商工委員会 第5号
- 発言数
- 112 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1980/04/10
会議録
○委員長(斎藤十朗君) ただいまから商工委員会を開会いたします。 まず、理事の補欠選任の件についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。それでは、理事に中村啓一君及び真鍋賢二君を指名いたします。 —————————————
○委員長(斎藤十朗君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 中小企業金融公庫法の一部を改正する法律案の審査のため、本日、中小企業金融公庫総裁船後正道君及び同公庫理事織田季明君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(斎藤十朗君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(斎藤十朗君) 次に、中小企業金融公庫法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。佐々木通商産業大臣。
○国務大臣(佐々木義武君) 中小企業金融公庫法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 中小企業金融公庫は、一般の金融機関が融通することを困難とする長期資金を中小企業者に対して融通することを目的としており、中小企業の発展に大きな役割りを果たしてきております。 今後とも、中小企業の一層の発展を図っていくためには、中小企業金融公庫におきましては、中小企業者に対する貸し出しの安定的確保を図るとともに、経営基盤の強化を図ることが必要であると考える次第であります。 かかる趣旨にかんがみ、今般、中小企業金融公庫法の改正を提案することとした次第でございます。 次に、本法律案の要旨につきまして、御説明申し上げます。 第一は、債券の発行限度額を引き上げることであります。 中小企業金融公庫の債券の発行限度額は、資本金の二十倍と定められておりますが、現在、その発行額は、ほぼ限度額に達しつつあります。このため、今後の中小企業者の資金需要の増大に安定的に対処する観点から、これを資本金の三十倍に引き上げることとした次第であります。 第二は、追加出資規定を整備することでございます。 昭和五十五年度予算において、中小企業金融公庫の経営基盤を強化するため、同公庫に対する二十億円の出資を計上しているところであります。このため、他の政府系金融機関の例にならい、予算措置が講じられた場合には、政府は、追加して出資することができるよう所要の規定の整備を図ることとした次第であります。 また、これらに加え、所要の規定の整備を行うこととしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(斎藤十朗君) 次に、補足説明を聴取いたします。佐近中小企業庁長官。
○政府委員(左近友三郎君) ただいま大臣が御説明申し上げました提案理由及び要旨を補足して御説明申し上げます。 中小企業金融公庫は、中小企業者に長期資金を融通することを目的として、昭和三十八年に設立されました。現在、その貸付残高は三兆七千億円を超え、中小企業の発展に重要な役刷りを果たしてきております。 今後とも、中小企業金融公庫におきましては、中小企業の資金需要の増大に対応して、貸付原資を安定的に確保するとともに、経営基盤の強化を図ることが必要であり、かかる趣旨にかんがみ、このたび、中小企業金融公庫法の改正を提案することとした次第であります。 本法律案におきましては、第一に、債券の発行限度額を引き上げることとしております。 中小企業金融公庫は、資本金の二十倍を限度として債券の発行が認められております。 しかしながら、現在、債券の発行限度額五千四十二億円に対し、昭和五十四年度末の債券発行残高は、五千二十億円と、ほぼ限度額に達しつつあり、今後とも中小企業金融公庫が安定的な資金の確保を図るためには、債券の発行限度額の引き上げを早急に行う必要があります。このため、今般、債券の発行限度額を資本金の三十倍に引き上げることとした次第であります。 第二に、追加出資規定を整備することとしております。 中小企業金融公庫の経営基盤を強化し、今後とも円滑な業務運営を行っていくため、昭和五十五年度予算において、同公庫に対する二十億円の出資を計上しているところであります。このため、他の政府系金融機関の例にならい、また、今後の追加出資にも対応し得るよう、政府は、予算で定められた金額の範囲内において、同公庫に追加して出資できるよう所要の規定の整備を図ることにした次第であります。 さらに、現行法において、中小企業金融公庫の日本開発銀行からの債権等の承継を定めた規定等、現在では実効性を喪失している規定の整理等所要の改正を行うこととしております。 以上、この法律案につきまして補足説明をいたしました。何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○委員長(斎藤十朗君) これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○大森昭君 大臣ね、法案と直接関係なくて申しわけないんですが、実は八日のカーターの対イラン政策の宣言以来、毎日、新聞でいろいろ報道されているわけでありますが、大変日本の国にとって重要な問題でありますので、新聞の記事などによりますと、昨日からきょうにわたりましてアメリカの経済制裁措置についての政府側の意思統一などが行われるというように伝えられているのでありますが、全般的な話じゃなくていいんですが、通産大臣に関係することについて御報告していただきたいと思います。
○国務大臣(佐々木義武君) 御承知のように、マンスフィールド駐日大使が外務省に見えまして、対イランの措置に対して日本側に要請があったわけでございますけれども、その要旨は、これまでの米国の経過、それからとりました諸措置、これからとろうとしている措置等、二番目には日本のいままでとりました協力方に対して謝意を述べまして、三番目にアメリカのこの問題に対する対応に対して一般的な支持を与えてもらいたいという要請が骨子でございます。 わが方といたしましては、大変事柄が重要な問題でございまして、対外的にも対内的にも影響の大きい問題でございますから、諸外国の動向等を慎重に見きわめつつこれに対処したいということで、ただいま対処方法を検討中でございます。お昼にもきょう総理のもとへ関係閣僚が集まりまして、いままでの経過並びにその後における欧米諸国の動向等の情報と申しますか、の交換がございまして、今後わが方としても慎重にこの問題に対処する方策をひとつ検討しようということで実は別れた次第でございまして、具体的な対処方法はこれからでございます。
○大森昭君 この委員会で詰める問題じゃないんですけれども、たとえばイランの原油が来なくなったような場合はというようなことで、石油業界筋が新聞記事などで発表してみたり、いろんな形で行われているわけですけれども、どうもいま大臣のお話ですと何も決めてないということになりますと、少し業界の方が先走りしているのかどうかわかりませんが、いずれにいたしましても、この委員会で従来から石油化学のプロジェクトの問題も取り上げられておりますし、それから、イランの石油が入ってこないということになると大変なことになりますし、中小企業の金融をどうするなんという問題以前の問題でありますので、どうかひとつ、きょう大臣の御答弁ではまだ具体的になっておらないということでありますけれども、国民生活には直接かかわり合う問題でありますので、どうかひとつ誤りない方針で対処していただきたいと思います。 次に、法案の問題に入りますが、いずれにいたしましても、中小企業の金融対策で御提案があるようでありますが、やや景気が回復をしているという状況もありますが、いずれにいたしましても、中小企業全体としては千差万別でありまして、 〔委員長退席、理事中村啓一君着席〕 そういう意味からいきますと、最近やや公定歩合の引き上げの問題だとか、とりわけ卸売物価の上昇などについて、まあ、いろいろあります。したがって中小企業、抽象的でありますが、全般的にどういう視点で通産省としてはとらえておるのか、総論的にひとつお伺いしたいと思います。
○政府委員(左近友三郎君) 最近の中小企業の現状と申しますか、そういうものにつきましてわれわれがいま判断をしておるところでございますが、五十四年度、昨年の中小企業の生産とか販売活動というのは比較的順調に推移したと言えるわけでございまして、これは個人消費が堅調であったとか、あるいは民間設備投資がだんだん出てきたとか、こういうものの反映であろうと思います。ただ、下半期以降になりますと、例の石油問題等々で石油化学その他原燃料価格の上昇がだんだん出てまいりまして、したがいまして、後半、ことに十月以降になりますと、企業収益が低下傾向になるというふうなことが出てまいりました。また、最近になりますと、物価対策によります金融引き締め、公定歩合の引き上げというようなことから金融環境がだんだん厳しくなるというふうなことが出てまいりました。倒産の状態なども昨年の十月以降かなりの高水準になっておりまして、一月、二月はそれほどでもございませんでしたけれども、しかし、例年の一月、二月よりも高い水準というようなことでございます。中小企業のアンケート調査をいたしますと、ことに今後の金融問題等についてはいろいろ不安を抱いておられるというのが現状でございますので、現在の状態は昨年のよかった状態からだんだんむずかしい状態に入りつつある。ことに金融面でもだんだん逼迫の度合いを深めつつあるのではないかということでわれわれ心配をし、状態を随時把握をして対策に備えておるというのが現状でございます。
○大森昭君 いま長官からのお話がありましたように、中小企業の育成にはいろんな施策が必要でありますが、とりわけ金融問題というのが中小企業の倒産防止だとか、あるいは育成強化に多大の役割りを果たしているんだろうと思うんです。 そこで都市銀行などの内容を分析してみますと、中小企業向けの志向が高まっておりまして、都市銀行でも二三・五%ぐらいに増大しております。そうしますと、いま政府系の中小企業の金融問題をあわせてみた場合に、この都市銀行のいわゆる中小企業向け貸出残高が多いということは、そこに何か政府系のいわゆる金融よりかも何か利点があるんじゃないかと思うのでありますが、その辺のとこの判断はどういうふうにつかまれておりますか。
○政府委員(中澤忠義君) 都市銀行と政府系金融機関との関係でございますけれども、先生ただいま御指摘のとおり数字的に見ますと、今回の引き締めが始まりました昨年以降最近時点におきます都市銀行が貸し出しております中小企業向けの貸出残高は若干伸びておる傾向にございます。ただこれ自体、この数字自体が今後も安定的に定着するかどうか、もう少し推移を見てみなければわからないと思うわけでございますが、また都市銀行が中小企業に対して貸し出しております分野につきまして見ますと、比較的中小企業の中でも優良な中小企業に偏っているということが言えるかと思います。したがいまして、小規模あるいは零細層の中小企業者に対しまして幅広くきめ細かい金融を行うためには、やはり中小公庫等の政府系の金融機関あるいは相互銀行、信金、信組といったような中小企業の金融を専門にやっております機関の金融が非常に大事でございまして、そういう意味から申しまして、中小企業の金融についての政府系の制度を充実するということはやはり必要かと考えております。
