大蔵委員会 第11号
- 発言数
- 133 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1980/04/17
会議録
○委員長(世耕政隆君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る二日、原田立君、馬場富君、片岡勝治君、小野明君、小谷守君、衛藤征士郎君、林道君が委員を辞任され、その補欠として多田省吾君、鈴木一弘君、竹田四郎君、和田静夫君、福間知之君、藤田正明君、河本嘉久蔵君が選任されました。 また、三日、村田秀三君が委員を辞任され、その補欠として片岡勝治君が選任されました。 —————————————
○委員長(世耕政隆君) 理事辞任の件についてお諮りいたします。 中村太郎君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(世耕政隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ただいまの理事の辞任及び委員異動に伴い、理事が三名欠員となっておりますが、本日は二名の補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(世耕政隆君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に浅野拡君、中村利次君を指名いたします。 —————————————
○委員長(世耕政隆君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 昭和五十五年度の公債の発行の特例に関する法律案の審査のため、明十八日午前十時に、全国銀行協会連合会会長関正彦君、公社債引受協会会長村田宗忠君、成蹊大学教授肥後和夫君、以上三名の方々を参考人として出席を求め、その意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(世耕政隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(世耕政隆君) 昭和五十五年度の公債の発行の特例に関する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。竹下大蔵大臣。
○国務大臣(竹下登君) ただいま議題となりました昭和五十五年度の公債の発行の特例に関する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 昭和五十五年度の予算編成に当たりましては、公債発行額を前年度当初予算よりも一兆円減額して財政再建の第一歩を踏み出すとともに、国民生活の安定と着実な経済発展のための基盤強化を図ることを基本といたしました。 まず、歳出面では、各省庁の経常事務費を初めとする一般行政経費を極力抑制するとともに、政策的経費についても根底から見直しを行った上、各種施策の優先順位を十分考慮し、財源の重点的、効率的配分に努めたところであり、この結果、一般歳出の伸び率は昭和三十一年度以来の低率となっております。 また、歳入面では、租税特別措置の整理等をさらに推進するとともに、給与所得控除の見直しと退職給与引当金の累積限度額の適正化を図ることとしております。 しかしながら、このような歳出・歳入両面にわたる見直しにもかかわらず、昭和五十五年度においても、前年度に引き続き、財政法の規定により発行する公債のほかに、特例公債の発行によらざるを得ない状況にあります。 このため、昭和五十五年度の特例措置として、国会の議決を経た金額の範囲内で、特例公債を発行できることとする法律案を提案するものであります。 しかし、このような措置はあくまで特例的な措置であり、特例公債に依存する財政からできるだけ速やかに脱却することが財政運営の要諦であることは申すまでもありません。政府としては、引き続き、財政の健全化を図るため全力を尽くす決意であります。 以下、この法律案の内容について御説明申し上げます。 まず、昭和五十五年度の一般会計歳出の財源に充てるため、予算をもって国会の議決を経た金額の範囲内で、特例公債を発行することができることといたしております。 次に、租税収入の実績等に従って、特例公債の発行額の調整を図るため、昭和五十六年六月三十日まで特例公債の発行を行うことができることとし、あわせて、同年四月一日以後発行される特例公債に係る収入は、昭和五十五年度所属の歳入とすることといたしております。 また、この法律の規定に基づき、特例公債の発行限度額について国会の議決を経ようとするときは、その公債の償還の計画を国会に提出しなければならないこととしております。 なお、この法律に基づいて発行される公債については、償還のための起債は、行わないものとしております。 以上が、この法律案の提案の理由及び内容であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。 なお、本法律案は、その施行日を昭和五十五年四月一日と提案しておりましたが、その期日を経過いたしましたので、衆議院におきまして公布の日に修正されておりますので、御報告いたします。 以上で終わります。
○委員長(世耕政隆君) これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○丸谷金保君 実は、質問の準備をいたしております最中に、けさ、機会があれば国債削減の優先ということで、大蔵省が総理に、国債発行状況がきわめて厳しいという報告をし、総理も、これは大変だというようなことで、削減優先させるというふうなことが出ております。 これは、サマーレビューとかいろんなことで、予算の執行の段階で削減可能性が出てきたというのなら話はわかるんですけれど、まだ予算案が通ったばかりで、もう大変厳しい状況の中でできるだけ削減をしていかなきゃならぬ。出てきております法案を見ますれば、予算の範囲内で国債を発行するということですから、これはまあその範囲内であれば少なく発行するという措置はとれるのは当然のことだと思います。しかし、そうしますと、予算案というのは一体何なんだということになるんですが、大臣いかがなんでしょうか。
○政府委員(吉野良彦君) 御質問の御趣旨は、予算成立直後から国債の発行額を執行の過程で極力減らしていきたいというようなことであれば、そもそも根っこにあった一体予算はどういう考え方で、どういうつもりで組んだのかというような御趣旨かと存じます。 申し上げるまでもなく、五十五年度予算は昨年の暮れに編成をいたしたわけでございますが、編成の時点におきまして、当時の経済の見通し、それから税収の動向、それから歳出面におきますもろもろの要素を総合的に勘案をいたしまして、御案内のような予算をつくりましたわけでございます。ところが、これも御高承のとおり、予算審議の過程で二回にわたりましていわゆる公定歩合の引き上げが行われました、また、それに伴いまして国債の発行条件も改定を見たわけでございます。これも国債の発行の条件の改定に伴いまして、直ちに機械的に一般会計におきますいわゆる国債費——国債の利払い費が当然に増加をするというわけでは必ずしもないわけでございますが、しかしながら、やはり国債費の増加要因としては発生をしたということが言えるかと存じます。 それからまた、これも予算審議の過程でいわゆる与野党、四党間の合意というものがございまして、この合意に基づきまして、福祉年金の引き上げ等、幾つかのいわゆる追加財政需要というようなものも見込まれるような状況になったわけでございます。 一方、歳入の方を考えてみますると、これも税収はもちろんのこと、予算に組みました税収以上のものを期待することは、これはなかなか困難でございますし、期待すべくもない。それからまた、問題の国債でございますが、国債は前年度当初予算に比べまして一兆円を減額いたしまして十四兆二千七百億円を計上しているわけでございますが、あるいは後ほど種々御議論があろうかと存じますが、国債の消化環境はきわめて厳しいものがございます。その厳しさは、いわば予算編成当時想定をいたしておりました環境よりもいよいよ厳しさを加えているというようなことが、一般的に言えようかと存じます。 こういった歳出におきます追加財政需要的な要因、それからまた歳入面におきます厳しさ、これらを勘案をいたしますと、せっかく御審議をいただきまして成立をさしていただきました予算ではございますが、その予算執行の過程で極力やはり歳出面におきまして、さらに経費万般にわたりまして節減をし得る余地がなおあれば極力これを節減をしていくというような努力を、当然のことながらこれからやっていかなければならないわけでございます。 そのような意味におきまして、今後予算執行の過程で、極力歳出面における経費の節減に一層努力をして、財政、財源事情全般が許し得ますならば、予算で組ましていただいております十四兆二千七百億円の公債の発行も何とか少しでも減らしていきたい、また減らしていく必要があるのではないか、こういうのが現時点における偽らざる予算執行をめぐる環境である、こういうような認識を私どもは持っているわけでございます。
○丸谷金保君 いや、そのことはわかるんですが、問題は、この時期になぜこういう——各紙が取り上げていますね。各社が取り上げています、みんなですね。けさはもう全部と言ってもいいですけれど。恐らくおたくの方でこれは発表したのだろうと思うんですね、新聞社に。総理と話した結果こうだったということは、大蔵当局の方で恐らく記者会見等でお話しになったんだと思います。 極力減らしていくということですと、五十四年度でも実際には予算現額にははるかに及ばない額ですよね、実際の国債の発行高というのは。それは結果として出てくるのはわかるんですよ、一兆何ぼも少ないところに抑えているわけですからね。ただ、この時期に、何でこんなにでかでかと天下に公表をしなければならないのは何があったのだということなんです。
○国務大臣(竹下登君) これは昨日、理財局長が首相官邸で国債の現状についての御説明を申し上げたわけであります。特に総理が心配されたということは、今度予算を成立さしていただきます中で二百五十八時間の審議が行われております。当初は、衆議院段階におきましては、言ってみれば今年度の財政再建、すなわち、いわゆる財政再建問題が主たる議論でありました。それから、第四次の公定歩合が引き上げられました当時から、非常に国際金融等の議論が集中してまいりました。そうして、参議院に参りますとまさに国際金融論議、それと加えまして議論の大宗をなしたものが国債消化の問題であります。すなわち、国債消化の環境が、その市場価格等から見ても非常に厳しくなったという御指摘をいただいたわけであります。 したがって、予算が成立いたしました後、私どもは去る四月十五日、当面の財政運営についての大蔵大臣の閣議における発言をいたしまして、それに対しての御了承を得たわけでございます。それに引き続いて総理の物の考え方は、国債消化の問題、まあ正しく言えば国債管理政策とでも申しましようか、これに大蔵省挙げて取り組む姿勢で対応しろというのが、総理の基本的な考え方でありまして、そこで具体的にその状態はどうなっておるかということを数字でわかりやすくいたしまして、きのう局長が総理に御説明を申し上げた。そして総理からも、まさに大蔵省全体の課題としてこれに対して取り組むべしという御指摘をいただいたというのが実情でございます。 したがって、確かに、予算通過間もなくということについての御疑問も私も理解できるところであります。いま、主計局次長から御説明申し上げましたとおり、確かにことし、従来とさま変わりをいたしましたのは、明治以来予算審議中に、すなわち十二月から三月までの問は公定歩合を一回もいじらなかったわけであります。しかし、国際環境がこれだけ厳しくなりますと、予算審議中といえども公定歩合をいじって、それがまた、国会の審議の中で理解をいただける段階に来たということもあって、あえてそういう措置をして、まさに衆参両方の審議中にそれぞれ一回行われたと、こういうことになりまして、それ炉及ぼす予算への影響、そして、これはまあ金利等々の問題でございますが、そうしたことからいたしまして、今度のさらに四党合意におけるところの修正というようなものがありましたので、若干実質的に予算の内容が変わってくると。 そうなれば、それに対応する歳出歳入両面においての、われわれとしても極力、国債に対して申しますならば、それをいままでも結果として圧縮さしていただいておるわけでございますが、当初から節減等によって発行額が可能な限り少なくて済むような努力はこれからもやろうということが、今日私どもが一応合意して構えておるという段階でございます。
○丸谷金保君 どうもぴんとこないんですがね。というのは、いまの局長さんの説明でも、税収も期待できない、それから野党との話し合いの中で若干上乗せしなきゃならない歳出の面も出てきていると。そうすれば、国債がもうちょっとふえるかもしらないという懸念ならわかるんですよ。それを国債を減らさなきゃならないということは、いまの御説明とかみ合わないんです。逆なんですよ。それをここの時点で、総理もこれは大変だと、こういうことを言うような事態というのは、一体何がここのところで起こったか。それから、総理がこれは大変だと言った、局長が御進講申し上げた問題の中身は何かということをここで明らかにしていただかないと、納得できないんです。
