建設委員会 第5号
- 発言数
- 259 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1980/03/25
会議録
○委員長(大塚喬君) ただいまから建設委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る三月十九日、小谷守君及び藤田進君が委員を辞任され、その補欠として赤桐操君及び松本英一君が選任されました。 —————————————
○委員長(大塚喬君) 次に、宅地建物取引業法及び積立式宅地建物販売業法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本法律案につきまして、本日お手元に配付いたしております名簿の方々に参考人として御出席をいただいております。 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。 皆様には、御多忙中のところ、御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。皆様から忌憚のない御意見を拝聴し、本案審議の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いを申し上げます。 なお、会議の進め方といたしまして、山本参考人、春野参考人、中山参考人の順序で、お一人十五分程度御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えをいただきたいと存じます。 それでは、山本参考人にお願いをいたします。山本参考人。
○参考人(山本進一君) 山本でございます。 今回の宅地建物取引業法及び積立式宅地建物販売業法の一部改正案につきましては、私は、全面的に賛成でございます。 これらの業法の改正は、業者に対しましてはかなり厳しいものでございます。しかも、改正の対象となりますものは、業者の営業、それからその取引でございますが、その内容は、宅地建物の売買、交換、貸借でありますし、また、そのための代理あるいは委任の法律関係でございまして、いずれも民法では当事者間で自由にその内容を定め得る取引とされているものでありますし、また、自由な営業とされているものでもございますが、もっとも、その中で貸借につきましては借地法、借家法等の規制があることは御存じのとおりでございまするが、これらの法律関係について規制を加えるということは、観念的には自由な営業あるいは取引に対する干渉としての問題がないではございません。しかし、宅地建物の購入という問題、あるいは営業や住宅としての土地建物の貸借といいますものは、いずれも庶民にとっては大きな事業でございまして、宅地建物の購入などは一生の夢でもあり、また金額も大変かさんだ取引でございますので、これをめぐって生ずるトラブルというものは質、量ともにかなり深刻なものがございます。したがいまして、これに対する消費者保護という立場からの今回の改正、業者に対する規制の強化と申しますものはいたし方ないと考える次第でございます。 また、これらの問題が生じましてから後で解決を図ろうといたしましても、実際上きわめて無力な場合が多いものでございますので、でき得る限り、事前に、これらのトラブルが起きないように措置することが望ましいわけでございまして、そういう面からも今回の改正はやむを得ない改正である、私はそう考える次第でございます。 各個の改正点についての意見でございますが、今回の積立式販売業法の改正は、これは宅建業法の改正に準じておりますので、主として宅建業法の改正点についての意見を申し述べさせていただきます。 今回の改正は、大きく分けますと、業者とその使用人についての規制・監督の強化、取引方法についての規制、それから宅地建物取引業保証協会についての改正、この大きく三つに分けることができます。 まず、第一の、業者とその使用人についての規制でございますけれども、これには免許の基準を強化する。それから営業保証金の額を強化するために、これを政令で決められるものにいたしました。この点は、将来、業界の業態による分類、再編成ということを考えての幅のある含みを持っているものと思います。けれども、ただ、従来、法律に明示されておりました営業保証金を政令で定められるという形にいたしますことには業界からの意見もあろうかと思いますが、これについては関係官署の運用に期待するより仕方がないであろう、こう考える次第でございます。 それから取引主任者の増員、登録基準の強化、それから新しく取引主任者証の交付、更新制度の新設、それに伴う講習を受ける義務の新設、こういうものが取り上げられておりますが、これは取引主任者といいますのは、取引についての内容を購入者に説明する重要な立場でございまして、購入者としてはこれを頼りに自分の取引を決めていくわけでございますので、十分信頼のおける者になってほしいわけでございますが、最近、各種の不動産についての規制がちょいちょい変わりますので、これについての勉強を十分していただいた者に取引主任者であってほしいわけでございます。そういう意味から、主任者証を更新するという制度を新設して、それに伴い新しい法律の勉強をしてもらう、こういう制度は大変消費者にとって有意義な制度であろうと思うのでございます。 それから、なお、業者の使用人の秘守義務——業務で知り得た財産関係についての秘密を外部に漏らしてはならないということの義務が新設されますが、これも財産についてのプライバシーを守るという面からぜひ設けてほしい制度でございます。これが業者とその使用人についての規制の強化でございます。 その次には、取引方法についての規制についての意見を申し上げたいと思いますが、ここでは、今回は、誇大広告の取り締まりの強化が図られております。ローンのあっせん等をめぐってのトラブル等、広告と違っているというような苦情も出てきておりますので、こういうふうな新しい問題についての規制を加えたこと、これも適切であろうと思っております。 それから他人の物件の売買を禁止するという条項を新しく盛っております。これは民法でも他人の物の売買は認められている制度でございますけれども、何といっても大きな取引、宅地建物についてこれをめぐってのトラブルが生ずることは否めません。そういう意味から、やはり宅地建物については法律関係が基礎的にしっかりしているものについてのみ業者の販売を認める、こういう規制はやむを得ないものがあると思うのでございます。 それから、媒介契約の書面化が新しく取り上げられました。最近、マンション等の中古住宅についての買いかえあるいは売買が行われるようになりまして、これをめぐってのトラブルがかなり多くなってまいりました。そういう点にかんがみまして、仲介の法律関係の争いがかなり出てきておりますが、その一つは、この契約の内容がきわめて不明瞭なままで業者によって行われていることでございます。そういう点からこの契約を書面で取り扱わなければならないとすることは適切な措置であろうと思うのでございます。 それから、なお、業者がその仲介物件について価額の意見を述べる、これもかなり重要な問題でございまして、実際には業者のつけた値段で、それ以上に売りたいと思っている場合でも、それでは売れぬと言われますと、それに従わざるを得ない。後でほかから聞いてみるともっといい値段で売れたのではないかというような問題が多々ございまして、業者がつける値段についての信頼度をめぐっての問題というものがかなり潜在的にございます。取引が終わった後でも、それについての疑いが残るというような問題もございます。こういうような意味から、業者が値段をつける場合、一つの参考意見を述べる場合には確たる根拠を示して客観性を示さなければならないという規制が入っているようでございますけれども、これも私は大変妙を得た制度ではないかと考える次第でございます。 ただ、法案によりますと、専任契約と、それから専任契約でない大ぜいの業者にも同時に委任できるというような、そういう契約形式を頭に置いているようでございますけれども、これは法案でもそういう契約形式を限定してもいないようでございまして、ややその点についての規制の仕方が不十分でございますので、これをめぐってのあるいはトラブルが将来出てくるのではないかと懸念されますけれども、これは今後の課題として、とにかくこの媒介の契約のあり方についての規制を新しく進めたということに私は意義を見出したい、こう考えております。 それから重要事項の説明を追加いたしましたが、これについては、マンション等につきましては、各種の共用部分についてのトラブル、それから管理上のトラブル、こういうふうなものがかなり出てきておりますので、それについての説明を業者が行うという改正でございまして、これも私はもっともな改正ではないかと考えております。 さらに重要なものとしては、申し込みの撤回あるいは契約の自由解除制度、いわゆるクーリングオフ制度が新設されたことでございます。現地に案内して購入者に契約を強要する、あるいは温泉地に招待してそこでどうしても申し込みをせざるを得ないような状況に追い込んで契約をとる、こういうふうなことがとかく新聞にも出ておりましたが、こういうふうな形で半ば強制された形の中で契約をしたような場合には、一定の期間内でその契約を白紙に戻すことができる、こういう制度でございます。これは従来割賦販売法、訪問販売等に関する法律ではすでに採用されていることでございますが、それを今度は宅地建物の売買についても採用するということで、私としても、これも大変結構な制度である、こう考えているものでございます。 最後に、保証協会についての改正でございますが、最近、保証協会も基礎が安定してまいりましたので、業界の発展のために本協会の業務の幅を拡大し、資金の運用を図るという制度が今回の中に盛られているようでございますが、これも私は適切な制度ではないかと考える次第でございます。 以上によりまして、私は、この改正につきましては全面的にほぼ賛成でございます。以上でございます。
○委員長(大塚喬君) どうもありがとうございました。 続きまして、春野参考人にお願いをいたします。
○参考人(春野鶴子君) 春野でございます。 今回のこの改正につきましては、内閣の方でも消費者保護の第一にお挙げになるほど、消費者保護を中心にしたものであるということをうたっておられます。私どもからすれば、結構と思いますが、少し遅きに失したという感もあります。これまで住宅問題については消費者は非常に泣かされてきておりまして、早く何とかそういうあれが明朗にできないか。住宅はやっぱり私どもにとりましては一生の間に二度も三度も五度もという商品でございません。一世一代の買い物であり、しかも、ほかの商品や衣類と違いまして手にとって詳細に裏表がわかる、品質、性能がわかるというものでございませんだけに、こういう点はもっと早く消費者保護に乗り出してほしかったと思います。 私も、この法律の改正案につきまして審議会委員の一人として参加してまいりました。それでなお本日いい機会としまして各項目についてるる申し述べますが、審議に参加していながらまだまだそんなに意見があったのかと言われるかと思いますけれど、こういうふうにまとまってまいりますと、内部あるいは関係消費者団体でもいろいろ検討いたしまして、ぜひこういうことを述べてほしいということもありますので、遠慮なく、追加と言えば追加かもしれませんが、希望する点を述べさせていただきます。一応、改正については、一歩も二歩も前進ということで喜んではおりますものの、申し述べましたような気持ちで意見をつけ加えます。 免許の基準の強化というのがトップの方にございますが、これは強化大いに結構です。ところが、やや悪質な人々は、免許の取り消しを受けた場合に、後五年間は再び免許を受けられない、その点はいいんですけれども、こういう人たちは奥さんや、うかとするとお隣の方、兄弟、そういう人たちに免許を取らせるんですね、免許の仕方がやや安易ではないか。で御本人は後ろの方にいてすっかりこの経営を支配してしまう、そういう例も多うございまして、どうもこう抜け穴が多過ぎる。最初のこの免許の基準、ここのところにいま少し御配慮が願えないか。買う方は必死の思いの買い物。そうすると、それを業となさるところの方には、いま少しやぱっり相当な知識をお持ちになって資格をお持ちくださらないと、それは取引主任者の方にあるんだと、こう言われてしまえばおしまいですけれど、せっかくの免許基準の強化というところに、いま申し上げるような事例が多いということを申し上げておきます。 それから、その次に、営業保証金制度の改正。これは相当金額がふえるようでございますが、これはこれだけふやせばそれでいいというよりも、主として未完成物件等の取引あるいは前渡しのお金、そういうようなこともあるわけです。それをいいことにしてずいぶん大ぜいの者がひっかかり、しかも後になって事実と違う、返してほしい、そういうような事例も多いんです。それを承知で消費者をひっかけてしまうというような悪質なあれもありますので、これだけですっかり安心できるというものではないと思うんですね。 それともう一つは、デベロッパー、それから販売会社、それからちまたにたくさんあります、言うならば小さい不動産取引業、この三段階ぐらいに分けて、そしてその保証金の金額をいずれも三百万でやろうというふうに決めないで、やっぱり営業の規模、質、そういうところで差をつけませんと、ちまたの不動産のおじさんたちまで第一流のすごいデベロッパー、そういうところと同じ保証金というのではちょっとお気の毒なような気もします。そういう点が考えられます。 ついでに、契約が守られなかったときのために、言うならば保証保険制度とでもいうような、そういうものが成立いたしますと、取引のときにその保証保険会社にちゃんと入っておりますよというような、これも業者の方の一つの大きな信用になるというふうにも思うんです。二重の安心感を私どもは持ちたい。 それから取引態様の明示の充実、これはもう当然でございますが、相変わらず仲介業者が多いんですよね。その人を信用して取引するわけですけど、将来、瑕疵問題なんかが起きたときに、責任が分散されまして非常にトラブルを起こしやすい事実が多うございます。 それから媒介契約、一般契約と専任契約のところですが、ここでは、消費者側が、たとえば専任媒介契約だったと思いますけれど、三カ月間もうはっきりお約束するわけです。その間に幸いうまく高く売れるというふうなことで、言うならば違約ですよね、業者に対する違約。そうすると違約金という制度がたしかついたと思うんですけど、これはちょっと過酷ではないかと思うんですね。 それでまだ一般の人はよくこれがのみ込めませんし、早く高く売りたい、その思いで売りに出すんで、一般であれ専任であれ、とにかく業者を信頼して売りに出すわけです。その場合に、業者の方には二週間に一回報告しなければならない云々とありますが、さっきも御意見が出ましたように、お値段の点がどうしても業者に操られて思うようにいかない、無理無理あるいはのみ込まされてしまう、そういうあれもあります。それから、そのお値段の点が何とも歯がゆいのですが、ここに一つやはりやや公的な立場からの価格、大体こういうものはあなたは二千万と思われるけれども、千五百万程度のものですよというやや権威のある価格評価とでも言いますか、そういうものがないと、それなしに業者の言われるお値段次第につり込まれてしまって泣く泣く云々する。しかも、いやよというふうになりますと、違約金云々というふうなのがくっつきますと、さてこれ消費者保護だろうかどうだろうかという疑問を持ちます。 それから重要事項の説明のところですが、これには、先ほども御意見が出ましたように、マンションなど、本当の持ち主の方、そこがすべてを管理運営されるんでなくて、管理会社、管理を専門にする会社が多くできておりまして、そこに委託されて、持ち主と管理を委託する会社と二重準なっているのですね、実際は。それで何かトラブルが起きて、共用する部分とか、あるいは駐車場の問題とか、われわれはそれをもうすべて払ったつもりなのが、会社の管理人が普通の人にも駐車場を貸して貸し賃を取っているとか、とかくに問題が続出しているのです。ですから、持ち主はこうこうで、そうして敷地に関する権利の種類及び内容云々、これはこうこうで、そうして平生の管理云々についてはこうこう相なっておりますというようなことを十分説明し、かつ責任の所在を明確にして、何が起こっても、何をお尋ねするにしても、そこのところが一本にすっといくようになっておりませんと、本社は知りません、それは委託管理の方で云々というふうなことで、これはトラブルがもういま非常にふえておりますので、そこのところが明確になってほしい。 それから、五日以内に契約を解消することができる。これは招待旅行先の温泉地や云々で、つまり本当の事務所以外のところでお約束をした場合に解消できるというんですね。 これは初めて取り入れられたことで喜んではおりますけれど、うかとしますと、業界の方がお利口さんでございまして、取り消しのできないところでする。つまり全部事務所でいたしましょうと。それで結構なのですけれど、つまり五日以内のクーリングオフというそれが実際には使われない、そういうふうに誘導されてしまうのじゃないかという、大変勘ぐりですけど、心配があります。それでもちろん出先で簡単に契約するということはなくなるかもしれませんけれども、うかとすると、事務所で契約したことにいたしましょう、それでいいわよ、というふうなおそれなきにしもあらず。 私は、これはもう審議会でも主張したことですが、いかなる場所で取引した場合でも、こういういうものについてはもう一回家族全部で見に行こうとか、だれかに相談してごうごうとか云々というだめ押しが多いものなんです。ですから、どこで取引した契約が成立した場合でも適用するというふうにしてほしいのです。業界は大変お困りかもしれませんけれども、大物買いでございますので、これぐらいはお認めいただきたい。 それから、ここには特に触れてございませんが、瑕疵問題が起こることが非常にこれまた消費者泣かせで泣かされてきているんです。これは昭和五十二年七月に主婦連が住宅調査をし、政府にもお願いしまして、いま業界八団体の方々がサービスということで、自後のそういうものに、大体二年間に起こったことにはサービスとして工事をしますとか直しますとか、そういうふうに相なっております。これは大変業界の良心的な行為でもありますが、単に業界の自主規制というだけでは、これも一歩前進ですけれども、やっぱり法的な裏づけが瑕疵問題については必要ではないか。非常にこれはもう泣くにも泣けない、そして引っ越しもできないし、売ることもできないし、本当に悲しい問題なんです。見えないところでこういうきずが起こってまいりますので、そういう点ぜひお考え願えないだろうか。 それから、最後に、こういうようなことが起こってからいろいろ交渉したり云々というと、実にもう本当にどうしようもないくらい解決がつかないんですね。ぜひ速やかに紛争解決あるいは苦情を持ち込んでいける、あるいはその前に相談ができる、そういうようなところをお設けいただくと、こういうお互いの疑心暗鬼あるいは不安、そういうものも解消していくんじゃないか。 さらに、もう一つつけ加えますと、ここに触れてない瑕疵問題でごたごた申し上げて恐縮ですが、期間はやっぱり十年くらい欲しいし、それから一年でも十年でも、瑕疵問題が起こって消費者と業者があれこれあれこれやる間、ローンの方はやっぱりきちんきちんと払っていかなきゃいけないですね、これが痛いのです。だから建物にトラブルが生じた場合でも、ローンはローンで違いますから銀行の方に払っていかなきゃいけない、住み心地は悪いし云々という、そういうこともありますので、こういうことが起こったときには、そのローンの方の処理も、一時会社が立てかえるとか、あるいは云々するとか、そこまで何かの形で触れていただくという、事実もうこういうことは非常に起こっておりますし、そういう希望を述べておきたいと思います。
○委員長(大塚喬君) ありがとうございました。 次に、中山参考人にお願いをいたします。
○参考人(中山弥十八君) 全宅連並びに保証協会の会長をしております中山と申します。 今回のこの宅建業法の改正の案を見ますというと、まず、消費者保護、これの非常な強化策、それに不動産の流通機構の整備、この二つが主体になっておるようでございます。そこで、ただいまからこれらに関しまして、全宅連の考え方、また業界自体の実情について、これらを含めて意見を申し上げたい、こういうふうに思っております。 現在、全国の免許業者は十万強でございます。それで全宅連に加盟しているのが八万一千ぐらい、他の七団体には約二千。だから業界では八万三千ぐらいが加盟しているということになります。そのほかの一万七千というのは、どこにも属していないアウトである、こういう現状でございます。この十万からの業者のうちで、大体大手と言われる層が約千業者いるわけです。そのほかの九万九千といいますというと、もうほとんどの業者が中小零細と言われる層でございます。 そこで、現在、八つの業界の各団体はそれぞれ公益法人である。そうして会員の指導、育成に努めておるんですが、ずっと前に比べまして相当の質の向上がなされております。しかしながら、この十万業者の中に、ただいま指摘をされましたように、ごく一部ではございますけれども、非常に不心得な業者がいて、その行為が消費者の皆様に大変迷惑をかけている。今回の業法を改正する、また改正しなければならないという原因はこれらの一部の悪質業者の行為ではなかろうか、こういうふうに言われております。この点に対して、業界を代表いたしまして、ここに遺憾の意を表明するものでございます。 そこで、この宅建業法は、われわれの面から見ますというと、他の業種にない非常に厳しいものです。いままで何回となく業法が改正をされました。改正をされる都度、だんだんだんだんとこの厳しさが増してまいるわけでございます。これは、一面、消費者に対する違背行為がだんだんと多くなっているということが原因かもしれませんが、われわれにとりましては、やはり業の自由競争の中において、一方において法律によってどんどん締められるということはなかなかこれ大変なものでございます。しかしながら、一方におきますただいまのような消費者に大変迷惑をかけるというようなことの反省の上から、今回の業法の改正案につきましては、これに同意をしたわけでございます。そうしてこの同意の中において、反省の上に立って自主規制を十分にさして、業界としての指導、育成に万全を期していきたい。そうして住環境をよくする上にも、業界としての考え方をえりを正した中においてやっていこう、こういうふうに考えているわけでございます。 そこで、全宅連の実情で御存じない点がございますので、一体何をやっているんだと、こういうふうに思っていられる先生方も多いかと思いますが、全宅連の傘下の四十七都道府県では、現在、消費者へのサービスとして全国に約三百三十カ所の無料相談所を設けています。これには会員の中から延べで約三千名、この大ぜいの人たちが無料でもって奉仕をしているわけです。これは毎日どこかでやっております。そこで相談受け付けが一体どれくらい来ているのか。これは建設省を初め都道府県等を見ますると、かなりの数が役所の方へも来ているようでございますが、われわれのところへも五十四年の三月末現在を見ますというと、一年間に九千五百件参っております。問題は、相談受け付けが幾つあるかということではなくて、どれだけ解決しているかということ、全宅連傘下の都道府県の協会で解決したものは九〇%以上になっております。だから非常に精力的な中で業者会員がこれに当たっているということがこれで言えると思います。 そこで、一番大事なのは、その中で金銭を伴った苦情が一体どれぐらいあるかと申しますというと、昨年の十二月までの利用を挙げますと、全部で保証協会ができましてから二百八十二件、そのうち二百六十二件が解決をしております。これは金銭で御迷惑をかけた方々に対する解決策がこれだけ上昇しておるわけでございます。 また、業者にだまされたとか、金銭的な損害をこうむったというのは、五十四年度までに大体百五十八件出ております。この額が問題なのですが、非常に多くの額になっております、五億一千万という債権額が出ております。取引形態は売り主としてのものが主でございますが、仲介も一部入っております。そこで、保証協会の方で、これらに対します弁済業務、これを昭和四十八年三月から行いまして、五十五年の一月までの受け付け件数が百七十一件で、これを認証した件数が百三十三件でございます。そして弁済金、これは業者会員が保証協会に分担金として出しました金の利息等の積み立てによってためてある弁済準備金でございます。この中から現在まで六千六百万円を払っております。 今回の法改正の中でわれわれにとりまして一番重要なものは営業保証金の引き上げであろうかと思います。これは主たる事務所が三百万、従たる事務所が百五十万、こういうふうになりますというと、勢い分担金の額も引き上げられまして、大体二十万ということになってまいります。そうしますと、仮に現在行われているような状態が続くとしてもへ相当額が弁済でもって補われていくであろうというふうに見ております。しかし、私は、弁済額が多く払えるということではなくて、この法律によって業界が自主規制を徹底化し、弁済額は一銭も払わなくてもよろしいという状態にやっていきたい、このように考えております。 この業法の中で大事なことは、悪質業者、これは業者になったがための悪質業者ではなくて、業者になる以前の体質の問題だろうと思います。どこの業をやっても、それらのような人間は悪質行為を起こす体質を持っています。これを十分私どもの調査の機関の中で調べました結果、やっている者は反復行動をやって、だれもかれもというんじゃございません、それなりの体質を持っている者がそういうことをやっているということがわかっております。そこで、何とかしてこれらを防止するには、まず、行政において宅建業の免許をおろす前に、書類審査だけではなくて、何とかして実情の調査をやってほしい、これを私の方で特に申し上げておきたいと存じます。 私は、四十七都道府県全部を回ろうと思って、二年間かけてやってまいりましたが、どうにか三分の二回ってまいりました。その三分の二回った結論は、都道府県で大都市を中心にする県はそれほどでもございませんが、小さい県に行きますというと、また中都市を抱えている県に行きますというと、職員が二名しかいない。二名や三名の県の職員で不動産業界、不動産業者の数を全部指導、育成ということは不可能でございます。これらの不動産業界を指導する担当の係員を各県にもう少しふやしていただいて、万全を期していただければ、まだまだよくなっていくのではなかろうか、このように思っております。ただ、県にだけおんぶして業界は何にもしないというのではございません。業界は業界なりにできる限りの指導体制を持ってやっていくから、行政の方でもそれなりにひとつ万全を期するような体制づくりをお願いしたい、このように特にお願いを申し上げておきます。 それから、公益法人としての私どもの団体、これは八つございますが、これに対する現在の建設省、また都道府県の担当は、これはほめるわけじゃございませんが、非常に熱心にやっています。これは先生方に私の方から、業界がこんなことを言うのはちょっと変なんですが、これは見ておりますというと、非常に熱心にやっておる。しかも上からの指導強化といいますか、業界に対する強化といいますか、これは消費者団体からの非常な要請等もあると思いますが、非常な強い考え方でもって上からの一貫した中で行政に当たっていらっしゃる。だから、私は、数をもう少しふやしていただければ、これらが完全なものになるんではなかろうか、このように思っております。 そこで、行政が指導面に手が出ないという大きな原因が最近わかったのですが、それは一般の消費者の方々が行政の方へ、お役所の方へ相談事を持ち込んでくる。私どもの方へどんどん来ていただければ非常にいいんですが、これは業界へ行くよりも役所の方がいいんだろうというような考えからかもしれませんが、役所の方へどんどん行く数が現在ふえつつあります。そこで本来の仕事よりもそれらの方への対応といいますか、相談相手になる時間が非常に多く割かれて、業界そのものに対するいろいろの面に支障を来しているんではなかろうか、このように見ておるわけでございます。それで、私は、業界として、こういうできる範囲の中において何か業務委託のようなかっこうでわれわれに申しつけられれば、いつでもこれらに対応いたしていきたい、このように考えております。ただ、役所というのは、権限を民間に出しますというと、いろんな意味でとられるということもあるかとも思いますが、公益法人としての立場から、行政に協力をして、国の住宅政策にまともになって正面から協力するのは当然であろう、このように考えておりますので、そういう点もひとつ十分に御配慮願えれば幸いである、こういうように思っております。 それから、先ほど申し上げた不動産の流通機構の整備、これは、現在、中小業者が大半を占める業界では一部の大手不動産業者、大手企業の近代化というものは相当進んでおります。しかし、中小におきましては、まだまだ近代化というものにはほど遠い状態でございます。ところが、建設省等の指導によりまして、最近、近代化というものに対する目が非常に開けてまいりまして前向きに検討するようになってまいりました。御承知と存じますが、不動産の近代化センター等の開設準備等が出まして、これらをもとにして、何とかして中小不動産業界の企業の面の将来に対する発展策を考えようという機運が非常に高まっております。これらに対しましても今度の業法の中に準備金の取り崩しというような面で出ておりますが、私は、これは日本の不動産業界の現実を踏まえて非常に将来に対してよいことである。これは行政、消費者、業界を問わず一つになって、近代化の中において不動産関係の流通整備を十分にやるべきである、また、やらなければならない、このように考えております。 また、いろいろと細かい点に移りますと、これは先ほど出ましたように、われわれ業界と消費者団体、また学者先生の考え方には相違点があると思いますが、それは消費者を保護するという大きな観点から、非常に厳しい内容ではございますが、総論としましては、私の方ではこれをどうしても賛成せざるを得ない。また、どうしてもすぐにできないような問題等につきましては、時間をかけて、なるべく法の趣旨を生かして、この法が適用されるにおいては、これをやるのは業者、業界であって、幾らりっぱな法律をつくっても、これを実行しなければ何の価値もない。こういうところから徹底的に指導、育成をして、この業法が守られるような、また守ることにおいて消費者が十分に保護される、そういう点で今後の運営にこれを組み入れていきたい、このように考えております。 なお、不動産業界といたしまして、ここで建設省並びに関係の皆様方に感謝を申し上げたいのは、この業法の中で第一条の目的に不動産業界の発展を期すというようなことが入っております。この点につきまして、いままで「宅地建物取引業の健全な発達」というようなことは一言半句も出たことはございません。締めつけの業法である、このようにわれわれは見ていたんですが、今回は、幸いにも「宅地建物取引業の健全な発達を促進し」と、この字句が挿入されたということに対して感謝を申し上げるものでございます。 最後に、との参議院の建設委員会の先生方、また建設省を初め、いろいろと業界のために御心配をかけておりますが、種々御指導を賜ったことに感謝を申し上げて、意見を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○委員長(大塚喬君) ありがとうございました。 以上で参考人の方々の御意見の開陳を終わります。 これより参考人に対する質疑を行いますが、春野参考人には、都合により、午前十一時四十五分に退席されますので、質疑のある方はあらかじめ御承知くださるようお願いいたします。 それでは、これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○赤桐操君 山木参考人にお伺いをいたしたいと思います。 宅地建物にかかわる瑕疵担保期間の問題でございます。審議会ではいろいろ御検討がなされたようでございますけれども、結果的にこれは提案の中には入っておらないわけでありますけれども、これについて、どのような御見解をお持ちになっておられますか伺いたいと思います。
