建設委員会 第3号
- 発言数
- 235 件
- 登壇者
- 29 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1980/02/21
会議録
○委員長(大塚喬君) ただいまから建設委員会を開会いたします。 参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。 建設事業並びに建設諸計画に関する調査のため、本日の委員会に参考人として住宅金融公庫の役職員の出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大塚喬君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。 —————————————
○委員長(大塚喬君) 建設事業並びに建設諸計画に関する調査を議題といたします。 これより建設行政及び国土行政の基本施策並びに建設省及び国土庁関係予算について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○茜ケ久保重光君 建設大臣にお伺いをいたしたいと思います。 渡辺建設大臣は、建設行政に対しましては非常に経験も豊富でありますし、いろんな御意見もお持ちであるようであります。そしてまた、諸般の事情に対しても非常に明るく堪能な大臣と存じております。しかしながら、今回の建設行政の基本施策に関する建設大臣の所信表明については、私からいたしますと、渡辺さんらしからぬ内容ではないかと思っております。というのは、当面する建設行政の課題に対してはその対応策についてるる述べておられますが、国土建設という現在及び将来に向かっての方針が欠けているのではないかと思うからであります。 短い時間でいろいろ言うことは制約がありますが、しかし、わが国は、二十年後の二十一世紀初頭には一億四千万人に達するであろうという人口を、しかも資源の有限性を前提とし、適切な可住面積の狭い三十七万平方キロの国土に人口の七割以上が大都市から地方都市に生活するという本格的な都市時代を迎えることになると予想されております。このような将来の都市の姿を見通した長期的視野に立って、都市を人々の定住の場として整備していくことは最も重要な課題であり、そのため都市を中心に国民生活の基盤となる生活環境の総合的な整備と社会資本の着実な整備推進が重要であると思うからであります。 これは一つの課題を提起したものでありますが、渡辺建設大臣の、いま一度国土建設を担当する主管大臣としての基本的な考え方をこの際ひとつお伺いしたいと思っております。
○国務大臣(渡辺栄一君) 私も、基本的には社会資本の充実を今後も着実に図ってまいらねばならぬと考えておるわけでございます。 ただいま先生の御質問のございましたわが国の都市の将来のあるべき姿、またその政策の進め方につきましての御質問でございますが、私は、二十一世紀の初頭におきましては、すでにいろいろ検討されておりますけれども、国民の七割、約一億人が都市に住むものと思われるわけでございまして、そういうような意味におきましては、今後、長期的な視点に立ちまして、都市ビジョンに基づきました総合的な都市政策を進めていく必要がある、かように考えております。 そういう意味で、昨年の十二月に都市計画中央審議会から答申があったわけでございますが、その都市づくりの理念と都市政策の基本方向、そういうものが示されておりますけれども、私どもは、この答申を受けまして、今後の都市政策は何といたしましても魅力ある都市づくりのために都市化のエネルギーを全国土にわたりまして適切に誘導してまいらねばなりません。また、都市を人間性豊かな生活の場として整備していきますことを基本といたしまして私どもは努力をいたしたいと考えておるわけであります。 そのためには、これまでの人口、産業の大都市への集中抑制、これにはもちろん努力をしてまいります。同時に、地方分散策というものも堅持をしてまいりますが、特に、大都市におきましては、高度の都市機能を維持する、また都市で生まれ、あるいはまた都市で育つ者の生活の場としてふさわしい都市の再生を目指してまいりたいと存じます。具体的には、職住の近接あるいは防災構造、良好な居住環境の形成、都市機能の更新などを図るための既成市街地の再開発を強力に推進してまいりたいと存じます。そうして既成市街地とバランスのとれましたゆとりのある新市街地というものも私はひとつ形成を図ってまいらねばならぬと考えております。 一方、地方都市にいたしましては、田園都市構想等とも言われておりますけれども、定住社会にふさわしい都市機能と快適で豊かな都市生活を確保することによりまして、周辺農山漁村、これらを含む地域社会の中で中核的な機能を発揮し得るような魅力と個性を備えました都市形成を図ってまいりたいと考えておるわけでございます。 また、住みよい都市づくりのために、公園、下水道、街路などの生活環境施設の整備は積極的に進めていく必要があると存じます。私は、これらの施設は欧米諸国に比べましてもなお不十分でございまして、したがって都市の住民にとりましては必ずしも満足のいくものになっていないということも十分認識をいたしておるつもりでございます。公園、下水道、街路などは都市におきまして人間らしい生活を営んでいくための最低限の要請であると私は考えておりまして、これらの施設の整備を重点的に行いまして、人間中心の都市づくりというものを積極的に行ってまいりたいと思います。 非常に厳しい財政上の中ではございますが、私は、そういう意味におきまして今後とも社会資本の充実には一層努力をいたしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○茜ケ久保重光君 ただいまの大臣の御答弁は、まあそういうことであろうと思います。ただ、しかし、私はいつも言うんですが、残念ながら、日本の現在の政府の構成がどうも大臣の任期が短いんですよね、平均一年ぐらいですか。これは先般も言ったんですが、できれば二年か三年やっていただければ、いま大臣のおっしゃったこともかなり着実に実施できると思うんです。それは、しかし、事実はそうではありませんから、結局、渡辺さんが大臣になられても建設行政に対するいろんな豊富な所見をそう簡単には実施できないと思うんです。 したがいまして、ひとつできるだけいまおっしゃったことをあなたの在任中に前進する——全部はできるとは思いません。しかし、前進する一つの形ができて、後だれが大臣になってもそれがまたそのまま引き継いでいけるというようなことにはぜひやってもらいたい。これはあなたはできると思うんですよ。したがって、その点、あなたが必ずあなたの大臣在任中にそういった一つのりっぱなレールを敷いて、後はだれでもできる、こういったことに対する決意をひとつお伺いいたしたい。
○国務大臣(渡辺栄一君) ただいま大変力強い御指示をちょうだいいたしましたが、私は、今回の予算は御承知のような経過でございましたけれども、その中でも、将来に明るい芽を持てるようないろいろな内容の面におきましても努力をしてきたつもりでございますが、今後とも、先生のお話のように私どもも最善の努力をいたしたいと思っておりますので、格別のまた御鞭撻をちょうだいしたいと思います。ありがとうございます。
○茜ケ久保重光君 次に、建設事業関係の各種五カ年計画というのがたくさんありますが、この実施状況について少しお伺いしたいと思うんです。これは大臣でなくとも各局長で結構です。 建設省は、国土建設に当たって、その経済社会のそれぞれの時代的要請にこたえるために、住宅建設五カ年計画を初め各種の事業の遂行に当たり、中期計画的な五カ年計画のもとに一貫して遜色のない公共事業を遂行し、社会資本の整備に努めてきておられます。この五カ年計画の中で五十五年度をもって一応終了する第三期住宅建設五カ年計画を初め、第四次下水道整備、第二次都市公園等整備及び第二次海岸事業の五カ年計画の実施状況はどういうふうに推移しているのか御説明願いたいと思います。 第三期住宅建設五カ年計画を見ますと、当初の計画内容と実施の内容が非常に異なっておるのが見られます。そうならざるを得なかった根拠並びに理由は那辺にあるのか、その点もひとつ御説明を願いたいと思います。 また、下水道整備については、処理人口普及率を五カ年計画で四〇%に高めるという目標であったり、都市公園に対しては一人当たりの公園面積を五カ年間に四・五平方メートルに引き上げる、そういった一応の目途があったが、そうした事業量並びに整備水準の達成はどのようになっているのか、その点も踏まえながらおのおのそれぞれの事業五カ年計画についてひとつ御説明を願いたいと存じます。
○政府委員(関口洋君) 第三期住宅建設五カ年計画の進捗状況からまず御説明をさせていただきます。 この第三期住宅建設五カ年計画は五十一年度に発足したわけでございますが、五十三年度までの建設戸数は公的資金住宅で二百十三万九千五百一戸これは進捗率に直しますと六一・一%でございます。一方、民間自力建設住宅は二百六十九万三千戸でございまして、この進捗率は五二・八%でございます。これらを合計しますと四百八十三万二千五百戸、進捗率五六・二%という進捗状況でございまして、全体としてほぼ順調に推移しております。 今後の見通しでございますけれども、公的資金住宅につきましては、五十四年度及び五十五年度につきまして、それぞれ八十万六千戸あるいは七十九万一千戸の建設を計画しておりますので、これが達成されますと、最終的な進捗率は一〇六・八%ということになりまして、公営住宅なり公団住宅に建設の停滞が見られますものの、公庫住宅の順調な伸びによりまして公的資金住宅全体としては計画を達成できるという見通しに立っております。 それから、ただいま先生から御指摘の点でございますけれども、ただいま御説明しましたように、公的資金住宅全体としては達成が見込まれておるわけでございますけれども、その一番大きな支えになりましたのはやはり公庫融資住宅の伸びでございまして、これは国民の持ち家取得に対する旺盛な需要に即応するため貸付戸数の増加を図ってきたことによるものでございます。一方、公営住宅なり公団住宅が残念ながら計画戸数に達する見込みが非常に薄くなってまいりましたのは、これらの住宅はそれぞれいずれもいわゆる直接供給ということでございますので、用地の取得難であるとか、あるいは関連公共公益施設の整備に係ります地方公共団体との調整あるいは住民の方との話し合いの難航、こういうことによりまして公営住宅、公団住宅については建設が停滞しておる、かように私どもは考えておるような次第でございます。
○政府委員(升本達夫君) 下水道事業につきましては、第四次の下水道整備五カ年計画におきまして七兆一千億円の総事業費をもちまして推進をいたしてまいっておりますが、五十五年度末、最終年度の末までの累計で総事業費六兆八千四百三十七億円、進捗率で九六・四%という見込みをいたしております。 それから都市公園につきましては、第二次五カ年計画におきまして一兆六千五百億の総事業費をもちまして実施をいたしてまいっておりますが、これも五十五年度の見込み額までを合わせまして一兆五千五百九十七億、進捗率にいたしまして一〇二・五%の進捗率が予定されることになっております。 そこで事業費で申し上げますとただいま申し上げましたようなことでございますが、先生のおただしの実際のたとえば下水道で申しますと、人口普及率が四〇%を目途としながらそこまで進んでいないんではないかという御指摘でございましたけれども、これは五十五年度を終わりました見込みで大体三〇%というところにとどまる見込みでございます。 御指摘のとおりでございますが、このような計画との差を生じております主とした理由は、やはり一つは下水道におきましては処理場の設置が大変むずかしい状況がございます。これを地域の住民に処理場の設置を認めていただくというために、いろいろたとえば覆蓋をするとか、あるいは公園的な施設を施すとかいろんな工夫をいたしておるわけでございますが、その辺の事業費がかなり当初計画を上回るような結果になっておるということが一つございます。それから市街地内を掘り進んでまいりますので、いろいろな施設との競合がございます。これを仕分けしながら進んでいくために、いろいろ工事費が増高を来しているということがございます。以上のようなことから、普及率においては当初計画どおりには必ずしも進まないというような事情もございます。 それから公園の関係でございますが、これも御指摘のように、一人当たりの公園面積が計画年度の終わりには四・五平方メートルを目途といたしておりましたところ、いま現在の見込みにおきましては、大体一人当たり四・二平米というあたりにとどまる見込みでございます。これも若干の差異を生じておるわけでございますけれども、公園につきましても、何分にも大変市街地内の地価の高いところに、たとえば防災公園等緊急を要しますものは市街地内の枢要なところに設けてまいらなければならぬということがございます。勢いそういうような計画の進行状況から、全体としての整備の面で若干の計画との差異が生じておるという状況にございます。
○茜ケ久保重光君 ちょっと局長、いまの下水道関係について、局長は群馬県の玉村のことを知っているかな。いま群馬県で中央処理場を計画してやっているわけだ。これはかなり長い時間かかっているんだが、私も非常に苦労していますし、地元では反対、賛成が真っ二つに分かれて、町長選などにもかなりの影響を与えた。で町長は反対派の町長が出たわけだ。で先般もいろいろと調整しておるようだが、なかなかやっぱり思うようにいかない。こういう点についてぼくはそのことに対して賛成、反対でなくて、一応県として前橋中心のかなりの大きな人口の下水処理をしようという計画が進んでいるわけね。こういったことは建設省は知っているか知らぬのか。また、知っていたら、何かこれに対する建設省としてアドバイスでもできるのか、あるいはしたことがあるのか、こういう点はどうなんです。
○政府委員(升本達夫君) 個々の具体のケースについてはどの程度のお話が進行しているのか、私、詳しくは伺っておりませんけれども、一般的に申し上げますと、下水道につきましては、おっしゃるような処理場の設置についていろいろ地元で御意見があることは承っております。その都度、やはり大きな施設でございますし、地元に非常に大きな影響を及ぼす施設でございますから、地元の関係の皆様方の御意見をよく伺った上で、県当局、地元市当局とよく御相談をしながら適切な進行を図ってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。 具体のおただしの点については、私、詳しくは伺っておりませんけれども、もし現状で建設省からの何らかの助言等が必要だという状況でございますれば、私ども、その時期によりまして必要な御相談、アドバイス等は申し上げてまいりたいと思っております。
○政府委員(稲田裕君) 海岸事業の五カ年計画につきまして御説明申し上げます。 海岸事業につきましては、第二次の五カ年計画を五十一年度から実施いたしております。私どもと農林水産省の構造改善局、水産庁及び運輸省の港湾局所管分、四省庁分合わせまして五カ年の海岸事業費として五千百億が予定されております。そのほかに災害関連・地方単独等を含みまして五千八百億円という規模になっておるわけでございます。五十四年度までの事業費は累計で四千二百八十六億円でございまして、海岸事業費五千百億に対する進捗率は八四%となっております。五十五年度に予定されております事業費千三百十七億円を含めますと、累計額で五千六百三億円となりまして、五カ年の海岸事業費の計画額五千百億に対しまして約一一〇%の進捗ということになる予定でございます。
○茜ケ久保重光君 住宅関係について説明を聞いたんですが、特に、さらに突っ込んで、これは大臣にちょっとお伺いしたいと思うんですが、第三期住宅建設五カ年計画の実施状況で、公的住宅については戸数的には一応達成しておりますね。ただし、質的規模の改善は順次図られてはいますが、公営住宅建設の落ち込みと大都市地域での建設の停滞、公団住宅は遠い、狭い、高いということで不人気となり、建設の大幅なダウンとなっているようであります。これら公営、公団住宅を国民が必要とする都市地域に建設されないという実態は、単に地価の高騰とか宅地の取得が困難であるという理由だけではなくて、ほかに問題があるのじゃないか、こう思うんです。 金融公庫の融資住宅が国民のニーズに合うものとして、これに偏った住宅政策はいま一度再考されなければならぬと思うのであります。特に石油価格の値上がりに端を発して、公共料金の値上げ、また卸売物価の異常な値上がりに見られますように、インフレ懸念が見られ、かつは公定歩合の引き上げとなってきております。民間住宅建設も多くは期待できないのではないかと思われます。こういう環境の中で住宅建設をどう進めていくのか、いま一度建設大臣からひとつその決意のほどを聞きたいと思っております。
○国務大臣(渡辺栄一君) 最近の環境の中で住宅政策をどう進めていくかということでございますが、まず第一番に、大都市圏におきまする公営、公団住宅の建設につきましては、いま局長が御説明いたしましたように、必ずしも十全にはいっておらないわけでございますが、その促進を図りますために従来からいろいろな施策をやっておるわけでございますが、昭和五十五年度におきましても住宅宅地関連施設の整備促進事業といたしまして約五割増の九百億をお願いをいたしておりまして、これらを大幅に拡充をいたしてまいりたいと思っておりますが、そのほか、宅地供給の促進等にも努力をいたしまして、これらの住宅建設には全力を挙げてまいりたいと思います。 また、いろいろな意味で障害になってまいりました指導要綱等につきましても、いろいろと自治省との間に協議を進めまして措置をいたしておりますことは御承知のとおりだと存じます。 次に、民間住宅につきましては、五十五年度におきましても住宅金融公庫の限度額を約五十万引き上げておりまして、厳しい財政事情の中でございますが、最大の努力をいたしておりますのと、なお、戸数におきましても、無抽せん方式というものを貫くという、そういう原則で財政当局と話を詰めておりますが、戸数といたしましては五十三万戸ということでございますが、そういうことでございまして、私どもは、そういうような意味におきまする民間住宅の促進には一層努力をいたしたいと思っております。 御指摘のございましたように、最近の地価、建築資材価格等の上昇がございまして、これに対しましては関係省庁とも十分緊密な連携をとっておりまして、なお、国土利用計画法の運用を適確に行い、あるいはまた計画的な宅地開発の推進を図る、そういうようなことによりまして宅地供給の促進を強力に進めてまいりたいと存じます。 なお、建築資材価格の動向につきましては、関係省庁とも十分連絡をとってその監視に努めてまいりますが、そういうような方法によりまして、地価あるいは建築資材価格の安定には最善の努力をいたすつもりでございますが、もう一つ、最近の公定歩合の引き上げに伴いまする金利の引き上げ問題につきましても、住宅金融公庫の融資等につきましても最大の配慮をお願いしておりますし、民間の住宅ローンの引き上げにつきましても、できる限り引き上げ幅を少なくするように、いま財政当局ともいろいろ協議をいたしております。それらの努力を通じまして、極力ひとつ住宅建設に悪い影響の出ないように最善の努力をいたしまして住宅建設の促進を図ってまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○茜ケ久保重光君 次に、公共事業の執行状況についてひとつお伺いします。 公共事業については先ほどお伺いしたところでありますが、その執行体制を見ると、昭和五十五年度分については、上期、四月から九月で六〇%以下にとどめる方針を決定し、来年度の予算の成立を待って正式に閣議で決定すると言われております。五十四年度ではすでに公共事業の五%が留保されており、事実上繰り延べが決定しております。公共事業の年度当初契約率を見ると、オイルショック後の四十九年度の五三%から景気刺激型であった五十三年度で七八%、中立型の本年で六〇%から七〇%の目標であります。前回の狂乱物価時に次ぐ低率となっておりますが、なだらかな公共事業の執行ということになると、大変でこぼこが激しいように思われます。建設大臣の意思に反するような執行計画目標であるようですが、大臣、いかがでしょうか、伺いたい。 また、零細中小建設業者の育成はもちろんのこと、事業の執行に当たっては分離発注等のことも考慮され、または協業化等、いわゆる零細中小企業者の積極的な推進が必要であると思うのであります。 私は、特に住宅建設等については、これは前に公団にも進言したことがあるんですが、特に畳ですね、畳などはこれはもう御承知のように個人の営業であります。特別なものはもちろんありますが、ほとんど個人であります。この個人の畳業者が公団住宅あるいは公営住宅等の大きな建設の際に業者に非常に値段をたたかれまして、個人住宅の畳の値段の半分近くまでたたかれるような状態にある。これはもう全国的に、地方では余りありませんが、都市なり都市周辺の業者にそういうのが多いわけです。したがって、こういうものはむしろ分離発注というか、業者個人にはできませんが、畳業者は協同組合を持っております、この協同組合などにいわゆる分離発注して責任を持ってやらせる、こういうことは私は当然国としては考え、しかも実施すべきじゃないか。これは一つの例であります。そういうことによって、いわゆる今後非常に経営が苦しくなるであろうそういった零細業者を育成するという方向も当然あっていいんじゃないかと思う。大臣はそういう点について、これはいま初めて言うんですが、考慮していただいて、ひとつ建設省の中にそういった方向をさっき言ったように打ち出して、ぜひこれが実現するようなことへの御処置を願いたいとあわせてお願いします。これはお願いです。
○国務大臣(渡辺栄一君) 私も、元来、公共事業というのはコンスタントに着実に実施すべきであるというのが私の信念でございます。そういう意味で、先生がいまお話しのように、社会資本の整備を着実に推進していくという間におきまして、中小企業の安定的な伸びを確保していくことももちろん私は望ましいことであると考えております。 しかし、一面、国民経済を運営していくという観点から、御承知のように長きにわたりました不況から脱却をしなきゃならぬ、しかも輸出に依存はなかなか困難でございまして、内需の拡大による以外にはなかった時期もございまして、こういうような事態におきまして、やはり私どもの関係しております公共事業の執行というものがその調整に当てられましたということは、必ずしも私は好ましいことではないと思います。特に住宅の建設等が余り伸び縮みすることは、私も関係者の一人といたしまして、決して喜んでおったわけでありませんけれども、客観情勢としてやむを得なかったのではないかと思いますが、できる限り、私は、そういうものが着実にしかもコンスタントに実施をされるように今後とも努力をせねばならぬということは考えております。 なお、いまお話のございましたような非常に経営基盤の弱い、非常に影響を受けやすい中小建設業者、そういうものを保護育成していくということにつきましては、私ども従来ともいろいろ意を用いておるところでございまして、あるいはいわゆる業者の段階を決めまして受注の機会を確保する、あるいは分割発注を行うとか、あるいは協業を進めるとか、いろいろな方法を講じまして、中小建設業が受注をいたしまする分野の確保には一層今後ともまた努力をしたいと考えておるわけでございます。 なお、これに関しまして、いま御質問のございました中小建設業の保護育成の問題でございますが、私どもは、そういうような意味におきましては、一層今後とも努力をしてまいるつもりでございますし、特にそういう間に必要でございまする請負・下請制度等につきまして十分指導監督をし、あるいはまたその代金の支払い等につきましても、十分私どもといたしましてはいま監督をいたしておりまして、大分私は改善の跡が見られると思っておりますけれども、今後とも注意をしてまいりたいと思います。 なお、いま先生から御指摘のございました住宅建設等に伴いまする個人営業等の関連業者、たとえば畳の例を挙げられましたけれども、こういうようなものが非常に不利な情勢下でいわゆる受注に走らざるを得ないということは当然予想されることでございますから、この問題につきましては、先生のお話しになりましたような諸般の問題を含めまして十分一度検討したいと思いますが、そういうような立場の人たちが大変困っておるというような事態があってはならぬと思いますので、そういうようなことにつきましても十分ひとつ配慮をいたしてまいりたい、かように考えております。
○茜ケ久保重光君 その件に関しまして、大臣、私、この間、関越自動車道路ですね、これをちょっと前橋インターまで視察しました。非常によくできつつあるんですね。そこで気がついたのは、やっぱりいまの問題と同じなんですが、本体道路は全部東京中心の大きな建設会社が受けている、たまに地元の大きな業者が、共同企業体ですか、をつくってやっております。しかし、たとえば群馬県の例を見ますと、かなりたくさんの建設業者がありますが、本体事業に関係しているのは、佐田建設という、前に参議院議員をされました佐田さんの佐田建設だけなんですね。あとはもう全部指をくわえて見ているということなんです、工事を。 それで、先般、群馬県建設業協会の前橋支部というのがございますが、私、ここの新年御例会に呼ばれまして行きました。非常にそのことに対する小さい業者のふんまんがあるんですね。せっかく自分の地元にすばらしい関越道路または国鉄の上越新幹線ができますが、いま言ったように、ほとんど東京の業者がやっておりまして、地方の業者は見ている。幾らか取りつけ道とか作業用道路などに対してやっていますが、できない。何とか、一つの業者じゃなくて、群馬県の、これは全部とは言いませんが、かなりの業者が共同体をつくって、そういった取りつけ道とか作業道だけではなくって、本体の工事ができぬものだろうか、ぜひやりたい。これは私聞きますと、ただ単にもうかる、もうからぬよりも、やはり建設業界として自分の地元にこういうすばらしいものができるのに対して関係したい、やりたい、こういう一つの意欲もあるようです。 したがって、私は、それを聞きまして、これはもっともだと、何とか群馬県建設業界の前橋支部といったようながっちりした共同体をつくって、そうして本体工事もある程度できぬものだろうか。実は、そういうわけで関越道路を見たときに担当の局長にちょっとお話をしましたら、何かランクがあるそうですね、業者のランクが。ランクがあって、ランクのここまででなければさせないと言うんだね。それはまあそれでいいでしょうが、ランクはランクとして、共同体をつくって、そういう一つの大きなものをつくれば、ランクとは関係ないとは言えないでしょうが、ある程度のランクに昇格さして、できるということはこれはあり得ると思うんです。これは決して簡単ではないと思いますが、いま言ったことを踏まえて、ひとつこれは道路建設だけではありません、もろもろの公共事業の中で地元の業者をできるだけ参加させる、こういった方向への御指導と御配慮をひとつぜひいただきたい、こう思うんです。前の件と似ておりますが、ひとつせっかくのことですから、これは大臣からやりましょうとも言えないかもしれませんよ、しかし努力はぜひひとつしてもらいたいと思うんで、一言ちょっと——。
○国務大臣(渡辺栄一君) 私は、政治家としてごもっともな御発言だと思います。 建設事業も御承知のようにダムでありますとかトンネルでありますとか、特殊な技能を要するというようなものはまたこれは別でございますが、そうでない事業で消化できるものにつきましても、事業の規模によりまして、いま先生からお話のございましたようなランクをつけておるわけでございますが、なるべく大きなランクのものが下のランクに入ることは避ける。それから同じランクでございましても成績のいいものはなるべく上のランクに引き上げるという努力もいたしておりますが、先生のお話のように、地元に関係のある仕事はなるべく地元の者にそれをさせるように努力をするということにつきましては、最近、特に地方自治体あるいは地方におきましてはそういう傾向が非常にいま強くなっておるわけでございます。 建設省におきまする仕事の中でも、そういうような意味におきまして、どうしても仕事の規模でありますとか、性格によりまして困難なものはございますけれども、そうでないようなものにつきましては、極力、ジョイントベンチャーでありますとか、あるいは協業組合でありますとか、そういうようなものをいたしまして、いわゆる一つ一つでは力はありませんけれども、そういう協業によりまする力とそれから技術によりまして消化できるような体制の中でこれを引き受けさせるような努力はいたしておるわけでございます。今後、やはりいろいろ厳しい情勢になっていくことも予想しなければなりませんわけでございまして、そういうことになりますと、なおさらそういうような傾向が強まっていくんではないかと思いますから、そういう点につきましては、今後とも、私ども一層ひとつ留意をいたしまして指導をいたすようにしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○茜ケ久保重光君 次に、国土庁長官にひとつ田園都市定住構想についてお伺いします。 国土庁長官は、所信表明の中で、長期にわたり安定した生活を享受するためには国土の均衡ある発展と人間居住の総合的環境の整備を図ることが不可欠であるとして、そのために三全総に基づく定住圏の整備を進めるとされており、昨年、全国で四十のモデル定住圏が設定されて、現在、自治体で定住圏の整備計画が作成されているわけであります。それはそれとして、一方、総理は所信表明において、二十一世紀へ向けての国づくりの理念として田園都市国家の構想を提唱し、その建設の方策を検討してきたと述べておられます。 田園都市国家構想については、国土庁は、昨年末、長期にわたっての国づくりの道しるべであって、その整備の具体的手法が定住構想だと説明してこられました。しかし、大平総理は、昨年に続き今年もまた田園都市国家構想を強調し、現内閣の看板政策と受け取らざるを得ないのであります。ところが、長官の所信には田園都市という言葉は一度も出てこないし、逆に総理の所信には定住構想という言葉は出ていない。田園都市構想は出ているが、総理の言葉には定住構想は出てこない。総理と国土庁の間に田園都市国家構想なるものの認識に遊離があるのじゃないか、こう思うんですが、長官の御認識はいかがでございますか。
