公害及び交通安全対策特別委員会 第5号
- 発言数
- 309 件
- 登壇者
- 29 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1980/04/18
会議録
○委員長(小山一平君) ただいまから公害及び交通安全対策特別委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨十七日、久次米健太郎君及び佐々木満君が委員を辞任され、その補欠として北修二君及び成相善十君が委員に選任されました。 —————————————
○委員長(小山一平君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小山一平君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に沓脱タケ子君を指名いたします。 —————————————
○委員長(小山一平君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 公害及び環境保全並びに交通安全対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に日本道路公団理事大島哲男君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小山一平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(小山一平君) 公害及び環境保全並びに交通安全対策樹立に関する調査を議題とし、交通安全対策の基本施策に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○坂倉藤吾君 建設省はおいでになっておりますか。——衆議院の関係で大臣がお見えになっておりませんが、先般の建設大臣の所信表明によりますと、新たに建設をする道路について、交通安全施設等の完備した道路、これをやっていくのだというふうに表明をされておるわけですが、交通安全施設、これが完備された道路というのは、何がどういうふうな状態になればいわゆる完備をされた道路、こういうふうに表現ができるのか、これは何らかの設備的なものについては基準等もあろうと思うのですが、これをひとつ明らかにしてもらいたいと思います。
○政府委員(山根孟君) お答え申し上げます。 道路管理者が設置をいたします交通安全施設といたしましては、歩道、自転車道あるいは自転車歩行者道等立体横断施設、道路本体に関係をいたしますが、中央帯、いわば上下線を分離する、多車線道路におきます上下線を分離いたします中央帯、車両停車帯、付属施設ということになりますが、道路照明、道路標識、防護さく、視線誘導標、道路反射鏡、それから自転車駐車場、こういったものがあるわけでございます。このほか、交通安全施設等整備事業におきましては、交差点の改良でございますとか視距の改良、路肩の改良、区画線の設置、こういったものがあるわけでございます。 そこで、道路を新設いたします場合、その構造につきましては道路構造令がございまして、これに基づいて整備を行うことにいたしております。一般の道路の場合で申し上げますと、歩道等につきましては、山間部等で歩行者がきわめて少ない場合を除きまして設置をいたすことにいたしております。また、必要に応じまして先ほど申し上げました立体横断施設、防護さく、道路照明等の交通安全施設を設置いたしまして、歩行者、自転車及び自動車が安全かつ円滑に通行できるよう配慮いたしておるところでございます。 交通安全施設の完備等は、それぞれの設置基準に基づきまして交通安全施設を適切に設置いたしますことによりまして、道路交通の安全を確保し、あわせて交通の円滑化に資するよう総合的に整備された状態、こういうぐあいに申し上げさしていただきたいと思います。
○坂倉藤吾君 ちょっと質問の趣旨と答弁とどうも。大変むずかしい状態だからやむを得ないと思いますが、私がお聞きをしておりますのは、明確に所信の中でそういう安全施設等が完備をした道路をつくっていくのだというふうに言い切っているわけでありますから、相当自信があってのことだと思うのですが、たとえばいまお話がありました一つの問題であります道路の照明等の問題からいきましても、じゃあ照明について明るさが常時保たれるのは一体どれだけなければならぬか、こういう基準があるわけですね。その基準に照らしてそれが完備をした道路というのは、日本の中に一体何ぼあるのでしょうか、具体的に。これからつくろうとするものは今日の道路と比較をしてどれだけよくなっているのか。この辺がきわめて私は問題だと思うのですね。したがって、言葉は大変きれいなのですが、実際もう少し具体性のある立場で一つ一つ積み上げていく、そういう努力について私はむしろ表明があってしかるべきなのだろうと、こういうふうに思うのですがね。さらにまた、今日現実に交通事故がたくさん発生している、あるいは交通による公害が発生をしている、こういう状況の中で、たとえばこれから新しくしていく道路はもちろんの話でありますが、今日までのそういう既設の道路について、どれだけ新しくつくる道路に比較をして遜色のないものにしていく努力というものが重ねられるのか。私はこの点が当面の交通を安全にしていくという立場から見てきわめて大切であろうと、こういうふうに思うのですが、その辺の対策とのかかわりというのは一体どうなっているのでしょう。
○政府委員(山根孟君) ただいま道路照明につきましてのお話が冒頭にございました。これにつきましては、道路照明施設の設置基準を昭和四十二年に通達として流しまして、これに基づいてやっておるわけでございます。ただいま大臣の所信表明にございますのは、いわば道路を新たに建設をする場合におきましては、これは当初からつくります場合でございますので、こう言い切った表現となっておるわけでございますが、先生御指摘の既存の道路につきまして一体どういう考え方のもとで進めていくのか、こういうことでございます。これを、たとえて歩道等について申し上げますと、私ども歩道等の緊急に必要な道路といたしまして、自動車交通量が昼間の十二時間五百台以上、歩行者の交通が百人以上あるいは自転車と歩行者と合わせた交通が百五十人台以上の道路、こういったところが、実は拾い上げてまいりますと十万キロあるわけでございまして、これはやはり緊急に整備をしてまいらねばならない、こういう考え方を持っておるわけでございますが、現在こういった整備ができておりますのはかなり低い水準にございまして、五十二年度末におきましてはこれは四万六千四百キロメートルが歩道等が設置をされているという状況にとどまっておりまして、先ほど申しましたような条件に相当いたします道路は十万キロあるわけでございますので、これを私どもとしては昭和六十年度までには整備をいたしたいということで、五十七年度末までには、すでに整備されたものも含めまして、約八万キロ程度の整備水準に上げてまいりたい。第二次交通安全施設等整備五カ年計画におきましても、自動車と歩行者、自転車を分離いたします歩道等の整備に実は最も重点を置いて施策を行っているところでございます。
○坂倉藤吾君 概念的な論争をしておりましても、これはお話になりませんが、問題は、新しくつくられる道路というのが一つの安全施設を完備した道路という前提に立ってつくられるとするなら、既存の道路というのはそれに伴って新しくつくろうとするものと同じ質のものに引き上げていくというのは当然道路管理者としての義務である、こういうふうに思います。一面で考えていきますと、たとえば不完備な道路によって事故が発生をした。この場合には、それは事故当事者の問題もあるでしょうが、むしろその道路管理者としての責任もきわめて明らかに問題が出てこよう。こういう関係が相互に発生をするわけでありますから、ぜひひとつ計画を緻密に立てていただいて、具体的な進行を図ってもらいたい。これが一つですね。これは大変むずかしいことなのですから、ぜひひとつその辺の計画等についてもまた逐次御質問申し上げ、現状等についての把握をしていただいて、目的の達成に向かって努力をいただかなければならぬ、こういうふうに思います。 次に移っていきますが、第二次の施設等整備五カ年計画というのが本年で最終年度になるわけですね。したがいまして、この、第二次の五カ年計画の整備をしていくべき目標が設定をされておるわけですから、その目標に対して今日までの実績は一体どうなっておるのだろうか、この辺についての評価、それから最終年次でありますから、最終年次の中で今日までやれなかった部分についてどこまで具体的な努力というものが実行されようとしておるのか、この辺のひとつ説明をいただきたい、こういうふうに思います。
○政府委員(山根孟君) 昭和五十一年度に発足をいたしました第二次交通安全施設等整備事業五カ年計画の実施に対する評価の問題でございますが、昭和五十五年度、つまり本年度に最終年度を迎えるわけでございますが、事業費のベースといたしましては、五十五年度末には五カ年計画で見込んでおりました事業費ペースでの目標は一応達成をできる見込みでございます。しかしながら、実質的な事業量という点になりますと、当初見込みました事業量のおおむね八割というところにとどまっておるわけでございます。 交通安全施設等整備事業につきましては、緊急に交通の安全を確保すべき道路の交通環境を改善をし、交通事故防止及び交通の円滑化を図るために昭和四十一年度以来三カ年計画、引き続いてまた五カ年計画に基づいてずっと実施をしてまいっておるところでございます。交通安全事業の推進によりまして、他のいろいろな施策と相まちまして、近年の交通事故はかなり減少はしてきておりますものの、昭和五十四年におきましても交通事故による死者数は約八千五百人、負傷者は約六十万人という多数に上っておりまして、やはり私ども依然として憂慮すべき事態は解消されておらぬ、こういうぐあいに考えておるわけでございまして、私どもといたしましては、関係の省庁と協議の上、今後とも一層交通事故の減少を図り、事故減少の傾向を定着させるべく今後とも進めてまいらねばならない、とりわけ今年度で第二次交通安全施設等整備事業五カ年計画の期限が終わりますので、五十六年度からやはり新たな計画を策定いたしまして、交通安全施設等の充実を図らなければならない、かように考えておるわけでございます。
○坂倉藤吾君 お聞きをしていますのは、たとえばいま冒頭答弁がありましたように、費用の関係については大体全部消化した、しかし実際の仕事の量からいくと八割にとどまるだろうと。そうしますと、この八割にとどまる理由というのは、たとえば物理的に不可能だったのかという観点と、それから経費が思うようにとれなかったから、いわゆるその後の経済変動その他が影響して結果的に予算を拡大することができなかったから、したがって量も進まなかったという話になるのか、幾つかの原因があるだろうと思うのですね。したがって、そういう問題について明確に私は御答弁をしてほしかった。 同時に、本年は最終年次ですが、予算を見ていきますと昨年と同額ですね。五十五年度予算というのは昨年度より全然ふえていない。ふえていないというのは国全体の予算のかかわりもあるでしょうが、少なくとも人命にかかわる、しかもいまお話がありましたように、六十万もの人が傷つくあるいは生命を落とす、こういう重大な問題に対して国の予算のかかわりというのが一体このことを柱にしている立場からいくと問題があるのじゃないか、この辺をきちっと私は整理をしてほしかったというふうに思います。きょうは時間がありませんからそれ以上追求しません。 ただ、これは余り論議をしないことになりますと、突っ込む必要はないのですが、道路の防災事業も強力に推進をするのだ、これは路肩の関係あるいは道路の付近の環境その他について大いに努力していこうと、ここでも大変みえを切っているわけなのです。よく山道等へ入っていきますと、落石注意などというきわめて無責任な道路標識が幾つか目につきます。私の地元でもそうなのです。少なくとも道路防災事業を強力に推進するというのなら、後一年先、二年先には、落石注意などという無責任なそういう標示というのはなくなってしまうだろう、こういうふうに期待をするのですが、その辺大丈夫でしょうね。 さらにまた、いま建設の立場から論議をしてまいりましたが、騒音・振動対策、こうした問題等についてもなかなか具体策としては進んでいかない。現に私の住んでおります三重県の中でも、名四バイパス、国道一号、特に四日市の市内を中心といたしまして、騒音、振動は大変問題になっておるわけですね。かねてからこれにかかわる案として具体的に対策を講じようとするならば、これはもう一本道路をつけなければならぬということに結果としてなるのでしょうが、そこまでいかない間にいたしましても、たとえば名阪の有料道路を一定時間区切って夜間は大型がそこに料金を払わないで通れるような仕組みを考えていくとするならば、当然そのことによって付近住民の騒音、振動による被害というのは少なくなるのじゃないか、こういうような問題の提起があるのですが、一向にこれも解決をしていかない、こういう事情にあるわけですね。きょうは答弁は求めませんが、それらの問題を改めてまた質問をいたしますので、ぜひひとつ検討おきをいただきたい、こういうふうに思います。 次に、これは運輸省の関係に移りますが、鉄軌道交通の安全対策として、立体交差、それから構造改良あるいは保安設備整備、これを強力に進めるのだというふうに、これは運輸大臣の表明であります。ところで、鉄軌道関係の中で、とりわけ前々から、国鉄、私鉄を含めまして、危険個所というものがそれぞれの地域によって指摘をされているはずであります。この危険個所についての実態というものはどのような手段で運輸省として私鉄を含めて把握をされておるのか。さらに、国鉄にはおいでをいただいておるはずでありますから、国鉄としてはそういう個所について把握の仕方あるいはその個所をなくしていくための計画というのはどういうことになっておるのだろうか、この辺のひとつ御説明をいただきたい。
○政府委員(山地進君) いろいろの対策の中で危険個所というものを把握してそういうところに重点的に対策を講じていくということが非常に大事であるのはいま御指摘になったとおりでございまして、私どもの方の、日本国有鉄道については運転規則、それから民間につきましては地方鉄道運転規則というのがございまして、本線については、それぞれ同じような規定でございます、若干違いますけれども、毎日一回は巡視していくということ、それから線路そのものについては軌道を一年一回は検査する、それからトンネルとか橋梁とかその他の施設については二年に一回は検査すると、こういうような体制に一応なっておりまして、それから保守管理責任者という者を配置いたしまして、こういったような定期的な点検整備ということをやっておるわけでございまして、それらの中で状況の変化ということがございますれば長期的な観点からこれを検査していく、つまりこういうところはだんだん危なくなっていくなというようなことはいつも見ていますからわかってくるわけでございまして、そういうことで危険個所というものを摘出して、それについて適宜いつも対策を講じていくというふうな体制になっているわけでございます。
○説明員(菅原操君) 国鉄のものについて特に御説明を申し上げたいと思います。 国鉄の施設は、線路延長二万一千キロの中に、橋梁が約五万三千、トンネルが三千八百、踏切が約三万カ所ございますが、それぞれの施設につきまして、実態、健全度を検査いたしまして、保守台帳あるいは踏切表というもので整理をしておりまして、その実態を常に把握しておるわけでございます。そして、いま先生の御指摘になりましたような、特に注意をすべき場所というものにつきまして、構造物につきましては、各鉄道管理局ごとに線路構造物を専門に検査する構造物検査グループを置きまして、構造物ごとに定期的に検査を行いますとともに、必要によりまして、さらに精密な検査も行って健全度の判定をいたしております。 また、踏切につきましては、各鉄道管理局に踏切保安室等を置きまして、約三万カ所の踏切すべてについて踏切の諸元——踏切保安設備の種別、数量、事故歴、交通量、踏切周辺の状況等の基礎データを調査いたして管理をしておるわけでございます。
○坂倉藤吾君 私は、いまの御答弁、これは国鉄、運輸省両方ですが、お聞きをしていまして、やはり気になるのです。 それはどういうことかと言いますと、鉄軌道交通の基本ですから、基本は、その軌道を走る輸送物、運搬物、これを中心に安全を考えるというのは、これはもう当然の話ですね。ところが御承知のように、軌道というのは人間の住んでいるところ、動くところと無関係につくられておるのじゃないわけですから、その軌道があるところの付近に住んでいる人たちの日ごろの行動とその走るところとの関係が一体どういうふうになるか、こういう観点が、これが危険個所としてきわめて大きなウエートになる。そうしますと、線路を敷いている、そこを走らすのに安全かどうかという観点だけでは私は問題がある。現に、これは私自身が国鉄の路線の危険個所だと言われるところについて数カ所見てまいりました。そういう状況からいきますと、これはもう十年も十五年も前からここは危ないんだ危ないんだと、現に事故が発生をしたと、こういうところでいまだに放置をされているところが散見をされるのです。もともとここは危ないのですよと。だから、それは国鉄当局が危険だというふうな認識と付近住民が危険だという認識とは相当ずれがある。この辺をきちっと私は掌握をしてもらわないと、本当の安全対策というのは生まれてこない、こういうふうに思うのです。そういう点が、これは民間道も含めましてきちっと仕組まれてそして対策が講じられるようにしてもらわないと、本当の実りあるものになってこないと思いますね。同時に、最近の社会的な変化というのは非常に大きいわけでありますから、これは立体交差あるいは構造改良、こういう観点で努力をされておりますし、投入をする経費的な問題、幾つかむずかしい課題はあろうと思います。あろうと思いますけれども、少なくとも、頻度その他からいって、いつになればここはどういうふうに解消しますよという計画が、付近住民にもきちっと理解をされる、こういう仕組みになっていかないと問題があるのじゃないかというふうに思います。 私どもの住んでおります、たとえば津の場合ですと津新町という、近鉄、国鉄両方の架線が一緒に集まっている踏切がある。ここなんかは、本当に場合によっては一分たたない間に踏切が遮断される。こういう状況で、ようやく地下を掘りまして、人が渡ることについてはできましたけれども、あとは車が行列をつくる、こういう状況がある。しかも、駅のすぐそばですから、そこには交通の基点になってバス等も通行する、こういう状況がそのままになっている。これは解消策というものが明確に出なければならぬ。あるいは伊勢市等の場合にいたしましても、国鉄踏切とそれから道路とが、並行になっているところに向けてTの字型に道路が一本走っている。そこに踏切がある。ここなんかは構内から近いものですから、貨車の入れかえのところに踏切の遮断がひっかかってしまう、こういう問題等がいまだに解消しません。これは大変問題のあるところです。したがって、そうした対策というものがきちっと立てられていくようになりませんと、私は本当の安全対策というのは生まれてこないのじゃないか、こういうふうに思います。きょうは余り時間がありませんから、これも答弁は要りません。ぜひひとつ検討しておいて、改めて質問をしますから、ぜひ対策を講じておいてもらいたいと思います。 最後に、法務省に来ていただいておるのですが、これも時間の関係で言いっ放しになって失礼なのですが、交通安全対策の立場から、実は予算説明によると法律扶助事業に対して法務省が補助をされておる、こういうことになっている。私は大変結構だと思うのですが、お聞きをいたしますと、この法律扶助制度の中で交通にかかわるいわゆる扶助事業を行われた比率というのは約六〇%ぐらいになるだろう、こういうふうにお聞きをしているわけであります。それだけ交通関係に対して法律扶助事業の成果というものが一面では上がっている、こういうふうに評価をし、それに対する補助を法務省で行われている。一時は、これは他のところも出ておったようですが、最近の事案から切り捨てられたというふうに聞いておるわけであります。しかし、この法律扶助事業を、これは一般の問題とくるめて考えてみましたときに、交通安全対策の面からいきますと、扶助事業の枠を越えるかどうかという問題点があろうとは思いますけれども、少なくとも今日、扶助事業のきわめて制約をした中で交通問題が対処をされておるわけですから、具体的にそれをさらに工天をしていくためにはもう少し拡大をすべきだろうと思うのですが、その辺は扶助事業を直接行われております協会と法務省というのはある程度連絡をとって、話し合いができるのかできないのか、この辺ひとつ御答弁いただけませんでしょうか。
○説明員(末永秀夫君) 御答弁申し上げます。 ただいま御指摘のございましたように、財団法人法律扶助協会におきまして法律扶助をいたしておりまして、私ども法務省におきまして補助金を交付しているという立場にございますので、いわば監督官庁ということになります。したがいまして、仕事遂行の上におきましては密接な連絡をとりつつ、その実を上げているという現状にあるわけでございます。 ただいま先生御指摘の六〇%、こうおっしゃられましたのは昭和四十三年のことと思われます。昭和四十三年におきましては、法律扶助いたしました総件数が千九百五十一件でございますが、その中で交通事故関係につきまして扶助いたしましたのが千六十一件。したがいまして、詳細申し上げますと五五%ということになろうかと思います。国が補助いたしましたのは昭和三十三年でございまして、その時点におきましては、交通事故関係につきましては五十六件の扶助をしたのがスタートでございます。その後、逐年増加いたしまして、四十三年がピークでございます。その後、今度は一転いたしまして、減少傾向を示しまして、逐年減少をたどりまして、昭和五十三年度におきましては二百件になっております。一方、全体的な法律扶助件数は増加を見ておりますので、ただいま申し上げました五十三年度は、パーセンテージで申し上げますと七・七%というふうになっております。これは日弁連に事故相談センターが設けられ、そしてまたいわゆる強制保険、任意保険というのが相当程度普及してきたということが密接に関連するかと思っております。私ども法務省関係では三十三年からトータルいたしまして約十二億補助金を交付いたしております。運輸省関係におきましては一億二千五百万の補助がかつてなされたというふうに聞き及んでおります。 ただいま先生御指摘のその枠を越えてというその枠は、詳細またお伺いいたしませんとお答えいたしかねるわけでございますが、その枠というのが仮に——現在私どもいたしておりますのは民事関係の貧困者に対する訴訟援助ということでございますので、その範囲内におきましては御要望にはできるだけ応ずるようにということで努力しており、交通関係で御要望がありながら金がないためにお断りしたということは報告は受けておりません。ただ、その枠を越えてといいますのは、たとえば刑事事件について、あるいは家庭裁判所における少年事件についてという御指摘だといたしますと、これは扶助事業を直ちにそこまで拡大することが妥当かどうかということは、国選弁護士制度等々の問題がございますので慎重に検討しなければならない問題と、かように考えております。
○坂倉藤吾君 最後に。 いまの状況ではその域を出ないことは百も承知であります。ただ、きょう触れませんでしたがたとえば暴走族の問題その他からいきますと、現実に家庭の事情、その人間を取り巻く状況の中等からいきまして、いろいろ本人の権利の問題から言って幾つかのケースが出てくるわけですね。しかも、そのことが刑事事件になるかあるいは民事になるか、こうした問題もまだ具体的に判明もつかぬ段階から、幾つかのケースがあるわけでありますから、そうしたことについてけじめをつけなければ手が出せないという形というのは私は問題があるだろう。その場合には相談の制度を使えばいいじゃないかという、こういう話になるのですが、そこへ行くまでの示唆をする者等も不足をするような状況でありますから、ぜひそれらに対するところの具体的な事実関係についての検討というものをひとつお願いをしておきたいと思います。改めてまたこの問題についても整理をしながら私なりの御意見を申し上げていきたいと、こういうふうに思います。終わります。 —————————————
○委員長(小山一平君) この際、委員の異動について御報告いたします。本日、二木謙吾君が委員を辞任され、その補欠として中村啓一君が委員に選任されました。 —————————————
○阿部憲一君 私はまず、交通事故対策に関連して警察庁当局に若干お伺いしたいと思いますが、昨年の交通事故による死者数は対前年比三・七%の減少を示しておりまして、四十六年度以降九年連続交通事故死亡者数減少という成果を上げることができました。まず結構なことだと思いまするけれども、この交通事故発生件数は対前年比一・六%の増加を示しております。なお一層交通安全対策の強化を図る必要があると思います。当局は交通事故の発生件数を減少させるために具体的に今後どのような施策を講じられようとしておりますか、お考えを承りたいと思います。
○国務大臣(後藤田正晴君) おかげさまで一時に比べまして大変交通事故の死傷者数は累年減少いたしておるわけでございます。ただ、そうは言いましても今日六十万人という多くの方々が交通事故にかかってけがをされたり亡くなったりしておるわけでございます。しかも今日のような御案内の自動車交通の状況でございますので瞬時の油断も許されない、少し処置を間違うと大変な被害の増加を来すというのが今日の交通の実情であろうと考えております。 そこで、いまどういうような特徴があるかといいますと、一つはやはり被害にかかる方が子供さん、それからお年寄りあるいは自転車に乗っておる人、こういったいわば交通弱者と言われる方々が被害にかかる率が非常に高いということが一点。それからもう一つは、いわゆる生活ゾーン等における交通公害といいますか、それが少し目立っておるということ。それともう一つは、いわゆる暴走族に象徴されるような事案、これが大変多く発生をしておるということ。もう一つは、何といいましても四千万人という免許を受けた方がいらっしゃる、いわば国民皆免許の時代を迎えているという今日の実情があるわけでございます。それからもう一点は、警察は交通の安全確保ということを重点に据えなければならぬことは当然でございますけれども、今日のこの交通混雑から来るエネルギーのむだの排除をしなければならぬという実態、こういう点が最近の交通を取り巻く環境であろうと思うのであります。 そこで、警察といたしましては、これらに対処するために一つはやはり四千万というドライバー、これを対象にした交通の安全の教育といいますか、それをやらなければならないということ。それからもう一つは、交通弱者等の被害あるいは生活ゾーンの交通公害等を踏まえたこの安全施設の整備の問題がございます。それともう一つは、取り締まりについては暴走族、それからいわゆる交通三悪、本当に凶器として見ざるを得ないといったような自動車運転、これらに重点を指向した取り締まりをやると同時に、一般の交通ルールの無視等に対しては取り締まりのための取り締まりでなくて、交通の流れをよくするあるいは事故を防止するという目的をよくわきまえた上での交通の取り締まりということをやっていく。同時に省エネルギーということでございまするので、そういったことを踏まえての交通管制センターの整備であるとかあるいは感応化の信号機であるとか、そういった高度な技術的な施設の整備をやる。同時に今日そういったものを使っての、大都市等においては、そこまでまだ踏み切ったとは言えませんけれどもいわば一種の交通の総量規制という観点に立っての交通行政というようなことを重点に置いて、交通の安全対策を今後とも推進していきたい。もちろんのことでございますけれども、交通安全対策は各方面にわたる広い行政の分野でございまするので、関係省庁等との連携、同時にまた国民の一般の皆さん方の御協力を仰ぐといったような点に十分注意をして今後の交通行政を運営してまいりたい、かように考えております。
○阿部憲一君 それでは具体的な問題について当局に伺いたいと思いますが、交通死亡事故の地域的な格差が五十三年に引き続いて五十四年も大きく、人口十万人当たり死者数が高知県が十三人に対し東京は二人となっていますが、これは非常に奇妙だと思いますが、このような地域的に大きな格差が出てくる原因はどこにあると思いますか、伺いたいと思います。
○政府委員(池田速雄君) 交通事故の数字はそれぞれ出てまいるわけでございますが、適切な施策を講じますためにその比較と申しますか、そういうことをやりまして、よりよい施策を見出すということのために安全度と申しますか、裏を返せば危険度と申しますか、そういうものを見ますために、あるいは人口を分母といたしましてその比率を出す、あるいは自動車の台数を母数にいたしましてその比率を出す、こういう比較の仕方をやっておるわけでございますけれども、昨年の例をとりますと、人口十万人当たりの死者数で申しますと全国平均が七・三五人でございますけれども、いま御指摘のございましたように東京につきましては二・三八人、大阪につきましては三・八〇人でございますけれども、逆に高知県では十三・一二人、滋賀県では十三・〇三人といったような数字が出ておるわけでございますし、また自動車一万台当たりの死者数でとりましても全国平均が二・三二でございますけれども、東京は〇・九一、大阪が一・五二といったような数字に対しまして滋賀県では三・七三、奈良県では三・五八、こういったような数字が出てまいるわけでございます。また死者の絶対数の変化を経年で見ましても、たとえば東京では昭和三十五年がピークでございましたし、大阪では三十六年がピークでございましたし、愛知では四十四年がピークでございました。全国的に見ますと四十五年がピークでございましたけれども、たとえば岩手県あるいは沖繩県では四十八年がピーク、愛媛県等でも四十七年がピークといったような各地域の差というものがございます。これは一口で申し上げますと、モータリゼーションの進展の度合い等も違うし、それに対する対策もやはり地域差があったとこういうことが言えようかと思いますけれども、それぞれの県におきます地形でございますとか、人口、年齢構成でございますとか、道路の状況、それから車、自転車、歩行者等の交通の状況、あるいは交通安全施設整備の状況、交通安全思想の普及状況等の要因といったようなものが大きく作用しておると思いますし、また死亡事故につきましては救急の医療体制等も大きな影響を持っておるものというふうに考えております。私どもといたしましてもさらにこういった点を科学的に究明したいと考えまして、警察庁あるいは安全運転センター等で研究を続けておりますので、その成果を待ちながらもなお努力してまいりたい、格差の解消に努力してまいりたいというふうに考えております。
○阿部憲一君 いま高知県を挙げたのですけれども、高知県だけでなくて四国四県の、事故が多いいわゆるワースト十に入っておる死亡者数が非常に目立っておりますけれども、四国に何か特別な事情があるのでしょうか、この辺お伺いします。
