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91回国会参議院1980/03/18

商工委員会 第3号

発言数
136
登壇者
14
会派数
4
開催日
1980/03/18

会議録

斎藤十朗自由民主党・自由国民会議

○委員長(斎藤十朗君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  連合審査会に関する件についてお諮りいたします。  産業貿易及び経済計画等に関する調査のうち、電気及びガス料金の改定問題に関する件について、物価等対策特別委員会からの連合審査会開会の申し入れを受諾することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

斎藤十朗自由民主党・自由国民会議

○委員長(斎藤十朗君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、連合審査会は、本日午後二時に開会いたします。     —————————————

斎藤十朗自由民主党・自由国民会議

○委員長(斎藤十朗君) 次に、連合審査会における参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  電気及びガス料金の改定問題に関する件の調査のため、本日の連合審査会に日本住宅公団総裁澤田悌君及び同理事救仁郷斉君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

斎藤十朗自由民主党・自由国民会議

○委員長(斎藤十朗君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

斎藤十朗自由民主党・自由国民会議

○委員長(斎藤十朗君) 産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたします。  これより前回聴取いたしました所信等に対する質疑を行います。質疑のある方は順次御発言願います。——ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕

斎藤十朗自由民主党・自由国民会議

○委員長(斎藤十朗君) 速記を起こして。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 電気料金の改定をめぐっていよいよ最終段階を迎えたようであります。そこで、幾つかの点についてお尋ねをいたしたいと思いますけれども、当初に通産大臣にお尋ねをいたしたいと思います。  この電気料金の改定をめぐりましては、国会でもいまだ十分に私は論議が尽くされておるとは思っておらないのです。ところが新聞報道では、すでに政府案が決定したかのような報道がいろいろなされておるわけです。たとえば三月十六日の読売新聞を見ますと、電気が五一・五二%、ガス四五・二%というぐあいに実に詳細に報道をされておるわけです。そういう点で、私はまずこの新聞報道の真実性といいますか、それはとにかくとして、政府部内からある程度情報というものが流れなければこのような報道はなされないと思うわけです。勘ぐって言うならば、事前の世論操作と、それから少し高目に報道しておいて、そうして自民党の力によってこれを五〇%以下に下げることができたという、参院選向けのきわめて高度の政治的判断に基づく情報の流布ということも私は考えられるのじゃないかと思うのです。そういう点で、きのうあたりの報道でも、まだ政府部内で十分にこの話し合いがついていないという段階で、あたかももう決まったかのような、こういう新聞報道がですね、これは何も読売新聞だけじゃないわけですね、そういう点で、これに対する通産大臣の見解といいますか、そういうものを当初にお聞きをいたしたいと思うのです。

佐々木義武自由民主党・自由国民会議通商産業大臣

○国務大臣(佐々木義武君) 電気、ガス料金の値上げ率に関しての質問でございますけれども、作業の途中で流動的な感触といいますか、中間報告的に電気五三から五四%程度、ガスは四六から四七%程度ということで政府部内で述べたことは事実としてございますけれども、別に意図的に流したものでも何でもないんでありまして、中間報告的に一応話が出たわけであります。今回のこの料金改定は、恐らく有史以来なかったんじゃないかと思われるほど、あらゆる方面で論議も尽くされまして、これは御承知のとおりでございまして、この国会におきましても、衆議院、参議院問わず、ずいぶんこの問題では真剣な討論が行われました。したがいまして、国民の関心も非常に深いわけでございますから、各界からきわめて多くの意見が提示されております。したがいまして、各種報道、それが報道となって出ていったんじゃなかろうかと思われますけれども、お話しのように、別に党との間に政策的にどうのといったようなことはないと考えてございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 通産省内部から情報を流したという心配はないんですか。

佐々木義武自由民主党・自由国民会議通商産業大臣

○国務大臣(佐々木義武君) 中間報告は一遍いたしました、先ほど申しましたように。それだけでございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 中間報告のことも、それは新聞で報道されておりますけれども、たとえばここに報道されておるような、五一・五二であるとか、ガスは四五・二%であると、きわめて非常に正確といったらいいんですかね、このとおりいったらこれは正確ということになっちゃうんですけれども、こういうきわめて、コンマ以下二けたまでのこういう数字が出てくるような点で、何らかつながりがあるんじゃないですか。全然ございませんか。

佐々木義武自由民主党・自由国民会議通商産業大臣

○国務大臣(佐々木義武君) 各紙に一斉に出るんでありますと、これは公式に発表したということになるんでしょうけれども、ある新聞が特別に書くというような場合は、これは何ともいたし方がありませんので、これは正式に発表したものじゃないというふうに御理解いただきたいと思います。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 いろいろ問題があろうかと思うんですが、余り時間をとってもなんですから、こういう問題については今後も、きわめて問題が問題だけに関係省庁としては報道に対する取り扱いについても、十分やっぱり慎重さというものがなけりゃならないんじゃないかというふうに思いますが、その点はいかがですか。

佐々木義武自由民主党・自由国民会議通商産業大臣

○国務大臣(佐々木義武君) お説のとおりだと思います。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 そこで、電気料金の改定については、これも報道ですが、二十一日の閣議で決定をして、さらに、四月一日に実施をしたいというふうなことが報道されておりますけれども、政府案をいつ決定をし、通産大臣の認可はいつなのか。また、実施時期についてはどうなのか。ここまできたら、その時期等については明確にされても支障がないんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

佐々木義武自由民主党・自由国民会議通商産業大臣

○国務大臣(佐々木義武君) 料金の申請に際しましては、八電力あるいはガス三社とも四月一日から実施したいという希望で申請してございます。できますれば、長い間据え置いた料金でございますし、特に三月末までは絶対上げないということで抑えに抑えてきた料金でございますから、一方油の方は御承知のように大変な値上がりでございますし、経営的にも各社とも苦しい最中でございますから、希望どおりにしてあげたいという気持ちはございますけれども、ただいまの段階では政府部内で経済企画庁との間に調整をしており、まだ党の方とも最終的に話し合いしておるという段階でございませんので、希望どおりできるかどうか、希望はしておりますけれども、確実にそうなるかといいますと、これはまだはっきりしたことは申し上げられない段階でございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 大臣ね、具体的な改定率を聞いてるんじゃなくて、時期についてはまだはっきりしないんですか。政府の方針がいつごろ決定をするのか、つまり通産大臣の認可がいつごろになって、実施時期がいつごろになるのかというのも、まだめどもついておらないんですか。

佐々木義武自由民主党・自由国民会議通商産業大臣

○国務大臣(佐々木義武君) いま申しましたように、希望といいますか、期待はしておりますけれども、経済企画庁の調整とか、あるいはこれは議会民主主義、議院民主主義と申しますか、でございますから、党との話し合いもしなきゃいけませんし、それから閣僚物価会議というんでございますか、こういうものにも最終的にはかけにゃいけませんので、そういう点も考えますと、希望どおりいってくだされば大変結構ですけれども、確実にそうなるかということは、いまのところはまだそうなりますと断言できる段階ではございませんので、期待はしておりますということだけ申し上げたいと思います。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 そうすると、政府部内の調整と党との間にはまだ協議が整っていないと、こういうことでよろしいわけですね。

佐々木義武自由民主党・自由国民会議通商産業大臣

○国務大臣(佐々木義武君) 最終的な詰めに入っている段階でございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 それでは、この値上げに当たっての基本的な態度と方針について、幾つかの点でお聞きをいたしたいと思うんです。  御承知のように、今度の電気料金の改定がもし予想されるように五〇%前後という大幅な引き上げになりますと、産業界はもちろんですけれども、国民生活に非常に大きな影響を与えることは御承知のとおりであるわけですね。とりわけ政府の予定をいたしております新年度の経済の動向なりあるいは消費者物価等に及ぼしていく影響というものは、きわめて大きいのではないかというふうに思われるわけです。  そこで、すでにいままでの国会審議の中でも幾つかの点では論議をされておりますから、重複は避けまして、次の点についてもうちょっと明確にお聞かせ願いたいと思うんです。  まず減価償却についてですけれども、さきの北海道電力の場合には、これは従前どおり定額法で査定をされたわけです。ところが、今度の八社の引き上げについてはこれは報道ですが、一部定率法の導入を認めるかのごとき、そういう報道がなされているわけです。一部定率法というのは原子力関係の部分について、電源の原子力部分関係については定率法というものを認めたらどうかということが内部で検討されているやに聞いておるわけです。この点は北海道電力との関係もあるんですが、この辺はどのような考え方に立っておいでになるのか、お聞かせ願いたいと思うんです。

森山信吾資源エネルギー庁長官

○政府委員(森山信吾君) 御指摘のとおり、北海道電力につきましては、定額法の償却を据え置いたと申しましょうか、そういう査定をしたわけでございます。そこで八電力につきましては、申請におきましては、二分の一定率償却の導入の申請がございまして、それをどういうふうに取り扱うかは現在検討中でございます。  なお、つけ加えますならば、北海道電力は実決算におきましても定額法を採用しておりますので、原価計算上も定額法をそのまま査定をしたということでございますけれども、八電力につきましては実決算におきまして、ある程度の定率を導入しておるのが現状でございます。そこで、実決算とのバランスをどう見るかということも審査の一つの対象になりますし、それからいま御指摘のございました一部のものについて定率法の導入を検討しておるやの仄聞もあるというふうにおっしゃいましたけれども、確かにそういうことは申請がございますので、私どもは審査の対象にはしておるということでございますが、しからばどういう結論を出すかということにつきましては、先ほど来通産大臣がお答え申し上げましたとおり、政府部内で確たる最終案がまだ固まってないというのが現状でございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 減価償却については、原価の中に算入するのはおかしいんじゃないか、もともとこれは内部留保といいますか、自己資産としていくわけですから、そういう点であえて料金の算定基礎である原価の中に組み入れるのはむしろおかしいんじゃないかという意見もあるんですけれども、これについてはどういうふうにお考えになっておりますか。

森山信吾資源エネルギー庁長官

○政府委員(森山信吾君) 償却というものは、これはまあ当然のこととして償却をしなきゃならぬわけでございまして、償却そのものを原価の対象とすることは、これはあたりまえのことではないかと思っているわけでございますが、いま先生の御指摘になりましたのは、その償却のやり方について定率と定額を、まあどういうバランスをとるか、そういう意味での御質問じゃないかと思うわけでございます。  そこで、先ほどお答え申し上げましたとおり、現在審査の対象にいたしております八電力につきましては、実決算におきまして一部すでに定率法の償却を行っておりますので、そのバランスをどう考えるか。北海道の場合は実決算におきましても定率主義はとってないということから、定額のままの査定をしたわけでございますけれども、実決算で定率をとっておる会社に対しまして、その決算方法がおかしいですよということで、全部原価計算上定率を認めないというのもどうかなという感じもいたしますし、御指摘のように、定率法の導入を図りますと、やはり償却の方法である程度の影響が出てまいりますから、こういう大きな料金の値上げをする際に大幅な定率の導入が好ましいことであるかどうかということについても、また別途の観点からの判断をしなきゃいかぬ、そういうことから、いま私どもといたしましては最終的にどういう詰めをするかということにつきまして、政府部内で協議をしているということが現状ではないか、こう思う次第でございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 確かにいまお話がありましたように、各電力会社によっては一部決算において定率を用いておるということもあるわけですね。  しかし私は、いままでの料金改定の算定の内容というものに、逆に言ったならば、電力会社は決算においてもそれに準じてやっていくということでないと、これは電力会社ごとにばらばらにやっておるものに逆に算定を合わせていくというのも統一的な算定にはならないんじゃないかという点で、私は減価償却の耐用年数であるとか、もう少し掘り下げた検討を行ってからでないと、今回の場合一部に直ちにこの定率を導入するということについては問題をさらに今後に残す感じがするわけです。これは具体的にもうちょっと後でいろいろ聞いてまいりたいと思うんですが、原則的には私はやはり従来の原価の算定基準があるわけですから、それに基づいて今回も実施をされるべきじゃないか、定額でいくべきではないかというふうに思っているんですが、その点はいかがですか。

森山信吾資源エネルギー庁長官

○政府委員(森山信吾君) 私どもといたしますと、償却の方法につきましては、電気という大変設備投資の大きな企業についての今後の動向を左右する大問題でございますので、私どもなりの判断でもいけないだろうということから、長年にわたりまして電気事業審議会におきまして、その制度につきましての基本的な御検討をお願いしてまいったわけでございます。昨年、審議会の方から御答申をいただきまして、やはりこういった設備投資の巨額なものにつきましては、償却をできるだけスムーズに行うために定率法の導入を図ることが望ましい、こういう答申をちょうだいしたわけでございまして、基本的には私どもはその答申に従って査定を行ってまいりたいという考え方を取っているわけでございます。しかしながら、先ほど来申し上げておりますように、定率法の導入をいたしますと、ある時期におきまして国民の需要者の方々に負担がかかるということもございますので、答申のとおりに実行することにつきましては、ある程度のこだわりを感じておるということでございまして、そういうものと、それから今後進めていくべき代替エネルギー政策との整合性をどういうふうにバランスをとっていったらいいのかなということを現在考えておるということでございまして、政府部内におきます議論の一つがまさにいま吉田先生が御指摘になったことではなかろうか、こういうふうに考えております。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 次に、配当についてお尋ねしたいと思うんですけれども、他の公社債の利回りであるとか、あるいは定期預金金利や他産業の自己資本利益率などというものが当然参考になってくると思うんですけれども、しかし私はやはり電力というのはきわめて国民生活に重大な影響を及ぼす公共性というものが強いわけですから、いわゆる単なる企業本位という考え方では、これは通らないと思うんですね。そういう点で電力事業における配当についてはどうあるべきか、またどれくらいが妥当だというふうにお考えになっておるのかお聞かせ願いたいと思います。

