商工委員会 第6号
- 発言数
- 100 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1980/04/17
会議録
○委員長(斎藤十朗君) ただいまから商工委員会を開会いたします。 まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 中小企業事業団法案の審査のため、本日、中小企業共済事業団理事長越智度男君及び中小企業振興事業団理事長斎藤太一君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(斎藤十朗君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
○委員長(斎藤十朗君) 次に、中小企業事業団法案を議題といたします。 本案の趣旨説明等につきましては、すでに前回の委員会において聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○吉田正雄君 今回の中小企業事業団法の提案理由の内容を見ますと、私は、今日中小企業が置かれております非常に困難な状況というものを克服をし、さらに中小企業が一層発展するためにきわめて重要な法案ではないかというふうに思っておりますだけに、この法案の取り扱いあるいは今後の運営におきましてより一層積極的にかつ慎重に配慮をしていかなければいけないんではないかというふうに思っております。そういう点で、幾つかの点にわたって当初に質問をいたしたいと思います。 最初に、政府に対してお尋ねをいたしますが、この事業団法案の提案に当たって、従来あります小規模企業共済等に関する法の改正案についてでありますけれども、まず第一点といたしまして、附則第十八条の小規模企業共済等に関する法律の一部改正で、新たに第二十一条で先取特権を設けた理由と目的についてお尋ねをいたします。
○政府委員(廣瀬武夫君) 今回のこの法律に基づきます両事業団の統合によりまして、共済事業に関しては高度化事業等を行います振興事業団と同じ組織で仕事をすることになるわけでございます。このように、一つの事業団が共済事業と高度化事業といった非常に幅広く、かつまた各種の事業を行うことになるわけでございますから、今回の統合を機会にいたしまして、従来にも増して小規模共済事業者の権利の保護を図る必要があると考えるわけでございます。小規模企業共済契約者の権利の保護のためには、この事業団法におきましてもほかの条項においても幾つかの配慮をしております。たとえて申しますと、本法事業団法二十一条の第四項におきまして、たとえば現在行っております契約者貸し付けとかあるいは預託融資制度といった共済契約者に対する還元融資に際しましても、やはり共済金の給付とかあるいは解約手当金の給付といった点の配慮をするという配慮規定がございます。また、事業団法案の二十七条におきましては、今度の事業団では経理区分を三つに分けておるわけでございますけども、その経理区分間の資金の移動につきましてもいろいろの配慮をしていると。また、三十二条におきましても余裕金の運用を厳格にするという配慮をしているわけでございます。今回さらに共済契約者の債権に先取特権を認めることによりまして、その共済金あるいは解約手当金の受領の権利と申しますか、そういうものの保護の徹底を図ったものでございます。 なお、先取特権は中小企業事業団債券の保有者についても従来から認められておりますので、そのバランスをとるという配慮もまた念頭に置いたものでございます。
○吉田正雄君 次に、罰則の面で非常に強化をされておるんじゃないかというふうに思います。まあ、必要な罰則についてはこれは当然設けなければいけないんですけれども、改正法第二十八条で、この第二十四条の規定に違反して届け出をせず、または虚偽の届け出をした者は旧法では五千円以下の罰金であったものが、この改正案では三万円以下に引き上げられておりますし、また新事業団法でも第七章の罰則規定では中小企業事業団の名称を詐称した者は一万円以下の過料が五万円以下に引き上げられるなど、いずれも罰則が強化をされております。このように罰則が強化をされたのにはそれなりの理由があると思うんですけれども、たとえば今日までそういう違反事実があったのかどうか、あったとすればどれくらいあったのかということ、それからこの引き上げの金額について何らかの根拠があるのかどうか、妥当な理由というものがどういうものなのかお示しを願いたいと思うんです。 それともう一点、その罰則が強化をされたことによって違反事例が、まあ仮にあったとすれば、減るのかどうかというのは、私は単に罰則金額が上がったから減るというふうにも思われないんですが、その辺もあわせてお聞かせ願いたいと思うんです。
○政府委員(左近友三郎君) 今回の改正におきまして、この中小企業振興事業団関係それから小規模企業共済等に関する法律関係それぞれの罰金の金額を引き上げて、一部はこの事業団法の本則に掲げ、それから一部はこの小規模企業等の共済法の改正ということでいたしたわけでございます。それで、従来まあ幸いと申しますか、いろいろこの届け出等については十分事前にもPRをいたしておりますので、本件の罰則の適用になった事例はございませんが、今回法律の改正を機に罰金額を引き上げましたのは、これはいわば政府の統一方針でございまして、実は四十八年に政府としてそのときどきのまあ貨幣価値と申しますか、その経済状態に合わしてこの法律を改正するときには旧法の罰則を改定していくという方針になっております。それに従ったわけでございます。 さらに若干追加して申し上げさしていただきますと、昭和四十七年に罰金等臨時措置法という法律が改正になりまして、八千円以下の罰金は八千円とみなすというような法律が出ております。したがいまして、この罰則というものはやっぱり時とともに改めていくべきであると、経済情勢に応じてと、そういう趣旨から引き上げたわけでございます。したがいまして、われわれといたしましては、ことに本法関連の罰則のようなものにつきましては、むしろ事前にPRをするとかあるいは役員に関しては事前にいろいろ監督をし指導をするということによって、そういう罰則の適用のないような状態にしていくというのが望ましいというふうに考えておるわけでございますので、今後とも、こういう罰金額は引き上げましたけれども、これはいわば最後の最後の問題ということにいたしまして、十分事前に関係方面のよく周知徹底をいたしまして、こういう罰則の発動事例のないようにするのがやはりわれわれの務めではないかというふうに考えておるわけでございます。
○吉田正雄君 次に、中小企業倒産防止共済法に関してお尋ねをいたします。 まず共済事業団にお尋ねをいたしますが、中小企業倒産防止共済法に基づく共済契約の加入者は制度発足当初どの程度見込んでおいでになったのか、現在加入者はどれくらいあるのか、もし現在加入者が当初予定よりも少ないとするならば、その主な原因といいますか理由はどこにあったというふうにお考えになっておりますか。さらに、新事業団に引き継がれてこれを増加をする対策というものをどのようにお考えになっておるのかお尋ねをいたします。
○参考人(越智度男君) お答えを申し上げます。 いまから約二年前の時点で中小企業倒産防止共済制度が発足したわけでありますが、当時、制度の発足に当たり、新法の御審議等をいただきました際に、どのような目標を設定して行うかという御質問もございました。私の方の事業団として十年以上小規模企業共済制度を実施してまいりましたが、それに比較しますと、この倒産防止共済制度はなかなか目標の設定がいろんな事情で困難な制度ではないかと思われますけれども、とりあえず初年度昭和五十三年度は十万件の目標で発足しようと、こういうことでございました。初年度は特例加入と一般と二種類ございましたが、そういったこともございまして、初年度の実績は約一万六千件はあったんでございますけれども、目標に対しては非常に距離が大きかったわけであります。第二年度の昭和五十四年度は特例がなくなりまして一般のみでやってまいりまして、やはり十万件という目標で進めてまいりましたが、この方はまだ最終数字を得ておりませんけれども、五十四年度の実績は五千件に少し欠けるような状況でございます。それが加入状況でございますが、それに対しまして貸し付けの方はなかなか活発でございます。 ところで、そのように加入の状況が余り芳しくなかった理由でございますけれども、もとより新しい制度でありますので、各種の方法を講じまして、いわゆるPRに努めてまいりましたが、発足後日の浅い段階ではなかなか中小企業者に対する浸透が十分でなかった、こういう点もございます。 また、二年程度の運用実績を反省いたしまして、当初の制度が中小企業者の要望に十分こたえていたものであったかどうか、こういうことを検討いたしまして、必ずしも十分にはニーズに合致していなかったのではないか、こういうこともあって制度の改正等が中小企業庁から御検討の結果またこちらに提案されたと、こういうことでございます。 何か御質問で私答弁を漏らしました点ございましたら、恐縮でございますが……。
○吉田正雄君 制度発足早々であり、いまお答えのような状況では仕方がなかったと思われますが、せっかくこういう制度が発足をしながら十分生かされてないということは、単にPR不足だけでは私はないんじゃないか、どこかにもうちょっと魅力のあるものに変えていく必要があるんじゃないかと思うんですね。それは今後の対策とあわせてきわめて重要なことじゃないかというふうに思っておりますので、今後の対策として何かお考え、いまの段階であればお聞かせ願いたいと思います。
○参考人(越智度男君) いままでの運用の経験に照らしまして、かつまた近い将来に期待されている制度の改善等を予定いたしまして、事業団はもとよりでありますが、国あるいは都道府県あるいは各種の委託団体、あるいはまた各種の金融機関、こういう方々の御協力を得まして、そうしてまた比較的この制度が都市型と申しますか、都市に存在する中小企業の方にわりあいに受ける性質を持っておりますので、そのように重点的な地域については特にあらゆる勧誘活動を集中いたしましてやってまいることによって、現状のような余り芳しくない加入実績は大いに改善をされるべであると、こういうふうに決意をいたしております。
○吉田正雄君 次に、共済金貸し付けの現状についてお尋ねをいたしますが、掛金別契約数と掛金残高がどうなっておるのかということ、それから貸し付け件数と貸し付け残高がどのようになっておるか、さらに共済金償還の状況ですね、償還率がどんな割合になっておるのか、特に償還不能、まあ貸し倒れという言い方変なんですが、償還不能の金額というものがどの程度になっておるのか、またその最大の理由というものはどういうものなのか、お聞かせ願いたいと思います。
