけではないわけですね。
○政府委員(山本悟君) 外国の方々とどういうぐあいにお会いをするかというようなこと、これは国公賓ということになれば、もちろん政府の閣議決定その他によって決まってくるわけでございますが、そうじゃないにいたしましても、国際的に影響のあるようなことであれば、やはり陛下がお会いをいただくことも単なる私的な御行為じゃございません、公的行為になるわけでございますので、これは内閣としての助言と承認といいますか、あるいはそちらの方に内閣としての責任の持てることでなければならないことは、これは外国との関係でございますから当然であろうと思います。 そういうような意味で、ただいまの御質問のようなことであれば、一体政府としてあるいは外務省としてどう考えるのかということがまず先行いたすと思います。その上で、お会いいただくのがいいということになったらどうかということになるわけでございまして、そちらの力の判断がない限り、宮内庁側の方で先にそれはどうだというようなことを恐らく判定をすることもなかろうかと思います。やはり、外国のそういった国際会議があったときに来られること、そのこと自体もそういった判断はいろいろ政府としても加えられたことだろうと思いますけれども、その上でのさらに次のステップの問題でございますので、宮内庁側から先にどうこう申し上げることは差し控えた方がいいんじゃなかろうかと存じます。
○穐山篤君 列国議会同盟というのがあるわけですが、あるいは郵便何とか国際連盟というふうなものがそれぞれあるわけですね。国交はしていないけれども、そういうそれぞれのインターナショナルな機関に国交のない方々でもそういう分野では入っているわけですね。そういう人たちが日本で国際会議があって、天皇が会われるという場合に、国交のない国の人は出ていってくださいというわけにもいかないと思うんですが、その点どうでしょう。
○政府委員(山本悟君) ただいま具体にお出しになりましたたとえば列国議会同盟、そういうようなことになってまいりますれば、それぞれのそのことを御主催になっている国家機関、政府の場合は外務省の場合もございましょうし、あるいは国会の場合もございましょうが、そういった責任のあるところから、それぞれこういうメンバーで、こういうことで御引見賜りたいというようなことになってくる問題であると思います。そういうような際の、中身に、この人はどうということは恐らく普通には考えられないんじゃなかろうかとは存じますが、これは具体的になってみませんと、抽象論で申し上げるのもいささかむずかしいものがございますので、的確に申し上げるわけにもまいりませんけれども、それはそれなりに政府なり、いまの国会なりといったようなところから、それぞれ責任を持った御推薦がある。その上で、その全体としてお会いになるかどうかということになってくる、かようなことになるんではないかと思います。
○穐山篤君 以下、私が質問をすることは、いろんなところを歩きまして聞かれても、私なかなか答弁ができない問題がたくさんあるわけです。それは憲法の解釈と皇室典範の解釈で幾つかあるので、私に説明ができるように少し教えてもらいたいんです。 それは憲法第七条、天皇の国事に関する行為を書かれているわけですが、この中に、第二項に「国会を召集すること。」ということで、召集がありますと私ども国会に出てくるわけですが、で、第十項に「儀式を行ふこと。」、こう二つあるわけですね。私なんかは参議院に初めてなものですからときどき聞かれるんですが、参議院の本会議で開会式がある。天皇陛下が来られる。で、詔書を詰まれる、お言葉を賜るというんですか。これは国会を召集する行為は第七条にあるわけですが、お言葉のところはどの項目で行われているのかですね。私ども昭和年代の者は、明治憲法を実際によく知らなかったわけです。そういう意味でいろいろな疑惑があるわけです。この点はどんなふうに説明したらよろしゅうございますか。
○政府委員(山本悟君) 国会の召集自体は、御指摘のとおり、憲法七条に定められました天皇の国事行為、これを外部に表明する形式といたしましては詔書によるということになっていることでございまして、その召集行為、召集すること自体は国事行為ということになってまいります。その国会の開会式に御臨席になり、お言葉がある。このことは、国会の要請に基づきまして天皇が日本国の象徴たる御地位に基づいて行われるところのいわゆる公的な行事といいますか、公的な行為ということと存じておるわけでございます。したがって、憲法七条に基づく行為そのものは召集することであって、それから臨まれるのは国会の方の要請に基づいて、それに応じて御臨席になり、お言葉がある。その行為の性格は何かと言われれば、象徴天皇の、日本国の象徴たる天皇の地位に基づいて行われる公的な行為である、かようになるのではないかと存じます。
○穐山篤君 そうしますと、それは憲法第一条の象徴たるというものと第七条、その二つが交差をして現実には開会式にお言葉が述べられる、こういうことですね。
○政府委員(山本悟君) 天皇の御行為の中には、憲法に基づくところのいわゆる法律行為としての国事行為というものと、それから自然人でいらっしゃる陛下の御行動とあるわけでございます。その自然人としての陛下の御行動の中にも、これはまあ純粋に個人としての私的な御行為もあるし、しかし自然人として御行為になったとしても、やはり象徴たる御地位にある天皇として、幾つかある言葉として、よく使われる言葉といたしましては象徴たる地位からにじみ出る行為としての公的行為がある。こういう論理を立てているわけでありますが、この公的行為というものの一つとして、やはりそのうちのきわめて典型的なものとしていまの国会の開会式にお臨みになる、お言葉がある、これが一番その意味では公的行為という中の典型的なものというように存じているわけでございます。したがいまして、憲法直接から出てくることは国事行為だけでございますけれども、まさにこの一条に規定をされました象徴たる地位に基づいての御行為と、こういうことになろうかと思います。 なお、七条の十号の「儀式を行ふこと。」、これは、現在国事行為としての儀式は一月元旦の分だけが国事行為としての儀式でございまして、ときどきにおいて行われることがございますが、いま通常の例は一月一日の分だけでございます。
○穐山篤君 先ほどもお伺いをしたところですが、一年間におきます国事の仕事、それからそのほかにいろんな行為があるわけですが、数字で見た点からも、あるいはときどきテレビで天皇家の一家というのを見てもそう思うわけですが、かなり激務ですよね。この第七条には、「天皇は、」といっても国事が指定をしてあるわけです。そういうことを考えてみますと、すべて天皇の手によらなければならない、まあ第七条はそう書いてあるわけですけれども、よりがたい場合が現にあると思うんですね。私はストレートに代行ということを言うつもりはありませんけれども、そのことについてもある程度研究をしておかなければならないものではないかと思うわけですが、これは憲法に指定されておりますから、理屈の上から言えば、天皇以外の者が国事行為を行うことはできないということになるわけですが、現実的な問題としてその点はどういうふうにお考えになっていますか。
○政府委員(山本悟君) 御指摘のとおり、憲法に基づきます国事行為というものは天皇以外の方ができるということには当然にはなってまいりません。その天皇以外の方ができるという場合は、一つは憲法及び皇室典範にございます摂政が置かれた場合。それともう一つは、御案内のとおりの国事行為の臨時代行に関する法律に基づきまして正式に代行ということが決められた場合。これ以外の場合には、憲法に基づく国事行為をその他の方がなさるということは、あるいはその他の方がする場合というのはあり得ないわけでございます。 ただ、いまのような、何といいますか、御心配という点から申し上げますと、国事行為というのは非常にはっきりと決まっておるわけでございますから、一定の正式な手続がない限りにおいてほかの者がかわるということはあり得ないわけでございますが、それに伴う各種の行為、あるいはいわゆる象徴天皇としての公的な御行為というようなことになれば、またいろいろとやり方というのは出てくるわけでございます。たとえば、各種の方々への拝謁でございますとか、あるいは御旅行でございますとか、こういったことになれば、やはりそれぞれの御健康その他に応じてのそういったことの取り仕切り方というようなものも出てくるわけでございまして、そういう事実行為の面におきましてはいろいろと現状に合わして考えていかなきゃならない、あるいは御負担を軽くするような方向というものを考えていかなければならない、かように思っておるところでございます。
○穐山篤君 先ほども申しましたように、聞かれてなかなか説明がつかないという意味でお伺いするわけですから、そういうように受け取ってもらいたいんですが、過去の日本歴史をひもときますと女帝が何代かあったわけですね。たまたま調べてみると奇数代が非常に多いんです。たとえば四十三代とか四十一代というふうに、わりあいに奇数代が女帝の場合多いわけですが、いまの子供さんなり学生から、どうして皇位継承は男性でなければならないのか、歴史的に言えば女帝もあったじゃないかと、これなかなか法律で決まっているというだけではどうも説明にならないわけですが、考え方の基本は那辺にあったのでしょうか。
○政府委員(山本悟君) 歴史の上からは女帝が置かれたことのあります点は御指摘のとおりでございまして、十代八方と言われております。重祚といいますか、二度おなりになった方がありますから十代八方ということが言われているわけでございますが、これは歴史に対する考え方ということにもなろうかと思いますけれども、歴史といいますか、伝統といいますか、やはり日本における女帝というのは、男系の方にたまたま御幼少であるとか、したがってその間のつなぎでもって女帝が立つというようなかっこうの女帝への践祚の仕方というのが原点になっているようでございます。その辺の、なぜそうなったかという理由はそのときどきによっていろいろとあろうかと思いますが、いずれも何といいますか、男系の方の事情があって、いまのようにお子様が小さいとか、あるいは亡くなったので一応どこかに探す必要があるとか、いろいろな事情があろうかと思いますけれども、そういったようなかっこうで一時女帝が入っていらっしゃる。そしてまた、小さかった方が大きくなればそちらに譲られてまた男系の方でずっと続ける、こういうようなのが歴史としての流れであったようでございます。 旧明治憲法のときにおきます皇室典範、あるいは日本国憲法に基づきますところの皇室典範を御審議の際にも、それらの事情を踏まえた上で女帝論というのがいろいろあったようでございますが、やはり日本の歴史、伝統というものから考えれば、男系の男子ということで世襲していくことを続けていくというのが適当ではないかという御判断になって現行制度ができているというように、制定の当時の経過その他から承知をしいたしているわけでございまして、いろいろなお考え方があろうかと存じますが、現在その原則を変えることはいかがかということで、いまのとおりになっているというようなことでございます。
