決算委員会 第3号
- 発言数
- 205 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1980/03/19
会議録
○委員長(志苫裕君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 降矢敬雄君、穐山篤君及び和泉照雄君の一時委員異動に伴い理事が三名欠員となっておりますので、この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(志苫裕君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 それでは、理事に降矢敬雄君、穐山篤君及び和泉照雄君を指名いたします。 —————————————
○委員長(志苫裕君) 次に、昭和五十一年度決算外二件を議題といたします。 本日は労働省の決算について審査を行います。 —————————————
○委員長(志苫裕君) この際、お諮りいたします。 議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(志苫裕君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(志苫裕君) それでは、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○穐山篤君 最初に、最近の雇用一般についてお尋ねをしたいと思います。 ごく最近までは、雇用の状況につきまして、特に失業につきましては量的に非常に多かったわけです。それが昨年秋ごろから多少失業者の数が減ったわけですが、今度は逆に失業の中身、質の問題が非常に憂慮されるような感じでありますが、それらのことを含めまして、最近の雇用状況の特色、問題点というところを御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(関英夫君) ただいま先生御指摘のとおりに、五十四年におきまして国内の経済の順調な拡大基調が雇用面にもようやく及んでまいりまして、求人倍率等も徐々に上がってまいりまして、全体的には雇用関係は少しずつ明るさを増してきております。もっとも、まだまだ全体として見ても非常に厳しい状況にあるわけでございます。 具体的には、たとえば求人倍率について見ますと、五十三年の一月に〇・五二というような非常に厳しい状況にございましたものが緩やかに上昇してまいりまして、五十五年の一月現在で〇・八〇倍というところまで回復してまいりました。完全失業者につきましても、まだ高水準にありますものの、五十四年に入りまして大体前年を下回るような状態になってまいりました。五十五年一月現在では百十三万人という数になりまして、前年同月に比べまして十三万人減、失業率は季節調整値で申しますと一・八七%というぐあいで、久々に二%を割るというような状態まで少しずつ改善が図られてきております。しかしながら、今後につきましては、石油問題を初めとする厳しい国際経済環境などから経済の先行きにつきまして必ずしも楽観を許さないものもございます。したがいまして、今後雇用がどういうふうになっていくかについては決して楽観を許さない、私ども注意深く慎重に見守っていかなければならないと思っております。 また、特にその中で問題がございますのは、中高年齢者の雇用問題でございます。全般的に改善はしてきておりますものの、中高年齢者の求人倍率というのは非常に厳しい状況にございます。そういう意味で、私ども中高年齢者の雇用の促進に特に力を尽くしていかなければならないと思っております。 また、身体障害者の雇用の促進につきましても、身体障害者雇用促進法に基づきまして雇用率の達成指導をいたしておりますけれども、必ずしも十分な改善が見られないというような状況にございまして、これにつきましても今後重要な政策課題として取り組んでいかなければならないと考えております。
○穐山篤君 よくわかりました。 次に、雇用保険の失業給付についてお尋ねをしますが、一応五十一年度の決算の審査ではありますが、すでに五十二年、五十三年度の決算も国会に提示をされておりますので、二、三年にわたりましてこの給付金の取り扱いについてただしたいというふうに思います。 労働省なり検査院の発表によりますと、 〔委員長退席、理事降矢敬雄君着席〕 いわゆる不正受給が毎年毎年続いておりまして、検査院からも指摘がされているわけです。これは労働省の出先であります職安が相当御努力をされて不正を発見をした。にもかかわらず、なおかつ漏れといいますか、そういうものが随所に多く見られるわけですね。その数も、五十一年、五十二年、五十三年を見ましても、侮りがたい数字になっているわけです。 そこで、まず検査院の方にお伺いをいたしますが、検査院が毎年度調査をされる個所ですね、この選定は何か基準といいますかローテーションといいますか、そういうものがおありなんですか。そこからお尋ねします。
○説明員(肥後昭一君) 検査院としましては、大体毎年四十七都道府県のうち三十府県程度をやるという予定でおりまして、それからその県の中の公共職業安定所の数にもよりますが、大体五カ所から多いところで十カ所ぐらいやる、そうして一つの安定所につきまして五十人から七十人ぐらいの者を目安として任意抽出して検査する、そういうふうなことでございます。
○穐山篤君 そうしますと、まあ一般的に抽出という意味ですから、あらかじめここはどうも怪しいというふうに見当をつけてやっているわけじゃないわけですね。一般的にやっているというふうに受け取っていいわけですか。
○説明員(肥後昭一君) 特に前もって怪しいというようなことはございませんで、全く任意抽出でやっております。
○穐山篤君 労働省にお伺いしますが、そこでこの不正の発見の端緒といいますか、この表をいただいているわけですが、この表について少し御説明をいただきたいと思うんです。といいますのは、「照合によるもの」、それから「事業所調査等によるもの」、「その他」、それから部外の通報、こういうふうになっているわけですが、具体的にはどういうことなんですか。
○説明員(守屋孝一君) 先生のお手元にございますこの表につきましては、まず一番左の端の「失業の認定面接の際の発見」というのは、これは四週間に一回受給者の方に安定所に出頭してもらいますが、その際にいろいろお話をお聞きしているところで、すでに就職しているというふうなことがはっきりした場合あるいは途中でアルバイト的に一日か二日就労したというようなのがわかった場合にこれを処理した件数が中心でございまして、また、その次の、「失業の認定面接の際以外の発見」の場合、「資格取得届との照合によるもの」と申しますのは、これは実は私どもいまこの資格の喪失はすべて労働市場センターにおきまして電算機処理をしております。そこで、資格を取得されますと、これは事業所からの申告によりまして安定所にその報告が出てまいりまして、それが東京の上石神井にあります電算機センターに入ってまいりまして、それと受給資格の関係のデータとの方で突き合わしてみますと、同じ名前で同じ生年月日とか、そういうようなことから、これはおかしいんじゃないかというのがわかるわけでありまして、それは、それぞれその関係の安定所にまたそのデータを送り返しましてよく調べるということをやっておるわけでございます。そういう場合に出てまいりますのがこの表にありますように一番発見の端緒として多いわけであります。 あとは、「事業所調査等」というものは、これはたとえば徴収の面とか、その他いろんな面で事業所を訪問いたしました際に、その際にこれは法律に基づきまして検査する権限を持っておりますので、そういう場合にこれはたまたまわかるという場合でございます。 それから、「その他」はいろんな形でございまして、数も少のうございますが、何らかの形で出てきたものというのはちょっとまとめかねますので「その他」となっております。 一番右の端は、これはいろいろ投書等によって出てきたというのが比較的量としては多いわけでございます。
○穐山篤君 そこで、五十一年度の決算でいきますと、検査院の調べで支払い済み額が六千七百七十一億円、それから調査をした個所の支払い金の中で千百四十六人分、二億九千六百二十六万円中、九千五百九十二万円の不正受給があったと、こういう数字になるわけですね。五十二年度にいたしましても千五百六十五人分で、四億五千七百三十八万円払ったんだけれども、そのうち不正が一億四千二百八十五万円も出てきた。五十三年度も千百七十八人で三億八千二百三十万円払ったけれども、そのうちに不正支払いが一億一千三百九十七万円出たと、こういう数字になっているわけです。 そこで、類推はなかなかできないだろうというふうに思いますが、検査院の方、この事故率といいますのは一般的にどういう計算をされているんですか。
○説明員(肥後昭一君) われわれが調査した人間と、それから不正受給した人間の率でわれわれは事故率と呼んでおります。
○穐山篤君 そうしますと、人員の上ではさしたる数に上らないと言えば語弊がありますが、それでも常に一〇%以内、まあ少なくても最近は五%から八%ぐらいのところが検査院として指摘をした事故率というふうに考えていいわけですか。
○説明員(肥後昭一君) そのとおりでございます。
○穐山篤君 そこで、これは厳密な計算はできないと思いますが、先ほど検査院の御報告では、特別に悪いところをねらい撃ちして調べたわけじゃないので一般論である、常に起こり得る状況にある、こういうお話ですが、推定しますとどのくらい、たとえば五十一年度六千七百七十一億円払っているわけですが、このうちおおむね、推定で結構ですよ、どのくらいのものを不正に支払っておったか、というよりも受けておったか。五十一、五十二、五十三、大ざっぱな見当で結構ですが、見解をひとついただきたいと思います。
○説明員(肥後昭一君) まことに申しわけありませんが、検査院は事実だけで物を言いまして、推定では言わないことになっておりますのでちょっとできかねますが、御容赦いただきたいと思います。
○穐山篤君 労働省の方では今後の対策を研究する上からも推定の金額というのは研究されているだろうと思いますが、いかがですか。
○説明員(守屋孝一君) これは先生、推定というのは非常にむずかしゅうございまして、たとえば会計検査院の方で御検査いただいておりますのは、大体自己就職者を中心としてチェックしていただいておると思います。私どもの方で事故率といいますか、どれぐらいの発生件数があるかというのを見ますときは、これは受給資格決定件数のうちでどれだけ不正受給が出たかというのを見るわけでございまして、そうしますと受給資格決定者数というのが年間大体百五十万人ぐらいおります。それで、それを分母にしてたまたま割ってみますと、私どもの方の不正事故が発生する件数は大体一%強というぐらいの数になっておりまして、先ほど先生から御指摘ございました会計検査院の事故率との間に非常に差が出てまいるわけでございます。これは、私どもの方は全数をとっておりますので、必ずしも会計検査院の八%あるいは六%という数字と私どもの一%とがそのまま生での比較はできませんが、私どもとして反省しなきゃならないと思っておりますのは、やはりこれだけ私どもで調査をし審査をした中で、会計検査院の御指摘で一〇%に近いような数字が出ておるというのは、私どもとしてもまだ努力の足りない点が非常に多いというように自覚しております。 そこで、答えを先に言うようになってはなはだ申しわけないんでございますが、この点につきましては私ども機会あるごとに全国課長会議等で、何といいますか不正事故発見の端緒となるべきような点について具体的に指示をいたしまして、できるだけこの件数を減すようにという努力をしてきておりまして、最近は会計検査院の方で御検査いただく事故率も徐々には減りつつあると思いますが、なお一層格段の努力をしてまいりたいというように考えております。
○穐山篤君 一部すでに決意表明のようなものが出されたわけですが、検査院の指摘の方にも不正受給の内容が一部指摘をされているわけです。直すにいたしましても、原因をきちんと確認をして、それに対応して具体的な手を打っていくということがない限りこれを縮小したりすることは不可能だと思うんです。 そこで、もう少し不正受給の中身を列挙していただきたいと思います。
○説明員(守屋孝一君) これはちょっと先ほど申し上げた話と重複するかもわかりませんが、不正受給の中身として一番多いのは、すでに就職されて、そのままで保険金をもらわれたというケースがこれは圧倒的に多うございます。中には相当悪質なケースもございまして、労使、いわゆる事業主もぐるになりまして詐取、本当に詐欺という刑法犯に触れるような形のものもございますが、一般的には最後のころに、保険金をもらい終わるぎりぎりのころにどこか会社に就職されてそのままにしておったというケースが多うございますので、要は、これは受給資格者の方によくその保険の趣旨を徹底するということがまず一つは必要かというように考えております。 あとは、また先生の御指摘があれば対策の方もまた後でお答えしたいと思います。
○穐山篤君 いまも明らかにされたように、故意に行っているものもある。それから事情を知らないと言えば語弊がありますけれども、そういうたぐいのものもある。さらには、労働者のみならず、失業者のみならず事業主にもかなりのものがあるような感じがするわけです。そこで、この対策というのは、まず広報活動から、きちっとすべての労働者あるいは事業主に対して規則というものを徹底をさせるということから始めなきゃならないと思いますが、そういう意味の宣伝活動といいますか、広報活動というものは出先ではどんなふうに行っているんですか。
○説明員(守屋孝一君) これにつきましては、まず保険をもらいに最初に来られるとき、スライドあるいはテープ等で十分御説明するとともに、パンフレットその他も備えておりまして細かく担当職員がお話はしているわけでございます。私どももこれだけで、事前のPRだけでこれが防げるとも考えておりません。要は、何といいますか、足を使って克明に調査するということがこれの数を減す最も必要な点だと思いますが、ただ何分にも年間受給資格者が百五十万人出てくるというような中でございますので、これを全部べたで調べるというやり方もあるかと思いますが、要はもう少し効率のいいやり方として、先ほどもちょっと申し上げましたが、問題は自己就職の場合にこれが多いわけでございまして、安定所紹介の場合はこれはもう完全に安定所が把握しておりますので問題は出ません。ですから、自己就職者を中心にして、いまは葉書で事業主に問い合わせする。保険金をもらっている人が新たに就職した場合、そこの事業主の方の方にいつ就職されたかというのを問い合わせするというようなこともやっておりますが、これも問い合わせの仕方によっては必ずしも効果を上げませんので、こういう辺もひとつ十分工夫していきたい。そのためには常日ごろ、労働者の方のみならず事業主の方にもその点よく趣旨を徹底していきたいというように考えております。
○穐山篤君 それから、不当事項で指摘をされて、ですから余分にもらい過ぎた金は返さなきゃならぬわけですね。で、大ざっぱな計算をいたしますと、五十一五十二、五十三年度とも平均一人当たり十万円以上になる。人によってはかなり大きいものもあります。ところが、それが奇妙なことに直ちに納入をされる、こういうことが実績の上で明らかなんですね。この点どちらにお伺いしたらいいのかよくわかりませんが、指摘をされた労働者がすぐ何十万円あるいは百万円に近い金が返せるというのはどういう状況に皆あるわけなんですか。不正にもらった金を承知をしておって、別に積み立てあるいは定期、信託に入れておいて、見つからなかったならばしらばっくれていこうということなんですか。その点いかがですか。
○説明員(守屋孝一君) まことに申しわけありませんが、その辺の返される方のポケットの状況は私どもまだ調査しておりませんので、ちょっとお答えする材料を持ち合わせておりません。まことに申しわけありません。
○穐山篤君 同じような問題ですが、雇用調整給付金についても毎年毎年これまた指摘をされているわけですね。ただ、これは先ほどの失業給付金とは違いまして申請の主体というのが事業主になるわけでありまして、事業主、数多くの労働者を雇っております企業は、当然この種の問題については長い経験なり知識を持っているわけなんだけれども、過去の指摘事項を見ますと、これまた膨大なものが出されておりますね。たとえば五十一年でいきますと、先ほどの事故率という計算でいきますと一〇%、五十二年も一〇%、五十三年はちょっと減って七%ということになっているわけですが、この給付金の不正支払いの動機といいますか、そういうものはいかがでしょうか。
○説明員(大城二郎君) 雇用調整給付金の支給につきましては、先生御指摘いただきましたような不適正な給付があるわけでございますが、これにつきましては、やはり制度の趣旨が事業主に的確に理解されていない。一例を申し上げますと、いわゆる休日の振替というようなことが行われまして、本来でございますと休日であるべき日にこれを支給対象の休業日として届け出るというような形でそれが給付金の対象になるという理解を事業主がしているというケースがございます。それに対しまして私どもそれは支給要件を欠いているということで対象にすべきでないということになるわけでございますが、これの事務処理、審査が十分でなかったというようなケースがかなりあるわけでございます。そういう問題が毎年のように何件か起こってきているわけでございますが、これを扱います各公共職業安定所も必ずしも毎年同じ安定所がその事務を担当するということではなくて、業種、事業所が変わってまいりますので、その点の事務処理のふなれという面もあるわけでございます。 いずれにいたしましても、そういう制度の周知徹底あるいは審査というところに問題があるというふうに私ども理解しておりまして、それの是正に努めているということでございます。
○穐山篤君 繰り返し指摘をするまでもないと思いますが、さて労働大臣、根絶をすることは不可能に近いものと思いますけれども、しかし、できるだけ改善をしていくということをしなければ、これは責任は果たすわけにはまいらないというふうに思うわけです。失業給付金にいたしましても雇用調整給付金にいたしましても、先ほどもそれぞれ指摘をしましたように、まあ労働省自身もそうでしょうが、出先の機能といいますか、あるいは機械化といいますか、そういうものを充実をしていけば本当に改善がされるものであるかどうか。あるいはそういうものを入れてもなおかつ根絶ができないとするならば、また別の対応を考えなければならないと思いますが、その点はどうなんでしょう。
○国務大臣(藤波孝生君) 先ほど来御指摘をいただいておりますように、不正の受給などという形のものがずいぶん大きな金額に上っておりますことを非常に責任を痛感をするわけでございます。いまお答えをしておりますように、いろいろと第一線できめ細かく機動力を駆使して対応いたしまして、あるいはこういった事務的なものを形にこだわっていままでやってまいりましたきらいも少々ございますので、もっと機能的に事務を推進するというようなことも第一線でできる限り進めていくことによりましてこういった事例の根絶を期していくようにしなければいけない、こう思っているわけでありますが、ただ、少し言いわけがましくなりますけれども、やっぱり非常に気の毒な方というか非常にお困りの方というか、基本的にそういう方々に対して行政がどう対応したらいいかということの姿勢は非常に温かみのある姿勢でなければいかぬということを言っているものですから、人を頭から疑ってかかるというようなことは非常によくない。そのことによって人と人をまた区別するようなことになってもいけない。一人一人のお困りになっておられる状況に親切にできる限り仕組みを活用して対応するというのを基本姿勢にしているものですから、そういうことからいくと若干甘いところがあるのかなという反省もあるわけでございます。したがいましてその辺のかね合いはなかなかむずかしいところでございますけれども、行政はできる限り親切に、しかも人を疑うのでなくできる限りその人に対応する行政をということの姿勢を堅持しつつ、なおこういった不正受給などといったようなことや、それがたとえ誤りであるにしろ故意であるにしろ、いずれにいたしましても、できる限りこういった事例を根絶をするようにきめ細かく努力をしていかなければいけない、このように考えておる次第でございます。
○穐山篤君 検査院の方にお伺いするわけですが、検査院の立場とすれば具体的な事実に基づいて分析をして不当事項で挙げているわけです。ですからそのことはいいわけですが、毎年毎年同じことの繰り返しをしているわけでありまして、検査をされる方の張り合いもいかがかと思うわけです。不当事項は不当事項でいいわけですが、検査院側としてこれを改善の方向に持っていくには幾つかの工夫をこらさなければならない。その工夫をこらせというのは、労働省に指摘をしているわけですけれども、不当事項として挙げました検査院の側といたしまして、この際ひとつ公式、非公式という立場を離れて、改善をするためにはこういう努力をしたならばどうか、あるいはこういうふうな知恵を働かしたらどうかというふうな注文が当然あると思うんです。若干のことで結構ですが、ひとつ考え方を御披露いただきたいと思います。
○説明員(肥後昭一君) いま先生お話しのとおり、われわれとしても不正受給などというものはずっと指摘しておりまして、早くこういう検査をやめてもっとやることがいっぱいありますのでそちらに向けたいところでございますけれども、毎年こういうものが出てきますのでやむを得ず続けている、それも何かうまい方法があって、いま労働大臣がおっしゃいましたように、できるということならばわれわれもそういうものを出したいわけでございますけれども、何せ先ほど労働省の方も申し上げましたように、不正受給は相手の悪意によるものが大部分であるということから、もとから断つというのはむずかしい。やはり労働省側が知恵を働かしていただいて、電話でも何でも事業主に問い合わせるとかいうことでもって一応チェックするということ以外に方法がないんじゃないか。現実にそれをよくやられている県では指摘が相当減っておりましてよくなっている、ほとんどないという県もございます。 それからまた、雇用調整給付金につきましてはこれはちょっと違いまして、やはり制度が始まってまだ私たちも検査して四年間でございますけれども、当初は事業主側と労働者側と両方が不なれであったということから間違いが多かったわけでございますが、私どもの検査した感じでは大体趣旨が徹底してまいりまして、悪意のものを除いては非常によくなってきている。そのうちよくなるであろうという期待を私たちは持っております。 以上でございます。