○大森昭君 いずれの場合でも、民間金融機関だって、それから中小公園だって、不良なところへ貸し付けるわけはないんだから優良であるんでしょうけれども、ただ、いま何か構造的に余りとらえてないんですがね、いまの答弁は。実は都市銀行の、まあ平均ですから中小企業にどのぐらいの金利で貸しているかわかりませんが、 〔理事中村啓一君退席、委員長着席〕 いずれにいたしましても過去の一年間の平均でいくと七%ちょっとで貸しているんですね、都市銀行は。それで中小の公庫の場合には八・二%でしょう、今度少し上がるのかどうかわかりませんが。この辺の金利というのはどういうふうになっているんですか。
○政府委員(中澤忠義君) ただいま先生が御引用になりました民間金融機関の金利水準と申しますのは、恐らく約定平均金利の数字をおとりになったと思います。 これはもう先生御承知のように、約定金利は長期の資金にプラスいたしまして比較的短期の金利も含めますし、また過去にすでに貸し付けております貸付分の金利も入った、残額も含めました平均的な金利でございます。したがいまして、先生がお話しになりましたように、現時点で政府系の機関が貸しております基準金利と対比しますと、民間のものと比べましても約定金利との比較におきましては高く見えるわけでございますが、一概にこの約定金利の平均と基準金利とは比較できないわけでございまして、現時点で、貸し付けの時点ベースで申しますと、中公等の基準金利につきましては民間のいわゆる最優遇金利の長期プライムレートと同等あるいはそれ以下にしておるわけでございまして、現在の数富で申しますと、民間金融機関のプライムレートは九・五%でございますけれども、政府系の三機関の基準金利は八・六%というふうに低い貸出金利になっておるわけでございます。
○大森昭君 それじゃあれですか、政府系の方が安いということなんですか。
○政府委員(中澤忠義君) 現時点での民間の最優遇金利、長期プライムレートと政府系三機関の基準金利と比較しますと、政府系機関の貸出金利の方が安いということになっております。
○大森昭君 そうすると、安い方を借りないで、いいですか、高い方を借りているということになるんですね、いまあなたの実情把握からいくと。というのは先ほど指摘しましたように、都市銀行を初めその他の一般民間金融機関の中小企業向けの貸し付けは増大しているという視点はどうなんですか、それじゃ。
○政府委員(左近友三郎君) たとえば昨年度につきましては、つまり五十四年度につきましては、確かに民間金融機関の、ことに都市銀行などの貸付シェアがふえたわけでございますが、これは実は現在の高金利の問題じゃなくて、かつて昨年の前半まで続きました非常に低金利時代に、長期の政府系機関から借りておりました過去の第一次石油危機直後の高利の長期資金を民間に肩がわりするという動きが相当出ておりました、つまりそういう九%程度の金利のものを繰り上げ償還をいたしまして、そうして新しく都市銀行から当時の資金を借りるということがございました。またこれにつきましては、この中小企業金融公庫等の政府系機関は、通常の民間機関はなかなかそういう早期償還というのはやらないのが金融習慣上多いようでございますが、これはやはり政府系の機関でございますので、そういう中小企業の方々の申し出に対しましては、それに応じましてそういう措置をとったわけでございます。したがって、昨年の都市銀行のシェアの増大というのは、そういうような特殊事情が相当絡んでおるかと思います。 それからまた、金利全般につきましては、実はやはりケース・バイ・ケースでございまして、市中金融機関の中にも一般の率は高いけれども比較的優良なところには安く貸すというふうなこともしてございますので、そういう点もあったかと思いますが、大きな動きはそういうことだと思います。 したがいまして、こういうふうに高金利時代になってまいりますと、従来のような形に進むかどうかということは、われわれも少し情勢を見ないとわからないというふうなことで、情勢を毎月検討しておるというのが現状でございます。
○大森昭君 長官の話では、昨年の特異な例みたいなお話しですけれども、いずれにいたしましてもいままでやってきたことを絶えず振り返るということが必要だと思いますので、都市銀行が昨年貸し付けが増大しているという状態が、まさに振り返ってみて構造的なものなのか一時的なものなのか。それからいままで行ってきたいわゆる皆さん方の中小企業向けの金融に、直さなきゃならないところがあるのかないのかというやっぱり抜本的な検討をしていただくことが必要だと思って問題提起をしているわけでありますから、どうかひとつそういう視点でとらえていただきたいし、それから聞くところによりますと、もともとの大多数の資金は運用部資金から借りて貸し付けしている状況ですね。端的に言いますと利ざやで公庫全体の運営をしているようでありますが、最近のこの利ざやの推移の中で、一体中小公庫当局はどのような状態で運営をしていこうとしておるわけですか。
○政府委員(左近友三郎君) まず第一点でございますが、御指摘のとおりでございまして、私先ほど昨年度の状態の解釈を申し上げましたが、しかしわれわれといたしましては、やはり金利の情勢、経済の情勢いろいろ変わってまいりまして、構造的な変化を今後も遂げるということも予測されますので、絶えず事態の推移を見守りながら政府系の金融機関の運用のやり方も絶えず検討して、実態に合うようにいたしてまいりたいというふうに心がけたいと思います。 それから第二点でございますが、貸出基準金利とそれから資金運用部金利との差、いわゆる利ざやにつきましては、昭和四十年代は大体一・五%から一・七%ぐらいあったわけでございますが、最近はこの資金運用部の金利が徐々に上昇してまいりまして一・〇五%というような形になっておるわけでございますが、四月一日からは基準金利をいわゆる民間金融機関の長期プライムレートよりも少し抑えましたので、結局利ざやが現在〇・六%になっておると、こういう現状でございまして、これを、利ざやはやはり中小公庫が適切な運営ができるようにしなきゃいけませんし、また中小企業者の資金需要にも弾力的に対応できるようにしなければいけないということでございます。現在はそういう高金利で、しかも公定歩合が数度にわたって引き上げられてきたというような過渡的な現状でございますので、若干従来よりは低く抑えられておりますが、余りまた低く抑えると公庫の運営ができないといったこともございますので、今後資金運用部の金利の上がり方もにらみながら検討していきたいというふうに考えておるところでございます。
○大森昭君 公庫の運営ができないという話でありますけれども、まさに五十三年度の決算を見ますと、八十八億の赤字でしょう。そして五十四年度はまだ決算ができているのかどうかわかりませんが、伝えられるところによりますと、この八十八億をはるかに上回るという収支状況だと聞いているんですがね。いまの時点ですでに中小公庫の運営は、経営基盤といいますか、非常に不安定なものになっているんじゃないですか。
○政府委員(左近友三郎君) 中小公庫の運営は、実は昭和五十二年度までは非常に健全に運営をしていただきまして、しかも将来の事態に備えて滞貸償却引当金というのを大体六百億ぐらい積んでおったわけでございます。それで実は五十三年度は御指摘のように八十八億ほど期間の損益については赤字が出たわけでございますが、これについては、先ほど申しました六百億の引当金を一部この八十八億取り崩して処理をしたということでございまして、五十四年度も確かに八十八億以上の赤字が予測されるわけでございますが、これもこの引当金の取り崩しで賄えるというのが現状でございます。 ただ、この五十三年度のこの状態が悪くなりました大きな理由の一つは、先ほど申しましたような中小企業の方々の繰り上げ償還等に応じたと、あるいは過去の金利を若干既往金利の引き下げを行ったというふうなこととか、あるいは円高融資等の政策的な緊急融資をやった、これは非常に金利を安くして貸し出したわけでございますが、こういうことから悪くなりまして、われわれとしてはそういう経過的な問題であろうと、したがいまして公庫の会計が悪化するのは一時的なものであろうというように考えておるわけでございます。したがいまして、今後の模様によりましてさらに悪化するようなことがございますれば、いまの利ざや等も含めましていろいろ検討していきたいと思っておりますが、現在のところわれわれの判断では、五十三年度、五十四年度はそういう緊急融資等あるいは低金利対策等というようなところの緊急対策によって赤字が出たというふうに判断をしておるわけでございます。
○大森昭君 そういうとらえ方をしていますとね、実は時間が余りありませんからあれですが、たとえばいまの店舗の問題にいたしましても、必ずしもいまのままでいいかどうかという問題がありますしね。いずれにいたしましても、たとえばコンピューターなどを導入するにいたしましても、相当な金がかかるということなんですよね。何か長官の話を聞いていると、六百億あって、八十八億で、五十四年度決算しても百四十億ぐらいだとか、緊急融資だから今後はいいというような考え方で、現状だけでやっていくというならそういう状況でしょうけれども、いまこの問題をめぐっていろいろ議論されているのは、果たして本当に中小企業の育成あるいは倒産防止のために十分な役割りを果たしているかどうかという視点はちょっと長官と違うんですよね。ですから、いまの状態の中で大変満足しているという状態の御答弁ならそれでいいんですけれども、総体的に言って、支店もふやさなければいけない、合理化を進めると言ったって、人を減らすなんというよりかも、問題は、大体あれですよ、金を貸すのにも時間がかかるし、いろいろ不満たくさんあるわけですね。そうなってくると、やはり職員なんかも、少し行政改革には逆立ちするかもわかりませんが、少しふやしてみたらどうかという問題もあるわけですから、総体的にながめても長官の言われるとおりですか、まあまあというところですか。
○政府委員(左近友三郎君) 私申し上げましたのは、公庫が一時的に赤字を出しましたが、この赤字要因は一時的なものなので、基本的な考え方は従来のをそう変える必要はないだろうということでございますけれども、いま御指摘のように、公庫の融資、ことにこれから金融情勢が厳しくなってきますと、政府系金融機関の任務は非常に重くなってまいりますから、それに対応するためにはまだまだ改善を要する点はたくさんあるというようにわれわれ考えております。また、そういうことの反省から、実は五十五年度にも二十億の出資という近年にないことをやったわけでございまして、三十億の出資ということも公庫の基盤を強くするという意味でございます。したがいまして、われわれはこういうことで当面の赤字は何とか処理はできますが、決してそれに満足しているわけではございませんで、今後この公庫がより中小企業の皆様方の資金需要に的確におこたえできるように制度を改め、あるいは公庫の基礎を強くしていくという努力は続けてまいりたいというふうに考えているわけでございます。
