大蔵委員会 第6号
- 発言数
- 82 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1980/03/25
会議録
○委員長(世耕政隆君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る十九日、北修二君が委員を辞任され、その補欠として岩動道行君が、二十四日、小平芳平君が委員を辞任され、その補欠として鈴木一弘君が、また本日、竹田四郎君、和田静夫君、福間知之君、塚田十一郎君、岩動道行君、鈴木一弘君、市川房枝君が委員を辞任され、その補欠として藤田進君、村田秀三君、小野明君、八木一郎君、林ゆう君、柏原ヤス君、喜屋武眞榮君がそれぞれ選任されました。 —————————————
○委員長(世耕政隆君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い理事が一名欠員となっておりますので、この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(世耕政隆君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に片岡勝治君を指名いたします。 —————————————
○委員長(世耕政隆君) 日本専売公社法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案につきましては、前回の委員会におきまして質疑を終局いたしておりますので、これより直ちに討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○片岡勝治君 専売公社法等の一部を改正する法律案について、日本社会党を代表して反対の討論を行います。 まず第一に、われわれはいま何をなすべきかと言えば、狂乱物価時代の再来にさえなりかねない経済的、社会的状況にあるとき、これをいかなる政策をもって克服し国民の生活不安を解消するかにあるはずです。しかしこの法案は、この国民的課題に背を向け、メジロ押しの料金値上げ政策の一環であり、直接消費者に打撃を与えるばかりでなく、多分にインフレムードをあおる結果を伴うゆえ、われわれは強く反対するものであります。 第二に、いわゆる法定緩和などと言われていますが、それは実はわれわれの国会審議権を剥奪するものであります。すでに国鉄料金が外され、また郵便料金をも国会の手から切り離されようとしています。かくのごとく公共料金はことごとく行政権に移されようとしており、これでは国会は国民の負託にこたえることは不可能でございます。まさしく国会の自殺行意と言えましょう。まして、たばこはその価格の半分が納付金という名の税金で占められていることを考えると、行政権によって増税が強制されることになり、全く不当な措置と言わざるを得ません。 その他、たばこと健康等の多くの問題点もありますが、省略をいたします。 以上の理由により、この法案に強く反対をし、討論を終わります。
○細川護熙君 私は、自由民主党・自由国民会議を代表して、日本専売公社法等の一部を改正する法律案に対し、賛成の討論を行うものであります。 第一に、製造たばこの小売定価を改定することについてであります。現在の定価は、昭和五十年以来据え置かれてきた結果、原価の上昇に伴って、たばこ消費に対する税相当分の負担割合が低下してまいっております。財政再建が緊急の課題となっている折から、また負担の適正化を図る意味合いからいたしましても、今回の平均二一%の値上げ案は、その値上げ幅等から見て、やむを得ないものであると思います。 第二に、専売納付金制度の改正についてであります。たばこの消費に対する税負担分が現行では確明でないため、値上げの際、それが増税のためかコストアップによるものかがはっきりいたしません。また、公社の企業努力も適正に評価できず、専売納付金が公社の利益処分であるため、国の財政収入が不安定である等の問題点が、国会を初め審議会等の場でしばしば論議されてきたのであります。今回、製造たばこの種類、等級に応じて三一%ないし五六・五%の納付金率を法定しようとしているのは、従来から指摘されてきたこれらの不合理を是正しようとするものであり、時宜に適した措置であると思います。 また、この措置に伴い、輸入たばこの価格決定方式も明確になり、批判の強かった諸外国の要請にもこたえ得ることとなるのであります。 第三に、専売納付金率の法定化に伴い、現行の最高価格法定制を基本的に維持しつつ、三〇%を限度とし、物価等変動率の範囲内で暫定最高価格を定め得ることとしている点であります。専売納付金率が法定化されたもとでの公社の経営は、一層厳しさが増すものと考えられるのであり、今後予想される原価上昇等のもとで、公社が健全な経営を維持し、かつまた、たばこ関連産業の安定を図ってまいる面からも、この法定制緩和化の措置は必要なものと考えるものであります。 以上、本改正案に対する賛成意見を簡単に申し速べましたが、最後に、今回の改正制度の実施に当たっての慎重な運営、国民の要請に沿ったたばこ専売事業の発展、経営の効率化等に一層努力されることを要望いたすものであります。 以上をもって、私の賛成討論を終わります。
○矢追秀彦君 私は、公明党を代表して、日本専売公社法等の一部を改正する法律案について反対の討論を行います。 反対の第一の理由は、今回の改正が政府主導による物価引き上げであり、高騰を続ける物価にさらに拍車をかけることにほかならないからであります。三月上旬の卸売物価は前旬比〇・六%と依然高い上昇を示し、上昇の要因も輸入主導型から国内品へと、ますますホームメードインフレの様相を強めております。すでに認可された電気、ガス料金の値上げは国民生活の家計負担を増大させ、消費者物価へ深刻な影響を与えようとしています。 言うまでもなく、物価対策の重要な点は、企業や国民の間にインフレマインドが広まらないようにすることであり、いま必要なことは、毅然たる物価抑制の姿勢を示し実行することであります。しかるに、去る十九日に発表された総合物価政策は抽象的な作文の寄せ集めにすぎず、物価抑制に対する姿勢には失望せざるを得ません。こうした状況の中での安易な値上げは、国民生活にとって重大な危機を招くものであり、断じて認めることはできません。 第二の理由は、今回の改正は平均二一%の大幅値上げに加えて、さらに国会審議抜きで一・三倍、つまり現行の五七・三%まで引き上げられる法定制緩和の問題であります。言うまでもなく、専売価格は本来すべて法律または国会の議決に基づいて定めるとした財政法第三条、また租税法律主義を規定した憲法第八十四条に該当するものであります。 たばこ専売事業は、国の独占事業であり、本来、公共性、公益性が保障されなくてはなりません。そのためには従来、値上げに際しては国会の審議にゆだねられていたのではありませんか。歯どめのない国鉄運賃の相次ぐ値上げを見ても明らかなように、公共料金の値上げの決定権が政府の裁量にゆだねられると、公共料金のつり上げに拍車がかかることは必至であります。明確な根拠を示さぬままに、たばこ価格は財政法第三条に該当しないとする政府の姿勢は、財政民主主義を根本から否定し、国民を愚弄するものであり、今回の法定制緩和は大改悪と言わざるを得ません。 このように、今回の改正は、財政危機のしわ寄せを安易に国民に押しつけるものであり、断じて認められません。 以上、重要な問題点を指摘して、今回の法律案は断固反対することを表明し、私の反対討論といたします。
○佐藤昭夫君 私は、日本共産党を代表し、日本専売公社法等の一部改正案につき反対の討論を行います。 反対の理由の第一は、政府みずからによる物価引き上げであることです。政府は、財政危機を口実に公共料金の軒並み引き上げを進めておりますが、このたばこ定価二一%引き上げもその重要な一環にほかなりません。わが国経済と国民生活の基盤にもかかわる電力、ガスの大幅引き上げを是認したばかりか、みずからが公共料金の引き上げを先導するがごときは、高負担に苦しむ家計の実態を見ないで、口先だけの物価対策に終始する政府の姿勢を示す以外の何ものでもないのであります。 第二は、定価法定制の緩和で、国会審議抜きの引き上げができるようにしていることであります。政府は、今回の改正が憲法第八十三条の財政処理の国会議決主義や財政法第三条の租税法律主義の原則にかなうものであるかのように強弁しております。しかし、事実上、国会審議が省略されるばかりか、法定制緩和条項を発動する条件そのものが、実は物価等変動率の名による引き上げ促進のための算式であったり、健全にして能率的な経営の維持なる口実による政府並びに当局による恣意的引き上げを許すことが明白となったように、断じて認めがたいのであります。 なお、法定制緩和については、その先鞭をつけた国鉄の二年間四回引き上げの苦い経験を見ても、その行き着くところは明らかだと言わなければなりません。 第三は、専売納付金率の法定化は、国庫納付金の先取りを図り、公社経営の赤字化を必然的なものとすることです。売り上げの五五・五%を国一地方で先取りし、特に国においては、従来どおりの大企業本位の財政経済政策、景気対策を進めるための財源に充てようとするものであって、現下の経済危機、財政破綻に対処するものとはなっていないのであります。さらに、公社経営の圧迫は、公社職員への労働強化、葉たばこ耕作者への購入単価の切り詰め、小売店への合理化強化、さらには定価引き上げに次ぐ引き上げを招いて、ひいては専売制度そのものの基盤をも危うくしかねないことは明らかであります。 たばこの販売の伸び悩み、原料葉たばこの高騰、海外からの製品輸入拡大圧力、健康問題への対処、財界などの民営化攻勢など、公社はいま多くの困難な問題を抱えていますが、今次改正は、国民本位の公社経営の確立という重要な方途をかえって損なうものとなっています。そればかりか、政府・自民党みずからが招いた財政危機の打開策を、本来求めるべき税制、財政の国民本位への転換にではなくて、公社や関係業界、さらには消費者国民に犠牲を強要しようとするものにほかなりません。 三月十八日の本委員会における一方的な質疑打ち切りに抗議するとともに、以上の重大な問題点から本法案に断固反対の態度を表明して、私の討論を終わります。
