建設委員会 第9号
- 発言数
- 226 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1980/04/15
会議録
○委員長(大塚喬君) ただいまから建設委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る四月十一日、坂元親男君が委員を辞任され、その補欠として上條勝久君が選任されました。 また、昨十四日、寺下岩蔵君及び上條勝久君が委員を辞任され、その補欠として降矢敬雄君及び山本富雄君が選任されました。 —————————————
○委員長(大塚喬君) 都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案につきましては、すでに趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○茜ケ久保重光君 都市計画行政につきましては、いろいろ問題点のあるところでありますが、私は、まずその基本姿勢について建設大臣にお伺いいたします。 都市は、健康、安全、快適な人間生活、人間活動を保障する場でなければならないことはもう当然であります。しかしながら、わが国の都市の現状はなかなかそうはいっておりません。都市施設の不備、住宅難、通勤難そして水不足等が蓄積をされ、生活と活動は危機にすらさらされております。特に、首都東京においては、その点が非常に激しく、しかもさらに増幅しつつあります。こういうことに対して、建設大臣は、どのように考え、どのような施策を講じようとされているか、まずお尋ねをいたします。
○国務大臣(渡辺栄一君) 都市は、そこで生活をします者の健康、安全、快適、そうした生活を確保する場でなければならないということにつきましては、先生御指摘のとおりであると思っております。都市計画行政を推進するに当たりましては、そのような都市の果たすべき使命を十分に考えながら、都市計画法等に基づきまして、市街化区域、市街化調整区域の制度あるいは用途地域等の活用を図りまして、土地区画整理事業等の市街地開発事業並びに道路、公園等の都市施設の整備のための事業を実施いたしまして、健康で文化的な都市生活と機能的な都市活動を確保するように努めてきたところでございます。 都市計画行政は、このような施策を講ずることによりまして、都市の均衡ある発展について大きな役割りを果たしてまいったというふうに私は考えておりますけれども、なお、都市の現状を見ますと、都市施設の未整備、一部地域のスプロール化などが見られますので、今後とも、都市計画の積極的な運用を図るように指導いたしてまいらねばならないというふうに考えております。
○茜ケ久保重光君 都市計画と住民参加、シビルミニマムについてお伺いいたします。 これは都市計画だけでなくて、いろんな施策に対する住民参加という言葉が非常に強いわけであります。特に都市の場合には、都市は生きているというような前提のもとで、都市機能、人口動態等の新たな枠組みを設定し、住みよい、活力ある都市づくりの具体策を明示することが緊要でありましょう。この場合、都市計画を進めるに当たり、一、住民の自主的な協力・参加、二、都市計画の上のシビルミニマムの設定等が中心課題と考えられるのであります。住民意思の民主的反映、自主的な住民参加等の制度化は、まさに今後の都市計画手続のかなめでありましょう。革新自治体では、苦しみながらも貴重な努力が重ねられているのであります。 建設大臣は、都市計画における住民参加について、どのような認識か、また、都市整備を進める上でのシビルミニマムについてはどのような所見をお持ちであるか。私は、住民参加という一つの、何と申しますか、都市行政を進めるに当たってどうしてもその理解と協力を得なければならぬ、いま申しました住民参加、こういうことを非常に重大視しているものであります。その点を踏まえての大臣の御答弁をお願いします。
○国務大臣(渡辺栄一君) 先生お話しのように、住みよい街づくりを目指します都市計画を実施していくに当たりましては、その都市の住民の意向を尊重いたしまして、それが都市計画の中に十分反映をされるようにせねばならないということは当然なことだと考えております。 で、今日までも都市計画法に定められております公聴会の開催あるいは計画案の地元縦覧、それから地元の意見書の提出というような制度を持っておりまして、これを通じまして住民の意向は十分に反映されてきたというふうに私どもは考えておりますけれども、今回、行おうとしております地区の計画というものにつきましては、これらの制度のほかに、さらに地区計画の案をその区域内の土地の所有者などの意見を求めまして作成するということにいたしておりまして、その運用に当たりましては法の趣旨が十分生かされますように指導徹底してまいらねばならぬ、かように考えております。 なお、都市計画を進めるに当たりましては、都市施設の整備、用途地域制度の活用などを通じまして機能的な都市活動を確保することは当然でございますが、その都市の住民が健康で文化的な都市生活を享受できまするようにするために所要の施設が確保されねばならぬことは当然でありまして、従来からそのように努めてまいったわけでございますけれども、この地区計画の活用も含めまして、今後は、一層都市計画をきめ細かに運用いたしまして、住民にとりまして真に住みよい街づくりが実現いたしますように努めてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○茜ケ久保重光君 住民参加という言葉は簡単にわりあい使われているのでありますが、実際、これは公聴会もその一つでありましょうし、住民代表と申しますか、そういった人の意見を聞くこともまた一つの方法でありましょう。しかし、何と言いましても、公的な場所で発言のできるという人はわりあいその土地における有力者とか、かなり社会的にも発言力を持った人たちで、本当はそういう人じゃなくて、実際にその町に住み、しかも余り表にも出ない、下積みと言っては言葉が悪いようですが、とにかくそういう末端の生活者、こういった人の意見を私は聞く機会がいままではなかったと思うんです。この公聴会にしましてもやはり学者とか有識者、そういう人が多い。これはやむを得ぬとは思いますが、しかし、都市づくり、特にそういう場合にはそういう末端の生活者の意見を何かスムーズにくみ上げるという方法が考えられる必要があるんじゃないか、こういうふうに思うわけですね。 いまの大臣の御答弁、それはそのとおりだと思うんですよ。しかし、それだけでは何かこう上っ面をなでたような感があるんですね。もっと下の方の本当の生活者の意見が何か反映できる方法はないか。これは大臣でなく、局長、そういうような意見なり考えがあるかどうかお聞きしたい。
○政府委員(升本達夫君) 御指摘のような御趣旨に沿えるように十分、公聴会、説明会の場で意見の吸い上げにさらに努めてまいりたいと考えておりますが、いま大臣から御説明がございました、このたび御提案申し上げております地区計画制度につきましては、特に従来からの方法に加えまして、その案をつくります段階で個別に各土地所有者等の御意見を伺って案をつくるということに運用をさせていただきたいと思っておりますので、その運用の具体的な方法はこれから各市町村で定めることになりますけれども、そういうような方針で御趣旨が反映できるように努めてまいりたいというふうに考えております。
○茜ケ久保重光君 都市計画課長、後に座っていないで、前へ出てください。 いま聞いていた、ぼくの質問、いわゆる住民参加ということに対する。大臣の答弁、これはまあわかる。局長がいま答弁した、これもやっぱり何か一つの形式的な答弁だな。課長はもっと具体的な意見があると思うんだな。ひとつ君、大臣になった気持ちで答弁してごらん。住民参加に対する何か課長として、いま大臣、局長が答弁したことのほかに、こういうことをやったらいいと思う、そういうあれがあったら、ここではっきり答弁してください。
○説明員(高橋進君) ただいま大臣それから都市局長から御答弁したことに尽きるわけでございますけれども、実際に都市計画の運用に当たりまして実務担当者のレベルで非常に運用上意を用い、苦慮といいますか、しておりますのは、どういう形で地域住民の意向を具体的に吸い上げるか、これは恐らく旧法時代あるいは新都市計画法制定当初につきましては、そこら辺若干形式に流れていた面があるかと思いますけれども、実際の最近におきます都市計画の運用をわれわれ実務担当者が第一線で働いている人たちの模様を聞きますと、それぞれの都市計画担当者が実際に地域住民の意向をどう吸い上げていくかということにつきましていろいろ工夫してやっているというのが実情でございます。そういう意味で、今後とも、そういったいろんな現実に行われている積み重ねによりまして中身がますます充実していくものだ、こういうふうに考えております。
○茜ケ久保重光君 それはそうここですばらしい何か新しいアイデアが生まれるとは思わぬけれども、私は問題はやはり住民に対する温かい心遣い、これが基本だと思うんですね。でないと、形はきれいにできたけれども、住んでいる人たちが何か不愉快なものが残ったり、あるいは住みにくいということじゃいかぬので、この点は、ぜひ大臣を初め、担当者が、それは皆さんが直接やるわけじゃないけれども、あなた方の思いやりのある行政的指導が末端で仕事をされる地方自治体の本当に一つ一つ当たっていかれる人たちにやはり私はにじみ出るものがあると思うんですよ。ぜひそういった御指導を願いたい、そういうまた対策をぜひやってもらいたい、こう要望を申し上げておきます。 次に、都市問題に関する答申等についてお伺いいたします。 近い将来においてわが国の人口の七割以上に当たる一億人が都市に住むことになるという予測がされております。都市化への大きな流れの中で、都市政策はいま緊要な政治課題でもあります。都市問題に関し建設大臣は審議会に各種の課題を諮問、また答申を受けておられるが、それらのいきさつと内容、また、本改正案との関連について説明してもらいたい。
○政府委員(升本達夫君) 昭和五十一年の七月に建設大臣より都市計画中央審議会に対しまして「長期的視点に立った都市整備の基本方向はいかにあるべきか」の諮問がなされまして、同審議会におきまして都市問題に関するあらゆる角度からの検討をしていただきまして、都市計画にとどまらず、経済、法律、都市社会学というようなさまざまの分野の専門家の御参加をいただきまして、三年有余にわたる御審議の結果、五十四年十二月、答申をいただいたところでございます。この答申は、いま先生御指摘のように、二十一世紀初頭におきまして国民の七割以上、一億人が都市に住むという、いわばわが国全体が一つの都市社会を形成するというような将来展望の中におきまして、これからの都市づくりの理念とそれにふさわしい都市政策の基本方向をお示しいただいたものでございます。 この答申の内容のうち、主なものを四点ほど簡単に申し上げさせていただきたいと思います。 一つは、都市づくりの理念でございます。居住の場として総合的な環境を創造するということが都市づくりの理念ということになろうかと思いますけれども、この場合、これからの都市計画の新しい主題、テーマといたしましては、都市の景観あるいは都市の美しさといったものの創出あるいは公共的な共有空間の増大というようなものを重視していく必要があるだろうという御指摘が第一点でございます。 第二点が都市計画の課題でございまして、これからの総合的な都市づくりの手法といたしましては都市計画がより一層重視をされてこなければいけないのではなかろうか。特に都市計画法施行後十年間の経験を踏まえまして、小さな地区単位、地区レベルの計画を導入する必要があるのではないかというような御指摘と、さらに外の大きな方向に対しましては大都市地域における広域的なマスタープランの作成等、広域的な観点からの都市計画の再構築をする必要があるのではなかろうか。また、これらの都市づくりを進めるに当たりましては、その進め方、ソフト面、いわば都市施設等の整備をハード面といたしますと、そのつくり方、進め方というような点に十分な配慮がこれからされていかなければいけないのではないかという御指摘でございます。 第三点は、総合的に市街地整備を進めることが必要ではないか。都市と申しましても都市ごとにいろいろな状況の違いがございますが、状況の違いを踏まえまして、あるいはさらに一つの都市の中でも既成市街地と市街化振興地区というようなところではまた状況も異なります。このような状況の差異を踏まえて十分な方策を立てることが必要ではないか。特に既成市街地におきましては再開発が強力に推進されなければならないだろうという御指摘でございます。 最後に、四番目でございますけれども、新しい都市経営というような視角からの取り組みが必要ではなかろうか。特に、これから都市の首長さんになられる方が具体的な都市のビジョンを示して、そのリーダーシップのもとに都市づくりが進められるということが必要ではなかろうかという御指摘をいただいております。 第二点のおただしでございますけれども、この答申と今回御提案申し上げております改正案との関係でございますが、ただいま御説明申し上げました御答申の一番最後のところで、当面、都市計画の面で制度上講ずべき施策として地区レベルの計画制度というものを確立する必要があるという御提案をいただいております。この御提案に従いまして法制度化を図ったのが今回御提案申し上げておる改正案の趣旨でございます。
○茜ケ久保重光君 次に、都市での公益、私益の調整についてお尋ねをいたします。 最近の都市関係の答申等の基本的考え方は、都市における公益の優先、地域によっては規制強化もやむを得ないという立場を打ち出しているように思われます。新たな視点からの提言と理解しているのだが、建設大臣は、都市行政における公益と私益、いわゆる公共の益と個人の私益との調整について、どのような御認識をお持ちでございますか。これは先ほど住民のいろいろな意思表示ということも申し上げましたが、個人というか私益というか、そういうものが、何か公共優先という響きのいいような一つの言葉によってかなり、特に発言力のない、意思表示のできないような人方たちの私益が無視されるということが多いように思われるし、今度の法律案の具体的な施行に当たってもそういう危険が多分に感じられるわけであります。大臣のこれに対する御所見をひとつお伺いします。
○国務大臣(渡辺栄一君) お話しのように、住みよい都市づくりのための都市計画を進めるということでございますので、健康で文化的な都市生活とまた機能的な都市活動、これを確保することが大切なことであるというふうに認識をいたしておりますが、そういうことを実際にやってまいりますためには、その都市全体の立場に立ちましていろいろな施策をやっていく必要があると思います。その場合に、土地所有者など個々の住民の権利というものをある程度制限することもやむを得ない場合もあると私どもは考えておるわけでございます。しかし、お話しのように、私権の制限ということになりますと、十分にこれは慎重に対処をせねばならぬわけでありまして、合理的な範囲においてなさるべきものである、こういうふうに私どもは考えておりまして、現行の都市計画法の体系も実はそのような認識のもとに組み立てられておるものというふうに私どもは考えておりまして、そのような考え方に立って進めてまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○茜ケ久保重光君 少し議論のしたいところですが、時間もありませんようですから、議論はいたしません。しかし、先ほどのお話のように、私は、具体的には、いま言ったように公的な利益が優先して私的利益が制限されることもやむを得ない場合があります、これは当然だと思うのですよ。しかし、それがそういうことでしゃにむにやられたのでは大変なことなのでありまして、そういう点も、先ほど言った温かい心が、私はこの言葉が好きなのですが、温かい気持ちが通じる施策を進めてもらいたい、こういう要望を申し上げておきます。 次に、西ドイツの地区詳細計画というのがございますが、本改正案は地区計画を制度化することが焦点になっております。私どもの党は、都市計画について「マスタープランにとどまることなく、市民の居住条件の向上に直結する地区単位を重視すべし」という主張をずっと繰り返してやっております。この改正案は、私どもの党の考えにも近いのでありますけれども、直接的にはどうも西ドイツの連邦建設法地区詳細計画をモデルにしたと言われております。西ドイツの地区詳細計画の概要について、この際、御説明をお願いします。
○政府委員(升本達夫君) 西ドイツにおきます都市計画制度の基本法は、御指摘のように、連邦建設法、一九六〇年の制定でございますけれども、に基づきます都市建設管理計画というものでございます。この都市建設管理計画は二つに分かれておりまして、土地利用計画と地区詳細計画の二つから成り立っております。 この前段の土地利用計画の方は、市町村の全域を対象区域といたしまして、概括的に土地利用の種別等を示すものでございまして、いわば土地利用に関する指針的な計画という性格を持っているようでございます。したがいまして、この計画は、直接その計画内容が一般住民を拘束するというものではございませんで、その計画は関係の行政機関、行政主体を拘束する、公共施設整備等に当たってその計画に基づいて公共施設を行っていくというような、いわば基本となるような計画というふうに理解をしております。 それから地区詳細計画は、その土地利用計画に基づきまして作成され、地区内の住民の権利を直接に拘束するという性格のものでございまして、その計画の内容は、地区内の土地につきまして建築用地、空地、交通用地、供給処理施設用地あるいは公園等の緑地、農地、山林などを定めまして、建築用地につきましてはさらに詳細にその用途、建蔽率、容積率、建築線、敷地の最小規模、建築型式、公共建築物の建築敷地等を定めるというような内容のものでございます。
○茜ケ久保重光君 したがって、先ほどちょっと指摘したように、いま審議している法案ですね、これは西ドイツの地区詳細計画というものを参考というか、これもひとつにらみながら案をつくったということになるのでございますか、いかがですか。
○政府委員(升本達夫君) 考え方のいわば発想におきまして地区詳細計画を十分参照させていただいたということでございますが、御承知のように、この詳細計画の成り立っております場でございます都市の状況、それから社会的な一般の条件、さらに都市計画関係の法制度等の差異が当然ございますので、そのような差異を踏まえまして、わが国の場合にこのような考え方で新しいプランをつくるとすればどのようなことになるだろうかというような視角から検討させていただきました結果、御提案申し上げたような地区計画制度というような案になったというふうに御報告申し上げておきます。
○茜ケ久保重光君 さらに、先ほど指摘したように、わが社会党は、都市計画について「マスタープランにとどまることなく、市民の居住条件の向上に直結する地区単位を重視すべし」こういう主張をずっと続けておるわけでありますが、こういうことも私は今度の案に何か大きな影響を与えているように思うわけです。これがどうなったかはいまちょっと答弁もしにくいでしょうから答弁は要求しませんが、私は、この法案をずっと検討しながら、そういったものを強く感じているということを一応申し上げておくだけにします。 次に、ミニ開発、非常にいま問題になっていますミニ開発について実態をひとついろいろとお尋ねしたいと思います。 本改正で制度となる地区計画は、都市環境上、都市防災上のネックであるミニ開発の防止、整然とした街づくりを目指すものとされておりますが、しかし、こうした現象は、まさに都市政策、土地政策の貧困から生まれた問題であることはこれはもう言うまでもありません。建設省はミニ開発の実態をどう把握しているか、これらに対する直接的な対応についても説明をしてもらいたいと思います。特に市街化区域内の対応は急務であると思いますが、いかがなものでございましょうか、ひとつ御答弁をお願いします。
○政府委員(関口洋君) まず、ミニ開発の実態から御説明をさせていただきたいと思いますが、私どもは、建築着工統計によりまして一戸建て専用住宅の戸当たり敷地面積を手がかりにしてこの実態を把握しておるような次第でございます。 まず、昭和四十六年時点で敷地面積が百平方メートル以下の住宅の比率でございますけれども、これは全国で一五・六%、それから東京都で三二・四%、大阪府で四五・八%でございましたが、これが昭和五十二年には全国が一六・三%、東京都が四四・四%、大阪府が六〇・五%というふうに百平方メートル未満のいわゆる一般専用住宅の比率が増加いたしておるわけでございますが、最近の情勢につきまして御説明をさせていただきますと、昭和五十三年でございますけれども、これでは全国が一三・七%、東京が三九・三%、大阪が五七・七%ということで、五十二年と比較いたしますと百平方メートル未満の敷地面積の割合はやや減少しておるというのがまず実態でございます。 これらのミニ開発に対する対策でございますけれども、一般的には都市計画法による開発許可の対象規模の引き下げあるいは建築協定の活用、こういうもので従来対策をとっておったわけでございますが、やはり基本的には計画的な宅地開発、これの推進が一番大事なことだ、かように考えております。そういうわけで計画的な宅地開発がそれこそ計画的に行われますように、当面の急務でございます関連公共公益施設整備につきましては、先生御案内のとおりに、従来から立てかえ制度の強化を行っておったわけでございますけれども、このほかに関連公共公益施設について建設省所管分に一般の公共事業費と別枠で計上いたしまして助成を強化しておるわけでございます。と同時に、やはり土地節約型の新しいタイプの住宅を開発していかなきゃならない、かように考えておりまして、そういう意味から、昨今定着傾向を見せておりますタウンハウス、こういうものの供給を普及していくことがまた必要なことだ、かように考えております。 一方、御提案申し上げております地区計画制度との関係でございますけれども、これは申すまでもなく建築物の形態、敷地とそれから道路、公園等の地区施設、こういうものを一体的総合的に定める制度でございまして、具体の適用としましてミニ開発等不良な環境の街区の形成のおそれがある地区につきましては、この制度によりまして建築物の敷地面積の最低限度を定めるとか、あるいは細街路網の計画的な形成を図るということによりましてミニ開発の防止にこの制度を積極的に活用してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○茜ケ久保重光君 いまの局長の説明でわかるんだが、そう局長の説明したとおりうまく進むかどうか、具体的な場合、ぼくにはまた一面この地区計画のために逆にミニ開発を促進させるような面も出てくるんではなかろうかという心配があるわけですね。いまの局長の御説明では、そういうものをなくするためにと、こうおっしゃるんだが、具体的に実施される場合に、いろいろな意味で土地は必ずしわ寄せされますから、道路とかそういういろいろなもので。そうしますと、土地所有者が有効に利用するために逆にミニ開発を推進するようなことになるんじゃなかろうかという不安があるわけですよ。絶対にそれはさせないというか、そういうことにはならぬという自信があるのか、その点をひとつお伺いします。
○政府委員(関口洋君) この制度の先駆けと申しますか、そういうものを実際に使っておられるところがあるわけでございまして、たとえば茨城県の勝田市の地区整備計画なり、あるいは札幌市の住区整備基本計画というものがすでに実は先発グループとしてございまして、こういうふうに勝田市なり札幌市がそれぞれ俗に言う細街路網計画を立てましていろいろ開発について誘導をしておられるということは、とりもなおさずこのミニ開発防止対策にあったわけでございます。これらの制度を下敷きといたしまして、さらに所要の改善措置を加えて御提案申し上げておるのがこの法案でございますので、私どもとしては、これによってミニ開発防止が図れるものと、かように確信をいたしております。
○茜ケ久保重光君 そういうことを期待しております。 次に、地価対策について、この際、お尋ねいたします。 ミニ開発が地価高騰の引き金となっている側面があるのはこれは当然でありましょう。そのためにも地区計画を制度化する意義があると言われておりますが、しかし、地区計画によってどの程度地価抑制に効果があらわれるかは、これはやはり一つの疑問であります。そこで、地価対策がすべての都市整備の根幹であるという観点から、国土庁は、最近の地価の動向をどのように把握、分析しているのか、また、対策はどういうふうになっているか、また、土地対策関係閣僚懇というのができましたが、今後の取り組み、具体的施策はどうなっているか。政府は地価高騰の要因を需給バランスの不均衡、土地の使用価値の増高によっていると言うが、それでは不十分ではないかと思うわけであります。この点についてひとつ国土庁の御見解をお尋ねいたします。
○政府委員(山岡一男君) 先日、土地鑑定委員会が発表いたしました地価公示によりますと、昨年一年間におきます地価変動率は全国で一〇%、それから住宅地につきましては全国で一二・三%、特に三大圏では一六・三%というような上昇となっております。これは四十七、八年当時のような全地域、全地目が一斉に上がったという状況とは異なっておりますが、大都市圏の住宅地中心型の値上がりというのが最近の特徴でございます。 この原因につきましては、いろいろと分析いたしておりますけれども、一つは、交通体系の整備、それから公共事業の進捗等によります住宅地としての効用の増大によるものがございます。それからもう一つは、住宅地に対する根強い需要に対しまして供給が不足しておるのではないか、これが主要な原因であろうというふうに実は考えております。しかしながら、四十七、八年当時のような投機的な取引が行われているという徴候はないというふうに分析いたしております。これは去る四月四日、三大都市圏の部局長会議を催しまして、最近の実情につきましてつぶさに聴取いたしたわけでございますが、そこでも同じような意見でございました。 このような現状を踏まえました土地対策はいかにということでございますけれども、私ども、基本的には大都市への人口、産業の集中を抑制する、それから地方定住の促進をするということによりまして過密過疎の解消を図るということが一番基本であると思っておりますけれども、これは相当長期を要する問題でございます。当面の課題といたしましては、引き続いて四十七、八年当時のような投機的な土地取引が起こらないような対策を講じまして、投機の抑制を図る。それから宅地の供給を一生懸命に促進するということが当面の課題であるというふうに考えております。 そのためといたしまして国土利用計画法の適確な運用、それから各種税制による抑制、それから融資の抑制等の投機的土地取引に対する対策、これは堅持をする。さらに宅地供給促進のための財政上金融上の措置の拡充、それから都市再開発の推進、市街化区域内農地の宅地化の促進、宅地供給促進の見地からの税制の活用等が総合的に講じられるということが大切であるというふうに考えております。 そのうち、特に国土庁といたしましては、引き続き国土利用計画法の適確な運用を図っていくということ、それから市街化区域内農地の宅地化の促進ということに特に重点を置いてまいりたいと考えております。 土地対策関係閣僚懇談会の話がございましたけれども、御指摘の関係閣僚懇談会は、本日の午前八時三十分から関係九閣僚の御出席により開催されました。で当面の問題といたしまして、土地取引の動向等の監視の強化、住宅地供給の促進、都市再開発の推進、投機的な土地取得関連融資の抑制、公的主体にかかわる土地取引価格の適正の確保、市街化区域内農地にかかわる固定資産税等の課税の適正化等の諸対策が話題となりましたけれども、本日は、第一読会ということになりまして、引き続き検討を続けることとされました。今後、なお関係省庁間でもさらに検討、協議を続けてまいるということになろうかと存じます。
○茜ケ久保重光君 局長ね、関係閣僚懇談会のメンバーをちょっと言ってください。
