社会労働委員会 第8号
- 発言数
- 207 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1980/04/24
会議録
○理事(浜本万三君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨二十三日、田中寿美子君、原田立君、中村禎二君、堀江正夫君、岩崎純三君及び井上計君が委員を辞任され、その補欠として片山甚市君、渡部通子君、長谷川信君、長田裕二君、上原正吉君及び柄谷道一君が選任されました。 —————————————
○理事(浜本万三君) 次に、労働安全衛生法の一部を改正する法律案及び中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案、以上両案を便宜一括して議題といたします。 両案の趣旨説明はすでに聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○高杉廸忠君 私は、去る九日、本委員会に提案をされました労働安全衛生法の一部を改正する法律案に関しまして問題点を指摘し、また、幾つかの提言も含めまして労働大臣を初め関係当局に質疑を行うものであります。 まず、基本的な問題として、産業災害の増加傾向と労働安全対策について伺いたいと存じます。 労働災害は、年間百万人を超えており、このうち三千人を超える労働者が死亡している現状であります。安定成長下において、最近はむしろ災害が増加している傾向にあり、ことに建設業においては重大災害が多発しているのが特徴であります。人命が何よりも尊重されなければならない今日、まことに遺憾な事態と言わざるを得ません。労働行政においては、災害防止のための計画や対策などは積極的に進めていることを評価するものの、しかしながらその反面、労働安全衛生法や労働基準法の趣旨に基づく徹底した監督がなし得ない行政の実態に根本的な問題があると言われております。まず、これが実態及び今後の災害防止対策の基本姿勢について、この際、労働大臣の所見を承りたいと存じます。
○国務大臣(藤波孝生君) 労働行政にはいろいろな課題がございます。それらの課題を解決をいたしますために日夜努力をいたしておるわけでございますが、委員から御指摘がございましたように、年間百万件に上る労働災害、また、多くの死傷者が出ているという現実を考えますときに、やはり労働行政の前提として働く人々の安全、健康の保全といったことが喫緊の解決をしなきゃならぬ課題であるというふうに心得ているわけでございます。何とかこの日本の社会の中から労働災害を絶滅をする。御指摘をいただきましたように、特に近年建設業における労働災害が多発をいたしておりまして、これらにつきましても一つ一つ対策を講じ、各方面の深い御理解と万全の対策を講じて、事故の絶滅を期すように努力をしていかなきゃならぬ、このように強く決意をいたしておるところでございます。 労働省といたしましては、五十二年度を初年度といたしまして、昭和五十七年度を目標年度といたします第五次の労働災害防止計画を策定をいたしまして、大型災害の防止対策、在来型労働災害の防止対策、さらに職業性の疾病につきまして思い切って予防の措置を講じていく、また、ともすると多発しがちでございます中小企業における労働災害の防止対策を講じていく。それから特に近年、どうしても職場で中高年の労働者が増加をしているという傾向にありますので、中高年労働者を中心といたしましてよほど災害防止の対策を講じていかなければならないというような必要性が出てきております。こういった対策の推進を図ってきておるところでございますが、ただいまも御指摘がございましたように、労働基準監督官による法違反の是正のための監督活動を中心にいたしまして、もっともっと防止対策を強力に展開をしていく必要があると考えております。 このため、労働基準監督官や産業安全専門官、労働衛生専門官等の増員につきましても、行政改革の非常に声の大きい時期ではありますけれども、十分省といたしましてぜひ増員をしていきたいという姿勢を打ち出しまして、関係省庁とも年々折衡を重ねてきておるところでございまして、こういった労働行政の特に第一線の組織、人員の強化を図りまして、災害の予防の強化、さらにそれぞれの現場において労働災害が起こらないよう万全の対策を講じているという構えをさらに前進をさせていきたい、このように考えておる次第でございます。
○高杉廸忠君 中央労働基準審議会、昭和五十三年九月十九日、「建設労働をめぐる安全衛生上の諸問題と対策の方向について」、重要かつ貴重な建議を行っております。この建議の大部分の重要事項が今回の改正案に十分反映されていないのではないか、こう思います。したがって、この法案提出に至るまでの経緯、あわせてこの点を御説明いただきたいと存じます。
○政府委員(吉本実君) ただいま御指摘を受けました昭和五十三年の九月に中央労働基準審議会から建設業についての建議がなされております。その内容としましては、一つは、工事の計画段階における対策、安全衛生管理体制の問題、三番目、安全衛生に関する技術基準の問題、四番目に、安全衛生教育等につきまして、他産業に比較してその生産方式等に著しい特性のあります建設業の実態に対応した労災防止対策の方向を示したものでございます。 労働省といたしましては、この建議に基づきまして、また最近の労働災害の発生状況にもかんがみまして、建設業におきます総合的な労働災害防止対策を取りまとめまして、昨年の九月七日、労働基準審議会にその検討をお願いをいたしたところでございます。中央労働基準審議会におきましては、その下部機構でございます労働災害防止部会、それから同部会に置かれます建設専門委員会におきまして鋭意検討がなされまして、そのうち当面緊急を要する法律改正事項及び省令改正事項につきまして、建設業における労働災害防止対策の中間検討結果報告という形でことしの二月七日、同部会から同審議会に報告が行われ、これが了承されたわけでございます。 労働省は、これらの状況を踏まえまして建設業におきます総合的な労働災害防止対策の一環としまして、同日、中央労働基準審議会に対しまして、労働安全衛生法の一部を改正する法律案要綱と、隧道等の建設工事におきます爆発火災の防止に関します労働安全衛生規則の一部を改正する省令案要綱の二つにつきまして御諮問をいたし、翌二月八日、同審議会から全会一致により適当である旨の答申がなされた次第でございます。 このように、今回提出いたしました法律案は、建議で示された対策のうち、当面緊急に実施する必要ある事項及び重大災害の最近の事例にかんがみまして措置する必要があることでございまして、新たに法律で規制することが適当であるものについてこれを取りまとめたものでございます。 また、隧道等の建設の作業におきます爆発火災の防止対策につきましては、先ほどの二月八日付の答申に基づまして、現在労働安全衛生規則の改正作業を進めているところでございます。 さらに、総合対策のうちのその他の事項につきましては、引き続き中央労働基準審議会に検討をお願いいたしまして、三月の二十八日に検討結果報告を得ておりますので、建議にかかわります作業主任者の選任範囲の拡大とかあるいは仮設機材の構造規格の制定、特別教育の対象業務の拡大、こういったことにつきまして、政省令の改正等によりまして早急に対策の具体化を現在進めようということでございます。 それからなお、さきの中央労働基準審議会の本年二月七日付の中間検討結果報告におきまして、当面行政運営により措置すべきであるとされております建設業者の安全成績の評価とか、あるいはセーフティーアセスメントの指針の作成等につきましては、現在具体化に向け努力しているところでございます。 以上経過を申し上げました。
○高杉廸忠君 それでは、事前審査制度の強化について伺いますが、今回の改正の主眼点が、大規模工事に対する計画書に焦点を当ててこれの事前審査を強化しようとしています。現在、通達をもって三十億円以上の工事を大規模工事として監督が行われていますが、これとの関係について伺います。
○政府委員(津澤健一君) ただいま御指摘がございました請負金額三十億円以上の大規模工事に対する監督指導につきましては、これは企業におきまする自主的な災害防止活動を促進させて下請を含む総括安全衛生管理体制を確立させよう、こういう趣旨のもとに、たとえば一定期間ごとに災害防止に関する自主点検の結果を提出させるというようなことなどまじえまして、監督指導そのものを効果あらしめるということで推進しているところでございます。 今回の法改正によりまして、その計画が大臣審査の対象となりますような工事は、ほとんどが請負金額が三十億円以上のものであると思われますが、労働大臣による事前審査が行われることになりましても、工事の施工中におきまするこのような監督指導についての手法をことさら変更することは考えていないのでございます。計画の審査の充実、それからこのような工事施工中における効率的な監督指導の実施、両々相まちまして建設業における労働災害の防止を図ってまいろうとするものでございます。
○高杉廸忠君 それでは具体的にお聞きしますけれども、今回の改正によりまして、危険性の高い大規模な工事として大臣への届け出の対象となる工事は具体的にどのようなものなのか、いまの点で示していただきたい、これが第一であります。 それからまた、それらは世紀的な大工事とも言われるべきだと思いますが、具体的にはいかなるものを想定されているのか、二つ目です。 それから、三つ目として、今後これらの事前審査の対象をさらに拡大適用していく考えがおありでありますか。 以上の三点について伺います。
○政府委員(津澤健一君) 第一点でございますが、大臣届け出対象工事として、現在は労働基準監督署に届けられておりますいろいろな工事のうちの中で、私どもが大臣届け出対象と考えておりますのは長さが三千メートル以上のトンネルの工事、あるいは最大支間が五百メートル以上の橋梁工事、つり橋にありましては千メートル以上、あるいは堤高が百五十メートル以上のダム工事、さらにまた三気圧以上の圧力を用いる圧気工事でございますとか、さらには大規模な地下発電工事とか、それらに類するような危険かつ大規模なそういうもの。要するに、重大な労働災害を生ずるおそれのある特に大規模なものというのを予定しておるところでございます。 それから、これは実際にはどういうものがあるかというお尋ねでございますが、たとえて申しますと、三千メートル以上のトンネルといたしましては、現在工事中のもので申し上げますと、青函トンネル、これは長さが五万三千八百五十メートルございますが、それから大清水トンネル、これは長さが二万二千二百二十八メートル、あるいは榛名トンネル、こういったもののほか、ただいま計画中のものとして私ども聞いておりますものとしては、例を挙げますと、中国横断自動車道西尾トンネル、四国縦断自動車道明神トンネルというようなものがございます。 それから、橋に関しましては、千メートル以上のつり橋では、現在工事中のものといたしまして本四架橋の南備讃瀬戸大橋、これは長さが千六百四十八メートルでございますが、こういったもの。さらに計画中のものといたしましては明石海峡大橋、来島第三大橋というようなものがございます。 また、ダムで申し上げますと、現在工事中でございますのは高瀬ダム、徳山ダム、宮ケ瀬ダムというようなものがありますし、さらには計画中のものとして奈良俣ダムというようなものもすべて百五十メートル以上ということに相なっております。 それから第三点の、今後どうするのかというお尋ねでございますけれども、この法律の施行のために対象工事を定めました後におきまして、当該工事の範囲の拡大をどうするかという問題につきましては、実際の運用の実績でございますとか、あるいはその後の災害の動向などを見ながらさらに検討を進めてまいりたいと存じております。
○高杉廸忠君 いま具体的に示していただいたんですけれども、今日の建設業の実態は、成績を上げるために工事の短縮競争が常識化しています。もし計画書の届け出の内容に変更を命ぜられた場合、工期や経費負担の問題についてそのしわ寄せが下請企業やその労働者に及ぶ危険が予想されますが、その点の対策をどのように立てておられるのか伺います。
○政府委員(津澤健一君) 御指摘のようなことが建設業ではあると私どもも聞いておりますけれども、建設工事におきましては労働者の安全衛生はもちろん、一般労働条件の確保というような観点から、計画の事前審査のほか、建設工事の施工段階におきまする監督指導も強力に行っているところでございまして、御指摘のとおり工事のスピードアップとか、工期の短縮によりまして労働者の安全衛生及び一般労働条件の確保に支障を来すというようなことがあってはならないのは当然でございますので、私どもといたしましても、こうした工事につきましては計画の事前審査で事足りるということではなく、施工の段階におきましてもこのような事態が生じないように厳しい監督指導をさらに進めてまいりたいと思っております。
○高杉廸忠君 先ほど部長がお答えになった、工事のいろんな規模についてお話がありましたが、特に私は世紀的な大工事、大規模工事ということになると思うんですが、そうなれば、計画の段階から第一に安全実施対策、第二に適正な工期、工程の設定、第三に安全経費の確保、これらなどについて発注者も労働災害の防止の観点から十分な配慮をすべき必要があると考えます。この発注者については、国、地方自治体、公団等も含めた発注者として言えますけれども、この点について適切な措置を考えているのかどうか伺います。
○政府委員(吉本実君) 建設工事におきます発注者の責務につきましては、現行の労働安全衛生法におきまして施工方法なり工期等について、「安全で衛生的な作業の遂行をそこなうおそれのある条件を附さないように配慮しなければならない。」という規定がございます。労働省といたしましてはこういった規定の趣旨を踏まえまして、本省段階なり中央局署の段階でそれぞれの発注機関と連絡協議を密にいたしまして、これによりまして安全経費の積算、適正な工期の設定等、請負契約にかかわります安全衛生対策について十分な配慮がなされるよう指導をしたり要請に努めているところでございまして、また、発注機関の担当技術者に対します研修も行っているところでございます。 なお、この計画審査等によりまして発注者に関連する改善すべき事項が生じた場合につきましては、当該発注者に対しまして、御指摘のような安全実施対策等の措置について必要な指導なり要請を行うように努めてまいる所存でございます。
○高杉廸忠君 建設工事の実態からいいまして、すべての工事についてもいま私が第一、第二、第三と指摘しました安全実施対策や適正な工期、工程の設定や安全経費の確保などこれは同様の必要があるのではないか、これは建設工事全般についてこういうふうに考えるんですけれども、こういう点では同様な措置についてはいかがですか。
○政府委員(吉本実君) 先ほど御説明しましたような対策につきましては、大臣への届け出対象の工事ばかりでなく、また公共的工事にかかわる発注機関について進めているところでございますが、ただいま御指摘のように、民間工事の発注機関につきましても、計画の審査や工事現場の監督指導の際に、必要に応じまして安全な施工方法なり適正な工期等につきまして勧奨なり指導をしていくことといたしたいと思います。
○高杉廸忠君 次に、中小規模工事の労働災害対策について伺いますが、中基審の建議では、中小規模工事における災害の多発を指摘しています。大規模工事の災害防止対策もさることながら、災害の数を減らすためには依然として多い中小規模工事の災害に対する十分な対策がきわめて重要であると考えます。これらに対しましてはいかなる対策を持っておられるのか、伺いたいと思います。
○政府委員(津澤健一君) 御指摘のように、災害の発生件数から申しますと、中小規模工事において大部分の災害が発生しております。これに対する対策の充実が必要でありますことは、私どもも御指摘のように考えておるところでございます。 特に、中小規模ということで問題の多い上下水道工事でございますとか、あるいは木造家屋の工事など工期が短くてしかも工事現場も広範囲にわたって多数のものが散在しておる、さらにはまた、施工業者も中小零細業者が多いなどの特殊性がありますことから、これらの災害防止対策もこういった実情に見合ったものである必要がございますので、労働省では、上下水道工事などの発注機関の協力も得まして工事施工の状況の把握に努めておりますとともに、工事が実施されておる段階で一定の地域でありますとか、あるいは期間を定めまして集中的なパトロール監督を行い、あるいは建設業のいわゆる店社でございますが、そういったものをねらった店社別監督指導というものを実施することなどによりまして効果を上げるような監督指導のやり方を採用して努力しておるところでございます。 このほか、非常に多数にわたります木造家屋建築工事などの災害の数は多いのでございますが、こういったことにつきましては、関係団体などを通じまして自主的な労働災害防止活動を進めるようにいろいろな対策を取り計らっておるところでありまして、また一つの方法として、仮設機材というものの安全が重要でございますので、これらの使用促進を図りますために融資制度も設けているところでございます。 また、今回の政省令の改正に際しまして、木造家屋建築工事の軸組み、親組みなどの組み立て、解体の作業について作業主任者の制度を導入いたしますとともに、足場、型枠支保工等の仮設機材の安全性を確保いたしますために構造規格を定め、これに基づいて査定を実施するなど、中小規模建設工事における災害防止を進めてまいりたいと考えております。
○高杉廸忠君 安全管理体制の整備について伺いますが、今回の元方事業者の指名等により各種の有資格者を新たに配置することとしていますけれども、その基準及び権限等についてはどのようなものか伺います。
○政府委員(津澤健一君) 元方安全衛生管理者は、建設工事の施工におきまする安全衛生についての知識経験を必要とするというものでございまして、その具体的な資格は、まず第一といたしまして、大学または高等専門学校における理科系の正規の課程を修めて卒業した者で、その後建設工事の施工における安全衛生の実務に三年以上従事した経験を有する者。それから二番目といたしまして、今度は高校でございますが、高校において理科系の正規の学科を修めて卒業した者で、その後建設工事の施工における安全衛生の実務に五年以上従事した経験を有する者。三番目といたしまして、ただいま申し上げたのは学校出の話でございますので、その他これらと同等以上の者ということで、労働大臣が定めていくということを考えております。 また、元方安全衛生管理者は、いわゆる混在作業現場における元方下請の労働者の労働災害を防止するために統括安全衛生責任者の指揮を受けて、その統括管理すべき事項に係る技術的な事項を管理するというものであります。 なお、必要な措置をなし得る権限というものを付与することにつきましては、省令を定める際に盛り込むことを予定いたしております。
○高杉廸忠君 現行制度においても、災害防止体制における資格者は多く、また重層化しているように思いますが、このことはいまお話がありました、特に下請混在作業現場について言えると思います。有資格者をふやすだけでは指揮命令系統の複雑化等により、かえってその機能が損なわれるおそれがあるのではないかというふうに考えますが、いかがですか。
○政府委員(津澤健一君) 労働安全衛生法で定めております安全衛生管理体制は、一つは個々の事業場におけるものと、それからもう一つは下請混在現場におけるものと二つの種類がございまして、それぞれ指揮命令系統、職務内容等が明確に規定されておるところでございます。 それで前者の場合、すなわち個々の事業場の場合は、事業者が一定規模の事業場ごとに安全衛生に関する業務を統括管理するものといたしまして総括安全衛生管理者というものを置きまして、その者の指揮のもとに安全または衛生に係る技術的な事項を管理するものとして、安全管理者でございますとか衛生管理者を置くということになっております。さらに、特定の危険な作業につきましては作業主任者というものが置かれております。それから後者の場合、すなわち下請混在現場におきましては、元方事業者は作業の混在による労働災害を防止するために、作業問の連絡調整などの事項を統括管理するものとして統括安全衛生責任者を置きまして、また個々の下請事業者は統括安全衛生責任者との連絡などを行わせるために安全衛生責任者を置くこととなっております。 今回の法改正は、個々の事業場に総括安全衛生管理者を補佐するものとして安全管理者及び衛生管理者が置かれておるのに対応いたしまして、普通の事業者はそういう形でございますが、下請混在現場に統括安全衛生責任者を補佐するものとして元方安全衛生管理者を新設するようにいたしまして、安全衛生管理に対する一層の整備を図ろうとするものでございまして、従来の安全管理体制を特に複雑化したり不明確にするというものではないと考えております。こういったものが一層有効に機能するようにしてまいりたいと考えております。
○高杉廸忠君 現行制度においても安全衛生管理体制における、いまもお答えがありましたように、資格者が数多く定められていますけれども、これらのものは一たん資格を得ますと、制度上その後の能力維持向上の措置がとられていないために有効に機能していない場合が多いのではないかというふうに考えます。これらの対策はいかがでございますか。
○政府委員(津澤健一君) ただいま御指摘のように、いろいろな免許所有者とか技能講習所有者などの資格者がございまして、これが最近の技術の進歩に即応した再教育等がなされることは確かに必要でございます。こういうことで私ども安全衛生教育推進要綱というものを定めておりまして、これに基づいて、たとえばボイラー技士でございますとか、クレーン運転士というものに対します実務研修などを実施するように関係団体等を指導いたしてはおるのでございますが、さらにこのことにつきましては、中央労働基準審議会の建議においても御指摘を受けておるところでございますので、現在学識経験者による免許制度検討委員会というものを設置いたしまして、免許の更新制度の問題を含め検討をお願いしておるところでございます。この委員会の結論を待ちましてその具体化を進めてまいりたいと考えております。
○高杉廸忠君 統括安全衛生責任者が現場に不在の場合、安全衛生管理体制が十分に機能しないおそれがあると考えるのです。そのような場合には、統括安全衛生責任者にかわってその職務を行うべき者を選任させることとすべきではないか、こういうふうに考えますが、どうですか。
○政府委員(津澤健一君) 統括安全衛生責任者の職務は、その事業場の安全衛生に関する業務の統括管理をやるものでありまして、常にその現場において作業を監督する必要は必ずしもございませんけれども、災害が発生したときにたまたま不在であったとしても、そのことによって管理責任を免れるというものではないと考えております。なお、これらの責任者が旅行とか病気になったとか、あるいは何かの事故などの事由によりまして当該事業場を離れその職務を行うことができないときには、事業者は代理者を選任しなければならないということを安全衛生規則の中で決めておりますが、統括安全衛生責任者の職務が適正に行われますように、御指摘のことを踏まえまして今後とも指導をしっかり進めたいと考えております。