森山信吾資源エネルギー庁長官

○政府委員(森山信吾君) 電力会社の配当の問題につきましては、いま先生から御指摘のありましたような面と、それからいわゆる安定投資先という観点から広く国民の各層の方々が投資をされるという問題と両方あろうかと思います。  まず前の方の電力会社としての、つまり国民の皆様方に電力を供給する立場の企業としてどの程度の配当が望ましいかということになりますと、やはり電力会社の性格上、長期安定供給という立場がございますので、そのためには設備投資がスムーズに行われるという必要があろうかと思います。  そこで、いわゆる増資あるいは社債発行、こういう観点からいわゆる資金調達の面の配慮ということになりますと、私どもは基本的には一割の配当が望ましいんではないかという気持ちがございます。ただし、これにつきましては望ましい姿とこうなければならない姿とは若干の乖離はあるのかなということでございまして、いま御質問のございました望ましい水準はどの程度であるかという御質問に対しましては、私どもは一〇%ぐらいが望ましい姿である、こういうふうな考え方を持っておるわけでございます。  それから第二点の私の方が持ち出しました一つの考え方、つまり安定した投資先というような考え方に立ちますと、これはやはり国民の広い階層の方々が投資先としてお考えになった場合に、ある程度の配当があることが望ましいわけでございますので、そういうことから言いましてもやや安定的に一割程度の配当があることが、そういう投資をされる方々にとっては大変好ましいことではないか、こういう考え方があるわけでございますので、そういう観点から言いますと一割の配当が一応両面から見ても望ましい姿ではないか、こういう考え方を通産省としては持っておりますが、ただこういう時期でございますから、その望ましい姿と現実の姿はどうあるべきかにつきましては、政府部内でなお検討を詰める必要があるのではないか、こういうふうに考えております。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 望ましい数字として、いま一割程度という話があったんですが、これは私は電力事業に対する国の保障と言ったらいいのか、保護措置と言ったらいいんですかね、そういうものは非常に手厚いんじゃないかという感じがするわけですね。戦後の三十年間をとってみても、この資本蓄積というものは、とにかく電力ほど急速なものはないんじゃないかという感じがするわけですね。そういう点で、確かに抽象的に安定供給という点から考えたり、あるいは民間からの投資であるとか資金の確保という観点では、その面からのみ考えますと、確かに高いにこしたことはないわけですね。しかし、それは通常の他の関係とのバランスというものを見なきゃいけないんじゃないかと思いますし、先ほど来繰り返しておりますように、公益事業であるだけに、私は、一電力事業の企業の安定と資本蓄積ということのみから考えるのは当を得ないんじゃないかという感じがするんです。しかし、きょうそこで論議をしようとは思いませんので、一応の見解をお聞きをしたわけです。  そこで次に、料金制度についてもいろいろ論議が行われておると思うんですけれども、今日までの段階で検討された内容を支障のない限りお聞かせ願いたいと思うんです。  たとえば、電灯電力格差の縮小ということが前からも言われておったわけですが、この点についてはどうか。あるいは、逓増制度をより強めていくのかどうなのかとか、あるいは季節別料金制度をどのように導入をしていくのか。あるいはガスのような二部料金体系の導入であるとか、あるいは需給調整契約、こういう問題。これらがどういうふうな検討内容になっているんですか。支障のない限りお聞かせ願いたいと思います。

安田佳三資源エネルギー庁公益事業部長

○政府委員(安田佳三君) 今回の申請におきましては、まず先生御指摘の灯力格差の問題についてでありますが、燃料費を中心といたします原価要素が変動をしておりますので、したがいまして、どちらかといいますと電灯料金と電力料金の格差は大幅に縮小をするような内容となっているわけでございます。これは縮小させるということで縮小したわけではございませんが、やはり原価高騰の要因が石油が中心であるというような観点から、結果として大幅に縮小をするということになるんではないかと思います。ただ、具体的にどの程度縮小するかということにつきましては、現在計算の最中でございますので、その結果を見なければ何とも申し上げられないという状況でございます。  次に逓増料金についてでございますが、近年建設単価が大分上昇いたしております。したがいまして、電気を供給するための限界費用がふえてきておりまして、また、そのほか省エネルギーを推進するという要請も強まっているわけでございますので、逓増率につきましては、これを少し高めていく方向で検討をいたしたいというふうに考えております。  それから三番目に季節別料金制度でございますが、現在問題となっておりますのは夏期におけるピークでございます。そしてそのピーク時の需給が問題になっておるわけでございますが、それを緩和するためには、やはり季節別料金制度を導入する方が望ましいという結論を、すでに電気事業審議会の答申をいただいております。今回の料金改定に当たりましては、各電力事業者もその答申に従いまして季節別料金制度を導入したいという申請が出てきております。通産省といたしましても、この申請を受けましてこれを導入する方向で検討いたしておるところでございます。  また、ガスの二部料金制でございますが、ガスの料金制度といたしましてはこの二部料金制がより合理的なものであるというふうに考えております。また、総合エネルギー調査会の都市熱エネルギー部会におきましてもこの点御検討をいただきまして、合理的であるから早急に導入すべきであるという御指摘をいただいておるところでございます。この報告を受けまして、ガスの大手三社につきましては今回の料金算定に当たりまして二部料金制を導入したいという内容の申請がなされております。通産省といたしましてもこれを導入する方向で検討をいたしておるところでございます。  それから次に、需給調整契約でございます。この需給調整契約は、先ほども申しましたが、電力のピーク対策、あるいは全般的な需給対策というものを促進するという観点からはできるだけこれを活用をすることが望ましいと思います。そういう観点から調整可能な需要を対象といたしまして、この需給調整契約につきましては一層の活用を図る方向で対処してまいりたい、かように考えております。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 いずれにしても、五〇%前後の大幅ということが取りざたをされておりますだけに、社会福祉という観点から生活保護世帯であるとか、あるいは同じ産業界でも電力がコストの大部分であるというふうな、たとえば非鉄金属関係産業等にとっては、この電力料金の大幅引き上げというものが企業の死活にかかわってくるわけです。そういう点で、社会福祉の観点からそういう社会福祉施設や生活保護世帯等について特別な措置、電気事業法の二十一条に基づくそういう特別な措置というものを考えておいでになるのかどうなのか、新聞報道によればそういう配慮というものがなされるというふうに報道されておるんですが、その辺はどうなんでしょうか。

森山信吾資源エネルギー庁長官

○政府委員(森山信吾君) 吉田先生もよく御承知のとおり、電気料金の査定に当たりましてはいわゆる原価主義というたてまえで査定をしているわけでございまして、原価主義と申しますのは狭い意味の原価主義と、もう一つは公平の原則ということがあろうかと思います。そういう観点から考えますと、いわゆる政策料金的なことは電気料金の制度の上からはちょっと問題があるんではないかという考え方を私どもは持っておるわけでございます。しかしながら、やはり激変緩和的な何らかの方策を考える必要があるんではないかということから、これまた政府部内におきましてその方法論について現在検討をしておるところでございます。それから需給調整契約、いわゆる特約制度につきましてお触れになりましたけれども、これにつきましても全く同じような考え方でございまして、いわゆる原価主義の枠内でどういう対策が講じられるかというようなことを現在模索をしておるわけでございまして、従来からの特約料金制度というものをフルに活用することによって、少しでも電力多消費産業の影響が少なくなるようにという配慮は、私どもといたしますれば若干考えてみたいというふうな気持ちを持っておりますが、基本的に申し上げますと、いわゆる福祉料金、特約料金ともに共通することでございますけれども、電気料金の枠内だけでこれを処置するということにつきましてはやはり限界があるんではないかということでございまして、電気料金サイドででき得ますぎりぎりまでのことはしたいと思っておりますが、あわせまして並行的な政策を加味をしていただきたいというのが電気料金を査定する立場からのお願いでございまして、福祉料金はともかくといたしまして、いわゆる産業界は通産省の所管でもございますので、いま申し上げましたように、特約制度をフルに活用することによりまして電力多消費産業に対する影響を少しでも緩和すると同時に、そういった産業が長期的に自立し得るようなエネルギー対策というものもあわせて考えていく必要があるんではないかと、こういうふうに基本的に考えておるところでございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 なかなか現在査定中ということではっきりしたことも言えないということもわかりますが、いま申し上げた趣旨というのは十分おわかりかと思いますので、そういう点の配慮を十分やっていだたきたいことを要望いたしたいと思うのです。  次に、経済企画庁長官にお尋ねをいたしたいんですが、今回のこの料金改定に関して経済企画庁としては、通産省の査定の内容にどこまで関与できるのか。もっときつい言葉で言うならば、通産の査定をどの程度ダブルチェックできる、そういうものをお持ちなのかどうなのか、それをお聞かせ願いたいと思います。

正示啓次郎自由民主党・自由国民会議経済企画庁長官

○国務大臣(正示啓次郎君) 先ほど来通産大臣、またエネルギー庁長官、部長さんからお話しのように、今回のこの電力、ガスの料金改定につきましては、当初から通産省も私の方も一体の立場で非常に重要な問題として対処しておるわけでございます。ただいまいろいろまだ折衝、調整中の問題もございますので、お答えもしたがって一定の限界があるわけでございますが、お気持ちは通産省から言われたとおりの気持ちでわれわれもやっております。  ただ、私の方は御案内のように、物価問題についての責任が非常に重いときであり、物価情勢がきわめて重大なときでございますから、通産省から御協議をいただいた項目について、そういう見地からさらに一層の配慮を通産当局にお願いをいたしまして、最終的な詰めをやっておるわけでございます。まあ吉田委員予算委員会でずっとおられまして、たびたび申し上げたんですが、本日この委員会あるいは午後の連合審査会、そこでいろいろこの参議院の各党の先生方からの御意見もちょうだいいたしまして、最終的にはわれわれとして通産当局と一体となって政府の最終案をつくりたいと、こういう気持ちでございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 先ほど来原価主義ということが盛んに強調されております。私も原価主義を厳正に貫くならばこれは否定すべきものでもないし、当然だろうというふうに思うんです。むしろ下手な政策的な配慮や政治的な配慮が働くことの方がおかしいんじゃないかという点では、通産のおっしゃる意味と違うかどうかわかりませんが、私は原価主義というものは肯定していきたいと思うんですね。それだけに逆に言うと、その原価の内容についてはまさに適正であり、だれが見ても納得のできるものでなきゃいけないんじゃないかというふうに思うんです。  そこでこれは経企庁の方に、最初に長官にお聞きしたいんですけれども、まず、この燃料の算定に当たっては、燃料費の算定に当たって、原油の価格というものを一体いつの時点で、またレートはどのように見るのが経済企画庁としては妥当であるというふうにお考えになっておるのかどうか、お聞かせ願いたいと思うんです。確かに現在石油の価格というものは日々変動いたしておりますし、為替レートも毎日のように変動いたしております。しかし、ある長期的な期間というもので展望した場合には、ある一定の範囲内におさまった変動ではないかという感じもするわけですね。そういう点で経企庁としてはいま申し上げましたように、原油の価格というのはどの時点でおおよそどれくらいと見ておいでになるのか、レートはどれくらいというふうにお考えになっているのか、お聞かせ願いたいと思います。

正示啓次郎自由民主党・自由国民会議経済企画庁長官

○国務大臣(正示啓次郎君) 大変重要な問題でございます。この原油の価格……その前に量的な必要量の確保の問題があろうかと思います。これは資源エネルギー庁を中心に、通産当局で大変重大な責任を負っておられる問題でありますから、私どもはその御努力に全面的に期待をいたしまして、本年度もいままでのところはきわめて順調に量的な必要なものは確保されておる。まあ将来の見通しということになりますといろいろありますが、私は通産当局さらに一層の御努力になって、量的な問題についての確保はまずやられるものと考えております。  それから価格については、いま吉田委員もおっしゃったように、これはいろいろ考えますと切りがございませんので、やはり最近までの実績等を基礎にいたしまして、考えられるところで通産当局の意見を主にして私は考えるべきものと、こういう考えを持っております。  また円レートの問題これもいろいろございましょうけれども、まあ代替の方式もございまするので、そういう方式を基礎にしつつ、最近の情勢というふうなものを考えて、適正妥当なところに決めていきたい。何しろ最終的な決定をまだ見ておりませんので、これを具体的に申し上げることはできませんけれども、考え方としてはいま申し上げたような考え方で対処しておるところでございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 もうちょっと——まあ検討中だということなんですが、原油の価格の場合には、たとえばミナス原油のこの最近の価格というものを基準に置いて、将来の、たとえばOPECが六月に総会というものを予定をしておるようですけれども、そういう将来の値上げというものについては考えないと、あくまでも現在の実勢価格でいくべきだというふうなお考えに立っておるのかどうか。あるいは直接電力会社とそれから石油会社との間の契約があるわけですから、その契約を基準にしていくべきだというふうに考えるのが妥当なのか、経済企画庁としてはどのようなお考えなんですか。