○政府委員(山岡一男君) メンバーは法務大臣、大蔵大臣、農林水産大臣、通商産業大臣、運輸大臣、建設大臣、自治大臣、経済企画庁長官及び国土庁長官の九閣僚でございます。
○茜ケ久保重光君 これは局長に言うことじゃないんだけど、政府はよく関係閣僚懇談会だとかいろいろなものをつくりますな、何かあるとつくっちゃう。つくることはつくるんだが、ここにも大臣経験者がおられるけど、そのつくった後が余りぱっとせぬのだな。国民は何かを期待するんだな、大臣が、偉い人が集まって何かやるというんで。つくってみたけど、ずいぶんいままであるけれども、懇談会なり何かの実績は余り上がってないとぼくは思うんだ。どうも問題が起こると閣僚懇談会をつくって、いかにも何かやるような、やれるようなゼスチュアは大きいんだけれども、実際中身は余りないんですね。これは大臣もこっくりしているけれども、本当にそう思うんですよ。 それは裏から見るといろんなことがありましょうけれども、つくったからには何か一つぐらい目玉がなくてはいかぬので、地価対策、特に地価は国民の一番大きな関心と同時に、非常に要望の強いものだから、局長ね、局長に言っても無理なんだが、大臣に茜ケ久保委員からこういう発言があったと、ひとつ国土庁長官在任中に、この懇談会は実りがあった、つくってよかったという懇談会にしてもらいたいという要望があったことを長官にひとつはっきり言っておいてください。これはもう答弁要らないから、はっきり言って、この次聞くときはぜひ実効を上げてもらいたい。たくさんは要らないから、何か一つでもぜひ実を上げてもらいたい。この要望をひとつぜひ申し上げておきたい。
○政府委員(山岡一男君) 先生の御要望につきましては、間違いなく大臣に伝えます。
○茜ケ久保重光君 次に、地区計画制度の趣旨についてお尋ねします。 この改正案によりまして都市計画の一つとして新たに地区計画を創設することになります。まず、地区計画制度の趣旨、全体都市計画の中の位置づけ、そういうことについてひとつ簡潔な御説明をお願いします。
○政府委員(升本達夫君) 現行の都市計画におきましては、先生御承知のとおり、街路、公園等の都市のいわば根幹的な公共施設の配置の計画を定めまして、また個々の土地所有者、借地権者の土地利用につきましては住宅地区、工業地区等の用途地域制をしきまして、この一般的な規制の中で各行為を行っていただくというような定めをいたしておりますけれども、いずれにいたしましても根幹的基本的な規制でございまして、いわば少し網の目が粗いのではないかというような感じがいたします。 そこで、今回の地区計画制度は、もう少し小さな地区単位で見ます公共施設、たとえば幅の狭い小さな街路でございますとか、あるいは小さな公園でございますとか、そういったものをもっと網の目を細かく決めていく必要があるだろうということ、さらに建築行為につきましても一般の用途地域の規制よりもう少し細かくその地区に適した適切な建築物の建築の仕方というもののプランがあっていいのではないか、そのようなことを考えまして、地区単位でそのような細かな計画ができるような、また、その計画に従って各権利者が自分の建築行為、開発行為をその計画に合わせてやっていく、いわば誘導的な機能を持つプランとして地区計画制度を導入させていただくというのが今回の趣旨でございまして、現行の都市計画の内容はいわば地区計画をつくります場合の前提として骨組みとして利用させていただくというような関係にあるというふうに考えております。
○茜ケ久保重光君 それでは、地区計画の内容についてお尋ねをいたします。 地区計画は市町村が定めることとなっております。具体的にどのような要件の区域を対象とするのか、また地区計画の形態、地区の規模はどうなるのか、これが第一点。 第二点は、市街化区域の全域にわたり、できるだけ多くの地区計画を策定することが望ましいと思うが、対象区域を三つの要件の地区にしぼった理由は何か。 第三点として、ミニ開発、スプロールが進んだ住宅密集地区においては、地区指定がなされても、いい環境の街づくりへの誘導は現実の問題としてなかなか困難があると思います。そういった中でこのいわゆる地区計画の実施がどういうメリットがあるのか、あわせてお尋ねをいたします。
○政府委員(升本達夫君) 第一点のおただしの、地区計画がどのような要件の区域を対象として定められるのかというおただしでございますが、これは今回御提案申し上げております法律改正案の都市計画法に新たな条項、第十二条の四という条項を起こしまして、その第三項の中で一号、二号、三号区域の条件を書かせていただいております。 第一号は「市街地開発事業その他相当規模の建築物若しくはその敷地の整備又はこれらと併せて行う公共施設の整備に関する事業が行われる、又は行われた土地の区域」再開発を含めました市街地整備のための事業がこれから行われようとするような地区あるいはすでに行われた後の地区というものを第一号の対象地区として規定をしております。 それから第二号は「現に市街化しつつあり、又は市街化することが確実と見込まれる土地の区域で、公共施設の整備の状況、土地利用の動向等からみて不良な街区の環境が形成されるおそれがあるもの」端的に申し上げますと、いわゆるスプロールが進行しつつあるような地区あるいは進行しそうな地区というような区域を考えております。 それから第三号といたしまして「健全な住宅市街地における良好な居住環境その他優れた街区の環境が形成されている土地の区域」つまり町中ですでに大変町並みの整っている地区、これを放置しておきますとこの町並みが崩れてまいりますので、これを保全するというような意味合いで対象の区域とさせていただいております。 それから地区計画の形態、それから地区の規模はどうかというおただしでございましたけれども、形態は、これは一つのまとまりのある地区を単位といたしまして、そこに公共施設を配し、建築物の規制を総合的にプランをしていこうということでございますので、一つの街区と言っておりますが、道路で囲まれた街の区画、四方を公共道路で囲まれた街の区画を大体形として考えております。したがいまして、これは既成市街地の中に入りますと小さな区域単位になります。周辺部に行きますとかなり大きな区域単位になるということが考えられるわけでございまして、したがいまして、その規模は大から小までございますが、小さい方ですと最小〇・五ヘクタールぐらい、長辺百メーター、短辺五十メーターぐらいの一つのブロックが最小の単位ではないか。それから大きな方にまいりますと、一住区と言っておりますけれども、一つの小学校を単位といたしまして、その小学校に通う居住者を大体想定した区域ということで、大きいと一平方キロぐらい、百ヘクタールぐらい。したがいまして大は百ヘクタールから小は〇・五ヘクタールぐらいまで、地区の状況によってまちまちでございますけれども、地区計画の単位として考えております。 それから第二点のおただしの、対象区域をただいま申し上げました三つの要件の地区にしぼった理由は何かというおただしでございますけれども、これはこういった計画制度でございますから、できるだけ広範囲に適用されることが望ましいわけでございますけれども、しかし、この内容は、御承知のように、一面、その土地所有者、土地の権利者の行為を制限する、いわば権利を制約するという性質のものでございますので、したがいまして市街地内ならどこでもいいというのはちょっといまの状況では行き過ぎと申しますか、問題があるのではないか。やはり市街地形成上どうしても必要だと考えられる地域に限定して地区計画を実施していくというのが妥当ではないかという考え方から、先ほど御説明申し上げました三つの地域に限定をして地区計画の対象と考えさせていただいております。 それから第三点のおただしの、スプロールが進んだ住宅密集地区においては、地区指定がされて、いい街づくりへ誘導するといっても、実際上無理ではないかという御指摘かと思いますけれども、このような地区の中でも、たとえば市街地再開発事業をこれから追っかけてやっていこう、あるいは居住環境整備事業あるいは住宅地区改良事業といったようないわば広義の、よい意味の再開発の事業が行われることが想定されるようなところでございますれば、先ほど申し上げました第一号の想定しております地区ということに該当することになろうと思いますので、地区計画の対象に取り込んで、今度は積極的にそういう事業を実施していくことによって結果的にいい市街地を確保するように努めるというような運用を考えてまいりたいというふうに考えております。
○茜ケ久保重光君 いま言った計画は、具体的には市町村長がやるわけですね。そうすると、これはかなり金がかかる。この場合には必ず財政措置が必要なんだが、地区計画の策定、計画内容の実現が円滑に行われるように、国等は財政、金融、税制上の優遇措置を講ずるよう答申は述べておりますね。この趣旨は本改正案の中では見受けられない。助成措置については、どういうふうに政府は考えておりますか。 これだけの仕事をするためには、かなりないま言ったように財政的負担がかかると思う。りっぱな仕事ではあるし、市町村長はぜひやりたいと思っても、財政的な裏づけがない場合には、これはなかなか容易でないと思うんですね。したがって、これを執行するためのいわゆる主体団体である地方公共団体に対して、いま言った財政面、それは財政的には直接補助することもありましょう、あるいは金融なり税制上のいろいろなことをやることもありましょうが、これについてはどういうふうに政府は考えておるのか。
○政府委員(升本達夫君) この地区計画制度は、地区という小さな単位を対象にいたしまして、その対象の区域内での土地の権利者が自分の土地をうまく使えるように、上手に利用できるように、小さな公共施設の配置を考え、それから皆さんがお互いにいい環境を維持できるような建築の規制を考えていくという制度でございますので、その計画は権利者の方々皆さんの御努力で実現していただくというのが基本的な考え方でございます。 したがいまして、その地区の整備、たとえば小さな細街路あるいは小さなプレイロット、小公園みたいなものを整備していくというのも、原則的には、その地区内の権利者の御負担でやっていただくというのが私どもの考え方でございますけれども、しかし、そうは申しましても、地区の状況によってはかなり広い小公園等もとらなければならない場合もございましょうし、細街路と申しましてもかなり大きな街路も必要になってまいる地区もございましょうし、そのような比較的大きな公共施設につきましては、私ども、極力、現行の公共施設の補助事業として採択をしていくように努めてまいりたい。 具体的に申し上げますと、たとえば小公園のようなものでございますが、これは現在の制度でも都市緑地というような機能を持つものでございますと、〇・〇五ヘクタールまで補助の対象になり得るという制度になっておりまして、〇・〇五ヘクタールといいますと百五十坪でございますが、そのようなものまで一応補助対象にすることができるという制度になっておりますし、また、街路につきましても、居住環境整備事業等によりまして、かなり六メータークラスの街路まで補助対象にし得るというような形になっておりますので、そのような制度を極力活用することによりまして地区計画の実現に御助力を申し上げていくというふうに考えております。しかしながら、なおまだそれをもって十分な助成とは言えないではないかという御指摘もあろうかと思いますけれども、これは将来の課題として私ども努力をさしていただきたいというふうに考えております。
○茜ケ久保重光君 なかなか君たちはうまいことを考えるんだな。それにしては土地所有者の負担でやるという、それはそういうこともあり得るかもしれぬが、なかなかしかしこれは容易でないよ、具体的には。 実はね、ぼくの住まいは前橋の岩神町というところなんだが、すぐそばに公園がある。陸上競技場とか野球場とか、そこで五十八年国体をやることが決まっている。ぼくの裏に十四、五メートルの道路がある、それを今度はメインにするんで、二十何メーターに広げる。ぼくの家は幸か不幸かかからないんだが、ぼくの裏の家がかかるわけだ、ずっとね。ぼくのせがれが県会議員をしていて、そういう仕事をしているわけだ。なかなか容易じゃない。移転あるいは敷地の一部の供出、もうほとんど毎晩のように会議をやっているが、なかなか五十八年までに間に合うかどうかわからぬ状態なんです。それほど皆さんが自分の土地、自分の所有地に執着がある。諸君は恐らく公舎というか、建設省の住宅にいるんだろうから、そんなことは全然関係ないな。しかし、自分の土地を持っている方々にはそれは非常なものだ。それをいまここへきて、あなた方の土地がよくなるんだからと言ったって、なかなかこれはぼくはそうはいかぬと思う。考えはいいんだよ、間違っているとは言わぬけれども、余りにも現実を、地権者というか、そういう人の気持ちを理解し切っていないんじゃないかというぼくは感じがするんだ。現にぼくの本当に身近なところで起こっている問題がなかなか進まぬ。しかも地元の県は国体を完全にするためだと言ったり、街づくりをすると言っても、なかなか具体的にできない。 こういうことがあるんだが、市町村長さんが本当にこの法律を受けて、自分の地区内でそういう困難を克服してやっていけるという自信を持っているか、局長自身はどう考えるか。この点について、そういう困難を克服してこの法律が完全に目的を達成するような舞台ができるかどうか、これに対する自信のほどを聞いてみたい。
○政府委員(升本達夫君) 実際に土地をお持ちの方から見られますと、おっしゃるように、少なくとも所有地が一部でも公共のために使われるということについては、大変大きな抵抗を感じられるということは私ども話にもいろいろ伺っておりますし、実感としてもわかるような気がいたします。 しかしながら、また、反面、たとえば区画整理事業におきましては、これはかなりの広がりで、区画街路をずっと四メーター、六メーターつくってまいりますわけでございますけれども、これは原則的に各権利者の方々が土地を出し合って現実に街路をつくっていただいておるわけでございますし、また、都市計画法に基づきます開発許可を受けて開発行為が行われる場合にも、地区内には原則として六メーターの道路をつくっていただくというような規制のもとにやっていただいております。これは結局開発者の方が負担をされておりますし、それは土地を購入される方が負担される結果になっておるわけでございますので、そのような事柄とのバランスを考えますと、私ども、制度としては、やはり権利者方の御協力でそのような小さな公共施設は整備していただくのが筋道ではないかというふうに考えております。 〔委員長退席、理事増岡康治君着席〕 ただ、自信があるかとおっしゃられますと、現実の問題としてなかなか抵抗は強いものというふうに覚悟はいたしておりますけれども、しかしながら、そのようなことで御納得をいただきながら、できるだけ広範囲に地区制度が開かれますように努力をしてまいりたいと考えております。
○茜ケ久保重光君 そこでやっぱり、先ほど局長は、助成というかそういう形をできるだけきめ細かくやりたいと、そう言いましたね。そういった意味で、これはやっぱりなかなか困難だと思うが、しかし、これはやった方がいいことなんだ。したがって具体的に実施になる場合には、国ができるだけ行き届いた助成なり、ほかのことを考えてぜひ進めてもらいたい、要望しておきます。 次に、地区整備計画についてお尋ねをいたします。 地区計画には、当該区域の整備、開発、保全に関する目標・方針並びに地区整備計画を定めることとなっておりますが、地区整備計画に定める事項についての説明が第一点。 第二点は、地区整備計画の定め方は、いわゆるメニュー方式と言われ、市町村が必要とする規制事項に限られている。規制事項の内容、規制事項の盛り込みは完全に市町村に任せるのかどうか。実施に当たっての行政指導についてどう考えるか、以上簡潔な御答弁をお願いします。
○政府委員(升本達夫君) 地区整備計画におきましては、その街区内の居住者等の利用に供される道路、公園等の地区施設の配置及び規模、それからその区域内の建築物等の用途、敷地、形態等に関する事項等を必要な範囲で定めさせていただくことにしております。 この地区整備計画の具体的内容についてメニュー方式と申しますか、いわゆる選択制といたしましたのは、その対象となる地区の状況によって大変土地利用のあり方がさまざまに変わってまいろうかと思いますので、このような違う条件のものを一律に法律で定めることはいかがかということから、個々の具体の区域特性を考慮して必要な事項を定めることといたしたものでございます。 それから具体の行政指導でございますけれども、ただいま申し上げましたように地区の状況においてさまざまでございます。また、都市の実態においてもさまざまだろうと思いますので、極力、市町村の裁量といいますか、自発的な考え方をいわば引き出すような方向で指導をいたしてまいりたいというふうに考えております。すなわち、全国画一的な指導方針をつくりまして詳細な基準をもって指導するということではなくて、市町村がみずからの地域の市町村におきます地区計画を、その地域の実情に応じて運用できるように配慮した運用方針を定めて指導してまいりたいというふうに考えております。
○茜ケ久保重光君 次に、先ほどもちょっと触れましたが、住民意思の反映と申しますか、関係権利者について。 地区計画を決めるに当たっては、区域内の土地所有者など利害関係を有する者の意見を求めて作成するとなっております。そこで、住民意思の吸い上げはどのような方法でなされるのか、第一点。土地所有者と政令で定める利害関係者を対象としているが、利害関係者の範囲についてはどうなっているか。第三点として、借家人、間借り人等はこのいわゆる利害関係者に含まれていないようだが、これではいわゆる弱者の切り捨てになるんじゃないか、こういうことが考えられる。これらについてひとつ御答弁をお願いします。
○政府委員(升本達夫君) 第一点の住民意思の吸い上げの方法につきましては、冒頭、大臣からお話をいただきましたとおりでございまして、現行の都市計画制度におきましては公聴会、説明会等の制度、さらに縦覧の制度等がございます。このような制度を十分に活用して一般の権利者の方々に十分御理解をいただく、あるいは必要な意見を出していただくというように運営をしてまいりたいというふうに考えておりますが、さらに、今回のこの御提案いたしております制度におきましては、その案を作成する前の段階で案をつくること自体に関係の権利者の方々の御意見をいただいてまいりたい。これは各市町村にお任せすることになりますけれども、たとえば市町村の公報にその素案を掲載するとか、あるいは場合によりましては、個別に、各土地所有者等権利者にその案をお送りして御意見をいただくというようなことも考え得るかと思います。このような制度を十分に活用をいたしてまいりたいというふうに考えております。 それから第二点の、意見を求めるべき利害関係者の範囲ということでございますけれども、これは地区計画の制度が土地利用に関する制限を定めるものでございますので、土地所有者とそれからやはり土地について権利を有する方、具体的に申し上げますと借地権者でございますとか、あるいは使用収益権を土地について持っておられる方といったような方、あるいは抵当権者等の担保権者も土地に対する権利者ということで含まれるかと思います。こういった方々を対象として考えているわけでございます。 そこで、第三点のおただしの借家人、間借り人等が含まれていないのは不当ではないかというおただしでございますけれども、これはこの制度の計画の立案、そのことについて第一次的な利害関係を有する方は土地についての権利者であろうということから、先ほど申し上げましたような範囲に一応直接的な意見聴取の対象を限定いたしておりますけれども、しかしながら、最初に申し上げました都市計画として定めます場合の案の縦覧、それに対して意見書を提出していただく、その意見書の提出については借家人の方々、間借り人の方々も当然関係権利者として提出をしていただけるわけでございますから、そういう機会を十分御利用いただく、あるいは説明会等についての御意見も一般の利害関係者として当然に御発言の機会があるべきでございますので、そういった機会を利用していただくというふうに考えております。法制度上もそのようなふうに考えさせていただいておりますけれども、実際の運用に当たりましては、先ほど都市計画課長が申し上げましたように、実際の都市計画決定、事業の推進に当たりましては、こういった法制度上の手続以外に、細かに権利者とは接触し、御説明を申し上げ、御意見をいただくというふうに積み重ねをしております。これからも同じような進行が考えられるところであり、また、そうしなければならないというふうに考えておる次第でございます。
○茜ケ久保重光君 大体わかりましたが、それで問題は、借家人といえども、あるいは間借り人といえども街がきれいになることはそれはいいことなんだが、そういう街づくりをする場合に、現に借りている家がなくなる可能性もあるわけでしょう、道路をつくる場合。そういう場合にやはり今度は立ち退きとかなんとか出てくる、そういうことは予想しないの。借家人、また間借り人の家がそうなることもあり得る、そういうことは想定してないの。想定するとすると、やはり一様にこれは何か対象になるんじゃないか。前段はそれでよかったと思うが、その点いかがですか。借家している家がその計画でなくなるという場合、これは地権者に全部任せるのか、その点をひとつ。
○政府委員(升本達夫君) 借家をされておられる方々のいわば法律上の権利という点から申し上げますと、その建物があることが前提となって、その建物を使うということで借家権という形で制度は構成されていると思います。したがいまして建物がなくなりますような場合には、借家権者の権利としては制度的には保全をされることにはならないというたてまえ、これは民法のたてまえでなっておりますけれども、しかしながら、実際上の問題としては、家の所有者が借家人と十分御相談の上、建てかえをし、あるいは新しい部屋に入っていただくというような措置を講じながらでなければ実際問類としては家を建てかえるようなことはむずかしいのではないかというふうに考えております。 したがいまして一般的にお互いの権利者の間のお話でお進めいただくということを実は御答弁申し上げたわけでございますけれども、たとえば再開発事業でございますとか、こういった都市計画の事業として建てかえを行いますような場合には、当然、借家権者に対しては施行者である公共団体の方で、たとえば昔の家主さんと話がつかなければ、公共団体がかわりに家主となって借家人を収容する、あるいは借家人に安い家賃で再開発住宅と称する住宅をつくり提供するというような措置は十分とらしていただいております。この場合は、地区計画制度の運用といたしましては、各権利者が各権利の範囲でお建てかえをいただく、あるいは建物の建てかえをされるということでございますので、そのような場合には各権利者それぞれのお話し合いでやっていただくというのが大筋、基本ではないかというふうに考えております。
○茜ケ久保重光君 予定の時間が来ましたので、あと何点か残っておるんだが、まず、地区計画制度の効果について、次に、市町村長のあっせんについて、それから開発指導要綱について、建築協定について、最後に建築確認申請について、こういった事項を示してあるんだが、これらを一括して、順次、説明をしてもらいたい。
○政府委員(升本達夫君) この制度が助成措置がなく、勧告という緩い制度では円滑に運営し得るかという御質問でございますけれども、第一次的には、届け出・勧告ということでこの計画実現を図ってまいりたいと思いますけれども、さらに第二次的には、建物をこの地区内の権利者の方々が新しく建築される場合には、建築確認を建築基準法の規定によりとっていただかなければならないことになっておりますが、その場合の建築確認の時点で、この地区計画の制度の内容の一部が建築確認の基準に取り上げられるという仕組みになっておりますので、そうなりますと、その範囲で建築確認の際のチェックの内容になりますので、最終的には建築確認がそれに反すれば得られないということになって、地区計画の実現が担保されるという形になろうかと考えております。 それから第二点の、市町村長が土地のあっせん等をするという趣旨の規定がございますが、この規定につきましては、さらに一歩を進めて、市町村がその土地を買い取るということの制度を考えたらどうかという御提案のように伺っておりますけれども、これはこの制度自体が、先ほど来御説明を申し上げておりますように、一応、各権利者が御自分の判断で家を建てる、あるいは新しく土地利用ができるという権利は皆さん持っておられるわけで、ただ、その場合に建て方を一定のプランに従って建てていただくというだけの規制でございますので、いわば規制の度合いからして土地の買い取りというところまで自治体が義務を負うというほどの強い制限というふうには私どもは考えておりませんので、現状におきましては第三者への土地の買い取りのあっせんという程度で御助力をするという程度にとどめさしていただいた次第でございます。
○政府委員(関口洋君) それでは、次に、開発指導要綱との関連その他につきまして御説明をさしていただきます。 まず、開発指導要綱の制定状況でございますけれども、これは指導要綱を持っております市町村は、五十二年十二月一日現在でございますが、八百八十五団体でございますので、全国の市町村数の約二十七・二%の市町村が開発指導要綱を決めておるということでございます。そのうち敷地規模の規制を行っている地方公共団体の数は、これは五十四年四月一日現在でございますが、二百二十四団体ということに相なっております。 ところで、これらの開発指導要綱についての私どもの考え方でございますけれども、これは主として大都市あるいはその周辺の地域におきます宅地開発等に伴う財政負担の過大化に悩んで、市町村がやむを得ざる措置として定めたものではないか、かように考えておりますが、それにしても行き過ぎの点がございますれば、それは是正を求めてまいりたい、かように考えております。 なお、こういう問題が発生しますのは、先ほども申しましたように、いわゆる財政問題でございますので、私どもとしては、従来から必要な関連公共施設は極力国の補助事業として採択をするように努めるほか、五十三年度から住宅宅地関連公共施設整備促進事業という制度を創設し、それの経費を大幅に増額してこれらの問題に対応してまいりたい、かように考えておるような次第でございます。 次に、地区計画と指導要綱との関係でございますけれども、これは結果的には両者はそれぞれ目的に違いがございますので、規制の内容の面でも相違がございますが、そうは申すものの敷地の最小規模あるいは道路の配置というものを地区計画でも定めることといたしておりますので、そういう点につきましては指導要綱との絡みが出てまいるものと、かように考えております。 次に、建築協定関連につきまして御説明をさしていただきます。 まず、建築協定の締結状況でございますが、五十二年末までの締結数は四百三十一件でございます。その内訳は、住宅地関係が圧倒的に多くて四百一件を占めております。この住宅地関係の建築協定の内容でございますけれども、これは建築物の用途の制限あるいは高さの制限、それから外壁の後退距離あるいは建蔽率、さらには敷地面積の最低限度、こういうものも建築協定で定めております。そこで地区計画との関係が出てまいるわけでございますが、建築協定は、申すまでもなく、土地の所有者等が締結するものでございますので、土地所有者等の全員の合意を要するとか、あるいは民事上の協定でございますので、公法的な担保がないという点で地区計画制度と本質的に異なっておりますが、先ほど申しましたように、その建築協定で決めておる内容を見てみますと、地区計画と非常に関連が出てまいるわけでございます。 今後は、地区計画による規制がなされない計画事項につきまして建築協定が適用されるとか、あるいは地区計画とあわせて、そこにお住まいの方々みずからの手による街づくりを推進する制度として、両者相まって活用されるべきものと、かように考えております。 次に、都市計画法による届け出と建築基準法によります建築確認申請との関係につきまして御説明をさしていただきます。 地区計画の区域内における建築行為の届け出と建築基準法に基づく建築確認とはそれぞれの法律に基づく制度でございますので、原則としまして二つの手続が必要になるわけでございます。しかしながら、私どもとしては、これらのことによりまして実際に家をお建てになる方の手続が煩瑣になることのないように、建築物に関する届け出の事務処理と確認関係の事務処理の窓口を同一にするように今後指導をしてまいりたい、かように考えております。 それから、勧告に従わない方の確認申請はどう扱われるかということでございますが、先ほど来都市局長が御答弁申し上げておりますように、私どもとしましては、勧告に従っていただけるケースが多いものと、かように考えておりますけれども、ぎりぎりの段階にまいりますと、勧告と建築基準法の確認とは別個の制度でございますので、もし仮に建築基準法の基準に合致しておるということであれば、これは確認せざるを得ない、かように考えております。その辺の矛盾が生じないように、これも先ほど都市局長が御答弁申し上げましたように、地区計画のうち特に必要な事項につきましては、建築基準法の条例によって担保することができるように建築基準法の改正の方途を講じさしていただきたい、かように考えておる次第でございます。 〔理事増岡康治君退席、理事茜ケ久保重光君着席〕