○国務大臣(園田清充君) 私どもは、モデル定住圏ということで、内容的には、御指摘のとおり、人と国土との安定したかかわり合いの中でということでモデル定住構想というものを、実は、国土庁の第一の柱として所信を述べたわけでございます。 では、総理の考えている田園都市構想をどう受けとめておるかということでございますけれども、よくいまは地方の時代と言われますが、当然、過密過疎の問題を解消していかなければならない、こう考えます。そこで、総理自体の田園都市国家構想というものを、国土庁、私どもとしては政治の理念だという受けとめ方をいたしておりますし、三全総は御承知のとおり閣議決定で、この定住構想というものを三全総の中にうたってまいっておりますので、いずれにいたしましても、総理が考えている田園都市国家構想即私どもはモデル定住構想というものを推進することはその基盤づくりであるという考え方で進めておるわけでございます。ただ、じゃ総理の方から具体的に田園都市構想という総理の政策上の提言が各省庁等になされておるかというと、具体的な政策の指示はございません。そこで、いま申し上げるとおり、やはり総理の田園都市国家構想というのは政治の理念であり、また、私どもは、この理念の基盤づくりということで定住圏構想を推進することが、当面、御指摘のとおり人と国土との安定したかかわり合いをつくっていくということにおける国づくりの二十一世紀への基盤だという考え方で進めておるわけでございます。
○茜ケ久保重光君 大平総理が盛んに言われた田園都市構想ね、おっしゃるんだが、何だかぼくら聞いているとね、おっしゃるだけで具体的に内容が出てこないような気がするんですな、言葉としては非常に耳ざわりのいい言葉なんですが。地方の時代、地方の時代とおっしゃることとも関連があるが、実際はどこにどういうふうに出てくるのかもうさっぱり見当がつかぬですね。となると、これは大平総理の思いつきと言っちゃ語弊がありますが、何か国民に対して玉虫色のものをちらつかしているだけではないかという気がするんですよ。いま大臣はいろいろとおっしゃったけれども、具体的にじゃどういうふうになるのかさっぱりわからぬ。この辺何かありましたら、ひとつお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(園田清充君) いま御指摘のとおりで、実は総理の周辺においてはいろいろ具体的な政策の検討が進められておるようでございます。ということを仄聞しておる段階で、まだ具体的に私どものところに、田園都市国家構想とはという具体的な各省庁に対する提示、指示はあっておりません。そこで、田園都市国家構想という総理の考え方は、私どもが考えておるモデル定住圏、いわゆる過密過疎を解消して住みよい国土をつくっていくという考え方と軌を一にするものだということで、総理の、重ねてのことでございますけれども、政治理念として受けとめて、定住圏構想を推進していくという立場をとっておるのが現状でございます。
○政府委員(福島量一君) 補足して説明さしていただきますが、田園都市国家構想につきましては、ただいま大臣からお話し申し上げましたように、総理の政治理念としてわれわれは受けとめておりますが、その具体化の問題につきましては、総理のいわば私的諮問機関といたしまして田園都市構想研究グループというのがございまして、学識経験者、それから各省の中堅課長クラスの役人も入っておりますが、そういう方たちでいま検討を加えております。 昨年の四月に、総論がまとめられました。これは総理が国会等で答弁されていることを敷衍し、取りまとめたものでございまして、いわば田園都市国家構想に対する共通の認識をまず固めたという性格のものでございます。これは公表されております。それを受けまして、昨年の春以降、それぞれ各担当者を決めまして、具体的な政策、提言について検討を加えておるというふうに聞いております。ここ一、二カ月ぐらいのうちにその結果を取りまとめるというふうに聞いておりますが、それが取りまとめられました暁におきましては、私どもとしても、これを尊重しながら現実の行政の中にどう生かしていくか、あるいは三全総の推進とのかかわりをどういうふうに関係づけていくかという点について検討してまいりたい、かように思っているわけでございます。
○茜ケ久保重光君 どうもやっぱりぴんとこないんだな。大平総理が盛んに言っていらっしゃることが、いま大臣並びに局長の話を聞いても、これはどうもぼくの頭が悪いのかしらないが、ぴんとこないんだな。恐らく一般の国民なんかこれはさっぱりだと思うのだな。大平総理のまあ参議院選向けのキャッチフレーズみたいにしかとれないんだな、実際のところ。これは決して特別に言うわけじゃない。やっぱりあれほど大きな声で言っているんだから、これから研究するんでは遅いんだな。もういまごろはどんどんそれを実施して、これが大平のあれだということを出さなくちゃしようがないと思うな。これは局長に言ってもしようがない、自民党の政治家なり先生方に心してぜひひとつやってもらいたいと思う。 いま言ったように、田園都市構想は大平総理の高い理想のようでありますが、結局、いまのところは床の間の飾り物みたいなものですね。しかし、いまあなた方が言っている定住構想、これは具体的な一つのあれがあるわけだ。したがって定住構想を積極的に進めるために五十五年度の予算に対して盛り込んでいる施策があったら、これをぜひここで聞かしていただきたい。
○政府委員(福島量一君) 先生御案内のように、定住構想というのは、全国にわたって望ましい地域社会づくりを進めるという考え方でございますから、これに関連する分野は非常に広範かつ多岐にわたるわけでございます。したがいまして、その定住構想関連の施策なり予算なりをどうつかまえるかということに関しましては、実は、一義的に決めにくい面があるわけでございます。が、国土庁といたしましては、各単年度の予算をレビューするに際しまして、たとえば定住構想推進という方向に沿っての新規の施策予算、あるいはその在来の施策予算で大幅に改善ないし拡充されたものといったものをとりまとめて定住構想関連予算というふうにいたすべく、いま関係省庁にいろいろお願いしておりまして、近々、そのとりまとめが終わるものと思います。 どんなものがどうかという点でございますが、各省とも三全総の提言の趣旨を受けまして、かなり各施策の総合化と申しますかメニュー化と申しますか、そういったようなことでいろいろお考え願っておりますし、それから特に推進役としての国土庁の立場で申し上げまするならば、こういつた定住構想という問題は、申し上げるまでもなく、いわば国家百年の計にも当たるわけでございますから、したがって各省が相互に連携し協調し合って進めていくということが何より大事なわけでございます。そういった意味で、昨年、国土庁に計上されました定住構想推進調査費、これは三億円でございますが、これを御承知のような財政事情のもとではございますが、一億円増額いたしまして四億円にしていただきました。これをまた基礎といたしまして、調査なり研究なりを進めていって各省間の連携を図るということを精力的に進めてまいりたいと思っておるわけでございます。 なお、昨年の二月に、この定住構想の推進に関連いたします関係の十七省庁の連絡会議ができておりまして、国土庁がお世話をしておるわけでございますが、それらにつきましても随時会合を開いて、当面する課題について知恵を出し合い、協力し合うということで進めてまいっておるわけでございます。今後とも、こういったことをさらに充実強化しながら、定住構想の推進に向かって努力してまいりたいと思っておるわけでございます。
○茜ケ久保重光君 昨年設定されましたモデル定住圏の事業計画ができた場合、その事業化については国土庁は責任を持ってやると言われております。というのは、以前から国土庁の定住圏は、建設省の地方生活圏、自治省の広域市町村圏などとの関係があり、これらの事業官庁がそれぞれの圏域で独自の事業を推進することになれば、定住圏の事業も結局は公共事業が主体となると思われる。定住圏計画は机上のプランとしての意味しかない、ばかげたことになりかねないと思われるわけであります。その点を明確にしてもらいたいと思います。
○国務大臣(園田清充君) いま御指摘の点でございますけれども、実は、さっき局長からも答弁をいたしましたとおり、全国で四十カ所の選定が終わりまして、そしていま地方自治体で精力的に県、市町村において構想の具体化について作業を進めていただいておる段階でございます。 と申し上げますのは、一つは、従来からいろいろ計画がございましたが、地域の特性というものをどう生かすかという点で中央からの天下り的な計画が多過ぎたというのが一つの過去の反省で、それぞれの地域の特性をどう生かしていくかということで、県、関係市町村の十二分な御協議を願って、総合的な居住環境の整備というものをお考えいただいて、そして国に対してこういうことをということで、この六月ごろから大体国と各県、市町村との具体的な事業の実施方向ということについての詰めに入ることにいたしております。それにつきましては関係十七省庁が連絡会議を持ちまして、モデル定住圏の整備についての事業計画等については優先的にひとつ協力をしていくということで各省庁の御協力をいただくことになっておるわけでございます。そうした四十の地域がモデル的な先導的な姿をとってまいることによって初めて他の地域にもそうした定住構想というものが定着をし、全国的に数がふえてくる、また、ふやしていかなければならないという考え方で取り組んでおるわけでございます。 そこで、事業の実施については、いま申し上げましたとおり、十七省庁が優先的にひとつ協力をしていくぞということで各省庁の御協力をいただきつつ積極的に取り組ましていただいて、この十年間の中でということでございますけれども、少なくとも一つのモデルとしての方向だけは出したいという考え方で進めておるということで御了承賜りたいと思います。
○茜ケ久保重光君 八〇年代は地方の時代と言われております。定住圏の整備も、地方がそれぞれの特色を生かして事業計画を定め事業を推進するということになると、それに対応した財政面も地方にゆだねるべきではないか。すでに三全総ができたときに、行財政も地方への移譲が必要だと言われていたが、その後、検討が進んだか。大きな枠は国が定めても、個々の事業の予算面については大幅に地方にゆだねたらどうだろうか。国土庁及び公共事業の多くを所管する建設大臣のひとつ御答弁をお願いします。——公共事業もあれですが、財政面で地方がかなり負担を負うでしょう。したがって、そういう意味で事業の予算面についても大幅に地方にゆだねないのかという、これは国土庁もひとつ答弁してください。建設大臣から先にお願いします。
○国務大臣(渡辺栄一君) ただいま先生の御意見でございますが、第三次全国総合開発計画の定住構想を推進するということは私どもも関心を持っておるところでございますが、そのためには全国的な幹線交通体系の整備とか、あるいは水系でございますが、広域的な総合管理、国がまた広域的な視点からこれを実施する。いろいろな施策がございますが、そういうものを有機的に連携をいたしまして、また、いまお話がございましたように、地方がそれぞれの特色を生かしながら地方定住の基礎となる諸条件を整備するわけでございますから、そういう意味ではある程度重点的に公共事業を推進していかなきゃならぬことは当然だと思っております。 そこで、建設省としましても、いまお話のありましたように、モデル定住圏約四十というお話でございますが、建設省がかねて選定しておりまする地方生活圏が約百七十ぐらいございますので、そういうような意味におきましては、いまいわゆるモデル定住圏になりました二十の地域、要するに二カ年にわたりまして十カ所ずつでございますが、それに対しまして、地方公共団体と国とが協力をいたしまして定住基盤総合整備計画というものを策定し、そして地域社会の基盤整備を総合的に展開していくというふうに考えております。このために公共事業予算につきましても十分地方の意見の要望を取り入れ、これを尊重してまいるわけでございますが、また、全国的な観点から事業相互間のバランスの調整あるいは整合性というものももちろん図りながら、計画的に重点的に実施をいたしておるわけでございます。したがいまして、これを地方に財源を一括して付与するということにつきましては、私ども、現在のところは、直ちには賛成いたしかねるような考え方を持っておりますことを率直に申し上げたいと思うわけでございます。
○国務大臣(園田清充君) 建設大臣からお答えがございましたとおり、また御質疑の中で、三全総の場合に、財政的な措置を考えろということが三全総の中で指摘を受けたことも事実でございます。 そこで、私どもと建設省の関係を申し上げますと、特別事業として定住構想を推進する上で一番大きな役割りを担っていただくのは実施省庁である建設省でございますが、これはほとんど全国の圏域において重複して、市町村圏だとか、あるいは地方生活圏という建設省の推進していらっしゃることと同じ地域が重なっておる関係上、非常に相談しやすい関係にあることも事実でございます。そこで、建設大臣からお話がございましたとおり、このモデル定住圏を推進する上では特に格段の御協力をいただかなければなりませんが、財政的な措置としてはいろいろ政府部内において検討はいたしておりますけれども、地方との関係の問題等で複雑多岐にわたります関係上、なかなか一元的に措置するということには、建設大臣御答弁のとおり、困難があるようでございますので、お互い協調しながら御期待に沿うようなことで定住構想を進めてまいりたいと思っておることで御了承賜りたいと思います。
○茜ケ久保重光君 人口の地方定住化のためには、生活基盤、文化施設も必要には違いないけれども、何よりも産業、すなわち就業の場が必要であります。産業の地方への分散については、新産都市以来これまでも進めてこられましたが、結局、成功はしなかったと言ってよいと思うんであります。定住構想の成否は、究極のところ、地域の産業振興いかんにかかっていると思われますが、低成長経済の中においてこの対策はどうなっているか、明らかにしてもらいたいと思います。
○政府委員(福島量一君) 定住条件の整備のためには就業機会の確保が基本的に重要であるということは、まさにお説のとおりであると思っております。私どもといたしましても、定住構想を推進するためには、関係省庁と協力しながら、それぞれの地域特性に合った、地域の条件に立脚した産業の振興を図る。はたまた、工業再配置その他の措置を講じながら、就業機会の確保に努めてまいる必要があると考えておるわけでございます。 ちなみに、最近の就業動向というものを述べさしていただきたいと思いますが、御案内のように、オイルショック後、第二次産業の雇用が非常に停滞いたしてまいったわけでございますが、昨年あたりからの経済活動の立ち直り等もございまして、雇用情勢は全体として緩やかな改善基調にあるようにわれわれは受けとめております。大まかなところを申し上げますと、一次産業において微減、二次産業は横ばい、そうして雇用の増のほとんど大部分を第三次産業で賄っておるという状況にあるわけでございます。この趨勢は今後ともかなり続くのではなかろうかというふうにも考えられておりまして、いま問題になっております経済社会七カ年計画でもサービス経済化というふうな用語が使われておりますが、わが国の経済の動き方として、いわゆるサービス経済化と申しますか、三次産業型と申しますか、のウエートがかなり高くなってくるというふうな見通しが立てられておるわけでございます。私どもといたしましても、そういった背景を十分勘案の上でこれからの地方の雇用というものを考える場合に、教育、文化といったような施設の整備等を中軸にした就業の場の創設ということも十分考えていかなければならないというふうに考えておりまして、いま国土庁内で学識経験者の方々にお集まり願いまして、サービス経済化と地域政策というようなテーマでいろいろ御検討も願っておるわけでございます。なかなか奥深い問題でもございまして、短兵急な結論はにわかに期待しがたいものがあろうかと思いますが、そういったことの積み重ねの中で今後における地域の就業機会の確保といったようなことについても検討を深めてまいりたいと思っておるわけでございます。
○茜ケ久保重光君 局長、具体的に、どこかに産業の地方分散というか、そういうことができて、かなり就業の実績が上がって、かなりこういう問題が解決しているという例があるのか、自慢してここで言えるような例があるかどうか、あったら聞かしてください。
○政府委員(福島量一君) 三全総は、御案内のように、五十二年十一月の策定でございまして、実質二年余りでございます。三全総の定住構想推進ということでもってある地域で雇用創出が盛んになり、就業機会がふえたということを申し上げる段階には立ち至っていないと思いますが、ただ、一般的に、最近JターンとかUターンとか言われておりますが、地方都市を中心にして雇用増というのは進んでおるというふうにわれわれは受けとめております。 その内容は、先ほどちょっと触れましたように、いわゆる対社会サービスと申しますか、そういった意味での、国民の所得水準の上昇なり、生活内容の向上に伴いまするところの新しいニーズに対応してきた新しい供給体制、それへの就業という形で展開しているように思われます。ただ、一方、サービス部門というのは、従来から言われておりますように、いわば都市立地型の傾向を持つ、つまり、ある程度の規模の集積がありませんと、サービスというものは立地し得ないというようなことが一つございまして、これが地方におきまする都市集中というようなことを引き起こしておる一つの原因でもあろうかというように考えておりまして、それやこれやを考えながら、先ほど申し上げましたような、そういったサービス経済化を地方にどういうふうに進めていくかということを考えていきたい。 何分にも、三全総ができてからまだ二年でございますから、二年間でその結果こうだと言えるものがあるかと言われても、この席でにわかにお答えしがたいということはひとつ御了承を願いたいと思います。
○茜ケ久保重光君 もう少し言いたいんだけど、時間がなくなってくるから、これはまた改めてやりましよう。 次に、国土庁長官、地価対策について少しお伺いしたいと思います。 先ほど指摘したように、大平総理の御自慢の田園都市構想がまた出てくるんですが、余りはかばかしくない。これは先ほども指摘されたように大平総理のブレーンの諸君がいろいろと考えているようでありますけれども、特に建築関係の黒川紀章という方がおりますが、この人が指摘しているように、一八九八年にイギリスのエベネザー・ハワードという人が提唱したことでありますね。このハワードの構想の柱は、第一には、自治体の自治権、とりわけ財政的自主権の確立、第二に、住民の雇用の確保、現在で言う職住近接、そして第三には、自治体自身による都市地所の所有を初めとする強力な土地対策であり、そこには都市の無秩序なスプロール化を防止するためにも、都市住民への生鮮食料品供給のために必要な農地の保全でありました。イギリスにおける土地制度、土地の公有化を初めとするさまざまな制度はまさにハワードの精神が脈々と生きているのであります。 そこで、私がただしたいのは、田園都市構想でも、あるいは定住圏構想、いわゆる三全総でもよろしいのですが、どれだけ政府が真剣に土地対策を推進するのかということであります。まず、国土庁長官には、これに対する決意というか、方針を簡単にひとつお伺いしたいと思います。
○国務大臣(園田清充君) さっきの計画・調整局長の説明に若干補足をさしていただきますが、私が国土庁長官に就任をいたしまして以来、御指摘のような居住環境ということからして、過密過疎を解消しようというねらいの考え方の一つとして、実は経団連と初めて、国土庁として地方への雇用の機会を増大するために、どうしても定住構想を推進する上では各経済機関の御協力をいただかなければならないということで、首脳部との懇談の席を持ちますし、それから地方の文化を尊重しつつ、都市への集中を抑制しながら地方へ分散を図っていこうという考え方で、文部省との定期協議も設定をして協議に入っておるという段階でございまして、見るべき成果はございませんが、方向づけだけは努力をしておるということでございます。 そこで、いま御質問いただいた点でございますけれども、私どもは、特に三大都市圏に、いま面積で申しますと日本の一割しかない、そこに五〇%の人が住んでいるというこの過密をどう解消するかということが三全総のねらいでもございますし、同時に、三大都市圏における都市への人口の流入ということを抑制し、同時に工業自体の新しい流入というものを抑制していくという考え方で都市対策には取り組んでおりますし、そこで土地の問題、地価の問題を含めての御質問でございますが、地価が特に住宅地に対して強含みの傾向で動いていることも事実でございます。そこで国土庁として、七月、全国の地価調査をそれぞれいたしておるわけでございますが、この動向については過般報告をしたとおりでございますけれども、どうしたならば安定した宅地供給ができるかということでございまして、その調査の結果からしますと、やはり需給の関係が何といっても地価高騰の原因であるというのが私どもの考え方でございます。 地価が高騰する場合には、やはり三つの要因があろうかと思います。四十七、八年ごろに一億総不動産屋と言われたように、土地の投機的な取引、それから効用増と申しますか、地域によって交通の便その他がよくなったということで必然的な値上がりというものも出てまいりました。現在の状況は、需給の均衡がとれていないということが最大の原因である。そこで三大都市圏を中心にして宅地供給を促進しようと、一面、投機的な土地の取引というものを規制しながら、三大都市圏における農地の宅地化への促進ということで総合的な政策を進めておるわけでございます。 そこで、建設省でおやりいただいていること、また私どもがやっていること、総合的な答えになるかと思いますけれども、国土利用計画法を適確に運用しながら地価の高騰を抑制していく、それから投機的な土地取引の抑制効果の強い、いわゆる短期譲渡重課の制度を堅持していくということでございます。それから土地取引を助長するような融資は抑制をしていく等の総合的な投機的土地取引を抑制する政策を堅持いたしますとともに、一面では宅地供給の促進のための逆に財政上、金融上の措置を拡充していこう。それから都市の再開発を推進する、そして大都市地域における市街化農地の宅地化の促進、宅地供給促進の見地から、申し上げましたような税制の改善等の供給促進のための総合的な政策をとっていくということでございますが、特に国土庁といたしましては、大都市地域における市街化区域内農地の宅地化の促進ということが重要な問題であるという考え方から、いま関係省庁と連絡をいたしておりますけれども、仮称ではございますけれども、農住法案ということで一つの構想を進めております。あわせまして税制の改善ということも、長期的なものは、ひとつ宅地の需給が流動化するようにという観点から、税制の改正をお願いをしておるというのが基本的な土地対策に対する考え方でございます。
○茜ケ久保重光君 私は、国土庁長官が地価対策に非常に熱意を持っていられることはよく知っております。その点は非常に同僚としても力強く思っているわけでありますが、そこで、長官が検討されている国土利用計画法に基づく規制区域指定というのは実現の可能性があるのかどうか。 国土法の第十二条には確かに「(規制区域の指定)」と規定があります。しかし、その権限は知事にあるわけです。ただ、十三条には、内閣総理大臣が指示でき、かつ知事が指示された措置を講じないときにはみずから手続を経て措置できるとなっております。しかし、ここで問題になるのは指定の要件であります。十二条も十三条も「投機的取引及び地価の高騰」となっています。いずれか一方ではなく、地価の高騰が投機的売買によって引き起こされたとの判断が必要なわけです。国土庁は、現在、その有無を何十地点かにおいて調査されようとしていると聞いておりますが、そこで、この投機的売買をどのような尺度で見られるかお聞かせ願いたいと思います。また、国土法で言う著しい地価の上昇というのは何%ぐらいの上昇のときと思われるのか、これもあわせてお答え願いたいと思います。
○政府委員(山岡一男君) いま先生のお話のとおり、十二条等によります区域指定の要件といたしましては、土地の投機的取引が相当範囲にわたり集中して行われ、その結果といたしまして地価が急激に高騰するような事態に対処するということになっております。 その場合の投機的な土地取引ということでございますけれども、将来他に転売をいたします、その間におきます地価の上昇による価格差益を享受するというふうなことを目的とする土地取引、こういうものを私ども投機的土地取引と申しております。例を挙げて申しますと、本当に昭和四十七、八年ごろわが国に横行いたしましたいわゆる土地転がしというものがそういうものに当たると思います。具体的には、土地取引の移転件数の推移、それと土地の実需要とのバランス、土地取引の利用目的別の内容、地価上昇の地域別・地目別の内容等から総合的に判断すべきものだということを考えておりまして、先ほどおっしゃいましたように、現在、規制区域の指定のための事前調査というのを二百三十七カ所で実施をいたしております。 それから地価の高騰基準ということでございますけれども、これも、急激な地価上昇につきましては、当該地域におきます従来からの地価の趨勢、それから全国の地価の趨勢等を考慮いたしまして、あくまでも投機的な土地取引との関連におきまして具体的に判断されるというふうにわれわれ理解をいたしておりまして、一律に何%というふうな基準は定められておらないわけでございます。そういうふうな判断に基づきまして、もし知事さんが規制区域を指定されたというような場合におきましても、土地利用審査会というのが後に控えておりまして、土地利用審査会がその判断の内容を検討いたしまして、投機的土地取引が横行しているのか、地価は高騰したのかというふうな知事さんの判断につきましてもう一度チェックをすることになっております。そういうチェックで知事さんの判断が否定されましたときには、さかのぼって指定の効果を失うというふうな仕組みになっておることから見ましても、そういう点につきましては、そういうふうな投機と高騰との絡み合いについての知事さんの判断を一番の基準にしているというふうに私ども思っております。何%ということについては明定していないわけでございます。
○茜ケ久保重光君 大分質問が残っているんだが、時間が来たので、この辺で一応私の質問を終わりますが、地価の対策問題、これはやっぱり非常に重要だと思うんですね。いろんな手を打っているわけだが、なかなかその手はみんな余り効果をあらわしていない。 何か、国土庁長官、思い切ったと言ってもそうなかなかできないと思うけれども、この辺でかなり発想の転換をして、いままでのようなお役所仕事と言っちゃ語弊があるけれども、なるたけ差しさわりのないということではいかぬと思うんですね。革命的という言葉はどうかと思うけれども、何かこう本当に思い切ったこと、たとえば内閣が総辞職しなくちゃならぬようなことになるぐらいの思い切った対策を立てなきゃだめだと思うんだ。といって、これは言ってみてもなかなかそうはいかぬのだが、園田国土庁長官の時代に何かひとつ地価対策についてはこういうことができたと、いままで容易でなかったことがこういうことでできたというようなぐらいの発想と御努力ができないものか。これはもう大いに応援します。その達成には応援しますから、ひとつ何か対策を、ここでどうやるということは言えぬでしょうが、そういった方向で清水の何から飛びおりるような気持ちでやってみたらどうかと思うんですが、どうですか、これについて。最後の締めくくりでひとつ園田長官のはっと思うような御答弁をよろしくお願いいたします。
○国務大臣(園田清充君) 土地の価格が上昇していることは、もう政治に参与をなすっていらっしゃる与野党を問わず非常に御心痛をいただいていることを、実は、私もひしひしと感じておるわけでございます。 そこで、事務当局に横の各省庁と連絡をしながらひとつ検討してみないかということは、端的な表現で私から申し上げますと、土地は持っていれば得するんだ、値上がりがするんだという思想がなくなるような土地対策というものを考えなければならないんだと。いわゆる売り惜しみというか、国土の高度利用、いわゆる土地の高度利用というものを考えた場合に、ただ農業用地として使うんでもなく、行ってみると放置せられたような土地がただ値上がりを待つということで置かれるような政策は基本的にわれわれ考え直すべき必要があるということで、この機会に抜本的な考え方、新しい発想を総合的な政策の中で求めてみないか、検討してほしいということを、私自体、事務当局に要望をしておるところでございまして、できるならば在任中におっしゃるようなめどだけ、レールだけでも敷きたいということで努力をさしていただきたいと思いますので、どうかひとつ御支援、御鞭撻、御教示を賜ることをお願いを申し上げておきたいと思います。
○降矢敬義君 私は、建設大臣に御質問をいたしたいと思います。 所信表明をお聞かせいただきまして、基本的な考え方については全く同感でありまして、特に当面の諸施策のうち第一番に住宅対策を挙げられたことについては、私はやっぱり大臣として一番関心を持っているんじゃないか、こう思っております。ただ、私の質問時間が当委員会の運営の関係上、大分縮小されましたんで、私は、この第五番目の「建設業の振興等について」というところから質問を始めたいと思います。残りましたら、多少住宅対策について申し上げ、いずれ機会があったら、もう一回住宅政策問題について御質問を申し上げたい、こう思っております。 大臣、御案内のとおり、建設業界というところは、中小建設業が約九割を占めている、九九%ぐらいでありまして、倒産の件数も全産業中に占める割合はまことに高い、常に高い。それで五十四年度一万六千三十件の倒産中においても相当高い比率を占めていると私は思っております。倒産御三家の一つだと俗に言われておるわけでありますが、この五十三年、五十四年の倒産の割合、全建設業の全産業中に占める割合、こういうものについてまずお聞かせを願いたいと思います。
○政府委員(宮繁護君) お答えいたします。 ただいま御質問ございましたけれども、建設業におきます倒産件数でございますけれども、負債金額が一千万円以上の倒産件数が五十三年は四千四百二十三件、五十四年には四千五百十九件となっておりまして、対前年比二・二%、若干の増加を示しております。 また、許可業者の数に対します建設業の倒産件数の割合は五十三年度及び五十四年度とも〇・九%とほぼ同程度の率になっております。 それから全産業の倒産件数に対します建設業の倒産件数の割合は、ただいま先生からもお話がございましたように、大変率が高うございまして、五十三年は二七・九%、五十四年は二八・二%と、若干の増加が見られますけれども、大体二七、八%というような構成比率で推移しているわけでございます。