○参考人(越智度男君) 倒産防止共済制度の加入者の中で、ただいま御質問の第一点の掛金別の加入状況でございますが、四種類の掛金額が月額がございまして、月額五千円、一万円、一万五千円、二万円とございますけれども、五千円の掛金月額の加入者が本年の二月末現在で千六百四十四件ございます。また月額一万円のものが三千四百四十八件、一万五千円のものが四百四十一件、二万円のものが一万五千四百四十五件、やはり四種類の中では現在の最高限度額である二万円の掛金月額の加入者の比率が圧倒的に多い現状でございます。 ところで、貸し付け件数、共済金の貸し付けの方でございますが、これまた本年の二月末現在で貸し付けの件数は二千四百九十二件、その貸し付け金額は百十二億八千三百万円、このようになっておりまして、加入総数が二万件程度に対比いたしますと十件に一件以上の貸し付け件数になっているわけでございます。六カ月の据え置きを置きまして共済金の返還、償還が始まるわけでありますが、昨年の三月、昭和五十四年の三月から償還が始まりまして、ことしの二月末までに償還されました状況の累計といたしましては、償還金額の累計は四億五百八十一万円になっております。しかしながら、共済金の貸し付けを受けてその償還が遅滞をいたしております件数は目下のところ合計五十九件ということでございまして、総貸付件数の二、三%が共済金の償還が遅滞しているわけでございます。その五十九件の貸し付けのうち、取り立て困難な件数が四十四件、金額にして約二億円、こういうことになっております。また、若干前後するかも存じませんが、ただいま申し上げましたようなことで、加入者から償還のございました金額の総額は四億五百万円程度に上っております。 以上でございます。
○吉田正雄君 最後のところ、ちょっとまだお答えがないんじゃないかと思いますが、その最大の理由といいますかね、あるいはその回収が今後見込まれるのかどうなのかというふうなことも判断されているのかどうか。
○参考人(越智度男君) どうも失礼をいたしました。 全体で二、三%の貸付償還の遅滞がございますが、これはやはりその加入者御自身が不幸にして連鎖倒産を未然に防止することができなくて倒産をしているわけでございます。したがいまして、据え置き六カ月後毎月均等償還ということができないという現状でございますが、償還の期間は五年以内でございますので、いま直ちにそういう方からお返しを願うことは無理でございますので、債権管理を十分いたしまして、お返しいただけるようになったらお返しいただく、こういうふうにしております。
○吉田正雄君 次に政府に対してお尋ねをいたしますが、いま話が出ておりますこの共済金の貸し付けについて、第九条で貸し付けの定めがあるわけですけれども、その貸付額は、第二項で一号から三号までに掲げる額の合計額を差し引くことになっておるわけです。その一号では、「既に貸付けを受け、又は受けることとなった共済金の額の十分の一に相当する額」というものがあるわけですね。で、このところと、次の十条を見ますと貸し付けの条件というものが書いてあって、無利子、無担保、それから五年以内の期間の貸し付け、こういうことになっておるわけですね。だから、無利子であり無担保という点を見ますと非常に有利なように見受けられるんですけれども、第九条のところでその掛金相当額というものが差し引かれて貸し付けられる、こういうことになっておるわけです。これが、先ほどお尋ねしたこの契約共済制度に加入をする魅力を薄めておる一つの原因ではないかというふうに思われるわけです。そこで、なぜこのような措置がとられたのか、その理由をまずお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(左近友三郎君) 御指摘の、掛金の権利が共済金の貸し付けに当たりまして消滅するということになっておりますが、これの理由でございますが、これは要するにこの共済金の貸し付けに必要な共済の運営をいたします、このコストの負担をしていただくということでございまして、実はこの貸し付けをやるためには必ずしも掛金だけでは賄えない場合がございますので、借入金をまた事業団がいたしまして、その借入金で貸し付けを賄うということがございます。したがいまして、その借入金の利息というものが一つのコストになっております。それから、いまも御説明がございましたが、共済金を貸し付けますと一部は延滞になり、さらには貸し倒れになるおそれがございます。したがいまして、そういう貸し倒れのための経費というふうなものを考えまして、そういうものに充てるために実はこのいまのような制度ができたということでございます。
○吉田正雄君 いまの説明を聞きますと、共済制度であるとは言っても、加入をされた皆さん方からすると、倒産をした人のものまで、いわゆる延滞であるとか貸し倒れの経費、そういうものまで引き受けていくということになるから、この制度の魅力というものが非常に薄れてくるんじゃないかというふうに私は思うわけです。 そこで、私は今後の改善策として、この一号の取り扱いについて、これを緩めるなりあるいはなくしていくというふうな方向が考えられないのかということが第一点あるわけですね。そういたしますと、借入金があるわけですから、この利息をどうするとかという問題が当然出てまいりますので、これは私は特に政府として、この制度上困難があるかもしれませんけれども、単なる事業団に対する運営費の補助だけでなくて、いま言ったような部分に対して何らかの補助を行う必要があるのではないかというふうに思うわけです。せっかくこれだけの事業団をつくっておりながら、ただ運営費だけ国が補助をするんだということでは魅力がないんじゃないかというふうな感じもいたしますので、そういう点で、それに対する一部国庫補助を考えておいでになるのかどうか。あるいは事業団に対する出資金をさらに増額をするとか、さらにこの貸付限度額ですね、今度の改正では掛金の十倍、掛金が今度は二百十万円ですから二千百万円まで借りられるというふうな一応の改善が行われておるわけです。しかし、これでも私はまだ少し低いんではないか、将来これを引き上げる検討をされてもいいんではないかというふうに思いますので、 〔委員長退席、理事中村啓一君着席〕 これらの改善について現状ではどのようにお考えになっているのかお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(左近友三郎君) 最初に、われわれ政府側の基本的態度を申し上げたいと思います。 この倒産防止共済法によりますと、五年ごとにいろんな制度の見直しをするということになっております。ところが、この法律を制定し施行以来二年たちまして、いろんな実態、これはまあ中小企業の方々の御意見、それからその加入の実態等を見ますと、やはりこの五年に一遍というふうなことではいけない。ことに、当初これは画期的な他に類例のない制度でございますから当時十分考えて発足をいたしましたけれども、不測ないろいろなことも起こるというようなこともございましたので、したがいまして法律では五年と定めてありますが、とりあえず現在やれることは手直しをいたしまして中小企業の方々の御要望にまずおこたえをいたしたい、こういうことでこの発足後二年で改正という案を出し、また今後御審議をお願いすることにいたしたわけでございます。したがいまして、われわれとしては絶えずこの制度の改善を心がけていく、したがいまして今後また五年という期限が参りましたならばまた改善をいたしていきたい、こういうふうに考えております。 これが基本的な考えでございますが、いまの御指摘のこの掛金の権利消滅に関しましては、いろいろコストが要るので権利消滅するということで制度が発足したわけでございますが、理屈から申しましてもこのコストが必ず十分の一であるという保証はございません。したがいまして、いまの改正といたしましては、必要なコストが賄われて余剰が出てくればやはり加入者にお返しすべきではないかという考えに立ちまして、借入金を完済された方に完済手当金を出すという制度を考えたわけでございます。そしてそのときの、これは完済というのは五年間でございますから、最初にお借りになった方が完済されるのも少し先になりますが、その時点の経理の状況を見て、余剰がございますならば完済手当金という形でお返しをするということを考えております。 それから、国庫補助をやるべきではないかというふうな御意見がございました。これは、共済制度というのは加入者の相互扶助ということでやっていただくということで、本体の、共済の経理の実体についての補助というのは、共済の趣旨から適当ではないのではないかということでございますが、実際の必要な事務費等々については国庫補助をしております。これは全額補助でございますし、また出資も現在四十億いたしております。そういうことでございまして、極力関連の経費は国が賄う、そして実際の貸し付けの本体のところだけは中小企業の方々の共済ということでやっていただくという趣旨でやっていきたいというふうに考えておるわけでございます。それから、貸し付けの限度額につきましても、現在の経済実態では二千百万円という今度の改正案で考えております貸付限度額が、現在の事態では相当だろうというふうに考えておりますけれども、経済状態は日に日に変わってまいりますから、先ほど申しましたように、今後また検討いたしまして、必要な時期に必要な改善をするという心構えでおるわけでございます。そういうことでございますので、今後の運営につきましては、先ほど申しました法律自身にも見直す点がございますので、絶えず内容を検討いたしまして中小企業の方々のお役に立つ制度に常にしていくという心構えで進めたいというふうに考えております。
○吉田正雄君 次に、中小企業振興事業団の事業の中で、情報に関する部分でお尋ねをいたしたいと思います。 中小企業倒産の理由の一つとして、私は大企業と中小企業の間には非常に大きな格差があるのではないかというふうに思っているわけです。たとえば銀行等の預金あるいは貸付利子の引き上げにしても、あるいは消費者物価や卸売物価がどういうふうに推移をしていくのか、あるいは経済情勢がどのように展開をしていくのか、あるいは輸出、輸入、貿易関係がどういうふうになっていくのか等、いろいろな情勢というものを中小企業の皆さん方がなかなか入手しづらい。忙しい中小企業にあっては、新聞も読まない、テレビ、ラジオのニュースも聞かない、まさに朝から晩までコマネズミのように働いて、考えようによっては全く隔離をされたような状況の中でただ働いておるというのが私は実態じゃないかと思うのです。そういうことで、私は今後中小企業にできるだけ迅速にしかも正確な情報を与えていく必要があるだろうと思いますし、また中小企業の体質としても、できるだけ正確な情報に基づいた企業経営というものをやっていく必要があるではないかというふうに思っているわけです。そういうことで、従来若干その点では弱かったのじゃないかという感じがいたすわけです。 そこで、地域情報センターの活動状況が現状ではどのようになっておるのか。また、今後大企業と中小企業の間における情報格差を解消していくために、情報事業の充実強化というものが必要だというふうに思いますが、この対策というものをお考えになっておるのかどうか。この点については、政府と事業団が事業をやってきた立場から、その両方からお聞かせを願いたいと思うのです。