○穐山篤君 そうしますと、考え方としては、皇位というのは男性の血といいますか、それが基本になるのだという考え方のように見受けるわけですが、そういう理解でよろしゅうございますか。
○政府委員(山本悟君) ただいまの現行制度のもとにおきましては、おっしゃられましたとおりでございます。
○穐山篤君 また、これも恐縮ですが、民法第三条では、いわゆる国民は、「満二十年ヲ以テ成年トス」、こういうことにしてあるわけですが、よく聞かれる話として、天皇、皇太子及び皇太孫の成年は十八年、国民と天皇家の間ではなぜ二歳の違いがあるのかと。これは抽象的には説明ができましても得心のいくような説明が私どもにはできないで困っているわけですが、その点はどんなものでしょう。
○政府委員(山本悟君) 皇室典範がつくられました際の説明といいましたような資料を私どもひもといて見ていても、当時の立法のときの考え方ということになるわけでございますが、やはり天皇につきましては、天皇が未成年であります場合には摂政が置かれて摂政が代行すると、こういうことになるわけでございますが、やはり摂政が代行するというのは例外的な、異常な期間になるわけでございまして、その期間をできるだけ短縮して早く天皇がみずから行為をなさるような体制にもっていく必要がある、それの方がベターであるというようなことが一つ。あるいは皇太子、皇太孫につきましては、逆に今度は摂政に就任なさる場合に、成年であれば摂政になる第一順位にあるわけでございますが、できるだけ早く第一順位になり得る資格を有しておく方がベターである。こういうようなことと、それから古来の慣習にもかんがみまして、一般国民よりも二歳早い十八歳を成年とすることが適当である、こういうような説明が当時からなされているわけでございます。 御案内のとおり、民法の第六条というところでも、いわゆる一種の営業行為につきましては未成年者につきましても行為能力を認めている、こういう規定もあるわけでございまして、一般的な能力は国民の場合二十歳でございますが、一定の営業行為につきましては十八歳以下でありましても、要するに未成年であってもそれは認められているというようなこともあるわけでございまして、御案内のとおり、日本国憲法に基づきますところの国事行為につきましては、内閣の助言と承認とに基づいて行われることでございまして、十八歳に達せられました方にとりましては十分その任にたえる年齢ではないか、こういうような点。それらすべてを勘案されまして、新しい皇室典範がつくられました際にも十八歳が適当であるというように判断をされたものと承知をいたしております。
○穐山篤君 皇室典範を読んだ範囲ではよくわからないんですが、宮家の創出ですね。現在四方の宮家があるわけですが、将来のことを考えてみますと、御家族のある宮家もあるわけですね。いずれ宮家を継ぐ者も出てくるでありましょうし、宮家を新しく創出をする者も出てくると思うんです。これについての何か法律のようなものはございますか。
○政府委員(山本悟君) 皇室典範第九条によりますと、「天皇及び皇族は、養子をすることができない。」という規定があるわけでございます。したがって、御実子のいらっしゃらない宮家というのはいつかの時期にはお継ぎになる方がなくなる、これは御指摘のとおりでございます。基本的にはそこでございまして、あとはそれぞれ親王の場合には自分の御意思によって皇族の身分を離れる規定はございません。が、王になりますと、今度はいろいろな諸事情によって、十一条によりますと、「年齢十五年以上の内親王、王及び女王は、その意思に基き、皇室会議の議により、皇族の身分を離れる。」、二項は「親王(皇太子及び皇太孫を除く。)、内親王、王及び女王は、前項の場合の外、やむを得ない特別の事由があるときは、皇室会議の議により、皇族の身分を離れる。」、それから、もちろん実際の内親王なり女王さんは、皇族以外の方と御結婚すれば当然皇族の身分を離れる、こういうような規定があるわけでございまして、それらの規定によりまして皇族としての身分の得喪というものが行われてくる、かようになろうかと存じます。
○穐山篤君 子供さんのない宮家の場合にはいまお話があったようなことになるし、子供さんのある方は当然宮家を継ぐ。あるいは女性の場合に、結婚されて民間の方になるということになればこれは別ですが、男性の場合には、どういう名前になるかはわかりませんが、宮家というものを創出をしていかなきゃならぬ。そうしますと、宮家というのは、どんどんと言っては語弊がありますが、数がふえていく、こういうふうに考えていいんですか。
○政府委員(山本悟君) どの程度の数の宮家といいますか、皇族がおられたらしかるべきか、これはやはりいろいろと問題のあるところであろうと思います。やはり余り少なくては、皇位の継承というのは、一たん皇族の身分を離れた方には、つまり、先ほどの皇室典範によりますと、その方がもう一遍皇族になって皇位を継ぐということはあり得ないわけでありますので、そういうことは予想いたしておりません。したがいまして、ある程度の方というのが必要である——必要という言葉は適否がございましょうけれども、まあ端的に申し上げて必要であるということは、これは皇室制度があります限りそのとおりだろうと思います。 しかし、ただいまわざわざ皇室典範の十一条をお読みいたしましたのは、やはり本人の御意思——内親王、王及び女王につきましては、その意思に基づいて皇族を離れる場合がある。親王の段階までは、自分の御意思によって離れるということは皇室典範は認めていない。しかし、先ほど読みました二項によりまして、今度は親王を含めまして、ただし親王と言っても皇太子及び皇太孫は除いてありますが、それ以外の親王さんを含めまして、親王にしろ王にしろ「やむを得ない特別の事由があるときは、皇室会議の議により、皇族の身分を離れる。」、こういう制度をつくっているわけでございまして、そのときのこの十一条関係の制度の規定の置かれましたことを、やはり先ほどと同様に、この制定当時のいろいろな資料というものから推察いたしますと、やはり皇族の総数というのはどの程度でしかるべきかということを念頭に置いて、そういった皇族の身分を離れる規定というものがここに置かれているというようにも存ぜられるわけでございまして、そういったような法律的に申せば規定がありますから、やはりそれぞれのときにおきまして、何といいますか、必要なる措置がこれらの規定に基づいて行い得る余地がある、そういう制度になっている。やはりそのときにおきまして非常に多いというようなことであればこれらの規定は動いてまいりましょうし、やはりそれぞれのときにおきます判断というものによって処理をされていくことではないか、かように思っているわけでございます。
○穐山篤君 先ほどお話があったんですが、第九条では養子の禁止をうたっているわけです。「天皇及び皇族は、養子をすることができない。」、養子をすることができないんですが、皇族間の養子というのは、この第九条からはどういうふうに読み取れるんでしょうか。
○政府委員(山本悟君) これは、「天皇及び皇族は、養子をすることができない。」のでございますから、皇族間でありましてもやはり養子は養子と思います。
○穐山篤君 長官にお伺いをいたしますが、先ほども具体的な数字で示されたんですが、天皇の日日というのは非常に激務だというふうに聞いているわけですが、最近のごきげんはいかがですか。
○説明員(富田朝彦君) ただいまのお尋ねにお答え申し上げますが、実はけさ、ちょっとおかぜぎみになられまして、ちょうど昨日はパナマ大統領御夫妻のお返し晩さんというのがございまして、これは陛下のためにというあれでございましたから、陛下も大変お元気に私ども拝見をいたしておったんでございますが、やはりちょっとこの数日寒い日等もありまして、いろいろ屋外での行事等がわりあいあったものでございますからあるいはそれが影響したかと思って私心配をいたしたのでございますが、幸い医師の判断では、そう大した御症状ではないけれども、ひとつ御静養を願った方がいいという判断でございまして、けさ、ちょうどパナマ大統領がたしか十一時半ごろの新幹線で名古屋を経て関西方面に向かわれたわけでございまして、いつもの例で、いわゆるお別れ御訪問というのを陛下はなすっておられるわけでございますが、そういうことでございましたので、急に陛下の御意思も体しまして皇太子、同妃両殿下に、かわってパナマ大統領御夫妻をお別れのために御訪問いただいた、こういう状況でございます。 一般的に申しますと大変お元気にしておいででございますし、またこういう御公務は、先ほど数字で政府委員の方からお答え申し上げたと存じますけれども、相当数多い御用務がございますが、かえってこれをむしろ喜んでおやりになる。あるいはまた今度おいでになる国賓のお人柄はどうかとか、あるいはお国柄はどうであろうかとかいうようなことも本当に喜んで勉強しておられる。そういうことで、そういうお仕事そのものがかえってお元気のもとというふうにも拝しておりますけれども、しかし同時に、やはりお年も大分加えておられますので、私どもとしてはできるだけ大事に願うべきときには極力その辺のあんばいをいたして、その御健康な状態をお続け願うように配慮をしてまいりたい、かように存じております。