○参考人(山本進一君) 今回の法案の中に瑕疵担保責任についての規定が入らなかったことについては私も遺憾だと思います。 ただ、これにつきましては、建設業法にも瑕疵担保の問題がございまして、それとの期間がアンバランスにならないようにというような意見がございまして、それとの調整の上で検討しようというふうに審議会ではなっていると承知しておりますので、それに期待している次第でございます。
○赤桐操君 次に、免許の区分の問題でございますが、これまた山木参考人に伺いたいと思うのでありますが、宅地建物の取引というのはこの審議会でも大分論議されてきておるわけでありますが、その中で示されておりまするように、ランクが大別して三つないし四つになると思うのです。その場合の実情というものから考えてみたときに、当然、この免許の区分ということについては本法案あたりで出るべきだと思うのです。 いま業界の方の代表の方からもお話がございましたけれども、厳しい規制と育成がバランスがとられておりませんと、これはやはりうまくいかないわけでありまして、現実には十万に及ぶ業界の方々が動いているわけでありますから、そういう意味合いからすれば、当然、免許の区分について考えなければならないだろうと私たちは実は考えておったわけであります。同時にまた、中小業者の立場というものも考えてあげなきゃならぬわけでございまして、そういう面から見ますると、事業分野の確保という問題から考えてみましても、免許区分というものが基本になってくるように思うのでありますけれども、こういう問題についてはどのような御見解をお持ちになっておられますか。
○参考人(山本進一君) おっしゃるとおりだと思います。一口に不動産業者と申しましても、ささやかな店舗で間貸しの仲介をやっている業者から大きな宅地造成、それについての販売という業態までございまして、これらを一律に一つの法律で規制するというのにはかなり無理がございます。そういう点からいたしますと、業態をきちっと分けて、それぞれに応じた規制をするということが適切であろうと思います。 ただ、現状におきましては、そういう動きを一般的に示しながら業界の対応を見ていくという段階であるのではないかと思っておりますけれども、業者といたしましては、一応、あらゆる可能性を持ちたいという希望が一面にはあるようでございまして、自分たちの業の範囲が一定の範囲に限定されてしまうということに対する不満もあるようでございます。そういうふうな点から、審議会の答申作成の過程におきましては、少しく時間をかけてそういう方面への業界の整備が行われるんだということを少しずつ浸透させていくという時間的な経過の中で、この業態の実態をつかんで、その上で具体的な対策を立てたい、こういうのが当局の御意見のように承りまして、私は、それもいたし方ないのではないか、こう考えた次第でございます。
○赤桐操君 中山参考人に伺いたいと思いますが、非常に業界の発展のために御尽力をいただいている会長さんに敬意を表するわけでございますけれども、アメリカにおきましても自由取引が原則でございまするし、日本においても自由取引が原則でありますが、私は、十年ほど前にアメリカに参りまして、たまたまこういう仕事をやっていらっしゃる方とお会いしたのでありますけれども、大変社会的に地位が高いということを私たち何ってまいりました。信用の度の厚さというものを示しておると思うのですけれども、どうして日本の場合においては、今日のような、いろいろ規制をしなければならない状態が現実の状態として行われているのか。そうしてトラブルというとかなりこの種の業界に多いということも事実でありまするし、そういう意味合いからいたしまして、規制だけでは確かに処置できない問題があると思いますが、業界自体の独自のお立場に立たれた方法と申しましょうか、そういうものについてもっと積極、能動的なものは全国的にお持ちになることはできないのかどうなのか、この辺ちょっと伺いたいと思います。
○参考人(中山弥十八君) 仰せのとおり、この不動産業界というのは出発点から、ごらんのように、非常に複雑な中から出発されているわけなんです。そこで、現在アメリカのような一つの統制のもとできちっとした団体の権威の中でやれといっても、いますぐこれをやれというのは、なかなか徹底化しないというのが実情でございます。そこで、先ほど申し上げたように、免許を与えるときに、まずしっかりと調査をする。そうして七の審査事項が単なる書類審査ではなくて、実態においてどうすべきかということをもう少し掘り下げた中で研究すべきであろうということが一つ。 それから、業法に基づいて各県に一つずつ宅地建物取引業協会というものをつくってよろしいということで、各都道府県に一つの業協会ができ、その連合体を全宅連と申します。そして、これらがまた別の組織として保証協会をつくっているわけなんです。だから一連のみな関連があるわけなんです。そこで、入会とかいろいろな問題の中で私どもにおいては入会審査でかなり選別しています。この業協会の会員ばどこへ出しても恥ずかしくないりっぱなものであるという前提において、これらに対する審査を厳重にした中で入会を認めている。これが一つ。 それから、アウトが非常に多いわけなんです。大体十万のうち一万七千アウトである。アウトの中には、休眠、ほとんど商売をしていないような方も多少おります。これは大体二、三千名いるんじゃなかろうかと思います。そういうものを除いても一万五千という、現に商売をしながら他の団体にも属さない、これはほとんど指導は徹底化できません。だから、これらをどうするかという問題まず、これに相当努力をして会員に入ってもらって、そこで同じような指導、育成をしていくというのが一つの方法である。団体に入れば、それなりに十分に責任を持って指導体制をつくり上げておりますので、まず、当面の問題として、アウトをいかようにしていくかという問題が大きな面ではなかろうか、このように思っております。だから、最大の努力はもうやりつつあるということを申し上げておきます。
○増岡康治君 中山参考人にお願いいたします。 先ほど春野参考人からもいろんな話がありましたんですけれども、いわゆるトラブルが非常に多いということで、しかも、それがアウトサイダーの面から出る。全宅連の皆さんは非常に御努力をなさっており、そのトラブルの解決の方法として、先ほど中山参考人のお話によると、各県で非常に努力して相当件数を解決した、こういうような非常にいいお話もお聞きしたんでございますけれども、一般的に見ますと、相当国会においてもトラブルの話ばかりが出てくるんでございますが、このトラブルのこういう処理をする機関といいますか、が要るんだろうか、どうだろうか。 建設業ですと紛争審査会があるわけでございますけれども、先ほど中山参考人は、県あたりの指導行政をもう少し数をふやしてやれ、そして自分たちは各地方でしっかり受けとめるというお話をなさっておるんですが、果たしてそれだけで、何もほかに機関をつくらないでも、この紛争というものがうまくいくんだろうか、どうだろうか。この点についてのひとつ御感想をお聞きしたいんでございます、業界の立場として。
○参考人(中山弥十八君) これは犯罪的な要素を持つものが生まれてからこれを処理するということではもう遅過ぎるわけなんです。まず、防止でございます。 この犯罪発生の防止ということになりますというと、まことに申しにくいんですが、消費者教育が徹底しておりません。消費者の方々が、不動産を買うときに、お金を何物よりも大事なものであるということをちょっと忘れられるんじゃないか、安易な気持ちで契約をされておるということも一つの大きな原因ではなかろうかと思います。われわれ業者の大半はもうまじめに業を守ってやっているわけなんです。ところが、調べてみますというと、ごく一部が作為的にこれを反復しておるわけです。やり方が非常にもう巧妙で、われわれ自体もひっかかるような頭のいい連中がたくさんいまして、これがもうどんどん専門的にそういうことをする。この前ローンの問題等も出ましたが、こうなりますというと、やはり十分に消費者の皆様方がそういう点に対して注意をしてもらうということ。 それから、また、業界もいろんなパンフレット等もどんどん出しておりますが、業界は消費者サービスに全力を挙げること。それからPR等もいたしまして周知徹底を図る。これはもう一体となってやりませんというと、なかなかむずかしい面がございます。そういうことで、できるだけ掘り下げて、それらの実態を参考として、でき上がったものはどんどんどんどんこれを参考に取り上げて、防止をするにはどういうふうな方法がよかろうかと、こういうふうにいま考えております。
○増岡康治君 先ほどお話がございましたように、これも中山参考人にもう一つだけ御質問いたしたいんですが、「健全な発達」という文句が入ったわけで非常に結構だと思いますが、皆さん方が非常に大きな規制をこれから受けられる中において、今後の近代化を図る上に御承知の不動産流通近代化センターというものができるような話を聞いておりますし、また、一方、世の中の客観的情勢が住宅ストックがふえて、いわゆる中古住宅、中古マンション等の市場が大きな七兆円市場だとかいうような大きな話にもなってきますと、この辺、私ども、いわゆる中古、こういう非常に不安定なものの売買が多くなってくる場合に、皆さん方が不動産流通近代化センターにどういうようにリンクされて、全宅連あるいはうらはらにあります保証協会というものがどういうように流通センターとリンクしておやりになるのか、いわゆる心構えといいますか、その辺をちょっと教えていただきたいんです。
○参考人(中山弥十八君) 現在の業協会また保証協会というのは、社団法人、公益法人でございます。事業はできません、はっきり言って。そこで、企業面におきます一つの組織として、今度、建設省がいろいろ、われわれも賛成して努力したんですが——特に現在の不動産の流通機構というのは昔ながらの状態で来ているわけなんです。いろんな機械面を使ったり、統一的な物件の集中を図ったり、また消費者の皆様方が一カ所へ行けば全部のものが見られるというような協業的な集中策がとられていない。ただ別個に個々の中においてやっていく、こういうような状態が現在も続いているわけなんです。ただ、一部大手の中にそういう機械化的なものを取り上げまして現在やっておりますが、中小と大手というものは現在まだぴったりいっておりません。いっておりませんが、中小が何とかして力をつけて、そして近代化の中において消費者本意の商売をさしてもらうということには、やはり一つの何というか目標、頼る場所がなくちゃ、これはとてもできません。個々の力は資本力、それから組織力、信用力というものに欠けておりますので、まず近代化のもとになる財団法人をつくり上げて、そこへ業界からもお金を出す、政府の方からも出していただく。こういうふうな中で現在三十億という金、これはもう全体から見ればそう大きな金じゃございませんが、これを一つの基金として、その中で各都道府県ごとに協業化を図らず。また、一面におきまして融資体制や助成等を考えていく。また、一方においては、指導面において業法で各都道府県が広域的にできないいろんなひな形のようなものもその中で考えていく。こうして一面において企業、一面において公益法人を補足し助けるような面の強化、統一的な中の指導体制をそこに織り込んでいく、こういうふうな考えでございます。そこで、これらに対して、大手ではなく、中小か何とかして正常な中で協業化を図りながら生き抜いていく一つのめど的なものにしたい、また、それに頼って発展を図っていきたい。このようないまの状態におきまして、大手企業にほとんどもう中古住宅の流通業界が張り込まれてしまう、中小はいつの間にか淘汰されてしまって、なくなるようでは困りますので、これをここに適応するようにしていきたい、こういうふうに考えております。
○桑名義治君 中山参考人にお伺いをいたしたいと思います。先ほどから今回の法改正に対する御意見を伺ったわけでございますが、さらに私がお伺いしておきたいことは、過日の建設委員会で、私、三井不動産のフランチャイズ制の問題について質疑を交わしたことがあるわけでございますが、三井不動産のフランチャイズ制など業界としては大変にむずかしい局面にある、こういうふうに思われるわけでございますが、このたびの不動産流通近代化センターの構想について業界としての評価がどういうふうになされているのか、これが一点。 それから不動産流通近代化センターが大手業者に牛耳られるというような心配はないのか、いわゆる独占的な体制ができ上がるという心配はないのか、ここら辺を少し伺っておきたいと思います。
○参考人(中山弥十八君) 三井不動産のフランチャイズシステムに対する調整申し立てでございますが、これはすでに二年前でございます。これはそのために大手全体と中小が紛争しておるということではございません。これは一三井不動産が企業計画、社内計画のもとであのような一方的な、何といいますか、大手企業の一つの考え方が中小の企業に甚大な影響を与えるという判断で、あのようなことになったわけでございます。 今回の近代化の問題の中には、大手不動産業界でやっている不動産協会もこれに参画するはずでございます。私は、日本の現在の不動産業界では中小が大半を占めてはおりますが、大手、中堅、中小を問わず、一体となって国民の住生活に貢献すべきが仕事である、任務である、こういうような高所から見て、業界がいつまでも紛争を重ねてずっといくのだということは、これはもう考えなければならないという考えを持っております。 そこで、これが完成いたしますならば、大手といろいろな障害の事項がありましたけれども、これは話し合いながら最善の道にこれを流し込んでいきたい、このように考えております。だから、いつまでもこの紛争が続くということではなくて、時期が来れば前向きな中において、中小も生きるための大きな経験でございますので、それらをいい意味での将来の参考にすれば非常にこれがいい面になるのではなかろうか、このように考えております。 それから、今度の不動産流通センター、財団法人をつくりました後において、これが先生が御心配されたように大手に牛耳られるのではなかろうかとか、または役所側に牛耳られてしまうのではなかろうか、こういうような御意見があると存じますが、そのようなことはないと思います。大体が三十億の中の十五億を保証協会、全宅連の方で出し、あと一部を他の団体が出すようになっております。これはどういう機構になるかわかりませんが、本当の目的というのは中小不動産業者の育成にあるわけですから、これらを忘れたら、これはやった意味がございません。そういう意味で、大手にこれがどうこうされるというような心配は恐らくないだろうと思います。また、そのようなことがあってはセンターをつくった意味もないのではなかろうか、こういうふうに思っております。
○桑名義治君 それから、先ほどからいろいろと質問をされている問題でございますが、加入者は約十万のうち八万三千、それ以外が未加入のアウトサイダーである、こういうふうなお話があって、さらにいろいろと問題を醸し出しているのはそのアウトサイダーの悪徳業者が多いのだというようなお話でございますが、いわゆるアウトサイダーに対する処置について、あるいはまた指導について、建設省から何か指導的なものがございましたでしょうか。
○参考人(中山弥十八君) 建設省からはその都度——その都度と言いますと変なのですが、建設省へ参りましていろいろと業界の報告等をした折には、アウトサイダーの問題に対して非常に建設省も心配していらっしゃいます。そこで、業界に何とかして一人でも多く加入をさせてほしいと。この業界というのは、全宅連、都道府県へいって、それから都道府県の中でそれぞれの地域に支部がございまして、その支部の下にまた班というものがあってずっと下までいくわけなんです。そういう中で一番実況がわかるのは班の幹部である、また支部の幹部である。そういう点から、アウトをどんどん掘り起こして一人でも多く加入させてみんなと同じような中で指導、育成しよう、こういうふうな要請——要請というか、通達とかそういうものじゃございませんけれども、言葉の中でどんどん受けております。私の方でもそれに従っていま全国でどんどん加入させるようにやっております。 また、全国で余り加入していないのは、大都市、東京、大阪方面でこれが大体五〇%ちょっとなのです。大体九〇%近く入っている府県がたくさんございます。大都市、中都市圏がまだ十分でない。特に東京、大阪、兵庫、神奈川、こういうふうなところで入れば恐らく相当のパーセンテージが出てくるであろう、こういうふうに思っております。以上です。
○桑名義治君 山本参考人にお伺いいたしたいのですが、全く抽象的な質問でございますけれども、宅建業法の改正のための審議会の審議に関係をされておられたわけでございますが、今回の改正におきましては答申された事項が盛り込まれているものと盛り込まれない部分がずいぶんあるわけでございます。先ほども一部瑕疵住宅の問題についてお話があったわけでございますが、審議会に関係をされたという立場とそれから法律家であるという立場で、公正な取引等から、法案の内容や今後の運用のあり方についての御意見がございましたら、伺っておきたいと思うのですが。
○参考人(山本進一君) 瑕疵担保の責任だとか、業態の分類に伴う対応策だとか、そういうような問題などは答申の内容として重要なものでございましたけれども、これについては今回は法案の中に盛られておりませんので、これは大変遺憾に思っておりますが、ただ、今回の審議会の答申は最終答申という形ではございませんで、なお業法の改正については検討を進めるという姿勢を維持しているようでございますので、今後の審議の過程にさらに期待したいと思っております。 それから、法律の運用につきましては、先ほどもちょっと触れましたが、今度は政令に委任している点が二、三ございます。これは法律で明示されていたものが枠が外れるわけでございまして、これの運用については慎重を期してほしいと思っております。 さらに、何と申しましても、この法案をまともに受けてくださる業界の方々というのは、実は、こういう厳しい規制は必要としない方々でございまして、本来規制を必要とする方々はこの程度の規制ではとても網羅できない人でございまして、その辺が一番この業界の頭の痛い問題ではないかと思っております。したがいまして、私といたしましては、これを解決する方法は、中山参考人からもお話がありましたように、将来は、この業を行う場合にはいずれかの団体に加入しなければならない、こういうふうな形での規制を取り上げなければ根本的な解決にはならないのではないか。 それから、余り法律による規制をがんじがらめにいたしますのは、この取引そのものだけを見ますと、消費者の方々からの突き上げがいわゆるかなり強いものでございますから一々もっともな面もございますけれども、他の取引とのバランスを考えますと、不動産業界についてのみ厳しい規制をしていくということはやはり全体のあり方としていかがなものかと思いますので、そういう面から考えますと、業界の自主規制ということを強力に打ち出して、法律はそれをバックアップしていくという形の方向に持っていくのでないと、どうもおかしな法律になってしまうのではないかという感じがいたします。
○上田耕一郎君 三参考人の方々には審議会の答申作成、それから本日の意見聴取と、本当に御苦労さまです。 幾つかの御質問をさしていただきたいと思いますが、まず山本参考人に。 先ほど媒介契約について意見を述べられました。今回、一般契約の中で他の依頼先を明示することを義務づけるなどの改善点はあるんですけれども、先ほど若干トラブルについて懸念をされると言われましたが、契約についてすべてやっぱり専任契約にすると、媒介の場合。そのかわり、依頼された物件の情報が業界全体に流れるようにするというようにした方が御懸念のトラブル防止にも役立つんじゃないかと思うんですけれども、その点についてまず御意見を。
○参考人(山本進一君) 流通機構が完全に整備されまして、どの業者に頼んでも同じ情報源から情報が流れてくるというふうになりますと、これは安心して専任契約ができると思います。しかし、法律をつくりましても、あるいは機構を整備いたしましても、情報源が直ちに理想どおりに運用されるものではございませんので、それまでの期間というものは、なお専任契約に対する危惧というものはかなりあるだろうと思います。 ことに業者が専任契約を取りつけまして、ほかの業者へ依頼が流れないようにした上で、自分で操作する。たとえば依頼者が二千万円で売りたいというものに対して、しばらく何の手も施さないで、二千万円では買い手がつかぬ、一千五百万円ぐらいでないとむずかしいというようなことを言って、そして値段をだんだん落としていく、そして依頼者をあきらめさしたところで、自分でそれを適当に仲間の中で流して処理をするというふうなことも懸念されます。したがいまして専任契約を直ちに中心にすることが適切であるかどうかということは、しばらく実際にそれの運用を見ませんと何とも申し上げられない、そういう危険をはらんでいるのではないかと考えられます。
○上田耕一郎君 今回の改正で、消費者保護の点で非常に前進した点の一つはクーリングオフ制度だと思うんです。 春野参考人は、先ほど、今度「事務所等以外の場所」というふうになっているけれども、事務所も含めてほしいという御意見を述べられました。それから、私ども、もう一つ期間が五日で一体足りるんだろうか、もう少し延ばさないといかぬのじゃないか。五日でももちろん前進なんですけれども、実際にはこれだけ一生をかけた買い物なんですので、その点も考えられると思うのですけれども、大事な点ですので、山本参考人、春野参考人、それから中山参考人にクーリングオフ制度の点で、もう少し事務所も含める、それからもう一つ期間はもっと延ばしてやるのがいいのではないか等々、この問題について三参考人の方々にそれぞれ御意見をお伺いしたいと思うんです。
○参考人(山本進一君) 消費者の立場から言いますと、一たん契約をしておいたけれども、後から気が変わったとか、あるいは他の意見が出てきて疑わしくなったという場合に、その契約をもう一度白紙に戻して考え直したいということは大変便利なものには相違ございません。ただ、一般的に契約というものは慎重でなければならないというのが民法の基本的な考え方でございまして、これをただ単に一方の当事者の都合だけで簡単にひっくり返すことができるという制度を一般化するということに対しては、私は、なお法律家として批判的でございます。そこで、こういう制度はいわばやむを得ざる一つの必要悪でございまして、なるべく抑えておきたい、こう考えるものでございます。そういう点からいたしますと、やはり消費者にも大きな買い物をするのでございますから十分勉強していただかなければならない、こういう点も希望いたしまして、今回の程度の制約の中で認めるということがせいぜい妥当ではないかという感じがいたします。 それから、他の法律では大体四日となっておりますが、この業法では五日といたしました。これは特に四日と五日とどこが違うかと言われるほど厳密な根拠があるわけではございませんけれども、四日というのは間に休みが入ったりいたしますとかなりあわただしい期間でございますので、何といっても大きな買い物でございますから、四日よりは多少延ばしたということでもって五日ということにしたわけでございまして、この辺も一つの工夫であろうかと思っております。
○参考人(春野鶴子君) 端的に申しますと、いかなる場所における取引契約の場合でも、十日と言いたいんですけれど、余り長くてもという内部の意見もございました。一週間はもしお願いできればそうありたい。 と申しますのは、たくさんの経験からしまして住宅を求めるというについては一家で必死なんですよね。それで知識がない、不注意が多い、無知なまま契約してしまうという消費者側のそしりも受けますけれど、宅地処物物件については本当に大分強勉したつもりでも、むずかしいんですよ。ことに主婦連も二度三度のプレハブ住宅の実態調査をしたり、苦情を受け付けたり、二十数年住宅相談を続けたりいろいろしてきて、住宅部というのに二、三十人若手の主婦がいてずいぶん取り組むんですが、余りごまかしがひどいし、泣く人が多いんで、ついには住宅調査のあげくに、その実態のひどさ、それからトラブルが起きた場合の後の対応の不備、そういう点、あるいは行政の姿勢、業界のありよう、そういうものを考えて、消費の知恵というので建て売り住宅の買い方、欠陥住宅を見抜こうなんていうので、こういうパンフレットまで自分たちでつくりまして一生懸命民間としてはやっているんですけど、それでもこれを一冊持って現場へ行って、よく見て、それが今度は基礎の工事や云々ということになりますと、とうてい瑕疵を事前に発見したり、建築技術の上でどうこう云々と、屋根の上まであるいは屋根裏まで見れませんし、本当にむずかしいんです。 ここのところは消費者側の無知、無力を白状するようなものですが、ほかの商品と違いまして非常にむずかしいんですね、そして必死に一世一代求める商品。ですから、ここはひとつ行政としても、業界の方々も、一歩、専門家というお立場で、無知であればあるほど、不注意であればあるほど、こうですよ、ああですよという正直さと厳正さと導きが欲しいと思うんです。 東京都の住宅相談部、ここは主婦連が住宅相談部を開きましてから間もなく行政としてはお開きになった場所なんですが、その第一線を担当されたお二人の若手の人が、余りにトラブルが多いし、業者の悪質なことが多いので、つい最近本をお出しになったぐらいです。そのあげくに、消費者が契約に最後の判をつく前に持っていらっしゃい、契約書を。そうすれば自分たちが検討してあげて、ここで判ついちゃいけませんよ、云々ですよと幾らでも助言しましょう、応援しましょうと、これが非常に好評なんです。従来、そういう姿勢のものが少のうございました。 消費者も好んでトラブルにひっかけて補償金を取ろうと思うこともございませんし、引き移ってから瑕疵が起こる、あるいは一生懸命打診したつもりでもなかなかに奥の奥まで見抜けない、そういう性質のものでございますので、主婦が一生懸命もう目をさらのようにして見る、それからチラシ広告も見る、現場にも行ってみる。で、ここにも誇大広告云々ということがございますが、写真の寄せ集めで非常にいい環境のように見せかける広告が二十年一日のごとく多いんですよね。そんなぐあいですから、あるいはお父さんが一生懸命で見る方もありましょう、こう思うんだけど、よさそうに思うんだけど、こうしようか。で土曜、日曜も間に入ります。主婦が中心ですと、主人も行ってみたくなる。親類縁者、先輩、そういう方方にも相談する、それから経験者にも聞いてみるというふうなことを、やっぱりある物件を決めそうなときに、こうなのよ、ああなのよということがあるんです、あるのがあたりまえなんです。それで自分じゃこう思っておったけれど、なるほどそれではというので、引き延ばす作戦でも何でもない、考え直そうか、どうしようかということがあるんですよ。 だから、その余裕をお与えいただく意味で、せめて一週間。で一週間だからといって、買う方も急いでおりますから早く落ちつきたい、だから、ぎりぎり一週間の間はいいかげんに延ばすということでなくって、一週間あっても、もうそうだと皆さんの意見が決まれば二日でもいいんだし、すぐその場でそのとおりと、一週間というものを使わないでやりたいのが消費者の心理ですね。だから、それぐらいの余裕があって、ああ安心なんだ、ゆっくりいけるんだ、そしてこうみんなで打診して安心して契約するんだというぐらいのことがあってよかろう、そういうふうに思います。