○降矢敬義君 ただいま御説明ありましたように、なかなか五十三年、五十四年を見ましても、大体同じような傾向を示しているわけであります。大臣御案内のとおり、片っ方では四千幾つの倒産が出て、片っ方の方では建設業の登録が依然として後を絶たない。そういう中で今後の経済の動き、あるいはことしの予算の公共事業の伸び方あるいは金融の引き締め、こういうものを考えると、大臣が所信表明の中で建設業の育成強化というものを打ち出されたことについて敬意を表するわけでありますが、なかなかむつかしい。従来とやっぱり変わった角度でこの問題に取り組んでいかなきゃならぬと思っておるんです。 この建設業は、白書なんかにも書いてありますように、地方、地方のその県単位で仕事をしている者が圧倒的に多い、全国の規模でまたがって仕事をしている者はわりあい少ない。同時に、地方における雇用の場を確保しているという意味できわめて私は大事な産業じゃないかと思っているんであります。背景が非常にむつかしくなっている中で、建設業の倒産の原因と、それに対してやっぱりいままでと多少違った角度の何か行政指導の考え方があるのかどうか。全体の状況の変化の中で、これまでも事務次官通達あるいは五十四年の閣議のいろんな中小企業対策の中に入っておりますが、私は非常に厳しくなってきているなあと、同時に、雇用問題というものを私たちは放置できないわけでありまして、やっぱりこの角度からも大臣の取り組み方といいますか、そういうものについての御所信を承りたいと思っています。
○国務大臣(渡辺栄一君) お話しのように、建設業関係の雇用者は約一割を占めておるわけでございます。最近のいろいろな施策によりまして約十六万人の雇用増を見たとも言われておるわけでございまして、そういう意味で最近の建設業が倒産の中に占める割合も相当多いわけでございまして、実は、私も就任以来非常にこの問題には関心を持っておりますが、先生御承知のように、私も当時関係したことがありますけれども、建設業法を制定いたしました当時は、相当これはむやみに建設業がふえるということをむしろチェックするような意味があったと思うんでございまするが、現実には約倍加しておる。しかも、その中には個人の業者も約二十六万人おりまして、全体で四十七万、そういうことで非常に零細、もう零細という言葉にもはまらないような、一人でやっている、大工さんのやっているような仕事まで入っておるわけでございますから、非常に基盤が脆弱でございまして、私は、そういう意味では建設業法も制定以来相当経過しておりますし、直ちに改正というわけにいかないにしましても、相当中身は見直してみる必要があるんではないかということをすでに考えておるわけでございますが、いずれにいたしましても、そういう中でございましたにしましても、最近の中小建設業が厳しい情勢に置かれておりますことは私も同様に心配をいたしておるところでございます。しかも、今回も、公共事業がそんなに大幅に伸びるということにつきましても相当厳しい見方をしていかなきゃならぬということになりますと、なおさらそのようなしわ寄せが中小建設業に及んでくるということも当然考えなければならないことでございます。 そこで、いま先生のお話のように、建設業の育成、指導ということにつきましては、いろいろ建設省といたしましても配慮いたしておるわけでございますが、そういうような意味におきまして、まず、第一番に、何よりも私どもは、先ほど以来いろいろお話がございますが、中小建設業者に対しまする受注機会を確保する、この点につきまして特に留意をしていきたいと思います。ランクの問題、分割発注の問題、協業化の問題等ございますけれども、さらに、こういう問題につきましても注意をしてまいりたい、また関係機関に対しましても極力連絡をとり、あるいは指導、監督、その他一層の配慮をしてまいりたいと思います。 もう一つは、下請代金支払いの適正化でございますが、これは御承知のようなすでに方針を決めて進めておりますけれども、最近の情勢は、細かい資料が必要でありますれば局長から説明いたしますが、相当これは改善の方向に向かってはおりますけれども、なお、これらにつきましても今後とも注意をしてまいりたいと思います。 〔委員長退席、理事茜ケ久保重光君着席〕 第三点としましては、連鎖倒産防止のための中小企業倒産対策緊急融資制度というのがございますが、その期限が参るわけでございますので、その延長を中小企業庁に要望いたしまして、すでに三月末までは延長が決定をいたしておるわけでございます。しかし、何より大切なことは、私は、建設業の経営基盤が非常に脆弱であるわけでございますから、その強化ということにつきまして、一層建設業の近代化、合理化というようなものにつきまして総合的な施策を推進してまいらなければならぬと思います。したがって基金等も十分活用いたしておりますが、最近の金融の非常な厳しい状態あるいは金利の引き上げの状態等にも十分かんがみまして、金融等の問題につきましても十分な私ども配慮をしていかなければならぬ。それらをあわせまして建設業界の健全な今後の運営のために格別の配慮をしてまいりたい、かように考えております。
○降矢敬義君 ただいま大臣から概括的な御答弁をいただきまして、その中で建設業法の生い立ちから見てももう少しやっぱり検討してみる問題もあるんじゃないか、私もそういう考え方を持っておりますので、また別な機会にぜひ検討の成果をお聞かせ願いたいと私は思っています。 それから金融問題につきましても、なかなか、大臣御指摘のように、非常にむずかしい状況になっております。そこで、そんなことを頭に置きながら二、三御質問を申し上げたいのでありますが、一つは、この一月の十一日の閣議決定で五%の留保をするということを決められたわけであります。金額にして六千八百億と私は承知しておりますが、そういうものが建設業界にどういう影響を与えるのだろうかということであります。 私が端的に感じますことは、中小の建設業者の中にはすでに三月までに手持ちの仕事を持たないというところもあります、私の承知しているところでは、あります。そういうところは多少金詰まりといいますか、金融に少し困ってきているというところもあるようであります。従来とは多少違うような傾向もあらわれておりますので、そういうものを踏まえて、どういうような影響が全体で出るんだろうか。 それから、同時に、来年の経済成長に対して、もちろん繰り延べするわけでありますから、ことしの成長に対しては恐らくマイナスだろう、しかし、延びた分は来年の成長を押し上げる要因になると思うんでありますが、その点を、事務的にでもいいですから、おわかりになればお答えを願いたいと思います。
○国務大臣(渡辺栄一君) 具体的なことはまた官房長から御説明をさせたいと思いますが、根本的には五%留保ということになったわけでございますが、これは三月末までの状況によりまして、必要であればこれは実施をするということでございますが、万一これが繰り越しという結果になった場合は、当然、切れ目のない年度早々の発注ということにつながりまして、非常にそういう意味では切れ目のない事業執行につながっていくんではないかと思います。そういう意味では、五十五年度は、御承知のように前年にほぼ横並びの予算ではございますけれども、実体といたしましては相当な事業量の確保ができますから、相当な資材、物価の高騰があるといたしましても、ほぼ前年並みの事業は確保できるのではないか。 しかも、細かい数字はまた官房長から申しますけれども、この一−三月の事業にしましても、五十三年度と比べますと、約四割ぐらい、五%留保しましても事業費はあるわけでございますから、私どもは、そういうことについては一応心配はないのではないかと思っております。そういう意味で五十五年度の所管事業の執行につきましてのお尋ねでございますが、私は、経済情勢の推移に即応しまして機動的に対処していくべきだと思っております。特にいま物価の問題に多少焦点が当たっておりますけれども、あくまでも政府としましては物価と景気というものを両にらみで十分注視をしながらやっていくということに基本的には考えておるわけでございますから、関係省庁とも緊密な連絡をとりまして進めてまいりたいと考えております。特に、先ほど申しましたように、切れ目のない事業執行等につきましては最善の注意をいたしてまいりたい、かように考えております。 細部につきましては、官房長から御説明を申し上げたいと思います。
○政府委員(丸山良仁君) いま大臣が申し上げたとおりでございますが、数字的に御説明申し上げますと、本年度の予算現額は国全体で十三兆六千九百億でございます。これに対しまして第三・四半期までに発注済みのものが八一・四%でございますから、残っている金額が二兆五千四百十億ということになります。 〔理事茜ケ久保重光君退席、委員長着席〕 なお、昨年度の第四・四半期に発注いたしました実績が一兆三千九百億でございますから、これに対しますと八二・四%という事業量が残っていたわけでございます。このうち、いま先生のお話のございましたように六千八百四十五億を留保いたしますわけでございますから、第四・四半期に残っている事業量、発注可能量は一兆八千五百六十五億ということになりまして、国全体では三三・二%、昨年に比べまして増という形になります。 なお、建設省所管分につきましては、そのうち八千億が第四・四半期に発注できるものでございまして、ただいま大臣のお話のございましたように四一・二%ということでございますから、第四・四半期につきまして去年よりも業界に迷惑をかけるというようなことはないと考えております。 それから、来年度につきましては、いま大臣からもお話がございましたんですが、五%の留保措置がたとえ三月に解除いたされましても、これは工事としては翌年度に延びるわけでございますから、いずれにいたしましても、ことしの予算がちょうど来年の予算と名目で同額でございますから、五%を留保して持っていきますと、大体名目で一〇%の増。その場合に実質でどうなるかということでございますが、実質では、現在、われわれの試算では、来年度の建設デフレーターが約八%前後上がるのではないか、このように想定いたしておるわけでございまして、そういう観点から申しますと、実質事業量で来年度は本年度と大体横ばいぐらいになるのではないか、こういうことでございます。 なお、全体の建設事業総額につきましては、これも現在試算中でございますが、本年度が昨年度に比べまして名目で一一、二%の増、実質では全くの横ばい程度、このように見ているわけでございます。それから来年度の総額につきましては、これは民間工事も含んだものでございますが、大体名目で九%前後、実質で二%前後の増になるのではないか、このように考えているわけでございます。
○降矢敬義君 いま大臣から御答弁がありましたように、いずれにいたしましても景気と物価の綱渡りをやっていくわけでありますが、切れ目のない執行を確保し、同時に、私がお願いしたいのは、やっぱりいままでの分割発注とか、あるいはジョイントベンチャーというやり方の中身についてももう少し事態に即応したやり方をやって、本当の意味で中小建設業の指導育成の実を上げるようにぜひ御検討を願いたいと思います。 それに関連して、最近の石油価格が非常に高騰してきた。それに伴って建設資材の価格も上がってきているわけでありまして、大臣御案内のとおりであります。もう時間がありませんので、通産省の方お見えになっておりますか——通産省の方に、特にセメントと生コンの状況について最近の値段のぐあいを簡単に御説明願いたいと思います。
○説明員(岩田誠二君) 御説明いたします。 まず、セメントでございますが、セメントにつきましては、五十四年度の価格については、昨年の八月までは一応安定的に推移していたわけでございます。東京地区を例にとりますと、普通、ポルトランドセメントで一トン一万一千円程度でございましたけれども、これが重油価格の上昇等からコストアップいたしまして、昨年の九月には各社が値上げを実施したわけでございます、それが浸透しておるわけでございます。さらに、原油価格の上昇に伴いまして、この二月下旬から再値上げをするという報告を受けております。 それから生コンでございます。生コンにつきましては、昨年の三月、新価格に移行したわけでございますが、その後は安定的に推移していたわけでございます。しかし、セメントと同様、昨年の九月に入りまして石油価格の上昇に伴うセメントあるいは骨材等の値上げによりまして、ユーザーとの価格交渉の結果、昨年の十月から値上げがされたわけでございます。なお、業界は、セメント、骨材の値上げあるいは輸送費の上昇等によりまして、これもことしの二月以降再値上げを希望しておる、こう聞いております。
○降矢敬義君 セメントが二月一日にまだ上がっていない——私は上げるような話を聞いておったんですが、上がってないというお話でございます。生コンも恐らくそれに連動しているんだと私は思いますが、すると、大臣御案内のとおり、建設資材で木材とかあるいは小棒とか非鉄金属関係も相当やっぱり上がってきているわけであります。 こういうことを踏まえ、先ほどの建設業界並びにそれに関連する事業の育成、指導、足腰を強くするという面から見ましても、私は、大臣はもう非常に御案内の方でありますので簡略に申し上げますが、従来の請負の標準契約約款のあるいは物価スライド条項とか、あるいはインフレ条項とかいうものの適用について、あの条件がなかなか厳しいな。特にあのインフレ条項というのは、政府としても、あれを適用すればもうすでにインフレに入ったというようなことを表明するようなことでありまして、なかなか実際は適用しがたい。狂乱物価のときに適用した事例があるようでありますが、なかなかしにくい。そうすればやっぱり物価スライド条項ということになろうかと思いますが、なかなかこれも予算との関連、あるいはどう、だれが、いつ、どういう関係で認識するか、なかなかむずかしい問題があると思います。 しかし、私はもう少し恒久的に建設省の方でもあのスライド条項については御検討なさっているように承っておりますので、きょうはもう時間もありませんが、恒久的な制度としてもう少し実態に即するような足切りの問題とか、あるいは十二カ月たたなければ適用ないというようなことが必ずしも現状に即しない。特に中小建設業の場合にはまず私は適用は皆無だろうと思っております。これはもう大臣が一番よく御案内のところだと思いますので、ああいう点についてはやっぱり本当に実情に即するように私は改定していただきたいなと、これは私の要望でありますし、質問のここで申し上げる範囲から除いておきますが、いまのように生コンとかあるいはアスファルトとかいうものは、これも買いだめをしておくわけにもいかない資材でありますし、前渡金をもらってもそれを買いだめをして備蓄をしていくというようなことのできないもの、しかも御案内のとおりセメントは電力を食いあるいは重油をたくさん使っている、その結果また生コンにはね返ってくる、こういうことで、備蓄のできないアスファルトとか、あるいはそういうものについて、その物価にスライドするような条項というものをぜひ御検討を願いたい。これはどう発動するかということは別にいたしまして、ああいう特殊な資材についての取り組み方についてぜひ御検討をお願いいたしたい。 そうすることによって、この景気の厳しい中で、冒頭申し上げましたような中小の業者ができるだけそれをかぶらないようにしていくという配慮がどうしても政策当局にあってほしいな、こう思っております。同時に、それは政府公共事業関係でそういうことが制度として確立されれば、やはり業界全体として民間企業にもそれが波及されるわけでありますし、そういう面からもぜひこの問題について大臣のお考えをお聞かせ願いたい。そうして政策当局としてぜひ来年の予算の執行に間に合うようにしていただきたい。それから同時に、これは地方団体についてもぜひいろいろな御指導を賜りたいということを私は要望をし、これに対する大臣の御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(渡辺栄一君) いま先生からお話のございました件は非常に重要な問題であると思いますが、特に、私は、正直者で非常に協力をしておる人が結果において損をする、これはもう絶対に私ども注意をしなければならぬ問題だと思います。特に、現在ありますように、十二カ月以上、三%以上ということでありますと、これはどちらかといいますと大規模な工事になりまして、中小業者が救われない、これも大変なことだと思います。 なお、いま予想をされます石油価格の見通し等は一応ついてきたとは言っておりますけれども、きわめて見通しは不確実でございますし、それによりましてセメント、生コン、いまお話がございましたけれども、いろいろ心配をされておるわけでございます。そういう情勢でございますので、私どもも、現在やっておりまする請負契約約款等の内容から言いますと、いろいろ検討をしなけりゃならぬのじゃないか、こういうふうに考えております。 そこで、先生御承知のとおりでありまして、現在の制度からまいりますというと、スライド制にしろインフレ条項にしろ、どうも適当ではないわけでございますから、これは一体このような情勢下でどうすべきであるかということにつきましては、中央建設業審議会に特別な措置が必要かどうかということにつきまして御検討を願っているわけでございますので、その結論を踏まえまして適切な措置をとっていかなきゃならぬのではないかというふうに思います。ただ、約款の基本的な問題の結論というのはいずれ相当な時間を要するのではないかと私ども懸念をいたしておるわけでありますが、そういたしますと新年度の情勢にはなかなか応じ切れないわけでございますから、そういう場合には、当面どうするかというようなことも当然検討しなければならぬと思いますが、そういう意味で、いませっかく御検討をいただいておるわけでございますから、その御検討の結論を待ちまして、早急にひとつ将来の問題、当面の問題、必要でありますれば万全の措置を講じてまいりたい。なお、それにつきましては、いろいろお話しのようにむずかしいときでございますから、きめの細かい指導もしていかなきゃならぬであろう、こういうふうに考えておるわけであります。 なお、この点はすでに御承知いただいておると思いますが、昭和四十八年あるいは四十九年ごろの経済情勢と今回とは大分情勢が違いますので、この情勢下におきましてあのような特殊な措置がとれないということはもうすでに御承知であると思います。時間の関係もございますから細かい数字は申し上げませんが、実態は大分違っておるというふうに私どもは認識しておりますから、その認識の上に立って、いま申しましたような措置を講じていきたい、こういうふうにいま考えておるわけであります。
○降矢敬義君 御理解ある御答弁をいただきましたが、やはり何回もいままで私がこの建設省から出されておる通達を見ましても、工事の施行に関して設計単価、実勢単価を十分に把握して契約に入るようにという通達も何回か出ているようでありまして、まさにこのいま申し上げたようなアスファルトとかセメントとかあるいは生コンなんというものは石油とまことに絡んでいる問題、しかも六月にはまたどうするという話すらOPECの方で出ているわけでありまして、実に変動きわまりないような中にさらされているものであります。そういうことで、大臣の恒久的な制度の改革もぜひお願いいたしたいんでありますが、重ねて、そういう非常に影響しやすい、また特殊の備蓄もできない、前払い金をもらっても買い置きができないような建設資材についてはやっぱり特別な配慮が私は必要ではないか、こう思いますので、その点を重ねて申し上げておきます。 あと十分しかありませんので、最後にぎりぎりのところ、住宅問題について、大臣並びに住宅金融公庫の総裁がお見えになっておりますので、二つだけ御質問をさせていただいて、私の質問を終わりたいと思います。 大臣の所信表明の中に、冒頭に、当面の課題として住宅対策をお挙げになったことを私はやっぱり高く評価したい。一番問題は、いまわれわれの間では住宅政策ではなかろうかと私も思っています、それは宅地も含めた問題でありますが。そこで、大臣として、今後、第四期の五カ年計画をつくられるに当たり、基本的にどういうお考えをお持ちになっているのか。要するに大臣の考えというものがリーダーシップとなって住宅計画というものをおつくりになる。それから、同時にまた、官房長の十九日の説明でも住宅基本法というものについて基本的に考えている、今度出すかどうかは別にして、検討中の法律の中にそういうものも説明されましたんで、そういうことに対する大臣の御所見を承っておきたいと思います。
○国務大臣(渡辺栄一君) 今後の住宅政策につきまして御質問があったわけでございますが、先生御承知のように、昭和五十三年に住宅統計調査が行われておりますが、それによりましても、戸数面ではほぼ量的充足が進んでおるんではないか、居住水準も相当着実に向上しておるのではないか、しかし大都市圏の借家世帯を中心にした問題は残されておるという指摘をされておりまして、その居住水準の改善というものも重要な課題だと思います。 もう一つ、昭和五十三年に行いました住宅事情実態調査というものがございますが、これによりましても、国民の住宅に対する要望というものが、従来の規模、設備というものから日照、通風、公害というような住環境全般に広がりを見せておりまして、持ち家取得による居住水準の改善に対しまする要望が非常に強いというふうになっておるわけでございます。 このように、わが国の住宅事情は、量的には相当充足が進んでおるわけでございまして、質的にもかなり改善ができておると思いますが、しかし、質の改善ということにつきましては相当根強い国民の要望がなお残っておるというふうに理解をいたしております。したがって、今後とも、こういうような国民の住宅に対する需要動向を十分見きわめながら、適切な施策を推進してまいりたいと思います。そして良質な住宅の供給というものに努力をし、引き続き居住水準の着実な向上を図ることが私は肝要であるという認識に立っておるわけでございます。 ちょうど昭和五十六年度を初年度とします第四期住宅建設五カ年計画というものを今後計画策定をしなければなりませんので、それに先立ちまして、昭和五十四年九月十一日に、住宅宅地審議会に対しまして、新しい住宅事情に対応する住宅政策の基本的体系はいかにあるべきかということについての諮問を申し上げておりまして、いませっかく審議をちょうだいしておるわけでありますので、この検討の結果をちょうだいいたしまして、それらを踏まえまして策定作業を進めていきたいと思っておるわけでございます。 そこで、お話のございましたように、こういうふうにいたしまして、第四期の五カ年計画を策定するということになりますと、私は、やっぱり、いままでは出しておりませんけれども、住宅政策を推進する哲学とも言うべきものを決めなきゃならぬわけでありまして、私もかねて住宅の委員長としては基本法を出すと、これは仮称でございます、基本法という名前がいいかどうかは今後の検討課題でございますが、そういう哲学なしに一つ一つ個々の政策を推進しておるということは、従来やむを得ない事情があったとは言いながら、私は適切でないと思っておりますので、ぜひともこの五カ年計画の策定とは当然並行いたしまして、仮称ではありますが、基本法とも言うべきものをひとつ十分検討いたしまして、鋭意努力をしてまいりたいと、いま事務当局でもせっかく努力をしておるところであると私は考えておるわけであります。
○降矢敬義君 いま大臣が言われましたように、質の時代——住みよさといいますか、それから居住水準の向上、それから同時に住環境の整備、こういうものを柱にしていかれるというお話でありますが、私も同感でございます。また同時に、持ち家志向が非常に強い中で、そういうものを進めながら、公的住宅における持ち家制度のあり方というものをどういうふうに考えていくか、公的資金によるそういう持ち家政策の進め方についてもぜひ御検討を願いたいと思っております。 最後に、先ほど茜ケ久保先生の御質問にもありましたように、金融政策が今度変わりました。しかしながら、大臣としては、特に個人融資の分についての金利の据え置きということをやりたいというようなことがありましたし、民間住宅ローンについても、住宅政策を今後進めていく上において余り急激な金利の上昇を望まないというお話もありましたので、これはぜひそういう方向で具体的なものを至急決めていただきたいと思います。 そこで、住宅金融公庫総裁に最後に一つだけお伺いいたしますが、先ほどから茜ケ久保先生の御質問にもありましたように、地方の時代というものをキャッチフレーズにしていろんな政策が進められている中で、この住宅というものに対する政策金融のあり方、これを従来とは違った角度で見直す必要があるんじゃないかというのが私の偽らない気持ちであります。たとえば八十平米の木造で、大都市とたとえばわが山形県というところが依然として同じような格差を貸付限度額につけておるということ自体にすでに問題がありゃせぬのかな。やっぱり今回五十万ずつ一律につけ加えたことによって、私は、ある程度そういう一律に上乗せしたという哲学は何であるのかもちろんわかりません、わからないが、結果としては格差を縮めてきたことについては私は評価をいたします。しかし、全体として長い間同じようなスタイルで、同じようにやってくることについて私は適当じゃない。もし、先ほどもありましたように、定住圏構想を進めるならば、そういう住宅面においても特に政策金融が結びついていかなければならぬのだという気持ちを非常に強く持っております。 時間がありませんので、そのところの基本的な総裁のお気持ち、今後の臨み方についてぜひお聞かせ願いたい。 以上をもって私の質問を終わります。
○参考人(大津留温君) ただいまの降矢先生の御質問の趣旨につきましては私も全く同感でございます。これから住宅建設を都市におきましても地方におきましてもそれぞれ進めていかなければならないわけでございますが、やはりその地域、地域の特性に応じた施策が肝心かと思います。したがいまして山形地方のように積雪寒冷地域、これは北陸もそうですが、そういうところにはやっぱりそういう地域に応じた住宅のあり方、また、したがって、それに対する相応の援助の仕方というものが必要と思います。 ただいま御指摘の融資の額でございますが、これも各地域におきまして大変実情に比べて少ないという御指摘をもう再々承っておりまして、私どもも、十分その点肝に銘じて逐年改善に努力しておるわけでございますけれども、なお実情に比べまして大変割り安になっておる、遺憾でございますが、今後も是正に努めていきたいと思います。 なお、いまの積雪寒冷地域に対しましては、そういう気候上の要請から規模の大きい住宅が要望されております。いま私どもの融資は全国一律にやっておりますので、そういう点についても一層工夫をこらしまして、実情に沿ったような持ち家を建てていただく、こういうふうにしたいと思っています。
○委員長(大塚喬君) 午前の質疑はこの程度とすることにし、午後零時四十分まで休憩をいたします。 午後零時十分休憩 —————・————— 午後零時四十三分開会
○委員長(大塚喬君) ただいまから建設委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、建設事業並びに建設諸計画に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○内田善利君 先日の所信表明に基づきまして、特に大事と思われる地価対策と住宅政策について、国土庁長官並びに建設大臣に質問したいと思います。時間が三十分でございますので、要点だけを質問していきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 まず、国土庁長官にお伺いしたいと思いますが、国土庁の地価調査によりますと、地価が全国的に非常に上昇しているわけですが、一年間で住宅地で東京圏が一六・四%、名古屋圏が一三・六%、大阪圏で一二・九%と、こういうふうに上昇しているわけですが、実際の取引はさらに一〇%も上回る、こういうふうに言われている。昭和四十七、八年当時のようなことが予想されるような危機的な状態にあると思いますが、この際、政府の認識をお聞きしたいと思います。 政府は、その点については地価上昇の原因を宅地等の需給のアンバランスということで、宅地供給こそ地価対策だと説明してきておるわけでございますが、同時に、地価強含みの中にあって、土地の投機目的、仮需要を完全に絶つ施策が必要であるということは当然のことと思います。国土庁長官も、大臣に就任されて以来、何回もこの点について言及され、本会議の答弁等でも国土法に基づく規制区域制度の活用を打ち出しておられます。この点について、この規制区域の制度の活用を今度園田長官はやられるのかやられないのか。具体的適用に当たっていろんな障害があると思いますけれども、また、今日まで議員立法で成立したこの国土法の規制区域の適用について十二条、十三条がまだ適用されてないということですが、この点についてお伺いしたいと思います。地価動向の分析あるいは地価対策に臨む基本姿勢にあわせて、実際この適用をやるのかやらないのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(園田清充君) 午前中も答弁申し上げましたとおり、国土庁長官に就任以来、一番頭の痛い問題がやはりこの地価対策の問題でございまして、特に御指摘がございましたとおり、三大都市圏を中心として住宅地が強含みの傾向で動いていることは否定をいたしません、事実でございます。そこで、私どもとしては、何とかひとつこの歯どめをかけるというか抑え込む方法ということで、具体的には局長から政策についての答弁をさせますが、私に対しての御質疑は十三条をやるのかやらないのかという規制区域の指定の問題についての決意のお尋ねだったんでございます。 御承知のとおり、議員立法であるだけに本法成立時点における両院の意思というものが政府側に伝えられておりますが、その委員長の発言の中に、地方自治というものをあくまで尊重して、そしてこの法の運用に当たれということが条件的に実は示されておるわけでございます。そこで強含みに動いている地価動向に対してひとつ歯どめをかけようという考え方もございますし、では、いまおっしゃったように、やるつもりがあるのかないのかということでございますが、私どもとしては、こうした全国的な地価の動向並びに投機的な動向というものを十分監視しながら、各県の自治体の長である知事と相談をいたしまして、知事から必要性があると認められたならばこの規制区域の指定をするという前段、また十三条の政府自体の決意については、すでに表明をいたしておりますとおり、これが抑制につながるものであるならばということで、本法立法の趣旨を踏まえながら私の決意というものをすでに明らかにしておるということでございます。 それから、この機会でございますから、ひとつぜひ御理解を願い、国民的な御協力をいただきたいと思うのは、先生もいま御指摘ございましたとおり、私どもは、年間地価公示をいたしますために、全国的には一万七千の地点を設定し、そして四半期ごとに五百五十の地点を抽出して地価動向というものを的確に把握をしながら、各動向というものを国民の前に常に示していこうということで、実は、一時期は、たとえばこの台帳も、東京を例にとりますと、都庁だけにしかございませんでした。それを区役所からいま区役所の出張所にまで台帳を備えつけて、そしてこの地点が調査地点であり、幾らだから、たとえば駅に近いから幾らというふうなことで、十分売買の用に役立てていただきたいということで、そこに抑制の方法等についてもそれなりの努力をさしていただいておるわけでございますが、いずれにいたしましても、地価の抑制のためには全精力を投入しながら、最善の努力をし、また時によっては決意しなければならないことは勇断をもって決意をするという姿の中で、本法の運営に当たってまいりたいという決意は依然として変わらざるものがあることをひとり御答弁申し上げて、御理解を賜りたいと思います。
