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91回国会参議院1980/03/18

地方行政委員会 第3号

発言数
246
登壇者
9
会派数
4
開催日
1980/03/18

会議録

後藤正夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(後藤正夫君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  去る五日、竹内潔君、降矢敬雄君、遠藤政夫君、広田幸一君、村沢牧君及び穐山篤君が委員を辞任され、その補欠として鍋島直紹君、加藤武徳君、夏目忠雄君、野口忠夫君、小山一平君及び志苫裕君が選任されました。     —————————————

後藤正夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(後藤正夫君) 銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 まず、銃砲刀剣の現在の許可の実態をお聞きしたいと思うのですが、五十三年度末で九十二万四千丁、そのうち銃砲のみが九十一万一千丁を超えておるという実態が出されておりますが、この一年間の新規の許可、もしくは取り消しを含めて、どういう実態にあるのかお聞きしたいと思います。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) 現在の銃砲の許可状況につきましては、総数で八十八万一千二百四丁というふうになっております。これは昭和五十四年の数字でございますが。その中で、猟銃が七十二万五千七百四十八丁。これはライフル銃と散弾銃でございます。ライフル銃が二万七千五百七十七丁、それから散弾銃が六十九万八千百七十一丁、そのほかに空気銃が九万八千九十三丁ございます。あと、建設用銃その他の銃砲ということになっておりまして、総数につきましては五十三年から若干減っておりますが、減りましたものにつきましては、猟銃がざっと二万ばかり減ったということでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 譲渡もしくは廃棄された許可銃ですね、これは一体どういう実態ですか。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) 昨年いろいろな事情ございまして、許可基準の見直しその他をやったわけですけれども、そういう過程で廃棄あるいは譲渡された銃が大体二万七千丁ぐらいございます。これは平年よりは——普通の年ですと毎年一万五、六千丁だったと思いますけれども、昨年はやや減った数が多かったということでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 その中で、暴力団関係というのはどういうふうになっていますか。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) 暴力団につきましては、本来猟銃の許可というものを与えることについてきわめて厳正に対処しておりますので、その中で暴力団が所有していた銃というのは実は統計上とっておりませんが、これはほとんどないのではないかと思います。大体が普通の許可をしていた銃であろうと思います。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 そうしますと、警察白書の中にも出ておりますように、押収してみると暴力団関係が圧倒的に多いですね。これは一体どういうしろものですか。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) 暴力団の事件でよく猟銃その他が使われるという場面はたびたび見るわけですけれども、本来許可をしていないということでございまして、これは一つは盗難銃、盗難に遭った銃が回り回って暴力団の手に入った、あるいは暴力団自体の不法所持という問題に絡んでの使用ということになろうかと思います。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 盗難銃というのは、大体年間にどの程度出るんですか。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) 銃の数そのものは毎年平均しますと六十丁かあるいは七十丁ぐらいだと思います。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 五十四年度の警察白書を見ますと、この五年間に銃砲犯罪の実態が出されておりますが、全体としては減少傾向。これはもう数字として出ておりますけれども、非常に凶悪犯や暴力団関係が多くなっておるような感じがするんですけれども、この原因と、とりわけ梅川事件以後の追及の実態ですね、これ、ひとつ説明してください。

佐野国臣警察庁刑事局保安部保安課長

○説明員(佐野国臣君) いま御関心がおありとみえます暴力団の関係で申し上げますと、たとえば五、六年前までには拳銃の所持につきまして非常に関心を持っておったようでございます。したがいまして、当時は千三百丁台の拳銃が暴力団その他から押収されておったという状況がございます。ところが最近は、五十三年前後に模造拳銃、いわゆるおもちゃの拳銃あるいは模擬銃器、こういった規制が厳しくなりましたために、暴力団から押収される拳銃、そういったものが年間約九百丁程度の押収ということで、数は相当数減ってまいっております。しかも、それぞれの内訳を見てまいりますと、五、六年前には圧倒的にモデルガンを改造したものが多うございました。比率から申し上げますと半分以上がそういったもので、七割近くが改造銃だったように思います。それから、一番最近のデータですと、むしろその比率が逆転いたしまして、真正銃の方が相対的には比率としては多くなってきているという状況でございます。と申しますのは、結局模造銃器の規制が厳しくなって、真正拳銃に彼らが非常に関心を持ちだしているということ。それから、警察の摘発が拳銃に対しまして、われわれは覚せい剤の取り締まりの際あるいは麻薬の取り締まりの際におきましても徹底的に拳銃の捜査というものをやる。あるいはいわゆる家宅捜査も拳銃の問題をにらみながら家宅捜査を実施するというふうなことで、相当捜査を徹底しておるというふうな背景もあろうかと、かように考えております。  ただ、その他の暴力団以外の事件でございますと、総数的には事件そのものは相当減っております。世界的にも日本の銃砲の使用というものが減っておりますので、非常によい傾向だと私ども喜んでおるわけでございますけれども、中には非常に突出した凶悪なものが最近は目立ってきているという点が特徴的かと、かように考えられます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 いまあなたのお話では、モデルガンが減ってきておると。しかし、警察白書を見ると拳銃犯罪の中で特徴的なのは暴力団関係が九五%占めていますね。しかも殺人、傷害、暴行、恐喝の七五%から九〇%が暴力団関係に集中しておる。この中には右翼も入っておるんですか。そういった点から見ると、いまあなたが説明したのと逆な現象になっているんじゃないんですか。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) こういった、銃砲が犯罪に使われる場合に、これは押収される状況から見ましても、拳銃につきましては御指摘のとおり暴力団がほとんどだと思います。たとえば、数字を挙げますと、昨年一年間で押収した拳銃が九百八十一丁ございます。その中で、暴力団関係から押収したのが八百六十五丁、まさにほとんどが暴力団の関係者ということになろうかと思います。  ただ、それに反しまして、散弾銃ということになりますと、これは一年で事件関係で押収しましたのが千三百十八丁ございます。その中で暴力団関係というのは七十七丁でございます。そのあたりがこういった銃砲を使用した犯罪の一つの傾向かと思います。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 それから、さっきモデルガンが少なくなったと言うけれども、モデルガンがやっぱり六割占めているじゃないですか。少なくなってないんじゃないですか。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) モデルガンにつきましては、これまた昨年の押収状況を見ますと、これは全部で五百二十三丁ですか、押収しておりますが、その中で、暴力団関係というのが二百三十七丁でございます。それで、数的に見ますと、モデルガンについては五十一年ごろは押収した数も千六十六丁ということでかなり多かったんですけれども、それが毎年減ってまいりまして、五十四年ではざっと半分ぐらいに減ったということでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 所在不明銃の問題で、この五年間減少をしておるんですが、しかし五十三年度で千七百十五丁と、こういう数字が出されておりますね。これはどうなんですか。許可銃の場合には警察で許可証を出しておるわけですから当然台帳があるわけです。そうすると、それがコンピューターにきちんと打ち込まれているわけです。それが所在不明銃という、こういう数字が出てくるというのはどこに原因があるんですか。

佐野国臣警察庁刑事局保安部保安課長

○説明員(佐野国臣君) 所持者の住所異動などの的確な届け出がないというふうなもの。それから亡失というふうなものが観念としては考えられます。盗難ではない、しかしどこかへ行ってしまった。いわゆる紛失とでもいいますか、そういった亡失というふうな問題もございます。  で、これらのいま先生が御指摘になりましたような大きな数字は、実は銃刀法が制定され、統計を取り出して以来の、本来盗難事件として考えた場合には、もう盗難事件としては時効にはなっちゃっておるわけでございますが、銃砲の行政の立場で言いますと、その盗難事件などが時効になりましても、許可台帳上は、いずれ出てきた場合の照合というふうな問題もございますので、累積数として千数百というふうな大きな数字に上っておると、そういう状況でございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 そうしますと、たしか昨年の梅川事件が一月末だったですね。その後の二月に決算委員会で私はこの問題を取り上げたわけですけれども、その際に、大臣も検察庁の方も、この際ひとつ五条一項の六号ですか、それを含めて徹底的に見直して調査をして追及してまいりたいと。こういった徹底的な追及をしてまいった結果が、なおかついま申し上げたような千七百丁がまだ所在不明と、こういうことですか。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) 昨年の例の大阪の三菱銀行の事件以来私どものとりました措置としましては、いま御指摘のありました、現在許可を持っている者の洗い直しをしてみようということが一つでございますし、それからまた、こういった先ほどからお話の出ております所在不明銃、これの所在確認ということもあわせてやっているわけでございます。それで、所在不明になった原因といいましても、先ほど課長から言いましたように、盗難、亡失、これは盗まれたものでその後行方がわからないものもありますし、それから持っている本人自体が住所がわからなくなって行方がわからなくなったと、そういったいろいろな事情で累積して千数百丁の所在不明銃というものが出ておるわけでございますが、これはもちろん一つ一つフォローいたしまして追っかけているわけですが、何分これは大変むずかしくていまだに全部は解決していないわけです。  また、もう一つの問題としての洗い直しの問題でございますが、これにつきましては、現在許可を持っている者五十数万人いるわけですけれども、約五十万人と言っていいと思いますが、それの総洗いをしてみたわけでございます。それで前科、前歴の洗い直し、また本人が銃を持つ条件にあるかどうかというふうなことを洗ってみました結果、かなりの数が前科、前歴があるというふうなことがわかりまして、その辺の措置も鋭意とっておるところでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 その洗い直した結果のかなりの数字の実態をひとつ説明してください。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) 洗い直しました結果まず銃砲、刀剣類、刃物を使いまして殺人、強盗を含む暴力的な不法行為を行ったという前歴のある者として四百八十人出てまいりました。それで、これらの中で、犯行から許可の日まで十年を経過していなかった者は百三十一名でございます。これは現在銃刀法で、銃砲、刀剣、刃物による犯罪で、刃物を使って凶悪な罪を犯した者は十年間は許可してならないということで検討しておりますので、それに合わせた数字として把握してみたわけですが、百三十一名の者が十年を経過していないということでございます。  それで、若干御説明いたしますと、いわゆる十年以内ということで、殺人と強盗が四名おりました。それから、その他の暴力的不法行為の前歴者が六十二名出てまいりました。それから、新設の許可基準に該当するかどうかにかかわらず集めてみたわけですが、銃砲、刀剣類、刃物によらない、その他の凶器などによる暴力的不法行為者というものが九百二十四名。それからさらには、全く凶器を使わないで暴力的な不法行為をした者という者が三千七百六十一名把握できたわけでございます。こういった者は、許可の申請あるいは現在警察の調査によっては長期間行状もおさまっているというふうなことで、銃刀法の五条の欠格者として認定することが従来困難であったというふうな数字であろうかと思います。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 この中で、五条の一項の六号ですか、いわゆる警察の裁量という、「相当な理由」というのがございますね。その該当者というのはどの程度ですか。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) 許可者の中で、そういった、五条一項六号の要件に該当するというふうにいろいろな調査をやりまして認められて、そして許可を取り消ししたという数、これは恐らく四百八十名のうちの半数だったと思いますが、ちょっといま数字は調べてみます。

佐野国臣警察庁刑事局保安部保安課長

○説明員(佐野国臣君) ただいま部長が御説明申し上げました数字は、少なくとも許可の時点におきましては、五条一項第六号の要件には当たらないであろうと。少なくともその当時の時点の行状の判断、あるいは犯罪行為を行ってからその許可を与えるまでの期間、その間の事情を勘案しますと、いわば許可の基準に合致していると読むには非常に読みにくかった、あるいは読めなかったということで許可を出しておる数字であろうかと、かように考えられます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 五十四年の六月に埼玉で銃砲店が百万発の銃弾横流しをやっていますね。火薬類であるとか猟銃用火薬類の違反の実態があるわけですが、これは警察白書を見ますとやっぱりこういう横流しというのが非常に多い。減ってないですね、この五年間を通算してみますと。ほとんど横ばい状態になっています。こういったものに対しては、一体何が原因でどういうところから起こっておるのか。さらにまた、それに対する警察当局としてどういう措置をとってきておるのか、これをひとつ。

佐野国臣警察庁刑事局保安部保安課長

○説明員(佐野国臣君) 御指摘のような事件のほかにも、実は千葉の我孫子の銃砲店でも類似の事案がございました。これらの、関係者を見てみますと、案外、猟友会の役員をやっておるような方もまじっての、何といいましょうか、不法譲り受けというふうな場面も見受けられます。結局は業者の競争という問題もございまして、あそこへ行くと特別に安く買えるというふうなことで、割引して売っておるというふうなことから、遠くは東北方面からも買い出しに来たというふうな事情もございます。そんなことで、一つには狩猟免許を持っておられる方々あるいは銃砲所持をしておる方々に多少遵法精神の問題に欠けるところがあったんじゃないかと。その都度の許可だとかというふうな問題をネグってしまうという、そういった遵法精神の問題、これが直接的にはあったかと思います。  それからもう一つは、そういった競争ということから、あえて法規制というものを無視して販売を敢行しておる業者の姿勢というふうな問題に当然なるわけでございまして、ただ販売店の営業許可につきましては、いわゆる通産省の武器等製造法の管轄の問題になりますので、私ども警察では、その種の事案を認知した場合には、まずたてまえとしては知事部局にある通産行政担当課の方へと速やかに通報するというふうなことで、関係機関の監督処分、これをお願いしておるという状況でございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 いまざっと現状の実態を報告いただいたんですが、これは一つは、だから現行法を改正しなきゃならぬという理由になるかどうかはね、まあこれから各条の条文別にひとつただしてみますけれども、余りそういう、この改正案でもってこれらが全面的に解消するという感じがしないんですね。そういう意味でひとつ御意見をいただきたいと思うんですけれども。  まず、五条一項の「許可の基準」の問題でお尋ねしておきますが、この中における「重要な事項についての虚偽の記載」というのと、それから「重要な事実」ということが一体どういう判断をされるのか。ここのところがちょっと私疑問を感ずるわけですが、たとえば虚偽の記載をしておると、それはどういうことを通じてうそか本当かというのを調査するんですか。たとえば虚偽ということは、故意にうそを書いた場合に言えることですわね。ところがそうでなくて、何というんですか、間違いもあるでしょう、判断に。そういった問題を含めて、どういう調査をしてこれらについて的確な判断ができるという確信を持っておるのか。そこをまず聞きたいと思います。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) 申請があったときにその書類を見て、その段階ではその内容が虚偽であるかどうかというのはなかなか判断はむずかしいと思います。おかしいと思えば質問することがあるかと思いますが、その後、申請がありますといろいろそういった事実関係について調査をいたします。その過程で事実と違う点が発見されることもあると思いますし、それからまた、現実に許可になった後に何らかのきっかけで虚偽であったということが判明する場合と、いろいろなケースが考えられるわけですが、実際に虚偽であったかないかということは申請の段階ではちょっとわかりにくいかと思います。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 申請の段階でわからなければ、どこで判断するんですか。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) たとえば、申請書の中にいろいろな書類を提出をしてもらい、あるいは申請書に記入してもらうわけですけれども、たとえば申請者の本籍、出生地であるとかあるいは職業あるいは同居の親族に関する事項とか、いろいろ書いてございます。そういったことを、許可をするまでに時間をかけて、警察の方でいろいろ調べます。確認をいたします。その過程でわかることがかなりあると思います。それから、実際に許可になった後に、これは何らかのきっかけで判明するということもあろうかと思いますが、先ほど申し上げましたように、最初の段階で直ちにわかるというと、それはむずかしいだろうと思います。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 この許可をしない「重要な事実」というのは何ですか、具体的に。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) この許可の申請のときにいろいろな内容を記入してもらうわけですけれども、それの目的といいますか、結局はその許可者が欠格事項がないか、あるいは銃を持たすだけの条件があるかどうか、そういったことを審査をし、調べるための一つの手がかりでございます。そういったことでいろいろな項目を書いてもらうわけですけれども、たとえて言いますと、先ほどちょっと申し上げましたが、本籍、出生地、職業あるいは同居の親族あるいは銃の譲渡承諾書でありますとか、さらには医師の診断書、それから用途目的を証明する書類であるとか、あるいは保管の状況に関する書類あるいは経歴書、そういったいろいろなことを書いてもらうわけです。あるいは添付書類として出していただくことになっておりますが、その辺は今回改正をしていただきたいと思いますが、この四条の二の「許可の申請」という条文がございまして、この一項の一号に、「住所、氏名及び生年月日」、その他二号、三号と書いてございまして、それから四号で「その他総理府令で定める事項」というのがございます。その総理府令でこういった点を細かく規定をしてまいりたいと考えております。それから添付書類につきましても、総理府令でいま言ったような項目について規定をしてまいりたいというふうに思っております。そこら辺が重要な事実あるいは記載事項ということになると思います。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 そうすれば、いままでの場合はどういうふうに措置しておりますか。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) 従来もやはり規則でいろいろと書いてございまして、たとえば先ほど申しました本籍、職業、出生地、そういったことも記入してもらうように一応決めております。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 そうすると、今度の改正案とはどこら辺がどう違うんですか。

佐野国臣警察庁刑事局保安部保安課長

○説明員(佐野国臣君) 従来の申請手続の場合には、許可までの間に、虚偽の事実なり、重要な事項の記載がなかったようなことが発見された場合には、職権で補正するような場合もございましたし、あるいは相手方の方に事実上差し戻しまして補正をさせるというふうな形で処理しておったわけでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 そうすると、今度はその補正はさせないという意味ですか。

佐野国臣警察庁刑事局保安部保安課長

○説明員(佐野国臣君) 一応形式的には、書かれて出されたものについて受理をいたしました以降、これはもうそれに基づいて調査が始まりますものですから、その中間での補正というふうなことは一応考えておりません。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 逆に言えば、そういう補正、たとえば、まあ言うなら偽りということを承知の上で書いたものか、そうじゃなくて、いままでも、従来でも補正をさせれば、ああそれは間違っていましたと書き直してくる、そういった全く単純なものか、そういうものも今度は、改正法ではもう一切認めぬのだと、虚偽とみなすんだと、こういう意味合いですか。

佐野国臣警察庁刑事局保安部保安課長

○説明員(佐野国臣君) 虚偽の中にも、許可を出すについて非常に基本的な事項と、それから、虚偽のままであっても許可の判断をする上においては一向に影響のない事柄とございますので、許可をする上にあたって何ら支障がない事柄については、もう補正もせずにそのままの形で処理される。ただし、補正をしておかないで許可を出すということはそもそもできないような重要な事実、こういったものを発見された場合には、これは無許可にして、もう一度改めて許可申請を出し直してくださいという形になろうかと思います。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 たとえば、具体的な、これは補正という性格のものじゃないと、そういう具体的なものはどういう内容のものですか。

佐野国臣警察庁刑事局保安部保安課長

○説明員(佐野国臣君) 私事で恐縮ですが、たとえば、私、南青山一丁目というところに住んでおるわけでございますが、まあその丁目というふうな字句の省略したようなもの、あるいは郡市町村などで、ほかの特定には必ずしも影響がないような問題こういったものについてはもうそのままでも一回目に処理いたすという考え方でございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 逆のは。

