決算委員会 第2号
- 発言数
- 376 件
- 登壇者
- 28 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1980/01/24
会議録
○委員長(志苫裕君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る二十二日、喜屋武眞榮君が委員を辞任され、その補欠として市川房枝君が選任されました。 また、昨二十三日、和田静夫君及び安武洋子君が委員を辞任され、その補欠として森下昭司君及び市川正一君が選任されました。 —————————————
○委員長(志苫裕君) 次に、昭和五十一年度決算外二件を議題といたします。 本日は、通商産業省、経済企画庁、中小企業金融公庫及び中小企業信用保険公庫の決算について審査を行います。 —————————————
○委員長(志苫裕君) この際、お諮りいたします。 議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(志苫裕君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(志苫裕君) 質疑通告のない船後中小企業金融公庫総裁及び小山中小企業信用保険公庫総裁は、退席していただいて結構であります。 なお、正示経済企画庁長官は、後刻再び出席していただくことにして、一時退席していただいて結構であります。 それでは、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○丸谷金保君 最初に、国税庁にお伺いいたします。 国税庁が四十六年の七月一日付で海外技術者研修協会の理事長穂積五一氏から申請を受けた技術研修生に対する滞在費等の源泉徴収の取り扱いについて、これを対象にしないということにいたしておりますが、これらの取り扱いはどういうふうになっておりましょうか。
○政府委員(矢島錦一郎君) お答え申し上げます。 財団法人海外技術者研修協会から、これは聞くところによりますと、通商産業省所轄のもとにおきまして国庫補助金の交付を受けまして、民間ベースによる技術協力として、発展途上国の技術研修生の受け入れとか研修の事業をやっているというふうに聞いておりますが、財団法人の理事長の方から、四十七年八月二十一日付で御照会がございまして、これに対しまして四十七年九月二十六日付でございますが、その技術研修生に支給する滞在費等の源泉徴収の取り扱いについてというような御回答を申し上げております。 その技術研修は、諸外国との経済交流を深めるための実態を持つものでございまして、本件の研修生に給付されまする滞在費などは、技術研修に要する実費を賄うという性格を持つものである、人的役務の提供の対価でないというふうに解されますので、源泉徴収を要しないということがこの内容となっております。
○丸谷金保君 そうすると、他の留学生と同じような扱いをしているということでよろしゅうございますね。
○政府委員(矢島錦一郎君) お説のとおりでございます。
○丸谷金保君 直税部長さん、よろしゅうございます。 次に、したがって源泉徴収を要しないこの経費、これに対して国は四分の三の補助金を交付しております。この補助金の意義、これを査定する大蔵省の側からお聞きいたしたいと思います。
○説明員(角谷正彦君) 海外技術者研修協会に対します補助金の意味でございますが、この協会に対します補助金は、発展途上国からの研修生に対する技術移転といいますか、そういったものを通じまして発展途上国に対して技術移転を行うといういわゆる民間ベースでの技術協力に対して助成するものでございます。したがいまして、国のいわば国会に提出しております予算におきます主要経費別分類では経済協力費の中に分類して性格を位置づけておる次第でございます。
○丸谷金保君 直税部長さんもう一つ。 これはほかの方が来ているかもしれませんが、会社がいまの二五%を出しておるのは損金に算入できる性質のものですね。
○政府委員(矢島錦一郎君) このケースがどういうケースであるか具体的にちょっとわかりませんので、一般論として申し上げますけれども、仮に海外の研修生に対しまして企業負担が行われるものにつきまして負担した場合には当然経費ということになろうかと思います。
○丸谷金保君 いまの主計官のお答えによりますと、これは海外との技術交流ということが中心で、進出した日本企業のためにつけた補助金というものではないというふうに理解してよろしゅうございますか。
○説明員(角谷正彦君) ただいま申し上げましたように、国が海外技術者研修協会に対して補助いたしますのは、その協会が行います技術協力事業、具体的には相手国から受け入れますところの研修生に対する技術研修事業に対して助成するものでございます。そういった意味では一企業の利益という観点から助成するものではありません。