○政府委員(左近友三郎君) 現在は情報化時代と言われております。中小企業の情報の収集について政府が大いに支援すべきであるということについては、まさに御指摘のとおりだと思います。私らも、そういう意味で、従来は中小企業対策と申しますと施設の共同化というふうな、いわばハードな分野に重点を置いてまいりましたけれども、今後はこういう情報というのはソフト面に大いに重点を置いてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。それで、これは振興事業団の方から御説明があると思いますが、中央の情報を流す側の体制といたしましては中小企業振興事業団にやっていただいておりまして、いろいろな政府の情報その他いろいろな経済情報を振興事業団が集めまして、これを地方の県だとかあるいは技術の指導所とかそういうところに流しておるわけでございます。五十五年度からは、中小企業の各地の状態を四半期ごとに調査したものを分析し、それを地方にまた流すということもやっておるわけでございます。そこで、その受ける側の地方の体制でございますが、いま申しましたように、従来は府県とかそれから中小企業の団体とかあるいは技術の試験所とか、こういうところにそれぞれの内容に応じて流しておったのでございますが、 〔理事中村啓一君退席、委員長着席〕 利用する中小企業の方にすれば、情報を得るのにいろいろな窓口に行かなければいけないというのは大変不便でございます。したがいまして、実は五十四年度から各地において、中小企業の地域情報センターというのをつくっておられるところについては、国が助成をいたしまして、それを全国に普及をしていきたいということでやっております。一県に一カ所でございますが、情報センターができますと、そこへ中小企業の方がいらっしゃればいろいろな情報がわかる。あるいは、さらに深い情報についてはその情報の所在がわかる、こういうことにいたしたいと思っております。五十四年度は十二カ所を補助いたしましたけれども、五十五年度についてはさらに十一カ所を追加する予定でございますし、将来はいま申しましたように全国の各府県に普及するということを考えておりまして、御指摘のように情報化事業といいますか、中小企業の情報力を強化するというのは国として重点事項の一つとして今後実施していきたいというふうに考えております。
○参考人(斎藤太一君) 私どもの中小企業振興事業団の中に情報センターというものがございます。これが中小企業情報の中核機関であるというふうに私ども考えておりますが、各官庁とかあるいはジェトロその他の各種政府関係機関あるいは金融機関等とネットワークを組みまして各種の情報を収集いたしましたり、私どもみずからいろいろ調査等もいたしまして、これをただいま長官のお話のございました地域情報センターあるいは各府県の総合指導所、あるいは技術関係の情報でございますと各府県等にございます公設の試験研究機関、こういうところに情報を流しておるわけでございます。流しております情報としましては、業界の動向でございますとか需要動向、あるいはたとえば事業転換に関します事例集でございますとか、最近ではより成長性のある分野はどういう分野か、こういった新しい事業の紹介でございますとか、あるいは新しいデザイン等に関します技術情報等々各種の情報を地方の機関に流しておるわけでございます。特に五十五年度からは、いまも先生からお話のございました景気動向に関します情報を提供したいと考えまして、いまそのネットワークの組み方を検討いたしておるところでございますが、大体一万五千軒ぐらいの中小企業の方に協力を願いまして、四半期ごとに景気動向を集めましてそれをコンピューターにかけまして速報として提供する、こういう情報も提供いたしたいというふうに考えております。
○吉田正雄君 それでは新事業団もこれは引き継がれていくわけですけれども、情報事業については一層の強化を要請しておきたいと思うのです。 次に、中小企業振興事業団とそれから中小企業の共済事業団が統合して新しい中小企業事業団が発足をするわけです。提案趣旨の中にも書いてありますけれども、名実ともに中小企業施策を一体的に推進する中核機関として機能し得るのかどうかということが、この法改正を生かすことになるのかどうかということに連なると私は思いますし、それだけにこの新事業団の機構なり運営をどうするかということはきわめて重要な課題だと思うんです。特にこれはあらゆる組織でもそうだと思うんですけれども、二つの相異なる組織なり団体というものが一つになる場合、人間関係なり非常にむずかしい問題というものが生じてまいりますし、特にそこに働く職員にとっては新しい組織の中で一体どういうふうになっていくんだろうという、身分なり労働条件等について非常に不安を持つと、そのことがこの新組織の運営に大きな支障を来たすというふうなことがあってはならないと私は思うんです。そういう点で、衆議院でも附帯決議がなされておりまして、職員の問題については十分配慮をする必要があるということもあるわけですけれども、そういう点で私は職員が安心をしてみずからの職務を遂行するために、そういう条件を整備することが私は事業団なり政府のまた責任ではないかというふうに思います。 ところで、この法案の中では、新事業団は二つの事業団の一切の権利及び義務を承継することになっておるわけです。ところで、まだ新事業団が発足いたしておりませんから、新事業団の理事長にお尋ねをいたしますということにはなりませんけれども、しかし承継するというこの法の精神からして現在の二つの事業団に責任がありますし、またこれを監督する通産省、特に中小企業庁にも私は大きな責任がある、またその義務があると思います。そういう観点から政府それから事業団の責任者にお伺いをいたしたいというふうに思います。 当初に、この承継する義務の中には両事業団もしくは一方の事業団の労使の間において、従前確認をされてきた労基法に基づく労働協約であるとかあるいは労働慣行であるとか、そういうものが当然含まれておるというふうに理解をいたしますが、それはそういうことでよろしゅうございましょうか。まず両事業団の方からお尋ねいたします。
○参考人(斎藤太一君) 文書をもって協定をいたしております労働協約につきましては、当然新事業団に承継されるものというふうに考えております。なお、文書のございません労働慣行等につきましては、従来から労使ともこれを尊重するという姿勢でございますけれども、当然新事業団におきましてもそういった姿勢は引き継がれるものというふうに考えております。
○参考人(越智度男君) 中小企業共済事業団の方は、昭和四十年十二月に発足以来十四年半ぐらいの経過を経ておりますが、ずっと最近に至るまで労働組合は存在しておりませんでした。先月、ようやく労働組合ができたと、こういう現状でございますので、実はまだ労使間の労働協約というものは存在しておりませんのでありますが、これから近い将来そういう協約ができることになりましたならば、もとよりそれは承継されるべきものだと考える次第でございます。
○吉田正雄君 政府の方にお尋ねいたしますけれども、当初に申し上げましたように、まだ新事業団ができておらないわけですね。しかし、現両事業団としては新事業団に向かって当然それらのものについて承継をすべきであると、これは法律でもそういうふうにうたってありますから、これは当然なことだと思いますし、それからいま共済事業団の理事長の方から労働組合ができたばかりであるというふうなことをおっしゃっておるわけですけれども、これは労基法からすれば、一つの職場においてもそうですけれども、そういう協約が結ばれれば組合に加入をしておらない人についてもそういう労働条件というものが平等に適用されていくというのが原則であるわけですね。したがって、仮に片方の事業団ではそういうものがなくても、片方の事業団でそういうものが確認をされ協定として結ばれておれば、これは当然新しい統合された新事業団においては、それは全職員に差別なく当然適用されていく、これが労働基準法の原則であるわけですね。そういう点で政府としても新事業団に対してそういう指導というものはきちんと行われなければいけないと思いますが、その点はいかがですか。
○政府委員(左近友三郎君) 御指摘のとおり新事業団が統一的な活動を十分に発揮するためには、やはり健全な労使の関係が必要であるというふうにわれわれは考えております。 引き継ぎに関してはいま両事業団の理事長がおっしゃったとおりでございますが、政府といたしましてもこの健全な労使関係が確立できるように、われわれとしても側面から大いに援助をしてまいりたいと思います。そういうことで、労使関係の円滑化ということについて十分われわれもできることをやってまいりたいというふうに考えております。
○吉田正雄君 私も両事業団の内部の労使関係がどうなっているか、あるいは具体的に細かく一々どういう協定があるかということは承知をいたしておりません。しかし、私の長い労働運動の経験からいたしましても、当然労働基準法なりあるいはその他の公務員法等によって労働条件というものが定められ、あるいは労使の間で交渉によって解決をしているというのが原則になっているわけですね。 そこで、この聞き方も抽象的になりますけれども——このことだけは私お聞きをしたんです。というのは、この法案が提案をされたわけですから、そういう点でたとえば中小企業振興事業団等では新事業団への統合に向けて、去る四月十一日に当該組合との間に従来締結をしてきた労働協約については、当然新事業団で承継するという旨の、これはまあ一般原則論ですが、そういう確認が行われておるということを聞いておりますが、そのことは事実でしょうか。 それから、なおまた、これも一般的な言い方になりますけれども、たとえばこれはいずれの労働組合でも常に問題として出され、協約を結ばれているところが多いわけですけれども、たとえば民間勤務歴の取り扱いであるとか、あるいは業務平準化問題であるとか、あるいは学歴格差の解消の問題であるとか、さらにこんなことを一々この場で言う必要もないと思うんですが、日本国憲法や最高裁大法廷の判例等にもありますように、男女差別を行ってはならぬと、たとえば女性職員に対する採用の方法であるとか採用条件であるとか、あるいは研修、昇格及び賃金等について性を理由とした差別というものを行ってはならないというのは、これは当然のことですね。そういう一般原則論等についてもそれぞれ組合との間では原則論として確認は私は当然されておるというふうに思います。 さらに、今後新事業団発足に向けて、従来未解決であり、あるいは交渉段階であるような課題も私は皆無じゃない、当然あるだろうというふうに思うわけですね。それらの問題についても当然引き続いて交渉でもって私は双方誠意をもって解決に当たるべきではないかというふうに思っておりますが、この点もあわせてお聞かせを願いたいと思いますし、それからこれは両事業団——政府には念を押して聞いておきたい一つの問題といたしましては退職手当の問題ですけれども、これは二つの事業団が統合されるわけですが、従前の取り扱いからいたしますと、現在の在職期間というのは新事業団に統合された場合には新事業団に在職したものとみなしてこれを通算をしていくというのが当然の措置だろうと思うんです。そういうことで、その点がどういうふうになっておるのか、またどうあるべきか、この点をまずお聞かせ願いたいと思います。
○参考人(斎藤太一君) 私ども中小企業振興事業団におきましては、労働組合との間に先生からいまお話ございましたような幾つかの労働協約を締結をいたしております。これにつきまして、去る四月十一日に組合と当局側と団体交渉を開きまして、一応現在あります労働協約あるいは今後統合までに新しく結ばれるであろう協約につきまして、これらが新事業団に継承されるということの確認の団交をいたしまして、文書でもってその点を確認をいたしたわけでございます。 それから、退職手当の期間の継続の点につきましても、この確認の中におきまして、新事業団の職員となる者は従来の在職期間をそのまま引き継いで通算するということについて確認をいたしております。 なお、退職手当の期間の通算の件は、新しい事業団の退職手当支給規程の中で規定する内容かと存じますが、一応そういうふうな考え方を持っております。