○政府委員(山岡一男君) いま先生のお話がございましたように、土地の値上がりの要件でございますけれども、従来私ども三つのパターンがあると思っております。一つは、効用の増でございます。駅ができた、もしくは区画整理が終わったというような熟成度が上がったための値段の増加でございます。これは最近もあるわけでございます。東京におきまして、たとえば新玉川線の沿線等はしかりでございます。それからもう一つは、需給のギャップによるものでございます。これが現在の一番大きな主因であろうかと思います。それからもう一つは、投機的な土地取引による地価の高騰でございます。これが一番たちが悪いわけでございまして、昭和四十七、八年ごろ、わが国内に横行したわけでございますが、その投機的な土地取引に対しまして、これを引き続き抑制する、需給ギャップに対して供給を促進するというのが目下当面の一番大事な対策であろうかと思っております。 そこで、投機の抑制ということにつきましては、現在、四十七、八年当時なかった対策が三つとられております。一つは、国土利用計画法の制定と適確な運用でございます。それからもう一つは、投機的な土地取引の抑制効果の強い短期譲渡重課などの税制による抑制でございます。もう一つは、大蔵省等で強力に指導していただいておるわけでございますが、不要不急の土地の売買に対します融資の抑制でございます。 以上、三つの投機的取引を抑制するための対策を今後も堅持をするということが一つ。さらに、供給の促進という面から、宅地供給促進のための財政上、金融上の措置の拡充、都市再開発の推進、それから大都市地域におきます市街化区域内農地の宅地化の促進、宅地供給促進の見地からの税制の改善等に重点を置いてまいりたいというのが最近の状況でございます。 規制区域の指定につきまして、現在、先ほど大臣から一たん緩急あれば直ちに行うという決意をお述べいただいたわけでございますが、先ほど申し上げましたような投機の抑制という効果は相当徹底しておるようでございまして、現在、規制区域指定のために二百三十七カ所事前詳細調査というのを都道府県を通じてやっておりますけれども、その報告によりますと、投機が起こっている気配はいまのところ見られないというふうに考えております。いずれにいたしましても、そういうふうな時期が来れば断固としてしなきゃならないというふうなことでございますので、引き続き監視の励行を続けてまいりたいと考えている次第でございます。
○内田善利君 いま答弁がございましたように、私もわかるわけですが、特に長官が所信表明の中で「土地取引動向等についての監視を一層強化する」と述べられておるわけですけれども、この地価の高騰現象は大都市周辺の国土法の届け出制の対象外となっている、そういう土地取引にあらわれているわけだし、特にマンション用地などの取引の八〇%程度が規制対象外の取引だということなんですね。ですから、もう少しきめ細かな規制措置が必要なんじゃないか、こういうふうに思えるわけです。チェック体制の整備という問題点はあると思いますけれども、このきめ細かな規制が必要だと思います。 それから、国土法による市街化区域の場合、土地取引規制の対象を二千平米以上としておりますが、この点もさらに細かな規制措置が必要じゃないか、こういったことを考えるわけですが、長官の監視を一層強化する、この表明の具体的なことについてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(園田清充君) いま御指摘がございました具体的な規制の問題でございますけれども、実は、私どももでき得るならばと、ところが、自治体の届け出に対する消化能力というようなものを考えてみますと、なかなか自治体自体で困難性があるということが私どものところへ寄せられてきているので、御指摘の問題、そこまでいけるならばなという希望は持ちながら、踏み切れずにいるというのが現在の状況でございます。
○政府委員(山岡一男君) 最初の監視の強化という点でございますけれども、先ほど申し上げましたように、国土法施行以来、毎年二百三十カ所ぐらいについて規制区域指定のための事前調査というのを励行してまいっておるわけでございますが、五十五年度におきましては、さらにそういうものの中でも蓋然性の高いところがもし生じました場合には、そういうものに対して濃密な一カ月ごとの仮登記まで全部調べるような調査をやりたいということで二十四カ所分、これは臨機応変に使うわけでございますが、二十四カ所分につきまして新しい特別詳細調査の費用を計上するようにいたしております。 それから二千平方メートルを下げる問題でございますけれども、これは国会の提案にかかわります国土利用計画法制定の経緯の際、二千平方メートル以上ということになりましたのは、膨大な件数の土地取引をチェックするための都道府県の事務能力、それから大規模なものを規制をしておけば、そのほかのものはそれにならうだろうという制度の波及効果、それから公有地拡大法等の他の法律との横並びというようなことから、そういうふうに決められたと承知いたしております。 現在のところ、この運用の実態から見て、直ちに引き下げが必要であるとは考えておりませんけれども、先ほど大臣が申されましたとおり、最近、種々の議論も行われております。先生のおっしゃいましたような実情もございます。そのため、国土庁といたしましても、その必要性の有無、それから考えられる諸案とその問題点等につきましては現在も広く検討いたしておりますけれども、いずれも土地取引規制の根本に触れる問題でございますので影響するところも大きいわけでございまして、今後、各方面の意見を聞きながら慎重に検討を続けさせていただきたいと思っている次第でございます。
○内田善利君 次に、土地税制について一言触れておきたいと思います。 所信表明の中にも「土地の有効利用を推進するため、土地の長期譲渡所得課税等について所要の見直しを行う」ということですが、これは長期保有土地税制に対する課税の緩和ということと受けとめておりますが、これに対して土地成金の優遇になりかねない、あるいは企業の土地買い占めを再び招くおそれがあるという強い批判が業界にあるわけですが、この地価強含みの現状の中で、この税制措置だけで土地放出、宅地供給増につながるかどうか、これは非常に問題が指摘されておるわけですけれども、地価が上がるのは土地譲渡所得税が重過ぎるためだということについては大きな疑問がある、将来必ず大きな値上がり益が得られると考える人々が容易に土地を手放そうとしない譲渡所得税を軽減することはその資産としての有利さを一層大きくする、全体としては逆効果となるおそれが強い、効果があっても一時的なものにしかすぎない、こういうような批判があるわけです。しかも、その上、この緩和は不公平税制の拡大にもなる、こういう批判もありますが、この土地税制の緩和についてどのようにお考えなのか、お聞きしたいと思います。
○政府委員(山岡一男君) 先ほど申し上げましたように、私ども目下焦眉の急は、投機的取引を抑制するということと供給を促進するということの二点にあると考えております。 そのうちで、先ほど申し上げましたように、投機抑制効果の大きい短期重課等の仕組みは、現在どおり、全部今回の改正におきましても堅持をいたしたわけでございます。 供給促進のための税制として必要なのは何か、一つは富裕税の強化でございますし、一つは譲渡所得税の軽減であるというのが一番の方向であろうかと思います。で、これは過去の例に徴しましても、そういうふうに譲渡所得税の安かったときに土地の流動化が促進をされたという実績等もあるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、税制だけが今回の対策ではございませんで、そういう税制改正をてこにいたしましていろんな宅地供給を官民そろって進めていく。そういう場合に、土地流動化の促進のためには、今回お願いしたような税制が適当であるというのが今回の税制改正の趣旨でございます。で現実にいろいろと改正の結果といたしまして、土地の流動化が私は促進しておるように思っております。具体的にパーセンテージ等で申し上げられませんけれども、土地取引件数の最近の推移等を見まして相当効果があるのではないかというふうに考えておる次第でございます。
○内田善利君 先ほど長官が言っておられましたが、国土庁の地価公示ですね、この地価公示制度が六年を経過しておるわけですが、これをどのように評価しておられるのか。地価公示の実勢離れという批判もあるわけですが、また、長官の所信表明の中にも「総合的土地対策の推進」の中で「引き続き地価調査体制を整備拡充する」このようにあるわけですが、この地価評価については自治省あるいは大蔵省等でも評価をしているわけですが、国土庁としては、この地価公示について、この制度をどのように体制を整備拡充されるつもりなのか、この点をお伺いしておきます。
○政府委員(山岡一男君) 先生御案内のとおり、地価公示は、独立性を有します土地鑑定委員会が二人以上の不動産鑑定士等の鑑定評価を求めまして、各地点の正常な価格を判定して公表するというものでございます。この正常な価格は、不動産鑑定評価基準等に基づき判定されました価格でございまして、いわば売り手にも買い手にも偏らない客観的な交換価値を示すというふうに考えております。 しかしながら、実際の土地取引に当たりましては、当事者の特殊な事情、たとえばどうしても銀行が角地を買いたいとか、先ほど先生がおっしゃいましたように、少ないマンション用地をどうしても買いたいとかいうふうな買い進みが行われることがございます。そういうものはいずれもそういうふうな正常価格を上回るものでございまして、正当な価格とは言えないと思いますけれども、このような特殊な事情に基づく一部の土地取引と地価公示価格とが大差があるということから、直ちに地価公示が役に立たないという判断をするのは早計であろうと思っております。 現在、公共事業によります用地の買収、収用の裁決、裁判の判定の場合の基準、それから国土利用計画法におきます価格判定の基準等として十分有効に機能しております。したがいまして、今後、さらに地点数を増加するというふうなことにつきまして大いに努力をすると同時に、先ほど大臣のお話もございましたが、地価公示活用のためのPRにも努めたいと考えておる次第でございます。 それから、現在公的土地評価制度につきまして、私どもの土地鑑定委員会がやっております地価公示、それから都道府県の行います地価調査のほかに、先生のお話のとおり、固定資産税評価額、これは自治省でございます、それから相続税評価額、これは国税庁でございます、がございまして、こういうことにつきまして公的な土地評価制度を一元化することが理想であろうと思いますけれども、現在、地価公示と地価調査は合わせまして約四万四千ほどでございます。固定資産税評価額の方も約三十万地点やっております。相続税評価額は約十万地点やっております。それぞれの目的に応じまして基準地点として機能しておるものでございまして、現在、直ちに一元化することが可能とは考えておりません。しかしながら、たとえば相続税評価額等につきましては、地価公示に準拠いたしまして、その五割ないし六割ということに対するすりつけを毎年行ってまいっております。 なお、三者の間で現在も連絡協議会というのを持っております。これは予算をつけていただいておるわけでございます。さらに研究を続けておりますけれども、さらに地価公示の充実を図りまして、そういうふうな地価公示を中心とする一元化の方向が一番望ましいという方向で検討を続けてまいりたいと考えておる次第でございます。
○内田善利君 それでは時間の関係で今度は建設大臣にお伺いしたいと思います。 住宅政策についてですが、来年度は第三期住宅建設五カ年計画の最終年に当たるわけですが、現在、住宅総戸数は、資料によりますと三千五百七十一万戸、世帯総数で三千三百九万戸ということで、住宅総戸数が世帯総数を上回っておるわけですけれども、住宅に困っている住宅困窮世帯が総戸数の三八%を超えている現状でございますが、国民の深刻な住宅事情はまだ依然として続いておる、こういう立場から住宅政策についてお伺いするわけです。 五十五年度末の達成予測を資料で見ますと、公営住宅が七八%、公団住宅で五五%にとどまっているわけですね。で住宅困窮世帯が求めている施策というのは良質で低廉な公営・公団住宅にあるわけですけれども、政府政策の中のこの位置づけ、これは低下してきているわけです。公営・公団住宅が後退している要因について建設省はどのように分析、把握しておられるのか、また、その障害要因にはどのように対処していこうとされておるのか、この点についてまずお聞きしたいと思います。 自己の能力で住宅を持つことができない人々の住宅を保障することが政府の住宅政策の原点ではないか、このように思うわけですが、所得の横ばい、土地の高騰、資材の値上がり、ローン金利の上昇等の中で民間自力建設住宅の建設状況が非常に低調である。この状況について実績をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(渡辺栄一君) ただいま御質問の中の具体的な数字等につきましては、また局長から御説明をいたしますが、全体の状況と見通し等につきましてお答えをいたしたいと思います。 建設省としましては、第三期住宅建設五カ年計画につきまして、その適正な政策を推進し、あるいは建設を着実に実施するということに努力をいたしてきたわけでございますが、昭和五十三年度までの建設戸数は、ただいまも御指摘がございましたけれども、公的資金住宅は二百十三万九千五百戸でありまして、進捗率は六一・一%、民間自力建設住宅は二百六十九万三千戸でありまして、進捗率は五二・八%、合わせまして四百八十三万二千五百戸でありまして、進捗率は五六・二%になっております。したがって全体としましてはほぼ順調に推移をしておるものと考えております。 今後の見通しといたしましては、公的資金住宅については昭和五十四年度及び昭和五十五年度にそれぞれ八十万六正月七十九万一千戸の建設を計画しておりまして、これが達成されれば最終的な進捗率は一〇六・八%に及ぶというふうに考えておりまして、公営住宅及び公団住宅にはいまお話しのような建設の停滞が見られるわけでございますが、これにつきましては関連公共公益施設の整備等、積極的ないま施策を続けておりまして、一番の難点でございます用地の取得その他につきましていろいろ配慮をいたしておるわけでございますが、公庫住宅の順調な伸び等もございまして、公的資金住宅全体としましては計画を達成できる見込みでございます。 なお、民間の自力建設住宅は、このところ建設戸数が減少傾向でございますが、それらに対しましても、いま国土庁長官からお話がございましたが、私どもといたしましては宅地供給の促進を拡大するということに努力をいたしまして、これらの問題につきましても最大の努力をいたしたい、かように考えておる次第でございます。 詳細は局長から御説明いたします。
○政府委員(関口洋君) ただいま第三期住宅建設五カ年計画の進捗状況及び達成見通しは大臣からお答え申し上げましたとおりでございますが、それに関連しまして、まず第一点の公的直接供給住宅、具体的には公営住宅、公団住宅でございますけれども、これが計画どおり進んでいっていない理由をどういうふうに把握しているのかという点からお答えをさしていただきたいと思います。 申すまでもなく、公的直接供給住宅は、用地の取得に始まりまして、後、関連公共施設の整備であるとか、住民との話し合いであるとか、いろいろな過程を踏んで建設を進めていくわけでございますけれども、現在、公営・公団住宅が停滞しておりますのは、いま挙げたような理由に尽きるというふうに私どもは把握いたしております。具体的には、用地の取得難であり、関連公共公益施設の整備についての地方公共団体との調整の問題、あるいは、さらにそれを含んだ地区住民との話し合いの問題、こういうところがいま停滞しておる一番大きな理由だろうと思います。 しからば、それに対してどういう改善策を講じておるかという点でございますけれども、これは過去のことを申しますと非常に長くなりますので、五十五年度以降の話としてお答えをさしていただきたいと思いますけれども、五十五年度につきましても住宅宅地の関連公共施設整備促進事業を大幅に拡充いたしまして、こういう地元地方公共団体との調整が円滑にいくように、また周辺住民との話し合いにつきましては、これはじみちにやらざるを得ないわけでございますけれども、大分修練を積んできておりますので、そういうことを踏まえて、今後とも公営住宅、公団住宅の建設の促進に努めてまいりたい、かように考えておるような次第でございます。 なお、公庫住宅の建設につきまして、環境の整備問題につきましてただいま先生から御心配が表明されましたんですけれども、ちょっと理屈を言うようで申しわけございませんけれども、公庫融資の有無にかかわらず、個人住宅の建設に伴って、先ほど来申しておりますように、公共公益施設の建設というものは必要になってまいるわけでございます。これらは、現行法制のもとにおきましては、本来的には地方公共団体で整備していただくというのが主たる考え方になっております。しかしながら、団地開発等によりまして、先ほど来申し上げておりますように、関連公共施設の整備を短期間に行うということになりますと自治体の財政に非常に大きな影響を与えるために、関連公共公益施設の整備促進事業の拡充であるとか、あるいは住宅金融公庫における立てかえ施行に対する融資、こういうものを通じまして、公庫の住宅の建設が円滑にいくように配意いたしておるような次第でございます。
○二宮文造君 私は、硫黄島の疎開島民の帰島及び復興計画をめぐる、いわゆる硫黄島問題について質問をしたいわけでありますが、御承知のように、この問題については、私は、五十三年十月十四日に、福田総理にあてて十四項目にわたる質問主意書を提出し、さらに、昨年の通常国会の代表質問でも大平総理にこの問題を取り上げて見解を伺い、また、昨年三月二十二日の本委員会でも取り上げた問題であります。そして昨年十二月に委員派遣として現地に行ってまいりました。それらのことを踏まえながら、この際、改めて問題を取り上げて見解をお伺いしたいと思うわけです。 まず、帰島及び復興計画の対象から硫黄島が除外されている。その理由は、いわゆる不発弾の処理がまだ終わっていない、遺骨の収集が終わっていない、火山活動について安全性が確認されない、こういうことで帰島及び復興計画の対象からは除外されていることは御承知のとおり。ならば、昨年の三月に私がこの問題を最終的に取り上げて以降今日まで、どういうことを政府の方でこの問題について行動されたか。 もう時間の関係もありますので私の方から申しますが、まず、不発弾の処理については、昨年の三月一日から三月二十八日までに隊舎の周辺で迫撃砲弾とロケット弾を〇・二トン処理した、こういう報告を受けておりますが、防衛庁。
○政府委員(友藤一隆君) ただいま先生から申されましたように、三月二十二日、昨年以降〇・ニトンの処理でございます。
○二宮文造君 それから遺骨の収集ですが、全く変化がないようでありますが、この点はいかがでしょう。
○説明員(水田努君) 遺骨の収集につきましては、御承知のとおり防衛庁の全面的な協力がございませんと、遺骨収集団の現地への派遣、宿泊設備等がございませんので、これは防衛庁の全面的な協力のもとに事業を進めているわけでございますが、五十四年度につきましては、防衛庁と協議いたしました結果、ことしの二月八日から二十一日間の予定で現在遺骨収集の作業に当たっております。
○二宮文造君 それから火山活動の安全性の確認ですが、この点についてはどういう作業をやられましたか、三月以降。
○政府委員(四柳修君) 御案内のように、防災科学センターと海上自衛隊とで観測を続けておりますけれども、五十三年十二月十一日の小規模な水蒸気爆発以降には特段の変化はございません。
○二宮文造君 ですから、確かに三つの問題を復興計画あるいは疎開島民の帰島の除外要件に政府は挙げているわけですけれども、それに取り組む姿勢がきわめてあいまいであるということをわれわれは感ずるわけです。 現に不発弾の処理を考えてみましても、実績は返還時から今日まで合計二十一・二トンと伺っております。ところが、米軍が硫黄島に使用した砲弾は約三万四千トン、こう言われております。したがって、大方の理解は、あれだけの島に三万四千トンの砲弾が打ち込まれた場合は誘爆をしているんじゃないか。ですから、政府が挙げているように三万四千トンの不発弾の処理、これがなかなか進まないので島民の帰島はむずかしいというようなことはちょっとわれわれうなずけないし、また、それを一歩も百歩も譲ったとしても、今日まで二十一・二トンしか処理できていない、これはまことに島民を納得させる数字ではないと思います。 さらにまた、遺骨の収集の問題ですが、これも二万何千人の方がお亡くなりになっている。しかし、私が硫黄島へ参りまして説明を受けた範囲内では、もうすでに遺骨はごう内だけである。しかも、そのごうは米軍が上陸をしましてつぶしてしまっているので、もうほとんど、何といいますか、見当がつかない。ですから、政府の方が遺骨の収集に余り情熱を燃やさない理由もそういう実情の中から出ているんじゃないか。 また、火山活動につきましても、これはもう御承知のように火山列島の真ん中にありまして、安政の昔からあのような状態が続いているわけでして、これはもう火山列島の渦中にある限りは永久にこの安全性という問題は確認ができない問題。しかし、それを今度は、だからといってそれでは疎開島民が帰島できないかといいますと、現に自衛隊の方あるいは米軍のロラン局に勤務する沿岸警備隊の方が勤務しているわけです。したがって、そういうふうなことを考えてみますと、この阻害要件というものは納得ができないし、そう言いながら現実には海上自衛隊あるいは米軍の沿岸警備隊の方がいる。どうも疎開島民としては、この状況が納得ができないわけです。 したがって、戦後三十五年、復帰後もう十一年になるわけです。その間にわたって疎開島民の帰島が許されなかった。また、その前提となる復興計画も策定されてない。これは重大な人権問題であると思うんですが、大臣、事ここに至って、この硫黄島の問題について大臣の率直な所感を伺っておきたいと思う。
○国務大臣(園田清充君) 先般、当委員会の御視察の事情も私も聞かしていただきましたし、委員としての皆さん方の帰島を早く達成できるような努力をしようという御要望の趣旨も承っております。 先生方がおいでになった直後に、私もまた現地へ飛んでみました。現地へ飛んで私なりにいろいろ感じてまいりましたけれども、実は、前大臣もたしか委員会において非常に前向きな答弁をなすったということでございまして、後を受けまして、私も、これは前長官がそこまで決意をされていろいろなお約束をなさっているならばということで飛びましたし、それからいま御質問の中にもございました、実は小笠原の復興計画の問題の中にも小委員会を設けて討議を重ねていくということでございます。ところが、現地自体がいまおっしゃったように三大の障害というもので果たして現地で復興なすった場合に座ってもらえるのかどうかのはっきりした調査をしなきゃならぬじゃないかということで、ことしは、五十五年度の予算ですけれども、たしか五千万近くだったと思います、予算を計上して、専門的な姿の中から復興促進のための調査をしてみるということで専門委員の方をお願いをして、いまお話しのでございました点を含めて調査研究をしてもらうということにいたしております。 そこで、現地に参りました事情からして、ただ一つ、私が本来言うと農家の出身だけに農業中心になってくるだろうが、戦前のあそこの収穫状況のいろいろなものからすると、果たして今日の経済社会に対応できるような農産物が生産できるかどうかということ、これは農業部面からだけ素人の私が感じてまいったことでございますけれども、感じを持っていますし、そういう点からするならば、これは専門委員の方々にひとつ急いで御調査願い、結論を出すように御努力願わなきゃならないというのがいまの考え方でございます。
○二宮文造君 総合調査団云々の件については、また後でお伺いしたいと思うんですが、その前に、一方では、そういうふうに阻害要件があって総合調査をしなきゃならぬと、こう言いながら、今度は新聞紙上はまことににぎやかなんです。 これは大臣も御存じのとおり、五十四年の九月九日付の毎日新聞あるいは五十四年十一月十九日の読売新聞、五十四年十一月二十八日の日本経済新聞——恐らく私は防衛庁あたりがこの辺でクラブを連れて視察に行かれたんじゃないかと思うんですが、各社が一斉に取り上げております。朝日新聞も、見出しはいろいろ違いますが、「〃玉砕の島〃基地化計画進む」と。要するに、防衛庁としては、ほかに訓練地域が余りかっこうなところがないので、硫黄島全域を対象にした基地化構想、これをお持ちになっているんじゃないか。そして今後百億円等の金をかけてこの基地化計画を実現したい、こういう構想を防衛庁がお持ちになっている。この辺は、新聞紙上、そう言われているわけですけれども、いかがですか。
○政府委員(友藤一隆君) 私どもとしては、まだ全体的な計画は固まっているわけではでございませんが、御案内のとおり、現在、硫黄島におきましては、海上自衛隊の硫黄島航空基地分遣隊というものが置かれておりまして、ここに設置いたしております飛行場の維持管理、関連いたします航空輸送あるいは対潜哨戒機の飛行訓練等の支援をやっておるわけでございますが、こういった維持管理、支援等の機能につきましては、今後とも、私どもとしてはぜひやってまいりたいというふうに考えておりますので、こういった飛行場施設、関連施設の維持整備、これは続けてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。 ただいま御質問のございました構想ということでございますが、これに加えまして、先ほど来御質問のございますように、本土におきます飛行訓練、これにつきましては訓練空域等の制約もございまして、主として海上で訓練をするということ、あるいは航空基地、その他やはり運用時間の制限がございまして夜間訓練ができないというようなことで、訓練空域も狭うございますし、訓練の態様も制約される。こういう点、あるいは対電子戦訓練はこれから将来大変必要になってくるわけでございますが、これも電波障害との関係でなかなか実施できない、こういう点等を踏まえまして、私どもとしましては、この島の特性を活用いたしまして練度の維持向上に資してまいりたいということで逐年整備をしたいということを考えておるわけでございますけれども、現在、自衛隊の使用いたしております地積の範囲内でいまのところ考えておりまして、これを拡大するとか全島を基地化するとか、そういうようなことは考えておりません。
○二宮文造君 火山活動による安全性の確認がまだ十分できてないという現地の状況を、防衛庁は、どのように把握していますか。人体に危険を及ぼす心配はないとお考えになっていますか。
○政府委員(友藤一隆君) 御質問のとおり、いろいろ地殻変動等がございますわけでありますけれども、私どもとしては、当面、基地の維持、支援、訓練には支障はないのではないかというふうに現在のところ判断をいたしております。
○二宮文造君 総合調査団の派遣については、防衛庁のこういう感触も十分に頭に置いて総合調査をやっていただかなければならぬ。 それから、もう一つ長官にお願いしておきたいのは、どうも国土庁並びに復興計画をつくる上での考えで総合調査よりも防衛庁の構想の方が先行している。先行しているがゆえに、かえって逆に疎開島民の帰島を促進するとか、あるいは阻害要件を解決するとかいう努力がおくれている、こういうふうに私は思うわけです。なぜかと言いますと、もう長官もおいでになったんですから御存じでしょうが、危険区域の標示もありません。ごらんのとおり。それから立入禁止区域というのは、現地の責任者がギンネムの林の中に入ったら道を迷って困るからそういうところには入るなと指示をしている程度でして、不発弾の問題とか、それから遺骨収集が残っているとか、火山活動がどうだとかということは現地では全く問題にされてない。そういう状況にあったということは私もそういう印象を受けましたし、長官もそういうようにお考えになったと思うんです。これも一つ御記憶に置いておいていただきたい。 将来の基地化構想がまだ固まっていない、こういうようなお話でございますが、夜間訓練をするとか、あるいは訓練が激しくなってまいりますと、いまの滑走路ではどうにも足りない。やはりもう一本滑走路をつくらなきゃならぬ。それを示唆するかのように、五十五年度の予算査定の内容を見ますと、滑走路の調査工事、これが一億六千万円の査定内容の中に含まれております。ですから、将来の基地化構想は持ってない、固まってないとおっしゃりながら、方向はそういう方向に向いているんではないか、こう私は思うんですが、この点もう一遍確認しておきたい。
○政府委員(友藤一隆君) 先ほども私どもから申し上げましたとおり、ここには基地分遣隊も置きまして、基地の維持管理、支援等もやっておるわけでございます。そのほかに訓練をやりたいということでただいま申し上げたわけでございますが、こういった観点から現在使用に供しております滑走路その他の施設で相当老朽化しておるものが多うございますので、これらについては逐年整備、建てかえあるいは……
○二宮文造君 時間がありませんので、簡潔にしてください。
○政府委員(友藤一隆君) 改造等をやっていかなくてはならないと考えております。
○二宮文造君 昨年、奄美群島の関係法案、この硫黄島を含む関係法案の復興特別措置法の一部改正に当たりまして、当委員会でも附帯決議をつけました。その附帯決議について、その後の状況をお伺いしたいわけですが、時間もございませんので先に進めます。 いま先ほど長官がおっしゃった、いわゆる疎開島民の帰島並びに復興計画の策定のために総合調査団の派遣ということをお考えになっている、予算も四千幾らつけた、こういうようなお話でございますが、その調査条項とか調査団の構成とか派遣の時期とか、これは一体どういうふうにお考えになっているんですか。
