建設委員会 第13号
- 発言数
- 206 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1980/05/13
会議録
○理事(茜ケ久保重光君) ただいまから建設委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る五月九日、下条進一郎君、北修二君及び新谷寅三郎君が委員を辞任され、その補欠として上田稔君、土屋義彦君及び亀井久興君がそれぞれ選任されました。 また、昨十二日、小巻敏雄君が委員を辞任され、その補欠として上田耕一郎君が選任されました。 本日、遠藤要君が委員を辞任され、その補欠として金井元彦君が選任されました。 —————————————
○理事(茜ケ久保重光君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い理事が一名欠員となっておりますので、この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(茜ケ久保重光君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に降矢敬義君を指名いたします。 —————————————
○理事(茜ケ久保重光君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 都市再開発法の一部を改正する法律案の審査のため、本日、参考人として日本住宅公団の役職員の出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(茜ケ久保重光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ————————————— 〔理事茜ケ久保重光君退席、理事増岡康治 君着席〕
○理事(増岡康治君) 都市再開発法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案につきましては、すでに趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○茜ケ久保重光君 質問も端的に申し上げますので、答弁もなるだけ簡潔に、しかも要領よく御答弁をいただいて、再質問をしないで済むようにひとつ御協力をお願いします。 まず、第一点として、都市行政の方向についてお尋ねをいたします。 八〇年代は都市行政の時代と言われております。このことは大臣の所信表明からも伺うことができるのであります。しかし、真に豊かな人間生活を目指す都市行政の実践は、これからの政治を進めていく上での最大の課題であるわけです。 当委員会は、建設省提案を受け、都市整備に関連する沿道整備法、都市開発資金貸付法、都市計画法・建築基準法を審査し、これを成立させてまいりました。そしていま都市再開発法の審査を始めているわけでありますが、建設大臣にお伺いしたい。これらの都市関係諸法が新たなる都市行政の中でどのような位置づけ、役割りを果たすのか。新時代の都市行政の方向について改めて御見解をただしたいのであります。
○国務大臣(渡辺栄一君) この国会におきましては、いまお話のございましたように、都市政策に対しまする新しい法案につきまして精力的な御審議をいただいておりまして、私どもも、心から感謝をいたしておるわけでありますが、ただいまの御質問につきましてお答えを申し上げたいと思います。 わが国では、二十一世紀の初頭におきまして国民の七割、約一億人が都市に住むのではないかと言われておりまして、国民生活におきます都市の重要性はますます高まるものと考えられます。このために都市計画中央審議会におきましては、昨年十二月、長期的な視点に立ちました都市づくりの理念と都市政策の基本方向を明らかにいたしました答申をいただいたわけであります。建設省は、この答申を受けまして、強力に都市行政を展開してまいりたいと考えております。特に都市をよりよい居住の場として総合的につくり上げてまいりますためには、きめ細かな地区レベルの計画を策定し、これに基づいて良好な居住環境の整備、保全を図りますとともに、すでに環境が悪化しております地域につきましては、都市再開発を強力に推進してまいる必要があると考えております。 具体的には、都市計画法及び建築基準法の一部改正によりまして地区計画制度を創設いたしますわけでありますが、また、幹線道路の沿道の整備の促進、再開発の極地確保のための都市開発資金貸付法の一部改正などによりまして広く再開発を進めることにしておりまして、良好な都市環境の形成に資するものであると考えております。 今後の都市行政の展開に当たりましては、これまでの人口、産業の大都市への集中抑制、地方分散策などを堅持しながら、特に大都市におきましては、高度の都市機能を維持しながら、居住の場としてふさわしい都市の再生を目指してまいりたいと考えております。一方、地方都市におきましては、定住社会にふさわしい都市機能と快適で豊かな都市生活を確保することによりまして、周辺農山漁村を含む地域社会の中で中核的な機能を発揮し得るような個性と魅力のある都市形成を図ってまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○茜ケ久保重光君 次に、都市再開発事業のいきさつについてお伺いいたします。 わが国の都市再開発事業の歴史は古いものがあります。大正十二年、関東大震災の復興のための区画整理事業、耐火建築助成等がその初めと言われておりますが、第二次大戦後は、戦災復興区画整理事業が地方都市を含め広く行われました。そして昭和二十年から三十年にかけては種々の法律により多くの再開発手法が生まれましたが、それらは、昭和四十四年以降、都市再開発法に吸収されました。 わが国の都市再開発行政が時代の要請に応じてたどった制度面のいきさつについて、その概略を説明していただきたい。 過去数十年の再開発行政の実績については、どのように評価しておられるのか。また、課題すなわち問題点として分析している点があったら、これについてもお述べ願いたいと思います。 さらに、現在、法的には都市再開発法が核とされておりますが、その他の行政措置をも含めて、現行の都市再開発事業制度の概要について御説明を願いたいと思います。
○政府委員(升本達夫君) 第一点の、都市再開発行政の過去の経緯につきまして簡略に御説明申し上げます。 再開発関係の諸法制は多々ございますけれども、その中で特に代表的な事業制度でございます都市再開発法に基づく市街地再開発事業につきまして簡単に御説明を申し上げたいと思います。 ただいまおただしのように、戦前から市街地の面的整備の手法といたしましては、旧耕地整理法の準用ということでやってまいったわけでございますけれども、戦災復興事業につきましても同様な構成によりまして旧耕地整理法の準用事業によりまして区画整理事業を実施してまいったわけでございますけれども、昭和二十九年に、それまでの実績を踏まえまして、新たに土地区画整理法という新法律を制定いたしました。 また、一方、都市の防災化、環境改善を図るという観点から、建築物の整備が重要であることにかんがみまして、耐火建築物による建物の共同化を推進するということを目的といたしまして耐火建築促進法という法律が昭和二十七年に制定を見ております。 昭和三十年代に入りまして、この土地区画整理事業と耐火建築促進事業の二つの流れが都市再開発の主要な事業として発展をいたしてまいりまして、土地区画整理事業の法制の中で考えられておりました宅地の立体化、いわゆる立体換地の考え方を拡充整備をいたしまして、新たに公共施設の整備に関連する市街地の改造に関する法律、市街地改造法と略称しておりますが、この法律が昭和三十六年に制定を見たわけでございます。また、同年におきまして、それまでの耐火共同建築物による建築物の不燃化をさらに促進するという目的から防災建築街区造成法という法律の制定を見たわけでございまして、この都市の再開発については、市街地改造法と防災建築街区造成法とこの二本立てで推進を図ってまいったわけでございます。 その後の経過でございますけども、三十年代から四十年代にかけまして都市の急激な膨張、人口集中という現象に対処いたしまして、市街地の整備をさらに強力に推進するという必要上、この制度の強化を図るという観点に立ちまして、総合的な再開発手法を確立するという目的で、ただいま申し上げましたこの二本の法律を総合整備をいたしまして、新たに昭和四十四年に都市再開発法という形で統一法の制定を見たわけでございます。その後、この再開発法は昭和五十年度におきまして一部改正を見、この改正におきましては、市街地再開発促進区域制度、さらに第二種の市街地再開発事業の創設というような改正を見たわけでございます。その五十年の改正以降、現在に至っているという状況でございます。 それから、第二点のおただしの、過去数十年の再開発行政の実績についての評価、さらに課題としてどういう問題点を認識しているかというおただしでございました。 従来から、都市の既成市街地につきまして市街地再開発事業、区画整理事業等の面的整備手法を活用してその促進を図ってまいったわけでございまして、市街地環境の整備についてはそれ相応の成果を得てきたものというふうに考えております。しかしながら、都市の再開発を必要と考えられます市街地の面積は大変現状の都市においては広うございまして、その必要性が感じられる面積の大きさに比べますと、再開発事業の実施を見た地区あるいは見つつある地区というのはなお比較的には小さな範囲にとどまっているというふうに反省をいたしております。 このような状況にかんがみまして、今後、都市の再開発を広くかつ強力に推進してまいりますためには、まず、都市全体を見渡した再開発の基本計画、構想を策定いたしまして、これに基づいて計画的に再開発を実施いたしてまいる。さらに、再開発に際しては、民間エネルギーの活用、適正な誘導を図るというような措置を講じてまいる必要があろうというふうに考えるわけでございまして、これにあわせまして再開発手法の多様化、関係権利者対策の充実ということがこれからの大きな課題になるというふうに考えておるわけでございます。今回の法改正は、このような課題に対応し、あるいはさらにこれからの努力の糸口になるというような考え方を踏まえてお願いを申し上げている次第でございます。 それから、第三点の現在の都市再開発法による再開発事業にとどまらず、およそ都市の再開発関係の事業全体についての概観、概要を説明せよというおただしであったかと思うわけでございますけども、都市再開発法に基づきます再開発事業につきましては、先刻来御説明を申し上げてまいりましたとおりでございますけれども、このほかに、主として住環境の整備改善を図ることを目的とした事業制度といたしましては、住宅地区改良法に基づく住宅地区改良事業並びに予算補助によります住宅環境整備モデル事業、それから過密住宅地区更新事業等がございまして、これらによりまして、不良な住宅の密集等により居住環境の劣悪な地区等において事業が実施をされておるわけでございます。 さらに、民間の建築エネルギーを、有効な空地等を確保した建築物の建築と、これによる市街地の整備改善へ誘導する、いわゆる誘導再開発制度といたしましては、都市計画法及び建築基準法に基づく特定街区制度、あるいは建築基準法に基づきます総合設計制度等がございまして、これらは主として商業業務地区等において活用されているところでございます。なお、大都市の既成市街地において公共施設等の整備と良好な市街地住宅の建設を総合的に行うために、昭和五十四年度におきまして特定住宅市街地総合整備促進事業が創設されたわけでございまして、現在、三大都市圏の東京、大阪、名古屋市内の三地区において事業の実施がされているわけでございます。 以上のほか、民間の建築エネルギーを、大震火災時の避難者の安全の確保、または幹線道路の沿道におきます障害の防止、それから適切かつ合理的な土地利用へ有効に誘導するというために、都市防災不燃化促進助成及び沿道環境整備事業がそれぞれの事業目的を踏まえつつ実施されておるわけでございます。 以上、総括して都市の再開発に寄与さしていただいているという状況でございます。
○茜ケ久保重光君 次に、人口集中の状況と抑制策についてお尋ねをいたします。 再開発は、都市の過密打開策でもあるわけですが、近時の大都市における人口の集積はどのような傾向になっているのか。人口増の大きな原因であった社会増は緩んできているようですが、自然増を中心に今後とも増大すると予想されております。 首都圏、近畿圏の既成市街地等では工場等の立地規制を行っておりますが、それらの施策の実績はどうなっておるか。 また、大都市では進学のため若年層の流入が大きい。これは大学の大都市集中が人口集中の一因であることは疑いがありません。大学の立地規制の効果はどうなっているかお尋ねしたい。 また、田園都市、いわゆる定住圏構想が叫ばれ、実現が課題となっておりますが、そのことはすなわち過密都市対策の問題でもあります。大都市地域における定住圏構想の具体化についてもあわせて御説明を願いたいと思います。
○政府委員(伊藤晴朗君) 御指摘のとおり、首都圏の既成市街地並びに近畿圏の既成都市区域におきまして、それぞれ昭和三十四年ないしは昭和四十年から工場及び大学の新増設を法律によって規制をいたしております。 この規制の中で、人口増加に寄与しない等、一定の要件を満たすものについては例外的な許可がなされておりまして、この許可件数は、首都圏につきましては、法制定以来、昭和五十四年度末までに累積で工場二百二十八件、大学五件でございます。また、近畿圏の場合は、例外許可は昭和五十四年度末までに工場四十六件、大学六件でございます。このほか、この地域に工場等の立地意欲はありながら抑制された数というのは、申請がなかった、あるいは事前協議の段階で落ちておりますので、そういう意味での実績というのは出にくいわけでございます。 私ども、この工業制限法の実績を、工場につきましては、製造業の従業者数、事業所数等で把握をするようにいたしておるわけでございますが、まず従業者数につきましては、首都圏の制限地域におきましては、昭和三十五年の製造業従業者が百五十四万人でございました。その後、一時増加したことがございますが、徐々に減少いたしまして、五十二年度末が百二十九万人に落ちております。近畿圏の制限区域におきましては、昭和四十年の百十三万人が五十二年には九十三万人に減少いたしております。一方、この間、全面ベースでは若干ながら増加いたしておりますために、この両地域の工業等の製造業従業者数につきましては、全国比といたしまして、首都圏の場合は一八・九%から一一・八%に、近畿圏は一一・三%から八・六%に落ちており、かなり低下をいたしておるわけでございます。 事業所数は、実は、首都圏も近畿圏もかなり増加いたしておりますが、この間、全国でも相当な増加がございましたために、全国比は横ばいでございます。また、出荷額のシェアは首都圏、近畿圏とも相当落ち込んでおりまして、このような従業者数、事業所数の傾向から見まして、両制限区域内におきましては小規模化して増加した事業所数はございますが、たまたまこの時代の経済界の大都市からの移転傾向にも助けられまして、一応、この両制限法が機能しつつ、首都圏、近畿圏の既成市街地及び既成都市区域の過密の防止には寄与してきたものと考えておる次第でございます。 次に、大学関係でございますが、同じ法律による規制が働いておりますことは御指摘のとおりでございます。また、大学関係につきましては、特に文部省所管の私立学校法によりまして、五十年以降、大都市地域における特別な制限も働いていることもございまして、この最近の大学立地の推移を見たいと思いますが、まず、これにつきましては、工場の場合と違いまして、工場制限地域だけの独自の統計が文部省の方でございませんので、特別に調査をいたしました昭和四十五年と五十年にかけての比較をいたしたいと思います。 この四十五年から五十年の間に、首都圏の工業等制限区域内では、学校数が百九十七校から百九十二校へと五校減っております。近畿圏の工場等制限区域内では八十六校のまま変化をいたしておりません。この間、全国では、昭和四十五年の九百六十六校から千三十六校へと七十校増加いたしておりますために、首都圏、近畿圏の学校数の全国比は相当低下をいたしておるわけでございます。 ただ、大学生数につきましては、たまたま十八歳人口がふえたこと、進学率の上昇等もございまして、首都圏の工業等制限区域内では六十万人から六十八万人へと八万人の増、近畿圏の工場等制限区域におきましては十八万人から二十二万人へと四万人の増加を見ております。もちろん、この間、全国的な大学生数も相当ふえておりますので、全国比で見ますと、首都圏の工業等制限区域では三六・二%から三二・六%へと約四ポイント減少いたしておりますし、近畿圏の制限区域内では一〇・七%から一〇・三%とわずかではございますが減少いたしておりまして、この種の制限は、先ほどの私立学校法の制限と並びまして、一応の寄与をいたしておるものというふうに理解をいたしておる次第でございます。 なお、最後に御指摘になりました大都市地域における定住構想の推進の問題でございます。 御承知のとおり、三全総におきましては、大都市地域におきましても定住圏を確立し、定住構想に基づいて大都市地域における過密を解消し、大都市生活に人間性を回復し、住民が安全かつ安定した生活を営むことができるよう総合的環境の整備を図る必要があると記述されておりまして、私ども、この東京、大阪等の大都市地域についても定住構想の積極的な推進を図っていきたいと考えておるわけでございますが、たまたま地方地域の定住構想の推進策ほどまだ具体的なイメージがはっきりいたしておりませんこともございまして、昭和五十四年度から住民の定住意向調査などを中心といたしました基礎的な検討を始めておるところでございまして、本年度も引き続き積極的な検討を進めてまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○茜ケ久保重光君 現行の都市再開発事業の実績と問題点についてお尋ねいたします。 都市再開発法は、制定以来、十年になります。市街地再開発事業の施行者別に、その実績を説明してもらいましょう。 さらには、第七十五回国会、これは昭和五十年ですが、に用地買収方式による第二種市街地再開発事業が制度化されましたが、その実績はどうなっているか。 その他、都市の再開発を目指すものに特定住宅市街地総合整備促進事業、過密住宅地区更新事業等、種々の事業がありますが、それらの実績はどうか。 さらに、これらの再開発手法はそれぞれ目的を異にしていると思われるのでありますが、どのような地区にどのような手法を適用しようとしておられるのか。また、それぞれの事業手法のメリット、デメリットについても説明していただきたい。 さらに、この際、お尋ねしておきたいのは、当委員会でも種々議論のあった特殊建築物の防災対策についてであります。その後の建設省の対応はどうなっているのか。時の建設大臣渡海氏は国会への報告を約束しているいきさつがあります。この際、ひとつこれを御説明を願いたいと存じます。
○政府委員(升本達夫君) ただいまおただしの中で、第一点と第二点のおただしについて、私からお答えをさせていただきたいと思います。 第一点のおただしでございますけれども、市街地再開発事業の施行者別の実績でございますが、現在までのところ、再開発事業は事業完了個所が四十九地区六十・七ヘクタール、現在事業を実施中のものが百八ヵ所三百八十五・五ヘクタールということでございますが、これを合計いたしますと百五十七地区四百四十六・二ヘクタールという数字になります。施行者別にこの合計数で申し上げますと、地方公共団体施行が七十二地区三百七十四・九ヘクタール、再開発組合による施行が六十三地区六十・四ヘクタール、住宅公団施行が四地区四・八ヘクタール、個人施行者施行が十八地区六・一ヘクタールという数字になっております。 それから第二点の、第七十五回国会におきます再開発法の改正によりまして、用地買収方式による第二種市街地再開発事業が創設をされたわけでございますが、この実績でございますけれども、この第二種市街地再開発事業は五十年時点から五十五年三月三十一日現在までにおきまして、実際には二地区実施をいたしております。大阪の阿倍野地区と、同じく近畿圏の川西市内において施行いたしておりまして、合わせて三十二・九ヘクタールという地区について実施を見ている段階でございます。 この第二種市街地再開発事業が管理処分方式という方式を導入いたしまして、公共性、緊急性の高い大規模な再開発事業の実施が可能になったわけでございますけれども、その後の都市の発展状況等にかんがみまして、この第二種の事業の実施の施行要件でございますが、これが少し厳し過ぎるのではないか。現在三ヘクタール以上の土地がないとできない、こういう縛りになっております。これを少しいまの都市の状況からすると緩和をさせていただくということによってこの制度の活用を図ってまいりたいというふうに考えまして、今回の改正案の中にも、この点を三ヘクタールという施行要件を一ヘクタールというところまで下げさせていただきたいということで御提案申し上げているところでございます。
○政府委員(関口洋君) ただいま御質問のございました特定住宅市街地総合整備促進事業あるいは過密住宅地区更新事業の実績及びそれらのメリット、デメリットにつきましてまずお答えをさせていただきたいと思います。 特定住宅市街地総合整備促進事業、これは俗に再開発モデル事業と言われておるものでございますが、これの実績といたしましては、五十四年度におきまして大阪市淀川リバーサイド地区、これは三十五.六ヘクタールでございます。及び名古屋市神宮東地区、これは五十二・六ヘクタールでございますが、この二地区につきまして事業に着手し、さらに、本年度、東京都の木場地区、これは約七十七・一ヘクタールでございますが、ここについて事業に着手する予定にいたしております。 これらの制度につきましてごく簡単に紹介させていただきますと、まず再開発モデル事業でございますけれども、これは大都市の既成市街地におきまして市街地住宅の建設と公共施設の整備、これを一体的に行うことによりまして、都市機能の更新あるいは良好な住宅ストックの形成を図ろうとするものでございます。こういうことで行っておりますので、いわゆる地区整備に関する基本的な計画に基づきまして各種の事業を総合的複合的、さらに弾力的に実施することができるということと、住宅等の建設に対しまして市街地再開発事業並みの国庫補助が行われること、さらには地区内の公共施設の整備に対しまして別枠で国庫補助が行われる、こういう利点を再開発モデル事業は持っておるわけでございます。 また、一方、過密住宅地区更新事業でございますが、これは大都市地域におきます不良住宅が密集しておるということ等によりまして居住環境が劣っていると認められる過密住宅地区の更新、これを促進することを目的といたしております。この事業は、こういう性格上過密住宅地区におきまして住宅の建てかえを段階的に促進していきたいというねらいと、それから小公園等の生活環境施設の整備をあわせて行うということに特色を持っておるわけでございますが、関係住民の方が多いということによりまして、でき上がるまでにかなり長い期間を要するというようなことに若干の問題がございますけれども、いずれにしましても鋭意促進に努めてまいりたい、かように考えております。 それから、最後に、特殊建築物の防災対策、俗にビル防災と言われておるものにつきまして、その後の状況を御報告さしていただきたいと思います。 この特殊建築物の防災対策の推進につきましては、昨年の三月に「建築物防災対策要綱」を策定しまして以来、消防等の関係機関の御協力を得ましてその推進に努力してまいっております。 初年度に当たる昭和五十四年度におきましては、まず防災改修工事を促進するための助成制度を設けて、当該事業に必要な予算措置を行いますとともに、特定行政庁の担当者あるいは建築技術者、さらには建築物の所有者に対する説明会を開催しまして、この要綱の周知徹底を図った次第でございます。 さらに、各特定行政庁におきましてどういう対策をとったかということを御説明させていただきますと、関係者に対する説明会のるいは個別建築物に対する実地調査を行いまして、これをもとに防災のための工事計画の策定あるいは改修工事の実施を指導したわけでございます。これらの指導等によりまして、昭和五十四年度末までに約千三百件に及ぶ改修を必要とする建築物のうち約二百五十件、比率にしますと一九%になりますが、これにつきまして改修工事等所要の措置が講じられたような次第でございます。 なお、五十五年度以降におきましても、御趣旨に従いまして、引き続き防災改修の促進に一層努めてまいりたい、かように考えております。
○茜ケ久保重光君 都市局長、三ヘクタールを一に変えるだろう。それはどのくらいメリットがあると考えているの。三ヘクタールを今度改善して一ヘクタールにしますね、それでどのくらいの効果があるというふうな予想で一にするのか。三ヘクタールを一ヘクタールにするとどのくらいのメリットが出るのか。その辺もちょっと最初に聞かしてください。
○政府委員(升本達夫君) 具体的にどのくらいメリットがあるかというおただしにつきましては、数字的に申し上げる材料がございませんので、恐縮でございますけれども、いままで実施をいたしております再開発事業のうち、組合施行による再開発事業の平均的な広がり方はたしか〇.七ヘクタールか〇・八ヘクタール、一ヘクタール未満でございます。片や地方公共団体の現在施行しております再開発事業の平均面積が一・五ヘクタール程度だろうと思います。そこで、そのような数字からわれわれといたしましては、現状において一ヘクタール未満であれば大体民間の権利者の方々が集まられて相談をされて自発的な再開発を実施していただけるだろう、一ヘクタールを超すあたりから少し公共団体がお手伝いをしなければできにくくなってくるのではないかという、一応めどを立てまして、で地方公共団体がお手伝いをしなければならないような状況になりました場合には、これは地区の状況によっては公的団体が乗り出すということでございますから、地区の状況によってはやりやすい手法が適用できるような整理をさしていただいてもよろしいんじゃなかろうか。大体、そんなようなことから三ヘクタールを一ヘクタールというところまで下げさしていただいたわけで、一応のめどとして一ヘクタールという数字をはじいておりますので、大変具体の数字でお答えできないのは恐縮でございます。 しかし、なお、もう一つは、この法改正を準備いたしますに当たりまして、地方公共団体の意見をかなり詳しく聞きました。その過程で各地方公共団体が一致して言っておりますことは、この第二種の事業を使いたいけれども、三ヘクタールという要件がいかにも大き過ぎて実情に合わないということを言っておりまして、その辺の実情を踏まえまして一ヘクタールという線でお願いを申し上げているところでございます。
○茜ケ久保重光君 大体わかるけれども、せっかく一にしてもやっぱり一向進まんじゃ困るので、少しこれは建設省がごまかしておることになるからな、だからそこのところはひとつしっかりやってくださいよ。これは具体的にそういうことがわからぬわけだからね、きみたちの説明で判断しているんだから。したがって、これは何というか、そういった場合、やってみたけれども同じだったとか、だめでは困るので、そういうことで今後とも心してやってもらいたいと思います。 それから、ちょっとさっき出ましたけれども、再開発事業の阻害要因についてお伺いしたい。 都市再開発にはいろいろな事業手法がありますが、概して事業が進んでいない要因があるんじゃないか。再開発を阻害している要因として、一つは、膨大な事業費と採算上の困難性。二つ目は、関係住民の生活激変に対する不安、抵抗感等があると言われております。建設省は、これらの阻害要因を除外するため、どのような努力を払ってきたのか。また、現行の市街地再開発事業における助成制度、融資制度についてひとつ御説明を願いたいと思います。