○中村利次君 私は、民社党を代表して、日本専売公社法等の一部を改正する法律案に反対の討論をいたします。 当面する重要な政治課題の一つがインフレ対策であることは、政府もしばしば指摘をされておるところであります。インフレの懸念はますます強いわけであります。さきに政府は円防衛緊急対策をおとりになり、また日銀は、金利の天井感をつくるために大幅な公定歩合の引き上げを実施をいたしました。続いてまた政府は、総合物価対策を発表してインフレ対策をおやりになっておるわけでありますけれども、インフレ懸念は一向におさまるものでもありませんし、また、円もその下落傾向に歯どめをかけたとは言えないわけであります。円安のおそれはまだまだ多分にあるわけであります。 こういうときにこそ、決定的なインフレ対策を考え、インフレマインドを制圧しようというのが政府のとるべき政策であって、政府主導型のたばこの値上げはその次にすべきであろうと考えます。インフレ対策、政府の政策という点から申し上げましても、何としてもこの製造たばこの値上げと法制化の緩和には賛成をすることができません。 以上、反対理由を申し上げて、本案に反対の討論を終わります。
○委員長(世耕政隆君) ほかに御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(世耕政隆君) 御異議ないと認めます。 それではこれより採決に入ります。 日本専売公社法等の一部を改正する法律案を問題に供します。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(世耕政隆君) 可否同数と認めます。よって、国会法第五十条後段の規定に基づき、委員長において本案に対する可否を決します。 本案については、委員長はこれを可決すべきものと決定いたします。 中村君から発言を求められておりますので、これを許します。中村君。
○中村太郎君 私は、ただいま可決されました日本専売公社法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党、民社党、第二院クラブ及び新自由クラブの各派共同提案に係る附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 日本専売公社法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行に当たり、次の事項について留意すべきである。 一、たばこ及び塩の専売制度並びに公共企業体としての公社制度の本来の趣旨を踏まえ、事業の健全な発展に努めること。 二、専売納付金制度の改正に伴い、葉たばこ耕作者、小売人、日本専売公社職員等関係者との調和のとれた関係が引き続き持続されるよう努めるとともに、経営の自主性のなお一層の発揮及び業務範囲の拡大等が可能となるよう所要の改善について検討を行うこと。 三、専売事業の運営に当たつては、消費者、葉たばこ耕作者等関係者の意見を十分尊重するとともに、日本専売公社職員の雇用の安定、労働条件の維持向上及び関連産業の育成強化に努めること。 四、暫定最高価格の設定又は改定に当たつては、専売事業審議会を充実させる等消費者の負託に十分応えられるよう適切な措置を講ずること。 五、昨今の国民の喫煙と健康に関する関心の高まりにかんがみ、喫煙と健康に関する科学的研究をより一層充実させ、安心して吸えるたばこの供給に努めること。 六、日本専売公社が輸入する製造たばこに対し、内外製造たばこの公正な競争関係が維持されるよう努めるとともに、消費者のし好に応じた製造たばこの円滑な供給に努めること。 七、地方財政に占めるたばこ消費税の重要性にかんがみ、法定制の緩和化措置に基づく今後の定価改定に際しては、定価改定による需要減退に伴うたばこ消費税の取扱いについて十分な配慮を加えること。 右決議する。 以上であります。
○委員長(世耕政隆君) ただいま中村君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(世耕政隆君) 多数と認めます。よって、中村君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、竹下大蔵大臣から発言を求められておりますので、これを許可いたします。竹下大蔵大臣。
○国務大臣(竹下登君) ただいま御決議にありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿って配慮してまいりたいと存じます。ありがとうございました。
○委員長(世耕政隆君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(世耕政隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(世耕政隆君) 税理士法の一部を改正する法律案及び(「議事進行について」と呼ぶ者あり)関税定率法等の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。
○佐藤昭夫君 税理士法を議題から削除する議事進行動議を提出いたします。
○委員長(世耕政隆君) 速記をやめてください。 〔速記中止〕
○委員長(世耕政隆君) 速記を起こしてください。 先ほど佐藤君から提出されました議事進行に関する動議の採決を行います。 本動議に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(世耕政隆君) 賛成少数と認めます。よって、佐藤君提出の動議は、賛成少数により否決されました。 まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。竹下大蔵大臣。
○国務大臣(竹下登君) ただいま議題となりました税理士法の一部を改正する法律案及び関税定率法等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 まず、税理士法の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。 政府は、税理士制度の実情等に顧み、その改善を図り、税理士業務のより適正な運営に資するため、税理士の使命の明確化、税理士業務の対象となる税目の範囲の拡大、特別税理士試験制度の改正、登録即入会制への移行、他人が作成した申告書の審査に関する書面の添付制度の創設、懲戒手続の合理化等の改正を行うこととし、ここにこの法律案を提案した次第であります。 以下、この法律案につきまして、その大要を申し上げます。 第一は、税理士の使命の明確化であります。 すなわち、税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とすることを明らかにいたしております。 第二は、税理士業務に関する改正であります。 すなわち、税理士業務の対象となる税目は、現在、所得税、法人税、相続税等の特定の税目に限定されておりますが、今回、原則として全税目を税理士業務の対象税目とすることといたしております。なお、これに伴いまして、これまで行政書士が取り扱っておりました料理飲食等消費税等の税目につきましては、行政書士は、今後とも税務官公署に提出する書類を作成することを業とすることができるよう措置することといたしております。 このほか、税理士は、税理士業務に付随して、財務書類の作成、会計帳簿の記帳の代行等の会計業務を行うことができる旨の規定を新設することといたしております。 第三は、特別税理士試験制度についての改正であります。 すなわち、現行の特別税理士試験制度を廃止して、一定年数以上の実務経験を有する税務職員で一定年数以上管理的地位または専門官の地位にあったもののうち、税理士審査会が指定した研修を修了した者については、税理士試験における会計学の試験を免除することとし、税理士試験制度の合理化を図ることといたしております。 第四は、登録即入会制への移行であります。 すなわち、税理士登録と税理士会への入会を別の手続とする現行制度を改め、税理士登録をすれば当然に税理士会に入会することとし、これに伴い、いわゆる通知公認会計士制度につきましては、所要の経過措置を講じた上、これを廃止することといたしております。 第五は、他人が作成した申告書の審査に関する書面の添付制度の創設であります。 