○丸谷金保君 そういたしますと、実は現在マレーシアで、東芝マレーシアという現地法人がオン君という研修をして帰ったマレーシア国民に対して損害請求の訴訟を起こしております。その訴状及び契約書によりますと、現地法人が全額金を支払ったので損害の請求をするというふうに書いておりますが、ここで本人は、被告の方は、帰った場合に、現地法人が支払った二五%をやめた場合には払わなければならないという契約をしてまいっております。日本の国のお金を四分の三払っている研修生に対してこういう契約がなされているということについて、これは現地の法人と現地のマレーシアの国民の間では許されることかもしれませんが、日本の法律及び日本内の問題としたならば、こういうことは許されないんでないかと思いますが、この点についてはどうでしょうか。主計官の方では何かこれに関連して聞いておりませんでしょうか、この関係について。
○説明員(角谷正彦君) 先生御指摘のように、国が海外技術者研修協会の行います研修事業に対しまして四分の三というふうに非常に高い補助率の補助を行っておりまして、残りの四分の一を協会が賛助金あるいは寄付金、あるいは研修企業の負担金という形で民間等から受け入れているというふうに聞いております。その際、研修生を送り出します企業と研修生との間で一定の期間のいわゆる拘束契約的なものが結ばれている事例もあるようには聞いておりますけれども、その実態について私どもとしては詳しくは承知いたしておりません。
○丸谷金保君 実態は後から詳しく説明いたしますが、現地法人が二五%の拠出金を裁判で本人から取り上げた場合、残りの四分の三の補助金は一体どうなりましょうか。
○説明員(角谷正彦君) 国が行います四分の三の補助事業はあくまで研修協会が行います海外研修事業に対する補助でございまして、残りの四分の一を協会が先ほど申し上げました民間企業等から負担するという形になるわけでございます。その場合、研修生が直接負担するというケースは余りないんではないだろうかと、実態は通産省の方からお聞きいただいた方が的確かと思いますが、そういうケースは余りないんではないだろうかと思います。多くの場合には受け入れ企業が——受け入れ企業といいますか、送り出し企業等が何かの形でやはり負担する、あるいは民間の日本の、本邦法人等が協会に対する賛助金、寄付金等を通じて負担するという形式になるんだろうと思います。 その場合、予算の立場から言いますと、研修協会の行います海外研修事業が的確に行われるかどうかということでございまして、四分の一自体を何といいますか、送り出した企業と研修生との間でそれがなかった場合一定期間拘束契約を結び、その拘束契約の内容が履行されなかった場合において、仮にそういったものを研修生に負担させるという契約があるといたしましても、いわばそれは研修生と送り出した企業との間の私的契約でございまして、その当不当の問題は当然あろうかと思いますけれども、研修協会が行います海外研修事業が的確に行われた限りにおきましては一応補助事業としての目的は達成しているんではないだろうかと一般的には考えられるんじゃないかというふうに考えられます。
○丸谷金保君 もう少し整理して言いますと——これは大蔵に聞いているんでね、いいですか、大蔵省が査定して出す補助金の中で、この場合でも受益者負担が四分の一、国が四分の三ですね。その受益者負担の四分の一がなくなるわけです、裁判でもとへ戻されるんですから。その場合に、国が負担する四分の三は一般論としてどうですか。その場合どうなりますか。
○説明員(角谷正彦君) これはちょっと実態とあれでございますが、一般論で申し上げさしていただきますけれども、受益者負担という場合は、それが一般的には送り出した企業あるいはそれに関連する企業、あるいは全くひものつかない民間の場合も理論的にはあり得るかと思います。場合によっては受益者である本人そのものが負担することも観念的には考えられないではないというふうに考えられるわけでございます。そういう意味では、協会といたしましては、その四分の一を何らかの形で民間等から受け入れまして、そこで補助事業を行うということがまさに補助目的ではないだろうかと考えられますので、仮にそれが最終的には個人負担に後から帰属したといたしましても、補助事業としての目的そのものは一応達成されているんではないだろうかというふうに考えるわけでございます。
○丸谷金保君 そうすると、こういうふうに整理してよろしゅうございますね。受益者が負担する四分の一、これは現地の法人が受益者ではないということですね。現地法人が四分の一を受ける受益者ではなくて、あくまで研修協会が、そのお金は個人から取ろうが現地の法人から取ろうがどこから取ろうが、あるいはたとえば私とあなたが趣旨に賛同して寄付をした中から出そうが、二五%は研修協会が出すんだと、それで補助を出す目的の研修が行われればそこまでで終わりだと、こういうふうに理解してよろしゅうございますね。
○説明員(角谷正彦君) 内部契約と当不当の問題はもちろんあろうかと思いますけれども、一般論といたしましては先生のおっしゃるとおりでよろしいんではないだろうかと考えます。