○政府委員(池田速雄君) 四国四県の状況を見ましても、それぞれ県の特徴もございますので必ずしも一概には言えないと思いますけれども、一般的に申し上げますと、道路状況につきましては必要な幹線道路が主要都市部を通過しているというような問題、あるいは通過交通道路と生活道路が都市の中心部におきまして混在しているといったような問題、あるいは自動車に対します依存度と申しますか、そういったものが大変高いというようなこと等が挙げられると思いますが、若干数字で見てまいりますと、たとえば自動車につきましては、全国平均で申しますと大体三二人に一台でございますけれども、四国の場合は二・八人に一台あるという数字になっておりますし、原動機付自転車も全国平均では十一・五人に一台、こういうことでございますが、四国では五・九人に一台、こういったような数字になっております。また、免許の保有率も全国では二・八人に一人でございますけれども、四国では二・五人に一人というふうに高うございますし、またお年寄りの方が人口の中で占める比率も全国平均では一二・四%でございますけれども、四国では一五・四%、こういったふうに高くなっておる事情がございます。それからまた安全施設等の問題につきましても単純な比較はなかなかむずかしいと思います、それぞれの交通状況、道路状況がございますから。ただ、一般的に申し上げますと、安全施設の設置数も道路のキロ当たりで見ますと全国平均よりはまだ少ないのじゃなかろうか、こういうふうに考えております。
○阿部憲一君 この交通事故死者数の地域的格差を是正するためには、言うならば地域ぐるみの交通安全運動を展開することが必要だろうと思いまするが、知事、市長等の地方自治体の長の交通安全に対する熱意が特に重要じゃないかと思います。この点どのような指導をなさっておりますか伺いたいと思います。
○政府委員(仲山順一君) 総理府でも交通安全管理をやっておりますが、地方でもそれぞれ主管課が設けられまして交通安全関係のそれぞれの仕事をやっておりまして、地域ぐるみで全体的に努力しておるところでございます。
○阿部憲一君 警察庁といっているうちに総理府の方までどうも——それでは、総理府が力があるとかないとかいう問題じゃなくて、ひとつ今後また対策を樹立して地方の偉い方々にもよく御指導願いたい、こう思います。 それじゃまた警察庁に伺いますが、昭和五十四年度中における自転車の利用者の交通死亡事故が前年に比較して減少しているとは言っても年間千人を超えておるようでございます。これらの事故の中で、自転車利用者のルールの欠如、それからまた自転車の整備不良によるものが多い、このように言われておりまするけれども、自転車利用者に対してはどのような安全指導をしておられるか、また今後どのような対策を講じようとなさっているかお伺いいたします。
○政府委員(池田速雄君) いま御指摘のとおり、自転車乗用中の事故でございますけれども、昭和四十五年に千九百四十人の方が犠牲になっておられましたけれども、五十四年は千四人の犠牲者が出ております。数としては減っておりますけれども、まだその占める比率というのは高いというのは御指摘のとおりでございますので、自転車利用者の交通事故の防止対策の推進というのはやはり緊急かつ重大な課題であるというふうに考えております。 警察といたしましては、先般の道路交通法の改正におきましても自転車問題の総合的な解決を目指しまして規定の整備が行われたところでございますので、この趣旨を徹底させるために自転車利用者に対しますルールを中心といたします正しい乗り方に関する安全指導につきまして、警察官等の街頭活動を強化いたしますとともに、交通安全協会、あるいは学校、老人クラブ等、地域における交通関係機関、団体と協力いたしまして積極的に諸施策を実施してきておりますし、今後とも続けてまいりたいというふうに考えております。また、正しく整備された自転車を正しく乗ると、こういうことを主眼といたしまして、自転車商組合等あるいは関係機関とも協力いたしまして、自転車の安全整備士制度等もようやく発足いたしておりますので、さらにこれらの施策を強力に推進してまいりたいというふうに考えております。
○阿部憲一君 一昨年行われました改正道路交通法の施行後に、無車検それから車保険の、いわゆる無保険者ですか、この取り締まり状況というのはどのようになっていますか、簡単にひとつ御説明いただきたいと思います。
○政府委員(池田速雄君) 法律施行後の一年間の状況を見ますと、無車検運行者につきましては三千八十八件を検挙いたしております。これは改正前の一年間の検挙が千九百三十件でございますので、六〇%の増でございます。また無保険運行者につきましては、法施行後一年間に六千二百十一件を検挙いたしております。これは改正前一年間の千七百五十三件に比べますと二五四%の増と、こういうことになっております。その結果、行政処分でございますけれども、法の制定によりまして行政処分の制度が開かれましたために、無車検運行者につきましては一年間で二千百六十一件、無保険運行者につきましては四千九十四件を処分いたしております。
○阿部憲一君 全体として交通事故死亡者数が減少している傾向にあるわけでございまするけれども、先ほど大臣のお話の中にもありましたように、六十歳以上の老人層の死亡者数だけが増加している、非常に残念なことでございまするが、この老人に対する交通安全指導等についてはどのようになされてきたか、またこれからどのようにさらに対策を講ぜられるか、その辺のお考えを承りたいと思います。
○政府委員(池田速雄君) 昨年じゅうにおきます六十歳以上のお年寄りの方の死者数は二千八十三人でございまして、全死者に占める構成率は二四・六%ということでございまして、御指摘のとおり大変憂慮すべき事態であるというふうに考えておりますが、お年寄りの方の死亡事故の特徴といたしましては、歩行中それから自転車乗用中の死亡事故が全体の七七%ということになっております。 そこで、お年寄りの方の事故を防止いたすためには、事故の分析結果などに基づきまして諸対策を積極的に推進しているところでございますが、具体的にはたとえば住宅街や老人施設周辺におきます歩行者用道路の設定など、いわゆる生活ゾーン対策の推進、あるいは老人の方のうち交通事故の被害者になりやすい方と申しますか、いろんな用事等で徒歩でお出歩きになる、あるいは自転車でお出歩きになるといったような方につきまして、警察官の活動によりまして、なるべくそういう方を個別的に把握と申しますか、警察で理解いたしまして、その方に対して積極的にいろんな指導を申し上げるといったような対策、あるいは老人ホーム、老人クラブ等の場を利用いたしました交通安全教育を推進いたしますとともに、老人クラブ等の組織内にできる限り交通安全部会あるいは交通指導員といったような方をお決めいただきまして、組織的に交通安全教育を推進する、あるいは自転車事故を防止いたしますために、自転車の専用通行帯あるいは自転車の歩道通行可の場所をふやすなどの交通規制を拡大する、あるいは街頭活動を活発にいたしまして、お年寄りに対する保護活動、現場指導の徹底を図る、あるいはまた運転者に対しましては、子供とお年寄りの方につきましては大変危ないのだと、遠くからでもその姿を見た場合には、十分な安全運転に気をつけるといったような、運転者に対します教育もあわせて実施いたしているところでございます。
○阿部憲一君 昨年道交法の改正があってから一年間、効果も定着してきたと思いまするし、またその目標に向かって交通警察の運営に当たってこられたと思いまするけれども、その成果はどのようになっていますか、道交法施行後一年間、もしおわかりでしたら実績を報告していただきたいと思いますが。
○政府委員(池田速雄君) 一昨年十二月に施行されました道路交通法の改正は、安全確保のために根源的、総合的な対策を推進いたしますとともに、運転者の社会的責任を明らかにする、こういうことを目標としたものでございましたけれども、施行以来、積極的な広報教育活動あるいは適正な指導取り締まり活動を続けてまいっておるところでございますけれども、主な交通事故の抑止効果といたしましては、改正後一年間の自転車の乗用中の死者が、改正前は千百三十六人でございましたのが、改正後は九百九十一人になるといったように、百四十五人マイナス、一二・八%の減少という成果を見ておりますし、また酒酔い運転によります死亡事故が、法施行前一年間は八百十一件でございましたけれども、施行後一年間は五百五十八件と、二百五十三件のマイナス、三一・二%減少いたしております。また、過積載が絡みます貨物自動車の死亡事故の件数は、施行前一年間が二百九件でございましたものが、施行後は九十三件、マイナスの百十六件で、五五%の減少ということになっております。 その結果、死者数でとりますと、改正前の一年間の死者数は八千九百十七人でございましたけれども、施行後一年間でとりますと八千三百五十七人ということでございますので、五百六十人のマイナス、六・三%の減少を見ておるわけでございます。 また暴走族につきましては、改正後一年間に、新設の共同危険行為禁止違反といたしまして二千一人につきまして検挙するなど、その防遏に努力しておるところでございます。 過積載につきましては、省庁間を通じました過積載防止機運の盛り上げ、あるいは新設の自動車の使用制限処分規定の適正な運用等によりまして過積載の防止に努力めたわけでございますが、改正後一年間の過積載の取り締まり件数は六万六千件でございまして、施行前一年間が十二万五千件でございましたので四七・四%減少しておると、実態もサンプル調査によりますと、相当数過積載の実態は減っておると、こういう成果を見ているわけでございますが、なお、この傾向が定着いたしますようさらに努力してまいりたいと思います。
○阿部憲一君 結構なことだと思いますから、一段と御努力を重ねられますようにお願いする次第です。 わが国の自動車運転免許取得者は五十四年六月で四千万人を突破したと、こう承っております。なお年間二百万人の割合で増加しておるわけですが、まさしく国民皆免許時代に入ったわけですが、現行の運転免許制度は、このような国民皆免許時代に果たして適切に対応いたしているかどうかということを考えてみますると、さまざまな問題が提起されてくると思います。 警察当局も現行免許制度の全面的な見直し作業に入っておられるやに聞いておりますけれども、この現行の免許制度の問題点、また、今後検討すべき点等について御説明願いたいと思います。
○政府委員(池田速雄君) 御指摘のように、現在すでに四千百万人を突破する免許の取得者がいる状態になってきておりますので、こういった情勢にかんがみまして、免許制度を含めました運転者の教育というものがどういう形で行われるのが理想的であろうかと、こういうことで私どもも検討いたしておるわけでございますが、先ほど御指摘ございましたように、道路交通法の改正の際にも、「国民皆免許の段階に即応した健全な車社会の実現を図るため、運転免許制度及び学校・社会における運転、安全教育の在り方を検討し、改善をはかること。」といった附帯決議をいただいておりますので、この趣旨を体しまして、私ども現在その見直しを行っておるところでございますが、現在の段階では広く各界の有識者の方の御意見をお聞きすると、こういうことで昨年来運転免許制度研究会というものを発足させまして検討をいたしておるわけでございますが、現在までの段階ではまだいろいろな種類の御意見をお出しいただいておるという段階でございまして、たとえば免許を取られる際の教育といったものがいまの制度でいいのだろうかとか、あるいは免許制度につきましても三年間での更新、その際の適性検査なり講習なりというものが果たして適当なものかどうかといったようなこと、あるいはさらに高度の技術を要するような運転者の教育の問題についてまた考えるべきじゃなかろうか、あるいは免許証の交付につきまして、現在のように相当な期間を要するということでなくて、もう少し迅速にできないものか等のいろいろな御意見も寄せられておりますので、これらの御意見を整理しながら、国民の皆さん方の御意見もおまとめいただくと、こういう方向で今後とも対処してまいるようにいたしたいと思います。
○阿部憲一君 お話のように運転者の教習の必要性ということは非常に大きくなったと思いまするけれども、特にまた最近高速道路網が全国的に整備されてきまして、高速道路を利用する車は年々増加し、高速道路を運転するための特に教習が必要である、このように思われますし、また、各方面からそのことを強調されておりまするが、これについての特別な当局のお考えがおありになるか、また方針がおありなのか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(池田速雄君) 高速道路が延伸されるに伴いまして、高速道路の利用率も大変ふえているわけでございますので、特に初心運転者に対しまして、高速道路での安全な運転方法をどうするかというのもきわめて重要な問題であるというふうに考えておりますが、御案内のとおり昭和四十四年の七月から指定自動車教習所で学科教習というものは取り入れられたわけでございますが、さらに一昨年の春からは教習所におきまして視聴覚教材によります教習を強化するように指導いたしているところでございます。 なお、教習所におきます技能の教習につきましては、その性格上高速道路に近く、しかも安全性が十分確保できるような、そういう配慮をしながら、すでに運転免許試験に合格した教習生等の希望に応じまして行うことにいたしておりますけれども、この技能教習を受ける者の数はまだ少ないというのが実情でございます。こういったような事情から、私どもといたしましても、どういった教育が一番いいかということを検討いたしておりまして、現在高速教習用のシミュレーター、そういうものの研究開発も進めておるところでございます。
○阿部憲一君 この高速道路の運転についてですけれども、仮免許中に高速教習を強化されるやに承っていますけれども、高速道路における教習はきわめて仰せのとおり危険であります。むしろ免許取得後に一定期間は一定距離の走行後でなければ高速道路の運転を認めないというようになすったらどうかと思いまするし、また、なお、免許を取得してから後、一定の高速道路に対する教習を受けて、それに合格した者だけに高速道路の運転を認めるように改めるべきと考えられますが、この辺についての御意見はいかがですか。
○政府委員(池田速雄君) 現在の教習におきましても、一応運転免許試験に合格した者につきまして、希望者があればやっておるという段階でございますけれども、先ほど申し上げましたように、高速道路におきます安全運転のための教育のあり方というのが現在やっております方法のほかにどういう形が一番安全で、しかも徹底した教育ができるのだろうか、こういう点につきまして先ほど申し上げましたように、シミュレーターの研究開発等の様子もまた見ながら、今後とも十分研究を重ねてまいりたいというふうに考えております。
○阿部憲一君 交通の安全、円滑及び交通公害等の防止に加えまして、新たに省エネルギーの問題が起こってきましたので、これに対してまた特別に交通警察として考慮する必要がありまするし、この省エネルギー時代に対応される策、どのようにお考えですか。
○政府委員(池田速雄君) 省エネルギー対策につきましては、去る一月の総合エネルギー対策推進閣僚会議で決定されました、「石油消費節減対策の強化について」に基づきまして、警察といたしましても鋭意実施いたしておるところでございますが、私どもといたしましては、交通の安全を図るという基本方針を踏まえながら省エネルギーという観点からもいろんな施策を考えるという立場でございますけれども、具体的には、一つは交通管制システムによります自動車走行の省エネルギー化を図るために、信号機によります不用な停止をなくして、円滑で安定した交通流を形成すると、また、夜間、交通量がきわめて少なくて、歩行者の安全に支障がない交差点につきましては、信号の点滅運用をするなど、運用の改善を図っているところでございますが、この点滅運用につきましては、現在すでに一万四千八百機ほど、対象になります信号機の約二〇%程度でございますけれども、これにつきましてはそういう措置をすでに実施しておるわけでございますが、今後ともまたさらにこの方向で推進してまいりたいというふうに考えております。また、信号電球を改良することによりまして省力化を図るという方策を講じておりまして、歩行者用灯器の電球につきましては、従来の百ワットのものを、試験の結果改良いたしますと、六十ワットのものでも十分効果があるということがわかりましたので、全国的にこれの切りかえを実施いたしておりますし、また、車両用の灯器の電球につきましても、百ワットから七十ワットに切りかえましても光度の落ちないような新型電球が開発済みでございますので、今年度から全国的に切りかえを始めておるところでございます。 なお、運転者につきましては、経済速度の励行、こういうことで更新時講習その他の機会を活用いたしまして、経済速度を遵守するよう広報に努めておるところでございます。
○阿部憲一君 暴走族の問題につきましては、私も数回この委員会でもって取り上げたわけでございまするけれども、また最近依然としてこの暴走族の問題がいろいろと物議を醸していることを非常に残念に思っていますが、つい昨年の秋ですか、船橋市で暴走族の息子が首を母親に絞められるといういわゆる親子心中事件が発生して、いまさらながらこの暴走族の対策ということは非常にむずかしいものだということを浮き彫りにしておりますけれども、この暴走族の現状について簡単にひとつお知らせ願いたいと思います。
○政府委員(池田速雄君) 暴走族は、先ほど申し上げましたように、改正道交法の施行によりまして、強力な取り締まりをやりました結果、一時は鳴りをひそめていたというふうに考えていたわけでございますが、実情を見ますと、どうもまた昨年の秋ごろから再び活発に動き出しているといったような状況があるわけでございますけれども、特に従来と違います点は、いままでは不法に走り回る、こういったような回数等は大変多かったわけですが、そういった回数につきましては減少いたしておりますものの、内容が大変悪質化したということが一言で言えるのじゃなかろうかというふうに考えております。たとえば暴走行為、あるいは仲間内の対立抗争事案、あるいは一般の市民の方を巻き込んだ暴力事案、あるいは取り締まり警察官に対します公務執行妨害事案、こういったようなものが出ておるというのが特徴でございます。昨年十一月の調査によりますと、暴走族は現在四百七十二グループ、人員が二万五千人といった数を私ども把握いたしております。その中での特徴といたしましては、少年の占める比率がまた増加している。一年前の五十三年に比べますと七二%程度だったものが、その占める割合が昨年の十一月では七八%近くになっておる。それから学生・生徒も増加しておる。五十三年には二四%程度であったものが昨年は二六%程度になっておる。それからグループが小グループ化いたしまして、そういう小グループがふえておる。五十人未満の小グループというものがふえておる。こういったような点に特徴が見られるわけでございますが、昨年一年間でいわゆる蝟集走行の回数は二千四回ございまして、参加の延べ人員が十三万四千人というふうに把握しております。これは、先ほど申しましたように、五十三年は大変蝟集の回数、参加人員は倍ぐらい多かったわけでございますけれども、五十三年に比べますとその暴走行為の中身が大変悪質化しているというのが実情でございます。 なお、ことしに入りましてからはすでに三月末現在で参加の延べ人員が三万一千七百人、こういった数字になっておりまして、昨年同期に比べますと約四倍といったような数字になっております。
○阿部憲一君 このような暴走族に対して、それに関連して青少年の運転者に対する指導と申しますか、このようなことは当局ではどんなふうになさっておりますか、またなさろうとしておりますか。やはりグループがだんだんとふえる、しかも年少化する、狂暴化するとか、いろいろな問題を含んでおりますけれども、これに対応する策というものはいろいろあると思いますし、また非常にむずかしい問題だと思いますけれども、当局として、暴走族に入らせないようにとか、暴走族をこれ以上ふやさないような対策として、若い人たち、青少年の運転者に対する、何か名案でもありましょうか。それからまた、どんなふうにしたらいいかというようなお考えがありましたらば承りたいと思います。
○政府委員(池田速雄君) 青少年の車に対する志向といいますか、そういったような傾向が大変進んでおる現状でございますので、そういった青少年の中から暴走族を生み出さないようにする、こういうための総合的な施策が推進されることが肝要であろうというふうに思うわけでございますが、警察といたしましても、交通部門だけでなく、警察の各部門の総合力を発揮いたしましてこれに対応いたしますとともに、関係機関、団体等々と密接な連絡をとりまして、総合的な施策を講ずるように措置いたしておるところでございますが、主な対策といたしましては、一つは、地域社会全体に暴走行為等の反社会性、危険性等につきまして認識が得られるような広報を実施する、政府広報あるいはその他の新聞・テレビ等の媒体を通じまして広く広報を実施する、あるいはまた、暴走族が学校を拠点として波及しないようにするために、検挙、補導いたしました暴走族少年のうち、高校生等につきましては学校と協議いたしまして、当該の学校長に対しまして通報して、本人に対する指導、それから他の生徒に対する波及の防止といったような措置を学校と一体となりまして講じておるわけでございます。また、このほか、検挙、補導いたしました暴走族少年に対しましては、少年と同時に保護者をも警察に招致いたしまして、指導方につきまして助言を行っておりますほか、運転免許の行政処分者の講習に当たりましては、特別にそういった青少年に対しまして、特別学級を設けまして指導を実施しておるところでございますが、このほか一般の青少年運転者に対しましては、二輪の免許あるいは原動機付自転車の免許の取得少年の保護者に対しまして、高校生の場合には学校長に対しまして大阪等では手紙を発送いたしまして、指導方を要請しておりますし、また、民間の有志者でつくられております二輪車の推進委員会あるいは二輪車の安全普及協会等によります安全講習会といったものも実施しておりますし、免許を受けております少年の更新時の講習や処分者講習に際しましては、少年の学級というものを設けまして、特別指導等を実施することといたしております。
○阿部憲一君 昨年の七月に、東名高速道路の日本坂トンネル事件、いわゆる大規模な車両火災事故が発生いたしたわけですけれども、それにつきましても、いまさらながら、高速道路におきまする火災事故というのは非常に恐しいものだということを痛感しているわけですが、この高速道路におきまする交通規則や交通指導は、この事件を契機として若干改められたのじゃないかと思いますが、その辺についてお伺いしたいと思いますが。
○政府委員(池田速雄君) 昨年発生いたしました日本坂トンネルの事故につきましては、大変大きな事故となりまして、この貴重な教訓を厳粛に受けとめまして、私どもといたしましても、その後の対策に当たっておるわけでございますが、昨年の十二月二十日に、総理府の交通対策本部におきまして、この種の事故の再発の防止のために、トンネル等における自動車の火災事故防止対策というものが策定いたされましたので、これに基づきまして、警察といたしましても、道路管理者と協力いたしまして、それぞれの施策を講じているところでございますが、たとえば日本坂トンネルにつきましては、トンネル内におきます最高速度を八十キロから七十キロに改めましたし、また、トンネル内におきましては進路変更の規制を新たに加え、また、非常通路標示等を初め、各種の案内標識、看板等の増設などを行いましたほか、さらに、トンネルの出入り口におきます信号機の設置をする運びとなっております。 こういったように、それぞれ高速道路の特性に応じた対策をとっておるわけでございますが、昨年九月には、高速道路以外を管轄しております交通機動隊の応援等も得まして、高速道路につきまして、普通の倍程度の警察官も動員いたしまして、安全な走行を確保するための交通の指導取り締まりにも当たってきたところであります。そのため、交通の秩序というものも相当程度よくなってきたのではないかというふうに考えておりますけれども、残念ながらけさほど聞きましたところでは、昨日の夜もまた、名神高速道路の梶原トンネルにおきまして、追い越し不適当によります交通事故によりまして、火災が発生して、一人の方が亡くなった、車が二台焼失したといったような事件が発生しておるというふうに聞いておりますので、まだまだ決して油断はできないということを銘記いたしまして、今後とも高速道路の安全対策を推進してまいりたいというふうに考えております。
○阿部憲一君 この日本坂トンネルの事故の原因の一つとして車間距離無視という、運転者の不注意ですけど、この車間距離無視によって事故が発生したし、また、その車間距離無視ということが原因の大きな一つだったということを言われながらも、その後も相変わらず車間距離無視の傾向が続いている。非常に残念でございますけれども、このことについて、特に高速道路におきまする運転マナーというのでしょうか、このようなことについて運転者にどのような指導をなさっていますか、もしなさっているとすればお伺いしたいと思います。
○政府委員(池田速雄君) 昨年じゅうに全国の高速道路で発生いたしました事故のうち、車間距離の不保持を直接の原因としますものは四百七十四件ということになっておりますけれども、やはり他の原因に入っております間接的な事故というものを考えますと、この数字というのは相当大きくなるのじゃないかというふうに考えております。したがいまして、日本坂トンネルの事故の教訓といたしまして、車間距離の不保持、わき見運転、安全速度の不適のほかに、割り込みあるいは路肩走行等の、基本的な高速道路におきます安全マナーの欠如といったものを再認識いたしましたので、安全速度を守る、それから二つ目には十分な車間距離をとる、三番目には割り込みをしない、四番目にはわき見運転をしない、五番目には路肩走行をしないと、こういった安全原則の励行の定着化を図りますために、全国一斉の安全広報、安全教育を実施いたしますとともに、指導、取り締まりにも当たっておるところでございます。 なお、こういったモラルだけでなくて、やはり特に大型の自動車につきましてはその運転特性から知らず知らずのうちに車間距離が短くなるといったような傾向があるのじゃないかといったような一部の先生方の御指摘もございますので、そういった点につきましては今後十分研究いたしますとともに、そういった特性があるといたしますと、その特性を踏まえた上での安全運転の教育というものもさらに深めていかなければならぬのじゃなかろうかというふうに考えておるところでございます。
○阿部憲一君 この日本坂トンネルの事件ですけれども、特にまあ高速道路、その中でのトンネル、これは非常に安全性の乏しい場所でございますので、これに関連しまして当局では道路トンネルの安全性について総点検をなさったと思いまするけれども、これについて何か対策を講じていらっしゃったらお伺いしたいと思いますが。
○政府委員(池田速雄君) 事故を教訓といたしまして、その後、警察といたしましても道路管理者その他の関係機関と協力いたしまして、一緒に高速道路、それからその他の道路のトンネルの状況につきまして再点検を行ったところでございますが、高速道路につきましては八十九のトンネルにつきまして、また、その他の一般道路、高速道路以外の自動車専用道路につきましては五百メートル以上のトンネル三百五十二につきまして、施設面、規制面等の点検を行っております。その結果、施設、規制等につきまして、現在やっておりますものを確認いたしましたほか、新たに見直しをいたしました数といたしまして、速度規制を行いましたところが三十三カ所、はみ出し禁止の措置をとりましたところが十八カ所、駐停車禁止の措置をとりましたところが六カ所、大型自動車の通行禁止措置をとりましたところが一カ所、自転車歩道通行可の措置をとりましたところが一カ所、チャッターバーによります分離の措置をとりましたところが一カ所といっような点検の結果が出ております。
○阿部憲一君 次に、地震対策について二、三お伺いしたいと思いますけれども、警察庁では東海地震対策として問題になっていました、防災対策強化地域に警戒宣言が発せられたときに、交通規制について具体策を決定されたと聞いておりまするけれども、内容を簡単に御説明願いたいと思います。
○政府委員(池田速雄君) 現在、大量交通時代になっておりますので、警戒宣言が発せられました場合には運転者がそれぞれ無秩序な行動をとるということが一番混乱の原因になるし、また、事故の発生を招くことになるというふうに考えておりますので、これを最小限にとどめますとともに、住民の方等につきましては避難路と防災関係の緊急輸送路、こういったものを確保するために協力を、やはり自動車の使用というものを抑制することが必要であろうかというふうに考えておりますので、このため、先般運転者のとるべき措置と交通規制の基本方針を定めたわけでございますが、その内容は、まず運転者のとるべき措置といたしましては、走行中の車両につきましてはまず低速走行に移っていただく、高速道路では大体四十キロ程度、一般道路では二十キロ程度というふうに考えておりますが、こういった低速走行を実施していただく、それからカラーラジオ等によりまして地震情報あるいは交通情報といったものを聞きながら行動していただくということ、さらには車両を置き去りにして避難されるというようなときには道路外に必ず停車してほしいといったようなこと、それからやむを得ず道路上に車を置かなければならない場合には道路の左側に寄せて、しかもエンジンを切って、エンジンキーはつけたままで窓を閉めてドアはロックしないというようなこと、それから避難のために車両を使うということはないようにしていただくということ等でございますが、交通規制の基本方針といたしましては、強化地域内での一般車両の走行というものは極力抑制する、強化地域への一般車両の流入というのは極力制限をする、それから強化地域外への一般車両の流出というのは交通の混乱が生じない限り制限はしない、避難路及び緊急輸送路につきましては優先的にその機能の確保を図る、高速道路と緊急輸送路に指定されております自動車専用道路につきましては、一般車両の強化地域への流入を制限いたしますとともに、強化地域内におきますインターチェンジ等からの流入は制限する、こういったこと等を定めております。したがいまして、今後運転者講習等、あらゆる機会を通じましてこの運転者のとるべき措置の周知徹底を図ってまいりますとともに、警戒宣言が発令されました場合には、所定の計画に基づきまして警察官を配置して混乱の防止ということを第一に図ってまいりたいというふうに考えております。
○阿部憲一君 いまのお話ですけれども、発令後に防災対策強化地域に車を入れないように、抑制するといいましょうか禁止するというか、御方針のように承りましたけれども、これについても非常に疑問に思うのは、これもいわゆる地震が起きそうだという緊急時に多数の警察官を動員しなければこの措置はとれないのじゃないか。非常にむずかしいことだと思いますけれども、何か特別に警察官をこれだけ動員させる自信といいましょうかをお持ちなのかどうか、重ねてお伺いします。
○政府委員(池田速雄君) まさにいま御指摘いただきましたとおり、警戒宣言によりまして混乱いたしております情勢下では広範囲な強化地域への流入を確実に制限するということは現実には決して容易なことではないというふうに考えておりますので、発令されました場合には、やはり最も効果的な規制の対象の路線、検問の地点等を定めまして、そこに重点的に警察官を配置いたして対処しなければならないというふうに考えております。したがいまして、やはり何よりも運転者の方が自主的に、警戒宣言の発令後は運転者の方がとるべき措置というものを確実にとっていただくということが不可欠の要件であろうというふうに考えておりますので、何よりも運転者の方へとるべき態度の周知徹底を図って、混乱というものを最小限にする、警察は必要な場所に必要な措置をとる、こういったような考えで対処してまいりたいと思います。
