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91回国会参議院1980/04/02

公職選挙法改正に関する特別委員会 第2号

発言数
119
登壇者
9
会派数
5
開催日
1980/04/02

会議録

中村禎二自由民主党・自由国民会議

○委員長(中村禎二君) ただいまから公職選挙法改正に関する特別委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  昨日、三木忠雄君が委員を辞任され、その補欠として矢追秀彦君が選任されました。  また本日、片山甚市君が委員を辞任され、その補欠として丸谷金保君が選任されました。     —————————————

中村禎二自由民主党・自由国民会議

○委員長(中村禎二君) 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。後藤田自治大臣。

後藤田正晴自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(後藤田正晴君) ただいま議題となりました国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由と内容の概略を御説明申し上げます。  この改正法案は、国会議員の選挙等の執行について、国が負担する経費で地方公共団体に交付するものの現行の基準が、実情に即さないものになりましたので、今回これに所要の改定を加えようとするものであります。すなわち、最近における公務員給与の改定、賃金及び物価の変動等にかんがみまして、執行経費の基準を改定し、もって国会議員の選挙等の執行に遺憾のないようにしたいと存ずるものであります。  次に、この法律案による改正の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。  第一は、最近における公務員給与の改定等に伴い、投票所経費、開票所経費等の積算単価である超過勤務手当、人夫賃及び投票管理者、開票管理者、立会人等の費用弁償の額を実情に即するよう引き上げ、これらの経費に係る基準額を改定しようとするものであります。  第二は、最近における物価の変動等に伴い、選挙公報発行費、ポスター掲示場費等の積算単価である印刷費その他の額を実情に即するよう引き上げ、これらの経費に係る基準額を改定しようとするものであります。  第三は、郵便による不在者投票における投票の郵送に係る経費を公費で負担することとし、その額を事務費の基準額に含めようとするものであります。  以上が国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案の要旨であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

中村禎二自由民主党・自由国民会議

○委員長(中村禎二君) 以上で趣旨説明は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 まず最初に、今後の本委員会の運営について若干御要望を申し上げ、委員長の御見解を承らしていただきたいと思うのであります。  予算委員会との関係で本委員会におきまして質問の時間がきわめて短いこと等のことは私どもよく理解できるわけでありますが、この公選法並びに政治資金規正法という、本委員会で一番やはり重点的に議論をされなきゃならぬ問題は、非常に多くの今日問題点があるわけでございますので、会期中に各委員がそれらのいろんな問題について十分議論ができるように、審議ができるようなひとつ配慮を委員長にお願いをいたしたいと思っておるわけでございますが、その点、委員長の今後の運営に関しますところの御見解を承ることができればまずありがたいと思うのですけれども。

中村禎二自由民主党・自由国民会議

○委員長(中村禎二君) ただいまの宮之原委員の御質問に対してお答えいたします。  公選法あるいは政治資金規正法は、わが国の議会制民主主義を堅持する上で非常に大事なことでございますので、ただいまの御趣旨に沿いまして、委員会といたしましてもその趣旨を体して努力をいたす所存でございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 委員長の御見解のように、ひとつぜひとも今後の運営をしていただきたいと思います。  まず、私が最初に自治大臣にお尋ねをしなけりゃならない点は、新聞の報ずるところによりますと、第十二回参議院議員通常選挙の投票日について、政府首脳筋では、いわゆる七月六日は何か仏滅とかやらで縁起が悪いとか、さらには六月下旬のサミットがあるので、いわゆる選挙の終盤に総理が出かけるのは不利なんだからということ等から七月の十三日にする腹を決めておるんだということが報じられておるわけでございます。そうなりますと、これは会期も三週間前後延ばさなければつじつまが合ってこないということになるわけなんで、こういう新聞に報じられたことが事実だとすれば党利党略もはなはだしいと言わなきゃならぬと思んうですがね。その点事実なのかどうか、まず担当大臣にお聞きいたしたいと思うんです。

後藤田正晴自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(後藤田正晴君) 私ども自治省としましても、選挙がいつ行われるかということは、参議院の場合、全国区等を直接管理をするわけですから大変関心を持っておりますが、今日までまだ政府としてそういったことが話題になつだこともありませんし、内定をしておるといったようなこともございません。もちろん、これは国会審議との絡みでございますので、国会は通常延長なしに終わるのがこれはたてまえでしょうから、そうなれば六月の末ですかね、いわゆる当然法律上そうならざるを得ないと思いますが、国会が延長ということになれば今回の選挙は国会閉会後三十一日以後三十五日以内と、こういうことになるわけですから、一にかかって国会の御審議がどうなるかということによって投票日が決まろうと、こう思います。政府としては、先ほど申し上げましたように、いまだ何ら内定等、あるいは打ち合わせ等した事実はございません。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 通常国会という百五十日間の長い国会でしたからね、会期延長はないと考えるのが普通常識だと思うんですがね。だとすれば、これは六月の十八日から六月の二十二日までの間に選挙は執行されると考えるのが常識だと思うんですが、ただ、国会は会期が延長されたといっても改選議員の身分は七月七日で切れるわけですわね。だからむちゃに延ばすわけにもまいらない。ましてや、いままでの慣例から見ましても、これが八月になるあるいは七月下旬になるということも考えられないわけなんですね。また、私過去十一回にわたりますところのこの参議院選挙の選挙期日をこう見てみますと、大体第三回と第五回以外はみんな日曜日に執行されておりますね。さらにまた法第三十二条第一項のいわゆるその任期前三十日にやるということもただの一回しかないんだから。だというようなことを考えてみますれば、どんなにおくれても、改選議員の任期中にこれは執行されるというのが私は常識だと思うんですがね。その点そのように理解しておいてよろしゅうございますか。

後藤田正晴自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(後藤田正晴君) まあ、いずれにいたしましても、こういった問題は政府だけで決めるという問題ではないんじゃないでしょうか。各党.よくお打ち合わせを願って決められるんじゃないかなあと、こう考えておりますが、私どもとしては、先ほどお答えしたとおりに、今日まだ何ら相談もしておりませんし、大体この付近でどうだといったような、内々で決めたといったような事実もございませんので……。ただ、宮之原さんの御意見は内閣の方には伝えておきたいと、かように思います。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 あれですか、各党それぞれやはり話し合ってやるということになるんですか。いま大臣のお話ではそうなるようだという話ですが、そうなりますか。

後藤田正晴自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(後藤田正晴君) 私の常識では、そういうような話し合いが各党と、まあ公式になるのか内々になるのかわかりませんが、話はやられるんじゃなかろうかなあと、こういう私の推測でございまして、そのとおりになるということに御理解なさったとすれば、私の言い過ぎであろうと思います。内々はそういうような話し合いがいずれにせよあるんじゃなかろうかという私の推測でございますので、御了承願いたいと思います。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 最終的な決定権は、それは政府にあるわけですが、そうすると、担当大臣のあなたがつんぼさじきに置かれて決めるということはないと思うんですよ。少なくとも改選議員の任期中にあるということは、これは常識でしょうね。もしそれを外れるとすれば、一体選挙公報なんというのはどういう取り組みになりますかね。そこはどうなんですか。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○政府委員(大林勝臣君) 選挙管理あるいは選挙運動の面で任期終了後が選挙運動期間に入ると、つまり選挙運動の二十三日の期間が、あるいは現職で運動する期間それから現職でない期間ということがあります場合に、選挙運動面あるいは選挙管理面でいろいろそごをするということはございます。で、実は前回、五十二年の参議院選挙も、御承知のように、若干後半が任期満了後の運動期間に入ったわけでございまして、その時点におきましてもいろいろ管理面、運動面についてどうするかという問題はございました。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 支障があるということは、これば事実で、煩瑣になるということもね。しかも、任期が七月七日だとすれば、会期は五月十八日までだとすれば、常識的に考えて今度の国会の中でそう大きな対決法案があるということも余り考えられない。一月も延ばさなきゃならないということも考えられない。これはやっぱり任期中にあると考えるのが常識じゃないでしょうかね。その点大臣は個人的な見解としてはそういう常識の範囲内でこの問題を可能ならば処置をしたいという考え方だというふうに理解しておいてよろしゅうございますか。

後藤田正晴自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(後藤田正晴君) 先ほど申し上げましたようにもう全然聞いておりませんからね。だから、私自身どうお答えしていいのか……。ただ、宮之原さんのような御意見があったということは内閣の方にもよく話はしておきたいと、かように考えます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 まあ全然考えないことが新聞ざたになるはずはないと思うんですよ、これは。しかも、あなた担当大臣でしょう。だから、そこあたりぐらいはやっぱり自分たちの考え方をざっくばらんに申し上げておいていいんじゃないですか。とにかく申し上げるまでもなく、余り党利党略的なにおいの強い、また世の中の人が縁起を担いだと笑われぬようなことだけはしてくださいよ。少なくとも、やはり任期中に終わらせるということだけは踏まえて大臣にこの問題に対処していただきたい。このことを強くこの機会に要請を申し上げておきますから、その点を十分ひとつ勘案しながら御審議をいただきたいと思いますが、御考慮をいただきたいと思いますが、よろしゅうございますね。

