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91回国会参議院1980/03/19

公害及び交通安全対策特別委員会 第3号

発言数
193
登壇者
17
会派数
5
開催日
1980/03/19

会議録

小山一平日本社会党

○委員長(小山一平君) ただいまから公害及び交通安全対策特別委員会を開会いたします。  公害及び環境保全並びに交通安全対策樹立に関する調査を議題とし、公害及び環境保全対策の基本施策に関する件について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

戸叶武日本社会党

○戸叶武君 いまの議会政治の荒廃に失望した市民が、各国において、特に知識人、学生、婦人という層が自分たちの生活を守り、平和を守る運動に真剣に取り組もうとしている中で、特に西ドイツでいま起きてきた緑の党の運動というものは西ドイツの既成三党にも大きな揺すぶりをかけているのが世界の目を引いております。これはやはり自分たちの生活する環境をもっとよいものにしなけりゃならないというような趣旨のもとに、政治を自分たちの生活と結びつけて国民が政治に積極的な参加を求めている運動だと思いますが、アセスメント法案に対して財界の圧力によって党がしびれてしまって環境庁でも動きがとれないような状態が日本の現実ですが、どうも長官は非常に熱心な方ですけれども、結局長官に苦言を呈しなければ筋が通らないから長官に直言するのでありますが、いまのような形で三度も四度もこのアセスメント法案に対する取り組み姿勢というものが崩れておっては自民党の党として形をなしてないし、また、六月のベネチア・サミットに参加する先進国のアジアにおける唯一の国としての日本のぶざまさが、ヨーロッパ各国から袋だたきになるのじゃないかということが私は心配で、このごろは政府は一にも二にも油浸りでオイルの中であっぷあっぷしていますが、オイルだけが政治じゃないのです。やはり日常生活に対しての快適な生活と子供や自分たちの未来を考えるときにもっとよい自分たちの生活環境をつくらなけりゃならないというところにいままで政治に対して絶望的であった市民層が違った形で立ち上がってくると、これは西ドイツだけではなく、恐ろしい一つの波を私は政治的に起こしていくと思うのですが、いまの政府なり自民党はその中へ沈没するつもりでいまのようなしらばくれた態度を故意にとっているのですかどうですか、そこいらをひとつ承っておきたいと思います。

土屋義彦自由民主党・自由国民会議環境庁長官

○国務大臣(土屋義彦君) ただいまの環境行政に対しまして高い御見識を持っておられます戸叶先生から御意見を交えて大変ありがたい御激励を賜りまして、責任の重大さを深く痛感いたしておる次第でございます。  環境影響評価法案の制定は時代の要請でもございまして、環境庁といたしましても、今回五度目でございますので、何といたしても法制度化をいたしたい、かようなわけでただいま全力を傾けて最大限の努力をいたしておる次第でございます。  去る一月二十三日に自由民主党の政務調査会の環境部会におきまして関係省庁と折衝に入ってよろしいというゴーサインをいただきまして、自来今日まで関係各省と折衝をいたしておるのでございますが、環境庁といたしましては、中央公害対策審議会におきまして約三年有余にわたって専門家の皆様方に御検討をちょうだいいたしまして、昨年の四月十日に速やかに法制度化をすべきであるという答申をいただいています。その精神に沿って何とか法制度化をしたい、こういうことでただいま政府部内におきましても鋭意検討がなされておるような次第でございます。

戸叶武日本社会党

○戸叶武君 結局、環境庁、その長官が十字架を背負わなければならないところまで来たのですが、仏の顔も三度までと言うが、四度も政府が法案を流し、今度は五度目の取り組みも何か腰が定まらない態度ですが、党としては、大企業のリーダーシップを握った経験のある財界の長老たちが、日本ではまだ早過ぎる、そういうことをやると日本の産業が意気沈滞してしまう、いいかげんにしろというような点を指摘して、政府に非公式ながら忠告し、あるいは公式な要求も関西の財界等からは出ており、また、環境庁内においても、すでに衆議院でも問題になったように、この人たちの理解を深めるために平身低頭の姿勢で、財界の人がのんでくれなけりゃいけないという形で非常に消極的な卑屈な態度をとっておりますが、公害問題は現実の問題であると同時に未来を規制する法案の性格を持っているのであります。この問題をこのまま放置していけば、前の成田空港の騒ぎなどと違って、じみな形において大都市周辺における公害がまき散らされている海から今度は陸に上がって、家庭の主婦が恐らくは主力になって、物価問題に対する防衛の闘いだけではなくて、われわれの身近な生活を守ろうという形で、私は大きな一つのムーブメントが起きると思うのであります。女の人に火がついたら油に火を注ぐようなもので、これは私は非常な厳しい運動が出てくるのじゃないかと思うのです。いま自民党の内部にいろいろな変な火が燃え上がっているので、その方を消しとめるのにも大変なところに、愛想を尽かした家庭の主婦は子供の教育の不安にも絶望して自殺するような者もある。住宅を求めても、ローンの不徹底から結局高利な金を借りて一時しのぎをやって、一家心中する人もあるというような惨たんたる生活の荒廃の中に、持っていきどころのない層が政府に対決を求めるときが来たので、それはある意味においては日本の政治変革の中においては画期的な一つの運動として起こってくるのかもしれませんが、ドイツのような合理主義的な冷静なところでも、ハイデルベルクの大学や何か、ああいう大学都市においてもいまの政治に対する不満が爆発しているのです。日本ではもっと厳しい形で、政治の無責任体制、指導性のなさ、計画性のなさ、実行力というものと見識が躍動しない政治、こんな政治はわれわれの政治ではないという形で、まさかバスチィーユの牢獄に進撃した飢餓に苦しんだ婦人たちのような凶暴さは発揮しないかしれませんが、政治に対する対決の姿勢はむしろこの家庭を守っている婦人層から強く私は出てくるのだと思います。そのときになってからタレントの婦人だけを集めて人呼びをしているような、いまのふざけた取り組みの中に埋没してしまった自民党の政治に対して、私は大きな憤りがそこに爆発してくると思うのです。先取りのできない政治、現実の具体的な問題に対して具体的な政策の回答のできない政治、こんなのは政治じゃないのです。  そういう意味において環境庁長官に承りたいのですが、あなたは体を挺してやはり政府の最高の責任者なり何なりと対決を辞さないつもりでしないと、四度までは四度のがまんだが、三度のがまん以上しなくてもいいことになっているが、今度は、環境庁なんてどこにありますか、昼日中ちょうちんでもつけて見に行きましょうなんていうちょうちん行列が私は始まると思うのです。そういう意味において、長官、長官は非常にまじめな人で気の毒だが、気の毒な人ほどやはりむちうてばそれに対する反応があると思いますけれども、あなたをむちうつのは酷ですが、長官になった因果で、やはりこの辺でふんどしを締めてやらないと、ずるずるこのままの状態で世の中の政治は進むと思われるような考え方では済まぬことになってきたと思うのですが、あなたはそれほど問題が切迫して来ているということは感じないのでしょうか、御意見を承りたい。

土屋義彦自由民主党・自由国民会議環境庁長官

○国務大臣(土屋義彦君) ただいま先生から愛情あふるると申しましょうか、御理解ある大変厳しいおしかりを受けたような次第でございますが、私といたしましても、昨年の十一月に就任以来、この問題を最優先の課題といたしまして、党内はもとより、政府部内におきましても鋭意一日も早く法制度化すべく全力を傾けて努力をいたしてまいったような次第でございますが、今後も先生の御意思を体しまして、ちょっと言葉はきざになりますが、体を張って全力を傾けて努力をさしていただきますことをお誓い申し上げる次第であります。

戸叶武日本社会党

○戸叶武君 大平首相の心はすでにベネチア・サミットの方へ飛んでおって、ベネチア・サミットにおいて先進国との話し合いにおいて、石油の問題、中東の問題、アフガンの問題、そういう諸問題に対処しようという構えを持ちながらアメリカにも訪問するのだと思いますが、私は先ほど二月に行われた欧州議会の代表と日本国会代表との対談の集会に行ってまいりましたが、ヨーロッパでは日本ほど石油問題は騒ぎ立ててはおりません。それなりの対処の仕方を西ドイツは西ドイツ、イギリスはイギリス、フランスはフランスとして行っており、それぞれのルートを中東にも持っている模様であります。日本が高度経済成長政策で躍進をしたのは、資源のない国が石油を材料として一番躍進したと見られておりますが、石油だけでなく自動車で、あるいはスイスでは時計でも、あるいは省エネルギーの小型の自動車でも、油断している間に日本人が創意技術においてヨーロッパ、アメリカに勝ったのだ、われわれは怠けていたからこういうことになったのだということまで率直に認めているだけのゆとりを持っています。アメリカのようにあわてて何でもかんでも日本が貿易で黒字になっているから無理な注文でも聞けというような強引な押しはやっておりません。しかし、あのECの官僚の、日本人はウサギのねぐらのようなところへ住んでいるという非難も、ある点では当たっているので、ヨーロッパには公共投資がなされており、社会保障制度も相当発達しており、住宅の問題あるいは環境整備の問題はわれわれと比較にならないほど行き届いております。日本では、そういうことをほとんど犠牲にして、敗戦後まず産業を興して、そうして資源のない国が富まなけりゃならないというので、国民の犠牲のもとに製鉄でも自動車産業でも船でも発達させたのだと思います。そういうときにおろそかになっている福祉関係、住宅の問題でも、あるいは環境整備の問題でも、われわれがやたらにドルのだんなから言われるように日本の円を方々へばらまくという前に、発展途上国に対する協力は必要です。けれども、日本国内における荒廃の状態、中産階級以下の人たちが犠牲だけ払わせられて、大企業は笑いがとどまらないほど金もうけをして、アメリカさんからまでそねまれているような状態、この不均衡な状態は金融や税制だけの問題じゃない。特に私は環境整備の問題の実を上げることによってこれにこたえなければ、本当に日本の政治の怠慢に対する憤りというものがここが突破口になって火を吐くと思っているから苦言するのですが、これからの政治は戦争や恐慌は食いとめることはできる。そして、暴力革命や戦争によってわれわれが変革を求めるような愚かさよりも、談笑の中に国民的合意を得て、こういう平和革命というか、共同の責任で国土を守り、生活を守り、子供たちの将来にも家庭にも明るさと希望を持たせるような糸口をつくることがいまでは急務だと思うのです。  近間であれほど冨が不均衡な状態にあったシンガポールでも、リー・クアンユーという、ただケンブリッジを一番で出たからというのじゃなくて、イギリスの社会主義の影響を受けながら、イギリスとは違った都市国家的なシンガポールで徹底して住宅問題に力を注いで、いまでは貧民窟をほとんど一掃してしまった。このりっぱな住宅に住むと、淫売なんかやっているのは恥ずかしくてやれなくなってしまう。麻薬なんかも吸うことができなくなってしまう。衣食住の中における住宅の整備、そういうものからでもシンガポールの新しい平和革命は前進して、これから学ぼうという形が東南アジアの方向にも具体的事実としてあらわれていると私は思うのです。政治は、常に抽象的な論議でなく、具体的な事実をつくり上げることによって、そこから国民の支持を得るのが妥当であって、リー・クアンユーの率いるところのシンガポールの社会主義政党は異色のある社会主義政党であるが、シンガポールでは独裁を廃しているけれども、野党が一つもなくなってしまった。この住宅を見よ、この生活を見よ、この明るさを見よ、具体的な回答がそこになされている。町の中に緑を保存してジャングルをそこに設けている。公園には水がある。そういうシンガポールのような東南アジアの中における一都市国家的な拠点であってもモデルをつくっている。いま、成田空港の騒ぎよりも、あの長官の近くの霞ケ浦でも利根川でも、人口が増大しておって河川はだんだん公害によってぶち壊されている。湖も、諏訪湖まで死んでしまっちゃもうどうにもならないが、琵琶湖に近い状態がやがてこの二、三日来新聞にもちょいちょい報ぜられておりますが霞ケ浦にはできてくる。利根川の沿岸、霞ケ浦を中心として、東京周辺から、自分たちの生活を守り、未来を守るための具体的な市民運動が、政党といういままでの既成政党というものに頼るむなしさに対して憤りが増して火を吐くときが来た、その条件を具備してきた。それに早く火をつけて一騒ぎしてからでなけりゃ目がさめぬというようなやり方、これは政治の中においてきわめてコンサバティブな、きわめて先取りのできない政治の怠慢以外に何もないと思うのです。  いままでの水俣病の問題でも、このごろ問題になっているところのあの四日市を中心とする公害の問題でも、十幾年も問題になっているのです。もっと早く問題をぴしっと行政面においてでも正しておるならば、あんなばかげたことは未然に防げたと思うのです。とことんまでいかなけりゃ発車できないぼろ機関車、これが日本の現実の保守党の政治です。私は、自民党だ、なんだというのじゃなくて、こういう習慣が政治、行政の中についてしまったら、もう後でもってじゃ間に合わない状態がそこに醸し出されてくるのだと思いますが、これはあなたを責めるわけじゃないが、具体的にアセスメント法案は提出すると腹が決まったのですか。いま財界の言うとおりの注文を受けて、こんな法案ならない方がいい、こういう法案のためにかえって市民運動のじゃまになってしまった、国民をばかにした法案だと、今度は法そのものに対する憤りを発火点とするか、いずれにしても、いまではもう退くことはできないと思います。つまらぬ法案をつくったのなら、それなりにその法案を中心としての抵抗運動が起きるし、つくらないならつくらないで、無能な役所、環境庁はなくしてしまえ——環境庁の人は熱心にやっています。悲憤の涙にくれながらやっております。問題は政治です。大臣は、優秀な意欲を持った環境庁におけるお役人を指揮しながら、政治の怠慢のために上と下からはさみ打ちになって弁慶立ち往生、弁慶よりは器量がいいかと思っているが、これは全く大臣としても自分の持っていきどころがなくなると思いますが、大体いつごろこれは国会の方には出してくれますか。

土屋義彦自由民主党・自由国民会議環境庁長官

○国務大臣(土屋義彦君) 過般の自由民主党と社公民三党との話し合いを踏まえまして、内閣におきましても、去る三月四日に内閣に関係各僚会議をつくるということを御決定をいただきまして、続いて去る三月の十三日に第一回目の関係閣僚会議を催していただき、さらに現在関係各省といろいろ話し合いをいたしておるような次第でございまして、私といたしましては三月じゅうには何とか法案として国会へ出さしていただきたいと、こういうことで鋭意努力をいたしておるような次第でございます。

戸叶武日本社会党

○戸叶武君 大臣としては、三月中に何とか法案をまとめ上げて国会に提出したいというそういう願望の表明ですか、それとも、そういう正確な見通しができているのですか。

土屋義彦自由民主党・自由国民会議環境庁長官

○国務大臣(土屋義彦君) 三月いっぱいをめどにただいま最大限の努力をいたしておる次第であります。

戸叶武日本社会党

○戸叶武君 めどというけれども、穴があいていないところにめどがつきっこないので、実際困ったものだと思います、私以上に大臣は困っているのだと思いますけれども。これは国会の方でもばかにされた話で、やはりそれまでに国会は国会としての順序を踏んでいくけれども、一般の市民運動が随所から起きてくるのじゃないですか。今度は、これは成田の飛行場だけの問題じゃなく、全国的な市民運動の中心スローガンは、アセスメント法案を通せ、インチキ法案だ、ごめんだぞというとにかく簡単なスローガンで、生活を守る運動としてこれは選挙にはもってこいの運動だから、自民党でもだれでもこれに応じなけりゃ選挙民にそっぽを向かれるから、参議院選挙は公害問題、アセスメント法案の攻防戦をめぐってこれが二〇三高地になるのじゃないかと思うのだが、自民党はそのことに気がついていないのでしょうか、大臣は気がついているようだが。自民党さんに聞くわけにはいかないが、そういう意味で、大臣、いまの自民党なり政府、大平さんなんというのはわりあいにモーションはのろいけれども思慮のある人だと思ったが、そういうところまで頭が回らないのでしょうか。石油疲れしちゃったのかな。  私はベネチア・サミットにおいてヨーロッパで一番突かれるのはこれだと思うのです。あなたも、ついて行って、あそこへ行って恥をかいてからなるほどなあと思うかと思うのです。サウジアラビアなんかでは、海水から水をつくってくれたというので日本人は大変ありがたがられているし、飲み水はあそこで掘った石油の十倍の値段がしているのです。価値がやはり違うのです。そういうようなところで砂漠の中に緑化をするといってかんかん照るところに水を幾らかけてもすぐ蒸発しちゃうのだが、水をかけるようになって緑ができたら初めて空に雲がわくようになったといって空をながめている人もありました。これはそらっぺじゃないのです。そういうふうな形に一つの新しい奇跡というものが起きて、砂漠の人ですらそういう緑を渇望しているというときに、日本は水や緑にいままで恵まれたから少しぐらいだめにしちゃってもいいのじゃないかというような考え方が根底にあって、それよりも金もうけだというところに考え方が偏してしまったところに、明治の骨は持っているけれども八十がらみのおじいさん連中、バックボーンは持っているかしれないけれども、時の流れ、水の流れ、そういうものに即応していく一つの姿勢ができていない。そういうかたくなな人を相手に日本の政治がおっぽり回されておったのでは、ヨーロッパの先進諸国と先進国でございますと言って座ってみても、あなたの国の環境整備は何もできていないじゃありませんかとイアホーンでやられると、やはりこれは大きな一つの衝撃を受けるのじゃないか。そのときになってからしまったというのでは……。  いまのところは、アフガンの問題、イランの問題、イラクの問題、あるいはベトナムの問題だけでいっぱい。ヨーロッパでは、インフレーションの問題、いままでの貿易の不均衡の是正の問題、通貨の不安定を直す問題、それと公害問題、非常に話がずれている面が出てくるのじゃないかと思いますが、あなたもベネチア・サミットのときにはついて行かれるのですか。

