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91回国会参議院1980/04/14

決算委員会 第9号

発言数
236
登壇者
23
会派数
3
開催日
1980/04/14

会議録

志苫裕日本社会党

○委員長(志苫裕君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  去る四月十日、矢追秀彦君が委員を辞任され、その補欠として和泉照雄君が選任されました。  また、十一日、内藤功君が委員を辞任され、その補欠として沓脱タケコ君が選任されました。  また、本日十四日、藤川一秋君、永野嚴雄君、和田静夫君及び丸谷金保君が委員を辞任され、その補欠として、嶋崎均君、岡田広君、片岡勝治君及び山崎昇君が選任されました。     —————————————

志苫裕日本社会党

○委員長(志苫裕君) 理事補欠選任についてお諮りいたします。  和泉照雄君の一時委員異動に伴い理事が一名欠員となっておりますので、この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

志苫裕日本社会党

○委員長(志苫裕君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  それでは、理事に和泉照雄君を指名いたします。     —————————————

志苫裕日本社会党

○委員長(志苫裕君) 次に、昭和五十一度決算外二件を議題とし、建設省、国土庁及び住宅金融公庫の決算について審査を行います。     —————————————

志苫裕日本社会党

○委員長(志苫裕君) この際、お諮りいたします。  議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

志苫裕日本社会党

○委員長(志苫裕君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

志苫裕日本社会党

○委員長(志苫裕君) 大津留住宅金融公庫総裁は、後刻再び出席していただくこととして、一時退席してしただして結構であります。  それでは、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。穐山篤君。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 最初に国土庁にお伺いしますが、さきの予算委員会でも土地価格の問題が相当議論になりました。御案内のように国土庁によります地価公示というものも発表になったわけですが、大変昨年、一昨年に比べまして土地の価格が高騰をしております。この原因についてまちまちの説があるわけですが、国土庁として地価高騰の原因についてどのように認識をされておりますか、冒頭お伺いします。

園田清充自由民主党・自由国民会議国土庁長官

○国務大臣(園田清充君) 地価が若干強含みで動いていることは御指摘のとおりでございますが、特に全国平均で見てみますと一〇%、それから三大都市圏のうちで、なかんずく住宅地を中心としていま申し上げますとおり、かなり強含みの傾向で動いておりますが、地価が高騰している原因はどこにあるかということでございますけれども、大体私どもは地価が高騰する場合に三つの原因があると思いますが、一つは四十七、八年ごろのような投機的な取引、それから一つは効用増と通称私どもでは呼んでおりますけれども、たとえば交通体系が非常によくなった、あるいは近くにマーケットができたとかというようなことで若干の上がりを見る場合がございます。今回の場合に地価高騰の最大の原因となっておりますのは、需要に対して供給が不足をしておる、いわゆる実需の不足だということで政府部内の意見というのは大体調査の結果一致をいたしておるわけでございます。そこで実需の緩和ということが当面の私どもは地価対策の課題だというふうに考えておるわけでございます。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 全国平均で一〇%でありますが、東京、大阪、名古屋、特に神奈川とか千葉とか埼玉、いわゆる都市圏というのは平均より五ないし七%も高いわけですね。これは特殊な事情であるといりふうに見なければならぬわけですが、たとえば例を埼玉県にとってみますと、一般的な地価の値上がりということもさりながら、東京に近いということで通勤圏内であるということもプラスの要素としてあります。それからさらに、最近の直接的な問題として東北、上越の新幹線の建設というものがこれに付加されるわけでありましで、これは単に需給のアンバランスということよりもやや投機的な原因があるんじゃないかというふうに私どもは見るわけです。  それから名古屋の問題ですが、御案内のとおり次のオリンピックは愛知県名古屋でというふうなスローガンがあるわけですが、これを下敷きにしてややつり上げの傾向にある。言いかえてみれば、買い占め、投機の要素があるというふうに私どもとしては見ざるを得ないと思うんですが、その点いかがでしょう。

山岡一男国土庁土地局長

○政府委員(山岡一男君) 先生の御案内のとおり、埼玉県におきましては平均変動率で一七・六%ということでございまして、全国平均を上回っております。今回全国平均を上回りました都府県は七都府県でございます。その中でも埼玉県は第三位ということでございまして、確かに値上がりのひどいところでございます。ただ投機的な土地取引があるのではないかというお話でございましたが、私どもいろんな点を調べておりまして、目下投機はないというふうに思っております。  その第一点は、現在までに国土利用計画法が制定になりましてから以来、毎年二百三十七カ所ぐらいにつきまして、全国におきまして規制区域を指定するような状況はないのかというための事前詳細調査というのをやってまいっております。これによりますと、現在までのところそういう徴候はないという報告を受けております。  それからさらに、国土法によりまして届け出制度というものを励行いたしております。これは二千平方メートル以上の取引についての知事さんによります行政介入でございますけれども、その場合に利用目的というものも審査の対象になっております。その利用目的の対象から見ますと、資産保有等はきわめて少なくて、いずれも実需に即したものになっておるという点が第二点でございます。  それからさらに、今回の値上がりの状況を見ますと、東京圏におきましても名古屋圏におきましてもいずれも都心に近いところと申しますか、別なデータでいいます住宅が盛大に建っておるところというところの値上がりが著しいということでございまして、やはり住宅需要を半面といたします買い進み地区が値段が上がっているというようなことから見ましても、実需に基づくものであるというふうに見ておるわけでございます。  それらの点をもう一回検認をしたいということで、つい先日も、四月四日でございましたが、三大都市圏の都府県の部局長、指定市の局長等にもお集まりいただきまして、最近の地価の動向について懸念する点はないのかという点を詳しく御報告を受けました。いずれも投機的な土地取引は影をひそめておるということでございます。しかしながら、これにつきましては、先生おっしゃいますように、各種プロジェクト等の施行に伴ってそういうものが皆無であるかどうかにつきまして十分、監視をする必要がございます。今後におきましても十二分に監視をしていきたいと思っております。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 よく土地の価格についてはいろんな評価の方法といいますか、結果として評価が違うものが生ずるわけですね。たとえば固定資産税を支払うという意味で、その固定資産の評価額というのが一つにあるわけですね。それから私も経験があったわけですが、相続税という立場で土地が評価をされる、価格が決定をする。それから国土庁によります地価の公示というものによって一定の目安が掲げられる。  さて、最終的に消費者なりなんなりが土地を購入しようという場合には、その時期における実勢価格というもので価格が出てくるわけです。いずれも一つの土地を種類別に評価をしてみますと、ずいぶん価格が変わってきますね。そのうちの一つに国土庁の公示制度というものがあるわけですが、この公示制度の適否についてかなり業界からも意見があるいは注文があるわけです。公示制度がある方が目安があってよろしい、あるいは消費者のためにもあるいは地方自治体の都市計画の上から言ってみてもあった方がいい、こういう説を唱える人もありますし、いまは公示価格よりも実勢価格の方が現実に高いんだからもはや公示制度というのは要らないんじゃないかというふうな厳しい指摘もあるわけです。この点についての責任官庁としての御見解はいかがでしょう。

山岡一男国土庁土地局長

○政府委員(山岡一男君) 先生のお話のとおり、現在公的な土地評価といたしまして固定資産税の基準となるもの、相続税の基準となるもの、それから公示価格と三つございます。その間の関連でございますが、実は公示価格につきましてはまだ全国で四万四千地点ぐらいでございまして、それをやはり基といたしましてそれと比準をするというかっこうで運用されるというのが基礎になっております。  で、固定資産税とか相続税につきましてはいずれも十万地点とか三十万地点とかいうような地点数の多いところにつきまして路線価のもとになるものを決めるということでございまして、それぞれもう将来は地価公示と径庭を保つということが一番望ましいということで、三省間で毎年予算もとりまして連絡協議会等を持って勉強をいたしております。現にたとえば相続税でございますと地価公示と比べれば大体五ないし六割の水準にまで近づけるということで毎年検討がなされておるのが実情でございます。  それから、やはり実勢価格と公示価格が乖離をしておるんではないかというお話ございましたが、実はこの公示価格ができますころでございますが、その当時はやはりいわゆる店頭価格、呼び値価格というものが天下を支配をいたしておりました。どうもそれにもずいぶん差があったわけでございます。いかにも呼び値というのは一定をしておりまして固定しているように思っていらっしゃる方が多いわけでございますが、それぞれの業者がそれぞれの店頭に思惑値段を出しておるわけでございまして、これもいずれも径庭がとれたものとはわれわれ考えておりません。したがいまして、そういうものにつきまして一つの基準を与えるという意味からも地価公示が必要ではないのかというのが当時の議論でございました。  現在、地価公示の内容になっておりますのは、大体鑑定によるわけでございますが、鑑定の場合に三種類の手法を使っております。一つは取引事例法ということでございまして、その周りの実際に行われた取引の中から買い進みとか売り進みとかいうふうな特殊な現象を除いた正常な取引と思われるものを参考にする、これが一点でございます。それから収益還元法というのがございます。これはやはりそこが最もうまく利用された場合にはどのように地価に反映するはずかというものでございます。もう一つは造成原価法というのがございます。たとえば宅地見込み地等を周りの宅地と比べます際にどれぐらい造成費がかかるだろうかというものを地価に織り込むということでございます。それらのものを勘案いたしまして二人の鑑定士が鑑定をいたしまして、その鑑定の結果で差異がございますとそれについてやはり第三鑑定を行うというふうな厳しいものでやっておるものでございます。  したがいまして、私ども、実勢価格というものとの間に正常な取引、価格という意味で公示価格が存在しておるわけでございまして、いずれもその公示価格の運用に当たりましては、たとえば公共事業の用地買収、土地収用裁決の場合の裁決基準その他につきまして十分この地価公示価格を比べた基準にした価格というものをもとにしてやっておりますので、十分私どもは効果が上がっておると思います。しかしながら、今後の地点数をもっとふやすとか、それから地域の選定につきましてもっと検討するとかいろんな意味で地価公示の内容充実には今後も十分力を尽くしていかなきゃならないというふうに考えておるわけでございます。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 土地の価格が上がるということは一般消費者にとりましてもこれは経済的に負担の多い話です。それと同時に環境整備なり地域整備なり、それに当たります地方公共団体といたしましても、もろもろの経費がかかるわけですね。そういう意味でいきますと、地方公共団体も一般消費者と同じ立場ですね。いかにして土地の値段が上がらないようにしてほしい、あるいは土地価格を安定してほしいと、こういう気持ちがあるのは当然だと思うんです。  そこで、公式に出されたかどうかはわかりませんけれども、御案内のとおり、国土利用計画法十二条の発動を皆期待をしているわけですね。これは御案内のとおり、地価の凍結をしてほしいと、こういう十二条になるわけですが、東京にしろ、東京圏あるいは中部圏、近畿圏などのそれぞれの地方公共団体から特別にそういう要請というものはございませんでしょうか。

園田清充自由民主党・自由国民会議国土庁長官

○国務大臣(園田清充君) 局長からさっき御答弁申し上げたことに関連をいたしますが、実は、過般私どもはこの公示価格を発表いたしまして、以来いろいろな各方面からの御批判をいただいてまいりました。そこで、次官通達で、これは一番厳しいいわゆる依命通牒ということで三大都市圏の関係都道府県に対しまして、市町村に対しまして次官通達を出しますし、それからさっき局長が申し上げましたとおり、局部課長会議というものを緊急に三大都市圏、東京にお集まり願って、そしていま御指摘があったようなまず投機的な土地の動きはないのかということで自治体関係者と十分話し合いをいたしたわけでございますが、特に出てまいりましたものは、とにかく国土利用計画法の監視、指導ということを厳しくやってもらいたいということを私どもの方から要請をいたしましたし、各都道府県から、いま投機的な動きがないという国土利用計画法のいわゆる十二条の発動に適用するかどうかという問題につきましては、現状では自分のところにはそういう動きはないということでございます。ただし、国土庁といたしましてはこうした自治体の動向その他を十分連絡を密にしながら、いま御指摘があったように国土利用計画法の精神を生かしながら厳しい監視体制を続けてまいりたい、そしてなお、御指摘のような事態があったならば、私どもとしては十分これを発動する、指定をする決意の中で問題に対処してまいりたいと、かように考えておるわけでございます。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 建設省にお伺いしますが、仄聞するところによりますと、三大都市圏の市街化区域内の農地を対象にして本当の——本当の調査と言っては語弊がありますが、実態調査をことしは進めるというふうな計画があるというふうにお伺いをしているわけですが、その点いかがです。

宮繁護建設省計画局長

○政府委員(宮繁護君) 御指摘の調査につきましては、三大都市圏におきます市街化区域内に存在する農地につきまして今後の円滑な土地利用転換のための総合的な施策を講ずる上で必要な資料を得ることを目的といたしまして実施することにいたしております。五十五年度におきまして約一千四百万円の予算を持って実施する予定でございます。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 このねらいというのはどこにあるんでしょうか。

宮繁護建設省計画局長

○政府委員(宮繁護君) 調査の内容を簡単に申し上げますと、首都圏の市街化区域の農地のA、B、C別。それから規模別。それから周辺の公共施設の整備状況別の分布状況を調べること。なお、同じくこの首都圏の市街化区域内の建築物が建っていないいわば遊休地と申しましょうか、そういう土地につきまして規模別、それから周辺の公共施設の整備状況別の分布状況を調べること、これが第一点でございます。  第二点は、首郡圏以外の中部圏、近畿圏も含めまして三大都市圏の農地等の所有者の農家経営の実態、農地の過去における売却理由、面積あるいはまた今後の売却の動向等につきまして調査をいたしまして、今後におきますこの市街化区域内の土地の利用転換のための総合的な施策を講ずる上での資料にいたしたいと考えております。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 で、この調査を終えた後、当然調査をする以上は何らかの政策をつくる、政策を考えるということが将来展望としてあると思うわけですが、どういうことをお考えになっているんですか。

宮繁護建設省計画局長

○政府委員(宮繁護君) 現在、建設省におきましては事務次官を長とする委員会を設けまして、市街化区域内の農地につきまして、都市的な土地利用に転換するための総合的な施策等について検討いたしております。現在もたとえば住宅金融公庫の融資につきまして、ある程度低利の融資をして農地所有者に賃貸住宅を建てていただくとか、あるいはまた利子補給の制度があるとか、あるいはまた特別区画整理というような区画整理事業で補助金を出すというようないろんな方策を講じておりますけれども、こういった過去の施策も全部洗い直しまして、新しい立場で新しい施策を考えておるところでございまして、現在のところ、これこれというふうな具体のものまでいまちょっと申し上げられる段階にはまいっておりません。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 この問題の所管は建設省ですから、とかくのことを言うつもりはないんですが、国土利用全体の立場からいえば国土庁も関係ありというふうに思うわけですが、本調査について、あるいは本調査を踏まえて将来何らかの政策を打ち立てるということになれば国土庁も関係ありというふうに思うわけですが、これは建設省と国土庁では十分御相談の上でこういう調査に乗り出すということになったんでしょうか、いかがです。

山岡一男国土庁土地局長

○政府委員(山岡一男君) 予算要求段階で建設省からは十分にその調査の目的その他について拝聴いたしております。それから、それを補うものといたしまして国土庁といたしましても、それに類似の調査は別な意味でやることにいたしております。で、施策の推進につきましては建設省、国土庁は一体となって進めたいということで、事務的な連絡は絶えずいたしておるわけでございます。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 AB農地についてはさほど問題ないと思いますが、C農地につきましては、これは過去も問題が多かったところですね。で、今回そのC農地も含めるということになりますと、関係団体の十分理解を必要とするだろう、またそうしませんと所期の目的が達し得られないというふうに私は考えるわけですが、その点、関係方面との協議はどんなふうに進んでおりましょうか。

宮繁護建設省計画局長

○政府委員(宮繁護君) 先ほど国土庁からもお話がございましたように、一応現在のところは省内でこの調査の方法につきまして、具体の方法について検討を開始した段階でございます。今後、学識経験者の御意見を伺う、あるいはまた国土庁初め関係省庁とも御相談する、それから農協サイドその他につきましても十分御意見を拝聴しながら調査の進め方について検討してまいりたいと考えております。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 これは最後は要望になりますけれども、土地価格の問題はこうやって議論をしている間にも所によりましては価格が上がっている現実があるわけです。それが投機的なものであるか、需給のアンバランスであるかに区分けが非常にむずかしいと思いますが、国民の立場から言うならば地価は安定をしてほしい、その気持には全く変わりがないというふうに思いますので、先ほど私は国土利用計画法十二条の発動ということも取り上げましたけれども、監督、指導をきちっとやるということでありますので、当分の間はそれに期待をかけたい。もうこれ以上の土地が値上がりになりますと、土地の値上がり自身も問題ですけれども、それに関連してその他のものも上がっていく可能性を常に持っているわけですから、十分その点は対処をしていただきたい。心から希望しておきます。

園田清充自由民主党・自由国民会議国土庁長官

○国務大臣(園田清充君) 御指摘のとおり、土地価格の上昇が国民生活にいろいろ影響を及ぼすことは私どもも憂慮しておるところでございます。そこで、実は本国会に各省庁間協議を経まして、土地価格の安定のためにということで、農住組合法と仮称をつけまして、いま法制局において法案の準備を検討してもらっておるところでございますが、できるだけ速やかにひとつこれを提案をしたいということで国土庁としては準備を進めております。  概略、内容について申し上げますと、恐らく建設省自体のお考えの中では、四十三年度ですか、新都市計画の線引きをなすったときに、この線引き内は当然宅地に変わっていくものだという前提に立って線引きがなされておるものだという私どもの考え方、ところが現状からいたしますと、やはり私有権という憲法上の精神も尊重していかなければならないということから、市街化区域内の農地の宅地の促進化ということで、四人以上ひとつ宅地への供給の促進ということで御協力をいただく、そして農業を継続する意思のある方は農業を継続していただこうという両々意思を尊重しながら宅地供給の促進ということに実は法案の準備を急いでおるところでございます。  先生御指摘のとおり、やはり価格の安定のためには、私どもの調査の結果からいたしましても、供給をどうふやしていくかということでございますので、供給促進のためにひとつなるたけ早い機会に提案をし、御審議を願って、そして実効を上げるようなことで進めてまいりたいと思っておりますので、ひとつ御質問の御趣旨にも沿う法案かと思いますので、審議の途中においてなるたけひとつ速やかに成立するように私どもの方からお願いを申し上げておきたいと思います。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 次に、建築資材の問題につきまして伺いたいと思います。  当局の方から建設物価調査会の資料というものをいただいたわけですが、この資料は、東京における毎月初めの市中価格というものでありますが、大口需要のところでこれは取引価格を発表しているものですね。いかがです。

宮繁護建設省計画局長

○政府委員(宮繁護君) ただいまお話しの、御提出いたしました資料は、建設物価調査会が調査いたしました東京におきます毎月月初めの大口取引の市中価格でございます。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 さて、住宅公団が住宅を建てる、あるいはその他の建設を大企業といいますか、大手企業が建設をしますマンションその他というものは大口需要ですから、多分このいまお話しになりました価格で取引をされているだろうというふうに思います。ところが、御案内のとおり、住宅の中には高層マンションもありますが、平家建てあるいは二階建て、ミニ開発の住宅もかなり最近はあるわけでありまして、その意味からいいますと大口の取引の価格動向だけではどうも信用がならないというふうに思います。その意味で少し数字の照らし合わせをしたいと思っているんです。  これによりますと、セメントがトン当たり三月で一万二千五百円と、こうなっているわけですが、実はこの一万二千五百円というのは大工さんのような小規模の建設業者の立場からいきますと、これは二月のお値段なんですよ。三月はトン当たり三千円ないし三千二百円の値上がりが続いているわけです。それから、すでに建設省なり公正取引委員会には全建総連という組合から具体的な資料で告発がされているわけですが、こういうポスターは御存じですか。「お願い 二月二十一日より店頭渡 セメント一袋壱千円」と、このポスターが大阪で張られているわけです。多分実勢価格は、後で細かい質問しますが、なべてみますと八百五十円から八百七十円ぐらいがまあまあ天井の限界のいまセメントの価格だと思うのです。ところが、こういうふうなポスターが出まして、大阪ではあおりにあおっているわけですね。そういう立場からいきますと、建築資材の価格の動向というのは非常に危険でしょうがないというふうに私は考えます。いま一例をセメントで申し上げたわけですが、いわゆる小口の建設関係の建設資材の動向について、概況で結構ですからお話しをいただきたいと思うんです。

宮繁護建設省計画局長

○政府委員(宮繁護君) 小口の価格につきましても一応私どもは建設物価調査会の調査によります数字を持っておりますけれども、これによりますと、セメントの袋物につきましては大口価格が一袋当たり五百七十円でございますけれども、小口の場合は一袋が七百円というような状況でございます。生コンにつきましても、立米が大口価格が一万二千六百円でございますけれども、小口の方は一万二千九百円というふうになっております。それから、国内産の木材につきましても、大口の場合は立米当たり、杉でございますが、七万五千円でございますけれども、小口価格が八万三千円。どうしても流通その他諸経費というような点で小口の方が大口に比べまして割り高になっておるような状況でございます。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 そこで、木材の関係でありますが、昭和五十三年、おととしですね、外材の輸入計画に対しまして、実際の輸入の実績というのはどの程度確認をされておりますか。

山口昭林野庁林政部林産課長

○説明員(山口昭君) 手元に数字をちょっと持っておりませんが、五十三年度は非常に木材業界不況の年でございまして、外材原木が若干だぶつきぎみという状況でございました。詳しい数字ちょっと持っておりませんので……。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 外材の輸入の見積もりは、私の知っている限りでいきますと千百五十万立米。ところが実績は千二百三十七万立米で過剰なんですね。いま御案内のとおり、国内におきます材木というのは七割方外材を輸入しているわけです。これが市場の原理でいくならば、品物は余っているわけですから、価格が下がるというのが一つの原則なんですね。ところが、現実には原価が上がっているということを理由にして、全くだぶついております外材につきましても値段が決定的に下がらない。下がらないというよりも、非常に上がっているというふうに見るわけですが、その点はいかがですか。

山口昭林野庁林政部林産課長

○説明員(山口昭君) 昨年の五月の連休明けころから外材の原木の産地価格が大変上がりまして、これに加えまして円安、それから海上運賃の高騰などがございまして、かなり原木の原価が上がったわけでございます。南洋材のごときにつきましては大体三倍ぐらいの値上がりを見たわけでございます。そういうことから、外材原木が昨年は大変上がりまして、これにつれて製品の価格も上がつたのでございます。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 そこで、品物が足りない、あるいは価格が異常に高騰するという場合には、御案内のように、一例ですけれども、合板なんかは備蓄したものを放出をして価格の安定を図る、あるいは鎮静化を図るという制度があるし、現に備蓄もしているわけですね。そして、備蓄がいつ放出されたかということも一応資料であるわけですが、資料をお持ちですか。

山口昭林野庁林政部林産課長

○説明員(山口昭君) 持っております。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 この資料、合板でいいわけですが、昭和五十三年の十二月、御案内のとおり千二百一円であったものが、その翌年の一月、去年の一月は千三百七十一円。そこで備蓄の放出がされたわけです。それから、去年の三月、この備蓄合板が放出をされましたんで価格が少し冷えまして、千二百七十九円というふうに多少下がった。ところが、去年の三月から六月まではまさに上り竜と同じように価格が上がりっ放しだったんですね。で、六月に備蓄の合板が放出をされた。このときには千九百三円まで上がっているわけですね。で、現在は、二月は二千二十三円というふうに二千円台のところにきているわけですが、どうしても不思議でなりませんのは、もう合板を放出をするときに、手ごろのところで放出をして価格を下げる、値段を下げる、鎮静化させるということよりも、全く天井のところにいって放出をしているような感じがしてならないんです。その備蓄合板の放出のタイミングというものを外しているのではないかと私どもは考えるわけですが、その点いかがですか。

