社会労働委員会 第7号
- 発言数
- 278 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1980/04/22
会議録
○委員長(久保亘君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る九日、衛藤征士郎君、柳澤錬造君及び橋本敦君が委員を辞任され、その補欠として丸茂重貞君、柄谷道一君及び小笠原貞子君が選任されました。 また、去る十四日、小笠原貞子君が委員を辞任され、その補欠として山中郁子君が選任されました。 また、昨二十一日、丸茂重貞君及び田代由紀男君が委員を辞任され、その補欠として長田裕二君及び長谷川信君が選任されました。 —————————————
○委員長(久保亘君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 小平芳平君の委員異動に伴い理事が一名欠員となっておりますので、この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(久保亘君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に小平芳平君を指名いたします。 —————————————
○委員長(久保亘君) 次に、こどもの国協会の解散及び事業の承継に関する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明はすでに聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○安恒良一君 政府は、昨年の十二月二十八日、行政改革の方針を決めました。その一環としてこどもの国協会を五十五年度末までに廃止をし、その業務の運営を社会福祉法人に行わせる、こういうことを閣議決定いたしまして、この国会にその法案が提出をされていますが、こどもの国は、御承知のように次代を担う児童の健全育成を目的にし、国民からの寄付金と国の援助により建設されました。そして、いまや人口の都会集中における劣悪な環境のもとで、豊かな自然の中で子供の一つのオアシスとなって開花しています。そして、すでに年間に約百二十万人にも及ぶ利用者でにぎわっているのであります。私は大変結構なことだと思います。また、このこどもの国をモデルにいたしまして、地方公共団体による同じような施設の建設が進められておりまして、大体全国で三十カ所にそれが及ぼうとしております。そういう中で、こどもの国を今回の行政改革の特殊法人の整理ということの中で選んだ理由は何なのでしょうか。 それから、続いて質問しておきますが、厚生省の中には特殊法人というのが何と何と何があるか。そして、その中でなぜこどもの国が選ばれたのか、このことについての説明をしていただきたいと思います。
○政府委員(大和田潔君) 厚生省所管の特殊法人は、社会保障研究所、環境衛生金融公庫、医療金融公庫、社会福祉事業振興会、こどもの国協会、心身障害者福祉協会、社会保険診療報酬支払基金及び年金福祉事業団の八つがあるわけでございます。 今回の特殊法人の縮減につきましては、今回の行政改革の一環といたしまして、所管の特殊法人が十以下のところにつきましては一カ所縮減をするという基本方針が打ちされたわけでございます。その縮減の方法といたしましては、廃止、統合、民営移管といったような方法について慎重に検討してその結果を出すように、こういうような方針であったわけでございます。実はその結果、私どもはただいまのような方針で検討いたしたわけでございますが、いずれの法人にいたしましても事業の特殊性等がございまして、また、現に厚生行政の各分野において非常に重要な役割りを果たしているといったようなことで、大変法人の縮減につきましては難航をいたしたのが実情でございます。 こういった中にありまして、こどもの国協会を対象にいたしました理由は、こういった類似の事業が民間でも行われておりますし、また、事業の内容が民営化になじむというところに実は着目をいたしたわけでございまして、民営化いたしましても、公益的な民間法人に業務の運営を行わせることによりまして支障なく運用ができるというようなことで、私ども先ほど申しました基本方針のうちの一つの民営化という方法によりまして、このこどもの国協会を行政改革の対象にした、かような経緯でございます。
○安恒良一君 こどもの国を設立をしましたとき、特殊法人が最も望ましいというふうに政府は答弁をしています。その時点と現在とではどこがどう変わってそういうことになるんですか。
○政府委員(竹内嘉巳君) こどもの国協会法を当初提案いたしました当時、特殊法人が最も望ましいということをお答えをしたのは事実でございますし、基本的には現在でも実は変わっていないわけです。ただ、率直に申し上げまして当初の段階で議論をされましたときには、あのこどもの国を国が直営をするか、それとも出資の形による特殊法人で運営をするかといういわば二者択一に近い前提で議論がなされたというふうに私どもも理解をいたしております。その限りにおきまして、御承知のように膨大な国有財産を利用するわけでございます。そういう形態として考えましたときに、国が直轄で運営をするよりも、国の出資による特殊法人形態が最も適切だということでそういうお答えを申し上げたというふうに理解をいたしております。 なお、当時はまだスタートをしたばかりでございまして、非常に経営の面におきましても安定性を欠いております。そういった点から見まして、私どもとしてはその後、こどもの国協会の努力によりまして年々利用者がふえまして、先ほど先生から御指摘いただきましたように、ここ数年入園者も百万を超えるといういわば安定的な利用者の状態が今後とも続くものと見られまするし、それによりまして経営もある程度安定をしていくということであるならば、国有財産の利用の仕方が出資という形でなく、特殊法人の縮減という大方針の中で無償貸し付けが行われることによって、実態的には従前の形態を確保し得るし、かつ、こどもの国それ自体におきましても、いろいろな面でやはり特殊法人ということによる規制措置が非常に強く加えられております点を、社会福祉法人に移管することによって弾力的に運営ができるということになれば、より一層当初の健全育成ということの目的も達せられるのではなかろうかというような点についての変化と申しますか、そういう理解の上に立ちまして、今回のような措置をお願いをするというごとにいたしたわけでございます。
○安恒良一君 全く局長は詭弁で、苦しい答弁ですね。あなたの心と違うことを言わなければいかぬからその点は同情しますが、ただ、いまあなたも言われましたように、当初国営で直轄でやるか特殊法人でやるか、こういう議論があったのは私は当然だと思うんです。こどもの国という非常に次の日本を背負う子供の健全育成のためになぜそうなったかというのは、やっぱり営利主義に走ってはいけない、いろいろ遊園地がありますが営利主義に走っている。また、豊かな自然を保護するという意味からもあったと思うんです。そういう中で特殊法人ということになって、そしていまもあなたから御説明があったように、現在でも基本的にはその方が望ましいのだと言っておられるわけです。望ましいのだとあなたの答弁にまずあった。それは本心だと思うんです。大臣、そこをよく聞いておってください。 そういうような中で、私はきょうは行政管理庁長官にお見え願いたいと思いましたが、衆議院で関係法案があるということで加地局長がお見えになっていますから、ちょっとそこで加地さんにお聞きをしたいのです。時間がありませんから、十二月二十八日の閣議決定とかその他方針のことはよく知っています。そこでそれを読み上げてもらう必要はありませんが、十八の特殊法人の削減、このことが二月の二十八日、中期行政改革計画で決まりました。そのときに、特殊法人の削減をしていくという行政改革としての理由はどういうものがあるのでしょうか、それをちょっと言ってみてください。
○政府委員(加地夏雄君) 今回の行政改革におきまして、御承知のように特殊法人の統廃合のほかにも、たとえば出先機関の問題でございますとかあるいは定員の整理、こういったような問題をいろいろ広範にやってまいりましたが、その趣旨といたしますところは、御承知のような厳しい行財政の環境の中で、一つは行政費全体の節減を図るべきである、こういう要請があるわけであります。しかし、行政改革そのものは、そういう意味では一〇〇%行政費の節減だけが目的ではないわけでありまして、時代の変遷に応じまして、その時代、時代における国民のニーズに沿った機構なり、そういった機関として簡素化、効率化を図っていくべきである、こういう考え方があるわけであります。 いま直接御質問の特殊法人の統廃合につきましても、御承知のように、三十年代の初めには特殊法人全体が約三十幾つでございましたけれども、高度成長の過程で、約十年間に百近くふえてまいったわけであります。そういったものも含めまして、全体の見直しを行いまして、簡素化、効率化の図れるものは図っていきたい、こういう趣旨があったわけでございます。
○安恒良一君 私の方から皆さん方が決められたことを言いますと、まず特殊法人の統廃合の問題は、特殊法人の人事と給与の適正化、それから財政再建を中心に据えたいわゆる特殊法人の整理、それから行政の簡素化、合理化、これはもちろんあくまでも財政再建に役立つということですね。こういう意味で二月二十八日の閣議で決められました中期行政改革計画案というのは組み立てられたんじゃないんですか。いろいろ書いてありますけれども、一番大きいところはいま申し上げた三つの点にある。 一番大きいのは、何としても財政を再建しなきゃならぬ。それを中心に据えて行政改革をやっていく。それから第二番目には、行政の簡素化、それから合理化、そしてそのことは財政再建に役立つことだということ。第三番目には、当時鉄建公団とかいろんなことが問題になりました。そこで特殊法人の人事、給与の適正化、こういうことが二月二十八日の閣議で決定されましたところの、一項目から六項目まで補助金の整理まで含めてありますが、その中のいわゆるエキスというふうに考えて私は読み取っているんですが、そういうことでいいのでしょうか、行政改革。
○政府委員(加地夏雄君) いま先生御指摘の三点でございますが、私は一番最後の点の問題は、行政改革の中に事項としては入っておりますけれども、やはり趣旨としては最初の二点と申しましょうか、一つは先ほども申し上げましたように、行政経費の節減という問題はもちろんございますが、それだけではなくて、やはり時代、時代の要請に沿った行政機構なりそういう制度のあり方に見直していく、こういう面もあるわけでありまして、一〇〇%行政費の節減、財政の効果を求めていくということではないわけでありまして、二つの面があることは今回の考え方の中にはっきりしておる点でございます。 なお、先生いま御指摘ございましたけれども、二月じゃございませんで、これは昨年の十二月二十八日の閣議決定でございます。
○安恒良一君 そこで、今度はこどもの国の方に戻りたいと思いますが、こどもの国の今日までの運営は独立採算制において行われています。そしてそれで収支を全部償ってきています。 ただ、御承知のように、国は基本的な整備ということで整備費について、たとえばことしの場合でありますと一億円ぐらいの整備費を出しておりますが、あとはすべて独立採算制において今日まで運営をされてきているのであります。そういう状況の中で、いま私が行政管理局長にもただしましたように、一番今回の行政改革の大きい理由は財政再建を中心に据えた、そして、そういう上で特殊法人を整理していくんだということを言われているのでありますが、今回の場合は、これを廃止しても国家財政に影響はしないんだ。でありますから、どうもいま私が官房長にお聞きしましたら、厚生省にどういう法人があるかということについて、法人の名前を挙げられました。そしてそれが最終的にこどもの国に至った経緯がどうしても明らかでありません。また、いまも言われましたように、国民のニーズに従ってと言われている。国民はこどもの国を民営に移管することを全然希望しておりません。住民からも、また子供の皆さんからも、いまのままでやってほしいという署名がたくさん集まっています。 ですから、国民のニーズという点から考えても、これは考えられないのですが、どうですか、大臣。どうも行政改革について、一省一つ出せ、こういうことが行管から言われて、そこで単なる数合わせじゃないか。数合わせということで、弱いものいじめということでこどもの国というところに焦点が当てられたような気がしてなりません。私はそれはいけないと思うのです。行政改革というのは単なる数字合わせではいけない。国民が望んでいる行政改革とはそんなものじゃない。真の意味の行政改革というのは、財政再建を中心に据えた、財政をどう再建をしていくのか、それから本当の意味の行政の簡素化、合理化、そしてそれは財政再建につながっていく、こういうものが選ばれるべきだと思うんです。ところが、たまたま厚生省に関係のあるものについて、その中でこどもの国が選ばれたということは、どうしても私は納得がいきません。所管大臣としてこの点についての御見解を、以上、いまずっとやりとりを聞かれて、いかにもこどもの国にやったことに無理があるということは御理解いただいたと思いますから、ひとつ大臣、お考えを聞かしてください。
○国務大臣(野呂恭一君) 今度の行革に従いましてこどもの国を民営に移管するということは、いろいろ御論議がございますが、私といたしましては、幾つかの法人の中で何を選ぶかといった場合におきましては、決して数合わせの中に安易にこどもの国を選んだわけではないのでありまして、むしろこれは民営でいく方がもっとより効果を上げ得るのではないかというふうにも判断をいたしました。したがって民営に切りかえた方が本来の設立の趣旨にも合って、もっと幅広く、しかも自由にこのこどもの国の趣旨を生かすような運営ができるのではないかというふうにも判断いたしたわけでございまして、必ずしも行革の数合わせの中に一番安易であろうと思われるこどもの国を選んだわけではございません。したがいまして、今後民営に移管することにおきまして、むしろその成果を私は期待できるのではないか、かように考えておる次第でございます。
○安恒良一君 私はいまの大臣答弁に納得ができないのでありますが、行政改革の目的は、何回もいまやりとりしましたように、国の冗費を節減し財政を確保することにあるわけであります。こどもの国を廃止しても私は一円も国費の削減になるというふうには考えられません。それから、むしろいま大臣が言われたことは、これからおいおい質問を展開をしていきます。 そこで、ちょっとお聞きをしておきたいんですが、こどもの国は民営にした方が自由に、幅広く行える。それだけ聞くと、いかにもいいようですが、そういう抽象的なことでは困るわけです。民営にした方が特殊法人よりも、これとこれとこれがメリットがある、だから民営にするんだとおっしゃれば私は理解をしますが、あなたの抽象的な、幅広いとか自由にとか、より効果を上げ得るという、そんなことは——というのは、担当局長は基本的にはやっぱり現在の方がいいんだ、こう言って苦しい答弁をしているんです。それを大臣が、そういう自由とか濶達とか幅広いとか、私はそういう詭弁的なことは困ると思うんです。しかし、どうしても整理せいと言われたからしようがないというんなら、それならそれでそれは正直に言った方がいいんです。それをいかにも民営にした方が子供のためになるし、運営がうまくいくと言うなら、中身について具体的に説明してください。そういう自由とか幅広いとか、抽象的なことでは困ります。
○政府委員(竹内嘉巳君) こどもの国のような施設につきまして先ほど先生からも、地方自治体等におきましても全国で約三十近いものができているというふうに御指摘をいただきました。おっしゃるとおりでございます。ただ、これらの地方自治体におきましてもその運営につきましては、民間と申しましても私どもの場合の民間という言葉と同じように、いわゆるコマーシャルベースの民間という意味ではなくて、あくまでも児童福祉という仕事の枠内における民間という意味でございまして、地方自治体におきましても、福祉事業団というような法人の形でこれを運営をしておるところが大部分でございます。私どもも民営と申しましても、社会福祉法人という社会福祉事業法に基づく法人の事業として、あくまでもコマーシャルベースというものを排しながら、その枠内で。ただ、従前のように特殊法人ということでございますると、どうしても予算、決算の策定あるいは財産の処分、ないしは寄付金の受け入れ等に当たりましても、その都度主務大臣の認可を要するといったような非常に厳しい監督下に行われておるわけであります。社会福祉法人に運営を委託すると申しますか、移しますことによりまして、こうした手続も不要になるわけであります。そしてまた、法人の主体性に基づいた迅速な的確な対応措置ができると思います。 また、現実の運営面におきましても、大臣が申されました自由濶達という意味におきましても、特殊法人ということでございますと事実上国そのものでございますので、中における催し物の種別の選定、あるいはそれに伴う対外的な折衝等に当たりましてもどうしても一定の枠というものがありまして、いわば平たい言葉で申し上げて恐縮でございますが、企画がびびってしまうようなこともしばしばございます。そういった面をこの際思い切って子供の世界の動きに合わせて適切な運営ができる、そういったプランニングも実行に移せるといったような形にすることが利用していただく子供さんたちにとっても、いわばその子供さんたちのそのときどきの流れに常に順応しながら、しかも望ましい健やかな子供を育てていくということに役に立つのではなかろうか。また、そういうことによるサービス向上等も積極的に図っていく方式も自主的に考えていけるというような点について、私どもは法人化へ踏み切ったという立場に立っておるわけでございます。
○安恒良一君 これまた大変苦しい答弁をされていますね。私はどうしてもいまの大臣、局長の答弁ではわかりません。納得できません。なぜ民営にした方がよくなるのかというのはこれからおいおい中身を詰めていきますが、そこで、これだけに時間をとっておくわけにはいきませんから。 私がお聞きをしたいのは、本当にあなたたちはこどもの国の廃止を決定をする際に、運営の実態をよく調査した上でいま言っているようなことを言われているんですか。運営の実態をよく調査した上で、特殊法人よりも社会福祉法人の方がより効果が上がるということを、本当に運営の実態をお考えになっているのか。それはなぜかというと、つくるときには国営でやるのか特殊法人でやるのかと言ったら、特殊法人の方がいい、こういうことを言った。いまもってあなたは、やっぱり基本的に本当は特殊法人の方がいいんだと現在でも思ってるんだと。しかしと、こうくるわけだ。これは私は偽らざる気持ちだと思います、児童局長としてはね。率直なことを言って、官房長以下みんなにもう強引に押し切られてこうなっているんだから。どこか一つ削れと言われたから、やむを得ずこどもの国を血祭りに上げているだけの話なんだ。ですから、それはよくわかる。 そこで、民営に移管した場合にはどういう運営をしていくつもりなんですか。民営に移管した場合の運営についてお考え方をひとつ聞かしてください。
○政府委員(竹内嘉巳君) 今回の特殊法人から社会福祉法人に移すという決定をするに当たりまして、どういう実態調査等を行ったかとという御指摘につきましては、時間的な関係等もございましてそのための実態調査というのは行っておりません。ただ、私どもといたしましては、常時こどもの国についての運営についての報告を受け、またこどもの国自身も、入園者のアンケート調査を毎年定期的に行うというようなことなどをして、利用実態というものは掌握しておるわけであります。そういった点を私どもの承知している範囲内において、一応民営と申しますか、先ほど申しましたような方針で特殊法人に踏み切るという形にしたわけであります。 なお、民営化をするときに当たってどういう民営化を考えておるのかということでございますが、社会福祉事業法に基づきます社会福祉法人でございますので、御審議いただいております法案にもございますように、新たに社会福祉法人こどもの国協会というものを設立いたしまして、社会福祉法人としての形態を、もしこの法案が成立いたしますれば、できるだけ速やかに設立をいたしたいと思っております。 その際、いままでは運営に当たりましては、理事四名に監事一名という形で運営をしておりましたが、その理事の数等につきましても運営の内容等を考えまして、数の点はまだ正確に結論を出しておりませんが、若干ふやしたいと思いまするし、かつ社会福祉法人のたてまえからいたしますると、それに重要事項を審議するための評議員会を設けることになっております。その評議員は役員の二倍をほぼめどにいたしております。その場合の評議員に、地元の方であるとかあるいはまたこういった問題についての経験のある方たち、あるいは自治体その他必要と思われる方たちにお願いをすることによりまして、これからのこどもの国というものか、せっかくのこれまでの運営方針というものが大きくコマーシャルベースで流されたりすることのないようにチェックをしながら、民営化といいますか、社会福祉法人に移してきたメリットが現実に上がるように努力をしてまいりたい、かように考えておるところでございます。
○安恒良一君 私がお聞きをしているのは、結局いままでこどもの国は開園当時から入園料、駐車料、施設利用料、売店収益というもの、それから職員の人件費、これは全部独立採算制によって運営されていますね。 それから、国の補助金としては園内の基幹施設ということで道路とか芝生、それから消火栓その他護岸工事等々いろいろやられていますが、今後民営に移管をされた場合でも、施設整備等の補助は従来どおり国でやっていく、こういうことに理解をしていいんでしょうか。
○政府委員(竹内嘉巳君) 御指摘のように、いままでどおり基本的な施設整備につきましては、国が十分の十の助成を行っていくという考え方で運営をしてまいりたいし、かつは現在、御指摘いただきました入場料その他の利用料でございますが、現在の料金はもうすでに四年を経過いたしておりますので、実はこうしたことがあるなしにかかわらず、ある程度の改定は検討しなければならないかと思っておったところでございます。しかしながら、こういった時点で仮に利用料を改定いたしますと、特殊法人から社会福祉法人に移った、そのために利用料が上がったというような印象も受けがちでございますので、私ども指導する立場といたしましては、しばらくの間は何らかの形でこういった面についての助成方式等について工夫をいたしながら、こういった料金等はできるだけ据え置いていけるように努力をしてまいりたいと考えております。
○安恒良一君 余り聞かないことを答える必要はないんです、細かいことは後でまた聞きますから。 私が聞いているのは、運営は独立採算制で行っていく、そして施設整備補助等は従来どおり行うのかということで、行うなら行うでいいわけです。それは行うということでいいですね。 そこで、行政管理局長も間もなく法案の関係で退席をされるということですから、もう一遍大臣と両方にお聞きしますが、いまずっとお聞きしますと、どうも名前が変わるだけで運営ば従来どおりだと、これでは閣議で決まった行政改革の方針から見て行政改革にならないのではないかと思うのです。だから一省一というこんな無理をやめて、大臣どうですか、やはり子供のことなんですから、こういうことはそのまま存続させる。社会福祉法人の方がいいということは絶対ないんです。これは後からずっと税金の問題から何からかにから議論していきますから。私は、いまの特殊法人でやった方が本当に子供のためになると思うんです。それから、行政改革の趣旨であるところの経費の節減にも何にもならないんです。それからこれは簡素化にもならないわけです。ですからそういうふうに考えていくと、十二月の閣議で決められた精神には何にもこれは沿っていないと思いますから、どうですか、従来どおりにこどもの国の問題はやっていくというお考えを、大臣、もう一遍ここらでひとつ、これは参議院先議なんですから、いま改めればまだ十分改まるわけですから、大胆どうですか、それから行政管理局長どうですか、いまのやりとりをずっと聞いて。
○国務大臣(野呂恭一君) 行革は行革の方針で一つの考え方で、厚生省の方にも特殊法人で民間に移行するなり整理するものがないかということについての検討をしたわけであります。厚生省といたしましては、仮にこどもの国を民営に移管する場合においてどういうメリットがあり、また、それに対してこどもの国にふさわしくないような問題が起こるのかといったようなことについても検討いたしたわけでございます。 先ほども申し上げましたとおり、やはり私は、運営上においてもかなりの厳しい制約があることが、民営に移管することによってその制約を緩和することができるのではないかということ、あるいは民間のもっと積極的な参加を求めることにおいて、これがこどもの国の本来の児童福祉の精神にのっとった運営が強化されるのではないか。たとえば理事の構成におきましても、多くの民間の方々から、理事の枠を広げまして、いろいろな社会全体の方々のご参加を得ることができるのではないか。そういう意味から申しますと、むしろ民間に切りかえた方がよりこのこどもの国の将来というものが私は発展するんだというふうに考えるわけでございます。先般もその実態について先生方がごらんになった後、いろいろ私も現地を見せてもらったわけでございます。むしろ私が行管の意向を受けとめる側から考えましても、決して民間に移行することが厚生省としてこれは不適当であると考えていないのでございまして、今後このこどもの国の経営あるいはその成果というものは、私はむしろ期して待つべきものがあるのではないかというふうに、その将来に対して期待を深めておるわけでございます。
