大蔵委員会 第10号
- 発言数
- 485 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1980/04/01
会議録
○委員長(世耕政隆君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る三月二十九日、中野明君、和泉照雄君、小野明君、小谷守君、川村清一君が委員を辞任され、その補欠として多田省吾君、鈴木一弘君、竹田四郎君、和田静夫君、福間知之君が、また本日、藤田正明君が委員を辞任され、その補欠として衛藤征士郎君が選任されました。 —————————————
○委員長(世耕政隆君) 税理士法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○藤井裕久君 それでは、税理士法関係の質問をさせていただきますが、この問題は、実は昭和三十八年十二月に税理士法についての答申が出て以来の懸案というか、もう少し本当はさかのぼれるんだと思います。三十六年に法改正をやった後、附帯決議でもって税理士制度を見直せという決議が出ている、それ以来の私は懸案だと思っております。 そういう中で、十数年経て、いろいろ日税連さんでも基本要綱ができる、あるいは役所でもいろいろな接触を図られる、同時に、私ども自由民主党でも税理士法改正問題の小委員会を設けて、十数回にわたって検討を続けてまいったわけです。その中で、基本的にいま出ておりますような原案の方向で税理士法改正をするという、各党いろいろございます。そういう各党とも十分連絡をとり意見を調整しながら、実はわが党の税理士法改正の要綱というのが五十四年にできたわけでございます。むしろ、それをもとにして政府に対して法案化をお願いして、法案として政府が提出してくださったと、こういう経緯になっております。私も、各党との調整とか、わが党内の取りまとめの下働きをやりましたので、むしろ、そういうわれわれがつくった要綱の基本的な考え方と政府の考えておられる考え方とそごはないかというような点を中心に、確認の意味の質問をさせていただきたいと思います。どうも与党に余り時間をくれませんから、簡単に確認だけということでいたしたいと思います。 それで、政務次官にひとつ伺いますが、まず、いまのような事実認識でございますね。つまり、自由民主党及びこの法改正に基本的に賛成である各党の合意の上で基本要綱ができて、それを政府が引き取られて法案化されたんだというこの事実認識については、政府はどうお考えでございますか。
○政府委員(遠藤要君) ただいまの御質問の経過については、先生のおっしゃるとおりでございます。特に、今日の提案の問題については、税理士法の改正は政府としては各省及び関係各方面との調整に大分時間をかけました。一方、各党においても特別の委員会を設置されまして、検討が行われました。そして、各党間でもいま先生のおっしゃるように十分調整が図られてきたものと承知をいたしております。 さらにまた、このような改正案は、税理士の方方のみならず納税者また税務当局、さらには国民一般から見ても現段階では最善の方法ではないかというようなことに努力を払ってきたということでございますので、その点、御理解を願っておきたいと思います。
○藤井裕久君 それで、まずこの法案の改正の背景にあります何と申しましょうか、税理士の理想像というか、基本像でございますね。これについてどう考えておられるか簡単に伺いたいのですが、われわれはこの間うちの議論で、納税者から見れば税は安ければ安いほどいいのだと、だから安ければ安くやってくれる税理士ほどもてるのだというようなニュアンスの話がありました。私は、必ずしもそうじゃないと思うんです。納税者の立場に立てば、安ければ安いほどは事実だと思います。しかしながら、同時に、だれからも後ろ指を指されないというか、税務当局から文句を言われないような申告をするということを、多くの納税者は期待しているわけです。安い中にもそうしてもらいたい。また、現実にそれに対していろいろ国税当局なり税務当局から非違の指摘があれば、専門的知識を持って堂々とその立場を主張してもらうようなこういう税理士を、多くの納税者の人は求めていると思います。 そういう観点にわれわれは立って、一つは、税理士は税務の専門的知識の所有者だということが一つ。それからもう一つは、独立の立場に立って、税務署にはもちろん従属しない、また納税者の利益を代弁するだけでもない、こういう立場に立って職務を遂行されるのが税理士であるというふうにわれわれは考えて、この法案の骨子をつくったわけでございますが、政府においても同じようなお考えでしょうか。
○政府委員(高橋元君) お示しのとおり考えておりまして、税理士制度というのは二十六年に構成されました際に、シャウプ勧告等に基づきます申告納税制度というのを基本的な下敷きとしてつくってあるわけでございます。 申告納税制度のもとで納税者が正しい課税標準の申告をなさり、それが体系上、また法規の適用上むずかしい点等につきまして、税理士さん方が職業的な専門人として納税者を援助なさるということを基本的な理念にいたしまして、そういう意味で、いまお話がありましたように、法令で規定された納税義務の適正な実現に資するというのが税理士制度の第一義的な意味でございますし、また、あるべき税理士制度の像というお尋ねでございますが、そういうものもまたそういうものであるべきであろうと思います。 申告納税制度のもとで、繰り返すようでございますが、納税者の方々の側からは申告で御自分の納税額を適正に確定することが要請されるということを考えますと、申告について代理し、したがって、税務書類を作成したり、税務相談に応じたりという税理士さんのお仕事は大変役割りが大きいし、また、それに対する社会の期待というものも高い、また、税理士さんのお仕事のプレスティージも高い、さように考えるべきものだというふうに思います。
○藤井裕久君 そうしますと、こういう案ができてから一部の批判では、この法律は税理士を税務当局の下請化するという批判があるんです。われわれは全く心外で、これは当たっていない批判だと思っております。その答えとしてわれわれが考えたのは、独立したと。これはドイツ税理士法の考え方でございますが、その独立したというのをどういうふうに考えるかということですが、いま政府からお話のあったようなシャウプ勧告では、やっぱり申告納税制度を本当にうまく動かしていくためには税務に関する職業人が必要だ、その人が納税者の利益はもちろん守っていくけれども、同時に税務官吏に対して適正な職務をやらせる、それ以上のこと、不法なことをやらせないようにするのが税理士であると、こういうことがたしかシャウプ勧告に書いてあると思うんですが、この独立したというのは、そういうシャウプ勧告の考え方と同じであるというふうに考えていいかというのが一つです。 それから、もう一つの批判で、税理士業界のエゴイズムの実現がこの法律だという、もう一つ全然別の批判があることも事実だと思うんです。私は、これもまた全く心外ではないかと思っております。いまのそのお話のあったような税理士の崇高な使命ということを一方にうたい上げるとともに、そういうことのうらはらとして国民に対する一つの大きな責任というものもこの規定はあるというふうに考えておりますから、この税理士のエゴイズムの実現というようなこともまた全然違うと思いますが、いまのこの二つの批判についての政府のお考えはどうですか。
○政府委員(福田幸弘君) 第一の点でありますが、独立というのを、ドイツにおける独立とそれからシャウプ勧告における意味合いとの関連での御質問であろうかと思いますが、シャウプ勧告におきましては申告納税というものを基本に考えております。 そこで、適正な納税がされなければならないというのが一緒になっておりまして、申告納税というものは、適正な税額を申告するというコンプライアンスが根っこにあるわけでありまして、したがって、税法及び企業経理その他が複雑化してまいりました際に、専門的なやはり援助をするということが、その税額を申告の際に確定するというためには必要になってきますので、職業専門家グループの発達ということを勧告しておるわけでありますから、その職業専門家グループが、そういうふうな適正な申告納税を援助してその申告納税の実を上げるという意味で、職業専門家の独立的な役割りを期待しておるということは言えるわけでありまして、ドイツ法の場合はこれは申告納税ではございませんで賦課課税でございます。 しかし、賦課課税のもとにおいて、その職業専門家としての独立公共性というものを強く打ち出しておるこの趣旨は、やはり適正な納税というものが民主主義の基本であるという考え方から来ておるものでありまして、申告納税であれ賦課課税であれ、適正な税額をいかなる形かで援助して実現するという趣旨は同じだろうと、こう思います。 結論的には、職業専門家というものの役割りをシャウプは期待し、ドイツ法においては賦課課税でありますが同じく期待しておると、こう考えたいと思います。 それから反面、エゴイズムというか、税理士の利権の拡大を図っておるという点につきましては、これはむしろ、各業界との調整の結果でき上がっていますいまの提出法案は、やはり合理的なものでなけりゃいけないということで、納税者から見ましても——これは依頼者でもあり一般国民でもあるわけでありますが、さらに税理士の方の立場、さらに税務当局、各方面から見てやはり納得のいく合理的な正しい制度でなきゃいかぬというのが基本的スタンスであります。 したがいまして、税理士会だけのエゴイズム的なものが通るという趣旨のものではございませんで、全税目に拡大したということも、税の専門家としての役割りから来るものでありますし、第二条のところでその業務の内容を明確にしておるというようなことも、法律論としての処理でありまして、そういう意味で、これはある業界に偏したというものではなくて、法律として各方面との調整、さらに整合性を持つ、その法律自体の合理性を最も重点に置いてつくられたというふうに、御理解願いたいと思います。
○藤井裕久君 そこで、その下請機関化という話でよく出てくるのは、助言義務の話なんでございますね。私は、助言義務というよりも職業倫理として、脱税の事実を知ったときにこれに対して助言をする、これは当然のことだろうと思います。しかし、それを法律で書くか書かないかというのは、やっぱり立法論として私は分かれるところだと思います。しかし、こういう措置を税理士の一つの使命とのうらはらで国民に対する責任として書くということも、一つの立法論としてこれはあるんだと思います。 ここで確認しておきたいのは、書いた以上は、やっぱり法規範だという答弁が前からありました。ありましたけれども、現実の運用は、これでもって懲戒にするんだとかなんとかいうことは、やっぱりそれは行き過ぎであろうと思います。一つの倫理的な意味において、この規定が運用されることでなければならないというふうに考えますので、その点の考え方を一つ伺いたいのと、もう一つは、やっぱり外国の例なんか見ると、こういう職業倫理というものは、会の中の倫理憲章とかそういう形で取り扱われているケースもあるわけでございますね。 私は伺うところ、日税連でもそういうことをこれから取り上げていかなきゃいかぬというような動きがあるようにも聞いております。そういうものが本当に定着してうまく運用できるようになれば、やっぱりそういう方にゆだねていくのも、十分考えられる考え方であろうというふうに私は思います。いま法案を出したその段階で、これを削除しますとはなかなかおっしゃれないかもしれませんけれども、そういう考え方についてもひとつ御理解をしていただきたい。これは答弁は要りませんけれども、御理解をいただきたいと思います。運用の問題についてだけお答えいただきたいと思います。
○政府委員(福田幸弘君) 御趣旨のように、これは懲戒を目的としたものではございませんで、職業道徳に基づく、しかし社会的な法規範ではある、こういうふうに解していますので、運用面においてそういう懲戒を目的にこれを乱用するというようなことは、これは厳に慎むべき問題であろうかと思います。 あと今後の問題は、法律一般の問題でございまして、この制度全体がどうなっていくか、これが定着し、これが高く評価される規定として今後尊重されるのか、それともそれがどういうふうに受け取られるかは、今後の状況に応じて適切に常に考えていきたいという問題の一端であろうかと思います。
○藤井裕久君 次に、今度はその権限の拡大といいますか、そっちの方でございますが、私は、さっき逆にもうそちらから、政府から先に答弁があったんですが、これはやはり権限をむやみやたらに拡大しているのではなくて、いまある権限というものがどうも不明確で、その中でこの税理士が職業人として非常に高い地位を占めているあたりがはっきりしてなかったことを明確化した規定であるというふうに、われわれ実際に作成したとき考えているわけでございます。 そういう意味で、たとえば会計業務の規定があります。しかし、会計業務というのはもうすでに御承知のように自由業務で、その中で会計の専門家としての公認会計士というものがあって会計監査を独占業務とする。それから反面、会計の上に乗った税務というものを、代理とか相談というものを税理士の独占業務にする。こういう体制の中で、その税務に付随して会計業務云々と、こういうことになっているわけでありますが、このことによって、いまの会計業務及びその周辺の業界の秩序と申しますか、それには何ら関係ないんだということを、それを結論だけ一言おっしゃっていただきたいと思います。 もう一つは、この規定でやはり税理士の職業人としての、専門家としての非常な地位の高さを示す一例として、他人の作成した税務書類の審査というのがあるわけです。これは私は、税務相談なんだからもともと独占業務だったと思っています。独占業務だと思っていたものを明記したんだと思います。しかし、これを書くことによって、また公認会計士側からしますと、これは会計監査を意味するのではないかというような、さっきの業界のおのおのの秩序のバランスを崩していくんじゃないかというような危惧があるわけで、これも結論だけで結構なんです、この二つの権限というのは明確化したのであって、いまのそういう会計業務、税務にまつわるこういう秩序を変えるものではないのか、若干でも変えるのか、そこの結論だけひとつ。
○政府委員(高橋元君) 御提案申し上げております法律の二条の二項、これはいまお示しのありました付随業務としての会計業務でございますが、この条文をごらんいただきましてもおわかりいただきますように、「他の法律においてその事務を業として行うことが制限されている事項については、この限りでない。」と。したがって、付随業務として会計業務を営める、付随業務たる会計業務を営めることは当然であります。公認会計士等が現に言う公認会計士法等によって持っております権限を侵すことではない、これは明確であろうと思います。 それからもう一つ、三十三条の二に第二項を設けました他人の作成した税務書類についての審査、書面の添付でございますが、この点につきましても、これは税務、租税の法令の規定に従って作成されていると認めたときに、審査した事項について書面を添付するわけでございまして、たとえば税務の監査、公認会計士の監査ということと相抵触するものでは全くないわけであります。 仰せのように、いずれの条項も現在の事務の明確化を図っておるわけでございまして、たとえば公認会計士の事務を税理士の方へ取り込むとか、そういうことを企図したものでは全くないということに御承知願いたいと思います。
○藤井裕久君 いま公認会計士の話が出たので、ひとつ公認会計士について伺いたいと思いますが、例の登録即入会です。登録即入会というのは、業界の自治権という意味において、これは私はこのことを取り上げれば当然のことだと思います。税理士である以上、入会してその会員としていろいろな連絡あるいは指導を受けるというようなことはこれは当然のことだと思いますが、昭和三十一年の法改正の経緯があって通知制度というものが、これは議員修正でできたという一つの経緯も全く無視はできないと思います。 そこで、折衷案というか、妥協案といいますか、調整案として三年間は現状のまま、その後は当分の間小規模のものについては、たとえば税理士会に入らなくてもいわゆるいまの通知制度のようなものである程度は救済していく、こういう規定になっておりますが、これはこれから行政内部で決める問題かもしれませんが、一体そういう経過的というか、当分の間になっておる通知公認会計士の方々に対する取り扱いというものをどう考えておられるのか。抽象的になるのかもしれませんが、いま通知会計士でやっていらっしゃる方、公認会計士でやっていらっしゃる方は千二百人ぐらしいらっしゃるのだと思いますが、こういう方方は大体いままでどおりでやれるとお考えなのか、そうではないのか。その基準そのものはなかなかいまお出しになりにくいと思いますが、大きな方向だけおっしゃっていただきたいと思います。
○政府委員(福田幸弘君) 今後当分の間という問題と、小規模というものの特に小規模の具体的基準を大蔵省令で定めることになりますが、登録即入会という原則をとっておりますので、その原則をやはり踏まえまして、税理士と名のる以上は、やはり税理士会にお入りくださいという他の業法と同じ考え、これはやはり原則でございます。しかし、いま御指摘の点もございますので、通知公認会計士の実情というものをよく参酌いたしまして、これは関係当局とも協議しまして、その辺を今後詰めてまいりたいと、こう思っております。
○藤井裕久君 もう一つ周辺の話なんでございますけれども、今度は青色申告会という問題です。 昭和三十七、八年ごろ、私は、納税秩序というのは必ずしも安定をしてなかったのだと思います。そういう中で、実は税理士法改正という問題が取り上げられた。と同時に、やはり青色申告会と税理士会が一緒になってこの申告納税制度の正しいあり方について大いに協力してやろうじゃないかという申し合わせができたわけでございまして、その後の経緯を見ても、この功績というのは非常に大きいというふうに私は考えております。ここの文章では、税理士の職能というものと青色申告会の機能というものをうまくあわせてやっていくんだということが書いてありますが、この本来の趣旨から言って、今度の税理士法改正でこれは国税庁長官まで入った三者協定になっているわけですが、この協定の趣旨及びこの協定で期待されているような仕事は、何ら関係なく引き続き行えるかどうかということを伺いたい。
○政府委員(伊豫田敏雄君) ただいま委員御発言のとおりだと思いますが、今回の改正案では、税理士法二条一項一号から三号に規定いたしております「税務代理」、「税務書類の作成」及び「税務相談」という税理士の業務の範囲につきましては、実質的に何ら変更はされておりませんものと考えております。 したがいまして、ただいまお示しになりました覚書、そういうものの内容につきましても当然そのままに続いていると。言いかえれば、われわれといたしましては青色申告会等の税務協力団体が税に関する活動をしていただきまして、税務行政に多くの貢献をしていただいているということは非常に感謝しているところでございまして、その点につきましてわれわれとしては、その税に関する活動のすべてを承知しているわけではございませんが、税理士法との関連におきましては、そのような税に関する活動は顧問税理士の指導または税務職員の指導のもとに記帳指導等が行われておるし、その意味において税理士法に違反するおそれは全くなく従来のとおりでよろしいと、このように考えている次第でございます。
○藤井裕久君 次には、税理士の資格の取得の問題について伺いたいと思うんですが、一般的に税理士の資格に対して試験というものと経験をどう見るかという問題があるんだと思います。私は理論として財務諸表論、税法というものに理論のしっかりした論文の書ける方というのはこれはやっぱり大変な能力があるんであって、そういう方が経験を積まれればりっぱな税理士になられるというふうに思っておりますが、同時に、経験というものを通じても、場合によっては論文としてはそこまでりっぱに書けないかもしれないけれども、青色申告制度とは何ぞやとか、更正請求とは何ぞやとか、あるいは財務諸表のいろんな原則についても経験を通じて相当な知識を修得しておるんであって、特に税理士法が税法の専門家じゃなく税務の専門家という位置づけをしていることから言っても経験というものを無視してはいけないと、こういうふうに考えております。 問題は、経験をどういう形で入れるかということだと思います。入れ方によっては、せっかく地位の向上を図っていこうとしている税理士そのものの何といいますか、全体のレベルが下がるようなことになってはこれはまた全然いけない、正反対なことになると思いますので、そこをどこに置くかという調整が一番むずかしいと思います。今度の法案でそこの調整をどこに置くかというのは、この会計学について研修だと、その研修は税理士審査会で認定を受けたというこの認定にかかっている、非常にそこが重要なことであると思います。 執行の機関にひとつ伺いたいのは、いまいろいろ国税庁で研修をやっておられますね。その研修がすなわち認定をされるというふうにお考えでございますか。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 税理士審査会が研修を指定するための具体的基準はただいまのところまだ決定しておりませんので、今後研修の実施期間とか、あるいは研修の種類、研修の内容、研修期間、こういうものをすべて勘案の上具体的基準が定められることになろうと、このように考えております。 ただ、国税職員につきましては、その職務の性質上、会計学の知識というものはなかなか不可欠のものでございまして、そういう意味において、たとえば採用直後においてはほぼその全員について相当時間、これは現在百二十六時間になっておりますが、こういう研修を会計について行っております。もちろん、その他のものについても研修を行っておりますが、会計分だけで百二十六時間、こういう状態になっておりますけれども、その他別途、部内における通信研修等の制度も設けられておりますので、このような状況をすべて踏まえながら、制度発足までに具体的基準を決定するよう税理士審査会にお願いしてまいろうと、このように考えております。 いずれにいたしましても、研修を通じて税理士の資質の向上が全体として図られるようわれわれとしては期待しておりますので、その方向ですべてものを動かしてまいりたいと、このように考えております。
○藤井裕久君 まさにそうしていただきたいと思います。税理士の資質の向上になるような研修にしていただきたいと思います。 関連で衛藤先生がされますので、もう時間が来ておりますので、これからそういう研修の認定を定めるということでありますが、私は、いま言ったあくまでも税理士の資質の向上になるようなしっかりした研修でなければいけないということが一つです。 それからもう一つ、特にお願いしておきたいことは、税務当局というのは税理士養成所じゃないということなんですね。ですから、この法律があるから税理士になれるような研修を別途つくって、それでもって税理士になるのをふやしていこうというようなことをやられては、これは全く本末転倒だと思います。税務の仕事をやるのに必要な研修をやる、その研修を通じて、また、実際の実務を通じて本当にその税務職員の資質が向上する、その人が場合によっては税理士になるというようなたてまえじゃなくちゃおかしいんであって、まるで税理士養成所みたいなことになっては、税金でもって税理士養成所を置くなんということはとんでもない話なので、それをまず厳重に守っていただきたいと思いますし、もう一つは、この審査会が非常に力を持つわけですが、審査会に税理士のいろいろな経験者でございますね、そういう方を入れていただくようなことは考える余地がないのかということが一つです。 それからもう一つは、これはわりに表へ出てこないんですが、地方税職員の問題なんです。地方税職員の研修をどうするのか、その仕方によっては余りりっぱな研修ができないかもしれないという問題がある反面、そういうりっぱな研修ができないということになると、地方税の職員には研修の機会がなくなっちゃうかもしれないという問題もあるわけなんです。 これはもう時間もありませんし、いままだ検討中というお答えしか来ないと思いますから、お答えは要りません。しかし、趣旨は、いま言ったような資質の高い税理士を出すための研修であるという前提でひとつお考えをいただきたいと思います。審査会の人選のことだけについて、お答えをいただきたいと思います。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 審査会の人選につきましては、審査会の人選三名ということになっておりますが、学識経験者の人選につきましては十分妥当な方にお願いをしてまいりたいと、このように考えております。
○衛藤征士郎君 時間がきわめてございませんので、簡単に御答弁をお願い申し上げたいと思いますが、私は、税理士法改正にかかわる公認会計士制度に関連する次の三点につきまして、質問をいたしたいと思います。 まず、一般的に言って、今回の税理士法の改正でございますが、この法改正によりまして税理士の社会的地位の向上と納税義務の適正な実現が図られることになったわけでございますが、それと同時に、監査及び税務を通じて、常々社会正義の実現に努力しております公認会計士及びそれに関連する諸制度の改善につきましても考慮を払う必要があると思うわけでございます。 わが国の自由主義経済体制が常に活力を持って発展していくためには、何よりもその中心的な役割り、その核の役割りを果たしております企業が健全な成長を遂げることが必要でございます。それには、信用経済を前提とするわが国の企業社会においては、企業に対する社会の信頼性の確保が不可欠の要件でありまして、そのためには企業の発表する財務書類が誤りなく真実を伝えておることが必要でございます。企業の財務書類の適正性を保証するものは、何よりもまず財務書類の作成者、当事者である企業経営者の自覚にあることは論をまたないところでございますが、それと同時に、第三者の立場から指導的に批判し、その適正性を証明する監査制度も、欠かすことのできないきわめて重要な役割りを果たしておると思います。 資源を持たないわが国、石油の約九九%までを外国に依存をしておりますわが国が厳しい世界情勢の中で常に積極的な貢献をしていくためには、その中心である企業、その核であるところの企業、諸企業が活発に、しかも社会的責任を持って活動していくことが肝要でございます。これを可能ならしめるものは、経済社会の信用秩序をじみな立場で支えております健全な監査制度に負うところがきわめて大であると、私はこのように確信をしております。 以上のような観点から、今回の税理士法改正と将来の展望につきまして、若干の質問をしてみたいわけでございます。 第一点は、通知公認会計士制度についてでございます。この通知公認会計士制度というのは、御案内のように、昭和三十一年に創設されまして今日まで二十数年間、その経過を見たわけでございますが、少なくともその制定の経緯と、さらに今日まで存続をしておるというその意味、また、その役割りというものを十分考えてみる必要があると私は思っております。ときどき議論としまして、単に会費負担というような次元でとらえておられる人もおりますが、そういうものでないということに、思いを新たにしていただきたいと思うわけでございます。 特に私は、経緯の中で、昭和四十五年前後の商法改正の審議の中におきまして、この制度は当局におきましても積極的に推進をしてきたという経緯もございますので、この点につきましても十分考慮していただきたいと思うわけでございます。また、監査制度が高度に発達しております諸外国におきましては、公認会計士は当然その資格で税務が行われることになっておりますので、この制度につきましても存続をすることが望ましいと私は考えるわけでございますが、この点につきましての所見を承りたいと思います。また、仮にもし廃止するということになった場合、通知公認会計士制度の趣旨と実情を尊重した特段の措置がとられることが必要であると思いますが、これにつきまして御当局の見解、これにつきましては主税局長の明確なる御答弁をお願いいたします。 第二点でございますが、公認会計士制度及び監査制度のより一層の充実を図るため、たとえば公認会計士の行う税務業務、会計士補のインターン制度、監査法人の認可制度等につきまして、公認会計士側の意見も十分尊重して、公認会計士法の諸問題について積極的に検討する必要があると思うわけでございます。つまり、法改正につきまして積極的に検討すべきだと、この点につきまして証券局長の御答弁をお願い申し上げたいと思いますが、残念でございますが、証券局長、いま衆議院の大蔵委員会に入っておりますので、担当の審議官に、これにつきましては明快なる御答弁をお願いいたします。 第三点でございますが、信用経済の発展に伴いまして、企業の社会に与える影響はとみに増大しております。これに伴い監査に対する社会的欲求、社会的要請はきわめて大なるものがございます。このような状況にかんがみまして、現在、商法監査特例法による監査の対象は附則をもって制約されている。つまり、本則では資本金五億以上となっておりますものが、附則で逆に十億以上に制約されておるわけでございますが、この制約を廃止していただきたい。と同時に、監査対象の拡大が必要であると思いますので、これに対する具体的な方策につきまして審議官の御答弁をお願いいたしたいと思うわけでございます。また、同様な趣旨から、公益法人、生命保険会社、信用金庫、特殊法人等への公認会計士監査の導入を図ることが肝要であると考えますが、この点につきましても御答弁をお願いいたしたいと思います。 時間がございませんのできわめて早口になりましたが、以上三点につきまして、主税局長それから証券局の担当審議官に明快なる御答弁をお願い申し上げまして、質問を終わります。 —————————————
○委員長(世耕政隆君) 委員の異動について御報告いたします。 本日、福間知之君、竹田四郎君が委員を辞任され、その補欠として小谷守君、村田秀三君が選任されました。 —————————————
○委員長(世耕政隆君) 時間がかなり過ぎておりますので、簡潔に、また明快に御答弁をいただきたいと思います。
○政府委員(高橋元君) 大変高い見地からの御指摘でございまして、私どもも職業的な会計人としての公認会計士の果たしておられる役割り、それの持っておられる倫理というものについて尊敬の念を決して欠いているわけじゃございませんけれども、昭和三十一年の制度改正で現在の通知公認会計士制度ができたその趣旨は、当時の議事録によりますと、ごくまれに税理士業務を行う公認会計士さんたる税理士が、税理士会に入会することなく委嘱者の住所等を通知することによって税理士業務を行えるようにするということであったかというふうに承知しておるわけでございます。 税理士さんの業務の改善進歩ということを図るために、税理士会というのは置かれているわけでございまして、そういう形での特殊の法人と申しますか、そういう税理士会がなお一層税理士さんの社会的な責任なり社会的な地位の向上のために機能をしていきますためには、弁護士さんも公認会計士さんも、本来税理士会に入会するのが筋であるという考え方はとれると思います。 そこで、今回の改正で登録即入会ということで、すでに税理士法以前から税理士業務を営むことができるということになっております弁護士を除きまして、公認会計士さんについては税理士会に入会していただくことをお願いしておるわけですが、先ほどもお答えを申し上げておりましたように、経過的に三年間、通知公認会計士制度を存置するとともに、当分の間、税理士業務が規模が比較的小規模である場合というものにつきまして、十分実情等も調査して、現在の公認会計士さんの行っておられる通知公認会計士業務というものとの調整も図りながら、公認会計士の資格で税理士業務が行えるように、国税局長の許可制度という経過措置を講じておる次第であります。
○説明員(宮下鉄巳君) 第二問と第三問についてお答えいたします。 公認会計士制度も三十年以上過ぎまして、いろいろ目覚ましい進歩を遂げたわけでございますけれども、その間にやはりいろんな問題も生じているのは御指摘のとおりでございまして、そういった意味で、われわれもこれらの諸問題を取り上げて、いろいろと検討しているわけでございまして、先ほど御指摘のありました監査法人の認可等につきましては、近々公認会計士審査会で検討して、この基準の改正を行おうとしております。 そのほかの問題点につきましても、いろいろ問題点を検討し、公認会計士審査会等に諮っていくことでございますが、法改正を必要とするものがあれば、これをも含めて検討してまいりたいと、こういうふうに考えております。 第三の問題でございますが、商法監査特例法の適用会社の範囲の拡大、これにつきましては、われわれといたしましては、証券行政の立場から言いますと、証券取引所に上場される可能性の高い比較的大規模の株式会社につきましては、公認会計士の監査が行われることが望ましいと、そういうふうに考えております。そういった意味で、現在これは法務省の所管でございますけれども、法務省の方でこの問題について、関係法の改正試案なるものを公表いたしております。われわれも証券局といたしまして、いま申し上げましたような観点から、この試案の実現に向けて大いに努力していきたいと、こういうふうに考えております。 そのほか、公益法人等につきましても、だんだん監査を受けているところが拡大しておりますけれども、何せやはり監査が非常に大切なものだということを認識していただかないとこれはうまくいかないわけでございまして、そういった意味で、今後監査が本当に充実されて、これが非常に必要なものだというふうなことになれば、われわれの所管でないところのいろんな法律に基づいて監督されているところにつきましても、そういうふうな要請が出てくるので、そういった方向で努力していきたい、こういうふうに考えております。
○衛藤征士郎君 それでは税理士法改正に関連しまして、将来公認会計士法の見直し、さらには法改正につきまして積極的に取り組むと、このように理解してよろしゅうございますね。
○説明員(宮下鉄巳君) 法改正をも含めて検討してまいりたいと、こういうふうに考えております。
○衛藤征士郎君 どうもありがとうございました。
○塚田十一郎君 御承知のように、私は自由民主党の党員の一人であるわけでございまして、しかも、この法律案の基礎になっておる自由民主党の小委員会案というものは、これは一応自由民主党の党議で決定になっているものであるということは申すまでもないことであります。しかも、先ほどから聞いておりましたところでも明らかなように、この案が自由民主党だけで決めたんではなくて、野党ともかなり広範にお話し合いの上で決められたものであるということも、そういう事実は承知をいたしておるのであります。 ただ、私は、実は私自身は税理士を長年本業としておる人間でありまして、もう三十数年、税理士、それに若干の弁護士業務を含めて、税理士・弁護士として細々と暮らしを立てておる人間でありますが、残念ながら私が自分の立場では、この法律には全面的と申し上げてもそう言い過ぎではないぐらいに反対なのであります。したがって、私のような自由民主党に籍を置いておる者が、こういう立場でこういう法案について反対をするのは、実はこれは党人としては考えなければならないんであります。ということは、もしその立場を貫くとするならば、脱党をしてやったらどうかということが一つあるわけであります。私も、もちろんそういうことはいろいろ考え、また相談を申し上げてみたのでありますが、いろいろと党の幹部の方々と御相談をしましたら、それには及ばぬと、聞きたいことは大いに聞きなさいということで、こういう意味におきましても、自由民主党は大変自由な党でございまして、感謝をしながら質問に立っておるわけであります。したがって、政府側にとってはかなり手痛い質問を申し上げるかもしれませんが、それはひとつあらかじめ御了承いただきたいと思います。 私は、あわせて、国会には昭和二十一年から籍を置いておりますんでありまして、衆議院に八期約十六年、その後参議院におりまして、ついこの間の二月十四日に、参議院から勤続二十五年の表彰をちょうだいした。したがって、国会生活もかなり長い人間であります。ところが、私がこの長い間に、この法律案のように、できた後、そうして国会に出された後、非常に関係者の間に反対の強いものというものを見たこと、聞いたことない、経験したことない。それで政府側の答弁によりますと、いや、これは税理士法の問題に関する部分は日税連が賛成をしておるんだとるるお述べになりますし、また、公認会計士に関する部分は公認会計士協会が賛成をしておるんだとお述べになりますし、そういう状態であるにかかわらずこれだけ広範の層に反対がある。私も、どうもよく読んでみて納得がいかないということがどういう事情でできたんだろうかということであります。 それで、私が私の立場をある程度明らかにして、場合によったら委員会で質問をさしていただこうという決意をした当時から、いろいろな方が私に話を聞かしてくださる。そうすると、なるほどそういうこともあったのかなということで、最初に、日税連が賛成しておりながら、どうしてこういうぐあいに税理士のかなりの多くの方々の間に反対があるのかということを中心にして、まず少しお尋ねをいたしたいと思います。 現在の日税連の会長は山本義雄さんと言われましたな。この会長は、日税連の会長と同時に、あるいはなられる前に大阪合同税理士会の会長をされたと。間違いありませんね。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 私の記憶ではそのように承知しております。
○塚田十一郎君 そこで、山本現日税連会長が大阪合同税理士会の会長選挙に立たれたときに、大変に税務署の方々、あるいは国税局の方々もあるのかもしれませんが、その選挙に力をお入れになったといううわさがあるんです。もっとはっきり申しますと、当時管内の各税務署が山本会長の選挙事務所の観を呈したといううわさもあるんですが、どうでしょうか。
○政府委員(伊豫田敏雄君) うわさについては私ただいま承知しておりませんが、そういう事実はないものと聞いております。
○塚田十一郎君 この山本会長が日税連の会長に結局なられた。この点は先般の本委員会におきまして、社会党の丸谷委員であったか、お尋ねになっておったようですが、いま主税局でこの問題の中心になっておられる福田審議官と、この日税連の専務理事の四元何がしかという方と非常に御懇意の間柄であるといううわさを耳にしましたが、本当でしょうか。
○政府委員(福田幸弘君) 仕事の関係では非常に親密でありますが、個人的な関係はここで申し上げる必要はないと思いますが、この法律案には影響は全然ございません。
○塚田十一郎君 最後の一言、影響がございませんはちょっとさわりますね。影響があるかないかは、あなたの判断することじゃないんです。国会その他世間が判断することでしょう。大体審議官の御答弁は、私がずっと聞いておりまして、非常に雄弁ではあるが情味がない。ちょうど壁に球をぶつけると、ぽんとはね返ってくると思うんですよ。私どもが、国民が願っていることは、球を投げる人があったら受けとめて、そうして、こういう理由なんですよと言って親切に言い含めて返してくれるんでなければ、本当の答弁にならないんですよ。あなたもこれからだんだんと御出世になる方だから、それらの点は十分御注意になった方がよろしい。 そこで、そういうような事情で、今度の税理士法に反対をしておる人たちが、日本税理士会の総合の意思をまとめる過程というものは、決して会員が納得できる形のものでなかったということを強く訴えておるんです。そこで、この陳情によって若干拾ってみますと、自由民主党の税理士問題小委員会が日税連に小委員会案を提示したのが五十四年の三月十四日だというんです。一日後の三月十五日に、これが日税連の機関紙号外に掲載されております。それを受けて、三月下旬に各単位税理士会で自民党小委員会の要綱案について説明会を開催したのだが、この説明会までに改正要綱が届いていなかった地区もある。さらに、十分な検討をしないまま、説明会よりわずか一週間後の四月五日の日税連理事会において、自民党小委員会の要綱案を条件づきで質疑強行、打ち切りをしたと言っておるんです。これは反対の側の人たちの話ですから本当であるかどうかはわかりませんが、その辺はどうでしょうか。
○政府委員(福田幸弘君) 答弁についてはおわび申し上げますが、五十一年の一月以降、日税連との間では事務的折衝と申しますか、意見交換を続けていまして、そのときは日税連の代表の方、組織の代表の方との交渉を国税庁とわれわれでずっと続けております。その交渉の過程は、逐次各組織の中で流して、向こうで意見を、また反響を聞くということは、当然向こうの問題としてはやってこられたと思うのですが、五十一年以降五十二年三月まで七回、五十二年五月から五十三年七月まで三回、それから自由民主党で小委員会ができましたのは五十三年三月でございます。それで一年ほど検討がございましたが、その過程において、ほかの団体も同じでありますが、日税連も呼ばれていろいろ意見を述べる機会は当然あったわけでございます。それで、五十三年六月から十二月まで、さらにこれは大蔵省と国税庁との間で日税連と五回にわたって検討会を行っております。自民党での御検討の内容は、逐次これは日税連とも御連絡があったのは当然であろうと思いますので、組織の中での御議論は十分に尽くされておると思うのです。 われわれは、この法案を出しますに際しましては、前の三十九年法案の問題もございますので、中の意向がまとまることを前提にしまして、それがない限りはわれわれとしてはこの法案の推進はできないということを再三確認をするということを、最初から申し上げたわけです。でございますので、その手続はあとは内部手続になりますので、日税連が持っていますその会則、機関の種類が理事会がございますし、理事会は各十四、各地域にございます。国税局単位が原則でありますが、それに各一名ずつ、さらに税理士の数に応じて案分する理事、両方合わせての理事会というものの決議、さらに正副会長会議、この副会長というのは各地域の単位税理士会の会の会長が副会長でございます。さらに、理事会の中の常務理事会、この三つが主な機関となっておるように承知しておりますが、その会で四月五日にこの自民党の要綱の検討があった際には、従来の検討経過を引き続きずっと検討されておりまして、その中には法律改正対策委員会というのがずっと常設されてきております。 したがって、そこで検討を要綱については加えてきておりますので、それを踏まえた検討が四月五日にあったかと思いますが、そこでは絶対多数でこれは要綱を賛成いたしております。その際、助言義務のところだけにつきまして、要綱にあります最後の部分に、これに違反した場合は脱税相談をした場合と同様の懲戒処分の対象とすることとするという部分を削ってほしいというような要望をつけて決議があったわけであります。脱税相談をした場合と同様の懲戒処分というのは罰則、すなわち罰金及び懲役、それから脱税相談の懲戒処分は重いわけでありますが、そういうことのないようにということでございます。これは、そのように脱税相談をした場合と同じような懲戒処分という扱いは削られて、一般の法令違反というだけの形にその後直ったわけでございます。 その後八回にわたって、これは何度も理事会、正副会長会、常務理事会、この決定を繰り返してきておりますので、その過程では、法案ができます過程、提出されてからのいろんな審議過程、さらに役員の改選後、そういう選挙後、あらゆる過程において意思確認を正式機関の形の中での統制をもって意思統一をされておるということでやってきておりますので、そういうふうに御理解を願いたいと、こう思う次第でございます。
○塚田十一郎君 説明はるる非常に懇切丁寧にありがとうございました。ただ、残念ながら事実は末端には通じていなかったし、末端の賛成が得られて、本当に論議を尽くされて日税連の会議で意見がまとまったという形にはいっていなかったというのが、今日の状況の証拠になるんじゃないですか。 だから、形はそうですけれども、そこで形のことを少し申し上げますならば、日税連の最後の賛成するかしないかという会議のときに、大阪合同税理士会の代表として西浦副会長がその席で大阪の状況を御説明になったと。その説明の中に、会員のコンセンサスを得ようとして努力をしたけれども、せいぜい二割程度ぐらいが賛成だったかもしらないということが、はっきりと報告に出ておるんですね。この間、私確認をしてみましたら、大阪税理士会の関係者の一人が、先生、もし疑問がありますならば録音テープがございますから持ってきましょうかと。そこまで証拠があるならば持ってきてもらわぬでもいいよと。つまり、副会長が、大阪の税理士会の空気が二割ぐらいしか賛成がなかったと言っておったにかかわらず、日税連の理事会の決をとるときには、大阪から出ておられる理事が二十名おりますが、全員賛成になったと。本当かどうか知りませんよ。そういう形で、日税連の全国の税理士会が皆賛成なんだという意思決定ができているんですね。 だから、末端がちっとも納得をしていないからこういうざまになる。さっき、審議官も、末端の賛成がなくては法律はできないものだと言われた。私は、今日の状態なら、法律はまさにそのとおりだから廃案になさった方がいいと思うのです。実際は政府がお考えになっておる。だからして、末端の意向を衆議を尽くしてまとめた上で、そのまとまったものをもって日税連の幹部が政府大蔵省、国税当局と話し合いをしておられないから民間の気持ちとまるで違ったものになってしまう、私はそう実は非常に疑っておる。日税連大阪会がそうでしょう。東京会はどうですか。東京会と大阪会というのは、税理士会では一番会員数をたくさん持っておる。全体で三万四千人の全国の会員の中で、東京と大阪でおよそ一万六千人ぐらいあるはずです。東京会は全然賛成していないようです。 その証拠には、私のところへ、この間、東京会の波多野会長が昭和五十五年の二月十四日付で東京税理士会会長波多野重雄として日本税理士会連合会会長山本義雄あてに反対の意見の要望書が出ているのです。これで日税連のいまの理事当局が税理士全体の意向を合法的にまとめたのだと言えますか、この間、同僚野末議員がここでの御質問で、反対と賛成とどっちが多くありますかと言ったら、いや賛成の方が多いのだと政府は答弁された。野末君は、わしのところへ来るものは反対のものが多いのだと。私のところへ来るものは、反対のものが多いのでなくて、反対のものばかり来るのです。賛成のものは何にも来ない。ですから、この辺の話を、政府当局がこの法案を推進していかれる上に十分に御検討になっていただく必要があると思いますが、どうですか。政務次官、ひとつ。