土屋義彦自由民主党・自由国民会議環境庁長官

○国務大臣(土屋義彦君) まだ内閣の方からさような話は承っておりません。

戸叶武日本社会党

○戸叶武君 いや、それはついて行きなさいよ、恥をかかせないように。そのついでに、よくヨーロッパならヨーロッパの各国の先進国というのは、なるほどいろいろ苦労していても、これだけの責任を国民に負うてそれを実践しているのだなあということを全体で受けとめなけりゃ、環境庁の長官をやって各省からこづき回されているよりは、百聞は一見にしかずで、とてもあなたの勇気をふるい起こさせると思うのです。こういうような心持ちで先進国会議に出るのもあつかましい次第で、大平さんも大分あつかましくなったからその場はなれていると思いますが、やはり日本が先取りをする、先進国として一つずつでもじみなモデルをつくっていく、こういう意気込みがなければ私は世界各国にも与えるものがないのじゃないかと思うのです。アジアの先進国たろうとしつつもがいている国に対しても方向づけをやることが一つの急務だと思うのです。  今度はほかの方から、いろいろ問題点はいま起きてきておりますから、十分話をあなたが受けとめて、国民が何を考えているかというのは、もっと国民の要望というものを直結して政府に伝えないと、白けてしまった政治、死にかかった政治、もう生かすことができないところまでふん詰まりになってきた政治、これを環境整備の面からだけでも幾らかでも一つの光を与える運動が起きないと、日本の政治というものに対しては絶望感が国民に非常に強くなると私は思うのです。政治は、見通しをつけることと、試行錯誤は避けられないとしても、見識のあるリーダーシップをとって責任を持つ、具体的政策を持って国民に合意を求める、こういう謙虚さがないと、私は政治というものは国民からそっぽを向かれる危険性があると思うのです。いま十分国民から愛想を尽かされるだけの条件は具備しております。これ以上ということになると、爆発する以外にないのです。私は、非常な危機が、明治維新前における元治元年のあの筑波騒動や禁門の変のような何かわけのわからない、持っていきどころのないぶつかり方が国民の中から生まれつつあるのじゃないか、非常に不気味な静けさというか停滞がいまの政治の中に流れている底流だと思います。  私は一問一答という形において注文取りのような質問はやめた。本当に政府に何にもないのだから、ないやっとこんにゃく問答をやってみてもこれははかなさの深さを知るだけであって何の益もなさない。国民がいかに憤っているか、発火寸前にあるということを予告して、それでもわからないやつはくたばってしまえというふうに言葉で言うと荒っぽくなるから慎むけれども、私は、あの世界経済恐慌前後の、いまから五十年前前後の、政治に絶望し切って、そうしてわれわれが想像しないような嵐が、突風が起きたときの前夜と同じような不気味さをいまの日本に感じているのであって、条件が具備したところにマッチ一つ火をつけるとすぐ爆発するような危険な状態が日本の中に内在しているということを忘れて、中の政権争いの立引きだけをやって権謀術数にふけっていると、これは大変なことになる。しかも、その発火点が公害問題が一番手ごろであって、御婦人も参加できるし、青年も子供も参加できるし、これは手ごろな政治改革における大衆動員の一つの場だと思うのです。この場に対して、環境庁が存在しないで武装解除されてしまっているのなら別だが、ある以上は、環境庁を取り巻いて私はこれら市民各層からの抵抗が今後厳しくなってくると思うのであって、そういうことを予想できないでいまの政治をやっているならば、よほどこれはのんき節じゃないがのんきな連中で、ドイツに起きたことが、あれほど合理主義的な、そしてソシアリズムというよりはもっとリベラルな形で対話を求めていこうという政治姿勢を持っていながらも、その政治ののろさに対する憤りが発してきたということは、これはフランスにもその徴候があります。先取りはいろいろやっております。ストラスブールで欧州議会の会議がありましたけれども、あそこに政府は三十三万ぐらいの人口の、二千年もの古い歴史を持つアルザス・ロレーヌのあのドイツ、フランスが血を流したラインの沿岸における都市ですが、憎しみを乗り越えてそこにもっと緑を保とう、もっと古い建物をそのまま修理していこうという、政府が金も出して、魚もそこでは生き生きと泳ぎ、水もきれいになり、緑もそこには保存されている、そういうことの町づくりを一生懸命でやっているのです。先取りをやっているのです。先取りのやれない政治家は、これはもういまからの時代には無用の長物です。  どうぞ、そういう意味において、第三次世界戦争なんて起きないのです。起きると思って錯覚しているのは、ばか力を持ち過ぎて自分の力を誇示しなけりゃいられないようなおかしな巨人、ソ連とアメリカがそんなばかなことをやって周辺に不安を醸し出しているのですが、戦争は自分たちでできない、だれかをうまく使って戦争をやろうというような魂胆はみな見抜かれているのです。いやがられているのです。そういうときに、軍備なんかにばかり夢中になって、片手を挙げれば五億円のリベートが取れるなどという悪夢を持っているのは間違いのもとであって、それよりは環境の問題にもっと熱心にならないと、外からの外敵よりも内からの崩壊の方が私は厳しく政治の中に挑戦していくのじゃないかと思うので、環境問題を論ずるに当たっても、環境問題ともっと真剣に取り組む姿勢が、内閣にも国会にもしっかりとして出ないと、国民がこれを見捨てて突っ走らざるを得なくなる、そう思うので、そういう問題をまず第一に私はヨーロッパに行ってつくづく感じた。政治に絶望し切っているけれども、まだ国民は政治の生かし方をどこかでやろうということを待ち構えて知っていると思うので、どうぞ国民に恥をかかせないように、政府がばか者扱いされないように、ごろつき扱いされないように政治家は気をつけないと、本人は大変力んでいるつもりだが、やはり——時間が参りましたからこれで結びますが、どうぞ、長官はなかなか素直な人ですから、これはよけいなことのようだが、ひとつ国を憂うる一片の心を持つならば、政府にぶつけていってください。ぶつけなきゃだめです。ぼくが注文取りをやっていたのではとても相手がそれでいいものをつくれないのだから、そういう意味において、いま一自民党とか政府とかいうのじゃなくて、国民の要望にこたえる一つの政治を奪還しないと大変だということで私はあなたに注文をつけてお願いをして結びます。

土屋義彦自由民主党・自由国民会議環境庁長官

○国務大臣(土屋義彦君) ただいま戸叶先生から、国を本当に愛する格調高い示唆に富んだ御意見をお聞かせいただきまして、まことにありがとうございました。  私ども、まだまだ至らぬ者でございますが、先生の御意見を踏まえまして今後真剣に環境行政と取り組んでまいりたいと思います。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 少し次元を落としまして質問をいたしたいと思います。  先般長官の所信をお聞かせいただきましたが、私は長官の誠実なお人柄と組み合わせて考えてみまして、まず第一には石炭需要の拡大を予測しながらこの対策を熱心に検討しようとしている姿勢の問題、二つ目には化学物質への安全性の総点検をしようと、こういう構想、さらには交通公害対策に相当な熱意を持って取り組もうとされておること、それらはそれらなりに評価をいたしたいというふうに考えておるわけであります。また、この所信の結びで述べられておりますが、「どのような困難があろうとも、国民の健康の保護、生活環境及び自然環境の保全という環境行政の原点に立って」という、こういうふうな決意を一応了として受けとめたところであります。ただ、私がこの委員会に所属をさせていただきまして以来の環境庁の姿勢、あるいは行政面としてあらわれてまいりました状況等を考えましたときに、現実的な後退という立場でしか受けとめることのできない問題が多々あるわけであります。その一つは、NO2の基準緩和が、この委員会の中で、野党ほとんど反対をし、これらに対する基準緩和を行うべきでない、しかも数値が人間の健康あるいは生命にどう影響するかということが定かでない時期に決めた基準を今日段階の科学的知見ということによってのみこれを改正するなんというのはけしからぬという論議をやっておりましたが、これが強行されました。また、大規模開発の安易な妥協の問題、これも幾つか指摘をしてまいったわけであります。さらにまた、公害病認定患者に対する従来の環境庁の姿勢が、環境庁に大量に押しかけたというようなことでこれを権力的に排除するとか話を聞かないとか、幾つかの問題も発生いたしました。あるいは被害補償制度の見直しの問題が論議になりました。こういうような状況等を考えていき、さらにまた、いま戸叶先生からも御指摘がありましたが、アセスメント法案自体も当初の環境庁案がどんどんと後退している。いままで三回ほど現実的にその構想自体が条文の中で後退していっているというようなこと等を考えてまいりますと、きわめて大きな問題が存在いたしておりまして、せっかくの環境庁長官の前向きに取り組もうとしている姿勢自体が、気持ちのどこかでそのことを評価しつつもぴしっとこない。これが今日の偽らざる私自身の心境であります。そういう立場から、個々具体的に長官の所信をずっと検討さしていただきますと、幾つかやはりそういう観点でひっかかる分野が出てくるということでありまして、きょうはそういう意味合いで、その姿勢をさらに堅持していっていただく、こういう立場から言葉じりをとらえるようで大変恐縮ではありますけれども、明確にその辺の認識といいますか、決意の問題を含めてひとつ表明をいただきたいと、こう思っておるわけでございます。  まず第一は、「快適に生活環境を創造する」、それから「公害を防止する」、こういう「創造する」「防止する」というのは、実は前上村長官が昨年の際に表明された言葉であります。今回、長官は同じことを言っていると思うのですが、「快適な生活環境を確保する」、それから「公害から守る」、これは所信の一ページ目にあるわけです。大変言葉遣いとしては微妙でありまして、どこにどう差があるかというのは定かでありませんが、言葉の響き等から見て、「創造する」が「確保する」になり、「防止をする」がただ単なる「守る」になり、これは姿勢の後退を意味するのではないだろうかと思わざるを得ぬのですが、その辺はいかがでしょうか。

土屋義彦自由民主党・自由国民会議環境庁長官

○国務大臣(土屋義彦君) お答え申し上げます。  御指摘の「快適な生活環境を確保する」という表現が私の姿勢が後退しておるのではないかという御指摘でございますが、私は決してそのような気持ちで申し上げたのではございません。「国民の健康で文化的な生活の確保に寄与する」と定められておりまする環境庁設置法第三条の趣旨に沿いまして努力する意味で申し上げたわけでございますので、その点はぜひひとつ御理解を賜りたいと思う次第であります。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 まあ一カ所だけで評価をするわけにはまいりませんが、さらに二点目へ入りまして、二ページ目の後段のところにあるのですが、国、地方公共団体の関係なんですが、現状を前進さしてきたというとらえ方のところで、政府は地方公共団体と協力して現状を乗り切ってきたのだと、こういう表現になっています。昨年の上村長官の際は、「国、地方公共団体、国民の一体となった努力」、その結果が前進さしてきたのだという、この「国民の一体となった努力」というのは、実は後段の方に少し出てまいりますけれども、基本的な理解の仕方から外れてしまったわけであります。公害防止、自然環境保護というのは、私は、国民さらには住民の真剣な取り組みに基づいて、むしろ行政的にはそうした住民、国民の努力を後から追認する形で今日実は歴史が生まれていると思うのです。そういう意味からいきますと、日本の環境行政をとらえるときに、あるいは公害行政をとらえるときに、国民の努力というものは、本当にみずからの涙ぐましいそういう努力というものを評価なしで私は認めるわけにいかない。その一番肝心な国民のいわゆる運動の評価というのは一体どうなってしまったのだろうかきわめて危倶するところです。いかがでしょうか。

土屋義彦自由民主党・自由国民会議環境庁長官

○国務大臣(土屋義彦君) 全く先生の御指摘のとおりでございまして、私が申し上げるまでもなく、環境行政は、何と申しましてもやはり国民の理解と協力がなかったならばその推進を図ってまいるわけにはまいりません。かつてのような危機的な公害の状況が現在のように多少改善されてまいりましたことも、ひとえにやはり国民の大変な理解と協力のたまものでございまして、その点につきまして私は論をまたないところでございます。所信表明では、国民の負託を受け、環境行政の推進に責任を負う政府及び地方公共団体の取り組みについて、国民の声に対しまして政府それから地方自治体が一体となって取り組んでいくのだという点を強調さしていただいたような次第でございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 私は、国民の運動上から見た一つの評価というものは、少なくとも、先ほども言いますように、この環境公害の問題を論ずる限り、基礎に据えていかないと間違いを犯してしまうのじゃないかというのが一つあります。  それからさらに地方公共団体の問題が提起されていますが、少なくとも、私は、地方自治体、地方公共団体というのは、憲法二十五条にあります国民の健康で文化的な権利の要求を地方自治体が一人一人から預かってその負託を行使するという立場で、地方公共団体というのはむしろそのことの推進のために責任を負っている、こういう団体であろうと思うのです。正直申し上げまして。したがって、そのことも私は住民の運動とあわせながら地方自治体のいわゆる環境行政について国が見る物の見方の姿勢としてきちっと据えてもらわなければならぬだろうと、こういうふうに御指摘を申し上げておきたいと思うのです。  さらに、次の三点目の問題に移りますが、これは衆議院の委員会の方でも御論議があったようでありまして、長官はたびたび口にされておりまして、気持ちはよくわかるのでありますが、いわゆる「任重くして道険し」、こういう表明であります。私は、この決意そのものは、とり方によりまして、先ほども言いますように、環境行政の全体の流れからながめていきますと、道が二つ大きく分けてとり方があると思うのです。その一つは、たとえば端的に申し上げますが、山田長官のときに産業界とのいわゆる調和の問題がきわめて大きなウエートで流れ出しました。したがって、いま土屋長官が「任重くして道険し」と言うのは、国民の健康と命を守っていこう、こういう立場からそのための「任重くして道険し」というのなら、これは私はきわめて賛成でありまして、そのとおり大いに進めてもらいたいと、こう思うのですが、その「任重くして道険し」が、いわゆる産業界との調和でもって若干健康はがまんしなさいよ、お互い生きていくための産業じゃありませんかというような観点でもしとらえられるとするならば、大変重大な問題になると思うものですから、この二つの路線の中で、環境庁長官は一体どちらを基礎に「任重くして道険し」と、こう言われておるのか、この辺をひとつ明らかにしておいていただきたい。

土屋義彦自由民主党・自由国民会議環境庁長官

○国務大臣(土屋義彦君) 坂倉先生、もう私率直に申し上げさしていただきますが、昨年の十一月八日に総理大臣官邸に呼ばれまして総理から環境庁長官を任命されましたときに、本当に私は素直に責任の重大さというものを深く痛感いたしまして、続いて行われました官邸における記者会見におきましても責任ということが頭にありましたものですから、このような表現を用いたような次第でございまして、私はあらゆる機会にあらゆる場所でこのことを訴えておるような次第でございます。私はかつて防衛政務次官として国を守る問題をいろいろ勉強さしていただき、続きまして参議院におきましては大蔵委員長として国会の立場から財政を守ると申しましょうか、財政問題をいろいろと勉強さしていただきまして、今回、人間の命を守る、人間の健康の保護、生活環境、自然環境の保全、それからまた公害の未然防止という大変崇高な使命を仰せつかりまして、まことに非力でございますが、これらの問題と私は今後真剣に一生懸命取り組んでまいりたいと、かように考えておる次第であります。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 よくわかりました。ただ、今日の現状は、経済の低速性も加わりまして、産業界がきわめて大きな力で環境行政に対して産業推進の立場に重点を置いてむしろそれを後退させようとする動き、これは顕著であります。したがって、そのことときわめて大きな腹を据えたいわゆる論戦を展開せざるを得ないだろうと、こう思いますので、ぜひひとつがんばってもらいたいと、こう思うのです。  次に、現状認識でありますが、危機的状況を脱することができたと、こう表明されているわけであります。昨年の場合を見ますと、危機的状況の克服にかなりの成果が上がったと、こうなっているわけですね。これも微妙な違いがあります。ただ脱することができたと言えば、明らかに私は一線が画せる状況判断を示していると、こう思うのです。昨年の場合には、まだまだ不十分であるけれども一応克服をしていく一つの路線ができ上がったと、こういうふうに理解をしたわけであります。この微妙な違いというのは、これからの政策推進に当たってきわめて大きなウエートを占めると、こう思いますので、より明確に一つの判断をお聞かせいただきたいと思います。

土屋義彦自由民主党・自由国民会議環境庁長官

○国務大臣(土屋義彦君) ちょっと表現の点等で誤解を受けるような面もあったと思いますが、現状認識におきましては前上村長官と全く同じでございます。私は、所信表明の中で、御指摘の個所に続けまして、「なお、環境基準の達成、維持に向けて一層の努力を払っていかなければならない分野が残されており」ますということも率直に申し上げておるような次第でございます。私は、この現状に甘んじまして手をこまねくことなく、環境行政に課せられました課題に対しまして積極的に取り組み、そしてより高い環境の質の実現を目指しまして誠心誠意全力を尽くす覚悟でございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 重ねて聞くようでなんですが、いま後段で述べられました、たとえば基準達成、維持に向けて努力する分野が残っている、これはそれなりに読めば、あるいはお聞かせをいただければ、それはわかることなんです。しかし、現実的に、冒頭にも申し上げましたように、たとえばNO2の基準緩和に基づいて、従来の基準で達成できなかったことが、いわゆるゾーンを設定して基準を緩和したことによってほとんどの測定点で基準に合格するという、これは数字から出てくるわけであります。もしそういうような形の基準の達成、こういうふうな理解だとすると私は大変なことだと、こう思うのですが、いかがでしょう。