○政府委員(左近友三郎君) いま御指摘の退職手当につきましては、この新しい事業団が発足するときに当然通算できるように指導してまいりたいというふうに考えております。
○吉田正雄君 これは最後に重ねて私の方から政府とそれから両事業団にお願いをしておきたいと思うんですけれども、いまのこの厳しい国際情勢の中で、私は日本経済なり産業活動を支えている基盤として、中小企業が非常に大きな役割りを果たしておるというふうに思っておるわけです。それだけに、新事業団が本当にこの法改正の趣旨、目的に沿って円滑にしかも活力ある事業活動というものを行っていくためには、何といっても職員がその気にならなければ私は思うようにいかないと思うんです。組織はつまり人によって運営をされるわけですから、そういう点で私は今後とも望ましい労使慣行というものが確立をされ、そこに働く職員が本当に安心をしていけることのできるような、そういう諸条件の整備に政府それから事業団とも全力をひとつ傾注していただきたいと、これは要望ですからお答え要りませんが、そういうことを重ねて最後にお願いをいたしておきたいと思うんです。もし何かございましたら一言お答えいただきたいと思います。
○政府委員(左近友三郎君) いまの点に関しましては御指摘のとおりでございます。われわれも大いに努力をいたしたいと思います。
○吉田正雄君 残された時間が非常に少なくなってまいりましたので、一応この中小企業事業団法案についての私の質疑はここで終わりにいたしまして、次に通産大臣にお尋ねをいたしますけれども、連日のようにイランにおけるアメリカ大使館人質事件をめぐりまして、アメリカからヨーロッパやあるいは日本等に対しまして、対イラン制裁に参加をするようにという非常に強い要請がなされておりますし、さらにこの問題はアフガン問題と絡んで米ソの緊張激化というまた大きな問題も抱え込む状況になっておるわけです。従来日本は、イラン問題についてはアメリカの言うとおりにはならぬという独自の政策もあるというふうな方針もちらちら見えておったんですけれども、だんだんむずかしい状況に私はなってきているんじゃないかと思うのです。そこで、現在イランからの対日石油の供給が一一%から一三%程度というふうに言われておりますけれども、日本政府の対イラン外交経済政策との関連において、石油の需給関係についての見通しを通産省としてはどのようにお持ちになっておるのか、また通産の立場から日本の外交というものが一体単にアメリカの一方的な意思によって引きずられていくことがいいのかどうなのか、私は非常に疑問に思っているわけですけれども、その点についての通産大臣の見解をお聞かせ願いたいということと、それからもう一点は、これもずいぶん大きな問題でありますが、バンダルホメイニにおける日本、イランの例の石油化学プロジェクト、コンビナートの建設をめぐって政府も二百億円の出資をするということを決めておるわけです。しかし、アメリカの対イラン制裁というものが軍事面にまで発展をして、海上封鎮等のことがもし仮に行われ、これが長期化するということになるならば、私はこの石油化学プロジェクトというものは中断をせざるを得ないのじゃないかというふうに思われるんですね。非常に大きな問題だと思うのです。これらについて通産省は一体どういう見通しを持っておいでになるのか、またそういう危機を回復する、つまり国際平和の観点からも日本政府としてはアメリカ、イランのこの緊張をより激化をさせるのではなくて、平和裏に解決する方向に向かって努力をすべきではないかというふうに思うんですが、その点いかがでしょう。
○国務大臣(佐々木義武君) 先般、マンスフィールド米国大使が米国の意向を外務省に正式に申し入れに来たことは御承知のとおりでございまして、その内容は、今回米国がとらんとする措置はこういうものであるということ、それから二番目としては、この問題はいまに始まった問題ではございませんので、この問題の発生以来日本がとってまいりました措置、米国に協力してとってまいりました措置に対して感謝の意を表して、そして三番目といたしましては、この一月に国連にアメリカは経済制裁の案を出したわけでございますけれども、御承知のようにソ連のビートーに会いましてこれは決議にならなかった、その否決された決議案を今度は断固として実行しますということ、したがってそれに対しては友好国はひとつ同調してもらいたいということ、従来なかったもう一つの面は政治面でありまして、イランの大使を召還してもらいたい、同時に情勢が熟してきたら国交断絶と——アメリカは断絶したわけでございますから、国交断絶に踏み切ってもらいたい、こういうのが要望の主な内容でございます。そこでわが国といたしましては、イランのいまの人質の問題は明らかに国際法違反でもございますし、また国際社会の基本的な秩序を脅かす問題でもございますので、これを一日も早く解放するように努力するということは当然でございまして、それを願いつつ、また外交的な努力は惜しまないと、ヨーロッパの先進諸国、EC諸国も同じ立場でございます。同じ要望を受けておるわけでございますから、ヨーロッパの諸国とも密接な緊密な連絡をとりましてこれに対処していこうというふうに、基本的にはもちろん態度を決めたわけでございますけれども、ちょうど時あたかもリスボンでECの外相評議会といいますか開かれまして、その結論によりますと、とにもかくにも人質問題の解放が一番基本的な問題でございますから、テヘラン駐在のECの各大使あるいは日本の大使も加えてイランの大統領に正式に、いつ、どういう方法でイランの人質を解放するか明示してもらいたいということをまず公式に申し入れようじゃないかということで、幹事国イタリアでございますから、イタリアの駐日大使が正式に申し入れがございましたので、私ども関係閣僚会議をほとんど連日開いておりますので、その席で外務大臣から話がありまして、わが国も応じようということで訓令を出しまして、先日大統領にECの各外相とわが方の和田大使も加わりまして申し入れをいたしました。その結果は各大使がそれぞれ本国に帰国いたして、帰国の上、詳細に総理あるいは関係閣僚に伝えて、その上で今後の対応策を考えようというのが基本的なヨーロッパ側の態度でありますし、また私どももそれに同調したわけでございますから、その態度を尊重いたしまして、実はきのうの夜に和田大使が帰国いたしました。ヨーロッパの各大使もその前日ころにそれぞれ本国に報告のために、召還というんじゃなくて報告のために帰国したわけでございますけれども、私どもは、夕べはスウェーデンの皇室をお呼びしておったわけでございまして、呼ばれておったわけでございますから、時間がどうしてもとれなくて、けさ九時から和田大使に来ていただきましていままで、総理、それから私、外務大臣がちょっと党の方の用事がございましてそっちへ行って出ませんでしたけれども、大蔵、経済企画庁、官房長官等で話をつぶさにちょうだいいたしました。話の途中でこちらの委員会が始まるものですから、私と大蔵大臣はそのまま参議院、私はこっちの委員会に参りまして、話の全部を聞いたわけじゃございませんけれども、その結論を踏んまえまして今後の対応策を考えようということにただいましております。ヨーロッパの方は、その報告を基礎にいたしまして二十一日にECの外相会議をまた開いて、たしか二十六、七だと思いましたが、首脳者会談がヨーロッパでございます。それで対応策を決めるはずでございますけれども、それとの関連を密接にいたしまして、それも見守りつつ今後の日本の対応策を決めたいというのが、ただいまのわが国の基本的な進め方でございまして、まだ対応策、見通しいかんという、ただいま御質問でございましたけれども、これからの話でございまして、まだはっきり申し上げる段階にはなっておりません。 それから、イラン石油化学に対する方針いかんと、これは現在の段階ではわが方といたしましては従来の基本方針を維持してまいりたいという態度でございます。
○中尾辰義君 最初に、通産大臣にお伺いいたします。 今度の中小企業事業団は、現在ある中小企業振興事業団と共済事業団を統合して設立されると。そこで政府の説明は、効率的で強固な一体的な体制のもとに、中小企業の振興や経営の安定等を図るために設立をすると、こういうふうに説明があるわけですが、実際には今度の政府の行政改革の面で新しい新エネルギー総合開発機構、これを通産が設立をする見返りとしてこの二つの事業団が統合された、こういうふうにこれは報道もされております。そこで通産省としては不本意ではあったでしょうけれども、ともかく統合して新しい事業団ができる以上は、これは強固な法律的な体制でやっていく責務があるわけでございますので、この中小企業事業団の設立に当たって、その将来の展望も含めて、通産大臣の所見をまず最初にお伺いします。
○国務大臣(佐々木義武君) この両事業団は、お互いに一つは中小企業の高度化の問題を中心とし、片っ方の方は経営の安定とかあるいは福祉等を目的にした事業団でございまして、おのずからその目的は従来違っておったわけでございますけれども、しかし、この両機関をお話しのような経過を経て合併して、そして有機的な一体のものとして運営していくということを策案してみますと、従来以上にむしろ一体化して、そして中小企業の具体的な施策の中心的な遂行機関とすること自体が大変意義があるのじゃないかというふうに考えるようになりまして、その一体化した場合に、どういうふうにこれをさらに充実し、あるいは新しい意義を持たすべきかということで考えた結果、この法案を皆様にお示し申し上げまして検討をお願いしているという次第でございます。
○中尾辰義君 中小企業事業団の設立に当たって、大臣の決意なり所見を求めたんですけれども、そこで次にお伺いしますが、もともとこの二つの事業団は統合する必然性、必要性というものはなかった。いまも私は言いましたように行政改革の面でこういう結果になったと思うわけでありまして、統合するメリットが少ないと、こういうふうに思うわけです。しかし、できる以上はこれはやらなきゃならぬ。新事業団の設立のメリットにつきまして、どういうことが考えられるのか、中小企業庁にひとつお伺いします。