○穐山篤君 いまもお話があったわけですが、十分に趣旨の徹底を図っていくということは当然でありましょうし、職安の窓口を通して再就職する場合にはよく捕捉ができますけれども、失業手当をもらっていて、しらばっくれて途中でよそに就職しておっても届け出をしないというのはなかなかむずかしいだろうというふうには思います。しかし、だからと言って、毎年これだけのものが出ることを許しておくわけにもいかない。やはり繰り返し繰り返し検査をする、あるいはコンピューターにかける、出先でよくチェックする、絶えず努力する以外に方法がないということなんでしょうか、いかがでしょうか。
○政府委員(関英夫君) 検査院の方のお話もございましたように、でき得るならば保険金がもらえればいいというような気持ちもありまして、就職したことの申告がなされないというような形のものが非常に多いと思うのですが、非常な悪意かと言いますと、中にはそういう者もあろうかと思いますが、長い間保険料を納めてきたんだから失業したときにもらうのはあたりまえじゃないかというような気持ちもございまして、わずかな日数のことならば届け出ないでというような、いわば軽い気持ちもずいぶんあろうかと思います。 いずれにいたしましても、しかし失業した日について支払われるべき給付金でございまして、私ども、大臣がおっしゃいましたように、失業中であるという非常に気の毒な方の雇用対策に力を尽くしますと同時に、その間の支えとなるべき給付金が適正に支払われるように努力を積み重ねていかなきゃいかぬと思います。そのためには保険制度の趣旨、そして失業給付金の趣旨といったものを、窓口にいらした受給者に十分説明することももとよりでございますけれども、いろいろな機会を通じて事業主の方にも徹底いたしまして、自己就職してその事業主の方から新たに資格の取得届けが出てくるわけでございますから、そういうものを出すときに、たとえば就職した本人に一言事業主の方からも資格取得と受給との関係について注意してもらうとか、いろいろな形で努力していくことに心がけねばならぬと思っております。 職員の数にも限りがございまして、年間相当数の方に給付をしているわけでございまして、つい惰性に流れるといいますか、事務処理に追われて十分な確認が行われないままに、非常に形式的な事務処理で支給をしてしまうというようなことになっているとすればこれは非常に問題でございます。少ない職員であろうとも、そこにもう少し知恵と工夫をこらしまして、重点的にこういったことが起こらないような注意をしていくことに一段と努力を重ねていく、こういうことに努めてまいりたいと思っております。
○穐山篤君 いま指摘をしました二つは支払いの方なんですが、今度は労働保険の保険料の収入の問題について、徴収についてお伺いします。 経過的に見ますと、五十年に制度の改正が行われたわけですが、その翌五十一年の七月十二日に行政管理庁から加入促進についての改善措置が一面では指摘をされました。それから五十三年度に至りますと今度は会計検査院の方から保険料の徴収について徴収不足がこれこれあるということで不当事項として指摘をされたわけです。当然、負担の公平化という立場から言うならばきちっと徴収することが正しいわけですが、労働省側としていろいろ分析をされていると思いますが、徴収不足の原因ですね、これを個条的にひとつ挙げていただきたいと思うんです。
○説明員(今井好昭君) 先生から御指摘ありましたように、労働保険料の徴収不足があるということが会計検査院等からも指摘があるわけでございますが、その理由といたしましては二つあろうかと思います。一つは、事業主からの申告が賃金が一部漏れている。特にその賃金の中身としては、役員の報酬が一部賃金と見られるようなものについて全面的に落としているとか、あるいはボーナスの一部あるいは全部が漏れているとか、あるいはアルバイトの賃金、これは労災保険料は払わなきゃいけないんですけれども、それが漏れておるとかいうふうなことで、賃金の算入漏れがあるということが一番大きな原因でございます。それからもう一つは、労災保険料の保険料率が業種によって違うわけですけれども、この保険料率の適用を誤っているというふうなことが若干ございます。そういうふうなことが原因となりまして、現地の事業場を賃金台帳等を見まして調査をしてみますと保険料の漏れがあると、こういうふうなことでございます。
○穐山篤君 いま二つが代表的なことで言われたわけですが、すべて事業ないし事業所を出先の機関は掌握をされておりますか。いわゆる加入促進という意味は、行管から指摘をされた加入促進ということは、言いかえてみれば加入していないものがあるということなんですね。ですから言いかえてみれば出先機関で十分にその事業種、事業個所というものを掌握をしておって、きちっと指導をしておれば漏れがないわけですね。把握が足りなければ結局金は入ってこないということになるわけですが、その点の掌握の実情というのはいかがなんですか。
○説明員(今井好昭君) 御指摘のように、現在労働保険というのは一人でも人を雇っている事業場には原則的にすべて適用があるということでございますけれども、中小零細企業等につきましては、第一線機関でいろいろな名簿等を調べまして調査をし適用漏れを防いでいるわけでございますけれども、現実にはやはりかなりの数の事業場、これはもうほとんど五人未満の事業場でございますが現実に把握されていない、こういうことに基づく適用漏れがかなりあるわけでございます。それから、先ほど申し上げましたのは、現に適用漏れでない事業場について賃金等の算入漏れがあると、こういうことでございます。
○穐山篤君 そこで、検査院の方にお伺いしますが、五十三年度を調べられたわけですが、保険料率、高いところもあるし低いところもあるし中間もあるわけですが、この調査というのは一応おおむね全業種にわたり、それから率も大中小というふうなあんばいに、ところを見てお調べになったんですか。
○説明員(肥後昭一君) 昨年は実は私ども試行的にやろうと思いまして、いままで体制が整っていないということでやらなかったわけで、もうそろそろ体制が整ったろうということで昨年は試行的にやるつもりで始めました。それが途中で相当比率が、たとえば三カ所に一カ所ぐらいは指摘するようなのが出てくるんじゃないかというようなことで、途中から切りかえましてやりましたので、最初に統一的な計画を立ててやったものではございませんので、いま先生のおっしゃいましたように秩序立ててやったわけではございません。ただ、なるべくいろんな業種いろんな保険料率のものが入るように個々の調査官が配慮してやったということでございます。
○穐山篤君 それじゃ、労働省にお伺いしますが、 〔理事降矢敬雄君退席、委員長着席〕 比較的労働災害の多いところは当然自分のところにはね返ってくるという意味では協力の度合いが高いやに見るわけですが、何か実績では必ずしもそうでもなさそうだというお話を聞きます。それからわりあいに労働災害の少ない業種あるいは産業というところはたくさん出してももらい分が少ないと考えたかどうかわかりませんけれども、非常に協力の度合いが少ない、こういうふうに一、二聞くわけですが、実情はどんな状況になっておりますか。
○説明員(今井好昭君) いまのお話でございますけれども、私ども必ずしもその辺の実情をおっしゃるような形で分析しているわけでもございません。ちょっと実情を十分そういう意味では把握しかねているというふうなことでございます。
○穐山篤君 じゃ具体的に検査院の方にお伺いするわけですが、仄聞するところによりますとギャンブル系の職場におきましては、まあギャンブルという言い方がいいかどうかわかりませんが、わりあいに協力の度合いが少ない。たとえばアルバイトを除外をするとか賃金台帳を二重にするとか、そういう話を聞くわけですが、いかがでしょうか。
○説明員(肥後昭一君) 昨年はいまおっしゃいましたような競艇とか競馬とかそういう関係はやっておりませんでしたが、ことしやったところに上りますと、そういうところでは非常に算入漏れが多うございます、おっしゃるとおり。ただこれは協力がないということでなくて、向こうが全く知らない、そういうものはいいんじゃないかというようなことで、われわれが指摘して向こうが愕然とするというようなことでございます。
○穐山篤君 いまも指摘があったわけですけれども、その意味からいきますと、労働省の責任といいますか、行政責任は非常に大きいというふうに思いますが、これを具体的に解決をしていくためにはどういうふうな方策を重点的にとられるのか、あるいは長期的な展望に立って負担の公平あるいは財源確保を図っていくのか、その点十分研究されていると思いますが、いかがですか。
○政府委員(谷口隆志君) 労働保険の徴収につきましてはかねてからやはり事業主に対します周知、指導が第一でございますので、そういうことを徹底するということと、それからできるだけ個別の事業所に赴きまして保険料の算定基礎調査を実施する、こういうような方法を通じまして適正な徴収に努めておるわけでございますけれども、先ほど来のお話のように先般の会計検査院の検査の結果、徴収不足が一部にありましたということで、私ども非常に遺憾に感じておるところでございます。指摘のありましたものにつきましては早速厳正に措置したところでございますけれども、いま御指摘のありましたように、やはり今後ともそういう徴収不足が少なくなる、なくなるように努めなきゃならぬということで、先般の会計検査院の検査の結果をもとにいたしまして、事業主に対します関係法令の周知徹底とかあるいは算定基礎調査につきましても、できるだけ計画的に実施するとか、あるいは関係のところと相互連絡をとってやるとか、そういうようなことにつきまして一定の指針をつくりまして、さきに行いました全国の課長会議等でも指示したところでございます。 率直に申し上げまして、現在適用になっております事業場自体も百八十万を超えるぐらいの事業場でございますので、個別の事業所へ赴くといいましても限度、があるわけでございますけれども、やはりそれは、そういう事業主の団体を通じるとか、あるいは基準局と県とよく連絡をとるとか、関係のところと連絡をとるとか、そういう形をもとに、先ほど話のありましたような適用漏れの把握とか、あるいは適用になっております事業所の保険料の徴収不足等につきましては、計画的にあるいは重点的に、業種も選んだりしながら実施するようにというような指示をいたしておるところでございまして、そういう方針で今後とも努力を重ねていきたいと思っております。
○穐山篤君 労働大臣、きのう私は別の委員会で行政改革を取り上げたわけなんですが、政治的には、いま行政改革を断行しなきゃいけない、あるいは定員も計画的に減らさなきゃならぬと、こういう方針もありますし世論もあるわけですが、いま私が申し上げました三つの勘定といいますか、支払いなりあるいは収入のことを考えてみますと、相当出先の機能というものを強化をしていかなければ思うような成果が上がらないというふうに思うわけです。 行管庁はきのう、私のところでは少数精鋭主義でいくというふうに胸を張りましたけれども、労働大臣、私が先ほどから指摘しておりますようなことを改善をするためには、現在の組織なり陣容なりあるいは機能で十分でしょうか。また、来年も再来年も似たような指摘をするのは余りいいことじゃないと思うんです。その点いかがですか。
○国務大臣(藤波孝生君) 御存じのように、今日内閣では行政改革を非常に大事な政治の課題と心得まして、各省庁でその大方針をそしゃくをしていくようにいろんな対応を急いでいるところでございます。御指摘をいただきましたように、労働基準監督の面でも職業安定行政の面でも、第一線の仕事が非常に多様化をしておりまして、お客さんの方が多様化しておるものですから、それに多様に対応をしなけりゃいかぬ、また最近のいろんな動きが、たとえば第二次産業を中心に考えていたのがよかったのが第三次産業などでどんどんと産業の消長が起こってくる。そうすると、どうしても労働力の移動が起こってくる。この国会でもずいぶんいろんな御指摘をちょうだいしておりますが、婦人労働者がずいぶんふえてきたり、あるいはそれがパートという形であったり、労働省はもっとしっかり実態をつかめと、こういっておしかりをいただいているわけでありますが、いろいろと情勢が変わってくるのに適切に対応していかなきゃいかぬ、そう考えますと、ちょっとかわいそうなぐらい第一線は実にがんばって、その情勢に対応するように努力をしておるわけでございます。もうこういう時世だと思っておりますから、そう大きな声では、本省には人員くれ、人員くれとは、言ってきてもしかられるだけだと思ってますから、ちょっと言ってこないぐらいの感じで、深刻にいまの時世の中で何とかこれをこなしていかなきゃいかぬと、こういう気持ちでいるわけでございます。 対策といたしましては、やはりいままで事業所を回るのに、たとえば電車で走っておったのを、少し機動力で、うまくこう巡回できるような形はできないかというような工夫をしてみたり、あるいはできるだけ電話などを駆使して、いろんな連絡を密にするようなことを心がけてみたり、さらに公共職業安定所全体の仕組みを思い切って改革をいたしまして、機能別に、ずいぶん忙しいところにぐっと人員をふやす、そして少し季節的に——暇はないですけれども、少しちょっと手があくなと思うところは忙しいところへどんどん手伝いに行くというような、従来ちょっと考えられなかったぐらい機能本意の窓口にしよう、こういうことで全国工夫をいたしまして努力をするとか、いろんなことを、まさに精鋭主義でがんばっていくようにしておるわけでございますが、今後とも非常に需要が多様化し、しかもいろいろなニーズに対応していかなきゃいかぬという形の中でサービスが低下をすることのないように、あるいはいま御指摘をいただきましたようないろんな勘定、こういったことが不正受給とか、あるいは特に何というか、わからなかったということであれば、これは指導がまずかったということになるし、故意にやられたということであれば一体何しておるんだ、もっと気をつけろと、こういうことになりますし、いずれにいたしましても十分留意をいたしまして、御指摘をいただきましたようなことの根絶を期して努力をしていきたい、こういうふうに考えておりますが、なお第一線のそういった意味での行政力を充実をしてまいりますために、大きくは行政改革の方向で進んでまいりますけれども、もっともっといろんな知恵も出しまして、政府全体がその構えでいって、そして特にこういうふうに第一線で非常に大事な仕事というのを重点的に人員をふやすというふうなことにして、ただどうでもいいところは政府の中にあるとは思いませんけれども、そんなところからはどんどん非常に大事なところへ回してもらうというような思い切った措置を講じてもらいたいということは行管庁長官にも常に申し入れをしておるようなことでありまして、労働行政の重要さを十分認識をいたしまして、そういった面での努力も重ねていくようにいたしたい、こう考えておる次第でございます。
○穐山篤君 ひとつ十分努力をしていただきたいと思います。 さて、その次に身体障害者の雇用の促進の問題でございますが、ここ数年いろいろな法制上の問題や予算上の基盤も強化をするなどして、多少雇用の改善が見られてきたわけですが、身体障害者のここ数年、一、二年ぐらいの雇用の状況について概括的にひとつ説明をいただきたいと思うんです。
○政府委員(関英夫君) 身体障害者の雇用状況につきましては、毎年六月一日現在で私ども調査をいたしております。 五十四年の六月一日現在の調査結果を前年と比較して申し上げますと、全事業所規模で身体障害者の雇用率は一・一二%——常用労働者総数に対します身体障害者雇用の率でございますが、一・一二%で、五十三年六月、一昨年の六月一日と比較いたしますと、一昨年は一・一一%でございますので、ほんのわずかの改善を見たということでございますが、これを企業の規模別に見ますと、小規模ほど雇用率は高く、たとえば百人未満のところでは一・六六%、百人から二百九十九人のところは一・四六、三百人から四百九十九人は一・一九、五百人から九百九十九人のところは一・〇五、千人以上になりますと〇・八六というふうに、規模が大きくなるほど雇用の割合は低いといいますか、悪いという状況になっております。 ただ、先生のお話もございましたように、身体障害者雇用促進法の抜本的な改正、それによります雇用率の義務づけ等が次第に徹底してまいりまして、規模の大きい企業、大企業におきましても最近は身体障害者の雇用に大分熱心になってまいりました。それは昨年、一般の民間企業におきまして新しく雇い入れた身体障害者の状況を規模別に見ますと、千人以上の大企業で四三・一%を占めております。新規雇い入れの身障者のうち千人以上規模が四三・一%、これは前年の三六%から見ますと大分上がってまいりまして、大企業も新規の雇い入れには積極的な姿勢を示すようになってきたということが言えるんではないか、こんな状況だと考えております。
○穐山篤君 そこで、雇用促進事業団の中野さんに少し具体的にお伺いするわけですが、まあ法制的な問題、それから行政指導のことは労働省が中心になさっているわけですが、さて具体的な身体障害者に対しますほとんど全部と言っていいくらいの分野は事業団が担当しているというふうな感じを持っているわけですが、事業団としてはおおむねどういう仕事をされているのか、おおむねのところで結構ですから、概況をお話しいただきたいと思います。
○参考人(中野光秋君) 雇用促進事業団といたしましては、身体障害者の雇用促進法によります労働省の方針にのっとりまして、身体障害者の雇用を促進するためのいろいろの助成金の支給とか、それから調整金等の支給、あるいは直接には身体障害者の職業センターあたりを設置をいたしまして運営をしている状況でございます。
○穐山篤君 手続といいますか段取りといいますか、そういうものを少しお伺いするわけですが、事業団のもとに例の協会というのがございますね。事業団も日本全国きめ細かくあるわけではないわけでして、当然協会のやる仕事が非常に多いと思うんです。そこで具体的に、身体障害者を雇ってほしい、雇おうじゃないか、あるいはそのために必要な施設をつくるならば財政的に援助して上げますよというようなことを労働省なり事業団なり協会がされていると思うんですが、一体手順はどういうふうになるんですか。
○参考人(中野光秋君) 原則的にはこれは雇用促進事業団がやるたてまえになっておるわけでございますけれども、御案内のとおり、いま雇用促進事業団も非常に手薄でございまして、なかなかそこまでの能力がないということで、この業務の一部を、ただいま先生がおっしゃいました身体障害者の雇用促進協会に委託をいたしまして、そこで実施をしていただいているというわけでございます。 それから、各都道府県単位の身体障害者の雇用促進協会というのがございまして、これが手足になりましていろいろ助成金の受け付け、それから予備的な審査、それから雇用促進のための各種のPR、こういうふうな業務をやっているわけでございます。
○穐山篤君 いまお話のありました協会ですね、各都道府県にあるわけですが、県の職業安定課の中にテーブルを借りてやっているところもありますし、そうかと思うと特別にビルを借りてその業務をやっているところもありますし非常にまちまちなんですが、お話を聞いてみますと、実際に身体障害者関係の仕事を担当されております協会の方は日本全国で五十三人しかいない。で、リハビリの関係は四十七人で、協会としては約百人でこの仕事を担当している。私も最初は、後ほど具体的に申し上げますが、業務費の使い方が非常に多いのじゃないかという感じをしていろいろ調べてみたわけなんですが、さて五十三人の協会の方が何万人という、これから何千人とふえるであろう身体障害者の問題を担当されているというふうに考えますと、これは大変なことだろうというふうに感じたわけですが、そこで、事業団としてこれからこの身体障害者の雇用促進をしていくために、いままでの経験の中から実はこういうところが問題です、あるいはこういうところを解決してもらわないと雇用の促進はできないというふうなことを幾つか痛感されていると思うんです。その点ひとつ紹介をいただきたいと思うんです。
○参考人(中野光秋君) ただいま先生から非常に御親切な御示唆をいただいたわけでございますけれども、私どももいまこの身体障害者の雇用促進という面から考えてみますと、助成金その他制度につきましては非常によくできている、制度としてはもうりっぱなものではなかろうかというふうに考えておるわけでございますけれども、まだいろいろ政策的にやらなければならない問題もありましょうけれども、これは将来の検討事項でございますが、当面、先生御指摘のとおり、都道府県の身障協会を充実強化していくということが非常に重要な問題じゃないかと思います。これはまあ事業主の団体の方々が会員になっております団体でございますので、RPその他にしましてもやり方によっては非常に有効に使える団体でございますので、将来はこの都道府県の身障協会を充実していくということが一番大事なことじゃなかろうかと思います。 それから、まあいろいろ助成金の支給事務等につきまして私どもが中央の協会に委託をしているわけでございますけれども、最近助成金の申請と申しますか、申し込みの件数が非常にふえてまいりまして協会も非常に忙しいというような状況になっておりますので、その点もあわせてひとつ将来充実をしていただければ非常にこの雇用促進もうまくいくんじゃなかろうかというふうに考えているわけでございます。