土屋義彦自由民主党・自由国民会議環境庁長官

○国務大臣(土屋義彦君) 全国的に見ますと環境基準に達していない面も率直に申し上げましてございますので、今後環境基準の維持、達成に対しましても真剣に前向きで取り組んでまいりたいと思っております。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 次に、各種大規模開発の実施に当たってなんですが、これはアセスメントの実施等万全の配慮をしていくというのは、まあずっと一貫してその基本について承継されておる、こういうふうに理解はするのですが、本年の場合、ことさらに水質と交通の分野というものを持ち出しましたね。なぜ私こういうふうに言うかというと、水質、交通というのは各論の項の中にそれぞれあるわけですね。ところが、総論の中でことさらに水質、交通の分野というものを取り上げて、そうして「単に発生源に対する規制だけでなく、」と、こういうふうに表現されてきた発想というのは何かあるんじゃないのかなと、こういうふうに勘ぐらざるを得ないのですが、いかがなものでしょうか。

土屋義彦自由民主党・自由国民会議環境庁長官

○国務大臣(土屋義彦君) お答え申し上げます。  これまでの環境政策は、公害や自然破壊の激化に直面いたしまして、環境基準の設定、それからまた各種の排出規制の強化、また自然の保護等、緊急の施策を中心といたしまして一応の成果を得ることができ得たものであると、私はかように考えておるような次第でございますが、先ほど先生が御指摘になりました交通公害、あるいはまた閉鎖性水域における水質汚濁の問題は、近年の都市化の一層の進展等の社会的条件の変化に起因いたしておりまして、このような問題に対処するためにはやはり都市化、交通量の増大等の環境条件の変化を展望いたしました総合的な対策を検討する必要があるということを申し上げたような次第であります。  私は、特に、昨年長官を拝命いたしまして早々、わが環境庁が誇る国立公害研究所、それからまた霞ケ浦を富栄養化対策の一環といたしまして視察するとか、また東名高速道路等を視察いたしまして、やはり対症的な療法ではなく総合的な対策を推進しなくちゃならないということを私なりに理解いたしたような次第であります。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 個別の問題は問題としましてそれはそれなりにいま長官の言われることはわかるのであります。ただ、今日の環境行政全体を通じて考えてみましたときに、固定発生源のいわゆる責任を薄めていこうという動きが大変強いわけですね。そういう全体の流れの中で、とりわけ日常生活に関係するものというふうに限定して強調されることは、むしろ固定発生源の何とかそこへの追及を逃れようとしている動きに力をかしてしまうことになりかねない。この辺は十分に留意しつつ取り扱いをしてもらわないと、端的に言いますとこれは利用されます。そういう問題認識をぜひ長官はしておいていただきたい、こういうふうに思うのです。もちろん水質汚濁防止やあるいは交通対策等において、ただ単に固定発生源だけじゃなくて、移動の問題、あるいは日常生活に起因する問題、幾つかの要因があることはこれはもう百も承知でありまして、それはそれなりの対応をしていかなきゃなりませんが、そのことで固定発生源の責任が薄められるということでは全くないわけでありますから、その辺を彼らに利用されるような形にならないようにぜひひとつ重ねて要望をいたしておきたいと思います。  次に、石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律案、いわゆる代替エネ法というのが二月の十五日閣議で了承されましたし、提案もされています。この第三条、第五条をめぐりまして通産省との間で相当環境庁が健闘したという歴史を伝え聞いているわけであります。一体何が問題になり、何が通産省との論争の当面のものになったのか、これは事務局でも結構ですが、環境保全のための留意事項で問題になったのは一体どういう観点なのか、それからそのことで出た結論がこれからのこの法案あるいは法案を取り巻く条件の中でどう生かされていくというふうに判断をされておるのか、これはひとつ少し明確に教えてもらいたいと思います。

金子太郎環境庁企画調整局長

○政府委員(金子太郎君) 本件は政府として提出いたしました法案でございますので、政府部内での折衝の経緯など余り詳細に申し上げるのは御勘弁いただきたいと思いますが、なお概要について申し上げますと、私どもといたしましては、代替エネルギー機構をつくるために法律が必要であるという点はよく理解ができます。しかしながら、代替エネルギーの供給目標を策定するとかあるいは代替エネルギーの導入指針を策定するとかいうようなことについては、通産省の設置法に基づくいわゆる行政指導で足りるのではないかというのがまず基本的な考え方でございまして、そういう中にあって、供給目標ないし導入指針について法律で書くと、これは行政指導の裏づけのためであろうと思いますが、書くということであれば、それだけがひとり歩きされて、環境面に対する配慮が後回しになるとか、あるいは場合によっては環境問題が軽視されてもやむを得ないというような意見が出てきたりするおそれがある、ついてはこのような条文をどうしても入れる必要があるということであれば、環境問題に対する配慮は十分にやるということを明らかにしていただきたいと、こういう立場からいろいろ折衝いたしたわけでございます。そして、結論的には、石油代替エネルギーの供給目標の策定のところと、それから同じく導入指針の規定を入れましたところに、それぞれ環境保全に留意するということを明文に書いていただくようにしたと、こういういきさつでございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 とりわけその中で環境庁がそれにかかわって権限をどうこうするという問題ではないのですか。

金子太郎環境庁企画調整局長

○政府委員(金子太郎君) 権限的に環境庁がどうこうするということには直ちにはならない、しかしながらこういう供給目標等の策定に当たっては環境の保全に留意するということが法律上明らかにされるということにはそれなりの意味があると、こういうふうに考えております。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 まあきょうはそれ以上突っ込まないことにしておきます。  次に、交通問題に関する懇話会、これは長官の意見聴取の場としてお持ちになっている。ただいま大気局で交通公害対策検討会ですか、これは前々からつくられている。そこで、最近の懇話会の活用の仕方と言うと悪いのですが、大体五点ほどにしぼって専門的に検討を始めるやに聞いておるのですが、これで交通公害問題といいますか交通政策そのものの中へも入っていくのでしょうか。

土屋義彦自由民主党・自由国民会議環境庁長官

○国務大臣(土屋義彦君) 先生御案内のとおり、交通公害問題は、今日の大きな社会問題でもありますし、また、一九八〇年代の環境政策の重要な課題でもあります。  まあ地元のことになりまして大変恐縮でございますが、私は埼玉県でございまして一埼玉県は、渡り廊下と申しましょうか、今日特に大型トラックとかまたディーゼルカー等によって大変迷惑を受けているような次第でございまして、従来から私はこの問題に深い関心を持っておったようなわけでございますが、そこで、先ほどもちょっと御答弁の中でも申し上げましたとおり、長官を拝命しまして、首都圏と近畿圏を結ぶ川崎インターチェンジを中心といたしましたあの周辺の物流対策、それから交通公害対策も含めて昨年視察をいたしまして、典型七公害のうち三つを、特に大型トラックあるいはまたディゼルカーの騒音それからまた振動、排気ガス等によって近隣の皆さん方が大変御迷惑を受けておるということを深く知りまして、私は早急にこれが対策を立てなくちゃならないということを痛感いたしたような次第でございます。  御指摘にもございましたとおり、庁内に検討会を設け、総合的な交通公害対策の鋭意検討がなされておるような次第でございますが、私といたしましても、この問題をじっくりいろいろ勉強さしていただきたいと、こういうことで、学者それからまた専門家の方々に御協力いただきまして、交通公害問題に関する懇話会というものを発足させまして、去る一月二十三日に初めての懇談会を催さしていただいたような次第でございます。その節いろいろな御意見が出ましたが、その中でも特に発生源対策の強化、トラック等の単体規制の強化、大型車対策、それからまた、交通施設周辺の土地利用の適正化、それからまた、大量生産、大量消費の生活パターンの見直しとか、また、国の自動車交通公害対策の責任体制の確立等々、いろいろな意見が出されたような次第でございますが、私といたしましては非常に内容の充実したいい会でございましたものですから、またお願いいたしまして四月の中ごろに第二回目の会合を持ちたいと、かように考えておるような次第であります。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 せっかくおつくりになった懇話会ですから、十分に活用をいただくのは私も結構だと思います。ただ、交通政策そのものからいきますと、たとえば都市計画も含めまして日本の国土全体を見直す作業になるだろうと率直に言って考えるわけですね。たとえば道路の問題にいたしましても、道路自体が公害を発生させるということではない。ただ、道路の利用の仕方、何が通るのか、そしてどれだけの数量が通るのか、あるいは重さが、そうしたものが絡んでその道路が一体公害道路になるのか何かという形にやはり変化をしていくことになりますね。したがって、この区分の中で大規模生産の関係あるいは大規模消費の問題等も含めて検討されておりますから、当然その分野の中へ入っていこうと思うのですが、問題は、何といいましても関連の各省庁が非常に多いことです。そうなりますと、またそこで幾つかの問題が発生をしがちになる。環境庁としてはいいのだが、その辺がまた最終的に変なかっこうになって、むしろそこに圧力がかけられる。これではお話にならぬわけですね。いままでの繰り返しみたいな形になってしまう。したがって、せっかくのものを生かし切っていくような対応というものが十分に考えられなきやならぬだろうと思うのですが、その辺の基本方針は一体いかにお考えなんでしょうか。

三浦大助環境庁大気保全局長

○政府委員(三浦大助君) 交通公害対策に対しましては、いままでも発生源対策あるいは交通規制あるいは周辺対策として遮音壁など、いろいろやってまいりましたけれども、ともかくもうそれだけでは対処し切れなくなっているということで、これを総合的にもっと広い角度から見直そうと、こういうことになったわけでございまして、当然そうなりますと非常に関係する省庁も多くなってまいります。  そこで、いま関係省庁の課長会議等も順次開きましていろいろ御相談を申し上げておるような段階でございます、これはもう事務的にではございますけれども。したがいまして、また後で大臣から御発言があろうかと思いますが、基本的な交通公害対策、総合的にどうするかという問題につきましては、この夏ごろ中央公害対策審議会に諮問をしていきたい、こういう計画でいま進めておるわけでございます。それにつきましても、非常に幅の広い問題でございますから、これにつきましては、短期的な対策、あるいは中期的な対策、あるいは長期的に見て都市構造との関係をどうするか、当然広い分野に踏み込んでいかなければならないわけでございますが、この点につきましても関係省庁の御意見等を十分伺いながら、また御協力をいただきながらやってまいりたいというふうに考えているわけでございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 問題は、論議をしておるだけならこれは論議なんです。しかし、具体的に対策ということになれば、それに伴う幾つかの施設、いわゆる事業を伴っていかないと対策になりませんね。事業をしていこうとすれば、いまお話がありましたように関係の各省庁が出てくる。ところが、住民の側からながめますと、その場合に一番困るのは、この主管は実は建設省である、この主管は運輸省である、全部窓口が違うわけですね。むしろ、私は、これからの交通公害を中心にいたしました政策を推進をしていこうとすれば、そうしたものの総合的な窓口、どこが責任を持ってまとめ切るのか、こういう観点を明確にしませんと、具体的に住民の意見だとかいわゆる国民の貴重な意見というものが正しく吸い上げられない、こういうふうに思うのです。そこのポイントを私はぜひ押さえてもらって、そしてこの懇話会等で論議をされることが生かされていくようにしてもらいたいと思うのですが、その辺はいかがでしょう。

土屋義彦自由民主党・自由国民会議環境庁長官

○国務大臣(土屋義彦君) 先生が御指摘になりました点につきましては懇話会におきましても提起されました問題でございます。その点につきましても十分配慮しながら今後関係省庁と話し合いを進めてまいりたいと考えております。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 次の問題に移りますが、PCBの関係なんですが、これは以前にも私質問を若干いたした覚えがあるわけですが、国内にカーボンの問題等含めますと大体大別して三つの種類ということになろうと思うのですが、おおむね三万トンとかなんとか言われるのですが、これらの保管の状況というのはその後どうなっているのでしょうか。

越川文雄通商産業省立地公害局公害防止指導課長

○説明員(越川文雄君) 先生御指摘のとおり、PCBにつきましては、大別いたしまして、熱媒体等に使用されました液状の廃PCB、それから電気機器に絶縁油というようなことで使用されましたPCB、また過去におきまして伝票その他に用いられておりましたいわゆるPCB入りノーカーボン紙と言われるような三つのものに大別されるわけでございますけれども、まず液状の廃PCBでございますが、全国の各地から、過去におきましてPCBを生産しておりました鐘淵化学工業及び三菱モンサント化成という二社で回収が行われまして、現在それぞれの工場内のタンクに貯蔵、保管されておるわけでございます。その数量といたしましては、それぞれ、鐘淵の場合には約五千七百トン、それからモンサントにつきましては約九百トンということでございます。それで、これらにつきましては消防法の適用を受けておりまして、消防法に従った防油堤をタンクの周囲に設けるとか、またタンクの厚みであるとか、地盤の不等沈下というものがあるかないかといったようなことについての定期検査等も行われておりまして、漏洩事故防止に対する万全の措置を講じておるということでございます。  それからPCB使用の電気機器でございますけれども、これにつきましては、財団法人で電気絶縁物処理協会というものが設立されておりまして、そこが調査したところでは、トランス類につきまして約四万一千台、それからコンデンサーといたしまして約三十三万二千台というようなものがあるわけでございまして、特にそのうち、すでに使用済みとなってただ保管されておるものがトランスで約二千二百台、コンデンサーの方につきましては二万一千台というようなことでございます。それでPCB入りの使用済みの電気機器につきましては、廃棄物の処理及び清掃に関する法律というものの適用を受け、一定の技術上の基準に従って使用者がこれを保管していくというようなことにいたしております。  一方、現在でもPCB入りの電気機器、トランスあるいはコンデンサーでございますが、これはいわゆるクローズドされております関係上、一応使用なり保管に注意をしていれば安全だということもございまして、現在もその使用が一部認められておるわけでございます。それにつきましては電気事業法に基づく技術基準というものを設けてございまして、それによって使用者に管理義務を課すということになってございます。それだけでなくて、通産省といたしましては、使用中あるいは使用済みの機器の適切な管理を一層推進するという観点から、PCBを使用している機器についてはラベルを張ってPCB入りであるということを明らかにしている。また、使用中の機器につきましては管理責任者を置くというようなことも指導いたしておるわけでございます。  それからPCB入りのノーカーボン紙でございますけれども、これにつきましてはメーカーが回収いたしましてすでに一部焼却をしたということで現在約一千七百トンほど残っておるわけでございますけれども、これにつきましても廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づきまして一定の技術上の基準に従って厳重に保管されているという状況でございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 そうしますと、たとえばトランス、コンデンサーその他現に使用中のもの、それから使用命数が尽きて保管中のもの、幾つかあるわけですね。そうしますと、使用中のものについては、それなりの注意をして、いわゆる管理台帳その他どこにいつまで使えるものがどういう状況になっているかという管理は明確になっているわけですね。さらに、使用期限が来てそうして倉庫に入るもの、この入るものは、一つところにまとめないでそれぞれ使っておったところが自主管理をするわけですか、その辺はどうですか。

田中達雄通商産業省機械情報産業局電子機器電機課長

○説明員(田中達雄君) お答え申し上げます。  PCBを使用しております電気機械のうち、使用済みになったものにつきましては、使用中の保有台帳から抹殺されますが、同時に保管中のものに移しかえられまして、各事業所において一定の基準に従って保管すると、こういうことでやっております。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 そうしますと、台帳はそれぞれの事業者が持っておるだけでしょうか、それとも、たとえば行政関係あるいは地方、こういう関係できちっとまとめておるのでしょうか。

田中達雄通商産業省機械情報産業局電子機器電機課長

○説明員(田中達雄君) 各事業所が台帳を持っておりますが、同時にそれらの機器につきましては財団法人の協会の方に登録されてございまして、その結果は各地方通産局の方に通知されていると、こういうふうになってございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 地方自治体はそのことについて承知できるようになっておるのですか。

田中達雄通商産業省機械情報産業局電子機器電機課長

○説明員(田中達雄君) 先ほど申しましたように、通産局にこの台帳がございますから、地方自治体がそちらへ問い合わせればすぐわかるようになってございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 事業者とそれからその事業所の所在する地方自治体との関係というのは、幾つかの問題で密接なかかわりを持っていますね。そういう意味からいきますと、たとえば協会は協会でいいのですが、少なくともこの監視に行ったりいろいろする立場からいきますと、むしろそういう行政の担当のところがいつでも点検のできるこういう姿勢をやはりつくる必要があると思うのですが、その辺はいかがなものでしょうね。

田中達雄通商産業省機械情報産業局電子機器電機課長

○説明員(田中達雄君) 各地方通産局の公益事業部で定期的に電気施設の立ち入り検査を行うことができるようになっておりまして、現在通産局が主体になって立ち入り検査及びその保管状況の監視等を行っております。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 その立ち入り検査の実施状況というのは掌握されていますか。私の聞いている範囲では、立ち入り検査はたてまえになっているけれども、具体的にその立ち入り検査がきちっと定期的に整理されましてそして行われたという話は余り聞かないのです。たてまえと実際運営というのはそこに相違があるのじゃないでしょうか。それだけのまた体制もないように聞いているわけです。そうしますと、むしろそれらが具体的にいつでも監視のできる、しかもその監視が具体化のできるこういう対応というものが必要なんじゃないでしょうか。そういう意味からいくと、ずいぶん問題があるというように考えますが、いかがでしょうか。