○政府委員(渡辺喜一君) 私がきのう総理のところへお伺いして、国債管理政策の直面する問題をお話ししたわけでございます。 私のお話し申し上げた趣旨は、まず第一は、昭和五十年度から国債の大量発行が始まった。大量発行以前におきましては、毎年度発行される国債は、一年たちますとほとんどすべてというぐらいの割合で日本銀行が買いオペでこれを吸い上げておった。したがって、金融機関の保有残高として残るものはほとんどなかったわけでございますが、大量発行が始まりましてからは、日銀の買いオペというのは、これは全然別個の、必要な通貨を供給するという趣旨で行われるわけでございますから、日銀のオペで吸い上げる部分というのはごくわずかの比率にとどまって、大部分の引受国債が金融機関の保有残高として累積していったと、こういうことでございまして、したがって、最近におきましては、金融機関の引受量というのは、ほぼ預金の増加量に匹敵する規模にまで達しておる。したがって、金融機関は、この累積した保有残高をどうしても処分していかないと資金繰りがつかない、つまり、雨雲が常に空の上を厚く覆っているような状況で、国債市場に対して金融機関からの売り圧力というのが常時存在するような状況になっておるということが第一点。 それから第二点は、こういう量的な面にとどまらず、質的な面においても、五十四年度の当初、むしろ五十三年度の後半と言ってもいいかもしれませんが一で金利・金融緩和期というのは底を打ちまして、逆に金融引き締め期を迎えた、金融引き締めの局面を迎えた。したがって、一般市場は、先行き金利はさらに上がると、こういうことになりますので、買い方はもっと待てばもっといい条件になるということのために買い控えをどうしてもするというようなことで、既発債市場における国債市況というものは、金融の引き締め局面においてずっと一貫して悪化をしてきたと、これは五十四年度からの話でございます。大量発行のもとにおいても、金融が緩和していく局面においては何とか国債は円滑に消化をされてきたわけでございますが、金融引き締め期に入るとともに市況は非常に悪くなっていった。したがって、既発債市場における国債市況の悪化によって、新発債との条件の乖離幅というのがどんどん広がっていくというふうな状況になってきたと。 したがって、これはどういうことになるかといいますと、金融機関は新発債の引き受けが非常に厳しくなってきた。引き受けて売ろうとしても、損をしなきゃ売れないというような状況になるわけですから、引き受けが非常に厳しくなってくる。同様に証券会社も、一般に売ろうとしても、一般の人は既発債市場で買った方が有利なものが買えるということで、なかなか新発債は買わない、したがって証券会社も引受条件が非常に厳しくなる、こういうようなことになりまして、量質両面から非常に厳しい消化環境になっておりますと。 現に金融機関、証券会社とも、相当額の評価損あるいは売却損というようなものを去年の九月期並びにこの三月期には発生しておるというような、そういう現状を御説明申し上げたわけでございまして、したがって、この五十五年度十四兆二千億円の国債発行を計画しておるわけでございますが、これは何とかして発行をしていかなければいけないわけでございますけれども、私ども発行当局としてのこれは姿勢といいますか、期待といいますか、としては、もしこれが減額できるチャンスがあるならば、できるだけこの減額ということを政策上優先的に配慮をしてもらいたいものだと、こういうことを申し上げたわけでございます。
○丸谷金保君 どうも、なかなか本当のことを言えないのかと思いますが、いまの金融機関の問題にしても、五十四年度の都銀だけでも四兆六千億ぐらい一方的に売りに出していますわね。いま始まったことでないんですよ、こんなこと。何でいまになってこんなことを大げさに言わなきゃならないんですか。これはもう去年のうちにわかっていることでしょう、いまあなたの言っていることはね。いまの時点でそういうことになったのでないんで、これはもう去年の話ですよ、いまおたくの話した話というのは。で、こういう数字はもう明らかにされているんです。 そうすると、さあ大変だというのがいま起こったということの理由には、全然ただいまの説明ではならないんですがね。もっと何かあったのでないんですか。ちょっと、こういう具体的な数字からいきますと、こんなことをいまになってから改めて言わなきゃならないというようなことじゃないですよ。これだけ大量のものを都銀だけでも市中に流して、そして売却損を出してというふうなことが行われているのは、いまに始まったわけじゃないんですから。どうもいま御説明を聞いても、総理は、それは大変だと言った、いまの時点で、予算が上がった直後にこういう発表を一斉にしなきゃならなかった真意の説明にはちっともなってないんですけれど、どうなんです。
○政府委員(吉野良彦君) 問題を整理いたしますと、二つに分けて御説明申し上げるべきかと存じます。 一つは、丸谷委員も御指摘のように、追加財政需要があるのなら、むしろ公債増発の必要があるということに一応理屈としてはなるのではないか。にもかかわらず、逆に国債を減らさなきゃならないというのはつじつまが合わないのじゃないかというような御議論が一つあったかと思います。 そこで、まず追加財政需要との関係について申しますならば、私どもはもろもろの追加財政的な要因が見込まれますので、この追加財政需要に対しましていわば漫然とこの追加財政需要に追随をしていくというような態度を続けておりますならば、予算に三千五百億円の実は予備費も計上さしていただいておりますけれども、この予備費だけでは不足をして、財源としてまさに先生御指摘のように、国債を増発しなければこの追加財政需要にこたえていくことができなくなるおそれなしとしない。 しかしながら、五十五年度予算の編成の経緯あるいは公債消化の環境、それから財政再建への基本的方向、いろいろなことを考えますと、五十五年度におきまして十四兆二千七百億円という予算に組ましていただいた公債を増額をするということは、これはとうてい考えられないし考えるべきでもない。これは単に消化の問題のみならず、財政再建という方向からいってもこれはとるべきではない。したがいまして、万が一にでも国債を増発しないで済むように追加財政需要に対してはまず厳しく臨むと。臨んだ上で、なおどうしても避けがたい追加財政需要というのはあり得るわけでございますから、これに備えて既定の経費についていまから見直しの用意を進めておくべきではないか。これが第一点でございます。 それから、国債を減らす方の話でございますが、これもあるいは理財局長から御説明申し上げた方が適当かと存じますけれども、これは、もしも、たとえば税収につきまして予算に組んであります以上の税収があるいは出てくるかもしれない、そういうような状況になりました場合には、その税収の増加を単純に追加財政需要、いわば歳出の増で食ってしまうというようなことは極力避けて、やはりそういう余裕が出れば、国債を減らすという方向を優先的に考えていくべきだというような考え方かと存じます。 その二つが一緒になって私も先ほど御説明申し上げましたので、あるいは誤解があったかと存じますが、国債をこれ以上増発をすべきではないという観点からの既定経費の見直し、それからもしも余裕が生じた場合にも、これは国債を減らすということを優先的に考えていくべきだという二点が入っていると存じます。
○丸谷金保君 御答弁がさっきと違うんですけれどさっきは税収の伸びも期待できないとあなた答弁しているんですよね。いまは期待できた場合にはという今度答弁ですね。あなた、さっき期待できないと言うから、それで私おかしいんじゃないかと、こう申し上げたんです。ただ、しかし、いまの時点であわてて御進講申し上げなければならなかった問題点は、るる御説明あったけれど一つも解明されていないんです。 それで、角度を変えてもう一回質問します。中期債のオファーは四月に入って行われましたか。
○政府委員(渡辺喜一君) 去る十四日に、千五百億円程度をめどにオファーをいたしております。
○丸谷金保君 結果はどうだったんですか。
○政府委員(渡辺喜一君) 結果は、ただいま集計中でございますのでまだ出ておりません。あしたの午前中には出る予定でございます。
○丸谷金保君 入札の札はもう見ているんでしょう、大体。
○政府委員(渡辺喜一君) 入札実務は日本銀行に委任いたしまして、日本銀行において実施をいたしておるわけでございます。
○丸谷金保君 そうすると、報告があるまで十四日に行った結果がどういうふうに出ているかということは、全く理財局長さんはお知りにならないわけですか。
○政府委員(渡辺喜一君) どの程度のところにどの程度集中してきておるというふうな経過はおいおいと報告は受けておりますが、集計結果というのはまだでき上がっていないわけでございます。
○丸谷金保君 感触としてどうなんです。
○政府委員(渡辺喜一君) 千五百億円程度をめどにオファーをいたしたわけでございますが、応募額はどうやらその千五百億には達しないという感じのようでございます。
○丸谷金保君 そうなんですよ。十四日にオファーして、結果としてはどうも、新年早々であるけれど、公定歩合も引き上げた、あるいはまた国債の利率も上げてきている、しかし、現在の実勢価格との差が余りにもあるんで、大蔵当局が考えるようなところになかなか指し値が入ってこないというのが実情ですね。どうなんですか。
○政府委員(渡辺喜一君) 中期国債は公募入札でございますから、発行当局で指し値をするとかいうような性格のものではございません。十年国債の方は、これはシ団引き受けに際しまして、シ団と協議をいたしまして発行条件を設定してその条件で引き受けてもらうということになるわけでございますが、中期国債の方は全く公募入札でございますから、入札結果によって条件が決まるということになるわけでございます。
○丸谷金保君 そうなんです。指し値でなくて、指し値はしないですわね。指し値はしませんけれど、当局の持っている予定価格というか、予定数字がございますわね。私たちが公共事業の入札なんかやっているときそうですが、幾らという指し値はしないけれど、あらかじめこちらは大体どこら辺で契約をしていこうという予定価格というのはあります。これはお持ちなんでしょう。
○政府委員(渡辺喜一君) 私どもは表面利率は設定いたします、クーポンレート。今回のオファーにおきましては、クーポンレートを〇・七%引き上げまして八・四%というクーポンレートをつけてオファーをしたわけでございます。そのクーポンレートで一体価格を幾らで入札してくるかというのは、これは全く応札者いかんによる話でございまして、幾ら程度で入札しろというふうな私どもめども持っておりませんし、結果によって判断をするということになろうかと思います。
○丸谷金保君 そのクーポンレートの八・四というのは五年債ですか。
○政府委員(渡辺喜一君) 三年債でございます。
○丸谷金保君 実勢と余りにも違い過ぎているので、三年債の八・四ですと、これはなかなかいまの状態で大変だと思うんですよ。 実は、ちょっと使うことがありまして、この間五年の国債を二百十万ほど買ったんです。そうしますと、私もそれはびっくりしたんです。それで、総理がこれは大変だと言うのはなるほどこのことかと実は思ったんです。これは八%の五年債なんですが、額面二百十万円で実際の市場価格は百四十一万二千円なんです。これは現に仕切り書もあります。そうしますと、実勢利回りは一一・九%、約一二%に近いんです。そうすると、表面金利の八・四%で、一体どれくらいの市場メカニズムの中で価格が決まると思いますか。これはつい最近のあれで、私自身がびっくりしたんです。 こんなところへ来ているんですよ、大臣。二百十万の五年債が百四十万で買えるんです、いま証券会社から。いいですか、大平総理がこれは大変だと言ったのは、こういう実勢をあなたたちが報告したのじゃないんですか。どうなんです。そして、この問のオファーでも、とてもじゃないけれどこれは大変だと、われわれの考えているような予定価格というか、これは入札のときに予定価格がないはずがないんです。必ず、一定のところまで来たら契約しようということがあるはずなんです。 市場実勢と余りにもかけ離れていたので、これは大変だということになったのじゃないんですか。それで総理のところに駆け込んで、このままではとてもじゃないけれど、年度当初から国債の消化ということは大変な事態になるので、発行高を減らすということを一斉に新聞に出して、そういう形での市場の心理的な操作をやらなきゃならぬと、こういうふうなことがあったのじゃないんですか。どうなんです。これはこれからの論議の非常に大事なところで、私たちも心配しているんです、そういう点で大変だと。それに先ほどからのような表面金利のような話を長々とされても、ちっとも理解がいかないんです。どうなんです。あわてて御進講に及んでこういう新聞報道を出させた実態は、こういういわゆる市中のメカニズムとの問の余りにも大きな乖離ということがあったのじゃないですか。どうなんです。なければ幸いですけれど。
○政府委員(渡辺喜一君) 既発債市場の相場と新発債の条件とが乖離しておるということは、おっしゃるとおりでございますが、その乖離が大きくあるからあわてて行ったということではございませんで、国債全般について御進講をするという目的で伺ったわけでございます。 もちろん、その御説明申し上げた中には、先ほども触れましたように、現在の国債市況というのが量の面から、あるいは質の面から言って、特に五十四年度に入ってから一貫して非常に悪くなってきておる。この年度末の二月、三月において急激に悪化をして、その乖離幅も大きく開いておるということは申し上げたわけでございます。
○丸谷金保君 大臣、予算編成はしましたけれど、実勢金利を上げていけば確かに国債消化はできないことはないでしょう。しかし、それは後年度に大きな財政負担になりますね。一体、現在考えている財政金融政策の中で、今年度の国債の消化は自信おありですか。率直にひとつ。
○国務大臣(竹下登君) 今年度の国債消化に自信があるかないか、こういうことでございます。 御指摘のとおり、環境はかなり厳しいということも事実でございます。しかし、五十四年度に対比いたしまして資金運用部引受額をふやすとか、あるいは今後いろいろな、その都度のことではございますものの、弾力的な措置をすることによって、何とか消化でき得るではなかろうかという自信と期待と願望とを持っておると、こういうことであります。