○穐山篤君 先ほどの説明ではいま〇・〇一ポイントだけ雇用の改善が図られたというお話があるわけですが、しかし依然として——中小あるいは零細の方ではわりあいにですよ、まあ事業主の理解があって雇用がふえているということは数字の上では判断ができるわけですが、大企業なり官庁が非常にそういう意味では積極性が欠けているわけですね。ペナルティをとるという片側の制裁措置はありますけれども、それに甘んじていたんでは問題の解決にならないと思うんです。いわゆる大企業なり官庁が雇用をもっともっと拡大していくためには相当の行政指導なり、ときにはかなり強力な強権を使わなければ、金を出しておく方が得だというふうな機運が定着したんでは問題にならないと思うんです。 そこで、具体的にことしはどういうふうにされようと考えていますか。
○政府委員(関英夫君) 御指摘のとおり、大企業において身障者の雇用がまだ十分でないわけでございます。 そこで、身体障害者雇用促進法の趣旨といたしますところは、雇用率未達成の企業から納付金を収めていただくわけですが、納付金を収めれば雇用しなくていいというたてまえにはなっておりません。納付金は、身障者を雇用するところに比べて雇用しないところは経済的負担が少ないので、その経済的負担の調整を図る、そういう目的を持って納付金を収めていただき、そしていろんな助成措置あるいは雇用調整金を支給していくだけの制度でございまして、法律のたてまえは雇用率を事業主に義務づけているわけでございます。 そこで私ども、大企業中心に雇用率の特に低いところに対しまして、法律の規定に基づきまして雇用率達成のための雇い入れ計画の作成を命令いたしました。現在千を上回る数の達成計画が各社から提出されました。で、これからはその雇い入れ計画の中身に従いまして具体的に個別企業に対しまして雇い入れ計画に沿った雇用を進めるような行政指導を強力に展開してまいりたいと考えております。その場合に、もし雇い入れ計画そのものが余り適正な計画でなかったり、あるいは余りにも無理なあるいはつじつま合わせのような計画であったりするならば、その計画の是正を勧告する、そういうことによりまして雇い入れ計画に沿った身障者の雇用が進みますように、個別企業ごとに計画に沿った雇い入れの促進の行政指導というものを進めていきたい、こんなふうに考えております。
○穐山篤君 助成金といいますか、促進事業費について五十二年、五十三年はわかるわけですが、五十四年の推定はおわかりになりましょうか。たとえば雇用調整金がどのくらい、奨励金が何ぼ、助成金が幾らという程度で結構ですから。
○政府委員(関英夫君) 昭和五十四年度につきましては、見込みでございますが、調整金として約十七億円、報奨金といたしまして約八億円、助成金といたしまして約七十八億円、合計いたしまして約百三億円の支出になるんではないかと、こんな見込みでございます。
○穐山篤君 それから収入、これも見込みです。それから業務費の概算はいかがでしょう。
○政府委員(関英夫君) 五十四年度納付金の徴収見込みは約百八十億円でございます。で、支出の方は、先ほど申し上げました合計の約百三億円のほかに事務費として約十二億円が予定されております。収入が約百八十億円、支出は全部を合計いたしますと約百十五億円という見込みでございます。
○穐山篤君 概算ですが、昭和五十二年度、収入が九十六億、雑収一億。それで支出の方が調整金、奨励金、助成金を含めて十七億。それに対して業務費が七億ですね。十七億円を払うために七億円のお金がかかる。これは年度の途中でしたから、ひな型にならないと思いますがね。それから五十三年にいきますと雇用調整金十六億、奨励金六億、助成金二十九億。五十一億円を払うために業務費が十一億円、約五分の一近い業務費がかかっているわけですね。それから五十四年の推定は、百八十億の収入で百三億の支出。業務費が十二億ですから、まあまあ業務費の割合が小さくなって、客観的に見れば不思議でなくなってきたというふうな感じがするわけですね。そうは言いましても、百億円の金を払うために十億円以上の業務費を使うということについて、私は余り賛成ができない感じを持っているわけです。この点について、事業団側からの言い分もあるでしょう、それから労働省側の行政指導もあると思いますが、どうも業務費の割合が多いと思いますが、この点、労働省いかがでしょうか。
○参考人(中野光秋君) ただいま先生から業務費の比率が非常に高いんじゃないかという御指摘がございましたけれども、私どもが考えますに、歳出——給付金の方から見ますと、五十一億から見ますと十一億、たとえば五十三年度の場合でございますけれども、非常に高いような感じも受けますけれども、実はこの納付金収入が百八十八億ございます。これは一応たてまえは申告納付というたてまえになっておりますが、これをとるのにかなりの事務費がかかるわけでございまして、歳出と歳入を合わせた割合で見ますと、私どもはそう御批判を受けるような事務費、業務費じゃないんじゃないかというふうに考えておりますが、いずれにいたしましても、これも事業主の皆さん方から非常に貴重なお金をいただいているわけでございますので、むだ遣いのないように十分注意をしていきたいと思っております。
○政府委員(関英夫君) 中野参考人のお話のとおりだと思いますが、先ほど先生からもお話ございましたように、協会の実態を見てまいりますと、決して人が遊んでいるような状態ではございませんで、特に最近におきましては助成金の申請の数が非常にふえてまいりました。そういうわけで大変な業務量になってきております。また、地方の協会を充実して雇用促進を図るべきことも先生の御指摘のとおりだと思うんです。ただ五十二年、これは秋からの発足でございますので、五十二年あるいはその第二年目に当たります五十三年の状況を見ますと、私どもの責任が大きいわけでございますが、制度の周知がまだ十分いっていなかった、あるいは助成金等の支給要件も厳しい面もございまして、余り活用されないというような形で助成金の支出額も小さい。あるいはまた、ちょうど石油危機以降の非常な不況下にありまして一般の雇用もむずかしい中にありまして、身障者の雇用も余り進まない。全体として先ほど五十三年から五十四年の一年間の状況を数字で申し上げましたけれども、私どもの努力が足らないわけでございますけれども、そういった不況下で身障者の雇用も余り進まなかった。そんなことを反映いたしまして雇用調整金などの支給額も余り上っていないわけでございますが、最近の状況を見ますと、助成金の中で改善を加えました結果、助成金の申請が非常にふえております。これは来年に引き続いていくと思います。そういうようなことを考えますと、来年は納付金の徴収額と支出額との差というものは本当にわずかなものになってくるんじゃないかというような見通しも持っております。そういう中で事業費といいますか、人件費が主でございますが、そういうものは私ども充実すべきところはこれからも充実していかなきゃいかぬと思いますけれども、厳しく抑制すべきところは抑制して、余りそちらに大幅な伸びをすることなく、中身の助成なり報奨金の方で支出を伸ばしていくことにこれからも努力していかなければならないと考えております。
○穐山篤君 そこで、五十四年度の推定を含めて、積立金の累計が概算二百六十七億になるわけですね。これは法律で、余った金は郵便貯金なり指定する金融機関に貯金しろ、こういうことで、三月三十一日現在では二百六十七億円程度のものが貯金をされる。これは法律がそうなっているから技術的にはそういうことになるだろうと思いますが、この積み立てが収入対比からいきますとかなりな速度で量的には多くなるわけですね。むざむざと銀行に遊ばしておくというのは問題じゃないかというふうに思います。ただ、制度が発足して間もないということが一つの理屈になるのでしょうけれども、国の財産を単にこういう形で郵便局なりあるいは銀行に貯金をしておくことは余り効果的な措置ではないというふうに思います。当然これは見直しをいずれはしなきゃならぬと思いますが、いかがですか。
○政府委員(関英夫君) 先ほどもちょっと来年の見通しについて触れましたけれども、この積立金が来年度以降も非常なスピードでふえていくかというと、先ほど申しましたように、私は来年は収支の差というのは本当に少ないものになっていくと思いますので、積立金がこれ以上非常に大きな額でふえていくということにはならぬと思っております。 それからもう一つ、この積立金は今後身障者の雇用が進んでまいりますと、雇用調整金とかあるいは中小企業の方に対します報奨金とかあるいは助成金という形で支払われていきます。一方で、雇用が進みますと収入の方は減ってまいります。少しずつですが、五十三年、五十四年と少し減っておりますが、来年はさらにそういうわけで減っていくという形でございますので、将来これはどうしても雇用調整金なり助成金という形で雇用促進のために使われていくということがございますので、事業主から納めていただいたこの金が減価するようなことになってしまっては非常に問題があろうかと思いますが、ただいまの先生の御指摘は、そういう減価するような方法でないにしても、もう少し何か有利な運用というものを検討すべきではないか、こういうような御指摘だろうと思います。そういう意味では、単なる貯金でなく、もう少し有利な運用というものを検討せねばならぬ。支出見込みを十分慎重に立てながら、でき得る範囲でそういうことも検討せねばならないというふうに考えております。
○穐山篤君 事業団の方、ありがとうございました。 今度は中高年層あるいは高年齢層対策ですが、労働大臣が社労委員会で所信の披瀝を行われたわけですが、その中で高齢者対策についてかなりページを割いておりますし、決意も述べられておりますのですが、この高齢者の問題について少しお伺いをいたします。 制度的にあるいは財政的にいろんな分野で改善を図られました。そのことは十分わかりますが、しかし依然として四十五歳以上あるいは五十五歳以上の労働者の問題が国の雇用の戦略の問題として重視をしなければならない時期に来ているものと思います。まあいろんなことがやられたし、これからやるわけですが、いままでの労働省の政策努力で大ざっぱに言ってどのくらい雇用が拡大をしたとお考えですか。
○政府委員(関英夫君) 非常にむずかしい問題ございまして、労働省の努力で拡大したのか、あるいは御本人の努力なのか、あるいは事業主の協力なのか、非常に申し上げることがむずかしいわけでございますが、端的に一つだけ数字がございますのは、昨年こういう不況下で高齢者の雇用が大変だということで、先生も御案内の中高年齢者雇用開発給付金という制度を設けました。これは中小企業の場合には賃金の五分の四の助成をするというような非常に手厚い制度でございます。制度のことは省略いたしますが、それを設けまして六月八日からその制度が発足したわけでございますが、それ以前にも、それほど手厚い助成ではございませんが同じ名前の制度があったわけでございます。 そこで、昨年度四月からの数字を申し上げますと、四月からこの一月までで累計で約七万人の方がこの制度の適用を受けております。これも労働省の努力とか何とかということではなくて、やはり事業主の方や御本人の方の就職への努力があってのことでございますが、この制度の適用を受けて就職した人の数ということで申し上げますと、昨年の四月から一月までで約七万人という数字が上げられるわけでございます。
○穐山篤君 まあ定年延長の空気であるとか、あるいは定年を六十歳まで持っていこうとか、いろんなことが表裏相関係をしますのでなかなか計算はむずかしいと思いますが、一応特別措置法に六%の目安というものを決めているわけですね。この六%の目安を仮にそれぞれの努力で達成をさしたとするならば、当然雇用の拡大というのは図れるわけであります。計算上どういうことになるでしょうか。
○政府委員(関英夫君) 六%達成する場合のもとになります常用労働者の数をどう考えるかということに一つの問題がございますが、常用労働者の数字に変化がないというふうにまず仮定いたしまして計算してみますと、未達成企業における常用労働者総数に六%を掛けまして、そこでさらに未達成のところで現在雇われている数を引くというような計算をいたしますと、残りますのは二十九万五千という数になるわけでございます、五十四年の六月現在の調査の数字をもとにした推定の計算で二十九万五千人という数が出てまいります。
○穐山篤君 まあ目安としてはわかりますが、現実には新規の労働力も出てくるでありましょうし、あるいは五十五歳の人が五十六歳でそのまま残っているということもありますから何とも言えないけれども、約七万人の適用者があったと、まああるとするならば、もっともっと雇用の拡大の余地はあるわけですね。したがって、その意味で言うと強力な政治力あるいは行政指導、あるいは雇用全体についての世論の喚起というものもなければならぬと思いますが、ぜひ努力をしていただきたいと思っております。 さて、そこで一つだけ具体的にお伺いしますが、全国を歩いてみますと、地方自治体の努力もありますし、それから労働組合自身の努力もありますし、まあ自主的に任意でいろんな集団がつくられておりますね。中高年層、まあ高齢者協会とか団体とか、あるいはまあ勝手につけて事業団とか、ハイカラなところではシルバー何とか何とかというようなものがあちこちでみんなできているわけですね。これはまあ自衛手段なんですが、それをそのまま放置をしておくことはよくない。やっぱり地方自治体の努力なり、あるいは行政の援助、支えというものがなければ、これまた雇用の機会を失ってしまうというふうに思いますが、こういう任意団体に対する具体的な援助の体制というのはことしどういうふうになされますか。
○政府委員(関英夫君) 先生御指摘のように、各地にいろんな名前で中高年齢者のための団体ができております。その内容は非常にまちまちでございますが、私ども来年度、シルバー人材センターというような仮称を使っておりますが、そういう地方自治体に対します新しい補助制度を設けることにいたしまして、現在その予算を御審議いただいているところでございます。 このシルバー人材センターと仮称で申しておりますものは、おおよそ人口二十万程度の規模の市におきまして、その地域におきます原則として六十ないし六十五歳層の高齢者の方を会員として、その会員の技能なり資格に応じて仕事をあっせんする団体を設立した場合にその団体に助成をしよう、その団体が会員にあっせんしますのは、地域社会におきます細々とした短期的、臨時的なお仕事をあっせんする。たとえば留守番だとかペットの世話だとか植木の世話だとかいろんなものがあろうかと思うんです。中には地方公共団体の自転車置き場の監視とか日曜日の学校の校庭の監視だ上か、そういう地方公共団体からの注文もございましょう。そういう地域社会の細々したニーズに応ずる、そういう仕事を会員にあっせんする団体。その団体に対しまして来年度は七月からでございますので六百万、平年度に直しますと一団体当たり七百万というような助成、補助制度を新しく考えましてお願いしているところでございます。 で、先ほど先生がおっしゃいましたいろんな団体の中には、何といいますか、お年寄りの生きがいと申しますか、あるいは創造の仕事といいますか、そういうものを目指しているものもございますし、仕事をあっせんするのを目指しているのもございますが、労働省といたしましては、やはりそういった地域社会のいろんな多様なニーズに応じて仕事をあっせんして、就労に応じて何がしかの報酬を得る。これも一つの労働力のあっせんであるというところに着目いたしまして、新しいこういった補助制度を考えたわけでございますが、常用雇用としての就職を希望する人につきましては、これは安定所で先ほどの中高年雇用開発給付金等でお世話するのが筋道でございますので、そういう常用雇用ではない、もはやそれにはつけないけれども月に何日かの臨時的、短期的な仕事なら十分やれる、そして地域社会のお役にたちたいと、こういったニーズがありますので、そういうものにこたえるそういう団体の設立に対して助成していこうと、こういう考え方をとったものでございます。
○穐山篤君 まあ趣旨はよくわかりましたが、大臣の所信表明の中でも「全国主要都市」というふうに限定をして、その具体的な基準がおおむね二十万人人口の都市と、こう言われるんですが、わりあいに五十五歳以上あるいは六十歳以上の人で常用で働きたいという者もありますし、常用でなくても働くということを考えてみると、二十万人というふうに規模を限定をしてしまうと非常に地域的にアンバランスが生ずるのではないかというふうに考えますが、二十万人人口というのはきちっとした基準なんですか。弾力性はあるんですか。
○政府委員(関英夫君) そういった団体が会員にお仕事をあっせんするのには、ある程度の、何と言いますか人口集積がありませんと地域のニーズというものも出てまいりませんので、その一つの目安として二十万人程度ということを申し上げたわけでございますが、これは絶対条件というわけではございませんで、その地域でその地域の御老人に、人口二十万人程度と同じようにある程度の仕事があってあっせんできるというものであれば、必ずしも二十という数にこだわらずに弾力的に考えていきたいと思っております。
○穐山篤君 最後に労働大臣にお伺いしますが、いま日本の雇用体系というものを私は一遍紙に書いてみたんです。法律を全部項目別にこういうふうに書いてみたところ、この紙で三枚ないと全部項目が書き切れないんですね。これにたとえば給付金が幾らであるとか転換奨励金が幾らであるとかということをこれに書こうとしますと、何十倍の紙が必要なんです。言いかえてみますと、非常に複雑で多岐にわたっていて素人にわからないというのが現在の雇用の法律ではないかというふうに思いますが、いかがですか。
○国務大臣(藤波孝生君) 私自身も昨年十一月に着任をいたしまして労働行政についてのいろんな勉強をいたしておりますが、その中で痛切に感じますことは、いま先生から御指摘がありましたように、非常に雇用関係の法律あるいは給付金など複雑多岐にわたっておりまして、そのことを何とかもっと現実に即して対応し切っていくような構えに整理統合したりしていく必要があるというふうに痛感をしておるところでございます。 ただ、長い年月にわたりましてそれぞれの時代にどのようにして雇用を確保していくかということにつきましては、単に政府の側だけではなくて学識経験者によるいろいろな研究会や審議会でありますとかあるいは各政党でございますとかあるいは労働界の方々とか、非常に適切な御提案などもちょうだいをして、みんなで築き上げながらそのときそのときに一つ一つ対応してきた、こういう非常に貴重な歴史がございます。それが完全に終わり切っていない。たとえそれは一〇%であっても、その課題をなお残したままその次の課題がまた出てくる、こういうことで積み上がっているという感じもあるわけでありまして、なかなか整理し切ってしまうというのが非常につらいものですから、そこに愛着を感じつつ次のまた手を打っていくというようなことで複雑になってきている。一人一人の国民にとってみたりあるいは事業主にとってみたりすると、どの給付金が生きているのやら、どういうふうにやっていくのが一番有利なのかもなかなかわかりにくいというような御意見さえありまして、省内でもこれらをひとつ現実に即してどのように今後まとめていくか、あるいはまた、もっと新しい、いい知恵があったらそれを主人公にして、いままでのものは副にしてうまく対応させるというようなことも含めて検討を進めていく必要がある、職業安定局長を中心にいたしましてその作業に入っているようなことでございまして、先生の御指摘のところは私も痛感をしておる次第でございます。私の方でもいろいろ整理をしておりますけれども、よろしかったら、先生がおまとめくださいましたその資料もぜひ見せていただきまして、参考にさせていただきながらその作業を進めていきたい、このように考える次第でございます。
○穐山篤君 いま大臣が言われますように、戦後国会ができて、すぐ職業安定という立場で法律がつくられ、それから駐留軍だとか特別なものが原因をしていやおうなしに法律をつくらざるを得ない。それから、例の不況の時期がしばらくあって、これにも対応しなければならない。そういう意味で言うと、歴史的な産物であることは間違いないと思います。よく冗談に言いますが、いま私が失業した場合に、失業手当ぐらいのことはわかります。それ以外に、事業主にしろ、あるいは労働者がどの法律を適用すればおれは生活ができるのか、あるいは転身ができるのやら全くわからない。ですから、歴史的な財産を一遍に風化させるわけにはいかないと思いますけれども、もはやこれだけ複雑多岐にわたりますと、国民に対して行った政策ではあろうと思いますけれども、全く不便になってきているわけです。そういう意味で、ぜひひとつこれは適切な審議会でも設立をしていただいて、可能な限り早く改正の方向というものを出してもらいたい、これはまあ、注文として申し上げて、きょうは以上で終わります。
○委員長(志苫裕君) 何か答弁ありますか、大臣。
○国務大臣(藤波孝生君) 御指摘の御趣旨を踏まえましてその作業を急いでまいりたいと思います。
○石本茂君 私は、医療、保健衛生などに従事いたします者の労働に関する問題について二、三お尋ねしたいと思います。 昭和五十二年、一九七七年でございますが、国際労働機関の第六十三回総会におきまして、看護職員の雇用、労働条件及び生活状態に関する条約、これは百四十九号条約と言っております。それから中身に同じ条文でございますが百五十七号勧告が採択されました。このことはもう御承知をいただいておることでございますが、この関連におきまして、今日わが国の看護に従事する者たちの集まっております日本看護協会が中心になりましてこの条約、勧告の批准方について、関係官庁あるいは国会に請願を重ねておるのが現状でございます。ところが、現在ただいま行われております関係国内法をながめますと、とても批准なんぞとはもう考えられない状態でございますが、その一番大きな壁が、この労働基準法の定めるところにあるわけでございます。 特にこの労働基準法の何が問題かといいますと、一般労働者につきましては第三十二条に一日八時間、一週四十八時間というふうに規定されています。ところが看護婦などは、法第四十条の一項それから同法施行規則の二十七条によりまして勤務時間が一日九時間、一週五十四時間というものが規定されておるわけでございます。まず何とかこの特別規定を外してもらいませんことにはどうしようもできません。特に国家公務員でございますとか地方公務員の場合は、国家公務員法でございますとか地方条例などございまして、現在ただいまは一日八時間、週四十五時間がほとんどでございますし、また、一般私的企業におきましても、労働組合がありますところはほとんど一日八時間、週四十八時間に直っておるところでございます。この壁を何としてでもここ両三年内に私は外してもらいたい、そのことをまず基準局長さんから、ちょっとおくれてこられましたけれども、いつも言っていること、これはもう三回ほどこの委員会でお聞きしていることでございますが、本日改めましてお聞きするわけでございます。