○参考人(中山弥十八君) この条項を入れられたのは、事務所外の、たとえば山の中とか全然取引主任者もおられないところへばっと連れていって、そこで契約をする件が非常に多発しているということから、こういうふうに出たものであります。大体が正常な契約をしてまじめにやっている業者、業界から見れば、全くこれはもう恥ずかしい話で、しかも、業界の面目はまるつぶれというような点がここにあったんです。だから、これを事務所内でもやるなんていうことになりますと、それこそもう契約の信憑性も何もなくなってしまう。 大体、契約は、御承知のとおり、双方の合意によってこれを行って、しかも事務所内におきましては取引主任者が事前に説明をしてやるたてまえであり、これを守るか守らないかということは別問題として、これはそういうことで契約に入るわけなんです。 ただ、今度できましたクーリングオフ、このようなあり方を業法の中に入れるということは、要するに、いまの時点の状態をどうにもがまんができない、何とかして、一部ではあるけれども、犯罪を防止しようという前提においてのことでございますので、われわれといたしましても、取引主任者もいない、また事務所の中でもない、どこかわけのわからないところへ連れていって、そこで無理に強引に契約をさせるという者がいるというから、それならばこれを防止する意味においてひとつ協力態勢を出そうじゃないか、こういうことで賛成したわけでございます。だから、現在のこれをいつまでもただ日にちを延ばせばいいというものではないと思うんです。まず一定の最小限度の中にとどめていただいて、これでもだめならば、またこれは考える余地もあると思いますが、まずこれでひとつやらしてみていただいて、これが五日でもってできないものは一週間でもできないはずです。これはもう五日、最低限の中でやらしていただく、こういうことでお願いしている、このように考えております。
○上田耕一郎君 持ち時間が過ぎましたので、終わります。
○委員長(大塚喬君) 他に発言もなければ、これにて参考人に対する質疑を終わります。 参考人の皆様方には、本日は、御多忙中にもかかわりませず、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただき、また、各委員の質疑に対しましては懇切な御答弁を賜りまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして謹んでお礼を申し上げます。 本案に対する午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩をいたします。 午前十一時三十七分休憩 —————・————— 午後一時開会 〔理事茜ケ久保重光君委員長席に着く〕
○理事(茜ケ久保重光君) ただいまから建設委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、宅地建物取引業法及び積立式宅地建物販売業法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○赤桐操君 五十四年の五月三十日の決算委員会で、宅地建物等に関するいろいろなトラブルが起きておるが、これに対して善処すべきであるという警告が決議されておりますが、これに対しまして、大臣はどのような姿勢で受けとめられておられるか、所信を承りたいと思います。
○国務大臣(渡辺栄一君) ただいまの決算委員会で御決議がございましたことは承知をいたしております。宅地建物取引の公正の確保につきましては、従来とも地方公共団体とも協力をいたしまして、宅地建物取引業者の指導に努めておるところでございますが、悪質業者に対しまする対策を中心といたしまして、なお一層の強化を図らねばならぬと考えておりまして、まず、免許基準の強化、自己の所有に属しない物件の売買契約締結の制限、クーリングオフ制度の新設、宅地建物取引主任者制度の拡充などを盛り込みました、ただいまお願いしておりますような宅地建物取引業法の改正案を御提案申し上げておるところでございます。この成立をお願いいたしまして、成立後は、その適確な運用を図り、また消費者の保護と宅地建物取引業者の指導、監督に鋭意努力をしてまいりたい、かように考えております。
○赤桐操君 今回の宅地建物取引業法の改正の主要なる考え方といたしましては、一貫して流れておるものは、不動産関係の流通の近代化を促進するということにあると思います。 それで現状の中で住宅戸数の状況は、いま全国の世帯数との関係から見て、どのような状態に置かれているか、空き家の戸数はどのぐらいただいま現在あるか、まず、こういった状況について伺いたいと思います。
○政府委員(関口洋君) 五十三年の住宅統計調査によりますと、住宅総数は世帯数を上回っておりまして、結果的に二百七十万戸の空き家がある、こういうふうに私どもは認識をいたしております。
○赤桐操君 そこで、問題は、空き家が二百七十万戸に及んでおるわけでありますが、空き家等を中心としていわゆる中古住宅の流通の問題が出てくるわけでありますが、この状況はどんなふうに把握しておられますか。
○政府委員(宮繁護君) 最近の住宅事情の変化に伴いまして、既存住宅ストックの活用が大変重要になってまいっております。また、世帯人数とか所得に対応しまして住宅を取得するというやり方で、中古住宅を売りまして新しい住宅を取得する、こういうことで中古住宅の流通が非常に量的にも多くなっております。そこで、この中古住宅流通の実態を把握することが現在非常に重要な課題となっておりますが、実は、的確な統計がございません。それで不動産登記にかかわる法務省の業務統計とか各種の業務統計あるいは不動産取引業界の情報、その他金融公庫におきます推計等を多角的に検討いたしまして、現在のところ、五十四年度では約三十万戸程度の中古住宅が流通しておるのではないかというふうに予測をいたしております。
○赤桐操君 それぞれの民間団体や関係の機関で調査をして発表はされておるわけでありますけれども、やはりこれからの住宅政策の基本の中に加えていかなきゃならないのが中古住宅の流通対策だろうと思うんです。そういう意味からするならば、もっと本格的に建設省自体が独自の調査を行って、一体どのくらいあるんだということを把握していなくては本当の意味における住宅政策を打ち出すことはできないんじゃないかと私たちは考えるんですが、この点はどうお考えになっていますか。
○政府委員(宮繁護君) 実は、新築住宅等の統計につきましては、これはかなり長い間の勉強と先人の努力によりまして私は世界的な水準にあるんだろうと思います。ただ、残念なことには宅地の統計、これも実はまだきわめて不備でございます。それから、いまお話しの住宅の流通統計もきわめて不備でございます。昭和五十三年度におきまして実施いたしました住宅需要実態調査におきまして新たに中古住宅を取得した人の調査はいたしております。 そういう意味では、ある時点におきまして、いま入っている住宅が中古住宅かどうかという統計はあるわけでございますけれども、これも中古住宅を取得いたしまして改築した場合は改築住宅に入居しておるということになっておりますし、それから中古住宅の取引がございましても、それを取り壊しましてそこに新しい住宅を建てた場合は、現在は新築に入っております、こういうようなことになっておりまして、年間の流通量というものが的確に把握をされておりません。そういう意味では、御指摘のとおり、私どもも、非常にこれは重要な統計でございますし、政策を展開する場合の基礎的な資料にもなりますので、今後におきましては、全国の宅地建物取引業者約十万ございますけれども、そういう業態の構造を把握いたしまして、また、不動産取引の実態、それから業界の構造変化を明らかにする、こういった点からも、全数の調査が必要かと考えておりますけれども、さしあたりましては、不動産業界の基本調査を行ってみたい、このためまず予備的な調査をできるだけ早く実施いたしたい、こんなふうに考えておる次第でございます。
○赤桐操君 これはそんなにむずかしいものなんですかね。どうも私どもは、住宅が不足だというので新規住宅を建設省は指導しながらやってきた、しかし・住宅が余ってきておる。しかも、その余った住宅が、流通上の便宜といいますか条件といいますか、そうしたものに供するに値するのであるかどうかの問題だろうと思うし、本当の意味においてそれがわからなくては、余っているのか、事実は一般のニーズに合わないものだけがはみ出しているのであって、本来はもっとニーズに合うものをつくっていかなければならないのか、つくるとするならば、いま行われているような、いわゆる公共的なものではなくて、個人住宅に依存するような従来の方式でいいのかどうなのか、こうしたものも本格的に検討しなければならない段階に来ているように私は思うのですが、その辺のところについてはどんなふうにお考えになっているのですか。
○政府委員(宮繁護君) ただいまお話しの現在ある住宅のストック分についての調査、これは住宅局の方で行っておりますけれども、かなり的確な調査が行われております。それから空き家の実態につきましては住宅局の方で調査を行っております。その点につきましては住宅局の方から御答弁があろうかと思います。
○政府委員(関口洋君) いま二百七十万戸の空き家があるというふうに申しましたが、これらの空き家についての認識でございますけれども、いま先生が御指摘になられましたように、二百七十万戸のうちにはかなりいわば市場価値のないものが含まれておるのじゃなかろうかというふうに思っております。 それはなぜかと申しますと、従来、設備共用の木造の賃貸住宅、俗に言う木賃でございますけれども、これがかなりあったわけでございますが、五十三年の調査によりますと、それの現象が一番著しいことになっております。そうすると、はっきりと壊されると申しますか、改築されるまでの間は空き家になって現存していくという形が途中で生じますので、いまのようにある時点をとりまして空き家調査をしますと、そういうものがかなりの分空き家になってカウントされるので、空き家の中には、いま先生御指摘のように、今後市場価値を持たないというものが相当数含まれておるということは私どもも推計いたしておりますが、ここでひとつお断りしておきたいんでございますけれども、住宅統計調査の空き家という場合は、統計調査員の調査の限界上、詳しい構造なり間取りなりは報告が来ないわけでございます。いわば門が閉まっておるわけですから、その入り口でもう空き家ということで断念しちゃうということでございますので、空き家の全体につきまして、間取りなり何なりがどうかという点は、詳しいことは私どももつかんでおりません。これはまた別途調べなきゃならない、かように考えております。
○赤桐操君 いずれにいたしましても、この内容は、要するに人それぞれのライフサイクルに応じた住居を持てるわけでありまして、そうした面から見て、それぞれのニーズに合わないようなものは流通市場に乗らないことになるので、そういう意味合いからすると、そうしたものについてのきっちりした把握をしながら、流通関係の上に乗っているものはどのくらいあるのかということが把握されてないというと、これは私は対策にならないように思いますので、こうしたものに対してはひとつ速やかにその対策を樹立してもらいたいと思います。 それから、宅地建物関係の取引業というのは、正直申し上げて、この業界は、先ほどの参考人のお話でもいろいろ出ておりましたが、大変前近代的な形に置かれておるというように思います。そういう意味合いから今回の消費者保護の観点からの改善が出てきたと思うんでありますが、五十三年八月に出されておりまする不動産流通問題研究会の報告に「不動産流通業の現状と問題点」「流通近代化への視点」ということで大変結構な提言が出ているように思いますが、これはどのように今回の中で受けとめられているのか、意識的に取り組まれたのか、この辺のところを少し伺いたいと思います。
○政府委員(宮繁護君) 不動産流通問題研究会は、御案内のとおり、昭和五十二年の七月に、関係の業界団体、すべての団体を含んでおりますけれども、の参加を得まして設置されたものでございまして、建設省の方からもこれに参画いたしまして、官民合同で研究会を設けたわけでございます。その研究の成果は、ただいまお話しのように、五十三年の八月に報告書として「不動産流通の近代化促進について」ということで取りまとめが行われました。 この内容の要旨は、不動産流通の近代化を図るためには、まず第一に、中小業者の協業化等の推進を図る、第二に、情報内容の正確性の確保、三番目に、仲介契約制度の改善、四番目に、価格査定方式の適正化、五番目といたしまして、仲介報酬限度額の見直し、最後の六番目でございますが、宅地建物取引業者及びその従業者の資質の向上を図ることの諸施策が必要とされるということになっております。 この提言は、今回の法律改正におきましては、まず、一の中小業者の協業化等の推進につきましては、協業化等の指導あるいは助成を図るために不動産流通近代化センターが設立される予定になりまして、それに対する出捐の規定の整備が図られることになりました。二番目の、情報内容の正確性の確保につきましては、重要事項説明の充実というような点で実現を見ております。三番目の、仲介契約制度の改善につきましては、媒介契約に関する規定の新設の整備が図られました。四番目の、価格査定方式の適正化につきましては、媒介契約等におきます価格査定の根拠を明示するという方策がとられました。最後の六番目の、業者並びに従業者の資質の向上を図るという点につきましては、免許の基準の強化あるいは取引主任者制度の充実等が措置されたわけでございます。
○赤桐操君 そこで中古住宅の価格査定の問題でありますが、先ほどの参考人の消費者代表の方からも大変言われておりましたけれども、業者にこうでございますと言われて結果的には従わざるを得ないということであってはならないと思う。適正な価格でそれが保証されていきたいというのが消費者側の希望であり、また立場だろうと思います。 そこで第三者的な立場で鑑定評価というものがなされるようなものが本来消費者側からすれば欲しいわけでありますが、こうしたものについてはどういうように考えておられるか。最近、建設省の委託を受けて価格査定に関するいろいろ委員会を設定して検討されておるということを聞いておりますが、その辺の事情を伺っておきたいと思います。
○政府委員(宮繁護君) 先ほど来からお話しのように、中古住宅の流通の円滑化を図り、消費者保護の観点からいたしましても、いわゆる値づけ、中古住宅の価格査定は大変重要な問題になってまいります。不動産の売買を委託する場合に、まず業者とは別の不動産鑑定上等に鑑定を依頼するというのは非常に望ましいことでございますけれども、現下の取引の実情はそういうふうに鑑定評価をしてもらいまして、その価格で業者に依頼するというのは非常にまれな例でございまして、ほとんどはみずから値づけをしまして、それで不動産業者に依頼するというような場合が多いわけでございます。しかし、その場合も、消費者側には十分な知識がないわけでございますので、やはり業者側から現在の市場の価格を考慮いたしまして、その物件を十分に調査いたしまして助言を行うわけでございます。ただ、この場合の不動産業者の助言におきましても、経験とか勘に頼るというような場合が多うございますし、また必ずしも的確な価格を助言することができないというような場合が多うございます。このように非常に業者によりまして種々まちまちというような結果を招来いたしておりまして、消費者の信頼を得られないというようなことでございます。そういうことになりますと、依頼する側も特定の一人の業者でなくて、A、B、C、Dというふうにたくさんの業者にも依頼するというような結果にもなります。そういうようなことで非常に問題がございます。 そこで、私どもといたしましては、この不動産業者の方で価格を助言いたします場合の適正化を図るために、価格査定の手引書、マニュアルをつくって統一基準を設けてはどうかというようなことで、現在、研究をいたしております。現在、価格査定マニュアル委員会というものをつくりまして、この策定の作業をいたしておりまして、一応の素案を近くまとめ得る予定でございますけれども、最終案を得るためにはかなりまた専門家の御意見等も必要でございますので、不動産流通近代化センターができました暁には、そこにまた専門家の方にもお集まりいただいて、手引書をつくりまして基準の統一をいたしまして、依頼者から信頼し得る価格査定が行われるようにいたしたいと考えておる次第でございます。
○赤桐操君 土地の価格評価などと違いまして、確かにむずかしい問題があると思いますけれども、かなりの額に達するものでもありますし、日本の今日の社会情勢の中では家の処分ということは大変な問題であるわけでありまして、そういう意味合いからするならば、少しでも公正に行われるような対策が裏づけられていくべきだと思うんです。私の立場から申し上げれば、住宅というのはどだい個人で云々ということよりも社会的にある程度保障さるべきものだということを私は前提に考えていますから、そういう意味合いからすれば、もっと本格的にこうしたものについてはめんどうを見るべきだというふうに考えたいんですがね。そういう意味合いからして、この手引書なりあるいは助言の方式なり、こうしたものについてはもう一歩本格的なものに突っ込んでいただく必要があるんじゃないかと思います。 それから、消費者から建設省やあるいは都道府県関係に大分いろいろな苦情が出てきている。先ほどの全宅連の会長さんのお話にもございましたけれども、その苦情なり紛争なりの内容というものは大体どんなようなものであるのか、まず、その点についてちょっと伺いたいんですがね。
○政府委員(宮繁護君) 不動産取引に関係いたします苦情、紛争の件数は、御指摘のように年々増加してまいっております。建設省と都道府県に持ち込まれます件数だけでも、昭和四十九年度におきましては約一万六千件でございましたが、昭和五十年度では一万八千件、昭和五十一年度では二万九千件、五十二年度及び五十三年度におきましてはそれぞれ約三万件というふうになっております。このうち、大都市圏の八都道府県で各年度とも約九割を占めておるというふうな実情でございます。昭和五十三年度におきましては、東京都では八千件、神奈川県では九千件、大阪府では五千件というような大きな数字になっております。 このような苦情、紛争を内容的に見ますると、その主たるものは、まず工事の設計施工に関する紛争でございます。たとえば構造、設備等の瑕疵補修の問題、あるいはアフターサービス等の問題でございます。二番目が取引に関する紛争でございまして、たとえば重要事項説明を十分にしなかったとか、履行が遅延したとか、土地等の権利関係に誤りがあったとかいうような点でございます。それから三番目は建物の管理に関する紛争でございまして、委託事務が不履行であったとか、管理費とか自治会等の対応の問題、こんな三つがその主たるものでございます。
○赤桐操君 そうすると、具体的にはそういうものにどういうように対応していくかということになるわけでありますが、いまの段階ではいろいろそれぞれのところで考えておられるようでありますが、関係行政機関とか、あるいは各種消費者生活センターなどがこうしたものによく相談に乗りながら動いておるようでありますけれども、実際問題として、この種の問題については事前にその知識が必要であるのにもかかわらず、そういうものを得ないで住宅を扱ったり、あるいはまた相談に行きたくても相談に乗ってもらえるようなところが身近なところにないという場合などにえてして発生する問題であろうと思うんですが、これらについて対策をどういうふうにするかということについて伺っておきたいと思います。
○政府委員(宮繁護君) 現在のところは、御指摘のように、消費者団体のセンターでございますとか、あるいはまた行政側では住宅相談窓口を設けるとか、あるいは相談員制度というようなことでやっておりますけれども、実は、この対応に大変忙殺されているような状況でございます。 それで今後におきましては、たとえば建設工事紛争審査会というのがございまして、これは準司法的な権能を持った紛争のあっせん、調停機関でございまして、行政庁に付置されておるものでございます。これは中央と地方にございますけれども、今後、これら不動産関係の苦情紛争件数がさらにふえるということを考えますと、何かこういったものをつくってはという御意見もあるわけでございますけれども、一方また、行政簡素化の観点からもいろんな対応の必要性を迫られております。現在、私どもが考えておりますのは、新たに準司法的な権能を持ちました公益法人等を設立いたしまして、ここで処理してはどうであろうか、こういうことにつきまして調査研究を行っていきたいと考えております。
○赤桐操君 いずれにしても、苦情相談に十分な助言が与えられるような機関が必要だと思うんですよ、それぞれの地域に。それがいまないからこういう問題が発生するし、悪徳業者なんかもふえてくるんだろうと思うんですけれども、そういうものを少なくとも発生件数によっては配分なども考えられるわけですから、こういうところは余り行政の簡素化はする必要はないと思うんですね、私どもは。こういうサービス部門こそは充実させるべきであって、これからの八〇年代以降の福祉社会における一番大きな仕事だろうと私は思うんです。そういう点についてスタッフをそろえたり各種施設を充実さしたりということが具体的に建設省の指導で行われるべきだと思うんですが、この点どうですか。
○政府委員(宮繁護君) 仰せのとおり、消費者行政は今後の行政の非常に重要な課題だと考えます。人員その他大変苦しい中ではございますけれども、窓口の開設、相談員の設置等につきまして、建設省はもとよりでございますけれども、地方公共団体等におきましてもさらに一層努力をしていただくように、これからも指導してまいりたいと考えております。
○赤桐操君 そこで、法律改正の本題に入っていきたいと思うんであります。今回の法律改正の中で、先ほど参考人からのお話がありましたけれども、答申の中ですでに四十五年の十二月の段階でもなされておるわけでありますが、免許に当たっての区分の問題であります。業態別、資金あるいは規模別、いろいろの分け方があると思いますが、そういう形で区分をさるべき内容に実際は置かれていると思いますが、答申の中ではそういうことが出されておるんですけれども、これがどういうわけで取り入れられなかったのであろうか、この点ひとつ伺いたいと思います。
○国務大臣(渡辺栄一君) お答えをいたします。免許を、お話しのように、業態の実態に応じまして仲介業、売買業、開発業等に区分することにつきましては、すでに住宅宅地審議会の昭和四十五年答申におきましても答申をされているところでございます。ただ、中小業界を中心としましては営業の自由を制約するというような意味におきまして相当な反対論も強いわけでございます。 また、それぞれの業態に応じました実効性のある免許要件を定めるためには、業者の営業実態、すなわち営業内容と資金的基礎及び人的構成との対応関係、そのようなものを十分調査する必要がありまするので、今回の審議会の答申では「業者の業務の実態を十分把握したうえで可及的すみやかにその具体化の検討を行うべきである。」こういう答申をされたことは御承知のとおりでございまして、したがって、今後、業務の実態を把握するための基本的な調査を実施いたしまして具体化の検討を進めてまいりたい、かように考えております。
○赤桐操君 そうすると、これは具体化をするということに理解していいわけなんですね。
○国務大臣(渡辺栄一君) その方針で進めてまいります。
○赤桐操君 そこで、ひとつお考えを承りたいんですが、先ほどの全宅連の会長さんのお話の中にあったんですが、免許の際に少なくとも資質の問題を問うべきじゃないかということが言われておったと思うんです。これは業界自体もそういう悩みを持っているように私は承ったんですけれども、この資質というものになるとなかなかこれはむずかしい問題が一つあると思うんですね。 それで仲介業とか売買業あるいは開発業というように区分をして、それぞれの規模別に準備が整って免許の方式をつくっていくということは私は可能だと思うし、また、やらなきゃならぬだろうと思うんですが、同じ宅地建物の取引業と言ってみたところで、仲介業と開発業じゃ大変な差があるわけでありますし、全然仕事の内容も規模も違っているわけなんで、これが同一の形で同一のようなふうに扱われるという筋合いじゃないと思いますから、そういう形で区分されていくべきであろうと思いますが、問題は、一体、資質の確保ということはどんなふうに考えるべきなのか。そしてなるほど言われているように、資質が整っていない者が免許を与えられてみたところで、われわれ業界としてはどうにもならないのだと、こういう言い方になってきていると思うんですが、この点についてどんなふうにお考えになっておりますか。
○政府委員(宮繁護君) お答えいたします。 現在、免許の基準におきましては、たとえば禁錮以上の刑に処せられて、その刑の執行が終わって三年を経過しない者はだめであるとか、あるいは準禁治産者で復権を得ない者はだめであるとかいう基準がございまして、それに該当していない場合は、わりあい簡単にと申しますか、免許が受けられるような仕組みになっております。 そこで、いまお話しの、その資質の向上を図るためにどういう対策があるかということでございますが、一つは、免許いたします場合に、先ほども参考人の方からお話がありましたけれども、単に書面審査ではなくて、もう少し実態調査もしたらどうかというお話もございました。これは人手の関係その他で大変むずかしゅうございますけれども、私どもも、今後は、そういう点につきましては十分な調査、これは実態調査のほかに、聞き取り調査とかあるいは照会をするとか、いろいろなやり方もあると思いますけれども、こういうものをいままで以上に十分にやっていきたいと考えております。 それから、もう一つは、免許を受けました業者の資質を向上する方策、これは業界団体にも入っていただきまして、団体ぐるみで資質の向上のための研修であるとか、あるいは話し合いであるとか、あるいは誇大広告の関係についての勉強会を開くとか、こういうふうな二つの手だてがあろうかと思いますけれども、いずれにしましても、そういった面で今後とも十分気をつけてまいっていきたいと考えております。
○赤桐操君 行政機関が調べるといってもそこには一定の限度があるでしょうし、個人の営業の自由というものを侵すことはできないわけでありますから、そういうことは当然前提になると思います。 たとえば労働者の例で申し上げるわけじゃありませんが、労働金庫から金を借りようと思いましても、労働組合に所属していないと労働金庫は金を貸さないことになっているんですよ。これは労働金庫法で定められているんですね、これは原則なんです、率直に申し上げて。やはりこの種のものを許可するということについては、そういう一つの何か歯どめがあってしかるべきじゃないだろうか。そうすると、たとえば業界における権威ある保証団体とか、そういうようなものが必要になってくるのではないだろうか。あるいは何か新しく営業を開始する人に対しては推薦団体が必要になるとか、免許の更新を行っていくとか、いろいろの問題があったときにはそういう免許については再交付しないとか、そういうふうな何かのチェックをしていく一つの機関というものが必要ではないだろうか。それがまた行き過ぎると問題になりますが、そうした最低の資質を高めていく、あるいはまた消費者を保護していくたてまえに立つあり方というものについては考えられるべき問題ではないだろうかと思うんですが、こうしたものについてはお考えがございますか、ございませんか。