○高杉廸忠君 ぜひその点は厳格に権限を持つ者の選任をしていただきたいというふうに思います。 それから、現場においては作業優先、安全軽視の状況がなくならない今日、安全上の命令が作業命令に優先されることのないように、安全第一という言葉が単なるスローガンに終わるのではなくて、現場で真に実践されることが重要であると考えます。また、従来現場における管理体制について監督指導を行ってきていますけれども、やはり経営のトップといいますか、この人たちが労働災害の防止に関して十分な認識を持ち、企業全体としてしっかりとした体制をとることが基本的に重要なことであると考えるんです。そういう意味で、企業単位での安全成績を評価して、その成績によって建設業者の格づけを行うことができれば、経営者も労働災害の防止に本気で取り組むことになると思うし、効果的な対策になるというふうに思いますけれども、この点はいかがですか。
○政府委員(吉本実君) 安全衛生の問題につきまして、企業の中で本来統括管理すべきものといたしまして、安全衛生法におきます総括安全衛生管理者あるいは統括安全衛生責任者というものを設けまして、こういった人々の管理のもとに仕事を進めるというふうに規定しておるわけでございますが、その場合の総括安全衛生管理者なり統括安全衛生責任者は、企業の工場長なり所長といったような形でその事業場のトップの人が選任されることになっております。そういう意味で、安全衛生上の命令というものは作業命令に優先されるということのないような仕組みになっておるわけでございます。そういった形で企業自体のあり方を法制度上にもそういうふうにしておりますし、現実にそういった運用でなされておると考えておる次第でございます。 また、安全衛生規則の中で、事業者は安全管理者なり衛生管理者に対しまして、安全なり衛生に関する措置をなし得る権限を与えなければならぬというふうにいたしておるところもあるわけでございます。こういった諸規定につきましても今後ともその運用が適正に行われますよう努めてまいる次第でございますが、御指摘のように、安全第一という言葉が単にスローガンということでなくて、現場で本当に実践されるようにしていくことが最も重要なことであると私どもも考えている次第でございまして、こういった観点に立ちましてそれぞれの企業に対しまする接触をしている次第でございます。 また、もう一つの二番目の御質問でございますけれども、企業単位で安全成績を評価して、その成績によって建設業者の格づけを行うようにしたら経営者が労働災害の防止に本気で取り組むんではないか、こういう御指摘でございます。まさに御指摘のとおりだと思います。中央労働基準審議会におきましても、そういった点については非常に指摘がなされておりまして、建設業者の安全成績の評価制度というような形でこれに対します具体的な施策を展開したらどうかというような御議論もあったわけでございますが、結論といたしましては、審議会におきましても、まだ時期的にはもう少しこういった点についての検討をしていったらどうかというような御示唆もいただいているわけでございますが、いずれにしましても、こういった制度をとることが建設業の経営首脳者の安全意識の向上なり、企業全体としての安全対策に非常に役立っていくというふうに考えている次第でございます。 そこで、そういった点がございますので、その評価の基準だとかあるいは対象の範囲だとか、あるいは事務処理の体制とか、こういったような点について具体的に進めてまいりますと問題点がいろいろあるわけでございますので、先ほどの労働基準審議会の検討結果も踏まえまして、これを行政運営という形で当面はやっていこうということで、今後専門家によります委員会を設けまして、ただいまのようないろいろな問題点について十分検討を行ってまいりたいというふうに現在考えている次第でございまして、本年度に入りまして、こういった委員会の設置を通じ、御議論の中で、その結果を待ってこの措置をとってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○高杉廸忠君 次に、溶接の技能検定に関して若干の提言も含めて申し上げたいと思いますけれども、私は去る五十三年の四月二十七日、ちょうど二年前でありますけれども、本院社会労働委員会において、溶接の技能検定一元化について関係省庁に具体的な提言を行ってまいりました。さらに本年三月三十一日、本院予算委員会第二分科会においても、通産大臣並びに工業技術院にも強く要請を行いました。佐々木通産大臣からは、各省協力し統一検定制度をつくり上げていく旨の決意が述べられまして、前向きの姿勢が示されました。 そこで、この際確認の意味で伺いたいと存じますが、現在、溶接工の技能にかかわる資格制度は各省がばらばらに定めているんです。相互の認め合いというものが十分なされていないこの現状、私はまことに遺憾であると存じます。このことが原因となって技能者の再就業を妨げている面もあります。まず伺いますが、技能の評価という問題は、労働省が職業訓練法により数多くの職種について技能検定を行っているのに、何ゆえに溶接については今日までこれを行っていないのか、どうもわかりにくいんですけれども、その理由をひとつ明確にお答えをいただきたいと思うんです。
○政府委員(岩田照良君) 労働者の技能水準を高めて職業の安定を図ったり地位の向上を図るということのために、職業訓練法に基づきまして技能検定を行っておるところでございまして、現在百余りの職種について実施しているところでございますが、先生いま御指摘のとおり、溶接につきましてはまだ実施していないという実情でございます。 この溶接につきましては、各種いろいろの試験等々がございまして、その一部につきましては、職業訓練法が制定されました昭和三十三年以前にすでに行われているというものも若干ございました。それから関係各省庁や民間の諸団体におきまして資格試験がその後も実施されまして、それが定着をしている。そしてまた、これらのそれぞれの資格試験につきましては、御承知のとおりそれぞれの趣旨、目的を異にするというふうなもの、あるいは長い歴史を有するというふうなこともございまして、その調整等々には非常に困難な側面もあったところでございまして、こういった現状をそのままにしておいて職業訓練法に基づいて溶接の技能検定を実施するということは、必ずしも適当ではないのではないかというふうに考えていたわけでございます。
○高杉廸忠君 現在、このような各種制度の、いまお話がありましたように進みが遅いんですけれども、統一化の動きというのが出ておりますけれども、このような情勢を踏まえまして、労働省はこの際、これらの諸制度の中心的なものとなる溶接技能の検定というものを行う意思がありますかどうか、確認をしたいと思うんです。
○政府委員(岩田照良君) 先ほどお答えいたしましたようないろいろな事情があったわけでございますけれども、五十三年に職業訓練法の一部改正を行いました際に、参議院の社会労働委員会の附帯決議におきまして、技能検定を必要とするすべての職種に技能検定を拡大するようにという御指摘もいただいているところでございますし、いま先生御指摘のように、溶接につきましての基本的技能の試験を統一しようという機運が高まり、また関係各省庁との協議ができ上がりまして、既存の試験制度との調整を図るということができるということでございますれば、そういった方向で積極的に溶接についての技能検定を実施するということについて検討を進めてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○高杉廸忠君 検討ではなくて、それは推進していただきたいと思うんです。 次に、労働安全衛生法では、ボイラー溶接士等の試験のほかに、アーク溶接の危険有害性からする特別の教育を義務づけています。このような技能検定の制度が確立した場合、労働安全衛生法上の取り扱いとしてもこれを資格と結びつける意思はおありでしょうかどうでしょうか。
○政府委員(津澤健一君) ただいま御指摘のような職業訓練法に基づきます溶接に関する技能検定制度ができまして、そしてその中で作業の安全または衛生に関する知識、あるいは技能というものを含めた形でこれが確立されました場合には、労働安全衛生法に基づくボイラー溶接士の免許というようなものについての技術の基礎的な部分につきましては、たとえば免除をいたしますとか、あるいはアーク溶接に従事する者に対する特別教育というようなものにつきましても、こういったものを含めまして当該検定を受けた者に対して特別な扱いをするということにつきましては、積極的に考慮したいと考えております。
○高杉廸忠君 ここで確認をしたいと存じます。きょう御出席をいただいております通産省、それから工業技術院、それから運輸省の方それぞれから順次確認をいただきたいと思いますけれども、いままでお聞きいただいたように、労働省から溶接の技能検定の統一化について積極的に、しかもその中心となって各省とも協議の上、一日も早く統一化の実現を図る旨の姿勢が述べられたわけです。順次通産省の方からの確認をいただきたいんですが、いまのような形で労働省からの呼びかけにぜひ応じていただいて、積極的に統一化の御協議をいただきたいと思いますけれども、通産省の方どうでしょう。
○説明員(廣瀬定康君) 先生御指摘の溶接技能士資格を相互に認め合う件につきましては、労働省から協議がございますれば、それに応ずる用意がございます。
○高杉廸忠君 工業技術院の方いかがでしょうか。
○説明員(田村忠男君) 工業技術院の関係では、社団法人日本溶接協会が溶接技術の検定を行っておりますけれども、先生御指摘の点につきましては、労働省の方から協議がありますればそれに応じていきたいと考えております。
○高杉廸忠君 運輸省の方いかがでしょう。
○説明員(石井和也君) 運輸省といたしましては、溶接技量の資格の統一もしくは資格の互認につきましては、非常に有意義なものと考えております。したがいまして、造船の溶接というような特殊性はありますけれども、共通な分野につきましてはより広範囲な資格の互認というのが可能であると考えておりますので、労働省からお話がおりましたら、関係各省と十分調整の上これを積極的に進めてまいりたいと思います。
○高杉廸忠君 ここで労働大臣に大臣の決意を伺いたいと思うんですけれども、いまお聞きのように、溶接の技能検定統一化については各省とも労働省の呼びかけに応ずる、こういうお答えですから、積極的にその中心となって一日も早く統一化の実現を図っていただきたい、こう強く大臣にお願いするわけであります。そこでこの際、特に労働大臣の決意をひとつ伺いたいと思います。
○国務大臣(藤波孝生君) 溶接の資格試験の問題につきましては、いまそれぞれお答えをいたしましたように、長い問にわたりましていろいろな経緯があって今日に至っておると私も聞き及んでおります。いま御指摘をいただきましたように、しかしこの溶接の資格につきまして前向きにもっと積極的に取り組めという御指摘でございます。溶接従事者の期待にこたえられますように、幸いにいま関係各省庁からの前向きの御答弁もございましたので、労働省が中心になりまして、溶接の各種試験の基本となる技能検定の実現に向かいまして積極的に各省と協議をいたしまして、実現をいたしていくように努力をいたしてまいりたい、このように考えております。
○高杉廸忠君 大臣からお答えがありましたから、お願いは終わりますけれども、次に本論に入りまして、監督体制の強化について伺いたいと存じます。 建設工事に対する労働省の監督体制は、通産省が行っております鉱山保安法に基づく監督体制に比べまして不十分だというふうに私は思うんですけれども、たとえば都営住宅あるいは住宅公団等の工事現場では一度も監督官の姿を見たことがないという声が多いようであります。この点はいかがでございましょう。
○政府委員(吉本実君) 労働基準監督官の問題でございますが、現在約三千人の監督官が全国各地に配置されております。監督官は、御承知のように安全衛生はもちろん重点でございますが、賃金、労働時間等につきましても業務を行っているわけでございます。しかしながら、災害の一番多いということが人命の尊重に影響するということで、監督官の業務といたしましては、安全衛生の問題を特に最重点として監督指導を行っているわけでございますが、特にその中でも災害の多い建設業におきまして重点的な配置を行って、それについての監督を実施しているという現状でございます。現在年間の定期監督の実施事業場数でございますが、五十三年におきましては十三万七千件でございます。そのうち建設業に係ります定期監督の実施事業場数は五万二千件ということで、約四割近くをこれに費やしておるというような形でございます。 もとより、これで決して十分なわけではございませんので、厳しい中ではございますが、毎年監督官の増員等につきましていろいろその点についての要請をお願いし、厳しい中でございますけれども、若干ずつ増員を図ってきている次第でございまして、もとよりこれで十分だというふうには思っておりません。何とかこういった点についての充実もさらにやってまいりたいというふうに思っております。 また、監督指導を行うに当たりまして、ただいま御指摘の都営住宅とか住宅公団等の工事現場につきましては、それが大規模であるということも兼ねまして、恐らくこういった点についての工事現場については造成を含めまして監督は実施しておるというふうに考えておりますし、当然こういった監督対象からことさら除くというようなことはいたしてないはずでございます。
○高杉廸忠君 監督署の安全担当監督官の割り当てですね、これはいかなる根拠で行っているんですか。それから監督官が不足している。そうして先ほども指摘しましたように、住宅公団とか都営住宅とかというようなことも一つの例でありますけれども、そういうようなことで十分に機能し得ない監督署があるんじゃないかと思うんですけれども、これはどうでしょう。
○政府委員(吉本実君) ただいま御指摘のように、技術系の監督官並びにこういった技術を持った専門官等の点についての御指摘でございます。 監督官の配置につきましては、やはり産業の分布、特に建設業なり製造業の分布状況なり全体の災害状況の発生状況、こういったようなことの観点から、それぞれの監督署内の管内事情を十分検討いたしまして監督官の配置をし、その中で技術系の監督官のことも考えて、全体の監督体制を整備しているわけでございまして、特に技術系の監督官につきましては、この三、四年の間におきましてかなり増員を図ってきている次第でございます。具体的な数字で申し上げますと、五十五年、監督官の数は三千百七十八人でございますが、そのうち新規に採用をいたしました監督官の数は法文系が四十人で、技術系が同じぐらいでございます。三、四年前にはこういった点がかなり少なかったのをこういったふうに増員を図ってきておるという次第でございます。 それからなお、監督官と併用いたしまして安全専門官なり衛生専門官につきましても、厳しい中でなかなか必ずしも十分ではございませんが、若干名ずつ毎年増員を図ってきておるというようなことでございます。
○高杉廸忠君 今後ますます建設関係の工事が増大する傾向にあると思うんです。このための今回の法改正、これは適切な措置であると思うんです。しかし、これがいまのお話のように指導監督を行う専門の監督官数の少ないこと、これはいま数字も示されましたけれども私は少ない、こういうことだと思うんですが、そこで労働省は土木建築関係の学卒の者を二、三年の計画で多量に専門官として養成しない限り、今回の法改正、本法を完全に生かすということはできないのではないかというふうに思うんです。いまもお答えいただきましたが、具体的なその対応についての計画ですね、これはどういうふうになっておりますか。
○政府委員(吉本実君) 労働基準監督官なり専門官の採用に当たりましては、先ほども申しましたように、技術系の学卒者の確保ということが重要だということで努力しているわけでございますが、特に土木建築関係についてその点の配慮をいたしているわけでございまして、採用人員の中の技術系の職員は、先ほど申しましたように増員に努めてきているわけでございます。また採用された人につきまして、さらに専門的な知識、技能の向上を図るために研修なり指導の充実にも努めている次第でございまして、今後研修施設、これは労働大学校の設置等を予定しておりますが、そういったような整備とも関連しまして、御指摘の点につきましてなお一層の努力を図ってまいりたいというふうに思います。いずれにしましても、こう、いった現状の体制の中で人員の増ということはなかなかむずかしい点が多いのでございますけれども、その中にありましてできる限りこういった点についての配慮を行ってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○高杉廸忠君 次に、災害防止指導員制度とその運用について伺います。 従来の法改正の都度、附帯決議の中で災害防止指導員の活用等が述べられていますけれども、その活用、現状としては必ずしも十分であるとは思いません。その活用状況はどうなっておりますか、これが第一の質問であります。 また、第二点として、この制度が生かされていない原因はその運用にあるんではないだろうかというふうに思うんです。従来の運用方法を検討いただきまして効果的運用を図るべきだと考えます。いかがですか。
○政府委員(吉本実君) 労災の防止指導員の点でございますが、先生御指摘のように、この災防指導員は民間の産業安全衛生に関する学識経験者にお願いをいたしまして、中小企業等におきます安全衛生管理についての御指導をお願いして災害防止に努力していただこう、こういうふうな形で行っているわけでございますが、これらの学識経験者の中には経営者側の御出身の方、また労働組合側の御出身の方の指導員という形と、またいわゆるこれらに属してない専門家の指導員という方が含まれているわけでございます。 それで、現在の実施状況でございますが、指導員の数といたしましては五十三年度で千五百五十四人でございまして、それらの方々に実際に災防活動を行っていただいたわけでございますが、その実績といたしましては、約三万五千事業場に対しまして御指導をお願いしているという次第でございます。その活用が不十分ではないかという御指摘でございますが、私ども先生方のこういった御活用につきまして、今後とも効果的に進められるようにいろいろ工夫をしてお願いをしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○高杉廸忠君 労働安全衛生コンサルタントの積極的な活用について伺いますが、中基審の建議でもコンサルタントの積極的活用というものを提言しております。その具体的な活用の方法というものをぜひこの機会に示していただきたいと思います。 私は、去る八十四国会において、このコンサルタントの積極的活用についてただしました。また具体的な提言もいたしました。その後の実績についても、ひとつあわせてお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(津澤健一君) このコンサルタントの活用につきましては、都道府県労働基準局長が安全衛生法に基づきます安全衛生改善計画の作成を指示した事業所に対しまして、このコンサルタントの安全衛生診断を受けること、あるいは意見を聞くべきことを監視をするということに相なっておりまして、これに基づきまして、コンサルタントの方が五十三年度中に活動いただきました数というのは二百八十八件と相なっております。このほか、コンサルタントの方がみずから各種の事業所の指導等をやっておられるものもございますが、私どもの要請によりまして、たとえば安全パトロールへの御協力でございますとか、各種の講習会に講師としてお出かけになりますとか、いろいろな企業診断等の場で御活躍をいただいておるというものもあるわけでございます。 コンサルタントの方々の専門的な能力の活用ということにつきましては、私どももかねがね都道府県労働基準局長に対しまして、行政の運営の中の重要な事項として指示をしてきたところでございますが、現在、都道府県ごとに、少数ではございますが、そうした会ができておりますところでは比較的その辺の連携がうまくいっておりまして、いろいろな場面で御活躍をいただいておりますが、幸いなことに、近々全国組織であるコンサルタントの会の結成というような機運もございまして、こういう会の設立と相まちまして、コンサルタントの一層の活用を図る方策というものについて、私どもはコンサルタントの皆様方の意見も伺いながら、どうすればもっと効果が上がるか、また、皆様方に御協力をいただくことができるかというふうな点につきまして、十分検討してまいりたいと考えております。
○高杉廸忠君 お答えいただきましたが、まだまだ不十分だと思うんです。今日、労働省がコンサルタントの活用を積極的に図らないことと、絶対数が不足しているために社会のニーズというものも起こらない、せっかくコンサルタントになっても専門職としての事業が成り立たないというのが偽らざる今日の実情であると思います。私はこの制度の将来について危惧をしている一人であります。労働省は、立法の原点に立ち返って、コンサルタントの有効活用を具体的に、積極的に推進すべきであると考えます。この姿勢について伺います。
○政府委員(吉本実君) 新技術なり新工法の導入等によりまして、労働災害の防止について専門的なお立場から検討を必要とするという問題は、大変多くなっているところでございます。今後、中小企業を中心にいたしまして、コンサルタントに依頼する機会もどんどんふえてくることが十分予想されるわけでございます。そういった情勢のもとにおきまして、多くのコンサルタントの方々が積極的な活動を展開して適正な業務執行をとっていくこと、それが職業的基盤の確立にも資するという意味で最も効果的だと考えられるわけでございまして、まさに御指摘のとおりでございます。そういう意味におきまして、コンサルタントの有効活用につきましては、今後一層努力をしてまいりたいというふうに考える次第でございます。
○高杉廸忠君 ぜひひとつ有効活用について積極的にお願いをいたしたいと思います。 それから次に、本法第八十七条で、唯一の団体を設立することができるとしております。いまだにこれが実現されない理由というのは何ですか、それが一つであります。一部に時期尚早という意見もありますけれども、そういう考えではいつまでたっても実現しないのではないかと思うのです。私は、労働省はこの際、一日も早くこの団体が設立されるように、積極的にこれを推進すべきであると考えます。これについての姿勢をまず伺います。 それからまた、団体の運営のためにぜひとも援助措置というものを行っていただきたい、こういうふうに考えますけれども、この点について、労働省のお考えをひとつ聞かせていただきたいと思います。