○政府委員(遠藤要君) 一番経験の多い先生から、経過から何からすべて御承知の先生からいろいろ御意見がございましたが、私としては、この法案をぜひ御理解を願って、そして運営面で最善を尽くしていくということが大切じゃないか、かような点で御理解を願っておきたいと思います。
○塚田十一郎君 政務次官としてはなかなか立場上むずかしいお立場でいられるから、これ以上はお尋ねはしません。 次に、いまは税理士会の話でしたが、公認会計士会、これは御承知のように、やはり非常に中に今度の税理士法の改正に対して反対の方々がおられるようなのです。そうでしょうね。公認会計士の方々にすれば、かなりいびられたという感じの法案です。いままで持っていた通知公認会計士制度ももうあと三年でやめだぞとか、税理士業務をしたければ税理士会に入会したらいいじゃないかとか、かなり公認会計士の方々からすればそういう感じだと私は思うのです。しかし、聞いてみると、公認会計士の場合には会長と副会長かが証券局へ呼ばれていろいろお話を伺った、あるいはそのときに主税局の方々も御一緒だったのかもしれませんが、一応形は賛成したということになっておるようです。また、部内の意見をまとめる理事会も半ばそんな感じのようであります。 ところが、実際は腹は賛成ではないので、公認会計士の連中がこの法案が出てから国会にたくさんの反対陳情を出しているわけです、請願を出しているのです。これは公認会計士協会としてはできないものだから、公認会計士政治連盟という名前で。これは、しかし皆さん方もよく御存じのように、協会も政治連盟も同じ人たちでできているもので、ただ表は協会は一応賛成したのでできないから、政治連盟で反対だということにしてあるのだという話なのであります。また、私のところへつい最近来ました日本公認会計士協会近畿会税理士法問題特別委員会委員長植田何がしのあれで、たくさんの点について税理士法の改正についての疑問点を、賛成ではないようです。 そこで、私こういうことを実はちらっと耳にしたのです。大蔵省部内においては各局の間に力の優劣があるということなのです。大蔵省では一番力のあるのは主計局だ、それに次いでは主税局だと。公認会計士を扱っているところは証券局のようでありますが、証券局は余り力がない。で、公認会計士の連中がぼやくのは、私どものめんどうを見てくれる証券局は力がないものだから、部内では主税局に抑えられて一応大蔵省の意見というものが決まって、今度私どもが呼ばれておまえらこれに賛成しないかと言われる。私どもは実は政府にいろいろ、ことに証券局にお世話になる部分があるからなかなか反対しにくいのですと、こう言うのです。どうでしょうか、そういうことございますか。
○政府委員(高橋元君) 大変反省せねばならぬ御指摘だと思うのでございますけれども、これは大変公の席でお答えすることにはふさわしくないかもしれませんが、従前よく局あって省なしというふうな御指摘を大蔵省がこういう国会でもいただいたことがあると思います。私ども、そういうことがあってはなりませんので、財政、金融、証券すべての制度を預かって、たとえば今回御提案申し上げているような税理士法の改正案でございますが、こういうものにつきまして関係の業界、これは自治省もございましょうし運輸省もございます。厚生省もございます。それから省内で申しても証券局もございます。法務省もございます。そういうところと御折衝をしていく場合に、役所でございますから当然所管の役所と御相談をしていくわけでございますが、いま仰せにありましたように、外から見てどういうふうにおとりになるかはよくわかりませんのですけれども、いささかもごり押しということ、そういうことをしたつもりはないわけでございます。 今後ともそういう態度で臨んでまいりたいと思いますけれども、いろいろ御批判があります点は私どもも反省をいたしまして、今後ともそういう御批判を受けることのないように努力したいと思いますので、御理解をいただきたいと思います。
○塚田十一郎君 非常にわかりやすい御理解のある御答弁をいただきましたので、この辺でこの問題は打ち切りにいたします。 過去の衆議院あたりの質疑応答で福田審議官がよくお答えになっておるのですが、例の助言義務制度、これは世界の国のあちこちにどこにもあるのだ、日本だけどうして入れてそんなに悪いのだろうと言って、暗に反対する人の立場を御非難になっておる発言をあちこちで見るのです。私も残念ながら手元に余りそういう資料を持ちませんので、実はそういう資料があるのだろうかというので、国会の大蔵委員会の調査室に言いつけてそういう資料があったらひとつもらってくれと言いましたらば、アメリカのやつをもらいました。ところが、これを読んでみますと、日本の今度の税理士法改正案の中にある助言義務の規定とちょっと違うのではないかなと。少なくとも完全にぴったりしたものではないという感じなんです。 同僚委員の御参考までにちょっと読んでみますが、それに該当する条項は、顧客の怠慢についての認識とある。これも訳は人にしてもらいましたので私も正確かどうか自信はないんですが、 内国税収入官により執行される事項に関し、顧 客から依頼を受けた弁護士、公認会計士、税理 士は、依頼した客が合衆国の歳入法に従ってい なかったり、そのような事項に関連して法に基 づき提出を義務づけられている報告書、文書、 口供書ないしは書類に過誤や怠慢をしているこ とを知ったとき、そのような不服従、過誤、怠 慢の事実について即座に忠告しなければならな い。私は、こういうぐあいに日本の場合でも、私ども税理士は、依頼を受けた人たちが気がつかないでやっておれば、これは当然だと思うんですが注意をして差し上げる。また、私どもいままでの長年の実務の経験の上でそのようにやってきておりますが、この規定は多分にそのときのことを、そういう場合のことを言っておるように私には思えるんです。ちょっと助言義務の規定と違う。 そして、しかもこの規定違反に対する罰則は、 いかなる弁護士、公認会計士、登録代理人(税 理士)であろうと、この編に記述されている規 則について、それがいかなる規則であろうと、 故意に違反した場合には、内国歳入庁に対する 業務資格が剥奪ないし特権停止させることがで きる。ですから、多分に三十六条の現行税理士の規定に当たるものではないかと思うんですが、その辺、もちろん政府側はたくさんの資料をお持ちでございましょうから、お示しをいただきたいと思います。
○政府委員(福田幸弘君) 御指摘のとおりに、これはアメリカだけでございます。私も答弁はアメリカを申し上げます。アメリカの規定、いま御指摘のとおりでございますが、むしろ日本の場合よりも広く書いておる。違反、誤謬、脱漏ということで、それから法令——税法に従ってない。それからエラーをやっておる。それからオミッションをやっておるという場合には、直ちにこのような違法それから間違い及び脱漏、これを忠告しなきゃいけない、おっしゃるとおりですが、これはむしろ広く違法事実、今回のやつはその不正という、脱税の事実及び仮装、隠蔽という非常に故意の明確な場合に限定いたしておりますが、この場合はむしろ広く書いておりまして、今回の場合はむしろ狭く書いてあるというふうに考えられます。 本来は、これのように広くアドバイスすべきでありますが、それは余りにも酷な規定になるというので、非常に明白な脱税に至る場合に限定しておるということでありまして、アメリカの場合もっと広い、日本の場合には限定されておるという差はございます。 それから罰則の方は、日本の場合は罰則というのは一般的な法令違反でございますが、アメリカの場合、これは法令違反につきましては非常に厳しくございまして、故意の場合が加わりますと資格の剥奪に至るということでございますけれども、今回御提示いたしておりますのは、懲戒処分そのものということは行き過ぎでございますので、一般的な法令違反の中、しかもそういう懲戒、法令違反というものは目的としたものではないという運用も考えておりますので、アメリカの場合よりも非常に倫理的な色彩の強い緩やかなものになっておるという差があろうかと思います。アメリカだけにこの規定があるということは、申告納税のもとにおいて課されるやはり厳しい職業倫理であると、こういうふうに理解します。 ドイツにおいてはこれは賦課課税でございますので、この種の規定は直にはございません。アメリカ法の規定を御説明申し上げました。
○塚田十一郎君 アメリカの場合は広い、日本の場合にはむしろ狭めて非常に注意してあるのだと言われるんですけれども、それは私は全然逆に受けるんです。ああいうぐあいに広い範囲のものは、たとえば過誤でやっているとか、そういう種類のものは、これは私どもも日常当然にやっておるんです、お気づきになってなければここはこうなんですよと。ところが、日本の今度の改正案の助言義務の場合はそうでないでしょう。恐らくあれは本人が意図してそういうことをやっておられる。そういう場合に、依頼を受けて報酬をもらって仕事に携わる税理士がうまくやれるかなと。私は自分の体験を通して、うん、うっかりしゃべって、そんなことなら、あんたもう仕事頼まぬと言われるかもしらぬという感じもするんです。むしろそこに問題があるんではないですか。 一般的にあれしていることは、私どもも常識人なんですから、ことに特権をいただいて特殊な業務に従事しているんですから、何も国税庁に、税務署に協力する気はないけれども、それは当然の人間としての務めとして注意は申し上げている。ただ、本人が腕枕を意図してやっている。うまくいけばこれはごまかして通れるかもしらぬと思っているときに、おまえさん、これ注意しなければいかぬですよとはなかなか私は言えないと思うんですがね。どうですか、その辺は。
○政府委員(福田幸弘君) これは一般の違法さえも依頼者に言うというのは、やはり代理関係というのは依頼をする人に損害を与えてはいけないという本来の代理からくるものですが、まして税の場合にそれが違法の場合には、特に加算税脱税犯として訴追される危険を持っていますので、税理士さんの方でそれを注意されるというのは依頼者に対する当然のあれでもありますし、また、第一条の規定からいっても、この種の社会的なことをやっていただく、またこれで相手が直されるというのが九〇%以上で、これがこの種の規定の期待するところでありますので、もし直さなければ不真正な申告書の作成もしくは脱税相談に移っていってしまう。やはり脱税とわかっておるのに引き続き依頼関係を続けるということは、税理士さんの仕事としては社会一般では考えないところではないか、こう考えております。
○委員長(世耕政隆君) それでは、午前中の審議はこれまでにいたしまして、午後一時まで休憩いたします。 午後零時二十八分休憩 —————・————— 午後一時二分開会
○委員長(世耕政隆君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、税理士法の一部を改正する法律案について塚田君の質疑を行います。
○塚田十一郎君 大臣お見えいただきまして、非常にありがとう存じます。 実は午前、大臣なしで若干質疑をさせていただきましたのですが、大臣が見えましたので、最初に私の立場を少し。 私は、長年税理士を本業にしておる人間でありまして、残念ながらこの税理士法改正案には全面的に賛成できないのだということで、午前少しお尋ねをさせていただいたんです。同じような立場で午後も質疑を続けさしていただきたいと思うんですが、事柄が政策に関する部分が非常に多いので、願わくはひとつできるだけ大臣にお答えいただきたい。しかし、私の心配しておりますのは、私もこれが草案ができるまでの間余り勉強しないで、どんなことになっているか知らなかったのですが、大臣も恐らく御多忙な方ですからそういうことではないのかと思うのですが、できてみてなるほどそう言えば塚田君の言うとおりだが、おれのいまの立場ではちょっとそれも言われぬというような問題もおありではないかと実は想像しております。そういうような場合には、あえて御答弁をいただかなくとも結構です。政府委員でかわって答弁していただけるものであればそれはそれでもいいですし、仮に大臣から御答弁がいただけないでも、私の質疑の気持ちは、全国の三万四千人の税理士の中にかなりたくさん今度の改正案に反対の人たちがいるんだと、その反対の人たちがこういう気持ちでおるんですよということを、この機会に大臣にひとつお聞きになっておいていただきたいという趣旨でございます。 早速本論に入りますが、まず第一条でございます。この一条は、「税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図る」と、こうなっておるわけであります。この表現については、いろいろ議論があるんですが、これは解釈する人の立場だから、私はこの表現を直さなきゃならぬというほどは実は考えていないんです。 ただしかし、もしこの一条が意味する意味が、いままで政府委員の側から答弁されておるように、税理士は国からも独立、これはいいが、依頼者からも独立と、何か非常に神様か仏様みたいな聖人君子みたいな中立な人間にならなければならないのだというようなことを考えておられるのではないか。あるいは私の誤解であるかもしれませんが、もしそうだとすると、ちょっと私は長年自分が税理士を本業としてきた立場上、これはえらいことになっちゃったなあ、えらいこっちゃなあという感じを実は持つわけです。 徴税当局に全く誤りがないという前提に立つのでない限り、税理士は依頼者から報酬をもらって仕事をするのでございますから、私は依頼者の立場に立って国を相手といいますか、大蔵省、国税庁相手に争わなければならない場合も実はあると。また、そのような気持ちでやってきたんですから、こういう解釈は間違っておりますかね、どうでしょうか。これは主税局長で結構です。
○政府委員(高橋元君) 先ほど来お答えしておりますように、法に従った適正な納税義務の実現ということが税理士制度の根幹であろうと存じます。 各法に基づきまして納税者の方々が持っておられます租税債務というものを、これはもう会計経理の計算から始まりまして税法の適用に及ぶわけでございます。一概に安易なものでなくて、かなり難解な部分も含んでおると思いますが、帰するところ、そこに実現される適正な納税債務、租税債務というものはただ一個だろうと私は思うわけであります。それ以上のものでもないし、それ以下のものでもない。それ以上であっていけないという立場を強調せられる方は、納税者の権利と申しますか、税務の折衝に関する納税者の援助ということを中心において御議論になりますし、それ以下であってはならないということでありますれば、これは私どもたびたび申し上げておりますように、税理士さんの社会的な責任ということに基づきます各般の今回御提案いたしております一種の義務規定というものがそれの担保ということになろうかと思うわけであります。 シャウプさんも言っておられるように、納税者が自分で自分の所得計算を税務署に出す、それが申告納税の本旨である。しかし、一方でそういうことができない納税者の方々というものは他の納税者に迷惑をかけておる、犠牲でそういうことをなさるわけですから、それについてはやはり厳しい社会の目というものを実現するために税務当局というのが必要だと言っておられるのは、私はそのとおりだと思うわけでありますが、御提案申し上げております各種の規定について先ほど来お示しもありますように、いろいろ運用上工夫すべきものが多いという御指摘はそのとおりだと思います。 その点は、今後国税庁とも相談をいたしまして運用について努力していきたいと思いますが、いまの第一条の「独立した」という言葉、専門的な税務の専門家であるということ、「公正」ということ、それらは従前の第一条の規定の意義を明確化したわけでございまして、従来「中正」ということであらわされておりましたが中立にして公正ということを「独立した公正」という新しい言葉に置きかえて、より一層税理士さんの使命を明確化したいと、こういう趣旨にほかならないことについて、御理解いただきたいと思います。
○塚田十一郎君 大臣は、徴税官吏、税務官吏、この人たちの課税において絶対に過ちはないという自信をお持ちでしょうか。
○政府委員(矢島錦一郎君) 私ども税務の運営に携わっております者といたしましては、常に適正かつ公平な課税ということを旨といたしまして法律に従って行動しているわけでございます。したがいまして、人間ではございますもので、間違いが全くないということはないとは思いますけれども、できるだけそういうことのないように、いつも適正に行うよう努めておるつもりでございます。
○塚田十一郎君 私もやや似た気持ちではありますが、少し違いますかな。私は、人間ですから、税務官吏も間違いがないということを要求するのはこれは無理だ、間違いはあると、やむを得ないそういう場合もあると。ただ、私が長年自分で経験をして、中にはわかっていて間違っていると思われる節があることもある。なぜそういうことが起きるだろうか。まあこれは当たっているかどうかわかりませんが、私の想像では、やっぱり税務官吏もよく徴税成績を上げると御出世になるというあれになっていないかと、こう思うんです。そうすると、やっぱり出世したいなという気持ちが意識的に、無意識的に働いて、少しいたずらをされると。ことに相手が無知な場合、こいつ何もわかっちゃいねえなと思うときにやっていられることもあるんじゃないかなと思うんです。しかし、それはごく例外のことですから。 ただ私は、すらっとは、税務官吏も人間だからお間違えになることあるだろうな、まあやむを得ないことだと。したがって、だれかが間違ったときに、だれが国民の立場に立って弁護し是正をしてくれるのかということが、私は一つ大事なことだと思うんです。私は、自分では、税理士の本来の任務はそれなんだと実は思っておるんです。また、そのつもりで私は長年税理士業務に従事してきた。もちろん立場上非常に忙しいものですから、細かい税務事務は扱わないんです、たとえば確定申告を書くとか。 私は、そう言っちゃ何ですけれども、税理士さんのやっていられる仕事の中に、むしろ税務書士と言った方が——書士というのは行政書士とか司法書士のあの書士ですが、そう言った方が適切な仕事の部分もあるんじゃないかと。しかし、本当の税理士の仕事は、やっぱり間違われた場合に国民の立場でそれを是正させてあげますよと、間違わないようににらんであげますよという人がいなければならないと思うし、それが私は税理士本来の任務だと思いますが、これは大臣どうでしょう。
○政府委員(矢島錦一郎君) 大臣の御答弁の前に一言申し上げておきたいと思いますが、先生も御専門でいらっしゃるので余りくどくど申し上げるのもなんだと思いますが、私どもあくまでも申告納税制度ということでございますので、近づきやすい税務署、いわば納税者の御理解と御協力を得ながら税務行政を進めていくというつもりでやっております……
○塚田十一郎君 そんなことを聞いているんじゃない。限られた時間がなくなってしまうから私はいやなんですよ。
○政府委員(矢島錦一郎君) 先ほどお話がありましたように、法律を執行するという方向で、方法といたしまして私どもは適切にやっているつもりでございますが、納税者サイドにおきましても、異議申し立てとか、あるいは審査請求、訴訟といったような救済の手続もございますし、私どもといたしましてもあくまでも納税者の立場に立って、近づきやすい税務署ということでやっておるつもりでございます。
○塚田十一郎君 何の答弁にもなっていないじゃないですか。
○国務大臣(竹下登君) 私も専門家ではもちろんございません。が、大体シャウプさんのときの物の考え方からきますと、いわゆるタックスペイヤーがセルフアセスメントをするというときに当たりまして、そのセルフアセスメントというものに、日本の納税者全体が必ずしも私は慣熟していないと思うのであります。その限りにおいて、このまさに「納税義務者の信頼にこたえ」て、「納税義務の適正な実現を図ることを使命とする」というこの条文というのは、それなりに私にも理解ができるような感じがいたします。 ただ、恐らく徴税に当たりまして、大体このシャウプ勧告のときからいろいろ議論されたそうでございますけれども、徴税とかそういう言葉が、日本の場合は、タックスペイヤーとかセルフアセスメントというような言葉と非常に違った熟語が使われてきたというようなことから、行き過ぎとかいうようなものが私も絶対ないものであるとは思ってはおりません。
○塚田十一郎君 まあ苦しいようですので、これ以上はお尋ねしませんが、もちろん現行法三十六条に規定しておりますところの脱税相談、これをやっちゃいかぬとか、三十七条に規定している税理士は信用失墜行為をやっちゃいかぬとか、それからまた、四十五条二項に規定するような税理士業務を行うには相当な注意をしておかないといかぬよというような規定は、これはもちろんのことだと思うのです。しかし、私はいままでの税理士法のもとで三十数年間税理士業務をやらせてもらって、何のおとがめも受けることなく、それなりに依頼者に喜ばれて業務をやってまいったんですが、それではいかぬということになるのだと大変だと思います。 つまり、納税者の立場に立ってはいかぬ、中正な立場に立て、私はとてもそんなことできないと思います。私は、ですからして、自分の気持ちからすれば、この一条は、これは条文を修正しなさいというほどの気持ちも持っていませんけれども、むしろ私の気持ちすっきりと言うならば、四十六年の十二月に、これこそ日税連がお決めになった「税理士法改正に関する基本要綱」の方がより適切だと自分では思っています。 これには、第一条の使命の規定はこう書いてございますね。「税理士は、納税者の権利を擁護し、」とぱちんと書いてある。「法律に定められた納税義務の適正な実現をはかることを使命とする。」、この「納税者の権利を擁護し、」ということがひとつ私は大事じゃないかと自分じゃ思っています。二項には、「税理士は、前項の使命にもとづき、誠実にその職務を行ない、納税者の信頼にこたえるとともに、租税制度の改善に努力」しなさいと、こういうことなんです。しかし、まあこれは私の意見ですから。 しかし、大臣、このいまの税理士制度は、申すまでもなくシャウプ勧告が基礎になって出ておるんでして、あの当時の日本の税務行政の状態、ことにあの時分はまだ税務代理士と言っておったかと思うのですが、税務代理士というものをどのようにシャウプ使節団が認識したかというと、「納税者の代理としての税専門家というよりも、むしろ上手な取引者ができあがっている。ある場合においては、この「取引者」という語は「買収」収賄およびこれに類似するものを意味する婉曲な語句である。」と書いてある。非常に税務代理士というものはばかにされておる。これではいかぬということで、いまのような税理士法というものをつくって、いい税理士を、健全な税理士制度をつくれということになったと思うのです。 私は、実は昭和二十一年から国会に出ておりまして、御記憶のあられる方もあるかと思いますが、昭和二十三年から二十四年のころに、短期間ではありますが、大蔵政務次官を務めさせていただいておる。その因縁をもってずうっと長く衆議院の大蔵委員会に籍を置いており、シャウプ使節団が来ましたころも私はそういう立場におって、あの当時、あれは自由党でしたかな、自由党の税制調査会長を私はいたしておりました。したがって、当時のいきさつはかなりはっきりしているのですが、私はその中で、いまの二十六年にできた税理士法制定のときに、あの当時の主税局長の平田敬一郎君が委員会で御答弁になっておるあれがあるのです。 これが非常によく私の考える税理士制度を言いあらわしておられると思うので、参考にちょっと読んでみます。「将来におきましてはさらに一層発展しまして、税務代理士は軍に税務官庁の都合ばかり聞くというのではなくて、むしろ」、ここはぴしっと税務、官庁とは独立となっている。「むしろ納税者の正当な利益と権利を納税者にかわって擁護する、こういう機関といたしまして、どうしても将来大いに発展をはかる必要があるのではないかということを、強く考えておる次第でございます」と言っておられる。 また、別のところでは「同時に私は税理士の各位がほんとうにみずから勉強し、力を養われまして、税務署に対しまして、むしろ堂々たる態度で、正しい納税者の利益、権利を擁護するという意味におきまして、大いに活躍願う。むしろそれによりまして、税務行政自体が改善されて行くというところまで、活躍が期待されるような方向に行くのが理想ではないか。」と思うのであります。これが現在の税理士法が二十六年にできたときの政府当局の物の考え方だと思うんです。いつの間にか変わっちゃったような感じがするんですが、どうですか。これ、主税局長。
○政府委員(高橋元君) 現在の税理士法がシャウプ勧告に基づいてできておりまして、シャウプ勧告自体で言っておりますことは、ちょっとお時間をいただいて恐縮でございますが、もう一度繰り返させていただきますと 能率的な租税制度は、税務當局に對して納税者 を代理する資格のある専門家の存在を必要とす る。このような代理は、個人納税者に、その個 個の事件において、税務行政上の誤謬に對し必 要な保護を與えるものである。加えるに、この 専門家は、行政制度について見識のある批判を 加える能力があるから、このような制度は、行 政事務全般にわたる牽制として役立つのである 。その結果、行政能率を増進させ、決定を一層 公正ならしめるために、絶えず必要な刺戟が與 えられることになる。着々と納税者の代理者の 数が増し、その素質が向上するということは、 日本における税務行政の成功にとっては、極め て重要なことである。 これを受けまして、今回、御審議をいただいて若干改正を御提案いたしておりますが、現行の税理士法の第一条の条文というものができておるわけでございます。 こういう税理士法の中で「中正な立場において、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務を適正に実現し、納税に関する道義を高めるように努力しなければならない。」、せんじ詰めて申しますと、税理士さんが税の専門家として申告制納税制度のもとの納税者を助けて適正な納税義務の実現を図ると、法律的な条文で申しますとそういうことになるわけでございます。それによって、先ほども申し上げましたように、本来あるべき納税義務よりも高いもの、多いものでなくて、また少ないものでもないという形で適正な税の運営が図られるということは最も望ましいわけでございまして、昭和二十六年に当時の政府委員がお答えしました気持ちは、私どももいまも変わらずに持っております。 それは、納税者の権利を擁護するということは、いまも申し上げた適正な納税義務の実現の中に含まれるというふうに私は信じておりますし、今後ともそういう方向で税理士制度が発展していくことを期待しておる次第であります。 〔委員長退席、理事細川護煕君着席〕
○塚田十一郎君 それでこの条項、結論ですが、もう一度繰り返しますけれども、私はまさに税理士の仕事も適正な納税行政を実現するというところにあると思うんです。したがって、ことに納税申告制度ですからして、まず税理士は第一段に税法どおりの申告を納税義務者がするようにお手伝いをしなければならない。 と同時に、もしも、申告制度といっても、必ずしもみんな申告したものが正しくない場合があって、いろいろな形で徴税当局が是正をされますね。更正決定をされたり、あるいは査察でもって手入れをされたり、そういういろいろな徴税行政を実施された場合に、それが誤っている、行き過ぎているというときには、それを直させるという意味でも適正な納税行政を実現するという、私は両方の面があると思うんです。そして、国民の側から本当に税理士に望みたいのは、私はその後の部分。前の部分は、私はそう言っちゃ非常に失礼ですけれども、そんなものは税務書士というぐらいの人がおやりになってもいいという感じなのでございますが、もうこれは答弁は要りません、時間もありませんから。 次に、税理士試験制度でございます。これは私が過去の経過を見て、けったいなもんやなあという感じを実は持っているんですがね。これは法の常識に関する問題ですから、大臣、この特別試験制度というものは、御承知のように、これは昭和三十一年にできたものなんです。このときは五年間の時限立法だった。これはまあ私は、こういう時限立法というものは国会の経験で、必ず時期が来ると延ばしてくださいという運動が起こる。そうすると、やっぱりあちこちから頼まれると、ついまあいいじゃないかというようなことで少し延ばす。これは本当はよくないことなんですけれども、どうしても国会議員もそうなりがちなんです。これがそのとおりになっているんですよね。三十六年に五年の時限が来たときに、延ばしてもらいたいという運動が起こった。 このとき私は不覚だったと思うんですが、今度の改正案は数字できっちり切らずに「当分の間」とやっちゃった。これが一つの国会としてはミスでした。あるいは立案した人にしては、何か意図があってたくらんでいたのかもしれません。しかし、そんなことで国会が通るわけありませんから、「当分の間」というのは何年のことなんだと当然国会で問題になった。時の村山主税局長が、「当分の間」というのは三年を目途としますと、こう言われた。三年ぐらいなんですと。それで国会も一応まあ納得したのかだまされたのか、それで通したわけです。三十一年にできて三十六年で五年の期限が切れて、三十六年に改正して三年と言えば三十九年でこれは終わってなきゃならないんですよ。それが延々と今度まで続いてきているんです。私は、だから国会議員の立場で、これは完全になめられたな、はめられたなという感じを持つんです。 それで大臣にひとつ、これは、時限立法というものはその期限が来たらばやめるというのが原則のものだという私は考え方ですが、大臣どうですか。
○国務大臣(竹下登君) あらかじめ時限を確定してこれを時限立法と言い、「当分の間」というものの裏づけというものは、やはり従来は国会の責任者の答弁とかいうようなことが背景になっておるものではないかというふうに私は考えております。
○塚田十一郎君 こうして時限立法ができて、時限が来ても一向に打ち切りにせずに、しかもいよいよ最後になったらばさらに一層、少なくともこの特別試験制度ができた。特別試験制度というものを考えた立場、気持ちからすると、今度の制度はあれはむしろ非常に甘くしちゃったという形でしょう。きつくしたと言うわけにはいかない、幾ら見ても。だから私は、その意味で今度の制度はまず納得がいかない。国会をなめているという感じ。その上に今度の制度は、まあ研修はされるというのですけれども、研修というのは何時間かは講習を受けて勉強するということですよね。あとは試験ないんでしょう。これは無試験制度というべきものなんですよね。 だから、今度のこの税理士法改正に一番真剣に反対をしているのは、試験を受けて税理士になった連中ですよ。これはもう当然の人情でしょう。大臣ね、どうも大変大臣、大臣と申し上げて恐縮ですが、まああなたは大蔵大臣としてそれはやっぱり税務官僚時分の部下だからかわいい。定年退職した後、職があれば非常に結構だという意味では、特別今度の改正の、試験なしで研修だけ受けて、あとみんな税理士を開業したければよろしいよという制度、いいと思うんです。しかし、あなたも一人の政治家として、一人の国務大臣として国民の間にこんな差別待遇していいと思いますか。余りうちの実子はかわいがる、まま子はかわいがらないという感じになりませんかね。そこはどうですか。
○政府委員(高橋元君) 税理士さんの主たるお仕事はさまざまだと思いますけれども、税務折衝に当たって納税者を援助なさるということも重要な部分かと思います。先ほど来、そういう点についてお示しがあったわけでございます。また、現実に会計帳簿の作成、それから税務法規の適用等につきましては、やはり現実の税務に関する実務経験というものも相当程度有益であろうかと思うわけであります。学者の方々に伺いましても、学術試験によって受験せられて合格せられた税理士さん、それから実務的な素養の深い、しかも適格な人から出てこられた税理士さん、いろいろな方が多様に相まざっておりまして、そこで初めて税理士に対する納税者の方々の御期待、税理士さんの円滑な活動というのができるのじゃないかという御意見もあるようであります。 どこの国の税制でもと言うとまたおしかりいただくかもしれませんが、税務の実務経験というものを税理士または税務に関して納税者の代理をするような制度を持っております国におきましては、やはりそれはそういう資格を付与する場合に重要な要件として認められておるところだと思います。そういう税理士制度のあり方を前提といたします限り、実務経験によって税理士をつくっていくということも否定し去ることはできないのではないかというふうに考えます。 三十六年の経緯からしますと、「当分の間」というのは三年をもって打ち切るべきであっただろうということであります。そこで、税制調査会で税理士試験制度についていろいろ長い間御検討を願って、当時、三十九年法として御提案申し上げたのは、特別税理士試験制度に当たるものはやめてしまいますが、会計学について口頭試験をやるという案が出てまいりました。その案が不幸にして廃案となりましてから今回に至るまで、情勢の進展に対応していろいろ勉強してまいったわけでございますが、今回改正案をお出しする機会を得ましたので、今回特別税理士試験制度を経過的措置を設けて廃止をいたしますとともに、管理的地位の在職年数を付加し、また経験年数を伸長した高度の研修修了という要件を課して、あえて税理士さんとして恥ずかしくない資格を持った人を税理士に登用する道も開くという改正案を出しておるわけでございます。 決してこれによって現行法より甘くなっておるのではないかという御指摘のようなことにならないと思いますし、今後税理士審査会等でやります税理士の実質的な研修なり、そういうことについて、運用に遺漏なきを期してまいるということにいたしたいと思いますので、御理解をお願いをいたします。
○塚田十一郎君 質問より御答弁が長くて、質問しないことを述べ立てられて、それでも時間は刻刻と過ぎて、二時になると私は委員長から時間ですといって質疑を打ち切らされる。非常に困る。 私がいまお尋ねしたのは、ああいうぐあいに一方に一般試験を受ける人がおり、一方に特別試験、それが今度全然無試験になるというような制度が政府の、国の、大蔵大臣の扱いとして人間を、国民を差別扱いにしていることにならぬかといってお尋ねをしているんです。その点どうですか。
○政府委員(高橋元君) 法のもとの平等ということはございますけれども、その取り扱いに差異があってもそれに合理的な理由があれば、法のもとの平等に違反するということではないと思います。 先ほど長々と申し上げたわけでございますが、税務上の折衝を中心とする専門実務家としての業務ということから考えますと、実務経験を評価して税理士資格を付与するということは妥当な扱いであるという考え方を持っておりまして、それにつきまして、これは昨年でございますが、裁判になりました結果、裁判所の判決でもその点が認められておるというふうに承知いたしております。
○塚田十一郎君 やっぱり食い違っていてだめです。私は、いまの改正案のような形で出てこられる人たちが、税理士として能力ないと言っておるんではないのです。一方に、苦労して一生懸命にやった、しかも税理士試験というのはすごく合格率が少ないのですね。昨年なんか四万何人か受けて、合格した人が一・八%、百人に二人合格しないのです。一方、特別試験の方は、七八%も合格するのです。これは平等だとは私は言われないし、そもそも特別試験制度ができたとき、二十六年から一般試験制度ができておりました。しかし、なかなかそうたくさん一時にできないから、税理士の数が足りないから、そこで応急の措置として、能力があると認めてもいいだろうという形であの特別試験制度というものができた。 したがって、これが時限立法であった経緯からしても、どこまでもこれは暫定的な措置ですよ。少なくとも国会の本来の考え方は、やがて一般試験を受けた人がどんどん出てきて、こういう人たちはやめにするというのが、あの時限立法の制度だと私は思っておったんです。ずるずるになっちゃった。 まあしかし、それはそれでいいとしますが、ひとうついでに伺っておきますが、研修をしたということ、百何十時間もやられる、あと研修の結果をテストされるあれはあるのですか。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 研修につきましては、先ほどこの席でお答えいたしましたように、税理士審査会が具体的基準をこれから決定することになっておりますので、その試験あるいは時間数等につきましては、ただいま決定しておりません。
○塚田十一郎君 これは大変なことだ。私は少なくとも研修制度をあれして、これで能力がついているかどうかを判断しようという以上は、研修をした結果は、少なくとも研修が効果を上げているかどうかを最後の段階でテストをしてあれをするというくらいのことは決まってかからなければ、これは全然話にならぬでしょう。そんなことはこれは前提ですよ。もしも後でテストしないのだといえば、時間だけ研修会に出て居眠りしていたって通るということになっちゃいますよ。こんなことこそ当然のことじゃないか。これから考えて決めますなんという事柄でないでしょうが。どういうのです、それは。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 学識経験のある方三人にお願いをいたしまして、税理士審査会というのが法律上設けてございます。ただいま委員の御発言も確かにそういうお考えもあると思いますが、いずれにせよ法律上の問題といたしまして税理士審査会の方々に、ただいま御発言の趣旨も含めまして、十分に御検討いただくというふうにわれわれ執行に携わる者としては考えております。 それから、なおこの席でちょっと先ほど受験の合格の問題についてお伺いをいただきましたのですが、一・八%は、それは実は現在の税理士の一般試験につきましては科目別に合格が決まることになっておりますものですから、その数字は全体としてとりますと一一・六という数字を五十三年度で持っておりますので、念のために申し上げさしていただきたい、このように思っております。
○塚田十一郎君 一一・六と言ったって、その率に入る人がみんなすぐ資格をもらえるのじゃないでしょう。五科目全部合格して、あれするのはやっぱり一・八%でしょう。合格率は一・八なんですよ。 それじゃそれはその辺にしまして、一体現在、あらゆる制度を含めて、試験あるいは特別試験、一般試験あるいは試験なしで資格をもらえる人でどれくらい税理士さんおりますか。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 正確な数は追って申し上げますが、大体三万三千人と承知しております。
○塚田十一郎君 資格を持っておりながら登録もしていない、もちろんしたがって営業してないという人も相当あると聞いているが、そういう人を含めるとどれくらいになりますか。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 資格を持っている者を含めますと、大体三万三千の倍をちょっと超す数字と私はただいま記憶しております。
○塚田十一郎君 そこでお尋ねしますけれども、政府が今度のような研修だけでどんどんどんどんと税理士になる資格を与えるという制度をお考えになったときに、将来日本の税理士の数はどれくらいになって、そこで需給バランスが、税理士に仕事を頼みたいという人と税理士の数がバランスがとれるという見通しを持っておられるのか、そこのところ。
○政府委員(伊豫田敏雄君) やはり税というものも、だんだんいろいろ経済の動き、税務の内容の動き、あるいは国民の権利義務の問題も動いておりますので、したがって、将来どういう状況のもとにおいてどういうバランスということについて、ただいま直ちににわかに御答弁申し上げることはちょっと困難かと思います。
○塚田十一郎君 私も、困難だと言われればそうだなと思いますが、その見通しがつかずに長年あるいは国税で二十三年、地方税で二十八年勤めておった者は研修でぼんぼんぼんぼん資格を与えるということにしたときに、私は一番心配しているのは、税理士業界が過当競争になっちゃうと、そんなこと決していいことでない。そうなったら、それはもう依頼者のきげんを取って、そうでなければ得意先見つかりませんよ。しかも、現在で三万四千人とあるんですが、しかし潜在者を含めると七万七千人とあるんですが、この上に毎年毎年ぼんぼんぼんぼんと出てきて、その見通しをつけないでこの制度をつくるということは無責任ではありませんか。 私は、ことにこのことを公認会計士制度について考えるんです。あれはもうまさに大事な制度ですけれども、公認会計士制度ができて、いままで試験合格者ができて社会に公認会計士が誕生して、いま大部分の公認会計士は資格をもらったけれども職がないというんでしょう。職がないということが波及して、税理士の仕事でもやらしてもらおうかということになっているんです。だから、資格を与えるという制度を考えられるときには、将来のそういう仕事と職業人のバランスを考えないなんという制度は、これはおかしいですよ、むずかしいことであろうけれども。だから将来は、いまの現在すでに資格を持っておりながら職についていない人たちが職につくかもしれない。さらに新しく資格を持つ人が出てくる。それも一般試験の人も出てくる、特別試験の人も出てくる。これは非常にむずかしいでしょうけれども、やっぱりそういう制度を考えるときには、その見通しぐらいはつけておいてもらわぬと困っちゃう。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 確かに、ただいま国税庁は税理士の監督をつかさどっておりますと同時に、やはり税理士業界というものも考えていかなくてはならないということは、ただいま委員御発言のとおりだと思います。 ただ、税理士の試験と申しますものの本質は資格試験と、したがって税務相談なり代理なり、そういうものに十分にそういう求めに応じ得るそれだけの能力を持っている者、これを選別するのがただいまの税理士法の決められております試験の精神あるいは気持ちかと思います。 したがいまして、先生のおっしゃった、将来のことをどう考えておるかという、職にあぶれる税理士がふえるじゃないかということと直接には関係がない。しかし、業界の問題として、それはそれなりにわれわれとしては今後十分考えていかなくてはならない問題だともこのように考えております。
○塚田十一郎君 先ほど申し上げたように、一般試験が非常に厳しい、特別試験はその割りにしては合格率が非常に甘いと私は申し上げたんですが、一・八%。公認会計士だってそんなに厳しいあれにはなってないようなんですよね。公認会計士の方は、第三次のところを見ても一割三分ぐらい合格者がある。税理士がどうしてこんなに合格がむずかしいのかと思うんですが、これは私の邪推かもしれませんが、大蔵省の頭に、一方、国税の役人上がりの人がどんどん出てくるから、余り一般試験の連中をふやすと税務行政上めんどうになるから、こっちはなるべくきつくしてしぼってやろうという気がありませんかな。
○政府委員(伊豫田敏雄君) それは全くございません。
○塚田十一郎君 予想したとおりの答弁で安心しました。税理士の諸君もその点安心してください。しかし、私は本当は若干疑ってはおるんですがね。 それで、余りこの問題ばかりやっていると後の問題の時間がなくなりますから、最後に、これは私が自分で見つけてきたんではない、反対陳情の中に書いてあった、おもしろいものがあります。昭和三十九年、調べたけれども何日のあれかわからない。朝日新聞の「天声人語」、税務職員の認定制度の導入についてという記事がある。おもしろいからお聞かせしましょう。「税についての経験を活用し、税理士不足を補う妙案のように見えるが、この改正案は先が思いやられるというものだ」と書いてある。「先が思いやられる」、三十九年に先が思いやられると考えておった人がおるんですね。「もと税務職員である点を利用して、税務署に顔をきかし、税金の査定に手心を加えさせて、そのかわり、多額のリベートをとる税理士がふえる結果になりはせぬか」中略「やがて税理士を開業するのだからと、税務職員の中で、在職中からアミを張っておく傾向が盛んになる心配もある。税理士というのは、納税者の利益を擁護する立場に在るべきものだが」、ここもたまたま私と同じ考え方のようですが、「政府は税理士を徴税の補助機関と考えているのではあるまいか。」と書いてあるんです。 今度のこの政府の改正案、これでは税理士は国税当局の出先機関になっちまうと言って心配している人はたくさんいるんです。私は、まさかそんな気を持って改正案をお出しになったとは思ってない。しかし、やり方によってはそういう心配が現実に起きる心配のある改正です、今度は。あっちもこっちも規制する法律ばかりこしらえて手足を縛って、そうして思うままに任せようという感じになっているから。ところが、そういうことを全然素人の人が三十九年にもう予測しておったんです。大臣、こういう心配ありますが、御所見をひとつ。
○国務大臣(竹下登君) 私は、自分の在職中に将来の、病院に勤めているお医者さんが、開業したときの患者を確保しておこうとか、そういうような性格のものにならないような心構えというのは、私は税務職員そのものには絶えず必要なことじゃないかと思います。 したがって、先ほど先生のお話を聞いておりまして、いまの質問とはいささか離れますが、医師が全国平均何ぼ必要であるとか、税理士もそういう点においての考え方も運営の中においてはあるべきである。試験そのものはその問題とは別といたしましても、これはこれだけに、いわゆるタックスペイヤーの方で繁雑ないろいろな手続を要するようなことになれば、その需給関係というのは私は将来にわたっては余り心配することのないような問題ではなかろうか。これは私の個人的見解にすぎません。そして、いまおっしゃいましたような形で、移動もあることでございますし、そう開業する前に病院勤めをしながら患者層を集めていこうというような傾向には私はなかなかなりにくいのじゃないかなと、こういう感じがいたしております。まさに個人的見解でありますことは、御容赦をいただきたいと思います。