○政府委員(吉本実君) ただいまの病院におきます看護婦の労働条件の問題でございますが、これにつきましては、私どもも監督指導の重点として、看護婦の宿日直勤務等による夜間勤務につきまして、労働者の健康と福祉の確保をはかる観点から夜勤回数の減少というようなことについていろいろ指導に努めているところでございます。また、病院等におきます看護婦の夜間勤務につきましては、従来からその勤務のうち一定基準に該当する軽易な内容のものに限りまして宿直扱いということを認めてきたところでございます。病院等の看護婦につきまして宿直による夜間勤務を一律に禁止するということは、やはり医療業務の特殊性ということから考えまして適当ではないんではないかというふうに考えておる次第でございまして、また、夜間勤務を宿直でもってやる場合につきましては十分、出先の署長の許可事項となっておりますので、そういった実態に即して決定をいたしておるというような次第でございます。したがいまして、こういった事情の中でこれを直ちに廃止するということはなかなか困難ではないかというふうに思います。
○石本茂君 きょうは局長さんいろいろおっしゃってくださっておりますが、従来でございますと、看護婦が足りないんだと、医療従事者が足りないんだと、足りないものをいまこの規則を廃止しますとますます足りなくなってしまうのだというようなお答えがいつもはね返ってきたわけでございます。私は、夜間勤務につきましては、これは法八条の定めるところによりまして、それからまた時間外勤務等の問題などが含まれておりますので、このことは特に問題にしておりません。いま申しておりますのは特別規定でございます。一日九時間とか、それから週五十四時間とかというような一般労働者並みを外れた特別規定を何とかして外してもらいたいと、これを外していただくことによりまして足りない看護婦がさらに多く足りなくなるというふうには私は考えません。こういうことでございますが、大臣いかがお考えでございましょうか。
○政府委員(吉本実君) いわゆる施行規則二十七条の特例の問題であろうかと思いますが、この点につきましては、私ども昨年来いろいろ実態調査をいたしまして現在それを集計中でございますが、そういった点を加味しまして、今後その特例につきまして廃止をするという方向で、いろんな業態がございますから、そういった仕分けをしながら廃止の方向で検討していこうというふうに考えております。
○石本茂君 大変ありがたいお言葉でございますが、大臣、しつこいようでございますが、私は、できますことなら両三年のうちに何とかこの特別規定から外してもらいたい。そして、一日九時間勤務というものを、もう現実に一日九時間を適用されております者は、五十万人の現職者のうち一割おるかおらぬだと思うわけでございますが、大臣の御所見を承っておきたいと思います。
○国務大臣(藤波孝生君) 鋭意検討を進めてきておりますが、先生の御指摘もございますので、ことしじゅうには方針をかためてその措置の方向に向かうように努力をいたしてまいりたいと、このように考えます。
○石本茂君 本当にありがとうございます。ぜひこの問題だけを何とか外していただけますと、また次々とその他の関連法案もございますが、この方も直っていくだろうと思うわけでございます。 それからなお、この規則の二十七条の適用、これはいま言ったところでございますが、この変形労働時間を、この時間制をとる場合にも、「一日について十一時間を超える定をしてはならない。」ということが書いてございます。ところが、第八条の十三号、この看護の仕事など医療、保健の仕事をしている者でございますが、この医療事業に従事している者はその適用からも外されているわけでございます。全然それは含まれておりません。そういうふうに考えますと、この看護婦などのしております労働時間というものは一応労働基準法のいろんな条文など、あるいは規則などには一応示してありますが、だんだん調べていってみたらもう底抜けですね、はっきり言いますと。いま言いました特別な規定をつくって、そしてその規定を準拠して、さらにその中身をずっと吟味してまいりますと、この特別の労働条件をつくる場合にも十一時間を超えてはならないと、一日について。「十一時間を超える定をしてはならない。」と言い切っておりますが、いま申しました法八条の十三号についてはこれが全然適用されておらぬわけでございます。そういうふうに考えますと底抜けでございますね。何の適用も受けておらない職種だというふうにしまいには考えたくなるんですが、これはどういうふうに理解してよろしゅうございましょうか。
○説明員(岡部晃三君) 先生御指摘のとおり、病院の看護婦等の労働条件につきましては他産業に比べまして非常に改善がおくれている面が見られるところでございます。いま先生から厳しい御指摘がございましたが、私ども昨年の十月、十一月にかけまして、病院を中心に看護婦さん等の労働条件の実態調査をいたしました。その結果がこのほどまとまったわけでございますが、それを見ましても、たとえば一日の所定労働時間を見ますというと、所定ということでございますというと、一日に八時間以内におさまっているものが九四%、週四十八時間以内におさまっているのが九四・五%ということでございますけれども、しかし残業がどれぐらいあるかということを見てまいりまするというと、一般産業を超えると見られます、一時間以上の残業が常時あるというふうなものが実に二四・七%に上っております。中には、たとえば一日平均四時間を超えるものというのが全体の中で一・三%、三時間を超えて四時間以下というものが一・八%もあるというふうな状況でございます。私どもそういうふうな、大体その形だけから見まして、ただいまのような一日十一時間を超えているというふうな法律違反の疑いがありますようなものも含まれておりますので、この辺の是正方につきましてさらに監督、指導を強めてまいりたいということで、このたび発出いたしました行政運営方針の中におきましても一つの重点として掲げた次第でございます。
○石本茂君 何かとお心を使っていただいておりますこと、本当にありがたいと思うんですが、従来労働基準法の違反事項といいますか、そういうものをざっと見てまいりますと、医療に従事している看護婦職が一番多かったように思うんです。九〇%を超えている。週一日の休日すらもとっていない者がいっぱいおるというようなことでございました。労働基準監督署あたりがいろいろ気をつけて監督、指導していただいていると思うのでございますが、ただいまもお言葉がございましたが、実際現実には事業所についてどこがどういうふうに、だれがどういうふうな指導を進めておられるのでございましょうか、この機会にお伺いします。
○説明員(岡部晃三君) 病院につきましての労働基準監督でございますが、これは全国にございます労働基準局及び労働基準監督署が実施いたすわけでございます。労働基準監督官が全国に三千余名配置いたされておりまして、それが監督をするわけでございますが、何しろ全事業所数が全産業三百十一万事業所でございます。それに対しまして三千名の監督官をもって充てるということでございまして、なかなか全部の病院に対しまして監督が手が回るということにはいきかねるような現在主体的能力でございます。もちろん民間の病院のみならず国公立の病院もあるわけでございます。これらにつきましては、純然たる国立病院、国立大学附属病院、これは労働基準法の適用がございませんで、国家公務員法及び人事院規則の適用でございますが、それを除きまして、たとえば五現業が経営する企業あるいは地方公共団体の病院につきましても労働基準法が適用になっております。これらも労働基準監督官が監督をすることに相なっております。そういうことでいたしておりまするが、御指摘のようになかなか手が回らぬのじゃないかということ、そのとおりでございまして、私どもさらに病院につきましては、重点と先ほど申し上げましたが、監督、指導に努めてまいりたいという覚悟でおるわけでございます。
○石本茂君 御承知いただけますように、女子労働者がほとんどでございますし、それから問題は年少婦人の労働問題でございますが、現在ただいま年少者のための規定を見ておりますと、女子年少者労働基準規則の中の第八条でございますが、ここでは年少者の就業制限の業務の範囲がうたわれております。そうしてこの第一項の前文でございますが、そこのただし書きの中に「第四十一号に掲げる業務は、保健婦助産婦看護婦法」、これは昭和二十三年にできておりますが、「により免許を受けた者及び同法による保健婦、助産婦、看護婦又は准看護婦の養成中の者については、この限りでない。」となっております。ところが、保健婦、助産婦、看護婦みんな二十歳から二十一歳にならなければ資格が得られないわけでございます。高等学校を出て三年あるいは四年の教育を受けて国家試験を受けることになっておりますから、私はこのただし書きのここに書かれているこの条文ですね、非常に架空的な、さまになっていないものが書かれているように思うわけでございますが、これは削除してもらえないだろうかということと、それからあわせまして、准看護婦と准看護婦の生徒、これは確かに十八歳以下の者がおるかもわかりません。これも現在ほとんど高等学校卒業者が准看養成所に入っておりますので、ごく一部でございますけど十七歳で就業する者あるいは生徒等につきましては、十六歳、十七歳という者がおるかと思うのでございますが、この前文の方の看護婦、助産婦、保健婦の有資格者という、これは全くむだな条文、文章が入っているなあと思うんでございますが、こういうくだらぬことは必要ないのでございましょうか、こういうことを言うこと自身がおかしいんでございましょうか。
○政府委員(高橋久子君) 先生の御質問の女子年少者労働基準規則の第八条に、「(年少者の就業制限の業務の範囲)」が定められておりまして、それにただし書きがあり、「第四十一号に掲げる業務は、保健婦助産婦看護婦法により免許を受けた者及び同法による保健婦、助産婦、看護婦又は准看護婦の養成中の者については、この限りでない。」というふうになっているわけでございますが、この第四十一号の業務と申しますのは、「病原体によって著しく汚染のおそれのある業務」でございます。この業務につきましては、ただし書きによって、その免許を受けた者と養成中の者は就業が認められるということになっておるわけでございますが、この保健婦助産婦看護婦法におきまして資格を取得した者と申しますと、准看護婦につきましては十五歳の中卒後二年の養成で免許が取得できますので、この准看護婦につきましては十七歳で資格を持って就職する者が出てくる、それからまた、准看護婦として養成中の者で雇用関係がある者についてはこの四十一号の就業が認められるということになるわけでございまして、やはり、このただし書きは必要だということになっているわけでございます。この免許との関係におきまして矛盾はないというふうに考えられるわけでございます。
○石本茂君 私が申し上げておりますのは、いま局長が申されましたように、この条文にはまる年少者というのは十八歳未満の者でございますから、この法律にいう准看護婦及び准看護婦生徒という言葉に直りませんかと言ったわけなんです。
○説明員(金平隆弘君) いま問題になっております規則の八条の、「保健婦助産婦看護婦法により免許を受けた者」という規定の仕方は、この中にこの法律によって准看護婦の免許を受けた者も含んで規定しておるというふうに解釈されております。で、後段の「及び」から後ですが、「同法による保健婦、助産婦、看護婦又は准看護婦の養成中の者」というふうに、准看護婦をわざわざ出しておりますのは、養成中の者ということをはっきり言いたいために准看護婦も並べて書いておるので、法律によって免許を受けた者の中には自動的に准看護婦の免許を受けた者も入っているというふうに解釈されます。
○石本茂君 要旨はよくわかりました。そういうふうに理解しておきたいと思います。 それから、この年少者の准看護婦それから准看護婦生徒でございますが、この禁止規定によりますと四十五項目ですか挙げられておりますが、そのうちの三つですね、ラジウム放射線等による三十五号とそれから四十一号の病原菌による云々というのと四十三号の精神病院における勤務という項目ですね、この三つがぴったり当てはまるわけでございますが、私は、実際そういう仕事をし、また見てきた者としましては、なぜ准看護婦の未成年者、それからこの生徒をただし書きで適用しなければならなかったのかということについて、当時の情勢は知りませんけれども、非常に私は不信の念を抱きます。こういう重要な、他の年少者には禁止している三つの項目が当てはまる場所に、そういう者を当然のように従事させるというようなことがどうしてできたのだろうか、不思議でたまりませんのですが、もし御見解ございましたら教えていただきたいと思います。
○政府委員(高橋久子君) 先生からいろいろと御指摘ございましたけれども、たとえば四十一号の「病原体によって著しく汚染のおそれのある業務」、これはどのような業務であるかと申しますと、傷病者の健診及び看護等の業務、伝染病発生地における防疫等の業務などをいうというふうにされているわけでございます。一方、准看護婦というのはどういうものを指すかと申しますと、保健婦助産婦看護婦法によりまして、医師や歯科医師または看護婦の指示を受けて、傷病者等に対する療養上の世話または診療の補助をなすことを業とする者というふうに定義されているわけでございます。したがいまして、もしこの四十一号につきましてのただし書きを削除いたしますと、満十八歳に満たない者は、准看護婦という職業につくことばかりか、准看護婦としての養成までも制限されてしまうということと考えられますので、この問題につきましては慎重に検討をしていかなければならない問題であるというふうに考えられるわけでございます。
○石本茂君 これは、決していますぐ手直しをしていただきたいというのではございませんが、非常に重要な問題が含まれておりますので御検討をいただきたいなと思うわけです。 それから続きまして、十八歳未満の准看護婦が深夜勤務に従事しております。これは、当時、いまから十数年前、二十年ほど前になりましょうか、准看護婦を深夜勤務に従事させるかどうかということにつきまして、当時、地域の労働基準監督署との話し合いで、免許証を持っているから当然深夜勤務につくべきであるという裁定があったわけでございます。そして、その後ずっと十八歳に満たない資格を持っている准看護婦も深夜勤務に従事しているわけです。これも、私は、どういう——免許証というものはすごく優先する、これは、考えようによっては非常に権利があるもののように思いますけれども、実際の実態ということを考えまして、十八歳に満たない未成年が深夜の勤務に従事している、これはどうしても納得しかねる。現実の問題として非常に無理だなと、それからどうしてこういうことを裁定したのかなといまだにしっかり割り切れないわけでございますが、これについてどういうお考えをお持ちでございましょうか。
○説明員(岡部晃三君) 年少者につきましての深夜業の問題でございますが、これは一般的には法律によりまして禁じられておりますが、しかしながら、一定の職種と申しますか事業につきましては認めているということでございます。 病院の場合にどうかということでございますが、一般的に、年少者についての深夜業を法律上認められる場合、なおかつ行政上どうしているかということを申し上げますというと、昭和二十三年の労働基準局の方針といたしまして、法文上は認められる場合であっても宿直については年少労働者保護の観点から許可しないというのが、大原則として、行政上指針としているところでございます。ただ、准看護婦につきましては、職業の特殊性と申しますか、あるいは社会的責務と申しますか、そういう公衆の保護に当たるという性格から、また、先ほど先生が指摘されましたような資格がある、つまり、どのように業務を遂行すべきか明らかにすでに知識を持っておるというふうな状況からそのような取り扱いをしている。つまり、その地域の監督署長の裁量によりまして認めているところもあるというふうに聞いているわけでございます。そのような年少者保護に欠けることがないというふうなことが明らかになりましたならば、法律上認められていることでございますので、これはその署長の裁量によりまして認めているところもあるというふうなことであろうかと思います。しかし、一番大きな原則は、先ほど申し上げましたように、許可しないというふうなことが原則にあるわけでございます。
○石本茂君 そうしますと、大原則としては未成年者については許可しないという前提がある、ただしかし、業務の特殊性にかんがみて許可することもあると。現に許可しているわけでございますね。私は思いますのは、寝て、当直でもしているというんならいいんでございますけれども、三交代制勤務をして、そして夜は人手がうんと減りますから、そういう状況の中で、業務の特殊性そのものから考えても、受けた教育は特殊であるから大丈夫だというよらな物の考え方よりも、やはりこの際、年少者を保護するというような面から考えていただきたかった。年少者を保護するという面で考えてほしかった。といいますのは、本当に現場に行ってその実態を見ますと、何か涙が出るような気持ちでございますね。年端もいかない若い子が、夜の夜中、それこそ死にかかっている病人の世話をし、そして必死になってがんばっておる姿を見ますと、これでいいんだろうか。免許証が優先するんだと言えばそれっきりだけれども、幼いと言えばおかしいんですけれども、子供ですね、はっきり言いますと。それがこういう人間の命にかかわる問題に携わらせてよいのかなということを常に考えてきた一人でございまして、私、いまからでも遅くないと思いますので、その大原則論に立って、免許証の問題はとにかく抜きにいたしましても、十八歳以下の准看護婦については深夜の勤務は無理なんだというような指導を徹底してもらえないかなというような気がします。二十年もたってこんなこと言っているのはおかしいんですけれども、これはいつでも年がら年じゅう私の胸の内を行ったり来たりしている問題でございまして、特にいまごろは非常に薬の開発がよくできまして、重症患者もだんだん減ってきておりますけれども、やはり夜の夜中に重症者が出て、そして死ぬか生きるかという状態のときに、この若い人がうろうろとしている姿に接しますと、本当にこれでいいんだろうかという気持ちをどうしても禁じ得ませんので、私は、指導の中で、そういう未成年者については深夜の勤務ですね、夜間勤務と言いません、深夜勤務についてはやはりつかせない方がよいんだという指導をしていただきたいという気持ちでございますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(藤波孝生君) 少し事務的に御説明申し上げて、後で私御答弁申し上げます。
○政府委員(吉本実君) ただいま先生のいろいろなお話、大変参考になります。私どもよく実態を調べまして、先生の御趣旨に合うようにいろいろ考えてまいりたいと思います。
○国務大臣(藤波孝生君) いろいろ御指摘をいただきますことをお伺いをいたしておりまして、経過措置として若干現場の監督署などでいろいろ協議しながらきておるところはあろうかと思いますが、先生御指摘のように、大原則はやはり十八歳未満の年少労働者を保護するという立場で、特に心身がまだ未発達で成長過程にあるというようなことから、労働基準法の中で保護していく構えがつくられているわけでございますから、大前提というか、大原則というかはもう先生のおっしゃるところになければおかしい、こういうふうに考えるわけでございます。そのことを十分念頭に置きまして、実態を調査しかつ指導していくように努力をしてまいりたいと思います。
○石本茂君 どうも本当に大臣ありがとうございました。 全く本当に、一業務の一分野のことについてのみきょうはお伺いをいたしまして、私が期待し、希望する次元についての御回答もいただきまして、本当にありがとうございました。 これから先ともに医療の問題は複雑でございます、多岐にわたっておりますが、その仕事に従事する幼い者があるということを御認識いただきまして、そのことはうれしゅうございますが、今後ともの御指導を心からお願いいたします。 本当にありがとうございました。質問を終わります。
○和泉照雄君 私は、職業病と身体障害者の職業訓練校、これに関する質問をいたしたいと思いますが、まず職業病についてお尋ねをいたします。わが国が高度成長を逐げ、今日世界でも屈指の豊かな国になっている反面、労働者の中にはさまざまな職業病が発生し、現在でも毎年二万六、七千人が職業病にかかっております。産業界に新しい科学技術が導入され、原材料に化学物質が大量に使用されるようになったために、働く人々の健康がむしばまれ、四十年代には有機溶剤中毒や化学物質中毒が多発をして、皮膚障害や職業がんの問題も起こりました。また、機械化の進展は新しい健康障害を生み出しており、省力化、機械化が現在新たな振動障害や腰痛を起こすという状態であります。 職業病の発生件数は、四十七年の三万件をピークに減少はしていましたが、五十一年ごろからまた増加し始めて、五十二年は二万七千二百件になっております。これは決して楽観できるものではないと思います。職業病が恐ろしいのは、有害物による中毒や職業がんのように急性的な病状のあらわれる状態ではなくて、徐々に症状が進行し、長い間に身体が冒されるため発見がおくれること、新しい機械の導入など、従来見られなかった業種に発生した場合、対策がおくれがちになることでございます。 五十三年度からスタートした第五次労働災害防止計画にも、計画の主要な柱の一つに、職業性疾病予防対策の積極的推進が挙げられておりますが、政府は、最近の職業病の増加の状態をどのようにとらえているのか、まずお尋ねをいたします。