田中達雄通商産業省機械情報産業局電子機器電機課長

○説明員(田中達雄君) 現在手元に資料を持ち合わせておりませんが、後ほど先生のところへ実施状況等を取りまとめまして御報告に上がりたいと思いますが、いかがでございましょうか。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 ぜひひとつ説明をいただきたいと思います。  それで、問題は、ただ使用済みになったものが蓄えられるということ、それからもうすでに廃液になったものあるいは未使用のものを含めまして蓄積されている、それから回収された特にノーカーボンなどがある、それらをそのまま置いておいてこれは消滅するわけじゃありませんから、当然措置をしなければなりません。前回のときにも、オランダのOCS社のバルカナス号ですか、これでもって洋上焼却という方針というものが出されておる。実は本来なら昨年の春から夏にかけてこの措置が行われておるやに予定からいけばなっておったはずですが、いまだに全然それがない。しかも、そのときの話からいきますと、このバルカナス号も一号船が古くなってきているので二号船の建造計画がある、こういうような話等も伺っておったのですが、その辺はどうなっていますか。

越川文雄通商産業省立地公害局公害防止指導課長

○説明員(越川文雄君) いまの御指摘の液状廃PCBにつきましての洋上焼却、これは安全かつ確実に実施しなければいけないというようなことを大前提といたしまして、私どもといたしましては、やはり社団法人でございますけれども産業公害防止協会というところに漁業関係の方々を含めまして学識経験者等からなる液状廃PCB洋上焼却処理調査研究委員会というものを設置いたしまして検討を重ねてまいったわけでございます。  今日までの検討の結果では、安全な洋上焼却が可能である、特に、先ほど御指摘いただきましたオランダのバルカナス号でございますね、それを使って、ということで一応の見通しが得られておったわけでございますけれども、焼却を現実に実行いたしてまいります際には、やはり必要な環境面あるいは安全面等について具体的な問題をさらに検討していかなきゃいかぬ、そういったような問題がまあ残ったわけでございます。  それから話の経緯といたしましては、一時バルカナス号そのものが非常に忙しいということで、二号船をオランダ側でさらにつくって日本に回すというような話もあったわけでございますけれども、オランダ側の事情でその話はなくなっております。それで、やはりバルカナス一号でやるという方向で現在もきておるわけでございます。  今後残されております問題点については、さらに先ほど申し上げました調査研究委員会を中心にして私どもとしては鋭意検討をいたしまして、用船の手だてであるとか、あるいは漁業関係者等関係各方面との調整を今後とも鋭意進めまして、できるだけ早い機会に洋上焼却を実現したいというふうに思って努力いたしておるところでございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 いまのところ、具体的に焼却を含めたこれをなくしてしまう措置というのが見つかっていないのですから、見つかっていないやつを早くしろと言ったって無理な話になると思うのですが、少なくとも当初方針が定まってくれば、もちろんこれは相手との契約の関係その他が成立しないとだめなことなんでしょうが、早くこの問題についての処理をするということについて、もうこれは発生しましてから四十八年からですから、ずいぶん期間がたってきましても一向に目鼻がつかないという話では、これはもうお話にならぬことでありまして、とりわけ三菱モンサントなんかの保管の状況等を踏まえてみましても、相当そのことに対して費用をつぎ込みながら努力をされている。しかも、そこの監視体制等を含めますと、人件費から見ても大変なことだと、そういう状況が続いておる上に、なおかつ、いまいろいろと検討されておりますような東海地震等がもし発生して、そして蓄積しているところについて問題が出たら一体どこが責任をとるのだろう、こんな心配を付近住民を含めて漁民が中心に抱いているわけでありますから、ぜひそういう期待に早くこたえられる体制をもう少し真剣に私はやってもらいたいと思うのです。いろいろな交渉その他のむつかしい面というのはわからぬではありませんけれども、少なくとも日本の国がそのことについて明確にやっていこう、こういう立場でありますから、割り切るものは割り切る、こういう立場で、ぜひともひとつ一日も早く処置の促進を図ってもらいたい、こういうふうに本日は申し上げておきます。  それから次に、通産省に、石油の国家備蓄計画、これの概要を少し説明をいただきたいと、こう思うのです。とりわけ私が質問をいたしたいのは、福井臨海石油備蓄、国家備蓄計画ですね、これが三月七日の港湾審議会で第八十九回の計画部会が開かれて決定していますですね。一部地元との調整等についての要望事項はあるものの、それは進めてよろしいと、こういういわばゴーサインが出ているというふうに受けとめるのですが、その辺に中心を置きながら少し説明をいただきたい。

森清圀生資源エネルギー庁石油部備蓄課長

○説明員(森清圀生君) 福井の国家備蓄計画につきましては、第一次の国家備蓄計画四地点の一つといたしましてフィージビリティースタディーを昨年終了し、その後地元調整その他諸般の手続を進めてまいっておるところでございますけれども、最大の問題であります地元の調整、具体的には地元の漁業者の同意を得るということでございますけれども、この点につきまして現在なお最終的な御了解を得るに至っておりませんので、私ども資源エネルギー庁としましては、まだ福井の計画を正式に国家備蓄の基地として取り上げるということを決定するには至っておりません。現時点では一最終決定に至るための一番大きな前提としての漁業者の同意を得るということについて、県及び石油公団が鋭意努力をしておるという状況でございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 そうしますと、いわゆる地元の関係の合意が得られなければこの計画は進めないというふうに受けとめていいのですか。

森清圀生資源エネルギー庁石油部備蓄課長

○説明員(森清圀生君) さようでございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 地元の合意を得るためには、地元から幾つかの問題が提起されておりますね。そういう問題について、きわめて科学的あるいはデータ的に整備して解明しなきゃならぬ課題がたくさんあると思いますが、きょうはその一つ一つを私は取り上げるつもりはありませんが、そういう地元の問題提起に対して、きちっとやはりこたえていこう、こういう立場の責任は一体これはどこが持つのでしょうか、事業団ですか。

森清圀生資源エネルギー庁石油部備蓄課長

○説明員(森清圀生君) 国家備蓄の計画の実施主体は石油公団という政府機関がございまして、こちらが第一次的に実施にかかわる責任を持っておるということでございます。したがいまして、福井の計画につきまして実施部隊としての公団が安全面その他プロジェクト全体についての十分な検討をし、責任を負うべきことはもちろんでございますが、特に安全問題に関しましては陸上のタンクその他付帯施設に関しましては消防庁とかあるいは私ども立地公害局というところが直接の所管省庁になりまするし、海域部門、具体的にはシーバース、そういった点につきましては運輸省の港湾局あるいは海上保安庁というところが直接的な所掌官庁になるわけでございますので、最終的にプロジェクトの法規制の面における適否に関しましては、資源エネルギー庁じゃなくて、いま私が申し上げましたような所掌所掌に応じた官庁に相なるということでございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 先ほどの論議でもいたしましたように、一番困るのはそれなんですよ。幾つか、地元の方は、地元の感覚で、あれも問題だ、これも問題だ、こうなりますね。ところが、その問題の種別によって全部答弁をする責任の所在が違うわけですからね。そうなりますと、責任を持ってその事業を進めていくに当たっての統一的なものというのは一体どうなるのか、これは何とかしてもらいたいということなんですよね。だから、責任を持って答弁もここに出てくる、しかしその中身をつくるのは関係のところがきっちりつくるんだという状況を私は整理をすべきだ、こう思うのですね。この辺、長官ね、質問する予定じゃなかったのですが、いまお聞きのようなかっこうになりますと、これは巨大開発その他の問題は全部そうなんですよ。所管が違いますということで、その専門のところは答えられるけれども、あとは知りませんと、こうなっちゃう。場合によっては、同じ問題を、私のところも違う、私のところも違うということでどこも引き取り手のないような問題が出てくる。これが一番困っちゃうのです。したがって、これに対して政府がきちんと総体的に責任を持って答えますよというものがありませんと困るのでして、そこへ一番最後に集約をする過程が幾つかあってあたりまえの話だろう。専門家が専門的な意見を、実はこうですよと、その辺をぜひ私は努力して一体にしぼってもらいたいと思うのです、この種のものについて。そうしたことについて、長官、お考えがあればひとつお聞かせをいただいておきたいと思います。

土屋義彦自由民主党・自由国民会議環境庁長官

○国務大臣(土屋義彦君) その点に対しまして私も全く先生の御意見と同感でございまして、私自身もそういう場面に何回かぶつかっておりますので、きょうの御意見を官房長官等にもお伝えいたしましていろいろ対策等考えてまいりたいと思います。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 たとえばブイの安全性の問題だとか、日本海という状況の中で気象の関係その他からいって、果たして活用度合いというのは一体どうなのかとか、あるいは自然の魚礁とのかかわりでどこに設置したら一体どういう影響があるのだろうかとか、幾つかの問題がございますね。したがって、そういう問題を一つ一つやっていますと大変なんですが、それは次回に譲るといたしまして、いまも申し上げましたように、地元における納得、合意を得ようとすれば、少なくとも地元の意見を総合的に発表ができて、これでいかがですかという、そういう立場ができるようにぜひともひとつ整理して、こういう問題に対して正々堂々と論議をするところは論議をするというふうにしていってもらいたいというふうに思います。いままあ三国、福井一帯がこの備蓄計画そのものについて基本的にきわめて問題があると、こういう状況でありますから、まずその辺からも解きほぐしていくように——私は推進でも反対でもいまのところない。しかし、日本全体からながめて見ますと、どこかに備蓄をしなきゃならぬことだけは事実です。したがって、どこかに備蓄をする場合に一番最善の場所はどこなのか、こういう観点で私は私なりに意見を持っています。持っていますが、少なくともこの福井臨海の問題については、気象条件あるいは港湾の条件、あるいは潮流の問題、こうしたところから地元が出しております意見というのはきわめて貴重な基本的な問題点であろう、こういうふうに言わざるを得ませんので、そういうところを含めて、先ほど確認をいたしましたように、それらの合意がなければこの仕事については進めていかないという前提を含めまして確認をしておきたい、こういうふうに思います。

森清圀生資源エネルギー庁石油部備蓄課長

○説明員(森清圀生君) 福井のこのプロジェクトのマスタープランというものがすでにできておりまして、このマスタープランをつくるに当たりましても各界の有識者に御参加を願った委員会を設けまして、その委員会にも安全工学の権威であります井上威恭先生という安全工学の先生を委員長に据えて、特に安全には十分配慮したマスタープランづくりをやってきたわけでございますけれども、最終的にプロジェクトを実施するに当たってのいろいろの許認可は、先ほど申し上げましたように担当の省庁で最終的に御判断いただくわけでございますが、私どもとしましては現在の私どものマスタープランでもって十分適正なものであるというふうに確信しております。つきましては、先生御指摘のございましたように地元の漁民あるいは住民の方に一部不安があるやにも聞いておりますので、今後最大限努力をして私どもの考え方を率直に御説明申し上げ御理解を得るように努力をしたいと思っております。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 終わります。

小平芳平公明党

○小平芳平君 私は土呂久の鉱害被害者救済についてお尋ねをいたします。  土呂久では、認定患者数百三十三人、それで百三十三人の方が認定されているのですが、八十二人は知事あっせんという形で脱落している。したがって、補償法でいうところの補償を受けていられる方は五十一人にすぎないわけです。このことは、数字は違いますが、環境庁で出したこの年報にも載っているわけです。公害補償法がせっかくできているのに知事あっせんというような相対なことによって八十二人の人が脱落している。五十一人しか補償を受けていない。いかにもおかしな結果になっているのですが、いかがですか。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(本田正君) ただいまの知事あっせんによってとおっしゃっていただきました八十二名につきましては、四十七年から五十一年までの間に知事のあっせん案に対しまして住友金属とそれから砒素による被害者の間で和解が成立しておると、こういうふうに解しておりますので、その和解によりますところの補償金によりまして対処されていると考えております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 和解によって補償されているから補償法にいう補償は受けられないということでありますが、いろいろ問題があるわけです。第一に、補償法十三条にいうところの免責ですね、これはどういうふうになりますか。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(本田正君) いま御指摘の補償法の第十三条第一項には「補償給付を受けることができる者に対し、同一の事由について、損害の填補がされた場合においては、都道府県知事は、その価額の限度で補償給付を支給する義務を免れる。」と規定されてございます。土呂久におきますところのあっせんは、申し上げましたように宮崎県知事のあっせん案で砒素による健康被害を受けた方々とそれから住友金属の間で和解が成立しているわけでございます。そういうふうなことでこの十三条一項に該当するものだと存じております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 該当するものだというのですか。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(本田正君) 公害健康被害補償法の十三条第一項によりますところのすでに「損害の填補がされた場合」云々ということがございますので、それに当てはまるものだと解しております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 知事あっせんといって、住友の意向を体して知事が一生懸命働いたのだね、知事が直接働いたかどうか知らないけれども。それがおかしいじゃないですか。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(本田正君) 当事者間におきましてそういった知事があっせん案を示しまして和解が成立しているわけでございます。それによりまして損害のてん補がなされたと、こういうふうに私どもは解しているわけでございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 たとえば、医療救済措置を受けた人七人と住友金属鉱山との間で県知事のあっせん成立となっていますね。それから二番目には救済法による被認定者五人につき県知事の補償あっせん成立、それから三番目に同じく被認定者十人につき県知事の補償あっせん成立、同じく補償法による被認定者二十三人につき県知事の補償あっせん成立、同じく四十八人が認定されたけれどもそのうち三十七人につき県知事の補償あっせん成立となっているのですね。これは年報を読み上げたわけですが、そうすると、認定されるのを待っていて、認定されたと見るやそれ行けとばかりに県知事が動いていってそしてあっせんをして話を取りまとめるという、そういうことをやるのですか、ほかでも。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(本田正君) いや、ほかでやるということではございませんで、このケースは四十七年にいま御指摘の第一回目の知事のあっせんによる和解が成立しておるわけでございます。そういったことが続きまして五十一年の十月というのが第五回目の知事あっせんであるわけでございます。そういういわゆる旧法時代からの踏襲に基づきまして知事がごあっせんなさったのではなかろうかと、こういうふうに考えております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 どうも納得できないですね。なぜ知事があっせんをして話をまとめるのですか。認定されるのを待っているのです。それで認定されたとみるや、それとばかり走って行って、そして一カ所へかん詰めにして話をまとめるのです。それで県会でも問題になっておりますね。県会でも密室のというふうな問題になっています。そういうことを何回も何回も繰り返しているのです。それでこの土呂久の場合がそうなんですが、ほかで例がないじゃないですか。ほかに例がないことを土呂久だけはやって、それで成立したからよかったと言っているんです。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(本田正君) 知事がごあっせんなさったことで、どういう意味かということはよく私どもわかりませんけれども、知事さんが地元の知事として地域住民の間に立ってごあっせんなさったと、こういうふうに解しております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 あっせんは主に年末に行われるわけです。お金が入り用だろうと、こういうわけです。そうして、担当者は初め上座に座っていたのに、いきなり下座へ行って、両手をついて、おれの首がかかっているから頼むというような調子でまとめるのですね。それから地域の振興対策費として一千万円を寄付するというような条項が載っているのです。そういう条項なんか関係のないことでしょう。本人は補償を受ける、その本人の補償を受ける契約書に、地域に一千万円の振興対策費を出しますというようなことが載っているものだから、あなたが拒否していると、いつまでもがんばっていると、その一千万円がもらえないのですよと、こう言って締めつける。それで、やむを得ず判を押すということが繰り返される。いかがですか。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(本田正君) 私ども、そういう問題があるということは、伝え聞きまして、県の方にもいろいろと聞いてみたわけでございますけれども、そういった、何といいますか、強制的にあっせんをまとめたというふうには私は聞いておりません。それから年末に結ぶのを常とするとおっしゃっていただいたのでございますが、いろいろな時期があるようでございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 いろいろな時期がありますが、年末もありますが、それで、このあっせんによる金額と、それから補償法で言う一級、二級、三級とありますが、その金額と、どのくらい違うか、いかがですか。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(本田正君) これは、あっせんによります金額は年代によって違いますけれども、二百万円から四百五十万円ぐらいあると思います。これを補償法に当てはめましてどうなのかということは、あっせんの中身というものが一切の補償費を含むと、こういうふうに書いてございますし、それから一人一人がいろいろの等級といいますか、特級とか一級とか、そういう等級別にも決められておりませんし、現在の補償法に比べてどうなのかということはちょっと計算しかねると存じます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 現在の補償法でたとえば二百万円補償を受けた人が、一級、二級、三級とありますが、三級でも三百八十六万、二級だと五百四十八万、一級だと九百五十二万というふうに出ますが、これはいかがですか。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(本田正君) そういった試算をしたことはございませんけれども、たとえばそういった級に当てはめて障害補償費で比較いたしてみますとそういうことになるかと思います。しかし、あっせん案によるところの和解の中身を言ってみますと、医療費とかあるいは障害補償費、そういった一切のものを含めてそれぞれの時点で和解が成立しているわけでございます。そういうふうなことでございますので、私どもは直接この法律によった場合は幾らであろうかという試算をしかねているわけでございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 このあっせんによって二百万円とか三百万円とかもらったわけです。しかし、補償法による給付はすでに過去五年とか六年とかたっているんです。したがって、過去五年とか六年とかいうそういう補償を計算するとそれは出るでしょう。補償法で言うところの年齢も年齢別に、それから一級、二級、三級別に金額が出るわけです。その金額を比べると、はるかにこのあっせんの額よりも補償法で言う額が上回っているわけです。それで、確かにすべてを補償すると、請求はしないという約束をしてもらっているわけです。もらっているのですが、そのことについては後で触れますが、補償法で言う仮の計算というものが金額が出るでしょう。いかがですか。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(本田正君) 患者一人一人違いますけれども、特定の等級に当てはめまして障害補償費を過去にさかのぼって計算すれば、これはきわめて単純な計算になると思いますので出ると思います。ただ、私どもは、現時点ではそういう試算はいたしておりません。