○塚田十一郎君 ぜひそうあってほしいと思いますが、私が知る限りの狭い知識の間でも、税務署をやめられて税理士になられた方々はわりに楽にお得意先を開発していられる。その意味におきましては、税理士試験、一般試験を受けた人は、試験に合格しても、食っていけるだけのお得意を集めるのになかなか大変なのです。たまたま私のせがれが、おやじと同じように税理士でございます。一般試験を受けた税理士でございます。これは三十七年ごろ合格をしているのですが、やっと近年、おやじ、税理士で食っていけるぐらいになったよということだと思うのです。 それだけに私は、今度問題になってから、試験を受けて合格された税理士諸君、さらにいま試験を受けているがまだみんな通らない、税受連というグループだそうですが、が来られて、陳情をいろいろ聞いて、この人たちの将来は苦難の道、イバラの道だなあと私は本当に同情している。まず試験、その試験は一・八%ぐらいの厳しさ、それに通っても仕事を見つけるのは大変です。この辺は、私は税理士をどういうぐあいに養成するかという制度を国としておつくりになる、お決めになるときに、もうちょっと温かい配慮が全体に対して加えられておかなければならぬと思うのです。私の率直な気持ちを申しますならば、特別試験の制度つまり税務官吏上がりの人はある年限でもう打ち切るべきです。そうして、やがて一般試験の制度を、一般試験でできてこられる税理士を本当に税理士になる正常コースとして養成していくというのが正しいあり方だと私は思っています。ところが、残念ながら、この改正案の制度は私の気持ちからは少なくとも逆行しちゃっている。これは私の意見です。 次の問題に入っていきます。 登録入会制でございますが、私は登録即入会という制度そのものには別に異論はないと思っております。ただ、これに付随して、通知公認会計士制度を原則として廃止することになぜされたのだろうかな、こういう疑問を持っておるのです。何か政府側の答弁を聞いておりますと、税理士業務をおやりになりたければ税理士に登録をされて、登録すれば税理士会に入らなければならないから登録されればいいじゃないですかと事もなげにおっしゃる。しかし、公認会計士制度というものは国が必要があってつくって、あのむずかしい試験をパスして与えた資格です。ところが、その人たちが、なってみたけれどもまだ十分制度が国民の間に習熟しないから仕事が十分ないのです。だから、仕方ない、税理士の資格もあるから税理士の仕事でもしようかということなのです。 私は、公認会計士が公認会計士でなければできない仕事が十分あれば、何を好んで税理士の仕事にまで手を出してこられるかと思う。もしそうであるとするならば、公認会計士さんは公認会計士という資格のままで、資格能力を持っていられるのですから、税理士業務に携わられるということは何にも差し支えないじゃないですか。どうして、税理士業務をやりたかったら税理士会に入りなさいと。ことに、現行制度は、ある意味においては公認会計士の人にとって既得権でしょう。しかも、法律には当分の間なんて書いてないのです。何でいまごろこれをとってしまって、税理士業務をしたければ税理士の届け出をして税理士会に入りなさいと言わなければならぬのか。 あなた方は簡単にそう言われるけれども、私は実は弁護士で税理士なのです。しかし私は、いまの税理士は、別に弁護士が通知でやっているわけではない。私はもともと計理士上がりですから、その意味で税理士資格を持っている。私は税理士の会にも入っております。しかし、税理士会からも会費をどっさり取られる、弁護士会からは会費を取られる。考えてごらんなさいよ、たまらぬのです。同じことを今度通知公認会計士、いまの制度をやめられて、税理士業務をやらなければならぬとすればみんな税理士会へ入らなければならない。税理士会でまた会費を取られる。そうかといって公認会計士の協会へ入らぬわけにはいかない。いままで与えてあったのだから、何でそれをそのままにしておいてやれないのですか。その辺をちょっと聞かしてください。
○政府委員(高橋元君) 今回税理士法を御提案申し上げております改正案の趣旨は、税理士さんの社会的責任を明らかにすることによって同時に納税の公正を期していきたいということにあるわけであります。四十九条の第六項でございますが、税理士会の任務として定められております事柄は、御案内のとおり税理士の仕事の特質から考えまして、税理士業務の改善進歩を図るという組織として税理士会が置かれておるわけでございますから、したがいまして、公認会計士さんが税理士の仕事をおやりになるという場合でも、やはり税理士会というものを通じて全体としてその業務についての指導監督というものをお受けになるのが筋道ではないかというのが、今回の考え方であります。三十一年法によりまして、ごくまれに税理士の仕事を行う公認会計士さんというものについて認められておりました現行法の五十一条の二の規定を削除いたす趣旨というのは、いま申し上げたとおりであります。 なお、経過的に三年間は通知公認会計士の制度を存置いたしますとか、それから大蔵省令で定める小規模な業務を営んでおられる公認会計士の方は、国税局長の許可を受けて公認会計士の資格で税理士業務が行えるという経過措置を講ずるとかいう考慮は、別途この法案の中で講じまして御提案申し上げている次第であります。
○塚田十一郎君 私は、だから通知公認会計士制度を廃止する法律も巧妙なごまかしと言ってはちょっと当たらぬですかね、たらかしか。だから、やっぱりいままでやっていたものを取り上げることには若干の後ろめたさを感じていられるのですよね。これはある意味においては既得権侵害です、法律で与えられているのをたとえ法律を直すにしたって。だから、悪いから当分の間、三年間、しかも範囲を限ってやらせるよと。一種のなだめるためのあれですよ。こんなのは頭の働いている人はまともに受けない、すぐ裏を読むから。 だから私のお尋ねしているのは、なぜ税理士業務をやりたければ税理士登録をして税理士会に入りなさいと言わなければならぬのか、これは多少国税庁なり、それから大蔵省の主税当局が税理士を監督される上にはあっちにもこっちにも別な会があって不都合かもしれない。しかし、それが公認会計士のためになるならば甘んじて多少のめんどうさは引き受けられると、そうしてめんどうを見られるというのが、私は行政の正しいあり方だと思います。おれたちが監督指導するのにぐあい悪いからみんな税理士業務をやるやつは税理士会に行つちまえ、これが一番悪いいままでの官僚というものの考え方です。しかし、もう時間がないしこれ以上これを申し上げません。 問題は、助言義務であります。この助言義務は、さっき枝葉の点は少し午前に政府委員に聞きましたが、大臣、この四十一条三の助言義務、ひとつとっくり考えてください。これが一番反対の多い条項です。反対の多いということは、ある団体がアンケートをとってくれました。そうしましたところが、助言義務を削除してほしいというあれが二千七百四十八通のうち二千三百四十五通、つまり、八二・七%が助言義務をやめてほしいというあれをしているというアンケートでした。私も、このたびの改正案で一番いやなのはこの規定だと実は思っている。ちょっと読んでみますが、税理士は、税理士業務を行うに当たって、委嘱者が不正に税を免れている事実、不正に還付を受けている事実または課税標準等の計算並びに計算基礎となるべき事実を隠蔽または仮装している事実があることを知ったときは、直ちにその是正をするよう助言しなければならないということになっております。 最初に政府委員に聞きますが、この規定はこういう事実がその相手方の故意でやっている場合を考えておられるのか、不正にと書いてあるから恐らくそうだと思うんですが、知らずにやっている場合も入るのか、どうなんですか。
○政府委員(高橋元君) 不正とは故意がある場合と解するというのが、私どもの考えであります。
○塚田十一郎君 この規定は、私は内容はきわめて社会人として当然のことでありますので、あえて反対はしないんですが、これが税理士がその業務を行う場合義務として法制化される、しかも、これに違反する場合には懲戒になるということでありますと、長年税理士業務を営んできた者といたしましては、全く今後どうしたらいいだろうかと言って当惑しちゃう。私どもが納税者から仕事の依頼を受けます場合は、それによって報酬をもらっておるんですから、私のように気の小さい者は、なかなか仕事の依頼を受けた先に行って、あなた、ここのところ脱税になっておりますよとは私はちょっと言いかねるという心境です。 私の考え方が幼稚で余りよくないのかもしれません。そういう税理士もいるからこの法律が必要なんだと言われる方もまたあるかもしれませんが、私の率直な気持ちはそうです。もちろん依頼者が気づいていないのであれば問題はございませんけれども、いまおっしゃるように、わかってやっておるということになりますと、依頼者の本当の気持ちは——これはいいとか悪いとかは別ですよ。本当の気持ちは、税理士さんにも見つからない、国税庁の、税務署の係官にも見つからない、うまくこれでいけばいいがなと思っているんです。そこへ、あなたここ間違っているんですよと言ったらば、私は十のうち八つぐらいまではよけいなおせっかいですよと、そんなことはわかっているんですよと、そんなくらいならあなたにもう頼みません、やめてくださいと言われるんじゃないか、そうなると私、飯の食い上げですからねっ さらに今度、わかって注意をしても相手が聞かなかった。なに、そんなこと言ったって税務署はごまかせますよというようなことで聞かなかったとしたら、それを今度私が承知でやっていけば三十六条の違反になりますから、これは政府委員もそのとおり御答弁になっていますが、やめなけりゃならない。これも飯の食い上げになる。困るんです、これは。いままでこんな規定がなくて、別に悪いこともせずに全国三万四千の税理士が平穏無事にやってきているのに、どうしてこんな規定を新しくお置きにならなければならぬのか。 午前に聞きました外国に例がある。なるほどアメリカに似た例あるけれども、私はどう読んでも日本の場合と大変違う。あれはむしろ気づいていない場合に注意してやりなさい、むしろ同じような助言義務はありますが、西独の税理士法では逆に税理士が力の限り、知恵の限りを尽くして自分の依頼者に注意しなさい、自分の力が足りなかったり、不注意でもってその依頼者に損害を与えたら損害賠償しなさいというのが西独の税理士法の助言義務でしょう、日本のと全然違うのですよ。 そこで、私はそんなことになるかなあと、しかし福田審議官は御答弁でそうおっしゃっているから、ひとつこの点は審議官に、この制度を実施すると税理士の社会的地位が上がると、それから、この制度を実施すると脱税の九〇%ぐらいが直ると、こういうようにたびたびのところで御答弁になっているのですが、私は全然そういう感じはしませんね。これでもって税理士の社会的地位が上がるなんて全然思わないし、一〇%も直るかなあという私は感じですね。実際、社会というのはそんな甘ちょろいものではないんですね。この点はどうですか、審議官。
○政府委員(福田幸弘君) 受け取り方の相違というような問題でございますので、失礼になるかと思いますが、社会的にはやはり委嘱者と税理士の間ではきちっとした関係でやっておられるということは、やはり社会的地位の向上ということであろうと思います。 それから九〇%と申し上げましたのは、注意をすればそこで良識のある納税者であればお直しになるというふうに、国民全体の良識を期待したいという意味でございます。
○塚田十一郎君 まあ、それは判断の、考え方の違いですから結構ですけれどもね。 そこで、実際問題としてどういうぐあいにそれでは今後やったらいいんだろうかなと私は実は非常に心配しておるのです。たとえば、ある事件をある依頼者から受けた、行ったらたまたま脱税の事実が見つかった。私どもに事件を頼みにくる人には、私は大体そういうものがあると思うのです。そこでこっそりと、あなたここ脱税になっているんですよと言えばそれでいいのか。 しかし、ただ言った、相対で言ったと。後になって本人が聞かなかった、税務署の手が入って脱税が見つかった。この点を塚田税理士に前に頼んだことがあるが、塚田税理士は注意しませんでしたか、恐らく聞かれた人は、注意されて直さなかったと言われれば困るから、いやそんな注意は受けませんでしたと言う心配が大分ありますね。証拠をこしらえておかなきゃならない、証拠をこしらえておかなければ私が助言義務違反をしてないという立証ができない。そこで、証拠をこしらえる方法としては、内容証明でもぶつけるかということですね。あるいは新しい制度によりますと、税理士が依頼を受けた事項は詳細に帳面につけておけという規定がありますね。あそこへやっぱり、そういう助言をしましたよというようなことを書く必要がありましょうか。その点、ちょっと。
○政府委員(高橋元君) 四十一条の三で御審議いただいていますように、仮装または隠蔽の事実があることを知ったときは、直ちに是正するように助言をなさるわけであります。これはいまお話しのように、相対で依頼者にお話しになっても結構だと思います。 それをどうやって立証するかというお話でございますが、この立証は後日のことになる場合が多いと思います。この立証は税務当局側にあるというふうに私どもは考えております。 第三に、今回の帳簿でございますが、「委嘱者別に、かつ、一件ごとに、税務代理、税務書類の作成又は税務相談の内容及びそのてん末」を記載せよという四十一条の改正案を示しておりますが、たとえば税務相談の段階であれば、税務相談の内容及びてんまつとして四十一条の三の助言義務をおやりになったということをお書きになる必要は必ずしもないと思いますが、その点は日税連の会則によって具体的に決まるというふうに考えます。
○塚田十一郎君 それでは少し安心しましたが、助言義務を履行したかしないかの立証は政府側にある、税務当局側にある。しかし、相手に聞いても、そんなもの助言を受けませんでしたと言ったらば、それがやっぱり立証になっちゃうでしょう。相手に言っただけでは、そんなもの取り上げませんか、私の方が、いや助言しましたんですと言っていけばそれでいいですか。
○政府委員(高橋元君) 前回もお答えしたことでございますが、四十一条の三という規定は、税理士の社会的責任を明らかにする倫理に発していわば倫理に終わる規定であろうと思います。税理士に対する処分自体を目的とするということではございませんので、懲戒事案の取り扱いについては税理士さん、依頼者双方の地位を不当に損なうことのないように慎重にやっていくべきであるという、これは衆議院の段階での御決議であり、私どももさような運用をしたいと思います。
○塚田十一郎君 そこで、衆議院の審議の段階でも、また本委員会の審議におきましても、政府側の答弁は、この規定は倫理規定だと、訓示規定だと、また、ところによっては福田審議官は、まああってもなくともいいようなものですがという感じの答弁もなさっている。そんな感じの規定ならば、何もこうして入れて三万四千の税理士を苦労させることはないじゃないですか。本当に税理士の社会的地位を上げたければ、いいことを申し上げます。特別試験、無試験制度を全部おやめになったらいい、うんと厳しい試験、これが本当に税理士の社会的地位を上げる方法です。昔、計理士という制度がありましたね。私もやっておったけれども、社会的地位の少ないものでした。低いものでした。公認会計士制度ができて、うんと社会的地位が上がった。もう時間がなくなっちゃったな。 一番大事な一局複数会制、これは自民党小委員会が立案中に、私も幾たびか出て、一応私の気持ちを入れていただいたので感謝をしている点です。 ただ私は、この政府の改正案を見まして、これではせっかく法律をつくっていただいたけれども、恐らく会が新しく独立して別なものができるのはむずかしいんじゃないかなという感じを私は持つわけです。なぜかと言うと、今度のこの改正案によりますと、ある単位会の会員数が多くなったから、これを割ってくださいということにイニシアチブをとって言い出すのは税理士会でしょう。税理士会が言い出さなければ、政府は自分から積極的に立つということにはなってないんです。 ところが、これは東京弁護士会が第一、東京弁護士会に分離していくときの経過からしましても、それから今度この制度が出て私は東京税理士会所属の者ですが、東京税理士会の考え方も割ること反対なんです。反対の陳情が私のところへ来ている。そうすると、せっかく法律をつくっていただいても、これは実現できなくなっちゃうんですよね。しつこくがんばれば、いつかはできるかもしれません。しかし、もう東京会なんか、会員数一万名にもなっているんですからね。いままでこれを幾つかに分けるという配慮をしてくださらなかったのは、むしろ私は政府側の怠慢だと思うんです。ところが、やっと出てきた法律も、これはなかなかすぐにはできそうもない。 そこで私は、この条項に関連してこれは私のお願いですが、聞き入れていただけるかどうか、少なくともたとえば東京会ならば東京会約一万名ある中から、千人ぐらいの人が心を合わせて新しい会をつくりとうございますなんと言って行ったらば、それをひとつ政府が受けて立ってもらえないか。したがって、分け方は地域割りはやめてもらえないか。どうでしょう。
○政府委員(高橋元君) 税理士さんのお仕事も非常に重要でございますが、せんじ詰めますと、それは納税者の御便宜ということにあろうと思います。一つの税務署の区域の中に税理士会の支部がたくさんできるということについての税理士制度なり、税務の運営上の問題も非常に大きいのではないかというふうに考えます。 今回、地域主義によって分割をするという御提案をいたしておりますのは、もっぱらその点が一番大きな理由でございまして、一税務署の管内の支部の数が税理士会の数に応じてふえてくるということでは、納税者の方の不便ももちろんでありますし、税務行政上の問題もございましょうし、品位保持なり使用人その他従業員に対する監督なり、報酬の最高限度なり、それから定額で行う税理士業務に関する会費の規定なり等々について、自主的に税理士会が税理士の監督をなさるそのお立場というものも非常にむずかしくなろうかというふうに考えます。
○塚田十一郎君 時間ですので終わります。
○片岡勝治君 それでは、税理士法につきまして若干の質問をしたいと思います。 まず初めに、今日わが国の税制の上で納税方式が、税を納める方式といいますか、制度といいますか、これが申告方式と賦課方式があるわけであります。これが現在どのような税目、その分布ですね。それから税額、税の総額の中で、これはまあこういう計算をしたことは恐らくないと思いますけれども、申告によって国に納められる税額、賦課方式によって納められる税額、これが大体これは目検討で結構でありますけれども、どういう割合になっているか。
○政府委員(高橋元君) 納税義務の成立ということを考えます際に、成立と同時に、何らの手続も要しないで納付すべき税額が決まる、そういう税目が実はあるわけであります。それを税目で例示的に申し上げますと、源泉所得税がそうであります。それから有価証券の取引税、通行税、自動車重量税、印紙収入、これらは確定手続を要せず租税義務が決まるという意味で、その総額が五十五年度の予算で申しますと九兆四千四百三十億円、全体の税収の約三六%に当たっております。 それを除きますと税額の確定手続は、仰せのように申告納税方式と賦課課税方式になろうかと思います。で、除きました六四%全体で十六兆九千六百八十億という税額になるわけでございますが、その九九・九%は申告納税方式でございます。申告所得税、法人税、相続税、酒税、砂糖消費税、揮発油税、石油ガス税、航空機燃料税、石油税、物品税、トランプ類税、入場税、関税、とん税、これらがすべて申告納税方式をとっております。 それから、賦課課税方式と申しますと、これは例外でございまして取引所税というのが一つございますけれども、そのほかは免税条件違反で消費税を納める場合、それから携帯輸入品に、たとえば税関で四本以上酒を持ち込みますと酒税をいただいております。そういう消費税、各種の加算税、それは自主申告に期待するを要しないというものが賦課課税として残っておるというふうに、御承知いただきたいと思います。
○片岡勝治君 そういたしますと、いまの御説明によれば、ほとんどの税収は、税額は申告納税方式で納められる、こういうふうに理解してよろしいわけですね。そういたしますと、税理士さんの仕事というのは当然納税者の申告納税、それに直接、間接かかわる、ずばり言えば税理士の仕事は申告納税にかかる仕事だと、こういうふうに受けとめていいわけですね。
○政府委員(高橋元君) いまも御説明申し上げましたように、税目のほとんどが源泉等の三五%を除きますと申告納税方式でございます。したがいまして、仰せのありましたように、税理士業務のほとんどが申告納税にかかるというふうに考えます。
○片岡勝治君 ここでもう一度その基本的な考え方についてお尋ねをいたしますけれども、賦課方式、つまり税務署あるいは税務当局が一方的と言うとちょっと語弊があるかもしれませんけれども、その権限によって納税者に対して税額を決定して、これこれを納めなさい、そういう方式が賦課方式ということになるわけですね。この賦課方式と申告方式、日本ではどういう変遷をしてきたか。つまり、戦前、戦後を通じて賦課方式、この申告方式、これがどういうふうに適用されてきたのか。これもごく一般的な答弁で結構でございますが、お答えをいただきたいと思います。
○政府委員(高橋元君) 戦前と申しますか、明治、大正以来の長い期間を通じまして、これはもうほとんど賦課方式だったということです。例外をなしておりましたものは公社債の利子に対する所得税、通行税、印紙税、これらのものを別といたしますと、主要な国税はほとんど賦課課税であったのでございます。 申告納税方式というのが導入されましたのは、昭和二十年の春の税制改正が最初であったかと思います。資本金五百万円以上の法人と特殊な法人について、その納めるべき法人税と臨時利得税について申告納税方式を導入いたしました。昭和二十一年に財産税と健保税を徴収することになりました際に、それらについて申告納税方式を適用し、昭和二十二年に所得、法人、相続という三つの大きな税金に申告納税方式を導入し、三十七年の間接税の大改正で間接税のほとんど大部分に申告納税方式を適用し、四十一年に関税、これは犯則はございますが、犯則を除きます関税、これについて申告納税方式を導入いたしたというのが、その間の簡単な経過でございます。
○片岡勝治君 つまりかつては、かつてと言っても戦前の納税方式は、ほとんどが申告ではなくて賦課方式、つまり税務当局の決定に基づく、それに納税者が応じて納税をすると、こういうことになっていると思うのであります。 こういった税制あるいは納税方式の見方について、いろいろ学説等があると思うわけでありますけれども、昭和四十三年、税理士会がみずからわが国の税理士制度はいかにあるべきか、こういうことを研究されて答申という意見を発表されておりますが、その中にはこういうふうに記載をされております。 ところで、戦後、日本国憲法を制定、施行した わが国は、政治、経済および社会の各分野にお いて、急速な民主主義的改革を進展するに至っ た。租税の分野もその例外ではなく、国家権力 を象徴した賦課課税方式は、民主的な申告納税 方式によっておき換えられた。 このことは、民主主義を指導原理とし、国民 主権を政治の基調とする新憲法の理念にかえり みれば当然の推移とはいえ、わが国税制史上特 筆すべきことであると考えられる。 こういうふうに賦課課税方式、そして戦後とられた申告方式というものについて、一定の見解を表明されておるわけであります。 私も、原則的にこういった評価といいますか、ものに同意できるわけでありますが、この見解についてどういうふうにお考えになりますか。こういう見方について、確かにそういうことが言える、そういう見解について同意できる、こういうことになるのか、そうでないのか。これからの質問のいわば土台になる内容でありますので、この際、その見解を表明していただきたいと思います。
○政府委員(高橋元君) 先ほど来お答えを申し上げておりますいまの税理士法制度の基礎になっておりますシャウプ勧告でございますが、ここでは申告納税ということに対してこういう定義をいたしております。「納税者の所得を算定するに必要な資料が内発的に提出されることを申告納税という。」それで、「所得税、および法人税の執行面の成功は全く納税者の自発的協力にかかっている。納税者は、自分の課税されるべき事情、また自分の所得額を最もよく知っている。」これの、こういう納税者の方々の自発的な御協力があるか、ないかが、それらの税の執行面の成功がそれによっている一点でありますということであります。 納税者は、自分の課税されるべき事情とか、自分の所得額を一番よく御存じなわけでございますから、「税務行政が成功することを望むならば、このような納税者の大多数が自発的にその仕事の正当な分前を担当しなければならない。」ということで、シャウプ勧告では申告納税制度を国税の基礎に据えたわけであります。 もちろん、税制というのはお国柄がございまして、ヨーロッパでは民主的な国でありましても、フランスの法人税の場合を除きますと、いまでも賦課課税方式をとっておりますが、そういう点を別にいたしますと、日本の戦後の税制の申告納税制度を基礎に据えましたということは、民主国家における課税方式としてふさわしいものであるというふうに私どもは評価いたしますし、適正、公平な課税を実現するためには、課税の前提となる事実を最もよく知っておられる納税者の協力が不可欠であるというふうに考えまして、先ほどもお答えいたしましたように、国税に全面的に申告納税方式を導入してまいったという次第でございます。
○片岡勝治君 シャウプの考え方を私は聞いたんじゃなくて、いま税理士会がいわば戦前、戦後の納税方式を振り返ってみて、その変遷を見て一定の見解を出した。その見解についてあなた方はどういうふうにお感じになりますかと、こういう質問なんで、シャウプの意見は私もここに本がありますから、よく読みました。シャウプさんに対する質問じゃないんで、大蔵省の考え方はどうか、こういうことであります。
○政府委員(高橋元君) 申告納税制度が民主国家における課税方式としてふさわしいという考え方を持っておりますし、賦課課税方式から戦後、申告納税制度に移ってまいったということには、そういう意味で税制として大きな発展であったという考え方を持っております。
○片岡勝治君 そのとおりだろうと思いまして、単に便宜主義で自発的に申告をした方がよけい税を捕捉するにいいと、私は単純にそういうものではなかろうと思うんです。もしそういう便宜主義であるとするならば、戦前も申告方式を当然とったはずだろうと思いますね。その方が税の捕捉に便宜的だと、国民が協力してくれる、こういうことだろうと思いますけれども、これは戦前はそういう方式をとらない賦課方式であったということは、つまり賦課方式なりの一つの意味があると、つまり税理士会が指摘するように、一つの支配の論理として、あるいは権力に服従するそういう証拠としてこういう方式がとられた。これに対して抵抗すれば、それは非国民になるんだと。これが戦前の税制であり、納税方式だったと思うわけであります。 戦後、そういう一つの権力的な納税方式というものに反省が加えられることは当然でありまして、特に新しい憲法ができまして、主権者は国民である。その国民がつくった法律、その法律に基づいて税を納める。そういう主権者の一つの法律行為でありますから、主権者が自発的に、自主的にみずから税額を決めると、そしてそれを納める。こういう一つの憲法意識というものが、この申告納税方式の源泉だろうと思いますね。つまり、そういう認識で私たちは、主権者たる国民は、この申告納税方式を意識して納税に協力というか、みずから率先して税額を決めて納税している。こういうふうに私は理解をするのが、正しい戦後の憲法に基づく、あるいはその憲法に基づく税制だろうと思うんですが、そういうふうに理解すべきではないんでしょうか。
○政府委員(高橋元君) 租税法律主義ということは民主的な国家の基礎でありましょうし、同意なければ課税なしと申しますか、代表なければ課税なしということが税制の基本であるということは、私どもかねがねそう思って、日夜そういう考え方でいろいろ税制の問題を考えてきておるわけであります。 そういう意味で、いま片岡委員からお話がありました申告納税制度、それは主権者たる国民の自己賦課であると、そういうことに基づく税制が国の税制の基本であるべきであるという御指摘は、そのとおりであるというふうに存じます。
○片岡勝治君 まず、そういうことをお互いに確認をし合ってこれからの質問を続けたいと思いますが、今度は具体的にお伺いいたします。 つまり、申告納税方式というのは国税通則法にはっきりいたしておりまして、「納付すべき税額が納税者のする申告により確定することを原則とし、」と、こういうことになっておりますね。これを事務的に申し上げますならば、納税者がことしのおれの税金は幾らになるか、まず自分で計算をする。その計算に基づいて税額が出てくる、それを申告書に記載をする、その申告書を税務署に提出する。その提出した瞬間税額が決定をする、こういうシステムになっておりますね。 もっとずばり言えば、納税者が申告書を、私もこの間出してまいりましたが、はい御苦労さんと受け取った瞬間、私の提出したこの申告書に記載された税額がぴたりそれで決まると、確定する、これが申告納税方式のいわばごく具体的に事務的に申し上げた内容でございますが、そういうことでよろしいわけですね。
○政府委員(高橋元君) 「納付すべき税額が納税者のする申告により確定することを原則とし、」ということでございますから、いまお示しの点はまさに原則としてそうであろうと思います。ただ……
○片岡勝治君 いや、いいんですよ、そこまででいい。そのあと質問しますから。 つまり、私が自分で計算をして、ことしの税金は、幾らいままで源泉で取られているから、まあこれだけ納めればいいということを記載して申告書を出しました。はい御苦労さんでしたと言って収受印ですね、受理印じゃなくて、収受、ぽんと押して、控えに押してくれたわけであります。つまり、申告納税方式というのは、そういうふうに納税者がみずから税額を確定する。 申告書を出して、その申告書に基づいて税務署が調査をしたり審査をしたり、あるいは税務署長が承認をしたり認可したり、そういう作業は一切ないわけですね。なくて、税務署にその申告書が届いた、税務署員がその申告書を受け取った、その瞬間ぴたり税額が確定される、こういうことになるわけでありますから、まさしくこれは納税者がみずから自分の税額を決定する、こういうシステムになるわけですね、ずばり言えば。こういうふうに理解してよろしゅうございますね。
○政府委員(高橋元君) いまもお答えしておりましたように、それを「原則とし、」でございます。まさにそれは原則でございますが、通則法の十六条一項の一号の定義によりますと、その後に文章がついておりまして、 その申告がない場合又はその申告に係る税額 の計算が国税に関する法律の規定に従っていな かつた場合その他当該税額が税務署長又は税関 長の調査したところと異なる場合に限り、税務 署長又は税関長の処分により確定する方式をい う。 というふうになっております。 したがいまして、原則はまさに仰せのとおりでありますが、申告があって納付すべき税額が一応確定している場合でも、申告税額が各税法の規定に従っていなかった場合、調査したところと異なるときは、税務署長、税関長の更正処分によって税額が確定いたすということに相なります。これは例外であります。
○片岡勝治君 私は、例外のことを聞いているんじゃなくて、原則、あなたは私のことを信用してないから、片岡は出したんだから、出さなかった場合ということには適用しないわけですけれども、そういう前提で見れば、その申告書について間違い、あるいは何とかということがありますけれども、原則は、税務署に出した場合にはその申告書を審査あるいは調査あるいは税務署長の、税務署の認可とか承認とかそういうものなしに確定するんですよ。これが納税申告のシステムなんですよね。 その原則の中に、納税者はみんな間違っているというような先入観がもしあるとすれば、あなたの言うようなすぐ答弁が出てくると思うんですけれども、私は原則ということは、適法に私自身が、納税者自身が計算をし、みずから申告をするわけですから、絶えずその申告の裏にはごまかしがあるという、そういう先入観で見ることは私は間違いだろうと思いますよ。これはよけいなことでありますけれども。 そういたしますと、つまりなぜそういうことをくどく申し上げますかと言えば、そうすれば、税理士さんの仕事は何かということがここでもはっきりしてくるわけですね。税理士さんの仕事はどういう仕事かと言えば、つまり税そのものは大部分が納税申告方式だということはいま答弁があった。納税申告方式というのは何かと言えば、主権者である国民がみずから自分の税額を決定していく、これが基本なんです。 みずから自分の納めるべき税金を確定していく、これが申告方式の納税者の具体的な一つの権能になっているわけでありますから、税理士さんの仕事というのは、この納税者のみずから決定していく、みずから確定する税額、そういうものに対して援助をしていく。計算がむずかしければお手伝いいたしましょう、申告書を書くのがむずかしければかわりに書いてあげましょう、そういうことを、つまり納税者の権利を行使していく、そういうものをお手伝いするのが税理士さんの仕事だということが論理的に出てきますね、論理的に。税務署のお手伝いをするということではない、こういうことになりますね。非常に初歩的な質問ですけれども、これでいいですか。
○政府委員(高橋元君) 独立した公正な立場において適正な納税義務の実現を図るということが、税理士の使命として今回の改正法案の条文に入ってあるわけであります。そういう意味で、納税義務の適正な実現を図るために納税者を援助なさるということが、この税理士制度の一番大きな目的であろうと思います。
○片岡勝治君 そういう理屈張ったことじゃなくて、実体論として納税申告方式というのはこういう方式ですから、いま申し上げましたような方式だから、納税者がやる作業をお手伝いするのが税理士さんの仕事じゃないんですか。これはそういうことになるんでしょう。すぐあなたは公正な立場において、独立して、そういう言葉を申されますけれども、いままでのあなた方の答弁を見ると、くだけた点はいいんですよ、税務署べったりじゃないんだと、納税者べったりじゃないんだと、公正中立なんだと。さっき塚田先生の質問にもありましたね。それじゃ税理士さんはまさに神様だ、公正でないのは税務署と納税者だと、こういうことになるんじゃないですか、あなたの論理からすれば。べったり、べったりというのはもう何度も答弁しているんですよ。公正中立というのは何か、いや、税務署べったりじゃないんだ、納税者べったりじゃないんだと繰り返し答弁をされておりますね。 つまり、そういうことからすれば、いまのような言い方もできるんじゃないですか。税務署の方もどうも公正でない、税務署も納税者も公正でない、本当に神様のような税理士さん、こういうことになるんですよね。そうじゃなくて、やっぱり納税者のいろんな仕事を手伝う、特に申告納税方式なんだからね。申告納税方式というのは、繰り返し申し上げましたように、納税者がみずから計算をしてみずから記載して持っていくんですから、その仕事を税理士さんが助けるということは当然じゃないですか。そうでないというんならこれは大変ですよ、そうでないというんなら。
○政府委員(高橋元君) 申告納税が本旨でございますから、申告納税義務者が適正な申告納税ができるようにお助けをすると、援助をするというのが税理士制度の本来のあり方であり税理士の使命であることは、いま仰せのとおりであろうというふうに考えます。
○片岡勝治君 私は、独立公正という言葉を使っておりますけれども、これはお役所言葉で、もうちょっといい言葉はないのかなあという、そういう疑いを持つわけですけれども、まあその言葉はひとつおいて、つまり納税者の、私は新しい憲法ができて新しい税制ができて、主権者たる国民にみずからこの税額を確定するそういう権能を与えた、これはすばらしいことだと思うんですよ。まさに革命的な納税方法だと思うんですね。税金と言えば、ふんだくられるという意識があった。かつて戦争時代はそういうことでわれわれは莫大な金を取られ、その金で鉄砲や大砲をつくり戦争をして、多くの親兄弟を殺された、そういう苦い経験をわれわれは持っているわけであります。 しかし、戦後の税制というのはそうではない。自分で税金を計算しなさい、自発的に納税したらいいではないか、まさに大変な変革だろうと思うんです。そういう私は、この民主的な国民主権、主権在民の税制、こういった思想をさらに高めていくことが、これは一層国民の納税に対する理解を深めると思うんですよ。そういう思想を広めることが、より納税に対する協力体制ができ上がる、こういうことになると思うんですから、私はそういう点は胸を張って大いに説明したらいいんですよ、憲法に基づく新しい方式なんだと、こういうことでね。 そこで、さっきべったり論が出たんだけれども、その次元の低い説明じゃなくて、あなたの言うとおり、税理士は主権者たる国民、納税者のいわば基本的な権利だ。みずから税金を計算し申告し納める、そういう国民に与えられた権能を税理士さんが助ける誇りある仕事なんだと。しかし、もし税理士さんがそういう意識、つまり国民主権、納税者は主権者だ、その主権者が行使する権利、そういうものに対して適切な援助もできない、間違って申告をしたということになりますれば、これは申告納税方式がそこで消滅をするんですよ。そうでしょう。 それが原則じゃなくて、変則といいますか、納税者のいわゆる申告というものがそこで消滅をして税務署が一方的に賦課をする、そういう制度になっているわけですよね。そういう、この税理士というのは大変誇りある仕事だ、名誉ある仕事だ。違法なことを教えて税務署から調査されて重加算税なんか取られる、こういうことでは納税者の権利、納税者に与えられた納税額をみずから決定する権利というものを、税理士さんが間違えばその権利が行使できないではないか、こういうことになるわけでしょう。こういう考え方はどうですか、非常にすばらしいんじゃないですかね。
○政府委員(高橋元君) お話しのありますように、すべての国の納税というものが、正しい申告納税に終わって申告納税で全部の納税義務が完結をする、適正に実現される、これがもうベストであろうと思います。お話しがありますように、せっかく申告納税を原則としておりますのに、また更正等の賦課課税に戻る。調査等の、更正等の事項がありますとそうなりますので、そういうことがあってはならないという意味で、税理士さんのお仕事の非常に高い社会的な役割りというのを私どもは考えておりますし、そういうことを実現していかれるように諸般の制度の整備をいたしたいと考えております。
○片岡勝治君 大変くどいようですけれども、そういう点をやっぱりしかと確認をしていただきたいと思うんですよ。申告納税方式というのは主権在民、国民主権、その主権者たる納税者に与えられた一つの権能なんだ。権利というのはあなた方きらいな言葉のようですから、権能あるいは権益という言葉にいたしましょう。そういう国民、納税者に与えられた権利を税理士さんが助ける、これが税理士さんの仕事である。 その助け方が下手で、違法な、法律に合ってないような申告をすれば、納税者の権利——申告権というのは没収されるわけですよ。今度は、税務署が一方的に納税者に対して課税をする賦課課税方式。その納税者の権利をよく守り得なかった税理士がいたとすれば、納税者は大変な損をするわけでありますから、やっぱり私は基本的な考え方としてはそういうふうに理解すべきではないかと思うんですが、やや哲学的な質問ですから、これは大臣に答弁をしてもらいましょうかね。
○国務大臣(竹下登君) 私、専門家でございませんが、片岡委員の話は私もよく理解のできるところであります。わかりやすく聞かせていただきました。 で、結局、私もいろいろなことを考えてみて、一概に民主主義だから申告制度になったというふうな割り切り方を学説の上でどうすべきかということについてはにわかに決断できませんけれども、あのシャウプ勧告のときからずっと考えてみますと、日本の税制の場合、確かに納税という言葉にも当時抵抗したことがあるのです、納めるという言葉、あるいはましてや徴税とか。それで、その点がアメリカの場合まさにタックスペイヤー、税金の支払い者でございますか、そういう言葉になっておるし、それからセルフアセスメント、自己申告ということでございましょうが、何か近ごろアセスメント法案というものもございますが、自分で評価するというような言葉、これが非常にいわゆる主権者たる国民ということの実体に立った場合、民主的に聞こえる言葉だなあという感じを私も持った一人であります。 しかし、税法上の言葉となりますと、やっぱりかなり窮屈なものになってまいりますが、基本的な流れとしては私は片岡委員の説に賛成です。
○片岡勝治君 ややくどく申し上げましておわかりにくかったと思いますけれども、いまの大臣の総括的なお答えも私も了承いたしました。ぜひそういう理解に立って、これからの税制問題あるいは税理士問題のより円滑な遂行をお願いしたいと思います。そういうことが、私は国民の理解を深めていくんじゃないか。税金というと、何かふんだくられるというような意識がまだまだ底流としてあると思うんですけれども、そういうことでなくて、いま言ったような論理といいますか、考え方に立てば、私はこの税に対する偏見というものも変わってくるような気がするわけであります。ぜひこれはそういった考え方に立って行っていただきたいと、このように考えるわけであります。 次に、これも大変問題になっております助言義務の問題でありますが、これはそれぞれ委員の皆さんが重要な問題として質問をしてきたところであります。それだけに、大変問題点のある条文であることは恐らく皆さんもお考えだろうと思うわけであります。で、いま「不正に」という文言についての答弁がありましたが、これは意図的に、あるいは計画的にというか、納税者がみずからの意思を持って徴税を免れる、あるいは不正に還付を受ける、こういうことになっておりますね。もしそういうことがあれば、これはやっぱりそういうことは改めてもらわなければならぬと思うわけであります、一般論として。ただ、この場合に税理士さんがどういうふうにかかわり合いがあることが適当なのか、適正なのかという問題があります。不正というのは故意のある場合、だからついうっかりやっちゃった、あるいは思い違いがあったと、作為的でない場合はこれは適用されないわけですね。これは当然だろうと思う。 一体、それでは故意のある場合というのは、これはだれが認定するんですか。税理士さんが主観として、あっ、これは意識的にやったなと感じた、そういうことなんですか。それとも何か具体的な立証、これなんか懲罰にかかるんですから、助言しなかった場合には。何かその懲罰にかかったときに立証できるそういう物的証拠を見て、ああやっぱりこれだ、これは意識的にやったなと、こういうふうに感じたとき、つまり抽象的に脳細胞が感じたときと、具体的なこういう証拠物件があって感じたときといろいろあると思うんですよ。これはどっちなんでしょうかね、両方ですか。
○政府委員(福田幸弘君) 不正にというのは、故意にということでございます。ですから、重過失、過失は入らないというふうに限定して解すべきであろうと思います。 故意にということの今度は判断の問題、事実認定の御質問であろうと思います。この四十一条の三の後段のところで、仮装、隠蔽の事実というのがございます。ですからこれは、仮装、隠蔽の事実というのはまだ税を免れたという既遂にはなっていませんが、その仮装、隠蔽の事実ということを知った場合にはというのが後段にありますように、客観的な構成要件、客観的にだれが見てもこれは故意があるというふうに判断される場合を後段に書いてあることから見ましても、前段の故意は、いわゆる不正の中の故意は、その種の主観的判断の入らない、万人が見て客観的にこれは悪質な脱税であるという際に判断が行われる、そういうふうに解しまして、主観的な面が入らないように規定されておるわけであります。
○片岡勝治君 それから、そうしますと、ごく常識的に帳簿類ですね、証憑書類というんですか、そういう書類、そのほかあると思いますけれども、そういうもの、そういういわば俗に言う物的証拠ですね、そういうものがない限り、これはそういうものの判断からだれが見ても不正と思われる、こういう場合のみという理解でよろしゅうございますね。
○政府委員(福田幸弘君) おっしゃるとおりでございます。
○片岡勝治君 次に、これが問題になったときに、つまりあの税理士は助言してないらしいということが仮にあって、その人が一つの懲戒の対象になって審査をする場合に、これはどういうかっこうになるのか私もいろいろ想像したんですが、これは納税者がやっぱりそういう証拠物件を出すんですかね。 〔理事細川護煕君退席、委員長着席〕 もしあなたが言うようにだれが見ても客観的に不正だ、そういうものがあって初めて助言義務というものが必要になってくるという御説明ですから、やっぱりこれは納税者がそういうものを出すことによって、あれは助言しなかったと、こういうことになるんですか。それで初めて懲戒の審査ですか、そういうものが始まるんですかね。
○政府委員(福田幸弘君) これは具体的ケースで御説明した方がいいかと思いますが、いまのような客観的な悪質な構成要件の場合に助言をするということは、それによって相手が是正すればこれで終わりでございます。あと、それを知りつつ継続した場合には、脱税相談ないしは不真正な申告書の作成、そっちの方になってしまいます。ですから、その場合には助言義務違反というよりはそれの競合犯といいますか、それを吸収いたしますところの脱税相談もしくは不真正な申告書の作成そのものの問題になってしまいまして、助言義務違反の問題は消えてしまいます。 ですから、非常に抽象的に申しますと、非常に悪質な場合の、帳簿に改ざんがあるということを知って注意をしないでやめてしまったという非常に希有な場合しかございません。そういう場合しかございませんで、したがってこれ自体が懲戒処分を目的にしていないということはそこからもおわかりになるとおりで、懲戒を常に探し回りましても、そこは本当にいまのように、注意をしないで、しかもその税理士業もそこで退いたという場合で、これはその責めを負うという状態にございませんので、したがって、これは懲戒を目的にしてない是正を求めるだけの趣旨にある。もしそれを続けてやった場合は、別の条項の先ほどの脱税相談ないし不真正申告書作成の問題に入るというふうに、御理解いただけるかと思います。
○片岡勝治君 いやいや、助言義務、この条文についていろいろケースを考えて、たとえばいやそういう人じゃおれはちょっとあんたの会計を見るわけにはいかない、手伝うわけにはいかぬと拒否すればそれはだめなんですよね。そういう、たとえばいまお話しのように、それは脱税相談に入る、これは申告書を間違ったものに入るということで、ずっとこの条文の適用除外例をみんな出しちゃってみて、一体あと何が残るかといったときに、だって何にも残らなかったらこれを置く必要ないんですから、苦心惨たんしてあなた方これを残したんだから、一体どういうケースが助言義務が発生するのかということを私なりに、素人なものですから、あらゆるケースを考えて、仮にあったと、これは意識的にやったな、帳簿を見ればわかる、しかしおれは黙ってきたといったときに、これは助言義務違反になるわけです。相談じゃないんですよ。 いろいろ税理士の仕事をやりながらこう見た、あっ、三年前に一千万円これはごまかした、わかった、三年前がいいのかどうかわかりませんが、時効なんというのもあるんでしょうけれども、仮にじゃ去年一千万円ごまかしたというのが帳簿でわかった。本当はここで助言しなきゃいけないんだけれども黙ってきたというときに、納税者があの税理士はおれに助言すべきところを助言しなかった、とんでもないやつだと、こういうことはこれはあり得ない。また税理士が、いや当然あのときにおれは助言すべきだった、いま深く反省した、税理士会に飛んで行って、実は私はあのとき助言すべきであったけれども、ついしなかった。深く反省して自白をした、これもちょっと考えられない。どういうケースなんだろうかなあと思うんですよ。だれがこれを言いつけるんですか。税理士と納税者の関係ですからね。
