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91回国会参議院1980/04/07

決算委員会 第7号

発言数
347
登壇者
37
会派数
5
開催日
1980/04/07

会議録

志苫裕日本社会党

○委員長(志苫裕君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  去る三月二十九日、内藤功君が委員を辞任され、その補欠として渡辺武君が選任されました。  また、四月五日、塚田十一郎君、藤川一秋君及び永野嚴雄君が委員を辞任され、その補欠として北修二君、志村愛子君及び林寛子君が選任されました。     —————————————

志苫裕日本社会党

○委員長(志苫裕君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。  降矢敬雄君、穐山篤君及び和泉照雄君の一時委員異動に伴い、理事が三名欠員となっておりますので、この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

志苫裕日本社会党

○委員長(志苫裕君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  それでは、理事に降矢敬雄君、穐山篤君及び和泉照雄君を指名いたします。     —————————————

志苫裕日本社会党

○委員長(志苫裕君) 次に、昭和五十一年度決算外二件を議題とし、厚生省、環境庁、医療金融公庫及び環境衛生金融公庫の決算について審査を行います。     —————————————

志苫裕日本社会党

○委員長(志苫裕君) この際、お諮りいたします。  議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

志苫裕日本社会党

○委員長(志苫裕君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

志苫裕日本社会党

○委員長(志苫裕君) 質疑通告のない北川医療金融公庫総裁は退席していただいて結構であります。  それでは、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。穐山篤君。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 最初に、環衛公庫の総裁にお伺いしますが、最近の経営あるいは業務成績一般について、ごく簡単に御説明をいただきたいと思います。

加藤威二環境衛生金融公庫理事長

○参考人(加藤威二君) 環境衛生金融公庫は、御承知のように昭和四十二年に発足いたしまして約十三年ばかりになるわけでございますけれども、資金枠は累年増大いたしておりまして、昭和五十四年度の貸し付けの資金枠は二千九百億でございます。業務の内容といたしましては一応順調に推移しているということが申し上げられるかと存じます。  環境衛生金融公庫の融資の対象は、御承知のように環境衛生の営業ということでございまして、飲食店を主体にいたしまして約十業種につきまして、特にその衛生面、衛生設備面、近代化施設面、そういう点に重点を置きまして融資を実行いたしておりまして、それによりましてそういった環境衛生営業の衛生施設面の非常な充実ということが、この公庫の融資、そればかりではございませんけれども、これによって相当達成されているというぐあいに考えております。  貸し出しの結果の焦げつきの点については、たとえば五十一年度につきまして、貸付残高が四千三百二十八億でございますが、そのうち焦げついているものが二千二百万ということでございまして、資金残高に対しまして〇・〇〇五%ということでございまして、この不良債権は年々若干増加はいたしておりまするけれども、他の政府金融機関に比べて特に著しいということではないわけでございます。ただ、私どもといたしましては、やはり貴重な財源を使って融資をしておるわけでございますので、その債権の確保には今後ともできるだけ努力をしてまいりたいというぐあいに考えております。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 その貸し倒れですが、業種別に言って、どういう業種が多いんですか。

加藤威二環境衛生金融公庫理事長

○参考人(加藤威二君) 業種別に申し上げますと、これも五十一年度の決算について申し上げますと、一番多いのが飲食店営業、その次が喫茶店営業、三番目が美容業でございます。  先ほど申し上げましたように、五十一年度は不良債権二千二百三万円でございますが、そのうち飲食店営業が、二千二百万のうち飲食店営業が千二百五十二万ということでございまして五六・九%、これが飲食店営業の不良債権でございます。喫茶店につきましては四百二万でございまして、二千二百万に対しまする比率は一八・三%でございます。三番目が美容業でございまして、これが二百二十九万、二千二百万に対する比率が一〇・四%、こういうことで、飲食店、喫茶店が非常に不良債権のうちで大きなウェートを占めておりますけれども、ただ、これは飲食店、喫茶店に対する融資が全体の約六割近い数字になっておりますので、不良債権も自然にそういった面でふえているということでございまして、各業種別の融資残高に対する不良債権の比率という点から申しますと、飲食店、喫茶店が若干多くはなっておりまするけれども、いま申し上げましたように、絶対額が非常に大きいほど他の業種との格差はないということでございますが、いずれにいたしましても、飲食店、喫茶店等が非常に不良債権としては多くなっているということでございます。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 それから、毎年債券をお買いになっているようですが、電信電話債券はこれは当然でしょうが、国債として外国為替資金証券、短期物を大体百五十八億ですか、この五十一年度には百五十八億のようですね、それから五十三年でいきますと百六十四億円ですか、購入をしておりますが、これは資金繰り上こういう国債、債券を多分購入しているんだろうと思うんですが、この金額の限度ですね、これは総裁の権限の中で買われているのか、あるいは厚生省なり大蔵省の指導があって、しかるべくお買いになっているのか、その点いかがですか。

加藤威二環境衛生金融公庫理事長

○参考人(加藤威二君) 国債を購入いたしておりますが、これは先生御指摘のとおり、一つの資金繰りと申しますか、一時的に余裕金が出ました場合にごく短期間の国債を買っておるということでございまして、これは理事長の権限の中でやっております。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 厚生大臣にこの公庫のことでお伺いしますが、資料を見てみますと、この環衛公庫の業務は、出先機関がありませんので、それぞれの国民金融公庫なりその他市中銀行を通して金融を行っているわけですね。この資料でいきましても国民金融公庫、ほとんど九〇%以上ないしは前後ですね。その他のところはごく限定をされているわけです。言いかえてみますと、この環衛公庫のよって立つそのいきさつは十分にわかりますが、もはやこれだけ定着をしておりますと、国民金融公庫の窓口を通じて国民金融公庫の枠の中でこういうものがあっていいじゃないかと、こういう説も当然出てくるわけですね。これは行政改革につながる大きな問題ですからそう簡単に即断はできないと思いますけれども、資金の調達の方法その他から考えてみて、現在のこの環衛公庫のあり方についてどういうふうにお考えか、御意見をいただきたいと思うんです。

野呂恭一自由民主党・自由国民会議厚生大臣

○国務大臣(野呂恭一君) 環境衛生金融公庫は四十二年発足いたしましてから資金量にも大幅な増額をいたしまして、さらに貸付条件も改善をいたして、環境衛生業者からの借り入れの申し込みも着実に伸びてまいっており、実績がかなり上がっておる。で、その対象といたしております業態がほとんどが中小企業でございます。きめ細かないろいろのその動きに応じて、こういう金庫を独立さしておくことの方が、私どもとしては、中小企業の金融政策と対応しながら、環境衛生の向上の上にも、また近代化を図るためにも必要だという考え方で、まあ五十五年度の予算編成の際に、若干、金融公庫はむしろ国民金融公庫のもとの元親のところにひっつけたらどうだとか、あるいはそこで吸収されてはどうだろうかという意見も一部に出たようでありますが、政府といたしましては、これはやっぱり独立させて、そして業界のいろんなその要望にこたえていくことが環境衛生の向上の上に、近代化の上に大事なことだというような考え方でこれを持続することに決定をいたしておるわけでございます。どうぞそういう設立の趣旨、そして今日もはや定着をいたしておりまして、これを国民金融公庫の中に包含するなんというようなことになりますと業界は大変なことになりはしないかということを思っておるのでございます。  むしろ私はもっとその融資の条件も改善をしながら、環境衛生の零細な業者の要望にこたえなきやならぬというふうな考え方を持っておるわけでございます。

志苫裕日本社会党

○委員長(志苫裕君) 加藤参考人、どうも御苦労さまでございました。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 厚生大臣、きょうは四月の七日ですが、世界保健デーですね。わが日本では、何かきょう行事を予定をされておりますか。関心ないんですか。

野呂恭一自由民主党・自由国民会議厚生大臣

○国務大臣(野呂恭一君) この前、四日に中央大会を開きまして、ことしのテーマの「喫煙か健康か 選ぶのはあなた」ということで、私もごあいさつを申し上げ、あといろんなことで討論などをやって、国民の代表の方々に御理解を願うという行事をやったわけでございます。きょうはその意味におきましてちょうど三十三年目の誕生日であると、かように考えております。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 次に、厚生省関係で法律が提案をされますと、いろんな議論の末いろんな附帯決議が与野党一致で決議をされます。あるいは行政管理庁の行政監察、そういうものが行われますとこれまた必要な勧告が行われる。それから当委員会でも最終的な締めくくりとして警告決議が行われる。これを体して厚生省あるいは環境庁としてもその決議の執行に取り組んでおられるとは思いますけれども、きょうお伺いをしたいと思いますのは、附帯決議の執行といいますか、推進といいますか、そういうことについて基本的にどういう態度で臨んでいるか、その点を冒頭にお伺いします。

野呂恭一自由民主党・自由国民会議厚生大臣

○国務大臣(野呂恭一君) いろんな委員会で最終的に国会の意思として附帯決議がつけられるわけでございまして、そのとき所管の大臣は必ずその附帯決議を十分尊重いたしまして実行いたしますということのお約束を申し上げるわけでございまして、したがいまして、法改正を必要とすることか、あるいは予算の処置によって賄うべきものか、いろいろ問題によって違っておると思いますが、それぞれ国会の意思を十二分に反映すべく、私どもはこの問題の具体的な執行について努力をいたしておるわけでございます。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 過日参議院本会議で、援護法の一部改正につきまして全会一致でこれが可決決定をされました。そのことは喜ばしいことだというふうに思います。  そこで、附帯決議を見てみますと、ここ数年来同じ内容のものが附帯決議としてずっと出ております。今回はこの援護法の改正に伴いまして九つの附帯決議が行われております。この中で目新しいものというのは特にないと思いますが、一つ一つお伺いをしていきたいと思うんです。——附帯決議はお持ちですね。  この第一の問題は、毎年毎年同じような角度から取り上げられております。  それから、二つ目の陸海軍の看護婦の問題につきましては、昨年の決議とやや色合いが変わりまして、今年度予算では調査費がついたと。その意味では半歩前進という感じがいたします。  で、第三の問題ですが、国民義勇隊及び国民義勇戦闘隊、それから公共防空に関する警防団、これも従来と変わりがない。  で、第四項の満蒙開拓青年義勇隊の問題につきましては、昨年と全く表現も同じですね。  第五の遺骨収集あるいは慰霊巡拝については、昨年からの議論、あるいは日中関係の前進なぞもあってこの決議が生まれたわけですが、近く厚生大臣も旧満州に出かけられるというふうなお話で、ここは前向きの前進ですね。  それから、六番、八番、九番につきましては、従来も同じようなものがあったわけです。  それから、七番の原子爆弾の問題につきましては、別なテーブルでこれは審議が行われておりますので、これはまあ除外をしたいと思います。  そこで、大臣にお伺いをしますが、前向きに取り組まれております陸海軍の看護婦の問題、あるいは遺骨収集、慰霊巡拝、このことにつきましては後ほどにいたしまして、第三の問題と第四の問題ですね、義勇戦闘隊、あるいは警防団、それから満蒙開拓青年義勇隊、この問題につきましては、昨年全く同じ附帯決議が行われたわけです。この一年間、厚生省としてはどういう態度で実態の把握なりあるいは検討を進められてきたのか、一年間の成果というものをひとつ明らかにしてもらいたい。

松田正厚生省援護局長

○政府委員(松田正君) ただいま御指摘がございました社会労働委員会におきます戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部改正法案に関します附帯決議の中身につきましては、先ほど大臣からお答え申し上げました趣旨でその実現方についての検討に鋭意努力をいたしているところでございます。  満州開拓青年義勇隊開拓団の問題につきましては、今回の法案を提出いたしました際にも社会労働委員会でいろいろと御議論をいただいたところでございます。特に開拓団につきましては、昨年来そういう附帯決議をいただいたわけでございますので、私どもも関係者あるいは既存の資料を見直すということで作業を進めてまいっております。特に青年義勇隊開拓団につきましては、拓友会という中心的な団体がございますし、また、特に満州関係につきましては国際善隣協会という団体の中に東北地区委員会というのがございます。そういった方々からも、私も直接そこに出向きましていろいろ話をお伺いをしたり、資料の提供を受けたり、そういったことで、とりあえず青年義勇隊とそれから開拓団の実情の把握ということで資料の収集あるいは話の聴取、そういったところをこれまで努力をしてまいっております。特に拓友会関係の方々とは、援護課長を中心にいたしまして、いろいろと資料の収集、当時の状況の再現といったような意味での各種の資料を整備をされておりますものをいただきまして、その実態がどうであったかということを現在検討をいたしておるところでございます。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 私が、去年四月の二十四日の日に社会労働委員会でほぼ一時間この満蒙開拓義勇隊の問題のみを取り上げたわけですが、そのときに当時の援護局長は、最終的に私の話を聞いた上で次のように述べているわけです。「いまおっしゃったような軍事関連業務あるいは国との特別な関係はないというふうに認識してまいりましたけれども、先生のいまおっしゃったような資料につきましても、また入手して、義勇隊開拓団の実情を明らかにする資料として活用したいと、かように考えております。」というふうに答弁をしているわけです。  これは毎回議論があるわけですが、国とのかかわり合いがあったかどうか、軍との関係が直接間接にあったかどうか、その関係を十分に明らかにして援護法の適用の対象にするかどうかというところが問題の中心になるわけですね。ところが厚生省側は、満蒙開拓義勇軍につきましては国とのかかわり合い、あるいは関東軍とのかかわり合いはないと言っていたわけです。ところが私が昨年いろんな角度から資料を明らかにしまして関係ありというものを社労委員会で明らかにしたわけです。  そこで、援護局長がここでも言っておりますように、それでは、いままでは関連はないと考えていたけれども、そういう新しい情報の提供があるんだからこれは関係者と十分に相談をして、調査をして、あるいは実態把握に努めて問題の解決に当たりたいと、こういうことになったわけです。私はそのときにも、私が持っております資料は提供しましょう、いつでも政府は声をかけてほしいと、こういう申し出をしてあったわけです。ところが、その後厚生省側からは私に一言の御連絡はないんです。で、いまお話のあります拓友会というのは、私も関係をしておりますけれども、関係者にお話を聞いても、核心に触れるようなお話や調査や、あるいは実態把握のために必要な資料の提供というお話はなかったわけです。厚生省としては、先ほど冒頭に大臣が、この附帯決議というものは十分尊重してやると、こう言っているわけですけれども、現実に一年間皆さん方は何を本問題につきましてやってきたのか明白じゃないんですよ。いま答弁されているようなことはさらさら私の経験で言えばなかったんです。いいかげんなことを言われておったんでは委員会の権威にかかわるわけです。具体的に、いつ、だれと、どういう点について資料の提供を求めたか、あるいは皆さん方が積極的にどういう角度で資料の収集に当たったのか、その点はっきりしてもらいたい。

松田正厚生省援護局長

○政府委員(松田正君) いま御指摘の点につきましては、拓友会関係の方々から厚生省は非常に冷淡に取り扱っておるのではないかと、こういうようなお話があったことも仄聞をいたしておりますし、はなはだその点につきましては恐縮をいたしておりますけれども、私どもといたしましては青年義勇隊と、それから開拓団の方と、従来は同視をするわけにはいかないという立場でずっとまいったわけでございます。したがいまして援護法は、御承知のように戦争公務あるいは戦争公務に準ずるような、つまり国との関係がどの程度存在し得るか、またし得たかと、こういったような見地から援護法の適用を考えざるを得ない、そういう法体系になっておるわけでございますので、開拓団につきましてはその辺の関係を再度詳細に調査をする必要があろうかと思います。そういうことで、昨年御指摘を受けまして以来、拓友会等ともことしに入りましてからいろいろ接触をいたしております。それから、先ほど申し上げました東北地区委員会にも私なり庶務課長が出かけましていろいろと話を伺っておる。調査につきましてはそういうふうに漸次密度を深めていくと、こういうまだ段階でございます。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 厚生大臣、まだ軍人恩給につきましては参議院の方に法案が回ってきておりません。しかし、改正の原案を見ますと、やっぱり生活水準を上げなきゃならないというふうなことや、それから最低保障を引き上げるというふうなことも入っております。なおかつ、目につきますのは、新たに適用の拡大も図られているわけです。今回の軍人恩給の一部改正法はそういうものから成り立っているわけです。  それから、過日参議院を通りましたこの援護法につきましても、金額を増加するということもありますが、適用の範囲もふやしているわけです。その意味で言いますと、国との関係、軍とのかかわり合いがあったというものにつきましては、いろんな事情があったにいたしましても可能な限り優遇措置をとろうと国全体が努力をしているわけです。ところが援護法に常につけられております附帯決議は、一部を除きましては旧態依然として全然前向きの処理がされていないというのも、これも特色なんですね。この点は大臣どういうふうに考えますか。

野呂恭一自由民主党・自由国民会議厚生大臣

○国務大臣(野呂恭一君) 私も恩給関係にはいろんな御縁もございます。したがいまして、本年度の恩給法の改正の内容について、御指摘のような方向で前向きな処置がとられておることは承知をいたしておるわけでございます。それに対しまして援護法の方は一向前進がないではないかという御指摘、とりわけこの満州開拓青年義勇隊の開拓団についての援護法の適用をするかしないかという問題について、毎回附帯決議でその御要請があるわけでございます。  先ほど局長から答弁いたしておりますように、随時これらの問題について分析し、軍との関係があったかなかったか、実態上その戦闘行為の中において援護法の適用を受ける対象であるのかどうか、こういう点まで核心に近づきつつあると私は判断をいたしておるわけでございます。衆議院の委員会で私はかなり前向きに答弁したつもりでございますが、単に答弁の問題でなくて、私のいま感ずるところは、その義勇隊の開拓団についてはその実態がどうも軍の関係、いわゆる戦闘に参加しておったというような実態ではなかろうかというふうにも考えられるわけでございますが、その実態を十分分析し、検討しながら、援護法の適用範囲の中に含めていくべきではないだろうかというふうな気持ちでございますが、なかなか、それを断定するには一般戦災者との関係等いろいろの問題が絡んでまいりますので、まだそこまで結論を出していないことは大変申しわけないと思います。いずれにしても、こういう恩給法にもなじまないもの、援護法にもなじまないもの、そして谷間にあって、しかしあの戦争の中におきまするいろんな犠牲の段階、その実態、そういうものか十分検討しないと、簡単にこの問題は切り離して、これだけは援護法の対象にしましようという部分的な解決になし得ないという問題もございますので、大変おくれておりますことは申しわけかく存じますが、少なくもこういう問題はそういつまでも放置するものであってはならないと、かように考えます。早く結論を出してまいりたいと思うのでございます。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 まあ附帯決議もいろいろな角度からつけられますので、そうせっかちに処理のできないものもあろうと思うんです。しかし、これは戦後処理の一環でありますので、あと五年も十年も時間をかけて調べるというふうなものじゃないというふうにわれわれ思うわけですよ。  そこで大臣、問題をもう少し前向きに進めるために、必要な関係者を一堂にひとつ集めていただいて、具体的な資料の提供、事実の口述というものをさせるということがいいと思うんです。その結果、話し合いをした結果、いや、これは軍との関係がなかったんだというふうにお互いが承知をするならば、それはまたそれで処理ができますし、関東軍なり国とのかかわり合いがあったというふうに証明されるならば、それはそれで処理する方法ができるわけです。このまま皆さん方に調査をお任せをしておきますと、どうも時間がたつばかりでしょうがないような気がするわけです。ですから、この機会に、たとえば今年度中にひとつそういうものを一遍きちっとやってみて、それでまあ来年判断をするならするというふうなけじめをつけた方がいいと思うのですが、いかがですか。

野呂恭一自由民主党・自由国民会議厚生大臣

○国務大臣(野呂恭一君) 御趣旨の線に沿って年内にとにかくけじめをつけていきたい、いわゆる戦後処理の問題をいつまでも放置するわけにはまいりませんので、十分ひとつ検討さしていただきます。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 さてそこで、いま申し上げましたのは附帯決議に対します取り扱いなんです。しかし、それぞれ与野党含めてこの附帯決議に載っていない戦後処理の問題について、議員立法なりあるいはその他請願でも出ているわけですね。そのことにつきまして、去年同じく四月二十四日の社労委員会で当時の橋本大臣は、「いわば援護法の接点部分の問題がみんな残ってきておるという感じが私もいたします。」と、こういうふうに前提条件を認識をいたしまして、「やはり有識者の方々の御意見等も伺いながら、今後の行政をしなければならないかなという感じを私自身も率直に持っておるということで、きょうはお答えを閉じさせておいていただきたい」、こういう返事があったわけです。その当時、四月二十四日でありましたが、午前午後、社労委員会でその種の問題が大いに議論になりまして、最終的に、橋本大臣の個人的な意見ですが、戦後を終わらせるために、援護沫とか現行法に拘束されないで何か方法がないかな、一遍研究をさしてもらいたいという回答があったわけです。その点について厚生大臣、どんなふうに認識をされますか。

野呂恭一自由民主党・自由国民会議厚生大臣

○国務大臣(野呂恭一君) いわゆる接点部分を検討するために、援護局の中にプロジェクトチームをつくりまして、一体この問題をどう扱うかということについて検討いたしているわけであります。いわゆる個々の事実認定の問題であるのか、あるいは法令の解釈範囲の問題であるのか、つまり法の運用によって解決できぬものかどうか、もう一つは制度的な問題として法改正の必要があるのかどうか、こういう問題について鋭意研究を行いまして、接点部分の検討をいたしておるわけでございます。早く結論が出るようにいたしたいと考えておるわけでございます。橋本厚生大臣がなお有識者の意見を聞くと、そうなれば、適当な審議会なり、あるいは新しく審議会をつくってそれに諮問したらどうだろうかということであったかどうか、その具体的なことは私も理解できませんが、いずれにしても厚生省内でこれはもう検討を始めておるということでございます。早く結論を出して、できる限り戦後処理の問題について政府としてのはっきりした一つの見解、姿勢を明らかにしなきゃならぬ、かように考えます。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 時間がありませんので要請だけしておきたいんですが、従軍看護婦の問題につきましては、調査費がついて、関係者もいろいろ努力をして名簿の確定を行っております。われわれもそれぞれ協力をしますので、可能な限り早く実態の把握を行っていただいて、具体的に処遇の改善に当たってもらいたい。  それから旧満州地区への墓参団の派遣につきましては、厚生大臣、団長で行かれるそうでありますが、大変御苦労さまです。私どもも長年主張してきた一人でありますので、まあ春秋二回、これからの計画として、毎年一回でなくして、他の南方であるとかサハリンであるとかというようなところは過去何回となく実績があるわけですが、旧満州地区はことしが初めてであります。その意味でいきますと、引き揚げてまいりました遺族、家族の方々もかなり年輩者も多いわけでありまして、考えてみますと春秋二回ぐらい、中国側と十分に協議をしていただいて、円滑に運ぶようにしていただきたいというふうに要請をしておきます。  それから、いまの問題に関連をしますが、昨年の社労の委員会でも私申し上げておきましたのは、とかく派遣団を構成する場合に、軍人軍属というのも重視をしなければなりませんが、旧満州地区というのは、軍人も当然ながら、民間人が非常に多く住んでおったわけですね。あるいは戦闘行為にも参加していた人が多いわけです。そういう意味で、構成の、編成のあり方についても知恵のあるやり方をとっていただきませんと、また戦前のものが戦後にそのまま引き継がれていやな思いを残してはならないというふうに思いますので、その点は強く要望をしておきたいというふうに思います。  それから次に環境庁さん、三月二十四日の日に、例の合成洗剤に絡みまして、「富栄養化対策について」という特別な通知が、通牒がといいますか、これが明らかにされたわけですが、これの考え方、それから各省庁に対します要請の内容、それから取り組み方、これについてごくかいつまんでひとつ明らかにしてもらいたい。

土屋義彦自由民主党・自由国民会議環境庁長官

○国務大臣(土屋義彦君) お答え申し上げます。  私、昨年環境庁長官を拝命いたしました直後、霞ケ浦、その後東京湾を視察いたしまして、富栄養化対策の重要性というものを深く痛感をいたした次第でございます。  先生御案内のとおり、近年特に閉鎖性水域における湖沼や内湾等におきまして富栄養化が進み、水道の水が濁ったり、ろ過障害が起こっておるようなわけでございます。  そこで環境庁といたしましては、富栄養化の要因物質の一つである燐の削減のために、昨年末から窒素、燐等水質目標検討会を設置いたしまして、本年の夏をめどといたしまして鋭意検討をいたしておるような次第でございます。また、御案内のとおり地方自治体におきましても、富栄養化防止の観点から、燐を含む合成洗剤の使用の自粛等がとられてまいっております。  このような状況にかんがみまして、先月の二十四日、総合的な富栄養化防止対策の一環といたしまして、各省庁に対しまして、燐を含む合成洗剤の使用につき特段の御配慮を願いたいという御通知を申し上げたような次第でございまして、幾つかの省庁に対しましては担当官を派遣いたしまして理解を求めたところでございます。さらに先月二十五日の閣議におきましても、私から各閣僚に対しまして要請をし、積極的に協力をお願いをいたした次第でございます。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 通産省にお伺いをしますが、全国で約二十二、三県合成洗剤を追放というところもありますね、あるいは無燐なり低燐の合成洗剤に切りかえよう、あるいは石けんに切りかえようという話が出ていますが、通産省としての業界の指導は、最近のような世論の上に立って、どういうふうに業界に対して、石けんをつくれ、あるいは粉石けんをつくれというふうな要請をしているのか、あるいは無燐の合成洗剤なり低燐化を図れというふうな、どちらの方にウェートを置いた具体的な指導をされているんですか。

大高英男通商産業省基礎産業局化学製品課長

○説明員(大高英男君) お答え申し上げます。  通産省といたしましては、従来より品質等の点で消費者の利便を損なわない形で、合成洗剤中に含まれます燐の低減化を推進してまいったところでございます。ただいま先生お話しのように、最近地方自治体等におきまして、粉石けんあるいは無燐洗剤あるいは低燐洗剤、こういったものに対する要請が高まっておるところでございます。したがいまして、通産省といたしましては今後合成洗剤の低燐化、無燐化、こういった指導方針をさらに一層強化してまいりたいと、かように考えております。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 いまのお話を聞いておりますと、無燐なり低燐の合成洗剤はいいんだというふうに聞こえたんですが、そういうことですか。  私のお伺いしておりますのは、通常、石けんあるいは粉石けんは無害という認識なんですよね。ところが合成洗剤は、無燐にしろ低燐にしろ、いろいろな分野でまだ障害を残す。ですから世論としては、合成洗剤を追放して石けんなり粉石けんに切りかえていこうという運動が盛んになっているわけです。そういう背景を受けて、通産省として業界に対してはどちらの方にウェートを置いて御指導をされているんですかと聞いたわけです。

大高英男通商産業省基礎産業局化学製品課長

○説明員(大高英男君) ただいまのお話は、合成洗剤に対する主として安全性の問題に絡めてのお話かと存じますけれども、この安全性の問題につきましては、厚生省等を中心といたしまして、すでに科学技術庁の特別研究調整費等を使いまして過去に研究されたこともございます。そういう結果から申し上げますと、合成洗剤につきましては通常の使用の状態におきましては問題がないと、こういうふうな結論が出ておるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、合成洗剤そのものを追放するということはどうかというふうに考えておりますので、消費者の需要に合わせて、粉石けんの御希望の方にはそれが供給できるよう、あるいは無燐洗剤その他のものが御希望の方にはそういったものが供給できるように業界を指導していくつもりでございます。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 石けんにしろ粉石けんにいたしましても、その原料はどうしても輸入をしなければならない。そこで、需要がありましても供給体制がなければコストは合成洗剤よりも高いということになりますので、まあ言ってみれば多少の隘路がそこにあるわけですね。ですから、石けんなり粉石けんをつくるために、通産省として業界をある意味では助けてやらなければならない立場ではないかというふうに考えます。業界側からの言い分を聞いておりますと、合成洗剤を低燐化すれば、あるいは無燐化すれば、これはもう公害にしろ何なりというものは少なくなると。一方、石けんあるいは粉石けんというのはコストが高くてそう簡単に切りかえられないと、こういうふうに主張しているわけですね。それならば、油脂の輸入について業界が十分に努力をするにいたしましても、側面的に通産省なりその他の関係省庁が協力体制をとることによって問題の解決を一歩一歩前向きにしていくことができるというふうに考えるわけです。そういう意味では、業界の主張もあろうと思いますけれども、通産省としての自主的なあるいは独自的な判断、指導というものもあっていいんじゃないかというふうに思いますが、どうですか。

大高英男通商産業省基礎産業局化学製品課長

○説明員(大高英男君) いまお話しのように、粉石けんの原料でございますのは、牛脂とかヤシ油、こういった天然の油脂でございます。日本におきましてはその大部分を輸入に頼っておると、こういうふうな現状でございます。したがいまして、こういった天然のものでございますために、急激な需要増がございますと供給を確保する点で若干問題が発生するおそれもあると、こういうふうな状況でございますが、現在粉石けんの需要量と申しますのは粉末の合成洗剤の需要量の約五%程度でございます。したがいまして、今後こういったものがどういうふうに伸びていくかということにもよるわけでございますけれども、当面こういった通常の伸びぐあいの場合には、まずそういった原料面でもそう急に問題になることはないんではないか、私どもといたしましては、石けん業界とともに原料確保の問題につきましては今後一層検討を進めてまいりたいと、かように考えております。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 私は、環境庁のこの通達が出た二、三日後に永田町かいわいの官庁を調べてみました。それから国会の中の売店も調べてみましたが、合成洗剤がかなり姿を消しておりました。いいことだというふうに思うわけです。それからこの近辺の小売店あるいはスーパーも歩いてみたわけですが、ここはまだまだ十分じゃないんですね。合成洗剤が正面にどんと出ておりまして、石けんあるいは粉石けんの方は後ろの方にたまっているわけですよ。よほど目を向けてみないと粉石けんというのはわからない。言いかえてみますと、国の姿勢というものがきちっとしていないというところに問題が依然として残されているような感じがするわけです。なるほど合成洗剤を無燐にしたりあるいは低燐にした場合の問題につきましては検討されていることは十分承知をしておりますけれども、しかし、粉石けんなり石けんの方がいいんだということが明白である限り、それに切りかえていく努力を業界もあるいは監督官庁もしていくのがこれが通常ではないかというふうに思うわけです。そういう意味でいきますと、どうも通産省の態度というのは煮え切らない。何か業界の主張というものを、意見というものを半ば許しているような感じがしてならないんですが、その点いかがですか。