○政府委員(津澤健一君) 安全コンサルタント、衛生コンサルタントの方が自主的な団体を設立するということについての動きは、御指摘のようにかなり前からあったようでございますが、現在わずかではございますけれども、できております都道府県単位の協会との関係の問題でございますとか、あるいはいろいろの専門分野を異にされる方々の問での考え方の違いというようなものもございまして、時間はかかっておるわけでございますけれども、こういった団体が設立されるということにつきましては、労働省といたしましてもこれを歓迎するものでございまして、できるだけの助力をさせていただきたいと考えております。 現在、安全コンサルタントの方々及び衛生コンサルタントの方々の双方が相寄られまして、全国組織の設立の機運がございます。それぞれの立場で、多少調整を要する問題もあると思われますが、両方それぞれに積極的な姿勢を示しておられますので、早い機会での実現を期待いたしておるところでございます。 二番目の問題につきまして、この団体につきましては、コンサルタントとしての統一した活動の中で、安全コンサルタント、衛生コンサルタントそれぞれが特色を生かした活動というものが行われることが、多分そういった活動が行われることになろうと思っておりまして、そういったことによります成果が期待されるわけであります。コンサルタントの団体が健全な発展をいたしますことは、労働災害防止という観点からも大変有意義なことでございまして、私どもこういった会が設立されました後におきましては、資料の提供その他できるだけの御協力をしてまいる考えを持っております。
○高杉廸忠君 ぜひそういう動きもありますので、積極的な御指導とあわせて、できました場合の援助措置というものもひとつ強く要望をいたしておきます。 次に、建設労働手帳の発給に関して伺いますけれども、まず第一に、建設労働手帳を発給しているはずでありますが、その実施内容について伺いたいと思うのです。
○政府委員(津澤健一君) このことにつきましては、中央労働基準審議会の建議を踏まえまして、いわゆる移動性の高い建設労働者に対する安全衛生教育でございますとか健康診断などの徹底を図るということのために、建設労働者に手帳制度というものを実施することについて検討を進めてきておりまして、その一環といたしまして、建設業労働災害防止協会というものに対しまして、安全衛生上特に問題の多いトンネル工事に従事する労働者をまず手初めに対象といたしまして、試しに行うという、試行を含む手帳制度のあり方について調査研究を委託してきておるところでございます。 この建設業労働災害防止協会におきましては、検討委員会というものを設けまして、鋭意この関係の調査研究を進めておりますが、その一環といたしまして、まず昭和五十四年度中にトンネル工事に従事する労働者約六千名に対しましてすでに手帳の発給を行ったところでございまして、さらに五十五年におきましても引き続きこれを実施することといたしておるわけでございます。
○高杉廸忠君 具体的に伺いますけれども、手帳の記載事項、それから業務歴、作業訓練歴、安全教育記録、記入者、確認者、これは第三者によるものなどの、以上を明確にして、私は未熟練労働者の危険作業への就労というものを制限するなど、適切な措置をとることによって労働者の安全衛生の確保が図れるようにすべきだというふうに考えますが、これはいかがでしょう。
○政府委員(吉本実君) 事業者なり、それから就労場所等が変動の多い短期の雇用労働者などにつきましては、いま先生御指摘のようにいろいろな問題がございますが、個々の企業者が雇い入れの都度安全衛生教育なり健康診断等を的確に実施するというのは非常に困難な状況でございます。このために手帳制度によりまして過去に受けました安全衛生教育なり健康診断の種類、それから危険作業への就労のための資格、こういったようなものを明らかにしていくということが必要でございますし、また、関係団体等が事業者にかわりまして一部の安全衛生教育なり健康診断を実施する、こういったような措置、これらは先生御指摘のように安全衛生教育なり健康診断を徹底する上で効果的な方策であろうというふうに考える次第でございます。
○高杉廸忠君 この建設労働手帳の発給というのは、二年間の試行実施ということにしているわけですけれども、その試行後の対象を広げまして、本格的に実施すべきではないかというふうに考えているのですけれども、その点はいかがでしょう。
○政府委員(吉本実君) 先ほども部長から御答弁申し上げましたように、現在、建設業労働災害防止協会におきまして手帳制度についての試行を含む調査研究を行っているところでございます。ただいま御指摘の今後の取り扱いにつきましては、実施に当たっての問題点を十分解明する必要がございますので、その結果を見て適切な対処をいたしたいというふうに思っております。
○高杉廸忠君 私は本法案の審議促進に御協力する意味で、大体私の質問も総括をいたしたいと思っております。 労働災害の防止のためには、労働安全衛生それ自体に対する対策のほかに、建設業においては特に一般労働条件、安定した雇用の確保対策も重要であることは言うまでもありません。これらの対策についてもその充実を図ることが最も必要であるというふうに考えます。 そこで、労働大臣の決意をお伺いいたしたいと思いますけれども、以上のように論議を重ねてきたところでも明らかなように、労働者の安全と健康を守るための労働災害防止対策の重要性はますます高くなりつつあると思います。しかし、その対応は大臣の前向きの姿勢にもかかわらずまだまだ十分であるとは言えないと思います。特に強調しておきたいことは、安全の古典とも言われるハインリッヒも指摘しているように、実際に発生した災害件数の背後には、膨大な数の災害事故の発生が存在しているということであります。関係者や行政が現象面に追われて、このような当然の認識に欠けるきらいがあることを私は危惧をするものであります。 最近は行政改革の必要が強調されていますけれども、かつての一省一局削減で、労働省は安全衛生局を部に格下げしたという経緯があります。これは大きな失政であったのではないか、こういうふうに思います。私は部をいま直ちに局に戻せということは言いません。しかし、以上の論議を踏まえまして行政は災害の後追いであってはならない、安全の先取りでなければならないというふうに考えます。医療においても今日予防にまさる治療なしと言われておりますし、私は安全にまさる災害防止なし、こういうふうに考えます。労働安全衛生行政の一層の推進のためにいかに取り組むか、以上の諸点につきまして、まとめとして最後に労働大臣のこれらに対する決意をお聞きいたしまして、私の質疑を終えたいと思います。
○国務大臣(藤波孝生君) 本法案の審議を通じまして、具体的に非常に御造詣の深い御質疑をいただきまして、私ども非常に勉強もさせていただいたわけであります。心から感謝を申し上げたいと思います。 冒頭にも申し上げましたように、何とかして労働災害の絶滅を期していきたい、こういうふうに考えまして、省を挙げて、これはもういろいろな分野の労働行政、仕事がありますけれども、どういう分野ででも労働者の安全、労働者の衛生を守るということについては十二分の努力をしていかなければいかぬという構えで取り組ませていただいているところでございます。非常に残念ながら労働災害がふえてきまして、特に建設現場での災害が多い。非常に不景気になって、景気を回復するために公共事業を中心にして浮揚策を講じてきたところ、それがかえって労働災害が多発するということになった。結果としてはそういう形になっておりまして、非常に残念に思っているわけでございます。 いろいろとこれから対策を講じてまいらなければなりませんが、特に労働省としては、第一線で事業者の監督指導に当たっております労働基準監督官、さらに機能的に行政がもっと積極的に進むように努力をしていかなければならぬと思いますが、なかなかしかしこれも、今日の時代にどんどんと増員をするというわけにもまいりません。先ほど御指摘をいただきましたように、労災の防止の指導員でありますとか、あるいは労働安全のコンサルタントといった方々の積極的な御参加、御協力、御活動があって初めて私どもが考えておるような労災の防止、撲滅を期していくことができるのではないか、そういうふうに考えるわけでございます。 そういう意味で、省を挙げて労働災害の防止に取り組んでまいりますけれども、さらにその周りにといいますか、そういった労働行政に御協力をいただけるようなこういった指導員やコンサルタントのお仕事がもっと積極的に活動が展開をされるように、いろいろなお手伝いもしていきたいし、お願いもしていきたい、先ほどからそのように考えていたところでございまして、そういった民と官の協力体制があって初めて労使も目覚めてくれると思いますし、理解を深めてくれもするでありましょうし、事故の撲滅を期してさらに取り組んでいくことをこの機会にお誓いを申し上げたいと思う次第でございます。今回の法改正を含めまして建設業を中心にいたしまして、ぜひ事故の撲滅の方向に向ってさらに前進をしてまいりますように、第五次労働災害防止計画の線に沿って総合的に対策を講じてまいりたいと存じます。 なお、省内におきましても、局が部になって大変遺憾に存じておりますけれども、しかし実質的に仕事の面では名称にとらわれずに、あくまでも労働行政の一番大事な仕事は労働災害の防止である、予防である、撲滅である、こういうふうに考えまして、今後とも省を挙げて前向きに取り組ませていただきたい、このように考えておりますので、今後とも御指導をいただきますようにお願いを申し上げたいと思います。
○理事(浜本万三君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時五十分休憩 —————・————— 午後一時七分開会
○委員長(久保亘君) ただいまから社会労働委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、柄谷道一君が委員を辞任され、その補欠として井上計君が選任されました。 —————————————
○委員長(久保亘君) 午前に引き続き、労働安全衛生法の一部を改正する法律案及び中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案、以上両案を便宜一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○安恒良一君 私は、中小企業退職金共済法、今回の諸改正については賛意を表するものでありますが、衆議院におきましても、賛意を表するという意味でいろんな問題が掘り下げて議論されています。しかし、時間の制約等もあって十分でなかったと思いますので、これからこの問題について少し中身を掘り下げて質問し、またある場合には若干の提言もやって、それについてぜひとも労働大臣を初め関係局長等の意欲的な取り組みをお願いをしたい、こういう角度から質問をしていきたいと思います。 まず、御承知のように中小企業退職金共済法というのは、中小企業の労働者の福祉の増進とそれから中小企業の振興に寄与する、こういう法の目的を持ちまして昭和三十四年に設定されています。すでに今日まで二十一年を経過しているのであります。中小企業における中退金制度の普及状況を見ますと、労働省の御答弁によりますと、総体としては加入率が九・五%です。また、特に従業員一人から四人、ここで加入している人は七万八千二百七十六人、加入率が五・三%。一番問題になるのは、中小企業の規模が零細になればなるほど、退職金を初めとする労働者の福祉が十分でないんでありますが、そういうところが非常に加入率が低いのであります。 そこで、衆議院の社労委員会ではこれの規模別、産業別の加入率状況が報告されておりますから、その中身は私は十分承知いたしておりますから、重複を避けたいと思って、それを承知しているという前提に立ちまして少し加入促進のためについて質問をしたいと思うんでありますが、衆議院におけるときの寺園部長の答弁によりますと、この加入率が低いのは、対象事業所における退職金の設置状況は、全体として九二%の企業が退職金制度を持っているんだという趣旨の答弁。だから低いんだというふうなおっしゃり方じゃありませんが、そういうふうに読み取れるわけであります。 そこで私はこの際、退職金制度を持っていない中小企業の規模別、産業別の普及状況、これは加入人員、加入率がどうなっているのか。 また、第二番目は、退職金制度を持っている中小企業の規模別、産業別の普及状況についてひとつ説明をしてください。
○政府委員(寺園成章君) 退職金制度を持っておる形といたしまして、企業独自で退職金制度を持っておるものと、それから中退制度を利用しながら退職金制度を持っておる企業があるわけでございますが、いま先生の御質問の御趣旨が、企業独自の退職金制度を持っておらずに、そして中退制度に加入をしている事業所の加入状況というふうに伺ったわけでございますが、それを規模別に見てみますと、十人から二十九人の事業所におきましては、加入数が四万二千五百、加入率にいたしまして三八・六%でございます。三十人から九十九人の事業所におきましては、加入企業数が七千八百企業、加入率が四八・五%でございます。百人から二百九十九人規模におきましては、加入企業数六百、加入率六〇・九%ということでございます。 なお、独自に退職金制度を持ち、かつ中退制度にも加入をしておる企業といいますのは、企業数にいたしまして約一万六千三百、率にいたしまして一〇・四%。三十人から九十九人で企業数六千五百、加入率一〇・三%。百人から二百九十九人が企業数七百、加入率五・七%ということになっております。
○安恒良一君 規模別はわかりましたが、産業別はわかりませんか、その点は。
○政府委員(寺園成章君) 産業別の数字は手元に持ち合わせておりません。
○安恒良一君 それじゃ、これは後から産業別にいまのものを整理して届けてください。これはいま論争してもあれです。 いずれにしましても、労働大臣、衆議院の論争を少し整理する意味で、企業別に、退職金を持たないところの加入状況についてもいま数字が示されたとおり、きわめて非常に低いわけです、これは、率直に申し上げて。これでそこは整理されたと思うんです。 そこで、その上に立って、いろいろ加入促進についての具体的な運動が展開をされているようでありますから、私はこの加入促進のための具体策について中身をお聞きをするとともに、若干の提言をしてみたいと思うんでありますが、まず一つ、十月に、加入促進月間ということで全国的に集中的な加入促進運動を実施している。こういうことと、それから加入促進功労者に対する表彰をやっているとか、あとは地方公共団体でこの制度についてやっているとか、中退相談員を配置しているとか、いろんなことが言われていますから、それは十分承知しています。 その上に立って少しお聞きをしたいんですが、まず、十月に加入促進月間を全国的、集中的にやっておるとおっしゃいますから、そのやっておる中身ですね、国はどういうことをやっているのか、中退金共済事業団はどんなことをやっているのか、その場合の予算は年間どのくらいとっているのか。また、地方公共団体もやっているといいますが、都道府県はどんなことをやって、どのような予算をとってやっているのか。また、金融機関もいろいろやっているというように聞きますから、金融機関がどういうことをやっているのか。そして、それにはどのくらいの予算を要しているんだろうか、総体的にこれぐらいの予算をかけてやっているということの御説明がないと、とにかく十月にやっている、やっていると言っても抽象的なのでありますから、やっている仕事の中身と、それからそれに必要な財政はどういうふうにして支出してどのくらいのお金をかけているのか、こういうのを近々の例で結構ですから、たとえば五十四年度なら五十四年度で結構ですから、これぐらいのお金をかけ、こういう中身をやっているということについて説明をしてください。
○政府委員(寺園成章君) 中退制度の加入促進につきましては、経常的に取り組んでおるわけでございますけれども、一つの節を設けると申しますか、報道機関等の協力も得やすい形をとるというような観点も含めまして、毎年十月に加入促進月間を設けまして、関係団体相協力をして加入促進に努めておるところでございます。 具体的にどのようなことをやっておるかということでございますが、労働省におきましては、関係機関への協力要請あるいは功労者に対する表彰をやっておりますし、また、中小企業退職金共済事業団におきましては、関係行政機関、関係業界団体等への加入促進についての協力要請、あるいは事業主説明会を集中的にこの期間に実施をする、あるいは各企業、団体を訪問をいたしまして、加入促進、加入勧奨に努める、あるいはテレビ、ラジオ等の御協力を得て広報活動を展開する等の事業をやっておるわけでございます。これらに要する予算といたしましては、五十四年度におきましては六千四百六十万円でございます。 都道府県におきましては、この期間におきまして事業主説明会の実施等をやっております。また、金融機関につきましては、この期間におきまして加入促進に御協力をいただいておるわけでございますが、そのほか金融機関独自で別の期間に独自の加入促進月間を設けて、窓口における加入促進の勧奨あるいは事業所を訪問しての勧奨等をやっていただいておるというふうに承知をいたしております。都道府県、金融機関でそれぞれどれぐらいの経費をこれらにかけておるかということにつきましては、現在資料を持ち合わしておりません。
○安恒良一君 大臣、お聞きのように私はちゃんとこういうことについては質問の通告をしてあるわけです。それで現在資料を持っていないということは、たとえば都道府県が具体的に使っている金についてはいま手元にないということ、それとも資料を持っているんですか。というのは、どうもやりとりが抽象的ではいけないと思って中身を、すでに衆議院で議論されたことの議事録を全部洗いまして、中身について少しきょうは聞きたいということをきのう通告してあります。それからこういうことも聞きたいということで、たとえば政府関係は五十四年度六千四百六十万円ということですが、これは労働省から中退金の方に金を交付してやらしているということで、しかし都道府県が事業主の説明会を何回ぐらいやっているのか。たとえば東京都なら東京都とか、大阪なら大阪とか、中小企業の多いところではこの月間にどういう説明会をやって、どのくらいの金を使っているのかということをつかんでおかなくして、やっている、やっているということに私はならぬと思うんです。委員会から聞かれると、こんなことをやっています、あんなことをやっていますということで。 私は、なぜかというと、大臣、これはできてもう二十一年ですから、せめて少なくとも加入月間におけるところのいまやられているような回数がどういうことなのか。たとえば一つの例を挙げますと、訪問による加入奨励をやっているというけれども、事業団の人員、ここにあるわけです。この人たちが訪問とかどんなことをやっているのだろう。それからラジオ、テレビ等の広報をしているというのは何回ぐらいしているかとか、そういう実態を労働省自体がきちっとおつかみになった上でここで説明されるなら、私はやっているということはわかります。しかし、衆議院の答弁がきわめて抽象的でしたから、少し中身を聞きたいということで事前に通告して聞いたところの範囲がいま申された程度で、本当にあなたたちは加入促進を一生懸命おやりになっているのかどうか。 それから、おっしゃるときに、事業主説明会等の実施というのは、たとえばこれだけの金で加入月間なら加入月間のうちに何カ所ぐらいやったとか、そういうふうに少し中身を言ってください。でないと次の議論が展開をしにくいわけです。
○政府委員(寺園成章君) 都道府県でこの月間にどれぐらいの経費をかけておるかということは、資料として持っておりません。ただ、中退事業の施行の事務を都道府県にお願いいたしております。そのための国からの補助金といたしましては、五十五年度予算におきまして約六百八十万を計上しておるところでございます。 それから、加入促進月間でやっておりますより具体的な内容ということでございますが、今年の例をとりますと、テレビにつきましてはテレビ朝日あるいはNHK等で放映をしていただいておりますし、ラジオにつきましてはラジオ関東あるいはその系列の放送局で放送をしていただいております。 それから、ポスターを年間四万枚中小企業退職金事業団で印刷をいたしておりますが、この期間に集中的に三万一千枚を作成をし、張り出しておるということでございます。また、車内広告につきましては、五十四年度二千枚やっております。 関係機関との打ち合わせあるいは説明会の状況でございますが、加入促進の打合会議といいますのをこれは二十三地域でやっております。 事業主を集めての説明会でございますが、これは全国で三十二地域でやっております。 それから、一日相談所というものを開設をいたしておりますが、これもこの月間中六十九地域で開催をいたしております。 本制度普及に貢献のあった個人、団体に対する感謝状の贈呈といたしましては、五十四年度十三団体、四十五人の方に感謝状を差し上げておるというようなことでございます。
○安恒良一君 大臣、これは一遍実態を調査してくれませんか。いま言われたことは主として労働省が中小企業退職金事業団にやらせたことだと思うのです。それでも、日本全国広くて中小企業の経営者は忙しいのですから、三十二地域でやったということになりますと一県一地域当たらぬわけです。それでは、集中的にやっていると言われても、集中的にやっていることになりません。ましてや、都道府県に六百八十万円おろしておるというけれども、都道府県が具体的に何カ所でどういうことをやったとか、重点地域を定めてどういうことをやったとか、金融機関がどういうふうにやっているかということのどうも実態がつかまれていない気がします、いまの答弁を何回聞いても。ですから、これは私は中退金の共済事業団だけに任せておくのではなくして、法律そのものは労働省の所管で、きょうも国会で議論しているわけですから、それの具体的施行を中退金がやっているわけですから、私はこの実態をひとつつかんでいただきたいと思います。 それから、これは私の提言ですが、このように集中的におやりくださることも結構ですが、中小企業の人員それから希望は非常に多いわけです。だから私は、年間を通してたとえばラジオ、新聞等にいわゆる広報を、十月に華々しくやるのも結構だと思いますが、たいして華々しくもありません、これは六千四百六十万円ですからね。私も新聞広告を一回幾らやれば幾らというのをよく知っていますから、その限りで言うと、五十四年度に六千四百六十万円しかお使いになっていませんからね。少なくとも年間通してたとえば月に一回ぐらいは新聞に広告が掲載されるとか、それからNHK等の協力を求めて広報活動をやるとか、そういうことを、私は集中月間も結構ですが、年間通してもう少し加入促進運動というものを展開をしていただいたらどうかな、こういう気がいたします。これは私の提言ですから、後から大臣のお考えをひとつお聞きをしたいと思います。 その次に、中退の相談員が配置されている、これも加入促進の一つの方法だと聞いていますが、これは人員がどのくらいで、その人の雇用はどうなっているのか、また身分はどうなっているのか、給料はどういうふうに払っているのか。それから、この人たちはどういう人々がこういう仕事をしているのか、前歴です。それをちょっと聞かしてくれませんか。
○政府委員(寺園成章君) 先生がいままさに御指摘いただきましたように、常日ごろから加入促進に努めるべきであるという観点も入れまして、中小企業退職金共済事業団の職員だけでは賄い切れない分について相談員に加入促進あるいは相談業務というものをやっていただいておるわけでございます。現在総数は十五名でございます。十五名の内訳は東京五人、大阪六人、名古屋二人、福岡二人、なおこの福岡の二人は五十五年度新しく配置するものでございます。身分は、中小企業退職金共済事業団の嘱託でございます。一カ月二十日稼働でございます。手当は一日三千四百円ということに相なっております。