○政府委員(福田幸弘君) これは刑法規定ではございませんで、業法の中の、その前の方に三十何条ですか、品位、信用を保持するという規定もございます。これは非常に一般的に書いているわけです。その種の一連の問題の中に、この規定の性格があろうかと思うのです。要するに注意してもらってそこで是正される、先ほどの申告納税の趣旨はやはり本人が申告する、これは正しい納税をする、アメリカの場合も適正公平というのを常に裏打ちしているわけであります。ですから、そういうこれに似た規定があるわけでございまして、そこで注意をするということ自体に意味があって、違反の場合を追っかけてそれが懲戒にというふうに持っていく性格のものでない。この法律自体が、モラルに基づく法規範というところでとどめていただければよろしいと思うわけであります。 したがって、具体的な場合というのは、ほとんど注意をして直されるということにこの規定の意味がある。それが違反されて懲戒になるという、そういうものとしては考えておりませんので、法律の構成としてもその延長線上には助言義務違反があり、不真正な申告書作成というふうに流れがフローチャートとしてはそっちの方にいってしまいます。法律的に一々考えれば、助言をしなかった、そしてそこで業務もやめたというときにこの助言義務違反がそのものとして成り立ちますけれども、それは懲戒処分の問題としては常識的には問題にならない性格だと思います。やろうと思えばできるかもしれません。しかし、これは懲戒審査会というものが今回設けられますから、そういう非常識な問題が議論されようとは思いません。だから、この規定は、申告納税の本質というところで正しい申告がなされるということをやはり裏打ちする社会的な期待の規定であるというふうに、御理解いただけばありがたいと思います。
○片岡勝治君 こういう条文がなければ私理解するんですよ、まあさっき言った第一条の趣旨等からしても。そうするとあれですか、あなたも具体的な事例を申し上げてもはっきりお答えにならない、どういう事例か。そうすると、これはもう全くの倫理規定である、そういう認識でいいんですか、本当に。だったら、そういうふうに直したらどうですか。これはやっぱりみんな一番心配——全部の税理士さんとは言わぬけれども、しかし、やっぱり税理士さんみんな心配しているんですよ。 そうやって質問すると、いやこれは倫理規定だと、しかし条文を見ると、ぼくらは素人なんだけれども、やっぱり表現が大変おっかない表現でしょう、これは。ところが、こうやって質疑をしていると、いやそれはもう倫理規定だと、もう九分九厘九毛あなたは断定しているんですよね、その倫理規定だということを。じゃ、われわれはここでこれは倫理規定である、参議院の大蔵委員会はそういう確認をしたと、これでいいですか。よろしいと、こうはっきり言ってみたらどうですか。
○政府委員(福田幸弘君) いえ、法律というのはなかなか性格はいろいろあると思うのですよ。これは法規範であるということは、間違いないと思うのですね。モラルに基づく法規範である。で、懲戒ということに非常に問題を大きく議論されますけれども、これは一般的に法令に違反した場合はというこの税理士法の最後のくくりのところにあるそこに形式的にかかっておるわけであります。 ですから、法規範である以上は、形式的には一般懲戒の対象という法形式はとりますけれども、繰り返しますように、モラルに基づく法規範ということ自体にこの法律の意味がありますので、その存在理由というものは特に申告納税下においては重要な規定である、こういうふうにお考えいただきたいということであります。
○片岡勝治君 まあこの条文を適用することはまずないと、こういうことですよね、ずばり言えば。あなたのいろいろ説明を素直に余り先入観なしに聞いてみると、ああこういう条文があるけれどもまあまあこれはもうまさに倫理規定で適用することはほとんどないんだというふうに——あっ、そこで首振っているな。違うんですか。——いやいや、もういいです、それは。 もう一つそれに関連して、守秘義務というのが税理士さんにありますね。今度の改正案じゃないですよ。税理士さんにありますね。何条でしたかな、税理士さんがその業務で知り得た秘密は漏らしてはいけないと、これは弁護士さんもお医者さんも、そういった仕事をしている方々は、税務職員もそうですね、これは当然だろうと思うんです。あの片岡のうちの申告をお手伝いしたらあそこには相当額借金があるんだとか、こういうのをどんどん話されたんじゃちょっと困るしね。いや隠し金が一千万円ぐらいあったとか、そういうことは税理士さんが仕事の上で知ってもこれはべらべら人に話しちゃいけませんよと、これは当然です。そういうことがなければ、われわれ納税者は自由に税理士さんに相談に行けない。あの税理士さんに相談するとみんなそこらへ行って吹聴されるというようなことがあれば、これは納税者は相談に行かない。やっぱり公正な税理士業務をやるにはそういう守秘義務、納税者の秘密というものを、知られたくないことをある程度規制をしていく、これは当然だろうと思うんです。この助言義務とこの守秘義務はどういう関係になりますかね。
○政府委員(福田幸弘君) 税理士がその業務を遂行するに当たりまして、委嘱者の脱税等の事実を知ってその是正を行うよう委嘱者に助言したにもかかわらず助言が受け入れられなかった場合には、税理士としては一つは当該委嘱者に関する税理士業務を行わないことにする、あるいは引き続き当該委嘱者に関する税理士業務を継続するかのいずれかの対応に迫られます。まあ直すこと自体が目的であるということは申し上げましたけれども。まず、その委嘱者に関する税理士業務をやめる場合には、やめておりますけれども助言はいたしていません。委嘱者の脱税の事実をこれは知っておるわけですね。その事実を税務官公署を含む第三者に漏らすときは、守秘義務違反になると考えられます。要するに、これは外にしゃべるわけですから、これはもう現在の規定自体が、外に対してしゃべってはいけない。 その次は、今度は中の話になってきます。税理士は委嘱者の脱税等の事実を知ったにかかわらず、さきのように引き続いて当該委嘱者について税理士業務を継続する場合には、守秘義務の問題としてではなく、これは納税者と税務官公署の問題になってきますから、従来ともこれは脱税相談等の問題と同じ問題でございますが、したがいまして、これは守秘義務の問題としてよりも、むしろ脱税の共犯あるいは脱税相談等の問題として処理すべき従来からの問題であるということで、守秘義務を、内部での問題ではなくして対外的な問題として考えた場合には、先ほどのような御説明になろうかと思います。
○片岡勝治君 共犯で一緒に脱税を認めたというのは全く異例な措置で、税理士さんがそんなことをやったらこれは大変な問題で、そういうものを前提にして私たちはこういった法律案を審議することはどうかと思うんです。それは中にはあると思いますよ、中にはあったと思う、過去にも。だけれども、そういうことは全く異例のことで、そういうことがあり得るということを予見して法律をつくるということはどうかと思いますが、まあそれはそれとして、この助言義務とこの守秘義務との関係を考えたときに、さっきの懲戒ともかかわるわけですよ。 ですから、仮に審査会に行っていろいろ尋問をされた、しかし、Aという納税者はこれこれこうだったというようなことが、これは言えないでしょう、守秘義務で、もちろん。それからもう一つ、助言すべき税理士業務をやっていながらそういうことが発見された。つまり、脱税とか不当に還付されたそういうものが発見された。しかし、そのときには助言しなきゃいけないんだけれども、それはそれとして、そういった税務相談をしながら、いろいろわかったことをこれは税務署に言ったって、これは守秘義務の違反になるわけでしょう。そうでしょう、そういう秘密を。ちょっとはっきり答弁しなさい。守秘義務に抵触しますよ、これは。
○政府委員(高橋元君) さっき福田審議官から御答弁しましたように、助言をした、しかし相手が聞いてくれなかった、もう税理士としての関与をやめてしまったという場合、いまお尋ねはその場合であろうかと思いますが、そういう場合には当然守秘義務に含まれるわけであります。
○片岡勝治君 そういう守秘義務と助言義務との関係を見ても、これが適用されるというようなことはほとんどないと思うんですよ、これは。やっぱりさっき冒頭申し上げましたように、税理士業務を正常にやっていくには、やっぱりそういう守秘義務というものを税理士さんの権利として与えることが、むしろ納税というものをよりスムーズにやっていける。だから、守秘義務というこれを与えていると思うんです、いわば一つの権利ですから。そうじゃなくて、税理士さんが来た、私の家のこの財政がみんなわかっちゃった、ついうっかり脱税があった、すぐ税務署に告げ口されたなんといったのじゃこれは大変ですから、だれも税理士に相談に行かない。こういう税理士さんに対する一つの義務、あるいは秘密を他に漏らしてはならない、そういう義務を与えているわけでありますけれども、そういう義務を税理士さんに与えておりますからね。 この助言義務、こういうものを与えて、それは罰するのが目的ではないと、あなた繰り返し繰り返し言うけれども、しかし、罰則適用という条項がある以上、これはわれわれとして、つまりこの法律の適用を受ける主権者たる国民の側から考えれば、やっぱりこの点ははっきり究明しておく必要があるんですよ、これ。ところがどうですか、これはちょっと答弁ができないんじゃないですか、との守秘義務と助言問題について。知り得たということ、仮に知り得た、知った、しかし、それを他に言うことはできないんですよ、これは。どうやってこれを審査会で裁判にかけるんですか。裁判所じゃないんですから、審査会でしょう、税理士さんが自分で言うはずがない、また言うことは許されないんですよ、これは守秘義務で。
○政府委員(高橋元君) これも先ほどの御答弁の繰り返しにあるいはなろうかと思いますが、脱税等の事実を知った、それについて助言をいたしまして、言うことが聞いてもらえなかった、しかしながら引き続いて関与をしておられるという場合には、これは守秘義務があるなしということを離れまして、脱税相談にあずかったということに相なります。したがって、法律の条文で申しますれば、四十五条の重い懲戒の対象になるということでございまして、その場合にはその守秘義務という問題とはまた別のことになろうというふうに思います。
○片岡勝治君 そうですか、そういうことになりますか。これは大変問題ですよ。脱税相談になるんですか、相談じゃないんですよ、たまたまやってたら気がついた、脱税していいですかなんて相談に応ずればそれは脱税になりますよ。しかし、いま言ったように、ことしの確定申告をやってくれと頼まれた、いろいろ計算した、ちょっと去年の帳簿、おととしの帳簿を参考に見せてくれ、あっ、あった、気がついた。気がついたけれども、その仕事は継続したときに脱税相談になるんですか、これは。
○政府委員(福田幸弘君) いまの場合は脱税相談というのは適当でなかったかと思うのですが……
○片岡勝治君 そうでしょう、取り消しなさいよ。
○政府委員(福田幸弘君) 二通りでございますから、脱税相談で引き続きやる場合、脱税相談的になっていく場合と、承知して助長するように指導する場合と、もう一つは、知ったままで申告書をつくっちゃう、これは四十五条にあります故意に真正の事実に反して書類をつくったということになりますから、こっちの方の、四十五条自体の問題になってくるということを申し上げております。 守秘義務の場合は、いまのようなケースになりますと、四十五条自体をどう扱うかという従来と同じ問題でございます。これは納税者とまたその代理人と税務官署の間にありますから、守秘義務という問題よりはそれ自体の問題、もしくは質問検査権の問題の方に移ります。ただ、外に対してしゃべっていけないということは、先ほどから繰り返し申しておるとおりでございます。
○片岡勝治君 そうでしょう。ですから脱税相談というのはちゃんと法文にも具体的に書いてありますから、その助言義務から脱税相談に移行するというようなことを安易に適用されたら、それは大変ですよ。これは、もしそういうふうに助言義務というのが脱税相談なんかに自動的に行くような、そういう法律解釈があるとすれば、これはもう大変だ。いままあ答弁にあったから、先ほどの答弁はこれはひとつ訂正をしていただきたいと思うんですよ。 こういうふうに考えてまいりますと、なかなかこれは大変な問題だなということを私も痛切に感じるわけでありまして、さらにいま言ったような問題につきましては、ひとつ、これはもっともっと究明をする必要があると思いますが、一応次の問題に移りたいと思います。 大蔵当局、税務当局では、協力団体という言葉で青色申告会あるいは各種の商工会、あるいは全建総連等、各樺団体が戦後いろいろ納税問題について納税者の相談にあずかり、税務当局も適切な指導をしながら持ちつ持たれつ、この納税義務の遂行に当たってきた、こういうことになっているわけです。そういう点については、これまでも衆議院の段階における質問でも答弁をしておるわけであります。まあこの人たち、青色申告会等の皆さんも大変心配するのは、今度のこの法律ができると一体どうなるんだろうか、率直に言ってわれわれも納税行政についてずいぶん協力をしてきたんだけれども、この法律によって何かこれまでの運動、活動が制約されるんじゃないか、こういうことを心配をいたしております。 しかし、これらの質問に対して一貫した答弁は、ある意味ではすっきりしているわけですね。この法律が通ってもそうした協力団体の、この改正によって、特に実体的な影響がない、この法律が成立いたしましても、そういった団体のこれまでの活動に何ら影響を及ぼすものではない、こういう答弁を各所でやっておりますが、これはそういうふうにこの参議院の大蔵委員会においても確認してよろしゅうございますね。あんまり尾ひれをつけないで答弁をしていただきたいと思います。
○政府委員(高橋元君) 先ほどの御答弁の中で私が事由に、脱税相談に当たると申し上げましたけれども、正確に申しますれば四十五条の懲戒の事由に当たるということでございますから、さように速記等も御訂正方御了承いただきたいと思います。 それから、今回の税理士法の改正案の二条一項各号に掲げます税理士の業務の定義でございますが、これは改正前と改正後と実質的には何ら変更されていないということは、いまお話のあったとおりであります。
○片岡勝治君 さらにそれにつけ加えて、何ら影響がない、したがって、こういう指導をしてまいりたい、このように考えておりますということでありますから、この指導のやり方にもいろいろあると思うんですけれども、仮にこの法律案が成立をした暁には、やっぱりそういう点、指導していきたいという答弁もあったんですから、これはひとつ法律の制定後、各出先の方にその旨ぜひ通達を出していただきたいと思うんです。通達というと何か大げさみたいだけれども、どういう文書の種類か私は定かにわかりませんが、いずれにいたしましても、そういう通知、通達等を出すことが、私は青色申告会にしても商工会にしても全建総連にしても、ああやっぱり税務当局は、大蔵省はわれわれのことも考えてくれた、よしこれからも一生懸命に協力しましょう、こういうことになると思いますね、一つの指導通達が。これは大臣どうですか、これまで一生懸命にやってきたそういった団体に、こういう答弁をしていますから、これはひとつ大臣の方で、すかっとした答弁をしていただきたいですね。
○国務大臣(竹下登君) 結論から申しまして、その趣旨を明らかにしたいと思います。ただ、通達になじむ問題かどうか、私も必ずしも専門家ではございませんので、だから結論から言って、いまの御指摘の趣旨を徹底さしたい、こういうことで御了解をいただきたいと思います。
○片岡勝治君 はっきりお答えをいただきましたので、あえて私は固執をいたしません。徹底させるための適切な措置を期待をしたいと思います。 これで私の質問を終わりたいと思います。
○丸谷金保君 いまの片岡委員の質問に対しましても、助言義務の問題になりますと非常に明確でない。答弁としては明確なんでしょうけれども、ちっともよくわからない。 一体どういうのが具体的に助言義務違反になるのかという具体例がわからないという問題、一体どうしてこういうことになったか、実は私なりに考えてみました。そうして行き当たりましたのが五十四年の十二月七日の衆議院で福田政府委員が「試験制度をめぐって反対の意見が強くなったということからきたわけでありまして、」という次に「やはりこの業法を通すことが業界の中でまとまった意見でなければむずかしいということがわれわれの過去の経験であります。」、こう言っておりますね、これは三十八年、三十九年のときの税理士法案が廃案になったことを言っておるんですか、簡単に答えてください。
○政府委員(福田幸弘君) やはりその経験を踏まえて申し上げたのであります。
○丸谷金保君 それで、この経験があるので、今度税理士法改正を主張した場合に非常に慎重に構えたのが、今回の改正案が出されてきた経緯でなかろうか、こう思うんです。 先日も申し上げましたように税理士法の改正案、税理士会からの要望、それとは百八十度異なった大蔵の厚い壁、これにぶつかってはね返されてきた、大蔵の意向が非常に生かされているわけです。このように過去の記録、資料等から、先日も申し上げましたように判断ができるわけでございます。 それで、これはどうしてこういうことになったのか、特に助言義務でいまいろいろと業界があなた方の御希望と違ってまとまらなくなってきている。税理士法を通す非常に客観的な条件の中で、特に助言義務の問題が大きくクローズアップされてきているということの理由、実はいろんな記録を調べてみますと、たとえば昭和五十一年度八月に第六回正副会長会議、それから九月に第七回の全国の正副会長会議、それから十月に常務理事会、十一月に正副会長会議、同じく十一月東京で理事会、すべてに税理士法の問題がもうこの当時議題に上がっているんです、五十一年当時。ここには助言義務は全然出てこないんです。 それで、先日も申し上げましたが、この中で九州でやったのがありますね、十一月九日。これへは福田審議官は国税局長として出たけれど、その種の会合の中で税理士法の問題で話したことはないと言っておりますが、これは水かけ論になりますし、この問題を詰めるのがきょうの論点でありませんけれども、一応経過として言いますと、常識的に九州の正副会長会議でも議題として税理士法改正がのっているんです。論議もされているんです、ずいぶん。それが晩になったら全然出ないということの方が不可思議だと思うんですよ。しかし、あなたはそれは出なかった。出たという人もいるんです、その話の中に。しかし、そういうことでこういう会があったけれど、助言義務は全くこういう中でのってきておりません。 それと同時に、山本会長が誕生したとき、当時の読売新聞に、目に余る大阪国税局の選挙介入というふうなことで糾弾された、こういうことを皆さん御存じですね、当時そういう記事が出て具体的な例も出ておりましたね。どうですか、どなたか。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 当時の新聞等にその件が出ていることは事実でございます。
○丸谷金保君 そうしてその人が、その後東京へ戻って税理士法改正担当の審議官になったんですね。そうして私のつくった山本会長、こう言っているんです。いいですか、それから福岡会合があった。そして、そのときには、もう次は福田審議官。福田審議官と四元専務とは海軍経理学校時代からの、じっこんの間柄かどうかは知りませんが、よく知っていて、その後は肝胆相照らす仲というふうに業界の人たちは言っております。そうすると、ここで答弁していたことを、まさに日本税理士会というものはきちっとそういう形の中でできたわけですよ、あなたたちとのぴったりときわめて親密な、私がつくった会長だと言うふうな人が税理士法の問題と取り組んでいるんですから。それもいいです、そこらを解明するとその問題だけで一日かかってしまいますから。 問題は、助言義務がいつ出てきたのか。いままでの答弁では、それは税理士会の方からそういう希望があったということなんですが、私の調べた限り、どう考えても税理士会の方から積極的に助言義務をどうしても入れてくれというふうな希望もあったはずがないし、全国的に積み上げてきた要綱の中にもないし、それを幹部の何人かがそのことを言ったとすれば越権はなはだしい。会議もずっと調べて、積極的に日税連が幹部だけでそういうことをやれるような仕組みになった会合をやってきておりません。一体助言義務というのはどこらから入ったんですか。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 助言義務のときに、ちょっと横から申しわけございませんが、先ほど私が答弁いたしました、新聞に出ていたのは事実でございますと申し上げました趣旨は、そういう抗議があったという趣旨が新聞に出ていた、その新聞に出ていた記事はございましたと、こういう趣旨でございます。念のため。
○丸谷金保君 それで結構でございます。
○政府委員(福田幸弘君) 福岡の件はきょうはやめまして、何しろ職権のない局長でございますので、そういう話がありようがございません。これは水かけ論というか、お答えする必要がないというふうに思います。 問題は、具体的にいつごろからあらわれたかという問題に対してお答えします。これは中で、国税庁とわれわれとの間で、日税連の正式の交渉メンバーと相当の回数交渉をやってきたということは申し上げました。いつごろからあらわれたか、きょうはそこまで持ってきていませんが、先般申し上げましたように、五十四年の十二月にまとめました——これは議事をやりますので、その都度まとめていったのを最終的に整理したものが残っていましたので、四十一項目相当詳細に議論を基本要綱によって御説明になるのに対して、われわれはわれわれとしての御意見を申し上げるということで、これは国税庁の会議室で弁当はこちらが出しながらやった会議でございます。 そういう会の中に、先ほど幾つか申し上げましたように、税理士会の方から、これは私は出ておりません。ちょうどこれは五十三年の年末の予算折衝時だったと思うのですが、主税局が出れなくて、庁が折衝した議事録を見ましたら、先方の発言でやはり中で、外国の立法例、アメリカの立法例、ドイツの方も別途独立性の検討をやったようですが、そういう外国立法例等の検討をやったというようなことも踏まえて、税理士の公共性とそれから独立性というような議論が出まして、税理士の倫理の規定として置くのがかえっていいのじゃないかと。それから、刑事罰の対象とするのはしかし困るということで、今後の方向としては倫理的規定としてそういう姿勢を示すということで、お話をお互いにしたということはございます。 で、今度は税理士会の中の話になりますので、これは税理士会の方でも記録をこれはお持ちかと思うのですが、五十三年の五月の十一日に、これは税理士会の会長の方から正式の税理士法改正対策委員会の方に対しまして、その基本要綱にはない問題点についての検討を依頼しておられるわけであります。その中にいろんな西ドイツの税理士法の問題もありますが、依頼人の申告脱漏等に対する助言義務、アメリカ内国歳入法の規則による十の二十一というものに対しての検討を、これは五十三年五月十一日に依頼しておるわけです。 それに対して、これは税理士会の中の話でありますが、正式の法対委員会というもので検討を加えた結果、九月の十四日に、これは税理士会連合会の方に報告されておるわけです。これにつきましては、いまの三十六条の「脱税相談等の禁止」のところでありますが、「脱税相談の禁止等」と、こういうふうに改めて、第二項を設けて、「税理士が税理士業務を行うにあたって、依頼者において租税に関する法令に従っていない事実があることを知った場合は、その事実についてすみやかに依頼者にその是正を助言しなければならない。ただし、本項違反」——の罰則は法令用語としては罰金、それから懲役でありますが、懲戒処分ではございません。この「本項違反は罰則の対象としないものとする。」というのを、内部の検討として行われたというふうに聞いております。 こういう議論を経た結果がわれわれとの交渉の過程であらわれてきたと、そして一方において自民党の方で御検討が進んでおりまして、その中の検討項目には助言義務の規定は入っておりました。これについては、やはり社会的にいろんな批判がございます。いまの税理士制度について、こういう厳しい社会的な倫理規定があってもいいという意見が強くて、そこは丸印ということで法案化されるということになって、それが要綱に書かれまして、そしてそれが各界各方面で検討された、当然税理士会の方にもそれが行ったと思います。 そういう形で、自民党の案にあります助言義務の規定、これは脱税相談と同じ懲戒処分をするという厳しい規定になっておりましたが、それに対しまして四月五日の決定がございまして、四月五日の理事会の決議であります。理事会は九十九名ということで、賛成が八十五名ということになっておりますが、この理事の割り振りは先ほど答弁いたしましたように、十四の各単位連合会から一名、あとはそれによって意思が反映されたという意味で大事だと思うのですが、その際に、議決は要綱について賛成を表しておられます。ただ、違反した場合に懲戒の処分とする、脱税相談と同じ懲戒の処分とすることは削ってほしいというふうな意思決定を行われております。これが入ってきましたいきさつでございます。
○丸谷金保君 いまの説明を聞いていましても、結局どこがどういうふうにしてこれを持ち上げたかということが明確でないですね。あちこちで何となく出てきたと、立法者の意思として出てきたのではないわけですね。
○政府委員(福田幸弘君) われわれは政府提案として検討を同時にやっておりますから、立法者としてもその法律自体の合理性という意味からは当然に検討の対象であったわけであります。両方からこれは出てきたというふうに、御理解願いたいと思います。
○丸谷金保君 その両方の、日税連というのは会長さんが新聞報道によるとそういう形でしょう。専務はあなたときわめて親しい古い仲間だ、そして同時に出てきたと言っても、これは同時というふうになかなか世間の常識では通らないんです。権力のある側の意向を反映して同時に出てきたと、これがこの助言義務問題のもめる一番大きな原因じゃないか。その証拠に、日本税理士政治連盟、御存じですね、日税連の裏表のような政治団体ですね。 これも、五十四年の八月でさえも、まだこういうことを言っているんですよ。「今回の改正案では誰も予想しなかった例の「助言義務」なるものが出て、これまたおかしい事態になり、そのおかげで資格取得制度を初め、本来の問題点が影が薄くなった。「助言義務」問題は牽制球どころか、かくし球というところか。」こういうコラムが出ているんです、日税連の政治連盟の機関紙で。 これはどういうことかと言うと、その当時受けとめた幹部の人たちは、まあいろいろあるけれど、助言義務の問題については牽制球だと、試験制度もある、これもある、いよいよになったらもめてきたときに助言義務はすっと引っ込めるための牽制球として五十三年度受け取っておったわけです。それがどうも牽制球どころか隠し球だったというふうにびっくりしたのは五十四年の八月と、ここに書いてあるんです。そして、それと相前後して、私たちが大変気になることは、いやこれは大蔵もそこまでの気はなかったけれど、ここまで来てみたら、司法当局からこれを抜いちゃいかぬという強い示唆があったんだというようなうわさも流れているんです。まさかそんなことはございませんでしょうね。
○政府委員(福田幸弘君) どういう趣旨の御質問かわかりませんが、政府提案で出す際には関係各省との間で協議を行います。その際に、論点になったということだけ聞いております。あとは内部の折衝だけでありますので……。
○丸谷金保君 非常にですから助言義務というのは、最初から何かこうもやっとした感じで、日税連内部の会長会議でもって決めた組織の決定だ決定だと言うけれど、下に落としてなかった。それで、この問題についてごく一部の反対だというようなことを日税連でも言っております。しかし、もはや一部の反対ではないんです、業界内部では。そして、いろんなこの法律をめぐる問題が出てきて世間も知るようになりました。余り気がつかなかったんですけれど、これは大変だということで騒ぎが大きくなって、たとえば全建総連という三十万の組織、北海道の農民連盟という八十万の組織、これらの人も反対だと、助言義務はおかしいと、われわれのいままでやってきた税務署と交渉して申告の取りまとめ、申告指導、そういうものが非常にこれで苦しくなるのではないか、こういう心配をしているんですが、先ほどの片岡委員に対する説明でその点についてはやや安心しました。 いまの全建総連あるいは北海道農民連盟のやっておる従来の税務の指導、相談等については従前どおりでいいというふうに、確認をもう一度ひとつお願いいたしたいと思います。
○政府委員(伊豫田敏雄君) ただいまおっしゃいました全建総連等の税務に関する事務の内容を完全に私承知しておるわけでございませんものですから、したがいまして、従来正常な税関係の活動である限りにおきましていささかも今後変わることはない、税理士法上の扱いにおいて何ら変わるところがないということは、全く先ほど主税局長の方から御答弁申し上げたとおりでございます。
○丸谷金保君 正常でなければ、昭和二十年代からいままでどうしてさせていたんですか。正常なんでしょう、少なくても北海道農民連盟に関する限り。私たちもやっていたんですから、臨時税務代理士の資格をもらってやっていたんです。それがいまずっと連綿と続いているんです。正常であればなんて、いまさらどうして言わなきゃならないんです。
○政府委員(高橋元君) 先ほど申し上げましたように、税理士法二条一項の各号に掲げる税理士業務の範囲についての新しい御提案は、従来から二条で行っております税理士業務の範囲と全く実質的には変更がないというふうに御承知いただいて結構であります。
○丸谷金保君 そのことがやっぱり非常に一つの大きな混乱を招いている状況でございますので、それらについては従前どおりといういまのお答えで一つ安心したんですが、いままでの衆議院の中でこれが余りこうぴたっと、等というふうなことで漠然としていたので、大変心配をしている向きもあります。北海道からも心配していまここに来ているんですが、いいおみやげができたと思って喜んでいるようです。 それで、それはいいんですが、ところが現在の税理士法上の問題で、臨税の場合は、少なくても地方公共団体とか、あるいはそれに準ずるような公益法人、大体地方公共団体の税務の職員が臨時税理士として申告取りまとめをやっております。で、農民組織などはそこまでの計算事務をやるわけだけれど、これはまあだれでもできるわけで、取りまとめをやっておるんです。それが今度助言義務の問題で実は大変心配なんです。 たとえば、私たちそれで臨税をやって農村のを取りまとめて、計算して持ってきたやつを全部判こを押して税務署へまとめて持っていくんです、市町村が窓口になりまして。そうすると、その期間、臨税をやっている間は、この税理士法の助言義務罰則規定は該当しますか。
○政府委員(福田幸弘君) 該当します。ただ、罰則ではございません。罰則ではなくて、懲戒処分が形式的にかかってくる。罰則は懲役及び罰金でございます。
○丸谷金保君 そうしますと、助言義務違反の罰則の適用にはなるということですね。
○政府委員(福田幸弘君) これは懲戒処分は形式的に全部かかるわけですね、法令違反というところで最後に締めくくってありますから。法令違反のところは懲戒処分が問題になると思います。で、罰則というのは脱税相談みたいなときに、重い懲戒処分と同時に懲役及び罰金という罰則が別に規定されているわけです。 で、御質問は、懲戒処分はという御質問でございますが、一般の助言義務違反の場合と同じことが、臨税はこの期間適用されるわけであります。
○丸谷金保君 臨税ですから、懲戒処分になりましてもこれはいいわけですよ——いいわけでもないけれど、別に飯の種でないんですから。 それで、自治省おいでになっていると思うんですが、こういう懲戒処分を国の機関から受けた場合に、地公法によるところの身分の関係についてはどうなりますか。
○説明員(吉住俊彦君) 私、税務局の課長でございまして、公務員部の問題について所掌しているわけでございませんので、責任あるお答えがいたしかねますので、お許し願いたいと思います。
○丸谷金保君 地方税をやっておりますと、地方公務員の税務職員の罰則は一般職員よりちょっと高いですね。それはどうなんですか。いけませんか。
○政府委員(福田幸弘君) ちょっと訂正します。 委員、ちょっと申しわけございませんでした。臨税については、助言義務の規定は準用されておりません。主なところだけを準用しておりまして、この関係は入っておりません。訂正いたします。 —————————————
○委員長(世耕政隆君) 委員の異動について御報告いたします。 本日、和田静夫君が委員を辞任され、その補欠として小野明君が選任されました。 —————————————
○丸谷金保君 それではいいんです。それが適用除外であれば、この問題は一つ解決します。 実は、今度は地方税関係が非常にふえたんです。しかし、いままでの論議の中で地方税との関連に関することが残念ながら衆議院でもやっておられない。しかし、地方税の関係の問題がもう非常にふえてきているという時点で、私は参議院というのはまさにこういう問題の法的な疑義というものを明らかにしていくと、こういうことにじっくりかかるのがたてまえであって、そういうことをしないと大変だという立場で、実はこの間から時間が少な過ぎるじゃないかということを再三申し上げてきたつもりでございます。それで、その問題は一つ済んだわけです。 それから、同じく地方税との関連する問題です。余りたくさんあるのでどれを出したらいいかと思ってちょっと迷うんですが、料理飲食店税、料飲税というのがございますね。大きな柱です。これが今度の助言義務との関連でどうなるんだろうか。私が町長をやっていたころは、料飲税の関係にも間差率等を勘案するというような標準率が使われておりました。いまはどういう標準率になっておるのか、ちょっと関連してお聞きいたしましょう。所得の間差の標準率、所得標準率。
○政府委員(矢島錦一郎君) 所得標準率は、御承知のように、個人の営む事業につきまして、主要な業種につきまして平均的な所得率、経費率を示すものでございます。その数値は税務調査によりまして出ましたデータを……
○丸谷金保君 それはいいんです。もうわかっているんですから、所得標準率がどう変わったかだけ簡単に言ってください。性質はよろしゅうございます、標準のあるのわかっているんですから、これを持っています。だから、いいですか、所得標準率というのは日本料理店だとか西洋料理店とかいろいろありますわね。その所得標準率が、昔は間差率なんか使っていたが最近なくなったそうですね、いまはどういうふうな形の所得標準率になっているかということを……。
○政府委員(矢島錦一郎君) 営庶業の所得標準率でございますが、数年に一遍ずつその改正をしております。
○丸谷金保君 料飲店等についての所得標準率の中で、もとは間差率というふうなことで多少幅を見て勘案をしていたんです。いまもそれをやっていますか、やっていないでしょう。
○政府委員(矢島錦一郎君) いまは先生のおっしゃるように、使っておりません。
○丸谷金保君 していませんね。それで以前は料飲税も大体預かり金勘定ということでやっていたんですが、最近は料飲税がなかなか一〇〇%捕捉できないということで売り上げに掛けて処理していると、そして料飲税を納めた場合にこれは経費として損金の方に入れると、こういう処理を白色申告の場合やっておりますね。
○政府委員(矢島錦一郎君) 突然の御質問でございますので、手元にもちょっと資料がございませんので、後ほどお答えいたしたいと思います。
○丸谷金保君 突然といっても、課長さんもたくさんついてきているんでしょう。所得税の白色申告の所得標準率がどうなっているかというようなこと、これくらいむずかしいんです、税法というのは。いいですか、担当の人が来てて私たちが実際に町村でそれにかかわり合いを持ってあずかっていた、しかもこの所得標準率というのは国税庁から出るんですよね。それがこの取り扱いがわからないと、こういうことではちょっと困るんですよ。いまはしようがないから私の方で言います。 いまは損金として預かり金からおろすんでなくて、最初は全部所得税なんかやるときには売り上げにぶっかけちゃうんです。いいですか、そうして料飲税払っただけは損金にしているんです。こういうやり方に変わったんですよ。これはしかし、ぼくは問題だと思うんですよね。料飲税に一〇〇%納付しない実態というものを税務署の方で気がついて、この場合に国税と地方税との間では相互協力義務がございますね、どうなんですか、それ、法律で。
○説明員(吉住俊彦君) おっしゃるとおりでございます。
○丸谷金保君 地方税係の方では税務署へ行って、こう拝見さしていただいて、わかる範囲は後から追徴するという方法もとっております。しかし、税務署側から通知というのはこれはないんですよ、ないんですね、ほとんど。
○説明員(吉住俊彦君) 全体をつまびらかにいたしておりませんが、ないということは実はなくて、それは地域によって実情はまちまちでございましょうけれども、税務署から資料をいただいている場合もあり得ると思います。
○丸谷金保君 それは資料は相互にやっています。固定資産税台帳を税務署の方にお見せして、相続税その他のあれに使ったりいろいろやっておりますし、そういう点についてはいい。しかし、今度この助言義務ができますと、私不思議に思うのは、いままでこういうことですよね、税務署の方が飲食店に調査に行きまして、料飲税払っていますか、はい払っています、はあはあと言うだけなんです。こんな程度で終わっちゃうんです。しかし、所得から計算すれば、料飲税というのはどれくらいになるかというのはわかるんです、これはもうすぐ。払いなさいという助言したことを聞いたことないんです。税理士の方には助言義務と言っていながら、税務署職員のこういう助言義務はどうなるんです。
○政府委員(矢島錦一郎君) 私ども一応守秘義務というのがございまして、先生御高承のとおりでございます。したがいまして、必要な場合には地方団体においてよく連絡してやっておるつもりでございます。
○丸谷金保君 守秘義務といいましても、国及び地方公共団体の間でその種のことは教え合うということになっているわけです。だから、これはこの不正の事実を知り得た場合、直ちにやっぱり知らせなければならぬのじゃないですか。
○政府委員(矢島錦一郎君) 市町村と国との間には、確かに相互に協力するというたてまえにはなっておりますが、何から何まで地方に知らせなければならないという趣旨のものではないというふうに私は考えております。
○丸谷金保君 それで、料飲税の場合に大変問題が出てきている。国税当局——税務署の場合も、明らかにこれらの問題がどうもおかしいなと思っても知らせないんですが、今度税理士が所得の申告に携わりますね、当然これはわかってくるんですね。いままではそこまでは税務署もやらなかったから、税理士もやらないで済んだんです。今度はどうなります。地方税が入ってきたんでしょう、今度。
○政府委員(矢島錦一郎君) 御質問の趣旨は、税理士さんが地方税についてという御質問でございましょうか。
○丸谷金保君 国税を担当していると、地方税の中でたとえば料飲店なんか一〇〇%もうはっきり出なくても、そう追及しないわけです。所得税だけきちんとすればいいと、いままではですよ。それでも済んだんですが、今度この法の改正によりますと、地方税も全部入ってくるわけです、相互にね。入ってきますね。そうしますと、今度は地方税の方のそういう問題が出た場合にも、助言義務はついてくるわけですよ。これが実際問題としてできますかというんです、当局自体もやらないことを。
○政府委員(福田幸弘君) 助言義務、四十一条の三に書いてございますように、「税理士業務を行うに当たって、」というのは、当該税理士業務で、事実を知ったときということでありますが、その委嘱を受けた税目について具体的にその税理士業務を行っておって、そしてその税を不正に免れている事実等をたまたま知ったときに助言義務が生ずる、こういうことは御承知のとおりであります。 御質問のように、その所得税、法人税というものを税理士業務で行っている際は、所得税、法人税の税理士業務を行っているわけでありますので、他の税についてたまたま脱税の事実を知ったというような場合に直ちに助言義務を発動するというのは、法の趣旨からそこまでは期待していないということで、この問題は、従来からの脱税相談にしろ、不真正申告にしろ、同じ趣旨の問題は依然として従来からあるわけでありますし、また、料飲税がどういうものであるかということはわれわれつまびらかではございませんが、やはり正しく課税されておると考えざるを得ない前提で物事は運んでおるわけでありまして、従来の慣行というものに乗っかって処理せざるを得ないと。この際に所得を調べて、直ちに地方税である料飲税について助言をするということは、この趣旨ではないというふうに解釈しております。
○丸谷金保君 この助言義務の問題は、こういうところに非常に大きく波及してくる。いいですか、それは国税当局が正しくないということを認めているんですよ。この標準率、白色申告の場合、料飲税の場合に、「飲食業等関係の所得標準率の作成に当り、所得率に含まれた基本金額に対する料理飲食等消費税の割合は、下記のとおりである。日本料理、〇・七%、西洋料理、二・五%、中華料理、四・四%」というふうにずうっとあります、バーからすし屋から全部。しかし、「当該所得者の料理飲食等消費税の基本金額に対する割合を検討のうえ、その間差が三〇%以上のものについては、その間差の程度に応じてそれぞれ一五%以内の所得標準率の増減を行うも妨げない」と、間差のあることを認めているんですよ、ちゃんと国が。 料飲税というのは一〇〇%把握されてないと。しかし、所得の売り上げから見ると、どうも料飲税は少ないというのを認めているんです。しかし、余りにもひどいときには、間差の中で一五%の間差というものを増減を行えと。ここで国はそういうのを認めているんです、福田さん。あなた認めてないと言うけれど、認めているんですよ。これを全部調べて、そういうのを全部、内部の脱税だということでもってやれますか。これ出しているように、現場がそれに基づいて、料飲税が少ないやつをいままでやらなかったんですよ、ちゃんとわかっていても。わかるんですから、売り上げからやれば。そんなことないんです、あんなものは。
○政府委員(矢島錦一郎君) 所得標準率のお話でございますが、いま使っているかどうかということは別といたしまして、私どもその課税所得の標準率表につきましては、国税庁の内部におきましても秘扱いということにしておりますので、そのコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
○丸谷金保君 秘扱いだけれど、出ているんです。そしてその中で、たとえば差益率だとかいろいろこの所得率というものをきちんと——問題は、そこでその秘扱いという問題です。税務署内部は、この白色申告の場合は標準率で計算する方法を持っているわけですね。それで料飲税も、これくらいだったらその間差はまあ認めろということで認めているんです。税理士は知らないんですよ、これを。しかし、税務署でこの関係のことをやっていた人は頭に入っていますよ。自分の頭に入っているやつを、書類持ち出さないで、頭に入っているのをあれですか、計算した場合、これは守秘義務になりますか、やめて税理士になって。どうなります。
○政府委員(矢島錦一郎君) 元職員がこの所得標準率を仮に持ち出してそれを使った……
○丸谷金保君 いや、持ち出してじゃなくて……
○政府委員(矢島錦一郎君) という場合についても、公務員法違反ということになると思います。
○丸谷金保君 頭に入っている、頭に入れてやった場合。それはわかっている。持ち出した場合は違反でしょう。
○政府委員(矢島錦一郎君) それは税務職員がいろいろな経験に基づきまして、いろいろ頭に入ることはあろうかと思いますが、一般の場合に、税理士の場合には、長い間の経験あるいは独自の御判断ということでございまして、税務職員であろうとなかろうと、そこら辺の所得率が大体どのぐらいだろうかと、納税者の御相談を受けた場合に、最もそれに適合した方法により安い所得金額を計算するということは可能であろうと思います。
○丸谷金保君 非常に助言義務のむずかしさというのは、こういうところへも出てくるんです。国税だけ考えていままで答弁なさっているようですが、地方税の関係になると、それだけ地方税というのはやっぱり地域でもってまとめていかなきゃならない、理屈だけでいかないむずかしさがあるわけです。しかし、こういう助言義務の問題になってくると、料飲税なんていうふうなものを、税理士さんは所得依頼されて、わかったら、どうしたって通報しなけりゃ助言義務違反になるでしょう。 先ほども話あったけれど、こういう具体例で一体やれるんだろうか、そういうところまで波及するんだということを税理士業界が知っておると思いますか。知って賛成していると思いますか。私がこの話ししたら、いままで賛成でもってよろしくって私のところへ書類を持ってきた人たちも、びっくりしている人何人もいるのですよ。助言義務というのはそれだけ下へおりていないのです、問題として。どうですか。