○降矢敬義君 私は、茜ケ久保先生の質問とできるだけ重複しないようにして御質問を申し上げたいと思います。 都市計画法が制定になりましてから約十年たつわけであります。都市計画法は、古い法律と比較しまして御案内のとおり市街化区域、調整区域、地区区分を設けて、そして開発許可制度を組み合わせて新しい都市づくりを市町村を中心にしてやっていこうという、旧法に比べてはまことに画期的な法律だったと思っております。この十年間の経過をずっと見ますと、私は、この法律が定着してきたなという評価はしておるわけでありますが、建設省として、この地区区分、区域の区分の状況、あるいはその後のこの計画法の運用の成果をどう見ておられるのか。つまり十年間の都市計画法の成果をどういうふうに評価しているのかということを前もってお聞きしておきたいと思います。
○政府委員(升本達夫君) 都市計画法に基づきます市街化区域及び市街化調整区域の区分の決定状況でございますけれども、昭和五十四年一月一日現在でございますが、対象となる都市計画区域三百三十九区域のうち、三百十二区域においていわゆる線引きが実施されております。その結果、全国の市街化区域の面積は約百二十九万ヘクタール、それから市街化調整区域の面積は約三百五十七万ヘクタールとなっております。また、この市街化区域、市街化調整区域の区分が決定されている都市計画区域のうち、現在、定期的な見直し作業が進行中でございまして、昭和五十五年三月十五日現在で百七十六区域の見直しが完了をいたしております。 第二点のおただしの、新都市計画法によるこの区域区分のいわば成果の評価というおただしでございますが、この市街化区域と市街化調整区域の区分をいたしましたことによりまして、市街化調整区域になりましたところにつきましては十分にスプロールの防止が図られているという結果がございます。これは新都市計画法の顕著な成果ではなかったかというふうに評価をいたしております。しかしながら、一面、市街化区域内の土地、特に既成市街地に接しますいわゆる既成市街地周辺部におきましては、開発許可の対象にならない小規模な開発行為が現に進行をいたしておりまして、バラ建ち的スプロールというような状況が生じていることもまた事実でございまして、この点につきましては、新都市計画法がその意図にもかかわらず、若干この点についての規制措置が及ばなかったという状況が現出しているのではないかというふうに考えておる次第でございます。
○降矢敬義君 市街化区域、調整区域の面積でありますが、当初予定しているものに比べて、つまり立法時期に大体予定した面積があったと思いますが、それに比べて市街化調整区域というのは減っているのか、ふえているのか。それから見直しというのは、見直した結果狭めていく方向に見直しているのか、拡大していく方向に見直しているのか。 ということは、これは十年間で市街化を速やかにするということでスタートしたはずでありますが、依然としてなかなか市街化速度は遅いと私は思っています。で都市計画税を引き上げたり何かしましたけれども、依然としてやっぱり財政的な面から見てもなかなか進まないんじゃないのかという気がいたします。加えて、いま局長が指摘したようなスプロールの問題も見えるというようなことで、いまのお話の見直しの方向、そんなものは一体どういう方向に行っているのかちょっとお答え願いたいと思います。
○政府委員(升本達夫君) 市街化区域、調整区域の区分に当たりましては、その都市の人口の将来予測あるいは産業の将来予測、その他土地利用に関する諸般の状況を勘案いたしまして、必要な合理的な人口密度のもとに一定の市街化が進行するという見通しを立てた上で、必要な地域と考えられる区域を市街化区域にするというたてまえで区分を行わせていただいておりますので、 〔理事茜ケ久保重光君退席、委員長着席〕 市街化区域の総量としては、ただいま申し上げました条件によって必要とする量とそう大きな違いはないというふうに考えております。しかしながら、部分的には、御指摘のように市街化区域内の開発が出おくれているというところも多々ございますし、現状にかんがみまして市街化調整区域のうちから住宅宅地の供給需要に合わせて開発許可要件に当たるものは開発許可をしていく、それが結果的に市街化区域に取り込まれていくというような形でふくれてくるケースがございますので、ただいま申し上げましたたてまえと、それから現状の住宅地の需給関係との調整という面で、若干のふくれが市街化区域の総量についても出ているかと思います。 そこで、具体の見直しの進行状況でございますが、先ほど百七十六区域につきまして見直し作業が完了をいたしましたと申し上げましたが、この結果を申し上げますと、見直し前の市街化区域がこの百七十六区域につきまして七十五万六千ヘクタール、今回の変更で増加した分が四万三千ヘクタール、減少をいたしました分が六千四百ヘクタール、差し引き三万六千六百ヘクタール余市街化区域がふくれております。これは従来の市街化区域面積に比較して四・九%の増、こういう数字になっております。 以上が概況でございます。
○降矢敬義君 今度の法律の改正について、内容に触れたいと思います。 今度の法律は、方向としてはいい方向だなと私は評価をしておるものであります。そこで、大臣に、提案の最高責任者として、今回の都市計画法並びに建築基準法の立案の動機といいますか、御提出の目的といいますか、そういうことを大臣のお言葉として聞きたいと思っております。
○国務大臣(渡辺栄一君) 今回、都市計画法並びに建築基準法の一部改正をお願いいたしまして、地区建設計画という新しい制度を考えましたのは、実は、最近の都市化進展の過程の中で、良好な居住環境に対する住民の要請はますます強くなっておるわけでございますけれども、また、市街地形成の現状を比較的小規模な地域単位で見てみますというと、細街路あるいは小公園等の未整備、あるいはまた敷地細分化というような問題が起きておりまして、良好な都市環境の形成上問題が生じておるのではないかというように私どもは考えております。 一方、現在の都市計画法に基づきましてやっております各種の都市計画というのは、街路などの都市施設、また用途地域など、いわゆる地域地区制度、それらはございますけれども、都市計画区域全体から見ましても、大まかな都市の骨格というものは大体定めることになっておりますけれども、これを地区レベルの細かな計画といたしまして見ました場合には必ずしも十分ではないと思います。そういう関係で、地区レベルで良好な市街地の環境を形成する、またそれらの保持を図る、こういう観点から、市町村が定めます都市計画の一つといたしまして新たな地区計画を創設したい。そして現行の開発許可制度及び建築確認制度、これらと相まちまして、地区計画に従いまして秩序のある開発計画あるいは建築物の建築等が行われることになりまするように誘導し、規制するということを制度として設けよう、こういうことを考えておる次第でございます。
○降矢敬義君 先ほど局長のお話がありましたように、スプロールの現象というか、バラ建ち的な現象の結果、都市の住環境が壊れてしまう、こういうことに対する何らかの秩序ある街づくりというものを進める手法として、先ほど同僚の方からもお話がありました西ドイツの例なんかもずいぶん参考にされている話を聞いておりますが、結局は、市町村が一番中心になって進めなきゃならぬことは言うまでもないわけでありまして、先ほどからそういう話が進められておるわけであります。 そこで、私は、この新しい制度を運用するについて、財政的な面がどうとかいろんな面があると思いますが、何といっても地元の市町村は自分の街を自分でよいものにしていくんだという意欲がなければこれは進めるはずがないわけでありまして、その点についてもそういう点をさらにプッシュする意味において、建設省において新しい都市計画の手法というものをどういうふうにして指導をされていくのか、これが非常に私は大事だと思うんです。単にお金をやったから、お金をもらったからすぐやれるというものじゃありませんし、むしろ自分の街を自分の街としてどうつくっていくかという意欲の問題、それに対してこれが新しい手法としていいんだ、こういう効果があるんだということを私は建設省が十分に御指導しなきゃならぬと思うんであります。それと同時に、これは都市計画でありますから知事の承認を最後には得るようになっているはずであります。したがって知事の段階でもこの手法を用いて都市づくりをすることについてやっぱり指導をするような体制をつくってもらわなきやならぬと私は思っております。 そういうことを考えますと、私は、一つの提案でありますが、この問題が起こってくるについては建設省もかなり勉強されていると思いますし、日本の都市の中ではやってみたいというところもすでにあるんじゃないかと、私の推測であります。そういうところにモデル地区を市町村と一緒になってつくってもらって、そして具体的にこの手法でやればこうなるということを示していただきたいんであります。そのときに、先ほども同僚の先生のお話がありましたが、たとえば小公園あるいは緑地として補助をするとかなんとかという制度も具体的に動いてくる、そういうものを目で見える姿で私はぜひ御指導をしていただきたい、この点についての御見解を承りたいと思います。
○政府委員(升本達夫君) 大変重要な御指摘をいただきました。 私ども、この地区計画制度を、従来の都市計画、つまり公共施設の配置計画、それから土地利用の規制であります用途地域制を中心とする地域地区制、この二つをいわば小さな地区単位で合体したような、さらに詳細に砕いたようなきわめて新しい都市計画手法というふうに位置づけておりますので、何よりもまずこの制度の趣旨を地方の都市計画当局に十分理解をしていただきまして、その理解の上に立って対象地区となるべき区域の各権利者に積極的に働きかけていただくという体制をとることがきわめて大切なことではないかというふうに考えております。そのために、極力、まず国の段階から御指摘のように県の段階に対する説明、理解の浸透、それからさらに県の段階から市町村に対する説明、理解の浸透ということに、まず最大の努力をしてまいらなければならないというふうに考えている次第でございます。 この制度を立案するに当たりまして、昨年の八月の段階におきまして、建設省といたしまして地方公共団体の実情、意見を伺いました。その御意見ないし御要望をまとめたことがございますけれども、その段階で全国の市町村で百二十八地区のいわばこの地区計画の策定候補地というものが挙がってきております。したがいまして、これは制度化の前の段階でございますから、その実現性というのはあるいはまださほどのところまではいかないかもしれませんけれども、候補地として少なくともその段階でそのような数字を得られたということはある程度の理解は地方公共団体もお持ちになっておられると思いますし、また期待もされている向きがあると考えております。私どもは、このような地方公共団体の理解、熱意の上に立ちまして、先ほど申し上げましたような趣旨の徹底、指導の徹底を図ってまいりたいというふうに考えております。
○降矢敬義君 ぜひそういうふうにしていただきたいと思いますが、また、それに関連して、この法律の施行は公布の日から一年間以内で政令で定める日からと、こうなっていますので、いろんな政令をつくったり規則をつくったり、かなり準備の期間を要すると思いますが、それと同時に、やっぱり指導の面にこの時間を使っていただきたい。 特に、先ほどもちょっと同僚の委員から質問がありましたことと関連するんですが、一つは、指導をされるときに、市町村がやっている建築指導要綱といいますか開発指導要綱といいますか、確かにこれは地区計画とは発想のポイントが違います。違いますが、現場の具体のところにいくと交錯する部面が当然出てくるわけでありまして、こういうものもやっぱり制度化された地区計画を優先させ、しかも都市計画として定める地区計画でありますので、できるだけここのところのつながりを指導の面ではぜひやっていただきたいと思います。詳しいことは私は申し上げませんが、これは必ず衝突する場面が起こって、金の面からいって、いやもう開発要綱でいくんだというようなことになりかねない、それを恐れるわけです。そのことは決していいことじゃないんです。開発指導要綱は、来てくれるなという、おまえら来るな、来るなら金を持ってこい、こういう発想から出ているんでありますから、地区計画と相入れないものでありますけれども、具体的に恐らく現場でぶつかってくる。ちょっとさっき説明がありましたが、出てくると、そこの指導をしかとやっていただきたい、これが一つです。 それから、もう一つは、この地区計画ができ上がって最終的な担保をどうするかという問題があると思うんですが、これは建築基準法の条例をどうしてもつくっていただかなきゃならぬと思っています、建築基準法に基づく条例。だから、最低区画面積なんかは少なくともつくって、ここは守らせるというものがないと、勧告だけで終わらせてしまうようではどうしてもだめだと私は思います。そういう意味でも、この指導の徹底の中に建築基準法に基づく条例の準則のようなものを建設省はちゃんと示して、そして具体的な指導をやっていただきたいし、この点は県庁の方にもぜひ徹底してやっていただかなきやならぬと思います。 私の基本的な考え方は、この制度に乗って都市計画としてやる地区計画というものをこの際ぜひ進めていただきたい。そのためには、いままで具体的な現地の知恵として出された、たとえば開発指導要綱のようなものもある程度きれいなものにして、やっぱりこの制度に乗ったものに乗りかえてもらいたいという気持ちがあるものですから、指導をするときには、この制度の趣旨だけでなしに、具体的ないままでの運用とぶつかるようなところもきちっと整理をして、ある程度指導をして、その指導のめどが立ったところでぜひ施行していただきたい。それで一年間というのはそういうものを含めていると思いますが、ぜひそういう努力をしていただくことを重ねて局長に要望をしておきますので、お答えを願いたいと思います。
○政府委員(升本達夫君) 開発指導要綱との調整の問題の御指摘でございましたけれども、全く御指摘のように、制度の趣旨が決まっておりまして、その土地の権利者の側から見ていただきますれば、当然にこの地区計画制度でその地区全体の居住性を高めるような方向の御努力に向かっていただくべきものと考えておりますので、この制度がかなり広範に活用されてまいりますと、多くの地区についてこの地区計画制度で実質的な誘導規制措置がとられ得ることになるのではないかというふうに考えております。 しかしながら、また、他面、この大都市の近郊の市町村という立場から見ますと、この人口圧力に対しまして開発がきわめて急速に進行するという状況を踏まえますと、公共施設の負担が後追い的にでも間に合わないという状況があることもまた確かでございまして、そのような状況下で地域によっては宅地開発指導要綱等によりまして公共施設の負担を業の方々、開発者に負担していただくというような措置も、これまたある程度はやむを得ないものかなという感じがいたします。したがいまして地域の状況によりまして権利者側の居住性の向上という点の意識が強い地区につきましては、この地区計画制度が十分適用されるであろうし、将来の人口圧力、宅地開発のスピードとの兼ね合いで徐々に整理がされていくものというふうに考えておりますが、私どもは、御指摘の点をよく踏まえまして、この指導に当たりましても、極力、土地の権利者の意向を反映できるような計画制度の運用に留意をしてまいりたいというふうに考えております。
○政府委員(関口洋君) ただいま先生から御指摘のございました建築基準法との関係につきましてお答えをさしていただきたいと思います。 先ほども申し上げましたとおりに、地区計画というものは、それぞれの住民の方の御納得を得て定めるものでございますから、いわゆる勧告制度だけでおおむねその内容が実現されるものと、かように期待をいたしておりますけれども、しかしながら、先生御指摘のとおりに、建築基準法の条例によって担保をするということが必要なこともこれまた御指摘のとおりでございます。 そこで、私どもとしましては、その調整策といたしまして、この法案でもって建築基準法の一部改正をお願いしておるわけでございますが、その中身といたしましては、特に重要な事項につきましては、建築基準法に基づく条例で法的な担保措置を講ずる道を開かしていただきたいということに尽きるわけでございますけれども、そのうち、いまの段階で特に重要な事項ということで考えておりますのは、それぞれ地区計画の目的によって一律に定めることは困難でございますけれども、たとえば市街地再開発事業等を実施した後の保全を行うための地区計画という場合には、その事業計画において予定されました用途、容積率の最高限度あるいは最低限度、さらには敷地の最低限度、こういうものをいま考えておるわけでございます。それから、またミニ開発防止のための地区計画というものにつきましては、敷地面積の最低限度あるいは壁面の位置の制限、こういうものを検討いたしております。また、良好な居住環境の保全を行うための地区計画という問題では、用途、敷地面積の最低限度あるいは高さの最高限度、こういうようなものを定められるように政令で担保してまいりたい、かように考えております。 いずれにいたしましても、先生御指摘のとおりに、具体の条例の準則というものにつきましては、この法律施行までに準備をして、先生の御趣旨に沿うように努力をしてまいりたい、かように考えております。
○降矢敬義君 ちょっといまの点で、地区計画ができて、そしてそのままでも勧告制度までは動くわけですね。問題は、しかし、いまたとえばスプロールを防止するために地区計画をつくるということであれば、やっぱりその最低面積がこれ以上なけりゃいかぬというふうに条例で担保しておかないといかぬと思っているんです。ただ、地区計画ができるときに条例ができていないと、要するにどういうふうな条件のもとにこの地区計画がいくかわからないじゃないかという気がするわけです。だから、むしろ私は建築基準法に基づく条例が先行しておって、この地区計画をつくるについての与えられた条件の一つに建築基準法による制限もあるんだということを権利者などが知っておく必要があるのじゃないかということを私はむしろ考えているんです。 そうでないと、地区計画ができてから建築基準法の条例をつくって、おまえのところはこういう線でカバーするよと言っても、もはやでき上がってから意見の申し出る場もないわけですから、さっきから住民の意見を聞くんだ、聞くんだとおっしゃっているなら、与えられた条件が全部整備した上でやっぱり住民の意向を聞いてつくっていくということが大切じゃないのか。そういう意味で、私は、準則も早く出して、この建築基準法による条例もちゃんとつくることを積極的にやるべきだ、こういう意見でありますので、御答弁は要りませんが、そういうことでぜひ御指導を願いたいと思います。 最後に、時間になりましたので一つだけお聞きいたしたいんですが、今度の建築基準法の改正の中で、この地区計画と関連して六十八条の四に「(予定道路の指定)」という制度を設けることになっておるようでありますが、これについてだけちょっと御説明をお願いいたしたい。 これをもって私の質問を終わります。
○政府委員(関口洋君) 現在の建築基準法の体系におきましても、既存の道路に接していない建築物を建築する場合に必要となる指導につきましては、いわゆる道路位置の指定ができるということになっておるわけでございますけれども、実際の運用を見ておりますと、個別に道路位置指定をやっていくものでございますから、ある地区のまとまりをとってみた場合に必ずしも整合性がとれていないといううらみが従来いまの現行法ではあったわけでございます。今回、地区計画によりまして細街路網のネットワークを決めることにいたしておりますので、今後はよるべき基準がはっきりしてまいりますので、道路位置の指定、これはいわゆる申請を待って位置指定をするというのが現行の体系でございますけれども、これもよるべき基準がはっきりしてまいりますので道路位置指定がしやすくなるというふうに考えております。 それから第二の、いわゆる道路予定地の問題でございますけれども、道路位置指定はあくまでも申請を待って位置指定をするというわけで、いわば位置指定をする方からすれば受け身でございますけれども、今後、地区計画ができまして細街路網がはっきりと示され、しかもその細街路が徐々にできていくわけでございます。その場合に、途中なり、あるいは先の方で仮に建築をされたためにその全体の細街路網にひびが入るということでは非常に困るものでございますから、今度の建築基準法の改正でお願いしておりますのは、むしろ能動的に必要がある場合は道路予定地として指定をして、それに伴う建築規制も可能となるようにしたい、そして地区全体の道路の配置と建築物の建築とが整合性を保って行われていくように、こういうもので担保したいというのが私どもの考えでございます。
○委員長(大塚喬君) 本案に対する午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午後零時四分休憩 —————・————— 午後一時一分開会
○委員長(大塚喬君) ただいまから建設委員会を再開いたします。 この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、最上進君が委員を辞任され、その補欠として成相善十君が選任されました。 —————————————
○委員長(大塚喬君) 休憩前に引き続き、都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○内田善利君 都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案について午前中に引き続き質問いたします。 一番最初に、法案とは直接関係ありませんけれども、「二十一世紀に向けての都市整備の課題」という昨年の答申の中で「大都市圏整備の基本方向」として「東京圏」というところで、途中からちょっと読ましていただきますと「そのため、資源依存型工場の地方分散はもちろん、文化、教育等の機能や中枢管理機能についても大阪をはじめ名古屋及び地方中枢都市で適正な機能分担が可能なものについては、その積極的な再配置を図るとともに、一極依存型都市構造を多核型都市構造へと誘導していくことが最も重要な課題である。また、首都機能についても国土の均衡ある発展を図るため長期的視点に基づきその移転の可能性について検討する。」ということになっておりますが、後で国土庁に質問してから大臣にもお聞きしたいと思いますけれども、この首都移転の問題、これは地方の時代と言われている今日、ここにも重要な課題であるという東京圏のお話が出ておりますが、国土庁は、この問題について何か構想なりがあるのかどうか、お聞きしたいと思います。
○政府委員(伊藤晴朗君) 首都機能の移転分散問題につきましては、昭和三十八年に建設省の方におきまして新首都建設の構想といったような問題の勉強を始めまして以来、首都圏整備委員会におきましても、毎年、その種の調査をやってまいっておりまして、さらに国土庁ができましてから、私ども、それを引き継ぎまして、首都機能の移転の必要性ないしはその理念と効果、あるいは現状の首都機能がどういう状況になっているかの分析、また首都機能が東京以外に移転いたしました場合に民間の関連部門がどのような対応を示すかといったようないろんな問題について調査を重ねてまいったわけでございます。 ただいま御指摘のように、長期的視点に立った都市整備の基本的な方向についての答申でも、首都機能移転の可能性について検討をすべき旨の答申が出ております。また、さらに、その以前に第三次全国総合開発計画におきまして「首都機能の移転問題」という項目を設けまして「二十一世紀に向けて、一億数千万人の人間と国土とのかかわりあいを展望する中で、均衡ある国土の利用を図り、各定住圏における定住の基礎的条件を整備するためには、東京における中枢管理機能集積の主因となり、東京一点集中の要因となってきた首都機能の移転再配置を進めることが、国土総合開発政策上の重要な課題となるであろう。」ということが記述され、さらに、この計画におきましては移転の方式といたしまして遷都または分都といったようなことの提案がなされておるわけでございます。 これを受けまして、私ども、ただいまたまたま五十四年度から調査を開始いたしました首都改造計画調査の中でこのための特別な分科会を設けまして、先ほど申し上げましたような首都機能の移転の必要性、効果あるいは現状分析等、過去の調査をもう一度まとめ直しますとともに、三全総で指摘されました遷都、分都またはその組み合わせによります幾つかの首都機能移転の形式についての議論を現在やっておるところでございます。今年度は、とりあえず調査体制をしくことと、過去の調査をレビューすることに重点が置かれたわけでございますが、明年度以降、今年度の調査を前提といたしまして、首都機能移転の具体的な形式について、若干の具体的な移転の実際の計画を想定しながら、その実現性あるいは効果等についての勉強をいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
○内田善利君 建設大臣は、この首都移転の問題について何か構想なりおありでしょうか。
○国務大臣(渡辺栄一君) このことは私の大臣就任以前でございますが、国土庁が中心になられまして、これは与野党の衆参両院の委員の先生方がたくさん参加しておられますが、勉強会にたびたび参加いたしておりまして、今後の東京都をどうするかという問題につきましては私も深い関心を持っておりまして引き続き勉強いたしておったわけでございますので、今後とも、勉強いたしてまいりたいと思っておりますが、最近の土地問題等に関連いたしましても、私どもは、なるべく早い機会に具体的な今後の首都対策というものの方針を決めまして、具体的な施策を推進すべきであるという考え方を持っております。
○内田善利君 法案と遠い関係でございますが、もう一つお聞きしたいのは、都市計画と総合治水対策、この問題はゆるがせにできない不可欠な重要な課題であると考えるわけですが、この二十一世紀のビジョンにおきましてもわずか数行述べられておるだけでございます。 私は、一昨年、福岡市におりまして、夏の間、水に対する渇望の大変な思いをしたわけでございますが、福岡市民もよくぎりぎりまで忍の一字に耐えたなと私自身が思うぐらいであったわけでございますが、どうしても人口が集中化いたしますと水の問題がおくれてくる、そういうことがございますので、ダム建設その他、水源の確保という問題が大事な重要課題であろうと思いますが、空気の次に大事な水の問題が余り述べられていないわけですね。都市計画と水の問題について御所見を伺いたいと思います。 〔委員長退席、理事増岡康治君着席〕