藤井直樹経済企画庁物価局長

○政府委員(藤井直樹君) 前回の北海道電力の例を申し上げた方がいいかと思いますが、その際には、これからの原油価格について非常に先行き不透明な点がございますし、また石油需給の関係もかなり従来と変わってきているということもございますので、基本的にはこれからの上昇は見込まないで、現在確定している原油価格、これは公式販売価格を中心にして見通しができますので、その価格で織り込むということにしておるわけでございまして、こういう考え方は他の電力の場合にも適用してしかるべきものではないかと考えております。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 最初のうちに、とにかく一応全部お聞きしたいと思うのですけれどもね。仮に五〇%程度の引き上げが行われたとした場合に、政府が立ててきた従来の五十五年度経済情勢の見通しであるとかあるいは物価の動向、労働情勢等にどのようにはね返っていくというふうにお思いになりますか。具体的に申し上げますと、卸売物価へのはね返りがどういうふうになってくるのか、あるいは消費者物価へのはね返りはどうなるのか。従来政府は米価であるとか国鉄など、政府関係機関の公共料金の値上げの影響というのは、〇・八%程度でおさまるんじゃないかというふうなことも言われておったんですけれども、今回電力がたとえば五〇%前後あるいはガスが四五%前後というふうなことになってきた場合に、五十五年度果たして六・四%の消費者物価をそこでとどめることができるのかどうか、これは私は非常に大きな疑問があると思うんですね。さらに、家計への影響がどういうふうになってくるのか、具体的には家計費に一体どの程度影響を及ぼすのか、こういう見通しをひとつお聞かせ願いたいと思うんです。

正示啓次郎自由民主党・自由国民会議経済企画庁長官

○国務大臣(正示啓次郎君) 細かい詳しいことは政府委員にお願いしますが、基本的な方針を申し上げます。  われわれは、今日の電力、ガスの料金値上げを実は経済の見通しをつくる際から、これは先ほど通産大臣がお述べになったように、五十四年度中は上げないけれども五十五年度はどうしても上げなければならぬ、こういう予想でございましたので、経済見通しのときからそういうことは一応もちろん考慮に入れておるわけでございます。  そこで、今日の物価情勢の一番大きな問題点は、従来からの外部から来る輸入インフレ、これを国内インフレに転化させないように、すなわちわかりやすく申し上げると、卸売物価の上昇を消費者物価にできるだけ反映させないようにと、これが第一の原則であり、それから第二には公共料金をできるだけ抑制して、そこからもう物価の高騰を抑えなければならぬと、こんなようなことが五十四年度あるいは五十五年になってからの物価政策の非常に大きな眼目になっておったことは改めて申し上げるまでもないと思います。  そこで、今日最終的な細かい詰めの段階においても、通産当局にもいろいろこちらからもお願いをしておるわけですが、そういう気持ちも、いま申し上げたような点を最も重要に考えての配慮であります。したがって、私どもはあらゆる努力を傾注することによって今回の電力、ガスの料金の値上がりを、まず第一は、いま吉田委員が御指摘になった家庭への影響、すなわちCPIへの影響、これを最小限度に、それからWPI、この方への影響、いわゆる間接的な影響、こういう点を十分配慮いたしながら全力を尽くして、まず五十四年度の四・七%、五十五年度の六・四%、この消費者物価というものは、これをひとつ見通しを必ず実現すべく万全の努力を傾倒しておると、こういう状況でございます。  なお、いま詳しく御質問のありました項目について、物価局長から補足して御説明を申し上げます。

藤井直樹経済企画庁物価局長

○政府委員(藤井直樹君) 数字の御質問でございますが、お答えとしましては、申請ベースによりましてCPIそれからWPI、家計にどのぐらいの影響があるかということについて申し上げさせていただきたいと思いますが、八電力の場合、消費者物価に対しては〇・九%、それから卸売物価につきましては一・三%程度、それから家計につきましては月額約二千二百円というのが電力の場合でございます。  それからガスの場合は、消費者物価〇・三%、卸売物価〇・一%、家計支出月額増加額二千円ということになっております。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 それでは、次に予測原価についてお伺いをいたしたいと思うんです。  今回の申請は、かつてない大幅な六四・四%ということですけれども、これに対してわが党は、あの申請内容をいろんな観点から査定をして、大体三三%ぐらいでおさまるんじゃないかという見方をいたしておるわけですし、それから全国消費者団体連絡会は、これは大体二五%くらいでいいんじゃないかということで非常に大きな差があるわけですね。これは私は一にかかってこの原価のはじき方にあるんだろうと思うんです。で、予測原価の内容を見ますというと、八社の合計が十兆五千四百四十七億円で、そのうち燃料関係費が五八・二%、それから資本費が一九・九%、修繕費七・一%ということで、この三つで八五・二%になっているわけですね。とりわけ燃料費というものが約六〇%近い非常に大幅なものになっておるわけです。したがって、この燃料費をどう見るかによって数字の一〇%や一五%は直ちに違ってくると思うんですね。  そこでお尋ねをいたしたいと思うんですが、通産省の「供給規程料金算定要領」によりますと、「原価計算期間中の需給計画に基づいた数量に時価を基準とする適正な単価を乗じて算出した額」と、こういうことになっているわけですね。そこで、具体的にお尋ねをいたしますけれども、たとえば東京電力が申請をいたしました原油の内容を見ますと、申請価格が六万七千七百三十五円、キロリットル当たりということになっておるわけですし、使用量が四百六十七万三千キロリットルでその額が三千百六十五億円ということになっているわけですね。この内訳をお聞かせ願いたいと思うんです。たとえばFOBで幾らなのか、それから運賃がどうなっておるのか、関税、石油税、さらには一番わかりの悪いのがその他というところがよくわからないんですよ。その内容を詳しくひとつお聞かせ願いたいと思うんです。

森山信吾資源エネルギー庁長官

○政府委員(森山信吾君) 一般論としてまずお答えしておきたいと思いますが、御指摘のとおり、今回の大幅値上げの一番大きな寄与率は、何といいましても原油の値段ではなかろうかと思うわけでございます。そこで、私どもが原油の値段をどう見ておるかということからまずお話を申し上げたいと思います。  つい一日二日前に二月の通関統計が発表になりまして、二月に通関されました原油代金が約三十一ドル弱ということが公表されたわけでございます。これは一月にサウジアラビアを初めといたしましてほとんどの産油国が値上げをしたことの反映ではないかと思っておるわけでございますけれども、二月に入りまして値上げをしてまいりましたのが、先生御承知のとおり、イランのイラニアン・ライト、イラニアン・ヘビー、それからインドネシアにつきましては、先ほどお話のございましたミナスあるいはアタカ等々の値上げがございました。こういったものは二月の通関時点には反映されていないわけでございます。これが二月に値上げをされましたイランとかインドネシアあるいは中国の大慶原油と、こういったものが現実に値上げされた形で入ってくるのは恐らく三月以降ではないかということでございますので、現時点におきまして私どもが査定の対象といたしておりますのは、いま申し上げたような値上げ分を織り込んだものを査定をするというのが基本的な姿勢でございます。    〔委員長退席、理事中村啓一君着席〕  国会の場におきましても再三私が御答弁申し上げましたのは、三十ドルをある程度上回る価格で推移するんではないかというふうに申し上げておりましたけれども、すでに二月につきましては、先ほど申し上げましたように三十一ドル弱という数字が実数として出てまいったわけでございまして、それにさらに二月に入りまして値上げいたしました分が三月以降に入ってくるということになりますと、どうしても三十二ドル強程度の原油価格になるんではないか、こういうことをいま考えておるわけでございます。そこで、六月のOPECでどうなるかという先ほどのお話もございましたけれども、私どもはいま申し上げたような数字で一応原価計算期間中は推移するという前提の査定をしておるわけでございまして、これは油につきましては大変厳しい査定をしておるんではないかということを感じておるわけでございます。そういうことを前提といたしまして、いま御質問のございましたいわゆる消費価格、六万五千円程度のものは消費価格でございまして、現実に発電所に持っていってたくときの値段を企業としては申請をしたわけでございまして、先ほど申し上げました原油価格、これはCIFの価格でございます。CIFの価格と消費地での価格との差というものがいわゆる諸税、これは石油税もございますし、関税もございますし、あるいは防災対策費あるいは備蓄費、あるいは内航運賃等々のものがございまして、その他というのが、実はこれは先生もよく御承知のように、電力会社と石油会社との間に締結されます契約の最もポイントのところではなかろうかと思うわけでございます。私どもは実はこれを公表したいという気持ちはやまやまございますけれども、これをいまお示しいたしますと石油の流通形態がもうすべてオープンになってしまう。オープンになることはそれだけの効果は私はあると思います。あると思いますけれども、逆に言いますと、その流通形態がオープンになることによりまして、過当競争等があるいはまた起こってくる危険性がある。あの会社がこれだけの値段で買っているんだからこれだけの程度にしよう、あの会社がこの程度で買っているんだから石油会社としてはもう少し値上げを申し出てもいいんじゃないかと、そういうような非常なばらつきを生ずる危険性がある。そういうことになりますと、かえって国民の消費者の方々に悪い結果になるおそれがあるんではないかということから、その点はもうあえて伏せさせていただいているということでございますので、何とぞ御了承を賜りたいと思う次第でございます。

安田佳三資源エネルギー庁公益事業部長

○政府委員(安田佳三君) ただいま先生から東京電力の例についての御指摘があったわけでございますが、FOB価格に外航運賃と保険価格を加えました価格はおおむね五万九千八百円程度と想定しておるようでございます。そのほかに関税、石油税がかかりまして、それが約二千八百円でございますので、そうしますと、消費価格おおむね六万七千七百円との差額というものがその他諸経費ということになろうかと思います。このその他諸経費というものは、これは内容につきましては、いま長官の方から御説明しましたように、内航運賃、防災費、備蓄費、その他もろもろの諸掛りが入っておるわけでございますが、その中身につきましては、いま長官の方から御説明申し上げましたような観点から、どういう構成になって幾らであるということはこの際控えさせていただきたいというふうに考えておる次第でございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 長官から長々と苦しい胸のうちというのは聞かされたんですけれども、これははっきりしているわけでしょう、いまの申請価格の六万七千七百三十五円の内訳というのは、FOBが三十四ドル七十セント、バレル当たりですね。で、五万二千三百八十三円、これはキロリットルですね。ただしこれは一ドルを二百四十円とした場合ですね。これは間違いないでしょう。

安田佳三資源エネルギー庁公益事業部長

○政府委員(安田佳三君) この五万九千八百円というCIF価格は、FOBといたしましては三十五ドルぐらいを基本としているようでございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 これもうはっきりしているんですよね。いま三十五ドルぐらいとおっしゃったんですが、三十四ドル七十セントでキロリットル当たり五万二千三百八十三円なんですよね、東電の申請内容は、そのはずです。その他として一万五千三百五十二円なんですよね。そこでいまちょっと関税だとか石油税だとかということをおっしゃったんですが、関税、これは六百四十円、それから石油税というのが先ほどのFOBに運賃を、まあ保険料はたいしたことありませんから、運賃を加えたいわゆるCIFに関税を加えたものに三・五%ですわね、これね。そのほかに手数料が、いま何か過当競争になるんじゃないかというふうな話があったんですけれども、大体手数料というのは千円前後なんですよ。これはもう石油会社と電力会社の間ではガラス張りであって、あえて隠すほどのことではないわけ。ただ、値段の相違が出てくるというのは横浜へ着けるか、あるいは大阪へ持っていくのか、北海道へ持っていくのかということで運賃に多少の差が出てくるということは、これはあり得るわけですよね。しかし、大体手数料というのが千円を超えないであろう、大体千円前後ということなんですよね。そのほかに一般管理費というものが三千円とか四千円であるとか、いろいろあるわけですね。皆さんの手元にはその他の一万五千三百五十二円の内訳がわかっているはずなんですね、わからなきゃこれは査定できないわけですから。いま発表できなくてもわかってるんでしょうその点は。そのことだけまず聞かしてください。

安田佳三資源エネルギー庁公益事業部長

○政府委員(安田佳三君) 油の価格につきましては、油種別にもいろいろだくさんございますが、その内容等については承知いたしております。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 それじゃミナス原油の実勢価格が現在どうなっておるか——時間がありませんから私が申し上げてもいいんですが、おわかりですか、いま。わかっておったら聞かしてください。

