社会労働委員会 第3号
- 発言数
- 266 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1980/03/18
会議録
○委員長(久保亘君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る六日、目黒今朝次郎君が委員を辞任され、その補欠として高杉廸忠君が選任されました。 —————————————
○委員長(久保亘君) 社会保障制度等に関する調査を議題とし、厚生行政の基本施策に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○安恒良一君 私は、まず最初に、老人医療制度について御質問したいと思いますが、本格的な論議はいずれ関係法案の中でやるといたしまして、御承知のように、老人医療制度は急速に高齢化社会を迎えるわが国において、高齢者の医療保障問題として私はきわめて重要だと思うんです。しかるに一方、政府自民党内では、健康保険の赤字の要因として財政面から現行の七十歳以上の無料化の見直しを検討している。厚生大臣とそれから大蔵大臣と自民党三役立ち会いで、メモであるとか覚書であるとかそれぞれが各人思い思いに言われていますが、あるといわれています。そういう中で、厚生省は近く社会保障制度審議会にこの問題について諮問をする、こういうことが新聞で報道されております。私は同僚の社会保障制度審議会の委員から聞きますと、社会保障制度審議会としては白紙の諮問というのは困る、少なくとも制度の新設や負担、給付の内容、そういうような問題についてある程度厚生省の考え方を持ってきてほしい、こういうことを社会保障制度審議会は言っているということであります。 一方、これを考えてみますと、まず厚生省が設けました私的懇談会が五十二年に意見書を出しています。五十三年に小沢元厚生大臣が試案、試みの案を出された。日本医師会長の武見さんも試みの案を発表されている。それから五十四年の十月には橋本前厚生大臣が私の私案を発表されています。新聞報道でありますからよくわかりませんが、野呂厚生大臣としては別建て新制度が望ましいと判断をしているようだが、しかし、現在の国会における健康保険法との関係等を考えて慎重に検討されている、これは新聞報道であります。 そこで私は、少なくとも社会保障制度審議会に諮問をされるならば、成案を得ないでも、たとえば負担と給付の内容等々について何らかのお考えをお持ちではないだろうか、こう思いますので、そういう問題点、制度の新設や負担、給付の内容等について、ごく簡単で結構ですから、骨子になるところをどう考えているのか。それはなぜきょう聞くかというと、すでに七七年の健康保険問題改正のときに、当時の渡辺厚生大臣は、五十四年度中に実施、それから、その後小沢さんは遅くとも五十五年一月から実施、こういうことを当委員会で言明をされているわけです。その限りにおいて、それを受けて厚生省当局もこの問題についてはいろいろ議論をしているんじゃないかと思いますから、きょうは私は、その骨子になるような問題点についてお考え方をお聞かせを願いたい、こう思っています。
○政府委員(竹中浩治君) 老人保険医療制度の問題につきましては、ただいま安恒先生おっしゃいましたように、私どもといたしましても、中身の検討を鋭意現在も進めてまいっておりますし、また、各方面からもいろいろの御提案がなされてきておるところでございます。しかしながら、現在の段階におきましては、利害の錯綜しております関係者の方々の合意を得られるような成案を、厚生省としてはまだ得るに至っていない段階でございます。したがいまして、私どもといたしましては、各般の関係者が参加しておられます社会保障制度審議会に御審議をお願いをしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。 どういう形の諮問を申し上げるかということにつきましては、現在なお検討中でございますが、いま申し上げましたような状況でございますので、現在の段階で、審議会に対しまして厚生省としての考え方をお示しをしまして御諮問申し上げるというのはなかなかむずかしいと考えておるわけでございます。しかしながら、厚生省におきましても、現在までいろいろ検討もいたしておりますし、今後も鋭意検討を進める予定でございますので、その検討の経過なり内容につきましては、制度審議会に、審議の状況に応じまして御説明をしていきたいという、そういう状況でございます。
○安恒良一君 制度審にお示しされるのは結構ですけど、この問題は制度審じゃなくて、本委員会における約束なんです。ですから私は、きょうは細かいところまで聞こうと思いませんが、こういうことについてはこういう問題点があるとか、ここをこうしたいとか、こういうふうに考えているということについてぐらいのことは言ってもらわないと、これは話を進められぬわけです。 というのは、きのうきょう言い出したわけじゃないわけです。すでに御承知のように、七七年の健康保険法改正のときからもうずっと問題になって、その後も本委員会でもそういうやりとりしているわけです。それがいまもって何にもないんだ。何にもないということになると、これは全く怠慢だ、これは後からの健康保険法問題を議論するときにも大きい問題に私はなると思う。ですから、少なくともこういう点とこういう点は議論しておりまして、ここはこういうふうにしたいと思う、もしくは、この点については御検討願いたいと思うというぐらいのことがないで、とにかくいまは言えないんだ、制度審が開かれて、制度審の進行に応じてそのときどきで問題を出すと、そういうことでいいんでしょうか。 少なくともいま申し上げたように、二人の厚生大臣が明確に約束されているんです。少なくともそれができなかったらできない、どこにどういう問題があったか、こういうことは報告をしてもらわないと、五十四年から実施、渡辺厚生大臣。遅くとも五十五年一月から実施、小沢厚生大臣ですね。しかもいろんな試案も出ているわけでしょう。その限りにおいては、いろんな検討を厚生省はされているはずなんです。しかも制度審側から言っているのは、白紙で持ってこられたって受け付けない、少なくとも基本になる構想とか問題点は整理して持ってこい、こう制度審側は言っているわけです。それなのに、いまの答弁では大変不満です。大臣、どうですか。
○国務大臣(野呂恭一君) 老人医療制度の問題は、お話のようにいろんな契機を持っておるわけでございます。なかなかこう簡単にこういう制度がいいんだということを明らかにすることには、いろんな問題があったからこそおくれてまいっておるわけでございます。しかし、覚書と称する大蔵大臣と私との間に、しかも党三役を含めてお互いに、これからの長期展望に立った福祉行政の中において、特に老人医療制度については、十分検討をしようではないかという認識の確認をいたしたということでもございますし、また、小沢試案あり、橋本私案あり、これらの御意見というものを踏まえて、早急にこの制度の発足を五十六年からはしたい、こういう念願を持っておるわけでございます。 したがいまして、早く社会保障制度審議会に答申を求めたいということで、さしあたって白紙の形ではございますが、その審議の過程の中で厚生省の考え方も煮詰めていきまして、いろいろ御意見等を承りたいというような考え方でございます。さしあたり白紙委任とは申しますけれども、少くも厚生省としては、この老人医療制度に対しての問題点だけは提起して、その問題点についての意見も聞いていく。そしていろいろ審議の内容の中で、厚生省としても早急に詰めていきたい、こういうふうに考えておるわけでございまして、決して白紙諮問という形でいたずらに日を過ごそうということではないのであります。何とか五十六年には発足したいということで、これは大きな問題でございますので、これに取り組んでおるということを御理解いただきたいと思うのであります。
○安恒良一君 時間がありませんので、この問題だけやっているわけにはいきません。 私は、いま厚生大臣に、あなた自体として、たとえば一番大きい問題として制度は別個建てを考えられているのかどうか。新聞によりますと、あなたは別個建てが望ましいというようなことを言っておられるそうですが、そのことを一つお聞きをしておきたいと思います。 それから、問題点については、制度審の方によりより出していくということ、これも私は遺憾なんです。 私が聞いているのは、きょうは成案を聞いているんじゃありません。しかし、少なくとももう七七年からですから、相当検討をされていると思うし、厚生省の中にもそれがためのチームもつくられていると聞いていますから、そういう意味で、どう問題点についてお考えなのか、そういうことを聞かしてほしい、こう言っているわけです。これはきょうあなたたちが言わなくても、いずれ健康保険法を議論するときには言わざるを得ないところに追い込まれるんです、きょうあなたたちがここでいろんなことを言っておっても。だから、その意味から言っても、問題点なら問題点についてはどういうふうにお考えなのか、制度建てはどうしようと考えられているのか、そういう点について聞かしてほしい、こう言っているんです。
○国務大臣(野呂恭一君) まず、社会保障制度審議会に対して問題点を提起しながらいろいろ御審議を願うことから出発をいたしたい。そして、私ども厚生省としての考え方をどういうふうに煮詰めていくかということについては、大変一生懸命にやってはおるわけでございます。私として考えるならば、給付と負担をどう公平に持っていくか、そういった問題点をまず煮詰めなきゃならぬというふうに考えるわけでございます。 さらにまた、小沢試案のような、いわゆる別途の老人医療制度というものを発足するという考え方を持っておるのかどうかということでございますが、これはもうその場限りの問題ではない。きわめて長期的な制度でなければならない。そういう考え方から申しますと、これは真剣にこの問題に取り組んで、少くも老人医療制度というものについてはしっかりした制度をつくるんだと、そういう意味から申しますならば、別建て的な一つの考え方を重視すべきではないだろうかと考えます。しかし、いろいろ問題点を煮詰めながら、どういう制度のあり方がいいのかということは、まだいま申し上げる段階ではございません。
○安恒良一君 これは時間がありませんから、いずれ健康保険法の議論を始めなきゃならぬ、そのときに譲っておきましょう。いまのお考えは全く別個建てにしたいということだけはわかった。あとはいままでのこの委員会で議論をされておったことから全く後退をしています。そういう意味ですから、これはこれだけでやりとりしても一時間かかります。きょうは一般ということですからこの程度にとどめておきますが、次回までにはきちっと中身をよく議論をして、答弁ができるようにして出てきていただきたいと思います。 そこで、第二番目の問題として、健康保険組合設立問題について少しお聞きをしたいんですが、きのうも参議院予算委員会総括の中で問題になりましたが、ここ数年来民間企業、事業所より、法律に基づいて健康保険組合の設立希望があります。ところが、厚生省がこれを押さえているのであります。そこでまず、現状認識のためにお聞きをしたい。 すでに、県の保険課に設立認可申請を行うために各種の調査が終わっているところがあるというふうに聞いています。いわゆる内申済みであります。そして、調査は完了しているんだが、正式の認可申請を提出することは差しとめられているという組合があるそうですが、どのくらいありますか。 それから第二番目には、設立申請手続をとろうとして、都道府県の保険課でその手続を差しとめられているところもあると聞いていますが、どのくらいあるでしょうか。 それから、設立を希望している事業所がたくさんあると聞いていますが、どのくらいあるでしょうか。それについてお答えをしていただきたい。
○政府委員(石野清治君) お尋ねの健保組合の設立の希望の状況でございますが、私の方で的確につかんでおりますのは、ある程度その設立のための調査がすでに行われておるというもので、ただ、その設立の基準に該当しているかどうかはまだ未審査でございますので不明でございますけれども、それが十組合になっております。なお、健康保険組合連合会の方に闘い合わしてみましたところ、支部の方でまとめた数字を見ますと、すでに設立認可申請を行うための調査が終わっているものが四組合というふうになっておりまして、健保連の調べでは、そのほかに設立申請手続をとろうとしても保険課でその手続を差しとめられているというものが七つあるというふうに聞いております。私の方でその辺は詳しくはわかりませんけれども、その合わせたもの——七つと先ほど申しました四つのもの、十一と十、ちょっと違いますけれども、大体その辺が設立について調査をある程度終わっているものというふうに考えているわけでございます。 それからさらに、組合の設立を希望している事業所でございますが、これが県の保険課の方に問い合わした段階では三十二組合というふうになっております。ただ、健保連の方の数字を見ますと、もう少し数が多いような感じがいたしておりますが、これは程度問題があるかと思いますけれども、私の方が確実に聞いておりますのは三十二組合というふうな数字でございます。
○安恒良一君 私の方の調査で言いますと、大臣、これはよく聞いてほしいんですが、すでに調査も完了し内申が済んでいる、それが四組合あります。それから設立を希望しているが、県の方でまだ手続はちょっとやるなと、こういうことでとめられているのが七組合、それから設立を希望している組合は六十五あるんです。合計で七十六。人員にいたしますと、二十二万二千四百二十三人がとめられております。 そこで、設立を希望しているところの問題は後にしまして、現実に手続等が、すでに調査等が済んでいるところについて、なぜこれは許可をしないのか。たとえば一つの例を挙げますと、九州地区信用金庫、総合で八千三百人の人間です。八千三百人の健康保険組合をつくりたいと、こう言っているんですが、それがどうして許可にならないんだろうか。千葉県建設業、総合で五千四百二十八人、こういう大きい健康保険組合がどうして許可にならないんだろうか。すでにこれらの組合は、数理計算その他についてそれぞれ一千万も二千万もかけて、アクチュアリーとの間にうまくいくかどうかということの検討等も十分済んでいる。しかも日付を言いますと、一番古いのはすでに五十二年一月、それから五十二年九月、五十三年等々、すべてもう二、三年前に内申が済んでいます。そういう組合について今日までなぜ許可ができないのか、その理由について説明していただきたい。
○政府委員(石野清治君) ただいま具体的に御指摘になったものを含めまして、おっしゃるように認可基準から申しますと当然認可されてしかるべきものがございます。そういうものをなぜ認可を取りやめているのかというお尋ねでございますが、これは大きな理由を挙げますと、一つは政府におきましては、御案内のとおり被保険者間の負担の公平を図るために、まず組合間におきまする財政調整を行うという案を、実は健康保険法の改正案でございますが、提案をいたしておるわけでございます。組合が新設されるとしましても、そういう御提案中の制度のもとにおいて新設されますことが負担の公平を図るということにつながるのではないかということで、健康保険法案の帰趨というものが明確になった時点で初めて新設を認めていく方が妥当ではなかろうかという考え方が一つございます。 それからもう一つは、お尋ねのように確かにりっぱな組合を——企業でございますので、組合をつくりますと相当の財政的な余裕のある組合でございます。それは逆に申しますと、そういうものがどんどん政管の方から抜けていくということになりますると、政府管掌健康保険の財政そのものにも悪影響を与えるのではないかということでございまして、そういうことから、この組合の認可につきましては現在留保さしていただいている、こういうことでございます。
○安恒良一君 全く理由になりませんね。健康保険法をよく読んでください、法律を。いまあなたが言われたように、政管からいい組合が抜けるから困るなんということは全く問題になりません。もしもこれらが行政訴訟を起こして、あなたたちは法律的に勝てると思っているのですか、こんなことをして。いま申し上げたように健康保険組合を設立するには認可基準というものがありまして、その中で一定の人員、財政の運営等々数カ項目あります。しかし、全くこれらは合致をしているわけです。それなのにいまあなたが挙げられた理由は、単純にこういういい組合が抜けると政管が赤字になるから困るなんて、そんなばかなことはないじゃないですか。そんなのは理由になりません。 それから、第一の理由も全く理由になりません。第一の理由は、健康保険組合閥で財政調整をやろうということは、すでに健保連自身が高額医療についてはやっているじゃないですか、健保連の中で。こういう組合は、できれば健保連に加盟をしていって、自主的に健保連の中でそういう問題についてはやろうと言われているのでありまして、いまあなたが言われたような理由は世間に通る理由ではないんです。率直に言わしてもらいますと、武見さんがいろいろこのことについていちゃもんをつけている、クレームつけていることよく知ってます。しかし、医師会がこわいからといって、法律で認められていることを認可をしない。もう申請して数年たっている。しかも中身は法律に定められている認可基準に全く合致している。いささかの疑いもない。それを行政的に抑えておくということが許されるはずはないじゃないですか。私はそういう点についてもう一遍局長の答弁を求めます。
○政府委員(石野清治君) 大変厳しい御指摘でございますが、一言法律論的なことだけ申させていただきますと、健保組合の設立の認可につきましては、純法律的な観点からだけすれば行政庁のいわば裁量に任せられている面もございます。組合の設立を全部公平に一律に政策上の理由からある一定の時期、これはしばらくの間ということになりますけれども、認可しないということにつきましては、これは法律上も厚生大臣の判断に任せられていると考えてもいいと思います。 ただ問題は、御指摘のように長い期間五年も十年もという形になりますと、これはやはり法律上の問題で、政策上の判断の当否を超えまして違法のおそれが出てくるというふうに判断をいたしておるわけでございます。問題は、こういう五十二年のすでに半ばからやりまして約三年近くなっておるわけでございます。三年間差しとめておることがもうすでに違法の状態に近づいておるではないか、こういう御指摘であるならば、私もそれについてはそのとおりではないかなというふうに感じておるわけでございます。
○安恒良一君 そこで、大臣にお聞きをしたいんですが、いま言われたように行政上の裁量の余地というのはおのずから限度があるんです、法理論的に言って。私はもう無理があると思うんです。というのは、まず行政上の裁量の余地というのは、第一は、この健康保険組合が設立をされて、本当に健康保険法にうたっている目的どおりに運営できるのかどうか、これが一番大きいことなんです。それ以外の行政上の裁量の余地ということは私はないと思うんです。政府は健康保険法の改正案を出されている。それが二年も三年もたなざらしになっている。そのこととこれとは直接は関係がないことなんです。 そこで大臣、どうですか、もうすでに五十二年とか五十三年等、内申等がもう済んでいる、調査も済んでいる、こういう問題については私がきょう問題にするだけではなくして、すでに衆参の予算委員会の中においても問題が出てきているわけですから、ひとつ大臣のこの解決についての具体的な答弁を聞かせてください。でなければ、本当に私は、このままでいくと行政上の違法という問題が大きい問題として出てくると思います。大臣のこの取り扱いについてのひとつきょうは前向きの考え方を聞かしてください。
○国務大臣(野呂恭一君) 御指摘のように、認可の希望があって、しかもそれがすべての条件が適合をしておるということについて、これをいろんな理由によって長期間差しとめておくということは問題があるわけでございます。これはあえて違法と言うか言わないかは別として、問題があるというふうに私も考えます。したがいまして、きわめて早い機会に条件の整っております組合に対しましては認可をいたしたい、積極的に取り組んでまいりたいと思います。
○安恒良一君 大臣から、条件の整っているところはきわめて早い時期に認可をすると、きょうははっきり言明をされましたのでその点を受けとめますから、どうかいま申し上げたように条件が整って、しかももう二年も三年も待っている組合があるわけですから、早急に認可をしていただきたいということを申し上げて、次の問題に移ります。 次の問題は、まずスモンの問題についてお聞きをしたいんでありますが、二つございまして、一つは重症者の介護手当であります。 これは、御承知のように超々重症者には十万円、超重症者には六万円、こういうことが今度設けました基金を通じて支払われることになっています。そこで、スモン患者から強い要望がありまして、重症者に対しては国が介護手当を出してもらいたい、こういうことで前厚生大臣もはっきり約束をされまして、そして現厚生大臣等含めて皆さん御努力をされた結果、三万円という重症者の介護手当が今年度予算に組み込まれて、スモン患者は大変喜んでいるわけなんです。 ところが、この支給方法をめぐりまして、いわゆる超々重症者、超重症者については家族介護を認める、こういうことになっているわけです。家族介護を認めて、そしてこの十万円、六万円は本人に支給する、こうなっているわけです。ところが、重症者の介護手当については、これは国が財政として出すんだから家族介護は認めない、第三者介護じゃないと手当は払わない、こう言って、いまもって大蔵省はがんばっていると聞きます。そして、この前私は大蔵省を呼びましたら、いや、これは厚生省と私たちが年度末に予算を決めるときに、厚生省にも理解をして納得していただいたものでありますと、こういう言い方をするわけであります。 そこで私は、薬務局長を呼んで、それは話が違うじゃないか、われわれがこの問題について前厚生大臣と折衝したときにはすべて差別はしない、同じように扱うと言っている。そうすると、超々重症者、超重症者には家族介護が認められているのに、重症者に対する手当だけは家族介護は認めないということになると、これは非常に差別じゃないか、問題がありはしないか。もちろん第三者介護も結構ですが、ああいう下半身が不随とかそういう方々についてそう簡単に第三者介護を全部求めるわけにはいかないんです。まず家族がある場合には家族に介護してもらう、そしてどうしても家族がなければ親類とか身内、こういうふうに私は病状からいってもなると思うんです。でありますから、これらの問題点について今後どうしようとするのか、その考え方を聞かしてください。
○政府委員(山崎圭君) 確かに予算のセットされる過程におきまして、そのような考え方で私どもも了承したということは事実でございます。基本的な考え方といたしましては、先生御指摘のように超々重症者、超重症者に対する介護手当は全額会社負担でございまして、それも国が出すか出さないかという問題の議論もありました経過もございますが、それは年金なり手当的なものとしてどうしても国は出すわけにいかない。そういうようなことで、社会福祉施策の中における介護の問題としてこの問題を消化し、取り扱っていこう、こういう基本的な考え方もございまして、そういう意味で家族の介護は、同居の家族についてはまあ当然といいますか、大変御本人は気の毒な中でありますけれども、家族の介護まで含めるのがいいのかどうか、この辺は確かに大きな問題としてなお残っている問題でございます。
○安恒良一君 少なくとも私は前厚生大臣との間にお約束があるわけです。どんな約束があるかというのは皆さん担当者は十分に御承知だと思いますし、それから厚生大臣も引き継ぎをされていると思います。いわゆるこの九・一五の妥結のときの協定書、それに基づく覚書等々があるわけですから、その中でこの問題も明確に扱いを決められているわけです。でありますから、私は少なくともまず厚生大臣にこのことについてお聞きしたいんですが、大蔵大臣と早急にお話し合いをしていただいて、やはりこの扱いについては超々重症者、超重症者、それと重症者の介護手当三万円の扱いは同じようにする、こういうことでぜひ御努力を願いたい。 ここで理屈を言い合う気はありません。皆さん方も自信がなくて言っているわけです。大蔵省が言うからしようがないで言っているわけですから、率直なことを言って。私たちとの話し合いの交渉の中でいままではそんな論理は出てきていない。ただ大蔵省がそう言っているものですから、きょうは公式の委員会だから大蔵の言い分も少し代弁されていると思いますけれども、私は、少なくとも大平内閣の中で一国の大臣が約束をしたことは、大臣がかわられようと守られなきゃいけないというふうに思います。そういう意味でひとつ大臣、この点について、率直なことを申しましてもう事務段階では話は詰まらぬと思うんです。これは大臣が出られて、大臣同士でお話し合いを願って早急に円満な解決のために努力をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(野呂恭一君) 大蔵省との間で鋭意この問題について検討をしていないと言えばうそになりますので、検討しておると申し上げた方が正しいと思います。いろいろ大蔵省には大蔵省の言い分がある。われわれもそれを予算編成の段階では了承したわけであります。しかし、御指摘のように、患者の要望を十分踏まえて、そしてすでにお約束を申し上げてきておるわけでありますから、いままでの経緯にかんがみまして、この問題を詰めて患者の御要望に従う方向に最善の努力をいたしたい、こういうふうに申し上げておく次第でございます。
○安恒良一君 ぜひ大臣にお願いしておきたいんですが、すでにスモン問題を私は予算の総括の段階で関連として申し上げておりますから、今度またざっくばらんに申し上げて二十二日、予算委員会の一般質問をやることになっております。ですから、それまでの間にぜひひとつ御解決の努力を願いたい。私は私なりにすでに大蔵省主計局次長禿河氏にも話をしてあります。それから竹下大蔵大臣に対しても私は私なりに話をしてあります。でありますから、どうか大臣、できれば二十二日までにこの問題が解決できて、スモン患者が安心できるようにしてもらいたいと思います。よろしゅうございますか。
○国務大臣(野呂恭一君) わかりました。
○安恒良一君 次は、これもすでに予算の総括の段階で申し上げたんですが、投薬証明のない方について三月七日の日に東京地裁民事第三十四部が当事者双方出頭させた上で、投薬証明のない方について二つの所見を出しました。これはすでに両大臣、厚生大臣、大蔵大臣ともこの所見を守っていきたいというお約束をいただきましたし、また会社側にこれをのませるべく説得するというお約束もいただいたんです。ところが、その中の第一項のいわゆる和解手続において、製薬会社が薬物関連性がないとして争い、現在まで和解が成立していなかった百十九名の患者問題は、回答日がこれは二十一日になっているわけです。ですから、この前私は大臣にお願いしたんですが、ぜひこれは大臣みずからが製薬三社の社長さんと十分なお話し合いをしていただきたい、こういうことを実はお願いをしておきました。恐らく大臣はタイミングをはかられておると思いますが、裁判所に対する回答が二十一日になってます。これが円満に片づきますと、私は投薬証明のない方の問題が大きく前進をすると思いますから、この点も二十一日までに、大臣も予算委員会に縛られて大変お忙しいとは思いますが、ぜひ製薬メーカーの三社の社長を呼び出されて事態の円満解決について話し合いをしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(山崎圭君) 安恒先生御提起の問題、よく私ども肝に受けて、大臣の御意思も体してやっているつもりでございます。時期の判断の問題あるいは説得の方法等につきましても、多少私どもにお任せいただきたいとは存じますが、その方向で努力させていただきたいと存じます。
○安恒良一君 大臣、いいですね。
○国務大臣(野呂恭一君) いま申しましたとおり、この問題の早期解決が大変大事な段階でございます。直接企業側の責任者を呼んで説得することも必要であろうと考えておりますが、その時期、方法は少しこちらの方にお任せをいただきたい。全力を挙げて取り組む所存でございます。