○穐山篤君 最後に、警護の問題についてお伺いするんですが、たまたま私もかつて国鉄におりまして、行幸される列車の防衛といいますか、防護に当たったこともしばしば経験があるわけです。それから、ロンドンでエリザベス女王が外へ出られましたときに観客の一人として警備の状況も見たことがあります。比較をしてみますとかなり日本の警備、警護というのは厳しいと。そのことも当然大切でありましょうが、そのことが国民との触れ合いというものを遠ざけてしまう、こういうことにもつながると思うんです。戦後、天皇がいろんな地域に訪問をされた歴史があります。その記録も残っているわけですが、その当時から見ますと最近の警護というのは非常に厳しくなっていると。できるならもっともっと開放的になってもらいたい、その方がよかろうというふうに一般の人は考えるわけですが、その点何かこれから工夫を、されていると思いますけれども、何か考え方がありましたならばお願いしたいと思います。
○説明員(富田朝彦君) ただいま皇室と国民との触れ合いについて非常にありがたい御意見をいただいたと存じます。これは、陛下を初め皇室の皆様方は、やはり本当に国民とできるだけはだで接し合い、触れ合いを大事にしたいということを常々思っておられることは間違いございません。しかし一面、この警護と申しますか、警衛と申しますか、これはやはり治安当局にその判断とやり方というものを、まあいわば、私どもの希望は申し述べておりますけれども、やはり専門家にお任せせざるを得ない点があるわけでございます。 ただ、私どもが承りますと、日本の警護の仕方と、まあこれは諸外国全部同じだというわけではございません、国によっていろいろあると存じますが、やり方が違うんでございますね。たとえば、両陛下がアメリカ御訪問——いまイギリスのことを仰せになりましたが、アメリカ御訪問の折などは、あるいは画集等でごらんになったかもしれませんが、いわゆるシークレットサービスというのが、両陛下といいますか、その守るべきVIPの回りに相当目立つような大きな男がすぐリボルバーを引き抜けるようなかっこうでお守りしている。と同時に、これは逆に言いますと沿道で余りたくさんの警察官が配置にはなっていないわけです。ところが日本のやり方は、回りの方はそういうことは余りしないんですけれども、沿道で整理していくというようなことでどうしてもお巡りさんの数が目につくというような……。しかし、警察の首脳もいろいろ研究をいたしておりまして、目につかないような私服の警察官とかいうような者の割合いもふやすとか、いろいろ工夫はだんだんといたしていただいておるように思いますが、やはりこれは一つの情勢判断といいますか、そういうようなことから来ることでございますので、私どもも、その中で極力触れ合いの機会があり得た場合にはその機会を活用さしていただく、そういう気持ちは大いに持って、また、そういう形でいろいろと補佐をしてまいりたいと思っております。
○委員長(古賀雷四郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分から再開することとし、休憩いたします。 午後零時二十九分休憩 —————・————— 午後一時三十一分開会
○委員長(古賀雷四郎君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。 午前に引き続き、皇室経済法施行法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○和泉照雄君 きょうは官房長官はお忙しい中を出席いただきまして恐縮に存じますが、質疑をやる主題は、憲法に関する櫻内幹事長の発言が重大でございますので、また皇室経済法施行法改正の提案者の小渕長官にも関係がありますので、あえて質問をさしていただきます。 昨日の政府と自民党の連絡会議の席上、櫻内幹事長が、自主憲法制定を目指す改憲団体の催しに対して、政府に対して、援助するように小渕長官と伊東官房長官に要請したと伺っておりますが、事実かどうか、その辺のところを御説明を願います。
○国務大臣(伊東正義君) 私からお答え申し上げます。 きのう、政府と党の首脳の定例の会議をやったわけでございますが、その席で、物価の問題でございますとか、国対委員長からは国会の様子とか、いろいろ話があったわけでございます。それが終わりまして雑談に入ったところで、ちょうど私と総務長官並んでおりました向かい側に幹事長がおりまして、いま先生のお話のようなことで、従来から党で何がしの援助をしているんだが、きのうの朝、その団体の人が党の方で増額をしてくれぬかと言ってこられた。ただ、党の方でないから、政府の方でどうかなあという話が雑談で出たことは確かでございます。私も総務長官も、そういうことはできませんよと一笑に付したわけでございますが、きのうの与党との会議でそういうやりとりのあったことは確かでございます。
○和泉照雄君 もう御承知のとおり、過去にも閣僚が改憲の問題等を口にされて非常に大問題になったことは御承知と思いますが、やはり憲法を守るべき政府に、幾ら雑談といいながら、やはり本気でそういうことを言われたと思うんですけれども、そういうことを言われるということはきわめて私は不見識じゃないか、幹事長という政府自民党の首脳が。このことは、裏を返せば政府自民党の改憲に対する、何といいますか、裏心というんですか、そういうことがあるということを察知させるようなことじゃないかと、こういうふうに疑わざるを得ないわけで、私はきょうは断じて許すわけにいかない。 五月の三日を迎えて、いよいよこういうような改憲団体の動きが活発化すると思いますけれども、今後を含めて、こういうような問題に対しては明らかな憲法擁護の立場をとることが政府の責任ではないか、こういうふうに思うんですが、そういう点も含めて官房長官からはっきりした方針を明快に答えていただきたい。
○国務大臣(伊東正義君) 憲法の問題につきましては、政府の態度はもう一貫しているわけでございまして、現行憲法を守っていこうというのが政府の態度でございますので、いろいろな方がいろいろ議論あることはこれは知っておりますが、今後とも私どもはそういう態度は変えない。でございますから、きのうも総務長官と二人で、雑談ではございましたが、一笑に付したということでございます。
○和泉照雄君 その点はよくよく御注意をされて、政府・自民党の幹事長ですから、そういう方がおっしゃるということは大変なショックを与えるわけでございますので、重々ひとつ今後もその護憲の態度は貫き通していただきたい、特に要望しておきます。お忙しいところを大変御苦労さんでした。 次は、皇室経済法施行法について御質問を申し上げます。 先ほども質問がございましたが、天皇陛下もこの四月二十九日の誕生日をお迎えになりますと七十九歳におなりになるとお聞きしておりますが、皇后陛下も三月六日をお迎えになりまして喜寿という、七十七歳というふうにお聞きをしておりますが、最近の天皇、皇后様の健康状態といいますか、こういうことについてお伺いをいたしたいと思います。
○政府委員(山本悟君) 天皇陛下は、この四月二十九日をもちまして満七十九歳におなりになります。皇后陛下は三月の六日でございますか、お誕生日でございまして、ここで七十七歳の喜寿をすでにお迎えになりました。 こういうように大変御高齢に両陛下ともおなりになっていらっしゃるわけでございますが、天皇陛下について申し上げますと、陛下は大変一般的には御健康でありまして、午前中長官からも申し上げたところでございますが、大変一般的には御健康で、国事行為を初めとして各種の行事をこなしていらっしゃるわけでございます。ただ、午前中のときにも長官から申し上げましたように、ときどきおかぜを引くというような事態はあるわけでございまして、きょうもまたちょっとお熱をお出しになったという御報告があったようなことでございます。ただ、それ以外のいわゆる御持病というような意味でのことはお持ちになっていない、その意味では大変御健康なことであろうと存じております。昔から酒もたばこもお上がりにならないというような御節制というような点も大いに影響しているんだろうと存じますけれども、御持病は待医たちに聞きましてもそういうものはない、こういうように伺っているところでございます。 皇后陛下は、一昨々年でございましたか、那須の御用邸でもって御腰痛が起こりまして、これはいわゆるぎっくり腰的なことであったようでございます。それの御回復までに相当時間を要したようなことでございます。昨年も、またことしになりましても、そのぎっくり腰の再発ではございませんけれども、肉離れとかいわゆる老人性の御腰痛だとかいうようなことが多少ときどきございまして、そういった意味での何と申しますか、御注意というのはよくよく側近の者も心がけているようなところでございます。ただ、現在の御健康で申し上げますと、皇后様のお腰の方も非常によくなってきておりまして、この三月にも須崎の御用邸に往復なさったわけでございますが、その際でも、もうおつえもおつきにならずに列車等への御乗車もなっているというようなことで、そういう意味では大変次第次第に御腰痛の方も薄くなっていると、かように拝察を申し上げているところでございます。 そういうような意味で、両陛下とも御高齢ではございますけれども、まあ何と申しますか、大変お元気でいろいろの公務をこなしていらっしゃるというように拝察を申し上げているところでございます。
○和泉照雄君 いま御答弁がございましたとおり、陛下も四月をお迎えになると七十九歳という大分御高齢になられた現在、いろいろと御苦労もおありかと思いますが、陛下の御公務の内容についてお伺いをしたいと思います。
