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91回国会参議院1980/03/04

地方行政委員会 第2号

発言数
191
登壇者
14
会派数
4
開催日
1980/03/04

会議録

後藤正夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(後藤正夫君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。  地方行政の改革に関する調査を議題といたします。  地方行財政、消防行政、警察行政等の基本施策について、後藤田国務大臣から所信を聴取いたします。後藤田国務大臣。

後藤田正晴自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(後藤田正晴君) 委員の皆様方には、平素から地方自治発展のため、また警察行政に格段の御尽力をいただき厚く御礼を申し上げます。  この機会に所管行政の当面する諸問題について所信の一端を申し上げ、皆様方の深い御理解と格段の御協力を賜りたいと存じます。まず地方行政と消防でございますが、わが国の地方自治は、戦後幾多の試練に耐えながら着実な発展を遂げ、今日国民の間に根をおろしてまいりましたが、最近においては、社会経済の急激な変化、国民の価値観の変化等から大きな転換を迫られている状況にあります。このような状況に的確に対応し、住民の福祉の向上と地域社会の健全な発展を図るためには、長期的な展望の上に立って行財政両面にわたり見直しを行い、地方自治の基盤の一層の充実を図ることが必要でございます。  私は、このような認識のもとに、地方の時代と言われる一九八〇年代の地方自治の確立に対処するとともに、明年度における所要の地方行財政施策を講じてまいる所存であります。  以下、その概要について御説明申し上げます。  まず、昭和五十五年度地方財政対策について申し上げます。  昭和五十五年度の地方財政の収支見通しを行いましたところ、税制改正による増収見込み額を加え、さらに昭和五十四年度補正予算により増額される地方交付税の一部を昭和五十五年度分の地方交付税の総額に加算する措置を講ずることとした場合に、二兆五百五十億円の財源不足が見込まれるに至りました。この財源不足につきましては、地方財政の運営に支障が生ずることのないよう昭和五十三年度に制度化された地方交付税所要額の確保のための方式の活用及び建設地方債の発行により、完全に補てんをすることといたしております。  次に、このほど策定を終え、先日閣議決定を見ました昭和五十五年度の地方財政計画について申し上げます。  昭和五十五年度の地方財政計画の策定に当たりましては、社会経済情勢の推移に適切に対応しつつ、財政の健全化を促進することを目途として、おおむね国と同一の基調によりながら、次のような基本方針で策定いたしました。  その第一は、現下の厳しい地方財政の状況と地方税負担の現況にかんがみ、住民負担の合理化にも配慮しつつ地方税源の充実を図るとともに、地方交付税の増額と建設地方債の発行等により地方財源を確保すること。  第二は、歳出全般について徹底した節減合理化を行いつつ、他方、地域住民の福祉の充実、住民生活に直結した社会資本の計画的整備及び住民生活の安全の確保等に財源を重点的に配分すること。  第三は、定員管理の適正化等により地方行財政運営の合理化を図るとともに、国庫補助負担基準の改善等財政秩序の確立を図るほか、地方財政計画の算定内容について所要の是正措置を講ずることであります。  この結果、地方財政計画の規模は歳入歳出とも四十一兆六千四百二十六億円となり、前年度に比し二兆八千四百十二億円、七・三%の増加となっております。  また、地方公営企業につきましては、その経営の健全化を図るため、引き続き交通及び病院事業の再建を推進するとともに、生活関連事業を中心に企業債資金の所要額の確保とその質の改善を図ることとしております。  地方税につきましては、昭和五十三年度後半以降のわが国経済の予想以上の回復により、かなりの税収増加が見込まれること等のため、明年度における地方財政の財源不足額は前年度に比較して減少しておりますが、このような税収の伸びを今後も引き続き期待することは困難であり、さらに昭和五十年度以降累積してきた巨額の借入金の返済等を考慮すれば、自然増収のみで財政収支の均衡を回復することはきわめて困難であると考えられます。このような事態に対処するためには、歳出の一層の節減合理化に努め、効率的、重点的な財政運営に徹するとともに、税負担の公平確保に努める必要がありますが、その努力とあわせ、生活関連施設の整備、住民福祉の向上等一定の行政サービスの水準を確保していくためには、今後とも積極的に地方税源の充実強化を図っていく必要があるものと考えます。  明年度の税制改正におきましては、このような基本的方針を踏まえつつ、現下の厳しい財政事情及び地方税負担の現状にかんがみ、既存税制における税源の充実と税負担の適正合理化を図ることを基本として、個人住民税の各種所得控除を引き上げるとともに、その減収に対処するため市町村民税所得割の税率適用区分に所要の調整を加えるほか、事業所税及び個人住民税均等割の税率を引き上げ、非課税等の特別措置の整理合理化を行い、自動車取得税の暫定税率の適用期限を延長し、ガス税の免税点を引き上げる等の措置を講ずることといたしております。  また、基地交付金及び調整交付金につきましてもそれぞれ増額を行うこととしております。  次に、総合的な地域振興策でございますが、地域社会の健全な発展を図るためには、それぞれの地域の特性を生かしながら快適な居住環境の総合的な整備を図る必要があり、そのためには、地方自治体が主体となって新しい社会の形成に取り組むとともに、国においてもこれに積極的に協力する必要があるものと考えます。このため、自治省としては、過去十年間にわたり実績を積み上げてきた広域市町村圏施策の一層の充実を図ることとし、昭和五十四年度から新広域市町村圏計画の策定を進めております。この新計画においては、産業、教育、医療、文化等さまざまな地域課題に的確に対応するとともに、新たに都道府県事業を加えておのおのの地域において調和のとれた総合的な地域づくりを目指すこととしております。  また、新計画に基づく事業が円滑に実施されるためには、地方公共団体みずからの努力のほかに国による財政的な援助が必要でありますので、所要の財政措置の充実について検討を進めてまいりたいと考えております。  なお、コミュニティーにおける生活環境の整備、コミュニティー活動の促進など、コミュニティー施策の推進を図ってまいりたいと考えております。  さらに、総合的な地域社会の整備に不可欠な地域経済の振興についてもあわせてその対策を推進してまいりたいと存じます。  次に、時代の要請に即応する行政態勢の整備でございますが、近年、行政に対する住民の要望は、一段と複雑多様化の度を深めており、また、地域の特性を生かした主体性のある地域づくりを目指す気運が著しく高まり、国民生活に果たす地方行政の役割りはますます重要になってきております。このような状況のもとにおいて新しい社会経済情勢に即応して住民福祉の向上と地方自治の基盤の充実を図るためには、国と地方公共団体との適切な機能分担を図り、国、地方を通ずる行政の簡素効率化を進めるとともに、地方公共団体が地域の振興整備について総合的に対応できるよう自主的で責任のある地方行政を確立する必要があると考えます。このような見地に立って国と地方公共団体との事務配分等について引き続きその改善に取り組んでまいりたいと存じます。  なお、昨年九月に出された第十七次地方制度調査会の答申においても、今後の地方行財政制度の改革の基本方向として、国、地方を通ずる行財政の簡素効率化と地方分権の推進が挙げられております。これはきわめて時宜を得たものであり、私としてもこの答申の趣旨の早期実現について、最大限の努力をしてまいりたいと存じます。とりわけ、国と地方公共団体との関係に係る事務の再配分、国の地方出先機関の整理縮小、国庫補助金等の整理合理化等について速やかな実現が図られるよう努めるとともに、地方公共団体において事務事業の見直し、機構及び定員管理の適正化等を強力かつ計画的に推進するよう指導に努めてまいりたいと存じます。  次に、公務員行政でございますが、地方公務員行政につきましては、かねてより公務員秩序の確立と公務の公正かつ効率的な遂行に努めてまいったところでありますが、今後とも、この方針に基づき、服務規律及び綱紀の厳正な保持と公務能率の向上を図るとともに、地方公務員の給与水準、制度、運用の適正化、職員増加の抑制など、給与及び定員管理の改善を一層推進し、もって住民の期待と信頼にこたえるよう、さらに積極的に取り組む所存であります。  なお、国家公務員の定年制度と並行して、地方公務員についても定年制度を設け、時代の要請にこたえてまいりたいと考えております。  次に、消防行政でございますが、わが国の消防は、戦後自治体消防として発足して以来三十年余を経過し、この間、着実な発展を遂げてまいりました。私は、この発展の成果を踏まえ、今後とも人命の尊重を最優先として生活環境の変容に対応した消防の科学化、近代化を一層推進するとともに、国、地方公共団体、企業、住民を通じての地域ぐるみの消防防災体制の確立を図ってまいりたいと考えております。  まず、消防施設の一層の科学化、近代化を推進するとともに、近代装備を完全に駆使し得る消防職員の確保に努めてまいりたいと存じます。  次に、小規模消防、特に消防組合の体制強化を図るとともに、消防団の役割りを改めて認識し、消防力の充実と団運営の改善、団員の処遇改善を進め、消防団の機能の充実に努めてまいりたいと存じます。  また、特に大震災時における住民の自主防災活動の重要性にかんがみ、コミュニティー活動の最も重要な柱として、コミュニティー防災センターの整備等幅広い住民の参加による地域ぐるみの自主防災組織の育成助長を図ってまいる所存でございます。  次に、警察行政について申し上げます。  言うまでもなく、治安の確立は、わが国の民主政治、国民生活の存立と発展の基盤をなすものであります。私は流動する社会情勢に的確に対応する警察運営の推進を図り、引き続き治安の確保に努めてまいる所存であります。  最近の犯罪情勢を見ますと、刑法犯の認知件数は、昨年六年ぶりに若干の減少を示しましたが、金融機関対象の強盗事件や保険金目的の殺人、放火事件等国民に不安感を与える犯罪が多発いたしました。また、犯人の国外逃亡事案や国外での犯行の多発等犯罪の国際化傾向も著しいものがあります。このような犯罪に対し、捜査活動を強力に推進するとともに、国際犯罪に対しては、外交ルートによるほか、国際刑事警察機構を通じて、外国警察との捜査協力を一層推進してまいる所存であります。  また、殺人、傷害等の暴力的犯罪による被害者またはその遺族に対して、国が一定の給付を行う制度を昭和五十六年一月から実施いたしたいと考えております。この制度の実施に必要な経費について昭和五十五年度予算案に計上し、法案も今国会で御審議を仰ぐことといたしております。  さらに、最近、民事事案への介入等一段と潜在化、知能化の傾向を強めている暴力団に対しては、組織の壊滅を目指し総合的な取り締まりを引き続き強力に推進するとともに、増勢の一途をたどる覚せい剤事犯に対しては、その取り締まりを徹底するほか、覚せい剤を拒絶する社会環境づくりに本格的に取り組んでまいる所存であります。  また、社会に大きな影響を与えておる猟銃等による事件、事故の防止のため、所持許可の厳正化、許可銃の管理の徹底等を内容とする銃砲刀剣類所持等取締法の改正について、近く御審議をお願いいたしたいと考えております。  次に、道路交通問題について申し上げます。  昨年の交通事故による死者の数は、八千四百六十一人で前年に比べて三・七%減少し、昭和四十六年以来九年連続交通事故死者減少という成果を上げることができました。しかしながら、年間の交通事故による死傷者は、いまだ約六十万人に達しており、交通事故防止は依然として緊急な課題であります。警察は、国民各位の理解と協力のもと、運転者対策を初めとする交通事故防止対策及び生活環境を確保するための諸施策を一層推進し、自動車交通と人間生活との調和のとれた車社会の建設のために一層努力する所存でございます。  当面の治安情勢でありますが、特に、極左暴力集団は、引き続き新東京国際空港に対する反対を当面の闘争課題としながら、テロ、ゲリラの本格化への動きを強めており、陰惨な内ゲバ事件や凶悪な爆弾事件が続発するおそれもあります。  右翼も、最近の諸情勢の推移にいらだちと危機感を深めており、過激な直接行動への志向が高まっております。  このような厳しい情勢に対処するため、警察は、強靱な体制を確立し、法と秩序を破壊する暴力的行為の取り締まりに努める所存であります。  このため、昭和五十五年度においては、緊急に体制の整備、強化を要するものについて、地方警察官二千七百五十人の増員を行うこととしたいのであります。また、警察官の資質の向上を図るため、警察教養の推進と処遇の改善について配意し、警察職員の厳正な規律の保持と士気の高揚について一層努力をし、もって国民の信頼にこたえてまいる所存でございます。  以上、所管行政の当面の諸問題について、所信の一端を申し上げましたが、委員の皆様方の格別の御協力によりまして、その実を上げることができまするよう一層の御鞭撻と御指導をお願いを申し上げる次第でございます。

後藤正夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(後藤正夫君) 次に、昭和五十五年度自治省関係予算及び警察庁関係予算の概要について、それぞれ説明を聴取いたします。石見官房長。

石見隆三自治大臣官房長

○政府委員(石見隆三君) 昭和五十五年度の自治省関係歳入歳出予算につきまして、概要を御説明申し上げます。  第一に、一般会計予算でありますが、歳入は一億四千九百万円、歳出は七兆五千四百九十五億八千七百万円を計上いたしております。  歳出予算額は、前年度の予算額六兆一千四百八十五億一千五百万円と比較し、一兆四千十億七千二百万円の増額となっております。  また、この歳出予算額の組織別の額を申し上げますと、自治本省七兆五千二百八十三億七百万円、消防庁二百十二億八千万円となっております。  以下、この歳出予算額のうち主な事項につきまして、内容の御説明を申し上げます。  最初に、自治本省につきまして御説明を申し上げます。  まず、地方交付税交付金財源の繰り入れに必要な経費でありますが、昭和五十五年度は六兆五千四百五十二億を計上いたしております。  この経費は、昭和五十五年度の所得税、法人税及び酒税の収入見込み額のそれぞれ百分の三十二に相当する金額の合算額六兆四千九百二億四千万円に過年度特例措置に係る昭和五十五年度の額五百四十九億六千万円を加算した額に相当する金額を交付税及び譲与税配付金持別会計へ繰り入れるために必要な経費であります。  次に、臨時地方特例交付金の繰り入れに必要な経費でありますが、三千七百九十五億円を計上いたしております。  この経費は、地方財政の状況等を考慮し、昭和五十五年度の特例措置として交付税及び譲与税配付金特別会計を通じ地方交付税交付金として交付する財源の同特別会計への繰り入れに必要な経費であります。  次に、借入金等の利子の財源の繰り入れに必要な経費でありますが、四千六百二十九億九千八百万円を計上いたしております。  この経費は、地方交付税交付金に係る借入金及び一時借入金の利子の支払い財源を交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れるために必要な経費であります。  次に、国有提供施設等所在市町村助成交付金に必要な経費でありますが、百八十八億円を計上いたしております。  この経費は、いわゆる基地交付金でありまして、米軍及び自衛隊が使用する国有提供施設等の所在する都及び市町村に対し、助成交付金を交付するために必要な経費であります。  次に、施設等所在市町村調整交付金でありますが、五十億円を計上いたしております。  この経費は、特定の防衛施設が所在することに伴い税財政上特別の影響を受ける施設等所在市町村に対し、調整交付金を交付するために必要な経費であります。  次に、交通安全対策特別交付金に必要な経費として、四百九十一億五千三百万円を計上いたしております。  この経費は、交通安全対策の一環として、反則金収入に相当する金額を道路交通安全施設に要する費用に充てるため、都道府県及び市町村に対し交付するために必要な経費であります。  次に、新産業都市等建設事業債調整分の利子補給に必要な経費につきましては、百十二億三千五百万円を計上いたしております。  この経費は、新産業都市、工業整備特別地域等の建設、整備の促進を図るため、建設事業債の特別調整分について利子補給金を交付するために必要な経費であります。  次に、地方公営交通事業再建債の利子補給に必要な経費でありますが、二十七億五千万円を計上いたしております。  この経費は、地方公営交通事業の再建を促進するため、再建事業を経営する地方公共団体が起こした再建債について利子補給金を交付するために必要な経費であります。  次に、再建地方都市バス事業の車両更新費の補助に必要な経費でありますが、十億六千七百万円を計上いたしております。  この経費は、再建を行う地方都市バス事業を経営する地方公共団体に対する当該事業の車両更新費の補助に必要な経費であります。  次に、公営地下高速鉄道事業助成に必要な経費でありますが、百八十一億四千四百万円を計上いたしております。  この経費は、昭和四十六年度末における公営地下高速鉄道事業債に係る支払い利子に相当するものとして発行を認める企業債の利子相当額について、地方公共団体に助成金を交付するために必要な経費であります。次に、公営病院事業助成に必要な経費として、二億六千三百万円を計上いたしております。  この経費は、昭和四十八年度末における公営病院事業の不良債務の範囲内で発行を認めた公立病院特例債の利子について、地方公共団体に対し、助成金を交付するために必要な経費であります。  次に、公営企業金融公庫の補給金に必要な経費でありますが、七十九億九千六百万円を計上いたしております。  この経費は、公営企業金融公庫の水道事業、下水道事業、工業用水道事業、交通事業、市場事業、電気事業及びガス事業に係る貸付利率の引き下げのための補給金を同公庫に交付するために必要な経費であります。  なお、このほか、同公庫につきましては、出資金を増額するための経費七億円が大蔵省所管産業投資特別会計に計上されております。  次に、新広域市町村圏計画の策定に要する経費でありますが、四億八千百万円を計上いたしております。  この経費は、各地域社会に住みよい生活環境をつくり上げるため、新広域市町村圏計画の策定及びこれに基づく中核的事業に係る計画の策定のために必要な経費であります。  次に、参議院議員通常選挙に必要な経費でありますが、二百九億五千六百万円を計上いたしております。  この経費は、昭和五十五年度における参議院議員の通常選挙の執行に必要な経費、参議院議員通常選挙の開票速報に必要な経費、選挙人に対する参議院議員通常選挙の啓発の推進をするために必要な経費であります。  次に、選挙に関する常時啓発に必要な経費でありますが、十二億円を計上いたしております。  この経費は、選挙人の政治常識の向上を図り、選挙をきれいにする国民運動を推進するために要する経費について、地方公共団体に対し補助する等のために必要な経費であります。  以上が自治本省についてであります。  次に、消防庁について御説明申し上げます。  まず、大震火災対策に必要な経費として、四十五億三千万円を計上いたしております。  この経費は、大震災に対処するため耐震性貯水槽、コミュニティー防災センターなど震災対策のための諸施設の充実を図るとともに、災害情報の収集伝達手段として重要な消防防災無線の整備等を推進するために必要な経費であります。  次に、消防施設等整備に必要な経費として、百五十一億七千三百万円を計上いたしております。  この経費は、市町村の消防力の強化を図るため、地域の実情に応じて施設の整備及び消防の科学化、近代化を促進するとともに、石油コンビナート、空港等における防災対策の推進を図るために必要な経費であります。  第二に、特別会計予算につきまして、御説明を申し上げます。  自治省関係の特別会計といたしましては、大蔵省及び自治省所管交付税及び譲与税配付金特別会計がありまして、この特別会計の歳入歳出子定額は、十五兆五千三百三十四億四千九百万円となっております。  歳入は、地方交付税交付金及び借入金等利子の財源に充てるための一般会計からの受け入れ見込み額、地方道路税の収入見込み額、石油ガス税の収入見込み額の二分の一に相当する額、航空機燃料税の収入見込み額の十三分の二に相当する額、自動車重量税の収入見込み額の四分の一に相当する額、特別とん税の収入見込み額等を計上いたしております。  歳出は、地方交付税交付金、地方譲与税譲与金及び借入金の償還財源等の国債整理基金特別会計への繰り入れ等に必要な経費であります。  以上、昭和五十五年度の自治省関係の一般会計及び特別会計予算の概要を御説明申し上げました。  よろしく御審議のほどお願い申し上げます。

後藤正夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(後藤正夫君) 警察庁山田官房長。

山田英雄警察庁長官官房長

○政府委員(山田英雄君) 昭和五十五年度の警察庁予算案につきまして、概要を御説明申し上げます。  昭和五十五年度の警察庁予算総額は、一千四百九十一億四百余万円でありまして、前年度予算額一当初一一千四百五十七億三千三百余万円に比較しまして、二十三億七千余万円の増額となっております。  次に、その内容の主なものにつきまして御説明申し上げます。  第一は、警察庁一般行政に必要な経費五百十九億二百余万円であります。  この経費は、警察庁、警察大学校及び地方機関の職員並びに都道府県警察の警視正以上の警察官の職員俸給等の人件費、全国的情報管理システムその他のために設置した電子計算機組織の運用に必要な電子計算機の借料とそれに付随する消耗品購入費等のほか、警察庁、警察大学校及び地方機関の一般事務経費と都道府県警察官二千七百五十人の増員に必要な教養経費等であります。  第二は、警察機動力の整備に必要な経費百三十一億二千六百余万円であります。  この経費は、大規模地震対策の一環ともなりますヘリコプター、警察車両の購入、警察装備品の整備及び警察通信施設の整備並びにその維持管理等の経費であります。  第三は、警察教養に必要な経費十九億七千七百余万円であります。  この経費は、警察学校入校生の旅費と警察学校における教養のための講師謝金、教材の整備等であります。  第四は、刑事警察に必要な経費七億八千三百余万円であります。  この経費は、暴力団犯罪及び一般犯罪の捜査、取り締まりの指導、連絡等に必要な旅費、物件費並びに犯罪鑑識に必要な法医理化学器材等の整備費、消耗品費、死体の検案解剖の経費のほか、犯罪統計の事務等に必要な経費であります。  第五は、保安警察に必要な経費七千九百余万円であります。  この経費は、青少年の非行化防止、風俗取り締まり、麻薬、覚せい剤、密貿易、券銃等銃砲危険物、公害等に関する犯罪の捜査、取り締まりの指導、連絡等に必要な旅費、物件費並びに公害取り締まりに必要な鑑定謝金等であります。  第六は、交通警察に必要な経費一億五千七百余万円であります。  この経費は、交通安全に関する広報及び運転者対策に必要な物件費並びに交通取り締まり指導のための旅費等であります。  第七は、警備警察に必要な経費五億五千七百余万円であります。  この経費は、警備警察運営に関する会議、指導、連絡等の旅費、器材類の整備等に必要な経費であります。  第八は、警察活動に必要な経費百三十六億二千百余万円であります。  この経費は、犯罪の捜査、取り締まり等警察活動に必要な旅費及び捜査費であります。  第九は、警察電話専用回線の維持に必要な経費四十億三千余万円であります。  この経費は、警察電話専用回線を維持するために日本電信電話公社に支払う、いわゆる警察電話専用料であります。  第十は、犯罪被害給付に必要な経費一億九千七百余万円であります。  この経費は、殺人、傷害等の犯罪により死亡しまたは重障害を受けた場合、その遺族または被害者に対し国が一定の給付を行う制度を実施するため必要な給付金及び事務費であります。  第十一は、参議院議員通常選挙の取り締まりに必要な経費二億六千六百余万円であります。  この経費は、参議院議員通常選挙の取り締まりに必要な旅費及び物件費であります。  第十二は、千葉県警察新東京国際空港警備隊に必要な経費四十八億八千二百余万円であります。  この経費は、千葉県警察新東京国際空港警備隊の維持、運営に必要な旅費、物件費及び空港警備隊員の人件費等の補助金であります。  第十三は、船舶の建造に必要な経費三億八千七百余万円であります。  この経費は、警察用船舶の建造に必要な経費であります。  第十四は、科学警察研究所に必要な経費七億四百余万円であります。  この経費は、警察庁の附属機関として設置されています科学警察研究所職員の職員俸給等人件費と鑑定、検査、研究に必要な機械、器具類の購入費、維持費、その他一般事務経費であります。第十五は、皇宮警察本部に必要な経費四十二億六千二百余万円であります。  この経費は、皇宮警察本部職員の職員俸給等人件費のほか、行幸啓の警衛に必要な旅費、物件費、その他一般事務経費であります。  第十六は、警察庁の施設整備に必要な経費三十二億一千九百余万円であります。  この経費は、直接国庫の支弁対象となっております都道府県警察学校等の施設の整備に必要な経費であります。  第十七は、都道府県警察費補助に必要な経費二百三億八千余万円であります。  この経費は、警察法第三十七条第三項の規定による都道府県警察の一般の犯罪捜査、交通指導取り締まり、外勤警察活動、防犯活動等の一般行政費の補助に必要な経費であります。  第十八は、都道府県警察の施設整備費補助に必要な経費二百八十五億六千七百余万円であります。  この経費は、警察法第三十七条第三項の規定による都道府県警察の警察署、派出所、駐在所、待機宿舎等及び交通安全施設の整備費の補助に必要な経費であります。  以上、昭和五十五年度の警察庁予算案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げました。  よろしく御審議のほどお願いいたします。     —————————————