○安恒良一君 では、時期、方法はお任せいたしますが、どうか、何回もくどいようでありますが、一応裁判所の回答日が二十一日ということに第一項についてはなっておりますから、ぜひその点を重視をして、あとは大臣、担当局長にお任せいたしますので、やっていただきたいと思います。 それでは、次の問題に移ります。 医療機関、診療所の一人法人化の問題が最近また話題に上がってきております。御承知のように、現在は一医療機関に三人以上の医師がいる場合ということになっていますが、これも私どもの同僚委員の大木委員が予算委員会で質問しました。率直に言って私は心配しているんですが、大臣はやや肯定するがごとき発言がちょっとありました。そこで私は、この問題で少し聞きたい。——大蔵省お見えになっていますか。 まず、大蔵省の方にお聞きをしたいのですが、医療機関の一人法人問題について、この点については税制調査会等でどんな議論がされているのか、どんな問題点があるのか、また、税を担当されている大蔵省としてこの問題についてはどんなお考えをお持ちなのか。私も税制調査会の委員を過去数年やったんですが、ひとつざっくばらんにこういう一人法人の問題について大蔵省の考え方を聞かしてください。
○政府委員(梅澤節男君) 御指摘の点が二つあるわけでございますが、まず第一点、過去税制調査会におきまして、いま御指摘になりました一人医療法人の課税をめぐる問題についてどういう審議が行われたかという点でございますけれども、本来一人医療法人の問題は、税制が最初に結論を出すとか方向づけをするという問題ではございませんで、医療法上そういう体制になった場合に課税上どういう問題が起こるかという問題の経緯になろうと思います。そういうことでございまして、一人医療法人そのものにつきまして、税制調査会におきまして議題として取り上げられ、具体的に審議が行われたということはございません。 それから、第二点の御質問でございますが、これは、先ほど私申し上げましたように一人医療法人の問題というのは、本来医療行政の問題といいますか、医療機関のあり方として医療法上法人格を与えるべきかどうかというのは、そういう観点から検討されるべき問題でございまして、私どもとしてはそういう実体法上の御結論が出た場合に課税上どういう問題が起こるのかというふうにこの問題については対処しておるわけでございまして、一人医療法人が税制上いいか悪いか、あるいは大蔵省としてどういう判断を持っておるかということにつきましては、私どもは一切この問題については予断を持っておらないわけでございます。
○安恒良一君 それじゃお聞きしますが、いま法人事業所総数というのはどのくらいあるんでしょうか。
○政府委員(梅澤節男君) ちょっと手元に詳細のデータを持っておりませんけれども、五十三年度時点でラウンドナンバーで申しましておよそ百五十方法人あると思います。もちろんこれには休業法人等も入っておりますが、概数としておよそ百五十方法人でございます。
○安恒良一君 百五十万の法人の法人税というのは、率直なことを言って大変な事務取り扱いになっています。それで医療機関における一人法人が認められたら、それじゃ大蔵省はさらに法人がどれだけふえると思われますか。
○政府委員(梅澤節男君) これも手元に数字がございませんで申しわけないんでございますけれども、いま開業医の方がおよそ九万五千人くらいおられるわけでございますから、この九万五千人くらいの方が一人医療法人で全部法人になられますと、法人の数が九万五千くらいになるということでございますが、税務行政上の事務量の問題になりますと、これは国税庁からお答え申し上げなければならない問題でございますけれども、この九万五千人くらいの開業医の方は、現実に現在所得税を納めておられるわけでございますから、所得税の納税者が法人税の納税者にかわる。数量的にはそういう形になろうかと思います。
○安恒良一君 どうも審議官に来てもらいましたけれども、資料その他準備不足ですからやむを得ません。これはいずれまた予算委員会で大蔵大臣それから主税局長に少しお聞きをすることにしましょう。 そこで、厚生省側について、この一人法人問題が最近にわかにいろいろ議論をされているようですが、どういう考えをお持ちなのでしょうか、一人法人問題について厚生省側の考え。それから、必要なのかどうかというところから議論をしたいと思いますが、そういう点についてどういうふうにお考えですか。
○国務大臣(野呂恭一君) 先ほど安恒先生が御指摘になりました、私が予算委員会で答弁したことが前向きであるというふうに受け取られておるようでございますが、いまのところ私は前向きでも後ろ向きでもないのでございます。慎重に検討したい、こういうことを申し上げたわけでございます。 と申しますことは、医療法人の常勤医師三名以上というものを一人一法人ということに条件を緩和するということでなくて、先ほど大蔵省の方の答弁もありましたように、医療法人制度のあり方そのものに関連を持っておるわけでございますから、慎重に扱わなきゃならぬということを申し上げたわけでございます。決して税法上の問題が優先して、これをどうすべきであるという考え方ではございません。しかし、結果的には税法上の問題に絡んでくることは事実でございますが、いまは慎重に検討しているという段階でございますので、別に大蔵省とも税法上これはどうなるのだというような打ち合わせも何にもいたしていない、こういうことでございます。
○安恒良一君 それじゃこの問題、私はきょうは十一時七分までですから、あと若干しか時間がありませんからあれしておきたいと思いますが、私はこれもちょっとあれしておきたいのですが、大臣に認識を誤っていただいてはいけませんから……。 この前、大臣の御答弁の中に、社会党を初め野党の方々からの御要望もありと、こう言った。私、国会議員になってこの方面も担当しておりますが、調べましたが、社会党として正式に、社会党の社労部会とか大蔵部会等で議論をしたことはありません。社会党の個人の先生が何か意見を言われたかもわかりませんが、社会党としてこのことについてにわかに賛成するという態度は持っておりませんので、この前の大臣の御発言は、野党側の各党からも御要望がありと、こういう御発言になりましたから、その点は認識は間違っていると思うのです。 私はなぜこれを取り上げたかというと、医師税制について非常に不公平があるということで、やっとこの前若干の手直しをしたのです。あれでもまだ問題が、うんと不公平があると思います。 ところが、もうそれが終わると、途端にいままでは一医療機関で三人以上の医師が勤務した場合に法人という扱いをしているのに、一人でも法人になる、こういうことになると、これは税制上においてものすごいまた不公平を生ずる。それじゃ労働者、サラリーマンも一人でもいいのか、率直なことを言ってこういうことになるわけです。そういうことになりますから、税制上において、いま八〇年代において財政再建をどう行うかということと税制という問題は非常に重要な問題です。ですから、大臣も慎重にということでありますから結構ですが、率直に言ってお医者さんからは要望があることを知ってます。一人法人にしてくれないか、こういう要望があることは私は知っていますけれども、単純に事を扱われないようにぜひお願いをしておきたい、こう思います。その点はよろしゅうございますか。
○国務大臣(野呂恭一君) 十分理解をいたしておるわけでございます。 この前、野党各党からもこういう質問がございましたということを申し上げたわけでありまして、社会党の方で党議で、あるいは党としてのそういう強い要望があるという意味で申し上げたのではない。衆議院の段階において、社会党の方が一名あるいは公明党の方から三名の方の質問がございましたということを申し上げたのでございまして、どうぞその点も御理解を願いたいと思います。いずれにいたしましても慎重にいたしてまいりたいと思います。
○安恒良一君 それじゃもういよいよ時間がなくなりましたから、また改めてゆっくりやりますが、ただ一つだけちょっとお聞きをしておきたいのですが、御承知のように、医療費の不正請求、その他不正支払い等々で健保連がこういう問題について告発調査をやっています。そういう中で、これは私が私なりの調査で入手したのですが、五十三年の十月から五十四年の九月までの間にいろんな問題が起こりまして、そしてそれに対して各都道府県の保険課にこういう問題があるじゃないか、ああいう問題があるじゃないかということで、たくさんの中身を精査をしてもらいたいということで、行政に対する調査依頼が出ていると思うのです。 まず、調査依頼がどのくらい出ているのか、それからそれに対してどういうような回答をされたのか、この調査依頼が出ている件数、それから調査依頼が出てどのくらいその処理に時間がかかっているのか、こういう点について御説明を願いたいと思います。
○政府委員(石野清治君) 五十四年の九月末日現在でございますけれども、全部の組合数が千六百五十八組合ございますが、そのうちで行政庁の方に調査を依頼したというものが全部で約四百七十三件という数字になっております。そのうちで、調査の依頼中のものが二百六件、それから調査の回答のあったものが二百六十七件というふうになっておりますが、これはたしか健保組合連合会の方から各健康保険組合の理事長あてに、行政庁への調査依頼の状況を調査をいたしたものの数字でございまして、私の方は各県の方からこの数字を具体的な数字としてとっているわけではございません。その点御了承願いたいと思います。
○安恒良一君 私はおたくで調査されていると思ったのですが、ないということになると論議がかみ合いませんから、それじゃ早急にひとつどういう調査依頼があったのか。それからいま一つは、すでに回答済みのものがありますね。これ等について調査をしてもらいたい。 それじゃ、回答済みの問題について、きょう中身を聞いてお答えできますか。
○政府委員(石野清治君) 具体的なものを持っておりませんので、あるいは先生がおっしゃるものと議論が合わないといけませんので、まだないというふうに御了承願いたいと思います。
○安恒良一君 それじゃ委員長、保留します。 これは、早急に調べてほしいのはどういうことかというと、一つ、二つ事例を挙げておきますと、もう私のところには医療機関の名前も全部わかっているのですが、歯科なら歯科のあるお医者のところへ行きまして、当然健康保険でできるのに自費でしかできない、こういうこと等が言われて、それに対し不服申し立てをしているわけです。そうしたら、それについては厳重に注意をしておくと。厳重に注意しておくじゃ困るわけです。これは当然返してもらわなきゃいかぬ。それからまた、五時以降に診療したのを全部これはいわゆる時間外加算をしておるのがある。これも医療機関の名前も全部わかっています。ところが、返還措置がとられず行政指導が行われた、こういうわけです。 これもいずれまたゆっくり論議しますが、私は医療費のむだ遣いについて大臣に予防策についてお聞きしたところ、二つ言われたのです。監査、指導は支払い基金を通じて厳重にやります、二つ目には、薬価基準を下げます、やります、これもきょうは時間がありませんからいずれゆっくり論議しますが、余りできもしないことをああいうところでは一生懸命言うわけです。そうして実際やっておることは、いま言ったように、この点についても返還措置はとられず行政指導が行われた。これは詐欺行為なんです。詐欺行為をやった以上当然返してもらわなきゃいかぬのに、出先の保険課は返還措置をとられず行政指導が行われた。こういうところに問題があるわけですから、これはひとつぜひ調査をしてほしいということにします。そこで、手っ取り早くできる問題の一つだけを指摘をして大臣の所見を承っておきたいのですが、支払い基金が御承知のようにどうもこれはおかしいと思って呼び出す場合のことですが、この点について、これぐらいはすぐ私は直せるだろうと思いますが、これは大臣はちょっとおわかりにならぬかと存じますので局長に答弁してもらっていいんですが、疑問を生じた場合は当該診療担当者もしくは機関に出頭、説明を求めることができる。そのときには県知事の、いわゆる「都道府県知事の承認を受けようとするときは、左の事項を具して申請しなければならない。」ということで、社会保険診療報酬請求書審査委員会規程がございます。これは昭和二十三年十二月十三日厚生省令第五十六号。これははっきりしておるわけです。ところが大臣、その中身にこういうことが書いてあるんです。「一 診療担当者又は指定医療機関の氏名及び住所」、これはもう簡単。第二番目に、「不正又は不当と認めた事実」と、こうなるんです。疑いじゃない、「事実」と。そうしますと、都道府県の医者はこれを盾にとって、「不正又は不当と認めた事実」というところで抵抗するわけです。事実があったら何も調査することないんです。呼び出すことないんです。ところが、この規程は前文においては疑いと書いてあるんですが、中の一、二、三項目の第二項目に「不正又は不当と認めた事実」と、こういうふうにあるから、これを盾にとって出頭しない、こうなるわけです。こんなのはだれが見ても直さなければならない。やはり私は、不正又は不当の疑いがあった、こういうふうに直さないと、これは現実上、あなたは支払基金を通じてがっちりやりますどか、監査、指導をやりますといって、こんなことがいまもって——しかもこれはきょう私が指摘したわけじゃない。ずっと前からも、こんなことぐらい直したらどうだという指摘は同僚委員もしているんです。これはもう本当に簡単なことです、前文では疑いと書いてあるんですから。ところが項目の中で、「不正又は不当と認めた事実」、これが盾にとられて、いわゆる呼び出しもろくろくできない。これじゃ全然不正を追及することはできないんじゃないですか。ここのところどうですか。
○政府委員(石野清治君) いま御指摘のように、社会保険診療報酬支払基金法の十四条の三で明らかにしておりますけれども、「必要があると認めるときは、」となっておりますので、当然その疑いのある場合もこの中に入ってくるわけでございます。御指摘のように、審査委員会規程の方では、前段の方で、「適否につき疑問を生じた場合」と書いてありますので、明らかにそういう疑いがある場合は呼び出す、こういうふうになっておるわけですが、その解釈をどう間違えているのかしれませんけれども、疑いのある場合はできないんだと、こうなっておりますのは第二号が原因だ、こういう御指摘だと思います。 私も、これはもう当然だと思っておったわけですが、お聞きしますと、そういうこともあるということでございますので、これにつきましては早急に基金の方に対しましてそうではないということを明らかにしたいと思います。
○安恒良一君 それじゃこの第二号を、本文に書いてあるように、いわゆる不正又は不当の疑問が生じた場合というふうに、こんなことを直すことは簡単ですから直してください。 まだたくさんありますが、私の時間は七分までということですから、きょうはこれぐらいにしておきます。
○高杉廸忠君 大臣がさきの所信表明でも明らかにされたように、福祉の一層の充実が現在の政治課題であることを確信しているところだと思います。 私は、本日は第一に、社会福祉事業に携わる職員の教育などについて、第二に、老人ホームの入所者の費用徴収基準の改定の問題などについて、第三に、合成洗剤の追放等について、厚生大臣を初め関係当局にお伺いをいたしたいと存じます。 まず、社会福祉事業に携わる職員の教育などについて伺いますが、福祉充実で欠かせないのは、一つは施設面の充実であり、同時に、施設で働く職員の充実、確保であろうかと思います。現在のわが国の社会福祉の現状、あり方等について若干ただしてまいりたいと思います。 まず、大臣はその重要性についてどのように認識をされていますか。また、資質の向上と待遇の問題は表裏の関係をなすものだと思いますが、基本的な姿勢としてどのようにお考えでありますか、御所見を伺います。
○国務大臣(野呂恭一君) 社会福祉を推進していくためには、いろいろの分野にわたっての積極的な推進を図っていくということはきわめて大事な問題であると思います。特に、社会福祉事業に従事する人々の資質を向上し、そしていろんな国民のニーズにこたえていく、その内容をより高めていくということは、私は当面する一つの大きな課題でなかろうかというふうに考えるわけでございます。 厚生省といたしましては、従来からそういう考え方に立ちまして、総合的な立場で社会福祉事業の推進に積極的に取り組んでまいっておるわけでございます。
○高杉廸忠君 言うまでもなく、福祉は人なりと言われるように、福祉に従事する職員の養成、教育の重要なことは言うまでもありませんが、今日、社会福祉施設に例をとっても、施設職員だけでも五十万人とも言われているわけであります。その急増ぶりは、昭和三十年代の十万人台から昭和四十年代の後半には三十万人台であったものが、今日五十万人台になったわけで、その間の教育、訓練、養成、こういうようなことはどのようになされてきたでありましょうか、伺います。
○政府委員(山下眞臣君) 御指摘のとおり、現在社会福祉施設職員数だけで約五十万人、福祉事務所等の関係行政機関等も入れますと約五十七万人の社会福祉関係職員がおるわけでございます。 これらの者の養成、訓練と申しますか、教育と申しますか、それにつきまして現在行っております状況でございますが、まず、養成、訓練の第一といたしましては、日本社会事業大学に対しまする指導的な福祉従事者の養成委託ということを厚生省としては行っておるわけでございます。 それから、第二番目におきましては、全国社会福祉協議会の中に社会福祉研修センターというのが設けられております。これに対しまして各種の研修の委託をいたしております。社会福祉主事の資格認定講習でありますとか、児童福祉司の資格認定講習でありますとか、あるいは社会福祉施設長の資格認定講習、そのほか施設長、査察指導員、生活指導員等の現任訓練、こういった養成委託をお願いいたしているわけでございます。 そのほか児童局関係では、保母養成施設に対する助成、そのほかに社会福祉主事の養成機関の指定、あるいは講習会の指定といったようなことを厚生省としては行っているわけでございます。このほかにも、各都道府県の段階におきましてあるいは講習会、あるいは社会福祉事業従事職員の研修所というのを設けまして、活発にその養成、訓練に当たっておるというのが現状でございます。
○高杉廸忠君 研修、教育の重要性を認識しながら、たとえば現在働いている人の研修の場は十分確保されていないと思うんです。 私は手元に、昭和五十四年五月現在の社会福祉研修所設置状況一覧というのを資料としていただいておりますが、全国で固定した研修施設は十五カ所しかない現状です。もちろん研修は場所の問題ではないと思いますけれども、それにしても、研修施設の整備はその必要性に比し大変おくれていると考えるんですが、現在の現任訓練、研修、これはいまお話のようでありますが、どのような方法で、またどのような場で行われていますか。それとまた、その充実策についてはどんな方向で進めようとされているのか、これをちょっと伺います。
○政府委員(山下眞臣君) まず中央におきましては、先ほど申しました社会福祉研修センターに対します委託事業といたしまして社会福祉施設長、これが年間七百二十名、それから査察指導員、これが年間三百六十名、それから主任生活指導員、これが年間四百八十名、合計千五百六十名、これが資格認定以外のいわゆる先生がおっしゃいました現任訓練につきまして中央で行っております委託事業の概要でございます。 このほかに、ただいま先生が仰せられましたように、都道府県におきまして研修所を設置をいたしまして行っておりますのが十数県ございますのに加えまして、そういった常設の研修所を設置していない都道府県におきましては、随時研修会、講習会というものを開催をいたしましてこれに当たるという体制になっておるわけでございます。
○高杉廸忠君 御承知のとおりに、戦後の社会福祉施設の量的拡大の中で施設は機能分化をしてきていると思うのです。高度の専門知識と処遇技術、これを身につけて新しい基軸となる職員の養成、これは欠かせない問題だということはいまもお話があったとおりだと思うのです。 そういう観点から見ますと、社会福祉関係の学部それから学科、コースなどを設けている大学などは、私は延べ六十八に及んでいると聞いているのです。しかし、その教育の内容は広い意味で社会福祉専門家の教育機関として必ずしも機能していないのではないか、こういうふうに思うのです。その端的な例として行政機関を志望する者が多い。また、実際には施設に就職する比率が二五%程度と私の調べではなっているわけなんです。大学等の教育のカリキュラムなどに対する見直しというのはどういうふうに行っていられるか。 それからまた、社会福祉系の大学出身者の社会福祉関係及び施設就職率はどのように把握をしているのか。また、その非常に低い、二五%だと私の調べではなっていますが、どこにその原因があるんだろうかということを、わかっていたらひとつ教えていただきたいと思います。
○政府委員(山下眞臣君) 現在、社会福祉関係の学部、学科を設置しております短期大学、大学、大学院は御指摘のとおり六十八でございます。同じ学校に短大と大学とありますので学校数はもっと少ないんでございますが、公立が十、私立が五十八という状況に相なっておるところでございます。入学定員にいたしますと六千五百八十九名という現状に相なっておるわけでございます。 これらの大学の卒業生の卒業後の就職先の状況は、全体につきまして把握をいたしておりませんが、その最も中心的な立場にございます日本社会事業大学、これにつきましての調べがございますが、総数で五千百名程度の卒業生をすでに出しておるわけでございます。 その就職先の状況を概略申し上げますと、社会福祉関係全般でその中の約八〇%でございます。その中で行政機関が約三一%、それから社会福祉施設がただいま御指摘ございましたように二五・五%程度、教育研究機関、これが約一五・八%、それから社会福祉事業団体、これが七・七%、以上で約八〇%でございますが、それ以外の方といたしましては、病院、診療所等にお勤めになる方が八・七%程度おられるわけでございます。その他といたしましては一〇・四%程度が進学でありますとかさらに上の学校に研究に進まれるとか、そういう状態に相なっておるわけでございます。 施設関係の就職者が約四分の一程度ということで、必ずしも多くないという見地から、その理由いかんということでございますが、これはいろいろの原因があるかと思うのでございます。御本人の希望もございましょうし、あるいは私どもなりに処遇改善に努めてきておるつもりではございますけれども、現段階におきまして必ずしも他よりも非常にすぐれた処遇にあるというふうに認識されていないという面もあるかもしれません。いろいろの理由が重なっておるのではないかと考えております。
○高杉廸忠君 カリキュラム。
○政府委員(山下眞臣君) 失礼いたしました。 カリキュラムにつきましては、大変専門的でございますので、私的確な知識を持ち合わしておらないのでございますが、二、三年前来関係者の集まりによります研究会等も持たれまして、そこの中で特に強調をされましたのは、やはり一般の普通の学部と違って社会福祉という学部につきましては、実習と申しますか、その実習教育を強く重視すべきだという御意見をいただいております。 その線に沿いまして、各大学等におきますカリキュラムの一つの模範と申しますか、標準になりますような役割りを日本社会事業大学が果たしているわけでございますが、日本社会事業大学におきますそのカリキュラムの中で、実習関係が最近重視されられるような傾向に相なってきております。そのほか、この新しい社会事業大学の学部のあり方につきまして目下検討をいたしまして、五十五年度におきましては、その学科の割り振りを若干充実して変更するという段階になっておるわけでございます。
○高杉廸忠君 五十年から五十一年にかけて出されました「社会福祉教育のあり方について」、これは中央社会福祉審議会長から出ているわけですが、この諸提言、これですね。大変長くなっておりますが、簡潔にお答えいただいて、項目別には後ほどで結構でありますから、資料としていただければありがたいと思うんですが、詳細については資料で御提出いただけるでしょうか。
○政府委員(山下眞臣君) はい。 まず、最初に、その中で申しておりますのは、社会福祉に関する高度の知識、技術、専門技術の付与ということが指摘されているわけでございますが、これにつきましては、日社大に対する委託費の中におきましても、特別研究費の計上、あるいは実習科目の講師謝金の計上、あるいは児童、老人、身体障害者等の分野別の専門教育の実施というようなことでそれぞれに努力をいたしてきておるわけでありますが、詳細につきましては、それでは資料によりましてお届け申し上げたいと思います。
○高杉廸忠君 それからもう一つ御存じだろうと思いますが、社会福祉教育に携わる大学の代表者からの要望書、昭和五十四年十二月二十日に出ております四項目にわたる要望書です。これについて検討されておりますか、これが一つであります。それで、この中で現段階で御返事いただけるものについてはお答えをいただきたい、こういうふうに思います。繰り返しますが、ここにあります要望書、「一、社会福祉施設長の任用資格を明確に定めること。」、以下こう書いてありますから。これらについてはどうですか。
○政府委員(山下眞臣君) 御指摘のまず第一の任用資格につきましては、私どもなりに現在、省令あるいは次官通知、あるいは告示等の中におきましてそれぞれの資格を定めておるわけでございます。たとえて申し上げますれば、一番基本になりますのが社会福祉事業法におきまする社会福祉主事の資格というのが法律に基づきまして決められております。これを引用しながら、施設長につきましては、その資格を有する者あるいはそれと同等以上の者、あるいは二年以上の社会福祉事業に対する経験を有する者というふうな決め方をいたしております。生活指導員、査察指導員につきましてはこれよりも若干高い資格を要求しておるというふうなことで、個別に詳しく申し上げませんが、一応の資格の定めをいたしているわけでございます。御要望の趣旨はさらにこれをよりきめ細かく、より明確にいたせという趣旨だろうと思っておりますので、そのような方向で現在検討いたしておるところでございます。 それから第二番目の、社会福祉施設なり機関に配置される職員につきまして、優先的にソシアルワーカーが、資格者が採用されるように資格規定を改めろ、こういう趣旨でございますが、私どもの気持ちといたしましても、指導上なるだけそういう資格のある専門家を充てられるように指導いたしてまいりたいと思っておるわけでございます。ただ、資格と申しましても、これは諸外国もそうでございますが、いわゆる業務制限、これこれの資格を有する者でなければ一切社会福祉の事業に従事してはならないというふうなところまでまいりますのは現状におきましては大変困難でございますので、この趣旨に従いまして努力をいたしてまいりたいと考えておるわけでございます。 それから三番目は、社会福祉教育の現場要請にこたえるための助成措置を講ずるとともに、国立大学に社会福祉の学部を設けるようにしなさいとなっているわけでございます。現在のところ、先ほど申し上げましたように、公立並びに私立で六十八程度の学科を持つものがあるわけでございますが、国立にはございません。私どもといたしましては、いわば日本社会事業大学に委託事業としてお願いいたしておりますが、これが実質的には国立のかわりをいたしておるような意味を持つものというふうに理解をいたしておりまして、その充実には一層努力をいたしてまいりたいと考えておるわけでございます。 それから第四番目は、先ほど申し上げました社会福祉事業法の第十八条、これの指定科目を、社会福祉に関する社会事業概論から始まります十数項目の科目がございます。その中で、大学等におきまして三科目以上を修めた者という規定になっておるわけでございますが、これにつきまして、純社会福祉専門というものから薄い感じの科目だけ三科目とりますと、法律学、経済学、社会学とこれで三科目になって、これは直接社会福祉の必ずしも直の専門家ではないという点について検討を加えろという御趣旨だろうと思うのでございます。その点につきましても、今後十分検討いたしてまいりたいと思うわけでございますが、必ずしも現状におきまして余りに縛り過ぎましても実情に合わない面もあるかと思いますので、こういう御要望の趣旨に沿って今後検討させていただきたいと考えている次第でございます。