○阿部憲一君 この警視庁が実施したアンケート調査でも、警戒宣言が発令されると路上に停車する車で都内の路上は大混乱を起こすということで、警戒宣言発令後の交通規制についてはよほど手際よくやらなければならないと思いますが、警戒宣言発令後の東京都内の交通規制はどのようになるか、おわかりでしたら御返事願いたいと思います。
○政府委員(池田速雄君) 東京都の場合は強化地域には指定されていないわけでございますけれども、強化地域とほぼ同様の対策を考えまして現在警視庁で検討いたしておるところでございますが、基本的な考えといたしましては、都内の車両の走行というのはできる限り抑制する、それから他県からの車両の流入はできる限り抑制する、また強化地域方向に向かいます車両というのはできる限り抑制する、緊急輸送路及び避難路につきましては優先的にその機能の確保を図る、こういったことを基本方針といたしまして対策を推進いたしますとともに、実際の場合には、パトカー、白バイ、制服警察官等を所要の道路に配置するなどの措置を図ることといたしておりますけれども、警察措置のみでは混乱防止の万全を期することがむずかしいので、運転者の協力を得るための措置につきまして、やはり周知徹底を図らなければならないということで努力いたしておりますが、現在警視庁でいろいろ検討しているようでございますけれども、特に環状七号等の中につきましてはそういった対策というのがきわめて強力にとられる必要があるということで検討しておるというふうに聞いております。
○阿部憲一君 バイクブームに乗って全国的に二輪車の人気が非常に高まっているのは御承知のとおりですけれども、これに比例して二輪車の事故が増加しておりまして、昨年も原付自転車、それから自動二輪車の事故による死傷者数が非常にふえた、このように聞いておりまするけれども、したがってこの対策が大切な急務となりましたけれども、九州全県で二輪車に限って昼間も点灯ということを義務づけて事故減少の効果を上げているというふうに承りましたけれども、これなんか全国的にこのような対策を講じさせるというようなお考えがありましょうか、どのような対応をなさいますか、承りたいと思います。
○政府委員(池田速雄君) 二輪車の前照灯を点灯しながら走る、こういうことにつきましては諸外国にも若干の例はあるようでございますが、混合交通の中で二輪車というのが他の自動車から見ますと比較的無防備であると、同時になかなか視認しにくい、こういったような特性があるようでございますので、二輪車の視認性を高めるということがまた一つの安全策だろうということを考えまして、実は昨年熊本県におきまして試験実施の対策を講じたわけでございますが、その結果、相当の効果があるのじゃなかろうか、こういうことで現在九州の各県等で引き続き試験実施を行っておるというのが実情でございます。 しかしながら、車両上の問題としましては、現在バッテリーの消費の問題があるといったような問題点も指摘されておりますし、それから一面考えますと、二輪車が自動車との対比ではいわゆる弱者というふうに考えられますけれども、混合交通の現状を見ますと、さらにまた、二輪車よりも弱い立場と申しますか、そういう立場にあります自転車あるいは歩行者等に対する影響というものはいかがなものであろうか。それから二輪車につきましても、大型のもの等につきましては灯火が明る過ぎるのじゃなかろうか、かえってそれに眩惑されるようなこともあるのじゃなかろうかといったような点の危惧等も言われておりますので、現在さらに試験実施いたしておりますところの様子を見ながら、しかも関係機関、団体等の意見も聞きながらできる限り前向きに検討を進めさしていただきたい、こういうふうに考えておる段階でございます。
○阿部憲一君 五十五年度の警察庁の予算に交通大学校の設立準備の経費が認められたと承りましたが、交通大学校設立の必要性及び計画の概要についてごく簡単に御説明願いたいと思います。
○政府委員(池田速雄君) 運転者対策が今後の重要な課題だということは先ほど来御指摘のとおりでございますが、特にたとえば自動車教習所におきます初心者の運転者教育をどうやって充実するかとか、あるいは企業等におきます安全運転管理者という安全運転管理の専門家をどうやって養成したらいいのか、あるいは高速道路での運転の方法等に関します教育訓練というものをどうしたらいいのか、あるいはその教育訓練ができるような専門家をどうやって養成したらいいのか、あるいは緊急自動車といったような高度の技術を要します運転者の体系的な教育訓練というものをどうしたらいいのか、あるいは大型貨物の自動車といったような用途別の自動車の訓練というものが必要なのじゃなかろうか、あるいは青少年運転者に対します安全教育というものを体系化し、教育の専門家というのを養成する必要があるのじゃなかろうかというような必要性がございますので、こういった要請を満たしますための教育訓練の場というのが現在のところ公的な施設としてはないわけでございまして、民間の方の施設によりまして一部そういった教育が実施されておるにすぎない状況でございますので、このような観点から、今後の運転者対策の推進の一つの方法としていまお話のございました高度の運転教育の場というものをつくりたいというのが私どもの念願でございましたし、またすでに発足いたしております自動車安全運転センターの目的にもその点が掲げられておったわけでございます。 したがいまして、自動車安全運転センターの中央研修所という形でこういった教育機関を設けたいというふうに考えておるわけでございますけれども、でき得べくんばたとえば運転の実技のコースといたしまして高速の周回路あるいは中低速の周回路、スキッドパン、不正常路、模擬市街路等を設けました実際的な運転教育のできるそういう施設をつくりたい、こういうことで現在計画を進めておるところでございます。
○阿部憲一君 交通安全対策のために何とかひとつぜひ必要だということになれば、早期大学校の開設ということに賛成でございますが、よくよく御検討の上、むしろ私どもとしましては早期開設を希望する次第でございます。 よろしくひとつお願いいたします。 それから先日春の全国交通安全運動がこの六日から十五日まで行われましたけれども、今回はどのような点に重点を置かれてやられましたか。 それからまた成果がおわかりでしたら教えてください、お願いします。
○政府委員(池田速雄君) 今回の春の交通安全運動におきましては三つの柱を立てましてこれに当たってきたわけでございますが、第一番目はちょうど新入学、入園児の登校、登園の時期でございましたので、歩行者、特に新入学園児を中心といたしました子供の交通事故防止を図ること、二番目には、自転車の安全利用の促進を図ること、三番目は、安全運転管理の充実と安全運転の確保を図ることを掲げまして運動を展開してまいったところでございます。 運動の実施結果につきましては、この期間中の発生件数は一万一千百三十四件でございまして、昨年の同期と比べますと一六・九%の減、死者数は二百三十二名でございまして、五人のマイナス、二・一%の減、負傷者につきましては一万三千六百十一人でございまして、三千八十八人の減、一八・五%の減という成果を見ておるわけでございますが、年齢層別の死者で見ますと子供につきましては九人のマイナス、二八・一%減でございますが、お年寄りの方につきましては七人、一一・七%の減少ということでございまして、本運動の目的といたしました重点にかなった結果が出たのじゃなかろうかというふうに考えております。しかし、酒酔い運転あるいは無免許運転等あわせました交通三悪によります事故というものが全体の二七・二%を占めておるなどの問題点もございますので、今後とも企業におきます安全運転管理の徹底や地域、職域等におきます安全運動の励行等につきましては、安全教育指導等を強化してまいりたいと思いますし、それから比較の時期が実は違うわけでございますが、昨年は五月の十一日から二十日までが春の安全運動期間であったわけでございますが、その期間と対比いたしますと残念ながら死者は増加しておるといったような実情がございますし、なお、昨日現在では昨年に比べますと、死者数はわずかではございますけれども増加しておりまして決して楽観を許さない状況にあるといったような厳しい状況を踏まえまして、この安全運動期間中の成果をさらに実らせるよう努力してまいりたいというふうに考えております。
○阿部憲一君 去る二月二十日の夜、京都と大阪を結ぶ京阪電鉄の急行電車が子供の置き石のために脱線して七十二人の重傷者を出しましたが、この事故の原因が付近の中学二年の生徒がいたずらしたのだということがわかって社会的なショックを与えておりまするが、この件について時間もございませんので、ごく簡単に捜査の結果を御報告願いたいと思います。
○説明員(古山剛君) 大阪府警におきましては事件の後直ちに現場検証あるいは関係者からの事情聴取をいたしましたところ、置き石による列車転覆事件と判断されましたので、所轄の枚方警察署に捜査本部を設置いたしまして捜査を開始いたしたわけでございます。捜査を継続中、翌日の二十一日の午前十一時過ぎに捜査本部に枚方市内の枚方第一中学校の教師から昨日発生した列車転覆事故は本校生徒五名によるものらしいという通報がございました。これに基づきまして二十一日の午後一時ごろ少年たち五名の出頭を求めまして、列車往来危険罪の容疑で事情聴取いたしました結果、これらの少年による犯行と判明したものでございます。少年らの供述で現在までに判明している状況によりますと、少年たちは事故のあった二十日午後八時過ぎ、五人でおもしろ半分にフェンスを飛び越えて京阪電車の軌道内に侵入いたしまして、線路に耳を当てて列車の近づく音を聞いたりして遊んでおりますうちに、三名の少年が線路上にこぶし大の石を置いて本件の事犯を引き起こしたものであるというふうに認められるわけでございます。なお詳細につきましては、まだ現在詰めておるところでございまして、引き続き捜査中の段階でございます。
○阿部憲一君 このような列車妨害事件は全国では年間に一万件近くに上っていると聞いておりますけれども、鉄軌道の安全対策上ゆゆしい問題でありまして、これにつきまして運輸省にお伺いしますけれども、国鉄それから私鉄の列車妨害事犯の実態はどのようになっておりますか。また、これに対する対策はどうなっておりまするか。電車が高速になればなるほど危険性も高まる、こう思いまするので、何か具体的な措置等を講ぜられておられると思いますが、その辺についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(山地進君) 国鉄の置き石事故による妨害事件というのは千八百件でございますけれども、これが運転事故には直接つながっておりません。それから私鉄におきましては、全国的な統計はちょっと欠如しておりますけれども、関西で百七十件、中部で百九十件、関東で二百五十件、六百件ぐらいの報告がございます。過去五年間の私鉄における事故というのは、いまお話のありました京阪とそれから神戸電鉄で、これは列車が脱線をいたしまして死傷には至りませんでしたけれども、こういった事故が起こっておるわけでございます。なお、置き石事故の対策につきましては、地域の方々、沿線住民とかあるいは地域の団体とかそういったところの御協力、あるいは電鉄側の線路の巡回、パトロール、それからさくをつくるというようなことが一番重要なわけでございますけれども、やはりこういったことが青少年の行為として行われるという意味では、青少年に対する指導、教育というものの徹底が非常に大事だということで、この京阪の事件が起きた直後に運輸省から文部省、それから民鉄協会及び国鉄から文部省の初等中等局長にお願いをいたしまして、こういった事故の防止について教育委員会なりあるいは学校の方に御指導を賜りたいと、この結果、文部省から学校の方にこういったことについて、家庭との連絡とかそういったものについて御指導をいただいていると承知しております。
○阿部憲一君 この事件でもって京阪電鉄側にも防護措置において多少落ち度があったというようなことが言われておりまするけれども、この辺いかがですか。
○政府委員(山地進君) この場所自体が若干カーブがあって、従来から少し危険性があるような認識はあったかと思いますけれども、いまのお尋ねの原因になります青少年が入るということにつきましては、防護さくというものを逐次整備していくということ以外には、あと周りの住民の方々がそういうものについて御協力いただくという以外には手がないのじゃないだろうかと思っておりまして、特に京阪電鉄がこの地点においてこの事件の誘発といいますか、そういうことについて施設的に特段に落ち度があったというふうには聞いておりません。
○阿部憲一君 いまの子供のいたずらの事件ですけれども、おっしゃるようにやはり親の教育、あるいは学校、教育関係の方々にも大いに今後のことについて対策を講じてもらわなければいけませんですけれども、そのような交通安全の立場から言いますると、やはり運輸当局あるいは警察当局にも大いにこの点について対策を講じていただかなければならぬと思いますが、いま運輸当局から承りましたけれども、警察の方ではどのようなこの置き石事件に対して対策を講じたらいいとお考えですか承りたいと思います。
○説明員(古山剛君) まず、今回の事故の直後に被疑少年に対する補導の過程で、その当該少年の保護者に対して十分指導をいたしておりますが、そのほか少年たちの在籍いたしました枚方中学校あるいは市の教育委員会でありますとか、あるいは京阪電鉄の枚方の駅長を警察に招きまして、子供の置き石事故の防止について強く注意を喚起いたしましたわけでございます。その結果、枚方中学校では全校生徒に対して指導を徹底するということが行われております。それから、市の教育委員会から市内の全小学校、中学校に対して指導の徹底の通達が出されております。それからまた京阪電鉄におきましても、沿線住民に対する広報活動等を実施されているところでございます。そのほか一般的に、やはり事故が起こってからでは遅いわけでございますが、現にこの事件のありました枚方市内におきましても、二年半ほど前の五十二年の十一月でございますが、同じ枚方市内の中学校の生徒が京阪電鉄の線路に木箱を置いて列車妨害をすると、そういう事案がございまして、その際にもやはり、保護者はもちろんのことでございますけれども、学校関係者に指導強化を申し入れておりますし、また一般の家庭に対しても注意を喚起するというようなことで、いろいろと対策の指導方をやったわけでございます。なお、全国的にこういう置き石等による列車妨害事案のあるないにかかわらず、やはり鉄道沿線については平素からそういう注意や指導を徹底しなければならないということで、平素から鉄道沿線の小学校や中学校等の教育関係者に対しては、子供のいたずらが重大事故につながるということを繰り返し注意喚起をやっておりますし、その上にまた、夏休みあるいは春休み等には鉄道関係者と協力して警察による、あるいは警察官等々が共同して沿線の警らあるいは警戒活動等の強化を図っているところでございます。今後もこのような事故が絶対に起きることのないように一層指導を徹底してまいりたいというふうに考えております。
○委員長(小山一平君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午後零時八分休憩 —————・————— 午後一時一分開会
○委員長(小山一平君) ただいまから公害及び交通安全対策特別委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、公害及び環境保全並びに交通安全対策樹立に関する調査を議題とし、交通安全対策の基本施策に関する件について質疑を行います。質疑のある方は順次御発言を願います。
○赤桐操君 まず、総理府の方にお尋ねをいたしたいと思いますが、公害紛争処理法を中心といたしまして若干お尋ねをいたしたいと思います。 公害紛争処理法の三十四条には「調停案の受諾の勧告」についての定めがございます。この中で調停の成立というのは一体どういうことを意味しているのか。たとえば千五百人の調停申請者がおった場合において、三分の一は受諾勧告に応じた、三分の一はこれに対して明確に拒否の意思表示をした、さらに三分の一はいろいろの事情で意思表示をすることができなかった、あるいは意思表示をする能力を持つ立場にはなかった、こういうような実態の中で一つの勧告に対する結論が出された場合において、調停の成立とは一体どういうことを意味するのか、この点ひとつ伺っておきたいと思います。
○政府委員(永山貞則君) お答えいたします。 ただいまの件でございますが、紛争処理法の三十四条の受諾勧告の場合に、調停案を受諾すると明確に申し出た者に対しましては当然に調停が成立いたします。それから、同条の三項にございますように、一定期間の間に受諾をしないということを申し出ない場合にも、調停案と同じ内容の合意が成立したという、見なす規定がございます。しかしながら、はっきりと受諾をしないと申し出た者の間においては調停は成立をしないという規定になっております。 以上でございます。
○赤桐操君 そうすると、調停を受諾しないと言ったこの人たちについては、調停不調であると、こういうふうに確認してよろしいのですか。
○政府委員(永山貞則君) そのとおりでございます。
○赤桐操君 三十四条の第一項には、「当事者間に合意が成立することが困難であると認める場合において、相当であると認めるときは、一切の事情を考慮して調停案を作成し、」となっております。この場合の「相当である」ということはどういう意味であるか、この点ひとつ。
○政府委員(永山貞則君) その調停というのは、御承知のように、個々の事件ごとにいろいろな事情がございますので、一概にどういう場合が「相当」とか「一切の事情」とかいうのをなかなか口で説明するのはむずかしいことかと思いますが、調停というのはやはり両者の合意の上に成り立つ、したがいまして、当事者の主張は十分聞いてその上で調停委員会として調停案を示す方が意義があると判断したとき、それが相当と認めるときというほかないかと思います。また、「一切の事情」というのも、当然両当事者の主張というのを十分聞いた上で、またそれ以外にもいろいろの事情があるかと思いますが、事件によって一概に申し上げられませんけれども、要するに慎重に判断をした上で行うという趣旨かと思います。
○赤桐操君 なかなかむずかしい御答弁だと思うのですが、適当に判断するというのは、これはどういう状況であるかちょっと私はわからないのですが、要するに調停案を受諾勧告をすることによって、これは修正の余地はもうないと、この調停案以外に最高のものはほかにはないと、こういう判断のときに受諾勧告というものは出るのですか。
○政府委員(永山貞則君) ただいま申し上げましたように、そのときの事情によって違いますが、やはりずっと両当事者の主張を聞いてきて、いろいろ調停委員会としても恐らく解決の道を模索しているのだろうと思いますが、そこでやはりこういう調停案で進むのが最善と考えた場合には調停案を出し、受諾勧告するということになりますが、先ほど申し上げましたように、その案を受諾した者との間では成立、あるいは拒否しなかった者との間には成立しますけれども、受諾しないと言った者の間には当然成立しないということになると思います。その事件全体が成立とか、そういうものではないわけでございます。
○赤桐操君 そうすると、重ねて伺いたいと思うのですが、調停案の受諾勧告を行うということについては、これはなおまだいろいろの面でお互いに調停を続けていく可能性があるとかあるいはまだ尽くすべき余地があるとか、こういうような面が残っておる間は、どだいこの種の受諾勧告というものは出すべきではないですな。
○政府委員(永山貞則君) 恐らくその調停案を出すことが最善という判断になったときに出すということになるかと思います。
○赤桐操君 ですから、重ねて伺うのですが、そういう判断の基礎になるのは、いまあなたのおっしゃった基礎になるのは、要するにもう尽くすべき余地はない、これ以上のものは調停委員会としては出せない、また事実上意思表示をしない人たちにおいても、もう本当のところは腹の中でわかっているのだというようなところまで尽くされたもの、そういう上に立って出されるというものがおよそこの種のもののあり方ではないかと私は思っているのですが、いかがですか、そういうように理解してよろしいのですか。
○政府委員(永山貞則君) ただいま申し上げましたように、調停委員会としてそういう判断をした上で出すことでございますので、やはりそれ以上審理を尽くしてもそれ以上の成果は認められないという段階だろうと思います。
○赤桐操君 重ねて伺いますが、それは両当事者間だけの合意を得るということにすべてがあるのではなくて、たとえば申請人の中でなおこれ以上もう尽くすべき余地がないというところまでの詰め方、こういうように理解してよろしいですか。
○政府委員(永山貞則君) 当然に全員が賛成するかどうかというよりは、やはりいままでの審理を尽くした上で最善と思われる案を提示すれば、それは事件全体を考えてその段階で最善という判断をしたときに出されるということになると思います。
○赤桐操君 これを受ける側の方にしてみると、調停案が出されてこれを受諾しなさいと、こういう勧告が出るわけですからね。申請者側にしてみれば、非常に大きな期待を持ってそこにまたすべての希望をつないで提案をしていくわけですけれども、その結果まだ全体の中で三分の一ぐらいしかそれによって満足した者はいなかった。あとの三分の一は猛烈な反対をしている。それで、三分の一はいろいろな事情で意思表示をした者もあるし、わからなくて意思表示をしない人もある。あるいはさらに言うなれば、もう引っ越してしまって意思表示するような立場にない、そういうような状況の中に置かれているときに、これは一般論で伺って大変恐縮なのですが、一体勧告を出すような情勢だと御判断になりますか。どうでしょうか。
○政府委員(永山貞則君) まあ一般論としてはそのときの状況で違いますので、賛成率がどのくらいとかいうことで結論は申し上げられないかと思いますが、やはり事件全体を考えて、その段階で最善と判断すればそれは出されるということになろうかと思います。
○赤桐操君 この調停委員会の勧告というのは、出される場合においては私はやはり申請者の立場が十分に満たされるべきだと思うのですよ。これがこの紛争調停の処理法の趣旨だと思うのですよ。だとすれば、三分の一程度しか本当の意思表示をしないような状態の中で、これが一体受諾勧告を出す情勢にあるというように判断できるかどうか、私には疑問がありますが、この点いかがですか。
○政府委員(永山貞則君) その受諾勧告をするまでに、恐らく普通の場合ですと、かなりの審理を続け、両当事者のいろいろ意見を聞いた上で判断をしているわけでございますので、調停を開始してすぐ受諾勧告案を出すというようなことは恐らくないと思います。十分審理を尽くした上で出されるのだろうと思いますので、そのときに委員会としてそれを出す方が最善だと考えればやはり出されるということになる。ですから、その前提としては当然十分な審理が尽くされているということになると思います。
○赤桐操君 それは回数でなくて実質的な内容によると思うのですよ、審理の尽くされ方ということについては。何回やったからそれでいいというものではない。問題は、やはり立法の趣旨に基づいてその申請者側の気持ちが十分にそこに整えられ入れられるということ。事実上もうこれ以上はだれがやっても無理なのだというところまで実際問題として詰めたときに、私は初めてこの調停受諾勧告というものは出されて意義があると思うのですけれどもね。これは私の方の単なる主観であるか、まあ調停委員会として総理府あたりで考えてされた場合においてはそれをどう受けとめられるかわかりませんが、ともかく私はやはりこの調停処理というものはそういう趣旨でなければならぬと思うのですよ。だとすれば、三分の一程度の者がまだ理解されないでかたくなに拒否をしている、しかもあとの三分の一はもう引っ越してしまって、いろいろな事情で事実上意思表示をするような立場にない、実際には三分の一しか受諾していない、こういう状況の中で、これが私は調停受諾勧告をするような情勢だと思いませんがね。こういう点についてひとつ調整委員長のお考えを承りたいと思います。
○政府委員(青木義人君) それぞれの事案にもよることでありますが、担当の調停委員会としては、その申請人の方のそれぞれの言い分を聞きまして、それで結局合意による調停ということがなかなか困難だという場合にこの勧告ということが行われると思うわけなのですけれども、したがいまして申請人側の方のまた数の多寡の問題でもないと思うわけであります。もちろんそういうことも頭に置いてやっていかなければならぬこととは思っておるわけでございますけれども、しかしいま局長が御答弁いたしましたように、事案全体としてどういうふうに処理したらいいか、こういう広い立場からそれぞれ調停委員会として考えて御処理いただくべきだと、こう私は思っております。
○赤桐操君 建設省に伺いたいと思いますが、千葉県の公害審査会が昭和五十四年十二月二十七日に出された千葉市幕張地区の申請人に対する調停案受諾勧告でありますが、この中には前回の建設委員会でも私はお尋ねしておるのでありますが、大別して調停事項については二つに分かれております。一つは騒音を中心とした調停、もう一つは窒素酸化物、二酸化窒素に対する環境基準をめぐっての考え方、この二つに大体大別されると思うのでありますが、この中で騒音を中心としたものについては大変具体的に内容が述べられております。しかし二酸化窒素については総論の中で述べられているだけであって、「二酸化窒素について環境基準が維持されるよう努めるものとする。」というだけであって、あとは何ら触れておらないわけです。 この二酸化窒素に対する補償ですね、これは建設省は受諾されたわけでありますから、これに対する考え方があっての上で受諾されたのでありましょうから、一体どのように二酸化窒素についての環境基準を維持しようとされているのか、これに対する補償はどのようになさっているのか、この点をひとつ明確に御答弁願いたいと思います。
○政府委員(山根孟君) 昨年十二月二十七日の千葉県公害審査会からの調停受諾勧告書におきます二酸化窒素についての環境基準維持のお尋ねでございます。私ども大気汚染の問題につきましては、東京湾岸道路に起因をいたします二酸化窒素の濃度予測の結果によります自動車排出ガス規制の効果によりましてバックグラウンドの濃度にこれを加えましても環境基準を下回る濃度というぐあいに予測をいたしておるわけでございます。したがいまして、私ども湾岸道路に起因をいたします二酸化窒素の濃度につきましては、私どもこれを一つの指標として考えてまいるわけでございますが、御案内のように、大気質全体の保全の問題につきましては固定発生源、移動発生源の排出ガス規制、公安委員会が行います交通規制等これの総合的な対策の一環として行われる、保全がなされると、こう考えておりますので、私どもは今後におきます千葉県の公害防止計画等から考え、かつ移動発生源の排出ガス規制の強化、こういったことによって十分環境基準が維持されるものというぐあいに考えておるわけでございます。
○赤桐操君 そうすると、この二酸化窒素の環境基準、これは県の環境基準を下回るという形でもって保証いたしますと、こういうことですね、そう理解してよろしいのですか。
○政府委員(山根孟君) 国の環境基準というぐあいに考えております。
○赤桐操君 国の環境基準ということは、県の環境基準というものについてはどのようにお考えになりますか。
○政府委員(山根孟君) 千葉臨海地域公害防止計画におきましても、大気汚染、大気質に関します二酸化窒素の環境基準といたしましては、二酸化窒素にかかる環境基準につきましての昭和五十三年七月十一日、環境庁告示第三十八号第一に定める基準となっておりますので、これによるべきというぐあいに考えております。
○赤桐操君 県の環境基準、県の計画、こういうものに従うということについては、すでにこれは建設大臣も明らかにしておるわけですね。わが党の同僚議員であります木原衆議院議員から東京湾岸道路の建設に伴う環境への影響に関する再質問主意書の中でこれは答弁として出ておりますね。その後、衆議院における小川衆議院議員の質問に対しましても、県の計画の中に従うと、目標値の中に従うということを明言されていると思うのですよ。したがって、道路局長の御答弁はそういう上に立った答弁でなければおかしいと思うのですが、その点どうですか。
○政府委員(山根孟君) 若干、私舌足らずの御答弁を先ほど申し上げたかと思いますが、もちろん公害防止計画との整合を図るということは当然だと考えております。
○赤桐操君 そうすると、国のいまいろいろ説明されているものが県の明らかにしているものと大分食い違いが出ている場合においては、これは国の方としてはこの二酸化窒素について環境基準が維持されるよう努めるということについてはいささか問題が生ずると思うのですけれども、たとえば具体的に申し上げますというと、国の方で想定をされておる、建設省が想定をされておる六十年次におけるところの二酸化窒素の環境基準との関係、目標値と県が大体明らかにしておりますような目標値に大きな差がある場合には、これはどういうふうになさいますか。もっとはっきり申し上げると、こういう二酸化窒素についての調停をあなたの方で受諾されても、実際にはそれに裏づけるところの具体的なものをはっきり言えば出していないということですよ。県の方はいまの国のやり方でいくならばとてもじゃないが千葉県下においては目標値におさまるところは余りないのだと、ほとんどがはみ出しちまうと、こういっているわけです。これは新聞でも明らかにされております。そうした中で「二酸化窒素について環境基準が維持されるよう努めるものとする、」、結構です、そういうふうに努めますと、こう言ってみても、実際国がいまやっている計画でもってするならば、千葉県においては千葉県下の計画に、目標値におさまるものはないと言っている。固定発生源を全部ゼロにしても、とてもじゃないけれどもおさまるものでありませんと県の環境部ははっきり言っているじゃありませんか。そういう状況の中でこの調停案をあなたの方で受諾されているのでしょう。それを受ける側にしてみれば、申請人の側にしてみれば、一体これは本当に守られるのだろうかということが疑問に思えてくるのじゃないですか。だれが常識で考えてみても納得されないでしょう。あなたの方はこの調停案で結構ですと、こう言われている。努力をいたしますと、こう言っている。県の方は同じ時期に調査して発表した内容は、とてもじゃないが、いまの固定発生源を全部ゼロにいたしましても、国のいまの計画をもっていたしましては私どもの方の目標値におさまるものではございませんとはっきり言い切っている。こういう状況の中でこの調停案に対して国が担保したと言えますか、現実の問題として。
○政府委員(山根孟君) 私ども、現在千葉県の方でお立てになっております道路近郊におきます二酸化窒素におきます固定発生源も含めた環境の日生標としては〇・〇四ないし〇・〇六ppmということを伺っておるわけでございまして、これが公害防止計画の考え方にもなっておると考えておりますので、御指摘のような点にはならないかと実は考えておるわけでございます。
○赤桐操君 この調停を受けた地域の将来の目標値に対する推計値が出ておりますから、これは私の方で後で明らかにいたします。したがって、この二酸化窒素についてのあなたの方で受諾されたこと、私はどうも誠意を疑わざるを得ないのです、現実の問題として。したがって、こういう状況の中でこの調停というものを公害審査会がいろいろ結論を出されたようでありますけれども、重ねてひとつ調整委員会の方に伺いたいと思いますけれども、総理府の方に伺いたいと思いますが、調停というのは騒音だけの調停ではないと思うのです。やはり公害関係の調停申請でありますから、騒音もあるし、大気汚染もあるはずであります。あるいはまた、場合によっては地盤沈下もあるだろうと思いますね。そういう総合的なものについての調停というものが行われるべきだと思いますが、この場合、総理府としてはどういうような見解をお持ちになりますか。ただいまの私と建設省との間の討論をお聞きになって大体おわかりだろうと思いますが、考え方を伺いたいと思います。