後藤正夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(後藤正夫君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、鍋島直紹君、加藤武徳君及び夏目忠雄君が委員を辞任され、その補欠として、竹内潔君、降矢敬雄君及び遠藤政夫君が選任されました。     —————————————

後藤正夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(後藤正夫君) 派遣委員の報告に関する件についてお諮りいたします。  先般、当委員会が行いました地方行財政等の実情調査のための委員派遣については、報告書が提出されておりますので、これを本日の会議録の末尾に掲載することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

後藤正夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(後藤正夫君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     —————————————

後藤正夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(後藤正夫君) 次に、地方交付税法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。後藤田自治大臣。

後藤田正晴自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(後藤田正晴君) ただいま議題となりました地方交付税法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨を御説明申し上げます。  昭和五十四年度の補正予算により同年度分の地方交付税の額が六千三百九十二億円増加することとなりますが、本年度においては普通交付税の調整額の復活に要する額百九十五億円を交付することとし、残余の額六千百九十七億円を昭和五十五年度分の地方交付税の総額に加算して同年度に交付することができることとする必要があるので、地方交付税法の一部を改正する法律の一部を改正し、所要の規定を設けることといたしております。  以上が地方交付税法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨でございます。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

後藤正夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(後藤正夫君) これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 いま大臣から説明があったわけですが、これは率直に大臣の気持ちを聞きたいと思うのですけれども、いま、舌をかみそうな、一部、一部、特例、特例という、こういう法案を出さなきゃならないということは私は非常に遺憾に思うのです。御存じのとおりに、地方財政は大変な赤字で、財政収支の見込み等を見ましても、六十年度に四十兆円に達する見込みの姿になる。五十四年度未で二十六兆円という借金。そういう中でこういう法案を出さなきゃならない。この大臣の率直な認識というか、それをまずひとつ聞いておきたいと思うのです。

後藤田正晴自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(後藤田正晴君) 御指摘にございましたように、現在の地方財政、五十年度以降巨額の財源不足を生じているわけでございます。そこで、私どもとしては何とかこの財政の健全化を図らなければならない、かように考えているわけでございますが、そこで、五十四年度の国の補正予算が組まれることに伴っての交付税三二%、これをどのように扱うかということは慎重に考えたわけでございます。  で、たてまえとしては、これは年度間のそういった調整については、原則として地方団体がやるというのがこれはたてまえであることは間違いありませんけれども、しかし、単年度での赤字であればさようなことも考えられると思いますけれども、やはり地方団体の赤字が五十年度以降ずっと続き、先行きもこれの黒字転化ということはなかなか容易ならざることであろうと、こういうことでございまするので、今回補正による交付税の増額が生まれましたので、地方財政の健全化に資するというたてまえといいますか考え方から、地方財政の健全化に資するという全体的な財源対策ということを考えまして、本年度の国の補正予算に伴う交付税の三二%分はやはり五十五年度に繰り越して、そうすることによって五十五年度の赤字の幅、つまり借入金なりあるいは臨時財政調整交付金なりあるいはまた特に地方のこの財源対策債、こういうものを減ずることによって地方財政の健全化の一歩を踏み出したいと、かような長期の観点に立ってことしの交付税の増額分は来年度に繰り越しをいたしたいと、かような考え方で処理を図ろうとして御審議をお願いしておるわけでございます。  で、もちろん考え方によればこれはことし必要な財源に使って、そして来年度の不足額はこれはまた交付税率の引き上げをやればいいといったようなお考えも当然あろうかと思いますし、私どももそれはもちろん検討はいたしましたけれども、しかしながら今日の国全体の財政の状況等を勘案し、同時にまた五十四年度の地方財政の状況、これは御案内のように増収分が相当出ておりますしするので、地方財政のために五十四年度のこの交付税の増額分をことしじゅうに使うということはいかがなものであろうか。やはり来年度の財源不足に充当をするということが適当ではなかろうかと、かような考え方で処理をいたしたわけでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 大臣、この地方財政のこういう大変な借金という実態は、一体何でできたかというふうにあなたは考えておりますか。どういう理由でこういう借金状態に地方財政が置かれておるのか、どういうふうに考えておりますか。

後藤田正晴自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(後藤田正晴君) これは御承知のように石油ショック以降大変な経済情勢になった、そこで、それを増税といったようなことでなしに、ともかく景気刺激をやろう。それにはあえて国債発行に踏み切って、そしてともかく石油ショックによるこの経済界の不況、これの克服をやろうということで国が施策を講じたわけでございます。それなりに、効果をおさめて今日まで来たわけでございますが、その過程で、国のそういった施策に応じて地方も当然経費の増高を必要とした。そこで、地方としてもどうしても必要な経費は出さなきゃならぬ、それに財源が不足をするというようなことで今日の赤字は積み重なってきておる。これを今後どのように是正をして財政の再建をやるかということが私はこれからの課題であろうと、かように考えておるような次第でございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 まあ自治体は甘えておるとか国にもたれ過ぎておるとかもしくは無責任過ぎるとか、こういった言葉が、本省を回ってみるとよく聞かれるんですが、これは正直に言って、たとえば今度の、いま審議されておる五十五年度の予算案の中を見ても、十四兆円近い膨大な補助金ですね。で、補助金整理がうたわれていますね。それからさっきの所信表明の中に出ておるように、国の事務と地方自治体の事務の重複の問題であるとか、さらに許認可の問題であるとか、言うならばがんじがらめに地方自治体を、介入し過ぎておるというか世話をやき過ぎておるというか、要らぬこともし過ぎておる、正直言って。そういうところに問題が一番私はあるんだと思うんですがね。  まあ結果的に、地方自治体の首長、議員にしましても、これはやっぱりわれわれと同じように選挙民が直接選んで代表として出しておるわけです。ところが、いま実際問題として、町長が、市長が仮に保育所をつくるにしても何するにしても、全部国に陳情しなけりゃできない仕組みになっておるんです。許認可にしてもですね。そういった実態を解き放していくのがやっぱり地方自治という、自治大臣がやらなきゃならぬ一番大きなことではないかと私は思うんですよ。去年の暮れなどでもよく見られますように、予算編成期にはこの国会議事堂周辺に一日二万人も三万人も押し寄せてくる。ちょうど東京の駅のラッシュアワーみたいな状態なんですね。もう率直に言ってまるで国会議員が村会議員に化けてしまったと、こういう姿が毎年繰り返される。こういうところに一番自治大臣としては気を使ってただしていかなきゃならぬと私は思うんですよ。  ところが、たとえば今度のここに出されておる舌をかみそうな法律、こんな法律をなぜ出すのかということですね。これは当然自然増でふえたんだからその分は交付税法六条に基づいて交付すればいいのであって、それをどうするこうするというのは、これは当然自治体が自主性に基づいて措置すべきことであって、なぜこんな特例をつくってその上にまた特例というんですよ。こういうことがやっぱり結果的には自治体の自主性というものを国が二重、三重、四重に縛っていくというか、そういうことに私はなると思うんですけれども、そこら辺の問題について大臣の見解を、さっき聞いてみるとどうしてもやっぱりぴんとこない。何が原因でこういうことをしなきゃならぬのか。あなたにさっきからその点を求めておるわけです。

後藤田正晴自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(後藤田正晴君) 今回お願いをいたし七おります改正法律案の考え方は、先ほどお答えをいたしたとおりでございます。ただ、ただいまの佐藤さんの御質疑の中に、地方自治、地方行政のあり方についての基本の問題がございましたので、それにお答えをいたしたいと思います。  やはり中央の各省を回ってみれば、地方団体はいろいろむだ遣いをしておるではないかと、水ぶくれしているではないかといったような批判の声を聞くというお話でございましたが、それは率直に言って、そういう面私も、全く地方団体にそれがないと言うわけにはまいらない。やはり高度成長のさなかから以降、中央も水ぶくれをしておりますし同時に地方も水ぶくれをしておるということは、納税者の立場に立つならば、これは覆いがたい私は事実であろうと、かように思います。まあそういうようなことで、内閣としては国、地方を通ずる行財政の改革わやろうではないかということで今日取り組んでおるわけでございますが、私どもとしましては、やはり国と地方の相互信頼の上に立ってこの改革には取り組んでいかなきゃならぬと、かように考えておるわけでございます。  そこで問題は、何が一体いま地方の行財政が膨張しておるのかと言えば、私は、地方団体みずからにも財政再建、行政の改革に真剣に取り組んでいただく努力をしていただかなければならぬと思いますけれども、やはりどうもその行財政改革問題に取り組んでいくと、どうやら視点といいますか、立場といいますか、それがやや中央政府の立場に片寄り過ぎておるのではないかということを率直に私はいま感じ取っておるわけでございます。  そこで私としては、やはり行政の改革というのは本来国と地方を通ずる課題であって、国の立場だけでできるものではないのだ、これは両面あわせながら考えなきゃならないのではないか。それがためにまずやらなきゃならぬのは、事務の再配分といいますか、仕事減らし。その仕事減らしは、一つは地方に任していいものがあるではないか。一々許認可許認可とやかましく言う必要ないではないかというような仕事の整理。同時にまた今度は国と地方との間の仕事の整理、配分を見直すということ。そして同時に今度は地方の、県と市町村との間で仕事の配分を見直す。つまり、仕事減らしという観点に立って、同時にその仕事の配分をどのように考えれば、一番納税者の立場に立って効率的な行政組織ができるであろうかということをまず考えなきゃならぬ。その上に立って今度は行政機構を改革すべきだと。頭からこの機構は要らぬからやめろといったようなことで、事務の中身を検討しないでやることは私はどうも本末転倒しているように思います。やはり仕事の中身を見て、その上に立っていま言ったような行政全体の仕組みを改革をする。そして減量経営をやる。その結果として今度生まれてくるのが私は人減らしになるだろう。端的に言えば仕事減らし、人減らし、機構減らし、そして最後にはこれが金減らしに通じてくるというような観点に立ってやらなきゃなるまいと、かように考えておりますが、いませっかく政府で取り組んでおりますので、私はそういう観点に立って、私自身は地方団体の立場に立つわけでございますから、地方の主張を取り入れて、これについては地方制度調査会その他のいろんな調査会からの御意見もございまするので、やはり行財政の改革、合理化と同時に地方分権の推進という点に立ってこの問題に取り組んでいきたい。  御承知のように、いま地方の時代と言われておるのですから、地方の時代というのはやはり地方みずからが自主性と独自性を持って、身近な行政は地方団体の手によってやるんだと、同時にそれについての必要な財源というものは国と地方との間においても見直すんだといったような観点に立ってこの問題に取り組んでいきたい。その時期は、私は今日これだけ何といいますか、行政改革といいますか、行財政改革といいますか、非常にやかましい世論になっている時期で、一番いい時期ではなかろうかと、かような気持ちでいま取り組んでおりますし、今後ともこの問題に精力的に取り組んでいこうと、かように考えているような次第でございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 大臣の話聞いているとなかなかりっぱなことをおっしゃるんですけれども、これは歴代大臣が皆同じことを言っておるんです。とりわけあなたの前任者の澁谷さんなどは、もう自治分権一本やりで大臣就任期間やってきた。しかし、結果的には何にもやっていない。やっていないんじゃないますます中央集権を、補助金にしてもそれから事務の集中にしても許認可にしても年々拡大強化している。この繰り返しを何ぼやってもこれは私はしようがないと思うんです。私はやっぱり交付税法でちゃんとして、六条三項ですか、六条三項でもうきちんとして、三二%を——八十四国会のときは「著しく」、「引き続き」というのは何かという解釈まで求めて、それは「引き続き」は二年ですと、「著しく」は一〇%だとこういうことで、どうしてもこれはそういうことが起きたらひとつ税率の改定、制度の改正をしなきゃならぬと、こういうことを改府答弁でずっとやってきた。ところが、いよいよ三年目になると税率は当たらぬで制度ということで今度は特例をつくっちゃった。こういうやり方に私は問題があるんじゃないかと思う。  そして、それほどりっぱなことをおっしゃる大臣が、今度の大蔵要求の中では税率の引き上げを要求しておる、しかしそれはけ飛ばされてしまう。そういう繰り返しがもうずうっと、耳にたこのできるようなりっぱな話と事実は逆な結果が続いておるんですよ。ですから、これはやっぱりあなたがそこまできちっと言うなら、それをひとつ実行して見せなきゃこれは国民は信頼しませんよ。で、まず実行するのは一体何か、この特例法案を撤回することですよ。そうじゃないですか。

後藤田正晴自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(後藤田正晴君) まあ二年とかその他のお話でございました。あるいは一〇%といったような問題もお話ございました。過去の経緯はそういうことであったのかもしれません。しかし私どもとしては、やはり先ほど言ったような立場に立って地方税源の充実と交付税の充実、これはもう多年の念願でございまするので、この旗をおろすつもりはございません。ただ、最近の現実の国全体の財政というものを見ますと、ここで国税正税の三二%——ことしも私も五%増額を要求いたしました。しかしながら、現実の問題としては、やはり今日の厳しい国家財政の状況から見ると、そこは私は現実的な処理をせざるを得ないのではないのかという立場に立って、そこで五十三年にできましたところの借入金の二分の一は国が将来見るといったあの制度に乗っかりながら、同時にまた臨特等も計上をしてもらう。あるいはまた、やむを得ざる半分ばかりの額は、これは五十四年度よりは六千億ばかり減らしたと記憶しておりますが、ともかく財源対策債の処置を講ずることによってとりあえずの現実的な解決を図らざるを得なかったんだということを御理解をしていただきたいと思います。  もちろん私どもとしては、自治省としては、今日のこの行財政改革の機会でもあり、あるいはまた将来の税制全般の改正というような問題も当然これは、たちまちの問題ではもちろんありませんけれども、先行きは論議の俎上にのってくる問題だと思いますが、私どもとしては、そういう機会にやはり交付税の充実ということを図ってまいりたいと、かように考えておるような次第でございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 ちょっと質問の角度を変えますが、予算と決算の乖離が非常に最近多くなっていますね。特に五十年度以降そういう感じがするんですが、実態ひとつ出してもらえばいいと思いますが、特に去年の場合は政府全体が増税路線を総選挙に向けて大平さんみずからが一般消費税を出したんですから、そういう方向もあって地方、国ともどもに圧縮して意識的に出してきたと、こういう感じがするんですけれども、この点はいかがなんですか。たとえば昨年の予算で四兆円を超える不足額。ところがその不足額の中身が全然わからない。今度も二兆五百五十億ですかの不足額。ところがその中身がよくわからない。明らかにしてこない。ですから、そういう面から見ると、結果として見ると今度は決算との大変な乖離ができておるんですね。これは一体どういう中身なのか、そこをひとつ、これは財政局長で結構ですけれども、聞かしてください。

土屋佳照自治省財政局長

○政府委員(土屋佳照君) 御承知のように、最近の状況を見れば、地方財政の場合は地方財政計画と実際の決算との間ではかなり乖離があるわけでございます。それについては、私どもとしては地方財政計画をつくる際は、その時期におけるいろいろな経済情勢等を判断をいたしまして税収その他の見積もりを立てて地方財政計画をつくるわけでございますし、またその場合における歳出についても同じことでございますし、またこの実際の決算で出てくるものと違う、実際は財政計画上見るべき必要な標準経費というものを頭に置いておりますので、その意味で現実の決算が出ました場合はいろいろな乖離があることは、これはやむを得ないわけでございます。  ただその中で、言われましたように、当初見込んだものとそれから現実の決算というものとが、特にこの地方税等の見込みにおいて大きく出るではないかというような御指摘もあったわけでございますけれども、なかなかいろいろな経済の推移の中で、私どもとしても与えられたいろいろな予見のもとで見込みを立てるわけでございますけれども、現実にはなかなか経済の推移等が世界情勢の影響等もございまして把握しにくい。その結果、税収等が思ったよりも出てくるということで、結果的に当初見込んだものと異なる。あるいはまた将来の見通しにおいても、収支の何と申しますか、赤字幅等が見通しも変わってくるといったようなことがあるわけでございます。そういった点では、一つはその見通しにおいていろいろな予見が異なってくるために的確に見にくかったという点もございます。一方は、しかし決算と地方財政計画をつくる場合の前提というものが違う、その結果出てくる。二つの面から異なってきておるというような状況でございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 そうしますと、たとえば大臣と大蔵大臣とが五十五年度の予算で決着がついたのはたしか十二月二十日だったですかね。そうすると、その後にいま問題になっております四十人学級ですね、これが十二月の三十日ごろじゃなかったですか。これに伴って当然定員増が出てきますね、教員の。四十人学級に伴っての。全体で八万ですか。それにその半額負担が出てくるわけだ。同時にまた今度入れ物が出てきますね、学校の建築その他のものを含めて。そういった問題というのは、当然これはやっぱり一つの制度改正にもつながってくる性格のものだと私は思うんですが、それがなされておるというふうにも聞いてない。こういったものは当然この六条との関連を含めて、交付税率その他を含めての改正につながってこなきゃならぬのじゃないですか。そこら辺は一体どうなっておるのか。今度の、きのうの段階で与野党の予算修正の問題も出てきましたね。その地方へのはね返りというものを一体どういうふうに考えておるのか、これも一緒にあわせて、できれば大臣からお答えいただきたい。——大臣の方が一番折衝に当たったんでしょう。

後藤田正晴自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(後藤田正晴君) まず最初に、見積もりが大変違っておるでないか、それで予算と決算の乖離が出ているではないかと、こういう御質問でございますが、確かに五十四年度は地方も自然増収が相当ございました。それからまた国は四兆五千億ですか、その程度の自然増収が出たわけでございます。これは先ほどの御指摘の中に、いわゆる一般消費税問題があったから歳入見積もりを低目に抑えたのではないのかと、こういう御疑念があるようですけれども、私は、当時担当者ではありませんけれども、それはなかったと思います。というのは、五十三年度にすでに七千億余りの増収になったわけです。これは五十三年の秋ごろから急激に経済の回復が著しくなったわけです。御案内のように予算の編成は大分前にやるものですから、そこはまあどうしても急激な経済の変動の見通しが的確につかみにくいといったようなことでこういう乖離が生ずるんです。五十三年度の秋以降急激に——あんなになるとは実際は大蔵省も考えていなかったんです。で、げたを履いておったということです、まず。そのげたを履いた上に五十四年度の税の自然増収が思いのほか出た。それに関連をして地方の方も自然増収が当然のことながら出てきたといったようなことで、特別な意図はなかったんだということだけはお答えをいたしておきたいと、かように思います。もちろんそのことをいいとは言いませんよ。いいとは言わないけれども、これはやはり経済の急激な回復ということの結果であってやむを得ない見通しの間違いということではないのか。また、さらに言いますれば、これは私も税金屋をやったことありますけれども、税金屋というのは大体かたくかたくと見積もるのがこれが習性なんですね。そして大蔵省も、あれは五十年度でございましたですか五十一年度ですか、大変な見積もり減になってしまって大変な問題を起こしたことがあるんです。で、まあなますを吹いて何とかというようなこともさらに重なりましてああいうことになったのであろうと私は考えておるわけでございます。  そこで、御質問の予算編成の際の大蔵大臣との折衝ですが、その点につきましては、十二月の二十一日、予算内示の前に二人の間のおおむねの、地方財政をめぐる問題点については解決をしたんです。ただ、四十人学級の問題はそのとき出ておりません。当然のことながら大蔵当局、それからここにいる財政局長以下財政当局は全部反対でございました。ただ、これはこういうことを言っていいのかどうかわかりませんが、私自身は四十人学級は賛成であったわけでございます、政治的な立場として。したがって、事務当局には、あんた方の財政の事情はよくわかるけれども、ここは日本の長い将来にわたっての教育の問題だということでひとつ了承してもらいたいということで、自治省としては了承を、財政当局にしてもらったというのが本当の中身でございます。ただ私はその際に、やはりこれは財政問題に絡みますから、いまはともかく国も地方も火の車なんだと、そこで、この計画については少なくとも五十五、六、七ぐらいまで、初めのうちに金のかからないようなひとつ方法でやってもらいたいということを、これは大蔵当局と同時に文部省、文部大臣にも申し入れまして、その上に立って私どもとしては賛成をするという態度をとったわけでございます。  なお、それの地方財政計画上の措置がどうなっておるのだということについては、財政局長の方からお答えをさせたいと、かように思います。

土屋佳照自治省財政局長

○政府委員(土屋佳照君) ただいま大臣からお答え申し上げたわけでございますが、私ども、年末に明年度の地方財政対策をどのようにするかということについては、長時間かけて大蔵当局と詰めていくわけでございまして、その中では関係各省の概算要求等も踏まえながら、その時点においてわかる限りの資料をもとにいたしまして詰めていくわけでございます。その際、とにかく現行税制等を前提として詰めていくわけでございますが、その場合においてどの程度赤字が出てくるのかということをにらみ、そしてその過程において税制改正の様相がだんだん明らかになってまいりますから、その場合にどれだけの増収があるかといったようなことを踏まえて赤字額をどれだけ補てんをすればいいのかということを決めたわけでございまして、大体それが二兆五百五十という線が出たわけでございます。  おっしゃるとおり、その場合においては四十人学級という問題も出ておりました。そしてこれが将来にわたってかなり大きな財政負担になるということもいろいろと議論をしたわけでございます。したがいまして、そういった明年度の地方財政対策を論ずる際には、それがどうなるかということも踏まえて進んでおったわけでございますが、大体方向といたしましても、九年が仮に十二年に延びた場合どうなるかということもいろいろ検討はしておったわけでございますけれども、いずれにしても当初の三年間というものは四十人学級に関連する財政需要というものはそれほど多く出てこないといったような考え方もございましたので、私どもとしては、そういったことを踏まえて、全体としての地方財政対策をやる際にそれが決定したとしても、それについて財政計画をとにかく見直すというほどの問題にはならないというふうに考えておったわけでございます。また、最終的に決まりましても、たとえば四十人学級について第五次の学級編制及び教職員定数の改善計画につきましては、初年度教職員の数も二千七百人余りふえるということになっておりますが、この四十人学級に関連する分では五百六人ぐらいだったと存じております。そういったことから、全般的に大きな影響はなかろうと、試算をいたした結果もそれほど地方財政計画の変更を来すようなものではないということでございました。全般的にそういう動向もにらみながら私どもとしては財源対策を進めた次第でございます。