○高杉廸忠君 特に繰り返しますが、四番目の、いまお答えになった「社会福祉主事任用資格のうち、大学で法律学、経済学、社会学、心理学等の中から三科目を履修すれば足りるとする現行の規定を抜本的に改め、」と、こうなっておりますから、これらについてもとくと御検討をいただきたい、こう思います。 それから、社会福祉の大学ということになれば、戦後いち早く厚生省が社会福祉施設職員の養成の重要性を認識されて、財団法人中央社会事業協会に専門家の養成を委託され、その後社会事業専門学校、そしていま日本社会事業大学、こういうふうに移行してきているわけでありますが、ここで私は社会事業大学について触れたいと思うんですが、現在、国立に福祉の学科、学部がないことはいまお答えいただいたとおりでありますが、日本社会事業大学の役割り、そしてその機能、養成委託をしている厚生省としてどのように認識をされているのか。厚生大臣、私は、大学のプリンシプルにかかわる重要な問題でありますから、大臣からひとつその姿勢並びに御認識の所見を伺いたいと思うんです。
○国務大臣(野呂恭一君) お話しの日本社会事業大学は、社会福祉専門の教育を行うために設置されたものであることはお話のとおりでございます。将来の指導的な社会福祉の仕事に従事する方々を養成しておる学校でございまして、したがいまして、たくさんの人材がここに集まってまいりまして、先ほど申し上げましたように開校以来五千百余名に及ぶ卒業生を出してきておる。そして、わが国の社会福祉分野におきまする指導的な役割りを果たすために大変私は寄与しているものだ、したがって、この事業大学こそ社会福祉の今後の推進の上にも大きな役割りを持つものだ、力を入れていきたい、かように考えております。
○高杉廸忠君 いま大臣から日本社会事業大学のパイオニアとしての役割りや、社会福祉教育のシンボルとしての地位というものの御認識もいただきましてお聞きいたしましたが、今日の学校の校舎、寮、大変な老朽の現況でありまして、私も日本社会事業大学の卒業生の一人として大変現状を見るに忍びないものがあるんです。大臣もごらんになったと思いますけれども、あれは戦時中の建物でして、戦争中に被爆を受けて、天井から雨漏りが非常に激しい状態です。教室の中にもう一つの屋根を、そしてまた雨どいをしている、雨漏りしているものですから。そのように教室が非常に老朽してるし、雨のときには雨漏りのひどい状態。学生寮に行ってみますと、消防署からはその都度危険として指摘をされて注意を受けているような実情なんです。私はぜひ大臣に現状をごらんいただきたいと思うんですが、こういう状態で、いま大臣から御認識いただきましたが、社会事業大学が、これから日本の社会福祉の役割り、使命、大変重要なそういう役割りを持っている大学がこういう現状でいいかといいますと、どうなんでしょう、私は非常に見るに忍びない現状でありますが、大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(野呂恭一君) 日本社会事業大学をまだ見せていただいておりません。時間の関係等がございましてまことに申しわけないわけでありますが、なるべく早い機会にその現状を見たいと考えております。 同時に、いまお話しのように、昭和十一年に建設されたために、もう老朽も非常に激しいものがございます。これではとても教育の場として機能を果たし得ないというふうにも伺っておるわけでございます。そういう意味で、移転、整備についてここ数年来厚生省として検討してまいっておるようでございますが、まだ設置の場所等も、一応候補は挙げておりますものの、決着を見ていないというような状況でございますが、引き続き検討いたしまして、なるべく早くこの問題に対応し、移転、改築、整備を進めていくという方向に向かって努力をいたしたいと思います。
○高杉廸忠君 大臣、ぜひ一度ごらんいただきたいと思います。 この経過につきましては、私も社会事業大学整備計画の検討経過という資料をいただいております。四十九年以来移転計画が厚生宵を中心にして練られていることも承知をいたしております。もうすでに検討を始めていただいて六年になっているんですが、具体的に移転の義手ができない、こういうような運びにならないというネックといいますか、隘路といいますか、それはどこに局長あるんでしょうか。
○政府委員(山下眞臣君) 書類で御提出申し上げておりますとおりに、五十一、二年ごろから私ども一応の候補地を横浜検疫所長浜措置場の跡地を、そこを移転先として考えまして検討いたし、一応特特会計の要求等もいたしてまいったわけでございます。いろんな要素があるわけでございますが、一番のネックといたしましては、現在原宿にございます土地、建物を売却をいたしまして、それを財源といたしまして郊外に出まして、より広く、よりりっぱな学校を建て面したい、こういう考え方で特特会計要求をいたしておるわけでございますが、現在の原宿の土地、建物につきまして、その跡地をいかに利用するかその跡地計画、これが確定をしないというような状況にございまして、その点が一つのネックになっておるというのが一つの理由でございます。
○高杉廸忠君 移転ということになると、局長も御承知のとおりに、施設面の充実は当然でありますが、教職員等の人材の安定した確保への配慮というのは当然欠くことのできないことになるわけです。こういった移転に伴う条件整備について私は、基本的にどういうふうなお考えであるのか、それからまた、大蔵省の折衝でどういうふうな態度で臨んでおられたのか、これをちょっと伺いたいと思います。
○政府委員(山下眞臣君) 確かに現在の所在地の原宿はきわめて至近と申しますか、都心に近いところで便利がようございます。その意味におきまして、あるいは非常勤講師の方においでいただくにいたしましても、大変都合のよいという面もあるわけでございますが、これをより広く、より運動場等も備えたりっぱなものにしていくということになると、どうしても郊外に出るということにならざるを得ない。そうなりますと、そういった非常勤の講師の先生方をお呼びするにしても、その通勤に相当の時間がかかる等の条件が出てくると思うのでございますが、そういった、学生寮の設置の問題もございますし、あるいは非常勤講師の確保というような面の問題等もございます。そういった点につきましての条件整備についてはできるだけの移転が決まります際には配慮をいたしたい、こういうふうに考えているわけでございまして、特特会計上の移転改築につきましては、原則としては現状の移転と、それを新しくするというのが原則だというたてまえはあるわけでございますけれども、私どもといたしましては、その際にできるだけの充実をいたしたいという考え方での要求をいたしてきているわけでございます。
○高杉廸忠君 現在の委託費の伸びというものを見ますと、大変低く抑えられてきているように見れるんです。その算定基礎になる教職員の数も、これは行政改革の一環として一律定員削減の対象になっていると聞いているんです。 福祉職員の養成、訓練が緊急な課題であるときに、こういった国の支出に対しても特段の配慮というものが社会事業に事関する限り必要だと思うし、厚生省当局としても長い間の歴史を持つ日本社会事業大学でありますから、財政当局についても強く私は、一律定員削減ではない、というよりは、むしろ充実の方向へ向けて職員を確保、条件整備をする必要がある、こういうふうに思うんです。私は、厚生省にもう少し前向きの姿勢を強く大蔵当局等にも出していただきたいという激励を含めてお願いをするわけですが、この辺の条件整備についての姿勢についてはいかがでしょう。
○政府委員(山下眞臣君) 私どもといたしましても、日本社会事業大学が全国の社会福祉教育の一つのモデルと申しますか、一つの標準的な、中心的な存在になっておるという状況にもかんがみまして、できるだけその充実等に努力をいたしたいと考えます。御指摘のとおりに、職員総数三十七名ということでこの数年間変動なしに推移をいたしてきております。五十五年度におきましては教員の方は一名増いたすわけでございますが、御指摘のようなこともございまして、事務職員の方が一名減というようなことで、総数においては三十七名変わらないという状況に相なるわけでございますが、今後ともできるだけの努力をさしていただきたいと考えております。
○高杉廸忠君 厚生大臣、いまお聞きのように教育環境というのは施設面の問題であることは共通の認識でありますが、大学当局の意向も十分くんで、そして学生が学業に専念できるように、また教授の方々には教育研究に専念できるように、ひとつ条件整備を積極的に大臣の方で御指導いただいて、一日も早くこれらの希望が生かされるように、しかも教育が充実をしていく、そして大臣がお示しになったような方向の八〇年代の社会福祉を担う、そういう役割りを果たしていくための社会事業の一層の充実に向けていっていただきたいことを、私は要望として大臣に強くお願いをしていくところであります。大臣からの御所見をいただきたい。
○国務大臣(野呂恭一君) 大変御鞭撻をいただいて感謝を申し上げますが、なかなか福祉各分野にわたっての内容をより高め、国民の要望、期待にこたえるということは一挙にできがたいものがございます。しかしながら、まず社会福祉で何と申しましても今後の基本的な問題として、りっぱな指導者を養成するということはもう言うまでもないことでございます。したがいまして、御趣旨の点は十分配慮しながら財政当局とも話をさらに進めまして、移転、改築のための条件整備、施設をどう改善していくか、あるいは指導陣営をどのように強化していくか、こういうものも含めまして対処してまいりたい、かように考えます。
○高杉廸忠君 大臣からお答えをいただきましたから、社会福祉関係については終わって、次に、老人ホームの費用徴収等について伺いたいと思うわけでございます。 養護老人ホーム及び特別養護老人ホーム入所者の費用徴収基準の改正の問題についてお尋ねをいたしたいと思うんですけれども、この件につきましては、去る二月の二十一日の衆議院の社会労働委員会においてわが党の山本政弘委員の質問がありました。幾つかのことが確認をされております。しかしながら、その後も老人ホームの皆さんから要望などが私のところへも強く、たくさん来ております。この機会に幾つかのことに関して私は意見を述べながら厚生大臣初め関係当局に伺いたいと思うんですが、二月二十一日の会議録、これを詳細に拝見いたしました。大臣はこの中で、施設の改善を含めてホームの環境、福祉について早期にどういう方向で進めるのかについて計画を立ててみたい、こういうふうにお答えになっているわけであります。それから費用徴収の改定についても、省内で十分な工夫を検討し、四月強行というようなことでなくて、時間的猶予を考えるべきではないか、こういうふうに大臣がお答えになっているわけであります。 そこで、まずお尋ねいたしますけれども、施設の改善などについてどういうような内容の計画を立てておられるのか、時期はいつをめどにされるのか、この点をちょっとまず伺いたいと思います。
○国務大臣(野呂恭一君) 私が衆議院の社会労働委員会で二月の二十一日に山本議員の質問に対してお答え申し上げた、その内容について御指摘があったわけでございますが、まず第一に私が申し上げたいのは、入所者の費用徴収に当たっては、少なくも徴収するに値する施設が整備されることも大事ではなかろうか、こういうことでございます。ただ費用を徴収するというだけでは、これはいろいろ御不満もあり、また合意を得られることではないから、その意味で、今後ともその施設の内容の整備について検討していかなければならないということを申し上げたわけであります。 それから第二の、いつから実施するか、なかなか四月実施ということについては、御理解をいただく準備も必要であろうと思います。まだこの費用徴収の基準についても、多少とも検討しなければならない問題点もあるのではないか。そういう意味で、十分ひとつ検討をさしていただきたい、こういう趣旨の答弁でございます。 したがいまして、時期はいつなんだということについて、いま明示はできませんけれども、いまそれについて検討をいたしております。少なくも私は、費用徴収の中身についてはいろいろの審議会、いままでの御意見等がございますので、そういうものを踏まえて、この際基準の改定をしようということに相なったわけでございますから、そのことは大きく間違っておるとは思いませんが、ただ入所者同士の中における不均衡があるではないか、あるいは在宅老人との間における不均衡もないとは言えない、こういった諸点を考えながら、予算内で工夫すべきものは工夫し、そして御理解をいただき、スムーズにこうしたホームが運営できるような、そういう意味で検討する時間も必要であろうということでございますから、もうしばらくひとつこれに対して、いつから実施するのかということに対してのお答えをお許しをいただきたい、こういうふうに思うわけでございます。
○高杉廸忠君 実は私の手元に、全国老人福祉関係担当係長事務打合会の資料というのがあるんですが、この説明文書の中で言われているというのは、「一般用」「老人ホーム利用料の改訂について」というのがあるんです。その初めのところに、「今回の老人ホーム利用料の改訂は、昨年十一月の中央社会福祉審議会の意見書の趣旨を尊重して、入所者に負担能力に応じた適正な負担を求めることにより、福祉の公平を図っていくためのものであります。」と、こう書かれているわけです。「この問題は、永年にわたり関係者からその是正を指摘されていた懸案事項であり、単なる財政再建の見地からの見直しではありません。」、こう述べられているんです。 これを見ますと、社会福祉審議会の意見を尊重して見直すんだということになりますが、ここの審議会というのは、昭和四十七年から五十二年に出された答申というもの、以前の答申ですが、それは一体尊重をされるのかどうか、この点が一つであります。 そちらの方は、たとえば個室化一人部屋、こういうことを含めた答申の内容になっているのが、いま申し上げました昭和四十七年から五十二年に出された答申の中にはっきり出ているんです。昨年の十一月の意見が出るや、改定については電光石火のごとく速くやって、前の前提条件で、個室化一人部屋とかいういわゆる施設の改善についての答申については、何かずっと先に送るような印象を受けるんです。これはやはり答申がその都度出ていれば、その都度の答申というものを尊重されていくべきだと私は思うんですが、その点はどうでしょう。
○政府委員(山下眞臣君) 四十七年並びに五十二年に出されました老人ホームのあり方についての御指摘の各点につきまして、現在それが完全に実現されているというふうには申し上げるわけではございませんが、御指摘を受けました後、できるだけの改善に努力し、ある程度の改善は進んできておるものと私ども考えているわけでございます。 主要な点を申し上げますれば、施設の一人当たりの面積の問題にいたしましても、四十七年から今年度に至りますまで年々改善をいたしまして、相当の面積の拡張をいたしてきております。あるいはその施設に配置されます従事職員につきましても、措置費の中におきまして年々増員の改善をいたしてまいっておりまして、現在特養におきましては八十人規模で約三十九名の職員、養護におきましては八十名規模で約十九人程度の職員という程度にまで増員の実も上げてきておるわけでございます。また、指摘の中には、四十七年にはまだ実施されておらなかったわけでございますが、在宅の老人に対しますいわゆるショートステー、あるいはデーサービス、あるいは給食サービス、入浴サービス、そういった事業も検討しろという指摘をいただいておりますが、それらの点につきましても、ここ二、三年来で実施をし、相当の進展を遂げてきておるというふうに考えておるわけでございます。 なお、それで完全に実施されて、十分の点数がいただけるというふうには申しませんけれども、今後ともそういった趣旨に従いまして、これらの点につきましての改善には努力をいたしてまいりたいと思っております。 その中で、先生のお話の中でも特に養護老人ホームにおける個室化の推進ということを御指摘になられました。この点につきまして、御指摘のとおりにかつて生活保護の養老施設でありました古い木造の老朽施設がなお残っております。こういったものにつきましては、六人部屋あるいは四人部屋という多人数部屋がなお残っておるところでございます。実は現在、老人ホームの施設整備の方針といたしましては、いわゆる寝たきりの介護を要します特別養護老人ホーム、これが非常に不足をいたしておりますものですから、これにつきましてはできるだけ新設を多くし、拡充していくというのを私どもは一つの方針にしております。 養護老人ホームにつきましては、数的には大体もう足りてきておるものでございますから、そういった老朽の改築を重点に指向してまいりたいと考えておりまして、ここ数年来、二人ないし一人の部屋での、いわゆる少人数の施設を重点に助成をいたしていくという方針をとっておるところでございます。 答弁が長くて恐縮でございます。
○高杉廸忠君 この費用徴収については、実際問題として国民の世論や新聞というのは余りよく書いていないんです。非常に評判が悪いです。 費用徴収について、値上げの説明も含めて、老人ホーム側の皆さんにも協力をしてくれと厚生省の方は言っているわけです。ホーム側にすれば、入所しているお年寄りの皆さんにお金はいただきますが、それに見合う改善も青写真もありません、こういうことでは施設側としても大変やりにくいところだと思うんです。ですから大臣、私のところに東京のホームの方が見えまして、五十五年三月七日に大臣あての「老人ホームの費用徴収制度の実施に関する要望について」、こういうものを施設の方々が置いていかれました。この要望書は九十一施設の施設長の一同、こういうふうに施設長の皆さんがこぞって要望されているところなんです。その内容は時間が十分ありませんから、この一つ一つについて申し上げることを省略いたしますけれども、私は非常にこれを拝見をいたしましてもっともだというふうに思うんです。この要望については大臣としてどういうようにお考えでありますか。五十五年三月七日のこの要望書であります。
○国務大臣(野呂恭一君) 東京都老人福祉施設長の要望事項に対してでございますが、局の方でいろいろ検討をいたしておりますので、いま私の方から具体的に申し上げられませんが、いずれにしても今度の費用徴収基準の改定に当たりまして、どうして入所者の理解を得るかということがきわめて大事であろう。その理解なしにいたずらに費用を徴収いたしますよということになりますと、いままで全然出していなかった人が急に突然理由のいかんにかかわらず出さなきゃならぬというところに、なかなか理解を得られることがむずかしいのではないか。つまりそれは福祉の後退だというふうに言われるわけでございます。しかしながら、先ほども御指摘ございましたが、別にこの問題については唐突として出たわけでございませんので、五十四年の中央社会福祉審議会の答申においても指摘されております。また、昭和五十年の厚生科学研究におきましてこの費用徴収のあり方についての研究も行っておるわけでございます。たまたま五十三年十一月の中央社会福祉審議会において、老人ホームの費用負担のあり方ということについて審議することが決定されまして、そういういろんな答申を受け取りまして踏み切ったということでございますが、実施に当たりましては、こうした施設長の方々の御指摘も十分踏まえながら、異様な感じを持たないように、理解の得られるように何か工夫をしてみたいということで、現在その検討をいたしておる、こういうことでございます。 内容につきましては、局長の方からお答え申し上げたいと思います。
○政府委員(山下眞臣君) 個別に一つずつ申し上げた方がよろしゅうございますか。
○高杉廸忠君 いいえ、結構です。
○政府委員(山下眞臣君) 内容につきまして、たとえば改築を全額国庫で、十割国の金で改築をしろというような点等につきましては、ちょっと検討さしていただかなきゃ何とも申し上げられないんですが、たとえば養護老人ホームの老朽なものをできるだけ新しいものに、個室化したような姿で改築していくという趣旨、そういう点につきましてはできるだけの努力をいたしたいと考えます。大臣の御指示に従いまして、私ども精いっぱいの努力をさしていただきたいと思います。
○高杉廸忠君 先日、私どもの党の社労部会で、東京や神奈川のホームの園長さんからお話を伺ったんです。四月実施ではこれは無理だ、こういう話も強く出たんです。東京でも同様だと思うんですが、間違っていたら御訂正をいただいて結構でありますが、東京で例を挙げますと、施設側の方々が公式にこの徴収問題について改正を知ったのは、ことしの一月二十四日の新聞で発表された、こういうことで知ったというふうに聞いているんです。二月には具体的な話がなくて、三月七日に初めて説明会が開かれた、こういう突如としての話のようなんで、私はやはりこれは慎重に、いただくお年寄りの方々の同意も含め、扶養者の方も含め、施設側の方の協力も得て、そういう大体の合意を得られるような慎重さがあっていいと思うんです。そういういま申し上げましたような突然の話だというようなことで、対応としても困ったなというようなことですから、したがって四月の実施については私は無理じゃないか、こういうふうに判断をするんですが、その辺はどうなんです。
○国務大臣(野呂恭一君) 予算で決められておるわけでございますから、予算が成立しなければ話の持っていきようがございません。したがいまして、もう物理的にも無理であるということは言えると思います。 それからもう一つ、それよりももっと大事なことは、こういう基準を改定して新たに徴収するということでありますれば、十分それに対する理解が得られるようにしなければ円滑な運営ができないわけでございますから、そういう意味で時間、執行の期日は延びざるを得ないのではないかということでございます。問題は、物理的の問題よりも、入所者の理解を得られるよう、国民的な合意も得られるよう、そういう準備には慎重を期してまいりたい、こういうように思うのでございます。
○高杉廸忠君 少し細かいことで恐縮ですが伺いたいんですが、この費用徴収基準の「対象収入による階層区分」で、二十五万六千円まではゼロというふうになっているんですが、二十五万六千円以下をゼロとされたその根拠というのは一体何でしょうか、それが一つであります。 それから、老齢福祉年金との関係で、老齢福祉年金というのを意識されているような印象をちょっと受けるんですが、その点はどうなんだろうか、この関連です。 それから、全国民生主管部局長会議の資料の中に、収入と認定しないもののbに「地方公共団体又はその長、社会事業団体その他から恵与された慈善的性質を有する金銭」とありますが、具体的にはこれは何をいっているのか、ちょっとそういうものを簡潔にひとつ説明をいただきたいと思います。
○政府委員(山下眞臣君) 二十五万六千円以下は徴収金ゼロというふうにいたしております理由でございますが、これは昨年十一月の社会福祉審議会の意見の中でも指摘をいたしているところでございますが、特養なり養護の老人ホームに入所されますと、基本的な共通的と言えるような日常経費はほとんど施設側でめんどうを見る仕組みになっているわけでございます。しかしながら、あるいはたばこでありますとかあるいは教養娯楽も、ごく基本的なものは施設で見るんですが、特異な教養娯楽費でありますとかあるいは嗜好品費、こういったものは施設側ではそこまでめんどうを見ないという要素がございます。そういう意味で、共通的日常費と個別的日常費という言葉を使っておるわけでございますが、そういった嗜好品、教養娯楽等の個別的な日常費、これはどうしてもやはり手元に十分残るようにしなきゃいかぬのじゃないかという考え方が基礎にあるわけでございます。 しからば、その個別的日常費をどの程度と見るかということでございますが、先ほど大臣のお話にもございましたように、昭和五十年度におきまして老人ホームの入所者のそういった個別的日常費の実態調査と研究というのが行われております。当時大体月にして一万五千円程度、年間で十八万程度の金額があればそういった個別的日常費が賄えるんじゃないだろうかという御意見をいただいているわけでございます。それから時日がたっておりますものですから、その間の物価上昇、CPIの上昇等を加えまして、大体現在の時点では年額二十五万程度が妥当な額ではないかということで、二十五万という金額の判断をいたしておるわけでございます。そういうことの結果、この費用徴収をいたしますのは、前年度の所得に対して費用を徴収いたしますので、昨年の老齢福祉年金の五十四年度一年間の十二カ月分は二十一万五千円ということでございます。この金額より低うございます。 大変私、申し上げて悪いかもしれませんが、これからでございますが、五十五年度政府案でございますと二万一千五百円、承ります与野党合同によりますのが八月から二万二千五百円という、その金額で計算いたしましても、五十五年度の所得も恐らくそのころになりましても八月実施といたしますと二十五万二千五百円という感じになりますので、今明年福祉年金から費用徴収がされるということはない、かように考えておる次第でございます。 それから、地方公共団体または社会事業団体その他から経由された慈善的性質を有する金銭、具体的にあれしているわけではございませんが、たとえば盆、暮れ等にお見舞い金を差し上げるとかそういったたぐいのものは、これを収入認定する必要はないのではないかという考え方でございます。
○高杉廸忠君 十分な時間がありませんから、締めくくりとして大臣に要望を申し上げながら伺いたいと思うんですけれども、ホームの個室化、これを契機として計画をぜひひとつ進めていただきたい、そしてその青写真を早急にお示しをいただきたい、こういうふうに思うんです。 それから、ホームの老人の方々の医療、特に保険外負担である付き添い料とか個室代などの心配は具体的になくしていく、こういうように私はしてほしいと思うんです。 三つ目には、実施については入所者の方や扶養義務者の方、あるいはホーム側の皆さんに個室化計画青写真、医療保障などを含めまして十分なものを示して、そして話し合い協議が円満に終了するまでは費用徴収は保留する。 このいま申し上げました基本的な三つ、これは先般も厚生大臣が非常に社会福祉、特に老人福祉対策についてはデーサービス事業や寝たきり老人短期保護事業、生きがいと創造の事業、こういうようなことを挙げて所信の表明をなされたわけでありますから、いま申し上げました三つの柱はきわめて私はお年寄りの方の福祉について重要だと思います。この点について私は、大臣から前向きな姿勢を含めて所見を伺ってこの問題についてはけりをつけたいと思うんです。十分な論議ができませんでしたから、いずれ予算の一般あるいは分科会、あるいは社会労働委員会で後日またこの問題について触れさしていただきたい、こういうふうに思います。
○政府委員(山下眞臣君) 大臣のお答えの前に私、事務的に……。 まず、個室化促進につきましては、私どもは昭和四十八年以来、二人部屋以下を基準として養護老人ホームを補助するという考え方でやってきております。今年度以降の施設補助に当たりましても、老朽養護老人ホームの個室化に重点を置いた助成ということにつきましては、十分努力をさしていただきたいと考えております。 付き添い看護あるいは個室料、病院に入院いたした場合の経費がある。もちろんこれらのものが医療費としてかかりました場合、それは本人の収入なり所得から当然控除するということは申すまでもないことでございますが、一般の問題といたしましては、医療保険全般の問題あるいは老人保健医療制度全般の中で今後検討さしていただきたいと思うわけでございます。 なお、入所者並びに関係者の皆様方の御理解を得るためのできるだけの努力をさしていただきたいと考えております。
○国務大臣(野呂恭一君) いま局長からお答え申し上げましたとおり、まず第一点の個室化につきましては、さらにその推進を図ってまいりたい。同時に、いま私どもが考えております青写真を資料として提出さしていただいても結構かと思います。また、介護等に対しましてもこれの充実を図っていきたい。さらに、入所者の御理解をいただくということがもちろん必要であることは言うまでもありません。しかし、それを条件として理解が得られるまでは徴収してはいけないということになりますと、なかなか理解と申しましても無限であろうと思います。したがって、私どもはとにもかくにも早く実施できるように、しかも実施した後は円滑に運用できるように十分努力をいたします。入所者を初めとして、国民の合意を得られるように最善の努力をいたしたい、かように考えます。