○大森昭君 ちなみに、直接貸し付けと代理貸し付けの割合といいますか、実績はどういうふうに推移しているのですか。
○政府委員(中澤忠義君) 中小公庫の直接貸し付けと代理貸し付けの比率でございますが、発足当初は主として民間の金融機関を通じた代理貸し付けに頼っておったわけでございますが、その後逐次貸し付けの業務体制を整備いたしまして、直接貸し付けの比重が高まってきております。 五十四年度の実績で申しますと、四月から十二月までの実績が出ておりますが、貸付実績に即して申しますと、直接貸し付けが五四%、代理貸し付けが四六%という割合になっております。
○大森昭君 前の状態から見れば、直接貸し付けの方がふえているというわけですね。そうでしょう。しかし、そういうとらえ方で、答弁の仕方もありますが、大体原則的には代理貸し付けがない方が好ましいのですね、現状の中では全然ないというわけにいきませんが。 そうなると、まだ依然として代理貸し付けが四六%あるという視点で業務の運営をしないと、いままでよりか代理貸し付けがだんだん少なくなってきたからという視点で公庫の運営を今後していくということになりますと、どうも中小企業全体の人たちの意に沿わないと思うのですが、そういう意味では何か特段のことを考えているのですか。
○政府委員(左近友三郎君) この中小企業の方々に対する資金需要でございますが、これに対して中小公庫が的確に貸し付けできるというためには、直接貸し付けというものを相当重視してまいらなきやならぬことは御指摘のとおりでございます。それで、そのためにはやはり支店網というものをだんだん拡充していく必要があるというように思っておるわけでございまして、当初はごくわずかな支店しかございませんでしたが、逐年努力をいたしまして、現在は四十八カ所でございまして、そのほか出張所が六カ所ございますが、各都道府県に最低一店舗というのはもう実現できたわけでございます。しかし、これでわれわれも満足しているわけではございませんで、今後も店舗網の拡充というものを引き続き進めてまいりたいというように考えておりまして、五十五年度でも一つの出張所を支店に昇格いたしまして、また一つ出張所を新設するというふうな予算を組んでおります。 ただ、店舗の増加というのは、やはり具体的な場所の獲得あるいは人員の養成等々、一挙にそうたくさんつくることはできませんので、これはやはり逐次拡張していこうということでございますが、そういう努力を今後も続けてまいりたいというふうに考えております。
○大森昭君 まあいずれにいたしましても、これは見通しの問題でありますから多少意見が違うんだろうと思うのですが、財投から借りて、貸し付けをして利ざやを得るという、この状態でいきますと、そう中小企業の皆さん方に安い金利で金を貸すという状態で続けられていくとは私は思わないんですよ。そうなりますと、いま、従来成績がよかったから二十億というのは大変長官満足しているようでありますが、しかし実際は政府出資が多ければ多いほど、それだけ利ざやの点が薄まるわけでありますから、貸し付けを受けた人たちはそれだけ喜ぶわけですね。ですから、従来の経営基盤の中ではある程度楽であったけれども、これからのという状態の中ではもう一度これは見直さなきゃいけないし、それから先ほども御指摘いたしましたように、都市銀行が中小企業に向けての貸し付けが増大をしているというところも、これもまた一つの問題点でもありますし、そういう意味合いから少し中長期的に公庫の金融政策というのは検討されているんですか。
○政府委員(左近友三郎君) 御指摘のとおりでございまして、八〇年代を迎えまして中小企業をめぐる経済環境もいろいろ変わってまいりました。貿易構造が変わったり、あるいはエネルギー問題が厳しくなってきたり、あるいはまた国民のいろんな需要構造が変わってきたというようなことがございまして、中小企業の今後の発展の道もいろいろ複雑になって、まいりました。それに対応して、必要な資金量を供給するという任務が、ことに政府系金融機関の任務がますます重大になってくるんではないかというふうに考えるわけでございます。と申しますのは、こういうことで中小企業の今後いろんな活動分野が広がるとは思いますが、やはり大企業に比べて資金調達能力というのはなかなか中小企業は強めにくいという性格を持っておりますので、こういう新しい時代を迎えまして、中小企業の資金供給をやはり政策的に円滑にしていくという努力は、今後ますます大きくしなければならぬのではないかというふうに考えておるわけでございます。 そこで、大きな基本的な問題としては、やはり政府系金融機関、これは中小公庫とか国民金融公庫とか、あるいは商工中金というのがございますが、こういうものの機能を拡充をしていくというのが第一点でございます。これについては今後出資をするなり、あるいは融資規模を拡大するなりというようなことでだんだん強化をしてまいりたいというふうに考えております。 第二点といたしましては信用補完制度を充実する。つまり、中小企業というのはなかなか担保がないとか信用力が不足するというようなことがございますので、いわゆる信用保証協会等を利用いたしまして資金の借り入れが容易になるような制度に持っていきたいということで、これは実は今国会、後ほどまた御審議をお願いしております中小企業信用保険法の改正というようなことで、逐次信用保険の内容も改善していきたいというふうに考えているわけでございます。 さらに、民間金融機関の利用、活用というものも忘れてはならぬと思いますが、そういう点についても中小企業向けの貸し付けが円滑に行われるように、金融当局とも相談をしながら指導をしてまいりたいというようなことで、今後の中長期的な見通しとして、やはり政府としての政策金融というものを充実していかなければいけないというふうに考えておる次第でございます。
○中尾辰義君 最初に中小企業金融の現状につきまして二、三お伺いをいたします。 中小企業をめぐる金融情勢につきましては、政府の金融引き締め政策が強化される中で選別融資も厳しくなり、逼迫の度合いを強めているわけでありますが、最近の中小企業金融の現状、また五十四年度の中小企業三機関の融資状況はどうなっているのか、それをお伺いします。
○政府委員(中澤忠義君) 五十四年度の融資状況でございますが……。
○中尾辰義君 最近の中小企業金融の現状と、それから五十四年度の三機関の融資状況。
○政府委員(中澤忠義君) 最近の中小企業に対する金融情勢でございますけれども、最近の企業向け金融は、中小企業につきましても原燃料の価格の高騰あるいは金融の引き締めというような環境を背景に、運転資金につきまして特に増加の傾向にございます。政府系の金融機関もそうでございますけれども、民間の金融機関に対しましても運転資金の増加がふえておる、さらに設備資金につきましても、昨年以来中小企業向けの設備投資の増高傾向にございますので、設備資金需要もふえておるという現状にございます。 これを中小公庫の貸し付けの状況に引き直して申し上げますと、五十四年度の上期の貸し付け状況でございますが、設備資金が三千九百五十五億円ということで、対前年同期比で一三七%でございます。 昨年の上期の運転資金の方でございますけれども、これは四千百二十五億円ということで、昨年上期に関する限り対前年比九四%という状況になっております。昨年の上期の運転資金の伸びが前年比で低調であったということは、全体的に減量経営という傾向がありましたことと、金融環境も、先ほど長官が述べましたように、民間の金融環境が上期につきましては緩和しておりましたので、政府系のウエートが低く出たということでございます。 また、そのほかの要因といたしまして、五十三年度で政策金融、特に円筒その他の緊急融資があったということで、五十三年度の運転資金の貸し付けが非常に伸びたということも反映されておるということでございます。
○中尾辰義君 いま答弁をお伺いしましたが、この五十四年度の上半期の設備資金は好調に伸びておるようでありますが、その反面に運転資金の需要が余り伸びてないというのはどういうわけなのか、どのように中小企業庁はその原因を見ているのか、お伺いします。
○政府委員(中澤忠義君) 五十四年度上期の運転資金の伸びが比較的対前年同期比で見ますと低い数字が出たということは、昨年の上期まではやはり民間の金融機関におきまして運転資金需要に賄えられます資金の供給力が比較的あったということが一つございます。 またもう一つは、前年の五十三年度の上期におきまして、為替変動対策緊急融資でございますとか、不況対策の融資でございますとか、前年の五十二年度の上期に政策金融が政府系の金融機関におきまして相当大幅に伸びたと、為替変動準備金で申しますと二千億円というような実績が五十三年度ございますが、そういうことで前年の五十三年度に政府系の運転資金の需要が伸びたということがあるかと思います。 なお、この下期に入りますと運転資金の需要が伸びておりまして、現在、三月分につきましてはまだ確定しておりませんけれども、設備、運転資金合わせまして、対前年で一、二月の状況を見ますと、中公で一五%、国民金融公庫で二三%というふうに伸びておりまして、特に運転資金につきましては、国金の運転資金が相当高い伸びになっておるという状況でございます。
○中尾辰義君 それでは、まあ昨年も中小企業の毎年の例年行事みたいになっている年末の特別融資、これも見送られたわけですが、そのように中小企業の資金需要というのが第二・四半期は余り伸びてないんですが、第四・四半期はこの資金需要がどうなっているのか、この辺の見通しどうなっていますか、わかっていたらひとつお願いします。
○政府委員(中澤忠義君) 政府系中小企業金融機関の第四・四半期を通じまして全体の貸し付け量は、現在集計中でございます。特に、三月分について集計中でございまして、残念ながら第四・四半期全体の対前年の計数ございません。したがって、一−二月の状況から推定すると、特に申し込みベースの数字は出ておりますので、これをもって推計するわけでございますが、一−二月の状況で見ますと、対前年度比、中小公庫で申しますと、一五・四%の増加になっております。また国民金融公庫でございますと、二三・〇%の伸びを示しております。したがいまして、申し込みの数字から見ましても、この本年に入りまして相当資金需要が伸びておりまして、第四・四半期全体を通じましても相当高い伸びになるのではないかと推定されます。特にその中身を見ますと、運転資金の需要が伸びておりまして、主として小口の資金を賄っております国民金融公庫の運転資金の伸びが高くなっておるということが言えるかと思います。
○中尾辰義君 それから、さっきの大森さんの質問で、中小企業金融公庫八十数億の赤字を出していると、そういうことでした。それに関連して、いわゆる代位弁済というのはどの程度になっておるのか、パーセントと金額等でわかっておれば、最近の新しいので——これは総裁の方ですかな。