志賀学資源エネルギー庁石油部長

○政府委員(志賀学君) ミナスでございますが、一月の通関統計で言いますと、CIFで約三十・五ドルでございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 私の方でちょっと計算したのを申し上げますと、東電の申請では原油それから重油、ナフサ、LNGというぐあいにずうっとこうなっておりますから、その原油と重油について申し上げますと、原油の場合はミナス原油がFOBで実勢価格としては二十九・七一ドル・パー・バレル、ですから、キロリットル当たり、二百四十円として計算すると四万四千八百五十円、これに運賃が仮にジュマイから横浜までとすると、基準運賃WS一〇〇で六・四八ドル、これロングトンです。ですから、WS一四〇として同じく計算をいたしますと、六・四八掛ける二百四十円掛ける一・四割る一・一九八、これはロングトンですから一・一九八、さらに比重を〇・八五としてやりますと、これを一・一七六で割ると運賃が大体キロリットル当たり千五百四十五円になるんです。したがって、CIFの値段は保険料が少ないですから、これはまあ除外をしたとすると、四万四千八百五十円の原油価格に千五百四十五円を加えますと、四万六千三百九十五円になる。これに関税の六百四十円を加えると四万七千三十五円、さらにこれに石油税の三・五%、千六百四十六円を加えますと四万八千六百八十一円になる。これに手数料を千円として、さらに管理費その他等四千円と見て加えても、五万三千六百八十一円、キロリットル——の辺の端数はどうでもいいですがね、切り上げて五万四千円にしてもいいんですよ。こういたしますと、申請の三千百六十五億円といまの計算した額でいきますと、実勢価格では二千五百九億円で、六百五十六億の水増しになるわけです。約二六・二%の水増しになる。それから重油の場合、重油の場合の東電の申請価格が六万九千二百五十五円ということは、二百四十円と見た場合には、実に一これは最終値段ということですけれども、極端な言い方をすれば、そのままの原油の値段と見れば、四十五ドル八十八セントということになってくるわけですけれども、この内訳を聞かしてもらいたいんですが、さっきのようになかなか言えないと、こういうことになると思うんですが、    〔理事中村啓一君退席、委員長着席〕 これはインドネシア国営石油の、先ほど二月に入ってからの石油の価格が上がったとおっしゃったんですが、いわゆるC重油、ミナスボトムですね、の価格が一月一日、FOBが二十八ドル五十セントでありたものが、二月九日に二十九ドル五十セントに引き上げられたということが言われておるわけですね、この点は間違いありませんか。

森山信吾資源エネルギー庁長官

○政府委員(森山信吾君) ミナス原油につきましては、いま御指摘のとおり二月四日にいわゆるGSP、インドネシアの政府公式販売価格を引き上げております。そこで、いま吉田先生からお示しのございました数字につきましては、二十九ドル五十セントというミナス原油のGSPを基準にいたしますと、おっしゃるとおりの数字が出てまいると思います。しかしながら、よく御承知のとおり、ミナス原油はGSPで入ってくる部分と、GSPをベースにいたしましていわゆるプレミアムと称する部分とがございますので、東京電力等が申請いたしましたのは、そのGSPプラスいま申し上げたそのプレミアム分の合成価格ということではないかというふうに私どもは考えております。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 プレミアムもわかるんですけれども、DD原油が大体四〇%というふうに言われておりますしね。ところが、プレミアムは全部についているわけじゃなくて、そのうちの一部であるということなんですね。ですから、東京電力が買い入れている値段というのは全部プレミアムつきのものではないということもこれはっきりしているんですよ。私の計算によりますと、いま言ったFOBが二十九ドル五十セントで、これにフレートが二ドル三十セントで、CIF値段というのが三十一ドル八十セントになっているわけですね。この点は大体いまお認めになったとおりなんですよね。そうすると、CIFを三十二ドルとして計算をいたしますと、二百四十円でキロリットル当たり四万八千三百七円になりますね。これに関税が六百四十円で、四万八千九百四十七円、それに石油税の三・五%が加わりますから、五万六百六十円ということになるわけですよね。これに手数料その他を大幅に見積もって五千円加えたとしても、いいですか、五万五千六百六十円ですよ。もしこの数字が低いとか高いとかということだったら、皆さんの方から数字を述べてくださいよ、ここはこうなるはずですと。言えないというところが私は問題だと言いたいんですよね。いいですか、もとははっきりしているんですよ。もとははっきりしている。もとがはっきりしておるのに、その他というところでわけのわからないものが非常に大きくふくらんでおるというところに私は問題があると思うんですね。そして、私はいま申し上げた数字というのは、他の石油専門家に聞いても決して安い数字ではないんです。そういたしますと、先ほどの六万九千二百五十五円からいまの五万五千六百六十円というもの、これはもう十分見積もってある値段なんですね。これに消費量の七百三十二万六千キロリットルを掛けますと、結局申請の五千九十四億円に対して、実勢としては約四千八十億円程度で済む、つまり一千十三、四億円というものがこれが水増しになるんじゃないか、以上の原油と重油の二つの水増しが大体二五・四%くらいになっていくだろうということなんです。同様に、ナフサもLNGもいま言ったように、厳密にこう査定をしていくと、とても東電が申請しているような内容にはならないわけですね。したがって、核燃料を除く燃料費というものが一兆五千八百三十六億円になっているわけですけどね、大体二五%ぐらいは削れるんですよ、ここで。減額することはできるんです。数字は大きく外れてないと思うのですよ。私が申し上げた数字は決して過当に低くなんか見積もってない数字なんです。この点、いかがですか。

森山信吾資源エネルギー庁長官

○政府委員(森山信吾君) 私どもは現在査定中でございまして、ファイナルな数字が出ておりませんので、吉田先生とここで議論をできないことを大変残念に思うわけでございますけれども、ただ一つ申し上げたいことは、先ほど申し上げましたとおり、原油のことし一年間のベースをどう見るかということにつきましては、私どもは私どもなりの判断をしているわけでございまして、ただ電力会社が今回申請をするに当たりまして、この一年間にOPECその他の動向を見まして、五%ないし一〇%の値上げがあるんではないかということがベースでいろんな数字をはじいたんだろうと思うわけでございます。その点につきましては、私どもは若干の違う見解を持っておりまして、ことしは三月ないし四月に通関されるであろう価格で一年間は推移するという前提に立っておりますから、それをベースとして査定をしておるということでございますので、冒頭に申し上げましたように、いまここで一つ一つの項目についてファイナルな数字がございませんので、大変申しわけないんですが、議論がなかなかしにくいということでなかろうかと思います。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 いまの答弁の中で、電力会社の申請が将来のある程度の値上げを見込んでおるというふうにおっしゃって、その観点には立たぬというふうにそこの部分は私受け取ったんですが、それはそれでよろしいわけですか。

森山信吾資源エネルギー庁長官

○政府委員(森山信吾君) 私どもは現在査定をしておる基本的な態度を申し上げたわけでございまして、私どもはこの一年間は値上がりはないであろうという前提で査定を進めておるということでございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 それでは、いま査定の段階であるから、確かに数字を出すということにはならぬということはよくわかりますが、大臣、ひとつお聞きをいたしたいと思いますのは、最終的に値上げが決定した段階では。——値上げが決定した段階ではというのは、通産大臣の認可がおりた段階では、査定の内容については私は公表すべきだと思うのですが、その意思はおありですか。

佐々木義武自由民主党・自由国民会議通商産業大臣

○国務大臣(佐々木義武君) 参議院の予算委員会でも御質問が——たしか参議院だと思いましたが、質問がございまして、社会党さんの方から先ほど御質疑がございましたように、御要求がございました。かくかくの次第で、社会党の案はこうだと、それに対して回答を与えてくれますかという御質問でございますから、査定が済みまして、ファイナルに決定した後は必ず御返答を申し上げまして、公開が原則でございますので、できる限り私どもは公開したいと思っておりますから、あえて御返答をはっきり申し上げるという回答をしておきました。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 これだけ論議を呼んでいる問題ですし、国民生活に、あるいは産業界にも非常に大きな影響を与えるわけですから、これは国民の納得と理解を得られるためにも、あるいは今後の、これは一年間の料金改定ですから、将来の料金改定はどうあるべきかという、将来の論議のためにも、私はぜひこの査定の内容については公表をしていただきたいと思うんです。  そこで、さらに引き続いてお尋ねをいたしますが、資本費についてですけれども、減価償却については先ほどお尋ねをしましたから一応省略をいたしまして、事業報酬についてお尋ねをいたします。  このレートベースは、通産省のこの算定規程によりますというと、電気事業にとって真実かつ有効な資産あるいは有効な投資額というふうに規定をされておるわけですけれども、そこで、ただし次のものは除外をすると、こういうふうになっておりまして、過大な予備設備の取得価額、それから廃止設備の取得価額、それから貸付設備の取得価額であるとか、あと二つほど挙げてあるんです。  そこでお尋ねをいたしますが、遊休資産についての取り扱いをどのようにされておるのか、まずお尋ねしたいと思うんです。

安田佳三資源エネルギー庁公益事業部長

○政府委員(安田佳三君) 御指摘のように、事業報酬の対象となります資産は、真実かつ有効な資産でございます。そして、その中から除外する施設等もあるわけでございますが、電力会社が保有します資産には、普通の意味で申しますいわゆる遊休資産と呼ばれるようなものはないんではなかろうかと考えております。しかし、強いて挙げますならば、固定資産のうち電気事業の用に供してない事業外固定資産などがございます。これは九電力会社合計で、昭和五十三年度末におきまして約百四十三億円ぐらいございます。で、この事業外の固定資産と申しますものは、主として、事業の用に供さなくなった設備で除却等が予定されておる設備、たとえば、廃止されました発電所の跡地で未処分のものなどがあるわけでございます。また、将来、事業の用に供する施設ではありますが、その時期が未確定なための設備というものも一部含んでおるわけでございます。これらの事業外固定資産につきましては、これは電気料金上レートペースには含めていないところでございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 じゃあ具体的に聞きますが、横浜火力発電所というのはこのレートベースの中へ含まれておりますか、おりませんか。

安田佳三資源エネルギー庁公益事業部長

○政府委員(安田佳三君) ただいま具体的な個別の発電所についてはちょっと手元に資料を持ってまいりませんでしたので、後ほど先生に改めて御連絡させていただきます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 そのほかに、それじゃいまここに資料がないとおっしゃるんで、後から資料を出すということですから、次の資料を出していただきたいと思うんです。  ただいまの横浜火力発電所のように、もうすでに将来とも稼働する見込みがなくて、ただし帳薄上いまだ廃棄処分になってない、これらは真実かつ有効な資産ではないわけですから、そういうものが施設としてどれだけあるのか。  それからさらに、遊休の土地が、これも巷間伝えられるところによれば甲子園球場の約三十倍の土地というものが遊んでおるではないかということが言われているわけですね。これは、たとえば原子力発電所の建設予定地であるとか、火力発電所の建設予定地ということでなくて、それらの土地というものが遊んでおるということが言われておるんですが、それらの土地がどれだけあるか、これも資料として出していただきたいと思うんです。  それから、核燃料勘定についても私はやはり非常に大きな問題があるんじゃないかというふうに思っております。これについては時間が参ったようですので、核燃料勘定についてもいろいろお聞きをしたいと思っておりますから、今度は資料がないということのないように手元にひとつぜひそろえておいていただきたいと思います。  これで一応終わります。

森山信吾資源エネルギー庁長官

○政府委員(森山信吾君) ただいま吉田先生から横浜の火力発電所というきわめて限定的な御指摘がございましたので、公益事業部長から後ほど御連絡すると申し上げたわけでございますけれども、全体としての遊休施設そのものを全部出せということになりますと、これはやはり会社側の問題等々もございますので、その点につきましてはお出しできるものとお出しできないものがあるということだけは御理解を賜りたいと思います。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 私は、最初に貿易問題につきまして若干お伺いをいたします。  わが国の国際収支は五十三年の大幅な黒字から、このころは大体百六十五億ドルぐらいの外貨準備があったと思いますが、黒字基調だったと思いますが、それから一転いたしまして五十四年は赤字がとうとう出てきました。ということで今後はどうなるか、それはわれわれが最も心配しているところでありますけれども、輸出はこれは円安による価格競争力の改善、あるいはまた国内景気のスローダウンによる企業の輸出意欲の高まり、こういうことで増勢に転ずると思われるわけでありますが、一方輸入も、これは輸入原価の上昇から引き続き高水準に推移するんじゃなかろうか、こういうふうに考えるわけであります。  そこで、貿易収支は五十四年の赤字から五十五年は均衡に向かうにいたしましても、経常収支の段階では貿易外移転収支の大幅な赤字が加わるために、五十五年度も引き続き大幅な赤字基調となるんじゃなかろうかと予想されておるわけでありますが、通産省といたしましては、このように長引く国際収支の赤字基調、とりわけ貿易収支の赤字基調に対してどのように具体的に対処をされるのか、その辺まずお伺いをいたします。