後藤田正晴自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(後藤田正晴君) ちょっといまの問題、落としましたので、つけ加えて申し上げたいと思いますが、この問題を実施するのに、地方の財政問題としましては、一番厄介なのは、私は、児童生徒の急増しておる市町村の学校の増設に伴う用地費の問題だと思います。これは大変な負担になるわけですから。これは現在御承知のとおりたしか三分の一の補助が出ていると思います。用地費について。ところがそれはたしか七五%の三分の一ということですから二五%ですね。現実はどうかといいますと、私が聞いた範囲では二〇%ぐらいにしかならぬと、こういうことですね。そうしますと、これは容易ならざる事態に追い込まれまするので、その点についてだけは私は、将来この増設に要する用地費についてだけは、いまの補助率では困る、これは少なくとも二分の一に改めてもらいたいということを留保をいたしてあの四十人学級問題について賛成をいたしておるのでございます。この点つけ加えてお答えを申し上げます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 財政局長のいまの答弁で、大したことはないということなんだが、私は大したことあると思っているんです。いわゆる四十人学級問題の結論が出たときには二兆五百五十億の中には含まれてないんでしょう。二兆五百五十億の不足額というのは四十人学級の問題とは別個の問題でしょう、その後に決まったわけだから。だから、そういった面から見ると——私は四十人学級というのは賛成で、しかもこれは九年でやりなさいという主張なんだけれども、それに伴った地方財源の保障というのはきちっとけじめをつけていかなければならぬ。そういうあいまいなものが累々として今日の地方の借金財政をつくっている一端でもあるわけです。そこら辺の問題でさっきただしたんですが、これはまた別の機会にやりますが、いまあなたは三年間は大したことないと言うけれども、その三年間を含めての関係の必要な地方負担の経緯の資料を一遍出してくださいよ。それをひとつ要求しておきたいと思います。  いずれにしても、いま大臣が言ったように用地費の問題はこれは大変な問題だと思うんですが、これは文部省関係に限らず各省関係の中でもその点がたくさんある。これは一体二分の一というのは四十人学級についてやっておるのか、それとも全体の国の施設、そういう場合も含めて全体的に自治省としての態度なのか、そこをちょっと聞きたいと思うんです。

後藤田正晴自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(後藤田正晴君) 用地費に補助金がつかないというのはこれは明治以来の長い慣例もあるようで、なかなか抵抗の強い問題ですが、徐々に改善措置も講じてきていると思います。ただ、私が先ほど申したのは、四十人学級に伴う児童生徒急増の市町村に対する増設用の用地費ということについて私は申し入れをしておるわけでございます。

土屋佳照自治省財政局長

○政府委員(土屋佳照君) 先ほどちょっと簡単に申し上げましたが、四十人学級の問題が最終的に決着ついたのは後でございますが、私どもとして地方財政計画を立てる際は、マクロ的に大体どの程度不足が出るかということを詰めていくわけでございます。その中では、四十人学級の帰趨というものは非常に重大な関心を持っておったことは事実でございますが、だんだん詰めていかれる過程におきまして、まあ当初はやはり人口の減少する地域あたりからそれはかかっていくということ等もわかりましたので、まあこれは二、三年はそれほど大きな負担増はないという文部省当局の意向もございましたし、また最終的に見ましても、初年度分で見ますと、四十人学級分について地方が負担します教職員分は約十三億ぐらい、その他の改善分について初年度が約五十六億ぐらいということでございまして、全般的な財政対策の中でそれは地方の財源の中で処理できる範囲のものでございましたから、またそういうふうに見込まれましたので、それは特に改正をする必要はないというふうに考えたわけでございまして、きわめて微細な点まで積み上げてそれをぴっちりとやるという形で地方財政計画を積むわけではございませんので、そういった点は五十五年度に限ってはそれほど大きな問題はないと申し上げたわけでございます。  したがいまして、全般的にこの問題が、この四十人学級制度等の改善計画が進められていく過程においては、将来地方に大きな財源負担をもたらすということになるわけでございます。それについては、順次私どもとしてはそれに対応する財源対策というのは当然考えていかなければならぬというふうに考えております。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 この問題、また後で別の機会に議論しますけれども、要は、私は地方財政の問題を見たときに、借金の一番大きな原因というのは、国の施策の結果生まれてくる借金というのが一番大きいわけでしょう。だから、そういう意味合いで見ると、こういった新しい施策を取り入れる際にはきちっとした地方財政の保障をやっていく、こういう措置はこれからひとつきちっととってもらいたいと私は思うんですよ。そこら辺が大臣のさっきの説明どおりに実行されれば、今日こういう事態はない。ところが、いつもそれがこの特例とか特別な場合とかなんとかかんとかこう理屈つけて、そうしてやられてくるのが例なんですから、そこはひとつぜひ今後とも大事にしていただきたいと思いますし、私強く主張しておきたいと思うんです。  そこで、時間の関係もございますから、少し法務省の関係についてこの際ひとつただしておきたいと思うんですが、さっき大臣の答弁の中でも出ておりましたが、法務省の関係のいわゆる正規のこれは法務局であり登記所であり出張所であり、そういう施設ですね、それがほとんど土地は自治体提供と、こういう仕組みになっていますね。これは一体、いま大臣は四十人学級については二分の一という言い方をしましたけれども、実態はどうなんですか。

藤井正雄法務省民事局第一課長

○説明員(藤井正雄君) 法務局には、本局のほかに支局、出張所が非常に多数ございまして、これにつきましては非常に古くから出張所というものが全国各地に散在いたしております。古くからのいきさつでもって地元の市町村にお願いをいたしまして土地をお借りして、その上に国有の庁舎を建てているもの、あるいは建物までも提供していただきましてそれをお借りしているものなどがかなりの数ございます。しかしながら、これは公共団体の好意におすがりしているわけでございまして、特に庁舎までお借りしているというのは必ずしも好ましい事態ではございませんので、できる限りこれを、新営の機会に国有の庁舎を建てていくという方向で対処してまいっておりまして、近時、相当数庁舎の新営が認められてまいりました関係上、地元からお借りしている庁舎というものはかなり減少してまいってきております。ただ、具体的な数字につきましてはいま持ち合わせておりませんので、そこまでお答えいたしかねますが、そういうふうな状況になっています。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 その数字をひとつ資料として要求しておきます。それが一つです。  いま法務省が四十六年以降登記所の統廃合をやっておりますね。その統廃合をやって新設する施設の場合の実態としてどういうようになっておるのですか、そこら辺は。

藤井正雄法務省民事局第一課長

○説明員(藤井正雄君) 四十六年からやっております統廃合の場合には、大体受け入れ庁の方の庁舎を新営する必要がございますので、その際には必ず国の庁舎を建てております。ただその場合にも、土地につきましては地元市町村からお借りしているものがまだ若干数あるのが実情でございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 大臣、こういう実態についてどういうふうに思いますか。

後藤田正晴自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(後藤田正晴君) それは、たてまえからいけば用地は地元負担というのはこれはおかしいと思います。しかしながら、先ほど言いましたように、何分にもこの問題は明治以来長い間のそういった一種の慣例みたいになっておりまして、一挙の改革は私はむずかしいのじゃないかと、かように考えます。しかしながら、これはもう大分前から国会等でも大蔵当局に対する厳しい御批判等もあって、だんだんそういったことについて改革の方向には向かっておる、しかもまた向けなきゃならぬ事柄であろうと、かように考えております。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 そこで法務省に聞きたいんですが、明治以来の話をすぐ大臣は出しますが、いま私が言っているのは明治じゃないんです。明治以来あったやつが今度新しく整理統合して新設しておるわけですね。現代ですよ。ですから、その新設するものについての問題をどうとらえておるかということを聞いているわけだから、そういうつもりでひとつ聞いておってもらいたいと思うんですが、いま進められておる整理統合の実態というのはどういう実態になっていますか。登記所の整理統合というのはどういうふうに進められておりますか。

藤井正雄法務省民事局第一課長

○説明員(藤井正雄君) 現在法務省の方で行っております登記所の整理統合は、昭和四十五年の閣議決定でもって出張所を極力整理統合するということが定められまして、それを受けまして四十六年に法務大臣の諮問機関でございます民事行政審議会に整理統合の基準について諮問をいたしまして、その答申を得て、その答申に定められました基準に準拠いたしまして整理統合を進めてまいっております。四十六年以降五十四年度末までに実施予定のものを含めまして五百五庁の統合をしたという実績になっております。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 その五百五庁の中で、土地代を含めて——これは国の施設ですからね、国が責任を持っておるものは何庁ですか。自治体に土地代を負担させたのは何庁ですか。

藤井正雄法務省民事局第一課長

○説明員(藤井正雄君) 統合されました五百五庁の建物の国有とそれから市町村有の内訳でございますか。——その数字はただいま持ち合わしておりませんので、後刻調べましてお答え申し上げたいと思います。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 大体でいいです。調査して後でもらいたいけれども、いま大体。あなた担当でしょう。

藤井正雄法務省民事局第一課長

○説明員(藤井正雄君) これの大多数は借り上げ庁舎であろうというふうに考えております。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 そうすると、自治体負担ということだね。

藤井正雄法務省民事局第一課長

○説明員(藤井正雄君) さようでございます。借り上げまして借料を国の方で支払っていたものでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 そうなりますと、土地はオール自治体提供。庁舎は、この五百件の新しい合併庁というんですか、これは国有、国の責任で建設したと、こういうふうにとっていいんですか。

藤井正雄法務省民事局第一課長

○説明員(藤井正雄君) 統合しまして受け入れた出張所の建物は、これはすべて国有の建物でございます。敷地につきましては、その新しい庁舎を建てます際に極力国有地を見つけてそこに建てる。あるいは既存の、別のところにございます国有地と交換をしまして、国有化いたしましてその上に建てるというふうに極力努力いたしておりますが、なおかなりの数のものにつきましては借り上げの敷地の上に建てておるものがございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 借り上げというのは、国が借料を払っておるのですか。それとも無料ですか。

藤井正雄法務省民事局第一課長

○説明員(藤井正雄君) 私どもの方の予算上、土地建物借料というものがございまして、それに基づきまして借料をお払いいたしております。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 その統合基準というのはどういう内容ですか。

藤井正雄法務省民事局第一課長

○説明員(藤井正雄君) 民事行政審議会の答申で定められました統合の基準には大体四つございまして、一つは、一年間の登記甲号事件数が五千件に達しない登記所で、その各市町村の中心的地区から受け入れ庁までの一般の交通手段による所要時間がおおむね六十分程度の範囲内にあるもの。それから二番目は、事件数が二千件に達しない登記所で、所要時間がおおむね九十分程度の範囲内にあるもの。三番目が、交通の便利な地域にあって、大体三十分程度の範囲内にあるもので、事件数が二万件以内のもの。四番目は、同一市区町村内にある登記所と、こういうふうになっております。このような基準に当たるものは統合をすると、こういう定めになっております。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 答申ではそれが第一基準ですね。もう一つあるんじゃないんですか、第二が。

藤井正雄法務省民事局第一課長

○説明員(藤井正雄君) 第二と申されますと、恐らく地元市町村の意向を十分に配意するようにと、こういうことを指していらっしゃるものと思いますが、これにつきましては、地域の自然的地理的条件、社会経済的条件、あるいは生活指向など、地域の実情に十分配意し、そして地域住民に対しまして登記所の適正配置の趣旨あるいは目的について説明をしてその理解と協力を求めると、地域住民の意見をできるだけ尊重して決めると、こういうふうに留意事項が定められております。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 先ほどからのあなたの答弁で、肝心なところは資料がなかなか出てこないんで、ぼかしておりますけれども、言うなら、登記所というものの統合整理というやり方は、自治体の方に土地を提供さしてそうして整理統合していこうと、こういうやり方をやらざるを得ない実態にある。それから、同時にまた、地域住民と密接不可分の関係にある、こういう観点から、これらの整理統合に当たっては地域住民の意見を十分くみ上げて、理解と協力のもとに進めなきゃならぬと、こういうのが答申の趣旨でしょう。どうですか。

藤井正雄法務省民事局第一課長

○説明員(藤井正雄君) さようでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 そこで、私はきょうひとつ明らかにしておきたいと思うのは、大分県の九重町というのがあるわけですが、そこの登記所の合併問題でいま大変な問題になっている。二月二十三日には町議会全員協議会で国を相手に断固闘うという方針まで決議すると、こういう事態になっている。これはどうしてその問題が起こったのかということでいろいろ調べてみると、このいわゆる登記所と自治体との関係は密接不可分なものでございますが、今度のやり方というのが非常に卑劣きわまると、こういうところに町を挙げての反対闘争になってきている。  一つは、どういう点に見られるのかと言えば、まず九重町の場合には四つの基準に該当しない地域です。それは確認できますね。いわゆる整理統合の基準に合致しない九重町の実態なんです。  なぜかと言えば、第一の、いま言った五千件未満というのは六千件、二千件未満というのもこれは条件外、それから交通至便ということは、交通至便ではない。四町合併して大分市にまさるような大きな地域ですから、大変な状態にある。しかも四つの条件の中の一つには、いわゆる町村の行政区画に一つということなんです。それは、いま現在も一つなんです。  ですから、そういう面ではまさに四つの条件に合致しない。該当事項でないのに今度の対象に入っておる。そこに第一の問題がある。いかがですか。

藤井正雄法務省民事局第一課長

○説明員(藤井正雄君) 答申で、定められた基準で申しております「事件数」といいますのは、大体過去三年程度の年間平均事件数によるということになっております。  で、御指摘のございました野上出張所の事件数を見てみますと、五十四年はなるほどいまお話しございましたように六千件ほどになっておりますが、五十三年は四千三百件、五十二年は三千三百件ほどでございまして、単純にこれを平均いたしますと五千件には満たないということになろうかと思います。  ただ、このような事件の傾向がいかなる理由によって生じたかというのがいま一つ明らかでございませんで、今後どのような事件数になるかということは予測の限りでございませんが、他方、先ほど申し上げました基準の三番目で申しますと、おおむね三十分程度の範囲内で、事件数が二万件以下という基準に照らして考えてみますと、この野上出張所の所在いたします九重町の役場から、受け入れを予定いたしております玖珠出張所までは、大体距離にして六キロ程度でございまして、バスでも十五分程度で行けるところにあるというふうに承知いたしております。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 それは大変な情勢認識の——行ったことがあるの、現地に。あなた、現地に行ったことはあるの。

藤井正雄法務省民事局第一課長

○説明員(藤井正雄君) 私はまだ現地に行ったことはございません。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 それは大変な情勢認識の誤りです。ここの委員長も選挙区だからよく知っておると思いますがね。バスに乗って十五分そこらで行けるようなしろものじゃない。あそこの面積が、合併するまではこれは四町村だったんですよね。それが合併して一つの町になっておるんですが、二百七十平方キロの面積ということで、これは大分県内では大分市にまさるような広さなんですよ。これはそこにおる久世さんもよく知っておるわね。飯田高原からしかも久住高原を抱えている。それが役場までに十五分なんということはあり得ぬし、少なくともバスで行くなら、乗り継ぎ乗り継ぎで行きますから、約一時間はかかりますよ。そういうへんぴなところですよ。それが第三点の交通至便で二万件以下のところという、あの規定の中にどうして入るのですか。

藤井正雄法務省民事局第一課長

○説明員(藤井正雄君) 九重町の面積が二百七十平方キロメートルであるということは承知いたしておりますが、先ほども申し上げましたように、時間をはかります基準としましては、市町村の中心的地区から受け入れ庁までというふうになっておりまして、非常に広い町でございますので、遠くの方の地区からは相当時間がかかるであろうということは私どももよくわかるわけでございますが、一応基準として町役場から受け入れの玖珠出張所までの所要時間がどの程度であるかということを申し上げたわけでございます。  なお、先ほども申し上げましたように、五千件というのは単年度だけで見るのではなくて、過去何年かの実績を見て決めることになっておることを改めてつけ加えさせていただきます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 だから、あなたは第三点が危なくなると今度は第一点の方に戻ってくる。その第一点というのは、過去三年というところにウエートがあるのじゃなくて、あの答申の趣旨というのは、そこにウエートがあるのじゃなくて、将来を見通して、三年間という通算で見るとそこにカーブが出てくる。その意味で五千件以上になる見通しがあるのかないのかと、こういうところをにらんだところの趣旨なんでしょう。それを過去三年平均で割って云々という論理というのは、これは役所としていまから将来そういう発展性がある庁なのかどうなのか、件数が多くなってくるところがあるのかどうなのかということを想定して基準というのはつくっておるわけで、それをそういう形にひん曲げたり、そこが危なくなると今度は第三の問題に移ってみたり、そういうやり方というのは私は許せぬと思うんだ。  もう一つ言いましょう。今度の一番の問題は、そういう合併問題、いわゆる統合問題に焦点があるわけじゃない。法務局が町民を手玉にとって、言うならばうそとペテンで進めてきたということに対する怒りなんです。なぜかというと、去年の八月の段階に法務局長が来て、そうして町民の皆さんに説明会したのは、いま言ったように第一点だけ挙げたわけだ。当庁の条件から言いますと、そこの条件から言えばいわゆる五千件以上超えればここは存置できますと。将来性を考えてみてもここは大分県の開発地域だ。たとえば地熱発電はいまは時の情勢にある。さらにまた観光から農業の面からいっても、言うなら利用されてない地域で一番大きい。そういう展望を見ると、問題は五千件というのが一つのネックになっています。それを超すことができるならば存置をさせるように私も努力をしますということを約束しておる。  そういう約束に対して、町の方も努力をして五千件を超えて六千件になってきた。そこでいまの庁舎について狭いと言うから、それならひとつ拡張用地も確保しましょう、そういうところまで話が進んできた。ところが、そのときにはすでにもう法務局の方は隣の玖珠町の方に土地を確保するという手を打ってきた。それはおかしいじゃないかということで抗議を申し入れたところが、法務局の方は、今度はいまあなたが答弁したように三の問題を持ち出してきたんだ。五千件は確かに超えました、したがって将来性もございます。ただと、三の問題を出してきた。ところが、三の問題は法務局としてはなかなか、現地を知っておるからそれが主張できない。あなたのようにぬけぬけと十五分で行けるなんという、そんなことは言うにしたってできないことですから、現地の実態を見れば。だからそこで、もう一遍それなら本省の方と協議してみましようと、こういう約束を一月の段階でやっておる。一月の二十八日の日にそういう約束をして、そして町長、議長は二月の十二日にあなたのとそろに現地の状況報告を含めて陳情に行った。ところが、その一月の二十八日に町長と約束した翌日の二十九日にはもう隣の町に行って土地を確保しておる。こういう二度、三度にわたるペテン行為をやっておるところに怒りが爆発しておるわけだ。そうじゃないですか。

藤井正雄法務省民事局第一課長

○説明員(藤井正雄君) 九重町の野上出張所の統合につきましては、これは四十八年当時から統合についての折衝がなされておるわけでございまして、非常に長い期間をかけていろいろと御説明を申し上げまして御理解を願うように努めてまいりましたところでございます。統合いたしますためには受け入れ庁の方の庁舎を整備いたさなければなりませんので、五十五年度の予算要求に当たりまして玖珠の庁舎の新営をお願いいたしまして、これが認められまして現在国会で御審議を願っておるところでございますが、その際には予定敷地というものを決めまして予算要求をいたしておるわけでありますが、統合いたしますからには少しでも統合されます九重町の方の利便にもなるように、少しでもそちろに近いような場所でよりよい土地はないかということで現地の方で努力をいたしまして土地を探しているというのが実情でございまして、そういう観点から土地を求めまして現在に至っているというわけでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 あなたがそういうことを言うだろうと思ったから、私もけさ玖珠の町長に電話して聞いてみたんです。玖珠の町長は、去年の十二月にやっぱり隣の町で大騒動やっておるから、この問題はやっぱりこの答申の条件を見ても両庁ともかからない条件だということも含めて法務局にお断りした。ところが法務局の方は、そんなら、おまえのところが確保しないなら九重に持っていくぞ、こういうおどしをかけたというんです。だから、やっていることはあなたが言うような調子じゃないですよ、現実は。いわゆる両町がいままで肩を組んできて、そして登記所の問題で、それぞれの町に一つずつある、現存する中で仲よくやってきておったわけだ。ところが法務局が、いま言うようにこっちにはこう揺さぶり、こっちにはおどすと、こういうやり方をやって、いままでは大変な険悪な状態になってきている、二つの町が。そういうことをやっておるんですよ、どこでも。どうですか。

藤井正雄法務省民事局第一課長

○説明員(藤井正雄君) この統廃合を進めておりますのは、基本には行政機構の簡素合理化ということがございます。また、同時に二つの出張所を維持しておりますと、いろいろな面で経費も倍かかります。庁舎をつくるにしても二つつくらなきゃならない。人の配置にしましても、どうしても配置上のロスが出てまいります。また事務処理の上でも、少しでも職員をまとまって配置できるような機構にいたしておきませんと、相互に協力をし、またチェックをして誤りを防止するということもできにくくなってまいります。そういうふうな観点から統合を実施いたしておるわけでございまして、できる限り統合される方とする方と町村の間でもめごとの起こらないように配慮していかなければならないというふうには考えておりますし、また、そのようにやってきておるつもりでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 いや、この二つの庁は、さっきも言ったように、統合しなくやならない四つの条件の中に入ってないんだよ、条件から言ってみると。それを無理に統合させようというのがあなたのところのやり方でしょう。  しかも、いま話を聞けばわかるように、明治以来地域の皆さんには大変お世話になってきておる。土地その他を含めて大変な迷惑もかけてきておる。そういった関係があるのにかかわらず、今度の場合にやっておる内容というのは、まさに両町をけんかさせるように揺さぶりをかけてやっておるのじゃないんですか。一月二十八日の日に——議事録もございますよ、そのときのやりとりの。そのときに、わかりました、これはひとつ十分検討して、本省とも相談をしてみましょうと、こういう話をしておって、もうその翌日に行って土地の取り決めをやってくるというのは、そういうやり方というのは、それが法務省のやり方ですか。翌日やるならなぜそのときに、いやそれはできませんと、こうこうこうだとなぜはっきり言わないんですか。  もっと端的に言うなら、昨年の町民の集会に行った際にも、五千件以上が確保できれば当庁の条件としては残しますということを言っておって、どうしてそれを強行しなきゃならぬのですか。その返事もやってないんだ、強行するという返事も。持ち帰って検討、努力しますということで帰って、それはできませんでしたという返事もしていない。そういうやり方が国の行政改革のやり方ですか。そうじゃないんでしょう。あなたがいま言っておる実態というのは、町長自身があなたにも説明しておる、実態を。民事局長にも説明しておる。二回も来て説明しておるのだからよく知っておるはずだ。そんなごまかしは言いなさんなよ。