○政府委員(左近友三郎君) 従来、中小企業政策というのは、非常に各般にわたって施策がなされておりますが、最近の批判では、むしろそういう幾つかのいろんな施策を統一的に実施をして中小企業の方々に、それが活用されるようにしてほしいという御意見が非常に多いわけでございます。そういう意味で今度この両事業団を一緒にいたしまして、中小企業施策の中心的な事業団にいたすということは、この窓口一本化という意味においても意味が相当あるというふうに考えておりますし、ことに両事業団とも歴史を持っておりまして、それぞれの高度化事業なり、共済事業なりの経験が相互に交流できるわけでございまして、たとえばこの高度化事業というものはいろいろ貸し付けをやっておりますが、一方、その小規模共済におきましても一つの事業といたしまして貸し付けをやっておるわけでございます。そういう両方の貸し付けを有機的に連携をとるというふうなことも可能でございます。そのほか、そういう過去の経験を相互交流という意味、ことに情報というものが相互に流通されるというふうな点については非常に意味があると思いますし、また将来われわれとしては中小企業施策というのは今後いろんな施策を考え、中小企業の方々のためにつくっていきたいと思いますが、それをこの事業団において実施するということにいたしますれば、窓口一本化といいますか統合化というものがさらに進むというふうになると思いますので、そういう点でこのメリットを生かしていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○中尾辰義君 お伺いしておきますけれども、いずれにしてもこれからメリットが出るようにやっていかなきゃならぬ。それで新事業団の業務の内容、役割り、そういうものを見直していかなきゃならないと思うわけであります。たとえば振興事業団が実施している高度化事業を見ましても、貸付実績のきわめて悪い事業も幾つかあるわけであります。需要が少ないから不要だということではないけれども、需要が少ないのにはそれなりの理由があるんじゃないか。PRが足りないのか、制度そのものに魅力がないのか。したがって、高度化事業についてもう少し助成内容等も魅力があるように充実すべきだと思いますが、それはいかがですか。
○政府委員(左近友三郎君) 振興事業団が実施してまいりました高度化事業は、中小企業対策の大きな柱としてやってまいりました。しかも発足以来事業を幾つか追加しまして、その時代時代の要請に合うようにしてきたわけでございます。 そこで、われわれといたしましては、今後も絶えず中小企業の方々の要望、それから都道府県等々と連絡をとりながら、その時代時代に即応した事業をやってまいりたいというふうに考えておりまして、実は昭和五十五年度予算につきましても、問屋街近代化事業というものを創設するとか、そのほか幾つかの改善を考えておるわけでございますが、さらに将来にわたりましてもこの高度化事業というものをその時代に即応したものに絶えず変えていく、あるいは新しい事業を創設していくという努力をやってまいりたい、そして今後の新しい事業団のやはり中核的な仕事にしていきたいというふうに考えております。
○中尾辰義君 それから、今後の中小企業施策のあり方を考えてみますると、規模の拡大や近代化、高度化、これも大事でありますけれども、よく言われておるように知識の集約化、恒久化の方向が重視をされてくると思うわけであります。そのために人材、情報、技術が特に必要となってくるように思われるのであります。そこでこの中小企業事業団の業務は人材の養成、情報提供、技術開発、助成、こういうものを重視してこれらの業務を中心に据えていくことも一つの方向だと考えるわけですが、中小企業庁どういうふうにお考えになっていらっしゃるのか。
○政府委員(左近友三郎君) 御指摘がありましたように、この八〇年代を迎えまして経済環境が非常に変わってまいりました。そういう事態に応じまして中小企業が知識集約化と申しますか、恒久化といいますか、そういうふうなことを図っていかなければいけないという要請が非常に高いわけでございます。そのためにはやはり人材養成とか情報提供とか、あるいは技術開発とか、そういういわばソフトな経営資源の充実というものをこれから大いに図っていかなければいけないというふうにわれわれも考えておるところでございまして、実は五十五年度からこの中小企業振興事業団に中小企業大学校というものを設置いたしまして、中小企業者に対する研修事業を充実しようということで実は取りかかっておるわけでございます。従来は振興事業団の研修といいますのは、中小企業の指導者といいますか、府県の職員等を研修するということが主眼でございましたが、今後は中小企業者自身に対する研修あるいは中小企業の後継者に対する研修というふうなものを大きく広げていくという意味で、大学校というものを創設することにしたわけでございます。こういうものを新事業団になりましてますます拡大していきたいというふうに考えておりますし、また、情報の問題につきましても、中小企業情報センターというのが現在振興事業団にありまして、各種の情報を集めて都道府県等々に流しておりますが、これについてもさらに拡大をしていきたいというふうに考えておりますし、技術開発についても、従来ともこの中小企業の近代化、合理化に必要な機械装置の開発とか、あるいは公設試験研究所の研究成果の有効性の実証というようなこともやっておりますが、この点についても今後も拡大していきたいということで、先ほどお話のありました高度化、それからこういうソフトな面での中小企業事業団の事業というものは、両方とも大いに拡大をしていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○中尾辰義君 いま長官から中小企業大学校のお話がちょっとありましたが、これは今度どの辺にできるのか。むしろ研修指導者の少ない地方都市に置いたらどうだという、そういう意見もあるんですが、全国で幾つぐらいできるのか、それから場所はどの辺にできるのか、その辺ちょっとお聞かせ願いたい。
○政府委員(左近友三郎君) 振興事業団のいわゆる研修所というのが実は府中にございます。東京都の府中にございます。それから数年来関西にも研修所を増設するという意味で兵庫県の福崎という、姫路の北でございますが、そこに研修所を建設中でございまして、これがことしの秋にでき上がる予定でございます。したがって、とりあえず大学校は中小企業大学校の東京校として府中、それから関西校として福崎ということで発足をするつもりでございます。 ただ、御指摘のように、中小企業者自身の研修ということを考えますと、その二つの地点だけで十分かということになりますと、やはり考えなきゃいけない点があると思います。したがいまして、実は本年五十五年度はいまのその新しい大学校をつくるとともに、今後の大学校の運営体制あるいは中小企業の方々の研修体制をどうするかということを、いわば調査費で調査することにしております。そのときにいわゆる各地の方々が十分利用できるような体制はどうしたらいいかということを検討することにしておりまして、将来、われわれといたしましてもこの二つの関西校それから東京校だけで十分だとは考えておりませんが、それをどういう手順でどのようなふうにやっていくかというのは、ことしいっぱい十分検討した結果結論を出したいというふうに考えておりますが、方向といたしましては、やはりこの二校にとどめないでもう少し広げていく必要があるんではないかというふうに考えておるわけでございます。
○中尾辰義君 それで、新しい新事業団が設立されるのに、新しく加わった業務は、法第二十一条第一項七号の「共済契約者の教養のための施設の設置及び運営を行う」、こういうことだけでありますけれども、これは具体的にどういうことをやろうとしていらっしゃるのか、その点お伺いします。
○政府委員(廣瀬武夫君) 「共済契約者の教養のための施設の設置及び運営」は、小規模企業共済制度におきます加入者還元の方法の一つでございます。御承知のとおりこの加入者還元といたしましては従来から努力をしてまいりまして、たとえて申しますと、契約者貸付制度、これは四十八年にできております。また、小規模企業共済預託制度、これは五十二年にできております。こういつたように還元の道を幅を広げてまいったわけでございます。今回中小企業事業団法の制定を機会に、新たに共済契約者の福祉の増進のための施設をつくろうと、こういうことになったわけでございます。教養のための施設の内容につきましては、おおむね次のようなものと考えております。 第一に、小規模企業者の経営の近代化に寄与するための研修会とか、あるいは講演会等を開く場合の会場あるいは各種の展示会、地場産業の産品の展示会といった展示会を行うための会場とか。第二には共済契約者等のための会議場とか、あるいは集会場等になるものと考えております。 なお、これらの施設の運営につきましては、事業団が設立後に共済契約者の声を十分反映して設置してまいることになるものと考えております。
○中尾辰義君 それでは、現在中小企業振興事業団は赤坂にあるわけです。共済事業団は虎ノ門に別々に事務所があるわけですが、新事業団設立に際して、これは一つの事務所になるのか、どうなるんですかね。 それから、単にこれは二つの事業団の看板だけを書きかえるだけでは効率的な運営、または人的交流や融和も図れず、一体感、連帯感ができてこないと思いますが、いつごろまでに一つの事務所に入るのか、その辺のところですな、それを名実ともに新しい事業団として体制はいつごろでき上がるのか、その辺まず聞かしてください。
○政府委員(左近友三郎君) 先ほど両事業団統合のメリットの点で申し上げましたように、新しい事業団が一体的運用ということで中小企業施策を一体的に実施するということが、実は一番の期待されるメリットでございますので、御指摘のように、現在分かれてあります事務所がそのままではやはり一体的運用には支障があるというふうにわれわれ考えておりまして、この事業団設立後に極力早く一つの事務所に移りたいということでございますが、すぐに適当な場所がなかなか手当てできにくいということも考えておりますので、急ぎますが、たとえば一年後にすぐに一緒になるというようなことにはならないと思いますけれども、極力早い時期に一緒に、できれば新しい事務所をつくりまして、そこに一緒になりたいということでいまいろいろ検討しておるのが現状でございます。
○中尾辰義君 それから、これもまあ聞いておきたいんですが、部課の統廃合が行われるのか、それから新事業団の組織はどのようになるのかですね。さらにまあ事務処理の合理化、能率化の観点からコンピューターの導入、利用の現状、そういうのはどうなっているのか、その辺をお伺いします。
○政府委員(左近友三郎君) 新事業団の組織につきましては、法律を制定していただきますれば直ちに検討を進めていきたいということで、実はわれわれも事前にいろいろ検討はしておるわけですが、実際上は正式にはやはり法律制定後進めてまいりたいと思いますが、やはり業務の効率的運営という観点から言いますと、組織についていろいろ考えていかなきゃいけない点があると思います。ただ、両事業団が最初に一緒になりますときには、やはり過去の経緯とか、あるいは個々の人事とかいろんな問題がございますので、当面はこの引き継ぐということにいたしまして、その引き継いだ後極力それの合理的な運営ができるようなものに持っていくというふうな段取りで考えていきたいというふうに考えております。 コンピューターの問題につきましては部長から答えさせていただきます。
○政府委員(廣瀬武夫君) 中小企業共済事業団におきましては、小規模企業共済あるいは五十三年度以降倒産防止共済事業が始まっているわけでございますが、事務量の増加に対応いたしまして、事務処理を正確、迅速、効率的に行うために電算機の導入を、活用を図っております。 まず、五十年の四月に小規模企業共済制度の在籍者が四十万件強に達したわけでございますが、その際に機械の導入を図りました。FACOMの二三〇−二八という型でございますが、その後やはり加入者の増大に伴いまして五十二年の六月に同じくFACOMの二三〇−三八という型を導入しております。これは従来の容量の二倍のものでございます。 なお、さらに五十三年度には、倒産防止共済制度が開始されますので、それに備えてさらに容量の多いFACOM一六〇−AD、四倍と言われておりますが、これを導入したわけでございます。 こういう大型機の導入によりまして、従来の事務処理、特に零細小規模企業者に対するサービスの迅速化という意味で機能的に活動していると、このように承知しております。