○政府委員(永山貞則君) 都道府県の公害審査会と公害等調整委員会とそれぞれ独立の機関でございますので、公害審査会の事件につきまして私たちいろいろ判断を下すことはちょっと差し控えさせていただきたいと思いますが、一般論として申し上げますと、やはり先ほども申し上げましたように、それぞれの申請者の主張、そういうものをくんで、そしてその上で調停案を出すということになるので、その主張の中に騒音あるいは大気汚染、そういうものが入っておれば、そういうものも考慮して調停案というものが考えられる、やはりその申請者の主張の内容あるいは全体の状況、そういうものを見た上で調停案を考えるということになるかと思います。
○赤桐操君 いまの総理府の立場としては答弁しにくい問題だろうと思います、それはよくわかりますが。一般論として考えまするときに、私はやはり調停に関する受諾勧告が出されるような状態というものは、もういろいろな角度から見て尽くされるものは尽くされてなければならないと思うのですよ。客観的に見て、だれが見ても疑義を生ずるような内容が含まれているとか、あるいはそういう条件の中で強引に調停受諾が勧告として出されたと、こういうような状況というものは望ましい状況じゃないと私は思うのです。調整委員会のこういう扱い方について重ねてひとつ伺いたいと思うのですが、一般の、申請者側の立場というものについて、本来なれば紛争処理というものは調停申請を出した側の、被害を受ける方の側の立場というものが相当大きく尊重されなければならないと思うのですけれども、そういう点からひとつもう一度お考えを承りたいと思います。
○政府委員(青木義人君) 調停に当たりましては、特に公害関係の本件のような調停におきましては、おっしゃいますように、申請人の側の言い分なり立場というものを十分考慮して事案を処理していかなければならぬということはおっしゃるとおりだろうと思うのです。
○赤桐操君 それでは次にひとつ伺いたいと思いますが、騒音を測定する場合のやり方はどういうような方式で騒音測定というのはなされているのですか、それをまず伺いたいと思います。
○政府委員(山根孟君) 騒音の測定方法でございますが、これは騒音に関します測定器を用いまして、これはJIS規格にも定められておるわけでございますが、五秒間隔に五十回以上騒音を測定いたしまして、中央値ということになりますれば、それの得られました測定値の大なる方からちょうど五〇%目の騒音値をもって中央値とするというようなやり方でやっておるわけでございます。
○赤桐操君 日本音響学会式という方式でおやりになっているということを私は聞くのでありますが、これはどんな方式ですか。
○政府委員(山根孟君) 日本音響学会式は、これは音響学会におきまして、自動車交通騒音を予測いたします場合の理論式を基礎にいたしまして、これに現実の道路条件あるいは交通条件に応じた修正項を導入をいたしまして、実測値を十分な信頼性をもって予測できるような式にいたしたものでございます。したがいまして、自動車交通騒音の中央値を、連続して通ります自動車のそれぞれから発生をいたします騒音のパワーレベル、音源から受音点までの距離、交通量この交通条件として平均走行速度、平均車頭間隔、こういった諸条件のもとに自動車交通騒音の中央値を予測をする方式でございまして、これに回折減衰による補正値、種々の原因による補正値を加味した式というぐあいになっておるわけでございます。
○赤桐操君 環境庁に伺いますが、この騒音の予測をするに当たって、日本音響学会方式でやられているようでありますが、この方式によるというと、条件としては一車線、一直線で一定間隔でなければならない、さらにまた一定の速度でなければならない、車の重なり合いがない、そういう状態の中で走行をしているときの予測方式であるとされているように私は理解をいたしております。したがって、交差点、カーブ、信号のある場所、谷地形、こういったようなところでは、これは大変問題があって不正確なものであるというように私自身としては認識をいたしておりまするけれども、こういうような認識でよろしいかどうか、環境庁の方に伺いたいと思います。
○政府委員(三浦大助君) 私どもの理解といたしましては、日本音響学会方式といいますのは、現時点において得られております科学的知見に基づく客観的な予測ができる手法ではないだろうかと、こういうふうに私、伺っておるわけでございまして、細かくはまだこの辺よく承知しておりませんが、東京湾岸道路につきましても、その構造に応じてこれで予測できるのではないだろうかということを伺っております。
○赤桐操君 それで重ねて御答弁願いたいと思いますが、私の認識でよろしいかどうか。
○政府委員(三浦大助君) 私、この辺の細かいところを承知しておりませんので、これは後ほど検討して、お答えさしていただきます。
○赤桐操君 後ほどというと何分ぐらいかかるのですか。何時間、何日かかるのですか。
○政府委員(三浦大助君) 失礼しました。非常にむずかしいお答えですので、二、三日ひとつお時間をいただきたいと存じますが。
○赤桐操君 なるべく一時間ぐらいの間に結論を出していただくといいと思いますが、環境庁は専門の方がそろっていらっしゃるのですから、十分か二十分で打ち合わせできるでしょう。できればひとつ私の質問の間に御答弁をいただきたいと思います。 そこで、道路環境評価に用いる予測方法、これは建設省が出しておられるやつですが、「道路環境評価に用いる予測方法」、この中でも実は述べられているのでありますが、これはやはり交差点とか信号があるとか谷地形であるというようなところは本来適当でないのだと、したがって、ある程度の補正をしなければならぬと思うのでありますが、そういう性格の方式だと私は思うのです。しかし、私ども一般に対する説明あるいはまた今回恐らく千葉県公害審議会等に対して行った建設省側あるいは公団側の説明は、きわめてこの騒音に対する測定結果というものは正しいものだ、正確なものだということについて言い切ってきておられると思うのです。そういう今日までの姿勢から見ると、一体日本音響学会方式というものの、私の認識をもってするならば、決してそういうような公団側が主張されてきたようなもの、それほど高い精度を持つ結果を得られるものであるというふうには考えないのでありますが、この点はいかがですか。
○政府委員(山根孟君) この日本音響学会式そのものにつきましては私ども信頼をしておる、つまり現状のいろいろな交通条件のもとでこの式を当てはめて、実測値とこの式に基づきます予測値と比較をいたしました結果はよく適合をいたしておりますので十分信頼し得ると考えております。ただ、先生御指摘のような交差点等におきます交通条件のもとでは、この音響学会式は、一応ここでいろいろ出ております議論の対象となっております式の適用の範囲の外であることもこれは確かであるわけでありまして、そういう場合にはそれぞれのまた補正等はこれはやってまいらねばならない、こう考えるわけでありますが、いずれにいたしましても、この音響学会式そのものは十分信頼できる式であるというぐあいに考えております。
○赤桐操君 したがって、私の認識としてさっき申し上げたような条件の中でこの方式は正しいのですよ。その他の条件が重なってくればきわめて不正確になってくるのですよ。そういう前提でいろいろと説明をされたり、あるいは仕事をなさったりしているわけではないのですか。
○政府委員(山根孟君) この東関東自動車道等の場合におきましては、この計算式の前提といたします適用範囲に十分入っておるというぐあいに考えておるわけでございまして、道路条件等につきましても、この中に入れましていろいろ予測をいたしておるということを申し上げたいわけであります。
○赤桐操君 環境庁からの御答弁を待ってまた重ねて質問をいたしたいと思いますが、もう一つ進めて、予測方法のページ五十七ですが、ここには道路二つ以上ある場合においては別々にこの方式によって計算をして合成するようにと、こういうふうに述べられておりますが、真砂、検見川、幕張地区というのは道路が三つも重なるのですけれども、そういうような方式で計算をされているかどうか。
○政府委員(山根孟君) いままでお示しいたしておりますものは、東京湾岸道路に起因する騒音の数値を御提示申し上げているということでございます。
○赤桐操君 そうすると、ほかの道路についてはあなたの方は別だということですか、湾岸道路、十四号線、東関東高速度道路、三つ重なっているのですよ、ここは。それにに対してどの道路の分だとおっしゃっているのですか、もう一遍はっきり言ってくれませんか。音が出てくる、いろいろ騒音が出るのですけれども、音というものがどこから出ているのだかいろいろわからない点があると思うのです。しかし、あなたはいま何とおっしゃいましたか、もう一遍はっきり言ってください。どこから出た音だというのですか。
○政府委員(山根孟君) 私、東京湾岸道路のかなりな分は、実は現道ないし京葉道路とかなりな距離が離れておりまして、いわば他の道路の影響が暗騒音というような形になるエリアについて実は申し上げました。ただいま先生御指摘のような点、真砂地区につきましては十四号と東京湾岸道路との両者を考えた騒音の予測値になっております。
○赤桐操君 そうすると、その三つを合わしてこの騒音については出したと、こういうふうに理解していいのですか。別々に計算をして合わしたと考えていいのですか。
○政府委員(山根孟君) 合成をいたして予測をいたしております。
○赤桐操君 次に進みます。 御提出を願った「道路環境評価に用いる予測方法」によりまして東京湾岸道路の「環境影響調査報告書」、これを検討してみたのでありますが、大分数値の合わないところが出てきておりますので、これからひとつ伺ってみたいと思うのです。 東関東高速度道路、東関道の交通量は昭和五十二年次におきましては一日大体二万台、これはよろしいですね。道路局長、東関道御存じでしょう、幕張からあの辺通っている東関道。東関東高速道路とそれから国道十四号線の交差している状況も御存じなのでしょうね。現地はごらんになったことありますか。
○政府委員(山根孟君) 東関東自動車道、東京湾岸道路、ともによく存じております。
○赤桐操君 それでは御認識をいただいておるものとしてこれから伺いますから御答弁をいただきたいと思いますが、昭和五十二年次におきましては一日二万台の交通量が東関東高速道路にはございます。これを道路端、道路の端で計算をいたしまするというと、窒素酸化物、NOxが〇・三四七ppm、そして百メートル離れた地点では〇・一一五ppmになる。これはちょうだいいたしました予測方法の二十九ページにこの数字が述べられておるわけであります。 そこで、この数字に基づきまして、それではNO2はこの中にどれだけ含まれているかと、こういう問題になるわけでありまして、これを抽出してみまするというと、このNOxの中のNO2の内容は〇・〇二八六ppm、こういうようになるようでございます。そして、〇・一一五ppm、百メートル地点のこの状態は〇・〇一五ppm、こういうことになるわけであります。これは予測方法三十一ページに出ておりますが、この方法で計算をいたしました結果でございますけれども、建設省の試算によるものというふうに理解をいたします。 そこで、環境庁の方の大気汚染状況あるいはまた自動車の排ガス測定状況、こうしたものの中で用いられておりまする手法で計算してみまするというと、この道路端の二万台、〇・三四七ppmについては大体このうちの二割がNO2に相当するとされているようでありますので、十分の二を掛けまするというと〇・〇六九ppmということになってまいります。これが環境庁側が用いておられる手法から出てきた結論であります。したがって、これを対比してみると、建設省側が述べておるものと環境庁側のやり方でもって出したものとは大分開きが出てくるのですね。これは大変私は大きな問題じゃないかと思うのですが、私の方の手元で計算したものでありますから、違いがあれば違いがあるということで御指摘を願いたいと思うし、そうじゃないのだと、事実矛盾があるならあるように、その矛盾がどこからきているか、そういうことについて建設省あるいは環境庁、御両省の方から御答弁を願いたいと思います。
○政府委員(山根孟君) ただいまの先生の御指摘は実測されましたこの濃度として、たとえば平均で申し上げますと、道路端におきまして四百十五ppb、つまり〇・四一五ppmということになりましょうか、百メートル地点におきまして百三十四ppb、つまり〇・一三四ppmと、こういう実測データであります。この実測データはいわばこのバックグラウンドの大気汚染に、いま道路端からのいろいろな数値が距離によって異なりますようにいわば自動車の排出ガスによります汚染とがまあいわば合成をされた結果の数値であるわけでございます。このバックグラウンド濃度を加えました全体の窒素酸化物NOxトータルに占めますNO2の割合と、実は自動車が走行をいたして排出をいたしますガスに占めますNO2、窒素酸化物の中に占めます二酸化窒素の割合はかなり異なった様相を持っておるわけでございます。したがいまして、先生御指摘になりましたこの道路環境評価に用いる予測方法案、道路局の出しておりますこの資料の三十一ページにございます窒素酸化物に対する二酸化窒素の割合は、これは道路近傍におきます短時間におきますNOからNO2の酸化のプロセスについてのいわば実例資料を用いての関係の式でございますから、冒頭二十八ページないし二十九ページにかけてございますような資料に直ちにこの式を適用して二酸化窒素がどうということにつきましては適用上の問題があるわけでございますので、先生が先ほどおっしゃいましたような勘定には直ちにはならないということでございます。
○赤桐操君 どのくらい時間たつとなってくるのですか。直ちにならないならばどのくらいの時間がたつとなってくるのですか。私は重ねて申し上げますがね、私がいま申し上げているのは、この二十九ページに出ておりまする予測の三四七、一一五ppb、それを基準にして皆さんの方の方式でもって計算をしていくというと、NO2の内容が〇・〇二八六、これは時間的な経過があるかどうか知らないが、そういう結果が出てくるとここに示してあるのですから、これでもって出てくる。それで環境庁関係の方でやっておる手法によるというと〇・〇六九ppmになってしまう。ここに大分違いが出てくるということを私は指摘したのですが、環境庁の方のやり方とあなたの方のやり方に差があるということについてどういうわけだということをいまお尋ねしているのです。
○政府委員(山根孟君) ただいまるる申し上げましたように、道路近傍におきます短時間におきますNOからNO、への酸化の状態における問題と全体のNO、に対する大気質におけるNO2の割合は、一般には非常に異なった様相を呈しておりますので、私の推測といたしましては環境庁の方でお考えになっているのは、全体に対する割合のことではないか。したがいまして、その適用の場面において異なることによるものではないかというぐあいに考えるわけでございます。
○赤桐操君 それでは環境庁に伺いたいと思いますが、お聞きになっておられたと思いますけれども、道路端で〇・三四ppm、これはNOxであります。こういう数値が一つ設けられた場合において、この中のNO2はどれだけあるかということについて、私の認識をもってすればそのうちの二割、約二〇%程度がNO2になるのだと、こういうように理解しておりますが、これでよいのかどうなのか、この点伺いたいと思います。
○政府委員(三浦大助君) ただいま先生の御指摘の問題につきましては、実は私どもこの点の解明が非常にむずかしくてわからなくて困っておるわけでございまして、たとえば窒素酸化物をはかっておりまして、窒素酸化物の非常に高いところにあるにかかわらず二酸化窒素が低い、あるいは二酸化窒素が非常に高いところであるにかかわらず窒素酸化物が低いと、こういう現象がかなりまちまちでございまして、もちろんこれは温度によるのか風によるのかいろんな要因によるのでございましょうけれども、その辺がいまわからないものですから、この点を鋭意究明している段階でございまして、私どもこれに何%というお答えをいまここでしかねるわけでございます。
○赤桐操君 環境庁の全国大気汚染状況あるいはまた自動車排ガスの測定状況、こうしたものの中ではこの手法を用いておられるのでしょう。
○政府委員(三浦大助君) この二酸化窒素をはかって私どもは評価をしておるわけでございます。
○赤桐操君 もう一遍。
○政府委員(三浦大助君) 窒素酸化物ではなくて、二酸化窒素をはかって環境基準適用云々の評価をしておるわけでございます。
○赤桐操君 評価をしている。
○政府委員(三浦大助君) はい。
○赤桐操君 だから、その二〇%程度のものがNO2であるというように一つの内容的なものをつかまなければそれははかれないわけでしょう。
○政府委員(三浦大助君) 環境基準も二酸化窒素という表現を使っておりまして、したがって測定は二酸化窒素をはかっておるわけでございます。窒素酸化物全体としての評価をしておりません。
○赤桐操君 してはいない。
○政府委員(三浦大助君) はい。 ちょっとつけ加えさしていただきますが、それを換算もしておりません。
○赤桐操君 そうしますと、重ねて私もう一遍よく伺いたいと思うのですが、環境庁の方ではこういう窒素酸化物の中でどのくらいNO2、自動車の排気ガスがいろいろ問題を起こすかということについての調査というものをおやりになっていると思いますけれども、それはどんな方法で調査しているのですか。そして、どんなような算式でいろいろの結論を出しておられますか。
○政府委員(三浦大助君) 私どもの調査というのはNO2をはかっておるわけでございます。もちろんNOxの方の調査、いろいろやってはおりますけれども、これはただいま先生御指摘になりましたように、NOxがNO2になるときにどういうふうな手順でなってくるのだろうかと、これがわかれば、当然先生がおっしゃるようなお答えが出てくるわけでございますが、その辺がいまわかっておりません。この点はいま研究段階でございます。したがって、私どもの調査はNO2を各測定局で測定しておると、こういうことでございます。
○赤桐操君 それで、重ねて建設省側に伺いたいのですけれども、そうすると、真砂から検見川、稲毛の地域で、湾岸道路と十四号線と東関東高速道路が、これは十二万台ばかり六十年次になると通るようになるわけです。この場合における状況でありますが、これについては排ガス関係の規制措置も講じられてまいりますけれども、その辺の状態を道路局の方ではどういうふうに想定しておりますか。
○政府委員(山根孟君) 二酸化窒素の東京湾岸道路に起因をいたします予測でございますが、先生おっしゃいましたように、自動車排出ガス規制の効果も含めまして、道路端におきまして、この湾岸道路に起因する濃度ということで〇・〇〇五ないし〇・〇〇六ppm、それから、付近の住宅地におきましては、これが低減をされてまいりまして、〇・〇〇三ないし〇・〇〇四ppmと予測をいたしておりまして、これに将来のバックグラウンド濃度としておおよそ〇・〇二三ppmというぐあいに予測をいたしておりまして、これらを合わせまして〇・〇二七ppm程度という予測をいたしております。環境基準の年平均相当値の〇・〇三ppmを一応下回るというぐあいに予測をいたしております。
○赤桐操君 どうもこの予測方法の手法で計算をしていくというとそういうことにはならないのですが、建設省側に対する環境庁の方の考え方もまだ明確に出ておりませんので、いずれこれまた環境庁側の方の結論を待ちながらこの点もただしたいと思いますが、少なくとも東関東高速道路の二万台をもってしてもこれはかなりのものが出ているわけでありまして、これが真砂、検見川、稲毛の地域で将来十二万台になったということになりますと六倍の交通量になるわけでありますから、当然そこには大変な大きな数値が出てくるはずであります。どうも私はいま建設省側の御答弁は納得できないのでありますが、角度を変えてひとつそれじゃ伺いたいと思うのですが、〇・〇〇五ないし〇・〇〇六、それから百メートル離れたところで〇・〇〇三ないしは四、これはこれでひとつ承っておきますが、「道路環境評価に用いる予測方法」三十二ページ——四十三ページの手法です、東名高速道路のところにおける計算が出ております。この場合におきましては道路の六十メートルないし百メートル離れたところでNO2は年平均値が〇・〇三ppmと計算されておりますね。そこで四十九年度、これ、東名高速道路の場合におきましては一日四万台の通過地点でありますから、それで四十九年度調査による検見川、真砂を予測して行ったものが〇・〇〇二ppmの平均値ということでありますけれども、これはどうもいまの現状、検見川、真砂地区は六万台の自動車が通っておるのですけれども、これと比較しても数字が合ってこないのですが、これはどういうように説明されますか。
○政府委員(山根孟君) この東名の結果は統計モデルでありまして、いまもう一度精査をいたしたいと思いますが、これにつきまして、第一にはバックグラウンド濃度がこの中に含まれているか含まれていないかという点、それから四十九年度の実測結果でございますから、いわば自動車の排出規制がまだなされていなかった状態における数値であると以上の二点からいま直ちに比較は困難ではないかというぐあいに考えるわけでありますが、そういった点につきましてはなお分析をしてみたいと思います。少なくとも、乗用車でございますが、なおこれからディーゼル車、重量ガソリン車等につきましては、これよりかまだ進んでいないわけでありますが、四十八年四月以前の状態におきます窒素酸化物の排出ガス量、これを一〇〇といたしますと五十三年規制では八%つまり十分の一以下に排出ガス規制が強化をされてそれぞれの年式の車が交通量の中に入ってきております関係も十分勘案をしつつ分析してまいらなければならぬと、こう考えるわけでございます。
○赤桐操君 それでは続いて伺いたいと思うのですが、東名の予測交通量というのはこれは四千台なのですよ。検見川、真砂地区というのは六万台なのです。この十四号線は一・五倍になるわけです。したがいまして当然簡単な計算でも〇・〇四五ppmぐらいにならなければおかしいのじゃないか、東名の方はよけい数値が高くなって十四号線は低いという理屈は成り立たないのじゃないですか。同じ自動車ですよ、走っているのは。台数が一方は四万台で〇・〇三ppmだという、片方は六万台でそれよりうんと低いのだというそんなことはどう考えてみても成り立たないでしょう。一・五倍の数字ですよ、これは。したがって、出てくる数値は〇・〇三ppmの一・五倍、〇・〇四五ppmにならないとおかしいと私は思うのだけれども、この点ひとつ御答弁願いたいと思う。
○政府委員(山根孟君) 具体的な数値をもってお答えいたさなければならないわけでありますが、計数を整理いたしますが、要は車種構成が大変大きく効くわけでございます。東名の場合にはかなりな重量車等々の混入の状況でありますとか、バックグラウンドの状況でございますとか、そういったことがございますのと、いまいろいろ懸案になっております当地域におきます交通状況とかなり様相を異にしているという点がございます。先ほど来ちょっと申し落としましたが、東名の実測値の中には、実はバックグラウンド濃度も入った数値でございますので、そういった点がございますのでこれを一・五倍、したがって予測値がどうこうというぐあいに直ちには接続と申しますか、できないのではないか、こう思いますので、なおこの点については分析の結果を整理さしていただきたいと存じます。
○赤桐操君 どうも明確なお答えが出ないのですけれども、皆さん方の方で出されたこの手法で計算をして私は伺っているわけなのですよ。皆さん方の方で出されているこの手法以外のことでやっているわけではないし、ここに出ている数値でもって私の方ははじいているわけだ。それがいま言ったように、それはいろいろなものが入っているのだ、これもいろいろなものが入っているのだということになったのじゃ、これは根拠になる数値とは言えないのじゃないですか。これを何で、それじゃ基準にして計算しろということを全国に指示したのですか。私の方で、それではこれを基準にしてやりますよということでやった結果が、いやそれはいろいろなものが入っているのだ、ほかの物質が入っているのだ、こういう物の言い方をされたのでは、それじゃ、それを除いたものをお出しくださいと言わざるを得ないですよ。これは一体何のためのものだということになるのです。道路環境評価に用いる予測方法なんですよ。この中にバックグラウンド入っているのでしょうが。
○政府委員(山根孟君) 実はこの予測方法のマニュアルと申しますか、この中に含まれておる、三十二ページ以降のものは、これは統計的モデルによる一つの予測方法といたしまして、その統計的モデルでございますので、あくまでもバックグラウンド濃度を含めましたものの統計的な処理からくる手法であります。これに対して、先ほど来東関東自動車道等でいろいろ御提示申し上げております手法は、拡散方程式を基礎といたしまして、これを実際の場にアプライするような一つの推測式に基づいて、新たな発生源と申しますか自動車の発生源、自動車の排出ガスに伴う新たな付加量が一体どれだけになるかということを予測をする方式、大きく言ってこの二つの系列のものが実はあるわけでございまして、それぞれの算出方法はそれぞれの基礎をベースにいたしております関係上、ちょっとこの両者を直ちに比較をするというところにはもうちょっと詳しい御説明を申し上げなくてはならないわけでございますが、考え方としてはそういうことがございますので、先生の御疑問のような点が実は起こったことも理解できるわけでございますけれども、事情はそういうことでございまして、私どものこの予測の方法そのものはやはり、それぞれに合ったと申しますか、予測の方法として適切な方法を現実にはアセスメントの段階では利用していかなければならないというぐあいに考えておりますし、また、ある場合には実測データその他が大変豊富に用意をされておりますようなところでは、ただいま論点になりましたような統計的なモデルを使うという場合も、これは予測の手法としてはいい場合もあるということで、私ども予測をなるべく的確にし得るような方法を実はこの予測方法の中で同時に提案をいたしておるということでひとつ御理解をいただきたいと思うのでございます。
○赤桐操君 これはだれが聞いても理解できないと思うのです、あなたの言っていることは。私だけ理解できないのなら私の頭が悪いし、後で教わってもいいと思うのだけれども、あなたの説明、みんなわからないと思うのですよ。理解している人ありますかね。 この「東京湾岸道路環境影響調査報告書」というのをさきに建設省からいただいたのです。しかし、これを見てみるというと、いろいろな算式が出ておる。この数字はどこから出ているのだろうかという疑問が生じた。したがって、これをつくる、あるいはこういうものの裏づけになっている資料があるのじゃないのか、こういうことで資料の要求をいたしましたその結果が、「道路環境評価に用いる予測方法」と、この「千葉県北部地域の大気汚染調査資料」いわゆる広域シミュレーション、この二つの資料をいただいているわけです。それで、これに基づいて、まあ、そのほか細目資料も一つもらったのだけれども、この中のこれが裏づけになっておると言うから、私の方はこれによるところの計算もしながらながめてみるというと、合っていないのです。だから、これはおかしいということになって、いまお伺いしているわけです。ところが、あなたの説明によるというと、これはいろいろな要素が入っているからいろいろなものが出てきているのだ、こういう説明になっている。これではちょっと私どもの方としては理解できないのですが、この点はどうなんですか。要約して簡単にやってください、余り長く言われてもわからないから。
○政府委員(山根孟君) 私の説明が大変拙劣でありますことをおわび申し上げたいと思います。なお的確に御説明申し上げられるように、若干時間がかかりますので、貴重な時間を割いてはと思いますので、この予測方法のそれぞれ四角くくくったところにございますのは、それなりに私ども一つの方法として自信を持って流しているものでございます。
○赤桐操君 その私の問題提起については、ひとつ解明をしてもらいたいと思います。私が得納できるように解明してもらいたい。 続いて、次をひとつ伺いたいと思いますが、次は船橋地区の状態を伺いたいと思うのです。私がいま疑問に思っているのは、ひとり真砂地区とか千葉市地域の問題だけじゃなくて、船橋の地域にも大分疑問が発生しておりますから、この点について、続いてひとつ伺いたいと思います。船橋市の若松、谷津地区というのがあるのですが、ここの地域の状況を見るというと、ここには国道三五七、現在一万三千六百五十二台、これが通っているわけであります。それでNOxの排出量は一日百五十二・〇キログラム。したがってこの国道三五七、これが四万八千台に将来六十年次にはなりますので、それから東関東高速度道路が八万二千台通るようになりますと、十三万台の自動車が通るようになる。そうなりますと、この地域にこれが一遍に通るわけでありますから、現在から見ると十倍の交通量にふくれ上がっていく。したがって排出量も十倍になってくる。あるいはまた排出量については、高速道路が入りますから二割ないし三割ふえるかもしれない、こういう状況になっているわけであります。そのほかに、建設省の見込みによりますれば、六十年次には新たにこの辺には大変大きなショッピングセンターとかあるいはまあ京葉線の駅ができ上がるとか、ないしは大団地計画があると。そうなってくると、ここからさらに七万台を超えるところの自動車の量が出てくると、こういうことも見込まれているようであります。 こういう地域について、いまこれから伺いたいわけでありますが、船橋の市役所では五十四年三月二日から十二日間にわたりましてこの実測をやったわけでありますね。まる一日測定した日が七日間あったそうであります。このうち三日間については、環境基準の上限値をはるかに超えている。それで、まあ条件につきましては、北側の方から団地に吹いておるわけでありますから、要するに三百五十七の国道の方から団地に吹きつけたものでありますから、これはもろにかぶったと、こう言って差し支えないと思います。そこで、一万三千六百五十二台の昭和五十四年の時点におけるところの状況を、船橋市の方でもって実測の結果出たものが、実測値は平均いたしまして〇・〇六八ppm、それから〇・〇六一、〇・〇七八ppm、こういう数字が出ているわけであります。これが三日間の上限値を超えている数字でございます。 そこで、六十年次にこれを推定をしてみると、まあ十三万台になるわけでありますね。そうすると、〇・〇六八ppmが、これはいまは一万三千台ですけれども十三万台になったときはどういうことになるのか。これはあなた、ちょっと計算したって大変な数字になるのですよ。〇・六八ppmになっちゃう。もう大変な数字ですね。これは、あなた方の方では、さらに排ガス規制が行われるからもっとダウンするとおっしゃるでしょうから、その分も入れてみる。そうすると、五十五年から六十年までの間にははNOxは一一%削減ということに排ガス規制ではなるようでありまするので、したがって〇・六八ppmにこの一一%減を求めるというと〇・六〇ppmになる。これは私が計算したんじゃないのです。市役所が実測をしたものをもとにして、六十年次を船橋地点に求めて想定したものですから、こういうことになるのです。 さらに、船橋市内の風向きの状態を調べてみるというと、年間二百五十日程度のものが大体北寄りの風になるわけですね。北というのが必ず絡まった風になる、こういう状況になっている。ですから、年間を通じて三分の二以上のものが大体こういう状態でいくというように理解をしてよろしいと思います。 そこで、建設省側の湾岸道路アセスメント、これで見まするというと、若松地区と称するこの地域について出ておりますが、年平均で〇・〇〇四ないし〇・〇〇五ppmと、こういうふうに言っておる。一日平均に直すというと、大体〇・〇〇八ppmから〇・〇一ppmということになってくるのです、これは。そうすると、いまの私が申し上げたのとは、おおよそ大変な隔たりがあるのではないだろうか、こういうことになってくるのです。千葉の真砂地区とかあるいは幕張地区についての私の質問に対しては、まあ局長はそういうふうに御答弁なさいましたけれども、これについてはどういうように解説をしていただけるのか。ちょっと、長くなくて簡単明確にやってもらいたいですね。もう時間がないのですからお願いいたしたいと思います。