佐野国臣警察庁刑事局保安部保安課長

○説明員(佐野国臣君) 逆の、要するに調査をやろうとして行ったけれどもそこにだれもいなかったとか、他の人が住んでおりましたというふうな場合には、これは申請書を一遍本人に返しまして、改めて許可申請を出していただくという手続になろうと思います。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 いや、私が聞いているのはそうじゃなくて、いままでの場合には、常識で考えてこれはちょっと補正すれば足りるものだと、こういったものはそういう措置をとってきたと、こう言っているわけでしょう。今度は、改正法では、いまあなたの説明を聞くと、そういう補正で足りるもの、こういったものと、そうでない、極端なことを言いますと、明らかにこれは虚偽だと、悪質だと、そういったものについて、いまあなたの話を聞くと、大体一つの物差しを持っておるようだ。その絶対にこういう場合には認めぬのだという物差しの中身は何ですかと、こう聞いておるわけです。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) これは、その申請の内容といいますか、先ほど御質問のございました「重要な事項」であるとか、「重要な事実」、これに関連するものでございますから、私どもが重要なものだと考えておりますのは、四条の二の「許可の申請」に一号から三号まで具体的に書いてございます。それで、それが「住所、氏名」であるとか、「銃砲又は刀剣類の所持の目的」とか、こうございまして、これはまさに重要な事項でございますから、これについて虚偽があればこれは許可はしない、いけないと。それから、「その他総理府令で定める事項」とありますから、いまの御質問はこの総理府令で定める事項の内容が問題だと思います。  それで、この内容はこれから規定していくわけでございますが、主なものとしましては、たとえば検定あるいは講習をやったその状況であるとか、あるいは同居の親族に関することであるとか、譲渡承諾書、それから精神病の診断書といいますか、こういった診断書、それから用途目的を証明する書類、たとえば狩猟に行くのかあるいは標的射撃をやるのか、その辺のことがわかるようなものがあればそれを出していただく。それから、保管の状況につきましても、まだ銃はないわけですから、将来どういうふうな保管庫を購入し、あるいはどういうところに保管をするつもりであるかとか、そういった問題。それから前科、前歴に関する事項といいますか、そういったことも含んだ経歴書といいますか、あるいは場合によってはその人の住所歴あるいは職歴、そういった、審査をするにどうしても必要だというものを相手方に提出してもらおうということで、総理府令の中でいろいろと細かく規定をしてまいりたいと思います。  ただ、そうは言いましても、先ほど課長から御説明しましたように、同じ住所の中でもたとえば何郡何々町何々番地云々というところで、郡の名前をうっかり書き忘れたと、その辺のことは、これはまあ軽いミスですからそれはいいであろう。ただ、悪意を持って虚偽で自分の過去の住所歴そういったものを隠蔽するような目的でこう書かれますと、これは重要な事項の一つですから、それは無許可にせざるを得ないということになろうかと思います。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 きのうの新聞に出ておったように、奥さんが殺されて、保管庫から五十発とられたということで、保管庫の意味はわからぬでもないんですが、しかしそれは、昨年の銃刀法の審議の際には、たしか答弁の中で、許可の基準については各県ばらばらという実態にあって、梅川の問題のときに。そこら辺に違いがあるんですといっことを答弁したように私記憶しておるんですけれども、これは今度は統一するわけですか。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) 許可の基準につきまして、一番その運用がむずかしい問題、これは欠格条項の関係だろうと思います。ただいまの御指摘のありました大阪の事件の梅川につきましても、過去に犯罪歴がある、しかし現在は正常に生活をしている。そういう者に、過去の前歴をもって果たして許可をしないことができるかどうか、その点につきましては、五条一項の六号で、「他人の生命若しくは財産又は公共の安全を害するおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者」は許可してならないといべ規定がございますから、これの運用が問題になるわけでして、これにつきましては、一応私どもの方で指導基準といいますか、そういったもので、各県がばらばらにならないように努力をしてまいったわけでございますが、ただ、実際の適用になりますと、この「認めるに足りる相当な理由がある」とは一体どういうものだということの認定が大変困難でございます。ただ、大阪の梅川の場合ですと、過去少年のころにああいう強盗殺人事件を起こしたと、それがその後普通の社会人として生活をしていたという記録しか見つからなかったわけでして、そういった点で残念ながら許可をせざるを得なかったという事情がありますが、従来からも、この許可基準の統一的な、ばらばらにならないような運用ということについては、日常の仕事の指導の段階でいろいろ気は配っていたつもりでございます。これからもそういった面で五条一項の六号の運用というものについては依然として問題が残りますから、なお統一的な基準でいけるように検討を進めてまいりたいと思います。  そこで、そういった過去の前歴のある者に、特に悪質な者については一線を画して、一律に許可にしないことができる方策はないだろうかということで、今回のこの改正案の中で、そういった十年以内の者については許可しないという五条の二の第二項二号の規定を決めているわけでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 そうすれば、今後はそこら辺は各県の基準として統一したものにすると、そういう前提ですか。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) 五条一項六号の運用につきましては、これはもう一度検討いたします。それで、その基準といいますか、指導の方向なりそういったものを改めてまた検討いたしますが、また、それ以外の許可に関して各県で運用がばらばらにならないように十分に注意してまいりたいと思います。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 次に、五条一項四号の問題でお聞きしたいんですが、たしか三年にしたのが運転免許の関係と比較してつくられたと私は記憶しておるのですが、今度は五年というのはどういう理由ですか。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) 基本的には、今回の改正の考え方といいますか、これは必要のない銃はなるべく持たさないようにしたい。それから、銃が悪用されないように、許可の基準、運用その他を厳重に適用してまいりたいと、こういうふうな考え方でいろいろと検討をしたわけでございます。この五条の一項の第四号、これは、「第十一条の規定により許可を取り消された日から起算して三年を経過していない者」は許可をしてならないという規定でございますが、従来、一たん許可を取り消されていながら三年たったということでまた許可を申請してきて許可がおりた。ところが、それにもかかわらずまた直ちに違反をするというふうな例が見られたわけでございます。それで、それでは困るということで、どうも三年ではなかなか厳格に規定をするのには不十分であるということで、五年という期間を一応置いたわけでございます。そのほか、ある犯罪を犯してからまたその次同じような犯罪を犯すまでに、再犯期間といいますか、そういったものもこれまた最近では伸びる傾向があるということもデータで出ておりましたので、三年を五年ということに延ばした次第でございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 この中には、たとえば許可証不携帯であるとかそれから記載変更届がおくれたとか、そういうものまで含めるわけですか。

佐野国臣警察庁刑事局保安部保安課長

○説明員(佐野国臣君) 一応根っこの違反行為について、まず行政処分をするかしないかという一つの判断といたしましては、単純にその違反自身でばさっとやれるものもございますが、いま先生御指摘がありましたような比較的軽微なものにつきましては、他の事情等勘案いたしまして、あるいは他の違反が両方伴うというふうなそういった場面に行政処分を行うという実態的な運用になっております。したがって、むしろそれは行政処分を受ける者はどちらかといいますと比較的悪質なものであるという前提に立ちまして従来の三年を五年ということで延長いたしたと、そういうことでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 ちょっとその意味がわからないんで、これはさっき言った点、不携帯であるとかそれから記載変更ですね、それの届け出が遅延したという場合には——単純にですよ、その場合にはどうなんですか。

佐野国臣警察庁刑事局保安部保安課長

○説明員(佐野国臣君) 一般的には、それだけの違反という前提ですとほとんどまず取り消さないだろうと、かように考えます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 それから、先ほどの中で、欠格条項の中に交通反則金とかそういうものも含まれているんですか。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) 交通の反則金は、これは含まれておりません。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 そこで、さっきから出ております五条二の二の問題ですがね、これは私は率直に言って、昨年の際にも強調したんですが、十年ということじゃなくて、言うなら、そういう事例のものについては生涯与えないんでいいじゃないかというようなことを昨年も強調しましたけれども、これは十年という意味がわからない、率直に言って。たとえば梅川の場合が九年七カ月ぐらいですか、今度三重で起こりました池田ですか、これの場合には、もうこの十年の規定は全然適用されないんですね。十年の根拠というのはどういうことですか。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) 欠格のその十年という問題ですけれども、いろいろと意見の中には、いま御指摘のありましたように、そういう十年という年限を区切らないで、一生持たさないことにしたらどうかとか、いろいろな強い意見もございました。ただ、私どもが十年と決めましたのは、いま名前も出ましたこの三菱銀行事件の犯人の梅川が凶悪な前歴後申請してまいりましたのが九年五カ月ぐらいで申請をしてきました。それで二カ月後の九年七カ月で許可が出たわけですけれども、そういった事情。それから、犯罪者の前科、前歴の調査をしてみたわけですけれども、そうしますと、過去に凶悪な前科、前歴のある者が再び同じような犯罪を犯す危険性というものが、どうもいろいろデータを見ますと、一般的に見て十年ぐらいは続いているのではないかというふうなデータも出てまいりました。それと、先ほど言いました梅川が犯行後十年以内で申請をしてきて、しかもああいう事件を起こしたというデータもあります。それから、そのほか法律上の資格の制限の問題、これを見ますと一番長くても五年あるいは七年というのもあります。それから、まあ弁護士法あたりですとこれは期限の定めはございませんけれども。しかし、もう一つは、前科関係がこれが消滅いたしますと、これはまたフリーになるというふうなことがあります。  それからもう一つは、事実関係が一体過去どれぐらいまではっきりとわかるであろうか。これは許可しないという問題ですから、かなり事実関係が明らかになりませんとそういった処分もしにくかろうというふうなことで、過去どれぐらいまでさかのぼって調べることができるかという問題も絡みました。それから、いまちょっと申し上げました、刑法における前科抹消の期間、これが十年というふうなこともあります。  それから、もう一つは、幾ら凶悪な事件を起こしたにしましても、その人の資格というものを無期限、言うなれば死ぬまでだめだというふうなことを法律上規定するのはいかがなものであろうかというふうなことも参酌いたしまして、これはあるいはできたら一生だめだという方が大変強い立場でいいとおっしゃる方も多いかと思いますけれども、それはいささか無理だということで十年と、いろいろなバランスを考えて決めたわけでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 まあ説明聞いてもやっぱり余りぴんとこないね。確信の持てるものは余りないですね、十年という根拠は。  それでは、少年法六十条との関係はどうなるんですか。梅川の場合は一つの例ですけれどもね。昨年、この問題が起こったときの追及では、いや実は警察当局はそういう資料を知らないんですと。いわゆる鑑別所を出すときに鑑別結果というのが出ますね。梅川の場合には、その鑑別のあれを見ると、将来ともに危険、凶暴性を持っておるということを出しておる。こういう点については一体どうなんだということをただしたところが、いやそれは私のところは知らないんですと。こういう言い抜けに少年法六十条の問題を出しましたね、答弁の中で。それはどういうことになるんですか。

佐野国臣警察庁刑事局保安部保安課長

○説明員(佐野国臣君) 実は、あのときの経緯をもう一遍振り返ってみますと、いわゆる少年法の枠の中でいろいろな処遇だとか処分された者、これの結果を、いわゆる銃刀法の許可の基準の参考にしたいからくれというふうな形で仮に依頼いたしたとしても、制度上は、その種のものは裁判所の方から私どもの方に御提出いただけるという性格のものではなかったようでございます。しかし、内部の機関誌、裁判所の方のごく限られた内部の機関誌あたりにはそういった事実関係が載っておりましたので、それはその種の機関誌をうまく使っておれば、ほぼその梅川に当たるべき、何といいましょうか、処分の内容というものに突き当たる可能性はあったかもしれませんでした。ただ、これもまるで名前は伏せ字にもなってございますし、公的な機関が許可、あるいは不許可にする素材として本当に支えになったかどうかということになりますと、現行の法制上相当問題があったのじゃないかと思っております。ただ大阪の方は、それを見た、見ないという問題もさることながら、むしろ少年法六十条の規定を横目で見ながら、彼が犯罪行為を行ったのがいずれにしても十五歳という非常に年のいかない時代である、それから十年というふうなこと、しかもその十年の間には二十という成人の一つの時期を越えて人間が成長しておるというふうな点に着目しまして、これは少年法そのものがあるから許可にしたんですというのではなしに、そういった趣旨も参酌して、許認可の判断としては最終的には許可をせざるを得なかったと、そういうことで、あくまで許可をする上での参酌として少年法の規定はこういうふうに考えたという報告でございました。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 梅川のときには、たしかわずか二カ月の調査で許可しておるわけですね。現地調査も非常にずさんだったですね、あのときには。そういった点が決算委員会でもかなり指摘されたわけですよ。むしろ十年ということで、これが改正になったらそういう前歴者についてはぴしゃっと責任を持って、また来年に銃刀法の改正案を出すのじゃなくて、これもう毎年出ているわけだよ。ここら辺の問題含めて、そういう確信が持てるというふうにこれは長官お考えですか。——長官にいま質問をしている。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) 先ほどの御質問の関連で、ちょっと一言お答えさしていただきたいと思います。  十年というものを決めたこの趣旨につきましてぜひ御理解をいただきたいと思ったわけでございますが、もともとああいう前科、前歴者、しかも非常に凶悪な罪を犯した者には持たすべきでないと。これは素直に考えれば一生そういう危険性があるという意見も強いだろうと思うんですが、それで私ども従来の運用としては、五条一項六号の危険を及ぼす相当な理由がある者ということで運用してまいりましても、凶悪な事件を起こし刑を終えてからせいぜい五年ぐらいがやっとでございます。それを一体どこまで延ばすことができるだろうかということで考えて、最高限として考えたのが十年。それはやはりいろいろな前科抹消でさえ十年、そういった事情も考えて十年ということを決めたわけですけれども、それではそれから先はどうなるかということになりますと、これは一生だめだという議論になってこようかと思います。ですから、そこら辺で法律的に期間を決めるとすればまあ十年ではないかというふうに考えたわけです。  それから、先ほど少年法との絡みが出ておりましたけれども、今度の規定は、少年時代に犯した行為そのものを見て、それによって本人がどれぐらい危険性のある者かということの判断をする重要な資料というふうに考えるという意味で、少年法との絡みというものは直接には出てこないだろうというふうに考えておるわけでございます。

山本鎮彦警察庁長官

○政府委員(山本鎮彦君) ただいまの十年という規定ですが、これによって将来きちっと取り締まりができるかという御質問ですが、われわれとしては非常にこれは厳しい規定であるというふうに理解しておりまして、これによっていままでのいろいろなお話の犯罪は取り締まらなきゃいかぬし、十分この法規によって自信を持って制限できると、このように考えております。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 なかなか、自信を持って制限できるということを長官言ってくれたんですがね。もう銃刀法の改正はこの二、三年毎年出しているんですよ。毎年この改正案を出さなきゃならぬということは、余り自信を持ってないんじゃないですか。まあそれはそれでいいでしょう、自信持ったんですからね、それはそれで確信があるんでしょう。  それと同時に、銃刀を使用しない凶悪犯の場合はどうなっているんですか、過去に。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) この新設の規定では、銃砲、刀剣それからその他の刃物を使用してというふうに限定したわけですけれども、それを使用しない場合、これは従来どおりの五条一項六号の規定を適用して許可するかしないかを決めるということになるわけでございますけれども、ただ問題は、こういった一律十年で切ってしまうという大変厳しい——私どもは大変厳しいと思っておりますが、厳しい規定とのバランスがございます。片っ方では、こういった特定の、たとえば猟銃を持って犯行を犯した者は十年でだめ、片っ方は、同じような凶悪な罪であってもそういう物を持たないでやった場合、どちらも悪質ではないかという議論が当然出てくると思うわけですが、そういう凶器を使わない場合は、やはり片っ方で十年という規定がありますので、これはそれに近い相当厳しい線で許可をしない、かなりの年数許可をしないためのそういった危険性が残っているというふうに判断せざるを得ないと思います。十年を超えることはできないと思いますが、従来のような五年ということは、それ以上の期間ということで考えて運用していくべきであろうというふうに思っております。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 そうしますとさっきの五条一項六号の問題が出るんですが、これはいままでの説明では、主として十条にかかわる問題が主体で判断の材料になっておったですね、去年までの改正案なんかの説明は。したがって「相当な理由がある者」という非常に含みのあるあれがあるんですが、これは厳格にはどういうことになりますか。どういう解釈になりますかね。五条一項の六号のいわゆる該当範囲の者というのはどういうしろものになるわけですか。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) これも解釈の基本といいますと、こういった暴力的な不法行為を犯した者ということで、その場合に凶器を使用したかあるいは凶器を使用しなかったか。しからば暴力的な不法行為とは何ぞやということで、殺人、強盗以下の罪というふうなもので考えていたわけでございまして、その辺のどういう犯罪というその内容につきましては従来と余り変わらない。ただ、それの運用に当たりまして、先ほどもちょっと御説明しましたように、全国統一的な基準、しかも同じように、バランスが崩れないように、でこぼこのないように適用したい。それから、片方では十年というふうな一律の線を引いておりますから、それとのバランスも考え、それからなお、梅川の例で見られますように、その危険性というものは十年ぐらいはどうも依然として消えないのではないかというふうなことを考えまして、その内容というものを厳しくするように検討してまいりたいと思っております。  御参考まででございますが、暴力的な不法行為を犯して、一体何年ぐらいしたらそういう危険な性質というものがなくなるであろうかというふうなことで、これは大変データの取り方がむずかしいわけでございますが、実は五十二年、五十三年、五十四年、三年間のデータを少し当たってみたわけでございます。これは特別に事件を一つ一つ集めて検討してみました。そうしますと、暴力的な不法行為の前歴のある者が十年以内に再びその罪をまた犯したという例が出てまいります。それを見ますと、データは少ないんですけれども、つまり猟銃を使ってという限定がありましたけれども、二十二人おりました。二十二人の者が猟銃を使って再び犯行を犯した。その二十二人のうちで十年以内に犯した者が十四人おりました。つまり六四%。六〇%以上の者は十年以内にまた罪を犯すというふうなこともデータとして出てまいりました。そういったことから、この五条一項六号の運用について、なおその適用の範囲というものを厳しくしていかなくてはならないというふうに考えておるわけでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 そうしますと、先ほどあなたに御報告いただきました、すでに許可をしておる、銃砲、刀剣で暴力行為を犯した前歴のある者が四百八十ですか、それからそのうち十年以内が百三十一人。銃砲以外の、何というんですか、前歴を持った者が九百二十四人。それから凶器はないけれども凶悪犯を犯した者は三千七百六十一名という、こういう数字が出ているんですが、これらの者については、この改正法にのっとって全部これ銃砲を取り上げるんですか。どうなんですか。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) 先ほど前歴のある者四百八十人と申し上げました。それで、現実に十年以内ということで、新しい条項が適用されて取り消しになる者は百三十一人、十年以内ということで出てくると思います。  それから、先ほどちょっと御報告漏らしましたが、その四百八十人をいろいろとまた調査をいたしまして、それで、その中で百六十四人を現実に取り消しをしております。

佐野国臣警察庁刑事局保安部保安課長

○説明員(佐野国臣君) なお補足申し上げますと、先ほどの数字で四百数十名という数字でございますが、これは許可申請者が犯罪行為を行ってから許可申請をするまでの期間が何年かという観点で調べてございます。で、その期間が従来私どもが考えておる許可基準に合致しておるかどうかというと、おおむね合致してございます。ただ、この人はもう大分前に許可もらっていますから、今度の新法で仮に五年とか十年に延びましても、もうずっと昔の犯罪行為でございますので、現時点で、要するに切れるか切れないかということになりますと、相当の人間は現時点ではパスしてしまうという形になろうかと思います。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 いや、いま保安部長のお話では、百三十一人は今度取り消しをするのでしょう。そうじゃないのですか。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) 私の説明がちょっと不足でまことに申しわけございませんが、四百八十人の前歴者が出てまいりまして、その中で、仮に今度の新法の適用があったとすれば、新しい基準で見直すと百三十一人がそれに該当するということになるわけでございます。これはしかし将来の問題でして、現在、この百三十一人についてはもうすでに許可があって、既得権の問題もございます。ですから、この人たちはいますぐ取り消すというわけにはまいりません。ですから、この次更新の機会が来たときに、新しくまた更新で許可をし直すわけですから、そのときに考えざるを得ないと思います。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 そうすると、百六十四人というのはどういう人たちですか。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) 百六十四人と申しますのは、この四百八十人の内数でございますけれども、現在の時点で、いろいろまた洗い直してみたところ、現在の法律を適用して取り消すそのデータが出てきたということで判断をし直して取り消した数でございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 そうすると、九百二十四人と三千七百六十一人についてはどういうことなんですか。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) これは、新しいこの新設の条項ができてきても、この十年以内というのと、それから凶器を使用してという、銃砲、刀剣または刃物という、その縛りに該当しない外の数ですから、これは新しい条項の適用はありません。したがいまして、五条一項六号に該当するかどうかということで判断をするということになると思います。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 要約すると、四百八十人だけれども、その中でもべ百六十四人は見直しの中で取り消したと。残りのうち、その百六十四人と別個に該当するのが、新法に該当するのが百三十一人おる、四百八十人の中で。その百三十一人については更新のときに検討すると、こういう意味で理解していいのですか。

佐野国臣警察庁刑事局保安部保安課長

○説明員(佐野国臣君) いま先生御指摘の百三十一は、六十六人というふうに置きかえていただきたいと思います。六十六人が今度の新法の規定に——これが成立した場合には新法の基準に引っかかり、したがって更新のときには許可を与えないという形になると思います。その数が六十六でございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 そうなりますと、やっぱり長官が言うような、この規定によって絶対の確信が持てるということにはなかなかならぬのじゃないですか、長官。