○丸谷金保君 大変むずかしい表現で、ちょっと戸惑いするんですけれど、それじゃひとつ、個々の具体的な問題について私たちのきわめて心配していることを一つ一つ実は出していきたい。 財政制度審議会の報告によりますと、わが国の政府支出のGNPとの比較というのは、イギリスやフランスや西ドイツというふうな国と比べてまだ大変パーセントが低い、こういうふうなことが言われております。国家予算だけ見ている限りは、そういうことが言えると思うのです。しかし、いまの国債市場の悪化というふうなことを考えた場合に、これは私たちは国と地方の財政、それから財投、これらを一括して見ないとGNPに対するパーセントの本当の数字が出てこない、こう思うのです。ところが、政府はいつも上手に予算対比、予算対比ということで、しかし地方自治体の財政を考えた場合に、西ドイツやフランスと日本とは全く違うんです。日本のように非常に大きなものではありません。 試みに、ことしの地財計画等から勘案してみますと、地方財政の総予算が四十一兆六千四百二十六億、そのうち起債が四兆四千億あるのです。残が二兆五千八百九十億残ってまいります。そうしますと、たとえば五十五年度の予算を見てみますと、一兆円国の方は国債発行額を下げたと言っているけれど、その分は地方債の方にしわ寄せされているんです。差し引きしまして、地方債の方では約三兆円近いものがふえております。だから差し引き、国、地方の全体をとりますと、そういう国債なり地方債の残高をトータルで見ると、二兆円ぐらいふえているんです。要するに国の方は減らした減らしたと言いながら、地方財政の方の借金をふやすことによって肩がわりさしているわけです。 それからまた、租税の面から見ますと、明らかに、大体国が七割で地方の方が約三割というふうに言われております。五十四年度の数字で見ましても、二十二兆八千五百四十六億円の国税予算に対して、地方税の方は十二兆九千三百四十二億なんです。しかし、これは表の数字はそういうことになりまずけれど、実質的な配分になると、国税の中から地方交付税と地方譲与税、国庫支出金等を引きまして、地方から国への負担金等を逆に足しますと、国が実際に租税の中で扱う数字というのは七兆一千九百十六億しかないんです。それで、地方の方はこれを足しますから、二十八兆五千九百七十二億、逆転するんです。その税の最終的な配分の割合は、五十四年度の場合、国が二〇・一%で地方が七九・九%。 だから、非常に日本の場合は、具体的な仕事の面になると地方がやっておる面が非常に多いんです。そこへ国の方は一兆円減額したと言いながら、地方の方にしわ寄せして起債の残高が非常にふえてきておるというふうなことになると、国のトータルで見た場合にはやはり減額したことにならない。そういうものが国債不信、国の財政に対する心配、そして国債の暴落ということに、どんなに表の方でもって飾っても出てくる、こういうことになっているんじゃないか。 いまの件について自治省からも来ていただいておりますが、いかがですか、そういうふうな形になっておりますね。
○説明員(持永堯民君) まず、最初のお尋ねでございますが、確かに御指摘ございましたように、地方債の現在高は増加傾向にあるわけでございます。ただ、地方債の発行額につきましては、五十五年度の発行額でございますが、地方財政計画上これは普通会計債でございますけれども、約四兆四千億予定いたしておりまして、五十四年度、前年度に比べますと約四千七百億円減額をいたしております。結局、五十五年度の地方財政の財源不足額が減少したこともございまして、いわゆる財源不足を補てんするために発行いたしております財源対策債と言っておりますが、これが減少したということが主な理由でございまして、発行額は減少しておるわけでございます。ただ、御指摘のように、現在高そのものは依然として増加傾向にあるということは、御指摘のとおりでございます。 それから、税源の問題でございますが、いまの国の税と地方の税あるいは仕事の分担といいますか、そういった面での配分の率につきましてはお話のとおりでございます。自治省といたしましては、極力地方一般財源、すなわち地方税源を充実していきたいということは考えておるわけでございますけれども、何せ御案内のとおり、国家財政、地方財政通じまして大変厳しい環境にあるわけでございますので、いずれかの時期に基本的に両方の財政を通ずる財政再建策と申しますか、基本的な打開策が図られるときが参ると思いますが、その際にあわせて御指摘のような点も含めて再検討していただきまして、地方財源の充実強化を図ってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○丸谷金保君 大蔵省が答弁する場合、いつも国の財政ということだけを中心にして御答弁なさるけれど、経済の動きというのはやっぱり国、地方、公共的な資金の問題というのは一本として受けとめることになるわけです。そうすると、この財政制度審議会あたりの報告は全く実態に合わない、いかにも安心させるような数字がたくさん出ています、外国と比べて。しかし、財政投融資であるとか地方財政の問題というのはちっとも入ってきてないんですよ。それでまだ大丈夫だ、まだ大丈夫だというようなことを中心にして国債の発行が行われるわけです。 それでも、ずいぶんこの五十四年十二月十九日の答申では、いろいろ心配はしております。心配はしておるけれど、よもや三月以降このような総理自体が大変だというふうな状態になることは財政審といえども予測していなかった。そこへ痛い経済の実態の中で大きくチェックをされたというのが、きょう現在における国債発行をめぐる諸問題の中身じゃないでしょうか。大臣いかがですか。ここいら辺をきちんと整理してかからないと、これからの論議になっていかないような気がするんです。
○政府委員(吉野良彦君) 御指摘のように、財政は国の財政、地方の財政、二つあるわけでございます。たびたび私ども申しておりますが、国民経済の中で国の経済、国の財政と地方の財政はいわば車の両輪であるということをしばしば政府としても申し上げているわけでございます。 そこで、従来からももちろんそうであったわけでございますが、五十五年度の地方財政問題、これを自治省と種々協議いたしました過程におきましても、ただいま申しましたような考え方を基本的には踏まえまして対処をいたしたわけでございます。しかし、何分にも御承知のように、国の財政の方は五十年度以来今日までいわゆる赤字公債、特例公債に依存をせざるを得ない状況でございます。幸いにして地方財政の場合には、現在のところいわゆる赤字公債には依存をしないような対策を毎年度講じてまいっております。 しかし、御指摘のように、五十五年度は先ほど自治省からお話ございましたように、地方債の総額も減らしておりますが、残高は残念ながらふえております。しかしながら、残高の規模を国と地方とで比較をいたしますと、何といいましても、やはり国の公債の残高は圧倒的に大きいというような事情も片っ方にはございます。 いずれにいたしましても、やはり今後とも冒頭に申しましたように、国の財政と地方の財政は車の両輪であるから、両者相立つようにお互いに努力すべき点は努力をし工夫をし合っていかなければならない、かような基本的な考え方で臨んでいるわけでございます。
○丸谷金保君 だから、わが国の国債の残高というふうな場合に、常に地方債というものも頭に入れておきませんと本当の数字にならないんです。国債残高六十億、だから諸外国に比べてパーセントでGNPから言えばそれほど大したことはないというふうにおっしゃっても、地方債を入れますともう約百兆ですよね。ここいら辺の数字のずれ、ここに手広くやられたのが今回の暴落じゃないか。 新聞ばかり引用して申しわけないんですが、これはきのうですか、全銀協の会長の関さん、「国債無策」というふうな見出しで出ております。内容を見ましても、銀行の——三井銀行は頭取と言わないで社長さんと言うのだそうですが、頭取さんがこれだけ厳しい国債政策に対する批判をする。これは全銀協の会長ですから、そういう面では非常に心配の余り好意的にこういう話をなされたんだと思います。新聞発表ですからこういう見出しになっておるんだと思いますけれど、それにしても、これはここでも大変だというわけですね。このままじゃどうもならぬよということなんです。 大蔵大臣は、願望と期待とを込めて消化していくというふうにおっしゃいましたけれど、専門のシンジケートの引受団体の方の会長さんが、これはとてもじゃないけれど、「国債は魅力がなく、みんなからきらわれる。こんな商品ではみんなが押しつけあってシェアの変更なんかはとてもできない」と、こうまで言っているんです。オファーにあらわれたのも、金額とすれば長期債じゃないから幾らのものでもないですが、これから長期債をやっていく場合に、こういう点についての御心配はいかがなんですか。
○政府委員(渡辺喜一君) 関社長は一年間全銀協の会長をされてきたわけでございまして、今度交代期を迎えられたわけです。したがいまして、最後の記者会見ということでいろいろ申されたわけでございましょうが、私ども直接関会長の記者会見に立ち会っておりませんので、どういうことを言われたか詳しくは承知していないわけでございますが、新聞の報ずるところによりますと、基本的にはできるだけ国債の量を減らすべきであると、減額すべきであると、こういうことであろうかと思うわけでございます。 その他、発行を円滑にしていくためには、発行条件についてもできるだけ弾力的に考えろということでございますとか、あるいは市中の引受負担が相当重くなっておりますから、資金運用部等で引き受けられる限度においてできるだけ多く引き受けてもらいたいというふうなことを言われたのではなかろうかと思います。 おっしゃることは、現在、市中金融機関が置かれております立場から言えば、全く当然の発言であるというふうに私どもも考えるわけでございまして、私どもといたしましても、できるだけそういう御要望を十分勘案いたしまして、今後の発行の円滑化を期していきたいと考えておる次第でございます。
○丸谷金保君 こういう発言が出て、それを大蔵の直接担当しておる理財局長さんが、こういうことを言われるのも当然だと。大臣、本当にこれは大変なことですね。一体どうしてこういうところへ追い詰められたのか、そういうことに対する財政当局としての反省はないんですか。心配するなと言えるようなもう状態じゃないと思うんです。なぜこういうことになったのか。
○国務大臣(竹下登君) これは、私もこの関さんの記者会見の記事は読みました。そしてこれに対して、いま理財局長のお答え申し上げましたとおり、やっぱりこの批判は素直に聞くべきものであるというふうにお互い理解をしております。 と申しますのは、確かに全銀協の会長一年、その関会長の一年間というものは、まさに国債の消化をいかにしたら政府に協力できるかというぎりぎりの努力をされておったと、私はそれなりに評価をしておったわけであります。なかんずく、たび重なる公定歩合の引き上げがございました。そしてまた、為替相場の変動が、きょうこそいま二百四十八円ぐらいにまたなっておりますものの、あの二月、三月、いわゆる円防衛対策をも出さなければならないような状態でありました。そういう中にあって、私は非常に厳しい環境になったという理解の上に立って、したがって、私どもとして部内でもいろいろ協議をいたしまして、本当にせめてもの救いというものは、先ほども御指摘があっておりましたが、五十五年度予算においてはとにかく総額そのものを少なくしなければ、国情管理政策の基本というのは発行額の減少、まずそれだということで、初めに一兆円減額ありきという立場で臨んだわけです。 そして、幸いにして民間の企業努力等により集して自然増収を見ることができましたので、五十四年におきましても一兆二千二百億でございますかの補正予算で減額をすることができた。そうして、いままだ五十四年度の未発行分が五千七百八十億ほど残っておりますが、これとて、これもいま直ちに言える課題ではございませんけれども、いまつかめる数字といたしましては、予備費の使用残が千百七十億ぐらい残っております。これはもう三月になりましたから確実でございますが、そうしてまず二月の税収が期待よりも若干上回っておるというようなことからしまして、まだ五日になってみねばわかりませんけれども、自然増収というようなものが出たら、五十四年度の未発行分もできるだけ発行をしなくて済むような形の中で、五十五年度の消化能力をそれなりに少しでも温存強化していこうという考え方を持っておるわけであります。 丸谷さん御指摘のとおり、とにかく二月から、なかんずく三月の本院における予算審議というもののあの状態の中から、国債消化問題というのはいまや財政当局一体となってこれに当たらなければならないほどの大変大きな課題になっておるということは、十分自覚をいたしておるところであります。 で、総理が昨日、いろいろな問題で御進講するわけでございますけれども、特に求められたというのも、本院等においての議論の中において、国債消化というものに対して、いまそれこそ実情を把握し、そして当局を督励するという意味もあって、わざわざ御進講のホットな問題としてこの国債の消化状態をお聞きになったと思うのであります。 私どもも、経済の情勢の推移というものを長期にわたって予測するということはなかなかこれは困難な問題でございますけれども、やはり発行した責任においてこれが消化に対しては、いわば国債とは酷債であるというような感じを与えないように、いろいろな工夫をこれからしていかなければならぬ課題である。まさに理財局が中心でございますが、大蔵省全体が一体となってこれに対応していく姿勢がいま必要であるという認識の上に立っておることを素直に申し上げまして、これは御心配の余りの御質問でございますから、ある意味においては大変な鞭撻でもございます。その鞭撻にもこたえなければならぬところであるというふうに、理解をいたしております。