○安恒良一君 こういう方々は月に六万八千円程度で働かれているのですが、たとえば年齢的に言うとどういう年齢とか、中退相談員になる前はどんな職業の人々でしょうか。
○政府委員(寺園成章君) 相談業務を扱っていただくわけでございますので、中退制度に精通した方をお願いいたしておるわけでございます。具体的には、県の労政課の業務をかつて経験された方が多いわけでございます。なお、年齢はいま平均的に幾つということを申し上げる材料を持っておりませんが、県を退職をされた方ということから、ある程度の年輩の方が多いということでございます。
○安恒良一君 大臣、これもいまお聞きのとおり、中退金の職員は理事が七名、役員が二百四十五名しかいないのです。そこで私は、相談員制度というのはいいことだと思いますが、ところがこれも全国で十五名なのです。それでは、やっている、やっているということにならぬわけです。しかもこれはお聞きしますと、労政課等の経験者で、恐らく年齢の高い方だと思うのです。でなければ、とても六万八千円で二十日間働いてくれる人はおりませんから。年金をもらいながらという人ではないかと私は推察します。 ですから、中高年齢の人の就職の方法として、私は何も労政課の人だけじゃなくしても、こういう方面をずっと扱ってきた人で中高年になった人がたくさんいると思うのです。ですから、そういう方々をもう少し、これで見ますと東京、大阪、名古屋、福岡、福岡はやっとことしからでしょう。たった三県だけしか配置していない。しかし中小企業の多い県というのはまだたくさんあるわけです。たとえば東京周辺で言えば神奈川であるとか千葉であるとか、大阪周辺であれば兵庫、大阪、和歌山とか、北九州重工業地帯とか、たくさんありますから、大臣、せめてこういうところには、しかも相談員になり得るような人は今日の中においてはたくさんある。 いわゆる中退金問題の詳しい人ということで、このパンフレット等読めば、ある程度ちょっとこういう仕事をしておけばこれはわかることですから、そういう点について本当に二十年たっても九%しかないという普及率を高めるために、もうすでに五十五年度は予算配置が済んだと思いますけれども、こういう点については、少なくとも中小企業が多いと思われる県には配置をするということについて、大臣、中間ですがそこのところを、どうでしょうか、前の、まず加入のためのいろいろなことに対する調査が行き届いていない。ああ いうこともやっている、こういうこともやっていると言うのですが、まずその二つについて大臣、どうお考えですか、いまのずっとやりとりを聞かれて。
○国務大臣(藤波孝生君) 衆議院におけるいろいろな質疑をごらんをいただきました上での御質疑をちょうだいをしておりまして、大変ありがたいと思います。衆議院での質疑の中で非常に強く指摘をされましたことは、労働省はもっと中退制度への加入の促進に努力すべきではないかという御指摘でございました。いままた委員から御指摘をいただきまして、全くそのとおりだと思います。特に加入の促進を図ってまいりますために、いろいろな今後対策を講じていかなければなりませんけれども、そのためにはまず、やっておることの実態を把握するというのは非常に大事なことでございます。さらに詳細に、きめ細かく加入促進の、いま進めております、たとえば都道府県などでもいろいろ御厄介になっておりますので、そういった実態等も十分把握をいたしまして、その上に立ってさらに労働省といたしまして積極的に中退制度への加入の促進を進めていくようにしなければならないと思います。特に非常に大事なことは、中小企業の労使の双方に深い理解をしてもらう、まずのみ込んでもらう。どちらから働きかけになってもいいんですけれども、こういうことを知らなかったというふうに労働者側の方などもいつもお話しになる。ですから、できる限り労使双方の御理解を得られるように、加入促進の誘いかけを積極的にやっていくようにしなきゃいかぬ、こういうふうに考えておるところでございます。 いま御指摘のございました相談員なども、なかなか行政の定員の中でどんどんとこういった指導をやっていくといいんですけれども、今日御存じのように、そういったような定員問題等が非常にむずかしいわけでありまして、そういうことから考えますと、労働行政の多様に構えていかなければならぬニーズは各方面にあるわけでありますけれども、できる限り予算措置等で工夫をして積極的に労働行政が展開できるという構えができるならば、こういう相談員のような仕組みの中でできるだけ前進をしていくようにすることは大事だというふうに思います。 十五人それぞれ最も重要な地域に配置をして、相談員の仕事をお進めをいただいているところでございますけれども、御指摘のように、これは労政課長をやっておったからというのが一番いいということではなくて、そういう人もいいでしょうし、あるいは実際に中小企業のこういう退職金の仕組みをのみ込んでその仕事をやってきたというような人、行政以外のところでも経験者というような方々も実際の相談に乗ってもらうには非常にいい方だろうと思いますし、あるいはまた労働者の代表のような形で本当に労働者の福祉の増進、充実のために真剣にお取り組みをいただいて、長い間御苦労いただいてきた方々なども、身をもってそういう体験をしてきておられるわけでありますから、こういった相談員という仕事を進めていただくには非常にいい方であろう、そういうふうに考えてまいりますと、候補者はたくさんにあるだろうと思いますので、今後こういった相談員を増強していくように努力をしてまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○安恒良一君 大臣から増強するということがありまして、これは大臣御承知のように事業団の嘱託で非常勤職員ですから、国家公務員や地方公務員の定数には関係しません。ですから、問題は国からの事業団に対する人件費の補助だけだと思いますから、そういう意味で、しかも大体月に二十日程度出られていろいろ相談に応じられる。待遇も月に六万八千円ぐらいの払いですから、私は、これはちょっとその意欲をお持ちくだされば相当数をふやすことは可能だと思うんです。幾ら国家財政が赤字の折からといっても、こういう問題については私は可能だと思いますから、ぜひ五十五年度が無理ならば、来年度からは少なくとも中小企業が集中している都道府県には全部配置されるというように、この点はぜひやっていただきたいということをお願いをしておきます。 そこで、いま大臣がおっしゃったことで、この点も大臣にお聞きしたいんですが、私は加入率達成と普及の目的のために、これも衆議院の方で提言がなされていますが、普及のための年次計画を立てて、そしてそれを中退金審議会に定期的に報告する。このことに対しても大臣が前向きに取り組もうということで、私は結構だと思うんです。しかし、それがためには、私はこれは各都道府県単位に中小企業の事業主の代表者、労働者の代表、それから学識経験者といいますかそういう方々とか、それから実際に業務を都道府県にも行ってもらっておりますから、そういう都道府県のこの業務を行っている人、こういう人々が一堂に会する、各県単位に、いわゆる衆議院でも私どもの同僚の言葉をかりますと、これは運営協議会、こう言ってますね。私はそういうものをこの際まず設ける。その設ける中において、いま大臣が言われたように、これは中小企業の経営者と同時に、そこで働いている労働者に理解を求めないとなかなか進まないと思うんです。 だから、そういう意味で言うと、またこれもやたらに審議会とか何とかをつくるということになると、いろいろ行管の関係がありますが、そういう意味の運営協議会的なものを必ず各都道府県につくってもらう。そしてそこで四者で十分話し合うということは非常に有効なことではないだろうか。これも衆議院で若干の議論もありますが、私はさらに突っ込んでも、具体的に四者構成なら四者構成の、しかも各都道府県に必ず一つつくる、そしてそこで十分にこれをどう普及さしていくか、この制度をどう実効あらしめるか、こういうことについて、中央にはこの問題の審議会が四者構成でできておりまして、私も出てますが、中央だけではね。だから審議会ということになると、またいろいろ問題があろうと思いますから、審議会でなくても結構ですから、そういうものが普及されるような運営委員会的なものを、大臣、各都道府県に早急につくるということについてのお考えはどうですか。
○政府委員(寺園成章君) 加入促進につきまして、どういうような手当てがより有効であるかということを検討するに当たりましては、第一線でこの事業に取り組んでいただいております各県の方々の意見を十分しんしゃくしながら検討を進めていかなければならないというふうに思っております。労使、公益委員の方々の御意見を私どもが聴取する場としては、先生御指摘のように中央に審議会がございます。地方におきまして地方の行政当局が私どもと相談いたします場合に、また地方の担当の者が各県におきます労使の御要望というものをどういう形で吸い上げて私どもと相談できるか、その辺のことはこれからちょっと検討をさしていただきたいというふうに思っております。
○安恒良一君 だから私は大臣に答えてくれと言うんだ。役人に答えさせるとそういうことになるわけよ。これから検討するんじゃないんだ、もう二十一年間もやってきて進まないから、私は具体的な提言として中央にこういうような審議会があることは知っています、これだけでは不十分でしょうと。だから四十七各都道府県に審議会と一遍にいかなければ、少なくとも加入普及を目的とするものを、ひとつ県当局も入っていいじゃないか、学識経験者も入ったらどうだ、それから中小企業の代表者も入る、そこで働いている労働者等も入れて、大臣が言うように労使が理解をしないと進まないわけですから、そういうことをやったらどうか。それを言うと、これから検討します、そういうことになると、だんだん、私も何だと、こう言いたくなるわけです。だから、私はいままでの経過は全部知ってます、議事録も読んでます、その上に立って新しくこういうことについて。だから、事務当局が答えると寺園君が答えたようなことになるから大臣と言うのに、大臣がそっちに回すからまたあんなことになるので、どうですか大臣、それは。
○国務大臣(藤波孝生君) 回したわけではないんですけれども、どうも済みません。 御指摘のように、この労働行政を前進をさせてまいりますためには、地域、地域の実情の上に立って取り組んでいくというのは基本的に大事なことだと思います。しかも労働行政に関することというのは、労使双方の深い理解をいただくことによって初めて達成をしていくことができるというふうにも思っておるわけでありまして、先生御指摘の労使あるいは学識経験者、あるいは実際に事務を遂行している方、県等が一つのテーブルを囲んでその県、その地域としての独特の実情等を踏まえて、さらに加入を促進していくためにいろいろ話し合う場を持たれることは非常にありがたいことだと思います。すぐに全国各都道府県に必ずというふうにいきますと、これがまた地域の実情に即したということにもならないような気もいたしますが、中小企業の非常に多い県でありますとか、あるいは特に加入の少ない県でありますとか、そういったところを重点的に加入を促進してまいりますために、そういった懇談会、協議会といったようなものを設けていくようにむしろこちらで計画をいたしまして推進をしてまいりたい。その辺の動きを見ながらほかの県でもまたそれぞれ波及していくようなことになれば非常にいいと思いますし、あくまでも地域の実情、実情に応じて積極的に取り組ませていただきたいと考えております。
○安恒良一君 もちろん私も画一的といっても、地域の実情を尊重することは結構です。私はこういうようなことをいま言ったような精神で運営されることについてそう御反対がある点はないと思うんです。ただ若干の予算措置等で、地方財政の赤字の折からいろんなことあるかもわかりませんが、中身については私はそうむずかしい注文をつけているつもりじゃありませんし、そのことが二十一年間かかってやっと九・一%になったことをまださらに大きく増進をさせる方法だと思いますから、ぜひ、大臣の答弁もありましたが、事務当局も少し意欲的に取り組んでもらいたいと思うんです。中退金だけに任しておったらいけません。それからこういう法律が出てきたときだけはやって、五年に一遍ですから、これは残りの四年を忘れておったらいけないんですよ。どうかひとつそのことをお願いをしておきます。 そこで、いま一つ、加入促進の方法として、地方公共団体がこの制度に入っております事業主に対して、援助措置として、現在のところ百五十の地方公共団体が、加入後一年ないし三年間程度の掛金の補助をしているというふうに衆議院で答弁されています。結構なことですが、これは総額どのくらいの年間補助金になっているんですか。これはトータルで結構ですから、一市がどうだと細かいのは時間がたちますから、トータルで、百五十の地方公共団体がたとえば五十四年なら五十四年に掛金の補助としてどのぐらい総額出してますか。
○説明員(佐藤仁彦君) 先生御指摘のとおり、地方公共団体におきまして、約百五十の市町村で小規模の事業主を対象として一定範囲の掛金月額について一〇%ないし二〇%の補助を行っていることは承知いたしておりますが、現実に五十四年度でいかほどの予算措置が講じられ、いかほど支給されたかについては承知いたしておりません。
○安恒良一君 五十四年度がわからなけりゃ五十三年度はどうですか。
○説明員(佐藤仁彦君) 私どもが調査いたしておりますのは、その制度の内容がどうなっているかということについて調査いたしておりまして、予算についてはその都度は調査いたしておりません。
○安恒良一君 大臣、この点もお聞きのとおりです。だから国会では、この程度やっていますと言ったら、はいと引っ込む委員もおられますけど、私は聞く以上、それはどのくらいの金額が年々使われているかということを、これも御承知のように地方公共団体がこういうことをやることについて、またこの裏づけとして、地方債の引き受けその他を今度は福祉事業団がやっているわけですから、その限りにおいては少なくとも財政的にこういうふうに出ている、それがだんだんふえているんならふえている、こういう実態をつかんでもらわなきゃいかぬと思うのです。ですから、どうも聞けば聞くほど労働省自体が御熱心じゃないんじゃないか。きょうは事業団の方に来ておいていただけませんでしたから、その点で私要求していなかったものですから、事業団側がつかんでいるのかどうか知りませんけどね。私はそういう実態をぜひつかんでほしいと思うのです。その中で労働省が指導をされなけりゃいけないと思うのですが、これは大臣ばっかり言っておってはあれですが、局長、あなた責任者ですからどうですか。いままでのやりとりをずっと聞いておって、もう少し事態を正確に知った上で、国会の中でわれわれが論争できるようにしてもらいたいし、いまのところ、いま私があれしたからじゃないんで、もともとおたくにはその資料がないわけですからね。資料がないということは、全く一生懸命やっているということにならないんです。きょうは安恒さんから聞かれたから、突如だから、ないと言うんなら、これは私も理解しますよ。そうじゃないんで、そういうことはつかんでいないと言うんだから。局長、どうですか。
○政府委員(吉本実君) ただいま先生の御指摘ごもっともでございます。私どもといたしましても決してゆるがせにしているわけではごごいませんので、今後そういった点についても十分改善していくように努めてまいりたいと思います。
○安恒良一君 それじゃどうか大臣、いまお聞きのとおりですから、もう少し実態を正確にひとつつかんで、その上で推進政策をして、でなければ言葉の上だけで一生懸命やっている、やっていると、こういうことになりますから、どうかその点をお願いします。 そこで、その次には、加入が進まない中身の問題としては、この退職金制度が本当に魅力あるものかどうかということだって一つ思うわけです。そこでまず、魅力あるものかどうかの中の一つは、一般の中小企業と違った、中小企業以外の企業の退職金との比較が私は必要ではないかと思います。それはなぜかというと、このパンフレットを読ましていただきましたら、「この制度は、退職金制度をもつことが困難な中小企業に、国の援助で、大企業と同じような退職金を支払うことができるようにすることを目的としています。」とこういうふうになっているわけですね。目的とする、こうなっているわけです。これは事業団の発行ですね。国の援助で中小企業もほかの企業と同じような退職金が払われるようにしたい、これが一つの大きな目的だと書いてあります。私もまさにそのとおりだと思う。 そこで、これも問題は民間の三百人以下の現行の退職金、これは大卒、高卒、中卒と、それとここで行われている退職金の比較についてひとつお願いをしたい。現在平均掛金が約三千五百円といわれてます。その平均掛金による退職金との比較について説明をしてください。資料は手元にもらっていますから、ごく簡単で結構ですから。
○政府委員(寺園成章君) 退職金につきましては、五十三年の調査がございます。規模三十人から九十九人の中卒、高卒、大卒それぞれ二十年勤続でとってみますと、中卒百八十八万円、高本二百二十三万円、大卒二百六十九万円でございます。規模百人から二百九十九人を同じく見てみますと、中卒百二十七万円、高卒二百六十四万円、大卒三百十三万円でございます。なお、先生御指摘のように、現在中退の平均掛金額は三千五百円程度でございます。三千五百円で二十年掛けましたときの給付は、今度の改正法に基づきますと百九十二万円でございます。
○安恒良一君 私は資料要求の中で、前の調査だけでは正確でないので五十四年の賃上げ率、五十五年の賃上げ率、私どもで調査しまして六・五%、五十五年が六・六ないし六・七、これに対して労政局でお調べになった五十三年の六・四、五十四年の六・五を加味して比較表がつくってあるわけでしょう。あなたはそれを読まれないで。私はそこで、大臣にこの表をちょっと見ていただきたいと思うんですが、一番新しいもので比較する必要があると思ってわざわざ春闘の賃上げ率を入れて、いわゆる民間の退職金制度とそれから中退金における制度をどういう状況になっているかということをあれをしたわけです。そうしますと、大臣、この表を見ていただくとわかりますね。三千五百円、これが平均的な掛金ですが、それと高卒、大卒ではもう金額が非常に乖離があるわけです。これは労働省に計算してもらったわけです。乖離があるわけです、率直に言って。大体どこで見合うかということで、これで表を見ていただきますとわかりますように、掛金が四千円から五千円の問ぐらいにあると思います。それぐらいの掛金を掛けていると中卒ぐらいのところはある程度見合う。ところが、現実に中退金の方で掛けられているのは、平均で三千五百円ですから、やはりこれだけ退職金の金額に開きがあるわけです。これが一つ大きく目立ちます。 第二番目に目立ちますのは、勤続年数が高くなればなるほど乖離が目立ちます。ここにこの制度に問題がありはしないかと思うわけです。そこで私は、まずこれを魅力あるものにするためには、少なくとも従業員規模は同じでありますから、民間の退職金制度と中退金の退職金制度との金額がある程度同じようになるようにしていかないといけないと思う。こういうことを言いますと、いやそれは簡単なんだ、三千五百円でだめだったら四千円の欄に持っていけばいいじゃないか、五千円の欄に持っていけばいいじゃないかという答弁がまた返ってくるわけです。それを上げればそれで上がるんだと言うんです。しかし、現実には平均は三千五百円の掛金を掛けている人が圧倒的に多いわけで、平均でそうなっているわけですから、それは口ではそういうのは民間に合わせようと思えば四千円とか五千円月々掛ければいいじゃないかと簡単にいきますけれども、そうは現実にいかないんです。だから、これをどういうふうにしたら直るのだろうかということなんです。 そこで、私のこれも提言なんですが、まず一つは、国庫の補助率が御承知のように、掛金の納付は三年以上十年未満が五%、それから十年以上が一〇%、一律になっています。そこで衆議院でも議論になっています。勤続の長いところについて国庫補助率を上げたらどうかということが若干ある。私もそれは一つの方法じゃないかと思うわけです。 というのは、この表を見ていただくとわかるように、勤続が長くなれば長くなるほど民間の同じ規模とこの退職金との間の金額の違いが出てくるわけです。それは私から言わせると、国庫補助率を十年以上は一〇%、なぜかと言うと、これは二つの目的があるわけです。この退職金をさせるときには、一つはいわゆる民間の労働者の福祉としてのこのような中小企業に対する退職金制度をつくろうということ。それからいま一つは、中小企業の振興という意味で、労働者の定着ということもねらわれているわけですね、どうしても中小企業の労働者は移動しがちだから。その意味から言うと私は、勤続がこういう中小企業で二十五年も三十年も勤めている人に対しては、せめて退職金ぐらいはほかの同じ規模の民間と同じぐらいやる。それがために国が財政支出をされることについて、これはまた寺園さんなり局長に答弁してもらいますと、議事録では前向きにとか、いろいろ問題がありましてという答弁が返ってくるんです。衆議院ではそう言っておりますから。 そういうことではなくして、私はこれは一つの方法として、二十五年以上をたとえば補助率を一五%にするとか、二十年を二〇%にするとか、何も私はこの数字に固執しているわけじゃないですよ。一つの方法としてそういうようなことをお考えくださる気はないのかどうか、これが第一点。 それから、もう一つの方法としましては、五年ごとの改正になっているわけですね。五年ごとでありますから、どうしても物価上昇、賃金上昇の後追いになってます。これも、いや、そういう場合には掛金を上のランクに上げればいいじゃないかという答えが返ってきつつあります。私はそれは不親切だと思う。ですから中退金の審議会におきましても、この問題についてはさらに検討するようにと、この点を指導してますね。だから吉本さんか寺園さんの答弁では、審議会から答申がある、審議会からも指摘されているから今後十分検討しますとは答えております。しかしそこまではだれでも言うわけです、審議会が指摘しているから十分検討しますということは。私はそれを一歩突っ込む必要があると思う。 一歩突っ込むとすると、たとえばのやり方です。これも私はたとえばと言っているんですが、とりあえず厚生年金のスライドは物価でやってます。物価が五%上昇した場合には厚生年金のスライド条項の発動がなされてます。国民年金もそれでやってます。ですからここの場合も物価が五%以上上昇した場合にはこれを読みかえる、こういうことも一つの方法じゃないでしょうか。それから、それがなお困難とおっしゃるならば、再計算は五年ごとじゃ長過ぎるんで、それをとりあえず三年に縮める、このことは私はできることだと思います。いまは五年ごとに後追い、後追いで直していますから。 そういう意味で、せめて私の提言としては、たとえば厚生年金や国民年金のように、物価が五%上がった場合にいまスライド条項が発動されてますが、そういうことを考えたらどうか。それがなかなかそこまでいかないとおっしゃるならば、一番私はいま少なくとも乖離を埋める方法の一つとしては、五年ごとの再計算といいますか、これを三年に短縮することで実情に合ってくるんじゃないかと思います。いわゆる退職金の中身を魅力あるものとするという意味で、乖離があることは事実ですから、それを埋める方法として私は二つのことをいまあえて大臣に提言をいたしましたが、この点についてどうお考えでしょうか。