すなわち、税理士が、他人が作成した申告書につき相談を受けてこれを審査した場合において、租税に関する法令の規定に従って作成されていると認めたときは、その審査した事項等を記載した書面をその申告書に添付することができる制度を設けることといたしております。 第六は、懲戒手続の合理化であります。 すなわち、税理士の懲戒処分につきまして、懲戒権者を大蔵大臣に改めるとともに、懲戒処分をしようとするときは、税理士審査会に諮り、その議決に基づいて行わなければならないこととしてその手続を一層慎重にすることといたしております。また、これに関連いたしまして、懲戒処分の効力は、他の職業専門家制度と同様に、懲戒処分をした時点から発生することといたしております。 以上、税理士法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由と内容の大要を申し上げました。 なお、この法律案は、第九十回国会におきまして衆議院で継続審査となり、今国会で同院において法律番号を修正して可決の上、参議院に送付されたものであります。 次に、関税定率法等の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。 この法律案は、東京ラウンド交渉の終結、その他最近における内外の経済情勢の推移等に対応するため、関税率及び関税制度について所要の改正を行おうとするものであります。 以下、この法律案につきまして、その概要を御説明申し上げます。 第一は、東京ラウンド交渉に関連する改正であります。 まず、東京ラウンド交渉において作成されました関税評価協定、補助金・相殺措置協定及びダンピング防止協定の実施を確保するため、これらの協定の内容に沿って、関税の課税価格、相殺関税及び不当廉売関税に関する規定の整備等を行うことといたしております。 また、同交渉において合意された関税率の引き下げについてジュネーブ議定書が作成されておりますが、わが国の場合、実行税率が基準税率を下回っているためにこの議定書だけでは当面関税率引き下げの効果が生じない多くの品目があることにかんがみ、開放的な国際貿易体制の確立等に資する見地から、同交渉におけるわが国の関税譲許品目の一部について、現行実行税率から段階的引き下げの措置を講ずることといたしております。 第二は、特恵関税制度の改正であります。 わが国がすでに多くの開発途上国に対し特恵関税を供与していることは御承知のとおりであります。 先般、特恵関税供与の要請がありました中国につきましては、特恵関税制度適用の法定要件を満たしており、これまでの事例等に徴してもこれを供与することとするのが適当であると考えられますが、これに伴う国内産業及び既受益国への影響を緩和するため、所要の調整措置を講ずることといたしております。 また、後発開発途上国からの要請にこたえ、これらの諸国を原産地とする物品に対する特恵関税率を原則として無税とすること等を内容とする特恵関税特別措置を新設することといたしております。 第三は、その他の関税率等の改正であります。 まず、昭和五十五年三月三十一日に適用期限の到来する原重油等九百六十二品目の暫定関税率につきましては、国内産業の実情等に応じ、マグネシウムの塊等五品目について所要の調整を行うほか、適用期限を一年間延長することとし、また、暫定関税率表につきまして、その簡明化を図るため、所要の改正を行うこととしております。なお、特恵関税率につきましても、バナナ等三品目につき引き下げを行うことといたしております。 また、各種の減免税還付制度につきましては、昭和五十五年三月三十一日に適用期限が到来するものにつきましてその期限を延長するほか、製造用原料品の減免税対象に一部追加を行うことといたしております。 このほか、輸入禁制品に係る不服申し立て手続等の規定の整備を図るため、所要の改正を行うことといたしております。 以上、関税定率法等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を申し述べました。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(世耕政隆君) これより両案を一括して質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○丸谷金保君 まず最初に、委員長にちょっとお願いをいたしておきたいのですが、関税定率法だけでもこんな分厚い法律なんです。そして、この後、所得税が来るということですし、税理士法もすでにかかっています。こういう日切れ法案、これをいまごろになって審議をしなきゃならぬと。これはとても大変なことで、しかもこれが、何か前例を重んずるわが国議会におきましては、もうすでに前例として毎年こんなことを繰り返している。これでは、十分審議しなきゃならない参議院の意義が非常に薄れるのじゃないか。 参議院制度改革の一環として、特に大蔵委員会等日切れ法案の多いところでは、参議院先議の道をもっと開くように議長に強くひとつ申し入れていただきたい。とてもこういうばかなことで毎年毎年やっていたのでは、これは同じ前例でも悪い前例なんですから、こういうものは直していくように、ひとつ委員長から厳重に申し入れ願いたい。それが一つ。 それからまた、いい前例もありますので申し上げておきます。 税理士法その他を審議するのには、これも衆議院を見ますと、皆さん時間が足りない、時間が足りないといって非常に駆け足審議をしております。参議院は、やはり二院制の意義を生かして十分審議をしなきゃならない。そのためには、たとえば私が五十三年の六月、農産種苗法の一部を改正する法律案で、一応決めた一巡をした後、質疑が残っておるので、三日間やった前例があるんです。これは大変いい前例だと思いますので、今回も私は三日、四日ぶっ続けて立っているくらいの質問を持っておりますから、こういういい前例は——いまもここで前例でもって理事会で動議が否決されたように、そういうふうにいい前例の方は前例としてひとつ認めていただくと。 この二点について、特に委員長にお願いをし要望をして、それから本論に入らしていただきます。 関税定率法の問題について御質問申し上げますが、東京ラウンドの交渉は自由貿易主義の勝利だというように大変大蔵の関税当局は高く評価して、「東京ラウンドの全貌」というこの本を出しております。一体、東京ラウンドはそんなに自由貿易主義の勝利と言えるほどの成果があったんですか。ちょっと、大臣ひとつ。
○国務大臣(竹下登君) 東京ラウンド交渉は、世界貿易の拡大と一層の自由化等を目指しまして、一九七三年から足かけ七年間にわたって行われたものであります。今般妥結を見たところであります。 この間、世界経済は、御案内のように、第一次オイルショックを契機といたしましてきわめて厳しい局面を迎えましたにもかかわらず、主要各国は交渉の基本目的に沿い、保護主義の防遏に努めてきたということが言えると思います。 この東京ラウンド交渉の結果、関税及び非関税両面の広範な分野における貿易障害の軽減、撤廃が図られましたほか、今後の国際貿易のあり方を律するルールが改善、整備され、長期にわたる開放貿易体制の基盤が強化されたということも言えます。また、これによって、貿易分野におけるガットの機能が従来のそれに比べ格段に改善強化されまして、今後の国際貿易の安定的発展のために、ガットが一層重要な機能を果たしていくことが期待されていると考えられます。 現下の国際経済情勢のもとにおきましては、まずもって、各国が東京ラウンド交渉の成果の誠実な実施を通じて、開放的な貿易体制を維持発展させ、保護主義への傾斜を防止することが重要であると考えております。 しかしながら、国際貿易をめぐる問題は、今回の東京ラウンドの実施によってすべて解決を見たわけではございません。今後とも自由貿易の維持拡大を図るために、必要に応じガットあるいは二国間の場において前向きのさまざまな努力を続けることが肝要である、このように認識をいたしております。
○丸谷金保君 お役人の書いた答案を長々と読まれるのはもう結構ですから、ひとつ端的な御答弁をお願いいたしたいと、かように思います。 実は、いまの提案理由の説明の中で、いま大臣から大変長々と説明ありましたが、「実行税率が基準税率を下回っているためにこの議定書だけでは当面関税率引き下げの効果が生じない」と、こう書いてあります。いまの長々と言われたあれとちょっと逆じゃないんですか。「効果が生じない」と言っている、そのために関税定率法の改正をしなければならぬ。大臣どうなんです。大臣、いま大変成功だと言ったけれども、いまのあれでは「効果が生じない」と、あなた提案理由の中で言っているんですよ。
○政府委員(米山武政君) 譲許税率表は、御承知のように、現在はそれを下回る実行税率というもので運営されているわけでございます。したがって、譲許税率を八年間で八分の一ずつ下げるということになっておりますが、実際には実行税率がそれを下回っておりますので、そのからを切ることになりますので、実行税率から下げるように、今回関税暫定措置法で手当てするということになっておるわけでございます。 それなら、譲許税率表が効果ないなら東京ラウンドの意味はないのじゃないかという御指摘だろうと思いますが……
○丸谷金保君 意味ないとは言っていない。