○丸谷金保君 鞭撻というより、こういう点をおろそかにしていたからこういうことになったんじゃないかということを実はこれから言いたいと思っているので、「はじめに一兆円減額ありき」という、理財局長さんのきわめて理路整然とした、これは私も読ましていただきました。これを読む限りでは、確かにこのとおりだなと思う。しかし、一番これで欠落しているものが実はあるのです。というのは、特例国債を五十年から出し始めましたですね。あの当時の国会論議の中で、あるいはまた参考人を呼んでの御論議の中で、当時の大蔵当局は、これはもう本当の特例的なものだと、いまのこの不況を乗り切るための一時のものであるから安定した経済になれば特例国債はやめるのだと、こういうことを言っておったんです。しかし、ずうっとふえてばかりいるんですよ。 しかも、経済は安定したとかなんとかということをずいぶん総理以下も、その後何とかやや鎮静したとかいろんなことを言っているんですが、特例国債の方だけは、そういう約束と違ってふえ続けている。本来、特例国債というふうなものは五十年、五十一年、一時的に出すんだと言った最初の考え方に戻ってやめるような方向に行けば、これはいまのようなこういう国債の大暴落というようなことにつながらなかった、このことだけは間違いないと思うんです。 ただ、歳出の方がどんどんふえるからやむなく国債に頼らなきゃならない、それでなければ増税だと、すぐこう短絡的なことを大蔵当局は考えるんですが、しかし、私は先般本会議でも御指摘申し上げました、たとえば医療費は十兆を超えていますわね。こういうところへ思い切ったメスを入れれば、老人医療の一兆円程度のところにはさみを入れなくても、もっと大きなところで財政の縮小のできるところがあるのにかかわらず、こういうところには政府はちっともメスを入れないじゃないですか。そして特例国債でカバーする。 主計局次長さんおいでになると思うが、いかがなんですか。予算査定の段階で、こういうところにはどうしてメスを入れられないのですか。
○政府委員(吉野良彦君) 御指摘のように、公債の中でもとりわけ特例公債はいろいろな意味で不健全でございますから、私どもはやはりこれはあくまで臨時特例的なものということで従来考えてまいっておりますし、当面の財政再建の目標といたしましても、五十九年度には特例公債を何とかしてゼロにしたい、それを目標にして努力をすべきだというふうに一貫して考えているわけでございます。 五十五年度について申しますと、公債全体としては一兆円の減額に、前年度当初予算に比べまして減額になっているわけでございますが、その内訳を申しますと、特例公債の方では五千七百億円の減、それから四条公債の方で四千三百億円の減、合わして一兆円の減、こういう形になっているわけでございますが、御指摘のように、私どもはとりわけ特例公債の減額に向かってこれからも努力をしなければいけないと思っておりますが、五十五年度はともかくも公債全体としてまず一兆円減をするということを最優先のいわば課題として取り組んだ結果、ただいま申しましたような形になったということも、御理解をいただきたいと存じます。 それから、御指摘の医療費その他の問題でございます。歳出全般にわたりまして御指摘のような点も含めまして、これからも一層厳しい見直しをして、メスを入れるべき点につきましては勇敢にメスを入れて、節減、合理化の努力を一層これから積み重ねていかなければならないというふうに考えております。
○丸谷金保君 重箱のすみをほじくるように細かいところを節減、合理化するより、こういう大きなところで、これはだれが見ても薬づけ、乱診乱療の医療行政ということが明らかなこういうところを思い切ってずばっとやれないんですか。大臣どうですか、なかなか現在の政府では風圧が強くて、ちょっとこういうところには手がつかないから、特例国債ということになるんじゃないですか、どうですか。
○国務大臣(竹下登君) 歳出の議論、御意見でございますが、まず、いまも主計局吉野次長から申し上げておりますように、本来、特例公債から五十九年で脱却しようという考え方からいたしますと、毎年毎年法案を提出しなくても、五十九年までに限って提出してもいいのじゃないかと、こういう議論もありましたし、いただいたこともございます。しかし、やはり特例公債という初心にいま返った、当時のことをお述べになりましたが、初心に返ると、やはりわれわれの姿勢としては、これは一年一年審議していただくということにおいて、われわれのまさに特例公債からの脱却の姿勢がそこにあらわれるのじゃないかというので、このような提案の仕方もしておるわけでございます。 したがって、今度は歳出の削減の問題でございますが、渡辺理財局長の「はじめに一兆円減額ありき」というフレームの立て方からいたしまして、確かに昭和三十一年以来の低い伸び率に抑えることができたわけでございます。これについては、昨年来のサマーレビュー等を通じまして、大蔵当局として各省の理解と協力を得ながら、こういう予算編成が終わったわけでございますが、いまの御指摘のありました医療費の問題等においても、引き続き今日の時点においては、これは所管ではございませんが、財政当局としても健保法の成立を期待しておるところでございますけれども、さらに各般の節減、合理化のもちろん対象として検討していかなければならない課題であると。 これらが、私もスプリングレビューということを言っておりましたが、三、四、五がスプリングで、六、七、八がサマーでございますので、結論から言うとサマーになるような感じがいたしますけれども、この問来から主計官会議というものを開いて、そうした五十六年度予算に向かってのさらに歳出を節減、合理化していくという問題と、そして成立さしていただきました五十五年度の追加需要に対応するためにも、またすでに成立したものの中からでも、これは昭和五十年に一遍四月十五日にやはりそういう閣議発言をした例がございますけれども、今度も五十年の例にならってそういう閣議発言をして、既定経費のさらに節減、合理化をやっていこうと。 これは、もとより四党の合意の中でも三百億というような数値まで示して、この節減、合理化をやれという至上命題にもこたえるためにも努力をしなければならぬという姿勢でやっておりますので、今後ともそれこそ御叱正、御鞭撻に対応して、五十六年度予算もさらに厳しい環境の中で、これからスプリングレビューなりサマーレビューなりを通じて、これに対応して国民各界各層の理解をも求めながら、そのような対応を図らなければならないというふうに考えておるところでございます。
○丸谷金保君 まあ、サマーレビューの問題も当然でございますし、細かいところも見直さなきゃならない必要もございます。ただ、やはりこの医療費のような、衆目の見るところ、しかも物すごい大きなふくれ上がった金額、やっぱりこういう点、一点集中的に思い切った手を加えることによって、特例公債等の問題にももっと大きな前進が行くのではないか。 そうでないと、そういう指摘をしておきませんと、特例公債けしからぬじゃないか、減らすべきだということを言うと、じゃあ増税かと、すぐこうきますので、そういうことのないように——主税局は来ておりますか。どうなんですか、いまのところ主税局としては、改めて五十六年度以降特例債を減らすということのための税制ということは考えてないんですか。
○政府委員(福田幸弘君) 財政全体と申しますか、御指摘のような歳出のやはり大きいところでどういう削減ができるか、そういう問題を前提に考えないと、税だけで問題を処理するということはいかがかと思います。そういう姿勢で考えたいと、こう思います。
○丸谷金保君 ちょっといま聞いていてもよくわからないんですけれど、どっちなんですか、考えているんですか、いないんですか、現況では。
○政府委員(福田幸弘君) 税だけが先行して考えるというのは、やはり順番が逆であろうかと思います。
○丸谷金保君 このことをやっぱり明らかにしておきませんと、特例債なり国債の発行けしからぬということだけで、それじゃ増税かという議論に短絡に結びつく危険性が非常に今後も多いと思うんです、大蔵省は。ですから、もっとその前に大きなところで見直すべきことをきちっとやってもらった上でないと困るということを、大臣ひとつこの機会に、国債が暴落する、もういよいよ増税しかないなんというようなことでなくて、もっとやらなきゃならない政府として責任のある行政執行上の問題があるじゃないかと、一例として医療費を挙げておきます。 それで、今度は具体的な問題なんですが、これは衆議院でも多分論議になったかと思います。都市銀行の半分くらいが今度は原価法から低価法に変えるということで、大変厳しい状況になってきております。銀行経営がこういうふうに追い込まれた、ある意味ではもうこれは水増し決算ですわね。金融機関という非常に健全経営をしなきゃならないところの、会計の原則から言いますと、できるだけ含み資産というものはとっておくべきであるのが、むしろその逆の形で含み損が帳簿上出てくるようなこういう原価法に追い込まれた銀行経営の実態、これは一体どういうところにあるんでしょうか。銀行局おいでになっていたらひとつ。
○政府委員(宮本保孝君) 先生御指摘になりましたとおりでございますが、確かに大量の国債を保有いたしまして、その国債が値下がりをするというふうなところがございまして、そういう点が現在の金融機関の収益状況に大変響いていることは確かでございます。
○丸谷金保君 大体どの程度の含み損が出ておるんですか。
○政府委員(宮本保孝君) 従来は低価法でございましたので含み損はございませんけれども、評価損ということで御説明いたしますと、去年の九月期で都市銀行で約二千億でございます。
○丸谷金保君 都銀で、九月期の決算ですか。
○政府委員(宮本保孝君) 去年の九月期でございます。
○丸谷金保君 この三月になりますと、どの程度になりますか。
○政府委員(宮本保孝君) この三月期は、先生御承知でございますが、いま御指摘のとおり原価法を採用いたします銀行が出てまいりましたので、評価損として幾らあるかということは、これは個々まちまちでございますので申し上げにくいのでございますが、去年どおり全部が低価法を採用いたしましたと仮定いたしますと、現在まだ決算中でございますのではっきりした数字は出ておりませんけれども、大体その倍ぐらいになるかなという感じでございます。
○丸谷金保君 私たちの聞いているところでも、大体国債の値下がりによるところの銀行——都銀だけでも五千五百億くらいになるんじゃないだろうかというふうに言われておりますけれど、そんなになりませんか。四千億くらいで済みますか。
○政府委員(宮本保孝君) 五千億という数字は私耳にいたしておりませんが、倍以上にはなるのじゃないかというふうな数字を耳にいたしております。
○丸谷金保君 そうすると、銀行でたとえばまだ原価法でなくて低価法をとっているところがありますね。しかし、こういうところも、数字には出てきませんわね、実際はそれでやっているんですから。ただ、所有株とかそういうものを売買しているとか、こういうふうなことで辛うじて決算の張じりを低価法でやると、こういう形をとっている銀行もたくさんございますでしょう。こういう実態、いかがです。
○政府委員(宮本保孝君) この三月期で、低価法、原価法、大体都市銀行で半々ぐらいの数字になっております。地方銀行の場合には、約八割が原価法に移行したようでございます。
○丸谷金保君 いや、それでその低価法をとっておる銀行でも、実際には、資産内容がいいのでそういうふうにしたというよりは、むしろ手持ちの株だとかいろんなものを売ったその差益金を入れることによって低価法を維持していると。こういうふうなものについての実態を把握しておりますかと聞いている。
○政府委員(宮本保孝君) 信用機関につきましてはまさに信用が大切でございますので、やはり収益の状況というものは、大変その銀行の信用問題にかかわるわけでございますから、このように一時的に発生いたします多額の評価損につきましては、やはり含みの益を吐き出すために、手持ちの株式等を売却いたしまして利益を出してきたというふうなことでございます。したがいまして、そういうふうな含み益の吐き出しが続きますと、中期的には健全経営上非常に問題でございますので、そういう意味も含めまして、今回原価法の採用とい、うことも選択的に認めることにいたしたと、こういうことでございます。
○丸谷金保君 私が都銀の五千五百億と言ったのは、そういう点で、いわゆる原価法を採用したという表に出ている数字のほかに、国債の価格の下がった分をそのまま低価法を採用しておいて、一方では有価証券の売却益というふうなもので埋めているのがあるので、それがおたくたちのいまの四千億という数字になって出てくるのとわれわれが聞いておる五千五百億との違いじゃないんですか。どうなんです、そこら辺は。
○政府委員(宮本保孝君) 保有国債の評価損を、まるまる株式の売却益で埋めておるというわけではございません。当然、その収益が出てまいるわけでございますから、その収益の一部でもって埋め、かつ足りない部分につきまして株式の売却益を出しておると思いますので、ちょうどその数字が先生御指摘のように見合うかどうかという点につきましては、ちょっと分析ができておりません。
○丸谷金保君 この三月期の銀行決算で大変気になることは、たとえばこれは第一勧銀と三菱ですか、一千億ずつお互いにスワップをやりましたね。こういう形で銀行決算が行われていくということ、これは銀行局としてどうなんです。
○政府委員(宮本保孝君) これは売買は御指摘のとおりでございまして、この三月期決算で三菱、第一勧銀は一千億円ずつの国債を入れかえ売買といいますか、行ったわけでございます。この両行は実はいままでの低価法を、これは当然でございますけれども、原価法に切りかえたわけでございます。そのときにこういうことをやったわけでございますが、これも有価証券の売買につきましては銀行の個別のことでございますので、私どもは詳細には把握していないわけでございますけれども、いわゆるこれは債券の入れかえ取引ということで聞いておるわけでございます。 それで、一般的には、この債券の入れかえ取引といいますのは、たとえば自分の手持ちの有価証券の運用利回りの調整をするとか、あるいは償還期限をいろいろ変えてみるというふうな調整でございますが、そういうことを理由といたしまして行われている模様でございます。ただ、このような売買が市場価格と非常に乖離した価格でもって行われることになりますとこれはちょっと問題でございますけれども、市場価格に従いましてそういうことが行われる場合には、銀行行政上も特に私どもが指摘することではなかろうと、こういうふうに存じております。
○丸谷金保君 これはいまのその国債が暴落したということに対して、原価法をとると、少し逆に利益が上がり過ぎるということに対する自己防衛策だというふうに私たちは理解するわけです。しかし、こういうことが常時行われるようなことになってきますと、いつでも大体黒字、赤字にならないような状態のところに持っていくような法人の決算が出てくることになりませんか。いかがでしょう。