○丸谷金保君 次に行管。 行管が昭和五十三年から五十四年度に行った調査の中で、海外技術者研修協会分の各会社に対する調査を取りまとめた改善要望事項、これは資料要求をしましたが、現在まだ取りまとめ中だということで、やむを得ないというふうに思いましたが、その中で特に大阪の日本ペイント本社について調査を行った分として、拘束契約というのは好ましくないということに言及した部分があると思いますが、いかがでしょうか。
○説明員(坂本信三君) 先生の御案内のとおり、五十三年の十月から十二月にかけまして国際交流協力に関する調査をいたしております。私の方の役所の付属機関の行政監理委員会というのがございまして、そこに調査結果を報告しておりまして、現在行政監理委員会で検討中でございます。それでその調査の内容でございますが、管区行政監察局六局、地方行政監察局七局を動員いたしまして調査をしてございます。 それで、日本ペイントの分でございますか、それは御指摘のように調査をしております。私の方にはちょっと報告の詳細の手持ちがございませんのでわかりませんけれども、その関係の調査の報告は参っております。ちょっといま手元にございませんので詳細申し上げられませんけれども、そういう状況でございます。
○丸谷金保君 そのとき拘束契約の問題についても調査対象として調査いたしましたね。
○説明員(坂本信三君) その際の調査項目といたしまして、まず一つの大きな柱は、関係行政機関等の連携、調整状況というのが一つの柱でございます。それから、もう一つの柱は、事業の運営状況という柱がございまして、その中に技術協力。その小さな区分けといたしまして研修員の受け入れ、専門家の派遣というふうな項目がございまして、その研修員の受け入れにつきましては、その受け入れ体制あるいは受け入れ条件の整備、そういう観点で調査をしております。それで研修員の受け入れあるいは研修員の受け入れ条件の整備につきましては、主として国内の各事業場におきまして研修員を受け入れました場合のいろんなコースの問題とかあるいは宿泊施設が大丈夫であるかどうか、そういうふうなむしろ国内の受け入れ体制につきまして調査しております。
○丸谷金保君 だから、その中で大阪の日本ペイントに行った場合には、拘束契約の問題の調査をしておりますねということなんです。
○説明員(坂本信三君) 私の方は実は近畿管区行政監察局というところが調べておりますので、その報告はただいまちょっと手元にございませんので詳細申し上げられないわけでございます。
○丸谷金保君 ちょっと委員長にお願いしますけれども、これは調査しているのです。そして、資料要求では取りまとめ中で出せない、こう言うのです。そして、口頭で聞いたら、まだ手元に持ってないと。これは行政監察局にあるのですから、後で答弁をしてもらうということにはならないでしょうか、いま答弁できないと言うのですから。どうでしょう。
○委員長(志苫裕君) それはきょうここへ持ってきてないのですか、いま手元にないというのですか、それとも局へ行けばあるのですか。
○説明員(坂本信三君) 私の方の仕事の仕方でございますけれども、管区地方局において調査をさせます。その結果を本庁において取りまとめるわけでございますけれども、相当膨大な調査をやらしておりますので、それについて現在手元にないという状況でございます。
○委員長(志苫裕君) 調査はやったのですね。
○説明員(坂本信三君) 調査はしております。
○委員長(志苫裕君) それで、それは出せるのですか。いま該当の部分については出せるのでしょう。
○説明員(坂本信三君) あくまでも内部資料でございまして、正式には私の方の調査結果につきましては各省庁にいろいろ御意見を申し上げるわけでございますけれども、外に出ますのはそういう最終の報告が出てまいる、こういう状況でございます。それで、管区地方局の調査結果はむしろその中のいろんなデータとして使うという仕方になっております。 それで、現在手元にございませんので、近畿管区からどういう報告を受けたかということにつきましてはただいまちょっと申し上げられない、こういう状況になっているわけでございます。
○委員長(志苫裕君) だから、手元に資料がないというのはこの席にないということなんですか。
○説明員(坂本信三君) はい、そういうことでございます。ちょっと取り寄せないとないわけでございます。
○委員長(志苫裕君) それなら、まだ時間がありますから、取り寄せるなら取り寄せるようにしてください。
○説明員(坂本信三君) わかりました。
○丸谷金保君 この前も私の方の資料要求では具体的に、昭和五十三年から五十四年度に行った行政管理庁の調査のうち民間ベース研修生受け入れ事業(海外技術者研修協会分の改善要望事項)の内容の提出を求める、拘束契約問題に言及した部分はないかということで資料要求したのです。それはまだ現在取りまとめ中だから出せないと。それじゃ口頭で質問するぞというのに対していま持ってきてないというのは、一体国会はどういうことになるのですか、こういうことでは。それで時間の制約では、私、一時間二十分でやれませんよ、その中に来なけりゃできないということになれば。