○政府委員(四柳修君) 簡単に申し上げます。 総合調査団につきましては、小委員会の先生方を中心に、あと御推薦いただきます専門の学者あるいは関係省庁の技術者等を中心として新年度早々に出したいという方向でいま検討中でございます。その場合に、どういう項目を調査し、あるいはどの省庁にするかということにつきましては、関係省庁と事務的に相談した上で、それを小委員会に新年度早々にお諮りいたしまして、その方向で、一遍になるか、あるいはある期間滞在するか、いろいろやり方はあろうと思います、そういう点で検討したいと思います。
○二宮文造君 その総合調査団に疎開島民の代表を加えるんですか、加えないんですか。
○政府委員(四柳修君) 現在の段階では、そういう意味で非常に技術的な問題でございますから、一応、入れる考えはございません。
○二宮文造君 私は、当然、加えるべきだと思います。 なぜか、現地の昔からの歴史的な発展過程を全然知らない人がやってみたって意味がないし、また、これまでの硫黄島問題について、私苦言を呈するようですが、疎開島民の代表を疎外して一切のことが行われている。たとえば海上自衛隊なり、それからロラン局、これの借り上げ賃の計算にしましても、不在地主と相談をしてお決めになっている。しかし、不在地主は現地の状況は知りません。それから私も行って見たんですが、どこまでが自衛隊の借り上げの地域で、どこからどこまでがロラン局の使用地域であるかという標示は全くありません。全島これ海上自衛隊、全島これロラン局というような使用状況になっています。ですから、考えてみますと、借り上げ料のその支払いの状況にしましても、もし疎開島民の代表がその中に入っていれば、現地を見ていれば、計算の根拠は私は変わっていると思います。また、公図が十分にできてないそうですが、その十分にできてない公図をつくる際も、現地の島民、いわゆる疎開島民の代表を加えないであらかたつくっていらっしゃる。 こういうふうに、いままでの交渉が疎開島民の代表を一切抜きにして進んでいるところにその人たちを納得させ得られないものがあると思うわけです。したがって技術的な問題は技術的な問題として、現地の事情も確かに加味しなきゃならないんですから、総合調査団に疎開島民の代表を加えること、さらには小笠原諸島の振興審議会あるいは硫黄島問題小委員会のメンバーにもやはり意見を聴取するという意味において疎開島民の代表を加えてやるべきだと思いますが、これは大事な問題でありますので、長官の方からお答え願いたい。
○国務大臣(園田清充君) いまお話がございました疎開島民を入れろということ、局長の方では私は考えていませんということでございましたけれども、審議の過程を通じまして、たとえば意見の開陳なり、いろいろな場は十分ひとつ考えていきたい、御意見を述べられる機会または聞かしていただく機会というものをつくることには善処をしてまいりたいと思います。 なお、それから私と事務当局とまだ率直に申し上げて固まったわけではございませんけれども、たとえて申し上げますと、実は自然保護団体の方々からもこの調査団に加えてくれぬかといういわば協力的な実は要請があっているわけです。というのは、父島の場合にオオコウモリがおった、ところが、いまはもうそれがいなくなっているから、硫黄島か北か南のどっちかの島におるのじゃなかろうかと思うから自然保護団体もひとつこのことに協力をさしてくれというようなことで、私自体は、できるなら幅広い姿の中でひとつ問題に取り組ましていただきたい、こう考えております。
○二宮文造君 長官の非常に前向きな回答をいただきましたので、私、その点納得いたします。ぜひそのように御検討いただきたいと思う。 それから、問題は、旧島民の対策ですけれども、御承知のように、結局強制疎開をして今日まで国が帰島させなかったんですね、危ないとかいろいろ理由をつけて。帰島し得る状況にはしなかったわけです。したがって、そのために疎開島民がこうむった生活居住権とか財産権の損害というのは、これはやはりおのずから勘案しなきゃならぬ問題になってくるわけです。そこで、そういうことを考慮して国の責務として私はやはり補償措置を講ずべきではないか、こう思うんです。したがって、そのためにたとえば政府部内に損害補償査定委員会のような疎開島民の皆さんに対する補償措置、これの検討を行うための委員会を設置すべきではないかと思うんですが、私、これは申し上げたいんですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(園田清充君) もう率直に申し上げますが、いまもお話をしたとおり、専門的な姿の中からあそこに帰島できるかどうかという、また農作物あるいはいまの経済社会の中であそこに帰島された場合にどうかという総合的な調査を進めることにいたしておりますので、補償の問題も含めて、私自体、政府部内というよりも、国土庁の中に、いまの調査委員会の検討結果を待って補償問題まで含めて善処できるような措置がとれるような機関と申しますか、を設定して検討を進めてまいりたいと思います。
○二宮文造君 大臣、勘違いしてくれちゃ困りますよ。いままでの分についてのことを私は申し上げたんです。大臣のお話を聞いていると、将来帰れないかもわからぬから、そのときも含めてというようなお話でございましたけれども、それは総合調査団の結果を待ってお考えになるべきものであって、復帰以来もう十一年たちます。それからまた強制疎開以来三十幾年たつわけですが、その間のことを私は申し上げている。これはひとつ大臣も、答弁は要りませんから、了解しておいてください。 それから、この硫黄島問題についての対策は、やはり戦後処理あるいは国土開発の問題として国の責任において処理すべき政策課題だと私は思います。で、もうここまで延びてきている。いたずらにその処理を引き延ばしてはならぬと私は考えるわけです。したがって、いつごろまでに結論を出すのか、これはひとつ大臣の方から明確な答弁をお願いしたい。補償も含めていつごろまでに結論をつけたいという大臣のお考えをお伺いしたい。
○国務大臣(園田清充君) いま御質疑の中にもございましたとおり、小笠原の復興計画ということで今日まで進めてまいりました。その復興計画が振興計画ということに法自体も変わってまいりました。ところが、振興しようにもいまおっしゃったような島の状況でございますので、これらを踏まえて小委員会の検討にまつということで、硫黄島の将来の問題については、この小委員会になるたけひとつ早い機会に結論を出していただくように御努力を願いたいと思います。また、私どもも、それに協力をして結論が早く出るように努力をさしていただきたいと思っております。 それから補償の問題につきましては、これもあわせて委員会の調査、いままでの問題で先生も御指摘がございましたとおり、どこまでがだれのものかわからないようなことで、たしか六百万ドルを米国の時代に払っておると思います。その後五千万をたしか払ってきておると思います。それが適正な支払いであったかどうかという問題もいろいろあろうかと思います。それらを含めて、ひとついま御指摘がございました点もなるたけ早い機会に結論を出すように努力をさしていただきたいと思います。
○二宮文造君 しかし、大臣の方から審議会に諮問しますと、いつごろまでに結論をお願いしたいという諮問の仕方だと思うんです。ですから、この問題についても、大臣も、大体できるだけ早くということじゃなくて、いつごろまでにひとつ審議会あるいは小委員会の方で結論をおまとめいただきたいというふうに指示をするお気持ちですか。お気持ちで結構です。
○国務大臣(園田清充君) さっき局長からの答弁の中にもございましたが、調査報告というか、そういうものも現在事務当局でも完全に用意ができていないというような段階でございますので、なるたけ一つ一つを早く急がして、そして私の方でいまの御質問に答弁ができるようなことで事務当局をひとつ督励してまいりたいと思いますが、よろしくお願いいたします。
○二宮文造君 何かお話を聞いていると、大臣の在任中に結論をつけていただくような、またこの委員会で答弁してくれるそうですから、そのような期待にかえておきたいと思います。非常に重要な問題ですから、もう本当に人権問題にもかかわってくる問題ですから、早急に対案をつくっていただきたいとお願いしておきます。 それから、これは一口に申し上げてしまいますが、小笠原周辺地域で台湾漁船がサンゴ礁を荒らして困るという領海侵犯事件、これは衆議院の予算委員会でも問題になったし、また海上保安庁にしても、それからまた水産庁にしましても、さらには外務省のアジア局にしましても、それぞれ措置をおとりになっていると伺っております。伺っておりますが、果たして再発、いわゆる領海侵犯を完全に防御する態勢をとっているのかどうか。あるいはまた、台湾なら台湾の関係者がそれをきちっと指導するような感触を得ているのかどうか。あるいはまた、サンゴ礁を荒らされた実態はどういうことになっているのか、現状とそれから将来、この二つに分けて、それぞれ保安庁なり水産庁なり外務省アジア局から御答弁いただきたいと思います。
○説明員(野呂隆君) 小笠原海域におきます台湾サンゴ漁船の領海侵犯の状況と取り締まりの状況を簡単に御説明いたします。 わが国周辺での台湾船のサンゴ漁でございますが、領海侵犯は、昭和五十三年の五月ごろから宮古、八重山列島周辺で見受けられるようになりまして、同年の十月ごろからはさらに北に上りまして、沖繩本島、奄美大島周辺海域で集団的に操業を始めております。その後も、さらに海域が拡大いたしまして、昨年に入りましてからは九州の南の大隅群島、それから九州の西方の男女群島周辺にまで及んでおりまして、さらに十月には小笠原の周辺海域まで出てきております。 小笠原周辺海域における現状でございますが、一月、私どもの航空機及び巡視船によりまして確認したところによりますと約五十隻の台湾漁船が出漁しているという情報でございます。これに対する取り締まりの状況でございますが、昨年の十月以来、小笠原周辺海域に巡視船を常時配備いたしまして、航空機による監視を続けております。そしてさらに、ただいま申し上げましたとおり、一月に入りましてから非常にたくさんの台湾漁船が出漁しておりますので、態勢を強化いたしまして、東京都の監視取締船等の協力を得まして集中的な取り締まりをいたしまして、現在までに同海域で台湾漁船五隻を検挙いたしております。なお、一月三十日以降現在に至るまで、小笠原周辺海域では台湾漁船を全く視認いたしておりません。 なお、現在の状況並びに今後の取り締まりの状況でございますが、現在も引き続き巡視船、航空機による監視警戒を行っておりますが、さらに侵犯漁船が発見された場合には、巡視船、航空機をさらに投入いたしまして、強力な取り締まりをやるようにいたしております。そういう状況でございます。
○政府委員(三宅和助君) 外務省といたしましても、海上保安庁と協議の上で、去る一月の二十五日に台湾との窓口団体であります交流協会を通じまして台湾側に対しまして厳重に文書で抗議したわけでございます、その上で適切な措置をとるようにと。それに対しまして台湾側といたしましては、台湾漁船のかかる行為は恥ずかしいことである、早速関係機関に対し今後再びかかることのないよう適切な措置を講ずるよう伝達するという反応を得ております。 そういうようなこともございまして、この一月の末からは、いま海上保安庁の方で御説明がありましたように、この周辺海域においては台湾漁船が認められていないということでございます。
○説明員(佐竹五六君) 水産庁といたしましては、小笠原海域でのサンゴ資源が主として十二海里以内、領海内でございますので、取り締まりについては保安庁の方にお願いしている次第でございます。今後、台湾船の操業状況いかんによっては、水産庁の監視船も派遣することも検討いたしたいというふうに考えております。 被害の状況でございますけれども、小笠原海域で台湾のサンゴ漁船がどのくらいの漁獲を上げているかを推計することは非常に困難でございますけれども、一応検挙した五隻の台湾サンゴ船は約五十キログラムのサンゴを所持したというふうに承知しております。なお、この額は小笠原漁業の現況、五十三年度の小笠原におけるサンゴ漁獲量が二十六・二五キログラム、約五百六十万円ということでございますので、かなりの量に上るのではないかというふうに承知しております。
○二宮文造君 ひとつ適切な措置を厳重にやっていただきたい。保安庁の方、水産庁の方、結構です、どうもありがとうございました。 次に、時間がありませんのではしょりはしょりになりますが、公営住宅等、住宅問題についてちょっと二、三お伺いしたいんです。 もうすでに公営住宅法の改正案が提出されておりますので、またそのときに具体的に質疑を譲りたいと思うんですが、要するに単身者への公営住宅の開放というのはやっと今度改正案で俎上に上ってきたわけです。この問題については、わが党が七十八国会以来一貫して政府にそういうふうにすべきではないかと提案し続けてきた問題でございまして、私も幾たびかこの問題を取り上げた記憶がございます。 そこで「老人、身体障害者その他の特に居住の安定を図る必要がある者として政令で定める者」と、こういうふうになっているようでありますが、政令で定める対象者、具体的にどういう人ですか。
○政府委員(関口洋君) いまお挙げになりました老人、身体障害者それ以外の方といたしましては、戦傷病者、それから生活保護受給者、五十歳以上の女子の方、これを現在のところ予定しております。
○二宮文造君 六十歳以上の老人、身障者、生活保護受給者、戦傷者——戦傷者入りますか。
○政府委員(関口洋君) 入ります。
○二宮文造君 それから五十歳以上の女性。 それで独身女性については、皆さんの希望とすれば、もう五歳ぐらい下げた方が適切なんじゃないだろうかという意見もあるんですが、五十歳で線引きをしたのはどういうわけでしょう、お考えになっている理由は。
○政府委員(関口洋君) 六十歳以上の方は老人で認められるわけでございますから、五十歳から五十九歳の年齢層の女子の方を特別に考えたいということでございます。その背景といたしましては、第二次世界大戦によりまして婚期を失したという社会的事情を勘案して五十歳というふうにさしていただいておるような次第でございます。
○二宮文造君 これはひとつ意見としておとめおきいただきたいと思うんです。 それから開放される住宅、それからまたどれぐらい開放できるのか、こういう見通しをお持ちですか。
○政府委員(関口洋君) 開放と申しますか、単身入居を認めたいと私どもが考えております住宅は、言葉が簡単で申しわけございませんけれども、一K、一DK、二Kというような家を考えています。 それで、現在、公営住宅ストックのうちで、これらの住宅総数は約四十万戸ございますけれども、このうち毎年入居者が交代して一応空き家になる、次の方に入っていただくという可能性のある家が約三万戸ぐらい出てこようというふうに推定しております。その枠の中で、各自治体が諸般の情勢を考えて単身入居の募集に当たるものと、現在のところは、こういうふうに推定いたしております。
○二宮文造君 そうしますと、一Kとか一DKとか二Kは、優先的という言葉は悪いかもしれませんけれども、そういう単身者住宅として提供されるということに考えてよろしいでしょうか。それとも世帯を持っている人ともし競合するようなことになれば、抽せんするとかなんとかということになるのか、あるいは一Kとか、そういう小さい、狭い居室ですね、これはそういう方々に大体優先的に開放されるようになる、こう考えてよろしいんでしょうか、どっちでしょうか。
○政府委員(関口洋君) ただいまちょっと諸般の情勢を考えてと口を濁しましたのは、地方による世帯持ちの方の困窮度がなお切迫している場合に、あるいは先生おっしゃるような抽せんということになるかもしれませんけれども、私どもの気持ちとしましては、これらの狭い家に世帯の方に入られてまたお子さんを持たれますと、いわばまたさらに狭くなるもんでございますから、できる限り単身者向けに使用していった方がいいんじゃないか、こういうふうな考えでおります。
○二宮文造君 それじゃ同じく住宅の問題に関連するんですが、二月の八日に、在日外国人に対する公的住宅並びに宅地の門戸開放、こういうことについて局長通達が出たようでございますが、で四月の一日から適用する、こういうふうな運びになって結構だと思うんですが、こういう措置がいまになって局長通達になったその経緯とか、通達の内容とか、時間もありませんので簡略に御説明願いたい。
○政府委員(関口洋君) この外国人問題は、先生おっしゃるように、多年議論されてきたわけでございますが、今回のいろんな諸条約との関連も考えまして、今回、踏み切るということにさしていただいたような次第でございます。
○二宮文造君 ただ、私、公営住宅法も、それから日本住宅公団法も、それから住宅金庫法もつぶさに見たんですが、いわゆる国民大衆という言葉で日本国民とくくったようなお話ですけれども、法自体には日本の国籍を有する者に限るとはなってないわけですよね、明文は。ところが、業務方法書やそれから入居者の募集規定や貸し付けの募集規定には日本国籍に限ると。これはどうしてそうなったんでしょう。法自体はそういうふうに明言してないのに、なぜ業務方法書や募集規定の方でそういうふうに日本国籍にしぼったんでしょう。 〔委員長退席、理事茜ケ久保重光君着席〕
○政府委員(関口洋君) 先生御指摘のように、たとえば公営住宅につきましては一部の都道府県ではすでにこういうことを認めておったわけでございます。それでしからば住宅金融公庫等が業務方法書でなぜ日本国籍を持つ者にしぼっておったのかという点になりますと、まことに申しわけございませんけれども、いままでは住宅金融公庫のいわば貸し付けを受けられる方が非常に、日本国籍を持っておられる方でもむずかしかったというような事情があって、恐らく日本国籍を持つ方を優先したいというところから、そのような規定になっておったものというふうに考えております。
○二宮文造君 だけれども、そうじゃないでしょう。そういうふうにおっしゃるけれども、実は、国際人権規約が批准になったし、また日本には永住権を持っていらっしゃる外国人がたくさんいる。したがって、そういう方々を差別するわけにはいかないという時代的な背景も手伝って、こういうふうに踏み切られたんだと思うんです。 ただ、私は、確かに一切門戸開放された、これは結構なことだ。だけれども、従来は閉鎖していたわけです。あるいは条件つきで一部の地方公共団体においては公営住宅を開放したところもあります、一都二十県ぐらいですか、開放していた。そういうものもありますけれども、従来は閉鎖されていたために、局長通達だけでこの障害が除去されて、同じように取り扱いされる確信がありますか。やっぱり従来の経過のまま抽せんとかなんとかというような問題にかかったときには、差別という言葉がいいか悪いか知りませんけれども、やはり条件が悪くなるんじゃないでしょうか、それはどうお考えになっています。
○政府委員(関口洋君) 住宅金融公庫は政府関係機関でございまして、私どもが直接監督の責任を負っておるものでございますから、もし仮に先生御指摘のような事実が発生するとすれば、われわれとしては申しわけない仕儀になるわけでございますから、十分その点は住宅金融公庫に指示してございますし、また、いままで、正確な数を忘れてちょっと失礼しましたんですけれども、先生のおっしゃるように一都二十数県ではもうすでに公営住宅について何らかの形で外国人入居を認めておった、そうしたらまた裏返しで、おまえの通達だけでいままで認めていなかった都道府県は言うことを聞くのかというお尋ねだと思いますけれども、この点は、事前に各県と意見交換をしまして詰めてきております。その中で皆さんの同意を得ておりますので、私は、そういう点についても不安を持っていない、かように申し上げたいと思います。
○二宮文造君 もう一つ私疑念が出てくるんですが、住宅公団の宅地分譲とか、それから金融公庫の一般貸し付け、公社分譲あるいは公社賃貸、こういうものに連帯保証人または保証人ですね、そういうものを付することが求められているわけです、いまの業務方法書や規定を見ますと。この保証人はこれまた同じように在日外国人でもよろしいんですか。それとも、この保証人は日本国籍を持ってなきゃいかぬというふうにお考えなんでしょうか、この点はどうなんでしょうか。
○政府委員(関口洋君) いま事務手続につきまして、先ほど申しましたような趣旨で詰めておりますが、その過程の中で、同じように保証人についても認めていくという前提で手続を進めております。
○二宮文造君 それから、ちょっとこれは非常に細かい問題になって恐縮なんですが、公営住宅に係る通達と他の通達とを比較して見ますと、ちょっと表現に違いがあるんです。ほかの通達では「永住許可者等について認めるものとする」こうなっておるのに対しまして、公営住宅に係る通達では「認めることができるものとする」。その「認めるものとする」と「認めることができるものとする」と、どうしてこういうふうにお使い分けになったんでしょうか、細かいことですが。
○政府委員(関口洋君) 住宅公団だとか住宅金融公庫は私どもが直接監督しておりますので、この指示どおりに措置を実施させるという気持ちを含めて「認めるものとする」というふうに書いてあります。ところが、公営住宅等は、先生御案内のとおりに、実際におつくりになり管理しているのは地方公共団体でございます。そういう私どもとの間の直接監督、非監督ということをぎらぎらさせるのはぐあいが悪いので、「認めることができるものとする」という表現を使ったまででございます。
○二宮文造君 大臣、これはひとつ大臣にぜひ感触をお伺いしておきたいんですが、要するにこういうふうに在日外国人、特に永住権をお持ちになっている在日外国人に建設省としては全面的に通達を出して、いままでのトラブルといいますか、未解決の問題を処理された。ところが、閣僚の一人として、まだまだ在日外国人、特に永住権を持っている在日外国人に対する、何といいますか、差別といいますか、取り扱いで、たとえば国民年金のように全然その適用を受けていないというような問題があります。したがって、これはやはりこういう国際人権規約というものの立場から考えていきますと、早晩そういうふうな面についても漸次解決をしていかなきゃならぬ問題だろう。でなければ、建設省がこういう通達を出したのが一つの飛びはねになっているような、すぐ全体の姿勢にはつながらぬわけですが、この辺は、個人的な見解でも結構です、どういうふうなお考えをお持ちなのか。
○国務大臣(渡辺栄一君) これは意思の疎通を図っておるわけではございませんけれども、先生おっしゃいますような新しい情勢下にございますから、私どもの方はこのような措置をとりましたけれども、やはり政府全体としてもその方向で進むべきものであると思い属すし、その方向に進んでおるものであるというふうに考えております。
○二宮文造君 それから、区切り区切りになって大変恐縮なんですが、あと十分少々ですので、次の問題に入らしていただきたいんです。 身体障害者の有料道路の料金の優遇措置、この問題でございますけれども、この身体障害者の方々の有料道路の料金を優遇した、この措置の実施に当たりましては、私も政府に要望した一人です。時間もございませんので、いろいろその範囲だとか、それから割引率だとか、実施方法だとか、実施主体だとかいうものも御説明をいただきたいんですけれども、要するに下肢とか体幹の不自由者で免許保持者が約八万人いると言われている。その八万人の方々に対して、五十四年六月一日から実施をして、大体その料金を半額に優遇するというような制度できているわけですが、実際問題の中に、若干、これは手直しをしなきゃならぬという問題があるわけです。 たとえば日本道路公団以外の有料道路の適用地域を「当該有料道路の存する都道府県及びそれに隣接する都道府県」、要するに隣の府県にしかこの優遇措置を広げない、こう限定しているわけですね。ですけれども、こういう身体障害者の方々の生活範囲というのはあながち隣接府県だけにとどまる問題ではない。なぜその隣接府県に制限をされたのか、限定をされたのか、その理由をお伺いしたい。
○政府委員(山根孟君) お答え申し上げます。 この措置は、近年におきます有料道路の整備の進展に伴いまして、歩行機能が失われているために自動車を足がわりとして運転する身体障害者が有料道路を日常生活に利用する機会が増大しているという実情にかんがみまして、こういった観点から発足した制度であるわけでございます。したがって通勤、通学、通院といった日常活動で利用できる範囲というところにこの優遇措置を行うという観点から、ただいま先生おっしゃいましたような「当該有料道路の存する都道府県及びそれに隣接する都道府県」というぐあいに規定したものでございます。
○二宮文造君 どうもその辺の考え方がね、要望があったからある程度それにこたえようというような感じがしてならぬわけです。わずか八万名でしょう、非常に体に故障があって苦労されている方です。とするならば、かゆいところに手が届くようなやり方にした方が私はいいんじゃないか。むしろ、やるのはやるけれども、ここまでだよというような、お上から何かたれる式な、そういうふうなやり方は私は好ましいとも思えませんし、全地域に広げてみてもどれだけの影響があるかということを考えますと、これはひとつ適当な機会にこういう枠は取り外すべきではないか。 同時に、それがゆえに非常にめんどうな手続が必要なわけです。たとえば、私のいま手元に、身体障害者有料道路通行料金割引証、首都高速道路公団。それから同じように山梨県企業局。それからまた今度は日本道路公団東京第二管理局。千葉県、千葉県道路公社。埼玉県、埼玉大橋有料道路。こういうふうに、この方々はしょっちゅうこれを持っていなきゃいけないわけです。とにかく通行料金の割引を受けるのに、まず、その隣接県に限っているというやり方、ここに一つ問題がある。 それから手続をするにしても、福祉事務所へ、あっちにもこっちにも、あっちにもこっちにも手続をとらなければ利用できないというようなことは、もうただでさえハンディキャップを持っている方々なんですから、私が先ほど申し上げたように、範囲も広げるべきであるということと同時に、交付手続の簡素化、割引証の統一、こういうことをして、こういう方々の御期待にこたえるべきではないか。大臣も実情を御存じなかったんじゃないかと思うのですが、どうでしょう、この問題について大臣の所見を伺って、私の質問を終わりにしたいと思います。
○国務大臣(渡辺栄一君) 私は身体障害者の会長でございまして、十分この経緯は承知をしております。やっぱり、私は、福祉のまず第一歩は身体障害者対策、これができないでは福祉は始まらぬというつもりでございます。 そこで、いま局長が御説明いたしましたように、昭和五十四年六月一日から実施をしたばかりでございますので、私どもは、できるだけ早く実態も掌握をいたしまして、お話しのようにやはり心の通う措置をとるように、この点は今後検討をいたしてまいりたいと思います。 手続の問題につきましては、当然のことでございますから、速やかに改善措置をとりたい、かように考えております。
○二宮文造君 ありがとうございました、明快な御答弁で。
○理事(茜ケ久保重光君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○理事(茜ケ久保重光君) 速記を起こして。
○上田耕一郎君 私は、中小建設業の問題と、それから池袋の戦犯記念碑問題、それから、きょうで三回目ですけれども、山王ホテルの問題、三つの問題について。 大臣も、所信表明で「中小建設業者の受注機会の確保にも十分配慮してまいりたい」ということを言われておられました。ことしの建設業界はなかなか大変で、特に中小企業に大きな影響が出ると思うんです。去年度の倒産件数は全部で一万六千件で史上第二位ですが、このうち建設業が四千七百余件で、全倒産の三割を占めているという状況になっているんですね。 こういう状況になってくると、大手と中小企業の関係が非常に問題になるんですが、大手はしばしば中小企業の分野まで不況になると仕事を取ろうとする傾向が出てくるわけです。たとえば大手企業四十六社が加盟しております日本建設業団体連合会の渥美会長、この方は、公共事業の細切れ発注をやめて、経済波及効果の大きい大型工事に重点を置いてほしいということを公然と述べておられる。また、中小企業が官公需の受注を拡大せよという運動が起きて、公共工事でジョイントベンチャーの企業能力に応じた仕事をというようなことまで述べているという点があるわけですね。御存じのように、発注標準でA、B、C、D、Eの等級がありますが、不況になると下位ランクのものを上位ランクのものが取るという傾向が生まれるので、これが取られないような指導をこれまで以上に強化してほしいと思うんですけれども、まず、その点について説明してもらいたい。
○政府委員(丸山良仁君) 中小企業の保護対策につきましては、われわれといたしましても絶えず心がけているところでございまして、毎年度、年度当初の発注の指導を行う場合には、次官通達をもちまして、まず、発注標準を遵守すること、それから契約予定金額に対応する等級より上位の建設業者を選定することは極力避けること、それから優良な中小建設業者につきましては上位の等級の工事も受注できるようにすること、また、なるべく分割発注をすること、あるいは中小と大手あるいは中小と中小とのジョイントベンチャーを組んでいただいて、なるべく中小企業が受注の機会が得られるようにすること、これらの指導を毎年強力にやっているところでございます。ただし、建設省の直轄事業は、事業の性格上、なかなか中小に向かないという面もあるわけでございまして、必ずしも思うような成果を上げておりませんが、逐年、中小企業が受注する割合は増加している傾向にあるように考えております。
○上田耕一郎君 なお、厳重に通達どおりやっていただきたいと思います。 官公需発注の一つの問題は、第一次石油ショック以来予定価格がかなり厳しくなった、中小企業がせっかく公共事業をとっても赤字になるとしばしば言われているわけですね。もちろん事業を安くできることはいいことなんだけれども、あんまりダンピングで粗雑な工事になると、これは国民にとって大きな問題なので、中小建設業の健全な振興のためにも適正価格による発注が必要だと思うんです。ところが、たとえば住宅公団のケースで、ほとんどの企業が一〇%から一五%赤字が出ていると言われていて、私も幾つか実例を知っておりますけれども、やっぱりかなり出ているんですね、中小企業がとった場合。これは適正価格発注という点から問題があると思うので、点検と指導がいま必要になっているんじゃないかと思うんですが。