○政府委員(升本達夫君) 再開発事業の阻害要因といたしまして、その主要なものは、ただいま先生がお挙げになった二点だろうと思います。 その第一点につきましては、大変事業費がかさむ、この事業費を施行者側がどうやって確保するかという問題でございますけれども、やはり低利融資といったいわゆる制度融資の拡大ということが基本的な方向であろうかと思いまして、その線に沿って住宅金融公庫あるいは地方債、開銀、いろいろな制度金融の導入を図ってまいったわけでございますけれども、その一つの方法としまして、今回の法改正で御提案申し上げさせていただいております特定施設建築物制度、これは地区内の一定の地区について権利者の収容に関係のない建物をつくります場合に、民間の企業者に手伝っていただくという制度を導入させていただきたいということでございますが、これは公的な施行者の側から見ますと、事業費の節約ということになるわけでございまして、この効果は運用によっては大変大きなものがあるのではないかというふうに考えております。 それから事業の採算性の問題でございますけれども、この採算性が確かに非常にとりにくくなりつつあるということは御指摘のとおりでございますけれども、これをバランスを回復させてまいりますためにはやはり補助制度を拡充方向で努力をいたしてまいるということかと存じます。 現に補助につきましてはいろいろな手だてを講じさせていただいておりますけれども、特に住宅プロジェクト、住宅を多く内容とする再開発事業につきましては一段とその補助の内容を厚くさせていただいております。さらに、今回の措置といたしましては、零細な権利を有する方が非常に多い地区につきまして、この零細な権利に対応する施設建築物の一部ということになりますと非常に小さ過ぎてしまうということから、これらの方々に間接的な意味で助成ができないかということで幾らかでも新たにお渡しする施設建築物の一部の価格が安くなるように補助制度を拡大させていただいております。こういったものを総合的に図りながら採算性の確保を図っていくということになろうかと思うわけでございます。 それから、第二点の、地区内の権利者の生活の変化に対する抵抗感というものにつきましては、これは、事業の性格上、その土地の土地柄から言って高度利用を図るという観点から言ってある程度やむを得ない事業ということで御理解をいただかなければならないわけでございまして、要は、この事業の必要性につきまして十分地区内の権利者の方々に御納得いただけるような説明を尽くすということが大事なことではなかろうかというふうに考えております。説明を尽くしますことと、さらに権利者の方々に補助制度をできるだけ厚くしていくということによって御理解を得やすくする。さらに生活再建策について、具体に、さらに親身に施行者の側で努力をするというような積み重ねが必要なのではないかと考えておりまして、現にそのような方向で指導もいたしておりますけれども、承ねて、今後、そのような努力をしてまいりたいというふうに考える次第でございます。 それから、第二点の現在の再開発事業に対します助成制度、融資制度についての御説明でございますけれども、まず、補助制度につきましては、再開発事業によって整備をされます地区内の幅員六メートル以上の重要な街路及び駅前広場につきまして、その整備に要する費用に対して補助をいたしております。幅員八メートル以上の街路については三分の二の国庫補助、それ未満のものは二分の一の国庫補助ということでやっております。これは道路特別会計の補助でございますけれども、これにあわせまして一般会計から調査、設計、計画の費用、土地整備の費用、さらに建築物の防災性の強化に要する費用等につきまして三分の一の補助を行っているわけでございます。 それから、借家人等の零細権利者対策といたしましては、地方公共団体が適正家賃で供給する再開発住宅の建設事業につきまして、これも国が二分の一ないし一定条件のもとに三分の二という補助をいたしております。 それから、融資制度でございますけれども、融資は、地方公共団体施行の場合におきましては、その地方公共団体に地方債、起債でございますが、を認めるということで、これは所要資金の全額について地方債を認めております。それから住宅金融公庫による再開発事業融資、それから開銀、北海道東北開発公庫等による街区整備融資というような制度金融がございます。 これは施行者に対する金融でございますけれども、この施設建築物を購入する一般権利者に対する金融といたしましては、住宅金融公庫によります購入資金貸付制度、それから開銀、中小企業金融公庫等によります購入資金の低利融資がございます。そのほか、中小企業振興事業団によります商店街近代化及び店舗共同化資金等の融資等もございます。これら制度金融を挙げて再開発事業に導入するように努力をいたしておる段階でございます。
○茜ケ久保重光君 次いで、答申との関係についてお尋ねをいたします。 都市再開発を広くかつ強力に推進するための新しい制度について、いわゆる都市計画中央審議会の五十四年の十二月五日の答申でありますが、この答申は、広範多岐にわたり、また、きめ細かな内容となっておりますが、本改正案は、この答申をもとにまとめられたものであります。しかし、この法案を見る限り、答申内容がすべて盛られているというふうには思われません。関係住民の生活安定、再建措置等には触れていないし、また、再開発事業に対する財政措置も不十分と言われております。答申内容と改正案の内容との関係について説明をされたい。 さらに、答申では、再開発における民間エネルギーの活用、誘導について触れているが、しかし、この問題については答申自身も慎重であり、今後引き続き検討する必要があると強調しているのであります。本改正案の目玉の第一は、民間デベロッパーが再開発事業を実施できることと言われているが、答申の考え方と比較して、建設省の受けとめ方は早計に過ぎるように思われるが、この点について建設省の見解をただしておきたいと思います。
○政府委員(升本達夫君) 昨年十二月の都市計画審議会の御答申と今回御提案申し上げております改正案の内容との関係というおただしでございましたけれども、答申は、再開発に関する施策全般につきまして広く御提言をいただいたわけでございまして、今回の改正案は、その中で法律制度化する必要のある部分を取り上げさせていただいたということでございまして、法制化を要する部分についてはほとんど御答申の御提案を取り込まさせていただいているというふうに考えております。 特に、その中心的なものを申し上げますと、まず、大都市については都市再開発方針の策定をきちっとやれという御提案。それから第一種、第二種の現行の再開発事業の施行区域要件、どういう条件ならば事業が実施できるかという、その土地の区域のとり方についての要件を緩和すべきではないかという御提案。それから特定施設建築物制度、これは御答申では可処分地制度という言葉を使っておりますけれども、要するに事業の中の一部を施行者が直接やらずに、特定の企業者なり第三セクター的な方にやっていただくというような制度を考えろという御提案。それから住宅供給公社でございますとか首都高速道路公団でございますとか、こういった周辺の機関が実施主体になり得るような、そういった施行主体の拡大というような御提案。そういった御提案については、これをすべて今回の法改正の原案に取り込まさせていただいたわけでございます。 それから、御答申の中で生活環境の激変緩和、それから補助、税制、金融上の措置に関する御提案については、先ほど申し上げましたように、これは法制度の問題ということの視角からいたしますと異なることになりますので、今回の法改正の案には取り込まさせていただいておりません。しかし、これらにつきましては、法改正措置と別途に、諸般の必要な助成措置の拡大、それから激変緩和策についての具体的な施策の拡充というような方向で努力をさせていただきたいというふうに考えている次第でございます。 それから、第二点のおただしの、この答申の中で民間のエネルギー活用については今後の検討課題ということで挙げておられまして、ということは、すなわちもう少し慎重に検討すべきことではないかという趣旨の御答申だったのではないかというおただしかと思います。 確かに、答申では、そのように述べておられるところでございますが、民間企業の全面的な活用策ということになりますと、確かに御答申の趣旨に沿いまして、慎重にさらに時間をかけた諸般の検討が必要ということが言えようかと思うわけでございますが、今回の法改正で御提案を申し上げております民間施行者制度の導入につきましては、これは個人施行者として民間企業者が入ります場合には、関係地区の関係権利者——土地所有者、借地権者全員の同意が条件となっているということにいたしておりまして、この限りでございますと特例的に踏み切ることができるんではなかろうか。全員の御同意を得てという条件であれば、特に民間企業の活用策として諸般の一連の施策ということを待たなくても、考え得るのではないかという視角から取り上げさせていただいたということでございます。 民間企業の活用については、さらに御答申の趣旨に従いまして、いろいろと検討を積ましていただきたいというふうに考えておる次第でございます。
○茜ケ久保重光君 局長の答弁を一応素直に聞くとするけれども、どうも、それはいま言った全関係者の同意が要るという条件はあるけれども、何かちょっと考えると、大きなデベロッパーのそこに何かこう圧力みたいなものが感じられるんだな。そういうことを感じるところに問題があるんだが、その点はどうか。そんなことはないのか。あるいはそういうことがあるとすれば断固排除してやるという確信があるのか、その辺はどうなのか。デベロッパーの諸君の圧力があったんではないかという感じを持つんだが、それはなかったのか。また、今後、実際やる場合にそういうものは断じて排除してやられる自信があるのか、この点をひとつお尋ねしたいと思います。
○政府委員(升本達夫君) まず、直接のお答えを申し上げる前に、今回、御提案申し上げました前提としての認識でございますけれども、現在の大都市の状況からいたしますと、再開発の事業はさらに促進を図ってまいらなければならない。再開発に手をつけなければならない都市の区域範囲というのは大変広うございまして、これをすべて現行のような限定された施行者で実施してまいるということになりますと、これは大変な日時を要する。それが果たして再開発法の目的、都市計画全体の目的に合うかどうかという問題がございます。したがいまして、できるだけ統一された計画、方針のもとにであれば、しかも十分なコントロールのもとであれば、できるだけの方に手伝っていただきたいという考え方が前提にございます。この考え方に従いまして、できるだけ全体としての再開発促進にお手伝いをお願いしたい、このような視角から今回の御提案を申し上げているわけでございます。 そこで、現実の実施に当たりましては、この個人施行者として民間企業にお手伝いいただきます場合に、当然、個人施行者として事業計画をつくり、これについて関係権利者の同意を得、知事の認可を得、さらに意見を聞き、いろいろなそのような法律に定められた手続を履行するという前提で考えられておるわけでございまして、その公共団体、知事によるチェック、さらに民間権利者による御同意といいますか、そういった制度の適確な運用により当然に公正な実施が期待できるものというふうにわれわれは考えておりますし、また、そのようになければならないという視角から、十分に都道府県、関係地方公共団体を指導してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○茜ケ久保重光君 ひとつわれわれに不満を持たせるようなことのないように御努力をお願いします。 次に、さて再開発となると住民の意思というものが非常に大事になると思うんです。一応当局側がこうしたいと考えても、やはり関係住民の意思を無視してはできないわけでありますから、この点を非常に重要視するわけですが、再開発の基本姿勢としては、住民の健康と安全を守り生活環境を向上させるという人間尊重の観点が常に貫かれなければならぬと思うんであります。そういう意味で、住民が身の回りの生活条件整備を進め、その地域の将来構想を持ち、それらを総合して地方公共団体が再開発の総合計画をつくるという住民本位の街づくり方式を確立することであろうと思います。住民参加、これこそが都市計画の基本課題であり、革新自治体を中心に苦しみながら今日までその努力が積み重ねられてきていると思うんです。 従来の再開発事業の遂行過程では、特に再開発促進地区等において、どのような方法で住民との接触が持たれてきたのか、行政指導はどうなすったのか。 さらに、国、自治体は、資料や情報の公開を通じ住民の意思の向上発展を援助し、その住民意思を自治体規模の計画へと発展させていく体制を整備すべきであると思うんですが、建設省の見解、行政指導などについてひとつお伺いしたいと思います。
○政府委員(升本達夫君) 特に都市再開発の推進につきましては、地域住民の意思の反映が重要であるということにつきましては、御指摘のとおりというふうに考えておるわけでございます。 このために、従来、現行制度下におきましても、市街地再開発事業の実施に当たりましては、まず、前提になります都市計画決定に際して、公聴会等の開催、それから都市計画の案の縦覧、さらに事業段階に至りまして事業計画、権利の変換計画の縦覧、この状況に際しまして意見書の提出等をお願いする等、事業の各段階に応じまして地域住民の意向が最大限に反映されるように法定手続が定められておるわけでございまして、この法定手続以外におきましても、事業の前段階におきまして、基本構想あるいは基本計画といった段階で繰り返し説明会を開催する等によりまして事業の趣旨の徹底に努めておるわけでございます。また、そのように地方公共団体を指導いたしてまいったわけでございます。 また、今回の改正案によりましては、大都市地域につきましては、計画的再開発が必要な市街地について、まず網羅的にこれを検討課題として取り上げて、その地区全体を見渡した上で再開発の目標、土地利用の合理的かつ健全な高度利用等の方針を都市計画で定めさせるということにいたしておりまして、この過程におきましても、当然、都市計画として定めるわけでございますから、先ほど来申し述べた都市計画法上の諸手続を経て定めることになります。これらの手続過程におきまして、十分に関係住民の主体的な御意見を得、合意の形成に資するように運営をいたしてまいりたい、また、法制度もそのような目的で改正をお願いを申し上げているという次第でございます。
○茜ケ久保重光君 次に、再開発と住宅建設についてお尋ねします。 本法第五条には、住宅不足の著しい地域における再開発に当たり住宅建設の目標設定が義務づけられております。再開発事業の中での住宅供給は今後とも大きな課題であるわけです。しかし、保留床の処分によって事業費の採算を図ろうとする現行制度のもとでは、住宅を盛り込む場合、マンション的な高価格住宅となる可能性が大きいのです。 再開発事業にとって現在までに供給されてきた住宅の実績はどうか。公的住宅、民間住宅の区分はどうなっているのか。 さらに、不良住宅地区改良事業、過密住宅地区更新事業等との合併施行も考えられるが、それらの具体例はあるのかどうか。 さらに、勤労者階層住宅としての家賃や分譲価格の低廉化を図るためには特別な助成措置が不可欠であります。建設省は、市街地住宅に本腰を入れようとしているが、この面の抜本策がない限り絵に描いたモチに終わることは明らかです。思い切った発想の転換が必要ではないかと思います。 行政改革の目玉として打ち出された都市整備公団について、その後の詰めの状況はどうなっているか、あわせてお伺いしたいと思います。
○政府委員(升本達夫君) ただいまのおただしのうち、第一点及び第二点のおただしについて、私の方から御説明を申し上げます。 第一点のおただしでございますが、再開発事業により現在までに供給されてきた住宅の実績、公的住宅、民間住宅の区分でどうか、こういうおただしでございました。 四十四年の再開発法施行以降現在まで再開発事業により供給されました住宅の戸数は、事業の完了いたしております二十地区につきまして約二千戸、それから現在施行中の地区を合わせまして、四十七地区におきまして約一万五千三百という住宅が新たに供給されることになるわけでございます。 このうち住宅の種別が明らかになっております完了地区二十地区についての二千戸、これは細かく申しますと二千九戸でございますけれども、この内訳を申し上げますと、従前からの地区内の権利者にお渡しした住宅が三百二十一戸、全体の一六%、それから公庫融資つき住宅等のいわゆる公的住宅が全部で千六百十三戸、八〇%、それから民間の方が純粋に購入されました住宅が七十五戸、全体の四%、こういった数字になっております。したがいまして新たに供給される住宅の大部分が公的住宅というふうにお考えいただきたいと思います。 それから、第二点でございますけれども、住宅地区改良事業、あるいはこれに準ずるような住宅地区更新等の事業との合併施行というお考えについての御提案でございますが、これらにつきましては、すでに具体的に進行いたしております件数が全部で七地区ほどございます。住宅地区改良事業と再開発事業の合併施行で行っておりますのが三地区、それから公営住宅の建設事業と合併施行いたしておりますのが四地区という実績がございます。これは施行主体が再開発事業の施行主体とそれから住宅事業の施行主体が同一の県、同一の主体でございますと、この合併施行はかなり容易にやり得るというふうに考えておりますので、今後とも、活用を図ってまいりたいというふうに考えております。
○国務大臣(渡辺栄一君) 都市整備公団、仮称でございますが、その後の詰めはどうなっているかということでございますが、新公団の業務等につきましては、すでに申し上げてまいりましたように、今年の一月七日に省内に事務次官を長とする委員会を設置しまして、検討を鋭意進めてまいったわけであります。 今般、委員会は検討の結果を取りまとめたのでございますが、新公団の業務の内容といたしましては、新住宅建設五ヵ年計画におきまする公的援助のあり方等を踏まえました賃貸住宅並びに分譲住宅の供給を図ってまいります。 第二点としては、住宅の供給に関連する都市再開発及び第二次都市機能の更新等を主たる目的といたします都市再開発の推進を図ってまいります。 第三番目には、宅地の供給と新市街地の整備を進めてまいります。 第四番目には、住宅の供給及び都市の開発整備に係ります技術的援助等を行ってまいりたい、これらを考えておるわけであります。 また、新公団の組織につきましては、極力、簡素にして効率的なものにいたしたいという考えでございます。 以上、検討いたしました結果、新公団の業務の内容等を的確に表現するのがいいのではないかと思いまして、その名称は、従来、仮称都市整備公団と申しておりましたが、建設省といたしましては、住宅都市整備公団、仮称でございますが、とすることが適当ではないかというふうに考えております。 なお、今後、新公団設立に必要な事務を引き続き行ってまいりまするために、六月一日、省内に住宅都市整備公団——仮称でございますが——設立準備室を設置いたしたい、かようにいたしまして進めてまいりたいと考えておるわけであります。
○政府委員(関口洋君) 全般的に申しまして、先生御指摘のとおりに、今後の住宅をつくる場合に市街地住宅に力を入れていかねばならぬということは御指摘のとおりだろうと思います。こういう感じを持っておりますのは、最近の住宅事情につきましては量的充足が進む中でなおかつ大都市圏を中心としまして問題が残されておりますので、これらの地域の居住水準の向上を図り、あわせて良好な住環境の確保、こういうものを考えるために良質な市街地住宅の供給の促進を図ってまいりたい、かように考えておるわけでございます。 その方策といたしましては、たとえば住宅公団が担当します場合には、先生御案内のとおりに、いわゆる利子補給によりまして住宅公団の資金コストの低減を図る。さらには、先ほど御説明いたしましたいわゆる市街地再開発のモデル事業におきましては、そのほかにも全般的な助成制度、たとえば関連公共事業の別枠補助、あるいは共同施設整備費への補助、こういうものを行うことによりまして、市街地住宅の価格の低廉化に努力をしておる次第でございます。 なお、今後の方向といたしましては、ただいま住宅宅地審議会におきまして住宅政策の基本的体系につきまして鋭意御検討中でございますので、その審議結果を待ちまして、さらに今後とも市街地住宅の建設の促進に努めてまいりたい、かように考えております。
○茜ケ久保重光君 冒頭に言ったように、時間の制約があるので再質問はしないと言ったのですが、ずいぶんしたいこともあるんだけれども、やはりできそうもないので、やめておきます。次に進みます。 今度は都市再開発の方針についてお尋ねします。 都市再開発法の目的を見ると「都市における土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新とを図り、」と述べております。各都市はみずからの地区に適合する土地利用の方向を総合的な国土利用との調整の中で決定することが要請をされております。加えて、本改正案では、一定要件の区域に都市再開発方針の策定を義務づけているのであります。 そこで、お尋ねしたいのは、国土利用計画、これは各都市の再開発等の都市計画の前提だと考えているが、この国土利用計画、なかんずく都道府県計画、市町村計画の策定の状況はどうなっているのか。また、都市計画と国土利用計画との調整について、どのように行政指導がなされているのか。 また、国土利用計画、都市計画との調整を経て、現在、再開発のためのマスタープランを整備している都市の状況はどうなっているか。 改正案により都市再開発方針の策定が義務づけられる対象地域について説明をしてもらいたい。また、この方針の内容、性格、拘束性等はどうなっているか、あわせてお尋ねをいたします。
○政府委員(福島量一君) 御質問の前段に当たる部分につきまして、私どもの方から御答弁申し上げます。 まず、国土利用計画でございますが、御案内のように国土利用計画は国土の総合的かつ計画的な利用を図るという目的のもとに策定されるものでございまして、全国計画、都道府県計画それから市町村計画という構成をとっておるわけでございます。 全国計画につきましては、五十一年の五月でございますか、閣議決定されまして、それを受けまして都道府県計画の策定が急がれておったわけでございます。現段階におきまして、四十四道府県につきまして都道府県計画の策定が終わっておるわけでございますが、東京都、大阪府並びに鹿児島県の三都府県につきましては、それぞれ特殊な事情がございまして、まだ策定に至っておりません。私どもといたしましては、各都府県当局と緊密な連絡をとりながら、できるだけ早期に的確な計画をつくるよう、いろいろ指導を続けておる段階でございます。市町村計画につきましては、この都道府県計画の策定を受けまして、五十三年度ごろからその準備に入りまして、五十四年度から五十六年度にかけておおむね三ヵ年程度をかけて市町村計画の策定を進めてもらいたいということで、都道府県を通じまして各市町村を指導をしておる段階でございます。まだ、全体の市町村数からいたしますと、進捗状況は必ずしもはかばかしいものではございませんけれども、五十四年度末までに約六十市町村で市町村計画の策定を終わっております。 次の、土地利用基本計画の問題でございますが、土地利用基本計画は、都市計画法あるいは農振法等の個別規制法の上位計画たる性格を持つものとして、やはり国土利用計画法の中に規定されておる計画でございますが、先ほど申し述べました全国計画ないしは都道府県計画を基本といたしまして、それぞれ都道府県ごとに策定される計画のものでございます。この計画をつくるに当たりましては、関係各行政機関等とも十分調整をとりながら、先ほど申し述べましたような個別規制法の上位計画たるにふさわしいような性格にするべく調整機能と申しますか、そういうものを盛り込んだ上で計画をつくることとしております。 実は、現行のこの土地利用基本計画は、先ほど申し述べましたような国土利用計画法の策定が終わる前に、緊急に手当てされたという事情もございまして、国土利用計画法との整合性というものは必ずしも十分担保されてないところがあるわけでございますが、四十四道府県の都道府県計画ができたということを受けまして、現在、全国的に見直しに入っておるという状況でございます。 以上で、私どもの方から申し上げる答弁とさしていただきたいと存じます。
○政府委員(升本達夫君) 都市の再開発を強力に推進してまいりますために、その実施に当たっての具体的指針となりますマスタープランの策定が大変重要な課題ということは御指摘のとおりでございます。 ただいま国土庁から御説明ございました国土利用計画等の各種の上位計画を踏まえまして、さらに都市の現況を適切に把握した上で、計画的な再開発の推進のための基本的計画、構想の策定を推進する必要があるわけでございますけれども、現在、各関係地方公共団体において、この再開発に係る基本的な構想、計画の策定を逐次進めつつあるという段階でございまして、決定版としてそれぞれの街がこれでいこうという計画が確立されているというところまでは至っておりません。これを早急に確立させたいというのが現時点の課題でございます。 そこで、その手段といたしまして、昨年度、昭和五十四年度から、三大都市圏——東京、大阪市、名古屋市につきまして、都市再開発基本計画を策定する場合に国庫補助制度を開きまして、これによって各市においてその基本計画の作成にはずみをつけていただきたいというふうに考えておるわけでございます。 第二点のおただしでございますけれども、再開発方針の策定が今回の改正によりまして義務づけられる対象地域の範囲でございますが、これは政令をもって具体的に定めさしていただく予定をいたしておりますけれども、予定をいたしておりますのは、地方自治法二百五十二条の十九のいわゆる指定都市、東京二十三区のほか十大都市と言っておりますいわゆる指定都市、それからそのほかに首都圏整備法の既成市街地または近畿圏整備法の既成都市区域をその区域に含む都市で人口が三十万人以上のものという基準で定めさしていただきたいと思っておりまして、具体的には東京二十三区のほか指定都市十市、そのほかは東京近辺では川口、それから大阪では芦屋、西宮、尼崎、合わせまして二十三区十六都市という予定をいたしております。 それから、この都市開発方針におきましては、その対象となる区域全体についての計画的な再開発を推進するために必要な方針と具体の方向について定めさしていただくわけでございますけれども、内容といたしましては、計画的な再開発が必要な市街地に係る再開発の目標、土地の合理的かつ健全な高度利用等に関する方針、特に一体的かつ総合的に市街地の再開発を促進すべき相当規模の地区、その土地利用、建築物の整備等に関する計画の概要というものを定めさせていただく予定をいたしております。 なお、この再開発方針の性格、拘束性等はどうかというおただしでございましたけれども、性格は、ただいま申し上げましたように、あくまでもマスタープラン的なものでございまして、この計画によって直ちに具体の地域、具体の地区について権利の制限等の拘束が生ずるわけのものではございません。このマスタープランを受けて、それぞれのマスタープランで内容としたところに従って各地区について必要な事業が実施されていく、あるいは必要な民間の活動の誘導が行われていくという段階で、具体の規制措置が講じられるところがあるということでございます。
○茜ケ久保重光君 まだ質問は数点残っているわけでありますが、時間の関係で要項だけ申し上げますから、ひとつ賢明な諸君の判断で一括答弁をしてもらいたい。 施行者の拡大について、施行区域要件の緩和について、特定建築物の建築制度について、以上三点についてひとつ賢明かつ簡明な答弁をお願いします。
○政府委員(升本達夫君) 第一点の、再開発事業の施行者の拡大でございますが、先ほど来申し上げましたように、再開発事業が大変広範囲にわたって必要とされている状況にかんがみまして、現行の施行者をさらに拡充、拡大していくという方向で改正をお願いをしているわけでございます。 具体的には、今回の改正におきましては、公的な施行者といたしまして首都高速道路公団、阪神高速道路公団及び地方住宅供給公社を公的施行主体として加えさしていただくということでございまして、また、個人施行者につきましても、土地所有者または借地権者以外の者が全員同意という前提のもとに施行者たり得るという道もあわせて開かせていただいているわけでございます。 なお、純粋な施行者ということではございませんけれども、先ほど来御説明申し上げております特定建築物建築制度というものを導入させていただくことにより、実質的には施行主体が拡充されるということを期待いたしておる次第でございます。 それから、第二点の施行区域の要件緩和の問題でございます。 現状の再開発法に基づきまして再開発事業を実施する区域の要件が定められておるわけでございますが、その後の都市の進展の状況及び既成市街地におきます不良な耐火建築物の増加というような状況に対応いたしまして、再開発事業の施行区域要件を現状に対応し得るように改正をお願いいたしたいということでございます。 具体的な内容といたしましては、施行地区の要件となっております中で、現在、その区域内に一定以上の耐火建築物があるような区域については再開発事業は実施できないということになっております。この場合に、その地区内の全建築面積の三分の一以上耐火建築物がございます場合には、これは実施できないということになっているわけでございますが、この場合の耐火建築物の定義の問題といたしまして、耐火建築物であっても建築面積が非常に小さい百平方メーター以下のもの、いわゆる鉛筆ビルというようなたぐいのものにつきましては、これは必ずしも将来にわたって良好な資産としての耐火建築物になり得ないということから、これはこの場合の耐火建築物の計算からは省くという趣旨の改正をお願いいたしております。 それと、もう一つは、現在都市計画決定されております駅前広場でございますとか街路でございますとか、そういった公共施設の計画決定された区域内に建っております耐火建築物、これもこの公共施設が実現される運びになりますと、当然、除却をしなければなりません。したがいまして、これも正式な耐火建築物にはカウントはいたさないことにしたいという改正でございます。 それから、もう一つの条件緩和の要件は、これらの耐火建築物が、先ほど申し上げましたように、全体の三分の一以下であれば事業が実施できるということになっておりますけれども、これを「おおむね三分の一以下」というふうに「おおむね」をつけていただくということで若干のアローアンスを認めていただきたいというのが今回の改正の趣旨でございます。 それから、もう一つ条件緩和につきましては、第二種の再開発事業につきましては、この面積要件を、先ほど申し上げましたように、三ヘクタールから一ヘクタールというふうに縮小させていただきたいという点がございます。 それから、第三点のおただしは、特定建築物建築制度の目的等についてでございました。 この制度は、その区域内に現存する建築物を除却して整地をし、そこに新しい高層建築物を建てるという事業でございますけれども、従前からその区域内に居住しておられるいわゆる権利者の方々には、従前の権利の価額に対応する新しい建築物の一部と土地に対する権利を与えて持っていただくという趣旨の事業でございますけれども、そのように全体の関係権利者を収容するといいますか、関係権利者に対して必要な建築物を与えるように全部し終わった後にも、なお余剰が建築物のうちに出る、その余剰部分については、従来、保留床と称しまして、これを一般の第三者に売却して事業費を回収するという制度にいたしておりましたけれども、これを、たとえば数棟の建築物、二、三棟の建築物が建つというような地区の状況下におきましては、この保留床部分をたとえば一棟に全部集約するということが考え得るわけでございます。したがいまして、そのような場合には、その建築物については従前の権利者との関係はないことになるわけでございますので、そのような場合には、その部分については、これは施行者が直接に建物を建てて分譲するというところまでやらなくても、第三者にお任せしてもよろしいのではないか、全体の事業計画の中に位置づけをしてその事業計画に反しないというチェックのもとに、第三者にその部分の施行をお任せするというのがこの特定建築物建築制度でございます。 これによりまして施行者の負担の軽減、それと、また反面、民間の関係企業者等のエネルギーの活用ということを図りまして、全体として再開発事業の推進に資するようにいたしたいというのが今回御提案の趣旨でございます。