後藤田正晴自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(後藤田正晴君) 当然政府で決めようという前には自治大臣に事前に何らかの話があることは、これはもう間違いないと思います。そういった際には、いまのような御意見も踏まえて、内閣から話があればそれに対応をしていきた.いと、かように考えておりますが、いずれにせよもう全くいまのところ政府として決まっておりませんし、私に対する相談等もあった事実はございませんので、これ以上はお答えができないと、こういうことでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 次に進みますが、本法案のこの選挙運動用の自動車、ビラ、ポスター公営に関するところの予算の引き上げという中身はなかなか結構だと思うんですが、ただやはり選挙公営を拡大をしていくという中で私は早急にやはり議論をし、結論を出しておきたいところの問題点で二つほどあると思う。一つは立ち会い演説のあり方の問題、あるいは候補者の政見発表のテレビ放送と申しますか.この問題ですね。  少なくとも現在の立ち会い演説という状況を見てみますと、立ち会い演説の本旨から大分離れておるような運営がなされておりますね、実際は。本当に選挙民がそれぞれのやはり一堂に会したところの候補者の政見をじっくり聞いて公正な判断を示そうという雰囲気の場ではございませんね。それぞれのやはり候補者の応援部隊が来て、前の方に陣取っておって、それで自分の応援者が終わるとさつと引き揚げるとか、あるいは相手候補に対してやじを飛ばすということのために動員をされたとしか思えないようなこの立会演説会のあり方ですね。これは、私はやっぱりもう改めていく必要がある段階に来ておると思うんですよ。たとえばテレビによるところの立ち会い演説の方式というものが採用できないかどうかという問題もありましょう。また、この政見発表を見ましても、四分とか五分とかきわめておざなりのかっこうで、この選挙公営はこういうかっこうでやっておりますというのも実情から見るとどうかと思える節があるんで、この点本法案は、これはまあいろんな事務費の引き上げのこどですけれども、この公営のいま申し上げたところの二点だけは与野党離れて私はやっぱりこの公営、しかも選挙の本旨を生かすためにどう改善するかということはきわめて重要な課題だと思うんですがね、その点検討されておるところの課題ありましたらお聞かせを願いますし、また大臣にお考えがありましたらお聞かせ願いたいと思うんです。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○政府委員(大林勝臣君) 御指摘の立会演説会の実態を踏まえまして、いろいろこの十数年来立会演説会のあり方についての御議論は続いておるわけであります。御承知のように、四十四年でございましたか、テレビの政見放送が採用されました際に、テレビによって政見放送するんだから立会演説会の回数は従来の三分の一ぐらいに減らそうではないかという御議論がございまして、現行に至っておるわけであります。ただ、しかもなおかつその上で御指摘のようないわゆる動員合戦というような実態があることにかんがみまして、最近におきましても、また再び立会演説会のあり方についての議論がなされております。で、関連をしまして、後段の御質問の立会演説会のテレビ中継というものが公営でできればこれが一番いいではないかという御議論が非常に有力になっておるわけであります。で、先般自民党の選挙調査会におきましても同じような議論が出ておりまして、何とか立会演説会のテレビの実況放送を——これ現在は放送局が自主番組としてときどきやっておるわけでありますけれども、何とかこれを義務化する、公営化するという方向に進めないものかということで、民間放送、NHK両者の責任者を呼びまして、そこでいろいろ意見を聞いたわけであります。で、テレビサイドの話によりますと、そういった御意見も前々から承知をしておりまして、いろいろ内部で従来検討を重ねておったようでありますけれども、一番テレビサイドの難点と申しますか、ネックになっておりますのがやはりこの関東を中心とするいわゆる大電力圏、つまり東京で電波を出しますと、茨城県、栃木県、群馬県の方にまで全部行ってしまうと。こういうことと同時に、それに関連をしまして、結局は関東七都県の候補者、たとえば衆議院でございますと二百数十名は従来立候補しておるわけでありますが、その二百数十名の候補者について、立会演説会の実況放送を、これ全部放送いたしますということになりますと、大体一人の立会演説会の時間数が、県によって違いますが、二十分から三十分というのが現在普通のかっこうになっておると思います。そうすると、一人当たり二十分、三十分というものを立会演説会の必要な時間といたしました場合の二百数十名というような候補者に、実はなってくるわけでありまして、そういったものを録画をする時間数、あるいは実際に選挙期間中に放映をする時間どり、これに非常に苦労するという問題。  それからもう一点は、放送局としては、特にNHKが強調するわけでありますが、放映をするからには高視聴時間帯と申しますか、いつ放送してもいいんだということではなしに、やっぱり一番視聴率の高い時間ということを念頭に置かざるを得ない。現在の政見放送はそれでやっておるんだけれども、時間数が非常に延びるということになりますと、そういった高視聴時間帯に放送できるかどうかという技術的な問題。  それから、先ほどの大電力圏で電波が遠くまで行きますもんでありますから、有権者にとりまして、非常に長い時間他の選挙区の候補者のテレビも見ざるを得ないという問題、これについてはNHK、民放の方にしょっちゅう苦情も選挙の都度来ておるようでありますし、それからまあ大変申しにくいことでありますけれども、多数の候補者の中にはいろいろな候補者の方もおられるわけでありまして、そういった面に対する有権者の苦情というものも非常に大きいと。したがって、立会演説会の実況放送を公営化するということについては、なおまだ現在の段階では踏み切れないというような話もございました。そういうことを言わずに、少しでも、一歩でも二歩でも前進するように検討を続けてほしいということで、その会議は終わったわけでありますけれども、まあ従来の立会演説会の実態を踏まえてのテレビ放送の実況放送につきましての検討状況を御報告を申し上げます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 大電力圏のそれはよくわかるんですが、何かやっぱり方法を講ずる側として、いまのあり方を変えていく積極的な姿勢を示さぬ限り、公営が公営らしくなってこないということを一番憂慮するものですから、ぜひともひとつ積極的な御検討をお願をしておきたいと思うんです。  次に、不在者投票制の拡大の問題ですが、私は暮れの本委員会の中でも全国市区選挙管理委員会連合会の要望書をもとにいたしまして、不在者投票制の拡大についての質問を申し上げたわけでありますが、それぞれそれはネックになっているところのいろんな問題点はあると思うわけですけれども、これ今度の七月の参議院選挙の投票を考えてみますと、このまま検討中であってはぐあいが悪いような気がするんですが、この拡大の問題について、現在事務当局で具体的に討議をしておるところの問題点でもあれば、この機会にお聞かせをいただきたいと思うんですが。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○政府委員(大林勝臣君) 年来、不在者投票の拡大につきましての御意見は十分承っておりますし、私どももそれなりに検討を続けておるわけでありますが、一番、不在者投票の拡大についての中心的な問題は、いわゆる現在やっております在宅投票制度を何とか拡大できないかということが中心になってきておると存じております。この在宅投票制度につきまして、四十九年以来、重度身障者と言われる方々についての在宅投票制度が認められてきたわけでありますが、あわせて、いわゆる世上寝たきり老人という方が非常にたくさんおられると。厚生省の推計でいきますと三十数万人にも上ると、こういうお話も伺っております。何とかこういうところのいい方法はないかというふうな研究をしてまいっておるわけでありますけれども、選挙ということになりますと、やはり相手方の明確な把握ということがどうしても必須条件になります。で、身体障害者の方々につきましては身体障害者手帳といういわゆる公的な制度に乗っかった確認の方法というものがありますから、これを利用させていただいておるわけでありますけれども、いわゆる寝たきり老人という方々につきましての厚生省サイドにおきます制度的なもの、あるいは公的な確認の方法というものが実は現在まだないわけであります。で、やはりこういった統一的な基準というものがないことには、各選挙管理委員会相互にいろいろちぐはぐなことになっても非常に困るわけでありまして、何とか制度的な把握する方法ができないものかということを厚生省ともいろいろ御相談をしておるわけであります。  あわせまして、従来御意見がございましたいわゆる巡回投票というような御意見もその都度ございました。で、選挙管理委員会が、どうしてもやはり当日投票所へ来れないという方がわかった場合に、選挙管理委員会の方で巡回をして投票させるということが考えられないかと、こういう問題も年来あるわけでありますけれども、現在の段階で、この選挙運動期間中いろいろ選挙公営事務その他の事務でふくそうしましておる段階で、選挙管理委員会の職員がさらにいろいろ回って投票をお願いをするというところまでは、ちょっとまだ、これは事務的な問題として現在の段階では困難であろうと、こう考えておるわけであります。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 この在宅投票制とのかかわりの中で、郵送料として一万五千人、三百万円という予算をここで計上しておるわけですがね、これは新規だという説明ですが、なかなか結構なことだと思うんですが、どうもこの在宅投票のあれを見ましても余り拡大をしておらないんですね。記録を見ましても、五十年四月の統一地方選挙で一万三千四百五十六件、五十一年十二月の総選挙のときで一万三千百六件、五十二年七月の参議院選挙時に一万四千六百二十二件と、こうなっておる。昨年の統一地方選挙と総選挙がこれ幾らになっておるか、まずちょっと数字で示してもらいたいんですがね。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○政府委員(大林勝臣君) 昨年の統一地方選挙におきます在宅投票者数は一万四千二十五名、それから十月現在の総選挙の投票者数が一万八千八百六十名となっております。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 これまた皆さんが、在宅投票制を採用する場合の該当対象者として、重度の心身障害者は、厚生白書によると、十一万から十二万おると、こういうことを常に答弁で言われてきておる。この一万二千台から一万四、五千で、この間の総選挙だけ飛躍的にふえておるようですが、こういう事実は、この実際の該当者のところの人数から見るときわめて少ないんですね。これは皆さんのこの在宅投票という問題に対するところの積極的な趣旨の徹底とか、あるいはこの問題についてのPR的ないろんな働きかけというものがこれは不足しとるということになりはしませんかね。その点どう考えるんですか。  なおまた、関連して、予算は一万五千人対象だと、仮に総選挙前後の一万八千人あるいは二万人ということになれば、これは予算は足りないわけですけれども、それは足りなくてもやれるという見通しなんですかね、そこらでどうなんです。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○政府委員(大林勝臣君) 前段の、PRがまだまだ不足するではないかという御指摘につきましては、私どももまだ十分とは考えておりません。もちろん、選挙に近づきました際には指導通達によりまして各都道府県の方に対しましてこの新しい在宅投票制度の趣旨の徹底をその都度お願いをしておりますし、また今度の参議院選挙の際にもテレビのスポットであるとかあるいはその他の啓発資料、これを活用いたしまして、さらに一層の啓発宣伝をやってまいりたいと思っております。  それから、後段の予算の問題につきましては、この予算要求をいたしました時点がまだいわゆるさっきの一万五千人台の投票者の実績ということでございましたので、一応それを積算の基礎としておりますけれども、もちろん実績に応じて十分な財源措置を内部の流用によって行うことにいたしておりますので、投票者の増加によってこの関係の予算が不足するということはございません。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 これは申し上げるまでもないことですけれども、選挙権というのはこれは国民のきわめて重要な権利ですからね。それを逆に予算が足りないから余り在宅投票の宣伝を控えろというような指導はしないでしょうね、これ。そういうことがあったらもう大変なことになるので。ぼくはやっぱり少なくとも皆さんが、この問題がたとえば参議院選挙が終わって二万件になりましたと、私どもはこういうPRをしてふやしましたと、こう胸を張って報告できるように、これはやっぱり自治省は積極的な指導をすべきだと思うんですがね、その決意はいかがですか。これは大臣がやっぱり叱咤勉励しなきゃできないと思うんですが、いかがでしょう大臣。

後藤田正晴自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(後藤田正晴君) 私どもさような考え方で、十分PRに努力をしたいと。なおまた、いまお答えしましたように経費の面で云々といったようなことは御心配がないように処理をするつもりでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 なお、寝たきり老人の問題はこれまた本委員会でも大分出て、五十二年度の厚生白書は三十三万人と、こう言っておるんですけれどもね、これを具体的なそういう対象として積極的にやるというところまではいってないんですか。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○政府委員(大林勝臣君) 現在、また新たに厚生省におきましてその調査をされておるようでありますが、この種の調査につきましても、長年の間厚生省としてはいろいろ調査方法その他について御苦労をされたようでございます。で、その結果がどのくらいになりますか、現在のところまだ予測はつきませんけれども、新しい結果に基づいて厚生省としても、寝たきり老人対策について私どもとして何か新しい対策というものが講ぜられることを願っておるわけであります。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 これは、引き続いてお尋ねします巡回制度の問題もやっぱり同じだと思うんですがね。これは二年前の六月七日の本委員会でも私、この問題を指摘をし、当時の選挙部長の佐藤さんからお答えいただいておるけれども、全く先ほどいまの選挙部長がお話しいただいたようなものと同じなんです、お答えは。二年たっても、三年たっても同じ答えしか返ってこぬようでは、幾らいろいろ検討しておりますと、いわゆる国民の選挙権の行使の権利拡大というもの、完全に権利を行使してもらうということに対するところの、一体主管官庁の努力が続けられておるのかどうかという疑問にさえ思いたくなるんですね。したがって、毎回同じ答弁にならぬようにぼくはぜひ皆さん努力してもらいたいと思うんですよ、これ。でなければ、同じことばかり、検討します、検討中でございます、むずかしいですでは、ぼくもいかぬと思うんです。ことに巡回制度の問題については、五十三年の五月二十四日の、いわゆる在宅投票に係るところの札幌高裁の判決が出ておるわけですね。その趣旨を一体どうとらえておるんだろうかと疑いたくなりますよ。なるほど、それを損害賠償あるいは現在では仕方がないということですけれども、中に置かれておるところの、この判例あるいはまた判断で示されておるところの問題は、このままに放置をしないで前向きにやりなさいという物事が明示されておるんでしょうが。これはまあ大臣に聞きたいと思いますが、一体これはどういうふうに受けとめられておるのかね、事務当局はこれをどういうふうに謙虚に受けとめてやっておるのかね、そこをも聞きたくなりますね、これ、毎回同じような答弁では。いかがなんでしょう、その点。

後藤田正晴自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(後藤田正晴君) もちろん私どもとしましては、これはまあ有権者の方すべてに投票の機会が与えられるようにしなきゃならぬという、この基本を忘れているものではございません。私どもとしてはそういった努力は絶えず積み重ねておるんですが、何せ巡回投票ということになると、巡回投票のできる人の範囲はどうなんだと、まあこういうことになりますと、ただいま申し上げましたように寝たきり老人なんかはこれに入るわけですが、寝たきり老人てのは一体どの範囲なんだといったような制度的な担保がありませんと、やはり他方、選挙の公正確保という面とのぶつかりがございまするので、まずそういった制度的な担保をつくっていただかないことには、実際問題としてなかなか解決に踏み切るというわけにいかぬというようなことで今日に至っておるものでございますが、御趣旨はもうおっしゃるとおりでございます。これはもうできる限り投票の機会を持っていただくことができるようにせにやならぬということは十分承知をいたしておるつもりでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 たとえば、さっきの不在者投票の問題についても、該当者が十一万から十二万おるけれども、いま一万八千だと。最初からこの問題を満点取れったってそれは無理なんですよ。それを少しずつでもやっぱり前進させていくということの努力がない限り、私はこの問題について前向きに事務当局で、あるいは担当者で考えて努力しておるという評価に決してならぬと思うんですね。これはもう判決文は十分お読みだし、おわかりでしょうけれども、明確に書いてあるんですよ、これは。いわゆる「選挙権を有する国民は、直接にか間接にかは別として、その手が投票箱に届くことが憲法上保障されている」んだという、選挙権というものの基本的な判断をやはり示しておるんですよね。同時に、「国会の制定する投票の方法についての法律は、合理的と認められる已むを得ない事由のない限りは、すべての選挙人に対して投票の機会を確保するよう」にしなきゃならぬ。「若し投票の方法についての法律が、選挙権を有する国民の一部の者につき、合理的と認められる已むを得ない事由がないに拘らず投票の機会を確保し得ないものであるときは、国会は投票の方法についての法律を改正して当該選挙権を有する国民が投票の機会を確保されるようにすべき憲法上の立法義務を負うものといわなければならない」とまで明確に言い切っておるんですよね。それは、いろんな困難な状況はありましょう。ありましょうけれども、いまようやくここまで来ました、これをこうさせます、というものがなければ、何らこれを、口を開けば法を尊重しなさいと言われるところの政府当局が、このことはむずかしいむずかしいと言って、二年も三年も同じような答弁をするんじゃ、私は本当にこれを遵法しながら皆さんがやろうとするその努力がうかがえるという評価を是認できないと思う。これはもうきょうを過ぎればいいということじゃありません。もっと私は具体的な前向きの、こういう問題についていま検討中ですと、これぐらいはやっぱり示してもらいたいと思う。まあ冒頭にも、今後本委員会でいろいろな議論があるそうでございますから、次の委員会ではまた私が質問に立ったらお尋ねしますから、そのときまでには、どういう問題点についていま検討中で——結論はもちろんないかもしれませんけれども、それぐらいのお答えはいただきたいですね。その点を強く御要望申し上げておきます。  次に、きょうの新聞でございましたか、自民党の選挙関係者あるいはまた関係のところでは選挙・違反の裁判に二審制を導入するところの問題について議論をしておると報ぜられておる。それは、選挙違反の問題が、最後の結審が五年も六年もかかるということに非常に問題があるということは私どもも承知している。スピードアップしなきゃならないということはわかる。さらばといって、スピードアップするところの手段として選挙違反だけ二審制にするという方法というのは、法のもとに平等でなければならない国民の立場から言えば、果たして妥当なのかどうか。あるいは二審制が実施されるとすれば、事実審理を主体とするところの下級裁判所じゃなくて、ぱっと高裁の方に持っていかれてごらんなさいよ、これは書面審理しかできない。非常にこれは矛盾があるということはわかり切っておるんですね。そういうことさえもまだ与党内では議論をしておるという話なんですがね、これはぼくは大臣にお聞きしたいんですが、与党を含めて大臣サイドでは、こういう問題、二審制という問題が本当に取り上げられておるんですかどうですか。あるいはまた、それに対するところの大臣の見解がありましたら、お聞かせ願いたい。