○国務大臣(渡辺栄一君) お説のとおりでありまして、都市づくりにおきまして、安定した水供給を図るということは重要な施策の一つであるというふうに私どもも十分認識をいたしております。このために、建設省としましては、長期的な視野に立ちまして計画的重点的に水資源開発を進めてきておるわけでございますが、今後とも、積極的に水資源開発事業を推進してまいりたいと考えております。 なお、これからの都市づくりに当たりましても、水資源の確保を最重点の一つとして考えまして、長期的な見通しに基づく水供給の確保に留意してまいりますとともに、他方、また、下水の再利用等につきましても、その促進策につきまして、たとえば節水型の都市というようなものにつきまして配慮してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○内田善利君 もう一つ基本的な問題としてお伺いしたいと思いますが、都市計画の体系なり制度の運用は、いままで基幹施設づくり、特定地区のプロジェクト視ということからまだまだ脱却していない、そのように思うわけですが、いま都市計画にとって最も重要なことは都市における良好な居住環境を確保するということにあると思うんです。そのために発想の転換といいますか、基本的な考え方の転換を図る必要があるんじゃないか、このように考えるわけですが、今日の都市計画のこういった隘路の打開策について、大臣の基本的な見解をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(渡辺栄一君) 先生御承知のように、従来とも都市計画制度の運用に当たりましては、都市の骨格を形成する基幹的な都市施設、また市街地開発事業に関します都市計画、こういうものを決めまして、その計画的な整備の推進に努めてまいっておりますが、また、市街地におきます土地利用につきましては、地域地区におきまする都市計画、こういうものを決めまして、良好な環境の市街地形成に努力をいたしてまいりました。これも重要な施策であります。しかし、最近におきます市街地形成を見ますと、細街路あるいは小公園などの整備が十分でない。また、敷地の細分化などのような問題が起きておりまして、良好な居住環境を確保するという立場から申しますと、これらの施設の整備、敷地の細分化に対する規制、それらの措置を講ずる必要が私どもは生じておるものと考えておりまして、今回、創設しようとしております地区計画制度というのは、そういうような観点から提案をいたしておりますことを御理解いただきたいと思うのでございます。
○内田善利君 今度の法案の改正の趣旨がいま大臣が述べられたことから出ておると思いますが、都市づくりといいますか、都市計画は住民のためのものでなければならないと思うのです。 今度の地区計画の策定案を作成する場合に、十六条の二項で示されておりますように「利害関係を有する者の意見を求めて」やるということであるわけですが、この「政令で定める利害関係を有する者」というのはどういう人を対象としているのか。先ほどの質問の中にもございましたが、住民のための都市づくりあるいは地区計画ということであれば、やはり住民の意見を十分反映させるということが最重点になろうかと思いますので、まず、この点からお伺いしていきたいと思います。
○政府委員(升本達夫君) 地区計画は、おただしのように、その策定に当たりまして広く住民各位の御意見をいただきながらつくられるべきものだという観点から、御指摘の第十六条に第二項を設けさせていただいたわけでございまして、この地区計画を制定いたします場合につきましては、まず、その案につきまして、その地区計画の対象と考えられます区域内の権利者の方々に御意見を求めて案をつくるという、いわばいままでの都市計画の手続の前段階になるような手続を創設させていただいたわけでございます。 そこで、おただしの第二項の「土地の所有者その他政令で定める利害関係を有する者」の範囲ということでございますが、ただいま予定をいたしておりますのは、まず土地の所有者、そのほかはその区域内の土地について権利を有する者、具体的に申し上げますと、地上権あるいは土地についての賃借権を有する者、それから使用収益権を有する者、それから抵当権者、不動産質権者等のいわゆる土地の担保権を有する者等を定める予定でございます。
○内田善利君 この法案もそうですが、どうも政府といいますか、皆さんは住民の参加ということについておっかなびっくりのような感じがするのですね。環境アセスメント法案もまだまだ今国会もどうなるかわからないような状態にありますが、私は、もう住民参加なしに地方の時代と言われる今日、押しつけではできない時代に入っているんじゃないかと思うんですね。ですから、今度のこの住民参加の方式を見ましても、従来の方法では住民参加の実はなかなか上がらないんじゃないかと、先ほどの質問もございましたが、そういうふうに考えるわけですが、この住民参加の方式といいますかプログラムといいますか、これはどういうふうにしておやりになるつもりでしょうか。
○政府委員(升本達夫君) 地区計画も都市計画法に基づきます都市計画の一種類として定めさしていただく予定をいたしておりますので、この地区計面の策定に当たりましては、都市計画法に定める都市計画決定の手続がそのまま運用されるわけでございます。 具体的に申し上げますと、その案をつくりました場合には、まず必要に応じて公聴会、説明会等の広く利害関係の方々から御意見をいただく機会をつくる、この機会を通じて住民の御意見を反映させていくということが一つでございます。それから案をつくりましたならば、それを地元の縦覧に供することといたしておりまして、この二週間の縦覧の期間内に住民の方々及び利害関係者の方々から随時意見書を提出していただきまして、この意見書の処理に当たりましては都市計画地方審議会に諮りまして、その御意見を得て処理をするという形をとらしていただいております。 以上のような手続の過程におきまして、法制度上も各権利者、住民の方々の御意見が反映するように配慮をいたしておるつもりでございますけれども、なお、実際の運営に当たりましては、この法制度上の手続と並行し、あるいはそれに先行いたしまして、随時、住民の方々、関係権利者の方々に案をお示しし、御意見を伺うという機会が持たれるのが一般でございまして、御指摘のように、関係権利者のつぶさな御意見を収録しなければ都市計画並びにそれに基づきます事業の執行はおぼつかないというのが現状でございます。この現状を踏まえまして、十分関係の方面の御意見をいただきつつ運営をいたしておるつもりでございます。これからも十分留意をいたしてまいるつもりでございます。
○内田善利君 先ほどの御答弁の中で、意見書は、借家人ですか、借地権者の方も出せるということでしたが、そうですか。
○政府委員(升本達夫君) 意見書は、広くその計画に利害関係をお持ちの方々から出していただくことになりますので、借家人の方も当然その中に含まれるというふうに解しております。
○内田善利君 細かいことになりますが、その意見書の用紙といいますか、書式といいますか、そういうものはどこに備えつけられるわけでしょうか。
○政府委員(升本達夫君) 特に法定の形式のものはございませんので、計画策定権者であります市町村、あるいは施設の対象によりましては知事でございますけれども、決定権者がその手続を定めまして、必要な意見を反映さしていただく手だてを講じていくというふうに御理解をいただきたいと思います。
○内田善利君 その意見書について御返事はいただけるんでしょうか、どうでしょうか。
○政府委員(升本達夫君) 意見書は、先ほど申し上げましたように、その処理に当たりまして都市計画審議会に提出いたしまして、その御意見を得て採否を決定させていただくわけでございます。なお、その取り扱いにつきましては法制度で直接に規定を置いてございませんけれども、運用に当たりましては、その意見を御提出になられた方に何らかの形で御連絡を申し上げていくというふうに理解しております。
○内田善利君 もう一点、お聞きしたいと思いますが、この計画作成の段階で反対、賛成の両論が出ると思いますが、その意見の調整についてどの程度までやるのか、どこでどんな形で行うのか、この点をお聞きしておきたいと思います。
○政府委員(升本達夫君) 先ほど御説明申し上げました説明会等の場、あるいは縦覧という手続を経て、各般の御意見を吸収し、地方公共団体において必要な修正を施し、判断をいたしてまいるということでございまして、賛成、反対の各御意見がそのような場あるいは縦覧というような手続を通じて直接的に御意見を交換し合うことは恐らくないのではないかと思います。しかしながら、それぞれの御意見を計画策定主体でございます地方公共団体側において十分に受けとめまして、所要の判断をさせていただいておるというのが現状でございます。
○内田善利君 次に、昨年の都市計画審議会の答申の中で「地区建設計画の策定又は計画内容の実現が円滑に図られるよう」「財政、金融、税制上の優遇措置を講ずるものとする。」このようにあるわけですが、この法案には助成措置について全然触れられてないわけですね。この点については、その理由について先ほど質問があっておりましたが、小公園〇・〇五ヘクタール、百五十坪以内は補助できる、それから六メーターの街路も補助ができる、こういうことでしたが、私は、両委員から質問があっておりましたけれども、お金を出すならば徹底してやる方がいいんじゃないか、お金を出さないならば出さないで市町村の自由裁量に任せて、地元の地区計画の中で住民の本当の声が反映して自由にわれわれの地区だというふうにつくっていくのがいいんじゃないか。たまたまそういった助成措置をすることによって国の意見なり県の意見なりが入り過ぎてきて、せっかくの自分たちの地区がそういったひもつきによって思うとおりにいかないというような面が出てくるんじゃないか、このように考えますが、この点はどのようにお考えでしょうか。
○政府委員(升本達夫君) 大変ありがたい御意見をいただいたと思っております。 私どもといたしましても、できるならば、この制度の運用は、関係の権利者の方々がいわば自発的に皆さん方の土地の利用を図るためのプランを皆さんの御意見でつくっていただくというのが望ましい形だろうと思っておりますので、その実現に当たりましても、できるならば各権利者の方々の御協力によりまして実現されるのがベターではないかと考えております。しかしながら、現在の都市施設の整備状況その他から考えますと、あるいは地区によってはかなり大きな公共施設を地区計画の中身、内容として定めなければならない場合も出てくる場合もあるかと思います。そのような場合に、その施設の造成のための費用を全面的に権利者の方々に依存するというのも、これは負担の均衡という点からいかがなものかという感じがいたします。そのような場合には、できる限り国としても御助力を申し上げられれば、それもまた一つの促進策になり得るのではないかというふうに考えております。なお、国の助成措置を講じ得る場合におきましても、各権利者の御意思を妨げることのないように十分配慮すべきことは当然というふうに考えております。
○内田善利君 これも先ほどの答弁の中で、昨年の八月の段階で地方公共団体とのお話し合いの中で百二十八地区が候補として挙がったということなんですが、いままでにモデル地区として地区計画をされたところがあるんでしょうか、ないんでしょうか。
○政府委員(升本達夫君) 二カ年にわたりまして二都市につきましてモデル的な検討、調査をいたしております。五十二年度におきましては茨城県の勝田市、それから五十三年度におきましては広島市を対象にいたしまして具体の計画策定方法、実現手法について調査、研究をいたしております。 なお、この法案をお認めいただくことができましたならば、五十五年度におきまして、さらにモデル的な適地につきましてパイロットプランというようなものを作成いたしまして、さらに、いい手法を開発してまいりたいというふうに考えております。このための経費といたしまして五十五年度におきまして一千万余円、対象地方公共団体として三カ所予定をいたしております。
○内田善利君 この地区計画の中で文化的側面といいますか、歴史的遺産といいますか、あるいは伝説的な町並みといいますか、地区計画がなされる場合に、こういった文化的な遺産をどのように配慮されるのか、この点についてもお聞きしておきたいと思うんです。
○政府委員(升本達夫君) 地区計画を定める対象となります区域は、新しい法文を用意いたしまして、都市計画法に第十二条の四という条項を設けさしていただきまして、その第三項の第一号、第二号、第三号にそれぞれ地区計画の対象となるべき区域を限定いたしておりますが、その中の第三号におきまして「健全な住宅市街地における良好な居住環境その他優れた街区の環境が形成されている土地の区域」を地区計画の定め得る対象土地の範囲にいたしております。したがいまして、ただいまおただしのような歴史的な町並みと言えるほどの良好な街区を形成されているところでございますれば、ただいまの三号の土地柄に当たるものというふうに考えられますので、地区計画の対象になり得るものというふうに考えております。 そこで、具体の地区計画の対象区域に取り上げました場合は、歴史的な建築物の保存等についてでございますけれども、これはその建築物の状況によりましてさまざまであろうと思いますけれども、この地区計画は、都市計画のたとえば用途地域地区制というような一般的な規制はその前提にあるわけでございますが、あとは、かなりその地区の状況に応じて任意性をもって定めていただくことができるわけでございますから、その建築物の状況等によりまして保存に支障のないようなプランを具体にその建築物に即してつくっていく、それによって将来とも保存に資するようにするという運用が考えられようかと思っております。
○内田善利君 次に、都市計画の中で線引きがされておるわけですが、その線引きの細部が政令、省令あるいは通達などによって決められて運用されているようですが、昭和五十五年現在、この新しい都市計画法でどの程度の線引きが行われてきたのか、その内訳を示していただきたいと思います。
○政府委員(升本達夫君) 新都市計画法によります市街化区域及び市街化調整区域の区分、いわゆる線引きの決定状況でございますけれども、昭和五十四年の一月一日現在で線引き対象となる都市計画区域数三百三十九区域のうち、三百十二区域について線引きを終わっております。なお、この市街化区域、調整区域の区分につきましても、おおむね五年ごとの周期で行われます都市計画基本調査の結果等に基づきまして見直しを行うことといたしておりまして、現在、見直しの対象として考えております区域数は、先ほど申し上げました決定済み区域数三百十二でございますけれども、このうち五十五年三月十五日現在で百七十六区域について見直しを終了いたしておりまして、この見直しの結果、差し引きでございますけれども、市街化区域の面積は四・九%増加をいたしております。
○内田善利君 その見直しの完了はいつごろになりましょうか。
○政府委員(升本達夫君) ただいま見直しが進行しておりますのは、三百十二の線引き区域のうち、昭和四十九年までに線引きがなされました地区二百九十七について実施をいたしております。先ほど申し上げましたように、三月十五日現在でございますが、完了いたしましたのが百七十六地区、さらに手続中のものが十五地区、それから手続前の調整中のものが十六地区、それから五十五年以降に手続に入るものが三十五地区という予定でございまして、この五十五年以降三十五地区というのは、大体、五十五年もしくは五十六年時点で終わる段階までいくのではないかというふうに考えております。なお、残りの五十五地区については今回は見直しを行わない、つまり将来の人口想定等に現在の市街化区域の状況がマッチしているという判断のもとに見直しは行わないという判断をいたしております。
○内田善利君 この十年を経過して、線引きが行われたわけですが、この制度について市街化調整区域内のスプロール化の防止という点からはかなりの効果があったと思うんですが、問題は、市街化区域内の市街地の形成、これが計画的に良好な環境を形成しておるということは言えない。そういうことでこの法案ができたんだろうと思いますが、市街化区域内においてバラ建ちスプロール、ミニ開発が進行してきたということはこの市街化を阻害していることになるわけですが、この市街化区域内の計画的な市街化がなかなか進まなかったという要因ですね、これを線引き制度から見てどのようにお考えになっているのか、本法案の地区計画制度でこれが解決できるという自信がおありなのかどうか、この点お聞きしたいと思います。
○国務大臣(渡辺栄一君) 市街化区域の設定に当たりましては、計画的に市街化を図るという立場から土地区画整理事業等の面的整備事業を実施することが確実な区域を優先的に含めることといたしておりまして、面的整備事業の実施を促進してきたわけであります。しかし、大都市圏の周辺の市町村や地方の中枢都市等の急激な市街化が進展いたしておりまするような区域におきましては、まず第一番に、土地区画整理事業等の面的整備事業の実施が困難な場合がございます。また、小規模開発行為につきましては開発許可が要りません、不要なこと。それから地価上昇によりまして宅地規模が狭小化しているというようなことなどからいたしまして、開発許可の適用を受けない開発が大変ふえておるということであります。もう一点は、建築基準法によります個別敷地に着目いたしました規制によりましては、無秩序な開発を計画的にコントロールすることは困難でございます等の要因によりまして、市街代区域の一部におきまして、いわゆるバラ建ちスプロールやあるいはミニ開発等が進行しているのではないか、こういうふうに考えられるわけでございます。
○内田善利君 その次に、線引き制度と宅地供給の問題についてお聞きしたいと思いますが、大都市地域を中心として宅地供給量が昭和四十七年の一万四千五百ヘクタールを最高にだんだん減少傾向にあるわけですが、昭和五十二年には九千三百ヘクタールと大幅にダウンしているわけですね。一方、第三次全国総合開発計画によれば、昭和五十一年から六十年までに十二万八千ヘクタールの新規住宅地が必要であるとされておるわけです。昭和五十三年における市街化区域内の農地の賦存量が二十二万七千ヘクタールもあるということですが、大ざっぱな計算でも六十年度までに現在の市街化区域内の農地を宅地に転用することができるとすれば十分間に合うという、こういう単純計算になるわけですけれども、この点についてどのようにお考えになっているのか、宅地化対策という立場からお伺いしたいと思います。
○政府委員(宮繁護君) ただいまお話がございましたように、第三次全国総合開発計画におきましては、五十一年から十年間に十二万八千ヘクタールの新規宅地、すなわちいままで農地、山林、原野等でございましたところが住宅用の宅地に転換する必要があると見込んでおります。私どもの住宅五カ年計画におきましては、これは五十一年から五十五年までの五カ年間でございますけれども、新市街地におきまして必要とされる宅地の量は約六万六千ヘクタールと見込んでおります。いずれにいたしましても、これらを一年平均に見ますと大体一万三千ヘクタール程度になります。これに対しまして近年の新しい市街地におきます宅地の供給量は、ただいまお話がございましたとおり、四十八、九年をピークに逐次減少してまいりまして、最近では一万ヘクタールを割っておるというような状況でございます。しかしながら、住宅の建設戸数の実績を見ますと、大体計画ベースに近く住宅が建っておりまして、それほど落ち込みを示していないような状況でございます。 そういうようなわけでございまして、この宅地の供給と住宅建設のこのようなギャップは、一方では、企業の保有しております在庫宅地の吐き出しがかなり行われておると考えられます。さらに、残念ですけれども、ミニ開発も行われておる。ただ、ミニ開発につきましては、最近、購買者の質的な要求が高まってきたこと、あるいは公共団体の行政指導等によりまして五十三年度ではかなり歯どめがかかってまいったように考えられますけれども、やはりこのミニ開発がかなり行われている点は事実でございます。それから、もう一つは、新市街地でなくて、既存の住宅地の高度利用といいますか、これは同時に職住近接志向のマンションに対する需要もかなりございまして、こういったようなことで需要と供給のギャップが埋められてまいったと思います。 いずれにしましても、いまのところは、この新市街地の供給量が余り芳しくないような状況でございます。しかし、宅地供給の先行的な指標と考えられております開発許可の面積あるいは区画整理事業の認可の面積等を見てみますと、五十年、五十一年は底でございましたけれども、やや持ち直してまいっております。これは、しかし、来年度すぐ宅地供給につながるというものではございませんけれども、数年後にはかなりの程度宅地の供給につながってくるものであろうと考えております。そういうような意味合いで、建設省におきましては、このミニ開発をできるだけ抑制しながら、今後、一層新しい市街地におきます宅地の供給量を促進する。さらに職住近接等の観点から増大いたしますマンション需要にこたえるために、いままで宅地にすでになっております既成市街地の土地の有効利用を促進する、こういうふうな考え方から現在もいろいろな対策を講じてまいっておるところでございます。
○内田善利君 現実には、農地が必要な宅地量に見合ってすぐ転換するという保証はないわけですが、また、期間的にも長期間を要することだと思います。 国土庁にちょっとお聞きしますけれども、今国会提出予定とされておる農住法ですが、この法案は現在どうなっているのか、要綱はどうなっているのか、お聞きしたいと思います。
○政府委員(山岡一男君) 三大都市圏におきまして宅地需給の不均衡が特に最近問題となっております。三大都市圏の市街化区域内農地の面積は現在約九万五千ヘクタールございます。その中身といたしましても五二%がDID地区にございます。それから用途地域別で申しますと、住居系の地域、いわゆる一種住専、二種住専、住居地域というようなところにその約九割が入っているというふうに推定されております。したがって、そのためにその利用の転換が大変期待されておるわけでございますけれども、現実的には、農業の継続を希望される農家も多いことから、必ずしも円滑な転換が行われておりません。 このために新たな農住組合という組織を設けまして、農民がその合意によりまして、その地区内で、一部については住宅経営も分譲住宅も行えるようにする、その一部につきましては営農を行えるようにするというようなことを念願いたしまして、新しく農住法案というのを現在作成いたしまして、もっぱら提案いたしたいということで努力中でございますが、現在、最終の法制局審査中でございまして、できれば今週中に閣議決定に持ち込みたいということで関係省と協議を続けておるところでございます。
○内田善利君 この市街化区域内の計画的な市街化が進まない要因として、無秩序に存在している農地が挙げられるわけですが、これを計画的に都市的土地利用に転換させるというために農地の宅地並み課税など適正な税制措置を講ずるという問題があるわけですが、この市街化区域内の適正な課税、これは現状はどのようになっておりますか。
○政府委員(宮繁護君) 市街化区域内の農地に関係いたします固定資産税並びに都市計画税につきましては、現在、周辺の宅地化等との間の負担の均衡の問題あるいは宅地化の促進の見地から、三大都市圏の特定市でございますが、具体的には都の特別区あるいは三大都市圏の指定都市、首都圏の既成市街地等々というようなことで、現在、百八十五市でございますけれども、このA・B農地につきましては課税の適正措置が一応講じられておるわけでございます。ただし、この場合、昭和五十六年度までの間、条例によりまして、農地所有者から申告があった場合には、現に耕作の用に供され、かつ引き続き三年以上農地として保全することが適当であると認められる農地につきましては、一般の農地に対します税額との差額相当分の一定割合を減額することができるということになっておりまして、かなりの農地がこの適用対象になっておるようなところが現状でございます。
○内田善利君 この宅地並み課税が完全に実施されれば、今後十年以上の宅地必要量の造出になる、こういう試算があるわけですが、しかし、この制度も五十六年度まで凍結されておりますし、そのままですから、国民の政策不信、農地混乱、そういった一因とも言われているわけですが、昭和五十七年から市街化農地の宅地並み課税を実施するということになっていると思いますが、これは本当に実施するのかどうか。政府は、土地流動化を阻害する政策から土地放出を促す方向へ根本的に姿勢を変える必要があると思うのですけれども、この点はどうなんでしょう。
○政府委員(宮繁護君) 仰せのとおり、市街化区域の農地ができるだけ社会的摩擦が少なく都市的な土地利用に転換していただくことを私どもも望んでおるところでございます。ただ、これは税制だけからの対策では、一つの重要な要素をなしますけれども、やはりいろんな施策を総合的に講じてまいる必要があろうかと考えております。私どもでは、現在、たとえば区画整理事業を促進するとか、あるいは地主さんに対しまして公庫の特別融資制度の活用を図るとか、また、農住利子補給法によりまして地主さんが賃貸住宅を建てる場合に利子を補助するとか、いろんな制度もやっておりますけれども、これらの制度の一つとして税制もきわめて重要な対策だと考えております。 それで、この市街化区域内の農地に対します課税の措置につきましては、仰せのとおり、当面、昭和五十六年度までは現行の制度を維持するということになっております。五十七年度以降の取り扱いにつきましては、昨年末の税制調査会の答申におきましても「宅地供給を促進する見地から、三大都市圏内の特定の都市の市街化区域農地に係る昭和五十七年度分以降の固定資産税及び都市計画税については、長期にわたり営農を継続する意思のある者に対する配慮を行うなど必要な措置を講じつつ、新たにC農地を課税の適正化措置の対象に加えるとともに現在課税の適正化措置が講じられているA農地及びB農地に対する課税を強化するため、十分な検討を行うべきである。」というふうになっております。そこで、この問題は自治省が主務省でございますけれども、これらの答申を踏まえまして、私どもも、関係方面の御意見も十分聞きながら検討を続けてまいりたいと考えておる次第でございます。
○内田善利君 次に、地方公共団体が宅地開発指導要綱によって開発者に対して負担を課しているわけですが、その理由としては財政支出の軽減を図るということにあるわけですが、この点について建設省としてはどのように考え、対処していかれるのか。
○政府委員(宮繁護君) 現在、宅地開発指導要綱をつくりまして行政指導に乗り出しておる市町村の数は約九百弱ございます。それでこの指導要綱は、乱開発の防止とか良好な居住環境の維持、増進という面からは積極的な役目も果たしておるという評価もできますけれども、この市町村の多くは宅地開発に伴います関連公共公益施設の整備のための財源負担の過大化に悩んでおりまして、このためやむを得ざる措置として宅地開発指導要綱によりまして開発者に負担を求めているのが実情であります。しかし、社会通念に照らしまして行き過ぎだと考えられる事例も間々見受けられます。これがまた計画的な宅地開発の隘路の一つにもなっておるわけでございます。 このような事態の改善策といたしましては、根本的には、これらの市町村に対しまして財政的に格別の措置を行うことが必要であると考えております。このため、従来から、私どもにおきましても、極力、国の補助事業として整備するように努力をいたしますほか、開発者が立てかえて道路とか公園等をつくりまして、これをでき上がった後で公共団体に引き渡して、その費用は長期にわたりまして割賦で還元してもらうというような立てかえ施行制度等も行っております。あるいはまた国庫補助率、負担率の引き上げにつきましては関係各省にもお願いいたしまして引き上げを逐次実現してもらっております。また、地方債のかさ上げとか利子補給等の措置も講じてまいっております。特に昭和五十三年度には住宅宅地関連公共施設整備促進事業を新しく創設していただきまして、五十四年、五十五年両年度にその事業の枠をそれぞれ大幅に拡大してもらいまして、この隘路の一つの打開に努力をいたしておるところでございます。 なお、昨年の三月五日に、建設省と自治省両大臣の会談が行われまして、良好な住宅宅地の開発を促進するため総合的な対策を検討するとともに、宅地開発指導要綱の行き過ぎの是正ということにつきまして早急にいま検討、指導を行うというようなことにつきまして基本的な合意に達したところでございます。その後、この合意を受けまして、いろいろ事務的に折衝いたしました結果、昨年の六月には、自治事務次官名で負担金の使途の明確化等を内容といたします地方財政運営通牒が都道府県知事に対しまして出されました。また、七月に入りまして、自治省とも相談した上で、関係の多い文部省、厚生省等に対しまして公共公益施設に対します助成の強化を建設事務次官名等で要望したところでございます。 以上のようないろいろな対策をやっておりますけれども、今後とも、これらの措置を十分活用いたしまして、地方公共団体の負担の軽減あるいはまた宅地開発指導要綱の行き過ぎの是正のためにさらに一層努力をいたしてまいりたいと考えております。