山口昭林野庁林政部林産課長

○説明員(山口昭君) 昨年、南洋材の産地価格の急騰もございまして合板価格が上がったわけでございます。一月と六月の二回に分けまして合板の需給、価格の動向あるいは原木の動向その他合板をめぐりますいろんな経済情勢を総合的に判断をいたしまして放出を行ったわけでございます。放出の後で合板価格はそれぞれ鎮静を見ておりまして、私どもとしてはそれなりに効果があったというふうに考えております。  なお、放出の時期につきましては、初めての経験でございまして、今後とも十分に慎重に研究をしまして対処いたしたいと思いますが、非常に利害関係者も多いわけでございまして、私どもとしても慎重にこれは対処してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 そこで、またもう一遍価格動向に戻るわけですが、先ほどセメントについてはトン当たり一万二千五百円。それからいまの合板が三月が千八百四十円というふうになっておりますが、小口の需要でいきますと、いま私が指摘をしましたように、二月現在で二千円の台ですね。こちらの資料でいきますと千八百四十円です。この備蓄を放出をした後の小口の方の購入価格は二千二十三円、これは二月十五日の価格なんですよね。現在もなおこの合板——コンパネについては二千百円に近づきつつあるわけです。これは官庁統計と言っては語弊がありますが、この調査会の資料と実勢価格の上では大変な違いがあるというふうに物を見てもらわないと間違いを起こすのではないだろうかというふうに思います。  それから生コンでありますが、生コンは立米当たり一万二千六百円になっております。ところが、これは土地によっても違いますが、東京の小口の購入は、最低が一万三千三百円、高いところでは一万六千五百円というふうに格差はあります。あると同時に小口の実勢価格とこの公式の価格の間には開きがあります。この現実はお認めになりますか。

宮繁護建設省計画局長

○政府委員(宮繁護君) 先ほども御説明いたしましたように、大口価格の場合ですと数量もかなりまとまっておりますけれども、小口の場合は消費量も少ない、あるいはまたその間の流通経費あるいは諸経費といったような問題がございますので、末端におきましては大口価格よりもかなり高い、しかもかなりばらつきのある取引価格が形成されておることは事実だと思います。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 ばらつきがあると同時に、大口よりも小口の方が高いと、そのことは現実問題としてお認めにならざるを得ないと思うんですね。  さてそこで、従来大工さんが普通何坪かの住宅を建てるというものに対しまして、政府もかなり援助をしながら行われてきましたが、例のプレハブ住宅ですね。従来のたとえば木造の住宅で、これは標準的なものですから、個々には違うものも出てくると思いますけれども、大ざっぱに申し上げまして、坪当たりの価格はプレハブ住宅よりも木造住宅の方が安かったんですね。その点はお認めになりますか。いかがです。

関口洋建設省住宅局長

○政府委員(関口洋君) いま先生お話のございましたいわゆる注文建築でございますけれども、これにつきましては、注文される方のお好みによりまして住宅の形態なり仕様、こういうものが非常に異なっておりますので、私どもも坪当たり価格でひっくるめて幾らということはなかなかむずかしいんでございますけれども、市場で言われておりますのを御参考までに申しますと、大体坪当たり平均で三十二万円ぐらいと、かように私自身は承知いたしております。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 ここ一、二年の実績で見ますと、いまお話がありましたが、木造の場合に昭和五十二年度で大工さんのやります在来工法で坪二十七万円、そのときにプレハブが三十一万円、大体そんな標準ですね。それから去年一年間のトータルをとってみますと、在来工法が三十万四千円で、プレハブが三十三万九千円と、こういう状況になっているわけです。いまもお話がありましたように個々によって違いがありますけれども、標準的な意味で三十二、三万円というのは間違いないと思うんです。  さて、ところが、今年度に入ってから実はずいぶんこの関係が変わってきているわけです。と申し上げますのは、先ほども私が指摘をしましたが、セメントにしろ木材にしろ、コンパネにしろ、バラスにしろ何にしろそうでありますが、非常に小口のところは材料費が非常に高くなってきているわけですね。大口の取引のところと、それからプレハブなんかは工場生産になるわけですから、ある意味で言えば大口の部類に入るわけですね。この材料費の違いがいま逆転をしているわけです。プレハブ住宅の方が平均して坪当たり五%から一〇%ぐらい最近安くなりまして、そのかわりに大工さんのやっております在来工法の方が坪当たり巣価が急激に高くなってきている。この現実はお認めになりますか。

関口洋建設省住宅局長

○政府委員(関口洋君) 在来工法の指数と申しますか、建築費の指数はただいま申しましたようになかなか議論のあるところでございますけれども、いま仮に建設工業研究会が東京でお調べになっているもので、五十五年二月を基準にいたしまして、五十四年二月との上昇率を見てみますと一四%ぐらいということになっております。一方、プレハブ住宅でございますけれども、これも同じようなことで見てみますと、上昇率は七・八ということになりまして、先生御指摘のとおり木造、在来工法の方の上昇率がプレハブよりも高くなっておるわけでございますが、この理由はいろいろあろうかと思いますけれども、プレハブの方はいわゆる木質系統、鉄骨系統、コンクリート系統、こういうふうに分かれておりますので、鉄骨あるいはコンクリート系を平均いたしますと、ただいま申し上げましたように値上がり率が木造よりも低く出ると、かように承知いたしております。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 そこで大臣、これは時間の都合で細かく分析ができないのは残念ですけれども、最近建築資材関係を中心にして業者間の談合というのが非常に流行しているやに見るわけですよ。一時セメント業界が、価格を上げなければセメントの供給をしないというお話があって、これは関係方面の努力によってなくなりましたが、次に出てまいりましたのが、このポスターにありますように一袋、四十キロですけれども、一千円という看板があちこちに張られる。大口の需要者に対しましては、先ほどもお話がありましたように七百円のものもあるし、六百八十円もあります、それから小口になりますと八百六十円というものも——埼玉では九百二十円までいったところがあるんですよ。それから、この間、石こうボードが価格を談合でつり上げたのではないだろうかと、カルテルの話がありまして、あるところがら告発をされておりますね。それから公正取引委員会も調べてみようということになったわけです。  そこで大臣、住宅建設についての需要は非常にあるわけですね。金利のこともありますけれども、庶民の願いとして住宅は建てたい、買いたいということがありましても、現実にこれだけ価格が、資材が上がってまいりますと、庶民の夢はとてもかなえられない。あるいは在来工法でやっております大工さんにつきましても、現実に倒産をしている件数が非常に多いわけです。この現実を見たときに便乗値上げはもちろんのこと、何とか方法を考えませんと、住宅建設というのはできない、促進がされないというふうに見ざるを得ないと思うんですね。すべて建設省の関係ではないと思いますけれども、建設大臣、いまの状況からして建設資材の安定についてどういういい知恵をお持ちか、その点ひとつお話をいただきたいと思うんです。

渡辺栄一自由民主党・自由国民会議建設大臣

○国務大臣(渡辺栄一君) ただいまお話の建設費材の値上がりを防ぎましてその安定を期するということは、住宅政策を進める上で非常に重要な私どもは要素をなしておると思っております。そういう意味で最近の建築資材の値上がり傾向につきましては、先ほど以来いろいろ御説明を申し上げておりますが、私もこれには非常に深い関心を持っておりまして、関係各省と十分打ち合わせもいたしておりまして、時期的な需給逼迫によりまする値上がりあるいは便乗値上げ等もこれを生じませんように十分な努力をしてまいりたいと考えておるわけでございます。  そういう意味で、今回このような資材が上がりました場合の契約金額の是正につきまして一つの方針を打ち出しましたけれども、その場合にもこのような資材のいわゆる談合その他引き上げに対処いたしまして、その場合におきましても四分の三は見ますけれども、四分の一はそれぞれの事業者が持つというようなことで措置をいたしておるところでありまして、今後とも十分な配慮をいたしてまいりたいと思っております。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 現に建設省が発表しております統計を見ましても、昭和五十年度と昨年の十一月を比較をして建築資材、なかんずく木造住宅の建築費は三五・四%も上がっているというふうに数字で示されているわけですね。簡単に言えば坪三十万でできたものが四十万五、六千円という価格にはね上がっているわけですね。  そこで、いままでは物価値上げといいますか、価格騰貴の原因がもっぱら原油の値上がりであるとか、あるいは輸入外材の値上がりというふうに説明をしてまいりましたけれども、どうもそれだけでは納得ができない、どうも流通過程におきましてかなりの便乗値上げがあるのではないだろうかというふうに言わざるを得ないと思うんです。現実に皆さん方の方では、セメントにしろあるいはその他の諸材料につきまして、一つ一つ流通過程をチェックをして、まあこの価格程度ならばやむを得ないだろうというふうに数字を押さえているんでしょうか。どうもその点がわれわれとすれば納得できないわけなんです。いかがですか。

宮繁護建設省計画局長

○政府委員(宮繁護君) 個別の資材につきましては、セメントにつきましてはたとえば通産省、木材につきましてはたとえば林野庁というように指導をお願いしておりますけれども、ただし、この価格形成はそれぞれの業者間におきまして契約で決まってくるわけでございますので、それにつきまして政府が関与するのはいかがであろうかと実は考えております。しかし、今後の価格動向につきましては、私どもも、予算が成立いたしましたので、来年度の建設投資がどういうふうになるかということを勉強いたしておりますけれども、それによって見ますると、来年度、住宅も土木も含めまして建設の総投資額は、前年度に比べまして大体名目で一〇%程度、実質では〇・七%、ほとんど横ばいでございます。したがいまして、主要な建設資材の需要見通しにつきましても、前年度に比べまして微増もしくは微減というようなかっこうで、各資材ともほとんど需要量は横ばいというようなことになっております。一方、供給能力を見ましても、供給能力が不足するというような状態にはならないだろうというふうに考えております。  そういう意味合いで私どもも、いまお話がございましたように、便乗値上げであるとか、買いだめ、売り惜しみと、こういうようなものは絶対に防がなければいけないと考えておりまして、建設省では各地方建設局ごとに公共事業の施行対策地方協議会というのを持っておりますけれども、ここでは各省の出先の担当者にも入っていただきまして、メーカーにも入っていただくというようなことで、いま申し上げましたような需給の動向とか価格の動向につきましていろいろ相談をいたしております。そういうようなことで、何とかこの価格の安定、需給の安定に努力をしたいと思っております。  なおまた、五十五年度の公共事業の執行につきましては、四月九日に次官通知を発しまして、労務であるとか、資材であるとか、あるいは用地の購入単価であるとか、そういうものにつきまして十分注意を払うように指示いたしましたけれども、事業執行の工期工程につきましても、公共事業の占める資材の需要に対するウエートも大きいわけでもございますので十分配慮してまいりたいと考えております。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 繰り返し申し上げることもないと思いますが、ことしは物価をいかに安定させるかということが政治の命題でありますし、住宅についての需要がたくさんあることも御案内のとおりだし、しかし、このまま放置をしておきますと、建築資材の値上がりはどんどん進んでいって住宅が予定どおり建設ができないというふうなことにならないように十分監視をしていただきたいということを申し上げておきます。  それから次に、国鉄さん見えていますか。——  いまから申し上げる話は余り国会で取り上げられたことのない残土処理です。通称産業廃棄物とかあるいは一般廃棄物というのがあるわけですが、それ以外の廃棄物、残土のことについてお伺いします。  国鉄は、東北・上越新幹線も建設をしておりますし、あるいはたとえば八王子におきましては橋梁の工事をやっております。そこで、当然工事に伴いまして土地を掘りますので、その土の始末があるわけですね。  そこで国鉄さんにお伺いするわけですが、たとえば道床交換であるとか、路盤改良であるとか、それから隧道の掘削であるとか、そういうところで発生しました土砂、こういうものは国鉄が指定をした場所に捨てさせるのか、あるいは請け負った請負工事会社が独自に判断をして捨て場所を深して残土の処理をしているのか。まずその点をお伺いします。

野沢太三日本国有鉄道施設局管理課長

○説明員(野沢太三君) 工事に伴います発生土砂の始末につきましては、一般的には最寄りの国鉄用地あるいは民間の用地あるいは自治体等の用地に捨てるのがたてまえになっております。ただし、ただいま御指摘のありましたように、東京、大阪等の都心部に近いところでは捨て場所がなかなか見当たらないということもありまして、工事用の臨時列車やあるいは指定の業者によりまして最寄りの自治体の指定の捨て場に運ぶということをやっておるのが実情でございます。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 建設省にお伺いするわけですが、実はこれを調べていきますと非常に複雑な問題であるということがよくわかったのです。たとえば営団地下鉄の建設、掘削をする、これは運輸省の管轄でございますという話があったわけです。それから都営地下鉄の掘削についてはどこが担当ですかと言ったら自治省でございますと。それから、都内でやっておりますガス管工事であるとか、あるいは電話線の埋没工事であるとか、いろんなのがあるわけですね。  そこで私、非常に判断に苦しんだのは、この残土の処理というのは、これは産業廃棄物のような特別に法律で決まっているものは別です。いわゆる地下を掘ってダンプで積み込んで捨てる場所の問題についてはどこの省が責任を持って所管をされているのかよくわからない。本件についてはすべて無責任だということがよくわかったんですよ。どの省に聞いてもおれのところじゃ知らないと言っているわけですね。私の理解が間違っておれば訂正していただくわけですが、いま申し上げましたような産業廃棄物、一般廃棄物でない残土の処理、これはどこが所管をされて、どういう御指導をされておるのですか。

宮繁護建設省計画局長

○政府委員(宮繁護君) 一般的にこの残土の処理につきましては、その工事を施行する官庁、それとその工事を請け負っております業者の責任で処理さるべきだろうと考えております。しかしながら、最近の大都市におきましては、建築工事、地下室を掘削するとか、これは民間工事が多うございますけれども、あるいはまた、地下鉄等の工事に伴いまして毎年相当量の残土が発生しております。その量につきましては、東京圏で見ますと、大体年間で四千万立米、霞ケ関ビルの四十杯程度と言われております。大阪圏におきましても相当なものでございます。  これらの建設残土は、これまでは東京湾とか大阪湾の埋め立てあるいは埋立地にごみを投棄いたしましてその被覆土、あるいはまた池、沼等を住宅地にするための造成のための土量というようなことでわりあい有効に利用されてまいったわけでございますけれども、だんだん処分先が少なくなってまいっておりまして、処分先の確保につきましてかなり苦労いたしております。同時に、一方ダンプカーで処理いたすために交通上の問題もあるとか、あるいはまた不法投棄等のおそれもあるわけでございます。私どももこの点につきましては、各公団公社等の事業の実施主体、それから地方公共団体、建設業界とも一緒に現在のところは取り組むべき問題であろうと考えましていろいろ調査もいたしております。このために、東京圏におきます建設残土の処理あるいは処分の実態、発生します土の有効利用方策等につきまして調査を行っております。どういたしましても広域的に処理する必要が出てまいっております。端的に申し上げまして、東京都で発生する残土を東京都だけで処理することはなかなかむずかしくて、もう少し広域的に千葉とか埼玉にお願いするというような事情が実はもう出てまいっております。  今後におきましても事業を実施いたします主体が実はまず第一義的に責任をとるべきでございますので、そういった事業主体——これは公共団体、公団等でございますけれども、そういった事業主体、あるいはまた建設業界とも協力いたしまして事業の執行に支障が生じないように、また、不法投棄その他の問題が生じないようにいろいろ検討してまいりたいと考えております。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 一般的には、いまお話があったように、地方公共団体その他を含めて仕事を発注する、元請が受ける、下請が仕事をする、そして残土の処理をするわけですね。元請がやるかあるいは下請が雇ってダンプで残土の処理をするという場合と、残土処理の特別のダンプの組合があるわけですね。その組合に頼んで残土処理をしてもらう。それから事業組合、協同組合に加入していない、まあ言ってみれば独立一匹オオカミの業者にも頼んで捨ててもらう。ですから、残土の処理というのは、それぞれの主管庁が特別に指定をした地域があるわけでなくして、受けた元請なりあるいは下請が自分で探して残土の処理をしなければならない、こういう仕組みになっているわけですね。そのとおりでしょう。  さて、そこで、幾つか問題があるのですが、東京残土処理協同組合連合会というのがありまして、この券一枚千円券なんですよ。千円券でダンプが何トン積むかわかりませんけれども、東京で工事をした場合、原則的に羽田の沖合いと中央防波堤と葛西沖ですね、この二つが当面の処理場所、捨て場所になっているわけです。そのことは御存じだと思うのですが、これも実はこの搬入用の証明書の紙一枚もらうのにも年々値上がりをしているわけですね。これは五十四年度分のものでありますが、一枚千円なんですよ。五十三年度は六百円であったわけです。五十二年度が五百二十円であったわけです。いまこの予定でいきますと、東京の残土処理協同組合連合会の事業計画によりますと、中央防波堤に捨てる場合には一枚二千円と去年の値段よりも千円値上げをしたい、値上げをするという計画になっているわけです。それから、神奈川にも社団法人神奈川県建設業協会横浜支部というのがありまして、残土を捨てる場合にはこの証明書を持っていって入口で半券を渡して捨てているわけです。  そこで、細かいことは後ほどお伺いしますが、この関係業者に私ども全部当たりましたところ、ここ数カ月で葛西沖にいたしましても中央防波堤にいたしましても満載になってしまう。もう捨てる場所がないんですという話を聞くわけです。業界からもその話は聞いていると思いますが、この現状をどういうふうに認識をして、この状態でありますので、どうしたらいいかという点については何か研究をされておりますか。

宮繁護建設省計画局長

○政府委員(宮繁護君) 残土の処理につきましては、先ほどお話しいたしましたように、現在のところ、私どもの出先の関東地方建設局におきまして、関係方面にお集まりを願いまして広域的な処分の仕方を検討いたしております。  先ほどもちょっとお話ししましたように、すでに東京都で発生いたしております残土につきましては、たとえばこれは五十年度の数字で古い数字でございますけれども、約二千万立米ございますけれども、都内で処理されておりますのはそのうち約千五百万立米というようなことで、すでに当時から五百万立米は千葉、埼玉県等の内陸部の宅地造成その他に使われておるわけでございます。  こういう実態でもございますので、先ほどもお話しいたしましたように、いろいろな調査もいままで続けてまいりましたので、こういった広域的な観点から残土の処分の有効利用方策、一方ではやっぱり土が必要な工事もございますので、推計によりますと二割程度はそういう有効利用もできるんじゃないかというようなことを考えております。  それから、四半期別にどの程度の残土がどこらで発生するかというような調査もいたしまして、関係方面とも協力して残土の処理につきまして方策を打ち立てていきたいと考えております。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 都内で発生した残土をストレートに中央防波堤なり葛西沖に持っていくという方法が一つあるわけです。それから、これは工事現場との距離の問題もありまして、途中で一遍ストック置き場というのをつくってそこに一たん持ち込みますね。そのストック置き場の場合にもこういった券を一々発行して金を払って捨てているところと捨てていないところがあるわけです。そのストック置き場に一遍たまったのを、また改めて葛西沖なり防波堤なりあるいは荒川の上流に捨てているわけですね。この実態は御存じですか。

宮繁護建設省計画局長

○政府委員(宮繁護君) 余り具体のやり方につきまして十分まだ承知いたしておりません。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 一例ですけれども、これは参考にしてもらって調べてもらいたいんですが、東京のある現場から大田区のストック置き場があるんです。そこに一たんダンプ十一トン車が持ち込んで、それから適当に集まったところで今度は羽田沖に捨てにいくわけです。問題がここでは幾つかあるんですね。  たとえば現場からストレートに中央防波堤に捨てにいくときに、ダンプ一台二千円なんですよ。まあ二千円から三千円までありますが、私の調べでは一両一台二千円かかるわけです。業者が下請なり元請が残土処理の業者に払う価格が二千円——失礼しました立米、立米二千円でした。大型で十一トン積むわけにいかぬから仮に七立米積んだとしても一万四千円ストレートに行く場合に金がかかるわけですね。ところが距離が近かろうが遠かろうがストック置き場に同じように一両一台トン当たり二千円で下請なり元請は払うわけですね。で、集めておいてまたもう一遍大口の葛西沖、中央防波堤に捨てにいくときにトン当たり二千円払わざるを得ないわけです。そしてなおかつ残土の捨て場では、先ほど申し上げましたように、千円券なり二千円券のこの券を持っていかないと捨てることができない。  そこで、問題は、整理して申し上げますと、残土の最終処理場をきちっと確保してもらうということが一つ、いまの話の中でもおわかりのとおり出てくるわけです。  それから二つ目には、ストック置き場が都内の場合は結構なんですが、私が調べましたところ、東京都内で揚がりました残土が福島県に行っているんですよ。で、この福島県のストック置き場に残土を一遍集めて、これも先ほど申し上げました値段で運ぶんですよ、それから一定量集まったところで土を欲しいというところに売ったり、あるいはどうしてもそれが処理ができなければ東京に戻ってきて捨てる。ところが、福島県の残土の処理でいきますと、借地法の第九条による一時使用という契約を結ばなければならない。それから最後には原形に復さなければならないというものがこの借地法の第九条に制限されているわけですね。そうしますと、捨てる業者もおちおち楽にはなかなか捨てられないという問題が二つ目に問題として出てくるわけです。  それから三つ目の問題として、私が先ほど年度別に残土処理のこの券の値段、価格の推移を申し上げましたが、これが大体一年間に倍々ずつぐらい上がってきているわけです。交通がふくそうする、渋滞をする、捨て場所も遠いということでたくさんの問題があるわけです。  さてそこで次に問題になりますのは、こういうふうに残土処理が非常に厄介になってまいりますと、建設工事費そのものの見積もりに実は問題があるわけです。これは専門家の皆さんですから私が何も細かいことを言うことはないと思いますが、ある意味で言いますと、最近この種の仕事をやっております業者は契約価格が安くて非常に泣いているわけですね。こういうものにかかります経費というのが非常に多くかかるわけです。その多くかかるというものが設計、契約の段階で見積もりが十分にされておりませんと結局手抜きをする、必要な場所に残土を捨てるんでなくて適当なところに残土を処理してしまうというふうなことが起きがちなんですね。ところが、廃棄物につきましては相当規制が厳しくて監視員があちこちにいるわけでありまして、そう簡単に抜け駆けができませんので、いやおうなしに、ある意味で言えば遠かろうが何にしようがストック置き場に置きながら処理をする。最近の例では東名にしろ中央にしろあるいは関越にしましても、高速料金を払ってこの搬入の作業をしているわけです。そういう意味でいきますと非常に経費が多くかかるわけですね。  こういうふうな実態を踏まえまして私はいま三つか四つの問題点を指摘をしましたが、これらについてどうなさるのか、その点ひとつ方針的な問題ですから明らかにしてもらいたい。