○政府委員(津澤健一君) 職業病の動向につきましては、ただいま先生御指摘のとおりでございまして、私どもとしても、産業の発展、機械化の進展などに伴いまして、いろいろ多様化をしてまいっておるという状況をひしひしと感じておるところでございます。
○和泉照雄君 職業病の一つの白ろう病についてお尋ねをいたします。 山林伐採の効率化を図って導入されたチェーンソーを使う山林労働者の中に多く発生をしておりますが、最近では林業労働者のほかに、削岩機やピッチングハンマーを使う採石作業員や、草刈り機などの振動工具を使う人たちの中にも似たような症状が多発して問題となっております。山林労働者の白ろう病は、チェーンソーを長時間使っているうちに、激しい振動のために血管が細くなって手がしびれ、痛みが起こり、目まい、頭痛などの初期症状が始まり、指から腕にかけて皮膚の色が白ろう色に変わるレイノー現象が起こり、重症になると神経や筋組織が冒され心臓障害が起こる。発作が起こる第三期症状になると治療してもなかなかよくならず、こうした症状は、固まってしまうとほとんど働けないようになるのが実状でございます。 この白ろう病患者は、現在国有林関係で三千四百六十人、民有林関係で四十九年以降で四千四百七十五人の認定患者がおるようであります。山林労働者の白ろう病が全国で初めて問題化したのは三十四年末で、二十年も前のことで、その後患者が続出してきたのでございますが、労働省が職業病に認定したのは四十年五月で、その後四十五年二月にチェーンソーの操作時間や健康診断等について振動障害予防通達が出され、林野庁と労働省がチェーンソー使用時間の短縮や使用範囲の制限などの対策を決め、国有林についてはそれが実行されましたが、民有林ではまだなかなか守られていないのが実情でございます。そういうことで患者の発生はやまっておりません。政府は、これまで白ろう病の予防、治療についてどのような取り組みをしてこられたかお伺いをいたします。
○政府委員(津澤健一君) 御指摘の白ろう病の予防と治療の対策につきましては、まず予防対策といたしまして、健康診断の受診率を向上させますために委託巡回健康診断の方式をとってまいりましたほか、健康診断の実施結果に基づく健康管理でございますとか、あるいは作業管理の強化等を進めますために、ただいま御指摘のように、四十八年、五十年、あるいは作業管理につきましては四十五年、五十年に通達をいたしまして、これらの対策を進めてまいりましたほか、最近は五十二年にチェーンソーの構造規格というものを定めまして、振動の多いチェーンソーを排除するような手だて、さらには五十四年度からはチェーンソーの買いかえ補助制度を創設いたしまして、チェーンソーの低振動化を進めることといたしております。さらには林業関係の事業者の自主的な安全衛生活動を促進いたしてまいりますために、林業労働災害防止規程というものの樹立も五十二年から図ってまいりましたし、さらにはチェーンソー作業従事者に対しまして特別の教育を義務づけてこれを行うということを五十二年から始めておるところでございまして、各般の施策を進めておるわけであります。さらには予防対策を作業現場に徹底させることが必要でございますので、林業関係の事業主、森林組合、行政機関など関係者の一層の御理解と協力が要りますということから、昨年八月には、労働大臣みずからがわが国の代表的な林業県であります長野、岐阜両県に赴きまして現場を視察いたしますとともに、関係機関の連絡会議を開きまして御意見の交換などを行ったわけでありますし、さらに私どもは、昨年九月に振動障害防止ということを主題といたしまして全国の労働基準局長会議を開催いたしまして、その予防対策の浸透、定着を図るための対策を協議したところでございます。 予防と治療の対策を進めてまいりますためには各省庁の協力も必要でございまして、私ども、厚生、林野、労働の三省庁による連絡会議を設けまして、いろいろやるべきことを検討いたしましたわけでありますが、健康診断及び治療機関を定めまして、これらをネットワーク化していくということを目途といたしまして、その実現のために林業振動障害健診治療推進会議というものを各府県につくっていくことにいたしましてそれを進めてまいったわけでございます。 また、振動障害の治療の問題につきましては、五十一年の六月に治療に関します専門家会議の意見を聞きまして、いわゆる振動障害の治療指針というものを作成しました。これによりまして治療内容の向上を期しておるところでございます。さらには、労災病院あるいは労災の委託病棟というようなところに治療のための温水治療機器などの施設も整備をしてまいったところでございます。こうした振動障害防止の進め方といたしましては、作業現場にチェーンソーの取り扱い指針というようなものを浸透させ定着させていくことが大事でございますので、当面の対策といたしまして、さらに五十五年度からは主要な林業関係局から始めまして、いろんな行政機関、関係団体、労働者等から成ります林業振動障害防止対策会議というものを設置して、いろいろ申し上げましたようなことの浸透定着を図ってまいりたいと思っておるところでございます。
○和泉照雄君 白ろう病の原因はチェーンソーの使用時間が非常に長いということで、昭和四十五年の労働省の通達で一日二時間以内と決められたことは御承知のとおりでございますが、国有林の労働者の場合は使用時間が守られて、発病した人はチェーンソーの使用作業から外すと、このようなことが励行されておりますので非常に発生が少なくなった。ところが民有林の場合はこれが義務づけでないものですから、ただ通達でございますので、雇い主の方が守ろうという意欲と、あるいはまたチェーンソーを使っておる労働者自身が生活、そういうことのためにやはりこの時間が守られない。そういうことで国有林では四十九年以降年々減少しております。四十九年の七百八十八人が五十三年には八十七人にまで減少しておるわけでございますけれども、民有林関係では逆に四十九年に二百四十一人、五十年で五百五十六人、五十一年で八百九十九人、五十二年で千三百四十八人、五十三年で千四百三十一人と急激に増加しておるわけでございますが、このように国有林の労働者と民有林の労働者の白ろう病の患者の、一方は激減した、一方は激増したという、ここはどういうところが主なる原因であるか、その見解をひとつお伺いします。
○政府委員(津澤健一君) ただいま御指摘のように、国有林に比べまして民有林での振動障害が多く見受けられるということは事実でございます。これにつきましては各民有林のいわゆる特殊性というようなものがあろうかと存じます。たとえば出来高払い制というようなこともありまして、勢い一日の労働時間が長くなってまいりますこととか、あるいは労働者がいろんな業者間を短期間で転々と移動いたしますために、ある特定の事業者によります一貫した管理のもとに継続的な健康管理をするということが非常にむずかしいということでありますとか、あるいは小零細な事業者が多うございますので、しかもかつ山間僻地で仕事をいたしておりますために、直接的な管理がなかなか及ばないというようないろんな原因がございます。こういったことから国有林に比べまして振動障害の防止対策が十分に浸透していなかったというふうに私どもも見ておるところでございます。
○和泉照雄君 健康障害を生ずるおそれのある業務の作業時間の制限については労働安全衛生法第六十九条で労働省令で定める作業時間の基準に反して業務に従事させてはならない、このように規定がされております。現在作業時間の制限が省令で決められているのは高気圧作業安全衛生規則だけでございます。チェーンソーの一日の操作時間を二時間以内にというのは通達による指導基準でございますから、それを事業主が必ず守らなければならないという義務はないわけでございます。どうしても作業時間は守られにくい。それが患者の発生状況にもこのようにあらわれておるんではないかと、私はこのように指摘したいのでございますが、このような行政指導だけではなくて、労働災害防止計画の主要な対策の中心である振動障害等の物理的要因に基づく健康障害に関する作業時間等の適正化を推進することがこの計画には挙げられておりますけれども、この際、チェーンソーの使用時間については法的に規制することが山林労働者のために必要な時期に来ておるんじゃないかと思うのでございますが、大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(藤波孝生君) 特に先ほどから国有林に比較をして民有林の場合に非常にそういった発生が多いというようなことから、時間を法律で定めるようにしてはどうかと、こういう御指摘でございます。 チェーンソー業務従事労働者の振動障害の防止につきましては、昭和四十五年以来総合的な予防対策を推進をいたしますために通達を出し、またチェーンソーの操作時間の短縮や操作方法の適正化等につきましての指導にも鋭意努力をしてきたところでございます。 さらに、低振動チェーンソーの使用や普及を図りますために、昭和五十二年にはチェーンソーの規格の制定及びチェーンソー業務従事者に対する特別教育の実施につきまして法的に義務づけて予防対策の充実を図ってきたところでございます。 一方、振動障害は非常に多様な症状を呈する症候群とも言うべき病像を呈するものでありますので、その臨床医学的な範囲等につきまして医学的に解明を急いでいただいておるところでございますけれども、なおもう一つ未解明な分野もあるというような報告も受けておりまして、専門家の間でも意見の統一されていない部分がなお残されている状況でございます。それだけではなくて、チェーンソーによる振動の量、反応関係につきましてもいまだ結論を得るには至っていないというのが医学界等の現状になっているわけでございます。 このような状況でございますので、現在の行政指導の内容をいますぐに法律で規制をしていくというのがどうかという、まあ若干のためらいを持っているわけでございます。しかしながら、発生件数等もにらみ合わせながらもっと前向きに取り組んでいかなきゃいかぬ、こういうふうには考えておるわけでありまして、予防対策の内容が浸透をいたしまして定着する段階におきまして規制の仕方を検討していきたい、このように省内ではいま話し合っておるところでございます。 当面は、振動障害防止対策の進め方といたしまして、昭和五十五年度から林業振動障害防止対策会議を設置をいたしまして、この問題点を大きく浮かび上がらせて、チェーンソーの取り扱い、作業指針の浸透等、定着を図るように五十五年度から取りかかっていきたい、このように考えておるところでございまして、それらの浸透状況等も踏まえながら新たなまた対策を講じていくようにいたしたい。その場合には、先生の御趣旨も十分念頭に置いて取り組ませていただきたい、こう考えておる次第でございます。
○和泉照雄君 さっきも申し上げたとおり、やはりあの数字が正直に物語っておるんじゃないか。国有林の方が激減をして民有林が激増しておるということは、時間の守り方にあるということの一つの証左ではないかと思いますので、前向きにひとつ検討していただきたい。 次に、健康診断のことについてお尋ねをいたします。 労働省の統計によって特殊健康診断の結果を見ますと、振動作業受診者の有所見率は一四・四%となっております。有所見率というのは、何らかの所見があった、異常があったということでございます。この一四・四%は他の業種に比べるとかなり高いものでございます。法定の特殊健康診断の場合、有所見率は平均〇・九%で、指導勧奨によるものの平均は七・九%でございます。それからすると、振動作業の一四・四%は全業種の中で飛び抜けて高うございます。これは、山林労働者が通常健康診断を余り受けないで、何か体に異常を感じてからやっと受けに行くから、それで異常が発見される率が高いということではないかと思います。四十八年以降、労災保険の財源で巡回健康診断が行われるようになって、健康診断も患者の認定も本格化したはずでございますが、山林労働者に対する予防対策がまだおくれていることのあらわれではないかと思います。林業関係の一次健診の受診者は、五十二年、五十三年とも約一万四千人でございますけれども、一体、山林労働者のうちどれぐらいの人が受診しているのか、一万四千人は何%に当たるのか、労働省はどのように把握をしていらっしゃるか、お伺いをいたします。
○政府委員(津澤健一君) 御指摘のように、他の特殊健康診断に比べれば振動障害に関係の有所見率が高いことは事実でございます。ただ、この健康診断は、振動工具取り扱いを行います労働者のすべての方に、体に異常があるとないとにかかわらず受診の対象として特殊健康診断を実施しておるものでございまして、一般的にはそういうことでございますが、御指摘のような体に異常が発生してから受診するためではないかというような危倶もごもっともでございまして、そういった面もあろうかと思っております。 先生が数字を挙げて御質問になりました、五十二年、五十三年で一万四千人受診をしておるではないかというこの数字でございますが、これは労働省が委託をいたしまして委託林業巡回健康診断というものをやっております、その対象となった受診者の数でございます。 どのくらいの者が受けておるかということでございますが、私ども過去におきまして調査的な監督指導を行いまして、その際対象となりました約九百事業場の中で、ここに所属しておる労働者が一万八千七百人あったわけでございますけれども、その中で振動関係の特殊健康診断を受けるべき対象の労働者数が七千六百人あったわけであります。で、調査的監督の結果、ただいま申し上げた七千六百人の中の六千三百人が受診をしておられましたという事実をつかんでおりますので、この率だけを計算いたしますと八二%ということに相なりますが、こういったことで一般の事業場におきまする健康診断の受診の率というものを類推いたしますならば、あるいはこれより低いかもしれませんが、一次健診についてはかなりの受診をしておるものと私どもは考えております。
○和泉照雄君 私がお尋ねをしたのは、一万四千人健康診断を受けておるけれども全森林労働者の何%に当たると把握しておられるかと、こういうふうにお尋ねをしたわけです。やはり非常に受診率が低いということを認識をしなければならないということから申し上げたので、何%でしょう。
○政府委員(津澤健一君) 先ほどお答え申し上げました一万四千人といいますのは、私どもが委託巡回健康診断という形で助成金を出しております対象の労働者でございまして、したがいましてこの数は全チェーンソー使用労働者に比べればかなり低い数でございますが、この健診そのものは特殊健診をそれぞれの事業者がやっていただきますためのいわばはずみをつけると申しますか、そういうことの誘導策として実施しておることでございまして、この数自体はそういう意味で少ないわけでございます。したがいまして、全体の労働者の中で何割が受けておるかということについての正確な数字は把握しておりませんので、先ほど調査的監督の結果としてその時点で把握いたしました率は八二%であったということを申し上げておるわけでございます。
○和泉照雄君 先ほども申し上げたとおり、どこかぐあいが悪くならなければ受診をしないというようなことで、労働省の方でいろいろ啓蒙しておられる健康診断を早く受けるという、そういうことをいま少し力を入れなければならないのじゃないかと、こういうふうに思います。 それで、五十二年度の場合は第一次健診の受診者が一万四千八百八十五人、そのうち要二次健診は六千四百六十九人、約四三%であります。全森林労働者の中で本当に低い一万四千の中で、二次健診を受けにやならぬという、そういう方々が四三%もおる。それで、五十二年度の振動病の認定患者は千三百四十八名であります。大体六千四百人の要二次健診の中で療養を要する人は千三百人ぐらいで、あとは二次健診の結果療養を要する必要ないという、そういうような診断結果であったのか、それとも何らかの形で受診ができなかったのか。この一次健診を受けて、二次健診を指定をされて、そして認定をされるというその差五千百人の人たちはどういうようなことで所見がないのか、そこらあたりはどんなように把握しておられますか。
○政府委員(津澤健一君) 要二次健診の労働者が六千四百六十九人のうちその年の新規認定者数が千三百四十八である。この差に関しましては、要二次健診となりました者のうち、その後地域の医療機関などで二次健診を受けまして、その結果健康管理の区分がCというふうに判定されました方々、これは要療養ということでありますが、その方々が労災の手続きを進められまして、業務上の認定を受けたその後の数が新規認定者ということで上がってくるわけでございますが、それ以外の者につきましては、おおむね二次健診を受診した結果、健康管理の区分がCではなくてDあるいはAというふうに決まった方々であろうかと思いますし、また、中には御指摘のように、受診しなかった者もあろうと考えております。
○和泉照雄君 やはり森林労働者の方々の健康診断の啓蒙がいかに行き渡ってないかということがはっきりわかると思います。 それで、労働安全衛生法では、有害な業務に従事する労働者の健康診断が第六十六条の第二項で義務づけられております。この有害業務従事者の中にはまだチェーンソー作業員は含まれておりません。チェーンソーの作業員の場合は行政指導で行われておるようであります。前に見た労働省の統計でも、健康診断が義務づけられている業種の方が有所見率は低いのですから、義務づけられてないこの白ろう病、チェーンソーの使用者の労働者の方が高いわけでございますから、健康診断を受診できるようにすることがまず健康管理の第一歩であることがわかると思います。 山林労働者は零細企業で働く人が多く雇用も不安定ですから、白ろう病であることがわかると雇ってもらえない、請負は出来高払いだから健康診断のために休みたくない、あるいは作業場は山の中の不便なところであるから、別にいま体に異常がないからわざわざ仕事を休んでまで健診にはいかないとか、いろいろな理由で全員の健診はなかなか望めないのが現状ではございます。本当に健康診断の受診が必要なのは劣悪な条件のもとで働いているこのような零細企業の労働者ですから、山林労働者の健康を守るためにはチェーンソー作業員の健康診断を事業主に義務づけるべきであると思うのでございますが、いかがか。 振動病予防のための事業主の措置は大部分が通達で行われておりますから、事業主は義務としての受けとめがほとんどないようであります。これでは振動病の絶滅は図れないのではないかど思いますが、大臣いかがですか。
○国務大臣(藤波孝生君) 先ほどチェーンソーの作業時間の二時間継続のところでもお答えをしたのと同じようなことをまた繰り返すことになりますが、振動障害は、先ほども申し上げましたように、非常に多様な症状を呈する症候群とも言うべき病像を呈しておるものでありましてその臨床医学的な範囲等につきまして医学的に未解明の分野があり、専門家の間でもコンセンサスの得られていない状態にございます。そんなことから行政上の措置といたしまして昭和四十八年に特殊健診項目を示し、また昭和五十年には特殊健診の実施、手技及び健康管理指針を定めまして関係者に周知徹底を図りますとともに、行政指導を進めてきたところでございます。今後も当面はこの指導を強化いたしまして、ぜひ健康診断が適切に進められていくように強く指導してまいりたいと思います。 なお、法制化ということにつきましては、先ほどもお答えを申し上げましたが、今後専門家の間におきまして医学的なコンセンサスが得られるというような段階を迎えましたならば、その時点で先生の御指摘の御趣旨を踏まえまして検討させていただきたい、このように考えておる次第でございます。
○和泉照雄君 御承知のとおり職業病というのは人為的な病気ですから、適切な対策をとれば予防ができますし、早期に手当てをすれば治療も困難ではないはずでございます。それが予防対策が不十分で発見がおくれては対策が後手後手に回り、そのしわ寄せを受けるのが患者でございます。治療施設と専門医の不足で本格的な治療を受けられずに苦しんでいるのが白ろう病の患者ではないかと、このように思います。 振動病の専門病棟は、昭和五十四年に奈良県の大淀病院に振動障害特殊医療センターが建設をされ、その専門病棟では本格的な治療が行われるようになりました。振動病の治療は各地の労災病院で行われているようでございますが、もっと専門病院を充実させていくべきではないかと思いますが、今後専門病院の建設を進める計画をお持ちかどうか、お伺いをいたします。
○説明員(小田切博文君) 労働省でやっております病院ということになりますと、いま先生のお話にございました労災病院、労災保険事業の一環としてやっております労災病院というようなことになるわけでございますが、現在その労災病院は全国に三十五カ所ございまして、いまお話にもございましたように、振動病の増加に対応いたしまして、それに必要な治療と設備というようなものを順次充実整備を図ってきているところでございます。現在三十五の労災病院の大部分にそういうような施設は設けてきておるところでございます。 さらに、それに加えまして、いまもお話がございましたが、たとえば奈良県の吉野の林業地帯を背景にいたします大淀町につきましては、労災保険の具体的な事業の中に労災委託病棟というようなものもございますが、それを活用いたしまして、白ろう病専門の病棟をつくりまして、そこにございます病院に運営を委託しておるというようなこともやってきたわけでございます。 何にいたしましても、振動病患者は非常に山村僻地で多く発生するわけでございます。したがいまして、手近なところで治療を受けるというようなことも非常に必要かと思っておるわけでございますが、そういうような観点から、振動病につきまして必要な診断のための機器ないしは治療のための機器を労働福祉事業団で用意いたしまして、それを地元のたとえば公立病院等に貸し付けをするというような制度も私どもやっております。 そういうようなことで、いろんな施策を講じまして振動病治療対策を今後とも充実してまいりたいというふうに考えておりますが、さしあたって、先ほど申し上げましたように、手近なところに必要な治療施設があるというようなことが肝要かと思っておりますので、大規模な施設というようなものをつくるというようなことは当面考えておりません。