○内田善利君 それでは、次に、ミニ開発の問題点と土地対策についてお伺いしたいと思います。 東京都の場合、五十三年の一月から九月までの間に新たに購入した宅地面積が百平米以下のものが六〇・六%もあった。一戸当たり平均敷地面積が昭和四十八年の百八十五平米に対して、五十三年の百十平米というふうに大幅に縮小しているわけですが、こうした細分化の傾向が防災上、環境上いろいろな問題を提起しているわけですが、建設省はいわゆるこういったミニ開発の現状をどのように把握しておられるのか、今後どういった対策をとられるつもりなのか、この地区計画とあわせてお答え願いたいと思います。
○政府委員(関口洋君) ミニ開発につきましての問題の認識は、ただいま先生御指摘のとおりに、居住環境の悪化あるいは防災性の低下、さらには都市施設の容量との不整合、こういう問題を惹起しますので、非常に好ましくない市街地の形成が進む、これが問題である、かように考えております。 これらのミニ開発に対する対策としましては、一般的には都市計画法による開発許可の対象規模の引き下げ、あるいは建築協定の活用によりましていままで対処してきたわけでございますが、根本的には、計画的な宅地開発、これを推進することが一番重要である、かように考えております。したがいまして、ただいま計画局長からお答え申し上げましたとおりに、この計画的宅地開発を推進するために必要な各般の施策を講じておるわけでございますが、これからの問題としては、やはりタウンハウス等土地節約型の住宅の普及、これにも努めてまいりたい、かように考えております。 なお、この地区計画制度は、道路、公園といった地区施設と建築物の形態あるいは敷地、こういうものを一体的総合的に定めまして、この計画に基づいて秩序のある開発行為あるいは建築行為の誘導を図るものでございますので、ミニ開発など不良な環境の街区の形成防止に役立つ、かように考えておる次第でございます。
○内田善利君 今度の改正案の地区計画の中でミニ開発を規制する中で最小敷地面積があるわけですが、これは一体どの程度の規模を考えておられるのか、自治体の自主性に任せられるのか、この点をお伺いしたいと思います。
○政府委員(関口洋君) 地区計画は、法律に規定しておりますとおりに、対象となる地区は三つの性格を持っておるわけでございまして、ただいま先生御指摘の敷地規模の問題は、それぞれの地区によって具体的な基準は変わってこようかと、かように考えております。 そういう意味から、具体の敷地規模の判断は、当該計画をお立てになる市町村の判断にゆだねておるわけでございますが、市町村は、この計画の策定に当たりまして、土地所有者等の関係権利者の意見を十分反映して定めるということになっておりますし、また、建築基準法の規定に基づく条例によりまして敷地規模を決めます場合にも、合理的に必要な限度において定める、かように法の上で担保をいたしておるわけでございます。いずれにしましても、地域の特性に応じて具体的な敷地規模は決めるべきものと、かように考えております。
○内田善利君 自治体が最小敷地面積を決めている例は、埼玉県の浦和市が百平米、東京都の江戸川区が六十五平米と、こう決めておるようですが、これはいずれも強制力のない指導要綱で決めているわけですね。今回の地区計画は、敷地最小規模についても法的な規制力を持たせるということができるわけですが、実際に適用するとなると問題が多く出てくるんじゃないかということが考えられますが、この点についてはどのようにお考えでしょうか。
○政府委員(関口洋君) ただいま申し上げましたとおりに、地区計画におきまして敷地規模を決める際は、地区の特性にふさわしい規模で決めるのが妥当である、かように考えておるわけでございますが、いま先生御指摘の問題を起こすことがないかという点でございますが、この点につきましては、いわゆる建築基準法の条例の規定の施行あるいは適用の際に、現に建築物の敷地として使用されておる土地でいわゆる最小面積基準に適合しないもの、あるいはまだ建物は建っておりませんけれども、現に建築物の敷地として使用可能なもの、こういう点が問題となろうかと思いまして、それらにつきましては適用除外の規定を設けるよう建築基準法の六十八条の二の三項でもって、そういう手当てをするように法で決めておりますので、問題を起こすことはなかろう、かように考えております。
○内田善利君 西ドイツの地区詳細計画、これをモデルにして今度の地区計画はできたと言われておりますが、この地区制度を導入することによってミニ開発抑制に乗り出そうという点は評価できるわけですが、どの程度このミニ開発抑制に実効があるかということになると非常に疑問があるわけです。 まず、ミニ開発の進行は地価の高騰に起因している点が多いと思うんですが、先ごろの地価公示価格の発表では、四十八年の地価狂乱と言われたとき以来の大幅な値上がりを示しているわけですが、抜本的な地価抑制策を抜きにして制度を導入しても絵にかいたもちにすぎない、強力な地価抑制対策が必要である、このように思いますが、国土庁としてはどのようにこの点は考えておられますか。
○政府委員(山岡一男君) 最初に、ミニ開発と地価という問題でございますけれども、私ども、地価とミニ開発には二つの側面があるように思います。一つは、地価が高いから勢いミニ開発にならざるを得ないという問題がございます。逆に地価の方から申しますと、そういうふうなミニ開発を行おうと思えばできる制度があるから、そのために小さい土地でも買い進んで建て売り、分譲ができる、そういう意味で買い進みが行われる、これが地価に反映をするというふうな側面であろうと思います。そういう意味で、今回、こういうような法案ができまして、そういうふうなミニ開発についての制限が行われるということは地価対策に対しまして私ども大変大きな効果があると思っております。 地価対策一般につきましては、これはやはり基本の問題といたしましては、過密過疎を排除しながら大都市地域の人口と産業を地方に分散させるという長期的な目標を達成するということが一番基本でございますけれども、当面の問題といたしましては、四十七、八年ごろのような狂乱地価と先生おっしゃいましたけれども、全地域、全地目にわたる値上がりとは異なりまして、やはり大都市の住宅地中心型の値上がりということになっております。その主因といたしましては、私どもは、四十七、八年のような騰貴とは違っておりまして、やはり需給のアンバランス、効用の増というのが原因であろうと考えております。そういう意味から申しまして、当面の地価対策といたしましては、引き続き絶対に騰貴が起こらないように各種の対策を講ずる。それと同時に、宅地供給のために各般の施策を総合的に講ずるということが一番の基本であろうと思っております。国土庁といたしましては、特に国土利用計画法の適確な励行、それから市街化区域内農地の活用というようなことにつきまして精力を傾けていきたいと目下考えておるところでございます。
○内田善利君 国土庁にお聞きしますが、今回の地価高騰の原因ですね、主因は、政府が土地政策の裏づけなしに持ち家取得を奨励したことにあるんじゃないか、土地の需給ギャップというよりも政策ギャップに問題がある、こういう説があるわけですが、これに対してどのようにお考えでしょうか。
○政府委員(山岡一男君) 確かに需給のギャップがやはり一つの大きな要因であると言いますと、需要を抑えるのか供給をふやすのかと両面のことが考えられるわけでございます。しかしながら、私ども、需要の面について考えてみますと、マクロの面で見ますと、先ほど話が出ておりましたように、十年間で十二万八千ヘクタール、新規宅地が約一万三千ヘクタールぐらい年平均で必要だと言われておるのに、一万ヘクタールを切る供給になっておるということから見ますと、三全総等を達成いたします場合にもやはり供給が不足であると見ざるを得ない。 それから、最近のいろんな住宅建設の実情等を見ますと、民間の住宅建設につきましては三十四カ月ぐらい連続で対前年同月比で減でございます。その穴を埋めまして公的施策のものがときに乱高下をしながら穴を埋めてやっと百四十万戸台を保っておるというのが現状でございます。しかも、そういうふうなところで最近の住宅のローンなり、そういう持ち家を求めていらっしゃる方々、これは若干私見も入るわけでございますけれども、昭和二十二年、三年、四年ごろのいわゆるベビーブーム期の方々が、ちょうど住宅の建設で量の供給に追われました時代、四十七、八年ごろまででございますが、百十万組の結婚が年間行われるというようなことで時代が過ぎたわけでございます。その方々が現在平均で一・七九人ぐらいの子供さんをお持ちになった、そういう方々は従来住んでおった狭いところよりもやはり自分のマイホームが欲しいというふうな要望が大分高まっておる、そういうものが需要層の相当を占めておるんじゃないかと私ども見ております。たとえて申しますと、最近の住宅購入者のイメージを申しますと、その六割はサラリーマン、三百万以下の所得の方が五二%、三十歳代、四十歳代が六、七割というのが現状でございます。まさにそういう方々の切実な土地の需要、住宅の需要ということでございますので、そういうものにはこたえていくべきわれわれの責任があるのではないか。 そういうことから考えますと、マクロから見ましても、そういうような実情から見ましても、やはり私どもは供給の促進ということが需給ギャップを埋める際の一つの考え方の基本でなきやならないというふうに考えておる次第でございます。
○内田善利君 国土庁にもう一問お伺いしますが、孫文の土地対策というのがいま国土庁で検討されている、このように聞いておりますが、この孫文の土地対策についてどのように考えておられるのか、これをどのように土地対策に反映していかれるのか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(山岡一男君) 特に孫文方式につきまして、それだけを勉強しておるというわけではございません。やはり各国の土地対策等につきまして広くいろんな勉強をさしていただいておるわけでございます。 その中の一つに孫文方式があるわけでございますけれども、孫文方式は先生御案内のとおりでございまして、中華民国憲法を背景といたしまして実施都市平均地権条例というもので中身を決めております。 で中身につきましては大変ユニークな点がございまして、制度といたしましては、たとえば地価の凍結だとか国有化だとかいうようなドラスチックなものではなくて、市場におきます価格機構を通じまして需給が調節されるのを前提としているというような点で非常にユニークな案であるというようにわれわれも考えております。ただ、実効上を振り返ってみますと、実際の地価が必ずしも完全に安定したというふうにはないような実情のようでございます。さらに、こういうふうな土地所有者の申告によります地価決定方式、これは非常に教えられる点であろうかと思いますが、政府が土地を買収する場合の地価と仮定の地価を一致させた点なども、今後大いに勉強しなければならない点だというふうに私ども思っておりますけれども、向こうの対策の全般を見ますと、きわめてきめ細かく政策の細目を検討いたしまして、技術、制度面にも十分な配慮がなされておるということでございまして、一部だけを少しまねをするというようなことではなくて、そういうふうなものの中身全体を把握した上で十分参考にすべきではないかということでございまして、現在、いろいろと勉強しておるというのが実情でございます。
○内田善利君 最後に、大臣にお聞きしたいと思いますが、今度の地区計画の導入は、地権者に対して私権の制限を伴う、そういうことから地区内の住民の合意をいかに得るかが大きなポイントであろう、このように思います。したがいまして、この制度を定着させるためにも、さらに住民の意思を細かく反映させる手続、これが非常に必要であろうかと、このように思いますが、大臣の所見をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(渡辺栄一君) 先ほど以来、いろいろお話がございましたけれども、これは御説明申し上げましたような制度上の問題、たとえば公聴会あるいは意見書その他ございますけれども、そのような制度のみにこだわらず、局長が御説明いたしておりましたように、あらゆる段階におきましても、極力、住民の意向が反映するように、これは十分な指導をしてまいりたい、かように考えております。 〔理事増岡康治君退席、理事茜ケ久保重光君着席〕
○上田耕一郎君 私は、都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案と、それに関連する若干の問題について御質問したいと思います。 五十三年の四月十一日に、本委員会で、私は練馬、板橋などの実例を調査して、ミニ開発の問題について、建設省ももっと知恵を出して指導すべきではないか、考えるべきではないかという質問を行いました。当時は、建設省としては、たとえば練馬、板橋、その他東京都のあちらこちらで指導要綱の中でやっている最小敷地面積の規制その他、こういうのはなかなかむずかしい、当面、開発許可の対象を三百平米ぐらいまでにおろすことをやりたいという御答弁があって、余りミニ開発の規制については積極的姿勢をお示しになりませんでした。ところが、今回の法律改正には、地区計画という考え方で、ミニ開発の規制を含む問題について積極的態度を出されたわけですね。 私は、この手法そのものは一歩前進だと思うんですけれども、ここに至る認識の変化あるいは法案提出に至る経過、その点について、まず簡単に御説明いただきたいと思います。
○政府委員(升本達夫君) 先ほど来、諸先生からおただしがございました西独等の諸外国におきます都市計画制度等を参照いたしまして、このような地区レベルの詳細計画によって規制ないし誘導プランをつくるという考え方はかなり前の段階から省当局としては勉強はいたしておりました。しかしながら、現実の状況下に照らして、果たしてどこまで法制度化がどの時点で可能であるかということについてはいろいろな議論がなされてはおりましたけれども、統一的な答えを得るに至らずにおった経緯がございます。 しかしながら、先ほど来御説明申し上げましたように、昭和五十一年度、都市計画中央審議会に対します建設大臣の諮問におきまして、長期的な視点から見た都市整備の基本方策についての御審議の過程におきまして、特に五十三年以降の段階から、かなり諸先生の御意見が急速にこの地区計画制度の提案という方向に集約されてまいりました。その結論といたしまして、昨年、五十四年の十二月に御答申をいただいたわけでございます。この御答申の中で、都市計画の長期的なビジョンと同時に、当面の制度的に考えるべき施策として地区建設計画制度の導入、創設ということが御提案になられたわけでございます。この御提案を直接の契機といたしまして、その実現を図るために、今回、地区計画制度の提案に至ったわけでございます。
○上田耕一郎君 この手法の採用と、それによって予想されるいろんな積極的結果、これについてはわれわれも評価できるものがあると思うんですけれども、都市計画の基本そのものについてはやはりまだ大きな問題が残っていると思うんです。 われわれは、昭和四十三年に現行の新しい都市計画法が提案されたときに、幾つかの積極面は認めながらも、日本の都市問題の激化とその基本については大きな問題があるというので批判的態度をとりました。一番大きな問題は、住民本位の街づくり、住民本位のコミュニティーを本当に住民参加のもとで真剣にかつ本格的につくっていくのか、それともいろんな問題は多少出しながらも上から街づくりを行っていくのかという二つの方向の対決があったわけですね。その結果、もし後者の問題が出て、住民参加が言葉の上では多少保障されているように見られても、実質的には本格的に取り上げられていかない場合、やはり大資本本位の開発が進行せざるを得ない。特に高度成長の時期を通じてそういう問題が進んでいったと思う。 現行の都市計画法施行以後の期間を考えてみましても、やっぱり都市問題というのはいろんなさまざまな問題を生み出していて、私は、根本は予想以上に、たとえば三大都市圏に資本、企業の集中が行われ、それが人口の集中を引き起こし、都市の過密問題、それに基づいて人口がふえていくとスプロール化現象が起きる等々の問題が生まれていったと思うんですね。そういう都市計画法施行以後のこの期間の都市問題について、全般的にどうプラスとマイナスを建設省としては評価されておられるか、その点お伺いします。
○政府委員(升本達夫君) 四十三年の都市計画法の改正におきまして、全面改正でございましたけれども、その改正の主要点は、その当時の特に大都市近郊の人口圧力に伴いますスプロール現象に対応いたしまして、まず土地の利用計画を確立するという意味で市街化区域、調整区域という土地利用の根本の区分を定めて現実に適用するということが第一点でございまして、これを踏まえまして一般の権利者が自由に行われておられました土地の区画形質の変更等を行います開発行為について一般的にこれを規制の対象にする、市街化区域、調整区域の区分に従ってこの開発行為のコントロールを行っていく。いろいろございますけれども、大きなそのときの状況に照らして主要な法制度的な改正措置はその点にあったかと思います。 この制度改正によりまして以降、市街化区域、調整区域の区分を行いました都市計画区域におきましては、調整区域におけるスプロール現象は全くなくなったと言っていいのではないか、この点については新都市計画法の顕著な効果であったかというふうに評価をいたしております。しかしながら、また、反面におきまして、開発行為が優先的に考えられてしかるべき市街化区域内において必ずしも十分な開発が行われてこなかった、十分なと申しますか、都市計画に整合した開発行為が十分に行われてこなかったという状況がございます。これは先ほど申し上げました開発許可制度が対象とする行為の規模によって対象行為を限定いたしましたというようなことから、小規模の開発行為についてはコントロールが及ばなかったというようなことが一つの原因となったかと思いますけれども、そのような状況下で、市街化区域の特に既成市街地縁辺部におきまして、バラ建ちスプロール的な現象が残念ながらとどまらなかったというような状況がございます。これは新都市計画法のデメリットというよりは、メリットが及ばなかったというような点ではなかったかというふうに評価をいたしております。
○上田耕一郎君 小規模開発のコントロールができなかったというのは、これは一つの大きな現象ですけれども、市街化区域において小規模開発がミニ開発、スプロール化等々の不良現象を生み出していく。そこには、先ほど私が指摘しましたような日本の都市における企業、資本の集中、そういう大問題があるわけですね。そういう大問題が、そういうさまざまな、現象的には地価の高騰とか、それに基づくミニ開発だとか等々の小規模開発の問題なども生み出していく根源なんだと思うんですね。 そういう資本の論理を本当に社会的な見地からどうコントロールしていくかということが都市計画の一番の根本に置かれなきゃならぬ。その点では政府の責任も大きいけれども、同時に、さまざまな都市計画問題に取り組んでいく際に、本気で住民の論理ですね、そこで生活している人々の環境を守り、よい環境をつくっていきたいという住民の意思、これを取り入れていく、住民の論理を本格的に取り入れていくことがもう一つ非常に大事な条件だろうと思うんです。その点で、私は、今度の改正は、先ほど指摘しましたように、幾つかの積極面はございますけれども、やっぱり都市計画法の根本にある住民の論理でいくか資本の論理でいくか、上からの論理でいくか下からの論理でいくかという問題点については、まだ十分な前進がないというふうに思います。そういう観点から幾つかの質問をさせていただきます。 まず、この法案の提案説明の中で「良好な環境の街区の整備及び保全」ということを言われておりますけれども、「良好な環境」という五字ですね、これは具体的にはどういうことを考えておられますか。
○政府委員(升本達夫君) おただしの点は、地区計画を定めます場合に、その内容となる目途といたしまして、良好な環境の街区整備、それからその地区計画が定められるべき区域について良好な居住環境等が保たれているような街区というような表現をいたしております。あるいはまた「土地利用の動向等からみて不良な街区の環境が形成されるおそれがある」区域というような使い方をいたしておりますけれども、これは「良好」という言葉はかなり一般的な言葉でございまして、特にどこまでが良好、どこまでが良好でないというような限度をもって御説明をすべきものではないと思っておりますが、この地区計画の定められるべき区域がそれぞれ一号、二号、三号と書き分けてございますけれども、それぞれの土地柄によって条件が違っております。したがいまして、その土地柄によって「良好」というものの言葉の意味する内容がそれぞれ違っておろうかと思います。 端的に申し上げますと、この三項の第一号の地域、すなわち「市街地開発事業その他」の「事業が行われる、又は行われた土地の区域」という区域につきまして、何が良好と判断されるかということになりますと、この事業が実現しようとしている目的、その目的に沿うものが良好、沿わないものは良好でないというふうに一応は言えるのではないかと思いますし、また、二号の良好、不良の区分といたしましては、二号自体がバラ建ちスプロールの現象に対して、これを防止し、計画的な街区形成を意図するという観点から対象区域といたしておりますので、いわゆるスプロール現象の見られるような街区形成は不良なもの、そうでない計画的な街区形成になっておるものは良好だというふうに理解をいたしております。三号については、まさに現状において一般通念において良好な市街地と考えられるようなところにつきまして、その環境をそのまま保全するという趣旨でございますので、特段の「良好」の御説明は要しないことかと考えております。
○上田耕一郎君 この法律の目的に沿うのが良好で、沿わないのが良好でないと、そういうことになるんでしょうけれども、この法律の目的そのものが問題で、もう少し具体的に見ていく必要があります。 この地区計画の規模とか広さですね、最低どのくらいから最高どのくらいの広さ、何ヘクタールぐらいを考えているんですか。
○政府委員(升本達夫君) 地区計画は、ただいま御説明申し上げましたように、その地域柄、土地の状況によってさまざまでございますので、一律的にどのくらいということは申し上げにくいのでございますけれども、たとえば既成市街地の中の方でございますと比較的対象となる区域は小さな区域単位になろうかと思いますが、街区という言葉を使っておりますけれども、一街区——公共道路で囲まれた一つの区画でございますけれども、最低〇・五ヘクタールぐらいの規模が一つ考えられます。これは長辺百メーター、短辺五十メーターの区画を想定いたしますと、〇・五ヘクタールになります。これが大体最小の単位かと思います。 で、この街区が一街区ないし二、三街区というところから——最低規模でございます——始まりまして、大きな方は、市街地の縁辺部におきますと、かなりの広がりが対象地区として考えられまして、この場合は住区といべ概念を使っておりますが、一住区——一つの小学校を中心施設といいますか、と考えまして、その小学校にかかわる住居群の位置する区域というふうに考えますと、大体一平方キロ、百ヘクタール、これは一番大きな広がりと考えていただいて結構かと思います。百ヘクタールないし三十ヘクタールぐらいの区域の単位を住区と観念できるかと思います。大きな方ではそのような規模になろうかと思っております。
○上田耕一郎君 この十二条の四の一号、二号、三号の地区計画のところですね、ここが一番問題になるわけですけれども、その第二のスプロールを防止するところですね、先ほど市街化調整区域についてはスプロール化の防止がかなりできたと言われましたけれども、さて市街化区域の方も線引きが行われてからおおむね十年になりますが、やはり市街化区域の方も全体として整備は必ずしも十分でなく、おくれがあると思うんです。 このおくれの原因は、第一に、公共投資の中で産業基盤投資に重点が置かれ過ぎて、生活基盤投資がなおざりにされている傾向、第二に、最初の線引きの際に市街化区域を広く取り過ぎたということもあったのではないかと思うんです。最近、それにもかかわらず、この市街化区域の見直し、線引きの見直しということが言われているんですけれども、こういう全体としてまだおくれている、整備がおくれているという状況を見ると、特別の事情のあるところを除いて、市街化区域の拡張はもう必要最小限とすべきだと思いますけれども、いかがでしょうか、これは大臣にひとつお伺いしたいですね。
○国務大臣(渡辺栄一君) これはそういうお話のようでございまして、やはり市街化区域というのは、都市施設の整備を進めていくという条件を持っておるわけでありますから、むやみに広げることにつきましては当然慎重でなければなりませんけれども、最近の、たとえば新しい交通施設ができまして駅等が設置をされたというような場合、あるいはまた、新しい道路等に伴いまして、たとえば宅地化に適しておるような地域、最近は特に宅地の供給という観点から宅地にふさわしいような地域につきましてこの見直しを図っておるというのが現状でありまして、もちろんそれにはある程度慎重な対処が必要である、かように考えております。
○上田耕一郎君 ある程度慎重と言われましたけれども、市街化区域の拡張ですね、これは原則として避ける、必要最小限のものにとどめるという態度をぜひ堅持していただきたいと思います。 このスプロール化するおそれのある地域については、予定道路の指定ができるということになっております。この中でただし書きということがあって、予定道路の指定の際、土地所有権者が、もうすでに家が建っているというような状況の場合には、ある程度の弾力的な措置がとられるようになっていて、これは住民の合意を前提としている点でやっぱりいいことだと思うんですね。その際、予定道路を真っすぐ引こうという場合、真っすぐ先に予定道路を引いてしまうと、土地の区画はもうそれぞれ込み入っているわけですから、いろいろ残地その他が出たり複雑な問題も生まれるのではないかと思うんですけれども、そういう点はどう考えておられますか。
○政府委員(関口洋君) 予定道路の指定は、この法律によりまして建築基準法の一部改正をやっておりますが、その六十八条の四のところで、ただいま先生御指摘のようなことが書かれているわけでございます。 なお、予定道路の指定を行う場合には、あらかじめ六十八条の四の二項の規定で建築審査会の同意を得ることになっておりますし、また、さらに、同条の三項の規定によりまして公開による聴聞も行うということで、もともと慎重な手続を経ておるわけでございますが、それによりまして私どもが考えておりますのは、敷地を真っ二つに分断するようなものはこれは避けるべきだ、かように考えております。敷地の一部が分断されることがあっても、これは全体の地区形成の上からそれが必要やむなしという判断がされる場合にはその判断に従っていただきたい、かように考えております。