○政府委員(加地夏雄君) 私どもが特殊法人の統廃合に当たりまして、各省庁に一律で一つとか二つとかそういうことでお願いをするだけではなくて、やはり三つの基準をお示しいたしましていろいろお願いをしたわけであります。その三つの基準の中の一つが、いわゆる特殊法人で運営するよりも、民間の活力といいますか、民間の力をより多く利用した形で運営する方がベターではないでしょうかというのも一つの基準でございました。まさに、いまこどもの国の問題について議論されているのは、この基準の問題でございます。 私どもは、この考え方の基礎には、やはり現在特殊法人で運営している機関ではありますけれども、そういった民間の活力を利用することにより一まして、従来よりもはるかにいわば能率的であり、弾力的な運営もできるのではないか、ひいては利用者に対するサービスもよくなるのではないか、そういった観点から、大きい意味におきまして効率的な運営が期待できる、こういうふうに考えたわけでございます。
○安恒良一君 加地さん、あなたをもうこれで解放しようと思ったけど、そういう抽象的な答弁では解放できないんだ。よりサービスがよくなると、これからずっと私聞いていきますが、税金の問題から料金の値上げの問題からいろんな問題があって、あなたはサービスがよくなると言ったけど、そういうことを具体的に検証して答えているんですか。たとえば、私が局長にも言ったように、こどもの国の廃止を決定する際に、運営の実態をよく調査した上でやったのかと言ったら、局長は調査していませんと、こう言っている。あなたはいま、サービスがよくなる、より濶達にと、そういう抽象的なことでは困るんで、じゃ民営にしたらどういうサービスがよくなるんですか。 たとえば、いま言われたように理事に民間から加える。これは何も民営にしなくても、すでに大平総理が特殊法人に民間の活力を得たい、これは特殊法人であっても、理事は天下りの役人だけじゃなくて民間から得ましょうと言っているんです。だから、これは何もこどもの国を社会福祉法人にしなくても、いまの特殊法人のままでも民間から理事を入れられるのです。また、入れましょうと大平さんは予算委員会で、私は予算委員も兼任しているんだが、答えているんだ。あなたが言われたように、民営になった方がどういうふうにサービスが向上するんですか。 私は、これからずっと一つ一つ聞いていきまずけれど、民営になればサービスが低下する、料金が上がる、こういう点も心配、これは独立採算制になりますからね。だから、そういう抽象的なことでは困る。そうなると、あなたにはずっとこの論議が済むまでおってもらわにゃいかぬ。具体的に言ってください。あなたは検証したと言うんだから、じゃ、こどもの国がいままでの特殊法人から今度はこのような社会福祉法人になったら、具体的に利用できる子供さんに対してどんなサービスが向上するんですか、中身を言ってください。
○政府委員(加地夏雄君) いま先生御指摘の点でございますが、先ほど来厚生省の方からもいろいろ答弁ございましたように、国の機関としての特殊法人で運営するよりも、たとえば役員人事の問題、あるいは予算、決算の問題、あるいは財産処分の問題、そういった問題が非常に弾力的になりますという御答弁があったわけであります。私どもがいま申し上げたのは、そういうことが頭にあるわけであります。 しかも、弾力的な運営ができるということは、事業全体が民間のそういう英知といいますか、民間の運営の努力が入るわけでありまして、たとえば、これは私は確かに具体的に検証はしておりませんけれども、国の特殊法人で運営するよりも社会福祉法人として運営していったならば、全体としての事業運営が弾力的に行われる。たとえば、それによって結果的に利益が上がるとか、まあ利益を上げるというのが目的じゃございませんが、そういった収入がよくなれば、それはやはり公益法人としての運営でございますから、どうしても利用者へのサービスに返っていくであろう、そういうことを含めまして申し上げたわけであります。
○安恒良一君 それじゃ、次を聞きましょう。 社会福祉法人になった場合には税金が課せられることになりますが、税金はどのくらいになるというふうにお考えですか。 それから、その場合に、こどもの国の収支は年間二千万円程度の収支差があります。その収支差は、国の補助が得られない施設整備その他に充てられています。それを税金で持っていかれた場合に、赤字すれすれの経営の場合、物価上昇の埋め合わせができなくなるんですが、それでもサービスの向上につながるんですか。このことは、厚生省とそれから加地さんにお聞きしたい。というのは、加地さんが、行政管理庁として中身のことを余り詳しく知らぬと言うなら、それはそれなりに私は正直に受け取る。しかしあなたも、厚生省から来たか何か知らぬけど、一緒になってサービスの向上とかよくなると言うんなら、最後までいてください、一つ一つあなたにも聞いていくから。厚生省と二人、両方答えてください。
○政府委員(竹内嘉巳君) 社会福祉法人は、税制上いろいろな優遇措置を受けておりまして、ほぼ特殊法人並みという形にはなっております。しかしながら依然といたしまして、特殊法人の場合と違いまして、社会福祉法人に移管をいたしますと、新たに法人税、住民税、事業税が課税されるわけであります。その課税額を一応私どもは、五十三年度の決算をもとに五十四年にどれだけの課税がされることになるだろうかということで試算をしてみましたところ、約千二百万円ということになりそうでございます。五十四年には現実にその他若干の課税がありまして、それが約百二十万余りでございますので、いわば率だけで言いますと課税額は十倍になりますし、実額で言って大体千二百万前後のものがふえるということは事実でございます。 この課税の部分は、もっぱら収益が上がった場合に課税されるわけでありますので、あの九十七万平米、百万平米近い土地の無償貸し付けを受けているということを考えまして、私どもとしては、収益の引き上げということよりは利用者の増加ということをもっぱら中心として考えていきたいと思いまするし、かつまた、いま御指摘いただきましたように、これまでもこどもの国は、上がりました利益分はいわば細々とした施設の維持管理等についてこれを使用しておるわけであります。したがいまして、私どもとしては単なる基本的な施設整備費については従前どおりの十分の十の国庫の助成というもので対応してまいりますが、そのほか、今後収益の状態あるいは運営の支出面についての状態等を十分見ながらこうしたケースにつきましては、現在まではむしろこどもの国自身が自前で行っておりました施設の維持管理等に要する設備維持費的なものにつきまして、必要に応じて二分の一の国庫補助を行うというようなことなども十分検討して、こうした課税の負担の増に伴う運営の収支バランスというものについて配慮はしてまいりたい、こういうことでこれからも検討していこうという考え方でおります。 こういう形で、私どもとしてはできるだけ利用者のサービスというものについては従前以上に、いろいろな形で国なりあるいはまた地元の神奈川県、横浜市等にも御協力をお願いしながら利用者に対するサービス向上というものに専念させることを指導してまいりたい、かように考えておるわけであります。
○政府委員(加地夏雄君) 私どもは、先生御指摘のように行政管理庁でございまして、厚生省のお話を伺いながらこの話を進めていったわけでありますけれども、率直に申し上げて実態についてはそれほど詳しく存じておるわけではございません。 ただ、これは非常に一般論になりましょうけれども、特殊法人は御承知のように政府機関でございます。いわゆる国有財産の出資を受けて運営しているわけでありまして、どうしてもそういった特殊法人の運営については先ほど来申し上げておりますようないろいろな制約があるわけであります。それが民間に近づいた形で社会福祉法人として運営される場合には、やはり全体の事業運営について弾力的な方法はとれる、これは事実あるわけであります。そういうことを考えた場合に、仮にそういう弾力的な経営の効果が上がって、ある種のそういった収益なり利益が上がってきた場合には、これはまさに純粋な民間ではございませんので、社会福祉法人でございますから、その利益還元というのは利用者に及んでいくんであろう、こういう趣旨で実は申し上げたわけでありまして、その意味では全く一般論として申し上げたわけであります。
○安恒良一君 加地さんもほかのあれがあるから帰ってもらっていいんですが、ただ、加地さん、一言言っておきますが、答弁は注意をしてやられた方がいいと思いますのは、一般論として言われたということですから、中身はよくわからぬそうですから、それは結構です。 ただ、いまあなたの言っていることを推し進めていくと、百十一と言われている特殊法人も、やはりそういう民間の血を入れていろんなしばりがない方でやっていく、こういうことにもりますよ。ですから、こどもの国だけでなくて、いまあなたが言われたことはそっくり百十一と言われている特殊法人にも当たることなんですから、今度ほかの法人を議論するときには、いや、やっぱりそれは法人の方がいいということにはなりませんから、そのことだけあなたに注意して、あなたはほかの法案の関係がありますから、どうぞお帰りください。 それじゃ次に、まず、厚生省にさらに確認をしていきますが、こどもの国の協会の収支のバランスはどうなっていますか、単年度の収入と支出。たとえば昭和五十年、五十一年、五十二年、五十三年は収支差額はどういうふうになっていますか。
○政府委員(竹内嘉巳君) 昭和五十三年度でございますけれども、昭和五十三年度で、収支差額で、損益計算書の上で見ますと、当期利益金が四千百八十五万九百十八円という計算でございます。それから……
○安恒良一君 収支差額だよ。
○政府委員(竹内嘉巳君) 失礼いたしました。 昭和五十三年度が二千五百五十二万円、五十二年度が二千百五十七万九千円。なお、昭和五十一年度は赤字でございまして、二百二十九万七千円、こうなっております。
○安恒良一君 私の手元に四十一年から全部ありますが、大体この四十年代は、四十二年、四十三年は赤字。あと、せいぜい三百億から八百億ですね。それがだんだん、一つは入園者がふえる、それから何回かの料金値上げがあります。こういう中で、いま言われたように現在大体二千万程度、五十四年度は、私の方の調査で見ますと、 〔委員長退席、理事浜本万三君着席〕 大体三千万程度になるんじゃないかと思うんです。 そういう中で、いまあなたが言われたように税金分が千二百万ぐらい、そのほかに数百万あるということになってまいりますと、私は、さっきから何回も言っているように、ひとつ大臣、ここで確認をきちっとしておいていただきたいのは、まず第一点は、現在約一億円という補助金が出ています、この点については今後とも補助金を明確に出す、これが一つ。それから第二点目に、いま局長が言われましたように、いままでは、この利益金の中で国から補助金が得られない施設の整備に当てていました。ところが、今度は税金も取られるということになりますと、いま局長は二分の一と言われましたが、こういう細々とした施設の整備費その他についてもさらに国としての助成金を出していくように努力する、この点については、これは局長からではなくして大臣からお約束を願いたいと思います。
○国務大臣(野呂恭一君) 従来からこのこどもの国の重要性にかんがみて施設整備費についての補助を出してまいっておるわけでございます。したがいまして、先ほども答えておりますとおり、民営に移管されましても必要に応じてこの施設の助成を行っていかなければなりません。運営の実態を考えながら、民営に移管することによってこの経営が制約を受けるということのないように、むしろ発展できる方向に向かって国といたしましては積極的な助成を進めてまいりたい、かように考えるわけでございます。 私もその実態を最近見まして、大変整備がされつつある。しかし、もっと知恵をしぼって民間の積極的な参加を得るならばさらに一層の成果をおさめ得るのではないかというふうに確信を持っておるわけでございます。 御指摘の、今後とも国の助成に対しては十分配慮してまいりたい、かように考えます。
○安恒良一君 そこで、この点も、だんだん時間がなくなってまいりましたから簡潔に聞いていきたいと思います。 まず第一点は、どうも私が心配なのは、収益が非常に少ないために、いま大臣が、従来から出しているところの補助金、それからさらに細々とした施設の整備、そういう点についても前向きに援助する、こうおっしゃっていただきましたから、その点は、一応前向きの大臣の答弁は評価いたしますが、赤字経営にしないために、たとえば、料金値上げが行われるとか、もしくは収益率の高い遊び道具、こういうことでたとえば一つの例を言うと、ジェットコースターとかそういうもの等が設けられるとか、もしくは、いままであそこで働いておった労働者は公務員準拠ということですべての労働条件が決まっていますが、そういうものが切り下げられるとか、こういうことがあってはいけないことだと思いますが、この点はどうでしょう。 それと同時に、いま一つは、いわゆる施設が荒廃をもたらしますと、利用者に対するサービスの低下、特にこどもの国の場合、一つは子供の安全ということが大切なんですね。この安全対策がなおざりになるというようなことがあってはいけないと思いますが、こういう点についてのお考えをお聞かせください。
○政府委員(竹内嘉巳君) 御指摘いただきましたとおり、まず、私どもといたしまして、法人の運営ということになりましたときに、一番私どもが注意してまいりたいのは、コマーシャルベース的なものがきわめて安易に導入されるということのないように、これは今後とも十分指導してまいりたいと思っております。あくまでも、あのこどもの国は豊かな自然というものが最大の子供たちへのプレゼントだというふうに私どもも理解いたしております。したがいまして、これからの運営等につきましても、先ほど大臣からお答えいただきましたように、私どもは運営の実態という中には単なる収支バランスというだけでなくて、現在のこどもの国のあの豊かな自然というものをできるだけ維持してまいりたい。その限りでは、たとえば御指摘いただいたようにジェットコースター的なああいったようなものを今後あそこにさらに設けていくというような考え方は毛頭持っておりません。 なお、先ほどもちょっと先走った形でおしかりを受けましたけれども、入園料等につきましても、もうすでに四年は経過しておりますけれども、現段階ではまだ、いずれは必要かもしれないと言いながらも、現実に入園料の引き上げ等についての計画は全然ございません。私どもとしても、今後とも安易な引き上げをすることのないようにしてまいりたいと思います。もちろんそのことの中には、現在の職員の処遇の問題、あるいは何よりも一番気にとめなければならない利用者の子供たちの安全確保の問題ということについては、人の面あるいは物的設備の面、あるいはその他必要ないろいろな考えられるだけの手だてというものは今後とも十分配慮しながら、安全第一を目標にして、そして健やかな子供たちの成長というものに役立つようなこどもの国というものにしてまいりたい、かように考えております。
○安恒良一君 わかりました。 それでは、やはり、こどもの国を運営していく人員というのが子供の安全確保に非常に重要だというふうに私は思いますが、現在は管理職五名、職員の現在の人員はどうです。
○政府委員(竹内嘉巳君) 四十八です。
○安恒良一君 四十八名ですね。私は、往々にして、これが民営に移管をされ、赤字すれすれの経営になってまいりますと、人員の削減とか合理化とか、こういうことが行われはしないかという心配をするわけです。その場合に、このこどもの国の場合は人が減ることが安全確保につながらないわけです。それはなぜかと言うと、私はこどもの国を設立した当時の議事録をここに持っておりますが、政府委員竹下さんと私どもの同僚委員との間のやりとりの中で、常設の職員は百名くらいが必要だという点について、私たちも大体そう考えておりますが、現在の段階は五十九名をもってスタートいたしたいと思いますという答弁が当時、国会であったわけです。ところが、その後五十九名がいま言われたとおりに四十八になっているわけです。ですから、これからも減らされたら大変なことだと思うんです。むしろ、入園者がふえればふえるほど、それに応じて子供の安全を確保するためには私は職員が必要だと思うんです。そういう点について、当時のことをひとつ思い起こして、当時は、百名ぐらいが必要だけれども、とりあえず五十九名でスタートしたいんだということでこの法案が可決をされているんですが、そういう点はどうですか。
○政府委員(竹内嘉巳君) 現在の職員四十八名というのは、少なくとも入園者が年間百万人を超えるという現状から見ますと、ぎりぎりの線だというように私どもも理解をいたしております。したがいまして、今後利用者の増加傾向が出てまいりますれば、むしろ増員について積極的に検討することはあっても、合理化その他のために減員ということはあり得ない。私は少なくとも、先ほども答弁申し上げましたように、子供たちの安全ということを考えますると、現在の四十八名というのは少なくともこれ以上減らすわけにはいかないぎりぎりの線ではないか。その意味で、これからこどもの国がもしさらに発展してまいりますれば、当然、職員の増員というときには、まず子供たちの安全を中心にしながらその増員計画等についても改めて考えてまいりたい、このように考えております。
○安恒良一君 わかりました。 それでは、現在の職員を合理化、削減などをすることはない、むしろ入園児の増加に従って安全のために職員をふやしていく、こういうことについて承っておきます。 そこで、民営に移管をした場合に、職員の雇用、給与等の賃金、それから労働時間、休日、休暇、それから職階、昇給、退職金の通算等、これは団体交渉の中で確認がされております。私の手元にこの四月五日に団体交渉確認書というものが来ているわけでありますが、「現在雇用されている職員は、現待遇のまま新法人に雇用される」、「職員の退職金は昭和三十七年四月一日以降職員となった日より通算される」、「従来の労使慣行及び法人引継時における労働協約はそのまま新法人に引継ぐ」、こういうことがこどもの国協会の園長中田稔さん以下理事者、こどもの国協会の労働組合委員長加藤清さん以下、署名捺印をされておりますが、これは特殊法人になりましてもそのまま引き継がれ、そして尊重される、こういうふうに理解をしていいんでしょうか。
○政府委員(竹内嘉巳君) おっしゃいますとおりに、四月五日の確認書につきましては、社会福祉法人に引き継がれました後もそのまま確認書の内容は引き継がれるというふうに私どもも理解をいたしております。
○安恒良一君 わかりました。 それから、いまも言われたように、社会福祉法人になると天下りの役員や職員がなくなるというか、民間からも人が入れられる、こういうことでありますが、天下り役員、職員が何人いるのか、その前歴をひとつ示してみてください。
○政府委員(竹内嘉巳君) 現在、こどもの国協会のまず役員でございます。役員は、理事長一名、理事三名、監事一名であります。そのうち理事一名のみが常勤で、園長を兼ねております。理事長は非常勤でございます。これは元厚生事務次官の大山正さんでございます。それから常勤の理事一名は園長を兼ねておりますが、これは朝日新聞の方から出向していただいた方でございます。そのほか職員が今度は四十八名おりますが、その四十八名中三名、総務部長、庶務課長、この二人は元厚生省の職員でございます。それからもう一人、経理課長がおりますが、これは元大蔵省の職員でございまして、その以上三名が元公務員であるということでございます。
○安恒良一君 今度このような特殊法人から新しい法人になりますと、県や市の監督ということになり、関係が出てまいりますね。そうしますと、いまでも、言われたとおりに天下りの役員や職員がおるんですが、さらに今度は県と市の関係が出てまいりますから、そういうところから天下りの役員や職員がふえることはないでしょうね。むしろあなたたちは民間の力を活用したいということですが、その点はよろしゅうございますか、大臣。大臣いいですか、その点。
○政府委員(竹内嘉巳君) その点は、大臣もいまうなずかれましたように、私どもも改めて国あるいは県、市などからの天下りというようなことは余り好ましいとは思っておりませんが、そういうことのないように指導してまいりたいと思っております。
○安恒良一君 いや、好ましいと思っていないんではないんだよ。そういうことはいままでずっと答弁してきたことから、やらないということでしょう。むしろあなたたちは、自由濶達に民間の力を活用するということだから、好ましいと思っているんじゃない、やらないということです。また、そういう運営をさせないようにすると、大臣言ってください。好ましいなんて抽象的なことじゃ困る。
○国務大臣(野呂恭一君) 天下り的な職員をふやすとか、そういうことはむしろさせないということで、民間の活力を十分ここに発揮できますような、そういう人員構成で進めてまいりたいというふうに考えております。
○安恒良一君 それから、朝日新聞社から園長がお見えになっていますが、朝日新聞社とはどんな関係にあるのか。私が聞いたところ、空席になっていますが、業務部長も何か朝日新聞社からお見えになる予定だということですが、朝日新聞社はどんな補助をこのこどもの国に与えているんですか。どういう因果関係があって、こういうふうに園長、それから空席になっていますが業務部長等を出すようないきさつになったんでしょうか。具体的な援助はどういう援助をしているんでしょうか。
○政府委員(竹内嘉巳君) こどもの国は、昭和三十六年以来国費と民間等の寄付金によりまして建設が進められました。その間、建設を進める過程で、寄付金募集を行うということについて、国が直接寄付金募集を行うというのはいささか問題があろうかということで、朝日新聞の協力を得まして、朝日新聞社の中に財団法人こどもの国協力会というものを財団法人で設けまして、これの事務所を朝日新聞社が提供をすると同時に、その協力会の事務に当たる職員も朝日新聞がいわゆる弁当持ちで協力をしていただいたということでございます。なお、この協力会を通じまして朝日新聞からは、PR問題等につきましてはマスコミという専門職の立場でございますので、こどもの国のPR等につきまして、映画によるこどもの国の紹介、あるいはこどもの国のニュースの発行、あるいは行事のPR、それから一般的なこどもの国の寄付金の受け入れといったような面で、朝日新聞社の協力を得てきたところでございます。なお、業務部長は朝日新聞社から出向して参っておりましたのは、その場合、その人件費は基本的には朝日新聞社持ち、いわゆる弁当持ちで出向して協力をしていただいておった、こういう事情でございます。
○安恒良一君 私どもの調査によりますと、いま言われた資金募集の協力事務はされていますが、そのほかに、あなたが言われた広報とそれから催し物の共催費ということで、年間に百万円ぐらいの補助金が出ているというふうに思いますが、そういう点でいいんでしょうか。
○政府委員(竹内嘉巳君) 経理上補助金という形になりますよりも、協賛金、一種の寄付金という形で受け入れていることは事実でございます。
○安恒良一君 百万円ぐらいですか。
○政府委員(竹内嘉巳君) 金額は年によって違いますけれども、昨年、一昨年は大体約百万円前後というふうに理解をいたしております。
○安恒良一君 わかりました。 それじゃ、次のことに進んでいきたいと思いますが、法案によりますと、一切の権利と義務を新法人が継承することになっておりますが、「一切の権利義務」とは何のことを言ってるんでしょうか、そのことを明らかにしてください。
○政府委員(竹内嘉巳君) 権利義務の内容といたしましては、現在のこどもの国協会所有の建物、工作物、現金、預貯金、職員の雇用、給与の支給、それから社会保険料、ガス、電気料金の支払い義務、それから東急電鉄との間のこどもの国線の運行委託契約、それから牧場を設置しております雪印乳業との経営委託契約といったようなものでございまして、内容的にはその他約二十数項目にわたりますが、以上のようなことが「一切の権利義務」の中身になっております。 〔理事浜本万三君退席、委員長着席〕
○安恒良一君 二十数項目をいまここで読み上げられると時間がありませんから、後から資料をください。 それから、「必要な事項は、政令で定める」ことになっていますが、「必要な事項」とは、具体的に何を指してるんですか。
○政府委員(竹内嘉巳君) 法案の第四条三項に列記している以外に、厚生大臣から土地の所管大臣である大蔵大臣に通知する場合を規定する予定でございます。いわゆる貸付財産の管理が良好でないと認められる場合、あるいは貸し付けを受けて営む施設の経営が営利を目的とし、または利益を上げる場合、貸付財産の使用権を第三者に譲渡し、あるいは承認を得ないで第三者に使用させた場合等、いわば無償貸し付けを行うときに、その貸付条件の違反というケースを具体的に政令で規定をするということを一応予定をいたしておるわけであります。
○安恒良一君 そこで、ちょっとこれと関連してお聞きをしておきますが、駐車場の土地を約五千坪、神奈川県と横浜市から無償で借りています。これは誘致をするために当時神奈川県、横浜が無償でこれを提供されて、そして現在は駐車場でありますから、もちろん有料で駐車場の運営をされてると思う。そこで、どうもお聞きをしますと、自治省がそういう県や市の土地を無償で貸すのはいかぬ、この際は賃貸し料を取れというようなことになってるようですが、横浜市の場合は、今度は逆に、こどもの国の所有地を市が借りて道にしてます。だから、その平米はまあとんとんとはいかないけど、ほぼ調査しましたらとんとんのようであります。ところが、神奈川県は何もそういうものはしていないわけであります。そうしますと、いまさき問題になりましたように、税金が今度かかってくる上に、またこの賃貸し料を取られますと、ますます経営が行き詰まることになりますが、この点について、このような社会福祉法人にしたときに、厚生省としては神奈川県や横浜市についていままでどおり無償で借りられるようなことをしていただけるのかどうか。それから、どうも私の調査では、どちらも革新系の知事さんであり、市長さんは自民党も含めて決めたんですが、これはわれわれは無償でいいんだ、ところがどうも自治省がやかましくてと、こういう話が出てくるんですが、それらを含めて、どういうふうにここの点をされようとするのか、その点を聞かしてください。