山本鎮彦警察庁長官

○政府委員(山本鎮彦君) 新しい規定ができますれば、その運用について十分その趣旨に沿った厳正な規制ができると、このように考えております。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 まあひとつ長官のその確信を聞いておきましょう。  そこで、この三年未満の刑ですね。これについては、一般的な暴力的不法行為に対してはどういうふうな措置があるんですか、この規定で。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) 「長期三年以上」と決めたのが、いわゆる暴力的不法行為の中で凶悪な罪であるということで政令に定めようという意味で「長期三年以上」というふうにしておるわけでございまして、それ以下のものについては、これはまあ凶悪性云々が問題になるわけでして、したがいましてこれは五条一項六号の適用ということで、暴力的不法行為のその程度ということで判断をすることになろうかと思います。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 「長期一二年以上」の中に過失犯も入れるんですか。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) 過失犯は入りません。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 そこで十条に移りますが、「総理府令で定める基準」というのは、先ほど言った内容でいいんですか。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) ちょっと十条のどの部分か、聞き漏らしましてまことに恐縮でございますが、保管の問題でございましょうか。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 そうそう。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) 保管の問題につきましては、従来は法律では大変簡単にしか書いてございません。それで今度は、総理府令の中でもう少し具体的に書きたいというふうに考えておるわけでございます。その辺につきましては現在検討しておりますけれども、たとえば保管にしましても、現状はどうも詳細になかなかわかりにくい点がございますけれども、必ずしも、堅固な設備に施錠して保管をするという現在の規定に当てはまるものばかりではないように思われます。それで、ガンロッカーに保管し、かぎをかけてしまっておいていただければいいわけですけれども、ロッカーのかぎを忘れたり、あるいはガンロッカーがなかったりという例もかなりあるのではないかというふうなことから、保管の基準というものにつきまして、さらに具体的にもう少し規定してまいりたいというふうに考えております。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 新聞に出た猟銃略奪事件、同時に奥さんが殺された事件ですね。これも、ガンロッカーに入れておってそれが簡単にあけられてやられた。私ども、そのガンロッカーというのは余り見たことはないんですけれども、一体今度はそれをどういうふうに改正をするという考え方なんですか。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) 現在あるロッカーにつきましても、いろいろな種類があると思いますけれども、銃を何丁か入れるような形をしていまして、その中に入れ、外からかぎをかけるというふうなことになっておりますが、岩手県の事件では、ガンロッカーとそれから弾を入れているロッカーが別なところにありまして、それにかぎをどうもつけたまま外出したらしい。そのかぎは、弾を入れるロッカーもあけるかぎと、それからガンロッカー自体をあけるかぎと一緒にかぎ束になっていたように聞いております。ですから、結局合いかぎであけられたということになろうと思います。  そうなりますと、どんな堅固なものに入れても仕方がないではないかというふうに言われるかと思いますけれども、現在あるガンロッカーから余りかけ離れた、大変費用のかかるものとまでは考えておりません。いまのロッカーでできのいいものであれば該当する。あるいはもう少し手を加える。たとえばロッカーの中に、銃を簡単に取り出せないようにチェーン、鎖か何かをつけておいて、それで固定するとか、それにもかぎをかけるとか、そういう仕組みも考えておりまして、いま検討しておるところでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 これは経費の問題とかいろいろの問題があると思いますし、後ほどまた質問したいと思いますが、時間の関係がございますから、ひとつ立ち入りの問題についてお聞きをしていきたいと思います。  事前通知をして立入検査をするという、その効果というものはどういうふうに理解しているんですか。

佐野国臣警察庁刑事局保安部保安課長

○説明員(佐野国臣君) 事前通知のそもそものねらいは、相手方の私宅、プライベートな場所に入るということでございますので、それの対応措置に要する、いわば時間を置いて差し上げたいという問題、これに尽きようかと思います。いわばプライバシーの保護というふうな観点から、相手方に余り過大な負担をかけたくないということでございます。  それから、副次的な効果としては、事前に通告してしまいますと仮に法違反の状態があったような場合に、立ち入りがあってもすぐ直されてしまうんじゃないかというふうな問題があろうかとは思いますが、一応私どもの銃刀法上の行政立ち入りというものは、違反の是正あるいは危険予防ということが行政上の主たる目的になりますので、もし仮に通告したことによって直されたならば直されたで、そういう改善が行われたということをむしろよしとせざるを得ない、むしろその方が望ましいというふうな形で考えてございます。そういう意味でございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 これは正当な理由がある場合は拒否できるということになるわけですが、この正当な理由というのはどういう解釈ですか。

佐野国臣警察庁刑事局保安部保安課長

○説明員(佐野国臣君) それぞれの家庭には他人の目にはさらしたくないという事情、たとえば寝室ということになると、時間によりましてはまだ片づけをしてないとかというふうな問題もございましょうし、それから朝早く、食事時間にぶつかりますと、それもある程度尊重しなければならないというふうなことになろうかと思います。その他家庭ごとにそれぞれ行事的なものもいろいろあろうかと思います。したがいまして、そういった葬礼とかあるいは結婚式とかいう冠婚葬祭、そういったものも当然考えられようかと、かように考えておりますが、基本的には、いま連絡していただいても、その連絡にこたえて立ち入りを受忍するについてはいささか容認しがたいような事情が相手方にあるような場合には、これは正当な理由があって断ったというふうに考えてまいりたいと、かように考えております。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 私は立入検査というのは、これは非常に重大な意味を持っておると思うんです。憲法三十五条とのかかわり合いを含めてですね。これは安易に認めるべき性格のものじゃないと私は思うんですけれども。これは消防法との関連を見ましても、消防法の第四条の規定と対比しますと、際立って、何というんですか、懶惰というか、粗雑というか、そういう感じを受けるんですね。たとえば消防法の場合には、日の出から日没までであるとか時間も区切って、しかも四十八時間前には通告してと、そういう細かに個人の基本権を保護する三十五条に沿った所要の措置がとられて、なおかつこうだと、こういった立場をとられているんですけれども、その面から見ると、この十条の五の二項にある立入検査というのは非常に問題があるような感じがするんですけれども、そういったことに対してはどういうふうに御理解なさっていますか。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) 立ち入りの問題につきましては、私ども検討する最初から、大変個人のプライバシーの問題、あるいはいろいろな事情から、これは非常に大事な問題であるということで検討してまいりました。ただいまのお説のとおりでございまして、私どもも同じようなことを考えております。  それで、個人の私宅に入ることですので、この条文にありますように、かなり、必要があるときとか、あるいはその限度内だとか縛りをかけておりますので、しかも猟銃だけに限ったと。特に猟銃が危険だからということで、立ち入る場合を限定してあります。そういうことで配慮しながら書いてみたわけでございます。ただ問題は、消防法にもありますように、いろいろな細かい配慮が必要であろうということはもうまさにそのとおりだと思います。  それで私どもは、法律には書きませんでしたけれども実際の運用で、これはもちろん内部の通達、基準というものを具体的に決めて指導してまいりたいと思います。たとえば日没以後はやらない。しかし、その場合であっても、相手方が夜でないといない、夜来てください、結構ですと、こう言われれば、そういう場合は例外として日没でも行く場合があるかもしれませんけれども、こういった、日中行く、あるいは相手の都合というものを考えて承諾なしには入らないとか、そういう細かい配慮をした上で立ち入りをすべきである、またそのように運用してまいりたいというふうに考えております。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 まあ、この運用というのが拡大解釈する一番大きな——あなた自身はそういうことで法案をまとめてみても、いつまでも何十年も保安部長をやるわけじゃなし、かわっていく。そうすると、これは法律というのはひとり歩きをやるんです。時代の情勢のいかんによってはそれが拡大解釈される。これはもう過去の日本の歴史を見ても明らかなとおりなのであって、なぜそういった、運用で入れなきゃならぬというような、いまあなたがおっしゃったような事項を含めてね、条文の中できちっとしないんですか。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) これは、条文の中で書き込む方法ももちろんあるわけでございますが、条文では、立ち入りのできる場合というものをきわめて限定して書いたつもりなんですが。そういう意味で、これを見ましても「猟銃」ということでまず縛っております。それから、「盗難の防止その他危害予防上」調査する必要がある、そういう場合であるとか、それから、「必要な限度」という規定もございます。そういったことで、これだけ書き込んでおくことによって十分その御懸念の点は担保できると思うわけですけれども。  ただ、確かに運用の問題でこれがまたルーズな運用ではいけないということはまさにそのとおりだろうと思います。そういう意味で、こちらで基準、通達、そういうものではっきりと明示して各県を指導していく必要があろうかというふうに考えております。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 そうなるとなおやっぱり納得できないものが出てくるわけです。これは私が言ったように、たとえばここの「必要があると認めるときは、」というのは、これは何もいまあなたがおっしゃる運用の内容から言えば、相手が承諾をするという前提を運用の中で書くんだと言うけれども、ここでは「認める」というのは警察の方が認めるときでしょう、これは。そうすると、あなたがおっしゃる運用基準というのか通達というのか、そのしろものとはずいぶん違った内容になっているんですね。  だから、やっぱりそこら辺が私は拡大解釈の危険性があるし、さらにまたそういうふうに流れる公算もあると思うので懸念しておるわけですけれどもね。どうなんですかな、こういう立ち入りとかいうのじゃなくて、さっきの岩手の例じゃありませんが、せっかく銃を入れる、何というのですか、あれはガンロッカーですか、ロッカーをつくってやってみても、何のことはないかぎを入れておれば、これは正直言ってガンロッカーじゃないですわな、かぎ一緒に入れておるんだから。だから、やっぱりこのロッカーをもっと厳正な管理ができるようなそういうところに置いて、そして管理するという方向に持っていくことによって、立ち入り検査とかそういうことをすべきじゃないんじゃないですか。どうですか。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) ただいまの御指摘の点もまことにもっともな点があると思います。実は、いろいろ議論が出まして、そもそも銃というものを個人の自宅に保管させるのは一体いかがなものかというふうな御意見もかなりあるわけでございます。  では、そのかわりにどうすればいいんだと。そうすると、私宅に置くからにはもう厳重な保管庫に入れるべきで、そちらの方向で考えるのが一つございますし、それ以外は、どこか公の機関なりあるいは銃を置く場所というものを決めて、そこへ集中保管したらどうかという議論が当然出てくると思うのでございますが、それの一つの問題として、銃の保管委託という制度をとっておりまして、銃砲店その他が保管委託業者ということで届け出をする。その委託業者となった場合にそこへ銃を保管することができるという道が開かれております。ですから、たとえば個人の私宅に立ち入られるのは困るし、それから厳重に保管ということであれば、そちらの方へ預けていただければ、かなり立ち入りの問題は出てこなくなるわけです。むしろその方が安全ではないかという意見も当然あると思います。  ただ、しからば、公的の機関なりある団体にその銃を全部きれいに保管させておくということにしますと、現在、たとえば猟銃にしましても七十万丁ぐらいある猟銃を一体どこへ入れるのか、それにかかる費用は幾らぐらいかかるのかということになりますと、簡単には実現しがたい問題になると思うのでございます。そういったことで、いまは保管業者に委託をするか、あるいは自宅に保管する。自宅に保管するのならば、堅固な施設——具体的に総理府令でいろいろ定めてまいるつもりでございますが、そういったものに保管をすると。  それから、さらに御指摘のありましたかぎをかけ忘れたら何にもならないではないかというのは、全くそのとおりでございまして、そういう意味からガンロッカーの構造そのもの、これは自動ロックになる装置とかそういった構造の面でも検討する余地は出てまいろうかと思いまして、その辺もいま内部的にはいろいろと議論をしているところでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 そういう必要性というものは理解しながらも、なお立入検査をせざるを得ない状況にあるということなんですがね。立入検査を今日新たに起こしたということは、私はやっぱりさっき言ったようにプライバシーの問題も含めて重大な問題を持っていると思うので、これはなかなか賛成しがたいということを前提にしていま質問しているわけですね。  そういう意味でお聞きしておるわけですが、どうなんですか、いまあなたがおっしゃって、たとえばかなり制限をしてつくったつもりだということですが、事前に通告をしなければならないという中には、たとえば消防法に言うところの「四十八時間」とか、そういう文言とか入れる用意はあるんですか、具体的に。さっき言った運用の問題を含めて。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) 消防法の具体的な規定、日没後はだめだとかいろいろあると思いますが、そういった具体的なことを通達なり指示なりの中に書き込んでまいりたいと思います。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 いや、この条文の中には入れる予定はないわけですか。

佐野国臣警察庁刑事局保安部保安課長

○説明員(佐野国臣君) 立ち入りの規定というものは、それぞれの法律に幾つか例はございまして、それがその法律体系の中で要件も異なりあるいは趣旨なども異なっておる中で立ち入り権が規定されているというふうに私伺うわけでございますが、たとえば銃刀法に関して言いますと、ただいま部長が申し上げましたように、一番大きな問題としましてはあらかじめ通告するというふうな問題、それから保管を他人になるべく委託していただきたいというふうなわが方の期待もございますし、そういった措置をおとりいただければ立ち入りの問題というものはそう相手方に支障にはならないというような問題もございます。  それからもう一つ、さらに申し上げますと、保管の状況など私ども問題はつかんで危害予防上の措置があれば御指示申し上げたいわけですが、つかむ場合に、立ち入りを避けまして、たとえば文書による報告をまずお願いをするというふうな場合もあると思うんです。ところがこれなども、人によりましてはいろいろ文書や写真で手間暇かけて報告するよりは、むしろ簡単に何かのついでにさっと見ていただいて、それでオーケーならばむしろその方が好ましいというふうな御意見も一部にはあるように聞いてございます。  そんなことから、私ども銃刀法の規定の法律の枠の中といたしましては、この法文そのものは他の規定からそうかけ離れたものではない、一応この程度で皆さんの御納得をぜひとも賜りたいと、かように考えておる次第でございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 余りぴんと来ぬね。どうですか、さっき保安部長も言ったように——その前にちょっと聞いておきたいんですが、いま保管施設というのは大体どの程度の収容能力を持っているのですか。

佐野国臣警察庁刑事局保安部保安課長

○説明員(佐野国臣君) 保管庫でございましょうか。——これは、市販されているごく一般的なもので見てみますと、大体幅が三十センチぐらい、奥行き四、五十センチ、高さがちょうど一メートール前後ぐらいで……

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 いやいや、私が聞いているのは、たとえば公共団体とか銃砲店とか、いろいろ預かるところがあるんでしょう。そういったところの収容能力というのは大体どの程度なんですか。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) これは、銃砲店でも必ずしもそうたくさん保管できるわけではありませんので、恐らく数としましては、まあ、最大の収容能力というところで見ましても一万ぐらいではないかというふうに思います。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 たとえば、狩猟なら狩猟の一つの会があるんでしょう、狩猟協会とか。そういうところで共同保管という方法というのはできないんですか。

佐野国臣警察庁刑事局保安部保安課長

○説明員(佐野国臣君) 保管業者の指定という制度が私どもございますので、その制度の運用ということが十分考えられるとは思います。  ただ問題は、各人の、皆さん銃というものは、皆さんそれぞれ自分でお持ちになって、使わない場合にでもやはり手入れをし、あるいは、何といいましょうか、銃になじむという問題、これについて非常にこだわりをお持ちのようでございます。私ども銃に余り関心がない者から見ますと、やや——立ち入りもさることながら、そういった切り離されるという問題、これについてまあ一番免惧の念を持っておるというふうな意見もございます。そういう意味では完全に強制的にどこか一カ所に、あるいはすぐ近くのどこそこに集中保管をするということは非常に強力な規制、少なくとも銃を持ちたい方に対しましては非常に強力な規制になるんじゃないかという点を私ども踏まえておりまして、あくまで保管の委託命令というふうなものは、特別に盗難とか危害の危険性があるようなものに対してわが方から指示する。あるいは御本人が海外旅行だとか病気だとかというふうなことで、自宅に保管しておいては危ないというふうな場合に任意にそういったところへ保管を委託するというふうな形が現在の段階では限度かなと、そういう判断に立っておるわけでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 そうすると今度の改正案の中で、もう一つの面では、射撃場の銃についてはそこに置いてある銃でなきゃできないという改正をするんでしょう。そのことといまあなたのおっしゃることは矛盾するわけですか。

佐野国臣警察庁刑事局保安部保安課長

○説明員(佐野国臣君) 今度の改正で、いわゆる教習射撃場に備えつけ義務を設けましたねらいと申しますのは、まだ本当の許可をもらって鉄砲を持つ方でない人、いわば訓練中とでも申しましょうか、教習所に入って訓練をする方、あるいはこれから検定を受けるという方、いわばまだ本当の許可をもらわないで訓練中の方に対しましては、従来は、その人たちはもう当初から自分の鉄砲で訓練を受ける、あるいは検定を受けるという制度をとっておったわけでございます。その数が大体年間で言いますと一万人ぐらいおられるわけです。その種の一万人の方が講習を受けるときに、一番最初に自分の銃を買ってしまって一万丁が各人保管というふうな形になるよりは、全国の数百カ所に何丁かの銃を備えておきまして、いわば貸し自動車で運転免許の練習をするような形にした方が、銃の絶対量そのものとしては数はがくっと減りますし、それからいま申し上げました集中保管的な観点から言いましても、各人がばらばらに、十分な訓練なり能力がない方と申しますか、そういう方たちがお持ちになっているよりは、しかるべくわが方で十分監督も指導もでき得るそういう対象のところにごく少数丁に限って保管させ、しかも教習者にはそれを使わせるという形にした方が、不必要な銃とでも申しますか、あるいは必要性が一時的なもの、そういったものについては貸し銃でやった方が、危険性、盗難の危険だとか危害予防だとか、あるいは先ほど言いました集中保管というふうな観点から言っても、むしろその方がベターだというふうな観点に立っている次第でございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 どうもこの点は何遍聞いても納得できないんですがね。  まあ一応きょうはここら辺で、もう十二時になったので私は質問をやめて、二十五日にしましょう。

後藤正夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(後藤正夫君) ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止〕

後藤正夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(後藤正夫君) 速記を起こしてください。  それでは、午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時十分まで休憩をいたします。    午後零時七分休憩      —————・—————    午後一時二十分開会