大高英男通商産業省基礎産業局化学製品課長

○説明員(大高英男君) 私どもは、お話しのようなことではございませんで、消費者の需要にこたえまして粉石けんあるいは無燐洗剤、こういったものを十分に供給するよう今後も努めてまいりたいと存じます。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 数字で見ますと、これは私の数字の方が古いんでしょうけれども、石けんの方が一〇%、それから合成洗剤の方が八六%ないし九〇%、合成洗剤が圧倒的に占めているわけですね。伸び率につきましては、五十三年と五十四年を比べてみますと、やっぱり地方の運動のこともあったんでありましょう、需要がふえて多少の伸びがありますけれども、それにいたしましても比率は余り変わらない。ですから、思い切って石けんなり粉石けんというものを業界が製造をして市場に出しさえするならば、こちらの方にみんな切りかえていくわけですよ。業界自身としてみても、設備投資なり設備改良でなかなか大変だとは思いますけれども、しかし、消費者がもう合成洗剤は使いませんということを決めて買わなければ合成洗剤はストックするわけですね。そのことを考えてみれば、もう少し積極的な指導というものを行う必要があるんじゃないか、われわれはそう考えるわけです。  また地方自治体の指導を見ておりましても、そういうふうな傾向にみんな変わっていっているわけです。いま私がここに出しましたのは埼玉県の「県民だより」です。この一面に、「埼玉も有リン合成洗剤追放へ」というふうに、県の広報機関紙ではっきり出しているわけですね。これは県民運動としてもういやおうなしに進展をする可能性を持っているわけです。ですから、そういうことを十分に通産省も把握をしていただいて、石けんなり粉せっけんに切りかえていくという努力を、決断をするようにこの際強く求めておきたいと思うんです。その点、厚生大臣なり環境庁長官、お考えいかがですか。

土屋義彦自由民主党・自由国民会議環境庁長官

○国務大臣(土屋義彦君) お答え申し上げます。  国の機関に対しましては先刻御答弁申し上げましたとおりでございますが、地方自治体に対しましては、現在すでに行われておりまするこの瀬戸内海関係府県の連絡会議や、また近く東京湾関係都県等連絡会議の場を通じまして、富栄養化対策の推進、指導を行ってまいりたいと考えております。そのほかの自治体につきましても、必要に応じ同様の連絡の場を設けまして所要の指導を行ってまいりたいと考えております。  また民間に対しましては、パンフレット等を作成いたしまして配布する等の方法をただいま検討をいたしておる次第でございます。

野呂恭一自由民主党・自由国民会議厚生大臣

○国務大臣(野呂恭一君) 合成洗剤の安全性の問題については厚生省の管轄でございますので、環境庁の対策に対しまして十分協力をさしていただきたい、かように考えております。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 合成洗剤是か非かという本格的な論争はきょう行うべき性格の委員会ではありませんので、別なところに譲りますが、環境庁でせっかくこれだけのものが、ある意味で言えば決断をして出した通達だというふうに思うわけです。で、これは環境庁だけの問題でなくして、国全体がこの通達に適合するように全体の姿勢を変えていく必要がある、こういうふうに考えます。またいずれ改めて本格的な問題の解明は行いたいと思いますので、別に譲ります。  それから、最後の課題として、厚生省関係の同和対策についてお伺いしますが、まず最初に総理府に明らかにしてもらいたいと思いますのは、さきに三年間の延長が決まったわけです。三年のうちにすべての事業を完結しなければならない、こういう気持ちだろうというふうに思いますが、この附帯決議の三項目について、どういう姿勢で執行されるのか、まずその点からお伺いをします。

小島弘仲内閣総理大臣官房同和対策室長

○政府委員(小島弘仲君) 法改正の際の附帯決議につきましては、これを尊重いたしまして所要の施策の推進を図っておるところでございまして、第一点の実態の把握につきましては、五十六年度予算に間に合うように、実態の的確な把握を関係省庁にお願いしているところでございます。またこれと並行いたしまして、今後に同和問題の早期解決を図るための必要な施策のあり方、その展開の方法等についても、現在検討を進めているところでございます。  第二点の地方公共団体の負担の軽減でございますが、これにつきましては、毎年、補助対象事業の拡大、補助額の増額等を図りまして、法施行の昭和四十四年当時補助対象事業は十三事業でございましたが、現在では六十一業種に拡大する等、逐年その拡充を図っているところでございます。  第三点の啓発活動については、これは同和関係施策の最重点項目の一つでございますので、五十五年度予算におきましても、厳しい財政状況のもとではございますが、対前年比二四%増の二億三千百万余の経費を計上しているところでございます。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 そこで、いろんな委員会を通して、附帯決議のうち特にこの実態の把握について質問が集中しているものと思います。  そこで、いまの問題にもう一遍触れるわけですが、実態調査をやるというのは、総理府の対策室自身が一定の方向を決めて調査に入るのか、それともこれからはすべて関係省庁がそれぞれの分野で実態の把握に努めるということになるのか、その点いかがですか。

小島弘仲内閣総理大臣官房同和対策室長

○政府委員(小島弘仲君) 同和関係施策は多くの省庁にまたがる問題でございますので、大筋につきましては、総理府を中心といたしまして関係省庁の連絡を密にしながらその実施に努めているところでございます。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 さて、厚生省としては、この附帯決議のうち特に実態調査というものについては、どういう計画で、どういう内容のものを対象にしながら調査を進めるのか、あるいは調査はいつ完了させるのか、その計画はおありになりますか。

山下眞臣厚生省社会局長

○政府委員(山下眞臣君) 現在までのところ厚生省といたしましては、昨年、大臣も現地視察をされ、担当官も数回にわたり地区に訪問をいたした等のことで、現地調査というようなことをできるだけ行うというのを一つの方法といたし、かつまた、毎年、厚生省で持っております環境施設の改善の事業のための補助金配付等の際に、都道府県の全係官にお集まりをいただきまして、その事情の聴取等を行っておるわけでございます。各都道府県におきましても、それぞれの県におきまして相当の調査をいたしております。そういったものを聴取、整理をいたしまして、その実情の把握に努めてまいりたいということで、現在ちょうどヒヤリングをやっておるところでございます。  ただいま総理府の対策室長からお話もございましたようなことで、総務長官も、国会におきまして明年度予算の編成に間に合うように、その実情を把握して残事業の把握等を行うように御指導をいただいておるところでございまして、その線につきまして努力をいたしてまいりたいと考えておる次第でございます。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 厚生省関係としては、いわゆる施設整備が一つありますね。それからもう一つは事業費に係るものなんです。予算の振り合いを考えてみますと、ほとんど九〇%近い金が建物に集中をしているわけですね。このことは別に悪いことじゃないと思うんです。この建物関係は今後二年間の間に皆さん方が立てられました計画どおりに進むかどうか、これが一つです。それから二つ目は、非常に問題が多いのは事業費の方なんですね。建物の中の魂の問題といいますか、具体的な問題ですね。この厚生、保健、福祉関係の事業の問題がこれだけの小規模の予算で果たして十分になし得るのかどうか、この点非常に疑問なんですが、とりあえず二つ、いかがでしょう。

山下眞臣厚生省社会局長

○政府委員(山下眞臣君) まず、第一点の施設整備に対します考え方でございます。  昭和五十年の実態調査、五十年以降の国庫補助の予定額といたしまして千六百七十五億ということに厚生省関係は相なっておるわけでございますが、金額的には実は五十年度から五十四年度までで千七百九十八億の国庫補助を投入をいたしまして、さらに明五十五年度におきましても五百九十八億の予算計上をいたしておるところでございます。しかしながら、それは金額の上でのことでございまして、今後さらにどれくらいの事業が残っているか、いわゆる残事業はどうかということにつきましてはいろいろの見方があろうと思うわけでございます。その間における物価上昇等によるデフレートの問題等もあろうかと思うわけでございます。先ほど申し上げましたようなことで、その残された事業の実態につきまして関係の都道府県からヒヤリングをいたしまして、どのぐらいの事業をあと行うべきか、残されているかということを鋭意いま聴取に努めておるところでございまして、先ほども申し上げましたように、明年度予算編成に間に合うようにその実態把握をいたしたい。いずれにいたしましても、残されました期間内にこういういわば物的事業と申しますか、こういった残事業の完遂ということを目指しまして地方公共団体と一体になりまして努力をいたしてまいりたいと考えておる次第でございます。  先生申されましたように、そういった施設整備、物的事業ということのほかに、いわゆる非物的事業と申しますか、そういったソフトの事業というのも確かに重要な事業の一つであるわけでございます。この面につきましては、私どもの理解といたしましては、特別措置法の期限が切れようと切れなかろうと、ずっと切れました後におきましても力を入れていくべき分野の一つだろうと考えておるわけでございます。中心をなします隣保館事業につきましても、明年度所要の改善をいたしておりますし、また、五十五年度の新規事業といたしましては、生活指導員の配置ということも考えておりまして、この面につきましても一層努力をいたしてまいりたいと考えております。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 厚生大臣、皆さん方手の内にどういう資料をお持ちであるかわかりませんが、一応われわれのところに出ております同和関係の調査というのは昭和五十一年五月のものが一番新しいわけですね。これに基づいて今年度も昨年度も予算が組まれ、またそれが執行されたわけです。  われわれの主張したいのは、三年延長が決まったときに、直ちに実態の把握に努めて可能な限りテンポを速めていきますと、こういう約束であったはずですね。そうしますと、だれでもこの一年間の間に、全部は調べられないにいたしましても、たとえば生活保護関係はどうだろうか、あるいは医療施設はどうだろうかというふうな特徴的な問題の調査に入ったのではないだろうかというふうに考えるのが常識ですが、伺ってみますとほとんど個別に調べられていないんですね。資料を要求したときにも、たとえば隣保事業につきましても、総体のやつはあるけれども個々のやつはありませんとか、あるいは老人対策について、どこどこの地区はどういう状況にあるというふうな実態の把握がされてないわけです。そのために、問題の解明をしようと思いましても非常にできない。これは非常に遺憾でならないというふうに思うわけです。きょうは時間がありませんで、さきに私が質問の通告をしておきました内容につきまして、後刻担当者との間に少し問題の解明を行って前進を図っていきたいというふうに思いますので、時間の関係ですべてが質問できなかったことについて御了解をいただきながら、質問通告した問題については後刻具体的に詰めていきたいと思いますので、その点ひとつ御了解をいただきたい。いいですね。  以上で終わります。

志苫裕日本社会党

○委員長(志苫裕君) 穐山君の質問は終わりました。  次に、丸谷金保君。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 先月の二十五日に、年金問題全体で北海道から主婦連や高退連あるいは春闘共闘会議の人たちが来まして事務次官に陳情申し上げました。そのときいろいろな項目を挙げましたけれども、年金の特例納付についてもう少し延長してくれと。と申しますのは、季節労働者、北海道だけで大体三十万、ことし約四千人について調査いたしました結果、大体一割以上のまだ未加入者がいるんです。これについては、厚生省側としてはこれはもう通達を出している、ずいぶんいままで何回も期限延長してきたというふうな説明がありましたが、私はやっぱり行政の立場で、通達を出したからそれで、これに対して期間内にやらない方が悪いんだと。何回やってもやっぱり徹底的に浸透していないということになれば、私は行政側の責任だと思うんです。大臣、いかがでしょうか。

持永和見社会保険庁年金保険部長

○政府委員(持永和見君) 先生御承知のように、今回の特例納付、第三回目の国民年金の特例納付でございますが、昭和五十三年の七月からずっと行っているわけでございます。で、今回は最後だというようなこともございまして、まず私どもで持っているあらゆる情報を中心にいたしまして、保険料を納めてない人、保険料が未納なために年金権に結びつかない、そういう人につきましては、各地の社会保険事務所でそういった人たちの名簿がわかっておりますので、そういったところから個別に納付勧奨を行う。また未加入の人、まだ国民年金に入ってないという人につきましては、市町村にあります住民台帳あるいは国民健康保険被保険者台帳、そういったものから個別に拾いまして加入勧奨を行っております。あわせまして、一般的な政府広報あるいは市町村、都道府県段階におきます各種の広報をあわせて行っております。そういうことで、今回は最後だということでございますので、あらゆる媒体を使いまして私ども鋭意努力しているところでございます。  現在までの実施状況を見てみますと、前回の実施よりもやや上回った実施状況を持っておるわけでございますが、御承知のようにことしの六月が最後、締め切りということになっておりますので、この時期までに全力を挙げてさらに私どもとしては努力してまいりたいというふうに考えております。  それから、特例納付は、これも先生御承知と思いますけれども、本来納めるべき人、あるいは加入する人が入らなかった、そういうことのために年金権に結びつかないということで、国会などでもいろいろ御議論がございまして、第三回目を特例的にやったわけでございますが、大部分の人たちはこつこつと毎月きちんと保険料を納めていただいている、あるいは加入もしてもらっている、そういうふうなことでございますし、一応今回で私どもとしては区切りをつけたいというのが現在の心境でございます。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 確かに客観的に一生懸命おやりになっているのはわかるんですよ。しかし、たとえば町村の広報にしても見ない人がたくさんいるんです。ああ来たかと、これだけの人が。ですからいろんな方法をやったといっても、相当数まだこういう年金の存在すら知らない人たちが残っているということは、見ない方が悪いんだということに最終的にはならないんだと。やはりそこまで徹底的に、それはいろんな文書を出すことも必要ですが、もう最後ですから、これらについては地方自治体特に頼んで、一軒一軒歩いて、首長なり責任ある方たちが、おまえのところはまだ入ってないけれどもいま入らないと困るよと、こういうふうにして一軒一軒、それは自治体になれば数が限られてきまずから、そこまでやってくれというような頼みを皆さんしていないのです。社会保険事務所が行って住民台帳で調べてだあっと葉書を出す。何の葉書だかわからぬ人たち、入らないのです。あ、何でこんなものが来たのだろうか、こういう人も国民の中にはたくさんいるのです。もう少しそういう点では自治体を十分に活用する。それも一片の通達でなく、次官通達その他でもって都道府県に回してね。自治体、市町村に行きましても、もう通達疲れしているのです、自治体は。とても首長のところまでなかなか行かないです。もう少し何か一ひねりして最後の努力をお願いしたい。  あわせまして、同じようなことなのですけれども、厚生年金保険の脱退手当金の受給済み期間、これを年金額の算定の期間として算入してほしい。先月の二十五日もこのことは次官まで、北海道だけの問題じゃないのですが特に要望事項の中に入っておったのです。それで、一時金をもらったから現在では年金保険法の七十一条でこれはもう「被保険者でなかったものとみなす。」という法律があるからどうしようもない、こういう法の立て方になっております。ただ、それでいいのだろうかということなのです。  大臣、一例を挙げますけれども、大阪のある会社の東京営業所、いまはこれは支店になっております。ここで昭和三十二年から九年掛けた中年の御婦人、これが四十一年の九月にやめて脱退一時金を約三万円くらいもらっているのです。そして今度は四十二年から国民保険に入りました。四十七年には六十歳になったので十年間の完納年金ということで残存期間を年金をまとめて掛けまして、そして六十五歳から受給を受けているわけです。最初は五十二年に二十一万二千二百五十円もらった。現在は二十九万九千八百円で、月に割ると二万四千九百八十三円なのです。そうするとこれは無拠出年金と幾らも違いません。無拠出年金がだから高いというのじゃないのです。こういうところで頭打ちしているから無拠出年金も高くできない。十年年金で現在二万四千九百八十三円なのです。これは国民皆保険という趣旨から言うとほど遠い。しかも脱退一時金をもらっているから厚生年金期間が通算されない。こういう者の救済措置を、制度の改正をして何とか拾い上げていただくというふうなことを大臣考えていただきたい。こういう例が特に現在六十から七十くらいの御婦人に多いのです。戦争をはさんでおりまして独身の女性が非常に多いのです。この方たちがある時期厚生年金を掛けていたけれども、ほとんどと言っていいくらい当時は一時金をもらいなさいというようなむしろ指導が行われて、みんな一時金をもらっている人が多いのです。何とかなりませんか、これ。

木暮保成厚生省年金局長

○政府委員(木暮保成君) 厚生年金保険制度は、民間の事業所に勤務していらっしゃる勤労者が、総連帯の精神に基づきまして保険料を出し合って老後等に年金を受けるという社会保険の仕組みをとっているわけでございます。脱退手当金でございますが、これは会社等をおやめになりますときに本人が納めた保険料を払い戻すという制度でございまして、脱退手当金が支給されますと厚生年金に加入していた期間は年金額の算定基礎にしない、こういう制度になっておるわけでございます。このことにつきましては、社会保険システムをとっておるということの結果と申しますか、保険料を納めない期間につきまして給付を見るということは社会保険制度の基本にも関係する問題でございまして、私どもこれを改正をいたしましていま言われましたようなことにするということは困難であるというふうに考えております。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 大臣、事務ベースでは大変困難だという答えが返ってきます。しかし法のもとに平等であるべき憲法の基本理念に立って考えますと、たとえば恩給法、これでは、文官が三年以上十七年未満の在職で退職時に一時恩給を支給されておるという人が再就職した場合に、これは通算規定があるのです。ございますね。多少減額されます。それから、旧軍人についても同じようなことが決められております。たとえば在職四年の階級軍曹であった人は、七万八百円の十二分の四に相当する二万三千六百円、これが支給されて、そしてそれは五十一分の四の年金額だけが控除されて通算規定になるわけですね。こういうふうな細かい救済規定があるのです。さらに公務員あるいは地方公務員共済、これでも同様に細かい規定の中で通算規定があります。それから農業団体等の共済組合、これらでも旧恩給に近いような形の制度がございます。そういうふうに他の年金の制度の中では通算規定、こういうものが一時金をもらっても復活できる制度になっているのです。ですから、これだってやろうと思えばできないことはないし、特にいま六十から七十ぐらいの独身女性などというのはある意味では戦争犠牲者ですよ。そこに集中的に、厚生年金一時金をもらって国民年金の通算にならない、無拠出年金とほとんどわずかしか違わないような十年年金というふうなものしかもらえない方がたくさんいるわけです。これはいまの事務的な考え方ではだめなので、政治的な判断のもとに前向きに対処してもらわなければならないのです。特にこういう矛盾点、これについてひとつ大臣の御所見を伺いたいと思うのです。本当に矛盾していると思いますでしょう。

野呂恭一自由民主党・自由国民会議厚生大臣

○国務大臣(野呂恭一君) いろいろ実態について例を挙げられたわけで、私もそういう事例を知らないわけではございません。一つの矛盾であると思います。しかし、これは制度の基本に触れる問題でございますので、私今日ここで何とかとは——共済年金あるいは恩給などでは通算の処置をしておる、その事例はそれぞれその制度のたてまえが違っておりますためにそういうことになっておるわけでございます。しかし、御指摘のように国民皆保険という立場においてはできるだけそういう整合性をより高めていくことが必要であろうとも考えるわけでございますが、もうちょっと時間をかしていただいてこれは本格的にどうすることがいいのか、もちろん制度の基本に触れる問題でございますから、簡単にそういう改正をすべきでないかというふうに結論づけることは少し問題があろうかと思いますので、いろいろ審議会などの意見もいままでにも出ておるわけでございますので、十分ひとつ検討していただきたいというふうに考えておるわけでございます。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 この件についてはわれわれもいろいろ検討したんですが、いまの基本的な制度に立ってもこういう形でやれないかというひとつ提言をいたしますので、御検討いただきたいと思います。  厚生年金保険法によるところの脱退手当金を受けた期間については、老齢年金あるいは通算老齢年金の計算に当たっては定額部分のみとする、こういうことにすればいかがかと思うんです。それは、大体被保険者の負担した保険料相当額というのが脱退手当金であるのが多いわけなんです。ですから、こういう形であれば共済組合等との均衡も図れるんでないか、この程度のことで御検討を願いたいと提言をして、この問題は終わりたいと思います。

木暮保成厚生省年金局長

○政府委員(木暮保成君) 恩給なり共済制度でございますが、これも先生御承知のとおり、社会保険システムではございませんで、国が長い間奉職をした公務員に報酬として年金を出すというのを基本にいたしておるわけでございまして、期間が短い方には一時恩給を出す、こういうことをしておったわけでございます。これは恩給局の所管でございますので、私どもがとかく申し上げるのもどうかと思うのでございますが、特に軍人の場合などを考えますと、現役を務めて、召集されてさらに勤務をするということがございますので、その前後のつなぎをするというのが恩給制度の基本的な問題であったろうと思うわけでございます。共済組合につきましては、この恩給法を受け継ぎましたので、退職一時金というものをつくりまして、恩給当時と同様に、再就職をしましたときには、若干減額をするとかそういうことがあるけれども、つなぎというようなことをしたわけでございますが、現在共済組合はそういう恩給を引き継いだというような性格は薄れてまいりまして、これも先生御承知のように、昨年暮れの改正で、共済組合では退職一時金の制度をなくしまして、厚生年金の方と全く同じ制度にしたといういきさつがあるわけでございます。経過といたしましてはそういう方向に進んでおるわけでございます。  また、ちょっとつけ加えさして……

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 ほかへ入るんで、その話になりますと、たしか三十六年の通算通則法ですね、これは共済年金の人たちは十分みんなもう職場やなんかで専門家がいて守られていて、一人の落ちもなくちゃんとやっているんですよ。だから、それはいまになったらないんです、ほとんどといっていいくらい。私も共済組合の理事長やったからよくわかるんですが、それでもって、法でもってきちっと組みかえて、いいですか、それと厚生年金や国民年金の問題とは違うんです。わからない人がたくさんいて受けられないような状態になっているんだから、そこにやっぱり政治の光を当てなきゃいけないということを言ってるので、あなたの長々と言う理屈はよくわかっている。だから提言は提言として聞いておきなさいよ。そのことを言い出したらそれだけで何時間もやらなきゃならぬことになる。いっぱいあるんだよ、そのことについてだったら。  それで、薬事法の関係に入りたいと思うんですが、実は薬事法の関係につきましては、無罪判決、有罪判決、いろんなのが出ております。法務省にお願いしますが、北海道の池田町で水マグという問題で警察が手入れをした事件がございました。結末を聞いてないので、その調査依頼をいたしましたが、出ておりましょうか。

根來泰周法務省刑事局刑事課長

○説明員(根來泰周君) ただいまお尋ねの事案につきましては、昭和五十四年四月十二日に釧路地方検察庁で受理いたしまして、昭和五十四年十一月三十日に不起訴になっております。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 これは薬事法でいいますと薬品なんですよ。だから薬品を許可なく販売したということが起訴の理由ですね。

根來泰周法務省刑事局刑事課長

○説明員(根來泰周君) 警察から送致を受けた事実は、被疑者は池田町において無許可医薬品である水マグ原液を販売した、こういうことと、それからその販売目的で所持したという事実であります。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 ところが、これで一番私問題だと思うのは、この薬は薬局でどこにも売ってないんですよ。薬局で売らない方針だと言うんです、製剤本舗で聞いたら。こういう場合一体どうなるんでしょうかね、薬屋で売らないんですから。そうして個人的に、西式とかそういうののある人のところへやって、組合というか、利用者がみんなこう受けるわけなんです。売ってないんですよ。こういう販売方式というのはやっぱり厚生省はチェックは全然しないんですか。

山崎圭厚生省薬務局長

○政府委員(山崎圭君) お答え申し上げます。  その水マグというのは、水酸化マグネシウムだと承知しておりますが、制酸緩下剤。現実に薬局で売られているかどうかということの把握は残念ながらしておりませんが、一般の需要がそういうところにあるとすれば、それはやはり需要にこたえる道ではないと思いますので、それは何と申しますか、本当にそういうお薬が必要であるということであれば、その製造なりあるいは販売について適正な処置をとりたいと思っております。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 これは前にも私厚生省に注意したことがあるんですよ、おかしいじゃないかと。医薬品ということになっているから、許可がないということで売れないんで、末端ではいまのように——それ何年に起訴になっています。いまの、何年でした。

根來泰周法務省刑事局刑事課長

○説明員(根來泰周君) 不起訴の日でございますか——不起訴でございます。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 全部売っているんですよ。売っているというよりも、会員から集めてまとめて。ところが、まとめるとでっかいので来るんです、一遍に。別にこれで商売やっているのでない人がやるわけですから、帳面なんかもなかなかきちんとしない場合もあるわけですよ。そうすると本人が売ったんだ、みんなから金集めてやるわけですけれども、立てかえといてくれというやつもあるわけです。これに対して私はやっぱり簡単にそういう問題にならないのは、特定医薬品だけの許可がありますわね、個人が、要するに薬局でなくて売ってもいい、そういう制度がございましたね、どうなんですか。

山崎圭厚生省薬務局長

○政府委員(山崎圭君) おっしゃっていることは特例販売業の関係だろうと思いますが、たとえば山間僻地等でお薬屋さんがない、そういう事情のもとにおきまして、ごく一部の薬品に限りまして、かぜ薬とか鎮痛剤、そういうものを限定いたしまして、一般のたとえば雑貨にあわせて売るということを一部認めております。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 これらもとにかく製造しているところでもって薬屋に卸さぬというんですから、特定の個人にしか。この会社も調べてみました。静岡県清水市にあるんです。そこへ確認したら、そこでもそう言うのです、利用者だけでなくて。そして、いまの場合も地元の警察署に当たってみますと、これは道の衛生部と相談しているんです、薬事法違反だということで。いいですか、衛生部はもちろん厚生省に相談してますでしょう。それで結果としては、いま不起訴と言いましたね。本人のところへ何にも通知がないから知らないです、本人はまだ。どうなってるんだろうと言うのですよ。これは奥さんがやっていて、だんなさんは教育委員長、辞表出しました、地元の新聞に出ますから。一体こういう場合にそれだけで済ましていいものでしょうか。どう思います、最後何でもなかったということになっちゃって。

根來泰周法務省刑事局刑事課長

○説明員(根來泰周君) 私どもの方といたしましては、こういう場合に、本人から請求がありました場合には不起訴の理由を通知するという制度がございますので、それにのっとって処理すると思います。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 これ、サンクロレラのような大きな会社でいろいろな——できているところですと、請求して不起訴の理由書もらったのあります、私ここにね。この場合なんかでも、やっぱりちゃんと道の衛生部へ警察側では相談して、薬事法違反だということでやっているし、あるいはまた「つかれ酢」、これなんかの公判記録読んで見ますと、必ずこれは検察側は事前に厚生省の見解を聞いた上で手入れしているんです。そうすると、こういうことについてときに有罪ときに無罪、いろいろありますけれども、有罪になったのは有罪になったのでまたいろいろ問題もありましょうけれども、おたくの方の意見を聞いて——ですからこれ、警察が悪いんでないんですよ。ほっておけない、いろいろな投書や何かあれば調べてみなきゃならぬ。調べた結果、地方の警察に薬事法の細かいところのわかる人はそういませんから、そうするとやはり厚生省の見解ということを事前にやはり聞くんです。すると、おたくの方ではこれは違反だと言って、挙げた。それは実際には起訴にならない、あるいは無罪判決が出た、こうなりますと、厚生省の一体責任はどうなるんですか。

山崎圭厚生省薬務局長

○政府委員(山崎圭君) ある私どもは違反だと考えるケースが、裁判の結果あるいは検察当局の御見解として不起訴に当たるとか起訴猶予に当たるとか、あるいはやはり起訴すべきだとか、そういうこと、あるいはその後における裁判の結末、こういうものにつきましては、やはり行政当局としての判断と結果としては違ってくるのは当然あり得ることだと思っております。ただ私どもは、薬事法を預かります行政当局の立場といたしまして、都道府県も当然含めておりまするが、一貫した一つの考え方で物事に当たらなければならないと、かように考えておるところでございます。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 それがどうも一貫してないので、そしてこういう地方で混乱を起こす原因が、前にも指摘した四十六年の薬務局長通達、これが非常に法の限界を超えて幅広く何でも薬事法違反ですよというふうなことにするものだから、いろいろこういう事件が起きてきているんです。「つかれ酢」なんかの場合の公判記録をとって見ましたが、これらによりますと、やはり全部担当のところでは上に聞いて、そしてこれは違反になるんでないか、注意しなさいと。そうすると、注意を受けた方はこれは違反にならないと、法律に触れなけりゃ局長通達というものは法律より上ではないというふうな抗弁をするというふうなことで、しばしばこういう事件が起きてきているわけです。そして具体的に言うと、警察の手が入ったというだけで、不起訴処分になるまで待てないんです、地方では。待てないでだんなさんが申しわけないと言って教育委員長を辞任と、こういうことにまでなるんですよ。これは救済しようがないんです。その原因はあなたたちのところがつくるわけですよ。やむを得ないだけで済ましていいもんでしょうか、この種の問題。

山崎圭厚生省薬務局長

○政府委員(山崎圭君) 個別ケースについての省部のお考えその他について結果が違ってまいるということはあり得ることと申しますか、そういうことであろうと思っておりまするけれども、私どもは要するに御指摘の「つかれ酢」とかいう問題につきましては、たびたびこの委員会でも御答弁.申し上げておりますように、四十六年の薬務局長のいわば解釈通達ということが一つの私どもといたしましては統一的にこの問題を処理するための通達だと、かような意味で統一見解を示しておるつもりでございますが、そもそも翻って考えてみますれば、薬事法に医薬品というのは人の疾病の診断なり予防なりあるいは治療なりに使用されることが目的とされているものだ、こういうことがはっきりと明記されているわけでございまして、四十六年前にはそういうことが実際の個別のケースについての適用について解釈上いろいろと混乱が生じております結果、四十六年でああいう通達を出しまして、統一的な行政当局としての判断基準を示した、こういうところにねらいがあったわけでございます。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 それで判断基準を示した、しかしそれは法律以上のものでもありませんし、いろいろ判断基準に矛盾が出てきていることは前回私が指摘いたしました。それで当時、局長から、「四十六年当時の判断が永久不変に変わりないものだというふうには私どもは考えておりません。先生の御指摘のような点も含めまして、一方でこのようないわば医薬品類似の健康食品の規制というようなことはどうしても必要なことでもございますので、十分に検討を重ねてまいりたいと、かように考えております。」、こういう答弁がございましたが、その後検討しておりますか。検討というのがやらなのと同義語にならないように、しっかり検討しているならはっきり言ってくださいよ。