○高杉廸忠君 大臣からお答えをいただきましたからこの点については終わって、次に、合成洗剤の追放等を含めた問題について伺ってまいりたいと思います。 御承知のとおりに、滋賀県で富栄養化防止条例が制定されて、ことし七月から実施されようとしているわけなんです。他の公共団体においても合成洗剤の追放が進んできておりますけれども、この背景には、住民運動をじみちに続けてこられた人々の献身的な御努力に対して私は敬意を表しながら、その努力の結晶としての条例であることを評価いたしたい、こういうふうに思うんです。 この間、行政当局、特に厚生省、環境庁等々についてはいかなる対応をされてきたのか、まずこれを伺いたいのですが、厚生省は、大臣、国民の健康を守る責任があるにもかかわらず、真剣にこの問題に取り組まないで、洗剤業界の言い分だけを伝えるだけであったような印象を私は受けるんです。また、環境を保全すべき環境庁も、権限がないという逃げ腰で積極的に汚染防止に力を入れなかった、こういうふうに私は思うんです。厚生大臣、どういうようにお考えになりますか。これは反省を含め、厚生大臣、環境庁より責任あるお答えをまずいただきたい、こういうふうに思います。
○国務大臣(野呂恭一君) 最近、幾つかの地方公共団体におきまして合成洗剤の使用のあり方などの問題が提起されておるわけで、これは環境保全ということの立場から言えば環境庁の問題でもありますが、しかし、御指摘のように国民の保健の保護に当たるべき厚生省としては、これに対して十分対応すべき問題でございます。したがいまして、いままでその対応は十分ではないではないかという御指摘もありましたが、私どもとしては十分反省をしながら関係省庁と協議を進めて、住民に御心配をかけないような方向に向けて努力をいたしたいと思います。
○説明員(大塩敏樹君) お答えいたします。 環境庁といたしましては、滋賀県の富栄養化防止条例の制定に際しまして、琵琶湖の水質並びにその水質を確保するための方策等について県から事前に説明を受け、環境庁としても必要な助言をしてまいったわけでございますが、富栄養化対策の重要性から、私どもといたしましても昨年十二月、窒素、燐等検討会を設けまして、当面燐の水質目標を設定すべく作業を進めてございます。したがいまして、こうした結果を勘案して総合的な富栄養化対策を進めてまいる考えでございます。
○高杉廸忠君 技術革新に伴って開発をされて新しく発売をされる、使用される新製品、これについては私は、安全性の確認は国の責任であるというふうに思います。 そこで、お尋ねをいたしますけれども、先ほど来、同僚の安恒委員からもスモンの患者の方々についての問題が出ましたように、被害者に大変苦しみをかけてきたわけです。今日国としてその責任を負うことは当然であると私は思います。そのための国の金銭的な負担は膨大なものであると思いますし、このお金をもし安全性の審査のために使用していたら、お金の面でも国民の負担が軽減されていたであろうということは考えられるんです。また、環境の面でも事前に予防のために金を使っておけば、汚染をされ、破壊をされてからもとへ戻すに比べて金額の負担は少ない、こう思うんです。幾ら金をかけてももとに戻らないものは人の命、健康である、私はこういうふうに思うんです。事前審査がいかに重要であるかは大臣も御承知のとおりであります。したがって、新製品の安全確認、こうした点からは私は最も必要であると思いますし、特に大量消費されるものについては、事前の安全確認が絶対必要であるというように思います。後からでは取り返しがつかない、こういうふうに私は考えますが、厚生大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(野呂恭一君) 御指摘のように、洗剤などの安全性の確認こそまずなすべきことだと思います。また同時に、それは国の大きな責任である。従来から、こうした安全性の確認の問題については、それぞれ担当の方で十二分にただしてきておるわけでございますが、今後ともこの問題については国の責任の問題として対応してまいりたい、かように考えます。
○高杉廸忠君 それならば、次に非イオン界面活性剤を主剤とする無燐洗剤の安全性について伺いたいと思うんですが、非イオン界面活性剤を主剤とする無燐洗剤を売り出すという新聞報道が出ているんですが、果たして非イオン系なら安全なのか、環境を汚染しないのか、私はちょっと疑問を持つ一人なんです。 まず第一に、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルの急性毒性試験ですけれども、急性毒性試験をやっていないことはないと思いますけれども、これはやっているとすればどこで行われたのか。業者から聞きますと、厚生省でやっている、こういうふうに答えているんですけれども、その試験を行ったというならば、どんな試験であって、その結果というのはどういうものであるかということを発表して明らかにして、私は資料として御提出をいただきたいと思うんです。 第二に、慢性毒性試験というのは実施したのか。多分厚生省は、海外文献だけで調べたのではないだろうかと思うんです。私は、その文献があればこれまた御提出をいただきたい、こういうふうに思うんです。 それから第三に、食器洗剤として使用した場合の残留試験、これは実施しておりますか。実施したとすれば、その試験結果というものを私は示してほしい、あるいは文献資料、こういうものを御提出いただきたいと思います。
○政府委員(榊孝悌君) 洗剤の安全性の確認試験につきましては、現在の合成洗剤等につきましては、すでに御承知のとおり昭和五十三年にその結果が公表されておりますが、科学技術庁の特別研究促進調整費によりまして、経皮吸収によります生体影響の問題あるいは皮膚障害の問題、あるいは洗剤の洗浄効果あるいは残留性の問題等について研究が行われております。その結果、安全性については問題がないということでございます。 いま、新しい問題として非イオン系の界面活性剤についての御質問がございました。これにつきましては、合成洗剤によく用いられておりますポリオキシエチレンアルコールエステル及び脂肪酸エステルでございますが、これらの物質の毒性試験につきましても、すでにいろいろ行われているものがございまして、それについては一応人体に有害性があるとは現在の段階では考えられておりません。 なお、資料につきましては、後ほど提供させていただきます。
○高杉廸忠君 資料が提出いただけましたら、また詳細に検討さしていただきます。 次に、非イオン系の界面活性剤の水道への混入の問題について尋ねたいんですが、現在、家庭排水の処理率というのはきわめて低い状態ですから、洗剤が使用された場合、そのまま河川に入って水道の水の中に含まれる危険というのが多分にあることは言うまでもないんですが、水道法四条一項に基づく水質基準に関する省令には、陰イオン界面活性剤については基準がありますけれども、非イオン界面活性剤についての基準が定められていないんです。定めようとしても、現在の上水試験の試験方法では非イオン系の界面活性剤を検出できない、こういうように私は思うんです。この点、水道の水の水質保持の観点から、非イオン界面活性剤にどう対処されようとするのか、これはひとつはっきりしていただきたいと思うんです。
○政府委員(山村勝美君) 御指摘のように、合成洗剤を含む家庭下水等が河川、湖沼に入ってまいりますと、それを水源としております水道の原水に入ってまいるわけであります。通常の浄水方法では完全には除去できません。したがいまして、水道水中にもごく微量は混入していることがあるものと考えております。 お尋ねの水道法の水質基準に関する省令でございますが、これは一昨年見直しが行われたものでございまして、御指摘のように陰イオン系だけが規制をされております。これは合成洗剤の大部分が陰イオン系でございまして、これだけを測定する現在の方法で当面は差し支えないだろうという生活環境審議会の意見に基づいて決めておるものでございます。 また、基準値につきましても、発泡性、つまりじゃ口からの水のあわ立ちで不快感を与えない、そういった観点から決められておりまして、毒性についてはかなりの安全性が見込まれたものでございます。したがいまして、現行の基準で当面は問題はないと考えておるわけでありますが、最近、陰イオン系から非イオン系に移行する傾向も見られますので、今後の推移を見守りながら、また審議会の意見も拝聴いたしながら、必要に応じて水質基準の検討等所要の措置を講じてまいりたいと考えております。
○高杉廸忠君 従来、御承知のとおりに合成洗剤の業界というのは、燐はあっても、BOD、CODについては少ない、こういうふうに宣伝しているんです。 私は、三島市の光ケ丘団地の下水関係についてちょっと尋ねたいんですけれども、下水の終末処理に及ぼす合成洗剤の影響調査によりますと、合成洗剤のために活性汚泥の微生物の能力が落ちてしまうという結果が出ているんです。BOD、CODの排出量というのは合成洗剤の場合の方が多い調査結果が三島でもびしっと報告をされているわけです。環境庁の調査では、非イオン界面活性剤の方が陰イオン系の界面活性剤よりも自然分解が遅いという結果が出ているわけです。そうすると、下水処理への悪影響というのはこれから高くなることが考えられるんです。 厚生省は、合成洗剤による下水処理能力の低下ということについてどういうふうに認識をされるのか。それからまた、非イオン系の合成洗剤の下水処理能力への影響というものを——建設省の方見えていますか、これは建設省の所管かと思いますけれども、その点はどういうふうに見ておられるのか。 さらに、環境庁は、合成洗剤使用比率が低かった時点において排出水の測定項目が向上しているという事実の上に立って、環境保全の観点から合成洗剤が好ましくないということを、この際はっきり言明すべきであるというふうに私は思うんです。この点についてはどうでしょう。それぞれお聞きをします。
○説明員(望月薫雄君) 現在、下水道の終末処理場におきましては、いわゆる活性汚泥法という方法が一般的に採用されているわけでございまして、好気性の微生物によりまして、その活動によって下水中の有機物を分解する、こういった方式を採用しているわけでございます。 そういった前提に立ちまして、この合成洗剤と下水処理場の処理能力というものの関係でございますが、現在の合成洗剤というのは、微生物によります分解性がかなり高い合成洗剤が市販されているということと同時に、下水の中に入っております合成洗剤の濃度でございますが、これが大体一〇PPm以下であるという現状でございまして、そういった状態のもとでは、処理場の処理能力が合成洗剤のために直ちに落ちるというふうなものとは必ずしも思われないと現在考えております。 そこで、ただいま先生御指摘の三島市の調査でございますが、これにつきましては、一九七八年の五月から一年九カ月くらいかけまして三島市当局で行われたということを私どもも承知しております。その結果といたしまして先生いま申されたような数値が述べられているわけでございますが、ただ、何分にもこの処理施設は、大体これは九百八十戸くらいの住宅団地かと思われます。そういった小規模な団地の下水処理施設であるということと同時に、その処理水量が実はかなり変動いたしておりまして、合成洗剤のときから粉石けんのときには二月当たりの処理水量が大体八十リットルくらい減ったということで、もろもろのことが分析されておりますけれども、なぜこの水量が減ったのかというようなこと等がよく私どもわかっておりません。そういった状態の中で、この調査結果をもちまして直ちに合成洗剤が下水処理に影響を与えたと判断することはやや時期尚早ではないか、こんなふうに考えております。 そうは申しましても、建設省といたしましては、ただいまるる先生お話ございましたような、諸物質が下水処理能力にいろいろな影響を与えるということも十分考えられるところでございますので、現在、建設省の土木研究所を初めといたしまして関係機関におきまして諸物質の影響を調査、研究しているという状況でございまして、その上に立って関係方面とも御調整さしていただきたい、かように思っております。
○高杉廸忠君 環境庁、言明してください。言明しなさいよ。
○説明員(中村健君) お答え申し上げます。 環境庁におきましては、先生先ほどからお話しになりましたように、化学物質の環境汚染を未然に防止するという立場から、数多くの化学物質につきまして現在、環境中の濃度等について測定をいたしております。その結果等につきましては、新聞それからいろんな私たちの調査室のレポート等において公表いたしております。 そういうことで、御質問のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系の調査結果でございますが、そのような結果につきましては、現在調査の結果出ました濃度レベルにおきましては、環境中のいろんな生物系、生態系でございますか、魚とかそういうようなものについても数多くの実験と、それから既存のデータ、そういうものにつきまして私どもがいろいろ比較いたしておる限りにおきましては、現在におきましては、まだ、直ちにそれが影響が及ぶというようなふうには考えておりませんでございます。しかしながら、非常に重要なことでございますので、この環境中の濃度というものにつきましては、今後とも私どもは精力的に定期的な環境レベルの検査、そういうものを引き続けていって今後の推移を見守っていきたい、かように考えておるわけでございます。
○高杉廸忠君 すでに合成洗剤を使用している職場では労災の認定が行われているんです。労災をもたらすような化学物質が工場外へ出たら、健康公害被害また環境汚染が生ずるということは当然だと思うんです。われわれは、水銀やPCB、カドミウム、六価クロム、砒素等で痛い経験を経て知っているわけなんです。こういういままでに教えられた幾つかのこれを学ばないでどうして政治や行政ができるか、こういうふうに疑問を持つんです。したがって、環境庁においても、合成洗剤が好ましくないという程度の言明は私はやっぱりやるべきじゃないかというふうに思うんです。 合成洗剤が近い将来、健康公害被害や環境汚染の元凶として追及される事態が必ず来ると私は思うんです。川崎病もその疑いが非常に濃いんです。そのときになって、国はスモンと同じように共同被告の立場に立たされるんです。私はこの際、政府に対して特に警告をしておく必要があると思うんです。こういう事態になることを予想し、そうなる前に国・政府の責任で手を打つことがしかるべき処置であろう、そこが行政だ、私はこういうふうに思うんです。厚生大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(野呂恭一君) 合成洗剤の使用のあり方をめぐりまして、対応すべき問題についていろいろと先生の方から御指摘をいただいたわけでございます。御趣旨を十分踏まえまして環境保全、国民の保健、これらの立場におきまして関係省庁と十分協議しながら対応をしてまいりたい。御忠告並びに激励に対しまして感謝を申し上げます。
○高杉廸忠君 いままで私も幾つか要望をし、また指摘をしてきましたように、無燐洗剤として売り出されようとしている今回の非イオン界面活性剤を主軸とする合成洗剤というのは、大臣もお聞きになっているように、使用上についての安全性の十分なテストがされてない、こういう現状である。二つ目には、水道へ混入することが防げず、また水質基準もなく、試験方法も現在のところない、こういうことはさっき聞いたとおりなんであります。それから三つ目として、下水の終末処理に悪影響を及ぼす可能性というのは高い、こういうふうに私も理解したんです。そこで四つ目として、分解されにくく生態系へ回復しがたい悪影響を及ぼす、こういう可能性というものを持っている、この発売されようとするものが。以上の諸点は私は否定できないところだと思います。 そこで大臣、いままで合成洗剤については大臣もお聞きになったようなことであります。しかも、聞くところによれば、無燐ということで七万トンから五十万トンと、将来たくさんふえるということを私は聞いているわけでありますが、直ちにこれらの諸点が明らかにされない限り、販売それから使用、こういうことはひとつ当分見合わせてほしい、これは強い要望を申し上げ、大臣としても通産省あるいは環境庁、関係の省庁とも御連絡をいただきまして、いま申し上げました諸点について私は十分な配意の上でひとつお取り扱いをいただきたい。これは要望も含めて伺うわけでありますが、最後に大臣の御所見を伺って、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(野呂恭一君) 先ほどもお答え申し上げましたように、特に厚生省といたしましては、安全性の確保という観点から十分関係省庁とも協議をいたしまして万全の策を速やかに講じていきたい、かように考えるわけでございます。
○委員長(久保亘君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時二十分まで休憩いたします。 午後零時三十分休憩 —————・————— 午後一時二十七分開会
○委員長(久保亘君) ただいまから社会労働委員会を再開いたします。 午前に引き続き、社会保障制度等に関する調査を議題とし、厚生行政の基本施策に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○小平芳平君 初めに、スモンの問題につきまして、この問題は何回となく論議されておりますので、結論だけをお答えいただきたいのですが、特に投薬証明のない方、投薬証明が手に入らない方、それでスモンであると診断はされているんですが、これらの方に対する救済についてお尋ねしたい。
○政府委員(山崎圭君) お答え申し上げます。 投薬証明のない方々の取り扱いにつきましては、三月七日の日でございましたが、東京地方裁判所においてある考え方が示されたわけでございます。これは、一つはいわゆる投薬証明のない方のうち、不十分だとして被告会社側が和解を拒んできたケースが相当ございますが、そのケースについて裁判所としてこれはもう強く、いわばその資料によりましてスモンであることは間違いないし、和解を勧告されたわけであります。 それからもう一つは、さらに極限の問題といたしまして、全然投薬証明のない方々につきましても、ある考え方をもちまして、国の負担は三分の一、残りを被告会社の間で三分の二を分担しろ、それについては順次協議していこう、こういう趣旨の御意見が示されたものでありますが、私どもとしましては、この投薬証明のない問題の解決につきましては、製薬会社とともに解決をしていかなきゃならぬ、こういう基本線を持っておりまして、今回の東京地方裁判所の所見は私どもの考え方に合致する、かように考えておりますので、この判断も十分尊重しまして問題の解決に積極的に速やかに取り組んでまいりたい、こういう気持ちでございます。
○小平芳平君 そういたしますと、速やかに解決できますか。それから、速やかにその東京地方裁判所の勧告どおり解決できるという見通しですか。
○政府委員(山崎圭君) 私どもの考え方は、この東京地方裁判所の考え方を、これは全くそのとおりだと考えております。 問題は相被告といいますか、会社の対応がどうなるか、これが私どもの非常に懸念しております関心事でございまして、いままだ回答期限が来ておりませんが、会社側がこれに応じてくれるように期待ももちろん強くしておりますが、この会社側の対応いかんがこの問題を解くかぎの大きなポイントだと考えております。
○国務大臣(野呂恭一君) スモン対策につきましては、厚生省は従来からこの問題に鋭意取り組んでまいっておるわけであります。先ほど局長からも答弁申し上げましたように、特に投薬証明のない患者に対する対応につきましては東京地裁から判断が出されたわけでありまして、これは従来からの厚生省の基本姿勢に合致しておるものと評価をいたしておりまして、この判断を十二分に尊重して速やかに解決を進めてまいりたい。特に御指摘になっております他の製薬会社に対しましては、国とともに患者の救済に当たらなければなりませんので、この判断に基づきまして、製薬会社に対しましても十分尊重して国とともに解決に当たるように、私といたしましても誠心誠意これに取り組む所存でございます。
○小平芳平君 東京地裁の見解が国の姿勢に合致するということでありますから、その点は問題ないと思いますが、いまおっしゃるように、製薬会社が問題でありますが、それで大臣としては製薬会社も大体言うことを聞く、あるいは聞かせるという確信が持てますか。どうでしょう。
○国務大臣(野呂恭一君) 問題が問題だけに、なかなかこの問題は決して安易な問題ではないと私は思います。しかしながら、できるだけ早く問題の解決を図りたいということで一生懸命に努力してまいるわけでございます。 見通しは立っているかどうか、これは今後のいろいろの問題の進展を見なければ明らかにすることはできませんが、しかし、この責任は国とともに製薬会社にもあるわけでございますから、裁判所が示された判断を十二分に尊重していくように私どもは努力をいたしてまいりたいと思っております。
○小平芳平君 それでは、努力を要請して次へ参ります。 次に、午前中問題に出た点でありますが、厚生省は、老人医療について社会保障制度審議会に諮問なさるおつもりなんでありますか。 それで、特に福祉見直しというのですが、福祉見直しというと削ることを言っているのかどうか。老人医療とかあるいは児童手当とか、あるいはそのほかの問題もありますが、見直ししますということは削ることを意味するのかどうか、この点はいかがでしょう。
○国務大臣(野呂恭一君) 福祉全般の問題といたしまして、単に財政的見地から云々すべきものではないということでございます。したがいまして、五十五年度の予算の編成の際にも、私どもはこのことについて十二分に財政当局に予算の処置についての要求をいたしました。十分ではありませんけれども、福祉後退でないというこの姿において、私は、まずわれわれの要求を満たすことができたのではないかというふうに考えておるわけでございます。 特に、今国会におきましても論議を招きました、私と大蔵大臣との間に取り交わしましたいわゆる覚書なるものでございますが、私はあれは覚書とは思っておりませんが、いずれにしても政府といたしましては、福祉の長期的な展望に立って、国民のいろいろなニーズにどうこたえていくかという点においてお互いに認識を確認し合うという場であったということでございます。したがいまして、お話のように、決して財政的見地から切り捨てるんだとか、あるいは後退的な見直しであるというふうには私どもは考えていないわけでございます。むしろ、積極的にさらにこの福祉行政をより充実せしめる方向に対しての見通しも十分立てなければならない、そういう意味の見直しもまた考えなければならないのではないかというふうに考えているわけでございます。したがいまして、いたずらに福祉が抑えられるとか、あるいは切り捨てになるような国民の批判を受けないように、むしろわれわれは今後の長期的な展望も明らかにしながら福祉行政に取り組んでまいりたい、かように考えております。
○小平芳平君 覚書をつくったわけですが、その覚書は大蔵大臣と厚生大臣あるいは党三役ですか、そういう人がつくった覚書なんですが、その覚書に基づいて今度は何も関係のない社会保障制度審議会に諮問しようということなんです。 社会保障制度審議会では、相田長期間にわたるだろう。老人医療は無料になっている、それを有料化しよう。有料化するための道なんというものがどうやったら出てくるか、ちょっと見当がつかないわけですが、そこで、老人医療をそのままの形で社会保障制度審議会に何ら厚生省として案がないまま諮問しようということ、それは非常に無理ではないか。それで、いままでも諮問はありましたし、諮問があれば答申は出さなくちゃいけません。しかし諮問するにも、何の案も示さないで諮問したという例はないわけです。ほとんどそうした例はないわけですが、それをあえてやろうということは非常に無理があるんだというふうに思いませんか。
○国務大臣(野呂恭一君) 老人保健医療制度の問題につきましては、本格的な高齢化社会を迎えまして現制度でいいとは考えられません。国会でもいろいろ論議をいただいておるわけでございます。ことにまた、老人保健医療問題懇談会の意見書におきましても、現行制度の問題点としていろんな形で問題点が指摘されてまいっておるわけです。そういうものを踏まえまして、どうしても五十六年度にはしっかりした老人保健医療制度を発足しないと、本格的な老齢化社会に向かって老人の医療に対しての対応が十分できないではないか、こういうふうな考え方でございますので、急ぎこの問題の検討をしなきゃならぬ。 さしあたって、社会保障制度審議会に白紙のような形で答申を求めるわけでございますが、しかしながら午前中もお答え申し上げましたとおり、社会保障制度審議会の審議の過程の中で、厚生省は随時その審議の内容を踏まえながら、まだいま厚生省としても十分検討いたしておるわけでございまして、その問題を提起しながら、並行しながらなるべく早く結論を出してまいりたいというふうに考えておるのでございます。白紙で答申を求めることにいろいろ御指摘がございますが、一応高齢化社会に対応する老人保健医療制度というものはどういうところに問題点があるのかと、その問題を提起して審議会の意見を聞きながら、さらに厚生省も詰めました意見を持ち出しながら、最終的には適切なしっかりした老人医療制度というものを見出していく、こういうふうに進めてまいりたいと考えておるわけでございます。
○小平芳平君 大臣のそのお気持ちはわかりますけれども、実際問題幾らも時間的にゆとりがない。その上に、厚生省の案はできていないけれども、何を示すんですか。厚生省の考え方を逐次示すというふうに言われますけれども、そういう器用なことがうまくできるものかどうか。それは、これこれこの問題について答申を求めるという場合に、この問題についての意見を求めるということならできますけれども、一方では答申を求めるとしておきながら、他方では実際に厚生省の考えを示していくという、そういう器用なことがどうやったらできるか。いかがですか。
○政府委員(竹中浩治君) 先生のお話のように、通例の場合でございますと、ある程度厚生省の考え方をまとめたものにつきまして御諮問申し上げるというのが通例の形であろうかと思います。しかし、残念ながら現在までの段階におきまして、私どももいろいろ検討もし、また各方面からいろいろの御意見、御提案があるわけでございますが、現在の時点では、なお広範な関係者の合意が得られるような案ができていないというようなことでございまして、それで白紙と申しますか、必ずしも厚生省としてのまとまった考え方をお示ししないで御諮問申し上げるということになるのではないかと考えておるわけでございます。 ただし、この場合におきましても、私どもといたしましては私どもなりにこれまでいろいろ検討してまいりました経過もございますし、先ほど大臣がお答えになりましたように、これからもいろいろな観点から私どもの考え方を煮詰めてまいりたい。したがいまして、審議会には現時点までにおきます私どものいろいろの検討の経過、それからまた、これからも私どもで検討いたしました内容なり何なりを逐次御説明しながら、御審議を進めていただく材料にしていただくというようなことで進めてまいりたいと思っておるわけでございます。
○小平芳平君 とにかく白紙で諮問をする、それで厚生省が検討した経過は逐次報告をするということ、それは当然だと思います。要は、検討は十分してあるはずなんです、もう何年来の懸案ですから。きのうやきょうの問題じゃないんですから、十分検討はしてあるはず、ただ結論が出ないだけです。そこで厚生省は、結論は社会保障制度審議会に出してもらう、それで厚生省は態度を明らかにしないということでありますか。
○国務大臣(野呂恭一君) 先ほど申し上げておりますとおり、本来なら厚生省案というものを示してそれに対しての御意見を聞くのが、これが普通のあり方であろうかと思います。 またもう一つは、これは唐突として今日問題の解決を迫られておるわけでございませんので、もう従来から十分検討してきておるわけでございまして、御承知のとおり、小沢試案あるいは橋本私案などいろいろ意見もあるわけでございます。その意見についても十分検討はしてあるわけでございます。したがいまして、その意見を踏まえて今後どうするか、これから、少なくも厚生省のその制度のあり方、方針は速やかに立てて、まだ審議会で御審議中ではございますけれども、そこで厚生省の考え方、方向はいろいろな意見を聞いて進めていく。 非常に慎重を期しておるということは、問題が問題でございますために何か厚生省案をきちっとつくって、それを諮問するというのが本来のたてまえであると思いますけれども、従来の経過を踏まえながらまず問題点を提起して、その問題点について御意見を聞きながら、また、厚生省が詰めてまいっております方向を早くお示し申し上げてさらに意見を詰めていくというふうに進めていくことが、むしろ、この老人保健医療制度というものを将来にわたってのりっぱなものにするためには、そういう姿勢もまた御理解いただけるのではないだろうかというふうに私どもは判断をいたしておるわけでございます。 小平先生は、社会保障制度審議会の委員でもいらっしゃるわけでございます。いろいろの審議会の今後検討すべき問題点について大変何かと御協力をいただき御指導願っておるわけでございます。どうぞ、そういうことで、厚生省は決して無責任に白紙の諮問をしようとしておるわけではございませんし、また、白紙の諮問だけにおきますならば大変これは時間がかかって、五十六年度にこの制度を発足させるということはとうてい至難なわざであるということも私ども十分承知いたしております。したがって、制度審議会の審議の状況を考えながら厚生省も厚生省独自としての検討を急いで進めてまいりたい、かように思いますので御理解を願いたいと思います。