後藤田正晴自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(後藤田正晴君) 御承知のように、新聞等に出ておるとおり、選挙法の改正の問題について自民党の選挙制度調査会で多方面にわたって御審議をしていただいておることは事実でございます。同時にまた、その選挙制度調査会でいわゆる百日裁判、これを実現するために二審制の導入の可否について議論をせられていることも事実でございます。  まあ私どもは、与党のこういった御審議の結果を踏まえて、こういった問題には取り組んでまいりたいと、かように考えておるんですが、これにはやはり、いま宮之原さんおっしゃったような御議論もあるし、しかし、さればといって今日のような連座制の規定が実現できないといったようなことではいかぬではないかと、したがって何らか裁判のスピードアップを図る、それがためには二審制の導入ということも考えてしかるべきではないのかといったような両論があるように聞いておるわけでございます。もちろん今日いわゆる二審制が取り上げられておるのは内乱罪でございます。それからもう一つは独禁法違反の事件、これが二審制。ただし、これは公取委というものが、何といいますか、いわば第一審的な役割りを担っておるというので、多少性格が違いますが、この程度でございます。それとこの連座制規定実現のための二審制というのがパラレルの問題であるのかないのかという問題があろうかと思います。あるいはまた、今日の裁判は御承知のように旧来の職権主義ではございません。これは当事者主義の裁判制度でございます。そういったようなことを踏まえながら、果たして二審制というようなことで目的が達成できるのかできないのかといったようないろいろ厄介な問題がございます。  いずれにいたしましても、この席で私から個人的な見解を述べるということはいささか差し控えさしていただいた方がいいのではなかろうかと、かように思いますが、いずれにせよ党内で論議をいたしておりまするので、その結論を見ながら私どもとしては態度を決めてまいりたいと、かように考えております。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 連座制の問題と関連することはわからぬでもないですけれども、ただ、前の委員会で、いわゆる連座制の拡大の問題については、きわめて大臣は消極的な見解を示された。選挙が暗くなるだ何だと、こう言いながら、それとの方からも問題があるんでこの問題関連をしておるんだということには私はならぬと思いますよ。一体、私は事務当局に聞きますけれども、与党の間でこの可否が論じられたら、コメントできないんですか、政府当局は、事務当局は。この問題どういうふうに理解されていますか、選挙部長は。これまた与党がやっておるから、その結論が出るまで差し控えたいということですか。ちょっと事務当局に私それ聞きますがね。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○政府委員(大林勝臣君) 自民党の選挙調査会におきまして御議論を長い聞いただいておるわけであります。そもそもこの選挙の制度全般の問題につきまして、やはり私どもとしましては、一つの考え方として最初から政府の方ですべて物を考えてそれを推し進めるというよりは、およそ選挙制度というものは同時に各党の選挙運動その他のいわゆるルールであり、土俵であるということであれば、政府が一つの結論を出す際におきましても、できるだけやっぱりそのルールづくりについての実際に運動される各党、実際の関係者の方方、そういったものの御意見は十分承る必要はあると思います。そういう意味で自民党の選挙調査会におきまして御議論をされておるのを私ども拝聴をいたしておるわけでありますが、先ほど来大臣からもお答えがございましたように、この問題についてのむずかしさというものについていろいろ御議論があるわけでありまして、そういう御議論は御議論なりに私どもとしてもなお拝聴をしてまいる必要があろうかと考えておるわけであります。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 選挙法がいわゆる選挙のやり方のルールを決めるわけですから、それぞれの政党の意向というものが盛られなきゃならぬというのはわかりますよ。しかし、事務当局はそれはどの党がやったって、それに対しては見解はもう発表できないんですか。私は与党であろうと野党であろうと、議論しておるところの過程において問題点はこういうところに問題点がありますよという指摘は当然あってしかるべきだと思うんですよ。物も言えない、ちんともちゅんとも言えないというなら、何のための事務当局かと言いたくなる。たくさんの課員を抱えておられるんでしょう。それならば、いま出ておるところの問題に対するところの問題点としてどういう問題点があると選挙部長は見ていますか。それも物も言えないんですか。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○政府委員(大林勝臣君) もちろん物を言わないというか、意見を申し上げないというか、そういう態度で私どももいままで拝聴をしておるわけではございません。一つの制度をいろいろ御議論される場合に、検討すべき問題としてはこういう問題がございますということはその都度申し上げておるわけでありまして、その問題点と申しますのは、さっき大臣からお答え申し上げましたような問題というのがまた一番大きな問題点であったわけであります。それだけに大きな問題点であったからこそ、いろいろ選挙浄化の面から考える考え方と、それからやはり現在の訴訟制度というものを頭において考える場合の考え方というふうな、いろいろな意見が出るわけでありますので、そういった両方の意見をどう調整するかという今後の御議論にかかっておるわけであります。大体私どもとしては、考えるべき問題点というのはもうすでに御議論の中で出尽くしておると考えております。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 いや、問題点は何かと指摘されたら、国会の委員会でそれはやっぱり表明するのがあなたの仕事じゃないんですか。与党の関係委員会で言っているのがあなた方の仕事ですか。すでに新聞に伝えられておるんだから、それならばどういう問題点があると自治省は考えておるんですか。それを明らかにしてください、ここで。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○政府委員(大林勝臣君) この問題の入り口の問題としては、いわゆる一番最初に考えられるのは憲法上の問題ということが当然考えられてくるわけであります。憲法上の問題についても私ども問題点として申し上げたわけでありますし、それについてはまたそれなりに御議論もされてきたわけであります。  さらに、第二の問題としましては、現在の二審制をとっております現行制度がいわゆる内乱罪あるいは公正取引の関係、そういうものだけが例外になっておる、そういった現行制度との均衡関係をどう考えるかという問題、さらには先ほど申し上げましたように、現在の刑事訴訟手続との関連についてどう考えるべきであるかという問題、大きく分けてこの三つの問題があるわけでありまして、そういう問題については問題点として申し上げてきてまいったわけであります。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 これは、今後いろんな問題もそうなんですけれども、それは政党政治ですから、事務当局が法案を出して、一番守ってもらうところの与党の中へ行っていろいろ意見を言わなければならぬというのはわかりますよ。しかしながら、これだけやっぱり問題化しているところの問題については当委員会においても議論できるように問題点の指摘をするというのは、政府当局の公務員としての私は当然の務めだと思うんですよ。それを、質問されなきゃ言わぬ、追及されなければ言わぬということでは、私はやはり国会のあり方としていかがかと思いますがね。  その点、大臣どうなんですか。こういういろいろな問題点にコメントを求められて事務当局が、与党の方で結論を出していないからということで非常に消極的な態度で今後も臨まれるわけなんですか。私はそれでは公正な国会の審議というのはあり得ないと思うんです。私はやはりこういう態度はきわめて不満ですね。御感想承りたい。

後藤田正晴自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(後藤田正晴君) まあ、大変選挙法の問題というのがすぐれて政治的な色彩の濃い法律でございます。また、私どもとしてはやはり与党のある程度の結論が出ない場合に、とても私どもの意見を決めてみたところでそれが法案となるわけのものでもないといったようなことで慎重な態度をとっておるわけでございますが、しかしながら、もちろんいま選挙部長が言いましたように、いわゆる二審制の問題についてはこういった問題がありますよと、つまり憲法上の問題、これは憲法上の問題は法律的には問題はなかろうというような意見をもちろん申し上げるわけでございます。  それからもう一つの、内乱罪、それから公取関係の事件との横並びの事件として考えるのはいささか無理でございましょうといったような意見も申し上げるわけでございます。  もう一点の、今日の裁判制度の面から見ると、職権主義の審理の場合であれば裁判は迅速にいくでしょうと、しかしながら当事者主義の裁判の場合には主としては弁護側の方からいわゆる裁判の引き延ばしというようなこともあり得るわけでございまして、それを押し切ってどんどん進めるというわけにもまいらないでしょうと、あるいはまた高等裁判所というものの今日の性格、先ほど宮之原さんがちょっと御指摘になったように思いますが、そういったような問題もありますよといったようなことは、私どもとしては、事務当局としては申し上げるわけでございます。  そういった意見を申し上げる過程において事務当局としてどういつだおよその考え方を持っておるなということは当然わかるわけでございますが、いずれにいたしましても、この問題は自由民主党の選挙制度調査会の中で残された問題の一つ二つの中の一つでございまするので、いま直ちに私はここで事務当局としてはこの方針でいきたいという方針としての考え方は御遠慮さしていただきたい、かように申し上げたわけでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 まあ少し事務当局としては、私はやっぱり積極的に問題点はここにありますよというのを、尋ねられたら指摘しておいてもらいたいと思いますよ、これは。何も与党ばかりで国会が成っているわけではないですからね。  続いて、参議院の院の構成とかかわりますところの問題についてお尋ねをしたいと思いますが、これまたきのうきょうの新聞によりますと、自民党の方では全国区の問題について拘束名簿式比例代表制ですでに自民党内の全国区選出議員がみんなこれに署名をして合意をしたと、あるいはきょう与党内でこれをどうするかという結論を出すということが報道されたり、あるいは後藤田自治大臣はこれにはやはり消極的らしいという報道のあった新聞もあるんですがね。これ、いま議論をされておる、巷間伝えられておるところの問題はどういうかっこうになっておるんですか。これをまだ知らないというわけではないと思うんですがね、大臣。

後藤田正晴自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(後藤田正晴君) この全国区の選挙制度が今日何らかの改革をしなきゃならぬといった議論があることは、もうこれは宮之原さん御承知のとおりでございます。これは自民党でももうずいぶん前から議論をしておるわけでございます。拘束式の比例代表を加味するのか、あるいは非拘束の比例代表にするのかとか、いろいろな議論がございます。そして、参議院の自由民主党の方々としては拘束式の比例代表制がいいんではなかろうかといったような御議論があることも十分私は承知をしております。私自身、選挙制度調査会の副会長もやっておりましたのでよく承知をしておりますが、今回の選挙法の改正の問題を選挙制度調査会でお取り上げを願って御審議をいただいておる過程においては、最近出てきた問題で、私自身には何らのお指図が総理の方からもございませんし、私どもとしては、これはただいままでのところ、今回の問題については審議をいたしておりません。ただ、ここ数日来そういう問題が出ましたので、あるいはまた私どもの方にも意見を求められるということもあろうかと思いますが、まだそういう段階に至ってないというのが実情でございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 そうすると、まあ一つの方向性が出てどうだということで意見をいま求められておるところの段階じゃないというふうに理解をしてよろしゅうございますね。  もう一つは、やはり地方区の問題ですね。この問題は古くて新しい課題と申しますか、あの議事録を見ましても委員会のたびにこの問題が問題になっておるんですがね。で、私は余りもう理屈っぽいことは申しませんけれども、もういままで相当この一票差の格差の問題については議論をされ指摘をされて、裁判所で数多く判断を示しておるやつですね。しかも、ことしはちょうど国勢調査の年ですかね、人口もより正確にきちっと出る年なんです。そうすると、やはりこの一票の重み、一票の格差の是正という問題に積極的に取り組むのには、外的な条件としても私はやはりチャンスとしては非常にいい時期じゃないかと思うんですがね。この問題についてあれですか、またこれは選挙のルールだから各政党間でいろいろ十分話し合ってくださいという、こういうかっこうでやはり逃げの姿勢なんですか、どうなんですか。特にぼくは参議院の地方区の問題のこの格差というものが非常に拡大するだけに、この点に対するところの大臣のお考えをやっぱりお聞かせいただきたいんですがね。

後藤田正晴自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(後藤田正晴君) 選挙法というのは、御承知のように大変技術的な面と、すぐれて政治的な面と、両方が一本の法律になっておるように思います。  定数是正の問題は、まさに私はすぐれて政治的な問題だと思います。そういうような意味合いから、これはやはりまず自由民主党で検討していただいて、で、自由民主党として各野党に御相談を願って解決すべきものと、私はさように考えております。ただ、事務当局としましては、この地方区の定数是正の問題というのは、これはやはり全.国区とのワンパッケージの問題ではないのかと、同時にまたこれは参議院の選挙制度全体とのあり方の問題、これとあわせて検討すべき問題であろうと私は考えます。  同時にまた、地方区という場合には、やはり一票の重さ、これはやはり無視できない要素であることは間違いありませんけれども、地域代表的な性格も、もちろん国会議員というのは出れば地域代表じゃなくて国民代表であるというのは、これは政治学のイロハであろうと思いまするけれども、そうは言いながらも現実は参議院地方区というのは地域代表的な性格もあるんではないのかと。同時にまた、半数改選制ということを考えますと、どうしてもこれはその県の割り当ては複数にならざるを得ないと、一人区の場合にですね。といったようなこともございまするので、こういった問題、いずれにいたしましても、私は定数問題というのはやはり参議院の選挙制度全般の絡みの中で、これはやはり基本的な土俵づくりということで各党間の合意に基づいてやっていただくのが一番望ましいと、かように考えているわけでございまするので、政府としては推移を見ながら結論を得たいと、かように考えております。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 まあ十年一日のごとくと申しますか、二十年一日みたいな物の考え方ですが、これあれでしょう、衆議院はいままで数々の訴訟の問題を契機にして、昭和三十九年と五十年に二回も定数改正をやっているんですよね。参議院は制度ができて三十三年になる。一指も触れてない。そのまま放置をされておる。ですから、一票の差というのが衆議院が一対三・七に対して、参議院は実に一対五ですわね。こういう不合理がいつまでも許されていいと大臣はお考えですかね。ます不合理だということだけはお感じになるでしょう。いかがですか、その点。