花岡宗助通商産業省貿易局長

○政府委員(花岡宗助君) ただいまお話ございましたように、最近のわが国の貿易収支は原油価格の上昇等によりまして輸入が増大をするということを主因といたしまして、先生おっしゃいますように、五十四年の夏以来赤字に転じておるということでございます。こういった貿易収支の赤字に加えまして、貿易外とか移転収支でも赤字幅が増大しておるというために、経常収支は五十四年の四−六月期以降大幅な赤字となっておるわけでございますが、今後の貿易収支につきましてはまず輸出につきまして、最近円安の影響等によりまして着実に回復いたしておりますし、輸入につきましても、原油価格の引き上げの影響が一番出ますのはこの二月でございまして、それ以降につきましては一次産品価格の騰勢の鈍化もございますし、あるいは円安のために製品輸入の伸びが鈍化しておるというようなこともございまして、緩やかな伸びにとどまるんではないかというふうに考えられます。ちなみに昨日発表になりました二月の通関統計によりますと、二月の輸出の伸びはドルベースで二三・二、数量ベースで二三・一%と、ここ一両年の中で最大の伸びを示しております。  一方、輸入につきましては、先ほど申しましたように、原油値上げの影響がこの二月には非常に出るということがございますが、一方数量ベースで見ますと、すでに一月から対前年比マイナスに転じております。一月は前年比マイナス六・八%、この二月もマイナス二・五%ということで、数量的にはすでに減少に転じておるということもございまして、輸出入の動向としては比較的好ましい方向に向かっておるということでございまして、その結果といたします経常収支で見ますと、確かに一月は原数値では三十三億七千万という非常に大きな数字を示しておりますが、これを季節調整をいたしますと十二億三千万ドルということで、すでに経常収支においても昨年の十一月をボトムといたしまして、その後十二月、一月、二月と経常収支じりでも改善に向かっておる。  こういったことの内容といたしまして、一体輸出がどういうところへ伸びておるんであろうかということで特に注目されますのは、中近東向けの輸出が非常に伸びておるということでございまして、二月の輸出信用状の接受高を見ますと、この二月は中近東向けは対前年比二・二倍に伸びております。これはイランが昨年特殊事情で低かったということがございますが、イランを除いて計算いたしましても八七%伸びておるということでございまして、品目別に見ましても鉄鋼が三・八倍、自動車が九一%増、電気機械が二・四倍と、繊維製品も二・二倍ということで、中近東向けの輸出が前回のオイルショック後の場合には鉄鋼とか建設機械を中心としたものでございましたが、今回は電気機械とか繊維製品とか消費財を中心に非常に伸びておるということで、私どもとしましては、現在の輸出の動向あるいは輸入の動向についてはわりあいに好ましい方向に向かっておるというふうに考えております。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 輸出の動向も好ましい方向にあると——私は動向だけ聞いたんじゃないんで、動向はまあ結構ですが、そこでその動向はいい方向へ向かうにしても、まだ当分は赤字基調が続くんじゃないか。そこで、この赤字基調を対処するためにどういうふうに対処するのか、いまいい方向にいっておるということはいまあなたがおっしゃった。その辺をちょっとお伺いしたいと思います。

花岡宗助通商産業省貿易局長

○政府委員(花岡宗助君) 輸出につきまして輸出振興ということは、まあ現在の国際情勢の中の日本の立場としてはなかなか言いにくい状態でございますけれども、現在の円相場、円安というものは、実際上輸出を伸ばしていくという方向に、すでに数量で二三%という伸びでございますから、特に輸出についてはわれわれとして特別の措置はこの際考えなくても、むしろ国際的な摩擦を生じないような配慮が重要ではなかろうか。  一方、輸入につきましては、円安によります輸入阻害要因がございますけれども、省エネルギーその他によりまして輸入の額も余り伸びないという方向に考えてまいりたいと思っておるわけでございます。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 次に、いま貿易の通商の摩擦問題についてちょっとお話がありましたのでお伺いをいたしますが、まずわが国の、地域別に見てみたんですね、地域別の貿易収支の構造を見ますると、原油の高騰により対OPECの貿易収支が大幅な赤字であり、ところがまた対米国、対ECの貿易収支は、これは黒字幅が依然として改善されておらない。そのために貿易の拡大地域においては、再び通商摩擦が起こってくる、強まることが懸念をされるわけでありますことはいまおっしゃったとおりです。このようなことから、資源のないわが国といたしましては、貿易立国としていくしかないわけでありますが、この摩擦の問題をどういうふうに回避していくか。回避しながら輸出を拡大をしていかなければならないのですが、通産省としてこれからどういうようなパターンの輸出増を考えているのか。また現に摩擦回避のために実施しているものがあれば具体的にお伺いしたいと思います。

藤原一郎通商産業省通商政策局長

○政府委員(藤原一郎君) いまお示しのように、原油の輸入に伴いますところの膨大な輸入というものがございますので、これを賄いますために外貨獲得ということがどうしても必要なわけでございます。ところが輸出につきましては、いまお話ございましたように、まあ強引な輸出政策をとるということは、国際摩擦ということから非常にむずかしい問題であることも御承知のとおりでございます。したがいまして、その辺非常にむずかしい問題があるわけでございますが、基本的にはなるべく摩擦を起こさないような形で輸出でかせぐよりないわけでございまして、そのためには特定地域に特定の商品が集中豪雨的に輸出されるということが最も摩擦を起こす原因でございますので、そういうことはないように特に留意してまいりたいというふうに考えております。  それから、基本的には貿易の拡大均衡ということを目指すということでございますので、従来促進しておりまする各地域との製品輸入の促進方策というふうなものも、これは引き続きとっていく、その上で輸入もし、輸出もしていくというバランスの中で拡大均衡をとるということを前向きに考えるよりほかないんではなかろうかと、このように考えております。  また、貿易摩擦の関連におきましては、単に貿易面だけではなかなか処理しにくい問題もございます。経済協力をあわせましたプラントの輸出というふうな面に力を入れる必要もございますし、また貿易以外の面で産業協力とかあるいは技術協力というふうな面で摩擦回避の方策といいますか、友好関係を取り結んでいくというふうな方策も必要かと思います。そういうふうなことで、包括的にいろいろな手段をとりまして国際収支のバランスがとれるような方向に、かつ摩擦がないような方向でということで、大変むずかしいわけでございますが、そういう方向に極力政策を施行していくよりほかないんだというふうに考えております。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 あのね、これは、私質問は、非常にあなたこれが大事な質問なんですよ。もう当然これは油が相当これからも入ってくるわけですしね。これは石油の輸入代金だけでも、これ五十三年度が二百三十四億ドル、五十四年が三百三十五億ドル、こういうように五十五年度は五百億ドルの見込みですけれども、そうすると、その分だけ当然海外からかせがなきゃならない、そういうことでしょう、まあ簡単に言いますと。いまちなみに、これは関連して聞きますが、石油の輸入代は昨年ドルを円に換算してどのぐらいありましたか、昨年一年の実績。また、ことし一年の見通しは、これははっきりしないかもしれませんが、どの程度になるのか、まずそれを聞きましょう。

花岡宗助通商産業省貿易局長

○政府委員(花岡宗助君) 昨年、暦年でございますが、七九年の一−十二月で原粗油の輸入額は約三百三十五億ドルでございます。ことしの輸入見通しは、価格が幾らになるかによりますけれども、これよりも相当程度上回るというふうに考えております。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 円に換算して幾らになる、去年の分は。大体でいいです。

花岡宗助通商産業省貿易局長

○政府委員(花岡宗助君) 円ベースでは大体七兆四千億円ぐらいと考えられます。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 そのように膨大な石油代を払わなければならないわけでありますから、当然これは今後貿易の面におきましても相当輸出に励まなければならぬでしょうが、その摩擦の回避につきまして、いまあなたがおっしゃったように、考えられることは、これは参考に言いますから、あなた御存じかもしれませんが、一つは輸出市場を多角化していくこと、これはいまでも多角化になっているんですが、さらに多角化する、次に海外市場で現地企業と競り合わない、相手国の雇用に影響を与えないような輸出商品を開拓をする、それから海外直接投資により現地生産をふやす方法、あるいは第三国市場たとえば産油国に欧米と協調して経済協力をするとかあるいは製品輸入の拡大をより一層進める、それに輸入促進使節団の派遣や輸入検査規格基準の改善など、地道な努力をしていく、さらには情報管理と処理のシステムの拡大、海外摩擦が生じそうになったらそれを素早く察知して対応する。いろいろと通産省は考えていらっしゃるでしょうが、あなたの答弁を聞いておるとおざなりの答弁だったから、私がこういうふうに大事な点を、大事なところは大事なようにあなたも答弁しなければいけませんですよ。これから当然起こってくるんです、摩擦が。  次に、ECとの摩擦問題、これが、まあ私も何回かヨーロッパ方面を回ってきましたが、かなりカラーテレビ、電子関係機器、そういうもののわが国の輸出に対して神経をとがらせておるようですが、これまた摩擦問題が再燃しやしないかと思うわけですが、政府は、対ECの貿易にその摩擦回避のためにどういうふうに考えていますか。

藤原一郎通商産業省通商政策局長

○政府委員(藤原一郎君) 対ECの貿易の件でございますが、いまお話しのように大きな輸出超過に相なっておることは事実でございます。ただ、一昨年来ECからの輸入が輸入ミッションその他の成果もありまして相当伸びておりまして、現状では輸入が伸びておるということで、EC側もある程度の満足を持っておるかと思います。ただ、なお相当なギャップがございますので、輸入検査手続の改善とかさらに輸入促進ミッションの派遣等によりまして市場開放を進めていくということによりまして、先ほども申し上げましたが、拡大均衡の方向へ持っていきたいということでございます。  なお、先ほども若干触れましたが、投資の交流とかあるいは研究開発、それから第三国市場での特に産業協力の問題というふうなものが日程に上りつつあるわけでございまして、そういうふうな多面的な経済関係の緊密化ということで摩擦を回避して、友好関係を維持する形で貿易を進めてまいりたいというふうに思っております。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 それからもう一点、先ほど中近東向けが非常に輸出がふえておると、対前年比二・二倍であると、こういうことでしたが、しかしまだ、向こうから石油を買うわけですから、中近東との貿易バランスはこれはなかなかむずかしいと思いますが、この中近東との貿易収支バランスをどうするかが今後の問題だと思いますが、何か具体的なことを考えていらっしゃいますか、その辺ちょっとお伺いしたいと思います。まず数字から説明してください。

藤原一郎通商産業省通商政策局長

○政府委員(藤原一郎君) 中近東との貿易バランスについて数字的に申し上げますと、暦年で昭和五十三年中近東への輸出が百七億四千五百万ドル、五十四年が百七億三千四百万ドルと相なっております。これに対しまして輸入でございますが、輸入が五十三年二百七億七千万ドル、五十四年が二百九十三億七千万ドル、こういうことに相なっております。非常に輸入の方が多いわけでございますが、これは当然油代金ということが関係しておるわけでございます。ここ中近東だけで輸出入の貿易バランスをとるということは、そういう意味合いから言いまして非常に困難でございます。何しろ油代金というものは非常に膨大になりますし、一方中近東は率直に言いまして人口がそれほど多くないわけでございますので、これへの輸出額というのはおのずから商品の貿易におきましては限度があるんではなかろうかと思います。したがいまして、経済協力というふうな関係を含めましてプラント輸出というふうなことを進めていくということで、幾らかでもバランスを回復するというふうな方法によるほかないんではなかろうかと思っております。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 次に、大臣にお伺いしますが、大臣は去る二月の十四日、貿易業界との意見交換の席上で、原油の高騰を理由に輸出の促進を要請されたことが新聞等に出ておりますが、昨年の春ごろまでの黒字減らしのための輸入促進を、このような時期に今度は輸出促進へ政策転換をするには、それなりに十分な考えを持っていらっしゃると思うが、具体的にお伺いをしたい。また、その席上で大臣の輸出促進の要請に対しまして、貿易業界から輸出保険等についての要望があったようですが、通産省としてはこの要望について具体的に検討しているのかどうか、その点について。

佐々木義武自由民主党・自由国民会議通商産業大臣

○国務大臣(佐々木義武君) 二月十四日に日本貿易会と会合がありましたことは事実でございまして、その際私は、集中豪雨的な輸出は避けてもらいたい、そして今後とも秩序ある、節度ある輸出にしてもらいたいという旨の希望を述べたのでございますけれども、どういうかげんかおっしゃるような記事になっておりまして、明くる日の二月十五日に私、記者会見におきまして、その内容を正確に伝えるように記者諸君にはお願い申し上げたところでございます。  二番目の、輸出保険の問題は確かに出まして、いろいろ応答がございました。詳しくは局長の方から御説明いたしたいと思います。

花岡宗助通商産業省貿易局長

○政府委員(花岡宗助君) ただいま大臣から申しましたように、輸出保険の運用に関しまして、過度にカントリーリスクを重視することなく、弾力的かつ広範に保険の適用を図ってほしいという旨の要望があったわけでございます。これにつきまして、輸出保険は御承知のとおり対外取引の健全な発展を図るという目的で独立採算の原則で運営されておりますけれども、通産省といたしましては、リスクの分散を図りながら機動的、弾力的な運営を図っておるわけでございまして、現在この輸出保険の運営につきましては、先進国の輸出の過当競争を防ぐという観点で、国際貿易の秩序形成のためにOECDのコンセンサスというものが設けられておりまして、この中で輸出信用条件についての調整が行われておるわけでございます。通産省といたしましても、この条件を尊重して、みだりに逸脱して保険の運用を行うことはできない、これは国際的に見てむしろマイナスであるという見地をとっております。  それからカントリーリスクにつきましては、通産省としては独自に調査分析をいたしておりますが、各国の輸出保険機構とも情報の交換を行っておりまして、カントリーリスクの評価なり管理を適切に行うように努めておるということでございますが、わが国の輸出保険の運営の実績を見ますと、一九七八年で引受実績が七兆六千億円ということで、これは世界最大の規模でございます。英国が約——英国も日本と同じように国営保険でやっておりますが、この引受実績が六兆三千億という、これが第二位でございますが、これを大きく上回る、世界最大の引受規模を持っておるということから見ましても、輸出保険の運営が決して制限的ではないということが言えるんではないかと思います。それから、現在の輸出保険の関係の人員も英国に比べますと十分の一ぐらいの人員でやっておるわけで、非常に高い効率性を維持しておるということでございまして、一人当たりの引受額で十四倍ぐらいになっておるということでございますので、そのためにも、そういったこともありまして、現在わが国の保険料率は世界でも最も低いという保険料率でございますので、保険サービスとしても十分に業界の方にも満足をいただいておるというふうに考えておりますので、今後ともリスクの分散を図りながら機動的、弾力的な保険運営を図ってまいりたいと考えておる次第でございます。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 それじゃ、時間もありませんで、次に物価、中小企業問題を若干——最初に経企長官にお伺いしますが、昨年の十一月に「物価対策の総合的推進について」、これが八項目にわたって出たわけですな。一番目は財政・金融政策の運営に当たって云々。二番目が生活関連物資及び国民経済上重要な物資について。さらに三番目が石油製品について。四番目が現下の五%石油消費節減目標の達成に努めること。五番目が生活必需物資の安定的供給と価格の安定を図ること。六番目は公共料金について、経営の徹底した合理化を前提として物価及び国民生活に及ぼす影響を十分考慮して厳正に取り扱う。七番目が地価について。八番目が地方公共団体の物価対策。いろいろ出ておりますが、これだけ出しておりながら、すでにもう三カ月ぐらい経過しておりますけれども、その後かなり卸売物価等も急騰しておるわけですが、これはもう全然効果なかったわけですか、その辺のところをまず経企長官にお伺いしたい。