丸山良仁建設大臣官房長

○政府委員(丸山良仁君) まず処分地の問題でございますが、従来は余り処分に苦労をしなかったということで自由処分方式という形で業者に任していたというのが実態でございます。しかしながら、ただいまお話のございましたように、最近は非常に残土処理に苦労をしているということでございますので、発注側といたしましても大規模工事あるいは環境に影響のあるようなものにつきましては、できるだけ指定処理方式という方法で捨て場を指定してこちらから示してやるという方式をとるように努めているところでございます。しかしながら、これは直轄工事の例でございまして、市町村工事その他ではまだ必ずしもそのようにいっていないのではないかと考えられるわけでございまして、この点につきましては今後も十分都道府県、市町村を指導してまいりたいと考えているわけでございます。  それから次に処分費の問題でございますが、公共土木工事の積算基準におきましてこの残土処理経費は見ているわけでございます。その内訳を申しますと、まず工事現場におきます掘削費及びトラック等への積み込み費それから残土処理地までの運搬費並びに処分地におきます整地費それからいまお話のありましたような処分に金がかかる場合にはその処分費というものを合計いたしたものを積算単価の中には入れているわけでございます。しかしながらこの点につきましても、やはり直轄工事とその他の工事では差があるものと思いますから、これらにつきましては都道府県あるいは市町村等も適正な価格で積算を行うように今後とも指導をしてまいりたいと思うわけでございます。したがいまして、いまの状況でございますと、それほど直轄工事につきましては少なくとも業者から不満の声は上がっておりません。しかしながらいろいろと問題がある点でございますから、先ほど計画局長が申しましたように、やはり根本的には建設省あるいは関係都道府県、公共団体、業界等が一体となりまして、これからどのように残土処分を行うかということを早急に研究していく必要があると考えているわけでございまして、すでに調査等は行っている段階でございます。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 昭和五十一年に廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律、これは厚生省のものでありますが、この議論を通して最終的に附帯決議が衆参両院ともつけられているわけです。この中に、「なお、一般廃棄物の最終処分地の確保についても、市町村においてその確保が著しく困難な場合には、国及び都道府県知事がその用地の確保に協力すること。」というふうになっているわけですね。いままさに都心部におきますこの残土の処理は、この附帯決議にもありますように、一般の残土処理業者、事業組合にお任せをしておきましてももう手いっぱいの状況にあるわけです。ですから、いまお答えはありましたけれども、積極的に、国が直轄であるなしにかかわらず、この最終の処理場の確保に十分にひとつ努めていただきたい。  で、先ほども指摘しましたように、交通の状況その他を考えてみますと、ストック置き場をつくらざるを得ない状況の工事現場も現実にあるわけですね。で、いま見積もりにつきまして、四つないし五つぐらいの費目でそれは十分費用も見ておるし、歩掛かりも十分見ているというふうなお話でありますけれども、この点についてもひとつ十分な配慮をしていただきたいというふうに申し上げておきたいと思います。  それからいま申し上げた中で、東京の残土が東京都区内であるいは東京近辺で最終処理が行われることが一番望ましいわけですが、そういうことにはならない、現実問題は。私の調べにおきましても、福島県まで一たん持ち込んでまた持ち帰ってくるというふうな非常に不経済なことを現実にやっているわけです。そういうことがないようにひとつ十分相談をして、円滑な処理をしていただきたいということをもう一度念を押して要請をしておきたいと思います。

丸山良仁建設大臣官房長

○政府委員(丸山良仁君) いまお話のございましたように、残土処理をする場合に重要な一つのポイントといたしまして、ストックヤードの問題があるわけでございます。先ほどから御答弁申し上げておりますように、ストックヤードがうまくいきますと、その土地を必要なところに使えるわけでございまして、しいて埋め立てあるいは内陸部に持っていかなくても済むわけでございますが、なかなかその適正な土地が得られないというところに問題があるわけでございまして、このためには、やはり公共団体が中心になりまして、われわれもいろいろ相談にあずかりまして作業を進めていく必要がある、このように考えておるわけでございまして、現在首都圏の例で申しますと関東地建が中心になりまして、公共団体等といろいろと知恵を出している最中でございまして、今後ともこの作業を進めてまいりたいと考えている次第でございます。

志苫裕日本社会党

○委員長(志苫裕君) 穐山君の質問は終わりました。  次に、沓脱タケ子君。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 それでは、最初に住宅金融公庫の問題について簡単にお聞きしたいと思うんですけれども、公営住宅法が改正をされまして単身者も入居できるようになりました。これにつきましては、これはもうわが党もかねがね主張しておりましたし、多くの大衆団体、国民の皆さん方の運動が実ったものとして大変喜ばれております。たとえばこの問題で長い間取り組んでこられました独身婦人連盟という一つの団体がありますが、この独身婦人連盟の方々も、まだ問題は残っているとしながらも、長年の労苦が報われたということで大変喜んでおられるところでございます。  ところが、住宅金融公庫の個人住宅資金の貸し付けについては同居予定者が一人以上あることというのが申し込み資格の一つになっている。住宅公団の分譲住宅の譲り受け人の資格は同居人を要しないんですね。ところが住宅金融公庫についてはこれは同居人が要ると、こういうことになっているんですが、これについては改正をするお考えがないのかどうか、これをちょっと最初にお聞きをしておきたいと思います。

関口洋建設省住宅局長

○政府委員(関口洋君) 住宅金融公庫のいわゆる個人住宅の建設あるいは購入のための、俗に言う持ち家取得についての融資でございますけれども、これはやはり現状から申しますと、住宅困窮度の高い方から御利用いただくというのが一番適切な施策だと、かように考えておりまして、したがいまして単身者は公庫融資の対象としていないと、こういうことでございます。    〔委員長退席、理事穐山篤君着席〕

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 ちょっと大体おかしいと思うのは、住宅公団の分譲住宅は同居人が要らないのに、どうして新たに建てるということでの住宅金融公庫の金は貸さない。こんなのは筋が通らぬですよ。建設大臣、ちょっと違った角度でお聞きをしたいんですが、国連婦人の十年、「国内行動計画前期重点目標」というのがあるんですね、御存じだと思いますが。これは政府が決定しておるわけですが、ここで言われている前期目標というのは昭和五十一年から五十五年なんですね。ことしなんですね。これは御存じですね。

渡辺栄一自由民主党・自由国民会議建設大臣

○国務大臣(渡辺栄一君) 承知しております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 この中で、この重点目標、前期重点目標の二十二ページに「中高年独身婦人の公的住宅利用については」ということで一項設けられているんですね。「住宅金融公庫の融資についても検討を行っている。」というふうに記述をされております。ところが、先ほどの局長の御答弁では——これもできてから四年余りになりますよね。検討すると言って、これ政府の方針で検討すると言うんだけれども、四年ほど何を検討していた。何も検討してないということになるんですが、政府の重点目標ですからね、これは目標は誠実に守って、五十五年度中には利用ができるように改正をするべきだと思いますが、どうですか。

関口洋建設省住宅局長

○政府委員(関口洋君) 将来の問題といたしまして、    〔理事穐山篤君退席、委員長着席〕 確かに先生御指摘のとおりに、念頭に置くべき課題であると、かように考えておりますが、現実の問題といたしましては、現在の公庫の資金量、さらにそれに対する御利用者の皆様方の応募状況、こういうものから見まして、せっかくではございますけれども、単身者まで先ほど申しました持ち家取得の対象者に加えることは非常に困難である、かように考えております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 筋の通らぬことを言うたらあかぬのでね、公営住宅法は改正されて入れるようにしたんでしょう。分譲住宅は単身者でも売るんでしょう。何で金だけ貸されへんですか。それはおかしいですよ。特に、中高年の独身婦人の問題を特別に取り上げておりますのは、この人たちの状況を見ますと、極端に言うたら戦争の犠牲者なんですね。ちょうど敗戦前後のときの適齢期の人たち、今日では五十前後あるいは五十代の方々ですね。働き手が戦争にとられて戦死した。その後、しょうがないから自分の妹や弟のめんどうを見、両親のめんどうを見て婚期を逸して、その間に自分の仕事をやっぱりちゃんと身につけて自立をしてきているわけですよ。公営住宅でも当初は小さい単身者用のには入れるとかなんとか言うていましたけれども、何ぼ婦人や言うたって、これは五十前後あるいは五十が過ぎるということになって、社会的に一定の自立をして生活をするということになったら、それは二十そこそこの人のアパート住まいとはわけが違うんですよ。そういう人たちが自分たちでたとえば何人かが共同で土地を購入して、土地が高いから一人でなかなか買えない、共同して一緒に家を建てようという場合に、さてこの金が借りられない。そしたら、一人だからというて、税金は扶養家族がないからというて、がっぽり取られておる。ところが金借りるいうたら金も貸さぬというのは、これは一体何だというのがやっぱり独身婦人連盟の方々がいろいろ御調査をなさって御主張になっておるんですが、私はそうだと思う。たとえば私の場合だって借りられません。扶養家族はないし同居親族もおりませんから借りられないんです。おかしいとは思いませんか。返済能力はありますよ、私。で、これ将来にわたっては検討するということのようですけれども、大臣に一言だけお伺いをしておきたい。ぜひ実現をさせてもらいたい。

渡辺栄一自由民主党・自由国民会議建設大臣

○国務大臣(渡辺栄一君) 先ほど以来局長が御説明をしておりますように、公営住宅の場合は単身者を入居対象に拡大するだけの余力も生じてまいりましたので、この際御要望に応じたいということで法の改正をお願いしておるわけでありますが、住宅供給全体としましては、やっぱり世帯の住宅に重点を当面は置かねばならぬと考えておりますので、そのようなことで当面困難ではないかというただいま御回答を申し上げたと思いますけれども、今後貸付資金の量あるいは住宅事情の推移等もあろうと思っておりますから、それらも勘案をいたしまして、なるべく早い機会にそのようなことが実現ができまするよべに、私どもといたしましては今後の検討課題といたしてまいりたい、かように考えております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 前期重点目標が、五十五年度中に実現の目標になっておるので、ぜひ、早い機会というのはそういった目標に合うようにひとつせっかく御努力をいただきたい、そのことを申し上げておきます。  次に、これは建設省で、市街化調整区域に絡む問題としてお伺いをしたいんですが、実は浜田幸一氏が十日の夕方に議員を辞職するということが表明をされました。そして十一日の衆議院本会議で許可をされた。これは辞職をされるのは当然のことで、国民世論から言いましても遅過ぎた感さえあるのは御承知のとおりでございます。  ところで、浜田氏にかかわる疑惑というのは辞職をしたからといって消えるものではないと考えるわけでございます。国会ではきょう、衆議院では航空機特別委員会でもこの問題が論議をされておりますが、そうして浜田氏の証人喚問を行うなどの疑惑の徹底解明、こういうことを追及する構えというふうに言われておりますが、当然のこととして国民の期待にこたえて、国会としては責任を果たしていくためにも証人喚問等をやって徹底解明を行う必要があると考えておるわけでございます。  この立場から、きょうは、浜田氏がロッキード事件の被告の小佐野賢治と組んで住民を欺いて土地転がしを行って、みずからは巨額のさやかせぎをやり、小佐野は不当なぼろもうけをしているという実態の一端を明らかにして、これは大臣の所見をお伺いしたいし、具体的な処置についての御見解もお伺いをしたいと思っているわけでございます。  土地転がしが行われたという問題の場所と申しますのは、千葉県の富津市の神明山という小さい山、いまはもう削られて山はございませんが、この神明山を中心といたしまして、三十一・四ヘクタールの土地でございます。現在この土地は小佐野の経営する日本電建株式会社が所有をいたしております。この三十一・四ヘクタールのうち、山林三・九七ヘクタール、田畑六・三三ヘクタール、計十・三ヘクタールについて、私どもの調査によって土地転がしの実態が解明をしたわけでございます。しかし三十一・四ヘクタールのうちのあとの二十一ヘクタールについては、まだ私ども最終的な詰めはできておりませんけれども、同様の転がしが行われたという疑いが濃厚でございます。  そこで、私どもの調査のできました部分についてお聞きをしていきたいと思っています。  まず、法務省にお伺いをしたいんですが、この富津市南勝負谷三千二十五番地、この地番の山林について所有権移転の状況がどうなっているか、これをちょっと最初にお伺いをしたいと思います。

清水湛法務省民事局第三課長

○説明員(清水湛君) お答え申し上げます。  あらかじめ先生の方からお話がございましたので、電話で問い合わせました結果でございますが、富津市下飯野字南勝負谷三千二十五番の土地、地目は山林でございます。面積が二千八十九平方メートルでございますが、所有権の移転の経過でございますが、昭和四十四年五月二十七日受け付け、第一万七百八十号という登記の申請によりまして、昭和四十四年五月二十四日付の売買を原因といたしまして、木更津市中央三丁目七番一号君津興産株式会社に所有権の移転の登記がされております。さらに続きまして、昭和四十四年十二月四日受け付け第二万五千八百四十六号という登記の申請をもちまして、昭和四十四年十二月一日付の売買を原因といたしまして、東京都中央区八重州六丁目五番地日本電建株式会社に所有権の移転の登記がされております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 そうしますと、これはいまおっしゃられたのは君津興産という、浜田幸一氏が社長をしておられる君津興産に所有権が移ったのが昭和四十四年五月二十三日で、君津興産から日本電建に所有権移転がされたのが昭和四十四年十二月一日、売買が一日付ですか、所有権移転は十二月四日と、登記簿ではたしかそうなっていると思ったんですがね。

清水湛法務省民事局第三課長

○説明員(清水湛君) お答え申し上げます。  君津興産が所有権を取得した売買の原因日付でございますが、登記簿の記載によりますと、昭和四十四年五月二十四日でございます。それから日本電建の所有権取得の売買の日付が、登記簿の記載によりますと昭和四十四年十二月一日でございます。登記の申請の日付が十二月四日ということでございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 いま御説明のとおりでございますが、この山林三百九十七アール、私どもの調査をしました三百九十七アールというのが、いまお話がありましたように、昭和四十四年五月の二十三日、二十四日ですか、二十三日に地主から浜田氏が社長をしている君津興産に一アール十万円で売買をされているようでございます。その半年後の四十四年の十二月四日に小佐野のファミリー企業である日本電建に一アール三十万円で売られている。ということになりますと、この半年の間に浜田氏はこの山林を、この三百九十七アールだけを見ましても、買い取り価格が三千九百七十万円で半年後に日本電建に一億一千九百十万円で売っておりますので、浜田氏は七千九百四十万円の利益を上げている。約八千万ですね。この年の十二月というのはどういうときかといいますと、昭和四十四年十二月二十六日投票の衆議院選挙の投票日ですね、このときに浜田幸一氏は初当選をされているわけですが、地元ではもっぱらこの金がこの初当選の選挙に使われたと言われているわけでございます。  で、その次には田畑、私どもの調査をいたしました田畑六百三十三アール、これはちょっと複雑な動きになっておりますが、これは法務省の方の御調査はいかがでございましょう。

清水湛法務省民事局第三課長

○説明員(清水湛君) 私ども取り急ぎ調べたところでございますが、膨大な登記簿がございますので、地番がわかりませんとちょっと調査いたしかねた次第でございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 それでは私の方で御説明を申し上げておきたいと思いますが、この田畑六百三十三アールというのは富津市越ケ崎周辺なんですね。で、この田畑六百三十三アールは、昭和四十四年の一月二十五日に、浜田氏の秘書をしておられる仁平晃という方、それから大森一郎さん、これは現在富津市の市会議長だそうです。この人たちを初めとする五十五人の連帯責任で富津農協に富津農協を抵当権者にして債権極度額三億円の根抵当権が設定されているわけでございます。それが昭和四十四年の一月二十五日、で、半年後の昭和四十四年六月一日、地主からこの先ほど申し上げた大森さん、それから牧野建さん、それから山田昇さんという三名の方がこの田畑を買っているわけですね。買ったという登記があるわけです。それが昭和四十四年の六月一日です。この買い方というのは、買い主になっている牧野氏自身がお認めになっておられるように、実際には浜田氏の君津興産が買ったのだが、農地法の関係で買えないので、農業従事者しか買えないということで、名義だけを貸したんだと、こういうわけでございます。しかもこの根抵当権をつけたままでこの田畑の購入が行われているわけでございますから、富津農協から三億円の借金をしたのはそうすると浜田氏であると考えなければならないわけですね。名前だけ借りてほかの人の名前で買うたけれども、その買う現物は三億円限度の極度額の根抵当権が設定されたままで買い取っているわけですね。だから、これは普通ならそういうことはしないので、当然その三億円は、浜田氏あるいは君津興産が買うたんですから、その三億円を借金したのは浜田氏自身である、あるいは君津興産だと考えるのが大体筋だと思うわけでございます。さらに、この土地が昭和四十六年十二月二十四日、三億円の根抵当権が抹消されている。四十六年十二月二十四日に三億円の根抵当権が抹消されて、その翌日に売買予約が行われている。非常に複雑なんです。  それで、私は余り土地のことに詳しくはありませんけれども、こういう経過を見てみますと、ちょっと法務省に御見解をお聞きしたいと思うんですが、昭和四十六年十二月二十五日に売買予約がされて、——その経過言うたかな。ずいぶんややこしいんですよね。昭和四十六年の十二月二十四日に三億円の根抵当権が抹消されて、その翌日の十二月二十五日には君津興産から日本電建に売買予約がされているわけです。で、年が明けまして四十七年の一月二十九日には所有権移転の請求権保全の仮登記というのがやられているわけです。  こういう土地の動き、登記簿の動きを見ますとね、これはいわゆる売買予約の前日に根抵当権が抹消されている、そうして年が明けて所有権移転の仮登記がされるということになりますとね、売買予約の前日にこの三億円の根抵当権が抹消されてこう変わったわけですからね、この三億円、富津農協から借りていた三億円というのは日本電建の小佐野の方が肩がわりをして、そのかわりにその田畑を取ったと考える、引き取ったと考えるべきではないだろうかと思うんですが、ちょっと法務省の御見解はどうでしょう。大分にややこしいんですがね。

清水湛法務省民事局第三課長

○説明員(清水湛君) 私、不動産登記の方を主管している課長でございまして、まあ登記というのは、御承知のように法律で非常に厳格な手続を定めましてそれにのっとってやる、で、必要な申請書あるいは申請書の添付書類というものがありますと、登記官はその内容だけで登記の受否を決するということになっておるわけでありまして、その登記の申請をするに至った背後に当事者間でどういうようなやりとりがあったとか、あるいは実情があったというようなことについては、ちょっと事情を知るということが非常にむずかしゅうございますので、ちょっとお答えいたしかねるような気持ちでございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 まあ法務省がちょっと判断しにくいとおっしゃるわけですが、そういうことも考えられると思うんですよね。大体何ぼ私が素人で見てもそうしか考えられない。わざわざ人の名義で一アール当たりこれは昭和四十四年の六月一日には十二万五千円、まあ十万から十二万ぐらいの金額なんですね、土地によって若干の違いがありますが、平均して十二万五千円程度で大森一郎、牧野、山田らの名義で買い取っているわけでしょう。その買い取ったときには、三億円の根抵当権がついたまま買い取っているわけです。買い取ったのが四十四年の六月なんですね。  それから二年ほどたって、四十六年の十二月の二十四日にその三億円の根抵当権というのが抹消されている。抹消された翌日十二月二十五日には売買予約がされて、君津興産から日本電建に移っているわけですね。それでその仮登記が、翌年の四十七年一月二十九日に所有権移転請求権保全の仮登記がやられている。その土地がいまどのくらいしているかというと、大体一アール当たり九十万から百万している。こういうことになっているわけですね。  まあそう考えると、買うた土地持っていたけれども、その三億円の根抵当権が抹消されたと。これは、さっきも申し上げたように浜田さんが三億円借りておった、これが小佐野さんの方から肩がわりをされて、そのかわりにその土地を渡した、だから翌日売買予約ができたというふうにしか考えられないわけですね。これは法務省に聞いても無理だろうと思いますが。したがって、田畑についてはこの浜田氏はいわゆる富津農協から三億円の金を借りて、それをいうたらこれまあ四十七年また衆議院選挙なんですが、選挙費用に使ったかもわからぬ。あるいはこの間言うてたラスベガスの借金に充てたかもわかりませんが、その肩がわりを小佐野さんにやってもらったというふうに思えるわけです。  そこで、浜田氏がこれらの土地を農民から取得する手口、これはずいぶんいろいろあるんです、調査をしたところ。浜田氏の口車に乗せられて土地を手放した農民が、実は昭和四十六年九月二十日付で浜田氏に突きつけた抗議文があるんですね。大分あくどいことをやってきている。  簡単だからちょっと読みますがね、全部読むと長いので。「昭和四十年富津町当局より神明山を含む通称山王山の共有山林の開発をして、そこに三千戸の住宅を建設する為、その売却方の勧誘を受けた時、農業を主として生計を営む下飯野部落民は近い将来開発が予定されてゐる富津臨海工業地帯の造成に伴う開発と並行して、当部落に所在する神明山共有山林を開発して住宅団地の誘致を行い、そこに居住する団地家族に新鮮な農産物の原地供給をし、共存共栄を目標として開発を進める」と約束をさせてきた。で、「町議会の議決を経た事業としてこれを了承し、その責任を当時の県会議員浜田幸一氏が担当した。而して同氏の懇請により共有山林並私有地を低廉な価格で売却して開発の一日も早からんことを期待し今日に至ってみる。然るに現在我々の期待に反し、開発事業は中途にして何等進展せず、加えて大雨の都度土砂は押し流され、稲は冠没し、道路は遮断され、その他の被害は続出し、我々農民や地元民を苦しめてみる。このような仕業は地元民の夢を破り、損害を与えたばかりでなく部落民を欺いた行為としか考えられない。」ということで抗議するというのが、浜田幸一氏——四十六年ですから衆議院議員浜田幸一氏に寄せられているわけです。これでもわかりますように、農民に甘い夢を与えて、農民から安く土地を取り上げてこれを日本電建小佐野に売り飛ばして小佐野から分け前をもらうというやり口というのがどうも浜田氏のやり口と言わざるを得ない。  そこで問題なのは、この土地を住宅地にして巨額の利益を上げるためにはどうしたらいいかということで、実は日本電建小佐野の方から策動をしているんですね。というのはどういうことかと言いますと、建設省にちょっと聞いてみたいんですが、この日本電建が所有しております神明山周辺の三一・四ヘクタールは現在市街化調整区域ではないですか。

升本達夫建設省都市局長

○政府委員(升本達夫君) お尋ねの土地は市街化調整区域内でございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 ところが、日本電建はこの土地の一部を富津市の市の庁舎の建設予定地として安く売りつけて、残りの土地を市街化調整区域から外すことをねらっていろいろと政治工作をやってきています。これは資料がありますから、日本電建から富津市に対して要望しておられ、富津市は昭和五十年七月二日付でこれは取り下げてくれということで断っておるわけです。断られたのは五十年七月二日ですが、さらに日本電建からは同じく五十年七月十七日に、そう言わんで格別の御詮議をもちまして保留をしていただくように陳情申し上げるということで盛んに工作をしておられるようでございます。それで、もしこれが市街化区域に変更されますとどうなるか。この土地はいまでも一アール九十万から百万だと言われているんですから、当初購入した価検の九倍か十倍になっているわけですね。これが市街化区域になればもっと上がるということになるわけです。そうなってきますとこれはあっせんをしたというか、売った浜田氏の手間賃というか、リベートというか、そういうものを払っても日本電建小佐野の利益というのは数十億になることはもう明らかですね。いまだって三十億を超しているんですね。だから地元の人はどう言うているかというたら、三億円の土地が三十億、六十億にすぐわずかの間にふくれ上がるのだから四億や四億五千万のばくちの負けた分ぐらいはそれは簡単に取り戻せるやろということがささやかれているんです。だからこの市街化区域への線引きの変更というのはきわめて微妙なところへ来ているわけでございます。  で、ちょうど建設大臣にもお伺いをしたいと思っておりますのはここなんですが、市街化調整区域の見通しというのは建設大臣の認可事項でございますね。ことしは五年に一度の見直しの時期でもあるわけです。で、こういうふうにいま時の問題としてクローズアップをされ、しかもそれと深くかかわり合いのある土地の問題でございますので、見直しについては慎重に地元の皆さん方には疑惑の持たれないようにする必要があると思うのですけれども、大臣、御見解いかがでしょう。