○政府委員(宮繁護君) いまいろいろ例示をいただきましたけれども、十分検討してみたいと思いますが、ただ、お話しのようにある業界団体からの推薦というようなことになりますと、それだけで判定するというわけにもまいりませんけれども、一つの方法であろうかとも思いますし、メリット、デメリットその他種々出てまいるかと思いますので、今後、十分検討させていただきたいと思います。
○赤桐操君 私が言っていることは、たとえばと申し上げたけれども、それは当然消費者団体なり消費者の代表が入った機関を意味するものです。そうしたものをつくって、そういうところの皆さんが推奨するような人がなるべきじゃないだろうか、こういうふうに思うんですがね。そうすると、かなりお互いの自主規制の中できちんとした形が出てくるんじゃないだろうか、そういう意味で申し上げたわけであります。 次に、この宅地建物の取引主任者制度の改正の点でちょっと伺いたいと思いますが、ここでは省令で人数を定めることになっておりますけれども、これはどのぐらいの人数を予定されておるか、あるいはまた、その人数の根拠はどういう考え方から出ているのか伺いたいと思います。
○政府委員(宮繁護君) 現在、省令で定めます取引主任者の数は、事務所において宅地建物取引業者の業務に従事する者の数に対しまして、専任の取引主任者の数の割合が十分の一以上となる数を考えております。すなわち、現在も必ず事務所には一人専任の取引主任者が必要でございますけれども、今後は、十人に一人は必ず取引主任者を置いていただく。 その根拠でございますけれども、科学的な確たる根拠ではございませんけれども、取引の件数、実態等から見まして、一般の従業員が十人ぐらいいるような事務所におきましては、そのうち一人は専任の取引主任者であらゆる取引の実態もよくわかり、それから重要事項につきましてもちゃんと御説明できるような者を置こう、こういう考え方で十人に一人というふうに一応いたしたわけでございます。
○赤桐操君 これこそ取引主任者という者が相当きちんとした人でないとぐあいが悪いわけでありますけれども、講習などもやって義務づけておるようでありますが、本当の効果というものは一体あるのかどうなのか、これは疑えば切りがありませんけれども、そういう問題がやはり新しい制度をつくるときには常につきまとうと思うんですけれども、効果という面から見て、果たしてそれだけのサービスをするに値するそういうものになるかどうか、この点、ひとついかがですか。
○政府委員(宮繁護君) 今回、取引主任者の制度につきまして、かなりの改善措置を講じてまいったわけでございまして、現在、この取引主任者は都道府県知事の実施いたします試験の合格者ということになっておりますけれども、今後は、この取引主任者につきまして三年に一度講習会を受けさせる。これは最近におきます不動産業関係の法律あるいは税制等々非常に改変が多いわけでございますので、そういう意味からも、みっちりと勉強していただきまして、取引の適正化の保持につきましてこの取引主任者を活用してまいりたい、こんなふうに考えておるわけでございます。 なお、新しく主任者証という制度を設けまして、知事が主任考証という証明書を交付するというようなことも考えておりまして、一般の依頼者にはこの証明書を見せまして物件の説明に当たる、あるいは契約の事務を担当する、こういうふうなことをさせようと考えておるわけでございます。
○赤桐操君 次に、営業保証金の関係に移りたいと思いますが、今回の改正案では、金額は定められておりませんが、いずれ政令で決める、こうなっておるわけでありますが、どのくらいにこれを引き上げるお考えであるか伺っておきたいと思います。
○政府委員(宮繁護君) 営業保証金の額は政令で定めることといたしておりますが、現在、考えておりますところは、主たる事務所については三百万円、その他の事務所につきましては、事務所ごとに百五十万円の割合によります金額、この合計額を営業保証金の額といたしたいと考えております。
○赤桐操君 そこで、やはり区分の関係なんかが出てくるんですが、四十七年の改正で、主たる事務所が五十万円だったんですね。これは、いまから見ると、大体八年ほど前になりますね。そのころにおける取引の額と現在の額では大分違ってきていると思うんですが、それで、一体、物にもよりますが、簡単な物のあっせんとそれからかなり大きな住宅のあっせんということになると大分違ってくるわけでありますが、これはその関係等を見て三百万円、百五十万円というのは大体妥当であるのかどうなのか、どういう根拠からそういうものが出てきたのか伺っておきたいと思います。
○政府委員(宮繁護君) 現在のところ、この取引関係の不動産の平均的なあるいは標準的なと申しましょうか、価格は千五百万円ぐらいかと考えられますけれども、この場合に、手付金の額が大体一割から二割ぐらい。そういたしますと、二割にいたしますと三百万円ぐらいになりますので、そこらをにらみながら、営業保証金の金額を政令で決めていきたいと考えております。
○赤桐操君 大分土地価格も上昇を始めておりますし、物件も相当値段が上がってきているようにいろいろ聞いておるわけでありますが、そういう状況の中で、いま三百万円に決めても、これは不足するようなことになるようなことはないですか。
○政府委員(宮繁護君) 現在のところは、その程度でどうかなと考えておりますけれども、仮に不動産価格の実態とにらみ合わせまして乖離してくるような場合には、改正が必要だろうと思います。 それで、実は、いままでは法律でこの金額をお決めいただいておったわけでございますけれども、いまお話しのような点も勘案いたしまして、その改正が迅速、機動的に行われるように政令で額を決めさせていただく、こういうふうにいたしまして、今後は、必要があれば機動的に対処してまいりたいと考えております。
○赤桐操君 先ほど消費者の代表の方からもいろいろ話が出ておりましたが、こんな程度のものでいいんだろうか、こういう不安もあるようでありますし、私どもが見ておりましても、扱う物によってはいささかこういう程度の事務所ではまずいんじゃないかという感じもするのですが、これからの変化の状況等を見ていかなきゃなりませんが、そうすると、状況に合わせてこれから対応していくんだ、こういう理解でいいわけですか。
○政府委員(宮繁護君) そのとおりでございます。
○赤桐操君 取引関係の中でいろいろと売買契約締結の制限をかなり強めてきておる。消費者保護に対して従来とは違ったもう一歩前進した形になってきておることは私ども認めるわけでありますが、正直申し上げて、いろいろ消費者の立場にするというと、これでも抜け道があるんじゃないかというように考えると思うんですね。先ほども春野さんのお話の中にはそういう疑惑が非常に満ち満ちておる。これはやはりそういう事件が次々と発生してきたその経過であろうと思うのでありますが、もう少し具体的な内容にまで検討すべきものがあるように思いますけれども、この程度のもので大体十分であると考えるかどうか、この点ひとつ伺っておきたいと思いますがね。
○政府委員(宮繁護君) 売買契約締結の制限の規定を新しく設けまして、自己の所有に属しない宅地または建物の売買契約を禁じました。これはその者の所有に属しない宅地または建物につきましてみずからが売り主となること、そういった契約を締結することを原則として禁止したわけでございます。 民法上は、御案内のように、他人の所有物その他他人に属する権利を売買の目的とすることは禁じられておりませんで、可能でございまして、売り主はそれを期日までに取得して買い主に移転すれば売り主としての債務は履行したことになりまして、他人からそれを取得できないときには、買い主側に解除権とか損害賠償請求権が発生するわけでございます。 現実には、宅地建物の取引に当たって業者が他人の物件を売買の対象としながら、後で他人からその所有権を取得できないために買い主であります一般消費者が不測の損害をこうむるという例が実は後を絶たないわけでございます。このような事案は、契約の解除あるいはまた損害賠償請求によっても救済されないような場合も生じてまいっておりまして、非常に大きな問題となっております。さらに、このような場合に、詐欺罪で処罰するというようなこともあり得るわけですけれども、その違法性及び責任の立証の面でも大変むずかしゅうございます。こんな事情によりまして、今回の改正では、こういった対応をとることにいたしたわけでございます。
○赤桐操君 この種のものはやられてしまうというと後の祭りになるわけでありまして、消費者はその点を非常に危惧をしていると思います。 そこで媒介契約につきまして、今度は、書面化の義務づけが行われるようになりましたけれども、これには双方とも一つの拘束が出てまいっておりますね。問題は、やる方の側、要するに、あっせんする方の側はよく知りながらやるわけですけれども、お願いする方の依頼側の方は余り知らないで依頼せざるを得ないという立場に置かれておると思うんですね。そういう場合を考えたときに、こういう媒介に関する諸般のいろんな取り決め、そうしたものについてよく相手側に告知するということについて余り義務づけられていないように思うのですけれども、その点はどうですか。
○政府委員(宮繁護君) 媒介契約につきまして、いろんな法的整備をいたしておるわけでございますけれども、 〔理事茜ケ久保重光君退席、理事増岡康治君着席〕 現在のところは、こういった媒介契約の場合も、口頭できわめて不明確なような契約で事柄の処理が行われまして、これがまたトラブルの原因にもなっております。で今回の法律改正では、必ず書面で契約書を交わすということにいたしました。 ただ、現在までは、そういう社会的な慣行がございませんものですから、この規制につきましては、業者及び依頼者の双方に十分に知っていただく必要があるわけでございます。そういう意味で、この規定の施行いたします日を公布の日から二年を経過する日ということでかなり長い猶予期間を置きまして、この間におきまして、標準の媒介契約約款をつくりますし、また業者に対しましても十分指導いたしまして、法律は必ず書面で契約するようになっておりますので、この徹底を図ってまいりたいと考えております。
○赤桐操君 とにかく双方に混乱を起こさせないように、こういう新しく両方を拘束するような関係になる場合におきましては、特にひとりその点を配慮していただく必要があるだろうと思います。 次に、重要事項の説明の問題なんでありますが、これは、たとえばマンションなんかのような場合におきましては、区分所有なんかの問題が出てくるわけでありますけれども、たとえばその中の敷地の問題であるとか、付属物件の問題であるとか、いろいろありますが、そうしたものについては、どんなふうにやるんですか。
○政府委員(宮繁護君) 建設省令で詳しく規定をしようと考えておりまして、一むねの建物またはその敷地に関する権利及びこれらの管理または使用に関する事項で、取引後にトラブルになりそうなものにつきましては、これはできる限り盛り込む予定でおります。 現在のところ、敷地に関する権利の種類及び内容、共用部分について規約で定めているときはその規約、あるいは駐車場等につきまして、いまお話しのような専用使用権等が設定されている例が大変多うございますが、そういう場合にはその内容、あるいは修繕の積立金の定めがございますけれども、そのときはその内容、あるいはまた数むねの建物に係る敷地の共同部分があるような場合には、その部分に関する権利関係、こういったものにつきまして、できるだけ盛り込んでいく予定で考えております。
○赤桐操君 これは大変重要な問題でありまして、そのために特に設定された事項であると思いますが、現実にはかなりこれが将来混乱のもとになるように思いますので、この省令で定める内容については十分な配慮をひとつ要望しておきたいと思います。 次に、事務所以外の場所で売買が行われた場合のいわゆるクーリングオフ制度の問題でありますが、一体、この事務所の定義はどんなふうにお考えになっているんですか。
○政府委員(宮繁護君) 事務所そのものは法律で決まっておりますけれども、事務所につきましては、宅建業法上、この契約の締結の場所として所要の措置を講じているものであります。ここにおいてなされた契約の申し込み等は、購入者の購入意思が明確な状況でなされたものと定型的に見られるわけでございます。そこで、事務所あるいは事務所に準ずる場所——事務所に準ずる場所は、たとえば大規模な分譲宅地の団地におきまして、テント張り等でなく、かなりしっかりした建物で施設が設けられまして、しかも取引主任者がそこにいる、こういったものを考えておるわけでございます。
○赤桐操君 大体、分譲の様子を見ておるというと、一定期間そうしたバラックの建物をつくって、そこにこれから取引主任者を置くんだろうと思いますけれども、それが事務所であるということになると思うのでありますけれども、いわゆる業者が常時置く事務所ではないわけであって、それに準ずる事務所だ、ある種の態様をなしているものだというようになると思うのですけれども、そういうところで一つの雰囲気を高めながら売買が行われていくということもあり得るわけでありまして、この場合には事務所で契約が行われるということになると思うのですね。これはもう撤回ができないことになるわけでありますが、臨時に措置をされた、そういう特殊の場合のものまで含めてよいものかどうか、この点はどうですか。
○政府委員(宮繁護君) 実は、このクーリングオフ制度につきましてはいろんな議論があったわけでございますけれども、最近の別荘地の販売等におきまして、バス旅行で温泉宿へ招待いたしまして、その間気の早い人はバスの中で契約するとか、あるいは旅館に着きまして販売員が非常にうるさくつきまといまして強引に申し込みをさせる、そんな例がございまして、最近、そういったトラブルが出てまいりました。 そこで、クーリングオフという言葉は頭を冷やすという意味があるんだそうでございますけれども、購入者の購入意思が不安定な状態で行われた契約につきましては、民法の原則は原則としまして、消費者保護の観点から、こういった白紙還元ができるという制度を設けたわけでございます。でございますので、元来、不動産取引、何の取引でもそうでございますけれども、あらかじめ十分な調査を行った上で購入意思の決定を行うべきなのは当然でございますけれども、それはそれといたしまして、こういった不安定な状態で結ばれたようなものにつきましては、それはゆがめられた意思決定をさせられたということ、そういった観点からこの制度を設けようとしたわけでございます。したがいまして購入者の購入意思が正常のような意思決定であり得るような状況、いまお話がございましたような定型的と見られるような事務所とか事務所に準ずるような場所でなされました契約の申し込みについては、これはこれでいいんじゃないか、こんなふうに考えたわけでございまして、不動産の取引の契約に先立って十分調査期間を置くためにこの制度をつくったわけではございませんので、そういう意味で御理解をいただきたいと思うわけでございます。
○赤桐操君 当然、これは取引でありますから、それは双方に責任を持つものでなければならぬと思います。しかし、購入する方の側にしてみれば、これから相当高額なものを買うわけでありますから、場合によっては、これはちょっとまずいという事情が発生する場合もあるだろうし、夫婦の間ではいいということになったけれども、いろいろまた考えてみたところが、そういうようにならない事情が一つ発生したなんという場合だってあり得ると思うのですね。そこでキャンセルという希望が出てくると思うのです。それがこういうところの場所、事務所等で決められた場合においてはできないのだということになりますと、これはいささか少しうまくないのじゃないか。 双方責任ある態勢を整える必要があるということであれば、ひやかしでないような措置を購入する方の側にとらせればいいわけであって、それにはある程度の金額なりのものをそこに積まなければならないというぐらいのことは当然だろうと思いますけれども、そういう意味で、ひやかしでないという形の意思を明らかにしながら双方で誠意ある取引を行わせる。しかし、五日間なり十日間なりの間考えてみたけれども、その後問題が発生したというときには特にキャンセルの保証を与えるというぐらいのことがあってもいいように私は思うんですが、この点はどうですか。
○政府委員(宮繁護君) やはり契約はかなり慎重な態度でやる必要がございますので、消費者サイドからだけの立場から、契約してもいつでも、と言いますと語弊がありますけれども、契約を解除するというのは、現在のこの取引状況のもとでは少し無理があるのではなかろうか。したがいまして、一般国民の方々にも、一生に一度か二度の買い物でございますので十分な調査を行っていただく、そして意思決定をしていただく。ただし、その意思決定をいたしました後、その意思決定をいたします場合の状況が、先ほども申し上げておりますように、不安定な状況で行われているような場合には無条件で撤回できる特別の措置を講じよう、五日間ぐらい冷静になる期間がありますれば、消費者も真に安定した購入意思のもとに見直しができるのではなかろうか、こんなふうに実はいまのところは考えておるわけでございます。
○赤桐操君 それと、この五日間という期間でありますが、実際の状況を見ているとちょっと五日じゃ足らないように私は思うんですが、これはやはりちょっと五日間ぐらいでは無理じゃないだろうか、少なくとも十日ないし十五日間ぐらいの期間は保証すべきではないだろうか、こういうようにこれは現実の問題として考えるんですが、この点はいかがですか。
○政府委員(宮繁護君) 繰り返しになりますけれども、このクーリングオフの制度は、不動産の購入意思を決定するために調査とかその他に要する期間がかなり必要であるということで設けたものではございませんで、あくまでも業者が特異な状況のもとで販売をすることによりまして購入者側の自由な契約意思の形成が阻害されるという事情にかんがみまして、このような状況のもとに行われましたいわばゆがめられた意思決定を正常な意思決定に回復させる、いわば頭を冷やす期間を設ける、こういうことがこの本旨でございます。 そういう意味で、クーリングオフの期間につきましては、実は、審議会でもいろいろ御意見がございましたけれども、最終的には、訪問販売法等が四日としており、そういう前例もございますし、いろんな観点から訪問販売法等が対象とする取引と特異な状況下での不動産取引とを比較いたしますと、この不動産取引においては物件の所在地とか温泉宿へ案内するといったような住居からかなり離れたところで行われるものが多いことから、冷静に考えることができる場所に戻るために、御自宅へ戻るためには半日ないしは一日を要するだろうということで、こういうこともあわせ考慮いたしまして、訪問販売法とか割賦販売法の四日間に一日を加えまして五日間といたしたようなわけでございます。 なお、このクーリングオフの制度につきましては、法律を改正していただきました後は、各種のマスコミとか広報媒体を通じまして、また消費者団体等のお力添えを得まして、消費者の啓発を積極的にやっていきたい、こんなふうに考えております。
○赤桐操君 消費者にこの事実をよく知らせなければならぬと思うんですけれども、それは具体的にどういうふうにするんですか。また、知らなかったという場合だってあり得ると思うんですけれども、そうした場合にはどういうような処置をとるのか。
○政府委員(宮繁護君) 先ほどちょっとお話ししましたように、この制度ができ上がりました場合には、マスコミ等各種の広報媒体を通じましてPRいたしますし、それから業界団体にも団体を通じまして末端にまでこの趣旨が徹底いたしますように措置いたしたいと考えております。さらには消費者団体等にも御相談いたしまして、できますれば所要のパンフレット類、そういったものも作成いたしまして、消費者の末端にまでこれが徹底するような措置を講じてまいりたいと考えております。
○赤桐操君 宅地建物関係の弁済業務の保証の関係でありますが、保証準備金を取り崩して流通近代化センターにこの金を出資していく、こういうことでありますけれども、今日までの弁済の実績というのはどのくらいあったものですか。 〔理事増岡康治君退席、理事茜ケ久保重光君着席〕
○政府委員(宮繁護君) 弁済業務の実績でございますが、二つの保証協会がございまして、全国宅地建物取引業保証協会におきましては、昭和五十年度二十六件、千三百十八万二千円、五十一年度十八件、八百六十万円、五十二年度二十八件、千三百六十一万五千円、五十三年度二十三件、千二百十八万六千円、五十四年度二十五件、千百八十二万五千円、こういうふうな実績になっております。 もう一つ、不動産保証協会というのがございまして、これは構成メンバーが千五百人程度でございますけれども、五十三年度が一件で五十万、五十四年度が三件で百七十五万、こういうふうな実績になっております。
○赤桐操君 流通近代化センターというのは、一体、どんなようなものになるんですか。
○政府委員(宮繁護君) 近代化センターにつきましては、国から十億の交付金、業界団体から二十億の出捐を得まして、これを基金にいたしまして財団法人として設立いたします。 この業務の内容は、一つは調査研究、先ほど来お話が出ております中古住宅の価格査定のマニュアルとか、あるいは流通業務の情報の収集整理の仕方をどうするかとかということをやります。それから取引主任者の講習、研修等も行いたいと思っております。なお、零細な業者が集まりまして協業化をいたしますときの利子補給、また、この零細な業者でございまして担保能力がございませんので、銀行から資金を借り入れるわけでございますけれども、そういう場合の保証、こういった業務を中心に行いたいと考えております。
○赤桐操君 いろいろ業界が健全なかっこうでこういう仕事に取り組んでいくのには、しっかりとした組織といいますか、そうした業界自体のあり方も問われてくると思うんですね。法律で規制するだけではやっぱりこれはできないわけでありまして、そういう意味合いからするならば、流通近代化センターというものができ上がってこれから動いていくことになると思うんですけれども、ここに業界全体がどの程度加入されるかということが大きな問題だと思いますけれども、これは義務加入ではないわけですね。そうすると、その点についてはどんなふうに検討されていますか。
○政府委員(宮繁護君) この近代化センターには、業界加入というかっこうではございませんで、業界自体がそれぞれの県とか市におきまして協業化のための事業協同組合とかいろんな組織をつくりまして、ここで中古住宅の流通情報を一元的に処理する、こういう体制をつくるわけでございまして、そういった体制づくりのときにこのセンターが指導をし、先ほど申し上げましたように利子補給、債務保証、そういったものを行い、あるいは先ほどお話が出ました価格の査定の手引書等をつくりまして、それの実際の運用の仕方等を指導する、こういうふうなセンターにつくっていく予定でございます。
○赤桐操君 そうしますと、要するに各県にそういった保証協会的なものをつくらしていくんだ、こういうことについては考えておられるのですか。
○政府委員(宮繁護君) 各県に保証協会というかっこうではなくて、各県で流通業務をともに処理し、統一的な基準でいろんな事柄を処理していくための組合等をつくらせるわけでございまして、保証協会そのものは現在二つございますけれども、それはそれで運営をしていくわけでございます。
○赤桐操君 答申の中ではもうちょっと強いことが述べられているように思いますが、その点はどうなんですか。
○政府委員(宮繁護君) 保証協会につきまして、義務的に保証協会にすべて加入をさせてはどうかという、実は、問題がございます。この点につきましては、協会加入によりましていろんな意味の研修、指導等も行えるわけでございますし、一つの考え方でございますけれども、いまこれを強制加入の保証協会にいたしますと考えますと、いまあります二つの保証協会をなくして新しいものをつくるというような点でいろいろ問題もございますし、それから新しい義務加入のための保証協会をつくるといたしますと、保証金の積み立てがまたゼロから始まるというふうないろんな事務処理上の問題もございますので、慎重に検討したいと考えております。
○赤桐操君 瑕疵担保責任の問題に移りたいと思いますが、これは二年未満の特約を禁止しておるわけでありますけれども、この問題の発生の実情から見まして、少なくともこれはもうちょっと考え直さにゃならぬ点があるように思うのですが、今回の改正では盛り込まれておらなかったわけでありますが、この点はどういうふうに考えますか。
○政府委員(宮繁護君) 宅地建物の売り主でございます業者の瑕疵担保責任の期間につきましては、現在、宅地建物取引業法で二年未満の特約をすることが禁止されておりますが、これは民法の定めによります瑕疵担保責任に比べまして、買い主に著しく不利な特約をする例が実はいままで多かったわけでございますけれども、そういうものを禁ずるために設けられたものでございます。しかしながら、ただいま御指摘のように、取引の実態から見まして、取引のときに隠れた瑕疵は引き渡し後二年程度で発見されるとは必ずしも限らない。もう少し後で隠れた瑕疵が発見されるというような点もございます。また、堅固な建物の構造上の瑕疵についても二年の特約を認めるということにつきましては種々問題もございます。そういったような点から、宅地建物の取引におきます瑕疵担保責任の期間を延長することは妥当な、相当な考えであると私どもも考えております。 ただし、現在のところ、具体的にその期間を定めるに当たりましては、瑕疵問題の発生状況を十分調査する必要があること。また、請負におきます瑕疵担保の責任の期間との調整を図る必要がある。先ほどお話しいたしましたように、業者が売り主である場合、その業者は建設業者に請負契約をいたしまして建物をつくる場合が多いわけでございますけれども、売り主である業者と買い主である消費者との間の関連、それから売り主である業者がさらに建設業者に請負契約でそういった建物を建てさせる、こういった二つの関係の瑕疵担保責任の期間が問題になってくるわけでございますが、現在のところでは、それがいわばつり合いがとれたようなかっこうになっておりますので、こちら側の方の、すなわち宅建業者と消費者との瑕疵担保の期間を変更するということは勢い請負の契約の方にも響いてまいります。現在、請負契約標準約款について中央建設業審議会で検討中でございますので、それらとあわせ考えてまいりたいと考えております。 それともう一つ、三番目に、新築・中古の別、あるいは木造・鉄筋づくりの構造の別、あるいはまた建物の胴体であるとか内装であるとか天井であるといったような部位等によりまして定める必要があるんではなかろうかと考えますけれども、これらの検討が実はまだ十分行われてないような現段階でございますので、現在のところは、この瑕疵担保責任の期間の延長を見送ったわけでございますけれども、今後は、できるだけ早く成案を得まして、住宅宅地審議会等の御意見も聞いた上で所要の改正を行うべく努力をしていきたいと考えております。
○赤桐操君 私はいろいろ構造物によっても違いがあると思いますけれども、いろいろの実例の中で、たとえば土地の問題にしても、これは何年かたたないとわからない問題もあるんですよ、現実に。造成なんかの経過を見ましても、一見したときにはわからないでいるわけです。しばらくたってくると、昔そこに水みちがあったとか、それが原因で大変な地盤沈下を起こしているとか、同じ地域であっても、甲のところは、同じく隣接しながら地盤沈下を起こさないところもあるわけなんです。そういうのは施工上のミスだろうと思うんですね。そういうものに対してどういうふうに責任を負うかということは、入居した人たちに求められたってこれはできないわけなんであって、これを他の造成と同じ条件だと思って買っているわけですから、発生した問題について私はやはり保証をしていく形がとられなければならないだろうと思うんですね。 それから構造物なんかを見ましても、上の方を見ても、これはりっぱなもので感心しちゃうだけであって、本当は、中にどのようなものが入っているのか、それからまた地下にはどういう措置が講ぜられているかということが問題なんであって、これがたとえば何年かたったときに地震が発生したとか、あるいは何か変動があったときにばっと出てくる現象だと思うんですね。 そういうわけで、それは原因がなくて発生するということはないわけですから、そういう面からすると、構造物によっては、この瑕疵担保責任というのはかなり大幅に見ておかなければならない面もあるのではないだろうかというように思うんですがね。