○中尾辰義君 それでは最後に、これで終わりますけれども、統合によって合理化、能率化を図るということは、これは新事業団の設立の一つの使命であるわけでありますが、役員数の削減もまさにその一つであります。これは行政改革の面からいってもそうであるわけです。 そこで、同じように、この両事業団の統合に伴って職員の処遇の問題が出てくるわけですが、役員と職員は本質的に違うわけでありますから、不当な首切りや不当な配置転換などは行うべきではないと、こう思うんですけれども、職員の処遇についてどのような基本方針を持っていらっしゃるのか。お伺いします。
○政府委員(左近友三郎君) 役員につきましては、現在の両事業団の役員数が十二人以内となっておりますが、新事業団では九人以内ということで三人削減ということになっております。これは行政改革の趣旨を踏まえたものでございます。 職員につきましては、この業務の円滑な運営を維持するという意味、それから今後ますます中小企業対策を充実を図ってまいらなければいけないという新事業団の使命にかんがみまして、従来の両事業団の職員をそのまま引き継ぐというふうに考えております。そうして、統合に際しましても、その職員の処遇に関していろいろな摩擦が生じないように十分配慮して、安んじて職員の方に勤務していただけるようなふうに持っていきたいと考えておるわけでございます。
○中尾辰義君 結構です。
○市川正一君 今日の経済状況下で中小企業の経営はきわめて深刻な事態にございます。三月の倒産件数は千四百件を超え、これで八カ月連続して倒産件数が前年同月を上回るという高水準で推移していることからも、事態の深刻さはもう明らかであります。そこで、それだけに国としての中小企業対策の強化、充実が求められており、その一翼を担う中小企業事業団の役割りもまた一層重要さを増していると考えます。 そこで私は、まず中小企業事業団が行ういわゆる高度化事業などの振興業務、これは現在中小企業振興事業団が行っておられる業務でありますが、これに関連して質問をいたします。 中小企業振興事業団の新規分の年度別貸付件数を七四年——昭和四十九年でありますが、それ以降七八年——昭和五十二年までどう推移しているかをお示し願いたい。
○政府委員(中澤忠義君) 中小企業振興事業団の高度化融資事業の新規案件の推移でございますが、四十九年度以降五カ年間の新規件数を申し上げます。 四十九年度につきましては五百二十三件、五十年度が四百三十六件、五十一年度が四百五十九件、五十二年度が四百十六件、五十三年度が三百七十三件ということで、ほぼならしてみますと横ばいに推移しております。ただ、貸付金額につきましては順調に伸びておるところでございます。
○市川正一君 事実はいまおっしゃったように横ばいというよりも傾向としては年々減少しているわけです。七四年と七八年を比較すると百五十件も減っているわけで、言うまでもなくこの圧倒的多数の中小企業は高度化事業にまだ参加し切っていない。しかも高度化資金というのは無利子もしくは二・七%という低利で中小企業者にとっては大変魅力ある助成制度であり、われわれもその積極的意義を認めているものでありますが、したがって、本来なら新規の貸し付け件数はもっとふえていいはずなんですね。にもかかわらず、こういうふうに貸し付け件数が減少してきているのはなぜなのか、この点について見解をまず伺いたいと思います。
○政府委員(中澤忠義君) 先生ただいま御指摘のとおり、五十年以降の新規件数につきましては四十年代に比べますと相当数が少ないということは御指摘のとおりでございます。やはりこれは、基本的には第一次の石油ショック以降におきます不況が長期化いたしまして、中小企業者段階におきましても設備投資の規模等が低迷に入ったということが基本的な原因ではないかと思います。しかしながら、やはり同時に安定成長期に入りましても中小企業者にとりまして集団化あるいは共同化、協業化というような新しい環境変化に対します中小企業者の高度化事業の必要性というのは先生御指摘のとおりでございますので、こういう事態に対処いたしましてやはり高度化事業の普及、活用を図ることは当然でございますけれども、新しい経済環境に即応いたしましたような中小企業の新規事業に即しまして制度の改善あるいは拡充を図っていくということが必要かと考えております。
○市川正一君 私はやはり、これはいま政府答弁の中にも制度上の改善ということを触れられましたけれども、制度上あるいは運営上相当考えていく必要があるんじゃないかと、こう思うんです。実際に借りたことのある人やあるいは自治体、商工中金とか中小企業団体などに私、話を聞いてみたんですが、共通して指摘している点に三つあるんです。 その第一は、手続が余りにも繁雑過ぎて、しかも県の診断とか県の予算化、さらに事業団の審査で数年、あるいはひどいのになるとこれ十年近くもかかったというケースも少なくないわけです。しかも、事業内容ががんじがらめに縛られる。特に小零細業者の場合にはとても利用できないという実情が訴えられております。 それから第二には、地方自治体側の財政の危機という問題があるわけなんですね。現行制度では自治体負担が二割ないし四割ぐらいあるわけですが、今日の地方財政危機の中でこれが非常に大きな負担になっているという面が指摘されている。 第三には、これまでの高度化事業の主流が国際競争力の強化ということでメーカー関係中心であった。これがもう行き詰まっていると。 こういう共通してこの三点が指摘されるんでありますが、こういう実態から要件あるいは拘束条件などを緩和するなど、この際全体として制度がもっと柔軟な弾力性のある運営ができるようにしないと、本当に利用したいと望んでいる中小業者が利用できないという実態に逢着しているんじゃないか。また、高度化事業の対象ももっと拡大をして計画内容が高度化事業というものにふさわしいものであるならば、いまある高度化事業以外のものについても対象にしていくという道を開く必要があるんではないか、こう考えるんですが、以上の点について見解を承りたい。
○政府委員(左近友三郎君) いま御指摘の点につきまして、われわれも高度化事業というものを時代の情勢に即応して変えていきたいというふうに考えておるわけでございまして、ことに御指摘の点の中で今後は何と言いますか、国際競争力中心じゃなくて、そういうことだけじゃなくて、ほかの面にも考えるべきだという点についてはわれわれも当然であるというふうに考えておりまして、単に製造業中心ということでなくて、もっと広い範囲の事業についての何と申しますか、高度化事業を考えていきたいということで、実はことしも問屋街というような問題をとらえまして、卸売業の高度化というものも取り上げております。また、従来ともたとえば自動車運送業者の集団化というようなこともやっております。したがいまして、今後もそういう面では広げてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。従来からそういう意味でいろいろな事業を追加しておるわけでございまして、当初、四十三年できたときには十事業しかございませんでしたが、現在では約三十九事業というふうに事業をふやしておりますし、われわれといたしましても今後も必要な事業はふやすあるいはまた必要でなくなったものはやめると、いわばスクラップ・アンド・ビルドをやってまいりまして、時代の情勢に即応したものにやってまいりたいというふうに考えております。 なお、手続等の問題でございますが、これについてもできる限り簡易な形でやってまいりたいというふうに思いますけれども、またこの制度が貸し付け金利とか償却期間についても大変有利な制度にでき上がっておりますので、それをやはり運営は厳格にやらなきゃいけないという要請もまた他面ございますので、両方にらみながら、しかし中小企業の方々にはなるべく御負担をかけない形で実現できるように今後も努力してまいりたいというふうに考えております。
○市川正一君 わかりました。積極的、前向きに改善を期待しておりますが、具体的に一つ伺いたいんですが、いままでタクシー業界が高度化事業の対象になったことはございましょうか。
○政府委員(中澤忠義君) タクシー業者に対します高度化資金の貸し付け実績でございますけれども、中小企業振興事業団が設立されました昭和四十二年から現在までの共同施設事業としての貸し付け件数が十二件、貸し付け額で申しますと七億七千五百万円の融資を行っておるという状況でございます。
○市川正一君 私どもの調べたところでは、この点ではまだ大いに改善の余地もあるし、そして一度も対象になったことのない業界もまだあるので、私一つのモデルケースとして、タクシー業界の問題について若干具体的に一つのモデルケース的にお話を進めさしていただきたいんでありますが、たとえばこれは大阪の例ですが、大阪タクシー近代化委員会というのが中心になって中小タクシー業者による協業化あるいは共同化事業が全国的にも初めての試みとして注目を集めた展開をしております。これは大阪市の住之江区にあるタクシー振興事業協同組合というのが取り組んでいるのでありますが、ここでは中小タクシー業者七社が集まって、そして敷地面積一万四千平米、西大阪基地というのをつくりまして、車庫だとかあるいは整備工場などを共同して設置する。車両、部品、燃料、タイヤなどの共同購入、ジャンボタクシーの共同運行など、そういう協業化に取り組んでおるのでありますが、その結果、共同購入、整備工場の一本化などによって収益が向上し、施設充実による労働条件の改善などで成果を上げるとともに、顧客対策面でもたとえば身障者輸送専用の車ですね、リフトカー、あるいは大型車、これはジャンボタクシーというふうに言っておりますが、こういうものの共同運行あるいはセダン型の軍の運行等いろいろ努力をやっているわけですね。ところが、ここには高度化資金がいわば導入されていません、入っていないんです。そして、この成功に影響を受けて、第二、第三の構想がいま計画されている。たとえば、その一つがタクシー振興事業協同組合OKという計画があるんですが、そこでお聞きしたいんですが、タクシー振興事業協同組合OKが、いま例として挙げましたような協業化あるいは共同化をする場合に、これは当然高度化資金の貸し付けの対象になると思うんですが、いかがでしょうか。あわせて、その場合に考えられるのは、共同施設事業ということになると思うんですが、そのほかに五十四年度から新たに設けられた小規模運送業共同利用事業というのがありますが、これは従業員五人以下の小規模企業しか対象にならないので、それよりも大きいところは、結局、共同施設事業以外にないと思うんですが、こういう一連の関連を含めて、見解をお伺いしたい。
○政府委員(中澤忠義君) 第一のタクシー業者に高度化資金が適用になるかという問題でございますが、タクシー業者が高度化資金を活用できる対象といたしましては、共同施設事業——高度化事業の一つでございますけれども、共同施設事業が利用できることになっておるわけでございます。 具体的には、無線施設を共同して持つ場合、同じく研修施設、共同スタンドあるいは仮眠施設を共同施設として持つ場合につきまして、高度化資金が活用できるということになっておりまして、実績も、先ほど申しました件数の中でそういうものが対象になっております。 ただ、小規模運送業の共同事業の問題につきましては、現行ではトラック運送業についてこれが対象になっておるということでございます。