○政府委員(高橋元君) まあ税理士さんは、依頼者からいろいろな税目について税務代理なり税務相談なりの仕事を請け負っておられると思うのであります。その場合に、先ほど福田審議官からお答えをいたしておりましたように、所得税について委嘱を受けている場合には、所得税についての税理士業務を行っている場合に、たとえばいまお示しの例で言えば、料飲税についてたまたま脱税の事実を知ったような場合に、直ちに助言義務がそれによって生ずるということはないというふうに私どもは解しております。 したがって、Aの税金についての脱税、不正、仮装、隠蔽の事実または不正に税の賦課徴収を免れている事実というものを知った場合でも、Bの税金について納税者から委嘱を受けておられるその税理士さんの立場上、当然に四十一条の三が働くということにはならぬというのが、先ほど来お答えしていることであります。 およそ国税と地方税の間にはさまざまな協力関係がございますけれども、料理飲食等消費税の場合には、地方税法の百二十四条の二によりまして都道府県知事から「政府に対し、所得税又は法人税の納税義務者が政府に提出した申告書又は政府が」行った更正決定の「書類を閲覧し、又は記録することを請求した場合においては、政府は、」これに応ずるという相互協力の義務がございます。そういうことを通じて、両税の賦課徴収が適正円滑に行われることがまず期待されるわけでございますから、私がいま二種以上の税金にわたります四十一条の三についての解釈を申し上げたのと、また別個の問題というふうに御理解いただきたいと思います。
○丸谷金保君 大変貴重な御答弁をいただいて、非常にいままでこの点についてはもやもやしておりましたが、いまの答弁で二種以上の問題、ここら辺がいままでは明らかでなかったですね。きょう初めてこういう点が明らかにされたんです。 それから今度もう一つ、そういう具体的な問題で非常に明らかにされていない点を私一つ一つ、これは実はまだ法律論争としては、現在の料飲税の何と言うか売り上げとして、これは売上代をお客さんから本来預かったものなんですから、お客さんから預かったものを売り上げとして認める、そういう賦課の方法にも問題があるし、それを本来支払ったときに、損金として軽視するということにも問題があるんですよ。ただ、そういうふうな取り組み方をしなければならないほど、税の現場におけるむずかしさというのは大変だということなんです。 ですから、この助言義務なんというのも、へたに働くと大変なことになるんです。「直ちに」ということにつきましても、これはずいぶん分かれるんです。税理士さんが、たまたま申告書を計算して取りまとめて税務署へ出したと。やれやれ、これで終わった、夜、うちに帰ります。うちに帰る途中で思い出したときには、すぐ取って返さなきゃなりませんか、直ちに。どうなんです。それとも、家に帰って、家から電話をすればいいんですか。あるいはまた、あした内容証明でぶつけなきやならないんですか。その「直ちに」というのは一体いつを指すんです。
○政府委員(高橋元君) さまざまお尋ねでございますが、「直ちに」というのは、言葉どおり遅滞なくという意味であろうと思います。したがって、その依頼者に接触し得る直近の機会に、またはその事実を知ってすぐというのが本来の意味だろうと思っております。うちへ帰って電話をかけて言われるか、それはいろいろなやり方があろうと思いますが、それぞれの時宜に即して遅滞なくやっていただくということであろうと思います。 それから、ちょっと横にそれまして恐縮でございますが、「助言義務」の規定四十一条の三を新しく御提案しております趣旨と申しますのは、やはりかなりむずかしい現実には問題であろうと思いますけれども、申告納税の本旨に徹して、各納税者が所得の収入、支出それぞれ計算なさって、それによって、先ほど片岡委員からお示しもございましたけれども、申告納税だけですべての納税義務が適正に達成されるということを願うための制度であって、その辺を総合的にお考えいただきまして、ぜひ御理解を賜りたいというふうに存ずる次第であります。
○丸谷金保君 そうすると、あれですか。その「助言義務」の適用についても、申告納税制度の理念に沿って処理すると、こういう当局側の考えだと、こう理解してよろしゅうございますね。
○政府委員(高橋元君) さよう御理解いただいて結構でありますし、私どももその方向で税理士制度全般、また四十一条の三の規定の運用に努めてまいりたいというふうに考えております。
○丸谷金保君 それで、私は、必ずしもこの法律みんな悪いとは思わないんです。「助言義務」とか何とかというのはもういけないとか、試験制度の問題ありますけれども、ある意味では、いま地方税のことをうるさく言っておりますが、われわれが年来主張していた、地方公務員に対して税理士資格の道を開いたということについては、まさに画期的な前進だと、この点は恐らく、地方自治に携わったことのある者はみんな考えると思うんです。 ただ、その適用に当たっては、たとえば税務大学校で所定の評価を得た者は試験を免除するという規定がございますね。自治君には自治大学校というのがあるんです。ここで、六カ月とか一年とか、きわめて厳しい、特に税務職員については税務専門のコースがあります。これらはどうもこの法律で見る限り、適用されていないのははなはだおかしいんじゃないかと、こう思っていますが、いかがでしょうか。
○説明員(吉住俊彦君) 現在、私どもの自治大学校におきましては、御承知のように、税務の専門課程というカリキュラムを持っていることは持っているわけでございますが、その期間は約一カ月足らずでございまして、これが今回の改正案におきますところの税理士審査会の指定を受けたところの研修に当たるかどうかという点につきましては、いずれ改正案が通りましてから、自治大学校がそれに当たるのかどうか、当たらないとすれば、一体どういう研修期間を設けていけばいいのかということを幅広くこれから検討さしていただきたい、かように存じております。
○丸谷金保君 税務生の大学では一カ月ですか、地方の自治講習所、これらでも一年コースがございますね、一年コース。その中では税務の占める科目が非常に多い。一カ月の税務の特別講習のほかに税務大学校の一年、この中で税関係及び簿記といいましてもこれは町村の予算関係の、こういう関連するような費目の時間帯は大体何割ぐらいですか。
○説明員(吉住俊彦君) 先ほど申し上げました一カ月足らずのカリキュラムの中では、会計学が八時間でございます。その他のものにつきましては、ちょっといま手元に資料を持っておりませんけれども、それはきわめて一般的なコースでございまして、自治法、財政法、その他一般的な教養を主体にいたしておりますので、会計学の占める割合は、ほとんどないかと存じます。
○丸谷金保君 税務は。
○説明員(吉住俊彦君) 税務も、それほど大きいウエートを占めていないと思っております。
○丸谷金保君 ここは自治大臣はお呼びしてないのであれですが、大蔵大臣、せっかくここまでやってくれたのですから、この点については、自治省管轄で相談をして、やはりそうしたコースができるような道を開いてもらわないと、地方公務員ですから、国家の機関で扱ってもらうということはなかなか大変だと思うのです。その点について、ひとつ御配慮をお願いしたいと思いますが、いかがですか。
○政府委員(伊豫田敏雄君) ただいまの委員の御発言の趣旨を含めまして、税理士審査会が研修を指定するために具体的な基準を出します際に、われわれといたしましても当然検討の対象として十分慎重に考えてまいりたい、このように考えております。
○丸谷金保君 それから、あわせて試験制度の問題についても、もう一袋資料を持って、いろいろお聞きしたいと思っておったのですが、一つだけ特にこの中でお願いしておきたいのは、ことしの一月十一日、「税理士に挑戦十回、挫折の首つり自殺」埼玉県入間市宮寺の山林内で若い男が首をつって死んだ。狭山署で調べたところ、身分証明書から同市内の〇〇さん、遺体の近くに、ことしも税理士試験はむずかしいと書かれた遺書があった。 この方は、大学の経済学部を卒業して十回試験を受けた。経済学部学業ですよ、大学の。ちょっと名の通った大学、これがやっぱり受からない程度にむずかしいのですよ、一般試験というのは。そして今度ますます、いまわれわれは、その地方自治体に資格を付与するというようなことは、一定の評価をしました。しかしその反面、こういう一般試験の人たちに対する手当てをしないと、これはやっぱり不公平になるのですよ。決して悲観して自殺したのは、この人だけでなくて、私のところにも、これでますます一般試験がむずかしくなると、生きる望みを失ったというような、税理士さんのところで働いている若い事務員さんから手紙が来たり電話が来たりしております。こういう人たちに対しては、これからどういう配慮をしますか。
○政府委員(伊豫田敏雄君) ただいまの新聞記事のお話は伺いまして承知はしておりましたが、非常に残念なことだと思っております。 ただ、税理士試験は御承知のとおり一つの資格試験でございまして、そういう意味におきまして、一般試験が今回の法律の改正によって特にむずかしくなるというふうなことはわれわれといたしましても毛頭考えておりませんで、もちろん従来と、試験委員が税理士審査会に変わるかもしれませんけれども、その点につきましては、特に今回の法律の改正に基づいて狭き門をさらに狭くするというふうなことは全くないものと考えております。
○丸谷金保君 特別にむずかしくするつもりはないと。いまむずかしいんですよ、これをどうしてくれるかというんです。とてもむずかしいんですよ。私は、この税理士試験に試験問題を出しているある人から聞いたことがあるんです。これを全部受けたら、おれは受からないだろうな、問題の出題者からそういう話を聞いたことがあるんです。そんなにむずかしい試験になぜしておくんです。ここいら辺をちゃんとしなければ、非常に片手落ちになって憲法の平等の精神にもとる、憲法違反という大問題になるんです、これ。どうですか、いまむずかしいんです。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 憲法問題につきましては、今回の試験制度の改正にそれなりの理由があればその問題は特別にないのではないかと思いますが、おっしゃっていらっしゃるように、非常に現在の一般税理士の試験がむずかしいと言われることは事実かとも思いますが、しかし、科目別に受けることを現在の制度でも認めております。 したがって、ただいま先生がおっしゃいましたこれを一緒に受けたらとてもと言われた趣旨と、科目別に一年ずつじっくり取っていただくという方法も残されておりますので、そういう点を全部含めまして、現在の一般税理士試験の水準というものは、決して税務相談あるいは税務代理をりっぱにこなしていただく上において過当にむずかしくなっているというふうなことは私考えておりません。
○丸谷金保君 どんなにむずかしいか、たとえば直税をずっと歩いてきて二十三年たって税理士になる、所得税なら所得税畑、一般試験のその科目だけ受けさせてごらんなさい、そうすればいかにむずかしいかわかりますから。私は地方自治体の方でも固定資産税の問題をずっとやってきたんだ、だから一番の得意は固定資産税だと。一般試験のこの科目を受けさせる、そうしてみれば、いかにむずかしいかわかるんですよ。どうですか。 私たちは、その二十三年なり長年やってきた人たちを若い人と同じテーブルで全部受けろとは言いませんよ。記憶力が薄れているんですから、それは無理なんです。しかし、それにかわる経験を持っております。社会的な経験を持っておりますね。しかし、それでも一般試験がむずかしくないとおっしゃるんなら、一科目ずつ取れるという程度のことで言われるんなら、いまの二十三年たった人たちにでも一番得意の一科目だけ一般試験受けさせてみて、それでやってみたらどうですか、現在の特例試験のように何年たったら何点加算だというようなことでなくて。そうすれば、あなたたちにもいかにこの試験がむずかしいかわかる。あなたたちのようなエリートはやさしい試験と思うかしらぬけれど、そうじゃないんですよ。それどうですか、やってみるあれないですか。
○政府委員(高橋元君) これは、国税庁からもお答えしておりますように、税理士審査会の中に試験委員が置かれて新しい運営になるわけでございますが、従前からただいまお尋ねのような批判がございました。税制調査会でも十何年か前になりますけれども、試験制度についていろいろ検討を行いました中に、一般試験が一つは科目別合格制度をとっていること、もう一つは受験者数がきわめて多いことだと、その二つが原因でいたずらに暗記力に頼る試験になりやすい、税理士さんは実務能力を強く要請されておるのにかかわらず、その資格を判定する試験方法として必ずしも適当でない面も多いというような反省をしておられます。 そこで、三十九年法では、廃案になりましたけれども、予備試験と本試験に分けるとか、できるだけ科目別じゃなくて総合結果判定だというような提案もなされたわけでございますけれども、その後情勢の推移がいろいろございまして、今回御提案を申し上げておる中では、一般試験については、税理士会の御意見も伺いまして、現在のままにしておこうということでございます。 ただし、そういうことで、本来社会の期待にこたえて税理士としての納税者に十分なサービスができると、そういう税理士さんの資格を判定するための試験でございますから、いまの御意見も今後法の成立ができました後で、いろいろ国税庁から、また税理士審査会の試験委員になられる方々にもお伝えをして新しい基準を考えてもらうようにしたい、かように考えます。
○丸谷金保君 これは非常に受験者も多い、そのとおりなんです。受験者の大半が税理士事務所で働いている人たちだということも御存じですね、身分を見ればわかるんですから。やがて税理士にと。そして、しかもそういう中で試験制度でなく上がってきた経験の中で、やっぱり申告書も自分で書けないという経験者もおります。おるんですよ。たとえば——たとえばはやめましょう、おるということにだけね。いないと言うなら私、挙げますけれど、そういうその人たちの経験の中では、とてもじゃないけれど、所得の申告書は書けないなと思うような人もたくさんいるんですよ。ベテランの若い人を使うんです。——首をひねっているなら後で教えましょう。 それで、助言義務の中で一番問題なのは、時効がないということなんです。時効ないですわね。いつでも、十年たったっていいんでしょう。そんなことございませんか。大変これは心配になるんですけれど。
○政府委員(福田幸弘君) 本税の除斥期間の範囲内であります。
○丸谷金保君 そうすると、五年ですか。
○政府委員(福田幸弘君) そうであります。
○丸谷金保君 これもいままでの答弁の中でございましたか。
○政府委員(福田幸弘君) 申し上げました。
○丸谷金保君 そうですか。 それともう一つ、今度助言義務で非常に問題なのは、法律違反との関係です。東京高裁で、借入金利子の所得算入についてという裁判で逆転判決、国の方が敗訴いたしましたね。この事実はこの間も申し上げたわけですがね。
○政府委員(矢島錦一郎君) 先日お答えいたしましたように、譲渡所得の借入金利子で……。
○丸谷金保君 ただ返事だけしてくれればいい。
○政府委員(矢島錦一郎君) ございました。
○丸谷金保君 それで、こういう場合に税理士の助言義務は一体どうなるんですか。国側はこれは脱税だということでしょう、なぜ助言しないと。しかし、その税理士は、これはどうも私の見たところではこれでいいんだと思って申告したと。しかし、国側から見れば、なぜこれは注意しないんだということになりますわね、確信的に国側はこの納税者はいかぬと言って告訴するくらいですから。この場合どうなります。
○政府委員(福田幸弘君) この場合は税理士はいなかったと思いますが、もし税理士がいました際に、税理士の判断で法律の解釈及び事実の認定をした上で、四十一条の三を適用していただければ結構でございます。したがって、法律上自分の解釈が正しい、また、特にこの場合は事実の認定でありますが、事実の認定としてこれは借り受けであるということを信じておられて主張される、これが正しい税理士のあり方、こう思います。
○丸谷金保君 この場合は、一審判決が出ても、それはそうすると助言義務違反ということになりませんね。
○政府委員(福田幸弘君) 自信を持って自分で正しく——事実認定の差でございますから、その確信を持って言っておられる、これは助言義務違反にはもちろんなりません。
○丸谷金保君 太平洋テレビ事件というのがありましたね。この場合の事実認定もしていましたが、こういう場合にもなりませんね。
○政府委員(福田幸弘君) 法律どおりで、仮装、隠蔽ということを税理士さんが判断した場合に助言していただくということでありますから、税理士さんがこれは借り受けであると思っておられる、またその根拠を十分にお持ちなんですから、それをもって税務当局に十分に主張されるというのが税理士さんの役割りであります。まして、助言義務違反ではないということであります。
○丸谷金保君 実は、青申で、こういうのがいまはやっているんです。社長が自分の自宅を本社にして会社から家賃をもらう、不動産所得は業務として認め青申ができる、控除十万引くと、こういうことになりますね。控除十万引けますね、青申やると。こういうのが青申の対象になるというのはちょっとおかしいと思うんですが、どうなんですか。現在は対象になっている。
○政府委員(伊豫田敏雄君) ちょっと御質問の趣旨がはっきりいたしませんが、青色申告者であって自分の自宅を事業の用に供するものとして、そうしてその自宅に自分が住む、自分は家賃を払うということでございますか。
○丸谷金保君 いや、そうじゃなくて、家賃を会社からもらっている。
○政府委員(伊豫田敏雄君) ああ、わかりました。自宅は自分の所有権にしておきまして、事業外の問題といたしまして、それを逆に会社に貸すわけでございますね。家賃をもらっている。同時に、今度そこへ住んでいるわけでございますね。そのときのやはりその当該事業からの家賃という問題が、お話しの関係ではまだ残っているような気がいたします。
○丸谷金保君 たとえば青申をしますと、月に二万で年間二十四万ですね。青色申告をすると十万引ける。しかし、会社の社長としての給料をもらっているんですから、これと、自分の家の一部を事務所にしてこれを貸して二万円払って二十四万青申する、これは青申の対象に元来なるべきものでしょうか、具体的な例として。どう思います。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 非常に具体的な案件でございますので、もう少し実際の状況、あるいはその者は事業をやっているのかどうか、そこら辺も全部伺いませんと、ちょっとこの席でそれがいい、悪いの御答弁は非常にむずかしいのではないかと、申しわけないがそのように思います。
○丸谷金保君 当局がむずかしいと言うくらいですから、こういう問題の申告をやった税理士は、この場合には助言義務違反にはなりませんね。
○政府委員(福田幸弘君) なりません。
○丸谷金保君 これがちょっとおかしいじゃないかと。青申の性質から言いますと、本来給与所得ですよ。それから、これは事業の総合所得じゃなくて、不動産業だったらいいですよ、たくさん何カ所もやっているんなら。一カ所二万円で貸して二十四万で引くとか、十万づつ入って引くとかというふうな不動産業とかそういうもの、それを業として申告するわけですよね、青色ですから、給与所得でなく。そのことによって控除の対象になるわけであります。ですから、これを税理士がこういう事実を知って申告をする。こんなことくらいおまえわからなかったのか、こうなりませんか。いや、私はこれはこれでいいと思うと税理士が主張しても、これは明らかに助言して直させるべきだと、けしからぬということになりませんか。
○政府委員(高橋元君) いまのお話のケースはどちらかといいますと、不動産所得が比較的小さい所得の部分で、それ以外に給与所得、配当所得等がありまして、その不動産所得についてこれは青色申告が認められておりますから、青色申告の申請を税務署が受理しちゃったという場合にどうするかという問題だと思います。 先ほどから国税庁が申し上げておりますのは、そういう場合に青色申告の申請を受け付けていいのかどうかという問題だと思いますけれども、これはもう具体的なケースについて判定するしかないというお答えで御承知願いたいと思いますが、それを認めてしまいました場合には、これは青色申告控除が働くのは現行の規定によって相当なことであろうと思います。 そこで、その場合に委嘱者が不正に国税、地方税の賦課徴収を免れているかというと、どうもそうでもないようでございますし、課税標準の計算の基礎となるべき事実の全部または一部を隠蔽、仮装している事実であるということでもないと思いますので、したがいまして、たびたび福田審議官からお答えしておりますように、これは四十一条の三の構成要件に当たらないというふうに考えます。
○丸谷金保君 そうしますと、こういうのを税務署で受け付けて、後でこれはおかしいじゃないかと。たとえば所轄税務署は受け付けたけれど、国税内部査察があってこれはおかしいと。おかしいでしょう、これは。不動産の面において業として、青色というのは。
○政府委員(矢島錦一郎君) 業として不動産所得を生ずべき場合で、青色申告のものというケースがあると思います。たとえば貸し家をやっている場合とか、具体的にはそういうケースもあると思います。
○丸谷金保君 そうすると、たとえば二万円で、二十四万で均分の家を事務所にして、家の一角を事務所として会社に貸したと。給与所得合算だから青申だと。この程度のものでも税務署は認めるというふうに理解していいですか。具体的な例なんですからね、これ。
○政府委員(矢島錦一郎君) ケース・バイ・ケースだと思いますが、そういう場合もあり得るのではないかと思います。間違いがあれば、また訂正さしていただきます。
○丸谷金保君 ここいら辺は取り扱っている税理士さんの間でも意見がまちまちなんです。いいんじゃないかという人もいれば、それはうまくないと。こういうわからない問題で、それがある税務署ではだめだと、ある税務署ではいいと。こういうような事案、その場合、もしもそれが後で査察が入って、これは助言義務違反だというふうなことにはならないのですね。片方ではだめだと言っているのですよ。片方ではいいと言って受け付けているのです。どうなります。
○政府委員(福田幸弘君) 税理士の方が自分の良心と自分の専門家としての知識によって客観的にこの要件に当てはまらないという御判断であれば、これは助言義務違反にはならないと、こういうことであります。
○丸谷金保君 この機会に、これは資料要求はきょうのには間に合わないから、いずれいたすことにいたしましょうか、きょうはやめておいて。 天下り税理士の問題なんですが、私、日本橋や京橋で非常にこれはと思うのがあるので、ちょっとこういうのは一体どうなんだと。こういうのがあるから、無試験でというのに対する反発も多く出てくるんじゃないかと思う例があるのですがね。五十年の七月の七日に、部長審判官として日本橋におられた方が税理士になったのです。半年で千七百九十三万九千円。千七百万、半年で。同じく京橋で四十九年七月八日に局の調査部長さん千五百七十二万四千円、以下千八百八十六万五千円、千七百六十三万七千円、はなはだしいのは六カ月ですね、六千八百九万八千円というふうな所得をとっている人がいるんです。これらはちょっと一体どうなっているのかと思うんですよね。こんなにいいものなのかと、開業して六カ月で大体七千万ね、こんな数字が出てくることに。これは私も申告書等見たわけではないので、これらについて名前はきょうは控えます。ひとつ調べて御報告願いたいと思います。それで、そちらの方が守秘義務で調べられなかったら、私の方で名前公表します。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 退職年月日あるいは所轄しております局あるいは署ですね、こういうものを伺いますれば私の方で調査させていただきたいと思いますが、ただいまおっしゃいました六千何万ということになりますと公示金額との関係がございますが、公示する場合には譲渡所得とかいうことは表に出ておりませんので、それはいささか異常な数字ではないか。特に異常な数字ではないかと思いますのでつけ加えさせていただきます。
○丸谷金保君 恐らくこれは、何か一時所得も別にあったのかと思います。それからその他の人にしても、退職金との合算というふうなことかもわかりませんがね、見る限りでは。ですから調べていただきたいと。見る限りではべらぼうな数字だなと、開業してすぐにこんな申告と。これもやっぱり明らかにしておいた方が国税の名誉のためにもいいんじゃないか。私は、退職金と合算だなという感じがするんですよ。しかし、数字としてはそう出ておりませんので、その点ひとつ後刻でよろしいですから、やっぱりこういう点を明らかにしていかないと、いろいろ世の誤解を招くというふうなこともありますので、念のために実は申し上げた次第です。 きょうは大変前向きの御答弁もいただいたので、税理士法改定をめぐる、東京ラウンドに入ろうかと思いましたけれど、それの方はやめにして、こういう場合どうなるかというのを一つ。 助言義務ができたから税理士さんに頼んだら高くなるだろうと、これはかえって高くなると心配して、本人が直接税務署へ行ってテープレコーダーを置いて、私はちっちゃなかせぎ人で税務の計算できないと、とりあえずこうやって来たけれども、もしこれで不足だったら修正申告でも何でも応じるからひとつ調査してくださいと税務署に来る。この場合、調査しなけりゃなりませんわね、どうなんですか。調査をする義務が出てきませんか。
○政府委員(矢島錦一郎君) 先生のちょっと御質問の趣旨が私に聞き取れなかったのでございますが、恐縮でございますが、もう一度お願いいたしたいと思います。
○丸谷金保君 助言義務というふうなものが今度できたそうだと、それだと洗いざらい税理士さんが探すことになると、これはどうだ、それでないと後でわしは言った、先ほども話があったように立証をどうするかという問題もありますから、そういうのはめんどうだから、よくわからぬけれど、直接税務署へ行ってわしはこれくらいだと思うから、しかしどうも自信ないと、こんなむずかしい税法を一般の人がそうわかるわけないんですから、わからないことたくさんあるんだから、よく調べてほしい。そして、間違ってたら申告し直しますと、こういった場合に、修正申告期間内に税務署は調査に入らなきゃならぬですね。
○政府委員(矢島錦一郎君) 税理士先生が仮にそういうようなことをおっしゃってきたとしたら
○丸谷金保君 税理士じゃなく……
○政府委員(矢島錦一郎君) 納税者の方がでございますか。
○丸谷金保君 たとえば大工さんでもいいです。
○政府委員(矢島錦一郎君) 大工さんが御自身のことについて調べてくれと、そこは心証の問題だろうと思いますが、私はやはり税務行政としては、法律に従って適正な課税が行われているかどうかという心証が得られれば調査しない場合もあるでしょうし、これはおかしいということであれば、当然、調査に着手することになろうかと思います。
○丸谷金保君 これは本人がよくわからないと、たくさんわからない人いますよね。だから、調べてくれと言っても、おまえさんのやつはいいということになりますか。
○政府委員(矢島錦一郎君) そういう方々のために、確定申告の時期にはいろいろ御相談に応じまして、どのぐらいことしは所得になりますというようなお話も承りながら申告書を作成しておるわけでございまして、御指摘のようなケースの場合の、わからないながらも、やはり自主申告納税制度を前提としている限りは、納税者の方が自主的にどのぐらいありますということは、当然普通の場合はおっしゃっておいでになるというのが通例ではないかというふうに考えております。
○丸谷金保君 たてまえとして、わが国はやっぱり自主申告制度なんです。しかし、実際には、税法上の問題は非常にむずかしくてなかなかそう簡単でないんです。そうすると、たとえば税理士さんでも、故意でなくても間違える場合ありますよね、いまのような場合で。税務署だって、そんなことでみんなが直接来られて、調べてくれと言われたら困るでしょう。
○政府委員(矢島錦一郎君) その点は全く先生のおっしゃるとおりでございまして、まだなかなか納税者の方々、申告納税制度が定着しておるとは言いながら、小さい零細企業の方もおられますし、御自分でなかなか自主申告の手続も含めましてできないという方もおられるわけでございまして、その点は先生のおっしゃるとおりだと思います。
○委員長(世耕政隆君) 丸谷君、もう時間が来ましたので、終局にお近づき願います。
○丸谷金保君 実は、もうそういう問題が具体的に挙げたら山積してくるんです、助言義務というのは。それほどむずかしい問題が青天のへきれきのごとくばっと出てきたところに、今回のこの税理士法改正をめぐる混乱があるということ、したがって、これの適用についてはもう慎重の上にも慎重にやってもらわなければ大変ですし、大体いままでの論議の中では、まず助言義務違反というふうなことはほとんど起こり得ない、やはり倫理規定だということが答弁の中から出てきております。 そういうふうに私たちも理解をいたしますけれど、一罰百戒ということがあるんです。一人やられますと税理士がみんなびびっちゃって、こういうふうな本来は税務署の方の間違いで当然納税者の側に立って主張しなければならないものも主張しなくなるという、納税者保護のために非常に危険な半面も助言義務という法律は持っているんです。 ここら辺を十分ひとつ監視していただくと同時に、試験制度等についてはこれで終わりでなくて、特別試験という制度を今度廃止したんだから、ここを出発点にしてさらに前進する方向で御検討願いたい。このことについて、最後に大臣に御答弁をお願いいたしたいと思います。
○政府委員(高橋元君) 助言義務違反に係る懲戒処分の取り扱いに当たりましては、税理士、納税者双方の地位を不当に損なうことのないよう、慎重を期してまいりたいと思います。 第二に、特別試験を廃止いたしまして、今後税務職員に対する会計学試験免除をいたすわけでございますが、その研修の内容なり、それから実施のやり方なりにつきまして厳正を期しまして、一般試験との均衡を失しないよう、配意していきたいと存じます。
○多田省吾君 税理士法の一部を改正する法律案につきまして、質問をいたします。 〔委員長退席、理事細川護照君着席〕 前回は、私は助言義務の規定の新設等につきまして質問いたしましたが、今回はまず試験制度について質問をしたいと思います。 今回の改正案では、助言義務規定の新設とともに、この試験制度の改正というものが大きな問題になっていると思いますが、大蔵省としまして、この試験制度の改正につきまして、またそれをめぐる問題についてどういう見解を持っておられるのか、まずお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(高橋元君) 税理士のお仕事が、税務官公署との税務折衝ということが中心でございますから、したがって、専門実務家としての業務でございますので、十分な実務税務事務の経験というものについても評価をし、税理士資格を与えるということが運営上実情にかなっておるというふうに、これはもう制度創設以来思っているわけであります。 そこで、三十一年から特別税理士試験制度を採用して、途中三十六年の経過がございましたけれども、今日まで特別税理士試験制度を行ってまいりました。しかし、午前中にも御質疑がございましたように、こういう附則で行っております特別税理士試験制度でございますから、暫定措置であるから廃止をして本来の一般試験に一本化すべきだという御意見もございますし、げた履きの試験でございますから、そんな試験をやめてしまって別の制度を設けるべきだという御意見もありました。 今回、税理士制度全般を見直す機会を得ましたので、特別税理士試験制度について検討を行いまして、この制度を廃止して一般税理士試験制度に一本化するとともに、一定の要件を備える者について会計学試験免除制度を採用するということにいたしたわけであります。従前よりも税務の実務経験についてより重い、より高い経験を要求することとし、かつ税理士審査会が指定する研修、これはかなり高度の研修というものを修了した者に対して会計学の科目を免除するというのが御提案の内容であります。税理士法の本旨に沿って、納税者の方々、依頼者の方々に対して正しい申告納税制度というものについての援助ができるような内容を持った税理士さんを育成したいということが、試験制度についての私どもの考えであります。
○多田省吾君 従来の特別試験にも、いろいろ問題があったと思います。今回は特別試験を廃止いたしまして、一定の税務職員の方に対しましては無試験で資格を取得できるようにしたわけでございますが、一般の試験を受けられる受験者にとりましてはこれがはなはだ不公平であると、こういう意見が強いのでございます。参考のために私は税理士の資格取得者とそれから登録者のおのおのにつきまして、一般試験者、それから特別試験者、さらに認定者の数をそれぞれお伺いしておきたいと思うんです。
○政府委員(伊豫田敏雄君) お答えいたします。 昭和五十四年三月末の数字でございますが、資格取得者について申し上げますと、資格取得者のうち一般試験合格者は二万一千七百三十三名、同じく資格取得者のうち特別試験合格者は二万八千六百八十名、同じく資格認定者は四千十六名、その他の者が二万四千百名おりまして、合計で七万八千五百二十九名でございます。 他方、この資格取得者のうち登録者を申し上げますと、一般試験合格者は一万七千四名、特別試験合格者が一万六百五名、資格認定者が二千百八十七名、その他の者が七千二百九十二名おりまして、合計三万七千八十八名、このようになっております。
○多田省吾君 ただいまの数は、昭和五十四年三月の数と言われましたが、私は計算の都合で、ほぼ同じだと思いますが、昨年の六月五日の衆議院大蔵委員会で発表された昭和五十三年十一月三十日のものから見ましても、資格取得者のうちで一般試験で取得した方は約二〇%、特別試験や認定者が残りの八〇%、そして取得者のうち登録している人が一般試験の人で約八〇%、特別試験その他の方で登録者数が約四〇%、今回もほぼ同じだと思いますが、したがって、現在登録されている方の数の内訳を見ますと、一般試験者の方の登録は約三五%で、残りが特別試験、その他の方でございます。こういった状況を見ますと、今度のまた試験制度の改正によりまして、客観的に見まして、ますます一般受験者の資格取得がむずかしくなる、厳しくなると、このように常識的に思えるのでございますけれども、大蔵省の見解はどうでございますか。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 御承知のとおり、税理士試験は税理士となるに必要な学識及びその応用能力、こういうものを持っているかどうかということを判定するための資格試験でございます。したがいまして、あらかじめ全体の合格者数というものを決めるわけではなく、その資格を持つと認定できる者を合格とするわけでございまして、したがいまして、御指摘のように、一般試験受験者の資格取得が今般の制度改正により今後さらにむずかしくなるというふうなことはあり得ないと、このように考えております。
○多田省吾君 念のために、外国における税理士の試験制度の実態について、どのようになっているか、お伺いしておきたいと思います。
○政府委員(高橋元君) なかなかよくわかりません部分が多くて恐縮でございますが、アメリカの制度を申し上げますと、これは弁護士と公認会計士、これは税務の代理ができるわけであります。そのほかに登録代理人とでも訳しますか、そういう方々がおられまして、これは試験合格か、または内国歳入庁の元職員で、過去の勤務もしくは経験に基づいて大体五年以上勤務して、その期間を通じて内国歳入法の適用、解釈の職務に従事したという場合がこれに当たるようでございますが、その内国歳入庁が資格を付与した方、こういう方が登録代理人になられるようであります。残念ながら、員数はわかりません。 それから、ドイツでございますが、これは税理士という制度がございまして、税理士試験に受かった方と、税務官庁に課長以上として十年以上勤められた、または専門官——わが国の税務署でいいますと、係長さんぐらいになるかと思うのですが、専門官として十五年以上勤められたという方が税理士さんになられるようであります。第二に、税務代理士という制度もございまして、これは実務六年をやりました後、税理士会のゼミナール試験に合格した方であります。そのほかに、弁護士及び公認会計士が税務代理をおやりになることは当然であります。ドイツで税理士業務を行っている方は約三万人、ただし、その中の八割が税務代理士、いま申し上げた二つ目の項目でありますが、それになっておるというふうに承知しております。 それから、英仏でございますが、これはいわゆる税理士制度というものはございませんで、自由業務ということになっておるようであります。ただし、事柄の性格上、そのほとんどが公認会計士によって行われておるということが実情のようであります。
○多田省吾君 いまアメリカ及び西ドイツの例等をお伺いしましたけれども、単純な比較は問題があると思いますが、西ドイツの場合は調査官は全税務職員の八%、その調査官も高級職部門統括官、いま課長以上と言われましたけれども、それになってから十年以上の経験者である、さらに離職後三年間の開業禁止の規定などがある、このように聞いております。 こういったこと等をにらみ合わせまして、わが国でも三年間の開業禁止の規定とか、こういった問題は何らか学ぶ点があると思われますけれども、どうお考えですか。
○政府委員(高橋元君) 先ほどもお断り申し上げましたように、外国の制度でございますので、細目とか実際の運用状況、はたまたそれぞれの国の置かれております税務事務の実態というものについては必ずしもつまびらかにできないわけであります。それからまた、外国の制度はそれぞれお国柄と申しますか、社会的、歴史的な沿革によってできておるものでございますから、われわれ、わが国の税理士制度を立案するに当たりましても外国の制度を検討して合理的なものを参考といたすという態度は堅持しておるつもりでございますが、そこはまた、日本の特殊性というものも考慮する必要もあろうかというふうに思うわけであります。 税務職員に対する資格付与という問題をお取り上げいただきましたが、日本は試験科目の免除という形で行うわけでございます。それから、退職税務職員につきましても、現行法の規定で離職後一年間は離職前一年間に占めていた職に属すべき事件、これは実際に扱った事件というよりももっと広いわけでございますが、属すべき事件について税理士業務を行ってはならないということになっておりまして、わが国もお示しのように、三年ではございませんけれども制限を行っております。
○多田省吾君 一般的に税務署員から税理士になられた方が開業された場合、いわゆる天下り顧問税理士というようなことでよく問題になったことがございます。もちろん、税務署出身の方だからといって審査が甘くなるというようなことはよもやあるとは思いませんが、そうした疑いを緩和するためにも、私は西ドイツのように離職後三年間というようなことをある程度やはり参考にすべきではないか、このように思われます。また、現行法でも離職後一年間の空白期間が設けられておるわけでございますが、現在でも何かトラブルが起きているように聞いております。具体的にいままで、最近どんなトラブルがどのくらい起きているのか、お示しいただきたいと思います。
○政府委員(高橋元君) どういうトラブルがどういうふうに起きておるかは国税庁からのお答えでございますが、現在、お話もございましたように、そういうことがよもやあってはならないということは十分戒心をいたしておるつもりでございますけれども、税務署出身の税理士が退職時の地位、縁故を利用して一般の税理士の方々よりもいわば有利な立場に立って業務の不当な拡張を行うという弊害の発生を未然に防止いたしますために、いまお示しの離職後一年間は離職前一年間に占めていた職の所掌に属すべき事件について関与してはならないという制限を設けておるわけであります。 国税庁それから大蔵省、私どもの方といたしましても、この規定の遵守については十分に励行させておるところでございます。法律上さらに制限を強化してはどうかということをしばしば検討したわけでございますけれども、税理士業務は納税義務の適正な実現という観点から、公共性の高い業務であることは申すまでもないことでございますが、また観点を変えてみますと、これも一つの営業であるということでございますので、現行法以上に厳しい業務制限をすることは、他の制度等との並びから見ても適当でないという考え方をとっておりまして、この点につきましては税制調査会でもいろいろ御検討をいただいた結果、そういう考え方を私ども持っておる次第でございます。
○多田省吾君 国税庁はいかがでしょうか。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 立法問題は、主税局の方でただいまお答えいただきましたことで尽きると私も考えております。現在の執行上の実情につきましては、そういうことのないよう常時われわれとしても努力を重ねているところでございまして、通達を改め、あるいは会議等の機会をとらえまして、できるだけ管下五百有余の全税務署に対する趣旨の徹底というものを図っております。それなりに現在そういうことが比較的なく最近は動いている、このように信じている次第でございます。
○多田省吾君 昨日、人事院から、昭和五十四年のいわゆる天下り白書が発表をされました。その結果、史上最高の天下り件数になっているわけです。大蔵省がトップの六十九人です。うち、三六%に当たる二十五人が金融関連企業、また、国税の高級官僚の方も多数見当たりますけれども、国税関係者はどのようなケースで就職したのか、お伺いしたいと思います。 その中には、やはり顧問税理士となっているケースもあると思いますが、どうですか。また、大蔵大臣は今回の天下り白書に対してどのような感想をお持ちか、お伺いします。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 昭和五十四年度に退職し営利企業へ就職した者で人事院承認を得たものの数は、二十二名になっております。ただ、どういう経緯で就職したかということにつきましては、個別にわたる問題でございますので、この席での御答弁は差し控えさせていただけたらと、このようにお願いしている次第でございます。
○政府委員(松下康雄君) 在職中に職務に精励をいたしました公務員が、その専門的な知識あるいは経験を退職後におきまして社会のいろいろな分野で活用をいたすということは、本人にとりましても、あるいは社会にとりましてもそれなりに意義のあることであろうと考えております。 ただ、この場合に、民間企業との間のいわゆる癒着が起こるとか、あるいは行政の公正さがゆがめられるというようなことが仮にも起こるといたしますと、これは非常な問題でございますので、そのようなことがあってはならないのは当然であると考えております。これらの観点から、国家公務員法の規定に基づきまして、国の機関と密接な関係のある営利企業への就職につきましては、人事院がそれぞれ法律上の要件に従いまして厳正な審査を行っておられるところでございます。 他省庁に比べまして大蔵省からの再就職者、特に金融機関に対するそれが多いという御指摘でございますけれども、大蔵省の職員につきましては、それぞれの職務の性質上、金融でありますとか予算、経理といいますような、企業で一般的に行われております専門的な知識、経験を持つ者が比較的多数になっております。このために、退職後におきまして各方面の企業から、これらの知識、能力を持つ人材を要請をされるという場合もいろいろあるわけでございまして、これらがいまの数に反映をしているのではなかろうかと思います。 大蔵省から再就職いたしました職員数は五十三年中は四十六人、五十四年は四十七人でございましたが、これらの再就職の件数が多いだけ、それだけ私どもも日常の行政に対する公正な姿勢の確保にいよいよ努力をいたしまして、世の御批判を招かないように、今後とも努力をしてまいりたいと考えております。
○国務大臣(竹下登君) 大要は、ただいま官房長から申しましたとおりでございます。確かに高度の知識と経験を退職後社会のいろいろな分野に活用するということは、それなりに意義のあることであろうと私も考えますが、特に企業との癒着とか行政の公正がゆがめられるというようなことがあってはなりません。人事院が厳しい査定を行っておるゆえんもそこにあると思います。 他省庁に比べて大蔵省が数が多いのじゃないかということでございますが、金融、予算、経理、そういう専門的知識を修得する職場にあっておるということが、それなりの要請を受ける一つの理由ではないかというふうに考えておるところであります。この問題につきましては、いろいろな私は議論を広範に将来はやるべき課題だと思うのであります。 たとえば、人の名前を出しますと、岸信介先生が商工次官になられたときは、たしか三十九歳か三十八歳であったそうでございます。そのころから見ますと、大体ここのところ四十年間で約十五、六歳、役所の総合的な年齢が上がっております。これは平均寿命が延びたということもございますし、そして、今後いずれ定年制等の法案を御審議いただくわけでございますが、役所の機構の中に活力を入れると同時にその定年制の志向される方向というものを考えて、逐次やはり私は社会情勢に適応していくためには、いわば在職期間が延びていくという傾向になるであろうと思います。そういうこともすべて総合した中で、私は問題点としてこれから掘り下げてみたいというふうに思っておるところであります。