○政府委員(宮繁護君) 仰せのとおりでございますので、先ほども御説明しましたような点で、いま鋭意検討を続けておるわけでございますので、そういった点を十分踏まえまして、今後、取り組んでまいりたいと考えております。
○赤桐操君 次に、最近における分譲マンションの問題について少し伺いたいと思うんでありますが、施工管理上の問題でいまの問題と関連してくるわけでありますが、工事が完了した段階では不正工事であったということはわからない場合がしばしばある。それが後しばらくたってくるというと、いろいろ問題が出てくるということがしばしば出てきているように思うんですが、こうした問題については、いままで建設省はどういう対策をおとりになりましたか。
○政府委員(宮繁護君) マンションの欠陥対策でございますけれども、すでに昭和五十年から五十一年ごろも大変問題になりまして、そのときに計画局長と住宅局長名で通知を発しました。これによりまして施工管理あるいは物件の事前検査を徹底していただくこと、そういった点で十分に業界等にも注意いたしました。また、苦情処理の体制につきましても、業界も十分な対応策を講じるように周知徹底をいたすように指導してまいったところでございます。
○赤桐操君 こういうマンションに対する苦情処理というのは、その後減っておりますか。
○政府委員(宮繁護君) マンションの瑕疵問題は余りふえておりませんけれども、管理に関する問題等につきましてはいろんなトラブルがふえてまいっております。
○赤桐操君 たとえば埋立地なんかによくマンションが建設されておりますね。これは相当の土砂を埋めてつくり上げているものでありますから、したがって普通の既成の台地を切り取ってつくったものではない。その土砂というのは常に移動をする性格を持つものでありますけれども、そういうところに建てられるマンションというものはかなり相当の基礎工事が必要だと思うんですね。また同時に、地盤沈下という問題も最近かなり出てきている。埋め立てられた土地がいつも同じ状態に置かれているわけではない。そういう場合に、たとえば各種付属施設の異常なんかも発見されてくる、そういう実例もかなり見られるわけです。 こうした問題等がいわゆる施工の監理上の問題で、でき上がったときにおいてはわからない問題ですけれども、だんだん二年なり三年たつといつの間にか出てくる大きな問題になるわけでありますが、こういう問題などは私はなかなかその個人の入居者において改善するといってもできない問題だと思うんですね。そういうようないわゆるマンションそのものの性能といいますか施設といいますか、そうしたものについてのいろいろの問題がかなり私はあるように思うんですけれども、これは私の周辺にもかなり出ておりますが、そういう点についてはどのように把握されておりますか。
○政府委員(宮繁護君) マンションは宅地建物取引業者がこれを販売するわけでございますけれども、この建設には建設業者が当たる、それから設計、施工監理等につきましては建築士が当たっておるわけでございます。そういう意味で、私どもは宅地建物取引業者のみならず、建設業者それから建築士の業界団体等に対しましても、また、直接指導監督に当たります都道府県の担当部局等に対しましても、先ほど来お話が出ております施工監理の徹底等につきまして、会議のたび、先ほど申し上げましたように、五十一年に通知を出しましたけれども、さらにまた昨年の五十四年の十二月にも通牒等を発しまして常に指導しておるところでございますけれども、必ずしもそういった問題がなくならないような実情でもございますので、一段とまたそういった面ではこれからも配意をしてまいりたいと考えております。
○赤桐操君 どうも私は不思議に思っているんですが、本来なれば建築基準法に基づいていろんな関係の資格を持った人たちがつくり上げるものですから、いかに施主がこの程度にしてもらいたいと言うても、できないことというのは限度があると思うんですね。だから、その限界でつくり上げられたものがそんなにいろんな問題が発生するわけはないと思っているんですけれども、知らないうちに大変な問題が発生するというのが現実に起きておりますね。そういうことにつきましても、一体、行政機関というものはどのようにこれに対する責任を負うべきかということを私は実は不思議に思って考えておるのですけれども、こうしたものについてはどうですか。
○政府委員(関口洋君) 先ほど来お話がございますように、住宅全般につきまして性能を保証するというために、それを保険制度によって行えないかということを、実は、大分前から検討をいたしております。 それで、実際には、いま計画局長が申しましたように、家をつくる場合に関係しますのが発注者である施主であり、また、その施工を監督します建築事務所であり、さらに請負業者と建築事務所との関係等、俗に言う三位一体で行っていかなきゃならぬ点もございますので、私どもは、この性能保証保険制度の仕組みにつきましても、財団法人の日本建築センター、あるいは同じ財団法人の住宅部品開発センター、あるいは財団法人の日本住宅木材技術センター、これが中心になって住宅性能保証保険制度研究会を設置いたしまして、鋭意検討をいたしておるところでございます。 その検討状況について申し述べさしていただきますと、これも先ほど先生からお話が出ましたように、まず、性能保証の仕組みといたしまして、長期にわたって保証する。たとえば基礎部分、これは著しい沈下が生じたり、あるいは不同沈下によりまして住宅そのものの性能に支障を与えるということはかなり長期間にわたって保証しなければ意味がないというふうなことで、基礎部分については十年という長期保証を考えるべきではないか。一方、玄関であるとかポーチであるとか犬走り、テラスというようなものの沈下、ひび割れ等はそう十年も保証はできませんので、これは短期の保証の二年というようなことにする。こういう意味で長期と短期を組み合わせまして、まさに建物の所有者の不安感を解消するために、目下、鋭意、住宅性能保証保険制度について取り組んでおる次第でございます。 ただ、まことに残念ながら分譲マンションは、二F建てに比べますと、その瑕疵の補修に要する経費が非常に多額になりますので、したがってこれを賄うための保険料も高額となることが予想されます。そこで、マンションについての検討はなお引き続き行うことといたしまして、当面、二戸建ての新築持ち家、これを対象に、しかも全国画一的ではなしに、ある地域ごとにこういう住宅性能保証保険制度の導入を図ったらいいんではないかということで、目下、地域的にそういう二戸建て住宅を中心に住宅性能保証保険制度を導入する具体的な問題に取り組んでおる、これが実情でございます。
○赤桐操君 この保険制度のことはともかくといたしまして、やはり行政機関がかなり私は責任があると思うのですよ、この問題については。そういう意味では、他のいろいろの業界の状況なんかを見ると、一定の資格要件を持つ専門家がタッチしている場合においては相当責任を問われている。しかし、建設関係においてはそれだけの責任を問われてないと私は思うのです。そういう意味で行政機関はもっと真剣な検討をする必要が私はあるんじゃないかと思うのです。 良心的に取り組んでいる業界の方々である場合においては、これは本格的にやると思いますけれども、何にいたしましても、こうしたものもいわゆる商品でありますから、合わない相場のものまではやらないわけであって、しかし、一方、買う方にしてみれば相当のサービスがなければこれは安心できないわけであって、そこにいわゆる手抜きという問題が出てくるわけでありますから、そういう問題については本格的に行政機関の方で業者に対する対策をとるべきだと思うのです。施主と建築する人とは別でありますから、施主の意向で必ずしも思うようにはできない状態に強い規制をその辺に考えておく必要があるんではないだろうか、こういうように私は思うのですが、この点についてどうですか。
○政府委員(関口洋君) 先生御案内のとおりに、一般的な建築物の性能を担保する仕組みとしては、おっしゃるとおりに建築基準法がございます。そこで、建築基準法だけでこのマンションの性能を担保できるかということになりますと、これは私どもかつて携わった者の一員としての経験から申し上げますと、上下階の騒音と申しますか、上の階で子供さんが遊んだ場合に下の階に響くというような問題の場合に、これを欠陥ということで御指摘になるケースがあったものでございますから、いろいろと建築基準法との関係その他を調べましたんですが、これは現在はそういう場合建築基準法に違反しているというケースは少ないわけでございまして、むしろ建築基準法よりももう少し、そういうマンションならマンションというために、何か俗に言う上乗せの基準が必要になるんではないかというのがその当時の議論だったわけでございます。 そこで、マンションの供給に当たる業界団体としまして高層住宅協会がございますが、高層住宅協会の内部におきまして、いま申し上げましたような特に配慮すべき事項、こういうものをまとめて御検討いただきまして、そういう成果を実際のマンション建設に生かすという方向で、ただいま努力しておるような次第でございます。
○赤桐操君 この保険制度にも賛成、反対の両論があるようでありますね。瑕疵の認定の問題等をめぐってまた争われるだろう、あるいはまた保険に依存する悪徳業者が出てくるんじゃないか、こういうようなことも考えられる。あるいは一方、消費者保護の面から見れば、この制度はうまく使えば非常にいい、こういう問題もあるようでありますし、いろいろあるようでありますけれども、まだこれは賛成、反対で非常に定まらない状態の中に置かれているように私は聞いております。それでアメリカあたりではやっておるそうでありますけれども、日本とアメリカじゃ国情が違いますし、たとえば不動産業者自体にしても社会的地位だって違っておるわけでありますから、日本の場合に、一体、それが取り入れられてしかるべき結果が得られるかどうか大変疑問もあるだろうと思うんですね。 したがいまして、これはなかなか検討を要する問題ではあろうと思いますけれども、とりあえず、どうも分譲マンションについては外から見ただけではわからない問題があるだけに、行政機関が結果的にはやはりもっと積極、能動的な姿勢を示すべきじゃないだろうか、こういうようになってくるように思うんですけれども、最後に、この点をひとつ伺っておきたいと思うんです。
○政府委員(関口洋君) マンションの欠陥問題に対する反省の一つといたしまして、建築基準法上の行政との関連で申しますと、建物をつくられる場合の建築確認、これはもう申すまでもないことでございまして、また、でき上がった場合の竣工検査もこれまた申すまでもないことでございます。ただ、問題は、その中間におきまして竣工検査だけではわからない隠れた部分の瑕疵が問題になるということもこれまた先生御指摘のとおりでございます。 したがいまして、先ほど計画局長から御報告いたしましたように、建築基準法の行政の中におきましても、いわゆる中間検査、さらには施工状況の報告、こういったものを確実に聴取していきたい、こういうことで、私ども、建築基準法の確認行政を担当しております特定行政庁にそういうことをかねがね指導いたしておるようなところでございます。私どもとしましては、結論的には、中間検査なり、あるいは施工状況の報告を聴取するということによって隠れた部分の瑕疵が生じないように最善の努力をしてまいりたい、かように考えております。
○赤桐操君 質問を終わります。
○理事(茜ケ久保重光君) 速記をとめて。 〔午後二時三十五分速記中止〕 〔理事茜ケ久保重光君退席、委員長着席〕 〔午後三時一分速記開始〕
○委員長(大塚喬君) 速記を起こして。 それでは質疑を続けます。
○桑名義治君 本日の新聞によりますと、日本住宅公団の子会社とでもいいますか、団地サービスの職員の不正事件が大きく取り上げられているわけでございます。すなわち、住宅公団内に店舗を開設する場合に、その店舗に対して裏口入居を持ちかけて運動費をだまし取っていた、こういう事実が明らかにされているわけであります。それだけではなくて、そうやった詐欺事件を繰り返したその人に対して団地サービスの上司がまたたかって毎週、毎週池袋のキャバレーで豪遊をしておった、こういうふうに新聞では書かれているわけであります。しかも、この団地サービスの不正事件につきましては、前の建設委員会のときにも明らかになっておったのですが、いわゆる不正駐車場の問題で問題を醸したこともあるわけでございますが、これだけ大きく新聞に取り上げられている以上、建設省としても、この問題についての内容把握はできていると思います。そうやった意味で、この内容についてさらにどういう処置を団地サービスとして行ったのか、あるいはまた建設省としては、この問題に対してどういう処置を行っているのか、その点についてまず伺っておきたいと思います。
○政府委員(関口洋君) 今回、団地サービスの不祥事件が発生しましたこと、まことに申しわけございません。答弁する前に、深くおわびする次第でございます。 事件の概要は、昭和五十五年の三月十八日に、団地サービスの埼玉支社の係員一名及び業者三名、計四名が公団住宅の団地店舗の入居あっせんをすると称して金員を詐取したということで逮捕されたということでございます。これは団地サービスの埼玉支社の元係員でございます土井勇と、埼玉公業の社長の木倉谷、同じく専務の大谷子之一及び地興社長の河村到が共謀いたしまして、昭和五十一年から昭和五十四年にかけまして団地店舗に入居を希望している商店の方々から入居をあっせんすると称して金員を受領したものでございまして、昭和五十五年の一月八日に被害者の方からの告訴がありまして、その結果、司直の手において捜査が行われ、先ほど申しましたように、三月十八日に、これらの四名が逮捕されたというのが経緯でございます。 そこで、それに対してどういう処置をとったかということでございますが、当時、団地サービスの社員でございました土井勇につきましては、団地サービスにおきまして、昭和五十四年の十一月初めごろに第三者からの問い合わせがございまして、その結果、本人を調べましたところ、たびたび職場を離脱し職務専念義務違反及び職務外の行動、先ほど申しました民間の方と行動をともにしているということが判明いたしましたので、昨年の十二月十八日付で就業規則違反ということで本人を免職したわけでございます。さらに、団地サービスでは、その後、いわゆる管理監督責任と、それから同じような事情にある者が他にいなかったか、この点につきまして鋭意調査を進めまして、まず管理監督責任について申しますと、本人の所属しておりました業務課長を戒告にし、さらにその上の部長につきましては降格人事を行いましたところ、本人の申し出によってこの方は退職されるということで、それぞれ三月十六日付でこれらの管理監督責任を問うと同時に、土井と飲食をともにしました三人の同僚職員につきましては、同じく三月十六日に出勤停止処分ということで、これも懲戒処分を行っておるということでございます。 さらに、日本住宅公団におきましては、今回の事件の経緯にかんがみまして、団地の店舗の入居募集につきまして、今後、特段の配慮をするということにいたしております。その特段の配慮の中身は、まず、団地店舗の入居につきまして、団地サービスその他の第三者からのあっせんによって入居が決定されるということは絶対にないということをパンフレットに今後表示していきたい。なぜこういうことをするかと申しますと、入居の募集なり、それから入居される方の決定というものはあくまでも日本住宅公団が行っておるものでございまして、団地サービスがそういうものを行っておる事実はございませんので、その辺をまず明らかにしたいということでございます。その次に、団地サービスそれ自体に対しまして、今後、綱紀の粛正及び職員の指導監督になお一段の配慮をするように住宅公団は重ねて注意をいたしております。 そこで、建設省の対応措置でございますが、先ほど申しましたように、団地サービスの職員の個人的な問題とはいえ、かかる問題を惹起したことにつきまして深く私どもも反省をし、今後、住宅公団とともに、団地サービス内部の規律の適正化と綱紀の粛正につきまして団地サービスを十分指導してまいりたい、かように考えております。
○桑名義治君 いま事件の内容並びに大要についての説明があったわけでございますが、本日は、宅建業法の改正の審議でございます。宅建業法をなぜ改正しなければならなくなったのかと言えば、それは朝からいろいろと論議が重ねられておりますように、紛争件数が非常に増大をしてきた、こういうところに大きく起因をしているわけでございますけれども、こういうふうな準官庁関係の職員がこういう悪質な行為をやるとするならば、これは大変なことになるわけでございまして、何のために宅建業法を改正しているのか、この改正をしたとしても、まず公団等の姿勢から直していかなければならない、こういうふうに深く私は感ずるわけでございます。 そうやった意味で、こうやった事件が起こりましたが、大臣はどのようにお考えになっていらっしゃるか、大臣として、こうやった問題をどういうふうに受けとめられて、今後、処置をなさろうと考えておられるか伺っておきたいと思います。
○国務大臣(渡辺栄一君) お話のごとき事件が発生をいたしましたことはまことに私は遺憾なことであると思っておりますし、昨年来、住宅公団のあり方につきましては非常に強く私は指摘をしてきておるところでございまして、今回の事件につきましても、私からは強く関係者にその点を指摘し、厳重注意をいたしておるわけでございますが、特に住宅公団並びにその下部機構でございまする団地サービス等につきましても、すでに申し上げておりますように、五十六年十月に予定をしております新公団発足に当たりまして、それらの問題につきましても十分な検討を加えまして遺憾なきを期したいと思っております。特に、住宅公団に対しましては、その関係機関であります立場に立って厳重に注意をするように指示をいたしておるところでございます。
○桑名義治君 最近は、住宅公団にまつわる事件が余りにも連続的に起こり過ぎたような気がするわけですね。そして、それにまつわるいわゆる子会社的な団地サービスがまたこんな問題を起こしてきた。非常に綱紀が緩んでいるというふうに言わなければならないと思うんですよ。これ、ひとつ大臣、本当に腹をくくって綱紀の粛正に対して力を注いでいただきたいことを望んでおきたいと思います。 今回の宅建業法の改正案は、いわゆる不動産の流通量の増大、これは当然ながら、紛争件数の増加、それから新聞紙上でもにぎわっておりますように悪質事案の処理、それから業界の近代化、こうやったことが理由になって今回の宅建業法の改正案が出たというふうに考えますが、流通量の実態並びに紛争件数の動向、それから現行法律では対応できなかった悪質事例についての説明を願いたいと思います。
○政府委員(宮繁護君) 不動産の年間の流通量につきましては必ずしも的確な統計が現在整備されておりません。それで五十三年度におきます中古物件の流通につきまして、売買に伴います移転登記件数などから推定をいたしまして、おおよそ三十万戸強程度と推定いたしております。また、新規の物件の販売につきましては約三十四万戸程度である、このように把握をいたしております。 次に、苦情へ紛争の件数でございますけれども、これは年々増加をしてきてまいっておりまして、昭和四十九年度において約一万六千件でございましたが、昭和五十年度一万八千件、昭和五十一年度が二万九千件、昭和五十二年度及び昭和五十三年度はそれぞれ約三万件というふうに増加をいたしております。 また、最近の悪質の事例といたしましては、温泉旅行招待などをいたしまして、別荘用地等を強引に販売するとか、あるいはまた他人の所有の物件につきまして何重にも契約等をするとか、こういった悪質事例が出てまいっておりまして、これは現行の法規では十分な対応ができないわけでございます。そこで、今回の改正で、クーリングオフ制度あるいはまた自己の所有に属さない物件の契約締結の制限、こういった規定を追加しようといたしておるところでございます。
○桑名義治君 いま説明がございましたように、紛争件数が大変増大をしているわけでございます。そこで、現在、苦情や紛争を処理する機関あるいはそれが法的に処理できないというふうに説明があったわけでございますが、そうなってくると、やはりこれだけ件数がふえていくならば、ただ単に法を改正することによって解決するとは思われません。現実問題は、起こってきた事例をどういうふうに法的に処置をしていくかという、その機関が私はまた最も必要になってくるのではなかろうか、こういうふうに思うわけでございますが、その紛争処理機関はどういうふうになっておりますか。
○政府委員(宮繁護君) 先ほども御説明いたしましたように、年々、不動産の売買等をめぐります紛争がふえてまいっております。それで建設省、都道府県で取り扱ったものにつきましても、先ほどお話しいたしましたように、五十三年度で約三万件というような非常な数になっております。これらにつきましては、建設省の本省、都道府県に紛争問題の窓口をつくっております。また相談員を設置もいたしておりますけれども、何分、本来業務のほかにこういったわりあい時間のかかる仕事でございまして、忙殺されておるような実情でございます。 なお、業界におきましても、私どもの方からも十分お願いをいたしまして、相談所等を開設いたしまして、一般の方々からの相談に応じておるような現状でございます。
○桑名義治君 そこで建設大臣にお聞きをしたいわけでございますが、宅地建物は一般の消費者にとりましては一生に一度の大事業といってもこれは決して誇大な言い方ではないと思いますが、その取引に対してトラブルが絶えないということは非常に遺憾なことでございます。 そこで、いま説明がございましたように、県や国の苦情受け付けというものは、これは一つの行政サービスとしてやられているわけでございまして、特に法的根拠に基づいて行われているわけではございません。そこで答申やあるいは国民生活審の報告でも、この体制を検討すべきであるというふうに報告されているわけでございますが、消費者保護の面からも、苦情相談の制度を充実させるためにも、こうやった法的な根拠に基づいたいわゆる相談機関というものを設けるべきではないか、こういうふうに思うわけでございますが、この点についてはどのようにお考えでございますか。
○国務大臣(渡辺栄一君) ただいまの何らかの措置を講ずる必要があるのではないかという御意見でございますが、私ども、さように考えておりまして、不動産の売買・仲介をめぐる紛争は近年非常に増大いたしてきておることはいまお話しのとおりでございます。建設省及び各都道府県並びに業界団体におきましては、紛争相談窓口あるいはいま申し上げましたような相談員を設置いたしまして、その解決に努めておる現状でございます。 これは業者が宅建業法の違反をしておりまするような場合に伴う行政指導として行っているのでございますけれども、業者に対する強制力はもちろんないわけであります。その解決は業者の任意にゆだねておるというのが現状でございます。しかし、売買等の当事者間の紛争に対する行政庁の関与につきましては、御承知のように、行政の民事不介入の原則から限度があるわけでございます。たとえば建設工事紛争審査会のような準司法的な権能を持ちました紛争のあっせん調停機関を行政庁に設置するということも考えられるわけでございますけれども、行政の簡素化等も叫ばれる現状でございますから、これらの観点から考えまして、私どもといたしましては、新たに準司法的権能を持ちました公益法人等を設立いたしまして処理する方式につきまして調査研究を行っていきたい、かように考えておる次第でございます。
○桑名義治君 大臣の御答弁の中に、行政の簡素化というお話がございました。確かに現在の一つの大きな問題点であることには間違いありません。あるいは現在国会が行われておりますけれども、この国会の中でもこれは一番大きな問題として一つの目玉として取り上げられていることは事実であります。しかし、必要なものは必要だと思います。私はそういうところに何も遠慮することはない。国民生活の上に立って必要なものはあくまでも必要な行政機関として、これはわれわれは前向きに考えていかなければならないのではないか、こういうふうに思います。そうやった意味からも、これは鋭意検討をして、そしてこうやった国民の皆様方の御要望にこたえるようにしていただきたいことをまず要望をしておきたいと思います。 そこで、今回のこの改正案をながめてみますと、審議会における検討結果を踏まえて改正案ができておるわけでございますが、その答申よりも外れている、中身に盛り込まれていない部分が前の質疑の中にも出ていたわけでございますが、この問題に対して、きょう、参考人に来ていただきました山本進一参考人も、これは一つの一里塚としてのとらえ方、すなわち漸次また改正を重ねていくという立場から、この程度が現在の段階ではなかろうかという意味の答弁をなさっておったわけでございますが、これが今回の改正に盛り込まれていない取り扱いについては、どういうふうにお考えになっていらっしゃるのか、これを確認しておきたいと思います。
○政府委員(宮繁護君) 審議会から答申をちょうだいいたしまして、答申の内容に盛り込まれております事項で今回の法律改正に含まれていないものは、次のようなものがございます。その一つは免許の区分、二つは瑕疵担保責任期間の延長、三番目が宅地建物取引業保証協会への義務加入制、四番が苦情処理体制の整備の各事項でございます。 これらの事項につきましては、今回の審議でかなり時間をかけていただきましたけれども、必ずしも結論を得られなかったというような状況でございますけれども、今後におきましても、これを引き続き検討を続けまして、具体案を得ましたならば、審議会に諮問いたしまして、その具体化を図っていきたい、かように考えております。
○桑名義治君 次に、クーリングオフの制度が、今回、導入をされたわけでございますが、これは訪問販売それから旅行招待販売など異常な状況下で契約された場合に生ずるトラブルを回避するために、契約後五日間は解除できる、こういうふうにしているわけでございますが、前の質疑にもございましたが、一週間もしくは十日に延ばす方がむしろ適切ではないかという議論に対し、御答弁は、いろいろな関係法案との兼ね合いの中から五日間が最も適当と思われるというような意味の答弁があったわけでございますが、これは五日間をどうしても一週間に延ばすということは適当ではない、こういうふうにやはりお考えでございますか。
○政府委員(宮繁護君) クーリングオフ制度を設ける趣旨につきましては、先ほど来御説明いたしておりますけれども、これは不動産の取引の契約に先立って適当な調査期間を設けるという点にあるわけではございませんで、特異な状況下におきましてゆがめられた意思決定が行われた、それを正常な意思決定に回復させるため、そのような状況から解除させる、こういう点にあるわけでございます。 先ほど来もお話がございましたように、不動産は一般国民にとりましても一生に一、二度の高価な買い物でございますので、契約に先立ちましてあらかじめ十分な調査を行った上で購入の意思決定をしていただきたい、こういうふうに思うわけでございまして、このクーリングオフ制度は高価な買い物について消費者保護の立場から特別な規定を設けた制度でございますが、いつまでもこの契約の申し込みの撤回等の余地を認めまして長くなりますと、やはり一方では取引の安全性を害するというようなことにもなります。そういうような意味で、いろんな観点から御議論もございましたけれども、私どもは、一応、五日間ぐらいで妥当ではなかろうか、こんなふうに考えているわけでございます。
○桑名義治君 それと同時に、業者の事務所やそれから省令で定める場所で契約した場合には、適用されないというふうになっているわけでございますが、いわゆる適用除外となる事務所と省令で定める場所というものはどういうところを想定をしておるのか、明らかにしていただきたいと思います。
○政府委員(宮繁護君) 「事務所その他建設省令で定める場所」ということでございますけれども、安定した契約意思に基づく売買契約が行われるような場合にはこのクーリングオフ制度の適用が除外されることとなりますので、建設省令におきましては、事務所に準ずるような場所、すなわち継続的に業務を行うことができる施設を有する場所、たとえばかなり規模の大きな分譲住宅団地におきまして、長期間にわたって建物等の施設があるような場所で、しかも取引主任者を必ず置いておる、こういうようなところ、あるいはまた、買い主の方で消費者みずからが申し出まして、自分の自宅または勤務先の方へ業者の職員を招きまして、そこで契約するような場合、こういうような場合はいいというふうにしたいと現在考えております。