○茜ケ久保重光君 最後に、ひとつ大臣にお尋ねしたい。 この法の改正に当たりまして、特定建築者の一機関として、私どもに非常に関係の深い日本勤労者住宅協会をこの中に包含されました。このことについては私どもは高く評価したいと思うのです。勤住協は今日まで勤労者からはかなり評価されてきておりますけれども、どうも政府当局者は余り評価されていなかったのじゃないかと思っているわけです。しかし、文句は言いませんが、そういう感があったと思う。それを今回ひとつ日本勤労者住宅協会というものが入ってきた。勤労者みずからが住宅建設を進めている勤住協、住宅生協等について、今後、これを機会に、過去は問いませんから、一層の力を入れて、勤労者がみずからの手でつくる住宅の増加にぜひ御協力を願いたいと思う。 特定建築者としてせっかく勤住協が入ったわけでございますから、再開発住宅においては、公営住宅、公団住宅等に並んで、勤注協住宅の建設を進めるべきではなかろうかと思うわけであります。ひとつ再開発事業を認可する立場にある建設大臣として、このことを一面評価しながら、さらに、今後の、何といいますか、指導、御協力を一層進めていただきたいと思うのでありますが、これに対して大臣の御所見を拝聴して、私の質問を終わります。
○国務大臣(渡辺栄一君) ただいま勤住協の指導育成について私の考え方はどうかということでございます。 今後の再開発事業は、居住環境の改善、また良好な市街地住宅の供給などに重点を置きまして、都市の再開発を推進することであります。その意味におきまして、住宅公団、住宅供給公社等と並びまして、住宅の建設と供給につきまして実績を持っております勤住協の事業実施につきましても期待をいたしておるところで、このような措置をとったわけでございます。 したがいまして、住宅供給と結びつきました再開発事業を推進するためには、公的住宅建設主体が計画段階から加わるということは非常に望ましいことであると考えておりまして、今後、積極的な参加となお一層の御活躍を望みまして、今後とも、指導いたしてまいりたい、かように考えておるわけであります。
○降矢敬義君 茜ケ久保先生から全般にわたって御質問がありましたので、できるだけ重複を避けて、私は、短い時間でありますが質問をいたしたいと思います。 私の見解は、市街地開発事業をこれまで、先ほどもちょっと説明があったと思いますが、面積にしても実施個所百五十七ヵ所四百四十六ヘクタール、十年間法律施行になってきましてからこの実績というものは私は必ずしも十分でない、こう評価しています。そこはどうお考えになっているのか、まずお聞きしたいのであります。
○政府委員(升本達夫君) 実績については、ただいまおただしのとおりでございます。これにつきまして、私ども、必ずしも現在の都市の状況にかんがみまして十分に進展をしているというふうには考えにくいというふうに思っております。 問題は、いろいろ問題点がございますけれども、やはり重要なことは事業費が非常に膨大にかかる、これをどうやって確保してまいるか、特に権利者の権利保全ということと絡めてどのような助成策が講じられるべきかという点が一つございますことと、もう一つは、やはり権利者の方々にいわば動機づけが不足していると申しますか、なぜ再開発をやらなきゃいかぬのか、なぜ高層建築に入らなきゃいかぬのかという点についての抵抗感がおありであるのが一般的でございます。この点をどういうふうに乗り越えていくかということが大きな課題だというふうに考えておる次第でございます。
○降矢敬義君 そこで、私も、既成市街地はいろんな過密に伴うたとえば危険要因、災害要因が非常にある。住環境が悪い、交通が混雑している、これは提案理由のところにも書いてあるとおりでありまして、そういうために都市問題というものを解決する方法としてやはり市街地の再開発というものをどうしても進めなきゃいかぬという認識では一致しているわけであります。 それには、先ほども御質問の御答弁にありましたように、いろんな手法が現在あるわけでありますが、この市街地の再開発法における手法も一つの手法でありますし、区画整理法によるものもありますし、あるいは予算措置による住環境モデル事業というのもありますし、いろんな手法があるわけでありますが、今回、都市再開発法の改正を御提案なされるその理由について、要するに、基本の考え方について大臣にお聞きいたしたいと思います。
○国務大臣(渡辺栄一君) これからの都市政策は、大都市におきましては高度の都市機能を維持し、都市で生まれ育つ者の生活の場としてふさわしい都市の再生を目指すということだと思います。また、地方都市におきましては、定住社会にふさわしい都市機能と快適で豊かな都市生活を確保することによりまして、周辺農山漁村を含む地域社会の中で中核的な機能を発揮し得る個性と魅力ある都市形成を目指す必要があると言われておるわけでございます。 都市再開発は、このうちで主として大都市地域の既成市街地におきまして、都市構造の再編、良好な居住環境の形成、都市の防災構造化、良好な市街地住宅の供給などを図りますために行うものでありまして、既成市街地とバランスのとれたゆとりのある新市街地の形成と相まって、魅力ある都市の形成を図れるものではないかと思うのであります。 都市再開発の推進に当たりましては、計画的かつ総合的な推進を図りますためのマスタープランの策定を進めますと同時に、実際の事業の実施におきましては、民間エネルギーの積極的な活用を図る。また、関係住民の生活条件の激変を緩和して、その生活の安定と向上を図るということなどに留意をして進めてまいりたいと思うのであります。 なお、今回の法改正は、各界から都市の再開発の促進を図るための種々の提言、要望がなされております。また、昨年の十二月には、都市計画中央審議会から都市の再開発を広くかつ強力に推進するための新しい制度についての答申をいただいたわけでありまして、これらの経緯を踏まえまして、既成市街地における都市環境の未整備、災害の危険性、職住の遠隔化、交通混雑等の都市問題に対処しまして、市街地の計画的な再開発を広範かつ強力に推進するということを目的といたしましてお願いをすることにした次第でございます。
○降矢敬義君 いま大臣のお話にありましたように、都市計画中央審議会の答申を私も拝見させていただきまして、これにある程度基づきながら立案されたように拝見いたしますが、この中でまず第一番にマスタープランであります。 このことについても先ほど御質問がありましたが、法律を見ますと、都市計画法の七条四項のこの規定における開発、保全の方針においては云々と、こう書いてあります。先ほどの質問と重複しない程度で私はお聞きいたしますが、一つは、政令で定める大都市、つまり先ほど二十三区を含む十六都市ですか、ここに限定した理由と、それからもう一つは、法律施行後十年たって、それでいまにして初めてこのマスタープランなるものをつくれということはどういう意味なのか、何を反省してこういうことをつくれと言っているのか、つまり都市計画法の七条における方針がまさにマスタープランそのものを言っているのじゃないのかなという私は気がいたしますので、この点についての二点をお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(升本達夫君) 第一点のおただしの、この新改正案によります二条の三に基づきます都市再開発方針の義務づけがなされる対象都市の範囲を二十三区及び十六都市に限る予定をいたしております、そのことの理由というおただしでございました。 この再開発につきましては、ただいまお話しのように、都市計画法に基づきまして再開発の方針を定めることが可能であり、また必要でもあるわけでございますけれども、現実の運用におきましてなかなか実質的な意味のマスタープラン的なものを定めていただくのはむずかしい、あるいは現実にそこまで至っていないという状況がございます。こういう状況を踏まえまして都市の再開発を促進いたしてまいりますためには、やはりその再開発促進の必要度の高い地域については、何をおいてもまず必要とされるこの再開発方針については定めなければならないという義務づけが欲しい。その場合に、この義務づけをする以上は、やはり特定の地域に限定的に考えられるべきであろう、それはあくまでもこの状況下において一刻も早く再開発の促進が図られなければならない地域であるべきであろう。そのような考え方に立ちまして東京、大阪、名古屋を中心といたします、特に東京、大阪を中心といたします都市の状況がきわめて急速に変化しつつあるこの地域の範囲に限定をして、再開発の方針を定めなければならないという義務づけをいたしたわけでございます。したがいまして、この方針を定めなければならないという義務づけをする前提として、対象の地域はおのずから限定されているというふうにお考えをいただきたいと思うわけでございます。その具体化としてたまたま二十三区、十六都市が挙がったというふうに御理解をいただきたいと思います。 そこで第二点のおただしでございます。確かに現行の都市計画法をもちまして既成市街地内の整備、開発、保全の方針というものは都市計画をもって定めることができるし、また必要な場合には定めなければならないことになっているわけでございます。したがって十年を経過したこの段階でとおっしゃることも、まさに御指摘のお気持ちはよく私どもも理解をいたしておるわけでございます。 しかしながら、現在の状況を見ますと、この都市計画法の七条に基づきまして既成市街地につきましての整備、開発、保全の方針というのは、およそ都市計画法が適用され市街化区域、調整区域の線引きの行われている都市につきましては、大体ほとんどの都市がこの既成市街地の再開発につきましてこの方針を定めてはおるわけでございます。おるわけでございますが、かなり抽象的な定め方をいたしておりまして、たとえば東京都の二十三区についての都市計画におきまして、既成市街地の再開発の方針という一項がございますけれども、この一項は全体で九行しかございません。したがいまして、大変、都心部についてはこれこれにより再開発が必要だというようなことを言っておりますが、これは心構えを述べている段階にとどまっておりまして、即地的に、またスケジュールを織り込んだような再開発方針というに至っていない。したがいまして、このままで推移いたしますと、再開発が計画的統一的に必要だということを幾ら申しましても、そのもとになる方針が抽象的である限りにおいてはなかなか具体の進行がおぼつかないという状況判断をいたしまして、この際、特に必要な区域については、まず法律をもって知事さんの御努力をお願いして、それによって具体の方針と言えるところまで定めていただきたいという趣旨で今回の改正を御提案申し上げた次第でございます。
○降矢敬義君 その点に関連してもう一つ、私の理解が十分かどうかという意味でもお聞きしたいんです。 今度の法律では、マスタープランを義務づけておりますし、それから先ほどの茜ケ久保先生の御質問に対しても計画策定については補助も出していると。そこで、この二十三区、十六都市については、再開発の手法としてはこの法律でやれというふうにもう進めていくつもりなのか。つまり、これをつくりますね、そしてこれでもうやってしまえという方法として、つまり計画を義務づけるということは手法までも選択の幅を狭めてしまうというふうに考えていいのかどうか。私は理解がそこのところちょっとわかりませんので、あえてお伺いするんですが、補助金もつけてこの計画によって、しかもこの法律による、そうすれば後で特定施設の云々とかいろんなものが出てきて、一つの手法法なんですね、これ。その中に一つのプランというものを義務づけてくるということで、何かちょっと違和感があるんです、私の気持ちの中に。そこのところをぜひまた御説明をお願いしたいと思っています。
○政府委員(升本達夫君) 御提案申し上げております第二条の三の都市再開発方針におきまして、法文上、第一項におきまして「次の各号に掲げる事項を明らかにした都市再開発の方針を定めなければならない。」とございまして、第一号で「当該都市計画区域内にある計画的な再開発が必要な市街地に係る再開発の目標」云々と、こうございます。それから第二号に「前号の市街地のうち特に一体的かつ総合的に市街地の再開発を促進すべき相当規模の地区及び当該地区の整備又は開発の計画の概要」と、こうございます。 この一号の方の「計画的な再開発が必要な市街地」と言っておりますのは、たとえば東京で申しますと、二十三区全部を見渡して、その中から再開発をする必要が考えられないという地域を除いた範囲のすべてというふうにお考えをいただきたいので、実際には、私どもの見通しでは、恐らく二十三区全域の中の三〇%ぐらいに当たるような区域がこの「計画的な再開発が必要な市街地」に当たるだろうというふうに考えております。 それから二号の方の、その中で「一体的かつ総合的に市街地の再開発を促進すべき相当規模の地区」というのは、たとえば東京で言いますと江東区の木場地区とか、あるいは隅田川堰堤の大川端地区とか、大阪で言いますと淀川のリバーサイドでございますとか、そういった程度の地区の単位を考えております。 いま御説明申し上げたところからお聞き取りのように、いずれにしましても、かなりの広がりを持った区域を対象に定めさせていただくということでございまして、その区域について具体的に各ブロックをどういう計画に基づいて、ましていわんやどういう事業手法を用いてやるかというのはそれ以後の問題でございまして、この再開発プランでは、とにかくそこが長期的に見れば大体こういう形に整備されていくべきであろうというところまでのところでございますから、この再開発計画の方針の内容になったからといって、直ちにその地区についての実現の手法まで拘束されるというものでは全くございません。ここで考えておりますのは、再開発にはいろいろな手法がありますし、これは公的な事業だけではなくて、民間の方々がそのマスタープランに基づいてみずから開発をされるということも当然考えられるわけでございますから、一切の手法的な拘束とは別というふうに御理解をいただきたいと思っております。
○降矢敬義君 もう一つは、いま民間の方々もそれぞれ、いまのプランができれば、それに従ってやる、やらせるという、要するに、それに従わなければ、従わせる方法は何かあるのですか。
○政府委員(升本達夫君) したがいまして、このプランは、性格を申し上げますとマスタープランということでございまして、このプランの対象となった区域について、このプランの計画がそのとおり実現されねばならないという担保措置が直ちにつながってくるものではございません。したがいまして、このマスタープランに従って、そのマスタープランの目的に沿うような具体の再開発計画というのが各地区について追っかけてまいるということになろうと思いまして、その具体の再開発計画に至って、都市計画による再開発事業のための計画とすれば都市計画の規制がかかることになりますし、あるいは住宅地区改良事業でやるとすれば住宅地区改良の事業計画以降の制約がかかるというふうに、個々具体にその時点から制約条件がかかってくるというふうに御理解をいただきたいと思います。
○降矢敬義君 わかりました。 次に、この答申にもございます民間部門の創意工夫、活用という点が強調されております。「民間エネルギーの積極的な活用、適正な誘導を図ること」という指摘もありますが、今度の改正で拝見いたしますと、たとえば施行主体の拡大とか、あるいは施設建築物を第三者にやらせるというような方法をとられておるようでありますが、そういう点がこの答申の趣旨を受けた改正として理解してよろしいんですか、どうですか。
○政府委員(升本達夫君) 答申においては、さまざまな再開発促進策の御提案をいただいております。先ほど御答弁申し上げましたように、単に法制化すべきものにとどまらず、税制あるいは助成策、その他もろもろの御提案をいただいております。その御答申の基本的な趣意と申しますか、基本的な目的としてとられておられますのは、再開発を広く、かつ強力に推進するというための手段というふうに私ども理解をいたしておるわけでございます。その広く、かつ強力に推進するための方策の一つといたしまして、施行主体の拡大ということが御提案になられたというふうに理解をしております。 したがいまして、その一端といたしまして特定建築物の建築を第三者にお願いするとか、あるいは公的な施行主体の範囲を広げるとか、あるいは個人の施行者として権利者以外の方に入っていただく、これはいずれも同じ目的に資するものというふうに理解をしておりまして、全体いずれも御答申の趣旨に沿う改正というふうに考えております。
○降矢敬義君 施行主体の拡大のところで、先ほどもちょっとお触れになったのでありますが、高度利用地区内の宅地について所有権または借地権を有する者の同意を得た場合には、第三者もやれるようになっております。恐らくこれは、同意というのは全員同意だというふうに、先ほどもあったと思います。わざわざ全員の同意というものを前提にしたこういう法律を提案された御趣旨はどこにあるのでございますか、ちょっと御説明願いたいと思います。
○政府委員(升本達夫君) 一つは、再開発が、現状におきまして、われわれの反省でございますけれども、再開発のできるところをやっておって、本当に必要なところになかなか手がつかないという問題意識がございます。 その場合に、本当にやらなければならないという客観情勢がありながらなかなか手がつきかねているという状況がいろいろあるわけでございますけれども、その場合に、われわれ望ましくは、権利者の方々が第一義的には御相談をされてみずから施行されることが一番いいわけでございます。そういう場合ももちろんございますけれども、地区によっては、施行者の方々はその再開発事業の必要性も認める、それから現実に事業がやられることについても反対はしない、もしくは積極的に賛成だと。ところが、われわれがリスクを負ってやるのは、これは御免だというお考えの方もあるわけでございます。したがって、再開発を実現してほしい、そういう意思をお持ちになりながら、いわば、主として資金的な問題ですが、能力という点で不足するというような状況の地区もございます。このような場合には、資金的な能力、その他施行的な能力を持った第三者が、その権利者の意思をわきまえながら、あるいは体しながら施行するということがあってもよろしいのではないか。そのよろしいのではないかという前に、やはりそういった地区は再開発をやってほしいという都市全体からの要請がある。その要請を踏まえて、そのような制度化が図られたらいかがなものであろうか、こういう御提案でございます。
○降矢敬義君 以下は、若干この法律に即して、重複を避けてお聞きしたいと思いますが、まず第一番に、三条の二第二号の第二種市街地開発事業のところで、面積の要件を三ヘクタールから一ヘクタールにこう小さくしましたね。それの理由はどういう理由で——まあやりやすくするんだという意味はよくわかりますけれども、一ヘクタールという数字をとってこられたところは何か根拠があるのかどうか。 というのは、実際第二種事業というのは、買収方式でありますからなかなか実績も進行していないように承っておりますので、その辺を将来やっぱり公共団体というか、そういうものを主体にして進めたい、また進めることがいいという考えが根底にあって、大体やりやすいところを見つけてきたのかどうか、その辺も、細かい話でありますが、承っておきたいと思います。
○政府委員(升本達夫君) ただいまおただしの中に、第二種の事業は収用事業で全面買収だからなかなかやりにくいのではないかという御意見がございましたけれども、実は、私どもの方の認識は若干異なっておりまして、これは、現在、第二種市街開発事業が余り進展しておりませんのは、その施行の要件が厳し過ぎると、これは地方自治体の一致した意見でございまして、三ヘクタールというまとまりでなければ第二種の事業ができないということになりますと、三ヘクタールと申しますと、都心地区におきましては、街区数で言いますと恐らく六、七ブロックというような大きさになります。そうしますと、これはとても一つの単一同時的な事業としてやる単位としてはちょっと無理な広がりではないか。そこで、この要件のために実際に手をつけられるところが非常に限定されてきたという状況であるというのが施行者である自治体の判断でもありわれわれの判断でもあるわけでございます。そこで、この条件をこの際少し許される限り緩和をさしていただいたらどうであろうかという趣旨でございます。 そこで、一ヘクタールはなぜかと、こういう御指摘でございますけれども、これは現在までの施行主体別の施行区域の平均値をとりますと、民間の組合施行の場合ですと、一ヘクタール弱、〇・八ヘクタール程度でございますし、それから公共団体施行の平均は一・五ヘクタールぐらいになるわけです。そこで民間の方々、権利者が集まってやられる限界としては一ヘクタール未満だろう。一ヘクタールを超えるとすると、ちょっと公共主体が乗り出さないと無理ではないか。そこで公共主体として乗り出さざるを得ず、また乗り出すことができるというような面積の広がりのところまでくれば、そこから先は、これは第二種であろうと第一種であろうと、その地区の状況に適した事業手法をとらしていただいてもいいんではなかろうか。まあ大体そんなような考え方で一ヘクタールというところまで引き下げをお願い申し上げている次第でございます。
○降矢敬義君 いまの一ヘクタール以上というふうに緩和された趣旨、むしろ地方団体の方でそういうことは団体主体でやるという意欲があるというふうに理解してよろしゅうございますか。
○政府委員(升本達夫君) 全くさようでございます。
○降矢敬義君 それから、もう一つは、借地借家人等非常に零細な方々が多い地区の市街地再開発事業、こういう人たちの権利保護といいますか、あるいはそういう人たちに対する助成措置といいますか、そういうものについて何か今度の予算でもそういうことをやられたように聞いておるんでありますが、その辺はどうなのか、承りたいと思います。
○政府委員(升本達夫君) 借家人等、比較的小さな権利をお持ちの方々に対する対策、施策という点についてのおただしでございますけれども、これは現在までにも補助制度の適用に当たりましていろいろ各般の施策を講じてまいっているわけでございますが、特に住宅関係のプロジェクトにつきましては、一般の場合と比較してさらにその補助の内容を充実させ、厚くさせていただいておるという状況下にございます。 そこで、五十五年度、本年度からは、特に零細な、小さな権利者の多い地区につきまして、要するに、零細なと申し上げているのは、現在持っておられる権利の価額に相当する新しい建物をお渡しする場合に、住宅の場合ですと五十平米までいかない、それからその他の店舗等については三十平米までいかない、まあ価額的なつり合い上でございますね、というような権利の主体たる方を申し上げているわけでございますが、こういう方々に対しては、ひとつその五十平米あるいは三十平米という最低線のところまでやはり持っていただきたい。そのために、いわば私有化になるわけでございます、それには費用負担が必要である。その費用負担を軽減させていただくということで、それに完全に相当する価格まではまいりませんけれども、それに対応した共同施設部分の費用というものを補助対象にさせていただくということによりまして、これらの比較的小さな権利をお持ちの方々の私有化の負担の軽減策を講じさせていただくという制度を今年度からとらしていただいておるわけでございます。
○降矢敬義君 これを進めるについては、先ほども局長の答弁にありましたとおり、お金の問題が絶えず裏にあるわけですね。だから、いまのようにきめの細かい施策をぜひ今後も検討していただいて進めていっていただきたいと思っております。 それからもう一つは、九十九条の二以下に「施設建築物の建築等の特例」という新しい款を設けられておりますが、これについて先ほどちょっと質問がありましたが、最後に、私は、これを積極的に設けた理由と実益というものをどういうふうにお考えになっているのかをお聞きしたいと思います。
○政府委員(升本達夫君) まず、私ども、何よりも申し上げたいのは、再開発事業が行われなければならない地域の広がりに対して、現状の再開発事業が非常に微々たる進行状況であるということが基本的な認識としてございます。 そこで、再開発事業を促進してまいりますためには、やはりいろいろな問題点の中で特に事業施行能力、費用負担という問題があります。これは関係権利者の方々の権利保全と並ぶ非常に大きな問題だろうと思います。そこで、その問題点に対応いたしますためには、何が何でも常に施行者、特に公的団体である施行者がその地区を全部クリアランスをして、新しい建物を建てて権利者を収容し、第三者に余分床を分譲する、この仕事をとにかく一から十まで全部施行者がまる抱えでやらなければならないということに非常に費用負担上の問題があるんではないか。 そこで、権利者の権利保全ということの大命題が満たされるような条件下においては、施行者がこの費用負担と施行の負担を軽減されてもいいんではないか、そこでその軽減策の一つとして考えられたものでございまして、先ほど来御指摘の御答申の中では可処分地制度ということで御提案をいただいたものでございます。これは対象区域をクリアランスをいたしまして、そこにたとえば二棟の建築物が建つという場合に、その区域内におられる各権利者に一棟の建築物に全部入っていただくということが可能なような状況下であれば、この一棟分。他の一棟分については、これは関係権利者の権利救済保全策とは一応切り離して考えてよかろう。その場合に、その残りの一棟分の敷地について、この敷地を第三者に譲渡して、そこで全体計画のもとに建築を行って分譲するという仕事をお願いしたらどうか、こういう御提案でございました。 しかしながら、今回、この改正法で私ども御提案申し上げておりますのは、これは可処分地制度と趣旨は全く考え方は同じでございますけれども、土地を更地にしてそのままお渡しするということにはやっぱり若干不安がある、果たしてそれが完全に事業計画に合わせて開発されて目的を達し得るか。もちろん大部分は達し得ると思いますが、若干の不安がある。そこで、やはりこれは施設建築物の建築行為までも完全に事業計画の中に取り込んでチェックをして、それで全部でき上がったところで、建築物とともに、その敷地も建築者に譲渡するというような手だてに、この制度の考えを少し改めまして、整理をし直したのがこの施設建築物建築制度でございます。したがいまして趣旨は全く御答申の御提案と同じで、先ほど来申し上げましたような趣旨にのっとりまして、全体としての再開発事業の促進を図るという観点から考えさしていただいたものでございます。
○降矢敬義君 終わります。
○理事(増岡康治君) 本案に対する午前の質疑はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩いたします。 午後零時二十三分休憩 —————・————— 午後一時三十二分開会 〔理事茜ケ久保重光君委員長席に着く〕
○理事(茜ケ久保重光君) ただいまから建設委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、都市再開発法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○二宮文造君 午前中に続きまして、都市再開発法の一部を改正する法律案についてただしたいわけでありますけれども、その前に、関連の問題につきまして具体的に若干質問をしたいと思います。 その第一の問題は、御承知のように、霞が関一団地の官公庁施設の計画区域、こういうものが指定されておりますが、そのあり方をめぐる問題についてであります。 まず、この霞が関一団地の官公庁施設の計画決定の告示の時期、計画決定に至る経緯、計画決定当時の区域面積、これを確認の意味でお伺いをしておきたい。
○政府委員(升本達夫君) 霞が関一団地の官公庁施設につきましては、国の立法、司法、行政等各機関に属します中央官庁施設を霞が関地区に集中配置いたしますために、昭和三十三年十二月六日の建設省官公庁施設審議会の答申をいただきまして、同月十日の東京都都市計画地方審議会の議を経た上、同月二十三日に建設大臣が都市計画決定の告示を行っております。 計画決定当時の区域面積は約百一ヘクタールでございます。
○二宮文造君 要するに、二十年たっているということが確認をされました。 それから、この計画はどのような手続を経て決定されたのか、また、この手続は現行の都市計画法のもとにおける手続のそれと比較をしましてどうなりますか、御説明いただきたい。