藤井正雄法務省民事局第一課長

○説明員(藤井正雄君) おしかりを受けるかと思いますけれども、私が申し上げましたのは、現時点では答申に定められました一番目と三番目の両方の基準に該当し得るという意味で二つの基準を申し上げたわけでございまして、二つを使い分けているということではないつもりでございます。  で、受け入れの玖珠町の方では、昨年十二月の段階では私どもの方に提供をするということを予定しておりました敷地が、町営住宅の建っております土地で、その立ち退き問題がございまして、しばらく待ってくれという話は玖珠町からあったというふうに聞いておりますけれども、玖珠町の方が九重町との関係などを考慮して敷地の提供を断ったというふうには私ども承知していないわけでございますし、両方を手玉にとったというふうなことはしていないつもりでございます。敷地というものは必ずしも固定的には考えておりませんので、当初予算要求の際に示しました敷地から少しでもよい土地で、統合される町の方にも納得できるような土地があればそちらの方を求めたいということで、現地局の方で努力しているものというふうに理解いたしております。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 あなたは町長をおどしていないと言うけれども、現実に町長が、けさ私が電話で問い合わせた結果、そう言っているんです。こういう問題で両町の間に亀裂をつくりたくない、ですからこの問題でそういうことをしたくないので一年待ってくれぬか。そして、むしろ九重町とよく話しをしてそこら辺の問題を調整して解決したいということを言っておる。ところが、それについて法務局の方はそう言っていない。むしろ、そんなことをするなら九重町に持っていくぞそれでいいのかと、こういうおどしをかけて、町長は議会を開く間もないものだから、言うなら議会は各派代表だと思うんだけれども、そういう方々に集まってもらって、事態が切迫しておると、こういうことで、その土地の確保のいわゆる半額を手付として地主に払ったと、こういうことなんです。全然違いますよ、あなたの言うのと。そのことは後ろにおる室長がよく知っておるでしょう。そんな言い逃れを言いなさんなよ。やっぱり事実はきちっと認めて——そうしなければあれほど町長があなたなり民事局長に血相を変えて物を言わぬでしょう。もしこれをやるなら地熱開発からいまの国の要請事項については全面的に拒否すると言っておるんでしょう。どうなんですか。

藤井正雄法務省民事局第一課長

○説明員(藤井正雄君) 私どもの方は、昨今の大変厳しい予算事情のもとでもございますし、二つの庁舎を建てるというだけの余裕はとうていないわけでございまして、どうしてもこれは一つにまとめて一つの庁舎を建てるということで進まざるを得ないというふうに考えてやっておるわけでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 ぼくの聞いておるのは、そんなことを聞いているのじゃないんだよ。そういう不信感をつくって、両町の中に亀裂が生まれて、それでも強行するのかしないのかと聞いておるんだよ。そんなことが国の行政改革ですか。もっと言えば、当初のあれでは、全国的に見れば一人庁が五百庁くらいあるんでしょう、一人の職員がおる登記所というのは。二人庁だって相当数あるでしょう。そういう実態の中で、こんな不信感の中で強行しておる事例というものはないんでしょう。全部やっておるの、こんな形で。だまして強行しておるの。どうなの。

藤井正雄法務省民事局第一課長

○説明員(藤井正雄君) 五十四年の十一月末現在で、一人庁は百五十八庁、二人庁は百七十八庁でございます。統合をやります場合には、どうしても統合される方と統合する方とでその関係が円滑にいかない事態が生ずる。これはしばしばあることでございまして、統合される方に対しまして私ども大変申しわけないと思っておりますが、それだけに、何とかして地元市町村の御理解を得るように極力努力をしてまいっておるわけでございまして、この大分県の場合につきましてもそのような方針で進めてまいっているというふうに、私ども信じております。至らない点数々あったかと思いますけれども、今後も極力そのように現地局の方を指導いたしまして、何とか地元の関係の方々の御理解を得るように努力をいたしてまいりたいと思っております。  大変九重町の方でお怒りが激しいということは、私も直接に陳情を町長さんから受けまして、承知いたしております。これまで長いこと明治以来めんどうを見ていただいたものといたしまして大変申しわけないと思っておりますが、そういう意味合いからなかなか統合は進まないわけでございまして、この場合につきましても過去何年にもわたりまして折衝が続けられているわけでございまして、そのあたりのところを何とぞ御理解をいただきたいというふうに思います。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 あなた、何遍言っても理解しようとしないのかね。去年まで何年という間は、五千件になればもう存置をしますと、約束を何遍もやってきておるわけだ。ところが、いま六千件になったわけだ。だから存置をするものと当町は思っておったわけだ、全員が。それが、いま言うように今度は六千件になれば第三の問題持ち出して、実態に合わない第三の問題持ち出して、そうして、いや、やっぱりやらざるを得ぬのだと、こういう言い方になってきておるわけだ。  しかもそれは、その段階では私はあそこの町議会の皆さんも町民の皆さんもこれだけ怒りに燃えなかったと思うんだよ。ところがやることなすことが全部ペテンでしょう。十二月の段階も一月の段階も。わかりましたと、そんなら検討して上司と相談しますと、そういう約束をしておって、その翌日に現地に乗り込んで土地を確保するというやり方をやる。で、玖珠町の方は、隣の町でそういう事態が起こっておるから、この問題はもう少し冷却した方がいいということで町長が断ると町長はおどされる。そういうやり方できておるからこの問題については私はあなたに見解を求めておるわけであって、一体今後の処理についてどういう考えを持っておるのか。これだけの不信感というものはぬぐえぬですよ。

藤井正雄法務省民事局第一課長

○説明員(藤井正雄君) この野上の出張所は、昭和五十二年以前は、何年にもわたりまして事件が三千件程度しかなかったところでございますので、その当時の事情といたしましては、第一の基準を申し上げれば事が足りるというふうに考えていたのであろうかと思われますが、仮に過去三年の平均事件数が五千件を超えるということになりましても、第三の基準がございますということを申し上げた次第でございます。  それから、いま御指摘のございました、一月二十八日の折衝でございますけれども、私どもの方は、大分地方法務局長が玖珠町の方をおどかしたとか、そういう御指摘のような事実はなかったものというふうに承知いたしております。現に二月になってからでございますけれども、玖珠の町長あるいは議長が大分局の方に、新営の敷地についてはぜひとも玖珠町の方にお願いをするということを陳情してまいっているような次第でもございますので、御指摘のような事実はなかったものと、そういうふうに私どもは考えております。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 これだけ言ってもまだあなた自身がそういうことを言うなら、そんならもう一つ出しましょうか。  玖珠町の議会の議事録の中に、こういう問題で両町けんかになるようなことだけは避けるべきだという意見が圧倒的に出て、そして町長もその意を体して、あなたの方に一年延期を申し入れているんですよ。それを強引に押し切って、どうしてあなたそんなこと言えるの。

藤井正雄法務省民事局第一課長

○説明員(藤井正雄君) 延期を申し出ましたといいますのは、恐らく敷地に予定いたしておりました町営住宅の建っております土地の立ち退き問題が必ずしもスムーズにいかないために、別の土地を見つけるまでという申し出があったことを指していらっしゃるものと思われますが、そういうふうに、町営住宅の敷地の立ち退きがうまくいかないのでほかの土地を探して私どもの方に提供をしてくれているという次第でございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 そういう言い方をするなら、あなたの方はやっぱりこれを既定方針どおり強行するという腹ですか。それならそれで現地の皆さんに私からはっきり言っておきますけれども。どうですか。

藤井正雄法務省民事局第一課長

○説明員(藤井正雄君) まあ今後とも何とか御理解を得るように努力をいたしたいというふうに考えておりますが、統合だけはぜひともやらせていただきたいというふうに考えております。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 御理解を得るというのはどういうふうに御理解を得るの。あなたの方は、九重町には去年一遍夏に行っただけですよ。そのときには何をやったかというと、町民大会、町民の皆さん三百人ぐらい集まる中で、皆さんの事情はよくわかりまして、五千件を超えておりますから存置するように努力をしますという約束をしているんだ。それ以外全然九重町に行ってないんですよ。  大臣、いかがですか、これ聞いて。

後藤田正晴自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(後藤田正晴君) 先ほど来の質疑応答で受ける印象は、行政改革というのはやっぱりこれはなかなかむずかしい仕事だなあということが率直な感じでございます。  ただ、具体的な問題については私がお答えをする立場にございませんのでお許しを願いたいと思いますが、一般的に申し上げたいと思うんですが、登記所の統廃合の問題、これは恐らく、何といいましても最近のような交通事情もよくなったしするので、行政サービスの低下も来さないという限度においてできる限り統廃合をやりたいと、こういうことで四十六年にお決めになったと思います。私は、こういった行政改革のむずかしさということを考えた場合に、法務省は、当初五年の計画でもうこれ十年になろうとするので、大変延びてはおりまするけれども、非常によくやっていらっしゃるなあという気が私はいたします、仕事の困難さにかんがみてですね。しかし、基本はやはり何といっても、行政のニーズに応ずると、そのニーズの応じ方として、できる限り金のかからない簡素でしかも合理的な行政組織をつくっていくということが基本ではなかろうかと、かように思います。その過程でやはりこういう問題、むずかしいだけに一定の基準をつくるというのはこれは私当然だと思うんですね。で、その基準を当てはめる場合に、やはり何といいましても、基準をつくらなきゃできないんだがさてその基準に具体的に合うか合わないかというところでいろんなトラブルができてくる。  で、この登記所の統廃合の問題、私も実は自民党の行財政調査会の副会長をやっておりましたのでよくわかっておりまするけれども、大変むずかしい仕事であることは十分承知をしておりますが、率直な感じとして、延びてはおるがよくやっておるなあというのが私の考え方でございます。しかし、何といっても地元民との話し合い、これが一番肝心であろう。やはり余り強行するということであっては地方の平和を害するといったようなことになりますから、そこらは十分留意をしてやっていらっしゃると思いまするが、今後ともそういう点についての配慮は十分していただきたいなあというのが私の考え方でございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 大臣は話をよく聞いてないな。——こういう地元の新聞が取り上げておりますように、「行政改革に痛烈な一石 住民無視のやり方」と、こういうように新聞でも取り上げておりますが、さっきも言ったように、私は行政改革の一環として一つの基準をつくって簡素にしていくということについて、何も反対しておるわけじゃない。恐らく現地の皆さんもそうだと思う。ただ問題は、ここの場合にあの基準に合うのかどうなのかとなると、非常に無理に、ここが合わなきゃこっちというかっこうで、無理に合わせようとすればどっちもひっかかるような仕組みになっているわけだから、基準が。だから、そういうようなやり方をすれば別ですけれども、素直に問題を見て統廃合をやっていくという計画の趣旨から見ると、もしくは答申の趣旨から見ると、あそこは強行してやるような地域ではない、現実的に。それだけの条件を持っておる。  なぜかと言えば、さっき言ったように、六千件というのは、三年間の経過を見ると三千が四千になり、四千が六千になって、さらに今度はそれがふえていくという要素を持っているというのは、言うなら大分県の未利用の一番大きな地域なんですよ。しかも、今度は省エネルギー問題で地熱開発があそこで重点的に取り上げられて、しかも観光の面から言っても農業の面から言っても、こういう登記業務というのがこれから累増することはあっても減るという条件のないところなんですよ。ですから、そういうような条件にあるだけに、五千件を超えれば存置しますということをちゃんと町民の前で言えば、これはもうここの問題は一件落着と思うのは無理からぬ点があると思うのですね。それを信じてきたところが、逆に、いま言ったように、今度は第三の問題を持ち出してきた。第三というのは何かというと、あれは恐らく都市部だと思うんです、交通至便なところを前提としておると思うんですね。それを無理にあの僻地の九重に当てはめようとする。そういう考え方がやはり住民の皆さんから見て納得できないといういら立ちになるのじゃないかと私は思うんですよ。  やはり問題は、あなたがおっしゃったように、住民の意思を尊重して無用なトラブルが起こらないようなと、そういったよくやっておるというしろものじゃないんです、ここは。正直言って。まさにその逆なんで、九重町に法務局が行ったのは去年の八月に一回行って、わかりましたと、六千件を超える見込みが出てきそうですから存置するように努力しましょうと言って帰って、それっきり行っていない。それから後は陳情が法務局に行っておるわけです。その陳情が、いま言っておるように一月二十八日に行って、再度それなら検討しましょうと言っておって、そしてその翌日は今度はもう玖珠町に飛んで土地を確保するという、そういう卑劣なやり方をやっておる。だから憤りが倍増しておるわけですよ。  ですから、こういうような問題は、まあこれは他省のことで私の所管じゃないというようなそういう感覚じゃなくて、やっぱり自治大臣としても、こういった事態が起こって、恐らくいまの実態からいきますと全員協議会の雲行きからいえば、九重町は、あらゆる国の業務に、何というんですか、非協力と、地熱発電も含めて全部非協力という態度に出るに相違ないと思いますが、そういうような事態まで引き起こしながら強行していく性格のものじゃないと私は思うんですよ。理解と協力を得るのならもっとまともに九重町に何遍も足を運んで説得すればいいじゃないですか。説得するなりそこで討論すればいいじゃないですか。そうすれば私は理解がいくと思うんです。そんなひきょうな手を使うところに今日の不信が起こっておるわけだから、そういったあり方についてはやっぱり自治大臣としても法務省に十分留意してもらうなり、これらの問題についてはもう一遍やっぱり自治省そのものが調査に乗り出すなり、問題の解決に向けてひとつ努力してしかるべきだと思うんですが、いかですか。

後藤田正晴自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(後藤田正晴君) まあ佐藤さんのお話を承っておれば、従来からの地元との話し合いが少し不足をしておるのではないかなという感じもいたしますが、他方、法務省の課長の話を聞いておれば、基準には適合しておるんだと、こういったようなことでございまして、所管外の私がここでお答えするのは差し控えさしていただきたいと思います。  ただ、こういうシビアな議論が参議院の地方行政であったということは法務大臣にお伝えをいたしておきたいと、かように考えます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 私も、この問題はこの段階だけで片づかぬと思います。これからも発展していくんじゃないかと思うんですが、これは法務省の方に言っておきますが、あの答申の中の第二項の中身ですね。これは何を言っておるかと言えば、適正配置の基準として四点を列挙して、その第二項の中に言っておるのは、第一にやっぱり地域の住民の皆さんの理解と協力が前提だと、こうなっておるわけだ。それが前提で、そして、たとえば九重町のような開発地域、そういう自然条件、社会的な条件、経済的な条件を持つところについては十分留意しなきゃならぬということも明記されておる。それから今度は具体的な場所選定については、そういう地域住民の皆さんと十分具体的な話をして、そして住民の意思を尊重する中で場所選定をしなさいと、こういうことも明記されておる。これらは全然やってない、おたくの場合。場所をどこにするかということも全然話をしてないんだ。一方的に決めておるわけだ。こういうことについては、断じて国の行政改革の一環なんというしろものではないと私は思う。そこら辺はひとつぜひ法務省の方でも再検討していただいて、そして事態の円満な処理ができるような、まさにこの答申の趣旨が生かされるようなそういった処理をひとつこの機会に私からも強く要望しておきたいと思います。  以上で終わります。

後藤正夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(後藤正夫君) ちょっと速記をとめてください。    〔速記中止〕

後藤正夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(後藤正夫君) 速記を起こしてください。  午前の質疑はこの程度にとどめ、午後二時まで休憩いたします。    午後零時四十九分休憩      —————・—————    午後二時四分開会

後藤正夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(後藤正夫君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、地方交付税法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 まず最初にお尋ねする点でございますが、午前中の審議の中で、すでにこの法案のポイントとも思われる点が指摘されたわけです。ですから、その点多少ダブるような形になりますが、こういうだれが見ても非常にややこしいなあと感ずるような、こういうような措置をとらなくちゃならなかったというその考え方、またその真意、こういったものがどこにあるのか、その点について、まずお聞かせ願いたいと思います。

土屋佳照自治省財政局長

○政府委員(土屋佳照君) 今回、御承知のように、六千百九十七億円を五十四年度から五十五年度に繰り越すということになったわけでございますが、その中身は二つございまして、五十三年度の精算に係る分の千九百十八億と、それから五十四年度の補正に係ります分四千二百七十九億と、この二つの要素があるわけでございまして、これは申し上げるまでもなく先般の補正予算において国において補正計上されたわけでございまして、その結果、当然国税の三税の三二%分というものが出てくるわけでございまして、その処理が必要になってきたわけでございますが、分けて申し上げますと、五十三年度分につきましては、本来、通常の場合でございますと五十五年度分に回すということが例でございますけれども、それも合わせて補正計上されたので、私どもとしてはそれを五十四年度のものとして扱うかどうかという判断に立ったわけでございます。  しかしながら、全般的に見まして地方の非常に厳しい財政状況のもとにおいては、五十三年度の分はともかくといたしまして、五十四年度の分につきましても、五十四年度に配るよりは、地方財政全体を見まして、五十五年度に繰り越して使用する方が、地方の財政対策としても適当であるという判断のもとに、今回お出ししておりますような法案を提出したということでございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 いまお尋ねしているのは、私はこういうふうにしなくちゃならないというその真意が伺いたいのであって、数字を並べてこうこうだからこうやるんですという、そういう数字をいじくったというようなことの答弁ではなくて、どこにその真意があるんだ、で、こうしなくちゃならないと、その点を聞いてみたいわけです。まあそれはだんだんと順を追っていくに従ってお話し願わなくちゃなりませんから、あえてまたここでそれについてお話しいただかなくても結構だと思います。  で、これは言うならば地方自治体の固有の財源であるということだけは間違いないんです。そうだとすれば、国の立場からこれを措置するという、そういうやり方は私はよくないと思う。地方の固有の財源であるということならば、いままでもこういう場でさんざん論議されてきた自治体の自主性、あるいは財政の健全化、いろいろ言われてきたわけです。そういったことを考えるならば、当然これは地方自治体に任せるべきものであって、国がとやかくくちばしを入れる問題ではない、こういうふうに私は考える。だから、いままでの論議からするならば、こういう行き方は時代に逆行していると言う以外にないんじゃないか、こういう感じを強く受けるわけなんですが、その辺の受けとめ方をどう受けとめているのか、お尋ねしたい。

土屋佳照自治省財政局長

○政府委員(土屋佳照君) おっしゃるように、この地方交付税というのは地方の自主財源でございますし、地方の自主性という点から見れば、地方財政のいわば年度間の調整ということにつきましては、原則的には、地方団体に配って地方団体が行うのがたてまえだというふうに思うわけでございます。しかしながら、現在のように地方財政が毎年度巨額の借り入れをしており、膨大な累積赤字がある状況のもとにおきまして、すでに作成された地方財政計画に従ってずっと運営をしてきて、年度末に至りまして補正予算に伴って交付税の増加額が生じたと、こういった場合に、しかも五十五年度も赤字補てんのためのなお多くの借り入れを行わなければならないと、こういった場合には、地方財政の健全化に資するという方向で全体的な財源対策の中で処理することが適切であるというような判断をしたわけでございまして、国としてやるよりは地方に全部任したらどうかという御意見ではございますけれども、ただいま申し上げましたような判断に立った上で、補正予算に伴う地方交付税の増加分については今回のような措置を講じたわけでございます。  これについても確かにいろいろと方法はあったろうと思います。この使途についてはいろいろな角度から慎重に検討を行ったわけでございますけれども、先ほど申し上げましたような地方財政の状況から見ますと、五十五年度の地方交付税に加算する措置を講ずることによりまして財源不足額というものを減少させるとともに、いわゆる財源対策債を減少させることによりまして地方財政の健全化に役に立つと、こういった判断のもとにこういう措置をとるということにいたした次第でございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 いまのお話の中で、地方財政の健全化とかいろいろなお話が出ましたけれども、まあ健全化はいろいろな角度から考えられ、言われることだろうと思いますが、本来ならば、これも私が言うまでもなく、歳出歳入のバランスのとれない部分は、いわゆるその足りない部分は、当然地方交付税の税率の引き上げであるとかあるいはまた税財政制度の改革であるとか、そういうような形でそれは賄わなければならないということは法律ではっきりうたわれているわけですね。そういったことはもういままでにどれほど口を酸っぱくして論議されたかわからない問題。そういうものが、言うならばもうごまかし的なやり方が通ってしまっている。だから今回もやっぱり同じような考え方でこういうものが処理される。本当は言うならば邪道ではないかということが言えるわけですよね。そういったことを言いたいわけですが、そこで、財政の健全化、自治体の自主性、いろいろそういった問題をこれから当然真剣に考え、そういうものを確立していかなければならない、こういうことです。で、それじゃ今回は、言うならば五十四年度の補正で上がってきたものでありますから、当然五十四年度においてこれを処理するという考え方、これが私は当然な考え方だろうと思うんです。それが繰り越されているところに問題がある、またその真意がどこにあるか、こうお聞きしたいわけです。  そこで五十四年度の地方財政における財源不足額は四兆一千億ありましたね。そのうち交付税特別会計の借り入れは二兆二千八百億円、こういうものがあるわけです。皆さんから言わせれば、もう年度末でもあるし、地方でも、この金が地方に配分されてももうやるものはないんだと、こういうような考え方があるでしょうけれども、しかし、いま申し上げたように、こういうふうに地方財政の赤字というものは、やはり地方債その他によって膨大なものになっている、そういう現状、実情。そういう実情は、地方財政が健全化されているという状態ではないということだけは、これは間違いない。だとするならば、いままでも例があるわけですけれども、こういう精算分というか、五十四年度分は——これは精算分ではないけれども、見込みでありますけれどもね、こういうものがあるならば、当然五十四年度において、いわゆる特別会計で五十四年度の借り入れが二兆二千八百億円ある、単年度だけ見ても。ですから、こういうものに充当するという考え方もあるわけです。  そういった考え方は、さっき申し上げたように、自治体に自主性というものを持たすならば、自治体はどういう選択をするか、そこに自治体の自主性というものが尊重されるのであって、全くそんなものを考えないで——考えているか考えていないかわかりませんけれども、無視したような形で一方的に国の考え方でこれを措置するということ、これはおかしいのじゃないか。私はそういう面に充当すべきじゃないかというふうに考えるのですが、この点はどういうふうにお考えになっていたのか、お聞かせを願いたい。

土屋佳照自治省財政局長

○政府委員(土屋佳照君) 確かに、おっしゃいますように五十四年度で出てきたのであるからそれは五十四年度で地方団体に配ってもっと有効に使う方法があるのではないかと、こういうお話でございます。その方法も確かにあると思うのでございますが、私どもとしてもいろいろなケースを考えました。たとえば交付税特別会計で五十四年度二兆二千八百億借りる、これを減らしたらいいではないか、こういうお話でございますが、それもできると思うのでございますが、それに充てるといったような形で地方団体に配るといたしますと、結果として——配ること自体に問題がございますが、結果的にはその分だけは五十五年度の地方財政対策において穴があくということになるわけでございまして、結局五十五年度において新たに交付税特別会計の借り入れかあるいは財源対策債の増発かと、そういったいずれかの道を選ばなければならないといったようなことにもなるわけでございまして、現在すでに多くの借金、交付税特別会計で借り入れもしておりますので、そこらを勘案すれば、五十四年度の年度末においてはそれほど大きな需要もないということを前提に置きますと、むしろ五十五年度に回してなるべく財源対策債等を減らす方が地方財政の健全化に資するということで行ったわけでございまして、そういった点について地方団体の利害とあえて反しておるとは私どもは考えておりませんで、できるだけ、いろいろな方法を考えた中でまあ最善の方法であろうと判断したものに従って措置をすることにいたした次第でございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 あなたは、こういったやり方が来年のことを、五十五年度のことを考えれば地方財政の健全化につながる問題であると、こういうような発言ですがね、そういう考え方もあるでしょう。私が申し上げたような考え方もあるだろうと思う。だから、私が考えたような考えの中から申し上げたので、そういった点についてはどうお考えになるかということです、一つは。そういった点をお尋ねしたいわけですよ、いま私は。  そこで、いま申し上げたように、地方の借金の状態というのは、健全化とは言えないことは間違いないですね。ですから、あなたが健全化健全化と、地方の財政の健全化を考えるならば来年度の五十五年度に繰り越した方がいいという、こういう言い方ですけれども、そういう借金をなくすということになれば、地方の立場からすれば、それは私は地方財政の健全化であると思いますよ、借金をなくすということは。それでいて、来年度の交付税についてはどうするかという考え方、それは今度は国の立場だ。そういうふうに二つに分けることが私はできると思うんだな。一本化しちゃって健全化健全化と言っても、それは私は納得できない。まあこういうことです。これは話です。  それで、それじゃ五十五年度の国の予算編成に当たっての基本的な考え方、その考え方をどういうところに置いて五十五年度のいわゆる予算編成をやってきたのかということね、言うならば。わかりやすく言いますけれども、いわゆる財政を五十五年度は縮小していこう、あるいは財政を増大していこう、基本的な考え方として。で、縮小していくということについてはそれなりのやっぱり理由がある。拡大しようということであれば、それにはそれのまた理由がある。だから私は、五十五年度の国の予算編成に当たって、どちらの考え方を基準にして編成がなされていったかということですね、それはどっちなんですか。