○政府委員(米山武政君) 効果が大きくないではないかと、こういうふうにおっしゃられているわけでございますが、この実行税率から下げるということも東京ラウンドの場でこれは協議し、わが方がその交渉の過程を通じまして自主的に態度を決めたわけでございます。 そういう意味では、この実行税率から下げるということも、広い意味の東京ラウンドのパッケージの一環だと私どもは理解しております。
○丸谷金保君 その東京ラウンドで協議されたのに従って下げるというのでなくて、いいですか、ここのところが違うところなんです。上手に答えていますけれども、各国の合意した基準税率の下げ方から見ると、いま大臣が言われたように、日本はもう実行税率が下がっているから関税を下げたというふうな印象を外国に与えにくいと、そういうこともあるので、先取りをして少しずつよけいに下げていくんでしょう。少しずつ、八分の一にして。そうですわね。 ですから、東京ラウンドで約束した基準税率で言えば、下げなくてもいいじゃないですか。自主的に日本だけで下げるんでしょう、これはラウンドに関係なく。ラウンドのときの約束と違うじゃないですか。これ、たくさん見ましたら、よその方が高いんですよ、ずっと、よその方が。日本は一番安い方なんだよ。何で安い日本が急いでそんなに下げなきゃならないのか。東京ラウンドじゃないでしょう。
○政府委員(米山武政君) 東京ラウンドといいますのは、関税、非関税の問題につきます多角的な交渉を広く言っているわけでございます。したがいまして、その結果、各国が合意して一つの表にしました関税議定書というのがございますが、これはまあそれもありますが、その議定書で最終的に八年後に幾らまで関税を下げると、こういうことを決めた。それをもとにしまして日本がさらに実行税率から、最終はもちろん譲許率で決められたものでございますが、ステージングとして協定税率より実行税率が低いものについて下げるということを、これは各国とやはり東京ラウンドの場で約束しているわけでございます。 したがって、先ほどから申しましたように、よけいに譲り過ぎているわけじゃございません。最後の、八年後の形は同じでございます。ただ、ステージングとして少し早くすると、こういうことを各国と約束している。それで、そういう意味では、先ほど申しましたように、広い意味での東京ラウンドのパッケージの一環だと申し上げたわけでございます。
○丸谷金保君 ステージングとか何とか、わからない言葉を使わないでください。日本語で言ってもらわないと困るんだよね。 最終譲許税率ね、これはわかりますよ。八年後にここまで下げましょうと。しかし、そのために、下げていく順序がありますでしょう。その下げていく順序は、基準税率ね、ここまで各国が下げましょうと、それより日本の場合ずっと下がっているのに、何で先へ先へ、そうすると八年後に至るまでずっと日本の税率の方が低いわけだよ、毎年、東京ラウンドのその基準税率よりも。そこまでどうしてしなきゃならぬか。それが、そういう約束をしたということが一体効果なのか。ほかと同じにするということだったらまだいいけれども、日本の方だけが先にずっと下げていくんでしょう、ほかも下がってくるけれど。そうすると、八年間日本はずっと関税は少ないわけだ、ほかの国はよけいだけれども、そうでしょう。あなたの言っているのは、そういうことを言っているわけですわね、わかりやすく言えば。それがどうして日本にとって効果なんです。
○政府委員(米山武政君) 大臣からも御説明ありましたように、今回の東京ラウンドを成功させるというのは、やはり保護主義の防遏、とかく保護主義に走りがちな最近の国際情勢でございますが、そうしたものを防遏すると、これがひいては貿易立国である日本にとっては非常に大きなメリットであると、こういう基本的な立場に立っているわけでございます。したがいまして、この東京ラウンドを成功させるために、日本はガットの議定書に盛られたものを引き下げる段階として早目に実行税率から引き下げると、こういうことによりまして日本の姿勢を強く打ち出し、そしてこの東京ラウンドの交渉を成功裏に導こうと、こういう意図からやったものでございます。
○丸谷金保君 要するに、東京ラウンドでよその国から、日本はもう安いんだから早くうんと安くせいという要求をのまされたということですな、裏返しに言えば、成功させるために。そうなんでしょう。簡単に言ってください。
○政府委員(米山武政君) それが日本の国益になるという判断でございます。
○丸谷金保君 国益を聞いているんじゃないの、私の聞いているのは。のまされたんでしょうと言っているんです。質問に答えてください。
○政府委員(米山武政君) のんだわけでございます。
○丸谷金保君 大臣、こういうことなんでね、わが国が高らかに「東京ラウンドの全貌」なんてりっぱな本を出して世間に言うほどの中身じゃなかったんです。質疑でおわかりになったと思うんです。これはなぜわれわれそのことに実は不満を持つかといいますと、きょうも北海道から五百人くらい、乳価の問題、それから牛乳の生産調整の問題で来ているんです。で、農林省に対して何とか輸入乳製品を抑えてくれと、こう言っているんですよ。ところが、どんどんどんどん擬装乳製品でもって下がってきている。どんどん入ってくるんです。この国政の中における矛盾。 農林省おいでになっていると思うんですが、農林省の方では構造改善事業でどんどん草地もつくり、それから畜産局の方ではまだあれですね、第三次酪近、乳牛頭数もふやすということになっていますわね。どうなんですか。たとえば五十五年度の予算の中で、それぞれそれに対応した予算というのはどの程度ずつありますか。構造改善局及び畜産局の方でちょっとお答えください、一括でいいですから。
○説明員(内藤進君) お答え申し上げます。 草地開発を初めとする基盤整備の問題につきましては、酪農あるいは肉用牛生産を円滑に進めるための基盤として重要な問題でございますので、その主体でございます粗飼料の生産基盤の整備、増強を図っておるところでございます。このために、草地開発によります粗飼料基盤の拡大と、既耕地におきます飼料作物の生産拡大を進めているところでございますが、いまお話のございました五十五年度予算の原案につきましては、飼料作物の生産関係で百三十二億五千万円、また畜産局計上の草地開発関係で三百十三億円を計上されておりまして、合わせまして五十五年度に四百四十六億円が計上されておるわけでございます。で、五十四年度は四百三十二億円でございますが、五十五年度は四百四十六億円でございます。ほかに、構造改善局計上のものが約五十一億円ばかりございます。
○丸谷金保君 一方では、農林省はどんどん農業振興に金をつぎ込んでいるんです。それで牛乳が余ると言って困っているんですよ。一方では今度、東京ラウンドで約束したからと言って、どんどん農産物の関税なんかも下がっている。大臣、ひとつ国務大臣として、こういう矛盾、おかしいと思いませんか。
○国務大臣(竹下登君) 元来、貿易自由化の原則というものは、地球上に生存する人類が安価にして良質なものをいずれの地域からでも自由に持ってこれるというのが原則であろうと思います。しかし、そこに国々の利害関係あるいは国益という問題がございまして、なかんずく、この関税問題につきましては、いわゆる工業製品とその国々の特殊事情に立脚するところの農作物との間に、大きなさまざまの摩擦がこれはどこの国とも例外なく起こっておるというのは、私も事実としてあろうと思うのであります。 そこの調和点をどこに求めるか、それが国内政策であり、一方、保護貿易主義を防遏するというこの二つの調和点をどこに求めていくかということが、私は、お互い政治家同士として考えなければならない課題ではないかというふうに思っております。
○丸谷金保君 実は、乳製品がどんどん入ってきます。それで、ECから入ってくる粉乳、粉ミルク等につきまして、あるいはチーズ、それから規制品目でないお菓子類、そういうものを入れてくるECでは、物すごい農業に対する補助的な予算をとっております。これは時間もありませんから、それこそ時間もないと言いたくないんですが、詳しい数字は持っておりますけれど、そうした思い切った農業に対する補助価格支持政策をやりながら、そこで余ったものを日本に売ってくる。 これは、アメリカのように八十倍も国土のあるところ、ここから安いのが入ってくるのは、これはアメリカ人と日本人が土地を取りかえれば、日本の方がもっとアメリカよりかうんと安くやれるんですよ。だけれど、ECなんというのは、農業規模というのは日本とそれほど違わないけれど、思い切って農業に対する価格政策をとるために補助金を出して、あるいは農業政策に補助金を出して、そこから日本に入ってくる安い脱脂粉乳その他について、これはダンピングというふうなことにもなりませんか。向こうでうんと金をつぎ込んでいるんですからね。どうなんです。
○政府委員(米山武政君) いまの問題は、ガットのルールの中では、ダンピングという問題より、むしろ対抗をするとすれば補助金相殺措置ということになるのだろうと思います。補助金つきの輸出につきましては、それが輸入国の産業に損害を与えた場合には、その補助金に相当する関税を課すことによりましてその効果を相殺する、いわゆる相殺関税の措置をとり得ることになっているわけでございまして、必要があれば、この相殺関税を課し得るわけでございます。 ただ、日本の場合には、酪農品は輸入割り当てになっておりまして、そこで割り当てをどのくらい入れるかというのを、需給動向とか産業の実情を見ながら入れているわけでございまして、その段階で十分規制ができますので、私ども、この補助金に基づくこれを相殺関税で対処するというところまで現在話は来ておりません。