山崎圭厚生省薬務局長

○政府委員(山崎圭君) 昨年の御質問あるいは一昨年の御質問を通じましてそのような御答弁を申し上げております。そして私ども薬務行政を預かる立場といたしまして、いわゆる健康食品を含みますところの食品と医薬品との、これはまあ個別ケースについての境界線の問題であるわけでございまして、そういう意味でいま先生が御指摘いただきました各般の事例も相当積み上がっておりますところで、その事例の検討を積み重ねまして、いろいろとより合理的ないわゆる食品と医薬品との絡みぐあい、それから薬事法における目的的なとらえ方、こういう問題につきまして個別ケースごとに検討を積み重ねておるところでございます。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 お役所答弁、時には検討するというのはやらないと同義語のことがありますのでね。そういうことのないように、大臣ひとつ、これも二年も検討しているんですから。ちっとも改まってないのでいろいろこういう問題が次から次へと出てくるんです。この点ひとつ……。  ところが、大臣はうんうんと返事するんです。一年たつとかわっちゃうんですよ、次から次へと。これ、私三回目です、大臣。そうすると、局長さんたちの方は——大臣はわかったわかったと、前の橋本大臣も大変熱心に取り組んでくれたんですがね、にやにや笑っているんです、そばでついていて。腹の中は、そんなこと言ったってもうすぐこの大臣かわるのに、あんな調子のこと言ったって、われわれがやる気にならなければできもしないのにと言わぬばかりのほほ笑みを浮かべてそばについていたんです。あなたでないですよ、前の中野さんが。そういうことのないように、それで早く取り上げたんです。野呂大臣はまだしばらく続きそうだと思いますので、ひとつこういういろいろな問題が出てきておりますことを御認識をいただいて、善処方お願いいたしたいと思いますが、大臣いかがですか。

野呂恭一自由民主党・自由国民会議厚生大臣

○国務大臣(野呂恭一君) 私も薬事関係は素人でございますのでいま即断をいたしかねますけれども、いろいろな実態について厚生省が怠慢であるという御指摘でございます。いまの薬務局の方もいろんな問題を抱えて大変忙しく立ち回っておるわけでございますが、しかし、二年間検討すると言いながら何も検討していないではないかという実態についてのおしかりでございます。十分私どもはそれこそ検討をさらに進めていくようにいたしたい、積極的に取り組んでまいりたいと、かように思います。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 環境庁に地熱開発と環境問題について御質問申し上げたいと思います。  環境アセスメントの関係が何かだんだん歯切れが悪くなってきているような感じでございますけ  れども、現況はどうなんですか。

土屋義彦自由民主党・自由国民会議環境庁長官

○国務大臣(土屋義彦君) お答え申し上げます。  さきの予算修正の際における自民党とそれから社公民三党の話し合いによりまして、自民党の方から内閣に対しましてお話がございまして、去る三月四日にこれに対する閣僚協を設けていただきまして、三月の十三日に第一回の関係閣僚会議を開いていただき、これとあわせまして関係省庁の局長会議がすでに十二回にわたって開かれ、去る三月の二十八日に環境影響評価法案要綱が了解をされたような次第でございまして、現在この要綱に基づきまして法案の調整を急いでおる次第でございます。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 この中で、自治体の上乗せを規制するというような意見が急速に出てきておるということでございますが、しかし、これはこの規制法案の趣旨から言うと逆でないだろうか。一番実態をよく知っているのは地方自治体なんです、それぞれの地域の。したがって、それぞれの地域に合ったような自治体の上乗せ規制というふうなこと、もともとこの環境問題などにつきましては早くに大阪府が工場の環境を規制する条例なども明治時代くらいにつくっておるというふうに、地方自治体が先行して進めてきておる現況でございます。ですから、国のアセスメント法案が仮にもそうした歴史的に見ても先行して環境を守ってきた自治体の上乗せを規制するようなことのないよう.に、ひとつしっかりやっていただきたいと思いますが、いかがですか。

土屋義彦自由民主党・自由国民会議環境庁長官

○国務大臣(土屋義彦君) 先生のお説のとおりでございまして、地域の環境保全の任務を有する都道府県の役割りを重視いたしまして、都道府県知事の準備書に対する意見を通じて事業者に対し当該地域の環境保全上の配慮がなされる等の措置をいたしておる次第でございます。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 そういうことを含めた上で、地熱開発の問題をひとつ御質問したいと思います。  通産省の方はエネ調の長期暫定見通しというふうなことで大体七〇年度一・八%、エネルギーの全体の中で地熱開発というふうなことを計画しておりますね。これは東京サミットの石油代替三兆三千億というふうな下限数字、これに合わせた数字合わせという点が多分にあります。それにしても、一応そういうところでどんどんと通産省なりの計画が資源エネルギー庁を通じて出されております。それに対してきわめて厳しい環境庁の方が拒否反応を起こしておるということで、地域で非常に戸惑いが出ておるのです。このことは実は五十四年の十二月、新聞の中で環境庁の見解というものが発表されております。これは新聞に堂々と出ておる、十二月九日の朝日です。ところが、出ておるものがこれらは内部資料だと、環境庁としてはこういうような資料は出せないんだということなんですが、一体どうなんでしょうか。

藤森昭一環境庁自然保護局長

○政府委員(藤森昭一君) お答え申し上げます。  ただいま御指摘になりました資料は、自然環境保全審議会の意見具申でございますので、環境庁長官に対して出されました意見具申の内容でございます。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 これは内部の、これはあれでしょう、六月二十五日の総括課長会議で設置されて、そこで討議されたものですね。

金子太郎環境庁企画調整局長

○政府委員(金子太郎君) 御質問の趣旨は、エネルギーと環境の問題につきまして環境庁が内部で昨年の六月当時にいろいろ検討いたしまして、一応のとりまとめをしたその資料が、私ども外部への公表にたえるようなものだとも思っておりませんし、まだまあいわばたたき台の段階でもあり、環境庁の内部的な資料であるということで公表をいたしておらない、こういう意味合いでございます。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 そうするとあれですか、われわれが国会として資料要求した場合には出てきますか、これ。

金子太郎環境庁企画調整局長

○政府委員(金子太郎君) 実はエネルギーと環境の問題につきましては、通産省の方ではじいておられます見通しも全くの暫定見通しでございますし、その中身についてなお詳細な説明を聞きたいと思っておりますが、そのような説明を聞く段階に至っておりませんし、私どももエネルギーと環境についてはそのような通産省のはじかれた数字なりあるいは相当程度固められた構想なりを前提にして議論を進めなければいけない、あるいは検討を続けなければいけないものが多々ございますので、非常にまだ漠とした素案である、こういう意味合いでございます。したがいまして、内部的なものでもございますので、どうか御提出の要求の方は御勘弁いただきたいと思います。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 これはエネルギーと環境として堂堂と新聞に出ているんですよ。皆さんもお読みになっていると思うんですが、そういうものがなぜ国会に出せないのかね。われわれはそうすると、こういう問題について新聞報道以外には知り得ないのですか、環境庁いま一体どこら辺まで考えているんだということを。どこら辺でどういう考えを持っているんだということをですね。

金子太郎環境庁企画調整局長

○政府委員(金子太郎君) 新聞に私ども公表したり渡したりした事実は全くございません。私ども新聞を読みました感じでも、若干の憶測なり推測なりを交えてお書きになったんじゃないかというふうに考えております。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 だから私たちは、若干の憶測のないものを読んで、間違いのない審議をしたいと思っているんです、いまの時点で。  委員長、どうもこういう資料、前からそうなんですが、委員長の方は官房長官を通じて厳重に各省に言ったと言うんですが、これだけもうはっきりと出ている資料が、細々と出ているんですよね。違うと言うんならいいんですよ。これがそのときのあれと違うと言うんならわかるんですがね。ほとんど内容的に違わないものがおたくたちの内部資料なんでしょう。それが出せないという、こういう状況はやっぱり依然として各省改まっていないんです。この点について再度ひとつ委員長の方から善処方をお願いしたい。全くいろんな資料要求しても出さないんですよね。

志苫裕日本社会党

○委員長(志苫裕君) 記録ちょっととめて。    〔速記中止〕

志苫裕日本社会党

○委員長(志苫裕君) 記録を起こしてください。  資料の要求について環境庁もう一度答弁してください。

金子太郎環境庁企画調整局長

○政府委員(金子太郎君) 大変申しわけないと思いますが、このエネルギーと環境についてとりまとめましたものは課長レベルでやったと、で、局長レベルがそれを了承したものでもございませんし、いわんや大臣に御報告申し上げて、環境庁としてこの考え方でよろしいということを決めていただいたものでもございません。かつ去年の六月の段階でございまして、いまから考えてもまだエネルギーと環境の問題について私どもが勉強を始めたばかりのときのものでございましたので、外部の批判にたえるようなものでもないと考えております。したがいまして、今後この問題についてなお私ども基本的な考え方を詰めてまいりまして、もっともっといいものが固まってまいりました段階では、環境庁としてエネルギーと環境についてはこのように考えるというようなものをまとめまして、そういうものがもしもまとまりました段階には提出申し上げたいと、このように考える次第でございます。

志苫裕日本社会党

○委員長(志苫裕君) 丸谷君、いまの話ですが、答弁にもありましたように、課長レベルの勉強会の材料としてそういうものがあったという答弁があったわけですから、どうぞその材料にひとついろいろ質問してください。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 そうすると環境庁としては四十七年に通産省との間で、たとえば当分の間国立、国定公園内では既存の六地区以外の地域開発をしないと、地熱についての申し合わせがございますね。これによってストップしてますね。依然としてその考え方に変わりないということですか。その後は進んでない、中間検討はやっているけれどと。

藤森昭一環境庁自然保護局長

○政府委員(藤森昭一君) お答えを申し上げます。  御指摘のございました四十七年の通産省との覚書は現在も有効に生きておるわけでございまして、私どもとしましてはその線に沿いまして、当面御指摘にありました六地点に限って開発を認め、それ以外の公園内の景観及び風致維持上支障があると認められる地域におきましては、開発、調査工事を推進しないという取り決めに従いまして運用をいたしている次第でございます。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 それで問題なんですよ。地域が一番よくわかっている、冒頭申し上げましたように。たとえばいま北海道の大雪地熱開発ということで、盛んに知事以下が陳情に歩いてますね。ところがこの申し合わせが生きているから手がつけられないわけです。調査にも入れない。こういうことになって白水沢という、一括してもうあとはということが——ところが情勢はずいぶん変わってきているし、それから、本来環境問題というのは地域の意見というものを十分生かしていかなきゃならぬ。その地域においては、地元の町長もそれから知事もあるいは道議会も挙げてここはひとつ調査して進めてくれと、こう言ってきているんです。これは実態を見ればよくわかるように、同じ国立公園といっても北海道の場合の国立公園、広いんですよ。この場合は層雲峡という観光地、ここから下流四キロくらいのところからさらに沢を四キロも入ったところで全くわからないんです、だれも。そこで何が行われてても。余りそこは人の行く道路もないようなところですから、現状。途中までちょっと作業用の林道がついてて、そのあとは河原を歩いていかなきゃならないような道しかないようなところなんです。観光開発とかそういう自然破壊とかに全くつながらない地域だと町長も言っております。それから道もそういう点で強く要望しているんです。こういうところも四十七年のそこから一歩も出ない中で——決して環境行政を破壊するような形で進めていっていいということを言っているんじゃないんですよ。こういうところはやはりもう少し通産との間の詰めを早めて、検討するにやぶさかだと思ったら困ると思うのです。どうなんですか、長官。

藤森昭一環境庁自然保護局長

○政府委員(藤森昭一君) お答え申し上げます。  白水沢に関しまして御質問がございましたが、私ども現在は四十七年の覚書に基づいて運用いたしておりますが、今後の運用につきましては、私どもとしましては昨年十二月に自然環境保全審議会が出されましたところの地熱開発の進め方に関する御意見の趣旨に沿って物事を進めてまいりたいというふうに考えております。この意見によりますと、地熱開発の重要性というものは当然これからの代替エネルギーの一つの分野としまして次第に強調されるということにつきましては十分理解をいたしておるわけでございますけれども、一方また自然保護という面につきましても、これは地熱開発に劣らず重要な国家的な利益でございます。そういう見地に立ちまして、今後におきまして地熱開発計画の地域を選定するに当たりましては、「国立、国定公園内の自然環境保全上重要な地域を避けることを基本とすべきである。」という御意見がございます。その線に沿いまして私どもは今後の問題に対処をしてまいりたい、かように考えている次第でございます。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 いまのお答えは十二月十二日の自然環境保全審議会のあれですか、意見ですか。

藤森昭一環境庁自然保護局長

○政府委員(藤森昭一君) 十二月十二日に自然環境保全審議会が「国立、国定公園内における地熱開発に関する意見」ということで提出されたものでございます。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 そうすると、これを見ますと四十七年のそれぞれの、何といいますか、申し合わせよりは多少進んでおりますわね。やっぱり自然環境や生活環境に及ぼす影響の予測とか代替の検討を含め事前調査を実施するとともにということでね。だからこういうものも含めた事前調査を進めるということについては前向きにそれじゃあれですか、取り組んでいくという姿勢になったわけですね。もう六地区以外にてこでもだめだということではなくなったというふうに理解してよろしいですか。

藤森昭一環境庁自然保護局長

○政府委員(藤森昭一君) 四十七年の覚書におきましては、六地域を当面の地点といたしました上で、公園内の景観及び風致維持上支障があると認められる地域においては開発、調査工事を推進しないことというふうに取り決められております。すなわちこれは言葉をかえて言えば、今後における開発につきましても、ただいまの自然環境保全審議会の意見にございました「自然環境保全上重要な地域を避けることを基本とすべきである。」という考え方と基本的には一致しているものというふうに考えます。しかしながら、自然環境保全上重要な地域においては避けることを基本といたしますけれども、たとえば自然公園内の普通地域であるとかそういった地域におきましては、必ずしもいまの要件に当たらないところもございます。そういうふうな事態を勘案しながら、これからケース・バイ・ケースで物を見ていくと、これが私どもの現在の基本的な考え方でございます。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 長官、冒頭申し上げましたように、環境保全についてはやっぱり地域の自治体というのが一番敏感なんです。ですからやはり、その地域がここは大丈夫だという場合もあるわけです。実態、この白水沢なんというのは現地を覚えている者なら——それは国立公園という大きな網張ってあるから入ってますが、全く国立公園の中で特に環境破壊につながるような、目につくところでも何でもない。私たちもこの実態知ってますんでね。ですから、もう何でもかんでも抑え込むのは、いまの答弁でやや前向きに受け取れたんですが、通産は通産、それから環境庁は環境庁でめいめいセクトになってやってないで、そのかわり公園地帯でなくても、四国に橋三つつくって国立公園をおかしくしてしまうような、いろんな面でのあれでもうちょっと環境庁は積極的に地熱開発については通産省と相談をしていただきたい。だから全部やれということじゃないんですよ。場所によっては何でこんなところを抑え込まなきゃならぬというところもあるんだと、そういう区別をしっかりわきまえて取り組んでいただきたい。いかがでしょうか。

土屋義彦自由民主党・自由国民会議環境庁長官

○国務大臣(土屋義彦君) 先ほど来先生御指摘のとおり、石油にかわる代替エネルギーの利用の拡大、これはもう国を挙げて強力に推進をいたしてまいらねばならぬと思いますが、あわせて、先生にも御理解いただいているとおり、えてして忘れがちな環境保全に対しましても十分な配慮をいたしてまいらねばならぬと、私はかように考えておる次第でございます。これは先生、一例でございますが、五万キロワットの地熱発電所をつくる場合には、もちろん地形によって違いますけれども、大体後楽園の六倍から七倍ぐらいの土地を要すると言われておりまして、これをどんどんどんどん許可するということになりますと自然破壊につながりまして大変なことになりますので、先ほど局長の方からるる御答弁申し上げましたとおり、国立公園、国定公園等の自然環境保全上重要な地域につきましては開発を避けることを基本といたしてまいりたいと考えておりますが、地熱発電は国策の面からとりましても重要な問題でございますので、地熱発電の開発と自然保護との調整を今後図ってまいりたいと、かように考えておりますし、また、通産省とも十分話し合いながら進めてまいりたいと、かように考えております。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 それじゃ終わります。

志苫裕日本社会党

○委員長(志苫裕君) 午前の審査はこの程度とし、午後一時四十分まで休憩いたします。    午後零時十五分休憩      —————・—————    午後一時四十三分開会

志苫裕日本社会党

○委員長(志苫裕君) ただいまから決算委員会を再開いたします。  午前に引き続き、昭和五十一年度決算外二件を議題とし、厚生省、環境庁、医療金融公庫及び環境衛生金融公庫の決算について審査を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。和泉照雄君。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 私は、本日の質問において、新薬開発に伴うわが国の治療実験の体制、人命を尊重する正しい治療実験のあり方、薬品開発のあり方、こういうことを確立したいために質問をいたすわけでございます。  まず第一に産学癒着、人命軽視について質問をしてまいります。  御承知のとおり、最近裁判ざたになって一昨日和解になりましたコラルジルという心臓病の治療薬は、昭和四十五年十一月、コラルジル中毒性の存在が国民に明らかにされ、毒薬としか言いようのない薬を薬と判定をされ、発売後八年目に発売中止になったわけでございますが、この薬の治療実験は果たして正しく行われたのかどうか、非常に疑わしいわけでございますが、これについて厚生省はどのような見解をお持ちかどうか、お伺いいたします。

山崎圭厚生省薬務局長

○政府委員(山崎圭君) 御指摘のコラルジルの問題につきましては、当時、三十八年の発売の際に承認申請に際しまして、鳥居薬品から、九州大学等六施設で行われました臨床試験、七十症例でございますが、その臨床試験の成績資料が添付されておりました。その際の成績資料を見ますると、これらの臨床試験報告におきましては、悪心とか嘔吐とか、あるいは胃腸障害等の軽度な副作用が認められたにすぎませんで、重篤な副作用の発現が認められていなかった旨の報告がございます。これを受けまして、中央薬事審議会の新医薬品調査会におきまして、本件医薬品に関する専門家の検討におきましても、特に重篤な副作用被害は問題ではないと、こういうような当時の結論でございました。  そういうようなことで当該コラルジルを承認いたしたわけでございまするが、その後、科学水準の進歩と申しますか、御指摘のように、四十五年に製造停止になりますまで、ちょうどその前後に副作用報告が——その直前に副作用情報に接したというようなこと、あるいは、その後の試験技術の進歩といいますか、毒性試験によりまして、動物に発現しました微細な変化を電子顕微鏡で観察するというような新しい試験技術が導入された、こういうようなことで、そのコラルジルの副作用というものが発見が可能になったと、かような経過でございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 いま御答弁がございましたが、このコラルジルという薬はもう皆さんの方が専門でございますから、私からちょうちょうと言う必要はないと思いますが、狭心症とか肝不全、こういうような薬としてイタリアで開発をされたコラルジルを日本で、鳥居薬品がコラルジルという商品名で全国的に販売を開始したのが昭和三十八年でございまして、中止されるまで七年の間に三億錠余り発売をされておるようでございます。そして、千錠以上使った患者の方は十数万名おるとも言われております。中には一人で一万錠以上も服用をさせられた人もあるやに聞いております。  結果としては全国に数万人の薬害の被害者を出したということ、そしていま御答弁がありましたとおり、九州大学とか東京大学、慶応大学、東北大学、山口医科大学の五つの大学の心臓病の専門の方々が約七十症に平均三十日から最長百五日間投与をされておるけれども、この間に肝心なことは、副作用があるという報告があったのにもかかわらず副作用が余りないというような報告に変わっておるということが重大な原因ではないか、このように私は思われてならないわけであります。  そうなりますと、臨床実験を担当した医者の責任は重大でありますし、薬事審議会のこれらのことが不問にされたということは大変なミスではないかと思うのでございますが、いま局長の答弁では新しい技術が開発されたというような御答弁でございましたけれども、副作用が指摘をされておったにもかかわらず、そのことがはっきり載せられなかったということが大きな原因ではないかと私は指摘したいわけで、そういう点からはやはり治療実験に不備な点があったんじゃないか、こういうふうに思うんですが、いかがですか。

山崎圭厚生省薬務局長

○政府委員(山崎圭君) 私どもの当時の報告を受けましたところでは、先ほど申しましたように、悪心、嘔吐あるいは胃腸障害というような、いわば比較的軽度な副作用である、あるいは全くなかったという報告もございますわけでございまして、そういう意味で、あの臨床試験そのものが当時の水準において間違っていたとは思っておらないわけでございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 では、新潟地裁でコラルジルの訴訟で最後に提示をされたこの和解の全文の中に、やはり被告としての鳥居薬品と国自体の責任ということが明記されておりますが、それから端的に言えることは、やはりそういうようなことを含めての誤りがあったというふうに認定して私は間違いないと思いますが、その点はいかがですか。

山崎圭厚生省薬務局長

○政府委員(山崎圭君) 私どもの立場はコラルジルの新潟の裁判におきましては、まあ法律的な側面ではその副作用につきましては、当時の科学水準におきまして、当時としては副作用を予見することはどうしても不可能であった、こういう立場から、法律上の側面では薬事法上の義務違反はない。したがって、国家賠償責任もないと、こういう主張をしてまいったわけでございますが、しかし、事件の早期解決といいますか、患者の救済といいますか、そういう立場に立ちまして裁判所から御提示のありました和解勧告に従ったと、こういう経緯でございます。  しかし、その責任といいましても、法律上の責任以外に私ども行政上の責任といいますか、あるいは今後における再発防止のための行政上万全を期する責任といいますか、そういうものは深く考えておるわけでございまして、そういう立場に立って和解の決着についたと、かようなことでございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 厚生省は昭和四十八年の一月の二十六日に、人体実験プロジェクトチームというのを発足されておるようでございますが、このプロジェクトチームは、どんな方法で人体実験がやられているか実情調査をすると、このように言われてこの調査に乗り出しておるようでございますが、もう七年たっておりますが、この実態調査の結果はどうでしょうか。

山崎圭厚生省薬務局長

○政府委員(山崎圭君) 御指摘のように、四十八年そういう研究班を設けましてせっかく勉強を続けておるわけでございまして、その調査はしていないのでございますが、その結果なり、その経緯を踏まえまして、先般御案内のように薬事二法、そのうち薬事法の改正を御承認いただいたわけでございますが、その中におきまして治験——臨床試験の中で人体を扱う治験、これについての法律改正もいたしまして、その中身についていま鋭意詰めているところでございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 だから私はどういうような、あなたたちがそういうようなプロジェクトチームをつくって実態調査に乗り出した。わが国の人体実験というのはどんなふうにやられておるかということを実態調査をしたわけでしょう。だから、その実態調査の状態はどうだったか、それを報告願いたいと言っておるんですから。

山崎圭厚生省薬務局長

○政府委員(山崎圭君) いわゆる医療の場におきます治験についての実態調査はその内容に盛られておりませんで、むしろ治験の扱いについての諸外国の調査その他をやっておると、かようなことでございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 人体実験というのは非常に聞きづらい点がありますが、臨床実験とかあるいは治療実験とか、こういうふうに言われておるわけで、結局は人体実験、人間の体に実験をする。新薬が必ず通らなければならない関門であるわけでございますけれども、その前に動物実験というのがなされなければならない。ところが、動物実験がおざなりにされてすぐ人体実験に移るとか、あるいは動物実験を通り越してもう人体実験にすぐ移るとか、こういうようなことになりますと大変な問題でありますし、また人体実験をするについても、被実験のその患者に了解を得なければならないという問題等もいろいろあったかと思うわけでございますが、わが国の治療実験というのは企業自体、製薬会社自体が行うそういう治療実験、あるいはまた企業が委任を、委託をした医者の判断と責任によって行われているこの二通りであるようでございます。  昨年の十月の薬事法の改正で、第八十条の二に治療実験の取り扱いが、治療実験を依頼するに当たっては、厚生省令で定めてある基準に従ってこれを行わなければならないと、わが国で初めて薬事法の中に挿入されたわけで、本年の九月三十日、省令の施行がなされるわけでございますが、それまでは、現時点まで厚生省がいろいろ指導、監督をしながら治療実験の監督、指導をしてきたわけでございますが、その体制はどのようになっておったのか。  そして、わが国の医薬品の、新薬の製造の許可申請というのは年に何件ぐらいあるものか。そういう点をお答え願います。

山崎圭厚生省薬務局長

○政府委員(山崎圭君) 御指摘のように、医薬品の開発におきましてはいわゆる治験というものは必須でございまして、臨床試験は必ず実施しなければならないということでございます。  そこで、私ども従来やってまいりましたことは、御指摘のように治験前における、臨床試験前における動物実験等の基礎試験を必ず終わっていなければいかぬ。そして、動物実験を終わって安全性を確認していなければならない。これが一つでございます。それから、臨床試験に入ります段階におきましては、その医療機関にお願いするわけでございますが、病院その他の医療機関に対してその薬の動物実験に至るまでの十分な情報の提供を行わなければいかぬ。こういうようなことをメーカーサイドに私どもの立場から指導を行ってきたものでございますし、また二十七年当時の通達におきましても、これは一部の薬に限定されておりまするけれども、がんとか結核とか、抗生物質、こういうものについては、こういう治験についての事前届け出を私どもにさせていると、こういうようなことでございました。  そして、おっしゃるようにそういうことをやってまいりましたが、先ほど来この治験の重要性にかんがみまして昨年十月の法律改正、この中でも治験についてのあり方というものをわざわざ法律改正の中に盛り込みまして、この治験についての安全性の確保、あるいは患者に対する人権擁護といいますか、そういう観点でこの治験の制度をとり入れまして、しかもその中身を厚生省令でいませっかく鋭意検討を重ねているところでございます。  なお、いわゆる新薬、年によって承認される件数、ばらつきがございますが、おおむね年間三十成分ぐらいの見当でございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 私どもが承知をしている治験のやり方というのは、大体大学付属病院等で行われている治験の状態は、まず現状ではメーカーの方から個々の医師に実験を依頼をして、医師がそれを引き受けて実験を実施するというようなことが通例のようになっておるようであります。そして、責任の所在というのは非常に不明確であるというのがこの欠点であるのではないかと、このように思うわけでございますが、ここらあたりからこのメーカーと製薬会社と医師との非常に不明朗な癒着というんですか、産学癒着というのが起こってくるんじゃないか。研究費の寄付とか、あるいはいろいろな宿泊費の立てかえとか、あるいは海外の旅行とか、そういうようなことが行われておるように私たちも聞いております。  そういうことから、私は去る三月の三十一日の予算委員会の第四分科会で文部省に対しまして、昨年の六月起こった愛媛大学の医学部の汚職事件の問題をお尋ねをいたしました。この汚職事件は医学部の二人の教授が医療機械や物品調達契約のために便宜を図るということで業者から現金を受け取ったという事件でございますけれども、国民の命を預かる、しかも医学界の最高峰とも言うべき医学部のまことにモラルの低下と言う以外にないと思います。  そういうことで、いまから若干治療実験をめぐる国立大学医学部教官と製薬会社との、業者との産学癒着を示す実態を具体的にお示しをいたしますので、厚生大臣はよくひとつ聞いておっていただきたいと思います。  この問題は本年一月に会計検査院の方にも内部告発が私と同時にございまして、すでに会計検査院の方では調査を終わっておるようでございます。私も調査したところ大体七ヵ所、二十六名ぐらいの方々の問題であったようでございますが、一つ申し上げますと、国際心臓学会という国際的な学会の会合が東京であったときに、ある製薬会社が、そこに参加をしたある大学の教官の宿泊費を立てかえて支払ったという問題があります。また、厚生省の特発性心筋症の調査研究班の会議、これに参加するために京都のホテルの宿泊代金をある製薬会社が立てかえたという問題があります。  また、熊本のホテルにお泊まりになった四人の大学の教官の人たちに、ある製薬会社の方々が宿泊費を支払っだ。また、あるところで、製薬会社が招待をした料亭にその大学の教官の人たちが行かれて、そしてその接待を受けたところが、ちょうどその会社の治験を実施中のところであった。治療実験を実施しておる最中にそういうような接待を受けたと。あるいはまた、五十四年の三月の十六日から三月の十九日まで、ちょうど一年前でございますが、東京のあるホテルに二人お泊まりになった研究会のその費用も立てかえた。去年の六月の八日から六月の十一日まで、第八回の脊椎外科研究会に泊まった六人の人たちの宿泊費をある会社が立てかえた。こういうようないろんな学会の、そういうような研究会の中に業者が入り込んできて、そして宿泊費を立てかえておるということであります。  いろいろ聞いてみましたら、その立てかえてもらった宿泊費というのは後で銀行振り込みで払ったとか、後送したとかいうようなお話でありますけれども、なぜ製薬会社がそこに入ってこなければならないのか、そこに私は非常に産学癒着といいますか、治療実験の不純さといいますか、あるいは新薬の効果の水増しといいますか、あるいは自分のところの製造しておる薬の多用をお願いをする、そういうような意図がはっきりうかがわれるわけでございます。そのほかにも心臓のペースメーカーをしておる外国の商社の招待旅行に私費で行ったとおっしゃっておるようでございますけれども、招待旅行で行っておられて、そしてお帰りになった後はその会社の心臓のその治療機械ですね、それが多量に使われたと、そういうようないろんな忌まわしい話があります。その話はいろいろ調べてみたところが事実のようであります。  ただ、金銭の取り扱いということになりますと、その金銭は後で払ったとかあるいは公費では行ってないとかそういうようなことでございますけれども、私はその前に、厳正であるべきそういう治療実験あるいはまた医療機械の決定というものが業者が介入をしてくるところに曲げられていろいろな問題が起こってくるのじゃないか、こういうふうに思えてならないわけでございますが、大臣、こういうような業者の介入というものをやはり大学、付属病院、こういうことは文部省でございますが、文部省はだれか来ておられますか。——やはり厳然たる姿勢をとることが治療実験が正しく確立される私は前提ではないかと思うんですが、御所見を伺いたいと思います。

野呂恭一自由民主党・自由国民会議厚生大臣

○国務大臣(野呂恭一君) 治療実験に関しまして、大学であるとかあるいは学会との、製薬会社との結びつき、いろいろ誤解を受けるような点を御指摘になられたわけでございます。先ほども局長からお答え申し上げておりますとおり、今回の薬事法の改正によりまして治験に関する規定が設けられておるわけでございます。その運用につきましては今後具体的な取り扱いを定めまして、関係者に対しまして遺憾のないように指導してまいらなければなりません。特に法改正の趣旨でございます医薬品の安全性、有効性を確保するというたてまえから先進諸国あたりのいろんな例も参酌いたしながら、治験薬についての規制についてもし必要であればこの問題について取り組んでまいらなければならないのではないかと、そして新薬の開発について誤解のないようなそういう処置をとってまいりたい、かように思います。