土屋佳照自治省財政局長

○政府委員(土屋佳照君) もう端的に申し上げますならば、歳出全体の節減合理化を図るという方向で、抑制基調に立って編成しておると存じます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 次、こういうことをお尋ねしてみたいんですが、決算による精算分ですね、本来ならばこの精算分は国の当初予算の中に精算分として交付税の中に計上されてきますね、精算分として。にもかかわらず五十五年度の予算には精算分というのはゼロになりますね、だから。精算分というのはゼロですね。本来精算分として計上されるものがいわゆる繰越分としてこれは処理されるというんだから、精算分というのはないわけだ。繰越金として処理されるわけでしょう。これは間違いありませんね。で、この場合、そういう措置をするということは、五十五年度の予算規模に影響はあるのかないのかという点を私はお尋ねしてみたい。

土屋佳照自治省財政局長

○政府委員(土屋佳照君) 五十四年度における一般会計の剰余金を五十五年度において精算をしないで五十四年度で補正するということになりますと、当然五十五年度にはその分が上がらなくなってまいりますから、それは予算規模にはその分だけ影響するということになろうかと存じます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 そうすると、私がいまお尋ねした基本は、いわゆる予算規模の問題です。予算規模からいうと、たとえば精算分として上げてくる、例年のように。それと、繰越分として上げてくるのとは予算規模は変わってくるじゃないですか。縮小された形になるでしょう。そうなりませんか。そうならないと、これからの話がちょっとおかしくなっちゃうんだ。

土屋佳照自治省財政局長

○政府委員(土屋佳照君) 五十三年度分の剰余金のいわゆるこの千九百十八億について申し上げますと、それを五十五年度で精算をするということになります場合は、それは五十五年度において一般会計予算に組むわけでございますから、それは予算規模に影響がある。やるかやらぬかで違ってまいります。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 そこで、五十四年度の増加見込み分ですね、四千四百七十四億円ですか、五十四年度の増加見込み分、これは見込みですからね、四千四百七十四億円ですか。これ精算されたものじゃないですからね。だから、増加見込み分と、こういうわけです。よろしいですね。これが四千四百七十四億円あるわけです。五十四年度補正予算にこれが計上されたわけ。これも繰り越される、そういうことになっているわけです。本来ならば、これは五十六年度に五十四年度の精算分として、当初予算に精算分としてこれが上がってくるところですね。ところが、今回はこういう措置をとられたわけです。  で、これは素人考えですが、急いでこういうような措置をどうしてとらなくちゃならないのか。例年ならは隔年ことですよね。それで——後からも聞きますけれども、五十六年度は約四千五百億ね、これ何にもないんだよね。それで、さっきから言っている財政の健全化だとか何だとかと言っているけれども、こういうところに今度は突っかかりが出てくるじゃないか。財政の健全化だと言っているしりから、二年先はどうなるのであろうか。まことに不健全化ということですな、これ。そういうつじつまの合わないことを、なぜこういったところでこういつたつじつまの合わない措置をとるのか、その辺ですね。

土屋佳照自治省財政局長

○政府委員(土屋佳照君) いまお話のございましたように、二つの点で問題でございます。  一つは、五十三年度分の精算に係ります千九百十八億円、これにつきましてはどうして五十四年度に組んだのかというのがまず第一点でございますが、その点については、本来ならこれは五十五年度の地方交付税に加算されるのが通例でございますけれども、一つには大蔵省の方から、五十三年度の剰余金が五十四年の補正予算に計上されるために、地方交付税の五十三年度の精算額も一括処理をしたいと、こういう申し入れがございました。そして、地方交付税の五十三年度精算額というものがすでに確定している以上、機会があれば交付税特別会計に早急に繰り入れて、交付税特別会計の一時借入金の利子負担の軽減を図ることが望ましいということで要請があったわけでございます。で、自治省としても、五十三年度の精算分を五十四年度に補正をされて補正計上いたしましても、五十五年度へそれを繰り越すことにいたしまするならば五十五年度分の地方交付税となることから、これは精算額を五十五年度に計上することと実質的には全く同じでございますので、特に問題はないというふうに考えたわけでございます。  もう一方の五十四年度の補正予算におきます地方交付税の増加額のうち、国税三税の自然増に係る四千四百七十四億分、これにつきましては、これは国の方において補正予算を計上された結果出てくるわけでございますが、私どもとしては、国としては十五兆二千七百億という大きな公債を発行されて、特に赤字公債が八兆五百五十億もある、そういう中で税の自然増が出たので、できるだけ公債費を減らそうということで一兆九千億ぐらいを補正をされた、そういった趣旨で五十四年度に補正をされるということになったわけでございます。そのうちの一兆三千九百億余りが国税三税に相当するわけでございまして、その分の交付税分というものは補正計上されれば当然に出てくるわけでございます。  で、出てくるものをどう使うかというのが、これが今度は自治省サイドの考え方の問題になってくるわけでございますが、それについては先ほどから申し上げましたように、年度末になりましてこれをいまから配るということについてのそれほどの大きな需要もないということと、いまからこれを再算定をして配るということになりますと、本年度は非常に税収も多かったために結果的には、普通交付税をすでに配ったところが実は返還しなきゃならぬとかいろいろな混乱を起こすということもございまして、そういったことから見ればいまから追加再配分をするということも問題であるというふうに考えましたのと、あとは、本年の交付税特別会計借入金を減らすにしてもあるいは過去のものを減らすにしても、あるいは過去の地方債、財源対策債の減額に充てるにしても、いろいろ検討しましてもそれぞれに問題がございまして、いずれの場合も結果的にはことしこれを使ってしまって五十五年度に送らないといたしますならばその分だけ五十五年度の財源対策が不足を生ずるわけでございますから、その際はどうしても——おっしゃるように交付税率の引き上げでやればいいという議論もございますが、国、地方を通ずる財政の現状から見ましてそれもできないとなれば、やはり財源対策債かあるいはまた交付税特別会計における借り入れということで処置せざるを得なくなる。結局そこでまた借り入れをふやすということにいずれにしてもなるわけでございます。そういうことを考えた場合、この際は今回の法案でお願いをしているような方法が一番よかろう。その結果、財源対策債も減らすことができるんだと、こういうことにいたしたわけでございます。  ただ結果的には、いまのように、五十四年度の補正がなかったとするならば、五十四年度の三税の伸びに対応する交付税分というものは、これは五十六年度に回る分だったはずであると、こういう考え方も成り立つわけでございますから、これを先に五十五年度で使ってしまえば五十六年度それがなくなるのでその点は不健全ではないかと、こういうお話でもあるわけでございますけれども、私どもとしては、長期的な観点から地方財政というものを考えなければならないにいたしましても、先ほどからるる申し上げているような点で、現段階においては今回の方法が最も適切であるということに判断をいたしたわけでございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 話はわかるんです。ということは、補正を組んだ。そうしたら増収分が、地方への増収分ですね、これがこれだけあった。当然補正を組んだ以上は、まあ場合によってはへっ込む場合があるでしょう。だけれども今回の場合にはそういうふうに増収分があると見込まれておる。その分をどうするか。それはこういう形で五十五年度に回しましょうということになったわけですね。そこでさっき言ったように、じゃ五十六年度はどうするんだという問題もあるわけですよ。そういったことはもう考えているのかどうかという問題ありますわね。そういうふうになってきて、まあ一つのルールだな、そのルールの上から言えばもうそうせざるを得ないということもわかります。わかるけれども、そこでただそれだけの理由なのかという問題がまだ残るんですよ。  で、それをちょっとこれからお尋ねをしてみるわけですが、今回の措置による六千百九十七億円の繰り越しですね、五十五年度にこの繰り越しがないとします。そうすると、五十五年度の地方財政の不足額、これはどの程度になりますか。

土屋佳照自治省財政局長

○政府委員(土屋佳照君) この繰り越しというものを見込んでの額でございますから、二兆五百五十億がそれだけふえるということに相なるわけでございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 ふえることになりますね。だからさっき言ったように、五十五年度の財政は、予算編成に当たっての基本的な考え方は縮小という考え方が基本になっているわけです。そうなると当然予算規模を——いまのお答えですと当然予算規模というものはふくれてくるわけですよね。それだけ足りないといまおっしゃったでしょう、繰り越さない分だけが足りないのだと。そうすると、交付税特別会計からまた借り入れなり何なりしなくちゃならないでしょう。また地方債ふやさなければならないでしょう。当然予算規模というものはふくれるじゃないですか、そうなると。頭に入れておいてもらいたいのは繰越金というのは予算規模に関係ないんですよ。そうじゃないんですか。さっきそういう御返事だったですよ。いわゆる繰越金というのは五十五年度の予算規模には関係ない。だからそれが五十五年度に入らないとそれだけ規模はふくらむわけですよ。それはなぜかといえば国で全部手当てしなくちゃならないから、その分は。そうでしょう。そういうことになるでしょう。

土屋佳照自治省財政局長

○政府委員(土屋佳照君) ちょっと一言……

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 ちょっと待ってください。まあもっともね、専門家と素人ですから、笑われる点があるかもしれないけれども、そういうふうに認識しているんですよ、私は。繰越金というのは予算規模には関係ない、途中から入ってきたものですから。そのような受けとめ方をしているわけです。これ、間違っていれば間違っていたようにまた指摘をしていただければ結構だと思いますが、私はそういうふうに受けとめています。  だから、この六千百何がしかの繰り越しがないと大体二兆七千億以上の赤字になる。それがあるから二兆五百五十億でとどまっているわけでしょう。二兆五百五十億でとどまっているんですよ。もしそれがないとすると、二兆七千億分に対して足りない分を国の方で措置しなければならないでしょう。それはもう純然たる予算の中に入ってくるわけですよ。繰越金じゃないんですから。第一、二兆五百五十億が二兆七千億以上になればそれだけ規模がふくれるに決まっているじゃないですか。だからふくれるでしょうと、こういうわけです。それを何とかふくらんでいないんだよと言いたいのかもしれませんけれども。私はそういうふうに思う。  じゃ、その辺からひとつ。私の言っているのが確かにそのとおりなんだよと、こういうふうに言ってもらえるのか、ここがちょっと違うんだということなのか。

土屋佳照自治省財政局長

○政府委員(土屋佳照君) 積算する過程でいろいろな経緯がございましたのでなかなかわかりにくい点があるわけでございますが、先ほどの五十三年度分の千九百十八億というものはそのまま精算をしていくということになるか、今回補正をしてそして繰り越すにいたしましても、これは当然地方の財源となるということで、私どもとしては、もともとその赤字というものがどれだけなのかということをはじきまして、実はそれが二兆七千百億ぐらいになったわけでございますが、その中から五十四年度補正に係る四千二百七十九億と地方税の増税あるいは国税の五十五年度増税に伴ってふえてくる交付税三税、それを差し引きますと二兆五百五十億と、こうなったわけでございます。そこで、そういうことでセットして、いまもうすでに出発しておるわけでございますけれども、その中で、仮にいまおっしゃいますように補正等がなかったといった場合はどうなるかとなりますと、少なくとも四千二百七十九億分については穴があくわけでございますが、これは補てんをします場合に国が一般会計から歳出に組んで予算規模をふくらまして出すのではなくて、財源対策債なりあるいは交付税特別会計で借り入れるということになりますと、それは予算規模には関係がない、こういうことになるわけでございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 ちょっとその辺のところが……。  千九百十八億、これはこういうような補正でもってのってきちゃったから、繰り越しということで。これはもうごく自然と言えば自然かもしれない。四千四百七十四億というのはちょっと無理があるなという感じがする。しかし、五十三年度分の精算分が千九百十八億、これはほうっておけば精算分として当初予算に上がってくるわけですよ、精算分として。当然予算規模の中に入るわけです。ところが、繰越金というのは予算規模ということではないわけでしょう。私はそこを言っているわけです。だから、そうだとすれば、繰越金にしておいた方が予算規模はふくれないということなんですよ。それを言いたいんだ、本当は。  で、そうなると、これがないとすると当然予算規模はふくれる。そうすると、国としてはふくらましたくないということでしょう、縮小すると言っているんだもの、さっきから。そうでしょう。ふくらましたくないんですよ。二兆五百五十億以上やりたくないんです。二兆五百五十億、それは本当はこれが入らないと二兆七千億以上になる。そうなると財政規模もまたふくれるのです、いわゆる繰り越しがないと。で、繰り越しがあっても、繰越分ということで入れておけば予算規模の中には含まれないでしょう、繰越分だから。だから、さっき縮小なのか拡大なのかと聞いたのは、そこに意味があるんです。  そうすると、大蔵省はそれ以上ふやしたくないんですよ、本当の腹は。不足分を二兆五百五十億以上に。正式にね。正式には二兆七千億と出したくないのです。それで、二兆五百五十億に仰えておけばそれだけ縮小されているということなんであって、そういうことを考えると繰り越しという措置をとらざるを得ない。いわゆるお国の都合で。国の財源対策というよりも、予算編成に当たってこれを縮小していくという考え方、これが基本になっておる。口では財政の健全化とかなんとか言うけれども、実際の腹はそういうところにあるのではないかというふうに私は考える。だから、ああでもない、こうでもないということではなくて、本当の腹をやっぱり明らかにすべきだと思う。数字の上では合うかもしれない。数字の上で合っていればそれでもうしょうがないというものではない。やっぱりこれからの地方、国の財政を含めて、いまどういう形をとって予算というものが編成されているのか、どういう基本的な考え方、また真意をもってこれがつくられているのか、それがわかるのとわからないのとでは、将来にわたってのそういう対策に対する考え方というものは、そういう時点から生まれてくるのであってね、そういう意味で私は聞きたいのです。どうですか。

土屋佳照自治省財政局長

○政府委員(土屋佳照君) 国の一般会計の総枠と、それから地方財政計画の総規模というものと分けて考える必要があると思うわけでございますが、五十三年度分での剰余金千九百十八億分について、これは補正に五十四年度で計上してしまってことし交付税特会へ入れるのと、それから五十五年度に送り込んで精算をされるかによっては、国の一般会計予算の規模はその分だけ、五十五年に送ってしまえば、五十五年度で地方へ出すということになりますから、交付税特会へ入れるということになりますから、その分だけ、千九百十八億分が影響があってふえることになると思うんです。  それから、地方財政計画については、千九百十八億も四千二百七十九億もすべて財源と見込んでやっておりますから、その分だけ計画の規模がふえるのではなくて、中の財源としてどういうふうに変わってくるかというだけの問題でございまして、地方財政計画の規模には影響ない。国には、おっしゃる説明をよくお聞きしますと、送った場合とそうでない場合とでは多分千九百十八億については違ってくるということは言えると存じます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 千九百十八億においてだけでなくて、だからさっきから言っているように、繰越分というのは五十五年度の予算規模には私は関係がないというふうに伺ってきているんです。そうだとすると、その辺にいわゆるごまかしみたいのがあるなという、まあごまかしと言うと、そういう言葉を一番きらうのです、皆さんは。きらっても何でも、結果とすればそういうことだ。だから、どう操作しても実質的にはそう変わりはないんですよ、実質的には。それはわかる。だけれども、こういう考え方でこういう操作がなされたというその辺のところを、本当のことをわかりたいということでね。それでないと、さっきも言ったように、地方財政の健全化だとか、もちろん国もそうですけれども、そういうふうに言っている中で、それで年がら年じゅうあっちへくっつけたり、こっちへくっつけたりして、急場的な応急措置ばかりでこれからもやっていかなきゃならないのか。そんなことではどうしようもないじゃないかという考え方が私にはあるわけです。だから、その点をやっぱり明らかにしていく必要があるのじゃないか、こういうことでお尋ねをしてきたわけですけれども、その点どうですか。だから、予算規模を縮小したという形をあらわすためには、そういうふうに見せるためにはこういう措置をとらざるを得なかったんだという考え方はなかったのかどうか。それ、大臣にひとつお聞きしたい。

土屋佳照自治省財政局長

○政府委員(土屋佳照君) まず、私の方の地方財政計画の立場から申し上げますと、四十一兆六千四百二十億というものは、これはもともと歳出を積み上げてこれだけ要るとはっきりはじいたものでございますから、その規模はいまの問題とは無関係に規模として確保しなければなりません。その場合に、どういった財源措置をするかという場合に、五十四年度分を繰り越して使うのか、あるいはそれがなかったとすれば別に財源対策債を起こしたのか、あるいは特別会計で別途借りたのかと、そういう問題が中で生じてくる。ただ、国の一般会計予算という問題になりますと、五十四年度で千九百十八億を計上してしまって、五十四年度で特別会計へ入れるという歳出予算に組んでしまうか、あるいは五十五年度に送り込んでそこで歳出予算に組むかによって国の予算規模は違ってくると思いますので、そこらの事情は、これは私ども予算編成したわけではございませんから、ちょっと国の一般会計についてはわかりませんが、結果としてはおっしゃるようにその部分が違ってくると思います。地方財政計画はこれはもうどちらにしても財源措置の問題でございますから規模は変わらないと申し上げておるわけでございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 聞いていますと何か、こっちは素人ですからね。そちらの言っていることが正しいのか、私の言っているのが正しいのか、これお聞きになっている皆さんも余りわからないところがあるだろうと思うんだよ。これ聞き直したのです、専門家に。その上でこうやっているわけなんです。その人も余りよくわからないと言うのです。だから皆さんもわからないところあるんじゃないかと思う。国の立場とか地方の立場とか言っているけれども。だから本当は私はいま国の立場の考え方を、それを明らかにしろということで話をしているわけですね。まあそれはいいですよ、どっちが本当なんだかまだわからないんだから。わからない話幾らしても、私も余り納得しないしね。少なくとも私が聞いた限りではそうだったと、こういうことです。いいです、もう答えなくていい。  そこで、あと今度は細かい問題になるけれども、こういう措置をとったわけですからやがては五十四年度分が精算されるわけですよ。これは想定でもってセットした問題ですからね、四千四百七十四億というのは。この四千四百七十四億円、繰り越しされる分ですが、これは見込みでやったものですから、ですから見込みどおりにいくのかいかないのか。いくと思うからこういうふうに立ててきたんだけれども、もしいかなかった場合どうするかという問題ね。いかなかった場合にどういう今度は後の措置をするのかという問題。  それと、五十六年度に当然これが精算分として上がってくるわけですね、国の予算に。ところがそれがないわけです。そうでしょう。はっきりと精算すれば四千四百七十四億以上になるかもしれない。以上になった分は、その分は上がってくるでしょう。しかし大勢は大体四千五百億程度。それが五十六年度にはもう見込めないということですね。そうすると、それだけでも財政の健全化という立場からすると——これは応急処置ですからね、どっちかと言えば。金がないから四苦八苦して組んできたことですから。にもかかわらず、五十六年度はこれだけの金がないということ、見込みがないんだということになると、その穴はどうするのか。穴と言ってこれは差し支えないでしょう。従来ならば当然五十六年に入るわけですからね。そうでしょう。それを五十五年で使っちゃうわけですから。それをどうするのか。五十六年、どういう考え方をその点についてお持ちになっているのか。その点ひとつお聞かせ願います。

土屋佳照自治省財政局長

○政府委員(土屋佳照君) お話のように、過去の通例によりますれば、五十四年度分の自然増収というものは五十六年度に精算分として上がってくるということでございますから、それを五十四年度で補正に先に組んでしまっておけばその分だけは少なくとも五十六年度に出てまいりません。それはおっしゃるとおりでございます。ただ、逆に、今回のような操作をしません場合は、その分は五十五年度でそれだけ穴があくわけでございます。別途の財源措置を考えなければならない。多分それは交付税特別会計の借り入れか、財源対策債の増発か、そこらであろうと思うわけでございます。  そこで、借金をするということをとりあえず私どもは避けたわけでございまして、五十六年度においては、先ほどおっしゃいましたような三税の見込みが一体これ以上出てくるのかどうか、そこらもよくわからないけれども、とりあえず五十五年度そういう措置をとったということでございまして、五十六年度においては、新たにその年度におけるいろいろな経済の動向等を背景にした税収見込みとか、あるいは歳出規模をどうするかとか、いろいろな要素によって地方財政がどういうことになるか。引き続いて赤字が出て穴埋めをしなければならぬということになりますれば、それはまさに来年度の地方財政対策についてことしの冬に大いに詰めていかなければならぬという問題になるわけでございます。  だから、五十四年度分を送ればそれだけ五十六年度がなくなるということと、もう一つは、それがない場合五十五年度の財源不足をどう埋めるかと、そこらいろいろ勘案して考えたわけでございまして、ただ形式的に申しますれば五十六年度分はそれだけ足りないということはおっしゃるとおりでございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 おっしゃるとおりでは困るんだね。おっしゃるとおりですと。それだれが考えたってそうですからね。それをどうするのか。それは見込める額なんですからね、一つのルールみたいにしてやってきたわけですから。少なくとも精算分については二年以内に処理するということになっているんだから。だからそれが——確かに二年以内ですよ、来年使っちゃうんだから。そうすると、本当ならば四千五百億見込めるところが五十六年度では見込めなくなるわけですからね。まことに不安定になってくるわけですよ。そうでしょう。それはもうそちらがどう言おうとも^だれが考えたってそういうことなんです。その不安定部分をどうするのかという考え方がないということは場当たりだとしか言えない。  だから、そういうところまでぴたっと考えた上で、こうなりますよ、少なくとも来年、再来年、ここ二、三年のその問題については、五十六年に計上されるものを五十五年に使っちゃうんですと、しかし五十六年度のその足りない分はこういうふうに処置するんですというようなところまでこなければ、財政の健全化とか、いや何だとか言ったって、どこにそんな考え方があるのか、全然そういったことがこっちにうかがえないじゃありませんか。そういったことを、やっぱりこれだけのことをやるからには明確にしていく。当然先のことを心配している、われわれも心配する、皆さんも心配する。皆さんも心配しているならば、そういった点もやはり明らかにできる状況でなきゃならない、少なくとも。しかしその時点で変わるかもしれませんよ、いろんな情勢が変わって。だけれども、少なくとも基本的な考え方というものは明確にしておくべきじゃないか。こんな感じがするんですがね。この点、大臣どうですか。