○政府委員(竹内嘉巳君) こどもの国の入り口前の駐車場の用地が神奈川県及び横浜市の共有地でございます。五十四年度まではこれは無償で借り受けてきたわけであります。この点について、実は従前から自治省の方で、地方財政再建促進特別措置法第二十四条二項の規定の趣旨に反するということで、基準財政需要額あるいは基準財政収入額の算定上にも問題があり、というようなことで意見がございまして、その点につきまして、今回の民営移管に際しまして改めて両省の間で現在相談をして詰めておるところでございます。自治省側といたしましても、こうした形が行政整理の、いわゆる特殊法人の整理問題という形で行われるこのこどもの国のケースに当たって、新たな税負担その他公租公課的な負担がふえるということについてはできるだけ避けていこうという点については基本的に一致をいたしておりますので、私どももこどもの国の経営上支障を生ずることのないように、自治省並びに神奈川県、横浜市と目下協議を進めつつあるところでございますので、いましばらくお待ちをいただきたいと思いますが、できるだけ御趣旨の点が尊重されるように私どもとしても努力をして、ある程度の見通しは持っておるつもりでございますが、まだ確約をいたす段階には至っておりません。
○安恒良一君 大臣、この点ひとつぜひお願いをしておきます。私の調査では神奈川県も横浜市も結構だと言っていますが、どうも自治省ですから。これは大臣の方から、こういうものについていまさら賃貸し料を——誘致するときには無料で貸しておいて、こういう法人になったから賃貸し料を取るなどというみみっちいことはやめるように、自治大臣とよく御相談を願いたい。よろしゅうございますね。——それじゃわかりました、その点結構です。 そこで、最終的にお聞きしますが、この社会福祉法人を指定することになっていますが、これはもちろん指定される法人は現在のこどもの国協会そのままである、こういうふうに受け取ってそれは結構ですね。
○政府委員(竹内嘉巳君) 基本的にはそのとおりで結構でございます。
○安恒良一君 私は、以上でこどもの国の問題については終わりたいと思いますが、聞けば聞くほど、いまずっと時間を一時間半ぐらいかけまして議論したのに、どうもこどもの国を新しい社会福祉法人にしなきゃならぬという理由が薄弱であります。また、その方が子供に対するサービス向上につながるとは、残念ながら大臣、関係局長の答弁を聞いても理解をすることはできません。行管が各省法人の数に応じて一つは出せ、こういうようなことの中で、どうも一番厚生省の中で弱いところにしわ寄せがされたという印象を強くいたします。そういう意味で、この問題については私は、こどもの国を社会福祉法人にすることは反対であるということを強く表明をいたしまして、この問題に対する質問は終わりたいと思います。 私の持ち時間は十二時二十分まででございますから、残りの時間を、きょうはこどもの国の審議でありますが、御承知のように、前回の理事会に、できればスモン問題の全面解決のためにきょう製薬三社の社長を喚問していただきたい、こういうことを私ども浜本理事から提案をしたのでありますが、それに対しまして理事会では、喚問をするよりも厚生大臣を通じて受諾をさせる、このことに努力することが先じゃないか、そういう意味で、二十一日までの会社の状況を見守ろうということになったということを私どもは聞いています。そういう中で、きのうも私は厚生大臣交渉に立ち合いましたが、内田裁判長が示されましたところの投薬証明のない方に対するところの受諾が、大臣もいろいろ御努力されたことは知っていますが、残念ながら実っておりません。そういう意味で、私の持ち時間の範囲内でこの問題についてお聞きをしたいと思います。 まず、大臣御承知のように、前厚生大臣が年内解決ということを約束をされました。ところが、すでにもう四月の月末が終わろうとしていますが、残念ながらそれが守られていません。守られていないのに二つあります。 一つは、判決を闘い取られた五百七名の方の和解がまだ進んでおりません。しかし、これはかなり最近になりましてピッチが上がっていますが、こういう五百七名の判決をされた方の中身がこれからどういうふうに進んでいくのか、この点が第一点。 第二点目は、特に今日大きい問題になっておりますのは、きのうも、スモンの団体が三つあるわけでありますが、三つの中から統一要求書ということで大臣に出されました。その統一要求書の中で一番大きい問題になっておりますのは、東京の内田裁判長が示されました百十九名に対して製薬三社が全面的に受諾をしていない、こういう問題があります。そしてさらに、第二項の投薬証明のない方の扱いについても、内田裁判長はりっぱな見解をお出しになっていますが、これも裁判所の所見について回答が出ていないのであります。 こういう点について、これはすでに社労委員会だけではありません、予算委員会の中においても大平総理、また現大臣のあなたも早期に問題を解決しなきゃならぬ、これは人道的な問題である、こういうことをお答えになっていますが、今日、残念ながらきょうの委員会に至っても百十九名の問題を初めとして製薬三社が受諾をしないということを私は心から憤りを感じます。だからこそ私は呼ばなきゃならぬと思うのであります。思うのでありますが、今日そこに至っておりませんが、そういう問題について、大臣はこれからどのように対処をしていくというお考えをお持ちなのか、お考えをお聞かせを願いたいと思います。
○国務大臣(野呂恭一君) スモン患者の救済は、厚生省にとりましても今日最重要課題であるということはたびたび申し上げておるとおりでございます。 とりわけ、東京地裁の示されました所見に国は全面的に従うということを明らかにし、同時に、関係製薬企業に対しましては今日説得を続けておるということでございまして、先般も三製薬企業の社長及び幹部を招聘いたしまして、私から強く要請をいたしたわけでございます。なお、昨日は患者の代表の方々あるいは関係者と会見をいたしまして、いろいろ御要請を承ったわけでございまして、従来からの経緯を考えますと大変な時間がかかっておるということは申しわけないことでございまして、厚生大臣といたしましては常にスモン患者の側に立って、その苦しみを一日も早く打開できますように今後とも誠心誠意努力を続けてまいる所存でございます。私は、国は政治の面において、このスモン患者の救済こそ無限の責任を持って進めていくべきであるという姿勢で今後とも努力をいたしたい、かように考える次第でございます。
○安恒良一君 いや、そういう精神論をお聞きをしているわけじゃないんです。無限の責任を持っているとか誠心誠意ということじゃなくて、御承知のように、内田裁判長は個別の百十九名については三月二十一日までに回答をしろということだったと思います。きょうは御承知のように四月のもう二十二日なんです。あれからまた一カ月たっています。にもかかわらずに依然として、ですから私は、あなたが三社の社長をお呼びくださったときに、いろいろきつく注文されたと思います。 そういう中において、いま私がお聞きしていることは二つあるわけです。その百十九名の問題についてはどういうふうに解決をされていく、またどういう話し合いをされたのか、またどういうふうになるのかということを具体的に聞いているわけです。それから第二項の、いわゆる投薬証明のない方に対しても裁判長は見解を出しているんですが、そういう問題についてもどういう話し合いをされたのかということ。それからいま一つは、既判決の五百七名が最近かなり進んでまいっておりますが、その残りの人についてもどういうふうになるのか。 それはなぜかというと、御承知のように、健康管理手当というのは五月いっぱいに解決した人について一月にさかのぼって支給すると。これは製薬会社が健康管理手当三万円を出しています。そういう約束があるわけですから、私はやはりタイムリミットとしてはこの国会中に片づけないと一その問題は、三万円というのは国が出す金じゃないんです、製薬会社が出す金です。国が出す金なら、大臣と私とここで話し合いをして、これはちょっと安恒君、解決がおくれたから遡及しようじゃないかと、これはこの委員会で皆さんの御協力さえ得ればできることなんですが、健康管理手当というのは国が出すわけじゃないんですから、そういうことから見るとタイムリミットというのは私はあると思うんです。いわゆる前厚生大臣の年内解決と、さらに予算委員会における大平総理を初めあなた方の早期全面的な解決、こういう答弁からいって、今日までこう来ておるわけですから、そこのところのタイムリミットというのは私はあると思います。私は少なくともこの国会開会中、五月十八日までになっていますが、そういうところにおいて片づけるものを片づけていかないと、これがまた終わるとずるずる行く。それがためには、大臣がせっかく三社の社長を呼ばれたんですね、三社の社長そろって呼ばれたというのは今回初めてでしょう。個別にはいろいろやられました。そのときに、とりあえず百十九名についてはどういう印象を受けられたのか、どういうふうに解決されようとしているのか、さらに内田さんの示されている第二項についてどういうふうにあなたはお話し合いをされ、またどのようにされようとしているのか、こういうこと。もう精神論は結構ですから。
○国務大臣(野呂恭一君) 十八日に三企業の責任者と会いました際に、まず第一に百十九名の事例の早期解決を図ってもらいたい、ついては一日も早く、少なくもここ数日を目途に検討されて和解の解決を図ってもらいたいと強く要請したわけでございます。したがいまして、私は何らかの回答がなされ、したがいまして百十九名の事例に対しては一括解決へと進展が図られるものだという期待を実は持っておるわけでございます。 なお、第二項に示されております投薬証明のない患者の救済につきましても、これも一日も早く打開解決をすべきであるということに対して強く要請をいたしたわけでございます。細かなやりとりにつきましては御報告を差し控えさせていただきたいと思いますが、終始一貫強く要請した結果、前進への反応があったものだと私は理解をいたしているわけでございます。
○安恒良一君 いろいろ配慮をされているようですが、私たちは、他の野党からも出ていると思いますが、少なくとも製薬三社の社長を証人ないし参考人として喚問をしたいということを理事会の議題に挙げているわけです。でありますから、いまの大臣答弁を、逆に私の方からこういうふうにお聞きしましよう。きょうの新聞にも、日経でしたか、書いてありましたが、連休に入る前、今週中に百十九名については回答があるだろうと、前向きのこういう報道がありました。私も大臣がお会いになった後、いろいろ事務当局とどういう話だったかということをお聞きをした中で、実はそういう印象を受けているんですが、百十九名の問題については、大体連休に入る前に製薬三社からいま大臣が言われたような趣旨に基づいて回答があるというふうに承っていいんでしょうか。これは私が言ったということで、大臣の口から言いにくければ、そういうふうに承っておっていいですか。
○国務大臣(野呂恭一君) 私はそのように期待をいたしておるわけでございます。
○安恒良一君 そのように期待をしているということで、はっきりいたしませんが、こういうこと等々を考えてまいりますと、遠藤さんはおられませんが、竹内さんはおられますが、一遍自民党の皆さん方も理事会の中で問題の解決のために——私も何も呼ぶことだけが能じゃないと思います。しかし、いつまでもこれでずるずるずるずるやられたらこれは人道的な問題ですから、ぜひひとつ十分その点は後で理事会の中で御相談をお願いをしておきたいと思います。 そこで、少し中身について聞いていきたいんですが、まずチバとそれから田辺について、この前、衆議院の社会労働委員会で、私ども同僚委員の山本委員からチバ社に対する融資についての問題がなされています。これを少し私もなお掘り下げてお聞きをしておきたいんですが、医薬品副作用被害救済基金の貸付状況について、チバにしぼって説明をしてください。
○政府委員(山崎圭君) 五十四年度におきまして基金からの融資は、日本チバガイギーに対しまして四十九億三千三百万円、田辺に対しまして五十億円、その他の子会社に対しまして六千七百万円の融資を行ったところでございます。
○安恒良一君 五十五年度はどうなっていますか。予定ですが、どうですか。
○政府委員(山崎圭君) 五十五年度における融資の問題は、政府の債務保証の限度額といたしまして総額で三百三十億円ということでございまして、この範囲内におきまして関係製薬会社に対して融資する方針でございますが、この三百三十億円の一応の積み上げ根拠は、日本チバガイギーに対しまして二百二十億、田辺に対しまして百億、その他の会社に対しまして十億の予定をしております。 なお、この二百二十億、百億及び十億それぞれにつきましては、五十四年度のそれぞれの貸付額の借りかえも内容として含まれている、こういうふうに御理解いただきたいと思います。
○安恒良一君 そうしますと、チバに限定しますと、借りかえ分を引きますと百七十億ちょっとになるというふうに理解していいわけですか。
○政府委員(山崎圭君) さようでございます。
○安恒良一君 そこでちょっとお聞きをしたいんですが、この貸し付けは、すでに四十九億三千三百万円貸してありますが、この中には既和解分が含まれているんでしょうか。 それから、この額というのは、和解をしたときにそれに支払うという意味でお貸しになるんでしょうか、そこのところをひとつちょっと聞かしてください。
○政府委員(山崎圭君) 五十四年度の貸付実績を見てみますと、御承知のように、この貸付融資の額は民間の市中金融機関から協調融資を受けまして、そして基金が借り受けましてそれを各会社に貸すということでございますが、それぞれ五十四年十一月からこの貸付業務が始まっておりますが、前月和解分の和解一時金、たとえば五十四年十一月で申し上げますと、五十四年十月に成立いたしました和解患者との間の和解一時金の金額の範囲でお貸ししている、こういうことでございまして、五十四年十一月、十二月それから五十五年一月、二月とこの四回にわたりまして、チバについて申し上げますと四十九億三千三百万円の貸し付けを行った、こういうことでございます。
○安恒良一君 そうしますと、これは和解が実行されたときにお貸しになるということですね、そうですか。 そこで、次に質問いたしますが、いまもあなたがおっしゃったように、チバガイギーに多額の融資をされていますが、融資にはこの前成立しました法律の附則第六条に、特に必要な要件を貸す以上は必要だと書いてあるわけです。そしてそれは基金、厚生省、大蔵省とこういう中で相談をしながら附則第六条に向かってお金が貸されることになっていますが、あなたたちは、衆議院でも問題になっておりますが、特に必要な要件についてチバガイギーについて調査をしましたか。
○政府委員(山崎圭君) 御指摘の六条の一項で、特に必要であると認めた場合には、大臣の認可を受けまして基金が次の二項目の業務を行うことができるとしてございます。そしてこの業務はすでに行われておるわけでございますが、さらに六条の三項によりまして、この貸し付けの対象というものは国が連帯して債務を負っているものに限るといいますか、そういう趣旨で、それについては政府が債務保証ができるという規定がございますし、さらに、この貸付業務をやります場合には、大蔵大臣と協議して厚生大臣がやっていかなきゃいかぬというような関係のことになっております。 そういう意味で、基金においてこのチバなり田辺なり、当然でございますが、それぞれこの貸し付けについてはそれなりの審査をして貸し付けを行ってきているということでございます。
○安恒良一君 それなりのし審査ということは、たとえばチバの場合だったら、資産、資金調達能力、利益、企業努力等々の調査が必要だと思いますが、基金がそういう調査をしたという事実を厚生大臣は確認をされた上でよろしいということになったんでしょうか。
○政府委員(山崎圭君) そのとおりでございます。
○安恒良一君 そのとおりでございますと言うけれども、この前、山本さんがお聞きになったときに、後であなたたちはその財務諸表を山本さんのところへ届けられていますね。当時山本さんが聞かれたときに、あなたたちは財務諸表を持ち合わせていなかったんじゃないですか。そして後から山本さんのところへ財務諸表を出された。 そこで、それじゃちょっと、そのとおりだということでお聞きしますが、チバの宝塚本社、工場の土地、それから篠山の工場の土地、こういうものが担保に入っているというふうにお考えですか、それとも担保に入っていないというふうに思われますか。
○政府委員(山崎圭君) チバ所有の不動産が、御指摘のように宝塚の本社なり工場、あるいは篠山の工場がございますが、これは担保に入っていない、かように私どもは承知しております。
○安恒良一君 これを貸し付けをするときに、私が聞いたことは、そういうことも調査をされたんでしょうか。というのは、私の調査ではあなたと同じように、チバガイギーは一切両方担保に入っておりません。田辺は大変にもう担保に入っています。これは私、手元にそれぞれ登記所で調査をした諸表を持っているんですが、いまあなたは、そういうことは調査をした上で貸したということですが、その貸し付けをするときに、国会で問題になった後に調べられたんじゃなくして、貸し付けをするときにそれを承知の上で、片方は物すごい担保に入っている、片方は担保に入っていない。こういうことを承知の上でお貸しになったんですか、その点、聞かしてください。
○政府委員(山崎圭君) さようなことは承知をしておりました。
○安恒良一君 わかりました。それじゃ、そういうことは承知をしておったにもかかわらず貸された、こういうことになりますね。 そこで私はお聞きをしたいんですが、日本チバは資本金は幾らでしょうか。田辺は幾らでしょうか。
○政府委員(山崎圭君) 日本チバガイギーの現在の資本金は二百億でございます。これは五十五年の二月九日に八十七億八千万円の増資をいたしまして、結果として二百億になったと承知しております。 なお、田辺の資本金につきましては八十億円でございます。
○安恒良一君 そうしますと、貸すかどうかというのは、特に必要があるかどうかという判断をするわけですね。そういたしますと、日本チバガイギーは資本金二百億ですね、田辺は八十億。そして、田辺の持っている資産、土地はすべて抵当に入っている。ところが、日本チバガイギーは宝塚、篠山には大きな土地を持っていますが、担保にも入っていない。そういたしますと、そういうものは私は資金の調達能力はあると思うんです。にもかかわらずに、こんなにたくさんの金を、いままでは四十九億三千万ですが、ことしはいまあなたのあれで言うと、実際の借りかえ分を除くと百七十億も貸す予定だと。これはどうしてそういうことが必要なのでしょうか。土地等もまず私は担保に入れて借りるものは借りる。それでもどうにもならぬというときにこの金が借りられるべきだ。田辺の場合の考課表、資産、全部調べてみましたら、実際上、率直に言って田辺はお金を借りる以外には患者に対する和解の金が払えないということはよくわかるんですが、日本チバガイギーの場合に、いま言ったような本社も工場も全く真っ白だ。しかも資本金は片方は約二百億、片方は八十億。こういう状況の中でどうしてこういうお金をお貸しになるんですか、その点を聞かしてください。
○政府委員(山崎圭君) チバガイギーにつきましては、現在時点で患者の救済に要する費用が二百二十三億に上っている、五十五年三月まででございますが。そして同社といたしましても、基金からの借り入れを除きまして自己調達の努力をしておりまして、総額で百七十四億の自己調達をしておる、こういうことでございまして、その中身といたしましては、銀行からの長期の借り入れとか短期の借入、こういうもので泳いでおりましたり、あるいは仮にスモンの補償がなかりせば利益として上がるべきものもそれにつぎ込む、こういうようなことで、資金繰りに苦慮しているということでございます。そういうものに着目いたしまして、和解の円滑、和解金の支払いが滞ることのないように、確実にまたそれが行われますように基金としては四十九億のお金を貸した、こういう経緯でございます。
○安恒良一君 私の手元にそれはありますから中身はいいんですが、田辺は支払い額が二百十六億、それから基金からの借入金が約五十億、自己調達が百六十六億。日本チバガイギーは二百二十三億の支払いに対して基金から借入金が四十九億、自己調達が百七十四億ですね。そこで論点は、この支払い能力があるのかどうかということになってまいります。 そこで次は、次のことをお聞きをしなければなりません。 まず、私はその支払い能力について、本社との関係がありますから、そこで日本チバガイギーとスイスチバガイギーの関係についてはどのようにお考えですか。
○政府委員(山崎圭君) 日本チバガイギー株式会社はいわゆる外資企業でございまして、その資本金の一〇〇%はスイスのチバガイギーリミテッドと申しますか、それが出資しておるわけでございまして、そういう意味では資本的には全く親会社、子会社という関係にある、かように考えております。しかしながら法律上はこちらの法人でございまして、別個の法人である、こういう関係にあるのではないか、かように考えます。
○安恒良一君 スイスのチバの社長はどなたですか。
○政府委員(山崎圭君) フォン・プランタンという人だと承知しております。
○安恒良一君 その方は日本チバガイギーの重役ではありませんか。
○政府委員(山崎圭君) 取締役に入っていると承知しております。
○安恒良一君 そうですね、いわゆるこのルイーズ・フォン・プランタン博士はスイス本社の社長、代表取締役です。そして日本チバガイギーの中のやはり取締役であることはこれは事実ですね。それからいまあなたが言われたように、チバガイギーというのは一〇〇%スイスチバガイギーが出資した会社である、これも間違いありませんね。その点はどうですか。
○政府委員(山崎圭君) 先ほどもお答えしましたように、一〇〇%出資の会社でございます。
○安恒良一君 そうですね。そういたしますと、この日本チバガイギーの社長クノップさんは、スイスのチバの本社との関係はどういうふうになっていますか。
○政府委員(山崎圭君) クノップ氏は、形式的にはスイスのチバガイギーリミテッドの役員その他はやっていないと承知しております。
○安恒良一君 そうですか。それじゃいまのようなやりとりをずっと考えてみますと、設立の経緯から完全な子会社である、そして世界チバガイギーグループの日本の支社という地位に、私は法人的には独立をしているというが、あるというふうに思いますが、その点はどうでしょうか。
○政府委員(山崎圭君) たびたび御説明しておりますように、その親会社、スイスのチバガイギーリミテッドとこの日本チバガイギー社は、そういう意味で経済的にあるいは資本的に非常な結びつきがあるのは当然だと存じますが、同時に、法律上は別個の法人である、かように考えております。
○安恒良一君 私は、チバガイギーが東京地裁に出しました準備書面の中にも、その関係が、原料供給者でありかつ親会社であるスイス国チバ会社、こういうふうに明確になっています。だから相手がもう否認しているわけじゃない、相手の出している準備書面ですから。だから私から言うと、これは完全な親会社である。これは会社が出した準備書面ですから、その中に自分から明確にされている。こういう点はひとつ御理解を願っておきたいと思います。 そこで、あなたは盛んに法律上では別だ、別だと、こういうことですが、やはり完全に私は子会社だと思う。でなければ昨年の国会中に中野局長が、何であの忙しい最中に、わざわざ理事会にまで諮ってクノップさんと一緒にバーゼルに行かれたんですか。あの忙しい最中に、あれを出すことについては私たちも前大臣との間に苦労しました。しかしやはり行かないと解決しない、どうしてもプランタンに会ってこないと解決をしない、こういうことで当時衆議院の社労の理事会は、中野さんをバーゼルに派遣をすることを認めたんじゃないでしょうか。ですから中野さんは、まさか単なる観光であんな時期にお行きになるはずはないと思う。この点はどうですか。
○政府委員(山崎圭君) 私自身その前後の事情をよく詳細に承知しているわけじゃございませんが、先生の御指摘のようなことであろうと考えております。
○安恒良一君 そうですね、もう日本チバガイギーとの話では解決できない、親会社であるところのバーゼルに行ってスイスチバと、特にプランタンと話をしないと解決できない、こういうことで行かれたと思う。 こういう点から考えてまいりますと、私は、日本チバ、それから武田ルートで販売されたものは、すべてこれはスイスから原材料は輸入されています。そしてこのことに対しても大阪地裁の判決が、原末供給者、製造業者は単なる小分け業者や販売業者よりも高度の注意義務があるとそれぞれ指摘している。また御承知のように、田辺と小分け会社の問題についてもそのような見解を明確にこれは示しているわけです。でありますから、少なくともバーゼルの本社は、いま申し上げたように、すべての原材料を供給をしていることは事実なんです。 このことについても、これは東京地裁の判決の中において次のような、被告チバについてという中において、バーゼルのチバ本社、したがってまた被告チバにおいても本件キノホルム剤の製造開始に当たり製薬企業としての要求される動物実験の義務を尽くしたものと言うことはできない、こういうことで、率直に言って日本のチバだけではなくしてバーゼルチバ本社に対しても、この裁判というのは動物実験の義務等をきちっとしていないじゃないか、こういうことについて判決が出ていることは御承知ですか。
○政府委員(山崎圭君) 間違いないと存じます。