○和泉照雄君 次はじん肺についてお伺いをいたします。 じん肺は各種の粉じんを吸入することによって肺に繊維増殖性の変化が起こり、次第に肺機能が低下する職業病でございます。かつては鉱山労働者の中に見られ、不治の病として恐れられていたものでございますが、歴史的にも最も古い職業病でございます。このじん肺に対する対策は、昭和三十五年にじん肺法が制定され、粉じん作業労働者の健康診断を義務づけ、異常があった場合の健康管理や作業転換のための施策がとられ、昭和五十四年からは作業環境管理面での規制も充実されましたから、制度上の対策は整備されたはずでございますけれども、じん肺の患者は近年急に増加をしてきており、労働省の統計によると、五十二年には二千三十九人のじん肺患者が発生をしておるようであります。粉じん作業は鉱山や採石場だけではなく、トンネル工事とか地下街の建設工事、さらには陶磁器製造など製造業の中にも広範にわたってございますが、最近のじん肺の増加は、従来から発生した業種でふえているのか、それともこれまで発生していない分野にも広がっているのか、最近のじん肺の発生状況についてお伺いをいたしたいと思います。
○政府委員(津澤健一君) 近年のじん肺の発生状況につきましては、ただいま御指摘のように、いろんな職種、業種にも多様化の傾向が及んでおるように私どもも考えておりまして、有所見者あるいは有所見率というものも漸増の傾向にございます。ちなみに数字を申し上げますと、最近三年間におきまする、これは全産業ではございますが、有所見者の数は、五十一年が一万九千百九十三人、五十二年が二万三百十人、五十三年が二万一千九百四人というふうに漸増をいたしております。このような増加傾向があります要因としてはいろいろございますが、一つにはじん肺作業に従事しております労働者がだんだんに高齢化をいたしておりますし、従事期間が長くなっておるというようなことも原因かと考えております。
○和泉照雄君 御承知のとおり、もうじん肺は治る可能性が非常に薄く、現在の医学ではこの病変を回復させる有効な治療の方策は確率されていないのが実情のようでございます。ですから、療養はこれ以上重くならないよう防止をするか、合併症を治療していまより少しでも楽になるようにするのであって、病状が進んで肺機能が低下すると、ちょっとした坂道を上るのにも数回休まなければならない、ひどい人は寝たきりになってしまいますから、じん肺対策は何としても患者が発生しないよう予防に万全を期することであると思います。それにはじん肺の原因である粉じんの発生を抑える生産工程や作業方法を改善するなど、有害な粉じんから労働者を守る作業環境対策は言うまでもありませんが、早期発見のためには健康診断が重要であります。健康診断は特殊健康診断が就業時、定期、定期外、離職時に行うことがじん肺法で事業者に義務づけられているので、企業で働いているときは健康診断は比較的受診しやすいし、健康管理も行われると思いますが、一たん離職してしまいますと、よほど異常がないとなかなか受診しにくくなります。じん肺は発見したときに適切な措置をとらないと十年二十年後に悲惨なことになるのが粉じん作業からの離職者の状態でございます。ですから、粉じん作業からの離職者の健康管理については労働省はどのような対策をとっているのか、お伺いをいたします。
○政府委員(吉本実君) じん肺法ではただいま先生御指摘のように、粉じん作業者に対する健康診断といたしまして、就業時、定期、また定期外、離職時等一定項目につきまして健康診断を義務づけておるところでございます。特に先生御指摘の、離職後の管理はどうなっているかということでございますが、粉じん作業にかかわる業務に従事する労働者であった者で、じん肺の管理区分が管理三である者につきましては、離職後に管理三になる者も含めまして、こういった方々につきましては離職の際または離職の後におきましても都道府県労働基準局長がこれらを管理するための健康管理手帳を交付することにいたしまして毎年じん肺健康診断を実施するよう適切な健康管理をやるようにやっているところでございます。
○和泉照雄君 じん肺は十年、二十年と療養することになりますから、一家の大黒柱が倒れると生活はなかなか大変でございます。ことに労災保険から落ちこぼれてしまった人、つまり昭和二十二年の労災保険法施行前に勤めをやめてしまったが、その当時に鉱山、採石場などで有害な業務に従事していたことが原因で長期間たってからじん肺を発病した人は労災保険の適用は受けられず長い聞苦しんでおりました。ちょうど私どもが昭和四十八年鹿児島県の山ケ野金山のけい肺病を患った方々三百名についていろいろ実態調査をしまして労働省に救済方を申し入れたところが、温情ある計らいで昭和四十八年九月から労災保険の労働福祉事業である労災特別援護措置で療養給付については労災に準じて受けられるようになり医療費の心配はなくなったのでございますけれども、それでも現在はなお苦しい生活を続けているのが実態でございます。 いま一つの例を挙げますと、大分県の場合でございますが、六十八歳、七十二歳、七十一歳、六十歳の方ですが、じん肺の認定はいずれも四級となっています。四級というのはじん肺の健康管理区分の管理四のことで、じん肺の管理区分の中では一番重いのでございます。管理四は、じん肺法の管理区分によれば、エックス線が第四型と認められるもの、四型というのは「大陰影があると認められるもの」であります。また「エックス線写真の像が第一型、第二型、第三型又は第四型で、じん肺による著しい肺機能の障害があると認められるもの」となっておりますが、いま挙げた四人のうち三人は入院中であります。七十歳という老齢になって三十年以上も前に多量の粉じんの中で作業をしていたことが原因でいまも病気に苦しんでいるのでございます。しかもこの人たちは、入院中の人は当時の金額で月額二万九千円、現在は三万円でございますが、通院の人は一万二千円が雑費として支給されるだけでありますから、医療費は援護措置の方から出ているといっても生活の保障は何もなぐ、生活は非常に苦しい厳しいものでございます。同じじん肺患者の中でも労災保険適用者には、年金額は十分でないということはあってもともかく年金の支給がございますが、同じように粉じんの中で長年日本の産業の担い手として働いて、そのために多量の粉じんを吸ってしまいじん肺にかかってしまった、それが労災保険施行以前のことであった、施行前に勤めをやめた、やめた時期が少し早かったというだけで傷病年金や障害年金もなく生活に苦しんでいるのはお気の毒なことであると思います。長い間のじん肺の闘病で身も心も疲れ切っている、こうした人々に幾らかでも安心して生活ができるような措置がとられないものか。何分にも古いことではございますけれども、大臣の温かい御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(藤波孝生君) 先生御指摘のように、二十二年に労災法が施行されまして、それ以前のじん肺の、その後病気になって闘病生活を送っておられる方々のために、事業主のある場合には事業主に対して強く指導していくということ、それから事業主ももういないというような場合に、いまお話しのように特別の援護措置を講じてきておるところでございますが、いま私の手元にも資料としてその金額がございますので、いまもそれを考えていたところでございますが、先生御指摘のような環境、条件でその後ずっと闘病生活を続けてきておられるという方が、やっぱり新しい法律が生まれるときにはその以後の方と以前の方とはどうしてもその段差ができてしまう。いろいろな経過措置とかそこの穴を埋める措置等をいろいろ講じてくるわけでございますけれども、特に病気といったようなことで苦しんでおられる方の場合には、その悲惨さが、なお法律以前の問題ということでは悲惨さが大きくなるというふうに痛感をするわけでございます。 今日の措置といたしましては、御指摘のありましたような援護措置できておるところでございますけれども、さらに実情をよく調査をいたしまして、まあ、いまさら調査でもあるまいという御意見もありましょうけれども、よく事情等を調べさせていただきまして、まさに先生御指摘のように時間のたっておることでございますので、それがどのような新たな措置が講ぜられるかどうかと思いますけれども、あらゆる努力をしてお気の毒な方々にどれだけでも福音になるような構えができないか、十分前向きに検討してみたい、こう考えますので、具体的な回答になりませんけれども、少し努力をしてみることを見守りをいただきたいと思います。
○和泉照雄君 ちょうど四十八年に私どもが鹿児島県で実態調査をしたときには、四十八年の五月でございました。ところが、九月という四カ月の間にすぐそういう援護措置をとっていただいて本当に喜んでをるわけでございます。そういうことで、もう高齢者でございますので、余り時間をかけますとですね、ですからいま大臣がおっしゃった温情ある計らいを早急にひとつぜひやっていただきたいと、このことをお願いを申し上げます。 次は労災法の適用後の方々でございますけれども、じん肺罹病者の長期療養中の人々は、年金をもらっておる人でもほとんどが一カ月十万から十二万円の範囲の傷病補償年金が支給されて生活をしておられるようでございますけれども、家族の多少ということによらないで本人の給与によって算出をされておる年金でございますので一大家族の場合は非常にこれもまた生活が苦しい状態でございますので、家族構成を考慮した傷病補償年金制度ということを検討をしていただくべきではないかと、こういうふうに思うのでございますが、この点もひとつ大臣に御所見をお伺いをいたします。
○国務大臣(藤波孝生君) 御指摘の労災保険の保険給付自体は、一貫して労働者が労働災害によって失った稼得能力をてん補するということを目的として行うこととなっておりますことは御高承のところであろうと思います。そのために年金などの現金給付につきましては、労働者の被災直前の賃金を基礎に算定することになっております。この仕組みの変更は、失われた稼得能力のてん補を目的とする労災保険制度の基本にかかわる問題でございますので、正直言って慎重を期して考えてみなきゃいかぬと、こういうふうに思うわけでございます。 いずれにいたしましても、労働者が被災以前にはその受けていた賃金により家族を含め生活を維持していたという事実の上に立っておるものでございますので、被災以前の賃金を基礎とする現金給付は、その意味では家族のことが考慮されていないわけではないわけでございます。なお、傷病補償年金受給者及びその家族の援護を図りますために、労働福祉事業の一環といたしまして、保育を要する幼児や学校等に在学する子弟の教育費等を援護するためのいわゆる労災就学等援護費を支給をする。また、常時介護を要する被災労働者の介護に当たります家族等の援護を目的とする介護料の支給などの措置を講じているところでありまして、今回の労災保険法の改正とあわせまして、これらにつきましてもさらに改善を図る予定になっているわけでございます。そのまま御趣旨に沿うことにはならないかと思いますけれども、この法律の仕組みの構えておる趣旨から考えまして、その周辺の条件を改善をしていくというような努力を今後も続けていくということで、できる限り御趣旨に沿うような方向に努力をしてまいりたいと、こう考える次第でございます。
○和泉照雄君 次は身体障害者の訓練校の問題について御質問をいたします。 私は身体障害者訓練校の問題をちょうど二年前、五十三年の三月に当委員会で質問をいたしました。身体障害者の訓練校の抱えている問題、中でも入校者が少ないということ、これが原因で生徒募集のあり方に問題があることを指摘をしたのでございます。当時、定員に対して入校者は平均では七〇%程度でございました。そのうち大阪、兵庫は九〇%以上の入校者でありましたが、低いところでは五〇%以下というところもあり、地域によってかなりばらつきがあるようでございます。その後の入校者の状態はどうなっているか、報告をしていただきたいと思います。
○政府委員(岩田照良君) ただいま現在全国に身体障害者の職業訓練校は十五校ございます。国立が十一、県立が四つございまして、そのほかに中央身障校が一つございますが、この中央身障校は今年度開設になったものでございますので、これを除きます十五校の五十四年度におきます入校状況を見てみますと、訓練定員二千五名に対しまして入校者が千四百二十九名ということになっておりまして、大体七割前後の入校率となっているところでございます。
○和泉照雄君 これは鹿児島のことでございますが、鹿児島の身体障害者の入来の訓練所の場合ですが、ことし一月三十日で、去年の十月ごろから始まっておった第一次募集を締め切ったところが応募者は昨年の半分以下で三十四人しかなかった、定員は百名のようでありますから、そうしますと約三割ちょっとというところでございますが、その後二次募集をしたそうですから最終的にはもう少し応募者はあるでしょうが、「恵まれた温泉つきの施設で機能回復を図り、自活の道を開くために」とパンフレットなどでPRしておるようでございますが、このように応募者が少ないのが実態でございます。ここは、科目は時計修理、電子機器、洋服、洋裁、義肢装具、園芸、経理事務の七科でございます。訓練終了者の就職率は九〇%で、大体就職先はあるのですが、どうして応募者が少ないのか、訓練校が身障者にとっていま一つ魅力がないからではないかと思うのでございますが、この点はいかがですか。この点を検討しないで、ただ何とかして定員を充足しようと入校者集めに無理をすると、前回私が指摘したような、訓練校を終了して三カ月ぐらい就業させて、そしてまた再度そこをやめて訓練校の生徒に再入所させるような、いわゆる生徒のたらい回しというようなことが起こると思いますが、この点はいかがでしょう。
○政府委員(岩田照良君) まず最初に鹿児島の身体障害者訓練校での状況をお答えいたしますと、先生御指摘になりましたように、最初の第一次募集におきましては三十五人の応募者しかございませんで、そのうち三十四人の入校が決定しております。それから第二次募集を三月十五日の締め切りで行いまして、これにつきましては四十二名の応募がございまして、明日三月二十日に選考が行われることになっております。そういうことで、大体定員百名に対しまして現在のところ応募者合計が、その決定いたしましたものも含めまして七十七名ということになっている現状でございます。 それからその次の点でございますが、どうして入校率が鹿児島の場合等において少ないのだろうかということでございますが、鹿児島の場合、この訓練校におきます訓練科目が必ずしも応募者といいますか、身体障害者の受講希望者の希望とうまく合致していないということがひとつ大きな問題として言えるのではないかと思いますので、これにつきましては、今後とも職種の転換あるいは新設、増設、そういったふうなもので対処していきたいというふうに考えているわけでございます。こういったふうなことをやりませんと、先ほど先生お話しになりましたように、いわゆるたらい回しといいますか、そういった現象もあるいは起きてくるのかもしれませんが、私どもが先生に前回指摘されまして調査いたしました限りにおきましては、そういったものは見つからなかったというふうに承知している次第でございます。
○和泉照雄君 鹿児島の場合も、先年まではそういうふうに余り急激な落ち込みはなかったわけですが、このように二次募集までやってもやはり半分までならないということになりますと、いままで軽い人、中程度の人、そういう人たちの就職の場が拡大をして、そしてあと残ったのは重症者という点もあるんじゃないかという判断もするわけでございますが、いまおっしゃったとおり、科目が、たとえて言いますと時計の修理というのはもうほとんどいまは合ってないんじゃないかと、こういうふうに思われる、そういう科目の問題。あるいはまた年限が一年間では、習得をするのに、そして就職をしても使いものにならないという、そういう問題もあるんじゃないか、こういうことになりますと、やはりいまの訓練校のそういう基準といいますか、そういうことも改めて見直す必要があるんじゃないか、一年半とかあるいは二年とか、そういうようなふうにして、そしてしかも単一なやつだけの能力じゃなくて多能力の、何をやらしてもというような、そういう振り回しのきくような技能を習得させるということも考えた方がいいんじゃないかと、こういうふうに思うわけでございますが、大臣いかがでしょう。
○国務大臣(藤波孝生君) 先般来の御質疑の中に、労働行政の中で雇用関係の法律であるとか給付金を少し整理したらどうか、わかりやすくしたらどうかという御指摘がございましたのに対しまして、いまいろいろな角度から労働行政を見直しておりますというお答えを申し上げたところでございますが、職業訓練につきましても、新たな目標を掲げていま鋭意努力をしておるところでございますが、わけても障害者の方々の職業訓練の問題は、いかにして一人一人の個性や能力を生かしながら訓練を進めるか、対応するかということは非常にむずかしい、しかも非常に大事な課題でございます。鋭意訓練局では、それらの実態を踏まえながら、改善できることがあれば改善をしていかなきゃいかぬという姿勢で取り組んでおるところでございますが、先生の御指摘にあります、科目でありますとかあるいは年限でありますとか、これはまあ労働省が主人公ではなくて障害者の方々が主人公で、そのために行政がサービスしていくということでなければいかぬわけでございますから、いろいろ地域地域のニーズ、実情に対応して行政を進めていかなければならぬと考えておりますが、具体的にそのように改善をしなければならないところがあればどんどんと改善をしていこう、そういうような姿勢ではいるわけでございます。 具体的にこの配置の問題などにつきましても、昨日からもいろいろ議論を省内でしておるのでありますけれども、どこかでまとまっていい職業訓練校をつくるというのがいいのか、それともやっぱり、少し規模は小さくても幾つもつくって、なるべく住んでおられるところの身近なところにつくっていくというようなことを考える方が障害者の方々にとっては大事なことなのか。いや、それはやっぱりある程度きちっとしたものを少しまとまったブロックの中で構えることの方が大事だと、いろいろな従来も議論も重ねてきておるところでありますけれども、そういったこと等も少し基本的に議論をしながら、どう対応していったらいいのかということについては今後も真剣にその検討を進め、かつ努力をしていきたい、このように考えておるところでございますが、具体的にこういう地域ではもっとこうしろというような御指摘がございましたら、ぜひ御指導をいただきまして、しかも実情も十分私どもの方も調査をし、踏まえさせていただいて努力をしていくようにいたしたい。基本的にはそのように考えておる次第でございます。
○和泉照雄君 最後に、ちょっとこれは苦言になるわけでございますが、来年は確かに国際障害者年ということを聞いておるわけでございますが、現在いま審議をされている昭和五十五年度の予算案を見ますと、労働省では身体障害者に対する職業訓練の推進という中では二十九億四千一百万円の予算を計上されておるようでございます。ところが、昭和五十四年度の予算は三十二億一千二百万円であり、これより二億七千一百万円の減額と、このようになっておりますが、身体障害者の職業訓練の充実が時代の要請となっており、しかも来年はそのような大事な年を迎えるということからも、この減額措置は私は納得ができないわけでございますが、どうしてこのように減額になったのか。この内訳等を含めて説明を願いたいと思います。
○政府委員(岩田照良君) 先生御指摘のように、五十五年度に予定されております身体障害者訓練校関係予算の数字は五十五年度で二十九億四千百万円、五十四年度が三十二億一千百万円ということになっておりまして、総経費で見ますと二億七千万円減っているわけでございますが、この内訳を見てみますと、五十四年度におきましては静岡県立の身体障害者の職業訓練校の設置に要します費用の半分、これを国が補助金として出すわけでございますが、その金額が二億三百五十二万九千円ございました。そして、さらに同じく五十四年度には東京の身体障害者職業訓練校の建てかえということで一これは二年間にわたってでございますが、五十四年度分といたしまして六億六千四百万円ございました。ところが、これが五十四年度中に完成いたしましたので、この分がなくなったわけでございます。この合計が八億六千七百万円でございます。ところが、これに対しまして五十五年度では新しく兵庫の職業訓練校につきまして、これを建てかえるということで五億三百五十四万四千円を計上しております。この五十四年度に建てかえ等で考えておりました八億六千七百万と兵庫の新しく建てかえる分といたしましての五億と、この差額が三億六千四百万円余りございます。この分が減ったものでございますので、こういうふうな先ほど申し上げましたような総経費の減の主な理由になっているというのが実情でございます。
○小巻敏雄君 日本共産党を代表いたしまして、藤波労働大臣に本日はまず労働条件の問題についてお伺いをしたいと思うわけであります。労働の軽減という問題は労働行政の重要任務である。この問題を達成することによって、一つは巨視的に見れば雇用拡大につながってくるという問題、もう一つは、厳しくなっていく労働条件の中で、労働者の健康の維持に資するという問題があると思います。これは国民の全体的な世論だと思うわけであります。あわせて国外からも、日本の働き過ぎに対しては大きな批判もあるところだ。こういう状態の中で、二年前には次官通達、局長通達等を出されて、労働軽減のためにいろいろやってこられておると思うわけですが、その点はいまどういう状況で進んでおるのか、いま何が問題なのか、中心課題は何かというような点について簡潔にお願いをしたいと思うわけです。その上で続いてお伺いいたします。