○政府委員(山根孟君) まず、私ども聞いております数字としましては、若松団地で船橋市が実測した結果が〇・〇二二ないし〇・〇四八ppmというぐあいに聞いております。 私どもが、この湾岸道路に起因をいたします二酸化窒素の濃度といたしましては、先ほど先生がおっしゃったとおりでございますが、これは将来のバックグラウンド濃度におきましても自動車排出ガス規制などにより低減される。これがこの予測値の中に見込んでおるわけでございます。 また、固定発生源等の排出ガス規制、交通規制などの総合的な政策が行われることを頭に置いた予測値という考え方をいたしておるわけでございます。
○赤桐操君 船橋の市の測定の結果は、私が申し上げた内容ですよ。あなたの方で聞いていらっしゃるのはそうでないとすれば、それは誤りですから、船橋の市役所に問い合わせて実態調査してください、私の方は資料を持っておりますから。
○政府委員(山根孟君) なお船橋市に伺いまして、三月二日から十二日間のデータにつきましては精査をさしていただきます。
○赤桐操君 それでは重ねて伺いたいと思いますが、広域シミュレーションの中で、これはおたくの方からいただいた内容でありますから、それに基づいて質問するわけですが、二十四ページにはケースAというのが出ていて、二十五ページにケースBというのが出ております。これは、昭和六十年次の予測値が出ているわけであります。 このケースAというのは、自動車、湾岸道路が設定された場合のことを言っておるし、ケースBは、湾岸道路が設定されなかった場合の想定となっているようであります。 そこで、私の解釈では、確認をしたいと思いますが、ケースAというのは湾岸道路が設定された場合のものであり、ケースBというのは湾岸道路がなかった場合のものである。これを比較対照するために出ておるものだというように理解するのですが、これで間違いないでしょうね。
○政府委員(山根孟君) 仰せのとおりでございます。
○赤桐操君 それでは伺いたいと思いますが、幕張海岸の一丁目、メッシュで申し上げまするというと横二十一、縦九の欄であります。この中で、昭和六十年時点においては十三万台の自動車が一日通るのでありますが、この湾岸道路があるわけですね。このメッシュの中では七ppb、すなわち〇・〇〇七ppm、こういうようにこの湾岸道路の設定された場合が想定されているのです。 一枚はぐってその次のケースBの方との比較をしてみまするというと、逆にこれは六ないし七万台、現在のとおりであろうと思いますから、湾岸道路はないわけであります。したがって十三万台という台数にはなりませんので、この場合でいくというと八・五ppb、〇・〇〇八五ppmになっております。 そうすると、湾岸道路があった方が数字が低くて、湾岸道路ができなかった場合の方が数字が高いというのは、これは一体どういうことなんだということになるわけですが、これも何かバックグラウンドか何かの関係があるのですか、伺いたいと思います。
○政府委員(山根孟君) これは全体の広域的なシミュレーションを行いました結果に基づくものでございます。したがいましてある、なしの場合の、その場合の前提といたしまして、この湾岸道路あり、なしという場合のそれぞれの交通の流れ方が異なってくることによる、総合的な結果としてこのような予測結果となったというぐあいに考えられます。
○赤桐操君 いずれにいたしましても、車が倍になって空気がきれいになるというのは、どういうことなんですか。車が倍になって空気がきれいになるというのはどういうことなんですか、こういうことを私はお尋ねしているのですが。
○政府委員(山根孟君) これは全体としては広域的なシミュレーションであるわけでありますが、いま御指摘の点は、ここは十四号の地点に相当をいたします関係上、湾岸道路に回る交通のかなりな部分と申しますか、ある部分がこの現道の十四号に集中する結果いまのような相違が出てきたものというぐあいに判断をされるわけでございます。
○赤桐操君 ちょっと、もう一遍整理して伺いたいと思いますが、湾岸道路ができなかった場合とできた場合の比較ですね。湾岸道路ができるということは、ここに湾岸道路の自動車が集中するのですよ。だから、当然ここの濃度というものは高まるはずでしょう、常識で考えてみても。ところが、湾岸道路ができた場合の方が低くなっておるわけです。湾岸道路ができなかった場合の方が高くなっておる。これは一体どういうわけですか。これはいまのあなたの説明では解明できないでしょう、その話は。
○政府委員(山根孟君) この予測は、それぞれのメッシュはそのメッシュの中心点におきましての予測値を表現しております。このメッシュの中心が実は現在の十四号の直上ということでございますので、湾岸道路ができたために十四号から湾岸道路にシフトするであろう車が湾岸道路がない場合には十四号にかなり残るということでございますので、いまのような数字に相なったということでございます。
○赤桐操君 私は一番端的にあらわれたところを 一つの例として申し上げたのだけれども、その周辺ずっと見ていただくと大体同じような傾向になっているのですよ、その内容が。見ていただければわかるでしょう。だから、これはおかしいんではないのかということをいま伺ったわけです。 それから次に、広域シミュレーションの六十年予測の状態については、住民の皆さん方には、大分強く求められたそうでありますが、示されましたか。
○政府委員(山根孟君) 県には御提出申し上げていますが、住民の方々にはまだ提出いたしておりません。
○赤桐操君 これは五十四年の十二月にでき上がっているわけですよね。だから、五十四年の十二月と銘打って発行されている以上は、少なくとも五十三年以来あるいは五十二年以来いろいろやっておるかもしれぬけれども、去年の秋ころにはできていたはずなのだ。そういう状況の中で、少なくとも住民の皆さん方が調停申請の中でこのシミュレーションを見せてもらいたい、いろいろ総合的な判断をしたいと、こう言ってきたにもかかわらず当局側はこういうものはないと言ってそれを拒否されたそうですね。少なくとも、こういうものをこれだけ準備しておられるならば、私たちがこうして要求すれば出されるならば、なぜこの資料を親切に説明されないのか。そういう総合的な判断の中で受諾してよいのか、拒否すべきかは住民が判断すべきことですよ。しかし、資料というものはそれはあなた方の判断で拒否したり、そういうことをすべきものではないと思う。やはり出すべきものは出して、住民の皆さんに提出すべきだと思うのですよ。私はこういうやり方についてはきわめて遺憾だと思う。この点についてどういうふうにお考えになっていますか。
○政府委員(山根孟君) この調査資料自身は、実は内部資料としていろいろ検討をしてまいったものでございますので、ただいま県の方でもいろいろな、さらに固定発生源の資料等も調整中と伺っておりますので、そういったものとあわせて御判断をいただく必要があるのではないかというようなこともございまして、私どもその結果を待った上で再度検討いたしたい、かように考えておったわけでございます。
○赤桐操君 検討中であり、資料作成が大体でき上がっている段階であったならば、少なくとも、資料の作成中であるとか、間もなくその資料ができ上がるとか、そのくらいの意思表示をなさるのが親切なやり方ではないのでしょうか、行政としてのあり方じゃないのですか。そういうことについて私はきわめて遺憾だと思う。 次に、千葉県の公害防止の目標値との関係でいろいろ伺いたいと思うのでありますが、県、市、建設省、環境庁それぞれの立場においていろいろ公害関係の問題についての数値の出し方についても、あるいはまた見解についても異なっておる面があるように思うのですけれども、この点はどのようにお考えになっておられますか。これはひとつ、まず建設省側から伺いましょう。
○政府委員(山根孟君) 建設省・日本道路公団が行いました湾岸道路のアセスメントにおきます二酸化窒素の予測は、湾岸道路に起因するものについては建設省所管事業に係る環境影響評価に関する当面の措置方針における技術指針に沿って行い、その他の固定発生源、移動発生源によるものにつきましては移動発生源の規制の推移等を見込んで予測いたしたものでございます。その結果は、これまでも申し上げておりますように、真砂地区におきましては、湾岸道路に起因する濃度といたしましては道路端で年平均値〇・〇〇五ppm、付近の住宅地で〇・〇〇三ないし〇・〇〇四ppmと予測をいたしておりまして、バックグラウンド濃度を加えると〇・〇二七ppmというぐあいに予測いたしておるわけでございます。さらに、移動発生源についての先ほどもお話のありました広域シミュレーション予測は、湾岸道路を含みます千葉県北部地域を一キロメートルのメッシュに区切って、環境庁の総量規制マニュアル等を参考にして将来の移動発生源による二酸化窒素の濃度を予測したものでございまして、その結果は、真砂地区におけるメッシュで、湾岸道路から数百メートル離れたメッシュ中心の移動発生源による濃度は年平均値約〇・〇〇九四ppmというぐあいになっております。千葉県が行いました広域シミュレーション予測は、先ほど申し上げておりますように詳細についての資料は県から受け取っておりませんが、予測手法は、総量規制マニュアルを基本とし七、工場、事業所等の固定発生源、自動車及びその他船舶、家庭等からの発生源をすべて含んで予測を行っているというぐあいに聞いておるわけでございます。これらの予測は、それぞれの予測手法、条件等が異なっております。また予測結果が道路について予測したものとメッシュ中心について予測したものと異なることから直接比較できるものではないわけでありますが、湾岸道路のアセスメントといたしましては、道路付近の住宅地で〇・〇二七ppm、県が行っております方からまいりましてもおおむね若干この程度に想定されるのではないかというぐあいに考えておりまして、両者の差は大きなものでございませんで、いずれも二酸化窒素の環境基準の年平均値相当の〇・〇三ppmを下回るというように考えておりまして、地域の環境は保全できるというぐあいに予測をしておるわけでございます。
○赤桐操君 千葉県が本年に入って一月の末に明らかにいたしました態度が要約されておりますけれども、県は次のように明らかにいたしております。「千葉県の環境目標値(沿道を除く一般環境で、六十年度に日平均値〇・〇四ppm以下)を超えることになる。さらにこのうち二十三区画は、たとえ工場からの寄与をゼロとしても目標を達成できない。」、こういうように一月三十日付の新聞で千葉県の態度が明らかにされております。このため、千葉県の移動発生源対策は自治体レベルではとうてい困難であるとして、国に強力な対応を訴える方針であるということです。このことについては私も県側にただしてみたところ、このとおりだということを最近確認をいたしております。こういう状況なんですよ。いまあなたがおっしゃったような状況じゃないのですよ、千葉県下の状態は。 さらにもう少し千葉市の状態を申し上げるというと、千葉市は、最近の市議会におきまして、どうも、国のいろんな資料があるけれども、市がやってみると大分違っておる、沿道の状態あるいはまた発生源の状態いろいろ検討してみたけれども、大分計算値に多くの間違いがあるように思う、こういうことを議会において環境部長が答弁をしておるのです。ですから、県においても市においても、千葉県では大変実は大きな問題になっておるわけです。国が考えているような実態ではないということについて私はこの際明らかにしておきたいと思うのです。そして県みずからが国に対して移動発生源問題、これはもう国レベルでもって調整してもらう以外に手がない。工場等いわゆる固定発生源を全部ゼロにしてもどうにもならないのだと、こう言い切っているわけです。大分いまのお話と食い違うじゃありませんか。この点についてはいかがですか。
○政府委員(山根孟君) いま、県の御当局の御判断につきましては、実はまだ私どもよく承知をいたしておりません。千葉県ないし千葉市のお考えになっている基本的な考え方につきまして引き続き一つのアセスメントの結果をもとにしておっしゃっているというぐあいに考えますので、その手法等につきまして詳細に検討していかなければならぬということを感ずるのでございます。
○赤桐操君 いずれにしても、県の責任者が記者会見でこのことを明らかにしているわけですから、しかも私が県の責任者に対して質問をし、間違いないかと言ったら間違いないと、こう確認しているのですから、これは建設省の方としても真剣に取り組んでいただきたいと思います。その点においては大きな違いがあります。 それからさらに私は一つ重ねて環境庁に伺いたいと思うのですが、どうも県の方は県の方、それから千葉市、船橋市、それぞれのやったこと、それからまた建設省がいろいろやっておられるわけでありますが、そうしたものがどうもいろいろな面で私は出てくる答えに違いがあるように思うのですね。これは一体どういうことなのだろうかと。県側の方の主張から見るというと、どうも国の方でやっていることがとてもじゃないがこれはわれわれの方じゃおさまるものじゃない、こう言っておるわけであります。けたが大分違うようであります。そういうように、同じ千葉県なら千葉県、この千葉県の事実をもとにして判断する結果が違ってくるということは、今日の段階においてこれは大変な問題だと思うのですよ。環境庁は私はそういうもののいわば総取り締まり本部と言いますか、いろいろの一番大きな責任を負っておられるところであろうと思いますが、この問題についてどのようにお考えになられますか。
○政府委員(金子太郎君) 本件につきましては、現在までのところ環境庁は直接関与いたしておりませんが、問題が問題でございますので、もしも当事者の方から御要請がございましたら私どもも検討いたしたいと思っております。
○赤桐操君 去る衆議院における公害対策特別委員会ですか、において同僚議員である小川君の方からすでに質問をして、建設省と環境庁との間に疎通が欠かれておるように思う、この点について速やかにひとつ調整してもらいたい、こういう要請もあったと思うのです。その後そういう御努力をいただいていると思いますが、その点についてはいかがですか。
○政府委員(金子太郎君) 現在までのところ具体的な検討作業に入るまでには至っておりません。
○赤桐操君 いろいろ情勢が、現地におきましては住民の皆さんとの紛争が続いておる。これは、いま申し上げてまいりました幕張西区の問題だけではなく、その周辺地区がみんな立ち上がっておる問題である。やがてまた沿道全体にこれは大きな関心が持たれ、注目されてくる問題でもあると思います。したがって、私はゆるがせにできない問題であるし、速やかにこれに対応する姿勢をとられるべきだと思いますけれども、一方同時に道路の建設はどんどん進んでいるのですよ。それで住民の皆さん方から出ている疑問や要望については解決されていないわけです。そうして中で建設は進んでいる。それに対していろいろ苦労しながら市民の皆さんや県や自治体がどうも大きな疑問があるということでやっておる、こういう実情の中で、どうもまだ基本的に討議しておらないということについては私には解せないのですけれども、この点についてはいかがですか。
○政府委員(金子太郎君) 非公式には若干の情報をいただいておりますが、本件につきましては検討をするといたしましても簡単に結論の出る問題ではないようでもございますので、慎重に資料の用意を始めましてさまざまな検討をこれから始めたいと、こう思っておるところでございます。
○赤桐操君 環境庁長官にひとつ伺いたいと思いますが、近くこの実態の視察においでをいただけるというように私は伺っておりますけれども、実情視察においでいただけるかどうか。また、いただけるとすればいつごろにそれはいただけるか、伺いたいと思います。
○国務大臣(土屋義彦君) お答え申し上げます。 私が申し上げるまでもなく、この交通・公害問題は一九八〇年代のわが環境行政の重要な柱でもあり、また今日の大きな社会問題でもございます。多くを申し上げませんが、私は長官を拝命いたしまして直後首都圏と近畿圏を結ぶ川崎インターチェンジを中心といたしまして東名高速道路を視察いたしまして、特に大型車、ディゼール車等によりまして典型七公害のうちの三つの公害、騒音、振動、大気汚染等によって沿道の皆さん方が非常に苦しんでおる実態を把握いたしまして、そこでやはりこの環境保全の面からも総合的な対策を樹立しなければならないということを深く痛感いたしたような次第でございまして、先ほど来のいろいろ大変貴重な御論議もございましたので、私は衆参両院の委員会におきましても視察をお約束しておりますので、また近々衆議院において委員会も開かれる予定でございますので、いま直ちにというわけにはまいりませんが、早い機会にお伺いしたいと、かように考えております。
○赤桐操君 ぜひひとつ早期に御視察を願いまして、御要望申し上げてまいりました問題点についてお取り運びいただきたいと思います。 同時に、建設大臣にひとつ伺いたいと思いますが、建設大臣もまだ現地を御視察いただいていないと思うのでありますけれども、この湾岸道路の中で特に京葉地域における状態というものは非常に問題を多く抱えておる地域でありまして、これは衆参両院の関係委員会で開かれるたびに出ている問題だろうと思います。したがって、環境庁長官ともども御視察をいただいてはどうかと思いますが、大臣のお考えはいかがでございますか。
○国務大臣(渡辺栄一君) 先ほど来の御議論を承っておりまして、ただすべき点はたださねばならぬと思っておりますが、現地は私も通ってはおりますけれども、そういう観点におきまして現地の実情は極力把握してまいりたいというふうに考えておりますが、全国的に広く事業も実施しておりまして、時間的な関係もございますので、御提案の件につきましては今後検討さしていただきたいと、かように考えております。
○赤桐操君 私がいま申し上げてまいりました問題は、ひとり千葉における特定地域やあるいは船橋における特定地域の問題ではなくて、率直に申し上げてこの種の道路の策定、あるいは公共交通機関の策定、こうしたものを含めた総合的な問題が私はあると思うのですよ。いわば交通体系全体にやはり大きな問題点があると思うし、したがって、建設、環境、運輸、総合的な実は関連した問題点であろうと思うのですね。そういう意味合いからするならば少なくとも道路の問題だけでなく、まあ担当されているのは建設省かもしれぬけれども、いま申し上げてまいりましたように大変大きな関連を持つ問題である以上、この点についてはひとつ建設大臣自身も御努力をいただきたいと思いますが、重ねてひとつ御要望申し上げておきたいと思いますが、いかがでございましょう。
○国務大臣(渡辺栄一君) 先ほど申し上げましたとおりでございまして、今後検討さしていただきたいと思います。
○赤桐操君 それではこの湾岸道路問題についていろいろと御質問申し上げてまいりましたけれども、時間の関係もありましてこれで打ち切りたいと思います。考え方にかなりの食い違いが出ていることがおわかりであろうと思います。したがって、これらの問題点をそれぞれの立場で整理をしていただきまして、次回において再びまた詰めたいと思いますので、この点ひとつ質問を保留して終わりたいと思います。
○委員長(小山一平君) ただいま赤桐君の質疑が終わったわけでありますが、建設省あるいは環境庁、県、市等々の間の意思疎通が十分でなかったり、あるいは協力してこの問題に対処するというような点に若干問題があるようにも感じられます。次回には、それぞれ関係省庁、自治体等々の問で十分協議をされまして、大変むずかしい問題でございますから、議論が十分前進をして、国家的あるいは国民的重大課題である環境保全の前進が見られるように、御努力のほどをお願いいたしておきたいと思います。
○沓脱タケ子君 それではきょうは、私、交通安全対策というのはずいぶん多岐にわたる問題を抱えておりまして、いろいろな点でお聞きをしたかったのですが、大衆輸送機関の一つでありますタクシーの問題について限られた時間でございますので、お尋ねをしたいと思っております。 初めにお伺いをしたいと思っておりますが、タクシーは今日、大衆輸送機関としての任務を果たしておりますが、この中で一番重点的な課題というのは、何といいましても乗客の安全輸送、安全運行が第一であろうと思うわけでございます。少なくともそのためには、道路運送法あるいは道路運送車両法等の運輸関係法令、これはまあもちろんのこと、それから労働関係法令が守られるということが当然の前提であろうと思うわけでございますが、そういった点で、まず、大臣がおられたらお聞きしたいところでございますが、運輸省の御見解をお尋ねしたいと思います。
○政府委員(飯島篤君) 先生いま御指摘のとおり、タクシー業は、鉄道やバスによりがたい需要に対しまして、機動的なきめの細かな輸送サービスを提供いたします個別輸送機関といいますか、あるいは面的な輸送を担当します輸送機関でございまして、それなりに公共性が非常に高い機関でございます。それで、道路運送法なり、労働関係法令なり、当然遵守しつつ、質の高い快適なサービスを提供すべきであるというふうに考えております。
○沓脱タケ子君 それで、限られた時間でございますから、具体的に聞いていきたいと思うのです。 その一つは、和歌山の有田交通というタクシー会社、これの問題についてお聞きをしたいのですが、まず最初に労働省おいでいただいていますか−労働省にお聞きをしたいのですが、昭和五十四年の三月に、この有田交通の一人の労働者は、割り増し賃金を支払えということで、労働基準監督署に申告をいたしました。これに対して七月の三十一日に監督署は是正勧告を会社に出したのですね。そのときに、いわゆるリース制の導入など就労条件が大幅な変更をしているということで、この変更に伴って就業規則を出せと言って会社に指示をしたんですね。ようやく出てきたが、余りに内容が不備だということで、もう一遍出し直せと言って監督署からは突っ返した。ところが会社は、その後、いまだに就業規則を提出していない。五百人も労働者がおるのですが、だれひとりとして就業規則のようなものは見た人がないという状況なのですが、こういう就業規則の作成、届け出の義務というのは法律で、労基法の八十九条に明確に決められていると思うのですが、これに違反をしていると思いますし、それから周知徹底の義務もございますね、百六条には。それにも違反をしていると思いますが、労働省の方の御調査ではどうですか。
○説明員(岡部晃三君) 有田交通に関します労働基準法違反の問題につきましては、先生お話しのとおり、五十四年の四月に申告がございまして、七月に労働基準監督署から是正勧告をいたしております。ただ、この問題につきましては、申告の取り下げがなされましたが、さらに十一月に申告がございまして、さらに十二月に、御指摘のような就業規則関係で是正勧告を行ったところでございます。しかしながら、その勧告に対しまして現在適正な内容の就業規則の提出がいまだにないという状況でございまして、この辺につきまして現地の労働基準監督機関におきまして、さらに監督を重ねているという段階でございます。
○沓脱タケ子君 それで、ここの有田交通というところは、五十四年の五月からいわゆるリース制、利益還元制とか言われるのですが、リース制を導入したのですね。その後、五十四年の八月から料金の値上げがあったということで、売上額の二%、法定福利費の千分の十五というふうなものを、従来の固定経費その他にさらにプラスして給与から控除をするというので、これに加えて燃料費の高騰、こういうものが加えられますので、大体賃金というのは受け取ってみないと、受け取るまで何ぼもらうのやらわからぬということになっているわけです。で、これも当然のこととして、十五条では「労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件」の明示の義務があるわけですけれども、これも依然としてこういう状態が続いている。で、私は一つずつ挙げればずいぶんあるのですが、たとえば勤務時間が全然決められてない、休日が週一回決められてない、有給休暇もない、割り増し賃金も支払われていない、こういう状況になっているようですが、労働省の御調査でわかっている違反事項ですね、簡潔にちょっと述べてください。
○説明員(岡部晃三君) この問題につきまして、現地の局署におきまして鋭意監督指導に努めているところでございます。したがいまして、まあ結論は近く出されると思いますが、それまでの間結論めいたことをここで申し上げるのもいかがかと思うわけでございますが、しかしながらいままでのところ、中間的な報告に私ども接しております限りにおきましては、法律の十五条関係、すなわち就業規則の関係、さらにこれは法律の八十九条あるいは百六条の周知義務にもかかってくるわけでございますが、そのような問題でありますとか、あるいはいわゆる三六協定、時間外協定なしに残業をさせる、あるいは休日労働をさせるということで、法律の三十二条、三十五条関係の違反、さらにまた安全衛生法十七条及び十八条に定めます安全・衛生委員会が設置されていない等の違反があるというふうに報告を受けております。
○沓脱タケ子君 労働基準法からいいますとここの労働条件というのは全く無法地帯のように思うのですが、この違反事項を大体いつまでに是正させるおつもりですか。 これは私どもの調査では、就業規則を出せというて、これでは不十分やから出し直せというて返したら出してこない、そういう状態のもとでは簡単じゃないと思うのですが、いつまでに是正をさせるおつもりか。 〔委員長退席、理事坂倉藤吾君着席〕 これ、ひとつはっきりしてほしいと思います。いかがですか。
○説明員(岡部晃三君) これは、現地における解釈あるいは取り扱い方針が決定をいたしますれば直ちにこれを行うということでございます。そのための作業を鋭意現地では急いでいるわけでございます。したがいまして、これはできるだけ急いでということでございますが、しかしながら、確定的な期日という判断は地方局署でございますので、ここで御答弁いたすことは差し控えさしていただきたいというふうに考えております。
○沓脱タケ子君 答弁を差し控えたいというて、こういう無法地帯のままで放置されて労働基準法があってなきに等しい状態というのは、できるだけ早くというふうなことを言うておったのでは困るのですよ、本当に。即刻改めると言うてもらわぬと実は困る。それを、言うのを差し控えますなんというたら、やるのかやらぬのかわからぬじゃないですか。監督署任せでは話にならぬということであれば、これは労基局から人を派遣して特別の手当てをしてでも指導する、聞かなければこれは送検したっていいじゃないですか。そのくらいの腹を持っておるのか持っていないのかということを聞きたい。はっきり言ってください。
○説明員(岡部晃三君) 私ども、労働基準法を施行いたす立場にあるわけでございますので、その違反につきましては厳正な態度をもって臨むということでございます。
○沓脱タケ子君 厳正な態度をもって臨むといったって、就業規則を出せ言うても出さぬというようなところをいまそのままにしておるのでしょう。そうでしょう。あるいはきのうやおとといと違うでしょう、さっき私が申し上げたように、あなたも言ったけれども去年ですよ。去年の七月の三十一日にそういうことを指導していまだに出していないのでしょう。それが厳正ですか、そのままほうっておるのが。そこを言っておる。はっきりしてもらわなければいかぬ。就業規則は出せ言うても出さない、労働時間は決めてない、週一回の休日も与えない、年休もやらない、残業や深夜勤務の割り増し賃金も出さない、こんなもの、あなた、労働基準法無法地帯と一緒じゃないですか。そうでしょう、どうなのですか。
○説明員(岡部晃三君) これは、労働基準法違反に対しましては、私ども先ほどから申し上げておりますとおりにこれの完全なる履行ということで行政を進めておるわけでございます。で、違反がございました場合には、私どももとより司法処分も含めてこれの取り扱いを検討いたしておるところでございます。
○沓脱タケ子君 当然のことだと思うのですよね。無法地帯であって放置されておるのだったら、みんな無法地帯になりますよね。だからその点は、法律の厳正な実施をやはりどこでもやっていただくということが大事だと思うので、司法処置も含めて厳正におやりになるというので、それはぜひやっていただきたいと思います。 で、ここの会社の賃金体系ですけれども、ここの賃金体系は私どもの調査では、乗客の安全輸送または労働者の労働条件、両面から見てきわめて問題があると思うのですけれども、ここの賃金体系はどういうふうになっておりますか。
○説明員(八島靖夫君) 有田交通の賃金体系につきましては、私の承知しておりますところではいわゆる運収還元制と言われるものだというふうに理解しております。運収還元制と申しますのは、言葉といたしましてはたとえばリース制とも言われております。いろいろな言い方がございますけれども、賃金体系といたしましてはいわゆる歩合給の一体系でございまして、水揚げ高から諸経費を差し引いた残りのものをば賃金として支給する、こういう形であるというふうに考えております。
○沓脱タケ子君 いわゆるオール歩合制と言われている賃金形態なんですね。 賃金台帳はそういうものを提出しておりますか。それは御調査になっていますか、なっていませんか。
○説明員(八島靖夫君) 私たち承知しておりますのでは、この有田交通の場合、賃金台帳には還元金と申しますか、先ほど申し上げたような形で計算しました額を基本給、皆勤手当などの形で振り分けて記載してあるというふうに承知しております。
○沓脱タケ子君 そうすると、タクシーの賃金形態というのは、これはおたくの方でもらった資料ですけれども、大体固定給だけの賃金形態、それから歩合給だけの賃金形態、それから固定給プラス歩合給という賃金形態、こういう三つの形態がとられている、その中でいま三番目に言いました固定給プラス歩合給という賃金形態というのが一番率としては全国的には多い、こういうことになっているのですね。 で、有田交通の場合は、いまの御説明ではどうなっているのですか、何か話がようわからぬ。還元制でやるということと、それで基本給やら残業手当やらあるのだという話、どっちがどうなんですか。賃金台帳にはどないになっているか。
○説明員(八島靖夫君) 有田交通の場合、現在の報告だけではここで自信を持って答えられませんけれども、基本給というふうな記載も賃金台帳にあるやに伺っております。したがって、その関係で見ますると一応固定給と歩合給の併用という形ではないかというふうに考えられます。