正示啓次郎自由民主党・自由国民会議経済企画庁長官

○国務大臣(正示啓次郎君) 大変御心配を賜りましてありがとうございます。  まあ予算委員会でも先生いつもよく聞いておられたようでございますが、私どもの物価対策の一番の主眼は、先ほど来お話のあったように原油価格が非常に上がった、そのほか、外国からの重要な資材、原材料が上がっておる、そこへ円が安くなった、そんなわけで外国から来るインフレというか、物価高の圧力は大変なものなんでございます。そこで、これはある程度卸売物価は上がっていくことは——まあこれは極力もちろん抑制いたしますけれども、ある程度のところはしようがないが、問題はこれを国内の消費者物価へ波及させないようにすること、そしてまた国産のいろいろの消費資材について、これは一次製品でも二次製品でもみんな同じでございますが、目を光らして便乗値上げその他を排除して、極力消費者物価を抑える、これが一番の主眼なんでございます。  そこで、いま卸売物価が上がってるじゃないか、まことにある程度上がっておることはそのとおりでございますし、政府の見通しでも、まあ五十四年度よりは五十五年度はやや低目に見ております。これは原油価格なんかも二倍以上に上がっておる、五十四年度とそれからこの五十五年度では大分違いますという見通しでございます。しかし、相当上がっておりますが、これは八項目の中でも卸売物価についても極力抑えていくけれども、何と言っても大事な点は消費者物価である。それでその消費者物価についてはたびたび申し上げますように、五十四年度の年度を通じての上がり方は、当初政府は四・九%ぐらい、五%近い、こういうふうに見通しを立ててきたんです。いよいよこの三月末日で勝負は決まるわけですが、いまのところは四・七という最初の見通しよりやや低目にした見通しがまあ何とか達成できるだろう、こういうところへきております。そこで、引き続きこれは努力をしてぜひそれを達成し、来年度においてもいま申し上げたように、卸売物価についてももちろん極力努力をいたしますが、一番の重点は六・四%という消費者物価の上昇見通しを何とか守ることによって、物価政策のこれはもう各方面の御協力によって一番大事なポイントだけは守っていきたい、こういうことが基本の政策であります。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 経企長官は卸売物価は上がったけれども、消費者物価には影響してないような、そういうような——影響してないというわけじゃない、小売、消費者物価の方には余り、それほどまだ響いてないようなことでしたが、いずれはこれは来るわけですから、いま来てないかしれぬけれども。そこであしたは総合物価対策、これを打ち出されると聞いておるわけですが、前回この八項目の、これであれして効果なかった、今度は総合物価対策ができるわけですが、かなりきめ細かな前進したものと思うんですが、その辺どういうふうに、これが前向きで積極的なものに変わるのか、その辺ちょっとお伺いしたいと思うんです。

正示啓次郎自由民主党・自由国民会議経済企画庁長官

○国務大臣(正示啓次郎君) いよいよ電力、ガスの大変重要な公共料金について、先ほど来お話があるように最終段階に迫っております。これが最終決定されるときがやはり大事なときでございますから、われわれとしては総合物価対策を強力に展開しよう、こういうことでいま各省庁と打ち合わせをいたしております。財政・金融の政策についても一段と引き締め基調、これを強化していくということがどうしても大事であります。その他、物資の需給関係についてもまたいま御指摘のように、卸売物価いわゆる外国から来る影響を国内のインフレに転化させないように、そこで各品目別に強力な施策を展開していく、その両方を通じての考えは、総需要というものを適切に管理をしていく、そして供給に合わせていく。総需要が供給をオーバーすることによって起こるホームメードインフレーションを避けていく、こういうことが一番のあれでございます。そして、国内において外来からの影響を食いとめていくためには、政府も民間も生産性を向上して、便乗値上げを排除するというふうな単なる消極的な防御的なあれじゃなくて、生産性を向上して吸収をしていく、こういうふうなことを基本に考えておるわけであります。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 いずれあしたは新聞等にも出るわけですから、お手並み拝見いたしましょう。  それで最後に、金融の引き締めがだんだん強まってきておりますので、企業が今後の景気の見通しについてどう判断したらいいのか非常に困っておるわけですな。そこで、経企庁長官は今後の日本経済、景気の見通し、これどう判断をされておるかということを一言お伺いしたい。

正示啓次郎自由民主党・自由国民会議経済企画庁長官

○国務大臣(正示啓次郎君) おかげさまで景気の足取りはいまのところ相当底がたいものがございます。まあ、いま申し上げたように、需要と供給を合わすことによっても決して景気を冷やそうと考えておるわけではございません。インフレを事前に抑え込むということがこれからの経営者、労働者を通じて景気、経済についてもまた国民生活についても一番大事な点でございますから、そこのところをしっかり足場を固めて経済の安定的な成長に持っていこうと、持続させていこうと、こういうわけでございますから、私はこれからも景気は安定的に堅実な歩みを続けるものと確信をいたしております。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 次に、中小企業庁長官が見えておりますので、ちょっと中小企業関係をお尋ねいたしますが、八〇年代の中小企業施策のあり方、これですね、八〇年代と言っても特に意味があるわけでありませんけれども、ますますこの石油問題等で環境が厳しくなっていく中で、中長期的な展望を踏まえて種々の対策を実施していく必要があると思うわけであります。中小企業施策につきましても同様で、わが国経済が低成長経済に移行したことに伴い、中小企業に寄せられる期待、また一段と高まっておるわけであります。  そこで、長官として八〇年代の中小企業はどうあるべきと考えていらっしゃるのか、また、そのために今後の中小企業施策のポイントをどこに置いているのかお伺いしたい。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) この八〇年代というのは、相当厳しい環境変化が起こるであろうということが予測されておるわけでございます。中小企業というのは日本経済の基盤を支える非常に量においてもあるいは就業人口においても大きなウエートを占めておりまして、中小企業が八〇年代を生き抜くということが日本経済にも非常に大切であるというふうにわれわれ考えております。一面、非常に厳しいわけでございますが、他面、資源エネルギーの制約とかあるいは国民の消費需要の多様化というようなことから考えてまいりますと、従来のように大量の原材料を消費した大規模生産だけじゃなくて、むしろ加工度の高い、また非常に小回りのきく産業が伸びるというふうな、中小企業の活躍、活動の分野も広がってくるというふうなことをわれわれは感じておるわけでございます。そういう一面中小企業には厳しく、また一面中小企業の活動分野が開けそうだ、こういう事態に対応して、やはり御指摘のとおり、従来の考えからまた一歩進んだ考えを持って行政に当たらなければいけないというように考えておるわけでございます。実は現在、八〇年代の中小企業のあるべき姿ということで、中小企業政策審議会におきまして御検討を願っておるわけでございまして、大体昨年九月から検討開始いたしまして、大体ことしの五月ごろにはその御意見をいただけるというふうに考えておりますが、そういう御意見をいただいてやってまいりたいと考えておりますけれども、その議論の過程でわれわれが考えておりますことは、やはり従来のように生産設備等々を、中小企業は小さいものでございますから、それをたとえば共同化によって大きくしていくというふうな、設備の面で大企業にひけをとらないというようなことだけじゃなくて、むしろ技術力を向上するとかあるいは人材を養成するとか、情報を提供することを活発化するとか、いわゆるソフト面での助成策というものを強力にいたしまして、中小企業はとかく従来おくれておりましたソフト面の充実というものを中心にやってまいりたいというふうに考えておりまして、そういうことから中小企業のバイタリティーと、それから小回りのきくという特性を生かして、新しい時代に対応できるような具体的な政策を生み出していきたいというふうに考えているわけでございます。

中尾辰義公明党

○中尾辰義君 それじゃ時間もありませんで、もう一問だけ。先ほど経企庁長官の景気の現状、これからの見通し、ちょっとお伺いしたんですが、非常に堅調で底がたいということなんですが、実際は中小企業の倒産なんかはふえておるわけです、ずっと。ふえておる中で一番多いのが、いろいろ原因があるでしょうけどね、放漫経営等もかなり多いようでありますが、この放漫経営の実態ですな、なぜ放漫経営が多いのか、その実態はどうなっているのか、それを改善するために中小企業庁としてどういう対策をとっているのか、これが一点。もう一つは、昨年、産地中小企業対策臨時措置法でしたかな、これが成立したわけでありますが、その後地場産業の育成に対して中小企業庁は何か特別な対策を用意しているのかどうか、それだけまとめてお伺いいたしまして、終わります。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) 御指摘のとおり、中小企業の倒産が増加をしております。それでその内容は、いま御指摘のように放漫経営によるものというのが、販売不振というのが一番原因の中で多いわけでございます。それに次いで放漫経営というものが多いということになっております。ただ、放漫経営と申しましても、何と申しますかむちゃくちゃな経営をやったというようなことは非常に少ないと思うのでございまして、実は実態は第一次石油危機後の不況、円高というふうな、非常に中小企業の苦しい時代がございました。その時代にいろんな原因から非常に経営が困難になっている、しかし、その経営の困難を何とか持たしてきたけれども、とうとう耐えきれなくなった、そして倒産に至るというふうなことが非常に多いというふうに考えております。したがいまして、こういうふうな過去の傷を倒産に至るまでに何とかいやしていくということが倒産対策の大きな要因になろうかと思います。そしてまたもう一つ、中小企業の倒産に多いケースは、いわゆる連鎖倒産ということでございまして、取引先の企業、これは大企業の場合も相当あるわけでございますが、これが経営が破綻をいたしまして倒産をいたしますと、それに大きく債権を持っているような中小企業がたちまち連鎖倒産をするというふうなことがございます。したがいまして、われわれといたしましては、一つは中小企業が倒産に至るまでにいろいろ相談に乗って、それに対する適切な対策をアドバイスするというふうな施策を本年から講じておりまして、全国の主要商工会議所、七十四カ所でございますが、そこに特別の倒産防止の特別相談室というものを設けまして、その地域地域のいわゆる名望家がそれに対する相談に当たるというようなことで、倒産をなるべく事前に回避しようというような相談に当たっておるという制度をやっておりまして、五十五年度もそれをもっと拡大をしていきたいというふうに考えております。それからまた、連鎖倒産の防止に関しましては、一つは倒産対策緊急融資制度というのを従来から実施しておりまして、連鎖倒産になりそうな場合には、政府系金融機関が緊急の融資をするということがございます。それからまた、一昨年の四月から開始しております倒産防止共済制度というのがございまして、一定の掛金を積み立てておいて、いざ手形が不渡りが出たら積立金の十倍まで無担保無保証で貸し付けるというふうな制度もございます。こういう制度を活用いたしまして、倒産を未然に防止していきたいということを努力をしておるわけでございます。  それから、もう一つの御質問の、産地対策、地場産業振興対策でございますが、地場産業と申しますのは、大きく申しますと、産地を形成をしております産業と、それからまだ産地を形成するに至らない、いわば地場の伝統産業、その他新しく発生した産業というのがございます。で、この産地を形成しております企業につきましては、産地対策の臨時措置法によりまして産地を指定をいたしまして、それについて国が援助しながら産地の今後の活路を開拓するという政策が、五十四年度からすでに出発をしておるわけでございまして、来年度はこの指定の産地もふやしてますますこの政策を拡大していきたいというふうに考えております。  一方、産地を形成するに至らないようないわゆる地場産業につきましては、来年度予算から、まずとりあえずは、この産地の振興を図るためにどういうふうにやったらいいかという実態調査をいたそうということを考えております。地場産業の実態はやはり地方自治体、ことに都道府県、市町村が非常によく御存じの模様でございますし、またそこがやはり政策の中心にならなくてはいけないと思いますので、府県がそういう調査をしていただきまして、それに対する対策につきましても府県を中心にお考えを願う、それに対してわれわれが資金面あるいはいろいろな政策面で援助をしていくということで持ってまいりたいということを考えておりまして、来年度予算には三億円の経費を計上いたしておりますが、今後そういう実態をつかまえた上で、地方の実態に即したそれぞれ特性のある地場産業の振興策を推進していきたいというふうに考えておるわけでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 今回の電力・ガス料金の値上げ問題でありますが、特に電力料金の値上げ申請について、先ほど来問題になっておりますように、五〇%台という大幅な値上げに落ちつくということが伝えられています。この五〇%台というのは、二カ月前に申請されたその時点からあらかじめ喧伝されているところで、世上、五〇%の攻防などとうわさされております。たとえば一月二十七日の読売新聞などでは、結局認可するのは電力五〇%と最初から政府と業界の間で落ちつき先ができている、ということまで指摘している向きもありますが、もしこのままで伝えられているような五〇%台で認可されるとするならば、まさに筋書きどおりと言われても仕方がないと思うんでありますが、私、最初にこのことを指摘しておきたいんであります。  そこで伺いたいんですが、電力会社の平均約六四%という申請は、それもそれなりに原価主義に基づいて申請されたものなのか、それとも最初から大幅に水増しされたものなのか、通産省の御見解をまず伺いたい。