○小平芳平君 老人保健医療問題懇談会ですか、五十二年に意見書を出しておりますが、今度の問題もこの懇談会程度に考えられるのを恐れるわけです。制度審議会としては、懇談会が出しました意見を——それを厚生省は一つの参考意見にして小沢試案あるいは橋本私案というようなものが出てきている。それで、そういうような参考意見を求めているのかどうか、この点はいかがですか。
○政府委員(竹中浩治君) 老人保健医療問題懇談会の意見書は、御承知のように五十二年の十月にいただいたわけでございます。私どもはこの意見書を基盤に置きまして、それ以後いろいろ検討をいたしておるわけでございますが、御承知のように、老人懇の意見書の中身は、特に健康教育、保健サービスから治療、リハビリテーションに至るまでの一貫した総合的な対策を確立する必要があるという点が一点と、そのほか費用負担その他の問題につきましては、若干のアクセントはございますけれども、いろいろの方法を列挙をされまして、今後どれを選ぶかよく検討すべきであるというような内容でございます。したがいまして、老人懇の意見書が述べておられる方向に従って具体的にどのような制度の仕組みなり何なりを考えていくかというのは、老人懇の意見書を基盤にして私ども検討すべきものである、こういう理解をいたしておるわけでございます。 しかし、制度審に御諮問申し上げまして、今後の老人保健医療対策制度のあり方を御審議をお願いいたしたいと考えておるわけでございますが、その際には制度審としての一定の御結論をいただきまして、それに基づいて私どもの今後の施策を考えていくというようなことでお願いをしたいと思っておるわけでございます。
○小平芳平君 したがって、厚生省として諮問するからには答申を十分踏まえ、尊重していくということでありますか。
○国務大臣(野呂恭一君) 審議会で答申をいただきますならば、その内容については十二分に尊重してそういう制度をつくってまいりたい、かように考えております。
○小平芳平君 この問題はどういうふうに転ぶかがまだわからないもので、私もこのくらいにしておきます。 それから次に、児童手当についても覚書を交わされましたが、児童手当の方はすでに審議をしているということでありますので、児童手当はどういうふうになりますか。
○政府委員(竹内嘉巳君) 児童手当につきましては、五十二年の七月以来、中央児童福祉審議会の児童手当部会で基本的な見直しといいますか、児童手当制度の本来のあり方というものについて検討を進めてまいっておりまして、その審議のやり方といたしまして、部会の中に研究会をさらにつくりまして、それの検討結果といいますか、研究成果が今月中に出ることになっております。私ども、下書きとしてはもうでき上がった報告書に一応目を通さしていただいておる状況でございますので、確実に今月いっぱい、あるいは手当部会の開催日にもよりますけれども、四月早々には出されることになろうかと思います。 それをもとにいたしまして、手当部会の中でその研究会の報告書について審議をする、その結果、私どもとしてはそれを受けまして、厚生省としての児童手当制度についての原案を作成をして、改めて今度はもう一度審議会に御諮問申し上げ、次いで社会保障制度審議会に御諮問を申し上げて、国会提出というような手順になろうかと思います。 いまのところ、部会の方がまだ正式に開かれておりませんので、手当の制度についての研究会の報告の方向というのをいまこの席で私が申し上げていいのかどうか、いささか審議会の方の御了解を得ておりませんのでお許しをいただきたいのですけれども、少なくとも児童手当制度が現在の第三子からしか支給をしないということのために、子供を持っておられる世帯の二〇%足らずしか手当制度の恩恵といいますか、対象になっていないという仕組みでは、なかなか国民のコンセンサスを得られないのではないか。 そういう意味では、より児童手当の対象というものを積極的に広げていく必要がありましょうし、といって現在の財政再建と、こう言われている非常にむずかしい問題の中でございますから、その財源をどこに求めるかということになりますると、当然あるイギリスや西ドイツの先例などをかなり参照していきますと、税法上の問題との調整というようなものが新たに起きてくるのではなかろうかというふうに推測をいたしているわけです。そういった点で、少なくとも児童手当という制度が社会保障制度として一つのしっかりした意義のある、国民のコンセンサスを得られるに足りるだけのものというふうに、私どもは今後の見直しの作業というものを進めていくという方向でいまやっておりますので、具体的なといいますか、端的な方向等をここで申し上げることができませんことをお許しいただきたいと思います。
○小平芳平君 非常に局長の説明が、むずかしい説明をして、無理とわからないような説明をなさったんだろうと思いますが、この児童手当を考える場合に、ただ何でもかでも子供は減らせばいい、それから手当は削っていけばいいという問題じゃないということ、それは局長として十分心得てやっていらっしゃることと思います。ある先進国同士並べて、それで片方が出生率が〇・幾ら高い、それだから経済発展も必ず相手国に負けないということを強調している国がありましたが、こういうふうに将来の優秀な労働力という点から見てもきわめて重大な課題であると思います。ただ減らせばいい、削ればいいということではないということですね。
○国務大臣(野呂恭一君) 五十五年度の予算編成におきまして一つの問題になったことは事実でございます。したがいまして、将来を展望するときに、高齢化社会を本格的にわれわれ迎えていくのでございまして、その高齢化の一つの現象の中の考えなきゃならぬことは、先ほどお話しになりましたように、出生率の低下の傾向がいま起こってきておる、こういう点に対応いたしますると、将来高齢化社会のもう一つの要素である出生率の低下というものに対してどう対応するか、同時に育つ子供たちがりっぱな後継者としてどういうふうに教育の面も含めて考えていくか、そういうことを考えますと、いまの時点で児童手当を削るとかあるいはこれを抑えるというようなことはあり得べきことではないと私どもは考えておるのでございます。したがいまして、むしろこれからの高齢化社会の一つの裏面であります出生率の低下、子供のこれからの育て方等を考えますときに、児童手当というものはもっと重視すべきものではないかというのが私どもの考え方でございます。
○小平芳平君 それから、これはやはり午前中お話があった点ですが、老人ホームの費用徴収についてですが、この老人ホームの費用徴収について老施協で調査をしていらっしゃる。賛成が百一、六五%、条件つき賛成が四十四、二八%、反対が十一、七%、こういうような調査をなさったわけですか。
○政府委員(山下眞臣君) 老施協が独自にやられた調査だというふうに承っております。
○小平芳平君 この程度の、百五十六人の調査をなさったわけです。賛成と条件つき賛成で百四十五人になるわけです。九三%、反対は十一人、七%というふうなことが出ておりますが、こういうことで民意を反映したとか居住者の意見を聞いたとか、居住者の納得、了解を得ましたとかいうことにならないと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(山下眞臣君) その数字だけをもちまして直ちに関係者の皆様方すべての御了解を得たものというふうに理解するわけにはまいらぬと思いますが、私どもといたしましては審議会の議も経まして、十分御説明を申し上げて御理解をいただくように努力をいたしたいと考えております。
○小平芳平君 調査するならもう少し調査のやり方があるでしょう。わずか百五十六人の人の九三%が費用徴収に賛成をしているというふうな結論。結論を出すには早過ぎませんか。
○政府委員(山下眞臣君) 実はこの問題、社会福祉審議会におきましても相当前から問題意識が提示されておりまして、厚生省といたしましても長年検討を続けてまいっておりまして、五十年当時にも研究調査をいたしたりいたしております。特に一昨年からは社会福祉審議会の中にこのための専門分科会を設けまして、その委員には社会福祉の関係者のほか特に老人福祉施設の老施協の代表者の方にも数名お入りをいただきまして、長期間をかけて御審議をいただいたわけでございます。ただいま先生がおっしゃいました数字等も、当分科会に入っておられます老施協の代表者の方が団体へ帰られまして自主的に調査をされた結果の数字であると思うわけでございます。すべての御了解を得たというふうに申すことはできないと思うのでございますが、これからの高齢化社会、年金の成熟時代を迎えるということを考えますならば、やはり現時点におきまして徴収対象者となられる方はそう多いものとは考えておりませんけれども、このような仕組みをつくらしていただく必要があるのではないかと考えておるわけでございます。
○小平芳平君 それから、住民税の非課税世帯という人たちをどう見ていらっしゃるのですか。
○政府委員(山下眞臣君) 御指摘のように、一般的な施策の中におきまして住民税の非課税世帯というのはいわゆる低所得階層というふうにとらえられておりまして、各種の手当やあるいは保険料の免除の基準等にもそのようなものが使われておることは御指摘のとおりでございます。 今度のこの費用徴収の基準に当たりましても、御老人を施設へ送り出されます御家庭の、いわゆる扶養義務者世帯でございますが、そこの所得をはかる基準といたしましては、従来どおり住民税非課税世帯、あるいは所得割非課税世帯、あるいは所得税の納税額の段階、こういったものに応じまして費用を負担していただくという従来の姿は変えておらないわけでございます。
○小平芳平君 この問題は撤回されて改めて検討し直すと言うから、これ以上問題を追及しませんけれども、非常に無理がある。五十五年度予算に入っているんだから予算が成立しないことには問題にはならないという発言もされましたが、しかし五十五年度予算に入っているとはいいながら、非常にいますぐ四月から実施しようというところは無理がある。このことを無理して実行しようということになると、たまらない。ですから、この問題はしばらくたな上げして検討しようということでありましょうか。
○国務大臣(野呂恭一君) 一応、五十五年度から新しいこの老人ホームに対する費用徴収の基準改定をいたしまして実施をしてまいりたいということで、いま入所者の方々の御理解を深めていきたいということでございます。 しかしながら、いまお話しになりましたとおり、四月からというわけには物理的にも、現段階において予算が成立しない限りにおいては、そういう実施の準備もいたされないということでもございます。また同時に、御指摘になりましたように、いままで全然徴収されなかった人が、その理由のいかんにかかわらず突然ことしから入所費の一部を負担させられるということに対する抵抗と申しまするか、少なくも不愉快な感じも出てまいるわけでございます。したがいまして、入所者同士におきまする所得からながめての不均衡もございます。また、在宅老人との不均衡も出てまいるわけでございます。 したがって、審議会の意見を尊重しながら何とか無理のないようにやっていく方法はないかということで、その費用徴収の基準についても具体的にいま工夫をいたしておるわけでございます。しかしながら、予算の範囲の中で何とかいい工夫を求めながら、そして多くの方々の御理解を得て、これを実施した後におきましてもこのホームが円滑に運営できますように配慮しながらこれに対処してまいりたいというふうに考えているわけでございます。決して無理に何が何でも当初考えておるとおりにというわけにはまいりますまい。こういう点で実施時期についても、あるいは若干の内容について工夫すべきものがあるのならばそれもいたしてまいりたいと、いま鋭意検討いたしておるわけでございます。
○小平芳平君 実施時期を見送るということでありますので、これでよろしいですが、大体五十五年度予算は三月末もしくは四月の当初成立するであろうということは前からわかっていたわけです。それよりおくれることがあっても、早くなるということはあり得ないです。ですから予算の成立を云々するのはちょっと筋違いなんだ。先ほど来、予算の成立がまだしてないことでもあり、というふうに言っていることは非常に無理な説明なんだ。それで、見送ることにして、内容も検討し直してください。見送るだけでなくて、内容も検討し直す気はありませんか。
○国務大臣(野呂恭一君) 予算の成立は当然わかっておることでございますので、したがって四月の初めというものを目途に、これはいつの場合でもわれわれは想定をいたすわけでございますから、これはもう当然のことでございます。したがいまして、当然四月からの実施ということは見送らざるを得ないことは言うまでもありませんし、また検討する時間も、準備もいたしたいということでございます。 内容について、十分それじゃ基準についての内容を変えていくのか、こういうことでございますが、私が申し上げておりますのは、できるだけ工夫していきたい、そしてなるべく御理解を得られるようなものにしたい、こういうことを申し上げておるのでありまして、内容をうんと変えていくのであると申し上げたのではないのであります。多くの方々の理解をとにかく得られるように十分趣旨を徹底するとともに、問題点があるならば、その問題点は工夫すべきことにおいてなるべく解決をしてまいりたい、こういうことでございます。その点を御理解いただきたいと思います。
○小平芳平君 それでは次に、MCLSと言われる川崎病について質問をいたします。 この問題については、私は昭和五十年六月三日のこの委員会で質問したときには、患者さんは約一万人、それから急に亡くなった方が相当数というふうであります。百人を超す人が突然死亡しているということであります。それでこの当時は川崎病は、突然熱が出ると、それで三十八度、九度の高熱が出て、けろっと治る、しかし突然死ぬ。突然死ぬ人がやはり百例ほど当時出ていたわけです。 ところが、現在聞きましても、患者数はウナギ登りに上っていきます。患者数はふえていきます。ただ、死亡例がわずかながら減っているということがあります。が、全くの正体不明。それで手がつかないというような状況であります。それで、これは難病対策になぜしないのか、これについてお尋ねしたい。
○政府委員(竹内嘉巳君) 川崎病につきましては、昭和四十一、二年ごろ発表されましてから、四十六年以降五十一年まで医療研究補助金で対応し、それから五十一年度からは心身障害研究費の補助金ということで、実は研究を現在までも続けてきておるわけでございます。患者数も、先ほど先生がお話しのように、五十年当時、延べで約一万人と言われましたものが、昨年の報告などによりますと約一万八千人、その後約八千人ふえたというふうにもなりましょう。死亡率はやや低下したということもお話しのとおりでございます。 ただ、原因につきましてはいまだに原因不明ということで、なかなかむずかしい問題があるようでございます。薬品類が原因ではないかとか、あるいは抗生物質を含めた薬の乱用ではないかとか、あるいは中性洗剤、水銀といったようないろんな原因説も出てまいりましたけれども、研究班では逐次これらの問題について一つ一つ検討をして、いわば消去法で原因究明に当たってまいりまして、いずれもこうしたものは原因と考えることは無理ではないかという否定的な研究結果が出ております。また、溶連菌説につきましては現在のところまだ証明が不可能ということで、いわばこの川崎病につきましては発見者の川崎博士を含め研究班長の草川教授以下、いわば予想される症状とか、あるいは解剖例ないしは対症療法、あらゆる角度から現代医学で予測される原因というものについての追求を熱心にやっていただいておりますけれども、いまだに実は対象として整理がついておりません。そういう意味では、研究はさらにお願いをして続けていただくことにいたしております。 いわゆる難病と申しましても、先生御承知のように、大体ゼロ歳から満五歳ぐらいの子供がかかるものでございますので、私どもはこうした川崎病にかかりました患者、つまり子供さんにつきましては小児慢性特定疾患治療研究事業というのを、いわば子供の病気の難病対策をやっておりまして、その中でいわゆる公費負担の対象として取り上げておりまして、子供さんが川崎病にかかったときの家庭における経済的負担の軽減というものは図ってきておるところでございます。 なお、つけ加えますけれども、研究費は研究班からの申し出に従って、いわゆる査定というようなことではなくて、研究班の一年間の研究の方式をそのまま私どもは取り上げながら研究費の補助金を支出をしていくという方式は今後とも続けてまいりたい、かように考えております。
○小平芳平君 小児慢性特定疾患で公費負担になっているという点はそれでよろしいわけですが、問題は研究です。それで、研究費が幾ら出ているかということがわからないんです。トータルで厚生省は言うだけで、なかなか具体的に個々のケースについては明らかにしておりませんから、研究費が幾ら出ているかということはわからないんです。ただ、スペインで本年研究会が開かれる。ここに川崎博士が招聘されているんだが、自費で行かなくちゃならないというような点。それから、アメリカではやはり川崎病について研究しているとか、西ドイツの小児科学会で研究会があったとか、いろいろ国際的に研究されているんですが、発見者の日本が一番おくれている。日本が研究体制もどういう仕組みになっているか私もちょっとわからないんです。トータルの金額が何億円というふうにありますが、それがいろんなふうに細分されていくわけでありましょう。それで、川崎先生はスペインへ行くにも自費でなくちゃ行かれないというようなことが起きているわけですが、そういう点いかがですか。
○政府委員(竹内嘉巳君) 私どもの方の研究費の補助金の対象の中に、申しわけございませんが研究者がその研究事項に関して海外出張といいますか、海外へ行くときのいわば外国旅費というのがいまのところ認められておりませんものですから。 それからもう一つ。先生御指摘のような川崎先生自身が、現在、御承知と思いますが日赤医療センターの小児科部長でございます。そういう意味で、国との直接の関連、いわば日赤という意味では非常に厚生省とは関連が深いわけではございますけれども、その処遇その他について、公務員という形で私どもが対応するということも実はいたしかねるというようなことで、確かにスペインの国際小児科学会の研究発表に先生が行かれるときに、その外国旅費等について私どもが財政的な援助をするということがいまのところできないという遺憾な状態にあることは、御指摘のとおりでございます。 ただ、研究費それ自体につきましては、先ほどもちょっと触れましたけれども、研究班長の草川教授の方から、次の一年間におけるその研究のいわばアウトラインをお示しいただいて、およそそれに要する所要経費をお出しいただいたものを、私どもとしてはこの種のものについては、特に俗に言う査定等を加えることなくそれに応ずるという方式をとってまいっておりますので、額面の多少ということにつきましては、確かにこういう外国旅費とかあるいは若干研究費の対象費目それ自体がやや窮屈だといったような点から御不自由をかけている点は否めません。その辺につきましては、私どもも実はこの川崎病の問題だけでなくて、他の研究の問題についても、実はときどきそういった点についての御不満あるいは御要望等承っておりますので、今後とも財政当局と十分検討しながら、少しでもそういった御不満を解消できるように努力はしてまいりたいと思っております。
○小平芳平君 研究費の問題はよくわかりませんが、とにかく日本で発見された病気で、日本で多発して、それで研究は外国でやって、ついに外国で原因がわかったというようなことも、日本の医学界にとって、原因がわかることは大変いいんですけれども、それでいいかどうか考えなくちゃならないと思います。それで、日本で多発している病気ですから、日本で早く発見するように努力を願いたいと思うわけであります。 それから次に、国立病院の診療科目、診療科ですが、国立病院の診療科というものを厚生大臣が決めますが、それが実態に合わないのです。それでこれを見てみますと、国立病院の登別国立病院は診療科が五あって、それで医長の欠員が四となっています。そういうようなぐあいに実態に合わない。いかがですか。
○政府委員(田中明夫君) 国立病院の診療科につきましては、その病院の有しております機能、それから地域におきます他の医療機関との関連等を勘案いたしまして厚生省が定めておるわけでございますが、先生御案内のとおり、国立病院は旧陸海軍の病院を引き継いでいるものが大多数という経緯等もございまして、必ずしも現在の医療需要にマッチしていないというような面があろうかとも存じますが、私どもといたしましては、先ほど申しましたような観点から、国立病院が高度かつ専門的な分野の医療を受け持って、かつ地域の中核病院の一つとして機能できるように順次整備を図っておるところでございます。 御指摘の国立の登別病院につきましては、内科、外科及び整形外科の各医長が欠員中でございますが、幸いいずれも担当科の医師が配置されておりまして、それぞれの診療には一応差し支えなく行われているというふうに聞いております。
○小笠原貞子君 まず最初に、スモンの問題から入りたいと思いますが、もう本当に長いことかかりました。何としても早期に解決していただかなければならない、そのためにももう一度薬害としてのこのスモンという問題が、どんなに患者の方々、家族の方々にいま深刻な状態をつくり出しているか、その患者や家族の立場に立って、いまここでもう一度見つめ直すことが必要ではないかと私つくづくそう思いました。 十三、十四、十五とスモンの方々が全国からお集まりいただいて、そしてまたいろいろと交渉などなさったわけでございます。東京はもう梅が満開で沈丁花が咲きまして春でございます。北海道からいらした方と、私、北海道なものですから懇談をいたしました。北海道から来るときにはもう吹雪だったんです、その吹雪の中、本当に不自由な足で滑るのをこらえながら何度も乗りかえしてここまで来たと、そうおっしゃりながら、その顔は私は輝いていたように思いました。それはなぜならば、スモンの患者さんたちが自分のためだけじゃなくて、こんな薬害を再び人類の上に起こしてはいけないというあの戦いの苦労の中で、自分の人間としての大きな成長をなすった、そのすばらしい美しさだと私はお話を聞きながら涙が出てまいりました。 そこでまた、きょういよいよ二十一日に回答が出るというような段階になりまして、私もまたわずかだけれども、スモンの裁判の状況や御家族の方たちの状況というものを書類を通して見直しました。大変だとおっしゃりながらも、東京まで出てこられた方はまだ本当によかったなと言うことができたと思います。しかし、いろいろずっと判決を繰ってまいりましたら、私はまた本当に大変だなと思いました。 これは北海道の風端イソさんという方だけれども、「昭和四一年一二月夫独りでは畑作・養豚を営むことが困難となり、また夫は長期間」奥さんである「原告の入通院付添看護に加えて家事一切をやっていて、体力的にも精神的にも限界となり、右家業を廃止し、以来現在まで収入はなく、昭和四二年から生活保護を受け、細々と生活している。養豚業等の収入で蓄えた約金七五〇万円の貯金も、原告の入通院費用に使い果し、身動き一つできずに部屋の中で屍同然の姿で生きながらえているに過ぎない。頼りにしてきた夫も昭和五一年に亡くなり生きる望みを全く失っている。」と、こういう方の実情だとか、それからまた、この方は太田慶重さんとおっしゃる方だけれども、「スモンになったため夫の退職金等から六五〇万円以上も費消した他、入院生活がずっと続いたため、家事すら出来ず、このため、娘は職場をやめたのみならず、結婚の時期も失い、原告の代りに家事をやり、家庭のために働いている。原告はスモンのため、ほとんど寝た切りの生活で外に出ることもままならない上、娘のことを考えると胸がはり裂けるような苦しみと申し訳なさで一杯である。」と。自分もつらいけれども、私はこのおかあさんの気持ち考えたときに、本当に娘も職場もやめ、結婚するあてもなく、そして一緒に苦しまなければならないというこの人たちのことを、本当にいまここでもう一度見直していかなければならないんじゃないか、つくづく私は本当に涙が出てくるんです、こういうことを言ってても。 そしてまた、裁判では、どの裁判でも言われているように、これは札幌地裁だけれども、「被告会社らの責任についての結論」、「以上を総合して判断すると、被告会社らは前認定の別表キノホルム剤の製造・販売に際して、同剤の安全性確保のために負わされた注意義務を懈怠したものであり、過失があったと認められる。そして、右過失と相当因果関係のある原告患者らの本件スモン被害につき、個別認定一覧表(12)記載の被告会社らは不法行為法上の責任を負う。」と、はっきりその責任が言われております。 また、国の責任についても、「以上を総合して判断すると、厚生大臣は、昭和三五年末当時において規制権限の不行使により、また、その後においてキノホルム(剤)の公定書収載、製造又は輸入の許可・承認により、いずれもキノホルム剤の安全性確保のために負わされた注意義務を懈怠したものであって、過失があったと認められ、そして、厚生大臣の右不作為及び作為は違法であったと認められる。従って、被告国は、厚生大臣の右の違法な行為に起因して生じた原告患者らの本件スモン被害につき、国家賠償法上の責任を負う。」と、どの裁判もこういった製薬会社の責任、国の責任ということは厳しく言われていることです。 もう長い時間がたちました。スモン、スモンということに耳なれてしまったそんな段階で、いままさにここのところの原点に返って、スモンの問題を本当に早期に本気になって考えていただかなかったら、私は人間の命なんて日本で守られるか、そういう不安がいっぱいだと思う。そういうことについて最大の障害になっておりました投薬証明のない人に対する取り扱いについて、御承知のとおり、三月七日東京地裁の勧告が出ました。その内容を私に言わせれば、遅きに失するきらいがあると言わざるを得ないんです。当然のものだと思います。これに対して政府は本当に遅きに失したと思われるか。そして、いままで本当に、もっとやらなければならないと思っておられるか。どういうふうに大臣はお考えになっていらっしゃるでしょうか。そして、これに対して製薬三社は感触でどういうふうな態度をとろうとしているか、どういうふうに思っていらっしゃるか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(野呂恭一君) いま御指摘のように、スモン患者に対して国が責任ある救済措置を講ずるべきであることは、そのとおりであると私ども自覚をいたしておるわけでございます。決してこの問題に対して、国が放置をしたり、あるいはのんびり構えておったということではないのでございまして、全力を挙げて和解の進捗に努めてまいったわけでございます。その意味におきまして、だから、問題が問題だけにその解決が速やかになされずに今日に及んでおるということは、確かに遅きに失したと私どもは考えておるわけでございます。 しかし、一番問題になっておりました投薬証明のない人々に対する解決策については、御指摘のように三月の七日に東京地方裁判所において所見が述べられ、しかもその所見は、厚生省の基本的姿勢と合致するものであるという評価をいたしておるわけでございます。したがって、この判断を十二分に尊重して速やかに解決をしていきたい。厚生省におきまする今日までの懸案事項でもあるスモン患者救済の問題は、私は最大にしていま国を挙げて早期解決に取り組むべき重要な課題である、こういう認識をいたしておるわけでございます。