○桑名義治君 契約期間を五日間と限るには、三十七条の二によりますと、買い主が業者から申し込みの撤回を行うことができる旨及び撤回を行う場合の方法について告げられた場合、こういうふうになっているわけでございますけれども、買い主が業者からこの旨を告知されなかった場合はいつでも解約できると解してよいのかどうか、また、解約できる旨の通知は省令で定めるところにより行う、こういうふうにされているわけでございますが、省令の内容というものはどういうふうなことを考えられておられるわけですか。
○政府委員(宮繁護君) 前段の点は、仰せのとおり、告知のない場合は、物件の引き渡しがなされ、かつ代金の全額が完済されるまでの間は、いつでも解約が可能でございます。 それから後段の省令の内容でございますけれども、告知の仕方につきましての建設省令では、次のような事項について記載しました書面を相手方に交付いたしまして説明すべきものと定める予定にいたしております。その一は、買い受けの申し込みをした者または買い主の氏名及び住所。二といたしまして、売り主である宅地建物取引業者の氏名、工事人の場合はその名称でございますが、氏名及び住所並びに免許番号。三番目は、五日間以内に限って申し込みの撤回または売買契約の解除をすることができること、こういった事項を考えております。
○桑名義治君 次に、取引主任者の問題についてちょっとお尋ねしたいんですが、冒頭に、今回の団地サービスの問題を提起したわけでございますが、このときに不動産業の地興の社長がこの詐欺事件で逮捕されている、かんでいるわけでございますが、こうやった場合、果たしてこの法が施行された場合に適用になるのかどうか。法の遡及はないんだ、これが法の原則なんだと言われればそれまででございますが、そういうふうに考えますと、中山参考人の公述の中にもございましたように、問題は資質の問題が一番大きな問題になるんだと、こういうふうに言われておりました。実際にこうやった大きな事件を起こしている業者が再びこの法の施行の前にこういう申請をした場合、あるいはまた取引主任の試験を受けるような場合、こういう場合にはどういうふうに取り扱うのか、その点をちょっと伺っておきたいと思います。
○政府委員(宮繁護君) 申請者がたとえば罰金刑に処せられたというような場合は、現行法では、そういう日以後三年を経過した場合は取引業者になる資格が一応あるということに認定されますけれども、今回の改正におきましては、三年を五年というふうに期間を長くいたしまして、できるだけそういったものの業界への参入をおくらせる、あるいはまた反省の機会を十分与える、こういうふうな措置をとることにいたしております。
○桑名義治君 そうしますと、これに五年の適用がかかるということですね。
○政府委員(宮繁護君) 法律は遡及いたしませんので、現在の法律が改正されましても、五年にはならないわけでございます。
○桑名義治君 結局、そこら辺がやっぱり今度の法律の一つの盲点的なものになるんじゃないかというふうに考えるわけですよ。と申しますのは、先ほどから紛争件数というものが五十二年度、五十三年度は約三万件というふうに言われているわけでございます。この中には非常に悪質な業者もおるわけですし、あるいはまた刑を打たれるような業者もおると思うんです。それと同時に、冒頭に申し上げましたように、今回のこの事件にかかわった業者もいるわけです一そういう業者がこの三年を経過してまた申請をする、こういうことになって、それをすんなり認めるというところに再びまた同じような事件が起こり得る可能性を十二分に持っておるわけでございます。そうすると、そうやった業者に対してはどういうふうな処置をなされるおつもりでございますか。また、それはもうどうしようもないんだというふうにお考えになるんでしょうか、どうでしょうか。
○政府委員(宮繁護君) 現在の免許の基準の中に「宅地建物取引業に関し不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかな者」は排除されることになっております。しかし、現実にこの規定を適用して排除するということは大変むずかしゅうございますけれども、いま仰せのとおり、いろんな問題を抱えておる業界でもございますので、私どもも、今後の免許基準の適用につきましては、いままで以上に厳正に厳しくやってまいりたいと考えております。
○桑名義治君 大臣、この点についてはどういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(渡辺栄一君) ただいま局長が説明いたしましたとおりでございますが、私どもといたしましては厳しく対処してまいりたい、かように考えております。
○桑名義治君 この問題は、現実にどういう問題を起こしたか、こういうことが明らかになっておるわけでございますので、ある一定の基準を設けて一つの線を引くということが私は最も好ましい事柄ではなかろうか、こういうふうに思っているわけであります。次の問題でございますが、営業保証金については、主たる事務所が三百万、その他の事務所が百五十万に引き上げられたわけでございますが、これによって現在の消費者被害にどの程度の救済が行われるというふうにお考えになっておられますか。
○政府委員(宮繁護君) 現在の営業保証金の額を六倍程度引き上げるわけでございますけれども、このことによりまして、過去の営業保証金還付事案等から勘案いたしますと、債権額が三百万円以下の件数が大体全体の八割を占めておりますので、八割程度につきましてはカバーし得ると考えております。
○桑名義治君 最近の不動産取引というのは非常に金額が大きくなっております。また、東京、大坂、名古屋、こうやった大都会においては三百万というのはもう問題にならない金額のようにも思われるわけです。果たしてこうやった金額が適当であるかどうかということには大きな疑問があるわけでございますが、それと同時に、いわゆる保証協会等がございますので、それで対応するといえば一つの解決方法かもしれませんが、少し低いんではなかろうか。 また、先ほどからも少し論議になっているわけですが、一つの段階を設けて保証金額も上げるとか、年間の取り扱い金額によって保証金の額を上げるとか、そうやった方法もとられるのがむしろ私はベターではなかろうかというような気もするわけでございますが、その点は答申にもうたわれておったようですが、どういうふうに今後対処していくようにお考えですか。
○政府委員(宮繁護君) ただいまのお話につきましては、これは業界の分野区分の問題とも関連いたしますけれども、現在、その業態別に資力あるいは人員構成の態様を調べておりますけれども、そういう実態の把握が進みますとともに、いまお話しのような点についても、今後、十分検討を続けていきたいと考えております。
○桑名義治君 次に、宅地建物取引業保証協会について、新たな業者や小規模業者の加入を必ずしも歓迎しない、あるいはまた加入を認めないという話もあるわけでございますが、協会への加入についての実情をどういうふうに把握されておられますか、また、この種の問題について建設省としてはどういうふうにお考えになっておられますか。
○政府委員(宮繁護君) 取引業保証協会への新規加入は最近著しく増加を見ております。それで御指摘のような小規模の零細業者の加入を歓迎しないというような不合理な入会の拒否はないと考えておりますけれども、この点につきましては、今後とも、保証協会に対しまして公正妥当な入会が確保されますように、さらに十分の指導をいたしてまいりたいと考えております。
○桑名義治君 不動産の取引の公正を害するものとして、いわゆる誇大広告の横行を挙げることができるわけでございますが、これは新聞紙上でもたびたび問題になっているわけです。今回の誇大広告等の禁止、三十二条を見ますと、「実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示」こういうふうになっているわけであります。「著しく」とは非常に抽象的になっているわけでございますが、法律ですからこういうふうに書かざるを得ないんじゃないかとも反面思いますが、逆に言うと、多少はよいというふうにも読めないこともないわけでございます。「著しく」というこの言葉は改めた方がいいんではなかろうかというふうに思うわけでございますが、この点どうですか。
○政府委員(宮繁護君) この法律で「著しく」という表現がとられておりますのは、宅地建物取引の広告も商業活動、営業活動の一環でございまして、一般的に商人がみずから扱う商品につきましては若干の誇張といいますか、上乗せ的な表現があることは私ども通常経験するところでございます。この場合におきまして、特にその誇張の度合いが大きいものだけを禁止の対象としたわけでございますけれども、これはまた本条の違反者に対しまして直接罰則の規定がございますので、そういうふうに罰則を与える場合に的確に把握する必要もございますし、「著しく」という表現は法律上必要だということで、これを入れさしていただいたわけでございます。
○桑名義治君 先ほどからたびたび申し上げておりますように、こういう土地を買う、あるいは住宅を買う、こうやった場合には一生の大事業になるわけでございます、一般の方にとりましては。そうやった取引をする場合に、こういうふうに少しでも誤認識を誘うような表示というものは一切排除する方がむしろ適当ではなかろうか、こういうふうに私は厳しく物を見たいわけでございますが、そういう立場から言いますと「著しく」の言葉はやはり私はとった方がいいんではなかろうか、こういうふうに思うわけでございますが、再度、この点について伺っておきたいと思います。
○政府委員(宮繁護君) 私どもの法律でも先ほど申し上げましたような理由で「著しく」という表現を使っておりますし、公取の法律の不当景品類及び不当表示防止法等におきましても「著しく」という言葉が使われております。しかし、行政指導におきましては、私どもは、やはり真実のものを広告していただくように、そういう点におきましては指導をしていきたいと思っております。
○桑名義治君 法律に基づこうと基づくまいと、この問題については建設省としては厳しくとにかく指導を続けていただきたいと思います。 そこで、不動産の広告については業者の団体があるわけですね、不動産公正取引協議会。この協議会が自主的に公正取引委員会の指導を受けて公正競争規約による自主規制を行っているわけでございますが、この制度に加入してない業者への今後の指導方針、これを御説明願いたいと思います。
○政府委員(宮繁護君) 不動産公正取引協議会は、現在のところ、北海道、東北、関東、東海、近畿、九州地区にございます。それで現在までに設置されていない地域は北陸、中国、四国という三地域でございます。これらの地域につきましても、こういった不動産公正取引協議会を設立いたしまして自主的な規制を行うように、公正取引委員会にも協力し、また業界に対しましても指導してまいりたいと考えております。 なお、公正取引協議会が設立をされております地域におきましても、協議会に参加をいたしておりますのは業界の六つの団体でございますので、今後は、いわゆるアウトサイダーの業界団体に対しましても何とかこの加入をいたすようにということで十分に指導をいたし、加入率をできるだけ高めてまいりたいと考えております。
○桑名義治君 この論議の一つの問題点になったのは、いわゆるこういう自由な商取引に対して行政が介入をするという点について非常な危惧を一面に持ちながら、今回の改正がなされたというふうにも説明があったわけでございますが、そうやった立場から考えますと、こういうふうな不動産公正取引協議会、こういう自主団体というものが強力になることによってみずから自主的に規制を行っていくということが非常に好ましいことでもございますし、こうやったことにこそ建設省は強力な指導の手を伸べ、そして推進をしていくべきではなかろうか、こういうふうに考えるわけでございます。 そこで、いまお話がございましたが、この団体に加入しているのは六団体だというお話でございました。また、参考人の中山さんからのお話にもございましたが、いわゆる十万のうち八万三千が団体の中に入っている、あとはアウトサイダーで、そのアウトサイダーの人々が大変な問題を起こすんだというふうな説明があったわけでございますが、そうやった立場から考えましても、このあと残されたアウトサイダーに対しては加入するような方向にある程度規制していくのが好ましいことではなかろうかというふうに思うわけでございますが、これに対する処置はどういうふうにお考えですか。
○政府委員(宮繁護君) 仰せのとおり、アウトサイダーの方々にも団体に入っていただきまして、先ほどもお話がございましたように、法律のお世話にならなくても自主的な規制でみずからの資質を高めていき、消費者の信頼を得るということがきわめて重要なことだと思います。 それで、私どもも、いろんな場を通じまして業界団体に入っておられない業者の方にお話をいたしておりますし、また、業界団体そのものにも何とかそういう人たちに入っていただくようにお願いもいたしております。今回のこの営業保証金の引き上げに関連いたしまして、普通の場合でございますと、供託する場合は六倍の営業保証金になりますけれども、保証協会に負担金を出す場合は二倍の二十万円でございますので、そういう意味合いからも多分保証協会の方に入っていただき得ると思いますし、その場合には、この業界団体にもあわせて入っていただくような指導をいたしまして、できるだけアウトサイダーの数が減るように努力してまいりたいと思います。
○桑名義治君 それと同時に、誇大広告との関係で問題になるものに現況有姿分譲というものがあるわけでございます。すなわち山林や原野を素地のまま分譲する。たとえば北海道や温泉地の近くの山林等を別荘用地などと称して売る場合があるわけでございますが、宅建業法は土地については、宅地、将来宅地となるものを含む、こういうふうにしか適用がない。したがって人里離れたこれらの土地について宅地見込み地としてとらえるか、単なる山林としての売買なのか、この取り扱いの態様によってそれぞれ異なってくるわけでございますけれども、宅建業法の適用になる土地とそうでない土地の限界をどういうふうに理解したらいいのか、ここら辺をもう少しわかりやすく明快にしておく必要が私はあるんじゃなかろうか。これがまた大変にこうやった紛争を起こす原因を除去することにもつながるのではないか、こういうふうに思うわけでございますが、この点はどうでしょうか。
○政府委員(宮繁護君) 宅建業法の適用の対象となります「宅地」は、ただいま仰せのように、法律上「建物の敷地に供せられる土地」をいう。なお、都市計画法の用途地域内の土地でございまして、道路、公園等の公共用の施設に供せられていないところの土地、そういったものは含むんだと、こういうことになっておりますので、都市計画法の用途地域内の土地につきましては、これは明らかに現況が山林、原野、農地でございましても、適用の対象になるわけでございますけれども、用途地域以外の土地につきましては、いまお話しのように、農地かあるいは山林か別荘地かというような点で問題がございます。 それでやはり個々の具体の土地につきまして判断をせざるを得ないという状況でございますけれども、取引の事情とか、あるいはまた、その土地につきましてどういう施設を施しておるかとか、あるいは道路をどういうふうにつけ、どういうふうな区画をしておるかというふうなことで、たとえば道路もかなりの道路をつけまして区画をし、しかもなお、それがクリ林であるとかというようなことで販売をしておるような例もございますし、その場合の販売の仕方等を見まして、これは無免許の営業であるというような取り締まりをやった実例もございますし、そういったようなそれぞれの具体のものにつきましてやはり判断をせざるを得ないとは考えますけれども、できるだけ不都合のないような法律の適用の仕方を考えていきたいと思っております。
○桑名義治君 次に、改正の中に、宅地建物取引業保証協会の弁済業務保証金準備金の一部を取り崩して不動産流通近代化センターに出資する、こういうふうになっているわけでございます。そこでセンターは国庫補助金の十億円を含めて三十億円の基金でスタートする、こういうふうな説明があったわけでございますが、いわゆるこの国庫補助金の十億円について、ある政治家が介入をして圧力をかけてこれが決まったということがちまたではずいぶん流れておる、この業界の中では流れておるわけです。そういう事実が実際にあったのかどうか。さらに、あとの二十億円はどういうふうな調達方法になるのか。あるいはまた、目的と業務の内容ですね、これについて具体的にお話を願いたいと思います。
○政府委員(宮繁護君) この近代化センターにつきましては、先ほど来お話がございます中古住宅の流通の適正化、消費者保護の観点、あるいはまた中小零細企業の方々の協業化を促進するためのセンターをつくる、そのために国庫から十億円の金が出ることになったわけでございまして、先生がお話しになりましたような点は全くございません。 それから、あとの二十億円につきましては、このうちの十五億円につきましては、宅地建物取引業者の約八割の方々が組織しております全国宅地建物取引業協会連合会、この保証協会が出捐することをすでに機関で意思決定をいたしておりますけれども、残りの五億円につきましては、他の業界団体にも出捐をいまお願いしておるようなわけでございまして、私どもといたしましては、すべての業界が一丸となって近代化に取り組むという姿勢を示す意味からも、この全国宅地建物取引業協会連合会以外の各団体にも出捐をお願いしておるところでございます。 それからこのセンターの目的と業務の内容でございますけれども、先ほど来お話のございますように、この中古住宅を含む不動産の流通量は今後一層拡大するであろう。これはライフサイクルに応じて住宅の住みかえが非常に行われるであろうということでございますけれども、こういった流通という点では実は非常に現在は地域に密着した仕事でございまして、いわば閉鎖的な市場でございます。そうして大多数のこれに従事しております業者は中小の零細の業者でございます。そういう意味で情報の交換体制等も十分ではございませんので、そういった業務の処理態様に対しまして近代化、合理化を図っていく点が大変多うございます。これらの改善によりまして不動産の流通機構を整備いたしまして、消費者の利益の保護あるいは零細な中小企業の経営の近代化、あるいはまた現在ございます住宅のストックの有効的活用といったような観点から重要な課題になっておるわけでございます。で不動産流通近代化センターは、いまのような状況に対応いたしまして、不動産流通仲介業における事業態様の適正化を図りますとともに、中小業者の協業化あるいは経営基盤の強化を推進いたしまして、円滑かつ合理的な不動産流通市場の整備を促進することによりまして、消費者の保護あるいはまた中小零細業者そのものの振興を図っていくということを目的といたしまして、設立をするわけでございます。
○桑名義治君 不動産流通近代化センター、この趣旨について御説明があったわけでございますが、その中で一番中心になるのは、一口で言うと、いわゆる協業化ということにつながるのではないかというふうに思うわけですが、いずれにしましても宅建業界というのは非常に個性の強い業界でもございますし、その協業化について現実的には問題もまた出てくるのではないかというふうに思うわけです。というのは、よい物件については情報を流さない、こういうような事柄も考えられるわけでございますが、建設省は、この協業化の見通しについてはどのようにお考えですか。
○政府委員(宮繁護君) 協業化を行いますためには、まず物件情報の公開制を確保することが必要でございます。ただいまお話しのように、とかく閉鎖的なわけでございますから、この公開制を確保いたしますとともに、価格の査定あるいは物件情報の正確性の確保、それから規格化、統一化等、まず業務の処理態様そのものを改善いたしまして、業界を通じます標準化が必要であろうかと考えます。したがって協業化の基礎になりますこういった業務をまず積極的に推進する必要があると考えます。 それから、また、協業組織は地域の実態に即してつくる必要があります。したがいまして近代化センターにおきましては、これが設立されました暁には、個々具体の地域ごとに、たとえば都道府県レベルであるとか、あるいはまた市のレベルであるとか、あるいはまたもう少し下がったようなレベルであるとか、そういった地域に密着した地域ごとに十分な指導を行っていきたいと考えております。そうして、このような基本的な方針のもとに、機の熟してまいりましたどころから、逐次、協業化を推進していきたいと考えておりますけれども、すでに全国宅地建物取引業協会連合会等の中小業の団体におきましては、最近におきましても、たとえば五十三年四月に大阪府、五十四年四月には福岡県、五十五年三月には鹿児島県、同じ三月でございますが、京都府におきましても、こういった流通センターという協業組織を発足させる例がもう出てまいっておりますので、これらと十分な連絡、協調をとりながら協業化に進んでいきたいと考えております。
○桑名義治君 これに関連しまして、二年前に、三井不動産のいわゆるフランチャイズ制をめぐってこの委員会で論議をしたわけでございますが、これが業界に大きなショックを与え、協業化推進の問題になったことは否めない事実だろうと思います。当時、分野調整法をめぐりまして論議があったわけでございますが、この問題は、その後、どういう状況になっているのか伺っておきたいと思います。
○政府委員(宮繁護君) 三井不動産販売株式会社と全国宅地地物取引業協会連合会との間の分野調整の問題でございますけれども、昭和五十二年の十月に、全国宅地建物取引業協会連合会——全宅連と申しておりますけれども、この全宅連が三井不動産及び三井不動産販売株式会社の三井式の住販会社システムを核といたします不動産流通仲介業務の規模拡大計画につきまして、分野調整法に基づきます調査の申し出を行ってまいりました。次いで、昭和五十三年三月に、同法に基づきます今度は調整の申し出を全宅連から申し出てまいったわけでございます。それで建設省といたしましては、全宅連と三井の双方が話し合いの意思を持っておりましたので、三井に対しまして、同年の四月に発足を予定しておりました住販会社の営業開始を三カ月ほど延期させまして話し合いの場を持たせたわけでございますけれども、合意が成立するに至らなかったわけでございます。それで建設省といたしましては、調整の勧告の必要があるかどうかということを判断するために、調査を実施いたしました。これは昭和五十二年四月に設置いたしました在阪会社の影響の実態調査等を行ったわけでございます。この結果を昭和五十四年の一月の中小企業分野等調整審議会第一部会に御報告をいたしましたところ、少なくともこの現在の状況では調整を行うことは困難ではなかろうかという御意見が多数でございました。 しかし、全宅連の方におきましては、調整のこの申し出に係る住販会社が千葉、神奈川、埼玉等にもございまして、その影響も調査した上で総合的に判断することを要望してまいりましたので、現在、その調査を実施中でございまして、その結果を踏まえまして処理を行いたいと考えております。
○桑名義治君 そこで、不動産流通近代化センターの設立によって、そのような大手と中小、弱小、こうやった業者との間の分野問題が解決されるものというふうにお考えになっておられますか、どうでしょうか。
○政府委員(宮繁護君) 現在のこの不動産流通業界の問題は、大手の不動産業者は近代化、合理化された非常に効率的なシステムを導入しながら宅地建物の取引流通の業務を推進しておるわけでございますが、業者数の大部分を占めております中小不動産業者は経営基盤が脆弱でございますし、業務の処理態様等もまだ近代化、合理化が十分行われていない、大変おくれておるような現状でございまして、消費者のニーズに中小不動産業者のやり方では十分に対応し得ないという点が問題でございます。したがいまして、この中小不動産業者につきましては情報の交換体制とか、あるいはまた事業態様の近代化、合理化を図りまして、何といたしましても経営基盤を強化していくことが最大の課題であろうかと考えます。 そこで、先ほど来お話が出ております昭和五十五年度に設立が予定されておりますこの不動産流通近代化センターは、こういった課題に対応するため、中小業者の協業化あるいは経営基盤の強化の指導をその事業の内容として行っていくものでございます。この不動産流通業界におきます分野調整問題は、大手企業の不動産仲介の事業分野への進出が中小不動産業者の経営の安定に著しい悪影響を及ぼすおそれがあるとして全宅連から提起されたものでありまして、近代化センターそのものはこの問題の解決に直ちにつながるものではございませんけれども、近代化センターの目的といたします事業が達成されますならば、中小業者の経営基盤も逐次強化されまして、分野調整問題が発生したような根本的な問題の解決に前進をするのではないかと考えております。
○桑名義治君 次に、分譲マンションについての問題をお聞きしておきたいと思います。 マンションの分譲に当たりまして、駐車場等に専用使用権を設定して分譲をする業者がいるようでございますが、これを知らないままにマンションを買う一般消費者との間でトラブルが非常に多いわけでございますが、このようなことは宅建業法で禁止をすべきではないかというふうに考えるわけでございますが、この点はどのようにお考えですか。
○政府委員(宮繁護君) マンションの分譲におきましては、建物及びその敷地につきましては、分譲の完了の後は、販売業者は権利関係から外れてしまいまして、区分所有者によります区分所有権や共有持ち分権の対象となるのが通例でございますが、御指摘のように、分譲業者が駐車場等の専用使用権を設定し、その対価を得たまま販売するというような事例が一部にございます。 このような場合には、区分所有者との間でトラブルが絶えませんので、昨年の十二月に、業界の団体及び都道府県知事あてに通知、通牒を発しまして、このような方法は取引の形態としては好ましくないので、原則としては避けるべきである旨明らかにいたしまして、行政指導を行っております。ただ、駐車場とか、一階の居住者によります専用の庭といったような専用使用権の設定そのものは理由がある場合も多うございますので、設定に当たりましては、その存続の期間、使用料等も公正妥当なものといたしまして、これらを管理規約等において明らかにする。これから生じます収益等については修繕積立金への繰り入れによりまして、入居しております区分所有者の共有財産に帰属させるといったような公正な処理を行うべき旨、同じく通牒で指示いたしたところでございます。 なお、今回の法律改正におきましては、取引の際に説明しなければならない重要事項といたしまして、マンション等の区分所有建物について敷地の権利関係、あるいは建物または敷地の管理使用に関する事項で建設省令で定めるものを加えることにいたしまして、取引の段階で、これらのことを明らかにするように法律的に義務づけたわけでございます。
○桑名義治君 そこで、このマンション等につきましては、昨年、行政管理庁から施工管理の徹底等についての勧告もございました。これに対してどのように対処なさったのか、あるいはマンション等についてはさらに管理組合を設立して、それによる管理運営を定着させるべきではないか、こういうふうに思うわけでございますが、その点についての建設省のお考えをお知らせ願いたいと思います。
○政府委員(宮繁護君) 昨年の三月に、行政管理庁から民間の分譲マンションに関する行政監察結果、いわゆる勧告が御指摘のようになされました。私どもといたしましては、これを受けまして、昨年の十二月に、宅地建物取引業者、それから建設業者、それから建築士等の業界の団体並びに都道府県に対しまして、その施工管理等の徹底、取引の公正の確保及び管理の適正化について計画局長、住宅局長の連名で通知、通達、指導を行ったところでございます。 その内容は、五十一年に宅地建物の取引条件の明確化等に関する局長通牒が出ておりますけれども、その趣旨をさらに徹底いたすことにいたしますとともに、つけ加えまして、まず第一に施工管理、物件の事前検査の徹底をすること、第二に宣伝広告の適正化、共有敷地における使用収益関係の明確化等による取引の公正の確保、三番目に管理組合の設立の勧奨等による管理の適正化、四番目に苦情処理体制の整備その他の事項についての周知徹底等を行政指導したものでございます。 また、特にマンションの管理に関しましては、管理体制、管理規約、管理組合の設置、管理委託契約、計画修繕等についていままでもいろいろ調査等、勉強もしてまいってきたところでございますが、今後は、この行政管理庁の勧告でも指摘されました標準管理規約あるいは管理委託契約の標準約款等につきまして、その案を作成いたしまして、住宅宅地審議会等の御意見も聞いた上で指導を行っていきたいと、いま準備をしているところでございます。なお、昨年の十二月、マンションの管理業者の団体でございます高層住宅管理業協会が設立をされましたので、これに対しまして指導を行いますとともに、管理システム、管理技術等の整備あるいはその向上、管理業務の適正化等につきましても、共同いたしまして、その充実を図ってまいりたいと考えております。 それから、二番目に御質問のございました管理組合の問題でございますけれども、マンションにおきます居住者の共同生活を円滑にやっていくというためには管理組合をつくりまして、居住者全員の合理的な意思決定を行いまして事柄を処理していくのが望ましいと考えております。私どもといたしましても、管理組合設立の際、販売業者が非常に重要な役割りを担いますので、宅地建物取引業者に対しまして、取引の段階において管理組合の設立を勧奨するよう行政指導を行っております。現在、その設置の率は年々高まってまいりまして、半数以上のマンションにおきまして管理組合が設置をされております。ただ、現実にはリゾートマンションとかビジネスマンションといったような必ずしも管理組合の設立になじまないようなものもございますけれども、こういった面についても検討の要はあろうかと思います。 なお、今後、管理組合を普及させる観点から、管理組合を設立した場合のメリットシステムをどういうふうに増大させるか。たとえば法人格を付与いたしますとか、あるいはまた税制その他の面での優遇措置等も考えていかなければならないというふうに思っております。