後藤正夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(後藤正夫君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 今回の改正案提出の契機などと言われまする大阪の三菱銀行の事件ですね、猟銃強盗殺人事件、これが契機になったと言われていますけれども、この事件の犯人は、前にも同じ種類の強盗殺人事件を引き起こしているということでございますが、そのような人物に対して、大阪府公安委員会から正式に猟銃の所持許可を受けておった。まことに信じられないようなことで、不手際だと、こういうふうに思われるんですけれども、なぜこのようないわゆる不手際が起きたかということについての事情を御説明願いたいと思います。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) 昨年発生しました大阪の三菱銀行の強盗殺人事件につきましては、まことに残念な事件でございまして、被害者の方も本当にお気の毒だと思うのですが、私どもこれについて、使われた銃が公安委員会の許可銃であったということで、大変深刻に受けとめたわけでございます。  そこで、なぜこういう犯人に許可を与えたかという経緯の問題でございますが、いろいろと調べてみますと、この梅川という犯人は、昭和四十八年の五月二十九日に散弾銃の所持許可の申請を大阪府の公安委員会に、これは住吉警察署を通じてでございますが、申請をしております。それで大阪では、許可基準に該当するかどうかということを判断しますために、人定事項であるとかあるいは生活環境、それから犯罪関係の前歴、さらには素行、行状などにつきまして調査をしたわけでございますが、人定事項に問題は特に発見はできなかったわけでございます。ただ、昭和三十八年の九月十八日に窃盗事件、これはオートバイ盗でございますが、それから続きまして三十八年の十二月二十三日に強盗殺人、それからその後四十六年の七月の六日には道交法違反の前歴があるということが判明したわけでございます。  何分前歴が強盗殺人というきわめて凶悪な犯罪であったということから、所轄の警察署では、この調査結果をもとにしまして、本人に対してまず所持許可の申請の取り下げを説得したわけでございます。しかし、梅川はこれに応じなかったわけでして、そこで公安委員会としては、再度生活環境や素行、行状などにつきまして担当者に調査をさせたわけでございます。さらにまた、相手方の主張でありますとかそれから調査の結果、そういったものをし細に検討しました。ただ、強盗殺人の犯行が十五歳の少年のときの犯行だったわけでございまして、しかもこの犯行からすでに十年近く、九年五カ月ぐらい経過しているわけですが、また再度の調査結果からも、その時点で銃を所持させることの危険性というものを認定するに足りる相当な理由があるものという判断ができなかったわけでございます。凶悪な犯罪の前歴があるということだけではこの法第五条の許可の欠格事由に該当しないために、昭和四十八年の七月二十六日にやむを得ず許可をしたわけでございます。それが後日あのような犯罪を犯すに至ったわけでございまして、許可したことはやむを得ないとはいいながら、結果としてはまことに残念な次第でございます。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 この銃刀法の第五条には、「他人の生命若しくは財産又は公共の安全を害するおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者」に対しては、猟銃の所持を許可しないという欠格者条項があるにもかかわらず、現実には犯罪者が銃を手に入れ、さらに犯罪を引き起こしたということは、明らかに欠格者条項を適用することができなかった当局の不手際だと思われますけれども、いままで猟銃の所持の許可はどのようになされておりましたか、ちょっとその辺のところを教えていただきたい。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) 猟銃の所持許可につきましては、申請者によりまして施行規則の四条に定められております銃砲所持許可申請書、それから同君の親族の職業、氏名、年齢あるいは本人との続柄を記載した書類でありますとか、所持しようとする銃がだれから譲り受けるかということを証明する譲渡承諾書、それから申請日の六カ月以内に撮影した写真、それから定まった住所を有する旨の住民票とか、さらにまた精神病等の有無に関する診断書、それから猟銃の所持に関する法令及び猟銃の使用、保管等の取り扱いに関する講習を修了した旨の証明書などが提出されるわけです。  そういったものが出されますと、まず警察署におきましては検察庁に対して前科照会をいたします。それから犯罪歴、非行歴調査などのための氏名照会も行います。それから住居地での身元調査、それから勤め先に対する素行調査、さらに申請者が銃を所持することについて、配偶者でありますとか、また親が同意しているかどうかについでの調査、申請者が独身でアパート住まいなどの場合には、このアパートの管理人が同意しているかどうかという調査、それから保管場所の設備が法に定める要件にかなったものであるかどうかという調査、さらにまた、所持しようとする銃の機能ですとか、それから構造が法令に定める基準に適合しているかどうかの調査、こういった幾つかの調査を行うことにしているわけでございます。それで、こういった調査の結果に基づきまして、許可基準であります第五条あるいは第五条の二の要件に該当するかどうかということを審査、判断するという手順になるわけでございます。  ただ、この申請してきた者が、現在あるいは将来にわたって人格的に危険性があるかどうかという判断につきましては、この梅川の場合を挙げますと、当時としては、この梅川についてそういうことを予想させる、そういった材料がありません。それから先例もないし、通常行う調査ということで、彼の危険性というものを正確に把握することが大変むずかしかったというふうに考えているわけでございます。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 それだけいろいろなことで適格者ではないというふうな判定ができぬのか。それだけチェックしたらば今度の梅川の事件なんかは完全に——どこかでいろいろ御調査になったんだろうけれども、彼に許可を与えるというようなことにはならなかったんじゃないかと、私もいまのあなたの説明を聞いただけでも常識的にそんなような感じがいたしますけれども、それにもかかわらず、やむなく許可を与えたというようなこの事情がちょっとわからないのですが、そこらのところはどういうふうにお考えですか。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) これは、はっきりしていましたのが、十五歳のときにあのような凶悪な事件を起こした、この点はわかっておりましたし、かなり残虐な事件だったということですけれども、ただそれ以後——梅川についてできるだけのことをして調べてみたということですけれども、本人が依然として危険であるというふうなことをあらわすような何か行動でありますとかあるいは事件というものがどうも見当たらない。せいぜい道交法違反という程度でございまして、そうしますと、五条の規定、特に五条一項六号の規定で、公共の安全を害する、あるいは他人の生命、財産を害するおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者という規定に当てはまるというだけの材料がなかった。と申しますのも、過去にそういう前歴がありましても、年数がかなりたっております。そうしますと、大体いままでですと、凶器を持って暴力的不法事犯を敢行した者、そういった者でも大体刑を終えれば、一応服役をして改悛の情ありというふうなことで、その場合であってもせいぜい五年ぐらいだろうかというふうな運用の一つの目安があると思うんですけれども、それにもどうも少年時代ということになるとずいぶん前の話で該当しないということから、まあ大阪の場合は残念ながらやむを得なかったのではないかというふうに考えた次第でございます。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 この事件が起きてから以後に、警察庁とされては猟銃所持者の実態調査を大分行われたと、こういうふうに聞いておりますが、その結果、過去に殺人だとか強盗事件を引き起こしているにもかかわらず銃の所持許可を受けていた者がかなりの数に上ったということでありますけれども、その後のこうした者に対してとられた処置も含めて、調査結果を御説明願いたいと思います。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) 三菱銀行の事件以後、ただいま御指摘のありましたように、全国の警察に指示をいたしました。約五十万人と思いますが、猟銃を現在持っている者の前科、前歴の見直しというものをやろうということで、総ざらいをしたわけでございます。その結果、銃砲、刀剣類、刃物を使用してという前提ですが、銃砲、刀剣類、刃物を使用して、殺人、強盗を含む暴力的不法行為を行った前歴のある者が四百八十人いたということがわかったわけでございます。  そこで、過去においてこういう暴力的不法行為を行った前歴のある者については、その後の違反状況などを踏まえまして、昨年十二月までの間で徹底して調査をやりました。その結果、百六十四名の者に対して許可の取り消し処分を行ったわけであります。  それで、残りの者についてでございますが、現在の行状であるとか生活環境など、いろいろな事情を総合的に検討して判断をいたしまして、猟銃を所持さしておくことが危険であると認められる者につきましては、許可の取り消しなどの措置を今後とも進めてまいるようにしたいということで注意をしておるところでございます。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 参考までにお伺いしたいのですけれども、最近、この数年間でもって銃が使用された犯罪は何件ぐらい起こっていますか。また、その銃の使用者の前歴は、おおむねどのようなものであったか、おわかりになったら御説明願いたいと思います。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) 最近と申しますと、ここ三年間の調査というのをしてみたところ、ライフル銃、散弾銃等の猟銃が犯罪に用いられました件数は、合計しまして二百五十四件になっております。そのうち追跡調査のできましたものにつきまして、百九十五人追跡調査ができたわけですが、その百九十五人につきまして、前科、前歴の状況を見てみますと、百八名、五六%ぐらいになると思いますが、百八名が殺人や強盗などの暴力的不法行為を含む何らかの前科、前歴を持っているという状況でございました。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 今回の改正案では、凶悪犯罪に対する行為をなした者に対して、明確に十年という期間を区切って銃の所持を許可しないことになっております。このように不許可の基準を明確にすることによって犯罪を抑止するという点ではわかりますけれども、どのくらい効果があるかということです。私もいま考えております、さっきからのお話の対象になっている梅川のことなんかにつきましても、いまの御説明では、彼が犯罪を犯してから十年過ぎていた。十年過ぎたから、ある意味においてはその間何もなかったから大丈夫だということで、これが許可する一つの理由だったと思いますけれども、そうすると、十年という期間を区切っても梅川の場合には適用できなかったのじゃないか。そういうようなことも考えられますので、その辺についての、いわゆる十年間不許可、十年後には許可するというようなこの考え方というものについてもう少し御説明を願いたいと思います。いわゆるその効果ですね。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) このたびの法律改正で、新たに第五条の二第二項第二号という規定を設けたわけでございます。これで十年という期間を区切っております。したがいまして、梅川の場合も犯行を犯してから申請をしてきたときまでは十年以内に入りますので……