川村恒明文部省大学局医学教育課長

○説明員(川村恒明君) 私ども国立大学の医学関係の教官の服務の規律につきましては、従前から遺漏のないように指導しているところでございますけれども、ただいま先生御指摘のようなことがもしあるとすれば大変に遺憾に存じておる次第でございます。今回御指摘のいわゆる治療実験につきまして、先ほど先生御指摘になられましたように、いわゆる治験薬の受け入れでございますとか、それからその使用管理の方法などの取り扱いにつきましては、それぞれの大学病院においてそれぞれのやり方で受け入れておるというのが一般的な実情でございます。  先ほど先生おっしゃったように、個別の教官がそのまま受け入れるというふうな形もございますし、大学病院には一般的に薬事委員会というふうな組織をつくって、新しい薬を採用する場合にはそこで検討するというふうな仕組みにはしているわけでございますけれども、こういう開発途上の治験薬につきましてはなかなかそういうところのチェックを通ってこない。ですから、先生御指摘のように個別の教官が自分の判断で受け入れているというふうな、結果としてそういう形になっているところもあるわけでございます。  やはり先生も御指摘のように、この問題大変に一面では大学における医学研究という問題になるわけでございますけれども、同時に人命にかかわる問題でございますので、大学病院としてもこういう治験薬の依頼があった場合に、それを受け入れる場合に何らかの形でのチェックのシステムというものを考えるべきではないかというふうに私どもも考えておるわけでございます。今後十分に指導してまいりたいと思っております。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 特に具体的なことは皆さんが会計検査院の方に、第二局にお聞きになれば具体的な名前とかそういうことは全部わかるわけでございますからあえて申し上げませんでしたが、問題になるのはやはり何々学会があったときに、製薬会社がホテルから全部予約をして宿泊費を立てかえてやるというところに問題がぼくはあると思うわけですよ。そして、その後半年ぐらいして、その宿泊費を立てかえてもらった人が担当して治療実験が始まる。そこらあたりに非常な不純さ、癒着というのが、だから大学病院内部では助手、講師の方々のささやきの中では、ああいうようなことをやっておる新薬の中で、薬効の水増しがあるんじゃないかというようなことをささやく人もおるわけですよ。  ですから、この問題はやはり文部省の方も会計検査院の方とちゃんと連絡をとられて、金は後で振り込みをしておろうとどうしようと、そういう業者から立てかえてもらうというようなこと、そして、その会社の治験を自分でやったという、そういう事実があるということは、これは大変にいかがわしい問題を私は感ずるわけでございますので、それをちゃんとお始末をされる決意があるかどうか。

川村恒明文部省大学局医学教育課長

○説明員(川村恒明君) 先ほどお答え申し上げましたように、御指摘のようなことがあるとすれば、これは公務員の服務規律の上からも大変問題なことだと思っております。先ほど申し上げましたように、治験薬の受け入れについても十分何らかの形でのチェックのシステムをつくりたいと思っておりますし、御指摘のような服務規律に触れるような問題があるとすればこれは重大問題でございます。十分会計検査院の方とも御相談をいたしながら指導してまいりたいと思っております。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 もう一点、欧州旅行に行った人のことをちょっとお話をしておかないといけないと思いますので、これはヨーロッパ旅行をした人から葉書が来ておるわけですよ。もう大変に優雅な招待旅行をさしていただいて、「十月十七日より、初めてのヨーロッパの旅を楽しんでいます。Siemens−Elema社の招待で、全国から二十三名の団体旅行で大変気楽なものです。」、これは全国から医者の方々が二十三名も招待されておるわけですね。「約二十二時間を要しました。」。まあこれは個人の名前がありますから、「初冬の乾燥した空気と古く清潔な街並のStochholmから、今日ロンドンへ行きます。先ずは御報告まで。」。こういう手紙が来ておりますが、ここらあたりが問題ですよ。シーメンスエレマ社というところから招待を受けておるわけですね。シーメンスエレマ社のペースメーカーとして一台が四十八万五千円、心臓の悪い人に埋め込んでやる機械だそうですが、これを旅行から帰って次から次へと患者に埋め込まれておる。  それから血管連続撮影装置はこの大学の第一内科においては主としてこのヨーロッパ旅行に行った講師が使っておるそうでございますが、今回更新でシーメンス社製の血管連続撮影装置が二億四百五十一万四千円で購入されることになりました。ここらあたりにも非常に不純さを感ずるわけでございますが、そして、その選定委員の一人であったある人は、やはりこの人が手紙をやった人なんですよ。ですから、ここらあたりを金銭の授受とか何とかじゃなくて職務権限に及ぶようなことではないかと、私は非常に医者のモラル、それから国家公務員としてのモラルということからしてもこれは徹底してお調べになっていただかないとならない問題ではないかと。人間の命を預かる人たちがこういうような一身上のことを左右するようなことになるとこれは大変な問題でございますから、もう一遍ひとつ。

川村恒明文部省大学局医学教育課長

○説明員(川村恒明君) ただいま私の方、事実関係持ち合わせておりませんのであれでございますけれども、ただいまお話のような疑惑を招くような行為があったとすれば大変にこれは遺憾なことでございます。おっしゃるように公務員としても、また医師としても、そういうことは厳に慎まなければならない問題でございますので、十分今後そういうことがないように厳重に指導してまいりたいと存じております。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 次は、治験の技術的な問題についてお尋ねをいたしますが、治験を開始するに当たっては当該薬の治験の是非については許可制度があるのが当然だと思いますが、この許可制度はどうなっておるのか。また許可をされた場合、どこに依頼してだれが治験をするという確かな審査機能が働いていなければコラルジルみたいな悪い結果が出て、国民の生命を軽視する結果になるのではないかと思うのでございますが、この治験の審査機能は現在確実に作動しておるのかどうか、またそういう機能が果たしてあるのかどうか、お答え願います。

山崎圭厚生省薬務局長

○政府委員(山崎圭君) 先ほど来御答弁申し上げておりますように、現在はいわば厳密な意味での法律的な根処はございませんで、行政指導で一部治験あるいは治験に伴う安全性の確保というような観点から指導もしているわけではございますが、先般の薬事法改正によりまして、治験についての事前の届け出制ということの規定の整備が行われまして、しかも治験の内容につきまして、治験を依頼する場合の基準というものを厚生省令で定めることにしておりますし、ただいま申しました届け出制という意味は、その治験の計画をあらかじめ厚生省令によって届け出る、こういうようなこと、あるいはまた、その治験の内容を私ども見まして、そういう薬物なりあるいは器具、機械の使用による保健衛生上の危害の発生あるいは危害の拡大を防止するために必要があると認めるときには、治験の依頼者に対しあるいは依頼しようとする者に対しまして、その取り消しなりあるいは変更なり、必要な指示を行うような根拠条文ができたわけでございまして、そういうことによりまして、私ども十分今後は治験薬の規制につきましていわゆるチェック機能が果たし得ると、かように考えておるところでございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 治験に当たっては被治験者の同意が要ることはこれは当然かと思いますが、今回私が調査をしたところの三人の方々についていろいろ聞いてみたところが、治療実験ということは一言も教えてもらってないと、ただこの薬は新薬でフランスで使っておる有名な薬ですよと、使ってみませんかというような、使いたくなるようなそういうような言葉を言われて、これが本当の治療実験、人体実験であるというようなことは一つもおっしゃらなかったと、こういうようなことで、これは明らかな私は人権侵害ではないかと、こういうふうに思うわけでございます。  十分な同意の内容としては私は次のような事項が必要だと思うわけでございますが、六つ申し上げてみますが、一つは、研究方法及び目的の十分な説明をその被治験者並びに家族にすることが大事ではないか。二番目が、予測される利益の告知。三番目が、予測される不利益の告知。四番目が、適当な別の治療方法があることを明示すること。五番目が、不安とか疑問があれば質問には十分答える用意のあること。六番目が、治験参加の中止は自由であること。この六つを提示して、そして同意を得ることが大事ではないか、そして同意書の作成もまた必要ではないかと、こういうふうに思うんですが、このような制度はあるのかどうか、現状ではこの点についてはどうなっているのか、お聞かせ願いたいと思います。

山崎圭厚生省薬務局長

○政府委員(山崎圭君) 結局、お医者さんがその被験者に対しましてどういう態度なり方法で、その被験者の人権といいますか、それを確保するかという問題であろうと思いますが、現在、これはお医者さんの集まりでございます世界医師会——一九六四年でございますが、採択された臨床試験についてのヘルシンキ宣言というのがございます。そして、一九七五年にこれを修正いたしました東京宣言というのがございますが、これらの中身を拝見いたしますと、明確に先生御指摘のような趣旨は十分盛られておりまして、いまの現段階におきましては、世界のお医者さんのお集まりである世界医師会におきまして、医者のいわば何といいますか、倫理規範の問題といたしまして、この被験者に対する人権擁護といいますか、そういうものがございまして、それにのっとりましてお医者さんの倫理規範としてその辺は行われていると、また行われることが期待されなければならない、かように考えておるところでございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 私は、いま六項目を申し上げましたが、あなた方が昨年の十月改正された薬事法第八十条の二に、遵守基準というのを定める、これは厚生省令で定めると、こういうふうにありますけれども、この遵守基準の中にそういう点を織り込む考えがあるのかどうか、また将来こういうようないろんな遵守基準の参考にする国は、先進国としてはどういうところをお考えになっておられるかどうか。

山崎圭厚生省薬務局長

○政府委員(山崎圭君) 改正薬事法の御審議の際にも御答弁申し上げた点でございまするけれども、この遵守基準という省令におきましては、その中でとりわけ被験者の同意につきましては治験依頼者に対する義務づけということでございますので、治験依頼者が治験を実際に行います医療機関の責任者に対しまして、患者に投与をするに際しましては原則として当該治験薬の内容を説明する、そして患者の了解をとる、そういうことを要請しなければならない旨を規定いたしたいと、さようなことで考えております。  また、やや敷衍いたしますれば、仮にその治験の結果、被害などが万が一でも起こるというようなことがあってはなりませんが、そういうような被害発生時の措置につきましても、患者が被害を受けた場合に備えまして、たとえば治験依頼者が私的な損害賠償保険に加入する等の措置によりまして適切な補償の措置を講じておかなければならない、かようなことも定めるべく現在検討中でございます。  なお、その場合に諸外国の例をどのようなことを参考にしているかというようなことでございますが、まあアメリカ、これは大変厳しく医薬品の規制を行っている国でございますが、アメリカは、健康人を対象といたしましたいわゆる先生御案内の第一相試験、これ以降の治験につきましては事前の届け出を必要といたしておりますし、前臨床試験の、つまり動物実験の結果をチェックする等々のチェックが行われておりますが、被験者についても同意を求めている規定がございます。被害補償規定につきましてはつまびらかにしておりません。  またイギリスにおきましては第二相、病人を対象とした試験以降の治験について許可制になっております。同意についてはどうも求めているかどうかはっきりしない点がございます。西ドイツにつきましては第一相、つまり健康人の治験から届け出を行わせるようになっておりますが、被験者についての同意は必要であると、かような取り扱いになっておりますが、いずれにしましても、諸外国の動向も十分私ども参考にしてまいりまして、この治験の規制について適切な内容をもって省令で定めてまいりたいと、かように考えておるところでございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 文部省にお尋ねをしますが、先ほどもお尋ねしましたけれども、厚生省の方は大体わかりましたが、文部省の方で大学の学内におけるこの治療実験に対する指導、監督という体制を確立されなければならないのじゃないか。されておるとは思いますけれども、それはどういうふうにお考えですか。

川村恒明文部省大学局医学教育課長

○説明員(川村恒明君) いわゆる治験薬の取り扱いにつきましては、先ほど申し上げましたように、大学病院によって非常に区々になっておるわけでございます。基本的には私どもは大学病院の中で使われる薬につきましては、薬事委員会というふうな組織をつくって、そこでその取り扱いを決める、安全性についても確認をするということが基本であるということにしておるわけでございますけれども、現実には先ほど先生御指摘のように、そういう委員会を通らないで、直接にそれぞれの診療に当たる教官が受け入れてしまうというふうなことも一部にあるようでございます。  この辺が先ほど来の御指摘の問題点にもつながるのではないかなと思っておりまして、私どもも、もう少しその辺のきちんとした学内、病院内での安全性の確認と、それからその責任体制がきちんとするように、この薬事委員会の強化その他の措置を今後指導してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 薬事法の第八十条の二の遵守基準には、分けてみますと、治療依頼者が守る事項と、治験を行う医療機関の責任者の守るべき事項の二つに分けられると思いますが、たとえてみますと、昭和五十四年の六月五日、社労委員会で橋本前厚生大臣が「被験者の同意に関しましては、治験依頼者が治験を実際に行う医療機関の責任者に対して、「患者に投与をする際にして、原則として当該治験薬の内容を説明し、患者の了解をとること」を要請しなければならない」と、このように答えておられるわけでございますが、いわゆる依頼者である製薬会社では、薬事法でそのようにきちっと要請をしても、要請をされた医師団が実行しない場合の指導、監督としては、文部省あるいは厚生省の医務局両方に私はかかわると思うのですが、これはどういうふうにお考えでしょうか。

川村恒明文部省大学局医学教育課長

○説明員(川村恒明君) ただいま御指摘のように、その医師が従わなかった場合どうするかという問題でございますけれども、まあ一つは、医師のサイドではこれはやはり医学研究の問題とも密接に絡むというようなことから、研究の自由なんということも、ある部面ではそういう問題もあるのではないかと思っております。ただ事柄は、先ほど申しましたように、これはその患者の人命にかかわる問題でございますので、これは基本的にはそれの直接のこの仕事に当たる教官、医師のモラルの問題ではないかというふうに考えておるわけでございます。  でございますけれども、先ほど来御指摘のように、単にモラルの問題でいいのかというふうに御指摘になると、その点は先ほど申しておりますように、全体としてやはりこの治験薬の取り扱いについての管理、安全性の確認のシステムというものがうまく作動しませんと、単にモラルだけの問題でもないであろう。その点、大学病院として、先ほどから申しておりますような、何らかのシステムをきちんと設けるように指導してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

志苫裕日本社会党

○委員長(志苫裕君) 厚生省、いまの点について。

山崎圭厚生省薬務局長

○政府委員(山崎圭君) お答え申し上げます。  御指摘のように、この法律に基づきます関係は、いわゆる治験依頼者に対する義務づけでございますので、基本的には医療機関に対しましては要請をしなければならないという関係になるわけでございます。お医者さんが守らなければどうなるかと、こういう問題でございますが、先ほどもお答えいたしましたように、一つは、やはりヘルシンキ宣言等の倫理規範というものがお医者さんのサイドでは十分働いていると思いますし、その趣旨を十分に国立病院のお医者さん方についても周知徹底していく、これが一つの基本的な課題だと私どもは思っておりまして、現に国立病院の院長会議その他におきましても、さような方向での指導が行われているということでございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 じゃ、大臣に今度はお聞きしますが、わが国の治療実験というのは、治療実験というよりは人体実験と、このようにそのものずばり言った方がいいのではないかと、このように思うわけでございますが、先ほどからいろいろ話題になっておりますアメリカの治療実験は、治療実験前の条件整備、補償体制などが相当進んでいると、このように聞いておりますが、大臣はこの米国の治療実験のシステムについてはどのような認識をお持ちでしょうか。

野呂恭一自由民主党・自由国民会議厚生大臣

○国務大臣(野呂恭一君) 私も専門家でないので、ここで明言を申し上げるわけにはまいらないと思いますが、先進諸外国の例もいろいろ検討しながら、治験薬の規制については、先ほど申し上げましたとおり、これは真剣に取り組んでいかなきゃならぬ。いよいよ改正薬事法の施行を控えておるわけでございまして、厚生省として、そういう意味から、特に安全性を確保するという責任はあるわけでございます。こういう問題について積極的に取り組んでまいりたい、かように思います。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 私が先ほども申し上げた六つのチェックの仕方も、これはアメリカの文献から申し上げた問題でございますが、そのほかに、アメリカでは一九六二年に毒性試験の方法が規定をされておるようであります。そして、人体実験は許可制になっております。諸外国では、人体実験には試験責任者が置かれて、薬理学者、医学者が慎重に判定チェックする、このようなシステムになっておるようであります。ですから、いよいよ遵守基準というのが定められるわけでございますが、そういうことをきちっと盛り込んだ、要するに、人間の命を大事にするという、そういう精神を盛り込んだ遵守基準にひとつぜひ実現をしていただきたい、このことを強く要請をするわけでございますが、決意のほどを聞かしていただきたいと思います。

山崎圭厚生省薬務局長

○政府委員(山崎圭君) そもそも法律改正の趣旨が、一つは被験者の人権ということにございましたし、また、そういう臨床試験という大事な最後の試験、これが十分に行われておりませんと、結局はその薬の有効性、安全性というものに問題が生じてくる、こういうような趣旨でああいう治験というものを整備したわけでございますので、先生御指摘のような方向でこの治験の基準その他を定めてまいりたいと存じております。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 大臣に。

野呂恭一自由民主党・自由国民会議厚生大臣

○国務大臣(野呂恭一君) いま局長が答弁したとおりでございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 じゃ次は、中国引揚者の問題についてお尋ねをいたします。  日中国交回復後、第二次世界大戦前後に日本から中国へ渡り、再び故郷の日本で暮らしたいという願いで帰国をした中国引揚者は全国で千八百七十九人もおられます。この数の中には、中国で誕生した二世、結婚した妻や夫も含まれていると思われます。これらの方々の大半は、自分から望んで中国に残ったのではなく、戦争の犠牲で、余儀なくそこに滞在しなければならなかった人たちでございます。  日中国交回復が日中間での忌まわしい戦争の残骸に一応のピリオドを打ち、平和への道を歩もうとする出発点であったわけでありますから、真に両国の平和を確立するには、こうした戦争の犠牲に苦しんだ人たちに対する手厚い国の援助があってこそ初めてできるものと思われますが、まず大臣の御所見をお伺いをいたします。

野呂恭一自由民主党・自由国民会議厚生大臣

○国務大臣(野呂恭一君) 中国からの引揚者の方方は特殊な事情にあるわけでございます。こういう方々に対しましては、当然いろんな条件もございますけれども、大局的見地に立って便宜を計らい、また、この人たちが本土に引き揚げてこられまして御迷惑のかからないようにいろんな角度で検討をしていかなきゃならぬ問題だと考えております。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 中国引揚者の生活ぶりは、言葉が不自由なために思うような職業につけなかったり、子供が学校でおくれをとったり、住宅高の折から思うような家に住むことができない大変な生活難でございます。  そこで、私たち公明党の調査団は、比較的引揚者の多い鹿児島県でこうした引揚者の生活実態をことしの二月から三月にかけて調査をしたのでございます。本日は、その調査結果をもとに関係省庁に対して質問をいたしますが、あくまでも引揚者の生活は国がその責任を負うべきであるという観点から私は質問をいたしますので、前向きの答弁をひとつ期待をいたします。  中国から帰国してきた人たちは、ほとんどが着のみ着のままの姿で帰ってくるわけであります。日本へ帰ってからは、まず茶わん一つから備えなければならないのが現実です。しかし、何の手持ち金もないわけで、初めから金が足りない苦しい生活をするわけでございます。  まず初めに、引揚者が日本へ帰ってくる際の永住、一時、再帰国の旅費の国庫負担、帰ってからの帰還手当などの制度があるようでございますが、この制度の概略についてお伺いをいたします。

松田正厚生省援護局長

○政府委員(松田正君) 引揚者、特に、中国からの引き揚げられてこられる方の御事情は、いま先生御指摘があったとおりだと私たちも考えております。中国から帰られる場合に、その旅費等につきましては、引揚者、それから引揚者に準ずる者、こういった者を対象にいたしまして旅費の支給をいたしておるところでございます。  また、国庫負担をいたします帰国旅費の中身といたしましては鉄道賃、急行料金、寝台料金、車馬賃、食事代、宿泊料その他の運賃あるいは雑費、こういうことで支給をいたしておるわけでございます。また、中国を出ましてからの日本までの船あるいは航空賃の実費、それから帰国をいたしました際の帰還手当、これを大人の場合一人十一万二千円ということでございますけれども支給をする。こういうことで、できるだけの援助をいたしておるわけでございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 いま答弁されましたのによりますと、本人が男性であって妻が中国人の場合は同伴者と、こうみなすようでございますが、本人が女性であって夫が中国人の場合は同伴者とみなさない。また、現行法では子供が十八歳以上は同伴者とみなさないということでございますが、いまこの点は改めていただいておるようでございますが、実際は、多いケースとしては本人が女性で夫が中国人というケースが非常に多うございます。しかも、日本へ帰るにも旅費が都合ができず、夫と成人をした子供だけは中国に残留せざるを得ない、一家離散というような形がほとんどでございます。そこで、引揚者が家族一緒に住みたいという肉親の情、人道的立場に立って政府はもっと寛容な考え方でこういう人たちまでめんどうを見るべきではないかと思いますが、政府の御見解を承りたいと思います。  最近、三月に入って私の県では十一名の方々が中国からお帰りになっておりますので、将来、こういうケースは非常に多くなるんじゃないかと、こういうふうに思われるわけでこういう質問をするわけでございますが、今後の施策の重要性を考えて、ぜひ前向きの考え方を示していただきたいと思います。

松田正厚生省援護局長

○政府委員(松田正君) いまお話しのあったとおりでございまして、ただいま申し上げました引揚者あるいは引揚者に準ずる者の中には、十八歳以上になりました子供、それから中国籍の夫という者は制度上含まれておらないわけでございます。実際上の取り扱いといたしましては、現在のところ十八歳以上の子供でございましても、それぞれの実情に応じて帰国旅費等を支給をいたしておるわけでございますが、中国籍の夫につきましてはそのような措置をとっておりません。これにつきましては、確かに先生御指摘のように、家族一体といいますか、そういった実情もよく理解をできますので、それぞれの個々の世帯の実情を見ながら今後十分に検討をしてまいりたい、かように考えております。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 次に、どうしても問題になるのは住宅の問題でございますが、私たちが調査をした三十六世帯によりますと、自宅が四、借家、借間十一、公営住宅が十七、社宅が三、親戚と同居一と、こういうような実態でございました。自宅と公営の住宅の方は住宅には満足をしておられますけれども、借家、借間の方は、安い収入で高い家賃を払わなければならないということで苦労されて、しかも状況上満足をしておられないようであります。で、公営住宅を望んでおる方がほとんどでございました。  市町村によっては引揚者の方を優先的に入れているところもあるようでございますが、一方では何の配慮もなく、公営の抽選に二回も引揚者が外れたということで非常に嘆いていらっしゃる方もおりました。県、市町村でばらばらの対応をするのではなくて、国の方から地方機関に対して、引揚者の人たちには、公営住宅法にある特に困窮している者として公営住宅に優先入居させるように指導すべきだと思いますが、御所見を承りたいと思います。

松田正厚生省援護局長

○政府委員(松田正君) 引き揚げてまいりました方の生活の本拠の確保ということは、私ども最も重要な問題だと理解をいたしております。この点につきましては、所管省でございます建設省とも十分御連絡をいたしまして御協力をお願いをいたしているところでございます。

鴨沢康夫建設省住宅局住宅総務課長

○説明員(鴨沢康夫君) 公営住宅の運営に当たりましては、各事業主体、すなわち都道府県、市町村に対しまして、昭和四十年に、引揚者の方は特定目的公営住宅というものにお入りをいただいておりますが、これの取り扱いについて指導を、通達を流しておるところでありまして、これによりますと、特に住宅に困窮するという条件に当てはまるということで、選考に際しましては公営住宅法十八条の規定によって、当該世帯を住宅困窮度が著しく高いものとして優先的に取り扱うものとするというふうに指導いたしております。各事業主体におきましてはこれを受けまして、それぞれ条例におきまして、地域の住宅事情その他によっていささかニュアンスはございますけれども、いずれも優先的に入居をしていただけるようにという趣旨の制度をつくって運営をいたしておるところでございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 次は、中国引揚者の生活指導員についてお尋ねをいたしますが、社会生活を営むに困難を来している引揚者に対して、この指導員を派遣をして相談に応じるという制度でございますけれども、実際はこの制度はうまく作動しておらないようであります。調査では、指導員がいるということさえ知らない引揚者も多く、また相談員がなかなか来ないという意見も多かった状態でございました。引き揚げてきてから一年の間だけ月四回の割合で指導員が来るという制度のようでございますけれども、年に何世帯も帰国者がいると、県でたった二人の指導員では回数を減らすか指導に行かれなくなるのは当然と言えると思うわけでございます。  そして、この指導員をされている人は、これも引揚者の方で、この人が県から委託されて行っているわけでございますが、自分の生活も厳しい上に、この派遣は大変に苦痛であるということです。引揚者の役所関係の相談であれば日曜、祭日以外の日でなければならず、指導員は自分の仕事を休んでの指導となるわけです。引揚者は言葉がわからず、何から何までどうしたらいいかわからず困っている人が多いわけです。この状況から考えて、今後も帰国者が続くことを考えると、もっと指導員の体制をしっかりしたものにしなければいけないと思われますが、いかがでしょう。  たとえば指導員を引揚者に委託するのではなくて、中国語のできる人に委託をしてその人数をふやしたり、また一年限りではなく、事あるごとに指導に回ったりするなどの配慮をすべきだと思いますが、いかがでしょうか。

松田正厚生省援護局長

○政府委員(松田正君) 中国から帰ってこられまして、それぞれ身元引受人なりしかるべき地に落ちつかれた後に、当該府県で指導員を選定をいたしまして、個々の世帯についていろんな指導をいたしておるわけでございます。確かにおっしゃるように、それぞれの落ちつき先、その辺の実情によりましては、あるいは先生御指摘のような実態があろうかと思いますけれども、私どもといたしましては、そういった問題も含めて、できるだけ指導員の量と質の向上ということでこれまでいろいろ施策を強化をしてまいったつもりでございます。  引き揚げてまいりましたら早々に当該世帯につきましてはオリエンテーションということで、日本のいろんな生活上の手助けになる手段でありますとかあるいは生活の相談先でありますとか、いろんな手続関係を十分にオリエンテーションということで指導をいたすわけでございます。ただ帰国をいたしました早々そういったことでございますので、その点の趣旨の不徹底さはある程度あろうかと思いますが、この点につきましても漸次強化をしてまいっておるつもりでございます。  特に中国からお帰りになりまして、定着先によりましては確かに指導員として全く適切な方が必ず得られるという保証はございませんけれども、今後とも各都道府県を指導いたしまして、指導員の整備につきましては、予算的にも実際の指導の面におきましても充実を期していきたいと考えておるわけでございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 さらに、指導員には交通費は自分持ちで年一回、一回行ったときに五千五百円の派遣費というんですかが支給されるようでございますけれども、この交通費は自分持ちというのが大変だそうでございますが、これを、交通費ぐらいは政府の方で支給したり、あるいは年額に幾らという手当制度にするわけにはいかないか、こういうふうな意見があるんですが、いかがですか。

松田正厚生省援護局長

○政府委員(松田正君) 地域によりましては、いろいろ実情が違いますので、多額の交通費を要したりするところもあろうかと思います。私たちが五千五百円と定めておりますのは、それぞれの地域の実情を考慮しながら、交通費を含めてこのぐらいが適当だろうということで、予算上はセットをいたしておるわけでございますけれども、御指摘のような事例につきましては、弾力的に扱えるように積極的に検討をするつもりでございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 次は、年金についてお伺いをいたしますが、Aという御婦人がいらっしゃったわけで、この方は、昭和三年の九月生まれでございますが、満州に昭和二十年に行って、昭和四十八年の六月に帰国をしたわけでございます。帰国後約四年三カ月厚生年金に入られた。そこで、老後のために貸付制度を利用して、国民年金の特例給付、これに入ろうと思っていろいろ窓口に行って相談されたところが、もう入っても掛け捨てになる以外ないと、こういうような答弁が返ってきて、非常に残念な思いをして、老後の不安を感じておるということでございますが、こういう引揚者の方々に対する、それこそ特例を考えてあげるという考えはないんですか。

木暮保成厚生省年金局長

○政府委員(木暮保成君) 中国からお帰りになりました方々につきましては、国策によって中国に行き、敗戦に遭い、その後の事情でなかなかお帰りになれなかったというような特殊な事情があろうかと思うわけでございますが、国民年金制度は、御承知のように、二十歳から六十歳までの間に、原則として二十五年以上保険料を納めていただいて、六十五歳から年金が出るという仕組みになっておるわけでございます。いわば社会保険方式をとっておるわけでございますので、中国から御帰国になりまして方々の特殊な事情につきましては十分理解ができるわけでございますけれども、そういう一般的な年金制度としては対応はしにくいということでございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 特に御婦人の場合は、厚生年金の場合ですね、三十五歳以上の被保険者の期間が十五年であれば年金をもらえるという優遇措置があるようでございますが、この御婦人の場合は、六十二歳まで働かなければならないというような状態でございますけれども、これは余りにも酷に過ぐるような感じがいたしますが、これも何とか優遇措置はないものでしょうか。

木暮保成厚生省年金局長

○政府委員(木暮保成君) 厚生年金につきましては、ただいまお話しございましたように、女子につきましては、三十五歳から十五年間被保険者期間があれば年金が出るということになっておるわけでございます。この方の場合には、四年三カ月間厚生年金に入られたということでございますので、なお、十一年ばかり期間が要るわけでございます。で、厚生年金の制度といたしましては、十年間入っておりますと、任意継続加入ということができるわけでございます。会社をやめましても、それまでに十年入っておれば、その後保険料を引き続き掛ければ、十五年に達すると年金が出るということでございますが、この方の場合には四年三カ月ということでございますので、そういう任意継続加入制度を活用するということもできないわけでございます。厚生年金につきましても、保険料を一定の条件掛けていただいて年金が出るという仕組みでございますので、大変申しわけございませんけれども、このケースにはなかなか対応できないということになろうかと思います。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 私たちが調査をした三十六名の中で、職についていない人が大体十三人もおりました。そこで、その方々がおっしゃるのには、どうしてもいまのモータリゼーションの中では自動車の免許を取りたいと。ところが、なかなか免許を取る費用が貸付制度とか、そういうようなこと、あるいは職業指導、いろいろ職業訓練等をやっていただきたいものだと、こういうような要望も多うございましたが、これについてはどのように対処していただけますか。