○政府委員(丸山良仁君) 発注価格の問題でございますが、建設省所管の公共事業につきましては適正価格で発注するよう絶えず留意しているところでございまして、統一の積算基準というようなものをつくりまして、これは土木工事だけでございますが、適正な発注ができるようにしているわけでございますし、関係公団、公社等につきましても一そのような指導をしているところでございます。 いま先生のお話しのございました住宅公団につきましては、私も、そういうことを業界団体から聞いたことがございます。そこで、住宅公団を呼んで聞いてみたわけでございますが、住宅公団の説明では、必ずしも不適正な価格で発注しているわけではない、こういうことでございますが、何分にも住宅公団は非常に家賃が上がるということに注意をしているわけでございまして、なるべく適正な価格でやろうということからそういうことになったものと思いますが、そういうことのないように、適正価格で発注するように常々指導しているところでございますし、今後とも、その方針を進めてまいりたいと思っております。
○上田耕一郎君 言葉だけの答弁でなく、実際によく指導していただきたいと思うんです。 次に、官公需で、市町村の工事の中にいわゆる歩切りというものがあると言われているんですね。積算段階の予定価格から調整費と称してある一定額をあらかじめ差し引いて、それを入札のときの予定価格としているという点があって、ケースによっては一〇%の歩切りというところもあると言われているんですけれども、この歩切り問題をどう考えておられるのか、どのように是正する方針を持っておられるのか、お伺いします。
○政府委員(丸山良仁君) 直轄工事、県の工事等につきましては、そういう事実はないということをわれわれは聞いております。しかし、いまお話しのように、市町村工事について一部歩切りがあるということを聞いているわけでございまして、先般の土木部長会議におきましても、こういうことがないように厳重に市町村を指導してもらうようにお願いしたところでございますし、今後とも、その方針で指導してまいりたいと存じます。しかしながら、市町村の工事は直接建設省が監督権を持っているわけではございませんから、これはお願いをするということで、期間をかげながらそういうことのないように努力を積み重ねていく以外には方法がないのではないかと考えております。
○上田耕一郎君 指導通達を出すとかというようなことはできませんか。
○政府委員(丸山良仁君) 公共事業であって、建設省所管の公共事業であれば、指導通達は出せると思いますが、一般の発注権限は市町村独自の問題でございますから、建設省から指導通達を出すということは困難であろうと思います。したがいまして、この点につきましては、やはり自治省とも相談をいたしまして検討してまいりたいと思いますが、この場所で直ちにその通達を出すというお約束はいたしかねます。
○上田耕一郎君 自治省とよく協議して、実効ある措置をとってほしいと思います。 きょうの午前中にも議論になりましたけれども、最近の第二次石油ショック以後の資材の値上がり、これが大問題になっている。日銀の卸売物価指数が手元にありますが、これを見ますと、セメントが、去年の一月を一〇〇とすると、いま一一五、一割五分、それから生コンが一一二、アスファルトに至っては、この一月で一八六という二倍近い値上がりということになっているわけですね。 きょう、午前中、議論になりました請負契約の約款、これは憲法と言われているものですけれども、スライド条項、インフレ条項、これの全体の見直しはある期間をかけておやりになると同時に、当面、やっぱり措置が必要だろうという御答弁が建設大臣からありました。セメント、生コン、アスファルトなどが問題になると思うのですけれども、その点で具体的な当面の対策なんですが、新聞報道によりますと、中央建設業審議会で一応の結論が出た、単品物価スライド制のあれが出た。「スライド制を意味する一項を特約条項として加えようという結論で、具体的な条文作りは建設省にゆだねることになった。」という報道がありますけれども、大体、どういう特約条項を建設省として検討をしておられるのか、この点お伺いしたいと思います。
○政府委員(宮繁護君) ただいま御質問の点でございますけれども、今後の建設資材の価格の動向が非常に流動的でございますので、これに対応いたしまして請負契約上の特別の措置を緊急に講ずる必要があるということで、お話しのように中央建設業審議会において検討をしていただいております。法制小委員会をつくっていただきまして、 二月の十四日に、第一回の委員会をやっていただきまして、そこでいろいろ御議論が出ましたけれども、まだ結論に至っておりません。この委員会での結論をいただきました上で、早急に関係省庁とも協議をいたしまして、今後の措置について具体的な方向を検討してまいる所存でございます。
○上田耕一郎君 いま大体あれでしょう、こういう特約条項をつくらざるを得ないだろうという方向で、この小委員会の結論が出て、建設省として検討しようという方向ですね。 それでお答えできる範囲内で、このことは必ずなるだろうというんじゃなくて、建設省としてはこういう検討をしたいということがあれば若干お伺いしたいんですが、一番これまで問題になったのは例のあの十二カ月の工事期間ですね、これ以上のものでなきゃだめだという点と三%の足切りということが問題になったんですが、今度の特約条項は特に中小建設業のことを考えるわけだから、工事規模、工期、工事金額の大小にかかわらず適用する、それからまた特定資材に限るわけだから、三%の足切りは行わないという方向で検討しておられると思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(宮繁護君) いまお話しのように、現在のスライド条項では十二カ月以上というような大規模工事でございますので、中小企業の方は救済措置にならない。それから資材につきましても、すべての資材ということではなくて、備蓄のきく資材でございますと、このことを見越して仮に買い占めとか売り惜しみ、あるいは投機の対象になると困りますので、一応備蓄のきかない資材の範囲にしようというようなこと、あるいは足切り問題その他についてまだこれからどうするかということ細かい検討がございますけれども、大体いまお話しのような方向のもとに検討を進めております。
○上田耕一郎君 いまの備蓄問題が一つやっぱり問題になると思うんですけれどもね。あらかじめ買い占めておくのを防ぐと言うんだけれども、大体中小建設業が対象なわけだから余り買い占めておく資力がないわけですな。だから備蓄困難な資材だけという条件を余りつけますとアスファルトだけというようなことになりかねないので、中小にはあらかじめ買い占めておく資力がないので、そういう点、あらかじめ確保することが困難な資材と余り限定するのはいかがかと思うんですけれども、いかがでしょうか。 もう一つ、新規契約に大体適用するということになるわけだけれども、既契約でもまだ未着工の工事、こういうものには適用するということを考えるべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(宮繁護君) 一応、いま考えておりますのは、備蓄のきかない資材を考えております。それから中小企業等につきましては必ずしも資材を事前に購入する資力がないというお話でございますけれども、一部前金払いの制度もございますので、そういう点で手当てを現在もしていただいております。 それから、既契約分につきましては、これは大変むつかしい問題でございまして、価格動向を見越した上で発注したはずでございますので、現在のところ、それらの措置についてはむつかしかろうと考えております。
○上田耕一郎君 この特約条項は官公需に適用されるわけだけれども、民間契約の場合にも似たような問題があるわけですね。そういう場合、行政指導によってこれに準じて民間契約の場合にも生かされるようにすべきであろうと思いますけれども、どういうお考えでしょう。
○政府委員(宮繁護君) 民間の契約につきましては、それぞれ発注者と受注者で契約されたわけでございまして、それにとかく言う立場にないわけでございますけれども、公共事業につきましては、非常に硬直的だという御批判もあるように、予算でびしっと縛られておりますので、なかなか対応ができませんけれども、民間の場合は、わりあいお互いに話し合いの上で柔軟に対処し得る余地もございます。 〔理事茜ケ久保重光君退席、委員長着席〕 しかし、何と申しましても、こういった建設資材の高騰に伴いまして、中小建設業の方を中心にして建設業が困っておる実情でございますので、私どもは、民間の方でも弾力的に措置していただきたいと思って期待しております。
○上田耕一郎君 この問題で、もう一つ大きな問題は、特約制度が生まれると、それにつけ込んで資材の便乗値上げを図るという、これは大手の関係になりますけれども、それが出てくる。日経でも、運用を誤ると両刃の剣となる、これをやらぬと安易な値上げに火をつけかねないということが指摘されているわけですね。だから、同時に建材の値上げの抑制など、この特約条項が物価値上げの引き金にならないような措置を建設省としても考えなきゃならぬと思いますけれども、その点検討しておられますか。
○政府委員(宮繁護君) 建設資材の価格動向につきましては常に私ども注目いたしているところでございまして、いま地方に協議会を設けておりまして、これは建設省を初め資材を主管いたします各省の出先機関、それから府県、それから建設業者あるいは材料メーカー等も入っていただきまして、需給の調整あるいは価格動向を監視するというようなことをやっております。そういうことを通じまして、買いだめ、売り惜しみ、あるいは便乗価格の上乗せというようなことのないように十分注意いたしておるつもりでございますが、しかし、いまおっしゃいますように、この特約条項がどういうかっこうで実施されるかわかりませんけれども、できました場合には、問題を生ずる余地もないわけではございません。そういう意味では、先ほど申し上げましたように、備蓄のきくものについてはこれを適用いたしますと、先行き値上がりを見込みまして在庫を適正在庫以上にふやすとか、いろんな問題もございますので、その点、十分そういうことのないような措置がとり得るような中身のものにしたいと考えております。
○上田耕一郎君 標準請負約款の問題で、もう一つ内訳書の問題があるわけです。 全国中小建設業協会も、この約款についての改定の要望をスライド問題と内訳書と二つ挙げているわけですね。これはいろいろ長い経過があったようですけれども、たとえば小規模のものについてはなるべくやめてくれというようなことが業界から要望もあったという経過があったようですけれども、いまやっぱりこれずうっとやってきて、いまのところ大規模な土木工事契約の場合だけというふうにされていて、いろいろ問題が生まれているようですね。たとえば設計変更が起きても内訳書がないので、契約部分と変更部分とが明らかにならぬ、それで結局建設業者の方が泣く場合が多いというふうに言われていて、それでこの内訳書を小さな工事の場合にもぜひ出すようにしてほしいという要望が中小建設業界から出ているわけですね。施主と請負業者と対等平等でやるわけだから、業界がほとんど挙げて要求しているという点はそれなりの理由があると思うんです。その点でやっぱり対等平等の原則からいっても、業界の要望に応ずるという点からいっても、この内訳書問題は再検討が必要になっているんじゃないかと思うんですが、この点お伺いしたいと思うんです。
○政府委員(丸山良仁君) ただいまお話しの公共工事標準請負契約約款につきましては、昭和四十七年に改正されまして、それまでは内訳書をつけることになっていたわけでございますが、その際に、この内訳書の提出を義務づけないでよろしいということになりました。したがいまして、建設省におきましては、事務簡素化の観点等もありまして、昭和四十八年の四月一日から内訳書の提出を要しないものとしたわけでございます。 いまお話しのございましたように、最近、受注者側の方から内訳書の提出をもう一回復活してもらいたい、こういうお話があるわけでございまして、いまいろいろと検討しているわけでございますが、これにはいろいろ問題がございまして、たとえばアメリカなんかの場合には単価契約が主でございますから内訳書は必ずついているわけでございますが、日本の場合には総価契約でございますから、そういたしますと、内訳書を出せということになりますと、その内訳書の中で意見がまとまらない場合に、入札が落ちた場合に、それをどういうふうにするかというような問題もありまして、簡単に結論の出ない問題でございます。したがいまして、いま検討中ではございますけれども、いつまでにこれを直すというようなことはここでははっきり申しかねます。
○上田耕一郎君 これもひとつ業界とよく話し合って、双方納得のいく解決をぜひ出してもらいたいと思います。 それでは、次に、戦犯記念碑問題でお伺いしたいと思います。 これはかなり大きな問題になっておりまして、テレビでも新聞でも報道をされている問題ですが、サンシャインシティの一画の西巣鴨第二公園にA級戦犯の東条英機らの戦犯記念碑建設の計画が進んでいるわけです。これは非常に重大な問題だと思うんですけれども、まず、建設省にお伺いしたいんですけれども、右翼団体がこれを非常に要望しているわけですね、聖地メッカということを考えている。それでいままでも、いま金網が張ってあって入れませんけれども、参拝したりお酒を捧げたりしているわけですね。それで区議会にこの請願書を出した跡地保存会の鶴見さんという会長は、これが建てられた後、今後、献花、お線香台、こういうものの設置も要求していくと言っているわけですね。そうすると、あの広場の狭いところにその碑ができるんだけれども、そんなのができて右翼団体がメッカ、メッカと言ってそこにお参りをして、お線香を立て花を捧げというようなことになりますと、公園としての機能が失われるという根本問題がまずあると思うんですね。だから都市公園法が制定されているその都市公園という目的から見て、右翼団体がメッカと呼ぶような、そういう計画が果たして好ましいと思うのかどうか、これをまず建設省の立場からお伺いしたい。
○政府委員(升本達夫君) お答え申し上げます。 御承知のように、おただしの公園につきましては、三十九年の閣議了解で、東京拘置所敷地の一部を戦争裁判の遺跡として保存することについて了解のあったところでございます。その後、昭和四十一年に、都市公園としての都市計画決定を見たところでございますが、建設省といたしましては、ただいまのおただしの記念碑の設置につきましては、直接には関与はいたしておりません。財産の処分関係は、これは大蔵省の関係でございますけれども、公園の設計につきましては、都市計画決定で位置の決定をいたしておる以外には直接に関与いたしてございません。したがいまして、その記念碑がどのような形で具体的に設立されることになるのか、それがお話しのように設立後公園の管理に適正を欠くほどの状況をもたらすものであるのかどうか、その辺につきましては、私、現時点では判断の材料を持ち合わせておらぬということでございます。
○上田耕一郎君 あなたにいま判断してほしいというんじゃなくて、もし右翼がメッカだと言って、線香台とかなんとか、そういうふうな場合が生まれた場合に、公園としてふさわしいと思うかどうかということを聞いているんです。
○政府委員(升本達夫君) 現実にどのような状況が起こるか、その状況によって判断はさせていただく必要があろうかと思います。ただ、一般に、公園としては、御承知のように、かなりのスペースを持ったところでございますので、仮に、若干、お話しのような状況が一部に出ましても、そのことにより直ちに公園全体の利用管理について問題になるというふうには割り切りにくいのではないかというふうに、一般論としては、考えられるかと存じます。
○上田耕一郎君 先ほど建設省としては直接関与されてないと言われましたけれども、去年の十月、豊島区の区長がこういうものを出したわけですね。これには法務、大蔵、建設三省の合意による設計図となっているわけですよ。この碑の図面がちゃんとこうあるわけですね。この設計図について、建設省は、これをオーケーと関与したんですか。
○政府委員(升本達夫君) お示しの図面がどの処分にかかわるものであるか、私、ちょっと確認をしにくいんでございますけれども、昨年の十一月の時点で、当該個所が都市計画当該個所の都市計画事業として公園事業が行われるということの東京都知事の認可が出ております。恐らく豊島区から東京都知事の認可を申請する際に添付されたものか、あるいはそのために準備されたものかと思います。しかしながら、その公園の設計自体については、先ほど申し上げましたように、区から都への申請書であろうかと思いますので、私どもの方は直接拝見いたしたことはございません。
○上田耕一郎君 では、お見せしましょう。(資料を示す)去年の十月に区長が示したんです。こう書いてある、法務、大蔵、建設三省の合意による設計と、御存じないですか。
○政府委員(升本達夫君) このような形で当省の方へ御相談をいただいたことはございます。
○上田耕一郎君 それでは、大蔵省はいかがですか、この設計図。
○説明員(安部彪君) 大蔵省といたしましては、この問題につきましては、普通財産でございます東京拘置所跡地の所管官庁の立場といたしまして関与しているわけでございまして、先ほど御質問ございました碑の部分の利用計画書につきましては、法務省が作成いたしました素案につきまして、建設省の都市公園法上問題がないという見解を得ましたものを大蔵省の方で提示を受けまして、受け身の形で、そのままの形で了解しておるものでございます。
○上田耕一郎君 受け身だったと言われるわけですな。 法務省はいかがですか。これを法務省がつくって、三省の合同設計図だと言って区に渡したわけですか。
○説明員(増井清彦君) まず、お尋ねの中に戦犯記念碑という表現があったわけでございますが、これはまことに適当でないようにと思います。御案内のとおり、三十九年の閣議了解というものは、戦争裁判の遺跡として跡地を保存するというふうに言っているわけでありまして、戦犯の記念碑をつくって遺跡の保存を図るというふうなことは何も言っておりませんし、現に豊島区もそういうふうな方法で保存措置を講ずるということは考えていないのではなかろうかと思います。 なお、いまお示しになりました図面は、この都市公園約六千二百平方メートルあるわけでございますけれども、その計画図ではもちろんないようであります。 また、この都市公園の設置に関しまして、法務、大蔵、建設の三智で合意の図面を作成したということもありません。ただ、都市公園の敷地につきましては、その一部でございますが、閣議了解に基づいて保存する措置を講ずべきものとされておりますので、そのうちの遺跡部分についてのみ閣議了解の趣旨を説明する手がかりになるようなスケッチを便宜法務省で作成いたしまして、豊島区に示したことがございます。そうしてそのスケッチにつきましては、豊島区に示す際に、これは大蔵、建設の両省にもお示しした、それについて大蔵省の方は何も意見がないということであったし、建設省の方は、スケッチの後部でございますが、築地になっているのを生けがきにした方がいいんじゃないかという程度の意見であったということを伝えております。 ただいまお示しのその図面につきまして、私は見た記憶がございますが、それは私どもが渡したスケッチとは必ずしも同じではないように思います。 それから、合意書面と書いてあるそうでありますけれども、そういうものが記載された図面は見たことがございません。
○上田耕一郎君 ちょっと見てください。(資料を示す)大体、経過がわかってきたのですね。どうも法務省になかなか絵のうまい方がいらっしゃるようで、そういう遺跡の記念碑の絵もおかきになれる。それを、結局、区長は、法務省のスケッチと違うものを恐らく区の人がまたきれいに少し変えてかいて、それに三省合意による設計図と、これは事実でないですね。事実でないことを区議会に提示し、区民に知らせたということが明らかになったのですね。これは私は非常に大問題だと思いますね。区長が、区民の責任を持つ人として、区民、区議会に事実でないものを示して、それに基づいてこれまでいろいろ審議がされたり、反対、賛成でいろいろなったり大問題になっている。ところが、前提がこれ違うのですから、前提が事実でないので、これはやっぱりぼくは全部いままでの経過というのは区長の大きな責任で、きょう区長はいらっしゃらないのですけれども、まず根底がひっくり返っているというように思うのですね。 それで、さて、法務省がこのスケッチをいずれにせよ区長に見せた、区側に見せたと言われるのですけれども、その根拠は、先ほどから建設省も言われ、法務省も言われております十六年前の閣議了解ですね。閣議了解というのは、どうなんでしょう、自治体、たとえば豊島区を厳しく拘束できるものなんですか、その点、法務省の見解はいかがですか。
○説明員(増井清彦君) 閣議了解と地方自治体の関係につきましては、私どもからお答え申し上げるのはいかがと思いますので答弁を控えさせていただきたいと思いますが、私ども、国の機関といたしましては、閣議了解事項の内容を当然尊重すべき立場にあるわけでありまして、地方自治体から閣議了解の趣旨について問い合わせがあった場合には、当然、これに対して一応わかっていることはお答えすべきであろうというふうに思います。
○上田耕一郎君 ここに法務省の便せんで、豊島区からの照会に対して法務大臣官房秘書課長千種秀夫氏の名前で区長にあてて返事が出ている、「現在なお効力を有する」と。参考として、この閣議了解事項は、現在なお効力を持っていると考えられるので、「東京都市計画西巣鴨第二公園の建設に当っては、右閣議了解の趣旨は、十分尊重されるべきものと解します。」というのが法務省の便せんで出ているんですよ。あなたはこの建設委員会で答弁を差し控えたいと言われたけれども、差し控えるどころじゃなくて、区長にはこういうものをちゃんと参考として渡しているでしょう。これはどういうことなんですか。
○説明員(増井清彦君) 閣議了解の効力につきましては、これはそれを変更する閣議了解がその後行われていない以上、当然、有効であろうと思いましたので、法務省としては、そのような質問に対してはそういう回答を差し上げているわけであります。 後段の、尊重されるべきであるかどうかという点でございますが、それは直接閣議了解が豊島区を拘束する関係にあるというふうには言っていないわけでありまして…
○上田耕一郎君 つまり、希望を述べたわけですな、尊重されてほしいと。
○説明員(増井清彦君) 豊島区の方から、閣議了解をすでに承知していて、それを尊重すべきであるかどうかというふうなお尋ねがありまして、それに対して、そのとおりであろうと、こういうことでお答えしたにすぎないわけであります。
○上田耕一郎君 大分わかってきました。つまり、これは尊重されるべきだと考えているけれども、自治体を厳しく拘束するものではないということですね。それを法務省としての見解としていま承りました。 さて、一般的に閣議了解というのはそういうものなんですが、法律書を読んでみましても、閣議了解というのは、本当は主任大臣でできることなんだけれども、他の閣僚にも一応了解をとっておいた方がいいという程度のものが閣議了解になる。閣議了解の中には閣議決定と同じようなものもあるけれども、決して法律と同じように厳しくないものもあると。ここに法令用語辞典がありますが、「閣議決定に準ずるというような法律的意味まではもたないもの」もあるということがちゃんと出ております。一般的に閣議了解はその程度のものなんですけれども、この閣議了解というのは一層私は大問題だと思うんですね。 この七月三日の閣議了解、発議者はだれですか。
○説明員(増井清彦君) 当時の法務大臣及び大蔵大臣でございます。
○上田耕一郎君 当時の法務大臣は賀屋興宣氏です。大蔵大臣は田中角榮氏。この二人の発議でこの閣議了解ができた。賀屋興宣氏という方はA級戦犯で無期刑に処せられた人物。御本人がA級戦犯で無期なんですよ、その人が法務大臣になった。このときに七つの団体がいろいろ陳情して、法務大臣として受けたわけですよ。その七つの団体のうち二つ、巣鴨会と遺族会は賀屋さん自身が会長なんですよ。自分が会長で陳情しておいて法務大臣で受けて、しかもA級戦犯で無期に処せられた人ですね。その人が田中角榮氏と二人でこの問題を閣議に持ち出してきた。賀屋さんは「戦前・戦後八十年」という著書の中でそのことを自分で認めています。「私は法務大臣当時、この跡地の保存ということについて閣議の承認を得ている。」と。御自分が極東裁判で無期刑を受けて、それでそれを保存することを自分で持ち出すというのは、これは考えられぬことですね。サ条約の十一条で極東裁判の尊重というのは日本は条約上の義務を負っているんですね。それを御本人のA級戦犯だった人が持ち出して閣議で了解をとる。これはもう本当に私どもは国際問題でもあると思うんです。 最近、ジャパン・タイムズにオランダ人が投書を出しました。この人はビルマで自分のお父さんが日本の軍人によって殺された人だ。日本へ来てみたら、東条の記念碑が建つというのを読んだ、ジャパン・タイムズで読んだんですね、もう考えられぬことだというので怒った投書が載っています。それぐらい私はこれは大問題だと思うのですね。 そういう一般的に閣議了解というものは押しつけるべきものでないのに、こういう日本の民主主義、平和の根本問題にかかわるような、私は率直に言って誤った閣議了解だと思うのですけれども、これを押しつけるということは全く許せないと思うのですね。いま法務省はこれを押しつけるという考えは持っていないという点をお答えになりましたが、さて、そこでそうなりますと自治体ですね、区議会並びに区長が自主的にこの問題をどう処理するかということになると思うのです。 大蔵省に関係が出てくるのは、大蔵省の国有地を無償貸し付けするということになっているわけですね。公園として無償貸し付けするということになっているわけだが、記念碑建設というのは貸付条件になっているんですか。
○説明員(安部彪君) 大蔵省といたしましては、公園を貸し付けするに当たりまして、個々の公園施設につきまして個別に用途指定を付するということは一般的に行っていないわけでございまして、したがいまして、この国有地を無償貸し付けするに当たりましても、公園施設ごとに用途指定を付すというような形での条件は付してございません。しかし、私どもとしましては、豊島区の方からこの碑を含めた形で利用計画書を添付して無償貸付申請が行われているわけでございまして、当然、その貸し付けする前提として碑が設置されるということになっているわけでございますので、三十九年七月の閣議了解の線に沿ったものだと判断いたしまして無償貸し付けしたものでございます。したがいまして、この戦争裁判の遺跡保存という点につきましては、この無償貸付契約締結に当たりましての重要な要素であると判断いたしておりますので、当然のことながら設置していただくというふうに理解しているわけでございます。
○上田耕一郎君 重要な要素であると考えていると、貸付条件にはしていないけれども。 豊島区の高沢土木部長は、区議会でこれが問題になったときに、再三大蔵省に問い合わせたところ、大蔵省から閣議了解を尊重して碑をつくらなければ無償貸与はできないと言われたというふうに言われているのですね。だから、表向きのたてまえと実際にあなた方がやっていることは違うのですよ。大蔵省も、これは重要な要素なのでこれを建てなければ無償貸与せぬぞというようなことを行政指導されておる。法務省の方も、押しつけることはできないなんて言いながら、碑文までつくっているんですからね、碑文の表と裏全部書いてある、法務省の便せんに。碑文もあなた方が大体案をつくって渡したわけでしょう。そういうことを自治体にやっている。その結果、こういう大問題になっているわけですね。 いま豊島区の区民が、区民だけじゃなくてやっぱり世論も大きく注視しておりますけれども、豊島区が自治体として自主的にこれは決めなきゃならぬ問題になっているわけです。もし、どうですか、都市公園をちゃんとつくる、この碑は保留になるか、とにかく建たないということを豊島区が自主的に行った場合、無償貸し付けを取り消すとかなんとかいうことになりますか。契約条項あるいは法律上どうなっていますか。
○説明員(安部彪君) 利用計画の変更につきましては、この国有地の無償貸付契約書によりまして当局の承認事項になっているわけでございますけれども、御案内のとおり、軽微な変更についてまで承認ということにしているわけではございません。 その利用計画の変更が軽微なものと言えるかどうかという点につきましては、個々具体的に判断をすることになるわけでございますけれども、本件貸付契約について申しますと、戦争裁判の遺跡として保存するということは、これは重要な変更だということで承認を要するものというふうに考えております。ただ、その保存を前提といたしまして、碑文とか、それから碑の形態、それから碑の位置等の若干の移動というようなものの変更につきましては、これは軽微なものでございまして、当局の承認事項とはなっていないというふうに解釈しているわけでございます。
○上田耕一郎君 わかりました。 この契約を見ますと、第九条の3に「使用目的の変更を伴わない場合」つまり公園は公園でいいわけだ、「利用計画を変更しようとする場合には、事前に変更する理由及び変更後の利用計画を書面によって甲に申請し、」大蔵省ですな「その承認を受けなければならない。」というわけですね。ですから、問題は、豊島区が自主的にこの碑は建てないということになると、これは軽微な変更と大蔵省は認めないと、重要な要素なので。その碑を建てないという計画変更の申請が出れば、その際に、それを検討するということですね。
○説明員(安部彪君) 私どもとしましては、豊島区は、国の立場をやはり理解していただきましてこの国有地の無償貸付契約を締結されておりますので、それを建てないというような形での承認申請があるとは考えていないわけでございますが、仮にそのような申請がございました場合には、大蔵省としましては、閣議了解がございます以上、なかなか承認することはむずかしいとは思いますけれども、いずれにしましても、その時点におきまして法務省と相談した上慎重に対処することになろうかと思います。