○丸谷金保君 国内の産業を圧迫しているんだよ。牛乳が余って、投げさしているんですよ。これ以上牛乳をつくったらいけないという生産調整をやらしているんです。圧迫していないんですか、これが。売っちゃいけないから、紅を入れて色をつけて、それをまた戻して牛に飲ませなさい。色をつけて戻さなけりゃ、またそれを横流ししたら困るから。それから、もうこれ以上出しちゃいけないと、ここまで圧迫しているのに、圧迫してないから、許可品目だからと。ところが、許可品目でない擬装乳製品がどんどん入ってきています、いろいろに形を変えて。もう少しそういう点について、農業との関連における関税のあり方、これはまた時間を改めてじっくりやらしていただきたいと思いますので、十分考えていただきたい。 実は、私自身も頭にきているんだ。今度のあれで、バルクワインが八十円から六十円に下がるんです。恐らく農林省とも相談し、農林省は山梨のブドウ農家とも相談しただろうけれど、食べるブドウをつくっている人たちには余り関係ない。日本で醸造用の原料ブドウをつくっているのは、一町七反、私が個人で一番多い。その私には何の相談もないんだよ。いいですか、日本一の原料ブドウをつくっている、個人で。直接響いてくるわけだ、そういうふうに。これが響くということは、酪農から米から全部日本の農民に響いているんです、この東京ラウンドによって下げていくことが。しかも、前倒しにほかよりもよけいに先に下げていきます、国内産業を圧迫していませんと。それはとてもじゃないけれど、聞けないけれど、これをやっているとほかの方へ入れないから、一応そういう点、大臣に注意を喚起して前へ進ませていただきます。これはもう本当にとんでもない話なんです。 それから、まあこれ税理士法もかかったので税理士法の方もやらなきゃならないんですが、とてもとても、私は、きょう大体百点くらいの質問通告の通知を出しておきました。委員長よく覚えておいてください。 とりあえず、どうしてこの税理士法がいまいろいろがたがたがたがたしているかと。まあ、日税連の方や大蔵の方に言わせますとそれは一部の人だと言うけれど、そうじゃないんです。たとえば、東京税理士会が助言義務を削除してくれと。東京税理士会というのは三分の一の組織を持っています。中にもいろいろな人がいると言います。そんなことを言えば、日税連が全部決めたといったって、その中だって反対もたくさんあるんですから、無記名アンケートをとれば。 どうしてこういうことになったかというのを私なりに問題を拾ってみますと、一番の問題は、四十七年の日税連の改正要綱とはなはだしく違うというんです。そして、当時日税連は、この要綱に基づいて税理士法の改正要望書というのを大蔵省に提出しております。したがって、多くの税理士は、この要望書に基づいて改正が行われるという期待感を持ったんです、そういう昔。ここにあります、税理士法改正要望書。 ところが、これと全く違うものが出てきたわけです。そして、要望書をつくるまでの段階は、各支部からみんな審議して、積み上げ積み上げしてきて要望書にまとまったんです。しかし、今度は全く違ったいまの現行改正案が出てきたときには、下からの積み上げのきちっとしたのをやらないで、もう幹部だけで作業をどんどん進めると、こういう段階になっているわけなんです。そして、マル秘の税理士法改正研究資料というのが、日税連の正副会長の会議の資料として出ております。 これによりますと、大蔵省の壁が大変厚いということを中心にして、どうしてもこれはこういうふうに変えていかなきゃならないというのがここに出ておるんです。しかし、ここではまだいま問題になっているような助言義務というふうなことは余り出ていない。そして、それが突如として変わってきたと、一体これはどうしてこういうことになるんですか。日税連と大蔵省とはきわめて緊密な関係で、ここに至るまでに何回か会合を持っております。一体どの時点から助言義務その他が入り、そういうふうな百八十度転換するようなことを大蔵が日税連に圧力をかけたのか、どうもここのところがなかなかつかめないところなんですが、どんなんです。大蔵省の方としての考えを聞かしてください。
○政府委員(福田幸弘君) お答え申し上げます。 四十七年の五月、八年前でありますが、基本要綱が御指摘のとおりに出たわけでありますけれども、その内容につきまして、やはり関係業界の意見、またわれわれの考え方との調整、その他やはり打ち合わせていかなければいけません。これは税理士会の意見でございますので、そういうことで四十七年五月に出ましてから、その後五十一年の一月から五十二年の三月まで七回にわたって意見の聴取、これは単なる意見の聴取で、基本要綱の説明であったわけであります。 それから、五十二年の五月から五十三年の十二月の間、合わせまして約八回検討会をやっております。これは相当詳細な検討を各項目やっておりまして、四十一項目、きょう調べてみましたのですが、四十一項目にわたって検討をやっております。 おっしゃっていますような具体的な問題として助言義務の御質問でございますが、五十四年の十二月の、これはわが方で取りまとめたそれまでの会議の中にございまして、助言義務自体、これは交渉は国税庁とわれわれ、それから税理士会の方は法律対策の委員——これは税理士会で選任されておりますから、あと正副会長会の主だった方、これは向こうで選出された方々が代表権を持って交渉されたとわれわれ解していますが、その中で日税連の主張の方で税理士の公共性、独立性を認める意味で助言義務というものが必要ではないかと、それから税理士の倫理の問題としてあってもしかるべきではないかという意見もございます。 で、これはプライベートな意見も出ますので、正式な意見を税理士会としてとったとは考えられませんが、意見の交換過程でいろいろ権利の拡大の面もございます際に、また、社会的に最近時点の交渉の際に、いろんな社会批判の問題が税理士について出てきております。そういう際に、その内容がやはり信頼し得るようなものでなければお互い信頼に耐えないというようなことの最近の社会的批判、それに対するやはり対応というものもバランス上必要ではないかというようなことで、お互いに意見交換したものが残っております。 ちょっと時間がなにでございますが、そういうことで税理士の方から出ました基本要綱の中で取り入れてないものがやはりあるわけでございまして、時間を拝借しますと、納税者の権利擁護という点でございますけれども、これは税務に関する専門家ということで、その独立した公正な立場、ちょっと時間を食って申しわけありませんが、そういうことで、むしろ実益のある客観的な表現をしたということも、これは意見の交換過程であります。 それから、税務書類の範囲で財務書類を加えろと、こういう意見がございました。これはやはり財務書類の作成は任意業務でございまして、これは公認会計士の関係からいっても受け入れられないと、向こうは強く主張しましたが、これは当然法律的に受け入れられないものは受け入れられないということで御説明したというものがあります。 それから、税理士に訴訟代理権をということがございますけれども、訴訟代理権というのは、これは司法の問題で弁護士の立場に関係しますので、これも無理でございます。そういうふうなやはり関係業界の問題。 それから特別税理士試験の問題、これは前に問題になったのですが、これはやはり税理士会と国税庁の間で意見交換を続け、話がどういうふうに調整されるかということを待ちながら考えていこうということで時間をかけたのですが、それはやはり試験制度という枠内で資格免除を、相当長い年数勤められる方には研修ということで一また御質問があろうかと思うのですが、そういうことで解決することがこの際必要と、試験ということですっきりして、また実務経験を評価するにはどうしたらいいか、これは相当時間をかけてフランクに話し合いいたしました。 それから、主な点だけ申しますと……
○丸谷金保君 条件はどうして入ったかだけでいいです。あとはまた……。
○政府委員(福田幸弘君) あと、こういうふうに向こうが処分権者を日税連会長にしろとかいろいろあったのですが、これは受け入れられないと。そういう話をいたしました一方において、またつけ加える、こちらは、それがなくてもこちらの方で他人の作成した申告書の審査制度をこれは入れるというのがプラスでございますし、そういうことと、それから助言義務の規定が意見交換過程において出てきています。これは、やはり先ほどの社会的責任という問題から、こちらが押しつけたという問題よりも、そういうふうな社会的な意見を反映したというふうに考えます。また……、
○丸谷金保君 いいです。
○政府委員(福田幸弘君) そういうことでございます。
○丸谷金保君 大体、これはマル秘の資料なので、その程度の話になると思うので、今度はマル秘でない資料でひとつ御質問したいと思います、経緯を。 日税連が五十三年一月二十一日に税理士法改正拡大委員会の一号議案の資料として出したこの中で、四元専務はこういうことを言っています。政府当局と日税連との相互信頼関係を一層持続、強化すべきこと、日税連はしっかりと内部意思の統一性を図るべきこと、この二点が税理士法改正の最低条件であると大蔵側から言われた、こう言うんです。そして、これはその前の年の十二月二十七日の午前十時三十分から国税庁特別会議室で開かれた会議、谷口次長、小泉総務課長、その他、主税局からは福田審議官、梅澤総務課長以下出ております。ここにあるように、そういうきわめて相互信頼関係を一層強化するということは、国税庁、大蔵省側としてはこういう指導をしたわけでございますね、内部の統一がこれが最低条件だと。どうなんでしょう。