○政府委員(宮本保孝君) そういうようなことが、先ほど申し上げましたように一般に行われております適正価格以外の価格によって、恣意的な価格によりまして相対でもって行われることになりますと、これは利益操作の疑いが出るわけでございますけれども、たまたま市場で売却いたさないで、市場の価格と同じ価格で入れかえたものでございますからこれは問題なかろうと、こういうふうに存じております。
○丸谷金保君 今回の第一勧銀と三菱の場合には、問題がないということは言えると思うんです。堂々と新聞にも発表しているくらいですから別に問題ないと思うんですが、国債の暴落が銀行をしてこういう形の決算をとらしめるということになったわけですね、これはいかがなものなんでしょう。このこと自体が決してそれは違法でもないし悪いことではない、銀行側としては当然のことであるけれど、銀行局のあなたたちとしてこういう原因をつくった国債暴落、こういうことについての反省はございませんか。これは銀行局に言っても無理ですかね。銀行局の立場から見てどう思いますか、好ましいことですか、どうですか。
○政府委員(宮本保孝君) たまたま入れかえ取引といいますのは、いま申し上げましたようなことで、これまで広く行われてきているところでございますので、評価方法の選択性の問題とは直接には実は関係ないと思うのでございますけれども、今回の場合には、はっきり申し上げましてやや途中からの切りかえだったものでございますから、低価法による決算を前提にいたしまして、あるいはそういうような処理が行われた面をやや調整する点があったかとも思われますけれども、このこと自体私どもは問題であるとは思っておりません。
○丸谷金保君 銀行の方もそういう点では、今回の国債の問題ではずいぶん皆さんいろいろ知恵をしぼって、合法的な範囲でできるだけ被害を少なくする努力をしておるようでございます。しかし、これは銀行はそれでも力があるからこういうことができるんです。しかし、証券会社となると、なかなかそういかないですわね。中小証券なんかの中にはもうどんどん投げ売りも始まっていると、こういう証券業界における国債を取り巻く現況について、ひとつできるだけ知る範囲で御説明願いたいんです。
○政府委員(吉本宏君) 御案内のように、証券会社は国債を商品として販売するわけでございます。自分が運用として持つという立場にはないわけでございます。したがって、金融機関のように国債を引き受けて保有する、その結果、多額の評価損が出るという問題は比較的少ないわけでございます。むしろ国債の売買を通じて、売買の過程において相場が下落する。その結果、売買損が出るという問題がございます。 私どもが現在掌握している計数では、全国の証券会社の有価証券の売買損が、大体ことしの三月期のこれは中間決算でございますが、三百億円程度というふうに見ております。
○丸谷金保君 三月の中間決算の状況を見ましても、まあ一流証券会社、これらの経常利益等についても非常に下がっておりますね。もうほとんど、何といいますか、中には一千万程度というふうな一しかし、大きなところで相当大きな利益を上げておるところもありますけれど、一つ二つありますけれど、軒並み非常に少なくなっている。これは、大手の証券会社の中間決算の状況を見てもそういう数字が出てきておりますね。 まあ、野村とか日興証券というふうなところはあれでしょうけれど、それ以下、相当名前の売れたところでも、きわめて税引き利益というのは少なくなっている。非常に心配される状況だと思う。しかし、これ以下の小さな証券会社、これは赤字でどうにもならなぐなって自殺者が出ているなんという話も聞いているんですが、そういう実態はお知りになっておりませんか。
○政府委員(吉本宏君) ただいま全国の証券会社の有価証券の売却損が三百億ということで申し上げましたが、この三百億の大部分は、どちらかと申しますと四社とか八社とか、そういう大規模な証券会社におきまして売却損が出ております。これは当然のことながら、債券の売買と申しますのは大体大規模の証券会社がやっておると、こういうことから売却損も大部分が大型の証券会社によって出ておると、こういうことでございます。 それでは、中小証券はどうかということでございますが、先ほどの有価証券の売買損で見ますと、三月期で約七億円ということでございまして、この間、株式の売買手数料その他でかなりの利益を出しておりますので、全体として見れば、中小規模の証券会社の利益は大体従来のベースに比べて特に下がっているということはないわけであります。 ただ、若干例外と申しますか、過日ある証券会社の有価証券の担当職員が自殺したという例が新聞等で報ぜられているわけでありますが、これは国債の引き受けによって、国債を引き受け、かつそれを売却する過程で損失が出たということではございませんで、どちらかと申しますと、債券の思惑売買をやった、思惑売買をやったところが、たまたま相場の下落する時期に当たりまして、結果としてかなりの損失を出した、この責任を感じて自殺をしたと、こういうことでございまして、全体としての中小証券会社はかなり株式を中心とした堅実な経営をやっておりますので、特に国債に関連して売却損とか、あるいは含み損とか、そういう問題は少ないのではないかと、このように考えております。 ただ、何分こういう情勢でございますので、私どもとしては中小証券をめぐる財務状況につきまして十分に指導をしていきたいと、このように考えております。
○丸谷金保君 そういう、何といいますか、ことしの春になっての下落以前にも、非常に国債市場が不況でずっと下落傾向にありましたね。これと日銀の買いオペとの関係なんですけれど、先ほどもちょっと説明ありましたけれど、大体四十七年くらいには逆に日銀が売りオペをやっていました。それから後、ずうっと買いオペが続いているんです。しかし、五十四年になりますと、余り日銀自体が買いオペに出動しなくなっている状況がございますが、これはどういうわけなんですか。これがやっぱり国債市場にも五十四年度で相当強い影響を与えてきたのじゃないかと思うんですが。
○政府委員(渡辺喜一君) 日銀の買いオペは、これは必要な資金を供給すると、こういう目的で行われるわけでございまして、通常、経済が成長すれば成長に見合う程度の資金増加が市場としては必要になる。したがって、それに見合う程度の資金をオペレーションで供給していくと、こういうことでございます。 したがいまして、成長率が非常に低くなれば、当然のことながら必要資金量もそう大きくないということになりましょうし、五十四年度の場合は、たまたま、たとえば資金運用部が七千億の国債の買い上げ、これはスワップ方式でございますが、買い上げを行っておりますし、そういうふうなことで市中に資金が供給されますと、その分だけは日銀の供給すべき資金量というのは減少してくると、こういうふうなことにもなるわけでございます。 五十四年度は確かにオペレーションの金額は三千六百億ぐらいだろうと思いますが、それはそれだけの資金供給しか必要がなかったと、こういうことではなかろうかと思います。
○丸谷金保君 これは、日銀券の発行高というのが十分潤沢にあって、特に買いオペをして日銀券を増発しなければならないような情勢になかったという判断なんですか、そうすると。
○政府委員(渡辺喜一君) 日銀券とはまた別の観点でございます。経済が必要とする資金の量、これを賄うと、こういう意味合いからオペレーションを通じて資金を供給するということになるわけでございます。日銀券は、これは現金需要でございまして、また、別途の観点から必要な日銀券の量は供給されておるということではなかろうかと思います。
○丸谷金保君 日銀が保有している国債、これは残高はいまどれくらいになっていますか。
○政府委員(渡辺喜一君) 五十四年九月期——前会計期でございます。去年の九月末現在で、日銀の保有国債は五兆六千億程度でございます。五十四年九月末で五兆六千四百五十五億円となっております。
○丸谷金保君 それで、特例債の場合には借りかえをしないことになっていますわね。日銀の保有の国債の場合にはどうなりますか、それでは。 〔委員長退席、理事細川護煕君着席〕
○政府委員(渡辺喜一君) 特例債については借りかえをいたしませんので、当然償還されるわけでございますが、四条債につきましては借りかえをしていくと、こういうことに相なるわけでございます。
○丸谷金保君 それで、その四条債というのは建設公債なんですか一それで、実はこれだけ国債残高がふえてきますと、借りかえの問題も非常に微妙な影響を市況に及ぼすのじゃないかという気がするんです。現在の理屈から言いますと、公共投資をした財産が六十年償却ということだから、十年債については六十分の十ずつして、残りの六十分の五十は借りかえてもいい、こういう理論ですね、借りかえの理論というのは。そうすると、日銀が持っているのも当然その対象になりますね。しかし、実際にいま減価償却を六十年というふうに見る、こういう見方そのものが、どうなんでしょう、公共建設したものについて。そこいら辺にも私はやっぱり国債の信用をなくしていく一つの要因があるんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(吉野良彦君) いわゆる建設公債につきましての六十年償還の考え方でございますが、ただいま丸谷委員御指摘になりましたように、これは建設公債の対象になりますところのいわゆる公共事業費、これの平均的ないわば効用発揮期間というようなものを、実は建設公債を発行いたしました際に種々検討いたしまして、平均的にはこれが六十年であるということで、六十年で償還をするというような仕組みを考えたわけでございます。そういう意味におきましては、建設公債でありまする限り、六十年をもって償還をするといういまの仕組みは、適当なものというふうに考えております。
○丸谷金保君 どうも実際には、ちょっと六十年償却ということ自体にも無理があると思うんですがね。実際にはそういうふうにいまやっているわけですね。やっているから、それで大丈夫だというふうにおっしゃるんでしょうけれど、国債の信用度がなくなる理由の一つとしては、そういうことも今後のやはり検討課題として考えていかなきゃならぬ。なかなかいま六十年というのはちょっともたないですよ。たとえば、コンクリートの耐用期間は百年とかいろいろな計算はあります。ありますけれど、たとえば住宅とかいろんなのを考えてみましても、現在そういうところへ投資している建設公債のいろんな、それから舗装道路一つにしましても、そういうふうなものを六十年計算でやること自体相当の無理があるんじゃないでしょうか、どうなんですか。
○政府委員(吉野良彦君) ただいま申し上げましたように、六十年は公共事業の対象になります事業によってつくられる資産の平均的な効用発揮期間、具体的に申しますと、公共事業の対象には土地等も含まれているわけでございますが、土地につきましてはいわば永久資産だという考え方をとり、その他の資産につきましては、ただいま的確に記憶しておりませんが、たしか税法上の耐用年数を参考にして、いわばそれらの全体の総平均といったものを算定いたしましたところ、おおむね六十年という数値が得られたということで、まあ六十年という仕組みにいたしているわけでございます。 そういう意味におきましては、そういう角度からいたしますれば、六十年という期間はあながち不適当だということにはならないのではないかと、かように考えます。
○丸谷金保君 そういう考え方が根底にあるものですから、国債残高というのは累増していきます。よく政府は外国との比較を出すのが大変得意なんですけれど、いまの日本の国債の残高は諸外国に比べてどうですか。
○政府委員(吉野良彦君) 財政の、あるいは会計のいろいろな仕組みが国によりまして種々違いますので、一概にこれは比較することがなかなかむずかしゅうございますが、一般に用いられております長期政府債務残高というものがそれぞれのGNPに占めまする比率、これで比較をすることがよく行われているわけでございますが、この長期政府債務残高がGNPに占めます比率について係数を申し上げますと、わが国の場合が三三・九%、それからアメリカが二九・一%、これは年度が多少国によりまして違ってございますが、それからイギリスが四七%程度、それから西ドイツが一三%程度、こんなような数字になってございます。
○丸谷金保君 こういう要するにGNPの数字というふうなものと別に、実際の残高の比較はございませんか。このGNPというのは、大変何といいますか、いろんなとり方があってね。
○政府委員(渡辺喜一君) 金額で申し上げますと、日本の場合は長期債務残高が八十三兆七千九百九十九億円というオーダーになっているわけでございます。アメリカは一年古い資料でございますが、六千六百五十一億ドル、イギリスが六百六十五億ポンドというふうなオーダーになっておりまして、ただいま主計局の方から申し上げましたように、経済全体の規模に対する長期債務残高のウエートから見ますとイギリスが非常に高い。日本は大体アメリカ並みのレベルであると、こういうことになろうかと思います。これに対してヨーロッパ大陸の西ドイツでありますとか、フランス等は非常に低い水準にあるということでございます。 ただ、わが国の場合は、現在のレベルはアメリカ並み程度のところにあるわけでございますが、問題は、近年急激にその比率が上がってきた、この上がり方が非常に激しかったというところが、大変問題があると思うわけでございます。
○丸谷金保君 アメリカとの比率というのは、非常に客観的な状態が違うので私は余り参考にならないと。あれだけの国土を持っておりますし、それからまた、企業そのものも自己資金を中心にして経営が行われておる。借り入れの非常に多い、最近やや少なくなりましたけれど、日本の企業の体質と違う。そういう中において、同じくらいだから同じだということにはなりませんわね。市況を圧迫する度合いというのは全く違うと。したがって、それの及ぼす影響は全く違うというふうに理解してよろしゅうございますね。