○上田耕一郎君 大体問題点がわかりました。 閣議了解ということがやっぱりあなた方お役人だから頭にあるようですけれども、先ほど申しましたように、この閣議了解の性格そのものが賀屋元A級戦犯だった法務大臣とそれから田中角榮、いま刑事被告人ですね、このお二人が発議してつくったもので、サ条約あるいはポツダム宣言等々にかかわりのある大問題だ。しかも法的にはこれが自治体を拘束することができないというものなので、世論の動向に従って、憲法の精神に従って、その承認申請が出た場合には、大蔵省として検討してほしいというように考えます。 それでは、次に山王ホテル問題に移りたいと思います。この問題も、私、これまで二回質問しておりまして、きょうで三回目なんですけれども、事態はいよいよ重大になっております。 私、最初に質問いたしましたときに、防衛施設庁の作原第一課長は「住民の御理解を得、かつ建設されることを強く期待しておる」と、住民の理解を得て建設したいというように答弁されておりました。ところが、区長もあっせんに出たんですけれども、このあっせんは不調で、住民側からもこのあっせんはだめだということになっています。で二月の八日に東京都の紛争予防条例に基づいて「お知らせ看板」を立てたいということになって、それで住民との間で話し合いになり、安立電気の菊池総務部長が話し合いがまとまるまではこの看板を設置しないということを八日に約束された。ところが、二月の九日に、この総務部長が指示をして清水建設がこの看板を出してしまったわけです。私、ちょうどその日の夜、現地に行きまして、私も清水建設の所長その他ともいろいろ交渉したんですけれども、そのまま押し切られたということで大問題になっておりますが、大体、この建築紛争予防条例、紛争を予防するという条例に基づいてやった看板が、こういう約束さえ破って設置されて、紛争がさらに激化しているという状況になっているわけですね。 これは東京都の条例ですけれども、こういういまの状況について、一般的に建設省としては、この環境問題として、いままでの事態の経過も何回も私ここで質問してまいりましたけれども、どのようにお考えでしょうか。
○政府委員(関口洋君) 私どもの立場は、先生も御案内だと思いますけれども、建築基準法を所管するという立場から、御相談がありましたときに回答を申し上げたというのがいままでの経緯でございます。 繰り返しになりまして恐縮でございますけれども、現在の都市計画法による用途地域あるいは建築基準法の枠内での建築物の用途あるいは形態の規制、こういった点から、いま、昨年の六月に防衛施設庁から御相談のございました建設計画の内容につきましては、建築基準法の規定に適合しているんではないかというふうに私どもは判断をいたしております。 それ以外の件につきましては、お建てになる方と地元の方との間のいろんな折衝事であるというふうに私は理解をいたしております。
○上田耕一郎君 こうして事態は強行着工に向かって走りつつある、住民との間でも真っ向から対立する事態に進んでいるわけです。 私は、こういうふうになってくると、やっぱり原点に戻って考えなければならぬと思うんですね。原点の一つは、いま赤坂にある山王ホテルなるものがいかなる実態か、使われている内容がですね、それが最大の問題なんです。住民はやっぱり環境問題あるいは風紀問題、それから犯罪問題、これを一番こわがっているわけですから。防衛施設庁、これまで何回も私聞いたんですけれども、一体、どういう実態かというのをなかなかあなた方は御存じない。ベトナム帰りの兵隊が泊まったことがあるかと言うと、わかりませんと言うんですね。一体、どういう使われ方をしておりますか。犯罪あるいは風紀、これについて全然大丈夫だというふうに確信を持ってこの委員会で保証することができるかどうか、実態についてお伺いします。
○政府委員(森山武君) 御承知のように、現在の山王ホテルは、米軍、軍属、それらの家族等の短期宿泊施設及び在日米軍の会議あるいは私ども政府機関との会議等に利用されているわけでございますけれども、先生の質問がちょっと大き過ぎてなかなかお答えしにくいのでございますが、一般的に言いますと、現在の山王の運営において、特にあそこが風紀が乱れておるというふうな風評とかあるいは警察の指摘とか、そういうものを受けておらないし、現在の山王ホテルがそのような状況にあるというふうには私ども認識しておりません。
○上田耕一郎君 いま軍人並びに軍属、その家族が泊まると言われましたね。そこで、実は、大きな問題がある。 三者会談というのがずっと続いているわけです、防衛施設庁と安立電気と住民とですね。去年の五月二十五日の三者会談、これはテープが残っているんですよ。ここで防衛施設庁の説明は、泊まる資格のあるのは将校だということを言っているんですよ。これは名前は米軍士官宿舎となっていますけれども、将校じゃないんですね。その後、例の照明弾をぽんとやったでしょう、あれは一等兵だったんだ、十九歳の。そうしますと、今度はそれを初めて認めるということになるんですけれども、去年の五月に、将校が泊まる、だから余り問題は起きないというふうに住民に説明していた。事実です、そこはテープがあるんだから。頭からやっぱりだまそうとしていたんじゃないですか。知っていたんですか、将校以外の軍人、兵隊、軍属、家族、みんなが泊まっているということ、いつからそういうふうに変わったか御存じですか。
○政府委員(森山武君) ただいまの上田先生の御質問は、確かに防衛施設庁側の説明不足というか不勉強もありまして、これはただいま先生が御指摘されました三者会談におきましては、実は、テープを聞いていただけばわかると思いますけれども、五十四年五月には答えておらないわけです、施設庁は。ただ、先生のおっしゃる中身はございます。中身はございますといいますのは、安立電気側、建築主側で士官しか泊まらない、行儀の悪い下士官は泊まらないんだというふうなことを御説明して、そういう説明は防衛施設庁から説明を受けたと、こういう説明を確かにしてございます。 それから、私どもの方に住民の方がいらしたときには、実は、泊まらないという言い方はしておりません。これまた事実と反するといいますか、ちょっと事実と違う部分があるのでございますが、将校の随伴者等が泊まるとか、そういう言い方で、一般兵が泊まる資格があるという説明はしておりません。ただ、信号弾事件というのがございますね、あれ以降兵も泊まっているじゃないかというふうなことで調べ直しまして、これは間違いであったというふうなことで、たしか三者会談としては三回目かと思いますけれども、そこで発言者等が陳謝いたしました。それから第六回目か何かにうちの玉木長官も出席いたしまして、まことに悪かった、そういう不勉強だったことが、というふうなことを申し上げています。 それから——ちょっとよろしいですか。
○上田耕一郎君 時間がないんで、なるべく早く。もうそれでいいですわ。
○政府委員(森山武君) 五十年ごろから一般兵が泊まれるようになりました。
○上田耕一郎君 そうです、五十年からなんですね。 私、山王ホテルのパンフレットをもらってきました。いま照明弾事件があって、あわててあれ兵、が泊まっていたかなと思って調べたって、そこはけしからぬですよ。この山王ホテルをあそこに建てようという計画をずっと安立のところに進めていて、照明弾事件が起きて初めて——それまでは将校だと思っていたんでしょう、これにちゃんと書いてあります、歴史があって、昔は佐官級が泊まっていたと。一九七五年に山王はそのドアをすべての階級に開放したと書いてある。私は、これを調べるだけじゃなくて、実態も調べました。これを見ると、安いですね。ツインの部屋で一人当たり日本円で大体二千円ぐらいから泊まれるようになっているんですね。シングルで三千円ぐらいからでね、非常に安いんです。実態を調べると、これは大変なものです。基地が少なくなって利用回数が減って赤字になってきたので、七五年から一般米兵にも開放するようになった。いま日本人でも結婚式やパーティーで使用できると。 週末、アメリカの祝祭日は非常に多くて、キャンプ富士、横田、横須賀などからアメリカ兵が東京見物がてらに集団で来る。バスを仕立てて希望者を募って来る。座間、グアム島からも来る。家族連れも来る。一般兵士に開放したんでもう品位が低下して、いまは将校クラスは余り泊まらなくなった。それで風紀はすごいというんですよ、中に日本人がたくさん働いているんですから、私たち実態をよく調べました。もうツインを予約して、十人も何十人も連れ込んで夜中じゅうどんちゃん騒ぎをやる。素人の日本人を連れてくる。主にディスコとかクラブで知り合った日本人のお嬢さんだとか女子大生、中には高校生もいる、中学生までいる。朝までどんちゃん騒ぎだというので、こういうものがもし港区なんかへ行ったら大変だと、反対運動が起きるのは当然だとみんな言っているんであります。盗みもひどい、暴力ざたもすごい、黒人の白人に対する暴行事件なども起きている、傷害事件もあるというんですね。 こういう実態を恐らく防衛施設庁は全然つかんでないでしょう。こういう実態をつかまないで、それで将校だと思って将校ですと言って説明して、安立電気にも説明して、安立電気もそうだと思って住民に説明し、照明弾事件が起きたんで初めてわかる、それで陳謝する。そういうようなことが私はこの問題で大変なことになっていると思うんです。 部長はまだ実態をよく御存じないと思いますので、ひとつこの委員会に報告してほしいんです。利用実態ですね、将校・一般兵士の利用割合、ベトナム帰りの兵士が使ったことがあるか、これは当然あるわけです。ヘリポートからの利用回数、アメリカ大使館の利用回数、暴力事件の実態、暴行傷害事件の実態、盗難事件の件数、その処理状況、こういうものはちゃんと所轄の警察もあるわけなんで、日本人関係の事件はそこに報告があるはずだ。私ども今度要求したんですけれども、まだ資料が出てないんですけれども、やっぱりこういうものをきちんと委員会に報告して、住民にも大丈夫ですと言えなければ、あそこに建てますよと言えないでしょう。これはひとつ実態を、米軍とも協力し、警察とも協力して、至急調べて当委員会に報告してほしい、このことを要請したいと思います。
○政府委員(森山武君) ただいまの御指摘の御要望の点のうち幾つかここでちょっと釈明したいと思いますが、ベトナム帰りの兵士の宿泊というのは、御承知のようにベトナムにおけるアメリカ軍の撤退というのが四十八年三月末でございます、撤退完了がですね。それで、大分古いことで、私どもは調べて……
○上田耕一郎君 もう時間がない、簡潔に言ってください。
○政府委員(森山武君) それで非常に確認できないと、結論的に言うと、そういうことでございます。 それから、兵士、士官の数でございますね。これも山王ホテルではそういう区分をした統計をとってないので、最近の私どもが特に調べてもらった去年の三カ月の数字がございます。こういうので、その後わかります数字を報告さしていただきたい、こう思います。 それから、犯罪その他については、私どもの役所としましては、民事上の損害賠償というふうな形で防衛施設庁を経由したものの詳細はよくわかります。ただし、犯罪その他の件数等につきましては、私ども実は警察に聞きました。聞きましたけれども、数件しかございません。ですから、その警察に聞いた範囲内のものをお答えしたいと思います。
○上田耕一郎君 特に土、日曜ですね、部長、もしこれを本当に住民に押しつけるつもりなら御自分で行って見てごらんなさい。日本人でも行けるのですから、あそこは。いいですか、見て、そして大丈夫だと、これは日本人にあの港区の住宅地域にこれを建てて大丈夫だと。私は全責任を持ってやれるということをごらんになってから言ってほしいと思うのです。ひとつ実態をぜひ御自身で見ていただきたいと思うのですが、調べていただきたい。お約束を願います。
○政府委員(森山武君) 実は、私、前に首席連調官という米軍との交渉関係のポストについていたことがございます。そういう関係で昼間はずいぶん行っておりましたが、夜の方はたまにパーティーとか会食につき合う程度でございまして、私の行っているときにはそういうことは一切見受けられなかったのでございますが、せっかくの先生の御指示でございますので、一度土、日というときに行ってみたいと思います。
○上田耕一郎君 私は、この問題のもう一つの原点は、やっぱり日本の自主性の問題だと思うのです。 この前の委員会で申し上げました。この前の委員会で、作原第一課長は、私の質問に対して、例の三条件というのがございますね、ヘリポートから自動車で十五分とか、その三条件の前提を崩せばあるいはあるかもしれませんとお答えになったのですよ。つまり、最寄りの駅から十分、ヘリポートから自動車で十五分、それから大使館に近い、この三つの条件を米軍が出していると。これは私はだから占領直後に接収されたときと同じ条件を三十何年たって米軍から言われて、そのままはいと言っている、これが大問題なんだと。この三条件を外せば安立以外にあるでしょうと言ったら、あるかもしれませんと答えられた。これが大問題なんですよね。 私、きょうは、もう一つ別の資料を出したい。一九七一年の五月にアメリカの上院のサイミントン委員会で、この米軍ホテル問題が議論になっている。最後にポール次官がこう言っているのです。「もし、日本側がそのように提案し、用意を整えてくれるならば、ほとんどすべての、または全部の施設を移転する用意があるという立場を常に日本政府に対してとってきた。」これは山王ホテルだけの問題じゃない、基地問題ですよ。アメリカ側は、日本政府がちゃんとやってくれれば基地を移してもいいんだという態度をアメリカの上院のサイミントン委員会で次官がちゃんと答えているのですよ。 それで、この米軍ホテルは、旧安保のときに、一時使用と永久使用のうち、一時使用だったんですね。一時使用のものはほとんど返還されて、今度資料要求しましたら、一時使用で残っているのはこの山王ホテルと横浜の冷蔵倉庫たった二つだというのです。この一時使用はほとんど返されて、たった二つ残っている。アメリカ側は住民との関係を一番問題にしていて、住民との間にトラブルが起きるのを一番いやがっているわけですよ。サイミントン委員会の議事録を読んでごらんなさい、全部書いてある。こういう基地についても日本側がちゃんとやれば移ってもいいと言っているのです。 結局、日本側なんですよ。日本政府が、米軍の言うとおり全面占領と同じやり方でヘリポートがすぐそばのところというので、それで押しつけようとしている。そうじゃなくて、三条件を外せばできるわけだから、三条件を外して——国有地はいっぱいあるわけだ。一つのホテルぐらい、あんな住民の静かな環境のところに何も持っていって住民とこういうトラブルを起こして、そしてこういう風紀問題まで大変起きそうなものを何も持っていかないでいいでしょう。私は、アメリカ大使館にも行こうかと実は思っているのです。アメリカ大使館でも本当に住民とこんなになっているところにホテルをつくってこれでいいと思わないはずですよ、一番そういうのはこわいわけだから。アメリカ側でさえ一番困るようなやり方で、あなた方は自主性を放棄して無理やり押し通して強行着工しようとして、看板まで立てて、うそまでついてやろうとしているんですね。 最後にお聞きしますけれども、私が最初にお聞きしたあの看板を立てる問題ですね、住民側が、二月十二日に、安立の本社の菊池総務部長に抗議に行ったとき、防衛施設庁の指示、防衛施設庁とも打ち合わせの上でやったということを答えている。住民と話し合いをつけないで、あの看板を立てろということを防衛施設庁としては安立電気に言ったんですか。それとも安立電気からどうしましょうかと言ったときに、結構です、もう住民とオーケーでなくても立てるのに防衛施設庁で異議ないということを言ったんですか、ちゃんと答えてください。
○政府委員(森山武君) また先生のおしかりを受けるかもしれませんが、実は、いろいろ経緯がございまして、そこに至るまでの、結論的に言いますと、私どもは節目節目には安立電気から相談も受けております。したがって私自身も電話で報告は受けております。結論だけです。ただ、そこに至るまでの経緯は、八日の夜から朝方にかけまして、代表者会議をお互いに三人ずつ出して、九日一日置いて十日にやろうじゃないかというふうな持ちかけをしまして、それが断られた結果として、もう仕方がない、こういうふうに判断をしたものでございます。その以前の経過もございますけれども、それは省略いたします。
○委員長(大塚喬君) 上田君、時間が参りました。
○上田耕一郎君 もうこれで終わります。 恐らくこの問題は安保条約の問題があり、政府があり、大きな政治問題なので、部長さん御自身がすぐここで返事をする権限もお持ちでないことを私もよく知っておりますけれども、やっぱり日本国民のためなので、ぜひ日本の政府の立場で、日本人の立場で、この問題がどういうふうになっているのかを、あなたの役職ということだけでなくて、よく検討して、大臣にもあなたの意見を申し上げる、根本的にこの問題を解決するためには、港区のあの静かな住宅地に持っていくのは非常に無理だと思うということを勇気を持って提議するという良心的なお仕事をぜひ期待したいと思うんですね。その期待を申し述べて、質問を終わります。
○栗林卓司君 まず、建設大臣にお尋ねをしますけれども、先般、公定歩合の第四次引き上げがございましたけれども、これと絡めて住宅金融の貸出金利はどういうことになるのか、まだ正式には決まっていないように伺っておりましたが、現在の状況をお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(関口洋君) 失礼でございますけれども、私から現状だけ御報告さしていただきたいと思います。 まだ、先生御指摘のとおりに、いわゆる公定歩合の引き上げが行われただけで、財投金利がどうなるか、その辺私どもは何も聞かされておりません。したがいまして財投金利に連動して上下する部分がどういうふうなことになるのかいまわかりませんけれども、もし仮に財投金利の引き上げがある場合には、やはり大蔵省と相談して所要の措置をとらなければならない。ただし、普通の法定されております金利口、これは主として個人住宅建設融資、先生御案内の五・五%の口でございますけれども、これはいまもうすでに法定上限の枠内にきておりますので、これについては心配をしてない、こういう状況でございます。
○栗林卓司君 いまの局長の御答弁で、現在の状況はわかったんですが、個人住宅について五・五%、これを、法定条件ということもこれあり、上げることは考えていない、一応そう理解してよろしいですか。
○国務大臣(渡辺栄一君) お答えいたします。 実は、新聞にもちょっと出ておりましたようでございますが、今回、公定歩合の引き上げが決まりましたので、私は、閣議におきまして大蔵大臣にも御要望申し上げまして、資材の高騰もございますし、経済の先行きの見通しもきわめて不明確でございます。それで、とかく住宅建設というものが戸惑いがちな環境でございますので、公定歩合の引き上げが決まりましたけれども、長期プライムレート等はまだ決まっておりませんが、そういうような情勢の中で、極力、住宅関係の金利の引き上げはひとつ抑えていただきたい、少なくとも住宅金融公庫の個人貸し出しの問題につきましては据え置きにしていただきたい、なお、民間の住宅ローンにつきましても、できる限り上げ幅は少なくしていただきたいと御要望いたしまして、大蔵大臣も一応御了承いただいておると思いますが、その後の記者会見等で御承知のような経過をたどっておりますが、まだこれは正式に決まったわけではございませんので、期待はいたしております。そういうような状態でございますので、私といたしましては引き上げ幅は極力少なくしたいし、住宅金融公庫の個人貸し出しにつきましては据え置いていただきたい、こういう方向で努力をしたいと思っております。
○栗林卓司君 大変ごもっともなお言葉でございますし、ぜひ家を建てるという庶民の気持ちからすると、そうしていただきたいということだと思うんですが、いまの大臣の御答弁に水をひっかけるつもりは毛頭ありません、毛頭ありませんが、いまわれわれが直面している問題のむずかしさに照らして、こういった検討もしておく必要があるんではなかろうかということでお尋ねをするわけです。 今回の公定歩合はどうやってインフレを抑制するかということで第四次引き上げになったわけですけれども、インフレといいましてもすべての物が同じように上がるんではなくて、恐らく上がるとすると、需給関係が大変詰まっている、しかも供給がなかなか行き届かない、そういう品物に集中的に値上がりが出てくる、こう見るのが普通だろうと思います。そこで、いまの大臣のお言葉のように、住宅ローンあるいは住宅金融公庫を含めて金利は抑えてまいります、でき得べくんば横ばい、こうとった場合に、土地価格に対する影響というのはどう見ていったらいいんだろうか。
○政府委員(山岡一男君) 土地に対しますそういうふうなものの影響につきましては、住宅建設のトータルが問題になろうかと思います。 最近の住宅着工の状況を見ますと、民間資金によります着工戸数はここ三十四カ月間にわたりまして連続して対前年同月比で減少を続けております。一方、住宅金融公庫の融資を中心とします公的資金によります住宅がこのような穴を埋めると申しますか、下支えをすると申しますか、ということで、年間、大体百五十万戸の水準で推移しておるというのが最近の状況のように思っております。したがいまして、トータルの戸数が著しくふえるということではないと思いますので、そういう意味で地価に対しまして今回の公定歩合の引き上げ等が直接に影響する、もしくは公庫の金利の据え置きが直接影響するというようなことはなかろうというふうに思っております。
○栗林卓司君 現在の地価の水準というのは、いまおっしゃったように、民間の住宅建設が従前に比べて水準が低くなってきた。したがって地価は下がってきたということがあるんなら別なんだけど、地価は依然として強含み、値上がりを続けているわけですね。ですから、建設動向ではなくて、宅地の供給との見合いでどうなっているのかということだと思うんです。 今回、たとえば金利を横ばいにする、あるいは上げ方を若干抑えるということが直接響くとは私思いませんよ、思わないけれども、政策の整合性の問題としてちょっとおかしくなりはすまいか。先ほど国土庁長官もほかの委員の質問にお答えでございましたけれども、土地は値上がりをするという期待感を地主が持っている限り問題解決はできない、問題は土地は値上がりしないかもしらぬし値下がりするかもしらぬというような状況をどうやってつくり出していくのかというのがいま国土庁が一番悩んでいる点だと思うんです。その面でいきますと、住宅金融について仮に横ばい、民間の住宅ローンの方もきわめて少ないという状況というのはやっぱりちょっとまずいかなという印象をお持ちではないですかと聞いているんです。
○政府委員(山岡一男君) 現在、私ども先生のおっしゃいますとおり、住宅地の供給が不足しておるということが一番の悩みでございます。その場合に、住宅の用地等につきましてはいずれも懐妊期間がございます。したがいまして、現在直ちに建つ家の用地が供給されるということよりも、やはり二年先、三年先に現在の土地の流動化されたものが実を結んで出てくるというのが実情であろうかと思います。したがいまして、そういう目で見ますと、最近の税制の改善、それから公的、民間の努力等によりまして、私どもの手元にございます限り、過去五十年、五十一年、五十二年取引件数が二百五十万件ということで横ばいで推移いたしてまいりましたが、五十三年度に二百六十五万件、五十四年度は二百七十六万件というふうに流動化が起こってまいっております。これらの中でそういうふうなものが一年先、二年先にだんだん供給されてくれば、私どもは土地の供給に大いに効果を上げるんじゃないかと思っておるわけでございます。 最近のそういうふうな金利の関係だけではなくて、いろんな指標が土地についてはあると思います。その場合に、たとえば銀行の貸付率の点につきましては、今回の公定歩合の引き上げによりまして、約定金利が十二月で七・〇六ということでございましたが、それが一層上がってくるのではないか。それから住宅ローンは昨年の後半から新規貸し出しが減少に転じておりますが、それがさらに続くのではないか。それから不動産の貸出残高も五十四年の当初は一三%ぐらいでございましたが、十一月、十二月は六%台にまで減っております。さらに先ほど申し上げましたように、住宅建設の着工につきましても、民間と公的が相まってとんとんの住宅が従来と同じぐらい建ってきておるという状況でございますので、そういう意味から言いますと、直ちにそういうようなものが影響があるかなという感じはいたさないということでございます。
○栗林卓司君 いまの土地取引の実態をどう見るかということだと思うんですけどね。 でインフレといいますと、釈迦に説法ですが、二つあるんだそうです。一つは、何かといいますと、われわれが経験している値段がすいすい上がるインフレなんですけども、もう一つ抑圧インフレというのがあるんだと学者は言っていますね。どういうことかといいますと、全体主義の国ですと定価で動いていますから表づらは物価上昇ってないんです。しかし、インフレ現象はある。その場合、インフレがどう出てくるかということになりますと、たとえて言うと行列をしないと物が買えない、粗悪品しか出てこない、売り惜しみ、買い占めがある。それを抑圧インフレと言って、全体主義でなければ普通のインフレ現象になるんだけど、全体主義で規制しているものだから正常なインフレにならない。私は、いまの地価というのは、どっちかというと抑圧インフレの姿をとっているんではないんだろうかと思うんです。 たとえば土地税制にしても、四十八年、大変な土地の値上がりを背景にしながら規制立法をつくりました。したがって、あの税制の中で転がしてもうけようといっても、よほど値上がりがないとちょっと無理ですね。したがって取引についても片っ方では厳密な監視がある、だから投機がないということはいまの税制ではあたりまえのことだと思う。そこで何が起こるかというと粗悪品、ミニ開発です、たとえて言えば。これだって、いまおっしゃった土地の流動化の中には入るんですよ、統計としては。したがって流動化があったからいいっていうんじゃなくて、ミニ開発で流動化して本当にいいのか。じゃ買い占め、売り惜しみがないか。 いまの宅地供給で、建設白書五十四年度版を見ますと書いてあるんだけれども、とにかく土地問題で一番困っている問題点を三つだけ挙げてみると、一つは、大規模宅地開発、これができるかどうかは大口の土地所有者が土地を売ってくれるかどうかにかかっている。二番目が例の関連公共公益施設整備の問題、三番目が開発業者の開発意欲の問題。いままさに土地問題はこれなんだと白書に書いてあるんですが、最初の一番、土地を売ってくれるかどうか。そこで、いまの状況を見ると、いまお答えのようにそうそう楽観的にはなれないんではないかと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(山岡一男君) その点は、先生のおっしゃるとおりだと思います。税制等の改善だけでそういうふうに土地がだんだん出てくるということはきわめて少ないと思います。そういうふうに過去におきます税制は、どちらかと言いますと、移動を抑制するような税制でございましたが、それを流動化ができるような税制にまで改善をしていただいたとわれわれは思っておりまして、そういうものを前提に公的、民間が努力をして宅地の供給をふやしていくということが今後の努力目標であろうかと思います。したがいまして税制だけで売り惜しみに対して対策を講じておるというふうには考えておりません。
○栗林卓司君 そうすると、いまどういう対策を、たとえば国土庁とすると、お持ちになっておるんですか。
○政府委員(山岡一男君) いまの公的、民間によります住宅地の供給促進、それから再開発等につきまして、これは主として建設省の守備範囲で御努力願っておるところでございますが、われわれ国土庁といたしましては、やはり目下のところ、たとえば三大都市圏で一番問題は何かと検討いたしますと、市街化区域内農地の活用ということが残された道じゃないかというふうに考えております。 特に市街化区域内農地の保存の状況等について調査をしてみましたが、これは首都圏だけの例で見ますと、DID地区の中に五〇・二%が入っております。それから、さらに住居系の地域、一種住専、二種住専、住居地域という中に九〇・四%が含まれております。その中で何がしかの公的な事業もしくは民間の事業等が着手されているものは一〇%ばかり、九割ばかりは何も手がついていないというような状況でございます。 したがいまして、私ども、そういうふうな農地の転用がなぜ行われないんだというふうな原因を究明いたしまして、やはりある程度、農民の皆さん方の御意見を伺いますと、これは一部の営農は残したいという希望のある方も相当いらっしゃると思います。そういうものを含めて流動化のための一つの手段といたしまして、長い都市計画の中でダイナミックな立場である程度の期間を持った目でそういうふうなものを一部営農を認めながら、そういうふうな宅地化を行う手はないだろうかという道を現在模索中でございまして、関係者にいろいろ御意見を承っておる段階でございます。
○栗林卓司君 建設大臣にお尋ねしますけれども、所信表明を拝見しますと、宅地の供給について触れておられまして、そこでその肝心な場所だけ読みますと「宅地供給を促進する見地から、土地税制の改善を図ってまいりたいと存じます。」で私の質問は、土地税制だけではとてもだめですねといういまやりとりをしていたんですが、これだけで終わりにされますと、じゃどういう宅地供給対策を建設省としてお考えなのかわからない、補足をしていただきたいと思います。
○国務大臣(渡辺栄一君) お説のとおりでございまして、私は、土地税制は緩和と言う人もありますけれども、これは重課をいたしましたときのもとの姿勢に若干戻すということである、それは宅地供給促進策の総合的な施策の中の一環というふうに考えておりまして、もちろん税制だけでできるなどとは毛頭考えておりません。そういう意味では、この税制の今回のある程度手直しをいただきます機会に、それを含めた一環としての総合政策を進めたいと思っております。 そういう意味では、第一番に、公的機関による計画的な宅地開発を進めてまいらねばなりませんし、今回の統合の機会もございますから、宅開公団、住宅公団の統合を図りまして、住宅・宅地の開発とあわせまして、いわゆる都市整備も進め、再開発の実施の手足もつくっていきたい、こういうふうに思っております。 それから民間の優良な宅地開発、これが非常に最近細ばっておりますから、これに対しましても政策金融その他を進めてまいりたいと思っております。 なお、五十五年度は五割増、九百億ということにいたしましたが、関連公共公益施設の補助、これも大いに進めまして、地方でネックとなっておりますが、地方公共団体あるい宅地開発等の機関とのトラブルその他を少なくし、円滑に推進できるようにしたいというふうに思っております。 もう一つの問題は、今度の国会に法案をお願いしたいと思っておりますが、都市再開発を進めまして宅地等の供給が促進できるようにしたいと思っております。それと同時に、かねていろいろ御意見が出ておりますが、都市計画法の中の調整区域の線引きの見直しの問題をさらに進めてまいりたい。特に、東京都は従来余りやっておりませんけれども、先般都知事とも話し合いをいたしまして、これを積極的に進めていただこうと思っております。これらの施策を今回の税の問題とあわせまして総合的に進めてまいりたい。 同時に、私は、やっぱりなかなかむずかしい問題がございますけれども、市街地内の農地というものがある程度宅地に推進できませんと、なかなか宅地の供給というものは実際として困難でございますので、これは進んで農家の皆様が御供給の願えるような方途を考えてまいりたいと、ただいま建設省におきましては次官を中心とする分科会をつくりまして、関係団体等とも直接話し合いをいたしまして、従来の制度の見直しを含めまして積極的な検討をいたしておりますから、これは国土庁のお考えになっておりまする諸問題もございますが、それらとあわせまして私ども努力をしたい。これらを通じまして私は宅地供給の拡大を図っていきたい。そういう意味では税制も有効な一つの要素をなすものである、かように確信をいたしております。