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 十年に入りますか。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) 入りますので、最初のときに梅川は不許可になります。  しかし、十年を超えたらどうかという議論は当然また出てまいりますが、一応十年の区切りということに規定してあるわけでございますが、ただ、この新しい規定を設けるまでは、五条一項六号に言う先ほど申しました、「他人の生命若しくは財産又は公共の安全を害するおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者」に該当するかどうかと、こういったことで明確性を欠く者につきましても、今度の新設条項に該当する限りは、行為から十年間は許可を与えないということで一律に区切りをつけたわけでございます。したがいまして、従来はどうしても明確に判断がつかないということで許可せざるを得なかった欠格者と考えられるような者が排除できるという意味では、犯罪の抑止に寄与するということが言えるわけでございます。  で、この基準を、現に猟銃の所持許可を受けている者で、刃物以上の凶器を使用した暴力的不法行為の前歴のある者、これは調べたら四百八十名いたわけでございますが、その中で該当する者が百三十一名、百三十一名が排除できたであろうということで、効果としてはかなり効果があるというふうに期待をしておるところでございます。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 いまのその十年間という目安ですけれども、それに関連してもう少しお尋ねしたいと思いますが、どのような考えでこの十年というのを決められたのか、九年でなくて十年と。そんなに単純なことじゃないと思いますけれども。  それから、欠格要件に該当して十年間銃の所持を認められなかった者が、もし十年経過後銃の所持を申請した場合どのようなことになるのかということ、そのことについてお答えを願いたいと思います。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) この十年の期間でございますけれども、この三菱銀行事件の犯人の梅川が、凶悪な前歴の後、実際に許可を受けたのは九年七カ月ということでございます。そういったことも考えてみて、また最近の猟銃についての犯罪者の前科、前歴の調査からも、かなりの者が入っているということがわかりましたし、また、過去に凶悪な前科、前歴のある者が再び同じような犯罪を犯すという危険性というものは、一般的に考えますと、行為をしてから十年ぐらい経過するまでの間は依然として続いているというふうに考えられるわけです。それからさらに、ほかの法令上の資格制限の中で、いろいろありますけれども、一番長いものは何だろうというふうなことで調べてみました。それから、過去に犯罪を行ったという事実関係などをどこまでさかのぼって調査できるかというふうないろいろな要素を考えまして十年と決めたわけでございます。  それで、じゃ、この十年から先はどうなるかということになれば、期間の決め方でございますから、これから先はまあ死ぬまでとかという永久論が出てこざるを得ないでしょう。法律としての決め方は一番厳しくして十年が限度ではないかというふうな考えで決めたわけでございますが、ただ現実の問題として、欠格要件に該当していた者が、じゃ、十年をたってから後に許可を申請してきた場合はどうなるかということでございますが、これはさらに五条一項の五号、これは銃の不法所持の問題でございますが、それから五号の二あるいは第六号に該当するかどうかということを検討いたしまして許可する、しないかということを判断することになるわけでございます。たとえて申しますと、行為のときから十年は経過していますけれども、しかし刑期を終わってから五年をたっていないという者につきましては、五条の第一項第五号の二の欠格要件というものがございます。それによって許可を与えないということができるわけでございます。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 そうするとあれですか、仮に十年後、いまのように永久というようなことはいろいろ問題があってできない、ですけれども、刑期を終えてから以後五年ぐらいの間は、ちょうどこの十年までは許さなかったと同じように、刑期を終えてからまた五年ぐらいは同じような扱いをしようと、こういうようなお考えですか。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) 今度新しく条文を入れております、第五条の一項の五号の二という規定がございます。これを例にとりますと、この銃砲、刀剣、刃物を使って凶悪な罪を犯した、それが罰金以上の刑に処せられて、その刑期を終わります。終わった後は五年間は持てないというふうな規定を新しく入れていただきたいということでございますが、それをたとえて言いますと、犯行のときから十年間はまずだめ。で、今度は、長い刑期になりますと、懲役で七、八年とかになりますと、出てきてから五年だめだということでありますと、両方適用になりますから十年以上の期間はだめと。極端に言えば、十年目に服役から出てきた、そうすると、出てきたらすぐ持てるのかという議論になりますと、そうではなくて、たとえば銃砲、刀剣、刃物を使って凶悪な罪を犯した者がちょうど十年目に刑務所から出てきた、こうなりますと、犯行のときから十年は過ぎてはいましても、出てきたときからもう五年間許可してならないという事項が適用になりますので、結果的に見れば十五年は持てなかったということになる措置が可能でございます。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 教習用途の銃の備えつけ制度について伺いますけれども、昭和五十二年、おととしですか、の改正で、技能検定やそれから射撃教習に用いるために猟銃の所持を認める制度を設けたわけですけれども、これが今回の改正で廃止になりまして、すべて教習所の備えつけの銃しか使用を認めないということになっておりますが、この措置はどのような理由でとられることになったか。五十三年に改正してまだ二年そこそこなのになぜそれを廃止するかというような理由もあわせてお伺いしたいと思います。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) この教習用途の銃の備えつけの制度につきましては、大変議論のあるところだと思います。  これは、最近の猟銃を使用した犯罪の傾向としましては、梅川事件にも見られますように、一般の市民を巻き添えにするということがありまして、ますます凶悪化の傾向もたどっておりますし、また、その銃砲の危険性そのものにつきましては、先般徳島県下で発生しました少年の姉殺しの事件がありました。また三重県の一家七人殺害事件、そういう事件を見ましても、この銃砲というものが容易にだれでも殺傷することのできる、またしかも一般市民も巻き添えを食らうような大変危険なものであるということが、昨年以来一般に認識をされてきたわけでございます。中には一般市民の間でも、近所に銃を持っている人がいてほしくないという極端なことをおっしゃる方もいるようでございますが、そういう意見も出てきております。そこで、こういった最近の銃砲についての国民の関心あるいは意識というものを考えまして、その基本的な原則として、あるいは物の考え方として、必要のない銃、不必要な銃というものはできるだけ持たせないということが原則ではないかということから、銃砲行政を見直そうということで検討してきたわけでございます。  そこで、この備えつけ銃の問題でございますが、その見直しの一つとして、まず第一には、前の仮許可制度の段階ですが、仮許可段階の者は、いわば訓練中でございます。したがいまして初心者、技能的にはいわゆる銃については未熟な者と言っていいと思いますが、そういった者には自分の銃というものを持たせないということがまず第一点でございます。  それから二番目は、不必要な銃を排除するという原則から言いまして、教習に合格していないばかりでなくて、また本許可に至らないという者は自分の銃を持つ必要性というものが乏しいではないか、またこれは経済的な負担という問題も少なくて済むではないかという問題があります。  それから三番目には、猟銃などの危険なものは各人の保管にゆだねるべきでない、できるだけしかるべき機関あるいは場所に一括して保管をさせるべきであると、そういう御意見も承るところでございまして、その辺のことを考えまして、教習所に対する監視あるいは監督、これは厳重にしなければならないわけでありますが、こうした備えつけ銃の制度がよろしいのではないか。  それからまた、検定をする場合あるいは教習を受ける場合に、どういう教習、どういうレベルの検定をやるのか、これはやはり同じ条件のもとでその合否を決定する。同じ条件で検定あるいは教習をして一定のレベルに達したということを判断する。そういう意味では、個人のまちまちな銃を持たせるよりは備えつけた銃を持たせる方がいいであろうというふうなことから備えつけ銃の制度を考えたわけでございまして、この制度自体仮許可の制度、それから本許可という制度、その根本を別に変えたわけではございません。これは従来と同じようなシステムで本許可に至るという手続は踏むわけでございますが、自分の銃は持たないということが大きな変化でございます。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 そういうお話でしたら、この措置自体私も賛成でございますが、ただ、この措置によりまして、ライフル射撃競技の愛好者、ことに学生ですか、大学のクラブなんかでライフル銃の射撃をスポーツとして取り扱っている人たちがたくさんいますけれども、この連中は非常にこの今度の措置によって支障を来すと、こういうふうなことを言っているんですけれども、これに対しては何かお考えがございますか。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) ライフルの射撃の問題につきましては、特にライフル協会で力を入れておられて、学生を育成すると、健全なスポーツとして育てるというお考えのようでございますから、その点につきましては私どもも全くそうだろうと、健全なスポーツとしてライフル射撃が国際的にも認められ発展することにつきましては、これはもうやぶさかではございません。  ただ、この検定あるいは教習を受けて、そして許可をもらうということになりますと、これは一つのレベルに達しているかどうかと、持たせてもいいかということを判定する場面でございますから、大体の場合はライフル射撃をやろうという人は空気銃から始まりまして、かなり事前にいろいろな訓練を積んでいるようです。ですから、その上で今度はライフル射撃をやりたいということになりますと、もともと訓練を積み、管理をし、指導者がついている。そうすると、ライフル射撃というものは自分の銃で撃ちたい、そうしないと命中の精度もよくない、また銃になれないと、こういう主張をされるようでございます。ただ、これは訓練と技能の向上というのとこの許可の問題とを区別して考えていただきたいと思うわけですが、ライフルの銃を持てる持てないというのは、一定のレベルにあればよろしい。それは安全に扱えるということが何といいましても基準でございます。ですから、そんなにむずかしいことを要求するわけではなくて、一定のレベルに達したということを認定した後に御自分の銃を持っていただいてそれで訓練をすればよろしいわけでして、その辺のことが一つございます。  それから、この受ける人のレベルがかなりそういう場合高かろうと思いますから、場合によっては教習射撃でなくていきなり検定を受けていただいても、それだけ訓練していれば大体合格するのではないかということも考えますし、それから人数もそれほど多くはないと思いますから、その辺のことを勘案しまして、この備えつけ銃についてもよく御説明すれば、ライフルを愛好される方も御納得いただけるものと思っておるわけでございます。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 現在、都道府県の公安委員会が指定しておりまする教習射撃場ですか、これはどのくらいあるか。  それとまた、その営業状況というのは、概して一体どんなようになっているか、参考までにお伺いしたいのですが。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) 教習射撃場につきましては、五十四年末で全国で二百四十九カ所ございます。そのうちライフル射撃場が二十二カ所、それからクレー射撃場が二百二十七カ所ございます。それから昨年一年間で教習射撃場で射撃教習を受けた者の数が一万六十八人でございます。約一万人でございます。そのうちライフル射撃が百三十三名、それからクレー射撃が九千九百三十五名となっております。  それから、教習射撃場で教習を受けている状況でございますが、これはシーズンであるとか、地域によっても違いますけれども、都会地に近い比較的規模の大きな射撃場では、多いときで大体一カ月で三十五人ぐらいだそうでございます。しかも週に一日だけの講習ということでして、そのほかは平均的な数字を見ますと、一射撃場当たり月にしまして四人か五人という状態でございます。  それから、射撃教習の内容ですけれども、こちらの指導としては、法令上は三時間以上ということに一応の規定はございます。大体の受講者はおおむね三時間で教習課程を修めておりまして、その後一時間程度の考査といいますか、レベルに達しているかどうかという判定をいたします。それで許可を持てるということになるわけです。  なお、費用の問題ですけれども、教習料といたしまして、全日本指定クレー射撃場協会が加盟の射撃場に対して教習料の基準として指導をしておる金額が大体一万円でございます。それでこの一万円のほかに、クレー代、それから実包代というのがかかりますから、大体一発撃ちますとまあざっと百円ぐらいかかるようでございます。それで一つの教習で、一発百円で大体百発ぐらい使いますから、多くても百発だそうですから、そうしますと、教習代一万円と弾代その他で一万円、大体二万円ぐらいだと思います。それで、銃の関係につきましても、備えつけ銃の絡みで、結局は銃を備えつけてだれが払うかという問題も出てくると思いますが、結局講習を受ける人が自己負担という形になると思います。そうしますと、ちょっと計算してみますと、備えつけ銃は最低一丁は要ると思います。散弾銃一丁としますと、値段が恐らく——教習用の銃ですからいろんな装飾品その他取り払いますと、シンプルな型で大体十五万ぐらいではないかと思います。そうしますと、十五万もした銃一丁があれば大体弾は一万発ぐらい撃てる。そうしますと、百人ぐらいの教習生に使ってもなお余力がある。こうなりますと、十五万を百で割ると千五百円。そうすると、一回の教習で教習生が払う金が大体千五百円。それで、自動車の教習になりますと、運転免許の場合は一時限といいますか、実技を一時限やると大体三千円ぐらい取ると思いますから、そうなるとこの備えつけ銃を使い、しかもそれを受講者の負担で賄っていくということも、経済的な問題から見るとある程度はしんぼうしていただけるかなという感触は持っております。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 そうすると、射撃場の方はどのくらいでペイできるものか。射撃場はあれでしょう、たとえば四人しか来ないとか、人数が非常に少ないところがありますわね。そういった場合の経営状況はどうなっておりますか。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) 射撃場のそれ自体の経営状況につきましては、余り私どもの方は経営の中身までタッチしていないので、詳しいことはわかりませんけれども、一応これは教習射撃ばかりではなくて、標的射撃でたくさん来られるわけですからその辺で、まあ見たところ何とか経営されているのではないかと思いますが、内容についてはしかとしたことはちょっとわかりかねます。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 今度の改正で、教習射撃場には銃を備えつけることになるわけですけれども、これについて盗難等の事故のおそれはないかどうか。また、それに対しての御配慮はどの程度なさっているか伺いたいと思います。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) 備えつけ銃の保管につきましては、総理府令で、保管設備、それから方法の基準を具体的に定めることにしておるわけですが、ただ、この備えつけ銃の保管される場所が、人里離れた場所といいますか、まあ宿直員などのいる場所であるかあるいは全く人のいなくなる場所であるかということによりまして、その設備、方法の基準にこれは差をつけるということも考えておるわけですが、盗難とか危害予防上の配慮も十分尽くす考えでおります。  また、その運用につきましては、射撃場で当直員もいないというふうな場合で、夜間でありますとかそれから射撃教習を行わないときには、射撃場以外の場所で人がいるところで保管できるようにするというふうな方法も考えております。おっしゃるとおり、人里離れて全く何もないところへ設備をつくってということも、これも実情に合わない感じもいたします。したがいまして、そういった別の場所に置けるという方法もあり得るということで考えておるわけでございます。ただその場合には、保管する場所は射撃場の保管設備の延長であるというふうにとらえまして、保管基準でありますとか、いろいろな規定を適用するということを考えておる次第でございます。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 最後に、銃の保管に関する規制の強化につきまして、所持者の私宅に立入検査ができる規定が設けられることになっていますが、これはプライバシーとの関係もありますので、当局としてこの規定の運営に当たってどのような意向をお持ちなのか、お伺いします。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) 個人の私宅に立ち入って保管状況を調べるということにつきましては、これは大変問題でございますので、立入検査をする場合、これは盗難の防止、それからその他危害予防上猟銃の保管の状況を調査する必要があると認められる条件が備わっている場合に限られているわけでございます。その点では、法令の規定によりまして厳重に縛りをかけて、限定された条件で立ち入るということにしておるわけでございます。  たとえて申しますと、どういう場合に立ち入るかという実例を挙げてみたいと思いますが、まず、この十条の五第一項の規定によって、保管の状況について報告を求めることができるわけですが、その報告を求めたにかかわらずどうも報告が全然なされない。あるいは、報告はしましたけれども、その内容によっては、保管状況が適切だというふうにはとても考えられない、どうも疑問が残るという場合もあります。それからまた、十三条の規定によりまして銃の検査というのをやりますが、その検査の要求にも応じないという場合もあり得ると思います。それから、近所で空き巣、忍び込みという盗難事件が非常に頻発して大変問題だというふうな場合に立ち入りせざるを得ないという場合も出てくると思います。それから、家の人が猟銃をもてあそんでいたとか、あるいはどうも保管庫に入れてないようだというふうな話が伝わってきたと、で、一度本人に聞いてもなおよくわからないというときに、これは立ち入らざるを得ないかというふうなこと。そういった猟銃の保管の状況について、立入検査をしないと的確に把握することができないという場合に立ち入ることになろうかと思います。  ですから、猟銃を持っていれば全部立ち入りがあるというものでもございません。かなり限定された場合に立ち入るということになろうかと思いますし、その場合でも、場所、それから行く時間、あらかじめ承諾を得た上で立ち入る。それから、何といっても立ち入りの場合は相手の承諾が原則でございますから、そこら辺の問題についてはなお具体的に方針というものを私どもの通達なり指示なりで決めて、そして運用してまいりたいというふうに思っております。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 問題点というのは大体限られているというふうに考えられますが、そういう意味で大分いろいろと論議されてきたわけですが、私は、今度の場合、これ改正でございますが、法が制定されるということについてはそれなりのいわゆる精神また目的、これがあることは当然だ。だからといって、その目的が達成されれば他に弊害があってもやむを得ないんだという考え方はこれは間違いだと思う。ですから、その法のもとにすべてがやはり平等でなければならぬという考え方がその法の精神の中になけりゃならぬ。こういうふうに思うんですね。この点についてどういうふうに考えていますか。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) まことにお説のとおりでございまして、私どもこの改正案をお願いするときに、いろいろな点であちこちに関係するということは予想しておりました。ただ、その場合に、やはりその規定をすることによる利益と、それからそれによって耐え忍ばなければならない、受忍される方も当然出てくるわけですから、その辺とのバランスというものを考えると、なおかつこの銃砲を規制していかなければならないというふうなことで、まあ法の平等云々という点はまさにお説のとおりでございますが、できるだけそういったマイナス面というものをなくしながらいい方向に持っていきたいということで検討を進めてまいったつもりでございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 いまの御精神わかりました。そうだとするなら私の考えていることと全く同じだ、その点は。ですが皆さんが考えたことがこれがベターである、完璧であるということは言い切れないと思うんですね。ですからこういう委員会においていろいろ論議を交わす、で、その中で、もう一歩進んだいわゆる法のもとにすべてが平等であるそれに近いもの、ベターというわけにはいかぬかもしれないけれども、それにもう一歩近いもの、それがあるとするならば、当然それを求めるべきであろう、こう私は考えるんですね。これはやはり考え方とすれば同じだと思うんです。メンツやなんかにとらわれますとまた別ですがね。そんなことはないと思いますけれども。そこで、そういった考え方をもとにどれだけか聞いてみたい、こう思います。  いまも阿部委員の方からお尋ねがありましたけれども、今度改正されるわけですが、いままでは、仮許可というのですか、仮許可申請をすると資格審査がある。そしてその仮許可がおりる、そして銃の購入。こういう段階を経て銃を入手したということですね。これが今回の改正によると、そういう手続というか、条項というか、これがなくなるわけです。で、いままでもこの点に触れてお答えがあったわけですが、この間、まあこういうふうにすればいいだろうということでこれができ上がったわけですね。そう間がないうちに、また、これはない方がいいと、こういうことになった。それでこれを削除しようということになったと思いますがね。それは先ほどからのお話で、なるほど場合によっちゃ、そういう人たちに持たせるとやがて事故が起きるかもしれないという、そういう心配、それをなくすためにもこれはない方がいいという考え方だろうと、こう思うわけですね。そこで、そのほかに何か理由があれば、その理由についてお答え願いたいと思うんですね。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) 先般の改正で仮許可の制度というものができました。それで、実は仮許可の制度を運用していて、今度はそれをなくすということなんですが、この申請から銃を持つに至るまでの一連の手続というものは、根本的には変わっていないわけでございます。これは一番変わりましたのは、自分の銃で検定なりあるいは教習射撃の教習を受けられない。本許可がおりるまでは自分の銃は買わないでいい、そこが大きな違いだと思います。  それで、これにした理由でございますけれども、これは私どものお願いですけれども、大原則といいますか、銃に対する姿勢の問題ですが、やはり銃というものが現在の国内情勢で大変危険なものである、使いようによっては非常に健全なスポーツとして推奨されるべきものではありますけれども、これはある程度規制をせざるを得ない。そうなりますと、不必要な銃はなるべく持たさないということが大原則と思います。しかも、この仮許可のうち、つまり一人前になっていない、これから銃を使うことの練習をし、あるいはまた検定を受けようという、いわば初心者でございますから、その初心者に自分の銃を持たせるよりは、備えつけた銃で練習をしてもらいたい。そのことが少しでも危険性を少なくすることができる。あるいはまた必要のない銃というのは持たさないということにもつながる。  これはまた別な面から見ますと、いま教習を受けて許可を取ろうとする人が一万人いるわけですが、その人が銃を買いますと一万丁の銃が本許可のないままで携帯、運搬あるいは保管されるということになるわけです。それから片っ方は、射撃場に備えつけの少数の限られた銃を使って、それを射撃場で保管し、厳重に確保するということとのバランスの問題というものも別な側面から見ると出てまいるわけです。そういったことも考えて、必要のない銃は持たせない。それから事故の防止、それから盗難の予防というふうなことを考えまして、備えつけの制度ということをお願いをするわけでございます。それと、検定なりそれから教習の性格からしましても、同じレベルで教育をし、同じレベルで検定をした方が利用者にとってもいいであろうと、そういう問題もあります。それからまた、銃を買う場合に、これは使う人の方から言うと、銃のことがある程度わかって本許可をもらっても差し支えない程度の技量になって、それから銃を選んで買うという方がベターではないかという議論も出ておりました。  そういうことで、この仮許可制度をせっかくつくっていただいたわけですけれども、銃を持たす持たさないについては、そういうことで備えつけ銃をお願いをしたわけですが、実際に許可に至る手続そのものは仮許可のときとそれからこの改正と中身は一緒でございます。これは変わっておりません。ただ、この認定証といいますか、公安委員会が教習を受ける資格ありと認定する証書を渡します。これは昔で言えば仮許可ということになるかと思いますが、制度自体はそういうことで根本的には変わっていないという状態でございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 まあそれなりの理由があるということはわかります。  そこで、いま本許可とか仮許可ということが問題になっているわけです。で、あたかも本許可がある人には事故がないみたいに聞こえるんです、皮肉にとりますとね。事故を起こしているのは本許可を持っているやつがみんな事故を起こしているんでしょう。だから私はこの条項が非常に問題だと思うんです。いろんなことに影響するから。だから詰めたいんです、こいつをね。で、ちょっとしつこくなるかもしれませんが、ぐっと詰めてみたいと思います。  それでお尋ねをしてみたいのは、これは二年前ですか、この仮許可で銃が持てるようになったのは。それから今日まで、こういう人たちによる殺傷事件、いろいろな事故、そういうものは、何件ぐらいこの人たちによって起こされていますか、その点ひとつ。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) 仮許可を受けていた者に係る事故につきましては、そういう報告は当庁に来ておりません。ありません。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 そうしますと、いまあなた方がお答えになったような憂えというものはまずないと、こう考えていいわけです、これは。——頭かしげることないでしょう。だれが聞いてもそうじゃないですか。事故があれば、あなた方が心配しているように未熟だから持たすと危ない、だから持たせないようにするんだと。一万丁の銃があたかも悪い意味ではんらんする。また事故のもとである。こういう受けとめ方。だけれども、聞いてみるとこの二年間にまずそういう事故はございませんでしたということですね。だとするならば、もう一歩突っ込んで考える必要があるんじゃないですか、これは。  それで、いままでのあった仮許可制度でその人たちには事故がない。それを、なぜないんだという分析をしましたか。なぜないのかという分析を。これは大事なことだ。その分析なくして、ただ上っ面で、はんらんする一万丁の銃がふえるから危険だという上っ面なとらえ方でこれを決めつけてくるということは、それによっていろいろな支障を来す立場の人たちも出てくる。だからその辺をきちっとしなけりゃいけないだろう、こう私は思うんですね。まあ聞いてもね、こっちの思うようにこうですと言ってもらえないという可能性が——少し先走りですが、そんな気がするんだが。その辺、まずそれじゃ聞いてみましょう。なぜ事故がないんだ、本免許を持っているやつになぜ事故が多いんだという点。どういうふうにとらえているのか。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) 事故は確かに減っておることは減っております。お説のとおり、仮許可のときの事故あるいはそういった事件というものの報告はありません。これは恐らくないと思います。ただ、これは、たとえば一年間のそういった仮許可をもらって教習した人の数がざっと一万人という数でございます。片や、許可を現に持っている人は五十八万人ぐらいおります。ですから、その辺の人数の問題も一つの要素かと思います。仮許可自体の制度の効果がそれなりに上がっているということは、これは事故の防止に大いに役に立っていると思います。その点は言えると思います。それから、本許可をもらった人の方が事故があるということですが、これは一つはなれから来る心の緩み、あるいは正確な取り扱いについてのなれと言いますか、そういったものも多分に作用する可能性はあると思います。  ですから、人数の問題、それから期間が経過するにつれてのなれの問題、そのほかの要素がいろいろこう重なって、こういった結果になっていると思いますが、まだ一万人という少ない人数、一年間の調査でございますので、今後の経緯はこれからも見守っていかなければならないわけでございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 そんな話じゃ答弁になりませんよ。で、一番大事なところをあなたはさらっと話をしているんだけれども、私はあなたがさらっと話をしたところが大事なところだと思う。いわゆる仮免のときに——仮免と言うと自動車になりますか、これは。仮許可のときに事故がないという。少なくとも二年。あなたは数で比較をしている。五十何万だと、片やこっちは一万だと。そんなものじゃないでしょう。それはそういう確率の問題はあるかもしれない。あるかもしれないけれども、それだけの問題ではない。仮許可の人たちと本免許の人たち、あなたがさらっと言った、なれがあるでしょうと、こういう話があった。私は全くそのとおりだと思う。これから銃を扱おうという人たちから見れば、当然そこには資格審査という厳しい関門を通らなきゃならない。少なくとも銃を撃ちたいという——人を殺そうと思って銃を申請する人もいないでしょう、まずその段階では。それで、まじめな考え方で自分の楽しみとして、生活環境、それから自分の時間的な余裕だとかあるいは自分の財力だとか、いろんなものが総合されて、それでおれもそれではやってみようということだろうと思いますよ。それで、銃というものは恐ろしいものだという認識は新しい人の方が強いんですよ、そんなことは。決まっているんだ、そんなことは。盲ヘビにおじずということわざみたいなものがあるけれどもね。だけれども盲じゃない。みんな銃の恐ろしさを知っているんです。出たん事故があったらどうなるか。そういう緊張感というものは初めて申請する人たちの方が強いんだよ。そんなこと決まっているんです。それが事故につながらない最大の原因と私は見るのが当然だろうと思うのですよ。人間の心理状態から言って。仮免の段階でもって事故を起こしたらどうなるんだ、そんなことはばかでない限りすぐわかるんです。大変な物を持っているんだというそういう緊張感があることは間違いないんですね。それが、あなたがおっしゃったように、本免を取って何年かたつといわゆるなれ、ずさんになる。だから、そういういわゆる人間の本質みたいなもの、それから出てくるもの、それを言葉で、あるいは法律で、自分の余りよくわからないような法律でもって決めたからといって、それを規制するというわけにいかないんですよ。だからなれが出てくる。いいかげんになってくる。そういうところから事故というものは起きてきているんだということだけは、これはもうだれが考えても明らかなんです。だから、言うならばそこに力点を置かなきゃならぬということなんです。  じゃ、そこをどうするのかということ。後から言いますけれども、立入検査の問題も出ましたけれども、そんなことでもって解決できる問題ではないんですよ。問題は、いわゆる人間の本質的な問題かもしれない。ですから、どう締めつけてみたところで、家へ帰ってしまえばね、皆さんだってわれわれだってそうだ、外にいるときはしゃっとしているけれども、家に帰りゃほっと緩むんだ。それと同じなんだから。そこをどうするかという問題。だから私は、そこが問題なのであって、仮免の段階での、これを問題にしなきゃならないというものではないということ、これを私は申し上げたい。  確かにあなたが言うように、本免も取ってない、まだ十分に銃の扱いも知らない、だからそういうのが持っていると危ない、そういう心配は確かにあるでしょう。あるかもしれないけれども、真剣さ、緊張感、そういうものからいうと、うんとなれた連中よりも雲泥の差がある。そこに問題が二年間なかったという原因が私はあると思うんですよ。だから、あえてこの仮許可というものはなくす必要ないじゃないか。これが私の主張なんです。なくす必要絶対ない。力の入れどころが違う。それはなくす必要ない。これがいわゆる私の主張ですよ。  ですから、それをまず申し上げておいて、それでは、仮免の制度をなくしたとする。そうすると、それによって影響を受ける人たち、悪影響を受ける立場の人たちがあるのかないのかという問題、どうなんですか。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) ただいまの、仮許可のときの事故がないというお話、まさにそのとおりだと思うんですが、ただ、最初に銃を手にするときの精神的な緊張、それがひいては事故を防ぎ事故をなくしている原因という点については、まさにそうであろうという気がいたします。それともう一つは、精神的な面はそれでりっぱであろうと思いますけれども、今度は、技能になれているかどうかという点からの問題は、これは初心者ですからないわけではないと思います。しかし、それにも増して教習制度ということの効果ということで恐らく事故はなかったのだと思いますが、私どもは、この銃の事故については、やはり精神的な緊張も大事ですけれども、それに伴う技量といいますか、そういったものを見逃すわけにはいかないというふうに感じるわけでございます。  それから、新しいこういう備えつけ制度ということをとる場合に、ほかへの影響ということでございますけれども、これにつきましては、すぐ考えられますのは、備えつけ銃というものを射撃場がそこへ備えつけなければならないという問題、これは財政的な負担が伴いますけれども、これについては、受益者負担ということで、そのあたりは何とか解決できるのではないかというふうに考えております。そのほかのことにつきましてはいろいろ意見もありますけれども、大きなものはその程度ではないかというふうに思うわけでございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 あのね、精神的なものが大事だということでね、あなた、人間の行動というのは精神から生まれてくるんですよ。精神なくして動きようがないんだよ。逆言っちゃだめだよ、逆言っちゃ。そこから始まるんだから。だからそれが一番基本になるんだ。だから、どんななれないことでも、その緊張感があれば、いわゆる問題というものは最小限に抑えることができるという可能性はそこにひそまれているわけです。それは技術のことは大事なことです。しかし、鉄砲をいじるのに二年間にわたってその仮許可の期間に事故が全然なかったということは、まあ銃といったってね、私も——昔の話をしてもしようがないかもしれないけれども、軍隊で鉄砲をいじらしたでしょう、あんなものはすぐ覚えなくちゃいけないんだよね。すぐ覚えさせられちゃう。またすぐ覚えるんです。そのように、銃の、これがこうなれば危険であるということについては、そんな大げさなことを言わなくたって、事故を起こさないだけのことは十分にできるわけです。それを言っておきます。  それともう一つは、いわゆる仮免が、その制度がなくなるでしょう。そうすると、あなたは射撃場でもって備えつけの銃を用意しなきゃならないんだから、そこの負担があるでしょうという、こういう話があった。それも聞きます、これから。そう言った。しかし私は、銃を取り扱う業者の人たち、そういう人たちの私は手先でもなければ出先でもない。こういうところで話をする以上、国の立場の考え方、あるいはそういう人たちの立場の考え方、それを総合してどれが一番筋が通っているかということを自分で見出したつもりだ。だからいまここでしゃべっている。そうするとね、確かに備えつけ銃をやるためにはそれだけの投資が必要になってくるんです。だけれども、そのかわりに、射撃場経営のいわゆる業者、ということは銃砲店を経営する業者ですね、射撃場を持っている。そういう立場の人たちは、今度は銃の販売に当たって物すごく有利な立場に立つこと間違いないんです、これは。絶対間違いないんですよ。そうなると、全国に何店いわゆる銃砲店があるのか私は知らないけれども、そういう人たちの銃の販売業績というものは必ず落ちてくることは間違いないんです、こんなことは。そうすると、法のもとにすべてが平等でなければならぬという考え方からするならば、当然そういう人たちに対する配慮というものがなされていかなければならぬと私は思う。だからさっき言ったように、警察庁の目的が達成されれば多少の弊害が起きてもしようがないんだという考え方はこれは成り立ちませんよということを最初に申し上げた。当然そこまで考えるべきである。射撃場を経営する銃砲店というのは絶対有利な立場にある。仮免の制度があったときにはどの銃砲店にでも行けるんです。そして相談する。相談すると親切に教えてやる。そしてそれに基づいて手続もする、そういう役割りをしたらしいね。だから、そういういわゆるつながりがつくと、その人が銃を持てる段階になるとそこの銃砲店で銃を買うという、これは世の中の経済みんなそんなものだ。それを、片一方は有利になるけれども片一方はそういう制度がなくなるのでうんとへこまなきゃならぬということでは、これは法ができることによって不平等を生むと言うことができる。それも、いま私が論議してきたように、なぜそれをなくさなければならないのか、なくさなくても問題はないじゃないですかと、こう指摘してきたんです。ですから、そういう立場から、あえてそれをなくして、そういういろいろな弊害を起こさす必要はないじゃないか。それはぼくは愚策と言う以外ない、そういう考え方は。転ばぬ先のつえということはある。だからあなた方は転ばぬ先のつえでもって考えているのかもしれないけれども。  これは余談になりますが、いま交通事故が多い。死亡事故が多い。それじゃ制限速度は大体、まあ高速は八十キロだけれども一般道路は四十キロだと。みんな四十キロなんです、制限速度はね。それで、そこへ行ってごらんなさい。大きな産業道路、全国どこだってあるんです。四十キロだ。四十キロで走ったらどうなるの。大きく言えば日本の経済停滞しますよ。五十キロ、六十キロは常識なんです。それが流れなんです。そこを四十キロにとめてある。なぜなのか。それは四十キロにしておいた方が五十キロよりも事故の件数は少なくなるであろうという考え方です。自分たちの立場だけです。だけれども、平素どのくらいで走っているかといったら、五十、六十、七十で走っているんだ。それで相変わらず制限速度四十キロ。それはやっぱりね、所によっては三十の場合だってあるでしょう。ですからそういう面は変えなきゃならぬ問題だろうと思うけれども。これは一例です。例として言ったんです。  そういうことではならない。もっともっと実質的に、この法律ができることによってすべての人がよくなっていくという、やっぱりそういう考え方でなけりゃいけない。いま申し上げたようにへこんでいるんですからね。へこむ人が出てくるんですから、間違いなく。だからそれは——頭かしげれば幾らでもかしげられるけれども、だけれども、いま私が言っていることは、それをあなた方で納得いく答弁をばちっとしてくれるならば私は引き下がるんだ。少なくともいまの段階では、私の考えている方が幅が広いと思うんです。だから先ほどの答弁では、私たちはそれほど営業にはタッチいたしておりませんので知りませんと。それは無責任だと思う。そういうものがあらわれている。  そこで聞きますけれども、このいわゆる梅川事件、これが起きてから今日に至るまでの、まあいま現在でもいい、銃を新たに購入した人がどのくらいいるのか。それと、梅川事件が起きるまでの一年間、それを比較してどのくらいの差があるのか。銃の新しく販売されたその数ですね。それはどのぐらいになりますか。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) 銃の販売の実績の問題だろうかと思いますが、銃砲店から購入しました散弾銃、五十四年が三万九百十九丁となっております。これは、五十三年が五万四千四百二十七ですから、五十三年に比べますと二万四千丁ぐらい減っております。  いまのは国内の実績ですが、別な資料で見てみますと、これは日本猟用資材工業会発行の資料でちょっと見てみたんですが、昨年の一月から九月までで、猟銃が国内向けで売れた数が九千七百九十七丁という数字が出ております。これが金額にして九億三千五百万でございます。それから、輸出用がありまして、これが二十一万八千三百二十丁、七十五億三千二百万が出荷されたんだと、こう言っているわけですが、そういう数字がございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 まあ輸出用は別ですがね。外国のことは私は知らぬです。  そこで、また後でちょっとこの点は触れますがね。そういうふうに、梅川事件以来減っているんです。確かに新しい銃が売れるということ、その点についてのいわゆる問題点また後でもってお尋ねしますけれども。  で、またもとに戻りますが、やはりこの法律ができるとだめなんですよ。民間の射撃場経営者というのは、銃砲店ですからね、ほとんどは。だから、みんなそっちに行っちゃうのですよ、新しく購入するということになると。つきっきりなんですからね。そうすると、そこから離れたところの銃砲店というのはそれだけ割りを食うわけ。間違いないんです。そこでやっぱりそういうことをなくさなきゃいかぬでしょう。なくさなくていいという考え方は私はいただけませんな、もしそうだとするならば。なるほどそういういわゆる弊害というものは出てくるであろう。だとするならばそれに対してどう手を打っていくのかという、この点もあわせて考えておかなければならないんじゃないですか。この点どうしますか。——思いつき答弁だめよ。いままでちゃんと考えていることを答えなきゃ。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) 備えつけ銃の問題は、これは前からも議論があった問題でございます。それで先般の改正のときにも、その節にたしかいろいろと議論があったやに承っております。で、結局時期が早いということで取りやめになったと思うのですが、そのときに業者の間から、いま御指摘のとおり、販売店が経営している射撃場、これが圧倒的に有利ではないかという声があったという、これは承知しております。ただ、実際に考えた場合に、一部そういう売りやすさというものがあることについてはこれは否定できないと思います。そういう意味では御指摘のとおりだと思うのですが、ただ現実の売れ行きにそれがどういうふうにはね返ってくるのかということにつきましては、その辺は否定はできないのですけれども、まあ営業努力なりそのほかの問題に絡む要素も多分にあると思いますので、これは私どもといたしましてはある程度受忍をしていただく、そういうことでやむを得ないのではないかという感触は持っておるわけでございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 やむを得ないということはよくないというのですよ。さっきあなたも法のもとに平等でなきゃいかぬと言っているんでしょう。それはそういう意味も含めてですよ。だから、やむを得ないという言い方はないでしょう。じゃあ、われわれの目的が達成されればほかの弊害はどうでもいいんだというのと同じになっちゃうじゃないですか。いわゆる銃の乱用、銃による事故、そういうものがなくなりさえすれば、そのほかに弊害が起きてもやむを得ないんだという、いまの話だとそういうことになるでしょう。それじゃ納得できませんね。もっとこれ突っ込んだ論議になりますからね。まずその辺のところから。そういう弊害は起きても、そのしわ寄せを食う人が出ても、いまあなたの話だと、多少はそういうことがあるかもしれないけれどもやむを得ないと、こう言っているのだ。やむを得ないというその考え方が正しいのかどうか。それを排除できるのかできないのか。そこを考えていかなくちゃいけない。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) 銃砲の危険性というものを考えてこういう備えつけ銃という制度をお願いしているわけですけれども、確かにそういう業者間同士の販売の問題に絡んだいろいろな意見というのはこれは出てくると思うのですが、できるだけ必要のない銃は限定すべきであると、こういう原則から言いますと、まあ警察の制度としては若干そういう業者間の問題がありましても何ともいたしかねるということでございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 答弁になっていませんよ。極端な言い方をするとね、備えつけ銃だって操作知らないやつに使わせることは、それ自体危ないじゃないですか。極端なことを言えばね。いまのあなたの答弁からすれば、そういうことも言えますよ。余分な銃を社会に置いておくということは危ないと言う。射撃場でもって練習する銃は、それはだれが使うんだといったら、銃に経験のない連中ばかりが使うんじゃないですか。これはあなたの言ったことに対する言葉じりをつかんだような形になったけれども。問題は、本質に返すと、そういう人たちがいるということ、そこをどうするんだということ。だから目的が達成できれば他はいいのかということ。だから、そうではありませんと。そうでないと言うならば、それじゃそういう弊害をなくす方法をどう考えていらっしゃるのかということを聞いているんです。やむを得ないという答弁は、それはもうさっきからそんな答弁じゃ納得できませんよと言っているんだから。当然でしょう、そこまで考えるのが。これね、通産省でもいるとおもしろいんだよね。通産省はもっと立場違うからね。そこのところはっきりしてくださいよ。これ、あんたの言っていることとおれの言っていることと、どっちが正しいんだということになってね、だれが聞いても、ああ上林の方が正しいと、こう言ってくれりゃやはりそれは法案変える必要があるよ。そこまで持っていきたいからいま話をしているんだ。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) 今回の改正そのものが、昨年の大阪の事件以来、銃砲というものが一種のこれは危険物、使い方によっては非常に凶悪犯罪に利用される。ですから、社会の中でこの銃というものの危険性に着目をして、できるだけ必要のないものは減らすと、持たせないようにしようではないかと、そういうことで改正をお願いしておるわけでございまして、この販売の問題、これはいろんな業者の意見というのは承知しておりましたけれども、趣旨がそういう趣旨でございますので、その辺は何とか御納得をいただきたいというふうにお願いをする次第でございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 それ、答弁にならないんだよ。答弁になっていないの、それじゃ。だから、犠牲はやむを得ないんだということですか。それならそういうふうにはっきり言ってください。犠牲はしようがないとはっきり言ってください。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) 備えつけ銃をした場合、これは販売に影響はないということは言えないと思います。その点は私どももそう思うんですけれども、しかし、これは販売にはいろんな要素が絡むと思います。それは買う場合のサービスの問題、アフターケアの問題あるいは販売する銃の問題など、そういうものが絡むものですから、私どもはこの規制の基本の原則からして、何とかできるだけ世の中に必要のない銃というものは出さないということでお願いをするわけでございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 同じことばっかりなんだよ、それは。私は問題を提起しているんです。問題提起に対してあなたが明確な答えをすればいいんです。それを明確にしていない。だから、あなたが言っていることは、あたかも犠牲者が出てもしようがないんですよ、そういうこともあるかもしれないけれどもそれはしようがないんですよ、だからそれはもう業者にがまんしてもらうよりしようがないんだと。このいまの法律は削除して強行するんだというのならそれはそれでいいじゃないですか。それはそれでいいんだ。しようがないもの。幾らこれだけ言っても話がわからないなら。だから、あなたの考えはそれだけしかないんだよ。  だから、私今度は、これはこっちへ置きまして、もう一つ提案をしましょう。銃を習いたいという人たちは、備えてある銃よりもやっぱり早くから自分の銃を持ちたいんだよ。これは心理だよね。あたりまえです、これは。だれだってそうなんだ。だから車の免許だって、いま練習していてまだ外で運転できないのにもう買う算段してね、あの車はいい、この車はとやっているんだもの。買えるなら買っちゃうんだよ。あれはまあ走る凶器だけれども。あれはやっぱり免許がないと買えないんでしょう、車は。そういう心理というものがあるわけだ。だから鉄砲だって同じなの、それは。で、そこにいわゆる安全性というものが確認されるならばそれはそれでいいのではないかということ。あなた方はいままでの話は全部安全性の問題を表に出しているわけだから。いままでの制度をそのまま残しておいて、それで買えると。買えたら、自分の射撃場にちゃんと預けるなり何なり、さっきからそれも論議されているんだから。いわゆる備えつけ銃だってちゃんと保管の義務は出てくるんだからね。その人の銃をそこに預けたっていいんだよ。そういう方法だっていい。そうすると銃砲店には余り影響がなくなるんです。心配されているその心配は除去されるんです。そういうメリットがあるんです。備えつけ銃といま私が提案をしたそういうことと、安全性という問題から言うならばどこに違いがあるか。私の言った方は、あらゆる人たちに喜ばれながら安全性を確保できる。あなたの言っていることは、あっちこっちに弊害があって文句を言われながら、いわゆる安全性はそれによって保たれるかもしれないけれども、そういうでこぼこが出てくる。どっちがいいんだ。はっきりしてください。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) 私どもは、先ほどから御説明しておりますように、銃を持つ時期というものは、本許可を得てから銃を選択し、その上で買った方がいいというふうに考えているわけです。それで、備えつけ銃の問題で、自分の銃で練習をするという問題については、自宅へ持って帰る携帯の問題も出てまいりますし、それから……