○国務大臣(藤波孝生君) いまお話のございました労働時間を短縮する、労働条件を、できるだけ一人一人の労働者の労働を軽くしていくということの問題点は、先生御指摘のように、国際的に見ても日本が非常にいままでそういった面での努力がおくれていたという一面がございますし、また国内的に見ましても、これから高度成長から低成長の時代に入ってまいりますについて、高齢者がどんどんと増加をする、あるいは婦人労働者がどんどんと職場に進出をするといったような新しい動きもどんどん出ておりまして、そのような中で分かち合う時代という意味で一人一人の労働を軽減をして、みんなが分かち合って仕事についていくという時代の様相をもっと濃くしていかなきゃいかぬ、こういうふうに労働行政上とらえているわけでございます。当然労働者の福祉を増進するという、これは本来の意味からいっても一番これが眼目でありますけれども、進めていかなきゃいかぬということになっておりまして、その努力を重ねてきておるところでございます。当面は昭和六十年度に先進国並みの労働条件に持っていくようにあらゆる努力をしてまいりたい、第四次の雇用対策基本計画等十分踏まえまして、そういった考え方で進んでいく努力をしておるところでございます。 一つは、週休二日制の問題がございますが、従来も努力を重ねてまいりまして、徐々に労使のいろいろな話し合いの中で週休二日制の問題が大きな議題になり、非常に前進を遂げてきておるわけでございます。 また労働時間の問題につきましても、労使の間のいろいろな話し合いが進められておりまして、これなども昭和六十年度に先進国並みを目指している労働行政としての立場で、徐々にそういった機運が醸成をされて、一般化していくことができる、このように考えて、さらに行政指導を強く進めていくようにいたしたい、こう考えておる次第でございます。 労働省といたしましては、いろいろな機会にそういった方向の重要な意義を打ち出しまして、労使双方の協力を求めていくようにいたしたい、こう考えておりますが、ただいまも日本商工会議所の本年度の総会に出まして、ぜひそういった時代に向かって、さらに八〇年代の経営者として努力を重ねてもらいたいとお願いもしてきたところでありますが、いろいろなところでそんな努力を重ねていくようにいたしたいと思います。 なお、少し具体的に担当局長からさらに御説明を申し上げたいと思います。
○政府委員(吉本実君) ただいま大臣の申しましたとおりの基本方針でございますが、特に重点といたしましているところは、一つは過重な労働時間というものを是正していこうということ。それから二つ目は、やはり年休の取得状況というものは必ずしも十分でございませんので、そういった点についての指導をしていきたいということです。第三点がただいまお話のありました週休二日制の推進を図っていくと、そういった三点のところに重点を置いて私どもの時間対策を推進していこうと、こういうことでした。
○小巻敏雄君 一口に言って、昭和六十年を目指すということですが通達を出された時点からすでに二年間たっておるわけですね。それで今日までよくなっておるというふうに把握しておられるのか。たとえば年休消化はどんどん行われるようになっているのか、あるいは長時間労働はおおよそ実態的に消滅しておるのか、こういったふうな問題が労働行政を進められる上で大事な問題になってくると思うのです。 私どもも共産党として、大阪府並びに周辺にもかかわりがあるわけですが、この調査をやってみたわけであります。いろいろ労働者から直接に話も聞き、いろんなケースもながめてみますと、十二社ぐらいの関係で四十数点の問題点を感じて、実は大臣も御承知かと思いますが、大臣あてにいろいろ指導、是正を求める——露骨なものもあればなかなか巧妙に仕組まれたものもあり、労働基準法に照らしてながめて適切でない、この通達の趣旨にも反するというようなものを発見をしておるわけであります。 〔委員長退席、理事穐山篤君着席〕 今日時点での一般的な状況を見ますと、企業危機と、こういう打ち出しのもとに、実際には労働軽減どころか、時間内労働の密度がとりわけ大企業では非常に濃密化し、高められておるということが言えると思うわけです。時間外は残業ゼロ運動とか、自主研修、サービス残業、ふろしき残業というところまでやってくるわけで、形態的には、会社の勘定では残業の数が減っておっても、実際には個別の労働者が残業を強いられるというような形態もかなりの状況で見受けるわけであります。特にそれが経営内容の悪くない企業の中で一層組織的、系統的に行われているという問題がある。 そもそも指導される立場に当たっては、それは一律に労働軽減させようと言っても、中小企業なんかの場合にはコストアップで倒産をするというようなことがあれば、一律にはいかぬとわざわざ通達の中にも書いてあるわけですね。しかし実際問題としては、生産性向上の成果を配分するどころか、コストダウンさせていくためには社会正義などは眼中にないんじゃなかろうかと思うような実態を幾つも見ておるわけであります。 そこから生まれてくるものは、一つは時間内労働としての極端に切り詰められた人員と過大なノルマ達成のためのスピードアップですね。これがかんばん方式というようなものも自動車関係、金属関係なんかでは取り入れられておりますし、それから電器産業なんかではベルト・コンベア・ライン、ここでは秒単位の動作がずっと押しつけられて、休憩時間以外は連続無休憩で、頸腕障害というようなものは最近になってもふえ続けておるわけです。こんな病は、少なくとも戦後二十年ぐらいはなかった病であります。こういう状況ですから、労働が実態的に軽減されておるのではなくて強化されておると言わざるを得ないと思うわけであります。 このかんばん方式ということはどういうことか御存じですか、どうですか。
○説明員(岡部晃三君) かんばん方式というのは、実はよく存じ上げませんが、自動車あるいは鉄鋼等の生産工程における、製作工程のスピードアップの方式というふうに理解いたしております。
○小巻敏雄君 抽象的に言えばそういうことなんですが、いろいろ具体的なあらわれ方があるようですね。部品を一切本社では製造せずに、下請に押しつけるかんばん方式というのは、納期を決めておいて、必要なときに必要な量をぱっと持ってこさせるというので、下請の方がかなりにしわ寄せを食らって、まいっておるというようなのもある。本社でやるかんばん方式というのはどういうことかというと、これは自動車の場合ですね、ずらっと整備をした順番で、用意ドンといってボーンと始めていくような形態の、非常に労働密度の高いやつをかんばん方式と言っておるわけであります。 こういうかんばん方式というシステムが入ったら職業病の発生が多発するわけですね。ところが会社では、概してその職業病を発生させると不名誉にもなると、抑え込もうと無災害運動というようなので、全体で職場にあてて展開をする。こういう状況の中で、私どもにある訴えでは幾つもの問題が起こってきておるわけであります。 まず一つは、災害の問題であります。災害を受けた者は一体どのように救済をされるのかというようなわけですけれども、災害を受けた者がまず現場で現認をしてもらって、みずからの望む医者へ行って、そして労災の取り扱いを受けるというのが当然なことだと思うわけでありますが、この点はどうでしょうね。
○政府委員(吉本実君) 労災保険は業務上の疾病につきまして保険給付をいたすということは御承知のとおりでございますが、御設問のように、企業内で事故の確認、現認をしないでやるというようなことは特別私どもは承知いたしておりませんが、仮に事故の現認がその場で行われなかった場合でも、業務上・外の認定の過程の中で必要な実地調査なり事情の収集等を行いまして、災害発生の事実関係を究明し、事実に即して判断をいたしたいというふうに思っております。
○小巻敏雄君 さらに、指定医師とか特定病院の診断以外には受けつけないという態度を企業がとれば、これはどういうことになるんでしょうね。この点も労働者の側に医師の選択権あるいはどこで診断書を書いてもらうかというようなことは権利があるんじゃないかと思うんですが、どうですか。
○政府委員(吉本実君) 御指摘のように、労働者の疾病をどの病院で、またはどういう医者のもとで治療を受けるかという選択権は、これはもう当然、被災労働者の自由意思に任されておるところでございます。ただ、労災保険の給付の決定に当たりまして、その選択した主治医の意見をもとにしつつ、さらに必要があれば専門医の意見も聞いて公正に判断しておるというところでございます。したがいまして、仮に企業で指定する医師なり病院の意見以外は認めないというような扱いを行う者があったとしましても、労災保険におきます業務上・外の認定に関しては、そういった拘束を受けるものではございません。
○小巻敏雄君 たとえば、ここでも私は聞きなれない言葉を聞いたんです。赤チン災害があるわけですね。 〔理事穐山篤君退席、委員長着席〕 現場でけがをした場合には上役の方で、おまえこういう小さなけが——まあ指が一本おかしくなったというようなけがをやった場合に、これは表ざたになると、たとえ労災では取り扱いを受けても、後で月給も下がるし、会社の中における立場も悪くなるし、おれが引き受けたといって、現認をとらずに指定した病院に連れていってそのまま健康保険でやってしまうとか、さまざまな問題が出ております。これらの問題については、ずばり事実が確認されたら現認しないという問題と、医師や病院について本人の意思を尊重しないというような問題ですね、こういったふうな問題はすぐに是正対象になると思いますが、どうですか。
○政府委員(吉本実君) ただいま申し上げたとおりでございまして、必ずしもその一方だけで判断するというわけにはいかないんではないかというように思います。
○小巻敏雄君 災害隠しほどぼくは人道に反するあり方はないと思うんですね。この点については、本日時間もありませんから、文書で提出をしておりますから、これらの問題については一つずつのケースについて、この点、いま言われましたように労働者の権利を貫くことができるように、十分な現地の調査と御指導を願いたいと思うわけです。 残業ゼロという問題があるわけであります。残業がゼロになるのはよいことなわけですね、指導上。ところが、実際には残業ゼロ運動というのは会社がシステムとしてとっておって、サービス残業とかふろしき残業というものをいっぱい売り出しておるわけです。おわかりですか、局長、サービス残業とかふろしき残業というような単語は一体何を意味するのか。
○説明員(岡部晃三君) よく巷間言われでおりますサービス残業といいますのは、要するに労働時間にカウントすることなく、いわばその労働者個人のサービスを提供するというふうな形で、たとえば割り増し賃金の支払いの対象となることなくその部分の労働をすることとか、あるいはふろしき残業といいますのは、ふろしきに包んで持って帰って家でいわば残業をする、こういうふうなことを巷間言っているのであろうと承知しております。
○小巻敏雄君 会社の方から調べれば残業はゼロになっておって、実際労働者の方から見れば残業があるから、そういう状態が言葉としても定着をしてくるわけであります。これがもたらされるためには、実際上合理化の中で残業ゼロ運動というのは必ずさようなものを生み出していると見ていいと思いますし、なお、ゼロとまで言わなくても枠づけというのが非常に一般的に行われておるわけです。これも、長時間労働を労使の協定でなくしていくために前進の方向で位置づけられる筋のものなんですね。実際にはこれ、枠を超えれば超えた分については三割の割り増し賃金をカットしておるというような例は随所に見られるわけであります。あるいは申告制というものをとっておって、労働者の方から、自分も協定で合意をした枠があるにもかかわらず、ノルマ達成が悪くて長時間労働でノルマを達成したというのは、申告制で申告がやりにくいというような状況の中で生まれておるものがあるわけでありますが、この申告制とか枠の問題について、実態に即して、現実にオーバーする超勤があった場合はどうされますか。
○説明員(岡部晃三君) 時間外労働を極力削減いたしますために、たとえば労使間の協定におきまして一定期間における時間外労働の時間数の上限を設定する、いわば枠をつくるというふうなことそれ自体は、一つの努力目標として望ましいことであろうかと思います。ただ、法律的な見地から見ました場合に、その法定の割り増し賃金と申しますものは、法定の時間外労働時間数の実績に応じましてこれは支給されなければならないということは言うまでもないことでございます。したがって、もし実績に応じた割り増し賃金の支給がなされていないということがあるといたしますれば、それは労働基準監督機関として厳正に是正を求めなければならないということになろうかと思います。 それからまた、いま言われましたノルマ、自己申告によるノルマというふうなお話がございましたが、もしこれが客観的に明らかに法定の時間外に労働を行うことを黙示に指示をしているというふうな意味内容でありますれば、これは法定の時間外労働として処理する必要もこれまた生ずるということであろうかと思います。いずれにいたしましても、それらのことは具体的な事案に即して適切に対処をすべきものであろうと思います。
○小巻敏雄君 どんな協定があろうが、あるいは会社の方針があろうが、現実に四十時間を超えて、八時間労働を超えて残業の実態があれば、調査の結果それが明らかになった場合には当然割り増し賃金の対象として支払われなければならないと、こういうふうに受け取ってよろしいわけですな。
○説明員(岡部晃三君) そのような実態があればそのとおり支払わなければならないということでございます。
○小巻敏雄君 残業ばかりが時間外労働ではないわけですね。いま非常に現場の工場というのはシビアになっておりまして、以前は大抵入り口のところにタイムカードというのがあって、出勤というのは入門をするときに確認をされた。これ、なくなっておるところが非常に多いわけです。現場到着主義、モーターが動き始めたときから勘定をするというような状況がある。これは実態としては非常に大きな早出、残業を強制をしておるわけです。こういうものが一般化しますと、三十分以内で毎日お茶くみその他をやるのが慣例化しておる女子職員とか、あるいは仕事を始める前に十五分会議といって十五分前に出勤をさせて、そして業務打ち合わせをやるもの、あるいは一番露骨なものは前工事といいまして、実際には作業内容に当たるものを、前工事というので一時間ぐらいやっているような例もあるわけですけれども、これらの例については、聞いておるなり承知しておるなりしておられますか。
○説明員(岡部晃三君) そのようないわば時間外の労働の問題につきましては、私ども常日ごろ各地におきまして、あるいは本省段階におきましても、いろいろと申告事案、あるいは申告に至りませんでも苦情というふうな形で接しております。 ただ、それにつきましての私どもの考え方は、もとよりそれが先ほどのように法定の時間を超えました場合には、それがもし労働時間であるということになれば、それは割り増し賃金の対象となるということでございますが、それが労働時間であるかどうかというのはケース・バイ・ケースの判断になるということになろうかと思います。
○小巻敏雄君 一般的には状況として承知をしておるということですから、現実に即して厳正にひとつこういうケースについてはお調べをいただきたいと思うわけであります。 なお、この時間外労働については以前と違ったさまざまな姿で、特に合理化のための運動、QC運動その他の生産性向上のための運動の中で幾つもの問題が出ておる。一つは、管理職の範囲が非常に拡大されて、部下がいないのに管理職だと管理職手当をもらって、五十時間や百時間の超過労働が月額五千円ないし一万五千円ぐらいの範囲内で始末をされておるというような例も見るわけであります。また、会議をやると称してQC会議手当と称するようなもので片づけられておるもの、こういうものもあるわけであります。管理職の範囲の問題については、すでに以前に労働省としては一定の見解を出されておると思うわけですが、今日の時点でこの問題については一体どういう方向に向かっており、どういうふうに始末をしておられるわけですか、どうですか。
○説明員(岡部晃三君) 労働基準法四十一条におきまして、「監督若しくは管理の地位にある者」ということにつきまして、労働時間等の基準法上の規定になじまないためにその適用を除外しておるところでございます。その管理、監督者であるかどうかということにつきましては、従来から経営者と一体的な立場にあるかどうか、あるいは自己の勤務につきまして自由裁量の権限を有するかどうか、たとえば出社、退社につきまして厳格な制限を加えられない立場にあるかどうか、その地位に対して何らかの特別手当が支払われているかどうかというふうなもろもろの基準を判断の材料といたしまして、名称のいかんにかかわらず実態に即して判断をするということになるわけでございます。もし仮に、法律でいう管理、監督者に本来該当しないにもかかわらず管理職手当等と称するものを支給することによって法定上の割り増し賃金を免れようというふうなことがもしあるとすれば、それは法令に反するということになりますので、その点につきましては私どもとしては是正を求めるというふうなことになろうかと思います。
○小巻敏雄君 こういうケースについてもひとつここで明らかにしていただきたいと思うんです。 これは電器産業の経営の中で行われておる問題ですが、昇格試験のための教育というのが会社側で毎土曜日に二カ月間、四十時間の時間数で行われる、こういうものがあります。で、この四十時間の教育を受けることが昇格試験を受験する資格になっておると、こういうケースなんです。ところがここは仕事別賃金というのをとっておりますから、賃金が向上し待遇を改善しようと思えばこのテストを受けざるを得ないわけでありますし、この中では職場の技術訓練が行われるわけですね。私は当然こういうものは、企業内教育とかあるいは技術訓練とか、職務内容の一部と考えるわけですが、こういう点についてはどういうふうに見られますかな。
○説明員(岡部晃三君) 申すまでもないことでございますが、労働時間というのは何かということになりますというと、使用者の指揮監督のもとにある時間をいうわけでございます。で、具体的にそれでは何が労働時間かという場合に、たとえばその研修というふうなお話でございますが、その研修の内容と業務との関連性、研修等に参加しない場合に不利益な取り扱いがなされるか否か等々、その研修なるものが強制されているかどうかで労働時間であるかどうかということが判断されてまいろうかと思います。いま先生の申されましたような一定の資格を取得するための研修はどうかということでございますが、たとえばそれが昇進のための条件となっておりましても、使用者がそれらの研修というものを行っておってもそれが実質的に見まして強制されていないという場合には、それは労基法上の労働時間とはならないわけでございます。逆にそれが強制されているという場合にはなる、こういうふうな判断になろうかと思います。
○小巻敏雄君 ひとつ十分に実態をお調べいただきたいと思うわけですけれどもね。この教育を受けなければ昇格試験の受験資格がないというような状況で、資質向上のための、ほとんど全員に受講させていくシステムになっておるわけですね。当然この教育は会社が行うものでありますし、こういう状況のもとでは、この教育は当然時間内で行うか、時間外で行うなら私は割り増し賃金を支払うのが相当と考えるわけですが、現実に当たってよくお調べを願いたいと思うわけであります。 こういう状況の中で、なお残っておる問題では、発電会社系では非常に厳しい長時間労働が一般的に見られますね。火力発電でも原発でも、検査の時期などの長時間労働というのは非常に大きなものであります。 それから年休と生休等についても消化するように指導されておると思うんですけれども、むしろ消化率というものは悪くなってきている傾向だと思うわけです。この点についても六十年を目指して厳格に指導をすると言うのなら、どういうふうに行われるのか、これらの点もひとつ明らかにしていただきたいと思うわけです。
○政府委員(吉本実君) 年次有給休暇につきましては、最近若年層を中心にして有効活用を図っていこうという機運が出ておりますけれども、先生御指摘のように、全般的に見ますと必ずしも十分に消化されてない状況でございます。私どもとしましては、何とか年休の計画的消化ということをやはり慣行化さしていく必要があろうと、こういうことで、実は年休を組み合わせたたとえば夏季の一斉休暇の普及促進ということで、昨年もそういった仕方をとってございますが、そのほか年休取得に対しまして不利益取り扱いの是正ということも図りながら、そういった点での行政指導を図ってまいりたいというふうに考えておるわけであります。
○小巻敏雄君 私どもとして、先ほど申し出た調査の要求並びに是正措置のこの申し入れについては、いまどういう状況になっておるのか、その点についてお答えいただきたいと思います。
○説明員(岡部晃三君) 先生の挙げられた諸問題につきましては、これは非常に多くの企業にわたる問題でございまして、しかも、内容的にも大変に浩瀚なものでございます。したがいまして、これは関係局におきまして、現在調査を鋭意実施いたしておりまするけれども、時間を若干これはちょうだいいたしませんとなかなかめどはつかぬ、そういう状況でございます。
○小巻敏雄君 ぼくはこれの関係の監督署は大阪市以外、合わせて十四の監督署にわたっておると思うんですけれども、それに対してすべて調査をやっておられるのかどうかということと、いつごろまでにめどを置いておられるのか、重ねてお伺いしておきます。
○説明員(岡部晃三君) これはもとより関係の監督署すべてに、この問題につきまして促しまして、調査を進めているところでございます。ただ、いつまでということにつきましては、残念ながら、内容が非常に複雑多岐にわたるめんどうな問題を含んでおりますので、ちょっとその時期につきましてはまだ答える用意がないという状況でございます。
○小巻敏雄君 一カ月ぐらいとか二カ月ぐらいとかということも言えませんかな。まさか半年とか一年とかいうんじゃないでしょうね。
○説明員(岡部晃三君) その辺も、できるだけ早く進めたいということで御了解をいただきたいと存じます。