松田正厚生省援護局長

○政府委員(松田正君) 確かに生活の安定を得るための具体的な手段として自動車の免許を取得するということは有効な手段であろうかと考えます。したがいまして、私どもといたしましては、低所得階層を対象にいたしました貸付制度といたしましては、御承知のような世帯更生資金という制度もございますので、当面はこういった制度を利用するということで、生活指導員等の指導を強化をしてまいりたいと考えておりますけれども、一般の引揚者世帯の生活安定をどういうふうにするか、今後の問題としてさらに努力を重ねてまいりたいと考えております。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 次は、言葉の問題でございますけれども、なかなか向こうから帰ってきた成人の人たちは、日本語になじまなくて非常に不自由しておるようでございますが、政府は、語学教材として、五十二年度以降の引揚者には教材を支給しておるようでございますけれども、これを四十七年までさかのぼって差し上げるようにしてはどうかということが一点と、それから日本語の移動教室みたいなものでなじましてあげるような、そういうような配慮をしたらどうか、この二点についてお伺いをいたします。

松田正厚生省援護局長

○政府委員(松田正君) 中国からの引揚者に対しまして、言葉が不自由である、こういうことから、当初は配付をいたしておりました「日本のことば」ということで、小冊子でもってお願いをいたしておったわけでございます。五十二年度からは、カセット、テキスト、それからテープレコーダー、こういったようなことで、できるだけ早く日本語を習得していただける措置を漸次強化をしてまいりました。ただ、日本の地に帰りまして、日本語を大体日常生活上不自由なくということにつきまして、私たちの調査等も考慮いたしますと、三年程度あれば大体言葉が通ずるというようなことの様子でございますので、四十七年当初からの方々に現在のところ重ねてテープレコーダー等の資材を供給することはいかがかというふうに考えております。ただ、今後帰ってこられる方々につきましては、できるだけ早く習得できるような実際的な措置も鋭意検討いたしたいと考えております。  なお、御提案の移動教室につきましては、確かにそういう必要性ということにつきましては理解ができるわけでございますけれども、それぞれ帰ってまいりました世帯、定着地が非常に違っております。そういう事情もございますので、今後の課題として検討をさしていただきたい、かように考えております。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 最後に、通告外でございますが、もうこれは医務局長はよくおわかりと思いますので、一問だけ質問をいたしておきますが、元鹿児島大学病院の跡に国立南九州中核医療センターが五十六年のオープンを目指して工事が進捗中でございますが、ここのセンターの組成といいますか、組織と、国立鹿児島病院、こことは大体同じような状態であるということで、ここが開設になりますと、大体五十万都市に国立病院が二つないから必ず一方は閉鎖されるであろうというようなことで、地域住民が非常な不安に陥っておる状態でございますが、ここらあたりはどういうようなことをお考えになっているのか、お聞かせ願いたいと思います。

田中明夫厚生省医務局長

○政府委員(田中明夫君) 新たに現在建設中の施設は、九州地方の循環器等の中心的な診療施設ということで、現在建設中のものでございまして、私どもといたしましては従来の国立鹿児島病院と一体となって地域の医療の確保のために働いてまいりたいというふうに考えております。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 そうしますと、国立鹿児島病院は鹿児島市の北西部の方の地域住民の医療ニーズに対応できるようなそういうような拠点だと、将来もそういうふうに存続をすると、こういうふうに考えて間違いありませんか。

田中明夫厚生省医務局長

○政府委員(田中明夫君) 現在のところ、私どもは従来からの国立鹿児島病院と、新たに建設中の循環器等の特殊診療部門を一体化して地域の医療の確保のために尽くしてまいりたいというふうに考えておりますが、今後どういう形で二つの施設に機能を分与していくのが一番地域の住民のためになるかという点に関しましては、県とも十分御相談の上進めてまいりたいというふうに考えております。

志苫裕日本社会党

○委員長(志苫裕君) 和泉君の質問は終わります。安武洋子君。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 私は、障害者の問題についてお伺いいたします。  来年は国際障害者年でございます。厚生省もそのテーマである完全参加と平等の趣旨に沿って身障者の福祉の充実、これに努力をされていることと思います。身体障害者の方々の各種資格試験の参加について、予算委員会などでも論戦されておりますけれども、重ねてお伺いいたしたいと思います。  私は、きょう特に聴力障害者の方々の国家試験あるいは免許の取得問題についてお伺いをいたします。  まず厚生省が所管されております国家試験などの免許が与えられる資格のうち、耳の聞こえない人、それから口のきけない人たちが絶対的な欠格事項、欠格事由、こういうものになっているのはどのようなものがあるかということをお伺いいたします。国家試験などを経て免許を取るわけですけれども、そのときの欠格事項です。

田中明夫厚生省医務局長

○政府委員(田中明夫君) 厚生省が国家試験を実施しまして資格を与えておりますもののうち、目が見えない者、耳が聞こえない者あるいはは口がきけない者を欠格の事由といたしておるものは医師、歯科医師、保健婦、助産婦、看護婦、歯科衛生士、診療放射線技師及び診療エックス線技師、薬剤師、臨床検査技師、衛生検査技師、視能訓練士等でございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 いまおっしゃったようなのは、人の命にかかわるというふうな面が多うございますから、私は欠格事由ということもある程度厳しい面があるということも承知はいたしております。しかし、実際に医療経営に携わってなさるような方、医療業務に携わってなさるような方々、私はこういう方から御意見を伺っております。聴力障害者の場合でございますけれども、現在非常に科学も進歩しているわけです。技術の進歩もございます。そういう中で、こういうことも考え合わせると、十分に聴力障害者の方でも参加できる範囲がいま欠格事項とされているのではなかろうかという面も多々見受けられるわけなんです。私はこの点で、厚生省がいまいろいろなあれを挙げられましたけれども、そういう中でやはり障害者の残存能力を開発していく、社会に参加をさせて福祉を充実していくという面で、やはりいま資格の欠格事由というのは考え直さなければならない時期に来ているのではないかというふうに思うわけです。  で、ぜひ考え直していただきたいわけですけれども、一つ例を挙げますと、薬剤師とかそれから衛生検査技師とかあるいは診療放射線技師とか診療エックス線技師、こういう場合です。これ聴力障害者でも、欠格事項になっておりますけれども十分できるのではないか。欠格事項からはずすべきだというふうに考えるわけです。手話とか筆談とかあるいはテープレコーダーとか、こういうものでカバーできるわけですね。  一つ、薬剤師の問題について考えてみますと、患者に接するという面と、それから薬剤を調合するというふうな分離のできるような大きな病院、こういうところでは十分聴力障害者が働くことができるわけです。そしてまた、薬局などでも、奥さんが手話が通じるというふうな方であれば薬局の経営には何ら差し支えがないわけです。  それから、レントゲンの技師の場合でも、いまテープレコーダーが非常に発達しているわけです。ですから、息をとめてとかいうふうなことは、テープレコーダーに吹き込んでおくとか患者にわかるようにすることは十分考えられるわけです。それから、検査技師にしましても、患者などと隔離したところで働くというふうな仕事、こういうことは十分にできると思います。  で、やはり障害者の方がこういうことはできるであろうというところをどんどんどんどん開発していかない限り、私はそういう福祉の充実の面でも仕事を——やはり仕事の面も考えるというふうになっているわけですけれども、こういう面、職域を広げるということについて障害をいつまでも残したままになるというふうに思います。ですから、現在の国家試験の免許制度というのを私は個個にいま洗い直して再点検し、見直しの必要があるというふうに思いますが、大臣、いかがお考えでございましょうか。

野呂恭一自由民主党・自由国民会議厚生大臣

○国務大臣(野呂恭一君) 来年の国際障害年を迎えまして、そのテーマでございます障害者の社会完全参加というテーマから申しましても、国家試験全般にわたりましていろいろ欠格事由の見直しを行うべきではないかと、その御指摘は私どもよく理解するわけでございますが、たとえば国家試験の対象としていままでやっておりますのは理学療法士でございます。しかし、作業療法士におきましては、免許制度で認めておりながら試験を受けた人は現在までゼロであると、こういう実態から申しまして、その他の医療関係にもしそういう免許制度を開設したからといって簡単に応じられるであろうかどうか、そういう実態も考えてみなければなりません。  ことに医療が国民の保健に重大な影響を及ぼすものでございますから、この見直しをやる場合においてその必要性がどこにあるのか、あるいはその場合における問題がどこにあるのか、いろいろこれは慎重に図りませんと、一概に障害者の職域を広げていくというだけで、この医療に関する職場についてその進出を広げることについて、心情的には私は理解できますけれども、具体的に一体どうなんだろうか、これは慎重にひとつ検討さしていただきたい、かように思います。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 大臣、いまのお答えの中に私はやっぱりちょっと逆立ちしている部分があると思うんです。試験を受ける人があるかないかというのは、やっぱり私はそういうことを先に置いてこういう見直しをするというのは、これは違うと思うんです。やはり身体障害者の残存能力を伸ばして——大臣も予算委員会の中でお答えです。身体障害者の福祉を確保するということは、単に福祉施策だけではありませんので、教育、雇用、生活環境改善等、広範多岐にわたっての施策と、こういうふうにお答えでございます。やっぱりその施策を進める、全面的に進めていこうと、そういう中で見直していただく、それで受ける人が私は出てくるということを期待するわけなんです。ですから、そういう点でやはり十分、消極面を見ないで、積極的な面をどう伸ばすかということで、障害年に向かって、科学の進歩も考え合わせて障害者にそういう道を開いていただきたいということを申し添えます。  それから、私はこれを調べておりまして大変気になりました。法の欠格事由の部分なんですけれども、ここを見ますと、何と、いまどき視力とか聴力障害者について、つんぼ、おし、盲、こういう差別的な表現が出ております。私はこういうものはもういち早く改めなければならないと思いますけれども、いかがでございますか。

田中明夫厚生省医務局長

○政府委員(田中明夫君) 先生御指摘のとおり、欠格事由の用語について非常に適切でないという面があることを十分承知いたしております。で、最近できました法律におきましては、そういうような用語は使っていないわけでございまして、今後適当な時期に従来古い法律でそういう適当でない言葉を使っておるものにつきましては改正いたしてまいりたいというふうに考えております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 どちらにしましても、臨床検査技師、衛生検査技師等に関する法律とかあるいは診療放射線技師及び診療エックス線技師法とかというふうに——改まっているというのは薬剤師法は確かに改まっておりますけれども、こういうところは改まっておりません。ですから、こんなことはやろうと思えばすぐにできることですから、こういう差別的表現は直ちに改めていただきたいということを申し添えます。  それから次に、私は看護婦対策の一つとして行われております病院内保育所の問題についてお伺いいたしたいと思います。  看護婦さんというのは、これは私が申し上げるまでもなく、勤務形態というのが三交代などの形態になっておりまして、準夜とかあるいは深夜勤務とかというふうなものがございます。で、こういう看護婦さんの子供さんというのは、現在の公的認可保育所の一般的な措置時間、これに合わないわけですから、やはりここで、勤務先の病院内にある保育所で措置をするというふうなことになるわけです。で、現在政府も、看護婦の確保の対策の一環として、こういう院内の保育の事業に対しまして一定の補助を出しておられます。で、年年この補助施設がふえてきているわけです。  これは私、大変いいことで、実情に合っていると思って見てまいりましたけれども、突如として今年度全く頭打ちというふうな状態になってしまっております。これは非常に実情に合わないわけなんです。いま年々看護婦がふえております。そして、六歳未満の子供を持っておられる看護婦さんの人数も、これもまたふえてきているんです。これは統計も出ておりますけれども、院内保育の需要というのが、これがいま高まってきているというふうなのが実態なわけですね。ですから、いまこれを頭打ちにしてしまうというふうなことは、まさにいまの実態に逆行するわけなんです。今後とも私はこれは拡大をされなければいけない、このように考えておりますけれども、いかがでございますか。

田中明夫厚生省医務局長

○政府委員(田中明夫君) 厚生省におきましては、看護婦養成の確保対策の一環といたしまして、子供をお持ちの看護婦の離職防止及び未就業看護婦の再就職の促進ということを図るという目的で、院内保育所の運営費の補助を行っているわけでございます。で、この補助に当たりましては、看護婦が利用できる適当な一般の保育所のないこと、看護婦がその交代制勤務に即して利用できること等、看護婦の確保を図る上で有効なものを対象といたしております。  で、先生御指摘のとおり、この数につきまして年々ふえているわけでございますが、昭和五十五年度におきましては、前年同数の六百五十九カ所という予算を計上しておるわけでございまして、私どもといたしましては、五十五年度につきましては一応この予算の数字で十分賄っていけるというふうに考えておりますけれども、今度看護婦の需給状況等を勘案しながら、必要がございますればまた増加してまいりたいというふうに思っております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 去年と同じ数で十分やっていけるというふうなお答えでございますが、私は、「行政監察月報」ですね、昭和五十四年九月ですが、この中を拝見しますと、行管の方ではそうは言っておりませんですね。「六歳未満の児童を有する年齢層とみられる二十五歳以上三十四歳未満の看護婦等数の割合が、昭和四十八年末の二六・三%から、昭和五十二年末には三三・四%となっており、院内保育施設に対する需要は高まってきているものとみられる。」と、こういうふうに書いてあります。この数字、二六・三%から三三・四%に高まっている、六歳未満の児童を有する年齢層と見られる層が。というふうなことを考え合わせ、看護婦も増加してきているということを考え合わせるときに、去年と同じ数で十分いけましょうという厚生省のそういうお考えというのは実情を把握なさっていらっしゃらない。非常にこの要求が高いわけですから、そういう点で私は実情の把握をやり直していただかないといけないと思います。その点いかがでしょうか。

田中明夫厚生省医務局長

○政府委員(田中明夫君) ただいまの行管の方の数字は何年か前の、ちょっと私いま聞き逃しましたが、数字であろうかと存じますけれども、私ども最近の補助の実態からかんがみまして都道府県等とも相談いたした結果、一応五十五年度におきましてはこの六百五十九という数でもって何とかやっていけるというふうに判断いたしたわけでございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 ですから、私はもう一度現状把握をやり直していただきたいということをお願いしているわけです。実際にあちらでもこちらでも院内保育をしたいという声が上がって、やはりそういう点で施設が足りないという声が上がっているわけです。ですから、私は認識不足もはなはだしいんじゃなかろうかというふうに思うわけですから、そういう点、もう一度実態を把握して、さらにこういう施設をふやしていくという方向を打ち出していただきたい、こう思います。それを要請しておきます。  それから、さらにこの補助の内容を見てみましてびっくりいたしました。公的認可保育所の場合、比較をいたしてみますと実に雲泥の差があるわけです。病院内の保育所というのは、保母さんの一人分の人件費にも満たない、こういう総額の三分の一の手当しか国は出していないわけですね。この状態がどういうことを生み出しているか、やはり先ほどの行管の月報を見てみますと、これは「施設設備の整備状況を児童福祉最低基準(昭和二十三年厚生省令第六十三号)に照らしてみると、非常口がないもの、屋外遊戯場がないもの、屋外遊戯場、保育室及び乳児室に備えるべき設備のほとんどを備えていないもの等があり、一般に保育環境は良好とはいえない。」、こう書いてございます。私はやっぱりそのとおりだろうと思います。  指摘されているようなみじめさを生み出しているのは、やはり公的保育所と違って、保母さんの——A型とB型とありますけれども、一人当たりわずか三千八百六十円掛ける二十五日のその三分の一と、こういう出し方ですね。公的保育所の場合は園児一人当たりというふうな出し方をしているというふうなことで、この方たちは公的な保育所に預けられない、それに合わないということで院内保育をしているわけです。私はここにこんな大きな格差があってはいけないと思います。公的保育がいいと言っているわけではありません。まだここでも不十分なのに、これに比べてずいぶんと貧弱だということで、ここに対する補助というものをうんと引き上げない限り、同じ子供でありながらこういう本当にかわいそうな保育条件のもとで放置をされているというのは、私は厚生省としてもひとつ考えていただかなければならないと思います。この点いかがでしょうか。

田中明夫厚生省医務局長

○政府委員(田中明夫君) 先ほども申し上げましたように、院内保育所の補助というのは、厚生省といたしましては看護婦の養成確保対策の一環として行っておるわけでございますので、一概に市町村がおやりになっている保育所と比較できない面もあろうかと存じます。しかしながら、先生御指摘の補助の単価等につきまして、私どもといたしましてもできるだけ改善いたしたいと考えておるわけでございまして、五十五年度につきましても、わずかではございますが、保母の給与改定等に見合った所要の改善を図ったわけでございます。今後ともこういう点について努力いたしてまいりたいと思っております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 看護婦の不足、これが解消しつつあるというふうなことで、看護婦は確保されてきたということは、やはり私は院内保育が果たした役割りというのが大きかろうと思うわけです。しかし、そこで、子供を先ほど申し上げたような形で犠牲にしておいて、看護婦が確保されたからよいということにはならないと思います。子供はどんな場合にも私は犠牲にしてはならない。そういうことでいま御答弁をいただきましたけれども、子供を犠牲にしないで、やはり看護婦さんの働く条件、これを確保し、そして看護婦不足解消ということで考えられたこの院内保育ですけれども、内容を充実させていくというふうなことで、補助単価の引き上げとか、施設などへの助成と、こういうことも私は今後検討していく課題ではなかろうかというふうに思うわけです。大臣、いかがお考えでございましょう。御答弁いただきとうございます。

野呂恭一自由民主党・自由国民会議厚生大臣

○国務大臣(野呂恭一君) 看護婦の確保対策は大変まだ私は十分ではないと思います。むしろ、今後この面に意を用いなければならないことは当然でございます。したがいまして、院内保育の果たしておる役割りというものを考えてまいりまして、対象を増加させ、あるいは補助内容についても充実させていくということは、当面私は一つの課題であるというふうに考えるわけでございます。ただ、予算の問題等もございますので、なかなかこちらの思うようには得られなかったわけでございますが、さらに今後五十六年の予算などにおきましては、ひとつもっとこの内容を増加さしていくように努力をいたしたいと思います。

志苫裕日本社会党

○委員長(志苫裕君) 渡辺武君。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 まず最初に、厚生省の方にスモン病被害者の問題について伺いたいと思います。  もう御承知のとおり、三月七日の東京地裁の勧告で、投薬証明のない患者についても国と製薬三社が賠償金を支払うべきだ、国は三分の一、製薬三社は三分の二という勧告が出ております。それで、国はこの点で勧告に従うということで、製薬三社がまだ態度不明のために、鋭意説得してくれているということでございますけれども、その説得の結果はどうなっておられるか、まず伺いたい。

山崎圭厚生省薬務局長

○政府委員(山崎圭君) 御指摘のように、三月七日に東京地方裁判所において、和解を進めていく場合についての一定の所見が示されたわけでございまして、それは大きく第一項と第二項に分かれておりまして、第一項は、いままで製薬会社が投与されたキノホルム剤の特定が不十分だと、こういうことを主張いたしまして和解が留保されてきたこういう個別事例、個別ケースごとの事例につきまして、これが百十九例あるわけでございまして、この百十九例について和解の勧告が行われた。もう一つは第二項でございまして、それがただいま先生御指摘の、いろいろスモンであることが立証を尽くされた、しかし、尽くされた結果としましても、服用キノホルム剤を全く特定することができない、そういうケースについて、これはもう和解金の三分の一が国負担、残余の三分の二については製薬三社の負担。この製薬三社間の負担については今後裁判所の場で検討、協議を進めていく、こういう大きく二つに分かれる所見でございました。  そこで、三月七日所見が示されて以降、私どもは、二十一日でございましたが、この所見について国としてはお受けいたすと、こういう回答をいたしましたが、製薬三社に対しましても、国として、同じ被告の立場に立つわけでございますが、同時に行政責任というようなことも強く考えまして、製薬三社に対しまして、早急に検討を行って、この所見に対する回答並びに国の基本方針に従っていくよう、こういう要請を続けておりまして、現在でも鋭意そういう努力を重ねているところでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 そういう努力を続けているとおっしゃるんですが、見通しはどうですか。会社側の態度、これもどんなふうな態度ですか。

山崎圭厚生省薬務局長

○政府委員(山崎圭君) 少なくとも会社側としましては、期限を切られてすでに経過しております第一項の三月二十一日までの回答を迫られております個別ケース百十九例についての回答は、近いうちに、あるいはきょう、あしたというようなきわめて近い時期に私は何らかの回答が寄せられると、かように推察をしております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 いまおっしゃった三月二十一日という日を切られているというのは、推定投薬証明の患者ということだと思うんですね。きょう、あした回答があるということ、これは遅きには失しているけれども、しかし、前向きの回答がもし出るなら非常に結構なことだというふうに思っているんですが、その投薬証明のない患者ですね、との点についてはどうですか。

山崎圭厚生省薬務局長

○政府委員(山崎圭君) 会社側の態度、必ずしも私自身正確にキャッチしているわけではございませんが、第二項の方につきましては、先ほども申しましたように、裁判所としましても、これから裁判の場で検討、協議を重ねようと、こういうことでございますので、会社側がこれにどういう態度に出ますか、現在のところまだ十分つかみ切っていないと、こういうことでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 そうすると、投薬証明のない患者の方については、まだ会社側の回答について見通しがつかないということでございますか。

山崎圭厚生省薬務局長

○政府委員(山崎圭君) お答え申し上げます。  広く投薬証明書のない患者というふうに一括してこの問題を取り上げられておりまするけれども、結局第一項の問題も、キノホルム剤服用が不十分であると、こういうケースでございまして、この不十分さの度合い、つまり証拠評価の問題として、証拠の能力が十分でないケースから、非常に薄い、さらにはないと、こういう連続的なものであろうと私自身は理解しておるんでございますが、そこで、少なくとも裁判所が個別事案としまして百十九例、これについては和解をしたらどうかと、こういう提言であるわけでございます。  そういう意味で、先生御指摘の、まず私自身は第一項の問題が先決である。それで、その第一項を片づけることによって第二項の方にも延長的につながっていく、問題の性質としてはそういうものだと理解をしておるわけでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 その問題についてきょう、あしたというお話がありましたが、ひとつなお鋭意努力していただきたい。これは大臣ひとつがんばっていただきたいんですが、どうですか。

野呂恭一自由民主党・自由国民会議厚生大臣

○国務大臣(野呂恭一君) スモン患者の救済につきましては、これは国として当面する大きな課題の一つでございまして、鋭意私どもは、特に投薬証明のない患者の取り扱いについて、東京地裁の所見に従いまして、関係製薬企業も国と同じように従ってもらいたいという説得を今日続けておるわけでございます。  ただ、渡辺先生にも御理解いただきたいのは、説得という言葉は二字でございますが、私も会ってみて、そう簡単なものでない、大変それぞれの事由を述べておりますので、具体的にいつ解決がつくのかという明示はできませんし、私どもは連日これに当たっておるわけでございます。私も、いろいろの情勢判断の上で、さらに会って説得を続けてまいりたいと考えておりますが、なかなか簡単なものでないということを私は痛切に感ずるものでございます。しかし、国、製薬会社ともに大きな責任を持っておるわけでございます。厚生大臣としてもこれに対して誠心誠意説得に当たりまして、患者の御期待にこたえるべく努力をいたしてまいりたいと考えております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 それからもう一点は、鑑定人の鑑定の問題ですね。いまどのくらいの提訴者があって、鑑定済みの人はどのくらいになっているのか、これを伺いたいと思うのです。

山崎圭厚生省薬務局長

○政府委員(山崎圭君) 現在患者数にいたしまして提訴者は五千百八十七名でございます。そして、鑑定の報告済みの数が三千七百七名でございまして、ちょっと敷衍いたしますと、さらにこの中で和解が成立した者が二千六百六十四名でございます。  なお、この提訴患者から弁護団を通じまして鑑定人団に資料の送付その他がある者が、ちょうどこの五千百八十七と三千七百七の中間ぐらいの数、私も鑑定に直接タッチできませんのでおおよその推察でございますが、四千三百ぐらいが鑑定人団に特ち込まれていると、こういうふうに聞いておりますので、四千三百のうち三千七百が鑑定報告があったと、こういうふうに了解しております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 この鑑定については、薬害被害救済法を審議する際、私どもはこういうものができますときっとこれは患者の救済がおくれていくように作用するだろうということで非常に懸念を持ったわけです。それで、できたらこんなものはない方がいいわけで、裁判所できちっと裁判をして判断を下しているというようなものについては、これはもうあえて鑑定を経ずしてどんどん救済措置を講ずべきだというふうに考えておったわけですが、いま伺ってみますと、提訴者五千百八十七名のうち三千七百七人、千四百八十人の方がまだ鑑定を受けられずに残っている。仮に、資料を送られている人が四千三百人というお話ですから、それと比べてみても約六百人の人たちがこの鑑定をまだ済ますことができないでいるという状況ですね。それで、私、これはス全協の方と厚生省との間で大体昨年の十二月中に鑑定は終えるという申し合わせができているんじゃないかというふうに思うんですが、なぜこんなにおくれているのか、そしてまた今後どうなさるおつもりなのか、これを伺いたい。

山崎圭厚生省薬務局長

○政府委員(山崎圭君) 先生御承知のように、昨年の七月二十六日でございますが、議事録確認ということが行われまして、その際には、当時の決意といたしまして、年内にも全体として和解の方向、あるいは和解を実現させるようにがんばろうというようなことであったわけでございます。そして、鑑定人団はこれは被害救済法とは直接結びつかないのでございますけれども、要するに裁判所がこれがスモン患者であるということのためにその鑑定を委嘱しまして、そういう鑑定人団にスモン患者であるかどうかの判断を裁判所がお願いしている、そういう性質のものになるわけでございまして、そういう意味で私どもは、議事録確認にもございますように、今後鑑定手続の迅速化の問題につきましては、これは裁判所が鑑定人団にお願いする筋のものではあるけれども、私どもとしましても原告弁護団との協議も重ねまして、これは月一回程度、現実には二回程度行っておるわけでございますが、協議を重ねておりまして、そしてその協議結果を鑑定人団の方に申し入れるといいますか、鑑定の迅速化を重ね重ねお願いしていると、こういう現状でございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 これは厚生省のスモン研究班のメンバーが大体鑑定人になっているということを聞いているのですが、やはり厚生省の方からせっかく昨年の十二月中に鑑定を済まそうということでス全協の方とも話し合いができているわけですから、その点はもっと強力に促進方をやっぱりお願いしていただきたい。この点いかがですか、大臣。

野呂恭一自由民主党・自由国民会議厚生大臣

○国務大臣(野呂恭一君) 鑑定作業がおくれておるのではないかという御指摘でございますが、いまのところ順調に進んでおると私どもは解釈をいたしておりますが、なお鑑定団に申し入れまして鑑定の迅速化をお願いをいたしたい、こう考えております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 厚生大臣ありがとうございました。  次に、環境庁長官に伺いたいと思います。  三月六日に水俣病の患者さん方とともに私大臣にもお目にかかりまして幾つかの点御要望申し上げたんですが、その際大臣が、とにかくこの水俣病の問題については責任の重さを痛感している、今後全力を挙げて真剣に取り組むという趣旨のことの御答弁あったわけです。  それで、まず時間もないので端的に伺いますけれども、その際大臣に一日も早く現地に来て実情をひとつ調べていただきたいというお願いをしましたところ、大臣からはいま国会開会中なんで、行くことのできるような機会が来たら改めて検討するという御趣旨の御答弁がありました。いまも国会開会中ですけれども、しかし予算委員会も一応終わったことですし、多少大臣のお時間も余裕がおできになったんじゃないかというふうに考えておりますが、ひとつここで改めて検討していただいて、ぜひひとつ現地に至急に調査に行っていただきたいと思いますが、その点いかがですか。

土屋義彦自由民主党・自由国民会議環境庁長官

○国務大臣(土屋義彦君) お答え申し上げます。  先般、先生が代表の方々とお見えになりましたとき、私がるる申し上げましたとおり、水俣病対策の重要性につきましては十分承知をいたしておる次第でございまして、私といたしましても、ただいまも国会開会中でもございますので、いま直ちにというわけにはまいりませんが、いずれ折を見ましてぜひ水俣をお伺いさしていただきたいと考えております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 非常に結構なことだと思います。ぜひひとつ実現していただきたいと改めて要望申し上げておきます。  それからもう一点、ぜひ伺いたいと思いますのは、そのときも汚染地域住民の住民健康調査ですね、いわば総合調査、これを速やかに実施してほしいという要望が出ておりまして、その際のお答えとしては、五十五年度から実施の予定で、もう予算も組んでいるというお答えがありました。もう予算も成立しましたので、この点についてぜひ急いでやっていただきたいということを改めてお願いしたいのですが、その点いかがですか。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(本田正君) 健康調査を含みますところの総合調査、これは非常に私どもは重要なことだと考えておりまして、かつて先生いらしたときに申し上げましたのは、過去にもいろいろ実は健康調査だけとってみましても水俣湾周辺あるいは八代海沿岸で調査が行われているわけでございます。そのほかにもたくさんな調査がございます。そういったことを研究者にお願いしまして、従来の調査を集積してもらっている段階でございます。その結果を見まして一体実施の可能性も含めまして、どういう規模でいつ、そういったことを現在検討いたしているわけでございます。まだそういう結論が出ておりませんので、五十五年度に必ず実施する、そういうふうに申し上げたわけでございませんで、従来の健康調査等のそういった結果をまず踏まえて、そして有効な調査ということになりますと、若干やはり検討する必要があろうと思います。そういったことを申し上げたつもりでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 そうしますと、五十五年度からやるというのは、つまりいままでの調査結果等々の検討をやるということなんですか。そうすると、もしその調査の検討が済んだ暁には改めて全面的な調査をやる、総合的調査をやるというおつもりがおありでやっておられるわけですね。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(本田正君) 調査をやるにいたしましても、実は医師を中心とする人の問題、それから体制、時期、場所、それから一挙に水俣湾周辺全部をなかなかやるわけにはそういったことでできないと思います。そういったことをよく検討して、有効な調査でなければやっても意味がないと存じます。そういった検討はぜひやらせていただきたいと存じております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 それからもう一点、その調査に関連しての問題ですけれども、水俣保健所に分析機器を設置して魚介類や海水の分析を常時行ってほしいという要望がありまして、この点については、保健所のことであるので、厚生省の所管なので厚生省に依頼をしているが、県や厚生省も何とかしたいというふうに言っておられる。予算としては機械整備費の方から出ることになるので、五十五年度予算の個所づけの問題だという御趣旨の御答弁があったと思うんですね。これはもう予算も成立しましてこれからは個所づけの問題に入ってくるわけですが、この個所づけ、必ずいま言ったような要望をかなえられる方向でやっていただけますかどうか、その点どうでしょうか。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(本田正君) 保健所の機器の整備につきましては申し上げたとおりでございますが、重ねて私どもは厚生省にもお願い申し上げたいと存じております。    〔委員長退席、理事穐山篤君着席〕