○政府委員(山本悟君) 陛下の御公務といたしましては、一番重要なのは、言うまでもなく日本国憲法に定められております国事に関する行為でございまして、この国事に関する行為は、すべて内閣の助言と承認に基づいて行われているわけでございます。具体的には、憲法の七条等に定められております各条項につきまして内閣が閣議決定を行いまして、これを書類として送付してきたものを宮殿の表御座所におきまして陛下がごらんになった上、毛筆で御署名になるか、またはそれぞれの認とか可とかいうような御印をお押しになる、こういう行為をなさっているわけでございます。 昨年中のこれらの種類は、法律、政令、条約の公布というようなことが非常に数として多いわけでございますが、そのほか内閣総理大臣の任命、国務大臣の任免等の認証、あるいは大赦、特赦等の認証、あるいは栄典の授与関係の処理、あるいは外交文書としての批准書等の認証といったような種々の文書があるわけでございまして、年間通じまして約九百件というようになっております。ときによりましては、昼間には各種の行事でもつてごらんになれなくて、夜間、お住まいでありますところの吹上御所で御決裁になるというようなときもたびたびあるように伺っているところでございます。 それから、儀式といたしましては、憲法七条の十号に定めております国事行為としての儀式といたしましては、新年祝賀の儀というのが定められているわけでございまして、そのほか、先ほど申し上げました各種の国事行為に関連をいたします儀式といたしまして、総理大臣の親任式でございますとか、あるいは各種の認証官の認証式、あるいは外国の特命全権大使ないし公使の信任状の捧呈式と、こういったような各種の儀式がございまして、これが年間約四十回昨年はございました。これらはいずれも宮殿において行われているわけでございます。 さらに、象徴としての陛下のお立場から催されます儀式、行事、拝謁、御会見といったような各種の行事があるわけでございますが、これが昨年の回数といたしましては二百四回行われております。また、外国の元首との御親書あるいは御親電の御交換が約五百件ございました。 こういうもののほかに、これらに関連いたしまして、宮内庁関係の書類というのも相当にごらんに入れたり、ごらん物あるいは伺い物と称しまして、御決裁をいただいたりごらんに入れたりというような書類が相当数ございます。 そのほか、陛下は国あるいは各種の公的な団体が催しますところの式典等に御臨席になるということもずいぶんあるわけでございまして、一番のその典型的なのは、国会開会式への御臨席を初めといたしまして、日本学士院賞の授賞式でございますとか、芸術院賞の授賞式でございますとか、国賓の来ました際の歓迎行事でございますとか、あるいは八月十五日の全国戦没者の追悼式でございますとか、そういったような各種の行事に御出席になっておられるわけでございまして、そういう意味ではなかなかにお忙しく公務をお続けになっていらっしゃるというように拝察をいたしております。
○和泉照雄君 いま、御答弁を聞いておると、もう大変な激務のようで、ますます御元気であっていただきたいと思うわけでございます。 次は、法制局にお尋ねをいたしますが、天皇及び皇族には選挙権はないというのが現在の取り扱いのようでございますが、その理由としては、公職選挙法附則第三項の「戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)の適用を受けない者の選挙権及び被選挙権は、当分の間、停止する。」という条文が根拠となっているのが一つの説明とされているようでございますが、しかしこれはあくまでも形式的な理由にすぎないと思われます。より実質的な理由は何なのか、お伺いをいたします。
○政府委員(味村治君) 天皇は、日本国憲法によりまして日本国の象徴とされておられる方でございます。したがいまして、政治的に無色と申しますか、そういうことが要請されるわけでございまして、そういう意味から選挙権をお持ちになっていないというふうに解されるわけでございます。
○和泉照雄君 次は、皇位継承の問題についてお尋ねをいたしますが、皇位継承の順位は、イギリスなどの西欧諸国の君主を擁する国では明確に定まっておるようでございます。わが国でも皇室典範第二条がこれを規定しておりますが、そこで、この規定を現在の皇族の方々に適用すると、具体的には皇位継承の順位はどのようになるのか、お伺いをいたしたいと思います。
○政府委員(山本悟君) 御指摘のとおり、皇位継承につきましては、日本国憲法第二条に、「皇位は、世襲のものであって、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。」ということが書いてございますし、皇室典範の第一条、二条、四条におきまして、皇位継承の原因、資格、順位、こういったことについて定めているわけでございます。これに従いまして、「皇位は、皇統に属する男系の男子」と、これは皇室典範の第一条でございますが、男系の男子が継承をするということになっているわけでございまして、継承の順位につきましては、第二条によりまして、その第一順位は皇長子、次が皇長孫、以下、その他の皇長子の子孫、それから次が皇次子及びその子孫云々というようにして、第七号まで決められている次第でございます。 それで、この二条の規定を現在いらっしゃいます皇族に当てはめてまいると、皇長子は言うまでもなく皇太子殿下でございますし、次の——次というか、その次の順位にあられる方は浩宮殿下、それからその次が礼宮殿下、それから、まあここまでが皇長子のお子様になるわけでございます。その次の順位、要するに第四順位ということになれば、今度はいまの陛下の男の皇次子、いわゆる常陸宮様ということになりまして、その常陸宮様には子供さんいらっしゃいませんから、その次の順位になれば、もう一つ代さかのぼりまして、現在で言えば高松宮殿下、その次は三笠宮殿下、それからその高松宮殿下のお子様はいらっしゃいませんから、三笠宮殿下にいって、三笠宮殿下には男のお子様は三人いらっしゃいます。寛仁親王、宜仁親王、憲仁親王、この順序でそれぞれなると。 そうすると、現在の、いまの時点で皇族の男子の方は九方いらっしゃるわけでございまして、ただいま申し上げましたような順位で皇位継承の資格があると、こういうことになっていると存じます。
○和泉照雄君 わかりました。 では、次の問題に移りますが、皇室典範第三十六条には、皇室会議の議員は、「自分の利害に特別の関係のある議事には、参与することができない。」旨の規定をしてあるようでありますが、通常の会議体の場合には、利害関係人は意見を述べることはできるが表決には参加できないと定めてあるのが一般的でございますが、皇室会議における利害関係人は意見の表明も許されないのかどうか。もしそれであったならば、その理由は那辺にあるのか、お伺いをいたします。
○政府委員(山本悟君) 皇室会議の所掌する事項といたしましては、皇族に関する各種の身分の得喪といったようなこと、あるいは摂取とかいろんなそういったような事項が多いわけでございます。そういうようなところから考えてまいりまして、直接に御自分に関係のある事項というのをそのところで表明されるのはいかがかというようなことからいまのようなことになっているのであろうと存じます。 また、ただ皇族会議の構成員には皇族の議員というのも二名いらっしゃいますし、宮内庁長官も入っているわけでございますし、議長である総理大臣とそれから国会の両院の正副議長と、こういうような方々であるわけでございまして、きわめてそれは高い水準の公正な判断をなされる方々というようなことになっておると存じます。 そして、また御身分上のこととしての利害でいろいろと申されるような事項は、そういった諸般の事情もよく御存じの皇族議員、あるいはそのことのよく存じている宮内庁長官というような者が構成員として申し上げられるようなことにもなっているわけでございまして、直接利害に関係のある、特別の利害関係のある方につきまして直接おっしゃっていただくというのはかえってどうかというような配慮が働きまして、制定当時からこういったいわゆる除斥の規定というのが置かれているようなことに存じているわけでございまして、実際上の運営といたしましては、十分それらの事項を反映した上で皇族会議としての御議論を賜れるものというように信じているところでございます。
○和泉照雄君 次は、天皇の国事行為についてお尋ねいたしますが、これも法制局にお尋ねをいたします。 憲法では、第四条第二項、第六条、第七条で国事行為は規定がしてございますが、このうち第六条の内閣総理大臣及び最高裁判所の長たる裁判官は天皇がこれを任命をするということを天皇の国事行為としております。一方、第七条第五号は、国務大臣及び法律で定めるその他の官吏の任免は天皇がこれを認証することを国事行為としておると、このように規定してありますが、任命と認証と、この差異はいかなる理由に基づくものなんでしょうか。
○政府委員(味村治君) 先生の御指摘のように、第六条では、内閣総理大臣または最高裁判所の長たる裁判官は天皇が任命するということになっておりますし、その他の官吏につきましては認証する場合があるわけでございます。任命と申しますのは、もちろんその職につけることを任命というわけでございまして、認証というのは、これは任命の認証ということを例にとりますと、他の機関が任命いたしました者を、天皇がその任命の手続が正当であるということを確認されるということでございまして、事柄の重要性から申しまして、内閣総理大臣と最高裁判所長官は天皇の御任命と、それからその他の官吏で重要な職にございます者を、これは内閣なり何なりの任命した者を天皇が御認証になるという制度にしたわけでございまして、これはそれぞれの、何といいますか、職の重要性に着眼しての相違であろうかと存じます。
○和泉照雄君 憲法第七条に列記をされておる天皇の国事行為の中には、天皇が認証する旨を規定しているものが三カ所ありますが、それは第五号、第六号及び第八号のようでございますが、それとそれ以外のものと、こういうふうに区別をしておるわけでございますけれども、そういうふうになった理由について御説明を願います。
○政府委員(味村治君) 先生の御指摘になりました第七条第五号、第六号及び第八号、これらは、たとえば第五号で申し上げますれば、「国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免」、こういった事柄は内閣なり内閣総理大臣の職権に属することでございますし、七条の六号の大赦等は、これも内閣の権限の範囲内でございますし、それから八号も、外交文書はこれは内閣の権限に属するわけでございますが、これらの事柄の重要性にかんがみまして、そういった事項を荘重にすると同時に権威づける、そういったような意味合いから、七条によりましてこれらの事柄を認証するということを天皇の国事行為とされたものと理解しております。
○和泉照雄君 憲法の第四条第二項では、「天皇は、法律の定めるところにより、その国事に関する行為を委任することができる。」と、このように規定してありますが、そしてこの国事に関する行為を委任すること自体も国事に関する行為であると解釈をされているようであります。そうしますと、国事に関する行為の委任を受けた者がさらに国事に関する行為としての委任をすることができると解釈ができると思うのでございますが、この点はいかがですか。