○政府委員(福田幸弘君) こういう困難な業法の改正の際に、交渉いたします際に、これは前の法案改正の場合の経験からも十分にお互いに反省したわけでありますが、お互い信頼するという関係がないとこういう話は進みません。そういうことでまず信頼関係と、私自身の範囲では交渉が進みませんので、それは信頼関係というものをまず確認する、これは当然の前提だろうと思います。 その次に、内部意思を確定してほしい。と申しますのは、前のときも反対意見が出てきて、最後は税理士会自体が反対ということになってしまったわけですが、われわれは業法を改正します際に、相手の業界がやはり全体の意思として統一された意見を申し述べませんと、われわれは改正の具体案を検討できないわけであります。したがって、その内部意思を再三確認しながら交渉を進めてほしい。 したがって、原案ができます、またできた後でいろんなことが今後起きるだろうと。しかし、それはその際その際で正規の手続によって、すなわち常務理事会、それから正副会長会議、そういうふうなその中で内部規定でその意思決定の手続を持っていますから、それによって決まった意向を正式に表現してくれと、一部の意見をわれわれは相手することができませんので、そういう意味で申し上げたのが信頼関係。さらに、窓口といいますか、決まっていく過程を民主的な手続ということで、決まっています機関決定を尊重してわれわれもやるということを申し上げたことであろうと思います。
○丸谷金保君 福田審議官の説明が大変御親切で長いので、この調子でいくと、この税理士法の審議というのが相当長期間かけないとなかなか進まないような気がしますので、できるだけ要点をひとつ、審議促進に御協力をいただきたいと思います。 それで、同じことをやはり次いで国税当局側からも、税理士業界の意思統一が絶対必要であるといまおっしゃったようなことが述べられております、統一のあれがあったと。 それから、これから特に問題なのは、そして「こういう改正案は時期を見計らって」——これは大蔵側が言っているのですよ。「税制調査会にも諮りたい、三十八年の税調答申があるのだから相当詰めたものを簡単に諮るか、または特別部会を設けて深度ある審議をするかは現段階においては未定だが、日税連としてはいずれを希望するか。」、これは大変大事なところなんです、今後の審議で。これは大蔵側が言っているんです。それから、特に谷口国税庁次長からは、「小企業納税者問題については別の機会に譲ることにしたい旨の提言もあった。」こういうことで、そのほかいろいろあります。 しかし、途中省略して一番大事なところだけ言うのですが、これはどうしてこういう話を日税連としながら、これをあれですか、助言義務の問題その他、相当三十八年のときの税調答申から見ると変わっているんですが、なぜ税調に答申かけなかったんですか。私は、ここら辺にいまの混乱の問題があると思うんですよ、助言義務というふうなものが突如として出てきたんですから。三十八年のときの答申にはないんです。それが突如として出てきたんですから、新たなそういう問題だけでも税調にかけるべきなんです。かけて十分論議されれば、今日このような混乱は私は起きなかったと思うんですが、なぜかけなかったんですか。かけると言っていたでしょう。ところが、国会の答弁では福田さんは、あなたは、いや、三十八年のときと変わってないから、それで税調にかけなかったんだという答弁を再三にわたってやっています。一体どういうわけなんです。
○政府委員(福田幸弘君) 交渉の過程の最初の段階で、この基本要綱的な主義が非常に強、それとのやりとりの過程で基本要綱的な内容になれば、これは税調答申、三十八年の十二月、これは一年間やってきた内容でありますが、それと相当違っておれば、これは税調にまたかけ直すという問題であろうかと思います。 しかし、交渉過程においてお互いに意見を交換して、やはり現実的にこの際合理的な近代化を着実に進めようと、そうしませんと一歩も進みませんので。しかも関係業界がある、相手のある話であります。今回の改正案だって、相当なやはり反対があちこちあったのを調整したわけでありますが、そういうことで、抽象論でなくて現実的に改正するのには、その基本要綱的なのではなかなかいけないというふうな交渉の進展がございましたので、だんだんそのおさまっていく過程が現実的な内容、それが税調答申とほぼ同じであるという心証をだんだん得ましたので、そうなれば、あえてそれを税調に最初からかけ直す必要はないというふうに変わったわけであります。 それで、昨年の五月か、ちょっと間違っておるかしれませんが、五月か六月に、これはもう国会で論議が一応終わっておりましたけれども、六月だと思いますが、それを税調のいろんな御意見、助言義務を含めまして税調総会で御紹介いたしました、助言義務の問題もこういうふうにやりますということで。また、権利義務の最初のところの権利擁護の問題、その他問題になった、衆議院で相当やはり十余時間、その段階ですから相当時間をかけておりましたけれども、その中身として御紹介をいたしまして、各委員の意見をその際聞くということをやっております。 で、税調答申に基本的に沿っておるという以上、また改めて手続を踏む必要はないというの、が、交渉の最後の段階での判断であったわけであります。で、助言義務自体がその全体の性格に影響するということよりも、むしろ税調答申の線に沿った一環であるとわれわれ解したわけであります。
○丸谷金保君 基本的に沿った線と言うけれど、助言義務なんというのは全くなかったやつでしょう。そういうものが出てきても、そうしてここでは税調にも諮りたいということをあなたは言っているんですよね。そうしておいて、今度は国会には、いや変わってないのだから関係ないんだ、変わってないんだと。変わっているでしょう。三十八年と変わっているんです。そして、今度は問題になってから、国会に提案して、国会でもって論議して、それから税調にかけた、税調に。それはかけたんじゃなくて報告でしょう。福田さん。国会に提案してから税調に諮ることにはなりませんわね。これは報告をしたということでしょう。諮ったと言うけれど、そうじゃないんだ。報告しただけでしょう。諮ってはいないですね。
○政府委員(福田幸弘君) 諮ったということでは……。おっしゃるように、御報告をして御了解を得たというか、御意見を聞いたということでございます。 それから、税調答申と全然そのままというものは三十九年法であろうと思います。しかし、その後の過程での要素を織り込むということの細部のと言ったら語弊があるかもしれませんが、税調に全体をかけ直してということになると、これはまたこの改正作業は進みません。それらは、やはりかけるかかけないか、一年以上かけた前回の答申をやはり踏まえて、その精神の線上にあるというふうにわれわれ解したものですから、あえてまたかけ直すということは必要ないと、内容が最後の段階でそういうものであるという判断をいたしたわけでありまして、助言義務の問題は、それは報告事項ということで取り扱ったわけであります。
○丸谷金保君 いまの答弁ですと納得ができないので、この点についてはさらに論議を深めさしていただきたいと思います。 いまの混乱の中で一番大きな問題は、試験の制度とそれから助言義務ですわね。それから、相互信頼関係を一層持続していかなきゃならぬと。そうでないと、税理士法というのは提案もできぬし通すこともできないと。ところが、いまでも日税連とは、あれですか、大蔵当局はきわめて相互信頼関係、深い関係にありますか。
○政府委員(福田幸弘君) この問題の検討過程を通じまして、それまでは前の廃案、三十九年の廃案、これは税理士会全体が反対をしたという過程で、反対をしているものを政府が出したということで、その後非常に冷たい関係が続いておったわけでありますが、やはり、それをもみほぐすというか、事務的に細かく検討していこうということから始めまして、そうしてお互いに意見を交換すればやはり共通な判断が出てくるわけでありまして、この交渉の過程で、この法案をつくる過程でお互いの信頼関係は高まったと私は考えております。
○丸谷金保君 そうすると、大蔵省は、いま多額の政治献金というふうなことでいろいろ問題になっておる、あるいはそれによってすでに検察庁が参考人聴取、調べておりますわね。そうして、どうしたわけか、あなたたちが大変信頼している日税連の幹部が、会いたいと思ったら重要な人みんな入院してしまっているわけですね、調書をとられた後。それで、ずいぶんいろいろなことをそこで言っているんですよ。そういうところと、きわめて信頼関係にあるわけですね、いまでも。間違いありませんか。大事なところなんでよく考えて言ってくださいよ。
○政府委員(福田幸弘君) これは私、人間の当然の信頼関係を申し上げておるわけでありますが、また、事務的な交渉の過程において、お互いに正しいと思ったことを交渉し合ったという信頼関係は、何が起ころうと私は変わらないと思います。で、この政治献金があったということは、われわれは内容がいいと思って出しておりますので、そういう問題は行政官として影響を受ける筋合いがない。この法案自体を御審議願えばいいことで、この献金問題はわれわれは全然関係がございません。