小平芳平公明党

○小平芳平君 それで、しかも、その計算が、金額が二百万とか三百万ではない、大幅に上回っているということもわかりますか。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(本田正君) 現時点で試算いたしておりませんので、上回っているかどうか、ちょっとわかりません。

小平芳平公明党

○小平芳平君 じゃ、これを見てください。  それでは、法制局、こういうように補償を受ける。しかし、すべての補償であって、これ以上請求はしないという約束ができているわけですが、こういう場合どうなりますか。

関守内閣法制局第二部長

○政府委員(関守君) 先ほど環境庁の方からも説明がございましたが、この第十三条に基づきますと、「同一の事由について、損害の填補がされた場合」と、こういうことになっておりまして、要はその損害のてん補がなされたかどうかということに係ると思います。そこで、その損害のてん補というのはどういう形でなされるかというのは、実体の問題になりますので、ちょっと私どもからはお答えしにくいわけでございますけれども、その全体の損害がてん補されているというふうに見られる場合、あるいはいろいろな合意とか裁判とかによってそういうてん補がなされるという場合もあろうかと思いますけれども、その場合に、そういうふうに事実の認定として損害がてん補されているということであれば、この規定によりましてこの法律による補償の給付が免除されると、こういうことになると思います。

小平芳平公明党

○小平芳平君 まあ県あるいは企業は全体の補償がなされたというふうに言うに違いないと思うのです。しかし、土屋長官、前回の委員会で私はこの問題で砒素による健康被害は全身的なものであるということを検討してほしいということを言ったわけです。皮膚、鼻、神経炎だけだと、この補償はなされたと言えるかもしれないですが、全身的な、たとえば肝臓とか胃がんとか、そういうものにも影響があるのだということになると、また話が違ってくるわけです。それで、私たちは肝臓や胃がんもこの砒素による被害であるということを主張して検討するように要請しているのですが、長官、いかがですか。その前回の委員会の続きはいかがですか。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(本田正君) 私からお答えします。  いま御指摘の砒素の認定要件といいますか、そういったものの検討は、前回お答え申し上げたと思いますけれども、昨年の七月に第一回の慢性砒素中毒症に関する会合ということで発足いたしまして、その後三回にわたって検討が進められております。四回目は近々お願いしたいと存じております。その中でまだもう少し時間はかかるのかもしれませんけれども、いろいろ論議をされておりますが、まだ結論が出ておりません。三回目が済んだところでございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 したがって、この補償が、皮膚、鼻、神経というそういうものとしてとらえるか、それとも全身的なものとしてとらえるか、それによって違うわけでしょう。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(本田正君) あっせんが行われましたこれらのケースにつきましては、そのときの砒素による被害を受けたというそのこと自体につきましての補償の和解であったというふうに解しております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 砒素による被害を受けたというそのことによるあっせんだから、補償だから、だから砒素による被害を受けたというそのことが、皮膚、鼻、神経なのか、内臓まで入るのかという違いになるわけです。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(本田正君) 確かに、皮膚における色素沈着とか、それから鼻中隔せん孔、あるいは多発性神経炎、そういったものが認定要件の中に入っておりますけれども、そうじゃなくて、どの症状に適応——こういう基準に合うから合わないからということじゃなしに、砒素による健康被害を受けたというそのこと自体に対しての和解、そういった意味で和解が成立したのじゃなかろうかと解しております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 砒素による健康被害を受けたというそのことによる和解でしょう。砒素によって健康被害を受けたということが、皮膚、鼻、神経なのか、内臓まで含む全身的なものなのか、それはいかがですか。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(本田正君) 症状の何といいますか個々の症状の程度、そういったことにはよっていないのじゃなかろうかと存じます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 何ですか。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(本田正君) 砒素によるところの被害を体として受けたと、そういうことであって、個々の症状が、鼻中隔せん孔があるとか、あるいは色素沈着があるとか、その程度がどうだということに立ち入った和解じゃなかったと存じております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 部長さん、すごい、あなたは法律を発明するんですね。砒素による健康被害は皮膚、鼻、神経だけじゃない、内臓まで含んだ全身的なものだというふうに見るか、それとも、砒素による健康被害をもっと限定したものと見るか、それによる違いが出てくるのが当然じゃないですか、このあっせんの趣旨は、土呂久の砒素による被害の全体の補償だとなっておりますから。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(本田正君) その砒素によるところの健康被害がどの程度まであるのかということにつきましては、これは学問的に非常にむずかしいと存じます。したがって、申し上げましたような委員会で新たな角度から検討を実はお願いしているわけです。  申し上げたかったのは、この砒素によるところの認定基準というのも、多発性神経炎が導入された時間差というのもございます。当初は皮膚と鼻中隔せん孔であった。それが後刻島根県の例が発生しましたときにいろいろ検討会を設けていただいて、多発性神経炎というものが入ってきたわけです。あるいはそういうことで新しい医学的知見によってそういうことが将来あるかもしれません。しかしながら、いまの医学的知見によって現在どういうものを慢性砒素中毒として認定するかということにつきましては、いまの基準によらざるを得ぬわけです。あっせん案におけるところのあっせん、そういったいわゆる患者さん方というのは、あっせん案を受諾するに際して個々の症状の程度とか範囲とかそういったものまでを含めて言っているのじゃなくて、総体として砒素による中毒があると、こういうふうな判断のもとにあっせんが行われたのじゃなかろうかと、こういうふうに考えるわけでございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 それはきわめて重大なことですね。それでは、なぜ二百万円とか四百万円とか区別をつけたのですか。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(本田正君) 砒素による何といいますか、個々の症状のどこまでを取り入れるかということはわからないわけでございます。たくさんの症状があるいはあり得ても、他のいろいろな疾病がそうであるように、いろいろな症状がたくさん重なった場合にその病気を認定する、そういったことと違いまして、この認定基準というものがあるわけでございますね。ですから、当然その範囲では考えるかもしれませんけれども、しかもその障害を受けた程度というものは全体としてあるわけでございます。個々の症状についてはなかなか特定できなくても全体としてある、そういう意味で、砒素中毒とその補償額というものが定められていったのじゃなかろうかと類推しております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 結局、症状は問題にしてない、全体として砒素の中毒だ、砒素の被害を受けたんだということで二百万円、四百万円というふうにつかみ金をやったのだ、症状を問題にしているのではないのだという説明をあなたは何回も繰り返して、もう同じことを言わないでください、そういうことですか。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(本田正君) ちょっと説明が至りませんで、やはり全体としての障害の程度というものは当然問題になると思います。補償する以上はそういう差は出てくると存じます。ただ、個々の症例をどこまで取り入れるかとか、そういったことはやられていないだろうと、こういう意味で申し上げているわけです。したがいまして、個人個人によってその障害の程度は違うわけでございますから、そういった差というものは当然見ているのじゃなかろうかと、こう思います。

小平芳平公明党

○小平芳平君 ですから、皮膚、鼻、神経という範囲で恐らく症状に応じて二百万円から四百万円出したわけでしょう。それとは全然別に、今度は砒素による被害が仮に全身的なものだというふうになってきたとしたら、この補償の協定が崩れるのじゃないですか。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(本田正君) 一時金でございますし、それからそのときに結ばれた何といいますか、和解でございます。そういったことから、まあこの和解の中には「一切の損害すなわち」云々ということで医療費その他が例示されておりますことと、それからもう一つの項目には、名目のいかんを問わず将来にわたり一切の請求はしないということが当事者間で決められておるわけでございます。したがって、この範囲が広がるともし仮定いたしました場合に、それは当時当事者間で和解がそういう意味で成立しているわけでございますので、直接的には及ばぬのじゃなかろうか、こう思っております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 直接的に及ばないですか。この和解の段階では予想もできなかったような被害が実はあるのだということになった場合、法制局の方、いかがですか。和解したときにある予想した被害、その被害に比べたならば、後からとんでもない被害が実はあるのだというふうなことがわかった場合、どうなるのですか。

関守内閣法制局第二部長

○政府委員(関守君) 被害の実態等がどういうふうにいくのか、私はよく存じませんので、正確なお答えはちょっとできかねるわけでございますけれども、その契約の趣旨がその当時考えられたものだけに限るということであれば、あるいはそういうその後に新たに生じた事由については別途考えるべきものであるというふうに判断されるケースもあるいはないわけではないかもしれませんけれども、ただ、いずれにいたしましても、その契約内容がどういう意味を持つのか、そういうものを含めて一切の損害のてん補ということになっておるのかどうか、その辺はちょっと判断しかねるわけでございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 じゃ、死んでしまった場合はどうですか。その契約したときには一切の請求をしませんと契約したのですが、それが原因で死んでしまったという……。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(本田正君) 契約時に一切の補償を含むというふうにうたわれておりますので、直接的と申し上げましたのは、そういう契約といいますか和解の中身が、著しく、それはたとえば民法でいいますところの公序良俗に反しというくだりがあるみたいでございますが、そういったことがなければ、その和解というものはそういう和解であるというふうに解しております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 水俣のときは、公序良俗に反する、契約は無効だということになったですね。いかがですか。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(本田正君) 裁判によってそのような内容の判決があったと存じております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 したがいまして、この場合もそういうことがあり得ないですか。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(本田正君) 私どもではその辺が判断がつきかねるわけでございまして、水俣のケースとはまたこのケースは違うのじゃなかろうかと存じております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 砒素に起因する健康被害についての一切の損害となっておりますね。ですから、砒素に起因する一切の損害、それがその契約の当時気がつかなかったんだ、契約の当時はまだ鉱害がこれほど一般的な認識もされてもいなかったし、それで契約は成立したのだが、砒素に起因する一切の損害の中に実は胃がんとか肝臓障害も入っていたのだということになったら問題が別になるでしょう。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(本田正君) 現在検討会でそういった検討がなされているさなかでございまして、ちょっとそういうものがもし認定基準に加わったらどうであるかということにつきましてはなかなかお答えできかねますので、御了解賜りたいと思います。

小平芳平公明党

○小平芳平君 おかしいじゃないですか。わざわざ検討会をつくったのでしょう、環境庁で。それで検討していただいているわけでしょう。そのわざわざ検討していただいた結果、そういうものが加わる、砒素による一切の損害という中に新しくそういうものが加わるということになれば、話は違ってくるでしょう。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(本田正君) 御指摘の意味は、私、わからぬではございませんけれども、ある時期に当事者間でそういう、何といいますか、和解が成立しているというその事実があるわけでございます。しかも、その中には、全損害を補償するのだと、それから一切の今後の補償を行わない、当事者間でそういう決めがあるわけでございます。それがいいか悪いかというその判断は私ども行政機関だけではちょっと判断がつかないと、こういうふうに思います。

小平芳平公明党

○小平芳平君 長官、どう思いますか。

土屋義彦自由民主党・自由国民会議環境庁長官

○国務大臣(土屋義彦君) 先ほど来先生の御質疑を承っておりまして、率直に言って大変むずかしい問題だなということを深く痛感いたしておる次第でございます。患者さんにとりましては大変お気の毒なことでございますが、ともあれ、宮崎県知事のあっせんによりまして健康被害者と住友金属が受諾されたものでありまして、補償法の対象とすることは困難であるのではないかと、かように考えておる次第でございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 何かよく聞こえない、わからなかったのですが、この砒素による被害の全体がこれで補償ができたのだと、砒素による被害の全体の補償だということにいままではなっていたのです。ところが、環境庁で新しく検討委員会をつくって検討する場合に、砒素による被害は漸進的なものだというふうに仮になった場合、そのときの契約、そのときになされた契約の根底が崩れやしないかというふうに申し上げているわけです、部長さんは行政官としての立場でそれでいいのだと、一たん和解が成立した以上は立ち入るべきでないと言っているのですが、いかがですか。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(本田正君) いまおっしゃっていただいたとおりでございまして、当事者間の契約に基づきますことでございますから、いわゆる客観的にそういった、行政機関以外のところでそういう御判断がない限り、私どもはそういうふうに解せざるを得ないと、こういうふうに思っております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 それでは、またもとへ戻って、見ていて、それで認定されたら、それっとばかり行って、しかも知事が行って話をまとめるというのはどうですか。けしからんじゃないですか。その認定されるのを待っているんです。それで、何人認定されたとわかったら、知事のどこの部局が出動するか知りませんけれども、それっとばかり行っては、それでさあ何とかこれで話をまとめてくださいと、それで話をまとめるのはよけいなことだと思いませんか。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(本田正君) 申し上げましたように、地元の知事さんとして地元住民あるいはそういった方々の当事者の間を取り持っておられるのだと存じます。いいか悪いかの判断は私にはできかねます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 よけいなことをやってくれたと思いませんか。長官、どうですか。

土屋義彦自由民主党・自由国民会議環境庁長官

○国務大臣(土屋義彦君) 先生におしかりを受けるかもわかりませんが、やはり地元の知事といたしましては何とかできれば話し合いによって解決をしたいといったような気持ちからあっせんに乗り出したのではないかと、かように考えておる次第であります。

小平芳平公明党

○小平芳平君 確かにそのとおりですよ。そのとおり知事はよかれと思ってあっせんしたわけです。が、いまとなって考えれば、よけいなことをしてくれたなというふうに思いませんか。

土屋義彦自由民主党・自由国民会議環境庁長官

○国務大臣(土屋義彦君) 先生のおっしゃることも私なりによく理解はできます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 それで、これが結局訴訟になっているんですよね。それで、やがて裁判所の判断が出たら、またその立場でどうするか、国として考えることになるでしょう。そこで、部長さんが言うように、知事がおやりになったことに対して行政がいい悪いと言えない、それが裁判の結果判決でも出たらまた別だがというような意味に先ほどとれたですがね。ですから、環境庁は要らないですね、そうなったら。とにかく知事が出ていってそれで間をあっせんする、それで話がまとまったらこれでよしとしている。それから裁判に持ち込まれる。それで判決が出たら判決に従ってこうしましょうということになったら、環境庁は要らない、そういうことになりませんか。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(本田正君) 私どもは公害健康被害補償法に基づいてもちろん仕事をしているわけでございます。それに適応するかどうかということにつきましてお答え申し上げたつもりでございまして、やはり公害健康被害補償法の適正な運営ということにつきましては今後とも誠心誠意適正な運営について努力していきたいと存じております。

土屋義彦自由民主党・自由国民会議環境庁長官

○国務大臣(土屋義彦君) お答え申し上げます。  どうも、先生、率直に申し上げまして、私も部長も木で鼻をくくったような答弁になりまして申しわけないのでございますが、決して対岸の火事のようなふうには考えておりません。先ほど来御質疑を拝聴いたしまして、非常にむずかしい問題だなと、かように考えておりますが、この土呂久のあっせん対象者を補償法で救済することにつきましては法的には困難な面があろうかと思いますが、今後どのような措置をとり得るか検討してまいりたいと考えております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 さっきの紙はどうしましたか、見てくれたですか。見てどうだったですか。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(本田正君) ちょっとこういう雰囲気の中でなかなか細かく拝見できなかったのでございますけれども、確かにその試算によりますと差がございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 それは、二百万という人が、一級だと九百五十万、二級だと五百四十万、三級だと三百八十万というような試算をしておりますが、これは機械的に出るわけでしょう。年齢が決まり、級別が決まったなら機械的に出るわけです。  これは土屋長官がおっしゃったように、補償法の解釈上でけりをつけようとすれば、いま訴訟が起きていますから、四つに組んでこれからどうなるかということです。それから長官がおっしゃったように、補償法とは別に解決する道がないかどうかということもあると思います。  きょうは時間がありませんからこれで終わります。終わりますが、環境庁は石原産業の津地裁の判決をどう受けとめておりますか。

土屋義彦自由民主党・自由国民会議環境庁長官

○国務大臣(土屋義彦君) お答え申します。  この事件は水質汚濁防止法制定以前の事件でありまして、御案内のとおり現在では各種の制度が整備されておりますので、今後このような事件は私は起こらないものであると、かように考えておる次第でございますが、なお環境庁といたしましてはこの判決を契機にさらに心を引き締めまして水質汚濁防止法等の関連法規の厳正な運用を図ってまいりたいと思います。過去の環境行政の至らなかった点を深く反省いたしまして、今後前向きに環境行政と取り組んでまいりたいと思います。

小平芳平公明党

○小平芳平君 過去には環境行政なんてものはなかったのですね。ある時期までは全く野放しだったわけです。それから法律的にもきわめて不備であった。しかし、石原産業のこのケースは、港則法適用というようなことでそんなことができるのかどうかと言われたにもかかわらず、十年たったらそのとおりだったということになったのです。環境庁は、このような事例、このようなケースをむだにしないで、過去には夢にも想像できなかったような法律でもいまは整備されたとか、あるいは過去には野放しになっていたのがいまはそうでなくなったとかいうことが数々あるわけです。環境行政も進んでいかなくちゃならないわけです。それをいまさっきの土呂久の例で申しますと、そんなことで争っていたのかということになりはしないかと思うのです。知事がのこのこ出てきてあっせんする、いまは考えられないでしょう。いまでもあり得ますか、そういうこと。知事が認定患者をあっせんしてそれで話をまとめる、一時金で済ませるように話をまとめるというようなことがいまは考えられない。考えられないようなことをありがたくその当時はやっていた。そういうことがないようにということを思うのですが、環境庁長官、いかがですか。