○政府委員(味村治君) 四条二項の解釈に関する問題でございますが、四条二項では、天皇は国事に関する行為を委任することができるということになってございまして、その国事に関する行為を委任されました受任者と申しますか、その方が委任するということは、この四条の二項からは読み取れないというように存ずるわけでございます。 先生のおっしゃいますように、国事に関する行為を委任された方がまたそれを再委任と申しますか、そういうようなことをする必要が生じたような場合には、この第四条の二項による天皇の委任を解除いたしまして、新たに別の方に委任をすればよろしいわけでございますので、そのような必要もございませんし、文章の上からもそのような再委任ということはなかなか読みづらいのではなかろうかと存じます。
○和泉照雄君 憲法の第七条の第七号に掲げる、天皇は栄典を授与するというふうに国事行為が挙げられておりますけれども、天皇が授与する栄典というのはどのようなものがございますか。
○政府委員(山本悟君) 栄典を授与しますことは、憲法七条の規定によりまして、天皇が内閣の助言と承認に基づいて行われる国事行為であるわけでございますが、具体的には叙位、叙勲それから褒章、この三種類があると存じております。
○和泉照雄君 今回皇室経済法施行法の一部を改正をしまして、内廷費の定額及び皇族費等の算出の基礎となる定額をそれぞれ増額しようとしているわけでございますが、皇室費用についての根拠法を皇室経済法と皇室経済法施行法の二本立てにしている実益は何であるのか、お伺いをいたしたいと思います。
○政府委員(山本悟君) 確かに、現在皇室経済に関しましては、皇室経済法と皇室経済法施行法の二本立てになっているわけでございますが、やはり考え方といたしましては、皇室経済法は、皇室経済に関する基本法といたしまして比較的恒久性を有する基礎的な事項について規定をしていただく、定めていただくと、こういうようなことになり、そのうちの定額といったようなある程度数字の問題でございまして変化が考えられる、比較的改正というようなことが行われざるを得ない、経済情勢の変化に伴って改正を必要とする場合も非常に出てくるわけでございますが、そういったような具体の数字をもってあらわすような事項につきましては、これは基本法としての皇室経済法に規定をいたすよりも、その施行法というかっこうで時宜に適した対応ができるような法律体系をとるのがいいのじゃないか、こういうような配慮から現在この二本立てで法律ができ上がっているというように承知をいたしております。
○和泉照雄君 皇室経済法によりますと、第八条には、皇室経済会議の組織について規定をしてあるようでございますが、これは皇室会議と異なりまして、皇室経済会議は皇族たる議員がそのメンバーとして存在をしていないようでありますが、これはどういう立法理由によってそのようになったんでしょうか。
○政府委員(山本悟君) 御指摘のとおり、皇室経済会議の議員の構成は、同法第八条によりまして、内閣総理大臣それから衆参両院の議長と副議長、大蔵大臣、宮内庁長官、会計検査院長、この八人の構成になっておりまして、皇族は入っていないわけでございます。皇室会議との対比から申せば、同時に最高裁関係の裁判官も入っていない、こういうような構成になっているわけでございます。 結局、両者の違いというのは、所管事項の違いというようなことから考えられるのではないかというように存じます。言うまでもなく皇室会議におきましては、皇位継承の関係でございますとか、摂政とか、皇族男子の婚姻といったような皇族の身分に関することが主たる事項であるのに対しまして、皇室経済会議の方での審議事項と申しますのは、皇室経済法の規定によりまして内廷費及び皇族費の定額の変更、独立生計を営むことの認定、皇族の身分離脱の際の一時金の認定といったようなことをその所管の審議対象といたしているわけでございまして、これらの事項はいずれも具体的な金銭の関係というようなことになっているわけでございます。また、実は、法律の制定当時には、そのほかにも皇室財産の用途の廃止変更や皇室のなす財産授与のある額以上のものの承認といったような財産関係の規定もあったわけでございますが、それは途中で改正になりまして、いまはその点現行ではなくなっておりますけれども、要するに皇室経済法の方の所管事項というのは、やはり具体の金額でございますとか、財産でございますとか、そういった経済関係のことが主たる内容、審議事項になっているわけでございますので、皇族が議員として直接関与することというのにはいかがなものかと、余りなじまないんじゃないかと、また、その実際の必要性というようなことになれば、宮内庁長官も入っておりますし、そういったような関係で十分に説明もでき、御判断をいただくこともできるんじゃないかというようなことから皇族が入っていない。また同時に、そういうような事情から裁判官も入っていない。そのかわり、そういう意味での適正化を図るという意味から大蔵大臣とそれから会計検査院長が入っている。こういうような構成の変化というものが認められるのではないかと、立法のときの趣旨その他から見ますると、ただいま申し上げましたようなことが推察がされるわけでございます。
○和泉照雄君 皇室会議の議決事項というのが、やはり皇室、皇族に特別な利害関係があるという事柄であるから、そういうことになったと思います。そして、構成人員で公正ないろんな御意見が徴せられるという前提でだろうと思いますけれども、やはりいまのこういう時代でございますので、やはり皇族の方々の意見の表明という機会はどこかで与えてあげた方がいいんではなかろうかと、こういうふうに思うんですが、そういうようなお考えはないんですか。
○政府委員(山本悟君) 法に基づきますところの皇室会議の場といたしましては、特定の利害関係者という方を呼んでどうこうするというところまでは想定をいたしていないと存じます。ただ、先ほど申し上げましたように、構成員には宮内庁長官というものが入っているわけでございまして、その関係におきまして、必要なそれぞれの皇族方の御意見なりお考えというようなものも承知をいたす機会も十分あって、その上で必要ならばそのお立場からの発言ということもできるわけでございまして、ただいま先生御指摘のとおり、こういった非常に重要な地位を占められている方々が構成員の会議でございますから、十分そういう点におきましても公正な御判断を賜れるものというようなことでございます。いまの制度といたしましては、直接そこに利害関係者を呼んでものを聞くというような取り扱いというのは想定をされていないと存じております。
○和泉照雄君 参考として手元にいただいたこの資料によりますと、宮家別の皇族費の計算書というものでございますが、常陸宮様は現行の二千六百四十万円を二千八百五十万円、秩父宮様は千七百六十万円を千九百万円、高松宮様は二千六百四十万円を二千八百五十万円、三笠宮様は四千七百五十二万円を五千一百三十万円にというぐあいに改定されるわけでございますが、まず、皇族費の算出の基礎と宮様についての改定額の内容についてお伺いをいたしたいと思います。 それから税金ということについて、税金はどのようになっておるのか、また公的な旅行等をおやりになるときに、その旅費とか宿泊費、こういうことはどのような支出になるのかをお伺いをいたします。
○政府委員(中野晟君) まず、内廷費と皇族費の改定の内容でございます。御承知のとおり、現在におきまして内廷費及び皇族費につきましては定額が一億九千万、それから千七百六十万と定められておるわけでございます。この定額は昭和五十二年に改定されたものでございまして、現在までに三年間同額ということになっておるわけでございます。前回以後経済情勢の変動もございますし、なかんずく物価が上がり、また三回にわたって国家公務員給与の引き上げも行われておるわけでございます。そういうことで、内廷の職員につきましても国家公務員に準じて改定をしなきゃならぬという事情もあるわけでございまして、今回先ほど申しました定額を二億二千百万、それから皇族費算出の基礎となります定額につきましては二千四十万に改定いたしたいということでお願い申し上げておるわけでございます。 そこで、この内廷費と皇族費算出の基礎となります定額の改定の基準と申しますか、ルールでございますけれども、これは昭和四十三年の十二月に開かれました皇室経済に関する懇談会というのがございまして、これは当時の皇室経済会議のメンバーに総務長官がお加わりになった懇談会でございますが、ここで御協議をいただきまして、原則として物価の趨勢、職員給与の改善等によりまして算出されます増加見込み額が定額の一割を超える場合に改定を行うということで了承いただきまして、その後は、おおむねこの基準によりまして必要が生じた都度改定をいたしておるということでございます。定額の改定をいたします際におきまして内廷費、皇族費を通じましてでございますけれども、積算の基礎といたしまして物件費、それから人件費に区分いたしまして、御交際とか御用度、それからお食事その他に要する物件費につきましては、前回改定のとき以降の東京都区部の消費者物価の上昇率によりまして、それから人件費につきましては、同じく前回改定時以降の国家公務員給与の改善率によりましてそれぞれの増加見込み額を算出いたす、その算出された額の合計額の一割を予測できない支出に充てるために予備的経費というかっこうで加算いたしまして定額を算定することといたしております。 今回の改定につきまして用いました、いま申し上げましたものに用いました数字を申し上げますと、前回改定以後消費者物価指数が一六・九%の増、人件費につきましては三年間で一五・一三%の増となっております。これらの数字を基礎にいたしまして計算をいたしますと、現行定額に対する増加見込み額の割合が内廷費で一六・三%、皇族費で一五・九%と、一〇%を超える数字が出てまいっておるわけでございます。そこで、内廷費の定額を先ほど申し上げましたように二億二千百万円に、それから皇族費算出の基礎となる定額を二千四十万円とするということで御審議をお願いしておるわけでございます。 ただ、今回の定額改定を行うに当たりまして、現在の厳しい経済情勢あるいは国の財政事情等を考慮いたしまして、御日常の御生活に不自由がないように留意しながらも、なお諸経費の節減についての一層の御工夫をお願いするということにいたしまして、大体一年分につきまして、昭和五十五年度分につきましては増額分の半分程度減額いたすということで、この結果、五十五年度におきます内廷費の定額が二億五百万、それから皇族費の定額が一千九百万といたしておるわけでございます。 次に、税金の関係でございますけれども、内廷費と皇族費につきましては所得税法上非課税ということになっております。それと、皇位とともに皇嗣が受けるものは、相続税法上でございますけれども、これも非課税となっております。 なお、天皇及び内廷にある皇族の御用に供されます輸入の物品は、関税定率法の規定によりまして免税となっております。 そのほかに、天皇の御著書を出版することがあるわけでございますけれども、その関係の印税あるいは不時の出費に備えてお持ちになっております若干の預貯金利子等があるわけでございまして、そういうものにつきましては、これは一般国民と同じように所得税あるいは地方税は納付しておるわけでございます。 それから、旅行の関係でございますけれども、天皇、皇族が旅行される場合の御宿泊費につきましては、公的な場合には宮廷費、私的な場合におきましては、天皇及び内廷にある皇族につきましては内廷費、その他の皇族は私費で支弁されておるわけでございます。