○多田省吾君 私は、この問題はいろいろな問題を含んでいると思います。短い時間ではやれませんが、やはりその中におきましても、いわゆる民間企業への天下りが官民癒着として好ましくない結果、忌まわしい結果がかなり出ておりますので、やはり国民の間から強い批判が起こっているものだ、このように思っております。私が先ほど申しましたように、大蔵省が昭和五十四年度におきましてトップの四十七件、また国税庁が二十二件、合わせて大蔵省関係としては六十九件と、このように出ているわけでございます。先ほどお尋ねしましたが、その中に特に国税庁関係者の中にいわゆる顧問税理士となっているケースがあるかどうか、もしわかっていればお答えいただきたいと思います。 それからもう一点、これは昭和五十二年に大阪の国税局管区内で問題となった、いわゆる職員退職後の顧問税理士予約事件というものが、その後どう決着したのか、お伺いしたいと思います。これは昭和五十三年の七月五日参議院決算委員会におきましても、わが党の田代議員等が質問しているわけでございます。また、その後国税庁はこのような不祥事に対してどう対処しているのか、あわせて伺っておきたいと思います。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 先ほど申し上げました二十二件の中には、顧問税理士になっている者はございません。 それから、ただいまお尋ねの大阪国税局の顧問税理士事件の調査結果についてでございますが、税務の職場におきましては人事の刷新と行政能率を維持向上していかなくちゃならぬということから、どうしても一定年齢に達した職員には退職勧奨を行っておりまして、その際、退職職員の退職後の生活安定を図る必要がある場合には顧問先のあっせんは確かに行っております。この場合、法令に抵触することのないよう配意することはもちろん、税務の公正な執行に疑惑が生ずることのないよう、十分配意をしてまいったところでございます。 このような事情のもとで、ただいま御質問にございました昭和五十三年の夏、新聞等においてごらんになりましたような大阪国税局管内の退職職員の税理士開業のあり方及び顧問先のあっせんの仕方、こういう問題が取り上げられたわけでございますが、調査いたしました結果、違法または不当と認められるような事実は把握されておりません。 ただ、われわれといたしましては、その後の国税庁のこういう問題に対する対応でございますが、やはりそういうふうに新聞等に取り上げて世の中の批判、これは率直に受けとめて反省すべきものは反省し、改めるべきものは改めてまいらなくちゃならぬと考えた次第でございます。 そういう意味で、昨年八月、長官通達を発しておりまして、改めて顧問先のあっせん等に当たっては納税者等から批判や疑惑を招くことがないように一層留意するということを局署に指示してございます。また、一昨年十月には全国国税局総務部長会議を開催し、そのため特に改善策を申し合わせたところでございまして、その申し合わせた内容につきましては、顧問先のあっせんは国税局において責任を持って一元的に行っていくとか、あるいはあっせん業務は人事担当者に限って行っていくとか、あっせん件数及び金額を妥当な範囲内にしぼっていくとか、過度の重複関与等を生じないように考えていくとか、こういうふうないろいろのことを申し合わせて、自来実行に移しているところでございます。 なお、こういうふうに慎重の上にも慎重を期してまいりまして、今後とも納税者の疑惑を招くことのないよう十分注意してまいりたい。また、そういうことのないよう、確信している次第でございます。
○多田省吾君 私は、くどいようですけれども、こういった問題の明朗化を図るためにも、現在では税理士法四十二条に「離職後一年間は、その離職前一年内に占めていた職の所掌に属すべき事件について税理士業務を行ってはならない。」という規定がございますけれども、西ドイツの例もございますように、三年間程度の空白期間とか、あるいは離職以前三年間に取り扱った件を扱わせないようにするとかすれば、納税者と事実上六年の空白ができるわけでございまして、自分が関係した問題との利害関係は実際なくなると思うんです。 私は、まじめに税理士に就業されている税務署員の名誉のためにも、そういった配慮が今後必要ではないか、このように思いますけれども、改めてひとつ御見解を伺っておきたいと思います。
○政府委員(高橋元君) 先ほどドイツの事例で、退職後三年間は離職前三年以内に現実に扱った事件について関与できないという制度であるというお話がございました。これはドイツの税法の二十五条にそう書いてあるわけでありますが、三年間は離職直前三年以内に実体的に取り扱っていたと、こういうふうになっておりまして、税金を実際に計算し査定して決定したということが実体的ということの意味でございますから、したがってわが国が離職前一年、離職後一年という制約を設けておりますのは、これは管轄に属すべき事件でございますから、それよりも制限としては内容はきつい。 ただ一年、一年ということで、三年、三年という立法例を参照すべきでないかというお示しでございますけれども、これは先ほどの繰り返しで恐縮でございますけれども、税務職員出身の税理士が退職時の地位、縁故を利用して不当な業務拡張を行うといった弊害の発生を未然に防止するということでございますので、したがって、先ほどもお答えいたしましたように、現行の離職後の業務制限につきまして、さらに運用上厳格を期してまいるということで対処したいということで、御理解をいただきたいと思います。
○多田省吾君 次に、試験制度の改正に絡みまして試験科目の問題でお伺いしますけれども、昨今、国税不服審判所への審査請求などがかなり多くなり、また、法的な議論をする場合が非常に多くなってきております。 そこで、学者の中でも、将来の課題として租税法通論などを試験科目に加える等のことをしたらよいではないかという意見もありますけれども、大蔵省はどう考えておりますか。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 確かにただいま委員御指摘のとおり、租税法通論的なものを試験科目に取り入れたらどうかという学者等の意見があることは承知しておりまして、確かにそれなりに有意義なことと考えております。しかしながら、ただいまの状態において一挙に試験科目を拡大する、確かに方向としては私はそのとおりだと思いますけれども、拡大するということにはやはりいろいろと問題もございまして、なお今後将来の課題といたしまして、税理士業務の状況や業界の意見等も十分参考といたしながら、その問題について検討を続けてまいりたい、このように考えております。
○多田省吾君 それから、さらに試験制度におきまして問題となっておるのは、長期間税務の職にあった人はエキスパートでありベテランでございますから、税法や税務について豊富な知識や経験を持たれた人たちであると思いますけれども、ただ、客観的に見まして、改正法案の第八条第一項第十号の「研修」というものはもう少し改善するとか、あるいは会計学の方は一般試験でテストするというような改善策がないものかどうか、その辺どう考えておられますか。
○政府委員(伊豫田敏雄君) なお会計学の試験等について改善の余地はないかというお尋ねでございますが、改正案の第八条第一項第十号に掲げる「研修」につきましては、税理士審査会が税理士試験の会計学の合格者と同程度の学識を修得することができるものと認めた場合に指定を行うというふうに、非常にこの「研修」については重点を置いておりまして、そういうことによって税理士の水準というものを維持するということが考えられているわけでございます。 また、税務職員につきましては、その仕事の性質上、会計学についての知識はいわば必須のものとして最低二十三年の長年の間にわたり実務経験の中で学んでいるものでございまして、改正案の規定は、税理士としての業務を遂行する上で十分その要件を満たすことができるものではないかと考えております。
○多田省吾君 国税職員の方は二十三年で全科目免除になるわけでありますけれども、そこで長い間法人税、所得税関係のお仕事をやってきた人はともかくといたしまして、中には徴収あるいは管理部門に携わってこられた方も含めて一律二十三年間であるとするのは、その方たちが税理士となった場合、問題があるのではないかと考えられますけれども、この点はどう考えておりますか。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 確かに法人とか所得税担当の直税部門を専門にやってまいりました職員に比べまして、徴収、管理部門などの事務を行っている者はその間の差というものはおっしゃるように若干あるかもしれません。しかしながら、徴収、管理部門などの事務に現在従事しているという者であっても、過去においてたとえば所得税、法人税などの直税事務に従事したこともある者も相当多いという状況でございまして、また総務や徴収、管理などの事務も、他の事務を全く知らないではこれは行うことができません。 そういう意味で、いわば税務職員は過去二十三年の間にわたりまして間接的ではございますけれども、職員の日常の事務全体の中にそれを通じてやはり会計というものを勉強せざるを得ない実情にあるのではないか、このように考えておりまして、したがって、今回の改正で経験年数を延ばしたり、あるいは研修の修了等を要件に加えたことをいろいろ考えあわせますと、これらについてやはり全科目免除をすることは、特に妥当を欠くものとは考えておりません。
○多田省吾君 次に、使用人等の監督義務でありますけれども、現行法の第五十四条にも使用人等の守秘義務でも規定されておりますが、現行法の第五十四条は依頼者との関係が強いと思います。今回の改正案で改めて監督義務を設けたのはどのような理由ですか。
○政府委員(高橋元君) まさにいまお示しのありましたように、税理士とか税理士の使用人、従業員という方々は、他人の御商売の秘密とか、他人の財産の内容というものを職業上知ることができるわけであります。そこで、使用人についても税理士と同様の守秘義務についての規制をいたすわけでございますが、今回使用人に対する監督義務を設けて御審議をいただいておりますのは、税理士の使用人による非違行為がかなり多い、たとえばにせ税理士行為でございますとか、はなはだしきは贈収賄というようなことに関連することがあるわけであります。 これは、使用人に対する監督が十分に行き届いていないことによるというふうに考えられますので、税理士制度の健全な発展、納税者の利益の擁護というようなことを考えますと、使用人に対する監督義務を法律上明示することによって、税理士の自覚をさらに促す必要があるということで、今回四十一条の二の規定を新設することを御提案している次第であります。したがいまして、使用人等の守秘義務と、この五十四条の守秘義務と四十一条の二の規定とは直接の関係はございません。
○多田省吾君 いま局長から、現行におきましても非違行為という事件が相当出ているようなお話がございましたけれども、具体的にどの程度の事件が起こっているんですか。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 非違事件の件数について申し上げますと、税理士法制定時の昭和二十六年度から昭和五十三年度末までの間に行われました懲戒処分の件数は、合計二百四十一件でございます。その内訳は、業務禁止処分が十二件、業務停止処分百七十一件、戒告処分五十八件となっております。
○多田省吾君 前回、私は助言義務の規定の新設についていろいろお伺いしましたが、この件に関しましてもう一点伺っておきますが、改正案では「隠ぺいし、若しくは仮装」ということが該当事項になっておりますけれども、こういう規定に対して大蔵省はいわゆる納税者の節税という概念とどういう関係にあるのか、その区別をどうするのか、それは具体的にどう考えておりますか。
○政府委員(高橋元君) 四十一条の三の構成要件は、不正に賦課、徴収を免れ、または課税標準等の事実を隠蔽もしくは仮装しということにあると思います。「不正に」と申しますのは、たびたびお答えしておりますように、故意をもってということであります。それから隠蔽、仮装と申しますのは正当な取引があったのにないようにする、つまり簿外にするとかそういうことでございまして、仮装といいますのは、収益に属するべきことを債務に計上するというように、正当な取引の名義を偽るということであろうと思います。こういうことは脱税を図る、要するに積極的な脱税を意図しておるという場合だと思います。 しばしば節税ということが言われておりますけれども、法律で定められた納税義務の実現に当たりまして、納税者が法律で認められた範囲内でよけいな税を払わないようにするという意味でございますれば、これはただいまも申し上げました、四十一条の三の構成要件に照らして何ら問題にならないと思います。 そういう意味で、適正な納税義務の実現ということを使命とされる税理士さんが、納税者に対する援助をしていかれる、よけいな税金も払わなくて済む、節税についても援助していかれるということは、納税者の御期待にもなっておられるところであろうというふうに思っております。
○多田省吾君 いまお答えのあったように、節税ということはこれは断じて脱税とは異なるわけでございます。事実を隠蔽することではなくて、庶民から見れば税法の知識が足りないとか、あるいは本来控除されるべきものもそのまま申告してしまったとか、また、控除を証明するものが入手できないで知らないで申告したとか、最近は医療機関の領収書もなかなかいただけないというようなことで、この点でもいろいろ問題が起こっていると思います。一般国民にとっては税法は非常にむずかしいものとして、当然の権利として節税することも何かこう重荷になるというようなこともあると思います。 ですから、私は、この節税に関しましては大蔵省ももっともっと控除できる対象につきましては積極的にPRする必要があるのではないかと、このように思われますが、どのようにお考えですか。
○政府委員(伊豫田敏雄君) PRにはすでに努力しているところでございますが、納税者及び税務職員の双方にとってわかりやすい税法であることが望ましい、これはもう言うまでもないことでございまして、税法が複雑多様な経済取引をその対象といたしておりまして、各種の政策上の要請をも取り入れて、しかも課税の公平が強く要求されるものである点から、ある程度のきめの細やかさ、厳秘な表現がとられるのもやむを得ないと考えるわけでございまして、そのために非常に問題がわかりにくいという点も御理解賜ればと思いますが、これらの点を補うために国税庁といたしましては、税法の中身をなるべく平易に響きかえた説明書を用意したり、あるいは税の相談日だとか、税務相談室などを設け、納税者が容易に理解できるように常時努めているところでございます。 また、お尋ねの各種控除につきましても、新聞、テレビ、週刊誌等のマスコミを活用し、あるいは国税のしおり等のパンフレットを配布するなど従来からPRに努めておりまして、特に確定申告期におきましては確定申告書の記載例を配布するなど、わかりやすい広報にも力を尽くしているところでございます。今後とも納税者の意見を取り入れながらさらにわかりやすい広報に努めてまいりたいと、このように考えております。
○多田省吾君 私は、まだまだそれはわかりにくいから、やはり国税庁関係の発行したものよりも野末さんの本なんかの方がよく売れるんじゃないかと、このように思うわけでございまして、この点はもっと積極的にやはり国民のためにPRする必要があると思います。 次に、私は税理士の懲戒処分の問題について伺いたいと思います。 まず、今回の改正案では、従来の国税庁長官から大蔵大臣が懲戒処分を行うことに改正ということでございますけれども、その理由についてまずお伺いしたいと思います。
○政府委員(高橋元君) 税理士さんの身分なり分限なり仕事なりということに対して、懲戒処分の持っている影響というのは非常に大きいわけであります。諸手続につきましても一層慎重を期する改正を御提案いたしておりますが、税理士さんの社会的な地位も非常に高いということも考えまして、処分権者を国税庁長官から大蔵大臣にいわば引き上げたというのが改正の趣旨でございます。
○多田省吾君 今回の改正で、懲戒しようという税理士に弁明の機会を与えて、また、税理士審査会の議決に基づいて懲戒することになるわけでありますけれども、そこで議決に基づいてということでありますが、議決によるとしない理由はどうなのか。また、懲戒の内容がどの程度税理士審査会の議決に左右されるものか。もちろん、大蔵大臣の段階でその議決よりも重い懲戒になるということは絶対考えられないことでございますが、その議決よりも若干の軽い裁量になるような余地があるのかどうか、この辺をお伺いしたいと思います。
○政府委員(高橋元君) 御提案では、確かに税理士審査会の議決によりといたしておりません。したがって、税理士審査会の議決した内容と現実に行われます処分の内容とが違う場合が起こり得るわけでございます。 ただし、税理士審査会の議決の内容は、懲戒事由に該当するかどうかについての判断と、懲戒事由に該当すると判断いたしました場合に、その具体的な懲戒処分の内容をどうするかと、その二つに分かれると思うわけであります。懲戒事由に当たるかどうかということについての判断は、必ず税理士審査会の御判断を仰ぐ必要があります。それを行わないで懲戒にいたした場合は、違法でございます。 しかしながら、どのような具体的内容を持った懲戒処分をするか、戒告なのか、業務停止なのか、業務禁止なのか、そういった懲戒処分の内容につきましては、必須の要件でなくて、税理士審査会のお考え、または大蔵大臣が税理士審査会に諮問をいたしますその諮問のやり方によって、処分権者にゆだねられる場合もあり得ると思います。どういう内容の議決を求めることにするかは、法律を成立さしていただきました後で、早速税理士審査会と協議しながら検討をしてまいりたいと思います。
○多田省吾君 では、具体的にいまお話もございましたが、この税理士審査会と懲戒審査委員との関係、それから、懲戒審査委員がどのような調査をするのか、また、税理士審査会はこの懲戒審査委員の意見をどのように判断してどういう結論を出すのか、その辺は当局はどう考えているんですか。
○政府委員(高橋元君) 大蔵大臣が懲戒処分をしようという場合には、いまもお答えしましたように、税理士審査会に諮りまして、その議決に基づいてしなければならないわけでございますが、懲戒審査委員は、この税理士審査会の中で懲戒処分について具体的に御審査になる役目を負っておられるわけであります。したがって、大蔵大臣から諮問がありました場合には、懲戒審査委員による審査を行って、その結果をもとに税理士審査会が議決を行われるということになりますが、具体的な運営方法は、これは、条文にもありますように、政令にゆだねられておりますので、先ほども申し上げましたように、法案を成立さしていただきました後で、早急に適正な方法を詰めてまいりたいと考えております。
○多田省吾君 ここで一つ問題になりますのは、本人または代理人を通じて弁明する機会を与えるのは、これは大蔵大臣ということになっておりますが、いわゆる税理士審査会の方には弁明の機会がないわけでございまして、審査会は客観的に、あるいは学問的に審査をするということになろうかと思いますけれども、審査会の方にも弁明の機会を与えるようにした方がよいのではないかという意見がありますが、これはどう考えておりますか。
○政府委員(高橋元君) 審査会が必要があるというお考えでありますれば、本人等の弁明書の提出を大蔵大臣に対して求めておくということも可能であろうと思います。本人、代理人に弁明の機会を与えるのは大蔵大臣でございますけれども、これは懲戒処分権者である大蔵大臣が自分で懲戒処分を行う場合に、本人の言い分を十分聞き取るということを大蔵大臣に義務づけるという趣旨でございます。 今後、審査会の運営に必要な事項につきましては政令案を早急に詰めてまいりたい、その中でいまのお示しのことについても、どういうふうに運営するか考えてまいりたいというふうに思います。
○多田省吾君 先ほどもお尋ねしたのでございますが、税理士審査会に懲戒審査委員を置くことになったわけでありますけれども、この税理士審査会と懲戒審査委員との関係でございますね、それがどのようになるのか。これは政令に任せてあるというお答えでございますが、それだけでは納得がいかないわけです。具体的にどのように考えているのか、もう少し詳しくお答えいただきたい。
○政府委員(高橋元君) 懲戒理由に該当するかどうかという御判断について、税理士審査会の議決は必須であります。したがいまして、懲戒審査委員は、税理士審査会の中で懲戒処分についていまお答えしました点について、具体的に御審査をいただくわけであります。
○多田省吾君 もう一つ、これも重複いたしますけれども、この懲戒審査委員でありますけれども、どのような調査をするのか。また、税理士審査会に提出される意見はどのように使われるのか。その辺をもっと具体的に、ひとつお答えいただきたい。
○政府委員(高橋元君) 懲戒審査委員に期待すべき役割りにつきましては、先ほどお答えを申し上げました。それの内容は、制度の趣旨を踏まえて税理士審査会と御相談をして、国税庁の方で詰めてまいることであろうというふうに思いますし、制度の趣旨を十分に生かすような具体的な答えを出したいと思います。 審査委員の審査の結果をどう扱うかということでございますけれども、これも税理士審査会にどういう形で大蔵大臣がお諮りをするのか、また、本人の弁明等につきまして、先ほどもお答えしましたように、事前に大蔵大臣経由でそれを徴するのかどうかという点もございますので、総合的に判断をしてまいりたいと思います。
○多田省吾君 改正案の第四十八条の三項、六項によりまして、税理士審査会の委員または懲戒審査委員は大蔵大臣が任命することになっておりますけれども、公平を期するために、税理士会推薦の委員を大蔵大臣が任命するということについては、大蔵大臣はどのようにお考えでございますか。
○国務大臣(竹下登君) 今回の改正で、税理士試験の実施と懲戒処分の審査を行うための税理士審査会を設け、同審査会の委員には租税に関する学識経験を有する者三人を置くこととしております。 まず、試験の実施に関しましては、試験委員を置いて、試験に必要な学識経験を有する者、これは税理士もこれに含まれるわけでありますが、そのうちから任命をいたします。次に、懲戒処分の審査に関しましては、懲戒審査委員を置いて、これは必ず税理士を含めることとする。そういうことにしておりますので、税理士審査会の委員に税理士を必ず選ぶべきであるとする必要性は必ずしもないと考えておりますが、税理士審査会の委員にふさわしい税理士を委員に加えることを検討するには、もちろんやぶさかではございません。
○多田省吾君 ただいま大臣にお伺いしたのは、税理士審査会の委員に税理士を推薦することには異論がないというお答えでございますけれども、私が質問したのは、公平を期するために税理士会推薦の委員を大臣が任命することに対してはどのようにお考えなのかと。これに対してはどうですか。
○国務大臣(竹下登君) これは、多田委員の貴重な提案として承らしていただきます。
○多田省吾君 それから、懲戒処分の議決は税理士審査会の委員によって決められるわけでございますが、いまお話があったように、税理士審査会の委員が三人というのは非常に少人数でございまして、果たして公正な判断ができるのかどうか。また、税理士審査会委員の三人、さらに懲戒審査委員の六人の人選について本当に公平な人選ができるのかどうか、それは大臣の裁量になるわけでございますが、それが非常に私どもにも従来のいろいろな、総理大臣あるいは各大臣の審議会とか調査会の人選等に当たってもわれわれには大変異論がありますので、その点も含めてひとつどういう考えで選ばれるのか、お伺いしておきたいと思います。 〔理事細川護照君退席、委員長着席〕
○国務大臣(竹下登君) 確かに委員三人をもって組織される。で、租税に関する学識経験者から任命される委員につきましては、人格そして識見ともにすぐれた方にお願いしたいと考えております。また、懲戒審査委員も設けることとしておりますことを考え合わせてみますならば、公正な判断が行われるものと考えております。 なお、懲戒審査委員には、行政職員それから税理士または学識経験者から六人選任されることになりますが、この三者構成は、もとよりバランスのとれたものであるというふうに考えております。
○多田省吾君 次に、懲戒処分の効力発生時期の問題でありますけれども、現行法では懲戒処分の確定のときとなっておりまして、相当長期間確定がしないわけでございますが、余裕があるわけでございますけれども、この改正案では、六十一条三号で、処分を受けたとき、すなわち即時発効となっております。これはやはり現行法に比しまして今回の改正案が非常に懲戒処分に対して、特に効力発生時期の問題に関しまして厳しくなっていると、このように受け取られております。現行法のままでも私は支障がないという意見があることを知っておりますが、大蔵省はこれをどのように思われておりますか。
○政府委員(高橋元君) 税理士さんの方々のお仕事が非常に重い内容を持っておって、社会からますますその適正なお仕事の実現が期待されておるということは、これはもうたびたび申し上げているとおりであります。 そこで、適正な納税義務の実現のために、独占業務でありますから、そういう法的保護を受けて税理士さんが仕事を行っていかれるわけでございますけれども、これは反面、業務執行における秩序の保持ということが強く必要になってまいるということにほかならないと思います。これを保障するために、監督上の措置として懲戒処分があるわけでございます。現在は、裁判所における判決確定までは懲戒処分の効力は発生せず、その間、税理士業務を行うのにふさわしくないというふうに考えられる方が自由に税理士業務を行っていけるということになりますと、一つは、行政秩序の破壊に対する制裁としての処分の効果は著しく減殺されるということでもありますし、もう一つは、関与しておられる納税者、関与先との関係でもやはり関与先に対して果たしてそれでいいのだろうかという問題があろうかと存じます。 そこで、税理士審査会に諮る、懲戒権者を格上げするというような諸般の税理士懲戒についての手続の慎重化を図りますと同時に、他の職業専門家につきましては、皆その処分時に効力発生ということになっておりますので、それと同じような行政懲戒であるという趣旨からいたしまして、処分時に効力発生ということに改めさしていただきたいというふうに思います。 なお、懲戒処分に不服があります場合には、行政不服、審査法、行政事件訴訟法等による権利救済が適用されることになりますし、必要な場合には処分の執行停止を認めるという制度もありますから、今回の改正が税理士さんの権利保護に欠けるということにはならないというふうに認識しております。御理解をいただきたいと存じます。
○多田省吾君 大蔵大臣にお尋ねいたしますが、いま質問をいたしましたように、業務停止の懲戒処分対象行為構成要件に該当するような行為をしていた税理士の方が、裁判で争っていればそのまま業務が継続できるというのが現行法でございます。その意味で今回の改正案は、六十一条三号で処分を受けたとき、すなわち即時懲戒処分の効力発生ということで、非常に厳しくその点ではなっているわけでございます。懲戒処分は、大蔵大臣が税理士審査会の議決に基づいて処分するわけでございますから、私は、よもや無謀な懲戒はないと思いますけれども、やはり私は慎重な審議が必要かと存じます。 そこで、処分をされる当事者である大蔵大臣にお伺いしたいのでありますけれども、一つは、慎重な運用をどこまでもお願いしたいということと、また、そのためにも、先ほど申し上げましたように、審査会及び懲戒審査委員の構成というものをくれぐれも重厚にする必要があると。国民から見て、なるほどと納得できるような構成にする必要がある。 以上の二点をお伺いしますが、どうですか。
○国務大臣(竹下登君) 税理士の懲戒処分に当たりましては、慎重な運営を期することは当然のことでございます。 今回の改正におきましても、懲戒処分権者を国税庁長官から大蔵大臣に引き上げたということ。そして、新たに税理士審査会を設けて、大蔵大臣が懲戒処分をしようとするときはこれに諮って、議決に基づいて行うということも、これは慎重にした一つの証左ではなかろうかと思います。 そうして、さらに御指摘のありました税理士審査会及び懲戒審査委員の構成を重厚にすべきであるという御意見でございますが、今回の改正におきまして、委員三人は租税に関する学識経験者である。また、税理士審査会の中にあって、懲戒処分について審査を行う懲戒審査委員六人は行政職、税理士、また学識経験者と、それぞれ任命されることになっておりますので、私は、これに十分にいまの御意見を生かした対応の仕方ができるものと考えております。
○多田省吾君 次に、審査事項記載書面添付制度についてお伺いいたします。 この制度の新設は、本来、税務署員が行うべき税務審査を税理士に行わせようと意図したものではないかという意見もあるようでありますけれども、この制度は、納税を税理士に依頼する納税者の立場から見まして、一体どのような意味があるのか、具体的にお答えいただきたいと思います。
○政府委員(高橋元君) いま税理士さんが関与しておられる業務に関連をいたしまして、御自分がつくるのに関与する関与事件について、申告書に対して審査書面の添付をするという制度が認められておるわけでありまして、この認めの処置があった場合には、税務当局が添付に係る申告書について更正する場合には、税理士さんに対して意見を述べる機会を与えなければならないということになっておりますが、今回設けます制度、三十三条の二の第二項だと思いますが、これは他人の作成した申告書に係る審査書面の添付ということについて同様の効果を持つ制度をつくりたいということであります。 いま、税務職員が行うべき申告書の審査を税理士に下請させようとするものではないかというお話がございましたけれども、そうではございませんで、御自分で申告書を書いた納税者が、税法、法律上適法なものかどうかということで、事前に税理士さんに意見を求めるわけでございますから、しかもそれについて税法上適法に作成されておるという御意見をつけていただくわけでございますから、納税者の方々の援助に資する制度であるというのが、この条文を新しく御審議を願っておる趣旨でございます。
○多田省吾君 次に、この制度の創設もそうでありますけれども、この問題を含めて、税理士の代理権に関する固有権の拡大というものについて、大蔵省はどのような見解を持っているんでしょうか。
○政府委員(福田幸弘君) 税理士の税務に関する専門家として納税者を援助する責務は重要であると、このような観点から、税理士の業務を拡大する等、その社会的地位の向上を検討することは必要と考えるが、他方、税理士業務が独占業務であることから見まして、その範囲にはおのずから限界があることを考慮する必要があると考えるところであります。 審査事項記載書面添付制度と申しますのは、いま局長申し上げましたように、税理士が専門家としての立場で他人のつくりました申告書について、税法に基づいておるかということを審査して、それについて国税当局の方もそれなりの評価をするということでありまして、税理士の代理権に関する固有権の拡大についてということの意味でございますけれども、それは税理士の代理権につきましては、従来の税理士の納税相談の範囲内での仕事ということに由来しております。
○多田省吾君 次に、日税連の最初の要望書、あるいは一部の税理士の方々からも、帳簿作成の義務を廃止してほしいという意見がありますけれども、大蔵省はこの点はどのように考えておりますか。
○政府委員(福田幸弘君) 帳簿作成義務については、その記載事項について今回の改正では簡素、合理化を図っておるところであります。この帳簿作成を廃止するということは、仕事の性格からこれは適当でないと考えます。ただ、罰則の適用というのが従来ございましたが、これは今回の改正で廃止をいたしております。
○多田省吾君 今回の改正案では、税務相談の内容とてんまつを記載することになっておりますけれども、具体的にはどの範囲まで必要とするのか、具体的にお答えをいただきたい。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 今回の改正におきましては、税務相談についての委嘱者別に、かつ一件ごとに、その内容及びてんまつについて記載を求めることといたしておりますが、具体的な帳簿の様式及び記載要領等につきましては、これは日税連が会則において定めることとなっております。 その場合、われわれのただいまの考え方といたしましては、内容及びてんまつといいましても、税務代理の場合と税務相談の場合とはそれぞれ記載内容がいろいろ異なることは当然でございまして、ただいまお尋ねのありました税務相談等につきましては、税目、相談項目等で足りるのではないかと、このように考えております。 いずれにいたしましても、先ほど福田審議官の方から御答弁申し上げましたように、全体として簡略化ということをわれわれとしては常時念頭に置いておりまして、税理士会の自主性を尊重し、かつ、できるだけ簡略化ということから、報酬金額等の記載も廃止している等の状態になっており、この線をさらに進めて、日税連から会則を定めるに当たりまして相談がありましたときにはその方向で指導をしてまいりたいと、このように考えております。
○多田省吾君 さらに、今回の改正では、公認会計士の方々との関係で問題になっているものも大分あると思います。すなわち、第二条の付随業務で、税理士が会計業務ができるようになりますけれども、会計業務と課税所得計算とは異質なものであり問題があるのではないかとか、あるいは税理士業務の会計業務と公認会計士の行われる会計業務との線引きをどこに置くのかとか、あるいは監査業務を除いて、だれにでもできる会計業務を税理士がその業務を遂行するために行うのは現行法でも十分ではないかとか、いろいろな意見がありますけれども、この問題に対してどういう見解を持っておりますか。 —————————————
○委員長(世耕政隆君) 委員の異動について御報告いたします。 本日、鈴木一弘君が委員を辞任され、その補欠として馬場富君が選任されました。 —————————————
○政府委員(高橋元君) 税理士の方々の関与の実態を見てみますと、伝票の整理、帳簿の作成というところからやられる方が、日税連の調査でございますが、大体個人の場合に半分、法人の場合には六割だそうであります。そういう意味でいまお尋ねのありました会計業務を付随業務として扱い得るという、当然のことでございますけれども、今回の二条二項の改正は、それなりの意義を持っておるというふうに思いますが、まず第一の、税法に基づく税務計算とそれから会計業務とは異質なものではないかということでございますけれども、税法に基づく税務計算は会計、経理に関する知識を踏まえてその基礎の上に必要な調整計算をするものでございますから、実際面においても、こうした意味で財務書類をつくりましたり、帳簿の記帳を代行いたしましたりといった会計業務は相当なウエートを持っているわけであります。 そういう現実から、本来税理士業務の委嘱を受けた納税義務者について、税理士業務に付随して税理士の名称で会計業務——これは自由業務でございますけれども、それを行うことができる旨を確認的に明らかにしたわけでございます。 財務書類の作成なり帳簿の記帳の代行といった自由業務でございますけれども、これを特に税理士業務に含ませようという意図を持っているわけではありません。会計業務であっても、監査証明といったような公認会計士の独占業務につきましては、それを行うことができないということにしておるわけであります。
○多田省吾君 私は、最後に申告納税制度の原点につきましてお伺いしておきたいと思いますが、午後からの御答弁にもありましたように、昭和二十年四月から申告納税制度がつくられまして、現在は源泉徴収ほぼ三五%を除きますと残りのほぼ全部である六四%は申告納税の分野に入る、こういうことになっておりまして、特に今回の改正案によりますと、こういう税理士業務の拡大で申告納税制度に基づく自主申告の権利を奪うことになるのではないかと、こういう声があるのでございます。これに対して大蔵省はどのように考えておりますか。
○政府委員(高橋元君) 現行の税制の基となっております申告納税制度、これの適正な発展を図るということが、税理士制度ないし税理士業務の本来のあり方であろうと思います。 そういう意味で、今回の改正案を含めましてシャウプ勧告以来の税理士制度というものを一層発展していっていただきたいというふうに思っておるわけでございまして、今回の改正案が申告納税制度に基づく自主申告の権利を奪うというお話でございますけれども、そういう考え方は全く私どもは持っておりませんことを、御理解いただきたいと思います。
○矢追秀彦君 もう時間も余りございませんので、基本的な問題について二、三お伺いをしたいと思います。 大蔵大臣にお伺いをいたしますが、今回の税理士法の一部改正案については大変議論があるところでございます。御承知のように、衆参両院を通じて質疑の中で出てまいりましたいろんな問題点、特にいまも質疑にありました公認会計士との問題あるいは試験制度の問題、それから税理士会内部においてもかなり反対もございます。このような税理士会、税理士さんの権利義務といいますか、あるいは利益といいますか、そういうふうな非常に問題を抱えた、しかもこれは当初議員立法というような話も出てきたのを、どうして政府提出の閣法で出されたのか、こういうふうな問題は余り閣法というのはなじまないんじゃないか、その点についてお伺いした。
○国務大臣(竹下登君) いわゆる閣法にはなじまないのじゃないかという御意見でございますが、やはり私はいわゆる業法——なりわいの定めでございますが、この業法というものは、税理士法に限らず、それぞれの置かれた立場の中で利害関係とかいろいろなものが主観的に予測されることが非常に多いのが、一般的な業法というものの性格であろうと思うのであります。 しかしながら、振り返ってみますと、これはやはり二十六年六月に制定されたものでありますし、三十六年六月に通りましたときの附帯決議がありまして、その後三十八年の政府・税調の答申を受けて、そうして三十九年に改正案が提出されて廃案となって、それから今日に至っておる。しかも、その間、税理士会等のいろいろな議論はございますが、いわゆる機関決定という形のものにおいて、現在において最善のものであるといういろいろな御認定をいただいたということからいたしますならば、私は、困難な問題であろうとも、やはり閣法の形で御審議いただくのが本筋ではないかというような考え方が、今日に至る経過であったというふうに理解をいたしておるところであります。
○矢追秀彦君 その辺が私もちょっと議論が分かれるんですけれども、要するに何か議員立法で出されるとばかり私も思っておりましたのが、急にこの前から出てきたと、こういう経緯があるわけです。しかも、いろいろ問題をはらんできておると、税理士会の最初の基本的な要綱とも違う面が出てきておると、こういう点で税理士会の方とも話し合いをしてやったんだと言われますけれども、現実にいろいろ問題がある。いまの大臣の答弁だけではちょっと私も納得できないんですけれども、重ねてお伺いします。
○政府委員(高橋元君) 根幹はいまの大臣のお答えに尽きておるわけでございますが、二、三事務的なことについて補足させていただきます。 三十六年の税理士法の改正の審議の際に、三年以内に特別試験制度その他を見直すという附帯決議がありまして、それに基づきまして政府の税制調査会で約一年有余にわたって審議をしたものが三十九年提案であります。これは、当時政府提案という形で御審議をお願いをした経緯がございます。 翻って考えてみますと、税理士制度というのは、各税法と並びまして一つの税務行政ないし税体系全体を構成する重要な法律であると思うわけであります。税理士さんの業務内容、それの円滑な運営ということにつきましては、やはり税務の一環をなしております国税庁の組織、構成と同じように、税体系全体の中で政府の考え方というものを法律の形で御審議いただきたいというふうに思います。従来からの経緯及び現時点での考え方を補足して申し上げて、閣法にしたゆえんのお答えと御理解いただきたいと思います。
○矢追秀彦君 次に、これもずいぶん議論をされて蒸し返すようですが、今回の改正案の一番第一に挙げられている「使命」ですけれども、これについて納税者の権利義務ということが損なわれると、こういう議論があるわけです。これは絶対損なわれないという立場の答弁が出てくると思いますけれども、じゃどうしてそういう権利義務というふうな文言を、そういうことがないというのなら入れられなかったのか、あるいは入れたならばじゃ脱税がふえるのか、その点はいかがですか。
○政府委員(福田幸弘君) 適正な納税義務の実現という中に、権利義務の実現が含まれるというふうに解しておるわけであります。権利の擁護というか、権利だけを書くといたしましても、その権利が一体何を意味するか、そういう問題が法律論もございます。さらに、司法の場合と行政の場合で、その辺の仕組みが違いますので、表からその記述はいたしておりませんけれども、申告納税下において納税者を援助するという立場は、第一条の中に込められているわけでございます。
○矢追秀彦君 いまの答弁だと「納税義務の適正な実現を図ることを使命とする」の中に入っていると言われますけれども、ここが一番問題でありまして、要するに政府、国税庁は税を取り立てる立場、納税者側というのはできる限りそれは節税をしていきたい、これはまああたりまえのことなんです。 一生懸命働いて一生懸命汗水を流して得た利益ですから、もちろん税金を納めるのは当然の義務ですけれども、そこにできる限り、一生懸命やったということでいろんな経費で落としていきたいというのは、これはもうあたりまえでして、もうけをいかに隠すかということになるとこれは問題だと思いますが、そうではなくて、私はやはり国民の、納税者側の——もちろん義務は納税義務ということが書いてあるのでそれは入れていいですけれども、これは私は権利の擁護というふうな言葉を入れても、いま司法と違うとおっしゃいますけれども、私は決して構わない。事実、税理士会の方でも、そういったことは過去にはうたわれてきておるわけです。これも重ねてお伺いをしますが、入れると法律としてまずいんですか、法律用語としてまずいんですか。
○政府委員(福田幸弘君) その権利というものが具体的に確定できませんので、法律論として適当でない。おっしゃっている趣旨は、第一条の中に十分に込められておるというふうに解しております。
○矢追秀彦君 だから、第一条でもう少し親切な、もしどうしても権利という言葉がだめだとするならば、何らかの文言は入れられなかったのか、いかがですか。
○政府委員(高橋元君) たびたび繰り返しておりますように、自主申告、自主納税という制度はいまの税制の根幹であります。そういう自主申告制度というものの本来持っております機能なり役割り、その使命というものに即して税理士制度の展開が当然あるべきでありまして、そういうことを頭に置きまして現在御提案をいたしております一条の条文というものを、御審議を願っておるような表現に取りまとめたというつもりであります。 納税義務の適正な実現に資するということも、これも繰り返しでございますが、あるべき納税義務というのはただ一つというふうに私ども思っておりますし、それより過大であってはいけない、そういう場合には納税者の権利擁護という考え方になりましょうし、過小であってはいけないというときには、納税者を助けて適正な納税義務の実現に資するという税理士さんの力というものが発揮さるべき分野かと思います。更正決定というような賦課課税に戻ることなく、申告制度によって国民の納税義務がすべて実現されるということが理想でありますので、そういうことを一条の条文に盛りまして御提案、御審議を願っておるというふうに、御理解を願いたいと思います。
○矢追秀彦君 この議論は平行線ですので、とどめておきます。 その次に、私、素朴な疑問として、仮定の問題になるかもわかりませんが質問をしたいんですが、税理士会に入らなければ税理士として業務ができない、こういうことですね。この税理士会というのはいま一本ですけれども、まあいろいろ内部で反対論者もあり、今回いろいろありますよね。仮にこれが分裂した場合、どうなりますか。
○政府委員(高橋元君) 分裂という御質問の趣旨をちょっとつかみかねるわけでありますが、税理士さんが非常に多数おられて、会を分割しないといわゆる自主的な税理士会としての税理士さんに対する監督なり連絡なりということができないという場合には、分割を請求するということが可能になっておりますし、その場合に大蔵省令で地域を定めて税理士会を二つに分割するという御提案をいたしておるわけであります。
○矢追秀彦君 地域じゃなくて、いま税理士会の中でもいろんな団体ございますよね。そういうのが仮にある程度大きくなってきたとか、そういう場合、この法律の上からどういうふうになりますか。
○政府委員(高橋元君) 税理士さんの品位を保持するとか、従業員、使用人に対する監督をなさるとか、税理士業務に対する報酬の最高限度でございますとか、低額の零細納税者の援助の仕事でございますとか、すべて税理士さん方が自主的に税理士会を通じてそういう内部統制ということをやられる必要があるわけであります。 税理士会が、中で幾つかの任意的なグループに分かれた場合に、そういう統制が多岐にわたっていいかというと、やっぱり私はそうは思いません。やはり税理士会の、また支部というものを通じて、現実に納税者と接触をされていくわけでございますけれども、そういう場合にも、そういう地域以外の分類原理によって税理士会に複数を認めますならば、やはり納税者の利便を欠くということにもなろうかと思います。そこで、御提案は、地域主義で税理士会について分割を例外として認めるという構成をとった次第であります。
○矢追秀彦君 私は、何でこういうことを聞くかといいますと、現にいろいろこの法案をめぐっても反対の方もおられるわけでございまして、そういう意味で、将来もしそういうふうなことになってきた場合大変問題があろうと思います。だから、私は先ほども大臣にお伺いしたように、この法案自体が、やはりもっと慎重に政府としても対処をしていただきたかったと。 私たちは、これに賛成の態度を表明しておりますので、内容についてはいろいろ疑義を持ちながら、全体としてはやむを得ないというふうに考えておりますけれども、そういう点はもっと私は慎重に、そういう反対の声がかなり強い、そういうものについてはできる限りそういう反対の方たちの納得のできるような、それは賛否は人間ですからやむを得ないと思いますが、もう少しできなかったものなのか、非常に残念に思うわけでありまして、時間がありませんから今後の税理士制度のあり方、今度もこの法案では趣旨説明でも「税理士制度の実情等に」と入っておりますが、改善を図っていくと。現在の状況は、この改正案が仮に通過をした場合、それでも果たして百点なのか、今後まだかなり私は問題がいっぱいあると思うんですけれども、今後どういうふうにさらに改善を進めていこうとされておるのか、これは大臣からお伺いして、時間ですから終わりたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 税理士制度のあり方につきましては、今後ともその運用の実態及び社会経済情勢の推移に対処し得るように引き続き所要の検討を行っていかなければならぬと、このように考えております。
○矢追秀彦君 私、そんな抽象論を聞いているんじゃなくて、ある程度具体的に、今回はここまでやったけれども、この点とこの点とはまだ問題があると、この点はまだ改善の余地があると。これはいま言うと、この改正案自体にまだ不満足ということで、また通らないというので言われないかもわかりませんが、いまの大臣のだけでは余りにも抽象過ぎてよくわからぬので、重ねてお伺いします。
○国務大臣(竹下登君) 実は私がいま申しましたのは、衆議院段階を通過いたします際のもろもろの附帯決議について総括的な姿勢を申し述べたわけでございますので、個々には審議の過程等におきましていろいろな御意見を承りました。それらのものを総括いたしまして、まさにこの運用の実態等を見ながら絶えず検討を行い続けていくという姿勢として申し述べたわけでございます。