○桑名義治君 そこで、現在、マンションの管理については、いわゆる入居者の自主管理が望ましいことは言うまでもないわけでございますが、しかし、いまお話がございましたように、必ずしもなじまないものもあるというこの分もございますし、あるいはまた、現在の態様をながめてみますと、管理業者が受託しているケースが非常に多い。この管理業については宅建業法の対象とはなっていないわけでございます。 そこで、マンション管理の適正化を図るためにも、マンションの管理業法を立案して、所要の規制を設ける必要があるのではなかろうか、こういうふうに思うわけでございますが、この点についてはどのようにお考えですか。
○政府委員(宮繁護君) マンションの管理におきまして、管理のシステムとか管理技術等に高度の知識とか経験を要しますし、また管理の費用、修繕積立金等の金銭を扱うところから経営の安定化ということが絶対必要でございます。さらに、居住者の安全を確保する、あるいはそういうために管理人等につきましても資質の向上を図る必要もございます。そういう意味で、現在は、この管理業協会における自主的な検討結果と私どもの行政指導で対処いたしておるわけでございます。 なお、いまお話のございましたこの管理業務の執行について所要の規制を行うことは、実は、この管理業務の内容が非常に多岐にわたっておりまして、ボイラーの管理とかエレベーターの管理等、それから小さいものにいたしましては掃除の業務というように、非常に多岐にわたっておりますので、単一の職能として法律上位置づけまして、それを規制することにつきましては非常に困難な面もあろうかと思います。今後、なお慎重に検討する必要がある課題であると考えております。
○桑名義治君 そうしますと、いわゆる管理業法は、マンションを管理する上において非常に多岐にわたっているために、立法化することは非常にむずかしい問題を含んでいる、こういう最終的な結論のお話でございますが、しかしながら、先ほどからいろいろと説明があっておりますように、このマンションの管理についてはいまから先も大きな問題になってくることは事実であります。日増しにマンションがふえているわけでございますし、今後、この管理をどういうふうにしていくかということは、これは社会問題としても非常に大きな問題だろうというふうに思うわけでございます。 そうやった意味を含めて、この問題についてはどういう方向が最も望ましいのか、検討課題として精力的に取り組んでいただきたい、このことをお願い申し上げておきたいと思います。この問題について大臣の御所見を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(渡辺栄一君) 非常に重要な問題であるということは局長からも申し上げておるところでございますが、それらに対しまする考え方についてはただいま御説明いたしておりますが、お話しのように重大な問題を含んでおると思いますので、慎重に検討してまいりたいと思います。
○桑名義治君 具体的な御答弁は非常にむずかしいと思いますが、いずれにしましても、この問題は精力的に取り組んでいただきたいと思います。 そこで、マンションがこうふえてまいりますと、老朽化してくる、それからそうやった老朽化した大規模な修繕や建てかえの問題が生ずると思われます。こうやった問題に対して、いまからどういう方向に指導をしていこうかという、こういう一つの方向性というものを考えておかなければならない時期がもうそろそろ来たのではないか、こういうふうに思うわけでございますが、この点についてはどういうふうにお考えですか。
○政府委員(関口洋君) 先生御指摘のとおりに、これからマンションが老朽化した場合の大規模な修繕なり建てかえの問題にどういうふうに対処していくのかということが重要な課題であることは、私どももそういう認識に立っております。そのための方策といたしまして、まず、費用の確保の問題でございますけれども、将来の大規模な修繕なり建てかえに備えて一定の資金をふだんから積み立てておく必要があると考えまして、こういう方向で業界等を通じてその励行を指導しております。一方、これらの費用は、そのときどきの情勢によりまして必ずしも積み立てた金額だけで足りるというのはなかなか困難でございますので、私どもとしましては、住宅金融公庫の改良資金の貸し付け、これらを利用していただいて、ふだんから随時適切に改良を行って、いわばマンションの居住性を確保するようにお考えいただければ非常にありがたいということでございます。 それから、制度面でございますけれども、結局、こういう大規模な修繕なり建てかえという場合には、マンション居住者の意思の合致が非常に重要なことでございますけれども、これらの合意の形成が円滑に行えるようにするためにも、先ほど来御指摘がございますように、まずは管理組合の設置、これが重要でございますし、また、その管理組合のいわば規約の中におきましてどういう事項を定めておけばいいかという意味での標準的な管理規約の作成作業、これについてもいま取り組んでおりますので、先ほど計画局長がお答えしましたように、成案を得次第、住宅宅地審議会にも御諮問をして、はっきりとした方向づけをするようにしておきたい、かように考えております。
○桑名義治君 これで最後の質問にしたいと思います。 宅地建物取引行政というものは、いわゆる消費者保護上、重要なものと考えられるわけでございます。そこで、建設省としては、今回の法改正による運用の実を上げることを含め、さらに業者に対する指導、監督体制の強化、苦情処理体制の整備、こうやったものについて今後行政の充実を図る必要がある、こういうふうに思うわけでございますが、この点について最後に建設大臣の所信を伺って、終わりたいと思います。
○国務大臣(渡辺栄一君) 今回の法改正によりまして、消費者保護については一段と強化されるものと考えます。また、流通近代化の一端も整うものであるというふうに考えておりますが、法制定後は、この適確な運用を通じまして、お話しのように実効の上がるように鋭意努力をしてまいりたいと考えております。 また、今回、審議会の答申で検討事項とされました事項がございますが、これらにつきましては、できるだけ速やかに検討を進めまして、成案を得次第、措置をするように努力をしてまいりたいと存じます。 いずれにいたしましても、一般消費者が被害を受けることなく、便利に安心して取引ができまするように、地方公共団体及び業界団体の協力を得ながら、鋭意努めてまいりたい、かように考えております。
○上田耕一郎君 悪質不動産業の不当取引の具体的な課題だとか、その解決、あるいは国会論戦を通じて私どももいままで指導の改善あるいは法律の改正を要望してまいりましたけれども、 〔委員長退席、理事茜ケ久保重光君着席〕 今回、議題となっております宅地建物取引業法の改正案ですね、かなり私どもの要望や消費者の要望も取り入れられていると思うのですけれども、なお不十分な問題、それからまだよくわからない問題などもありますので、幾つか質問さしていただきます。 第一がクーリングオフの制度です。 私ども、共産院がこれまで国会で取り上げたものも幾つかありまして、まことにひどいのがあって、たとえばただで旅行できるというので喜んで行って箱根へ行った。結局、すさまじいセールスに遭って、電気も水もない北海道のクマザサの地を買わされてしまって、それは赤旗日曜版で報道して非常な反響がありまして、瀬崎議員も取り上げて、建設省の協力も得て、三信相互という会社が被害者に返金するということで一応解決を見た例もあります。しかし、なかなか解決の困難なケースもあって、沓脱議員が取り上げた大和スキーというあのケースなんかは、倒産してしまい、倒産してからもまだ宣伝して売っている、そのうち廃業届が出るというので、これはとうとう救済できなかった例ですね、これは丸山さんに大分決算委員会でお答えいただいているんですけれども。ですから、クーリングオフは非常にいいんですけれども、なかなか業者の方も、それができたら、今度は、悪徳業者ですからね、これをどうくぐり抜けようかと。天網恢々疎にして漏らさずというんだけれども、漏れる場合もあるわけで、幾つかただしたいと思うんです。 第一は、やはりこの期間ですね、期間が五日では短い。頭を冷やすのに五日間だというんですけれども、頭が冷えても、やっぱりいい土地じゃないという気持ちもあるし、ちょっと確かめたいという気持ちもあるんだと思うんですね。ただ熱っぽくなっていたからだまされたというだけでは済まないというケースも実際には多いので、なぜこの五日という短い期間にしたのか、そこからお伺いします。
○国務大臣(渡辺栄一君) クーリングオフの制度を設けました趣旨は、不動産取引の契約に先立ちまして調査期間を与えるという点ではございませんので、特異な情勢下にありますゆがめられました意思決定を正常な意思決定に回復させるためでございまして、そのような状況から回復するという点に問題があるのだと思います。 不動産は一般国民にとりましても非常に重要な一生に一、二度の高価な買い物でございますけれども、契約に先立ってはあらかじめ十分な調査を行った上で購入意思の決定を行うべきものであるということは、どのような状況下におきましても、不動産取引につきましては私は当てはまることではないかと思います。さらに、クーリングオフの制度が高価な買い物につきまして消費者保護を認めるという制度でありますけれども、しかし、契約の申し込みの撤回等の余地をいつまでも認めておくということは、また取引の安定性を害することにもなるのでございまして、私どもは、無条件に撤回等を行える期間は必要最小限のものにしなければならぬ、そういう一面もあるのではないかと思います。このような観点から、クーリングオフの期間は五日で十分ではないかというふうに考えたのでございますが、五日間も冷静になる期間が与えられますれば、消費者の方も真に安定した購入意思のもとに宅地建物の売買契約を行い得るものではないか、そういうふうに考えまして、そういうことによりまして制度の趣旨は全うされるのではないかというふうに考えております。 なお、クーリングオフの期間につきましては、御承知のように、訪問販売法等の四日とするような例がございますけれども、以上のような観点から、訪問販売法等が対象とします取引と特異な状況下での不動産取引とを比較いたしますると、クーリングオフ制度を適用すべき不動産取引につきましては、お話もありましたように、物件所在地あるいは温泉宿等、購入者の住所からかなり離れました場所で行われるということも多いわけであります。ですから、冷静に考えることができるような場所に戻るために半日ないし一日を要することもあるわけでございまして、これらを考慮して、訪問販売法、割賦販売法、そういうような四日に一日を加えた五日間というふうに宅地建物取引におきまするクーリングオフ制度は期間を決めさしていただきたい、かように考えておるわけでございます。
○上田耕一郎君 いまの割賦販売法それから訪問販売法、その四日に、ちょっと遠いのでプラス一日ということのようですけれども、訪問販売法の場合に、対象になる指定商品というのは日常生活に供される物品ということになっていて、はさみだとかナイフだとか時計だとか、そういうものになっているわけですね。ところが、他方、今度は不動産の場合には、何百万、ときには何千万というようなものになるので、かなり違うわけですね。 対象の価値がそんなに違うのに、頭の冷える期間は大体四日で、それにちょっと遠いところへ行かされるのでプラス一日というのでは、その点がやっぱり考慮に入ってないんじゃないかというよう思うんですね。だからテレビや人形、ナイフ、はさみとこのマイホームの取引が同じに見られているというのはどうも納得いかぬのですが、いかがでしょうか。
○政府委員(宮繁護君) 先ほど来、御説明いたしておりますように、確かにこの不動産の取引におきましては、はさみやナイフのように簡単にまいらぬわけでございますので、私ども、やはり十分な調査を行った上で購入の意思の決定を行うべきである、これはもう当然のことでございます。そしてこのクーリングオフの制度そのもの一が、本来、そういった十分な事前調査を行うための期間を設定したものではございませんで、先ほども大臣から御説明いたしましたように、ゆがめられた意思決定、これを正常な意思決定に回復させるために必要な期間、こういうことでありますならば、長ければ長いほどいいという御議論もありましょうけれども、やはり取引の安定、あるいはまた、一般的には、当然、契約は慎重にやりまして、本来自由にでき得る民法上の原則もございます、それを特にこういうものを設けるわけでございますので、まあ五日ぐらいで適当ではなかろうか、こういうふうに判断をしたわけでございまして、この五日間に調査をする、こういうわけではございませんので、この程度でいかがであろうかと考えておるわけでございます。
○上田耕一郎君 ところが、通信販売の場合でも、四日という法的規定を超えて、ほぼ業界では大体いま一週間ぐらいというのが実例になりつつあるんですね。 このごろ、新聞に大分出ますけれども、この通信販売、これも訪問販売法でやっぱりクーリングオフが認められている。カラーテレビ、ステレオ、ラジオカセット、オーブンレンジなんかですけれども、この広告には一週間以内の返品、お取りかえば自由ということになっていて、一週間になっていますね。それからもう一つ持ってきましたが、これはもうどんな新聞にもいっぱい出ているんだけれども、紙上ショッピング、健康ぶら下がり器——非常にこのごろはやっていますけれども、米びつだとか折り畳みベッドだとかいっぱい出ていますが、これも受け取り後五日以内は御返品できるということで、申し込んだときから考えると、もっとこう考えている。この場合は五日でしょう。こういう通信販売の場合にも、実際に業界がいままでずうっとやってきて、この通信販売は五十一年ですわな、割賦販売は三十六年に成立しているんだけれども、その後ずっと実行してきて、実際の法律で決めた四日よりも長くなってきているという点があるんですね。だから、やっぱりそういう実例から考えて割り出さぬといかぬので、ゆがめられた意思決定を正常な意思決定に戻すという抽象理論だけではいかないんですよ。建設省、どうですか、具体的に該当する事例で、被害者が契約してから大体何日ぐらいかかったらおかしいと感じていますか、そういう実例はどうですか。
○政府委員(宮繁護君) その実例の前に、先ほど新聞広告等で御指摘ございましたけれども、私どものこのクーリングオフの五日も、法律で決めてあるこの日数は五日でございますので、業者の方でたとえばそれを長くするような特約を妨げるわけではございません。 それから、紛争の実例等におきましては、大体、旅行から帰られましたらすぐもう、しまったというようなことで、解約したいというような実例が多いようでございます。
○上田耕一郎君 私が調べた例は、一年かかったのがあるんですよね。私は、おととしの四月十一日、この建設委員会で三和開発株式会社という問題を取り上げた。これは、だまされて茨城の土地を買ったんですね。一年くらいたってから被害者がおかしいと気づいて問題になったという例で、帰ってすぐ冷えないんですよ。だから、おかしいという声がだんだん広がっていって初めて、ああ自分もだまされたんだなということを思い出すのが実情なんですね。 やはりどうしても私はこの五日というのは少し短いんじゃないかと思うんです。審議会でもせめて一週間という声があったというんですね。私どもも十日か二週間ということがいいと思うんですけれども、一週間という根拠は——きょうも、春野参考人はせめて一週間と言われたでしょう。やっぱり間に日曜日が欲しいという声が審議会でも出たという話も聞いているんですけれども、勤め人の方やなんかもだれかに相談に行くとか、登記も見たいとか、ちょっと弁護士にも相談したいとか、そのために会社を休むのはいやだから間に日曜日が欲しいということになりますと、せめて一週間というのがどうしても必要なんじゃないか、そう思うんです。だから、どうしても、ただ五日というのでは、せっかくクーリングオフ制度ができても救えない人々がいろいろ出るんじゃないかと思うんです。 条文についてお伺いしたいのは、第三十七条の二というのを見ますと、一に「告げられた日から起算して五日を経過したとき。」とありますな。つまりクーリングオフ制度があるよということを告げられた場合、告げられた日から五日間、それを過ぎたらだめだというんでしょう。告げられなかったら、じゃ一年たってもいいんですか。
○政府委員(宮繁護君) 業者がそのことを告げなかった場合は、いつでも解除ができます。
○上田耕一郎君 そうすると、赤桐委員の質問に対して、局長はこれを大いに周知徹底すると言われたけれども、消費者の人がまだ知らなかった、それで「事務所等以外の場所」で契約した、業者も告げなかった、その場合には幾らたってもいいわけですね。
○政府委員(宮繁護君) 売買契約が結了するまでの間におきましては告げなかった場合におきましては、いつでも解約ができます。
○上田耕一郎君 そうしますと、これはクーリングオフを消費者がやるときに、告げた、告げなかったというのはかなり紛争になってくるだろうと思うんですな。いや私は告げたはずだ、いや聞いた覚えはないというようなことになりかねない。建設省令では、そういう告げるということを、たとえば文書で告げるとかというふうにするつもりがありますか、どういう方針ですか。
○政府委員(宮繁護君) いま仰せのように、文書で告げるというふうにいたしたいと考えております。
○上田耕一郎君 ひとつそのことを確認しておきます。 それで、クーリングオフの政府案の第二の問題点は、いま局長の答弁にもありましたが、取引が完了するまでというのはいつでもいいと言われたんだけれども、取引が完了した場合には除外されているわけですね。この第一項の二がそうなっていますけれども、なぜそういうふうにしたんですか。
○政府委員(宮繁護君) 契約に基づきまして相互に履行が終わりまして完結した場合にまで、これを解除するということは取引の安定を害するわけでございますので、さようにいたしたわけでございます。
○上田耕一郎君 これは何回も午前中から問題になっていますけれども、これは恐らく悪質不動産のケースだということが言われているわけですね。そうすると、やっぱりだまそうという意図があってやる場合がかなりあるわけなんで、こういう条項を残しておきますと、とにかく早く完了してしまう、クーリングオフ期間というのが過ぎてしまうのをじっと待っていて、さあこれで済んじゃったというケースも起こりかねないと思うんですね。だから、取引完了後であってもやはりクーリングオフの対象にするということにした方が、悪徳業者に網をくぐらせないためには、やはり必要なんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(宮繁護君) 先ほど来申しておりますように、一般的にこの契約は慎重であるべきでございますし、また消費者もそういった行動をとっていただきたいと期待しておるわけでございます。そこで悪徳な業者を排除するという意味で、特例を設けまして、このクーリングオフの制度を今回新しく入れたわけでございますけれども、やはり取引の安定という面も法律上は配慮する必要があるということで、こういうふうな制度にしたわけでございます。 もちろん、民法の契約解除事由になるものにつきましては、これは当然でございますけれども、契約解除はできるわけでございます。
○上田耕一郎君 先ほど文書でこういうことを告知させると言われたけれども、文書は渡されたけれども見ない人も出てくるので、なかなか実際の場合には、文書は渡してある、しかし気がつかなかった、取引は完了してしまった、で完全にこの条文は逃れてしまって、実際にやっぱりきわめて悪質な被害にかかり得るケースもあるので、よくそういう点も検討していただきたいと思うんです。 それから第三の問題点は、ここに「宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地又は建物の売買契約について、」というふうになっているので、不動産業者が仲介して行った取引ですね、この場合にはクーリングオフが働かないということにしてある。これはどういう理由でこういうふうにしてあるのですか。
○政府委員(宮繁護君) クーリングオフの制度は、別荘地の分譲でございますとか、山林の有姿分譲といったような、買い主であります一般消費者が非常に特異な状況のもとで締結いたしました契約につきまして、これの解約をめぐるトラブルが最近非常にふえてまいった、こういう現状に対処いたしますために、消費者保護を目的として設定いたしました制度でございます。したがいまして消費者と消費者の間の売買におきまして業者が媒介を行うというような場合は、業者が手に入れます利益は、これは媒介報酬のみでございまして、業者の利益動機から見ましても、多額の経費をかけましてバスを仕立てて温泉場にお客を案内するというふうなことは考えられませんし、また、現実にもこのようなケースは発生した例を聞いておりませんので、現状では、この媒介の場合は適用にいたしておらないわけでございます。
○上田耕一郎君 これまではクーリングオフ制度がなかったからそういうケースがこれまでになかったかもしれぬけれども、この法律が成立すれば今度はできるわけですね。そうすると、じゃどこを抜けようかということになると、仲介のケースは大丈夫だというので、もうけをひとつ折半でやろうじゃないかというようなこともあり得ますし、それからAとBの悪質業者がお互いに仲介業者になり合って、お互いの持っている物件をお互いにやり合うというケースも起こり得るわけですね。そのケースもまた抜けられてしまうということにやっぱりなると思うんです。だから仲介の場合にもはっきりこの中に入れるというふうに明文化することが、被害を防止して悪徳業者が抜け穴を考えることを封ずる意味では、やはり第三番目に必要なんじゃないかと思うんです。
○政府委員(宮繁護君) いろいろ御指摘がございますけれども、現在のところでは、私どもは、この売買の仲介の場合には問題が生じる余地がきわめて少ないので、これで今日のところは足りるのではないかと考えております。
○上田耕一郎君 これは今日のところはお考えになっても、上手をいく業者は、いままでだってそんなことまさかというようなことが起きてきているわけだから、その点は少しお人がよ過ぎるのではないかと思うんですね。 以上、三つの問題点をクーリングオフについて指摘しましたけれども、ぜひそういう抜け穴を防ぐことを考えていただきたいと思います。 それから、土地、家屋を買うときに、大体実物を見てやるといいんですけれども、遠い場合に現物を見ないで取引するということも多いわけですね。新しい問題ですけれども、個人が不動産を買う場合、やはり物件を確認する、確認してない場合にはクーリングオフ期間はせめて二倍に延長するというような特例を設ける、そういうことは考えられませんでしょうか。
○政府委員(宮繁護君) 先ほど来お話が出ておりますように、一生のうちに一、二度の買い物でございますから、仮に忙しくてもやはり現地を確認していただきたいとわれわれは思うわけでございますし、かなりの財産のものでございますので、十分な調査をやっていただきたい、これが私どもの願いでございます。
○上田耕一郎君 箱根に連れていかれて北海道を売りつけられちゃうというようなケースもございまして、なかなかそれはだまされた方が悪いというような点もありますけれども、やはりもっと上手をいくいろいろな知恵も出てきますので、ぜひそういう点も検討していただきたいと思います。 二番目は、きょうのこの委員会でも何回か問題になりました瑕疵の問題です。 欠陥マンション問題も建設委員会で大きな問題になったことがありますけれども、建て売り住宅やマンションで瑕疵問題が大きな社会問題になっている。その現状の把握と調査ですね、建設省としては、どういうふうにされておられるか。
○政府委員(宮繁護君) マンションの瑕疵の調査につきましては、その瑕疵の発生の態様等につきまして概要を把握する必要がございましたので、業界団体加盟の二百七十八社につきまして、とりあえず調査を実施いたしたわけでございます。 この調査は、過去に業者みずからが販売した物件につきまして、その購入者から昭和五十二年四月一日から昭和五十四年の三月三十一日までの二年間に瑕疵補修に関する申し出を受けた事例を対象といたしましたものでございます。瑕疵のうち一戸建て住宅では約九三%、マンションでは約八六%が竣工後二年以内に発生しているという実情でございます。比較的長期間を経て発生する瑕疵といたしましては、屋根、それから屋上からの雨漏り、外壁からの雨漏り、敷地の陥没、排水不良等が見受けられるわけでございます。
○上田耕一郎君 その調査結果は公表していただきたいと思いますが、いかがですか。
○政府委員(宮繁護君) 検討してみたいと思います。
○上田耕一郎君 これはぜひお願いしたいと思う。 いまの調査結果の中で、一戸建て九三%、マンション八六%が瑕疵を二年以内というお話でしたが、やはり一割内外は二年以上のものが出てきている。しかし、一割内外であっても二年以上の長期にわたるものというと、やっぱり屋根の問題とか雨漏りの問題ですね、これは居住者にとっては一番つらい問題だと思いますね。それで瑕疵の担保責任特約期間の問題がどうしても出てくる。 建設省の物件別・原因別の紛争件数を見ても、売買にかかわる紛争一万一千五百九十八件のうち、瑕疵を原因とするものは一割を占めていて、手付金問題に次いで大きな原因になっているわけなので、この責任特約期間の延長ということがどうしても問題になる。先ほどから、建設省側は、審議会の答申にもあったけれども、この問題は今度の改正には入れてないと言われておりますけれども、五十四年三月の行政管理庁の勧告、これにもこの特約期間の延長について検討が出ている。五十四年九月の国民生活審議会消費者政策部会の「住宅・宅地取引の適正化について」この中では新築建物の場合は十年とすべきだという、具体的な十年という数字が挙げてあるわけです。それから住宅宅地審議会の答申もやっぱり延長ということが指摘されているという点で、今回、これに手をつけなかったというのは、先ほど説明がありましたけれども、非常に大きな問題だと思うんです。 いままで検討するんだ、するんだと言われながら、今度、取り上げられていないので具体的にお聞きしますが、瑕疵担保期間の延長について、建設省としては、一体、どこまで検討していて、結論はいつごろ出せるのかということですね。
○政府委員(宮繁護君) いろいろ御指摘がございましたけれども、私どもも、隠れた瑕疵が引き渡し後二年程度で発見されるものとは限らない、いろいろ紛争の種にもなっておりますので、この瑕疵担保責任の期間は延長されることが妥当ではなかろうかと考えております。 ただ、先ほども御説明しましたように、一つは、瑕疵問題の発生状況を十分調査する必要もありますし、もう一つは、建設業者によります請負における瑕疵担保の責任期間との調整をとる必要があるわけでございますが、この建設業者の請負標準約款につきまして、現在、中央建設業審議会におきまして約款の見直し検討をしていただいております。そこで当然にこの瑕疵担保責任期間の問題も出てまいると思いますので、そうなりますと宅建業者と消費者、あるいは宅建業者と建設業者の間の請負契約における瑕疵担保の責任期間、こういったものの調整もとることができ得ると思いますので、いつまでにということはいまここで直ちにお約束いたしかねますけれども、できるだけ早期に成案を得まして、所要の改正を行っていきたい、こういうふうに考えております。