○和泉照雄君 最後にお尋ねをいたしますが、たとえて言いますと、現行法では秩父宮様を例にとりますと一千七百六十万円でございますが、これを月額に直しますと百四十七万円、こういうことになるようでございますが、このほかに運転手の方もいらっしゃると思うんですが、それから宮内庁の職員の方々も若干おられると思うんですが、そのほか私的にお使いになっておる料理人とかあるいはそのほかの方々は、どういう人たちを何人ぐらいお使いになっておって、これは本当に実質どれだけの内廷費が手元にお残りになるかということをちょっと伺いたいもので質問するわけでございますが、何人ぐらいどういうような職種の人をお使いになって、そして出費はどういうふうになっておるのか、その辺のところをお聞かせ願って、質問を終わりたいと思います。
○政府委員(中野晟君) 職員でございますけれども、先ほど秩父宮様につきまして例に出されましたので、五名実はおるわけでございます。大体侍女の方が、これは一般の皇族さんもそうでございますけれども、大体私的に使用されております使用人と申しますか、大体侍女さんとか、それからコック、料理人の関係でございますね、あるいは別邸をお持ちの場合にその管理人とか、こういう方々が私的な形でもって雇われておるということでございます。 それから、人件費等もあるわけでございますけれども、たとえば先ほど御質問にございました秩父宮様におきましては、現在五名雇用しておるわけでございまして、国家公務員の給与ベースに準じた給与を支給しておるわけでございまして、そういう意味から、先ほど皇族費で支出してそれで家計と申しますか、を維持されておるということでございますけれども、御指摘のとおりその収支はかなり厳しいものがあると存じます。 各宮様の収支につきまして、これは私経済の問題でございますので、内容につきまして明らかにいたしますことは差し控えたいと存じますが、一般的に言えば、その実情は各宮家によってかなり異なるものもございます。臨時の出費がかさむような場合におきましては、あるいはお持ちになっております有価証券を売るなどして収支を償われておるなど、相当やりくりをされておるというように私ども伺うわけでございます。
○山中郁子君 初めに、総務長官にお尋ねをいたします。 先ほども伊東官房長官が政府としての所見を明らかになさいましたが、その改憲主張団体への政府の後援の要請の問題に関連してですけれども、この問題は、私どもかねてから強く要求もし、また主張もしてきたことと深くかかわりがあります。一昨年政府は、建国記念日に憲法の改悪を主張する人たちが中心になって行う奉祝行事を後援するということを決定されました。ことしもこの行事は行われまして、総務長官も出席をされております。で、私たちは、先ほど申し上げましたように、政府の後援は、現憲法の主権在民の原則、信教の自由、政教分離の原則を侵すものであるから、そういうことはするべきではないと、中止をせよということも、今回も申し入れもして要求もしたところですけれども、この中で私はやはり大変問題だと思いますのは、ことしの奉祝行事でも、運営委員会の黛敏郎さんですね、あの方がたとえばこういうことを言っておられるんですね。 まあ、いろいろおっしゃっているけれども、「私たちはすでに元号法制化をかちとった。しかし、今後まだ、祖国のために一命をすてた人びとをまつる靖国神社の問題、有事立法の問題、国家機密保持の問題があり、それらのもののすべてにつながる憲法改正の問題がある」と、こういうことを述べておられるわけです。総務長官もお出になってこれらの主催者の人たちの発言をお聞きになっているわけですけれども、いま私がたとえば例として取り上げました黛さんのこうした発言、つまり憲法改正を主張するですね、その問題につきましてはどのようにお考えになっていらっしゃるか、所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 総理府といたしましては、前々長官、稻村長官時代から建国記念の奉祝式典につきまして後援をいたしておりまして、私も本年の式典には出席をいたしたことは事実でございます。御指摘にありました黛さんの御発言もあったようでございますが、私はその式典は、主催をされましたたしか木下さんだったかと思いますが、そのお方の式辞をもってその式典のすべての趣旨が盛られておると、こういうふうに解釈をいたして考えておりますので、私といたしましては、その席上でその他にもいろいろ御発言される方もあったように記憶しておりますけれども、私といたしましてはそれについて特別のコメントをするつもりはない次第でございます。
○山中郁子君 そうしますと、いま私が引用いたしました黛さんの発言は、政府の姿勢としては首肯できるものではないというように理解してよろしいわけですか。
○国務大臣(小渕恵三君) 申し上げましたように、それぞれの発言を一々政府が保証するとか、そういうたぐいのものではないというふうに理解をいたしておりますし、式典そのものの趣旨は主催者の式辞をもってすべて表現されておると理解をいたしておりますので、私どもはそのことがその式典の趣旨のすべてであるというふうに理解をいたしまして後援をいたしたわけでございます。
○山中郁子君 たまたま黛さんだけがこのことをおっしゃったわけではないということは総務長官もよく御承知でしょう、いままでの経緯からいってもね。私たちはそこを問題にしています。この集会が当然のことながら憲法改正、彼らは言います。内容的に申し上げればもうはっきりしております、憲法改悪です。そういうことを大きな土台として主張している集会であるということははっきりしています。 もう一つ、それでは申し上げますけれども、運営委員長の清水さんですね、この方がやっぱりこうした上に立って、これからは政府後援ではなくて主催にすべきであるという主張をされているんですけれども、こういう点についてはどうお考えになりますか。
○国務大臣(小渕恵三君) 私どもは、毎年その主催者から御要請がありまして、それでその年の後援を決定をいたしておる次第でございまして、今年におきましても種々検討いたしました結果、総理府後援ということが望ましいことであるという形で後援いたした次第でございますので、清水さんが、たしか私の記憶に間違いがなければ、総務長官もここに出席しておるけれども、本来は政府がやっていただきたいものであるというようなことを申されたように記憶いたしておりますが、私どもはここ両三年、総理府の後援をもっていたすことでよろしいのではないかという考え方に基づいて後援いたしてきた次第でございますので、御所見は御所見でございますが、私ども政府として現在後援をするというようなことは考えておりません。ただ、申し上げましたように、毎年毎年御要請がありまして、その中身を十分検討いたしまして決定をいたしておることでございますので、過去につきましては以上申し上げたような趣旨でございますし、ことしに限っても同様の気持ちでいたしたような次第でございます。
○山中郁子君 いま言い間違いかと思うんですけれども、後援をするつもりはありませんという趣旨のことをおっしゃいましたでしょうか。清水さんが主催にすべきだということを言っているけれども、それについてどうお考えかということを申し上げたんですけれども。後援をしないならそれは結構な話であります。
○国務大臣(小渕恵三君) 大変失礼いたしました。総理府として後援をいたしたことでございまして、清水さんはたしか主催をしてほしいということでございましたが、主催ということにつきましては検討いたしたことはありません。
○山中郁子君 まあ、後援も主催も同じなんですよね、考え方として。だから間違えられたとは言いませんけれども。 問題は、そういう経過の上に立って櫻内さんの発言が出ていて、要請が出ているんですね。櫻内さんが何と言ったかということ、新聞報道によりますと、二月十一日の建国記念日の式典に出席してみると総理府が後援していたということなんですね。で、自主憲法制定団体の方はどんなものか、党だけではめんどう見切れないから政府にめんどう見てくれと、出してくれと、こういうふうにおっしゃっている。これはもうはっきり改憲を主張し、憲法改悪を主張している人たちによるそうした集会に総理府が出ていたんだから、政府だってその団体の方にも金を出していいじゃないか、こういうことを櫻内さんが言っておられるわけで、まさにそういう同一の範疇の問題だということは常識的に言ってだれも否定できないことだと思いますけれども、この点について先ほど伊東官房長官がかなり断固として絶対にというふうなことをおっしゃって、一笑に付したとおっしゃっていますけれども、一笑に付すということならば、当然この後援だってやめるべきじゃないですか。
○国務大臣(小渕恵三君) ちょっと、建国記念の日に対する政府の後援と昨日の幹事長の政府・与党連絡会議における御発言の趣旨とは違っておるかと思うんです。
○山中郁子君 幹事長はそう言っているわけです。