○沓脱タケ子君 そこが、まあ最初あなたの説明もちょっとあいまいになったのですが、しかし届け出は固定給プラス歩合給になっているのですね。そこが実はいわゆるごろ合わせなのです。これ、ちょっと資料を差し上げますわ。運輸大臣もごらんになるといいですな。労働省と、一部委員長のところにも上げてください。(資料を手渡す) 労働省が固定給と歩合給の賃金体系だというふうにおっしゃったのはそのとおりなのですね。ここが労働省へ届けているのは、ちゃんと賃金支給明細書というのでは基本給二万七千五百六十円、歩合給十五万六千八百三十九円、これは五十五年一月、橋本政彦という労働者の賃金ですが、深夜手当一万四千七百円、家族手当云々と、こうなっている。ところが、これがまさにごろ合わせで、実際にこれはあんたのところに届けてるのですよ。ところが労働者はこれをもろうていない、何をもろうているかというたら、お手元に渡しましたこれですわ、二重帳簿なんです。この橋本政彦という人の五十五年一月の賃金の中に入っている明細書というのはいまお手元へ上げたこれなんです。売り上げが五十一万三千七百円、そこからしP代五万二百三十六円引く、固定経費十三万七千七百円、それから売り上げの二%というものを差っ引く、それから売り上げの千分の十五を差っ引くということで支給額が三十万二千八十四円ということになっているわけです。 それで、この固定経費を見ますと売り上げから燃料代を引く、LPね。そのあとの固定費用というのは一体何やといって調べたら車の償却代、それから車の利息、年率一〇%ですが、車の償却と利息代、それからガレージ代、それからガレージ関係の電気、ガス、水道代、それから間接人件費ということで雑仕婦さん、これ社長のお宅の近くらしいんで社長さんとこのお手伝いさんも含めてやっておるのだそうですが、そういうものも含めてそれ以外に法定福利費も含まれている、それが固定経費ということで一括差っ引かれる。その上に二%というのが引かれているのですが、この二%というのは何や言うたら昨年の七月からタクシー料金を上げておるのですね。それで八月から水揚げが上がるから二%だけ差っ引かしてもらいますといって差っ引いている、千分の十五も何やわからぬのだけれども、差っ引かせてもらいますというて差っ引かれている、こういうことになっているわけなんです。 ですから、役所へ届けるのは確かに固定給プラス歩合給に見えるようなこういう賃金支給明細書を出しておる。本人に渡しているのはこれなのです、お手元へいっているでしょう。こういうふうに二重帳簿になっている。それはいかにでたらめかという証拠なのですが、いま申し上げた橋本政彦という労働者のこの明細書、お手元にあるでしょう、五十四年の十一月、十二月、五十五年の一月、この三カ月分見ましたら残業手当というところが一万四千七百円という一律になっている。タクシーの労働者の残業手当で、しかも十一月、十二月、一月が一律一緒というのはいかにでたらめかという証拠なのですが、そういうことになっておる。この二重帳簿制のやり口にメスを入れなかったら大体労働条件の実態把握はできないと思うのですね。労働省、ここにメスを入れて調査なさる必要があると思いますが、どうですか。
○説明員(八島靖夫君) 賃金の支払い方、賃金の体系あるいは賃金の制度、いろいろな言い方がございますけれども、これにつきましては、基本的には労使の話し合いによる、労使お互いにお話し合いくださって納得のいく線でもって支払い方、体系、制度というものを決めていただくというのが基本であると思います。 そこで、私ども労働省の立場といたしましては、そうして決められました制度の上に立ちまして労働基準法上の規定に違反のないような形で賃金が支払われるということを確保する、こういうことだというふうに考えております。
○沓脱タケ子君 そうじゃないよ。まず帳簿を二重にして官庁に届け用と労働者に渡す賃金票との別々になっているという点、こんなことあっていいですか、そんなことがあってもいいのですか。都合のいいように官庁へ届けさえしたらよろしいか、私はそんなことはよくないと思うんだよ。どうなんです、労働省そうやってもいいのですか、全国の会社がみんなそないしてもよろしいか。
○理事(坂倉藤吾君) 質問にきちっと答えてください。
○説明員(岡部晃三君) もしその内容が何らかの法律違反を構成するようなものであれば、これはまさしく問題でございますが、その様式をたとえば簡素化、簡略化したとかいうことだけで直ちにその問題が生ずるかどうかはこれは別問題ではないか、こういうふうに考えるわけでございます。ただいまのこの二つの形というのは、私ども一つの方しか実はいままで拝見しておりませんでしたので、もう一つの方と照らし合わせてその結果どう判断すべきかというのは、これは検討をさせていただきたいというふうに考えております。
○沓脱タケ子君 あんたのところにこれが届け出ているから、固定給と歩合給制度をとっているというてるのですよ。労働者に渡しているのにはこれはあんた残業手当もなければ割り増し賃金分もないですよ、休日出勤分もないんです、家族手当分もないんですよ。実際に何にもないのです。これは車を借りて名義貸しじゃないかと思えるような姿にまでなっておるのです。だからあんたのところは労働基準法違反をたくさんやっています、つかんでいますというているんです、片方では。そのことを賃金では裏づけているから言っている。ところがそれをごまかすような賃金明細書というものを届け出をしている、こんなことを許してよろしいかと聞いている。はっきりしているじゃないですか。片方では休日も認めてない、割り増し金もつけてない、労働基準法違反がいっぱいありますとさっきあんた答弁したばっかりや。その上賃金票にはこないに出ているんだ。それを裏づけるような賃金支払い形態になっている。そうでしょう、片方では労基法の違反は厳正にやります、賃金にそれがあらわれていて、しかもそれをごまかして届けているのは、それはしかし労使の間で決めていることだからしょうがおへんと、そんなあんたじゃらじゃらしたことないでしょう、そこははっきりしてください。
○説明員(岡部晃三君) ただいま拝見いたしました限りにおきまして、おっしゃるとおりたとえば残業手当が幾らになっているかという欄もございません。したがいまして、これはいわゆる先生先ほどから御指摘の運収還元制の形の支給票であるというふうにわれわれ理解するわけでございます。しかし、その運収還元制そのものにつきましては私どもそれが往々にしてたとえば名義貸し等の形態につながりがちである、あるいはまた労働基準法上のいろいろな諸規定に問題を生じがちであるということで、そういうことのないようにということでこれを指導しているところでございますが、もしこの内容を精査いたしましてそれが基準法上の問題があれば、それも当然のことながら私どもの行政措置の対象になるということでございます。なお、これは当然のことながら現地におきまして十分現在調査が進行中であるというふうに考えております。
○理事(坂倉藤吾君) 時間が来ました。
○沓脱タケ子君 このオール歩合制というのはこんなことになるのですよね、時間がないからもう細かくいきませんけれども、たとえば労働基準局長通達で二・九通達というのがありますな。あの二・九通達では賃金形態は、これはあんたのところの通達に書いてあるけれども、固定的給与というのは六割を定めると。それから刺激制度を廃止せよという通達をお出しになっているでしょう、二・九通達では。ところがオール歩合というたら、これはもう刺激的制度を廃止どころじゃない、オール刺激制ではありませんか、これね。抜本的に改めさせなければならぬと思うのですけれどもどうですか。
○説明員(岡部晃三君) 私ども新しい二・九通達におきまして、六割以上の賃金が保証されるようにということが一点。それからもう一つ、累進歩合制度は廃止するということをうたっているわけでございます。先生御質問のオール歩合制というのは、これはいろいろな内容があるわけでございますが、いわゆる単純オール歩合制は、これは特に刺激的なものというふうには私ども考えておりません。これが累進歩合制あるいは奨励加給というふうな形になりますというと、これは刺激性がきわめて強くなりますので、これにつきましては廃止を指導いたしておるところでございます。いずれにいたしましても、先生御指摘のように賃金のある一定部分が保証されるように、あるいはまた、きわめて刺激的な賃金制度というのはこれを廃止するようにというのが私どもの指導の要点でございます。
○沓脱タケ子君 それで、四十六年の十二月の二十日付で労働省の労基局長から運輸省の自動車局長あてに要請書が出ているんですな。「ハイヤー・タクシー運転者の労働条件の改善について」と。このうちの(2)というところを読みますと、ちょっと短いから読みますが、 最近業界の一部において賃金支払形態の一つとして、いわゆる利益分配制(リース制、M・K方式などとも呼ばれる)と称する制度を採用する事例が増加しつつあるところでありますが、これらのなかには、道路運送法で禁止するいわゆる名儀貸し的色彩の強いものもみられるとともに、これが運転者を刺激することにより、走行キロ数の増嵩ひいては長時間労働に陥りやすく、労働条件の確保の面からばかりでなく、交通事故の防止、乗客サービスの向上、さらには事業の公正競争の確保の面からも看過できないものがありますので、これらについては道路運送法の観点から十分指導監督されたいこと。 というのが出てますね。全くこれにぴったりなのですけれども、この通達というのですか、運輸省の自動車局長あてに出しておる要請というのですか、こういうものについては労働省はいまでもこういう状態は好ましくないと思っておられますか。
○説明員(岡部晃三君) そこに書いてあるとおりの考え方でございまして、それが名義貸し的なものになったり、あるいはまた長時間労働に陥ったり、こういうふうな弊害は排除されなければならないというふうに考えております。
○沓脱タケ子君 運輸大臣、労働省にお聞きをしてみたところを聞いていただいていたと思うのですけれども、こんな話を聞いてどう思われますかな。冒頭に私、タクシーという大衆輸送機関というのは乗客の安全輸送とサービスというのが最重点の課題だろう、そのためにはいわゆる運輸関係法令あるいは労働関係法令というものを遵守するということが前提条件だろうということをお聞きをしたわけですね。局長もそうだとお答えになっておるのですが、いまちょっと申し上げておりますように、少なくとも労働法規に関してはそのほかにもあるのですが、いま申し上げた労基法の関係から言いましても全く無法状態。運輸関係法令についてもこれからちょっと申し上げますけれども、ずいぶんたくさん問題があるのですが、こういう状態をお聞きになって大臣どないお感じになりますか。
○国務大臣(地崎宇三郎君) 道路運送法で禁止されております名義貸しのようなものがあると判断いたしますならば、厳重に対処してまいりたいと思います。
○沓脱タケ子君 もうちょっと詳しく申し上げましょう、それじゃ。 ここに大阪陸運局の和歌山県陸運事務所長の名前でことしの二月十四日付で「タクシーサービスの改善について」という通達が出ているのですね。これは長いから全部読めませんが、最後のくだりにこう書いてある。 また、業界の一部にリース制或いは利益還元制と称し、事業主自らが負うべき社会的責務即ち、運行管理、整備管理、労務管理、車両管理等の管理行為を放棄し、これがため運転者にする安全輸送及びサービス改善に係る指導徹底の欠除等の申告もあるので、今後はかかることのないよう事業の適正化は勿論、街頭指導の徹底、運転者に対するサービス改善指導の徹底等を強力に推進されたい。 と、こんなのを出しているのですがね。ところがここの会社を見てみますと、さっきもちょっと言うたように、名義貸しの疑いさえもあると。それから御指摘になっておる運行管理の問題ですけれども、大体運行管理というけれども、点呼なんというのは土曜日に一遍するらしいですけれども、土曜日の朝、五百人労働者はおるけれども出てくるのが四、五人やという。大体、就業規則がないから出勤時間は決まってないのですよね。何時間働こうが勝手なのです。水揚げをできるだけ上げるというためにもうそんな点呼みたいのに行っていたら走られへんということで行かないわけですから、土曜日の朝の、週に一回の点呼はもう四、五人しか寄ってこぬと、そういう状態なのですよ。ですから、安全運行だとか事故防止対策、接客サービスについての指導をタクシーの労働者にやるといったって、それはできへんがな。指導の徹底というのはまずできない。それから整備管理はやってなくて、やらなければいかぬと言っているけれども、整備管理といったらどんなことになっているかいうたら、定期管理なんということはやってない。少々ブレーキが甘かろうが何であろうが自分の腕に任してまだいけると思ったら走っておる。これは労働者の話なんです。ですから、これは安心して乗られない。それから車両管理はどないなっているかいうたら、大体夜は車庫へ入るということになってない。車庫へ入ろうが入るまいがよろしいと、いつ走ろうがよろしいということになっているから、お金も毎日納めなくてもいいのですよ。まとめて持っていってもいい。ですからどういうことになるかというと、真夜中に走っていて自動車強盗に遭うておろうが、あるいは乗客を乗せて山道を走っておって谷底へ転がり落ちておろうが、これはわからない。大体車は帰ってこないのだから。きょうはあの労働者は帰って来ないのやなあということで済んでしまう。そういう状態なのですね。労務管理という点では、さっき労働省にお聞きをしたとおり全く無法地帯。こういう状態なのですよ、ここはね。大臣こんな業者をよく認可してきたなと思うのですけれども、これでは国民が安心して乗れないのですよ。運輸省はこの状況を知っていますか。
○政府委員(飯島篤君) 有田交通につきましては、運行管理あるいは整備管理、そのほか先生がいま御指摘になったようなことが一部の営業所であることは報告を受けております。本件につきましては、五十三年の十月以降、和歌山県の陸運事務所の現地調査に基づきまして、業務の改善について所長から勧告及び警告、それから大阪陸運局長からの警告を行いましたが、その後も改善が見られないということで、昭和五十四年の六月、大阪陸運局が監査を実施いたしました結果、次のような違反事実を確認いたしました。 まず車庫が無認可で廃止されていた。車庫の位置が無認可で変更されていた。一部営業所において事業計画に従った業務の確保がなされていなかったというようなことでございまして、この結果道路運送法第四十三条の規定に基づきまして十両について六日間、六十日車分でございますが、車両使用停止処分を行いました。ところが、その後も一定の改善が見られただけで期待する改善が図られないということで、五十四年の十一月に再度監査を行いました結果、新たに次の違反事実が認められました。 一部の営業所が無認可で廃止されていた。一部の営業所において十分な休憩施設が確保されていなかった。一部の営業所において点呼が実施されていなかったというようなことでございまして、二十両について四日間、八十日車分でございますが、車両使用停止処分を行っております。また、本年に入りましてから前述の営業所等のほかに本社に対しましても問題点の指摘が一部からなされましたので、和歌山県の陸運事務所では本年の三月、陸運事務所に呼び出し監査を実施いたしますとともに、四月一日に監査内容を踏まえまして点呼の実施、連続勤務の是正、乗務記録の正確な記載及び定期点検整備の実施の四点について会社を指導いたしております。これを受けまして同社から四月十七日改善報告がなされておりますが、その事実関係について関係書類の提出を求めて調査を行っておるところでございます。結果についてはまだ私の方へ報告は上がってきておりません。本件につきましては関係行政機関で現地で総合的に対処する必要があるということで和歌山県、労働基準監督署及び陸運事務所の三者からなります連絡協議会を設けまして問題解決に努力をしているところでございます。
○沓脱タケ子君 大臣いま聞いていただいたように、おたくの方でも大分手をやいておられる業者なんですがね。私はこんなふらちな業者がよくも認可されてきたものだと思うのですね。本当に不特定多数の国民がタクシーを安心して利用できない。実際労働者はどうなっているかといいますと、とにかく走れ走れコウタローじゃないけど、毎日毎日多い人は五百キロずつ走っておるのですよ。それでもうとにかく水揚げを揚げなかったらどんどんどんどん削られるから手取りがない、ひどい人は最賃制の水準以下の賃金の人がおるというのですからね、労働者の中に。そういう状況までこれは基準局がつかんでいるはずですよ。そういう人さえおるという状況だからとにかく走れ走れ、休んでいたらあかんということで休みはとらない、年休はとらない、夜は寝ないで走る。まあちょっと眠とうなったら車をとめて二、三時間寝るということですから、これは安全運行のための注意義務などということは、そない疲れて眠とうなったらもうしようがないですわね。安心して乗れないという状況になってきているわけです。 そこでもう時間もありませんので、私は特にいま局長がおっしゃったように労働省とも一緒に御協議を申し上げてといっておられるようですが、さっき私は労働基準局長から運輸省の自動車局長に要請文書が出ているということを特に取り上げましたのは、省から省へまたがってそういう要請がなされるというのは相当やはり思い余っての厳しい措置だと思うのですよね。そういう点が改善をされないということになりますと非常に問題だと思いますので、これは労働省と協力をしてぜひ抜本的に解決をしていただきたい。 最後に、私大臣に申し上げたいのです。たまたまこの有田交通の問題を取り上げましたけれども、こういうリース制、オール歩合制というやり方というのは、大阪でも東京でも兵庫でも、あるいは京都でも、やはり全国的に広がっていっております。そういう点では統計を見ましても、余りたくさんひっかからない官庁統計を見ましてもかなりな率が出てきている。そういう状況ですし、リース制というのはいろいろなやり口をやっておりますから、運輸省にしたって労働省にしたって、リ−ス制という基準の決め方がむずかしゅうございましてなどと言っているから、これはなかなか実態をちゃんとつかんでおらないと思いますけれども、全国的に広がっている。そこで乗客の安全の立場から言いましても、働いておる労働者の立場から言いましても、このリース制というのは非常に危険な側面を伴っているということを私は有田交通の実例で申し上げたわけでございますが、こういうリース制というもの、こういう賃金形態、こういうタクシー業界でのやり方という問題を運輸行政上検討する必要があるのではないかと思いますが、その点について大臣の御見解をお伺いしたいと思うのです。
○国務大臣(地崎宇三郎君) 大衆の交通、人命の尊重の上からいきましても、また労働者の労務管理の適正を守らなければならない経営者の立場から判断いたしましても、種々問題点があると存じます。十分御指摘の点について労働省とも相談をいたしまして厳重に対処してまいりたいと存じます。
○山中郁子君 バスの問題についてきょうは政府のお考えと施策の取り組みについて要望したいと思います。 総理府交通安全対策室が昨年の五月に「都市交通量抑制総合調査について」という報告書を、かなり大部なものを発表されました。この中で交通量の抑制策についてさまざまな考察を試みておられます。なかなかむずかしい問題もあるし、いろいろな面で示されているのですけれども、しかし交通事故だとか交通公害、エネルギーの節約など、効果を上げれば総合的な交通体系に大きな影響を与えるという展望も示していると言えると思います。初めにきょうは総務長官に交通量の抑制策についての政府としての基本的な見解を伺っておきたいわけですけれども。
○国務大臣(小渕恵三君) お話のありました交通量の抑制の問題につきましては、近年特に都市地域において総合交通対策の手段として大変有効だというふうに考えられてまいりまして、この点ようやく行政当局あるいは各方面、こういったところでコンセンサスができてきたのではないかと、こういうふうに考えております。そこですでに昭和四十九年度から十万人都市、五十二年からは十万人未満の都市にこの交通規制の方法によりまして都市部におきまして一定の削減目標を掲げて交通量の抑制が実施されておるところでございまして、総理府におきましては、自動車交通抑制に関する基礎的なデータを洗い出しまして、今後の具体的な施策のためのガイドラインとして役立てるため御指摘のありましたような調査を実施いたしてまいりましたが、今後自動車の公害対策、省資源対策、御指摘がありましたが、こういった面からも問題提起を勘案いたしまして、円滑かつ快適な交通環境の形成を進めていくことが必要であると考えております。いずれにいたしましても、りっぱな調査をいたしたと自負をいたしておりますが、このいたしました調査をこれから十分活用いたしまして、実効がある施策を各省庁にお願いをいたしまして推進していきたい、こういうふうに私どもとしては考えておる次第でございます。
○山中郁子君 もう一つ総務長官にお考えを伺いたいのですけれども、この調査もさることながら、いまの御答弁で具体的な取り組みを始められていらっしゃる、まだ見通しというふうなことについてはいろいろ簡単には出ないとは思いますけれども、私どもは実際問題として一市民として交通渋滞の中でもまれていると、なかなかこれは大変だと思うのですけれども、その点についてはどういう見通しを持っていらっしゃいますか。
○国務大臣(小渕恵三君) ちょっと御質問の趣旨を十分とり得ていないかと思いますが、この交通量を抑制しなければならない、これが総合交通体系の中で非常に重要なポイントであるという認識をしてきたということはいいことだと思うのです。というのは、どうしても便利ですから、少し繁雑になりましても混雑いたしましても便利な物は使えと、こういうことでいたしてきたわけですけれども、国民の中にもあるいは行政サイドでも、やはり抑制していかなければだめなのだと、こういう考え方でコンセンサスがまとまりつつあるということでございますので、この点非常に重点的な課題であるということで、ほかのいろいろな手段をひとつその考え方に立脚しながら立てていく必要があるのじゃないか、こういうふうに考えておる次第でございます。
○山中郁子君 この報告書の中でも、抑制策の一つとして公共交通の中でもバスについてかなりウエートを置いた考察もされているわけです。このバスのサービスの改善や充実が抑制策としての強力な手段の一つであるという趣旨も述べられていますけれども、このバスのサービスの改善や充実と交通量の抑制の問題との関係について総理府交通安全対策室としての見解をお伺いいたします。
○国務大臣(小渕恵三君) これも先生お読みだと思いますが、この二百ページになんなんとする報告書の中で、バス問題について約十五ページにわたりまして書かれておるわけでございまして、お話にありましたように、バス輸送というものが公共交通機関の中で重要な役割りを果たしておるというのは報告のとおりでございまして、すでに昭和四十五年二月に交通対策本部の申し合わせによりまして路線バス専用レーンの設置等いわゆるバス優先策を採用以来、道路交通法の改正を経て逐次実施に移されておるところでございます。今後とも公的な輸送の確保が必要であるということは当然のことでございますし、バスについては何らかのさらに効率的活用、利用するというような措置ができるものかどうかというようなことを含めてこの調査報告書でもいろいろな報告がなされておるわけでございますので、それを十分分析いたしまして、効果的なバス利用というものについてさらに真剣に取り組んでいく必要があるというふうに私どもは思っておる次第でございます。
○山中郁子君 それで運輸省にお尋ねをいたしますけれども、この公共交通、とりわけバスですね、サービス改善の問題としてたとえばダイヤ路線を初め車両や運賃など利用者本位のものにしていくということが大変重要で、それが結果として利用者の増加とか、それからそれに基づく経営の改善、そしてマイカーなどの利用者も減ってエネルギーの節約にもなると、こういう方向へ結びついていくわけだと思うのですけれども、そのためには適切な国の助成ということも大変必要になってきていると思います。そこで、この問題について運輸大臣から基本的なバスのサービス改善に対する立場を初めにお伺いをしておきます。
○国務大臣(地崎宇三郎君) これからの交通政策の方向は、省エネルギーを初めといたしまして、環境保全等の見地から効率的な公共交通機関を中心とする交通体系を形成していくことにございます。私は、この基本的な考え方に立って御指摘の点を含めた公共交通の充実を図り、国民の円滑な日常生活に必要な輸送サービスの確保に努めてまいりたいと存じます。
○山中郁子君 具体的な点についてなのですけれども、バスのサービス改善の第一点として、車両の整備改善の問題があります。運賃の査定ともこれは大いに関係してくるものだと思いますけれども、各社の運賃改定の際などには車両の購入計画が出されているはずで、こうした車両の購入計画も当然考慮に入れて運賃についての査定をされていると思いますけれども、その点についてのお考えを聞かせてください。
○政府委員(飯島篤君) 先生御指摘のとおり、運賃の改定申請が出ました場合には、車両の代替計画、これは輸送力の増強のための新車の購入と、それから耐用年数が来ている車の代替等があるわけでございますが、それについて審査をいたしまして、その推進方を強力に指導いたしております。また、その実施状況を陸運局等で逐次把握するように努めているところであります。
○山中郁子君 私は運輸省からも資料をいただいたりして調査をしてみました。で、やはりかなり計画どおりに整備をしてないという問題が出てくるのですね。首都圏及び東海地域の民営バス、具体的に私が運輸省から資料をいただいたりなんかして調査をいたしましたのは十三社に上るわけですけれども、神奈川中央交通、相模鉄道、京浜急行電鉄、東京急行電鉄、名古屋鉄道、山梨交通、静岡鉄道、京成、新京成、東洋、千葉中央、小湊、千葉海浜。京成以降はこれは千葉県です。で、この十三社で調査をしてみましたら、五十三年、五十四年度についてはつまり車両整備を計画どおり行ったところは四社しかないのですね。残りの社は計画どおりに行っていないのです。この中でも悪いところでは計画の六十数%という会社もあります。十三社を合わせまして五十三年から五十四年の両年で計画の未達成台数は百五十九台に及びます。これは大体一台約八百万円といたします。これは申請その他のベースがそうなっておりますから、八百万円としますと十二億七千二百万円という金額に上るわけですね、百五十九台で。これは特に私は悪いところだけ選んだわけじゃなくて、無作為に抽出した形で十三社の資料をいただいたわけです。これが全額とは言いませんけれども、こうした費用は運賃の中に含まれているという理屈になると思うのです。これでは水増し運賃を利用者が払わされているということにもつながってくるのですけれども、運輸省はこうした事態はどのように把握をされ、どのように考えておられるかお伺いをいたします。
○政府委員(飯島篤君) 先生に差し上げました資料は申請の段階での申請者がつくった計画の資料でございます。私どもが運賃を査定をいたすときには、過去三年間の実績を参考にしまして個々の具体的な系統等についてその必要性あるいは可能性を審査いたします。したがいまして、ここで目立ちますのは、神奈川中央交通が二百二十一両に対して百四十八両しか実施していないというところが非常に大きくいまの数字に響いているかと思いますが、したがいまして、あとの過去の実績を上回る分については、企業努力に期待するという形になっておるわけでございます。 一般論としまして、バス会社としては車両の代替増強のほかに、バスレーンその他サービスの改善計画をいろいろ持っております。どのサービス改善を優先的に実施するかというような問題もございますし、それから私どもが査定で見ましたときの人件費あるいは特に最近は燃料それから車両費等が高騰してきております。そういう場合には、資金的な余裕がなくなってまいりまして、申請どおりの計画はできない場合があるかと思われます。なお、具体的に、神奈川交通につきましては、計画になかった車両の改良をかなりな規模で実施いたしておりまして、低床、広幅に改良してサービスを向上させるという努力をいたしております。しかしながら、先生御指摘のとおり、今後できるだけ車両の代替増強について努力するよう各社を指導してまいりたいと考えております。
○山中郁子君 あなたのおっしゃったようなこともあるのだけれども、結局会社は値上げを申請するときに、こういう計画を実施するためには幾ら幾らに運賃を上げなければならぬからそれについて認可してくれと、こうなるわけでしょう。そして、たとえば私どももそうですけれども、住民の皆さんが会社と交渉したり説明を求めたりしても、値上げをするときはそういうことを一生懸命言うわけです。これは車両の整備の問題だけじゃありませんけれども。そして、後になって結果としては神奈川中央交通の場合には特に大きいですけど、こんな、ちょっとペテンみたいなものですよね。値上げするときはこれだけ車両もふやします、こういうふうに整備もしますと言っておいて、それで上げておいて、後になっていろいろな理屈をつけてそれができてないということは、やはり水増し料金と言わざるを得ないし、私も先ほど全額とは言わないと申し上げましたけれども、そこにいまお答えのあったような幾つかの要素があることは十分知っての上でございますけれども、それでもなおかっこのような形で水増し料金的な要素が利用者に負担として強いられているという状態は大変よろしくないと思いますので、その点については運輸省の厳正な指導、チェックを一層強めていただかなければならないと思います。 それから、特にこういう実態がありますから、運賃改定の問題では査定について、こういう点を踏まえた上での厳正な査定というのが一層姿勢として求められているところだと思います。利用者サービスの改善をする上で、こういうことのないようなチェックや立入監査などが当然必要になってくるのですけれども、現場の陸運事務所の職員の数が実態から見て大変かけ離れて少ないのですね。これは運輸省も十分御承知のところだと思うのですけれども、輸送管理行政の体制は全国五十三陸運事務所のうち実に三十三事務所は総務課がなく、輸送課といっているのですから、結局庶務係とも並列した監理係という機構で、係長一人、係員一人がその一県全地域を対象として業務を行っている、そういうのが圧倒的に多いわけです。いま私、具体的に数字を調べたのですけれども、東京陸運局管内で職員数と車両数の推移を見てみますと、これも資料いただいて比較したのですけれども、昭和二十七年から五十三年までの数字だものですから、この二十六年間を比較しますと、車両数は二十五万台から実に九百六十四万台にふえているのですね。約三十八倍です。そういう増加なのです。この間、それじゃ対応する陸運事務所の職員がどういうふうに推移しているかといいますと、四百五十三人から九百三十九人にふえただけ、ほぼ二倍ちょっとですね。厳密に言うと二・〇七倍になります。これでは管理体制が不十分だというのは当然だと思うのですよ。まず、この辺の実態は運輸省はもちろんよく承知の上で、何らかの姿勢としては要員をふやしていくということについても努力をされていらっしゃるのだと思いますけれども、その点はまず運輸省にお考えを聞かせていただきましょう。
○政府委員(飯島篤君) 最初に御指摘の業界を今後申請の際の計画どおりにサービス改善を実施するように指導、チェックをすべきである。それから査定についてもその辺を十分考えてやるべきだというお話はそのとおりだと思っております。 それから監視のための立入監査等の実施に関連して陸運事務所の体制整備が車両増に追いつかないのではないかというお話でございますが、確かにいわゆる現場の業務量が著増するような、たとえば、車両検査、登録等については定員はある程度認めていただけるわけですが、こういった管理監督のための要員というのは、いまの情勢下では非常に増員が困難なのが実情でございます。 数字につきましては、先生の御指摘のとおりだと考えております。