森山信吾資源エネルギー庁長官

○政府委員(森山信吾君) 電力会社が申請するに当たりましては、当然に査定が原価主義ということを了解して申請するわけでございますから、原価主義に基づいて申請を行ってきたというふうに私どもは考えておるわけでございます。  ただ、私どもと若干意見が食い違っておりますのは、再々委員会等で申し上げておりますとおり、原油の見通しにつきまして、過去の原油の値上がりのパターンからいたしますと、たとえばOPEC等が年に一回上げるという傾向が一昨年ぐらいまでは続いたわけでございますけれども、そういうことが再び今回、ことしにおいてまた行われるんではないかという想定で、五%ないし一〇%の値上げの予想を織り込んだ申請であるということは私どもの見解とは違うということでございまして、その点が私どもの考え方と違う一番大きな点ではなかろうかというふうに考えております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 いずれにしても、それなりの原価主義と。じゃ、通産省は三月十一日に大平総理に対して中間報告ということで五三ないし五四%といういわば査定結果を報告されておりますが、このときの記者会見で森山長官は、首相に報告した数字が原価主義を守れるぎりぎりの線だと考える、こう述べていらっしゃいますが、この点間違いないか、まず確認をいたしたい。

森山信吾資源エネルギー庁長官

○政府委員(森山信吾君) 五三ないし五四%という……

市川正一日本共産党

○市川正一君 いやいや、こういうことであるという、中身のことじゃなしに。

森山信吾資源エネルギー庁長官

○政府委員(森山信吾君) ということにつきましては、一応流動的な過程において私どもがはじいてまいりました中間報告という趣旨で御報告したということでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 その二日後の十三日ですね、自民党の政調合同部会で、同じく通産省としてはぎりぎりの線として五四・一%という査定結果を報告していらっしゃいますが、これも同様の意味で理解してよろしゅうございますか。

森山信吾資源エネルギー庁長官

○政府委員(森山信吾君) 自民党の商工関係合同部会におきましては、五三ないし五四%程度を中間的に私どもはつかんでおりますという御報告を申し上げた事実はございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 ところで、いま通産省は大平総理や自民党の政調などからなお圧縮するように指示を受けて作業していると、こういうふうに伝わっておりますが、そして最終的には五一%台に落ちつくというふうに伝えられております。そうすると、仮にそうなった場合に通産省の言う原価主義に基づく査定ということにこれも相なるんですか。

森山信吾資源エネルギー庁長官

○政府委員(森山信吾君) 原価構成の中に占めます諸元の見方につきましては、いろいろ意見が分かれるところではなかろうかと思います。私どもは私どもなりの判断で原価をはじいたわけでございますので、それに対しましていろいろ御意見があります場合は、私どもの考え方と議論を闘わせまして、その上の査定が行われると、こういう過程になろうかと思います。

市川正一日本共産党

○市川正一君 正示長官にお伺いしたいんでありますが、長官は二月二十六日の閣議の後の記者会見で、五〇%を切り込むこと、すなわち四〇%台に抑えるということを語っていらっしゃいますが、また宮崎事務次官も去る十四日に日本記者クラブでの講演で、もっと圧縮が可能である旨の発言をされております。これらも原価主義に基づくものと思いますけれども、根拠をお伺いしたい。

正示啓次郎自由民主党・自由国民会議経済企画庁長官

○国務大臣(正示啓次郎君) お答えします。  一度も何%を切り込むとかそういうことをまず言っておりません。これは優秀なる記者諸君の私の発言からの類推にすぎないと、こういうふうに申し上げます。  また、宮崎次官が申しましたのは、予算委員会でもはっきりいたしましたように、何%を超えれば原価主義で、何%を切り込む場合は原価主義ではないということは言えない、先ほど来通産当局からお話しのように、通産省としての原価の考え方はこうだ、しかしこれに対しては各方面にいろいろ議論があるから十分その意見を聞きたい、こういうことを言っておられるわけでございますので、われわれはどこまでも法律に定められた原価主義、そしてまた公平の原則、こういうものを踏まえてぎりぎり最終的な結論を出すように努力しておるわけでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 長官のお言葉でありますが、私ここにそのときのコピー持ってきております。「40%台に抑える」という大見出しですよ、これ、五段抜きであります。そして中は、「「政府が立てている来年度の消費者物価上昇見通し六・四%を達成するために、五〇%を切り込むことと、値上げによる諸物価への波及の抑制に全力を尽くす」と語った。」と、こういうかぎ括弧で包んでいますから、これは優秀な速記者及び記者のその推論とは——これマスコミの方もいらっしゃるけれども、そうは言えない記事なんですけれども、無理に四〇%台に抑えるというふうに言ったということを申し上げるつもりはないけれども、大体そういう精神で臨んでいらっしゃるんでしょう。もっと高くせいとはまさか考えてはいらっしゃいませんわな。

正示啓次郎自由民主党・自由国民会議経済企画庁長官

○国務大臣(正示啓次郎君) 物価の責任を持っておるところは原価主義でやるという原則は守るけれども、それを一応最初から限度を設けるようなことはしないからぎりぎりまで詰めましょうと、こういったことをそういうふうに御推定になったものと考えます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 そうしますと、整理してみると、六四%の電力会社の申請もこれも原価主義だとおっしゃる、それから五四・一%もこれも原価主義に基づいた計算だと、それから五〇%台、いま伝えられているたとえば五一%というのも原価主義だと、それからまあ正示長官そうおっしゃってないというんだけれども、まあこれを表現をかりれば四〇%台に抑えるという、この四〇%台も原価主義のぎりぎりだと、こうおっしゃる。この間に十数%のいわば開きがあるわけです。いろいろの各方面の意見があるからというふうに長官おっしゃるけれども、これ全部原価主義の枠にはまる、まことに奇妙ないわば数字のマジックなんですね。結局原価主義というのは、私は御都合主義といいますか、どんどん変わっていくと、こういうことは私、原価主義の名によるいわば御都合主義、後で言いますけれども、私はそれは秘密主義だと。私は、国民は絶対にこういう原価主義に基づいて云々という査定を決して信用せぬと思うんですよ、筋が通らぬ。そうしますと、結局最初に申し上げたように、筋書きは最初に水増し申請をつくって、それをいわば選挙を計算に入れた政府・自民党が幾らかの圧縮させて、そして結局電力会社のもうけはきちんと保証されている。たとえばこれは日興リサーチセンターが発表した数字でありますが、五〇%の値上げを前提として電力業界の値上げ後の九月期決算を見ましたところ、二千百八十億円もの業務利益を上げることを予想している。山一証券の経済研究所も同じ五〇%を想定した見通しでは、九月期決算では二千八百九十億円の経常利益を上げることを予想している。これでは全くもう国民をペテンにかけたようなものです。  そこで伺いたいんでありますが、通産大臣、経企庁の宮崎次官も為替レートとか修理費だとかあるいは原価償却などに問題があることを指摘しております。それ以外にも大きな問題があるわけでありますが、これは両大臣並びに森山さんも御記憶なすっていると思いますが、衆議院の予算委員会でわが党の不破書記局長が、たとえば原、燃料費とあるいは償却費の水増しの問題だとかあるいは過剰な先行投資の問題、遊休設備の問題も指摘しました。あるいは過大な事業報酬、こういう問題を具体的な事実と数字を挙げて指摘いたしたんでありますが、こういう問題について査定の中で、いまその査定の過程でどういうふうに検討され、反映されようとしておられるのか、こういう点についてお伺いしたいと思います。

森山信吾資源エネルギー庁長官

○政府委員(森山信吾君) 衆議院の予算委員会で不破先生からの御質問ございまして、私どももそれなりのお答えをしたわけでございますが、一つの御意見として拝聴したわけでございます。  そこで、私どもは現在査定の作業をいたしておりますので、ファイナルな数字を持っておりませんので、一つ一つの項目につきまして現在こういうかっこうにいたしましたということを申し上げかねる段階でございますので、それは査定が終わりました段階で私どもはできるだけ各方面の御意見に対しまして、こういう査定をいたしましたということを公表したいという気持ちを持っておりますので、それまでしばらくお待ちをいただきたいと思う次第でございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 その終わってからでは遅いのですよ。いま査定している中で、各方面の意見もあり、それを反映するということをおっしゃった。あのときに、大平総理もそういう問題については大いに耳を傾けて、そうして反映していくということを答えていらっしゃるわけですよ。とすれば、私は仮に五〇%台の査定結果が出たとするならば、これは全くこういう問題の提起、これはもう無視した、抹殺したと言わざるを得ぬわけでありますが、私はいまたとえば燃料費の問題とか減価償却費あるいは事業報酬、修繕費、内部留保等等の問題を改めて見直し、そうして今後段階的に現行の不公正な産業用と家庭用の料金体系をこれを見直しますと、各社とも少なくとも四十数%の圧縮が可能であるという私試算をすることができると思う。しかもこれはきわめて限定された範囲の、いわば公表されている資料での試算であります。さらに詳細な資料をいただけるならば、正確な資料をわれわれがいただけるならば、もっと圧縮幅は広がると、こう確信いたしております。  そこで、このことと関連して伺いたいのでありますが、今回の査定の経過を顧みてみますと、「電力業界の首脳も、各派閥の領袖や東京・目白の田中邸にも」——これ私が言うんじゃないですよ。これは毎日新聞の記事でありますが、「田中邸にも相当足を運び理解を得た」あるいはこれは読売の記事でありますが、「電力各社幹部が党の主要幹部に「猛烈な陳情」を展開」する一方、「ある自民党中堅幹部は、党政調の協議の模様を、逐一、電力会社の幹部に報告していた」、これ読売の報道です。と言われるように、まさに密室でこの料金値上げ率が決められようとする疑惑も持たれているわけです。また報道によれば、参院選挙に向けての政治献金による圧力があったとも言われております。もしこういうような疑惑があるとする以上、私は前回もこの点取り上げたんでありますが、電力会社からの寄付金あるいは交際費などについても、少なくともその内容を私は公表すべきではないか、こう考えるのでありますが、いかがでしょうか。

森山信吾資源エネルギー庁長官

○政府委員(森山信吾君) たびたび私どももお答えいたしておりますとおり、公表すべきものは私は公表すべきだと思います。ただ、すべての資料を公表することによりまして、逆の弊害が出てくる危険性のあるものにつきましては、公表は差し控えさしていただきたいというのが私どもの基本姿勢でございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 これを公表して支障を来すことはないわけです。これを公表すると、いま私申し上げた交際費だとか寄付金だとか、何か支障おますか。大臣どうですか。こんなものオープンにした方が、政府としてもいいんじゃないですか。

森山信吾資源エネルギー庁長官

○政府委員(森山信吾君) 先ほどお答えいたしましたとおり、公表すべきものは公表したいと思いますし、たとえば交際費等につきましてどの程度の減額査定を行ったかというような査定方針につきましては、もちろん公表すべきだと思いますけれども、具体的にその交際費の中身を私どもが公表するというのは中央官庁、役所としてやや行き過ぎじゃないかと。そこにはやはり会社としてのプライバシーの問題もございましょうから、その辺につきましては公表を差し控えさせていただきたいということを申し上げているわけでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 そうしますと、国会で、たとえばこの委員会でそれをいわば知らしてほしいと、知りたいということであれば、私がそれを知りたいということならば知らせていただけるんですか。

森山信吾資源エネルギー庁長官

○政府委員(森山信吾君) 市川先生は公人と私どもは考えておりますので、市川先生に資料を提供するといいましょうか、お示しすることは公表につながるということでございますので、そこにはやはり一つの限界あるんではないかと。限界と申しますのは、社会的にそういうことをはっきりと示した方がいいと思うものにつきましては私どもは公表にすることにやぶさかじゃないわけでございますけれども、そこに一つの企業秘密と言われるとちょっと問題があろうかと思いますけれども、プライバシーという問題は役所といえどもそれを全部明るみに出すことにつきましては、やはりそこに問題があることは市川先生も御理解いただけるんじゃないかと思いますので、そのぎりぎりの線の公開は私どもはできるだけ公開していきたいという基本姿勢は持っておることだけはつけ加えさせていただきたいと思います。