○政府委員(左近友三郎君) いまの御質問は、繰り上げ償還のことでございますか。要するに、中小公庫が本来は期限いっぱい貸しておるものを、少し期間前に中小企業が、金利が高いものですから、償還したいという申し出があります。それに応じておりますが、中小公庫としてやっておりますのはそれでございますが、その数字をお答えすればいいと思いますが、それでよろしゅうございますか。
○中尾辰義君 はい、それで結構です。
○政府委員(左近友三郎君) それじゃ、公庫の方からひとつ……。
○中尾辰義君 ちょっと——すると、代位弁済、あれは保証協会でやっておるわけ、ちょっと勘違いしておったが。
○政府委員(左近友三郎君) はい。
○参考人(船後正道君) 当公庫に対する繰り上げ償還の状況でございますが、五十二年度におきましては千七百七十億円、五十三年度におきましては四千八百六十二億円、以上が繰り上げ償還の実績でございます。
○中尾辰義君 それじゃ法案に入りまして、今回の改正法案で債券の発行限度額が、これが資本金の二十倍から三十倍に引き上げる、そういうことになったわけですが、その理由はどういうものなのか、それと、現在の中小公庫の債券の発行残高はどうなっているか、その辺教えてください。
○政府委員(中澤忠義君) 最初の債券の発行限度を二十倍から三十倍に引き上げた理由でございますけれども、まず第一に五十四年度末の債券発行残高見込みでございますが、この数字が五千二十億円でございます。ただいま現在の資本金を二十倍にいたしますと五千四十二億円でございますので、ほぼ現行の二十倍の発行限度に満杯になっておるという現状にございまして、来年度以降の債券発行を今後安定的にいたしまして原資の確保をする点から申しますと、この限度額をさらに引き上げる必要があるということでございます。 三十倍にする理由でございますが、やはり今後数カ年間は債券発行をしてまいりまして、民間の引き受けを中心にいたしまして資金の確保をする必要があるわけでございますが、三十倍に引き上げますれば当分の間は債券発行に支障を来さないという状況もございまして、今回三十倍の改正案をお願い申し上げておるという状況でございます。 また、第二点の債券の発行残高でございますが、最近の発行額、五十二年度以降数字的に申しますと、五十二年度、五十三年度それぞれ七百二億円発行いたしました。五十四年度七百五十二億円でございます。したがいまして、五十四年度末におきます発行残高が、先ほど申しました五千二十億円という状況になっております。
○中尾辰義君 それから、債券発行限度額を資本金の三十倍としておるわけですが、こういうのはほかの金融機関にもあるのか、とうか、それが一点。それから公営企業金融公庫、住宅金融公庫、沖繩振興開発金融公庫等は特に債券の発行限度額について規定はしておらないで無制限となっているわけですが、このように機関がまちまちになっているのはどういうわけなのか、それをお伺いします。
○政府委員(中澤忠義君) 現時点におきまして、債券の発行が認められております金融機関を申し上げますと、中小公庫のほかに政府系の金融機関といたしましては北海道東北開発公庫、それから先生が例示されました公営公庫、住宅公庫、沖繩公庫、商工中金、農林中金、開銀、輸銀という八機関でございます。 また、民間の金融機関といたしましては興、長銀、日本債券銀行のような長期信用銀行と外国為替銀行でございます。 それで、第一問の三十倍という例はあるかということについて申しますと、現時点ではこれらの金融機関で三十倍という数字はございません。それにはいろいろの理由がございますが、公営公庫あるいは住宅公庫、沖繩公庫、それを除きます金融機関につきましては債券発行限度が設けられておるということでございますが、その全体の理由といたしましては、過大な債務を負うことによりましてその企業あるいは公庫の経理が不健全になるということを予防いたしまして、同時に債券保有者を保護するということが目的だと考えられます。中公につきまして限度が設けられている理由も同様でございます。 なお、公営公庫とか住宅公庫、沖繩公庫につきまして、債券発行限度が設けられておらない理由でございますが、これは公営公庫がその目的が資金調達能力の乏しい地方公共団体の需要に応ずるために発行するものでございまして、その資金需要がいわば公的な性格を持っておるということで、おのずから限度が出てくるということでございます。また、住宅公庫とか沖繩公庫につきましては、その発行する目的が一部の業務に限定されておる、それは財形積立債券のための業務需要でございますが、そういう目的が限定されておりますので、金額として債券発行限度を認める必要がないということでございます。いずれにいたしましても、それぞれの機関におきまして、その債券発行の限度の必要性が異なるものでございますので、一律に発行限度が決められておらない、あるいは発行限度を設けておらない機関もあるということでございます。
○中尾辰義君 次に、債券の発行計画が、どうなっておるのか、これについてお伺いしますが、今度の改正法案が通りますと、中小公庫の資本金は五十五年度に二十億円の追加出資があるわけでありますから、二百七十二億一千万ということになるわけであります。そうしますると、今回発行限度額が二十倍から三十倍になるわけですから、二千七百二十一億円の枠の拡大になるわけであります。そこで、五十五年度、五十六年度以降債券の発行計画はどういうようになっておるのか、それをお伺いします。
○参考人(船後正道君) まず、五十五年度の債券発行計画でございますが、五十五年度予算におきまして額面価格で八百五十億円の債券発行を予定いたしております。五十六年度以降につきましては、従来どおり原資コストへの影響も配慮いたしまして、財政当局と十分相談してまいりたいと存じます。 また、今回発行限度が三十倍に引き上げられたことに伴いまして、発行限度額がかなり高くなるわけでございますが、毎年毎年の公庫債をどの程度発行するかということは、一方におきましては、その時点の金融情勢、起債市場の状況等もございますし、他方におきましては私ども中小公庫の資金需要という点もございますので、その辺を総合勘案しながら当局と十分相談してまいりたい、かように考えております。
○中尾辰義君 それでは、債券の発行につきまして、その消化がどういうようになっているのか、これちょっとお伺いしますが、いま答弁がありましたように、五十五年度八百五十億円の債券発行が予定されておるわけですけれども、これは国債におきましても、予算委員会でもやかましく議論されておるんですが、国債の発行も大変な数に上っておりますし、国債の消化ということが非常に問題になっておりますね。そういうときに中小公庫債の引き受けにつきまして、銀行の方も余りいい顔してないようですね。でありますので、この中小公庫の公庫債の発行、消化、これがちょっと心配になるわけですが、当局はどう考えておるのか、それと政府引き受けと民間の金融機関の引き受け、これはどういう割合になるのか、国債との競合は起きないかどうか、この辺お伺いします。
○参考人(船後正道君) 公庫債の消化の問題でございますが、五十五年度に予定いたしております八百五十億円のうち六百五十億円は政府引き受けでございまして、二百億円が市中公募債でございます。この二百億円は五十四年度の二百億円と同額でございます。それからまた最近の実績から申し上げますと、市中公募債のうち約八割が窓口で、主として機関投資家でございますが、によりまして消化され、残りの二割程度がシンジケート団の引き受けと相なっております。最近はこの窓口での一般消化がかなりふえるという傾向にございます。 また、国債との競合問題でございますが、公募債につきましては、主務官庁で金融情勢、起債市場の状況等を勘案し、定められたものでございますので、従来と同様市場におきまして国債との競合は生じない範囲内である、かように考えております。
○中尾辰義君 競合しないと思う、と。思うんで、どうなるかわかりませんがね。 それで、あと二、三お伺いして終わりにしたいと思います。 いま消化のことについてお話があったんですが、今後は消化先の多様化を考えていかなければならないと思いますが、こういう点についてどうお考えになるのか。それから、中小企業債券の利率は現在どうなっておるのか、また、運用部財投金利はどうなっておるのか、それをお伺いします。
○参考人(船後正道君) 債券の発行条件でございますが、ことしの三月債は表面金利が八・一%でございます。しかし、これは第五次の公定歩合の引き上げに伴いまして当然四月から改定になるべきものと考えておりますが、その点につきましては未定でございます。なお、資金運用部からの借入金の金利でございますが、これにつきましては四月から改定されまして、現在では八・〇%と相なっております。
○政府委員(中澤忠義君) 今後の資金需要の多様化の道とその方途という御質問だったと思いますが、今回限度額の引き上げを原案としてお願いしております理由も、今後の中小企業者の資金需要の伸びに応じまして、弾力的に資金調達の道を開いていくということが基本にあるわけでございます。そのような前提に立ちまして、今後も、財投の借り入れでは賄い切れない資金需要に対しまして補完的に債券発行をしていくというふうに考えております。なお、調達の原資の中に占めます債券の割合は現在おおむね五%程度でございまして、今後債券の発行限度額を引き上げましても、債券発行額をそれによって急増する、あるいは急増させるというふうには考えておらないわけでございまして、安定的な資金ソースの一環として債券の発行を行っていくと、かように考えております。
○安武洋子君 今回の改正案の内容は、債券の発行限度額を引き上げるとともに、予算措置のみで追加出資ができる、こういうもので、この改正は、私はそれなりに評価ができるというふうに思っております。しかし、収支状況が非常に悪化している中で、中小公庫の困難がこれだけで改善されるというふうには思えないわけです。 例を挙げますと、特別貸し付けの問題とか、あるいは繰り上げ償還の問題とか、こういうものが公庫の財政を圧迫することになっております。私は、このような国の方針に従って行う政策融資、それから中小企業者の利便を図ったために結果的には赤字になったというふうなものにつきましては、これは、政府はその分を一般会計から全額補てんして公庫の経営悪化をやはり防ぎ、そして中小企業者に役立つようにすべきだと、こういうふうに思いますが、いかがお考えでございましょうか。