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 そんなこと言ってないじゃないか。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) 保管の問題がありますし、それからいま議員のおっしゃった、所有権は自分の銃で、それを指定射撃場なら射撃場に備えつけるという恐らく案だと思うのでございますが

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 備えつけるんじゃないよ、本人の銃を預けるんだよ。預ける制度だってあるんじゃないか。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) そういう預けるという制度のことをおっしゃっておると思いますけれども、これはやはり検定なりあるいは教習というものからくる、同じレベルにそろえるという問題もありますので、この際はやはり本許可をもらってから初めて銃を手にする方がいいのではないかというふうに思うわけでございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 あなた方、安全性の立場からこうやれば——確かにあなたたちの言うこともわからないではないんです。だけれども、それをやった場合には、いままであるものを一つ除いただけでこういう出っ張り、へこみが出てくるじゃないか。それはいわゆる安全性を確保するためにはやむを得ないんだという考え方。だけれども、もう一方こういう考え方がある。その考え方にのっとれば、いわゆる未熟者に銃を持たさなくても済むし、またいわゆる保管もきちっとできるというね。同じ効果を上げながらあちこちにでこぼこが出ないという行き方を私は示したわけですよ。それとあなた方の言っていることとどっちが筋が通るんだと。その点を、おまえの方が筋が通らないんだというところをはっきり言ってもらわないと、これ引っ込みつかないんですよ。やっぱり同じことをあなたが言っているわけですから。  だから委員長、これは二十五日にも上がりませんね。全然答弁になってないじゃないか。どうするんですか、これ。きょう委員会を開いたことは間違いだった。それはわれわれの責任だ。これじゃ答弁にならないじゃないですか。だからね、二十五日に持ち越すから、よくその辺を明確に答えるようにしてくださいよ。私がいままで言ったことを。まだまだいっぱいあるんだ、これ。行政指導の問題もあるし。怒ってばかりいてもしようがないから。行政指導の問題だってね、あそこは何年前に夫婦げんかしたと、これでいわゆる資格審査で没だ。夫婦げんかしたって、あなただって夫婦げんかするじゃないか。それが没になる基準になったりね。いっぱい矛盾だらけなんだから。それはまた別の問題だ。それは本質的な問題じゃない。だけれども、いま言っているのは私のいわゆるこの法案に対する一つの核心ですからね。これはどうしても曲げられない。どっちが筋が通るかということで一歩も下がるわけにはいかない。  だから、これはちょっとまだまだ聞かなくちゃならないことが幾つもありますし、いま申し上げた点も結論が出ませんので、結論を出すまで……。  いま私が言ったこと、念を押しておきますがね、いま私が言ったような方法だってある。備えつけ銃でなくたって、本人が買って、本免許を取れるまでは持ち歩きはできませんと、そこに預けることだってできるんです。しかも銃は自分の銃を使うことができる。そして銃砲店の人たちも一つもそれによって影響は受けない。いままでどおりである。しかも安全性は保たれる。どの角度から見たって、そっちの方がすぐれているに決まっているでしょう。あんたみたいに同じことを繰り返していて、だから自分たちさえよければほかはどうでもいいというのと同じじゃないかと言うんだよ。観念的にこうだああだっていうんじゃなくて、私は実質的な効果というものをねらいながらいま話を進めてきているんですからね。お役目的にこうだああだと、確かに仮免というのに許可しなければそれだけ銃が出てこないんだから、それだけの安全性というものはあるだろう。あるけれども、過去をたどってみれば、そんな完璧完璧をねらっていまの世の中で何が成り立つのか。成り立つわけはないじゃないですか。いま私が言っているのは、全部法をひっくり返しちゃえって言っているんじゃない。この改正される部分、どっちの考え方が筋が通るのかということでいま論議をしているわけですからね。その点をしっかり踏まえてもらわなければこの問題はらちが明かない。私はいじわるで言っているんじゃないですよ。大事なことだから時間をかけてでもやろうということですからね。ですから、あなた方の趣旨についてはわかる。わかるけれども、一歩突っ込んでいったときにやっぱりいろいろとあなた方の答弁には納得できない点が多過ぎます。  そこで、委員長、やっぱり二十五日ですね、これは。公明党の時間はまだあと三十分やそこらある。ですからそれ残します。だってしょうがないでしょう、全然答えにならないんですから。

後藤正夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(後藤正夫君) ちょっと速記をとめてください。    〔速記中止〕

後藤正夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(後藤正夫君) 速記を起こして。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 それじゃ、きょうはこれでもって私は終わります、結論が出ませんから。まだ幾つもあるんだよね、大事なところが。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 まず最初に、警察庁長官に基本問題を一、二お聞きをしておきたいと思います。  一つは、まず今回の法改正の動機及び背景ですね、これについてお答えいただきたいと思います。

山本鎮彦警察庁長官

○政府委員(山本鎮彦君) 今回の法の改正は、御承知のとおり、猟銃などを使用する犯罪が相変わらず絶えない、特に銀行強盗というような凶悪犯罪、あるいは人質事件というような形での凶悪犯罪が絶えないという状況でございます。そういうのを少しでもなくそうという趣旨でございまして、したがって猟銃の所持の許可の基準をいろいろと厳しくしていく、保管に関する規制も強化していく、あるいは眠り銃というようなものも排除すると、そういうようなことで、何とかして猟銃の不適正な所持を少なくして、また猟銃が盗まれたり、ほかの犯罪に使われるというようなことがないようにと、そういう趣旨で立法をいたしたわけでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 凶悪犯が最近ふえてきていると、そのことによって国民も大きな不安に陥れられているということはわかりますし、したがってそれに対する規制も厳しくしなきゃならぬという条件があるということもわかるんです。ただ問題は、そのことのために角をためて牛を殺すような結果になってはぐあい悪い。それほど必要な規制が、今回行われる規制が、その規制を行うことによって片一方では人権の侵害なりいろんな不便を与えるとかあるいはいろいろな問題が起こる。仮にそういう一定の犠牲があっても、本当にそれが効果があればあるいはその辺では許される場合もあるでしょう。しかし、その効果よりもそういう人権の侵害なりあるいはいろんな不便を与えるような、そういうことの方が大である場合には、これは慎重にあるべきだというふうに思うんですが、この点はいかがですか。

山本鎮彦警察庁長官

○政府委員(山本鎮彦君) その点はお説のとおりでありまして、われわれは単なる便宜的に、この方が便利だから、この方が効果があるからと、それだけで法律をつくっているわけじゃございませんので、それを受忍する一般国民のそういう影響が最小限度になるようにという配意でいろいろつくったわけでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 そういう点で、きょうは朝から同僚議員がいろいろな問題について議論を続けてきているわけですが、問題点はそこのところですね。そこで、まあ提案をされている側からいってはそういういろんな指摘については当然事前に十分に検討し、その上に立って御提案になっているんでしょうけれども、しかし、この委員会の審議を通じて具体的に指摘をされたものについてはさらに検討して、そういった国民の権利やあるいは営業、生活、こういったものに大きな影響を与えないように、一定のあるいは法改正の部分の改善とか、あるいは運用の面で改善をすると、そういう気持ちはあるんですか。——これは長官でないと答えられぬだろう。本来は国家公安委員長に聞かなきゃいかぬのですけれども、きょうはおりませんから。

山本鎮彦警察庁長官

○政府委員(山本鎮彦君) そういう点はもちろん十分この委員会での御意見は承り、それから運用においても十分気をつけていきたいと、こういうように考えております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 それじゃ具体的にお伺いしますから、保安部長の方からお答えいただきたいと思うんです。  まず所持の許可基準の整備の問題、第一の問題ですね。その点で、先ほどもありましたが、「重要な事項」と「重要な事実」、二つ区別をしてありますが、その具体的内容についてお答えいただきたいと思います。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) まず、この判断の基準ですけれども、「重要な事項」あるいは「重要な事実」に当たるかどうかということにつきましては、その事項あるいは事実が虚偽の記載あるいは不記載があった場合、許可の審査を著しく困難にする、あるいはその審査に当たって判断を誤らせることになるかどうかという点を基準にして具体的に判断をするわけでございます。そうした意味で、法の第四条の二、第一項に一号から三号まで書いてございます「住所、氏名及び生年月日」、それから「銃砲又は刀剣類の種類」、それから「銃砲又は刀剣類の所持の目的」、これはすべて重要な事項に当たるわけでございますが、それ以外にも「総理府令で定める事項」ということを予定しているわけでございます。これは、たとえて申しますと、許可申請書の中の本籍、出生地、それから職業あるいは勤務先といいますか、それから同居の親族に関する事項、それから譲渡承諾書、診断書、用途目的を証明する書類、それから保管の状況に関する書類、あるいは前科、前歴に関する事項を含む経歴書などにおける重要な事項と、こういったことが該当する。これは総理府令で書き込む予定でございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 それは、前科、前歴の場合は、先ほども反則金なんかは入らないとおっしゃっていましたが、そうすると、罰金刑以上ということになるわけですか。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) 罰金刑以上、それから検挙歴といいますか、検挙の経歴というものを入れるつもりでおります。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 検挙歴というのは、たとえば交通違反でいろいろ問題があって本署へ引っ張っていかれるという、そういうものも含むのか。それとも逮捕状に基づく検挙歴になるんですか。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) これは、罰金以上ということで、道交法違反であれば反則金、これは入らないと思います。ですからあとは実際に罰金以上の刑に処せられた場合というふうなことで入ると思います。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 許可を与えるのに、直接的といいますか、直接的な関係を持つ、そういう前科歴の記載漏れというのはちょっとこれ問題あるわけですね。しかし、間接的なやつ、たとえば道交法違反で罰金とか、罰金ならそれは略式は最低受けるでしょうから、忘れていたというのも余りないとは思うけれども、しかし、それほど大きいものではなかろうというような軽重の度合いもあると思いますが、その辺は、厳し過ぎて本来何といいますか、そういうものを使用して殺傷事件を起こすような、そういうおそれのない者にまで不利益を与えることのないようにする必要があると思うんですが。  もう一つ、再許可の場合になるでしょうか、許可をしてもらって、許可後銃を持っておった場合に、たとえば許可証の不携帯とか届け出のおくれ。住居変更があれば何日以内とかあるでしょう、届け出する。そういうのがおくれたりするという場合ですね。それは許可の取り消しの処分になる、そういった点の問題。うっかりしてという場合、取り消し処分の対象になって、そしてその結果浮く期間が、いままで三年が今度五年ということになっていきますと、これ大分厳しくなるわけですね。この辺のところについてはどういうように運用されるわけですか。

佐野国臣警察庁刑事局保安部保安課長

○説明員(佐野国臣君) 一応先ほど部長が申し上げましたが、「重要な事項」という問題に関しましては、この法文の仕組みから言いますと、原則的には一遍不許可として、それからまた出していただくという形になろうかと思います。そしてそれが格別重要な問題でなければ、いずれまた許可の申請をして審査という問題になりますので、そう格別御不自由はかけないんじゃないかという気がします。  もう一つの、銃刀法上の形式犯的なものについて行政処分をしっかりすると。これはまた、その結果が五年にはね返るという問題ございますが、これは先ほども申し上げたかと思うんですが、根っこの行政処分する場合には、やはり単純に法形式そのものでとると、処分を行うというよりは、やはり前後の事情あるいは他の法令違反とか、そういったものを十分加味いたしておりますので、単純行政処分という形では重大な行政処分歴というふうなものにははね返っていかないと、かように考えておりますが。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 暴力事犯等の凶悪犯、しかも銃刀を用いてのそういう行為者については、今度十年間は許可しないと。さらに刑の終了後五年間というものがありますから、先ほどのお話の、最長であれば十五年という場合もあり得るわけですね。この点はわかりますが、その場合、正当防衛と緊急避難ですね。正当な理由の場合というやつがありますね。その正当防衛と緊急避難、これらの場合の取り扱いというのはどういうことになりますか。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) 五条の二の二項の二号の適用の問題ですが、これは、「違法な行為をした日から起算して十年」とありまして、「違法な行為」ということになっておりますので、正当防衛、緊急避難は該当いたしません。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 正当防衛は該当しない、緊急避難も。——一遍いろいろ部屋に来てもらって話を聞いたときには、警察の方も、正当防衛、緊急避難と認める場合、それは正当な理由に該当すると。しかし、争っている場合、これは裁判の結果が出ないと決まりませんから、その場合はこの十年の規定が適用されると、こういう説明でしたけれども、いかがですか。——これ、部長が来たときよ。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) これは事実関係がはっきりしない間は、そういう正当防衛であるかどうか、これが決定しないうちは、これは十条の適用は受けると思います。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 もう一度聞きます。そういう行為が、傷害事件なら傷害事件が銃刀を持って起こった、その場合、警察の方もこれは正当防衛として判断をすると。そのとき送検までするかどうかはちょっと私はようわかりませんけれども、素人ですから。そういう場合があり得るわけでしょう。本人は正当防衛だと言っているけれども、警察としては正当防衛権の発動とは認めない場合もあるわけです。警察自身も正当防衛権の発動と見ている、そういう場合は、送検をしあるいは不起訴になる、あるいは起訴猶予になるかもわかりませんわね。という場合、それが、そういう行為があってから三年なら三年目に申請をしたという場合、この十年の適用になるんですか、ならぬのですかというんです。