後藤田正晴自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(後藤田正晴君) 必ずしも不合理だと割り切るかどうかは問題が多少残るように思います。先ほど言いましたように、地域代表という性格がありますので、そこらも考えなきゃなりません。しかし、基本的にはできる限り一票の重みというものは余り開かないというのが望ましいことだけは、これはもう間違いのない事実であろうと考えております。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 確かに大臣の答えられたところの、いわゆる参議院の地方区が地域代表的性格を持つとか、定数の限度とか、半数改選制に伴う技術的困難の云々という話をされていますが、それは確かに裁判の中にもありますわね、判断の中にも。しかし、たとえば五十四年一月二十八日の大阪高裁、五十四年六月十三日の東京高裁等を見ますと、特に五十四年の、去年の六月十三日の東京高裁あたりは、これは特殊性ということを強調しながらも、合理的期間の導入ということで、辛うじてつじつまを合わせているんですよ。それで言わんとするところは、逆転現象の起きているところだけはとりあえず手をつけなきゃ大変ですよと、少なくとも投票価値の平等の侵害になりますよと、こう指摘をしているんですよ。いままでのものがすべて正しいと言ってないんです。  具体的にも、八人区の北海道よりは人口の多い大阪、愛知が六人区であり、神奈川が四人区でしょう。あるいは四人区の栃木よりは人口の多い宮城、岐阜が二人区という、これは明らかに矛盾し、逆転現象なんですよね。言うならば、この投票価値の平等という、この選挙権の基本的な性格から見れば、それは特殊性があるからどう、地域性があるからということで逃げることができない問題じゃないでしょうかね。たとえば地域代表地域代表と言いますけれども、一名一区でも、衆議院の全県一区と参議院の一名の一区と同じでしょうが、大分多いでしょうが。たとえばおたくの徳島県にしても、お隣りの高知にいたしましてもそうなんです。何も参議院だけに限っておることじゃないんです。それは憲法の判断の示すところの、いわゆる国民の代表としての憲法四十三条の規定から見ますと何も差はないはずなんですよ。それを特殊性を強調する余り、こういう基本的な問題について、そのままそれは政党間の問題です、ワンパッケージですといつまでも放置するということは一体許されていいもんだろうか。また法廷に持ち込まれて、そこで何か示唆されなければ政府は動かぬ、事務当局は動かぬということでは、これは確かにいかがかと思いますよ、この点。したがって、時間もありませんのできょうはこれでやめますけれども、こういう点はやはり謙虚に受けとめて、もっとやはり前向きの方向で、たとえば時の政権を握っておるところの政府が、これでどうだろうかという案を出して与野党問いろいろ折衝するというのは結構でございますけれども、むずかしい問題だからといって常に後へ回す、回すということでは、これは国民の負託にもこたえられないことだと思うんですが、その点どう思いますか。その点だけ最後にお聞きして質問を終わります。

後藤田正晴自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(後藤田正晴君) まことに理論としてはおっしゃるようなことであろうと思います。しかしながら、何といいましても、先ほど言いましたように選挙に関する問題だけは、しかも区制の問題であるとか、定数の問題であるとかということ、これは各政党の消長に直ちに響くといったような重要な問題だと思います。それだけに、政府の側から、おっしゃるように案を示してやるのも方法ではないのかと、おっしゃるとおりだと思います。それも一つの方法です。しかしながら私は、それよりは今日この制度にどの程度のふぐあいがあるのかということは、各党それぞれ皆さん御承知のはずなんです。ならば、やはり各党間で土俵づくりの問題として私は御議論を願っておおよその方向を出していただきたい、かように考えるわけでございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 いま宮之原委員から質問の出ておりました全国区制、地方区制の問題について、余りいい答弁出ないと思いますけれども、重ねてお伺いしておきたいと思います。  まず大臣は、地方区、全国区をいじる場合は、拘束方式をお考えですか、それともいま問題になっている地方区の定数是正、これが急務ですから、これをまず先に手をつける、続いて全国区制について手をつける、かなり地方区については合意もできそうな感じもあるわけですから。その点はいかがですか。

後藤田正晴自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(後藤田正晴君) これはやはりなんじゃないでしょうか、今日の参議院の選挙区制の問題のふぐあいは、地方区にも御説のようにありますし、それからまた今日の選挙の実態から見て、全国区もこれまた私は必ずしも適切な選挙制度とは思いません。したがって、意見はどうだとおっしゃれば、これはやっぱり両方組み合わせた考え方がいいのではないかなあと、かように私自身は考えております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 そうなりますと、先ほど宮之原委員にありましたように、なかなか何年たってもできないということになると思うんです。だから、やっぱり私は手をつけられるところから手をつけると。第一段階は、やはり地方区の方が私は理屈の上からいっても、まとまりの上からいっても先だと、こう思うわけです。全国区についてはかなりこれは自民党さんの党内にも問題があるし、反対している党も——うちも反対でございますけれども、かなりございますし、また参議院の性格からいいまして、果たして拘束名簿でやる比例代表、これは非常に私は政党化の助長という点、あるいはまた広く人材を集めるという点で逆行ではないかと、こう思うんですが、参議院の性格と特にいま言われておりますいわゆる比例代表の中で、いわゆる名簿ですね、拘束の名簿式についてどう思われますか。

後藤田正晴自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(後藤田正晴君) まあこれ、先ほどから言いますように、いろいろ与党の中でも御議論を願っておるんですが、まあやはりなんじゃないでしょうか、地方区の場合であれば少なくとも逆転現象をしているところをどう扱うかということ、それからもう一つは、全国区の今日の選挙のやり方、これはやはり私はいいとは思いません。そういうようなことで、改革するとするならば、拘束式の比例代表がいいのか、あるいはまた非拘束の比例代表がいいのか、あるいはその両者を各党で選択するといったようなやり方がいいのか。いろいろなやり方があろうと思いますが、いずれにせよやはり地方区、全国区ともに俎上に上せて改革の論議をして結論を出していくべきものであろうと、かように考えます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 またこの問題は、全国区、いまの拘束等についても問題ございますから、別の機会に譲らしていただきまして、ただいま審議されております法案について少しお伺いしたいと思います。  この執行経費の基準法が通常選挙のたびごとに改定をされまして、まあ単価は上がってきておりますが、大変地方自治団体の持ち出しになっております。投票管理者、投票立会人の費用にしましても、今回の改定単価は一日五千六百円あるいは四千五百円となっておりますが、東京都の区部などでは、一日それぞれ一万円、七千円前後の額を昭和五十五年四月から実施すると、こういうふうに決めておるわけです。基準法がありますからいいとは思いますが、単純に考えますと、その差額は地方公共団体の持ち出しになってしまう。  それから積算方法、これもなかなか実情に沿わないのではないかと、こう思うわけです。具体的に言いますと、たとえば投票立会人は法定数は五人以下となっていますが、基準法は三人分しか計上しておりません。それから、これらの費用は一日分しか計上されていないが、実際は事前の準備のためにも集められておると。それからもう一つは、投票管理者、投票立会人は午前七時から午後六時までの投票時間だけではなくて、実際には午前六時半から十時間以上も拘束をされておるわけでして、にもかかわらず、審議会委員等と同等になっておる、こういう問題。  それから、もうかためて質問して、ほかの質問ありますのでやりますが、次に、投票所の事務従事者として嘱託員を中心に積算されていて、実際には地方公共団体の職員だけで事務従事した場合、これは超勤手当に不足が出てくるわけですね。  それから、大都市の周辺とそれから地方の一般都市の間には単価に開きがあると思いますが、市の単価が同じになっている。こういった点で積算方法の矛盾、それから、いま申し上げましたように、なかなか実情とそぐわない、しかも地方公共団体にかなりの負担になってしまっておる。こういう点は、まあせっかくこれ改正されようとしているところ、またけちをつけるようですけれども、これひとつ十分お考えいただきたいんですが、その点についていかがですか。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○政府委員(大林勝臣君) 基準法の積算につきまして、いろいろ御意見があるわけでございますが、最初の立会人あるいは投票管理者の報酬の問題がございます。これは確かに東京都の区部などでは、おっしゃるような金額を出しておるようでありますけれども、一応基準法と申しますのは、一つの全国的な基準を定めたということでございまして、一応こういった基準法で定められております基準で大多数の地方団体はやっていっていただいておるわけでありますし、またほかのものとちょっと違いまして、投票管理者とか立会人という方々、私どもの従来の考え方というものがやはり全く他の一般の労働の対価と同じように考えるべきかどうかという問題もございます。いずれにしましても、大体の地方団体でこういった基準でやっていただいておるわけでありまして、確かに都会部におきましては、ほかの者との均衡上これを上回る金額を支払っておられるところもございます。ただ、基準法というものが全体を通じての基準ということでございまして、それぞれの地方団体によって必要な経費あるいはそうでもない経費というものが一緒になって一つの基準として定められております。要するに、いろんな費目の流用あるいは総額の調整、そういったものの一環として処理されるわけでございますので、こういう問題についてもいろいろ私ども実情は承知はしておるわけでございますが、従来地方団体とのお話し合いによって総額の調整の範囲内で実はやっていっていただいておるわけであります。  それから第二点の投票立会人、確かに法律上は三人から五人という基準になっております。ただ、基準法の上では三名ということになっておりますが、これも実情に即していろいろ私どもも研究をしてございます。ただ、従来の最近の選挙を見てまいりました場合に、大体に全国的に一投票所三・二人ということになっておるようでありまして、これは現在の基準法を直すほどでもないだろうという結論に達しておるわけであります。  それから、事前準備の関係でいろいろ投票立会人の方々の拘束時間が長いという御指摘もあるわけでありますけれども、この問題も、投票立会人、投票管理者という方々のいわゆる選挙という国民的な行事に従事していただくという意味合いも含めまして、いわゆる一般的な労働の対価というふうな考え方は実はとってないわけであります。もちろん投票所によりまして、地方団体によりまして、前日に予行演習というようなかっこうで投票立会人、投票管理者の方々にいろいろお世話を願っているところもあるやに聞いてはおりますけれども、大体の地方団体におきましては当日で済ましていただいておるようでございます。  その他投票諸経費つまり従事者の職員あるいは嘱託あるいは人夫といった数、こういった数の基準についての御指摘でございますが、それぞれの投票区の人口に応じて職員数あるいは嘱託数というものを決めておるわけであります。なるほど地方団体によりましては、こういった人数全部を職員で済ましておられるというところもあるわけでありますが、逆に、いわゆる予定されております嘱託というものを全く見込まずに、与えられた、決められた職員数だけで投票事務をやっておられるようなところもまた多いわけでありまして、確かにそれぞれの地方団体で長い歴史を持っておりますので、区々になっておるところもあると存じますけれども、これもやはり投票関係の、つまり選挙関係の経費全体の中でやりくりをお願いいたしておるわけであります。  それから、大都市周辺の市と一般の市とは事情が違うではないかという御指摘もあるわけであります。これもその都度御指摘があるわけでありますけれども、一つの全国的な基準を決めます場合には、やはり市とかあるいは町村といったような、そういった明確な区分あるいは調整手当があるかないかといったような制度上明確な区分というものが与えられておるものについてやはり基準をつくらざるを得ないということでございますので、大都市周辺の特に物価の高い地域におきまして基準額を超えて総額調整もなかなかうまいようにいかないという個所につきましては、また選挙の終了後いろいろお話し合いをした上で調整費の配分措置をとっておるような状況でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 次に、この法案とは離れますが、公職選挙法の問題になるわけですが、私も党の方で選挙関係の担当をしておりますので、一番苦慮するのは選挙活動と政治活動、これのどの辺までが政治活動でどの辺までが選挙活動なのかという見分けが大変微妙である。この前の公職選挙法の改正のときにも、かなりこの問題、それから報道、評論の自由をめぐりまして大変な議論がございまして、選挙法も改正をされて、その中で従ってやっておるわけですけれども、非常にこの辺が微妙であるわけです。また、取り締まりとなりますと警察当局の見解というのがまた出てきますし、これは基本的にどう考えていったらいいのか。私は今後の方向としてやはり政治活動といいますか、政党活動、そういったものをこれは恒常もうやっておるわけですから、そう選挙時に余り制限をするというのはいかがなものか。もちろん極端なやり方で、逸脱行為というのは、これは私もいけないと思います。やはり秩序ある政治活動、政党活動というのは選挙中も伸び伸びやれていいのではないか。これ禁止されておる、いわゆる選挙活動のときに禁止されている政治活動はなぜ禁止をされたのか。この立法の趣意というのは何なんですか。お金がかかるというだけですか。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○政府委員(大林勝臣君) 御指摘のように、公職選挙法では政治活動と選挙運動を一応たてまえの上では截然と区別をしてつくっておるわけであります。これはこういう例、こういうつく方というのは実は諸外国にはないわけでありまして、日本独特のものと私どもも考えておるわけでありますが、それだけに政治活動と選挙運動とのボーダーラインというものは、そのつどいろいろむずかしい問題を引き起こしております。ただ、大正十四年以来選挙運動というものを政治活動と区別して、選挙運動というのは選挙運動期間中に限るんだということが決められました以上、やはり選挙運動期間中の候補者の活動というのはもうやはりその期間中は選挙運動一色であろうと、こういう実は想定のもとで公職選挙法が構成されておりますので、その選挙運動期間中に候補者がいろいろ運動を行われる場合に、それは政治活動であるか選挙運動であるかということはちょっと区別もつきません。期間中における候補者の活動というものばもうほとんど全部が選挙遺勅というふうにとらえられざるを得ないと思います。  また、いわゆる第三者、たとえば政党その他の団体、こういった団体が選挙運動期間中にいろんな活動をされ、しかしたてまえの上では政党あるいはその他の団体というのは、これはもう選挙期間中は選挙運動はしないんだと、要するに政治活動に徹するんだということで実は立法をされたわけであります。と申しますのは、そういった第三者あるいは政治団体、そういった団体が選挙運動期間中にいろいろ政治活動をされるということになりますと、やはり実際問題としては選挙運動、つまり候補者個人の選挙運動と非常に紛らわしくなる。紛らわしくなるということは、候補者個人の選挙運動の手段というものがそれぞれの条文によってぎっしり制限をされておりますので、そういったものとの関係をどう考えるかというむずかしい問題になってくるわけであります。したがって、運動期間中の政治団体の政治活動というのは、純粋の政治活動というような前提で立法されたわけでありますけれども、ただただ現実の問題といたしましては、政党あるいは政治団体というのは所属候補者のために運動するということもまた実情でございます。したがいまして、中途の改正におきまして、現在では政治団体の選挙運動期間における政治活動の中でも一定のものに限っては候補者の選挙運動としてやってもいいんだと、こういう改正に途中からなっておるわけでありまして、そういう意味で、非常に御指摘のような政治活動と選挙運動というものの交錯がいろんなむずかしい問題を起こしておるような状況でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 これに関連をするんですが、一つお伺いしたいのは、百四十八条の「新聞紙、雑誌報道及び評論等の自由」のところですが、ここに規定をされておる新聞であれば選挙期間中も選挙報道してもいいと、こういうことで政党機関紙の中でもこの条件を満たすものであれば選挙活動の報道ができると、こうなって現実にやられておるわけですね。これはこれで結構なんですが、現在政党活動で新聞、雑誌だけではなくて映画とかスライド等も定期的につくっておるところもあるわけでして、この映像関係になりますと、百五十一条の三、「選挙放送の番組編集の自由」、これはテレビあるいは放送会社が選挙運動の、要するに選挙の報道ができるとこういうことになっておるわけですね。ところが政党というのは、現状においては放送局やテレビ会社を持っていませんからそういうことはできない。しかし、映像媒体は持っておるわけでして、こちらの方の新聞や雑誌は許可をされるけれども、映像媒体は文書図画の規制の方に入ってこれはだめになっておるわけですね。これからまたビデオ時代になってきておりますし、私は何らかの——私は無条件にやれと言うんじゃありませんよ、さっき言われたように個人の選挙活動と政党の活動とのある程度の制限というのはこれはやむを得ないと思っておりますから私は構わないと思いますが、少なくも何らかの規制を設けて、たとえば新聞、雑誌に見られるようなこういう規制を設けた上で、政党なり政治団体が定期的に出しているようなフィルムとかスライドというようなものを、選挙中も選挙報道してもいいということにはならないですか、それはまた何らかの便宜を与えると、さらにいまの立法の趣旨に反すると、こういう考え方なのか。いままでならば、これは大体新聞、雑誌しかなかったですから、テレビ時代に入って放送局等には許可される、しかし政党はそんなものは持っていないし、恐らく公共的なものですから持つべきでないと私は思いますけれども、しかしそうでない映像媒体というのはあることはあるわけですから、その点はいかがですか、もし検討課題と、いますぐ変えろと私は言いませんけれども、ぜひ御検討いただきたい課題だと思います。これは大臣も含めて御答弁いただきたいと思います。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○政府委員(大林勝臣君) 選挙運動のいろいろな媒体があるわけでございまして、その媒体についてそれぞれの秩序をそれぞれの条文で決めておるわけであります。ただ、先ほどちょっとお触れになりましたように、百四十八条の「新聞紙、雑誌の報道及び評論の自由」と申します条文というのは、これは非常に古いむずかしい沿革がございまして、これは特に一般の選挙運動の手段というよりは、新聞、雑誌その他のいわゆる報道機関と申しますか、マスコミと申しますか、そういった新聞とか雑誌というものについてのいわゆる言論の自由という問題が公職選挙法の制定当時に非常にやかましく実は議論をされたわけであります。  当時の国会論議におきましては、この新聞につきまして、報道の自由は別として、評論の自由はちょっとこれは選挙運動の制限というようなところにもひっかかることが往々にしてあるのではないだろうか。したがって、評論の自由まで認めるのはいかがなものかという御意見の方が実は当時の国会では多数であったのでありますが、これに対しては新聞、雑誌界の大変な運動がございまして、一応現在、新聞、雑誌については報道、評論の自由ということが百四十八条で保障されるようになっておるわけであります。  そういう意味で、確かに政党の機関誌その他の問題に関連はしてきますけれども、一応ここで決めておりますのは、いわゆる一般の新聞とか雑誌というものを主体にして決めておるわけでありまして、ちょっとそのほかの選挙運動の手段というものとは次元が違うであろうと私どもは理解をしております。  ただ、現在の選挙運動の手段としてポスターであるとか看板であるとか、その他いろいろな規制がございますが、おっしゃるように、いわゆる映像を利用するという問題についても、ポスター、看板などとあわせまして、選挙遺勅のためのスライドであるとかその他の映写等の類を掲示する行為は禁止行為に該当するんだというようなことをわざわざ条文で書いております。実際問題として、いろいろな場面で選挙運動のためにこういった材料をお使いになるということはそれなりにまた意味があると思いますが、これは当時やっぱりこういったことが大変はやりまして、そのためにまた金がかかるというようなお声が恐らく国会の中にもあったんだろうと思います。これは二十七年の追加ということになっておりますが、確かに現在の政党活動の中におきますこういった活動材料の中でだんだんだんだん今後主要な地位を占めてくるということになりました場合に、この問題をどうするかということは、私どもとしても一つの問題として今後念頭に置いてまいりたいと思います。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 大臣、いかがですか、同じですか。