○政府委員(渡辺喜一君) もちろん国が違いますから、それぞれの経済の持っておる特異性というものがあるわけでございますので、その辺の相違というのは国ごとに違ってしかるべきものと思いますが、ただマクロで経済全体の力、その国の経済の力に対して国の負っておる長期債務がどの程度になっておるかという観点からいきますと、おおむねアメリカ並みの水準になっておる、こういうことでございます。
○丸谷金保君 それで、非常にいまの国債の関係については、一つには残高が累増してきておるというふうなことがございます。それからまた、たとえば条件を改定していく場合の、先ほど大臣は会期中に異例の公定歩合の引き上げをやったというふうにおっしゃっておりますけれど、きわめて後手後手の対策しか行われておらないんじゃないか。それからもう一つ、入札方法なんですが、市場実勢が冒頭に申し上げましたようにずいぶん違うんです。 しかし、それはもうそうは言っても、国の考え方でシ団に対して公募全体を預けていくという形のいまのあり方、ここいら辺もう少し考え直していかないと、現在の国債に対する信用を回復するという道はないんじゃないかと思いますが、いかがでございましょう。
○政府委員(渡辺喜一君) おっしゃるとおり、発行条件につきましてはできるだけ発行しやすいといいますか、消化されやすい条件を考えていくということは当然でございますが、ただ国債の発行条件を決めます場合には、国債単独で判断をするというわけにはなかなかまいらないわけでございまして、当然のことながら、これに関連するいろいろな長期金利があるわけでございます。たとえば、金融債の発行条件でございますとか、事業債の発行条件、あるいは長期の貸付金利、長期プライムのレベルはどうなっておるかというようなことと関連をしてまいるわけでございまして、全体とのバランスも無視するわけにはいかないかと思うわけでございます。同時に、これは直接財政負担にはね返る問題でもございますので、財政負担という面の配慮もやはりこれはしていかなければいけない。 いずれにいたしましても、財政負担になりますれば、これは国民が負担をしていかなければならないものでございますから、そういう面の配慮もやはりこれは無視し得ないわけでございます。全体を総合勘案いたしまして、そのときどきの情勢に十分適合するよう、これはその引受側のシ団と十分協議をいたしまして、そうして発行条件を決めておるわけでございます。
○丸谷金保君 問題は、そこのところが実は一番問題だと思うんですけれど、シ団と協議してといいましても、片っ方はお上で、どなたかが言っていましたけれど、御用金的な性格を持っているんじゃないかというふうなことが言われるように、市場実勢と合わないものでも、仕方がなくいままでは割り当てられたものを引き受けてきた。したがって、証券の方は、そう言っても、本当の意味での個人消費なり何なり、あるいは会社なり売り渡していかなきゃならないから、市場実勢と余り離れたものだと売れなくなってくる。 そのことによって、結局五十三年の二〇%から五十四年の二%まで証券引き受けが下がり、最近は大体五%ですか、というふうに銀行その他の引き受けが非常に多くなってきているというふうに聞いておりますが、いかがなんですか。
○政府委員(渡辺喜一君) 証券引き受けは、五十四年度まだ最終的に計数が確定はいたしておりませんが、おおむね市中引受分の一四%強、一四・二ぐらいになろうかと思います。五十三年度は、おっしゃるように、二〇%を超える引き受けをしておるということでございまして、消化環境が厳しくなりますと、どうしても個人とか、あるいは法人の消化率は落ちてくると、こういうことになろうかと思います。
○丸谷金保君 大臣、国債は本来これは公募ですから、できるだけ個人に買ってもらうような体制になっていくことが一番望ましいわけですね。しかし、実態は全くそうなっていない。というのは、こういういまのシ団引き受け、証券の引き受けで買いますと、持って帰ったら途端にもう値が下がるようだと、売れないんですよ。これで買う人いると思いますか、個人で。いまの国債価格で、国債の表価格ですよ。銀行は仕方なしに引き受けていますよ。引き受けた途端に、もう赤字覚悟ですよね。 本来、公募でできるだけこれは国民各層に引き受けてもらうたてまえの国債の現在の入札方法なり販売方法というふうなものをどっかで改めないと、底辺は広がらないのじゃないかという気がするんですが、いかがですか。
○政府委員(渡辺喜一君) この個人消化というのは、特にこういう大量の国債を発行しなければならない現在におきましては、円滑な消化のための大きな柱であるというふうに私どもも考えておるわけでございまして、個人消化促進策につきましては、いろいろ考えて施策を行ってまいっておるわけでございます。 ただ、個人に国債を持ってもらうというのは、ある意味では個人の一つの貯蓄手段として持っていただく、こういうことでございまして、国債を買って、またそれをすぐに売って、その間の値上がり益というふうなものを期待するというふうな形での保有ではなくて、むしろ一つの貯蓄手段というような感じで持っていただくということを私どもは考えておるわけでございます。 そういう観点からいきますと、確かに売れば損をするというようなもの、これはなかなか売りにくいということはおっしゃるとおりでございますけれども、他面、他の貯蓄手段との比較ということ、これも個人が貯蓄手段を選ぶ場合の非常に大きな要素になるわけでございます。たとえば預貯金あるいは他の債券類、そういうものとの比較において有利であるかどうかというようなこと、これも個人が貯蓄手段選考に際しての大きな要素でございますので、そういう面への配慮も十分にやっていきたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。
○丸谷金保君 それで、他の手段との問題なんです。これは市場メカニズムの中で、おのずからなるそこで価格ができてくるわけですね。それをそのまま素直に受けないで、政府がいろいろな政策的な介入をした形で押っつけてきていたわけですよ、いままで。それをとっ外さないと、そしてやはり実勢に近いもので売っていくということをしないと、いやいや買っているわけですよ。いやいや買うんなら、都銀だとかいまのシ団に買わせる、しかも預金の伸び率もなくなってきた、国債を抱くことによって企業なんかに対する融資がとまってきますよ。その分だけ少なくなってきて、いま非常に市中の貸し出しが規制され始めています。 こういう形をとるくらいなら、もう少したとえば資金運用部その他別途な、あるいはオイルマネー、いろいろな別途の角度で国債を消化することを考えないで、いままでのパターンでシ団に引き受けさせて、銀行は赤字の場合には原価法をやれというふうなことでは、もうもたないところに来ているのじゃないですか。そういう国債政策の転換をしなきゃならぬ、いかがですか。
○政府委員(渡辺喜一君) 資金運用部におきましても、可能な限りの国債引き受けということをやっておるわけでございます。現に五十四年度におきましては、当初は一兆五千億円の引き受けを予定しておったわけでございますが、最終的には二兆七千億近い引き受けを行ったというようなことに相なっておりますし、五十五年度につきましても、当初計画で二兆五千億資金運用部で引き受けると、こういう計画にいたしておるわけでございます。 資金運用部につきましては、高度成長期と違いまして、原資の状況というのはやはり一般金融機関と同じようにそう大きな伸びを期待することはむずかしいような環境になってまいっておるわけでございます。一方、財政投融資等に対する資金需要というものはかなり強く出てきておるわけでございまして、国民の郵便貯金その他の資金をお預かりして、これをできるだけ安全、確実、有利に運用するという使命を負っておるわけでございますので、そういう意味合いからも、やはりこの財政投融資に対する需要というものもこれは配慮をしていかなければいけない、こういうことでございますから、それを無視してとにかく国債をまず引き受けるのだというふうには、なかなかまいらない面があるわけでございます。 ただ、現在のように、国債の発行量が非常に大きくなってまいりまして、市中の引受負担というものがかなり大きな負担になっておるという状況も、これも事実でございますから、したがいまして、私どもといたしましてはその両面を十分に配慮しながら、一方で財政投融資についても配慮をしながら、可能な限りこの国債の引き受けにも力を入れていくと、こういう考え方でやっておるわけでございます。
○丸谷金保君 両方のバランスをとりながらやっておるというお話でございますけれど、どうも私、ちょっとその考え方はおかしいのじゃないかと思うんです。たとえば資金運用部、財投に八一・二%も五十四年度で回しております。国債の引き受けというのは二兆五千億ですか、きわめて少ないんです。だから、バランスをとっているというふうなことでないんじゃないか。もともと資金運用部資金、一番確実な国債というふうなものはこういうところがもっと抱くべきでないか。 それから、財投に対する要求がどんどんふえてきていると言っておりますけれど、実際の状況から言うと、一方では財投の方にはそういう資金運用部資金その他を大幅に回して、そちらを通じての金融面での企業なりの配慮をしておりますわね、これはしておるわけです。しかし、そのために、銀行その他の金融機関が国債をうんと抱かされて、貸し出しの資金繰りでもって非常に困って、いま貸し出しを規制するというふうな状態になっております。これは銀行関係の方は規制をうんとしていますわね。そうすると、どういうことになるのかというと、財投で出ていく資金の行き先、これはやっぱり政策的な大きなところが多うございまして、金融機関が扱うようなきめ細かな中小企業に対する手当てというのはなかなかいかないんです、それはやっているところもありますけれど。むしろ私たちの見たところでは、財投でもって運営している各種政府金融機関、これらの資金というのはだぶついているんじゃないですか、どうなんです。
○国務大臣(竹下登君) 財投資金、政府関係金融機関において、一時期いわゆる市中金融の面にまで、資金が余力があるので、市中金融の範疇にまで政府金融機関が侵略とでも申しますか、出てきておるのではないかという批判が一時期あったことは私も承知しております。これは、私は、昭和五十三年のあの金融が非常に緩みました。そうして繰り上げ償還なんかがどんどん出てまいりましたあのときの一時的現象であって、そして五十四年はこういう事態でございますだけに、私は非常に政策金融として五十四年は適切な運用がなされておるではなかろうかと、こういうふうに理解をいたしておるところであります。 で、いまおっしゃいました財投で十年持っていれば少なくとも六・一は六・一になりますし、八・八は八・八になりますし、だから抱くということは、まさにある意味においては日本国家が破産しない限りは安全、確実、有利な商品の一つではないかという意見は、われわれも認識はいたしております。したがって、財投に対する政策需要の要求と、そしてこの安全、確実、有利の面とし、ての国債を幾ら抱くかというのは、その時点における経済情勢全体をにらんで調和、バランスというものをとっていくべきものではなかろうかというふうに考えておるところであります。
○丸谷金保君 どうもそれは逆じゃないかと思うんですね。たとえば、もういまシ団ではとてもかかえ切れないような状態が起きてきて、国債の暴落につながっているわけです。暴落につながれば、実勢金利は上がりますわね。そうすれば、これは資金運用部などが思い切ってそういう手当てをする、そういう資金でないか。それから、財投を通じて政府金融機関が、資金があるものですから少し手を広げ過ぎて貸し出しをふやしていくやつが、逆に一般の市中金融機関を圧迫していると、こういう悪循環がいま起こっているんでないか。この流れを逆にする、流れ方を逆にひねることによって、市中金融機関の資金が潤沢になって一般中小企業の方に流れる。これは、政府金融機関よりは非常にダイナミックに素早い対応ができると思うんです、市中金融機関の方が。 そういう形での雇用の促進なり景気の回復というふうなことを図らないと、いまのような形で、買えば損する国債を金融機関に抱かせるという政府方針、これがもう根本的にこの段階では間違っているんではないかということが一つ。 それから、たとえばこれは政府金融機関と直接関係はありませんけれど、北海道漁連の事件というのがございます。農中が約四百五十億くらいの資金を貸し出している、こういうところはとっても余っているんですよ。農林省来ておると思うんですが、そのうち、例の問題になった漁連の魚価操作のああいうのに対して出している資金というのはどれぐらいあるんですか。
○説明員(西川俊幸君) 今度の北海道漁連の空取引事件につきましては、漁連が支払っております資金の原資は、特にこの空取引あるいは空取引発覚後の清算ということに限定いたしませんで、一般的な、恒常的な融資の中で漁連が独自の判断で使っていると、このように調べております。
○丸谷金保君 農林中金だけを例にとってみましても、いまのお答えでは、とにかく貸しているんだから貸し先がどこへ使おうかということはそれは借り主の勝手だということですね。そうでし上う、わからぬということですね。どうなんですか。
○説明員(西川俊幸君) 今度の場合は、通常、漁連が使います資金、そして一定の枠を設けてその中で融資が行われておるわけでございますが、その金を漁連サイドで使っておると、このように調査いたしております。
○丸谷金保君 五百億からの金で、それでもって空売りをやったり、百三十七億といいましたか、百億を超えるとにかく大きな赤字、粉飾決算にその金が回っておりましたね。このことは御存じでしょう、農林省は。
○説明員(西川俊幸君) このたびの北海道漁連の空取引事件の解明につきましては、ただいま道漁連あるいは水産庁で調査いたしておりますけれども、これまでの段階の調査によりますと、お話のとおり欠損金が約百三十億円と、このように把握しております。
○丸谷金保君 たとえば農林中金は、いまあれですか、四%ですか、国債を引き受けているのは。