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 それからもう一点、どうしても大事な問題は認定申請患者の早期救済という問題なんです。それで特に、いま患者団体が切実に要望しておりますのは、認定申請と同時に国、県の責任で医療費の無料化を実施してほしいということなんですね。これについては最後に、問題の重要性がよくわかった、したがって改めて検討しましょうという御答弁があったわけですが、これは検討していただいたかどうか。また検討の結果こうした要望、これは非常に切実な要望なんですが、こたえていただける方向なのかどうか、これを伺いたいと思います。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(本田正君) 治療研究事業と申しますか、そういったものの一環として実は水俣病の認定申請を出されて一年たちますと、その特別な措置といたしまして昭和四十九年度からこれを実施しているわけでございます。その間昭和五十三年度から半年重症者について繰り上げまして、そしてその中の重症者については半年たってから治療研究の対象にしようと、こうしております。これはあくまでも特別な措置でございまして、まだ患者とも患者でないとも判断のつかない方々が不幸にして非常に滞留しているものですから、こういう措置を実はとっているわけです。この制度というのは非常に長期間待たされまして医療費もかさむであろう、こういったことからとった措置でございますので、これを申請すればだれでも直ちに医療の扶助が受けられるということになりますと、非常に問題があるということを思うわけです。しかしながら、やはり非常に特殊な水俣病ということでございますので、その内容について、これは予算措置でございますので、相手もあることでございますから、これから来年度の予算編成作業がおっつけ始まるわけです。そういったさなかに検討してみようと、実はこう申し上げておるわけでございまして、いまおっしゃるように本日どうするかという結論はまだしたがって予算編成前でございますので出ておりませんが、御趣旨を体しましてよく検討はいたしたいと存じております。    〔理事穐山篤君退席、委員長着席〕

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 五十六年度の予算措置として検討するということですか。そうだとするとまた一年間待たされるということになりますね。これは私もうあなた方はよく御存じだからあえて申し上げなかったんですけれども、大体被害者は四万から五万と一般に言われておりますね。その中で申請をしている人が、これは五十五年の二月現在ですが、九千三百六十一人いる。そうして実際認定を受けた者がわずかに千六百四十三人しかいないんですよ。このことについては熊本地裁のあの厳しい判決もあって、私はやはり国として当然責任を持っていただかなきゃならぬ問題だというふうに考えています。ところが、認定の申請をする人たちは、それぞれ医者に診てもらって、これは水俣病だという判断のもとで認定の申請を出している。これが普通の姿なんです。ですから、あなた方の責任で認定がうんとおくれていて、たくさんの人たちが自分の費用で認定を受けられるまでは治療をやらなきゃならぬ、非常に深刻な状態に置かれているんです。で、いまおっしゃったように、認定申請を出して一年間たってからこの研究費ですかが来る、重症者の場合は半年繰り上げたと、それでも六カ月待たにゃいかぬわけですよね。ですから、これではとても患者のいまの苦しさ、これを救うことはできないじゃないかと、そういう意味で患者団体にとってこれは非常に切実な問題なんです。大体仕事にも行くことができないですよ、体が不自由ですからね。そうして病気で苦しんでいる。ですから、とにかく主治医の診断を受けて認定の申請をしているわけですから、そういう人たちについてはとにかく申請と同時に国が救済措置を講じてほしい、これは私当然のことだと思うんですね。もう一年間待てなんてそんなばかなことはとうていこれはだれも納得できないと私思いますね。その点大臣どうですか、これは非常に切実な問題なんですね。

本田正環境庁企画調整局環境保健部長

○政府委員(本田正君) 御趣旨はよくわかりますけれども、一般的に申請者というのは水俣病であるかあるいはないかという、そういった方々でございます。したがって、これは私どもは内容の充実ということについてはよく検討いたしたいと思います。しかしながら、今年度は、先ほど申し上げましたように、これは予算措置でございますので、そういうふうな検討をいたしたいと思います。しかしながら、さしあたっては半年に繰り上げております重症者というもののとり方をもう少し何と言いますか重症者の枠を広げる、そういったことを予算の範囲内で私どもは今年度は考えさせていただきたい、かように思っております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 大臣、いまお聞きのとおりなんですね。大臣も、責任を痛感する、鋭意これは至急に解決するようにしたいということもおっしゃっておられたわけですが、この点非常に切実な問題なんでぜひひとつお答えいただきたい。

土屋義彦自由民主党・自由国民会議環境庁長官

○国務大臣(土屋義彦君) お答え申し上げます。  先生御指摘のとおり、認定業務の促進は環境行政の重要な柱でもございますので、私といたしましても先生の意を体しまして今後前向きで真剣に取り組んでまいりたい、かように考えております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 いま大臣、認定業務の促進ということをおっしゃいました。それをぜひやってほしいと思うんですね。基本的な患者さん方の要求は現地に五名以上の常駐医を確保してほしい、五名以上のね。そして、県の認定審査会は二班制にしてそうして促進してほしいと、これもまた長らくの基本的な要求なんですね。それもぜひ実現してほしいわけですが、同時にいま申しました、とにかく認定申請を出してそうして重症者の場合には半年待たなきゃならぬ、普通の場合には一年待たなければ研究治療手当がもらえないという状態はこれはなくしてほしい、出したらすぐに研究治療手当がくるようにしてほしいと。それからまた、その研究治療手当の中に、はりきゅうの場合も含めてほしい、こういう要求なんですね。この点はぜひ至急に実現するようにお願いしたいと思うんです。それらも含めてもう時間来たんで御答弁いただきたい。

土屋義彦自由民主党・自由国民会議環境庁長官

○国務大臣(土屋義彦君) 御指摘の点につきましては、予算編成に当たりまして前向きで検討させていただきます。

志苫裕日本社会党

○委員長(志苫裕君) 以上で渡辺君の質問は終わります。  次に野末陳平君。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 最初に大蔵に聞きますけれども、お医者さんの所得が高いことはもう有名ですけれども、五十三年はどうであったかと、公表された数字がないようなので五十二年の数字を見ますと、医師の所得は一千二百万ぐらいになっていますね。五十三年はこれを当然上回っていると思いますが、どのくらいでしたか。

西内彬国税庁直税部所得税課長

○説明員(西内彬君) お答えいたします。  五十三年分は医療保険業は平均いたしまして一千四百四万円になっております。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 医療保険業ですから薬剤師とかはりきゅう、マッサージとか、そういうことを含めますから、これを開業医だけに限って見ればこの平均所得というのは当然これより上がりまして千五百万円以上に上がると推測するんですが、どうでしょう。

西内彬国税庁直税部所得税課長

○説明員(西内彬君) お答えいたします。  実は統計分類上正確には把握をいたしておりませんが、開業医だけを取り出しますと、先生御推測のとおり所得金額は上がってまいるというふうに考えます。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 開業医の所得が高いというのはたとえば、いまの数字、医療保険業で言えば一千四百万を超えていますが、開業医には七二%の例の特例がまだ生きていますから、これの適用された所得がこの数字である、千四百万円以上であるということは実際の経費率を考えに入れてこの所得を考えると、正味の所得というのはもっと高いはずだとぼくは思います。  そこで、しかしこの際は医療保険業の平均というこの一千四百四万円、この数字を使うことにしまして、一方、サラリーマンですね、サラリーマンの平均所得はどういうふうになっていますか。五十三年です。

西内彬国税庁直税部所得税課長

○説明員(西内彬君) 民間給与の実態調査によります給与所得者の一人当たりの平均収入金額は二百七十八万円になっております。これは給与所得者のいわゆる平均の収入ベースでの数字でございまして、給与所得控除額控除前のものでございます。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 そうしますと、給与所得控除を引きますとさっき言ったたとえば医療保険業の所得という考え方に見合うと思いますから、サラリーマンの場合も平均給与から給与所得控除を引きまして所得ベースに直してちょっと数字をもう一度確認しますが。

西内彬国税庁直税部所得税課長

○説明員(西内彬君) お答えいたします。  平均給与収入は先ほどお答えいたしましたように二百七十八万円でございますので、これから単純にこれを基準に給与所得控除額を控除いたしますれば約百八十万円に相なります。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 お医者さんとサラリーマンではもちろん仕事の内容が違っておりますから単純にこれを比較するのは非常に危険なので、あえてこの所得を比較する場合に同一ベースに近いということで、いま医療保険業は一千四百四万円、それからサラリーマンの場合は所得ベースにして給与所得控除を引いた額百八十万、こういう数字を言ってもらったわけですね。そういうふうに比較すればほぼ妥当であると思いますが、いいですか。大ざっぱに言って所得を比較した場合にお医者さんとサラリーマン、いまの数字で。

西内彬国税庁直税部所得税課長

○説明員(西内彬君) お答えいたします。  サラリーマンの方の給与所得控除額はお医者さんのような場合の必要経費と直ちに比較はできないかと存じますが、サラリーマンにおける必要経費の意味合いも含めて給与所得控除額を定めておるというような意味からは、所得ベースの比較では給与所得控除額を控除した後で比較するよりほか方法がないというふうに考えます。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 そうしますと、ごく大ざっぱに言いますと、ここでサラリーマンと開業医は約八倍ぐらいの所得の差がある、こういうふうになるわけですが、問題はこの比較をするわけじゃありませんで、お医者さんがつくっております国保組合ですね、この医師の国保組合へ国から補助金がどのくらい出ているかということが厚生省にお尋ねしたい第一ですが、幾ら出ていますか。

石野清治厚生省保険局長

○政府委員(石野清治君) 医師国保に対しまする医療費の補助でございますが、五十三年度におきまして総額五十二億という数字でございます。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 その場合に、組合の加入者の構成ですね。お医者さんがあり、お医者さんの家族があり、看護婦さんのような従業員もあると思うんで、大ざっぱにこの組合加入の構成をちょっと説明してください。

石野清治厚生省保険局長

○政府委員(石野清治君) 経営者、従業員、それから家族という三つの分類でいたしますが、経営者の数が六万四千八百二十二人、それから従業員が五万五千七百八十二人、家族が十七万九千三百七十八人、合計二十九万九千九百八十二人という数字でございます。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 そうしますと、看護婦さんのような従業員も五万余り加入しているが、お医者さんとその家族の方が約七割か、そのぐらいになっているというふうになりますね。  さてそこで、この医師の国保組合へ出されている補助金を一人当たり幾らだというふうに割りますと、加入者が二十九万幾らですから五十二億の補助金一人当たり幾らになりますか、被保険者でいくと。

石野清治厚生省保険局長

○政府委員(石野清治君) 組合員、家族を含みます被保険者一人当たりで見ますと一万七千三百円という数字になるわけでございます。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 重ねてもう一つ聞きますが、今度は開業医一人当たりでこの補助金を割ってみますと一体どういうふうになるのか、この数字は出ますか。

石野清治厚生省保険局長

○政府委員(石野清治君) 先ほど三つに分類いたしましたが、その中の経営者が六万四千八百二十二人おります。経営者の中にはもちろんお医者さん以外もおるわけでございますけれども、大半がお医者さんというふうに考えてもいいかと思いますが、その医師一人当たりの金額の数字をしたがいまして正式に出すわけにいきませんけれども、仮に経営者の数で割った場合で見ますると七万九千九百円という数字になるわけでございます。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 そうすると、じゃ被保険者一人当たりの一万七千三百円でしたか、この数字をそのまま使うことにしまして、さて、さっきサラリーマンを引き合いに出したので、ぼくはサラリーマンとお医者さんを単純に比較しようということで挙げたんじゃないんですが、サラリーマンの数が多いということと、お医者さんというのはもともと所得の高い代表的な職業であるということを頭に置いて、ここで比較をしようと思うんです。  サラリーマンが医療保険に関してどのくらいの補助金をもらっているかということが次の質問なんですが、政管健保の場合ですね、政管健保の場合には国庫補助、これは加入者の数もむちゃくちゃに多いですし、したがって国庫補助の額も大きいんですが、ひとつこの政管健保の全加入者一人当たりに、家族も含めますから全加入者一人当たりにしぼりますと、幾らの補助金が国から出ていることになるのか。この金額を計算して出してほしいんですが。

石野清治厚生省保険局長

○政府委員(石野清治君) 政府管掌健康保険につきまして申し上げますと、五十三年度の家族を含みます加入者一人当たり国庫補助額が、これは推計になりますけれども、一万二千七百十六円という数字になろうかと思います。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 さて、政管健保の場合は中小企業のサラリーマンがいたりして、平均所得でいけば、先ほど国税当局から出た数字のサラリーマンの平均所得百八十万だと、これが大体当てはまるであろう、そういう所得層じゃないかと思うんですが、そこで厚生省に聞くんですが、いまの百八十万円しか所得のないサラリーマンに対する補助金が一万二千円で、一方、年間所得一千四百万を超えて一千五百万以上確実である、あるいは所得番付の上位を常に占めるというような開業医のこの国保に対して補助金が一人当たり一万七千円、こっちのが多いと、これはもうバランスがどう見てもおかしいし、不公平の感もあるんですね。お医者さんというのは負担能力もありますから、自立できる国保だとぼくは思います。そうすると、こんなに援助をしなくてもいいじゃないかと、一人当たり一万七千円で、合計すれば五十二億というお答えでしたね。ちょっと甘過ぎる、少し補助金の額が多過ぎると思いますが、どうですか。

石野清治厚生省保険局長

○政府委員(石野清治君) 政府管掌健康保険と、国民健康保険の制度の一つでございます国保組合そのものの比較というのは、いろんな制度上の違いがございますので大変むずかしいわけでございます。特に国保組合につきましては、お医者さんを含めまして自営業者などといっていました、本来国保の被保険者である者を対象にしております制度でございます。一方、政府管掌健康保険の方は、企業の大小はともかくといたしまして、被用者保険制度ということでございまして、いわば事業主負担という被用ということから考えまして、事業主負担の制度を組み入れておるわけでございます。一方の国保の被保険者につきましては、自営業者というようなことが中心でございますために、事業主負担というものは全く考えてないわけでございます。そういうものをやはりカウントしながら国庫補助がどの程度必要かということを考えてまいりますと、確かにおっしゃるように、加入者一人当たりの金額にいたしますると、確かに医師国保の方が政府管掌健康保険に比較しましても高いという御指摘はわかるわけでございますけれども、そういうものをカウントいたしますと、それが高過ぎるのかどうかということにつきましては、必ずしも私どもはそう考えていないということでございます。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 制度をまず正しいものであるからということでいけば、そのとおりなんですが、少なくもこの補助金というものの性格など考えますと、どうも一人当たりのこの差はこれでいいんだとは思えないんで、そこで質問しているわけですね。  そこで参考までに、ちょっと数字はあるかどうかわかりませんが、同じくサラリーマンが加入している組合健保がありますね。この補助金はどうなっているかということで、これはいまでも医師会が問題にしているけれども、財政力が豊かですから、この組合健保の場合は補助金は当然少ないんですが、これを一人当たりに割り出すと、数字ありますか。組合健保の加入者一人当たりの補助金は幾らになっているか。これは出ますですか。

石野清治厚生省保険局長

○政府委員(石野清治君) 現在健保組合に対します補助金は、この数字と比較します場合には、五十三年度の数字で申しますと、総額で十二億の国庫補助であったと思います。これはあくまでも健保組合の、約千六百六十ございますが、そのうちで財政的に成り立たないものに近いもの、そういうものを幾つか選んで出しておるわけでございますので、健保組合の被保険者一人当たりの数字と比較するのは全く意味がない、こういうふうに思うわけでございます。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 そうしたら、単純に考えることはやめまして、医師国保へ戻りますが、この医師国保の、大臣ももちろん御承知と思うんですが、医師国保へはいわゆる医療費の二七%が補助されているわけですね。補助金率二七%と言っているんですけれども、どうなんでしょう、この二七%出さなきゃならぬということでなくて、補助率を落としてもいいし、打ち切ってもいいと思うんですよ。というのは、さっき言ったように、政管健保との比較も無理である、医師国保の場合はこの五十二億の補助金で決して高くないと厚生省はおっしゃいますが、しかしどうなんでしょうね、ぼくはやはり負担能力のあるところには補助金を落とすぐらいのことをしないと、いま補助金を洗い直して、しかも歳出をいろいろとカットしなきゃというときに何かそぐわないように思うんですよ。  大蔵省の方に聞いておきましょうかね。大蔵省は一体医師国保の補助金に対してこれで妥当だと思って今回補助金洗い直しの中で処理されたのかどうか、その辺はどうですか。

安原正大蔵省主計局主計官

○説明員(安原正君) ただいま医師国保に対する国庫補助をめぐりまして、医師の所得状況あるいは政管健保等との対比を挙げて御質問がございました。基本的な医療保険に対する国庫補助の考え方としまして、本来社会連帯の精神に基づきまして、保険料を主として財源として経営していただくという考え方に立っておりまして、ただ制度が幾つも分立しておりまして、制度によって財政力の強弱がある、保険料負担能力にもいろいろ限界もございますので、そこの調整を補完的に国庫補助を行いまして行っておるというのがたてまえでございます。したがって、制度の差異がございますので、ただいまその点につきましては、厚生省の方からも説明があったとおりでございまして、一律に一人当たり額だけをとらえて比較することはなかなかむずかしいかと思いますが、いずれにしましても財政力のあるところに対しては基本的には国庫補助をしないとか、あるいはする場合でも非常に限定した形でやるというのが基本であろうと考えております。  そこで、お尋ねの国民健康保険に対する国庫補助につきましても財政力の強弱に応じまして二七%から四〇%と各種の補助率を設定して補助しているところでございます。そのうち、医師国保につきましては、いまいろいろ御指摘がございましたように、かなり所得が高いというのが一般的な状況でございますので、いまのままで適当かどうかという問題は確かに財政当局としてあろうかと考えております。一般的に申しましてもきわめて御承知のとおり厳しい財政状況でございますので、国庫補助全般としても重点化、効率化ということを図っていく必要があるというぐあいに考えております。したがって、医師国保の問題につきましては、五十五年度予算編成の過程でも厚生省と種々議論はしてきたところでございます。五十六年度に向けまして老人保険医療制度の改正ということでこれから検討を鋭意進めていくことになっていますし、それとの関連で国民健康保険全体に対する国庫負担のあり方についても見直しをすべきじゃないかと考えておりますので、その一環として厚生省とも十分協議しながら今後さらに検討を進めていきたいと考えております。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 五十二億というのは少し出し過ぎというか、負担能力のあるところにここまでやる必要はないというのがぼくの考えですが、たまたまいま二七%から四〇%の間で補助率を決めて職業によって補助しているという話がありましたが、どうでしょうかね、お医者さんの国保と同じく国庫補助率二七%をもらっている組合に弁護士や税理士がありますね、厚生省。その弁護士、税理士も補助率、医療費の二七%でやっているわけですが、この弁護士や税理士の所得も、補助率は二七%と同じですが、お医者さんに比べてかなり低いんですよ。  国税局に聞きますが、五十三年の所得は、弁護士、税理士などの職種では幾らになってますか。

西内彬国税庁直税部所得税課長

○説明員(西内彬君) お答えいたします。  弁護士、税理士、建築士等の五十三年分の一人当たりの所得金額は三百九十六万円になっております。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 厚生省、同じ補助率二七%という国保組合で、お医者さんの方の所得はさっき言ったように千四百万円以上、弁護士や税理士のグループは四百万足らず、こういうふうにやはりかなり差がある。そうすると、さっき一人当たりの額でばかり言いましたけれども、やはり二七%の国庫補助をもらう中でもこうやって格差があるとすれば、弁護士、税理士などの国保に二七%やっている、お医者さんは少なくもそれより低くてもあたりまえであると、こういうふうに言えませんか。さっきは政管健保と医師国保の違いを説明されましたが、今度は同じグループで同じ補助率をもらってるんだから、しかも所得がこれだけ違うとすればですよ。どうです。おかしくありませんか。

石野清治厚生省保険局長

○政府委員(石野清治君) これは基本に戻る問題でございますけれども、実は国民健康保険法の改正に当たりまして、従来予算補助でやっておりましたものを、法律の根拠を持たせまして、百分の二十五については定率補助と、その上に政令の定めるところによってさらに上乗せすることができるという規定を実は設けられたわけでございます。  その際に、従来からの経緯もございますし、それから実態から考えましてもいろいろ問題がございますので、グルーピングをやらざるを得ないということでございまして、先ほど話がございましたように、二七%、三〇%、三五%、四〇%のグルーピングを行ったわけでございます。確かにこのそれぞれのグループの中には、財政的な面から見ましても強弱がございます。これは事実だと思います。しからばそれを完全にその財政力を反映させました完全なものとするためにはこのグルーピングをさらに分解しなきゃならないというふうに思うわけでございます。変なたとえでございますけれども、学業評価でも一から五までありますように、その一なり五の間におきましても、いろんな学業的な面では千差万別だと思うわけでございます。それがこれに当たるかどうかわかりませんけれども、グルーピングをある程度行う以上は、その間のグループされた間に格差があってもやむを得ないというふうに思うわけでございます。  ただ、おっしゃるように、じゃ二七%のグループの中で医師と税理士を比べた場合に大きな開きがあるではないか、だからもう少し検討したらどうかという御意見でございます。いま大蔵省の方からも話がございましたように、これは老人医療保険制度に関連いたしまして、国保全体について見直しを行うわけでございますが、そういう中で一体こういうものが本当に妥当性があるのかどうかについてはやはり議論をしなくちゃならないというふうに思っておるわけでございます。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 制度が事実そうなっているとはいえ、それだけではどうもこの差は、あるいはお医者さんにこれだけのお金を補助することはちょっと納得できないんですけれども、少なくも政管健保の場合は給付の一六%か一八%の補助率でしたね。これを上回って二七%をもらって、しかも合計で五十二億円というのは、何かサラリーマンにも不公平感を与えるだろうと思うし、税金の適正な使い方かどうかについては疑問もあるし、厚生省は単純に制度の違いを無視して比較することに不満だとは思いますが、やはり税金をきちっと使うあるいはむだな補助金を少しでも削りたいというようなことから言えば、やはりこれは当然、来年こそは補助金カットの対象にすべきであると、そう思ってるんです。  大臣に最後にお聞きしたいんですけれども、ぼくは医者いじめをしようと思っているわけじゃありませんで、恵まれた、所得の高い階層というのは、やはり国の減量経営という立場を考えるなら、率先してこういう補助金などを遠慮すべきが本当である、そういう意味からいまのお医者さんの場合もその対象ではないか。それから、私たち国会議員の互助年金に対する国庫補助だってちょっとおかしいと思うところあるんですね。これはこの場でやりません、次の委員会にやりますけれども、そういうようにやはり制度に甘え過ぎているんじゃないか、恵まれた階層が、所得の高い層が。だからそこをやはり当局は減量経営の一環としてかなり厳しく見直しの目をしなければいけないということなんですよ。だから、その意味で自立できるお医者さんがここまでの補助金をもらう必要はないのに制度がそうなっていてということだけで片づけられるんじゃ、国の減量経営は一歩も進まないと、こう思っているんです。  そこで最後に厚生大臣、少なくもこの補助率はぐっと下げるか、あるいは打ち切るか、当然そのぐらいのことは決断すべきときで、いま局長さんが答えたような、これでいいんだというのは、ぼくはおかしいと思うんです。最後に大臣の所見を伺って一応終わりにします。

野呂恭一自由民主党・自由国民会議厚生大臣

○国務大臣(野呂恭一君) 御指摘の医師国保に対する補助金でございますが、二七%から四〇%の最低の二七%ということで、五十五年度予算ではそういう組み入れ方をしておるわけでありますが、まあ老人医療保険制度についても見直しを検討いたしております。並行して国民健康保険における国の助成のあり方全体的な問題の中で、この医師国保に対してどうあるべきか、部分的な見直しも必要ではないだろうか。ただ補助金を打ち切るんだと、できないまでも適正な補助率に考えていくというようなことが必要であると、そういうことで今後検討さしていただきたいと思います。

志苫裕日本社会党

○委員長(志苫裕君) じゃ野末君の質問は終わります。    〔委員長退席、理事穐山篤君着席〕

穐山篤日本社会党

○理事(穐山篤君) 志苫裕君。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 少し時間をいただきまして、委員長席を離れて二、三質問いたします。  環境庁にお尋ねをするんですけれども、ちょっと厚生省、通告をいたしませんでしたから、問題の指摘だけにとどめて善処をお願いしたいんですが、ごくわずかなことですけれども、新潟県下にある国立病院を例にとりますけれども、除雪費が足りない、庁費が不足をするために除雪の費用をほかから捻出をしておるというケースがあります。わずかなことですからどうこうと大げさに言うこともないんですが、ほかからどういう方法で捻出をするかと言えば、あの悪名高き出張と、こういうことになるわけでありまして、そういうケースが間々散見をされます。決して適当なことでなくて、わずかに雪の降るところに庁費を少しかげんをすれば済むことです。そういう点についての問題点が一つです。  それから、その病院は、たとえば職員三百名おるんですが、そのうちの約七十名が臨時職員です。いろんな部門に臨時がおることをあながち否定をしないんですが、まあ病院などで三百名のうち七十名もいるというのは、やはり正常でもないし、ずいぶん長い方もいる。ということになってまいりますと、この辺にやはり検討や改善の余地があるように思えます。  以上の二点について、きょうは指摘だけにとどめますが、しかるべき措置を講じられるように私は要望をいたしておきます。厚生省結構であります。ありがとうございました。  次、環境庁ですが、非常に小さい問題でありますが、同時に世界的な問題をひとつ私はきょうは取り上げたいと思うんであります。  それは御存じ、国際保護鳥で天然記念物でありますトキの保護対策の問題であります。いろいろとトキの保護についてはそれぞれ朝野を挙げて努力をしてきたことのようでありますが、何か万策尽きたのかどうかわかりませんが、今度はトキをつかまえてきて人工飼育——人工増殖というのですか、という方針をお決めになったという話を伺いますが、その点はまずどうなっておりますか。

藤森昭一環境庁自然保護局長

○政府委員(藤森昭一君) お答え申し上げます。  ただいま御指摘ございましたように、トキは昭和二十七年に文部省によりまして特別天然記念物に指定をされまして、地元の皆様方を初め関係機関の協力のもとにその保護が図られてまいりましたけれども、遺憾ながらその後その生息数は減少を続けまして、現在では野生のもの五羽及び飼育中のもの一羽、合計六羽が佐渡に生存しているにすぎない状況でございます。こうしたことからいたしまして、昭和五十一年度以降卵の採集等によりまして繁殖を期待してまいりましたけれども、いずれもいろいろの原因からしまして成功するに至っておらないのが現状でございます。  こうしたことからいたしまして、私ども環境庁といたしましては、専門家によって構成される特定鳥獣増殖検討会という専門家の機関によりまして各種の検討を加えましたわけでございますが、その結果を踏まえまして、今後は全成鳥を捕獲いたしまして、飼育管理下で、可能な限りの増殖技術というものを導入をいたしまして、積極的に増殖を図っていくという方針を立てたわけでございます。このことに関連しまして、生息地域につきましては、新潟県当局とも十分な調整を図りながら、将来こうして増殖を図りましたトキを再び佐渡の山に野生として放すということを期待いたしまして、これに備えまして生息環境の保全に努めていくと、これが現在の私どもの考え方でございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 簡潔にお答えいただければ結構です。  で、その方針はもう決めたんですね。これはどこがそれを決めたのか。ちょっと不勉強で申しわけない。それはだれが決める権限を持っているんですか。

藤森昭一環境庁自然保護局長

○政府委員(藤森昭一君) ただいま御答弁の中にも申し上げましたけれども、もちろん決めるのは環境庁でございますが、環境庁がこれを決めるにつきましては、ただいま申しました特定鳥獣増殖検討会の中のトキ分科会という専門家のグループによりまして、その御意見をもとに私どもが決定をしたと、こういう次第でございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 つかまえて人工飼育をして、ふえたらまた自然に戻すということのようですね、いまのお話は。まあ、つかまえて人工増殖をする。つかまえて人工増殖というのはうまくいくんですか。つかまえて人工増殖をしなきゃならぬという根拠があるわけでしょう。その根拠をちょっと、ごく簡単でいいですから。

藤森昭一環境庁自然保護局長

○政府委員(藤森昭一君) 簡単に申し上げます。  現在トキは先ほど申しましたように五羽しか天然にはおらないわけでございますが、このトキの年齢その他につきましては必ずしも明確にわかっているわけではございませんけれども、いままでの繁殖の状況等からいたしまして、人工的にあらゆる知見を総合いたしまして増殖に努めればその可能性があるというのが専門家の御意見でございます。それに従いまして私どももその可能性を追求するというのが現在の立場でございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 固体数がもう五つになっちゃった、世界でね。あの辺にいるのは五羽なわけですが、それくらいになっちゃうというと近親交配の繰り返しで繁殖能力が落ちるし、年も問題だということのようですね。しかし、つかまえてきたって五つしかいないわけでしょう。これはやっぱり近親交配じゃないのかな。つかまえてきたら近親交配の弊害がなくなるわけでもないし、その辺はどんなものなんですか。

藤森昭一環境庁自然保護局長

○政府委員(藤森昭一君) 御指摘のとおり、五羽及び一羽人工飼育中のものがございますけれども、近親交配という事実を緩和するわけにはなかなかまいらないと思いますけれども、ただ人工的な環境下において非常に条件のいい中で増殖を図る場合には近親交配に伴ういろんな劣悪な条件を克服する可能性が多いということでございます。  なお、異系の交配ということを考えまして、私どもとしましては現在南北朝鮮の非武装地帯に生存しているというトキ及び中国当局にも依頼しまして、中国に生存している可能性のあるトキにつきましていろいろ御調査を願っておるわけでございますが、もしそういったものが捕獲可能というような事態が実現いたしますと仮定しますならば、そうしたものの異系交配ということによりまして健全なトキの増殖、繁殖を図るという可能性も私どもはいま追求をしておるところでございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 私は率直に言ってこの問題については素人ですから、可否を論ずる能力はありません。ですから、専門家がそう言うとそうかなと思うし、また現地の人の意見、トキを本当に自分の子供のようにかわいがってきた人の意見を聞けばそうかなと思う程度の能力しかないんですが、心情的に言えば、むしろ人間がわいわい言うているうちにあれが減ってきちゃったんであって、むしろ何もさわらぬでおったら、あるいはふえるのかもしれないという、そんな感触もありますけれども、やれ写真を写すの、卵を探すのと言って、しょっちゅうトキのそばへ寄っておるからトキはおちおちできないで、だんだん滅びているんじゃないかという気持ちがしますけれども、それも私の心情でしかないですから、別に科学的な根拠がある話じゃありません。しかし私のような意見を持っている人も案外いるようですよ、いろいろとね、相当の専門家でも。でも、私はこのことについて可否を論ずる能力はないから、その点については触れませんが、いずれにしても皆さんはそういうことであらゆる今日の科学を駆使して、それでまたひとつ勢いを盛り返して、佐渡の自然に放ちたいということのようですが、そうすると、ある時期——それは何年続くかわかりませんけれども、トキのいなくなった佐渡の自然は、トキがいつでも生息をできる状況にずっと残しておくわけですか。