○小巻敏雄君 あと一つ大臣に、今度は障害者問題でお伺いしておきたいと思うんです。 大臣は、衆議院におられたときは文教の畑で、養護学校の建設その他にはいろいろ当たってこられたと思うわけです。私も文教の畑で歩いてきておって、一定の養護学校建設等の前進はありましたけれども、卒業するときは泣きの涙という現実を何としても解決しなけりゃならぬと思うわけであります。卒業したくない春、あるいは障害児の心重い三月というようなことが言われるわけです。文部省の調査でも、中卒で仕事がない、家にいるというようなのが三〇%近いものがありますし、高卒では四〇%近い。それが何をしておるのかほとんど掌握できない状況に置かれておると思うんですね。雇用促進法の運用によって雇用率を達成しようということは繰り返して言われておるわけです。しかしこれはやっぱり、進んでこれを受け入れて努力をする人たちが報われるような行政が行われる必要があるだろうと思うんです。私まあこの点で、これは和歌山で行き当たった具体的な条件なんですけど、非常に熱心な経営者がおられて、大きくない経営なんです、十数人程度のプラスチック加工、成形をやっておる人なんですが、感心したことは、半数の七人ですね、これを養護学校の出身者、あるいはてんかんその他の肢体不自由なんかの合併症を持っておる精薄の方、こういう人を雇っておるわけですね。ずっと作業も見せていただきましたが、この人たちはすべて、中学を卒業するまではみんな、この職場に来るまでは国の金で御厄介になっておった人なんですね。これが企業に入ることによって、とにもかくにも家族から自立して、自分の生み出した働きの成果で暮らしてるんですね、保護は受けておるにしても、まあこういう状況。ところがこの人が、一層この状況を進めるために、ひとつ寄宿舎をつくりたいと。何か助成金が受けられるだろうと思っていろいろ当たってみるんですけれどもどうにもならぬのですね。十四人の経営で、七人障害者がいるんです。これの寮をつくろうというのは、本当にぼくも、さまざまな法律の趣旨で、何かあるに違いないと思って探してみるんですけれども、どうしても該当しないんですね。どうでしょうね、こういう問題には救済の道はないものですかな。
○国務大臣(藤波孝生君) 御指摘のような、事業主の方が心身障害者の方に対して温かい気持ちも含めて雇用をしていただいて、作業を進めていただいていることを大変ありがたく思いますが、仕組みの中で、いま先生が御指摘になりましたようなことがどれに当てはまるか、担当局長から少し御説明を具体的に申し上げます。
○政府委員(関英夫君) 御質問の事例で考えますと、まず助成金の中の身体障害者等住宅等確保助成金制度が該当するかどうかということになるわけでございますが、この助成金の場合におきましては、身障者雇用促進法におきまして、心身障害者を新しく雇い入れるということを一つの条件にいたしております。 いまのお話の場合に、従来から雇っている人のために住宅をつくる、寮をつくる、こういうことになりますと、ちょっと雇い入れるという条件に合わないことになります。恐らく、その事業主の方もこれからも新しく雇い入れを計画されるということであれば、そういったものが使えるわけでございますが、現在の助成金の制度のもとではちょっとこれに該当しないと、こういうことになります。 それからもう一つは、重度障害者を多数雇用している事業所の施設の設置等助成金という制度もございますが、これは事業所施設の方でございますので、ちょっとこれには該当しないんじゃないか、こんなふうに思います。
○小巻敏雄君 事業所を、重度障害者多数雇用の事業所施設設備等の助成金、私もこれは多分該当するに違いないと思って聞いてみると、大体事業所に雇い入れておって、一種と二種がある中で、いずれかに該当するに違いないと思うわけですが、どうしても事業所はすでに存在をして、それで、そこのところに居住施設をつけようとすると、だめだと言うわけですね。こういう点は、事業所も新設するときであるならば、それの付属施設としての住宅施設はこれは対象になるわけですか、どうなんですか。
○政府委員(関英夫君) 二つございますが、一つは新しく雇い入れるというところに該当しておりますし、それから、事業所施設の中には、新しくそういうものを設置します場合には、付属の施設としての寮も含めて対象にしているところでございます。 で、御質問の事例の場合には、先ほど申しましたように、すでに事業所がある、そしてすでに雇っておられる、その方々はそこに通勤するなり何なりしておられる、それで、できるなら寮の方が便利だという事例だろうと思うんですが、そういう場合には、現行の制度のもとでは、まことに残念でございますが、ちょっといまの御質問の事例の場合は、新しく一人でも雇い入れないと当てはまらないと、こういうことになるわけでございます。
○委員長(志苫裕君) 小巻君、時間です。
○小巻敏雄君 はい。 この住宅等の補助金の場合には、これは新しく雇い入れた者だけについてしか措置できないと言うんですが、実際は五年前から雇い入れを始めて、毎年一人、二人と雇ってきた場合には、これは現時点でどんな救済の対象にもならぬというのは、精神からして私は法の不備でなかろうかと思うことと、それから、多数雇用の施設設置等の助成金についても、ほとんど要件を満たすにもかかわらず、既設の設備があるために、新しく付属設備をつけるものが対象にならない。どうも合点と納得のいかぬ要素が非常に多いわけですね。ひとつこの点は、運用の点なり、今後法についても充実する段階でぜひともお考えを願いたいと思うわけです。 最後に、時間も来ておりますので、一言お願いするわけですが、いま七人おるものを、さらに三人なり五人なり新しく雇い入れて、そうして事業所にも手を加え、そうして付属設備をつくる場合には、これが該当たり得るものかどうか、その点をお伺いしておきたいと思うんです。
○政府委員(関英夫君) 最後のお話の、あと三人なり何なりという場合には該当することになってまいります。そういう点を含めまして、ただいまの御指摘の事例は、考えてみますと、非常に事業主の方の御理解によりまして熱心に心身障害者の雇用を進めておられるわけでございますので、私どもとして、出先が十分事業主の方と御相談をして、できるだけこの助成金制度を活用し得るように具体的な御相談をさせたいとも思いますので、具体的なお話を後ほど伺わせていただきまして、現地で相談をして、事業主の方の御努力と相まって、私どもも指導によってあるいは活用できる道があるならば活用を図っていくというふうなことに努めてみたいと思っております。
○小巻敏雄君 終わります。
○野末陳平君 私は週休二日制には非常に賛成で、一日も早く実現しなくちゃいけないとは思っているんです。それで、公務員の週休二日が当面の議論になってきておるようなんですが、公務員の場合には、週休二日を決める前に、お休みが少し多過ぎはしないか、この辺の実態を洗い直しておかなくちゃいけないと、こう思っているんですよ。 まず、夏休みについて伺いますけれども、これかつてこの委員会でも問題になったんですが、民間企業における夏休みの定着度、それから休みの日数など平均的にどうなっているかを簡単にまず労働省、説明をしてください。
○政府委員(吉本実君) 御質問の夏季休暇の点は、夏季休暇用の特別休日のことだと存じますが、私どもの調査によりますと、夏季の休暇用特別休日を設けている企業は全体の六五%、また特別休日の平均日数は三・一日、これは五十三年の調査でございます。
○野末陳平君 五十四年は……。
○政府委員(吉本実君) これは賃金労働時間制度総合調査でございまして、まだその点についてははっきりしておりません。
○野末陳平君 民間がそうだということですが、国家公務員にはこの夏季休暇というのはないそうですけれども、地方公務員は夏休みがかなり行き渡っているようなんで、それがこの委員会で、去年でしたか、問題になったんですね。ですから、むしろどの程度定着しているかということよりも、地方公務員の夏休みというのは日数的にどうなっているかという点聞きたいんで、東京などは何か一律十日とっている、これは多過ぎると思うんですが、まあいずれにしても東京はこうであると。ほかの自治体でどうなっているか、その辺ばらつきもあるようですが、多いところ少ないところ、簡単に説明してください。
○説明員(大島満君) お尋ねの夏季休暇のことでございますけれども、私どもが最新の調査で持っておりますのは、昭和五十一年十二月三十一日現在の状況につきまして昭和五十二年度に調査したものでございます。この調査は、都道府県とそれから市、さらに特別区を対象として実施したものでございまして、町村とか一部事務組合が抜けているわけでございますけれども、この調査によりますと、夏季休暇では都道府県は二十五団体、市及び特別区は六百四十四団体中五百四の団体で制度化しているわけでございます。しかしながらこの調査は制度の存否、有無を調べたものでございまして、いまお尋ねの休暇日数につきましては全国的に統一して把握していないのでございますので、その実態は明らかではございませんが、昨年秋以来マスコミ等で取り上げられたものの中で、私どもが地方公共団体から事情を聴取したこと等によりまして承知しているものにつきまして申し上げますと、休暇日数の多いところでは、ただいま先生がお話しになりましたように、都道府県では東京都の十日間、市では埼玉県草加市の十二日間というのが最も長いような状況になっております。
○野末陳平君 まあいずれにせよこれは長過ぎると思いますが、制度としてこれは十日とか十二日なんという夏休みをとっているということになりますと、民間と比べて余りにもおかしいし、国家公務員とのバランスも余り失し過ぎていると思うんですよ。しかし夏休みについてはまだ、自治省としても前回ですか、指導の通達などを出されているようですから、その後どうなるかについて見守りたいんですが、このほかに私いろいろ調べたんですが、もちろん調べは行き渡らないんですが、特別休暇というのがあるんですね。この特別休暇——休みと言えば普通年次有給休暇ですか、それから忌引とか産休とか、これは民間にも公務員の世界にも定着している、こういうものを想像しますが、地方公務員の特別休暇というのが非常におかしい。常識ではちょっと考えられないんですが、これを確認したいんですね。 私の聞いているところで、まず出産補助休暇という休暇があると言うんですね。出産補助というんですから、これはもう女性でなくて男性の方にあるとわかるわけですが、これはかなりいろんな自治体に定着しているように聞くんです。で、指定都市はもうすべてこの休みが制度としてあるんだと言うんですが、さて、自治省に、出産補助休暇というのはどういう内容の休みで、大体何日ぐらいが実情として休むようになっているのか、この辺をちょっと聞きたいんですが。
○説明員(大島満君) 先ほど申し上げました昭和五十二年度の調査によりますと、出産補助休暇は二十五都道府県、それから市及び特別区では四百六団体が実施しておりますが、その付与日数等についての内容はそのときも調べておりませんので詳細わからないのでございますが、いまおっしゃいましたように、妻が出産するときに配偶者に休暇を与える制度であると考えております。
○野末陳平君 私東京など例に調べてみましたら二、三日が普通だと言うんですが、これは民間ではこういうのは考えられないんですよね。妻が出産するので夫の方がそれを補助するために二、三日休む、これが制度としてあると。おかしいんだ。民間じゃまさかないでしょうね、こういうのは。
○政府委員(吉本実君) いま出産補助休暇のお話でございますが、私どもの調査必ずしも十分でございませんが、中労委で従業員千人以上の大企業だけを対象にした調査でいきますと、この出産補助休暇を持っておるところが、七六%の企業で採用しているという点がございます。
○野末陳平君 それは大きいところなんでしょう。
○政府委員(吉本実君) そうです。
○野末陳平君 そうすると、国家公務員にはもちろんこれはないわけですから、だから一種の、公務員同士の間で比較するならば、これはヤミ休暇というか、ヤミと言っていいかどうか知りませんが、地方公務員に聞いたらこれらはますらお休暇だと言うんですね。別におかしくないだろうと言うんですが、どうでしょう。どういう根拠でこういうものが認められるのか、それに対して自治省はどういう見解を持っているのか、それをお聞きしたいんです。
○説明員(大島満君) 休暇につきましては、地方公務員法の二十四条の六項というのがございまして、「条例で定める。」という規定になっております。したがいまして、いまおっしゃいました休暇が条例あるいは条例に基づく規則等の根拠に基づいていない場合には、この二十四条六項の勤務条件条例主義に抵触するのであるというぐあいに私たち考えておりますし、またこれらの休暇が仮に条例とか条例に基づく規則等の規定に基づいて与えられているといたしましても、地方公務員法の二十四条の第五項には、地方公共団体が「職員の給与以外の勤務条件を定めるに当たっては、国及び他の地方公共団体の職員との間に権衡を失しないように適当な考慮が払われなければならない。」というぐあいに規定されておるわけでございますので、地方公共団体が国の職員に認められていない休暇等の制度を設けることは適当でないというぐあいに考えております。
○野末陳平君 適当でないと思うんですが、これだけじゃないからちょっと気になるんで、看護休暇というのがあると言うんですね。看護休暇というのは東京の二十三区はもう全部ですね。それからかなりの自治体でこれが採用されているようなんですが、どうですか、これについては自治省はかなり把握していますか。
○説明員(大島満君) 先ほどから申し上げておりますように、先般五十二年度に行いました調査につきましては、いまおっしゃいました看護休暇については実は報告が上がってなかったわけでございますが、いろいろとマスコミの報道を受けまして、東京都を通じまして私どもが調査した結果によりますと、東京都の品川区で三日以内、杉並区で十日以内の日数を付与しているということを把握しております。
○野末陳平君 まあ妻子が病気になればそのための看病というものもこれは必要だと思うんですが、しかし、これは年休の中でもって消化しているのが民間ではないかと、常識的にそう考えるんですよ。どうでしょうか、民間企業でこんな甘いいい話が、看病のために公然と有給休暇がとれる、三日だの十日以内だのって、こういう話聞きますか。
○説明員(小村雅男君) 民間企業につきましては、先ほど局長から説明申し上げました中労委の大企業の調査でもそのような項目というものはリストアップされておりません。したがいまして、私どもは実情をよく承知していない。名前があるということは承知してございます。
○野末陳平君 いずれにしろ休むのは勝手ですけれども、年休で消化すれば問題ない。しかし、これが制度としてこういうものがあるというのは地方公務員にとっては甘過ぎる話であると、こういうふうに考えるんですね。これを挙げていったら切りがないんで、実は一つ一つここで問題にしようとは思っていないんですが、大ざっぱにあとお聞きして、今後のあり方についても労働大臣にもお聞きしたいんですが、いま言ったのは出産補助休暇と看護休暇でしたね。そのほかに授業参観休暇というのがあるんですね。これはまあママさん職員といいますか、女子職員のためにとられたんだと思うんですが、実際には男子でも構わぬということで、名のとおり学校の授業参観に出かけていく、父母会とかいろいろありますね、そういうときにその名目で休みがとれるという制度なんですね、この授業参観休暇。これはありますよね、御存じでしょう。
○説明員(大島満君) 御指摘の授業参観休暇につきましても調査には上がってきておりませんですし、当省は承知していないわけでございますけれども、いずれにいたしましても、先ほどからお話がございましたように、これらの休暇というのは年次有給休暇の活用によって、その中で取得すべきものであるというぐあいに考えておりますが、そういう指導を行うためにも実態の把握については努めたいというぐあいに考えております。
○野末陳平君 民間であったら、たとえばパートあるいはパート社員としての母親があるいは父親が授業参観に行くといっても、この名目で休暇が許されるということはないと思うんですよ、有給でね。でもいずれにしろ、自治省としても実態の把握がまだ十分でないということですが、基本的見解として、これらの特別休暇、いま挙げたほかに予防接種休暇というのもあるようですね。これはもうほとんどの団体であるようですけれども、東京二十三区はもう全部あるんですがね。それから所によっては選挙休暇なんというのもあるようですが、これは実態はぼくの方もちょっとわかりかねましてね。そのほかにこれは民間でもあるんですが、女子に対する妊娠障害休暇、つまりつわり休暇ですね。ただこのつわり休暇の場合は、民間と地方会務員の場合日数がかなり違うので、これもやや甘過ぎるという気がしないでもないんです。これらをひっくるめた地方公務員にのみ許されている、制度的に許されている特別休暇、これぼくはやはり、どうでしょう、国家公務員と比べても、また民間と比べても余りにもアンバランスが過ぎる、これはもう廃止しなければいけないというふうに考えているのですが、大臣どうでしょう、率直な感想は。
○国務大臣(藤波孝生君) 労働条件に関しましては、申し上げるまでもありませんけれども、基本的に労使の間で話し合われて決めていくことでございますので、その中で休暇のとり方についてもいろいろな形があるということは当然考えられるわけでございます。ただ、御指摘のように地方公務員の場合にのみそういうような仕組みがある、それをどう考えるかということになりますと、都道府県の知事さんとか市町村長さんなどがどう考えるのか、そしてそれを指導される立場にある自治省がどのようにお考えになるかということになるわけでございましょうが、ごく一般的に申し上げて、できる限り労働時間を短縮して、そして密度の高い労働を提供していく、みんなが気持ちよく働いていく、しかし休むときにはゆっくり休んで充実した労働者の生活を進めていく、こういうことを目標にいたしまして、いろいろ労働時間の問題にしても、週休二日制の問題等につきましても、労働省としては指導をしてきておるところでございます。 ただ、そういったような仕組みを前進をさせていこうということと、いまいろいろお話がありましたような、独自の工夫と言えば工夫でございますけれども、少し一般的に通りにくいような形のものが地方自治体でだけ特に横行しておるというような感じにつきましては、先ほど自治省がお話しにもなりましたように、民間と比較をしてこれはいかがなものかという感じがむしろするわけでありまして、基本的に労働時間の短縮であるとか週休二日制であるとかいったような意味で、昭和六十年度に先進国並みの労働条件に持っていこうといういわゆるメインストリートの話からすると、余り大通りの話ではないという気がするわけでございまして、今後自治省がどのようにその問題に対応されるかということを十分私どもも見させていただき、また協議もさせていただきながら進んでいくようにいたしたい、こう考える次第でございます。
○野末陳平君 大通りの話でないと言いますけれども、公務員の週休二日を早く実現しなければ、民間にもなかなか——それから金融機関の二日制もありますけれども、これ感情的にやはり公務員がさっき言った適当でない休みをとることが横行していると、これはやはり過休二日実現に必ずしもプラスだとは思いませんよ。ですから、こういう点を自治省のこれからの対処をはっきりお聞きしておきたいわけですよ。まあ適当でないという判断が出ましたけれども、やはり既得権としてこういう休みを黙認する、あるいは守り切ろうとするのは、これは綱紀のたるみにも通じるんで、これは絶対好ましくない。強力な指導をする、通達を出してこういうものを取り除く努力を自治省はしなけれゃいけないのじゃないのか。結果的には地方自治体がどう考えるかですけれども、これなくして無条件で公務員の週休二日というのを認めるというわけにいかないのですがね。自治省の今後の方針をちょっと聞かしてください。
○説明員(大島満君) 先ほどから申し上げておりますが、御指摘のように、こういったいま御指摘のような休暇制度、国家公務員にない休暇制度を設けることについては適当でないというぐあいに考えております。したがいまして、そういう事実を把握するような場合には、その適正化を図るように、自治省といたしましては、いままで通達を出す等、あるいはその他いろいろな会議の場等を通じまして、地方公共団体の休暇等は適切に定められるように私たち指導してまいってきたわけでございますけれども、今後とも地方公務員の勤務条件にかかわります制度や運用等の実態の把握に努めまして、そういった実態を踏まえながら、地方公共団体に対してその適正化を図るように、さらに必要な指導を行ってまいりたいというぐあいに考えております。
○野末陳平君 最後に。 これは東京ですよ、やはり東京が右へならえされるというか、これは例になってしまうので、東京で余り目に余るようなことがないように、ひとつ自治省が直接東京でやるのが一番いいと思うんですが、この調子でもし週休二日が公務員に採用されますと、月曜、火曜行って、水曜休んで、木、金行って、土曜、日曜と、極端に言えばそういうふうになるんですよ。しかし、そんなばかなことは現実にはないですけれども、週休二日より週休三日制になってしまうというような、こういうことはやはりきちっとしないと、公務員の週休二日制は理論的には問題ない、流れはそうなっているから構わないというものの、国民感情の中には、やはり公務員は休み過ぎるじゃないか、中小企業が土曜も働かなきゃならないのに、なんで公務員がというような、やや感情的な議論が事実あるんですね。ですから、そんなことをなくするためにも、ひとつこの問題を真剣に取り組んでほしいと要望しておきます。 終わります。
○委員長(志苫裕君) 他に御発言がないようですから、労働省の決算についてはこの程度といたします。 次回の委員会は三月二十四日午前十時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時二十一分散会 —————・—————