○政府委員(升本達夫君) 霞が関一団地の官公庁施設に関する都市計画につきましては、改正前の旧都市計画法の規定第三条に基づきまして、建設大臣が東京都都市計画地方審議会の議を経て定めるという手続にのっとって定めさしていただいておりまして、昭和三十三年十二月二十三日に決定を見たものでございます。 それから、現行の都市計画法におきましては、一団地の官公庁施設に関する都市計画は、都道府県知事がその案について公告、縦覧の手続をとった上で、関係市町村の意見を聞き、かつ都市計画地方審議会の議を経て決定をするという制度になっております。
○二宮文造君 ですから、いわゆる現行の計画ですね、この計画は関係の土地所有者あるいは地方公共団体などの意見を聴取しないまま決定された計画と、このように理解してよろしいかどうか。
○政府委員(升本達夫君) 旧都市計画法による都市計画決定手続につきましては、先ほど御説明申し上げましたように、現行の都市計画法による手続と比べまして、決定の主体、決定手続におきまして法制度上はかなり異なっておるわけでございますが、実際の運用におきましては、旧法下におきましても、関係住民、地方公共団体の意向が反映されるように運用をいたしておったわけでございます。 すなわち、都市計画決定に関しまして、地方公共団体の意向を反映させ、その自主性を尊重いたしますために、建設大臣がこれを決定するという、法文上の表現としてはそうなっておりますけれども、実際の運用におきましては、市町村長が発案をいたしまして、都道府県知事経由で建設大臣に内申をいたしてまいりました。その後、建設大臣がこの内申に基づいて決定するという運用にいたしておりました。 また、建設大臣がその決定をするに当たりまして、付議することとされております都市計画審議会、これは東京の場合は、東京都に置かれる都市計画地方審議会でございますけれども、この審議会の構成員といたしましては、都道府県及び市町村の議員、学識経験者等が含まれておりまして、審議会の構成におきまして現在の審議会の構成とほとんど変わりのないメンバーでございますし、また、審議会におきます審議も十分にその過程においてなされておるわけでございまして、住民の意向もそのような手続過程で反映をされておるというふうに理解をいたしております。
○二宮文造君 そのところでひっかかりますと、また大分やりとりがややこしくなりますから、いまの答弁をお預けにしたまま次に進みたいと思います。 決定が告示されてこの方、区域面積の変更が若干あったように伺っております。変更があったとすれば、その面積、それからまたどういう理由で変更されたのか、地区がそれぞれ分かれておりますから、かいつまんで御報告いただきたい。
○政府委員(升本達夫君) 都市計画決定以降、現在までに区域変更を内容といたします都市計画の変更を二回行っております。 最初の変更は、昭和三十九年一月二十七日に行われたわけでございまして、これは都市計画道路放射二十八号線——現在の議員会館の裏手、ヒルトンホテルの前の通りでございますが、この二十八号線を廃止して、そのかわりに補助二十一号線と補助百四十八号線という現道に沿った街路計画に修正がなされまして、これに伴いまして官公庁施設地区の区域界の一部変更が行われたわけでございまして、これによりまして一万三千平方メートルの区域が除外されました。逆に九千平方メートルの区域が編入をされまして、差し引き四千平方メートルの減少ということになっております。 それから第二回の変更は、昭和四十三年十二月二十八日に行われたものでございまして、これはやはり都市計画道路中央官衙街路第九号線——と申しますのは大蔵省と会計検査院の間の街路でございますが、この街路の法線が一部変更になりました。この変更に伴いまして区域境界が修正されました。これによりまして区域の一部が除外されまして、約一千平方メートルの減少ということになっております。
○二宮文造君 それで、もう一つ現況としてお伺いしたいんですが、それぞれの地区にいわゆる計画の決定はされた、告示もされた。しかし、二十年も経過して今日に至るもまだ計画区域内の未買収地が相当数あるようです。地区別にこの未買収地の状況を、これもまた時間の関係もありますので、かいつまんで御報告願いたい。
○説明員(高野隆君) 計画区域内の未買収地の現況を報告いたします。計画区域内は十九の地区に分かれております。その十九の地区のうちの五つの地区に未買収地がございまして、その現況について申し上げます。 まず、千代田区永田町一丁目のH地区につきましては、約四千七百七十平方メートルございまして、主として住宅に使用されております。それから同じ永田町一丁目のM地区でございますが、これは百七十平方メートルで、料理店に使われております。それから次に永田町二丁目にありますI地区でございますが、これは九百三十平方メートルで、地下鉄の駅舎がございます。それから同じく永田町二丁目のL地区でございますが、これは約三千四百四十平方メートルで、料理店、商店、住宅等がございます。それから千代田区隼町のO地区につきましては、約千四百平方メートルでございまして、医院と駐車場に使われております。 以上でございます。
○二宮文造君 使われていますという表現はきわめてよくないことでして、土地の所有者が持っている上に役所の方で勝手に網をかけたんですから、何だか、いかにもそのために計画が進まないような表現の仕方じゃなくて、むしろ土地の所有者の側から言いますと、これはさっきの都市局長の答弁と絡んでくるわけですが、土地の所有者の意向というものは全く無視して、そして網をかけた。そして二十年たって今日もまだその行方がわからない。役所の方からも、政府の方からも買収の交渉もしない、何に使うかという計画も持っていない、ただ網をかぶせて私権の制限をやっているというのが、かいつまんで言えば、この一団地の迷惑をこうむっている土地所有者の考え方なんです。 それはわかりますよ。この霞が関一帯をいわば景観のいい、整った官庁街にしたい、そういうことでこういう網をかけたのはわかります。ですけれども、それから二十年たっているわけですね。そしてお建てかえになっても結構ですけれども、二階以上はいけませんぞとか、地下を使っちゃいけませんぞとかというふうに制限をかけたまま今日いまだに買収の交渉さえもしない、何をつくるかという決定も持っていない、ただ、もう網をかぶせたまま土地所有者に迷惑をかけているというのが私は実情だろうと思うんです。 ならば、そういう私権の制限をされた土地の所有者に何か恩典があるのか。私調べてみましたが、いわゆる未買収地ですね、その未買収地について土地の利用制限をかけられているけれども、恩典は何もないわけです。たとえばですよ、固定資産税なんかの評価に、じゃ御迷惑をかけていますから、買収がおくれていますから、その間に固定資産税の減免をやりましょうというふうな配慮がされてきたかどうか、これを伺いたい。
○説明員(渡辺功君) 固定資産税についてのお尋ねでございますけれども、ただいま御質問がありましたように、固定資産税といたしましては、これのいわゆる恩典とかあるいは配慮とかいう意味の事柄ではないと思います。むしろ、そうではなくて、制約を受けますと全般的にその資産価値がそれだけ減少するという観点に立ちまして、固定資産税はあくまで資産価値に応ずる負担を求めるという性質の税金でございますので、いろいろ利用に制約を受けるということになりますというと、それは本来売買実例価額に反映するはずだ、したがって評価の場合も路線価に反映するはずだという考え方で、こういう一団の官庁施設のような場合は路線価に反映するという形で、そうでない場合と比べれば下がるということが一つであります。 それから、もう一つは、都市計画決定は一般にそうなるわけですけれども、街路であるとかあるいは公園のようなものになりますというと、路線価に反映するという固定資産税本来の仕組みといいますか、手法でもって調整をとるということはできませんので、そういったものにつきましては、別に、その区画に従いまして、その筆についてどれくらいそういう施設がかぶっているかを勘案しまして、市町村が定める基準に従ってある程度それを下げるという形で調整をとる。しかし、これは、私ども、あくまで税負担の公平という見地でそういうことが行われる、こういうふうに考えていままでやってきているところでございます。
○二宮文造君 じゃお尋ねします。私はまだ調査不十分で、具体的にそういう配慮がされているかどうか東京都のを調べておりませんので、私も確信ありませんけれども、いまの答弁によりますと、そういう官庁施設としての計画の網がかかった、その網がかかったということはいわゆる固定資産の評価にしんしゃくされているはずだ、こういうふうな御答弁のようでした。具体的にそうなっておりますか。 近傍類地の、道を隔てて、一方は網がかかっている、一方はかかっていない、その辺の固定資産の評価額に必ず違いがあると自治省では確信を持っておられますか、この場合。私調べていませんから確信ありませんけれども、私の感じでは固定資産税には何らしんしゃくは加えられていない、評価にも、と思うんです。やらずぶったくりという言葉がありますが、そういうかっこうになっているんじゃないかと思うんですが、いかがでしょう。
○説明員(渡辺功君) ただいまお尋ねでございますが、東京都のこの実例につきまして、私ども、図面の上で見た範囲では、やはり路線価にある程度しんしゃくを加えているように受け取りました。 ただ、それが、先生がいまおっしゃいましたように、非常に全体的なそういった制約をかぶった土地としての資産価値の減少というものとのバランス上、よそと比べて一体どの程度いくのがいいのかという程度の問題になりますと、これはいろいろ議論があると思います。私どもとしましても、そこのところになりますというと、これは評価基準上も、この場合は東京都でございますが、東京都のいわゆる価値判断あるいは評価上の権限の問題になりますので、すぐどうこうということにはなりませんが、東京都の考え方なり意見なりは私どももよく聞いてみたい、こういうふうに考えております。
○二宮文造君 だろう、だろうでやりとりしたって結論つきませんので、税関係ですから、資料の提出というのはちょっと無理かもわかりませんけれども、しかし、その辺のところは、具体的にどうこうということじゃなくて、おたくの方でお調べいただいて、そしてこういうふうに配慮されていますということであれば、また何か資料のようなかっこうにして御報告をちょうだいできればと思います。 だけれども、私の判断では、恐らく固定資産税に評価の面でしんしゃくは加えられていない。ただ、計画道路が入りました、その計画道路の場合、それにひっかかっている分はおっしゃるような補正の率を掛けて、線に入っている分については固定資産税の評価を落としている、税額を落としているということは承知しています。しかし、計画道路に入ってない、いわゆる通達に「道路、公園等」となっていますが、この一団地の官庁街ですか、官衙街の計画の網をかぶったということで、「等」という字で解釈はされてないと思うんです。これはちょっとお調べいただきたい。 それから文化庁にお伺いしますが、具体的にいまお話があったO地区、すなわち国立劇場付属施設予定地、こういうようなかっこうでO地区が指定されておりますが、このO地区についてはどういう計画をお持ちなんですか。 もう一つ補足します。ここには医院がございます。——まあそれは後にしましょうか。とにかく文化庁でこのO地区のこれからの計画、そういうもののどういう青写真を持っておられるのか、それを伺いたい。
○説明員(富張昇君) 文化庁といたしましては、御指摘の国立劇場裏側のO地区に該当します民有地につきましては、将来、同劇場の関連施設用地として利用したいというふうに考えておりますが、その取得には何分居住者との話し合いが前提となりますので、その見通しが得られた段階で具体的な青写真を考えたい、こういうふうに考えておるところであります。
○二宮文造君 先ほどずっと念を押しているように、二十年たっているんです。だから、所有者と話し合いをしてから考えたい、こうおっしゃるんですが、おたくの方にこういう計画をつくりたい、だから売買をお願いしたいというふうになっていくわけでしょう。計画がなければ土地の所有者に対する接触がないわけでしょう。あなたはいま自分の方へ買えるようになってから何に使うか考える、こうおっしゃる。そうじゃないでしょう、物の順序としては。こういうものに使いたいから、その意味で網をかけてあるんだから、ひとつこういうものに使いたいから売買に応じていただけませんかという話し合いに入る。だから、この計画がなければ売買の話し合いに入れない。答弁は逆じゃないですか、いかがでしょう。 その青写真がありますか、どういう付属施設をつくるという青写真はお持ちですかと私は伺っているんです。売ってくれたら決めるという答弁、そうじゃない。計画があるから買いに入るんでしょう、この計画はありますか、お伺いしたい。
○説明員(富張昇君) 先ほど申し上げましたように、将来、同劇場の関連施設の用地として活用したいというふうに一般的に強く考えておりますが、国立劇場自体の現在の運営の中でどういう問題点があるかということ、その他いろいろ検討しなければいけないし、また財政事情の問題その他ございますので、現段階では、具体的な青写真をつくる段階にまでまだ至っていない、こういう考えを持っております。
○二宮文造君 いや、本当にこれは土地を持っている人は気の毒ですよ。ある日突然ぽかっとかけられて、そして建てかえもできない、利用もできない。私の考えるところでは、固定資産税はまともにかかってくる。売買するにしても網がかかっていますから、それはもうとにかく敬遠されます。そういう状況に二十年あるんですよ。そしてしかも付属施設に使いたい、財政事情があるからいつになるかわからない。いつまでに買うんですか、これ。いつまでに付属施設をつくるんですか。終わりをはっきり、いつまでにつくるという見通しをお持ちですか、いまないとすれば。
○説明員(富張昇君) 先ほど申し上げましたように、国立劇場が抱えております将来の大きな、たとえば能楽堂を建設してあわせて運営をするとか、それから現在の国立劇場の施設の内部におけるけいこ場あるいは研修室等の問題とか、あるいは資料収集室の問題とか、そういうことにつきましてどういうふうにこれから国立劇場を充実、運営していくかということをそれぞれ検討しなければならないということもございます。そういうこともございますので、現段階で具体的に明確な青写真を検討するというところまでなかなかいかない、そういうふうに考えておるのが現状でございます。
○二宮文造君 私は、非常にいやな言葉だが、お上の仕事というのが非常にいやなんです。本当に、何といいますか、昔の徳川幕府時代みたいに、とにかく国民あるいは住民というものを目下に置いて、そして権力でもって圧力をかけていくのをお上の仕事と、こう言うんです。まさにこの場合はそういうにおいがぷんぷんとするわけです。 これは営繕の方にも伺いたいんですがね、私は未買収地を視察してまいりました。この近くですから、車で走れば一時間あればもうくるっと回れます。ところが、その状況として、それはもう伺ってみれば買収はとうてい私は不可能だと思いますよ、買収は。そしてすでに二十二年以上たっているわけでしょう。二十二年、とにかくもう家も大体二十二年たちますと相当傷んでいます、皆さん建てかえをしたい、また有効に使いたいという気持ちを持っているんですが、制限を受けていますから、それは不可能な状態に追い込まれています。 そこで、総括的にそういうような、先ほど未買収地の面積をおっしゃいましたね。それを地区別に買収を完了する時期というのはめどをおつけになっていますか、地区別に、買収を完了する時期。もうここまでで必ず買収しますからごしんぼうくださいというような、そういうものをお持ちでしょうか。
○説明員(高野隆君) 私どもの方と、それから衆議院関係の買収計画がある地区と両方あわせて御返事申し上げます。 建設省が買収しようとしているH地区でございますが、ここは総理府関係機関の狭隘の解消を図るため総理府別館の建設を考えておりまして、これは財政事情の好転を待ちまして着工することにしたいというふうに考えております。それでこのため財政当局等の関係者の御理解を得るための打ち合わせを今後とも進めてまいりたいと思っております。ですから、できるだけ早くということでございます。 それから、衆議院が買収することにしているHとMとIとL地区でございますが、これは国会関連施設の狭隘を解消するための議員会館施設の整備、それから衆議院第二別館の増築、それから国立国会図書館の付属施設、エネルギーセンター、これはボイラー室等でございますが、このエネルギーセンター等の建設を計画しておりまして、買収の条件が整い次第、逐次取得していく方針であると聞いております。そして大体この地区につきましてはおおむね十年程度の間に買収の完了を希望しているというふうに聞いておるわけであります。 以上でございます。
○二宮文造君 それからO地区にM地区は。
○説明員(高野隆君) O地区は先ほどの文化庁さんの方でございまして……
○二宮文造君 計画ないもの、十年も何も言わない。
○説明員(高野隆君) 可及的速やかにということではないかと私存じておりますが。
○二宮文造君 あのね、あなたのおっしゃる可及的速やかというのは十年ですか。十年一昔と言いますよ、昔から。 大臣ね、私、たびたび細かい問題で行政の手が届いていないところの問題をひっ提げてまいりますけれども、それは役所とすれば予算が、財政事情が許せばという逃げ口上がありますよね、だけれども、土地の所有者にとっちゃたまりませんね。それで現行の都市計画法によりますと、都市計画区域についてはおおむね五年ごとに見直しを行って計画変更すべきことを求めているわけです。だから、いま淡々と十年以内なんとおっしゃって私は唖然としたんですですがね。十年というのは買収予定の時期じゃありませんね、しかもそれは可及的速やかとおっしゃる。それじゃ可及的におくれれば二十年になるか三十年になるかわからない。ですから、私は、十年以内なんということは、要するに買収の見通しが立っていない、そういう判断をせざるを得ないわけです。 したがって、もう網をかけてから二十何年もたっていて、いまだに未買収になっている、そういう未買収地というのは一応計画の必要性から外れている、必要なものはもう建っちゃったと。外れているというふうに考えて、この計画区域、これはもう迷惑をかけっ放しなんですから、この計画区域について見直しをやったらどうか、こう感ずるんです。これは大臣に答弁を求めません。いかがですか。
○政府委員(升本達夫君) おただしの、一団地の官公庁施設等の都市施設に関する都市計画につきましては、土地利用、交通等の現状及び将来の見通しを勘案いたしまして適切な規模で必要な位置に配置するように定めることといたしておりまして、霞が関の一団地の官公庁施設につきましても、このような考え方に基づきまして、その規模、区域が定められているというふうに私どもは理解をいたしております。 そこで、ただいまおただしの、民有地の未買収地につきましては、それぞれその利用が予定されております省庁におきまして建設計画を具体的に検討し、速やかな実現を図るという態勢でおるわけでございますけれども、おただしのように、部分的におくれぎみという御指摘を受けるところも現状においてはあろうかと思います。しかし、これはやはり私どもできる限りこの計画の趣旨に沿って実現を急ぐべきであるというふうに考えるわけでございまして、この実現が見通しがなかなかできないということのゆえに見直しという方向にお考えいただくことについては、私どもとしては、ちょっと直ちに見直しをさしていただくというふうには申し上げにくいというふうに理解をいたしておるわけでございます。 なお、一言蛇足でつけ加えさしていただきますと、現行の都市計画法によりますと、都道府県知事、市町村は、おおむね五年ごとに実施される都市計画に関する基礎調査等の結果都市計画を変更する必要が明らかになったとき、その他都市計画を変更する必要が生じたときは、遅滞なく、その都市計画を変更しなければならないというふうに規定をいたしておりますけれども、この必要が生じたときということの、問題は判断の問題になろうかと思います。私どもといたしましては、先ほど御説明申し上げましたように、この計画の合理性を実現する方向で努力をいたさねばならないのではないかというふうに考えておる次第でございます。
○二宮文造君 これはもう私一々面接をして御希望を伺ってみたんですが、これは大変な怨嗟の的と申し上げてもいいぐらいの土地の所有者の被害者意識です。これは本当にひどいもんです。 たとえばO地区、ここには中島医院とか松屋不動産の駐車場というのがあるわけです。それからM地区は東京第一科学者キリスト教会、これは何か買収になるそうですね、近々に。それからM地区は湖月、これは一軒だけ料亭があります。参議院の会館のすぐ向こう側ですがね。あすこも不思議なんですよ。あすこに道路側に大きなビルが建っていますね。何ていうんですか、あすこの方からずっと赤坂見附にかけての道路ですね、あの道路の角にはりっぱなビルが建っている。そのビルを外して二軒目のとこから網がかかっているわけです。だから、大きいもののところはよけて、弱いもののところに網をかぶせているという印象を私は歩いて感じた。ゲリマンダーです。あれは本当なら道路際までいわゆる一団地として形をとった方がよっぽどいいじゃありませんか、それが外れている。随所にそういうゲリマンダーがありますよ。政治的な圧力に基づいてかけるべきところが外れているということは私は言いませんよ、言うと差し支えがあるところができますから言いませんけれども、歩いてみれば現実にそういう姿が目につきます。ぼこっとそこだけへっこんでいるんですから。 それからI地区の方には、これは衆議院の第一議員会館の付属施設予定地と、こう言われていますが、ここには確かにおっしゃるように料亭が何軒かあります。それからL地区、これは衆議院の第二議員会館の付属施設予定地と、こう設定しているようですが、ここにも商店があり、会社の事務所がございます。それから一番大変なのがH地区だと思います。これは衆議院の事務局の庁舎の予定地と総理府の別館の予定地と、こうしておられるようですが、ここはもうそれこそ大変な戸数ですね、この一角ですから。大変な戸数であり、使用者は種々雑多、商店もございますしアパートもございますし。これらの買収をお始めになるとしても、私は、営業権を評価するだけでも、とてもじゃないけれども、もう買収困難。 むしろこの付近一帯の景観をよくするという意味であれば、建物の制限なんかを解き、そして十分に使用できるように、ただし、何といいますか、官庁街としての美観を損なわない程度というようなことで建築制限をお解きになる、そうして土地の所有者に十分に有効に使ってもらえるように道を開くべきだ。 全部が全部とは私は言いません。たとえばO地区、さっき文化庁から将来計画も持っていない、しかし国立劇場の付属施設の予定地と考えているというふうな答弁がございましたが、そのO地区の場合、国立劇場の出演者が利用しているんです、いま先ほど言った医院は。その医療施設は隼町、永田町、平河町、麹町、こういう付近の住民にとって欠かせない医院なんです。付近の住民としてもぜひ建てかえてもらってという要望がある。ところが、網がかかっている。二階以上はいけません、地下もいけませんというようなことで、本当になぜこういうことをそのまま放置しておくんだろうという疑問が出てくるわけです。 医療施設の場合は、別途、おっしゃるように、いまの官庁街としての計画区域からの除外が困難ならば、この医療施設を都市施設として都市計画を決定すれば土地の利用制限を緩和できるんじゃないか、こうも思うんですが、その辺の道は、文化庁さん、どうです、どうしてもこれは網を外しませんか。住民の命と健康を守っていくために大事な医院、付近の人が建てかえてもらいたい、しかし、法の制約を受けて建てかえられない。医療施設としての認定を受けて建てていけば建てられる道もあるんじゃないかと思うんですが、そういう場合に、文化庁の御意向はどうですか、おたくが前面に立って反対すれば、これはできない問題——反対しますか、しませんか。
○説明員(富張昇君) 一団地の官公庁施設O地区としての指定云々の問題は、私ども文化庁の権限外の問題ですけれども、私どもとしては、いわゆる先生御指摘のO地区として約一千四百平米ございます中に、お話しの中島医院ほか何人か地権者がおられます。ございますが、そのちょっとふくらんだ形の三角地になりますけれども、その部分全体をできれば関連施設の用地として利用したい、こういうふうにいま考えておるところであります。
○二宮文造君 そうすると、国立劇場の付属地を確保することが付近の住民の皆さんに御迷惑をかけても構わない、こういう御判断ですか。 私、切々と付近の住民の方々の御意向を——第一、国立劇場に出演している人も事故が起きたときにはそれを利用しているんですよ、たびたび。だから国立劇場の観客にもそういう者が出てきましょうし、むしろ役割りとしてはそういう医療衛生の面から国立劇場を補完しているのがこの医院じゃありませんか。しかも周りの住民からもそういう待望の声がある。だけれども、その声を押しつぶして建てかえさせませんか、押しつぶしてでもその予定地を確保しますか。くどいようですが、私はこれは本当にもう人権問題だと思う、役所の横暴だと思います。
○説明員(富張昇君) 先生御指摘のように、中島医院さんには劇場の、学校で言う学校医のような形で救急患者等のお世話をいただいていることがときどきあるわけでございます。そういう意味で、あの辺の地域の特に医療関係の実情がどうなっているかということ、それ以上のことは詳細には存じませんですけれども、いずれにいたしましても、私どもとしては、あの辺を含めまして、国立劇場の用地として環境整備を含めまして利用したい、こういうように願っておるわけでございまして、ただ、あくまでも最初に申し上げましたように、地元の地権者の関係、所有者の方々との話し合いで取得さしていただく、こういう方向に当然なるわけでございますので、非常に財政事情その他の問題がございますので苦慮しておるという現状でございます。
○二宮文造君 これはもうひとつ大臣にお願いをしなけりゃなりませんけれども、いま申し上げたような事情なんです。 いわゆる一団地の官庁街を形成したい、そういうことで、戦後のあのどさくさの中でこれから日本を再建していこうという中で三十年の初期にこういう計画をお持ちになったことはよくわかります。よくわかりますが、その後、いわゆる行政機能の中心としての東京のあり方、官庁街のあり方というのも過密の問題からどうあるべきかという問題も出てまいりましたし、さらには遷都論までが出てきた。あるいは中枢の行政機能をもう少し郊外に移そうではないかという議論さえも出てきた。本当に日本のいわば焼け野原の中から急に浮かび上がってきた官庁街の形成計画。そしてしかもそれができて今日に至るまで二十二年にわたって放置されている。そのために住民の方が建てかえもできない、利用もできない、こういうふうな状況に追い込まれて、しかも、すべての買収が財政事情というものを盾にとっていつになるかわからない。早いところで十年、文化庁のごときはもういつになるかわからない。しかし、厳然と網を打ったまま迷惑をかけている。こういうのは早急に、あるいは三年、五年の間に計画ができるのかどうか、そういうことをまず策定して、こういう住民、土地所有者に対する迷惑は最大限に除去すべきである、こういう御判断をひとつ大臣の政治的手腕の中で発揮していただきたい、こう思うんです、確たる答弁は無理かもわかりませんけれども。 いろいろ御商売をなすっている方々にもいわゆる商権の問題があります。特に天竹さんというのは、大臣も御存じだろうと思うんですが、衆議院、参議院の各会館に出入りして手広く商売されています。倉庫も欲しい、それから住宅ももっと環境のいいものにしたい、もう天竹の御主人は来るたんびにこぼされています。こういうふうな、もう一つ一つの事情は申し上げませんが、困っていることは事実。これをひとつ勘案の上、大臣はこれからどういうふうにこの問題を取り上げていただくか、その心証を一応お伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(渡辺栄一君) ただいまるるお話がございましたが、私も、未買収地の現状につきましては承知をいたしておるつもりでございまして、やはりこのまま推移することは余り好ましいことではないと思っておりますが、霞が関の一団地の官公庁施設の都市計画は、土地利用、交通等の現状及び将来の見通しを十分勘案しまして、適切な規模及び位置をもって定められておるというふうに考えておりまして、現在未買収の地区につきましても、それぞれ国の施設の建設のため所要の土地として予定されているものと承知をいたしております。したがって現状の土地利用の状況、用地買収の困難性ということだけを理由といたしまして、その区域の変更を考えるのは必ずしも適当ではないのではないかと思われますが、そのような意味で、現時点におきまして地域の見直しを直ちに行うという必要性はないのではないかと思いますが、いろいろ御意見もございましたことでありまするので、私といたしましては、ひとつ十分に勉強をさしていただきたい、こういうふうに考えております。
○二宮文造君 それで関連して、先ほどちょっとお話があった霞が関一団地の官公庁施設を取り巻く補助幹線二十一号線の事業実施の見通しについてお伺いしたいわけですが、都市計画決定の経緯を先ほどちょっと伺いましたが、時間もありませんから、私の方でつかんだところをそのまま申し上げますが、「東京都市計画道路再検討の素案」というのが出ておりまして、この補助幹線はおおむね昭和六十五年までに完成もしくは着手すべき路線と、こういうように位置づけられておりますけれども、いかがでしょうか、具体的に事業着手の年次はどういう見通しを持っておられますか。六十五年というとまだ十年先ですよね。