佐野国臣警察庁刑事局保安部保安課長

○説明員(佐野国臣君) 一応、いまの欠格条項に当たるか当たらないかの認定権は、公安委員会の、何といいましょうか、認定ということに係っておりますので、一般的には送致の段階あたりが一つのめどで判断されるべきものかと思っております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 ですから、ここにある「違法な行為」という場合、銃刀を使った場合であろうと、そしてそれで傷害事件になった場合でも、送致をする形態あるいは起訴、不起訴の状態、そういったものは「違法な行為」から外れる場合もあると。これは各それぞれの公安委員会の判断によると、こういうことになるんですか。

佐野国臣警察庁刑事局保安部保安課長

○説明員(佐野国臣君) そのように解しております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 その次の問題は、五条一項六号の問題ですがね、ここの「相当な理由がある者」、この基準についてはどういうことでしょうか。

佐野国臣警察庁刑事局保安部保安課長

○説明員(佐野国臣君) 五条一項六号の基準といたしましては、行為をやったその行為の凶悪性の問題がまず第一番目に考えられるかと思います。それから、被害の程度であるとかあるいは対象の問題であるとか、それから本人自身の平素の情状の問題であるとか、特に情状と申しますと激情的な性格だとか、酒癖の問題であるとか、そういったふうな問題を勘案いたします。で、勘案いたしますと申し上げますのは、結局六号の要件自身が「相当な理由」ということになりまして、個別に、ケース・バイ・ケースで判断しなきゃならぬそもそもの性格の要件になっておりますものですから、一律にはいささか御説明申し上げかねようかと思います。つまり、従来六号の運用といたしましては、凶悪な者については刑を受けてから五年間ぐらい、もちろん情状がこれは何ら問題がない場合には、五年間ぐらいで許可をしてもいいんじゃないかというふうな一つの基準がございましたし、凶悪の中でもまたレベルを分けましてその年限を三年とするというふうな物の考え方もございまして、そういった基準をとるようにいたしております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 警察庁から資料をもらいますと、先ほどもちょっと出ていましたが、「猟銃等の所持許可者中、暴力的不法行為の前歴のある者」のうちで、五年未満で銃砲によるその他の事件で二件、暴力行為事件ですね。刀剣類、刃物で二十八件、強盗で一件ありますね。そうすると、五年未満の人でそういう許可を与えていると、こうなっている。たとえば強盗で、まあ刀剣類、刃物で、直接銃砲ではありませんが、そういう者にもいままででは許可をされておるということになりますと、五条の一項六号というのは、いままでは、運用上は、「相当の理由」というのは非常に何といいますか、緩やかになっていたということになるんじゃないですか。その点はいかがですか。

佐野国臣警察庁刑事局保安部保安課長

○説明員(佐野国臣君) 銃砲使用の殺人、強盗とか、あるいは刀剣類、刃物の殺人、そういったもので五年未満にもかかわらず許可を出したという例はございません。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 いやいや、ないけれども、銃砲で、その他というのは何が入っておるかわかりませんが、その他が二人おるでしょう。刀剣類、刃物の強盗が一件あるでしょう。あるいは、その他は二十八件もありますね、五年未満のが。

佐野国臣警察庁刑事局保安部保安課長

○説明員(佐野国臣君) まあその辺にあります棒切れだとか、場合によってはレンガというか、あるいはその他の凶器的なものというふうにお考えいただきたいと思います。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 いやいや違うでしょう。使用の凶器は銃砲なんですよ。あるいは刀剣類、刃物なんですよ。犯罪の種類が殺人、強盗以外になっているんでしょう、その他というのは。脅迫あるいはその他の事犯かどうかと思いますがね。そういう脅迫行為、脅迫なんかやる、その他の中身がわかりませんからどうとも言えないんですよ、ぼくは。だけど、仮に脅迫犯だったりすれば、暴力団との関係はあったのかなかったのかという問題なんかも出てくるでしょうけれども。いずれにしても、刃物の方のその他で二十八件あるし、強盗も一件、銃砲ではその他が二件、これは許可しているわけですね、この五年未満の人に対しても。なぜそれは五条一項六号でチェックできなかったんでしょうかと、こういう問題です。

佐野国臣警察庁刑事局保安部保安課長

○説明員(佐野国臣君) 従来の考え方といたしましては、罪を犯し処罰されたことをもって基準としておったというふうなこともございまして、少年時代の犯歴については、これを六号で見るについてはいささか問題があるという都道府県の判断もあったろうかと、かように考えております。その他、異常性格者的な問題、そういった問題もあったかと思いますので、その点を御説明申し上げております次第でございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 いまのちょっと説明おかしいよ。少年法のやつはわかる。少年法との関係で、先ほど来の梅川じゃないけれども、排除することができるかと。性格異常者であった者に許可したらえらいことだ、そんなことになれば。そんな問題じゃない。性格異常者でしかも犯罪を犯した者、それに銃の許可を与えるというようなことはおかしいでしょう。まあその問題はいいです。  問題は、こういう点が私は、いままで一応法律的に五条の一項の六号を運用するならば、相当程度もっと許可しないで済んだんではないかという一つは気がするからお聞きをしているわけです。その後許可を取り消した事例もありますし、その幾つかの事例もお聞きをいたしました。許可をしてもらっても、飲酒中に銚子の破片で頸動脈を切断をし死亡させたというふうなのは許可は取り消すとか、脅迫行為を起こした者について許可を取り消すとかいうようなやつが出ています。こういった程度で許可を取り消すなら、許可をする前に、しかもそういう犯歴がある者についてなぜ許可をしてしまったのかという疑問を持つんです。まあしかし、これは今後そういう点はひとつやってもらいたいと思います。  次に、梅川の事件が起こりましてから、岐阜の県警ですが、去年の八月一日からですか、独自の猟銃対策強化要綱をまとめて、そして猟銃許可に厳重な基準を設けたということがあって、それに対して警察庁保安部は、当時の新聞報道によりますと、まだ内容は見てないけれども形式的になりがちだった繁雑な許可事務を法の精神に立ち返って実質的に行おうという内部的な引き締めだと思うというように、まだ内容は見てない段階の談話が出ていますが、その後これごらんになっていると思いますが、この岐阜県警が、訓令ですか、によってやっている審査基準といいますか、それから手続ですね、これについてはどういう評価をなさっているわけですか。

佐野国臣警察庁刑事局保安部保安課長

○説明員(佐野国臣君) まあ六号の解釈として、危険性の徴憑を当時まだ全国的にはあの程度に、何といいましょうか、整理されておらなかった段階では、比較的進んでおった整理の仕方をしておったかなという感じは持っておりました。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 これずっと細かくごらんになりましたか。私はちょっと見て——いい面もありますよ。整理をされてますね、確かに。同時に行き過ぎがあるんじゃないかという気もするんですが、いかがですかその点は。

佐野国臣警察庁刑事局保安部保安課長

○説明員(佐野国臣君) あるいは添付資料などの、何と申しましょうか、出させ方の問題とか、その辺につきましては、場合によっては、法令上の根拠が明確でないとすれば、相手方の同意なり任意なりとか、そういった範疇で御説明申し上げなきゃならぬかなという問題はあろうかと思います。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 いわゆる虞犯性のある者についての調査ですね。この点でいろいろ問題が私はあるんじゃないかと思うんです。虞犯性のある者の調査について、調査事項としては、一つは金銭的要因からの犯罪の虞犯性、それから二番目は精神的性格的要因からの虞犯性、三つ目が環境的要因からの虞犯性と、こうなっています。  その金銭的要因からの虞犯性の具体的な調査項目になりますと、財産犯のとき、これはまあわかりますが、本人の収入、資産の多寡、それから債務の状況、生活程度、事業経営の内容、こういったものを全部調査をすると、こうなっていますね。それから環境的要因からの虞犯性の具体的調査としては、夫婦仲、家族仲、本人の健康状態、近所づき合い、親類づき合い、職場での勤務態度等から総合的に判断しなさいと、こうなっています。そして具体的な調査の方法は、県警あるいは所轄の関係課あるいは駐在所、それらに調査事項に基づいて回答さして、そしていま言った総合判断をするというやり方。だから形式的には非常に整っています、そういう意味では。しかし、形式は整っているようには見えるけれども、中身を見ますと、たとえば金銭に対する執着、強い、普通、弱い。まさに主観ですわね、これは。駐在所の巡査が本人に会うにしても、所轄署のだれかが本人を呼んでいろいろ話を聞くにしても。そうでしょう。それから金遣い、借金があるとかないとか、収入の多寡とか資産の状況とか、こうなっています。夫婦仲も円満、普通、悪い。悪ければ悪い理由。こうありますね。それから家族仲。それから近隣者との関係、親類との関係、こうなっています。  こうなりますと、その人が銃を持つことの適否を、その人の人格全体に、プライバシーに至るまで調査をするわけですよ。これは確かに性格の問題というのは非常に重要な犯罪発生の要因の一つではある。だからといって、あいつは犯罪を起こすおそれがあるぞというそういう判断をそういう形で決めてかかったらね、だれもかれも犯罪容疑者になります。危なくてしようがないと、こうなりますね。だから酒の上の事故というのも多いし、確かに酒を飲んだら人が変わるという人もあります。だから、酒癖なんかもやっぱり重要な要因でしょうけれども、しかし、それらを第一線の警察官によって調べさすということになると、またいろいろ問題が現実に起こるわけでしょう。あるいは職場の上司の意見も聞け、同僚の意見も聞きなさい、それらが本人が銃を持つことに賛成なのか、反対なのか、家族はどうなのか、親戚はどうなのか、近所の人はいいと言うのか。こうなってきますとね、そういうふうに警察の人が聞き込みに行ってみなさい、大変な犯罪でも犯したかのようになってきますよ。私は先ほど言ったように、とにかく凶悪犯なりそういう危険な犯罪を、銃刀を持って危険な犯罪を犯すおそれのある者については、確かに世論は、警察はなまぬるかったんじゃないかという批判がある。だからそれにこたえなきゃならぬということはわかりますよ。また、われわれもそのことは必要だと思う。しかし、ここまできたら行き過ぎですよ。あるいは、こんなことを評価されて、そうして全国やられたら、それこそ昔の戦前のお巡りさんと同じになりますよ。大変なことになってくる。私はそのことについて非常に心配をするんですよ。これについてさっきに意見を聞いた、プライバシーにわたるようなことを改善すべき点はないのかと。その点について、去年の八月一日から実施されているんですから内容はもう御存じのはずなんです。それでもそういう御答弁しかないとなると私は大変心配するんですが、いかがですか。

佐野国臣警察庁刑事局保安部保安課長

○説明員(佐野国臣君) 最初にお答え申しましたように、当時全国的には六号の許可基準の着眼点なり判断の基準的なものが余りまだ細部にわたっての整備がなかった、その時点において、あるいはまた、警察庁、われわれの方からもこういった法案の構想なり、あるいはわれわれ自身が持っております内規の見直しとかそういう問題がまだ出る直前の問題でございまして、その時点においては確かに一歩進んで、比較的早目にいい着眼があったかとは思っております。ただ、個々の要素の判断のウエートのかけ方とか、いま御指摘があったような範囲の問題について、まあいま欠格条項の問題なり新設条項のいろいろな議論が煮詰まってきた段階で、もちろんそういった評価なり項目の整備なりというものは見直してみる必要は十分あろうかと考えております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 そこで長官、いまお聞きになったような状態が岐阜県警でやられておるわけですけれども、そこで先ほどの議論聞いていますと、保安部長も法改正後にはその基準について見直しをし、一定の全国的な基準をつくるという御答弁でしたから、少なくとも私は、先ほど言いました角をためて牛を殺すようなことがあってはならないんです。そういういま具体例を挙げましたようなプライバシーの侵害なり、あるいは戦前の警察国家に逆戻りするような、そういう警察行為を基準の中に加えるようなことがあってはならない。国民の期待をしておるのはやっぱりそういう銃刀による危険を何とか避けてもらいたい。確かにそれにこたえるのはむずかしいことだけれども、だからといってそういう人権侵害、プライバシーの侵害に及ぶような、そういうことがあってはならないというように思うのですが、その点について明確なひとつ答弁を願っておきたいと思います。

山本鎮彦警察庁長官

○政府委員(山本鎮彦君) ただいまのお話にありました、指摘された事項等については、私全く先生と同意見でありまして、この運用において人権侵害なりあるいはプライバシーの侵害、こういうことは絶対にあってはならないと考えております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 それで、猟銃の事故の問題ですが、たまたまこれ三月十六日付の「朝日」ですからおとといですか、おとといの新聞によりますと、神奈川県の横須賀署で警官の猟銃事故を隠しておったという報道があります。これは、狩猟事故防止を指導する立場の神奈川県警鎌倉署の防犯課員が猟銃の暴発事故を起こして、そばにいたハンターに大けがをさした。ところがそれに対して横須賀署は、事故をひた隠しにして、この狩猟シーズン事故ゼロ——狩猟シーズンというのは昨年の十一月十五日から二月の十五日までですが、その間事故ゼロという県警本部に虚偽の報告をしていたことが十五日明らかになったと。報道はそう書いているんです。これは事実ではないようですが、警察の方から聞きますと。しかし、こういう報道がありますから、この経過について報告をしてもらいたいと思います。

山田英雄警察庁長官官房長

○政府委員(山田英雄君) 銃砲取り締まりの責任のある警察の組織から暴発事故が出たことは大変残念なことだと思っておりますが、事実の概要を申し上げますと、一月の六日に神奈川県警察の鎌倉署防犯課勤務の巡査部長小林新治四十六歳でございますが、会社員の友人の五本木章氏四十四歳の方と他に一名、三名で横須賀市内の雑木林の中でヤマバトの狩猟をしていたわけでございます。その際、小林部長の猟犬が林の中に飛び込んでいきましたことから、小林巡査部長は犬の行動を見るために、実包を装てんした銃を地面のところに置きまして、腰を低くして林の中に飛び込んだ猟犬の行動を見ていたようでございます。そうすると、いきなり猟犬が帰ってきて、小林部長と会社員の五本木さんがいました、そこにじゃれつき回って、その際傍らに置いてあった銃の引き金に犬が触れまして暴発したようでございます。その結果、五本木氏の右足くるぶしに散弾が命中して全治三カ月の重傷を負われたようでございます。  これにつきまして鎌倉署で隠し立てしたというようなことはございませんで、即日神奈川県本部に報告しております。県本部としては、警察官の暴発事故でございますので、厳重に捜査し、部内においても徹底した行政処分を行うよう方針を決めて署に指示したわけでございます。その結果、三月四日に業務上過失傷害事件として横浜地検に送致しまして、六日の日に二十万円の略式命令を受けております。それから翌七日、本部長訓戒処分に小林部長を付しておるわけでございます。  この擬律判断でございますが、犬が介在した過失暴発でございますので、銃刀法違反適用の問題も十分に検討したようでございますが、該当が一応考えられますのは法十条四項の弾丸の装てん禁止の規定違反でございますけれども、これはただいまも概要で申し上げましたように三名とも獲物に向けて発砲して狩猟継続中の事案でございます。それから猟犬の行動を見ながら獲物の追い出し等の確認に当たっていた最中であるということで、銃刀法違反の適用は困難であると。しかし、重大な結果が生じている事案でございますので、刑の重い業務上過失傷害ということで擬律判断して送致したようでございます。  概要は以上でございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 神奈川県の方に対する報告というのはどういうことになっているわけですか。