○山中郁子君 一番最初に総務長官が御答弁くだすったように、そして膨大な調査の結果の中にも明示されておりますように、国としていわゆる交通問題の一つの基本のテーマであります交通量の抑制の問題との関連でも、公共交通機関、とりわけ、バスの充実強化、サービス改善が重要で強力な手段になり得るものだということをはっきりさせておられるわけです。そのサービス改善の問題に重要なかかわりを持つ管理体制が、いま運輸省みずからもお認めになるような、片や、車両は三十八倍になって、要員は二倍にしかなっていない、こういうめちゃくちゃな状態では、私はやはり国がこういう方向でさらに進めますとおっしゃることは、大変裏づけのないものになってしまいかねないということを指摘せざるを得ません。 行管庁においでいただいていますでしょうか——いま大平内閣は盛んに行政改革ということでいろいろな点でいろいろなことを大分見当違いのことばっかりやっておられると私は思うのですけれども、たとえば、この点につきましては、もっとやはり職員をふやして、最初に交通安全対策室の責任者である総務長官が言われたような点で整備充実、要員をふやすということも含めて当たるというのが行政改革という観点からも行管庁に踏まえていただかなければならないところだと思いますけれども、見解を伺っておきます。
○説明員(鈴木昭雄君) ただいまの陸運局及び陸運事務所の自動車関係の増員の問題でございますが、先ほど運輸省の方から御答弁もございましたように、車検、登録というような自動車の安全あるいは公害対策あるいは登録関係事務等につきまして重点的に従来から配慮してきたものでございます。 ただいまお話の公共輸送サービスの改善関係でございますが、五十年度以降見てみますと、陸運局において都市バスあるいは地方バス関係で五人、それから陸運事務所におきまして同じく十八人というような増員の状況になっておるものと考えております。 今後の問題でございますが、私どもといたしましては、全体の定員事情を勘案の上、運輸省の方の御要求を待ちましてその内容を十分詰めさしていただきまして検討さしていただきたい、かように考えております。
○山中郁子君 特に、業務の態様が質的に変化を大きくしたということなしに、多少の態様の変化はありますけれども、全部自動化するとか、そういうことなしで来ているにもかかわらず、車が二十五万台から九百六十四万台になって、人数がたった二倍にしかなっていないということは、よくよく行管庁としても認識をしておいていただきたいと思います。 バスの具体的なサービス改善の第二の問題なのですけれども、これは共通乗り継ぎの割引制度や共通乗車制度の拡充についてです。こういう問題はすでに四十六年八月二十日に運輸政策審議会の答申やさきの総理府の調査報告でも提言しているところですけれども、またいろいろ専門家の方たちが開陳されているところによりますと、ヨーロッパなどでも行われ、バス交通の利用者が大きく回復してきているという一つの手段にもなっているというように理解をいたします。運輸省がこういう制度をもっと拡充し、促進すべきだと思いますけれども、この点についてのお考えを伺います。
○政府委員(永井浩君) 御指摘の運賃制度の改正、改革と申しますか、そういった面で改革を行いますと、御指摘のような公共交通機関の利用は非常に促進されるであろうということは私ども認識しておるわけでございます。 そこで、いまお示しのありましたような共通乗車券とそれから乗り継ぎ乗車券の件でございますが、共通乗車券につきましては、これは申すまでもなく一つの路線に複数の企業がバスを運行しているという状態でございまして、これについては収入をいかに分割するかという問題がございますが、基本的にはわりあいやりやすい制度であると思います。そういうことで私どもも関係業者を指導いたしまして逐次共通乗車制度の普及を図っておるわけでございます。 それから、乗り継ぎ乗車券の問題でございますが、これは単に異種交通機関の運賃を足すというだけじゃなくて当然そこに割引制度というものが入ってまいるわけでございます。この場合には当然その分だけ交通企業が負担をする、逆に申しますと、単独の交通機関だけを利用する人たちの負担にもなるわけでございまして、その辺が非常にむずかしい。コンセンサスを得られるかどうかという点が一つございます。それからもう一つは、やはり鉄道なんかがかみますと自動販売機の改造とかそういった設備投資の問題もございまして、乗り継ぎ乗車券の場合にはなかなか普及がむずかしいということでございます。ただ、同一企業内でバスと鉄道とかあるいは鉄道と地下鉄といった例もございますので、可能な限りそういった情勢を見きわめまして進めてまいりたいと、このように考えております。
○山中郁子君 そうすると、一つはというか根本的にはやはり共通乗車制度をしても定期代が非常に高くなるとか、不評で余り利用されないとか、それから先ほどおっしゃった乗り継ぎの場合の割引制度、利用者のアンバランスな負担というのですか、そういうことをおっしゃっていましたけれども、これらのことはやはり国がそうした施策を推進するという立場に立って助成をされることによって解決して、かなり軽減されるということはあると思うのですよね。私はぜひともこういう交通の問題を大きな目で見て積極的にこれを改善していくような施策については国が助成措置も含めて応援をするというのですか、それが広まっていくようなそういう態度、姿勢で当たるべきだと思っておりますけれども、そのための国の助成措置などを促進、拡充するというお考えを持っていただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか。
○政府委員(永井浩君) 共通乗車券の場合には特に関係企業の負担増という問題は起こらないわけでございまして、収入をいかに両企業間あるいは多数の企業間で分割するかというだけの問題になるわけでございます。その点は特に先ほどの問題は出てこないと思います。 それから、割引を伴う乗り継ぎ乗車券の場合にその割引分だけ関係交通企業の負担増になるわけでございますが、この負担増につきまして交通利用者間のいわゆる内部補助と申しますか、そういった形、要するに他の利用者にも負担してもらって共通に利用する場合には安くするという考え方と、それから何らかの形で国なり公的な助成を行うという考え方と二通りあろうかと思います。原則として交通機関は運賃収入で賄うのが原則と私ども考えておりますが、そういった点もその負担がどのぐらいになるかという問題あるいはその共通乗り継ぎ乗車券を発行することによってどのぐらい利用増があるかといった総合的な点を勘案しないと何とも申し上げかねるわけでございますが、その辺は非常にむずかしい問題でございますので、今後の勉強課題として検討してまいりたいと、このように考えております。
○山中郁子君 ぜひそれは意欲を持って助成措置を含めて御検討いただきたいと思うのですけれども、私は共通乗車制度にしてもなぜ利用者が伸びないかというと、定期代が高くなるのですね、非常に。こういうことでやはり安くてそして便利にというのが基本ですから、その利用者がふえていくということも含めてですね。ですから、私はやはりこの問題にしてもそういう方向で国が積極的な姿勢で当たるべきだと思っております。その違いというのは、あなたがおっしゃったような違い、片方は割引制度ということが出てきますから直接的な問題が出てきますけれども、ともにやはり基本的な交通政策として運輸省が積極的に取り組むべきことだと思っております。たとえばパリなんかでは、グリーンパスといったかな、何かそういうことで全部共通したパスを発行している、買えるようになっている。それが大変安く、何にでも乗れる、それが利用者のサービスとしては喜ばれているし、それからまた利用者もそれで多くなるという状況が出ているというふうに伺っておりますけれども、それにもやはり国がかなり大幅な助成をしているのですよね。そういう姿勢でもって交通問題というのは公共的な基本的な問題ですから、当たっていただくべきことだと思っております。 運輸大臣、いま申し上げていたことはおわかりいただけると思いますが、ぜひ積極的に国の助成ということも含めて御検討いただきたいと思いますが、ひとつお約束を。
○国務大臣(地崎宇三郎君) 省エネルギー対策等もございまして、マイカーからできるだけ大量輸送のバスあるいは国鉄、地下鉄、こういうところへ輸送の中心を誘導してまいりたいというのが私どもの方針でございます。したがいまして、国の助成と仰せになりましたが、国の財政はなかなか厳しいものがありますので、これから十分勉強課題にしてまいりたいと存じます。
○山中郁子君 国の財政は厳しいといっても、国民のこうした利益になるものに重点的に使っていただくということによって大いに可能ですし、その辺は意欲的に取り組んでいただきたいと思います。 では、時間もありませんので最後に冷房車の購入の問題についてお伺いいたします。 最近徐々にバスも冷房車両が入ってきております。もちろんまだ不十分ですけれども。公共輸送の充実のために、やはりバスということをずっと推し進めていくためには、冷房車両ということも当然今後一層前進させていかなければならないことで、サービス改善の重要な一つの今後の課題になると思いますが、冷房車購入への補助制度の実現方もぜひ計らっていただきたいと思っておりますが、お考えを伺わせてください。
○政府委員(飯島篤君) 冷房車両の導入につきましては、実績をちょっと申し上げますと、札幌、仙台、新潟はちょっと北の方でございますので除きまして、その他の局の合計で、五十四年九月末現在、車で約一万二千両乗り合いバスであるわけですが、冷房化率は現在約二二%になっております。バス協会の資料を見ますと、五十年度ごろはこれが一〇%強でございましたので、かなり伸びてきていると。私どもは運賃改定の際、業界に対して車両の冷房化について努力するよう特に要望をいたしております。これは若干西高東低でございまして、東日本の陸運局管内のバス業界の対応は若干おくれているのではないかというふうにお聞きいたしております。 なお、助成につきましては運営事業振興助成交付金という制度がございます。先ほどから出ておりますのに関連して、車両を購入したり、あるいは施設を整備したり、たとえばバス停の屋根とか案内板とかというようなもの、それからこの冷房化等につきましてもこれを活用して若干業界の負担を軽くする、個々の事業者の負担を軽くするというようなことがすでに実施されております。
○山中郁子君 いまの経過とそれから実情をお話しいただきましたけれども、ぜひとも一つの、これから大きく推進していくべき問題ですので、国としての助成の問題の充実強化を再度要求いたしまして終わります。
○柳澤錬造君 道路公団の方は、日本道路公団——
○政府委員(山根孟君) 建設省はおります。
○柳澤錬造君 じゃそちらの方にお聞きをしていきますけれども、高速自動車国道、首都高速、それから阪神高速とか、あれがオープンしたときがいつで、そのときの通行料、それで現在は幾らになっているのかということを知りたいのですけれども。
○政府委員(山根孟君) まず高速自動車国道でございますが、名神の栗東−尼崎間が三十八年に供用をいたしております。以下普通車の料金水準でお答えをさしていただきますが、対距離制でございまして一キロメートル当たり七円五十銭でございました。これが供用開始をいたした当初の料金水準でございます。その後四十七年、五十年の料金改定を経まして、現行料金は昨年八月に改定をされました水準、キロメートル当たり十六円六十銭にターミナルチャージとして一台当たり百円を加えた額になっております。首都高速道路でございますが、このうち東京線でございますが、昭和三十七年十二月に一部区間が供用されております。当初は暫定料金でございましたが、昭和三十八年に本料金として百円、その後五回の料金改定を経まして現在四百円となっております。同じく首都高速道路の神奈川線でございます。昭和四十三年に供用をいたしまして、当時の料金水準が百円でございました。その後三回の料金改定を経まして現在三百円となっております。阪神高速道路でございますが、大阪地区につきましては三十九年に一部区間の供用開始をいたしました。当初は暫定料金でございましたが、三年後の四十二年に本料金百円になっておりました。その後五回の料金改定を経まして現在は三百五十円となっております。兵庫地区でございますが、昭和四十一年に供用開始をいたしておりますが、四十三年に本料金として百円設定をいたしておりまして、その後三回の料金改定を経まして現在普通車料金で二百円となっております。
○柳澤錬造君 五十三年度のところでよろしいから、高速道路の収入が全部でどのくらいあって、それをどういうふうに使ったのかという内訳を聞かせてください。
○政府委員(山根孟君) 昭和五十三年度の料金収入は、高速自動車国道につきましては三千二百八十五億円、首都高速道路におきましては六百九十七億円、阪神高速道路につきましては四百五十八億円となっておりまして、いずれもこれら道路の建設、維持管理に要する費用といたしまして、政府出資金、財投資金、縁故債及び民間借入金、こういったところから建設、維持管理等に要する費用が出されて賄われるわけでございますが、通行料金はこれらの償還に充てることに相なっております。
○柳澤錬造君 だからその内訳を、借入金のところにどのくらい返したのか、あるいは金利とか何かそういうものにどのくらいあれしたか、それから道路の維持管理でもって幾ら使ったか、大まかに分けてもそのくらいの区分がされるはずなのだから、それをお聞きしているのです。
○政府委員(山根孟君) 高速自動車国道について申し上げますと、実は五十三年度におきます総支出額が一兆二千四十八億円と相なっております。料金収入はこの総支出額の二七・三%を占めるわけでございますが、この支出額の主たる項目ごとに申し上げますと、維持改良費三百八十四億円、業務管理費、これは料金徴収あるいは交通管理に要する費用でございますが、二百十九億円、支払い利息に二千五百四十八億円、元金償還に二千八百八十六億円、建設費に五千四百三十二億円、その他五百七十九億円と相なっております。
○柳澤錬造君 法律そのものはいろいろ途中で改正されていると思うのだけれども、私が一番知りたいのは、高速道路をつくってその建設費の中から三十年なり何なりで償還するという面じゃ、先ほどお話があったように百円とか三百円とかお決めになるわけだ。それで償還をしていって償還が済めばそこは全部もう料金を取らないで普通道路と同じようにするというところにああいう高速道路、ハイウエーをつくる一つのねらいがあり、どこでもやっているわけなのですね。だから一度百円なり二百円なり決めたものがそれから後にそれが上がっていくというところが私は理解がつかないのです、そういうやり方というのは。ある程度償還されたから下がっていっても上がることはないわけなので、ですから、いま内訳を聞いてもこの一兆二千億何がしの中で次の建設費に五千四百三十二億も使うという、そういうやり方自体がおかしいと思うのだけれども、その点はどういうふうにお考えなんですか。
○政府委員(山根孟君) 有料道路の建設並びにその運営に要します費用は、道路を直接利用いたします利用者の料金収入によって賄い、償還をすると、こういうたてまえになっておるわけでございます。で、先生御指摘の個別採算制をとる場合には、まさに先生おっしゃるように物価等の水準が供用開始をいたしました時点と全く同じレベルの状態であり、かつ追加投資等も必要のないという場合には、なるほど先生おっしゃるような当初計画をいたしました償還期間内に当時設定をいたしました料金によりまして償還をし得るということに相なるわけでございますけれども、物価水準の騰貴あるいは追加投資等によっては、料金水準を上げてまいらなければ実際の運営ができないと、こういうこともあり得るわけでございます。 ただ、先生御指摘の点はプール制の問題であろうかと存じます。高速自動車国道及び首都高速道路及び阪神高速道路は、それぞれある種のプール制を採用いたしております。で、名神高速道路が当初開通いたしたときにおきましては、路線別採算制によって償還をすると、こういうのが原則であったわけでございますが、昭和四十一年に国土開発幹線自動車道建設法が改正をされまして、全国七千六百キロメートルの高速道路網を整備することが定められたのでございますが、こういった長期にわたる高速道路の整備を進めていくに当たりまして、どういう料金の設定方式をとるべきか、路線別採算制による料金制度には疑問を生じたために実はいろいろ検討が行われました。すなわち、昭和四十二年八月に、有料道路の建設を推進するに当たり、その合理的な経営及び効率的な利用を図るための料金制度はいかにあるべきか、こういうことにつきましての建設大臣から道路審議会に諮問が発せられまして、これは数年かかりましていろいろな角度から検討をされました結果、昭和四十七年三月に実はプール制に移行をしたということでございます。
○柳澤錬造君 それはわかっているからいいのだよ。そのことはわかって私は聞いているわけです。そのことがおかしいでしょうと言っている。結局、こういう便利なものをつくってやるかわりに、その利益を受ける人たちがそれだけのものは負担しなさいよといって有料にするわけでしょう。仮に一兆円でもってそこへ道路ができれば、それを利用する人たちみんながそのかわり割り勘で一兆円までを、まあ利子もかかるけれども、負担しなさいよと言って始めているわけですよ。ところが、いまのそのプール制のやり方でいけば、最初につくった道路は一兆円が全部償還もし、金利も償還もしても、まだお金を払わなければ通れないわけだ。何でお金を払わなければ通れないかといえば、それから次々と五千何百億からの新しい道路をつくっていく、これからつくっていく道路の資金を何でその人たちに負担させなければいけないのだ。そこが私はわからない。だから現実に、さっきも言うとおりその道路を使った人たちがみんなで割り勘で出したのだから、道路に投資したそのお金の借入金の償還に使わなければならない。そのうちの五千四百億円は次の道路の投資に使っているわけでしょう。そういうやり方だったならば、じゃ後からできた道路を走った人たちは、今度は、お金を納めるようになったらそのお金を首都高速なり最初の東名なんかを走った人たちに何か還元でもしなければバランスがとれないわね。それが私はおかしいでしょうと。だからいまのようなやり方をするならば、それはもう結局のところを言うならば、そんな有料制にしないで走りたい人を自由に走らす。そのかわり国民全部からそれだけの投資をするお金については税金でいただきます、そして国で全部それだけのものを出して道路をつくりますというのなら話はわかる。最初に道路ができてそこを走っている人たちが自分たちが便宜を受けた、そのために何がしかの通行料を払ってきた、払ってその道路を建設するための費用が、全部償却が済んでもまだお金を払っていく、そんな不合理なことがありましょうか、何でそういうことをするのですか、それは変える気がないのですかと言っている。
○政府委員(山根孟君) 高速自動車国道について御説明申し上げますと、高速自動車国道は本来各路線が連結をして全国的な枢要交通網が形成さるべきものであるということでございますので、その料金の設定に際しましては、なるべく一貫性、一体性を持たせることが適当であると、こういう点が第一点に挙げられようかと存じます。第二点は、建設の時期の違いによりまして、用地費、工事費等の単価がかなり変わっております。それによって建設費が影響を受ける状況のもとで事業採択の時間的順序の違いから料金に差が生じるというのは、やはり不都合がそれなりにあると、こういう点であります。
○理事(坂倉藤吾君) 答弁になってない。
○柳澤錬造君 いま委員長席からも答弁になってないというけれども、本当にそのとおりなのだ。 じゃ、今度は問題をかえて、公団住宅の所管もそうだと思うのです。それは政府のあれだといってもいいのですよ。公団住宅も同じように扱っているのですか。公団住宅は古いところは古いところでそのときの決めた家賃でやっているが、後からつくったのは建設費も高い、土地代も高くなりましたと言って二万、三万、四万、五万というふうに、後になった家賃は高くなるわけでしょう。プール制なんかしてないですよ。公団住宅の場合には、それぞれのところの建設費のコスト計算をして何十年償還からはじき出したもので家賃を決めている。同じ政府のやり方として何で道路だけそういう違ったやり方をするのですか。私がどうしても理解がいかないのは、もうみんな利益を受けた人たちが、その利益を受けるかわりに百円なり二百円、三百円なり払いましょうと言ってお金を払って通行している。それで全部終わらないだろうけれども、終わった上でもまだ今度は人様の道路をつくるためにその人たちがお金を払わされるなんて、そんな不合理なことはないでしょう。なんで均一性にすることに合理性があるのですか。よっぽどその方が不合理じゃないですか。だからいまの政府の皆さん方の考えでおやりになれば、一番最後にできた道路というものは、それを利用している人たちはそれこそ半分も償却しないうちにああ全部よろしいと、最後は全部一斉になってみんな無料にするわけですから、それこそ一割も償還しないうちにその道路はもうただになるわけですよ。その方がよっぽど不合理でしょう。ですから、ここでとやかく私は言いませんから、公団住宅の場合のやり方と全く違うことをやって、これはどちらかが不合理になるのだから、そういう点からいってもう一度御検討をいただきたいということだけ申し上げて、その御返事を聞きたいです。
○政府委員(山根孟君) この高速自動車国道におきますプール制の問題につきましては、大変長い時間をかけて議論をいたしました結果、先ほど申し上げましたような制度をとることが適切であろうということから道路整備特別措置法施行令の所要の改正を行って、四十七年十月以来プール制に移行いたしまして現在になっておるわけでございます。ただ、この問題は、高速自動車国道の主たる資金は建設段階におきましては財投資金が主でございまして、いずれにしてもこれは利用者の料金によって元利を償還すると、こういうことに相なるわけでございますので、この利用者の負担のあり方等、あるいは財政計画等の問題につきまして、現行の考え方がプール制を維持するといたしましてもいろいろ検討する点があるのではないかということで、現在いろいろ詰めているところでございます。
○柳澤錬造君 そこで自治大臣と運輸大臣が二人であなたの答弁聞いて笑っているのだから、もう私もそれ以上言わぬわ。何も長い時間かけて審議したからいい答えが出てくるとは限らないわけだよ。時間なんかそんなもの三日だっていい知恵が出てくるときもあるし、何年かけたってそんなものタラの頭で一生懸命やったってろくなもの出やせぬのだから。 私が言ったことがおわかりいただけたならば、それを一度本当にお考えいただきたいと思うのです。それでわからなかったら自治大臣にお聞きになってください、よっぽどおわかりのような顔しているのだから。 それで警察庁の方にお聞きをするのですが、もう時間をとっちゃうから。 東京の銀座だとか赤坂、六本木、新宿という繁華街、特に銀座のあそこへ行ってみたらわかるのだけれども、夜になるとあの電通通りですか、もうだあっと無法駐車というか違反駐車。それで私もタクシーに乗るからあれだけれども、タクシーの運転手さんに言われたのだけれども、それは一回行ってみてください。あのそばも通ってくれた。何であれかと言うならば、あそこは飲み屋さんやお店があるものだから、あそこがみんな警察に頼んで、商売なんで夜が来たらさっとすぐ乗れるように、余り取り締らぬでくれと言ってお願いしているからああいうことになるのですといっているのだけれども、その辺はどうなんですか。たまには取り締まりをなさったことがあるのですか。 それで、片や今度は関静なところなんというのにうっかりとめようものだったら、すぐ一一〇番かけられて、やられてしまうのです。だから、警察の皆さんも大変だと思うけれども、少し度が過ぎるので、その点についてのお考えをまず聞かせてください。
○政府委員(池田速雄君) 御指摘のとおり、繁華街につきましては交通の安全と円滑化の面から見ましても、他の交通への妨害度というのは大変高いと思われますので、これに重点を置いて駐車等の規制はやらなければならないというふうに考えております。 また、同時に生活空間でございます住宅地等につきましても、その平穏な生活を守るといったような観点から、たとえば緊急の消防車等も通れないというような状態になるということもまた大変危険な状態でございますので、駐車の規制をやらなければならぬというふうに考えておるわけでございますが、御指摘のとおり特に繁華街につきましては駐車する車が大変不特定多数のものが多いと、それから、そういった地域でございますので大変一時に多くの駐車の状態が見られると、こういうようなことから、これを徹底的に排除しますには、警察としましてもあらかじめ計画を立て相応の措置を講じ、措置と申しますのは事前の警告からいろいろな誘導その他の対策を考え、最後は検挙となるわけでございますけれども、検挙いたします場合にも、端的に申しまして、少人数の取り締まりでは全然らちが明かない。一台取り締まりましても、その車を移動させますといつの間にかまたすぐ後が座るというような状態等の繰り返しでございますので、やります場合には連続して徹底的にやらなければいけないと、こういったような方策を講じておるわけでございます。いま御指摘の点を十分配意いたしまして、今後とも悪質な違反につきましてはその排除に努力してまいるように努めていきたいと思います。
○柳澤錬造君 池田さんね、やはりまだごらんになっていないと思う。一度夜、特に九時過ぎぐらいの時間にあそこに行って歩いてみてください。悪質な、なんていうものじゃない。それは車に乗って通るといったって、通るのに困るくらいの状態で、ですからそういう点で私が一番心配するのは、何というのですか、いわゆるごね得というか、横着構えてなにしていると。もういま言うとおり、警察は少々の人数じゃ取り締まれないからといってほったらかしておる。それで、閑静なところにぽかっと行って何かとめたときになると、さあっと来てすぐぱくる。一週間ほど前にこれは地方におったときだってそうなのですけれども、ちょっと飯を食うといって、じゃあ運転手、おまえも来いやと言って、一緒に行って飯を食って出て、だからものの二十分ぐらいです。もうパトカーが来て通報がありました。私はバッジをつけてどうこう言いませんですよ。黙って私は口もきかないでおって、それで結局一札取られていたですけれども。だから、その辺がやはり手に負えなければそれなりの形をやって、一週間ぐらい徹底的に連日でもやってそして掃除をして、みんながなるほどなと思うようにせぬと、私、一々そんなあの人たちが警察に頼んでやっているとは思わぬけれども、しかしタクシーの運ちゃんがそう言うのだから、多少はそんなこともあるだろうということになっちゃうでしょう、それでみんなが見ていつ行ったってあそこがそういう状態だから、そういう点で、これは警察の威信にもかかわるのだからやってください。 それからもう一つ、これは麻布の方のあそこの高級住宅地で、西麻布の三丁目から元麻布の方へ抜けるところの通り抜け禁止ということをさせられておって、これも私は知っている者が、いつも近くにおるものだから通れないで不便を感じて、何であそこの住宅地におる人たちだけが通れて一般の車を通さぬというそういうことをするのですか、何かこれは警察でちゃんと、麻布警察署長の名前でやっているというこんな不合理なことはないと言ってきている。そこはどうなのですか。
○政府委員(池田速雄君) 先ほど御説明申し上げましたように、繁華街の駐車等の取り締まりにも重点を置いて今後ともやってまいりたいと思いますが、いまお話しの地区につきましては、これは東京において実施いたしておりますマイタウン規制と申しますものの一つの場所の例であろうかと考えます。 御案内のとおり、生活環境を、やはりこういった交通の激しいことによりますいろいろな公害的なものから守るというのもまた考えてまいらなければならぬ点でございますけれども御指摘の地区につきましても従来幹線道路等に囲まれております地域でございまして、その中の大変狭い道路、しかも学校等もある通りに通り抜け車両が大変多いと、こういったような状況等がございまして、その地区全体を考えました場合に、そういったやはり地区規制をやる必要があると、こういうことで実施されたわけでございます。 ただ、交通の規制でございますから、いろいろ御指摘がございましたとおり、その地区につきまして規制をやりますと、必ずしもその規制によりまして平等な環境が全部にできるというわけではございませんで、幹線がございますと、そちらの幹線の方に車は当然回るわけでございますけれども、その幹線の周囲の方につきましては、これまたいろいろ御不満が出ておるというのも事実でございます。現実にこの地区の問題につきましては、いろいろ規制実施されました後でも、受益といいますか、そういった面からの総合的な判断をした場合に一体どちらの方がいいのかというようなことが新聞等でも論争されまして、結局はやはり周囲の方を含めた全体の方の合意の上で最終的にはどちらがいいかということを判断すべきであろうといったような報道もなされておるのが実情でございます。私どもといたしましても、規制をやります場合には、事前に関係されますところにできる限り御説明申し上げ、いろいろな意味での影響を考えながら、しかも、その目的とするところに一歩でも近づくように考慮いたしながら規制を続けてまいりたい。また、規制が、一般論でございますけれども、どうしても不合理だということでございましたら、また、いろいろな目的に照らしながら、その事情の変わったゆえん等も考えながら、これを修正してまいるように努めているところでございます。
○柳澤錬造君 そんなことやっちゃいかぬと言っているのじゃないのであって、そういうことの必要なところはおやりになっていいと思うのです。だから、十分客観的にながめて、これも私のところへ言ってきているのは、麻布のあそこのところは偉い人が住んでいるからこうしているのですと警察は言うのですよ。それで、あの辺は私もよく知っているから、どういう方が住んでいるかは何人かは私も知っているのだけれども、まさかそんなことで警察は判断しているんじゃないと思うのです。しかし、そういうふうな声の出るようなことは、私はやはり政府であろうが警察だろうが気をつけなければいかぬ。私が住んでいるのは杉並だけれども、私道でもってそこへ出る人たちはみんなちゃんと固定資産税を納めているのですよ。しかしそこでは、その人たちならばだれでも自由にその道路通れるわけです。いまの麻布の通り抜け禁止といっているそこのところは、そこに住んでいる人たちだけが利用しているわけです。しかし、それは公道、公の道でしょう。その人たちが何も固定資産税を払っているのでも何でもないわけなのです。ですから、そういう点の扱いということを、やはり変な誤解やうわさが出ないように、客観的にながめて、ああなるほど、あそこはああした方が事故が起きないでいいし、そうなんだなといって理解されるような、そういうことをこれはぜひお願いします。やってください。 それから、時間がないからもうなにですけれども、運輸省と建設省の方にもう一度お聞きするのだけれども、一九七九年六月のILOの百五十三号条約、路面運送条約が採択されて、これは日本が批准してないのですけれども、労働省の労働基準局長通達が出されたのですね。これ運輸省や建設省にはそれを労働省がお出しになるときに何か相談があったのでしょうか。
○政府委員(飯島篤君) 新しい二・九通達につきましては、昨年の四月ごろから労働省において通達を改正するということで、改正の骨子、検討スケジュール等、説明をいただきました。また、その後は二、三回、検討の経過の説明を受けております。 ただ、本件につきましては、トラック業界というのは非常にむずかしいといいますか、複雑な業界でありますので、労働省におかれては、大手だけじゃなくて中小のトラック業界の意見、そして労働組合の意見等を十分聞いて、適正な結論を出すように要望をしてきたところでございます。
○政府委員(山根孟君) 労働省から御連絡を受けております。