○政府委員(升本達夫君) おただしの「東京都市計画道路再検討の素案」という案は、これは東京の都市計画地方審議会が昨年の暮れ、十二月に東京都知事に対して御答申をされたその案に従って、それを受けまして東京都において現在街路網の全面的な見直しを実施しているその素案というふうに私ども理解をしております。 この全面見直しの素案によりますと、全東京の街路網を二つに分けまして、前期十ヵ年で事業にかかるもの、あるいは事業を完成させるもの、それから事業にかかるのが十年よりさらにおくれるもの、こういう大まかに二つの区分で分類をいたしております。おただしのこの路線は、御指摘のように、前期十ヵ年、すなわち六十五年までに事業化をするというグループに位置づけられているように私どもも承っております。 そこで、十ヵ年と言うと長いけれども、その中の年次計画はどうかという趣旨のお尋ねだろうと思うわけでございますが、何しろ二十三区全般にまたがります大変大きな街路網計画の見直しでございまして、前期十ヵ年で手をつけるというところの仕分けをやっとやりつつあるというのが率直に申しまして東京都の現状でございます。したがいまして、この前期十ヵ年に予定いたしますグループの中から、さらに今度は第二段として年次計画を立てて実行に移してまいる、こういうことになろうかと思いますので、現時点におきましては、お尋ねの街路が何年度ごろから着手できるかという見通しを申し上げるのはちょっと時期的にはまだ早いのではないか、まだそこまで至っていないのではないかというふうに私ども考えております。
○二宮文造君 これはもう大変なもんですね。昭和二十一年の四月二十五日に放射二十八号線として都市計画決定がされて、それから言えば三十四年以上も経過をし事業が実施されていない、こういうことですね。その年次計画についても確たる見通しは持っていない。 そこで、私は、これらも含めて、要するに、いままで二十年三十年とたってきたわけですから、土地の所有者の気持ちをやっぱりしんしゃくする必要がある。ですから、具体的にいつごろまでに買収をいたしますという計画をおつくりになる。それまではひとつこういうふうにおたくの方にも御迷惑をかけるんだから、何といいますか、当局側としての迷惑料、これをこういうふうに考えます、あるいはこの年次を超えれば計画を放棄します、そういうふうな——放射線じゃありませんよ。先ほどの官庁街の一団地としての計画の問題についても、青写真をつくり、年次別な見通しを早急につくって住民の方々に納得をいただく。そしてその財政事情もあるわけですから、とうてい指折り数える年数ではむずかしいというようなところについては再検討をなさる。いずれにしても、ずるずるべったりでこのまま放置しておくということは私は許されないと思う。大臣もせっかくいま勉強させてくださいというお話でございますから、その勉強の中に早急に年次計画をお立ていただく、そしてその年次計画に住民の方の御協力がちょうだいできるように、やはり何がしかの見返りを用意される。 さらには、たとえば文化庁のように、ただ単に補助施設としてというような漠然とした計画しかお持ちでない、それは広いところに網をかぶせておけばいいですよ、五十年でも百年でも先に使えますから。しかし、これはとてもじゃないけれども土地の所有者にとっては大変なものです。そして、もうそういうふうに年次計画をおつくりいただきますと、これはだめだぞと、土地の所有者も、これはわれわれのもう生きている間にとても無理だと。で買収ができないなら換地でもお世話して、そして営業なり住まいなり、あるいは診療なり、そういうものが継続していけるような代案を役所の方で用意される必要があるんではないか。そういうことを含めて提案をしておきたいんですが、この点について、大臣、お考えを伺って、この問題を終わりにしたいと思う。
○国務大臣(渡辺栄一君) 街路等の都市施設は、先生御承知のように、土地利用、交通等の現状及び将来の見通しを勘案いたしまして必要なものを決めておるのでありまして、特に街路につきましては、その都市の根幹的な街路を全体的な街路網として定めているものでございます。したがいまして早急に事業化ができる路線のみを都市計画決定するというわけにはまいらないことは御承知だと思うんであります。事業の実施に当たりましては、交通の状況、下水道、地下鉄等、諸般の事業との関連なども勘案いたしまして優先順位が決められるものであろうと思います。したがって結果として相当長期にわたりまして同事業化が行われないような路線の出るということも現実の問題としてはあり得るのではないかと思うんです。 ただいまお尋ねの路線の事業実施につきましても、いまいろいろ御説明いたしましたような現状でございますけれども、東京都より要望がありますれば、建設省といたしましても、早期に事業採択をするように配慮をしてまいりたいと思いますが、だんだんとお話にありましたような現状でございますので、先ほど申しましたように、私どもといたしましても、これらを含めましてよくひと一つ勉強害していただこうと思っております。
○二宮文造君 ぜひこれは大臣の政治手腕を信頼いたしますので、住民の方々の御期待にこたえられるような前向きな方向を早く明示をしていただきたい、こう御要望しておきます。 次に、時間が大分なくなってまいりましたので、第二の問題として地下街の規制のあり方についてお伺いしたいわけです。 新聞報道等によりますと、国鉄の神戸駅北口の広場、いわゆる「神戸サンコウベ」や、あるいは大阪の千日前通りの道路下の「大阪ミナミ地下センター虹のまち」そういうふうなものの防災設備が整いまして、管理上でも行き届いた快適な地下街ではないか、こういうような評価が出ております。まず、いま申し上げたような「神戸サンコウベ」あるいは「大阪ミナミ地下センター虹のまち」こういうもののあり方を防災上どう評価されているかというのが一点。 それから、現在、大阪市が計画をいたしまして、阪神百貨店前の「東西通路」やあるいは「梅田アーケード街」これを改善することを計画目標の一環にしております「ダイヤモンド地下街」こういうものを大阪市が計画をしているようでありますが、こういう一連の設備の整った地下街をつくり出す計画を一体どう評価されているのか、これをお伺いしたい。
○政府委員(升本達夫君) 第一点のおただしの「神戸サンコウベ」でございますが、これは昭和四十九年十月に開設をされた地下街でございまして、延べ面積約五千二百七十平米、このうち公共地下歩道が約二千八百二十平米、店舗面積が約千四百五十平米というものでございます。計画におきましても、実行におきましても公共空間が十分に確保されておりまして、その四十九年の建設当時としては水準の高い防災上の配慮がなされていたというふうに考えておるわけでございますが、ただいまおただしの現行の四省庁協定に基づきます現行の地下街設置計画策定に関する基準に照らしてみますと、なお、若干改善を必要とする余地がございます。 具体的に二点ほど申し上げますと、一点は、公共地下歩道の中の一部分でございますけれども、幅員がちょっと不足している、一メートルばかりでございますけれども、幅員をもう少し広げてほしいという点がございます。それからもう一つは、これは一ヵ所でございますけれども、階段のやはり幅員がちょっと狭い、これも基準に照らしてみますともう二、三十センチ広げていただきたいというところが一ヵ所ございますという程度でございますが、この二点については改善をしていただきたいというのがわれわれの考え方でございます。 それから「虹のまち」でございますが、これは四十五年の三月に開設を見たものでございまして、その後、四十六年十二月に増設をされておりますが、延べ面積約三万六千四百七十平米、公共地下歩道はそのうち約一万四千七百七十平米、店舗部分が約一万五千百七十平米というものでございます。これも現行の基準に照らしてみますと、公共通路と店舗部分との比率がちょっと店舗面積が広過ぎるという割合の問題がございます。それから地下広場がこの計画ですと二ヵ所欲しいのですけれども、現実には一ヵ所しかないという点がございます。このような若干細かい点でございますけれども、現行の基準に照らしますと、手直しをお願いしたい点が少しございます。しかしながら、全体として見ますと、防災性能は低くないというふうに考えております。 それから第二点のお話の、大阪駅前「ダイヤモンド地下街」でございますが、これは総面積三万五千四百五十平米、うち公共地下歩道面積が一万一千九百七十平米の地下街として計画をされておりまして、昭和五十四年、昨年の十一月十四日開催の地下街中央連絡協議会におきまして計画概要の協議がなされました結果、これに連接する既設の地下街等の一部に防災上の手直しをお願いすることを条件といたしまして、その設置を認めるという判断が出されております。したがいまして、御懸念のように、これはストップをするということではございませんで、ただいま申し上げました条件を満たしていただいた上で実施をしていただくという方向で地元でお進めいただきつつあるものというふうに理解をいたしております。
○二宮文造君 要するに、地下街の問題につきましては、過去の経緯を考えてみますと、建設省、消防庁、警察庁、運輸省、先ほどおっしゃった四省庁で四十八年の七月三十一日付で「地下街の取扱いについて」という通達、これをお出しになっている。また、それに関連してでございますけれども、四省庁で構成しております地下街中央連絡協議会が四十九年の六月二十八日に「地下街に関する基本方針」というのを定めていらっしゃる。 その大要を読んでみますと、まず、地下街の新設または増設は厳に抑制する、原則として認めない。あるいは地下街と他の建築物の地下階との接続は原則として禁止する。地下街を計画する場合、地下街の店舗等の延べ面積は公共地下歩道の延べ面積を超えないこと等々、要するに厳に抑制をする、認めないというふうな方針で進んでこられた。 しかし、こういう基本方針が出たのも、ある日突然一夜づけのようなかっこうで、ある人からの御提案があって、こういう問題が出てきたというふうな裏話等も、それに尾びれ背びれがついておりますけれども、これは私はただ比較論として申し上げるだけで、それ以外にいろいろな問題がありますけれども、たとえば消防庁の調べによりますと、三十一年から五十年に至る二十年間の地下街の火災の発生件数が六十三件、それによる死者はゼロ、それから負傷者七名。それから一方、三十八年から五十年までの十二年間の主なビルの焼死火災というのが全国で十八件の発生で、三百九十一名の死者と八百四名の負傷者を記録している。これが消防庁の記録から出たこと。 だから地下が安全だというふうに直ちに引っ張る意味ではありませんけれども、要するに、この統計数字の方を見ますと、しかも日本の土地の事情あるいはターミナルの事情というものを考えますと、地下街というのはどうしても抑制する、原則として認めないというような状況はちょっと今日の時世に沿わないんじゃないだろうか。むしろ、安全とかそういうものの歯どめはもちろん必要でしょうけれども、要するに良好な環境の中における地下街の規制といいますか、そういう方向に踏み出した方がよろしいんじゃないか。むしろ、いま読みましたような四省庁の通達とか基本方針というのが地下街にブレーキをかけている、これは時世にそぐわないんじゃないだろうかというふうな気がいたしますが、大臣、この点のお考えはいかがですか。
○国務大臣(渡辺栄一君) 地下街の設置に関しまするただいまのお話がございましたが、四省庁の通達及び基本方針と申しますのは、地下街の設置につきまして厳に抑制するという方針を持っておりますることは事実でございますが、公益上真にやむを得ない地下街につきましては、防災、衛生、交通性、その他の観点から設置計画及び管理運営の方法に関しましてあらかじめ十分な措置を講ずるということによりまして、その上で認めるということにいたしておりまして、適正に計画されました地下街までその事業を停止させるというものではないと思うんであります。 したがいまして、地下街の設置につきましては、今後とも、四省庁通達及び基本方針に基づきまして適正な運営を図っていくようにいたしたい、かように考えておる次第でございます。
○二宮文造君 明快に御答弁いただきましたので、基本方針の第一項にあります新設または増設は厳に抑制し、原則として認めないという基本方針、これはただいまの大臣の答弁のように私は読みかえてまいりますので、どうぞよろしくお願いをしたい。できればはっきりした文書にされた方がよろしいんではないかと思いますが、これはひとつよろしくお願いしたいと思います。 それから、次に、本案の方でございますが、もう時間がなくなってまいりまして、重複を避けて申し上げてみたいと思います。 御承知のように、わが国の都市は、十分な土地利用計画がないままに経済の発展に伴って人口が集中をして、無秩序に形成されてまいりました。そのために社会資本の整備の立ちおくれや、それから混乱した町並み、交通麻痺、住宅不足など、多くの問題を抱えている今日の状況になりました。しかも、伝えられるところによりますと、二十一世紀には七割以上の人口が都市に住む、こう予測をする部面もあるわけであります。 そこで、まず、大臣に、それらの現在の都市の事情あるいはこれからの都市が迎えようとする状態、そういうものを踏まえながら、わが国の都市づくりの基本方針、これをひとつ大臣の御見解を伺っておきたい。
○国務大臣(渡辺栄一君) 御承知のように、わが国では、二十一世紀初頭におきましては国民の七割、一億人に上ります人口が都市に住むというふうに見込まれておりまして、今後、長期的な視点に立ちました都市ビジョンに基づきまして総合的に都市整備を進めていく必要があるのではないかと考えます。 昨年十二月に、都市計画中央審議会から都市づくりの理念と都市政策の基本的な方向を明らかにいたしました答申がなされたところでございます。建設省といたしましては、この答申を受けまして、今後の都市政策は魅力ある都市づくりのため、都市化のエネルギーを全国土にわたりまして適正に誘導いたしまして、都市を人間性豊かな生活の場として整備していくことを基本として進めてまいりたいといたしておる次第でございます。このために、これまでの人口、産業の大都市への集中抑制、地方分散策を堅持いたしながら、特に大都市におきましては高度の都市機能を維持しつつ、都市で生まれ育つ者の生活の場としてふさわしい都市の再生を目指してまいりたいと考えております。 具体的には職住近接、防災構造化、良好な居住環境の形成、都市機能の高進などを図るための既成市街地の再開発を強力に推進いたしますとともに、既成市街地とバランスのとれましたゆとりのある新市街地の形成を図ってまいりたいと考えております。また、地方都市にございましては、定住社会にふさわしい都市機能と快適で豊かな都市生活を確保することによりまして、周辺農山漁村を含む地域社会の中で中核的な機能を発揮し得る個性と魅力ある都市形成を図ってまいる考えでございます。 また、住みよい都市づくりのために公園、下水道、街路などの生活環境施設の整備を積極的に進めていく必要もございます。これらの生活環境施設は、欧米諸国に比べましてもまだかなり立ちおくれておるというふうに私どもは考えておりまして、都市の住民にとって満足のいくものとはなっていないのが現状でございます。公園、下水道、街路などは都市におきまして人間らしい生活を営んでいくための最低限の要請であり、今後、これらの生活環境施設整備を重点的に行いまして、人間中心の都市づくりを積極的に推進してまいりたい、このような考え方を持っております。
○二宮文造君 これまでの再開発事業を振り返ってみますと、本法が昭和四十四年に制定されて、もう十年以上になりますが、本法に基づく事業の施行に当たりまして数多くの問題点が今日提起されてきたのは事実だろうと思います。 そこで、いろいろな問題が出ておりますが、これまでの再開発事業の大きな特徴というのはいわば大部分が駅前の再開発と言われるもので、駅前の広場の整備と防災街区の建築を中心とした商業地の再開発、こういうことにあったように思われます。これからの再開発というのは、そういういままでの手法というものだけじゃなくて、むしろやはり住宅地の方にもそういうものが持っていかれるべきでもありますし、たとえば地区診断を行って要整備地区を明確にして詳細計画を策定し、これに基づいて再開発や適合建築物などについて特段の助成を講ずるというようなやり方が必要になってきたんじゃないか、こう思いますが、いかがでしょう。
○政府委員(升本達夫君) 再開発法の四十四年の制定以来の実績にかんがみいろいろ問題点があるのではないかというおただしでございましたが、確かに、私ども、現状の再開発を必要とするという要請に対しましては、再開発事業の進行というのは必ずしもはかばかしくはないと考えております。 その理由といたしましていろいろ挙げられるわけでございますけれども、やはり大きな問題は大変金のかかる仕事である、その事業資金をどうやって確保していくか。採算をとりながら進行していくための事業資金をどういうふうに確保していくかという問題と、それから市街地内でございますから、多くの権利者の方々がおられる。その権利者の方々にどういうふうに御納得をいただき御協力をいただくかという、この二点が大変大きな課題だろうというふうに考えておる次第でございます。 そこで、これに関連いたしまして、現在の再開発事業の実績を見ると、駅前の再開発に集約されてくるんではないか、そのケースが多いんではないかという御指摘でございますが、御参考までに数字を申し述べさせていただきますと、現在、実施中の市街地再開発事業百五十七地区のうち駅前の地区と考えられますものが七十九地区でございまして、全体の五〇・三%という数字でございます。したがいまして、この数字で見ましても、御指摘のように、かなりの再開発事業が駅前に集中しているということは申せようかと思うわけでございます。 そこで、今後の再開発事業の実施に当たっては、住宅供給を主要な目的とするいわゆる住宅のための再開発の促進を図るべきではないかという御指摘でございます。私どもとしても、そのように受けとめまして、住宅供給を目的とする再開発につきましても、今後、十分にその進展を図れるように努力をいたしてまいらなければならないというふうに考えている次第でございますが、ただ、再開発事業は、その仕組み上、当然に事業の採算ということを前提といたしております。完全な街路等の単純な公共事業とは異なりまして、事業の採算性を図りながら目的を達成していくという制度でございますので、その点について住宅供給のための再開発についてはかなりむずかしい問題が内在しているということは考えざるを得ないところでございます。それを乗り越えて、どのような方向に展開を図っていくかというのは、まさにこれからの私どもに課せられた課題というふうに考えておる次第でございます。
○二宮文造君 五十四年度から予算補助をもって三大都市について都市再開発基本計画の策定に取りかかっているようでございますけれども、この基本計画と本改正案の第二条の三に規定する都市再開発方針との関連性は、一体、どうなっておりますか。また、国及び地方公共団体が必要な措置を講ずる中身は一体何か。条文に照らして詳細に御説明をちょうだいしたいと思います。
○政府委員(升本達夫君) おただしの、五十四年度から予算補助をもちまして東京、大阪、名古屋の三市につきまして都市再開発基本計画の策定の補助をいたしております。これは東京で申し上げますと、二十三区の全域を一応の再開発計画上の対象とするわけでございますけれども、何分にも非常に広大な地域でございますから、東京都につきましては、まず中央区、江東区というような最も再開発の必要性が感じられるところを対象に取り上げまして、この再開発基本計画をつくっていくというような仕事として取り上げておるわけでございます。 そこで、この再開発基本計画と今回御提案申し上げております改正法第二条の三によります都市再開発方針との関係いかんというおただしでございますけれども、この第二条の三の都市再開発方針は、東京都で申し上げますと、東京都の二十三区の一応全体をとらえまして、この二十三区の中で、まず計画的な再開発が必要な市街地というものはどこかというねらいをつけまして、そこの市街地につきまして「再開発の目標並びに当該市街地の土地の合理的かつ健全な高度利用及び都市機能の更新に関する方針」を定めるというのがこの第二条の三第一項の第一号で言っておることでございます。それから第二号で「前号の市街地のうち特に一体的かつ総合的に市街地の再開発を促進すべき相当規模の地区及び当該地区の整備又は開発の計画の概要」を定める、こうなっております。 まず、一号の「計画的な再開発が必要な市街地」といいますのは、東京都二十三区を例にとってみますと、この二十三区全体から当面再開発の必要がないと考えられる市街地を除いた部分というふうにお考えをいただきまして、大体、東京都二十三区の中の三〇%ぐらいがこの「計画的な再開発が必要な市街地」に入るのではないかというふうにわれわれ考えておりますが、そういった広がりの市街地でございまして、この広がりの市街地の中で、さらに二号で「一体的かつ総合的に市街地の再開発を促進すべき相当規模の地区」というものを幾つか選ぶ。この二号の「相当規模の地区」と言っておりますのは、たとえば木場地区でございますとか、隅田河原の大川端地区でございますとか、そういった程度の地区単位で考えておるわけでございます。 そこで、先ほどおただしの、都市再開発基本計画との関係でございますが、この都市再開発基本計画は、ただいま中央区、江東区と申しましたけれども、さらに将来は二十三区あるいはそれに近づけるだけの区を対象とした調査をやりまして、その結果を集約したものがこの第二条の三の都市再開発方針として「計画的な再開発が必要な市街地」並びに一体的な「再開発を促進すべき相当規模の地区」という形で拾われてくる、拾うための前提的な計画というふうにお考えをいただきたいというふうに思うわけでございます。 それから、第二点のおただしの、同条の第二項におきまして「国及び地方公共団体は、前項の都市再開発の方針に従い、同項第二号の地区の再開発を促進するため、市街地の再開発に関する事業の実施その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。」というのは、具体的にはどういうことかというおただしでございましたけれども、この必要な措置といたしまして国が講ずべきものは、まず市街地再開発事業の実施等につきまして地方公共団体に対し適切な指導をすること。たとえば高度利用地区を設定することは再開発事業実施の前提要件になるわけでございますが、この場合に、適切なところに適切に高度利用地区の指定が行われるように指導するといったようなことを含めた指導でございます。 それから第二番目に、市街地再開発事業及び公共施設の整備等に関しまして国が優先的に国庫補助採択をする、関連の公共施設につきまして優先的に国庫補助採択をする。あるいはみずから国がたとえば国道等につきまして優先的に公共施設の整備を行う、あるいは公団等に再開発のための事業を行うように指導していくというようなことを考えております。 それから地方公共団体が講ずべき必要な措置といたしましては、ただいま申し上げました市街地再開発事業を初めとする各種の事業を総合的に実施するということ、それから高度利用地区とか、さらに市街地再開発事業のための促進区域といったものを適時適切に指定をしていく、積極的にやっていくということによりまして、民間のエネルギーの活用、誘導を図るというようなこと。それから第三といたしまして、事業の実施につきまして付近地の住民の方に対して十分に御協力がいただけるように努める、こういったものを想定をしているわけでございます。
○二宮文造君 問題点は幾つもあるんですが、時間の関係で、あと二点ぐらいにしぼって終わりたいと思います。 まず、大臣、改正案に借家人等を含めた関係権利者対策の向上を図るための施策が盛り込まれていない。この面の強化拡充がなければ、事業の円滑な促進は期待できない、こういう心配がありますが、大臣いかが思いますか。
○国務大臣(渡辺栄一君) 市街地再開発事業を推進する上におきまして、事業の実施に伴う関係権利者の権利を保護するということと、また、生活条件の激変を緩和し、その生活の安定と向上を図るということはきわめて重要であると思いまして、この点は御指摘のとおりであると思います。このため従来から権利保護につきましては、法制度上、特段の配慮がなされてきたところでありまして、また補助、融資、税制等種々の面におきまして特別措置を講じてきたところでございますが、市街地再開発事業を広くかつ円滑に推進するためには、今後とも、補助の拡充、融資条件の改善、税制におきまする特別措置の強化等、これらを積極的に検討を進めて円滑な推進を図ってまいりたい、かように考えておるわけであります。
○二宮文造君 特に、関係権利者のいわゆる床増取得ですね、あるいは地区外の転出、こういう方々の生活再建にかかわる融資、こういうものについて利子補給などを行う地方公共団体に対して、それに要する費用の一部を補助するというような配慮もあってしかるべきではないか、こう思うんですが、大臣の御見解を伺いたい。
○国務大臣(渡辺栄一君) 関係権利者の増床取得につきましては、従来から、市街地再開発事業の施行に要する経費のうち、土地の整備費、共同施設の整備費などを国庫補助対象とすることによりまして施設建築物の床価額を引き下げ、より大きな床を取得できるようにという助成措置を講じますと同時に、住宅金融公庫及び中小企業金融公庫等におきまして長期低利の融資措置を講じておりまして、さらに、昭和五十五年度からは、借家人等の零細権利者の多い地区につきまして、廊下、階段などの共同通行部分の一部を国庫補助対象にするというようなことによりまして、零細権利者の増床等の取得にかかわる負担の軽減を図ることといたしておるわけでございます。 また、地区外転出者の生活再建につきましては、適切な補償金の支払い、再開発住宅の供給、代替住宅の分譲、またはあっせん等によりまして、円滑な生活再建が図られまするように努めているところでありますが、今後とも、お説のように、これらの施策の推進は非常に大切であると思いますので、御趣旨に沿うように今後とも努力をしてまいりたい、かように考えております。
○二宮文造君 最後に、一点。 これも要望になるわけですけれども、公的住宅部分の延べ面積が保留床延べ面積の三分の一以上である地区に限って補助することが認められている、こういう状態ですが、建物補償費等をすべての地区で補助対象とするようにしてもらいたいという要望が強いわけです。また、空き地などの用地費及びコミュニティー施設の整備費を補助対象に加えてもらいたい、こういう要望も強いわけですが、この点について大臣の所見を伺って質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(渡辺栄一君) 市街地再開発事業によります公的住宅の供給の促進を図るという観点から、公的住宅部分の延べ面積が保留床延べ面積の三分の一以上ある地区につきましては、建物補償費等を補助対象としているわけでございますが、建物補償費等は既存建築物を除却し、新たに施設建築物を建築する市街地再開発事業の施行に必要不可決な費用でありまして、今後、市街地再開発事業の促進を図るという観点から申しますと、建物補償費等を全地区において補助対象とすることにつきましては、その必要性も含めまして十分検討してまいりたいと考えております。 なお、市街地再開発事業におきまする有効な空き地等の確保及びコミュニティー施設の整備につきましては、良好な居住環境の整備の重要性にかんがみまして、他の公共施設の整備に関する助成措置等を勘案しながら、その助成の強化と事業の促進につきまして今後とも検討してまいりたい、かように考えております。
○二宮文造君 もう一言。 ちょっと心残りになりますので、前にさかのぼりまして、霞が関一団地の官公庁施設、この問題で先ほどるる陳情めいたお話をしたわけですが、大臣もその事情を了とされて、せっかく勉強するということでございます。ですから、全部が全部外してしまうということではなくて、中にやむを得ざるような事情が出てまいりますと、やはり個々に具体的な問題を取り上げて、関係者の方から恐らく陳情もあろうかと思います。その時は、特段のまた御配慮をそれぞれ内部に御指摘をちょうだいしたい、こうお願いして終わりにしたいと思いますが、よろしくお願いいたします。
○理事(茜ケ久保重光君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○理事(茜ケ久保重光君) 速記を起こして。
○上田耕一郎君 都市再開発法の質問に入る前に、二宮委員からも発言がありましたけれども、前に、私ども要望しました身体障害者の高速道路の証明書ですね。この六月一日からの全国一本化に踏み切られた点、大変喜ばれていると思うんですけれども、あのときの質問で私指摘したんですけれども、あと内部障害その他の者に拡大する問題と、それから介護者——家族ですね、これに拡大していく問題です。 これは建設省が政府の中で初めて踏み切るということになると、なかなか検討も要るでしょうけれども、あのとき指摘しましたように、自治省並びに大蔵省が物品税、それから自動車税、自動車取得税ですね、もうすでにやっているわけだから、いつまでも引き延ばさないで、ぜひ前向きに検討していただきたいと思うんですけれども、あのとき検討するという答弁がありましたが、この問題はどうでしょう、大臣。
○国務大臣(渡辺栄一君) 御承知のように、この手続の問題もいろいろ機関がございましてなかなか複雑でございましたけれども、極力、不便をかけておるわけでありますから、誠意をもって早く解決をしようという指示をいたしまして、御承知のようなところまで来たわけでございます。この制度は、御承知のように、六月から実施をするということでございますから、その実施の状況を踏まえまして、今後、検討してまいりたい、こういうふうに申し上げてきておると思うんです。そういうような意味におきまして、今後とも、この実施状況を踏まえましてひとつ検討さしていただきたい、こういう気持ちでおります。