○政府委員(左近友三郎君) 中小公庫は、現在、御指摘のように、赤字が出たということでございます。これについては、御指摘のようにいろいろな事情がありますが、しかしこの中小公庫というのは政府系金融機関でございますので、中小企業のためにいろんな政策融資を実行する、あるいは場合によっては繰り上げ償還を実施するとか、あるいは金利の減免を行うというようなことをやっておりますので、こういう景気の変動期にはどうしても赤字が出てくるということでございます。したがって、われわれといたしましては、そういう経営基盤が悪化したときにその経営基盤を問題のないようにしていくというのは政府の大いに努力をしなければいけないところだというようにわれわれは考えておるわけでございまして、たとえば、今回の二十億の出資というのも、そういう目的も持っておるわけでございます。さらに将来を考えましても、政府の政策を実施するために中小公庫が運営を極力能率的にやってもなおかつ採算がとれなくなるというふうな事態が出てきますれば、その事態に応じまして適切な措置を政府として講じなければならぬというふうに考えております。措置のやり方につきましては、今回の出資とか、いろいろなやり方があろうかと思いますし、また、過去におきましても、ごく特別の緊急融資等につきましてはその金利を一部補充したという例もございます。したがいまして、いろんな措置を講じて、この中小公庫が健全に中小企業の資金需要に応じられるような態勢を整えていきたいというふうに考えております。
○安武洋子君 政策融資で公庫が圧迫を受けないように、万全の措置を図っていただきたいと思います。 中小公庫の業務についてお伺いしたいんですけれども、ある繊維関連の中小業者の場合なんですけれども、この業者が取引先が不渡りを出して倒産をしたわけです。そこで、二月の十二日に中小公庫の支店に行きまして倒産対策緊急融資として二千万円、それから一般貸し付けとしまして三千万円の融資を申し込んでおります。ところが、中小公庫は直接貸し付けでは時間がかかるので代理店を指定するようにと、こういうふうに申しているわけなんです。しかし、この方は農協としか取引関係がないというふうなことで、そう言われて、やむなく民間の相互信用金庫を代理店として緊急融資の申し込みをしなければならないというふうな状態になりました。しかも、そこだけでは資金が量りませんので、商工中金にも二千万円の融資を申し込んでおります。しかし、二カ月たった現在に至りましても資金を借り入れることができないというふうなことで、非常に困っているわけです。私は、こういうことでは倒産というふうな緊急事態に対処することができていないと思うわけです。中小公庫は、本人が農協にしか関係がない、だから代理店から簡単に融資を受けられるような状態でない、そのことを十分に承知していながら、危ない橋は渡りたくないというふうなことで、直接貸しをしなかったとしか思えないわけなんです。私はこういうことがあってはならないと思いますが、いかがお考えでございましょうか。
○政府委員(左近友三郎君) 中小公庫の貸し出しにつきましては、できるだけ迅速に取り扱うようにと常々われわれの方も指導しておりますし、また、公庫自身も努力しておられるところでございます。ことに、御指摘のような倒産対策の緊急融資につきましては、文字どおり、緊急融資でございますから、極力手続を早くしなきゃいけないということで、われわれもそういう点を強調しておるわけでございます。公庫としても十分努力しておるとは思いますが、御指摘のような事例もありましたということははなはだわれわれも残念に思うわけでございますが、これにつきましては、今後十分注意をいたしまして、いまのような事例について直接貸しで早くやれるという場合には直接貸しでやるという道も十分考えるというふうなことも必要だろうと思います。これについてはわれわれの方も十分反省をいたしまして、こういうふうな融資が迅速に実施されるように努力していきたいというふうに思います。
○安武洋子君 四月六日付の新聞報道でございますが、この新聞報道によりますと、日銀が民間金融機関の貸し出し抑制を一段と強化しているのにあわせまして、商工中金とか、国金とか、中小公庫の四月から六月の貸し付けについても抑えぎみにするように指導していく構えだ、こういうふうに報道が出ております。この記事が事実なら私は大変重大な問題だと、こういうふうに思っております。政府系の金融機関の融資を拡大してほしいというのがいま中小業者の切実な願いなわけです。こういうときに政府系の中小金融三機関の貸し付けを抑えていくというのは、この願いと逆行する、現実に合わないというふうに思いますが、これはいかがなんでしょうか。
○政府委員(左近友三郎君) 確かに、新聞紙上そういうふうな記事が出ておりましたが、これは、事実ではございません。 われわれの方は大蔵省と相談をいたしておりまして、金融の引き締め、これは全体の物価対策としての金融の引き締めは必要ではございますけれども、中小企業のしかも健全な運営をやっておる中小企業が非常にそのしわ寄せを受けて迷惑をこうむるという事態は、これは回避すべきであるということでございますし、そのためにはやはり政府系金融機関が今後そういう対策の、いわば一番先端に立っていかなきゃいけないということで、これは大蔵省も同じ判断でございます。したがいまして、実は第一・四半期の中小公庫あるいは国民公庫、商工中金という政府系三機関の枠を決めるに当たりましても、実は昨年対比、たとえば中小公庫でございますと、一三・五%アップの枠を設定しております。ちなみに去年の第一・四半期は前年対比五・二%アップしか枠を設定してなかったんですが、ことしは一三・五%ということでございますし、三機関平均でも一六・三%アップという枠を設定をしておりまして、中小企業の方々の融資需要に応ずるようにいたしております。そしてまた、そういうこともございましたので、実はわれわれも大蔵省とも相談をいたしまして、関係の金融機関に、健全な運営をやっている中小企業にしわの寄らないような配慮をしてくれというふうなことを特に今回通達を出しまして、そういう点を誤解のないようにいたしたわけでございます。そういうことでございますので、われわれといたしましては、こういう時期にこそ政府系機関が中小企業にしわの寄らないような配慮をやるべきであるという趣旨でやっておりますし、繰り返し申し上げますが、大蔵省もそういう意見でございます。
○安武洋子君 いまの御答弁の、やはり中小企業の融資要求に応じられるような政策をとっていきたいというふうな趣旨が末端でやはり生かされずに、先ほども私が申し上げたような窓口規制が行われるというふうなことは、私はやっぱりあってはいけないと思うんです。ですから、そういう点も十分御配慮をいただきたいということをつけ加えさせていただきます。 それから、中小公庫の担保の評価のあり方について三、三お伺いいたしたいんです。 最近、中小公庫の融資を申し込んだ場合ですけれども、担保の査定が非常に厳しい、こういう話がもうあちらでもこちらでもあるわけなんです。私、もちろん担保の査定をあいまいにして焦げつきをつくってもよいというふうなことを申し上げているつもりではございませんけれども、特に担保力の弱い下請中小企業などにとって、民間の金融機関の窓口からは締め出されると、こういう傾向が強まっているわけです。だから、さらに強まることも予想されますから、中小公庫が担保を査定するに当たって、弾力的にこの担保の査定を行うべきではなかろうかというふうに思うわけなんです。これは、中小公庫に限ったことだけではございません、国金も含めての問題でございますけれども、二番抵当の場合の評価が非常にまたこれ厳しいです。すぐに信用保証協会の保証をとってこいというふうな話もあちらこちらで出てくるわけなんです。中小業者にとりましては、これでは借り入れの道をふさがれてしまうというふうなことになりますので、先ほどの長官の御答弁ともやっぱり私は矛属してくるというふうに思います。結局、保険料払えば高い利子で借りているのと同じことになってしまいます。こういうことで、信用保証協会に担保を求められても困るというふうな状態も出てきますので、私はやはり担保の査定というのは弾力的に行うように、ぜひ強力な指導をどうしてもしていただかなければならないというふうに考えておりますけれども、この点はいかがでございましょうか。
○政府委員(中澤忠義君) 中小公庫を含めまして、政府系の金融機関がその貸し付けに際しまして、担保の請求その他がいたずらに厳格になるということは、十分避けなければならないかと思います。そのような観点に立ちまして、従来から担保請求に当たりましては、民間金融機関に比べ評価の方法あるいは担保物件の範囲についてより弾力的に行うように、通達その他をもちまして指導しているところでございます。今後につきましても、中小企業者の立場に立って担保請求の弾力化につきまして検討していくように考えてまいりたいと、かように思います。
○安武洋子君 現状ではお答えとはちょっと違って、ますますこの担保評価が厳しくなっている、一般の窓口からも締め出され、担保評価が厳しくなる中で、中小業者の方が大変困ってなさるという現実があるわけなんです。ですから、いまの御答弁を本当に現場で生かせるような御指導をお願いいたしとうございます。 そこで、さらに重ねて伺いますけれども、担保力とか信用力の評価の問題でございます。現在、中小企業が一定額以上の貸し付けを受けようと、こういうふうなときには不動産などの有形の担保、これがどうしてもなければならないということ、これ、絶対条件になっております。大企業の場合ももちろん有形の担保というものが求められているわけですけれども、それ以上にネームバリューとか、あるいは経営内容とかというものが信用というふうなことで評価をされるという、こういう面が大企業の場合はあるわけなんです。そこで私は、今年度の政府の中小企業の施設を見てみましても、中小企業の経営能力の開発とか、あるいは自助努力の育成とか、技術的発展の援助とか、こういうことを積極的にうたわれておりますけれども、一方では、お金が欲しいと思いましても金融面では依然として従来の担保主義と、こういうことになってしまっております。これでは、努力して伸びようと思っても、政府側のうたっていらっしゃるようにはなかなか資金面でいかないわけなんです。したがって、これから私はやはり研究課題の一つにしていただかなければならないと思いますが、有形の担保以外の、やはり経営力とかあるいは技術とか、のれんとかと、こういうふうな経営資源ですね、それから経営能力と、こういう形にあらわれないものもやはり信用力として担保評価をできるような、そういう積極的な中小企業の金融政策がいま求められているのではなかろうかというふうに思います。こういう点についてどうお考えでございましょうか、御見解をお伺いいたします。
○政府委員(左近友三郎君) この担保の問題、ことにいま御指摘のように、従来のような有形の物の担保以上のものを考えるべきではないかというふうなことでございます。実は、御指摘のとおり今後の中小企業施策といたしまして、この、物だけじゃなくて、いわばソフトウエアと申しますか、経営資源でも無形のものの開発というものを中心にやりたいということでございますので、そういうものをやはりまた実現するための資金の調達に当たっての担保の問題というのは当然問題出てまいるわけでございます。それの一環として、今年度からひとつ実施しようとして、これも実は現在衆議院に御提案しておりますが、中小企業信用保険法の一部改正という中に、この新技術の企業化に関する保険というのを考えておるわけでございます。これはつまり、発明創意をいよいよ企業として企業化する場合に、これがやはり有形のなかなか担保がとれないというふうなことがございます。したがいまして、これをまあ信用保証協会が保証すると、そのために政府が信用保証協会に対して保険をかけるという制度をつくりまして、そういう無形の技術というようなものをバックにして資金が借りられるような制度も、実は御審議を受けて始めようというふうなことも考えておりますが、こういうことを手始めに、御指摘のような点について今後いろいろ研究をしてまいりたいというふうに考えます。