○栗林卓司君 いまのお答えで大体それぞれ尽きているんだろうと思うんですが、ただ、事いまになりますと、そう伺っただけではだめだなあと、おっしゃっている御本人も恐らくそうお感じだろうと思うんですが、いつやるかは別にして、いよいよ政治的決断の時期に来てしまったのかなあという実感が本当に濃いと思います。 これは三全総のいま見直し作業を国土庁でやっておりますけれども、そこで、「新全国総合開発計画における土地問題に関する問題点」というのがありまして、最後の結びのところで大変おもしろいことが書いてあると思いますのは、新しい土地需要に応ずるためには、既存の土地利用形態の転換を図る以外には方法がない。日本は狭いし人がたくさん住んでいるし、人がいままで別な目的に使っていた土地をよこせと言って借りていくしか日本ではしょうがない。それをどうやってやるのか。これを国が広いとそう波風立てないでやっていけるんでしょうが、日本ではとてもそういうぐあいにいかない。しかも、これまで戦後三十年、土地はもうかるもんだというのでみんな信じている。ですから、ここのところをどうするかなんですね。 いまの市街化区域の農地の場合もそうなんですけれども、そこでずっと親子代々農地をしたいんだということもよくわかる理屈なんだけれども、ただ、そこでずっと農業をやるということははたと関係ないわけです、明治時代の人口三千万だったころと同じようにやっていただいて結構だ。いま一億一千万、この一億一千万のほかの人たちが生きようと思って死にもの狂いに働いたおかげがいま今日の経済水準。そうなったら、そこで農業をやるのは結構だけれども、こっちの果実、経済の成果まで、それはおれも欲しいというのはいかにも不都合ではないかということをやっぱりもう言わなきゃいけないんじゃないだろうか。 市街化農地の宅地並み課税も国会で決めました。御存じのとおり、地方に参りますと全部しり抜けです。で各公共団体はどうかというと、旧住民が結託をしまして、わしら新住民は要らぬのじゃと、こうやっているわけでしょう。しかも、人口は二千万人間違いなくふえる。しかも土地問題というのはこれこそ懐妊期間が長いもんですから、いまから手をつけておかないと間に合わないという面で、改めて伺うんですが、どこに突破口を見つけてやっていかれますか。
○国務大臣(渡辺栄一君) これは先ほど申しましたように、総合的な施策を推進しなければならぬと思っております。だから、御言葉ではございますけれども、都市再開発というものも、従来は御承知のように都市ビジネスセンターあるいはステーション、そういうものを中心でやっておりましたけれども、今度は宅地開発、住宅の促進という観点から再開発をやろう。しかも、このために新しい法律を今回はお願いしたいというふうに進めておりますし、線引きの問題もいろいろ言われておりまするけれども、ある程度の実態は上がっておりますけれども、しかし、もう足元の東京都ですらもそれをやっていなかったわけでございます。そして調整区域の線引きのものも、宅地という問題を中心にしてこの線引きの問題を考えていこう、こういうふうに私はやっぱりいままで言っておったことと同じような言葉であっても、中身は相当違っておるというふうに私は思っておるわけでございますし、あるいはまた関連公共公益施設もようやく一千億をちょっと切れるところまできたわけでございまして、そういうような意味からいきますと、私は、内容におきましては相当な前進が見られると思っております。 ただ、宅地並み課税の問題は、国土庁からもお話がございますように、これは五十七年までは手をつけないということになっておりますので、これはやむを得ませんけれども、しかし、私どもはそれにかわるべき措置も考えたいし、国土庁はそれなりにまたお考えになっておるわけでございますから、私どもは、そういうような政策を総合的に推進いたしまして、ぜひともこの宅地供給の拡大というものも実現してまいりたい。しかし、これはどこまでいきましても、日本が置かれておる宿命的な非常に狭い国土で非常に人口密度が多い、それだけに土地に対する執着が大きいということは否定できない事実でございますから、そういう宿命の上に立って私どもは最善の努力をせねばならぬと思います。 それで、先ほど私は申しませんでしたけれども、今度の税改正も単に長期譲渡所得の問題だけじゃなしに、買いかえ制度も実はつくっておりまして、これが中高層住宅を促進するに役立つ場合は買いかえ制度もひとつ認めよう。また、細かいことを一々申し上げる時間がありませんけれども、私は、公営住宅の建てかえもございますけれども、いわゆる民間の木賃アパートの建てかえにつきましても、現地も見、早速都知事ともお話をいたしまして、積極的に進めていきたいということでございますから、これらの施策を総合的に強力にひとつ推進をいたしまして、ぜひとも宅地供給の拡大は、国土庁ともよく御連絡をいたしまするけれども、ぜひとも実現をするように努力をいたしたい、こう思っておるわけであります。
○国務大臣(園田清充君) 共管的に私どもが土地、地価対策を進めてまいらなければならない問題でございまして、ほとんど建設大臣から大体内容的には御答弁があったとおりでございますが、御指摘のとおり、一つは、端的な表現で申し上げますと、三大圏に人口の約半分が集まっている、あとの九割のところには過疎現象ができておる、そうした国土の高度利用という問題から、私どもは定住構想も進めるという姿の中で、三大都市圏における土地の政策をどう進めていくかということを考えてみますと、非常にむずかしい問題ではございます。しかし、御指摘のように、やはり問題は、今日いろいろ税制の問題についても御批判があることは、今日まで土地はもうかるものだという国民的な観念が今回の税制の改正に対しても一応の批判になってあらわれているんではないかと思います。 ただ、そこで、やはり長期的な姿の中で私どもが考えていかなきゃならないことは、私自体の個人的な考え方をするならば、税制というものは朝令暮改であってはならないという考えも一つございます。そのために、土地というものが持っていればもうかるものだという国民的な思想を変えるような抜本的な考え方というものに取り組み、検討し、そして実現に向かって進めなければならないのではないかということで、事務当局にも、当面の問題としては、憲法上の問題いろいろ制約がございます、しかし、長期的な国土の高度利用と、同時に今度は当面している都市圏における宅地の供給という問題を絡めた場合には、御指摘のとおり、買い占め、売り惜しみ、これをなくするということを基本的に頭の中に置いて問題を検討してほしいということで事務当局に検討を指示しておる段階でございますので、何とかひとつ御趣旨に沿うような、また国民的な願望にこたえられるようなことを可能な段階において進めてまいりたいというふうに考えておりますので、御協力をお願い申し上げたいと思います。
○栗林卓司君 ぜひそれぞれ御努力いただきたいと思います。 あと補足的に御答弁の中から幾つか伺いたいと思うんですが、一つは、関連公共公益施設費、今年度も予算がついてやっているわけですが、問題なのは、もともとの発端というのは余り建ててもらいたくないという気持ちが自治体側にあるものですから、過剰品質になっている。限られた土地をどう有効に利用して人に健康な暮らしをしてもらうかという点で考えると、一部に大変過剰品質の住宅地ができて隣がスラムだというのはいかにもぐあいが悪い。そこで、聞くところによりますと、大体五割ぐらいしか実際には事実上の宅地じゃなくて、あとはもう道路、公益施設等で埋まってしまうんだということも聞くんですが、あの基準について、建設省として、各地ばらばらの宅地開発指導要綱ですけれども、それについて基準を示しながら、それを整理をしていくということに取り組む御予定はございますか。
○国務大臣(渡辺栄一君) 具体的なことは後ほど局長から答弁をさせますが、基本的に申しますと、これはやはり地域のいろいろな整備の問題上、最小限度やむを得ない問題も私はあると思いますけれども、行き過ぎについてはやはりこれは是正をしていかなきゃいかぬわけでございますけれども、そういう意味で昨年渡海建設大臣のときに自治省ともいろいろお話し合いをいただきまして、ある程度適正にこれが運営されるような事態がすでに軌道に乗っておると私は思っておりますし、そういう方向で、過大な負担を押しつけまして、それが宅地開発にいろいろな悪影響を残したりコストにこれがかさ上げをされたりしないようにということにつきまして、いろいろ配慮をいたしておりますが、具体的なことは局長から御説明をさせていただきます。
○政府委員(宮繁護君) お答えいたします。 いま大臣から御答弁がございましたように、指導要綱、これは各公共団体がそれぞれ自主的に地方の諸条件を加味した上で決めまして、関係業者と話し合いの上で行政指導をする一つの手がかりにしておるわけでございます。これにつきまして何らかの基準を設けてはというお話でございますけれども、団地規模も違いますし、それからその地域の公共事業の整備水準等も違っておりますので、一概になかなか実は基準が決めづろうございます。 基本的な考え方といたしましては、根幹的な公共施設は地方公共団体が整備すべきであろう。ただし、公共団体の整備のプログラムよりテンポを速く先行的に整備しなきゃいけないような場合には、一時開発業者で立てかえまして、それを長期の割賦で公共団体からお支払いいただくというような方向が望ましいであろう。それから、きわめて地域住民、そこに住む住民の生活に密着した施設につきましては、やはりある程度そこに入居する人の負担となりますけれども、開発業者の方が負担する方向が基本的な方向であろう。こういう点につきまして一部の地方公共団体でかなり重い負担をさしておるところもありますので、大臣から先ほどお話がございましたように、去年建設大臣と自治大臣が協議をいたしまして、そういう行き過ぎた負担を求めておるような指導要綱につきましては見直しをしていただく。現在、各県にもお願いいたしまして、地方公共団体のそれぞれの開発指導要綱をよく見ていただきまして、是正をすべく努力いたしておるところでございます。
○栗林卓司君 関連公共施設費につきまして、政府の方が予算化して援助をするというときに、大体あの負担というのが地価に直して三割から四割、ひどいところは五割ということになっているものですから、あれだけをやっただけでも相当地価の水準は下がるはずだという議論は、われわれもしましたし、政府の側からもあったと思うんですが、去年ずっとやってきて、その面での成果というのは果たして出たのかどうかについてはいかがですか。
○政府委員(宮繁護君) この関連公共公益施設の補助を別枠でかなりの金額を出すことによりまして、当然、地方公共団体の負担も軽減いたしますし、それから開発業者の負担も軽くなりますので、地価の安定にかなり効果はあると思いますけれども、数量的には、なかなか団地の規模も違いますし、先ほどちょっと申し上げましたように、既存の公共諸施設、公益施設の整備水準も違っておりますので、一律に申し上げることは非常にむずかしゅうございますけれども、現在、こういった調査を実施いたしております。それで、きわめて大胆に、大ざっぱに言いますと、数%の価格引き下げ効果、これは明らかにあるんじゃなかろうかということでございます。
○栗林卓司君 これは意見として申し上げておきますけれども、前々から、実は、民社党で言ってるんですが、今回九百億の予算化をしたといっても足りないんじゃないか、また足りないということのほかに出し方の問題がありまして、地方自治体がなぜそんなにいやがるかというと、その気持ちもわかるんです。小学校から全部一そろい、一家族分つくらないとこれは応対できないわけですから、それを言われたんじゃとても財政がもたない。それをそこの地方公共団体に負担させるというのは、確かに十年ぐらいすれば固定資産税で返ってくるという理屈はありましても、なかなか現実の資金繰りには間に合わない。となると、それは開発業者に負担させるといっても、問題は、先ほど申し上げましたように、開発業者が開発意欲を失ったらこれはもう卵を生まないメンドリと同じで、一体、だれが開発をするんだということになってしまいますし、従前のように土地が上がっているときにはよかったんだけど、これからはその気力も体力もなかなかにない。そうなると、やっぱり国が相当負担をすべきだし、負担の仕方というのは、それによって地方債を出すとすると、利子補給ぐらい全部国が見る。そうなると、あと地方債を出した分の借金の償還はいずれ公団の固定資産税で返ってくるわけですから、その辺の配慮をした方がよりこれは直接生きるんではないか、かねて申し上げてまいりましたし、今回も重ねて申し上げておきたいと思います。 あともう一つは、高層化によって密度の高い利用をしたいというお話が大臣からございました。そこで、その高層化なんですが、実は、東京都の出している「東京の土地」という資料を見ますと、土地の値段が上がってしまったんで、これはもう密度の高い利用をするためには高層住宅あるいは高層の事業所をつくるしかない、そこで新宿に何本も建てちゃった。あっちこっちにできちゃった、はっと気がついてみたら、それは夜はゴーストタウンだ、あれで町なんだろうかという反省から、いまの容積率を見直して、やっぱり高層化をするにしても限度があるんではないか、容積率を引き下げよと書いてある。 私は、全く同感なのと、それから事業所の場合を別にしまして、人が住む住宅の場合、一体最高何階までつくったらいいのか。エレベーターで上がらなければ自分のフロアまで行けないところに子供を持っている世帯が住むというのは果たしていいんだろうか。ある専門家に言わせますと、それは君ね五階だよと言うんです。五階というのは大体消防車のはしごが届く距離です、で歩いて行けるんです。もう五階以上になったら、それは暮らしを営む場所ではない。私は専門家ではありませんからよくわかりません。ただ一つ言えるのは、これまでは土地の価格が高くなったから、したがってこうすることによって単価を安くしようということでしのいできたんですが、果たしてそれはよかったのかどうか。 で資料を拝見しますと、いま土地の値段が上がると言って大騒ぎをしているけれども、これはやがて鎮静化すると書いてある。なぜかというと、もう買い手の手に届かなくなる、したがって結果的に鎮静をする。いずれその局面にいくんなら、この容積率の見直しも含めて、高いことはいいことだということだけで建築政策を進めていいんだろうか、まだまだ間に合うと思いますんで、この点についてはどうお考えですか。
○政府委員(関口洋君) 非常に専門的な見地からのお尋ねでございますが、私ども、住宅の立場から申しまして、十数階のものをつくった経験がございますけれども、その場合に、小さなお子様を持たれている世帯の方はやはり相当御不自由をなさっておるというふうに聞いております。したがいまして普通の大人だけの世帯であればそれで十分間に合うわけでございますから、それはどういう方に入っていただくかというあらかじめのプランを立てる際に十分考慮して、それで先生お話しのとおり、いわゆる中層にとどめるものと高層化してもいいもの、こういうものを選別しながら今後計画を進めていかなければならぬだろう。 たとえば多摩ニュータウンで御説明いたしますと、あそこに先生が見られた場合に、かなりいろんなタイプの住宅を供給しております。で今後はできるだけ団地内においてはああいうふうにいろんな種類のタイプの家をそろえて、それで国民全般の需要にこたえるというような立場から建物の高さ、その他を考えてまいりたい、かように考えております。
○栗林卓司君 それではやっぱりまずいと思いますんでね、これだけ地価が高くなってまいりますと、それ以上はつくりたくてもつくれないというやっぱりある制限を建設省としてはお決めになる必要がある。いまの容積率ですと、あの新宿ののっぽのやつも建つんですよ。違いましたか——じゃ、それは後で結構です。そこで、ある基準を国として決めておく必要があるでしょうということで申し上げたわけです。 それでもう少し言いますと、三全総の見直しの中の一節をとりますと、前段がこうあるんですけれども、かくかくしかじかによって「従来から国民感情の一つとして認められてきた「庭付一戸建の持家」中心の居住観念を新ためて考え直さなければならない時期にきていると言わざるを得ない。」これもまさにその時期だと思う。ということは、これから提供する高層住宅というのは、むずかしいかもしれないけれども、庭つき二月建ての生活感覚にチャレンジできる質がないとだめだということなんです。それは何階の建物にするかということとも相絡みながら、それも含めて申し上げたわけです。
○政府委員(関口洋君) 先生の御指摘は、ある程度の高層の住宅を建てる場合も、いま御指摘ございましたように、庭つき一戸建ての感覚で建てられないかという御指摘かと思います。 それで新しいタイプのそういうものにチャレンジしましたのが兵庫県の芦屋浜で、実は、そういう意味合いから、一棟の建物の中にいわば共通のフロアを設ける階を設けまして、そこでできるだけ子供さんもちょっとした遊びができるように配慮すると同時に、いまそこの棟に住んでおられる方が語らいの場がそこで設けられるように、そういう工夫もいたしております。これが一般的かどうかという点につきましては、まだ普及の状況が少ないわけでございますが、これからはそういう観点も入れて建物の建て方も考えていかにゃいかぬだろうというふうに考えております。
○栗林卓司君 私は素人ですからわかりませんけれども、聞くところによりますと、ミニ開発のあのブロックをタウンハウスにかえると、共通の相当広いスペースをお互いにエンジョイしながら一・七倍の人が住めるようになるんだそうですね。ですから、それやこれやも含めて、これまでは資金をつけてやる、金利をつけてやる、あとはがんばれ、こうなっていたんだけれども、もう少し踏み込んだ建築、宅地も含めてですが、行政が必要になってくるんではないんだろうかと思います。 時間がありませんから、同じような性格の問題として国土庁長官にお尋ねしたいのは、担当でも結構ですが、あの所信表明を拝見しますと、「特に首都東京につきましては、首都機能の適正な配置を含め、長期的な観点から首都改造計画の策定を進める考えであります。」全くもっともでございまして、ある資料によりますと、七十五年、いまから二十年後ですね、七十五年になりますと、東京の人口は三千五百万人から八百万人にふえると。これは相当ふえないように苦労しながら、なおかつこの数になってしまうという数だと思うんです。そこで、とてもそんな人口は東京に入るものじゃないし、どうやってこれ対策を打ったらいいかということがかねての課題であったわけですが、では、この人口の問題も含めて、東京問題についてこうお書きになったということは何か具体案があるのかということです。
○国務大臣(園田清充君) 東京圏、特に東京は、御指摘のとおり、私どもが大学あるいは工業等の立地を抑制しても、なお自然増的なものでふえていくだろうということを想定いたしますと、今日の東京でさえ都市機能として麻痺状態にある、第一宅地の問題がある、当然それも一つだと思います。そうした状況の中で、このままで東京はいいのかという課題をやはり二十一世紀を展望しながら、国土庁としては国土づくりという観点から首都東京の改造という問題を含めて検討、ていくべきだということで進めてまいってきておるわけでございますが、ことしから大体三年ないし五年という期間を置いて、各方面の専門家の意見を聴取しながら、これを進めてまいりたいということでございます。 そこで、五十四年度は現況の把握ということで将来の展望を中心にいろいろ調査を進めておる。五十五年度には具体的な各種の政策提言をひとつ行ってもらおう。そして五十六年度末には構想素案と申しますか、これをひとつ提示して、そして自主的な作業に入っていこうというのが事務当局の計画でございますが、したがって、現在、その構想の内容を示せということでございますけれども、現状はいま申し上げたとおりで、なかなか全体をつまびらかにする段階にないということで御了承をいただきたいと思います。
○栗林卓司君 ブラジリアではありませんけれども、一つの新しい行政中枢機能を移して遷都をしようかと、仮にそうなったとして何年かかるとお考えになりますか。
○政府委員(伊藤晴朗君) 首都改造計画策定の段取りは、ただいま長官が申し上げたとおりでございまして、その中で私どもが計画課題として考えております幾つかの中に、御指摘の首都機能の移転という問題を、三全総の指摘もあるわけでございますので、これからの東京の将来を見通しつつ現実可能な方策を検討したいということで、いま作業に入っておるわけでございます。 実際問題として、現在の時点で遷都といったような問題につきましては、現時点では足を引っぱる要素もたくさんございますので、必ずしも遷都の方向にこの結論がいまの時点ですぐいくわけではなかろうかと思います。私どもといたしましては、これは先生もまた会員になっておられます各国会議員の皆さんの新首都問題懇談会において遷都、分都、展都、あるいは都を改める改都、それから都を休む休都、こういったいろんな政策の提言があるわけでございまして、私どもは、その幾つかの中で可能な組み合わせを幾つか選び出しまして、それのメリット、デメリット、そういうところの検討から入っていこうという段階でございますので、現段階で、遷都、たとえばブラジリアのような全面的な遷都というものの現実的な展開がどれくらいできるかというところまで詰めてはおりませんので、いずれにしても相当長期な問題ではあろうかと思っております。
○栗林卓司君 いまお触れになりました新首都問題懇談会ですけれども、そこで出た話題で本当に私びっくりしたのは、遷都といったら五十年かかるんだそうです。五十年というのは、あと二十年たったら三千五百万人という問題には焼け石に水でございまして、これはとってもだめだ、じゃ分都するかどうするか、それとてもやっぱりしかるべき時間がかかる。 だから、私がここで申し上げたかったのは、さっきの宅地の供給の問題も、これもそうなんです。かたかなで言えばパブリックアクセプタンスでしょうけれども、本当についてきてくれるのか、国民が従ってくれるために一体どうしたらいいのか、それがないとあとは全部デスクプランで作業をしただけまるでむだになる。筑波学園都市をつくっていま鋭意作業中ですけれども、この間聞いたんですが、筑波学園都市から東京を結ぶハイウェーで一番交通違反を起こすブラックリストはだれかというと大学教授なんだそうです。向こうに住まないんですよ、全部こっちに帰ってきちゃう、理由はというといろいろあるでしょうけれども。この辺のところから一つ一つほぐしながら、これは地方定住圏構想にも絡むんですよ、人間の気持ちの面から見て、一体、どういうやり方がいいんだろうかということをこれからはより入れていきませんとね。ですから、建設土木といって、しからばコンクリートにスチールかということで考えていくと、とてもこれはこれからはできなくなる。 その意味で、では首都東京の問題はどうするかというときに、いまからでも実は取り組める問題がないかといったら、あるのかもしれない。だれしも思いつくことは、東京から人口を減らそうと思ったら、公立、私立を含めて大学を全部出しゃいい。あれは特殊経済ですからね、大学というのは。あれが出ていったからといったって、下宿屋さんは困るでしょうけれども、それはまた対策を打てばよろしいのであって、相当数の人と敷地があいてくる、それを種にしてそれこそ再開発を進めればよろしい。ここまではみんな言うんですが、じゃ一体それをどうやってやるのか。 両大臣に私お願いしたいのは、それをどうやって進めるのかという、人間の気持ちに即した面で一つでも二つでも実現をしていただきたい。それは、ある大学教授が言っていましたけれども、地方に移ったら、官舎がべらぼうに大きくなって庭つき一戸建てだったというんだったら行く魅力はあるねとか、何かがやっぱりないと出ていかないですよ。それは一見むだに見えるかもしれないけれども、長い目で見たらちゃんと得になっているのかもしれないし、そういった意味で、所信表明でお書きになっていることはごもっともでございまして、ぜひやっていただきたいんだけれども、それを本当に進めていくために、裏づけになる人の気持ちの問題を一つでも二つでも任期中にやっていただきたいと心からお願いいたします。
○国務大臣(園田清充君) 首都改造の問題と若干絡むかもしれませんけれども、御指摘のとおり、実は東京だけで大学が二百六十六ございます。学生数が約九十四万八千ということで、そこで三全総の中にもうたっておりますし、また定住構想の中でもいろいろいま地方と計画策定についてお互いに意見の交換をしてみますと、かなり地方への大学の進出を熱望しておられるところがモデル定住圏の中にもたくさんございます。そうしたことで、私どもとしては、文化の地方進出、移転というのか、これを強力に促進するということで、過般、文部省と初めて大学の地方移転について——また、この時点で私どもが考えなければならないのは、明治の人たちは偉かったなという感じがするのは、教育の全国的なそれだけ分散を図ったということです。これを今日の新しい国土計画の中で考えるときに、従来の惰性の文部行政あるいは国土政策から一歩踏み込んで考えるべき時期に来ておるんだという気がいたしておるわけでございまして、そこで、文部当局にも、こうした地方の願望にこたえるようなことで、大学の地方進出について積極的なひとつ対策、考え方をとってほしいという要請をいたしたところでございます。 あわせまして、私ども国土庁としては、こうした地方の要望にではどうこたえるか、では大学はいかなる条件——いまおっしゃったような諸般の条件、希望があると思います。それらのものを、各大学から、もし地方に進出してよろしいという大学があるならば、私どものところにお申し出をいただきたいということで、大学係と申しますか、仲人的な役目を務めたいということで、国土庁の中にいま申し上げました係を設置いたしまして、そして地方への進出のお手伝いをするということで、これを強力に推進し、あわせて文部省にも強力な御協力を願いたいということで、現在、御指摘のようなことが都市政策の一環として、同時に国土政策上からもということで、できることならばということで大学の問題に手をつけ始めたというのが現在の状況でございます。
○国務大臣(渡辺栄一君) 先生からいろいろ傾聴すべき御意見を承りまして大変私ども感銘しておりますが、先ほども住宅局長が申しましたように、いろいろな努力をいたしておりまするけれども、これは現状から見ますと、地方は一戸建てがある程度推進できますけれども、三大都市圏等におきましては非常に困難になってきておる。これはマンションその他を考えなければなりませんが、そういう場合に、やはり余り高層なものには住みたがらないのではないか、これは外国の例でもはっきりしておるわけでございます。そういうようなことも含めまして、今後は真剣に努力をいたしたいと思います。 今度の国会におきましても、再開発資金の問題あるいは都市再開発地区建設計画、いろいろ検討してまいりました問題、法案としてお願いしておるわけでございますから、ぜひひとつ御協力をちょうだいしたいと思います。 最後に、いま国土庁長官からお話がございましたが、学校施設の地方分散といいますか、これにつきましても、当然、社会資本の充実がなければこれは潤いのある地域とはなりませんので、そういうような問題につきましては、政府の一環の仕事といたしまして、われわれも最大の配慮をいたしてまいりたい、かように考えております。
○委員長(大塚喬君) 本件に対する本日の質疑はこの程度といたします。 —————————————
○委員長(大塚喬君) 次に、公営住宅法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。渡辺建設大臣。
○国務大臣(渡辺栄一君) ただいま議題となりました公営住宅法の一部を改正する法律案につきまして提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。 公営住宅は、住宅に困窮する低額所得者に対する低廉な家賃の住宅として供給され、住宅政策上の重要な役割を果たしております。 現行の公営住宅法におきましては、同居親族のいない単身者につきましては、公営住宅への入居を認めておりませんが、収入が低額である老人、身体障害者等の居住の実情にかんがみ、これらの者については、単身でも入居を認めることが適切であると考えられます。 また、公営住宅建てかえ事業について、最近では、公営住宅の規模が拡大したことなどにより公営住宅の戸数についての施行要件を必ずしも充足できず、その円滑な施行が困難となってきておりますので、その戸数要件を緩和する必要があると思います。 以上がこの法律案の提案の理由でありますが、次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。 まず第一に、老人、身体障害者その他の特に居住の安定を図る必要がある者として政令で定める者については、同居親族がいない場合においても公営住宅に入居することができることとしております。 第二に、公営住宅建てかえ事業により新たに建設すべき公営住宅の戸数は、現行は除却すべき公営住宅の戸数の二倍以上であることとされておりますが、これを構造及び階数に応じ、一・二倍以上で政令で定める倍率以上であることとしております。 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。 以上であります。
○委員長(大塚喬君) 以上で趣旨説明を終わりました。本案の審査は後日に譲りたいと思います。 —————————————
○委員長(大塚喬君) 次に、委員派遣承認要求に関する件についてお諮りをいたします。 明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法審査のため委員派遣を行うこととし、その取り扱い等は委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大塚喬君) 異議ないと認め、さよう決定をいたします。 本日はこれにて散会をいたします。 午後四時十分散会