○委員長(志苫裕君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(志苫裕君) 速記を起こして。
○丸谷金保君 次に通産省。海外技術者研修協会の補助金を交付する考え方、特に交付対象者は一体だれなのかということ。もう大蔵の答弁は聞きましたが、改めて通産省側の答弁をお願いいたします。
○説明員(田口健次郎君) まず、本件事業の趣旨についての考え方でございますが、海外技術者研修協会は海外の産業研修者の受け入れ及び研修に関します事業を行いまして、国際経済協力を推進して相互の経済発展及び友好関係の増進に寄与するということ等を目的といたしまして、三十四年に通産大臣の認可を得て設立されたものでございます。 通産省といたしましては、こうした民間によります人づくりに直結する技術協力と積極的な取り組みは、政府ベースの技術協力と相まちまして途上国の開発に大いに寄与するものである、政府としても財政的支援を行うことが適切であるというふうに考えまして、協会設立時、昭和三十四年から大蔵省から補助金をいただきまして協会に交付しているわけでございます。 御質問の研修経費、補助金の対象等でございますけれども、これはいま申しました財団法人海外技術者研修協会が自身で行います事業費全体につきまして四分の三の補助金を交付するということでございます。 それでは事業を行う場合の経費というものにつきましてはどういった費目があるかという点でございますけれども、当協会が実施いたします研修生の受け入れにつきまして、協会の事務経費を初めといたしまして研修生の渡航費、滞在費、実地研修費、それから実地研修のための資料費等が補助の対象になっておるわけでございます。大蔵省からも先ほど御説明がございましたけれども、補助の直接の対象は協会でございます。 金が実質的にどういうふうに、どのような費目についてどういった人に流れていくかということでございますけれども、たとえばいま申しました渡航費でございますけれども、これは研修生の往復の渡航費、これは受け入れ会社を経由いたしまして研修者本人に渡る、これは経費として当然渡るわけでございます。
○丸谷金保君 細かいことはいいんですが、要はこの補助金は研修協会に出ている。それで、研修協会がそれぞれの費目に応じて本人にいくものもあれば、研修協会で使うのもあるし、あるいは受け入れの会社の方に出るのもあると、こういうことですね。
○説明員(田口健次郎君) 御指摘のとおり、当補助金は政府からこの研修協会に渡る。研修協会の事業のための補助でございますということで、渡航費については本人に渡りますとか、会社に頼んで……
○丸谷金保君 いいです。
○説明員(田口健次郎君) 以上でございます。
○丸谷金保君 この研修協会にそれぞれの国から派遣されてくる研修生が来る前にいわゆる拘束契約——研修が終わって帰ったら何年間かその企業で働かなければ、かかった経費を弁済させるという問題があることについてはすでに前回、十二月の五日に私の方で申し上げているので、御存じと思います。 ただ、その中で私の質問に対して通産大臣、あるいはその後十二月の二十日には外務大臣も、そういう契約は決していいものだとは言ってないんです。しかし、いろいろな事情があって、相手国もあることだし、一気になくするということもなかなかむずかしい、それは相手国も事情があるというふうなことで、補足して小長前部長から答弁があったんです。原則としては好ましくないけれど、出してくる相手側の問題があるということで、その中で小長氏は、それはよくないことだという私の質問に対して、「先生の御所論に対しまして真っ向から反論というわけではないんでございますけれども、たとえば国によってやっぱり事情が違うという点につきまして一言付言をさしていただきたいわけでございますが、たとえばシンガポールといったような国につきましては、技術の定着を促進するという観点から、」これからなんです問題は。「政府が積極的に研修後の拘束契約を締結するように指導しておるといったような例もあるわけでございまして、」こうあるんです。 私は、一昨々日シンガポールへ行って所管の次官と会ってまいりました。チャン・チン・ポクさんという経済開発機構のこの問題等を所管しておる次官でございます、向こうでは次長。私は一時間半ほど話しましたが、最終的に結論として、日本に本社を持つ会社が出資してつくった合弁企業自身が四分の一、日本政府の海外技術援助予算から四分の三出して、日本国内で技術研修したシンガポール国民に貴政府が必ず拘束契約をつけようというふうな積極的な指導をしておるのか。もしそうだとすれば、たとえばアメリカの会社等においては、名前も具体的に挙げましたけれど、ビューレット・パッカードというふうなアメリカの会社ではそういう拘束契約を行わないで研修生を出しているが、なぜ日本にだけそういう指導をするんだと。そして、このことは決して貴国政府の方針を問題にしているのでなくて、国会答弁の中で名前を挙げて積極的に指導していると答弁があったのでお伺いすると。