山田英雄警察庁長官官房長

○政府委員(山田英雄君) これは狩猟法違反ではございませんでしたので、行政機関相互において連絡は特にいたしておりませんが、本人が二月十日に横須賀の猟友会支部を通じまして県のブロック機関でございます横須賀三浦地区行政センター環境部に狩猟登録証の返納をいたしております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 いまもお話しがありましたように、鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律違反ではないにしろ、狩猟シーズンの統計上の事故集計ですか、それについては、関係官庁として神奈川県の自然保護課に大体例年報告されているわけですね。神奈川県の県庁の方は新聞報道に驚いて、違反ではないにしても報告されるべき事項ではないかということで、神奈川県の方から鎌倉署ですか、横須賀署ですか、現場は横須賀署の関係なんですが、そちらに行って、副署長に会って初めて事件の内容を知ったということなんです。  これはひとつ、いま警察から聞いた事件、事実とは若干違うようですが、しかし、こういうことになりますと、警察の方も含めていろいろな問題が、疑惑が、あるいは国民の信頼を得る上で、大変なことではないかというように思います。しかも、狩猟中に暴発したというんですが、銃を立てかけているんでしょう。で、いま犬が、呼んだらぱっと飛びついてきて、じゃれついてきて、それで銃が倒れ際に暴発した、だから一種の、昼休みの休憩になってやったのかどうか、午前九時ごろですか、事件そのものは。一月六日ですから、だから午前九時過ぎですから。そういう銃を使用しない、立てかけるようなときには、安全装置だけでなしに実包を抜くというのが、これは安全上の教習では基本的な教育内容になっているんじゃないですかね。だからそういう点なんかは、これを含めて十分、私は今後の類似事故の発生を防止をする意味からも、具体的なやっぱり指導というのはやる必要があるんじゃないかという気もするんです。この辺は一つその点だけを申し上げておきたいと思います。  それから、その次の問題に移ります。次は備えつけ制度の問題です。  これも先ほどから同僚議員のお話がありました。だから時間の関係でもう簡単にいたしますが、仮免許の制度を実施をしてわずか一年そこそこで、しかも、仮免許の銃の所持者には事件は一件も起こっていない。事件を起こしているのはいわゆる本免許を持っている、本許可を持っている者の中で事件が起こっている。それがなぜ仮許可の者に、おまえら本許可をもらうまでは銃を持ったらいかぬと、こういうことになるんですか。仮許可のときに銃を持っておる人はまだ事故は起こしていないじゃないか。それが何で持ったらいかぬということになるんですか。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) これは備えつけ銃を、なぜそういう制度をとったかという問題ですけれども、たびたび申し上げておりますように、現在、銃は一ツの危険物である、また悪用されてはならない、また事故があってはならない、したがって、銃を所持するからには、不要な銃というものはなるべく制限をすべきであると、こういう基本的な考え方があるわけです。そうしますと、まず銃の取扱い上の事故の防止、それからさらには盗難に遭う機会を減らす問題、防犯上の問題、そういうふうなことから仮許可というものをながめた場合に、これはいわば訓練中の者でありまして、または初心者である。確かにいまのところ事故は起きておりません。しかしながらこれは将来にわたる問題であります。そこで、仮許可で訓練中は自分の銃ではなくて備えつけの銃でその訓練をしたらどうであろう。それと、もう一つの理由は、そういう危険防止あるいは事故防止という面と、それから検定なりあるいは教習指導というレベルを合わせる問題、そういう問題も絡みまして、備えつけ銃の制度ということでお願いしてあるわけです。  それでもう一つは、たとえば現在許可を得て銃を持っておりますけれども、また眠り銃の問題もあります。これは用途目的に供さないでそのまま使いもしないで置いてあると、そういう銃も、これもなるべくなら制限してできるだけ持たさないようにしていきたい。まあその入り口の段階、それからさらには許可を受けてからの段階で、両方で不要な銃の数を制限しようと、そういうことでございます。  その場合にどういう不便があるか。これは銃の所有者あるいは管理する側、いろいろ考えたわけでございますが、まあ銃をこれから持とうとする人にとっては最初から持ちたいという希望もあると思いますが、これは自動車教習でも教習所に備えつけてある車で練習をして、それから車を選んで買うわけですから、これはある程度しんぼうしていただけるであろうという問題。それから備えつける場合の財政的な負担、設備の問題も、これもさほどの負担にならずに、まあ何とか御納得いただけるだろうと。先ほどまた別な、業者の販売の問題が出てまいりましたけれども、これも一つは販売上どれだけの影響があるかという評価の問題にもつながるわけでして、その点は御納得いただけなくて大変残念でございましたけれども、そういう理由で、備えつけ銃ということをお願いをしてあるわけでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 いまお話を聞きましたが、ちょっとやっぱり説得力欠けますね。  確かに銃は危険なものです。しかし、殺人を犯す意図を持って合法的に銃を入手して、そして殺人あるいは殺人行為を行ったという例は余りないでしょう。逆に殺人の目的を持って刃物屋へ行って出刃包丁買って、そして殺人行為をやったという事件はよく新聞報道で見ますよ。だから、最初に銃の許可を取って自分の銃を手にして、あるいは狩猟あるいはスポーツこういうのをやろうということでまず手にするわけですからね。だから、銃が危険だといえば出刃包丁も危険ですよ。出刃包丁による殺人事件というか強盗事件あるいは脅迫事件だの恐喝事件だのたくさんあります、それは。そういうのが多いから出刃包丁をなくしてしまえというわけにはいかぬでしょう。だから、危険だからもう持たさぬでおこうという発想は私はよくないと思うんですよ。私もできるだけ、不必要に持つことはないと思います。だから、ぼくらも別に必要でないものを持とうとは思いませんがね。狩猟でもやろうかという気になったらまたそれは別の問題だけれども、いま少なくとも持つ気はない。だから、そういう意味ではわかりますよ。しかし、自分は狩猟をやりたい、あるいはスポーツとしてやりたいという場合、そうすればできるだけ早く自分の銃を手にして手入れもし、そしていろんなそのくせも知るというのは、これはあたりまえの要求になってきますね。だから、しかしおまえはまだ未熟やから、危ないから持たせぬぞと、子供みたいなものやと言われたってね、そうはいかぬ。二十歳以上の者にしか持たさぬのやから。そうでしょう。十八歳ですか、二十歳ですか。それ以上の者にしか持たさないんだから。だからちゃんと思慮分別もある者にしか持たさぬ。しかも、その仮許可を与える場合にも、先ほどの厳しい審査を経て仮許可を出すんです。だから、逆に言うと、警察の方は仮許可を与えても、おまえはまだ信用しとらぬよと。本許可になってからやないと信用せぬよと、こういうことになるわけだ。正式許可を持たない者に持たしたら危ないという発想はね。そんなら許可をした者は安全なのかというと、許可をした者が犯罪を犯しているわけだ。だから、その発想は私は全然違うと思うんですよ。  そして、もう一つは検定の問題おっしゃっていますけれども、教習の目的というのは一体どういうところにあるんですか、教習の最重点になっているのは。基本は。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) 銃を扱うことによる事故の防止でございます。それを最重点として教習しております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 だからそういう点でいけば、射撃命中率がええとか悪いとかいうよりも、銃の操作を安全にやると。規則をちゃんと守ると。先ほどのようなミスをしないようにそれこそ習熟し、反復訓練をやると、こういうことが必要なんでしょう。われわれも軍隊で経験していますけれども、とにかく同じことを反復訓練することによって基本的なミスをなくすためにあれをやるわけですわね。だから、そのことのためならば許可取ってから、もうその日から自分の銃を持てるわけですから、それまでに持って、それについてなれて、そういうミスを少しでも防ぐというのが教習の目的からいってもあたりまえじゃないですか。命中率を争うのが教習の基礎であったらね、同一銃じゃないといかぬという問題も起こるでしょう。安全度を第一義的問題としてやるとすれば、これは先ほどのように備えつけの銃でなければならぬという論理は成り立たないんじゃないですか。どうです。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) 銃を持とうとする人が、最初から御自分の銃と、その気持ちはよくわかりますし、それは皆さんそういうお気持ちだろうと思いますが、たとえば教習射撃場へ行って練習をする。しかし、考査をやり途中で投げ出す。あるいは合格をしない。それから検定をやっても必ずしも一〇〇%受かるわけではございません。ですから、途中でやめる、あるいは受からないままに仮許可がなくなるという例もございますから、その場合、銃を買ってしまいますと、その辺の処分もまたせざるを得ないということになりますから、これはそういう意味でも私はテストなりあるいはそういう教習について備えつけ銃でやっても、これは銃の愛好家にとっては、まあそういう制度としてはそれほど不都合といいますか、不便ではないのではないかと思います。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 だからおかしいんですよ。ところが愛好家の人が反対しているじゃないですか。愛好家の人が苦痛でなかったら、何もわれわれのところに反対だといっていろいろ言ってこないですよ、問題は。  それからもう一つ、いまもおっしゃったわけだけれども、途中で投げ出すと、それはあるでしょう。しかし仮許可は四カ月でしょう、有効期間は。四カ月の間に合格しなかったら仮許可を取り消されるわけです。そうしたらその銃は当然処分しなければいかぬ。だれかに譲渡しなければいかぬ。それは持てないんだから。だから、仮許可を出して四カ月というのははっきりわかるわけでしょう。その銃はどうするかと、はっきりさせればいいんだ。途中で投げ出そうが投げ出すまいが。それで、投げ出して事故があったというのならまだわかるけれども、現実には事故は発生していない。だから、どうしてもそういうふうに投げ出す人もおるから備えつけじゃないといかぬという理屈にもならぬでしょう。  さらに私は、この備えつけ制度、それから同時に保管場所をそこに設置せないかぬ。あるいは管理者を置かないかぬと。まあ管理者は常駐しているところはきわめて少ないわけですね。そうすると今度は、この備えつけ銃の設置義務者は射撃場の設置者でしょう。そうすると、射撃場の設置者というのは、国いわゆる自衛隊の射撃場とかそういうところ、それから地方自治体、それから銃砲店  業者ですね。こうなっているわけだ。だから、国や地方自治体やなんかがやっているところなり何はこれはちゃんと金出して備えつけ銃をつくってくれるのか。あるいはその管理者というのは、そのときどきに使う協会なりが使ったときだけの管理者でいいのか。その場合のときだけの保管庫をだれがつくるのか。どういうことになりますか。国や自治体もちゃんとそのために備えつけ銃を置く。この金がないというときに、金出して銃を買ってその場所をつくるんですか。そのことを保証できるんですか。

佐野国臣警察庁刑事局保安部保安課長

○説明員(佐野国臣君) もし、指定射撃場のままでしかも教習射撃場という、その教習の問題について、ぜひともそういった事業を継続いたしたいということでございますれば、銃の備えつけというものは法律上の要件になります。ただ、この場合の経費の問題につきましては、本来使用者なり利用者負担という形で、手数料なりあるいは貸付料という形でまた還元されるべき性格のものでございまして、最終的には各人の負担というところになろうかと思います。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 いや、だからね、そういう考えだから、特にこの射撃をスポーツとして愛好し、そしてその普及を図ろうとしている人たちにとっては重大問題になってくるわけです。簡単に受益者、使用者側が負担したらよろしいといえば、それだけ影響してきますわね、普及率に。だから、そういうあなた方の都合で一方的にそれは使用者が負担したらよろしい、それで済みますのやというように簡単に考えるところに私は問題があるというように思うんです。  それで、その教習射撃場に最低何丁の銃、何種類の銃を置かないかぬということになりますか。

佐野国臣警察庁刑事局保安部保安課長

○説明員(佐野国臣君) 教習生の数が、先ほども申し上げたかと思いますが、昨年の例で、全国で約一万でございます。それに対しまして教習射撃場の数が約二百でございます。そして、単純に割りがえしていきますと、一教習所当たり年五十名程度、月に直しますと五名程度の人間ということになります。そして、もし、いまのような財政上の問題その他がございますれば、私どもの方の制度としてもう一つございますのは、教習という制度ともう一つはダイレクトに検定に入ってしまうという道もあけてございます。経費的な問題で言えばむしろ検定の方が安いかなと、負担だけの問題で申し上げれば、利用者にとっては多少経費は安く上がるかというような問題も考えております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 ぼくは素人だからよく知らぬのですが、何しろ水平二連銃とか上下二連銃とか、それも十二番、二十番とか、自動銃、これも遊底後退式とかガス銃とか、それから単発銃、ライフルや含めて。まあいろんな型があるし、それはその人の趣味嗜好にも応じてやるわけでしょう。そうすると、その教習射撃場にどの銃を欲する人が来るかわからぬ。その銃は、いろんな種類のやつを最低一丁ずつ置いておかなならぬと、こういうことになるわけですか。

佐野国臣警察庁刑事局保安部保安課長

○説明員(佐野国臣君) 一応いま申しました月五名程度の人がどういうタイプの教習なり受けにくるか、その辺の見通しの問題にも絡むと思いますが、まあ教習に使う場合には、教習そのもののレベルと申しますか、そういったものはごく基本的なスタンダードなものと申しますか、初歩的なものと申しますか、そういうものでございますので、そう複雑な銃器そのものの取り扱いということでなしに備えつけ銃の数というものは考えられるんじゃないかと思います。ですから、少なければ一丁でもやってやれないことはないかと思いますが、平均的に申し上げれば、まあ数丁備えつけておればいま言いました月五人の教習者に対しましてはある程度需要にこたえられるという感じでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 平均で月五人ですけれども、多いところもあれば少ないところもありますからね。だから、年間平均して一つの射撃場に五、六十人。そうなりますと、多いところもあるし、多ければそれがいろんな種類、一丁だけでなく二丁置かなければならぬ部分も出てくるでしょうし、そういう問題が一つあるでしょう。  それからもう一つは、保管ということが、先ほどからも出ているように、人里離れたところにわざわざ保管庫をつくってそして人が住み込まないかぬというのはこれも不合理きわまるわけですから、別の場所をつくらないかぬという問題も実際問題として起こってくるでしょう。  それから、先ほどちょっと出ていましたが、クレーの場合ですと、銃砲店が約千二百軒のうち、そのうち約百軒が教習所を持っている。こうなりますと、その教習所を持っている銃砲店にそこの銃を借りてやるわけですからね、練習するんですから。これはどっちが売り込みやすいかといったら、そこが売り込みやすいに決まっています。だから、業者の中ではこれは死活問題だという声が上がるのも無理はない。これは先ほど同僚議員から話があったとおりです。  それだけのいろいろな問題があるにもかかわらず、どうして無理やり備えつけ銃にせなならぬのかという積極的な理由と、実際上の事件ですね。これは片っ方はないじゃないか。だから、もし実際に、それでも備えつけ銃に移行していこうということであるとすれば、少なくとも過渡的に、たとえば本人の銃を持っていても弾がなかったらだめなんでしょう。殺傷行為はできないんですからね、弾がなければ。だから、実包は射撃の教習に必要な部分に限るとか、そのときにその場で買えるようにするとか、あるいはその近所に買えるようにする、そのときしか使わせない。そしたら、これを家へ持って帰って手入れをしたり、いろいろするのは自分でやれますわね。そういうことも可能だし。だからもし安全性を重点にしておっしゃるならば、そういう方法もとって過渡的に一定の期間というものを置いて、そうして全体としてこの改正の方向がなじむ、そういう事態を持つ必要があるんじゃないか。  これはいまここで言っても直ちに判断をするわけにいかぬと思いますからね、長官、これはきょうどの議員からも共通して提起をされている問題ですから、これに対してどのように法自身の改正の仕方を考えるか、それとも運用上で処理する方法があるかどうか、これはひとつ十分検討してもらって、次回二十五日にはこれらの意見にはっきりした——先ほど来意見を十分取り入れるとおっしゃっているんですから、検討してもらいたいと思うんですが、いかがですか。

山本鎮彦警察庁長官

○政府委員(山本鎮彦君) きょうの御意見、十分検討いたしたいと思います。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 もう一つだけ。時間もありませんから簡単にしますが、もう一つは保管の規制の強化です。これも先ほども話が出ていましたが、あの岩手県の遠野市の事件を見ましても、実際に保管の状態をちゃんとするというのは大事ですわね、前提として。二重施錠にするか自動ロックにするか。いま言ったようにかぎをかけ忘れるということがありますとぐあい悪いから二重ロックにせいと。それで、保管庫が木製では、がんとやってあくといかぬから金属製にせないかぬとか、いろいろ堅牢の問題もあるでしょう。しかし現状が一定の段階で歴史的にありますから、急激な負担を個人にかけるというのはどうかと思いますから、この点は総理府令で決める場合にちゃんとする必要があるというように思います。しかし、仮にそれをしても盗難事故というのはなくならぬわけでしょう。どろぼうの方はとろうと思ったらとれますわね。この点はいかがですか。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) ロッカーを厳重にして保管に努めるということでこれはもうそれなりの効果は十分あると思っております。これは年間六十ないし七十丁の銃が盗まれる、そのうちのかなりの部分、これはやはり保管の状態が悪い、そういうのが出ておりますので、少なくともそのあたりはまず防げると思います。それから、保管庫のいろいろな工夫することによって、なおかつまたそれ以上の効果が出てくると期待しております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 だから盗難というのは、保管庫をちゃんとしておっても、たとえば子供が姉を撃ち殺した事件なんかでも、父親から銃の操作を教えてもらい、そしてかぎのあるところのあけ方を知っているという状況の中で起きているわけですね。これ、ちゃんとかぎしてあっても、たまたま父親は出張中だし、家人やほかの人がその現場におらなかったというところで起こるわけですね。それからこの間お話を聞きますと、千葉県でアパートに住んでいる者がそこへ保管をしている銃を、そこへ友達が来て一緒に飲みながら、そこでかぎあけて出して見せると。その後でそれが暴力団の組員であつて、盗みに入って、かぎはあけ方知ってますからあけて持っていって、そして事件が発生するという話を部長から聞きました。だから、そうなりますとちゃんとしておっても事件が起こるし、あるいはかぎをしているときは起こらぬでも、そういう日常生活のルーズさなり油断から起こる場合もある。そうすると、そういうのを防ぐのに立入検査までがどうして必要なのかと。立入検査をすれば、確かに決められた保管庫を持っていない者については、これはいかぬということでつくります。この効果は確かにあります。それ以上の効果があるだろうか。この辺が一つ疑問なんですが、いかがですか。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) 立ち入りの問題につきましては、これはいろいろと検査をする場合、あるいは報告を求めるというふうな措置で、あるいは図面を出し説明を受け、そこら辺で納得できる場合が大分あると思います。そういう場合、立ち入りそのものを非常に限定しておりますから、あえて立ち入るまでもないと、それで結構だと思うわけです。ただ、報告書も出さない、あるいは出してきたけれどもどうも納得がいかない、あるいはそのほか特殊な事情がある——近所で同じような手口の盗難事件が多発してどうもきわめて不安であるとか、あるいはロッカーにつきましてもどうもその製品がおかしい、実際に現場へ行って一度見せていただきたいという場面が出てくると思います。そういうときに限って立ち入りをし、限定された条件のもとで調査をするということでございますので、この辺は全部が全部調査というわけではありません。しかも立ち入りについては承諾をいただくということが前提でございます。そういった点でさほど問題なくいけるのではないかというふうに思っております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 私は、確かに銃砲を持っている者で、そしていろんな盗難予防、それから危険防止と、そして必要な限りにおいてと、そして事前に通告してと、相手の承諾を得てと、いろいろな規定をし、しかもこれは他の犯罪捜査に使っちゃならぬという点も明記をしているという点で、憲法上のいろんな疑義なりなんなりというのは十分配慮されているわけですね。ただ、先ほど同僚議員からもありましたように、消防法から比べると、法文上明記されていない。あるいはほかの衛生監視員なんかのやつも三日前ですか、とかいうようなやつも法文化されていますね。だから、そういう点からいうとその点は不十分さはあるけれども、確かにそういう点では一定の配慮はされている。だから乱用を禁止をする。そういう点は十分わかります。ただ問題は、しかしそれはどうしても入れなければならないものなのか。盗難防止あるいは危険防止に必要欠くべからざるものなのかどうかとなると、そういう面からいうとそれほど大きな効果があるとは思われぬ。それほど効果のないものをわざわざ、いろいろな配慮をしてあるからそういうおそれはないにしても、乱用のおそれは私はないと思うけれども、しかし少なくともそういう危険は、われわれのいままでの経験からいうとあり得るわけで、だから、そういう点からいうとわざわざつくる必要はない。もうなしにして、そして盗難が近所にあれば、近所に盗難があるから気をつけてくれと言うて直接行って警告しておくとか注意を喚起するとかね、ちゃんとしてもらわぬとほんまに最近こういう事件が多いですからと言うて、管轄の駐在所なり管轄の人が行っていろいろ注意を喚起する。それで行ってみたら不在やし、いつ帰ってくるやらわからぬとなると、これは心配だから十分その点については警戒をするとかね、こういうような日常の防犯活動をちゃんとやれば十分足りることであって、わざわざここで法改正をして新しく新設をするというまでの必要性があるかどうか。ないのではないかというのが私の見解ですが、いかがですか。どうしてもこれ入れてもらわぬともうあきまへんのやということも私はなかろうと思いますが、いかがですか。

塩飽得郎警察庁刑事局保安部長

○政府委員(塩飽得郎君) これは立ち入りの問題は、いまおっしゃったような一般的な防犯で注意をしてもらうところもそれは多分にあると思いますけれども、これはやはり先ほど申し上げましたように、どうしてもその現場へ行ってその場所を確認しなければならないということはこれは当然出てくると思いますので、私どもはぜひこの規定が、限定された形でございますので、しかも相手の承諾というそこまで考えた上ですから、ぜひ入れていただきたいというふうに考えておるわけでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 この点もひとつ検討課題にしてください。これも大体野党側の委員、きょうの委員さん皆問題点としているわけですから。その辺の点はひとつもう一度検討してもらいたいというように思います。  最後に。私は、国民が非常に不安を持っているのはいわゆる暴力団の犯罪行為なんですね。この点では、総理府広報室の「世論調査」という月刊誌に——ちょっと古いですが、調査をした集計、統計が出ています。「暴力団犯罪取締りに対する評価」について、「徹底して取締っている」というのはわずか九%で、「まだまだ手ぬるい」というのが四八%なんですね。これは都市部へ行けば、たとえば東京都区部ですと五六%です。それから「警察への協力」についても、「協力したい」というのが五三%で、「協力したくない」というのが二九%あって、「協力したくない理由」というのは、「あとがこわい(お礼まいりがこわい)」というのが七六%あるんです。しかし、暴力団を追放する住民運動には、これは「すすんで協力したい」、あるいは「ある程度協力したい」を合わせますと、八二%の人がこの暴力団を追放するための住民運動は積極的にひとつ協力したいという意思を表示をしていると、こういう調査が出てきています。それから、「警察への要望」については、あき巣などの侵入窃盗の取り締まりが三一%ですが、その次は暴力団の取り締まりが二九%、それから粗暴犯の取り締まりが二五%、合わせますと五四%。いわゆる暴力行為についての取り締まりをひとつぜひやってもらいたいというのが警察に対する要望になってきています。  そこで警察庁の方も、この暴力団の取り締まりについては、特に組織的な暴力団の壊滅作戦を連年努力をしておられるようですが、しかし現実にはなかなかこの件数はなくならないという状況で——もう時間がありませんから、もうこちらの話だけにしますが、この犯罪供用件数ですね、この資料の。そのうちの八割近くが暴力団員によるところのものだというようにお聞きをしています。それから第五表ですか、猟銃等盗難事件の発生状況で、暴力団にかかわるものというのが五十三年度は二件、三丁。五十四年度は二件、二丁。これはわかったものだと思いますが、そういう状況で、個人が突発的にいろんな酒癖なり性格異常なりなんなりで起こすというのもこわいけれども、問題は、暴力団が集団的にぱんぱんぱんぱんと住宅街でやられちゃもう大変なことになるわけですね。だから、これは非常に国民に大きな不安を与えているわけで、やっぱりこの点についての国民の期待が警察当局に対して強いと思う。だから、こういういろんな銃刀の取り締まりも結構なんだけれども、本来はそっちを早いことつかまえてもう壊滅してくれというのが国民の期待であると思う。この点について、もう時間もありませんから、ひとつ最後に長官の方から決意だけ聞いて、自後は二十五日に回したいと思います。

山本鎮彦警察庁長官

○政府委員(山本鎮彦君) 暴力団に対する警察の態度は、われわれの一番重要な仕事の一つであるということで、絶えず本部長会議、その他担当官会議では厳しく指示をいたしまして、暴力団の存在を絶対に許さないということで、われわれの組織、それからいろいろな力、全力を挙げてこの取り締まりにこれまでも当たってまいりました。これからも一生懸命やりたいと思っております。

後藤正夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(後藤正夫君) 他に御発言もなければ、本案に対する質疑は本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時四分散会      —————・—————

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