○説明員(浜口義曠君) 先生御案内のように、農林中金は業務上の余裕金を生じた場合に国債運用に充てて国債を持つということになっておりまして、現在シンジケートに加入いたしまして国債を引き受けるということのほかに、余裕金の一環といたしまして、マーケットで既発債を買い入れるというようなこともやっておるわけでございます。 それで、現在その金額を申し上げますと、五十三年度の決算におきましては国債の保有高一兆二千四百九十億円、それから一番最新時点でございます五十四年度の二月で一兆八千億円を保有しております。国債の保有高はこういうことでございます。この額は、資金量に対して申し上げますと、五十三年度の場合が約二%、それから五十四年度の場合には約一五%、そういう数字になっております。先生御指摘のシンジケートの場合でございますが、この場合のシェアは四%、こういう形になっております。 以上でございます。
○丸谷金保君 いまお話を聞いてみますと、農林中金は大変国債に協力しているようなので、私はそこまで実は調べてなかったものですから、ああいうむだ遣いをするところに莫大な金を出すのなら国債をもう少し持たしたらいいのじゃないかというふうに実は考えて質問したんですが、そこのところはよくわかりました。しかし、農林中金の話は、漁連の話はまた別な機会にいたしますが、きょうは国債を中心にした話なので、それを国債を中心にした話として承りましたけれど、漁連の問題の中身について了解をしたわけじゃないので、そこのところを区分けしておいていただきたい。 それから、これは大蔵大臣の管轄じゃないんですが、簡保の資金がございますね。資金運用部だとか簡保の資金とか、こういうものこそ国債に一番なじむ資金なはずなんです。いまもう資金需要が逼迫しているシ団、金融機関に押しつけるよりは、簡保とか資金運用部あるいはオイルマネー——オイルマネーの場合には、そうは言っても、いまのように国債市場が乱高下していればなかなか乗ってこないと思いますが、そういう新しい角度の開拓をしませんと、ちょっとこのままでいけば、それこそ冒頭に戻りまずけれど、大平総理の言う大変だということにまさに突き当たるんじゃないかと思いますが、いかがでございましょう、大臣、そうでないと、インフレか増税かということになりますよ。 このままずるずる五十九年までに逐次特例債を減らしていくんだというようなことをやっても、もう要するに制度として歯どめはきかないかしらぬけれど、金融界が一つの何といいますか、このままじゃもうどうにもならぬぞと、経済の原則の中で歯どめをかけてきちゃったんですから、ここいらについてひとつ思い切った国債に対する政策転換といいますか、売れ口をやはり大臣が一生懸命になってもう少し開いていく、中には本当に国の債券なら大丈夫だということで持っている人もおるんですから、今日の暴落の手当てをしていくということについてのお考えを承りたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 先ほど来理財局長からもお答えいたしておりましたように、個人引き受け、貯蓄の手段としてこれを何とか伸ばしたいという気持ちがあることは事実でございます。 いずれにせよ、とにかくその期間さえ持っておれば、クーポンレートだけはきちんとその貯蓄の効果が出てくるわけでございますから、それにはいろいろな問題がございますが、極力PR等をやっておるところではございます。 さらに、これを窓販の問題でどう工夫していくかというような問題になりますと、これはたとえば証券局あるいは銀行局、それぞれその業界のサイドから見れば、これはまた別の意見もございます。したがって、そういう問題に対する答弁は、理財局長にいま一本化したり、工夫をしておるところでございますが、そうしたいま御指摘なさったような、すべての方向で絶えず検討を、なかんずくこういう状態でございますから、精力的に検討を進めていかなきゃならぬ課題であるという認識は、総理の御発言をまつまでもなく、まさに大蔵省全体の課題として、これに対しは精力的に取り組んでいかなければならぬ課題であると。 いろいろございます。ある意味において、少し高いものを出して短期をやったらどうだという意見もございますが、他の金利バランスの問題もあったり、いろいろなことがあります。そして。オイルマネーの御指摘もございましたけれども、これはまた、直接新発債を持つことができるかできないかというような問題もございますし、既発債ということになれば、またまとまりがどれだけのものになっていくかというような問題もございますが、いま御指摘のような点を全部踏まえて、精力的な検討をさしていただきたい、本当にいまの財政当局に課せられた大きな問題であるという認識で立ち向かっていきたいと思います。
○丸谷金保君 まあ、その決意でひとつしっかりやっていただきたいと思いますが、特にじっと持っていれば、クーポン金利だけは最終的には保証されているという考え方、これはたてまえの話であって、インフレが進行していくと、これは実際には持っていて確保されないわけですよ。ここに問題があるということを一つ付言して、私の質問を終わりたいと思います。
○多田省吾君 私は、まず最近の国際経済、国内経済状態に対しまして、二、三大蔵大臣に御質問したいと思います。 きょうの報道によりますと、どうやらアメリカの高金利というものが天井を打ったような姿になりまして、アメリカ第三位の銀行と言われるチェース・マンハッタン銀行もプライムレートを年二〇%から一九・七五%まで下げたということで、この前はアメリカとイランの国交断絶があったわけですが、そのときもドル安になりまして、今回もやはりドル安がさらに追加されまして、一ドル二百四十八円あるいは二百四十七円までドル安になったわけでございます。 一時は一ドル二百六十四円まで円安になりまして、日銀の必死の介入にもかかわらず、円安がとまらなかったという姿がつい最近まであったわけでございます。しかし、今後やはりOPECの原油値上げの問題とか、あるいは日本のいわゆるイランに対する制裁の問題とか、日本における物価上昇の問題、あるいは今回審議をしておりますこの国債消化難、こういった問題がこれから大いに絡んでまいりますので、私はまだまだ為替相場におきましても安心できない、このようにも思うわけでございます。それに対して、国際経済全般について大蔵大臣はどういうお考えを持っておられますか。
○国務大臣(竹下登君) 大変むずかしい問題でございますが、いまの御指摘のような点は、それぞれ私ども国際経済運営の中で念頭に置いていかなければならない課題であるというふうに思います。 まず、為替相場の点でございますが、きょうの終わり値が二百四十七円八十銭、こういうことになっております。昨日の終わり値から見ますと四円五十銭ぐらい円高になっておるわけでございますが、実際問題として、委員もお感じになっております、そして私も感じておりますが、円防衛をいたしましてその後やや安定しておりましたのが、アメリカのインフレ対策とわが方で出しましたところの総合物価対策とが相打ちになって、その効果がややなくなりたと。そして、ドル高基調がずっと続いてまいりまして、 〔理事細川護煕君退席、委員長着席〕 円におきましては、円防衛の前からいたしますならば、三・数%まで円安に、あるいはドル高になりました。スイス・フランとか、あるいはドイツ・マルクになりますと、九%とか六%とかいうようなドル高基調をとってまいりましたが、御指摘のような時点から、いま総じてここのところドル安という状態になっております。 この問題がどういうふうに今後続いていくかということにつきましては、にわかに判断のできない点も確かにございます。今後の相場の動向について申し上げるということは、これは私も金融当局者の一人でございますので、為替市場に私でも影響を与えるということになりますので差し控えたいわけでございますけれども、私は最近の円相場はやや円安に過ぎるではないかと、こういう印象は持っておるところでございます。 そうして、国際経済全体の問題については、これはどういうふうな形で今後あらわれてくるかということは、にわかに判断しにくいところでございますけれども、総じてインフレ対策というものに先進国が政策の中心を志向していくという場合に、日本あるいはドイツ、フランス以外のところではマイナス成長というようなものが見込まれておりますだけに、私は輸出等において大きな期待を持つことは必ずしもできないではなかろうかというふうな一面がございます。 それと同時に、いま一つの一面というのは、いわゆるOPEC諸国へ富が移転をしたとでも申しましょうか、そういうことから、国際経済の中で非常に大きな課題となるであろうと思われますものが、いわゆる御指摘のオイルマネーの還元等の問題が出てくるではなかろうか。この点につきましては、いわゆる非産油開発途上国に対してどのようなリサイクリングをするかという問題と、また、それぞれ個々の、日本とどこというふうな二国間等との問題等、すべてが非常な大きな意義を持つものになるではなかろうかというふうな感じから、このオイルマネーのリサイクリング問題についても、世界経済全体の安定のために大いに関心を払っていかなければならない課題ではなかろうかというようなことを、非常に大ざっぱでございますが、考えておるところでございます。
○多田省吾君 それから、国内経済で一つお聞きしておきたいと思いますが、本日から全国財務局長会議が開かれたわけでございますが、各財務局長の報告をもとにいたしまして、今年度の上期の景気は個人消費、設備投資、あるいは輸出ともに良好なので順調だろう、高い収益を各社が得るだろうと。しかし、一部の地場産業は非常にふるわない姿もある。しかし、今後いわゆる大変な卸売物価の上昇が消費者物価に響いてくるということで、個人消費のいわゆる買い控え、それから景気の足を引っ張るというようなこと、あるいは物価上昇が非常に心配でございますから、それに伴って景気が下期には非常に大変な状態になるんじゃないか、こういうような懸念があるわけでございますが、やはり物価対策というものが一番肝要だと思います。 昭和五十五年度の消費者物価上昇予定の六・四%というものをもう国民のほとんどは信用しておりませんし、相次ぐ政府の公共料金の値上げ等による政府主導のいわゆる消費者物価の値上げによりまして、ますます消費者物価が高騰するのではないかというわけでございます。それにつれて、また下期に予想される景気の低迷、こういうことを考えますと、やはり昭和五十五年度の経済財政運営というものがきわめて厳しくなると思いますが、それに対する大蔵大臣の御決意はいかがでございますか。
○国務大臣(竹下登君) きょうの財務局長会議の報告をまだ聞いておりません。私は冒頭、まだ各地の情勢を聞くに至る前に、衆議院の本会議がございましたので失礼をいたしましたが、総じておっしゃいますように、いろいろ言われておりますが、今日景気そのものは底がたいものがある、そしてまた、雇用も逐次改善しつつあるということは事実であると思うのでございます。そうした余力からいたしまして、上半期の景気というものは私はそれなりに期待できるものがあろうというのは、いま委員の御指摘と等しくするところでございます。 それと同時に、消費者物価が、これはまだ計算が出ておりませんけれども、卸売物価が五十四年度の実績見込み一二・一、これは年平均でございますけれども、これが三月の東京が二二・八と言われておりますだけに、実績は恐らくこれを上回って一二・九ぐらいになるのではなかろうか。そうして、消費者物価の方におきましては、当初四・九を見込んでおりましたものを途中で下方修正して四・七ということに実績を見込んでおりますが、これにつきましてはまだ定かではございませんけれども、恐らく四・七台にはおさまるであろうというふうに、いま予測をいたしておるところでございます。 しかし、一月一九・三、二月二一・四、三月二二・八という、こういった卸売物価というものの影響がじわじわと消費者物価の方へくるということも、これは御指摘のとおりでございますので、そこで当面は一にも物価、二にも物価という政策で対応しなければならぬということからいたしまして、先般、総合的物価対策を行ってきたわけであります。 したがいまして、物価問題については総理の言葉をかりますならば、四月−六月というものがやはりいわば正念場ではなかろうか。この乱気流を何とか切り抜けていって、そうして、年度を通じては六・四の政府見通しというものを何が何でも達成をしなければならぬ、こういう考えに立っておるわけでございます。 そこで、下期の景気の下降気味のことに対しての御心配をいただいておるわけでございますが、まさに政府といたしましても上期の物価対策というものが成功していけば、それがまた下期の生産財、資本財、もろもろの安定からいたしまして、安定した基調の経済運営がなされるであろうということの土台のためにも、まず消費者物価対策というものに精力的に対応していかなければならぬ。そうして、公共事業の執行につきましても、金融面はもとよりでありますが、財政面からいたしましても六〇%程度という総需要管理型の執行をいたしておりますので、その都度の指標を見ながら、私どもはそれこそ弾力的な対応を下期に向かってもしていかなければならない課題ではなかろうか。非常に大ざっぱなお答えになりましたが、大筋としてそのような認識の上に立っておるわけであります。