○上田耕一郎君 この三項の優良な環境を保全すべき地域、これについて最小面積を自治体が決めるということになっていて、これはいいわけですが、最小限度というのが業者にとってはこれは最大限度になるというおそれもやっぱりあるわけで、だから、先ほど最小限〇・五ヘクタール、一街区ですね、それから決めていくと言われるんだが、そこで、最小限度を決める際、その最小限度で全部分譲されていくということになりますと、それこそ、最小限度なんだが、やっぱりミニ開発ということで環境の悪化が生まれてしまうおそれも、民間デベロッパーに任せますと、あり得るんじゃないかと思うんですが、そういう具体的なケースについては防止策を考えておりますか。
○政府委員(升本達夫君) ただいまのおただしは、十二条の四の三項の一号該当の地区というふうに承ったわけでございますけれども、この既成市街地内にはかなりの小さな規模が考えられると申しましたけれども、具体にその対象となるべき地区に地区計画を定めます場合に、どういう区域範囲をとり、それにどういう地区計画を立てていくかということは、都市計画のたてまえでございますから、 〔理事茜ケ久保重光君退席、委員長着席〕 やはり市町村が主体となって立案し考えていくわけでございます。市町村が都市計画的な判断に基づきまして区域を一応想定し、その区域に妥当な地区計画を考えるわけでございますが、その場合に、その素案について十分権利者の方々と御相談をして決めてまいりたいということでございまして、たとえば地区外からの一デベロッパーの要請によって地区計画区域が定められ、地区計画が定められるということはあり得ないというふうに私どもは考えております。
○上田耕一郎君 これは三号についても、やはりミニ開発なんていうのは、屋敷町などでも地域がある場合あり得るわけだから、そういう点でもやっぱりいまの問題は起きると思うんですね。そういう点はあり得ないと考えていると言われますけれども、なかなか法の網をうまくくぐる業者が多いので、今後、きちんとそういう問題についても策を考えておいていただきたいと思うわけです。 で、私は、このスプロール防止の二号、それからいまの屋敷町のようなところの良好なすぐれた街区の環境保全という三号ですね、こういうものについては住民の合意も得やすいし、これ以上都市を悪化させないために、なるべく早く地区計画のそういう網を早く打っておく必要があるのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(升本達夫君) 御指摘のように、この地区計画制度を効率的に運用を図ってまいりますといたしますと、かなり早い時期からそういう手当てがなされることが望ましいというふうに考えております。十分に、しかしながら、この区域の設定、計画の立案につきましては、関係権利者の御同意を得ていかなければなりませんので、その辺のことも十分踏まえながら、できるだけ早い時期から計画作成という方向で努力をしてもらうように、各自治体に働きかけてまいりたいというふうに考えております。
○上田耕一郎君 それから、地区計画の中での建築等の規制ですね、五十八条の二に届け出あるいは勧告の問題も書かれておりますけれども、この五十八条の二の4に、勧告をした場合、必要があると認めたときは、勧告を受けた者に対して、土地に関する権利の処分についてあっせんその他必要な措置を講ずるよう努めなければならないと書かれてあります。このあっせんの中には、たとえば土地の買い取りというようなものも含まれるのではないかと思います。 その際、今度は予算措置が何も書かれていないわけです。都市計画中央審議会並びに建築審議会の答申ですね、この中にはそれぞれ財政、金融、税制上の助成措置について述べているんですけれども、その問題がないわけで、沿道整備法などにはそういう点がなかなか手厚く、完全とは言わないまでも、あったわけですが、今回、そういう問題についての財政上、税制上の助成措置が何もない点については、理由はどういうわけでしょうか。
○政府委員(升本達夫君) おただしの五十八条の二の四項で「勧告を受けた者に対し、」「必要があると認めるときは、」「市長村長は、」「土地に関する権利の処分についてのあっせんその他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。」と規定させていただいております。したがいまして「あっせん」を例示に挙げておりますので、私どものその規定の立案の趣旨といたしましては、自治体がその土地を買い取るというところまでは考えておりません。これは文意上必ずしも入らぬということになるかどうかという問題がございますけれども、立案の趣旨といたしましては、あっせんということが土地に関しては市町村長のやるべきこととして例示に当たる代表的な仕事ではないかというふうに考えさせていただきました。 その理由は、この地区計画は、一応、その各区域内の権利者の権利行為の制限にはなるわけでございますけれども、たとえば建築を禁止するとか、土地を公共施設のために提供してもらうとかというようなたぐいの強度の規制、制約を課するわけのものではございませんで、建築行為を行います場合に、地区全体を見渡した計画に沿ってやっていただきたいという低位の制約、規制をお願いするわけでございますので、その規制の程度、度合いとの兼ね合いを考えますと、市町村長の行うべき事務としてはあっせんという程度の処置で一応対応していただいてよろしいのではないかというような判断をいたしたわけでございます。 それから、第二点のおただしの、答申では金融その他、税制等の助成措置ということを言っているではないかという御指摘でございますけれども、私どもは、この地区計画を都市計画法の一部改正として、あるいは建築基準法の一部改正として提案させていただいておりますゆえんは、この地区計画は文字どおり都市計画の一環、一つでございまして、計画の制度というふうに考えております。したがいまして、その地区の土地利用についてのいわば基準といいますか、プランなるものを定めさせていただくということでございまして、これをその計画に沿って実現をするといういわゆる公共事業的なものあるいは都市計画事業的なものというふうには考えておらないわけでございます。したがいまして、この計画に沿って事業化を図る場合に、その事業について個別にその事業に対する助成措置という点ではさらにいろいろな助成措置が考えられるかとも思いますけれども、この地区計画制度の地区計画の立案、それから各私人の権利者の方々がこの地区計画に従って行われる行為について助成対象として考えることはいかがかということから、今回の法改正におきましては助成制度は考えておらないということでございます。
○上田耕一郎君 あっせんだから買い取りは考えないと言われたけれども、今度の「良好な環境」の中には、たとえば小公園とか児童公園ですね、そういうものなども当然考えているわけだから、児童公園なんというのはかなり小さなところでも非常に喜ばれる施設がつくれますし、すでに自治体でもいろんなところでやっているところがあるので、そういうどこか別のところで買い取るようなあっせんというだけでなく、やはり財政困難に陥っている自治体が良好な環境を守るためにそういう財政支出ができるような助成措置ですね、そういう点も今後幅広く考えていただきたい、そういうことを要望させていただきます。 さて、一番の問題は、住民参加の問題なんですね。住民参加というのは、大体、都市計画が決まるときに意見を聞いた、決まってから公聴会もやった、縦覧もやったというので卒然としてこう何か告示されて、二週間だけ見たい者は見ればいいというのではなくて、本当の住民参加というのは、計画作成のときから住民が本当に意見を述べていくというものがいいんだと思うんですね。 関西の豊中市の庄内地域の居住環境整備事業というのは、全国的にもそういう住民参加が非常にすぐれた形で進んだところとして有名ですけれども、ここは自治体が主導権をとりながら計画の作成プロセスから地域住民の積極的な参加を図ろうとして住民懇談会というものをつくったり、それから学識経験者の懇談会もつくり、再開発の基本計画作成委員会もつくって、住民の意見もよく入ってつくられていったというんですね。かえってその方が住民の合意がつくられやすいのですね。 卒然として出てきますと、悪いところばかり目につくということになるし、やっぱり絶対もうそういう犠牲はいやだということにもなりかねないので、実際につくっていくときから参加していけば、なるほどこういう問題かということが腑に落ちれば、ある程度の私権の制限も公共のためにはお互いにがまんしよう、しかし、要求はこの点は強く貫こうということになるわけなので、計画作成のプロセスからの住民参加というのは非常に大事だと思うんです。 都市計画法では、公聴会も「必要があると認めるときは、」という条件つきになっていて、これも常に指摘されているようにやっぱり消極的な規定だと言われています。これは縦覧があり、住民から意見書が出ると審議会に提出するということなんですが、地方審議会に住民が意見書を提出した結果、その意見書が取り入れられたという例は、一体、どのくらいあるんですか。意見書は出したけれども、意見はこういうことだけれども、しかし、こういうことでございますというので、出しつ放しに終わっていることが多いと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(升本達夫君) 前段の御意見、おただしにつきましては、私どもは、この都市計画の決定の責任を負う者といたしまして知事または市町村というふうにいたしておりますが、この地区計画も含めまして、こういうかなり都市に密着した細部の施設計画等につきましては市町村が決めるというたてまえにいたしております。で市町村はその地域の総合的な行政庁でもございますし、また地域の住民の方々の声を直接に吸い上げて行政運営をしておられる主体でもございますので、市町村が、その住民の御意向を一般的に吸い上げて、これを計画に反映していくという仕事に当たるには大変適切な主体ではないかというふうに考えておる次第でございますが、なお、その市町村が地区計画を含め、こういった都市計画を定めます場合には、十分都市計画法による手続によりまして住民の御意見を伺い、その意見を計画策定に反映していくという努力をいたしておるというふうに考えております。 それから第二点のおただしの、実際にその意見書によって案を変えた例はないのではないかという御指摘でございましたけれども、これは実例においては都市計画決定の総件数に比しまして多いとは言えないと思います。しかし、たとえば線引きの見直しにおいては意見書によって変更をするというケースは多々ございますし、ほかの都市計画につきましても意見書によって処理案を修正したという例はございます。しかしながら、この件数が比較的少ないといいましても、実際の運営上は縦覧に供する案を固める段階までの間にいろいろと御意見を伺い、実質的な何らかの修正はされるのが通例でございますので、その間において実質的な意見の吸収といいますか、それに従った修正はなされているのが普通一般の例だろうというふうに考えます。
○上田耕一郎君 さて、実際に住民の意見をどのくらい取り入れられるかということですけれども、午前中から同僚委員の質問の中でも、借家人、それから借間人、これが土地の「利害関係を有する者」に入っていないということがいろいろ取り上げられました。政令で定める利害関係者というものは、結局、地上権、賃借権、質権、それから抵当権者、先取特権、こういうものだということなんですね。そうしますと、これは第一号の再開発のときなんか一番大問題になるのだけれども、商店で店を借りている者ですね、そういう借間人、借家人ですね、こういう者が権利がなくて、いろいろな点で非常な不利益をこうむるという実例が非常に多いわけです。ところが、抵当権者なんかも権利があるということになりますと、こういうのは銀行なんですな、銀行は発言権があって、借家人はないというようなことが、一番鋭くこういう問題が私が冒頭に申し上げました根本的な問題 につながってくるわけです。 私、一つ実例を申し上げたいんですが、大田区の場合、大田区の池上線蓮沼駅の前に二千四百平米の空き地があった。これは所有者は蝶理なんです。蝶理が国土利用計画法に基づいて二千平米以上だからというので、マンション業者の丸善建設に売却したいと届け出たんです。丸善建設、私はこの間の委員会で葛飾のマンション建設でやり玉に上げましたけれども、また、この大田区に出てきましてね。それで区がぜひ買いたいと、保育園、児童館、緑地にしたいということ。都は坪当たり百十二万八千円を買収指導価格として出した。蝶理側は、それはもう安くてだめだ、百五十万円ならいいと言った。それでデッドロックに乗り上げたわけですね。そうしたら、ここでなかなかやっぱりうまいことをこういう資本というのは考えるもので、二千四百平米だとひっかかるので、二つに分けたわけです。二千平米以下にしてしまって、これを丸善建設に売って、丸善建設はいま地上九階建て、百三十戸のマンションをつくろうとしてやっている、これが大問題になっちゃったんですね。 私は、先日、国土利用計画法について、まことにかご抜け詐欺みたいな即決和解ですね、あれを指摘しましたが、これは今度は新しい手法ですよ、かご抜けの。二千平米以上だとひっかかるからというんで、二千四百平米を二つに割って、で九階建てのマンションが一棟。国土庁はこれはやむを得ないという態度をとったと言われるんですが、国土庁、いかがですか。
○政府委員(山岡一男君) 先生のお話がございまして、早速、昼の休憩時間にいろいろ調べてみました。御質問の点につきまして、詳細はあんまりよくわからないんですけれども、私ども、いまの国土利用計画法によります届け出の場合には、届け出をサボリますとやはり罰則の規定等もあるわけでございます。したがいまして届け出の中身の審査に当たりましては、物理的に一体性があるかどうか、それから取引の一方の当事者が本当に間違いがないかどうかという点はもちろんチェックするわけでございますが、同時に、先生がおっしゃいましたような場合の残りの土地につきまして、売り進みもしくは買い進み等の計画は本当にないのかということもよく確かめて届け出に対処するように指導しておるわけでございます。 ただし、一般論といたしましては、そういうふうな場合に、本当に法定要件面積以下であって、取引がそういうものであって、残地について売り進み等はないというふうなことが非常にはっきりしておるとか、もしくはそういうふうに客観的に見られたという場合には、法令上は当たらないというのを一般論として考えておりますので、恐らくその場合も、窓口におりまして、その旨お答えしたんだというふうに私は思っております。で、早速、その点につきまして一番気になるのは、その残地が売り進まれたかどうかということでございますので、これは電話をかけて聞かせてみましたけれども、現在は、売り進んではいないというふうなことだという電話連絡でございますので、確認いたしておりませんが、承知いたしております。
○上田耕一郎君 やっぱりそういう態度では、ぼくは、本当に良好な環境をつくるために建設省も国土庁も一生懸命やろう、それから国土利用計画法の規定そのものを生かすことにもならぬと思うんですね。 もう明白なんですよ、二千四百で最初届け出たんだから。で、それがひっかかったもので、区が買いたいと、区は安過ぎるので、それを逃れるために二つに割ったんだから。二つに割って、国土庁はあとの四百平米ぐらいをどうするかを見ているというふうに、これは知っていますからね、そう怒られるようなことはしませんよ。そうすると、やっぱり脱法行為完成ということになってしまうんですね。だから、そういう点、やっぱり書類上だけで見るというのじゃなくて、実際に区でも問題にし、住民も非常に問題にしているわけなので、こういう場合、だまされないように、法律は人間のためにあるわけですから、住民のために生きるような措置をとっていただきたいし、この件は、ただ今後売り進めるかどうかを見ていますというだけじゃなくて、やっぱり何らか適切な指導措置をとることを検討していただきたいと思いますけれども、局長、いかがでしょう。
○政府委員(山岡一男君) 従来も、その点につきましては十分指導をいたしてまいっているつもりでございますけれども、いまお話しのような件も伺いましたことでございますし、さらに一層の検討を加えたいと思います。
○上田耕一郎君 ひとつお願いします。 それから、もう一つは、もっと大変な問題なんです。私は、先ほど住民の論理に対抗して資本の論理あるいは上からの論理、こういうことを言いましたけれども、資本の論理だけじゃなくて、米軍や自衛隊の論理まで入ってくることがあるわけです。私は、建設委員会で港区の米軍ホテル問題を何回か取り上げましたけれども、あれは米軍の論理がまかり通ってきて、港区にああいう物すごいものをぶっ建てるということで大反対運動が起きているというケース。きょう、私が取り上げたいのは、今度は自衛隊の論理ですな、自衛隊の論理が出てくる。これも出てきますと、やっぱり大変なものです。怪物が軍靴で踏みにじっていくというケースにやっぱりなっていくわけですね。 問題は、立川の基地跡地問題なんです。自衛隊の滑走路が西に二百十メートル動いて、幅も広がる。C1ジェット輸送機という、これは横田基地にあるC5Aギャラクシーという世界最大の輸送機を小型にしたものです。貨物を積みますと全重量四十五トンという物すごい輸送機なんです。これが飛んでくる、それで滑走路が移るわけですな。 それで防衛庁にお伺いしますが、その滑走路が移るために建築物の高さ制限が将来行われるであろうと、これを都とか立川市に申し入れたり、いま建築物を建てようとしている人に対しても申し入れを行ったりしているんでしょうか。
○説明員(平晃君) 新滑走路の関係で、都や立川市に対して、建築基準法上の制限をしろとか、あるいは事前に調整してほしいということを申し入れたという事実は、調査してみました範囲では、ございません。
○上田耕一郎君 平課長が調査したら、ないと言われるんだけれども、立川では現に起きているといって問題が生まれている。 富士見町の商店会振興組合、これは九十店加盟、富士見町二丁目自治会四百三十世帯、これから市と市議会に対していま陳情、請願が出ている。滑走路の新設移動により建築物の高度制限がさらに強化され、その影響地域も一・七倍に拡大する。C1ジェットは計器着陸するので、勾配が三十分の一が五十分の一になるというので、面積も広がるわけですね。それから高度制限も厳しくなるというので、遺憾にたえないと。富士見町のある商店主が六階建ての建築確認申請を東京都に出した。東京都はひとつ防衛庁と相談してくれと言った。防衛庁と相談したところが、結局、言われて、六階建てが三階建て、十二メートル以下の設計変更をさせられた、そうわれわれは聞いているんですけれども、そういう事実はございませんか。
○説明員(平晃君) その件は、新滑走路の関連じゃございませんで、現有の滑走路の現在すでに制限がかかっておりますので、それとの関係でお話し合いをしたという事実はございます。
○上田耕一郎君 そうしますと、いまの滑走路の方がちょっと長いですからね、それでやっぱりぼくらも計算してみたら、そのぐらいになるんですが、東京都が防衛庁に相談してみろと言うのはおかしいですね、現にもう告示の出ている現滑走路についての制限なんでしょう。
○説明員(平晃君) 東京都から言われたということでございませんで、建築の看板と申しますか、規模と看板が出た段階で、私どもの方がそれを承知しまして、建て主に現在の航空法の制限に抵触する建物であるということでお話し合いをしたということでございます。
○上田耕一郎君 新滑走路については、告示ですね、いつごろ行われる予定ですか。
○説明員(平晃君) 新滑走路の告示につきましては、現在、まだ関係機関との調整を了しておりません。新滑走路をつくる調査測量をいまちょうどやっている段階でございまして、この測量も終わり、関係機関との調整が終わり次第、告示したい、このように考えております。
○上田耕一郎君 この新滑走路ができますと、いまある滑走路よりも二百十メートル場所が動いて、規制区域も南北三千メートルにわたって一・七倍に広がる。だから、いままで何ら制限を受けてなくて、商業地域ですから三十三メートルまで建てられるところが新滑走路が告示されると新たに高さ制限を受ける、距離によって違いますけれども、という大変な事態が起きるわけです。これは私は都市計画上大問題だと思うんですけれども、ひとつお伺いしますが、この防衛庁が告示しようとしている滑走路は何メートルの予定ですか。
○説明員(及川康男君) 告示を予定しておりますのは九百メートルでございます。
○上田耕一郎君 実際につくる滑走路も九百メートルですか。
○説明員(及川康男君) 千二百メートルでございます。
○上田耕一郎君 なぜ千二百メートルつくるのに九百メートルしか告示しないんですか。
○説明員(平晃君) これは広域防災基地が決定した際に、自衛隊が大災害時の緊急な大量の人員、物資輸送等の任務を果たすということで、一つの広域防災基地の中核として自衛隊の使用が認められたわけでございますけれども、その位置が現在の現有滑走路、現有基地の位置から西北方に動いております。それで西北方に移動した場合、南については三百五十メートルほど北上しますけれども、北側については従来の高度制限よりも厳しくなるということで、地元の御要望が従来より建造物に対する制限を厳しくしないでほしいという御要望を受けまして、C1ジェット機が飛ぶためには千二百メートル必要でございますけれども、その千二百メートルで計器飛行ができるような高度制限をした場合には、北側については従来建築基準法上認められていた建物が建たなくなる、そういう問題に直面しまして、いろいろ知恵をしぼりまして、従来建築基準法上第一種住居専用地域になっておりますので十メートルの建物までは建つわけでございますけれども、そういう従来建てられた範囲のものは建てられるようにしようということで、千二百メートルの事実上の滑走路をつくるわけでございますけれども、高度制限については、告示上はさらに三百メートル下げて、従来の制限より厳しくしないという配慮をしたわけでございます。
○上田耕一郎君 おかしな話ですね。私は、ここに川崎重工が出したC1Aのこれを持っておりますけれども、性能のところを見ますと、地上滑走六百四十メートル、五十フィート越え九百四十五メートルと書いてあるんです。これを川崎重工が出したのだけれども、離陸のときには五十フィート越えで九百四十五メートル要る。この飛行機は積載量二十トン、自重二十四トン合わせて四十五トンになる。四十五トン積むときは絶対千二百メートル要るというんでしょう、そういう飛行機でしょう。時間がないので簡単に答えだけ言ってください。
○説明員(平晃君) 九百メートルで告示した場合、北から進入する場合には九百メートルの……
○上田耕一郎君 いや、だから千二百メートル要るんでしょう、この飛行機は、全部積んだとき。
○説明員(平晃君) はい、要るわけでございます。
○上田耕一郎君 北は砂川地域なんですね。砂川地域には建築制限しないように、実際には千二百要るのに、告示は九百メートルで三百メートルインチキしたわけですよ。千二百メートルの端から五十分の一で走ると建築制限が厳しくなっちゃうから三百メートル下げて、それでずうっと五十分の一でやればひっかからない。南の方はひっかけるんでしょう。南にもひとつじゃ三百メートルとって六百メートル告示すればどうですか。そういう大変なことをする。 それでどうなんですか、この飛行機は、そうすると南だけから離着陸、方角はやるんですか。
○説明員(芥川哲士君) お答えいたします。 滑走路移設後の立川飛行場の運用方法につきましては、現在、技術的に細部を検討中でございますけれども、まずヘリコプター、それから小型の連絡機、これの有視界飛行方式による離着陸については、現行どおり、北側それから南側、この両方を使用することで計画しております。 それから次に、災害発生時に運用いたしますC1輸送機でございますが、これは年間二十回程度パイロットの経験飛行を行うということで予定しておるわけでございますが、これにつきましては、有視界飛行方式による場合には、立川航空交通管制圏の空域内に経路を設定いたしますと、北側及び南側からの離着陸というものが可能であるというふうに判断いたしております。しかしながら、計器飛行方式による運用につきましては、仮に北側の空域に計器出発進入経路というものを設定いたしますと、先生御承知のように、立川の航空交通管制圏には入間の航空交通管制圏というのが隣接いたしておりますので、安全上の見地から言って問題が生ずるというふうに考えられますので、現在、南側に設定することについて検討いたしておるわけでございます。
○上田耕一郎君 とにかく非常に変な話で、計器飛行するときには南側からだけ離着陸する、そんなばかな話はないですよ。離陸、着陸のときに風向きというのは一番大事なことはもうあなた方は防衛関係で一番知っているでしょう。それを南側からだけ計器飛行の場合には離着陸する、北側に対しては三百メートル告示を実際に使う航空滑走路よりも短くしているというようなことをしていて、私は、これは欠陥空港だと思うんですね、あなた方が計画しているのは。 そういうC1ジェット機のような物すごいジェット機をわざわざ連れてきて、爆音だってすごいですよ。もう時間がありませんから余り言いませんが、入間基地で測った場合は、滑走路から五百メートルの地点で百五ホンというんだから。ガード下で百ホンですよ、国電のガード下でね、それより物すごい騒音が出るわけだ。立川の本当に東京の新しい都心にしようといべようなところに、こういう百五ホンもの物すごい騒音を出すジェット輸送機を持ってくる。米軍は十年前にこの飛行機を使うのをやめたんですから、十年たってその当時よりも物すごいものを連れてこようというんで、とんでもない話だと思う。もう都市計画法が幾らりっぱなことをべたっても、こういうことが自衛隊の論理や米軍の論理でやられているんです。 これは国土庁に私は関係あると思うんだな、立川の跡地利用では総合防災拠点というのがつくられるということになっていますね。百十五ヘクタール、そのうち八十五ヘクタールを自衛隊が使う、あと三十ヘクタールで災害対策実施本部をつくると言われている。 それでお伺いします。毎日新聞の七八年十月二十一日付には「都心が壊滅的打撃を受けた場合、首相以下の政府要人の詰める防災本部も設置される。」そういうことが書かれているわけです。政府は、昭和四十六年三月六日に「大震火災が発生した場合の自衛隊の災害派遣計画について」という文書を発表している。この中には、そういう大災害が起きたとき、ヘリコプター約十機から十四機で「宮家、総理大臣をはじめ政府要員等を要請により所要の個所に輸送する。」こういうことをもうすでにあなた方は決めている。日本で最初の総合防災拠点、防災本部を立川につくって、この災害本部実施規定で決めた総理大臣を初め——建設大臣も入るかもしれないですよ、いざとなればヘリコプターで立川に連れていかれるわけだ。天皇も連れていくんでしょうな。そういうものを、どうですか、国土庁、この広域防災拠点に本部としてつくる計画があるんですか。いま検討中といべ場合、将来ともこういうものはつくらないとはっきり明言できますか。
○政府委員(柴田啓次君) 立川の広域防災基地につきましては、都心が壊滅的な打撃を受けるような災害のときの予備的な本部として考えております。
○上田耕一郎君 そこにあれですか、総理大臣から天皇から宮家から入るようなところを考えるわけですな。
○政府委員(柴田啓次君) 南関東が甚大な被害を受けました場合に、それに対する適切な対策をとる本部としての機能を考えております。