○安恒良一君 そういうふうになってまいりますと、スイスチバ本社にスモンの責任があることは明白であります。スモンの責任があることは以上私がずっといろんな判決、それから準備書面等等、それから中野さんの行かれたこと等々ずっと話をしてまいりますと、このスイスチバ本社にスモンの責任があることは明白であります。そして私は、スイスのチバ本社みずからがお金を払うべきだと思います。 それはなぜかというと、七七年で四億二千スイスフラン、七八年で三億五千四百万スイスフラン、これは七八年を日本の金に換算をしますと四百二十五億の利益金が出ています。しかもこのときには、スイスフラン対ドルその他為替レートの関係でスイスフランの価値が非常に下がりまして、かなり為替差損が出てきています。それにもかかわらずに七八年ではこのバーゼル本社は四百二十五億の利益を上げているわけです。ですから私は、田辺とは全く状態が違うと思うんです。田辺の場合には田辺の資産を調べてみると、支払い能力はありません。しかし日本チバガイギー、その後ろにおる本社、しかもいま言ったように、本社も責任を持たなきゃならぬ、これは原材料の全部提供者ですから。そういう中において、当然チバガイギーは支払い能力を持っている。にもかかわらずにあなたたちが日本チバガイギーについて貸し付けをされた、このことがわからないのです。 私は考えるなら、今日国際的な高金利の時代になっています。そういう中で基金から金を借りてやっている。私はチバガイギー本社が支払い能力がないならやむを得ないことだと思う。にもかかわらずに田辺と同じようにお金を借りてやっているこのやり方について、大変重大な問題があるような気がしてなりません。そのことが一つ。そういう状況にもかかわらず百十九名の、いわば裁判長のこれは所見といっても判決と同じなんです。従わなければ裁判で同じことが出るだけなんです。それだけの支払い能力を持っているチバガイギーの本社が、依然として日本チバガイギーと一緒になって百十九名の問題についても断っている、内田裁判長所見第二項も断っている。そういうところにお金を貸す必要があるんでしょうか。 大臣、以上のいまの私と局長とのやりとり、それから東京地裁、大阪地裁、福岡地裁等々の判例、全部私はここに持ってきていますが、そういう関係の中からいって、二つの点についてどうお考えですか。少なくともそれだけの支払い能力を持っているチバガイギーが、田辺と同じようにお金を借りながら、しかも投薬証明のない方——投薬証明のない方が一番長く苦しんでいるわけです、そういうことについて拒否をしている。そういう人について、今日非常に日本自体も大変な財政の状況の中において、これだけの国際製薬独占資本であるチバガイギーに対してお金を貸さなきゃならぬのでしょうか。そこのところについてお考えを聞かしてください。
○国務大臣(野呂恭一君) 基金から融資をいたしておりますことは、言うまでもなくスモン患者への和解を円滑に、しかも速やかに行わしめるためのものでございますから、仮にチバガイギーが本社との関連におきまして支払い能力があるといたしましても、資金繰りに苦慮しておるならば、この救済のための資金を融通することは、私は必ずしも間違っておるとは考えておりません。しかしながら、そういう便宜を図りながら和解を私どもは積極的に進めようということで要請をしてきたのに対しまして、チバガイギーの姿勢が必ずしも適切であるとは考えませんので、せんだっての関係企業三社にお集まりいただきました中でも、私が一番力を入れてチバガイギーの担当者に強くいろいろ国会のこれまでの論議なども明らかにいたしながら、あなたの方は十分に反省をしなければならないということを強調をいたしまして、和解の一日も早からんことを強く要請をいたしたことでございます。
○安恒良一君 大臣、支払い能力の問題について、いま申し上げたように、日本チバガイギーが基金からお金を借りたのは四十九億なんです。あと自己調達を百七十四億しているわけです。ところが、チバガイギーの本社のいわゆる七八年度の利益金ですね、まだ七九年は出ておりませんが、七八年度の利益金は実に四百二十五億あるんです、為替差損を引いてもです。それから、その前の年はさらに四億二千万スイスフランの利益金があるわけです。ですから、日本チバガイギーはスイスのバーゼルにおけるチバガイギーのいわゆる子会社、日本の支社、こういう状況の中において、しかも裁判の判決というのはチバガイギー本社の責任も明らかにしている。 私は率直なことを言って、こういうことになれば、原告の皆さん方が日本チバガイギーだけじゃなくて、バーゼルの本社自体も相手にして裁判を起こされておったらよかったなといまになって思います。思いますが、しかしいまの事実関係を全部調べますと、明らかに親会社、子会社なんです。しかも片方の方は、いま申し上げたように単年度で四百二十五億も黒字を出しているわけです。私は昨年成立させました薬事二法におけるところの貸し付けという場合には、特に必要なということで、要件の調査は十分されなきゃならぬと思うんです。局長は十分な調査をしたと言っているけれども、十分な調査をしていない。十分な調査をされておるならば、こういう関係は明らかになるわけだ。 ですから、当時あの法案をつくるときに田辺救済法と言われたのです、大臣。ところが、よく調べてみたら田辺救済法どころじゃない。チバガイギー救済法になっている。しかもそのチバガイギーは、親会社は四百二十五億も単年度黒字を出している。そういうところにお金が貸される。どうも私は理解に苦しむわけです。少なくとも薬事二法が成立し、国会で私たちが議論をし、しかも特別にスモンにさかのぼってお金を貸すといったときの議論を思い起こしてください。中野さんがきょうここにいないのは残念ですが、しかしあなたたちは全部引き継がれているわけですから、思い起こしてください。そういう中においてこれだけの利益を上げているチバガイギーに対して依然としてお金が貸される。たとえばことしについても、いま言われたようにあと百七十億ですか、借りかえ分を含めると二百何十億か予定がされておるということはどうも理解に苦しむ。この点どうですか、局長。
○政府委員(山崎圭君) 御趣旨はわからないわけではないんでございますが、やはり親子の関係があるといいましても、日本チバガイギーは日本国内における別個の法人でございまして、しかも、その日本チバガイギー株式会社の五十四年期におきます損益計算書などを見ますると、前期の繰り越しを含めまして百十二億の赤字を出さざるを得ない。そのうち六十一億がスモンの損害てん補金に充てられているというような実態もございます。そういう面に着目して、やはり日本の法律の適用を受ける場合には、日本チバも田辺も同じようにこれは考えていかざるを得ないというのが私ども法律を扱う場合の立場ではなかろうか、かように考えておるわけでございます。
○安恒良一君 それなら何回も言いますように、何で中野さんがわざわざスイスにあの忙しい時期に行かれたんですか。親子会社だけれど、あなたの言葉から言うと会計は別個なんだと。別個法人だから貸すんだというんなら、何もあの忙しい最中に中野さんが行くことはないじゃないですか。何で行ったんですか。そういう資金的な援助も何もないということのために中野さんが行ったんですか。そこを説明してください。あなたが言うように親子の会社であるけれど、別法人だから会計は全部別々なんだと。日本チバガイギーは赤字を出しているから貸したという。それなら何のためにあの忙しい時期に中野さんがわざわざバーゼルに行ったんですか。中野さんはバーゼルに行って何を話してきたんですか、その中身について言ってください。少なくともあなたも引き継がれているはずです。私は、あなたが局長になったときに中野さんの見舞いに行って、中野さん、十分引き継いでくださいよ、わかりましたと言って、きょう新しい局長を呼んで、安恒さん、すべて引き継いでおりますと、こう私は聞いている。ですから、あなたは引き継がれておるはずなんです。何のために中野さんが行って、中野さんは何の話をプランタンとしたんですか。
○政府委員(山崎圭君) 申しわけございませんが、そのプランタンと話をした内容については私は承知していないのでございますが、考えられることは、恐らくあの時期に、スモンの今後の対策等について協議が行われたというふうに一般的には承知しているところでございます。
○安恒良一君 答えになっていません。大体そういう重要なことを引き継いでいないというのがまず職務怠慢だ。これが一つ。 それから第二番目には、そんな抽象的なことじゃないでしょう。スモンの対策というのは、和解を進める場合に和解金の支払い、財政問題があるでしょう。あなたの言うスモンの対策というのはどういう意味ですか。私は、スモンの対策というのはその中の一つの重要な問題としては、これだけの大きな金になるわけですから財政問題がある。だから中野さんみずから本社に乗り込んで、プランタンとも支払い能力も含めて話したと、私たちは中野さんが行くときにそういう話もしているんです。 あの時期にどうして出すのかというのは、社労委員会の理事会で問題になったくらいですから。しかし、あえて出すということを決めたのは、スモンの全面解決のためにはどうしてもスイスのチバガイギーの本社に行って取締役社長であるプランタンの了解をとる、それと同時に支払い能力の問題、財政の問題、それらを含めて私は前局長は努力をされたと思うのですが、あなたのその言い方は何ですか。一般的なスモンの問題だと、そんな答弁ないじゃないですか、もう少し真剣に考えてください。どういうことなんですか、どういうことを中野さんは話しに行ったんですか。
○政府委員(山崎圭君) 申しわけございませんが、その詳細なバーゼルにおける経緯は引き継いでおりませんが、恐らく先生御指摘のとおり、私がスモン一般の問題と申し上げたのはあるいは語弊があるかもしれません。スモン和解の今後の段取りなり、あるいは資金も入っていたかもしれません。しかし、その辺は私は想像の域を出ませんのでお許しいただきたいと思います。
○安恒良一君 大圏、こういうことなんです。私は、中野さんが病で倒れられて、これは引き継ぎをきちんとしてもらわないといかぬと思いますから、率直に言って私は、病院まで中野さんの見舞いに総評の福田君も連れて行ったんです。そこにおるスモン対策室長にも来てもらったのです。そして、十分な引き継ぎを中野さんしてください、あなたが一生懸命やられたことばよくわかる、不幸にして病気に倒れられた、しかし、これは大変なスモン患者の問題だから十分に引き継いでほしいということを、私は中野さんに、病床であるにもかかわらずに行って要望したのです。中野さんは、よくわかりました。今晩新局長を呼んで十分にひとつ引き継いでおきますと。ところが山崎さん、この状況は何ですか。肝心のことについてはいまになってもまだ聞いておりませんと言う。 どうですか、大臣。こんなことでスモン行政があなたが言われるように、抽象的にはえらいスモン問題は重要だ、重要だと言っておかれながら、現実に担当する局長が肝心のことについて——これはきょう初めて問題になったんじゃない。前の社労委員会で、衆議院でもいろいろ言われておる。私は、こういう関係についてきょうは聞きますよということはちゃんと事前に通告してある。当然中野さんが何しに行ったかということは衆議院でも議論になっているんですから、そのことについてきょうまたここで私が聞く以上は、衆議院の段階で答えられなかったら、少なくともそのことは新局長は調査をして私の質問に答えられるようにする、その熱意があってしかるべきじゃないですか。抜き打ちにやっているわけじゃない。衆議院でも問題になっている。しかも、私はこういうことも聞きますよということを言っている。それがいまになって何ですか。答えになってないじゃないですか。どういうことですか。
○政府委員(山崎圭君) まことに申しわけございません。 実は、御指摘のようなことでございましたので、早速に前局長と連絡をとったところ、前局長はいま国内におりませんので、連絡がとれずにその点だけがどうも申しわけないと思っております。
○安恒良一君 前局長は国内にいないけれども、あなたはかわられたけれども、スモン対策室長等はずっと前からやっているんですからね。後ろの方に座っているが、政府答弁者じゃないからしようがないけれども。そういう点については十分な引き継ぎが行われていなきゃいけないと思うんです、これだけの大きい問題ですから。これは幾ら責めてもしようがありませんから、それでは早急に中野さんとそこのところあれしてください。 と同時に、大臣、いずれにしましても私はこの問題はさらに、どうもチバ本社に財政能力があるにもかかわらずに、チバガイギーにこれだけの多額の金を貸しつけるということについては理解をいたしません。 しかし、そのことはさておいても、一番必要なことは、いま投薬証明がなくて苦しんでいる方を早急に救うということなんです。ですからその点について少なくとも大臣、ひとつこの国会開催中、これは会期延長論、いろんな議論がありますけれども、一応五月十八日ということになっていますから、私が何回も言うように、五月いっぱいには大臣は何としてでもまず百十九名の東京の問題を片づける。 というのは、私はなぜ東京の問題を言っているかというのは、内田裁判長の判例というのは、今度はあれと同じような、各地裁においてとどまっている人をも、全体にこれは大きく波及するものだと思う。また波及させなけりゃならぬと思っている。たとえば、内田裁判長が出したら静岡でも大体それと同じようなことが出ています。その他、それぞれの地裁でとまっているところの、いわゆる投薬証明のない方の解決のためにこれは波及させなきゃならぬ問題だと思いますから、それらを含めて、大臣ひとつ。 私はもう委員会を開くたびに、予算委員会でも社労委員会でも、あなたの顔を見るたびに、この委員会で論議をし、また直接あなたのところへ出かけていったり、局長のところへ行ったり、また来てもらったりして、率直なことを言って三日にあけずこの問題を議論をしています。もう一年有余やっています。それがまだまだ解決しないということば、私は本当に残念なんですが、どうかそこらに対する大田の決意、考え方、そういうものを聞かしてください。
○国務大臣(野呂恭一君) 中野局長がスイスに出向いてまいりましたのは、単に一般論の問題でなくて、やはり早期解決のために早く和解を進めてもらいたい、それがためにはあえて日本政府としては貸し付けに対しての基金の便宜を供与するというような積極的な要請のために行かれたものだと私は推定をいたしておりますが、いずれにいたしましても、御指摘の、大変おくれてまいっておるわけでございまして、東京地裁の少なくも百十九名の事例に対しましては、この国会中にぜひとも和解処理をしてまいりたい、こういう決意で今後も当たってまいる所存でございます。
○安恒良一君 百十九名についてはこの国会開催中ということでありますが、私は、そのことはそのことで受けとめますが、御承知のように、内田さんは二つの点を挙げているわけです。 そこで、これを少し議論しておきたいんですが、製薬会社が非常に心配をしているんです、これをのむとたくさんの人が出てきやしないかと。しかし厚生省はどういう見通しを持っておられるか、私の見通しについて申し上げて、最後の見解を聞きたいんですが、いま裁判を起こされている方が五千二、三百です、あと最大限出てきても千名ではないか、千名ないだろうと思う。全体で六千でとどまるんじゃないか、これは私の見通し。 それから、その中で投薬証明のない、問題になる人、これは大体三%から最大限見ても五%だと見ています。すると、五%ということで見ましても、五、六の三百名、こういうふうに私は思う。それはなぜかというと、内田裁判長は簡単に何でもかんでも認めると書いていないんです。まず灰色ゾーン、グレーゾーンについては百十九名。それから第二の点は、さらに立証をどんどんしなさい、その上で裁判所として判決を出しましょう、見解を出しましょう、そして、いよいよ投薬証明のない人については鑑定団の鑑定を受けて、そしてスモン患者と認定されたことについて、いわゆる国が三分の一、残りの三分の二を製薬会社が持つべきであろう、その場合に強い意見として折半という意見があるということを付記をしておく、こういうふうに書いてあります。ですから、何となく提訴すれば全部スモン患者になるような判断ではないんです。しかもこのやり方は、私たちが去年九・一五の確認をとるときに中野さんと話をしたとおりのことがこれは出ている。だから国もこれを全面的受諾をされて実行を迫られているわけでしょう。 そういう点からいきますと、私は、製薬メーカーがこういう内田さんの見解をのむことによって、次から次にたくさん出てくるなどという心配はないと思っている。にもかかわらず抵抗されているのがわかりません。そこらの見通しについて、私はかなりこれをずっと長く専門にやってきておりますからそう狂わぬと思うんですが、あなたたちはどう考えられますか、いま言ったこと。
○政府委員(山崎圭君) 先生のお見通しは、私どもそれなりに十分理解できるといいますか、了解できるといいますか、別途、私どもの一つのこれは感触みたいな話でございますが、ここ何年かの新しい提訴患者の数を追ってみますると、五十一年で二百二十五名、五十二年で七百十四名、五十三年で四百九十二名、五十四年で八百六十名、そしてことしに入りまして三カ月分で百七十二名、こういう新規提訴患者がございまして、これが年間大体、年によってばらつきがございますから、四、五百名から七、八百名という感じでございます。しかし問題は、これがいつの時点までいくのかという問題が私どもちょっと推測できないところでございまするけれども、先生の筋の問題として御指摘いただきましたように、投薬証明書のない患者であるかどうかというのは、まず裁判所における証拠調べというものが前提である、それで裁判所の判断によって明らかにされる、その結果、服用キノホルム剤が特定できないもの、そういうものとして出てくるのが投薬証明のない患者である、こういう筋の御議論はよくわかりますので、そういうことを考えますと、先生御指摘のとおりであるかどうかは別にいたしまして、必ずしも数としては多くはない、こういうようなことを私どもも認識しておるわけでございます。
○安恒良一君 大臣、いま私と局長のやりとりを聞かれておわかりだと思いますが、去年からことしにかけて、特にこれだけマスコミを通じて大々的に出たんです。ですからそう新しく患者がこれから急激に出てくるとは私には考えられません。そうすると、大体私の見通しで最大限あと千名じゃないか。そしてその中で投薬証明のない方というのは、どうしても立証が不可能だというのはせいぜい三%から多くて五%だと見ています。ですから、どうかここらのことも製薬メーカーにきちっと話をしてもらいたい。いままで局長を通じて話をしてもらうようにしていますが、どうも製薬メーカーはそこのところに不安を持っておって抵抗しているようです。しかし、少なくとも私は私の個人推測で言っているわけじゃないんです。第一グループから第三グループまでの弁護士さん全体と何回もこれは討議したんです。何回も討議した中で、いま言ったような数に大体落ちつくだろう、こういう判断をしておりますから、どうかそれらを含めて、大臣、少なくとも今国会会期中に、内田裁判長が出されたところの裁判所の所見はきちっとのむ、こういう中でそれを全国に波及さして解決する、こういうことで一段と御努力を願いたいと思います。 そして、私はこれは理事会の方にお願いしておきますが、そういうものを推進をする意味で、私どものこういう熱意というのを直接三社の社長に伝えたいんです。これはどうしても厚生省を通じるとまた聞きになりますから、そこで委員長にお願いしておきますが、どうか必要な時期に三社の社長を呼んでこの社労委員会のこの熱意を伝える、こういう場を理事会で御相談を願うことを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
○委員長(久保亘君) ただいまの御提起につきましては、後ほど理事会で協議をいたします。 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午後零時二十分休憩 —————・————— 午後一時三分開会
○委員長(久保亘君) ただいまから社会労働委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、上原正吉君及び片山甚市君が委員を辞任され、その補欠として岩崎純三君及び田中寿美子君が選任されました。 —————————————
○委員長(久保亘君) 午前に引き続き、こどもの国協会の解散及び事業の承継に関する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○小平芳平君 政府がこの法律案を出したということは、行政改革の必要性、行政改革がきわめて国民の声であるというところから出されたものと思います。その詳しいことは午前中の質疑で出ましたので繰り返しませんが、まず、政府の行政改革、厚生省の行政改革に対する姿勢について伺いたい。 まず、八つの特殊法人があるというふうに答弁しておられましたが、その八つの特殊法人の役員数と職員数を挙げていただきたい。
○政府委員(竹内嘉巳君) 八つの特殊法人は社会保障研究所、これは役員が所長といいますか、これは理事長に相当しますが、所長一、理事二、監事一、職員は二十二名でございます。それから環境衛生金融公庫、これは役員は理事長一、理事三、監事一、職員数五十六名。医療金融公庫、役員は総裁一、理事四、監事一、職員数は百七十七名。社会福祉事業振興会、役員は会長一、理事五、監事二、職員数は五十九人でございます。それから心身障害者福祉協会、理事長一、理事三、監事一、職員数三百二十七名。それからこどもの国が理事長一、理事三、監事一、職員数四十八名。それから社会保険診療報酬支払基金、役員は理事長一、理事が八ないし十六人、それから監事が四名、職員数は五千四百九十四人。年金福祉事業団は役員は理事長一、理事三、監事一、職員数は百五十七名とこうなっております。
○小平芳平君 いま挙げたこの特殊法人は、全くこどもの国以外は整理の対象にならないのか、いかがですか。
○政府委員(竹内嘉巳君) 今回の行政整理といいますか、行政改革の中の特殊法人の整理の問題につきまして、私どもも大臣以下この問題について協議をした中で、いろいろそれぞれの理由といいますか、いずれの法人につきましても設立の経緯なり事業の特殊性などがございます。また、厚生行政の各分野にそれぞれ一応重要な役割りを果たしているというようなことから、縮減に応ずることは八つそれぞれいずれも困難な問題があったわけであります。 そういった事情の中で、こどもの国協会の廃止に踏み切りましたのも実は、午前中の質疑にもございましたように、協会についてはこうした仕事が社会福祉法人の仕事にもなじむということ、あるいはまた、これまでの運営の状況が利用者が百万を超えてある程度安定的な経営が可能であろうというようなことへそしてさらに、民間の創意工夫を自由に取り入れるというようなこともこどもの国のあり方として望ましいのではないか、こういったことから社会福祉法人の業務の運営ということでこどもの国に踏み切ったという事情でございます。
○小平芳平君 行政改革は児童家庭局長がやるんですか。
○政府委員(竹内嘉巳君) 本来、この答弁は官房長がする立場にあろうと思いますけれども、たまたまいま席に参っておりませんので、この経緯の最終の段階まで内部の折衝、審議につき合いましたので、私の立場で一応お答えを申し上げたわけでございます。
○小平芳平君 重ねて伺いますが、こどもの国以外は全く議題にのらなかったのかどうか。それはそれぞれ設立の趣旨、目的がありますからいずれも必要なものであるというわけでしょうが、議題にのらなかったのか。 それから、いまずっと役員の人数を読み上げましたが、役員を減らすとかあるいは天下りとかという批判についてどう考えますか。
○国務大臣(野呂恭一君) 厚生省の特殊法人八つのうちで、行管の基本方針に従いまして、十以下の特殊法人を持つ省庁におきましては一つを縮減してほしいということでございます。したがいまして、その基本方針を尊重しながらそれぞれ八つの特殊法人について検討をいたしたことは言うまでもございません。 その結果、いずれの法人におきましてもそれぞれの設立の経緯もございます。また、事業の特殊性等もありますので、厚生行政の各分野において重要な役割りを占めておる関係上、行管のこの基本方針に従うことはきわめて困難でございます。われわれはそれに対しまして非常にむずかしいということを申し述べてまいったわけでございますが、しかし、その中にありましてこどもの国の廃止に踏み切らざるを得なかったのは、民間法人に切りかえることがむしろこどもの国の将来の発展のためにもいいのではないかというような実情を検討いたしました。その結果踏み切ったわけでございます。したがいまして、いままでの天下り的なそういう職員構成をなるべく避けて、民間の方方の分野を多く、その活力を得るためにも構成の中に含めていきたい、今後の運営においていろいろの工夫を加えていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○小平芳平君 先ほどの午前中の答弁では、行管から一つ減らせと言われて検討した結果、こどもの国を減らすことにしたという言い方は必ずしもされなかったですね、もっとむずかしいことを言っていたようです。行管から十以下のところはなるべく一つ減らせと言われてこどもの国に落ちついたと言うんですが、こどもの国は午前中るるお話がありましたように、行政費の節減にならないんです。それから、天下りと言っても天下りはいないんです。それでなおかつ民間に移すという意味はないですね。ないということはないけれども、それは国の機関を廃止して民間の機関にするんだからそれだけの意味はありますけれども、行政改革の意味はほとんどない。行政費の節減にならない。それから、施設整備にはいままでも助成してきたし今後も助成していくということならば、行政改革の意味はなさないわけです。天下りもない、民間人でやっているということになれば全然意味がないですね。いかがですか。