○市川正一君 実際には、この共同施設事業では、タクシー業界の場合、一つの問題があるわけですね。いまおっしゃった一定の、たとえば、仮眠施設とかいろいろありますけれども、結局、共同施設事業というのは、文字どおり共同施設に対して融資が出される。ところが、他方、タクシー業の場合には、道路運送法に基づいて、企業ごとに免許が与えられる。そうしますと、主要施設である車庫とかあるいは事務室というのは、共同利用が認められないという矛盾が出てくるわけですね。したがって、この主要施設については融資が受けられないという、どう言いますか、制約が他方の面である。現に、私先ほど例を挙げましたタクシー振興事業協同組合の場合も、同じ基地内でありながら、各社別に、七社がやっているわけですが、七つごとに別々に事務所を明確に区分して、車庫も各社別に明示するというふうなことになっているわけですね。私、あえて言うのは、こういういわば現実に即した適用という一つのパターンとして申し上げているわけですが、これを解決するには私、二つの方法しかないと思うんですね。一つは、まず運輸省お見えになっていると思いますが、運輸省にお聞きしたいんですが、こうした協同組合による共同化、協業化の場合には、道路運送法のたてまえはそれとして、実態に見合った特別措置を講じて、高度化資金融資に道を開く方法について中小企業庁やあるいは事業団と協議していただくことが私、必要だと思うんですが、この点いかがでしょうか。
○説明員(荘司晄夫君) いまお話がございましたように、タクシー事業におきましては、その適確な遂行を期するということから、営業所、車庫といったものはこれがきちっと確保されているというのを重要な要素ということに考えておるわけでございまして、協同組合単位でございますとかあるいは系列会社の間で道路運送法上も施設の共同利用というふうな形で運輸協定を認可をしましていわば共同化といいますか集団化といいますか、そういう形を一応認めてはおるわけでございますけれども、事業の適確な遂行という観点からは、具体的に申し上げますと、集団化した場合でございましても、車両の運行管理でございますとか、整備管理でございますとかあるいは運転者の点呼でございますとか、そういういろんなタクシーの安全あるいはサービス面からの法令上の規制があるわけでございまして、こういったものを適確に遂行するという観点から言いますと、ある程度集団化、協同化された場合でございましても、車庫なり営業所なりというものは、その使用区分がきちっと明確化されている、いわば特定化されているということが適当ではないかということで、いまおっしゃいましたような運用をしているのが実情なわけでございます。
○市川正一君 私がお聞きしておるのは、この高度化資金の融資に道を開く方法について、中小企業庁や事業団とよく協議を一度詰めてほしい、こういうことなんですが、その点は御努力いただけますか。
○説明員(荘司晄夫君) いまお話しの趣旨も踏まえまして、具体的な事例に即しましてさらに調査をいたしまして関係の方面と協議をしてまいりたいと思います。
○市川正一君 私、もう一つの方法は、タクシー業の場合もトラックなどと同様に集団化事業の対象としていくということだと思うんです。そちらの打開の方が私は案外と早いんじゃないか。これは道路交通のいまの状況だとか、公害対策、利用者サービスの向上等々から見ても、私、集団化事業として認める方向で検討をすべき時期に来ている、こう思うんですが、通産省、この点いかがでしょう。
○政府委員(左近友三郎君) この共同施設として扱うには、やはり高度化事業としてのまた理屈がございまして、いまの運輸省の方の道路運送事業法でございますか、法律に基づく考え方から言いますと、ちょっとなじみにくい点がどうしても出てくるのであろうと思います。そこで必要であるならば、やはり集団化事業という方で取り上げてみるのが筋ではないかというふうに、われわれも考えておりまして、現に過去におきましても工場の集団化、店舗の集団化、それから貨物自動車ターミナルの集団化あるいは倉庫の集団化的なものが出ておりますし、集団化でございますと、個々の企業なり、組合員の独自性を維持しながら集団化できる制度がございますので、この辺をやはり検討してみるべきではなかろうかというふうに考えます。いずれにいたしましても、タクシー業、主管しております運輸省の方々とよく相談をいたしまして、そして今後検討課題として実態に即応できる態様を図っていきたいというように考えております。
○市川正一君 左近長官のそういう積極的御見解を承って心強いんですが、大臣、お聞きのようなことで私ここに持ってきたのが、先ほど紹介しました大阪タクシー近代化委員会というものが年次報告として出したものでありますが、ここには大学教授とかそれから業者、業界の代表とか、さらに労働組合代表、弁護士、公認会計士等、各界、各層の代表がこれに参加をしていろいろタクシー業界の近代化の道を真剣に探索しているという機構なんです。私こういうまじめなあるいは真剣な努力にこたえていくという行政の責任からしても、高度化事業の眼目の一つとして先ほど来私申しました二点について、運輸省に対し特例を認めるというような提起の問題並びに高度化資金への道を開く措置というあたりを、ぜひ大臣としてお取り組みを願いたい、こう思うのでありますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(佐々木義武君) 左近長官からお話ございましたように、関係者あるいは関係機関と十分連絡をとりまして、前向きで検討させたいと思います。
○市川正一君 次の問題でありますけれども、両事業団に働く労働者の問題でありますが、これは先ほど同僚議員からも質問がございました。去る四月十一日付で、中小企業振興事業団と同労働組合の間で統合に伴う確認書が交わされております。この確認書の内容は、中小企業振興事業団と同労組の間で締結されてきた労働協約を新事業団に承継するということなどを内容としたものでありますが、これは新事業団において誠実に履行されるということが今回の統合の目的、趣旨から申しましても至当であると考えられるのでありますが、念のため、指導、監督の立場にある通産省の見解を再度確認をいたしたいと思います。
○政府委員(左近友三郎君) この統合に際しまして、振興事業団の間で、事業団の労使の間でいまのような取り決めがなされたということはわれわれも存じておりますし、この新事業団が発足いたしまして、そこに良好な労使関係が保たれて事業団の運営が円滑にいくということが一番望ましいわけでございますので、新事業団を監督する立場といたしましても、そういう趣旨が貫かれるように指導してまいりたいというふうに考えております。
○市川正一君 ところで、私冒頭にも申しましたように、いま中小企業の経営危機がきわめて深刻な事態にあるというもとで、中でも厳しい金融引き締めあるいは選別融資の強化の中で、弱い企業ほどその影響を深刻に受けておるわけでありますが、それだけに、中小企業の診断事業などのいわゆる指導事業、この充実ときめ細かさが求められておる、こう思います。指導事業というのは事業団の業務の重要な柱の一つであると考えますが、この点、大臣の所見をまず承りたい。
○国務大臣(佐々木義武君) 指導事業は大変重要な問題でございますので、今後とも積極的に進めてまいりたいと思います。
○市川正一君 ところが、大臣のいまの御答弁にもかかわらず、実態は、この中小企業指導事業費あるいはその補助金がきわめてずさんに使用されておる。本来のこの指導事業の役割りを大いに損なっているという例が少なくないわけであります。私、ここに行政管理庁の「昭和五十四年度補助金調査による改善措置状況」というのを持ってまいりましたが、この中にもいろいろの実態が報告されています。 そこで、行政管理庁にお伺いいたしたいのでありますが、この中小企業指導事業費補助金のうち、診断指導事業費または研修事業費補助あるいは技術改善費補助金の場合の問題点について、簡潔にひとつ実態をこの報告に基づいて御説明いただきたい。
○説明員(増島俊之君) ただいまの御指摘になりました調査でございますが、これは五十四年度の第一・四半期に行政管理庁が行いました補助金の整理合理化に関する調査ということでございまして、昨年の九月の末に財政当局及び関係省庁に調査結果を御通知しまして、いろいろ予算編成の基礎資料に御活用いただいていたものでございますが、この調査につきましては、大体一補助事業につきまして五局程度、五件程度という規模の調査でございます。その調査した範囲の中での問題点ということで御理解いただきたいと思いますが、中小企業指導事業費補助金の診断指導事業費、都道府県が行っている中小企業に対する診断指導でございますが、個別診断事業につきましては、この中には大規模な事業所を対象としているもの、あるいはまた、商業団地加入店調査などの店舗の集団化事業のための調査というようなものがございまして、補助事業として実施する必要性に乏しいのではないかというようなものも見られたということでございます。 また、研修事業費の補助でございますが、これは、研修事業につきましては、中小企業庁の方で研修実施要領というのを定めておるわけでございますが、その研修時間がそういう研修実施要領に定める時間数を満たしていないもの、あるいはまた、受講者数が研修実施要領で定めました研修の最低必要人員というのを満たしてないもの、そういうものがあるということでございます。 また、技術改善費補助金でございますが、これにつきましては、補助事業者の中で、この補助採択前にいろいろ研究成果を得ていないもの、そういう研究成果を得ていたと見られるものが入っておるというような等の問題点がありましたということでございます。
○市川正一君 指導員補助金についても問題点を指摘してください。
○説明員(増島俊之君) 先生の御指摘になりましたのは職員設置費のことでございますか。
○市川正一君 ちょっともう時間が詰まってまいりましたので、私の方から申しますが、いま行政管理庁の方からお話があったように、きわめて部分的な調査だけでもこれだけ出ている。しかも小規模事業指導費補助金についても、この中でいろいろの問題が指摘されておるわけでありますが、私が言いたいのは、特に、この経営指導員が果たしている役割りが、いろいろやっぱり世上問題が出ておるわけですね。名目だけの指導員というのが私どもの調べでも数十人おるというふうに言われておりますが、これでは経営指導の効果が上がらないというふうに考えます。 そこで私、会計検査院にお聞きしたいりでありますが、行管の調査は、いわば非常に部分的な、いまお認めになったというか、お触れになったように、この際、私は、会計検査院としても、こうした商工会あるいは商工会議所への補助金の実態について徹底的に調査をなさるべきじゃないか、こう思うのですが、ひとつ見解を伺っておきたい。
○説明員(白川健君) 通産省所管の補助金、交付金、委託費等の経理につきましては、私ども毎年各都道府県等において実地に検査をしているところでございますが、本年は特に先ほど委員が御指摘されました補助金等も含めまして、中小企業対策関係の補助金の経理に留意して、一月以来重点的に検査を進めているところでございます。