○上田耕一郎君 だから大問題なんですよ。これは有事立法が大きな問題になっているけれども、有事の問題なんですよ。平さんは、私が前にこの問題でお聞きしたときに、有事の場合には立川の自衛隊基地というのは防衛出動もやるとあなたは私にはっきり明言された、そうですね。そういう有事の際に、災害対策だけじゃなくて、とにかく有事の際にあそこが本部になるのですよ。大臣、知らないでしょう、あなたも連れていかれる危険があるのですよ、そういうところに。それでC1ジェット輸送機なる大変なものが要るんですよ。いろんな部隊をあそこに集めるわけですよ、何から何まで、有事の際に。 本当のいわゆる災害の防災だけだったら、入間基地や横田基地も使えるし、立川のど真ん中にそんなとんでもない滑走路をつくって、それで市民に迷惑をかけて、新しい告示を出して建築制限をやってというようなことは要らないはずなんですね。それをあなた方は有事立法、有事体制ということで、実質的にあそこにそういう防災拠点なるものを防衛出動の場合まで考えてつくろうとしている。だから、私は、ここに自衛隊の論理、米軍の論理などが国民の論理、住民の論理をどろ足、軍靴で踏みにじっていくという東京の都市問題のもう一つの根本問題があるということを指摘したいんですね。 建設大臣、どうですか、あなたも閣僚の一員だからなかなか言いにくいかもしれませんけれども、そういう米軍や自衛隊の有事とか戦時とかそういうこととは離れて考えて、きょう私どもが審議しておりますこういう都市計画法や建築基準法の改正の良好な居住環境という点から考えて、立川のこういうど真ん中にこんな有事のための防衛出動の場合まで考えたようなC1ジェット輸送機、それを持ってくる。十年ぶりに飛行機を飛ばして、騒音で悩まして、新しい滑走路をつくって、それで住民の反対運動を引き起こしている事態をどう考えられますか。日本じゆうで飛行場をつくるというのは都市計画上大問題でしょう。その点、大臣の率直な見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(渡辺栄一君) いまいろいろお話を承っておりましたけれども、これは災害対策という問題も人命にかかわる重要な問題でございますし、広範な立場から検討しなきゃならぬと思いますので、現段階で私がいろいろ申し上げるのはいかがかと思っております。
○上田耕一郎君 現段階で申し上げるのはいかがかということで、見解を表明されませんでしたけれども、本当にいま災害から守る、防災、大震災なんかの場合に、これはわれわれも東京の東部、江東の問題、今度白髪の防災拠点のそういう問題は本当に必要だと思ってやっていますけれども、災害という陰に隠れてこういう防衛出動その他のことを考え、本当に地震のときだったら入間基地からでいいのに、自衛隊基地が立川にあくまで、市議会のあれだけの反対決議や市民の意見まで無視し踏みにじって、あそこに要るというのは、本当に災害から国民を防ぐというのと違った、戦争のための論理が入っていると思うんですね。 この点については、大臣の見解を重ねてお伺いしても無理だと思いますので、われわれはこういうやり方にはもう絶対反対だということを述べたいと思うんですね。そういう根本問題が今度の法案にはあるということを指摘させていただいて、質問を終わります。
○栗林卓司君 質問が重複するかもしれませんけれども、今回の都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案について、改正の趣旨を一言で要約すればどうなるのか、お尋ねをしたいと思います。 要約と言ってもなかなかでしょうから、もう少し細かく申し上げますと、地区計画、地区整備計画、それを新しく取り入れた趣旨は、一体、何でございましたか。
○政府委員(升本達夫君) 御承知のとおり、現在の都市計画は、街路、公園等の都市のいわば根幹的な都市施設についての配置等を決める都市計画、それから一般の権利者の方々が土地を利用される場合の土地利用の規制の基準となります用途地域制等の地域地区制、大きくその二つの点で都市計画が組み立てられているというふうに理解をしております。 この都市計画の現在の手だては、どちらも網の目が少し粗過ぎるという感じがいたしますので、現実に現在の社会情勢のように居住環境をよくしていくということに対する都市居住者の御要請が非常に強まってまいった段階では、その御要請に対応するには都市計画の道具立てが少し足りないのではないかという反省をいたしておりまして、この反省に立ちまして、そのような御要請に役立ち得るような都市計画制度をひとつ創設させていただきたい。それは地域と申しますか地区といいますか、少し小さな土地の範囲におきまして、そこの区域内の公共施設の配置、これは大きな根幹的な公共施設だけではなく、細街路、小公園といった小さな公共施設の配置、それからその区域内に建てられる工作物、建築物等の建物、こういったものの建て方が公共施設の配置とうまくマッチするようなかっこうであらかじめ計画されてあれば、それに従って各権利者が建築行為を行われるというような便宜もあるのではないかというようなことから、少し小さな地区の単位を対象として、そこに公共施設の配置、建築規制等を総合的に一体的に計画として定める制度を創設したい、これが改正の趣旨でございます。
○栗林卓司君 いまおっしゃったことを一言で要約しますと、現行の都市計画法は目が粗過ぎるので、あれでは完全な仕事ができない、したがって補うものとして今回地区計画あるいは地区整備計画を考えた、そう理解してよろしいでしょうか。
○政府委員(升本達夫君) そのように御理解いただいて結構かと思います。
○栗林卓司君 もう少し正確に申し上げますと、これは審議会の答申にある文章、よくまとまっていると思いますので、そっくり申し上げますと、「現行都市計画法及び建築基準法制度では、都市計画が都市スケールのマクロ的土地利用及び根幹的な公共施設の整備に関する計画を主としている一方、建築基準法による建築規制は個別敷地に着目した用途、容積率、建ぺい率、道路位置指定等の規制であること等の理由により、単発的開発の集積による市街地環境の悪化には必ずしも十分に対応できていない。」いわばミニ開発ですけれども、これが今回改正を思い立たれた一番大きな理由ではなかったか。 そこで、この答申でも言っているんですけれども、現行都市計画法では目が粗い、建築基準法は目が細か過ぎる、したがって両方の限界を補うのが地区計画であるということであるなら、地区計画は市街化区域、用途地区指定区域の全域にかけなければおかしいんではありませんか。
○政府委員(升本達夫君) 地区計画の性格はただいま御説明申し上げたとおりでございますので、そういった趣旨からすれば、できるだけ広い範囲に地区計画が行われると申しますか、地区計画対象区域に取り込まれるということが望ましいということは私どもも全く同意見でございます。しかしながら、これを建築基準法、都市計画法の改正という手だてで制度化をいたしますに当たりましては、この地区計画の対象地区につきましては、その区域内の権利者の方々に規制措置が新たに加わるということがございまして、その規制の度合いは緩いあるいは強いといろいろ御意見がございますけれども、少なくともいままでなかった規制を新たにこの地区の権利者の方々がこうむるということがございますので、市街地内はおよそ地区計画対象区域とするというには、少し現状からの進展の度合いが大き過ぎるのではなかろうかという意見がございまして、とりあえず市街地形成上その地区計画によって整備をされるべき必要性の強いところを目途として、その強いところの地区に地区計画制度を適用するところから始めてまいろうではないかというのが今回御提案申し上げました改正の趣旨でございます。
○栗林卓司君 私が伺っておりますのは、現行の都市計画法の不備、建築基準法の不備、したがって途中に中間領域があいてしまった。そしてこれは単発開発、その集積による都市環境の悪化にはとても対応できない。ミニ開発も建築基準法は満足しているんですよ、ただ、あれが千平米以上という開発行為の規制にかからないだけなんです。したがって、もしミニ開発だけを考えるんだったら、現行の都市計画法の開発行為の規制、第二十九条の一項、それを全部変えて、あらゆる開発行為は対象にする、こうしてもよろしいわけですね。 そんなことができるかとおっしゃるかもしれませんが、たとえばイギリスの都市及び田園計画法、これは全部対象にしている。しかも御念が入ったことに「疑問を避けるため本条の目的のために以下のことをここで明らかにする。」「単一の住宅として使用されていた建築物を二又はそれ以上の住宅として使用することは当該住宅及び単一で使用されていたその各部分の使用の重大な変更となる」これも対象にしているわけです。これは生きている法律ですよ。 したがって、もし現行の都市計画法に問題ありとしたら、何もこんなのこさえなくたって、二十九条の一項一号、これを直せばいいんじゃないんですか。そうは言っても、別な方法だというんなら、都市計画法と建築基準法のはざまが出ている部分はやっぱりほうってはおけないでしょう、法律のつくり方はそうなるべきじゃないですか。つくる過程で、では一体私権制限を受けている人たちに合意をどうやって求めるか、これはその次の問題。現在の都市関係の計画法規で重大な不備があるということにようやく気がついた、まず何をさておいても全部埋める。したがって今回の改正案のように十二条の四の三項に一、二、三と条件が書いてある、むしろこれはそうすべきではなくて、基本的に全地域を対象にする。ただ、地区整備計画については順次差があっていいとは思いますよ。違いますか。
○政府委員(升本達夫君) 地区計画の内容といたしまして、御指摘のように、地区計画の整備方針とそれから整備計画、二つに分けて規定をさせていただいておりますけれども、具体に権利制限といいますか、そのプランに従って各権利者が行為をしていただかなければならない規制のもとになりますのは地区整備計画でございまして、その前提となる、いわば計画をつくる前の考え方を方針ということで、その地区の計画策定の目標というようなものを方針という形で定めさしていただくというふうに予定をしておりまして、方針自体では権利制限的な制約は働かないという構成にいたしております。 そこで、御指摘のように、地区計画を広域に、全市街地に適用さるべく法制度化することも可能ではないか、あるいはそうすべきではないかという御指摘でございますけれども、確かに立法論としてはそういうような考え方をとることもあり得るかと思います。私どもといたしましては、そのような考え方と、また同時に、その地区計画が内容といたしております制限ということの内容を考えまして、まず現時点からの前進を策するには、必要度の高いところから適用していくという考え方もあり得るだろう。私どもとしては、その後者を選ばしていただいて、立法化をさしていただいたということでございます。
○栗林卓司君 それでは御答弁になっていませんのでね、現在の都市計画法に目の粗さという問題があります、建築基準法では目が細か過ぎるんです、したがって途中があいてしまった。そこで反省して、今回は、地区計画、さらに地区整備計画をつくる改正案をお出しになった。だったら、それは都市計画法が適用されている、建築基準法が適用されている全領域を対象にしながら、そうは言っても私権制限を伴うから市街化区域、用途地区指定区域、そこに制限すべきだ。ところが、これは市街化区域、用途地区指定区域、さらにしぼり込んで、とりあえずはと。これは法律のつくり方としておかしい、そう聞いているんです。
○政府委員(升本達夫君) いろいろな立法に当たっての考え方はあり得ようかと思うわけでございますけれども、私どもといたしましては、いま市街地について問題があるというふうに考えておりますのは、大きく分けまして再開発を要するような地区、それから周辺市街地のスプロールが進行しつつあるような地区、大きく分けますと、そういうような土地ではなかろうか。そういう土地柄におきます市街地の乱開発というようなものを防止し、あるいは再開発さるべきところが手つかずのまま残っていて、事業を待つばかりですが、なかなか事業が進行しないという状況を抱え、やはり当面の都市計画上の問題はそのようなところに集約されてくるのではなかろうか。そういたしますと、いま御指摘のように、都市計画の一般的な規制と、それから建築基準法による規制——これは細かい過去の宅地ことの建築規制ということでは追いつかないことの具体の現実のあらわれとしては、いま申し上げたようなところに集約的に出ておるのではないかというふうな理解をいたしまして、とりあえず、こういう状況に対応できるような制度化というものを図っていきたいという考え方から、このような対象地区の限定を考えた次第でございます。
○栗林卓司君 現実に地区計画をまだ現物で見ていないわけですから、想定の議論になりますけれどもね、地区計画、地区整備計画が決まったところは恐らくミニ開発はいまよりはやりづらくなるんだろうと思います。かかっていないところは従前と同じ。しかも、通勤圏二時間として見ると、かかっているところの土地とかかっていない土地というのは競合関係になる。したがって、かかっていないところは急速に単発的な開発が進むということはだれでも容易に想像できるんですね。だから、こういう法案をお出しになったんですから、直せとは言ったって間に合わないからしようがないんだけど、ただ、どちらにしても地区計画は広くかけるようにしていかないと、この法律の趣旨が死んでしまいますということだけは申し上げておきたいと思います。 それから、つけ加えて言いますと、今度都市計画法をまた読み直してみて感じたんですけど、諸外国と比べると非常に異様な法律ですね。たとえばドイツの連邦建築法、あの場合ですと、土地利用計画があって、それを受けて地区詳細計画がある。フランスも大体同じような仕組みです。上は土地利用計画。フランスの場合だったら、整備都市何とか指導スキームってありました。これは私権を制限しないんです、行政を縛るだけなんです。私権制限をするのはいわゆるベー・プラン、地区詳細計画になるか、あるいはフランスの場合、土地専用プランになるか、そういったものによって初めて私権を制限する仕組みができ上がる。日本は、都市計画法で私権制限をしてね、そこの中に今度は地区計画法が入ってきて、そして地区計画法の法覊絆力というのは一体何なのか、それは従前の都市計画法で言っている法覊絆力とどんな感じになるのか、これをよく考えてみると釈然としない部分なんです。したがって法律的には大変私権制限のきつい法律にわが日本の場合なっているものですから、その意味でも地区計画法あるいは地区整備計画をかけるんなら幅広くしていかないと、法のもとの平等という点でやはり問題が起きるでしょうと重ねて申し上げておきます。 そこで、質問ですけれども、しからばこの法律によってミニ開発がどの程度規制されるのか。先ほど同僚議員の質問に対して、最小敷地面積は各市町村のところどころの判断によらざるを得ません、こうお答えでしたけれども、そのとおりでしょうか。
○政府委員(関口洋君) 最終的には、そういうことでございます。
○栗林卓司君 それで、そういうことでいいんだろうかということなんです。 ここにいろんな答申がごちゃごちゃありますけど、一致して言っているのは、もうミニ開発の抑制が目下の急務である。しかも短期的視野ではなくて長期的視野に立ってやることが現下の重大な仕事であるなどと、こう言っておるわけですが、いまの都市計画法の二十四条です。「(建設大臣の指示等)」というのがありまして「建設大臣は、国の利害に重大な関係がある事項に関し、必要があると認めるときは」云々と、指示権を持っているわけです。そうすると、各市町村がミニ開発について最低敷地面積を勝手に決めてくる、それがいいかどうか、それは今度は建設大臣が決めなきゃいかぬ。その基準は一体何なんですか。
○政府委員(関口洋君) 先生の御指摘は、全国画一的にミニ開発は防止すべきだというお立場が議論の前提になっているのではないかと思うんでございますが、そういう意味で考えますと、御指摘のとおりに、いわゆる敷地の最小面積というものを全国統一した姿で決めなければならない、かようになるわけでございますが、現実の問題といたしまして、私どもは、まだそこまでの国民の合意と申しますか、それが形成されつつある過程ではございますけれども、まだ一致を見るに至っていない、かように判断をいたしまして、この最小敷地規模の規制は今後の検討課題ということで認識をし、しかしながら、それぞれの地域に応じまして、現実に問題になっておるミニ開発防止対策という意味で、この地区計画制度においてそれぞれの市町村の判断で最小敷地規模の規制が可能となるような仕組みを講じさせていただきたい、かように考えておる次第でございます。
○栗林卓司君 さっき申し上げました二十四条「都道府県知事又は市町村は、正当な理由がない限り、当該指示に従わなければならない。」これはあたりまえのことで、どこの国でも全国を通しての開発計画を持って、それを最上位にしながらずっとおりてくるわけですよ。したがって全国それぞれの市町村が中心になる仕事ではあるけれども、それを本当にやっているかどうかということは、当面、建設大臣が主管大臣ですから判断しなけりゃならない。そのときに、いや合意形成ができておらぬからちょっと待ってくれと、合意形成ができていないものが何で市町村ができるんですか。
○政府委員(関口洋君) 私が申し上げましたことは、現実に敷地規模の規制を全国画一的にやるだけのまだ基盤ができていないという意味でございます。たとえば、引く例が悪いかもしれませんけれども、一般的に百平米未満を敷地規模の規制とするということが従来から議論されておりますけれども、現実に、市町村によりましては、それより上の敷地規模の上限を指導要綱の形で設定しておるところもございますし、また、大都市のいわゆる既成市街地内においては百平米を維持するとなるとかえって混乱が生ずるということで、百平米未満の敷地規模の規制をとっておるところもございます。そういう意味で、この敷地規模の規制を決めるということになれば、まず既成市街地、それから新市街地、さらにその中間領域というものについてもう少し細かく詰めていかなければなりませんし、それからまた大都市周辺だとか、いろいろのタイプを用意しなければならない。そうすれば、やはり結局のところ、その地域に密着した敷地規模の規制をするのが一番適切ではないか、かように考えまして、この地区計画の中においてこの敷地規模の規制を取り上げる、こういう方策を講じさせていただきたい、かように考えておる次第でございます。
○栗林卓司君 ところによって状況が変わるというのはおっしゃるとおりでしょう。だからといって市町村の自由裁量に任せるという結論は出てこないんですよ。場合によって違うでしょう。そのときの建設省としての判断基準、それをやっぱり決めておかなきゃいけない。そのとおり市町村がやっていれば結構であります。やっていなかったら、二十四条の発動じゃないですか。だから、この法律案を出すと一緒にその基準ぐらい出しておかなかったら、ミニ開発が大変なんです、都市計画法じゃ穴が埋まらないんですと言いながら、肝心かなめで案を持っていないというのは至って不届きですよ。
○政府委員(升本達夫君) おただしのように、敷地規模規制について国の立場から一律の規制が必要かどうかということは、これはまた別論といたしまして、私いまちょっと一言申し上げておきたいのは、先生、都市計画法の二十四条に基づいて指示が行われてもいいのではないかという御指摘でございますけれども、この二十四条の条項は、最初の書き出しに書いてございますが、「建設大臣は、国の利害に重大な関係がある事項に関し、必要があると認めるときは」知事に対し指示する、こう書いてございます。 この文章の読み方でございますけれども、私どもは、この「国の利害に重大な関係がある事項」と申しますのは、たとえて申しますと国際空港みたいな非常に大きな都市計画的な施設でございますとか、あるいはそれに類するような施設を誘致しあるいは開発しなければならないようなときに、地元の自治体がそれに反対だからといって見過ごすわけにはまいらないというような場合に、この二十四条が発動を予定されるのではないかというふうに理解をいたしておりまして、ただいまの御指摘の案件につきましては、別論としてはともかくといたしまして、二十四条の適用として御指摘になりますと、私どもの考えといたしましては、ちょっとむずかしいのではないかというふうに考えております。
○栗林卓司君 それは議論があっていいんですよ。ただ、国の重大な利害ということの中に、ここまでひどくなってしまった都市環境、これを子孫に伝えていくんだよ。それが優良な環境で伝えられるかどうかということは、そのときに暮らすわれわれの後輩のすべてにかかる。国民を離れて国はないわけだから、その意味で私は二十四条をあえて引き出した。いまや国に関する重大な利害が、たとえば不良市街地ストックの新たな積み重ねを抑制することが戦略的にきわめて重要であるとまで答申が書きたがっている気持ちを申し上げたので、法律論をするつもりはありません。 ただ、ミニ開発のことで伺いたいんだけど、最小敷地面積とおっしゃるんだけど、もしかしたらこれは建蔽率の問題ではないのか。最小敷地面積というよりも裏返して建蔽率の見直しをした方が早いのかもしれないということも問題の一部ではあると、その分だけより建設大臣の権限の中なんだ、それを強調したかったわけです。どう考えますか。
○政府委員(関口洋君) 私、ちょっと先生の真意をあるいは理解してないのかもしれませんが、私がいま先生からの御指摘を受けまして頭の中に思い浮かぶことを率直に申し上げたいと思いますが、実は、いわゆる戦後におきまして、この東京の過密化に歯どめをかけるという意味で特別都市計画法をつくりましたときに、緑地地域という制度を設けておりました。これは大都市周辺で、いわゆる今流に申しますと緑を確保し、さらに生鮮食料品の基地もあわせて確保するという意味から、そこにおきましては建蔽率を十分の一という非常に厳しい制限をかけておったわけでございます。ところが、いわゆる都市化の現象に伴いまして、この十分の一の建蔽率を維持しておりますと非常に土地所有者に結果的に過酷な制約と感ぜられるような時代になりまして、それらが制度の幾多の変遷を見まして今日の姿になり、さらに建築基準法におきましても、かつては敷地面積から三十平米を除きました面積について建蔽率で家を建てる限度を決めておったわけでございますが、これもいま申しましたのと同じような事情で、結果的に三十平米の天引きを改正しまして現行のような建築基準法に落ちついた経緯がございます。 そういう意味から申しますと、まさに敷地をめぐる問題は建蔽率との関係でいろいろ議論されてきたということは事実でございますけれども、率直に申しまして、これからさらにまた建蔽率を手直しするというのはちょっと無理じゃなかろうか、いまのところ、かように考えております。
○栗林卓司君 どちらにしても至急基準をつくるように御努力いただきたいと思います。 ミニ開発って、御承知のように単純な問題じゃなくて、そう簡単にできるとは思いませんけれども、しかし、それを市町村任せというのはいかにもそれはないですよ、と思います。 次の質問ですけれども、第十四条の二項、これは「(都市計画の図書)」というところでありまして、改正前の現行法は、計画図及び計画書について示さなければいけないということになっておりまして、そこの中に「地区計画の区域」括弧して、地区計画の一部について整備計画が決まっているものはその整備計画ということで図示の内容に挿入してあるわけです。従来ですと、この図書というのは二千五百分の一で満足だったわけですけれども、今回、地区計画あるいは地区整備計画ということになると、もっと細かいやり方になるのか、その点ちょっと伺います。
○政府委員(升本達夫君) 二千五百分の一ということでいま都市計画関係の図書は大体統一的にやっております。二千五百分の一と申しますと、百メーターが四センチでございます。したがいまして、先ほど来申し上げておりますように、一番小さな単位でワンブロック百メーター、五十メーターの矩形の街区ということを想定いたしますと、四センチ、二センチというような図示になります。したがいまして、御指摘のように、ちょっと小さいのではないかという感じがいたします。 しかしながら、現実には、いま私ども都市計画で使っております図面をよく改めて実は見てみたわけでございますけれども、必要最小限の図面化はその縮尺でもできないことはないという感じを受けました。ただ、これからはさらにその中の計画をラインで示すことがもう少し細かい段階までおりてくることも考えられますので、今後、さらに二千五百分の一ではやはり十分でないかという感じがいたします。よく検討いたしたいと思っております。
○栗林卓司君 お尋ねした理由は、この図書ですか、図面ですね、図面がどういう法律的に意味を持つのかなんです。 そこで、地区詳細計画、いわゆるベー・プランの場合は基準が千分の一。実際には二百五十分の一あるいは五百分の一というのがあるようですけれども、これは図面そのものが条例としての法覊絆力を持っているところに特色があるわけですが、今回は、何もドイツの連邦建築法を下敷きにしたわけじゃないでしょうけれども、名前が似ていますのでお尋ねしますのは、決め方は後で伺うとして、決まって示されるこの図書、これは条例としての法覊絆力を持つ、そう理解してよろしいですか。
○政府委員(升本達夫君) 地区計画の効果といたしましては、この地区計画が定められますと、その対象区域内で建築行為、開発行為を行おうとする方は市町村長に届け出ていただく。その届け出の内容がこの地区計画と違っておりますれば、地区計画に合わせるように市町村長が勧告をするということでございまして、したがいまして具体の図面上の線がその勧告の内容になるわけでございますから、勧告という一つのクッションは置きますけれども、権利制限的な意味合いを持つということでございます。 いま条例的な意味で強制的な働きを持つかという御指摘だと思いますけれども、この点は、第二段といたしまして、建築基準法上の建築確認に当たりまして、建築確認の基準に吸い上げるべき内容、地区計画内容の一部でございますけれども、それは条例をもって吸い上げるということになります。したがって条例をもって建築確認の基準に吸い上げられた部分については強制力を持つ、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。
○栗林卓司君 条例のような強い覊絆力は持たないけれども、拘束力は持ちますというお答えですね。 そこで、一つの例としてお尋ねしますと、あるブロックがあって、そのブロックの中に実はそれが市街化区域であるにもかかわらず、農地が散在していた、それは当然対象になると思うんですよ。そのときに地区計画、地区整備計画の面で、そこにある市街化農地はどうやって線を引くんですか。住宅地として、住宅適地として、あるいは公園として、今度は細かい目で、しかも線を引いたその仕分けが拘束力を持つんですからね、図面のとおり、そういうことでしょう。となると、その線を、市街化農地があった場合に、何物をも乗り越えて思ったとおり引きなさいということになるんだろうか、二つの質問になっておりますが、お尋ねします。
○政府委員(升本達夫君) 前段の御質問でございますけれども、市街化区域内の農地につきまして、この規制がかぶせられるかどうか、かぶせられたときどうなるかという御指摘でございますけれども、これはその地区が市街地として良好なものに形成をしていくという目標で地区計画が定められるわけでございますので、当然、市街地内のあるべき土地利用ということを頭に描いて計画がなされるものと考えております。しかしながら、それはあくまでも計画でございまして、その計画に従って農地の利用を宅地利用に転換をしなければならないという義務規制がこの計画で働くわけではございません。ただ、権利者が農業をやめて宅地化し家を建てようという場合には、この計画に従っていただきたいというプランをその農地についても書くことになるということになろうと思います。 それから、第二点のおただしの、そういうようなプランが農地に成立し得るだろうかという御指摘かと思いますけれども、これはまさしくその農地所有者あるいはその土地に権利を有する方々の御意見によって反対ということになれば、この意見聴取の段階とか、その他御意見を拝聴する段階で反対意見が提案され、現実の問題としてはその部分についてはそのような宅地化を前提としたプランが成り立ちにくいというようなことになるのではないかというふうに考えております。