後藤田正晴自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(後藤田正晴君) ただいま部長が答えたとおりであります。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 次に、個人演説会ですが、いまの問題にも絡んでくるんですが、個人演説会では録音盤の使用はしてもよいと、こう書いてあるわけですけれども、録音盤というのはこれはレコードだけなのかテープは入るのか、一応テープは入るような感じ受けるんですけれども、この録音盤というのは大体レコードということですね、古い言葉ですから。これはいかがですか、まず第一番に。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○政府委員(大林勝臣君) 古い言葉ですが、テープも含めて解釈しております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 個人演説会ではテープは使えるわけですが、いま言ったスライド、映画は使えないわけです。大体このテープを使われる場合は、候補者が特に全国区などの場合はなかなか回り切れませんものですから、個人演説会の会場だけはとっておいて、応援者の中から代表の方が応援演説をやる、本人は来ないからせめて声だけでもということでこういうのが許されてきたのではないかと思うわけです。そうして候補者本人の声をかけて政見を聞くと。しかし、ここまで時代も進み家庭にまでビデオが入っている時代ですから、いま言ったお金のかかるという点ではそれは映画なんか金はかかりますよ。しかし、スライドなんというのはそうめちゃくちゃ金のかかるものでもありませんし、せめてスライドぐらいは候補者の写真も出して、そして候補者の音、オートスライドにしておけば、少しは、それも時間制限していただいて私は結構だと思うんですよ、政見放送の時間、会場の時間もありますから。それは、まあ本人一時間しゃべろうが二時間しゃべろうが構わぬでしょうけれども、どうしても金がかかるとおっしゃるのなら時間制限詰めてもよろしいんですから。ただ、録音盤だけというのはこれはいかがなものなのか。私は映画が金がかかるとおっしゃるんならせめてスライドぐらいまで、そうしたら候補者がいなくても顔を見てですね。特に私は地方区の場合は立会演説会もありますし、まだ選挙の範囲が狭い。しかし、全国区というのはもう北海道から沖縄まであるわけですから、なかなか全会場、全部、全県も回り切れない状況ですから、これぐらいは、どうせ個人演説会の会場は制限があるわけですからそんなむやみやたらとできるものでもありませんし、しかも映像媒体になりますと昼間は全然使えない、街頭で仮にやるとしても夜しか使えない、そういうことでかなり私は制限は自然のうちにされていくと思うんです。これはひとつぜひ時代の趨勢に従って御検討いただきたいと、こう思うんですが、いかがですか。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○政府委員(大林勝臣君) 選挙運動の活動材料として一定のもの以外は実は禁止されておるわけでありまして、その禁止の中にたまたまこういったスライドその他の映写類も入っておるわけであります。そういったスライド、映写類というものが今後はひとつ活動材料として使い得るものになるかどうか、そういった点につきましては実は従来余り御議論があったように記憶しておりません。本日初めて伺う御意見でもございます。いろんな選挙運動の今後の活動材料についてどう考えるかということに関します一つの新しい御意見として念頭に置いておきたいと思います。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 いま御検討いただけるということですから、これはぜひ前向きに御検討いただきたい。  あわせまして、いまの文書図画というものは、これが私はこの解釈になると思うんですが、私はスライドはこれはとまっておりますからね。しかしいまオートスライドとなるとかなり動くわけですね、その瞬間はとまっていますけれども。文書図画というのは何か静的ないわゆる看板、ポスター、そういうのが大体言葉だと思うんですね。動くフィルムが文書図画というのはそう言葉として私は適当ではない、さっきの録音盤と同じように。それほど選挙法というのは古いわけですよね。だから、もうここまで八〇年代に入ったんですから、私はもう少し近代的な様相に変えていくべきだと思うわけです。したがって、これは私の個人的な意見ですけれども、たすきというのは果たしていいのかどうか、こういうのもいいという人もあるし、悪いという人もあるし、世代がいろいろですから、私自身も自分の選挙のときはかけておりますけれども、これなんかも若い人から見ると、何かおかしなかっこうをしておるなという感じを受けるわけですね。それから、いま言った選挙のやり方全般、先ほど立会演説会のお話もございましたけれども、もっと公営選挙の拡大とともに、またここまで政党化しておる時代、また政治活動と選挙活動の区別は、さっきおっしゃったようにわが国独特のものである。もちろん、私はある程度は制限はしなきゃいかぬと思うんです。これは決して反対しているわけじゃないんです。ただもう少し実情に応じて、しかもそれが合理的で、それが金のかかる選挙になってしまう、あるいは選挙民の側から見て何かひんしゅくを買うような方向へ行く、そういうようなことがあってもこれはならぬと思いますけれども、私はその常識の範囲内でもうちょっと自由な選挙運動——どうも選挙となるとこれやっちゃいかぬ、これやっちゃいかぬというのが先へ頭に走るわけです。戸別訪問の問題も含めましてですけれども。この点をもう少し私は、いわゆる選挙の街頭演説のあり方、個人演説会のあり方、立会演説会のあり方、または公営ではいまテレビの問題が出ておりますが、そういう問題について私は全面的にいまの時代に合わせてひとつこれは切りかえていっていただきたいと思うんですが、大臣いかがですか。

後藤田正晴自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(後藤田正晴君) 仰せのとおり選挙はできるだけ自由にやるのが私もいいことだと思います。それに関連しての貴重な御意見でございますので、私どもの検討の課題にさしていただきたいと、かように考えます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 次に、これもいろいろ議論になっておることでございますけれども、政治資金規正法改正の当面の緊急課題は、政治家個人の政治資金の収入の届け出と政治資金の授受からの一切の賄賂性を廃止する、こういうことだと思うんです。聞くところによりますと、先日自民党さんの方では個人の政治資金については、後援団体経由として個人からは支出の届け出をしないと、こういう基本方針だと言うんですが、この点は私、大変問題じゃないかと。本来雑所得としてもっぱら政治活動に使用しない限りは課税の対象となる。公益法人と同様の公共性の見地から無税とされておる政治団体たる後援団体を経由させて個人からは支出の届け出をしないと。こういう考え方というのは大変雑所得としての税のまあ脱税といいますか、ますます増長さしていくんじゃないかと、こう思うんですけれども、自民党さんでいまお考えになっているこういうことについては、大臣どうお考えですか。

後藤田正晴自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(後藤田正晴君) 自民党の中でのいままでの御議論いろいろ経緯があったようでございますが、御指摘のような一応の、何といいますか、結論に近づきつつあるということは事実であると私も考えております。問題は個人の私経済というものと政治活動資金というものをはっきり区分けをすべきであると、私経済と政治活動経済、これの一線を画せというのが例の航空機疑惑問題等防止対策協議会からの建議でございます。それを受けていま私の方も研究いたしておりますが、党でも御検討を願っておるわけでございます。出発点がさような関係でございますので、一応政治資金として受けた以上は、今日政治団体を皆さん大体持っていらっしゃるわけですから、そこを通して報告をしなさいと、それを報告をすればこれはもうどなたから寄付を受けたかということだけははりきりするわけですから、そうすればいわゆる寄付する側と寄付を受ける側の世間で言う癒着といいますか、そういう問題については白日のもとにさらされるではないのか、こういうことでございます。そこで、政治団体から今度は支出をしていくと、こういうことになるわけですから、個人がそれに届け出をしない面はこれはもう当然私は雑所得であろうと思いますね。政治資金として受けて政治団体に入れたものを、これを私は私の経済に使うなんていうのは実は考えておりません。政治家は、そこまで私は、何といいますか、疑惑を受けるようなものではなかろうという、これはやはり政治家御自身のそれは倫理の問題でしょうけれども、当然政治活動に使うものは全部政治団体に入れるんだということになれば、それは入れていただけるものと私は考えます。入れなきゃ、これは当然私は雑所得だと思いますよ。  ただ、そこの税法上の扱いをどう考えるかということは、まだ結論が出てないというのが今日の自民党の中での御議論の経過のように聞いておりますが、いずれ結論は出していただけるものと、こう思いますが、私自身は、届け出しないもの.は、これはもう雑所得で課税対象になるのはあたりまえじゃないかと、私自身はさように考えているわけでございます。  なおまた、賄賂性云々というお話がございましたが、これはちょっと御議論が違うんじゃないかと思います。それは、たとえ政治資金として届け出ておろうと何しようと、賄賂というのは職務権限との絡みで対価性があるかどうかということですから、たとえ自分は政治献金を受けたんだと、で、報告もしておりますよと、こうおっしゃってみたところで、それが職務に関係して対価性があれば、そんなものは政治資金で届け出ておっても、これは賄賂罪は成立するわけですから、そこはやはり個々のケース・バイ・ケースで刑法上の扱いとして判断すべきものと、かように考えます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 そうすると、いま大臣、その前段の話ですけれども、要するに、仮に私なら私が、あるところから政治献金をもらったと。それをそのままそっくり全部政治団体に出したと。それは届け出をすると。それで残った分は雑所得と。入りの方ももちろん届け出するわけですね。その点はいかがですか。

後藤田正晴自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(後藤田正晴君) 要するに、入りは、だれから寄付を受けたんだというのは、これははっきりいたします。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 その政治団体へ出す場合と現在の政治資金規正法で規制されておる寄付行為ですね、この辺はどうなんですか。個人の場合では寄付できないわけでしょう。これは政治団体はいいんですか。その辺ちょっと問題出てこないですか。