○国務大臣(藤波孝生君) まず最初の、補助率の問題についてでございます。 任意加入になっておりますこの種制度で、国の補助を出すということになるというのは、それ自体はなかなか大変なことだというふうに思います。これはいかに国がこの仕組み、中小企業の退職金の制度というものを大事に考えて、ぜひ普及し、かつ労働者の福祉を増進をしていきたいということを強く感じておるかということであるというふうに思うわけであります。したがいまして、この補助率を上げていくということはなかなかむずかしいし、関係当局ともいろんな接触を重ねていかなきゃいかぬというふうに思いますけれども、いま委員から御指摘をいただきましたように、中小企業の場合に、落ちついた継続的な労働力というのがなかなか確保しにくい。しかしそれが中小企業にとって非常に大きな意味を持っているということ、私も小さな中小企業をやっていた、まあやっていたというほどでもない、自分で働いていた一人親方ぐらいの程度の商売でありますが、ですからよくわかるんです。 そういう意味では、どこを補助率を上げていくかということであるとするならば、やはり落ちついてその企業のために中で一生懸命働いてきた、勤続年数の長い人にできる限り恩恵を大きくしていくような構えにしていくことは、仕組みとして非常に大事なことであろうというふうに考えます。今後、これは私からお答えいたしますのに、どうもまた検討いたしますじゃ申しわけないのでありますけれども、十分前向きに取り組ませていただきまして、その趣旨を生かしていくように努力をいたしたいと思います。 なお、物価スライド等についての御提言もちょうだいをいたしました。しかも五年というのは長過ぎるではないかという具体的な御指摘でございます。これまた労働省といたしまして、今回のこの法改正をお願いをするに当たりまして、今後の非常に大事な検討課題だというふうに実は考えておるわけでございますが、これもそういった制度を実現をしてまいりますためにはいろいろと審議も重ね、各方面と接触もしないとなかなか簡単には即断もできないというようなところもございまして、今後検討をしていこうということになっている非常に大きなテーマの一つでございます。しかし、五年先にまたその仕組みをそれじゃ御提案申し上げまして、それから先そういうふうな方向で動いていくように努力をしますというふうにお答えを申し上げるのが大体普通の答弁かと思うんですけれども、しかもそれが五年先ということでは相当将来のことにわたるわけでありますし、この具体的な御提案に対しまして具体的に検討を重ねてまいりまして、成案を得られればその時点でぜひ物価スライドのような方向を取り入れるように、また、なるべく早い時点で御審議を煩わすことができるように努力をしてまいりたい、このように考えておりますので、どうか今後の検討課題として私どもも大きくこれを取り扱わせていただきたいと思いますので、御理解をいただきたいと思います。
○安恒良一君 大臣から前向きの答弁がありましたが、ぜひ大臣、一般の企業の退職金というのは、物価上昇分は賃金でほとんど毎年毎年是正しているわけです、これは率直なことを言って。ですから、私は賃金スライドとまでいきませんが、少なくとも物価は、しかもこれは国民年金、厚生年金ではすでに取り入れているわけですから、そういうことをやるとか、それも一遍にいかなければ、私はとりあえずとれる方法としては、五年ごとの見直しというのを三年に縮めることぐらいのことはそう財政的にも大変なことではないと思うんです。というのは、国の補助率というのはここに決めているわけですから、この金額を私は承知してますが、そうこれが五年ごとが三年になったから財政上の大きな負担になるわけじゃないのです。少なくとも加入している人に、もらう側に魅力のあるものにするためには、私は早急に審議会もあることでありますから、大臣の方からそういう点について、審議会の方もこの問題については検討するようにという指摘をしているわけですから、その中の一つの具体的な方法として五年を三年に縮めるとか、一遍に賃金スライドまでいかなければ、せめて物価が五%なら五%上がったときにはそれを再検討するということはぜひ大臣、局長、前向きに検討をしてほしいと思います。このことを申し上げておきます。 それから、これは将来の課題になりますが、だんだん民間の退職金について御承知のように、年金制度との関係で一時金と、それからこれを年金でもらうというやつが、これは好むと好まざるとにかかわらず普及しつつあります。そういう意味から言いまして、私はこれもいままで申し上げたほどすぐということは申しませんが、年金制の導入ということについてももう検討しなきゃならぬ段階に来ていると思います。そしてこれも五年先になってそこから検討ということでは、私はこれは乗りおくれやしないかという気がします。そういう意味で、どうかあわせて年金制の導入について、これも審議会の答申を見ますと非常に重要なことだ、しかし、慎重を要するから引き続いて議論する、こういうふうになっていますが、ひとついま申し上げた点にあわせて御議論を願いたい。そして一方においては、私は普及率を高めるための具体的方策をいまいろいろ御質問をしたり提言をしましたが、そういうことをやっていただくと同時に、いま一つはこの退職金を魅力あるものにすることについて御努力をお願いをしておきたいと思います。 次には、今度は建設業退職金共済組合の問題について触れていきたいと思いますが、まず、きょう建設省からもお見えになっていますが、建設業の現在の状態ですね、これはどうなっているか。というのは、被共済者手帳というものは大体百二十九万人に渡っているというふうに、私はこれは労働省の答弁か建設省の答弁で聞いていますが、こういうことを含めていまの建設業の状態といいますか、いわゆる大企業の元請それから下請、孫請というふうに建設業ほど労働者の移動の激しいところはないし、しかも請負機構が非常に複雑になっていると聞いていますが、そういう現状についてちょっと説明してみてください。
○政府委員(寺園成章君) 現在の建設業の退職金共済組合への加入状況は、五十四年の十二月末で加入事業所数が九万二千八百八十三事業でございます。それから加入従業員数は百三十三万八千六百二十七人でございます。全体に対する加入率は残念ながらまだ四〇%程度ということでございますが、これらの加入率を上げるためと申しますか、加入促進のためには、先ほど御指摘になりましたような観点も踏まえて今後精力的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。 御指摘の元請から下請への関係の問題でございますが、この制度に入ります対象はいわば下請企業と申しますか、規模の小さいところでございますので、下請の建設業がかなり中心的なものになろうかと思います。これらの下請におきます加入促進という方途といたしましては、まず一般的には受注業者が下請契約を締結する際に、掛金相当額を下請代金の中に算入する、あるいは下請業者に対して共済証紙を現物交付をするというようなことを建退共の支部を通じて指導、監視をいたしておるところでございますし、また公共事業の関係につきましては、建設省等におきまして、この制度への加入あるいは証紙が正確に張られるような措置というものを公共事業の観点でとられておるところでございます。
○安恒良一君 そこでお聞きしますが、これも衆院議で議論になっているんですが、これは二年未満の場合には掛け捨てになるということになっています。それで二年ということで計算するためには何でやっているかというのを聞きましたら、証紙が五百四枚要る、こういうことになっていますね。ところがこれは毎日毎日働いておりましたら二年間で、たとえば月に二十五日稼働なら稼働ということで、休日休むということにしまして、なると思うんですが、どうも現実にはそうはなっていないというふうに聞いています。 ですから実態を、これは労働省でお調べになるのでしょうか、建設省でお調べになるのかわかりませんが、中にはそれは、まる通しで働いて二年間で五百四枚の証紙になる人もあるでしょうが、実際は三年かかるとか四年かかるというふうに、私たちは現場の労働者から聞いているんですが、そこらの実態はどうなっているでしょうか。衆議院で議論になっていますが、二年未満というのが全体の三四・七%となっています。ですからそこのところ、本当に五百四枚の証紙を張ってもらうのに二年間で張ってもらっている人がどのくらいおる、三年間かかっている人がどのくらいおる、四年かかっている人がどのくらいおるという実態についておつかみでしょうか。
○政府委員(寺園成章君) 建設業につきましては、平均月間労働日数をもとにいたしまして、証紙二十一枚で一カ月という計算をいたすことにいたしております。そのために、二年間と評価される枚数は御指摘のように五百四枚でございます。現実に五百四枚の証紙が二年間で張られているかどうかという実態については、完全に把握できる調査がございませんが、一昨年建退共が年間の建設業就業が半年に満たないなどによりまして、一冊の手帳、これは一年分でございますけれども、一年分の証紙を貼付する期間が二年以上かかった者を除きまして、集計をいたしたものがございます。二年以上かかった人が二割ございますので、全体の八割について集計をいたしたものでございますが、これによりますと、一年分、すなわち二百五十二枚を貼付いたしますのに約十四月程度かかっております。したがいまして、二年分五百四枚を貼付いたしますためには、約二年四カ月を要するということであろうかと思います。
○安恒良一君 大臣、この点もぜひ実態をもう少し調べていただきたい。私どもの方に参りますあれは、なるほど二十一枚というんですが、地域によりまして、なかなか建設業というのは年間通しでできないところがありますから、たとえば一つの例を挙げますと、北海道とか東北の寒冷地域なんかもあります。その他、それから寒冷地域じゃなくしても、この建設業の仕事というのは、率直なことを申し上げて天候によってもまた左右されます。そういうようなこと等で、なかなか月に二十一枚というのが張れない場合がある。 そうすると、いまの部長の御答弁では、御承知のように、四カ月オーバーですか、ぐらいでということになっていますが、どうも私どもに対する訴えは、現実に非常にかかるという訴えが多いわけですから、これも私たちも、私たちみずからが調査しているわけじゃありませんので、一遍ぜひそこのところ——というのは、この二年未満の人が、これも寺園さんの御説明で、衆議院のやりとりを聞いてみますと三四・七%、これは間違いないですね。そういうことになっていますから、余り数字をつかまないでお互いに論争しましても建設的ではないと思いますので、ぜひひとつその実態を調べていただきたいと思います。 それから次に、建設省にお見えいただいていますが、建設省の方で、地方建設局の直轄事業については、業者が全部共済組合に加入しているのかどうかという点で、これは請負をされるときに、加入しているところには特別点数等をやっているということをずっといろいろ衆議院で言われていますから、そのことは承知しています。 そういう上に立って、これも議論になったんですが、現場管理費ということで、土木工事の場合は大体千分の三・五、建築工事は二・五、ですから平均をいたしますと三%程度だと。それから工事の総量と売れました切手の金額等も承知していますが、それから見ると、かなり乖離がありはしないか、こういう点について議論が衆議院でされています。 ところが、そうなりますと、いや、それは契約は双務契約だからなかなかチェックができないというところでほぼ議論が終わっているんですが、これらの点について、いま少し実情を説明していただくと同時に、たとえば、この被共済者手帳ですが、百二十九万人に渡っているわけですね。単純単価計算すると、一カ月にいま二十一日ということですが、私の計算したときは二十二で計算しました。二十二に十二カ月掛けて、証紙一枚の金額で割っていきますと、手帳を持っている人の中から、いわゆる張ってもらっている人というのは五十万人足らずにしかならぬわけです。ですからそこらの点について、建設省の方で具体的にどうつかんでいるのか。少なくとも中小企業の建設業で働いている労働者の退職金の共済を進める上にどうしてもこのことが必要だということで、労働省、建設省一緒になって、証紙を張らせる運動を進められていると思いますが、現実の数字は、衆議院の中で議論になっていますから私は繰り返しませんが、どうも私が見るところ、本当に手帳だけは持っているけれども、実際仕事に行っても張ってもらっていないという人がたくさんいるという気がしてなりません。これは現実に売れている証紙の金額と工事総量との見合いから、そういう点は現状どうなんでしょうか。また、どういうふうに改善されるつもりですか。
○説明員(永田良雄君) ただいま建設省の指導についてのお尋ねでございますが、建設省といたしましては、基本的に言いまして、建設業退職金共済組合に加入することは、労働福祉の面ばかりじゃなくて、建設事業の健全な発展の面からも大事なことだというふうに考えております。 そこで、具体的にどういう指導をやっておるかということでございますが、まず入札に応ずるには、入札資格審査というのをやるわけでございますが、その際に、業者が建退共に加入するということを資格の要件の一つにいたしております。点数の一つに加えております。したがいまして、そういう意味からは、一般的に言って建設業者はかなり加入が進んできているというふうに私どもは理解いたしておるわけでございます。 それからもう一点は、それは一般的な指導でございますが、もう一つは、請負工事を受注した場合に、現場説明というのをやるわけでございますが、現場説明の際に、請負業者に対して、証紙を購入して、収納書を提出させるという措置をとっているわけでございます。もちろん先ほど御指摘ございましたように、実際上証紙を購入して張る労働者は下請業者でございますから、元請する大きな業者は、そういう労働者は抱えておらぬのが実情でございます。一昨年に下請指導要綱というのをつくりまして、これも指導要綱で、元請業者が下請をそういうふうに指導するように指導徹底をいたしております。 ただいま数字で御指摘なさったことをよく理解できないわけでございますが、御承知のように、建設省直轄工事というのと補助事業という工事を持っております。恐らくいまおっしゃったのは直轄工事の話ではないかと思いますが、具体的に言いまして、事業量として多いのは補助事業でございます。したがって、そこの乖離かなと思うのでございますが、数字の乖離とおっしゃるところがよく理解できないものですから、何でしたらもう一回、まことに申しわけありませんが……。
○安恒良一君 私どもの同僚の佐藤委員と青木説明員の問の議論になっているわけですね。青木さんが答えられているのですが、結果的に言いますと、公共事業の請負総額が九兆八千億あると。それでいま私が言ったところの現場管理費ですね、土木工事が大体千分の三・五とか、建築工事が二・五、平均三%と、そういう中ではじき出すと、少なくとも証紙の売上高とこの間に非常な乖離がある。いわゆる公共事業総請負費の九兆八千億の千分の三として二百九十四億だと、そうして、それに対して五十三年度は百五十四億しか売れていないから百四、五十億の乖離がありゃしないかという論争が続いているわけです。 そこで、私は青木さんの答弁も聞いていますから、それより一歩掘り下げるために、いまあなたが言われたように、直轄工事と補助工事があるから、この数字をこういうふうに計算するのは間違いなら間違いだ、こういうふうに把握すべきじゃないかということを聞こうと思って、すでに議事録を読んでいるという意味で聞いた。というのは、この議論だけでは不十分なんです。いわゆるすれ違いに終わってますから、そこで実態をどうつかまれているのかということをまず建設省に聞いて、さらに後から今度は労働省にそこのところを聞こうと思って聞いた、真意はそういうことなんです。
○説明員(永田良雄君) 御指摘のように、建退共の加入の掛金を二%から三%積算で見て請負の費用の中に入れてあるというのは御指摘のとおりでございます。したがいまして、少なくとも建退共に、共済組合に加入すること自身が請負業者の損失にならないような費用手当を見てあるということでございます。 ただ、実際に入りますのはそれぞれの発注者でございます。市町村長であり都道府県知事さんであり、あるいはいま十兆とおっしゃいましたのは、大体公団、公庫、事業団、公社と、そういうのがいっぱいあるわけでございますが、そういうところでございますから、先生がおっしゃったような積算でやりますと、見てある金はそれぐらいというかっこうになるのかもしれませんが、これも見る見方はこういうふうに見てあるというかっこうでございまして、公団、公社のものはそこを強制できないものですから、それから加入自身も、絶対加入しなきゃ受注させないというかっこうまではやっておりませんものですから、現実には加入率は先ほどお話がありましたような数字でございまして、そこら辺の乖離かと思います。私どもといたしましては、できるだけ指導を通じて普及さしていこうというふうに考えておりますので、今後ともそういう指導をやっていきたいというふうに考えております。
○安恒良一君 そこで労働省にお聞きしたいのですが、百四十億とか百億が正しいのかどうかというのは、いま建設省側の御説明がありまして、建設省としてつかみ得る数字とつかみ得ない数字が、つかみ得ないのがあるからと思いますが、やはりこの法自体をあれされているのは労働省ですから、いま言われたところのこの乖離が約百億ないし百四十億あると言われていますところの実態についてはどういうふうにお考えですか。それともまた、実態をどういうふうに把握されていますか。これは労働省側にお聞きをしたいのです。
○政府委員(寺園成章君) 私どもで調べましたところでも、建退共に加入しながら証紙を一枚も張ってもらっていない労働者がいる例がございます。そういうようなものもその乖離の一つの要因になっているのではないかというふうに思うわけでございますが、いずれにいたしましても、この建退共の制度は、いわば業界退職金制度でございますので、業界の大部分がこの制度に入っていただく、また入っていただいて、働いた日には必ず証紙を張っていただくということがこの制度の基本でございますので、そういう法の期待するような形に一歩でも二歩でも一日でも早く到達いたしますように、私どもとしては最大の努力をしていきたいというふうに思っております。
○安恒良一君 大臣、これも百億が正しいのか百四十億が正しいのか、これはまだいま言ったように建設省自体も、直轄工事以外は公庫、公団とかそういうものをつかみ得ないということですから、これも相当大きい金なんです、一日一枚証紙の値段、単価から言いますと。だから私は率直に言って、かなり証紙を張ってもらっていない労働者がいるということ。それは単純計算でいいますと、いま一年間に売り上げられた売り上げ証紙総金額をいわゆる一カ月稼働から全部掛けまして、証紙であれしてみますと、実を言うと四十七万人しか張ってもらっていないということになるわけです、これは単純に算術的に割っていきますと。そうすると、手帳を持っている人は百二十九万人おるわけですから、そこをこれは単純な算術的な平均ですから、何も百二十九万対四十七万の論争をしようと思ってはおりません。私もそういう単純な割り方ではいけないと思う。しかし、それにしても張ってもらっていない人がかなりいることは事実だと思うのです、いわゆる工事総高、それからいま言った手帳を持っている人の総数、それから現実に売られた証紙の数、総金額で計算していきますと。 ですから、これは大臣、局長、一遍建設省と協力するなり、労働省自体で実態調査してもらいたいと思う。でなければ、結果的に言うとこういう議論になるわけです。そうしたら一生懸命努力しますと。加入率だけはわかっているわけですね。加入しておっても、労働者には張ってもらわぬと意味がないわけですからね。ですから、そういう点についてひとっここも私は実態をつかむ以外には、論争すれば、いま言ったようなことの数字だけでお互いがまたここでああでもないこうでもないという論争になりますから、現実に大臣、一遍建設業退職金共済組合の証紙が張られている実態について、ぜひ具体的な調査をしてもらいたいと思うのです。その点どうですか。
○政府委員(吉本実君) 確かに御指摘のような点があろうかと思います。私どもとしましても、普及を促進していくという趣旨でいろいろやっておるわけでございますが、御説のことにつきましては、建設省ともよく相談をしながら実態把握に努めてまいりたいというふうに思います。
○安恒良一君 それじゃ、これもできるだけ早い機会に一遍実態調査等をして、ぜひ当委員会の方に報告をお願いをしておきます。 そこで、これも大臣と衆議院の中でやりとりがされておりますが、こういうふうに証紙を張らなかったり、加入してもらいたいんですがなかなか張らない。ところが中小零細企業で、たとえば十人以下とか三十人以下というところはそう簡単に労働組合もなかなかできないわけです、率直なことを言って。ですからどうしてもこれは経営者自体が自覚を持ってもらわなければいかぬ。ところが任意加入制度ですからなかなか自覚をお持ちにならない。こういうことで法の所期の目的が達成されていない。 そういう意味で、たとえば過半数以上の労働者、従業員が要求した場合には、これは強制力を持たせる方法はどうかと、いろんな議論が衆議院でもされています。しかし、これは任意だからなじまないという議論もある。しかし、私は少なくともいまのような、いわゆる加入率を上げていくためにも、そういう要求があったときには労働省としてこれには強い勧告をするとか、特に当然証紙を張らなければならぬのに張らないという実態についてわかれば、こういうものについては、法律的に一遍に強制までいかなければそういう是正の勧告を出すとか、そういう措置をやっていただかないと、なかなか証紙が張ってもらえない、加入が進まないと思います。 そういう点について、大臣どうなんでしょうか。いまの特に建設労働者の場合なんか、かなり証紙を張ってもらっていないという実情ですね。これは非常に孫請、孫請ということで中小零細企業ですから、どうしてもこういう実態が、それは元請が責任を持たなければならぬと言われても現実になっていますが、そういう証紙を張らないようなところについては、実態を調査した上で強く当面勧告なら勧告をする。それでも直らないときには、私は法律的な規制というものをある段階では考えざるを得ないと思うのです。でなければ、せっかく仏つくって魂入れず、こういう運営になっていると思いますが、そういう点どうでしょうか。