後藤田正晴自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(後藤田正晴君) だんだんお伺いをいたしておりますが、問題は、五十四年度に国が補正予算を組むということになったものですから、それの三二%分の交付税をどう扱うかという問題が起きたわけでして、地方団体の側から発動してこういうようなことをやったわけではございません。  そこで、五十四年度の分は、本来言えば、五十四年度に補正予算を組む以上それに伴う三二%は五十四年度に使うのがあたりまえじゃないかと、これまた私それ筋論だと思います。しかし、それをしますと、地方としては本当はともかくことしは地方団体は一応税収の増等もあっていいわけなんですね。そこで、それならそれを五十五年度に一応繰り越して、そして五十五年度に赤字で財源補てんをしなければならぬ分を減らしていったらどうだというようなことで今回のような処置をお願いした。そうしますと今度は、五十四年度国が補正予算を組まなければ五十六年度にこれは精算分として当然上がってくるわけですから、その分がなくなるということ、これはもう自明のことでございます。  そこで、五十六年度は一体どうなるんだろうと、こういうことになろうかと思いますが、私どもは、こういう処置というのは本来、単年度だけの地方団体の赤字であるとかといったような場合であれば、私どもきちんとルールどおりやるのがいいのに決まっているんですけれども、いずれにせよ、ここ当分の間、どんなに考えてみても地方財政の赤字というものは続かざるを得ない状況にあるのじゃなかろうかと、こう考えているんです。ならば、ことしのような際の金をどのように使うのが一番いいんだろうかということで、五十五年度に使おうと、こうなったわけです。  そこで、五十六年度以降の問題は、率直に言いまして私はやはり、これは国もそうでしょうけれども地方団体も大変な財源難に悩むであろうと、こう思います。そこで私どもとしては、ことしを第一年度と考えながら六十年度までの一応の考え方を、まあ確定した財政計画等によるものでありませんけれども、一応は見通しをしながら何とかひとつ財政の建て直しをやろうではないかということでいま取り組んでおるのもそういう理由からやっているわけでございます。ただ仰せのように、五十六年度の財政は大変であるなということだけは、これは間違いのない事実でございますが、それらには今後一層検討を加えまして、何とかひとつ、いずれにせよ地方団体の行政需要を賄うに足りるだけの財源措置だけは講じよう、かように考えているような次第でございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 最後に。これ質問じゃないかもしれませんけれども、いまのお話し伺っていまして、これから先お先真っ暗だという感じがするわけですね。で、理屈を言わせれば、こういうふうに繰り越した、それは一つのルールですから、補正組んだんですからそうしなけりゃならない。ところが五十六年がある、それは何にもない。そうするとそれはどうするんだと、こういうことになるわけですね。それはもういまここでもってこうするんだという結論はないんだということになりますと、確かにもうやりくりでもって何とかやっていくより仕方がない。口では地方財政の健全化だとかなんとか言うけれども、あるいは自主性を持たせるとか言っても、これはほど遠いものがあるなと、こんな感じを抱かざるを得ないわけですね。  そこで、もし大臣が、今度の内閣はこのくらいの命しかないだろうなんというようなことは抜きにして、そういうことは抜きにして、これからの地方財政を健全化していく、またそのために自主性というものもあわせて持たしていく、そういう時代がいつごろ来るのか。このくらいになればという、その構想については非常に膨大なものがあると思うのです、大臣の構想は。だから、それをみんな聞いているわけにいかないと思いますが、そういう考え方をもとにしたいわゆる確信の一端でも伺えれば幸いだと思いますがね。

後藤田正晴自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(後藤田正晴君) 大変むずかしい問題で、しかも余り口を滑らしても大変なことになる問題があるように思います。  ただ私は、過般の総選挙でいわゆる一般消費税構想というものは否定をせられました。そこでまず私どもがいま基本として考えておるのは、あの問題に関連をして国会決議がございます。その国会決議を踏まえて考えていきたい。そこであの国会決議は、いわゆる一般消費税なんというものでなしに行財政の改革にまず取り組みなさい、その上に立ってやれよと、こういうことでございますね。そこで私どもとしては、まず第一にやるべきことは行財政の改革だと思います。そして高度成長時代以来水ぶくれをしておった行財政にメスを入れまして、そして、何といっても経費の節減、合理化、これを第一に考えなきゃなりません。さて、それをやった上で最後の帳じりがどうなるかということを、これはやっぱり国民的な論議を巻き起こして、そして本当の意味での財政の再建に踏み出さなきゃならぬと、こう思います。その際にどう考えるかということはございましょうけれども、これはやはり国全体の税財政全部について本当の再検討をしなきゃならぬ。いつからかというのじゃなしにもう今日から。そういう時期だと思います。そういうようなことで、真剣に国民的な論議の上に立って今後の行財政をどう考えていくかということをわれわれとしてもやらなきゃならぬのではないかと、かように考えております。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 ありがとうございました。     —————————————

後藤正夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(後藤正夫君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、野口忠夫君、小山一平君及び志苫裕君が委員を辞任され、その補欠として広田幸一君、村沢牧君及び穐山篤君が選任されました。     —————————————

後藤正夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(後藤正夫君) 質疑を続けます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 まずお伺いしたい点ですが、補正による交付税をことし使わないで来年に繰り越しをする、国の手による年度間調整をやるに至った理由については、衆議院の地行の委員会やまた本日の委員会でも答弁されていますので、また、それを要約するとこういうことになるのですかね。一つは、今日新たな財政需要がないという問題。もう一つは、地方財政を短期的に見るのじゃなしに中期的な展望から、ことし使うんじゃなしに来年に使う。もう一つは、同じようなことですけれども、五十四年度に使ってしまえば結局五十五年度に穴があくから同じことだから、だから五十四年度の財政対策はもう済んだことなんだから五十五年度に回すと。まあ聞いていると大体その三つくらいの理由かと思うのですが、いかがでしょうか。

後藤田正晴自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(後藤田正晴君) 大体、私どもの考えておるのは御指摘のとおりの考え方でございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 この国の手によるこういう年度間調整、これは私は地方財政法やあるいは地方交付税法の趣旨から言いまして不当であるし、あるいは違反、趣旨には反する。あるいは少なくとも好ましくない措置なのではないかというように思うんですが、この点まずどうですか。

土屋佳照自治省財政局長

○政府委員(土屋佳照君) まあいろいろな立場があろうかと思いますし、原則的に見れば、先ほども申し上げましたように、地方財政の年度間調整については原則的には地方団体が行うのがたてまえであると思っております。ただ、これはもうもろもろの事情がございますから、総合的に判断してどういうふうに持っていくのが一番地方団体にとってもいいかという判断に立って考えていくことは、これは各ケースによってあり得るだろうというふうに考える次第でございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 法律の運用が各ケースによっていろいろとあり得ることはわかりますけれどもね。しかしそれは法の趣旨の範囲でなけりゃいかぬ。事態によっては立法の趣旨を超えて運用する、ケース・バイ・ケースで運用するということでは、これはもう法自身の存立を阻害する、私そう思うんです。  そこで、交付税法ができたのは昭和二十九年の法律百一号、これでできたわけですが、これに先立って当時地方制度調査会が二十八年の十月十六日に答申を出しています。ここでは、地方制度調査会の答申では、交付税特会で積み立てまたは借り入れるということで年度間調整をやるべきだという答申が出ている。それに対して自治省の方は——当時ですよ、これは地方財政の自立性を高めるゆえんではないと、交付税法の第一条あるいは地方財政法の第二条ですね、そういう趣旨から言ってこれは適当でないということで、わざわざ地方財政法の当時の四条の二ですね、いまは四条の三になっています。地方公共団体における財源調整の規定をわざわざ制定をして、そうして単年度では過不足は起こるだろう、国の三税の何%ということで交付税総額決まるわけですから、それを配分すれば過不足は当然単年度では起こるだろう、その場合にはそれぞれの自治体で年度間調整をしなさい、こういうように地方財政についての自治体の自主性というのを保障したんですね。しかしそれだけではいかぬから、長期的に過不足が続くということであってはいかぬからあの六条の三の二ができて、著しく引き続いてということで、制度改正あるいは税率の改正を考えておる。こうやって自治体の財政運用の自主性を保障して、国の手による年度間調整は避けると、それが必要ならば自治体の手を通じてやらしていく。  だから、たとえば今年度四千億余りの財源があれば、それは自治体に配分すれば自治体がそれを積み立てるなりあるいは地方債の返還に充てるなり、あるいはその財源でさらに必要な学校なら学校を建てるなり、そういうことは自治体自身の自主性に任せるというのが大体立法時代の趣旨でしょう。そうして問題は、長期にわたってそういう財源不足が五十年度以来続いているにもかかわらず、さっき大臣もおっしゃった、言うなれば当座の措置として特例措置で一定の法改正をやったという、われわれから言えばまさにこじつけと言わざるを得ぬ、そういう措置で糊塗をしているところに問題があるのでね、こういう事態が起こってきているわけで、私はこの点では法の趣旨から言ってこれは交付税自身は本来地方自治体の自主財源ですから、このことは自治省も大蔵省に断固として強調されて闘ってこられているわけで、だとすれば私はこれは五十四年度にすべきだ。しかし、それはいま局長が言うように、いまの事態だから、だから法律を改正をすることによって、特例法をつくることによってやれば、それは別に法律に違反しないとおっしゃっても、交付税法の趣旨、地方財政法の趣旨から言いましても、またその趣旨に沿ってそういうように法体系をつくってきている現状では、私は、この措置は不適当な措置、あるいはもっと言えば、法に違反をする、少なくとも趣旨に反する措置で、少なくとも好ましくない措置だというように思うんですが、この点いかがですか。

土屋佳照自治省財政局長

○政府委員(土屋佳照君) 確かに、お話のございましたように、地方財政法の四条の三あたりでも、歳入に余裕が出た場合はそれは後年度の財政等も考えて年度間調整をすると、すべきであるといったようなこともございますし、当然また、そういうことは地方団体が判断してやられるべきことであって、まさにそれは自主性に基づくものだと言えると思うのでございます。  ただ、私がケースによって異なるであろうと申し上げましたのは、今回の場合は、先ほどいろいろな点を御指摘いただいたのでございますけれども、一つには、地方財政の現況もございますけれども、地方財政計画に従って運営してきたこの年度末に至って、補正予算によって増加額を生じたというような状況でございますので、そういった際に、新たに配るということになりますと、再算定をしなければならないし、そのことによって、先ほど御指摘はなかったわけでございますけれども、現実に、普通交付税としてもうすでに配ったところが場合によっては不交付団体になるということもあり得るし、大変な財政面の混乱が生ずるということでもございますし、しかも、五十五年度も赤字補てんのために多くの借り入れ等を行わなければならないといったような状況がございますので、この際は、配って各地方団体の自主的な判断に任せるよりは、総合的に地方財政の状況を見た上で、膨大な累積赤字を抱えておる現状のもとでは、今回お願いしておるような方法をとるということが、これは適当であると思うわけでございまして、基本的に地方団体の自主的な運営というものを私ども否定しておるものでも何でもございませんけれども、現状においてはそれが最も適切であろうというふうに判断をしたということを御理解願いたいと思うのでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 これは政府側としてはもう一たん決めたわけですから、いかに道理が通ろうと通るまいと、それなりの理屈をつけられるのはやむを得ぬわけですがね。いま、配分もしにくいとか混乱を起こすとかおっしゃいますけれども、だからそのために必要ならば配分のための特例法をつくればいいじゃないですか。混乱の起こらぬように。人間がすることですから、やればいい。できるんです。そんなことは簡単です。だから、そんなことは理由にならないんですよ。  逆に、本来五十四年度にそれが実際に配分をされて、そしてそれが自治体の財政の運用の中で、たとえば起債の償還なり何なりに充てられると、それだけ利子分だけでも助かっていくわけですから、自治体は。五十五年度にそれだけの財源不足が来ます、それは一般会計から繰り入れるか、それこそ交付税特会から借り入れるか、財源対策したらいいわけです。それの穴埋めのためにこっちを使うというのは、自主財源をまさにそっちに持っていくわけですからね。しかも、四千四百億ほどのこの額が、五十五年度に穴あいて穴埋めされるのが、交付税特会に全額で繰り入れるなり、あるいは一般会計で措置されるなり——一般会計で措置されれば、これはまあ何にも自治体は傷つかぬ。交付税特会だったら半分は傷つく。財源対策債だったら、これはもう使途まで指定されて交付税とは言えない。こういう問題起こるでしょう。それをばっと持っていっちゃうんですからね。その部分を一体どれだけ取るかというのは、またこれは政府との関係になるわけですよ。  だから、そういう点では五十五年度にそれこそ国の都合で恐意的にそういう措置をとるということは、本来筋違いでありましょう。まあ過去にもありました。余って国の方に借り入れしたり、貸したり借りたりしたことがありました。その当時は、したがって附帯決議で、このような国による年度間調整は避けるべきだという附帯決議がついておるんですね。そういうことが指摘をされながら、私は、今回こういう措置をとったということは、これはまさに重大な地方自治権に対する侵害行為であるというように言わざるを得ぬと思います。この問題は、先ほどからも、また衆議院で同僚議員もただしていますから、重複を避けて、それは指摘だけにとどめておきたいと思います。  次の問題に移りますが、こういう事態になっている状況で、きわめて深刻な地方財政の危機が長年にわたって続いているわけですが、これをどうやって解決をするかという問題について、先日発表されました財政収支試算表に基づいて少し議論をしてみたいというように思うんです。  まず最初にお聞きしたいのは、この試算表が昨年まで提出された分と非常に違う点は、昨年の場合は、この財源不足を解決するのに一体どれだけの税収の増が必要かというのが一緒につけられていました。国民の側からしても、国の台所あるいは地方自治体の台所の問題を解決するのに一体どれだけ国民が負担をしなきゃならぬのか、こういったところに一番大きい関心があるんだけれども、そういう関心のある問題についてはことしは出てないんですが、この理由は一体どこにあるんでしょう。

土屋佳照自治省財政局長

○政府委員(土屋佳照君) 今回の地方財政収支試算は、五十五年度の地方財政計画をベースといたしまして、一月二十五日に公表されました経済審議会の企画委員会の、昭和六十年度経済の暫定試算に示された諸指標とそれから先般大蔵省が作成しました国の財政収支試算を踏まえて、それとの整合性をとりながら、幾つかの前提を置いて昭和六十年までの地方財政の収支を試算したものでございます。したがって、五十五年度をベースにして一応六十年度の計数を機械的にはじき出して、それを等率で結んだということになるわけでございます。  六十年度の姿というものは、一応ただいま申し上げました……

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 私はそのことを聞いているんじゃないんだよ。何で、どれだけ税金を負担せんならぬかという資料がついてないのかと、去年はついていたよと言っているんだ。

土屋佳照自治省財政局長

○政府委員(土屋佳照君) それに関連することでございますが、六十年度経済の暫定試算というもので、国民の所得に対する負担率というものが二六・五といったような形で示されておりますから、それと等率に結んだ形で、暫定的に、これは機械的に結んだものでございますので、各年度ごとに増税がどういうかっこうになるということを示すものではございませんから、そういう、先般出したようなものを、要増税額というものを出しますと、まさに誤解を招くおそれがあるわけでございますので、まあそういった意味で今回は出さなかったということでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 誤解を招くから出さなかったというのはちょっといただけませんね、その答弁は。一体どれだけ税金出さないかんのやということをやっぱり国民に理解してもらわなきゃいかぬ。まあその点はいいです。  そこで大臣、私は思うんですが、これを見ますと、五十九年度に要調整額というのはゼロになっていますね。だから五十九年度にゼロにするために機械的に数字合わせをやったのではこれ別に意味ないと思うんです。そんな資料を出してみたって、地方財政対策に何の寄与にもならぬ。それにはやっぱり必ず財政的な、政策的な展望が、ここから出ているこの数字から生まれてこなきゃ、せっかくこの試算表をつくっていただく意味がないと思うんですね。だからそういう意味ではきわめて重要だと思いますから、大臣にお伺いしますけれども、この試算表は、一体将来に対する政策的な展望をどのように示しているということになるんでしょうか。

後藤田正晴自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(後藤田正晴君) この問題、国の収支試算の際も予算委員会等でもずいぶん論議をせられましたが、まあ要は、この試算というのは、先ほど土屋君がお答えしたように、六十年度の経済の暫定試算、これを根っこに置いて、六十年度収支とんとんという一応の目安を置いて、そうして五十五年度の予算、私どもで言えば五十五年度の地方財政の計画、これを縦に結んで、各年度どうなるんだろうかといったような一応の試算にとどまるわけでございます。  そこで、私どもとしましては、これによって将来の地方財政の姿、つまり六十年をプラスマイナスゼロにするというのであればこういうような形になりますと。もちろん今後の経済の動向等を踏まえなきゃなりませんけれども、そこで財政再建をやるのについて、こういった一応の試算を出すことによって論議の手がかりにしていただきたいということであって、これによって毎年度の国の予算なりあるいは地方の財政の姿が、このとおりにやっていきますという具体的な政策目標をここに挙げたものではないと、私はさように理解をいたしておるわけでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 大臣、この二、三年これ出ているんですよ。そこでこう結んだ数値だけやということだと、二、三年出されて、これどんな効果があったのか。効果がないのに、自治省の役人さんが苦労して数字パチパチ計算してつくらにゃならぬ必要あらへん。去年も出ていればおととしも出ていますわね。どんな効果があったのか。悪うなっただけやないですか、地方財政の面で。借金はどんどんふえるし、いつまでたっても展望はない。さっき大臣もおっしゃっていましたけれども、もう真っ暗やみで展望がないとおっしゃった、いまのところね。だから、これは一体どういう意味があるんですか。まあ、いま御答弁になっていますから、もうそれについてはお聞きしても……。  私は、この試算表を見て、こういうように見ているんですけれども、この試算表というのは、要調整額、いわゆる財源不足額と言ってもいいと思いますが、これをゼロにするために、歳出では経常それから投資の両部門の「その他」の支出の伸びを一〇・三、もう最小限に抑える。このことは言いかえると減量経営を強制をする、そういう内容を示している。これを強制をすることによって、少しでも歳出の減を生み出すと、そういう試算表ではないか。一方国庫支出金は九・七%、これをうんと低く抑える。このことはいわゆる補助金、負担金、分担金、これの支出を抑制をする。国の方はもう金は出さぬぞと、こういう構え。地方債の方は一体どうかというと、伸び率は一・五、これはもう最大限に大幅にふやす。だから、地方債は年々増加をして、地方債残高は最後には三十九兆六千億になる。まさに自治体は借金づけになる。あとは、足らず前は全部住民負担せいと。増税ですよと、言いかえたら。だから結局、減量経営というと、それだけで見るとむだをなくすようでいいように見えるけれども、地方自治体の果たすべき役割り、任務、分担、これを明確化するということで自治体の仕事をどんどん切り捨てをしながら、そうして減量経営をやるという、そういう内容を持つわけですからね。結局住民に犠牲を強要することによって今日の地方財政危機を打開するんだと、そういう方針を示している試算表ではないかと、まあ私はそういうように読み取るんですが、この辺は大臣いかがですか。

後藤田正晴自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(後藤田正晴君) 先生のような解釈をせられる人もおるかもしれません。しかし私どもはさようには考えていないので、一応こういう試算をお示しすることによって地方財政の姿を描いて、今後の経済動向等も踏まえながら財政再建というものについての論議を巻き起こしたいということで、その際に国も地方も真剣に取り組んでいくし、同時にまたそれに対する国民的な理解と御協力も求めなきゃならぬではないかと、こういうような意味合いを持っておるものであろうと。一方的に地方にしわ寄せをする、いわんや地方住民の犠牲のもとに財政再建をやっていくための試算であるなんということは、私どもはもう全く考えていないわけでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 それじゃ、これどうやって要調整額というやつを減らすことができるわけですか。——まあ時間の関係もありますから、自治省に聞こうと思っておりましたが、私の方でこの試算表に基づいていろいろ計算をしてみました。すなわち、各年度ごとに地方税及び交付税の増税額というのがどれぐらいあるかという計算をしてみたんです。この試算表の一般財源の内訳は、説明によると、譲与税と地方税と交付税で、譲与税は伸び率三・五ということですから、これで計算すれば五十五年度ベースにしてずっと出ますわね。五十五年度が四千四百七十六億、五十六年度が四千六百億、五十七年が四千八百億、五十八年が四千九百億、五十九年が五千百億、六十年が五千三百億。細かい数字はなんですが、大体の数字としてはそういう数字になる。  地方税の方は一六・一%各年度等率で伸びるという計算ですから、それでいきますと、同じように五十五年が十五兆六百九十八億、五十六年は十七兆五千億、五十七年は二十兆三千二百億、五十八年は二十三兆五千九百億、五十九年が二十七兆三千九百億、六十年は三十兆八千百億。  それで交付税の場合は、大体国税収入の八二%が国税三税。したがって、それの三二%という大体粗い試算ですけれども、それに基づいてやりますと、五十五年が六兆四千九百二億、五十六年が七兆六千六百億、五十七年が九兆八百億、五十八年が十兆七千六百億、五十九年が十二兆六千八百億、六十年は十四兆三千九百億というのが出てきますわね、一応そこの資料に基づいて。大ざっぱな数字ですが。  そこで、自然増がありますから、自然増について一体年度ごとにどうなるか。地方税については、弾性値一・一で計算しますから、一二・五四%という数字を使ってみますと、五十六年が十六兆九千六百億、五十七年が十九兆九百億、五十八年は二十一兆四千八百億、五十九年が二十四兆一千七百億、六十年は二十七兆二千億。交付税の方は、五十六年が七兆三千二百億、以下八兆三千億、九兆四千億、十兆六千億、六十年が十一兆九千七百億。こういうことになります。  だから、まず地方税の増税による増収分というやつを自然増を含んだ数字を出しますと、時間も限りがあるから個別にはやめますが、結局五十六、七、八、九、六十年と、その五年間でこれが十兆七千億ですね。だから、少なくともこの表から試算をすれば、この出されているケースでいきますと、地方税で大体十兆七千億の増税が必要だろう。年度ごとの新規増税分だけでいいますと二兆七千四百億ですが。ことしのやつが来年もずっと響きますからね。五十五年度を基礎にして六十年度にはどれだけよけい地方税を徴収せなきゃいかぬか、その累計といいますか、総額は十兆七千億になります。これは地方税だけですが、衆議院の予算委員会でうちの議員が国税についても同じように計算をしましたら、国税の方で十五兆一千五百億ですか、大体大蔵省もそれは認めておりました。そうしますと、両方合わせますと約二十六兆円ですね。五十五年の税負担に比べて六十年になりますと国税、地方税合わせて二十六兆円からの税負担がふえてくる、新しく。こういうことになるんですね。こうして国のいまの財政試算表というか、地方財政の財政試算表が大体示している国民に対する税負担というものが考えられるわけですね。自治省の方もこういう計算されていると思うんですが、大体こういう数字で間違いないですか。