○丸谷金保君 それから、内部がきっちりと統一されていなければならぬという、この内部の意思統一というのは、いまは崩れているんでしょう。これは、たとえば助言義務一つとってみましても、いいですか、東京のある税理士の団体が東京税理士会の全員に対して無記名でアンケートをした。そうしますと、助言義務反対が七十何%もあるわけですよ、無記名だと。いいですか。このことは、全国もやってみれば意外とそういう結果が出るんじゃないかというふうに私は想像するんです。なぜなら、これはなかなか信頼関係なんというものはなくて、公然と反対をするとどっかでかたきをとられるという、こういう感じをみんな持っているんです、いずれこのことも具体的に明らかにしますけれども。 ですから、内部統一ももうなくなっているんです、あなたたちがこの法案を通さなきゃならない最低条件だという二つのうちの一つの信頼関係が。それはもう人間関係としては絶対大丈夫だとおっしゃいましたね。それから内部の統一、これについてももうあれでないですか、完全に統一がぴしっとできているというふうな状態とは言えないんじゃないですか、どうなんですか。
○政府委員(福田幸弘君) 内部決定の過程につきましては、五十四年の四月五日に、これは自民党の要綱でありますが、それについて理事会決定がございます。これは助言義務違反に対しましての懲戒処分について、脱税相談をした場合と同様の懲戒処分の対象としないでくれということで決議がございまして、これはその後手直しがございます。その後、五十四年五月十七日の正副会長会議、それから五十四年五月、それから五十四年六月、五十四年八月に三回ございまして、五十五年の一月二十日にさらに常務理事会の決議によってこれは確認をされておるわけであります。 その一月二十日の前に、東京税理士会の方で、おっしゃるように、助言義務を削除する、もしくは会則にゆだねてくれないかという話が、決議があったということでございまして、それをやはりわれわれとしては最初から申しています内部決定の問題として考えておりますが、向こう自体も、これは全体、十四の連合税理士会から成る法律に基づく連合会でありますので、その連合会としての意見が最高の意思であります。で、そういう意味で、東京会のその意見について十四の全部が集まりました常務理事会、その決議においてはこの東京会の意見は否決されております。 もう一つのアンケートの問題でございますが、これは正式の機関ではない東京会の中の任意団体である専税協議会でのアンケートであります。で、これの内容についてわれわれが云々する立場ではございませんが、これは二千八百三十八の回答三〇という回収率にすぎません。それでもって全体を律し得るかという問題はございますが、このような税理士に社会的責任を考えてもらうという助言義務等の規定について反対の意見が出るということは、税理士の中では予想されることでありますが、国民全体の批判というものもまた考えなきゃいけませんので、アンケートを税理士会の内部の一部に限ってということが全体のまた税理士の意見であり、また国民全体の意見であるというふうには考えられません。やはり税理士会の正式機関の意見というものを尊重せざるを得ない。これは変わっておらないし、混乱はないと私は思っております。
○丸谷金保君 三〇%の回収率と言いましたがね、従来、日税連その他いろんなそういう税理士会でやるアンケートというのは六、七%の回収率しかないんだそうです。三〇%の回収率というのは異常に高い。非常にこの問題について税理士の関心が高まったということであって、三〇くらいしかないから信憑性がないということと逆なんですよ、それまでのいろんなアンケートというのは一〇もないんですから。この点は、ひとつよくその点考えてください。 それで、日本税理士会、しかし東京税理士会が助言義務反対という立場に立ったことによって、三分の一の税理士ですわね、全国国税局ごとに税理士連合会があっても、人数から言うと東京税理士会というのは三分の一なんです。ですから、それはその全体のあれでもって機関決定したことに従うよりないとおっしゃる。なるほどそうでしょう。そうすれば、三分の一の税理士を擁する東京税理士会が反対だということは、あなたの論をかりれば、三分の一が反対だということだね。そうなるんですよ。集約された機関意思の決定、これは全国です。 これが機関意思の決定をどういうふうにされたかということについてもまだ問題がありますが、それでひとつきょうは、これらの変わってくる中できわめて重要な役割りを果たしているそれぞれの会合。「瓢亭」で一杯やったとか、いろんな話が飛んでいるし、また事実そういうこともあるんですが、昭和五十一年当時に、きわめて親しい信頼関係にある税理士会とこの「瓢亭」で一杯やったなんというふうなときの名簿を見ますと、福田さん入ってないんですよ。それで、ははあ、あの正森さん、沢田さんに対して、そういうことあなたどうなんだと言ったら、大変個人の名誉に関することだと衆議院の大蔵委員会でおたくが色をなして答弁した。それでびっくりして、いや、ちょっと行き過ぎて悪かったと言って国会議員に謝らしていますわね。記録の中にありますよ。御存じでしょう。どうなんですか。
○政府委員(福田幸弘君) いまの御指摘は存じ上げておりますが、立法当局として、これは税理士法を担当するのは主税局でありますが、これはこういう問題は必ずいろんな問題が起きるのです。業法というのは。したがって、この問題を担当するに際しまして、私を含めまして、また担当の係を含めまして、絶対に接待には応じてはいけないということを言い渡しました。したがって、この立案過程においてそういう問題はないということを申し上げておりますし、お調べになってもそれはございません。一部書いてある、主税局及び国税庁がというのが、いつかの三月何日かというのがございます。あれは間違いでございます。議事録の間違いがそのまま使われておるのはわれわれも迷惑しごくでありまして、私、福岡の局長から帰りまして、そういうことは一切ございません。したがって、立案当局でこういう問題を論ぜられるのは心外であるということを申し上げたのは当然であります。国税庁は、これは一般的に行政の立場で儀礼的に意見交換をいたします、名刺交換的なことを。これを従来どおりやっておるということは聞いておりますが、われわれはあえてその場に出ないように注意いたしました。
○丸谷金保君 やっぱりさすがにごりっぱだなと思ったんです。日税連とは一遍もそういう酒食をともにしたことはないと、こういうふうに言い切っておられる。ところがおたくは、五十一年の七月から五十二年の七月まで、一年間福岡の国税局長をやっておりましたね。で、異例の、このとき福岡で日税連の会長会議が行われた。存じておりますね。
○政府委員(福田幸弘君) ええ。
○丸谷金保君 五十一年の十一月の九日です。このときすでに、あなたが今度審議官になって帰ってこれを担当するということは世間周知のことだったんですよ。そして、いいですか、それだから、わざわざ福岡でやったんです。こんなことないですよ。それで、そこでも税理士法改正の問題がいろいろ話し合われた。しかも、大変ごりっぱなあなたが、このとき、昼だけでなくて、きわめて信頼関係にある日本税理士会の幹部と中洲の「新三浦」——御存じですね、水炊きの有名なところですが、ここで一杯やっているんです。そういうことないですか。
○政府委員(福田幸弘君) 国税局長をやっている最中でございますが、どこに帰ってくるか、もちろんわからない。その際、福岡でおやりになるということですから、地元としては歓迎申し上げたということであります。 いま、水炊きは中洲じゃございませんで、場所が違うかと思うのですが、それは正式の会でございます。私が出ましたのは全部正式の会で、夜まあ一杯飲んだということは常識的にございますが、その税理士法の改正を、福岡におって内容を知っているわけもないし、そこでそんな議論があったということはもうございません。それは地方の局長として、おいでになった、それは福岡がいいからおいでになったと思うのです、私が御招待したのじゃないのですが。それはおいでになった方々をやはり正式に御招待して、常識的な会合があったということで、一つもやましいことはございません。
○丸谷金保君 このとき曲芸をやりましたね。それから、有名な黒田節の芸者さんが踊りをやった。御存じですね、そのことは。
○政府委員(福田幸弘君) ちょっとプライベートな話で余り記憶ないのですが、それは税理士会の方が全部おられるととろの余興でございますから、われわれはむしろ呼ばれた形といいますか、一緒に見ておったというだけのことでございまして、全然税理士法の改正とかそういう問題のない、全体の税理士の公式の会合、そこであったのに、われわれがたまたま同席しておったということでございます。
○丸谷金保君 それで、このときにあなたは、四元氏と終始そういう問題について、昔の話をしながら——昔一緒だったんですね、海軍経理官時代か何かに四元さんと。大いに意気投合してやっておった。そこまではまだいいんですよ、まだ。いいですか、その後、クラブへあなた出かけていったんです。これもあれですか、やっぱり国税局長としてはずうっと一晩じゅう……、これはどうなんです。