渡辺栄一自由民主党・自由国民会議建設大臣

○国務大臣(渡辺栄一君) これは原則論を申し上げておかなければいかぬと思うんですが、市街化区域及び市街化調整区域の区分ですね、いわゆる線引きでございますが、これは私どもも宅地供給の観点から線引き見直しということにつきましては進めてまいりたいということは申し上げておるわけでありますけれども、しかし、これは発展の動向あるいは人口及び産業の将来見通しというようなものを勘案いたしまして、そしてその都市の健全な発展と秩序のある整備、そういうものに資するようにというふうに考えられるわけでございます。その具体的なことは局長から申し上げると思いますけれども、たとえば手続の面から申しましても、公聴会、説明会等を開催する、あるいは公衆の縦覧、またこれに対する住民の意見書の提出というようなものを行うようになっておりますし、また対住民手続を経るほか、学識経験者、関係行政機関の職員、都道府県議会議員等を構成メンバーとします都市計画地方審議会の議を経て定めることになっておりまして、当然その事務は厳正に施行されておるはずでございますし、また御指摘のように、だれにかかわりませず一部有力者の圧力によりましてその内容が左右されるというものであってはならない、かように考えております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 これは十分地元の人たちの納得のいくような処置というのが望まれると思うんです。特に私は慎重に対処してもらいたいということで重ねて申し上げたいと思いますのは、昭和五十年の七月二日に富津市市長から日本電建に出ているこの「宅地開発事業事前協議申出書の取扱いについて」という通知ですね、これを見ますと、いろいろな開発の計画はあったけれども、それがなくなったり変更されたりして昭和五十五年度の線引き見直し時点まで不可能でございます、しかも、昭和五十五年度の線引き見直し時点で当該地域が市街化区域にできるかどうかもその後の状況によってどうも困難なように思われます、だからこの事前協議書についてはお取り下げを要請しますというふうに市長から出ているわけですね。それが重ねて、そんな取り下げと言わぬで保留をしてくれと、保留をして検討してくれというふうに言われているというのは明らかに政治的工作でございますから、そういう点も含めて、そういう事態を踏まえて慎重な対処をしていただきたい、重ねてお願いをしておきたいと思います。

升本達夫建設省都市局長

○政府委員(升本達夫君) おただしの富津都市計画区域の市街化区域、調整区域の区分変更、いわゆる線引きの見直しでございますけれども、昭和四十九年度に一度調査を実施いたしまして、これは五年ごとに調査を実施するたてまえのものでございますけれども、その実施した結果では、線引きの変更を行う必要がないという結論で現状どおりに推移をいたした経緯がございます。それで、いまのおただしに関連をいたしますわけでございますけれども、その後五年後に行いました昭和五十四年度の調査、これの結果に基づきまして、いま次回の見直しの方針を定めるべく地元で、県、市で検討をいたしておるという段階でございまして、その結果は、五十六年度時点でもし変更する必要があれば変更するというような作業段階に入ってまいろうかと思います。いずれにいたしましても、私どももいまの時点で了知いたしております限りにおきましては、先生から御指摘のように地元の市、県も、いまの段階で御指摘のような土地が市街化区域に入るというようなことは聞いておりません。

志苫裕日本社会党

○委員長(志苫裕君) 沓脱君の質問は終わりました。  次に、坂倉藤吾君。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 私は、きょうは公共投資の中で第二のウエートを占めてきております下水道の問題について少し突っ込んでお聞きをしたいと、こう思っているわけです。  五十一年度から開始をされております第四次の下水道整備五カ年計画、これは予算委員会の際にも若干触れましたのでお聞きをしているわけですが、本年度で期限が満了することになりますね。そこで、当初の計画の普及率の目標というのは四〇%であった、それに対して達成見込みは大体三〇%程度になるだろう、こういうふうに言われているんですが、そうしますと、きわめてこれは達成程度が低いわけでありまして、事業としては相当遅延をしている、こういうことに結論としてはなるわけでありますが、その遅延の最大の理由というのは一体何なのか。この五十一年の決算概要説明によりますと、下水道事業については五十一年は当初年度でありますが、管渠で千百七キロ、終末処理場で百六十五万人分の施設を完成をした、進捗率は管渠で約七%、終末処理場でも七%と、大変りっぱな報告ができ上がっているんですが、五十一年度、この第四次の計画が始まる当初の段階で、五十一年度末の下水道普及率は二四%のはずであります。五十二年度は二六%に上がっておる、五十三年度末は二七%、だんだん達成度というものが年を追って低下をしてきておる、こういうふうになって、そして本年、最終年度を迎えるんですが、見込みからいくと、総体の三〇%までしか伸びない、こういうことになりますと、結果としては、この五カ年計画で出発当初から比較をしてみたときに、わずか六%の前進しかなかったと、こういうことに数字からいくとなろうと思います。したがって、これには大きな原因究明というものが行われて、そして最終年次の五十五年度にその分をどう取り返していくのかという課題がなければならぬと思うのですよ。三〇%の見込みだろう、そういうふうに言われておるわけでありまして、三〇%であきらめるのじゃなくて、努力をして当初の四〇%を達成をしていくために、一体その最大の理由に対して、どういう克服策というものがとられていこうとするのか、その辺についてきちっとした説明を願いたい、こう思うのです。

升本達夫建設省都市局長

○政府委員(升本達夫君) 御指摘のように、ただいまの第四次五カ年計画の最終年度でございます本年度、五十五年度末におきます下水道の人口普及率は約三〇%にとどまる見込みでございます。いかなる理由により、またそれを克服するための対策はどうかというおただしでございますけれども、私どもその当初計画どおりに人口普及率が上がってまいりませんでした理由は、一つはやはり諸物価の高騰によります事業費の実質的な伸びが確保しがたかった、これはあらゆる長期計画に共通の問題かとも存じますけれども、それが一点ございます。  それから第二点といたしまして、下水道施設の中で、特に先生御承知のように、終末処理場の施設が一般的に地元、関係の地主、地元の住民の方々には余り歓迎されない施設でございます。したがいましてその施設の設置、特に用地の取得に当たりましていろいろと問題が起きやすい、これを権利の調整を図ります上にかなり時間を要するというケースが多いために、事業のおくれが出る可能性がございます。そのようなものが一つの原因になり得るかと思っております。  それからもう一つは、市街地内を下水を敷設してまいります関係上、市街地が込み入ったところに下水道をつけてまいりますと、管渠を敷設しますのに大変地下の埋設物との取り合わせの関係等手間がかかるという問題もございますし、また技術的な問題も生じがちでございます。市街地の形成が進行していくのにいわば後追い的に下水道が実施されるケースが多いためにそのような仕事がふえるという傾向にございまして、一単位当たりの仕事量に対して時間の経過が長くなってくるという点もございます。まあおおむねそのようなところが重なりまして、全体としての普及率が伸び悩んだという結果に終わったものかと考えております。  ただ一点これは釈明をさせていただきたいのでございますけれども、いま下水道は、処理場をつくり、幹線的なパイプをつくりつつある段階にあるものが多うございます。下水道の全体の進行から考えますと、近い将来において枝管がかなり伸びてまいりますと、その伸びに比例的に人口普及率はふえてくる、つまり同じような事業費を、同額程度の事業費を投入してまいりましても、過去よりは将来の方が人口普及率の増大に結びつきやすいということはあり得るのではないかということもございますので、つけ加えさせていただきたいと存じます。  なお、これに対する対策でございますけれども、やはり一つは、処理場自体の施設を地元住民の方々に受け入れやすくするというような努力を、いままでもやってまいったつもりでございますけれども、重ねてそのような努力をさせていただきたい。たとえば公園施設的なものと併存させるような、併用させるようなそういった手当てを厚くしてまいりたいというようなこともございますし、あるいは市街地内の掘削に当たっては、技術的な進歩も図られなければなりませんし、さらにそのようなことを糾合いたしまして、われわれとしてはできるだけ事業の進捗が図られるように努力を重ねてまいりたいというふうに考えております。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 一応の説明がなされたようですが、ちょっと理由になりませんね、正直申し上げまして。第一の問題点、この事業費の値上がり分がなかなか確保ができなかった、こういうことなんですね。ところが予算の状況をながめていきますと、当初計画で七兆一千、補正を含めて七兆五千。ところが五十四年度までの実際支出は約六兆八千四百億ですね。そうしますと、その間に景気のいろんな状況を踏まえて、経企としては公共投資を大いにやって景気刺激をやっていこうじゃないか、こうした施策等も含まれてきたはずです。そういう段階に具体的な計画が出なかったんじゃないんですか、正直申し上げて。大蔵省からけ飛ばされたんですか。私はそんなことじゃなかろうと思いますよ。下水道に取り組む具体的な姿勢の問題があなた方は明確になってないんじゃないんですか。どうもそんな気がしてならぬのです。  さらにはまた、終末処理場の問題にいたしましても、終末処理場に問題がある、そういうことで、現に幾つかのむずかしい事態が発生をしているのは、総体の計画からいけば約一割程度じゃありませんか、計画の問題からいけば。あと全部そうした問題が発生をする、こういうふうに皆さん方では読み取られておるんですか。そこのところは明確にしてくださいよ。

升本達夫建設省都市局長

○政府委員(升本達夫君) いま一割程度とおっしゃったのは、流域下水道の関係の処理場中心の問題につきまして、現在流域下水道の事業数が六十九カ所でございますけれども、このうち特に反対運動が生じておるところとして九カ所という御説明を前回予算委員会の席上でさせていただいたかと思うわけでございますが、反対運動が生じている個所としては一割。そのうち事業の進行がそのために滞っている個所六カ所という御説明を申し上げたかと思います。  しかし、私が先ほど申し上げましたのは、その具体の反対運動により事業が停滞する、あるいはそれに近いような状況まで反対が強くなっているといべような状況下にあるものとして申し上げたわけでございまして、一般の事業を進行させるに当たりましても、やはり用地の取得には、これは下水だけに限る問題ではないかと思いますけれども、かなりの折衝の時間を要するというのが通例でございまして、そのような関係から一般的に事業が当初計画どおりのスケジュールでは進行しない場合が多いということを申し上げたつもりでございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 たとえば三番目に挙げられました市街地の管渠の問題等にいたしましても、下水道計画、特にその柱になっております流域下水の場合等は、明らかに二十年ほどの先を見越して都市計画に合わせて計画をされる、これが常道ですね。そういう長期にわたる先行きの見通しを考えて、市街化形成がどうなるか、あるいは関係の各市町村の状況は一体どうなるか、こうしたことを踏まえて計画をされ、しかも公共下水と結びついて行われていく、こうなるわけですが、その辺がどうも整理をされてないんじゃないのかと、こういうふうに私は言っているわけであります。とりわけこの流れの中で考えていきましたときに、問題解決に向かう具体性というものが一つも私はないと思うんです。  いま例に挙げられました終末処理場の問題等につきましても、たとえば周辺住民が幾つか問題を提起をします。提起した問題に一つも明確な答弁がなされてない。これはこの前公環特で私が質問した場合もそうですが、たとえば愛知県の境川、ここの流域下水道等の問題にいたしましても、たとえばそこから、処理場から出てくる汚泥をそこでは処理をしません、こういう約束を地元住民にしている。そこで処理をしないとするなら、その汚泥は一体どこへ持っていくんですか、どこでどういう処理をするんですかという質問に対して、全然答えが返ってこない。こういう状況でこの下水道の事業というものが進行していくとは私は思わないんであります。少なくとも、それらについて明確な技術的な問題等をきちっと答えていくというそういう姿勢というものが、どうもこの下水道事業については地下に全部埋没をしてしまう、あらわれてくるのは処理場だけだ、こういう形の中で、何かすっきりしない。すっきりしないところが事業が進んでいかない、こういうことになっておるんじゃないかと、こう思うんですが、もう一遍きちっとしてください。

升本達夫建設省都市局長

○政府委員(升本達夫君) 下水道の中にも、先生御承知のように、公共下水道と流域下水道の区分がございまして、共通する問題ではございますが、どちらかと申しますとやはり流域下水道の方に御指摘のような問題が起こりやすいという実情がございます。これはやはりいろいろ条件があろうかと考えますけれども、一つの大きな問題は、流域下水道は県が施行者でございます。そこで県が施行者になりまして数市町村の汚水を一カ所ないし二カ所というようなところへ集約をいたしまして処理をし、河川に放流する、こういうシステムでございますので、勢い公共団体が他の公共団体に頼んで汚水を処理をしてもらう、あるいは逆に他の公共団体の汚水を引き受けるという形で、特定の公共団体が、市町村が処理場を引き受けるという関係がございます。このために、制度の問題あるいは合理的な考え方の問題とは一応切り離した問題といたしましても、感覚的な問題として議論が生じやすいということはあろうかと思います。そのような関係から、どちらかと申しますと流域下水道の方に問題が多く出ているという状況は御指摘されたとおりだろうと思います。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 どうも私の質問の仕方が悪いのか、質問にはぴたっと答えない答弁がずっと繰り返されておりますがね。後でまた少し詳しく順番を追っていきますが、いま答弁にありました問題の非常に多いとされる流域下水道の事業を推進をしていくメリットの問題について、第一は関係市町村の下水道整備を促進をする。そしてその水域の水質保全が一体的になる。これはこの前答弁をされましたね。二点目の問題としては、単位処理水道当たりの建設コスト、維持管理コストというものが軽減をされるんだと。三つ目の問題としては処理場を集約化をするので有能な技術者の確保がしやすい、こう説明をされているんです。  ところが、私はこのメリットが——私、このメリットに全部いろいろと反論はありますが、それはさておきまして、このメリットはメリットとしてあなた方は理解されていると同時に、デメリットもあるはずですね。デメリットは一体どういうふうにお考えになっていますか。何がデメリットですか。

升本達夫建設省都市局長

○政府委員(升本達夫君) 事業が大型になりますものですから、着手から完了までの時間の経過が長いということがございまして、そのために市町村単位で見ますと、流域下水道の処理区域に取り込まれる場合には、市町村が単独で公共下水道事業を行います場合と比べると、あるいは調整に時間がかかり過ぎるという問題もあろうかと思います。全体としての調整にかなり骨が折れるという問題が一点あろうかと思います。  それからやはり、先ほど申し上げましたように、集約することのメリットとうらはらに、集約された結果、処理場の立地を求められる地域については、さらに一般の公共下水道の処理場の場合に比べますと抵抗が大きくなるのが通例ではないかという気がいたします。そのような点もデメリットとして指摘はできるところかと思います。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 これは大臣にお尋ねをしたいんですが、いま大体、社会的傾向というものは、いろいろやってみたけれども、やっぱり自分のところのものはなるべく自分のところで処理をする、こういう傾向がいま強まってきておるんじゃないでしょうか。これが一つであります。  二つ目の問題は、この下水処理というのは明らかに下水だけを考えるんではなくて、水の高度利用、ここからやっぱり下水の発想がなければならぬと、こう思うんです。水をいかに高度的に利用をするのか、こういう立場からいきますと、いまの流域下水道等はいわゆる川に沿って両側に大きな管渠が設置をされる、そしてその関係市町村にそれぞれの公共下水がつながれてしまう、こうなりますから、従来はいわゆる一つの川に向かって、それぞれのたとえば行政単位なら行政単位別ぐらいにこの川に水がきれいにされて戻されるというこういうことがあり、したがってその放出物でもってなるべくきれいな水を返していこうじゃないかと、こういう思想に立つわけです。ところが、流域のようにたとえば日量百万トンに近いようなこういう計画をし、全部集めてきて、そして川下の方に処理場を建ててそしてそこで放出をする、ごうなりますと、上流の河川なんというのは水位が下がってしまったり、夏になると水がなくなってしまう、こういう現象すらもやっぱり出てくることが大きくこれは検討されていかなければなりません。そういう意味合いで、私は下水道の事業そのものについてきちっと見直しをし、そして今日までおくれてきた原因等もきちっと究明しながら、もう少し都市計画ときちっと、しかも水利用という観点と結びつけて整理をしていくべきだ、こういうふうに思うんですが、ひとつ大臣の御見解を賜りたいと思うんです。

渡辺栄一自由民主党・自由国民会議建設大臣

○国務大臣(渡辺栄一君) 先生のおっしゃいますのは、流域下水道、メリットもあるけれどもデメリットもあるわけでございまして、もう少しそういう意味では必ずしも流域下水道にのみ偏らないで、下水道整備の方針を見直したらどうかとこうおっしゃるんだと思うのでありますが、先生の御意見のように、流域下水道の場合には、やはり下水道に流したいけれどもほかの方の地域の下水処理まで引き受けるのは住民感情として相当な反発があるとか、いまお話しのような高度利用の問題等もこれは大事な問題だと思っておりますが、そういう意味で、私は今後とも流域下水道でいくのかあるいは公共下水道でいくのかというようなことにつきましては、十分その地域におきまする地形的な条件、あるいはまた市街地の配管状況、それら諸般の条件を総合的に勘案いたしましてこれは慎重に決定すべきものではないかというふうに考えております。特に下水道の五カ年計画そのものも改定をしていかなければならぬわけでございまして、そのような内容につきましても十分検討してまいりたい、そうして全体として下水道の成果が上がりますように最大の配慮をしてまいりたい、かように考えておるわけであります。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 流域下水道の計画を受け持つのは下水道法で県になっていますから、大臣の言われることはそれなりに理解をするのであります。しかし、少なくともそれを指導しておる立場あるいはその計画を承認をする建設省の立場というのが明確にあるわけですから、承認をするに当たって何を柱にするのか、このことがきちっと据えられてこないと私は問題だろうと思うんです。とりわけ流域別のいわゆる総合計画の段階では、これがまた事業計画に移るときには幾つかに分散をされるわけですね。一つの総合的な流域別下水道計画というのは非常に広大な範囲、それを事業化をするためには二つなりあるいは三つなり四つなりに分散をしないと事業化をしない、こういう仕組みになっているはずですね。したがって、総合計画を県が設置をする段階というのはまだもやっとした形でしか私はあらわれてこないと思うのであります。したがって、それを単に審査をすると言ってみましても、これは実際問題として審査の対象にすべき項目というのは、なるほど法の中で五項目ぐらいに整理をされて決められておりますけれども、それらが具体化をしてない段階、こういうふうに私は判断をせざるを得ないと思うんです。だから、そこに私は流域別の下水道の総合計画とそのことを実行に移す段階との矛盾というものが実際にやってみると幾つかあらわれてきて、そしてなかなか足が進んでいかない、こういう結論を出しているというふうに私は思うんです。  とりわけそういう事業実施の段階で、今日まで特に終末処理場周辺の住民が中心になりましてもうずっとやってきていますから、大方共通して言えることは、これはまず第一に、計画が余りにも巨大化をし過ぎるんじゃないか、先ほど経費の話もありましたが、大体経費的には日量十五万から十七万トンぐらいが一番経費的には節約ができる分野じゃないのか、こういうふうに通俗、学問的には言われておるわけであります。それが境川の計画なんかでいくと日量約九十万トン、あるいは岐阜県の木曽川右岸等にいきましても六十何万トン、こういう巨大な形のものが多い。そこに大きな問題点が出てくる。それから二つ目には、やはり工場排水と家庭排水、雨水とが混合処理をされていく、これについてはきわめて公害の観点から見て大きな問題あり、こういう指摘をしているんですが、それについても余り答えがない。さらに三点目の問題としては、先ほども指摘をしましたように、汚泥の処理、この処理場なり処理方法が明確にされない。それから具体的計画についてのアセスメントというものが住民の中に明らかにされない。たとえば関係市町村ができましても流す方の側は一切こんなこと関係なし、流せばよろしいという態度になってしまっておる。そして終末処理場の処理をするところだけが関係住民のような形になって問題が提起をされる。一体そこの関係住民がどうなるかということは流す方の側が一切関知しない。これでは私は問題があり過ぎるんじゃないのか。さらにまた五点目の問題は、事業推進に当たって特に用地買収に不法な、あるいは違法なそういう性格を帯びるような行為というものが、住民と進めていこうとする県、市の間に非常に多いわけであります。これは私もたびたび指摘をしてきたところであります。いまも材料を持っています。そういうことについてはなかなかこの理論的解明というのはいままで行われたことがないのであります。全部握りつぶしのようなかっこうになっています。そしてそういう問題は、賛成派を集めたときの説明会、こういうような形で解消されてしまっておる。だからいつまでたっても問題が解消しません。  いま私が指摘をしましたような問題等については、むしろ建設省、これは各県なら各県と相談をしながら流域下水道というのはこういうものですよと明確なものを私は社会的に公表して、堂々とそのことについて学問的な見地から、科学的な見地から批判を浴びる、批判を受ける、そしてそれらをちゃんと聞いてきちっとしたものにつくり直していく、こういう姿勢が必要であろうと、こういうふうに思うんですが、その辺はいかがでしょうか。

升本達夫建設省都市局長

○政府委員(升本達夫君) 数点の御指摘をいただいたわけでございますけれども、私どもの御説明を補足させていただかなければならないと存じますことは、先生御承知のように、公共下水道であれ流域下水道であれ、下水道を整備いたします前提といたしまして、かなり広域的に見て下水道の整備が必要であるような地域につきましては、流域別下水道整備総合計画を知事の責任で定める、建設大臣の認可を得て定めるというたてまえになっております。この総合計画におきましては、その地域における地形、降水量、河川の流量その他の自然的条件、それから当該地域における土地利用の将来の見通し、それから当該公共の水域に係る水の利用の見通し、当該地域における汚水の量及び水質の見通し、下水の放流先の状況、下水道の整備に関する費用効果分析ということを総合的に調査し、検討した上で計画を立てなさい、こういう下水道法のたてまえになっております。  したがいまして、この下水道法の総合計画の立案の規定に基づきまして、私どもとしてもせっかく県を督励いたしまして早期にこの計画を定め、その計画にのっとって、必要な流域下水道なり公共下水道なりを実施していくというたてまえに統一することによって計画の合理性の説明が非常に明確になるのではないかというふうに考えておりますので、今後極力その計画をできるだけ早く定め、それに基づいて納得を得られるような下水道整備を推進していきたいというふうに考えておる次第でございます。  あと、工場排水との混合処理の問題、これは御指摘のところでございますけれども、私どもは工場排水を下水で処理いたします場合にも、下水道法のたてまえといたしましては、下水の処理では処理し切れない重金属類等の、いわゆる健康項目と称しております——にかかわる重金属等の汚濁汚水につきましては、これは下水には流してはいけない、工場の側でその害を除去した上でその汚水を下水に流せ、こういうたてまえになっております。したがいまして、この法律制度に基づきまして極力そういった害を除く除害施設の設置、その適切な運営ということの指導を下水道管理者を通じてやっていただいているつもりでございますが、さらにこれからもその趣旨の徹底を図ってまいりたいと考えております。  あと、汚泥処理方法につきましては、御指摘のように具体のケースにおきましては、あるいは汚泥の処理について十分な住民の方々の納得を得られるような説明が不徹底であった場合もあるかもしれません。その辺につきましては、私ども十分に今後指導を強化してまいりたいと考えております。  それからアセスメントの問題でございますけれども、これは先ほど申し上げました流域別下水道整備総合計画にのっとるというたてまえが貫けますれば、この計画立案の過程で当然にアセスメントに属する事項もあわせ検討されるべきものというふうに考えております。  それから、最後に御指摘の用地買収に違法行為があるのではないかという御指摘でございますけれども、用地買収を進めていきます場合にはやはりある程度の時間の経過、それから説明の進行を経ました段階では、賛成の方々のお力を得て反対派の方々の説得をさせていただくというケースに至る場合が多かろうと思います。そのような場合にも、今後とも反対側の方の御理解を得られるように重ねて説得を強化するように私ども努力をしていきたいと思っております。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 いま答弁のありましたのは、これは下水道法二条の二の六項で総合計画にきちっと入れなきゃならぬ要項が決まっておるのですから、それはそのとおり守られていると思いますよ。しかし、その段階で、たとえば排水施設がどういうものであるか、処理場はどこに建設をするのか、放水先はどこになるのか、具体性はないでしょう。  そのことが具体性を持ってきますのは事業計画であって、これは二十五条の三の一項じゃありませんか。だから、県が当初立てます整備総合計画の段階では私はもやっとしたものだと思う。ここは大体処理をしなきゃならぬところです、したがって検討さしてくださいよという程度のものしかこの総合計画の中にあらわれてこない。具体的にそれをどうやっていくのか、どこにどういうものをどれぐらいの長さで管渠をつくり、そしてそこには大体どれだけの人口を処理をするのか、そして処理場はそれに見合ってどれぐらいの用地があって、そしてどこに建設をするのが適当なのか、そしてそこで処理した水はどういうふうにやるべきかというのは、これはもう事業計画の段階ですよ。いわゆる二十五条の三の一項の関係でしょう。そこまでいきませんと、本来、住民の目にとまって判断のできる材料というのは何一つ出てこないはずです。私はそこに問題があると言うのです。だから、総合計画を立てる段階で住民に意見を聞きましても、これはお話になりません。具体性を持ってきたときに初めて出るのです。  ところが、具体的計画を実行する段階というのは、この法のたてまえからいきますと、厚生省と建設省との協議は義務づけられているんです。そうですね。ところが、住民の健康にこれは厚生省が責任持っていますと言えばそれまでの話でしょうが、少なくとも環境保全の立場、大気が一体どうなるか、水質が具体的にどうなるのか、あるいはそれが人の健康に、あるいは自然の形態にどういうふうに影響を及ぼすか、これはまさに今日の行政の整理から言えばこれは環境庁の仕事じゃありませんか、評価をするのは。ところが法律的にはこれは欠落をしておりまして、環境庁と相談をするのは総合計画の段階、具体的にはさっぱりわからぬ段階で環境庁の意見を聞く、具体的計画のところでは環境庁はもう全然関係なくて、厚生省の意見を聞く、これが下水道法ですね。そこに住民がなかなか納得をしない一つの大きな問題点もある。その辺のところは私はもう少し検討されるべきじゃないか、こういうふうに思うんです。だから、現在の法律の中でもなおかつ下水道を振興していくのに住民の気持ちとぴったりしない問題点がありそうだ、こういうふうに思うんです。  環境庁来ていますか。——具体的に環境庁は今日まで大体二十カ所の相談を受けているとこう言うんですが、その二十カ所の相談を受けたときに建設省から意見を聞かれて、どういう意見を反映しているんですか。