藤森昭一環境庁自然保護局長

○政府委員(藤森昭一君) トキを捕獲いたしまして人工的な環境に馴化をさせまして、それから増殖を図るということにつきましては、ある程度の年数はかかることはもう間違いございません。しかし、私どもの考え方は国際保護鳥であり、同時に新潟県の県鳥でもありますトキというものを再び野生に帰すということが最終目的でございますので、その間できる限り自然環境を保全して、トキをいつでも迎え入れるような状態を維持したいと、かように考えておるわけでございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 その点は、それにしましてもずいぶん問題が残りますけれども、それはいずれまた将来の問題になるでしょう。  ところで、トキは環境庁が最終的にお決めになるんですが、トキはいままで環境庁だけでここまで保護してきたわけではないわけですね。いろんな人たちの努力や善意や犠牲や、そういうものの上でここまできたわけですが、そういういわば幅の広い意味での地元や関係者との合意というふうなものはどういう状況になっておりますか。

藤森昭一環境庁自然保護局長

○政府委員(藤森昭一君) 御指摘のとおり、トキが今日までその生存を維持し得たことにつきましては、地元の皆様方の長年にわたる御努力、これが大変大きな力になったことはもう疑いを得ないところでございます。私どもは今回の全鳥捕獲という方針を打ち出すにつきましても、先ほど申しました検討会のメンバーの中に地元保護団体の代表の方の御参加を願い、また新潟県当局の参画を得て検討を続けてきたわけでございます。また同時に、この方針の策定に当たりましては、地元の関係者に対しましてその理解と御協力を得ることが不可欠でございますので、特定鳥獣増殖検討会の座長をしております池田先生を初め、私どもの責任ある課長等を地元に幾たびか派遣をいたしまして、いろんな機会を通じまして私どもの意のあるところを御説明申し上げまして今日までやってきたわけでございますけれども、先生の御指摘のとおり、こうした問題は地元の御協力があって今日まできたわけでございますし、また、今後においても地元の御協力がなければやっていけないことは明確でございますので、私どもとしましてはなお一層の努力を払って地元の御協力と御理解とを賜りたいと、かように考えております。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 いやいやそうじゃなくて、合意は成立したんですかと聞いているんですよ。これからやっていこうということなんですか、絶対成立したんですか。早い話が新潟県はそれで環境庁の方針をオーケーということになったんですか。両津市はどうなっているんですか。結論だけでいいですよ。

藤森昭一環境庁自然保護局長

○政府委員(藤森昭一君) 私どもの方針につきましては地元及び県当局も同意をいただいているものと考えております。なお、細かいことにつきましてはなおいろいろ御相談をし御協力を賜っていかなければなりませんけれども、私どもの基本方針につきましては御理解をいただいていると、かように考えております。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 幅広く関係者の合意を得られておる、大筋つかまえて人工飼育、人工増殖をしてまた自然に戻したいというこの方針を合意を得ておるということのようですが、実は私はそのトキのいるところに生まれたんです。トキと私はまあ一緒に育ってきたわけでありますけれども、これは国会議員数多いといえどもトキの生まれたところに生まれたのは私ぐらいのものですよ。でありますから、私も関係者の一人だ、そういう意味じゃ。私の合意なんかだれも求めておらぬけれどもね。非常に諸君は手落ちじゃないかと思うんだけれども、それはそれとして、私はこの際、先ほど言いましたように、関係者とは言ってもなかなかそういう高度な問題、心情としてはいまのままおいたらいいのにと思うけれども、しかし環境庁のそういう科学的な方針を否定するほどの能力はないという意味で、先ほど来聞いておるんです。私、最後に、これは長官も含めて要望しておきたいのは、いろんな努力をしてきた中でも地元の人たちの努力というのは、これは実は相当のものなんです。努力というか苦労というかね。ときには憎い鳥なんです、あれは。もうそこに住んでいる人は何も崇高な精神でトキを世の中に残そうなんというものよりも、トキのために仕事もできなきゃ、たんぼもうまいこと耕すこともできなければ、せっかく植えた後すぐまただめにされたり、ずいぶんと憎い鳥ではあるわけですが、そういう余り文化レベルの低いことを言っておれぬから皆さんと一緒になって今日までやってきたんですが、その努力の過程を振り返ってみると、たとえば山林保全のために山林の伐採はできないわ、それから通るべき道は通らないわ、山菜がそこにあっても入っちゃならないわ、それから農道をつくりたいと、僻地であればあるほどにそういう、人も減っておるんでありますから、農道をつくりたいといってもそちらには行けないというようなことで、環境整備もできないし、基盤整備もできないし、またたんぼには除草剤をまいちゃいけないということでありますから当然手でがちゃがちゃやる、収穫も減るというようなさまざまな苦労というふうなものを注いできて、しかし、この方針に基づくと、しばらくトキさんはいなくなるわけであります。この機会にその後遺症もアフターケアもやってもらいたい。  たとえば、一例を言いますと、林道をつくろうと思った。村の人が一番いいと考える法線はトキの山があってだめだ、したがって役所の方では別の方へ法線を切る、別の法線を切ると地形及び土地の問題でだめになるというようなことも過去には繰り返してはおるわけであります。  こういうことを考えてみますと、私はいま具体的にどうこうという指摘はいたしませんが、これは何らかの形でそういう長年の労に報いる。また、将来に向かって保全するものは保全しなきゃならぬわけでありますが、そういう点については後遺症対策というか、アフターケアというか、そういうものが環境庁において講じられてしかるべきである。具体的な問題等については地元やあるいは市や県からもいろいろ相談にあずかることでありましょうから私はきょうは触れませんが、そういう後保護というか、後遺症対策とでもいうか、そういうものについて環境庁は十分に考慮を払うべきであるというのが私の考えでありますが、長官この点いかがですか。

土屋義彦自由民主党・自由国民会議環境庁長官

○国務大臣(土屋義彦君) 今日までトキの生息環境の保護また整備を図るため、従来から、生息地の一部の国による買い上げ、それからまた冬季えさをやるとか、あるいはまた繁殖期の入り山規制等々、地元農林関係業者を初め地域関係者の皆様方に、先生御指摘になられましたとおり、大変御迷惑をかけております。しかるに、深い御理解と御協力をいただいてまいりましたことに対しまして、心から深く敬意と感謝を表する次第でございます。  先ほど局長の方からも御答弁がなされましたが、今後この全鳥捕獲の上人工増殖を行うことといたしましたが、何と申しましても佐渡はトキの生息環境といたしましてすぐれているところでもございますし、また沿革的にも、生態の上からもトキと一体不離の地域でもあり、人工増殖が成功し、再び野性に戻す場合にも欠かすことのできない地域と考えております。今後とも地域の方々の協力を得まして環境の保全を図ってまいりたいと、かように考えておる次第でございますが、今後環境庁といたしましては、国設鳥獣保護区の拡大と、これに伴う土地の買い上げ措置をするなどを含め、先生の御意見も踏まえまして、県、関係市町村と協議し、生息環境の維持と地元振興の諸施策の実施との調整につきまして前向きでひとつ検討してみたいと、かように考えておる次第でございます。  この機会に一言御披露さしていただきたいと思いますが、絶滅寸前にあるこのトキを守ろうということで、十年間も熱海市立伊豆山小学校の生徒たちが募金をやりまして両津市に送っておるという地方新聞を私は読みまして、本当に胸の痛くなるような思いをいたしたような次第でございまして、この純真な子供たちの気持ちをむだにしないように、真剣にこの問題と取り組んでまいりたいと、かように考えております。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 私はいま言いましたが、将来に向かって環境の保存もさることながら、立ちおくれた地元の振興という面についても、いま長官の言葉にもありましたけれども、その点についても十分な配慮を払うべきであるということを要望いたしまして質問を終わります。  ありがとうございました。    〔理事穐山篤君退席、委員長着席〕

志苫裕日本社会党

○委員長(志苫裕君) 他に御発言がないようですから、厚生省、環境庁、医療金融公庫及び環境衛生金融公庫の決算については、この程度といたします。     —————————————

志苫裕日本社会党

○委員長(志苫裕君) 次に、運輸省及び日本国有鉄道の決算について審査を行います。     —————————————

志苫裕日本社会党

○委員長(志苫裕君) この際、お諮りいたします。  議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

志苫裕日本社会党

○委員長(志苫裕君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

志苫裕日本社会党

○委員長(志苫裕君) それでは、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。和泉照雄君。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 大臣並びに総裁には遅くからの質問で恐縮でございますが、まず私は、大分県大分市の国鉄大分鉄道管理局の宿舎用地についてお伺いをいたしたいと思います。  この宿舎用地のうち、大分市金池町南一丁目の六千八百十九平米と錦町二丁目の五百二十二平米の計七千三百四十一平米の土地は、鉄道管理局誘致のときの約束として大分市が農林水産省から有料で借り、国鉄にまた貸ししているものでございますが、まずこの宿舎用地の経緯について農林水産省からお伺いをいたしたいと思います。

篠浦光農林水産省構造改善局農政部農地業務課長

○説明員(篠浦光君) ただいまの先生のお話にもございましたように、大分市にこの土地を貸し付けましたのは、大分鉄道管理局を市が誘致されるということでその宿舎用地を無償でお貸ししたい、提供したいということで県知事の方にお話がございまして、当時農林省は農地事務局でございますけれども、農地事務局もこれを認めまして大分市に貸し付けをしたということでございます。  言い落としましたけれども、時期は二十五年の七月に貸し付けましたものが大分市の金池というところで六千八百十九平米、それから二十七年の四月に残る錦町五百二十二平米というのの貸し付けを行って現在に至っております。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 現在ではこの土地は大分市では一等地であるようでございますが、この土地の借地料は現在まで幾らぐらい支払われてあるのか、農林水産省の方からお答え願いたいと思います。

篠浦光農林水産省構造改善局農政部農地業務課長

○説明員(篠浦光君) 五十四年の借地料でございますが、両方の土地を合わせまして百四十一万五千六百四十一円ということでございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 次は国鉄にお伺いをいたしますが、国鉄は昭和二十五年から大分市に借地料を支払わせて現在まで約三十年間農林省の土地を使用してきたわけでございますが、大分市と国鉄との大分鉄道管理局の用地に関する経緯についてはどのような経緯になっておるんでしょう。

半谷哲夫日本国有鉄道理事

○説明員(半谷哲夫君) ただいま先生からお話ありましたように、昭和二十五年に現在の管理局の制度が発足いたしまして、そのときに大分鉄道管理局を大分市へ誘致するということがございまして、昭和二十五年の九月一日に大分市から国鉄に対して宿舎用地として、約一万平米ちょっと超えますが、の土地を寄付するというお話がございまして、これを国鉄としては受け入れまして、その後二十六年、二十七年に職員用の宿舎をこの土地の中に建てまして現在まで使用してきている状況であります。その地積が一万平米ちょっとあるわけでありますが、そのうちの二千八百四十一平米、これは国鉄に所有権の移転登記を完了しておりますけれども、残る土地につきましては、これは先ほどお話のありました現在では農林水産省用地でございまして、移転が完了できませんで現在までこれを使用しているという状況にあるわけでございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 その移転が完了ができなかった理由というのはどういうふうに把握しておられますか。

半谷哲夫日本国有鉄道理事

○説明員(半谷哲夫君) これはその当時大分市の方でどのようなお考えであったかということはよくわからないわけでありますが、しかし国鉄と大分市の間で寄付につきましてのお話し合いがありまして、その書面に基づいて所有権の移転登記がすべて行われるということを前提にして国鉄としては寄付受けしたということでありまして、二十六年に、先ほど申しましたように、一部は移転登記が終わっておりますけれども、残る土地についてはその後市の方に移転登記を完了するようにということをお願いして現在に至ったということでございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 農林水産省にお尋ねをしますが、たしか昭和三十八年か九年ごろ会計検査院の方からも指摘があっておるわけですが、移転登記ができなかった理由についてですね。

篠浦光農林水産省構造改善局農政部農地業務課長

○説明員(篠浦光君) 農林省といたしましても、この土地を現在借りておられます大分市に対しまして買い受けをしていただくように貸し付けてから間もなくお勧めしてまいっておるわけでございます。最近におきましても九州農政局の方から、あるいは直接にはこの土地は大分県知事に管理を委任してお願いしておりますので、その知事の方からも大分市長の方に買い受けのお勧めをしていただいておるということでございますが、恐らく市の財政事情その他の事情かと思いますけれども、いまに至ってまだ買い受けのお申し出がないということでございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 国鉄にお尋ねしますが、私も現地に行って建っておる建物も見ましたが、ここにも写真がありますけれども、金池町も錦町も宿舎が大変老朽化しておるのは事実のようでございますが、この両宿舎はどういうつくりで、いつごろ建設をされ、現在何世帯の人が入居されておるのか、お答え願いたいと思います。

半谷哲夫日本国有鉄道理事

○説明員(半谷哲夫君) これは錦町の方は昭和二十六年に建築をされておりまして、構造はブロック造二階建てのものが一棟、それから一部平屋建てのものが二棟ございまして、十六戸ほど入っているという状況であります。  それから、金池町の方はブロック造二階建て四棟、三十二戸で、いずれも現在居住しているという状況でございまして、この部分は昭和二十七年に建築されたものでございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 金池町の宿舎は老朽化がひどくて、特にブロックにトタンを張りつけて補強がしてあるような状態でございますが、そういうことからしても、二十六年ですから耐用年数、そういうことで建てかえをしなければならないと、このように思うのですが、そういう計画がおありかどうか。建てかえをするということになりますと、あの土地は農地でございますから、この土地はそのまま農林水産省の所管でございますので、建てかえは不可能ではないかと、こういうように思うのですが、そこらあたりはいかがですか。

半谷哲夫日本国有鉄道理事

○説明員(半谷哲夫君) 現在まで経年が二十八年ないし二十九年たっているわけでございますけれども、その当時といたしましてはブロック造でつくってありまして、一般の木造と違いましで耐用命数はブロック造の方が長いということでございまして、経年によって一部手当てをしなきゃいけないところが出てきているという点はあるかと思うのでありますが、こういったものを管理しております大分管理局の方からは、これを建てかえるという本社に対する要請は現在出ていない状況でございます。したがいまして、いまの国鉄の財政事情等を考えまして、もうしばらくはこの宿舎を使っていくということにはなるのではないかというふうに考えております。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 現地の方から要請してみたってなかなか実現が不可能だから遠慮しておられるんじゃないかと私は思うんですが、行ってごらんになるとわかるとおり、もう本当に老朽化して何とかしてあげにゃならぬ、そのためにはやはりこの用地の問題を解決することが先決じゃないかと、こういうふうに思うわけで、国鉄の方では約三十年間も大分市から無料で宿舎用地を借りておるわけでございますが、このまままた四十年五十年と無料で、そういうふうに財政の逼迫した地方自治体の苦しい中を、やはり依然としてそういう状態を続けていくおつもりがあるのか、この大分の宿舎用地の対応をどのように考えていらっしゃるのか。総裁に聞いてみましょうか。

半谷哲夫日本国有鉄道理事

○説明員(半谷哲夫君) 現在まで寄付を受けるというそういう行為が完結してないままに約三十年近いものがたったということで、現在になりますと、市が農林水産省に使用料を払いそれを無償で国鉄に貸し、国鉄はそれをまた無償で使って宿舎に充てているという状況でありまして、今日ただいまその断面で見ますと、いま先生お話しのように、いろいろ考えなきゃいけない点が出てくるかと思うんでありますけれども、二十五年当時の経緯がございまして、そのお話が完結しないままに来ているという状況でございますので、私どもといたしましては、やはり当初の市からお話のありました点をできれば早く完結して国鉄名義に変えていただきたいというのが現在時点において市に対するお願いでございます。しかし、いろいろ御事情があるようでございますから、それらの点については御相談に応じなきゃいけないと思いますけれども、昭和二十五年当時のこのいろいろお話があった点をやはり前提としていろいろお話し合いをしなきゃいけないんじゃないかというふうに考えております。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 農地法のたてまえからもあるいは自作農創設特別措置法からしても、三十年間もこの農地をこのままの状態で放置しておくということはこれはもうきわめて不適当であることはおわかりだと思います。昭和三十六年に会計検査院の方から早急に売り払い処分を行うよう勧告を受けていると、こういうことで会計検査院の方も勧告をしてからもう二十年になろうとしておるんですが、これが実行されないということになるとどういうことになるんですか。

岡峯佐一郎会計検査院事務総局第四局長

○説明員(岡峯佐一郎君) お答え申し上げます。  先生がいまおっしゃったように、昭和三十六年度の決算検査報告にこの事態につきまして掲記をいたしているわけでございますが、幾つかの分類の中で、「農業上の用に供しないことが明らかであるのに他用途に一時貸付けを継続しているもの」といったことで不当事項として掲記いたしております。あわせまして、このような農地につきましては、速やかに売り払い等の処分をしなさいという内容の是正改善の処置を要求したところでございます。その当時、このような事態につきましては、七百三十七件を指摘したのでございますが、その後このうち五百七十五件が改善されております。本件を含みましてなお百六十二件が残っているわけでございますが、その未解決となっているものは本件と同じように多くは小中学校等の学校用地だとかそういったものが主なものとなっております。  当局ではいろいろと努力をされているところでございまして、その報告は逐次受けているところでございますけれども、地方自治体の財政難と、そういったことが原因と伺っております。私どもといたしましてはただいま先生おっしゃいましたように、自作農創設という設置の趣旨、そういったことから見まして、国が農業上の用に供しないことが明らかとなっている農地をいつまでも保有するということはやはり望ましくないと、このように考えている次第でございます。いろいろとむずかしい側面があるようでございますが、私どもといたしましては農林水産省、大分市並びに国鉄が前向きに対処されることを願うものでございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 農林水産省にお尋ねをしますが、いま会計検査院の方から不当事項として約二十年前に指摘をされて、そのまま放置されておるということはきわめて遺憾なことで、省としてはどういうふうに対応されるつもりですか。

篠浦光農林水産省構造改善局農政部農地業務課長

○説明員(篠浦光君) 私どもも御指摘を受けて以来あるいはそれ以前から、農地として利用する必要性のなくなった土地でございますので、売り払いという処分をいたしたいということで、やはり売り払いということになりますと、直接の借り手ですか、貸付先の相手方に売り払いをするということでございますので、大分市の方に農政局を通じましたりあるいは県を通じまして毎年のようにお勧めをしておるということでございます。私どもとしても一刻も早く解決したいという気持ちはあるわけでございますが、市の財政というような問題あるいは市と国鉄当局との関係というようなものもございまして延びておるということでございますが、今後ともなるべく早期に解決されるように努力をしてまいりたいと、かように思っております。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 農林水産省は、そんなことは理由に本当になりませんが、大分市に宿舎用地を買い上げろと言い、国鉄は誘致の際の約束だということで、大分市が土地を買い上げてそれを無料で提供せよということですが、大分市との話し合いは堂々めぐりでなかなかうまくいかないことは自明の理でございますが、この方向で果たしてうまくいくのかどうか。国鉄と農林水産省の両方から答弁願います。

半谷哲夫日本国有鉄道理事

○説明員(半谷哲夫君) 私どもは先ほど申し上げましたように、二十五年以来大分市といろいろお話し合いをしてまいったわけでございまして、当初のいきさつからいきましても大分市とお話しするのがしかるべきお話し合いの筋道だということでやってきているわけでございます。ただ、いまいろいろお話がございますように、この件については三十年の経過を経ていろいろ複雑な問題も出てまいっておりますので、先ほど申し上げましたように、大分市との間の二十五年にいろいろお話ししたということをいまここで全部白紙にするということにはいかないわけでありますけれども、現在の用地の所有者であります農林水産省等の方方ともお話し合いをするということになれば、それに応じてお話し合いの場に出ていきたいというふうに考えております。

篠浦光農林水産省構造改善局農政部農地業務課長

○説明員(篠浦光君) いまの国鉄御当局の御答弁にございましたように、国鉄と大分市の方でいろいろこれからも話し合いをしてみたいというお気持ちをお持ちのようでございますし、私どもも必要があればそれに参加いたしまして円満に解決がいくように努力をしたいというふうに考えております。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 国鉄の方は誘致の際の約束とはいえ、もう三十年間大分市は国鉄に無料で用地を貸してきた、そういうわけでございますが、当時宿舎用地の全部を国鉄に寄付する計画を大分市は持っておったわけでございますけれども、国が農地を売る計画はなかったわけです。農林水産省、あなたの方で売る計画がなくて、買うそういう実行ができなかったのが事実でございます。それで手続ができなくて、やむを得ず借地としてやってきたわけで、大分としては国鉄に対する誘致の際の誠意も十分あったわけであると私は思います。しかしもう三十年もたって、大分市は農地を買い上げて寄付地として提供することは、市の財政事情からそれができない状態になってきたわけでございます。しかも大分市の市民感情からしても、血税を何ゆえに国鉄に持っていかなければならないかと納得がいかないわけで、最近の大分市のテレビでもこのことが放映をされておるわけでございます。あくまでもこの土地は国鉄が使用するものでございますので、三十年間無料で借りて、今度は買い上げて寄付しろというのは余りにも酷ではないかと大分市の立場からは言えると思います。  地方財政再建促進特別措置法第二十四条第二項によれば、地方公共団体は、当分の間、公社、国鉄、公団等に対し、法律または政令に基づかない負担金を出してはならないと、このようにあります。国鉄側が宿舎用地の寄付を求めることは明らかに違法であると思われます。昨年の五月八日の参議院の地方行政委員会で、わが公明党の上林委員が、国鉄総武線の船橋−津田沼駅間の新駅の駅舎建設などで地元負担金を求めることに対して、これは違法であるという見解を求めたようでございますが、この見解について自治省の方の再度の御説明をお願いを申し上げます。

土田栄作自治省財政局指導課長

○説明員(土田栄作君) 大分市の問題について御説明申し上げます。  ただいま御指摘がございましたように、地方財政再建促進特別措置法は、国と地方との間の財政秩序を維持いたしまして地方財政の健全性を確保するという考え方に立ちまして、国それから国鉄を含みます公社等に対しまして、地方団体が寄付金を支出するということを一般的に禁止いたしているわけでございます。ただ、この法律の禁止規定につきましては、附則に規定が設けられておりまして、さかのぼっては適用しない、すなわちこの法律の施行の日、国鉄につきましては昭和三十五年の四月三十日でございますけれども、この日前においてなされた契約に基づきまして支出する支出金については適用されないということになっておるわけでございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 総武線のことを聞いているんだ、総武線のことを。何を言っているんだ。総武線の津田沼駅の……

志苫裕日本社会党

○委員長(志苫裕君) いまの質問は、前段その問題に触れていましたけれども、自治体の態度に関する総武線についての上林委員の質問を再確認できるかと、こういう質問です。

土田栄作自治省財政局指導課長

○説明員(土田栄作君) その問題につきましては、私はその委員会の席に出ておりませんでしたが、事情を承りまして善処方を運輸省及び国鉄方に対しまして申し入れているところでございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 いろんな方がこの問題をお聞きになって、農林水産省の方は大分が当然買って、そして国鉄の方に寄付採納すればいいんだと、大分が悪いようにお思いになるかもしれませんけれども、しかし答弁のやりとりの中から当然これは大分という財政の苦しい地方団体を圧迫するようなことよりは、農林水産省が国鉄の方にあっさりと交渉した方が早手回しじゃないかと、このように大方は御理解になるんじゃないかと、このように思うわけでございますが、いつまでもこういう法に照らしてもよくない状態をそのまま続けていくことはよくないわけでございますので、農林省はこの際、この土地を全部引き上げてみたらどうですか。そして、現在は高層化するんですから、国鉄の用地として高層化するのに必要なだけ買ってもらって、そのあとを一般分譲するなりの手続をするという、そういうような解決方法を考えてみられたらいかがですか。

篠浦光農林水産省構造改善局農政部農地業務課長

○説明員(篠浦光君) この土地につきましては、現在国鉄の職員の宿舎ということで利用されておるわけでございまして、それを返してもらうというわけにはなかなかまいらないというふうに思っております。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 先ほど来の御論議を承っておりまして、なかなかむずかしい問題であるなという感じがいたしておるわけでございます。  実は、私どもの方は用地関係が非常に複雑になっております。もともと国であったわけでございまして、そして国から公社に変わったというときにもいろいろややこしい切りかえ関係になっております。たとえば一例を申しますと、現在東京駅前に広場がございますが、これは私どもの土地でございますけれども、全部東京都に事実上はお貸しをしており、駅前広場になっております。で、この土地について私どもが所有しておりまして、土地価格としては莫大なものになるわけでございますけれども、東京都とお話し合いをいたしましても、長い慣行があるからということで始末をなかなかつけていただけないという問題がございます。  こうした問題、実は全国の市町村との間にあるわけでございまして、そのために何とかこうした問題は早く解決をしたいと、私どももまた使っていないものについてはお買い取りいただきたいというような事例があるわけでございますけれどもなかなか解決がつかない。私ども、御存じのように大変な赤字でございますから、あります財産、権利を放棄してしまうわけにもいかないわけでございますし、また権利のあるものについては何らかの形で収益を上げなきゃいけないわけでございますが、なかなかこれまた市町村との間に話がつかぬということで、実は私どもも難渋をいたしておるわけでございます。  しかし、先ほど来の御論議を承りますと、特に農林水産省といいますか、農地法の問題が真ん中にはさまっているということで、これまた非常にむずかしい問題があるということを承りながら感じておる次第でございまして、一遍、どういうふうに解決したらよろしいのか、もう少し積極的な取り組みをすることによって、きょう御提起いただきました問題について、これをこのまま放置するということなしに、関係者間で協議を進めてまいるということで御了解をいただきたいと思います。  私どもも所有権問題、権利関係問題のほかに、各地域で宿舎を持っておりますけれども、いかにも私ども財政が窮乏しておりますので、老朽宿舎でありながらこれを建て直すことができない。しかし、そのことは権利関係の問題は別にして、また近所の方々からは大変かっこうが悪いということで、何とかしてくれという御要請もあるわけでございまして、そうした上物との関係も含めまして、いろいろと関係者間で勉強をするように促進してまいりたいと存じます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 この問題は、東京駅の広場のこともおっしゃいましたけれども、地方の公共団体の財政を圧迫するようなことになるわけでございますので、最初はやっぱり善意的に名義変更をして国鉄の方に寄付をした個所もあるわけですよ。そのときに農林水産省の方が農地の方の手続をできないような事情にあったがために今日までずるずる三十年間もやるような状態になっておるわけでございますから、やはりあそこは用地に貸したんだからというそういう硬直した考え方じゃなくて、必要な部分を国鉄に買ってもらって、そしてそのほかは公売するというような柔軟な考え方を持つということがこの問題の解決に一番私は大事な点ではないかと、こういうふうに思うんですが、農林省の方は少しかたくなじゃないんですか。

篠浦光農林水産省構造改善局農政部農地業務課長

○説明員(篠浦光君) 国鉄総裁のお話もございましたし、私ども必ずしもかたくなに考えておるわけではございませんで、円満に解決したいというのはもちろん三十年にわたる貸付案件の処理ですから一番願っておることでございまして、さらにきょうの御指摘を機会にもしまして、国鉄当局あるいは県あるいは市とさらに協議をして解決の方向を見出したいというふうに考えております。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 地方自治体に圧力を加えない、犠牲を強いないという方向で本年度中に前向きで解決をするという方向に総裁どうですか。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 私どもは実は、ある場合は権利者でございますし、ある場合は義務者でございます。国鉄の利用者からは運賃を上げては困ると言われるわけですから、われわれとしてはやはり財産権は財産権として確保せざるを得ないわけでございまして、しかし、そうかといって角を突き合わしておったのでは解決がつかないわけでございますから、お互いの立場を十分理解した上でどう解決したらいいか、要するにどこかで一種の歩み寄りといいますか、そういうことで解決していく以外にないと思います。いまそういう立場がどういうことになっておるか、特に過去におきます権利関係がどうももう一つ理解しにくいところがあるわけでございまして、おっしゃるように農林省が売らないということになっておったのか、その辺の事情はよくまだ私どもも勉強いたしておりません。したがって、それらも含めまして、自治体それから公社という立場、それから特別会計の立場でどうしたらいいのか、また同時に、それぞれが十分説明のつくようなことで何か解決案を至急検討するように指導をしてまいりたいと思います。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 次は別の問題に移りますが、国鉄の連絡運輸についてお伺いをします。  これは離島への荷物運送が一般の航路運送にすると高運賃になるということから、国鉄と船会社が契約をして、離島を国鉄の鉄道延長にして小荷物として通常の鉄道運賃プラス百円で運べる制度と心得ております。    〔委員長退席、理事穐山篤君着席〕  まず、この制度のできた背景、船会社との契約、制度の内容、料金のシステムについてお伺いをいたします。

吉武秀夫日本国有鉄道理事

○説明員(吉武秀夫君) 現在連絡運輸を行っておりますのは、荷物については百十九の会社とやっております。で、もともと運送契約でございますから、個々の会社とお客さんとが契約をするというのが通例かと思いますが、ただ、荷物を送ります際にいろいろな機関を渡って送るということから、お客さんの利便ということもあるでしょうし、また、会社の方の収益というものを見ましても、これはそういうふうにした方がいいということから連絡運輸ができたものと思います。  このいまの航路の問題につきましては、一般の場合と奄美大島とかあるいは沖縄の場合は若干違っておりまして、並通の場合は荷物の運賃をいただきますと七対三ということで、国鉄が七、会社の方で三ということで割賦をいたしておりますが、この船の場合は、おっしゃいましたように、国鉄の荷物運賃のほかに百円を収受いたしまして、そのかわりその積みおろしは船会社の責任でやる、いただいたものを会社と国鉄と奄美諸島の場合には六対四という割合で割賦をするというような契約になっております。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 鹿児島の離島についてお伺いをしますが、国鉄はどの船会社と、いつ、どの航路で契約を結んでいられるのか、また具体的にお尋ねをしますが、沖永良部の和泊から福岡まで、たとえば三十キロの荷物を国鉄の連絡運輸扱いにした場合と、一般の航路運送にした場合、どれくらいの料金格差があるか、お答え願います。