○安武洋子君 中小企業をめぐる金融全般について中長期的に見てみました場合に、中小企業がわが国の産業の中に占める重要性というのは、もうこれは申し上げるまでもないわけなんですが、いま中小企業を取り巻く経営というのは非常に厳しいものがございます。それで、大企業の減量経営によるしわ寄せとか、輸出における中小企業製品の伸び悩みとか、あるいは原材料の高騰など、数え上げれば切りがないわけです。このような中で中小企業の倒産というのは、五十年の九月以来一千件台が五十四カ月も連続して続いているわけですね。ですから、現在金融の引き締めが強められておりますけれども、民間金融機関からの融資が受けにくいと、こういう中小企業に対して、私は今後とも政府系金融機関の融資を行って中小企業の発展を援助するということを強力にお願いいたしたいわけです。 そこで私、中小企業の問題に関連しまして、家電製品の流通の問題でお伺いをいたしたいと思います。 家電品の販売分野への大スーパーとか大型量販店の大量進出とか、それから目玉販売の増加とか、こういうことで家電小売の業者の方、まあ一様に売り上げとかマージン、これが大幅に減りまして、経営の危機に陥っておられるわけです。こういう中で、小売業者も消費者との人間的なつながりを強化しようとか、あるいは修理への懇切な相談、アフターサービス、こういうことで小売店ならではの努力も続けておられるわけです。しかし、何といいましても量販店の廉売による打撃というのは非常にきついわけです。ですから、小売業者の方々も共同で仕入れをしようとかあるいは協業とか共同化とか、こういう方向などを打ち出して、そういう対策を一部では考えを進められているところもあるようなんです。 こういう実情の上に立って私は通産省にお伺いいたしますけれども、中小家電小売業者の振興についてどのような対策をお持ちかということを最初にちょっとお伺いいたします。
○説明員(小長啓一君) 先生御指摘のように、一般に中小小売店におきましては大規模小売店に比べまして資金力等の面で不利な立場にあることも多いのは事実でございます。したがいまして、通産省といたしましてもかかる点を補正をいたしまして、中小小売店の一層の育成振興が図られるように広範な施策を講じておるところでございます。 具体的には、中小小売業者の資金調達力を補うために、政府系中小企業金融機関からの長期低利の融資を行うというのが第一でございますし、中小小売業の事業努力が効果的に成果に結びつくような経営の診断、指導等を行っておるのが第二でございます。 第三には、中小小売商業振興法に基づきまして共同化、組織化等の推進を図っておるわけでございます 以上のような観点から、その諸種の施策を講じておるわけでございますが、家電製品を取り扱っております中小小売店につきましても、これらの施策が広く適用されておるわけでございます。また、家電製品の修理技術者の認定制度を設けておりまして、家電小売店の修理技術者の技術の向上を図ることも心がけておるわけでございます。 今後におきましても、中小家電小売店の育成を図るために、中小企業施策の効果的な活用を図ってまいりたいと考えますとともに、これら施策の一層の充実に努めてまいりたいと考えておる次第でございます。
○安武洋子君 家電流通業界の場合、電機メーカー側は量販店に対しましては、卸売価格の値引きとかあるいは特別リベートあるいは量販店向けの商品、こういうものをつくるというふうなことで、廉売とか目玉販売、これが可能な対応をしているわけなんです。ところがその一方で、中小小売業者に対しましては、従来から店会制とかあるいはテリトリー制とかあるいは一店一張合い、こういうことで系列化を非常に強めております。今日なお実質的にはそういう制度が強く残っておるわけです。仕切り価格と低いマージンでメーカーの言いなりになるというふうなことで、言いなりにならざるを得ないわけですね、こういう状態に置かれているわけです。こういうふうに出発点がもう全然違うというふうなことで、競争できる状態でないのはこれはもう明白な事実なんですけれども、こういうメーカーや量販店のやり方に対して、私は公取にお伺いいたしますが、公取としてはどのような対応を行っていらっしゃるんでしょうか。
○政府委員(劒持浩裕君) 家電業界は、メーカー段階におきまして寡占化が非常に進んでいる業界でございます。こういった業界におきます競争秩序の維持に対しましては、公正取引委員会といたしましても大きな関心を持っておりまして、従来から流通系列化の実態把握に努めてまいったところでございます。先般、独禁研と言っておりますけれども、独占禁止法研究会の検討結果でも、流通系列化に対する独占禁止法上の取り扱いと題しまして取りまとめられましたけれども、この中でも、一般的にテリトリー制、二店一帳合い制などの流通系列化の手段につきまして、独禁法上の問題点が指摘されているところでございます。われわれ現在、家電業界に対しまして具体的な流通系列化の実態を調査をいたしておるところでございまして、この結果に基づきまして必要に応じて対策を講じていきたいというふうに考えております。
○安武洋子君 私、ひとつここで具体的な例を挙げてお伺いをいたします。 神戸、明石の家電小売商の方々で組織をされております兵庫県電器商業組合神戸支部のこういう方々ですが、従来から量販店の安売りへの対策を公取などに求めてこられました。ところが、これがうまくいかないという状態のもとで、じゃ共同仕入れしよう、共同広告で、少しでも安く仕入れて消費者に提供して中小小売商の心意気を見せよう、こういうことで昨年の五月ごろからこの協議を進めてこられました。そして、ことしの一月、二月に宣伝、売り出しを計画されたわけです。ところが、いよいよ共同仕入れ、共同広告を実施しよう、こういう段取りになったときに、メーカー側が圧力を加えてきております。こういうことは全部断念をせざるを得ないというふうな状態に追い込まれたわけです。まず、どういう圧力がかかってきたか。松下電器の神戸営業所の課長が、電器商業組合神戸支部の組合員の四〇%はこれはナショナル系だ、そこが共同仕入れということで他のメーカーの物を扱われるというのは困る、もしこういうことを強行するならナショナル系の組合員を脱退させると、こう言って、もちろん共同仕入れを拒否されたわけです。そればかりか、ゼネラル、三洋、シャープ、NEC、こういうところの営業所に前金で共同仕入れを発注しても、すべて拒否あるいは回答を拒否されるというふうな状態です。中には、一たんは成談したものがあります、こういうものまでもつぶされてしまっております。それからまた卸組合の側からは、安売りの合同広告を折り込むのなら、兵庫県の家電商組合が創立二十周年のキャンペーン、こういうことでキャンペーンをやられるということで協賛金を出すということになっていたわけですけれども、そういう協賛金はストップすると、こういう圧力がかかってきました。そこで、まあ断念をせざるを得なかったわけですけれども、一生懸命何とかそれでも続けたいというふうなことで、協力してくれる卸屋さんがやっとあって、三菱のテレビを数十台仕入れさせてもらって、これを売りに出したんです。ところが、今度は三菱側が製造番号から仕入れ先を突きとめてくるというふうなことで、その卸屋さんにまで迷惑がかかってしまうと、こういうことまで起きました。これでは量販店と小売業者の公正かつ自由な競争というのは出発点から崩されてしまうわけです。 組合員の方々は近く連名で公取への上申を予定されておりますけれども、私は公取としても、こんな状態、十分調査をお願いしなければならないと思います。公正かつ自由な競争の基盤が確保されるようにこれは私は正すべき点ではなかろうかというふうに思いますが、いま私が挙げました具体的なこの事例についてどのようにお考えでございますか、お伺いいたします。
○政府委員(妹尾明君) 御指摘になりました問題点、たくさんございますので、なかなか複雑な問題かと思いますが、それと、私どもといたしまして事実をはっきり掌握いたしておるわけではございませんので、一般論でお答えすることをお許し願いたいと思いますが、一つは共同仕入れに対して取引を拒絶したという点でございますが、この取引拒絶の問題につきましては、独占禁止法で禁止されております「不公正な取引方法」の中に、不当な取引拒絶、ある事業者に対して不当に物資等の供給を拒絶したり制限してはならぬと、こういう規定があるわけでございますが、これとの関係が問題になろうかと思います。この場合、他方で、営業自由に関連いたしまして、売る方といたしましては取引先選択の自由といいますか、どういうところに売るかということは自由に選べるという問題がございまして、これとの絡みの関係で考えなくちゃならぬということになるわけでございますが、結局、取引拒絶がどういう目的でなされたか、あるいはそのことによりまして拒絶された側がどういう影響を受けたかということが重要ではなかろうか。目的といいますのは、たとえば安売り業者を市場から締め出すとか、あるいはテリトリー制であるとかあるいは一店一帳合いに対する違反に対する制裁措置であるといったふうな場合が問題になる場合であろうかと思います。 それから、効果の面におきましては、通常はそこから取引を拒絶されるとほかにかわりの取引先がないような場合、こういう場合は非常に問題があるということになろうかと思います。 御指摘の場合につきましては、あと一つ問題は、私ども取り締まりの規制の対象になりますのは取引方法でございまして、一回限りの行為、終わってしまった行為はなかなか問題にしがたい、そういうふうな一定の方針なり営業方針あるいは取引方法というものを用いておる。継続反復して行うおそれがあるかどうか、こういったことを総合いたしまして判断することになろうかと思います。 それから、卸売業者が小売業者に対して安売りをさせないように圧力をかけるという点につきましては、これはまた別に、卸売業者の団体の行為でございますと八条一項五号という規定がございまして、ここに不公正な取引方法を事業主に用いるようにさせてはならない。安売りをさせないというような点はこれとの関係で問題がある場合があり得るわけでございます。 なお、先ほどちょっとつけ加えるのを忘れましたが、あくまで取引先選択の自由というのは個々の企業の問題でございまして、メーカーならメーカーが共同して相互に連絡して取引拒絶を行うということは、一般的に言ってこれは正当であるということはまず少ないんではないか、こういうふうに考えます。 御指摘の問題につきましては、具体的に私どもに事実が把握されますれば独禁法との関係で検討してみたいと思います。