土屋佳照自治省財政局長

○政府委員(土屋佳照君) 先ほど仰せになりました税については、各年度等率で見た場合が一六・一%ということで六十年度は一一・四%になるという前提を置いて、そして五十五年度の十五兆余りをもとにいたしますと、おおむねおっしゃるような数になると思います。ただ、私どもとしては、これは、通常の伸び率で伸びる場合と、ある程度、六十年度において国民の租税負担が二六・五になるという場合に、国と地方と現在の割合で分けていくという前提で計算していきました場合、通常の伸びとそれからだんだん六十年度にふえていくその線との差額をとっていけば、結果的には、いまの十兆七千億というのじゃございませんで、まあ強いてその数だけとれば二兆七千億ぐらいになろうかと思います。ただ、おっしゃいましたのは、毎年の自然増というものもこれは増税だという前提でおっしゃいましたわけですから、それを除いて考えればおおむね若干の数の差異はございますが、おおむね基本的には合っておる。  地方交付税等の見込みについても、若干数の差はございますが、大体大きな差はないようにお聞きをいたしました。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 いま言いましたように、大変な大増税をやらなければいまの財政危機は乗り切れないという状況ですね。しかも財政審議会の五十四年の十二月十九日の答申ですか、この中では五十一年以降の弾性値一・〇というように言っているんですね、景気はずっと後退していますから。だから五十一年度以降というのは弾性値一・〇だと、こう言っていますね。だから低成長時代とおっしゃっているわけですから。それじゃ弾性値一・〇とすれば一体どうなるかということで計算をすると、六十年度の財源不足額というのは八兆五千一七百億になるし、そのための必要な増増税分というのは十四兆円にふくれ上がるというのが私どもの計算なんです。  もう一つ、さらにここで大蔵省にお伺いしますが、国の経常部門のその他支出のところに交付税も入っているというように資料ではなっていますね。経常部門の「その他の内訳」の中の「地方財政関係費」、交付税分がその大部分だろうと思うんですが、この中に交付税分を含めているわけですね。

藤原和人大蔵省主計局主計企画官

○説明員(藤原和人君) 国の財政収支試算のお話でございますが、国の財政収支試算は、経済審議会の企画委員会の発表いたしました昭和六十年度経済の暫定試算というものをベースといたしまして、六十年度の経済の姿を財政の姿に投影をするという形で六十年度の財政の姿を描きまして、それを五十五年度の予算の数字とほぼ機械的な方法で結んでいるわけでございます。したがいまして、その作業の作成の方法といたしましては、いわゆるマクロ的な計算方法をとっておりまして、個別の各費目につきましてこれこれをどう見込むというようなことで積み上げ計算をしているわけではございません。  ただいま先生の御指摘の地方交付税でございますけれども、項目といたしましては御指摘のとおり、経常部門歳出の中の「その他」の中に入るわけでございますけれども、その部分がどういうふうになっているかというようなことを積み上げて計算しているわけではないと、こういうことでございまして、マクロ的に、「その他」の部分がこういうことになっていると、こういうことで御理解をいただきたいと思います。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 幾らマクロ的だとおっしゃってもね、説明がつかぬ数字では困るでしょう。たとえば、この参考資料につけられた中では「その他の内訳」の中で「地方財政関係費」、これは七兆三千九百億、その他経費の中の構成比は三九・一%と、こう出ていますね。これをベースにしてそれで伸び率八・三というふうに計算しているでしょう。それは単に八・三にしただけであって、八・三自身には何の意味もないんですか。

藤原和人大蔵省主計局主計企画官

○説明員(藤原和人君) この経常部門の歳出の「その他」の八・三%とございますけれども、これは先ほど申しましたとおり、六十年度の経済の姿といいますのからたとえば社会保障移転支出の水準でございますとか、さらに国債費につきましては、積み上げ計算をいたしますとかいうようなことで出てまいりまして、さらに私どもの前提といたしまして、特例公債からの脱却を、五十九年度には脱却いたしたいと、こういうような前提を加えてございまして、そのようなものを実現するような「その他」の水準というのを逆に求めますと、五十五年度から六十年度の平均伸び率が八・三%になると、こういう形に出てくるわけでございます。  なお、先ほど申しましたとおり、五十五年度から六十年度の間につきましては、機械的に直線的な手法で伸ばしておりますので、それぞれの年次におきましてこういうふうに行うという、つまり規範的な意味を持っている数字ではございません。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 そうすると、国の財政試算表の五十五年度「その他」は十八兆八千八百億、六十年度は二十八兆一千二百億、まあ間は別にして六十年度の姿で二十八兆一千二百億ということでしょう。その場合、五十五年度の場合の十八兆八千億についての構成比は、地方財政関係費は三九・一%だけれども、六十年度になったら、そのときの構成比はどうなるかそれはわからぬというわけでしょう。わからぬにしても、この自治省の出している地方財政収支試算表でいきますと、交付税の平均年伸び率は一七・二%ですね、先ほど言いました私の計算では。十四兆三千九百億。だから二十八兆一千二百億のざっと半分余りを自治省が作っている地方財政収支試算表では見込んでいるんですよ、半分以上。五十五年度で地方財政関係費は三九・一%だけれども、六十年度では五〇%余りを見込むということになれば、大蔵省のそれでいけば、「その他」の、文教及び科学振興費、防衛関係費、食糧管理費、社会保障関係費、その他の事項経費等というのが「その他」ですがね、これらを大幅に切り詰めないかぬということになるんです。そういうことをお考えなのか、それとも交付税の財源を削るということを考えていられるのか、どっちなのか。その辺はどうですか。

藤原和人大蔵省主計局主計企画官

○説明員(藤原和人君) 経常部門歳出の「その他」の六十年度の姿でございますけれども、先ほど申しましたとおり、いわゆる各経費ごとの積み上げ計算をした結果出てきた数字ではございません。マクロ的に、経済審議会の企画委員会の描きました六十年度経済の暫定試算というのを実現し、かつ五十九年度特例公債脱却という姿で描くとこのようになりますと、こういうことでマクロ的にお示しをしてございます。したがいまして、この中に地方交付税が幾らを占めるかというようなことは、積み上げ計算をしておるわけではございませんので、お示しをできないわけでございます。したがいまして、国の財政収支試算におきましては、地方交付税につきましては何らの前提なり仮定なりを置いているわけではございませんので、地方財政収支試算が自治省の方で仮定を置いて計算をされたと、こういうふうに了解をしております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 おかしいですね。国の試算表の方の前提、これも、それから自治省がつくった地方財政の試算表の前提も、どちらも同じように経済審議会企画委員会の試算における諸指標を参考にしてつくっているわけです、どっちもね。ところが、最後の六十年度になったら全然つじつまが合わぬわけです。何ぼマクロにしたって、つじつま合わぬ数字が並んでたって何の役にも立たぬ。それは六十年度の姿でございますとおっしゃっても説得力がないじゃないですか。大臣、これはどういうように考えたらいいんですか。自治省もどっちも同じ指標を使ってやって、それでどっちも借金なくするのやと。たとえば国からもらう財源としては国庫支出金もありますが、それいまは別にして交付税問題で見ているんですけれども、交付税問題だけ見ても六十年度になったらごろっとこの数字が合わぬようになっている。こういう事態になったんじゃこれはどういうように考えたらいいのか。数字の遊びをしてたんじゃこれしょうがないですからね。いかがでしょうか。

土屋佳照自治省財政局長

○政府委員(土屋佳照君) 先ほどから申し上げておりますように、この収支試算は六十年度経済の暫定試算に示されておるものを前提として、いろいろな前提を置いてやっておるわけでございまして、私どもとしては地方財政の立場からかなりな前提を置いて試算をいたしました。その意味で、地方交付税については国の方ではそれぞれにそういった中身までについて試算をされておるわけではございませんが、私どもとしては国の財政収支試算を参考としながら、その経常部門の税収の中で地方交付税に配分する割合が大体過去と一定であるといったような計数をはじき出して、そして仮に算定をしたということがございますので、全般的に最終的なマクロ的な数では違うということがあり得ると存じます。しかし、一応私どもとしては、そういう地方財政の立場から試算をしたものをもとにして、全般的に地方財政の推移を六十年度の姿を見ながらどういった選択をしていったらいいかということを考えていく手がかりにしたいということでございまして、その点は必ずしもぴったりと国と合っておるものではないということはこの収支試算の性格からやむを得ないというふうに考えておるわけでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 大臣、これはやむを得ないじゃ私は済まぬと思いますよ。六十年度の姿というのを自治省で計算したら交付税は十四兆余りになる。まあラフに言って十四兆やと。で、片一方は交付税を含む防衛関係費やら文教費から科学振興費、とにかくがちゃがちゃと集めて二十八兆しか見てないんだと。国はそれだけよこすのかよこさぬのかということもわかりもせぬ。交付税はこれだけになりまっせという計算を何ぼやってみても、国と自治体は車の両輪やとようおっしゃいますけれども、どうやって財政の立て直しをやるのかという点では、これ両輪どころか、その両輪で行ったらどこへ行くかわからへん、そういう状況じゃないですか、大臣。どういう意味を持つんですか。

土屋佳照自治省財政局長

○政府委員(土屋佳照君) 私どもがこの収支試算をお出ししましたのは、先ほどからるる申し上げておるような趣旨でございまして、財源についての税なり交付税なりの試算の仕方も、地方財政の立場から私どもとしてはこうあるべしという姿を出しておるわけでございます。それには、よりどころとしては、現在の姿、現在の税収中地方交付税に配分される割合というものを一定の前提を置いて出しておるわけで、こうあるべきと申しますよりもこうなるであろうという予想でございますから、そこらのところが数が違うということはあり得るわけで、そういった場合に将来そこらをどういうふうに持っていくかということは、これは別な意味での議論というものが出てくるだろうと思います。しかし私どもとしては、地方財政としては六十年度はこうあるべしというような姿を出しておるわけでございます。その点が若干違っても、そこらは現実の問題としては、毎年度毎年度の積み上げで予算、財源配分、そういった中で議論がされていくべきことだろうというふうに考えております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 だから、こうなってほしいというか、なるであろうということで自治省としては六十年度の数字をつくり出すわけでしょう。ところがなかなか政府の方はそうはいかぬ。特に大蔵省はそうはいかぬということで、それでまた日本の経済全体の動きも当初の予想どおりには動かないものだから、生き物ですから。だからこれ毎年出さないかぬ。この繰り返しが一体どういう意味を持つのか。役に立つのか立たないのか。私は非常に疑問を持つんですよ。本当に政策的に展望を持って、地方財政の再建についてはこういう方針でいきますというものを出してもらうということが私はいま非常に求められているんじゃないかと思う。これは昨年も一昨年も私強調しているわけです。  あちこち知事さんや市長さんのお話聞きましても、いま傾向二つ出てますよ。一つは、一番困るのは来年の展望がない。一体どこで借金に頼らなきゃならぬようなことがやめられるのか、その点の展望がない。毎年自治省と大蔵の折衝を、うまいことやってくれや、大臣がんばってやといって見ながらやっている。これでは地方においての計画、政治のプログラムをちゃんと立てるわけにいかぬと言うて憂えておられる人もあります。もう一つのグループは、いずれにしても政府が財源保障はやってくれることになっているんや。それで、借金でやっても政府が言うとる借金やさかいに、借金を返すのもちゃんとめんどうを見てくれるはずやと、だからもう気楽でええということを言っている人もいます。どっちがいいとか悪いは言いませんけれども。  私はこういう現状というのは決して地方自治の発展にとってはいい状態ではないと思う。計画を持ち、意欲を持ってどんどんとみずから住民と一緒に自分たちの町づくりを計画的に進められるような、そういう展望が持てるような地方財政の状態を早くつくらないと、言葉だけで地方自治とか分権とか言っても、あるいは地方の時代と言っても、これは実際には住民自身の利益にならない。そういうように私は思う。  そこで、私は今日までしばしば、そういう意味からも地方行財政制度の根本的な抜本的な改革を早くやりなさいということを主張をしてきました。具体的に、たとえば交付税率の引き上げとか、超過負担の解消とか、あるいは総合補助金制度の導入とか、とりあえずのカンフル的措置をやりながら、そうして政府や自治体、学識経験者を含めた三者委員会でもつくって根本的に、大臣も言っておられた事務の再配分の問題も含め、それに必要な財源保障はどうするかというのを根本的にやっぱり検討して、そうしてそういう大体五年ぐらいの展望でそれを打ち立てる必要があるということをやかましく言っているんです。おくれればおくれるほどこれは病膏肓に入ってますます回復するのに困難になる。その事態を実は私はこの収支試算表が示しておるというようにも思う。  このままいったらますます住民負担、住民の犠牲というのは大きくならざるを得ぬというように思っているんですが、その点、五十年度以来今日事態は進行して、そして先ほども言いましたけれども、とりあえずこう薬的な方法で六条の三の二項をごまかして、糊塗して特例措置をやりながら、それで制度改正をやったと称してきていますけれども、一体いっそういう根本的な対策に手をつけるのか。前大臣の澁谷大臣は、もう五十五年度にもやりたいんだと言って大分当初は意気込んでいられましたけれどもだんだんむずかしくなってきたんですがね。その辺の決意というか展望というものをひとつ明らかにしてもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。

後藤田正晴自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(後藤田正晴君) 確かに、国も地方も本当の意味での長期の展望というのは実際立てにくい状況にあるということはいまおっしゃるとおりだろうと私思います。現実には、現在非常な巨額の財政上の赤字、財源不足が生じておるわけでございますので、この現状を打開をして健全化を推進をするということは、今日何よりも必要であることは言うまでもございません。  そこで、まず私どもは、何といってもやらなきゃならぬのは、最初に国、地方を通ずる歳出の節減、合理化、効率化、これにまず手をつける必要があるであろう。特に地方財政につきましては、最近言われておりますように、地方の時代、これがもうこれ以上国に頼ってきてもあかんぞ、おまえさん方でひとつ勝手にやれやといったような意味合いでの地方の自治であっては相ならぬ。これはやはり本当に地方が住民に身近な行政を自分たちの判断で自主的、自律的に遂行することができるように、それの財政的な裏打ちを確立をするということが何よりも肝心であろう。そこで、一般財源である地方税であるとか、あるいは地方交付税であるとかといったような点についても、事務の再配分等とも相並んで確立をしなきゃならぬ時期が私は迫っておると、かように考えるわけでございます。そういうような意味合いから、私どもとしては、いままでのいろんな調査会等の御審議をも踏まえながら、同時にまた、国の置かれておる立場、これに対しても十分な私どもとしては配慮もしながら、何よりも地方の立場に立ってできるだけ早い機会に健全な地方財政が確立されるように努力をしていきたいと、かように考えるわけでございます。  まあいつからといってお答えをすることができないのはまことに残念でございまするけれども、いま直ちに私どもが取り組んでおるのは、何よりも国、地方を通じた行財政の改革である。その上に立って、骨身に徹するといいますか、要するに、とにもかくにもぜい肉はできる限り切り落としてしまって、その上に立って私は全体の税財政の改革というものに踏み切るべきであろう。このぜい肉切り落としをやらぬうちに税制等に手をつけるということについては、私自身は疑問を抱いております。このままやったならばこれはまた水ぶくれになってしまう。したがって、まずやることは税財政の節減、合理化だと。その上に立っての地方の財政の充実、確立、これに全力を挙げなきゃならぬと、かように考えておるような次第でございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 せっかく御答弁いただいているのに失礼かもしれませんが、私は、いままでの政府の経済、財政運営の失敗が今日の事態を招いたという認識に立っていますからね。そのいままでのやり方を続けておる限りは、これはいつまでたっても今日の事態を解決することはできないというように思っておることだけ一言申し上げておきたいと思います。  別のことになりますが、自治省にちょっとお伺いしますが、来年度予算の編成に際して、地方自治体に使用料、手数料、保育料や高校授業料なんかの値上げを内簡やあるいはいろんな次官通達、その他の形で行政指導をされているようですけれども、これは自治体に対する強制の措置になるのですか。あれはどういう性質のものと考えたらいいのですか。

土屋佳照自治省財政局長

○政府委員(土屋佳照君) 五十五年度の地方財政計画におきましては、使用料、手数料の額を引き上げておりますが、これは地方財政計画を立てます際に、その基準として見込む額として引き上げたわけでございます。したがって、具体的には地方団体によっては若干違っておりますが、私どもの見込みとしてはこういう額であるべしということで引き上げておるわけで、これは受益者から適正な負担を求めるという趣旨から財政計画の中における数値を引き上げた、見込みを引き上げたと、こういうことでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 自治体がそれをやるかやらぬかは自治体の任意だとおっしゃるけれども、地方財政計画上でそういうふうになるわけでしょう。それをもとにして交付税の算定もやられるわけです。やらなきゃ財政負担がきますわね。札束で面張られておるようなものです。だから、これが結局強制をするのと同じことになってくるというのが一つです。  たとえば高校授業料を見ますと、五十年が千二百円、五十一年三千二百円、五十三年で四千八百円、五十五年は五千六百円と、もう五十五年には四倍以上、五倍近い値上げをわずか五年間の間に強制されてきているんです。  そしてそれは、私は大臣にその点でお伺いしますけれども、先ほど財政収支試算の問題でも指摘をしたんですけれども、財源不足ですから、当然国の方が自治体に対して交付税として配分をするか、いろんな制度上の改正を行うかして、自治体に負担をかけないでその財源を保障すべきであるにもかかわらず、いろいろな、財源対策債その他起債の措置とかいろんなことで全体として行政需要を圧縮をする。借金だから結局圧縮せざるを得ぬわけですから。そういうことで逆に自治体の方にしわ寄せをするという事態で今日まで推移をしてきている。だから、こういう住民犠牲で、いままでも借金ばかりしているのだからしんぼうしなさいということで、いろんな要求も当然そう簡単には応ずるわけにいかぬというのが自治体の首長の立場ですわね。そういう状態で今日まできている。  しかも、いま国民が非常に大きな不安を持っているのは、電気代、ガス代の大幅値上げですよ。それから国鉄、郵便料金、たばこ代、もうとにかく次から次へ上げる、政府は。そこへもってきて自治体の方も、使用料、手数料、保育料から高校授業料から、もうとにかく三十数項目上げるところもあるし、百項目近い値上げの提案をこの三月議会にしている自治体もあります。何から何まで上がってきよる。これはまさに再び狂乱物価になっていくんじゃないかと、そういう不安があるんですね。日銀総裁自身もそのことを心配をして、先般御承知のように公定歩合の引き上げを急邊やらざるを得ぬ。予算の審議の最中にやるという異例なことまでやってとにかくインフレを食いとめないかぬと、こうなっている。しかし、インフレを食いとめるために公定歩合の引き上げをしただけではこれは解決しないのはもうはっきりしています。やっぱり物価を抑える以外にない。  ということになれば、まあ国の方の問題は別にして、電気代、ガス代その他の問題はこれはまあ自治大臣一人の問題では——国務大臣の一人だから責任はありますけれども。そういう時期に、自治体に対してこのような使用料や手数料、それから高校授業料に至るまでいろんな一斉値上げ、総引き上げというようなことを自治省自身が指導するというのはやめて、自治体というのはやっぱり住民の暮らしを守る組織なんやから、仮に国が値上げをしても——われわれは反対だけれども、仮に値上げをしても、この時期ですから、自治体としてはもう一踏ん張りして、一緒に自治体まで値上げをやるというようなまさに国民いじめのやり方はやめると、そういう指導を撤回をするという、そういうお考えはないでしょうか。大臣にお伺いします。

後藤田正晴自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(後藤田正晴君) 使用料、手数料は、やはり何といいますか、受益者に対して適正な負担を求めるということ、これは当然のことであろうと、かように考えます。  そこで、最近それの引き上げという問題が起きておるのも事実でございますが、これやはり最近の物価その他等をにらみ合わせながら引き上げが行われておるということでございますが、一般的に申しまして当面の一番厄介な問題は、これはやはり物価、国全体の物価対策の問題でございますから、そういうような意味合いから使用料、手数料、こういうようなものについても適正な引き上げということはやむを得ない措置であろうと思いまするけれども、その際に、ともかく少しでも歳入が上がればいいんだといったような安易なやり方でこの問題に対処するということだけは厳に慎んでもらいたいというのが私の基本の考え方でございます  それに当たっては、いま御質問のあった高校の授業料等についても、国のパーセンテージと同じような引き上げ方はいけないということで、引き上げの率は仰えなさいということでやらしたつもりでございます。同時にまた、銃砲でしたかの免許の際の手数料等についても、これはもう少し実態を調査をして適正な手数料の金額にとどめるべきであるといったような指導もいたしております。また、先般閣議の際にも、総理からもこの点について、こういう問題が安易に流れるということは厳に慎んでもらいたいと、したがって、各省庁で手数料等についての検討をしておる面があると思うけれども、それらについては再検討をしてできる限りひとつ負担が過重になるといったようなことのないようにしなさいというような御指示もございまして、いま政府全体としてはそういう気構えで臨んでおるということをお答えいたしておきたいと思います。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 そうすると、いま大臣もそういう点でいろいろ配慮されたというようにお聞きをしたんですけれども、高校というのは就学率は九〇%を超えていますわね。九三%ぐらいですか、全国平均。だからまあ準義務教育ですね。これが、大分仰えたとおっしゃるけれども、先ほど言いましたように五年間の間に四倍近い値上げになっている。これは非常に多いですね、対象が。それから保育料は、これも保育料の徴収基準が厚生省で決められたらいやおうなしに上げざるを得ぬと、こうなっているでしょう。まあそれ、自治体でいろいろ実態に応じて操作はしていますけれども、そのために物すごい持ち出ししているわけですから。  だから、そういう何といいますか、国民生活に直接大きな影響を与える問題については、いま何か総理も閣議で十分見直せという話出ていたが、今年度において見直しをされるわけですか。自治省の方の行政指導も、その点では各省とも協議をして、いま自治省が各自治体に言っている数値というのは少し低減をすると、再検討するということをいまおっしゃったわけでしょうか。その辺はいかがですか。

後藤田正晴自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(後藤田正晴君) いますでに地方にやってもらっておるのを見直せという意味ではございません。毎年、予算が決まりかけるころからその処置をやるわけです。それを安易なやり方ではいけないと、この際もう少し厳しい再検討をして過重な負担をかけるというようなことにしては相ならぬと、かような趣旨でございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 ということなれば、結局来年の話ですか。

後藤田正晴自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(後藤田正晴君) はい、そうです。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 鬼が笑うという話や、それは。

後藤田正晴自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(後藤田正晴君) いや、そんなことはない。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 それじゃ、もう時間ありませんから、その次の問題聞きますが、建設省にお聞きしますが——自治大臣、これ、自治体がもうかる話をしようと思うんですよ——電柱の占用料について、知事、それから指定都市の市長あて道路局長の通達が出ておりますけれども、その内容というのは一体どういうものですか、簡単に。

山本重三建設省道路局路政課長

○説明員(山本重三君) 道路の占用料につきましては、御承知のように、国が直轄管理しております指定区間の場合以外につきましては、道路管理者である地方公共団体の条例で個々に定めることになっておりますが、特に全国的にわたるような事業につきましては、国で定めます占用料との均衡等を考える趣旨から、昭和五十二年占用料の改定をいたしました際に、道路局長から道路管理者である地方公共団体に対しまして、電柱等につきましては、占用料を定める場合には、「本政令に定める占用料の額と均衡を失しないよう努めること。」という趣旨の通達を発しております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 これは自治体を拘束するわけですか。

山本重三建設省道路局路政課長

○説明員(山本重三君) これはあくまで行政指導でございまして、本来地方公共団体の管理いたします道路につきましては条例でその占用料の額を決めることになっておりますので、拘束するものではございません。ただし、私どもとしては、全国にわたる事業等についての占用料についてはできるだけ均衡を保つことが必要だろうと、そういう意味で、この趣旨に従って条例を制定されることを望み、指導しておるわけでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 この政令で定める方は甲地域ですか、甲地域の分で言うと、四十二年に新設をされて、甲地域は三百五十円、それが五十二年に改正されて千百円という経過ですか。