大塩敏樹環境庁水質保全局水質管理課長

○説明員(大塩敏樹君) お答えいたします。  お示しの計画につきましては、環境庁といたしましては流域全体の環境基準の維持達成を図るということを基本といたしまして、計画の前提となります水質汚濁の現状あるいは人口、産業等の見通し、土地利用の状況、汚水の量、処理の方式等を勘案して計画の内容を検討いたしております。具体的には、従来二十件の案件について協議を受けておりますが、かなり長期の計画でございますので、基本となります人口、産業等の変化がありました場合は、それに応じて適切に見直すなどの意見を述べております。

志苫裕日本社会党

○委員長(志苫裕君) 坂倉君、時間です。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 あと一問だけ。  環境庁の方もさっぱりわからぬ答弁です。ただ、建設省からいただきました資料、それから環境庁からいただきました資料を突き合わせてみますと、環境庁に総合計画の段階でまだ相談になってないところが具体的には事業実施計画の中で進められている。これは、たとえば五十一年以前の、第四次以前の第三次までの計画の中で出てきたものだからそのまま延長になっている部分じゃないのかというふうにも良心的には思いますが、しかし少なくとも環境庁が意見を言ってない分野の総合計画の中で、具体的にそれが消化をされたときに、いま反対運動の生じておる九カ所、たとえば阿武隈川上流から始まりまして岡山の児島湖、さらにはまたその中の実際に事業の進行が滞っておるところ、これも阿武隈川上流から始まりまして児島湖の六カ所ですね。そうすると、環境庁が総合計画で意見すらも言ってないところが具体的には事業が進行されまして、そうしてしかもそこが反対運動があって事業が進みませんと、こういうばかげたかっこうの資料ができ上がるわけなんです。  私は、これはもう少しそれぞれの所管のところと——法律的にはどうか知りません、運用上の問題からいきましても私は少なくとも建設省がもう少し配慮をする、同時に先ほどありました県の用地買収の問題等につきましても、まあ時間がありませんから簡単に言っておきますが、たとえば地権者のうちで反対派、賛成派がある。反対派、賛成派のうちで賛成派だけ集めて、あなたのところは幾らで買いますよといってどんどん進めちゃう。ところが契約がなかなか、まとまらないとという考え方もあって具体的契約は変わらない。ただその段階で、畑地が多いものですから、そこでは畑地をつくられますとなかなか進まないということで、そのままつくらないでおいてください、つくらないで。耕作をしないでください、耕作をしない部分については県がその部分補償しましょうと。そういう補償の制度なんてあるんですか。私はないと思うんです。これは農水省その他から、私まあ農水にしばらく邪魔してましたんで、その辺の補償の制度は私はないと思うんです。ところが、現にそういうふうに地権者をだましながら、反対住民を力で屈服をする。そして、早く賛成をしないとあんたたち損をしますよ、土地収用法をかけますよ、こういう形でおどしながら、説得じゃなくて、理論的に解明をし納得をさせるんじゃなくて、そういう力でもって無理やり賛成を取りつけていってやろうとしている。私は大変住民をそれこそばかにした話であり、少なくとも——まあきょうは自治省、映間がありませんでしたから質問しませんでしたが、少なくとも市町村、県というのは、私は住民の意思を受けとめて、その意思を代行していく行政の機関、それがまあ自治体だと、こう思っているんです。そういう立場からいきますと、全く逆行する形をとっておりましてけしからぬ話だと、こう思うんです。そうしたことも一切一遍総検討してください。これはお願いします。  最後にそのことについての約束だけひとつ大臣してください。

渡辺栄一自由民主党・自由国民会議建設大臣

○国務大臣(渡辺栄一君) まあ下水道事業というのは非常に重要な公共事業でございますが、いろいろ議論が出ましたように、検討すべき問題もあるわけでございますから、今後それらにつきまして十分な検討を加えまして推進をしてまいりたいと、かように考えております。

志苫裕日本社会党

○委員長(志苫裕君) 他に御発言がないようですから、建設省、国土庁及び住宅金融公庫の決算については、この程度といたします。  暫時休憩いたします。    午後三時三十二分休憩      —————・—————    午後三時四十一分開会

志苫裕日本社会党

○委員長(志苫裕君) 委員会を再開いたします。  これより農林省及び農林漁業金融公庫の決算について審査を行います。     —————————————

志苫裕日本社会党

○委員長(志苫裕君) この際、お諮りいたします。  議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

志苫裕日本社会党

○委員長(志苫裕君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

志苫裕日本社会党

○委員長(志苫裕君) 質疑通告のない中野農林漁業金融公庫総裁は、退席していただいて結構であります。  それでは、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。坂倉藤吾君。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 初めに、直接決算とかかわりありませんが、この四月三日の農業新聞によりますと、矢野通産事務次官が京都におきまして大変重要な問題を発言をし、今日まで衆参で取り上げられておるわけでありますが、武藤大臣に真意を伝えられていない、誤解された部分は撤回をしたいと、こういうふうなことが本人から謝罪を含めてあったので、農林水産省としてはこれ以上この問題を追及をしない、こういうふうに態度を決めたと言うんですが、この省の態度というのは事実なんでしょうか。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○政府委員(渡邊五郎君) お答えいたします。  いわゆる矢野通商事務次官の発言につきまして、通産大臣から農林水産大臣に対しまして矢野発言に関しまする釈明のお話がございまして、かつ矢野次官みずから農林水産大臣を訪れまして、本発言は自分としても真意でなかった、真意でない部分については撤回すると。真意でない部分、真意と申しますのは、現行の法律制度をないがしろにしたり農業を転視するような考えは毛頭ないということが真意である、それ以外の誤解される部分は撤回すると、また御迷惑をおかけしたことにはおわびするというふうに大臣に釈明せられまして、大臣もまた、通産大臣から、二度とこのようなことのないように本人に対して厳重に注意するというような御発言もございまして、したがいまして農林水産省としてはこれを了といたしまして、政府部内としての両省の関係においては、本問題については政府部内として決着をつけたと、このように考えております。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 真意というのはどういうふうに受けとめたんですか、真意というのは。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○政府委員(渡邊五郎君) これは直接蚕糸業に関する部分でございますので、必要な部分は後ほど局長からお話し申し上げますが、たしか三月十四日でございましたか、京都読売新聞に掲載されました記事でございまして……

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 真意というのは。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○政府委員(渡邊五郎君) 矢野次官の真意とするところは、そこに掲載された記事ではなくて、その真意とするところは、問題となった部分は、生糸の一元輸入という複雑な問題の持つ解決の困難性を強調するために述べたもので、本人としては現行の法律制度をないがしろにしたり農業を軽視するような考えは毛頭ない、これが真意であるというふうに私どもも理解し、また御当人からその点についての釈明があり、かつ撤回をいたすということを農林水産大臣にみずから表明されましたので、これを当方としては了としたということでございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 私はその真意の内容を聞いているんですがね。いまあなたが言われましたのはそれは弁明ですよ。矢野さんにかわってのあなたの弁明でしょう。こんなものは後から幾らでもつけられるんです。しかも私は、矢野通産次官という人の性格は、なかなか、常に真意を言う人だと。言うなら、歯に衣を着せずずばりずばり物を言う人だと、これは定評のある人でしょう。これは商工の連中にも私聞かしてもらいましたが、どうもそうらしいですよ。そういう人が腹に持ってないことを言うでしょうか。しかもそれを簡単に大臣が了解をした、あるいは農水省が了解をした。私は、そういう性格のものじゃない。それは確かに生産者農民の立場を踏まえて農水省はあるんでしょう。しかし農民の代表じゃありませんね、あなた方は、農水大臣にいたしましても。問題は、関係者がどういうふうに受けとめ、関係者がどう了解をしたのか、私はそこが政治のきちっとしたけじめをつけなきゃならぬところだと思うんですよ。農水省が了解をしまして、蚕糸関係業者というのは了解したんですか。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) 農林水産省と通産省との間は、先ほど官房長が答弁されましたように、一応決着がついたというふうに考えております。ただ、農業団体、特に蚕糸関係等については了解をしておるかという向きにつきましては、了解はまだしておらないと、かように考えております。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 そうしますと、その関係団体にいわゆる真意を了解をしてもらうために、一体どういう手段をとるんですか、これは発言をされた次官が直接関係業者の代表なりとお会いになって、きちっと納得のいくまで話し合いをするという姿勢になるんですか、あるいは真意を了解をした農水省が、了解をしたんですから、農水省の責任において関係業者の方々と話し合いをし、納得をしてもらいますという態度になるんですか、はっきりしてください。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) 農林水産省と通産省の間は、ただいま申し上げましたように一応決着がついたというふうに考えております。ただ農業団体、特に蚕糸関係の団体はまだ十分了解をしておらないというふうに聞いております。したがいましてこの真意の問題につきましては、農林水産省としてはこういう経緯で了解をしたということはプレス発表もいたしまして、天下に公表をいたしております。ただ、そういう団体と通商産業省との間でまたどうあるかということは、これはとやかく農林水産省の立場からどうという指導なり指示をすべきものではないというふうに考えております。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 通産はどうですか。

宇賀道郎通商産業省生活産業局総務課長

○説明員(宇賀道郎君) ただいま農林水産省からお話がございましたように、本件につきましては大臣みずから矢野次官の真意を尋ねられまして、その結果は先ほど農林水産省官房長からお答えしたとおりでございますが、その内容につきまして農林水産省にお伝えし、おわびをすると同時に、農林水産省と同日に、この内容につきまして私ども官房長から記者クラブの方にも発表し、その真意の徹底を図ったところでございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 通産の方ね、それじゃ私の質問の答弁にならないでしょう。問題は一番関係の深い蚕糸業の関係なんですから、その方々がやっぱり納得をする、このことが筋じゃないのか。そうすると、その方々の納得を得るための——いやこれは真意じゃなかったと言うなら、本当にこの真意は一体何なのかということで納得をしてもらうような手段というものは農水省はとらないというんですから、とらないというなら、通産省として次官がどういうふうにやるべきなのか、当然出てくることじゃありませんか。関係業者の団体の方々と次官を会わせますか。

宇賀道郎通商産業省生活産業局総務課長

○説明員(宇賀道郎君) たしか三月二十八日だと思いますが、関係業者の代表の方がわが省へお見えになりまして、次官と相当長時間にわたりこの問題について抗議をされ、次官から釈明をされたというふうに承っております。私もその場に同席さしていただいておりますが、それ以外にもいろいろな方から、たとえば繊維労連であるとか、あるいは中央蚕糸会とかいう方からいろいろ抗議をいただいておりまして、お見えになりました節はすべてわれわれとしても次官の真意はこういう点であったということを釈明しておる次第でございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 釈明しているのは私皆知っているんです、新聞に発表されていますから。しかし釈明をしたということと了解をしてもらったということは違いますでしょう。私はこれは重大な発言だと思いますよ。  同時に、時あたかも農水省は糖価安定事業団と日本蚕糸事業団とを合併をさせるなんという話も出ているわけでして、いまお蚕さんにかかわる問題はきわめて軽視をしているんじゃないか。こういう動きが現実問題動いている段階でこの発言があるんですよ。政治的に大きく絡んでいる。しかもこれは自民党の関係部会も開催をし、一元輸入の問題については注文をつけているところでしょう。これは文書が出ていますね。そういうような状況の中での発言だけに、これは真意でありませんでした、農民を軽視するつもりはありませんと、こう言ってみましても、なかなか私は理解ができない。私が理解できないんだから、当然関係の方々はなかなか、それは一遍の抗議をし、話を聞いただけで私は了解するとは思えませんね。真意がよくわからぬのです、それこそ。真意だ真意だ、真意が伝わってないと、こう言うんですけれども、伝えようとする真意は一体何なのか。この中身からは絶対出てきません。また今日釈明をしている段階の姿勢からいきましても出てきません。私は、これは真剣に通産省としては受けとめてもらってやらなければいかぬと思うし、私は、農水省それで了解したと言っているけれども、了解する権限はけしからぬと思っているんだ、いまの話で。少なくとも関係団体おるんですよ。関係業者が。その業者が納得しているかどうかの問題も確かめないで、いやもう農水省は結構でございますという、こういう態度はけしからぬと思うんですが、どうなんですかね。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) 農林水産省としては了解したのはけしからぬという御指摘でございますが、先ほど官房長が答弁いたしましたように、現行の法律制度をないがしろにしたり農業を軽視するような考えは毛頭ないということを通産大臣からうちの大臣に釈明のお話がございましたし、また御本人も大臣に直接会われて、真意でなかった部分は撤回する、迷惑をかけたのはおわびするということを明言もいたしておりますので、役所としてはこれで決着がついたというふうに考えておるわけでございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 私はそれがけしからぬと、こう言っているんですよ。  いま大臣お見えになりましたから、大臣の見解も聞いておきたいんです。  大臣、通産の事務次官の矢野さんの発言で、大臣が、本人からも釈明があったし謝罪もあったので、一応農水省としてはそれを了として、一応これ以上の追及をしない、こういう態度を決められたというんですね。そのことは、私は、関係業者あるいは蚕糸の生産者から見ますと、これはちょっと農水省は行き過ぎじゃないのかと。いまだに関係団体は了解をしていない。したがって了解を得るための努力というのはやっぱりしなければならぬだろうと思う。そのことを抜きにして勝手にもうこれで——省と省との関係だけならよろしいですよ。しかし追及しないということは、関係業者に与えた心理的な問題その他も含めまして一切済みですよと、こういうことには私はならぬだろうと思う。その辺はもう明確にやっぱりする必要があるんじゃないのか。したがって、矢野さんが関係団体ともう少し突っ込んだ話を農水省が立ち会いでさせるとか、そういうような手段まで明確にすべきじゃないのか、こういうふうに思うんです、常識的に言いまして。  生産ストップの問題等は、休業補償は通産省でめんどう見ると、こう言っている。私は、通産省のたとえば課長クラスが行きまして、これ言い過ぎましたと、実はそんなことはその場の雰囲気で、それこそ真意じゃありませんと、こういうんなら話わかるんです。少なくとも通産省の中でこれは一番トップですからね、大臣の次なんですから。そのトップの人間が行きまして、そうして通産省でめんどう見ますと、こういうところまで発言をし切っている。私はこれはそう簡単に了解のすべき問題でもないし、あるいは関係業者団体がなかなか理解に苦しむところはそこだろうと思います。明確にやっぱり収支決算をつけてもらわなきゃならぬ、こう思うんですが。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 私が来る前にいろいろと矢野発言について御議論があったようでございます。  私どもがお答えをいたしましたのは、政府の中で、いわゆる農林水産省と通産省との間で矢野発言について話がついた、それはどうもけしからぬじゃないかというお話かと思うんでございますけれども、一つの政府の中でございまして、しかも、いま休業補償というようなお話もございましたけれども、通産省の方からは、そういうものを含めてそれは誤解でございますと、そしてその誤解であった部分はすべて撤回をいたしますということで、そういうものはないということでございますので、私どもとしては、それがあるということならばこれは問題が今後も残るものでございますが、そういうものはすべて間違いでございましたと、これはもう間違いでございますから私どもすべて撤回をいたしますのでという釈明がございましたので、まあ政府の中でいつまでも二つの役所がいがみ合っているということもこれはいかがなものであろうかということで、政府間において了承したわけでございます。  いまお話のように、私どもがこういうことをしたから、養蚕関係の農家の団体なりあるいは生糸の生産、いわゆる絹メーカーなり製糸メーカーなりそういうようなところがこれで絶対にもう通産省に対して文句を言っていけないというようなことは全く言っていないわけでございまして、団体の方がどういう態度でこれから出ていかれるかということは私よくわかりませんけれども、ああいうことに対して非常に憤りを感じているんでございまするから、それはそれなりに今後も相当尾を引いていくんではなかろうかと私は思っておりまして、それはそれなりに、それに対していかにこれから反省をしてそういうものの理解を求めていくかという努力を通産省はすべきことであろうと私どもは思っておるわけでございます。  また一面、私は、ことしの基準糸価を決めるに当たりましては、特にこういう発言がありましたので、養蚕業界、養蚕農家の関係の方々あるいは製糸メーカーの人たちの間に非常に不安感が起きておりましたので、特に従来なかったような大臣談話まで実は発表いたしまして、十分その点は御心配要りませんよと、私ども農林水産省としては全面的にひとつ今後の養蚕の位置づけは十分考えてまいりますからと、こういう談話も発表しておるわけでございますので、少なくともわれわれの気持ちを養蚕農家の皆さんも十分理解をしていただけたものと私は信じております。しかし、先ほどから申し上げるように、通産省の方と養蚕農家の皆さんとがこれからも全養連なんかの団体を通じていろいろと話をしていくのはこれは当然なことだろうと私は思っておるわけでございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 いまの大臣のお話は私も一応は了解をいたします。  ただ、先ほども言っていますように、省と省との間だけの話としてそのことが整理をされるなら、これは余り私は文句を言いません。しかし、新聞報道その他からいきますと、農水省が了解したからもういいじゃないかというふうな受けとめ方を通産省がしておりますし、現に先ほどの答弁からいくと、具体的にそれをどういうふうに解消を図っていくのかという具体策も出てこないわけでありますから、これは一遍、大臣、了解をしたことではありますが、閣議あたりで、矢野さんが今後とるべき手段の問題、これは業者の納得を得るような誠意を見せた態度というものが求められておりますよという話はきちっとしておいてもらいたい、こういうふうに思うんです。通産省いいですね。