○国務大臣(野呂恭一君) 先ほど申し上げましたのは、行管の方から確かに、政府として決めた基本方針に従って特殊法人の整理合理化を進めていきたいということに対して協力の要請があったことは事実でございますから、事実を申し述べたわけでございます。 そこで、私どもとしては八つのそれぞれの公益法人について、どのものをどうすることがいいのかということを検討した結果、こどもの国につきましてはむしろこの際、民間の法人に切りかえた方がいいのではないかというふうに考えたからでございます。 それならば、どういうところにメリットがあるのかということについては、一つは午前中にも御答弁申し上げたわけでございますが、私も先般参りましていろいろこの点について論議をいたしたのでありますが、理事におきましても、現在理事が四名ということでございます。したがいまして、もっとそれを拡大することにおいて民間の英知を結集することができるのではないかということ。さらにまた、関係民間団体の協力体制もより強化することができるのではないか、つまりいままで特殊法人として運営しておったよりもむしろ弾力的、効率的な方式をいろいろ導入いたしまして、今後その運営がさらによりよい方向に進められるのではないかという期待が持てるということが一つございます。また、特殊法人の場合におきましては、決算と寄付金の受け入れ、あるいは役員の任命等につきましても、一々厚生大臣の認可とか承認とかという厳しい監督下にございますけれども、民営化することによってその手続が省ける。法人の自主性に基づいた迅速かつ適確な処理ができるのではないかというメリットもあるかと思うのでございます。 ただ、問題は、その運営が商業主義的な立場に立ってはいけないわけでございますから、これがためには十分注意をいたさねばなりませんけれども、民営に切りかえることによっていままでより以上にこどもの国の設立の趣旨を私は発展的に進めていくことができる、そういう期待を持っておるわけでございます。したがいまして、民間法人に切りかえることがむしろこどもの国の将来のために大変いい結果をもたらすであろう、その方向に向かって今後とも努力をしなければならない、かように考えております。
○小平芳平君 せっかくですけれども、大臣は民間に移すことのメリットをるる述べられますけれども、私は必ずしも民間に移すメリットがないと言っているんじゃないんです。ただ、行政改革としては行政経費の節約にもならなければ、行政の効率的運営という意味からも何ら関係のないことなんだということを言っているんです。だから政府が何か幾つ特殊法人を減らしました、行政改革はこれだけの成果を上げましたといって宣伝しても、少なくともこどもの国はそれに入らない。それは民間に移して効率的な運営ができるかもしれない。いまおっしゃったようなことができるかもしれない。むしろそうでないかもしれない。しかし、少なくとも行政改革という点で国民の期待にこたえてはいないということを申し上げているんですが、いかがですか。
○国務大臣(野呂恭一君) 今回の政府の行革の方針は、もちろん数の問題ではないと思います。特殊法人を幾つ減らしたからそれで改革の実が上がったではないかという問題ではないわけでございまして、実質的に人員の整理だとかあるいはお金の問題とか、そういう直接的なことだけでなくて、むしろ、公益法人を民間のものに切りかえていく方がいいんだというそういう改革、これが私は行政改革の一つの方針に即応するものであると。具体的にお金の面においてあるいは人の面において直ちにこれだけの効果が上がるではないかということよりも、どうすることが国のため社会のために役割りを果たすかということが、行政改革の本来の大きな使命の一つとして考えられていいのではないかというふうに考えておるわけでございます。
○小平芳平君 平行線ですね。とにかく国民は何を期待しているか。国民の期待にこたえる行政改革断行というのは自民党のスローガンです。そういう国民の期待にこたえる意味において行政経費を節減する、行政を効率化する、天下りをなくす、そういうことが行われなくちゃいけないと思うんです。 それで、次に質問しますが、環境衛生金融公庫というのは検討の対象になりましたかどうか。
○国務大臣(野呂恭一君) 先ほども申し上げましたとおり、特殊法人八つにつきましては、私どもとしていろいろ検討をいたしたわけでございますから、検討の課題になっていることは事実でございます。
○小平芳平君 必要性の乏しくなったもの、類似機能を有するものへの統合、民営に移行できるもの、環境衛生金融公庫はまさしくこの第二に当たるんじゃないですか。
○国務大臣(野呂恭一君) 環境衛生金融公庫につきましては、その対象者が、公衆衛生の上におきましても大変大事な施設の改善等に融資を行うものでございます。したがいまして、衛生行政の運営にとっても大事な機関でございます。また対象のほとんどが中小企業でございます。したがいまして、この公庫はその貸付条件をさらに整備し、内容をより高めることの方がいいのではないか。したがいまして、これは特殊法人として当然生かしていかなきゃならない、こういう判断に基づいたわけでございます。
○小平芳平君 官房長はどこへ行ったんですか、午前中いたけれど。 環境衛生金融公庫は九割まで国民金融公庫が扱っているんでしょう。それから、職員五十六人のうち三十六人は厚生省や大蔵省からの出向者だというんでしょう。そういうことで、独立して環境衛生金融公庫がやっていく意味はどこにあるんですか。
○政府委員(榊孝悌君) お答えします。 環境衛生金融公庫につきましては、先ほど大臣からお話がございましたように、環境衛生関係営業は特に国民の生活に非常に密着した業種でございます。そういった意味で、公衆衛生面から強いいろいろ法的な規制を受けておる業種でございます。そういったことから、金融政策としてその衛生水準を向上させる、あるいは近代化を図るといった意味から、特に厚生省あるいは都道府県の行政指導と一体的に行わせる必要があるということから、これを対象とした独自の公庫が設けられたわけでございます。この公庫につきましては、各種の衛生設備なりあるいは消防設備、あるいは公衆浴場等の基幹施設についての特別な利率を適用するといったようなことで運営されておるわけでございます。 なお、貸し付けの方法でございますけれども、国民金融公庫等あるいは市中の金融機関等を活用いたしまして、できるだけ利用者に利便を図るような形で貸し付けを行っているというのが実態でございます。 そういったことで、直接の貸付窓口を御指摘のように持っておらないわけでございますが、政策金融の推進に当たる公庫の在存意義というものは十分にあるのではないかというふうに私ども考えております。
○小平芳平君 私が質問したのは、環境衛生金融公庫の取り扱いシェアは、国民金融公庫の取り扱いが九〇%、それから職員五十六人のうち三十六人は厚生省や大蔵省からの出向者である、それにもかかわらず独立した金融機関としてやっていく意味はどこにありますか、そういうふうに聞いたんです。
○政府委員(榊孝悌君) まず第一の貸付窓口の問題でございますが、先ほどもお話し申し上げましたように、貸付対象である全国各地の環衛の業者の融資申し込みの利便を図るために、環境衛生金融公庫は国民金融公庫のほか、商工組合中央金庫あるいは市中金融機関等で直接貸付業務を委託する方式をとっておるわけでございます。そういった形で、利便を図る意味で行っておるわけでございますが、初めに申し上げましたような、こういった零細な環衛業者の衛生水準の向上を図るという意味での政策金融と、そういった意味での目的は十分達しているのではないかと私ども考えておるわけでございます。 それからさらに、先ほども申し上げましたような、やはり行政指導と一体的に行う必要があるということで、衛生水準の向上あるいは近代化を図るための専門的ないろいろ判断というものを必要といたしておるわけでございまして、そういった意味で、それぞれの専門家というものを公庫の業務の運営に当たっては必要としているというふうに私ども考えております。
○小平芳平君 職員は。
○政府委員(榊孝悌君) 職員の問題につきましては、後段申し上げましたようないろいろ衛生上の水準の確保等、特に専門的な知識経験を有するそういった立場での職員を必要といたしておりまして、そういったわけで、お話のような厚生省の出身者等が非常に多くなっておるわけでございます。
○小平芳平君 職員はどういう構成になっているんですか。
○政府委員(榊孝悌君) 割合につきましては、先ほど先生御指摘のとおりでございます。
○小平芳平君 厚生省と大蔵省から出向しているんですか。
○政府委員(榊孝悌君) 出向いたしております。
○小平芳平君 それで、五十六人のうち出向者以外は二十人ということになるね。それでそのほかに役員が五人というのはずいぶん多いですね。
○政府委員(榊孝悌君) 役員につきましては、理事長一名、それから理事三名、監事一名でございます。
○小平芳平君 ですから、こどもの国以外に全く行政経費の節減その他行政改革の対象にならないというのがおかしい。すべてそういうことを検討していかなくちゃならないでしょう、いかがですか。
○政府委員(大和田潔君) 先ほど安恒先生の御質問のときにお答えいたしましたわけでございますけれども、八つの種類の特殊法人があるわけでございますけれども、それぞれにたとえば貸付機関につきましては対象が違ってまいります。それぞれに行政指導のうらはらといたしまして金融を行っているといったようなことからいたしまして、貸付機関の廃止といったようなことが私ども困難であるという判断をいたしたわけでありまして、先ほどの基本方針といたしまして廃止、統合それから民営移管といった三つの基本方針のうちの最後の民営移管ということが、民間でも類似の事業を行っているといったようなこと、さらに民営にいたしましてもおおむね運営上に支障を来さないということでこどもの国を対象にした、こういうような次第でございます。
○小平芳平君 それでは環境衛生金融公庫から幾ら国民金融公庫に払っているんですか。
○政府委員(榊孝悌君) 業務委託費百六億ほどございますが、このうちの約八〇%、約八十億ほど支払っているということになります。
○小平芳平君 五十四年度で環境衛生金融公庫から国民金融公庫に支払った額は幾らですか。
○政府委員(榊孝悌君) 約九十億でございます。
○小平芳平君 約九十億支払って、そのほかに厚生省として払った金はないですか。
○政府委員(榊孝悌君) 厚生省から国民金融公庫に支払ったものはほかにはございません。
○小平芳平君 それじゃ、時間がかかって仕方がないので、次は、年金福祉事業団について。 これは予算委員会で質問しましたところ、答弁があったんですが、年金福祉事業団では五十二年までに土地を売収した。その合計金額が三百八十億、三千八百九十六ヘクタール。それで五十三年度末までに払った利息が九十八億五千五百万、五十三年度末の管理の費用として一億三千四百万、こういうふうな金を年金福祉事業団が払っている。これはいいですか。
○政府委員(木暮保成君) 御指摘のとおりでございます。
○小平芳平君 五十四年度は幾らですか。
○政府委員(木暮保成君) 五十四年度におきましては、資金運用部からさらに七十五億円を借り受けております。償還につきましては、利息といたしまして三十億七千八百万円を支払っておるわけでございます。したがいまして、先ほど御指摘の支払い利息九十八億五千五百万は、五十四年度末では百二十九億三千三百万になるという見通しでございます。
○小平芳平君 それで、基地は十一のうち二基地がオープン間近かだということです。オープンしたところでそれが利益を生むということは余り考えられないけれども、とにかく利用されることは結構なんですが、それほど、九基地は全くただ土地を遊ばしているんです。昭和五十二年以来ただ土地を遊ばしていて利息だけで百二十九億も払っているんです。えらいむだじゃないですか。
○政府委員(木暮保成君) 先生御指摘のとおり、昭和五十二年度までに十一の基地につきまして土地の確保がなされたわけでございます。そのうち二カ所につきましてはことしの夏オープンが予定されておるわけでございます。さらに一カ所につきましては土木工事が始まったという状況でございまして、ほかの地域につきましては、現在基本計画を作成できた、あるいは作成中というような段階でございまして、土地といたしましては利用というところまでいっていないわけでございます。 そこで、現在百二十九億円の利息を払っておるわけでございますが、この百二十九億の利息の意味合いでございますが、大型保養基地につきましては、年金の余裕金といたしまして一たん資金運用部に預けまして、そこから借りるという形をとっておるわけでございます。したがいまして、百二十九億円の利息につきましては一たん支払いをいたしますけれども、その百二十九億の利子は年金勘定に戻ってくるということでございまして、百二十九億の利子がよそにいってしまうということではないわけでございます。ただ、御指摘のとおり、もし土地を買わないでほかの貸しつけに回しておれば、所定の利子を生んだということになるわけでございますが、百二十九億の利子の意味合いはそういうことでございます。 それで、いずれにしろ御指摘のように二カ所オープンということになりますが、あとの一カ所は土木工事が始まっておる、その他の地区につきましては、積極的な利用をいたしますのには時間がなおかかるという状況でございますが、これにつきましては、予算委員会でも御指摘を受け、また御説明を申し上げたところでございます。この大型保養基地という計画それ自体は、年金受給者の方々の生活に張り合いを持たせるという意味からも、また現役の被保険者の方に御利用していただくという意味からも非常に大切な仕事であろうと思うのでございますけれども、この計画を考えました時期に比べますと、社会経済情勢というものが非常に変わってきておるわけでございます。 土地、建物につきまして年金の金を使用するということは、一つの資産という意味合いもございますので余り問題は多くないかと思いますけれども、運営費の赤字につきましても年金の金を入れるということは、これは絶対避けなければならないというふうに考えておるわけでございまして、そういう観点からいたしますと、大型保養地をだんだん建設し、オープンをしていく段階において、それぞれいわば黒字の運営をしていかなければならないと思うわけでございます。それにつきましては、社会情勢の変化、それから今後の見通し等も十分考えまして、運営費につきまして赤字を出してしまうというようなことのないように、慎重にしなければならないというふうに考えておるわけでございます。 当初の計画では、昭和六十年までに十一の基地全部につきまして第一期工事を終わりたいということをめどといたしておったわけでございますけれども、いままで申し上げましたような事情がございますので、その目標時期が多少おくれても、拙速ということで将来運営上の問題が残らないようにいたしたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○小平芳平君 拙速とは何事ですか。土地を意味もなく買いあさったじゃないですか。使い道のない土地を買ってしまったじゃないですか。それをいまになって拙速とは何事ですか。そのくらいの検討は土地を買う前にやらなきゃいけないじゃないですか。だから、民間の会社ならとっくにつぶれていると言うんです。それは使い道のある土地なら重要な資産になるでしょう。しかし、全く売りたくても買い手のないようなそういうへんぴな土地ならば、全部が全部そうじゃないですけれども、そうしておいて、土地を抱えて利息を払いながら拙速とは何ですか。そんなことで年金なんか絶対むだ遣いしてもらいたくないね。
○政府委員(木暮保成君) 繰り返しになろうかと思いますけれども、この大型保養基地の計画は昭和四十七、八年にかけまして考えたものでございまして、当時世間に発表いたしまして非常にいい計画ではないかというような御評価をいただいたわけでございます。その当時十一カ所の土地を確保したわけでございますが、先ほど申し上げましたように、当時と現在の状況がかなり社会経済的に変わってきておるというふうに思うわけでございます。したがいまして、今後の進め方につきまして拙速という言葉が悪かったかもしれませんけれども、慎重を期していかなければならない。運営費につきましても大幅な赤字を出すということを避けるために、それぞれの土地の特性を見ながら、また順番を考えながら、当初の目標の昭和六十年を多少おくれることがあっても計画を慎重に進めていきたい、こういうことでございます。
○小平芳平君 前もって検討をしてから土地は買うべきです。土地を買いました、三年も五年もたってからなお拙速では困るからゆっくり計画しましょう——そんな年金のむだ遣いは一銭たりともしてもらいたくないね。 それから、確かにその計画が発表されるや、地元の有力な厚生大臣経験者とかそういう人からいろんな陳情があって引っ張りだこだったらしい。いまここでその代議士の出身地を当てはめて言ってみてもいいですが、時間がないから言いませんけれども、そういう陳情合戦があったと思いますが、それならばそれで、なぜ責任を持ってオープンするまでやっていかないのですか。土地だけ買ったら後は知らぬ顔というわけにいかないでしょう。どうですか。まだ拙速ですか。
○政府委員(木暮保成君) 御説明が大変下手なのかと思いますけれども、大型保養基地ということの計画自体は、私、今後の老齢化社会を迎えるに当たって大切な仕事だというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、十一カ所がそれぞれオープンをしていくということになれば、年金受給者の方々にも、現役の被保険者の方々にも喜んでいただけるというふうに思っておるわけでございます。したがいまして、十一カ所の土地につきましては、今後それぞれの土地の特性を生かしながら大型保養基地をつくってまいりたい、取りやめるということは考えていないわけでございます。 ただ、この計画を考えました高度成長期と現在とはこういう保養に対する国民の希望等もかなり変わってきておりますので、そういう変化を見きわめながら、当初は昭和六十年までに第一期工事を終わるということを考えておったわけでございますけれども、若干おくれても社会経済状態にマッチをした進め方をしてまいりたい、こういうことでございます。
○小平芳平君 そんなのんきなことでは困るのです。年金は絶えず長期の見通しを立てて、長期計画を立てていかなくちゃならないでしょう。高度成長期はどうだった、いまはどうだった。何年たっているんですか。それこそ拙速じゃないですか。土地を買いあさるのが拙速だったです。とっくに計画はうまくいかない。うまくいかないまま無理やりこのまま何かつくろうといったってできるわけはないです。そんなむだ遣いしてもらいたくないねということを私は年金加入者にかわって言います。
○政府委員(木暮保成君) 同じことの繰り返しになって大変恐縮でございますが、確かにこういう基地をやってまいります場合に、建築、建設の直前に土地の手当てをするということは一つの考え方であろうかと思いますけれども、当時の社会経済状態では、高度成長という時期にもございまして、手当てができるものなら土地の手当てを早くしておきたいと考えたということだろうというふうにも思うわけでございます。土地の手当てができました後、かなり社会経済的な事情が変更してまいりまして、当初の計画どおり全体の基地につきまして一挙に工事を進めるというのは、いろいろ問題点があろうかということで計画をスローダウンをしておるということでございます。
○小平芳平君 とにかく年金加入者の立場を考えてください。年金局長が年金加入者の立場を考えないでそんないいかげんなことを言っちゃ困るのです。 それで、最後にちょっと議題から外れて申しわけないですが、スモンにつきまして、大臣からこれも午前中再三答弁があったのですが、とにかくいままで厚生大臣は責任を持って製薬会社に話をするということで、みんなそれに期待を持っているんです。それから国会でも、製薬メーカーを参考人なり証人で国会へ呼ぶということも話が出ているんですが、とにかく、一応厚生大臣の動きに期待するという意見もあるわけです。ですから大臣、前回の委員会のときもほとんど厚生大臣としては成算ありげなお答えをしていたんですが、実際問題どうなんでしょう。
○国務大臣(野呂恭一君) スモン患者の救済につきましては、たびたびお答え申し上げているとおり、これは国としての大きな責任であるというふうに感じて説得に努めておるわけでございまして、成算があるかないかということでございますが、早期解決のために一段と努力をいたしまして、患者側の立場に立って、その苦難を一日も早く打開するということになお説得を続けてまいりたいということでございます。大変おくれてまいっておることに対しての政府の責任も十二分に感じておるわけでございます。今後とも鋭意説得をいたしまして、患者側の期待にこたえてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○小平芳平君 そういう抽象的な答弁しかできないかとも思いますが、三社とも同じくらいですか、三社とも必ずといいますか、五月十八日というものを目標に説得をする、あるいはもう少し早く説得をして、だめならだめで次のやり方があるわけですね、その点いかがでしょう。
○国務大臣(野呂恭一君) 東京地裁の所見に従うように問題を詰めておるわけでございまして、その所見に示されております第一項目について、つまり百十九の事例については一日も早くまず解決をしなければならないということでございまして、午前中お答え申し上げておりますとおり、国会の開会中にはぜひこの問題はまず処理をいたしたいということで努力をしておるわけでございまして、私は、これはある程度の見通しが得られるのではないかというふうに期待をいたしております。もちろんまだ時間もあるわけでございますから、そのいろいろな段階に応じまして結論を出していきたい、一括処理をできるような方向で進めてまいっておるわけでございます。
○山中郁子君 こどもの国協会の解散法案に入ります前に、議論になっておりますスモン問題について一、二点厚生大臣にお伺いいたします。 これは何回ももう言われておりますように、昨年年内じゅうの解決、そしてそれが延びて東京地裁の判断にお願いをするということで推移をいたしました。それで三月七日に東京地裁の所見、裁定が出て、この期限が三月の二十一日ということで示されたわけです。厚生大臣も覚えておいでだと思いますが、三月二十一日、たまたま私は参議院の予算委員会で質疑に立ちまして、そのとききょうが期限ではないか、常識的に言えばその日の五時が期限なんだから、直ちに製薬三社の責任者を呼んで、政府として責任を持った説得をして解決を図るべきだということを強く要望いたしました。その際、厚生大臣は、「説得の時期あるいは方法等については、適切なやっぱり情勢判断の上に立たなければならないというふうに思っておりますので、もちろんできるだけ早い機会にそのように進めてまいりたいと考えております。」と、こう答弁されておりますが、どのようなその後の御努力をなすったのか、一部新聞などでも報道をされておりますが、簡単にお答えをください。
○国務大臣(野呂恭一君) この前予算委員会でお答え申し上げました時点においては、裁判所にまだ回答が寄せられていない、したがって、その情勢を判断しながら随時和解の努力を進めてまいりたいということを申し上げたわけでございまして、その後、特に薬務局長が連日それぞれの関係企業を呼びまして具体的に指示をいたしております。また、私も個々に会っておるわけでございまして、去る十八日に三社お集まりをいただきまして、そして強く和解を進めるように、とりわけ二十一日という約束、期限回答から一カ月余もたっておる、これは大変申しわけないことでございますので、まず百十九の事例について早く検討して、裁判所に回答を出しなさいということを要請したわけでございます。
○山中郁子君 結局、それでも製薬会社は拒否しているわけでしょう、実質的にそれで厚生大臣の説得に応じたわけじゃないんだから。私は仏の顔も三度とよく言うけど、何度煮え湯を飲まされたかわからないのです。すでに三月二十一日の予算委員会の時点で、もうこれ以上放置しておくわけにはいかないじゃないかということを申し上げた際にも、厚生大臣は、そのとおりだとおっしゃっていらっしゃるわけです。先ほど安恒議員も指摘をされましたけれども、いままでのいろいろな運動の経過があるけれども、ス全協、また第一グループ、第二グループ、要するに全スモン被害者が一致して統一要求も出されているし、それから昨日も数百名が集会と要請行動を展開されていて、厚生大臣もいろいろ話し合われたわけなんです。こういう企業側の誠意のなさ、引き延ばしに対して政府が、厚生大臣が毅然たる態度で解決を図るということを、先ほど五月十八日というふうにおっしゃって、時間もあるようだけどと、こういう趣旨のこともおっしゃったけれども、そういう問題じゃないということをはっきり認識していただかなければいけないと思うんです。この点については一体どういうふうに認識されていらっしゃるのか。私は時間もあるようだしなんと言うと愕然とするわけですけど、もう一度はっきりお示しをいただきたいと思います。
○国務大臣(野呂恭一君) 要するに、この国会会期中には完全な決着を見たいという意味で申し上げたわけでございます。私は、近い機会にこの百十九名の事例につきまして一括和解が進められるということを期待をいたしておるわけでございまして、せんだっての会談におきましても、厳しくそれぞれの問題点を取り上げて迫っておるわけでございます。その結果、私の得た感触では、とにかく一日も早く検討さしていただきますということでございます。したがって、何らかの私どもの期待する方向に向かって前進しているものだという感触を私は得た、こういうことでございます。