後藤田正晴自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(後藤田正晴君) 御質問の趣旨と多少食い違いがあるかもしれませんけれども、要するにいまは政治団体の団体規制ですから、したがって個人に対して寄付をする側は、これは個人であろうと会社であろうと何であろうと、例の量的制限は受けますね。しかしながら、受けた方が個人の場合——政治団体でない場合ですよ、このときは報告の義務がないんですよ。だから、どこから何ぼもらったかわからない。出す方は制約が、量的制限があるし、受ける方も例の百五十万円という制限はあるんですけれども、さてもらった方が個人の場合には、それを報告する義務がないからわかんないというのがいまのたてまえなんです。そこを今度はっきりしょうと、こういうことでございますので。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 大臣の言われている点は、それはそれでいいんですよ。それは現在よりは私は進歩していないとは言いませんよ。いまだったらわからぬわけですね、相手の会社が仮に裏金で、使途不明金の中から私に百万持ってきたと、それを私は政治活動に使いましたと、こういうことでしたら税務署に申告しなくていいと、それがもうどうなろうがね。仮にどういうふうに使われておったとしても、これは届け出しなくてもいいし、課税対象にならぬと、そこに問題があると。それを大臣は、私が百万、あるところからもらったと、仮にそれが向こうは裏金であろうが何であろうが、百万もらいましたと、これはもちろん届け出をする、そうですね。これはどこへ届け出するんですか。それからもう一つは、その百万の中から仮に五十万円はAという政治団体へ出したと、五十万円は残ったと。その五十万は、これは自分の雑所得になると、そしてそれは課税対象になると——これは政治活動に使わないわけですから。まずそれをひとつはっきりしでください。

後藤田正晴自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(後藤田正晴君) 部長から答えさせますから。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○政府委員(大林勝臣君) いまの例でございますと、これまでの御議論では、たとえば百万だれからかもらわれましたと、そのうちの五十万を御自分の政治団体に出されました、そうすると政治団体の方で入り口がわかってまいります。それから、あと手元に残った五十万というのは、これは政治団体にお入れにならない限りは、その五十万についての報告は個人からしていただくということになると思います。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 その五十万は政治活動に使っちゃいかぬというふうに解していいわけですか。要するに、政治団体へ出す分以外は政治活動というふうにはみなさない、だからこれはあくまでも入ったんだと。六十万までは贈与税の対象になりませんからね。これが仮に八十万とした場合は、それはもう所得があったとして届け出をしなくちゃならない。その中から、仮に私が自分でガリ版刷って、ビラつくって配ったと、それはどうなんですか。あくまでも政治活動に使わなきゃいかぬということであれば政治団体へどこか出しなさいと、それ以外はだめですよというのか、それとも、いや少しはこれで明るくなるだろうと、こういうことなのか、その点ひとつはっきりしてください。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○政府委員(大林勝臣君) もちろん政治団体に入れられるであろうという方と、それからそれを分けて、一部は御自分の手でまた政治活動に使いたいと、こうおっしゃる方もあろうかと思います。それをどちらかにしていただかぬといかぬというわけにも恐らくまいらないんで、政治活動に使うものはすべて一〇〇%政治団体に入れていただく方がわかりやすいとは私ども存じますけれども、個々の政治家の方々のいろんな立場、やり方もあろうかと思います。したがって、政治団体に一部を入れて、一部を手元に残して、手元で政治活動にお使いになるということもまた十分予想されるわけでありますが、一部を御自分の手元に残して政治活動に使われたのであれば、そういう旨を個人から報告をしていただくと。報告をされない限りは政治活動に使ったというふうに考えるわけにはいかないから、やっぱり先ほど来大臣が申し上げておりますように、雑所得というようなことになればと私どもは考えております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 時間ですから。  最後もう一つ聞きますが、いまその政治活動に使ったという場合、その報告はどこへやるんですか。税務署ですか。それともいわゆる自治省なんですか。それで、その中身はどこまで報告させる義務を考えていますか。実際、それは政治活動に使いましたと言ったって、たとえば五十万円政治活動に使いましたと言っても、領収書も何もなしでいいのか。やっぱりポスターつくったらポスターの印刷の領収書全部要ると、現在の政治団体の規制にあるような報告書の様式をわれわれ個人も持たせる義務を持たせるのかと、ここまでいって私は少し前進だと思うんですけどね。その辺があいまいだと同じだと思うんです。いかがですか。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○政府委員(大林勝臣君) いまの個人の手元に残してお使いになった場合の報告でございますが、報告の相手方は、今後ちょっともう少し検討せぬといかぬと思いますけれども、国会の先生方については恐らく自治大臣、それからその他の方はそれぞれの所属の選挙管理委員会と、県の選挙管理委員会ということになろうかと思いますが、その際の御報告の様式については、今後また改めて検討してまいるわけでありますけれども、おおむね現在の政治団体の収入、支出の報告項目、こういつたものを考えておりまして、もちろん領収書その他のことも十分必要かと思います。

内藤功日本共産党

○内藤功君 まず、聴力障害者——耳の不自由な方の政治参加の問題についてお伺いをしたいと思います。  来年は国際障害者年というふうに決められておる非常に重要な年であります。国の政治が障害者の政治参加の権利を保障するのにふさわしい制度として確立をされるということが強く望まれておると思います。  そこで、まず自治省にお伺いしますが、立会演説会における手話通訳の実施状況は現在どうなっておるかお伺いをしたい。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○政府委員(大林勝臣君) 昨年の総選挙におきます手話通訳の実施状況については、別途調査を取りまとめ中でございますが、一つの例として若干の都道府県について申し上げますと、たとえば東京であるとか、大阪、京都、北海道、神奈川、こういつたところ、この五つの都道府県では延べ百六回立会演説会をやっておりますが、そのうちの五十六会場、これが五十二年の通常選挙でございます。それから、昨年の総選挙におきましては、延べ二百五十一回の開催中七十四会場で実施されたと伺っております。おおむねほかの県についても、私どもの感触といたしましては、ほとんどの都道府県において大体こういった程度の採用状況になっておると考えております。

内藤功日本共産党

○内藤功君 私の承知しておるところでは、この聴力障害者の方たちがみんなで零細なお金を出し合って通訳者に謝礼を支払うと、こういう連動から、たしか昭和四十年に東京中野区で初めて手話つき立会演説会というものが実現をされまして、この運動が全国に次第に広がって、ようやく昭和四十六年の五月三十日の自治省通達というものに至って、今日いまお話のような事態に至っていると思うんです。  障害者の生活と権利を守る全国連絡協議会という団体がございますが、この団体からの国への要求項目、この間国会議員のところにもいろんな要求が来ましたが、立会演説会には必ず手話通訳をつけるよう指導していただきたいという要求がすでに出されております。この点について自治省が一層その指導努力を強める必要があると、障害者年を来年に控えましてですね。この点についての努力をお願いしたいと思いますが、自治省のお考えを伺いたい。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○政府委員(大林勝臣君) この手話通訳の採用につきましての沿革については、先ほどおっしゃいましたように、非常に長い沿革があったわけでございまして、選挙を管理する立場に立ってみますと、立会演説会におきますいわゆる立会演説者、つまり候補者御本人のほかにまた別の通訳さんを置くということにつきまして、いろいろまたその通訳の仕方によって公平であるとか公平でないとか、そういった問題が起こるであろうという非常に神経質な考え方を以前は持っておりました。その後いろいろ都道府県と協議をし、御意見を聞いたところでありますけれども、御指摘のように、四十六年以来、手話通訳者を立会演説会で採用することについて通知文を流しておりまして、努めて公立聾唖学校の教諭等、公正な通訳のできる者を充てるという御注意をしていただきながらも、手話通訳についての採用というのをお願いをするという通知文をその選挙のたびごとに流しております。  なお現在、蛇足でございますが、昔と違いまして手話通訳者の報酬等につきましては、選挙の臨時啓発の委託費の方でお支払いをするということになっております。今後とも同様な指導をしてまいりたいと思います。

内藤功日本共産党

○内藤功君 今度はテレビ政見放送のことなんですが、テレビ政見放送についてもテレビの画面の下や横に出てくる字幕を併用してほしいという強い要望が出されております。字幕の併用につきましては政見放送をする候補者からあらかしめその要旨を提出をさせるというような方法をとりますれば、十分私は可能であると考えるのであります。障害者の貴重な公民権の行使のための判断資料を提供することでもありますから、非常にこれは重要なことだと思っております。これについて自治省の実現への決意またお考えを率直に伺いたいと思います。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○政府委員(大林勝臣君) この問題には、先生から以前にも御意見、御質問がございまして、その後私どもとしましても放送局側といろいろ協議をしてまいりました。現在の段階におきます放送局側の検討状況を御報告をいたしますと、この手話通訳の手話の方法と申しますものが、いわゆる手話だけではなかなかその意味がよくわからない、したがって手話だけではなしに口の動きと申しますか、これを口話と申すそうでありますが、口話であるとかあるいは手で文字を書くかっこうをする、いわゆる文字つまり指文字というのでありますか、こういったもの、それから体全体——上半身が主だそうでありますけれども、その上半身の体全体の動き、こういったものを総合的に使って手話をされておるようであります。これは何かトータルシステムというのだそうでありますけれども、こういった体全体を使った総合的なやり方ということをしないと、なかなか候補者の政見というものがしっくりよくわからない。そこで、そういうことを前提といたしましてテレビの画面の一部に手話通訳者の映像を入れるということにつきまして、まあどうしても部分的な小さな画面ということになりますから、その小さな画面の一部でこういったトータルシステムで手話をしていただくということが可能かどうか、かなり技能の高い通訳者ということに恐らくなってくるのだろうと思いますけれども、そういった技能の高い方の確保状況、今後の見込みあるいは手話の方式につきまして、いわゆる高年齢層の方々あるいは若年齢層の方々によってかなりまたやり方が違うようでもございます。そういったいろいろな問題もいま盛んに放送局の方で研究をしておるようでございますので、さらに時間をかしていただきたいと思います。

内藤功日本共産党

○内藤功君 いまの私の質問で字幕の併用についてはいかがです。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○政府委員(大林勝臣君) この字幕の併用につきましても、放送局の方であわせて検討いたしております。  ただ、この字幕の併用につきましてはまたもう一つ技術的な問題がございまして、現在のいわゆる字幕——いろいろなニュースで流しますテロップと申しますか、こういったことについても、私どもは余り気がつかないのでありますけれども、その都度その都度よくミスが起こっておるようでありまして、誤字があったとかあるいは脱字があったとか、そういう事件もあるようであります。したがって、現在一般の放送におけるテロップにつきましても三重、四重の内部チェックというものをやっておるようでありまして、この政見放送というものを短時間に録画をいたしまして、その録画の際にこういった候補者からあらかじめ提出をされたテロップを作成するということが技術的に可能であるかどうか、その他テロップを作成する場合には一つの形態にもう限定をしてもらわないと、候補者によって希望の字体というものまで注文をされたのでは非常に困るし、また字数というものも余り長いとこれまた技術的に対応できないというような問題がございます。どういった程度に考えれば技術的に可能であろうかどうかということについて、現在検討していただいておるところであります。

内藤功日本共産党

○内藤功君 こういう研究をやるについては、ぜひお願いしたいのは、全国で約二十五万人と言われております聴覚障害者の唯一の団体というべき全日本聾唖連盟というのがございます。そのほかにも障害者の生活と権利を守る全国連絡協議会というような団体もございますが、こういった団体の方々にもぜひ問題解決についての意見を自治省としてお聞きになるのがしかるべきだと思いますが、いままで聞いておられるかどうか、まだもし聞いていないとすれば、これをぜひ率直に聞いて、こういう人たちの実情をさらにつかんで研究を進められたいと思いますが、いかがでしょう。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○政府委員(大林勝臣君) この問題について、特に外部の団体の御意見を聞いたという報告には接しておりませんが、研究の一つの参考意見として、また適当な時期に御意見は聞いてみたいと思います。

内藤功日本共産党

○内藤功君 この問題について聞いておられて、大臣に次にお伺いしたいんですが、NHK側にも私ども直接聞いてはみました。いろいろと難点は言っております。  たとえば方言というものが手話にもあり得ると、そして統一手話というものがないとか、通訳者が少ないとかというようなことをいろいろ言っておりますが、まずこの統一手話とか、それからボキャブラリー——語彙が少ないという問題については、さっき言いました全日本聾唖連盟というところから、これ私手に入れたんですが、「わたしたちの手話」会話編、こういう本が出ておりまして、漫画の図入りで、こういうふうにしゃべったらいいというのが非常に具体的に書いてあります。こういうものがありますから、統一手話というものがないということは私は言えないと思うんです。  通訳者が少ないという人数の点でも、東京都に例をとりますと、東京都手話奉仕員養成講習会という会がありまして、ボランティアコースと専門コースの修了者がいま四百人を数えておる。手話通訳派遣事業の登録者は百名を超えておる。それから全日本聾唖連盟では手話通訳の制度化を目指して、五十一年度から、全国手話通訳認定試験及び認定通訳者研修会というものも実施しております。また、厚生省が四十五年度から制度化した手話奉仕員養成事業によって、全国で十万人余の奉仕員が誕生したということを連盟の方では申しておられます。  ここで、やはり主管官庁である自治省が積極的にやはり障害点はもうはっきり幾つか出されている点にしほられていますから、これはやっぱり積極的に一つ一つ取り組んでいって、来年の国際障害者年への取り組みとして努力をしてほしいということ。それには調査費等、最低限の予算措置も裏づけとして検討をやはり急いでほしいと、それから放送関係者には、やはり自治省から一層の協力と前向きの努力を要請してほしいと、私は最低限このことを要望したいと思うんですが、大臣、ずっと聞いておられて、あなたの御決意とそれからお考えを承りたいと思うんです。

後藤田正晴自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(後藤田正晴君) 御意見よく承りまして、そういった団体の方のいろんな経験等もおありでしょうから、承りたいと思います。そして検討をしたいと、かように考えます。