○安武洋子君 通産省としては中小企業の共同化、協業化、これを推し進めておられる。しかし中小小売業者が幾ら共同仕入れの努力をしてみましても、メーカー側は売らない自由があると、こういうことでこれは抑えて、いままでのつくり上げた自分の方の縦の系列、このメリットを手離さないというふうなことでは、中小業者の努力というのはこれは幾らやってもむだだということになってしまうわけです。 そこで、私は通産省としましても、中小小売業者の自主的な協業あるいは共同化事業への援助を強めるとともに、このような共同仕入れに対する大メーカーの圧迫とかあるいは差別的な卸売価格制度など、中小家電業者の振興とか発展を阻害している、こういう要因を排除するための強力な行政指導がいま求められていると思うんです。 大臣、先ほどから私の具体的な例を挙げての話、おわかりだと思いますけれども、こういう点についていかがお考えでございましょうか。御見解を伺います。
○国務大臣(佐々木義武君) お話をちょうだいしただけでは実情まだはっきり私には把握できませんので、実情を十分調査した上で、行き過ぎた行為がございますれば今後是正するようメーカーを指導してまいりたいと考えております。
○安武洋子君 最後に、中小企業庁に私はお願いいたしとうございます。 中小企業向けの官公需の比率の拡大に関連いたしまして、官公庁の家電製品の購入に当たりましては、地元の中小家電小売業者振興の立場から、地元の家電小売業者に優先的に発注を行うように各官庁にも働きかけていただきたい。こういうことをお願いいたしとうございますが、御見解をお伺いいたしまして、時間でございますので質問を終わらせていただきます。
○政府委員(左近友三郎君) この官公需の中小企業向け発注を拡大するということで、いろいろな対策が掲げられておりまして、毎年閣議決定をするわけですが、その国の方針の中に、国の機関の地方支分部局等による地方発注の促進という項目がございまして、国の出先機関は、やはりその地方にあるところから物を買うというのを促進しようという項目がございます。いまの御指摘の点もそういうものに当たるかというふうに思いますので、十分われわれも検討いたしまして、これは各省連絡会議というのがございますし、もうしばらくいたしますと、また五十五年度の中小企業向けの発注比率を決める会議も開かれますので、その席上でもそういう御趣旨をよく各省にも伝えていきたいというふうに考えます。
○柿沢弘治君 それでは中小企業金融公庫法の一部を改正する法律案について若干の質疑をしたいと思います。 前に申し上げていた順序と若干違うかもしれませんけれども、この今回政府から御提案になっております中小企業金融公庫法の改正については、中小企業金融の充実という意味で原則として私どもも歓迎をすべきことだと思います。 ただ、今回の改正の中で一番重要な点である債券の発行限度の引き上げの理由といいますか、三十倍を三十倍にしたということについて確たる根拠があるのかどうか、その辺をお伺いしたいと思ます。
○政府委員(左近友三郎君) 二十倍でございますと、現在の資本金から申しますと、ほとんど現在の発行残高に比較いたしまして限度に近づいてきておるというのは事実でございます。したがいまして、五十五年度また債券を発行いたしますための支障にもなりますので、とりあえず限度を上げたいということでございます。 問題は、ではどの程度上げたらいいかということになろうかと思いますが、現在、各こういう機関でしかも発行限度のございますところは二十倍というのが多うございますが、金融制度調査会等で、長期信用銀行なんか現在二十倍なんでございますが、一つの今後の指針といたしまして二十倍を三十倍にするべきではないかというふうなことの結論が出ておるというようなことも承っております。したがいまして、この二十倍ではやっぱり不十分だということ、しかしまた、余り発行限度を多くいたしますと、その中小公庫の運営に支障を来すというようなことのおそれもございます。したがって、そういう点から諸般の事情を考えて三十倍にいたしたということでございます。
○柿沢弘治君 金融制度調査会のお話が出ましたけれども、しかし民間に先行してこちらの方が三十倍にしようということですね。
○政府委員(左近友三郎君) 先ほど申し上げましたように、われわれのこの中小公庫といたしましては、現在、限度額に非常に近づいておりますので、早急に措置をしなければいけないということから、結果としては先行したことになるわけでございますが、改正をいたしたいということでございます。
○柿沢弘治君 そうすると、それにはそれなりのやっぱり何というか根拠がなければいけないんじゃないかと思うんですけれども、資本金と債券発行額との割合というものがどの程度であれば安全であるか、健全であるかというのについて、もちろんアプリオリに決定的な率があるわけではないと思いますけれども、過去の経験から考えてとか、ほかの同種のものと比較してということになるわけですけれども、ほかの政府関係の、たとえば中小企業関係の金融機関についてはどうなっているわけですか。
○政府委員(左近友三郎君) 中小三機関の例を申し上げますと、国民金融公庫はそもそも債券を発行いたしませんので関係ないわけでございますが、商工中金はやはり資本金等の二十倍ということになっております。
○柿沢弘治君 そうしますと、商工中金については別途の扱いになるわけですか。それとも今後同じような形で検討していくということになるわけですか。
○政府委員(左近友三郎君) 商工中金につきましては現在まだ限度がきておりません。したがいまして検討課題にいたしておりますが、われわれと、いたしましては、しかし、しかるべき時期に限度額を上げなければならないんじゃないかということで検討いたしておりまして、そういうときが来ればやはり中小公庫と合わしたいというふうに考えております。
○柿沢弘治君 限度がきているからというお話がしばしばあるんですけれども一限度がきたら上げていってもいいのかということになると、そもそも一体限度とは何かという自己矛盾みたいなものになるわけですね。ですから、その意味ではやはりもう少しきちっとしたプリンシプルがあっておやりになる必要があるんじゃないんでしょうか。 債券の発行の限度がきているからというのであれば、債券発行だけが資金調達の手段ではなくて、財政投融資等もあるわけですから、その点で限度がきたから上げますというのはちょっと考え方、哲学がない、便宜的である、行き当たりばったりだと言われても仕方がないと思うんですけれども、どうでしょう。
○政府委員(左近友三郎君) いま限度がきたからということを御説明いたしましたので御指摘を受けたわけでございますが、ただ、われわれといたしましても、債券発行が余り過度に陥るということは、まず第一に政府資金——財投資金を活用するよりは当然金利負担が高くなりますし、そういう点においても中小企業者に低利の資金を供給するという公庫本来の趣旨から考えましても、余り拡大すべきじゃないというのは御指摘のとおりだと思います。現在はまだ五%以下というふうな数字になっております。そしてまた将来も、これは先ほどもお答えをしたわけでございますが、そのウエートを余り拡大させるつもりはございません。したがいまして、そういう全体の調達資金量のうちの一定の比率を保つということを前提に置き、かつ現在の債券の消化状況から見まして、消化面から見ても可能な限度ということ。それから現在の公庫の資金需要、これは年々やはり資金需要がふえてまいります。その資金需要の見通しに立ちましても、三十倍程度が適当であろうというふうに決めたわけでございます。
○柿沢弘治君 債券の発行額だけが資本金とリンクしているわけですけれども、財政投融資その他貸付金については、そうした限度の制限はないわけですね。
○政府委員(左近友三郎君) ございません。そして、われわれとしての基本的な考え方は、やはり財政資金を原資の中心にいたしたいということは変わっておりません。
○柿沢弘治君 それであればあえて引き上げないで、限度がきたんならその分財投からお願いをしたいと、その方が資金コストも安上がりになるわけですし、中小企業のためにプラスになるということであれば、これから民間金融タイトになってくる中で、あえて債券発行に頼らないで財投資金に依存するという形で運用されることの方が望ましいのではないでしょうか。そうなれば当面急いで改正をする必要がないということになりますけれども、どうでしょう。
○政府委員(左近友三郎君) 債券発行というものを公庫がすることになりましたのは、やはり単に政府資金——財投資金だけに依存しないで、いろんな面での資金調達を可能にして、そして、中小企業の貸し付けの原資の幅を広くするということが趣旨で始められたものでございまして、先ほど申しましたように政府資金が中心ではございますが、やはり政府資金の供給量と、それからまた、中小企業者の資金の需要量とが必ずしも平衡するとは限りませんので、政府資金が若干供給がタイトになったときにも、やはり中小公庫としての十分な貸し付けができるようにというような配慮も働いておるというふうに思うわけでございます。 われわれといたしましてはそういうことでございますので、政府資金が出せないから債券を多く発行するというような態度はとりたくないと考えておりまして、一定の比率を当面維持をするというためにやっておるわけでございます。したがいまして一定の比率を維持できないぐらいの債券の限度がきたというときに、財政資金をふやしてそれを補うというのも一つの方法ではございますけれども、やはり絶えず一定の資金規模に対して比率を持つように運営をしてまいりたいというような方針から、こういうことになったわけでござい
○柿沢弘治君 本来であれば、金融理論といいますか、理屈的に言えば、債券の発行額だけ資本金に縛っておくんじゃなくて、長期の借入金については債券プラス長期借入金で資本金の何倍と、こうやらなければ理屈が合わないわけですね。債券だけはこうだと、しかし長期借り入れの方は野放しだということであっては、実は健全性が保たれているとは言えないわけで、そういう点で、現在の債券発行額だけについて限度を設けているやり方というのが、金融機関としての公庫の健全性を維持するために必要なのかどうか、実は空文になっているということも言えるんじゃないかと思うわけです。その点で、もう少しきっちりとその辺の理論構成をされるということが必要なんじゃないだろうか、限度がきましたから中小企業のためになるんですから上げてくださいでは、ちょっとイージーゴーイングと言われても仕方がないというふうに私は思いますが、その点について今後とも御検討いただきたいと思います。いかがですか。
○政府委員(左近友三郎君) やはり中小企業に対して資金を供給します中小公庫の資金源をどういうふうに見るかということは、非常に重要な問題でございます。ことにそれがやはりなるべくコストのかからない資金を充実するということも、これからのわれわれの任務だと思います。したがいまして、今後はいろいろな資金源を活用しますが、極力コストを低くするという観点から債券の発行限度額というのも十分検討はしてまいりたいと思いますし、いまおっしゃいましたように、今後の原資問題について、今後も十分検討を続けてまいりたいと思います。
○柿沢弘治君 それではその問題は終わりまして、次に中小公庫の若干の運営の面について総裁から御意見を伺いたいと思いますが、現在代理貸し付けの是非といいますか、代理貸し付けが多過ぎるとか、直貸しにすべきだというような議論がありますけれども、代理貸し付けの長所、短所、それから代理貸し付けの手数料を改正するということを考えておられるようですけれども、その趣旨、その辺について御説明をいただきたいと思います。