○山中郁子君 きのうの交渉の席上でも、またけさほど来の議論の中でも、スモンについては国に無限の責任があるというように態度を明らかにしているというふうにおっしゃっておられます。もちろんその立場は正しいし当然だと思いますけれども、問題は、その中身がきちんとそういう責任を果たされるという状況で進まなければいけないのであって、この立場で三社を説得して投薬証明のない患者の扱いも含めて同時決着、早期解決を図るということを、ぜひとも重ねてお約束をいただきたい。
○国務大臣(野呂恭一君) 問題になっております投薬証明もない患者の問題についても、製薬三社に対しまして、真剣に検討して一日も早い解決を図るようにということを言っておるわけでございます。一方、裁判所の方の和解の進め方もございまして、これとの調整を判断しながら今後とも誠心誠意説得に努力をいたしたいと考えます。
○山中郁子君 政府の責任ももちろんさることながら、企業の反社会的な行動、見解というのは本当に許すべからざるものだと思います。けさほども理事会で私はこの企業の代表を呼んで委員会として喚問すべきだという意見を申し上げました。他党の委員の皆さんからもそうした趣旨の御要望が出ておりますけれども、ぜひとも委員長、理事会においてその点についてお諮りをいただきたいと思います。 次に、こどもの国協会の解散法の問題について入ります。 厚生省は、お忘れじゃないと思うんですけれども、四十一年のこどもの国協会法が成立した際に、この協会を特殊法人として提案をした理由についていろいろおっしゃっていたわけです。これは私、ぜひ思い起こしてもらいたいと思うんですけれども、四点挙げておられました。これは厚生省の資料に基づいて申し上げますから。 一点は、寄付金などが加味されるので「国営にはなじまないこと。」、二点目は、「人事及び財政上の諸制約から解放し、企業的な面を加味して弾力的な運用を図る必要があること。」、三点目は、「児童を健全に育成することは、国の責務であり、こどもの国の民主的かつ公正な運営を確保するため国が責任をもって管理する必要があること。一方、民間事業とすると、その性格上、商業遊園的な安易な運営に流れやすいこと。」、四点目として、「国有財産の出資等は原則として特殊法人に対してのみ認められること。」、この四点を挙げて特殊法人にするんだという説明をされて法案を成立させたわけです。一体この理由が、このとき政府が方便でもってこういう二とを言ったんでなければ、いまになって特殊法人を民間にかえるという、どういう矛盾しない理由がおっしゃれるんですか。
○政府委員(竹内嘉巳君) ただいま挙げられました四点の問題でございますが、第一点の寄付金の問題でございます。 国が直轄という形になりますれば、確かに寄付金という問題が受け入れられません。といって特殊法人の場合でございますと、いわゆる指定寄付として、赤い羽根の募金期間の十月、十一月、十二月の三カ月間に限った一定の期間内に直接受け入れることはできますけれども、通常の状態で寄付をされるというときには、非常に直接特殊法人が受け入れることが困難なために、先ほどの御質問のときにもお答えいたしましたように、朝日新聞の協力を得まして、こどもの国協力会という財団法人がその窓口として受け入れるという形をとってみたわけであります。しかし、社会福祉法人という形をとりますときには、常態として寄付金の受け入れが可能になってくるという限りでは、従前の特殊法人の場合よりもそれは利点の一つではないかというふうに理解をいたしております。 それから二点目に、人事その他の制約でございますけれども、これは確かに直轄の場合に比べて特殊法人の方が、それは制約からその限りにおいてはある程度解放はされるわけでありますけれども、その際に、申し上げましたように、もともとそういったものからの解放ということをより一歩進めれば、やはり——といって社会福祉法人という社会福祉事業それ自体になじむということであるならば、必ずしもその第二の問題についても特に制約というふうには、違反をするとは考えられないと思います。 それから三点目の、児童の育成についての国の責務という問題並びに商業主義から守るという点につきましては、社会福祉法人はあくまでも社会福祉事業を行うところでございます。したがって、いわゆるコマーシャリズムによるような収益事業というのは認められていないわけであります。その限りでは社会福祉事業法の中にも、社会福祉法人が収益事業を行うに当たっては、社会福祉事業という業務それ自体に支障がない限り、しかも、社会福祉事業の運営に充てるために必要な収益事業が可能だという立場をとっております。そういう意味で私どもとしては、今度の社会福祉法人と言いながらも、これについての国の責務として、その限りでは従前認められなかったものが行政改革という特殊な事態の中で、国有財産のいわば特例的な形で今回は無償貸し付けということが認められるということでこれに対応することとしたわけであります。 つまり、四点目の国有財産問題につきましても、確かにこれまでの戦後の各種の法理、立法関係の中から、国有財産のこの広大な土地についての無償貸し付けというものが、特殊法人あるいは地方公共団体以外に認められた例はきわめてまれでございまして、そのまれなケースといえども、もともとがその法人のものであったものが、戦後アメリカの占領下にありましたときに占領軍に接収されたものが返されたというような特殊な事態でございまして、それが今回行政改革という趣旨に照らしまして、その中で現在民営で可能なものはできる限り民間に移してみたらという一つの行政改革のポイントの一点に、第三点か何かに掲げられておりました点が該当するということで、国有財産の無償貸し付けというものが大蔵当局の方、国有財産の所管当局の方の理解を得られまして、今回の法案になったわけでございます。 そういった意味で、私どもは、当初特殊法人というものでスタートをお願いをいたしました。そのときには、さらに私どもとしては基本的にはこういう形のものが果たして健全な運営といいますか、収支相償うような方法で経営が可能かどうかという不安点も一つあったわけでありますけれども、これまで再三申し上げておりますように、五十二年あたりから利用者の増加が得られるようになりまして、百万人を超える利用というものがほぼ安定してくることによって経営の安定というもののめども立つし、この際、行政改革の趣旨にも照らしてこどもの国を、民間と申しましても、いわゆる商業的なコマーシャリズムに乗ることができる、そういう民間ではなくて、あくまでも社会福祉事業という枠の中で民間移管という形に踏み切ったという次第でございます。
○山中郁子君 さっき申し上げましたように、あなた方は収支相償うという点について不安があったから特殊法人にしたなんていまになっておっしゃるけれども、そんなことは最初から何にも言っていないんです。そんなことは理由にしていないのよ。いま私は四点挙げました、あなた方がおっしゃっていたものを。そのことについて何ら積極的なお答えがない。みんな理屈でもって、これはああだこうだ、ああだこうだ、これだから民間の社会福祉法人にしてもできるんだ、こういう言い方だけなんです。しかも私は、あなた方はいろんなことをおっしゃるけれども、本来的には一番の問題は、「児童を健全に育成することは、国の責務であり、こどもの国の民主的かつ公正な運営を確保するため国が責任をもって管理する必要がある」と。だから国が責任を持って管理できる特殊法人にしたんだと、こういうことでしょう。こういうことなんです。それじゃ、いまになってあなた方は、国の責任のもとに民主的かつ公正な運営を確保する必要がなくなったと、こういうことですか。そこはごまかさないでください。あなた方はこういうことで四十一年に法案を成立させたんだから。
○政府委員(竹内嘉巳君) 児童の健全育成ということにつきましては、児童福祉法の本旨でもございますけれども、もともとこの問題は国の責務でもございます。と同時に、地方公共団体と同時に国民の責務でもあるわけであります。その限りにおきまして、私どもは今回の社会福祉法人にこどもの国の運営を移管をいたしましても、国の責務を放棄したというつもりは毛頭ございませんし、あくまでもその限りにおきまして、今後ともその施設整備についても、国の助成等については依然として従前同様続けるつもりでございまするし、国有財産の無償貸し付けということにつきましても、こういう国の責務という趣旨があればこそ、きわめて例外的な無償貸し付けという方式による児童の健全育成のための資産を提供するという形をとっているわけであります。必ずしも先生がおっしゃるように、四十一年当時に収支相償う問題というのは、それは確かにその当時はきわめて不安点があるということについては同様でございますけれども、私どもとしては必ずしも、その四十一年当時のお願い申し上げたことと全く相反することをやったというふうには考えておりません。
○山中郁子君 そういうことなら、何もここへきて民間にかえることはないんです、社会福祉法人にしなくたって、ちゃんと国の責務をそういうふうに重要視して、なおかっこれからやっていくんだということならば。それでなければ、あなた方がこのときに言った国の責務が大事なんだから特殊法人にするんだと。これは逆に言えば民間にしないということの理由です。社会福祉法人にしないということの理由です。理由として国の責務が大事なんだからとおっしゃったんです。 そのことに関して、状況が変わるとするならば、私はあえてそれを言うならば、昨年の国際児童年がありましたね。そしてこの国際児童年を経て、国際的にも国内的にも子供の環境に対する重要度というものが広く認識をされ、そして、厚生省を初めとして政府もそのことについてさまざまなたくさんの約束をなすってきたんです。だったら、あえて状況が変わったとするなら、その任務は一層強まりこそすれ、そして、こどもの国が国が責任を持って公正かつ民主的に運営する必要があるという度合いが強まりこそすれ、それをいまさら民間に行政改革絡みで移すなんていうごとの理由は何にも出てこないと言わざるを得ないです。 もう一つ申し上げますけれども、特殊法人の制約から離れて、柔軟で民間の活力とおっしゃるけれども、これも先ほど私が申し上げました二点目、「人事及び財政上の諸制約から解放し、企業的な面を加味して弾力的な運用を図る必要がある」、図る必要があるから国の直営じゃなくて特殊法人にしたんでしょう。そのことは、だからすでに特殊法人にした理由としてそれがもう挙げられているんです。だからそれは全部欺瞞だって言うの、あなた方がいまおっしゃるのは。しかも特殊法人でも認可法人でもないのに、国の財産の無償貸し付けというものができないから特殊法人にしたんだと、それもこう言っているわけよ。それをあえていまこういう形でやるというのは一体どういうことなのか。大蔵省の見解をお伺いいたします。
○説明員(山口健治君) 国有財産の出資のことについてでありますけれども、国有財産につきましては先生御承知のように、国有財産法及び国有財産特別措置法という二つの法律で律しられておるわけです。こどもの国を最初設立される当初においては、これは特殊法人にする、特殊法人にする一つの理由として、国有財産を出資させたいという御要請がありましたので、国有財産は法律によって特殊法人等に出資することは従来から認めておりますので、これはお認めいたしたわけでございます。 今度の提出されております法案につきましては、特殊法人は廃止することになったわけで、ただその閣議決定、これは内閣の中の話でございますけれども、閣議決定の文章は、五十五年度末をめどにこどもの国協会については廃止し、業務の運営を公益的な民間の法人に行わせるというふうになっておるわけでございます。業務運営を公益的な民間の法人に行わせるという点につきまして、いろいろ厚生省当局と御相談、御協議いたしました結果、やはり行政改革の趣旨にかんがみて、新たな負担を生じさせるような形でこどもの国を今後経営していくというやり方はできない、したがって、無償貸し付けという方法しかないんではないか。出資というのは従来民間法人に対して大蔵省で認めておりませんので、そういう無償貸し付けという形になったわけでございます。
○山中郁子君 ちょっともう一つ重ねて聞きますけれども、それじゃいままでやりようがないものを、何であえてここで大蔵省はこういうことをやったんですか。無償貸し付けは特殊法人、認可法人以外にはできないのでしょう。
○説明員(山口健治君) 私の説明が足らなかったかもしれませんか、国有財産を出資するということは、特殊法人または認可法人でなければ大蔵省としてはやっていないわけでございます。ところがその無償貸し付けというのは、出資というのは一つの資本金として提供してしまうわけです。したがって出資後は、政府は出資権者たるにとどまるわけです。ところが無償貸し付けということになりますと、単に貸す、しかも無償で貸すということですから、所有権はあくまでもこちらにある。したがってそういう意味で、たとえば社会福祉法人等につきましても、知事または市町村長の委託を受けた保護または措置のためには無償貸し付けができるという規定が、国有財産特別措置法の二条にございますけれども、法律でもって特例を定めた場合には無償貸し付けができるということに従来からなってございますので、今回、こどもの国協会の解散及び事業の承継に関する法律案を提出いたしまして、この中で特例を規定することは可能である、こういうふうに考えて提出をしてございます。
○山中郁子君 だから、特例でもってわざわざ法律をつくってやる以外にやりようがないやり方なわけですね。私は先ほど児童局長ですか、お答えがありましたけれども、寄付の問題にしたって、いままで特殊法人であったからせっかく申し出ていただいた寄付を受けることができなかったとか、そんなことなんか調べてはっきりしているんですけれども、全然ないのです。 けさほどからの議論で、いままでと変わりはありません、そしていろいろとさまざまな税金がかかる余分な負担については、さらに国庫補助もしていくと一つ一ついろいろおっしゃっています。それはどういう保証があるんですか。いまそれは委員会でこの法律を通したいために、あなた方は何でもやります、やりますとおっしゃっているけれども、必ずそれはやるというどういう担保があるんですか。
○政府委員(竹内嘉巳君) 社会福祉法人につきましては、社会福祉法人の行う社会福祉施設につきましては、本年度で申しますると六百五十億の社会福祉施設整備費という補助金が予算上計上されておるわけであります。その社会福祉施設整備費というものの中で、先ほどお答えいたしましたように、従前は利益の中で行っておりました施設の細々とした各種の整備等については、できる限り私どもとしては、これを新たな法人としてのこどもの国協会の補助申請に伴って、施設整備費のそういった面の補助をしていきたいと思っておりまするし、また、昨年、一昨年と続けてまいりました約一億程度の根幹的な施設の整備につきましては、これは児童手当の福祉施設費として私どもはこれまで補助をしてまいっております。この限りにおきましては、あくまでも社会福祉法人こどもの国がそれを受けられるという法律上の保証はございませんけれども、少なくとも公の席である国会の場で大臣が明確に御答弁いただきましたように、国として、政府として、この国会に対して社会福祉法人こどもの国に対して基幹設備の整備は必要に応じて今後とも続けてまいりますというお約束を申し上げておるわけであります。
○山中郁子君 あなた開き直っておっしゃるけれども、私らいままで何回国会の場で大臣が約束したって、それが守られないという、何回煮え湯を飲まされたかわからないんです、だから申し上げているの。法律上の担保はないということですね。
○政府委員(竹内嘉巳君) 毎年、昨年一昨年、そして本年と一億程度の施設整備費の補助を出しておる、このことについて、こどもの国がそれを受けるという法律上の裏づけはございません。ございませんが、私どもとしてはこの点については、こどもの国ができました当初からの経緯にかんがみまして、この点は明確にお約束できるということを申し上げておきます。
○山中郁子君 ないから、だから問題にしているんです。というのは、あなた方は四十一年に出したときに、先ほど申し上げましたけれども、一方民間事業とすると、その性格上商業遊園的な安易な運営に流れやすいと、あなた方はそういうふうに言っていらっしゃる。そういう危険があるから特殊法人に、したっておっしゃっているんでしょう。そして特殊法人になれば、先ほどの試算によっても千二百万円。たとえば五十三年決算で五十四年を試算してみても、千二百万円の税金が新たにかかると。いままでその分に当たるものは、それぞれ細々とした施設整備に使ってこられた、しかし、その分についても半分ぐらいは国庫負担をしたいと考えている、こうおっしゃるけれども、それだったら、商業資本がこうした運営の危機が深まっていったときに入ってきて、そして商業的な遊園地的な安易な経営に流れないとは、あなたはここで保証できないでしょう、法律上の担保がないなら。
○政府委員(竹内嘉巳君) お言葉を返すようで恐縮でございますけれども、社会福祉事業法に基づきます社会福祉法人というのは、商業的な運営をすることができない法人なんでございます。 それから、四十一年当時に申し上げましたのは、特殊法人以外は一切商業的なもの、特殊法人以外の民間であればすべて商業的に流れるという、つまり逆もまた真ということではございません。少なくとも、私どもが申し上げたいのは、社会福祉法人という資格を、あえて単なる公益法人でなくて、積極的な意味で社会福祉法人に委託をするといたしましたのは、先生が御心配のような、商業的なことに流れないようにする積極的な担保として社会福祉事業法に基づく社会福祉法人としてのこどもの国の運営を期待をしておるからでございます。
○山中郁子君 それが焦点になっているんです。だからきょうだって大ぜいの方が陳情にも見えて、また傍聴にも見えているんです。 あなたが逆がまた真でないと言うなら、なぜこの時点で特殊法人にすることの理由に、商業遊園的な安易な運営に流れやすいことを挙げているんですか。そんな言い方ないでしょう。——いいです、時間がないですから。そのことだけ指摘をしておきます。 それで、具体的に私はお約束をぜひいただかなきゃならないと思いますけれども、先ほど来お話がありました施設整備、この前、私ども社会労働委員会でもって視察に伺わせていただきました。理事者側も労働組合の方も、こもごも要求をしておられましたけれども、たとえば施設整備についての先行きの不安、ないしは先ほどお話がありました細々とした整備についてお金を使ってきた、こういうこともございます。そして、たとえば当面、とりあえずは管理棟の改築ないしは正門の改築、そうしたものもしたいと思っているけれども、それがどうなるだろうかというふうなことについての不安も言っておられました。 それらのことも含めてお約束をしていただきたいわけですけれども、同時に、職員の方たちの待遇の問題、それから人事その他について柔軟な濶達なと再三おっしゃっていらっしゃるけれども、これもいま改めて申し上げませんが、天下りといえば、かなりそういう点では濶達な人事がいままで行われていたとは思えません。厚生事務次官、厚生省児童家庭局育成課長、大蔵省理財局、厚生省大臣官房、こうした人たちがみんな当たっているわけでしょう。それから、そのほかは朝日新聞の方です。そういう状態が今後ない、そういうことはあり得ない、そういう天下りは今後やっていかないんだということでお約束ができるのかどうかということを厚生省にお尋ねをいたします。 それと同時に私は、いまのお話からも、行政改革という数合わせで、こどもの国のところに結局は落ちついていかせようとしていらっしゃるという行政改革の問題点ということはやはり指摘せざるを得ません。行政改革というのは、当然のことながら国民に対するサービス、働く者に対する保障、その上で経費の節減、そういうことがそろわなければ行政改革としての中身が満たされないと思っておりますけれども、こどもの国協会の解散につきましては、ぜひ解散してくれという陳情などは一つもないはずですし、そういうことでもってお見えになっていらっしゃる方もいらっしゃらないはずですし、私はそういう行政改革のあり方から大きく外れたやり方だと言わざるを得ませんけれども、この点について行管庁の見解をお伺いをしておきたいと思います。
○説明員(百崎英君) 私ども行政改革の立案に当たりましては、一口で申し上げますと、行政需要の変動に即応した、簡素にして効率的な行政の実現を求めるというところに私ども力点を置いているわけでございまして、今回の特殊法人の整理に当たりましても、各省に対しましてこれは御検討をお願いするというような方式をとったわけでございますが、一つは時代の要請、変化に即応して、実際に特殊法人がその機能を果たしているかどうか、あるいはまた類似の機能を営んでいる特殊法人を統合して、より効率的な体制がとれないか。第三番目に、民間の能力を活用することによりまして、より効率的な行政が実現できないか、こういった三点の整理基準を示しまして各省に御検討をお願いしたわけでございますが、先生御指摘のように、行政の基本的なあり方といたしましては、やはり国民のニーズにこたえるようなことが一番必要でございますので、今後とも、私ども行政改革を進めるに当たりましては、そういった点を十分念頭に置きながら対処してまいりたい、かように考えております。
○政府委員(竹内嘉巳君) 役員の天下りにつきましては、先ほども何か御指摘がございましたけれども、確かに理事長は元厚生事務次官ではございますけれども、これは全く非常勤でございまして、役員給与といわれるようなものが支給されておる状態ではございません。現に役員が監事を入れまして五名おりますけれども、常勤で役員報酬を受けておりますのは、朝日新聞から来られました園長である常務理事が一名おるだけでございます。 なお、新しい法人をつくりますときには、非常勤の理事等につきましては、もう少し関係方面からも、いわゆる民間の方の御参加をいただくというようなことは考えたいと思っておりますけれども、先生が御心配いただくような役員の天下りということについては、私どもは今後とも考えてはおりませんことを申し上げておきます。
○委員長(久保亘君) 山中君、簡単にお願いします。
○山中郁子君 いま私は、職員の問題その他についてもお尋ねをいたしましたので、一音ちょっとそれをお願いします。
○政府委員(竹内嘉巳君) 職員等につきましては、職員の処遇あるいは現在の職員等がこの社会福祉法人に移管されることによりまして不利益な扱いを受けるということは一切ございません。午前中、安恒先生からの御指摘もございましたように、この四月五日における確認書は移管後もそのまま確約されてまいりまするし、現在、労使間において、いま相互で調整を詰めております労働協約ができますれば、その労働協約は民間の社会福祉法人になりました以降も、そのまま効力を有するものとして引き続き私どもも認めてまいりたいし、そういうことで職員の方の身分保障も、処遇の改善については、よりよい方向に向かうことこそあれ、これが圧縮される、あるいは不利益な扱いを受けるということは一切ないことを私どもとしては確信をいたしております。
○山中郁子君 いまもお話の中ではっきりしましたように、何らいまここで社会福祉法人に変えるという何ら積極的な必要はない。しかも、四十一年にこれが発足したときに、あなた方がるる述べていたことと矛盾するそういうやり方をいまする必要がないということを、私は先ほど来のことで申し上げましたけれども、重ねてそういう立場から本法案には反対であるということを強く表明いたしまして、質問を終わります。
○委員長(久保亘君) 十五時十分まで休憩いたします。 午後二時三十分休憩 —————・————— 午後三時十一分開会
○委員長(久保亘君) ただいまから社会労働委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、こどもの国協会の解散及び事業の承継に関する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○前島英三郎君 まず初めに、行政改革に対する厚生省の姿勢を伺いたいと思うわけでありますが、こどもの国協会の解散は行政改革本部からの一律割り当てに基づいて廃止を提案しているわけなんですが、行政改革のあり方から考えますと、私はこうした進め方に対しましては大きな危惧を抱かざるを得ないと思うんです。行政改革はむだと不公正をなくして国民のニーズによりよくこたえるのが本来の目的だと私は思います。厚生行政は、現在その行政水準を引き上げなければならない分野を大変多く抱えておると思いますし、また現場では、人手不足に悩む部署というのも大変多いだろうと思うんです。ただ人員削減とかあるいは予算の切り詰めとかというような部分で一律に割り当てがいつも厚生省にも回ってくるようなものに対しては、毅然と受けとめる姿勢を私は厚生大臣に持ってほしいというように思います。いろいろな意味から機構の縮小、人員削減などを一律に定めているというやり方は戒めるという気持ちと、そういうものに対しては毅然と防波堤になるというところを、まず厚生大臣の所信としてお伺いしたいと思っております。