土屋義彦自由民主党・自由国民会議環境庁長官

○国務大臣(土屋義彦君) 先ほども御答弁申し上げましたとおり、過去の反省の上に立ってこの土呂久の問題につきましても今後どのような措置をとり得るか検討してまいりたいと思います。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 それでは、きょうは環境庁長官の所信に対してお伺いをしたいと思っております。  所信表明の第一項目には、「長期的総合的な視点に立った環境政策の展開を図ってまいりたいと思います。経済の安定成長への移行、エネルギーの需給構造の変化等社会経済条件の変化を踏まえ、一九八〇年代の環境政策の基本的方向について展望を行うこととしております。」と述べておられまして、「とりわけ、エネルギー問題は、わが国が当面する非常に重大な問題でありますが、これに対しても環境保全の面からの配慮を加え、かつての公害の苦い経験を繰り返さないようにしてまいらなければなりません。」ということで、「総合的な検討を行うこととしております。特に、石炭利用の拡大に伴って大気環境への影響などが懸念されますので、調査検討を進めるとともに、必要に応じ、各般の措置を講じてまいる所存であります。」ということが所信表明の第一項目に挙げられておるわけでございます。そこで、私、許された時間の範囲内で、この問題はきわめて重要だと思いますので、これに関連いたしましてお伺いをしていきたいと思っております。  まずお伺いをしていきたいと思いますことは、総合エネルギー調査会の長期エネルギー需給暫定見通しによりますと、昭和五十二年度の一般炭の使用量を千九十五万トンとして、昭和六十年度にはその三倍、六十五年度は五・八倍、七十年度には八・三倍、九千万トン体制に移行するという計画になっております。その中で、電力における石炭消費量も、電気事業審議会の中間報告によりますと、昭和五十三年度の七百七十三万トンを基準といたしますと、六十年度には約二倍、六十五年度には約五倍、七十年度には八倍に増大し、六千万トン体制に移行することになっておるわけでございます。これは間違いないでしょうね。通産省の方、おいでですか。

小野真魚資源エネルギー庁石炭部計画課長

○説明員(小野真魚君) 通産省石炭部の計画課長でございますが、ただいまお尋ねございました長期エネルギー需給暫定見通し、私ども、昨年八月に改定いたしておりまして、その数字では、一般炭の需要は六十年度で三千四百万トン、六十五年度で六千六百五十万オン、七十年度で九千三百五十万トンということでございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 資料に基づいているのだから間違いはなかろうと思うのですが、電力以外の業種の一般炭の使用量ですね、これが非常にふえているわけですが、昭和五十三年度三百万トン前後を出発にいたしまして、六十年度にはその五倍、六十五年度には七倍、七十年度には八倍ないし九倍、三千万トン体制に移行するようになっているわけでございます。  これを表にしてみてちょっと驚いたのですけれども、一般炭というのは、特に輸入炭だけでとってみますと、たとえば五十二年度は九十五万トンなんですよね。それが、六十年度になると二千二百万トン、二十三倍なんです。七十年度になったら八千五十万トンで八十四・七倍というようなちょっと想像のできないふえ方をしてきているわけです。こういう膨大な一般炭の使用の増大、これは所信表明でもお述べになっておられますように、いわゆる石炭利用の拡大に伴って大気環境への悪影響が懸念されるということを心配しておられるわけですけれども、こういう一般炭の使用の増大というのは環境問題に対してどういうふうに影響を及ぼし、どう対処していくおつもりなのか、これは通産省と、それから大臣はいいですから環境庁にお聞きをしたいと思います。

三浦大助環境庁大気保全局長

○政府委員(三浦大助君) 代替エネルギーとしての石炭の利用につきましては、大気保全上、硫黄酸化物とかあるいは窒素酸化物あるいはばいじんの発生量が非常に多いということがございまして、また、貯蔵、運搬に伴いましては粉じんが飛散するという問題が出てくるわけですが、このために石炭利用に伴います大気環境への影響という問題につきましては現在既存の資料の収集に努めておるところでございますけれども、五十五年度からは本格的な調査を実施いたしまして効果的な対策を検討していきたいというふうに考えております。

廣瀬定康資源エネルギー庁公益事業部火力課長

○説明員(廣瀬定康君) 脱石油ということで石炭火力の方向が当然出てまいるわけでございますが、先生御指摘のとおり、石炭火力の推進、立地に当たっては当然環境問題を無視して済むわけにはまいりません。石炭火力の立地に当たっては、通産省の省議決定に従いまして事前に事業者に環境影響調査を行わせ、あるいは当省においても環境審査を行う。その結果をもとに関係省庁とも調整を図り、電源開発調整審議会に付議しているところでございます。その際、発電所の立地に伴って行われる埋め立て等の環境影響調査についても環境保全上支障ないことを確認しておりますし、大気の保全につきましても、昨今のSOx、NOx等の脱硫、脱硝装置を設備する等、支障ないことを確認しながら進めてまいりたいと思っております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 通産省、そんなこと言うていて本当にいいんですか。環境庁は早く調査をしていかなきゃいけないと言っておられるのですね。汚染を繰り返さない、七〇年前後のあの汚染を繰り返さないということのためにどう対処するかということが非常に大事だから特にお聞きしているのですが、それじゃ、石炭利用の拡大に伴って大気汚染の影響などが懸念されますのでというふうにわざわざ明記されておられるということは、重油使用のボイラーと石炭使用のボイラーとでは汚染度がどのくらい違うのかということですね。これは答えてもろうたらいいんだけれども、時間がかかりますから、私が皆さんの方の調査資料で調査をしてみたのを申し上げておきたいと思いますけれども、SOxは脱硫装置が開発されて相当な時間がたっておりますから、これは大丈夫ですね。しかし、問題のNOx、窒素酸化物というのは、大体二、三倍になるのと違いますか。これはいわゆるボイラーの排出基準値を見ても、石油の燃焼ボイラーの排出基準というのはNOxで一三〇PPmですね。それから石炭の燃焼ボイラーの排出基準値というのは五十二年六月以降の基準で大型で四〇〇PPmでしょう。違いますか、そうでしょう。それなら、重油をたいていたら一三〇PPmでとまったのが、石炭に切りかえただけで四〇〇PPmにNOxはなるわけですよ。三倍以上の汚染度が出てくるわけでしょう。だから心配なんです。  もう一つは粉じんでしょう、ダスト。ダストはどのくらいふえますか。これはいろいろな資料があってわかりにくいけれども、四倍ないし八倍ぐらいは緩くなるという部分もある。ある基準値によると、ばいじんは約五百倍のひどさになるというふうになっているのですが、五百倍でしょう。ちょっとはっきりしておきましょう。

三浦大助環境庁大気保全局長

○政府委員(三浦大助君) たとえば排ガス処理を行わない場合を想定して申し上げますと、これは石炭とか石油の種類あるいは燃焼条件によってもかなりな開きがございます。開きがございますが、強いて平均いたしますと、硫黄酸化物で五倍、それから窒素酸化物で三倍、ばいじんで二百倍、強いて平均いたしますとそういう数字になってまいります。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 だから大変なんですね。私、いま、全体の一般炭の問題と電力分の石炭使用量の問題を申し上げましたけれども、通産省にちょっと伺いますが、その一般炭の使用量の中で、セメントとか紙・パルプ、鉄鋼、繊維、こういうところの大型ボイラーは石炭使用が相当急速にふえていますね。その実情はいま動きはつかんでおられますか。どういう状態ですか。

小野真魚資源エネルギー庁石炭部計画課長

○説明員(小野真魚君) 私ども、つぶさにどの業種がどれだけ石炭を使うようになっていくかということを承知しておりませんが、いま非常に石炭転換を進めておりますのはセメント産業でございます。セメント産業ではボイラーは使用いたしませんで、キルンの中へ微粉炭を入れていくという形で処理しております。セメントは御承知のようにかなりダストの多い産業でございまして、ダストを除去する対策は講じられております関係上、私、技術的なことは細かく存じませんが、特段の公害上の問題は生じないように承知しております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 公害を生じないようにと盛んにおっしゃるのだけれども、通産省が公害を生じないようにと言って心配がないのだったら、わざわざ環境庁長官の所信の第一の項目に「石炭利用の拡大に伴って大気環境への影響などが懸念されますので」と書く必要はあらへんのですよ。その辺ははっきりしておかぬといかぬのですわ、実際はね。さっきも大気保全局長が言われたように、石油と石炭と同じタイムの燃焼をしてもずいぶん汚染度がひどくなると。ダストは二百倍ですよ。NOxが三倍でSOxは五倍と言ったんですね、平均。ずいぶんひどいわけですから、そういう状態を放置したままでいわゆる石油から代替エネルギーや言うて石炭にぼかぼかかえていったら、また昔のような汚染が繰り返される、苦い経験を繰り返すというおそれがある。そこで、はっきりしておきたいと思ってきょうは取り上げているわけです。だから、通産省はもっとはっきりせぬといかぬと思いますよ。  それで、電力が非常にたくさん石炭を使いますので、電力を中心に——電力は全体のどのくらい使うのかな、電力は一般その他の産業と比べたらもう格段の違いでたくさん使うわけですから、ひとつ電力を例にとって調べてみたのですけれども、電力に対する石炭火力発電の増加というものは、考えられるのは新規の立地の問題と既設のものの転換ですね。既設の転換と新規の立地でしょう。それでこれをずっと見てみますと、ずいぶんたくさん石炭火力の発電計画というのはあるんですね。五十四年から五十九年までの石炭火力開発計画を見てみますと、九基で五百七万キロワットというわけですね。ずいぶんあるのですが、昭和六十年代の前半の予定ではさらに十五基、千二百五十万キロワット、六十年代の前半時点での予想設備の合計というのは二千二百八十一万キロワット。二千万キロワットを石炭火力で賄うといういわゆる政府の目標のめどというのはここなんですね。  そういうことになってくるわけですが、まずそういう新規立地の問題とそれから現在都市部にある石油の燃焼ボイラーの転換ですね、この両方の問題というのはそれぞれに非常に配慮を要する問題点を含んでいると思うわけなんです。既設のボイラーの燃料転換をやろうとすると、これはさっき申し上げたようにこのままでいったらNOxもSOxもばいじんも大変なことになる。これは先ほど説明が足りなかったけれども、通産省が言うように脱硝集じん装置できちんと取るという技術開発をしてそれをなくしていくということをやろうと思いますと、今日のボイラーの大きさの三倍ぐらいの敷地が要る。それがないとできないわけですよ、技術的に。それなら既設の密集地というか都市部ですでにできている石油の火力発電所、これを石炭に切りかえよう思ったら、土地を三倍ほどにふやさぬとできないということになるわけですね。それをやらずに転換をしようとすると、これは大変な問題が起こってくるわけです。  たとえば、現に起こってきているのです。中国電力の水島火力一号、二号の重油から石炭への燃焼転換計画というのがあるんですね。これは御承知でしょう。ところが、これは倉敷市の環境目標値を現状でも上回るというのでいまでもずいぶん汚れているのに、これが大変なことになったら困るということで倉敷市も倉敷の市議会も非常に強い反対をしているわけです。  こういう状態というものに対して、既設の転換の問題というのは次々起こっていくわけですから、そういう問題についてどのように対処するか、差し迫っているのです。これは、環境庁、どうです、どうしようと思います。

三浦大助環境庁大気保全局長

○政府委員(三浦大助君) ただいまの水島火力の石炭転換計画につきましては、まだ私どもの方はその報告を受けておらぬのですけれども、これは倉敷市の環境管理計画というのがございまして、そこにまたプラスされる、こういうことで問題になっているのじゃないかというふうに聞いておりますが、この問題につきましては私どもの方はまだ詳しくは伺っておりません。    〔委員長退席、理事坂倉藤吾君着席〕  ただ、こういう既存の工業地域におきまして、それぞれの地域の環境の実態に応じて各自治体で対策を行っておるわけでございますが、これから石炭転換に伴います届け出等に際しまして、それぞれの地域に対応した適切な対策がとれるように自治体を指導していきたいというふうに考えておるわけでございますが、これは具体的に指導の内容はではどうするのだと、こういうことになると思いますが、これにつきましては、事業者に対します指導の内容として、適切な対策、技術の採用、たとえば燃焼の改善とか、あるいは低NOxバーナー、あるいは二段燃焼、排ガスの再循環、それから排ガス処理装置、こういうことを行わせることとか、あるいは混焼率の低下などによりまして大気汚染物質の排出を極力低く抑えていこうということで私ども考えておるわけでございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 水島火力のことを聞いてないのだったら、調査をしてください。これはいまでも環境目標値を上回っている。これが石炭に転換されたら大変だということで問題になっている。これは石炭火力に転換していく上での一番はしりの問題点の象徴みたいになってきているわけですから、ひとつ調査をしてもらいたい。  それから業者を行政指導して云々という話がありましたけれども、確かに環境管理計画とかあるいはそういう排出工場との協定とかいろいろちゃんとやって、環境管理計画というものを立てて何とか守っているわけですね。高濃度汚染地域では。ところが、さっきあなたもおっしゃったように、SOxで五倍、NOxで三倍、ばいじんで二百倍というような汚染になってくるということになりますと、この環境管理計画も、あるいは工場と自治体との協定も守れないわけですよ。そこでトラブルが起こっているわけですからね。そういう中で、脱硝装置だとか、あるいは集じん装置だとか、いろいろいまあなたおっしゃった。そういう指導をいたしますと、こう言うのだけれども、それをやろうと思ったら土地が三倍ほど要るわけですね。私も図面を見て調べてみたけれども、同じ火力を出すためには三倍以上ないとできません、それを完璧にやろうと思ったら。そういう問題があるので、私は、石炭にどんどん切りかえられていくということを見越して、環境汚染を防止するためにいまは何が必要か、少なくとも石炭燃焼ボイラーの排出基準値を大型で四〇〇PPm、たとえばNOxでね、これを石油と同じようにこの規制値を強化する、そのことをやるかどうかというのが非常に大事だと思うのですが、そういうことをおやりになるおつもりはありますか。

三浦大助環境庁大気保全局長

○政府委員(三浦大助君) 排出基準の見直しというお話でございますが、排出基準値と申しますのは燃料の種別による区分を現在行っておらぬわけでございますけれども、ボイラーにかかわります窒素酸化物あるいはばいじんの基準値につきましては、燃料の種別によって現在区別をされておるわけでございます。今年度からこの準備体制として石炭の需給拡大の動きに伴います業種別あるいは規模別の利用分野、あるいはまた地理的な分布、あるいは環境濃度の推移、技術の開発の程度、こういうものにつきまして総合的な調査に着手したところでございまして、この調査の結果を踏まえまして、必要に応じて排出基準の見直しについても検討していきたいというふうに考えておるわけでございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 排出基準値の見直しを技術水準の改善とそれから進行状態とよくにらみ合わせてということですね。これはNOxもSOxもばいじんも含めてですね、もう一回。

三浦大助環境庁大気保全局長

○政府委員(三浦大助君) 現在着手しました調査の結果を踏まえまして、    〔理事坂倉藤吾君退席、委員長着席〕 その排出基準の見直しについても検討していきたいというふうに考えております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 これはぜひそのことを着実にやっていただきませんと大変な汚染を繰り返すという心配が出てきます。  さらに、その新規立地ですね、石炭火力の。新規立地の問題について、これは先ほども申し上げたように四百万キロワットぐらいが二千万キロワット水準になるわけですから、新規立地が圧倒的に多くなろうと思います。新規立地の石炭火力の発電所をつくろうと思えば、これは石炭を運ばなきゃならぬから、港湾の整備から発電所の用地、従来の三倍ぐらいは要ります。そういうことでずいぶん大変な問題になるだろうと思うのと、それから石炭の灰の捨て場ですね。石炭の灰というのはずいぶん残灰というのは多いんですね。一五%とも二〇%とも言われているのですが、そういう問題。これをやっていくために、海面の埋め立てを初め広範な土地も使わなきゃならないということで、環境への影響というのは非常に大きいのではないかということが考えられます。そこで、石炭火力の新規立地に対しては、これこそ事前影響評価をきちんとやって厳格にやっておきませんと、これはいわゆる太平洋ベルト地帯だけではなしに、全国至るところ汚してしまって全く大変なことになるおそれがあろうと思うわけでございます。だからこそ、環境保全を万全にしていくというためには、これは予算委員会や本会議等からも一貫して問題になっております環境アセスメントの法制化というのが非常に重大な課題になってきているというのはこういった面からもきわめて緊要になってきていると思うわけですが、そこで、長官、どうですか、何遍も繰り返しておっしゃっておられると思いますが、こういう状況の中で環境アセスメント法は必ず五度目の正直で出ますか。

土屋義彦自由民主党・自由国民会議環境庁長官

○国務大臣(土屋義彦君) お答え申し上げます。  現在、関係各省庁挙げて一日も早く国会に提出をいたすべく最大限の努力をいたしておるような次第でございます。また、去る十三日に第一回目の関係閣僚会議を開いていただきまして、問題となっておりまする諸点につきまして関係閣僚の間にいろいろと意見の交換を交わしたような次第でございます。ともあれ、私といたしましては、できますならば三月末までには何としても国会に出させていただきたいということで最大限の努力をいたしておるような次第であります。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 毎日同僚委員の質疑を通してこのアセスメントに対する長官の御答弁を伺っておるわけですから、これはまあ余り変わりばえせぬのが残念ですけれども、ぜひ法制化はやってもらいたい。と同時に、これをきちんとやらなければ、自然環境の破壊はもちろんのこと、国土全体が将来の子孫から恨まれるような結果になるほど今日の社会、経済状態というのは急激に変わってきておる。特にエネルギーの転換問題を含めまして大変な状態にきておるので、法制化はどうしてもやらなきゃならないと思うと同時に、法制化をやったからこれで能事終われりではなしに、やはり中身がきわめて大事だということを特に私は申し上げておきたい。というのは、環境保全に万全を期するためには、たとえば石炭火力の立地でこれは環境にとってはぐあいが悪いということになったら、これを計画の変更とかそこの地域への開発の可否とか、こういうものがきちんとチェックできるような中身が要る。それでなかったら、もう意味がないのですよね。これはもう通産省が電力会社に言うて、おまえとこ好きなようにやれみたいなことを言うて数字を並べてごまかすというようなことは、その場は通るかもしれませんけれども、後にどういう影響が起こるかということは、これはだれでもが現認できるような状況になるわけですから、その点はもう厳格に考えなきゃならない。  特に、そのためには、資料の公開、それから民主的な住民参加による公聴会、その他住民参加の保障、これはもう何よりも大事です。それから当然のこととして影響評価の審査会を設置して第三者機関で公正な審査が科学的にやれるような保障、それから地方自治体がそれぞれの地域の条件に基づいて条例による上乗せ、こういうものを禁止するということはまかりならぬ。やっているときにはそれぞれやっていますと言うけれども、法制化するときはそれをやめさせるというようなやり方というのはだめですよ。どうしてもいままでの蓄積を守らなきゃならない。そうして開発行為の許可制をきちんとやっていけるような、やはり開発を許可していいかどうか、開発の可否、都合によっては計画の変更、こういうことができるような環境アセスメント制度でなければ、本当に今日国民が望んでいるような環境保全というのはできないというところへきているという点で、これらを盛り込んだ法制化にぜひ実現をし踏み切ってもらいたいというふうに思うのですが、中身について余り細かく聞いている時間がありませんから、その点はどうですか、基本的な点だけ。