市川正一日本共産党

○市川正一君 理解できないんです。どうしてこれが企業秘密なんですか。どうしてこれが何か隠さなければならない、いわば国民に知らしてはならない問題なんですか。私はもう時間がないのでこれは改めて委員長にもお願いしたいと思いますが、この問題については一遍委員会としても御相談を委員長の方であずかる機会を御検討していただきたいと、こう思います。  私は、そういうことならばまさに原価主義という名のもとに原価を秘密にしていく秘密主義、そういうふうに言わざるを得ぬのでありますが、実際にそれじゃ電力会社はこれまで政治献金を中止したというふうに言っておりましたけれども、せんだっても私指摘しましたように、たとえばパーティー券を購入したり役員が個人名で献金をするとか、実際にはこれもう復活しておるんです。一体そういう費用は今度の電力会社の申請書のどこで何費として入っているんですかお伺いしたいんです。

安田佳三資源エネルギー庁公益事業部長

○政府委員(安田佳三君) パーティー券購入がなされているかどうかは別といたしまして、交際費という費目につきましては、これは会計上通信運搬費、旅費などと一緒に電気事業営業費用の中のうちの諸費に整理されるのが原則となっております。そして、料金原価上その他経費の諸費の中に交際費は計上されておりますが、その交際費の具体的な使途につきましては、これは企業みずからの判断にゆだねるということになろうかとも思います。

市川正一日本共産党

○市川正一君 そうすると、その交際費のいわば費目は、あるいは項目は何になるんですか、具体的に。

安田佳三資源エネルギー庁公益事業部長

○政府委員(安田佳三君) 電気事業営業費用のうちの諸費の中の交際費の項目でございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 私の方で、じゃあそういう交際費や寄付金いわゆる政治献金でありますが、その項目と内容を提出するように各電力会社に要求しましたところ、申請書では肝心のところがその他費用ということになっているわけですね。それでいいんでしょう。その他費用なんでしょう、安田さん。

安田佳三資源エネルギー庁公益事業部長

○政府委員(安田佳三君) その他経費の中に入っております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 そして、じゃその他費用というものの内訳を要求したんです。そうすると答えていわく——資料来たんです。諸費に入って、そして通信運搬費や旅費やその他にまたなっておるんですよ。これが一番大きいんですよ。たとえば北陸電力でありますが、これをとってみると約二十億ですよ。で問い合わして、その他がほしいんだと言うと、その中には何々やと言うて聞いたら、いや会議費や交際費やその他やと言うのですね。だから、これは何ぼ詰めていってもその他その他ですよ。その他の中にはちゃんと政治献金も入っておると言うのですよ。これは全く国民を愚弄していますよ。その他の費用というのは合計いたしますと五十五年度計画で九電力がトータルで二百四十五億という巨額な金になります。いま私北陸電力だけを約二十億というふうに言いましたけれども、九電力では二百四十五億です。こういう交際費の額というのは税法上の損金算入限度額を大きく超えて使われていることは明らかであります。だからこそ原価主義という意味からも、また私申しましたようないま政局の動向が参議院選挙との絡まりでいろいろなことが伝えられている。国民がやはりそこを注目しているというときにこそその内容を私鮮明にすべきだ、こう思うのであります。しかも、これ実例でありますけれども、九州電力でありますが、公然と会社として政治献金をいたしております。たとえば去年の秋の総選挙のとき、その資金として九電が自民党の藤田義光君、熊本一区の方ですが、この方に五十万円、吉永治市君に五十万円、こういうふうに献金がやられています。通産省はこの事実を御存じですか。

安田佳三資源エネルギー庁公益事業部長

○政府委員(安田佳三君) 政治献金等につきましては、企業モラルに照らして会社がみずからの意思で判断すべき問題と考えておりますので、私どもの方はそういうものを把握いたしておりません。

市川正一日本共産党

○市川正一君 しかし、そういう政治献金をいわば自粛しよう、やめようということで電力関係一致してやったはずじゃないですか。そのことを通産省としても歓迎されていたと思いますが、大臣いかがでしょうか。こういう形でもう政治献金が復活してきている。しかもそこへ電力料金のいわば大幅値上げということ、国民はどう見るでしょう。佐々木大臣の御所見を伺いたい。

佐々木義武自由民主党・自由国民会議通商産業大臣

○国務大臣(佐々木義武君) 私は電力もガスの方も政治献金は四十九年以来行っていないというふうに聞き及んでおります。

市川正一日本共産党

○市川正一君 四十九年以来行っていないというのが、いま申し上げたように、たとえば九電の一例でありますが、去年の秋の総選挙の前にこういう政治献金が行われているというこの事実は、私これ熊本県の公文書で調べたのでありますが、この点は事実なんです。ひとつ通産省お調べ願いたい。いい悪いじゃなしに、事実としてこういうふうなことがあるという意味です。

安田佳三資源エネルギー庁公益事業部長

○政府委員(安田佳三君) 企業がその事業活動の一環として行います活動につきましては、特に問題がある点を除きましては、当方としては企業の自主的な判断にゆだねるべき問題であるという考え方に立ちまして、調べることはいささか問題があろうかというふうに考えております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 安田さん、大臣は四十九年以降はやられてないと、そういう認識で確信を持ってお答えになったんですよ。ところが、事実はそうじゃないんで、その点ははっきりしておいてほしいと言うているわけで、何もいいとか悪いとかいうことの議論まで、私はいま時間がないですからやりませんけれども、大臣がおっしゃったそのことと違うんだということだけははっきりしておきたい。  もしこういうような交際費や寄付金についてあくまでも公表を拒否すると言うならば、これは、繰り返しましたように、原価主義というものが、結局は国民に対する秘密主義、お手盛り主義、まさに参議院選挙を前にしたそういう中でのいわば動きと結びついて、私はそれが根底にあると言わざるを得ぬのでありますが、私はこの際に、きのう政府にもわが党が申し入れを行いましたけれども、電力・ガス料金の値上げ認可を当面凍結して、そうして申請内容の徹底した再審査を行うべきである、こういうふうに考えますが、時間が参りましたので、この点について両大臣の責任ある御見解を最後に承って、質問を終わりたいと思います。

佐々木義武自由民主党・自由国民会議通商産業大臣

○国務大臣(佐々木義武君) いままで、四年以上になりますか、値上げを一切せずに、しかも、この三月末までは一切値上げまかりならぬということでおりましたところ、さっきからお話しのように、世界の石油の事情が激変いたしまして、イランの問題以来大変な値上がりを見たことは私から説明するまでもないと思います。これが主たる原因になりまして、そうして電力会社としては、油を使わなければ公益的な自分の任務を達成できないわけでございますから、高くても買わざるを得ないということで、とうに本当は値上げしてほしかったんだろうと思います。いま内部留保等を食ってつないでおるわけです。でございますから、三月の末までは苦しくともがまんしますよと、そのかわり四月一日からはひとつ上げてくださいと、こういうことで、法律の指示どおり値上げ申請をしてきたわけでございますから、私どもその値上げを拒否するわけにはまいりません。  しかし、四月一日に確実に認可、実施できるようにできますかと言いますと、冒頭社会党さんの方にお答え申し上げましたように、だだいま政府部内でも最終的な詰め、あるいは自民党の方とも御相談申し上げ、あるいは最終的には物価問題閣僚会議等に諮りましてこれ決めるわけでございますので、しかと四月一日に間違いないかと言われますと、これは自信ありませんけれども、そういう事情でございますので、なるたけ御期待に沿うように作業を終わりたいということで、いま……

市川正一日本共産党

○市川正一君 私、延ばせと言うてるんです。

佐々木義武自由民主党・自由国民会議通商産業大臣

○国務大臣(佐々木義武君) 延ばすつもりはございません。延びるかもしれませんけれども、延ばすつもりはございません。

正示啓次郎自由民主党・自由国民会議経済企画庁長官

○国務大臣(正示啓次郎君) 経済の安定的な堅実な成長をやっぱり確保していかなきゃならぬ。国民生活に対しても必要最小限度、しかも欠くべからざるエネルギーを確保しなければならぬ。しかし、物価に対する影響は、これはもう非常に厳重にわれわれとしては最小限度にとどめなければならぬ。こういうふうないろんなトリレンマとでも申しましょうかね、むずかしい要請でございますが、これをできる限り充足するような方法で、与えられた時間内に最善を尽くして私は政府としての責任を果たすべきである、こういうふうに考えております。

斎藤十朗自由民主党・自由国民会議

○委員長(斎藤十朗君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。

斎藤十朗自由民主党・自由国民会議

○委員長(斎藤十朗君) 次に、工業標準化法の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。佐々木通商産業大臣。

佐々木義武自由民主党・自由国民会議通商産業大臣

○国務大臣(佐々木義武君) 工業標準化法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  先般、多角的貿易交渉において、各国の規格及び認証制度が貿易に対する不必要な障害にならないようにすることを主な目的として貿易の技術的障害に関する協定が作成されました。  この協定は、認証制度の分野における内国民待遇及び無差別待遇の許与について定めており、これを実施するため、外国の製造業者等が日本工業規格表示制度を利用することができるよう措置を講ずることが必要となります。  一方、日本工業規格表示制度は、これまで、商品選択の指標として、取引の単純公正化、使用消費の合理化等に重要な役割を果たしてまいりましたが、商品の高度化等に伴いその役割りは一層大きなものとなっております。今後とも、その適切な運用を図るため、制度の一層の充実が望まれるところであります。  かかる工業標準化事業をめぐる情勢の変化に対処するため、今般、工業標準化法の改正を提案することといたした次第であります。  次に、本法案の要旨につきまして、御説明申し上げます。  第一は、外国の製造業者等が日本工業規格表示制度を利用することができるよう措置することであります。  日本工業規格表示制度につきましては、現行法のもとでは、国内の製造業者、加工業者のみが利用し得るものとなっておりますが、今般、貿易の技術的障害に関する協定を実施するため、外国の製造業者、加工業者も主務大臣の承認を受けた場合にはその製造する鉱工業品等に日本工業規格に該当するものであることを示す特別な表示、いわゆるJISマークを付することができるよう措置した次第でございます。  これにより、輸入産品にも、日本工業規格表示制度が適用されることとなり、一層の取引の単純公正化、使用消費の合理化等が図られるものと期待されるところであります。  第二は、日本工業規格表示制度の適切な運用を図るための改正であります。  日本工業規格の改正時等必要な場合には、許可製造業者等に対し、主務大臣の認定等を受けた検査機関の検査を受けるべきことを義務づけるとともに、同表示制度の対象品目以外の鉱工業品に対してもJISマークを付することを禁止いたしました。  第三に、日本工業規格がなお適正であるかどうか確認等をする時期を、国際規格に整合させ、五年に一度とし、日本工業規格の国際規格への準拠をより一層進めることといたしました。  以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。  何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

斎藤十朗自由民主党・自由国民会議

○委員長(斎藤十朗君) 次に、補足説明を聴取いたします。石坂工業技術院長。

石坂誠一工業技術院長

○政府委員(石坂誠一君) 工業標準化法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由の順序に従って若干の補足説明をさせていただきます。  第一に、外国の製造業者等の日本工業規格表示制度の利用についてであります。  今般、外国の製造業者等も主務大臣の承認を受けた場合には、その製造する鉱工業品等にJISマークを付することができるよう措置いたしたところでありますが、承認は外国の製造業者等の申請に基づき、その工場または事業場ごとに行い、承認に当たっては、国内と同様、工場、事業場の技術的生産条件を審査することとしております。  また、承認をした外国の製造業者等に対しましては、その業務に関し、報告を永める一方、必要に応じ職員を派遣し、工場、事業場の技術的生産条件を検査することとしております。  なお、輸入業者は、JISマークを付した商品については、承認を受けた製造業者等に係るものに限って販売することができるものといたしました。  第二に、日本工業規格表示制度の適切な運営を図るための改正についてであります。  主務大臣は、必要と認めるときは、一定期間内に認定検査機関の検査を許可製造業者等が受けるべき旨を公示することができることといたしたところであります。  認定検査機関による検査の結果、JISマークの付してある商品が日本工業規格に該当しない等の場合には、主務大臣は、その職員に許可製造業者等について立入検査を実施させるものとし、必要な処分を行うまでの期間、商品にJISマークを付して販売してはならないことを命ずることができるものといたしております。  なお、本制度は、承認を受けた外国の製造業者等についても適用し、外国工場・事業場の検査をより円滑に行ってまいることとしております。この場合、貿易の技術的障害に関する協定におきまして、可能なときは外国の検査機関の活用を図るよううたっているところでもあり、外国工場・事業場の検査につきましては、主務大臣が承認をした外国の検査機関にも行わせることができるよう措置いたしました。  さらに、JISマーク表示制度の対象品目以外の鉱工業品に対するJISマーク表示の禁止につきましては、主務大臣は、違反者に対し、JISマークの除去または抹消等を命ずることができるよう措置いたしたものであります。  第三に、日本工業規格の確認等の時期に係る規定の改正いわゆる見直し規定の改正についてであります。  今般、国際規格に整合させ、見直し頻度を五年に一度としたものでありますが、見直し期限に至らずとも、必要があれば、主務大臣は、日本工業規格の改正等を行うことは可能であり、技術進歩の著しい分野等における規格につきましては、不断に見直しを図っていく所存であります。  以上、この法律案につきまして、補足説明をいたしました。  何とぞ、よろしく御審議のほどお願いいたします。

斎藤十朗自由民主党・自由国民会議

○委員長(斎藤十朗君) 本案に対する質疑は後日行うことといたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時五十二分散会      —————・—————

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