宇賀道郎通商産業省生活産業局総務課長

○説明員(宇賀道郎君) 大変いろいろ関係業界の方に御迷惑をかけたのは事実でございますので、われわれとしましては、いま農林水産大臣からお話がございましたように、いろいろな形で誠心誠意御理解を得るように努力するつもりでございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 時間の関係がありますから次に進みますが、昭和五十一年度決算によります同和対策関係事業費、これのアウトラインといいますか、概略を説明をいただきたいんです。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○政府委員(杉山克己君) 五十一年度の同和対策事業予算の状況は、まず非公共の関係で農林業同和対策事業というのが六十一億一千六百万円、それから水産業の同和対策事業が五億五千万円、合計六十六億六千六百万円でございます。それから公共事業が、同和対策農業基盤整備事業、これが五十億七千五百万円、それから同和対策漁港改修事業が七億六百万円、この公共関係の合計が五十七億八千百万円で、非公共と公共を合わせました総計が百二十四億四千七百万円でございます。これは前年の五十年に比べまして一三九・七%ということで、四割近い大幅な伸びを示した予算でございました。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 あわせて、五十四年度決算見通しは大体どういうことになるでしょうか。同対関係予算総体としてその支出状況、これは予算に比較をし支出状況は一体どうなっているか。同時に五十五年度へ絡んでいった五十五年度事業計画、この辺は大体これで五十五年度は目いっぱいやれるというところのものが確保できているのかどうか。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○政府委員(杉山克己君) 内訳の細かいところは省略いたしますが、五十四年度の予算額は三百三十二億七千八百万円でございます。これは対前年一三一・二%ということで三〇%以上の伸びを示しているわけでございます。  そこで、五十五年度との関連でどうこれを見ているかということでございますが、私ども五十一年度、先ほど申し上げましたその年以降も五十二年、五十三年、五十四年と大幅な増額に努めてまいったところでございます。五十五年度予算につきましては、これはそれまでの年度と異なりまして特段に財政事情が厳しい状況にあったわけでございます。ただ、私ども、同和対策事業特別措置法の延長第二年目であるというようなこともございますし、残事業量といいますか、総体の計画との関連からするとこれは相当程度厳しい予算の中でも予算措置を図ることが必要であるということで、五十五年度の事業予算総額三百九十三億二百万円を確保、計上いたしたところでございます。これは対前年で一一八%、農林水産省一般が三%台の対前年増加にとどまっておりますのに比べれば、厳しい中ではかなり増額計上ができたというふうに思っております。まだこの先五十六年、五十七年とあるわけでございますが、今後とも法期限内に事業執行が図られるよう私どもとしては同和対策の充実に努めてまいりたいと考えております。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 ところで、四十九年に開始をされました特別営農等指導事業、これの具体的な推進体制、いわゆる、この事業を進めていくに当たっての人の配置だとかその他体制的なもの、これは一体どういうようなものになっているんでしょうか。同時にまた、この事業の具体的措置として、五十四年度に営農相談員制度が取り入れられましたですね。したがって、これは、特別営農等指導事業をやっていったけれども、さらにそれに加速的にといいますか、充足をしていくために相談員制度が付加をされてきた、こう私は理解しているんですが、その辺のところを少し説明いただけませんか。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○政府委員(杉山克己君) 大変恐縮ですが、先ほど申し上げました答弁の一部をさらに補足をさしていただきたいと思います。  私は、今後の同和対策の予算については、五十六年、五十七年と先々増加に努力していくということを申し上げたわけでございますが、計画年次として法律上示されておりますのは五十六年度まででございます。それで、計画残事業量を達成するのは五十六年末までと、こういう意味で、さらにその先といえども努力するんだということの答弁をいたしたつもりでございますので、誤解のないようにひとつ補足いたしておきます。  それから、ただいまの御質問でございます。農林水産省といたしましては、同和地区における農林漁業経営の安定と関係農林漁家の生活水準の向上を図るために同和対策事業特別措置法に基づいて各種の同和対策事業を実施しております。ただ、これらの各種の同和対策事業におきましては、同和地区の農林漁家の経営耕地規模がきわめて狭小であるということなどから、施設園芸だとか畜産等による資本集約的な経営形態の発展を推進することが要請されてまいっております。ただ、これを進めるに当たりましては、非常に技術的なあるいは経営上の問題がたくさんある。その効果を高めるためには、導入された機械、施設の管理運営などについても特段の指導が必要であるというような事情が生じてまいっております。そこで農業改良普及所等の指導機関の活動が従来から行われておったわけでございますが、昭和四十九年度からは同和関係農林漁家の実情を踏まえた営農研修等もやってまいったわけでございます。これによりまして、機械利用や施設運営に必要な技術、それから営農技術の普及に相当程度寄与してきたと考えております。  ただ、こういったことだけでは必ずしも十分な効果が上げ得ない。先ほど先生からもお話がありましたように、直接もっと具体的に指導するような民間の経験者等も活用する方途を考えたらどうかということで、五十四年度に、いま申し上げましたような国あるいは県の指導機関に対する補完的な機能を果たすための営農相談員というものを設けて相談活動事業を実施しているところでございます。  それで、五十四年度の実績等をどう考えるかということでございますが、五十五年三月一日現在でもって設置しております県は二十七県、そして人員は八十八人になっております。府県によっては、人選だとか、それから人選が行われても具体的な委嘱の手続、こういったことに時間がかかっているところも見受けられるのでございますが、しかし間もなく予定どおり設置されることになろうというふうに考えております。この制度はきわめて同和関係者の中からも要望が強いものでございますので、私ども今後ともその充実に努めてまいりたいと考えております。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 いま相談員二十七県、八十八人と言われましたか。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○政府委員(杉山克己君) はい。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 私どもでは九十七名と把握しているんですが、これ違いますね。兵庫、福岡、広島が七名、それから高知、埼玉が六名、鳥取、徳島、長野五名、群馬、三重、京都、和歌山、岡山が四名、栃木、滋賀、奈良、熊本が三名、大阪、香川、大分、宮崎、鹿児島が二名、茨城、千葉、岐阜、福井、山口、島根、佐賀、これが一名、こういうふうに把握をしているんですが違いますか。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○政府委員(杉山克己君) この営農等相談員の設置は予算上は百二名、三十県ということになっているわけでございます。  ただ、いま申し上げましたように、目下その人選あるいはその後の手続等を進めておる段階でございますので、私、申し上げましたのは三月一日現在の報告によって得た数字でございますが、まだ二十七県、その後の設置状況等もあればこの数字も動いてまいるわけでございます。多分そういった時間的なずれ等による人員かと存じますが、私どもといたしましては予算人員百二名を充足するように今後指導してまいるということで考えているところでございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 五十五年度予算では何名ふえますか。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○政府委員(杉山克己君) 五十五年度予算では人員は同じ百二名ということで計上いたしております。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 それで十分制度が維持できるんでしょうかね。  これは前にも私、指摘をしたことがあるんですが、農家戸数、それから漁家戸数、林家戸数、これは必ずしも五十年の調査の数字というのが単独でそれぞれ存在するんじゃなくて、農家であり林家であるとか、あるいは農家であり漁家であるとか、重複している分がありますが、それを差し引きをしましてもこれまあ大変な、単純集計でいきまして九万三千四百四十六戸、こうあるわけですね。しかも、これはまた後で触れますが、長野だとか広島あたりというのはきわめて少数点在、戸数の少ない、しかもほとんど離れて存在をしている、こういう場合が非常に多いんですが、こういうところへ現在の配置で果たして制度と言えるような筋道のものだろうかどうだろうか、私はこの辺はもう少し事業推進という立場からいきますと、思い切った増員対策というのが必要なんじゃないのかと、こういうふうに思いますが、どうでしょうね。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○政府委員(杉山克己君) この制度の充実を図っていかなければならないことは当然でございますが、ただ営農指導につきましては、農林水産省の場合、国、県を通じての普及事業というものがございます。何といいましてもこれが基本でございますし、それからまた農業団体等による指導ということも行われているわけで、民間の営農相談員の機能というのはこれらと相まっての補完機能ということになろうかと思います。そういう意味では津々浦々まできわめて多数の人間を配置するということにはならないで、本当に切実な事態として、まさにそういうことが求められているような地区にある程度重点的に配置するということになろうかと思います。  ただ、それにいたしましてもまだ人数が少ないではないかという御指摘でございますが、これは五十四年度から新しく発足した事業でございますし、それから、いま申し上げましたようにまだ全員充足するに至ってないような状況であるということ、それからやはり相談員が実際にどういうような活動を続けていけるだろうか、問題点はどういうところにあるだろうか、そういったこともある程度見きわめて、将来のあり方については今後の課題として検討してまいろうかと、かように考えております。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 杉山さんね、なかなか聞いてますと、きれいにすっと流れているんですよ、言葉はね。しかし、現在配置ができるのに充足をしていない、そこら辺の理由というのも私はもっと早く結論を出すべきだと思うんです。現在営農相談員の手当というのは大体幾らになっていますか。多い人で九万円程度じゃありませんか。七万から九万でしょう。したがって、それでは営農相談の役割りが果たせないということで、特に少数点在の多い県につきましては、県がそれに上乗せしているのが実情でしょう。これが島根だとか広島だとか、出ているはずですよ。そこでは一カ月が大体十六万か十七万ぐらいになるようにしないと本当の相談の役割りが果たせないんじゃないのか、相当遠方まで出かけなきゃならぬ、こういう状況ですよね。  先ほど改良普及員制度もあるし、それは総体の関係の中でその中へ入り込むんだからいいじゃないか、あるいはまた団体があるからいいじゃないか、団体の指導もあるんだしと、こういう話なんですが、実態はそうなっていない、そこに問題点があるわけなんですよ。これはもう五十三年のときも私、指摘をしましたがね、改良普及員の中で同和地区に自分から進んで行ってそこで相談しよう、こういう姿勢というのはなかなか教育をしておりましてもむずかしいんです。またそこへ入りますと、農業だけの問題じゃなくて、あらゆる生活の問題の相談の場になるんです、現実問題としては。そういう対応ですから、なるべくそこで専門的にそれらの相談を受けつつ、中心をいわゆる営農相談に置けるような人を育ててもらいたい、配置をしてもらいたいという立場でお願いをしたはずであります。そのことが具体的には実践をされていないんですね、残念ながら。  いま営農相談員の一人当たり受け持つ農家数というのは九百六十三戸、単純平均しますとね。さらにまた、一般も含めた改良普及員の同和対策の戸数に割ったものが二百六十戸、これでは私は制度が生かされていないというふうに断言をせざるを得ないんです。しかも団体のと言いましたね、団体の場合でも、じゃあ団体の中に素直にそういう相談のできるような、そこまで民主化をされておるんだろうかというふうに考えますと、そこにも問題があるんです。詳しくは言いません。ですから、そういう状況の中でこの制度を充実をさしていく、しかも農水省の方針に従って日本が諸外国と太刀打ちのできるような農業政策、そのためには農業基盤をどう充実をさせるのか、そこに今日日本の農家の一番特色の問題としては、持っている耕地面積が非常に狭い。だからこれを広げていかなきゃならぬ。そのためには委託農の問題その他も含めまして、具体的にそれを実施をしていく人がそこで生活をしていく基盤というものをなるべく広げようとして努力をされている、これが農水省の姿だと思うんですよ、現実問題。  そういう立場からいきますと、いまそういう観点からいきましても、この同和地区におきますいわゆる営農の姿というのは全然変化がない、他の職業とのかかわりで切り捨てなら切り捨てで、これは総体的な問題ですよ、きちっと生活の経済性を脅かされないで基盤が確立をしていくというなら、私はそれも政策の一つだろうと思うんです。そういう相談も大いにやるべきだと思うんですね。ただ単に、現に農家であるから農業だけでという方式ではない、あるいは共同して生活基盤が持たれるのかどうか、こうしたところまで掘り下げて相談のできる具体的な活動家というものを育てていかなきゃならぬのじゃないんでしょうか。そういう意味からいきますときわめて問題がある。しかもこれからさらに、出発をしたばかりだから、年次が浅いからまだ定員すらも満杯にようし切れない段階だと、こうは言いますけれども、しかし、少なくとも待遇の問題その他を改善をしていくとするならば、私はもっとそこに骨身を埋めようか、そういう制度の中へおれは入り込もうかという人はたくさんおると思うんですよ。中途半端な状況だから、相談の任務を負わされて、そうしてなかなかその任務が果たし得ない。そして片方では生活のための補充的なものを取りつけなきゃならぬということになりますから、いろいろと問題が発生をして、現に任命がむずかしい、こういう状況になっている。しかし姿勢の問題としては、五十五年度予算ではその増員すら実は予算計上されてない。こうなってきますと、せっかく農水省がやろうとされておる制度自体が死んでしまうんじゃないのかというふうにしか考えられないです。この辺はひとつきちっと私は前向きでやってもらいたいと思うし、総理府、小島さんお見えになっていますから、ぜひひとつその辺も、農水省との話の中は、総理府の考え方で農水省に押しつけるのじゃなくて、十分に聞いて、私はこれからの農水省から出てくる問題に対処してもらいたいし、大蔵省が頑強ならば一緒に大蔵省を説得に回ってもらいたい、実態に合うようにしてもらいたい、こういうふうに思うんですが、この辺のひとつ決意なり何なり聞いておきたい、こう思うんです。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○政府委員(杉山克己君) 総理府の方から別途御答弁いただけると思いますが、確かに同和地区に対する営農指導というのは一般の普及だけではなかなか手の届かないむずかしい問題があることを承知いたしております。しかしそれにいたしましても、私どもやはり普及なりあるいは団体の指導というものを本筋、これが同和の中にも十分に入っていけるように、基本的にはその前進を図っていくべきだというふうに考えております。  それから営農指導員の充実については、先ほど申し上げたとおり、人数等についてはまだ当初の目標の充足も行われていないような状況でございますが、これについては今後の検討課題ということで努力してまいりたいと思います。  それから処遇の改善の問題でございますが、前年の単価に比べますといべとかなり五十五年度は単価を増額いたしております。先ほど八万円程度ではないかというようなお話がございました。これはほかの事務的な経費等、全体とのやりくりで賄っている単価でございますが、本来的な人件費単価については約四割程度の、これは活動日数を増加するというふうなことも含めまして増額を図ったところでございます。  そういうことで、先生の御注文からすれば遅々たるものだというふうに御指摘があるかもしれませんが、制度を設け、さらにはその待遇等についても五十四年よりは五十五年は改善を図るというようなことで努めてまいっているところでございます。今後とも努力いたしたいと考えます。

小島弘仲内閣総理大臣官房同和対策室長

○政府委員(小島弘仲君) 総理府といたしましては、先生御指摘のような形で各省のそれぞれの抱えている問題点、それでつくられた優先順位に従いまして、各省と一緒になって努力しておるところでございます。特に、同和施策につきましては各省ばらばらではなかなか効果的な施策ができない面もありますので、その辺の有機的連携は今後とも十分配意したいと思います。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 そこで、生産基盤強化のための農水省としての事業実施に当たっての大まかな事業ですが、これの実施基準、これもいろいろ指摘をしまして、なるべく実情に合うようにという趣旨、あるいはそれに向かってなるほどこう下げてきたなということがわかるんですが、その辺は現にどうなっていますか。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○政府委員(杉山克己君) 現在は一般的には対象同和関係農家、これは農林漁家含めてでございますが、その戸数、これが十戸以上というのが原則でございます。ただ、離農等の理由で同和地区のそのような関係農家の戸数が減少した場合にはこれは特例を設けるということで、さらに戸数を落としてこれも認めるということにいたしております。  それから、一定地域でかつ財政力指数が全国平均より下回る市町村——一定地域というのは過疎でありますとか、山村でありますとか、産炭地、辺地、こういったところでございますが、そういったところについても要件の緩和を図ってまいっております。  それから事業実施基準の緩和措置につきましては、これは農林業の同和対策事業の生産基盤の実施基準について、受益面積二ヘクタール以上というのを原則にいたしております。これを一ヘクタール以上にということ、それから農道につきましては従来二百メートル以上というものでありましたのを、五十三年度からは百メートル以上ということで基準の緩和を図っております。もともと一般の農林水産業に比べますというと、同和地区についての基準は大幅な要件緩和を図っておるのでございますが、いま申し上げましたような、四十八年、五十二年、五十三年と、こういったような緩和措置によりまして、まず実態的におよそ国の行う事業としては考えられる限り最小の単位まで、これはやはり国でございますから何か一定の基準というものは必要でございますが、そういう点からすると最低の要件まで引き下げて努力してきたということが言えるのではないかと存じます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 五十三年度に質問をしました際に、実態に即して、それでなおかつ運用して問題があれば再度検討する、こういう約束をいただいているはずです。これは議事録の中で明確になっている。ところが、いまお話しをいただきましたのは、五十三年度から実施をされましたいわゆる戸数五戸、農道百メーター、所有一ヘクタール、この基準はそれ以上ないし、それがもう最低だと、こういうお話ですね。ところが現実問題としまして、たとえば広島、たびたび例を出しますが広島の場合なんか、四百七十二地区ありますね。その中で五世帯未満、これが八十七地区二百十三世帯、五世帯未満ですよ。それから五世帯から九世帯、これが百二十六地区八百六十四世帯、こういう状況なんですよね。そうなりますと、これ一体どういうふうに処理をしているんだ。現にこれはいろいろ対策が打たれているんです。これは建設省の関係なんかもあるんですが、実はこの対策が打たれておるのは、国の事業ではこれはなかなかそこまで下がってこないので、したがってこれもう県でやる以外にない。県、関係市町村で協力してやろうということで、実際には一般的には二戸まで、それから場合によっては一戸の場合でも、それぞれのケースに合わせてそうして処理をされておる。それがいわゆる超過負担のような形になって財政を圧迫してきているというような実態なんですね。たとえば長野の場合にいたしましても二百六十九地区、このうち五世帯未満というのが三十七地区ありますし、十世帯未満というのが七十八地区ありますね。  こういう状況でありまして、したがって、少数点在の多く抱えておる県というのは私は大変なことだと思うんです。ですから、その辺はもう少し実態に合って、それぞれの県の特徴もありましょうし、それから少なくともこの事業を達成をしていこうとすれば、これはただ国が事業を実施していく計画の立場から一応の基準を決めておるんでありまして、その基準以下だから放置していいという筋合いは毛頭ないわけであります。だから、そこの点を少し検討するという立場を踏まえて具体的に合わせてもらいたいなと、こういうふうに思うんですが、その辺の運用というのは農水省はどういうふうにお考えをいただくんでしょうか。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○政府委員(杉山克己君) 少数点在の個々の同和の農家をすべて対象にするということになりますというと、これは個人財産というような問題もございますけれども、国の事業としてはいかにも、技術的に見ましてもこれはなかなか乗せがたい。先生おっしゃられましたように、やはり現実の対応としては都道府県なりあるいは市町村が主になってこれをこなしていくということが実際的であろうかと思います。ただ国としましても、先ほど来申し上げておりますようにかなりの緩和措置を講じてまいったわけでございまして、これによって相当程度カバーできるものと考えておるわけでございます。ただ、それをしゃくし定規に機械的に運用すると、もう少し広げてもらいたいところがあるのにかかわらずこぼれてしまうではないかというようなケースが確かにあろうかと思います。私ども、そういった個々のケースについてはまさに県なり地域の実情もあろうかと思います。説明のつく限り、理由の立つ限り、全体として拾えるものは拾っていくように、運用の面で努力する余地があればこれは努力してまいりたいと考えております。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 どうもわかったようなわからないようなかっこうになりますが、運用の問題として検討が加えられて、対策の講じられるものはやっていこうと、こういう趣旨に理解していいわけですね。——うなずいておられますからその趣旨を踏まえていただけると、こう理解をいたします。  ところで、特別措置法が延長をされる際に附帯決議が付されまして、その第一項に基づいて現在実態の把握について努力をされておると思うんですが、この実態把握の関係というのはそれぞれ省としての方針をお持ちであろうと、こう思うんです。したがってその方針、それから何を柱に据えておるか、いわゆる観点の問題、あるいはそれらを据えた場合に具体的にそのことをきちっと数字あるいは文章にあらわしてくるという作業というものは、どういうような手段がとられておるのか、この辺をひとつ説明してくれませんか。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○政府委員(杉山克己君) 同和対策事業の推進のための総合的な基礎資料は、これはもうすでに昭和五十年調査でもって把握されているところでございます。その後の実態の変動等もございますし、それから、事業の実施に伴ってむしろまた範囲が拡大するというようなこともあって、これからの事業をどう持っていくか、そのために必要な実態調査をどうやっていくかということでございますが、私ども各関係府県からの事情聴取を行う、それを基礎にいたしまして担当官の現地調査といったようなことによって実態把握を行っているところでございます。  実態把握はどういう要領で何を内容としてやるのかということになりますと、実はこれは農政局、関係方面と私ども打ち合わせて、こんなことをやってもらいたいということでの、これは口頭ででございますが、指示をいたしております。その指示の内容になっておりますところの調査の一番主たるものは事業量でございます。特に五十年調査で把握した事業量にかかる残事業がどのくらいあるか、これは金額ベースでいきますというと、五十六年までにほぼ消化できるというようなことになっておりますし、私どもそれはさらに五十五、五十六年の予算の措置で努力してそのようにしてまいりたいと考えておりますが、実態としてどうなのかというようなことを知る必要があるというようなことで、これらを中心にして各般の調査を行っているところでございます。  それからいつごろまでにできるかということでございますが、これは私ども五十六年度予算の要求と関連がありますので、そのころまでには整理をして取りまとめたいというふうに考えております。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 いつごろまでにというのは私質問しなかったんで、まあお答えをいただいたんですが、これはむしろ予算委員会の場合に、五十六年度予算編成の時期、したがってそれはいつかと言えば六、七月ごろということは明確になってますから、それに間に合うようにやってもらわなきゃ困るんです、約束事ですから。  それはそれとして、いま説明を聞きましたが、結局五十年調査が基礎になってますね。この五十年調査が基礎になっておるということなんですが、その骨組みというのはやっぱり事業量である、事業量の場合には、五十年調査のときに把握をされたもの、そうしますと、先ほど少し論議しましたように、農水省の事業実施基準というのは、たとえば戸数十戸、農道二百メーター、用地二ヘクタールという基準がありますね。その基準以下のものは、農水省としてはこの実態調査の観点から見て一体どうなるんですか。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○政府委員(杉山克己君) 私、説明の中でも触れたつもりだったんですが、昭和五十年調査以降国の事業の拡大、特に採択基準の緩和等に伴って新たに対象となるような事業が出てまいります。そういったことに伴う事業量、残事業についてもこれは当然調査の対象として考えております。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 いや、それはもう当然な話なんですよ。事業のいままでなかったものをどういうふうに取り入れていくか、より充実さしていくのに。これは当然の話なんです。私がお聞きをしておりますのは、それらの事業計画をしていくに当たって最低の、言うなら足切りに持っていくところの基準があるでしょう。ここから上は国が事業をやりますよ、農水省がやりますよ、しかしそれ以外は農水省はやれませんよと。その基準に達しないところは農水省の実態把握の中に入っているんですか入っていないんですかと、こう聞くんです。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○政府委員(杉山克己君) それは、現在考えております基準以上のものを対象として調査するということで、入っておりません。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 そうしますと、先ほど論議をしました、実態に即して現に五十三年から五戸になっている、基準はあくまでも十戸だと、この場合に八戸、九戸のところは一体今度の実態把握ではどうなるんですか。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○政府委員(杉山克己君) 基準以上のものを対象としてとらえるということでございますが、その基準は当初の固定した基準ではなくて、先ほど私が申し上げましたように、ずっと緩和を図ってきたわけでございまして、その緩和がとられた現在時点での基準、これの対象になるものを拾い上げるという調査になっておるわけでございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 そうしますと、それ以下は対象にならない、こういうことですね。  これは総理府小島さんにお聞きをしますが、そうなりますと、実態を完全に把握するというかっこうになりませんね。総理府はそれでいいんですか。

小島弘仲内閣総理大臣官房同和対策室長

○政府委員(小島弘仲君) 各省それぞれ都道府県等から、市町村から補助対象拡大の御要望があることはよく承知しております。ただ、このヒヤリングは一応残業の正確な把握ということでございますので、現在補助対象となっている事業量を中心にこれは正確に把握していただきたい、それからその他どのような御要望があるか、あるいはどんな問題があるのかというようなこともあわせてできるだけ把握願いたい、このような形で進んでおりますので、中心はあくまで補助対象事業でございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 どうもすっきりしないんですがね。事業の観点からいくとある程度わかると思うんです。たとえば国の基準は農水省がこうですよと、建設省はこうですよと基準があって、それ以下は、その基準に合致をしないところは当該府県が中心になって実態把握に努めなさいよ、事業量についても測定しなさいよと、それを総まとめとして総理府がやりますよと。しかしその後実際に仕事をしていくのは県、市町村あるいは国と、こういうふうに分けて完全にいくようになりますよと、これが私は実態の把握の仕方であり残事業量の測定の仕方だろうと思うんです。そうなりますと、いまのやりとりで、農水省としては現行いままでやってきたところのいわゆる基準以下のところは対象にしていない、当然上がってきませんね。上がってこない部分はやってもらいたいという要求がなければ上がってこない、これがいまの答弁なんですが、それで実態十分なんでしょうか。それが附帯決議の第一項の実態把握の趣旨に沿うんでしょうか。