○参考人(船後正道君) 公庫の業務は直接貸し付けと代理貸し付けと二つの方法で実施いたしておるわけでございまして、計画といたしましては両者五〇、五〇ということでございますが、最近の実績は直接貸し付けの方が若干多い、こういう状況でございます。 代理貸し付けの長所、短所でございますが、長所といたしましては、何と申しましても全国約一万二千店舗という店舗網を通じまして、比較的小口の公庫資金を多数の中小企業者に供給できるという利点を持っておりますし、さらには日常の接触が密接な取引銀行を通じての貸し付けでございますので、処理も迅速になるというような利点もございます。 欠点の方は、強いて申しますと、この公庫貸し付けの意義の理解度が徹底しがたい、多数の店舗でございますので、中にはプロパー資金の貸し付けと同じような判断で公庫資金を貸し付けるというようなケースも間々あるわけでございます。こういう点につきましては、私ども常に注意を喚起いたしておる次第でございます。 それから次のお尋ねは、代理貸し付けの手数料の改正問題でございますが、今年四月一日からの新規貸し付けにつきましては平均いたしまして手数料率を約二〇%引き下げることといたしました。ただし、引き下げに当たりましては、長期貸し付けに十分配慮いたしまして、貸付金額が一千万円以下の貸し付けにかかわる手数料率は一〇%、それから一千万円を超え三千万円までは二〇%程度、それから二千万円を超える分につきましては三〇%程度と、こういう手数料改正を実施いたした次第でございます。この改正をいたしました趣旨は、実は公庫の経理は資金運用部からの借入利息とそれから貸付金利とこの利ざやでもって賄っておるわけでございますが、この基準的な利ざやが昭和五十二年ごろまでは一・四%以上あったわけでございます。ところが最近これが一・〇五に低下いたしております。またこの貸付部門にかかわります手数料をコストとして貸付平残に対して見てみますと、いままでは約一・四%かかったわけでございまして、一・四と一・〇五では明らかに逆ざやでございますので、この逆ざやを解消して経営基盤を強化いたしたいと、かような趣旨でございます。
○柿沢弘治君 代理貸し付けというものは、金融機関の店舗を利用して中小企業に接触の機会を非常にふやしているという意味で、一つの大きな役割りを果たしているように思うわけです。ですから、直接貸し付けだけが公庫の趣旨ではないというふうに思いますので、両者バランスのとれた形での発展というのが望ましいんじゃないかと私は考えておりますので、何でもかんでも直貸しだと、そのために店舗をふやせ、職員をふやせというのは、行政改革だとか簡素化だとかいういまの傾向に対して、ある意味では逆行することになりかねないと思いますので、その点はひとつ余り直貸し直貸しという形で攻めないでいただきたいというふうに思うわけです。そのためには代理貸し付けと直接貸し付け、それぞれのサービスの向上といいますか、そして審査能力の向上というのを図っていかなきゃいけない。その意味で、貸し付け事務の処理日数等がどうも公庫の場合時間がかかり過ぎるというふうな御批判が中小企業者の中にあるわけですけれども、その点について、直貸しの場合、代理貸し付けの場合、それぞれ違いがあるのかないのか、またどんな問題があるのか、どう改善しようとしているのか、その点をお伺いをいたしたいと思いますが、何か時間の関係でいろいろお急ぎの向きもあるようでございますので、簡潔に御答弁をいただければと思います。
○政府委員(左近友三郎君) この貸し付けのやり方等につきましては、やはり第一には中小企業の方の御便宜ということを十分重視して考えなければいけませんので、今後両方式十分活用できるような形で配慮いたしてまいりたいというふうに思います。
○柿沢弘治君 いまのそれぞれの貸し付けの事務処理日数等。
○参考人(船後正道君) 処理日数について御説明申し上げますと、まず直貸しでございますが、確かに先生御指摘のとおり過去におきましては三カ月ぐらいかかると非常に評判の悪いこともあったわけでございますが、現在ではこの受け付けから決定、これは内部事務でございますが、過去のピーク時にはこれが確かに三カ月もかかったという状態でございましたが、現在では、この五十四年度の実績では二十五日までに短縮されております。 ただ、お客様がお見えになりまして、初めての方でございますと、いろんな資料を整えていただかなければなりません。そういった準備期間が、これはケース・バイ・ケースでございますけれども、一、二カ月を要する場合もございます。したがいまして実質的には三カ月かかるというケースが現在でもやはりございます。私どももなるべくこの内部事務をさらに短縮することと、それからもうお客様の方にできる限りこの資料の作成に御協力願いたいということをお願いしている次第でございます。
○柿沢弘治君 まあいいです、もっと聞きたいことはあるんですが。
○委員長(斎藤十朗君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 中小企業金融公庫法の一部を改正する法律案を問題に供します。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(斎藤十朗君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(斎藤十朗君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(斎藤十朗君) 次に、中小企業事業団法案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。佐々木通商産業大臣。
○国務大臣(佐々木義武君) 中小企業事業団法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 中小企業は、わが国経済においてきわめて重要な役割りを果たしております。最近の中小企業をめぐる経済環境は、貿易構造の変化、原材料やエネルギーコストの上昇、立地環境問題の変化等に起因して大きく変化してきております。中小企業が今後ともわが国経済の成長の基盤として発展していくためには、その経営の安定を図るとともに、このような環境変化に的確に対応していくことが必要であります。 政府といたしましては、中小企業の経営の安定とその振興を図るため、従来から各種の施策を実施してまいりました、今後とも、活力ある中小企業の育成のため、施策の一層の推進を図ってまいる所存であります。 かかる観点から、このたび、効率的で強固な体制のもとで中小企業の振興、その経営の安定及び小規模企業者の福祉の増進を図るため、中小企業共済事業団と中小企業振興事業団とを統合し、中小企業施策を一体的に推進する中核機関として中小企業事業団を創設することといたしました。 次に、この法案の要旨を御説明申し上げます。 第一は、中小企業共済事業団及び中小企業振興事業団を解散し、中小企業事業団を設立することであります。新事業団は、これまでの両事業団の業務を行うとともに、両事業団の一切の権利及び義務を承継することとしております。 業務につきましては、新事業団は、従来両事業団が実施してきた共済事業、高度化事業及び指導・研修事業等を一体的かつ効率的に運営することとなります。また、共済契約者の教養のための施設の設置及び運営を行うこととしております。 次に、役員につきましては、中小企業共済事業団と中小企業振興事業団の役員の合計は、十三名でございました。新事業団では、役員は、理事長以下九名以内とすることとしております。 その他、財務及び会計に関する規定を整備するとともに、両事業団の統合等に伴う経過措置を講ずることとしております。また、あわせて、税法その他関連法律について所要の改正を行うこととしております。 以上が、この法案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重に御審議の上御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(斎藤十朗君) 次に、補足説明を聴取いたします。左近中小企業庁長官。
○政府委員(左近友三郎君) ただいま大臣が御説明申し上げました提案理由及び要旨を補足して御説明申し上げます。 中小企業は、わが国経済の発展を支える活力ある多数として今日まで成長を続けてまいりました。八〇年代を迎え、わが国中小企業は、発展途上国の追い上げ、石油価格の上昇等激変する経済情勢に対応するため、従来にも増して、機動的かつ柔軟な経営姿勢を維持し、環境変化への活力ある対応を図っていくことが必要となっております。 政府といたしましても、中小企業の自助努力を積極的に支援し、その成長発展を図るため、施策の充実に努めてきたところでありますが、今後とも、中小企業が当面する諸問題を解決し、その発展の基盤を確立するため、引き続き施策の強化に全力を注いでまいる所存であります。 このたび、中小企業施策充実の一環として、中小企業共済事業団と中小企業振興事業団を統合し、中小企業事業団を創設することとしました。 これまで、中小企業共済事業団は、中小企業者の退職等に備えるための小規模企業共済制度及び連鎖倒産を防止するための中小企業倒産防止共済制度を運営し、また、中小企業振興事業団は、中小企業の近代化及び高度化を図るための高度化融資制度及び中小企業者に対する研修・指導事業を行い、従来から中小企業施策の推進の上で、重要な役割りを果たしてまいりました。 今回の統合により、中小企業事業団は、これまで両事業団が行ってきた業務を一体的かつ効率的に実施し、中小企業の一層の発展を図るための中核機関となります。 本法案におきましては、第一に、中小企業共済事業団及び中小企業振興事業団を解散し、新たに中小企業事業団を設立いたします。新事業団は、両事業団の一切の権利及び義務を承継することとなります。共済契約者等両事業団と契約関係にある者の権利は、そのまま新事業団に対する権利となり、中小企業者が統合により不利益を受けることはありません。次に、業務について見ますと、新事業団は、小規模企業共済事業、中小企業倒産防止共済事業、中小企業者等に対する指導・研修事業及び中小企業構造の高度化事業等を業務として行います。また、小規模企業共済制度の共済契約者に対する利益還元のため、共済契約者の教養のための施設の設置及び運営を行うこととしております。 第二に、役員につきましては、行政改革の趣旨を踏まえ、両事業団の役員合計十二名に対し、新事業団では理事長以下九名以内とすることとしております。 第三に、統合に伴う財務関係規定や共済契約の申し込み等に関する経過措置等の整備及び小規模企業共済等に関する法律や税法を初めとする関連法律につきまして所要の改正を行うこととしております。 以上、この法律案につきまして補足説明をいたしました。何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○委員長(斎藤十朗君) 本案の質疑は後日行うこととし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時一分散会 —————・—————