山本重三建設省道路局路政課長

○説明員(山本重三君) 四十二年に初めて国の道路の管理の一元化を図りましたことにより、直轄管理いたしております国道につきまして政令で占用料の額を決めたわけですが、その後十年間非常に物価等の上昇等に伴いまして占用料が不適切であったということで、五十二年に、御指摘のとおり、改正したものでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 これは何ですか、電気代の値上げが五十一年の六月から八月にやられていますね。この電気代の値上げに相応して千百円に上げたということを意味しているのですか。

山本重三建設省道路局路政課長

○説明員(山本重三君) これは決して電気料金に見合った占用料を取っているわけでございませんでして、むしろ道路を使用している対価という考え方で、道路の資産価額に対する一定の使用料を算定した結果決めたものでございまして、四十二年当初に比べてこの五十二年はほぼ二倍以上、そういった価額の変動がございましたことを根拠に占用料の値上げをしたものでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 道路法の逐条解説の同条の解説を見ますと、額は近傍類地の地代との均衡を目安に数項目いろいろな点から勘案して決めるというのがありますが、そういうことですか。

山本重三建設省道路局路政課長

○説明員(山本重三君) 占用料の額の算定の仕方につきましては、御指摘ございますように、この政令で二通りでございまして、定額制度をとっているものと定率制度をとっているものと二つございます。使用面積がかなりにわたるような、たとえば高架下の敷地を占用する場合、こういった場合につきましては近傍類似の土地価額に一定の率を掛けたものを占用料として徴収いたしております。そういう意味で年々額が変わり得るわけですが、定額で決めておりますのは、たとえば電柱にいたしましても全国にわたる占用件数は非常なものになってまいりますし、個々の電柱についてそれぞれ道路資産の価格を評価しながら実際の占有面積を計算して占用料をはじくということはかえって事務の繁雑になりますし、執行上も適切でないという考え方から、標準的な電柱の占用の形態をとりまして、それに対する使用料相当額を占用料として定額で決めておるものでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 固定資産税は三年ごとに見直しをしていますからね、三年ごとというのは別にしても、それも占用料の改定の一つの目安にはなる。それからもう一つは、電気代の値上げ、いま問題になってきているわけですから、こういった点を考慮すれば、近々にもこの千百円というのを改定をする意思はあるのかないのか。あるいは検討されているかどうか、この点いかがですか。

山本重三建設省道路局路政課長

○説明員(山本重三君) 先ほど申しましたように、政令を定めましたのは四十二年でございまして、その後十年たちました五十二年に大幅改定したところでございますが、その後、この占用料を改定するかどうかにつきましては、やはり占用料の算定の基礎となっております地価その他の動向というものを十分踏まえた上で、慎重に検討してまいりたいと考えております。現在のところ直ちに改定をするということは決定しておりません。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 これはひとつ検討してもらいたいと思うのです。  同時に、先ほども話がありましたが、「均衡を失しないように努めること。」という道路局長通達は、これは自治体を拘束するものではないというようにはっきり答弁されております。道路法の解説によりましても、また建設省に直接お聞きをしましても、占用料の額、方法については、これを政令、条例事項にしたのは、特に地方公共団体の場合議会の関与を通じて住民の意思を反映させるためであるという説明もありました。したがって、これは自治省の方もこの点ちゃんとしてほしいと思うんですが、実は五十一年の三月の京都市議会で、附帯決議でこの占用料の引き上げをせいというのが決議されたわけですよ。ところが、道路局長通達があって、均衡を失しないでとあるものだから、千百円、これでやれというのでなかなかやれぬというんですね、理事者の方は。下手にやるとまた建設省からにらまれたらかなわぬと、こうなるんです。この辺は、これはわざわざ道路法に基づいて、占用料について自治体の条例事項にして住民の意思を反映をさせるという、そういう立法の趣旨からいっても、これは適正ななににする必要がある、それを自治体自身が議会で決める問題であるという点で、自治省の方もひとつ検討し、よく指導してもらいたいと思うんですが、いかがでしょうか。

砂子田隆自治省行政局長

○政府委員(砂子田隆君) 道路の占用料に関しましては、ただいま建設省の方からお話があったようなことで決められているわけでありますが、この通達はいわば公共団体に協力要請をしている通達でありまして、これに拘束されていないことは先ほどお話しのとおりであります。  で、現実に、私の方も府県を調べてみますと、必ずしも電柱について千百円が守られているわけでございませんで、地方によりましては千百五十円でありましたり、また乙地に関しましても五百五十円という政令の額に対して七百三十円取っておったりいたしまして、これは各地それぞれがばらばらに、やはり自主性を重んじて取っておるようでありますから、その点については今後ともそのようなやり方でいっていただきたいと思っております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 次に、もう時間が何ですから簡単にやりますが、もう一つは、地方軌道というか、私鉄の問題です。これについてはいろいろまだ聞きたいことがあるんですけれども、軌道法四条の命令で定めるということになっていますね、額を。その命令はいまだに、もう何十年来できていない。その間の事情なんかも聞きたいと思いますが、もう時間がないのでその辺はもう別にして、だから道路上の、いわゆる地表の方の鉄道は、道路と交差をしたり軌道を道路に使うたり相互使用していますから、相互無償主義というのはわかります。問題は地下鉄なんですがね。地下鉄は相互使用というのはないわけですからね。道路法のたてまえからいけば、許可した場合はこれについて占用料を徴収することができるというのは、このあなたの方の解釈でも、逐条解説は明らかにしているところですね。で、この地下鉄について、それについても徴収はできないといりようにお考えのようですが、この点いかがですか。

山本重三建設省道路局路政課長

○説明員(山本重三君) 地下鉄につきましては、その地下鉄自体が都市内における道路交通の緩和に非常に大きく寄与しておる、そういう面から、非常に道路の機能と密接不可分な関係にございます。また、大衆交通機関としての公共機関的な性格が非常に強い。また、実際に地下鉄の工事費にはかなりの巨額を要します。そういった面で、占用料の徴収によりましてかなり企業経営を圧迫するという問題も出てこようかと思います。そういうことで従来から、地下鉄が道路下に整備される時点から、実は占用料の徴収は免除しておる運用を今日までとってまいったわけでございまして、このような事情というのは、現在の地下鉄の整備の状況からもあるいは地下鉄の果たす機能からも当然こういう配慮も必要ではなかろうか。そういう面で、私どもとしては、地下鉄について今後従来の方針を改めて占用料を徴収するという考え方は持ち合わしておりません。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 地下鉄が今日の道路事情の中で重要な道路の役割り、これを果たしているということは事実です。ですから、地下鉄の建設について、あるいは国道なり県道なりいわゆる道路並みの助成なり補助の制度をとっているなら、それはまたその理屈はわかりますよ。それはなしに、まあ私鉄の企業がやる場合もありますし、それから自治体が参加をした第三セクターでやっている場合もあるし、いろいろ営団形式でやっている場合もある。いずれにしてもそういうことは抜きにしてある状態が一つでしょう。  それからもう一つは、法律から言うと、国が取っていないから自治体も取りなさんなという法律的根拠はないです、それは。そういうように思うのですがね。  それからもう一つは、事実それが大量輸送機関として公共の用に大きな役割りを果たしている、したがってそれの占用料を取るとすればそれは料金の値上げにならないかという問題もあります。だからこれは自治体自身が決め、議会に諮って、その地域地域の条件その他を含めてあるいは国の制度、援助なりの歩況を含めて自主的に決めるべきものであって、国が取らないから、だから自治体も取ったらいかぬという法的根拠はないんです。私はそう思うのですが、いかがですか。

山本重三建設省道路局路政課長

○説明員(山本重三君) 地下鉄の占用料につきましては、先ほど御説明申しましたように、国が直接管理をいたしまして占用料を徴収するということは四十二年から実施しているわけですが、それ以前かなり古くから、旧法時代から、地下鉄の整備を促進するという面から占用料を免除して今日に至ってきているわけです。こういった長年の地下鉄の性格を考えた行政運営というものについて、現在の時点に置きかえてみて、もう一度考えてみましても、やはり地下鉄の整備を促進する面で、占用料の徴収の面でもやはり何らかの配慮は当然考えてしかるべきだろう。そういう従来からの地方公共団体が条例によって占用料を取っております時点からの運用を踏まえて、私どもとしてもそういった趣旨の行政指導をしておる次第でございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 これはね、大臣。またここで言うのですが、住民の方からはいろいろな使用料、手数料から先ほどから言うている保育料から高校援業料というもの、とにかくだあっと取れるものは全部取っていく。ちょっと財政が窮屈になったら、もう使用料、手数料全部値上げする、一斉に。国も上げるし、自治体も上げる。それがこういう大企業については取る権限がありながら取ったらいかぬというんです。国の方の地下鉄なら地下鉄についての政策上の問題は別の問題ですよ。実際の財政としてそれを必要とするかしないか、それは自治体自身が決めたらいい。そこの住民自身が決めたらいい。そのことについてぼくはしっかりした態度、はっきりした態度をとれないというところに、そういう大会社、大企業には非常に甘い姿勢で、片面国民には厳しい姿勢をとっていると言わざるを得ぬのです、これは。そういう例はたくさんあるのですよ。いま一つ言いましたけれども、いろいろあります。  だから、この点はひとつ自治省としても、たとえば東京の営団地下鉄とすると、何十億ぐらいの——そのままでいけばですよ、占用料を取ってもおかしくない、そういう計算ができるようです。まあ取るか取らぬかは別問題。議会が決めることだしね、自治体が決めることですから別問題ですけれども。だからそういう点も含めてひとつ研究課題として検討してもらいたいと思うのですが、いかがですか。

後藤田正晴自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(後藤田正晴君) 道路の方は、これはまた国の指定区間ですか、それと均衡をとってやれというのは、これはごもっともだと思いますよ。ただ、法律的には強制力はありませんから、地方団体で多少のでこぼこがあるようですけれども、それはその程度の常識的なやり方にとどまるべきであろうと、こう思います。  それから地下鉄とか軌道の問題ですが、これはやはり何といいましても大量輸送機関で、道路とお互いに機能を助け合いながら大衆の輸送機関として活動しているわけですからね、それはその占用料を取れと言って取ることも一向に差し支えないかもしれませんが、しょせん——それは大企業を優遇するためにやっておるのではない。これはやはり大量輸送機関として大衆の負担に結局は転嫁になるんだということを考えて主管省はさような考え方をとっているんだろうと思いますけれども、いずれにいたしましても、この問題はやはり私自身の口からどうこうというよりは、私は、主務省の判断にまつべき問題であろうと、かように考えております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 だから、そう言いますが、主務省というのはそれぞれ関係業者と密接な関係を持っていますからね、あかんですよ。自治省が自治体財政をどうするかという点からいろいろ意見を言わなきゃいけない。向こうの方は、あんた、業者の方の立場しかとらぬですよ。だから問題解決しないんだ。自治大臣がそんな姿勢では各自治体はたまったものじゃない。それこそいま自治体の市長さんも知事さんも、どこかに財源が落ちてへんかと思ってウの目タカの目でがんばっているんだよ。  きょうはこの問題、提起しましたから、研究をしてもらって、またいろいろ次も新しい問題も出しますけれども、きょうはこれぐらいにしておいておきます。

後藤正夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(後藤正夫君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

後藤正夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(後藤正夫君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 私は、ただいま議題となりました地方交付税法の一部を改正する法律の一部改正案につきまして、日本社会党を代表し、反対の討論を行うものであります。  一九七五年度来の構造的な財政危機の中で、政府の地方財政対策に最も求められるものは、計画性と合理性であります。なぜなら、地方財政は、十分な財政基盤を保障されないまま、これまで常に政府の景気対策の下請機関として操作され、個々の自治体においてはみずからの財政について長期的かつ計画的運営が損なわれてきているからであります。この意味で、ここ数年恒例となっている自治、大蔵両大臣の覚書による地方財政対策は、計画的かつ合理的内容とはほど遠いばかりか、地方財政の秩序を乱し、緊縮予算の枠組みに強引に地方財政を従わせたものと言わなければなりません。  以下、その理由を申し上げます。  第一は、八〇年度地方財政財源不足額の算定に当たって、その根拠が不明なまま、八一年度地方交付税に算入されるべき交付税をもって財源不足額を圧縮したことであります。八一年度に繰り越されるべき交付税を七九年度交付税会計に入れ、かつ八〇年度に繰り越すやり方には、財政対策の計画性は何ら見出し得ないのであります。  第二は、こうした措置によって地方交付税は、七九、八〇、八一年の三年度においてすべて一連、のものとなり、事実上地方交付税に年度間調整の道を開いたことであります。現行交付税法の趣旨にもとるこのようなやり方には、自治体のだれが賛成するでありましょうか。  第三は、地方財政対策がますます複雑化し、国民の手の届かないものとなってしまっていることであります。七五年度来の政府の地方財政対策は、交付税特別会計における借り入れ、建設地方債の増発など、ますます複雑怪奇となっており、補正予算に絡んでの今回の措置は、補雑さをさらに増していると言わなければなりません。行政の公開が求められているとき、このような財政対策は行政をますます官僚の私物化とさせるもので、国民の要求に逆行するものと言わなければなりません。  以上の理由により、私は本法案の改正に強く反対することを表明し、討論を終わります。

金丸三郎自由民主党・自由国民会議

○金丸三郎君 私は、自由民主党・自由国民会議を代表し、地方交付税法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案に対し、賛成の意を表明するものであります。  今回の補正予算において、昭和五十四年度分の地方交付税の額が六千三百九十二億円増額補正されることとなりましたが、年度末近くの補正でありますため、今年度内において今回の補正による増額分を充てるべき特に緊急な財政需要は認めることができません。  そこで、今回の補正による増額分のうち、昭和五十四年度においては、普通交付税の調整額の復活に要する額百九十五億円を交付することとし、残余の額六千百九十七億円は昭和五十五年度分の地方交付税の総額に加算して交付することができることとする所要の規定を今回の法律案で設けることといたしております。  今回の法律改正による措置は、国の補正予算に対応するものであり、補正予算による地方交付税の増額分を昭和五十五年度分の地方交付税の総額に加算することによって地方財政の健全化に資するものであり、現下の経済情勢、及び地方の財政状況等を考慮いたしますれば、きわめて適切な措置であると考えます。  以上をもちまして、本法律案に対する賛成の意見の表明を終わります。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となっております地方交付税法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行うものであります。  反対理由の第一は、今回の補正予算により自然増収が一兆九千億円余りに達し、これに伴い、地方交付税においても六千三百九十二億円も増額されておりますが、これは本年度の当初予算における政府の税収見積もりの過少によるものであって、財源隠しの疑惑すら抱かせるものであります。  五十四年度の経済が、政府の見通しに近い数値で推移していることから見ても、一兆九千億円余の税の増収を生じたことは、当初における税収の見込みを過少に見積もったと言わざるを得ません。また、地方交付税や地方税についても、本年度地方財政計画で計上された額を約一兆円も上回る増収が見込まれ、あたかも地方財政が好転したかのような錯覚を地方自治体に与えるものであります。もとより正確な税収見積もりは、適確な財源配分や財政運営を行うために不可欠な要件であり、今日のような財政危機の状況のもとにおいては、財政再建に対する国民の理解と協力を得るためにも、財政の正確な実態を知らせることは国の当然の責務だと考えるからであります。  反対の第二は、五十四年度分の交付税の追加分を翌年度に繰り越して交付することについてであります。  今回の補正予算で生ずる交付税増加額のうち、調整戻しに必要な額百九十五億円を控除した六千百九十七億円を来年度に繰り越す措置をとっておりますが、本来地方団体の固有の財源として、その年度内に生じた交付税の増収額は、当然その年度内に交付されるべきものであるにもかかわらず、国の意思で一方的に翌年度にこれを繰り越して使用するということは、地方財政の自主性を著しく損なうばかりでなく、法の趣旨にも反するものと言わざるを得ません。  今日の地方財政は、申すまでもなく、五十年度以降毎年度二兆円を超える財源不足を生じ、本年度においても四兆一千億円もの財源不足に対し、交付税会計の借入金と地方債の増発で対処しており、これらの借入金等の累積額は巨額に達しております。この際、交付税の一部を繰り越すよりは、むしろ五十四年度の地方財政需要の見直しを行うとともに、可能な限り借金を少なくすることが地方財政の健全化につながる措置であったと考えます。特に今回の繰り越し措置は、来年度の予算編成を少しでも楽にし、地方財源不足をできるだけ少くしたいという考えが優先したものとしか考えられず、地方交付税率の引き上げなど長期的な展望に立った地方財政の抜本対策がなされていないのはまことに遺憾であり、納得できないところであります。  以上、主な反対理由を述べ、私の討論を終わります。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 私は、地方交付税法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案につきまして、日本共産党を代表して、この政府案に反対の討論を行います。  そもそも、五十四年度補正予算によって自然増収を見ることになりました国税三税の三二%分は、地方交付税として地方自治体の固有の財源となるものでありまして、五十四年度分として地方自治体に配分すべき性質のものであります。しかるに、自治省は、これを五十四年度の財源として措置せず、その理由として、交付税特別会計の借入金に対する返済並びに地方債振替分への充当にも困難であり、また新たな行政需要も立てられないとして、増収分となる四千四百七十四億円を五十五年度の財源として措置しようとしておるのであります。  この措置は、次の二つの理由によりまして私たちは認めることができません。  第一は、年度性の問題であります。現在の国及び地方の財務制度が単年度主義をとっている以上、補正による増加財源は、当然その当該年度において歳出予算化されるべきものであります。この立場から、増加することになりました地方交付税四千四百七十四億円は、五十四年度において自治体に配分すべきものであり、国が恣意的な年度間調整を行うべきものではありません。  第二に、自治省は、年度末における措置は技術的に困難であるとしておりますが、必要な財源を保障すべき自治省の責任を覆い隠すものと言わねばなりません。すなわち、政府は五十四年度においても基準財政需要額を圧縮した結果、地方自治体の実際の財政需要とは著しく乖離したものとなっております。この乖離を是正するためにも、また地方財政法、交付税法の本旨からしても、本年度五十四年度分交付税として配分し、需要額を実態に近づけることが必要であり、またそれは十分可能であります。これをやれないとする態度は全く了解のできないところであります。  重ねて、年度内に財政危機に苦しむ地方自治体に配分することを強く要求して、反対討論を終わります。

後藤正夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(後藤正夫君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

後藤正夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(後藤正夫君) 御異議ないと認めます。  これより採決に入ります。  地方交付税法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

後藤正夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(後藤正夫君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

後藤正夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(後藤正夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

後藤正夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(後藤正夫君) 銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、政府か二趣旨説明を聴取いたします。後藤田国家公安委員会委員長。

後藤田正晴自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(後藤田正晴君) ただいま議題となりました銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概略を御説明いたします。  この法律案は、最近における猟銃を使用した犯罪及び猟銃または空気銃に起因する事故の実情にかんがみ、猟銃の所持の許可の基準を整備し、銃砲の保管に関する規制を強化するとともに、猟銃等の所持の許可の取り消し事由を整備し、あわせて射撃教習の用途に供する猟銃の備えつけ制度を新設すること等をその内容とするものであります。  まず第一に、所持の許可の基準の整備について御説明いたします。  銃砲または刀剣類、特に猟銃を使用した犯罪は依然として多発しており、これを防止するため所持の許可基準を一層厳格にする必要があります。  そこで、許可の際の審査をより的確にするため申請者が提出する銃砲または刀剣類の所持の許可申請書及び添付書類の様式の整備を図ることとし、許可申請書またはその添付書類中に重要な事項について虚偽の記載があり、または重要な事実の記載が欠けている場合には、銃砲または刀剣類の所持の許可をしてはならないことといたしたのであります。  次に、銃砲または刀剣類の所持の許可を取り消された者及び銃砲または刀剣類を不法に所持し、あるいは銃砲の保管義務または銃砲もしくは刀剣類の譲り渡しの制限に違反するなどして罰金以上の刑に処せられた者に係る銃砲もしくは刀剣類の所持の許可の欠格期間を五年とすることとしたのであります。  また、銃砲、刀剣類または刃物を使用して、人の生命または身体を害する罪その他の死刑または無期もしくは長期三年以上の懲役もしくは禁錮に当たる凶悪な罪で政令で定めるものに当たる違法な行為をした日から起算して十年を経過していない者には、猟銃の許可をしてはならないものとすることとしたのであります。  第二に、射撃教習用途の猟銃の備えつけ制度等について御説明いたします。  現在、新たに猟銃を所持しようとする者に対しては、都道府県公安委員会が行う技能検定または教習射撃場において行う射撃教習を受けさせることとしており、そのため、各人に猟銃の所持の許可を与え、猟銃の自己保管もできることとしているのであります。しかし、これらの者は猟銃の取り扱いがふなれな初心者であることなどにかんがみ、技能検定を受ける者には都道府県公安委員会の指定する猟銃、射撃教習を受ける者には教習射撃場に備えつけられた猟銃を使用させることとし、各人に猟銃の所持の許可を与えないこととしたのであります。  これに伴い、教習射撃場には、射撃教習の用途に供するため必要な猟銃を備えつけなければならないこととするとともに、その保管等について、所要の規定の整備を行うものであります。  第三に、銃砲の保管に関する規制の強化について御説明いたします。  現行法におきましては、銃砲の所持の許可を受けた者がみずから銃砲を保管する場合には、堅固な保管設備に施錠して行わなければならないことになっておりますが、保管が不適切なため銃砲の盗難が多発していることにかんがみ、銃砲の保管の設備及び方法の基準を新たに総理府令で定め、これによって保管を行わなければならないこととしたのであります。  また、都道府県公安委員会は、保管する銃砲が猟銃である場合において、盗難の防止その他危害予防上その保管の状況を調査する必要があると認めるときは、あらかじめ通告した上、その必要な限度において、警察職員に、猟銃の保管場所に立ち入り、検査させ、または関係者に質問させることができることとするとともに、銃砲の保管をする者について、その保管の設備または方法が総理府令で定める基準に適合していない場合など危害予防上必要があると認めるときは、これらの者に対し、保管の設備または方法の改善、その他危害予防上必要な措置をとるべきことを命ずることができることとしたのであります。  第四に、所持許可の取り消し事由の整備等について御説明いたします。  猟銃及び空気銃は、狩猟、有害鳥獣駆除または標的射撃の用途に供するためこれを所持しようとする場合に許可することになっているのでありますが、都道府県公安委員会は、猟銃または空気銃の所持許可を受けた者が、引き続き三年以上、猟銃または空気銃を許可に係る用途に供していないと認めるときは、危害予防の観点から不必要な銃を排除するためその許可を取り消すことができることとしたのであります。  そのため、都道府県公安委員会は、猟銃または空気銃の所持の許可を受けた者に対し、許可された猟銃または空気銃を許可に係る用途に供しているかどうかについて必要な報告を求めることができることとしたのであります。  その他手数料の額の改定、罰則の整備等所要の改正をすることとしております。  以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概略であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同賜らんことをお願いを申し上げます。

後藤正夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(後藤正夫君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ります。     —————————————

後藤正夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(後藤正夫君) これより請願の審査を行います。  本日までに本委員会に付託されております請願は、第一五一号外十二件でございます。  第一五一号地方財政危機打開に関する請願外十二件を議題といたします。  これらの請願につきましては、便宜理事会で協議いたしました結果、第一五一号地方財政危機打開に関する請願外二件につきましては議院の会議に付するを要するものにして内閣に送付するものと決定することとし、第一八三号過疎地域振興対策に関する請願外九件につきましては、その取り扱いについて後日検討することに意見が一致いたしました。  つきましては、理事会の申し合わせのとおり決定することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

後藤正夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(後藤正夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

後藤正夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(後藤正夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十一分散会      —————・—————

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