小島弘仲内閣総理大臣官房同和対策室長

○政府委員(小島弘仲君) 先ほど農林水産省の方からも御答弁がありましたが、あらゆる同和対策事業をすべて国庫補助の対象にするかどうかというのは、これは一つの大きな問題だと考えております。現在国の立場からの調査でございますので、現段階までに補助対象とされておる事業量、これがやはり国が責任を持って実施する事業量ということでございますので、これを中心に把握願っておりますが、あわせて毎々補助対象の拡大等、こういったものについては拡大を図ってきておるわけでございますので、その補助対象事業以外にもどのようなことをお考えになっていてどのような御要望があるかについてもできるだけ事情は聴取願いたいというようなことで進んでおりますが、これは補助対象事業に直接含まれておりませんので、補助対象事業に関して行っておりますような精緻な実態の把握というところまではとても入れないと考えております。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 これはこの前予算分科会で総理府に私がお尋ねをしたときの答弁といま小島室長がお答えになった趣旨と似ているようで大分違うと思うんです。これはきちっと議事録を調べてやってもらいたいと思う。私があのときに御答弁いただいて一応結論を出したのは、実態は全部把握をすべきだ、把握の上に立って何が必要なのかを全部出すべきだと。その何をすべきかという段階の中で、国がやる事業と、県、市町村がやる事業と明確に分けてやっていかないと、これは同対審答申の趣旨に合わないんじゃないですかと、こういう指摘をし、そのことを私は肯定をされたと、こう見ているんですよ。いま議事録を持ってきていませんから読み上げませんが。  そうなりますと、私はその辺を各省とヒヤリングをする際に明確にしながら整理をすべきだと思うんです。ところがそのこともできてない。ところが、実際にはもう翌々月あたりにはこれをまとめ切らなきゃならぬ。私は、ちょっと進行状況からいきまして、実態把握と言っているけれども、また五十年調査と同じようにきわめて不十分な調査しか上がってこないんじゃないのか、こういう気がしてなりません。もう一遍きちっとこれはしてもらいたいし、大臣、いま討論していますような形では、私は四十年の同対審答申とはきわめて趣旨がかけ離れている、事業をしていくのには、国はこれだけですからこれだけは調べましょうと言っているかっこうになっていきまして、附帯決議の趣旨とも合ってこない、こういうふうに思いますので、私はもう一度その辺の観点は政府として統一してもらいたいし、農水省としては、私のところはここまでですが、実態としてはここまでつかみましょうやと、協力をしてね。こういう姿勢にぜひ持っていってもらいたいと思うんですが、いかがでしょうか。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) その実態調査をしたりする場合には、聴取に当たっての留意事項として、私どもの手元にある書類でも、昭和五十六年度までにその残事業全体をしっかり把握をして、そして五十六年度までにできるものとできないものを区分しろということでございますが、しかし残事業ということになっておりますので、いま話を聞いておりまして感じますことは、あくまでもやはり現在の法律の延長線上に立っての上の残事業という政府は考え方ではないかと思うのでございます。そこで、いま先生の御指摘は、そういうものだけではなくて、実際に同和対策を考えてこれからやっていこうという当初の、昭和四十何年でございましたか、そのときの精神からいけばその残事業以外にもあるものがある、これをもっと、そういうものがある場合にはこれはこれなりに検討すべきではないかという御指摘かと思うのでございますが、これはまあ私の所管ではないんで、総理府の方でございますけれども、ひとつ政府部内で検討させていただきますが、私も、実は当時延長の場合、私自民党の政調副会長をやっておりましたので、この問題、実は私は中に入ってやらさせていただいたのでありますが、あのときに、与党、野党の中でいろいろと議論いたしまして、そしてこの問題の延長を認めたときはたしか残事業という形で認めておったと私は記憶をいたしておるわけでございます。そういう意味においては、少し先生の御趣旨とは違った形で私ども自民党の方はたしか了承しておったと思いますし、野党の方も、私どもが強く二年という形で言っておったのが三年になった、その辺のところが、年度の方で妥協をいたしまして、いや年度の方で妥協していただいて、私どもの残事業という範囲の中という形はお認めをいただいたと私は承知をいたしておるわけでございますけれども、しかし、同和対策をより進めていくという上においてどう考えていくべきなのかは、ひとつこれから政府部内で私も検討をすることはやぶさかではないということを申し上げておきます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 念のために、大臣、これは確かにいま大臣の御答弁は私はそのとおりだったと思います。ただ附帯決議をつけました趣旨合いというのは、そこが何といいますか玉虫色になっておりまして、ことさらにつけてない。つけてないんですが、残事業の実態把握ではなくて、同和地区の実態を把握をする、こういうことで附帯決議の場合は意思は統一されていると思うんです。それを、附帯決議の第一項を残事業の実態把握と、こういうふうに受けとめられますと基本的に相当異なってくるだろう。それから繰り返すようで失礼ですが、先ほども言っておりますように、地区の実態というものは、たとえ一戸であろうとたくさんであろうと、これはやっぱり全部把握をするということは、当然同対審答申の言ったところの国あるいは市町村を含めた行政の責任だと私は思う。ただ、それをどういうふうにその実態を解消をしていくために仕事をしていくかの仕事の区分というのは当然あるでしょう。だからその実態はやっぱりきちっとつかんでおかないと、その区分すらも怪しくなってくるんじゃないですかと、こういうふうに言っているわけでありまして、その辺はきちっと整理をしてもらいたいし、これは農水省だけの問題ではなくて、総理府はそういうことできようは来てもらっているわけでありますから、政府機関として統一をし、その線に沿って農水省としてもぜひ努力をしてもらいたい、こういうふうに申し上げておきたいと思うんです。    〔委員長退席、理事穐山篤君着席〕  そこで、肝心の残事業量という観点からいきまして、五十年の調査が基礎になっているんですが、聞くところによりますと五十年の調査は事業量の問題を額的に掌握をしているので実は資料は捨てたというふうに聞いているんですが、これは事実ですか。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○政府委員(杉山克己君) 調査といいますのは、個票といいますか個々の記入をしたカード、これを集計して全体を取りまとめるということになっているわけでございます。恐らくいま先生御指摘になりましたのは、この個票原票のことであろうかと存じます。農林水産省といたしましても、用済みになった個票につきましては、これはすでに集計して全体が把握できているものでございますから、それは処分いたしております。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 私はそこにも、残事業量といいながら実は個票をなくしてしまって、総括表はありますよと。総括表というのは大体総理府から出ているこれの系統ですね。これよりもう少し詳しいんだろうと思います。しかしその程度で果たして基礎になるのかどうかというきわめて不安な気持ちが強いんです。この辺は余り論争しようと思いませんが、少なくともこの種の資料というものがきわめて慎重に取り扱われなければならぬという配慮は私はわからぬではない。しかしそれだけに、私は保存の仕方その他があるだろうと、こう思うんです。必要なところについてはやはり個票というものがないと、具体的にそこの地区、全部違いますから、違う状態を把握をするためには、集約をしたものだけを見ましてもお話にならぬだろう。具体的に突っ込んでいくためにはその個票というものが一つの軸になり、そこの実態をどう把握をするかということについて必要になるだろう。これは切り捨てて、捨ててしまったもんですから、いまさら持ってこいと言ったってこれはできませんからそれ以上追及しませんが、私はこれからの資料の取り扱いについては十分にその辺も配慮をして、そうしてまだまだ私は長くかかる問題だと思いますから、ぜひひとつその辺を大切にしながら次の積み重ねというものが生かされていくようにしてもらいたい、こういうふうに思うんです。  そこで、これは先ほども触れましたが、同和関係農家あるいは林家、特に農水省のかかわっているそういう農家、林家、漁家というのはきわめて零細、しかもその地域は少数点在、そうして一人前になかなか扱われていない、たとえば持っておる土地にいたしましても、自分の住んでおるところから相当離れたところを持っていたりいろいろする実態がありますね。こういう状況の中で、ともかく経営面積が小さくて、地質も悪くて、しかも居住とは無関係にばらついて持っている、こういうケースが非常に多い。それらのことから、八割強というものが大体二種兼業になっていますね。これが実態だと思います。これは二種兼業を余儀なくされている、こういうことになりますね。  そういうところから生活におけるいわゆる経済基盤というものが安定をしないわけですから、これを安定をさしていくということをどういうふうに、何といいますか農山村あるいは少数点在地区、男女を含めた仕事の常時保障をしていくかということが大切な役割りになってくると思うんですね。単にこれは耕作態度だけではないと思うんです。いわゆる男女の仕事をどういうふうに保障していくかという問題、これはひとつ十分に考えなきゃならぬと思うんです。労働の問題ですからこれは労働省だと、こう言うんじゃなくて、農山村という立場を踏まえまして、たとえば山なら山に働きに行くようなかっこうを含めて、仕事保障というものがどうあるべきか、これは私は農水省の所管であろう、こういうふうに思うんですが、それらの対策は一体どういうことになっておるんでしょうか。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○政府委員(杉山克己君) 農林漁家の経営、これにつきましては、確かにおっしゃるように同和地区におきましては規模が零細であるし条件が悪いということで、そこだけでは労働力が十分に燃焼できないではないかということがございます。この労働の場をどうやってこしらえていくかということにつきましては、できるだけ悪い条件の中でも規模の拡大を図る、それから単に生産基盤だけでなく、流通加工施設、そのほか近代化施設、この整備を図って、それの整備とともに就労の場も設けるというようなこともあわせ考えていかなければならないと思っております。  それから、これはごく抽象的、一般的なお答えになって恐縮でございますが、確かに就労条件の改善の問題につきましては、労働省だけでなく、むしろ現地として農林水産省がかなり貢献できる場面もあるわけでございますので、山村対策あるいは過疎対策といったような形での地場産業の育成、あるいはよそから工場導入を図るというような農村工業導入というようなことでの事業も行っておるわけでございます。そういった各般の施策のあらゆる面を総合投入いたしまして、同和地区につきましてもその労働の場をできるだけ提供していく、そして本来の営農の規模拡大、合理化とともに全体としての同和地区の生活水準についてできるだけこれを改善を図っていくということを考えてまいりたいと思っております。    〔理事穐山篤君退席、委員長着席〕

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 ぜひその辺具体化をしてもらいたいというふうに思うんです。ところが、これは農水省が言っているわけじゃなくて建設省が言っているんですが、関係各省といわゆるチームを組みまして、そうして総体的にひとつ地区の生活基盤安定、それから同和地区解消、こういう立場でやっていきたい、これはまあ言っているのがいまから四年ほど前なんです。ところがなかなかそれが実現しません。たとえば労働省、農水省、建設省、自治省、こういうところがやっぱり組みまして、そうして総体として前進をさせるというこういうかっこうをしていきませんと、これからの対応はできないんじゃないかと、こう思うんです。ぜひこれはひとつ大臣働きかけて、農水省も中へ入って、そうしてそのチーム編成をしながら対策を講じていくという形にぜひ拍車をかけてもらいたいと、こう思うんですがね、その辺ひとつ主張いただけますでしょうかね。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 率直に申し上げまして、私は総務長官がそういうことはやるべき仕事だと思うんでございます。私がどうも働きかけるというのは、気持ちはございましても、やはり職務権限の問題もございますので、まあきょうちょうど総理府からも来ておるようでございますので、ひとつ総理府の方から総務長官に言っていただいてやっていただくのが至当ではないかと私は思うわけでございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 小島さん、そういうお話ですから、しり押しを大臣は大いにしようと、こういうことですから、ひとつ長官に話をして、やってくれますか。

小島弘仲内閣総理大臣官房同和対策室長

○政府委員(小島弘仲君) 同和対策事業の大部分は主として市町村事業という形で行われております。建設あるいは農林関係も市町村が中心になっている場合が多かろうかと思います、あと県の段階。そうなりますと、その地元では総合的に一応の御検討は、各省それぞれの縦割りではなくて、地方公共団体としていろんな各種の施策をにらみ合わせて一応整合性のある御計画をつくられているものと考えますが、ただあらゆる地域に各省がチームで出かけるということはとても無理だとは思いますが、幸い各省庁いま現地調査というようなことにも意を用いていただいておりますので、地方公共団体の御希望等も十分勘案いたしまして、必要があるところにはそういうチームということも一つの方法だと思いますので、これはなお内部でよく相談をさしていただきたいと考えております。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 きょうはそれ以上追及しないことにしますが、いま話がありました各省がこの実態の把握といいますより、それぞれの責任者が実情視察といいますか、こういう観点ででも、この地区内の事情というものを詳しく知っていこう、その上で対策を立てよう、こういうことで鋭意それぞれ約束をいただいているんですが、大臣はひとつ、特に私はこの農山村のいわゆる農水省が言っている基準以下のそういう少数点在のところも含めましてぜひひとつ行っていただきたいなあと、こういうふうに思うんですが、その辺ひとつ約束をいただけないでしょうか。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 機会を見て特に少数点在をしておるような地域を含めて視察をするということは、私、時間が許すならば当然私のやるべきことであろうと思っておるわけでございます。ただ、私の役所というのはなかなか忙しい役所でございまして、しょっちゅういろんな問題が随時起きてくるものでございますので、なかなかその辺の時間がとれるかどうかわかりませんけれども、私は正直自分の選挙区ではわりあい同和の皆さんとは親しくいたしておりまして、いろいろとお話も聞いておりますが、そういうことで非常に関心は従来からも持っておりますので、時間が許せばぜひ視察をさしていただきたいと、こう考えております。ただ、約束をここでしちゃったら、今度何かの委員会のときに先生からあのとき約束したけれどもまだ行ってないじゃないかと、こういうおしかりをいただくとこれはあれなものですから、約束とまではまいりませんけれども、ぜひ時間があれば視察をさしていただきたいという気持ちを持っているということを申し上げておきます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 通産の事務次官のように放言をしなければ、これは大臣が忙しければ次官にもぜひひとつ視察をしてもらう、こういう形はぜひおとりをいただきたいと、こう思っています。どうも室長ありがとうございました。  次に、優良農地にするために幾つかの事業をやられているわけですが、せっかく金を注ぎ込んで事業をしたところが他の公共事業等のために多目的に変更をされる状況というのが、これが各所にあるわけですが、この辺の実態というものは把握をされておるんでしょうか。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○政府委員(杉山克己君) 計数的にいまどうかということは存じておりませんけれども、個別に各都道府県等からの話を聴取いたしまして、まあある程度そういった事案も生じているということは承知いたしております。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 それらは、たとえば私が前に公環特で提起をしました群馬県の流域下水道の終末処理場に指定をされています玉村町、ここも実は大きな河川敷が、これは普通の河川敷じゃなくて、私も見てきましたが、立木なんかもりっぱな立木があります。こういうところがはたにありながら、実は優良農地をつぶして終末処理場計画が進行する、出先の農水省はそれについて簡単にオーケーを出してしまっている、こういうケース等がございました。私はとんでもない話だと思うんですね。ただ、事務的にはそういうふうに金を注ぎ込んで経年の短いものはその分だけ取り戻すようにこの契約の段階で整理をされた、そういう私は事務的な問題ではないと思うんですね。いまの農水省の大綱的な進めていく立場からいきますと、少なくとも公共事業とはいえ私は他に適地があるんなら、その方に持っていくようにやっぱり折衝すべきであろうし、せっかく優良農地として開拓をされたところについて、簡単にこれに了解を与えるという姿勢について、私はずいぶん問題ありと、こういうふうに指摘をせざるを得ません。現に私ども三重県でも問題が生じています。これは道路との関係であります。同時に私、ここにも資料一つ持っていますが、これも流域下水道の段階で——これも名前はいまの場合差し控えたいと思いますが——あります。これらは一体、省としてはそうした問題をどこで整理をし、どういう方針で臨んでいるのか、この辺ひとつ説明をいただけませんか。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○政府委員(杉山克己君) 個々の事案について考え方を整理して、一番原案というものをつくるのは、これはやはり私、県であろうと思います。県がそういう何かほかの公共目的と現在の農用地との間の調整問題を持ち上げてきたとき、これを処理するのは直接には地方農政局でございます。群馬県の事案、私も後から調べて承知いたしました。まあ安易に認めたというわけではございませんが、種々の経緯があってこれは認めざるを得なかった。ただ、後々の問題につきましては、付近の営農に支障がないようにというような、そのほかの条件をつけてこれを認めたという経過はございます。基本的な考え方でございますが、それはもう言うまでもなく、私ども、優良農用地の確保というのは最大の業務の一つでございます。せっかくできた優良農用地がほかに、たとえ公共用とはいえ転用されるということはこれは一般的に言って好ましくないわけでございます。そこでそういう優良農用地を避けるように指導してまいる。ただ、指導してまいると言っても、これは問題が起こってからでは若干手おくれということにもなりかねませんので、むしろ計画段階におきまして、土地の農業上の利用と、ほかの土地利用との調整に留意いたしまして、特に都市計画そのほか地方公共団体等の各所の計画がございます。その計画との間で具体的に決定されているところの道路だとか鉄道、あるいはその他の公共用施設の用地、これは農用地区域以外のところでとってもらうというふうに調整してもらうということを原則に考えております。そのようにまた指導もしてまいっております。  ただ、原則そういう考え方でも、個別にはやはり付近の状況、環境の変化、農用地区域以外の土地が全面的に広がってくるというようなことから、あるいはまた地形等の観点から、農用地区域内に公共用施設を設置せざるを得ないというような場合も皆無とは言えません。そういう場合には、私どもは、土地改良事業等の農業施策、それから周辺の農業経営等に支障を及ぼさないということを原則に、一部農用地利用計画のやむを得ない場合の変更というものも認めることはあり得るというふうに考えておりますが、これは極力抑制するという考え方のもとに指導してまいりたいと思っております。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 これも話の筋はいま杉山さんからお答えがありますと、なるほどなとこう思うんですが、現実問題としては、さっき三重もありますよと、こういうふうに言いましたように、各地で起こってるんですね。私いまここに持ってますのは、これもつい最近構造改善事業が行われまして完成したばかりのところが、実はやっぱり何といいますか下水の処理場用地で買収計画に当たっている、こういう状況なんです、これは日本の北の方ですがね。改めてまた明らかにする場合がありますが、本来はこれが決算の私は仕事だろうと思うんですが、しかしきょうは余り具体的にそれはしないでおきます。  しかし、少なくともそういうふうに完成して間のない一等優良地、それをつぶしてしまいまして、しかもそのことについて付近の農民が、いま杉山さんの言われましたように、将来の農家としての基盤が脅かされないような、心配がないんならいいんですが、その該当地域の中にはなるほど脅かされない人もおりますがね。しかし現実にそのことによって脅かされる人が大半おるんです。こういう状況でもそれが予定地にされまして、しかも強制をされようとする。こういう状況というのは私はもう許すことができないと思うんです。少なくとも、地方農政局がその辺をどういうふうに判断をされてやられようとするのかよくわかりませんが、これはもう農水省として明確に、各農政局で現にそういうものがどこで行われておるのか、どこにそういう計画があるのか、きちっと把握をしてもらいたいと思うんです。で、その把握をしたものに対して、どういう理由でここはよろしいというふうに農水省が判断をしたか、それからここについてはこれはもうだめだと、その計画を変えてくださいと関係のところに意見を言ったと、こういうところを私は明確にしてもらいたいと思うんです。この辺は約束をいただけますか。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○政府委員(杉山克己君) 原則として優良農用地の確保のために最大の努力をするということは当然でございます。基準、何か特別、通達等によって一義的な指導ができるかということになりますと、実は個別のやはり地域の実情によってかなり差があると思います。私ども、そういうものが出てくるかどうかということについては、事前にやはり県などとも連絡をとって、相当程度の先のことまで掌握をするということがまず必要であろうかと考えます。  さらに、それらについて事前に計画段階での調整、県内部で、あるいは県と地方農政局との間で行うというようなことをできるだけやっていく、そして万やむを得ないものについては、厳格な考え方のもとに、事後措置等も含めまして、こういう基準でこれはやむを得ないということが世の中にも明確にできるようにきちんとした処理を行うということを図ってまいりたい。そのために、従来からも会議等におきまして十分指導をしているところでございますが、さらにその徹底を図ってまいりたいと考えます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 それからもう一つ最後にお聞きをしたいんですが、農地ですから時期になりますと全部作付をしますね、これは水稲であったりあるいは野菜であったり。ところがそれを、用地計画に入っているからということで、まだ契約が履行されてない、成立をしてないそういう段階で、成立を見越してそこではもう作物をつくってくれるなよと、つくらないかわりにその分を補償しましょうと、そういうような制度というのは今日あるんですか。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○政府委員(杉山克己君) それは民間の個別の契約で土地を取得したい、あるいは何か事業の用に使いたいというところがそういう手当てをするというのは、これは民事上の関係で、特段の制度ということではなかろうと存じます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 それが、たとえば県がそのことを補償する、こうなるとどうなるんですか。私は、公共機関がたとえば買い上げるときに、本来ならつくるべきものだからその分を地価評価に上積みをしまして入れますよと、こういうかっこうはあるだろうと思うんです。しかし現に契約ができてない、こういう段階で、市や町村やあるいは県がその分を補償しまして、まだ用地買収が済んでない、つくらないで草ぼうぼうにしといてくださいよと、こういうようなやり方は私は国の制度も含めて、とるべき筋のものではないし、その制度はない、こういうふうに思うんですがどうですか。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○政府委員(杉山克己君) 公共団体には公共団体としてのおのずからなる使命というものがあると思います。一般の営農に、特段の根拠もないのに、支障を来すような自分たちの事業の執行あるいはそのあらかじめの手当てということは節度を持って行わるべきであろうと考えます。お話のようなことがあるとすれば、それはまあ当、不当の問題かと存じますが、決して妥当でないというふうに考えます。

志苫裕日本社会党

○委員長(志苫裕君) 坂倉君の質問を終わります。  次に、沓脱タケ子君。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 それでは、農業団体の選挙に関してお伺いをしたいと思っております。  農業協同組合は、農業協同組合法第一条にあるように、「農業生産力の増進と農民の経済的社会的地位の向上を図り、併せて国民経済の発展を期することを目的と」して、設立をされていると思いますけれども、そのとおりでしょうか。

松浦昭農林水産省経済局長

○政府委員(松浦昭君) 農業協同組合の目的は、先生のおっしゃられるとおりでございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 農業共済組合というのがございますね。この農業共済組合は、農業災害補償法第一条にあるように、「農業者が不慮の事故に因って受けることのある損失を補填して農業経営の安定を図り、農業生産力の発展に資することを目的と」した、農業災害補償の業務を行うために設立をしたということのようですが、そうですね。

松浦昭農林水産省経済局長

○政府委員(松浦昭君) そのとおりでございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 したがって、農協や農業共済組合は、特定党派や特定の政治家のための政治活動や選挙活動については厳に慎まなければならない、政治的中立の立場を厳守しなければならないと思います。  このようなことから全国農業協同組合中央会は、昭和五十年二月二十日にすでに議決をしておりますが、農協農政活動体制の整備強化方針の中で、「政党に対しては、農協組織の性格に鑑み、一党一派に偏しない。」ことと、あるいは農協は、「経済団体であり、組織自体として選挙活動を行うべきでなく、志を同じくする農業者等が結集する政治団体によって行われるべきである。」ということを決めてあると思いますが、そういうふうに書いてありますね。大臣どうですか。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) そのように承知いたしております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 ところが、夏の参議院選挙を目前に控えまして、当然厳守されなければならない立場に反したと思えることがたくさん行われております。  まず最初にお聞きをしたいのは、農水省の高級官僚の出身者で今度の参議院選挙に自民党から全国区で立候補を予定されている方はどなたですか。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○政府委員(渡邊五郎君) 自民党の方から候補として推薦を受けておりますのは、大河原前事務次官並びに岡部構造改善局前次長でございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 その大河原さんも岡部さんも、当然農水省の前歴を生かして、農業団体のいわゆるぐるみ選挙と思えることを展開しております。大河原さんにつきましては、農林水産食糧団体が推薦団体となって下部組織を締めつけて、組織——後援会づくりをやっております。たとえば農協では、組織で大河原支持を、組織のずばりで出すと政治的中立の原則に反するということで、都道府県農協中央会長会議懇談会をつくって、大河原支持を決議している。従来の実例を見てみますと、大体参議院選挙では全国農協中央会は会長とか副会長の方々が個人として後援会長になることがあったけれども、今度のようなことは初めてだと。しかもこの懇談会のメンバーは都道府県農協中央会長会議に集まられる顔ぶれと全く同じで、こういうことになっておりますから、たてまえだけは政治的中立を保つという姿をとっておりますけれども、実際には全く裏表ということになっております。で、岡部氏も土地改良関係団体との関係は同様でございますが、大臣はこういうことを御承知ですか。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) そういう詳しいことは私、承知をいたしておりません。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 御存じでなかったら、一遍御調査をいただきたいと思います。  で、まあ限られた時間ですので、余り細々私も言いたくないんですが、たとえばこういうことがある。昨年十月の十二日に、群馬県の群馬会館大ホールで、第二十五回群馬県農業危機突破農業委員大会が開かれた。この農業委員大会は、群馬県の農業会議、それから郡市農業委員会協議会、郡市農業会議所、これが主催をされて、群馬県が協賛して開かれております。この大会で、自民党から参議院選挙に出馬予定の大河原氏を推薦する緊急動議が出されて、推薦決議が行われた。で、県の農業会議や郡市の農業委員会あるいは農業会議所が主催して、県が協賛して開かれている農業委員大会で、この立候補予定の大河原氏の推薦決議が行われるというのは、大分問題だと思うんです。どうでしょう。