○柳澤錬造君 労働省はいらっしゃるの——労働省としてお出しになるについていろいろ御相談があったということはいま御返事があったのだけれども、その対策上では十分大丈夫だというのでお出しになったのでしょうか。
○説明員(岡部晃三君) 非常に二・九通達の意味するところ、これは広範でございます。したがいまして、私どもそれの影響が非常にいま大きいということも十分承知しながら作業を進めてまいっているところでございます。その中で、これを厳密に実施した場合にたとえば休養施設の関係でございますとか、そういう問題、私ども労働省だけでは手がとうてい回りかねる点もございます。業界自身の御努力あるいは運輸省、建設省にお願いをしなければならないこと等々ございまして、その辺のいろいろお話も進めさせていただいているところでございます。この通達につきましては本年四月一日から一応施行ということでございますが、まず半年は準備期間といたしまして、今年の十月から本格的に監督指導に当たりたいというふうなスケジュールを組んでおります。それまでの間にさらに関係各省あるいは業界との接触を深めてまいりたいというふうに考えております。
○柳澤錬造君 これは運輸大臣の方に最後にお聞きといいますか、お願いをして。決して悪いことじゃないのですね。だけれどもそういうふうに条約もできてくるので、まだ日本は批准してないけれども少しずついろいろの条件をよくするように労働省は通達をお出しになった。で、建設省も運輸省もいや相談を受けましたということなのです。だけれどもあれをやるならば、高速道路だったら百五十キロごとに一カ所ぐらいのパーキングエリア、普通の一般道路でも三百キロ行ったところへ一カ所ぐらいそういうサービスエリアというかパーキングエリアというようなものをつくって、それで休憩ができるようなものをしてやらぬと、労働省がこれを出したって、じゃそのとおりだなんて休めないわけなのですよ。それでいま高速道路なんかも、夜間になるとパーキングエリアがもういっぱいになってあいていないのだそうです。それで民間がやっているドライブインなんかは、大型トラックのお客さんはお断りといって、もう場所が何しろないものだから断って入れさしてくれない。ですからそういう点でもって何か業界の方でも浜松と福島に自分たちでトラックステーションをいま建設してやっているということなのですけれども、そういういろいろ条件をやっていただくと同時にそれが実際に守れるように、片方でもって休憩ができるようなそういうものを並行して政策の中で取り入れてやっていって、そして運転手の人たちも十分休養もとれる、それでそういうことをいろいろおやりいただいて事故が起きないような方向に進めていただかなければいけないのですから、労働省は条約の関係でぼーんとこうやって出しちゃう、さあ、じゃ建設省の方はああそうかそうかじゃなくて、それなりに実際に守れるようなことを高速道路やいろいろなところをやっていただかなければいけないので、所管からいけば一番なには運輸省ですから、運輸大臣に特にお願いをしてその点についてよろしい、わかったと、御返事だけしておいてください。
○国務大臣(地崎宇三郎君) トラック輸送の重要性を考えまして、運輸省といたしましてもその運行に支障の生じないように運転者の休憩施設の整備等につきましては関係機関あるいはトラック業界と十分協議してまいりたいと存じます。
○柳澤錬造君 終わります。
○前島英三郎君 あとしばらくまたおつき合いいただきたいと思います。 現行の日本の交通安全対策は健康な人を中心に考えられてかつまた議論されているわけなのですが、本来は安全対策の基本には弱い立場の人たちをまず念頭に置くべきだというふうに私は思います。したがいまして、多くの障害者は交通安全の枠の外に置かれているのが実情なのですけれども、現在の交通環境の中に障害者が入っていくということはいわば命がけといっても言い過ぎではないと思えるわけなのです。 そこでいろいろな形の施策が打ち出されるわけですが、そこでまず真っ先に実は高速道路における停止表示器の取り扱いという問題が今度は三角板という形で実施されております。それに基づきましていま赤い三角板から、障害者の人たちが実際車の中から取り出して道路に出て、それを設置するのは大変危険であるというようなことから、一つの案が出てまいりましたのが停止表示灯ですね。そもそも停止表示灯ができたきっかけというのは、私はそのように理解をしているのですが、その辺はいかがですか。
○政府委員(池田速雄君) ただいま御指摘がございましたとおり、実は停止の場合には三角の停止表示板を考えていたわけでございますけれども、停止板を置くことのできない方もおみえになると、こういったような観点から、それではそういう方法でなくて、やはり停止というものをはっきり他の道路利用者にわからせる方法はないものかということを考えまして、そういう考えからこの制度ができたわけでございます。
○前島英三郎君 それができまして、身体障害者でみずから運転する人たちにとっては大変な朗報だったわけです。赤い三角板も大変業者の買い占めなんかがありまして、一時期は二千五百円、三千円という時代があって、いまは大変値崩れをしまして千円、千五百円という状況でございます。そこで、この表示灯がいま二社で販売されております。これが紫色の点滅するものですね。これがどのくらい売られているか御存じでしょうか。いま数でどのくらい市販されているか。
○政府委員(池田速雄君) 現実に販売されている数につきましては、私どももつかんでいないわけでございますけれども、ただこの製品につきましては型式の認定の制度がございますので、その型式認定の基準適合標章を通称TSマークと申しておりますけれども、そのマークにつきましては、すでに業界の方が十八万枚ほど準備されたというふうに聞いております。
○前島英三郎君 実はいま佐々木電機製作所というところから出ているのがパトライトフラッシュボール、これが七万売られております。もう一つがナショナルの方で販売されておりますのがクルクルライト、これが約十万です。で、さらに増産が行われております。どういう人たちが買っているかといいますと、暴走族がほとんどですね。さらに健康な人たちが、三角表示板はかっこうが悪いと、あれがくるくる回ってかなりの距離まで紫色が点滅するのです。私もときどき出会いますが、あれを屋根に乗っけて走っている車を徐行させまして一つの遊戯に使っているということを実際目撃したケースがあるのです。これは身障者の人たちが三角表示板であっては困ると、あれでは実際有料高速道路の中において停止して危険が伴う。しかもそれをまた遠くまで運搬して設置するのは大変だ、何とか考えていただきたいということでそもそもこの表示灯というものが生み出されたと思うのです。それはそういう理解でよろしゅうございますね。ところがこれを身障者のドライバーはまだ三割程度しか実際使っておりません。ところがほとんど一般のドライバーがこの表示灯を使用することによって、したがって三角表示板の値崩れ。そもそも三角表示板の方に主力を置いた部分がありましたのですが、この表示灯ということが一つのドライバーのおしゃれみたいな形になっていくということに対して私は実は大変遺憾に思うわけです。実際高速道路で車がえんこした、さあ大変だということで、何とか緊急に知らせなければならないし、手助けをしていただきたい、そういうときに、むしろ一般のドライバーの人たちに、ああ紫の点滅はハンディキャップを持っている人たちが実際に困って使っているんだなという、助けを求めるという一つの広がりというものを大変ぼくは期待したいにもかかわらず、むしろ暴走族と、そういう立場の人たちがこれを自由に、おもちゃというまでにはいかなくとも、大変広範にわたって市販され、いま約四カ月の販売期間で十七万個出ているということですから、これからどんどんもはや三角板という時代は終わってしまうのではないかということになりますと、若干やはり問題点はあろうかと思うのです。その辺大臣どう思います、いま私の経過の説明の中におきまして。
○国務大臣(後藤田正晴君) いま前島さんのおっしゃいましたように、一部の身障者の方で、同じように運転を認められた以上は余り差はつけてもらいたくないというような御意見もありましてね、それでこういうことになっているのだという報告を私は聞いておった。ところがいまお話を聞けば、やはりぐあいが悪いですね、おっしゃるとおり。しかもこれは量産体制に入ると、また業者がブウブウ言うに相違ないですね、これはやはりいけません。だから実態を私よく知りませんので、いま御説明のようなことであれば、これは早目にはっきりした態度を警察としてはとってもらわなければならぬと思いまするので、前向きに検討をするように警察当局に話をしてみたいと思います。
○前島英三郎君 これはたとえばだれでも使ってもいいじゃないか、身障者も使えるというものであればいいじゃないかという気持ちもわからぬでもないです。しかし日ごろは使うべきものじゃないのですね。道路において危険だからこそそれを使う。それがやはり私たちの特にハンディキャップを持っているドライバーたちにとっては大変な朗報だったのですが、結果的には非常に売らんかなということになってしまいまして、いま四カ月で十七万台の現状ですね。とすると、恐らく私はもう二十万、三十万、四十万という数になっていきますと、もう町じゅうが点滅しましてね、救急車のライトか何のライトかわからなくなるというような状況になるだろうと思うのです。私も実はそれを一度も使ったことはありませんが、持って一度テストしましたが、確かに非常にかっこうがいいのです。遠くまで紫色の光が飛ぶのですから、それはやはり若者たちが一つのおしゃれの中でこういうものを使っていってしまうという傾向は歯どめはできないだろうと思いますので、そもそもスタート点を考えていただきますと、これがこうした広範囲にわたって市販されてしまうのは、大変私は反省すべきではないかという点を感じております。その辺も含めてひとつ御検討いただきたいというふうに思っております。 さて、実は来年は国際障害者年であるわけですけれども、いろいろなそういう意味で障害者の移動と交通の問題というのは重要な課題でありますが、特にまた横断歩道という立場から考えていきますと、実は盲人用の信号機の設置に対しまして、規格が非常にまちまちであるのですけれども、盲人用信号機の設置状況及び規格の統一についてどうお考えになっているか伺いたいと思います。
○政府委員(池田速雄君) 目の不自由な方の道路の安全な横断確保をいたしますために、現在行っております第二次の交通安全施設等整備事業五カ年計画におきましては、その趣旨に沿った信号機を重点的に増設するように努めておるわけでございますが、現在二千二百十三基ほど整備いたしておるわけでございますが、今年度末までには総計いたしますと約二千八百基ほど整備する見込みになっております。なお五十六年度以降の計画におきましても引き続き設置に努めてまいりたいと思いますが、この盲人用信号機のシグナルにつきましては、現在のところまだ四種類ぐらいあると思っておりますけれども、これは従来各都道府県によりまして方式がまちまちでございましたので、関係者の方々もお集まりいただきまして委員会というものをつくりまして統一方につきまして検討いたしましたところ、方式を鳥の鳴き声これは「ピヨピヨ」と「カッコウ」でございますが、もう一つ、メロディー方式のものは「通りゃんせ」と「故郷の空」のメロディーでございますけれども、この二つの方式につきまして一県では一方式に限ると、こういう方針を打ち出しまして、五十一年度以降はすべてこの方式により設置することといたしております。ただまだそれ以前に設置されたものにつきまして早急に直すように検討いたしておるところでございますけれども、数字は押さえておりませんけれども、まだ若干のものにつきまして直ってない点があるやに聞いております。
○前島英三郎君 若干直ってないと思うのです。つまりメロディーがばらばらなのですね。これは四十七都道府県ありますけれども、それぞれの都道府県単位で考えることではなくて、やはり狭い日本なわけですからひとつ一声かけていただいてたとえばこういう曲にすると、中には鳴っているときは通っちゃいかぬというところがあるのです。つまり赤になると鳴る、ほかのところはほとんどが青になると鳴るのですがね、鳴っているときには通ってはいかぬというふうなところも古い形の中にあるのです。カラスなぜ鳴くの、「七つの子」とかあるいは「通りゃんせ通りゃんせ」とかあるいは「カッコウ」みたいに鳥の鳴き声とかいろいろあるものですから、実際上京をされてきた方が東京の信号機でとまどうなどというようなケースもございますので、これは簡単に統一化ということが進められるのではないかというような気がするので、ぜひともこれから信号機のあり方につきましては十分検討していただきたいというふうに思っております。 さらにそれと同時に点字ブロックの設置基準の統一もやはり目の不自由な方にとりましては足の感触の中でやることが一番大切な部分を占めておりますので、この辺はむしろ建設省で一つの見解をお持ちだと思いますので、その盲人用点字ブロックの設置基準の統一につきまして、あわせて整備状況につきましてお尋ねしたいと思うのですが。
○政府委員(山根孟君) 視覚障害者誘導用ブロックの設置の問題でございますが、これにつきましては歩道及び立体横断施設の構造についての取り扱いについてということで、昭和四十八年に課長通達によりまして設置参考例を示して各道路管理者を指導しておるところでございます。ただ御指摘のように地方自治体それぞれの管理者によりましては視覚障害者団体等の要望を取り入れまして独自の設置方法をおとりになっている例も実はございます。したがいまして設置方法の統一につきましては関係機関のコンセンサスも得なければならないこう考えておるわけでございますが、コンセンサスが得られるならば統一化に協力をしていかなければならぬこう考えるわけでございます。なお現在の整備状況でございますが、五十四年四月現在で枚数にして約百六十万枚で大体年間約二十万枚程度を設置しているという状況でございます。
○前島英三郎君 この点もむしろ警察行政と建設省のやはり連携を持ちながら規格の統一化ということを今後の設備に関しましてはひとつ御検討を重ねていただきたいというふうに思います。 大変歩道の幅が狭くてスロープ化の困難なところの改善策として、新宿などの一つの例としてマウントアップ方式、これは特に車いすの人たちが歩道から車道を渡って向こうの歩道に渡るというようなときに、歩道が狭いものですからむしろ車道の方をこんもり上げましてその歩道の高さに車道を合わせる、いままでは車道にどうしても歩道を合わせるという形をとってきたわけですが、どうしても無理がある。そこでマウントアップ方式というのがにわかにクローズアップされてきたと思うのですが、この辺の建設省の見解いかがでございますか。それの、たとえばマウントアップ方式のメリット、デメリットの問題もあろうかと思いますが。
○政府委員(山根孟君) 歩道等の段差の切り下げの問題につきましては、これも局長通達で四十八年から歩道及び立体横断施設の構造についてということで実施しているところでございますが、この実施に当たりましては、すりつけの勾配は車いす等が支障なく通れる勾配をとりまして、できるだけすりつけ区間に続けまして水平区間、横断歩道部分のまいります水平区間を多くとりまして歩道部と車道部との通行が無理なくできるように実は配慮いたしておるわけでございます。したがって、すりつけ区間、水平区間は歩道の延長方向に設けることになりますから、一般的には幅員の広い、狭いということにかかわらずできるものだというぐあいに考えておるわけでございます。 それからお尋ねの車道面を高くしてすりつけるという方法は、やはりその場所の道路の状況でございますとか交通状況等、あるいは排水の問題、いろんな諸条件によりまして必ずしもいつの場合にもそういうやり方が採用できるというようには考えられないのでございますけれども、私どもとしては歩道切り下げに当たっては現地に最も適した方法になるよう今後とも利用がスムーズにまいれるように配慮してまいりたい、こう考えておるわけでございます。
○前島英三郎君 乳母車を押した奥様や買い物バギーを引いたお年寄りや、それから自転車の皆さん、車社会になりまして、本来車というのは弱者のものだと思うのですが、どうも弱者が歩道に押し込められてしまいまして自転車が歩道を走る、その中をよけながらまた体の不自由な人たちが歩かなければならないということも何とも悲しい感がするわけでありますが、先ほど柳澤委員の方から銀座の話が出ましたけれども、私もちょうど昨晩銀座におりまして電通通りを十時から約一時間半、わずか二百メートルの距離を必死でもがきながら実は有楽町の方に抜けたところでございます。先ほども質問の中で痛切に感じたところでございますが、あの銀座の——電通通りではありませんけれども、銀座の一丁目から八丁目のあの通りに実は大変高い段差がございまして、特にあの段差の解消というのにはなかなか問題点があるやに聞いておるのですが、いまこの銀座通りの段差が約二十センチぐらいあろうかと思います。最も高い段差でございますが、この辺は建設省、今後スロープ化するというような計画がおありかどうか伺いたいと思います。
○政府委員(山根孟君) 銀座通り、それから日本橋−京橋通り、これは一体として接続をしておるところでいわば日本の代表的な通りであるわけでございますが、実はこの歩道の舗装には御影石などを使っておりまして、大変そういう意味ではそれなりの配慮がされておるわけでございます。このため、段差の切り下げについても地元の関係者の意見を踏まえながらその施工方法に関しましていろいろ検討を重ねてきておりましたために実はその実施がおくれてまいっておったわけでございますが、京橋三丁目から銀座八丁目の間については昭和五十四年度末までに完了いたしております。残る日本橋−京橋通り、つまり室町四丁目から京橋二丁目問でございますが、これにつきましては今後引き続いて事業を実施してまいりたい、かように考えております。
○前島英三郎君 まあ本当に車が多くなりまして、道路施設の改善の中でも横断歩道というものがだんだんなくなりつつある危惧をするわけです。横断歩道橋に対する考え方と改善策についてちょっとお伺いしたいのでございますが、実は大変広い通りは交通量がそれだけ激しいわけでありまして、歩道橋になっております。ちょっとその歩道橋から五十メートルぐらい離れたあたりに横断歩道などが併設されておりますれば、たとえば年をとった方々があの三十段ぐらいの歩道橋を渡っていくのも大変心労だと思います。もちろん車いすも、ながめるだけの歩道橋でありますから、あるいはそこに、まあ点字ブロックなどもあったりしてすべての人が、特に弱い立場の人たちがその歩道橋を渡らずに横断するというような手だてが講じられないものかという気がするのですが、その辺はいかがでございましょうか。これは警察……。
○政府委員(池田速雄君) 横断歩道橋につきましては、歩行者の横断の安全を確保して、また同時に自動車交通の方の円滑も図るという目的で設けられたわけでございますけれども、それなりに大変大きな効果を上げておりますけれども、一方では、いま御指摘のような体の不自由な方やお年寄りあるいはショッピングカーを押して通行する方等が、構造上場合によりましては大変利用しにくいと、こういったような面があるのも事実であります。したがいまして、私どもといたしましては、横断歩道橋の近辺におきまして、これらの方方が多いためにかえってその歩道橋が利用できずに危険になっておるというような実態のありましたところにつきましては、道路管理者の方と御相談いたしまして、できる限り横断歩道橋をスロープ式等に改良していただくようにお願いもいたしておりますけれども、これが困難だというふうに判断されましたところにつきましては、もちろん道路の機能でございますとか横断歩道橋の利用状況、横断される歩行者の質と量と申しますか、あるいは隣接の信号の交差点との関係等も十分考慮をいたしまして、必要と認められます場所につきましては横断歩道橋がありましても横断歩道を併設すると。ただ、その場合にはやはり危険があっては困りますので、信号機を設けるとかあるいはその他の安全施設を併置するとかいう形で実施するように指示しているところでございますが、現在東京の例で申し上げますと、横断歩道橋が千六十一あるようでございますけれども、そのうち歩道橋の直下に横断歩道を設けましたところが三十カ所。それから、すぐそこにはどうしても物理上その他で設けられませんで三十メーター以内に設けましたところが百八十カ所。両方合わせますと、約二〇%程度のところにはそういった措置が講じられておるというふうに聞いております。
○前島英三郎君 まああとの八〇%は、そういう意味ではなかなか横断するのが大変ですし、私は板橋に住んでおりますが、私のところもやはり歩道橋になりますから、前はぽんぽんぽんと歩道橋を、健康なころは何の気なしに渡っていたのですが、車いすになりますと、向こうの喫茶店へ行くのに実は車を利用しなければならないということになりますので、まあそういう意味ではなるべく併設されることが私は望ましいと思いますし、車社会、車社会で余りにも車の横暴だけに先行されていくようでは、ますます何か人間が片すみに追いやられてしまう。これも重大な交通安全対策の一つではなかろうかというふうに思います。 さて、その身障者の運転の場合に、駐車禁止除外車両が全国統一になりまして、大変喜ばしいことでございます。そこでさらにお願いということになりますが、実は駐車禁止除外車両の交付のそのステッカーが、それぞれの都道府県の公安委員会から出されておりますから、証書がまちまちなんですね。これが全国統一になったのですから、これをできるならば全国統一にひとつ均一化できないものだろうかという気がするわけなのです。ですから、それぞれの都道府県の警察署で、実際ちょっとしたことで駐車をしていて、実は東京で駐車除外車両のステッカーを置いてあったところが、東京の形と違うと。こんなのは見たことない、これは勝手につくったのじゃないかということで厳しく指摘されたというような例もございますので、これも簡単な作業でできるのではなかろうかと思いますので、公安委員長の立場でひとつ御配慮願いたいと思うのですが、いかがでございましょうか。
○政府委員(池田速雄君) 様式につきましては、すでに同じ型式のものを全国統一にいたしておりますので、あるいは従前のものをお使いになっている分があったかとも思いますけれども、なおよく調べまして斉一を期するようにいたしたいと思います。
○前島英三郎君 あるいは、もしそれがそういうようなことがあったというのであれば、障害者側にそういうまた部分があったのかもしれません。それはよくお調べいただきたいと思います。若干その辺の違和感がありましたので、いま提起したところでございます。 続きまして運輸省にちょっとお伺いします。運輸大臣にお伺いしたいのでございますが、来年の国際障害者年では、国連は五大目標を掲げているのですが、その第三項には「障害者が日常生活において実際に参加すること、例えば公共建築物及び交通機関を利用しやすくすることなどについての調査研究プロジェクトを奨励する」とあるのですが、運輸大臣はこれをどう受けとめ、どのようにこれから取り組まれるのか。特に地崎運輸大臣はいろいろ身障者問題に対して御理解あることでもう大変私たちも期待をかけているわけでありますが、いかがでございましょう。
○国務大臣(地崎宇三郎君) 運輸省は、従来より身体障害者の方々のための施設の整備等について努力をしているところでございます。従来からのその利便の改善、安全の確保については配慮してきているところでありますが、中央心身障害者対策協議会の検討経過を踏まえまして関係各省と密接に協議しつつ身体障害者の交通対策を促進してまいりたいと存じております。
○前島英三郎君 日常生活における移動の問題が大変大きな問題で、まあこれは先ほどからいろいろお願いをしていることにも関連してくるわけでありますが、特に鉄道、バス、空港、これらが大変大きな障壁の部分が多いわけなのですけれども、今後どう改善されていくか。たとえば空港ですが、成田空港はボーディングブリッジみたいなものがありますし、あるいは地方の空港におきましてはそういうものがあるところとないところ、まちまちですけれども、羽田などもいま空港の整備状況も着々と進んでいるようでありますが、一向にその辺の気配は感じられないものですから、まず空港の問題。 それから国鉄といたしますと、たとえば東京駅は一つの日本の鉄道の玄関でありますし、そういう意味では諸外国から来るいろいろな方々にとっても、まず東京駅から新幹線という希望が大変多いわけなのです。ところが、東京駅は御承知のように南口にまず集まりまして、そこから地下道を通りまして新幹線へ乗るのです。その地下道が、私も月のうちに五、六回は利用させていただいておりますが、大変悪臭に満ちております。と申しますのは、実は食堂とかいろいろビュッフェ関係の汚物がその間にいっぱい、こうなっておりますから、実にもう夏などは何とも言えない異臭の間を私どもは車いすで新幹線へ乗り込まなければならないというような状況でございます。まあそれは確かに場所がない、設置するところがないと言われてしまえばそれまででありますが、やはりそこは人間が通っていく現状をひとつ運輸大臣も一度御視察いただければ大変ありがたいと思います。 東京駅の問題もそうでありますが、国鉄については設備の問題もあると思うのですけれども、駅員の応対というものにも大変問題があるというふうに私は思います。 実は、昨年九月、全国から車いすの仲間が東京に集まりまして集会を開きまして、約五百人集まったのですが、いろいろこのときやりますと、民鉄と国鉄の差の、心の違いというものが余りにもはっきり出て、差を指摘する声が多かったのですけれども、こういう意味では今後はやはり、総理も日本型福祉ということを盛んにおっしゃっておりますし、たとえば、国鉄へ行く、そして車いすなんですがと言うと、いやいや介添えがなきゃだめだよと、私どもはここを離れられない、駅長室へ行ってくれというぐあいに、あちらこちらで全く手助けをしてくれないのが国鉄の場合の現状でございますので、そういう意味では、民鉄の方はやはり積極的にちょっとそこを違う人にバトンタッチをしてみんなが手伝ってくれるケースが大変多いのですが、そういう意味での心の改善を図っていただきたいと思うのですが、その辺はいかがでございましょうか。
○国務大臣(地崎宇三郎君) 前段のお話の空港等の設備はまだ不十分でございます。直ちにターミナルその他の建設時に改良さしてまいりたい、かように存じております。 また、御指摘の東京駅の通路の問題については早急に調査いたしたいと存じます。 また、いまの国鉄、民鉄とを比較してのサービスぶりのお話がございましたが、御指摘の点につきましては十分国鉄を指導してまいりたい、かように存じております。
○前島英三郎君 実は国鉄のことでもう一つ。「ひかり」の中には実は車いすの人たち、あるいは障害者の人たちの個室が七号車、九号車にございます。これが緊急の場合でも使えるようにならないかということでございます。というのは、実は昨日のことでございますが、名古屋から友人が出てまいりまして、事前にその通告がないから貸すわけにはいかぬと。つまり、使用できないことになっているらしいのですね。じゃ、どういうことかといいますと、よく彼に聞きましたら、実はそこは車掌さんたちがお使いになっているのです、車いすのマークがございますが。じゃ、車掌室はどうかといいますと、車内販売の品物がそちらに置いてあると。悪い言い方をすれば又貸しをしているのではなかろうかと彼は言うわけです。私はそんなことはあり得ないと思います。たまたま荷物がたくさんで車掌さんの部屋にそういうものが入っていたのかもしれませんが、しかし身障者のマークがあるところですから、そこに身障者が緊急に乗ったと、乗ったけれども、そこが身障者の使えるところであるというならば、私は素直に、事前に駅長室に連絡があろうとなかろうと使わせていただきたい。あるいは緊急時には赤ちゃんの授乳みたいなときにもお使いになるケースというのも伺っておりましたので、やはり、事前にあるなしにかかわらずあの身障者の個室というものは、利用者がなかったらあいている、利用者があったときにはすぐに貸せるような状況になっていただきたいと思いますし、その辺もひとつ大臣一度お調べをいただきたい、かように思っておりますが、いかがでございますか。
○国務大臣(地崎宇三郎君) 御指摘の点のことにつきまして十分調査をいたして対応いたしたいと思います。
○前島英三郎君 時間が大変残り少なくなりましたので、もう一つ警察庁関係のことでお願いをいたします。 実は、障害者の運転免許取得に関しまして都道府県の格差というものが大変ございますので、これも以前地方行政委員会のときにも私何回かお願いをしたことでございますが、その議事録の中に、今後改善をしてやってくださるという前の交通局長の杉原さんから全国的に中央で業務監察の一つにこの免許行政を取り上げ、身障者の問題というのを重点の一つに取り上げ、適性相談の問題具体的な審査、条件のつけ方の問題、これを再検討しようということにいたしておりますので、近い将来結論が出ると思います、という御答弁をいただいているのですが、実は、運転免許を取得する、それによって社会参加する、自立するというのには、車は一つの足でございますので、なかなかその足のために四苦八苦しているのが現状なのですけれども、なるべく障害者の意をくんだ一つの指導体制というものをつくり上げていただきたいと思うのですけれども、その後もし検討の結論が出ておりますならばお伺いしたいと思いますし、あるいは検討の過程などの御報告をいただければありがたいと思います。
○政府委員(池田速雄君) 身体の不自由な方で免許をお取りになられます方につきましてのまず第一の問題は、その教習以前の適性の相談の問題があるわけでございますけれども、御指摘のありました後にいろいろ検討いたしました結果、現在では、全国で十六県につきましてはすでに専務員を三十八人、それからその他兼務員を二百五十人ということで、全国で二百八十八人の担当者を置きまして、三十二の県では相談室を設置いたしておりますし、その他の県につきましては相談の窓口コーナーを設けております。それで、昨年一年間御相談を受けました件数が四万一千八百四十七件に上っておるというふうに報告を受けております。なお、この適性相談員の教養につきましては、年に二回全国規模の技能試験官の専科という教養をやっておりますけれども、その場に国立身体障害者リハビリテーションセンターの専門家の方を講師にお招きいたしまして受講いたしておるところでございます。なおまた、相談にあずかりました場合の問題になります使用自動車の種類につきましては、原則としてお申し出のありました車について優先的に配意して行うと。ただ、客観的にいろいろ御相談いただきまして、どうしてもだめな場合には、やはり条件に合った車をお選びいただくということで、相談につきましてはその方の事情に応じてまた御希望にできるだけ沿うようにやる、こういうことで教養いたしておるところでございます。また、当時お話のございました着脱式の補助ブレーキにつきましても、現在五十五台を備えつけるようになっております。
○前島英三郎君 いずれにいたしましても、交通安全の立場から、どうも交通安全対策といいますと健康な人たちを中心に考えられがちでございますが、特に、そういう谷間で弱い立場の人たちを救ってこそ本当の交通安全というものがなされるのではないかというふうに思っております。 以上、いろいろとお願いごとを申し上げましたけれども、ひとつ前向きに御検討していただくことを心から最後に申し上げまして私の質問を終わります。どうもありがとうございました。
○理事(坂倉藤吾君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後五時二十九分散会 —————・—————