○小笠原貞子君 二十一日が回答ということになっておりますけれども、どうも製薬三社はこれを引き延ばすおそれがあるのではないかという心配もございます。そういう製薬三社に対して、大臣としてどういうふうに考えて御努力いただいているでしょうか。
○国務大臣(野呂恭一君) 既判決の問題の和解でございますが、これは各高等裁判所ごとに個々に解決をしてまいりたい、こういう方針でございます。そのことについては二十一日に回答をいたします。 ただ、問題になりますのは、投薬証明のない方々に対する和解の問題でございますが、その見通しはどうかと言われますと決して安易なものではない。しかし、裁判所が判断をいたしておりますように、国と製薬企業とがともに責任を持たなきゃならぬ問題でございますから、国はこの判断に対して十分尊重して進めてまいりますという責任を明らかにいたしたわけでありますから、製薬会社の方も、この裁判所の判断に従って和解を進めてもらいたいというわれわれは期待を持っております。また同時に、その道が困難であろうとも、どうしてもこの問題の解決のために製薬会社はこれを受けとめて、速やかに解決を進めてもらいたいということをわれわれとしても希望するし、同時に厚生大臣として誠心誠意説得に努めてまいりたいと考えておるわけでございます。
○小笠原貞子君 国としての責任を考えて一生懸命になさるという気持ちはわかりますし、御決意のほどはわかりました。しかし、いまおっしゃったみたいに期待するということでは、私は弱いと思うのです。期待するのは当然のことです。しかしまた一方では、非常に困難だというふうにいまおっしゃっていたわけだから、だからそういう見通しを立てられるならば、期待するならば期待できるような、もっと積極的な説得を製薬三社に行っていただきたい、それも具体的に早急にやっていただきたいと思うのですけれども、そこのところの一歩踏み込んでの御見解をいただきたいと思います。
○国務大臣(野呂恭一君) 御指摘のように、厚生大臣といたしましては誠心誠意説得に努めるわけでございます。いま事務的段階でいろいろ製薬会社とも当たっておる、また裁判所との話し合いもなされておるということでございます。適切な時期を見出しまして、早期解決に当たるように私といたしましても誠心誠意説得に努めてまいる所存でございます。
○小笠原貞子君 次に、重症者に対する介護手当についてお伺いしたいんですけれども、なぜ患者本人に支払っていただけないのだろうかと、大変素朴な質問でございます。
○政府委員(山崎圭君) 五十五年度予算の編成に当たりまして、患者一人当たり月額三万円を限度といたしまして、介護人による介護に要する費用というものを都道府県を通じまして補助する、こういう考え方をとったわけでございまして、結局会社負担によりますところの超々重症者あるいは超重症者に対する介護手当というものを十分考慮しながら、こういう国の全額負担による介護費用を幸いに予算化できて組み込んだわけでございますが、それは要するに、福祉施策全般の中において介護の面を考えてきた、こういう割り切りでさように予算がセットされている、こういうことが一つの事情でございます。
○小笠原貞子君 納得がいかないんですが、そしたら重症者の基準はどういう基準ですか。
○政府委員(山崎圭君) これは結局、重症者というのは、和解が済みましたところの患者さんの中でいわゆる症度三と言われております方々のうち、先ほど申しました会社の負担によりますところの超重症者、超々重症者を除く重症者でございます。
○小笠原貞子君 そうしますと、この方たちも、家の中でやっと歩くなりやっと生活できるというような方たちです。寝たきりでずっといなきゃならないような方たちもいるというふうにも考えられるわけなんです。そうすると、私はいろいろ問題があるんだけれども、会社負担で出してくれる超々、超重症者のこれがあるから、だからそれに当たらない人たちもこれを考慮して政府としては予算をつけたというふうなお話で、それは大変結構なことだと思うんです。そういうふうに考えてくださるならば、やっぱりこの重症者の方々にも喜ばれるように、その方々に本当に役に立つような介護手当に私はしてもらいたいと思うわけです。 たとえば、いま人を頼みたいといいましてもなかなかおいそれと人はおりません。それだけでも大変だ。そうすると、自分、患者さん本人が三万円もらえば、そしたら、私の知っている人でちょっと来てもらいたいよというような人で、そのときどきで頼んでもらえるという生きたお金の使い方もできると思うんです。そうでなくて、他人の介護人であってというふうになって、そしてそれをもらうためにはというように枠がはめられますと、私は本当にその三万円というお金が患者さんに喜ばれるような使い方にはならないんじゃないか、そういうことなんです。大臣、私の言うのは本当でございましょう、そうお思いになりませんか。
○国務大臣(野呂恭一君) 介護人による介護に要する費用として都道府県を通じて国が負担する、こういう形で、予算編成時においてはそういう観点で大蔵とのセットができたわけでございますが、いま御指摘のように、やっぱり家族の介護ということも認めなければならないのではないかというふうに御趣旨の点を十分踏まえましてこれは検討をし、何とか財政当局とも打開をいたしまして、製薬会社が超重症者あるいは超々重症者六万円、十万円と同じように、この月額三万円の国の介護手当も家族に支払われることのできるような何か方途がないかということについて急ぎ検討をいたしまして、御趣旨にこたえていくように進めてまいりたい、かように考えております。
○小笠原貞子君 本当にこのスモンの場合、いままでこういう例があってこれと横並びなんというものじゃないと思うんです。このスモンというのは特別なこういう事情の中で、しかも国の責任が問われるような中でつくられてきたものですから、大蔵の考え方としてはいろいろほかとの勘案だとか何だとか、出すのに口実をつくらなければならないというんで、大蔵の考え方もそれはそれなりに私はわかるわけですけれども、やっぱりそうじゃなくて、本当にこのスモンというのがなぜ起こったか、そしてスモンの患者さんたちの立場に立って考えれば、いま大臣からお答えいただきましたけれども、そういう意味で、本当に患者さんたちがああこれで助かったよと言えるような、わずかの三万であっても、この三万が生きるような立場で本人にも与えられる、同居の家族にも与えられるという、そういう御配慮をぜひお願いしたいと思います。いまお答えいただいたので、それこそ私も一生懸命期待しておりますので、ぜひいい解決を目指していただきたいと思います。 それでは、スモンについては時間がございませんのでこの辺でおきまして、次に、生活保護基準の級地の是正についてお伺いしたいと思うわけでございます。 生活保護級地の是正は、五十三年度で四級地が全部三級地になったということで、これは非常によかったと思います。全国的な格差を漸次訂正していくという立場から見れば、まさに一歩前進だと私も評価するわけでございますけれども、この一級地、二級地の級地間格差というのが九%ということも、これも私は縮小の方向で見直すべきではないか、こういう問題が一つあると思います。 級地の是正、この九%というものも含めて生活保護級地の是正についてどのように検討されておりますでしょうか。そして、それはいつごろをめどにしての御検討がなされているか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(山下眞臣君) 御指摘のとおり、五十三年までに四級地解消をいたしたわけでございますが、生活保護の級地の指定がえにつきましては、実情に沿わなくなった市町村につきましてこれを実施していくということで、現在検討をいたしておるところでございます。何分、全国三千三百市町村の消費水準的なものを測定をいたしましてこれを総合的に分析しまして、対象市町村の個別事情を的確に把握して決めていくというやり方をいたすものでございますから、どうしてもこの秋ごろまではかかるというふうに御理解をいただきたいと思うわけでございます。 なお、級地間格差の問題で御指摘がございましたが、ただいまのところ、一般の家計消費支出等の状況から見まして大体妥当なものではないかというふうに考えておるわけでございますが、御指摘もございますので、勉強さしていただきたいと思うのでございます。
○小笠原貞子君 じゃ、いろいろ格差を考えていただいてそして引き上げていただくということになりますけれども、各地からいろいろ要望が来ております。私のところにも北海道当局からも来ております。滝川市議会では、いま三級地だけれどもぜひ二級地にしてほしいという市議会としての要望、決議が出されておりますし、また小樽の市長さんからも、ぜひ小樽は札幌と同じように一級地にしてほしいというような要望も出ております。 考えてみますと、小樽と札幌といったらもう本当に生活圏は同じようなものでございますし、失業対策事業従事者の賃金も札幌、小樽は同一であるということや、また、これは適切かどうか知りませんけども、国家公務員の調整手当も札幌、小樽というのは同じところにいるわけです。全国的にみんな私は検討されるだろうと思いますけれども、いま申し上げましたように、小樽それからまた札幌、中でも非常に中核大都市として旭川がございます。この旭川も本当に札幌に次ぐ大都市でございますし、それから今度函館でございますね。それから、先ほど言いました滝川や北見というようなことを考えますと、これは小樽それから函館、旭川が一級地になって当然ではないか、滝川、北見は二級地になって当然ではないかということの要望も私は理解ができるわけでございます。これらの各地も含めて新年度からの是正で御配慮をいただきたいというように要望したいと思います。 〔委員長退席、浜本万三君着席〕
○政府委員(山下眞臣君) 先ほども申し上げましたようなことで、どうしても秋口までかかるものでございますから、新年度からはちょっと無理でございます。 お話ございました旭川、小樽、滝川等、実は北海道庁の方から現在十数カ市につきましての御要望が来ております。その中で検討さしていただきたいと存じております。
○小笠原貞子君 次に、電力、ガス料金に福祉料金制をぜひつくってほしいという、これも要望でございます。 この電力、ガスをこれから私は隣の部屋へ行ってこれまたやるわけですけれども、非常に値上げが深刻でございます。この深刻な中でみんなの世論調査をいたしますと、もう御承知のように、いまやってもらいたいことは物価だというのが半分以上の声でございます。そういうことで、大臣、十九日ですか、物価閣僚会議というのにお出ましいただけますですね。そうしますと、やっぱり一番切実に感じるのはいま言ったような低所得者、お年寄り、福祉施設などでございますので、その担当大臣としてどうしても現行料金を据え置くように、大臣の口からもぜひそのことを御発言いただきたいというふうに思うわけでございます。いかがでしょうか。
○国務大臣(野呂恭一君) あすの物価関係閣僚会議においては、この点については強く主張いたしますとともに、もうすでに通産関係にも、私の方は厚生省としての考え方、いわゆる福祉料金と申しますか、少なくも福祉施設の入所者あるいは生活保護世帯などについては、当然特別の処置を講ずべきであるということは強く申し入れておりますので、政府自体としてもこれに対しては検討いたしているものでございます。必ずしもあすの結果を見なくても、私は据え置きの処置を考えるであろうというふうに期待をしております。
○小笠原貞子君 北海道電力の場合は、上がった時期が二月の十二日でございましたから、年度内ということで三月いっぱい据え置くと、だけど三月いっぱいじゃだめなんです。いまおっしゃった各電力会社とも合わせてぜひ据え置くようにということであれば、北海道電力も三月いっぱいということじゃなくて、並べて全部据え置くということでぜひ努力をしていただきたいと思います。 もし、この据え置きの要請というのが大臣ががんばってもだめだなんということになったら、これは一体どうなんでしょう、大臣。
○国務大臣(野呂恭一君) 据え置きの処置が講じられるであろうという自信を持っておりますので、もしならなかった場合はどうするかという心配はいたしておりません。
○小笠原貞子君 大変な自信を持っていらっしゃるので、私は期待したいと思います。 それから、いま言いました電気料金、ガス料金の値上げというのは、政府予算で生活保護費幾らというのをお決めになった後でございますね。そうしますと、新たな段階にいま入った、新たな要素として出てきたというわけでございます。そうすると、この新たな段階に入った中で、生活保護基準の引き上げ幅の再検討など対応していただかなければならないんじゃないかと思いますけれども、いかがでございましょうか。
○国務大臣(野呂恭一君) 御承知のとおり、生活保護基準の改正につきましては、政府の経済見通しにおいて見込まれます国民の消費動向あるいはまた物価動向などを総合的に勘案して、これに対応するということでございます。そういうたてまえから申しますと、昭和五十五年度において八・六%の基準の改定をいたしておりますために、個々の物価の変動等について対応することでなくても、十分今回の八・六%の基準の引き上げの中で対応できるのではないか、こういうふうに実は考えておるわけでございます。もう少し物価の動向、その後どういうふうな動きになるかということに対しては、確かに注意をし、もしそういう事態が八一六%の基準の改定ではとても対応できないというような事態が起これば、これは緊急の処置を講じなきゃならぬことが起こるかと思いますが、いまのところ政府の見通しの物価の動向の範囲でありますれば八・六%の基準の引き上げにおいて対応できるものだ、こういうふうに考えているわけでございます。したがって、いま直ちにこれを改定するという意図は持っておりません。
○小笠原貞子君 とても八・六%では、本当の生活をしていく物価上昇という場合の数字として私は間に合わない、そう思って大変心配しているわけでございます。おっしゃることはそういう答えになってくるかと思いますけれども、たとえば消費者米価が上がりますと、米価が上がったということでそれを引き上げたというようなこともございます。本当に生活ができなくなるというような値上がりのときについては、そういう本当に弱者でございますので、暮らしが守れるようにどうしても御配慮いただかなければならないと思いますので、その点を、うんとおっしゃって首を振っていらっしゃいますので、ぜひ御考慮いただいて、御努力をいただきたいという御要望にしたいと思います。 次に、それでは、婦人相談所の問題に移らせていただきたいと思います。 婦人相談所というのがございます。大臣御存じですか、婦人相談所というのを。
○国務大臣(野呂恭一君) 存じております。
○小笠原貞子君 そうでございましょうね。 それじゃ、その婦人相談所でございますけれども、婦人相談所の業務の内容というのを見ますと、「婦人相談所は、売春防止法によって都道府県の義務設置機関で、要保護婦人の転落防止と保護更生に関することを任務としている。なお、社会経済の急激な変動は、個人の生活環境にも大きく影響し、健全な社会生活、正常な人間関係の維持に種々複雑な問題を産み出してきた。そこで、当面転落のおそれは認められないが、正常な社会生活を営む上において障害となる問題をもつ者であって、その問題を解決すべき他の適当な機関がないため困難を感じている一般の婦人についても、婦人保護、婦人福祉の立場から取扱の対象としている。」、こういうふうに出ておりますが、これでよろしゅうございますね。
○国務大臣(野呂恭一君) そのとおりでございます。
○小笠原貞子君 そういうことで、婦人相談所というのが非常に大事な役割りを果たしてきております。札幌に婦人相談所というのがございまして、これは私が毎日事務所へ通うところの通り道でございます。ここで相談件数がいままで一万一千件ございました。昨年は五百四十二件でございました。昨年の五百四十二件のうち半数が、売春婦というふうなことではなくて、ここに書かれておりますように、家庭のごたごた、離婚問題とか、それから覚せい剤の汚染の広がり、それでサラ金被害による家庭の崩壊だとか、それからまた夫の暴力が頻発して逃げ出してきたとか、暴力団のかかわりとか、妊婦、それから未婚の母、そして母子、さらに性格異常ということで、社会適応のきわめて悪いような困難を抱えた婦人たちが非常に大きな問題を抱えてここに飛び込んでいらっしゃるわけでございます。事実、本当にだんなさんに暴力を振るわれて青あざをつけて、そうして子供の手を引っ張って飛び込んでこられたというような方々もあるわけでございます。 五年前に、国際婦人年ということが言われて、婦人の地位向上とか、とんでいる婦人が多いとか、いろいろと婦人の話題が大きくなっておりますけれども、まだまだ生活の困難な中で苦労している婦人が本当に多いということが、ここに行ってそのケースの相談の中身を見ますと、私は本当にびっくりしたわけでございます。そうすると、こういう婦人相談所というのが本当にこれから大事になってきているのではないか。そういう相談所が本当に婦人のまさに駆け込み寺だ、こういうふうに言っておりますが、昔なら鎌倉の東慶寺、いま婦人で困難があったら婦人相談所へ行けということになっているんですけれども、これは婦人にとっての大事な場所だと思うのです。大臣もそれはお認めいただけると思います。いかがでございましょうか。
○国務大臣(野呂恭一君) 御指摘のように、婦人相談所は、いままでの経緯から申しますと、一定の問題に限って進めてまいったわけでございますが、限界はございますけれども、いわゆる売春問題に限らずに、離婚とかあるいは夫の暴力など、一般婦人問題としての広範多岐にわたる問題の解決のためにこの相談所が十分その機能を発揮できますように、今後とも指導を進めてまいりたい、こういうふうに思う次第でございます。
○小笠原貞子君 そういう意味で、一足先に東京では五十二年四月、婦人センターという形で非常に機構も充実されて、いま大臣のおっしゃったようないい役目を果たして、一時保護収容者を見てみますと、五十一年に比べて五十二年度が三倍だったよというふうに非常に活用されて、婦人の助けになっているわけでございます。ところが、私がいまこれを申し上げましたのは、実は残念なことなんですけれども、札幌の婦人相談所というのが中央区役所の前で、地下鉄の駅からもすぐで、そうしてみんなが通る町中で、収容の人員は二十人という規模を持っておりますんですけども、それを今度移転させようという動きが出てまいっております。 移転いたしますところは、札幌からバスに乗りまして三十分、相当——山なんです。手稲山のそばでございます。三十分乗るのはいいけれども、そのバスの本数も少のうございますし、また、そこは町の中じゃございませんので、本当にそこまで行っちゃえば、駆け込み寺的にみんなにわかって、みんなここへいらっしゃい、ここに行けるのだなというものにはならないわけなんです。つぶしちゃうんじゃなくて、こっちへ移すんだからいいじゃないかという理屈もあるけれども、この相談所の性格からいたしますと、本当にもう必死の思いになって子供の手を引いて出てきた婦人が、さてバスに乗って手稲というところのどこかに移ったんだなあなんて探していくというような余裕なんてできないのです。やっぱり便利で、町の中にあるということで、私はいま大臣がおっしゃったような役目も果たすことができる、そう思うわけなんです。 しかし、これを移転させたいというのが起きまして、実は「売春問題ととりくむ会」というのがキリスト教の関係、それから地域婦人会、それから労働組合の婦人部、いろんな団体が十九ございまして、これは中央なんだけれども、こういうことが次々地方でつぶされたり遠くにやられていく、それこそ私たちとしても黙っていられないということで、陳情書、要望書などもつくりましたし、地元でも婦人たちがもう一生懸命やっております。いろいろ大臣がおっしゃってくださいましたそういう趣旨に立てば、これは本当に私は婦人のための相談所であってもらいたいと思いますので、ぜひ、大臣も御指導とおっしゃいましたので、北海道ともいろいろ事情もお伺いくださいまして、本当に悩める、苦しめる婦人たちのためになるようにという御配慮をいただきたいと思います。
○政府委員(山下眞臣君) 道庁からの報告では、いまお話ございましたようなことで、相談所と婦人保護施設を併置いたして一貫性を持たした運用を図り、やり方その他の内容についてはこれから詰めていくが、婦人保護事業が仮にも後退するというようなことのないようにいたしたいという報告を受けております。私どもといたしましても婦人保護事業の後退ということがないように指導をいたしたいと思いますので、御指摘の点も含めまして、よく道庁の方の事情を調査いたしたいと思います。
○小笠原貞子君 本当にそっちへ移されたら、もう必然的に後退します。それを心配していますので、なお一層よろしくお願いをしたいと思います。 それでは次に、社会福祉法人全国心身障害児福祉財団の問題についてお伺いいたしたいと思います。 社会福祉法人全国心身障害児福祉財団が新宿区戸山町にございます。理事長は太宰博邦氏、前厚生省の事務次官でいらっしゃいました。理事には前外務大臣の、いま御活躍です園田直氏がいらっしゃいます。この福祉財団の事業目的は何でございましょうか。
○政府委員(竹内嘉巳君) この福祉財団がもともとできましたいきさつが、重症心身障害児の子供を持っておられた小児科のお医者さんが、そのお子さんを思い余って殺して自殺をはかったといったような事件からスタートしたわけでございます。したがいまして、この全国心身障害児福祉財団はもっぱら在宅の心身障害児の療育と、それからそれに関連する親御さんたちの集まりといいますか、親の会といったもののいわば指導、それからその会を通じての療育相談といったことを中心に活動しておるわけでございます。
○小笠原貞子君 大蔵省、お伺いしたいと思います。 この財団は国有地の払い下げを受けております。どれくらいの広さで、お幾らでお売りになりましたでしょうか。
○説明員(安部彪君) 国が昭和四十六年の三月二十三日に社会福祉法人全国心身障害児福祉財団に売り払いいたしました土地は、面積は千三百四十五・一七平米でございまして、その売り払い価格は立ち木が若干ございますけれども、それを含めまして総額で九千九百十万八千百八十二円でございます。これは国有財産特別措置法第三条一項四号の規定によりまして減額した価格でございます。
○小笠原貞子君 そういうわけで減額して払い下げをされました。 五十四年一月三十一日が最終支払い日となっておりますが、全額支払われておりますね。
○説明員(安部彪君) 全額支払いを受けております。
○小笠原貞子君 この売買条件に、七年間は指定用途を守ることが条件になっております。七年間はすでに過ぎました。この土地や建物、五階建ての建物で、場所も環状線の中でございます。いい場所でございます。いま転売のうわさが流れております。大臣御承知でしょうか。局長御承知でしょうか。
○政府委員(竹内嘉巳君) うわさというのは私も耳にいたしております。ただ問題は、その財団それ自体の運営がなかなかむずかしゅうございまして、その辺で財団それ自体の機構のあり方等を縮小をしたいという話の方が実は先にございました。恐らくその財団の事業といいますか、の仕方あるいは組織体を少し縮小しなければということから、そういったうわさがいわばやや確実性がより強めた形で広まっておるのではなかろうかというふうに理解しております。ただ、具体的にかつ正確に、そういうことをしたいという意思表示はまだ私どもとしては受けておりません。
○小笠原貞子君 具体的にそうなってからでは遅く、手が打てなくなります。うわさというのも決して単なるうわさではないと私は思っております。またこれは後で問題を詰めていきたいと思います。 転売ということになりますと、減額売却を受けて——大変いい場所です。いい場所であれだけの土地を転売するなんと言ったら、まさに国有財産の食い逃げでございます。本当にこれは大変なことになると思います。 そこで、また後でいろいろと御質問申し上げるそのためにも、この財団に対して国は相当補助金を出しておられるわけですから、どの名目でどれくらいお出しになっているかということを、これは去年だけじゃなくて、財団発足時からずっといただきたいと思いますので、後で資料でも結構でございます、ぜひいただきたいと思います。よろしゅうございますね。
○政府委員(竹内嘉巳君) これまでの予算書等から正確に拾い出しましてお届けいたします。
○小笠原貞子君 先ほど事業縮小をしなければならないという内容の問題がいま起きているということをおっしゃいましたけれども、私もきょう言いたいことは、もう少しまじめにやれということです、簡単に言ってしまえば。まじめにやれということは何かというと、ここに愛児園というのがございますね。これは肢体不自由児の通園施設です。定員四十名です。しかし五十五年の二月現在在園児は、私が聞いたところでは四名、実は三名だか二名だかと言っているんです。先ほどこの目的は何だと言ったら、そういう障害を持った子供たちのための財団であって、こういう障害の子供たちを本当にみんな定員いっぱい入れて、そしてそこで本当にいい相談活動なり子供を守ってやるということをしてもらいたいんだけれども、これはずっといつから減ってきているかといったら、初めから四十人の定員で、一番多いときがこの数字でいきますと二十七人、これが昭和四十八年にあります。あと五十二年、五十三年というのはどんどん減ってきているんです。そして、五十五年になりますといまみたいな状態になってまいります。 そうしますと、四十六年に払い下げを受けて、これが発足したのが四十七年ですね。四十七年、八、九、十、十一、十二、十三、十四ですよ、七年たちました。そうすると、ここでちょっとだけ言っておきますと、七年たって転売ができるという条件ができた、それに合わせて四十人の定員がだんだん減らされて、いつでも転売できるような三、四人というところに符牒が合うんです。これはきょうはやりません、後でやりますけど。そういうことで、こんな大変なものを、補助金ももらっていてこういう状態では私はしょうがないと思う。 それから、歯科治療というのもお医者さんが来てやっていた、これもなくなりました。障害を持った子供の親にしてみれば歯の治療が一番困るんです。普通の歯医者さんではできない、そしてやっと頼んでももう予約で一年、二年待たされなければならない。ここでやっていたのがこれもなくなりました。そして収容の児童も四十人定員で三人か四人しかいない。まさにうわさが裏づけされるような状態で私は心配しているわけでございます。だから、肢体障害児はだんだんこの施設に入るのが少なくなってというようなこともおっしゃいましたけれども、知恵おくれの子供もいますし、こんな便利な場所で本当にいい内容であればもっともっと子供のために役立つと思うんです。だから、そういう意味でどうかもう少し、大変口は悪うございます、はっきり言えばまじめにやれという御指導をしっかりお願いしたいと思うんです。いかがでございますか。
○政府委員(竹内嘉巳君) お言葉を返すようで恐縮でございますが、私ども全国心身障害児福祉財団は大変まじめにやっておると思っております。 ただ、御指摘のように、あの愛児園の問題につきまして非常に通園の対象の子供が少なくなっておりますのは、決して財団それ自体が不まじめにやっておるからということではございませんで、あの場所それ自体に、非常に交通としてはいわゆる東西線の地下鉄の駅がわりと近くにはございますけれども、しかし、意外と私どもが直接耳にしておる限りでも、行ってみたいけれども、それだけのためにそういう不自由な子供をあそこまでということで、思うように実は集まっていただけない。御紹介を福祉事務所あるいは児童相談所等を通じて再三私どもも叱咤激励をいたしまして、この愛児園の問題については努力をしてみたわけです。 かつ、一つつけ加えさせていただきますと、この財団は愛児園が主目的ではございませんで、本来の目的は最初に申し上げましたように、心身障害児の親の会の人たちを、ばらばらで動くのではなくてひとつ結集をしてということで、十幾つの親の会の方たちが集まってやるというところに最大の目的があったわけです。ただ、せっかくそういうことであの場所なので、ひとつ肢体不自由児の通園施設もということでスタートしてみたわけでございます。そういう意味でいろいろと御批判はあろうと思いますけれども、私ども決して福祉財団がまじめにやっていないというおしかりにつきましては、私としては所管局長といたしまして十分監督をしてまいっておりますだけに、いささか納得しかねる点がございます。