松浦昭農林水産省経済局長

○政府委員(松浦昭君) 群馬県の農業会議の会長会議でそういうお話が出たということをただいま承ったわけでございますが、これは農業会議という公的な機関が別にそういう推薦を行ったわけではないというふうに思いますし、そこに集まられた方々が私的なお立場でそういうような御推薦等をなさったということであれば、これについて行政庁がとやかく申し上げるようなものではないというふうに考えるわけでございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 そうじゃないんです。いま私説明したように、去年の十月の十二日の、これは明らかに農業委員大会ですね、そこで緊急動議が出されて、決議がされている。これは農業会議や農業委員会協議会、あるいは農業会議所、これが主催して、県が協賛しているような会議で、いかに緊急動議とはいえども、これはおかしいですよ。農業委員の給料、どこから出てるんです。

松浦昭農林水産省経済局長

○政府委員(松浦昭君) 農業委員の給与と申しますか、手当につきましては、国庫が助成をいたしてるということは事実でございますけれども、先生だだいまお尋ねの点は、このような会議の性格論にかかわってくることだろうと思います。で、その会議の内容というのが、会議の性格がこれは公的な会議としてそういうものが持たれている状態であればまた別でございますけれども、そこの中で、正式のそういう農業委員会の会議というような場ではなくて、そういう推薦が私的な立場で行われるということであれば、これは行政庁がとやかく言うような立場ではないというふうに思うわけでございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 あんた、私は具体的な事実を指摘してるんだから、その私的な場所で推薦をしたようなことを私指摘しませんよ。だから、具体的に指摘してるんだから、おわかりにならなかったら調査をなさったらいいんです。そうでしょう。  で、私は特になぜこのことを申し上げるかというと、農業委員会等に関する法律の四十条には、都道府県農業会議の業務以外の業務を営んだときは九十三条一号の規定によって罰則がついているでしょう。だから、そういう点は厳密にやるべきだと。私の指摘をする事態について御存じがないんであったら御調査をなさって、不当であればこれは御指導なさるという立場をおとりになる必要があるんではないかということで申し上げている。そういうふうに御理解いただかないと、それは違う違うって、あなた違うかどうかわからぬじゃないですか。

松浦昭農林水産省経済局長

○政府委員(松浦昭君) ただいま先生がおっしゃられましたのは、都道府県農業会議の公的な場においてそういうことがあったということで伺っておるわけではないわけでございます。つまりこの農業委員会法に言うこの会議の職務権限の中においてこういうことが行われたというふうに私は伺っておらなかったものでございますから、したがってそういう御答弁を申し上げたということでございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 重ねて申し上げておきます。  これは群馬県の危機突破農業委員大会がありますからね、これ一遍念のために調べてごらんなさい。緊急動議としてそういうことが出た、そして決定した。これは御調査をいただきたい。聞いていないと言ったって、あんた現に私どもの方の調査ではそういうふうに出てきているのだから、調べてもらわなきゃ困りますよ。

志苫裕日本社会党

○委員長(志苫裕君) 松浦局長の答弁、ちょっと局長、答弁何遍も同じことなさっていますけど、あなた、いまの指摘された会議が公的な会議ではないという認定をなさっているのですか。

松浦昭農林水産省経済局長

○政府委員(松浦昭君) 私がお答え申し上げておりますのは、ただいま先生もお話がございましたように、危機突破大会という大会でございます。これは都道府県農業会議そのものの会議ではございません。したがいまして、私が申し上げておりますのは、さような観点から申しますと農業委員会法に規定されている会議ではないということを申し上げたわけでございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 いや、危機突破大会であろうとも、しかし集まっている人が農業会議の人たち、第一主催団体が農業会議それから農業委員会協議会、農業会議所が主催団体、県が協賛しておるんですよ。県が協賛と書いてあるんですよ、これ。協賛群馬県、だから念のために調べてください。  ちょっと時間がもったいないから次へ行きます。  農林水産省から補助金をもらって補助事業をやったり、委託事業を受けでいる特殊法人または認可法人が特定政党の予定候補者の推薦決議をやったり、あるいはその特定候補者の顧問に団体として就任をするということはどうですか。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○政府委員(渡邊五郎君) 農林水産省から委託費なり補助金等を支出している団体につきまして、いわゆる政治資金規正法によりますそうした面の規制はあるかと存じます。ただ、そこの具体的な形態がどのようか御質問の内容でわからない点はございますが、それらの団体が公職選挙法等で一般的に選挙活動は一切すべきでないということにもなっていないかと思いますが、その特定の団体等  特殊法人である場合におきましては、当然これは公職選挙法の公務員に準じました適用はあるわけでございますから、これは除外されますが、その他の団体におきまして一般的に制限されているとは存じておりません。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 どんぴしゃり公選法にはひっかからぬと、こう言うわけですな。しかし、実におかしいなと思うのは、ここに五十五年二月二十一日付の「大河原太一郎後援会ニュース」というのがあるんですわ。それを見てみますと、「これまでに大河原太一郎に推せん決議をいただいた中央団体ならびに顧問等への就任団体等」として百四十八団体ある、いま官房長がおっしゃったように、これはどんぴしゃりかからぬ団体もあるでしょう。  ただ問題なのは、この中に農林省から補助金が出ている団体というのは六団体ある。財団法人日本合板検査会を含めれば七団体です。後で資料を渡しますわ。農林省の委託業務を受けている団体が四団体、こういう農水省から補助金を受けたり業務委託を受けたりしている認可法人や、あるいは中には特殊法人もあるのかもわかりませんが、ちょっとその辺はあいまいですけれども……。特殊法人、認可法人は確かです。こういう団体が自民党の次期参議院選挙全国区予定候補の推薦決議をしたりあるいは後援会の顧問に名を連ねるというのが許されるんだろうか。ちょっとわからないですね。税金で補助金を出している団体が団体ぐるみで特定の政党、特定の政治家の後援会の顧問になったり推薦決議をするというようなことは私は直ちにやめさせるべきだと思うんですよ。  中身を御存じないでしょうから、ちょっと言いますと、補助事業を受けている団体は日本林業技術協会、日本缶詰協会、食料品流通改善協会、食品産業センター、それから農村地域工業導入促進センター、全国農地保有合理化協会、この六つに出ている補助金合計は、これは五十三年度ですが、二十六億四千三百九十一万七千円ですよ。大臣、こういう税金で補助金を出している団体が団体ぐるみで顧問に名を連ねたり、特定の候補者のですよ、あるいは推薦決議をその団体でやるというようなことがよろしいか。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) いろいろの団体がこういうすばらしい人がいるからそれを顧問に推戴するということは私はあり得ることだろうと思っております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 そんなことは聞いてない。百四十八団体、二月の段階で顧問団体になったり推薦決議をしたりしておられるんだけれども、それは大臣がおっしゃるように、その候補者の人柄、識見等で推薦決議をなさって——それは御自由かもわからぬ。しかし税金で補助金を出して補助事業をしているような団体がそういうことをしてよろしいかと、このことを聞いている。私は、国民の血の出るような税金で仕事をしてもらっている団体がそんなことをするというのはきわめて不適切だと思う。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 私は、たまたまいま特定の人のことがあるからあれなんでございますけれども、そういうことを考えないで、一般論として、そういういろいろの団体がやはりその事業遂行のために大変プラスになるという人を顧問に推戴するということはあり得るのではないかと、それは国の補助を出しておる団体においてもそういうことはあり得るんではないかと、こういうことを申し上げているわけでございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 そうすると、大臣、こういうことは好ましいということですか。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) その特定の候補者とこう結びつけて話をするといろいろあるかと思いますが、私は一般論としてはそういうことはあり得ると、こういうことを申し上たわけでございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 一般論としてはあり得るということをおっしゃるけれども、私は具体的に実例を事例を出して申し上げているんで、そういうことは農水省の昨年退官をされた高級官僚ですからね、相手が。そういうことは望ましいですかと。税金で補助をしている団体が、団体ぐるみで顧問に就任をさしたり決議をしたりということが望ましいですかと聞いているんです。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 私は、法律に違反するようなことがもしあるならばこれは問題でございますけれども、法律に反しない限りでその団体が団体の自主性で主体性に基づいてそういうことをおやりになるということに対しては、これは私どもがとやかく言うべきことではない、こう思っているわけでございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 それは大臣がそういうお考えだからどんどんそういうことがやられているわけですね。それで、そういうことだからいろいろ問題が起こっているんですわ。  たとえば、たてまえはともかく、実際にはどういうことになっているかといいますと、農業団体等で働く労働者や農業団体の組合員である農民の政治的支持の自由というのは、あるいは政治活動の自由というような権利が侵害される事態が起こっている。  たとえば、これは愛知県のある農協の関係の職場ですけれども、私どもは詳しく調べておりますけれども、この場では具体的に申し上げるのは控えますが、管理職が県の農協政治連盟に半強制的に加入をさせられる、そこを通してカンパの割り当て、演説会の動員、リーフレットの配布などをやらせている。だから管理職は、やむなく各職場で勤務中に部下を集めて大河原さんのパンフを配り、後援会の加入を強制し、あるいはカンパを訴える、選挙になったら従来からは農協の総務部のメンバーというのは全部事務所に動員される、こういうことが起こってきているわけです。公選法の二百二十一条では職場の上下関係、この利害関係を利用して選挙運動をやらせることを禁止していますよね。そういうおそれにもつながるような事態が起こっている。ですから私は、厳正にやるべきだと思うんですけれども、どうでしょう。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 先ほども申し上げますように、法律に抵触するようなことは私は好ましくないと思うんでございます。法律の許される範囲においてそれぞれ個人の立場あるいは団体でもそういう活動の許される団体もあるわけでございます、いまの農協は許されませんが。そういう意味において私はそれぞれ法の許される範囲で任意の団体なり、あるいはもし農協であれば農協の組合員が個人の立場で、私は法律の許される範囲においていろいろの方を応援するということは、これは何も禁止されておるわけではございませんので、それまでいけないというわけにはいかないだろうと思っておるわけでございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 たとえばそういうことが広がってまいりましてどういうことになっているかというと、大河原さんの郷里の群馬県では大河原後援会事務所が群馬県の農業共済組合連合会のりっぱなビルの三階に置かれている。ビルの正面玄関に大きな立て看板が立てられていますよ。これ委員長ちょっと見せたいと思います。(資料を示す)大河原さんのリーフレットには事務所の所在地が群馬県農業共済会館三階と書いてある。  だから、こういうふうに見てまいりますと——もちろん群馬県の農業団体は興農政治連盟だとかあるいは酪農政治連盟だとか農業協同組合協議会の政治団体などいうのをつくっていますわ、実際にはね。政治団体をつくってやっておられますけれども、しかし、まあ県の共済組合連合会の事務所の三階に——これは六階建のりっぱなビルでございますが、表の敷地内に大きな立て看板があり、入った玄関には看板があり、三階には事務所の看板をつけている、それだけでもずいぶん大変だなと思うんです。政治的中立の立場から言いますと、これは冒頭にお聞きしたでしょう、政治的中立の立場をとらなければならない団体ですから、これはそういう政治的中立の立場に反するんじゃないかと思うんですけれども、どうです。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 先ほど申し上げますように、農協自体が政治活動をやっていけないということはないわけでございますが、ただ、農協が特定の個人であるとかそういうようなことをやることは私は必ずしも好ましくないと、こう申し上げたわけでございます。  そこで、それじゃいまの写真なりそういうことはどうかということでございますけれども、しかし、だれだってどこかでこういう後援会活動をする事務所を借りなければできないわけでございます、自分のうちがない場合には。やはりそういうときにはどこかを借りるわけでございまして、たまたま親しいその農協と話し合って、家賃を払うということで契約をして借りてやるということは私は何もそれを禁止すべきものではないと、こう思うわけでございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 よそのビルを借りるより農協あるいは農業共済組合のビルを借りた方がよいということなんですね。だって、農水省の高級官僚で農業団体に長い問いろいろな角度で影響力の大きかった方なんですから。たとえば、大丸百貨店というのがあるかないか知りませんが、大丸百貨店の一角を借りるよりも、それは農業共済組合のビルを借りる方が選挙活動には有利には違いない。しかし、全くどこからどこまで役得を活用するというんですか、そういうふうに県民は見ている。  さらに私は重大だと思いますのは、こういう事務所の職員が農業共済組合の職員を兼ねているということです。農業共済組合に対しては人件費、旅費等の国庫の負担がありますね。これはお聞きしてもいいんだけれども、時間の都合があるから私申し上げますが、あなたの方から資料をいただいたのを見ますと、昭和五十四年度がこの農業共済組合に交付している負担金の総額というのは四百二十八億余りですね。それから五十五年度の当初では四百四十億余り、そういうふうになっているんでしょ。だから、国庫から出ている人件費、役員手当、旅費のあるいは庁費ですね、そういうものが出ているのに、これは事務所を借りているというだけでなくて、職員も兼務しているということになりますと、これはぐあいが悪いんじゃないですか。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) その職員が農協の仕事を放棄して、こちらの仕事をやったということになればこれは問題でございますけれども、農協の仕事は十分した上において個人の立場でお手伝いするということは私は何も、私ども決してそれをとがめるべきことではない、こう思っているわけでございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 それは職務時間にきちんと仕事をして、職務時間外にやっているというのであれば私どももそうだと思いますよ。個人の政治信条によって自発的な行為としてやっている場合はそうだと思うのですけれども、そうではないという疑いがある、だから言っているんですが、これは国庫からの負担金を交付されているのは、選挙運動のために出しているわけではないですね、申すまでもなく。補助金等適正化法の第三条には「各省庁の長は、」その「補助金等が国民から徴収された税金その他の貴重な財源でまかなわれるものであることに特に留意し、補助金等が」「公正かつ効率的に使用されるように努めなければならない。」と定められている。ですから、私はこういう疑わしい姿になっておるということについては御指摘を申し上げておるのでございますから、御調査の上紛らわしいことがあれば直ちにやめさせるべきだと思いますが、大臣の御見解を伺いたい。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 調査はさせます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 会計検査院においてでですか。——いま御指摘申し上げた負担金の使用ですね。私は、たとえば人件費がそのように使われているといたしますと、本来の趣旨に反すると思うんですが、そういうことについては御調査いただけますか。

岡峯佐一郎会計検査院事務総局第四局長

○説明員(岡峯佐一郎君) 国からの補助を受けております農業共済組合であるとか、それから同連合会、こういった団体の職員が、仮に先生御指摘のように、共済事業であるとか保険事業の仕事を逸脱しまして全くその本来の事務を行ってないということでありますれば、これは会計経理上も問題があると、このように考えまして、助成は確かにおかしいと、このように考える次第でございます。  そのような事態の調査でございますが、事柄の性質上なかなか私たちがそういった事態を把握することは困難でございます。また、ことしはすでに一定のスケジュールのもとに現在鋭意検査をしておる段階でございまするので、できますれば行政庁の御指導、そういったものにまちたいと、このように考える次第でございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 大臣、これは通産省所管の中小企業団体の場合には、中小企業庁長官名で各団体に政治的中立の保持を求める通達を出しておるんですね。これは、昨年の総選挙のときにも地方選挙のときにも出しているんですが、参議院選挙が近づいてまいりますと、ますます国民の疑惑を招くようないわゆるぐるみ選挙だと言われるようなことが出てくるのはもう当然でございますので、この際、農水省でも関係団体に対してそういった点の政治的中立を求める通達をお出しになるつもりはありませんか。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 先ほどから申し上げておりますように、農協自体が政治活動をすることはこれは何も禁止されているわけではございません。そして先ほど御指摘のように、私どもの手元にもございますけれども、農協では一党一派に遍しないで政治活動をしようと、こういうことも農協自身が決めているわけでございますから、そういうことを決めているのに、また何か重ねて私どもから指導しなくても、十分そういうことは踏まえて農協がおやりをいただけるものと思っているわけでございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 十分わきまえておられるはずが、いろいろ申し上げているような疑惑を招くような事態というのが起こっているということを御指摘申し上げている。ですから、御調査をいただくということのお話でございましたから、御調査の上、そういうまぎらわしいこと、あるいは不当と思えること、そういうことがあれば、そういう通達をお出しになるおつもりがないかどうかと、こういう意味でございますよ。どうですか。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 群馬の問題は、先ほど私お約束をいたしましたように、ひとつ調査をいたしまして、紛らわしいことのないように指導しなきゃいけないと、こう思っておるわけでございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 どうも出そうと思ってないんだな。これは、まあうまいことやっているんですね。たとえば、これはこんなことをたまたま調べ出したらいっぱい出てくるの。いろいろね。大河原さんは昨年の七月の二十日に退職をされた。在職中の六月、七月に農水事業の実情調査ということで全国へ大体出張されているんですね。まあ俗に地元新聞等では関係団体へ立候補のあいさつ回りをしたと、こういうふうに言われているんですがね。たとえば大河原さんは昨年の六月十二、十三両日に群馬県に出張しておられるんですよ。用件は何でしたかな、あれ、おわかりになりますか。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○政府委員(渡邊五郎君) 六月の十二日から十三日の午前にかけまして、昨年でございますが、大河原前事務次官が群馬県下へ出張いたしました。その用務は群馬県の農協中央会及び群馬県の森連でございますが、共催の農林業団体職員研修会に招聘されまして、この研修会における講演と、その後、市町村長、農林関係団体幹部との意見交換なり所管事項の視察をいたしたわけでございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 まあ私も、いただいた資料にはそれらしいことが書いてあるんだけれども、ところが地元の上毛新聞はこない言うているんですね。十二日に次官就任以来初めて県庁に県知事を公式訪問し、六時から前橋・群馬ロイヤルホテルで歓迎会が行われ、農業関係団体の代表などから激励を受けたと。それはいいわけですがね。また、十二、十三日には県内を回って事実上の出馬表明を行ったと。これ新聞だからそう書いてあると言えばそれまでですが、実際にはそういうことがやられている。それを国民の目から見るとどう見えるかといいますと、、国民の血税を使って出張されて、そして選挙の出馬声明をやっている、選挙運動をやっているというふうに映るわけです。こういうことはやっぱり紛らわしい事態の一つなんです。税金を納めている側から言うとけしからぬと、こうなってくるわけですよね。だって、政治的信条は国民の中でまちまちですからね。その方を支援する立場の方々は、それはうまいこといってよかったと。しかし、反対の方々もいるわけだから、そういうことというのはやっぱりはっきりしなければならないし、まあはっきりしないと、こういうことが数々行われているということになりますと、公費のむだ遣いということになると思うんですが、いかがですか。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○政府委員(渡邊五郎君) いろいろ新聞等の報ぜられることは私ども存知しないことでございますが、これは先ほど申し上げましたように、県の中央会なり森連の共催の研修会がございまして、所用として当然の出張でございまして、所定の手続に従いまして公務による出張をいたしたものと私どもは理解いたしております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 いや、公式に言う行動日程は私どもも存じ上げておりますがね、それが県民から見て、あるいは国民から見て紛らわしいというようなやり方というのは、これはあなたほかでもないやっぱり税金使っての出張ですからね、その辺は厳密に考えなきゃならないということを申し上げている。  で、もう時間がありませんから、どれももう一つ歯切が悪いですけれども、最後にひとつ大臣、歯切れよくお答えをいただきたいと思いますことは、これは先ごろの参議院の予算委員会で問題になったいわゆる退職金問題ですね。これ早く言うたら自民党さんからの肩たたきで退職したわけでしょう、立候補するということで。その大河原さんの場合にはいわゆる勧奨退職金ということで千六百二十一万円、岡部氏の場合は千四十五万円の割り増し退職金を受けている。この問題は、予算委員会でも指摘されたように、札幌地裁でこの種の割り増し退職金というのは返還すべきという判決が出て確定しているんですね。だからこの問題、もし裁判に訴えられたら大河原さんも岡部さんも返金しなきゃならぬのですよ。で、あの予算委員会のときにわが党の議員が指摘したときに新聞等がどういうふうに書いたかというと、ちょうどあれ確定申告の十三、十四、十五の大変税務署のごった返す時期だった。どこの税務署でもごったがえしていた。ジャンパー、レインコート、ねんねこ姿など身を粉にして働いている零細納税者とこれに応接する職員たち、どちらも汗だくだくと。同じ日国会では、これら血をしぼりだすような税金がどんな感覚で使われているかをしのばせる論議があったということでこの問題が触れられている。あるいは昨年北海道でそっくりの実例で、不当だから返還せよという判決が確定したばっかりだ。ところが、総理は国会で法に基づいた措置だと言って追及を突っぱねた。公務員の退職金の出どころは国民の税金であること、まるで自分の金のように税金を使うという権力者のおごりは許せないというふうに言われているんですが、私はこのお二人についても、ひとつ大臣、返金をするようにお勧めになったらどうですか。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 私は思いますのに、やはり退職手当の支給の問題で五条の問題というのは、やはり勧奨退職をした場合にはそれが支給されることになっているわけでございますから、いま何か自民党が肩たたきをやったというお話でございますけれども、私はそうではなくって、現職のその当時の大臣がやはり人事の刷新という形で役所の中において、もうおまえ三十年以上もいるんだからやめたらどうかと、こういうことであったと私は承知いたしておるわけでございまして、そういう点からいけばこの五条が適用になったということが決して間違っておるわけではございませんので、どうも私から前の大臣がやったことは間違っておるからおまえ返せよというわけにはなかなかいかないわけでございますので、御理解をいただきたいと思います。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 大臣がやられたかもわかりませんけれども、客観的に現に立候補されるということで、先ほど御指摘申し上げたように、在職中から県民からは紛らわしいという批判の出るような動きもあると、こういう状況になりますと、やはり片や裁判では確定をされて返金を命ぜられたというこのこともあるわけでしょう。いま大河原さんや岡部さん訴えられたら返金を迫られますよ。だって去年そういう判決があったばっかりだから。それは裁判所が違ったら判決が違うかもわからぬとおっしゃられればそうですけれどもね、そういうことだからそういう点ははっきりされる方がよろしいじゃないかと。大臣非常にてきぱきとお仕事を進めていらっしゃるというので有名でございますから、そういう点もひとつきっぱりと対処していただけたらどうだろうかということでございます。

武藤嘉文自由民主党・自由国民会議農林水産大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 札幌の場合と私はやはり違うんじゃなかろうかと。いま申し上げますようにあくまで行政機構の中で肩たたきがあってやめた場合には、私はそれを出してもこれは何も問題ないわけでございます。札幌の場合は、もう立候補をおまえしろと言ってやったわけでございますから、もし渡辺さんがおまえ立候補しろよと、それだからやめろよと言ってやったんならばこれは私は問題があるかと思いますが、決してそういうことは私は言ってないとこう思っておりますので、そういう点では法律に照らしてこれは問題ないんではないかと、こういうふうに思うわけでございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 時間ですので……。こういうことを申し上げてきたのは何かといいますと、選挙が近づきますとその種の問題というのが次から次と続出をいたします。少なくともえりを正していただかなければならないという状況の今日の情勢でございますから、特に高級官僚御出身の方々の場合には紛らわしいことというのは極力ためてもらわなければならない。そのことが逆に国民の批判を浴びる結果にもなるであろうということを考えまして特にお願いを申し上げておりますので、意のあるところをおくみ取りをいただいて御調査をいただき、紛らわしいと思う点等については、ひとつ的確に御指導なりあるいは御指示なりをいただくように重ねて要請をして終わりたいと思います。

志苫裕日本社会党

○委員長(志苫裕君) 他に御発言がないようですから、農林省及び農林漁業金融公庫の決算については、この程度といたします。  次回の委員会は、四月二十一日午前十時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時五十五分散会      —————・—————

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