○国務大臣(藤波孝生君) 先ほど局長からお答えをいたしましたように、まず実態をよくつかみたいと思います。なぜまたそういうことになっているのか、もしそういう事態であるならば、なぜそこに問題があるのかというような理由等もよく解明をいたしまして、その上に立って対策を講じていくようにいたしたい。労働の現場がよく移動をしましたり、いまお話しのように下請がまた孫請になってくるというようなところでなかなか実態がつかみにくいところがあると思いますけれども、御指摘の御趣旨に沿うようにできる限り調査を進めてまいりたい、このように考えます。 なお、いまお話がございましたように、中小企業の、特に規模の小さい企業などで、労働者の方々がこういう仕組みをぜひ取り入れたい、自分たちの事業所で欲しいと言っても、なかなかうまく経営側と話がつかないというようなこともあろうかと思います。しかし、いまもお話がございましたように、労使がよく話し合って、その事業所でこの退職金の仕組みを取り入れていく、そして任意ではあるけれども、気持ちよくこの仕組みが生きていくというようなことに持っていくことが大事であり、また目的でもございますので、従来よりももっと強い指導性を持って、もし労働者からそういうふうなお話が出てくれば、労働省としても、ぜひそういうふうな方向にいきませんかというようなことで経営側に話をするといったようなことも含めて、強い指導性を持って、普及がさらに促進をされ——これは普及が目的ではなくて、労働者の福祉の増進が目的なわけでありますから、ひいては普及もしていく、こういうことで労働者の立場に立って、ぜひこの仕組みが動いていくようにさらに強い姿勢で臨んでまいりたいと考えております。
○安恒良一君 それから大臣、この中小企業退職金共済事業団の運営というのは、非常に私はこの制度を促進をする意味で重要だと思う。そういう意味で、事業団の役員はどういう人なのかということ、それからまた待遇はどうなっているか、機構はどうなっているかというのはきょう資料いただきましたから、これでよくわかりました。 ただ、率直に言って、この事業団の役員構成等見ますと、ここも相も変わらず天下りの方々が、前歴もいただいていますから、一つ一つ読み上げていただくと時間たちますから、わかりますから結構ですが、ありますね。そして、待遇は、これまたここに理事長以下監事に至るまで月給表もいただいていますからよくわかっていますが、こういう中から言いますと、少しこの事業団の運営の中に民間の血を入れていくと、これは総理なり行政管理庁長官が、これからこの種の事業団の役員には民間の血を入れていって、少し活発にやりたいということを言っておられますが、この中小企業退職金共済事業団の役員構成、建設業退職金の役員構成、清酒等見ましても、非常に民間出の人というのは役員の中には少ないですね。ほとんど皆無と言っていいくらい。 前歴が一つしか書いてありませんから、この前歴だけ見ると民間人に見える人もありますが、その前を一つ調べてみると役人だったということもあると思います。そういう意味から言うと、私はこの事業団に民間の有能な人にも少し入ってもらって、二十一年間かかってもたった九%ぐらいしか進まないところを、うんと進めるような運営をぜひ考えていただきたいと思います。 それと同時に、資金運用についてもいろんな意見が出ています。私は資金運用のあり方を、この事業団の役員が、評議員会というのがあるようですが、役員が中心になってやられているということについて、だんだんこういう資金を運用していくわけでありますから、これも衆議院で議論になっていますが、私は資金運用のあり方をオープンにする必要があると思うんです。それがためには、こういうところこそ少なくとも学識経験者とか、公、労、使ですね、労働省の方の審議会は三者構成になっております。おりますが、この資金運用なんかについては、これは事業団の問題でありますから、この事業団の資金運用等については少なくとも私はオープンにして、学識経験者、公、労、使の代表が、いわば三者構成といいますか、そういうような方々が入った中で、中退金におけるところの資金運用というものがやられていくことの方が非常にいいことじゃないかと思います。 そういう点について、私も中退金の細かい、評議員会があるということは知ってますけれども、いま言ったような資金運用について三者構成等でやられておるのかどうか、やられておらないとするならば、これから先そういうことについて、やることについてのお考えをお持ちなのかどうか、そこを聞かしてください。
○政府委員(吉本実君) 中小企業退職金事業団の運営並びにこの共済制度の資産の運用ということにつきましては、先ほど先生御指摘のように、労働省におきます中小企業退職金共済審議会にもその運用状況を報告いたしまして、その意見も聞きながら運用方法等を定めておるということが一つでございます。 それから、事業団自体の問題におきましては、現在参与という制度を設けまして、労使それぞれ二名からなります四名の方に参与になっていただきまして、事業団の事業計画なりあるいは運用方法なり、事業団の運用につきまして御意見を聞くような仕組みにしておるわけでございます。御指摘のように、まだまだこういった点についての活用が不十分ではないかという御趣旨も含まれるかと思いますが、そういった点につきましても今後十分反映できるようにいろいろ考えてまいりたいというふうに思います。
○安恒良一君 参与会というのは年に何回運営されていますか。
○政府委員(寺園成章君) 参与会は年に三回開催されております。
○安恒良一君 恐らくそんなことじゃないかと思います。私も国会議員になる前にいろんなところに関係して、大臣、四名の方に年に三回ぐらい来てもらって、それで意見を承っているということにはならないんです。それはいわば名前だけなんです。また呼ばれる方も、年に三回ぐらい呼ばれて資金運用のことについて相談を受けても大変なことなんです。だから私はこの種の問題については、事業団の役員の運営を助ける意味から言っても、三者構成なら三者構成にしてきちっとして、そして最低月に一回ぐらいはいろんな意見を、労働者の代表や事業主の代表や、それから学識経験者からも聞きながらやっていくという方法をやらないと、どうもここだけではありません、いろんな公庫、公団を調べますと、できるだけ身内でやるという意味で、しかし、表面は民主的にやらなきやならぬから、参与とか何とかいって年に一回から多いところで三回ぐらいやって、いかにも民意なり労使の意見を聞いているような運営がされておりますけれども、私は大臣、こういうところについては改革をしてもらいたいと思うんです。 私は、それは一つのいい意味の行政改革ではないかと思います。でないと、労使の代表が二人ずつで年に三回ぐらい、しかもそれはあくまでも参与という形で資金運用についてもあれされている。というのは、この資金は御承知のように事業主が掛けられて、国の補助金額というのは総体からすると知れているわけです、年間の国の総額は。それからいってもここにおかれるところの運営がオープンにされ、しかも効率的に資金が運用されるように、私はそういう方々の代表の意見を聞いてもらいたいと思う。 そこで、もう時間が参りましたから、どうか大臣、私は本法案に賛成という意味で、この法案に本当に仏つくって魂入れずということじゃなくして、もう二十一年もたっておりますし、またこの法律の持つ意義は非常に重要なものでありますから、その意味から言って、実際上に加入促進、普及促進、それから魅力あるものにする、それがためにはもちろん労働省や事業団の御努力、地方公共団体の御努力も非常に重要でありますと同時に、積極的に加入しているところの事業主、それから当該労働者、こういうものの意欲が十分反映される、その中でこれがますますりっぱな制度に実っていくような御努力をぜひお願いをしたいと思いまして、大臣の決意をお聞きをしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(藤波孝生君) 非常に多方面な角度からこの仕組みのいろいろ重要な点について御指摘をいただきまして、感謝をいたしております。 なおこの制度が魅力のあるものになってまいりますように、運用、活動、さらに普及の促進等につきましては、前向きに積極的に取り組んで改善をしてまいりたいと思いますし、また、ちょうだいをいたしました幾つかの非常に重要な今後改善のテーマにつきまてしは、それぞれの機関において前向きに取り組ませていただきたい。そして、この中小企業の退職金制度がさらに普及が促進をされ、活用されて労働者の福祉が増進をしていくように努力をしてまいりたい、このように考える次第でございます。
○小平芳平君 引き続き退職金について質問をいたします。 まず、今回の改正でどのくらい増加が見込めるか。増加が見込めるかといっても、ただ漫然としていたのでは増加するわけがないですが、普及をさらに徹底するということがるる御答弁がありましたが、その普及を徹底していくとともに、今回の改正が一つの普及の速度をつけ得るかどうか、その辺の見通しはいかがでしょうか。
○政府委員(寺園成章君) 今回の改正におきましては掛金の額、退職金の額を現在の賃金、退職金の事情に適応させますための改正のほか、この制度の適用範囲自身を拡大する改正、あるいはかねてから懸案になっておりました過去勤務期間の通算制度、あるいは月額変更をいたしました場合の掛け捨て、掛け損の解消等の措置をとりまして、可能な限りこの制度の魅力づけを図ったところでございます。そういうこの制度に魅力づけをしたことを一つのてこにいたしまして、加入の一層の促進を図ってまいりたいというふうに考えております。 また、この改正におきまして新しく適用範囲の拡大の措置をとっておりますが、この適用範囲の拡大の対象になります事業所は、新しくふえますのは、六千事業所が新しく適用対象になるということでもございます。これらの新しく適用対象になります事業所を含めましてこの中退制度への加入促進を一層図ってまいりたいと考えておるところでございます。
○小平芳平君 従来どおり、より一層の適用拡大を図るとともに、今回の新しい適用範囲に新しくなるわけですから、なお一層適用拡大を図っていただきたいと思います。 それで、退職金は三千五百円として二十年で百九十二万ですか、先ほど御答弁がありましたが。それで三十年で四百十三万ですか、ちょっとこれでは魅力がないですね。二十年で百九十二万ということは、あるいは三十年で四百十三万ということは、そういうものばかり扱っておりますと、退職金というのは二百万とか三百万とか四百万とかせいぜいそのくらいだというふうになれてしまうんじゃないかと思うんです。けれども、いまの一般社会情勢から見て余りにも魅力がない。せめて三十年も働いたならば家一軒持てるとかいうくらいのものがあって初めて魅力ある退職金制度だということが言えるんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(寺園成章君) 先生御承知のとおり、この制度は事業主が掛けます掛金と、それを運用いたしました運用利益、それに国庫補助をつけて給付をするという仕組みにいたしております。退職金カーブにつきましても、短期の人よりも長期の人をより有利にするような退職金カーブの描き方をしておるわけでございますけれども、いずれにいたしましても原資が事業主の負担ということでございますので、たくさんの退職金を事業主が従業員に支給するためにはそれだけの負担を毎月毎月負っていくということになるわけでございます。したがいまして、中小企業者の負担能力という関係もございまして、現在のところ三千五百円が平均の掛金額になっておりますが、現在までの状況を見ますと、大体年に一〇%程度の平均掛金額の増額ということもございますし、また、今回の最低掛金額のアップあるいは最高掛金額のアップ契機といたしまして、掛金を引き上げる事業主もおられるというふうに考えますわけでございます。いずれにいたしましても、非常に大きな退職金を支給するためには事業主が大きな負担を負わざるを得ないというところで、現実に多額の退職金の支給を受ける人が少ない状況にあるということであろうかと思います。
○小平芳平君 労働大臣に伺いますが、五十年改正のときに同じことを質問したら全く同じように答えているわけです。それは掛金を少なく掛ければ退職金は少ないんだ、多く掛ければ多いんだというふうに同じことを答弁しているんですが、率直に言いまして二十年働いたらこう、三十年働いたらどうなるということが欲しいですね。三十年と言えば一生、一代ですね。あなたの代一代とにかくまじめに働いたならばたとえば家一軒持てるとか、必ずしも家といっても人によって違うですが、何かそういう魅力が欲しいですね。いかがですか。
○国務大臣(藤波孝生君) 先生御指摘のとおりでございまして、私も全くそう思います。しかし、掛金に応じて退職金の金額、それに運用の利益でありますとか、国の補助金によってかくかくしかじかの金額になるということについても、これは仕組みとしてもまたやむを得ないということで、これは答弁は事務的なことになりますけれども、そのこともまた理解をせざるを得ないというふうに思うのであります。中小企業の労働者の賃金もだんだんと充実をしていくようにして、その分でだんだんと金融の資産も蓄えていく、退職するときにはこういった退職金が出る、それから今もお話がございましたけれども、ぜひ財形制度を思い切って改善をしたい、何かもっと魅力のあるものにしたい、金融資産を形成していくところでは非常に大きな功績を上げてきておりますけれども、持ち家制度の方向などになかなか進んでいかないようなこと等も含めまして、労働者の福祉を増進をしていくためには、こういった仕組みがもっとそれぞれ魅力のあるものになっていかなきゃいかぬ、こういう角度で検討を進めておる次第でございます。 したがいまして、今後この仕組みをどう魅力あるものに持っていくかということでありますと、やっぱり掛金に応じた退職金ということにならざるを得ませんけれども、先ほどの安恒委員の御質問にもございましたように、国の補助金等もできるだけひとつつけていくようにして、国は国としての姿勢をもっとこの制度を大事にするという方向に向けて努力をして、そして制度全体を魅力のあるものに持っていけ、こういうふうな小平委員あるいは先ほどの安恒委員の御趣旨に沿うように今後さらに努力をしてまいりたい、このように決意だけ申し上げざるを得ないわけでありますが、御理解をいただきたいと思います。
○小平芳平君 それから、脱退者はどのくらいあるんですか。要するに契約を解消する者ですね、それが最近数年どうなっておりますか。
○説明員(佐藤仁彦君) 統計数字に関しますお尋ねでございますので、私からお答え申し上げます。 ここ数年ということでございますので、五十年度から申し上げますと、共済契約者、すなわち事業主側ですが、の脱退数は二千九百七十八、五十一年度が一万二百八十七、五十二年度が八千八百六十四、五十三年度が八千五百十七でございます。被共済者数、労働者側の数でございますが、五十年度が十九万二千三百三十、五十一年度が二十一万二千八百四十一、五十二年度が二十万二千四百九十三、五十三年度が十九万六千八百四十四。 以上のような状況でございます。
○小平芳平君 個人がやめていく場合は、職場が転々とした場合一応やめていくことになるですね。しかし事業所ごと脱退するということはどういうケースが多いと思いますか、御答弁願います。
○説明員(佐藤仁彦君) 五十二年度、五十二年度で事業所で脱退いたしました者が約八千五百ほどでございますが、約半数が、被共済者すなわち労働者がいなくなった、退職して被共済者がいなくなったということに基づく解約でございます。あとの四千の中は、その理由は区々でございますけれども、やはり企業が倒産した場合とか、それから一定年数以上掛金を納付いたしませんで解約になる者、そういった者いろいろございます。
○小平芳平君 いろいろありましょうけれども、五十三年度で八千五百十七脱退件数があるわけですね。労働者がいなくなったということは従業員がいなくなったということですね。事業所を閉鎖したわけですか、あるいは倒産したわけですか。そういうことを詳しく調べていく必要があると思います。 一方、新規加入が五十二年、一万八千、五十三年、一万七千くらいですか。半分くらいは減っているんですね。事業所数で新規加入した半分くらいは脱退して減っているんですが、そういう状態だと絶対数がなかなかふえないですが。
○説明員(佐藤仁彦君) 約四千余りの事業所の解約は、被共済者がいなくなった、労働者がいなくなったという理由に基づくという御説明を申し上げましたが、その従業員規模別の数字を見ますと、従業員が一人であったもの、それが全体の七五%を占めております。そういうことで、従業員規模が多くなるに従って、そういった全員解雇に伴う解約というものは非常に少なくなってきております。先生御指摘のように、その解約理由などにつきましてさらに一層詳細な把握をいたしまして、年間入ってくる者の約半数が脱退する、それは必ずしもその年に入った者の半数が脱退するという意味ではありませんで、過去からずっと入っております全体の加入者の中から約一万程度脱退していくという実態でございますが、そういったこともできる限り防止していきたいと思います。
○小平芳平君 それから、具体的に退職金を受けた方はどういう方がおりますか。
○説明員(佐藤仁彦君) 一般の退職金制度について申し上げますと、退職金を受給された者の数は五十三年度で十二万七千九百六十三件でございます。
○小平芳平君 具体的に退職金を何人受けたかということをおっしゃったんですか。
○説明員(佐藤仁彦君) はい、そうです。
○小平芳平君 勤続年数、それから金額、そういうものの平均はいかがですか。
○説明員(佐藤仁彦君) 五十三年度の実績で申し上げますと、一件平均、一人当たり平均の退職金額は十六万二千八百八十五円でございます。この制度に加入しておりました期間は六年とちょっとでございます。
○小平芳平君 それが平均ですか。
○説明員(佐藤仁彦君) はい、そうでございます。
○小平芳平君 それで、先ほども質問がありましたが、国庫補助を長期間の者にはもっと優遇すべきではないかということを言っておりますね。それからまた、掛け捨て、掛け損、これは今回一応手当てができたんですが、国庫補助のない部分、それから国庫補助の少ない人たちに対する対策をもっと考えなくちゃいけないんじゃないか。以上三点ですが。
○政府委員(寺園成章君) 現在、国庫補助は掛金納付月数が三年以上の方々につけております。つけ方といたしましては、三年から十年までは最低掛金額の給付に対して五%、十年以上の方については一〇%というつけ方をいたしております。 御指摘の長期の勤続者に対してもっと厚い国庫補助をつけるようにしてはどうかということでございますが、労働者の福祉の観点から見ますと、そのように国庫補助を厚くして給付を多くするという観点は好ましい措置であろうというふうに思います。ただ、この制度は任意加入制度でございますが、このような任意加入制度に国庫補助をつけるということ自身まれな例ではないかというふうに思っておりますし、また事務費は全額国庫で見ております。したがいまして、掛金はすべて給付に充てるという仕組みで、できるだけ有利な給付ができるようにこの制度が仕組まれておるところでございますので、長期の方に高い国庫補助率をつけるということはなかなかむずかしい問題であろうかと思いますが、審議会におきましてもこの問題は議論が非常に活発に行われまして、この問題は検討課題にするようにという建議もちょうだいいたしておりますので、その線に即しながら私どもとして今後取り組んでまいりたいというふうに考えております。 国庫補助につきましては、三年以上の方につけておるわけですが、この制度は一年までは給付をしない、一年から二年までは掛金額よりも低い給付を行って、その原資でもって長期の方々に厚い給付をするという仕組みをとっております。その基本的な考え方は、短期の勤続者よりも長期の勤続者に有利な給付をする、そのことによって中小企業に有為な人材を確保するということにも資そうということでございますので、国庫補助につきましても、三年以上の方々に給付をつけ、またつけ方も、先ほど申し上げましたように五%、一〇%というようなつけ方をし、その中小企業における従業員の定着対策にも資していこうという趣旨でこういう制度をとっておりますので、三年未満の方々について国庫補助をつけるということも、この制度から見まして早期にと申しますか、三年未満の方に国庫補助をつけるのはなかなかむずかしい問題ではないかというふうに思っております。
○小平芳平君 それから、資金運用の中小企業から集めたお金ですが、特に中小企業、零細企業から集めたお金ですが、これが本当に中小企業、零細企業の役に立っているかどうか、もっと具体的に役に立つようにしなきゃいけないんじゃないか。
○政府委員(寺園成章君) 中小企業の事業主が従業員のために掛金を掛けるわけでございます。したがいまして、この資金の運用に当たりましても、効率的かつ安全な運用を害しない範囲で、できるだけ中小企業者の事業資金またはその従業員の福祉を増進するための資金に融通をするようにというふうに法律に書かれております。その趣旨に即しまして、実際には商工中金の発行いたします商工中金債を中心といたしまして中小企業者に還元されるような金融債で運用いたしておりますし、また、事業主に直接融資をする還元融資制度というものもこの制度は持っておるところでございます。
○小平芳平君 それから、先ほどありました賃金スライドについて、あるいは年金化について、これも検討課題というふうになっておりますが、この賃金スライドあるいは年金化というものが現実の課題として挙がってきた場合に対応しなきゃならないと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(寺園成章君) 賃金スライド制あるいは年金制の問題につきましては、審議会でも活発な御議論がございまして、建議におきましては今後の検討課題にするようにということでございますので、今後私どもはその趣旨に即して検討してまいりたいというふうに考えておりますが、この制度が任意加入であり、かつ基本的には積み立て制度という制度でございますので、その制度からくる技術的あるいは制度的なむずかしさというものがこの両制度を取り入れますに当たりましてはあるわけでございますが、いずれにいたしましても、年金制度というものが民間では普及の傾向でございますし、また、具体的に個々の独自の退職金制度を持っておる企業におきましては、賃金の上昇に応じて退職金額が上がっていくという実情もございますので、審議会の建議の趣旨を踏まえて今後検討をしてまいりたいというふうに考えております。
○小平芳平君 特にこの年金化についてはいかがですか。
○政府委員(寺園成章君) 年金化につきましても、先ほど申し上げましたように、今後の検討課題にしてまいりたいというふうに思っておりますが、私どもが現在の時点で制度的、技術的に問題点だというふうに思っておりますのは、中小企業の従業員の勤続年数が平均的に見て七年程度でございます。そういう形で事業所問を移動するということでございますので、年金制度として仕立て上げますためには、その勤続期間を通算をして措置をするというような必要がございます。それがこの制度の上にうまく乗っかり得るかどうかということが大きな問題ではなかろうかというふうに思っておるわけでございますが、いずれにいたしましても、民間の企業におきましては、退職一時金制度から次第に年金化の方向というものも出ておりますので、そういう実態も見ながら検討をしてまいりたいというふうに考えております。