○渡辺武君 わが党は、この税理士法改正案について、山本税理士会会長その他、証人の喚問あるいは参考人の喚問などを、これを理事会に提起しております。これは当然のことだと思うんですよ。この法案は、言ってみれば全く汚辱に満ちた法案だと言って差し支えないと思います。 税理士会及び税理士政治連盟、これが各党の議員その他に多額の金をばらまいた。これはいま検察庁の捜査の対象になっているんですよ。その結果、一体これが一部の人たちの主張しているような政治献金なのか、賄賂なのか、その結論さえも出ない、その間に、もうとにかくこの法案を成立さしてしまおうということで審議を急ぐ。うわさによれば、きょうこの委員会では質疑打ち切りを強行的にやってしまおうというようなうわささえいま流れているんだというのが実情であります。そんなことをやったら一体国会の品位はどうなるのか、参議院の大蔵委員会の良識は一体どうなるのか、これは世間から重大な批判を受けることは私は当然のことだと思う。したがって、私どもはこの証人あるいは参考人の喚問、これはどうしても実現さしていかなきゃならぬというふうに思っておりますし、同時にまた、この疑惑に満ちた内容はもとよりのことですが、この重大な法案の内容についても徹底的に審議をしなければならない、こう考えております。 委員長にはっきり申します。きょう、この質疑の打ち切り、これなどを強行すべきでない、その点ははっきり申し上げまして、いずれ証人及び参考人に対する質疑もやりたいと思いますが、きょうはこの法案の中身について質疑に入っていきたいというふうに考えております。 まず最初に伺いたいことは、この法案の第二条です。現行法によりますと、税理士の取り扱いの税の種目、これは幾つかの税の種目がいわば限定列記されている。ところが、今回の改正案ではこれがいわば包括規定になっている。もちろん若干の例外は明記してございますけれども、包括規定になっております。 そこで伺いたいことは、もしこの改正案が成立した暁には、いわゆる仮称一般消費税あるいはそれに類する新しい間接税、これが導入された場合に税理士の業務の対象に当然なるというふうに考えますけれども、その点はどうでしょうか。
○政府委員(高橋元君) 税理士さんのお仕事の対象となる税目を、包括主義に書きかえたということでございます。現行の第二条でも「政令で定めるその他の租税」というものがございますから、別に法律手続を経ずに、たとえば昭和三十七年の改正で、間接税について申告納税制度が導入された場合、それに対応して税理士の働く必要があるとすれば政令で定めればよかったわけでございますが、今回は通行税以下若干の税目を残して包括的に「租税」と書きましたので、新しい税金ができた場合には原則として税理士が扱うことができることになったことは、御指摘のとおりであります。
○渡辺武君 あなた方は衆議院あるいは当委員会などの審議の中で、三十九年の法案ですね、このときにも包括規定が入ったんだから、だからこの税理士法の改正案は、これは一般消費税導入の布石ではないんだというようなことを盛んに言っていらっしゃる。しかし、そうでないということを私は一つの資料で示しておきたいというふうに思います。 これは「税理士法改正問題に関する国税当局と日税連との懇談会(報告)」というふうに題したもので、日付は昭和五十二年十二月二十七日の日付になっております。この中に「旧ろう二十七日、国税庁・大蔵省主税局の幹部と日税連幹部との会談が行われた。当面の問題に関して、ということであったが、税理士法改正問題が中心となった。」という書き出しで書かれております。その中に「先ず日税連山本会長から挨拶の後、当日の提出資料「日税連の現況報告及び要望事項」に基づいて四元専務理事から説明したが、特に次の諸点を強調した。」ということになっていて、そのうちの第五です。この中にこういうことが書いてあるのですよ。「政府税調の中期税制答申に基づく税制改正は、税理士一般にとって、税理士法改正作業の進展と心情的に密接な牽連があり、もし中期税制改正作業のみが先行し、税理士法改正が顧みられない場合の税理士業界の絶望感とこれに発する悪影響は予測し難いものがある。万が一にもそのようなことにならないよう国税当局は配意されたいこと。」という項目があります。 この政府税調の中期答申に基づく税制改正というのは、もうあなた方お気づきのとおりです。昭和五十二年の十月に出された税制調査会の中期答申で、この中で初めて一般消費税の導入ということがはっきりうたい込まれている。その中期答申なんですよ。そういうものが出された。だから、言ってみれば、この税理士法の改正作業、これを急いでくれ、密接な関係があるんだということを言っている。このことは、まさにこの税理士法改正案が、これがいずれ政府が企図している一般消費税、これの導入の布石であるということを明白に物語る一つの証拠であります。 さて、そこで、この改正案の「助言義務」の問題について質問に入っていきたいと思います。 この改正案の四十一条の三、ここに「助言義務」が規定されているわけですが、まず最初に伺いたいことは、現在の税理士法ですね、これではたとえば製造会社とか、それからまた商店とかの法人の簿外取引があった場合、別の言葉で言えば、たとえば定款で定められた目的以外の取引で正規の帳簿に載せると都合が悪い、そういう取引があった場合、あるいは帳簿の記載が不十分で後で追加調整する必要が生まれたというような場合、あるいは売り掛け、買い掛けなどの場合、こういうものは期末分の漏れを調整する必要がある。そういう場合には、申告段階で調整をして正しい申告をすれば、たとえば法人税法違反とか、あるいは税理士法違反にはならないんじゃないかというふうに思いますけれども、その点どうでしょう。なるべく簡単にイエスかノーかで答えてほしい。
○政府委員(福田幸弘君) 最初の件は、途中でというか、会合の席上で向こうが何を言ったかは承知しませんが、そういう発言があったとしましても、これは税理士法自体の事務的検討を進めるというのがわれわれのスタンスであったわけでございます。これは税調答申においても当然の法理論として展開されておるところでございまして、それとは関係ない。 その次に御質問のところは、申告の最後のところで税額が確定しますから、それの時点までにそれが行われればいい。本来直ちにでございますが、申告の納税の時期までというふうにお考えになって結構でございます。
○渡辺武君 ですから、その簿外取引があった場合、申告のときに申告調整をすれば法人税法違反にも、それからまた税理士法違反にもならないんですね。ところが、今回の改正法が仮に成立して実施されるということになりますと、第二条でこの対象税目が包括規定にさっきも申しましたようになって、間接税も税理士の業務の対象品目になるわけですね。そうすると、いま言った例で取引品目が課税対象になった場合、国税通則法の第十五条二項の六号を見ると、物品税の納税義務が成立する時期は製造場から移出したとき、あるいは商店が販売したとき、こういうことになっていると思います。そうして物品税法では、これを記帳しなきゃならぬという義務が規定されているわけであります。 そこで、「助言義務」との関係ですけれども、この四十一条の三の終わりの方にこういうことが書いてあるんですね。「国税若しくは地方税の課税標準等の計算の基礎となるべき事実の全部若しくは一部を隠ぺいし、若しくは仮装している事実があることを知ったときは、直ちに、その是正をするよう助言しなければならない」というふうに義務が課されております。そこで、何らかの事由で記載漏れがあったと、さっき言ったように簿外取引があったというような場合ですね、税理士さんは直ちに助言をしないと違反になるんじゃないかと思いますが、その点どうでしょうか。
○政府委員(高橋元君) 「助言義務」が税理士さんの当然の責務というものを表現した規定であるということは、るるたびたび御答弁しておるとおりであります。 そこで、いまのお話でございますけれども、仮装、隠蔽の事実があるということを知った場合には直ちに助言する義務があるわけでございまして、助言なさる結果、仮装、隠蔽がもとへ戻るということを期待しての規定でございますから、事後的に是正されるか否かということと、つまりそういう納税者の対応とは直接の関係がないというふうに考えております。
○渡辺武君 いや、ちょっと、私の伺ったことに直接答えていただきたい。いいですか。簿外取引があって、現在の税理士法、これではこれを期末に申告調整すれば税理士法違反にならなかったわけですね。それから法人税法違反にもならなかった。ところが、たまたまその取引している品物が間接税の対象品目になった。そうして、同時にまた、この税理士法も改正になって、税理士さんの業務の対象税目になったと、そういう場合に、税理士さんが簿外取引について期末の申告調整をすればいいというような事態にならなくなるんじゃないか。その簿外取引についてはちゃんと帳簿に記載しなさいよということを、これを助言しなければならなくなるんじゃないですかということを聞いているんです。イエスかノーかで答えてください、あなた方専門家だから。
○政府委員(福田幸弘君) いまのは法人税の調査の際の、御質問の趣旨ですが、法人税の所得計算の問題であれば、所得の決まるまでに是正されるわけですからそれでいいわけですが、いまおっしゃっているのは、たまたま物品税の事例で簿外に出ているやつを見つけたという趣旨でお聞きでしょうが、それが税理士業務として委嘱を受けているかどうかの問題で、いま法人税をやっておればそれは法人税の問題ですから、そこを仮装、隠蔽ということが実現されるかどうかで判断されればいいので、出ていくその物品税自体の話はここでは直接関係はないと、こう考えております。
○渡辺武君 そうじゃないんですよ。だから言っているでしょう。簿外取引になっているその品目が、これが間接税がかけられる物に仮になったとした場合、いいですか、その場合であって、しかもこの税理士法が改正されて助言義務が生まれているという場合には、期末の申告調整ということはできないでしょう。期末の申告調整というのは、財産課税について、法人税のようなそういうことならば許されるけれども、しかし、いま言ったように間接税の対象品目になっている場合は、これはその取引ごとに帳簿にも記載しなければならぬ、そういう義務もあるわけですね。ですから、税理士さんとしては、そういう簿外取引もちゃんと帳簿に記載しなさいよという助言をしなければならなくなるじゃないかということを言っているんですよ。
○政府委員(福田幸弘君) 所得税だけが税理士さんの業務であれば、そこは是正されるのが期間の終わりまでであればいいと思うのです。本当は大半はやられていますが……
○渡辺武君 所得税や法人税のことを聞いているんじゃない。
○政府委員(福田幸弘君) しかし、いま間接税を担当しておられるというならば、その場合に直ちにするというのは当然でございます。
○渡辺武君 そうでしょう。 もう一点聞きますが、その物品税の納税義務というのは、製造場からその品物が移出されたと、あるいは商店の場合だったらそれを販売したとき、そのときに義務が発生するというふうに私は考えますけれども、そうすると、帳簿に記帳する場合も、あるいはまた税理士さんが帳簿に記載しなさいよというふうに助言する場合も、すべて移出もしくは販売の都度ということになるんじゃないでしょうか、その点どうですか。
○政府委員(高橋元君) それはまさに物品税法に基づく申告義務というものがございますから、物品税法に基づく申告義務について当事者から依頼されて税理士業務をやっておられます場合には、まさにそのとおりであります。
○渡辺武君 ですから、もう一つ聞いておきますけれども、五十三年の税制改正答申の中にあった一般消費税大綱ですね、この場合の納税義務の発生、これはいつ、どの時点から発生するわけでしょう。その点も先に聞いておきたい。
○政府委員(福田幸弘君) その点は詰めておりませんし、まだ検討いたしておりません。
○渡辺武君 五十三年の九月、この税調答申が発表された後ですけれども、その際に税理士会で内田課長補佐が講演しております。そのときの講演では、この一般消費税も取引の都度納税義務が成立するというふうに書き込むつもりだという趣旨のことを答弁しているんですね。これはやはり物品税よりももっと広範な間接税ですから、だから私、当然そういうことになるだろうと思うんです。 ただ、あなたはまだ検討してないと言うから、その点は通り過ぎますけれども、とにかく物品税の例から考えてみましても、移出——蔵から出た場合、あるいはまた商店が販売したその都度、すべての取引が帳簿に記載されなきゃならないように税理士さんが助言をするという義務が、今度の税理士法の改正案では出てくるわけですな。つまり、三十九年法案にもなかった助言義務なるものが、今回の法改正で、にわかにと言うとあなた方は文句言うでしょうけれども、姿をあらわしてきた。その助言義務の持っている役割り、一つは私はここにあると思うんですよ。一般消費税を制定した場合に、この場合は取引ごとに課税をするということになるのが原則なんですからね。その取引の全内容が記帳されているということが、非常にあなた方にとっては重要な内容になる。その全取引を帳簿に記帳しておきなさいよという助言義務、これが税理士さんに課せられてくる、こういうことに仕組みとしてはなっているんじゃないでしょうか。
○政府委員(福田幸弘君) 一般消費税との関連は全くございませんので、いま御質問になっていることの前提がわれわれ想定いたしませんのでお答えできません。
○渡辺武君 そんなごまかし答弁じゃだめなんですよ。あなた仮に、一般消費税との関連考えていないと言ったって、客観的にはそういうことにならざるを得ないようになっているんだから、幾ら四の五の言ったってだめです。
○政府委員(福田幸弘君) いまの場合は仮定の話としましては、その都度というのはインボイス方式であります。しかし、ある課税期間を設けて、この課税期間が済んだところで納税義務が発生するということもできます。これは立法技術の問題ですから、その都度という前提はわれわれの作業としてはございませんのでお答えできないと、こう申し上げたわけでございます。
○渡辺武君 いずれにしても簿外取引、これは財産課税の場合は、法人税等々のような資産課税の場合は、申告のときに簿外取引ありましたということで期末に申告調整をすればこれは済むわけですよ。ところが、間接税の場合——あなた方は物品税と言ったが、物品税も間接税の一種、一般消費税も間接税の一種、最悪の間接税だ。そういうものが出てきたときに、税理士さんはこれは全部記帳しなさいよという助言の義務が生まれてくるわけですから、したがって、まさに取引そのもの、これが最も重要な課税の対象になってくる。一般消費税の布石として、この助言義務というものが生まれてきたというふうに、論理的に当然そういうふうになってくるわけじゃないですか。 まあ、聞いてもあなた方は形の上だけは口で否定するという態度をとって事実を認めないということであれば、これ以上この問題について追求してもしようがないからさらに進みますけれども、 〔委員長退席、理事細川護煕君着席〕 いずれにしましても、この助言義務というのは、これは私がいま申しましたように、一般消費税導入の布石としてこの助言義務というものが非常に大きな役割りを演ずる。そのために税理士さんを税務署の職員の方々同様に使いまくっていこうという企図から、三十九年法案にもなかったこの項目を新たに取り入れたと。これは明々白々たることですね。それだけじゃないんです、問題は。一般消費税の布石だけでなくて、この助言義務を通じて国民に対しては問答無用の徴税機構がつくられていく、この点をわれわれは非常に重要視しなきゃならぬと思います。 まず伺いたいんですが、ここに「委嘱者が不正に国税若しくは地方税の賦課若しくは徴収を免れている事実、不正に国税若しくは地方税の還付を受けている事実」、こういうものを発見した場合にはそれを是正するように直ちに助言しなきゃならない、こういうことになっていますね。この不正に」というのは一体だれが判断するんですか。
○政府委員(高橋元君) これは税理士さんが、委嘱者が故意にやったということを認めてやられるわけですが、そのもう一つ前に、先ほど来御質問がありましたことでなかなか理解しがたい点も多いわけでございますが、申し上げておきたいと思いますので、ちょっとお時間をかしていただきたいと思います。
○渡辺武君 簡単にやってください。
○政府委員(高橋元君) 物品税の申告期限というのは移出の翌々月の末日までにたしかすることになっておったと思いますが、ただし、物品税は物を個別に追っかけていく税金でございますから、一つ一つの物の出入りについてまた別に物品税法に定める記帳義務というのがあるわけであります。記帳義務を正当に行っていないことは、物品税法上固有の制裁の対象になります。そういう点では物品税が間接税として、つまり物の移動について課税をする税金として特別な性格を持っておるということの反映でございまして、そういうことと一般消費税(仮称)が言っておりますように、所得税、法人税の申告とあわせて申告義務が発生し、その納税をしていただくという仮案を出しておりましたが、そういうことについてまだ具体的な考えは当時詰めておりませんでしたが、直接の関係を持っているという御指摘は、私はどうも理解がしがたいというふうに思います。
○渡辺武君 理解がしがたいという程度のことしか言えないでしょう。 それで、私の伺ったことを答弁してください、伺ったことを。簡潔に答弁していただきます。
○政府委員(高橋元君) これは冒頭に申し上げましたように、故意に委嘱者がやっておるということについて、税理士さんがそういうことを知られたときに助言をするということであります。
○渡辺武君 税理士さんというのは、税金の問題の専門家なんですね。そうして納税者の立場に立って、課税標準が適法なものかどうかということでいろいろ考えていらっしゃる。税務署はまた税金をぶったくるという立場から課税標準が適法かどうかということで考える、そこで税理士さんと税務署との間の問題が生まれてくるんですよ。だから、いまあなたのおっしゃった答弁で納税者が不正なことをやっているというけれども、税法そのものの解釈で税理士さんはこれは正しいと思っておる。ところが税務署の方は、これは不正だと思う。一体それはどっちが判断するんです、「不正に」と書いてあるけれども。そこを聞いているんです。
○政府委員(福田幸弘君) 税理士が判断いたします。
○渡辺武君 そうすると、税理士がこの課税標準についてはこれは適正な計算に基づいて出されたものだということであれば、これは何ですね、助言をしなくてもいいということなんですか。
○政府委員(福田幸弘君) 税理士が専門的な知識を持って、良心を持って客観的な判断をしたということでありますから、この解釈が正しいと自分で思っておられればそれで結構でございます。
○渡辺武君 それで結構だというけれども、この助言義務に違反したら懲戒処分の規定がちゃんと控えているんですよ。税務署はもう強大な調査権を持っている。それで納税者を徹底的に洗い上げて、そうしてこの課税標準の計算は間違っていると、これは脱税行為だというふうに言い出した場合にはどうなります。
○政府委員(福田幸弘君) この法律どおりに仮装、隠蔽の事実ということでありますので、先ほどの御質問は解釈問題でございますから、それはこの事実の構成要件とは別の問題でございます。したがって、解釈自体の問題については、これは四十一条と関係ない。その主張を、堂々と税務署にやられたらいいという種の問題でございます。後は仮装、隠蔽、だれが見てもこれはその売り上げを脱いでおる、それから仮装仕入れであるというふうな明々白々たる税金の通脱を示しているものについては、これを助言してアドバイスして直すという趣旨であります。
○渡辺武君 そこの辺が非常に大事な問題なんですよ。税理士さんは税法解釈上これは不正なものでないというふうに見て助言をしなかった。ところが、後で税務署が徹底的に調べ上げてこれは脱税だ、不正なものだというふうに解釈した場合にどういうことになるのかと。税理士さんは助言義務違反でやられることになるんじゃないですか……
○政府委員(福田幸弘君) それは事実を知らなければしようがないですよ……
○渡辺武君 ちょっと待ちなさいよ。この法案を見てみますと、処分の発動を求めることのできる人の中に、税理士会とそれから課税当局と、それから自治体の長、これが助言義務違反の処分の発動を求める人になっているわけですね。 そうしますと、もし税務署が強大な調査権で調べ上げて、これは不正だと言った場合に、税理士さんが正しいものだと考えているから、つまり税法の解釈上の問題なんだけれども、しかし、としては、税務署はこれは不正を納税者が行っているのにもかかわらず助言しなかったんだということで処分の申請をする、そういうことは当然私は起こってくると思う。そういうことは予想されるわけでしょう。どうですか。
○政府委員(福田幸弘君) それはケースが具体的にどうなっているかわかりませんが、それが脱税事犯で査察という問題になった場合の問題とすれば、それは脱税相談もしくは不真正な申告書の作成問題、そっちの方に移りまして、助言義務自体が問題になるということはあり得ないわけであります。で、懲戒処分については慎重な手続ということがとられておりますので、その辺、常識を外れたことは当然考えられないという、手続の強化が同時に行われておるということを御理解願いたいと思います。
○渡辺武君 どうもおっしゃることがよくわからぬですがね、いま助言義務違反のことについて伺っているんだが、いま私が申し上げたようなケースの場合は、助言義務違反であなた方は処分について発動を求めないということなんですか。
○政府委員(福田幸弘君) 助言義務違反がどういう場合に生ずるかという問題でございます。で、仮装、隠蔽が客観的に何人が見ても、これはもう立場の差じゃなくて、客観的にだれが見てもそういう場合に助言をするということで、これは申告納税の趣旨で、申告納税の際にはこういう規定をアメリカの規定も持っております。これは適正な申告納税ということが裏にあるからでありますが、したがって、これをアドバイスすることによって適正に申告されるということにこの規定の一〇〇%の意味があるわけであります。しかし、法理論としていろいろ仮定の議論がたくさん出てまいりますが、したがって注意をして直すということは、それでもうこの規定の趣旨を果たすことになります。 ただ、それを知った上で税理士業務を続けるというのが次の仕事の流れになるわけですが、その際そのまま続けておれば、積極的にそれをまた指導すれば脱税相談になります。また、知って申告書をつくれば、不真正な申告書の作成になります。したがって、そっちの方に吸収されますので、脱税相談ないし不真正申告書の作成問題としての議論でありまして、これは従来からある税理士法のそれ自体の問題で、助言義務によって新たに発生する問題ではないわけです。 ただ、どういう場合にあるかということをさらに考えますと、これは助言義務違反ですね、助言をしないで仕事をそこでやめたというときには助言義務違反ですからそれ自体成り立ちますが、そこで仕事と手を切っていますから、懲戒処分というのは大臣があらゆる状況を判断して行政的に行うわけでありますから、そういう場合には行われないのが常態ではないかと、こういうことでありますので、具体的な例に即して言えば、御心配になるようなことはない。むしろ積極的な助言義務による適正申告の確保、これが社会一般から見て申告納税の本旨に沿うと、こういうふうに考えるわけです。
○渡辺武君 よけいなこと言わないで私の聞いたことに答えてくださいよ。税理士さんが正しいと思ったから助言をしないでやめたなんてこと、私は言ってないんですよ。そんなことまで答えなくていいです。だから、私が聞いたように税法の解釈上、税理士さんはこれは正しいと思っているから、だから助言しなかった。税務署は徹底的に調べ上げて、そうして、それが正しいかどうかは別ですよ。多くの場合税務署というのはうんとむちゃなことやるんだから、とにかく脱税だということで、税理士さんに対して、助言すべきことを助言しなかった、こういうことで処分の申請をする、その可能性は十分あるじゃないですか。
○政府委員(福田幸弘君) その税理士は、第一条に書いてあるとおりに専門家であります。自信を持ってそこの助言をするか否かを判断したはずであります。したがって、その解釈をみずから正しいと思って、また、事実認定もみずから専門家で見たわけですから、それで判断した以上、それでその違反は生じません。後で問題が起きた場合でも、それは助言義務違反でないというふうに主張されるべきであり、これは懲戒審査会でもその意見を十分に尊重すべきだろうと思います。
○渡辺武君 助言義務違反にならなくても、四十五条の一で脱税について、税理士として正当なやるべきことをやらなかったと、あるいはまた、それに協力したというようなことでやられる、そういう可能性はあるでしょう。
○政府委員(高橋元君) それは四十一条の三の改正があってもなくても、四十五条は前と変わらないわけでございますから、そういうことはございません。 なお、先ほど福田審議官の答弁に一言つけ加えさしていただきますが、そういう不正の事実があったことを知って助言しなかったということについての立証責任は、税務当局の方にございます。
○渡辺武君 税務当局が立証するということになるところに、一番の問題があると私は思いますね。いまの税務署のやり方から見ておりますと、税理士さんの方は調査権もないわけで、納税者との信頼関係でその税が、課税標準の計算が適正かどうかということを専門家としての知識と良心をもって判断をする。ところが、税務署の方は強大な調査権を持っているわけですから、調べ上げて、そうしてそれが正しいか正しくないかは別としても、不正があるのだと、脱税行為をおまえやっているぞといって、納税者に、税理士さんにこの点話したのかと、そう言いなさい、話したと、話したけれども助言受けなかったと言いなさいといって、念書でも書かしたらどうなります。大変なことになりますよ。税理士は、納税者が不正を犯しているということを承知の上で助言をしなかった、こういうことになってくるのです。いまの税務署ならそれはもう必ず——必ずやるとは言いませんが、やりかねないですよ。そうして税理士さんに対して、助言義務違反でやられたくなかったら税務署の更正決定、これについて異議を言うなよといっておどしをかけてくる可能性はありますよ。もし税理士さんが、そのおどしに屈服しないで争うということになったならば、助言義務違反でばっさりやられるというおそれが十分にある、この助言義務の問題の中には。こういうことでは結局のところ税理士さんは、納税者の立場に立って自分の専門的な知識と良心に基づいて税法をちゃんと解釈をして、そうして税務署と争うというそういう立場に立てなくなる。むしろ税務署の解釈する内容の方向でしょっちゅう納税者に助言をしていなければ、自分の職業上の地位も危うくなる、そういう事態に追い込まれてくる。とんでもない規定です、これは。一般消費税導入の布石であるだけではなくして、納税者に対して問答無用の徴税を行う、そのために税務署の職員のかわりに税理士さんを下請として使っていく、これがこの助言義務の内容であることは明らかだ。その点、あなた方は何か答弁することがあるなら言ってごらんなさい。
○政府委員(福田幸弘君) 四十一条の三は、客観的に不正に脱税をしておると、また仮装、隠蔽を客観的に確認できた場合に依頼者に注意をするという、社会的に見て国民一般から見て当然の規定であると、こう思っております。
○渡辺武君 いま述べたような危険性のある条項について、そんな答弁をするということだから、だからこそ危ないと思うんですよ。こういう助言義務なんというのは、当然これは三十九年の法案の中にさえなかった。一般消費税問題が日程に上ってから、こういう問題がぐっと出てきている。一般消費税を導入したら、八千人から一万人の職員の増加が必要だという計算もあるわけでしょう。そのかわりとして税理士さんを使って、そうしてこの助言義務で縛り上げた、こういうことだということをはっきり申し上げておきます。 それから次に、記帳義務の問題に移りますけれども、現行法では税務代理についてだけ一件ごとに事件の要領及びそのてんまつを記載すればよいということになっております。ところが今度の改正案では、税務相談や税務書類の作成についても、一件ごとに内容及びそのてんまつを記載しなければならないことになっております。で、質問検査権との関係で申しますと、税理士業務に関する帳簿、これは監督官庁である税務職員の検査の対象となるだろうというふうに思いますけれども、イエスかノーかでいいです、これはもうあなた方よくわかっておる何ですから、イエスかノーかで答えてください。
○政府委員(福田幸弘君) これは税理士さん自体の必要によってつくられるというものが主でありまして、税務官署がこれを見るということは特別の事情がなければないと、こう思います。 それから、先ほど一般消費税の御質問がございましたが、アメリカは一般消費税を持っておりませんけれども、申告納税の趣旨からこの助言義務を持っております。
○渡辺武君 ほかの国はほかの国でそれぞれ助言義務の役割りがあるんだが、日本の場合はそうでないということをいま言っているんです。 特別の場合、それはどういう場合ですか。何か特定されたケース、これを決めておりますか。
○政府委員(伊豫田敏雄君) これはただいま福田審議官の方から御説明申し上げましたように、第一義的には税理士の便宜並びに納税者のいろいろな便宜というものがこの中に含まれていると思います。税務署がこれを拝見するようなことは、場合によっては監督上の問題としてそれを行うことがあるかもしれません。そのように考えております。
○渡辺武君 だから、監督上の場合と、必要ということで、これは見ることができるんだね。質問検査権の範囲の中に入るわけでしょう。ですから問題になるわけですよ。たとえば、ある納税者が税理士さんのところへ来て、いろいろ節税のためにこういうやり方をしたい、これは脱税になりますかと、こういう相談に来た場合に、その税理士さんは、それは脱税になるからいけませんよと、こう言って答えたとしますよ。そうすると、この事実は当然これは帳簿にちゃんと記載しなきゃならぬ、こういうことになるわけでしょうね、この規定からすれば。
○政府委員(福田幸弘君) この帳簿記載の趣旨は、税理士さんの業務自体についての管理が主でございます。また、必要な場合というのも非常に限定されると思いますが、どういう場合か思いつかないぐらいですが、したがって、それによって何か脱税事実をそこから調べ出すという趣旨のものでは全くございませんので、あくまで事務管理のものであるということからこの内容も限定されてくる。したがって、会則によって自主的に定めるということになっておるわけでございます。
○渡辺武君 あなた、いまそんな答弁するけれども、法律というものは一度制定されればそれはそれとしての歩みをするんですよ。だから、とにかく記帳義務で税理士さんが記帳したことについて国税当局はこれを調べることができる、何か特別の場合だ等々言っているけれども、いずれにしても調べることができる。だから、その場合、いま私が申しましたように、納税者から相談を受けて、税理士さんが、いやそれはちょっと脱税になりますよというお答えをしている、そのことはやっぱり記帳しなきゃならぬ。ところが、その納税者がもしその後に税理士さんの言うことを聞かないで、いろいろのやり方をして脱税したというふうに仮にしましょう。そうすると、税理士は自分は助言をしたということを主張しようとすれば、帳簿にそのことを克明に記録しておかなければ、後から助言義務違反に問われるおそれがある、そういうことになりますね、その点どうですか。
○政府委員(福田幸弘君) この帳簿の意味は先ほど申し上げているとおりでありますから、この相談についても必要最小限度を書けばいいので、脱税についての相談を受けたとか、その種のことを書く必要はございません。したがって、最小限度の必要な事務管理上のことを書けばいいということであります。
○渡辺武君 とにかく、ちゃんとここには記帳の義務がはっきり書かれているわけですね。さっき読んだから内容は言いませんよ。言いませんけれども、記帳の義務というのがはっきり書かれている。そして一方では、助言したか否かという問題が争われるようなケースは必ず出てくるんですよ。その場合に、助言したかしないかということの証拠はどこにあるかといえば、ちゃんと助言をいたしました、こういうケースの相談を受けて、そして私はこれこれこういう助言をいたしましたということを帳簿にちゃんと記載しておけば、私は助言したんだが相手が聞かないで出したんだという立証をすることができる。だから、この助言義務との関連で言えば、この記帳の義務というのは非常に重要なんです。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 恐縮ですが関連ですから……。 ただいまのお話は、所得税法あるいは法人税法等上の質問検査権に基づいてここに四十一条に規定してございます帳簿の内容を見ることができるかどうかという問題が、ただいまの御質問のその前の問題として実はあるのではなかろうかと考えております。そういう意味におきまして、われわれは現在の銀行調査その他のバランスから考えまして、この帳簿につきまして質問検査権をもってこの帳簿の閲覧を要求することはまずできない、このように考えております。
○政府委員(福田幸弘君) 関連で申し上げます。 先ほどから申しますように、引き続き行って問題になったわけですから、四十五条の問題であります。したがって、助言義務という問題は吸収されております。吸収されておりますので、助言義務自体の立証をこの帳簿のところで探すという必要はないし、また、帳簿の性格から言っても、そういうことまで書く必要はない、こう明確に申し上げておるわけです。
○渡辺武君 助言義務違反にはちゃんと罰則がついているんですよ。そりゃ税理士さんにとっては大変な問題ですよ。
○政府委員(福田幸弘君) 罰則はついておりません、これは罰則じゃございませんから。
○渡辺武君 ちょっと待ちなさい。発言しているんだ。 とにかく懲戒処分になる可能性を持っているものなんです、ちゃんと条文に書いてあるんだから、そんなこと。あなたが幾らそれを否定したって、法律そのものが一度制定したらそのとおりに実行されていくんだ。大変なことです。税理士さんにとっちゃ死活の問題ですよ。 〔理事細川護煕君退席、委員長着席〕 だから、助言したかしないかという問題については、相談を受けたときに助言をしましたということをかなり詳細に書いておかなきゃ危なっかしくてとてもしようがない。しかも、それについてあなた方は非常に特殊なケースだと言うけれども、とにかく質問検査権を発動して、それを見ることができる。こういう状態だったら、もし一般消費税などが導入された場合、税務署の役人は一々納税者のところへ行って調査をしなくても、まず税理士さんの書いたその帳簿、これを見れば一目瞭然になる、そういう仕組みにこの助言義務と記帳義務、これの関連はなっているんじゃないですか、その点どうです。
○政府委員(福田幸弘君) これは懲戒処分を目的にしたものではございませんし、そういう具体的ケースもすべて四十五条に吸収されますので、この帳簿のところに記載して、それをわれわれというか、税務当局がそれを利用して相手に対して御迷惑をかけるということはないようにいたしたい、こういうことでございます。
○渡辺武君 ないようにいたしたいと言ったって、何回も言いますが、法律というものは一度制定されればそれはそれなりの力を持ってくるんです。いまのように問答無用の大増税をやっていこうという税務当局が、こんなうまみのある法案を活用しないはずはないですよ。 次へ移ります。懲戒処分の問題ですけれども、とにかく帳簿の作成義務については、それの違反に対する罰則、現行法では一万円以下の罰金、これは一応なくなっている。だから、これは改善だというふうにあなた方は説明しております。しかし、その違反は懲戒処分の対象となることについては変わりはないというふうに思いますが、どうですか。イエスかノーかで答えてください。
○政府委員(福田幸弘君) はい、そのとおりであります。
○渡辺武君 助言義務違反についても、先ほども聞いたけれども、同様ですね。
○政府委員(福田幸弘君) 同様というのはどういう意味か推測しますと、一般的な懲戒規定の法令違反にかかるというのはそのとおりでございます。
○渡辺武君 そこで、懲戒処分についてですけれども、現行法ではその効力発生の時期は処分が確定したときというふうになっております。これが改正案では処分のときと改められている。その処分については改正案の四十七条で税理士審査会にかけた上で行うというような手続規定が設けられていますけれども、その権限は大蔵大臣が握っている。現行法では処分が行われた場合は裁判所に訴えて、司法審査を経た上で初めて効力が発生することになっている。 これは、税理士並びに納税者の権利や利益の保護を図っていく上で、当然のことだと私ども考えております。ところが、改正案で、その日から税理士業務はできなくなるということになるわけですね。それで、効力発生の前に司法審査を受けられるかどうかは最も重大な問題であると思いますけれども、なぜ効力発生の前に司法審査を言ってみれば受ける必要がないというのか、そういう状態にしたのか、その点をひとつ聞きたい。
○政府委員(福田幸弘君) これは行政処分でありますので、行政処分の他の立法例と同じにしたわけでありまして、その処分自体は大臣の行政的な判断で処分が行われますから直ちに発効する。ただし、救済手段は行政事件訴訟法、それから不服審査法ですかによって救済手段がある。救済手段があるということは、すぐに発効することを前提としています。しかも、処分の程度が刑罰に比べると非常に軽いということは行政罰ということで、行政秩序の回復ということを意味しています。したがって、納税者から見ましても、そういうふうな処分があることは納税者の一つのまた保護になるという点もあろうかと思います。 それから、これは最高裁の判決におきましても、処分のときにおいて発効する、こうなっていまして、あらゆる行政処分は処分のときに発効するということでございます。それに合わせたということで、前回の答申もそうでございますし、法律の合理化というか、明確化を行ったということであります。
○渡辺武君 そういう説明はありましたけれども、しかしこの懲戒処分について、弁護士さんの場合は三年の除斥期間が設けられている。それから、脱税の場合五年で時効ということになっているけれども、しかし、いま問題にしている懲戒処分については全く期間が決められていないという状態にあるわけですね。 そこで、私はこういう問題が起こると思うのです。納税者本人が脱税していることがわかったけれども、すでに五年たっちゃった。そうすると、時効が来ているわけですから、納税者自身にはこれはもう処分が及ばない。ところが、税理士さんの場合、それに関与していたとしますよ。その場合は、除斥期間が全然ないのだから、だから納税者本人は時効になってもう処罰の対象にはならないのに、税理士さんは除斥期間がないのだから——だからいわば従犯ですよ。主犯は無罪なんだけれども、無罪というのは時効でもって罪を問われないのだが、従犯である税理士さんはこれは行政処分の対象になる、こういうような矛盾が出てくるのじゃないですか。こういうことは、私は法の上の均衡を著しく失していると思う。これはとんでもない規定だと思うのですね。
○政府委員(福田幸弘君) これは行政処分一般の問題でありまして、本訴がかかっておる場合、大臣がどういうふうな判断をされるかということの一環であります。したがって、本訴で争われておるという場合に、大臣がやはりこれは状況判断の一つとして処分を見合わせるとかいうことをされるかどうかは行政的な判断にあると。その際、裁判の結果が無罪になったということ。いま反対に時効とおっしゃいましたですね。時効にかかったということであって、本訴が時効になっておれば、こっちの方だけ処分するということは、行政判断としては適当でないということになろうかと思うのです。したがって、事実上そこで時効的な運用が行われるというやはり行政に対する信頼、これが行政処分の本質でございます。 ただ、また別の事件がかかっておる場合には、行政処分自体が問題になるよりも、それは本訴の方の共犯関係で処理されるのが普通でございますので、御設例は余り実例としてはないかと思います。
○渡辺武君 いずれにしても、とにかく主犯は時効にかかって罰に問われないのに、可能性としては十分にある。実際の処理としてはそういうことにはならぬようにしたいということを言っているのだが、法の内容そのものとしてはそういうことになっている。私が言いたいのは、何で税理士さんに従来の法律以上に、とにかく処分の決定と同時に効力が発生することになるわけですから、何でそんな厳しい懲戒処分、これを規定したのかという問題です。 それは先ほど申しましたが、助言義務、記帳義務、これらを通じて、税理士さんを税務署の職員並みに下請機関として使いまくろう、そのためのむちとしてこういうことがちゃんと制定されているというふうにしか考えられない。そうでなければ、法理論上まことに矛盾に満ちたような、こういう除斥期間もないような、そういう規定をやるという理解ができないですよ。あなたの答弁ではとうてい満足できない。実態がそうなっている。
○政府委員(福田幸弘君) 除斥期間は、行政処分についてはすべてございません。弁護士の場合だけでございます。行政処分の場合には除斥期間はない、それが行政処分の本質でございます。
○渡辺武君 前の、前のって現行法ですよ、現行法では地方の審査を経てから、そして処分が決定して、その上で初めて効力が発生する。それが今度の法律でそういうふうに違ったもの、厳しいものに改まってきているんだから、だから、あなたの答弁は説明にならぬのです。しかし、もう時間の関係もあるから次に移ります。 次は、小規模零細事業者に対する援助義務の問題ですが、改正案の四十九条の二第二項の八号に「委嘱者の経済的理由により無償又は著しく低い報酬で行う税理士業務に関する規定」これがあります。これが税理士会の会則の絶対的記載事項として法定されることになっているわけですが、そしてまた、四十九条の十三の第一項の六号では、その「実施の基準に関する規定」、これを日税連会則の絶対的記載事項としております。 聞きたいんですけれども、これは現在税理士会が行っている小規模零細事業者に対する無料相談とか、あるいはまた、帳簿の記帳指導だとか、こういうような仕事をやるということを会則の中で必ず書けということになりますか。イエスかノーかで答えてください。
○政府委員(福田幸弘君) そういうことになります。
○渡辺武君 いままでは税理士会が自主的にこういうことをやっておった。それが今度はいわば書き込まれるわけですから、絶対的記載事項として、義務となってくるわけですね。もっと明確に言いますと、もし税理士さんが従わなかった場合、これは会則違反とか税理士法違反ということで、何らかの処分の対象にすることができるようになると思いますけれども、その点どうですか。
○政府委員(福田幸弘君) これは、やはり零細企業に対する援助というものを公共的性格のものとして規定されたということでございます。やはり協力する方、協力されない方があるのじゃ困るわけで、会則で御協力をはっきりさせたということであります。直ちに処分ということではございませんで、これはやはり自主的に、その辺はみんな協力する体制になっていくというふうに考えるのが筋であろうと思います。
○渡辺武君 だから、そこのところが私は非常にやっぱり問題だと思いますよ。いままでは自主的にやればよかったのです。ところが今度は、会則の絶対条項として書き込まれている、違反すれば懲罰の対象になる、大変な変化です。なぜこんなことをやったのか。零細企業者の記帳の義務というとおかしいけれども、記帳ですね、これはいまあなた方青色申告会をつくったりなんかして一生懸命でやらそうとしている。これは一般消費税導入の布石ですよ。記帳してもらわなきゃ困る。終戦直後のあの取引高税、あのときは記帳してないから大変な苦労をあなた方はしたんです。大問題が起こった。今度一般消費税を制定する上において、どうしても小規模零細事業者にも記帳さして、そうして取引の一切についてわかるようにしておかなきゃならぬ。それを税理士さんを使って無理やりやっていこう、このためにこういう厳しい規定が出てきているというふうに思いますけれども、その点どうですか。
○政府委員(福田幸弘君) 全く違いまして、零細な方に安い報酬で援助するという援助のための規定でございます。したがって、自分の仕事だけやって、こういう仕事に協力しないというのじゃ困るので、やはり会則としてこういうことにみんな協力しようということであります。罰則が直ちに動くというよりも、そういう趣旨でみんなが零細な方の援助を、特に申告期あたりにやろうということで、一般消費税については私は念頭に全くございませんので、御質問がどうも理解できません。
○委員長(世耕政隆君) 時間が来ておりますので、簡単にお願いいたします。
○渡辺武君 念頭に少しもないと言うけれども、法律の客観的な役割りはそうなっている。その点ははっきり申し上げておきましょう。 それで、次に移りますけれども、今度の改正案の四十九条の三では、従来任意規定だった支部の規定、これが「税務署の管轄区域ごとに支部を設けなければならない。」となっている。その積極的な理由は一体何だろうかということと、現在でもほぼ署の区域ごとに支部とか部会が設けられている、そうして税務署と連携をとってやっている、なぜこれが義務規定になってきているのか、そこのところがまことに解せない。しかも、従来は税理士に対する監督の機能は単位税理士会にあった。つまり、現行法四十九条の二項は、税理士会は「会員の指導、連絡及び監督に関する事務を行う」となっていたけれども、今回は「支部に所属する会員に対する指導、連絡及び監督を行う。」というふうになっている。監督に関する事務や、監督という直接的な表現に改められようとしております。これは衆議院で正森議員が質問したけれども、あなた明確に答弁していない。この点をぜひひとつ答弁していただきたい。 それから、もう一つは、従来認められていた東京税理士会の東支部と南支部。東支部の方には、千葉県に在住している方も、お得意さんが東京にあるからということで、これは入っておられる。それから、南支部の方は、神奈川県に居住している人でも、お得意さんが東京にあるからということでそこに入っている。こういうものが、今度は省令一つで切り捨てられようとするんじゃないか。こんなひどいことを何でやるだろうか。この点もぜひお答えいただきたいと思います。
○委員長(世耕政隆君) 時間が来ておりますので、簡単に御答弁願います。