○小笠原貞子君 私の方も事実をずっと調べていきますと納得しかねるところがあるので、ちょっと強い言葉で言えば、わかりやすくまじめにやれという言葉になりました。 親の会の問題についても、その財団の果たしている役割りについても、また時を改めましていろいろ問題をはっきりさせて、そして本当にいい役割りを果たしていただくという立場から私もまた改めて取り上げていきたいと思います。 本年度実施される心身障害児者調査のうちニーズの調査というものは、いまおっしゃったこの財団傘下の父母団体十五ございますが、そこを通じて行われるわけでございますか。
○政府委員(竹内嘉巳君) 心身障害児の親の会と言われるものがすべてそこに入っておるわけではございません。したがいまして、少なくとも親の会として福祉財団に入っているその親の会の方たちには当然お願いをいたしますが、その会に、福祉財団に籍を置いていないといいますか、まだそこに組織されていない親の会も含めて、私どもとしてはその心身障害児のニーズ調査とそれから総数の調査もお願いをしたい、かように考えております。
○小笠原貞子君 本当にそれは当然のことだと思います。私もこの傘下団体というのを一覧表ずっと見せていただきましたけれども、全部入っておりませんです。だから、たとえばもう具体的にわかりやすく言えば、先天性四肢障害というような関係は全然入っていない、カバーできないというような問題がございますので、いまおっしゃいましたように、いろんな団体含めていろんな障害児・者の調査、この調査というのが非常に基礎になります大事な調査でございますので、正確であると同時に、民主的に、何よりも障害児・者対策の前進のための調査になるようにということをはっきりさせてお願いをしたいと思います。 それで、一つ要望申し上げたいのですけれども、障害者年国内委員会というものがこの四、五月ごろには発足するというようなこともございますし、ここのところが非常に権威のある会になると思いますので、そこともいろいろ御意見も聞いていただいて、本当に障害者も納得し協力する、そしてその調査がこれからの対策に役に立つということ。この調査するというのも、障害者自体の反対がございましたりして大変むずかしかったですね。やっとこの調査というところまできましたので、そういう国内委員会の御意見もお聞きいただいて、本当に有意義にこれからの施策にプラスになるような調査をぜひやっていただきたいということを御要望申し上げて、この質問を終わりたいと思います。どうぞ私の要望にこたえてください、大臣。
○政府委員(竹内嘉巳君) ただいまの御要望につきましては、私どももそのように考えておりますので、十分留意して調査の目的を果たすように努力をしてまいりたいと思います。
○前島英三郎君 総合的リハビリテーション体制の確立に対しまして、いろいろ基本姿勢をお伺いしたいと思っております。 さきの本会議で総理並びに厚生大臣から、私の質問に対しまして、今後の福祉政策の基本的な考え方としてノーマライゼーションの考え方をとるとともに、また、国際障害者年に対して政府として積極的に取り組むという御答弁をいただいたわけなんですけれども、 〔委員長代理浜本万三君退席、委員長着席〕 それにまた、きのうは予算委員会におきまして、総理を本部長として国際障害者年推進本部を近く発足させたいと、その対策室もあわせて総理府内に設けて、関係十四省庁の事務次官、さらにまた、厚生大臣は副本部長というような仮称国際障害者年推進本部なるものが近いうちに閣議決定され、そういう方向で進まれるということに対して大変評価もしているわけなんです。しかし現状におきましては、その中身を詰めていく段階におきましての厚生省の役割りというのは大変大きいだろうというふうに思うわけです。これらを具体化していく一つの大きなかぎとなるのは、総合的リハビリテーション体制の確立ということになろうかと思うわけなんです。 そこで、まず大臣にお伺いしたいことは、リハビリテーションという言葉がリハビリとかリハとか簡潔に表現されましたりしまして、非常にポピュラーにはなってはきつつあるのですが、日本語訳ととして最もふさわしい言葉は大臣なんだとお考えになりますでしょうか。非常に安易には使われているんです。リハビリテーション。
○国務大臣(野呂恭一君) リハビリテーション、いろいろ広義にも狭義にも解釈があるので、なかなかずばり日本語でどう言えばいいか、やはり機能回復ということが一般的に考えられると思います。あるいはもっと広く言えば、厚生ということではないかというふうに考えております。
○前島英三郎君 機能回復ということになりますと、生まれながらにしてというような形のハンディキャップを持った人にとっては、何かリハという面からちょっとこう隔絶される部分もあるのですけれども、本当は全人間的復権といいますか、そういう言葉でとらえていただきたいというように私たちは思うわけなんです。国連決議を見ましても、リハビリテーションを総合的かつ体系的なものとしてとらえなければならないというふうな意見も出されております。特に国内行動に関する計画の中には、これは国連決議のものですが、「総合的なリハビリテーションの概念を保健、労働、教育、社会保障事業全般にとり入れること。」という記述も見られるわけなんです。だからこそ、国際障害者年のいろんな行動の取りまとめを総理府において、なすべきことはやらなければならない。これはもう厚生省だけであってはならないということを私は絶えず訴えてきたわけなんですけれども、そうなりつつあるわけなんです。 そこで、厚生省内におきましても、一部局あるいは関係課がリハビリテーションに取り組むんじゃなくて、厚生省全体が一丸となって取り組んでいただきたいというような気持ちを大変強く持っております。厚生省全体が協力し合う体制、たとえばリハビリテーションに関する連絡会議みたいなものですね、厚生省内部にはそういう体制といいますか、連絡機関と申しますか、そういうようなものは現実にはいかがでございますか。
○国務大臣(野呂恭一君) 御指摘のように、身体障害者の望ましいリハビリテーションというものを推進していくためには、医療はもとよりのこと、教育の面において、福祉の面において、あるいは雇用の面において、総合的な一貫した体系のもとに実施していくという必要がございます。したがって、先ほどお話ありましたように、これがための本部を総理府に置く、総理大臣がみずからその先頭に立つ、そして厚生大臣及び官房長官が副本部長としてこれに当たる。さらにまた、各省庁の事務連絡会議を充実させまして、しかも対策室を総理府に置いて実施の具体的な問題を進めていくということに相なっておるわけでございます。もとより厚生省におきましても、御指摘のようにいま時点においては設置されておりませんが、これから厚生省内におきまする関係の業務の総合的な一貫性を持つ体制を整える必要がある、私はこういうふうに考えておりますので、御趣旨を踏まえまして十分検討してまいりたいと思います。
○前島英三郎君 総理府にできましても、やはり一応ただアンテナが立てられた程度だと私は思うんです。そういう意味では、むしろ本物のアンテナは厚生省になければならないというふうに思うわけなんですけれども、国際障害者年の国内行動計画の重要な課題の一つは、一九九一年まで、つまり十年間、一九九一年までにその成果を評価し、反省する前提で長期計画を策定せよ、こういうふうなことが出ているわけなんですが、厚生省としてこれを受けとめて策定する考えが、長期計画ですね、あるかどうかということもあわせてお伺いしたいと思います。
○政府委員(山下眞臣君) 御指摘のように、最近の障害の発生原因なり対応の複雑化、あるいは意識の高揚、いろんな要素が出てきておりますので、実は昨年の三月に、すでに厚生大臣から身体障害者福祉審議会に対しまして、「今後における身体障害者福祉を進めるための総合的方策について」ということで諮問を申し上げておるわけでございます。また、御承知のとおりお申し出をいただきまして、本年二月十五日現在の実態調査を現在実施をいたしておる、こういう状況に相なっておるわけでございます。そういうことでございまして、実態調査のデータをも整えて、かつまた、こういった身体障害者福祉審議会からの提言というようなものも今年には出るわけでございますので、それもいただいて国連決議の趣旨に沿って今後の計画を立ててまいりたい、かように考えております。
○前島英三郎君 そういう意味では、昭和四十五年の統計がここ十年間いつも引用になっておりまして、実態が把握されずして厚生行政の前進はあり得ないという部分は大変理解できるわけでありますけれども、一九九一年まで、この国際障害者年に対する長期計画は一つの各国への提言になっておりますので、それらも踏まえてひとつそういう厚生省としての策定、あるいはビジョンというようなものを打ち出すように今後御検討いただきたいというふうに思っております。 国際障害青年のもとになりました国連の障害者の権利宣言というのには、日本も共同提案国になっているわけなんですけれども、大臣はこの権利宣言というのは御存じですね。
○国務大臣(野呂恭一君) 承知いたしております。
○前島英三郎君 御存じですね。
○国務大臣(野呂恭一君) はい。
○前島英三郎君 この中では、「「障害者」という言葉は、先天的か否かにかかわらず、身体的又は精神的能力の不全のために、通常の個人又は社会生活に必要なことを確保することが、自分自身では完全に又は部分的にできない人のことを意味する。」ということで、以下十三項目にわたっての権利宣言がございます。その訳は厚生省からいただいたんですから当然御承知おきだと思いますけれども、この中にも記されておりますように、いろいろな意味でリハビリテーションということを今後考えながら施策を進めていかなければならない。それは物理的にも、いろいろな面におきましても多岐にわたっていると思いますので、それだけに向こう十カ年間の一つの国際障害者年のまず来年を元年として取っ組んでいただきたいことを強く私は厚生省に要望したいと思います。 この中身を見てみますと、日本では心身障害者対策基本法というのがございます。障害者福祉の憲法のような意味を持っているだろうと私は思うんですが、これが昭和四十五年につくられました。権利宣言が昭和五十年ということを見ていきますと、基本法と権利宣言とは同じ精神で、しかも同じような目的を持つと私は受け取っているわけですが、厚生省はどう受けとめていらっしゃるか伺いたい。
○政府委員(山下眞臣君) 御指摘のとおり、昭和四十五年に心身障害者対策基本法が制定された、そういう制定した経緯も踏まえまして、わが国は昭和五十年、国連の権利宣言に関して共同提案国ということに相なったわけでございまして、御指摘のとおり、この基本法の精神と障害者の権利宣言の問題とは基本的に同じだろうと思うのでございます。特に心身障害者対策基本法の三条におきまして、「すべて心身障害者は、個人の尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい処遇を保障される権利を有するものとする。」という規定がございます。これはまさしく権利宣言の趣旨と合致するものだと考えております。
○前島英三郎君 その辺がよく掌握されていさえすれば、今後の取り組みというのが大変期待が持てるわけですけれども、基本法の第二条で、心身障害者の定義を示しておりますが、この中で、「精神薄弱等の精神的欠陥」というややあいまいな表現があるんですけれども、この中には精神障害者の人も含まれているのか否かという点、その辺の見解はいかがでございますか。
○政府委員(山下眞臣君) 医療を要する、現在病気の状態にあります精神病あるいは精神障害の状態、これは含まれていないと考えるのでございますけれども、その心身障害者等の中には精神薄弱者はもちろんのこと、そういった精神障害の寛解者、そういった方も含まれるものと私どもは解釈いたしております。
○前島英三郎君 精神衛生法にはリハビリテーションの観点がきわめて希薄だと思うんです。患者家族会の人たちは入院に対しては非常に厳しく規定しているけれども、社会に復帰し、自立するまでの医療及び福祉的制度の裏づけというのが非常に欠落している、そういう問題点を指摘するとともに、この基本法だけではなく、一つは精神障害者福祉法みたいなものを立法化してほしいという非常に強い希望があるんですけれども、その辺はいかがでございましょう。
○政府委員(大谷藤郎君) 精神障害者の医療保護の問題につきましては、社会復帰対策、つまりリハビリテーションも含めまして従来から実施しているところでございまして、たとえば昭和五十四年度からは精神衛生社会生活適応施設というものを予算化いたしまして、この中で精神障害者の方々に対しまして生活援助、社会復帰指導、日常生活指導等を行うことといたしております。 先生御指摘のように、そういった福祉の問題というものにつきましては、先ほどからも申し上げましたように、医療保護との間の関係というものがやはり連続的、統一的に行われねばならないという点もございますし、そこのところで切り離してできるかどうか、専門技術的な問題等が数多く残されておりましてて、私どもとしてはそれらの問題について十分検討いたしたいというふうに考えているわけでございます。
○前島英三郎君 それは後ほど、マンパワーの問題につきましてその辺も触れさせていただきたいと思うんですけれども、国際障害者年を迎えるのを一つの機会といたしまして、精神衛生法の見直しをするとともに、それらの人々のリハビリテーションにやはり前向きに取り組んでいただきたい、こう思うんですが、もう一度御答弁いただきたいと思います。
○政府委員(大谷藤郎君) 先ほどもお話し申し上げましたように、精神衛生法の中でも私たちはできる限りリハビリテーションを取り入れてやっていきたい、こういうことで進んでいるわけでございますが、さらに五十五年度では職親等を検討する費用も予算化いたしまして、そういった問題も含めまして、どのようにしてこの医療と福祉とを総合的に実現していくかということについて前向きに検討してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○前島英三郎君 そこで、どうしてもマンパワーの問題ということになってくるだろうと思うんですけれども、福祉の充実は物と金だけでは当然できるわけはないわけでありまして、人材の養成と確保ということが不可欠だと思うんですけれども、政府の取り組みとしても、マンパワーの確保はきわめておくれていると思うんです。いかがでございますか、大臣。リハビリテーションという言葉がこれほど一般化されているのに、そうした意味の人材養成、確保というものが非常に進まない現状をどう大臣はごらんになっているでしょうか。
○国務大臣(野呂恭一君) 人口の高齢化が進んでまいりまして、疾病構造の変化も今後ますます進んでまいりまして、それに伴いまして、医学的なリハビリに対する需要が増大しつつあるということは承知いたすわけでございます。それに顧みて^果たしてリハビリの、医療に従事する者の養成が十分なされておるかどうか。あるいは資格問題も含めて制度的にも十分確立する方向に持っていかなければならない。これは一つの私は今日の課題でもなかろうかと思います。 この間、先生もお見えいただいたわけですが、国立の身体障害者のリハビリテーションの開所式の際にも、いろいろ関係者と懇談をしながら、私もそのことについて十分理解をいたしたわけでございます。 ただ、厚生省といたしましては、さきに日本学術会議で勧告いたしましたリハビリに対する教育研究体制について、すでに検討いたしておる。この趣旨を尊重しながら、将来におきまするリハビリのあり方を踏まえて、資格問題あるいはそういう制度そのものについても前向きに対処してまいりたい、こういうふうに考えます。
○前島英三郎君 そういう御答弁はいつもいつも伺うわけでありまして、実は、厚生省が身障審に提出した資料の一つのリハビリテーションの関係職員の養成といいますか、専門職員養成計画の樹立というものが出ているんですが、これを見ましても、ずうっとそこの部分だけは全く昭和四十六年度から空白なんです。それに対する気持ちというのが皆無ではなかろうかというような気がするわけなんです。それで、五十四年度になりまして国立身体障害者リハビリテーションセンター開所というような形でしかないのです。先ほども、学術会議がいわゆるリハビリテーションに関する教育研究体制について政府に勧告していることをちょっと大臣もおっしゃいましたけれども、これが五十二年五月に出されているわけなんです。検討という言葉は伺うんですが、一向に前進の兆しがないのに非常に私は不満を持っている一人なんですけれども、もう一度大臣にその辺を含めて、今後の対策などをお気持ちを伺いたいと思うんです。
○国務大臣(野呂恭一君) いま私は、一番欧米諸国におくれているものは、医療の問題におきましてもリハビリの問題ではなかろうかというふうに思うのであります。したがいまして、今後そういう専門的な医療施設の整備拡充を図りながら、同時に、これに対する専門技術者を早急に養成することは、確かに今日当面する大事な課題だという気持ちでございます。したがって、学術会議の勧告を十分尊重しながら、やはり急ぎこの問題に誠心誠意取り組んでいくということが厚生省として私は大事な面だというふうに考えて、関係機関を督励しておる、こういうことでございます。
○前島英三郎君 参考までに、実は日本がいかにその取り組みが欧米各国に比べておくれているかという部分をちょっと数字で御紹介しますと、たとえば理学療法士あるいは作業療法士、PT、OTと称するこういう資格者の問題ですけれども、デンマークはPTが人口十万人に対しまして八百人いるわけです。西ドイツは十三・六人、英国は二十二・三人、オランダが四十六・二人、ノルウェーが百十二・五人、スウェーデンが四十八・九人と、十万人に対する有資格者数です。では日本はとこうなるんです。日本は何と十万人に対して一・七人、こういう状況なんです。 確かに歴史的な面もあって、非常に人材養成に対する部分でいかんともしがたい部分があろうとは思いますけれども、すでにこういう問題はもう数年来いろんな形で勧告もされ、提言もされているわけですから、やはり四、五年来同じ答弁が厚生省の中から出てくるというのは大変私は残念に思うんです。こういう実情を踏まえて、もう一度ひとつ大臣、やはり十万人に対して一・七人なんというのは、これは実に情けないと思うのですけれども、今後老齢化社会を迎える、さらにまたデーサービス事業などという新しい大臣の打ち出し方を五十五年度にはなされる、こういう現状の中で、国立リハビリテーションセンターだけではいかんともしがたいように思うんですけれども、あわせて伺いたいと思います。
○国務大臣(野呂恭一君) もう御指摘のとおりだと思います。私も一昨年でございましたが、多少体を壊したときにリハビリにかかって、いろいろお医者さんにこの問題を聞きまして、痛切に私も感じておったわけです。たまたま厚生大臣に就任いたしました。ことに来年、国際障害者年を迎えて、いよいよ決着をつけて、大きくこれは解決すべき問題であるというふうに十二分に理解をいたしております。
○前島英三郎君 そういう意味で、やっぱり十分な数の専門職員をこれは緊急に確保していかなければならないし、また養成もしていかなければならないと思うのですが、その辺のネックはどうなんでしょうね。
○政府委員(田中明夫君) 先生御指摘のとおり、非常にわが国のPT、OTの数は諸外国に比べて少ないわけでございまして、これはただいまのお話の中にもありましたように、わが国の医学界がどういうわけか、終戦までこの面における対応の仕方が非常に鈍かったということで、実は私、個人的なことを申し上げてあれですが、二十五年ばかり前に西ドイツ、デンマーク等に参りましたときに、それらの国々におきましては非常にこういうリハビリテーションの面でいろいろなことをやっておられるのを実際に見まして、この分野での日本の立ちおくれを何とかしなきゃならぬというように考えておったわけです。 現在におきまして、それをなかなか取り戻すことができず、需要は非常にふえているということでございますが、私どもといたしまして数年来養成施設の新設等に努力してまいりまして、先生の先ほどの数字よりは現在は若干よくなっているんじゃないかと思うんです。昭和五十三年末現在でPTが二千三百三人、OTが七百七十八人と、非常に外国に比べますとまだまだはるかに及ばない数でございますが。それから養成施設につきましては、これはやはり関係者の方の御協力もございまして、ここ数年来毎年三ないし五施設ふえております。やはり人間を養成するというのはどうしても一定の年限がかかることでございますが、こういう養成施設の増加等を勘案してまいりますと、欧米並みになるにはまだ十年ぐらいかかるかもしれませんが、次第に増加していくということは、ある意味では明るい希望を持っておるわけでございます。
○前島英三郎君 そういう意味では、指導者の養成というものをどうしても念頭に置かなければならないだろうというふうに思うんですけれども、リハビリテーション医学教育について、これはどうしても文部省というものの一つのまた考え方というものも大変大切なんじゃないかと思いますので、文部省の方お見えになっていらっしゃると思いますから、その辺を含めまして、学術会議の勧告などを踏まえて、文部省はどうこの人材養成といいますか、指導者の養成というものを念頭に置かれておるか、伺いたいと思います。
○説明員(川村恒明君) 私どもも学術会議の勧告をいただきましたし、また、かねて厚生省の事務当局からもいろいろこの関係のお話を承っておるわけでございます。それで、やはりリハビリテーション関係の医療技術者の養成というものが大変必要であると思います。 私どもといたしましては、この学術会議の勧告では、できれば四年制の大学でという勧告でございますけれども、当面諸条件を勘案いたしまして、まず三年制の短期大学で早急にその養成を図るべきではないかということで、昭和五十四年度に金沢大学の医療技術短期大学部に初めてPTとOTの学科をつくらせていただきました。それから五十五年度の予算にも、これをお認めいただければ弘前大学に同じくPTとOTの学科を設置するということで、当面不足のはなはだしい技術者の養成については、短期大学で措置してまいりたいということで考えているわけでございます。 なお、大学の医学部におきますリハビリテーション関係の教育につきましては、御指摘のとおり大変におくれておって申しわけなく思っているわけでございますけれども、私どももできるだけ従来の内科とか整形外科というふうなところで含めたあれではなくて、独立した形で授業科目も開設してもらいたいということを大学の方にはお願いをしておる。若干の大学では、必修科目としてそういうものも取り入れようという動きが最近出てきておるというのが現状でございます。
○前島英三郎君 そういう意味では専門の講座、必須科目も含めまして、大学医学部ないし医科大学、あるいは特に国立、公立の大学の医学部にはそうしたものをしっかりと位置づけていくということが緊急だと思います。ただ、三年というのは非常に根拠が希薄に思うんですけれども、その辺はなぜ三年制ということになっておるんですか。その辺ちょっと詳しく説明していただきたい。
○説明員(川村恒明君) リハビリテーションの関係の技術者の養成につきまして、これを四年制の大学でやるか短期大学でやるかということがあるわけでございますけれども、短期大学は原則として修業年限二年でございますが、この資格を取るためには相当数の実習時間が必要だ。それで十分の教育をするという観点から、三年制というややイレギュラーでございますが、そういう形の短期大学にしたということでございます。 これを四年制の大学にするとすれば、またその大学教育の部分が短期大学と四年制の大学では相当内容が違ってまいりますし、担当する指導教官の確保というのがなかなかむずかしいというふうなことがございます。それで当面、非常に不足がはなはだしいということもございますし、その辺のことを考えて三年制の短期大学で発足させたということでございます。
○前島英三郎君 そういう意味では、三年制が需要に対しての何か当面の課題という部分も若干感ずるわけですけれども、しかし、やっぱり四年制に私は切りかえていくべきである。 さらに、その人たちが大学院にさらに進んでおやりになるということになると、当然リハビリテーションの問題なんかで最もその指導者というものが非常に人材難であるわけですから、そういう部分では解決の道ができるんじゃないかという気がするんです。そういう指導者の養成にもつながることでありますから、今後四年制に切りかえるという一つの文部省としての御努力を期待したいと思うんですが、その辺いかがでございますか。
○説明員(川村恒明君) 御指摘のとおり、指導者の養成という観点からいたしますと、四年制の学部あるいは将来大学院ということが必要になろうかと思っております。ただ、現在の段階では、大学教員としてふさわしく、かっこういう科目を担当できる免許状の所有者という方が実際に非常に限られておるということがございます。ですから、その辺の適任の教員が得られるとか、あるいはさらに適当な実習施設が得られるとか、そういうふうな諸条件が整ってまいりますれば、その大学と相談をしながら、将来の問題として御指摘のような点は考えてまいりたいということでございます。
○前島英三郎君 そういう意味では、欧米各国でそういう立場で学んでいる先生方が日本に帰ってこられて、日本の現状の見通しの暗さにまたUターンをして渡ってしまうというふうなケースがありまして、これは国立、公立の医学校の中では、特にこの辺は専門の人たちの養成ということに文部省もまた厚生省も真剣に取り組まないことには、今後のニーズに対してこたえられるべきものじゃない。特にリハビリテーションという問題が今後の私たちの生活の中にとって、これは高齢化社会を迎えあるいは薬害、公害、あるいは天災、脳卒中、そういうふうないろいろな問題が山積しているわけですから、これは緊急を要するだろうと思うんですが、大臣、いかがでございますか、厚生省としてもその辺は真剣に取り組んでいただきたいと思うんですが。
○国務大臣(野呂恭一君) 教員養成の問題でございますが、これはいままでの論議を通しまして緊急の課題であるというふうに認識をいたします。したがいまして、文部省とも十分連携を保ちながら、こういう教員養成に、確保のために努力をいたしてまいりたい、かように考えております。
○前島英三郎君 そういう意味では、医療におけるリハビリテーションの位置づけというのが非常に日本では私は低いと思うんです。それだけに受けざらが非常に低い立場にあるものですから、何かそういう方面に専門として学ぼうという意欲が若者たちの中にもないのではないか。やはりしっかりと医療法の中でこういう問題は明示すべきだと思うんですけれども、なかなかリハビリテーション科というものは診療科目としては認められておりませんし、そういう意味では整形外科という形の中でただ片づけれられている部分が大変多いわけなんですが、私はやはり医療体系の中で受けざらはつくってやる、そうすることによってむしろこうした人材もどんどん養成されていくのではないかという気がするんですけれども、その辺はいかがでございますか。
○政府委員(田中明夫君) リハビリテーション科につきましては、日本リハビリテーション医学会からの御要望もございまして、私どもといたしましては関係の学会等に御意見を伺いながらただいま検討しておるところでございます。
○前島英三郎君 さて、PT、OTだけの問題じゃなくて、言語療法士とか、あるいは医療福祉士とか義肢装具士というような、仮称になるかどうかわかりませんが、その資格制度化についてお尋ねしたいと思うんですけれども、やはりこれもリハビリテーションの中では欠くことのできない問題だと思うんですが、資格制度につきましていかがでございましょうか。
○政府委員(田中明夫君) 理学療法士、作業療法士については現在資格制度が定められておるわけでございますが、そのほか言語療法士あるいは義肢装具士というようなものについても資格制度を創設すべきであるというような御意見がございます。厚生省といたしましては、医学的なリハビリテーションの中に占めます言語訓練の専門職員の必要性は認識しておるところでございまして、言語療法士についてはただいま関係団体と意見の調整を進めながら、医療従事者としての身分化について検討中でございます。 それから、義肢装具士についてでございますが、義肢装具士につきましてはその業務が製作、適合の判定、装着、訓練というようないろいろ広範囲にわたっておりまして、特に製作の部分なんですけれど、そこら辺の問題を含めまして、果たしてこれが医療従事者として身分化すべきかどうかというような点について、私どもとしてはまだ若干問題があると考えておりますので、現在検討中でございます。