○国務大臣(野呂恭一君) 厚生行政を推進する上におきまして、必要な予算を確保するということはもちろん大事でありますが、同時に、その予算を執行するに当たりまして、厚生行政が縮小されるとかあるいはまた福祉の水準が低下するということのないように、人員確保ということが大変私は大事な問題であるというふうに考えるわけでございます。したがいまして、予算と同時に、私どもは行革のいろいろの計画に対しましても、特に国立の医療機関、病院であるとか療養所、さらにまた国の関係いたしております更生援護機関などの中におきましては、もう第五次定員削減計画が示されておりますが、これはその対象とされていないわけでございますが、お医者さんであるとかあるいは看護婦、保母あるいは教官など、こうした福祉関係の仕事に携わっておる職員の削減があってはならないというふうに考えておるわけでございます。医療、福祉の水準が低下することのないように、これらの分野に対する国民のニーズにこたえるためにも定員あるいは配置などについて十分配慮してまいりたい。今日の国民の期待にこたえるためには私どもはそうした考え方で努力をいたしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○前島英三郎君 大変力強いお言葉をいただきましたので一安心でありますが、こどもの国協会を社会福祉法人にすることによって、わずかであってもデメリットがあってはならないと思うんです。八つ厚生省関係の特殊法人がありまして、何か一つ一つ伺いますと、どうもこれをまず最初に改革した方がいいのではないかというようなものもなきにしもあらずでありますが、どうやらこのこどもの国というものに回ってきたようでありますけれども、デメリットがないと本当に保証できるかどうか、その辺はいかがでございましょう。
○国務大臣(野呂恭一君) 八つの特殊法人につきましていろいろ検討をいたしたわけでございます。厚生省としては全部が全部それぞれの分野におきまして大事な機関でございますから、必ずしも削減するとかあるいは統合するとか、あるいは民間の法人に切りかえるといったような行管の基本方針に従いかねるものばかりでございます。しかし、こどもの国につきましては、確かに事業の内容あるいはこれが非常に民間になじんだものである、だから民間法人にすることの方が設立の趣旨にも合致するのではなかろうか、いままでの非常な努力がここに実ってまいっておる段階でございますので、したがって、この機会にむしろ民間に切りかえることによって、さらにその運営が十分児童福祉の精神にも合致する方向に向かって前進できるんだ、こういう考え方に立ったわけでございます。したがいまして、いま御指摘のような民間法人に切りかえることにおいて不利になったり、あるいはまた当初の趣旨が悪くなる、悪い方向に向かっていくということのないように努力をいたしたいと思いますし、またそうでなくてはならない、われわれは真剣にこれに対応してより一層の成果をおさめたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○前島英三郎君 いろいろな社会福祉法人がありますが、このこどもの国の社会福祉法人に対しては、他の社会福祉法人との関係において奇妙にアンバランスな感じが若干しないでもないです。こう余りに特例的な社会福祉法人が生まれるということになりますと、思わぬところにデメリットが生ずるのではないかという危惧はだれしも抱くところだと思うのです。その点も十分に考慮しておられるのかどうか、いかがでございます。
○政府委員(竹内嘉巳君) 御指摘の点ごもっともでございます。私どもも実は社会福祉法人というものがいろいろな形で運営されてきておりますけれども、同じような児童の健全育成施設、こどもの国のようなものが実は地方にも幾つかございます。それらもまた社会福祉法人という形で運営されているところもあるわけであります。そういう意味で、私どもは社会福祉法人に切りかえることによってのデメリットは絶対にないように注意はしてまいりますけれども、そのことが私どもが他とのバランスの上において逆に、こういう言い方は大変おかしな言い方でございますけれども、地方自治体が設置をして社会福祉法人の形で運営をしておるところ、あるいは福祉事業団方式で運営をしているところと余りに格差が出るようなことも、実は逆に問題が残るのではないかという心配は若干あるわけであります。 ただ、そういう際に、私どもは国立こどもの国としてスタートしたものは、全国のこの種の施設のリーダーシップをとるところというふうに理解をさせていただいております。そういう意味では、このこどもの国が切り開いたものが、全国にあちらこちらに自治体が非常に熱心に健全育成のためにやってこられたこどもの国的な施設についてのいわば草分けになるといいますか、先達になれる、そういう役割りを果たせるようにということで、御指摘のような思わぬところのデメリットということについてもできるだけ細心の配慮をしつつ、また、この件だけでなくて、他の地方自治体が独自にお始めになりましたところも含めて十分行政上の配慮をしてまいりたいと考えております。
○前島英三郎君 そういう意味では、時代に即していろんなメリットをも、この社会福祉法人こどもの国に対して期待するというようなこともうかがえるわけなんです。社会福祉法人の現状とあり方について幾つかお尋ねしたいと思うのですけれども、そういう意味では社会福祉事業法によって社会福祉事業とは何か、その定義が示されているわけなんですが、このこどもの国が先達になっていきたいというような力強い言葉があったんで、いろんな時代的な背景もあって、いまの法律による定義というのは、現在では若干実情にそぐわなくなってきていると思うんです。特に対象者を施設に収容することを重点に考えられているという点——こどもの国とはちょっと対象が違ってきますけれども、そういう意味では非常に施設中心型の部分がこの事業法の中に盛り込まれておりますし、そういう意味では厚生省としても若干不都合な部分を感じているのではなかろうか。そういう意味では、社会福祉事業法を見直すときではなかろうかという気がするんですが、その辺はいかがでしょう。
○政府委員(山下眞臣君) 民間社会福祉事業に対しましては、その自主性を尊重して、できるだけ国は不当な関与を行わないということが法の趣旨に決められておりますが、社会福祉事業の定義につきましても、そういった趣旨を前提といたしながら、公益性が高くてかつ規制の必要が高いもの、これを順次規制を列挙して決めていくということになっておるわけでございます。 御指摘のとおりに、施設に収容して、全生活的にその対象者を収容するという収容施設が一種に位置づけられて、在宅の人が通ってくる利用施設的なものが二種というふうなことで現在大体定義が分かれておるわけでございます。社会福祉事業が多かれ少なかれ施設を必要とするという見地から、その施設を必要とする事業に定義のウエートがかかっておるというのは御指摘のとおりでございますが、また御指摘ございましたように、社会福祉事業というのもそのときの社会の情勢に応じまして変化をいたしてまいりますので、いままでも何度か必要な改正は行ってきておりますが、今後とも御指摘の点につきましては検討を加えてまいりたいと存じます。
○前島英三郎君 在宅福祉サービスへの期待が昨今は大変高まっておりますので、そういう意味では社会福祉事業という形の中に、もっともっと広げていかなければならない部分というのがあると思うんです。たとえば移動と交通の問題、身障者が社会参加をする、あるいは施設に通う、あるいは養護学校に通う、そうした人たちの足を、移動という問題にかかわりを持つような部分のいわゆる社会福祉事業、こういうふうなものへの組織体を幾つか、ただ収容施設ということだけにとらわれることなく、その定義をいろいろな意味で勉強していただくときではなかろうか、こう思うんですけれども、見直すという意味で、さらに大きく広げていくお考えというのはいかがでございましよう。
○政府委員(山下眞臣君) いわゆるハードといいますか、施設、これでとらえておるという面が非常に多うございまして、御指摘の点はソフトと申しますか、行為といいますか、そういう面からのアプローチということを研究しろという御指摘だと思います。 確かに、こういった在宅サービス的なものの歴史がまだ浅うございますので、その実態なりあるいは定型化というものが熟していない面もございますけれども、今後の問題として御指摘のようなことを勉強いたしてまいりたいと存じます。
○前島英三郎君 社会福祉事業法第二条第三項の七に該当する社会福祉法人にはどのようなものがあり、またどのような事業をしているか、ちょっと御説明いただければと思います。
○政府委員(山下眞臣君) 二条三項七号のいわゆる連絡、助成を行う社会福祉事業、最も中心的なものは、いわゆる社会福祉協議会でございます。市町村段階、都道府県段階あるいは全国段階に社会福祉協議会が存在をいたしておるわけでございます。 申し上げるまでもなく、自主的な民間組織といたしまして行っておりますところの事業を項目だけ簡単に申し上げますと、第一は、地域住民福祉活動の推進でございます。地域住民の自主的、自助的活動の援助をするというのが第一でございます。その一環といたしまして、ボランティア活動の振興というふうな責務を持っております。それから、福祉がいろんな機関、施設、団体等で行われますものを組織立てて機能化していくという役割りも持っておるわけでございます。ただいまお話がございました在宅福祉サービス、これも社会福祉協議会で行っております事業の一つでございます。あと、共同募金運動等のいわゆる民間資金の造成、これに対する協力、援助というようなこと等も社会福祉協議会の重要な仕事の一つに相なっておる次第でございます。
○前島英三郎君 そうすると、その社会福祉協議会というのは、厚生省も大変期待しておりますし、われわれ障害を持った人間も地域の中に生きるにいたしましても、あるいはまた施設に入るにいたしましても、あるいは身近な問題をいろいろ御相談するにつけましても大変期待は大きいわけです。それぞれの市町村にこの社会福祉協議会がございます。しかし、たとえばこれが政治活動とか選挙運動をやるというようなことになりました場合、どういう影響が出てまいりますかね。 その辺は、これは仮定でひとつ大臣に伺いたいと思うんですけれども、大変社会福祉協議会の存在というのは大きいわけです。しかも、そこにまつわるボランティア活動、手話サークルあるいは障害者団体、ありとあらゆる障害者の地域の活動にも社会福祉協議会が必ず後援、主催、共賛という形になっていますが、こういうものがたとえば政治活動に入っていくというのは、大臣とすればこれは当然危惧を抱かざるを得ないというような気がするんですが、その辺はいかがでございましょう。
○政府委員(山下眞臣君) 社会福祉協議会そのものは、これはあくまで社会福祉事業、社会福祉活動というものを推進をいたしますことを目的とする団体でございますので、御指摘のとおりだと存ずる次第でございます。ただ、それらに属します方々が別途社会福祉政治連盟でありますとか、あるいは個人としての政治的な活動をいたすとかいうようなことまでは、法律上禁止されるというものではないだろうと存じますわけで、社会福祉法人としての社会福祉協議会というものが、その主たる目的はあくまで社会福祉事業の遂行ということにあるわけで、その点に立脚して活動をいたしていただきたいというふうに考えておる次第でございます。
○前島英三郎君 そうあってほしいということをお願いをしておきたいと思います。 昭和五十年に社会福祉監査官が設けられたわけですが、社会福祉事業のあり方をチェックする意味で貴重な存在であると私は思います。そして、当然のことながら社会福祉法人のあり方を検討するためにも重要な存在であると思うんでございますが、この社会福祉監査官の役割りをどのように位置づけておられるのか、また、その監査の実績はどんな状況であったかを伺いたいと思います。
○政府委員(山下眞臣君) 国に置かれます社会福祉監査官、四十九年以来四名配置をされております。何分にも四名という数でございますので、全国の施設に行き渡ることができませんので、都道府県指定都市が行います監査を指導するというようなことを主たる仕事にいたしておるわけでございますが、実績といたしましては、国の四名の監査官が行いました施設監査は、五十三年の実績で申しますと、十八都道府県三十六施設を行っております。地方の都道府県指定都市におきましては千四百五十五カ所の社会福祉施設の監査を行っておるわけでございます。 その役割り、目的と申しますのは、御指摘のとおり適正なる実施ということと同時に、その実地を拝見をいたしまして、今後の福祉施設行政にその実態把握を生かしていくということもあわせて考えておる次第でございます。
○前島英三郎君 こどもの国に対しても、この監査官というのはいろんな意味での働きに参加する監査義務が当然起こってくるわけですね。
○政府委員(山下眞臣君) ただいまの法案が成立いたしまして、今後民間に移管されました暁には、同様の対象になっていくと存じます。
○前島英三郎君 社会福祉監査官の存在意義というのは、一つには各施設等の現場で法の目的が基準どおりに実行されているかどうかを点検することにあると思うんです。これは当然だと思うんですが、また一方では、国の基準や制度のあり方が実情に合っているかどうか点検することも大切なことであるというふうに思います。そうでなければ、もし国の施策や方針に不備な点があっても、それを自治体や社会福祉法人に無理やり押しつけてしまうということになってしまうわけでありますから、当然だと思うわけでありますが、監査官の国の基準は適正であるかどうか点検するという意味で、監査官の活動に期待したいという部分があるんですが、なかなかその辺は現状では、国のそうした方向に強い意見を持っていくという部分は監査官にはできないわけなんですか、その辺はいかがでございましょうか。
○政府委員(山下眞臣君) 先ほどもちょっと申し上げましたように、監査官は地方にしょっちゅう出かけていくわけでございます。そこで実情を把握いたしまして、私どもの方といたしましてこれは実態に即した措置を講ずるべき必要があるという場合には、当然その知見を生かしていくという考え方で臨んでおります。
○前島英三郎君 いま監査官は何人。
○政府委員(山下眞臣君) 施設専門の監査官は社会局の場合四名でございます。
○前島英三郎君 この四名で、いままでの実績の中で、今後もいろんな意味での多様化している中において十分だとお思いになっておりますか。
○政府委員(山下眞臣君) 先ほども申し上げましたように、全国一万を超える施設の全監査を四名で行うことは事実上不可能でございますので、やはり都道府県指定都市にもその監査を行う職員、吏員がおりますので、それらとも連携をいたしまして、主として都道府県指定都市の監査を指導し一緒にやっていくという形でやってきております。私どもの立場としては、多ければ多いにこしたことはないわけでございますが、この四名という与えられた定員の中で最大の努力をいたしてまいりたいと考えておる次第でございます。
○前島英三郎君 身体障害者関係の施設につきましては、昭和三十二年に定められたものがいまでもそのままになっておりますし、もうすでに二十数年たっているわけなんですが、社会福祉監査官の監査の中から出てきていろんな形の中でこれは国がこうしなければならない、あるいはあなたは大変間違っているという部分で監査官の位置づけというものがしっかりしていただきますと、一つの社会福祉法人が、こどもの国が国から移行しても非常に期待が持てる部分もありますし、さらに、アンタッチャブル的に厳しく国とその社会福祉法人というものに対して目を光らせるということが当然必要になっている。どうもいまの四名ぐらいの形の中では不十分ではなかろうかというような気がするし、なかなか目が行き届かないのではないかという危惧もあるんですけれども、その辺は大丈夫ですか、どうでしょうか、もう一度重ねて聞きますが。
○政府委員(山下眞臣君) 各都道府県の監査官と連携をとりながら最善の努力をいたしたいと存じますし、なお、国の監査官の充実ということにつきましても、私どもなりに検討、努力をいたしたいと存じます。
○前島英三郎君 だんだん残り時間も少ないので……。 これからの社会福祉施設のあり方として、特に身体障害者の施設について申し上げたいことは、施設利用者の自立のための施設でなければならないということだと思うんです。自立という言葉は人によってさまざまな意味に使われているんですが、私は何をもって自立と言うかと考えると、それは自分で判断することから自立が始まるというふうに思うんです。いまは施設の中で生かされているというような現状でもありますし、そういう意味では、ただ施設の中で生涯を終えてしまうのではなくて、今後自立のために障害者一人一人に社会参加ということを自発的に促進するような施設運営でなければならないというふうにも思っているわけなんです。その意味で、施設の中においては入所者のプライバシーの尊重とかあるいは自主性の尊重が大切であると思うんですけれども、現在の収容型の施設においてはなかなかそうした定義づけというようなものができておりませんし、そういう意味では、施設運営のあり方として今後もっともっといろんな意味で見直しをするべきときではないかというような気がするんですが、その辺はいかがでしょう。
○政府委員(山下眞臣君) もう専門の先生御指摘のとおり、身体障害者の福祉施設の中では、療護施設は相当長期にわたって収容申し上げるということですが、その他は多くは通過施設と申しますか、そこを出て社会に出て自立をしていただくということを目的にした施設でございます。御指摘のような趣旨に沿いましてその自主性、自立性の尊重ということは、指導に当たりましての重要なポイントの一つだろうと存じます。また非常にリハの技術の進歩あるいは入所される障害者の方々の意識の変化ということ等もございますので、それらも含めまして十分今後検討してまいりたいと思います。ハード面の施設の最低基準につきまして、あわせていまのような処遇面と同様にただいま身体障害者福祉審議会に施設部会というのを設けまして、鋭意検討いたしているところでございます。先生の御指摘のような点も含めまして、今後努力をいたしてまいりたいと存じます。
○前島英三郎君 そういう意味では、われわれ現場をいろいろ回ってみますと、ずいぶん法律等を逸脱している施設というものも見られるわけです。ですから監査官がいるならば、もう二十年旧態依然として、監査官みずから国に提言するようなものも過去あったかどうかということをいろいろさぐっていきますと、なかなか二十年一日のごとくで、もっともっと今後は幅広く障害者の自立ということを考慮した施設運営、また事業法、福祉法というような見直しを特にすべきときではなかろうかというふうに思っております。 それと、社会福祉法人のあり方としてしばしば目につく問題点なんですが、それは理事長と施設長が兼任であったり、あるいは施設長や理事者が社会福祉事業の本来の心をわかっていずに、理事会が形式的なものであったりというようなケースが大変あるんです。昨年なんかも、さる候補者のことばかり書いている福祉新聞の中にも、施設の敷地を私物化というような記事があったりしまして、実際人格を疑われるというようなケースがあるんです。こうしたことが社会福祉法人を私物化したり、入所者を無視したり、あるいはわがままな運営になったりということになるので、この点もしっかり監査官を初めとして見守っていかないと、こどもの国もやがてジェットコースターが走るようになってしまったり、あるいはまたゲームセンターができるようになってしまうというような危惧を抱く人も中にはいるわけなんですが、そういう意味ではどのように改善を図っていくおつもりかどうか、伺いたいと思います。
○政府委員(山下眞臣君) 実は、御指摘のような点も踏まえまして、昨年の五月に社会福祉法人の認可基準を一部改正をいたしたわけでございます。名目的な理事の就任というようなこと等はやめてもらいたい、あるいは理事の中には必ず社会福祉事業に知識経験を有する者が入るようにというようなことを実質的に確保したい、あるいは従来から、同一親族が過半数を占めるようなことは規制をいたしておるわけでございますが、同種の職業あるいは密接な関連業界の者が過半数を占めるというような形での理事会のあり方、そういったものの規制等々、その内容の充実に努力をいたしておるところでございます。 ただ、御指摘の中で、施設長が理事を兼ねるという点につきましては、施設によりましてたとえば一法人で一施設ということもございますし、一法人で数施設というようなこと等もございます。私どもといたしましては、その中の一定の施設長の方が非常勤的な理事として理事会にも参加されるというのはあってよろしいのじゃないかというような考え方で、非常に業務に支障のあるような理事長と施設長との兼任で形骸化するというようなことは避けたいと思いますが、その法人の実態に即して判断をいたしたい、かように考えておる次第でございます。
○前島英三郎君 施設というものが収容型から今後は在宅福祉というものへ移行していってほしいと思いますし、それがすなわち障害者の自立ということにつながっていくわけであります。施設につきましても、施設が地域社会とのつながりを持つということの重要性がいま大変叫ばれているわけなんですが、なかなか土地事情によりまして、施設の設置場所が立地条件の悪いところに押しやられる傾向というのは大変多いわけなんです。こどもの国も大変な広大なものですが、無償という形になって大変御苦労があったようです。 たとえば、住宅地域などにある国有地の活用を大きくやりまして、もっともっと町の中でそうした施設ができるように、今後も大いに御努力をいただきたいと思うんです。そういう意味では、中には社会福祉のために使っているんだけれども、国から土地代を払えというようなことで、あるいは何とか安く譲り渡してほしいのだけれども、なかなか高くて買えないとか、いろいろ苦しんでいる部分があるようです。なるべく今後、住宅地域などのところにそうした社会福祉施設が出ていくような御指導を厚生省にお願いすると同時に、国有地の活用も率先して御努力をいただきたいと思うんですが、いかがでございますか。
○政府委員(山下眞臣君) できるだけ町の人とともに一緒にあるような形での施設というのは、私も全くそのように考えておりまして、そういう趣旨で努力をいたしたいと存じておるわけでございますが、国有地の活用等につきましては、具体的な事例が生じましたならば、それを受けまして関係方面とも協議しながら対処をいたしてまいりたいと存じます。
○前島英三郎君 実は、きょうからたばこが値上げになりまして、きょうからたばこをやめたものですから、ちょっと舌がもつれて非常に苦労しております。苦労しておりますが、時間が参りましたのでやめさしていただきます。なかなか一大事業に私もいま取りかかっているところでございまして大変でございますが、最後に、社会福祉法人によって運営されるこどもの国が従前にも増して人々に親しまれ、また国の援助も以前に比べて十分に行われ、豊かな自然も守られ、そしてまた、職員の方々も安心して働けるよう政府が万全の措置を講ずるよう強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
○下村泰君 午前中からのお話をいろいろ承っておりまして、厚生大臣自身も非常に私は矛盾を感じているんではないかなという気がするんです。 この間の閣議で、それぞれの省庁が主管をしている法人が十以内は一つ、あるいはそれ以上は二つ減らしなさいというふうなお話し合いがあって、結局厚生省としても何か一つこうやらにゃ世間体が悪い、国民の手前も何となく行政改革をしていないという態度に見られては困るということでこういうふうになったんだろうと私は思うんです。ところが、行政改革をやるという面においては私たちは賛成せなきゃならない。私たちと申しましても、この中には反対の方もいらっしゃいましょうし、私自身は行政改革という面では賛成だという気持ちは持っているんです。ところが、さてその内容を見るというと、果たしてこれが行政改革なんだろうかという今度は疑問にぶつかるわけです。私自身がいま非常に悩んでおるわけです。賛成すべきものなのか反対すべきものなのか、実際この段階でも私はまだ悩んでいます。この内容を見て果たしてこれが行政改革と言えるんだろうかということです。 たとえば、ここに「立法と調査」という小冊子がございますけれども、一九八〇の四と書いてありますから八〇年の四月号だと思うんですけれども、この中に「統廃合計画の内容」という項がありまして、そのおしまいの方に「日本学校給食会は四十二年十二月の閣議口頭了解で廃止が決められ、四十五年十一月には閣議決定で再度確認されたが、五十年十二月の閣議了解ではその在り方についての検討と変化し、その後、五十二年十二月の閣議決定では合理化を図ることとされ、前述のように五十五年行革計画では日本学校安全会との統合を図ることとしており、この間、四十二年八月、四十五年十一月には行政監理委員会からも廃止の意見が出されている。このように、行政機関の最高の意思決定である閣議決定で措置内容が具体化されてもそれが実現していないことからいえば、五十五年行革計画における特殊法人十八の削減が完全実施されるかどうかは極めて疑問である。」、こういうふうに言っているんです。 そうしますと、この文章から察しても、強いところは改革できぬが、反対の声の少ないところは改革ができるということになりはしませんか、いかがでしょう。
○国務大臣(野呂恭一君) 先ほどもお答え申し上げておりますとおり、政府としての行革の一環として、特殊法人を廃止あるいは統合、あるいは民間に移管するといったような三つの原則で各省庁ともに協力を願いたいという要請があったことは事実でございます。しかし、厚生省といたしましては、八つの特殊法人すべてがそれぞれに機能を発揮して大事なものであるということで、私どもは必ずしも行革の方でこれが民間に移行することが一番便利だろう、抵抗がないだろう、こういうわけで選んだのではないのでございまして、実態についてもすでに御視察をいただいたはずでございますし、私も参りましていろいろこの問題について詰めたわけでございます。その場合に、非常に施設もいままで特殊法人として整備をされてまいりまして、もはや民間に切りかえる方が民間の知識をここに集中し、さらにまた活力をここに転用することにおいて本来の児童福祉の精神にのっとった、自然を中心としての子供の福祉施設として十分成り立っていく、むしろそれの方が発展するのではないかというふうに私はいまその点を考えておるわけでございます。 したがいまして、決して抵抗がない、あるいは反対の声が少ないだろうということでこれを安易に選んだものではないのでございまして、それぞれの八つの問題については十分慎重に検討した結果、この機会においては民間に移管することがむしろいいのではないかという判断に基づいたものでございます。