○上田耕一郎君 重ねて要望しておきます。 この都市再開発法の問題ですが、四十四年に、これは成立したんだけれども、われわれはあのときに、これがやっぱり大資本中心の都市の再開発だから過密を促すことになる、また住民の追い出しになるというので、非常に強い反対をしたんですね。結局、あれは自民党だけの強行単独採決ということでようやく成立した法律だったわけですね。今度の改正も、私は、基本的により改悪になるというふうに考えるんです。 さて、その前に、この施行者のかなり大事な部分を果たすことになります、今度名称としては「住宅」が入ることになったというのが午前中の答弁にありましたが、住宅都市整備公団問題ですね、これについてまずお伺いしたいんです。 閣議決定されて、来年十月を目途に発足させるということで、急ピッチの作業だと聞いています。いろいろ報道が出ているんですけれども、なかなか確定したものがないし、このまま参議院選挙に入ると政府ベースでどんどん運ばれていってしまう危険があると思うんです。この新公団構想について、直接大きな利害関係を持っている組織、団体がいま大きな運動を起こしています。けさ建設委員会の理事会でも請願審査をしたんですけれども、公団自治協、それから日本住宅公団の労働組合が二月の十六日に共同声命を発表して、万を超える請願書が出ているわけですね。この内容については御存じでしょうか。
○政府委員(丸山良仁君) 承知いたしております。
○上田耕一郎君 どう考えていますか。
○政府委員(丸山良仁君) 当初の段階では、都市整備公団ということで、一部に住宅を切り捨てるんではないかというような誤解があったようでございますが、昨日、準備委員会の結果を大臣に御報告いたしまして、その結果、大臣からの御指示によりまして住宅都市整備公団という仮称にしたらどうか、こういうお話もございまして、従来同様、住宅につきましても鋭意この新公団で建設を進めてまいりたい、こういう考え方を持っているわけでございますから、その辺を御理解いただければ、公団の自治協その他の方々の御理解もいただけるんではないかと考えているわけでございます。
○上田耕一郎君 例の宅地開発公団をつくるときに、私、この委員会でも指摘したんですけれども、日本住宅公団法の第一条には「住宅に困窮する勤労者のために」ということがはっきりうたわれている。ところが、宅開公団の法律にはそれが抜けているということを言ったわけですね。そのとき、大塩計画局長は、宅地だから上物がないので入れないんだとかということを言っていましたけれども、今度、統合して、住宅都市整備公団ということになると、その法律は一体いつ出すのか。また、第一条には、日本住宅公団法にある「住宅に困窮する勤労者のために」というところをきちんとやっぱり入れるべきだと思うんですけれども、その点いかがですか。
○政府委員(丸山良仁君) 新公団につきましては、来年の十月を発足をめどに準備を進めているわけでございます。したがいまして、この法案につきましては次期通常国会に提出さしていただきたいと考えております。 いま御質問の、住宅に困窮する云々という問題でございますが、この点につきましては、まだそこまで法案を詰めてないわけでございますから、それからもう一点は現在今後の住宅政策のあり方につきまして住宅宅地審議会で御審議を願っているところでございますから、これらの点を十分参考にさしていただきまして、法案作成の段階で検討してみたいと考えております。
○上田耕一郎君 「住宅」が外れるか入るかということがこれだけ大きな問題になったことが示しておりますように、新公団構想の第一の問題点は国民本位の住宅建設だと思うんです。これまで多いときは日本住宅公団は年間八万戸建設していましたけれども、最近では四万戸になって、約半分になっているわけですね。 澤田副総裁にお伺いしますが、「日本の住宅」月刊政策臨時増刊で、どうも名字が同じなんで間違えるようですが、副総裁の澤田さんがこの中でこう述べている。「私は今後公団が四万戸供給の数字を上回ることはもうないだろうと思いますし、むしろこれからはこれら四万戸の内容をどう充実して行くかが問題だ」「数量的にも四万戸は今後の標準となる」と、こう言われているんですけれども、そういう方針なんですか。
○参考人(澤田悌君) まず、お断り申し上げますのは、何か新公団の機能に関連しての御質問だと思いますけれども、実は、これは私がインタビューを受けましたのは、昨年、五十五年度の予算要求をしました面後の九月でございまして、そのときにはまだ新公団の話は出ておりません。したがって、その時点での判断と申しますか、公団のあり方のようなことになったわけでございます。 それで、御指摘のように、四十年代では八万戸やっておりました。ところが、現在、四万戸になってきておる。特に最近は、実情から申しますと、空き家問題等が発生をいたしまして、社会情勢が変わってまいりまして、空き家問題等大きな問題が発生いたしました。そこで、私どもは、この住宅供給のあり方に関しまして大きな反省をして、極力、努力をしておるわけでございますけれども、その大きな筋は何と申しましてもニーズに合った住宅を供給しなければいけないということでございまして、いわゆる高遠狭問題でございますが、その中でも市街地へ立ち返ってこなければいけない、かようなことが大きな柱になろうかと思います。立ち返ってまいりましても、建物の水準とか、部屋の水準とか、そういうものもございますけれども、しかし、立ち返ってまいりますれば、やはり都市の中にあるべき姿のものとして、街づくりの一環として供給せざるを得ないし、それとともに、住環境もそれにふさわしいようなものにしないとニーズに合ってこない、かような考え方をいたしておりまして、極力、市街地のいいところにいいプロジェクトをと、こういうかっこうの展開をその後しておるわけでございます。 かようになりますと、土地を探す問題から、周りの公共団体とのお話とか、地元とのお話、こういうことで非常に事業が困難度を増してきております。そういうことが関係をいたしまして四万戸程度に落ちてきておる、建設力がですね、実際問題として。そういう能力からいいまして、その当時、四万戸というものが恐らく目標とするような適当な数字であろう、こういうことを申したわけでございまして、もとよりわが社の戸数は五ヵ年計画に基づいて政策的に決められております。これは五カ年で三十一万戸でございますから、年間平均で六万戸ぐらいに当たるわけでございます。本当は六万戸まで大いに努力をしてやるべきところなんですが、能力からいってそれにとどまってしまっておる。そういう意味で戸数を削減して都市整備をやるということではなしに、四万戸をやるにつきましても周りの住環境を含めた都市整備とマッチしたようなかっこうでやらなければ供給はできない、こういうことを申し上げたかったわけでございますけれども、多少言葉が短絡しておりますので、そういうことになったかと思います。以上でございます。
○上田耕一郎君 今度は、澤田総裁に。 この合併問題ですね、住宅公団総裁としては、今後の住宅建設についての希望も含めて、どう考えておられますか。
○参考人(澤田悌君) 公団におきまする今後の住宅供給の方針と申しますか、これは基本方針は今後定められまする、今度第四期に入りますが、住宅建設五ヵ年計画に従って行うことになるわけでございますが、公団といたしましては、そういう基本計画のもとに、できるだけ国民のニーズに合った住宅を、妥当な数を、ただいま副総裁からもお話し申し上げましたが、供給する。その内容につきましても質に重点を置きまして、住宅の規模の拡大でありますとか、あるいは立地の都心への引き戻しでありますとか、あるいは住環境もあわせ整備された市街地住宅の供給を促進するとか、住宅供給と都市整備が同時に達成されるというようなことが住宅供給の考え方の基本となって実行せられるべきものと、かように考えておるわけでございます。
○上田耕一郎君 いま戸数問題が問題になりましたが、五月五日の朝日には、建設省にお伺いしますが、建設省が持ち家政策に余りに偏り過ぎたことを反省して、公共賃貸住宅をふやすという方針を決めたという記事がありますけれども、この持ち家政策への偏りの反省ですね、なされるとこれは非常にいいことだと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(関口洋君) 五月五日の朝日の記事につきまして、いま詳細を記憶いたしておりませんが、私どもは、従来からたびたびお答えをしておりますように、持ち家か借家かの区分はそれぞれの住宅需要者のニーズに応じてバランスのとれた供給をしていくべきものと、かように考えております。したがいまして、従来から持ち家に偏ったという感じは私ども持っておりませんで、やはりそのときどきの住宅事情を踏まえて適切な供給をしてきたものと考えておりますが、先ほども官房長からお話がございましたように、この新公団の統合問題のときに、たとえば都市整備公団という仮称を私どもがつけましたばかりに、賃貸住宅から手を引くんではないかという逆の誤解を生むに至ったということは非常に残念に思っております。そういう意味から、今後とも、賃貸住宅と持ち家とバランスのとれた供給に努めてまいりたい、かように考えております。
○上田耕一郎君 さて、それが誤解であったのかどうか、やっぱり今後の公団の仕事の中身が問題になると思うんですけれども、中身について五月七日の朝日ですがね、かなり概要の中身が出たわけです。それで、この中にはかなり重大な内容があるわけですな。「六日まとまった「都市整備公団」の概要次の通り。」というので、かなり詳細な記事まで載っている。 ここで、いま持ち家の問題があったけれども、この中に「賃貸の譲渡を鋭意検討する」というのがあるんですね。これは渡辺建設大臣御自身が払い下げ問題を大臣就任直後に発言して非常に大きな反響を呼んだことはもう有名なことですけれども、どうなんですか、こういうふうにいまある賃貸住宅でさえ払い下げ、この方針を大臣が発言したとおり、この朝日の記事ではもう概要として報道されているんですけれども、この点いかがですか、これは大臣に直接。
○国務大臣(渡辺栄一君) お答えを申します前に、新聞の記事はいろいろいまお話がございますが、実は、新公団に対します私の、あるいは建設省としての根幹と申しますか、そういう考え方をけさ発表いたしました。それが事実でございます。それ以前に出ておるものはどういう経緯になっておるのかわかりませんが、それだけ申し上げておきたいと思います。 それから、ただいまのお話でございますけれども、公団賃貸住宅に居住している方の中には、相当長期間当該住宅に継続して居住しており、その地域に定着を図りたいという希望を持っておられる方も相当おられるように承っておるわけであります。そのような方々の希望にこたえるために、日本住宅公団と宅地開発公団との統合によりまして設立をされます新公団のあり方の一環として、譲渡に伴う諸問題について検討さしておるところでございます。まだ成案を得るには至っておりませんけれども、譲り受けを希望しない人にまで決して強制するものではもちろんありませんし、住宅管理のあり方との関連を考慮しながら、譲り受けの希望におこたえをする方途を考えてまいりたいというものでございます。 なお、国会におきまする過去の経緯ももちろん承知をいたしておるところでありまして、新公団のあり方の一環といたしまして引き続き検討を進めまして、成案を得まして、実施をいたそうとする場合には、当然でございますが、建設委員会の御意見も十分に承ってまいりたい、このように考えておりますから、御了承願いたいと思います。
○上田耕一郎君 建設委員会に金丸建設相が諮るという約束をしたことも御存じのようですし、検討中ということで、また今度問題が出たときにやりますけれども、非常に重大問題ですので、その点を指摘しておきたい。 それから、やはり管理の問題でもう一つは、住宅の管理を民営化しようという意図が報道されておるわけですね。きょうの発表はどうかわかりませんが、朝日の報道によれば、「競争原理を導入し」て、「団地サービス」以外にも「広く他の民間業者の育成、活用を図る。」ということがあるわけですね。この管理の民営化についてはどういう方針ですか。
○政府委員(関口洋君) 管理の問題につきましては、私どもは、公団が直接管理すべき分野と、それから公団の組織その他のあり方との関連を含めて、いまお話しのような民間に委託すべき分野とをこの新公団問題を契機といたしまして、なお今後とも十分に検討を進めてまいりたい、かように考えております。毎年、仮に四万戸ずつつくっていくとすれば、それだけでも管理の対象となる戸数はふえてまいるわけでございますが、それに伴って組織をやたらにふやすというわけにもまいりませんので、その辺の関連を踏まえながら、十分検討してまいりたい、かように考えております。
○上田耕一郎君 やっぱり公的住宅なんですから、公的住宅としての責任をちゃんととるということで、競争原理を導入しなければ、団地サービスその他あるいは管理の改善ができないというのでは責任放棄になると考えるので、そういう点で、きちんとした、新公団になっても、この管理問題についても責任をとる明確な方針で進んでいただきたい、そう考えます。 それから、なお、同じ朝日の記事では、「適時適切な家賃改定を行う。」ということまで出ているわけですな。家賃問題はもう私もここで十何回質問いたしましたけれども、あれだけの社会的大問題になったでしょう、で裁判までいっているわけですね。新公団に切りかえるのを契機にまた適時適切な家賃の再値上げというようなことでは、文字どおり、これまでの家賃値上げ問題についての教訓を一体国はどう引き出しているのかということにもなりかねないと思うんですね。この点、どういう方針ですか。
○政府委員(丸山良仁君) ただいま先生盛んに朝日の記事を引用されまして御質問されておられますが、その記事は課長補佐段階であらゆる問題を検討いたしましたときに出た問題でございます。したがいまして、現段階におきまして、大臣に報告申し上げた段階は昨日でございますが、その段階におきましては家賃問題につきましては、新公団との統合問題とは別個の問題として検討してまいりたい、このように考えているわけでございまして、新公団と家賃問題を結びつける考えは現在のところございません。
○上田耕一郎君 課長補佐段階にはあったと、それから上の段階では現在のところないというので、やっぱりまだなかなか問題が残っていることは明らかだと思うんですね。 それで、三番目の問題は、この公団の体質改善ですね。これはこの委員会でも何回もいろいろ問題になりましたけれども、新公団に統合されるに当たって、体質改善、土地転がしの問題だとか、ずさんな経営とか、不正経理等々あったわけでけれども、私もまた高額退職金の問題なども取り上げましたが、体質改善をやっぱり国民の要望にこたえて進めていただきたいと思うんです。 もう時間がありませんので、この問題は一応この程度にしたいんですが、統合する際に、民主的に国民の意見を取り入れるということが非常に大事なんですね。先ほど住宅宅地審議会に諮問を行っていると、住宅政策についてでしょう。新公団については住宅宅地審議会で論議が行われるのかどうか、この点はっきりお答えいただきたいと思います。
○政府委員(関口洋君) たびたび御答弁申し上げておりますように、昨年九月、住宅宅地審議会に対しまして「新しい住宅事情に対応する住宅政策の基本的体系はいかにあるべきか」を諮問いたしまして、現在、御審議を煩わしておるわけでございます。その中では、いわゆる公的住宅のあり方ということで今後の公団住宅のあり方も含めて御検討をいただいておるわけでございますが、それらの検討内容を持ちまして、今後の住宅供給に関する分野、これにつきましてはっきりした見解をまとめて、法案の作成その他に当たりたい、かように考えております。
○上田耕一郎君 大臣、どうなんですか、新公団のあり方について住宅宅地審議会で論議されるのかどうか。一般的な基本政策なんということではなくてですね。 それから、これまた新聞記事ですけれども、大臣が私的懇談会を発足させたいというのが読売の五月十一日に載っているのですが、この住宅宅地審議会のことと大臣が読売に書かれているような私的懇談会のこととは、一体、どういう関係になっているのですか。
○国務大臣(渡辺栄一君) いまも読売新聞のことをおっしゃいますが、それは私はお答えをする立場ではないと思うんです。私はそういうことを新聞に直接申しておるわけじゃありませんから。 私は、先ほど申しましたように、けさ、方針を発表いたしたわけでございます。新公団の業務内容等につきましては、省内で、いま申しますように、検討いたしまして、きのうからけさにかけまして検討いたしまして、最終的な案をまとめたわけでございますから、それに従ってまいるわけでありますが、今後、必要に応じまして、私といたしましては、広く学識経験者等の御意見もできる限り承って最終結論を出すための検討は続けていきたい、こういう気持ちを持っておりますことを申し上げておきます。
○上田耕一郎君 広く意見を聞くのは非常にいいと思うんですね。学識経験者だけでなく、最初に申し上げたような住宅公団の労働組合、それから六十万の公団自治協の入居者、こういう人たちとやっぱり懇談して、その人たちの意見をよく聞くという機会もぜひつくっていただきたいと思うんですが、大臣、この要望を受けていただきたいと思いますが。
○政府委員(丸山良仁君) 公団自治協並びに住宅公団の組合につきましては住宅局におきましていろいろと意見を聞いております。
○上田耕一郎君 その程度の意見の聞き方なので問題が起きているのですね。もっと真剣に、新しい公団ができるんでしょう、宅開公団には労働組合はないんですからね、あそこは。やっぱり住宅公団の労働組合、それから公団自治協、そういう一番利害関係の深い人たちの声また意見を本気で聞くという姿勢を、ぜひ、あの家賃の大きな闘争からも教訓をくみ取ってやっていただきたいと思うんですが、これは、大臣、どうですか、それとくらいの姿勢は示すべきだと思うんです。
○国務大臣(渡辺栄一君) 先ほど申しますように、広く御意見を承ってまいりたいと申しておるわけでありますから、必要に応じまして関係者の御意見を聞くようにしたいと思います。
○上田耕一郎君 さて、法律の問題に入りたいと思いますが、施行後十年たったわけですね。これまでに行われた事業で、新しいビル、施設建築物のうち、住宅部分と業務的利用の比率ですね。住宅二千戸と聞いているのですけれども、比率はどうですか。
○政府委員(升本達夫君) 再開発事業によりまして供給されました、もしくはこれからされます住宅と非住宅との面積割合のお尋ねでございますが、これまで残念ながらこの面積につきましては十分な資料がございません。戸数をもって申し上げさせていただきますと、四十四年から現在に至るまで完了をいたしました地区につきましては、全部で二十地区事業を完了いたしておりますけれども、この二十地区の中で住宅供給の総戸数は二千九戸でございます。これは、要するに、住宅を供給することを内容としている再開発事業二十地区についての総数でございます。それから事業中のものをあわせて申し上げますと、同じく住宅を供給する再開発事業で事業中のものが二十九地区ございまして、これによりまして住宅供給戸数が一万三千三百戸ほど供給する見込みでございます。合わせまして四十七地区、一万五千三百戸ということになります。
○上田耕一郎君 業務用と住宅用の面積のデータさえない。ぼくは質問を前から頼んでいるのだから、きょう大体返事くれるというのに、返事がないじゃないですか。どうもそのぐらいのこともやってないんですね、ここに再開発の根本問題があるわけです。 ほとんどこれまで駅前再開発型だったんですね。衆議院の議事録を見ますと、大体住宅がふえるどころか、ぼくは業務用の方がはるかに多いと思う、駅前再開発型で。ふえるどころか、いままで住んでいた人も、衆議院の議事録で、残った人が四五%だ、五五%が転出だという答弁ですな。つまり住民の半分以上が駅前再開発で追い出されているということになるんですな。そうしますと、本当に健全な高度利用、人間が住むための、そういうやっぱり再開発ではなかったということがこれまででも明らかだと思うんですね。どうも今度の改正でも、そういう住民を中心にした住みよい住環境をつくる改正になってなくて、これまでのこういう業務用中心の、住宅は非常に過小評価で、しかも追い出されてしまうということを防止する保障がないということ、これがまず根本的な問題だと思うんです。そういう保障が新しくつくられるどころじゃなくて、もっと悪くなっていると思うんです。 まず第一に、これまでは任意規定だったんだけれど、今度都市再開発の方針ですな、これを義務づけていると、つくらなきゃならぬということになっているわけですね、都知事が基本方針を。それから、衆議院の答弁で、東京について言うと、東京二十三区のうち、面積で三割から四割の地域になるであろうと。二十三区の三割から四割の面積のところに新しい都市再開発の基本方針並びに計画、それからそれが具体化されると地区計画になるわけですけれども、それが義務づけられる、これはぼくは相当大問題だと思いますね。恐らく都市再開発の新しい段階になるだろうと。二十三区の人口密集地域でしょうな、大体三割から四割というとほとんど覆っちゃうんじゃないですか。そういうところを今度の法改正で全部義務づけて再開発をやろうと、高層化、高度利用でしょう。それこそ大変な東京にしてしまうことになるだろうと思うんですけれども、二十三区の場合、こういう物すごい広範な再開発を三割から四割覆うというと、事業費は全体でどのぐらいのめどですか。
○政府委員(升本達夫君) おただしのように、東京二十三区におきます問題地域につきまして、私どもの方の調査をいたしました結果におきましては、宅地率七五%以上の市街地——宅地率と申しますのは、公共施設を除きまして、宅地と農地等宅地以外の土地、その総合計に対する宅地の割合でございますが、それが七五%以上の市街地、まあかなり込んだ市街地ということでございますけれども、この市街地の面積が四万五百六十ヘクタール。これに対しまして公共施設、特に道路が非常に状況が悪い、つまり道路率が一〇%以下という極端に低いような状況、さらに敷地内の建物の収容状況が非常に悪いというような、強度に改善を必要とすると見られます地域が五千七百三十ヘクタール。これが先ほどの四万ヘクタールを一〇〇%といたしますと一三・二%という数字になります。このほかに、片や公共施設の整備が不十分であるとか、あるいは敷地、建物の収容状況が悪いとかいうだけの理由で改善を要するというものを拾い上げますと、全部で一万五千九百二十ヘクタールという数字になりまして、これが四万五百六十ヘクタールに対しまして三八・三%という数字になるわけでございまして、衆議院段階での御答弁で四割近いということを申し上げたのはこの数字でございます。 そこで、若干御認識上の問題があろうかと思いますので御説明を加えさせていただきますと、今回、御提案申し上げております改正案で再開発の基本方針を二十三区と大都市十六都市について知事さんに策定を義務づけるという形にいたしておるのは御指摘のとおりでございますが、この義務づけられます都市再開発方針と申しますのは、たとえば東京で申しますと二十三区全部を見渡して、果たしてどういう地域柄のところに計画的な再開発が必要とされるであろうかというようなところを拾い上げて、その再開発の方針を明らかにする。それから、その中で特に一体的かつ総合的に市街地の再開発を促進すべき相当規模の地区があるとすればそこはどこだろう、それを拾い上げるということを内容といたしておるものでございまして、性格はあくまでもマスタープランでございます。したがいまして、この再開発方針によって仮に具体の地名、地区が指定されることになりましても、そのことのゆえにその地区内の土地に関する権利者等に権利の規制が働くというようなことにはならないわけでございまして、長期的に見て、たとえば東京都二十三区のありようをどういう方向に向かってどの辺から手をつけていったらいいだろうかということを定めさせていただくという内容を予定いたしておりますので、このことのゆえに直ちに御懸念のような問題が生ずるというふうには私どもは考えておりません。 そこで、最後のおただしでございました、ただいま申し上げました調査の結果、たとえば一万五千九百二十ヘクタール、三八%に当たる市街地について再開発を必要と考えるならば、その場合の整備費はどのくらいかかるかというおただしでございますが、これは具体にどういう事業を実施していくかということが積み上がってまいりませんと本当のところは申し上げられない数字でございまして、そこで、これは私どもは仮定的に、ヘクタール当たりたとえばこういうやり方でやればこのくらい金がかかるであろうという想定を、地区の性格で区域を分類して積み上げて試算をいたしましてみた結果でございますが、その集計をいたしますと、大体十一兆円という数字になります。これはヘクタール当たりにいたしますと大体三億円弱ぐらいの形になりまして、したがいまして、これは再開発事業の現実に行われている事業のヘクタール当たりに比べますと著しく少ない数字でございますが、この金額はいわば道路整備等のいわゆる公共側が負担すべき分という前提ではじき出した数字でございます。
○上田耕一郎君 公共側の負担するのが約十一兆円という数字が出たわけですね、あるめどですね。 いまのお答えのように、中身が問題だということですけれども、確かに再開発によってオープンスペースとか公園とか、公共施設が生み出される、同時に施設建築物ができるわけですな。それがどういうものになっていくかというのが非常に大きな問題になるわけだけれども、これまでの実績で、その前の建物の床面積と比べて施設建築物の床面積が何倍ぐらいになっておりますか。
○政府委員(升本達夫君) 従前の建築物の容積に対しまして、事業の施行後にその容積がどのくらい増加しているかという趣旨のおただしかと思いますけれども、これは各プロジェクトごとにそれぞれ状況が違っておりまして、一概には申し上げかねるわけでございますけれども、平均的な市街地再開発事業によりまして容積率を出してみますと、地方公共団体施行の場合におきまして約五三〇%、組合施行の場合におきまして五四〇%、ほぼ同様でございますが、という数字になっております。これはもちろん事業施行後の数字でございますから、事業の施行によりこのような容積率が確保された結果になったということでございます。これが施行前と比べて具体にどのくらい増加しているかということについては、残念ながら、いま手元にその事業前の数字がございませんので、端的に比較数字を申し上げるわけにはまいらないわけでございますが、御参考まででございますけれども、現在の東京二十三区の平均の容積率の数字を申し上げますと、現況で八二・二%という数字になっております。したがいまして、直ちにこれと比較していただきたいという趣旨ではございませんけれども、かなりの高度利用という成果は得ているというふうに考えております。
○上田耕一郎君 現行八二%程度の容積率が五〇〇%以上になるというと、これはかなりの成果と考えていいかどうか、そこが問題で、ここに業務機能がやっぱり集中してくるわけですな。結局、産業の集中、資本の集中ということが集まってできてくるわけです、再開発すれば。私も予算委員会で質問したことがあるんですけれども、都心にビルが建って千人ふえると公共施設の整備費が約六十一億円かかるというようなことで、財政問題にまで響くわけですね。 国土庁にお伺いしますけれども、三全総というのは、余り都市に人口を集中させないで地方分散させようというのが基本観念でしょう。そういう観点から言って、こういう二十三区の三、四割のところを都市再開発して業務機能がまた集中していく、都市も巨大化していくということを、一体、国土庁の三全総の観点からどう見ているのか、望ましいと思っているのか、まずいと思っているのか。
○政府委員(伊藤晴朗君) 三全総の中に示されております人口の適正配置の問題につきましては、御指摘のとおりでございます。 再開発事業の促進という問題につきましては、これまで建設省の方から御答弁がありますとおり、再開発事業そのものが、言うなれば平面化しております市街地を高度利用することによりまして不足しておる公共施設等を整備して快適な都市環境をつくるということから、人口増加の原因となる業務集積そのものをねらっておるわけではございません。再開発事業そのものが即人口の集中につながるということはもちろんないわけでございますので、御指摘の問題は、これまでの東京等における業務集積、産業人口の集中と、これと並行して行われた再開発事業等の実績等の面から、むしろ今後の問題としてこの再開発事業の運用とか、あるいはそれが即人口、産業の集積につながらないようにとの御指摘であろうかと思います。 当然のことながら、再開発事業の運用あるいはその基本となります再開発基本計画、マスタープランの作成等についてそういう配慮は必要かと思うわけでございますが、私ども、そのさらに大きな地域を対象とする、たとえば東京で言いますれば、既成近郊を踏まえた東京大都市地域の業務地と居住地の配置パターン等をもう少し勉強することによりまして理想的な都市構造をつくるというようなことを考えていけば、御指摘の点には沿えるんじゃないか。幸いにして、これまで非常に著しくございました東京、大阪等への都市集積は、まだ若干増加傾向にあるとはいえ、鈍化傾向が見えてまいりました。また、特に都心部におきましては、事務所数あるいは事務従業者等におきまして全国的なペースよりは若干シェアが落ちていくといったような傾向も見えるこの時期でもございますので、むしろ都心部における空洞化現象を避けるための再開発事業による人口の呼び戻しとか、あるいは外縁部におきます事務所と業務地の混在といったようなことを避けるための整然たる都市づくりといったようなことのために、再開発事業の運用よろしきを得ていただければありがたいというふうに考えているわけでございます。