○市川正一君 私、特にここに報告されているだけでも十一種類の補助金に適正に使用されていないということが述べられていますし、なかんずく中小企業指導員の補助金の問題については、これは、かつて本院において問題にしたことがありますけれども、給料日だけ出勤して来る指導員、これは兵庫県の姫路市の例ですが、そういう実例もあった。あるいはまた、特定政党の選挙運動を勤務中にもやるというような例もあったわけであります。こうなりますと結局、補助金のいわばただ取りということにとどまらずに、経営指導員の指導と、それから商工会あるいは商工会議所の推薦を条件としている経営の改善資金というものの貸し付けが、私、言うならば差別と選別ということにならざるを得ないやはり疑問も出てくるわけです。それがいかに私ずさんなものかということを数字を挙げて指摘したいんでありますが、たとえば、この制度が発足したのは一九七三年でありますが、長官も御承知のように、七三年度には貸付原資枠が三百億に対して枠の残りは四億八千七百万円、達成率が九八・三%。七四、七五両年度の達成率においてそれぞれ九九%、九七・六%というふうに高かったんです。それが七六年度になりますと、貸付原資枠三千五百億に対して枠の残が七百二億四千九百万円、達成率が七九・九%、以下七七年が貸付原資枠四千七百億円に対して枠の残りが実に千四百億を超えているというふうに、ずっと歴年千四百億あるいは千五百億というふうに貸付枠を残すという状況が続いているんですね。これはやっぱりどういうふうにこれを見るのか、この点について大臣なり長官なりの説明を伺いたい。
○政府委員(左近友三郎君) いま御指摘のいわゆるマル経資金と申しますが、これの貸し付けが、実績が枠に対して達成率が低いではないかというふうな御指摘でございますし、また事実最近の五十一年、五十二年、五十三年等々では七〇%台、五十一年はほとんど八〇%いきましたが、七〇%台でございます。そういう点についての理由としてわれわれ考えておりますのは、一つは、この小企業等経営改善資金の貸付枠につきましては相当ゆとりを持って、全国に非常にたくさんの小規模の方がいらっしゃるわけですから、設定をしておくということが慣例になっておりまして、当初相当消化率が高かったものですから枠を非常に高く掲げたということがございまして、現在では五千百億という枠を掲げておりますが、そういう一つは貸付枠がそもそもある程度余裕を持って設定されたということが一つございます。それから、五十二年度以降につきましては、金融緩和という事態が起こりまして、一般の民間金融機関の資金の利用もある程度できたということから、このマル経資金への資金需要が若干落ちたという事象もございます。それからまた、長期不況というようなことから、小企業者としても事業を拡張するとかなんとかいうことはなかなかむずかしいということで、資金需要がそれほど伸びなかったというような点があろうかと思うわけでございます。ただ、この制度上の問題もあろうかと思いまして、この資金の条件等々がやはり中小企業の方々にもっと即するような形にした方が利用率が高くなるというふうに考えまして、実は貸付限度枠とか貸付期間につきましてここ数年間絶えず改善を図ってきておるところでございまして、また十分活用していただきたいということで考えておりますし、また経営指導員の指導に基づく貸し付けでございますから、経営指導員の方々の能力もございますが、極力活動をしてもらってこういう資金の需要も喚起していきたいというふうに考えているわけでございます。
○市川正一君 私は、一番最後におっしゃったいわばマル経資金についての経営指導員のあり方の問題、ここにやはりメスを入れるべきだ、こういうことを強く指摘しておきたいし、また今後もこの問題については引き続いて追及をしなければならない、こう思っています。 私、これと関連して、金融問題で特に中小企業が非常に困難に逢着しているわけですが、国民金融公庫の問題でありますが、これは一般の金融機関から資金の融資を受けることが困難な国民に、必要な事業資金等の供給を行うことにその目的があるはずですが、この点まず確認をいたしたいんです。
○政府委員(左近友三郎君) 御指摘のとおりの目的を持っております。
○市川正一君 ところが、実際にはどういうことが行われているかといいますと、私ここに資料を持ってきたんですけれども、貸付枠を消化するという名目でわざわざ優良企業だけを選別して融資していると。ここに、ある業者にあてた国民金融公庫からの文書があるんですが、どういうことを書いているかというと、「公庫資金を引続きご利用下さるようご案内いたします」として、続いて「なお、あなたの申込書には一連ナンバーをつけております。公庫の優良取引先の申込動向調査をかねておりますので、お申込の際はこの申込書をご利用下さい」ということで、いわば優良取引先にだけ選別をしてこの案内を出しているという証拠があるわけです。これが国民金融公庫のあり方という点から言っていまの長官の御答弁に全く反する、こういう姿勢では中小企業は救えないと思うんですが、私この点について国民金融公庫の名に値するかどうかという実態についてひとつ大臣の所見を承りたい。
○政府委員(左近友三郎君) いまの御指摘の件でございますが、実は私もいま承ったところでございますので、すぐに判断はできないんですが、私の判断では、優良取引先に限定してということでなくて、従来の取引先についてまたまた使ってくれということであって、それは限定する意図に出たのかどうかということは、これはやっぱり少し調査をしてみないとわからないと思います。したがいまして、その実際の事態についてはもう少し調査をさせていただきたいと思いますが、考え方といたしまして、この国民金融公庫が何か優良取引先だけに限定して貸し出しをするということがもしありとすれば、これは先ほどの目的にも反することでございます。これは十分調査をいたしまして、実際の貸し付けでそういう傾向がないように指導してまいりたいと思います。
○市川正一君 この問題については幾つかの実例がございますから、あえてナンバーを打って、あなたのところだけにはこういう優先的という形をとっている例がありますから、後でまたお調べ願いたいんです。 最後に私、下請中小企業の問題について伺いたいのでありますが、公正取引委員会と中小企業庁が去る三月二十一日付で「電力・ガス料金引上げ等に際しての下請取引の適正化について」という要請文を親事業者団体百八十団体に送っておりますが、問題はこの要請内容がいかに実行されているかという点だと思うんです。私自身、大阪を中心に和歌山、滋賀、奈良など関西方面を実際調べてまいりましたが、全く改善されていないんです。そこで私、この実行状態とかあるいは周知徹底の状況をぜひ点検していただく、そして特に周知徹底の方法として、今回は百八十団体に送られましたが、毎年の年末の要請文は親事業者団体だけでなしに中小業者団体あるいは主要の親企業大体五千企業に送られているというのが実態でありますから、今回の要請についても少なくとも年末並みの周知徹底をなさるべきではないか。 以上二点についてお伺いして質問を終わりたいと思います。
○政府委員(左近友三郎君) この三月二十一日付で公取委員長と連名の通達をいたしました。おっしゃるとおり、これについては後のトレースが一番大切でございます。実は、中小企業庁は、各地方の通産局を動員いたしまして、この下請の取引の実態調査というものを年間五十四年度では三万六千件、それから五十五年度では四万件やるということで、ずっと実態調査をやっておりまして、そこで違反が、事実がありますと立入検査をし、さらに必要があれば行政指導によって改善をし、それでも聞かない場合には公取に措置要求をするということを年々やってきております。その立入検査、これは公正取引委員会側も年間二万件ぐらいやっておられるわけですが、合計合わしますと、五十五年度は、そうでございますから六万件ぐらい調査ができるわけでございます。その調査の内容の一つとして、といいますか、むしろ主体が、こういうものが確保されておるかということをひとつやりたいというふうに考えておりますので、その結果で周知徹底をいたしたいということでございます。 それから、一般の親にもっと広くということでございますが、これはなるべく広く徹底することが趣旨でございますから、十分それは考えていきたいというふうに考えております。
○委員長(斎藤十朗君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 中小企業事業団法案を問題に供します。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(斎藤十朗君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、大森昭君から発言を求められておりますので、これを許します。大森昭君。
○大森昭君 私は、ただいま可決されました法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党、日本共産党、民社党及び新自由クラブの各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 まず、案文を朗読いたします。 中小企業事業団法案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行にあたり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。 一、中小企業事業団の設立にあたつては、従前の労使慣行及び職員の処遇に十分配意すること。 二、中小企業大学校等による人材養成事業の一層の充実強化を図ること。 三、中小企業情報センターの機能の拡充に努めるとともに、都道府県等による中小企業地域情報センターの一層の育成強化を図り、大企業と中小企業間における情報格差解消のため情報事業の充実強化に努めること。 四、中小企業倒産防止共済制度及び小規模企業共済制度についてのPR対策を強化して、加入の促進を図るとともに、中小企業倒産防止共済制度の貸付限度額の引上げを図る等制度の一層の充実に努めること。 右決議する。 以上でありますが、この決議案は、本委員会における審議の経過を踏まえて作成したものであります。したがいまして、その趣旨につきましては、改めて説明するまでもないと存じますので、省略させていただきます。 何とぞ御賛同いただきますようお願いいたします。
○委員長(斎藤十朗君) ただいま大森昭君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(斎藤十朗君) 全会一致と認めます。よって、大森昭君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、佐々木通商産業大臣から発言を求められておりますので、この際これを許します。佐々木通産大臣。
○国務大臣(佐々木義武君) ただいま御決議をいただきました附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重いたしまして、中小企業対策の実施に遺憾なきを期してまいる所存であります。
○委員長(斎藤十朗君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(斎藤十朗君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時十五分散会 —————・—————