○国務大臣(小渕恵三君) いや、幹事長から自主憲法の大会に対して協力をしてくれないかというようなお話のあったことは事実でありますが、官房長官も私も、それは政府としてそのようなことをいたすことは全く考えにも及ばないということでお断りいたしておることでございますし、憲法記念日につきまして、政府としてこれを主催するかどうかという問題についての御議論はかねてあったことは承知はいたしておりますけれども、自主憲法制定を企図されるような団体あるいは大会について、政府がそれに対して後援するというようなことは全くあり得ないことでございますので、先ほど官房長官が御答弁申し上げましたように、政府側といたしましては一笑に付してお断り申し上げたと、こういうことでございます。
○山中郁子君 櫻内さんが言われたということは、私、もう一度言いますけれども、二月十一日の建国記念日の式典に出席してみると総理府が後援していたと、だから自主憲法制定団体の方はどんなものなのかと、片方はその団体が行う集会は総理府が後援しているんだからその団体の方にもめんどうを見たっていいじゃないかと、こういう理屈なんですよ、おっしゃったことは、報道されていることは。そうなんでしょう。 そこに私は、やはりまさに一体のものとしての自民党の考え方があると思うわけ。つまり自民党は一九七二年に天皇元首化、軍隊保有、基本的人権の制限、政府の緊急立法権などを盛り込んだ憲法改正大綱というものを案として発表しているんです。これがいままでもだからずっと大きな問題になっているわけで、憲法改悪を呼号する自主憲法制定国民会議の催しをこれまでも自民党はもちろん後援してきたけれども、明らかにやはり憲法の民主的条項に反した運動である。それのつながりがあるから櫻内さんがいみじくもそう言ったわけですよ。総理府が後援しているのなら、その集会にね、団体にだって金出したらいいじゃないか。そういうことがこのつながりの問題として政府の姿勢として問われているということを私はやはり重ねて指摘をしなければいけないし、政府がそれらにお金を出すということはとても考えられなくて一笑に付すということを、憲法を守るという立場からおっしゃるならば、当然のこととしてこうした集会や何かにも後援をすべきではないし、靖国神社の公式参拝その他についてもやめるべきだということを私は重ねて申し上げざるを得ませんけれども、もう一度長官の御意見を伺っておきましょう。
○国務大臣(小渕恵三君) 幹事長がどのようにお考えになったか、私はそんたくして御答弁する立場にありませんが……
○山中郁子君 そんたくしなくてもいいのよ、しゃべったことは事実なんです。
○国務大臣(小渕恵三君) ただ、建国記念の日というものは、この国会で厳粛な審議のもとに制定された法律に基づいた祝日に相なっておるわけでございまして、その日をお祝いをするということについては、政府としても尊重して後援をしておるわけでございますが、自主憲法制定ということについてのその団体が催すことについては、何らこれは法定されておることでもありませんので、政府としては全く関係を持たないことでございますので、政府としてはこれを後援するとかなんとかいうことは全くあり得ないということで、きのうは幹事長にその立場を明らかにしたわけでございまして、むしろ議論としてなされるとすれば、憲法記念日を政府として主催するか後援するかというような議論でありますれば、あるいは議論がもう少しかみ合ったかと思いますけれども、きのうはそのこととは別の自主的な憲法をつくろうという団体に対する御議論でありましたので、政府としては何ら関知することではないということで議論にも至らなかったと、こういうことでございますので、御理解いただきたいと思います。
○山中郁子君 建国記念の日の奉祝式典がどういう人たちによって、どういう内容で行われているかということは、私がいまさら申し上げるまでもなく、あなただって御存じなんですよ、お出になっているんだから。で、再三その問題が議論されてきて、建国記念日の制定の問題については、もちろんわが党としても十分な議論をしてきています。問題を私たちも常に指摘をしています。それと、そういう形で一緒にされたら、それは議論のすりかえというものであって、私が先ほどから言ってきているのは、自民党の憲法改悪への意思、そしてその自民党の、政府のこうした改憲、改悪を志向する人々への有形無形のさまざまな連動、迎合、そういうものが重要な問題として反動化の柱をつくりつつあるじゃないかということを申し上げているわけです。 次に、法案の問題について入りますけれども、皇室の経済については憲法八条、八十八条で皇室財政の公明正大なことをうたって、そしてそれが国民の前に明らかにされなければならないということを新しい憲法として、現憲法の制定された当時の理念としてそれを内包しているわけです。 その問題につきまして、私たちが皇室経済の問題を考える場合には、可能な限り皇室の財政はガラス張りにしなければならないということが一つの大きな基本だと考えておりますけれども、その点についてはいかがお考えか、これを初めに総務長官に御所見を伺います。
○政府委員(山本悟君) 憲法八条、八十八条によりまして憲法施行のときに皇室の経費が、財産がすべて国有になり、ごく少数額のもののみ手元に残された。その後におきましては、御案内のとおり公的活動その他に必要なものにつきましては宮廷費というかっこうで、諸活動の経費になっております。これにつきましては、毎年度予算によりまして御審議をいただき、御議決を賜っています。そして、そのほかの内廷の御日常のことその他の内廷の諸費に充てるものといたしましては、ただいま御審議いただいておりますように、法律で定額の定められました内廷費、皇族の品位保持のための経費といたしましては、これまた法律で定められました皇族費というものによりまして支出をいたしまして、その分についてはお手元金となり宮内庁の公金とはならない、こういうことがいまの法律としての制度になっているわけでございます。そういう点から申し上げれば、純粋の御内給金あるいは宮家の私的な経費ということに法律ですでに認められた中身というものだけがわからないわけでございまして、その他の部分につきましてはすべてはっきりしたかっこうで国会の御審議、御議決をいただいておる。しかもそのどれだけのものが公金にならない部分になるかというと、これまたちゃんと御議決をいただいておる。こういうようなことであるわけでございますから、ただいま御指摘の意味での国民の前に明らかにという意味では、まさに相当程度以上に明らかになっているんではないかというようには私どもとしては感じるわけでございます。 しかも、その内廷費なり皇族費なりにつきましてのどういう場合に増額をお願いするか、これにつきましてもいろいろの経過はございましたけれども、やはり国会等の御意見を踏まえて基準を決めたらいいじゃないかというようなことがあって、四十三年の皇室の経済に関する懇談会での基本方針が決められまして、それに従って行っている。こういうようなことになり、しかもその定額の改定はこうやって一つ一つ国会の御審議をいただいておるわけでございますので、相当程度以上に明らかなかっこうになっているのではないかというように存じているところでございます。
○山中郁子君 基本的な考えをお聞きしたんですけれども、いろいろなお答えがありました。 先ほど御答弁があったんですけれども、昭和四十三年十二月に行われた皇室経済に関する懇談会でルールというか方式が決められたということで、内廷費が物価、給与等の改善によって経費の一割以上の増加が見込まれた場合に改定するということで、それ以降は定額の上積みという計算式で改定がされてきているわけですね。だから、まず第一に、その基礎となる内廷費や皇族費の定額が妥当であるかどうかということが前提になるわけです。私は率直に言ってそう少ない額じゃないですよね、国民の税金です。そういう問題だからこそいま基本的な考え方としてお尋ねをした、国民の前に可能な限り明らかにされるべきであるという点で内訳をお示しいただきたいと思うわけです。つまりいままで一億九千万、内廷費の場合で言いますと。これがそう事細かくまでは要りませんけれども、常識的にわかる程度に。つまり、いろいろ皇族としての品位を保つためにとかというふうになっていると、要するに服装だとか装飾品だとかいうふうなこともあるんでしょうし、食事だとか、それから天皇家やあるいは皇族としての特別な経費がこういう部分でしてあるんだとかいうようなことの内訳を、大まかなところをお示しいただきたいと思います。
○政府委員(中野晟君) 内廷費、皇族費の内訳を出してほしいというお話でございます。 内廷費、皇族費の支出の額でございますけれども、これは先ほども次長から御説明申し上げましたように、これは国庫から支出されますと宮内庁の公金でなくなるいわゆるお手元金に実はなるわけでございます。それから、これが皇室の日常の御生活の内容にも絡むわけでございまして、そういう内容まで触れるということはプライバシーが損なわれるという問題もあるわけでございまして、その金額につきまして公にするのは、従来からもそうでございますけれども、差し控えさせていただいておるわけでございます。 ただ、御審議の参考といたしまして、最近の内廷費の支出の状況をもとにいたしまして、その内訳の額の目安をつけるという意味合いで平均的な内訳の概要を実は割合で申し上げておるわけでございます。その割合をちょっと申し上げますと、まず内廷費を人件費と物件費に分けますと、その割合はそれぞれ三四%と六六%でございます。そこで人件費につきましては、内容といたしましてこれは神事を扱います掌典など、あるいは生物学御研究所の職員など定数が二十五名で、若干減ることもございますけれども二十五名の人件費でございます。それから物件費、これは六六%でございますが、その内訳を分けまして、まず一つが御服装、お身の回り品等の経費が一八%程度でございます。それからお食事、御会食あるいは厨房の器具などの関係が一三%程度でございます。それから各種の団体、社会福祉の団体等に対します奨励金とかあるいは災害の見舞い金、そのほか御交際費の経費が一〇%程度でございます。次に、御研究とか御教養関係の経費が七%程度でございます。その次が宮中三殿のお祭りなど神事関係の経費が七%程度。最後でございますが、医療その他薬品とか、そのほかのもろもろの経費が一一%程度でございます。
○山中郁子君 この大体の計数——計数というか、多少の変動はあるんでしょうけれども、大体こういうところだと、ずっと見て。そういうふうに理解してよろしいんですか。