土屋義彦自由民主党・自由国民会議環境庁長官

○国務大臣(土屋義彦君) お答え申し上げます。  沓脱先生の御指摘になられました問題は大変貴重な御意見でございますので、私といたしましても十分勉強させていただきたいと思いますが、環境庁といたしましては、約三カ年の長きにわたって中公審においていろいろと御検討願い、昨年の四月十日にその答申をいただいておるような次第でございまして、その線に沿って何としても法律をつくり、そして国会に出さしていただきたい、こういうことで鋭意ただいま最善の努力をいたしておるような次第でございます。その点もあわせてぜひ御理解を賜りますようにお願いを申し上げます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 この問題は別にまた詰めることにしないと話になりませんので、次にまいりますが、石炭火力になりますと、さっきもちょっと触れましたけれども、燃焼量の一五%とも二〇%とも言われる残灰が残るのですね。これはばかにならぬ、石炭の量がばかに多いわけですから。大体六十年度になりますと灰の量も三倍になるし、六十五年になると六倍になる。七十年になると八倍の千三百万トン余りの残灰が排出されるという勘定になるのですけれども、この処理、処分というのがまた大変なんですね。そこで、当然のこととして有効利用の問題と最終処分に関する問題というのが問題になってくると思いますが、この点について、通産省、有効利用と最終処分、そういうものを含めてどう考えておるか、ちょっと聞かしてください。

廣瀬定康資源エネルギー庁公益事業部火力課長

○説明員(廣瀬定康君) 先生御指摘のように、現在わが国の石炭火力は四百四十万キロワット、これから出ます石炭灰は年間約二百万トンでございます。これが昭和六十年度になりますと約四百数十万トン、六十五年では一千万トンになります。ということでございまして、石炭火力にいたします場合、当然灰処理の問題というのはやはり今後の大きな一つの課題として前向きに取り組まなければなりません。石炭火力の灰処理の対策といたしましては、現在、陸上埋設、海上埋設により処分されますほか、いわゆる有効利用といっております、セメント原料とかあるいは肥料等に使われております。今後先ほど述べました数字のように石炭火力が拡大していくに当たりましては、もう少し長期的な観点に立った計画的な灰処理対策を確立する必要がございます。当省といたしましては、石炭灰の有効利用を一層促進するということはもちろんでございますけれども、そういうことと、余りある量がございますので、五十五年度から今後の石炭灰の集中的な処理あるいは再資源化に関する調査をやるべく、再資源化のための調査あるいは六十五年度ベースに向かってどのような処理方法をしたらよいかということを調査する方向で調査いたす所存でございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 これは大変重要な課題ですけれども、今後の課題ですので、きょうは問題提起にとどめておきます。必ずしも答弁で納得をしているわけではないのですが。  自民党の政調で、昨年の六月ですか、石油備蓄基地の建設だとか、石炭火力の発電所建設、地熱発電所建設を促進する上で、現在の公害環境規制は障害になるから、環境基準や排出基準というようなものは見直すべきだ、地方自治体の条例の基準や公害防止協定の見直しも必要だ、消防法などの防災基準や保安規定も見直せ、自然公園法の保護規定の見直しなど、現行の法規制の全般的な見直し、これを検討するように各官庁に要請書を出しているということが大分報道されました。そして大きな問題になっておりますが、こういう歴史に逆行するような見解というのはとうてい認められませんが、与党の自民党の政調からそういうお考えが出てきたら、環境行政に携わっておる環境庁長官、あるいは通産省は、こういう政府与党の動きにどう対処して、みずからの任務をきちんと毅然としてやっていくかということが非常に大事なところへ来ていると思うのです。そういう点で、いつも通産省に揺さぶられている、あるいは運輸省に揺さぶられている、財界から揺さぶられていると言われ続けておるわけなんで、こういう大変大事な時点に当たって環境庁長官の御決意、御見解をお聞きしておきたい。

土屋義彦自由民主党・自由国民会議環境庁長官

○国務大臣(土屋義彦君) 先ほど来御論議のございました石油にかわる代替エネルギーの利用の拡大、これはもう率直に申し上げまして国を挙げて大いに推進をいたさねばならぬと思いますが、その反面、えてして忘れられがちな環境保全に対しましては十分な配慮がなされなければならないと、私はかように確信をいたしておるような次第でございまして、そのようなお話がございました場合には、毅然たる態度で環境庁の立場を主張いたしてまいりたいと思います。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 ぜひそういう態度を堅持していただきませんと、時間の関係があるので余りたくさんやれないのですけれども、たとえば地熱発電の問題だって同じなんですね。地熱の問題だって、これは現在六カ所の国立・国定公園内で運転されていて、二カ所が建設中なんです。六十年度までの調査・開発計画中のものは十四カ所で、そのうち国立公園内が六カ所、公園外が八カ所、こういうふうになってきているわけですし、その後もずいぶんたくさん今後の調査予定地域といったら二百カ所ぐらい、大半が国立公園の敷地内に関係している。これも本当にいま長官がおっしゃった決意の立場で対処なさいませんと、国立公園、国定公園というのは全部破壊されてしまうというところへ逢着しているわけです。だからこそ、すでにそういう兆しもあるので御意見も出てきていますね。自然環境保全審議会、五十四年十二月十二日には、「国立、国定公園内における地熱開発に対する意見」というのが出ていますね。この中の2にこう書いてあるんですよ。「このような諸事情を勘案し、地熱開発計画地の選定に当たっては、国立、国定公園内の自然環境保全上重要な地域を避けることを基本とすべきである。」「これらに関し、国が企業に対し適切な指導を行うことが重要である。」というふうにわざわざ意見書が出ているわけですけれども、そういう中でいま進められております六十年度までの計画ですか、この後の十四カ所中の六カ所、これを公園内で建設されるかどうか、これを環境庁はとめられるかどうかということがあと将来にわたる公園敷地内の二百カ所に及ぶ予定地の公園破壊から守るかどうかというかなめになってきていると思うのですが、先ほどの御決意でこれははっきりと実現できるようにやっていただきたいと思いますが、いかがですか。

土屋義彦自由民主党・自由国民会議環境庁長官

○国務大臣(土屋義彦君) 先生が御指摘になられましたとおり、地熱発電となりますと、わが国の国立公園二十七カ所、国定公園五十一カ所ございますが、それぞれの地域に関係をしてまいるわけでございます。たとえば五万キロワットの地熱発電所をつくるといったような場合に、地形によって違いますが、聞くところによりますと、後楽園の六、七倍ぐらいの広さを要する。これがどんどん開発されたということになりますと、御指摘のとおり大変なことになります。  そこで、先ほども申し上げましたとおり、環境庁といたしましては、地熱発電のための開発は自然環境保全上重要な地域は避けることを基本として進めてまいりたい、かように考えております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 そのことはぜひ守っていただきたいと思います。  あと残りました時間でもう一つ、所信の第四というのが公害による健康被害者の救済のための施策の推進でございますが、「水俣病対策につきましては、水俣病の認定業務の促進に関する臨時措置法の円滑な実施等により認定業務の促進を図るとともに、国立水俣病研究センターの研究体制の充実強化を図ることとしております。」というふうに所信でお述べになっておられますので、公害の原点とも言われる水俣病について触れないわけにはいかないと思いますのでちょっとお尋ねをしたい。  これは前々からいろいろと言われ、いろいろとやっているわけですが、なかなか思うようにいかぬのですね。依然として申請者が六千名を超し、それでこれは非常に大事だなと思いますのは、二年前につくられました新法、臨時措置法、その法律をわざわざつくったけれども、この間初めて一人認定をした、そういう状態でしょう。だから、これは所信で言われておりますように本当に促進をさせなければならないという事態は依然として変わっていない。  そこで、私は数点にわたってお聞きをしたいと思うのですが、まず第一は、これはもう公害の原点と言われている水俣病では住民の健康調査を一遍しっかりやってどういう状態になっているかということを早くやれというのは、これはかなり多くの党の皆さん方から数年前から要求されておるのだけれども、いまだにこれが環境庁としては手がついていないのです。ところが、五十四年度には日本公衆衛生協会に研究委託をしているのですね。この調査の内容、調査をしてもらった方々はどういう方々か、その報告書は一体いつ提出されるのか。私どもはまだ拝見していないのです。そのことをちょっと先に、細かい点はいいですから、報告書はいつ出ますか。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(本田正君) 水俣病に関します各種の調査を実施いたしますためには、従来いろいろな調査が行われております、一応その評価をした上でないと従来の調査の結果その他がわかりませんので、現在、いまおっしゃった医学的調査研究の総括的なそういったいろいろな医学的研究の収集、整理、それから社会学的な水俣病に関しますところの文献の資料、そういったものを対象にいろいろ調査をお願いしているわけでございます。お願いしているところは、公衆衛生協会を通じまして熊本大学にお願いしております。

小山一平日本社会党

○委員長(小山一平君) ただいま自民党席に福島理事がお見えになりましたけれども、ごらんのように一人もおりません。これはきわめて不謹慎であって遺憾なことでございますから、福島理事に今後の委員会には与党の委員も出席するように特に御努力を要請しておきます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 水俣病の問題が出てからもう二十年以上なんですよね、実際は。そういう中でやはり最も必要なのは、不知火海沿岸の住民の健康調査というのをどうしてもやらなければならないと思いますが、五十五年度予算で五百万円計上しているのはこれは何ですか。そういうものに関する調査費ですか。五十五年度で五百万円の予算を計上していますね。関係ないのかな。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(本田正君) 今年度もそういう調査を先ほど申し上げましたようにいたしておりまして、報告書はまだ出ておりませんけれども、来年度もそういったたぐいの調査が必要かもしれないということで計上いたしているわけでございます。——失礼しました。言い忘れました。調査を実際に実施するという予算じゃなしに、検討していくという予算でございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 不知火海沿岸の影響があると思える住民の数というのは約三十二万、三十万余りですね。五百万や六百万ではできませんわな。その点で準備段階で五百万つけておるということであれば、私はもう今日ただいまの状況になったら少なくとも五十六年度——これは五十五年でやれと言いたいけれども、五十五年度中に準備をして五十六年度中には本当に不知火海沿岸の住民の健康影響調査をやるというふうにこれは腹を固めなかったらできないと思うのですよ。だってそう簡単じゃないでしょう。人が要る、体制が要る、予算が要る。住民や自治体の協力が得られなかったらできないわけですよ。そういうことをやってでも本当にはっきりさせていくということで腹をくくるかどうかというところへ来ていると思うのですが、これは、長官、ひとつ腹をくくって一遍あなたの時代にこういう重大なことをやってくださいよ、お願いしたいのです。

土屋義彦自由民主党・自由国民会議環境庁長官

○国務大臣(土屋義彦君) お答え申し上げます。  水俣病に関し今後どのような調査が必要であるか等についての研究を始めたところでありまして、今後その結果を見ながら判断をいたしてまいりたいと思います。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 だから、水俣病対策は一生懸命やっていますなんて言えないのですよ。本当に情けないですね。何とか急速に体制を整えて、私は五十五年度にやれと言いたいけれども、五十五年度ではとても無理だろうから、いまから十分体制を整えて五十六年度から実施にかかるというふうに腹をくくってもらいたい。そのことを特にお願いをしたいわけです。どうですか。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(本田正君) 先生御指摘のように、調査をやるといたしますと、過去にもいろいろな調査がなされております。そういったものの分析に立ちまして、おっしゃるように、いわゆる調査体制といいますか、陣容、それから調査の範囲、規模というものをきわめて効率的に実施するという必要があろうかと思います。そういったために、いま過去のいろいろな文献収集をやりまして、その上に立ってやりませんと、一挙にやるといいましてもなかなかこれはできません。したがいまして、どういう範囲のものでやれば可能であるか、そういうところまでも含めまして検討いたしたいと、こういうことでございます。それが決まりませんとなかなか——そういう気持ちはございますけれども、そういった検討をぜひさせていただきたいと、こういうふうにお願いをするわけでございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 なかなか腹が決まらぬみたいですね。本当に腹を決めてやってくださいよ。  私は水俣病の方々を見ていて思うのですけれども、認定審査がうまく進まないからというて申請を出して五年も六年もほったらかされているというのは、これは裁判でもはっきり言われているように行政の責任ですよ。だから、その辺で手だてがうまくいかぬからたまっているんやというのなら、たまっている人たちにせめてその治療研究費の支給、これをちゃんとやるとかすればいいと思うのです。現に申請して一年たった人たちには、いわゆる保険給付の差額ですか差額を治療研究費として支給しておられるようですね。これは一年待たぬとそれもくれへんわけですな。それをもらいだして四年も五年も審査もしてもらえないで放置されているわけですから、まあ行政の方の手だてがうまくいかんで被害者を待たしているわけだから、被害者というのは疾病を持っているわけですから治療が必要なんですよ。そういう人に対して申請と同時に私はこれは治療研究費というのは支給するべきだと思いますが、一年もせめて待たぬでもいいように改善をするというつもりはありませんか。私、計算してみたんです、よけい金かかるんやったら、またなかなかうんて言わんやろうと思って。そしたら、治療研究費ということで、熊本県の試算で見ますと、一年間に患者一人当たりの支給する治療費というのは年間平均八万円です、わずか。それはまあ保険医療の差額ですから。それで、これが一年間に試算してみて、一年間で大体熊本県で八百人余り、鹿児島で二百二十一人。千人余りなんですよね実際、一年間に。これは五十四年の三月から五十五年の二月までを見てみたところが、千四十二人です。だから、大体ざっと千人ないし千百人と見ても、金額は幾らになります。八千万余りでしょう。その八千万のお金というのは国と県で折半でしょう。それなら、国が四千万余りでいいわけですよ。で、新潟県も独自で実施しているんです、現に。これは御承知でしょう、本田さん。その分の半分も考えてみても、年間総計五千万もあればこの悲惨な状態に置かれている水俣の人たちにせめて治療研究費の支給ぐらいはできるんですよ。これをやるおつもりはありませんか。踏み切るおつもりはありませんか。たった五千万ですよ。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(本田正君) 先生御存じのとおり、申請者に医療の給付をそうやって扶助を行うというまことに異例な措置を実はやらせていただいているわけですが、御指摘のように四十九年からこの制度を始めまして、現在では、五十三年度から、一年を待たずに六カ月以内に、重症者でございますが、重症者に限っては申請後半年以内からでもいい、対象になるという措置をやったわけです。今年度はさらに重症者というものを、まあ厳しくしぼればこれは困りますので、できるだけ予算の範囲内で、まあ何といいますか重症者の定義を緩和する、そういう措置を現在やっております。まあこの制度そのものが長期にわたる申請者に負担をかけちゃいけないという趣旨から入っているわけでございますから、私どもはいまはその一年という線は守っていきたいと思いますけれども、その内容の充実については、申し上げましたようなことを含めまして、今後ともこれは検討、努力をしていくべきことだと存じております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 重症者をいま半年からやっているんでしょう、六カ月以降。重症者というのは、片腕障害とか両眼〇・〇八以下の人たちですよね。そんなこと言うたら、申請者は六千人残っていたってそんな何十人もおらへんですわ。ちっと実効の上がって被害者に喜ばれるやり方をしませんか、実際。これは、長官、ことしこれは踏み切れ言うてもなかなかよう踏み切らぬやろうけれども、新潟だって国がちゃんとせえへんから県独自でやっているんです、実際。それでやっと一年後からは踏み切っておられるのだから、これを一遍に一年すぐからやれと言ったって無理やったら、重症者としてやっている半年からでもやってあげるというふうなことで踏み切られぬと大変だと思う、実際。それで、少なくともこれは五十六年度の概算要求でも入れて、ぜひ踏み切るということを長官の時代にやっていただきたい。どうですか。