○多田省吾君 昭和五十五年度の国債発行を前にいたしまして、特に三月は国債の消化難あるいは国債市場の低迷ということで大変などろ沼化したわけでございます。そして、二度にわたる日銀の公定歩合の引き上げ、あるいは国債整理基金の買い支え等によって何とかお茶を濁した。私は、この国債整理基金の買い支えというものにも大きな問題があると思いますが、それは後に譲ることにいたしまして、とにかくこの膨大な国債消化、本当に昭和五十五年度十四兆二千七百億円の国債消化はできるんだろうかという懸念が強いわけでございます。 ある銀行の調査によりますと、市中金融機関の資金量、貸し出しの見通し、適正通貨供給量等の要請、こういったものを種々組み合わせた上で昭和五十五年度における発行可能限度額は十一兆円から十二兆円程度であって、三兆円ないし四兆円の減額が必要であるということを言っている銀行さえあります。私は、この昭和五十四年度中の公募債の消化状況、国債の流通利回りの上昇等の諸指標から判断しても、大蔵省が予定している十四兆二千七百億円の国債の消化は非常に困難だと思いますけれども、政府の御見解はどうなのか。 それからまた、今度任期切れになられるそうですが、全国銀行協会連合会の関会長も、先ほど御質問もありましたように、記者会見で「国債管理政策は破たんした、と言う人がいるが、私はそうは思わない。破たんというのはやれることをやったうえでの話。それもやらずに破たんしたというのはおかしい」と、いわゆる国債無策ということで政府を非常に厳しく批判しているわけです。こういう姿もあります。 それじゃ最もいい方法はと言えば、やはり国債減額、国債を圧縮することだと思いますが、昨年の例にならって、一部八千億円を何とか減額したいというような御意向もあるやに聞いておりますが、この辺はどういう御見解なのか、ひとつあわせてお考えを承りたいと思います。
○政府委員(渡辺喜一君) ある銀行のレポートに、国債発行の消化可能額が十一兆ないし十二兆だというようなことであったというのは、私どもも承知いたしておるわけでございます。ただ、その十一兆ないし十二兆というものは、どういう推計によって、どういう数字をベースにはじき出したのかというような具体的な点につきましては、どうもなかなか明らかでございませんで、まあそれはそれとして一つの参考意見ではございますけれども、これをもって直ちにそれが消化の限界であるというふうには考えられないわけでございます。 市中における国債消化の限度額といいますか、能力といいますか、それは一体どこまでなんだということにつきましては、これはなかなか具体的な数字で計算することはむずかしいわけでございます。ただ、私どもはこれまでの発行の経緯等を顧みまして、現在私どもが計画しておる発行額、これはもうかなり大きな金額であるという実感は持っておるわけでございます。ただ、五十五年度につきましては、市中の負担分といいますか、これは五十四年度の当初に比べまして二兆円の減額をいたしておるわけでございまして、経済全体の規模は何といっても大きくなっていくわけでございますから、そういう意味で何とかこれは消化できるのではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。 特に、今回国債の発行条件を改定いたしまして、利回りを八・八八八%というふうに既往最高の利回りにしたわけでございまして、これで、ある意味で金利の天井感というふうなものが出てくれますと、これからの消化環境というのは、五十四年度に比べて漸次好転していくという期待もできるわけでございます。 五十五年度の発行額十四兆二千億強の金額につきまして、八千億ぐらい減額を考えておるかというお話でございますが、現在、具体的に五十五年度発行額をどのくらい減額するかというふうなことは、全くまだ考えていないわけでございまして、私どもといたしましては、もし発行額を減額できるようなそういう状態があるならば、そういう場合にはこの発行額の減額を優先的にひとつ考えていきたいと、こういう姿勢を持っておるという段階にとどまっておるわけでございます。
○多田省吾君 昭和五十五年度の特例債を審議しているときに少し先走るようではありますけれども、やはり重大な問題ですからお尋ねいたしますが、報道によりますと、去る四月五日の主計官会議で、すでに五十六年度予算に対する基本方針が検討され、事業上スタートしたということが伝えられております。 そして、サマーレビューを開始したというようなことも言われているわけでございますが、大綱的にお尋ねいたしますけれども、その際、報道されているように、国債発行を昭和五十六年度は五十五年度と同様に一兆円程度減額の方針なのか、それとも財政収支試算、二月五日に発表されたように、五十六年度は十四兆五千三百億、依存度を三〇・四%に減らすと、実質は本年度よりも、五十五年度よりも若干発行高が上回るんじゃないかと、こういう予想もあるわけですが、一体どちらが正しいのか、その辺、お答えできるならひとつお答えをしていただきたいんです。
○政府委員(吉野良彦君) 五十六年度予算に関連してのお尋ねでございますが、まず結論的に申し上げますならば、御指摘の主計官会議におきまして、一兆円減額をするとかしないとか、具体的な方針を決めたというような事実はございません。ただ、申し上げるまでもなく、私どもは、現在のようなきわめて大量の公債に依存した財政から、できる限り公債依存度を低めてまいりまして、財政を少しでも健全化するために、五十六年度以降もできる限りの協力をしていかなければならないことは当然だというふうに考えておりますので、基本的な姿勢といたしましては、極力、公債の発行額は圧縮をするという基本姿勢で向かっていかなければならない、かような一般的な認識は持ってございます。 繰り返しになりますが、財政収支試算のように、財政収支試算では、たまたま五十六年度の、これは中間年度の数字でございまして、私ども五十六年度の予定を示すものではないという御説明をたびたび申し上げているわけでございますが、そのとおりでございまして、財政収支試算に示されているような公債の発行を予定をしているというものでももちろんございません。
○多田省吾君 先ほど国際経済問題に関連いたしまして、大蔵大臣は、いわゆる膨大なオイルマネーの還流等についても考えているというようなお話をされました。四月十五日の日経新聞等によりますと、サウジアラビアが昨年末から四百億円、約一・六億ドル近い日本の国債を買い、今後も毎月五百億円程度、すなわち二億ドル程度の購入を希望しているとの報道がございました。他の新聞にもございました。いろいろこれはお答えにくい点もあると思いますけれども、その趨勢、傾向について、現状はどうなのか、お伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) このオイルマネーの還元という問題は、先ほど国際経済の認識のときにお答えいたしましたように、二つの面があると思うのであります。 一つは、まさにOPEC諸国へ富が移転をした、それをいかにして還元をしていくかという世界経済全体の問題であります。なかんずく、非産油開発途上国というようなところへ還流の問題も含めて、大きな課題の一つとなるわけであります。 それからいま一つは、いわゆるドイツとどことか、スイスとどことか、日本と産油国と、こういう二国間とかいうような問題のオイルマネーの還流の問題であります。 先般の日経新聞に出ておったわけでございますけれども、その記事そのものを私どもも承知いたしておりますが、この問題については大変な関心を持っておるということは事実でありますし、私も本院のお許しをいただいて、二十二日からIMFの暫定委員会に出席したいと思っておりますが、そういうところでも、あるいは正式の議題とし、あるいはロビー外交みたいな感じの中でそのような議論が出てくるということは、私どもも予測するところでございます。 ただ、特定の国とわが国との問題につきましては、いまベネチア・サミットの準備会議に財務官が参っておることも事実であります。したがってたまたま方向も一緒でございますので、相手方との日程さえつけば、訪問をいたしまして、わが国の経済の実情でございますとか、表敬訪問——現実的には表敬訪問という言葉になるのでございましょうが、そのようなことは可能な限りしたいというふうに思っておるわけであります。 ただ、日経新聞には、かなり具体的な話が出ておりましただけに、その個別的な問題につきましては、それこそ相手方のある問題でございますので、ここでいまの御指摘に対しては、大変な関心を持っておりますというお答えでとどめさしていただければ幸いであります。
○多田省吾君 本日の最後にお尋ねしておきたいのですが、昭和五十五年度の国債の市中消化につきまして、これを円滑にするために当然中期国債の量をふやす、あるいは私募債を発行するというような声が強いわけでございます。渡辺理財局長は、ある新聞の質問に答えられて、昭和五十五年度の国債の発行方法とか、あるいは種類別発行予定額というものが予算委員会にも資料提出をされまして、その中では、十年物の国債につきましては九兆五千六百億円、それから中期債の公募入札を約二兆円と決めておりますけれども、必ずしもこの計画にこだわる必要はないと、このようにおっしゃっているようでございます。 そうすると、いま現在において、この予定というもの、どういう方向に力を入れていこうとされているのか、あるいは私が前に私募債と並んで貯蓄国債というようなものもお尋ねしたことがありますが、消極的な御答弁しか返ってこなかったわけですが、個人消化あるいは市中消化を円滑にするために一体どういうところに力を入れていこうとなさっているのか、お答えをいただきたいと思います。
○政府委員(渡辺喜一君) 五十五年度の発行計画につきましては、いま多田委員の御指摘のとおり、十年利付国債で九兆五千六百億、五年割引債で二千百億というのをシ団に引き受けていただく。それから中期債につきましては、公募入札で二兆円を予定いたしておるわけでございます。私どもといたしましては、まず何よりもこの計画に従って、完全消化をできるだけ円滑にやっていくということが第一でございます。 ただ、その過程におきまして、市場のニーズ等等によって、いろいろどういう銘柄のもの、どういう条件のものということで選考が違ってまいると思いますので、現実の発行の過程における動向等を十分勘案しながら、絶対的に当初の計画にこだわるということではございませんで、そこのところは弾力的にやっていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。 ただ、この中期債の二兆円というのは、五十四年度の中期債公募入札の実績から見ますと、ある意味ではかなり欲張った数字になっておるわけでございまして、まず第一に、中期債につきましては何とか計画した二兆円を公募入札で消化をしていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。幸いにして、もし二兆円消化して、なおかつ市場にそのニーズがある、こういうことでございますれば、十年債のシ団の引受分をこちらに振り向けてでもそれは中期債を増発するということは考えられなくはないわけでございますが、現在の時点では、まずこの二兆円の消化ということだけでもかなり大変な課題でございますので、その消化に努めていきたい、こういうふうに考えているわけでございます。 個人消化につきましては、これは先ほども申し上げましたように、大量発行を円滑に消化していくための一つの大きな柱でございますので、私どももこれを非常に重視しておるわけでございます。従来、たとえば国債につきまして、特別のマル優枠を設定するというような税制面の配慮あるいは国債の銘柄をいろいろ取りそろえまして、できるだけいろいろな投資家のニーズに合うような品ぞろえをするというふうなこともやってまいっておるわけでございます。また、国債につきましての広報活動というふうなものも大量発行が始まったころから力を入れ始めておりまして、最近、この新年度とともに、モデルもまた新いし非常に清新な清楚なモデルさんを依頼いたしまして、PRにせっかく努めておるというところでございます。
○多田省吾君 私募債と貯蓄国債はどうですか。
○政府委員(渡辺喜一君) 私募債につきましては、これは実は去年の春に国債管理七項目というものを発表いたしまして、その中の一つの項目でもあったわけでございますが、たまたま金融環境が逆転いたしまして金融引き締め期に入ってきましたために、長短金利が非常に格差がなくなってくる、最近においては逆に、短期の金利の方が長期の金利を上回るというふうな逆転現象すら生じておるというような金融環境でございますので、たとえば期間を比較的短くして私募債を発行するというふうなことは、逆に金利負担が非常に高くなるというふうなことにもなりますし、また、こういう金利の非常に高い水準の時代に長い期間の私募債を発行するということは、長期にわたって高負担が継続するというふうなことにもなります関係上、なかなかその話がうまく詰まらないで今日に至っておるわけでございます。 ただ、たとえば西独等を見ますと、かなりこの私募債方式というふうなものが活用されておるわけでございまして、今後ともシ団とは検討を続けてまいりたい。もし、うまく話が合って私募債の発行が可能であるということになりますならば、これはある意味では発行方法の多様化ということにもなりますし、国債の円滑発行に大変資するというふうに考えておりますので、今後ともこの点は継続してまいりたいと思うわけでございます。 なお、貯蓄国債というようなお話がございましたが、これも長期間にわたる検討課題の一つでございます。ただ、現在私どもの検討しております段階では、なかなかこの採用はむずかしい。と申しますのは、一つは、すでに郵便貯金というものが国民の一般的な貯蓄手段として広く存在をしておるわけでございまして、貯蓄国債を仮に郵便局の窓口で売るというふうなことになりますと、これは郵便貯金と競合する商品のような形になるわけでございます。郵便貯金よりも有利な条件にいたしますと、郵便貯金からの資金のシフトが起こるというふうなことにもなりかねませんし、また、郵便貯金より有利でない条件でございますと、これはなかなか売れない、こういうふうなことにもなるわけでございます。 それから、貯蓄国債というのは一般的に流通性が乏しい商品でございますから、そういう意味では、買い取り請求権を付与するというのが従来の例でございました。そういうことになりますと、歳入手段としての安定性という点にも問題が生じてくるわけでございまして、いろいろ検討はいたしておりますが、なかなか採用すべきであるという結論には到達していないというのが現状でございます。
○委員長(世耕政隆君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。 決回は、明十八日午前十時開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時三十五分散会 —————・—————