○上田耕一郎君 首都圏の既成市街地における工業等の制限に関する法律というので、工場、学校については規制されているんですね。しかし、事務所、事業所については規制がないので、こういうものをやっぱりつくるべきだと思うんです。 私は、本当はやっぱりやるべきことは住環境改善のための都市改造であって、たとえば東京で一番問題になっている木賃アパート、こういうものをもっと建てかえていくということに力を入れる必要がある。大臣もこの点には強い関心があると言われるんですが、木賃住宅、木賃アパートの建てかえについて国が特別の制度を考えるべきじゃないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(渡辺栄一君) 私は、この木賃アパートの建てかえにつきましては非常な関心を持っておりまして、就任早々、十一月二十六日でございましたが、新宿若松町、東中野、文京区千石町等を視察をいたしました。 これらを推進するためにいろいろと検討いたしまして、木賃住宅に関しましては、居住水準の向上、都市の防炎上及び土地の高度利用という観点から、ぜひこの建てかえ促進を図りたいというふうに考えてまいりました。そのために、特定賃貸住宅建設融資利子補給補助制度につきましても、昭和五十五年度予算で、もうすでに予算は御承知のように概算要求が出ておった段階でございますので、低質賃貸住宅の建てかえに関しまして利子補給期間を十年を十五年と五年間延長いたす措置を講じました。なお、敷地要件の緩和を図り、また建てかえ前の居住者の移転料、あるいは賃貸住宅に併設されまする店舗等の非住宅部分を新たに利子補給の対象にするというような制度の改善を行ってまいりました。 今後とも、木賃住宅の建てかえにつきましては、地方公共団体の協力を得ながら、その充実に努力をしてまいりたいと考えておりますし、当時、東京都知事とも御連絡をいたしまして積極的に推進をすることにつきまして話し合いをいたした次第でございます。
○上田耕一郎君 さて、その方向はぜひ進めていただきたいんですけれども、業務機能が民間デベロッパーが入ることによって一層集中してきかねないということで、今度の再開発法の改正がやっぱり一大問題だと思うんですね。 四十四年の法律をつくるときに、坪川建設大臣は、決して民間資本を導入して大資本に供することは考えていませんということを答弁しているんですね、四十四年のときには。五十年の改正のときにも、そういう趣旨の答弁があった。ところが、今度の改正法案は、関係権利者以外の者にも、みんなが賛成をすればということで、個人施行者にすることができる、これは明らかに民間デベロッパーのことですわな。道路公団その他のことも入っておりますけれども、衆議院でも明確に民間デベロッパーもということをお答えになっている。それから特定建築物制度の創設を新しくして、保留床ででき上がる建築物については、たとえばデパートだとか大スーパーだとか、総合商社だとか銀行だとか、こういうものに渡してもいいという道も開かれたわけですね。そうなりますと、東京都二十三区の三、四割、これ全部やるというわけじゃないという趣旨の答弁もありましたが、そこにマスタープランができて、民間デベロッパーが施行者になって、そういう保留床によるビルまで手に入れることができるということになりますと、わざわざこういうことを取り入れたというのは、文字どおり大資本本位の都市再開発を新しく今度の都市再開発手法の中に入れ込んでくるということだと思うんですね。これはもうアメリカ風の再開発の手法をまねて持ってきたものだと思います。これまでにも、さまざまな民間デベロッパーの団体がそういうのをやらせろやらせろという提言その他を出しているけれども、それにいまの政府がこたえたものだと、ここら辺が最大の問題だと思うんですね。 私は、この問題で具体的に、民間デベロッパーというのが加わってくるとどういうことになるかという一つの実例を東京都の例で取り上げたいんです。これは飯田橋の飯田堀の再開発、これは例の飯田堀をすっかり埋め立てて、ここに高さ二十階の事務所ビルと高さ十六階の住宅ビルを建てようというので、もうすでに都市計画決定になっているんですよ。 〔理事茜ケ久保重光君退席、委員長着席〕 実は、この問題が四十七年に決まったとき、全部都議会でも万場一致で、共産党も都議会では当時賛成したんです、住民の要望だということで。ところが、その後、この問題が非常に大きな問題だというので、住民自身が猛勉強をやって、水害の問題から山のような問題があるということになり、飯田堀を守る会というのもできまして、非常に熱心に運動をし、東京都と訴訟も行っているということがあります。この住民の出している文書では、飯田橋再開発事業に対する八十七の疑問という文書までありまして、いかに問題が多いかということを私ども改めてこういうものを見て知ったんですけれども、建設大臣に対しても、大郷材木店、これは地権者の一人ですけれども、権利変換処分の取り消しの採択を求める審査請求というのが去年の三月三十一日に出ている。それから、ことしの二月十四日に建設省の答弁に対する反論書も出ている。それから先月、四月ですね、この反論の補充書も出ているんですね。 この反論補充書を見ますと、建設大臣に対してもずっと言っているわけなんですが、この経過を見ますと、建設省の内部でも、この飯田堀計画についてはさまざまな問題があるということが東京都の事前協議その他でいろいろと意見が出ているんですな。四十六年十月二十三日、建設省都市計画課、水量を保存すべきだ、住宅を設けることは疑問だと言っているんです。それから四十七年一月十七日、事務所規制の政策に逆行すると言っているんですね。それから四十七年五月十二日、建設省の中での検討会でも、事務所はなるべく抑制するということを言っている。それから千代田の区長も、埋め立てに賛成したときに、やっぱり緑、公園、こういうものをぜひということを区長自身も言っているんですね。 ところが、そういうふうに建設省の内部や東京都の協議で、水の量を保存すべきだ、事務所は規制すべきだ、住宅を建てるのはおかしいということを意見を言っていながら、何でこの都市計画決定を大臣が承認するということになって進んできてしまったのか。ぼくはここにも非常に大きな疑惑があると思うんですけれども、いかがですか、都市局長。
○政府委員(升本達夫君) おただしの、飯田橋地区の市街地再開発事業につきましては、四十七年当時から、話としては検討が開始されておりまして、具体の手続といたしましては四十七年の五月から都市計画の案の縦覧、都市計画審議会の議決を経まして、四十七年の七月に建設大臣認可を得まして、同月十三日に都市計画決定をいたしております。それから、その後……
○上田耕一郎君 経過は知っているから、なぜそういう意見があるのに認可をしちゃったのかという、その理由です。
○政府委員(升本達夫君) 私どもの方は、したがって、四十七年当時からいろいろ御議論があったところでございまして、その御議論の一々について私ども内部で具体的にどの時点でどういう御議論があったかということについてフォローをいたしかねておるわけでございますけれども、一般的に考えられますのは、再開発事業と申しますのは、都市の中心的な土地について行われる事業でございますし、関係権利者もいろいろ多うございますし、地区柄としてもいろいろな諸般の状況関係を頭に入れながら計画を進める。さらに再開発事業をやるべきかやるべきでないかを判断していくということが必要になろうかと思うわけでございまして、その検討の過程においては、御指摘のような、部分的にはいろいろな議論はあり得たことということは容易に推察できるわけでございます。したがいまして、それはこの地区にこの事業を実施することの可否についての検討の一過程というふうに私どもは理解をいたしておりまして、その議その議の各個々の意見について手続的に決定的な結論を出したというふうには承っておりませんし、私が最初に申し上げようと思いましたのは、手続の進行は順を追いまして、法の定めるところによって適正に執行されておるということを申し上げたかったわけでございまして、その手続の進行過程においていろいろな御議論があったということは当然あり得ることだと思います。そのことのゆえに建設省の考え方が基本的に変わったとか見直したとかいうようなことはあり得ないではないかということを申し上げたかったわけでございます。
○上田耕一郎君 手続の過程でいろんな意見があっただろうという程度のことではどうもないですね。 ことしの二月二十一日に、内神田コープビルというところで東京都の建設局のある課長が述べたわけですよ。これはどうも建設省もその場にいたんじゃないかと思われるんですけれども、どういうことを言っているかというと、都の建設局の課長ですよ、とにかくこのプランはやっぱりまずいんだということを言っているわけですよ。大体周辺を含めたマスタープランがないと。今度再開発法でマスタープランをつくるというんだそうですが、大体マスタープランがない、それでこの建物そのものの計画が先行しちゃった。それで逆に、こんなことであっちゃいけないよといった反面教師的な面で申し上げている意味合いが強い。本事業は百十二億円もの税金を使う公共事業だということを都の建設局の課長が言っているんですよ。マスタープランもない、建物が先行した、こうであっちゃいけないという悪い例だということを、これはある仲間の集まりのようですけれども、そういうことを言っている。 それで、われわれが考えてみましても、大体、飯田橋の駅のところにあった、たとえどぶのように非常に汚れていたものでも水面を埋め立ててしまう、これだけでも大変なんですね。神田川の問題では、私もこの委員会でも質問したことがありますけれども、私も、先日、北新宿の二丁目から三丁目、高田馬場町、西早稲田町の神田川のあふれるところに行ってみました。これはもうちょっと夜中に雨が降り出すと、みんな夜中にでも住民の方は橋のところに出てくるぐらいに本当に物すごい水害地帯なんですね。ああいうことを考えてみても、ここを本当に技術的に神田川の遊水地として、どっとあふれかけたときに逆流してくる水をためるものとして使うということでは非常にこれは検討すべき場所だと思うんですな。それから江戸城の外堀で水の景観を保存するという意味でも大事だし、史跡指定のあるお堀の石垣まであるんですね、そういう面もある。それで、あの駅の近辺のところに避難広場をつくるというんじゃなくて、住宅ビルと事務所ビルの物すごい高いのをぶっ立てる。これもだれが考えても非常に奇妙な計画だと思うんですね。だから東京都の建設局のある課長は、こうあっちゃいけないという反面教師的な例だということを言わざるを得なくなる。非常にぼくは疑惑があると思う。 それで、なぜこうなったかというと、一つは、民間デベロッパーの株式会社熊谷組、これの介入がやっぱりぼくはあると思うんですね。去年の六月二十一日に、このビルの落札が行われて、熊谷組が八十五億七千八百万円で落とした。二位との差額がわずか千二百万円です。十社が入札してわずか五千万円の幅にびっと並ぶんですから、これはもう談合が行われたことは明白ですね。熊谷組というのは、子会社がもとここの土地を持っていて、子会社から土地を買って一度売って、自分が地主だったときにこの計画を猛烈に推進した人なんです。 さて、升本局長にお伺いしますけれども、この熊谷組は、対岸の神楽坂側にやはり同じような再開発計画、これを持っていると思いますが、御存じですか。
○政府委員(升本達夫君) おただしの、対岸の神楽坂側の地区につきましては、昭和五十四年度、昨年度におきまして新宿区が再開発のための基本計画の作成を実施いたしておるところでございまして、熊谷組が当該地区内に従来から土地を所有していたという経緯はあるようでございますが、事業のために新たに土地を買いに入ったということは聞いておらないということでございます。 それから、飯田橋地区の市街地再開発事業の施設建築工事につきましては、おただしのように、熊谷組が工事請負人になっておりますが、これは熊谷組だけではなくて他の三社との共同企業体ということで請け負っておりまして、正規の都の手続に従って落札したものというふうに聞いております。したがいまして、以上のような状況下でございまして、私どもとして、特段御指摘のような問題はないのではないかというふうに考えております。
○上田耕一郎君 これはおかしなことを聞きますね。あなた、神楽坂のところに熊谷組が再開発のために土地を買いに入ったことはないように聞いていると言われますけれども、あなたのお父さんの土地がここにずっとあるわけですよ。私も地図を持ってきていますけれども、升本喜兵衛さんの土地が空色で全部あるわけだ。そんなことはないですよ。ここに私熊谷組のプランを持っていますが、これは同じようなビルの計画、(資料を示す)これが東京都の方のビルの完成図ですね。反対側の神楽坂に同じ形のビルを熊谷組は再開発でつくろうとしている。この土地のかなりの部分を升本さんのお父さん、升本喜兵衛さんですね、がお持ちになっている。本当に知らないんですか。ここの埋め立ての請願者、四十五年にこれを埋め立ててくれと請願した代表もあなたのお父さんでしょう。熊谷組の本社の土地はあなたのお父さんが土地を売ったそうじゃないですか。それはどうですか、本当に知らないんですか。
○政府委員(升本達夫君) ただいま御答弁を申し上げましたとおり、熊谷組がその地区内に土地を所有していたという経緯はあるようでございますけれども、事業のために土地を買いに入ったということは聞いておりません。
○上田耕一郎君 神楽坂で。
○政府委員(升本達夫君) 聞いておりません。 それから、いま私の父の名前が出ましたけれども、その部分の一部について土地を所有いたしておるのは事実でございますが、御承知のように、その地区は現在の既成市街地の真ん中でございますから、大変借地権者さん、それからその他の建物所有者、利用者の方々が大ぜいおられます。そういった方々の権利者との御相談の上で、地区の振興等についていろいろ御相談をしたという経緯はあるようでございますけれども、私の方で、そのおただしのようなことが何らかの形で独断的もしくはひとり合点的に話が出ているというようなことはないというふうに私は聞いております。
○上田耕一郎君 あのね、熊谷組が、神楽坂の方はこういう事情ですけれども、飯田堀の方で土地を買いに入ったということは現にあるんですよ。建設大臣あてに——もうこれを読み上げる時間がありませんけれども、渡辺栄一殿、建設大臣あてに反論、再反論書が行っていますからね、この中に熊谷組が子会社の土地を自分で買って、いつまで自分が持って、いつ東京都に売ったかということも書いてある。だから熊谷組がここにこの土地を買いに入ったことはないというのは、この記述が正確なら、あなたの答弁は間違っていると思いますね。 それで、私、建設大臣に、どうもこれは升本局長に答弁を求めてもちょっと無理な、どうも利害関係が若干ありそうで、ありそうでというより、むしろあると思うので、建設大臣に、この飯田堀問題というのは建設大臣が事業計画を認可したものだけれども、これだけ大きな住民の反対運動の問題があり、東京都の課長が非常にまずい例だということさえ言っているという問題もあり、本当に東京のど真ん中に、本当の住宅環境をよくするための再開発ではなくて、こういう都市ビルを、でっかいものを飯田橋の駅のところに水面をつぶして四つも建ちかねないという状況がありますので、ぜひこの経過と、それから建設省の内部で、先ほどああいう答弁がありましたけれども、どういう議論があって、なぜこういうものを認可したのか、この経過を調べていただきたい、調査を要求したいと思います。
○政府委員(升本達夫君) ちょっと事務的な手続の進行でございますので、いろいろおただしがございましたけれども、本地区におきます市街地再開発事業につきましては、都市再開発法及び都市計画法等関係法令に従いまして合法的に進められておるというふうに理解をいたしております。 昭和五十四年四月三十日の権利変換期日をもって、権利者の権利は新しいビルの床等に変換をされておりまして、施行者としては一日も早くビルを完成し、これを権利者に引き渡す義務があるというふうに考えられるところでございます。したがいまして、以上のような経過、実態にかんがみまして、この事業を凍結し放置することは、すでに仮移転中の権利者の生活再建という問題も絡み、支障が生ずるという問題もございまして、十分に慎重に検討しなければならぬ問題でございますので、ただいま申し上げましたところに従いまして事業の進行を図ることが現在の建設省として必要なことではないかというふうに考えております。
○上田耕一郎君 いやね、凍結しろと簡単に言ったんじゃないんですよ、私は。調査をしろと、建設省の内部でどういう議論があったか、こういう東京都の課長が言うような問題のあるものについてどういう議論があり、どういう認可をしたのかという経過を改めて調査しろということを言った。 局長は利害関係者だから、大臣、どうですか。もう私も時間がなくなったので、建設省の内部の経過について調査をしていただきたい、このことを強く要望したいと思いますが、大臣から答弁をいただきたい。
○国務大臣(渡辺栄一君) 私も、どうもその間の事情はよくわかりませんが、本契約は地方自治法に基づく指名競争入札により公正に請け負われたものであるというふうに私は聞いておるわけでございますが、ただいまお話しのように、建設大臣あてに書類が出ているということでありますれば、私の方といたしましても、一応調査をしてみたい。これは私も経過はよくわかっておりませんので、必要であれば検討さしていただきたいと思います。
○上田耕一郎君 終わります。
○栗林卓司君 都市再開発法の一部を改正する法律案でありますけれども、従来の都市再開発法の考え方に立ちながら制度の不備を改善したものであろうかと思います。ただ、あくまでも従来の考え方に立っているわけでありますから、従来の再開発法そのものが持っていた問題点というのはそのまま持ち越しになった形になっておりまして、その観点から一、二お尋ねをしたいと思います。 まず、これまで振り返りまして、再開発が必ずしも順調に進んでこなかった。特にそれが商業地域を中心にした再開発になってきたという点については、理由を含めて、どうお考えになっているかお尋ねをしたいと思います。
○政府委員(升本達夫君) おただしのように、再開発事業が必ずしも全地区を通じまして円滑に進んでいない、特に駅前商業地区、駅前等のいわゆる商業地区を中心に実施をされてきたけれども、その他の地区についてはなかなか実施が円滑に行っていないのではないかという御指摘があったわけでございます。確かに再開発事業につきましては、その事業を必要とする地域の広がりに対しまして現行の再開発事業の実施区域が必ずしも十分に対応し切れていないということは御指摘のとおりでございまして、これにはいろいろな原因が考えられるかと思うわけでございますけれども、やはり大きくは二つの問題に集約してもよろしいのではないかと思うわけでございます。 一つは、この再開発事業は、御承知のように、大変権利関係のふくそうした地域につきまして各権利調整をいたしながらクリアランスをし、新しい建物を建てるということでございますので、非常に事業に金と時間がかかるという点がございます。それと、もう一点は、多くの権利者に対して御納得をいただかなければならないわけでございますけれども、この権利者の側に現在の居住状況あるいは生活状況について直ちに必ずしも何とかしなければいけないという感じを持っておられるとは限らない。観念的には再開発の必要性が認められるとしても、なかなか実態的、実感的には御納得をいただきにくいという状況があること、大きくくくりますと、その二点に集約されるのではないかと思っているわけでございます。 特に、事業の執行の面につきましては、再開発事業が他の公共事業と異なりまして、公共施設の整備とあわせて敷地の整備、そこへ建築物を建築し、権利者の方々にお分けするということでございますから、事業の性格上、当然に採算性ということが含まれておるわけでございまして、この採算性を全く無視して事業を執行し得ないということのゆえに、採算性の低い地区においてはなかなか手が出にくいということになっておるのかと思います。したがいまして、第二点のおただしのように、現実に実効が上がりつつある地区はおおむね商業地域になってまいるというのも、その地区の条件が採算をとりやすい条件にあるということが大きな原因ではなかろうかというふうに考えている次第でございます。
○栗林卓司君 いまのいろいろな手法がありますけれども、都市再開発法で考えている再開発の手法というのは、そこに住んでいる人たちを高度利用した環境の中に移しかえながら権利の変換をさせ、あるいは保留床の処分をしながら全体の事業費を賄っていくということが一番基本的な骨格だと思います。 いま局長が言われたことも、住宅地を初めとした商業地以外の地域で再開発が進まなかった理由だと思いますけれども、もう一つ、私が思うのは、商業地区の場合には、そこに住んで商売を営んでいる人たちが引き続いてそこで商売をしたい、またしなければいかぬ、こういう条件をお客さんとの関係で非常に強く持っている。問題は、住宅地区、そこを再開発しようといった場合に、そこに住んでいる住民の人たちは、高度利用した環境の中で、やっぱり同じ場所で住んでいこうというように考えるかどうか、これが商業地区の再開発と住宅地区、例として住宅地を挙げますと、そこの一番の違いじゃないか。したがって、この再開発法が持っている一番基本的な再開発の手法、骨格、これが合わないんじゃないかというぐあいにはお考えになりませんか。 極論しますと、住宅地区を再開発をしました、高度利用の建物が建った、前の住民は一人もいない、いなくたって住宅地の再開発は何ら困ることはない、そこまで商業地とは基本的に違うんじゃないか。そうなってくると、都市再開発の持っている再開発の手法の骨格、この構造そのものが主として商業地域を前提に考えていて、住宅地区を想定していないとは言わないけれども、主として考えていない。いわばそれがこの法律ができて、年を経ながら実は商業地を中心にした開発としてしか進んでこなかったということではないんでしょうか。
○政府委員(升本達夫君) 純粋な住居地域にこの法律の適用がなかなかできにくいということの理由としてお挙げになった点は私も同感でございます、そのような状況があろうかと思います。 しかしながら、再開発事業の実施を考えておられる地区につきましては、特に日本の都市におきましては、完全な意味の業務地区、商業地区というのはむしろ比較的少のうございます。何らかの形で商業施設と住宅の共同居住というような形も考えられるし、また、そのことが必ずしも否定されるということでもないかと思います。したがいまして現行の再開発群業が住宅供給のための事業としてそぐわないというところまではなかなか言い切れないところがあろうかと思いますけれども、ただ、住居の専用の地域について、このような再開発事業がなかなかむずかしいのではないかというのは御指摘のとおりだろうと思います。それについては、私ども、将来にわたっていろいろ工夫をしていかなければならない点の一つではないかというふうに考えるわけでございます。 ただ、私の一つ申し上げたいのは、確かに住居居住者は、店舗経営者と異なって、その地にいなければならないという必要性、必然性が少ない、もしくはないということかと思いますが、やはりこれから将来にわたっての住まい方に対する考え方ということが関係があることではないかと思いまして、将来にわたって都市における居住の仕方についてお考えが変わりつつあるというふうに考えますと、将来、この事業によって、かなり住宅専用地区に近いところでこのような事業が実施できるケースもあり得るのではないかというふうに考えておる次第でございます。
○栗林卓司君 商業地区の場合でもいまの再開発法は問題がないかというと、私はあると思うんだけど、その前に住宅地区の話を続けますが、商業地区ですと、たとえば売り場面積を広げる、駐車場をつくる云々ということになりますと、目に見えたメリットというのがあるわけだけど、住宅地区になりますと、じゃいままで庭つき一戸建てでいたものが何だかんだで高い中高層の共同住宅になっちゃった、そのことがいかにも魅力がない。加えて、中高層住宅になると、そこの中で暮らすノーハウというのがまだ日本の社会ではできておりませんから、一たん地震がある、火災があるといった場合に私は一体どうやって逃げたらいいんだというやっぱり不安感がある。そこが再開発をされるんなら、そこでもし金がもらえるんなら、近傍の土地を買って家を建てかえようかというようになるのが普通の住宅地区で住んでいる大多数の人たちの考え方。そうなると、それはそれとしてよしとしながら、再開発を進めていく手法というものがやっぱり準備されてこないといけないのではないかというので申し上げたんです。 一つ具体的な例で申し上げますと、再開発をすると、たとえば土地の所有権でも共同土地所有権というかっこうに整理をされます。その持ち分を持つわけです。そういったかっこうで整理をしたとして、そこに住んでいる人に相続が起こった場合、しかも相続財産というのは実はあの土地しかなかったんだ、したがってまるまる処分して均分相続をするか、そのときにその処分ができるのか。上にはもう中高層住宅が建っちゃった。その土地の一部分をいわば共同土地所有権の持ち分としてその人は持っているにすぎない。それが処分できるか。これは個々の人にとっては重大な問題になる。しかも、相続というのは必ずどんなうちでも起きる。 ところが、共同土地所有権の持ち分というのは、流通するマーケットもなければ、一体それを幾らに評価するのか、それもないと考えてみると、共同土地所有権で持ち分をそれぞれが持ち合いながら権利変換だと言っているのは、商業地ですとね、親子代々そこで商売をするというのが前提になる。しかし、住宅地の場合にはやっぱり人が移りかわることが前提として制度が組み立てられてこなければいかぬと思うんですが、その点についてはどうお考えになりますか。
○政府委員(升本達夫君) 土地の底地の持ち分だけを対象としてお考えいただきますと、そのような問題が確かにあろうかと思います。この再開発事業によりましては、まず、従前の土地の所有者、宅地の所有者につきましては、土地の底地の持ち分と、それからその上に建物を所有するための地上権を設定いたすのが一般的な例でございますが、その地上権の共有持ち分と建物の一部の所有権というものをいわばセットで引き取っていただくという制度になっております。したがいまして従前の宅地の価額、価値に見合うものとしてはそれ全体でお考えをいただけるものというふうに考えておりまして、ただいまのような仮に相続というような問題が起きました場合にも、従前のその土地上の建物の部分と、その建物の部分を所有するために必要な地上権、これにつきましては当然に交換の価値を持っているというふうに考えられるわけでございまして、現実にマンション市場等についてもそのような流通が行われているというふうに理解をいたしております。 この場合に、仮に地上権の設定という方式をとらないで、底地の共有持ち分という形で整理をすることも変則的にはあり得るわけでございますけれども、そのような場合も土地の共有持ち分だけでは、おっしゃるように、なかなか流通対象になりにくいと思いますけれども、上の建物の一部とあわせお考えいただければ、ある程度流通の対象たり得るのではないかというふうに考えておる次第でございます。
○栗林卓司君 まず上の建物の住んでいるところ、それを例にとりますと、これはもう土地とは勝負にならないので、建物は時とともにだんだんくたびれてまいりますし、土地そのものはいつまでたっても値段は減らないし、時とともにむしろ値上がりの期待がある、これは勝負になりません。 そこで、いまの地上権なんですが、しかし、今回の法改正では、従来は底地の所有権と地上権と二段重ねだったわけです。変則な、おっしゃったように、所有権だけだったんだけど、今度は地上権を乗っけるのはめんどうくさいから一緒にしようやと、土地の共同所有権だけでよろしいという方向で今回の法改正もあるわけなんで、全部地上権を外してしまわなければいけないという法律の書き方にはなっていないんだけれども、それができるような道を開いたという意味では、やっぱり注意を喚起しながら、もう一遍お答えを求めたいと思います。
○政府委員(升本達夫君) やはり従前の考え方でございますと、宅地の所有者にはまず宅地をということが、権利の相対関係と申しますか均等関係と申しますか、という点から適当ではないかということで構成をされております。ただ、その場合に、宅地と申しましても、御指摘のように、上に高い建物が建つことになりますので、当然に減価をするわけでございますから、この減価部分に見合うものは、上の建物の一部とその利用を可能にするための地上権の一部ということを従前の宅地の所有権にかえて差し上げるというのがいままでの考え方であったわけでございます。この場合に、しかしながら、変則といたしましては、必ずしも地上権という中間的な権利構成をしなくても、底地に対する共有持ち分に直ちに結びつけるということであっても別に法律上はおかしくないわけでございますから、もし合意によってそういうことが可能であるならば、そのような道を開いたらいいんではないかということで、そのような措置をとり得る道を広げたというふうに御理解をいただければと思うわけでございます。