吉武秀夫日本国有鉄道理事

○説明員(吉武秀夫君) いまのおっしゃいました国鉄と奄美大島との小荷物の連絡運輸につきましては、照国郵船株式会社というところと昭和四十八年の八月一日から連絡運輸の契約を実施しております。  後段に御質問になりました具体的な料金については、ちょっとここに手持ちの資料がございませんので、後で計算して御報告申し上げます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 ここで計算をしたのがございますので、申し上げますが、福岡まで和泊から三十キロの荷物を送る場合、和泊水揚げが五百六十円、船積みが五百円、船運賃が六百円、配達料が三百円、普通鉄道運賃が七百八十円、それで二千七百四十円。連絡運輸の場合は七百八十円プラス百円ですから八百八十円、差額が千八百六十円と、こういうふうになるようであります。相当な差額が、大体二・五倍ぐらいの価格になるようでございます。  そこでお尋ねをしますが、奄美大島と徳之島、沖永良部、与論島から本土への小荷物が契約時四十八年の八月から年間何件ぐらい取り扱っておられるか、お伺いしたいと思います。あわせて、沖縄の琉球海運の大体の実績についてお知らせ願えれば。

吉武秀夫日本国有鉄道理事

○説明員(吉武秀夫君) ちょっと四十八年からの実績はここに資料がございませんが、五十四年の一月から十二月までに照国郵船との間では国鉄線発が十四万六千個くらいございます。それから社線発——船会社の方から来ますものが、八千四百個ぐらい一年間でございました。それから沖縄の方は、これは琉球海運との間でございますが、琉球海運との間では国鉄発が約九十八万ぐらいでございます。それから琉球海運の方から来ますものが二万八千個ぐらいになっております。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 沖縄の方はやはりこの連絡運輸の恩恵を受けておるようでございますが、いま奄美のことをおっしゃいましたけれども、奄美は奄美本島と徳之島と沖永良部と与論島、こういう四つの島に、喜界島を入れますと五つになりますが、これをどういうふうに実態を把握をしておられますか。

吉武秀夫日本国有鉄道理事

○説明員(吉武秀夫君) 沖縄の方は人口も多いということで、人口でちょっと比較してみたんですが、この荷物の扱いでいきますと、この奄美諸島の場合は沖縄よりは大体四、五割ぐらい多い扱いをしております、人口一人当たりにしますと。これは観光客だとかそういう行き来の関係もあるかと思います。  それで奄美の諸島の中でございますが、これは先ほど十四万六千個の国鉄線発というふうに申し上げましたが、この中で奄美大島が約八万七千個ぐらい、それから徳之島で二万九千個ぐらい、それから沖永良部島で三千二百ぐらい、与論島で七千三百ぐらい、喜界島で九千三百ぐらいというのが国鉄線発でありまして、それに対して社線の発が奄美大島から約八千三百ぐらい、それから沖永良部島で八十個ぐらいということで、ほかの三島からの発というのは、五十四年の一月から十二月では実績としては上がっておりません。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 そういう数字を見ておかしいとお思いになりませんか。

吉武秀夫日本国有鉄道理事

○説明員(吉武秀夫君) 御指摘になりましたように、ちょっとゼロというのはおかしいんじゃないかというふうに思います。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 奄美本島の方が八千海運会社扱いでいっておって、徳之島、沖永良部、与論島というのがゼロというのがおかしい。私たちの調べでは、徳之島が若干、それから沖永良部が六個ですね、与論の方は、私たちの方も調べた結果出ておりませんが、こういうふうに、沖縄の方は本土から来るやつも、それから沖縄から上る小荷物も恩恵を受けておるわけですよね。奄美大島だけは全島は下ってくるやつは受けておるわけですよ。ところが、今度は上り便になりますと、小荷物扱いというのは奄美本島だけはやるけれども、ほかの徳之島、沖永良部、それから与論島というのは、海運会社に持っていってもそういう扱いはいたしませんと断られるわけですよ。ここらあたりはどういうふうに把握しておられますか。

吉武秀夫日本国有鉄道理事

○説明員(吉武秀夫君) 先ほど和泊で六個とおっしゃいましたが、私申し上げましたように、私の方の調べでは、一応七十七個というのが出ておりますが、いずれにしても余り多くないということは事実であります。  それで、これはすでに鹿児島の管理局の方に、どうもそういうふうなことになっておるんではないかというようなお話もございまして、私の方からことしの一月十一日に、連絡運輸をやっておって、その辺の扱いに粗漏があるということになりますと、サービス上いかがなものかということで、その取り扱いの誤りのないようにという申し入れを行っておりますが、実態として非常に少ないというのは、もう少しちゃんとすればあるいは数が上がるんではないかというような感じがいたします。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 もう少しちゃんとすればという、何をちゃんとすればいいのか。私たちに言わせますと、船会社の方が要するに八百八十円で済むものを二千八百幾ら取るわけですから、実入りがあるわけですよ。だから連絡運輸をしますと水揚げが下がるわけですから、そこを平然と断っておって、いままで島民の人たちもこのことがよくわからないものだから相当な犠牲を払わされておった、こういうことで、こういうことになりますと、これは国鉄の方が私は監督不行き届きじゃなかったかなと、こういうふうに思わざるを得ないんですが、そこらあたりはどうでしょうか。

吉武秀夫日本国有鉄道理事

○説明員(吉武秀夫君) この連絡運輸の場合には、一つの会社とそれから国鉄との間に連絡運輸の協定を結んでやるということで、それぞれの線内はそれぞれの会社あるいは国鉄が責任を持ってそういうことをやるということで、行政指導的なものは国鉄の場合には立場上できませんが、しかしお客さんの方にしてみれば発どっちから送ろうが、その取り扱いが異なるということは非常に問題でありますので、これはそういうことがありますればないようにという申し入れをして、その結果どうなったかということはわれわれとしてもチェックをしなければいかぬということで、ことしの一月にそういう申し入れを行ったということでございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 ことしの一月に申し入れをして、その後はどういうふうになったと把握しておられるんですか。

吉武秀夫日本国有鉄道理事

○説明員(吉武秀夫君) これは会社の方に、そういった実態があるというお話を聞いて、申し入れをいたしまして、会社の方でそのようなことのないように措置をするというふうにわれわれは聞いておりますんですが、実際にその数字がどういうふうに変わったかというのは、ことしになってからは現在数字を持ち合わせておりません。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 確かに通達が一月に出ておりますけれども、全然現状は変わっておりません。ですから、ひとつこの際、国鉄が前向きで現地に乗り込んででも、そういうような沖縄と隣にあって、そういうような差別を受けておるということ自体がよろしくありませんので、これはもう強く善処を要請しておきます。  次は航空局長にお尋ねをいたしますが、去る三月の二十九日、予算委員会の分科会で指摘をしました、鹿児島空港の建設のときの滑走路付近の高盛り土工事に不純なものを投入したといううわさがありましたので、それを問題提起をして、この事実を確かめておかないと将来大変な事故につながるようなことが起こったらもう一大事でございますので、北海油田の問題もございますから、そういうことで問題提起しておきましたが、早速行かれたと思いますが、中間報告的なものがあったらお知らせを願いたいと思います。

松本操運輸省航空局長

○政府委員(松本操君) 先々週土曜の委員会の御指摘がございましたので、先週いっぱい私どもの方のまず庁内にありますいろんな書類、これを全部ひっくり返して、当時担当者あるいはそれに近かった人、こういう人から事情を聴取いたしました。さらに、せんだっての委員会でもお答えいたしましたように、鹿児島県が実施した盛り土工事でございますので、施工管理状況をどのようにしたかという点につきまして、鹿児島県の方に電話をもって数次にわたり問い合わせを行いましたが、内容的には一部分のものははっきりとしたものをメモで受け取っておるわけでございます。  さらにまた、完成いたしました場合に私どもが検収をしておりますので、その検収に当たりました当時の職員、これらのうちの当時すでに責任のある場所におりました者につきまして事情を聴取いたしました。さらに、当方から専門官を大阪航空局に派遣をいたしまして、大阪航空局における諸般の事務の取り扱い方等についても調査をいたしました。  その結果、非常にいまはっきりとお答え申し上げられますことは、最後の検収の場合にどういう形で検収をしたかという点につきましては、かなり私どもははっきりとつかみ得たと思うのでございますが、県の方が工程管理の過程で行いました写真あるいは試験ピット、こういった資料を全部取り寄せまして、これらと現物との突き合わせ、こういったことをベースに十分点検をしたと。ただ、これらの資料が保存規定上五年保存ということでございますので、現時点においては残念ながら細部のものが保管をされていないわけでございます。したがって、そり当時の担当官の記憶に頼らざるを得ないという面があったわけでございますが、ともかく部内においてはそういうふうな調査をいたしました。  さらに、鹿児島県から事情を聴取いたしましたところ、問題の荒目砂というものにつきましては、高盛り土をする前に試験盛り土を行った。試験盛り土を行いまして、そのときに砂あるいは黒ボクその他の盛り土についての一応の詰めを行って、その試験盛り土によっていろんなデータをとり、この方法ならば間違いなかろうということで実際の盛り土に着手をした、こういう経緯がございますので、荒目砂について特記した仕様書というものは別途用意はしなかったけれども、試験盛り土のときに使用いたしました荒目砂というのがわかっております関係上、これを目視検査によって積み込み場所及び取りおろし場所、さらには散布、締め固めといったような過程において随時チェックをいたしました。それの記録等については先ほど申し上げました私どもの検収のときにあわせて提示をしたと、この点は両方の言い分が符節が合ったわけでございます。  以上のことを総合的に判断いたしますと、先生の御指摘を賜ったのでございますけれども、高盛り土にかかるサンドマットの荒目砂の材質につきまして、現在までのところ特に問題点となるものを私どもまだ見出すに至っておりません。しかし、それだけのことですべてよしというわけにもまいりませんので、さらに今度は供用開始後の状況について当初三年間連続して地盤沈下等を測定したデータがございますので、このデーターに基づいてとりあえずの既往資料の分析を行ったわけでございますが、この結果から判断いたしますと、高盛り土部分につきまして滑走路本体部分の沈下量が舗装完了後約千日間で五センチ程度の沈下、着陸帯におきましては千二百日で約十センチ程度の沈下、それからのり部のはらみ出し分、水平移動量につきましてはやはり千二百日間に二センチ程度と、こういうふうな記録が残っておるわけでございまして、これらの記録から判断する限り、沈下の状況は初め早く三年目あたりでほぼ水平状態になってくるということで、かなりに安定した形の盛り土になっていたのではないかと、このように判断されるわけでございますが、五十年にはこの空港に大型機を導入いたします関係で滑走路のかさ上げ工事をいたしております。したがいまして、そういったようなことをも含めて、いわゆる上載荷重が変わってまいっておるということも念頭に置きまして、現在現地におきまして精密縦横断測量を実施させておるわけでございます。この測量結果はまた従来のデータと突き合わせまして、十分客観的な解析をしたい、このように思っておりますが、たまたま会計検査院の方も八日から現地検査を実施しておいでのわけでございますので、私どもとして会計検査の行います検査にもできる限りの御協力を申し上げ、さらにこれらのデータを十分に解析をして、現状が安心して見ておられる状態かどうかという点についてさらに的確な判断をいたしたいとこう考えておりますが、しかし先生御指摘のとおり、この盛り土部分の安定性というのは非常に空港の安全性に大きな影響があるわけでございますので、今後とも随時必要な調査を継続してまいりまして、いやしくも問題になりそうな徴候が出ました場合には、迅速な手当てができるような体制をきちっと整えておくというふうにしてまいりたい、このように考えておる次第でございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 先般の委員会で局長並びに大臣はあらゆる資料、それから従事した人たちから事情を聞いて対処したいということでございましたが、    〔理事穐山篤君退席、委員長着席〕 いま保存期限が五年ということで、いろんな資料が地元にはないというようなこともありましたが、また人の記憶というのはいろいろと薄らぐし、また組織もいろいろと散らばっておる関係でなかなか大変だったと思いますけれども、要はそれを実際やった人たちの情報でございますので、私は信憑性が非常に高いんじゃないかと、それが一人じゃなくて五人の人からそういうような話を、しかも一人は自分でやった会社の社長でございます。大型機が発着をし出して心配になったという素人の考えからそういうことを非常に心配して申し出したわけでございますが、誠験盛り土をしてそのデータがどうこうだったということも一つのトータルかもしれませんけれども、実は鹿児島では砂の水搬工法方式ということで、与次郎ケ浜というところを埋め立てたことがございますが、そのときに城山団地というところから非常に火山弾のまじった材料が出たということで、ダンプで約二千台ぐらいいまの与次郎ケ浜の付近に集積をしたことがございます。そしてマイナス二十メーターのところを埋め立てるときの外壁の消波ブロックにそれを使ったことがあるんですよ。それには軽石がほとんど入っとったわけです。それをやるときの試験というのが、火山弾だけ手で全部えり分けて、それを筒に入れて試験体をもって破砕試験をやっとるんですから、そういうようなことも、私が県議時代でございましたがございまして、試験の結果一応合っても、今度はいよいよそれを実際に埋め立てをするときに持ってこさしといて、上に砂を載っけて運んだというんですから、目に見えないようにして、見つからないようにしてやった。もう、言いますと、悪いことでございます。  そういうことで、もしも、将来国際空港として伸びていかんならない空港が、もしもというようなことがあったら大変でございますので、やっぱり一番いいのは、そういうようなことをデータをとりながら、やはり一遍ボーリングをすれば中がよくわかるということを、その実際ユリカスといいうものを提供した業者の人たちも言っとるわけですが、一遍滑走路のわきあたりをおやりになって、そうして安心度をつかむというようなことをやるお気持ちはありませんか。もうボーリングは三十メーターか四十メーターぐらいやると、全部もう下の地山までいくんですから、そしたら、そういうようなものを投げ込んでおればちゃんと出てくるわけですから、そのときにいろいろ対応の措置が出るんじゃないかと思うんですが、いかがですか。

松本操運輸省航空局長

○政府委員(松本操君) この盛り土の間にはさんで使いました、まあいわゆる荒目砂の材質が問題になるわけでございますが、これは先生御案内のように、水はけをよくするために入れたもので、強度的には実は余り効いている層ではないようでございます。  そこで、いま私が前段で申し上げましたのは、何らかの理由によって、たとえばおっしゃるように貝がらが多量に混入しているということになりますと、上にたくさんどろを盛って転圧をしておりますので、貝がらが崩れる、つぶれる、そういう形で横へずれてくる、あるいは透水性が失われる。透水性が失われますと、上に積み上げました土が今度は水を含んで悪さをしてくる、こういう過程になるようでございます。  そういう点から、まずもって現状が多少なりとも落ち着いていると言えるのかどうか、あるいは十分に落ち着いていると言えるのかどうかということをはっきりとまず確認をしたいということで、従来のデータ及びとりあえずの縦横断測量をいまやっておるわけでございますが、おっしゃいました荒目砂が十六万立米というふうに聞いております。それにまあどの程度そういったかすがまじっていたのかどうか、どこら辺にどうまじっていたのかというあたりのところが実は非常にわかっていないわけでございます。  結果論的に見ますと、どうも仮にそういうものがまざっていたとしても、でき上がった盛り土自身は余りぐあいが悪いという状態にはないようでございますけれども、先生おっしゃいましたように十分に内容を調べておくということも一つの方法で確かにあろうかと思います。  そこで、いま私ども考えておりますのは、当面測量によって盛り土の安定度というものを確認をいたしまして、その次のステップといたしまして、必要によりいまおっしゃいましたボーリングも当然やらなければいかぬと思いますが、ただ、ボーリングをやる場所が、滑走路の下は層になって埋め立ててございますけれども、滑走路からしばらく外れたところになりますと、黒ボクあるいはシラス等をまぜ合わした土をほうり込んでおりまして、そこには実はサンドマットが入っていないという構造のはずでございます。  また、のり面の端部のところにまたサンドマットを入れた形になっているというふうなことでございますので、全体の盛り土のはらみ出しの状況、すべりの状況等を十分に勘案して、さらにまたボーリングにもいろいろと方法論があるようでございますので、正確にその状況がつかめないと、これ、なかなかやってもよくわからないという面もあるようでございます。材料の層状になっておりますのが撹乱されない状態できちっととれるような方法というのも必要でございましょうし、何本ぐらいをどこら辺にやればいいのかというのももう少しきちっとしたデータを積み上げた上で位置決めをしていかないといかぬのではないか。  そういうようなこともございますので、おっしゃいますような御提案のボーリングを全くやらないということを申し上げているわけではございませんが、当面、まず一番顕著にあらわれてまいります盛り土の安定性というものをしかと見定めまして、その間にいろいろとまた調べられる限りのことを調べながら次の手を打っていくようにしていきたい。ともかく、おっしゃいますように、安定性の確保については十分なる責任を持って対応してまいりたいと、このように考えております。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 ぜひ、いまおっしゃった前向きで、あそこはもう絶対、そういうようなことの問題提起があったけれども、安全性には心配がないというデータを極力出すように努力をしていただきたいと、このことを強く要請をしておきます。  次は、観光の問題でお尋ねをいたしますが、最近旅行業者が企画をする海外ツアーが非常に盛んでございますけれども、日本交通公社を初めとする近畿日本ツーリスト、読売旅行等の大手十社の海外ツアーの実績を、ツアーの件数及びその人数別に分けて御答弁を願いたいと思います。  それから、その伸び率のよいものから、ベストテンの旅行業者の名前をお聞かせ願いたいと思います。

上田浩運輸大臣官房観光部長

○政府委員(上田浩君) お答え申し上げます。  ただいま先生の御質問につきまして、大手十社の旅行業社の名前から、さらに続きましてこの十社の実績を御説明申し上げたいと思います。  大手十社と言われております、どのようにして大手十社を格づけするかということでございますが、私たちは大体旅行部門の従業員数が五百人を超えているというところを基準にいたしまして十社を一応決めております。  順に申し上げますと、一番目が日本交通公社でございます。二番目が日本旅行、三番目が近畿日本ツーリスト、四番が東急観光、五番が日本通運、六番が名鉄観光サービス、七番が全国農協観光協会、八番が東武トラベル、九番が阪急交通社、十番が読売旅行となっております。  これの取り扱い実績は、各社ごとに申し上げますとちょっと時間の関係ございますが、十社を一括して申し上げますと、従業員数におきましては、全部十社で二万九千人、全旅行業の従業員が四万五千五百人——全旅行業と申しますのは、一般旅行業の登録を持っております一般旅行業でございますが、それが四万五千五百人でございますので、全体の六三・四%をこの十社が占めております。  それから、純資産は省略さしていただきます。  取扱高につきまして申し上げますと、金額で申し上げますと、取扱高は全部で二兆百十億円、そのうち十社が扱っておりますのが一兆二千九百四十八億でございます。したがいまして、十社の占める比率は六四・四%となっております。  収入から見ますと、これは一般旅行業の全収入が二千五百七十八億円に対しまして、十社の収入高が一千五百四十六億円でございまして、六〇%を占めております。これが大体の十社の実績でございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 実はこの旅行業者のツアーに対して、その大手業者の指定を受けている旅館業、みやげ店から私のところに苦情が届いているわけでございますが、それは旅行業者が有利な立場を利用して、旅館、ドライブイン、みやげ店などで、今度こういうツアーがあるので、あなたのところで何人このツアーに参加するようにと、半ば強制的に売りつけているということでありました。旅館等にしてみれば、そのツアーを断るといままでの旅行業者が連れてきた観光客をそれ以後ストップさせられるおそれがあるため、やむなくそのツアーに参加することになる。また、その旅館等でそのツアーを消化するならまだしも、そこで消化されない場合は、そこの旅館等の納入業者にそのツアー参加が強要されるということでございます。大手旅行業者はパッケージを持っており、そのパッケージに旅行業者がツアーを企画するのでございますが、そのパッケージの人数が埋まらない場合が当然起こるわけで、そうなるとこのようなしわ寄せもまた出てくるのも当然という気がいたしますが、運輸省はこのような実態を御存じかどうか。

上田浩運輸大臣官房観光部長

○政府委員(上田浩君) お答え申し上げます。  この実態につきましては、実は運輸省におきましては克明に実態を把握いたしておりません。と申しますのは、一般旅行業は、先生も御存じのように、人に対するサービス業でございますので、一般利用者からの苦情は旅行業協会あるいは運輸省に直接寄せられるケースがございますが、御指摘のような旅行業界と旅館業界の取引に関する苦情につきましては、直接的には運輸省の方に持ち込まれるというのが少のうございまして、現在私たちが旅館業界から受けております苦情につきましては、例の入湯税の問題でございます。これはここでどういう実態か省略さしていただきますが、現在のところ受けております苦情は一件のみでございまして、先生の御指摘の苦情につきましては正式には旅館業界から受けておりません。  しかし、御存じのように、一般旅行業は、あるいは国内旅行業もそうでございますが、旅館に対しまして、いわゆるお客を送る、送客の業務を担当いたしておる関係から、経済的に旅行業界は旅館業界に対しまして優位な立場にある。したがいまして、この優位な立場を利用いたしまして、いま先生の御指摘になるような実態があるいは起こる可能性もあるわけでございます。もしそのような実態があるといたしますと、これは経済的に優位な地位を利用いたしまして、経済的に劣位にある者に対して集客の割り当てを行うということでございますので、旅館業あるいはみやげ物業に対して不当な負担を強いるということになりまして、公正な取引を確保するという見地からはいささか問題があろうかと存ずる次第でございます。  いずれにいたしましても、運輸省におきましては、旅行業者の集客方法等の把握に努めまして、行き過ぎがございましたら是正するように考えていきたい、このように存じておる次第でございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 ドライブイン等では、この強制的なツアーに対して自衛措置といいますか、納入業者からの売り上げの約二%をプールして、こういうような強制ツアーを処置する、そういうような財源に充てておるようであるということは御存じありませんか。  それからまた、旅行業者がおみやげ店へ観行客を連れていくと、添乗員というのがおりますね、これが正当なそういう報酬のほかにいろいろとマージン以外に手数料を要求をするというようなこと等もこの話の苦情の中で出たわけでございますが、こういう実態は当然話の中であり得ることだなとぼくは理解をしたわけでございますけれども、こういう実態を早く運輸省としては実態調査なすべきじゃないかと思うんですが、いかがですか。

上田浩運輸大臣官房観光部長

○政府委員(上田浩君) ドライブインに対します旅客の割り当てという行為につきましては私たちは存じておりません。ただ、添乗員が観光客を引き連れて、取引のあると申しますか、契約のあるみやげ物店に行って相当のリベートをいただくというようなクレームにつきましては私たちとしても聞いております。したがいまして、昨年の国際観光振興会法の一部改正のときも衆参両院で附帯決議がつけられまして、そのときの附帯決議によりますと、添乗員の資質の向上等の措置を講ずるようにということで指摘を受けております。その指摘をもとにいたしまして、現在運輸省におきましては旅行制度検討委員会を開いておりまして、その中でこの添乗員問題については善処をしていきたいというように考えているわけでございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 公取の方は来ていらっしゃいますか。——  これらの行為は独禁法の第二条九項五号の「自己の取引上の地位を不当に利用して相手方と取引すること。」に当たるんじゃないか、こういうように思うんですが、第十九条に違反する、このように思うんですが、いかがですか。  また、そして納入業者に商品を押しつけ販売をしたり、催し物の協賛金を集めていた百貨店の三越が独禁法に触れるとして排除勧告を受けたのと私は同類ではないかというような気がするんですが、この点はいかがでしょうか。

奥村栄一公正取引委員会事務局審査部第一審査長

○説明員(奥村栄一君) 一般的に申しまして、取引上優越した地位にあるものがその地位を利用いたしまして押しつけ販売等相手に不利益な条件で取引いたしますことは、独占禁止法上「不公正な取引方法」に該当するおそれがあるというふうに考えられるところでございます。  ただいま先生御指摘のケースにつきましては、事実関係を承知いたしておりませんので、ここで意見を直ちに申し上げることは差し控えさしていただきますけれども、もし具体的な事実につきまして御提示がございますれば事件の端緒として検討いたしてまいりたい、このように考えております。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 いま御答弁があったとおり、こういうような行為は全国的に半ば習慣的に行われておるようでございますので、かえって調査しても調査しにくい面もあろうかと思いますけれども、旅館とかドライブイン、納入業者等は実際に迷感をこうむって私に苦情を申し述べたわけでございます。旅行業者は運輸大臣の登録を受ける義務がある、そしてまた第十九条においては、大臣は登録の取り消しができる、こういうふうになっておりますので、運輸省は、こういうような実態調査を早急におやりになることが一つのポイントではないか、このように思うんですが、その点はいかがですか。

上田浩運輸大臣官房観光部長

○政府委員(上田浩君) 先生の御指摘の点につきましては、日本観光旅館連盟あるいは国際観光旅館連盟等を通じまして早急に実態の把握に努めたいと思います。  先ほど御答弁いたしましたように、その調査いたしました結果行き過ぎな点がございましたら、これにつきまして是正するように措置していきたい、このように考えております。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 次は、最後に、あとちょっと時間がございますので、航空局長に再度お尋ねをします。  私が昭和五十三年、内閣委員会で質問をいたしました、香港に行く鹿児島経由の日航機の成田−鹿児島間の空席の有効利用について、もう質問してからすでに二年を経過していますが、何らの進展も見ない状態でございますが、省エネルギーという立場からもぜひ実現をしていただきたいと思いますが、当局のお考えはどうか、それが一点。  それから二点目は、東京−大阪という近距離の航空路線を、これは大臣にもお尋ねをするわけでございますが、新幹線を浮上させるという意味、省エネルギーという意味、そういう意味からも、東京−大阪は約一時間でございます。で、羽田に行くということ等を考えますと、また向こうから、伊丹から都心に来るという時間を考えると、新幹線の三時間ぐらいに匹敵するんじゃないかと、そういうことになりますと近距離の総合的な交通対策をもって新幹線の浮上をねらうというような意味合いからも、東京−大阪、あるいは東京−名古屋とか、そういう近距離航空路線を削減をして、そして長距離の北海道とかあるいは九州方面に路線を増加することが私は大事ではないかと思うんですが、その二点を含めて——二点目は大臣にも答弁をお願いをいたします。

松本操運輸省航空局長

○政府委員(松本操君) まず最初御質問のございましたフィル・アップ・ライトの問題でございますが、これは当初東京——成田でございますが、成田仕立てで鹿児島を経由して香港に行く便について、成田−鹿児島間に国内線の旅客を乗せる、いま先生おっしゃいましたように、省エネルギーのこともあるし、空席で飛ぶよりはその方がよろしいのではないかという発想から始まったわけで、私どももその点についていろいろと勉強したわけでございますが、実はこれを飛んでおりますのが日本航空であるというところにいろいろと問題がございます。それからまた、税関その他の国際線の取り扱いという点から言いましてもなかなか実務的にも理屈の上からもむずかしい面がございます。  そこで、法律的な解釈をどうするか、実務上の取り扱いをどうするか、いろいろ詰めたわけでございますが、要するに、この場合成田−鹿児島の間は国内線として飛ばすという形をとりませんと、実際は実行ができない。そういうことになりますと、日航法の今度は制約上国内幹線というものを日航は飛ぶということになっておりますので、成田−鹿児島が果たして幹線であるのかどうか、あるいはこれを幹線とみなしました場合に、現在までにすでに幹線とみなされておる他の幹線、既存の幹線との間に矛盾は起こってこないのかどうか、こういったような点も詰めなければならないという問題がございまして、御指摘のとおり、いささか答えを出すのに手間をかけておるわけでございますけれども、私どもとしては今後早急にわれわれの議論を煮詰め、さらにできますれば部外の、第三者の御意見なども承って、この問題についてのきちっとした答えが出せるように持っていきたいと、こう考えております。  それから第二点の御質問の点につきましては、おっしゃいますとおり航空輸送というものは長距離、遠距離のところにこそ効用が出てくる、あるいは脊梁山脈を越え、あるいは海峡を越えるというふうなところに効果が出てくるということでございますので、新幹線網が発展いたすにつれまして大分様相を変えてきております。  ただいま御指摘のございました東京−大阪線につきましては、新幹線の開業前には一日三十八便が飛んでおったわけでございますが、それが現在は十四便にまで減便をいたしまして、一日おおむね一万席というところを最後のとどめにしてあるわけでございます。実際問題としては一万席、年間約三百八十万席ぐらいの提供座席でございますが、五十四年度八七%程度の利用率でございますので、これをあえてこれ以上切るかどうかという点については私どももう少し勉強していかなきゃならぬのじゃないだろうか。ただ、東京−名古屋のごときはかつて七便ございましたものが現在一便しか飛んでいないわけでございまして、これは明らかに新幹線に破れ去った路線の一つの例であろうかと思います。こういうふうなところを無理に航空が張り合うというのではなくて、実は先だっての運賃改定のときにもこういった点につきましては、路線原価に十分に見合う形にいたしまして、グリーン料金等と比較しても航空料金がしかるべき値段になるようにというふうなことも配慮したわけでございますが、今後やはり東京−大阪とも便数枠というのが窮屈な状態にございますので、地方のローカル空港であってどうしても増便をしていく必要があるというふうなところがあるわけでございます。そういうふうなところに便数を充てていくというふうなことも実務上の要求となって出てまいりますので、先生いまおっしゃいましたような点につきましては、今後の旅客の推移等十分ににらみ合わせながら、あるいは羽田、大阪両空港の発着枠というふうなものも十分に勘案をいたしまして、利用者の利便の確保を図りながら発着枠の有効利用を見ていくというふうな方向で進んでまいりたい、このように考えております。

地崎宇三郎自由民主党・自由国民会議運輸大臣

○国務大臣(地崎宇三郎君) いま航空局長から御答弁申し上げたことで尽きるわけでありますが、これからの交通体系は飛行機の特性あるいは新幹線の特性を十分配慮いたしまして措置をいたしたいと存じます。

志苫裕日本社会党

○委員長(志苫裕君) 本日の運輸省及び日本国有鉄道の決算についての審査はこの程度といたします。  次回の委員会は四月九日午前十時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後六時散会      —————・—————

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