○小平芳平君 次に、労働安全衛生法について質問いたします。 基本的に、科学が発達すれば労働災害は減らなくちゃならないのですね。ところが、機械化したりあるいは化学物質を扱うようになる、そのために労働災害がふえるということは逆なんです。むしろ、機械化した、だからこのように労働災害が減ったというふうになっていかなくちゃならないと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(津澤健一君) 先生御指摘のとおりでございまして、過去において昭和三十六年ごろをピークに非常に多かった災害が減ってまいりました。効果といたしましては、私どもの各般の施策も効果があったと思いますが、機械化が進みまして、過去におきまする人力作業などに伴います数が数の上では減りまして、そういう効果があったという見方もございます。しかしながら、一方では新しく機械化が進んでまいりました際に、そうした事柄に伴って安全衛生の対策が必ずしも並行しなかったというようなこともありまして、そうした機械化や何かに伴います新しい種類の災害が目立ってまいりました。そうしたことが、このところいろんな生産活動や工事量の増大というようなこととも相まちまして災害の増加が目につくようになった、このように理解しております。
○小平芳平君 日本で、たとえばトンネル工事とか橋の架橋工事なんかで、科学の粋を集めてやっているんですというふうに説明していながら、死亡事故は何人というふうに言うんですね。ですから、それほど科学の粋を集めてやっているならば、何人死んだというふうな事故も、まあなくなることが一番いいんですけれども、そういうことが言われているということは、やはり何が欠けていると思いますか。
○政府委員(津澤健一君) 先ほどもちょっと触れましたように、技術の進歩と申しますのは、やはりそれを目的とするたとえばトンネルでございますとか橋梁でございますとかいうものができ上がって、その機能が十分果たされるようにということが中心で考えられておりますし、もちろんその施工の段階で駆使されますいろいろな機械や工事の方法等につきましても、安全が全く考えられていないわけではございませんが、そうした工事が非常に大型化することによりましてある種の危険、たとえば火災でございますとか爆発でございますとかというものも、それらが大きくなることによって危険性そのものも大きくなるというようなことがいろいろ重なっておりまして、その防止対策というものをもっといろんな方々が、設計をされる方も施工される方も、つくります過程の安全というものについて、もっと目を向けるべき要素が多々残っておると考えております。
○小平芳平君 口で言えばそういうことになるんですが、このことがどう実践されていくかということだと思います。 それで、法案の内容について、統括安全衛生責任者を補佐する者として二十五条の二の第二項で定めている「労働省令で定める資格を有する者」ということですね、これは労働省令で定めるんですが、大体どういうことをお考えですか。
○政府委員(津澤健一君) 元方安全衛生管理者につきましては、建設工事の施工におきまする安全衛生についての知識経験を必要とするということでありまして、その具体的な資格要件は、まず一つは、大学または高等専門学校における理科系の正規の課程を修めて卒業した者で、その後建設工事の施工における安全衛生の実務に三年以上従事した経験を有する者というのが一つ。それから二番目には、高校において理科系統の正規の学科を修めて卒業した者で、その後建設工事の施工における安全衛生の実務に五年以上従事した経験を有する者。それから、こうした大学や高校という区一別ではなくて、その他これらと同等以上の者というのを第三番目に考えております。
○小平芳平君 そうすると二十三とか二十五とかいうくらいの年配ですが、そういうくらいで大丈夫ですか。
○政府委員(津澤健一君) 元方安全衛生管理者という職務は、ただいま申し上げましたような統括安全衛生責任者というものが統括管理をしなければならない事項の中で、いわゆる具体的、技術的な事項をその指揮を受けながら管理してまいると申しますか、統括安全衛生責任者の職務を補佐するという立場でございまして、この資格を、最低限の資格でございますが、これを満足すれば元方安全衛生管理者としての職務を果たすことができるというふうに私ども考えております。 なお、元方安全衛生管理者の資格をこういうふうに決めましたのは、労働安全衛生法の十一条で、いわゆる一般の工場の安全管理者、これは工場の安全衛生に関するトップであります総括安全衛生管理者の指揮を受けて具体的、技術的な事項を管理するものでございますが、こういったものが常時五十人以上の労働者を使用する事業所に設けられております。安全管理者などがそれに当たるわけでありまして、これに準じたものとして予定しているわけでございまして、そういった意味では適正なものであるというふうに考えております。もちろん、これは最低の要件でございますので、現場の大きさとか特殊性とかというものによりまして、より経験の豊かな実力のある者がそうした職務につくように指導してまいるということは当然であると考えております。
○小平芳平君 経験のある者がつくようになると思うんです。が、責任はどうなりますか。もし大規模災害が発生した、大規模事故が起きたような場合の責任の所在はどちらになりますか、共同になりますか。
○政府委員(津澤健一君) 安全衛生に関する責任は、安全衛生法のたてまえでは事業者ということに相なっておりますし、下請が混在しておる場におきます統括管理に関しましては、特定元方事業者というようなことに相なるわけでありますが、そういった意味では、最終的な責任は統括安全衛生責任者が負うということに相なります。しかし、具体的な事項についてこれを補佐してまいるわけではありますけれども、その責任権限の分担の仕方などによりまして、事業者あるいは元方の責任者というものの仕事の一部を事業者にかわってやっておるというような実態がありますれば、個々の実態に応じて元方安全衛生管理者にも責任がかかってくる場合もあろうかと思いますが、最初に申し上げましたように、第一義的にはその事業所の最高責任者の方に責任が参るのがたてまえでございます。
○小平芳平君 それから、改正案の第二十五条の二の一項の二ですか、それで必要な訓練を行うこと、この「必要な事項についての訓練を行うこと。」、これは各事業者が勝手にやるわけですか、それとも何か統一的なカリキュラムがあるわけですか。
○政府委員(津澤健一君) 私どもが考えておりますのは、こうした救護などが必要なときに備えて、あらかじめそれに必要な機械器具でございますとか、あるいは教育訓練を担当すべき有資格者その者に対しては一定の教育訓練を施しまして、その者が事業所の中で、事業者の責任においてみずからの計画に基づいて中で訓練を行っていただく、こういう体制に相なるわけでございます。
○小平芳平君 それでは次に、改正案八十八条第三項「重大な労働災害を生ずるおそれがある特に大規模な仕事」ですね。これは先ほども御説明がありましたが、三千メートル以上のトンネルとか本四架橋とかいう御説明がありました。これはそういう科学の粋を集めた世紀の大工事も問題になりますが、むしろそのほかの方が問題じゃないかというような気もしますが、どうですか。この大工事は届け出をしましたが、その大工事以外の工事にむしろ問題がありはしないか。
○政府委員(津澤健一君) 私どもが今回の改正案におきまして危険でかつ大規模なものを予定しておりますのは、最初先生の御質問に対してお答え申し上げましたように、ある種の危険は規模が大きくなるにつれましてさらに大きくなるという要素もございますので、これには各種の専門的な知識によりまして危険性を予測しながら施工の安全の評価を行わなければならないというものでございまして、こういう観点から大臣審査の対象を定めたわけでありまして、確かにその対象は少ないように見えるわけでございますけれども、これを労働省が直接審査を行う、そして災害防止を図るということはきわめて大きい意義があると私ども考えております。もちろんこれ以外の工事につきましても、御高承のように、現在労働基準監督署長が計画の届け出を受けまして審査をすることになっておりますほか、今回の改正におきまして、その計画が一層適正なものとなるように意図いたしまして、計画をつくる場合に、でき上がったものの安全というのみならず、施工中の安全ということを考えていただくための一定の有資格者を参画させるということも定めておりますので、そういった点からも、大臣審査以外の工事についての計画時の安全性の確保に努めてまいりたい、このように思っておるわけでございます。
○小平芳平君 労働大臣に届け出をした場合ですね、労働大臣の認可ですか、届け出ですか。
○政府委員(津澤健一君) 届け出でございます。
○小平芳平君 そこで大災害が起きたらどうなるんですか。届け出をしました、しかし、そのとおりやっていたんだけれども大災害が起きたというような場合に、国の責任はどうなるんですか。
○政府委員(吉本実君) ただいま国の責任ということでございますが、仮に国家賠償法等の形でのことを考えてみますと、この計画の審査に瑕疵があった場合に、こういった国家賠償法との関係でそういうものに該当するかどうかということが問題になろうかと思いますが、審査の瑕疵として予定されるケースといたしましては、一つは、届け出られた計画が労働安全衛生法令に違反しているのに、工事の開始を差しとめまたは当該計画を変更すべきことを命じなかった場合、それから二番目には、工法等が技術的に見て大変危険であったにもかかわらず、所定の勧告なり要請をしなかった場合、こんなようなことが考えられるわけでございますけれども、建設工事を安全に行うというのは、本来事業主の責任でございます。国によります計画の審査は、災害防止という観点から一定の措置をするという行政上のいわば目的を達成するためのものでございまして、安全性を積極的にこれだけでもって保証するものではございません。したがいまして、災害が発生したから直ちに国の法令上に基づく国家賠償責任があるというふうには考えていないわけでございます。
○小平芳平君 それで、労働大臣に届け出た書類はどこへ保管しておくんですか。あるいは労働基準監督署へ届け出ますね、それはどこで保管されるんですか。
○政府委員(津澤健一君) それぞれ届け出を受けました労働省であれば労働省、監督署であれは監督所に保管されるわけでございます。
○小平芳平君 まことにそのとおりなんですが、監督署はいままでもいろんな書類を届け出られるんです。ところが、置き場所がないんです。じゃ具体的に監督署へ行ってごらんなさい。もう就業規則とかいろんな書類の置き場所がなくて大変です。そういう実情じゃないですか。ちょっとこれはこの問題と違いますが。
○政府委員(津澤健一君) 確かに御指摘のように、届け出書類、報告書類等、私どもの行政機関にはたくさんのものが出てまいります。そうしたものの保管の場所というものにつきましては、古い話ではございますが、耐火書庫をつくるとかいろいろな工夫をいたしておりますが、またその書面の必要性に応じまして私ども保管の年限、廃棄基準というようなものも定めておりまして、現在のところ建物の外まではみ出して困ったという程度の話までは存じておりませんが、確かに御指摘のような問題も重要でございますので、関係の部局ともよくお話し合いをしてみたいと思っております。
○小平芳平君 次に、建設業における元請と下請の災害発生状況ですね、下請が多いわけです。かねがねそのことは問題にもなり、注意していると思いますが、なぜこういうように下請が多いか、またこれに対してどう対処していくか。
○政府委員(津澤健一君) 確かに御指摘のように、下請の労働災害というのは、建設工事におきましては多いわけでございます。私ども比較的正確に把握しております死亡災害について見ましても、全死亡災害の中の約六〇%が下請ということに相なっております。これは五十四年の死亡災害についての数字でございます。これには幾つかの事業所がまじり合いまして作業を行っておるということに原因するものもたくさんございますし、またそういったことから、いわば昔から繰り返されておりますようないわゆる在来型の災害も依然として多いわけでございます。こういったことにも着目をいたしまして、私ども混在性に起因する労働災害の防止のために元方が協議組織の設置運営でございますとか、作業間の連絡調整というようなことについての仕事をやるようにすでに義務づけをしておりますところではございますけれども、今回の改正におきまして、さらにそういった混在が起こらないようにするための初めからの素地がやはり重要でございますので、機械器具その他の配置計画でございますとか、工程の計画でございますとか、言うなれば工事の段取りというものを元方が責任を持って決めまして、先ほど来申し上げておりますような混在からくる災害、下請に対するいろんな指揮命令が不徹底であるために起こる災害を防ごうということを考えておるわけでございます。
○小平芳平君 労働大臣、いまの労働災害というものは科学が発達したら減るのが当然で、そのための科学であるはずですが、にもかかわらず、科学の粋を集めてなおかつ死亡事故が起きる。そういうことは役人が机の上で考えている以上の実態把握とか、いろんな要素があろうかと思いますが、労働省としてできる努力ということについて御答弁願いたい。
○国務大臣(藤波孝生君) 委員御指摘のように、機械化が進む、科学技術が前進をする、当然そのことによって労働の環境が、安全性が確保されて事故は減るもの、そうあるべきだというふうに思うのでありますけれども、現実には、そういった設備ができるとかえって事故が起きたとき大きな事故になるというような場合もございます。特にここ数年考えてみますると、四十八年の第一次の石油ショック以降、異常な不景気に陥りまして、その景気を何とか回復をさせていきたい、そういうふうな中で公共事業を中心として景気回復策を講ずる、建設現場が動き出す、そうするとその建設現場で事故が起きるといったような非常に残念ながら客観的にそんな状態になっておりまして、引き続き労働災害の件数が非常に多いことを実に残念に思っているわけでございます。 何といいましても、労使含めて関係者の労働の安全に関する深い理解がありませんとどうにもならない。したがいまして、それぞれの地域におけるいろいろな会議、いろいろな業種業態に応じた労働の安全に関するいろいろなPR、さらにいろいろな場面での労使が話し合う場所でも、まず前提として安全ということを確保するということについての労使双方の深い自覚と理解がなければいかぬというふうに考えます。非常に抽象的でありますけれども、あらゆる機会に私は労働の安全を確保するための行政指導を強力に展開をしていくのでなければいけないというふうに思います。それが一番だろうと、罰則主義でいくとか、いろいろなことも考えます。 たとえば、省内での会議はいろいろなことを言ってみているわけです。建設現場で労働災害が起きたら何カ月間かはたとえば指名停止にするというようなことにして、使用者側の労働の安全に関する責任感を喚起するかというようなことをやってみるけれども、ところで指名停止して今度は仕事が動かなくなったときに雇用問題をどうするんだ、そこで働いている人は一体どうするんだというような問題がすぐ起こってくるわけなものですから、やっぱり何といっても、時間はかかるようだけれども、労使双方の深い理解を得られるように努力をしていくようにしなきゃいかぬ、こういうふうにいま考えているわけでございまして、今後そのためのきめの細かいあらゆる対策を講じていくようにいたしたいと思います。 なお、今回の法改正等を中心にいたしまして、こういった法改正が行われた、どれだけそれで災害が少なくなるかということよりも、こういう法改正を機会にさらに行政の側でもそんなふうに取り組んでおる、国会の御審議も煩わした、各方面でぜひひとつ深い理解を持って、日本の社会から少なくとも労働による災害というものを絶滅するということに向かってのあらゆる御努力を願うように強く各方面に呼びかけていきたい、そういう契機とするためにも今回の法改正は非常にありがたい、こういうふうに考えておる次第でございますので、私どもも真剣に取り組んでまいりたいと思いますが、国会におけるいろいろな御指導や御鞭撻もいただきますようにぜひお願いを申し上げたいと思う次第でございます。
○井上計君 労働安全衛生法についてお伺いいたします。 第七章の「健康管理」についてであります。 作業に従事する人たちの健康管理については、もちろん十二分に配慮し、万遺漏なきを期さなくちゃいかぬわけでありますが、しかし、法律やあるいは規則が余り厳し過ぎると逆にまたマイナスになる、こういうふうなこともあろうかと考えます。 そこで、これはむしろ質問というよりも、私の要望ということでお聞き取りいただいて結構でありますけれども、六十五条の作業環境の測定についてでありますが、この点から考えまして、たとえて言いますと非常に零細な企業、特に使用しておる有機溶剤、有害物質等が備蓄量もごくわずかである、あるいは使用頻度もまことに少ない、使用量も少ない、こういうものが多くの事業所の中に相当あると思うんです。したがって、それらのところまで規定されておりますような作業環境測定を年二回やるということになりますと、いろいろな面で実行不可能だという面もありまして、混乱が起きておるかに聞いております。それらの点について十分ひとつ監督指導の中できめ細かく、言うなれば、その業種あるいは事業所のそれらの実態に応じたきめ細かな監督あるいは行政指導をすることが必要であろうと考えます。それらの点についてぜひひとつ御検討いただくように、これは要望を兼ねての質問であります。
○政府委員(津澤健一君) 作業環境の測定と申しますのは、働いております労働者の環境の状況を把握しまして、その結果に基づいて環境改善をやる。この環境改善をやりますことは当然でございますが、急性の中毒みたいなものはもちろん、長期慢性的な暴露によりまして職業病というものにならないというようなこと、総じての環境管理を適切に行うためのものでございますことは御理解をいただいているところであろうと存じます。 この作業環境の測定につきましては、作業環境測定士というような制度によりましてこれを適正に実施する必要があるわけでございますけれども、確かに御指摘のように、有機溶剤などの有害物質を使用する場合にはいろいろなケースがございまして、使用量が非常に少ない、あるいは使う頻度が少ないというようなことで大きな差があると思います。このような実態を私どもは踏まえた上で作業環境の定着が図られるようにしてまいりたいと思っておりますので、これを普及定着させます場合には、順序としてはやはり大量に頻度を多く使っておるというようなところから、まず正しい測定と改善というものに踏み切っていただくというようなことがこれを進める場合に重要であるということを念頭に置きながらやってまいりたいと思っております。 なお、使用量が非常に少ない場合でありまして、労働基準監督署長の認定を受けました場合には、おっしゃいましたような年二回というようなことは必ずしもそうでなくてよろしいというようなこともございます。 それからまた、測定結果などによりまして非常にその値が低いというようなことで、それから先の測定をやはり二回ずつやるのかというような御指摘も受けている向きもございますが、こういった問題につきましては、実際の作業環境測定をどういう条件のもとでどういう場所を選んでやるかということと、実際に働いておられる労働者が暴露されます量との関係というものは大変むずかしい問題がございまして、ここのところはただいま専門家によりますきめの細かい検討をやっていただいておりまして、実験なども行っております。こういったことの結論を待ちまして、ただいま先生御指摘ありましたことも含めていろいろな角度から検討してまいりたいと思っております。
○井上計君 いろいろと御検討いただいているようで大変ありがたいと思います。 例を挙げますと、実は私、印刷工場の実態をちょっと申し上げますと、かなりのスペースの作業室であり、かなりの規模のところでありましても実際に使う有機溶剤の品種がそれほど多くない、それから使う量が非常に少ない、また一日にせいぜい一回ぐらいしか使わないというふうなところであっても、当然作業環境測定が義務づけられておるわけですが、実際にそれらのところが労働省の指定された機関で測定をしましても、もうほとんどトルエン等による汚染がないというふうなのが出ておるんです。したがって、いま部長からお答えいただきましたように、労働省としてもそれらの点についての専門家に委託をして検討していただいているようでありますが、したがって、その業種によってずいぶん異なると思いますので、それぞれの業種に対して業界から一つのそれぞれのランク、大体同じような使用頻度、同じような使用量、いろいろあると思いますが、そういうふうな標準値のところをランク別に抽出さして、そこをひとつ測定をして、それ以下のところあるいはそれらのところはまず全く測定のほとんど必要がない、そういうふうなこともまたお考えをいただいたらどうであろうかというふうに思います。健康管理のためにも重要でありますから、そう何もすべてをおろそかにということではありませんけれども、実態に即したそのような指導をぜひともお願いをいたしたいというふうに思います。 それから、測定のための費用はかなり高いようなんですが、これらについても労働省に格段の御指導をいただいて、できるだけ安く、どうもわれわれ素人考えですが聞きますと、なぜそんな程度の測定にワンポイント五千円も六千円もかかるのかわからぬな、こんなふうにも感じる点もありますが、できるだけ費用等についても安くできるように御指導を願いたいというふうに思います。 それからもう一つ、無害のというとおかしいんですが、測定を必要としないような無害の溶剤、それらのものをもっと開発をし、それらのものを使用するように行政指導をしていただいたらどうであろうか、こう思いますが、どうですか、これらの問題等につきましては。
○政府委員(津澤健一君) 料金が大変高いという御指摘でございますが、作業環境測定と申しますのは、先ほど申し上げましたようないろいろな複雑な条件下で正しく測定をしませんと、その労働者が実際に暴露する値がどうであるのかということがはっきりいたしません面もありまして、測定点そのものもかなり数多くとらなければいかぬということもございます。しかしながら適正な料金というのは非常に大事なことでございますので、私どもこの測定機関の業務規程の認可ということをやっておりますので、こういった際におきまして、実際にかかる経費というものを基礎にしてきちっと計算されているかどうか、不適正な料金にならないように一層強く指導してまいりたいと思っております。 なおまた、測定料金の軽減を図りますための一助となろうかと思いますけれども、たとえばいろいろな団体などが自分で測定機関になられまして、そしてその構成員の測定をやって差し上げるというような方法をとりますと一括契約といいますか、そういうふうなことができまして比較的安くなるんではないかというふうなこともありましようし、あるいはいろいろな中小企業が現在いわゆる親企業の下請系列に入っておりますが、こういう系列企業なんかの場合におきましては、そのもとである親の方が測定機関になるように指導いたしまして、そうして下請の自分の傘下にあります企業のサービスをするというようなことも指導してまいりたいと思っております。 なお、さらにまた、測定機関の育成のために安全衛生融資制度とか補助制度もやっておりますし、それから、これはまたすべての業態には行き渡っておりませんけれども、中小企業におきまする環境測定が促進をされますようにということで、そういった事業者に対する助成事業も行っておりますが、こういったものの対象の拡大についても努めてまいりたいと思っております。 一つ言い落としまして……。無害の溶剤というものの開発なり指導ということを御指摘がございました。大変重要なことであると思っております。現にいいものがあるのに私ども知らないということがあってはなりませんので、研究機関等もございますので、そういったところと連携をとりながら調べてまいりたいと思っておりますし、また、そういう面の研究というものも何らかの形で促進をするように考えてまいりたいと思っております。