○政府委員(福田幸弘君) 最初の支部の問題は、やはり税理士会として仕事をやるのに税務署の単位の方が運用しやすいということから来ていまして、われわれから強制した問題でございません。その監督も、内部監督の問題と理解しております。 それから、後の御質問は、東京の東支部と南支部でございますが、これは千葉県の松戸かに東京の支部があるのですけれども、あそこは東京地方会になるわけですね、千葉県は。それから南支部というのが横浜かと思うのですが、これは東京地方会になるわけです。ですから、その会は区域を原則とするということは前に申し上げました。その区域に事務所を設けている以上は、その区域を管轄する税理士会にお入りになって会費を払われる。東京で活動されるのは自由ですが、税理士事務所というのは対外的にそこに明確に本拠を置かなきゃいけませんから、そのあるところの会にお入りくださいというのが——いま例外的にこの二つが、東京の支部が別な税理士会にあるという異常な事態であるわけで、異常というか例外的なものでありますので、これは区域によってその税理士会を設けるという本則からいきますと、それを是正していただきたいと。 したがって、現実は非常におかしなことが起きますので、千葉にあって、千葉のところは東京地方会があると同時に、今度は東京の方も支部が両先あるというおかしなこと。税務署から見てもおかしい。会費も異なっておって、支部の方が安いというふうなことなんですね。ですから、これはやはり是正していただくという趣旨のお答えでございます。
○渡辺武君 最後に委員長に一言申し上げたい。
○委員長(世耕政隆君) 簡単にお願いします。
○渡辺武君 きょうの私の持ち時間はわずか六十分です。問題の重要性からいったら、これはもう全く不足した時間です。私、きょう質問もできるだけ簡略にしながら伺ったんですが、なおきょう伺ったもののほかに使用人の監督義務について、それからまた支部の監督について、一署一支部問題、これもほんのちょっぴり聞いただけです。それから、もっと徹底的には一般消費税との関連、及び政治献金問題、これらのものもちゃんと質問する予定で準備してある。 で、私もこれらの問題で質問したいし、さらに佐藤議員も当然これは質問に立ってもらわなきゃならぬ。これもぜひ保証してほしい。 それから、特にわが党として要求してきた証人喚問、参考人の意見聴取、これはきょうの午前の理事会でまとまらなかったようでありますけれども、ぜひ次回には実現するように、理事会として再協議していただきたい。とりわけ、きょう質疑打ち切り、これを強行的にやってしまうというようなことは絶対にしてもらっちゃ困ります。その点、はっきり申します。
○中村利次君 この改正案の問題点というのは、これはそれほどたくさんあるわけじゃございませんから、したがって、いままでの審査におきましても各委員から指摘をされている問題点は限られておるわけでありますし、また、私の質問も、前回の本委員会において質問をいたしましたが、大体同じ問題点についての角度を変えた質問にすぎないことになると思います。 そこで、助言義務だとか、あるいは試験制度、いろいろの問題点があるわけでありますけれども、総括をして、現行法が昭和二十六年に制定をされまして、いろんな経過をしてここに改正案が提案をされておるわけであります。二十六年の現行法の制定前には、昭和十七年に、当時戦時下でございましたけれども、税務代理士法というのが制定をされておるわけであります。これが戦後の申告納税制度に移行をして、そして、現行法ができて、いろんな経過を経て、くどいようですけれども、今日の改正案の提出ということに至っておるわけであります。 そこで、これらの税理士制度の沿革に即して、第一条の基本的な考え方、これは何といいましょうか、いろんなものがあるけれども、それを総括した基本課題として、もう一回私は政府の考え方を伺っておきたいと思います。
○政府委員(高橋元君) 昭和二十二年に、所得、法人、相続と、三つの基本的な直接税に申告納税制度が取り入れられました。これは日本の戦後の租税制度の根幹になっておりまして、現在では、午前中から申し上げておりますように、申告納税制度によっております諸税の仕組みというのは、源泉等を除きますと、九九・九%ということになっております。 〔委員長退席、理事細川護煕君着席〕 税理士制度は、こういう申告納税の根幹に立っております現行の税制の運用を円滑にし、かつ申告納税制度が持っておりますいわば民主的な税制としてのあり方をさらによく展開するために、その基本として税理士制度を設けて、そういう自主申告をなさる納税者の方々の税務折衝についての援助と申しますか、税務書類申告についての援助と申しますか、そういうことをやって、正しい納税義務を実現していただくということに資するという考え方をとってきておるわけでございます。
○中村利次君 もう各委員から、試験制度あるいは助言義務の問題がいろんな角度から質疑が続けられてまいりましたけれども、現行法の制定に至るシャウプ勧告なんかを見てもいろんなことが言われておりますが、これも前回の委員会で私が指摘をいたしましたように、申告納税制度になって、その納税者が税務当局と対等に対抗するためには、これは専門的知識を持ったやっぱり税理士の助言が必要だということになっておるわけであります。 そこで、税法が難解だから、解釈にいろいろの解釈があるから、むずかしいから納税者はなかなか納税当局にまともな議論も対抗もできないから、専門家の税理士の助けをかりなきゃならないということになるわけですね。もっと税法をやさしく、わかりやすくして、納税者みずからが申告できるように、そういうことにすることは、これはどんなものですかな。これは申告納税制度の本来の考え方と違いますか。それとも何かやっぱり格別の理由があって、あえて税法を非常にむずかしく、あるいはこれはもう一般法でもそうですが、専門家の弁護士の助けをかりなければ素人にはどうにもならぬというあれですけれども、税法というのは、申告納税制度というのがこれがもう基本になるわけでありますから、いかがでしょう、そういう考え方に対してどういうお答えが出ますか。これは間違いですかな、私の考え方は。
○政府委員(高橋元君) 税法が難解であるという御指摘をしばしばいただいておりまして、私ども年々の税制改正の際にその点十分注意をしておるつもりではございますけれども、法は三章ということが理想であるとよく言われております。しかしながら、税法はやはり所得の計算、まあ申告課税が一番中心でございますから、課税標準の計算というのはかなり複雑な経済取引をその対象としております。これが会計のルールだけでは必ずしも律し切れない、そういうところから、やはり権利義務の根幹に関することでございますから、その所得の計算について、等しい所得は等しい課税を受けるようにという公正上の要請からも、やはり若干のそこに複雑多様な規定というのが必要になってまいります。 先ほどもお答えしたことでございますが、税理士さんが納税者に関与されるその関与の仕方というのは、伝票をつくって帳面を書くところから始まる方が、個人の場合に半分、法人の場合六割、まあ大ざっぱな数字で申し上げましたけれども、それはすなわち、税法に定める所得の計算をなさる場合、会計の記帳なり会計の決算なりということ自身が大変むずかしいということをあらわしておるのだと思います。そのむずかしい経済取引を均一な所得計算ということに誘導してまいりますために規定が必要でございますし、そのほか政策上の要請も取り入れて、ある程度きめの細かい、また厳密な規定というのが必要になってまいりますが、 〔理事細川護煕君退席、委員長着席〕 しかしながら、たびたびのお話もございますように、納税者が税制を理解されて自発的に納税をしていただくというのが申告納税の基礎であります。 そういう意味で、一方で広報に一段と努力をいたしますとともに、税制、また税法の表現というものの簡素化、国民の理解に資するような改善ということに引き続き努めてまいりたいというふうに存じます。 —————————————
○委員長(世耕政隆君) 委員の異動について御報告いたします。 本日、多田省吾君、河本嘉久蔵君が委員を辞任され、その補欠として原田立君、林ゆう君が選任されました。 —————————————
○中村利次君 同じ課題に対しまして、引き続いて質問を続けてまいりたいのはやまやまですけれども、いつものとおり私の質問時間は非常に短うございますから、問題点を一点でも多く詰めておきたいと思いますが、試験制度につきましても先ほど御答弁にございましたが、五十四年の三月現在において、一般三万一千七百三十三、それからそのうちの登録している方が一万七千四、こういうのを全部読んでいますと時間がもったいないですから、先ほどの御答弁によって、試験によって税理士の資格をお持ちの方、それから登録をなすっていらっしゃる方、かなりこれは数に開きがございますけれども、これはどういうことでしょうか。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 全体的に申し上げれば、資格は持っているけれどもいま税理士業を開業する必要のない方でございまして、その必要がない理由につきましては、御老齢という問題もありましょうし、その他いろいろございますと思いますので、それについての統計はただいま手元にございません。
○中村利次君 でしょうね。 そこで、税理士の一般試験というのが非常にむずかしいということが、いろいろもう議論をされてまいりました。それからもう一つは、この特別試験制度、特に今度は、二十三年では一定の研修をすれば無条件で税理士の資格が与えられるということになれば、一般試験がはみ出すんではないかという心配が指摘をされました。これは私どもよくそういうことを聞いたんです。ところが、先刻からの御答弁によりますと、そういうことはありませんと、税理士試験というのは税理士として適格かどうかという、そういう知識をテストするものだから、定員で何名を合格さしてそれ以外を落とすという、そういう性格のものじゃないからそれはもう全然関係ありませんという御答弁でありました。私は当然、一般試験というのはそうでなきゃならぬと思いますよ。 だから、これはそうでない場合には問題になるんであって、そうであるというぐあいにこれは私どもも信用して、また、信用できなければこれは指摘をしてけしからぬということになるわけですから聞くわけですけれども、その場合、やっぱり年々歳々一般試験が大変むずかしくても合格者があって、八百人の方たちが税理士の資格を取られるわけですね。そのほかに、いろんなそういうものを経ないで資格を取られる方たちがいらっしゃる。 私は、やっぱりそうなってきますと、問題になるのは過当競争が心配になるんではないかと。確かに、税理士にしても公認会計士にしても、戦後の非常に少ないころにはこれはもう忙しくて大変によき御商売であったと思うんですけれども、だんだんふえてきますと過当競争の心配が出てくると思いますけれども、こういう点について国税当局は大体の見通し、見当、大体いままでの実績からして、年間にこれくらいの人たちが税理士資格を取って登録をする人がこれくらいあって、過当競争の心配はそうないとか、あるいはこの年度ぐらいになると過当競争の心配がかなり強く出てくるとか、そういう点のお見通しをお持ちですか。
○政府委員(伊豫田敏雄君) なかなか将来の問題にわたりまして予測することはむずかしいと思うのでございますが、手元にございます資料によりますと、昭和四十八年から昭和五十三年までをとりまして、その間において税理士の数は一〇四%、四%ほど伸びております。これに対しまして、やはり法人数も大体百四、それから個人の納税者数も——失礼いたしました。いま申しましたのは対前年の数字でございまして、四十八年からは税理士の数は約二五%伸びております。それに対しまして法人数は二三%伸びておりまして、個人の数は逆に課税最低限の問題等ございまして、九四・五%に下がっていると、こういう状態でございます。 一体税理士さんの一番主要な業務は個人なのか法人なのか、あるいは今後は他の税目にわたるのか、そこら辺について全く予想がつきませんが、やはり資格のある方は資格を持っていただくことを認めていくというのが税理士試験の本来の形かと思いますので、われわれとしてはその形に従って税理士試験というものを進めてまいりたいと考えておりますが、なお国税庁の業界に対する関心といたしまして、将来過当競争問題がどのような状態になったら起きるだろうかと、あるいはすでに起きているかどうかという問題を含めまして、十分関心を持って今後検討を続けさしていただきたいと、このように思っております。
○中村利次君 それは、関心を持って検討を続けていってもらうべきだと思います。ただし、いま御答弁の中にもございましたように、過当競争になりそうだからといって、一般試験を物すごくどうもパスできないようなものにして、そういう試験制度でコントロールをするというのは、これはまた大いに容易でないことでありますから、これは試験制度というのは、いわゆる既得権者を温存するようなことではなくて、法のもとにやっぱり平等であるという、そういう憲法を生かしながら、なお慎重にそういう点についての検討を進めていかれることを要望したいと思います。 ほかにまだいろいろ聞きたいことはございますけれども、もう時間もぼちぼちですから、最後に、この五十三条の二項に「税理士会及び日本税理士連合会でない団体は、税理士会若しくは日本税理士会連合会又はこれらに類似する名称を用いてはならない。」、もう私このあれを読み上げてみて舌をかみそうなんです。こんなに非常に簡単な法文ですら、確かに解釈しにくいような、なぜ法律用語というのはこうなんだろうかと思うんですがね。しかし、ですからこれはどういう解釈をすればいいんだかわかりませんけれども、単純に言えば、税理士会及び日本税理士会連合会でない団体は、これに紛らわしいようなそういう名称を用いてはならない、いわゆる名称の使用制限であるというぐあいにも解釈できるんです。 そうなると、いま税理士会の中にいろんな名称がございます。これがこの違反になるのか、あるいは、いやいやわれわれは税理士会あるいは日本税理士会連合会に加入をしておるけれども、やっぱりわれわれはこういうグループをつくっておるんだから、こういうそこに名称を持ちたいんだ、また持っておるんだというのが法の上で正しいのか間違いなのか、いかがでしょう。
○政府委員(福田幸弘君) 内部的にいろんな団体がある、任意団体がある、これは自由な活動であろうと思います。法律どおりに税理士会もしくは税理士会連合会に類似する名称を用いてはならない、類似する名称かどうかは、やはり税理士会もしくは日税連の中で御議論願いたい問題であろうかと思います。
○中村利次君 何だかどうもはっきりしないお答えですけれども、非常に舌をかむような、五十三条に照らしてやっぱり間違いなのか間違いでないのかというお答えをこれはいただかなきゃなりませんよ。それはあなた、あるんですから、法律の条項に。 それからもう一つ、これで終わりますから、私はつけ加えて申し上げますけれども、それはどういう解釈を当局でされても結構ですが、やっぱり現実にある、なぜそういう紛らわしい名称を持ったそういう名称を使うグループができるのか、こういうものもあわせてやっぱり判断というか、検討の対象に当然なるべきだと思うんですよ。しかし、そこまでいろいろ議論をすると時間が幾らあっても足りませんから、とにかく五十三条の二項に照らして差し支えないのか、間違っておるのか、それだけを伺って、質問を終わります。
○政府委員(高橋元君) 税理士会または日本税理士会連合会の持っております公益性ということにかんがみまして、これらの団体に名称独占ということを与えておるわけでございますが、これらの名称を直に使いませんで、類似する名称を用いることも禁止しております。その類似する名称につきましては、商法の類似商号についての大正九年の大審院判例等が参考になると思います。ちょっと申し上げますと、「商号の主要部分について同一または類似しているために、他人をして商号の混同、誤認を生ぜしめるおそれのある場合においては即類似の商号たると解するを相当とする。」というのが、その商法についての判例であります。 いまお話しのありましたようなもの、私具体的に承知をいたしませんけれども、この大審院判例が一つの判断の基準になるかと思います。そういうものに徴して、税理士法五十三条違反によりましてたとえば罰則六十二条の罪に当たるかどうか、大変微妙な問題でありますけれども、税理士法に違反するおそれのある場合には従来からその都度指導してきておりまして、そういうおそれのないように、また、納税者なりそれから税理士さんなりに対して誤認を与えないように、適切に対処してまいりたいと存じます。
○中村利次君 終わります。 〔委員長退席、理事細川護煕君着席〕
○野末陳平君 税理士法の改正案については問題点もありますけれども、これは理事会の協議があるようですからそれにお任せしておいて、個人的に二、三当局に確かめておきたいと思うんですが、倫理規定の強化はそれはそれでいいんですが、それならば、やはり税理士が関与した申告というものをもっと尊重する必要があるんじゃないかと、そう思いますね。 もちろん、税理士といってもいろいろいますから、人によって信頼度においては差があるのは当然ですけれども、非常に優良な税理士、これは当然いるわけですね。優良法人なんというような言葉もあるんだけれども、この優良な税理士のこれが関与した申告等については、やはり税務当局が調査省略といいますか、優遇した扱いをするということによって、誠実で信頼のおける税理士をふやしていく、そういうことも考えるべきじゃないか。いたずらに倫理規定の強化だけが税理士の資質を高め、そして社会的信頼を高めるかというと、そうでもないという点で、優良な税理士についての扱い方、それについてどういうような考え方があるか。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 確かに優良法人という制度が現在ございますことは御承知のとおりでございまして、それと同じような考え方で優良な税理士を何らかの方法で優遇する道を考えるべきではないか。もちろん、一般的に優良税理士さんにつきましては事前通知の励行とか、いろいろ税理士さんそのものを役割りを尊重することはやっておりますけれども、それ以外に、特に優良なものをどうにかならないだろうかという御質問かと思います。 ただ、われわれといたしましては、優良法人の場合には、法人のお仕事と税務というものがあるわけでございますが、優良な税理士ということで一つの枠を決めますと、それはもう御商売、お仕事に直結する話になりまして、優良とされないものはよくないのかというふうな話も出てまいりまして、その点、御質問の趣旨はよくわかりますけれども、実際上の問題としてはなかなかむずかしいのではなかろうかと、このように考えておりますが、なお趣旨を踏まえて検討を続けてまいりたいと考えております。
○野末陳平君 書面添付の制度というのがあって、これは現場についてよくぼくも知らないんですけれども、これがもっと活用されるようなことがあってもいいんじゃないかという声があったのであえてお聞きしたわけなんですが、これはどうなんですか。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 書面添付制度は、現行税理士法にもございます制度でございますが、残念ながら、現在この制度がほとんど利用されてない現状にございます。 その原因、対策等につきましてはただいまいろいろ検討を加えつつあるところでございますが、なかなかこの制度を有効に機能させるようにどういうふうに努力を続けていったらいいかと考えている状態でございます。
○野末陳平君 先ほど一般消費税との関連で質問が出ていましたけれども、ぼくはそうは思っていません。一般消費税の前提としてこれがあるとは全く考えていませんからそれについては質問しないんですが、しかし、増税ということを広い意味で考えた場合、この一般消費税の問題、いまだに消えていないようにも考えるし、まあそこらで実はこれは所得税と租特のときに時間がもっとあればいろいろと聞きたいことがあったんですが、時間が非常に少ないので、実を言うと税理士法はたっぷりあって、あっちは少な過ぎるんで、あれはバランスがとれていないと思うんですね、ぼくも。どちらも大事な法案ではあるけれども、しかしやはりバランスをとった質問時間を与えてもらわないと、やはりぼくの方としても、非常に聞きたいことをうやむやにして、すぐそちらがまた来年の税法改正なんというのが取り込まれたり税調が始まったりして非常に困るんですね。 ですから、この機会に増税のことも確かめておきたいことがいっぱいあるんですが、法人税ですね、これが一、二%は上がってもいいんじゃないかと、アップがあってもやむを得ないんじゃないかと思っていたんですけれども、あれやこれやどんな事情があったか知りませんが、結果的には見送られたと。そうしたら総理は、これは見送ったから喜んでもらえると思ったなんてことを言っているんだけれども、あれはちょっととぼけた話で、それは大企業やなんかは喜んでくれたかもしれないけれども、やはり財政難の折に、あるいは自然増収があったからという理由もあったでしょうけれども、法人税というのはやはり今回ややアップしてもよかったんだとぼくは考えているわけですね。来年ですけれども、来年増税の必要がないと思っているはずはないんで、やはり真剣にこの問題は考えるべきで、避けて通れない。 そこで、大臣、大臣も座っているだけで退屈でしょうから、この際やっぱり生の声も聞かしてもらいたいんで、きょうはもうどうせ遅くなりますから、ひとつ型にはまったんじゃなくて、少し突っ込んでほしいんですがね。どうでしょう、来年はもう法人税のアップはやむを得ないというふうに考えていいんじゃないか。あるいはそうしなきゃおかしいんじゃないか。いまはまだそんなこと考える状態じゃない、予算が通ってなんというもう毎年繰り返す答弁は余り期待していないんです。法人税についてアップの余地があるかどうか、まずそれをお願いします。
○国務大臣(竹下登君) 一般論といたしまして、五十二年の答申でございましたか、国際比較をした場合に、なお幾らかその余裕があるという御答申をいただいておることは事実であります。 したがって、五十五年度税制におきまして、もとよりこれを検討の外に置いたわけではございません。結局国民の理解と協力を得て財政再建を行うということには、財政再建と言えばすぐ入るをはかって出るを制する、が、入るをはかる前に出るを制するということをしないと、カラ超勤でございますとか、公費天国でございますとか、いろんな批判の中に、まず出るを制するところから取りかかろうではないかというような基本的な考え方をまとめまして、それでもってとの二十年以来のいわゆる歳出の縮減を図ったわけです。 したがって、今度はそれに見合う税収ということを考えて、しかも、一兆円の減額というのを、まず一兆円の減額ありきというようなところからこれに取り組んだわけでございますが、これは民間の努力によって、いわゆる自然増収というものが見込めたということで、ここでこの本格的な増税というものに取り組まないで予算が組めたというふうにでも申しましょうか、そのような結果になったわけでございます。 これとて、この間御審議いただきましたとおり、いわゆる租特の整理、合理化、給与所得控除の見直し、退職給与引当金の見直し——退職給与引当金の見直しというのは、ある意味においては法人税の増税ではないかというような御指摘もいただいたのでありますが、それで実際問題として、本格的な税目についての増税というものをしないで予算を組むことができたということであります、結論から申しまして。 そこで、恐らく、野末さんの考え方を推察いたしますならば、一兆円の公債の減額と言ったところで、五十四年度の補正後に比べれば少ないではないか、だから、仮に増税をして、そして、そのものをもって、一体あの時点で国民のいわゆるいろいろな需要がある中で、増税をしたものがこれが減額に回せたかどうか。あるいはそれはいろいろなニーズの中で、それぞれ予算膨張の歳出増の方向に結論としていくではなかろうかというような判断もいろいろしまして、したがって、ことしのところは本格的な税目の増税をしなかったということになるわけであります。 したがって、来年度をどうするかということでございますが、これはあたりまえの答弁と言われるかもしれませんけれども、当然、法人税なんというものは初めから対象の外に置くというような考えは全くございません。しかし、国会決議にもございますように、歳入歳出両面から各界各層の意見を聞いて本格的財政再建に取り組めという、非常に何と申しますか、工夫した御決議をいただいておりますので、そのことが例外に置かれるものではなく、当然検討の対象になるべきものであるというふうに、今日現在で考えておるところであります。
○野末陳平君 それで、個人の増税はやはりなかなかダメージがきついけれども、法人の場合はまだたえ得るわけですから、租特の整理縮小、あるいは給与の引き当て、それらが結果的には増税になるという考え方で、法人税の増税を少し甘く考えるというのはおかしいと思うんですね。ですから、これはこれ、また、税率アップはまた別の問題として検討すべきである、そう考えるんです。 同時に、やや最近、これはこの委員会では余り出ないんですけれども、学者などの間に、ぼくの知り合いの学者なども含め、それからこの間参考人として来てくれた学者の意見も含めて、やはり一方に所得増税の考え方もあるんですね。筋から言って、所得増税もそれはそれなりにぼくは筋が通ると思うんですよ。ただ、率直に言って非常にやりにくいですよね。やはり理屈ではまだ所得増税の余地があると仮に判断しても、現実にそれを行うのは非常にむずかしいということで、ぼくもこれがいいというふうにはとてもいま思えないんですが、目先でなくて、ここ数年の検討課題として、この所得増税というものをやはり避けて通らない方がいいと、委員会としてはこの辺の詰めも必要じゃないかと個人的に考えています。 そこで、大蔵当局に聞きたいんですが、仮に所得増税をするということになったら、一体どの所得階層にその対象を向けるべきなんだろうか。というのは、この間来てくれた参考人は、今回、ことしの改正で高所得者層は一千万以上の部分について給与所得控除が五%になったと、これはもう前々から野党が主張してきたことの一部がそこに反映したんでしょうが、さて、この高所得層だけでなくて、低、中の所得層に対しても増税やむを得ないという考え方を披瀝した人がいるわけですね。で、詳しくは聞き損なったんですけれども、いずれにしても、どのあたりの層に増税の余地ありと、こう判断するのか、これはもう仮定の話ですから、ちょっと率直に意見を聞かしてほしいと思うんですよ。
○政府委員(高橋元君) 大変むずかしい御質問でございますが、五十二年の中期答申、先ほど大臣からお答えがございましたけれども、その一番末尾のところに「結局のところ、所得税及び個人住民税について一般的な負担の引上げを求めるか、あるいは、広く一般的に消費支出に負担を求める新税の導入を行うかという問題に直面せざるを得ないであろう。今後の税制のあり方としてそのいずれの途をとるべきかは、まさに国民の選択すべき重要な課題である。」という指摘がございます。 財政再建という立場から歳入の増を考えていくといたしますと、まさにこの中期答申の言っておられる「選択すべき重要な課題」に突き当たるということはあります。財政再建について歳出をどこまで圧縮をしていくべきか、それによって効率化を図るべきかという問題がまず基本にあると思いますし、特例公債から五十九年に脱却しなければならないという要請も絶対的なものであるというふうに考えておりますので、その進め方についてどう運んでいくかということは、これはもうまさに多面的に両面から追求されなきゃならないことだと思います。 いまの野末委員の御質問は、そういう中で仮に所得税を取り上げるということになればどうするかということかというふうに伺っておったわけですけれども、現在の所得税の税収は一千万円以上、たしか二十万ぐらいの納税者の方がおられると思いますが、その方々が払っておられるのが四分の一であります。それから五百万以上の方で全体の半分ぐらいのものを払っておられると思います。それ以下の九〇%を超える納税者の方が、残りの半分を払っておられるというのが現実であります。 どういうふうに持っていくべきか、いまここで御披露するだけのまだ詰めた考えを持っておりませんけれども、そういうことも一つの問題でもございましょうし、日本の所得税について言われておりますことは、累進の構造が非常に急であるということも、学問的な意味での問題提起かと思います。現実の政治の中でそれをどういうふうに所得税法の改正に生かしていくのか、まさに歳出歳入両面の検討を加えながら、そういう問題についてもいま御指摘のような必要性が起こりますに応じまして、私ども十分に税制調査会にもお諮りして詰めていかねばならぬというのが、ただいまの考えでございます。
○野末陳平君 インフレがどのくらいになるか、また、もちろんそれを期待するわけでもないんですが、結果的にことしはどうもそういう不安は当然ある。ですから、インフレ心理というものもある。しかし、当面のインフレでなくて、ここ五年あるいは十年ずうっと日本の経済情勢の移り変わりを見てくるに、まあけさ新聞にも出ていましたが、土地が非常にまた狂騰の様子を見せたと出ていましたね。そうなると、日本人の資産選択というものが具体的にどうなっているか非常にわかりにくいんですけれども、いずれにせよ土地志向が非常に強くて、どんな調査でも、土地を中心とした不動産が一番いいと。だから欲しいと、ただし高いからということですね。そうなりますと、この心理を背景にして、税の面から考えますと、いわゆる金融資産と不動産資産との間に、ますます今後価値が開いていくわけですね。そうなると、ここらで税の仕組みから言っても、いままでどおりでいいならば、やはりこの不動産を買えるような能力、資力のある人はますます資産家になっていく。それが欲しくても買えない人は、差がついていく一方である。この格差が非常に開いてくると。これは余り感心したことではありませんね。 ですから、今後、金融資産と、それから不動産資産の両者の税の仕組みについて、何らかの新しい考え方を導入していかざるを得ないんじゃないか、あるいはそうすることによって不公平を幾らかでも差を縮めるという方向が打ち出せるんじゃないかと、いろいろ考えてみるわけですが、もちろん具体的な何も持っているわけじゃないんです。富裕税なんていう考え方もありましたけれども、これも考えてみますと、何が富裕なのかというと、結局、不動産を持っている人が富裕なんじゃないかというふうになる。そうすると、不動産にすぐどういう形で課税をしていくか、非常にこれもむずかしい。ですから、富裕税という構想がいいというわけじゃないんです。 〔理事細川護煕君退席、委員長着席〕 いずれにしても、税の面から今後考えられるであろう金融資産と不動産資産のこの差というものを全く考慮に入れないでいいのかどうか。やはり幾らかのそういう方法が考えられていいんじゃないかと、そういうふうに考えているんですよ。これについてはいままで当局で議論があったかどうかわかりませんが、どういう御意見をお持ちですか。
○政府委員(高橋元君) 金融資産——まあ預貯金、公社債といったものはこれは利子を生むわけでございます。しかしながら、片っ方で土地は、そういう持っておることに伴う収益というのは比較的少なくて、これは転売したときのキャピタルゲインという形をつくってまいるというふうに思います。そういう意味では、土地に対するキャピタルゲインというものをどういうふうに課税するかということが、いまのお示しの問題から言えば重要な問題であるというふうに思います。 現在では、昭和四十四年以降、ただいま買って後売るという場合には、最低五一%地方税を含めまして課税をするというたてまえになっておりまして、これは一つは、投機的な取引を抑制するという政策目的もございますし、社会の開発の利益というものに着目するという観点もございます。 そういうふうに短期の譲渡について課税を強化する、通常の所得税法の規定よりはるかに重くしていくということも、現時点での税制としては、いま仰せのありますように、土地についての利回りと、それから金融資産についての利回りと、この二つを考えまして、非常に土地の購入を抑制する動機にはなっておると思いますが、さらに、この富裕税ということについても、私ども徴収上、また執行上の観点も入れて検討はいたしておりますが、いまとりあえず私の頭に思い浮かぶのはその二点でございますけれども、そういうことを手がかりにして、なおよく勉強をしてまいりたいというふうに存ずる次第でございます。
○野末陳平君 税理士に戻りますけれども、税務大臣は本来税理士が本人でやるべき仕事であると、これは当然なんですが、しかし、この観点から考えると、税理士の関与件数というものが多過ぎちゃ当然いけないわけですね。ですからぼくは、制限すべきではないかという気もしているんです。というのは、やはり税理士一人当たりのお客さんといいますか、関与件数が多いことによって依頼者、つまり納税者が迷惑をこうむる場合もあるんで、税理士すべてが善であるわけじゃないし、すべてが良心のかたまりであるわけじゃないんだから、その辺で、やはり税理士の関与件数は制限されることも考えられるんじゃないだろうかと思うんですが、これについて実態も詳しく知らないので、細かい数字はいいんですが、どんなものでしょう、いまの時点ではさほど心配は要らぬということなのか、それともぼくの考え方に対して何らかのコメントがあるのか、その辺をお聞きしておきたいと思うんですね。 いずれにしても、一人の税理士がたくさんのお客さんを持っているとすると、ぼくの知る限りにおいては使用人がやっているわけだ。使用人の中にもいろんなのがいるから、だから必ずしもいい申告にはなっていないはずなんだ。そうなると、それに対して国税当局がどういう考えを持っているか知らないけれども、税理士が使用人の行った結果を厳正にチェックしていれば何ら問題はない。しかし、関与件数が多過ぎてそれができないということになったら、これは税理士本来が結局は自分たちの足を引っ張ることになるんです。だから、それについて当局の考え方も聞いておきたい。
○政府委員(伊豫田敏雄君) 初めに、若干計数の年次が古いのでございますが、手元に四十八年までしか関与件数についての数字がございませんので、それを申し上げますと、昭和四十八年におきまして、全国平均で一人の税理士さん当たり、個人が約三十九件、法人が約四十件、合わせて約七十八件、これは端数の関係で合いませんけれども、この程度の件数が大体平均の状態と考えております。 これにつきまして、この件数を制限するかという問題でございますが、現在のところ格段の問題があるともただいまのところ聞いておりません。そういう点から、また税理士業務といえども、やはり営業の一つでございますので、これをいたずらに制限することはなかなかむずかしいのではないかと思っておりますが、やはりある程度件数がふえますと使用人が多くなる、使用人が多くなれば御質問のような問題もいろいろと出てくることは承知しておりますので、そのかね合いにおいて十分現状を注視して、弊害があればそれについて必要な行政処分を講じ、あるいは今後の問題として制限というふうなこともこれまた将来の問題として検討をしてまいると、そういうふうな感じで現在考えております。
○野末陳平君 何か、ぼくよりも当局の方が甘いみたいにもとれるけれど、まあしかし、それはそれでいいでしょう。余り悪いところを、悪い部分があるからといって、それを拡大して税理士がいかぬと言っているわけじゃもちろんありませんから。ただし、結果的に前回も言ったように、やはりこのトーゴーサンなんていうのがいろいろと取りざたされていて、サラリーマンと自営業者の間の課税の公平ということにいろいろな疑問がある以上、やはり税理士の仕事は非常に大事だから、その大事なことが単なる税金減らしと、行き過ぎた節税のような結果にならないことを願っているわけです。 時間も来ましたから、税理士の細かい業務については、当局がそれでそれぞれ考え方を持っていると思いますが、ぼくはやはり公平な課税が行き渡ることに税理士の役割りは相当大きな部分を占めていると。ですから、納税者に対していい申告をしてくれるようにともども協力してほしいと、そういうことを願います。それを十分に当局も配慮に入れて、この税理士法案の取り扱いを考えてほしいと、要望しておきます。 終わります。
○委員長(世耕政隆君) 以上をもって、本案の質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」「異議あり」と呼ぶ者あり〕
○委員長(世耕政隆君) 御異議があるようでございますので、挙手により採決をいたします。 本案の質疑を終局することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(世耕政隆君) 多数と認めます。よって、質疑は終局することに決定いたしました。(「質疑打ち切り一方的だよ」「議事進行」「動議を諮りなさいよ」と呼ぶ者あり) 佐藤君。
○佐藤昭夫君 ただいまの委員長の扱いというのはまことに不当であります。理事会の場でも、ただいま文書で委員長にも議事進行動議を正式に提出をしております。 本日、このような不十分な審議で、しかも修正案も提出をされるという、こういった局面のもとで一方的に質疑を打ち切りをし、そうして採決に入るということを断じて認めることはできません。(発言する者あり) このような措置は撤回をして、後日に、このようなただいまの委員長の発言は撤回をして、後日に委員会を継続する議事進行動議を提出いたします。
○委員長(世耕政隆君) 佐藤君提出の動議を採決いたします。 本動議に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(世耕政隆君) 少数と認めます。よって、佐藤君提出の動議は賛成少数により否決されました。 片岡君から委員長の手元に修正案が提出されております。内容はお手元に配付のとおりでございます。 本修正案を議題とし、片岡君から趣旨説明を願います。片岡君。
○片岡勝治君 私は、日本社会党、公明党及び民社党共同提案による税理士法の一部を改正する法律案の一部を修正する案の提案説明を申し上げます。 修正案は、法案第一条の税理士の使命のうち、「税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、」の次に、「申告納税制度の理念にそって」を挿入するものであります。 さて、申告納税制度とは、納付すべき税額が原則として納税者の申告により確定される方式です。すなわち、納税者が自主的に課税標準、税額等を計算し、これを申告書に記載して提出すれば、その時点で納付税額が確定する制度で、税務関係当局による申告書の調査、審査等は行わず、もちろん税務署等の承認、認定などの行政措置など一切なしという制度であります。 ただ、例外として、未申告や違法の内容があった場合に限り、税務当局の処分により税額が決定されることになっています。これがいわゆる賦課課税方式です。 この申告課税方式の理念は、わが国の課税方式の変遷を見れば明らかなように、明治以来、国家権力の象徴としての意義を持っていた賦課課税方式が、新憲法発足による民主改革の一環として、民主的な納税制度として逐次切りかえてきたことにあらわれています。 税理士制度のあり方もこの納税方式の切りかえ、すなわち、申告納税制の採用の拡大によりおのずから明確になってきたと思います。 前述のように、申告納税制度は、国民主権の政治原理に立って主権者たる納税者にみずから租税債務を確定する権能を認めたものです。したがって、税理士に課せられるべき社会的任務は、必然的にこの納税者の自主申告権である税法上の行為を援助するとともに、税法上の権益を擁護することになるわけであります。 また、租税法規がますます複雑多岐にわたってきている今日、申告納税制度のもとにおいては、納税者の後見的な役割りを税理士が担うことになることは当然であり、このことが税理士制度の存在の意義を一層高めています。 こうした申告納税制度下の税理士制度のあり方は、税理士のみならず、納税者を含めての共通の理解となっています。 この基本的な理念が、税理士制度とこの税理士法の運用に貫かれていけば、主権者たる納税者の期待と信頼は一段と強まるに違いありません。このことが、納税義務の適正な実現に通ずることは、言うまでもありません。 この考え方を第一条の税理士の使命の中に明確にし、税理士法全体に及ぼそうとするのが、この修正案の理由であります。 何とぞ、委員各位の御賛同によりこの修正案を可決され、この改正税理士法の民主的な運用に寄与されますようお願いをいたしまして、提案理由の説明を終わります。
○委員長(世耕政隆君) これより原案並びに修正案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。なお、進行上、討論は一人三分以内にお願いします。
○佐藤昭夫君 委員長。
○委員長(世耕政隆君) 佐藤君。
○佐藤昭夫君 修正案に質問要求あり、動議です。
○委員長(世耕政隆君) 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(世耕政隆君) 速記を起こしてください。 討論のある方は一人三分以内にお願いいたします。(「どうして質問させないんだ、委員長横暴だよ」と呼ぶ者あり)ほかに御意見もなければ討論は……(「理事会で決めたとおりに進行してくださいよ」と呼ぶ者あり) 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(世耕政隆君) 速記を始めてください。 佐藤君提出の動議を採決いたします。 本動議に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(世耕政隆君) 少数と認めます。よって、佐藤君提出の動議は賛成少数により否決されました。 これより原案並びに修正案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。なお、進行上、討論は一人三分以内にお願いします。(「なし」と呼ぶ者あり)ほかに御意見もなければ討論は終局したものと認め、これより税理士法の一部を改正する法律案について採決に入ります。 まず、片岡君提出の修正案を問題に供します。 修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(世耕政隆君) 多数と認めます。よって、片岡君提出の修正案は可決されました。 次に、修正部分を除く原案を問題に供します。 賛成の方の挙手を願います。(「発言要求」と呼ぶ者あり) 〔賛成者挙手〕
○委員長(世耕政隆君) 多数と認めます。よって、修正部分を除いた原案は可決されました。 以上の結果、本案は多数をもって修正議決すべきものと決定いたしました。(「議事進行について」と呼ぶ者あり) 中村太郎君から発言を求められておりますので、これを許します。中村君。
○中村太郎君 私は、ただいま可決されました税理士法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党、民社党及び新自由クラブ各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文はお手元に配付してございますので、朗読は省略いたします。 以上です。
○委員長(世耕政隆君) ただいま中村君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(世耕政隆君) 多数と認めます。よって、中村君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、竹下大蔵大臣から発言を求められておりますので、これを許します。竹下大蔵大臣。
○国務大臣(竹下登君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしまして御趣旨に沿って配意したいと存じます。
○委員長(世耕政隆君) なお、審査報告書の作成は委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(世耕政隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後八時二十六分散会 —————・————— 〔参照〕 税理士法の一部を改正する法律案に対する修正案 税理士法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。 第一条の改正規定中『「中正な立場」を「税務に関する専門家として、独立した公正な立場」』を『「中正な立場においてを「税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそつて」』に改める。 ————————————— 税理士法の一部を改正する法律案に対する附帯決議 政府は、次の事項について、留意すべきである。 一、助言義務の規定は、税理士の社会的責任を明らかにする倫理的規定であか、税理士に対する処分自体を目的とするものではないので、助言義務違反に係る懲戒処分の取り扱いに当たつては、税理士と納税者の地位を不当に損うことのないよう慎重を期すること。 一、第二条に規定する税務書類の範囲等に関し、現に商工会、商工会議所及び青色申告会等の行つている正当な業務については、今回の改正によつて実質的に影響を受けることのないよう運用面において配慮すること。 一、税務職員に対する会計学の試験の免除に関し、税理士の資質向上のため、所要の研修について、税理士審査会の指定、運営、実施、全般にわたつて厳正を期し、一般試験との均衡を失しないよう配意すること。 一、懲戒処分の効力発生時期については、行政処分一般に共通する問題として、今後とも検討を行うこと。 一、懲戒処分の除斥期間については、今後他の立法例を考慮しつつ更に検討を進めるとともに、税理士の地位安定の観点から懲戒処分の運用に当たつて一層配慮すること。 一、税理士法人については、社会的必要性の度合や、税理士業務の性格等を勘案しつつ、今後更に検討を行うこと。 一、使用人等に対する監督義務違反が税理士事務所の自主性を侵すことのないよう、その懲戒処分の発動に当だつて鳳慎重巻期すること。 一、税理士でなし者が税現士業務を行うことのないよう、十分な監視措置を講ずること。 一、登録即入会鋼度の運営並びに税理士会の分割等については、慎重な配慮を行うこと。 一、税理士制度のあり方にっいては、今後とも、その運用の実態及び社会経済情勢の推移に対処し得るよう引き続き所要の検討を行うこと。 右決議する。