○政府委員(福田幸弘君) なんでございますけれども、四元氏とそこで特別ということはございませんで、それはもう東京会の波多野氏もいましたし、公式というか、その流れみたいなものでございます。で、税理士法をそこで議論するなんというのは常識的に一ぼくは何が東京で行われておるか知りませんし、総務課長のときでも税理士法は担当していません。私が帰ってきましてから、五十二年の夏ですか、その年を越して五十三年になって特命事項で税理士法担当。これは別にやりたくはなかったのですけれども、片づけざるを得ないというので、これはいやいやながら本当にやっているようなものでありますが、そのときになって初めて問題点が、交渉を始めまして交渉過程で問題点が初めて先ほどのようにわかってきたので、田舎におって、何が問題になって、今後改正しようなんで、東京に帰ったらどこに本当にやられるかわからない人が、人がというか、そういうことは常識的に考えられない話だろうと思います。
○委員長(世耕政隆君) 大変おもしろい質問なんですが、そろそろ時間が来ておりますので、結論にお入りいただきたいと思います。
○丸谷金保君 それで、あなたはまあそこで話をしなかったとおっしゃる。しかし、いいですか、異例の福岡なんですよ。そしてそれはね、あなたをちゃんとマークしているわけだ。四元氏とはとうから、福田とおれとは昔の同期の桜だと。同期じゃないんだそうですね、あなた、ちょっと先輩のようだけれど。いいですか、意気、肝胆相照らして、この関係がやはりそこで大いにでき上がったというふうな仮定は成り立つんです。 それで、いいですか、この点については私は参考人を要求します。参考人に、山本会長、それから四元専務、それからいま出たもう一人、東京会ですか、それも行ったというんだから、東京会の会長の波多野ですか、この三人を呼んで、この問題についてはもう少しはっきりさしたいと思います。
○委員長(世耕政隆君) 参考人要求のことに関しましては、また理事会で諮りまして、後日お答えいたします。
○政府委員(福田幸弘君) そういう目で見られると非常に迷惑しますが、繰り返して申し上げますが、福岡の会合でそういうことを議論したことはございません。 それから四元氏との関係と申しましても、われわれは仕事でつき合っております。何か個人的なことでその辺がどうなるというととは、われわれとして考えるべきでありませんし、仕事の内容に即して公式の場でつき合っておるということでありまして、プライベートな関係が云々ということはいかがかと思います。
○丸谷金保君 もう時間ですから、それじゃあとは後日に譲りますけれど、いいですか、明らかにしたいのはね、すでに東京税理士会は四十七年から税理士法改正の要望を出したり、いろいろしているんです。この人たちが行って、一晩飲み明かして——一晩て、まあ朝までじゃないですがね。しかも、あなたは終始四元さんと一緒にいたというわけですね。四元さんと大いにこう……。この中で税理士法改正の話が出なかった方がおかしいんだ。一言も出ないなんて、そんなばかなことは世間の常識としては考えられないんですよ。東京税理士会でなくて、そのときの日税連なり、それはすでに、いいですか、要望書を出したり、いろいろやっているのですから、この点については重ねて私は参考人を呼んで明らかにしたい、そういう話がなかったかどうか。
○委員長(世耕政隆君) よろしゅうございますか。—— この点に関しましては、先ほど申し上げたように、理事会でお諮りいたしまして、お答え申し上げます。 両案の質疑は本日はこの程度にとどめます。 —————————————
○委員長(世耕政隆君) 所得税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。 まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。竹下大蔵大臣。
○国務大臣(竹下登君) ただいま議題となりました所得税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 初めに、所得税法の一部を改正する法律案につきまして申し上げます。 政府は、税負担の公平確保の見地から、利子・配当所得等について総合課税へ移行するための所要の措置を講ずるとともに、現下の財政事情、所得税負担の実情等にかんがみ、高額な収入部分に適用される給与所得控除の控除率を引き下げるほか、所要の改正を行うこととし、ここにこの法律案を提出した次第であります。 まず第一に、利子・配当所得等につきましては、昭和五十九年から総合課税へ移行することとし、そのための措置として少額貯蓄等利用者カード制度を設けることといたしております。 すなわち、郵便貯金、少額預金の利子所得等の非課税制度の公正な運営と利子所得・配当所得等の適正な課税の確保等に資するため、少額貯蓄等利用者カードによる少額預金の利子所得等の非課税限度額の確認制度を設ける等所要の措置を講じております。少額貯蓄等利用者カードは、郵便貯金、少額預金の利子所得等の非課税制度を利用しようとする者の申請に基づいて交付することといたしておりますが、このカードは、これらの非課税制度のほか、総合課税の対象となる利子・配当等の受領者の本人確認の証票としても利用できることといたしております。 なお、少額貯蓄等利用者カード制度については、国民の理解と慣熟を得る必要があること、また、国税当局、金融機関等の対応体制を整えるための準備期間を要すること等にかんがみ、本法律案において所要の措置を講ずることといたしております。 第二に、給与所得控除について、給与収入一千万円超の部分に適用される控除率を現行の一〇%から五%に引き下げることとするほか、所要の改正を行うことといたしております。 次に、租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして申し上げます。 政府は、最近における社会経済情勢と現下の厳しい財政事情に顧み、今次の税制改正の一環として、税負担の公平確保の見地から企業関係租税特別措置等につきまして大幅な整理合理化を行うほか、土地税制について、主として大都市における住宅地の供給等の実情に顧み、その基本的枠組みを維持しつつ所要の改正を行うこととし、ここにこの法律案を提出した次第であります。 すなわち、第一に、企業関係の租税特別措置につきましては、適用期限にかかわらず全面的な見直しを行うこととし、まず政策目的の意義の薄れたものや政策効果の期待できなくなったもの等を重点として、十項目を廃止することといたしております。 また、存続する項目につきましては、中小企業対策、農林漁業対策、資源エネルギー対策及び科学技術の振興等に配慮しつつ一律に縮減することを基本とし、技術等海外取引に係る所得の特別控除制度については収入金額に係る控除率及び所得金額に係る控除限度額を二割引き下げ、特定設備等の特別償却制度については償却割合を二割から五割引き下げるとともに、特別償却不足額の繰越制度については繰越期間を三年から一年に短縮するほか、証券取引責任準備金等については積立率を五割引き下げるなど、所得控除制度、特別償却制度及び準備金制度の大半にわたりその大幅な縮減合理化を行うことといたしております。 さらに、登録免許税の税率軽減措置等について、企業関係の租税特別措置の場合と同様大幅な縮減合理化を行うことといたしております。 第二に、土地、住宅対策に資するための措置であります。 まず、短期譲渡所得の課税の特例について、その適用期限の定めを廃止することといたしております。次に、長期譲渡所得の課税の特例について、円滑な宅地の供給と土地の有効利用を推進する等のため、昭和五十五年一月一日から、譲渡益のうち現行二千万円まで二〇%となっている比例税率部分を四千万円まで引き上げるとともに、四千万円を超え八千万円までの部分について新たに二分の一総合課税を導入することとし、八千万円を超える部分については現行の四分の三総合課税方式を維持することとした上、その適用期限の定めを廃止することといたしております。 また、優良宅地等のための長期譲渡所得の課税の特例について、一団の住宅建設用の土地の譲渡に係る現行五十戸以上の戸数要件を二十五戸以上とするなど、実情に即しその適用対象の要件を緩和するほか、既成市街地等内に中高層耐火共同住宅を建設するための買いかえ等の場合の譲渡の課税の特例を創設する等の措置を講ずることといたしております。 さらに、住宅取得控除について、良質な住宅への住みかえによる居住水準の向上に資するために、その適用対象に一定の既存住宅を取得した場合を加える等、所要の措置を講ずることといたしております。 第三に、少額公債の利子の非課税制度、試験研究費の額が増加した場合の特別税額控除等期限の到来する特別措置について、実情に応じ適用期限を延長する等所要の改正を行うことといたしております。 以上、所得税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由と内容の大要を申し上げました。 何とぞ御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(世耕政隆君) 両案に対する質疑は後日に譲ります。 次回は、明二十六日午後二時開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後九時二十七分散会 —————・—————