○栗林卓司君 まず、お尋ねしますけれども、地区整備計画が決まった、まあ地区計画でも結構です、何年で達成すると考えておられますか。 という意味は、計画を決めた、さあでき上がるのはいつのことやらわからない、これではかけられた方はたまったものじゃない。したがって現行都市計画法は十年をめどとして整備をするとなっておりますね。そういう年数の規定というのは、諸外国の立法例を見ても大体ある、あるいは欄外に一つの慣行として決まっている。したがって整備計画をつくるのに、仮にたとえばベー・プランに合わせて五年程度だとしますと、即座に取りかかってやっていかなきゃだめでしょう。この期間としてはどう考えていますか。
○政府委員(升本達夫君) 先生のおっしゃいました、いま十年という期間は、市街化区域、調整区域の線引きをいたします場合に、おおむね十年をめどとして市街化さるべき区域ということで期間を想定して線を引いております。その他、一般的な都市計画、たとえば道路をつくる、公園をつくる、必要な施設の計画をいたします場合、その実現を図るべき期間は、法定はされてはおりませんけれども、考え方といたしましては、おおむね二十年というような見当で考えて都市計画を立案すべきものというふうに運用をいたしてきております。それから、これはたとえばフランスの例で申しますと、三十年というような期間が設定されているようでございますし、おおむね三十年、二十年というようなところが計画期間としては穏当なところではないかというふうに考えております。 そこで、この地区計画も都市計画の一環と御説明申し上げておりますように、都市計画でございますので、やはり一般原則に照らして考えさせていただきますと、二十年ぐらいをめどとして考えていくということになるかと思います。
○栗林卓司君 それがあなたの間違いで、たとえば、フランスの場合も同様ですけれども、ドイツの例を引きますと土地利用計画、これは先ほど申し上げましたように、私権は全然制限しないんですよ、行政を制限するだけなんだ。したがって二十年でも三十年でもいいんです。したがって土地利用計画はFプランです、これは二十年。ところが、私権制限がかかる地区詳細計画、これはもっと短いんですよ。これが五年だと言われているんです。 この地区計画、地区整備計画、この法案がきわめて異様だと申し上げたのは、従来の都市計画の線引きと地区計画がどうなじんでいるのかわからない。同じようなものとしてあるんです。本来は、やがてこれを整備されるときに行政機関を整備し、行政機関の計画として立てる、二十年でも三十年でもいいけれども、その線引きと、実際にブロックを決めて千分の一で線を引っ張って条例に準じた法覊絆力を持つ、それをつくったとしたら、それはもうなるべく早くやる、これが私権という面から見ても私は本当のつくり方だと思うんです。意見として申し上げておきます。 あわせてお尋ねするんだけれども、そういったところに農地がありました、御意見を聞いたら反対でございましたんで、そうなったらなかなかうまくいきません、ということでいいんだろうか。 これはフランスの例で申し上げますと、フランスでは地区計画、まるで同じじゃないんだけれども、似たようなものとして土地専用プランあるいは専有プランというものがあるんですけれども、それと、その上位の整備都市計画など同じだと本には書いてありましたけれども、間違っていたら調べてみてください。 どういうことかといいますと、地区計画です。関係市町村参事会、これは参事会というのがあるんでしょうね、関係市町村参事会の四分の一、対象地域の人口の四分の一の市町村が異議を申し立てた場合でもそれは成立する。この手のもので全員一致ってないんです。ただ、過半数じゃいかにもまずかろう、ではどうするかというところはコンセンサスを求めながら考えていくところですけれども、この地区計画を決めるのにどういう要件を満たせばそれが覊絆力を持って、あるいは拘束力を持ってできるかというところは何にも書いてない。それも市町村に一任なんです。こんなの動くわけないですよ。その意味で、何もフランスを例にとるわけじゃないけれども、四分の一の人が反対をしても四分の三が賛成ということだから、その際はあきらめてくださいというようなものをどこかに織り込まないと、これは進まないですよ。どう思いますか。
○政府委員(升本達夫君) 現行の都市計画法のたてまえといたしましては、都市計画は、その施設の対象によって異なりますが、知事または市町村が決める、こういうことになっておりまして、この場合に、決め方といたしましては、案をつくり、二週間という期間縦覧に供し、関係権利者の御意見があればその御意見を承りながら、その意見書の処理については都市計画審議会に案と同時にお諮りをするというような手続をとって定めまして、市町村が決めます場合には知事の認可をとる、で認可をとったその時点で都市計画としては決まりでございます。したがいまして、御指摘のように、その関係権利者のたとえば三分の二でございますとか二分の一でございますとかの同意は必要要件にいたしておりません。したがいまして、法律の手続といたしましては、いま申し上げた手続を適法にとれば決めることができるという制度になっております。 それが、御指摘のように、なかなかこれは現状に合いにくい、むずかしい制度だということにもなろうかと思います。そのようなために、むしろ現状においてはいろいろと御意見が出て、実際には運用がなかなかむずかしくなっている面がございます。したがいまして、今回の地区計画制度に当たりましては、さらに重ねて案についての御意見を伺うというのを法律制度において担保しようということで、一つ前進をさしていただいたというのがその意味合いでございます。そのようなことで努力をいたしてまいっておりますが、もととなる都市計画法の制度はそのように組み立てられておりまして、ここでにわかに全面的に関係権利者の同意を条件とするというような組みかえにするのにはなかなか時間がかかる話ではないかというふうに考えております。 ただ、一つ申し上げておきたいのは、私がいま申し上げましたのは、都市計画施設につきましても、あるいは地区計画につきましても、計画を決定する場合の手続、条件でございまして、都市計画事業、たとえば再開発事業でございますとか区画整理事業でございますとか、ああいった事業を都市計画でやります場合には、これは事業計画等につきまして関係権利者のいまでは大体三分の二の同意ということを条件にいたしております。その辺、若干決めます内容によってその手続的な差異を設けております。
○栗林卓司君 それは問題点として指摘だけしておきたいと思うんですけれども、この法律案が、いま言われた市街地開発事業等公共施設の整備に関する事業が行われた場合というのが指定要件になっているんだけれど、そういう事業が行われているということを主として頭に置いて考えられた法律なんです。これが現行の都市計画法では目が粗過ぎる、建築基準法でも問題がある、したがって中間ゾーンを埋めるんだという意識ではなくて、あくまでも市街地再開発云々ということに絡めてこの地区計画、地区整備計画をお考えになっているんだろうかという点が大変奇妙に思うんです。 時間がありませんから、もう一つお尋ねしますと、かねて問題になっておりました宅地開発指導要綱、これは、今回、地区計画、地区整備計画を決めて、地区施設の配置も決めながら各市町村が決めてくるわけです、そうなりますと、かねての懸案は解消される、こう考えてよろしいですか。
○政府委員(升本達夫君) 前段のおただしでございますけれども、確かに十二条の四の三項第一号は事業を前提として規定をしておりますのは御指摘のとおりでございます。ただ、二号は、これは必ずしも事業ということじゃございませんで、現にスプロールが進行しているところをとらえておりますので、これは最初に御指摘のまさに中間領域ということにずばり合うものではないかというふうに考えております。三号につきましても、これは保全という意味でやはり中間領域的な考え方でございますので、これをトータルとしてお考えいただけば、まず最初御説明したようなところで御理解いただいてよろしいのではないかと考えております。 それから第二点の、宅地開発指導要綱との関係でございますが、確かに規制の内容はかなり似たものを含むことになってまいります。私どもは、宅地開発指導要綱は自治体が人口圧力、宅地需要圧力に抵抗するためにやむを得ずとった抵抗の姿勢というふうに理解をいたしておりまして、それはそれなりに現実においてはある程度意味合いがあるものだろうというふうに理解をしております。したがいまして、すべてがこの地区計画制度に乗り移るべきだとにわかには言いにくいというところがあるというふうに理解をしておりますが、私ども、目的的に考えますと、この良好な市街地整備という点でこの地区計画制度はすぐれた制度だと実は思わしていただいておりますので、できるだけ広く地区計画制度の対象に取り込んでいただけるようになれば、その宅地の乱開発というのがそれによってコントロールされる面がかなりふえてまいるであろうというふうに考えます。 ただ、宅地開発指導要綱のもう一つの目的でございます公共施設の負担でございますけれども、やはり事業化に従って必要な公共施設の負担問題、これは切実が現実問題でございますので、これは地区計画制度によっては直ちにかわり得るべきものがないということだけは申し上げておきたいと思います。
○栗林卓司君 計画的な宅地開発が進んでいるところとスプロール的な宅地開発が進んでいるところ、道路面積だけで比べますと、計画的な方は、たまたまこの手元の資料で七・二メートルあるんだけど、そうじゃないところは四・四メートル。道路率でいくと、計画的な宅地開発は一八・七、そうじゃないスプロール的なところは九・八。以下読み上げません。こういう違いがあって、これはミニ開発とまさに類を同じくしながら困ったものだというかねての問題でしたね。 したがって、現在、どういう基準で道路、公園云々ということを各市町村が宅地開発指導要綱で決めているかは別として、当建設省とすると、限られた国土で良好な市街地を形成するとすると、こういったものが基準でありますと、これもやっぱり決めなきゃいかぬ。それは決まっておりますか。
○政府委員(升本達夫君) ただいまの時点で、地区計画の内容になるべき基準が決まっているというわけではございませんけれども、幸いに御可決をいただけますれば、この法律に基づきまして計画の標準というようなものを定めさせていただきまして、それに従って自治体を指導してまいりたいと考えております。
○栗林卓司君 建設省で基準を決めますね、そのときに学校施設とか保育園とか、それも含めてお決めになりますか。
○政府委員(升本達夫君) むずかしい御指摘でございますけれども、これは、私どもは、学校、保育所というようなものはもう少し広域的な施設ではないかというふうに理解をしておりまして、先ほど来申し上げましたような地区計画が成り立ちます前提として街路網計画あるいは大きな公園の配置計画というようなものがございます。それと同じように、学校の配置というものがいわば地区計画を定めます場合の前提条件としてありまして、それを受けて各地区の地区計画が定められていくというふうな理解を持っております。ただ、地区計画も、先ほど申し上げましたように、周辺地区のように非常に広域的なものになりますと、当然、その中に学校というようなものも保育所というようなものも取り込んで考えていくべきというケースはあろうかと思いますが、一般的には、与件として考えさせていただいていいのではないかというふうに考えております。
○栗林卓司君 地区計画というワンブロックの場合に、そこに何で学校をつくるんだという話は大変むずかしいんですね、隣のブロックでつくりゃいいじゃないかと。だけれども、市町村としますと、それはやっぱりそのブロックの地区計画、地区整備計画をつくる与件としては判然とあるんだ、したがって、その図面を引っ張った中には学校用地、保育園あるいは屎尿処理施設云々しかじか、建設省所管でないものがぞろっと並ぶんです。で建設省とすると、道路です云々ですと地区施設をわりと限定的にお考えになっていると思うんだけど、受けとめる市町村の方では総合行政として地区計画を組み上げるにきまっています。そうなってくると、じゃ一体どういう地区計画を組むか、整備計画を組むかというと、現在の宅地開発指導要綱は条例で決まっているものが少なくないわけです。そうすると、結果でき上がってくるものは宅地開発指導要綱の拡散ではないか、そうならないという約束はどこにもないし、市町村が決めるんですから、従来よりも低い基準で線を引っ張ったと、一般に見せると、選挙を考えたら、とてもじゃないけど、どの首長だってできやせぬですよ。そうなると、結局でき上がってくるのは宅地開発指導要綱の拡散である、その危険性はありませんか。
○政府委員(升本達夫君) 大都市近辺の自治体の意向を踏まえて考えますと、御指摘のような懸念がないとは言えないと思います。 しかしながら、地区計画制度は、本来、その区域内の居住者の居住条件を整備する、そのために各権利者が共同で御努力をいただく基準を示す、みずから開発行為を行われる場合の誘導プランになるようなものをつくり上げるという目的を持ったものでございますので、よくその目的を権利者の方々はもとより自治体に理解をしていただくように私ども努力をいたしまして、そのような御懸念にこたえるようにいたしたいと思います。
○栗林卓司君 自治体の意見を二、三聞いてみました。 〔委員長退席、理事茜ケ久保重光君着席〕 聞いてみたら、一つのところは、建設省から細かい説明を聞いていないんで今後勉強することになるでしょう、これによって宅地価格が一体どうなるんだろう、実行不可能な計画になってしまうんではないか、何をさておいても財源問題です、これがあると。もう一つのところは、内容は資料がありません、新聞で聞いてはいます、準則が出るそうですから出た上で考えます、しかし非常にむずかしいのではないか、現在の都市計画道路でもあと百年ぐらいかからないと実現できませんと。これは率直な意見だと思うんですよ。 そこで、最後に、時間もあれですから一つだけお尋ねします。 宅地開発指導要綱の問題、要するに関連公共施設の整備問題です。これは都市計画法の中に本来は織り込むべきじゃなかったのか。 で、ほかの国の法律を調べてみました。フランスでもドイツでも入っているんですね。たとえば、ここにドイツの連邦建築法がありますけれども、そこの中で百二十七条、開発負担金ということで条項がずっと並んでいます。これは地主から取るんです、全額ではなくて七、八〇%という話ですけれども。片一方、フランスはどうかといいますと、フランスもやはり地主から取る。 フランスの場合はまた奇妙なことをやっていまして、細かい説明は省きますけれども、たとえば法定上限密度というやつを決めています。これはどべいうやつなんだろうかと言うてみたら、言うならば容積率なんですと。法定容積率を決めて、これが三階なら三階としますよ。だけれども、どうしても私はここに五階を建てたいんだと言ったら、建てて結構ですと。 〔理事茜ケ久保重光君退席、委員長着席〕 しかし、法定容積率は三階までなんだ、四階と五階に見合う土地代金を公共機関に払わないと利用権は渡しませんと。したがって法定容積率を超えたものは一義的に公共団体が利用権を取得する。そうやってお金が入ってきますね、入ってきたものは関連の公共投資の資金に充てる。なぜこういう強硬手段をやったんだと聞いたら、一つは地価の抑制なんだと。土地を高度利用しさえすりゃ地価がどんなに上がったっていいという理屈はとってない。それはそうだと思いますよ。したがって四階、五階は土地代金をよけい増さなきゃ積み増しできないとなったら、下の更地は安くなるに決まっている。三階だけの利用で回収できるものになりますよ。土地の値段を安く抑えることと、もう一つは、そこにそんなのがおっ建ったら関連公共施設で先行投資をしなきゃいかぬ、後の負担がふえる、したがって地主から取るんです。これは全部都市計画法規の中に入っているんです。 で、いま宅地開発指導要綱というのは、とっている自治体の態度は私は必ずしもいいとは思いません。エゴの面が大変ある。あるけれども、都市計画法そのものにその面に目をそらしている不備があったんではないか。 もう時間がないから、言いたいことだけ言いますと、同じように、この地区計画、地区整備計画をつくるについて何年かけるんだということをお尋ねしたのは、そこで地区計画をつくりますよと市町村が決めてから実際に決まるまでの間の駆け込みをどうやって排除するか。これもドイツの連邦建築法ではきちんと決めています。また、土地の先買い権については都市計画法では比較的限定的ですけれども、一般先買い権を与えているのがほぼ外国の通例のようです。 そう考えていきますと、今回の改正案は、従来に比べれば一歩を進めたものとして評価するにやぶさかではないけれども、とてもこれでは私はだめだと思うんです。この上は、この法律をもとにして個々具体的にどういう指導をされるのか、一切私はそこにかかっているような気がします。最後になりましたので、これをお出しになった主管大臣としまして、これをどういうぐあいに、足らざるを補いながら運用していくのか、御所見だけ伺って、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(渡辺栄一君) ただいまいろいろ御議論をちょうだいいたしましたが、地区計画は、地区レベルで良好な市街地の形成及び保全を図るために、比較的小規模な地域を対象として道路、公園等の地区施設と建築物の敷地、形態等に関する事項等、一体的にその区域の事情に応じまして市町村が定める計画であるといろいろ御説明をいたしてきた次第でございまして、その間先生からいろいろ御指摘いただきました問題につきましては、私ども、十分検討してまいらねばならぬと思っております。 なお、また、地区の土地利用の状況等によりまして、地区計画の内容もそれにふさわしいものになってくるというふうに考えておりまして、市町村の指導に当たりましても、全国画一的に詳細な基準を設定するというわけにはいかないと思うんでありますけれども、市町村が地区の計画制度を地域の実情に応じまして運用できまするように配慮をいたしまして、運用指針を定めていくべきであろうと考えておるわけです。 このようにいたしまして、本制度の運用につきましてはかなりの部分が市町村にゆだねられることが多いことになるであろうと思いますけれども、建設省といたしましても、本制度の趣旨を十分徹底させますとともに、本制度の活用がふさわしい地域につきましては積極的にこの地区計画の策定に努力いたしますように市町村を指導してまいりたい、そして強力に推進をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○委員長(大塚喬君) 他に御発言もなければ、質疑は終局いたしたものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大塚喬君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。 本案に対する討論及び採決は、これを後刻に譲ります。 —————————————
○委員長(大塚喬君) 次に、幹線道路の沿道の整備に関する法律案を議題といたします。 本案につきましては、すでに質疑を終局しておりますので、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 幹線道路の沿道の整備に関する法律案を問題に供します。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大塚喬君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。 この際、増岡君から発言を求められておりますので、これを許します。増岡君。
○増岡康治君 ただいま可決されました幹線道路の沿道の整備に関する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党、日本共産党及び民社党の各派共同提案に係る附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 幹線道路の沿道の整備に関する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の事項について留意するとともに、その適正な運用に遺憾なきを期すべきである。 一、沿道整備道路の指定、沿道整備協議会の運営及び沿道整備計画の決定に当たつては、地域住民の意向が十分反映されるよう配慮すること。 二、道路交通騒音による障害の防止等のための沿道整備促進に当たつては、土地の買入れ制度の円滑な運用を図るとともに、本法の措置に併せて、必要な財政上、金融上及び税制上の措置が講ぜられるよう努めること。 三、沿道の生活環境の現況にかんがみ、道路交通騒音対策にとどまらず、道路交通公害全般にわたる総合的な施策の推進に努めること。 四、幹線道路の整備に当たつては、沿道住民の意向を踏まえて沿道の良好な生活環境の確保が図られるよう努めること。 右決議する。 以上でございます。
○委員長(大塚喬君) ただいま増岡君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大塚喬君) 全会一致と認めます。よって、増岡君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、渡辺建設大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。渡辺建設大臣。
○国務大臣(渡辺栄一君) 幹線道路の沿道の整備に関する法律案の御審議をお願いいたしまして以来、本委員会におかれましては熱心な御討議をいただき、ただいま議決されましたことを深く感謝申し上げます。 審議中における委員各位の御高見につきましては、今後、その趣旨を生かすよう努めてまいりますとともに、ただいま議決になりました附帯決議につきましてもその趣旨を十分に体して努力する所存でございます。 ここにこの法案の審議を終わるに際し、委員長初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。ありがとべございました。
○委員長(大塚喬君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大塚喬君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(大塚喬君) 次に、都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案を再び議題といたします。 本案につきましては、先ほど質疑を終局しておりますので、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○上田耕一郎君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となっております都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行います。 現行都市計画法が制定されたとき、わが党は、この制度に基づいて都市計画が決定される際、住民の声が計画に反映されず、上から大企業本位の都市づくりがされることを理由として反対しました。 その後、十二年間の経過を見ますと、人口及び産業の都市集中に伴う市街地の無秩序な拡散や公害の発生等、都市環境の悪化の弊害を除去するという目的が達せられるどころか、都市の過密化、都市施設の未整備、スプロール化、ミニ開発など、都市問題は従来に増して深刻化し、都市の居住環境は悪化しています。 また、住民無視の都市計画の決定により、都市に生活していた零細権利者や借家人、借間人が街を追われる例も少なくなく、都市計画法は怨嗟の的となっています。法施行後十二年間の結果はわが党の反対理由に根拠があったことを実証しています。 今回の法改正により、地区計画が第七の都市計画として新設されることとなりました。スプロール地域や環境の保全を図る地域において住民の意向に沿ってこの制度が適切に施行されるならば、ミニ開発の規制など良好な環境の街地を整備するのに一定の効果を生むであろうことを評価するのにやぶさかではありません。 しかしながら、この地区計画も現行都市計画法の体系のもとに実施されるものであり、現行都市計画法が住民本位に抜本的に改正されない限り、住民本位の地区計画が作成される十分な保障は期待できません。これが反対の基本的な第一の理由であります。 さらに、今回の改正事項の内容を検討してみますと、これまでの質疑でも明らかにされたように、重大な問題点があります。 その第一は、地区計画指定の一号要件の区域、市街地開発事業等の行われる、または行われた区域での地区計画は都市再開発事業、区画整理事業や民間デベロッパーがすでに土地を取得していて大規模な民間開発事業の予定が立っているときに指定するものであることが明らかにされています。こうした大企業本位の開発に道を開き、この場合、土地利用の高度化、建築物の高層化を強いられ、零細権利者や権利さえ認められない住民がその地域から追われる危険性を多分に持っていることは否定できません。本改正案に反対せざるを得ない第二の理由です。 第三の反対理由は、地区計画そのものも都市計画法の本体と同様に住民参加に道を閉ざしていることです。地区計画を作成するに当たって意見を聞かれるのは土地の所有者や賃貸人、抵当権者など土地に関する権利者に限られ、その区域に住み、そこで実際に生活しているその他の住民は全く無視されています。その区域に住んでいる住民の希望は、まさに良好な環境の整備にありますが、その区域に実際に居住していない土地の権利者は、土地利用に関し、土地からの収益の増大を望むのが常であります。それは土地の高度利用、高層化であり、この意見に基づいて地区計画がつくられるならば、そこからは都市の過密化、環境の悪化が生じます。 地区計画案が基本的に固まった後で都市計画法による公聴会、縦覧、意見書の提出などの制度がありますが、これらが形骸化し、住民の声を真に聞く制度となっていないことは法施行後の事実が明瞭に実証しているところであります。 以上の理由をもって、日本共産党は、都市計画法及び建築基準法の改正案に反対の態度を表明するものであります。 わが党は、一九六八年の「都市問題解決の二つの道」を初め、七二年「いのちとくらしをまもり住みよい国土をつくる総合計画」、七七年「日本経済への提言」で都市問題を解決する道を明らかにしてきました。 昨年発表した土地・住宅政策「居住水準の向上と住環境の改善をめざして」では、関係地域住民の合意に基づく「都市計画法の見直しと改正」について次のように述べています。 都市計画区域内の土地については、周辺の開 発、市街化の程度に応じて、都市整備完了地域、 既成市街地区域、スプロール進行地域、未市街 化区域、開発抑制区域などに区分し、既成市街 地ではさらに市街地の状況に応じて保全、修復、 再開発計画をたて、スプロール地域では地区詳 細計画的な規制を加え、未市街化区域は計画的 な面開発計画を策定し、優先順位を定めて、計 画的に都市整備をすすめます。このため、都市 計画法の見直しと改正をはかります。 日本共産党は、住民本位の住みよい都市づくりのため、これらの政策の実現を目指して活動することを表明して、反対討論を終わります。
○委員長(大塚喬君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案を問題に供します。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大塚喬君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大塚喬君) 御異議ないものと認め、さよう決定をいたします。 —————————————
○委員長(大塚喬君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大塚喬君) 御異議ないと認めます。 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大塚喬君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会をいたします。 午後四時二十二分散会 —————・—————