○栗林卓司君 いずれにしましても、商業地の場合と住宅地の場合は人の流動性がまず違うんですね。ですから、いまたまたま底地の共同所有権の問題で伺ったんだけれども、その他についてもある。 私、時間がなくなってしまったんで多くを聞くわけにいかないんですけれども、ただ一つこれを踏まえながら考え方としてお尋ねしたいんだけれども、結局、住宅地の再開発を進めるということになると、買い取りが原則じゃないのか。いまの再開発手法というのは、なるべくお金を倹約しながら、皆さんの合意でうまくやりましょうよというのが主なんだけれども、住宅地の場合には、買い取りを主としていくのが私は本当ではないか。いまの手法は残っていいですよ、残っていいんだけれども、そちらの方向に私は土地再開発法というのは向けるべきである。そうじゃないと、駅前再開発から一歩も中に入れない、こう思うんだけど、いかがでしょう。
○政府委員(升本達夫君) 現在の法制度、事業制度におきましては、原則的に第一種の事業におきましては、当然には従前の権利者はその権利の価額に見合うものを施行後の建物の一部及び宅地に対する権利で持ってもらう、しかしながら、申し出があれば抜けていただく、こういう構成になっているわけでございます。同時にまた、第二種の事業におきましては、これは収用対象事業でございますから、原則としては、どいていただく、しかしながら、お申し出があれば、そのお申し出に応じて施行後の建築物の一部と宅地に対する権利をいわば補償金にかえて取っていただく。これは構成上そういう二様の構成にいたしておりますが、いずれにいたしましても、現行制度の前提としては、この地区内に従前から権利をお持ちであり居住しておられる方については、できるだけ広い範囲で施行後の建物の一部を取得し、そこに居住していただきたいという願いで、そのような構成になっているわけでございます。 そこで、おただしのように、これからの住居地域については、あるいは住宅に居住する方については、出ていかれることが本則になるような事業制度を考えるべきではないかというおただしかと思うわけでございますけれども、確かに状況によりましてそのような事業がかえって地区の方々の御要請に合うという場合もあり得るかと思いますけれども、やはりいずれの場合においても、多数の権利者でございますから、御要望には応じ得るような形にしておくのがベターではないかということで現行制度が成り立っておると思います。現行制度下でも、必要がないと判断されれば自由に外へお出になる。お出になる場合には、当然に従前の権利に見合う価値の補償もしくはそれに相当するものを差し上げることになるわけでございますから、それがたてまえだという形にいたさなくても、実際の運用においては御要望に沿い得るようになっておるかと思うわけでございまして、これからもその辺を権利者の方々の御意向をよく聞き分けながら進めるという心構えで臨ましていただければというふうに考えておる次第でございます。
○栗林卓司君 それをやはりたてまえの一つに立てなければいけないと私が思うのは、今度は商業地も含めての話ですけれども、まず組合をつくって第一種の再開発事業を進める、これが一番の原則的な姿ですわね。そこで発起人の人たちが準備組合をつくり、やがてずっとこう組織づくりをやっていく。そのときに、発起人の人たちが定款とか事業計画をどこまで正確に作成できるんだろう。これは正確に作成できることが話し合いの前提なんです。それからもう一つ、組合をつくって再開発をやろうやと言ったところで、その意思決定に必要な正確な情報をどの程度集められるのか。コンサルタントを使えとかいろいろな議論がありますけれども、実際問題は、これは望み得べくして私は無理だと思う。なぜかと言いますと、結局、再開発事業の採算、さらに権利変換条件、一にかかって保留床処分条件と建築工事費で決まる。 じゃ建築工事費からまいりますと、いま大体準備組合ができてから工事が完了するまで、すっといっても三年かかる、もっとかかるのがあるかもしれません。私が持っている事例は二つとも大体三年ぐらいです。初動段階から入れればもっとかかっているんですよ。ただ、いまのこういう物価等不安定な時期で、三年後の工事価格を正確に推定するというのは、これはだれに言っても無理です。それからもう一つ、じゃ保留床が処分できるか、そのときに。年々と言いたいほど状況が移り変わっているわけですから、それとても無理だ。そのリスクは全部おまえたちしょえよと言われたら、よほど確実な見通しが立つところしか再開発ができない。これは駅前しかできないです、本当の話が。そうすると、商業地であったって、いわんや住宅地において、そこまでの仕事を民間人におまえたちやれと言ったってできる仕事じゃない。 そう考えていくと、いまのやり方が残っても結構だけど、これを本則に立てて考えていくのは間違いではないか。したがってある時期に石油が上がってくる、工事単価がうんと伸びちゃった、そのリスクは公共団体、国がしょえばいいんです。その再開発を決めたときには、その状態の中で買い取るなり補償するなり、時間を置かないで整理をしていくべきだ。現在、準備の話し合い段階からずっときて、なかなか全員の御賛成が得られない、その理由も、基本的な事項がちっともわからない、じゃ一体どうなるのかという不安感が一番多いことはもう御承知だと思うんです。その意味でも、やはり買い取りを中心にした、それをむしろ本則に立てた再開発法の方に向けていくべきではないか、重ねてお尋ねしますが、いかがでしょう。
○政府委員(升本達夫君) 再開発事業を促進するという視角からまいりますと、先生のお説に近いような意見になろうかと思います。また、反面、やはりそこに従前から居住しておられる方々の御意見ということの立場から考えさしていただきますと、これはやはり再開発の必要なところにおきまして、できるならば権利者の方々が御相談でやっていただくことがベターではないか、いわば権利者の方々の自助的な仕事としてやれるならば、その方がベターではないかという考え方があろうかと思いまして、おやりになれるというような状況下であれば、これはひとつ積極的に御参加をいただきたい。 その場合に、やりたくても現実にはなかなか、おっしゃるように、これは採算性の見通しというのは、これだけの事業になりますと、非常にむずかしい話になることは御指摘のとおりでございます。そこで、そういうような場合には、今度はそれらの意思を体して実際にそれだけの計算ができる方あるいは施行能力のある方に手伝っていただくというのが次に考えられる手だてではないかということから、今回、御提案申し上げました居住施行者で入られる方の範囲の拡大でございますとか、あるいは特定建築物建築制度というものによりまして施行者の仕事の分担を第三者の方にやっていただくということも、実は、考え方の発想はそこから出ておるわけでございまして、このような手だてでできる限り権利者の御意思とそれから再開発の推進ということが前進できるように考えさしていただいたつもりでございますが、なお、これの進展に当たっても不十分な点が出てまいりますれば、御指摘の点をよく踏まえながら検討を重ねなければいけないことかというふうに考えております。
○栗林卓司君 前の委員会で地区計画を決めた法改正をしたんですけれども、そのときに地区計画を決めてそれをどうやって具体化をしていくのかというのは、後ほど御提案申し上げます再開発法の改正案を見ていただきたいという御答弁があって、それで中身を見て、いまの御答弁をまたお伺いしながら、じゃ一体百年河清を待つのかとつくづく思ったんですけれどもね。 それで再開発を進めたいということで言えば、おっしゃる方向になりますということなんだけど、再開発というのはほうっといて草が生えるようなぐあいにいかないんですよ。都市というのは民主主義ではできない、もともと。ある権威がなかったら都市というのは絶対できない。したがって、あるものがあって手法が出てこない。だから、困るんですね、今度も都市再開発の方針を決めるとあって、再々の御答弁でございました。このマスタープランに従って最後は地区計画までくるわけでしょう。地区計画の方はいわば焦眉の急の部分が多いわけです。それじゃやろうかというと、実際には住民の皆さんの御同意を得ながらやらなければいかぬ。じゃ住宅地区はどうか、御同意を得ている人たちがいなくなっちゃうんです、しかもいなくなって悪いとは言えない。そこに住んでいる人がいなくなる、新しい人が入ってくる、これが職住接近ということでしょう、住みかえということで。そこをきちっと煮詰めておかないと、一体、何をやっているのかわからなくなりますよということだけは申し上げておきたいと思います。 最後に、一点だけ別なことでお難ねしますけれども、今度の改正案の中で首都高速道路公団、阪神高速道路公団、これが施行主体に加えられました。この点についてお尋ねするんですけれども、今回の予算を見ますと、今回の道路関係予算の中で沿道環境整備制度を創設するとして予算措置が講じてあります。また、あわせて高速自動車国道等通過市町村に対する関連施設等整備助成金制度の創設がされました。この種のものの発想からいきますと、今回、この高速道路公団が施行主体に入ることになるこの工事に対しては独立採算というのではなくて、当然なこととして相当な税金の助成がある、それを含みとしている、こう理解してよろしいですか。
○政府委員(升本達夫君) 道路管理者としての首都公団あるいは阪神公団が市街地再開発事業に資金を投入いたしまして、そこで将来どういうふうに回収していくかというような問題にかかわる問題の御指摘かと思うわけでございますけれども、この場合に、仮に首都公団が再開発事業を実施いたします場合に、その再開発事業によって道路が周辺の整備と同時にでき上がってくる、通常用地買収方式で道路建設を行う場合に必要な額、それが道路のいわば管理者の負担金というかっこうで再開発事業の費用に入る、それ以外のものは一般の再開発事業費と同じように、整備した後の保留床の処分金をもって回収する、こういうことになりまして、首都公団なり阪神公団が再開発事業主体になります場合にも、いわば純粋の再開発事業主体としての公団と、それからそれに道路管理者としての金を負担する公団が相乗りで仕事をしていくというかっこうになろうと思います。その間の経理区分も明確にしていきたいというふうに考えている次第でございます。
○栗林卓司君 このことは実態から言うと、まことにごもっともだと思うんです。ただ、筋道を通していきますと、道路公団がこんなところに顔を出してくるのはおかしいんだ、あくまでもその場所を管轄している地方公共団体が沿道整備の一環としてやればよろしい。なかなかそう言ったんじゃ道路ができないからというんでこの案になっていると思うんだけれども、筋を曲げたことは確かなんです。本来は、これは地方公共団体がその部分も含めて環境整備をすればよろしい、あるいはこの市街地再開発に含めてもよろしい。どこまで広がっていっても何ら差し支えないわけです。それで地方公共団体がそのめんどうを見る方がこれは法の趣旨にもかなう、地方自治法にも。しかし、そうは言っても、現状とするとなかそこまで地方公共団体に求めたのでは道路ができない、うまく曲がらないんだというところから臨時措置だと思う。 したがって、実情はわかりますけれども、恐らくいま建設省の方は、いやここはあそことあそことあそこなんですということで考えておいででしょうけれども、法律というのは一遍できてしまうと、限定的に働かないんです。したがって、これがいやいいものができたというぐあいに野放しになっていったんでは困ると思いますし、したがって、これが施行主体として入っていく条件については、きちっと何らかのかっこうで決めておくべきだと思うんですが、その辺はどうなっておりますか。
○政府委員(升本達夫君) 本来の再開発事業は地方公共団体の責任においてやるべきであるという御指摘は全くそのとおりだと思います。しかしながら、首都高速道路公団あるいは阪神高速道路公団という団体は、御承知のように、首都圏の既成市街地、阪神圏の既成市街地を中心に高速道路の建設を担当いたしておりまして、この既成市街地内に高速道路の建設を推進してまいりますには、常に既定の街路上に高速道路が建設されるとは限らないわけでございまして、あるいはブロックの中を突っ切ってカーブをしなければならないという場合も当然に出てまいります。そのような場合に、果たして高速道路建設のために宅地を三角、四角に切り刻んでどいていただくということで進めるべきなのか、あるいは一定のブロック単位程度で集約をいたしまして全体的な再開発計画のもとに市街地の整備もあわせ行うという手法であわせて道路の開設もしていくということがベターなのか、これは地区によっていろいろ状況があろうかと思います。したがいまして、後者のような判断ができるようなところは、これはひとつ特例的にこの道路建設主体である公団が再開発事業をあわせ受け持ってもいいのではないかというのが考え方の原点でございます。 そこで、具体のおただしでございますが、この公団等が再開発事業の責任を負う場合の限定を厳しくすべきではないかというふうに承ったわけでございますが、この点につきましては、御提案申し上げております法律の附則をもちまして首都高速道路公団法並びに阪神高速道路公団法の一部改正を行いまして、それぞれの公団が再開発事業を実施できるということを公団法に規定をさせていただくことを予定しておりますが、その場合の条項の中で、この公団が再開発事業ができるケースを限定的に書かせていただいておりまして、そこで読ましていただきますと、市街地開発事業で「自動車専用道路をその施行地区に含む」「再開発事業で当該自動車専用道路の新設又は改築と一体的に行わなければ当該新設又は改築が著しく困難であるものを行うこと。」これが両高速道路公団に認められた再開発事業のいわば責任遂行の授権規定というふうに御理解をいただきたいと思うわけでございまして、この規定の運用によりまして逸脱のないように指導してまいりたいと考えておる次第でございます。
○栗林卓司君 時間がなくなりましたので、最後に一言申し上げて終わりたいと思うんですが、ずいぶんたくさん法案が出て、これで最後なんですけれどもね、ただ、ずっと私伺っていまして、たまたまこの改正案から例をとりますと、関係権利者全員の同意を得て云々とあるんですが、全員の同意を得てというのは非常に耳ざわりのいい、きれいな言葉なんです。だれしも書きたいと思います、言いたいと思うんです。しかし、事いま取り組んでいる建設省がですよ、諸課題から見ると、私はきわめて無責任とつくづく思います。その印象だけ申し上げて質問を終わります。 —————————————
○委員長(大塚喬君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、亀井久興君が委員を辞任され、その補欠として嶋崎均君が選任されました。 —————————————
○委員長(大塚喬君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○茜ケ久保重光君 私は、日本社会党を代表して、都市再開発法の一部を改正する法律案に関し、反対の討論を行います。 戦後におけるわが国の国土開発は、産業中心、生活従属の傾向が顕著であったため、各都市は人口、産業が過度に集中し、地価高騰を初め公害、災害、交通難、住宅難等により人間生活、社会生活の条件が失われつつあるのが実情であります。こうした都市問題を打開するため、都市は生き物という立場から都市機能、都市施設を国土全体との整合の中で調整し、人間中心の都市として再整備する必要があり、この意味において、わが党は都市再開発を支持するものであります。 しかしながら、再開発は単に当面の過密弊害除去にとどまってはならず、都市に集中する人口、産業の抑制、分散策を含め、総合施策として取り組む必要があります。この前提を欠く再開発は逆に都市の過密を助長する危険性すらあるのであります。 また、事業の実施に出たっては、地方自治体が施行の中心的役割りを果たすよう、機能強化、財政確立を図る必要があり、同時に、住みよい都市づくりを実現するために、住民意思の反映が手続面で保証されることが不可欠であります。 さらに、再開発では、そこに居住し、営業する人々の生活権を守り抜く必要があり、低所得者、零細業者等に対する十分な補償措置とともに、新設施設については極力公共住宅を中心とし、これにより勤労者の生活向上を目指すことが必要であります。 こうした観点から、駅前広場等に実施されている再開発の現状を見るとき、都市生活の環境改善、都市住宅難の解消にはほど遠いものがあり、また、本改正案の条項を見ても、それらは期待し得ないと言わざるを得ないのであります。 すなわち、第一は、再開発を容易に推進するため、施行主体の拡大、施行要件の緩和等を講じておりますが、真に事業を伸展させるためには、膨大な事業費と採算上の困難性に対処する財政措置の強化こそ不可欠と考えるのであります。 第二は、勤労者住宅の供給を図るため、日本勤労者住宅協会が特定建築者として位置づけられた点は評価をするのでありますが、良質・低廉な公共的住宅の大量供給を再開発事業のかなめとするためには、市街地住宅に対する国庫補助の拡充等、住宅政策の抜本的手直しこそ前提要件と考えるのであります。 第三は、制度発足の当時から強調されている低所得、零細権利者、借家権者等に対する保護の必要性についてであります。今回もまた触れていないのでありますが、物価高騰の中でこれらの者に対する実情にかなった助成措置を制度化することが必要と考えるのであります。 第四は、民間デベロッパー等の活用に道を開いたことは、資本、企業中心の街づくりとなる危険性が多分にあり、再開発事業がその制度目的からますます遊離することにもなりかねないと懸念するものであります。 このように本改正案は、再開発に関する従来からの行政上の姿勢、制度の欠陥を放置したままで、公共福祉の名のもとに事業の強引な推進のみを目的としており、わが党の意図する都市再開発とは相入れないものであることが明白となったのであります。 私は、以上の諸点を理由として、本改正案に対する反対討論とするものであります。 以上、終わります。
○内田善利君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました都市再開発法の一部を改正する法律案に対し、賛成の意向を表明するものであります。 御承知のとおり、わが国の都市は、都市整備の歴史が浅い上に異常なスピードで都市化が進展したために幾多の深刻な問題を抱えています。密集した木造低層狭小住宅に象徴される住宅問題を初め、道路、公園、下水道など社会資本の整備の立ちおくれ、脆弱な都市の防災構造、職住の遠隔化と都市交通の混雑化等、その解決が迫られています。 本法律案は、都市の再開発を通じてこのような都市問題に対処しようとするものであり、その運用に際しては幾つかの課題はありますが、昭和四十四年に都市再開発法が制定された当初に比べると大きく改正されており、評価するにやぶさかではありません。 すなわち、第一点は、本法律案においてマスタープラン、いわゆる都市再開発方針の策定を義務づけたことであります。土地利用の適正化と都市機能の向上を図るためには、マスタープランのもと計画的かつ総合的に再開発を行うことが欠かせない要件であります。 第二点は、良好な市街地住宅を供給するために幾つかの配慮がなされたことであります。従来の再開発は駅前・商店街地区を中心に行われ、住宅供給面においては顕著な実績が見受けられませんでしたが、本法律案においては、地方住宅供給公社も施行主体に加えられることになり、また、特定建築者制度の創設により公共住宅の供給への道も開かれることになったのであります。 第三点は、都市の防災構造化と社会資本の整備が期待されることであります。居住の場としての都市は、まず安全で快適でなければなりませんが、現実には、わが国の大都市は大規模な火災に対してきわめて弱いと指摘されています。大震災時の同時多発的な火災等から人命を守るためには、避難道路、避難拠点、公園などの整備とともに、再開発による都市自体の防災構造化を図ることが急務であります。 以上申し述べた理由により、本法律案に対して賛成し、討論を終わります。
○上田耕一郎君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となっております都市再開発法の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行います。 わが党は、一九六九年、都市再開発法が制定された際、この法律が、再開発組合に大手不動産資本のほか、銀行、百貨店、総合商社など大手企業が加わることとなり、独占資本が直接この事業に進出する道を開いたこと、立体換地により零細な土地所有者から土地を強奪するとともに、全く権利を認められない借家・借間人の追い出しになること及び同法による土地の高度利用化は都市の高層化、過密化の促進につながることを指摘して反対しました。 法が施行されてから十年間の市街地再開発事業の実績は、全国で百五十七地区、面積で四百四十六ヘクタールにわたって事業が実施されていますが、その大部分はいわゆる駅前開発で、もっぱら業務用の高層ビルが建設され、そこには百貨店、銀行、大会社などが進出し、逆にその地域で生活していた住民の半数以上が他の土地に追い出されています。高層ビルの建設により、都市全体では公共施設に新たな不足を招き、都市問題はさらに深刻化する結果となっています。 こうした再開発に反対する住民運動が至るところで展開され、事業の進捗が政府の期待どおりに進まなかったことも、わが党の指摘の正しかったことを立証しています。 一九七五年の改正に次いで、今回も新たな法改正が図られておりますが、いずれも住民の犠牲のもとに大企業本位に行われてきた再開発をさらに促進しようとするもので、都市再開発法の根本的欠陥の改正は全く提案されていません。それどころか、都市再開発法の欠陥がさらに拡大強化されたものと言わざるを得ません。わが党が本改正案に反対する基本的な理由はこの点にあります。 法律の改正点に即して見るならば、第一に、都市再開発方針の義務づけの問題です。再開発事業の進まない主な理由が住民の意向に反して再開発を行おうとする点にあるのに、この点を改めず、逆に今回の改正案は、知事に再開発方針を定めることを義務づけ、住民の意思、動機のあるなしにかかわらず、再開発を促進させようとするものです。たとえば東京都二十三区の三、四割は一方的に再開発の対象地区にされるなど、大がかりな再開発への道が開かれることとなります。これは断じて容認できません。 第二は、個人施行者制度拡大の問題です。今回の改正案は、個人施行者制度の拡大を図り、資金力と施行能力さえあれば、だれでも再開発事業の施行者となることができるようにしたもので、今回新たに創設される特定施設建築物の制度において、資力と能力のある者が特定施設建築物をみずから独自に建設できるようにしたのも同一の内容です。 この二つの制度の導入によって、百貨店、大型スーパー、銀行、総合商社、大手建設業者など、民間デベロッパーの再開発事業への参加は一層容易にされます。これはさらに、再開発事業における公共施設に関する工事を公共施設の管理者に行わせる制度の新設と結合して運営されるならば、権利者や住民の意向をまとめ、従前の建築物を除却し、整地するまでの再開発事業で最も困難でかつ採算のとれない部分は公共に行わせ、利潤の保障される施設建築物の建設は民間デベロッパーに任せることを可能にするものです。アメリカの再開発の手法を取り入れたこのようなやり方は、財界、建設業界の要望に全面的にこたえるものであって、本来、住みよい都市づくりのためにあるべき再開発を、文字どおり大企業の利益に奉仕するものと言わざるを得ません。 第三は、首都、阪神両道路公団が直接施行者となる問題です。これは環境悪化に反対する住民の運動で困難になっている都市高速道路の建設を促進させるためのものであることは明らかであり、高速道路建設に従属した再開発によって環境改善が図られることは全く期待できないだけでなく、逆に都市環境の悪化を増大させる危険がきわめて大であることを指摘せざるを得ません。 第四は、住民本位の民主的な都市改造を進めるのに必要な、真に住民参加を保障する制度、零細権利者や借家・借間人など住民の生活権の保障、地方自治体の権限の拡充、事業に対する国の財政援助の増大などの諸問題について全く改善が図られていないことであります。住民、学識経験者、地方自治体からの要望や、国会での論議においても従来これらの諸点の改善が繰り返し強調されていたにもかかわらず、一向に改善が図られないのは、政府が住みよい都市づくりに背を向けていると断ぜざるを得ません。 以上、本改正案の問題点を個々に指摘しましたが、このような法律の改悪が実施されるならば、都市再開発はますます大企業の利潤追求の対象とされ、都市の様相を一変させる日本列島改造型の再開発が強行され、住民は街を追われ、都市問題がますます深刻化することは避けられません。 以上の理由により、日本共産党は、住みよい街づくりに逆行する今回の都市再開発法の一部改正案に対し、強く反対いたします。 日本共産党は、巨大都市地域の無秩序な膨張の抑制と民主的改造のために、大企業の事務所、営業所の大都市内での新増設の規制とともに、住民のための住みよい生活環境をつくり上げることを目的にし、現在の混乱した巨大都市の構造を住民本位に根本的に変えることを目指す改造事業を提唱してきました。住民本位の住みよい街づくりのために一層奮闘することを表明して、反対討論を終わります。
○委員長(大塚喬君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 都市画開発法の一部を改正する法律案を問題に供します。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大塚喬君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。 この際、増岡君から発言を求められておりますので、これを許します。増岡君。
○増岡康治君 ただいま可決されました都市再開発法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、公明党及び民社党の三党共同提案に係る附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 都市再開発法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。 一、都市再開発方針の策定に当たつては、地域住民の意向を十分配慮すること。また、市街地再開発事業を円滑に推進するため、補助、融資及び税制上の措置について、さらに拡充するよう努めること。 二、市街地再開発事業の実施に際しては、借家人、借間人等を含めた関係権利者の生活の安定を図るよう努めることとし、特に転出を余儀なくされる零細な居住者の補償等については、特段に配慮すること。 三、市街地再開発事業においては、極力勤労者のための市街地住宅の確保に配意するとともに、家賃及び分譲価格の低廉化を図るよう、助成措置について十分配慮すること。 四、特定建築者の公募等に際しては、市街地再開発事業の公共性、公益性に留意するとともに、市街地住宅の供給促進が図られるよう配慮すること。 五、第一種市街地再開発事業が施行できることとなる土地所有者及び借地権者以外の個人施行者の選定等に当たつては、慎重を期するよう十分配慮すること。 右決議する。 以上でございます
○委員長(大塚喬君) ただいま増岡君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大塚喬君) 全会一致と認めます。よって、増岡君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 この際、建設大臣から発言を求められておりますので、これを許します。渡辺建設大臣。
○国務大臣(渡辺栄一君) 本法案の御審議をお願いいたしまして以来、本委員会におかれましては熱心な御討議をいただき、ただいま議決されましたことを深く感謝申し上げます。 審議中における委員各位の御高見につきましては、今後、その趣旨を生かすよう努めてまいりますとともに、ただいま議決になりました附帯決議につきましても、その趣旨を十分に体して努力する所存でございます。 ここに本法案の審議を終わるに際し、委員長初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。ありがとうございました。
○委員長(大塚喬君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大塚喬君) 御異議ないものと認め、さよう決定をいたします。 —————————————
○委員長(大塚喬君) これより請願の審査を行います。 第二四号の尾瀬分水反対に関する請願外六十四件を議題といたします。 これらの請願につきましては、理事会において協議をいたしました結果、いずれも保留とすることに意見が一致いたしました。 つきましては、理事会協議のとおり決定することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大塚喬君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(大塚喬君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。 建設事業並びに建設諸計画に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大塚喬君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大塚喬君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会をいたします。 午後五時一分散会 —————・—————