○井上計君 じゃ、最後にもう一つ伺いますが、七十一条に国の援助というのがありますね、これは通文しておりませんが、ちょっとごらんをいただきたい。「国は、作業環境測定又は労働者に対する健康診断の適切な実施を図るため、当該作業環境測定又は労働者に対する健康診断の水準を向上させるための必要な資料の提供、中小企業における当該作業環境測定又は労働者に対する健康診断の実施を促進させるための施策の充実その他必要な援助に努めるものとする。」、こうなっておりますが、具体的にはどういう面に対してどの程度のあるいはどういう方法の援助ということを考えておられるんですか、承ります。
○政府委員(津澤健一君) 作業環境の測定に関しましては、先ほどの御質問のときちょっと申し上げましたけれども、直接その事業場の作業環境測定の定着化を促進するために直接的な助成もやっておりますし、測定機関に対する資金援助あるいは補助というふうなものもやっております。そのほか健康診断などにつきましては、一定の特殊健康診断を実施するに必要な費用を助成するということで、中小企業労働者健康管理事業助成制度というものを設けまして、補助をやって健康診断の普及を図っております。また、特に有害な振動障害等につき決しても、これと類似でございますけれども助成制度をやっておりますし、それから資金援助といたしましては、いわゆる安全衛生に関する環境全体をよくするということに、機械のみならず建物でございますとか、いろんな意味でお金が要るわけでございます。こういうものに対する安全衛生融資制度というものを設けておりまして、これが大変好評でございまして、かなり機能をいたしております。そのほか健康診断機関に対しても、健康診断を行いますに必要な機器等の整備のために融資をするとか、あるいはまた特定の設備については補助をするというふうなことなど多方面にわたる助成措置を講じておりますが、今後ともさらにその内容の充実やいろいろな創意工夫をこらしまして、対象範囲を拡大するように努めてまいりたいと思っております。
○井上計君 終わります。
○前島英三郎君 労働安全衛生法の一部を改正する法律案、中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案ともに異論はないところでございますが、これを機会にいろいろと勉強しておりますと、実際に労働災害の発生状況、その特色を見てみますと、死傷者の発生率は交通事故の六倍にも達しているということでございます。しかも中小企業や下請が発生率が高くて、また、在来型の災害が年々同じように繰り返されているわけなんですが、これは大変困った問題だろうと思うんです。このような傾向がなぜあらわれると労働省は考えておられるのか、まずその辺からお伺いしたいと思っております。
○政府委員(津澤健一君) 御指摘のように、特に中小企業の災害が多いわけでございますが、初めにちょっと数字を申し上げますが、規模三百人未満という事業所での災害が全体の九〇%を占めておる。それから災害率と申しますか、そういったものも事業所の規模が小さくなるほど高いという事実がございます。こういったのを見ておりますと、先ほども申し上げたんでございますが、非常に在来型と申しますか、わかりきったと申されるような種類の災害、これにはもう防止方法というものがわかっておるんだけれども、それを知らないとか、あるいはいろいろな都合でそれができないというようなものもございますし、それから型としては、なるほど機械にはさまれたとか切れたとかという種類のものでございましても、機械がだんだん進歩いたしましたのに、その作業点の防護というものの技術的な解決が、機械そのものがつくられる初めからの段階でうまくいっていないというものもございます。いずれにいたしましても、そういった中小企業での安全衛生に関する知識、意識両面が非常に低いとか、あるいはやる意思がありましても経済的な基盤が余り強くないというようなこと、いろいろな困難がございまして、そうしたことになっておるんではないかと考えております。
○前島英三郎君 意識という面の低さからというならば、これは今後指導ということが大変大きなウエートを占めてくるだろうと思うんです。これらの労働災害のうち、事業主側の不法行為、または安全保障義務の不履行によるものはどれくらいあって、一方労働安全衛生法のもろもろの規定を守っていてなお発生したものというのはどのぐらいあるものなのか。一体どちらがどうでどちらがどうなのかというのはどうでございましょうか。
○政府委員(津澤健一君) 労働災害は、仮に四日以上の数字で申しますと、年間三十六万件近くも発生しておるわけでございますが、この災害について、御指摘のような観点から数字で把握するというのはなかなかむずかしいわけでございまして、そういう数字は全般についてはございませんが、仮に死亡災害について見ますと、昭和五十三年に発生いたしました死亡災害の総件数は三千三百二十六件あるわけでありますが、直接的あるいは間接的なものもありますが、労働安全衛生関係法令に違反するということで司法処分にいたしました件数の割合を申し上げますと、全産業で見ますと、いま申し上げました法令違反というのが約三割でございます。これを建設業だけについて見ますと約四割に近いということに相なっております。
○前島英三郎君 全体の三割が違反であるということなわけですね。特に死亡災害についてのデータというものがあるわけですけれども、しかし、本来もっと分析しておくべきではなかろうかというように私は思うんです。特に後天的な障害を得る、あるいはその時点における疾病が思わぬ形で広くその人の社会復帰というものに阻害をしていくというような障害度の問題なども考えていきますと、もっと細かい分析というものが今後は必要ではなかろうかと私は思うんです。 今回提案されている法改正につきましても、建設業において特に労働災害の発生率が高い、そういう形から、死亡者数も多いという傾向に対して対策を講じようとするもののようにもちょっと考えられるわけですけれども、過去の労働災害から多くの教訓を得て制度を見直すということは当然必要なことなんですが、それも重大な事故が起こってからという場合がきわめて多いわけです。ですからしたがって、後手、後手という言い方をしますと若干お気にさわるかもしれませんが、お許しをいただきたいと思うんですが、そうなる前に重大事故につながりかねないものについて、いわば芽のうちに摘み取るというような必要があるのではなかろうかという気がするんですが、労働安全衛生法を守りながらなお発生している事故について、死亡災害に限らず分析しておくということが大変重要なときではないかというような気がいたします。 今後の指導監督を徹底する方針というようなものを伺いたいと思うわけですけれども、労働災害が発生した事業所に対する労基署等の指導監督の状況はどうであったのか、またどうあるべきか、いろんなケースがあると思うんですが、過去の事例の中から指導監督のあり方、チェックポイントといったものを引き出すことができるはずだと思うんですけれども、そういう指導監督を徹底するいろんな要綱などをお持ちかどうか伺いたいと思います。
○政府委員(津澤健一君) 御指摘のように、私どもの監督指導は労働基準行政のあらゆる面にわたってはおりますけれども、労働災害防止というのが行政の非常に大きな重点課題の一つでございまして、こういう観点から取り組んでおるわけでありますけれども、先ほど来お話がございましたように、私どもの監督も労働災害が発生するその直前に、どうも起こりそうだということを見つけて、その事業所をすべて監督ができるというようなことであれば非常にうまくいくわけでございますが、なかなか意表をついて発生するというようなこともありまして必ずしもそうなっておりませんし、そういうことは非常にむずかしい状況にもございます。しかしながら、私どもの見方といたしましては、それぞれの監督署なり何なりの管内の実情を見まして、そこで特に労働災害が多発する、これは問題があるなというような業種に着目をいたしまして、そういうところの監督を計画的にやるという行き方をとってきているわけでございます。 その際、監督に当たって、どういう場合はどういう措置をするか、どういう種類の災害、どういう種類の機械に着目するかということは、私ども基準を示しております。したがいまして、監督した事業所につきましては、違反があれば場合によっては使用停止をかける、あるいは場合によっては是正勧告書を出して、いついつまでに直させるということをやらせておるわけでありますが、ただ、建設工事みたいに毎日現場の状態が変わっていくというところに対します私どもの監督は、いま申しましたような意味で未然防止が完全に図られるかどうかということにつきましては大変むずかしい面もございます。いずれにいたしましても、私ども法令事項を中心にそれぞれの業態に対応するきめの細かい基準をさらに整備をいたしまして、効率的な監督をやりたいと思っております。
○前島英三郎君 一つの大きな事故が出ますと、それに類じた形というものは、その一つの防止対策の行き渡る成果もあってなかなかそれと同じようなケースはないという部分は大変安心できるわけです。したがって、どうしても罰則規定といいますか、そういうものを強く、手かせ足かせの部分というものも必要になってくるだろうと思うんですけれども、その罰則の規定を設けたねらいというのは何でございましょうか。
○政府委員(吉本実君) 先生御指摘のように、罰則につきまして、労働基準監督機関が行いました主要な処分の状況をまず申し上げますと、五十三年でございますが、全送検件数が千六百六十七件で、そのうち労働安全衛生法に関係するものが千一件でございます。こういった状況で把握しておるわけでございますが、労働安全衛生法で罰則を設けました趣旨は、申すまでもなく、刑罰を科することによりまして間接的に規制事項の遵守を強制さして、そして労働災害防止の、実効を期するということになろうと思います。
○前島英三郎君 刑罰を科することによって防止を図るという趣旨のようですが、どうなんですかね、労働者に対する罰則は適当ではないというふうに私は個人的に思うんです。罰則を伴わない労働者の義務であっても、いわゆる労災補償における被災者の重過失の認定であるとか、あるいは、労災事故を理由とする損害賠償請求における被害者の過失の認定に際しては重要な意味を持ち合わせるわけなんですね。ところが、何か、働く人に、ヘルメットをかぶっていないと三十万以下の罰金とか、労働者自身に非常に厳しい罰則というような部分があって、個人的な意見ですが、事業主に対する罰則の厳しさはこれは当然理解できるのでありますけれども、働く者に対する罰則がちょっときついような気がするんです。これは勉強していく過程の中で個人的な意見としてそう思ったんですけれども、その辺はいかがでございましょうか。
○政府委員(吉本実君) 御指摘のように、事業者が講ずべき措置を法令でいろいろ決めておるわけでございますが、事業者責任の追及ということが労働安全衛生法におきます規制の中心であるということはもとより当然のことでございます。ただ、災害を防止するためには、関係者がそれぞれの立場で必要な義務を履行するということが必要だ、こういうようなことでございますので、事業者ばかりでなくって、たとえば機械メーカーだとかあるいは機械の貸与者、それから販売業者、こういった人に対しても一定の規制措置を義務づけておりますし、また労働者につきましても、いまお話しになりました保護帽の問題とかあるいは安全帯、合図に従うようなこと、保護具等を使用すること、こういったような事柄について、同僚労働者等の危害防止という観点も含めまして災害防止を実効あらしめるということで、労働者についても必要な事項を守るべきことが要請されているわけでございます。 しかし、労働者に対しましてこういった義務が課されるからといって、直ちに事業者に本来課せられました事業者責任というものに影響を及ぼすものではないというふうに考えている次第でございます。
○前島英三郎君 そういう意味では、何か三十万円以下の罰金というものが安全管理者を選任しなかった場合と準じているだけに、若干ちょっと罰則規定が重過ぎるのではないかというふうな気がするんです。 それからまた、安全管理者の選任にいたしましても、実質が伴わなければ意味がないと思うんです。安全管理者の資格というのは、大学または高専の理科系の課程を出た者で、その後三年以上産業安全の実務を経験した者とか、高校において理科系の正規の学科、機械科とか造船科などを卒業し、その後五年以上産業安全の実務を経験した者とか、三、労働大臣が定める者とか、いろんな実質的な意味で技術的な事項の明文化されているところがあるんです。一応設けられているんだが、実際その現場ではあいまいな部分が多いのではなかろうかというような危惧を抱くんです。私の知っているところにおきましても、とてもこの中に当てはまりそうもない雰囲気で、何となく安全管理者という選任を中身のない形で行っているケースも散見するだけに、非常にこの辺の指導がまたむずかしい面もあろうかと思うんです。その辺はいかがですか。
○政府委員(津澤健一君) 安全管理者の資格につきましては、ただいま先生お話しのように、産業安全の実務に従事した経験云々というようなことでやっておりますが、私どもの理解といたしましては、通常労働者を使っておる事業者というものは、こういう実務の経験がある人間がどこにどういうふうにいるかということは知っておると私どもは理解しておりまして、この安全管理者については法令上の歴史もかなり長いこともございまして、御指摘のような例もあろうかとは思いますけれども、おおむね正しく運用されておるのではないかという理解をしておりました。 ただ、事業者は安全管理者を選びました場合に、労働安全衛生規則の中に、遅滞なく所轄の労働基準監督署長へ報告するということについての義務がつけられておりまして、この報告を見ますと、「経歴の概要」という欄がありまして、これによって私どもも書面の上では実務経験についての確認をできることになっております。そういったことで具体的に把握してまいります。 なおまた、ちょっと戻りますが、学校を出て何年とかいろいろなことを書いてございますが、同等以上という縛りもございまして、その中には学校を出ていない方でありましても実務を通じていろいろ経験された方がなってもよろしいんだというような規定もございまして、その辺が実際の事業所ではかなり弾力的に運用されておるんではないかと思っております。
○前島英三郎君 ペーパーとその中身が相伴わなければならないというふうに思います。私も実際働きながら事故に遭った一人といたしまして、また仲間にもそういう者も大変大ぜいいるという立場の中で、安全管理者の責任の問題でいろいろトラブルが後日まで続いているというようなケースが多いわけでありますので、歴史はいかに長くあったにいたしましても、中身がしっかり伴っていく指導というものが今後は必要になってくるのではなかろうかというような気がいたします。 最後になりますが、七十二条の二項の一号、免許を受けることのできない者についての規定というのがありまして、この中に「身体又は精神の欠陥により免許に係る業務につくことが不適当であると認められる者」と、こういう個所が書いてあります。これも読んでおりましてちょっと気になったものですから申し上げますが、そもそも免許というのは試験に合格しないと取れないわけでありますから、このような規定を法律に書いておく必要がないのではないか、これは私の個人的な意見です。仮に必要があったとしても、「身体又は精神の欠陥」という表現ははなはだ誤解を招きやすい、これも私の個人的な意見です。労働災害によって障害を負うとしたら、その人は身体欠陥者となるわけではないと思うんです。そういう意味でもちょっと気になった個所がございましたので申し添えておきます。 いずれにいたしましても、事業主の負う責任は総合的な意味においてきわめて重く大きいものがあると思います。その自覚を高めさせ、労働安全衛生管理を十分に行わせるという労働省のしっかりした姿勢が今後大切だろうというふうに思います。事故は未然に防ぐということが当然の鉄則であると思います。事業主側に対してその姿勢を少しでも緩めたりしてはならないというふうに私も思いますので、大臣の決意をお伺いいたしまして私の質問を終わります。
○国務大臣(藤波孝生君) 今日の整備をせられてまいりました労働法規を考えてみましても、さらにまた、一人の人命は地球よりも重いと言われております今日のこの現代のわが国の社会において、本来労働災害というものは起こってはならないものだというふうに私どもは考えます。そのためには仕事に携わられます労働者の方々一人一人も、常に労働の安全を考えて仕事に取り組んでいくことが大切であることは言うまでもありませんけれども、特に経営者、使用者側におきましては、労働の安全衛生を確保するためのあらゆる対策を講じ、そしてその事業場には常にもう何よりも労働の安全が一番先立つんだ、それが前提なんだという考え方が常に満ちあふれている、そういう中で安心をして働けるような環境が常にあるという体制をとっていくことが最も大切なことであるというふうに考えます。 委員御指摘のように、事業者の責任はそういう意味でも非常に大きなものがございまして、絶えず行政の側からそのことの意味合いを呼びかけていきたい、このように考えておる次第でございます。 客観的には、なお年々非常に多くの労働災害が発生をいたしておりまして、まことに残念なことでございますけれども、これらを絶滅をいたしますように労働省、労働行政のいろいろな課題の中で最も基本的な、最も大切なテーマは労働の安全であるということを常に念頭に置きまして、あらゆる施策の第一番に労働の安全ということを掲げて今後とも強い姿勢で行政を進めてまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○委員長(久保亘君) ほかに御発言もなければ、両案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(久保亘君) 御異議ないと認めます。 —————————————
○委員長(久保亘君) 委員の異動について御報告いたします。 本日、山中郁子君及び長田裕二君が委員を辞任され、その補欠として小笠原貞子君及び初村滝一郎が選任されました。 —————————————
○委員長(久保亘君) それでは、これより両案に対する討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もなければ、これより採決に入ります。 まず、労働安全衛生法の一部を改正する法律案を問題に供します。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(久保亘君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、高杉君から発言を求められておりますので、これを許します。高杉君。
○高杉廸忠君 ただいま可決されました労働安全衛生法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党、日本共産党、民社党、参議院クラブ、第二院クラブ共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 労働安全衛生法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について適切な措置を講ずべきである。 一、建設事業者ごとの安全成績を的確には握する方法を専門家による委員会において検討し、労働災害の防止に資すること。 二、建設労働者に対する安全衛生教育、健康診断等が適切に行われるよう、これらの労働者の移動性を考慮して、安全衛生に関する手帳の交付その他の措置を検討し、その推進に努めること。 三、労働安全衛生水準の向上を図るため、労働安全コンサルタント及び労働衛生コンサルタント制度の活用について一層努力すること。 右決議する。 以上であります。
○委員長(久保亘君) ただいま高杉君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(久保亘君) 全会一致と認めます。よって、高杉君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、藤波労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。藤波労働大臣。
○国務大臣(藤波孝生君) ただいま御決議になりました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、これが実現に今後とも一層努力をいたす所存であります。
○委員長(久保亘君) 次に、中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案を問題に供します。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(久保亘君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、安恒君から発言を求められておりますので、これを許します。安恒君。
○安恒良一君 ただいま可決されました中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党、日本共産党、民社党、参議院クラブ、第二院クラブ共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について適切な措置を講ずべきである。 一、中小企業退職金共済制度を一層魅力あるものに改善するとともに、加入促進対策を強化し、その普及促進を図ること。また、建設業退職金共済制度について、証紙貼付の履行確保、事務手続の簡素化等に努めること。 二、中小企業退職金共済制度の運営に当たっては、関係労使の意見を十分反映しうるよう、一層の配慮を行うこと。 三、資産運用については、その効率化と共済融資制度の一層の改善に努めること。 右決議する。 以上であります。
○委員長(久保亘君) ただいま安恒君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(久保亘君) 全会一致と認めます。よって、安恒君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、藤波労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。藤波労働大臣。
○国務大臣(藤波孝生君) ただいま御決議になりました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、これが実現に今後とも一層努力をいたす所存であります。
○委員長(久保亘君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(久保亘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時十九分散会