○上田耕一郎君 建設業法の請負約款の二年という、いまのバランスという点も機械的に考えるべきでないんで、この瑕疵担保特約期間がもっと長くなれば、建てる方も約款では二年でももっとしっかり建てておかないと困るということになるので、ここをまず厳しくするということが実際に請負の場合の綿密な建築の仕事のやりっぷりに響いてくると思うんです。だから、そこのところの年数がこっちがこうなっているから、こっちを改正するまでこっちを延ばすわけにいかぬということでなくて、やっぱりリアルに問題をつかまえてやっていただきたいと思います。もし法的なバランスを言うんだとすれば、たとえば民法では「契約ノ解除又ハ損害賠償ノ請求ハ買主カ事実ヲ知りタル時ヨリ一年内ニ之ヲ為スコトヲ要ス」ということになって、事実を知ったときから一年ということになっている。それから民法の請負のところでは、コンクリートづくりのもので、民法六百三十八条、引き渡し後十年間ということにやっぱりなっておるわけですね。だから、バランスということになってくると、国民生活審議会の十年というのも法的にもこれでバランスがとれているということにもなるし、法的なバランスだけじゃなくて、実際にここを厳しくすることが、先ほど申しましたように、建設業者の仕事を本当に責任を持ったものにさせるという意味にもやっぱり役立つというように思うんですね。もしこれを十年ということにすると、マンションだとかコンクリートの建築物について非常な不都合を生じますか。 〔理事茜ケ久保重光君退席、理事増岡康治君着席〕
○政府委員(宮繁護君) 先ほど民法の規定等を引用されましたけれども、まさにそのとおりでございまして、この民法の瑕疵担保期間につきまして、非常に買い主に著しく不利な特約をする例が過去にありまして、それを防ぐ意味で現在の二年未満の特約禁止の規定を置いたわけでございます。 いま仰せの十年が妥当かどうかという点も含めまして、鋭意、検討中でもございますので、いずれ成案を得ることができると思います。先ほども申しておりますように、二年の特約を認めることにはかなり問題があると、私どもも、この瑕疵担保責任の期間は延長さるべきである、こういうふうに考えております。
○上田耕一郎君 この瑕疵の問題では、最後に、大臣、いま答弁がありましたように、延長すべきだとお考えだと、それから審議会の答申にもあるわけなので、ひとつ大臣として宅建業者に対する指導、監督の実態について白書的なものを出すべきだと思うんですが、その問題と、検討を急いで、一年以内にやっぱり結論を出すべきではないかと思うんですけれども、御答弁いただきたい。
○国務大臣(渡辺栄一君) 非常に重要な問題でございますから、前向きで検討さしていただきたいと思います。
○上田耕一郎君 次に、苦情処理体制問題をひとつ取り上げたいと思います。 午前中の参考人の意見の中にも、たとえば中山さんは全宅連がやっている、ぜひ公益法人だからやらしていただきたい、もっともっとやらしていただきたいという御発言もありましたけれども、実際、消費者の側から見ると、業者の方々がやってくださっている、これもありがたいのだけれども、やはり業者仲間という気持ちもするでしょうし、もちろんもっともっとこれも使っていくべきだと思うんですけれども、地方自治体などがやっているもの、それから国がやっているもの、こういうものをもっと強化してほしいという点が非常に多いと思うんですね。苦情処理体制の強化、これは答申にも出ているのですけれども、これについての現状と、それから方針について建設省の見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(渡辺栄一君) 後ほど局長からまた詳しく申し上げますけれども、当面の問題につきまして私の考え方を要点だけ申し述べたいと思います。 お話しのように、不動産の売買仲介をめぐる紛争が非常に増大しておりまして、建設省及び各都道府県におきましては紛争相談窓口あるいは相談員を設置しまして、その解決に努めておる現状でございますが、これは業者が宅建業法違反をしているような場合に伴う行政指導として行っているものでございまして、業者に対する強制力はもちろんございませんし、その解決は業者の最終的には任意にゆだねるという形になっておるわけでございます。しかしながら、売買等の当事者間の紛争に対しまする行政庁の関与につきましては、行政の民事不介入の原則からおのずから限度があるわけでございますので、たとえば建設工事紛争審査会のような準司法的な権能を持ちました紛争のあっせん調停機関を行政庁に付置するということも一案であると思いますが、むしろまた、この際、行政簡素化等の意味も含めまして、新たに準司法的な権能を持ちました公益法人等を設立しまして処理する方式につきまして調査研究を行ってまいりたいと考えておるところであります。 なお、要員の増員問題につきましてお話がございましたけれども、行政の外で処理体制を整備するということによりまして十分対処できるのではないかと考えておりますけれども、このような体制ができ上がるまでの間におきましても、要員の面から苦情処理に支障を来すことのございませんように十分配慮してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○上田耕一郎君 準司法的なものを用意される、考えておられるということと、それから当面の問題としては要員の点を考えたいと言われたのですが、建設省の不動産業課に、現在、何人おられますか、それから紛争を担当している人は何人になっておりますか。
○政府委員(宮繁護君) 現在、課員が十二名でございまして、紛争処理に専任でやっております者が二人おります。実は、先ほど来お話がありますように、かなり多数の案件が持ち込まれまして、夜遅くまで、また土曜日の午後も実際やっておるような状況でございます。私どもも、少ない人数ではございますけれども、できる限り紛争処理に力をいたしていきたいと考えております。
○上田耕一郎君 紛争問題に当たっておられる方が二人というのは、いずれにしても余りに少な過ぎると思うんです。これは、それこそ健康の問題も起きるし、家庭紛争もまた起きてしまうということになるだろうと思うんですね。行政改革の問題がありますけれども、こういう消費者保護に当たる不動産業課、あるいは建設業の下請紛争問題の解決に当たっている建設業課、こういうところはむしろふやすことが必要なんです。これは行政の過疎地みたいになっていると思うんですね。実際にやらなければならない、また国民が期待している仕事の面からいって余りに体制が不足なのじゃないか。だから、ひとつ大臣は、行政改革問題はあるけれども、過疎問題というのはやっぱり解決しなければならぬので、国民の要望に応じて、こういうところはもっとふやそうという体制でやっていただきたい。 それから、地方自治体の方の窓口も、東京都では住宅局の指導課があるんですけれども、紛争相談に追われて非常に大変なようなんですね。ここら辺について、建設省の体制並びに地方自治体の体制、これを、ますますふえてきている紛争問題、苦情処理の問題、この解決に当たってもっと地方自治体にも協力を要請すべきだし、それから建設省としてもまず自分自身の体制も固めていただきたい。これについて大臣の御見解をお伺いしたい。
○国務大臣(渡辺栄一君) 行政簡素化というのは合理化、効率化でございまして、むやみに減らすとかそういう意味ではございませんけれども、お話しの件につきましては適切に措置をしてまいりたいと思います。
○上田耕一郎君 分譲マンションの問題もありますけれども、私、三月二十日に、ここでも幾つかの質問をしましたので、マンション問題については一点だけ。 今度の法律の三十五条でこの問題が書かれております。三十五条の五の二「一むねの建物又はその敷地に関する権利及びこれらの管理又は使用に関する事項で建設省令で定めるもの」ということになっているわけですけれども、この省令の内容にはどういうものを考えておられますか、区分所有等に関する法律の関係です。
○政府委員(宮繁護君) 敷地の権利の種類とか内容、あるいはまた共用部分に関します管理規約、あるいはまた専用使用いたしております場合のその内容等につきまして定めたいと考えております。
○上田耕一郎君 先ほどから言われている管理規約や委託契約の場合の標準約款等の問題があるわけだけれども、その問題についての基本をこの省令で決めるわけですか。
○政府委員(宮繁護君) ここに書いてございます点は、取引に当たりまして取引主任者が相手方に重要事項として書類をもって説明する事項、こういうことになっております。
○上田耕一郎君 管理規約並びに委託契約の標準的な約款、そういうものについて先ほどから御答弁がありましたが、ぜひ早くこういうものをつくり上げていただきたいということを要望しておきます。 次に、使用人等の守秘義務の問題について若干お伺いしたいと思います。 業務上知り得る秘密というふうになっておりますが、直接取引上の秘密、相手の経営上の秘密、プライバシーに関するものなどいろいろあると思うのですけれども、この法律で言う「秘密」というのは何ですか。
○政府委員(宮繁護君) この法律で守秘義務の対象となります「秘密」とは、依頼者等の財産の状況、あるいはまた依頼者の一身上の秘密等で一般人が通常他人に知られたくないような事柄、三番目には、特に依頼者が秘密として希望したような事項について考えております。
○上田耕一郎君 「正当な理由がある場合でなければ、」秘密を漏らしてはならないとなっておりますけれども、「正当な理由」というのはどういうケースですか。
○政府委員(宮繁護君) 正当理由は、たとえば裁判の証人として証言を求められたときのように、法律上秘密事項を告げる義務がある場合等を考えております。
○上田耕一郎君 裁判での証人、証言等と言われましたが、監督官庁の調査、これは入りますか。
○政府委員(宮繁護君) 監督官庁の立場から一身上の秘密というような点につきまして立ち入ることはないと思いますけれども、その他の点におきましては、監督官庁の調査に対して告げる場合は正当理由に入ると思います。
○上田耕一郎君 たとえば、じゃ悪徳業者の場合ですね、使用人が、これは新たに改正された宅建業法に明らかに違反しておる、ひどいなということで、たとえば内部告発的に新聞記者に知らせるとか、あるいはわれわれ国会議員にも知らせてくるとか、そういう場合も正当な理由に入りますか。
○政府委員(宮繁護君) 今度の改正で守秘義務の規定を設けましたけれども、この規定そのものは媒介の依頼者、その他業務の相手方の利益の保護のために置かれました規定でございますので、いまお話しのように、その従業者が業務に従事した宅地建物取引業者自身の秘密、こういったものはここで言う秘密には該当いたしません、そう考えております。
○上田耕一郎君 それで、この守秘義務問題というのは国会でも政府との間でいろいろ問題になるんですけれども、今度の場合には、こういう民間の業者同士の問題、主にプライバシーに関するものなので、われわれも決して同一視いたしませんけれども、いま言われましたような悪徳業者のいろいろな問題について使用人がやっぱり法律に基づいてこれはまずいと思ったケースとか、あるいは国会の調査権に基づく調査とか、あるいは監督官庁の調査とか、そういう場合もあるわけで、それを守秘義務、守秘義務ということで余り拡大解釈されますと、非常に問題も起きると思いますので、ぜひこれは運営上慎重を期して適切な指導を建設省としてもやっていただきたいということを要望しておきたいと思います。 あと残りの時間で、この宅建業法の改正にもかかわっている免許問題、これにかかわっている具体的な事例として、これまで国会でも何回か問題になってまいりましたし、私自身も建設委員会で何回も取り上げてまいりました信濃川河川敷の室町産業、それにかかわる問題についてお伺いしておきたいと思います。 室町産業は、宅建業法の免許を昭和四十二年三月二十日から四十五年三月二十日まで三年間かつて持っていましたけれども、私は、六年前に、無免許営業という問題で追及したことがあります。そのときは、建設省のお答えは、反復継続しての営業をしていないということで、違反問題というのはそのままになってきたわけですが、いまこの室町産業の宅建業の免許、これはいまどうなっておりますか。
○政府委員(宮繁護君) 室町産業株式会社は、昭和五十四年三月十六日付で宅地建物取引業の東京都知事の免許を取得いたしております。
○上田耕一郎君 資本金、それからそこの一番大きい株主はどこですか。
○政府委員(宮繁護君) 資本金は十億円でございますが、株主につきましては手元に資料がございません。
○上田耕一郎君 十億円のうち三五%を持っている最大の株主は小佐野賢治を社長とする国際興業となっていますね。約三億五千万円株を持っている。小佐野賢治という人がこの室町産業信濃川河川敷問題で初めて顔を出してきた、名前も金も出してきたということで、ロッキードの刑事被告人になっていて、最近もラスベガスのあの四億五千万円のばくち問題の支払いで非常に大きな問題になっているという人物であることはもう皆さんよく御存じのとおりであります。 さて、この室町産業はかなり危険性のある企業であると私は思いますけれども、この室町産業と長岡市とが昨年の十二月十九日、土地売買契約を締結しましたが、これについて建設省は報告を受けていますか。
○政府委員(稲田裕君) おっしゃるように昨年十二月十九日、土地売買契約をいたしました。これまでの経緯につきましては長岡市長から報告等を受けております。 それで五十二年の十一月の一日に、先生御存じのように、廃川処分を行ったわけでございます。それから後、市役所といたしましては、五十二年九月の二十七日に結びました室町産業との覚書に基づきまして北半分につきまして市の方で利用するという、第二条でございますけれども、これに基づきましてその覚書の四条にあります譲渡につきましての交渉を進めてきておった。で作業が整いましたということで、五十四年の九月ごろに私の方に参りまして、こういうことで具体の作業に入りたいということを市長から申し入れがございました。そのときに、私の方といたしましては、五十二年九月の覚書の趣旨に沿い、なおかつ、また国会におけるいろんな審議等もあったわけでございますので、これらの審議の状況等も十分念頭に置いてその交渉をしてもらいたいということを市長に申し入れております。 その後、市長は、それを体しまして、室町産業との間に交渉を進めるということで十二月の十三日に再度私の方に参りまして、いま最終的な整理をしておる、できるだけ早い時期に協定書並びに契約書の調印をしたいというふうに申し入れてまいりましたので、また、同様のことを私の方から申し入れしまして、十分経緯等も尊重しながら、その契約はしてもらいたいということで市長に申し入れ、その結果、十九日に至りまして契約を締結したという報告が建設大臣あてに参っております。
○上田耕一郎君 もう局長もよく御存じのように、この問題について、当時の三木内閣総理大臣は、また福田首相も同じ立場をとられましたが、室町産業に暴利を得させない、売り渡し価格は原価プラス金利程度、三番目が公共優先、大体この三つの原則を出されて、世論の納得のいくようにということを言われているわけですね。 局長、今度の契約額は、あれは全部で七十二ヘクタール、二十四万坪ですけれども、その半分について、厳密に言うと今度売ったのは四二%ですけれども、原価四億円、その約半分ですから、約二億円、これに対して今度八億円ということになったんですな、契約書としては。これは、いままでの首相の表明した暴利は得させないという点で、妥当なものとお考えですか。
○政府委員(稲田裕君) 市からこの算出根拠につきまして私ども説明を受けておりますのは、土地の帳簿価額に管理費、これは公課公租及び一般経費等というふうに市長は説明しておりますが、それは帳簿価額の一〇%、それから帳簿価額と管理費に対しまして年間一〇%の年複利の利息を足すということで試算をいたしましたと。で、これにつきましては、この試算で行いますと、全体で室町産業が持っております土地が約六十二ヘクタール余りあるわけでございますが一十八億程度というふうな試算で、長岡市がそのうち二十六ヘクタールを五十二年の覚書に基づきまして取得するということで、その対価が七億九千九百万円余になるということで報告を受けたわけでございまして、この公課公租及び一般経費等の一〇%並びに利息の一〇%というのは、私どもの方から、先ほども御説明申し上げましたように、覚書並びに国会の経緯等も踏まえて十分配慮しながらこの交渉を進めてくれというふうに市長に厳に何度も申し入れてありますし、市長はその辺を十分体して室町産業との間に交渉した結果でございますので、市会でも承認されておりますので、適切に処理されたものであるというふうに考えておるわけでございます。
○上田耕一郎君 利息制限法第一条で、それ以上は無効だという高い金利が一体どのぐらいか御存じですか、局長は。
○政府委員(稲田裕君) 私、いま現在時点において幾らであるかというのは知っておりません。
○上田耕一郎君 知らなくても、そういう利息制限法で決めた金利以下でなければまずい、それ以上は暴利だと思いませんか。
○政府委員(稲田裕君) 暴利であるかどうかという判断につきましては、利息制限法との関連につきまして直ちに私お答えするわけにいかぬわけでございますけれども、この利息等につきましては、市長と室町産業の間で十分詰められた利息であるというふうに私ども解釈しておるわけでございます。
○上田耕一郎君 やっぱり、局長ね、全然本気でやってないんですよ。この契約で八億円が正しいかどうか、一〇%の年複利計算というのはいいかどうか、全然やってないじゃないですか、もう長岡市と室町産業でやれば結構だと。相手は悪徳の危険が多いんですからね、それと結んだ契約を、国会でこれだけ問題になっていて、何ら調べていない。 利息制限法第一条というのは、年一五%以上は無効なんです、元本百万円以上について。これ元本は四億円ですよ、これですと年一〇%。この一〇%だって物すごく高いですよ。今度公定歩合を引き上げて九%、これで高金利と言われているんでしょう。それを一〇%にして、しかも複利なんですから。そんなのは銀行など金融機関の融資で複利計算をやっているなんて全くないですよ。 今度これを複利計算して、いま長岡市の言う四億四千万、管理費も四千万円かかるというのは、私はあの非常に草ぼうぼうの土地でおかしいと思うけれども、それを入れて計算しても、四億四千万に十七年間一〇%複利で計算すると、総利息額十四億五千万円なんです。三二九%、年に直して十七年間。一九・四%の利息になるんですよ、一〇%の複利でね。驚くほど大きいものでしょう。四億円の原価、その半分の二億円で買っておいて八億円にしちゃったと。一九%で利息制限法を超えているんだ、四%。年利一〇%をまあまあいいとしても、九%毎年もうけているんだから。これで室町産業の取り分は、何と利息だけで取り過ぎがやっぱり物すごいことに数億円になるでしょうね。それなのに何らあなたは調べもしないで、それで八億円結構だというふうに思ったんですか。
○政府委員(稲田裕君) いま先生御指摘の複利の試算でございますけれども、私どもの方で公共用地の取得等につきましての先行買収制度というものがあるわけでございますが、このときの試算等につきましても利率はいろいろございますけれども、やはり半年の複利試算ということで処理いたしておる実例があるわけでございます。その辺から見まして、一〇%の年複利計算というものが必ずしも当を得ていないというふうには考えておらないわけでございます。
○上田耕一郎君 問題の本質が田中金脈の信濃川河川敷としてあれだけ問題になったわけだから、農民はいま二人裁判をやっている一坪百五十円から五百円で買って、これだけ問題になったから三木首相が国会で暴利はむさぼらせないということを言ったわけですから、公共用地の取得の例で救ってやってというのじゃいかぬのですよ。長岡市の方は小林市長が田中角榮とも話し合って、やっぱり室町産業に温かく温かくと枠の中で最高を考えていくわけですな。もっとも、私どもは、半分が公共用地になるというのはいいことだと思いますし、私たちもそれを望んでいますが、それにしても少し温か過ぎるぞというので問題にしているんです。 こういうやり方ですと、あと残った南半分ですね、室町産業に残った部分についてかなりの問題が起きかねないということを一層心配するわけですね。南半分については、これも国会で何回も問題になりましたが、長岡市に室町産業側も南半分をどうするかということについて協議すると。その際、河川局長も、それについては建設省もまた長岡市と協議するということになりましたね。これまで南半分について動きをつかんでいる点では何かありますか。
○政府委員(稲田裕君) 私の方は、ただいままでには南半分の利用については何の報告も受けておりません。
○上田耕一郎君 大手大橋、南半分のところにこの橋をいま建設中でしょう。
○政府委員(稲田裕君) まだ、私、大手大橋建設中ということは聞いておりませんけれども、北半分を市に譲渡するにつきましては、この用地につきましては工事をして処理されておるということになっております。
○上田耕一郎君 この南半分の土地は、もし大手大橋が完成すると、物すごい一等地になるというのは、私、新潟の県庁に行って、担当の部長でしたか課長さんでしたか、に会ったときにも、それは物すごい一等地になりますよということを言われたんですがね。いまあの南半分で地価が一体どのぐらいか御存じですか、大体。
○政府委員(稲田裕君) 河川敷の地価そのものにつきましては、私どもの方で試算したことはございません。
○上田耕一郎君 しかし、これまで私予算委員会で質問をしたときに、当時、山岡局長があの近くの公示地価について述べられたことがある。しかし、調べてみますと、山岡局長の言われたのは近くだとは言うんだけれども、ここに地図がありますけれども、(地図を示す)ここが問題の河川敷で、山岡局長がいつか言われたのはかなり離れた、もう本当に農村のところなんですよ。私どもはこの対岸の水道町の地価を調べて、当時、この水道町については私が一平米四万五千円だということを指摘したことがある。山岡局長は上野町について、いや一万二千六百円だということを言われたことがあるんですけれどもね、それからまた上がっていますし、もうかなり違うんですね。大体、この河川敷は、長岡市の計画でもほとんど市内と同じ条件にしようというので、だから公共施設を建てるわけで、橋もできるので、大変な価格なんですよ。 もう時間が迫っておりますので終わりにしたいと思いますけれども、ぜひよく建設大臣も聞いていただきたいんですが、私は長岡市の不動産屋さんに聞いたんです。不動産屋さんが言うには、大手大橋予定地のたもと付近、つまり信濃川河川敷で室町産業が半分持とうとするそのすぐ近くのところです。緑団地というのがいま分譲地で、有楽土地という会社がいま分譲地をやっている。坪二十五万円だと言うんです、いま。それで、その不動産屋の言うには、もし橋がかかった場合は大体坪三十万円を下らない値段になるだろうと言うんですよ。北半分には長岡市がいろんなものを建てるわけだ、橋も通ると。ぼくらが指摘したように、長岡市の不動産屋さんも坪三十万円を下らないと言う。そうしますと、ざっと計算しただけで恐らくやっぱり二百億円を超す資産が室町産業の手に入るんですよ。売ろうが売るまいが、資産としては完全に二百億円を超すんです。彼らが買収した価格は全部合わして一億円なんですから、全部合わして一億円で農民から買ったんです。それで、これだけ問題にして、最後、南半分、現に橋ができ上がれば二百億円を超す資産が——室町産業のトップの株主は小佐野賢治の国際興業なんだから、田中角榮、小佐野のこのグループに入りかねない。 私は、こういう結果になりかねないと思うので、これまでももう何回信濃川河川敷問題を取り上げてきたか。こういう現状をどう認識されておられますか。いままで三木首相、福田首相などが暴利はむさぼらせない、それから国民の納得のいく措置をとるということを言われ、参議院の決算委員会が警告決議をやり、本会議でも通っているんですね、この信濃川河川敷問題については。そういう参議院の決議、それから首相の答弁に反して、そのままにしておくと、本当に田中ファミリー、小佐野賢治らの手に二百億円を超す暴利が転がり込みかねないところに来ている。それをあなた方は何ら問題ない、問題ないと。特に河川局長はこの問題で歴代の責任者なんだ。どう考え、どうされるおつもりですか。
○政府委員(稲田裕君) 先ほども御説明申し上げましたけれども、現在、市が買いました資産そのものにつきましては、私どもの公共用地の取得のルール等から見ましても決して当を得てない価格でないというふうに考えておるわけでございます。 また、近傍類地の売買実例等につきましては、私どもの方にも、必ずしも先生のおっしゃる場所ずばりじゃございませんけれども、いろんな実例がございます。その辺の事例等の資料もあるわけでございますけれども、それから見ましても、直ちにはいまおっしゃったような評価額になるかどうかというのは試算しただけじゃわかりませんけれども、何とも現時点では言えないわけでございますけれども、まあ含み資産というふうな問題を議論しておられるようでございますけれども、この南半分につきましても、この五十二年協定の一条で、特にいま長岡市発展の見地から市民全体の利益を優遇して行われるべきであるというふうな覚書を結んでおりまして、この使用につきましては十分社会的なあるいは市民全体の利益のために使うというふうな枠がはまっております。したがいまして、この枠につきまして十分長岡市長はこの覚書に沿った処置をするものであるということを確信しておるわけでございます。
○上田耕一郎君 建設大臣、最後に、先ほど言いました参議院本会議でも採択された決算委員会の警告決議「信濃川河川敷等をめぐって、疑いをもたれているような行為については、」云々云々で「その事後処理に、遺漏のないよう、妥当な行政措置を講ずべきである。」という決議があり、それから三木首相、福田首相なども、本当に世論に納得のいくように暴利をむさぼらせない、それから買い入れ価格に金利程度、公共の使用に資するという三つのことを言われたので、大臣としても、今後、南半分の問題について、これまでの国会決議並びに首相の答弁に沿って責任を持っておやりになるのかどうか、決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(渡辺栄一君) いまいろいろ局長が御説明をいたしたわけでございますけれども、私も十分慎重に対処してきておるつもりでございますが、もう一度私の立場から申しますと、昨年の九月上旬及び十二月の十二日の二回にわたりまして長岡市からの報告を受けましたけれども、この際、建設省としましては、ただいまのような経緯にかんがみまして昭和五十二年の覚書の趣旨、これに沿うこと、なお、これまでの国会におきまする審議の状況を十分に念頭に置いてひとつ責任を持って取り扱うように強く要請をいたしてきております。 なお、今回の協定及び売買契約につきましては、長岡市長から五十二年の覚書の趣旨に沿いまして、また国会の審議内容を踏まえまして十分に検討を行った上で決めたものであるとの報告を受けておりまして、昨年の十二月二十一日の市議会におきましても承認をされたものであるというふうに承っておりまして、建設省としましては、長岡市の責任におきまして適切に処理されたものというふうに私は考えておりますが、今後、これがどのように推移をしていくかということにつきましては、私どもも予想をする段階ではございませんけれども、いずれにいたしましても、今日までの経緯にかんがみまして、私どもも、慎重にこれにつきましては対処していきたいと思います。
○上田耕一郎君 あと一問だけです。 この室町産業は、二つ以上の都府県にわたって営業するに必要な建設大臣の免許は取ってないんですよ。それで長岡市に事務所を持っているんですね。旧地主七十一人との間で本登記のための一連の手続を行っている、七九年三月から五月にかけて。それで、そこに座ってやっている人は取引主任の資格を一応持っているけれども、越後交通不動産部から来た人で、大臣の免許を受けないで長岡市で事務所を持ってこういう七十一人の地主との間で本登記のために一連の手続を行って不動産業を行っているんですけれども、これは私は業法違反だと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(宮繁護君) いまの御指摘の点は調査をいたしますけれども、考えられますことは、支店がございましても、契約締結を本店で結ぶような場合は直ちに違法にはならないと考えますけれども、調査をいたしてみたいと思います。
○上田耕一郎君 とにかく事務所を持ってやっているんですからね。これは契約を本店でやればいいと言うんだけれども、事務所を持ってやっているというのは建設大臣の免許なしにはできないわけですよ。その点、ぜひよく調査していただきたい。 以上で質問を終わります。
○理事(増岡康治君) 本案に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、自後の質疑は明後二十七日に譲ることといたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時二十六分散会