○前島英三郎君 やっぱり資格制度化につきましては早急に対策を講じなければならないだろうと思うんです。その辺の壁が若干文部省にあり、さらにまた義肢装具士の場合には労働省との壁がありというようなことを考えていきますと、それゆえに国際障害者年を一つの起点としまして、関係省庁の壁がもしあるとしたら取り払っていただきまして、早く実現するように御努力をいただきたいと思います。 リハビリテーションの医療の問題でもう一つ重要なポイントは、社会保険診療報酬体系の中でも十分な評価がなされていない点だと思うんです。その辺は厚生省はどうお考えになっているでしょうか。
○政府委員(石野清治君) お尋ねのリハビリテーション関係の診療報酬でございますけれども、確かに五十三年の二月の診療報酬改定前でございますと、これは簡単なもの、複雑なもの、いろいろございますが、比較的低い数字であったわけでございます。五十三年の二月の改定時におきまして、特にこのリハビリテーション関係の診療報酬の点数については重点的に引き上げるという方針をとりまして、一般的には、当時は九・六%のアップでございましたけれども、この身体障害運動療法、あるいは作業療法につきましては三〇%以上の引き上げを行いました。現在、御案内のとおり簡単なものにつきましては八十点、複雑なものにつきましては百六十点という点数を決定いたしたわけでございまして、これにつきましてはリハビリテーションの占める重要性を考えまして、さらにこの点につきましては今後とも努力してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○前島英三郎君 現実にリハビリテーションの医療部門というのはほとんどが不採算部門に挙げられております。そういう意味では適切な評価ということが当然なされなければならないというふうに思うわけなんです。 たとえば、その施設基準適合の医療機関で複雑な運動をやる場合に、療法の場合、一日十五人扱うとして点数をはじき出してまいりますと、一対一で一人のPTが一人三十分かけるといたしまして十五人では七時間三十分、勤務時間が八時間ですから食事もトイレも、あるいは資料や情報の整理から準備をあとの三十分でやらなければならないというふうなことになって、これはどうしたっていろんな意味で無理が出てくるだろうと思うんです。こうした面で今後の診療報酬の体系の中でもっとリハビリテーション部門を、私は触診という部分が非常にリハビリテーションの中には強いと思うんです。 私も、五カ月ほどリハビリテーションの中で実際にやってきましたけれども、本当に流れ作業的に、ただ間に合わせ程度にやっているという現状を私自身も体験しているわけなんです。そういうことを考えますと、やはり数をこなさなきゃならない。数をこなすためにはどうしても、言葉は違いますが、薬づけ的な、ただ単に何となくやっているんだというもので濁している部分というのは大変あると思うんです。それにはそれに対する保険診療報酬の中でもっともっと今後も強く検討を求めたいと思うんですが、重ねてお伺いしたいと思うんです。
○政府委員(石野清治君) 御案内のとおり、この診療報酬体系と申しますのは一つ一つの医療行為ももちろん評価をいたしますけれども、各科別のバランスの問題、それから一医療機関当たりの全体の各科ごとの総収入、そういうものも全部考えなくちゃならないわけでございまして、その意味ではこのリハビリテーション部門だけを取り上げますと、おっしゃるように大変無理のあるところもございます。したがいまして、先ほど申しましたように、この面につきましては極力他のバランス等も考えながら、できる範囲内で引き上げるという方向でただいま検討いたしているところでございます。おっしゃる意味はよくわかりますので、さらに検討さしていただきたいと思うわけでございます。
○前島英三郎君 検討をお願いをいたします。 次に、身体障害者福祉法の見直しにつきましてお伺いをしたいと思うんですが、法律ができて三十年たちまして、また前回の身体障害者福祉審議会の答申から約十年たちまして、基本的な問題について法改正を前提とした見直しをしていると思うんですけれども、その状況をちょっとお伺いしたいと思うんです。
○政府委員(山下眞臣君) 先ほども申し上げましたようなことで、昨年の三月に、「今後における身体障害者福祉を進めるための総合的方策について」ということで厚生大臣から御諮問申し上げているところでございます。この身障福祉の問題は非常に多岐にわたりますし、御指摘のようにかつ法制定後三十年を経ておりますので、審議会におきましては、この身障福祉法の目的から始まりまして、理念、そういった基本問題を初めとしまして、障害の評価の問題、保健医療の問題あるいは在宅福祉対策の問題、それから施設対策の問題といったぐあいにして部会を設けまして、その部会ごとに目下検討を続けておるところでございまして、この秋ぐらいまではどうしても審議がかかるという状況に相なっております。
○前島英三郎君 現行では、非常に中、軽度の障害を持っている人たちが何か中心というふうな感がするわけなんです。そういう意味におきましては、交通事故が多発して頸椎損傷、四肢麻痺というようなケースあるいは重症の脳性麻痺の人たち、こういう重度の人が十分に顧みられていないというふうに現行では私は感ずるわけなんです。この点改善には大きな目玉になっているのかどうか、その辺も含めて伺いたいと思うんですが、どうですか。
○政府委員(山下眞臣君) 御指摘の全身性の重度の障害者の問題は、問題の一つとして意識をいたしておりますし、またこの審議会とは別に私どもといたしましては、その障害者自身の方も含めまして専門家と同時に研究会を持ちたいというようなことで現在進めておるところでございます。
○前島英三郎君 それから、私のところにも中途失聴者の人々からの要請が大変多いんですけれども、いわゆる聾唖者の人々とは異った別の配慮が必要であろうというふうにも思うんです。つまり、手話や口話によるコミュニケーションの手段が身につけられていないから特にその辺を痛感するんですけれども、難聴者を含めて改めて考えなければならない問題でないかと思うんです。たとばこの中途失聴者の問題というのは、どうとらええていらっしゃいますか。
○政府委員(山下眞臣君) お話ございましたように、いまの聴力の障害者につきましては、厚生医療の給付あるいは補装具の給付、あるいは更生援護施設におきます訓練というようなことを行っているほかに、一般的には障害者の社会参加推進事業におきまして、手話通訳あるいは手話奉仕、あるいは日常生活用具でサウンドマスターの給付というような施策を講じてきておるところでございますけれども、お話のとおり、中途の失聴の方にはなかなか手話の習得が困難であったり、あるいは聴覚のみの障害でありますために、一般の聴覚障害者とはちょっと違ったニードというものがあるのではないかと思うのでございますが、そういった点を含めまして、こういった対策につきましては今後検討を十分いたしてまいりたいと考えております。
○前島英三郎君 そういう意味では、京都とか静岡で行われております要約筆記者といいますか、あの養成みたいなこと、あるいは磁気ループみたいなもので非常にコミュニケーションを図られる、あるいは話をしていることを要約してスライドする、そうした養成というようなこともやられている部分があるんです。これらにつきましても、ぜひ取り組みを緊急にしていただきたいと思うんですけれども、いかがでございますか。
○政府委員(山下眞臣君) いわゆるOHPと申しますか、オーバー・ヘッド・プロジェクターという問題だろうと思います。十分研究さしていただきたいと思います。
○前島英三郎君 次に、障害者の就労と雇用並びにその所得保障につきましてちょっとお尋ねしたいと思うんですけれども、労働省が重度障害者特別雇用対策研究会というのをスタートさせるというようなことは厚生省はいかがでございますか、御存じですか。
○政府委員(山下眞臣君) 保護雇用の問題について検討を開始しようとしておるという話は伺っております。
○前島英三郎君 初会合があした十九日ということを伺ったわけなんですけれども、福祉控除の創設など厚生行政が進めてきた努力を労働行政がようやく受けとめてくれたという面では、大変厚生省の努力に対して敬意を表するんですけれども、これはどちらか片方の努力でうまくいくというようなものじゃないと思うんです。したがいまして、厚生省としてこの労働省の動きを今後どう受けとめていくか、あるいはどう協力していくかということをお伺いしたいと思うんですが。
○政府委員(山下眞臣君) きょうの御質問の一番最初にも申されましたようなことで、総合化ということはきわめて重要である。所沢のリハセンターも先生よく御承知のとおりに、労働省の職業リハと私どもの方のリハと一緒にそういう趣旨でつくられているということ等も御指摘でございますが、御趣旨の点きわめて重要な問題だと思いますので、十分労働省とも連絡をとりながら、私どもとして御協力をし、かつまたお願いすることがあれば十分の連携をとってまいりたいと思います。
○前島英三郎君 そういう意味では、この特別重度障害者の雇用対策、私どもは保護雇用という立場で一生懸命お願いをしておったわけなんですけれども、これらの今後の研究の中で、厚生行政が当然かかわり合いを持たなければならない部分というのはたくさんあろうかと思います。雇用就労対策と所得保障対策とのすり合わせ、あるいは結びつきということを考えていただきたいと思うわけなんです。ところが年金制度の将来構想の中でも、障害者の年金につきまして本格的な検討がなされていないように思うんです。この問題はいかがでございましょうか。
○政府委員(木暮保成君) わが国の障害に関する年金につきましては、厚生年金におきましても国民年金におきましても、いわば老齢年金と同じ体系の中で取り上げておるわけでございます。老齢による所得の減少ないし喪失、あるいは障害による所得の減少ないし喪失というものに対処をするという形でできておるわけでございます。これは日本だけではございませんで、各国もそういう形でできておるわけでございます。そういう意味では、一応の水準に達しているかと思うわけでございますが、なお幾つかの問題もあろうかと思います。それにつきましては関係審議会でも今後検討を続けていくという御意向でございますので、それに合わせまして私どもも勉強してまいりたいと思っております。
○前島英三郎君 相当数の障害者が生きていく上には、どうしても生活保護というものに頼らざるを得ない。その福祉年金が低額でも、生活保護があるんだからいいじゃないかというような判例も実はあったわけなんですけれども、その障害が原因となって生ずる低所得の場合、補足性の原則を伴う生活保護によらなければならないということは、障害者は最低生活でがまんせよというような部分がどうしても根っこにあるような気がしまして、今後重度障害者の自立ということを考え、保護雇用ということを考えていくと、厚生省の中で考えている年金とその就労というものがしっかりと結びついて、年金対策ということを見直すという言葉がどうかわかりませんけれども、その位置づけをしっかりしてもらいたいというふうに思うんです。生活保護でいま障害者が実際受給している数などは、ちょっとそれはわかりませんですか。
○政府委員(山下眞臣君) 生活保護、現在約百三十万でございますが、その大体八割の方は老人世帯、母子世帯、障害者世帯という構成になっております。その中の障害者世帯の数字は、ちょっといま手元にございませんので、後ほど御報告申し上げたいと思います。
○前島英三郎君 生活保護というのは、経済的ないわゆる緊急避難的な部分というのは大変あると思うんです。ですから、障害を持っている人たちにとっては永続性を伴うものですから、どうしても生活保護とその障害者の所得保障というものは、非常に私はなじまない部分があるんじゃなかろうかというふうに思うんですけれども、厚生省はその辺はどうお考えになっておりますか。
○政府委員(山下眞臣君) 緊急性と申しますか、お話の中にございましたように、生活保護というのは、そのたてまえからいたしまして最低生活の保障というのが原則にあるわけでございまして、補足性の原理というのもございます。また、生活保護法の第一条の目的の中に書いてございますように、生活保護をいたしますと同時に、やはりその世帯なり個人の自立更生を促進するということを大きな目的にしておりまして、生活保護から脱却をしていただくということ自体が、生活保護では望まれておるというふうに理解して差し支えないと思っております。
○前島英三郎君 年金制度があって、生活保護があって、それから福祉手当があるということで、それぞればらばらにそうした制度が乱立しているというような感もするわけなんですけれども、これらを統合して、新たな観点から雇用就労対策、生きがい対策と呼ばれるものを今後も厚生省と労働省としっかりと連携を持って対策を講じていただきたいと思うんです。そうすることによって、私たちも来年の国際障害者年、完全な参加と平等という立場の中で、その生きがい対策の中でしっかり自立していくような障害者の気持ちということもあわせて今後も努力をしていきたいというふうにも思うんですけれども、来年はいよいよ国際障害者年、その推進本部長に大平総理がなられる。厚生大臣が副本部長という気持ちで、私どもはあくまで総理府内にたとえ設けられても、厚生省がそのイニシアチブはとっていただきたいということを強く希望しているわけでありますが、最後にその辺の心構えを再び厚生大臣にお伺いしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(野呂恭一君) 先ほど、身体障害者の就労の問題あるいは障害年金の位置づけの問題等々、貴重な御意見を承ったわけでございます。いずれにいたしましても、完全参加と平等という国際障害者年のテーマ、この趣旨に基づきまして一般の人と同じように社会参加が完全になし遂げ得られるような、そういう人権の回復と申しますか、そういう形に戻ってできる限りの対応を示し、心身障害者対策が日本においても十分実るような形において努力をいたしてまいりたい、かように考えております。
○前島英三郎君 どうもありがとうございました。終わります。
○下村泰君 厚生大臣、きのうのお礼を申し上げます。どうもありがとうございました。 きのうは、予算委員会に、口唇、口蓋裂のお子さんを持っている親御さんの代表が傍聴に来ました。そして、厚生大臣の口の開き方をじっと見詰めておりました。ところが、大変いい御返事がいただけたので、親御さんたちは大変涙を流さんばかりに喜んで帰りました。橋本−野呂ラインが大変すばらしく作動したと私はもう喜んでおります。 ただ、問題は、保険給付の対象にするようにするとはおっしゃいましたけれども、時期的にはいつごろになりましょうか。
○国務大臣(野呂恭一君) 予算委員会で下村委員から御指摘になりました。私はこれに対しまして、次期診療報酬改定の際に保険対象にいたしたいということをお約束申し上げたわけでございます。では、次期とはいつかということでございますが、そんなに遠くないと私は判断しております。いまの時期においていつ診療報酬改定をやるのかということを明らかにすることはできませんが、そんなに遠くない時期において当然なすべき問題であると考えておりますので、しばらく御猶予をいただきたい、こういうふうに考えております。
○下村泰君 しつこいようですけれども、新聞の活字の方を拝見しますと、新聞の活字の方では、すでにもう五十六年度には実施されるであろう、今年度は見送られても、というふうな予測が出ておりましたけれども、大体その時期と理解してよろしいでございましょうか。
○政府委員(石野清治君) 大臣が申し上げましたとおり、次の診療報酬改定の時期ということでございますが、この時期の問題について大変むずかしい判断が実は必要なわけでございます。現在の医療機関の経営収支の状況とか、それから賃金、物価の上昇の度合い、そういうものをすべて勘案して総合的に判断しなきゃなりませんので、大臣はそう遠くないというふうなおっしゃり方で言われておりますけれども、私もそういう判断をいたしております。 五十六年度というのは、私にはちょっとよく理解できないということで御勘弁願いたいと思います。
○下村泰君 そうすると、どこからあの数字が出てきたかというふうに私も非常に疑問を持つんですけれども、いろいろと保険の手当ての仕方もあると思うんです。全額というのは大変高額になりますから、普通のあれと違いますから、そして期間が長うございますから、そこのところの手当ての方法というのはいろいろとお考えになって、何かすばらしい案があるのではないかというふうに考えるんです。これはこれ以上もう申し上げませんけれども、どのみち厚生省の方でその手だてはお考えくださると思いますけれども、とにかく全国に二十万、三十万、潜在の方を入れますともっとふえるんじゃないかと思います。そういうような状況ですので、ひとつ、せっかく涙を流さんばかりに喜んで帰ったんですからね。きのうも申し上げましたように、うそをつくとこれえらいことになりますから、その点だけはしっかり頭に入れておいてください。 それから、きょうは社会事業大学と、それから健康保険の組合の認可が何でおくれているのかということでお尋ねしようと思ったんですが、すでに前の方がおやりになったそうなので、これは省かせていただきますが、これはついでのことでちょっとしゃべって、神経を逆なでするようなことを申し上げるかもわかりませんけれども、健保の方は比較的支払い基金側はしっかりしていて、しっかりしていてというのはおかしな言い方かもしれません。ただ向こうから請求書を出されて、疑いを持って徹底的に調べるから、過誤調整というんですか、そういうことがあったりなにかして戻ってくる部分があるんでしょうけれども、何か政管健保の方は大変ルーズらしいです。ですから、お医者さんの側にとっては政管健保の方でやっておる方がもうかる、健康保険の組合になるとこいつはとてもいやらしくてやっておられない、だから政管の方がいいんだというような話を——これはうわさでございますから、余り気にしないでください、——ちらほらと承りますので、それで認可しないのかなというような気もするんですけれども、そんなことはないと思います。ちょっと逆なでするようないやみを言いましたけれども、これは御勘弁願いたい。 口唇、口蓋裂でちょっとお尋ねしたいんですけれども、これはもう昨日承りましたので、それ以外のことなんですけれども、実は愛知学院大学の鈴木俊夫さんという先生がお書きになっている文章の中にこういうくだりがあるんです。これは全部お読みすると長くなりますので、かいつまんで読ませていただきますが、「みつくちの子を産んだばかりに、家族が村八分に遭っている。いくら手術をしてきれいになっても村へは帰れない。この子がいる限り私ばかりでなく家族皆不幸になる」ということを理由にして、入院して手術をしても家へ帰りたがらないという若いお母さんがいたんだそうです。 それから、こういうことも書いてあります。「この病気は珍らしいものではない、手術をすれば治る、知能には影響がない、出産した母親に直接原因はないことなどをゆっくり時間をかけて、よく理解できるように繰り返し繰り返し説明をし、気持ちを落ちつかせることが大切です。そして明日からの育児の方法、合併症の有無などについて、産科、小児科の医師と協力体制を作ることが大切です。」と、こういう意見が出ています。 それから、「保健所に連絡をとり保健婦さんと育児などについてよく相談をするよう勧めてください。保健婦さんはあまり病気について実態を御存じないかもしれませんが、後日何かとお世話になることがあると思います。新生児出産後、適切な指導が受けられなかったため、ただただ泣き暮らす家族や前時代的手術を施された子供が数多くいるという現実があります。」、この前時代的手術を受けたお子さんというのは名古屋市内にも相当数がいるらしいんです。 それから、「検診などで先生方が保健所へ出向かれた折、歯科衛生士、保健婦さんなどに障害の実態や、適切な医療機関の紹介などを伝えておいていただければそれだけでも救われる家族があると思います。」、こういうのがあります。それから保健所で現に何も指導してもらえなかったというお母様方がいる。こういうふうにそれぞれ適切な意見が出ているんです。 そして、愛知学院大学の先生方がいろいろ調査をいたしましてこういうグラフをつくっているんです。これは大臣のところから、そこからでも見えると思いますが、このグラフの線の高いところがあります。これは身内にそういう患者がいるので知っている。それから医院とか病院の近所に住んでいるから知っている。それからラジオ、テレビで知った。新聞、書物、雑誌で知ったというのがこの長い線です。保健所の指導というのは何にもないんです。ですから、保健所では全然こういう指導をしてないということなんです。もっともこういうことをお母さんに言ったらお母さんびっくりするでしょうし、話は話として聞いていて、もし現実にそういうお子さんが生まれたときのショックといったらこれは相当大きいと思います。大きいと思いますけれども、これこれこういう手だてがあって、こういうときにはこういう病院に行きなさいという適切な指導があった場合に、一時は悲嘆に暮れても、これはそのときの処置が誤まらないで済むと思います。中には、ショックだけで時を過ごしてしまって手当てのおくれたためにというのが、きのうモデルも見ていただきました。 そして、五十一年の「外表奇形統計調査結果」というのですけれども、これは厚生省の方にもう行ってますか。こういうのは各学校かその他に行っていませんか。いや、別になくてもいいです。これがどうのこうのというのじゃありませんから。この表に基づきますと、五十一年に口蓋裂というのが百十八あります。これは表をごらんになっても、そこからでもおわかりになると思いますけれども、全部あと二けたで、これだけ三けたです。口蓋裂はこれだけ多いんです。これが五十一年なんです。それから五十二年もやはり相当口蓋裂の数が出ているわけなんです。こういうふうに口唇、口蓋裂、これが百六出ているんです。こっちは非常に多いんです、こうやってみますとほかの奇形よりも。 そうしますと、保健所の適切な妊産婦の指導というものがあればそれほどお母様方のショックがなくて済むと思うんですが、どういう御指導をなさっていらっしゃいましょうか。ここが私の聞きたいところなんです。
○政府委員(田中明夫君) 先生御指摘のとおり、口唇、口蓋裂に対する保健所等でのいろいろなサービスと申しますか、活動について非常に私ども立ちおくれを来しておりましたけれども、昨年二月、衛生主管課長会議あるいは母子衛生の主管課長会議におきまして、保健所に歯科医師あるいは歯科衛生士を持っている保健所についてはそういう人たち、そういう人たちがいないところにつきましては保健婦さんあるいは母子の担当のお医者さんを通じてこういう口唇裂、口蓋裂の子供さんに対する相談、指導に当たるようにということをようやく指示したところでございます。またことしもそういう指示を繰り返しておりますので、次第に保健所関係指示者の口唇、口蓋裂についての知識も深まってきておると思いますけれども、まだまだ不十分な点があると思いますので、今後とも努力してまいりたいと思います。
○下村泰君 この三つ口という——口唇、口蓋裂という言葉は私、後で知った言葉ですけれども、三つ口なんという言葉は昔からある言葉です。そういった症状のあるということをいままで、いまおたく様がおっしゃいましたように大変遅い、おくれておった。でも私は知らないよりも正直に認める方がむしろいいと思います。全然ほおっかぶりされて知らぬふりでやられるよりは、気がついてこれから今後とも手を打っていきたいというお答えの方がむしろ私はいいと思います。しかし、相当昔からこういう症状が多かったんです。これに何ら手だてが打ってなかったということは大変情けないことだとは思いますけれども。 たとえば、ここにこういうパンフレットがあるんです。これは保険庁が出している「私たちと健康保険」これはおたく様も御存じです。五十四年度に二億九千万かけてこういうものを印刷して出しているんです。読んでみたらまるでどうってことないんです。こんなものに二億九千万かける予算がどこにあるのかなあと思うくらい、こんなものは小学生でもちゃんと知っているようなことしか書いてないんです。今度五十五年度は四億八千万。ラスベガスでばくちした人よりは少しは安いですかね、こっちの方が。 こういったところにこういう予算をかけられる余裕があるんでしたら、少なくともこういったいまの口唇、口蓋裂のお子さんの生まれた場合のその人たちに対する心構え、そういうことに対する周知徹底、それから、渡辺美智雄さんが厚生大臣のときに私お尋ねしたんですが、渡辺厚生大臣も余り知らなかったですね、この口唇、口蓋裂については。そして初めて聞くようなお顔をなさっていらっしゃいました。そのときに聞いたのが、第一次修正は保険がきくが、第二次修正はきかないと言うお医者さんがいたということで、どうしてそういうことを徹底させていただけないのかということをお願いしたんですが、その後、第二次修正までは保険がきくということは徹底されていますでしょうか、どうでしょうか。保険がきくということは徹底されていますか。
○政府委員(石野清治君) 毎年各県におります医療専門官を集めまして指導と講習をやっておるわけでございますけれども、その際に私の方からそういうことについては強く言うておりますので、それがどこまで徹底したかどうかにつきましては実は把握いたしておりませんけれども、少なくとも都道府県の専門官の会議におきましては明確に指示いたしております。
○下村泰君 いまお尋ねしても、まだ余りにも自信のなさそうなお答えなんです。そうしますと、二次修正を、いや実はこれは保険がきかないんだよ、と言って多額の手術料を取っている関係の医者がいるということも言えるわけです。ですから、口唇、口蓋裂のお子さんを持ったお母さんあるいはお父さん方が悩むのはそういう点にあるんです。その趣旨徹底が、いわゆる保健所でも何でもそういうところでやってください、そして妊産婦にはちゃんと教えてくださいということを私は申し上げたいんです。われわれでもいつどういうような状態になるかわからないんですから、まして新しく生まれてくる新生児がそういう状態に置かれた場合に、両親にとってのショックというのは大きいと思います。 私だってせがれ三人おりますけれども、私もさんざん極道しました人間ですから、最初に生まれてくる子供はどんなかっこうして生まれてくるのかなとえらい心配しました。これはだれでもそうだと思います。もう性別なんかどうでもいい。とにかく満足な子が生まれればいい、こう思います。それがそういう状態だったときに、よほど予備知識がないと、私は親子もろともおかしくなると思います。局長だって皆そうだと思います、いま御自分のお子さんがちゃんとしているからいいようなものだけれども。ですから、そういうことはもう完全に徹底してほしいんです。そうすることによって厚生行政というのは生きてくるんじゃないかと思います。 ですから、第一次、第二次までの健康保険が現在きくんですから、それがきくんですよということの徹底と、こういうお子さんが生まれたときには、こういう処置ができるんだから心配ないということをぜひ徹底してください。厚生大臣、一応一番ヘッドなんですから、これに対してきちっとお答えしてください。
○国務大臣(野呂恭一君) 被保険者の教育と申しますか、そういう意味から、従来から健康保険の財政の状況、それから保険診療の正しい受け方、こういったものはやはり周知徹底する必要があることは言うまでもございません。したがって五十五年度には十分の予算が確保されておるわけでございます。 したがいまして、いま御指摘のような問題も含めて、どういう方向で訴えていくことが一番保険診療の正しい受け方になるのかということの周知徹底のために工夫をこらしてまいりたい、かように思います。
○下村泰君 ここにいる前島委員も私もマスコミの方に関係しておりますので、厚生省が、こういうことは国民の皆さんに周知徹底してほしいんだが、お手助けくださいと申し出れば、私はいつでも協力します、そういう意味では。そのかわりこっちの方もちゃんとやってください。それだけお願いしておきます。 時間がありますけれども、私が聞こうと思っていたことは全部前に終わっていますから、おしまいにします。
○委員長(久保亘君) 本調査に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時二十八分散会 —————・—————