○政府委員(中野晟君) この内廷費にいたしましても、日常の費用でございますので臨時的なものも場合によってはございますけれども、日常の経費ということで、それほどの変動はございません。ただ、たとえば先ほどこの定額の改定につきまして御説明申し上げた際に、人件費は公務員のベースアップの比率で、物件費につきましては消費者物価指数で上げておるわけでございます。したがいまして、公務員のベースアップの割合の方が高い場合におきましては人件費のウエートの方が高くなる、そういう意味で若干人件費のウエートの方が最近少しずつではございますけれども上がってはきておるということでございます。全体としてはそう余り……。
○山中郁子君 この点につきましては、いま一億九千万の段階での実績だから三四%といえば六千万弱というふうになるんですわね。というふうにして数字を出せば大体わかるわけですけれども、そのぐらいのものをどうして金額として発表しないんですか、できないんですか。私はやはりそれは一つ問題だと思うんです。というのは、第一回国会の皇室経済法施行法の審議の中ではそういうことをちゃんと言っているんですね。第二回でも言っているんですよ。それをいろいろな言い方をして発表しない。それは本当にめがね一つ、万年筆一つまでなんというふうなことになれば、それは私生活の問題というふうになりましょうけれども、常識的に言って。そうではないところに、私は一番最初に確認もし、次長もお答えになられた、やはり国民の前にでき得る限りガラス張りでなければならないという思想をより貫かなければならない、その中の重要な一つの問題であるということを指摘をしておきたいと思います。 次に、宮中三殿、これは賢所、神殿、皇霊殿だそうですけれども、これは皇居の中にあるわけですよね。そしてここで天皇家の神道による祭祀が行われているということは、私は憲法の政教分離の観点から言っても、皇居が国有財産として国が管理しているという点から言っても問題があると思いますけれども、この点はいかがですか。
○政府委員(山本悟君) 宮中三殿をどう考えるかということは、いろいろの御議論はあろうかと思いますが、われわれの考えといたしましては、皇室の単なる私有財産と言い切ってしまうにはいささか問題がある。三種の神器と同様に、皇位とともに伝わるべき由緒ある財産、かような観念のものに当てはまるのではないかというように存じております。そういたしますと、国といたしましてもその保存につきまして関心を持つ、何といいますか、非常な特質を持った財産と言えるようなことでございまして、そういうような気持ちでもって実際上は宮内庁が管理をいたしておると、こういうことになろうかと思います。ただ、いま神式をもって云々とおっしゃられましたが、やはり一種の、何と申しますか、通常の神道というものと同一なわけではございませんで、やはり先祖を祭るというようなところから出発しての施設というか、行事をおやりになる場所というようなことでございまして、これを切り離せと言われましても切り離し得べきようなしろものではないと、やはり先ほど申し上げましたように、皇位とともに伝わるべき由緒ある財産というものに該当するんではないかと思っております。
○山中郁子君 国有財産なわけでしょう、国の財産ですよね。
○政府委員(山本悟君) この点はいろいろ議論ございますけれども、国有財産というような正確な意味での割り切り方、いわゆる皇室用財産としての割り切り方というのはまだついておりません。その辺は、そうかと言って単純な私有財産というぐあいにも考えられない。そこで、皇位とともに伝わるべき由緒ある財産、そういうような概念が最もとらえやすいものではないかというように思っております。
○山中郁子君 ちょっとお尋ねいたしますが、そういうのは法律的にはどういうものに依拠をするんですか、どっちでもないみたいな中間的な解釈というのは。何か法律でそういうことがあるんですか。
○政府委員(山本悟君) たとえば三種の神器というようなものをどう考えるかと、これを国有財産と言い切れるのかということになりますと、やはりいろいろとお考え方というのは出てまいると思います。しかし、天皇家の全くの私有のものでどうなってもいいというものでもなかろうと思います。これはやはり皇位とともに伝わるべき由緒あるものというのが、たとえば非課税になったりいろいろなことになって、そういう言葉が使われておりますけれども、やはりそういう概念の中に当てはめるのが一番適当なものではないかというように存じております。
○山中郁子君 これは元号問題でもいろいろ議論があったところで、これからも論議があるところだと思いますけれども、政教分離の観点とそれから天皇家による私事であると、いつも元号の問題でもおっしゃるんだけれども、その祭祀ですね、神道による。そういうものが結局は国の財産、管理しているこういう建物のところで行われているということについての疑義というものは、やはり引き続き解明しなければならないと思っております。その点を指摘しておきます。 最後に、参与制度ということについてお伺いをしたいんですけれども、これは宮内庁からいろいろ伺ったんだけれども、やっぱりどうしても余りよくわからないんですが、これはどういうことなんですか。
○政府委員(山本悟君) 先般、元の宮内庁長官の宇佐美さんとそれから前の日銀総裁の森永さんを昨年——宇佐美さんについては五十三年の十二月、それから森永さんにつきましては昨年の十二月に皇室の参与をお願いしたということでございますが、この参与というのは、結局のところ、陛下から皇室の重要事項についてお尋ねがあったようなときにいろいろ申し述べる御相談相手あるいはお話し相手といったような性格のものであろうと思います。したがいまして、何といいますか、公務員としての地位を持った恒常的な適正な制度として設置をしたというようなものとは全く考えておりません。何と申しますか、いま申し上げましたような性格から言えば、御相談相手なりお話し相手なりといったようなものとお考えいただくのが一番適当ではないかと。何と申しますか、国家公務員といたしまして宮内庁が所管をしてどうこうというような性質のものとは全く考えておりません。
○山中郁子君 そうすると、でも、こういう参与というふうにして、あなたに参与を委嘱しますというようなことをなさるわけでしょう、宮内庁が。だって、自分で勝手に私は天皇の参与だということにはならないわけでしょう、自分が天皇の参与になりたい、宮内庁の参与になりたいと思ってもね。そうすると、天皇はこの参与という人以外にお話し相手も相談相手もいないということになるんですか。
○政府委員(山本悟君) 宮内庁からというよりも、むしろ陛下がこういった事項に参与をしてもらいたいということをごさたになって、それをお受けされたものでございます。したがって、宮内庁長官名でもって参与を委嘱するというような発令行為は一切ございません。
○山中郁子君 そうすると天皇は、いま参与というのはお二人なんでしょう、森永さんと宇佐美さんですか、それ以外にお話し相手も相談相手もいないわけですか。
○政府委員(山本悟君) 陛下のお立場でもってどのような者を呼んでいろいろ相談をするというようなことは、最近の例としても恐らく普通じゃなかろうと思います。まあ、侍従長でございますとか宮内庁長官でございますとか、側近奉仕の者は別といたしまして、外部の方にどうこうというのは恐らくなかなかないんじゃなかろうかと思います。そういうような意味で、いまの参与を委嘱した方——委嘱といいますか、参与等をしてもらいたいというごさたのあった方というのは、そういう意味では陛下としてそういうお話し相手なり御相談相手としてたびたびお使いになりたい、こういう意思はお持ちになっていることであろうと存じますが、何と申しますか、それだけであるかと、ほかの者はじゃ陛下としてできないのかと言われれば、そんなこともなかろうと思いますけれども、その方々には特にそうやってその方に御相談相手になってくれということを陛下としてごさたになったということであろうと思います。
○山中郁子君 私がこのことを申しますのは、結局象徴天皇制といい、そういう問題が過去の日本の政治との関係でたくさんの問題が戦後大きく正されたわけですよね。で、そこへもってきて、だからそこが厳密にいろいろ図られなければいけない問題が天皇に関してはたくさんあるわけです、厳密にしなければ。そのことは元号法制化、元号法案をめぐるこの内閣委員会の審議でもいろいろ出ました。それがこういうことで、何にも根拠がなくて、何をするのかわからないし、ほかにもそれはお話し相手はいると、そういうあいまいな形で、そして一方ではこれが森永さんが参与になられているという話ですけれども、政財界の中の長老の方たちがこの参与という肩書きをもらうことを一種の名誉として受けとめるみたいな風潮と相まっているということについては、私はやはり注意をして考えておく必要がある問題だという意味からお尋ねもし、問題提起もしております。 そのことを申し上げまして、私の質問を終わります。
○井上計君 質問の予定をいたしておりましたが、他の委員の質疑でおおむね了といたしましたので、質問を中止をいたします。 ただ、一言私自身の気持ちを申し上げておきますと、国民の大多数、一部の人を除いて大多数の敬慕の的でありますところの天皇陛下、さらに天皇家あるいは皇族に対しましての皇室経済の数字等につきましては、他の予算と同様に考えて、削減だとか多過ぎるとかというふうなことについては私は考えるべきでない。やはり、敬慕の的でありますところの天皇に対しては、もっとわれわれが敬慕の念を持って、もっと積極的な考え方で今後このような問題等についてはやはり審議すべきであろう、こういう感想を申し上げて、私の質問を終わります。
○森田重郎君 すでに同僚委員の方々から質問も出尽くされたような感がいたしますので、私は質問ございません。
○委員長(古賀雷四郎君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(古賀雷四郎君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 皇室経済法施行法の一部を改正する法律案を問題に供します。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(古賀雷四郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(古賀雷四郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時五十一分散会