○下村泰君 厚生大臣のいまのお答えの内容ですけれども、反対が少ない、多いからではないというようないろいろの言い回し方がございましたけれども、せんじ詰めれば一番反対がないからやったとしか私にはとれないんです。 と申しますのは、たとえば水資源開発公団ですか、こういうのがあります。これが何と国土庁、厚生省、農林水産省、通商産業省、建設省と五つの省庁にわたっているんです。これはそれぞれについて先ほどお電話をして行政管理庁の方に伺ったんです。そうすると、国土庁にはこれこれこういう水の見方がある、厚生省にはこういう水の見方がある、農林水産省にはこういう見方がある、通産省にはこういう見方がある、建設省にはこういう見方があるというお答えなんです。 この答えをそのままうのみにしますと、じゃ利根川は何本あるんだという感覚になるんです。坂東太郎というのは一本しかないんです。琵琶湖も一つしかないんです。浜名湖も一つなんです。洞爺湖も一つなんです。どうしてこんなに多くの省庁がそこへ寄ってたがらなければならないんだという私らの感覚なんです。恐らく庶民の方々の感覚、一般大衆の方の感覚というのはそういうものなんです。ですから、それこそ整理統合するならば、一番この中で中心になるのが国土庁ならば、国土庁がこれを一括すればいいじゃないですかという感覚になるんです。 どうしてこういうふうに縦割り行政だけがあって、いつも申し上げるんですが、横の連絡がないのかということなんです。これをもし統廃合するとなったらどういう結果が出てきますか。恐らくこどもの国を廃止するような簡単なぐあいに当然いかないでしょう。竹内児童家庭局長は一生懸命うなずいていますけれども、これに答えられますか、ちょっとお答えは無理だろうと思いますけれどもね。こういうふうに、たとえば北方領土問題対策協議会、これは総理府ならわかるんですが、農林水産省もあるんです。もちろんこれは漁業問題も絡んでくるでしょうし、こういう問題もわからないではないですけれども、しかし、北方領土ということになれば国の領土ですから、こういうものは総理府そのものが一括すべきではないか、こういうふうに一つ一つ取り上げていくとずいぶん私どもは矛盾を感じるんです。 政治家を志して今日このお席に座っていらっしゃる方々は、政治家としての感覚でそれぞれお考えになるでしょうから、ばかなことを言うんじゃない、おまえのような簡単なぐあいにはいかないんだとおっしゃるかもしれません。しかし、一般大衆というのはそんな小むずかしく考えていませんからね。何でこんなに水資源開発公団に幾つも関係するんだ、利根川は一本しかないじゃないか。じゃ、利根川の一体どこからどこまでが農林水産省で、どこからどこまでが通産省のなわ張りで、どこからどこまでが建設省のなわ張りだということになるんですか。ところが、その川の流れに沿ってそれぞれの目的があって、その目的に従ってやるとそれがそれぞれのこういう諸官庁の管轄になる。こんなものは一つにする、日本は大して広い国土じゃありませんからね。アメリカへ行けば、日本国土がそのまますっぽりはまるような一つの州がありましょうけれども、日本はそんな広大な国じゃないですからね。そしたら、これだけの狭い国土をつかさどるのに、水資源一つでさえもこんな状態で、果たして現在このこどもの国だけを廃止することが行政改革なんだろうか、こういうことになるわけですね。竹内さんは非常につらい顔していますが、それをどうのこうの言いません。 ただ、中身について伺いますけれども、先ほどから盛んに民間の能力とか民間の力とおっしゃっていますけれども、この間、私も視察しました。竹内さんも一緒にたしかお出かけになりましたけれども、あのプールとかスケートリンクの費用はどこから出ていますか。
○政府委員(竹内嘉巳君) 国庫補助の部分と、それからさらに、たしか船舶振興会からの助成とでプール、スケート場をつくったということでございます。
○下村泰君 そうしますと、国の方からは余りめんどうを見ていないわけですか。
○政府委員(竹内嘉巳君) 両方で総額五億でございますが、国が二億それから船舶振興会の方からの助成が三億ということでございます。
○下村泰君 そうすると、ほとんどこどもの国でいままで賄ってきたいわゆる運営費ですか、入場料その他そういうもののお金、財力ではああいうものはできないということになりますね。
○政府委員(竹内嘉巳君) こどもの国それ自体の経常的な収入でこうした設備それ自体を賄うことはきわめて困難かと、もしそれをやろうといたしますと、民間で一般的に行われているところのように、入場料収入をさらに大幅に引き上げなければとても間に合わないのではなかろうか。その意味で私どもとしては、そうした基本的な施設整備費については、国あるいは船舶振興会、その他宝くじ協会、あるいはあの赤い羽根の募金といったような資金の寄付金等を財源といたしておりまして、たしか私どもの大ざっぱな数計でございますけれども、これまで国で十五億、民間で十七億の累計的な施設整備費がこどもの国に投入されております。
○下村泰君 ですから、よけい社会福祉法人にした方が他人様からお金はもらいやすいということなんですな。
○政府委員(竹内嘉巳君) 私どもは基本的な施設整備部分については、従前同様、国ができるだけカバーをしてまいりたいと思っておりまするし、民間的な宝くじであるとか各種の公益事業の補助金等の協力も期待をいたしてまいりたいと思います。ただ、社会福祉法人になることによりまして、常態として寄付金の受け入れが協会それ自体が常時受けられるという点は、手続的な意味においていわば一つのメリットではないかというふうに理解をいたしております。
○下村泰君 そうしますと、先ほどから言われている、民間の活力とかどうのこうの言って、いまよりも発展するであろうというのは、一体どういうところが発展し、どういうところが活力になるんですか。
○政府委員(竹内嘉巳君) 現在特殊法人ということでございますので、あそこの企画立案あるいは運営に当たっての具体的なプランニング等につきましては、理事といいましてもほとんどが非常勤でございますので、常態としてはこどもの国の職員のうちの幹部の者と、それから朝日新聞者の方の企画等についての協力をいただいてという形でやっているわけであります。私どもその意味では、こどもの国それ自体がせっかく利用者が百万を超えて定着しつつあるときに、これからも子供たちのいわば多様なニードにこたえるという意味では、それぞれのそういった専門の方たちの参画を期待をしたいわけであります。 そういう意味で、社会福祉法人になりますと、現在の特殊法人ですと役員の数は御承知のように四名、監事が一名というふうに枠がはめられますが、社会福祉法人になることによりまして、非常勤でありましても理事の方を少なくとも倍程度にはふやすことができると思いまするし、かつは、いわば一種の諮問機関的な意味での評議員会というものを設けることが社会福祉事業法上決まっておりまして、それは大体役員の定数の倍以上ということでございます。その評議員の方たちに地元の方あるいは教育委員会その他教育関係の方たちなり、あるいは子供の遊びといった面についての専門の方たち、そういった幅広い方たちのこどもの国の運営、プランニングについての参画が期待できるんじゃないか。そういうことで、役所的な感覚だけで処理するのではなくて、そういったプランニング等を取り入れたものをひとつこれからのこどもの国の運営の中に反映をしてまいりたい。 ただし、その中には、あくまでもコマーシャリズム的なものについては私どもは避けなければなりませんけれども、基本的な子供の需要というのは必ずしもそういうジェットコースター的なものでなくとも、むしろ子供たちに別途期待していただけるものというは幾つかあるんではなかろうかということで、そういう意味での自由で濶達なプランニングというもの、創意工夫というものを導入してまいることができるのではなかろうかという判断に立っておるわけでございます。
○下村泰君 いまたまたま局長からそういうお話がありましたので、先ほどから承っておりますると、民間からの起用、登用ということを大変多くおっしゃっていらしゃいますけれども、これから先、たとえばいまお話の中にもありましたけれども、いわゆる児童問題の研究家ですね、それから児童心理の研究者、それから子供にどういう遊びを与えたらいいのであるかというようなことを常日ごろから研究していらっしゃる方がおりますし、先ほどからジェットコースターがよく出てきますけれども、ジェットコースターをやったからといって、私は別に悪いと思っていません。それが健全なものなら結構である。しかし、それをやることによってそのジェットコースターへ乗るのが千円も二千円も取られるんじゃこれは大変ですけれども、そうでない安いジェットコースターなら、幾らやったって私は構わぬと思っています。 子供というのは、どちらかというと大人がつくってやったものを喜ばないんです。ですから、大人の考えで子供の心理はああであろう、こうであろうと研究している方もいますけれども、大人がつくってやったものでは子供は喜ばないんですね。たとえば幼稚園なんかへ行くとよくわかります。でき上がったものを与えて、それで子供は遊んでいません。どちらかというと、大人が危険視するようなもので遊ぶんです。そういうところに私は子供の心理というのがあると思うんです。ですから、こういうものをつくった、ああいうものをつくった、こうしてやった、ああしてやったからといったって、決してこどもの国は健全な発達をするわけじゃない。 そういう意味で、この民間人の登用というのは、よほどきちんとして皆様方の方からお気をつけくださらぬと、官庁に勤めていた人というのは動脈硬化が多いですから。それで一つの器の中にいて、外を全然見てませんからね、外を見るときにはネオンサインがついてからしか知らない方が多いんです。昼間の完全な心理状態というのはよくおわかりにならない動脈硬化の方が多いですから、できるだけそういう方を抑えてください。先ほどからの心配もあるとおり、県の方から来るとか、市の方から天下りしてくるとかというようなことがしばしば言われていますから、そういう方方が来て、せっかくあそこまで発展しているこどもの国を元も子もなくすようなことのないようにひとつよろしくお願いしたいと思います。いかがでしょう。
○政府委員(竹内嘉巳君) 御指摘のとおり、私どもといいますか、私自身もそういった意味で、非常に偏った見方でこどもの国の事業計画等についての指導をしてきたのではないかという反省もあるわけであります。そういう意味で、先ほど申しました理事をふやすこと、あるいは評議員会というものが設置されることによりまして私どものような、先生の表現をおかりすれば動脈硬化的な見方というものが避けられて、生き生きとした子供たちの需要というものに対応できるならば、これにこしたことはない、決して多額の金を投じて設備をすることだけが子供たちに対応できるものとは私も考えておりません。 あのこどもの国でございますから、豊かな自然というものを、どうやって子供たちの遊びというものを誘発し、生かし、そしてそれを自由に子供たち自身がみずからの遊びというものを創造していけるか、そういうリーダーを養成することもまたこどもの国の仕事の一つであろうかと思いますので、御指摘の点も十分肝に銘じまして、役員あるいは評議員の人選等に当たりましても、今後こどもの国の運営に当たる方たちにもその意図を伝えて、私どもも心して社会福祉法人となりましたときの運営について配慮してまいりたいと考えております。
○下村泰君 それから、皆さんも先ほどから申されておりますけれども、いまあそこで働いていらっしゃる方が一番御心配なさっているのは、そうなった場合に一体われわれはどういうふうになるのであろうかと、処遇問題が大変心配されております。先ほどから厚生大臣もそれについては大変丁重なお答えがあったようですから、それに関してはお尋ねいたしませんが、いまここに朝日新聞のこういった「こどもの国ニュース」というのがありまして、ここに浩宮様の成人式が古式豊かに行われたというニュースがあるんですけれども、こういう問題が決まると、これは皇太子殿下にやっぱり報告があるんですか。
○政府委員(竹内嘉巳君) 報告というような格式張ったものは考えておりませんけれども、できましたのがもともとが皇太子殿下の御成婚記念ということでスタートしたわけでございますので、皇太子殿下も御関心をお持ちというふうに承っておりますので、いずれ形が整いましたときにはそれなりに、折に触れて児童福祉行政一般についても御報告を申し上げる時期がございますので、その際にあわせてお話は申し上げておきたいと考えております。
○下村泰君 きっとおさびしい思いもなさるでしょう。しかし、竹内児童家庭局長も昔の方ですな。いま皇太子殿下と言ったら、あなた、ボタンをちゃんとはめましたね。 さて、今度は厚生大臣にお伺いしますが、いわゆるスモン病、先ほどから非常に言われておりますが、私は非常に単純な質問をさせていただきます。 裁判所から裁定というものが出ました。国はこうしなきゃならないよ、製薬会社はこうしなきゃならないよということが出ました。こういったものを見まして、厚生省はすぐに応じる気があるんですか、ないんですか。
○国務大臣(野呂恭一君) 先般の東京地裁の所見が出ました場合におきましても、私どもいろいろ関係機関と協議の上で、その所見に従うということをすでに裁判所の方に御回答を申し上げたわけでございまして、今後ともスモン患者に対する救済のすべてについて国は裁判所の判断に従ってまいりたい、かように考えております。
○下村泰君 そうしますと厚生省の方は、国の方はきちんとしてそういう対応ができている、製薬会社の方が渋っている。これは製薬会社がお金がないからやらないんでしょうか。
○国務大臣(野呂恭一君) お金の問題だけでないかもわかりません。必要とする金につきましては、御承知のとおり基金から貸し付けるということで、円滑なスモン患者に対する救済処置のできる方法をすでにとっておるわけでございます。必ずしも救済のための資金がないからだというふうには断定できない。企業は企業としてのこの問題に対してのいろいろな検討が行われておるのではないかというふうに判断をいたすわけでございます。
○下村泰君 そうすると、払いたくないから払わないということになるわけですね。
○国務大臣(野呂恭一君) たびたび私どもは会合を重ねて、いわゆる説得という形でスモン患者の救済に一日も早く解決を進めてもらいたいという要請をいたしておる際におきましても、十分私どもは誠意をもってやりますとこう言っておるわけでございます。その一つ一つについて検討さしていただきたいということでありまして、必ずしも救済したくないんだとか、あるいはその責任がないのだということを申しておるわけではございません。
○下村泰君 別に私は、厚生大臣を責めるわけでも何でもないんです。ただ、人間が政治をやって、そして人間がもろもろのことをやり、その人間と人間がぶつかり合って何で話が前へ進まないのかという、いつも私は素直な疑問を持つんです。 この間お話をしましたか、どうでしたか、愛知学院大学へ参りまして、この間の口唇、口蓋裂の患者の皆さんに、野呂厚生大臣がこう言っていましたよ、早ければ来年にはもう口唇、口蓋裂歯列矯正の手術には健康保険でめんどうを見てくれますよということを、患者の若い御両親です、まだ二十六、七だと思いますが、申し上げました。そして、まだ乳幼児ですけれども、言いましたら大変喜んでいました。そういうふうに厚生大臣がこういうことを言いましたよということだけでもって非常に喜ぶ方々もいれば、厚生大臣がどうしてやらないのだというふうに、うらみ骨髄に達していろんなことを言う方もおるんです。もちろんたくさんの人間がおるんですからもろもろのことはありましょうけれども、どうぞひとつこのスモン病を一日も早く解決できるようにお骨折りを願うことをお願いいたしまして、私の質問は終わらせていただきます。
○委員長(久保亘君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(久保亘君) 御異議ないと認めます。 —————————————
○委員長(久保亘君) 委員の異動について御報告いたします。 本日、渡部通子君、柄谷道一君、長谷川信君及び長田裕二君が委員を辞任され、その補欠として原田立君、井上計君、堀江正夫君及び中村禎二君が選任されました。 —————————————
○委員長(久保亘君) それでは、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もなければ、これより採決に入ります。 こどもの国協会の解散及び事業の承継に関する法律案を問題に供します。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(久保亘君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、安恒君から発言を求められておりますので、これを許します。安恒君。
○安恒良一君 ただいま可決されましたこどもの国協会の解散及び事業の承継に関する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党、民社党、参議院クラブ、第二院クラブ共同提案による附帯決議案を提出をいたします。 案文を朗読いたします。 こどもの国協会の解散及び事業の承継に関する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項につき格段の努力を払うべきである。 一、こどもの国の運営に当つては、特殊法人こどもの国協会設立の趣旨である緑豊かな自然の中での児童の健全育成の目的が十分生かされるよう特段の配慮をし、かつ、子供の安全を確保するために十分な措置を講ずること。 二、こどもの国に対し、民間移管後も従来の趣旨に沿い、必要な助成を行い、その整備発展に配慮すること。 三、特殊法人こどもの国協会の解散に当たり、その職員の処遇については、適正な措置をとること。 右決議する。 以上であります。 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(久保亘君) ただいま安恒君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(久保亘君) 全会一致と認めます。よって、安恒君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、野呂厚生大臣から発言を求められておりますので、これを許します。野呂厚生大臣。
○国務大臣(野呂恭一君) ただいま御決議になりました附帯決議につきましては、御趣旨を尊重して努力いたす所存でございます。
○委員長(久保亘君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(久保亘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(久保亘君) 次に、原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。野呂厚生大臣。
○国務大臣(野呂恭一君) ただいま議題となりました原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 昭和二十年八月、広島市及び長崎市に投下された原子爆弾の被爆者については、原子爆弾被爆者の医療等に関する法律により、健康診断及び医療の給付を行うとともに、原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律により、特別手当、健康管理手当、保健手当その他の手当等の支給を行い、被爆者の健康の保持増進と生活の安定を図ってまいったところでございます。 本法律案は、被爆者の福祉の一層の向上を図るため、原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律について改正を行おうとするものであります。 以下、その内容について御説明申し上げます。 まず第一は、特別手当の額の引き上げであります。 特別手当は、原子爆弾被爆者の医療等に関する法律の規定により、原子爆弾の傷害作用に起因する負傷または疾病の状態にある旨の厚生大臣の認定を受けた被爆者に対して支給されるものでありますが、この特別手当の額について、現に当該認定に係る負傷または疾病の状態にある者に支給する特別手当の額を現行の月額六万円から六万四千五百円に引き上げ、その状態にない者に支給する特別手当の額を現行の月額三万円から三万二千三百円に引き上げるものであります。 次に、健康管理手当の額の引き上げであります。 健康管理手当は、原子爆弾の放射能の影響に関連があると思われる造血機能障害等の特定の障害を伴う疾病にかかっている被爆者で、特別手当の支給を受けていない者に対して支給されるものでありますが、この健康管理手当の額を現行の月額二万円から二万千五百円に引き上げるものであります。 第三に、保健手当の額の引き上げであります。 保健手当は、爆心地から二キロメートルの区域内において直接被爆した者で、特別手当または健康管理手当の支給を受けていない者に対して支給されるものでありますが、この保健手当の額を現行の月額一万円から一万八百円に引き上げるものであります。 また、これらの改正の実施時期は、昭和五十五年八月一日といたしております。 以上がこの法律案を提案する理由及びその内容でありますが、衆議院において、特別手当、健康管理手当及び保健手当の額に関し修正が行われたところであります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願いいたします。
○委員長(久保亘君) 次に、本案につきましては、衆議院において修正議決されておりますので、この際、本案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員竹内黎一君から説明を聴取いたします。竹内君。
○衆議院議員(竹内黎一君) 原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案に対する衆議院の修正部分について、その内容を御説明申し上げます。 修正の要旨は、第一に、特別手当の額について、月額六万四千五百円を六万七千五百円に、月額三万二千三百円を三万三千八百円にそれぞれ引き上げること。 第二に、健康管理手当の額について、月額二万千五百円を二万二千五百円に引き上げること。 第三に、保健手当の額について、月額一万八百円を一万千三百円に引き上げること。 以上であります。 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(久保亘君) 以上で説明の聴取は終わりました。 本案の自後の審査は後日に譲ります。 —————————————
○委員長(久保亘君) 次に、公衆浴場法の一部を改正する法律案を議題といたします。 発議者田中寿美子君から趣旨説明を聴取いたします。田中君。
○田中寿美子君 ただいま議題となりました公衆浴場法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 まず、提案理由の説明を申し上げます。売春防止法制定により政府公認の集娼制度が解体されてからすでに二十四年を経過した現在も売春の形態は多様化し、潜在化して、第三者による女性の搾取は後を絶ちません。今年は国連婦人の十年の中間年に当たり、来る七月にはコペンハーゲンにおいて国連主催の世界婦人会議が開催され、婦人の社会的地位の向上の状況に関する前期五年間の業績の評価並びに今後五年間の計画と展望について全世界の婦人が検討することになっています。 国連婦人の十年の起点であった一九七五年国際婦人年メキシコ会議においても、その宣言及び決議において女性の人格の尊厳及び肉体の不可侵が宣言され、人身売買及び売春の禁止が決議されています。また、昨年十二月十八日、第三十四回国連総会においては女性に対するあらゆる形態の差別撤廃条約を採択していますが、同条約の第六条は「各締約国は全ての形態の婦人の人身売買及び婦人の売春の搾取を禁止するために、立法を含むあらゆる適当な措置をとるものとする」と規定しております。 わが国においては、売春防止法によって売春は禁止されているとはいえ、さまざまな売春の形態が存在し、社会環境は年少者の性的非行や少女売春を生み出す大きな要因となっています。また、暴力団や業者による売春の強要は、外国女性、主としてアジアの各国にも及んでおり、海外からの非難も浴びています。それらはしばしばトルコぶろその他各種の接客業者の仲介や強制によるものであり、このままに放置しておくならば売春防止法はその意義を全く失うものとなりましょう。中でも個室つき浴場業の業態は売春の温床と化し、特殊浴場業の距離規制の悪用によって全国各地に集娼地域を発生させており、そこで役務を提供する女性に対して浴場業者は事実上の管理売春による搾取を行っています。また、これらの業者と結託するヒモ、暴力団などによる売春の強制、搾取など、女性の人権侵害は目に余るものがあります。 ここに、売春防止法の効力を補完するための一助として、個室において異性による役務を提供させることを禁止し、売春の温床を多少とも取り除くことを目的とした公衆浴場法の一部改正を提案するものであります。 以上がこの法律案の提案理由及び内容の概要であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。 なお、法律案要綱がお手元に差し上げてあると思いますので、よろしくお願いいたします。
○委員長(久保亘君) 以上をもって趣旨説明の聴取は終わりました。 本案の自後の審査は後日に譲ります。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時十八分散会 —————・—————