内藤功日本共産党

○内藤功君 それでは、この御努力を要求いたしまして、次の質問に移ります。  きょうは、特に法務省並びに警察庁のお方にもおいで願ったんですが、選挙の公正・自由の確保ということが選挙の執行については一番大事なことであります。そういう点で御質問したいと思うんですが、実は、ちょうど一年前の昨年四月七日の夜、東京都の新宿駅の東口の広場街路上におきまして、これは統一地方選挙、特に東京におきましては知事選の投票日の前夜という、まさに最終晩に当たって、右翼団体などが候補者の最後の街頭演説会を聞くべく同広場に集まってまいりました約一万を超える聴衆、群衆の中に宣伝カーを先頭に、その宣伝カーの上には長いさお、あるいは棒などを持ちまして突っ込んでまいりました。相当なスピードで突っ込んでまいりまして、そういう騒ぎの中でけが人が出る。さらに演説会というものは実際上不可能に近い状況になる。候補者自身に傷害を加える者が出てくる。日本の選挙史上、憲政史上候補者自身にかかる傷害が加わったということは恐らく前例がないんじゃないか。また、憲政史上このような大規模な選挙妨害がなされたことは、私は史上これはまれに見ることだと、八〇年代を前にした時期においてまことに日本の政治上不祥事だと思っておるんです。また、大きく新聞などでも論評せられました。公正にして自由なるべき選挙を多衆の暴力で妨害した事犯で、断じて許せない事件だというふうに思います。こういう観的に立って告訴あるいは告発もなされたわけであります。いま再発を防止——このような事件が再び首都東京はもとよりのこと、わが国の中で絶対に起こらないようにするためにも、本件についての厳正なる捜査あるいは厳重なる処分、処罰は、私は絶対に必要だろうと思います。  そういう観点でお伺いいたしますが、まず法務省刑事局にお伺いします。本件は公職選挙法第二百三十条、二百二十五条等違反、選挙の自由妨害罪その他の罪名をもって最高検察庁等に告訴告発された案件でありますが、現在の捜査状況——私の聞くところでは参考人が被害者側を含めて約五十六名、あるいはそれ以上という者がいままで調べられたと、それから写真説明書が告訴告発人側から出され、約百通近い写真が出されておる、捜査には非常に協力をしておる、それから実況検分が警察側によって三回ぐらい行われておるというような概要は承知しておりますが、どのくらい進んできておるのかという点、これをお示し願いたい。  なお、右翼関係者側の取り調べについて行われたという確たる情報がないのでありますが、以上の点なども含めて概況を御説明願いたいと思います。

河上和雄法務省刑事局公安課長

○説明員(河上和雄君) 御指摘の事件の関係でございますが、これは正確に申しますと四つほどの事件、これが検察庁にかつて係属しあるいは現に係属していると、こういう形になります。  まず第一の関係でございますが、これはちょうど御指摘の五十四年の四月七日に新宿駅東口広場で警察官に対する公務執行妨害、こういった形でいわゆる右翼の人たち、これが五十五名ほど現行犯で逮捕されております。この事件が一つ。  それからもう一つの筋は、明るい革新都政をつくる会、これは代表幹事は青木宗也さんという方ですが、この方が五十四年の四月二十日、これは東京地方検察庁に直接告訴告発をなされた事件。  それから、その内容は全く同じですが、同年の五月四日、最高検察庁、これに対してやはり同文の告訴告発状が同じく青木宗也さんから出されております。そして、最高検察庁は、受理をしました五月四日、即日付で東京地方検察庁にこれを移送いたしまして、東京地方検察庁でこの青木宗也さんが告訴告発された氏名不詳者に係る公職選挙法等の違反被疑事件、これについて捜査をしている、こういう形になります。これが正確には二本になるわけですが、まあ一つと見ていいかと思います。  それから、最後の三つ目のものが、昭和五十四年の四月七日に、やはりこの青木宗也さんが警視庁の新宿警察署に対して、これは検察庁に告訴告発したのと同じような内容でございますが、公職選挙法違反の事実でもって告訴をいたしております。この三つがございます。で、第一の事件は、御指摘の点とはちょっと離れている公務執行妨害の関係でございますが、これについてはすでに検察庁で不起訴処分に付されております。  そして、問題は、第二と第三の青木宗也さんが検察庁に対して告訴告発された事件、それから警視庁に対して告訴告発された事件、この二つであるわけですが、これについては直接検察庁で告訴告発を受けたほか、同じ事実について警視庁に告訴告発をされていた関係もあり、また御承知のように、刑事訴訟法上は第一次捜査機関であります警察が投資を尽くす、そして事件を検察庁に送付すると、こういう形になっておりますので、主として第三の関係の警察の捜査を待っていた状況であります。これが本年の三月三日、警視庁新宿警察署から東京地方検察庁に送付されてまいりました。したがって、現在、第二、第三の事件、いずれも東京地検において捜査を継続中と、こういう形になります。  捜査の進展状況はどうかと、こういうお話でございますが、これは現にいま捜査を継続中の事件でございますので、これこれこうだというふうに細かく申し上げるのは実は適当ではないと思いますが、ごく大まかな言い方を申し上げるのを許していただくとすれば、ほぼ七割方ぐらいは終わっていると、こう申し上げていいのではないかと思います。  それから、いわゆる右翼に対して調べたかと、こういうお話でございますが、当然わかっている関係については調べはしております。  以上です。

内藤功日本共産党

○内藤功君 いまの点、警察庁の捜査の現況についてお伺いしたいと思います。

鈴木貞敏警察庁警備局長

○政府委員(鈴木貞敏君) いま法務省の方からお答えございましたが、新宿警察署といたしましても、明るい革新都政をつくる会から告訴告発を受けたわけでございます。非常に混乱した現場におきまして公妨被疑者としまして五十五名を検挙して、これは東京地検に四月九日に送致しているわけでございますが、この告訴告発文につきましては、その後、警視庁といたしまして被害者、目撃者の方、こういった方の事情聴取等につきまして、非常に時間はかかりましたけれども、いろいろ協力をいただくいろいろの過程がございましたが、大変時間が率直に言ってかかりまして、被害者の方のなかなか都合がつかないというふうなことがありまして、大変時間がかかりましたが、昨年の十月下旬までに数多くの参考人等の取り調べが完了いたしました。また、この取り調べの結果それから現場写真、こういったものに基づきまする関係者の詳細な取り調べを行いまして、その結果、被疑事実が特定されました者四名につきまして、先ほど法務省の御答弁がありましたように、三月三日、東京地検に送致したわけでございますが、この四名は大日本愛国党員二名、日本青年社員二名、これを公選法の自由妨害及び凶器携帯容疑というふうなことで送致しているような状況でございます。

内藤功日本共産党

○内藤功君 この事件では、告訴告発人側がこの種事件でのいままでの経緯にかんがみまして、検察庁あるいは警察と常時捜査の協力態勢をできるだけとるという姿勢をとりまして、警察側から告訴代理人に連絡をしてもらい、その告訴代理人から被害者側の参考人に御連絡をして、私の知っている範囲では、これは捜査の秘密と言われるけれども、もうほとんど半ば参考人の方に御協力を願う意味で人数も非常にはっきりしているんですね。警察で三十三名、検察庁で二十三名、五十六名が調べられていることを告訴告発人側は確認をしておる。そのほかに直接お呼び出しを受けて事情聴取、取り調べに応じた人が三、四名おるのではないかと思われる。約六十名が延べで調べられております。写真は大体九十三枚提出をして詳しい説明書も出している。こういう状況で告訴告発人側は十分に協力をする態勢にあるということが言えると思うんです。したがって、告訴告発人側の協力非協力ということを言われる点は全くこれはないと申してもいい。これは三月三日に四人が送検されたそうですが、また七割方進んでいるというのですけれども、何しろ去年の四月七日の事件で、一年もたっているんですね。こればひとつ厳重に、またスピードも上げて処理をしていただかなくちゃならぬと思います。  そこで、この選挙の最終晩のいわゆる打ち上げの演説会の会場で約万を超える人々が演説会の開会を待っておる。こういうところに宣伝カーを先頭に——これは私も現場を見たんです。現場にたまたまいて突っ込んでくるところを見たんです。これは水平にこういうふうに棒を構えましてジグザグをしながら車が突入してくる、文字どおり突入ですね。私は、まあ表現を許されるとすれば殴り込みという実感を受けましたね。こういう形の選挙妨害というのは、先ほどから繰り返しているように歴史上まれに見る妨害事件だと思うんですね。こういうものが自由妨害罪でなければ公選法の自由妨害罪というものはもう存在の意味がないと言うべき重大なやはり事犯だという感じを私は特に現場を見た人間としても思います。  暴力根絶、選挙の自由を守るというのはこれは政府の最大の任務であります。後藤田自治大臣、あなたは国家公安委員会の委員長、治安担当の国務大臣としてこういったものについてこれは相当なやはり御決意で臨まれないと、この種事犯は再発して日本のいわば法治国家としての面目も失墜することになりますが、改めて本件についての適正、厳正な捜査処分、それを督励されるように私は要求いたします。御決意を伺いたい。

後藤田正晴自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(後藤田正晴君) 選挙の自由妨害の罪は、従来から警察としては選挙違反の悪質犯として厳重な取り締まりをやっているように聞いております。したがって、今後もこういった事態のないように十全の配慮をしてくれるものと、またしていただかなきゃならぬと、かように思いますが、御指摘の事案については、先ほど法務省、警察両当局からお答えをいたしましたように精力的に取り組んで最終の決着を図りたいと、かように考えております。

内藤功日本共産党

○内藤功君 最後に、時間がないので詳しいことはまた次の一般質問等の機会にさらに詳論したいと思うんですが、警察に警備実施上の観点で強く申し上げておきたい。  私は、まああの事件は東口広場へ突入する経路に当たるところの歩行者天国の入口のところで警備の部隊が規制をすべきであったということを何回も現場へ行きまして、歩行者天国のときなんか見まして思うんです。あそこの入口のところにはいわゆる人間の通行をチェックするようなさくが置いてあっただけなんですね。そうして、そこのところに機動隊の部隊の人間もおったわけです。ですから、これらの長い旗ざおやこん棒やあるいは石や卵やコカコーラのびんや、こういったものを車の上に乗っけて、しかも人物は表から見ればどういうようなことをする人間かというのは、大体警察官であれば判断が容易にできるはずなんです。突入を許す前に、やはり東口広場へ通じる路上において前方でこれを規制する機動隊の規制の原則である前方規制という言葉があるはずであります。これをやはり実施をすれば、このような事態は私は未然に防げたんじゃないかというふうに思うわけです。私は、その時点でいわゆる持凶器罪等の適用をすれば被害を防ぐことができたという感を深く持っておるわけであります。このときの警備実施問題についてのあなた方の反省点が多多あると思います。私はこのうちの一番大事なのはこれだと、こう思っているんです。御所見があれば伺いたい。

鈴木貞敏警察庁警備局長

○政府委員(鈴木貞敏君) お答えいたします。  当日の四月七日の土曜日の七時以降、仰せのとおり七時で歩行者天国解除と、それを境にいたしましてああいうハプニング的なものが起こったわけでございまして、警察としましては警視庁新宿警察を中心にいたしまして、何といいましてもあの東口に非常に過熱したそういった選挙の機運ということで、各候補がそれぞれ朝の段階から陣取りということで臨んだわけでございまして、こういった混乱のないように、警察としましては機動隊を含め私服の情報収集員等を含めまして約五百余名をそれぞれの要点要点に配置したというふうな状況でございます。しかし結果的に、おっしゃるとおりああいうかっこうでの混乱が起こったということでございますが、警備全体といたしまして、私も当時状況をいろいろ聞きまして、やはり選挙という特別な事情を考慮して非常にむずかしい警備であったと、こういうふうに率直に感じます。といいますのは、それぞれの右翼の方もそれぞれ立候補されておる方の、いわゆる大日本愛国党は赤尾敏、その他深作、垂井、こういったいわゆる右翼団体から立候補している人でございまして、東口に歩行者天国の解除の七時を期してこの現場に来たと、そこで右翼を入れないというようなことで聴衆との間でトラブルが起こってきたと、こういうかっこうでございます。  そういう時点を考えますと、おっしゃるとおり自動車で阻止する前方規制という言葉は私も固まった言葉としては聞いておりますが、いずれにしましても、事前に、現場に入らない前で車両で阻止するという点はいろいろ警備戦術でも考えられるわけでございまして、当日も車を出しております、交通詰め所の前に。ただ非常に道路幅が広いために、一台出したそのわきを通られて入ってこられておる、こういうふうな当日の実情があったわけでございますが、選挙の運動あるいは政治活動の自由を最大限に尊重しながら、慎重な考慮のもとで当日の警備警戒に当たったということでございまして、太田候補の側にも、それぞれ側近警護を含めまして車両の中心その他にたくさんの警察官がこれをガードしたというふうな状況もあるわけでございまして、ああいった歩行者天国の解除時期で、こういった当時二万人とこうわれわれ把握しておりますが、そういう中で、また立候補者といいながら、そういうものが同じ時間帯に、愛国党あるいは日本青年社あるいは国粋社というふうないわゆる確認団体の自動車が来たというようなことにおいて混乱が起こったわけでございまして、そういう点二度とこういう事犯のないように、歩行者天国とこういう広場との関連、さらにまたこういった自動車の規制というふうなものを含めまして、その後われわれはこれを二度と繰り返さないように、実は昨年度のその後の選挙その他におきましても十分配意いたしまして、二度とこういう波乱がないようにということで努力しておる次第でございます。