土屋義彦自由民主党・自由国民会議環境庁長官

○国務大臣(土屋義彦君) お答え申し上げます。  先生のお述べになりますことは、胸が痛くなるほど私は理解ができますが、予算にも関係することでもございます。先ほど部長からも御答弁申し上げましたとおりいろいろ検討さしていただきたいと思います。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 私、部長を責めようと思わないけれども、実情は部長が一番よく知っておられる。何とかしたいという熱意も持っておられるに違いないと思う。だから、それは、長官、検討するとおっしゃったのだから、せめてこのぐらいのことは前向きに検討して実現してもらいたい。そのことを特にお願いしておきたい。  時間がないので、非常に残念で、認定問題があかんわけなんですが、臨時措置法をわざわざつくったのにたった一人しか認定患者が出ていないというところに問題があるわけですよ、実際は。六千人もたまっておって現地では間に合わぬからいうて東京で国の認定審査会をつくっておいて、わざわざ臨時措置法に基づいてこの間に一人やっと認定したという、そんな不細工なことないですよ、わざわざ法律までつくって。なぜそういうことになるか。それはそれでやったらいいんだけれども、なかなか申請者が申請せぬのやな、国の認定機関に。で、わざわざ去年の秋は環境庁と県から千二百人の人に国の認定審査会へ出してくださいといって手紙を出したそうですわ。それでやっと四十七人寄ったというようなそんなことになっているのだけれども、被害者の要求というのは、少なくとも現地で一班やからなかなか行かへんのやから、二班制に、二つの審査会、二班の審査会をつくってくれというのが年来のこれまた要求なんです。東京で医者が集められるのだから、現地で十人ぐらいの医者を集められないことはないでしょうが。中央でもなかなか思うようにいかぬから、現地でもさらに二班制をやって十人医者を集めたらいいのだから、専門家を。それはぜひ二班制を五十五年度中——あしたあさってつくれと言わしまへんわ、もう何年も言うているのやから。五十五年度中にせめて現地で二班制をつくるという努力をぜひやってもらいたいと思いますが、いかがですか。こんな一人ぐらいやっておったのじゃ話になりまへんで。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(本田正君) 水俣病に関します高度な学識と豊富な経験を有する先生というのは非常に少のうございまして、熊本県に対しましても、これは熊本県で二班制の問題がございます、設けたらどうだという。熊本県ともいろいろ協議を重ねておりますけれども、現状を見ます限り、そういったことで、十名以内とおっしゃいますけれども、やはり神経内科とか眼科とか耳鼻科というのはどうしても複数で要るわけでございます。限られた中で複数で設けるということは、少なくとも耳鼻科にしても眼科にしても二人以上の審査委員が必要だということからなかなか確保に苦慮いたしております。引き続いて県ともよく相談して確保に先生方の協力を得るべく努力はいたしたいと思いますが、なかなかむずかしい現状であるということを御理解賜りたいと存じます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 私、時間がありませんので、最後に長官に特にお願いをしたい。  環境庁長官は、やっぱり一遍水俣へ行ってもらいたい。わざわざ所信表明に「国立水俣病研究センターの研究体制の充実強化を図る」と書いておられる。これは実はせっかく金をかけてつくった国立水俣病研究センターというのは開店休業なんです。だから、現地へ行かれて、何でせっかく金をかけてつくった研究センターが開店休業になっているんや、患者が何で寄りつかへんのやという実情、患者の置かれている状態、開店休業の状態、そういったものをやはり長官は現地を御視察になって、心を新たにして対策に取り組んでいただきたいと思うのです。特に、いま予算委員会がまだ続いておりますから、これまたことしはぐあいの悪いことに参議院選挙もありまして、日程はなかなかとれぬと思いますけれども、せめて予算委員会が済んだらそういう日程をつくって、ぜひ現地を視察されるということが大事だと思いますけれども、長官、どうですか。

土屋義彦自由民主党・自由国民会議環境庁長官

○国務大臣(土屋義彦君) 折を見まして水俣を訪れたいと考えております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 それじゃ、どうも……。

前島英三郎新政クラブ

○前島英三郎君 いろいろなもう御意見が出尽くしてしまいまして、長官の答弁も聞いておったのですが、最善の努力をしたいとこのアセスメント法案に対してのお言葉ですけれども、どうですか、私はイエスかノーで答えてもらいたいと思うのです。今国会に提出するかどうか、まずイエスかノーかでひとつ答えていただきたい。

土屋義彦自由民主党・自由国民会議環境庁長官

○国務大臣(土屋義彦君) お答えさしていただきます。  この問題は各省庁間でいろいろ話を詰めている問題でもございますし、いま内閣官房長官が中心となりまして調整をしていただいておりまして、私だけの一存ではっきりここでどうということは申し上げられませんが、国会へ提出いたすべく最大限の努力をいたします、このことをお誓い申し上げます。

前島英三郎新政クラブ

○前島英三郎君 どうも、最大限の努力というものはどの辺まで期待できていいものか、非常に不安になるわけでありますけれども、長官はこの所信表明の中でも、「今後の環境行政を推進するに当たって何よりも基本としなければならないことは、環境汚染を未然に防止していくことであります。」と、こういうことを述べておられるし、「開発事業等の実施に当たって環境影響評価を行うことは、環境汚染の未然防止を図る上で不可欠であり、その制度化は国際的な趨勢となっております。」と、こういうぐあいに所信を述べられているわけですから、私は本当に長官に最大限の努力を通り越えた気魄を持ってこの問題に取り組んでいただきたいと思うのです。重ねて伺います。

土屋義彦自由民主党・自由国民会議環境庁長官

○国務大臣(土屋義彦君) ただいま先生から重ねて御激励いただきまして、ありがとうございました。勇気百倍、この問題と真剣に取り組んでまいります。

前島英三郎新政クラブ

○前島英三郎君 都市環境としまして日照、風害といった問題もこれは当然無視できないと思うのです。ところが環境庁の行政では、この問題というのは取り上げていないわけなんです。長官の所信表明の中で「快適な環境づくりのための施策の検討を進め」たいと述べておられるわけなんですが、そうなりますと日照の問題などはもっと今後私たちは重視していくべきであると、こう思うのですが、その辺はいかがでございますか。

金子太郎環境庁企画調整局長

○政府委員(金子太郎君) 日照とかあるいは先生かねがね御指摘になっておられます風害の問題でございますが、こういう問題は、因果関係あるいはその影響する態様、こういうところから見まして、公害対策基本法の体系にはなじみにくいというふうに従来考えてまいりました。これ自体、御指摘のとおり、基本的にもう一回考えてみる必要がある問題であろうと思っておりますが、現在、私どもは、昭和四十二年に制定していただきました公害対策基本法、それからその後の自然環境保全法、これをよりどころにして環境行政を進めてきております関係上、いわゆる法域論などからなかなか施策として打ち出すことがむずかしいと、こういう実情にあるわけでございます。しかしながら、この問題の重要性は御指摘のとおりますます高まってまいります問題でもございますし、私ども、都市における建造物のあり方、こういうような問題に日照、風害等は非常に深くかかわっているとも思いますし、都市計画の問題などにかかわる問題でもございますが、こういう観点から勉強を積み重ねてまいりたい、そして何かを糸口にしてこういう問題にもっともっと取り組んでまいりたいと、このように考えておる次第でございます。

前島英三郎新政クラブ

○前島英三郎君 現状では日照、風害の問題は建設省で扱っているので、建設省ということにならざるを得ないわけですけれども、現在マンションなどの建設が大変盛んでありまして、旧住宅街の中にも再開発と称しましてにょきにょきとマンション建設が行なわれている。それで、日陰になる、風害が生ずる、電波障害はある。そういうものが私は当然環境破壊という形の中で環境庁でも真剣に取り組む必要があるというふうに思うのです。周囲の道路の交通量とのバランスが崩れるとか、いろいろな問題があります。さらにまた、弱い立場の人たちがさらに体を悪くして、もういたたまれなくなって父祖の地を離れなければならないというようなケースもあります。ましてや、国の施策の中では、町の中にあるそうしたいろいろな施設を都市再開発と称しまして非常に郊外へ持っていってしまう。ますますハンディキャップを持っている人たちは、郊外の中で空気はきれいですよという言葉に踊らされて、そういう形の中で生涯を終えなければならないというようなことになりますと、空気がきれいです、空気がきれいですから山の中へ行きましょうということで、なぜ町の中のそうした大気汚染というものに真剣に取り組んでくれないのかということに大変な憤りを感ずるわけなんですが、これらの問題として実は一例を挙げますと、世田谷のある小さなマンションの騒動の問題がいま私ちょっと関係といいますか、そこに障害を持っている人たちが住んでおりまして、非常にごり押しの形で実はマンション建設というのが行われているわけなんです。周囲の環境だけでなく、近隣の人々の人間関係をめちゃめちゃにしている。私は、環境ということは心までやはり考えていかなきゃならぬ、そう思うのですね。そういう意味では、業者は、これは都市再開発なのであって、町の環境をよくすることなんだ、こういう方針はもう政府でも打ち出しているのだ、だから私たちは堂々と中層化していくのだ、それに住民の皆さん方もこたえなければならないということを、公聴会でやるのじゃなく、個々の家に回って、事前に、つまり分断作戦をしていろいろな取り決めをしているというような事例があるんです。地域の人々というのは、そういう国の方針ならばいたし方がないというようなことで、日陰もがまんする、風害もがまんするというような形で、何としてもやはり今後この日照とか風害とかという問題は、環境行政の中でしっかりと自治体とパイプを持ってやっていただきたいと思うのです。  まあ一つの例ですが、世田谷のあるマンションは、昨年の十一月十六日に突然公示しまして、すでに一月でもう住民との談合は打ち切って、すでに区の方にあっせん、調停を求めていると、こういう状態で、大きな不動産会社がむしろ区を引っ張りながら、住民の意見を無視した形、しかもその住民の人たちは事前にもう不動産会社と個々に打ち合わせを重ねてしまっておりまして、幾ら幾ら補償をもらっておるというような形で、全くいままでつき合った人たちが結局犬猿の仲みたいな形の中で、心の環境の破壊まで実はなっている現状を私は見てきているわけなんですが、こういう問題をどう環境庁としてとらえるか、まず伺いたいと思います。

金子太郎環境庁企画調整局長

○政府委員(金子太郎君) そのような個別具体的な問題につきまして、大変残念ながら、私ども情報が逐一入手し得るような立場、状況になっておりません。本件は、私どもといたしましても、都市再開発そのものはより計画的に進めていくべきであると思いますし、それを通じて大都市のアメニティーというようなものが高まっていくということは基本的には望ましい問題であると考えまして、今度建設省の提案しておられます都市再開発法、都市計画法、それから建築基準法、この三法の改正については基本的に御賛同申し上げた次第でございますけれども、なおかつ都市再開発の過程の中でいろいろむずかしい環境問題、あるいは人間関係の問題などが多数発生しておるということは重々承知しておるところでございまして、そういう問題について私どもいまのところかかわり合う手だては持っておりませんが、今後こういう問題について環境問題の今後の対応という面から非常に大きな問題だと考えておりますので、行政的にどういうところを接点にしてかかわり合いを持っていくか勉強を進めていきたいと、このように考えている次第でございます。

前島英三郎新政クラブ

○前島英三郎君 そういうためにも、アセスメント法案というのを私は——一つの問題が持ち込まれる、そこで未然にその防止策が考えられる。公害がまき散らされそしていろいろな犠牲ができてからあたふたとやるようないままでの後手後手の行政であってはならないというように思うのですね。そういう意味の一つの住民と行政側のルールみたいなものですから、まあいまいろいろ町の中で大きなマンション、小さなマンションというものが公営住宅から民間デベロッパーの方に移行する。今度の建設省案などを見ましても、ますますそうした形で地域住民が無視されて、地域住民のいままで地域の中で連携を持っていた心も踏みにじられてしまうというような人間関係の破壊というようなことをも考えていきますと、私はやはりひとつ長官にもこのアセスメントの問題は本当に今国会で成立するように命を張っていただきたい、このぐらいな気持ちがするわけです。それと同時に、またそうした環境問題に対して、現実には自治体の姿勢で大きく左右されるわけなんですけれども、自治体に対する指導体制というものが特に環境行政の中には非常にないというように私は思うのですけれども、その辺はいかがでございますか。

金子太郎環境庁企画調整局長

○政府委員(金子太郎君) 御指摘の点は、私どもとしても、率直に反省しなければならないということで、かねがね内部でも議論をいたしておるところでございます。現在のわが国の環境行政は、環境庁が法律、制度、基準などをつくって、その実施は地方自治体に任せる、したがって環境庁は手足は持っていない、こういう基本的な形で進められておりますが、昭和四十年代にまだ地方公共団体が余り経験も知識も豊富でなかったころは逐一御相談があるという形で私どもも個々のケースにかかわり合うことが多かったわけでございます。その限りにおいては、比較的、生の声、生々しい現実というものに接触することはできたわけでございますが、五十年代に入りまして自治体の方が経験を積まれ知識が高まるにつれて御相談がだんだんなくなると、そういう形でわれわれは現場との触れ合いが少なくなってきている、こういうことはまさに実感として持っておるところでございます。  それからもう一つは、先生御指摘の大都市との関係が非常に薄くなっているということだと思うのです。大都市以外の都道府県とはいまでも人的交流を含めましていろいろな形で接触はあるわけでございますけれども、大都市についてはともすれば接触がなくなるといいますか薄くなるという傾向がございまして、その点も十分反省しなければならないということで、先般来十大都市の公害局長さんの会議には環境庁も出席させていただく、そしてそこで十分議論を尽くすようにするというような方針を決めて実行に移している、そういうようなことでございますけれども、御指摘の点は本当に耳の痛い点でございまして、そういう努力をこれからしなければならないと考えているところでございます。

前島英三郎新政クラブ

○前島英三郎君 そういう意味では、環境という問題は今後生きていく上にはもう大変重要な問題でありますし、ヨーロッパでは環境党なる議員さんが誕生したぐらいのそうした世界的な趨勢の中にあって、日本はその面では大変おくれていると私は思うのです。したがいまして、行政改革行政改革と一方では一生懸命太鼓を鳴らしている部分もありますけれども、私は、ぜい肉の取るべきところは取る、そして今後生きていく上に必要なそうしたものに対しては環境庁も率先して人員をふやすなりの努力をすべきである。環境という問題はやはりもう人間の最後の問題点になってまいりますから、それだけに、私は、環境庁の誕生からして大変浅いわけですけれども、今後の環境行政の中では重要なポイントを占めるだろうというふうに思うんです。  そういう意味で、大都市に対するパイプが非常に少ないということでありますが、建設省では都市再開発法と都市計画法、建築基準法の改正案をいま提案しておるようでありますけれども、土地の高度利用あるいは機能の向上ばかり重視しますと都市環境にはかえって悪い影響を及ぼすということも考えられるわけなんですね。で、都市環境保全をどう考えているのか。建築基準法、都市再開発法等にらみ合わして、建設省においでいただいていると思いますから、御答弁いただきたいと思います。

小林実建設省都市局都市再開発課長

○説明員(小林実君) 大都市におきましては都市環境の未整備等依然として深刻な状況にございまして、この問題を克服することが大きな課題になっておるわけでございます。御指摘の良好な都市環境を形成するということが一つの大きな問題でございます。この点に関しまして都市計画中央審議会から御答申をいただきましたので、御質問にもございましたような法案を提出いたしまして今国会で御審議をいただいているわけでございます。  まず都市再開発法におきましては、人口の集中の特に著しい大都市を含む都市計画区域におきまして再開発の基本方針を定めまして、良好な都市環境を形成するような再開発事業を推進することを目指しておるわけでございます。都市計画法等の改正におきましては、地区レベルの新たな都市計画として地区計画制度を創設しようとしておるわけでございまして、良好な街区の環境の形成または補助を図ることを目的としておるわけでございます。これらの法案によりまして良好な都市環境の形成を期したいというふうに考えておる次第でございます。

前島英三郎新政クラブ

○前島英三郎君 大体その要旨を見ますと、土地の高度利用それから都市機能を高進する計画を盛り込んだ部分というのも大変ありますし、さらに民間デベロッパーの活力を再開発事業に生かすと、こういうようなこともあるわけなんですが、そういう意味では、さっき小さな問題として世田谷の例を出しましたけれども、大企業が悪乗りをしているんです。実際悪乗りをしているんですよ。悪乗りをして、もうこれからは中層化時代である、そういう国の方針なんです、いま公営住宅はもう建ちません、私たちが公営住宅にかわってやっていくのだという形で住民との分断作戦をやっているんですね。こういう悪乗りに対してやはり建設省は厳しい指導が必要だと思うのです。いかがですか。

小林実建設省都市局都市再開発課長

○説明員(小林実君) 私どもが基本的に考えておりますのは、大都市におきましてはやはり土地の高度利用を図って都市機能を高進していくという必要があると考えております。  御質問のマンション等で再開発と申し述べておるようでございますが、私どもが観念しておるのとはちょっと違うような感じがするわけでございまして、いままでの都市整備というのは土地基盤の整備等に重点を置いてまいりましたが、環境の整備といいますか、あるいは良好な住環境の整備というようなことが大きな課題になってきておりますので、新しい法案ができました場合には、御指摘のような観点からのことも含めて関係者の皆様がこれはいい環境だと、こう思えるような町づくりを目指したいと、こういうふうに思っております。

前島英三郎新政クラブ

○前島英三郎君 そういう意味では、環境庁としても都市環境の保全というふうな立場から、やはり建設省と連携して今後は取り組むべきだというふうにも思うのです。きょうはその意味ではアセスメント法案につきましていろいろな委員からの発言があったわけですが、こういうことを踏まえまして今後の環境行政に対する長官の所信を再度伺いまして、私の質問を終わりたいと思います。

土屋義彦自由民主党・自由国民会議環境庁長官

○国務大臣(土屋義彦君) お答え申し上げます。  快適な環境づくりは環境政策の大きな課題でもございます。環境庁といたしましては地域の自主性を尊重しながら、快適な環境づくりのために積極的に建設省等々とも相談しながら推進をいたしてまいりたいと思います。  実は、先生、私、私的なことにわたって恐縮でございますが、埼玉県の身障の方の会長もやらしてもらっておりまして、特に罪なくして御不幸になられた方々に対しましてやはり心に潤いを与えるような快適な環境づくりというか、このことに対しましても全力を投球してまいりたいと思います。

小山一平日本社会党

○委員長(小山一平君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後五時二十一分散会      —————・—————

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