内藤功日本共産党

○内藤功君 納得できませんね。まあ右翼に甘かったという批評をわれわれせざるを得ませんね。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 まず、私、政治家への個人献金の問題につきましてお尋ね申し上げるところから始めたいと思いますが、自治省の方で、政治家の個人献金に非常な疑問が一般に持たれておるというところから、法的にすっきりしたものにして、疑問の残らないようにしていきたいという意欲をお持ちになりまして、いろいろ検討なさっているということにつきましては大変評価をすると申しますか、そのとおりお願いしたい。それできちっとしたかっこうに早くなるように心待ちしておる者の一人でございます。先ほども矢追委員とのやりとりの中でその意欲もうかがわれましたが、私もかねがね疑問に感じていた部分なんですけれども、政治家個人になされた分については、政治家個人になされた分を自分の政治団体に器付する、そこでその団体を通じてどういうふうに使ったかということを届ければいいじゃないかというお話を先ほども伺いましたけれども、いかなる名目においても、どんな善意であっても一切寄付できないことになっておるわけですね、少くともわれわれ全国区の候補者というのは。ですから、たとえ自分の政治団体であろうと、そこに自分がもらった金を寄付することはできないんじゃないかというきわめて基本的な疑問があるんですが、その点いかがでございましょう。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○政府委員(大林勝臣君) いま公職選挙法の方で公職の候補者、つまり現職を含みましておよそ政治家と言われる方については、寄付の全面禁止ということに実はなっておるわけでありますが、政党その他の政治団体に寄付する場合はこれは除かれておるわけであります。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 それで了解しました。しかしもっとすっきりさせるためには、個人が一切受けてはならないと、団体を通じて受けるなら受けなさいというふうにいっそなさった方が、一般の方から見てもすっきりするんじゃないかというふうな気がしますが、その点は御検討になったことがあるんでしょうか。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○政府委員(大林勝臣君) まことにおっしゃるように、こういった制度を考えます場合には、いきなり個人自身、個人がもう受け取ってはいけないということにすれば一番手っ取り早くて一番わかりゃすいわけでありますけれども、要するに政治活動の中でやっぱり政治献金というのも一つの政治活動というふうに考えました場合に、そういった政治活動の自由というものをその面で制約をするということになってくるわけであります。したがって、そういった政治活動の自由のその面における制限というものを乗り越えるだけの合理性というようなことが考えられるかどうか、つまり必ずどうしてもやはり政治団体に寄付するんではなくて、個々の政治家に寄付したいという方もおるわけでありまして、そういった方々、それからあるいは受け取る方につきましても、やっぱり自分で受け取って自分で使いたいという政治家もまたおられるんだろうと思います。そういった状況のもとで、一切合財もう個人に対する政治献金は禁止であるとか、受け取ることが禁止されるということになります場合のいわゆる政治活動の自由という問題との関連、これは非常にむずかしい問題として私ども認識しておりまして、いろいろ内部で検討しておるのでありますが、そこまでは恐らく現在の制度で乗り越えるというわけにはまいらぬのではないだろうかという気持ちが強いわけであります。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 せっかく意欲をお持ちになりながらその辺で逡巡していらっしゃるというのが大変私ども不満に思う点なんで、たとえば一切の寄付行為をしてはいかぬと言われました際に、ごく親しい人間の冠婚葬祭だとかそういうものまで、物るいは自分が出身した学校に応分の寄付をすることさえできないということになりますと、社会通念上の人間関係が非常にぎくしゃくしたものになるんじゃないか、だからこれを一切取り締まり、一切だめにするというようなことは、それはそういう意味合いで合理性をただ推し進めるだけで、そういう人間性とか人のつき合いというものまで押し倒すということで、余り合理性がないんじゃないかという議論もあったわけですよ、実は。しかしそのおかげで、一切断れるということの理由になりました部分もありまして、非常にこの法律は尊重されたりしている部分もあるんですけれども、一回そのような決断があって、これが理論的な背景がきちっとあれば、多少その時点で冒険であっても、これは後々まで考えますと、あのときああいう決断をしてよかったんじゃないかということは当然出てくると思いますので、その辺で逡巡なさることはむしろないんじゃないかと私考えますし、それから先ほどから言われますように、個人で受けて個人でやりたいという意思も残るのは当然かもしれませんけれども、個人でやる場合もその団体を通じてやったらできないことはないわけですからね。そこまで規制しているわけじゃないでしょう。ですから、はたから見ても、一般の方から見ても納得のいくというような論理性があれば、多少いままでの通常の概念を逸脱するところがあっても、断行すべきところはするべきだというふうに私考えますが、重ねてその辺の御鷲見を伺わしていただきます。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○政府委員(大林勝臣君) 先生は、いわゆる公職選挙法の器付の全面禁止、こういった問題について、昭和五十年の改正で一応乗り切ったではないかと、こういうこととの関連でおっしゃっておるわけでありますが、確かに公職選挙法の改正におきます候補者の寄付の全面禁止についてもまた同じような実は議論があったわけであります。それで一〇〇%全くいかなる種類の器付を禁止しても、すべてこれは全部罰則がかぶるということになりますと、やっぱりこれはちょっと憲法上の問題というような問題にも関連をしてくるということで、非常に罰則面で苦労をしたという経緯が実はあるわけであります。それとの関連でお尋ねがあるわけでありますけれども、こういった問題につきまして、一応個人に対する寄付を全面禁止というようなかっこうにいたしました場合においても、その実効性を担保する場合にどういう手段でどの程度実効性を担保するかというまた問題にも波及してまいるわけでありまして、非常にその辺を私どもはむずかしい問題と認識しております。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 私申し上げます点は、十分御了解いただいていると思うんです。ですから、これから御検討になるわけでしょう。ですから、そういう意見もあることを十分御承知になりまして、だれの目から見ても、これは妥当なものだというふうなものにおつくりいただくように要望申し上げますけれども。  それからもう一つは、先ほどからの御意見なんですけれども、個人に入った分を政治団体に渡した分あるいは残した分、分けますね。そうすると、残した分は自分の私生活の方に使った分と明確に区別がつかないから、それは雑所得としてあるいは税法上の対象になるかもしれないという部分が残りますね、従来もそうだったんですけれども。ですから、これを税法上でとらえようとなさらないで、政治資金規正法の面からとらえようとなさるという判断は的確だと私も思います。と申しますのは、政治家の個人に入ってくる献金を雑所得というようなことで考えてきたといういままでの慣行がむしろ間違っているんですね。何千万でも何億でも雑所得というかっこうで入ってきていたわけですよ。それで、その雑所得として入ってきたものに必要経費を抜いて余りがなかったら届けぬでいいということだったですね、いままで。ですから、必要経費であるということさえ、政治資金として使ったんだという一行さえあれば、これが免罪符となりまして、何でもツーペイになって不問に付されたというところに実は重大な問題がありまして、税法上の必要経費というのも実に問題がありまして、これは重々自治大臣なんかも御承知だと思いますけれども、その所得を得るために必要な経費を必要経費と税法上言っておりますわね。たとえば、政治家になって当選するということは、歳費を受けとったり献金を受けたりするための営業目的みたいなかっこうになつちゃうわけですよね。そういう所得を得るために必要だった経費というふうな考え方というのはきわめて間違っていると思いますね、私は。確かに自分の考え方を一般の方々に理解していただくための政治活動というのは、それは政治家になったあげくに入ってくるであろう利得を予測してやることではないですね。ですから、政治活動に必要な経費と必要経費とは全く別のものだと思うんですよね。それを同じような考え方で運用してきていたわけです、いままで。そこに基本的な問題がありましたので、これはいつまでたっても賄賂とそれから政治献金、あるいは政治活動費の区別がつかぬから、法的にどこまでいっても追及できない。あれは政治活動として使ったのだと言えば、たとえ五億円であろうと不問に付されてしまうようなことがありました。これが多くの疑問を呼ぶ基本的な問題だったわけです。ですから、今回はそういうことのないように、個人に入った分も団体を通じてちゃんと届け出するようにしようじゃないか。それで、もし団体を通じても届け出していないような部分については、それはどう見られても仕方がないぞというような御発言、大臣のニュアンスありましたけれども、私もそれに同感です。ですから、理想的に申し上げれば、すべて献金は団体を通して明快にどこから幾ら、いつ入ったかというのが明確になる。使う方も団体を通じてパンフレットを幾つつくった、どの会場を偏りて何回演説会をしたということが明確に表にわかるようにするということが一番望ましいことですね。ですから、これに近づくように御検討になっているんだということを私もゆめゆめ疑いませんが、ぜひその辺の線で御検討いただきたいということを改めて御決意として承りたいのですが、いかがでございましょうか。

後藤田正晴自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(後藤田正晴君) まだ最終の結論に至っておりませんので、その点はお含みおき願いたいと思いますが、要は個人でお受けになった、それは団体を通じて報告をしていただく。で、団体を持たない方もいらっしゃいますし、それからまた、自分は団体を通じてもやるが自分もやるとおっしゃる方があるかもしれません。その人は個人で受けましたということを必ず報告していただく。そこで、そういった政治資金として報告のない分は、これはいかにもおかしいという御議論、そのような理論成り立つと思いますけれども、そこでそれは税の対象になりますよ、こういう区分けでいったらどうかなあというのが今日の論議の過程でございます。  ただ、税法上の問題についてはまだ結論が出ておりませんので、そこをまたお含みおきを願いたいと思いますが、いずれにせよ、私どもがいま党とお話し合いをしているのは、政治家についてとかく問題があるのは、政治資金を出す人と、それを受けた人とのいわゆる情実みたいなもの、腐れ縁みたいなものが問題ですから、そこだけはひとつはっきりしようじゃないかというのがいま論議をしておる中身でございまするので、お含みおき願いたいと思います。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 私申し上げました線をぜひ踏まえて御検討いただきたいと思います。  先ほどからの御議論を伺っておりますと、どうも大臣も全国区の選挙の現行のあり方については大変疑問を感じておいでのようで、比例代裏制を導入することの方がより望ましいんではないかというふうな御発言のように承りましたけれども、確認いたしますが、現行の全国区のあり方はいろいろ難点が多い、拘束名解式比例代表制に移行する方が望ましいとお考えになっていらっしゃるかどうか、はっきりとお答えいただきたいと思います。

後藤田正晴自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(後藤田正晴君) これもまた党で御議論をしていただかなきゃならぬことで、私が先走ってお答えするのはどうかなと思いますが、あえて個人的見解を申し上げまするならば、ともかく一番いかぬのはいまの全国区のやり方だ、したがってこれは直さにゃいかぬ、こういうことでございます。そこで、その方法としてはいろいろなやり方があるでしょう。その中の一つに、有力な案に拘束式比例代表制ということがあるだろうと。しかし、比例代表制というものについては、選挙する人と、有権者と、選ばれる人とめ間の関係が希薄になりはしないかといったような弱点もございます。しかし、全国区という制度を残す以上はやはり、いろんな議論があるでしょうけれども、私の個人的見解としては拘束式の比例代表制がいいのではなかろうかなと、かように考えております。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 大変私は残念に思いますが、大臣の言われるほど現行の全国区の選挙制度のあり方というのは、これは悪いという認識が全くないんです。公選法の運用が的確に行われておりますれば現行法で十分に納得のいく選挙ができるんじゃないかという認識を持つ者の一人なんですけれども、そんなにドラスチックに拘束名簿式に根底から変えるようなやり方で移行しなきゃならないほど、じゃ、どこが一体この現行のあり方は悪いのか、はっきりとお示しいただきたいと思います。

後藤田正晴自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(後藤田正晴君) それは、まず、一体今日のようなやり方で本当に選挙民として選択するだけの材料が一体あるのか、立候補者について。これが一つ。  それともう一つは、どうしても選挙というのは、何といっても選挙する人と選挙される側との、何といいますか、一種の人間的な理解ができなきやぐあい悪いですね。そういうふうな面から見て、これはもう肉体的な限界を超しているじゃないかと私は思いますよ。こんな選挙運動をやりおった日にゃ恐らく従来の例でも、前回なかったようですけれども、大体次点の人は繰り上げになりますね。つまりどなたかが亡くなるというだけの厳しい選挙になっているじゃないですか。これは、やっぱり私はいまの選挙のこの全国区のあり方というのはもうそろそろ見直してもいい時期ではないのか、私は率直にそう思っています。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 私、残す時間が五分しかございませんので、ここでこの議論を始めますととても五分じゃ終わらないと思います。しかし、それは大臣やりようでしてね、大体この参議院の全国区という制度が発足したときの議論なんかたくさんあるわけで、私も拝見しましたけれども、どなたも明確なことわかっていらっしゃらないわけですね。いまだに参議院の性格というものすら明快に——小学校、中学校の教科書の中でも一応うたってあるだけでして、腹の底から納得できるようなことになってないわけですよ。ですから、この発足の当時は地方区もあわせてあるわけですから、全国的な規模で、あるいはふだんの著作物とか政治活動とかを通じて大体何を考えて何をやろうとしている人かということがほぼ理解が行き届いている、そういう方が立候補なすったら物理的にも二十五日でわかるわけですね。そういう人が望まれて出てくる場所が全国区の参議院のあり方ではなかったかと思うんですよね。そういう場所を便宜的にやりにくいから、人命にかかわるほど過酷だからと、やり方の問題で基本論を全くすり違えて、やり方が過酷だからやめようじゃないかという御論旨は本末転倒もはなはだしいんではなかろうかという気がするわけですね。  それからまた、拘束比例代表制にしましても非拘束にしましても、それぞれのネック、隘路は持っているわけですね、それと同等ぐらいに。ですから、そのことも重々大臣も御承知のはずなのにあえてそういうことをおっしゃられると、私大変情けなく思う者の一人でして、本来参議院の全国区のあり方というのはどういう趣旨でできたのかという辺ももう一度お考えいただきまして、たとえば私どもの例で言えば、市川房枝さんなどは五十年近く婦人運動に携わってこられたわけです。そのことはもうどなたも御承知のはずなんですね。ですから、あの方は本当にポスター一枚張らずにおいでになっても、今度出るよとおっしゃるだけで二百万票近い票が集まるということなんですね。ですから、ノーベル賞受賞者であろうと、何であろうと、全国的な規模でチェックの機関であるところの参議院に国民に望まれて出てくるという方がおいでになるという余地は、少なくとも拘束制でも非拘束制でも比例代表制にしますとなくなるわけですよ。そういうふうにしてしまうということは、国家百年の計からして参議院を全く何の役にも立たない無価値なものにしてしまうおそれもありますので、その辺もぜひお考えいただきたいということを私懇願いたしまして、御検討再々いただくように懇願しまして、時間になりましたから機会を改めてまたお伺いしたいと思います。

中村禎二自由民主党・自由国民会議

○委員長(中村禎二君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中村禎二自由民主党・自由国民会議

○委員長(中村禎二君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

中村禎二自由民主党・自由国民会議

○委員長(中村禎二君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中村禎二自由民主党・自由国民会議

○委員長(中村禎二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時四十五分散会      —————・—————

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