そのときの通訳はシンガポールの細谷という大使館の書記官ですが、記録も提示して間違いなく読んでいただきました。間違いなくというのは、万一をおもんぱかってクアラルンプールから私の友人できわめて英語に堪能な人に一緒にシンガポールまで来てもらって、同席してもらって、本人も訳を間違いなく正確に伝えていると、そばにおりますので間違いないと思います。 そうしますと、シンガポールのチャンさんは、そういうことを指導はしていない。しかしわが国が、わが国から経費を出して研修して帰った者について、シンガポール政府としてこの種の契約をやっていることは理解してくれと言って長々と向こうの国の話がありました。ですから私も、それはあなたの国の問題だと、日本も明治時代以来、たとえば女工さんなんかに対してお金を出したから、何年間かその工場で働かないで、やめて帰れば罰金だという時代もあった。あるいはまた、貧しい家庭の優秀な子弟をお医者さんが医学校に出してやって、そしてそのかわりに自分の医院で何年間かは働けというような契約をやっていた場合もあった。だから、あなたの国が発展途上国としてやることに私は文句を言ったんではなくて、日本の企業に対して積極的に貴政府が指導しているというから、なぜ日本にだけはこのように指導して、アメリカに指導しないんだということを聞きたいと言ったら、そういうことはないと、こう言うんです。特別に技術的な問題で、どうしても外に出られたら困るという場合もあるかもしらぬけれども、そういうことは余りない、ケース・バイ・ケースでそういうこともあり得ないことではないけれども、そんな指導を積極的にしているということじゃないと。 それで、それじゃケース・バイ・ケースということで、もう一つ聞きました。じゃ、具体的に言おう。たとえば東芝あるいは松下、ソニーというような会社が、シンガポールで現地法人としてテレビの組み立て工場を経営している。そこの従業員を日本に研修に出した場合に、日本の法律で禁止している、特にここでは人道上の理由、日本憲法の基本的人権の尊重及び労働基準法十六条という一連の流れの中で禁止している、身分を金で縛る拘束契約を行うというふうなことを積極的に指導するかと言ったら、それについては、そういうことには固執していないと再三にわたって——私の話の訳の途中でも何回か固執してないということを言っております。これらのことは、外務省の人が一緒に同席しているんですから明らかです。特に、固執しないというところのメモは、一緒にいた細谷書記官からここに書いてもらいました、こう言っているということを英語と日本語で。十二月五日の小長部長の答弁というのは一体どういう根拠があって言ったんですか。
○説明員(田口健次郎君) 御説明申し上げます。 先生御指摘のとおり、前回十二月五日の当委員会におきまして当時の経済協力部長から、シンガポール政府が民間企業に対しまして積極的に拘束契約の締結を指導している旨の発言をしたわけでございます。で、根拠といたしましては、実は幾つかあったわけでございますけれども、一つは一九七八年の春でございますけれども、アジア文化会館同窓会の……
○丸谷金保君 それは関係ないのです。
○説明員(田口健次郎君) まあ一応恐縮でございますが……。 事務局の方がEDB、先生いま御指摘の経済開発委員会の……
○丸谷金保君 ちょっと委員長、質問でないことにいま答弁している。
○委員長(志苫裕君) いま根拠を説明しているんですか。
○説明員(田口健次郎君) 前回の前部長の発言の根拠を御説明申し上げたいと思って発言しているわけです。
○丸谷金保君 根拠じゃないのです。
○委員長(志苫裕君) ちょっと簡潔に言ってください。
○丸谷金保君 いいですか。もう一回簡潔に言いますと、私の質問に対して、シンガポールの政府が積極的に指導していると答弁しているのです。研修協会の七八年の、それは後からやりますからいいんです。いいですか。田口文書の問題は後でやりますから。問題は、ここでシンガポール政府がと言っているんですからね。シンガポール政府が積極的に指導しているという根拠は、何も七八年の研修協会の理事会の問題は関係ないんですよ。
○説明員(田口健次郎君) 御説明申し上げます。 実は理事会のことを申し上げようと思ったわけではございませんけれども、お許しくだされば……。実は幾つかの資料がございまして、一つは、ただいま申しましたようにアジア文化会館の同窓会事務局の方がシンガポールの——EDBでございますが——の研修担当者と面談されました際に、向こうの方から、一般の私企業がEDBの計画とは無関係に外国へ研修生を派遣する場合には拘束契約を結ぶようアドバイスをするというような発言があったという報告書を実は拝見したということが一つでございます。 それからもう一つは、七八年の四月に、これも先生御指摘がございました、日本への研修生の派遣に対しまして、シンガポール政府が、EDBが助成をする、その助成いたします場合の条件といたしまして、研修生と派遣企業との間でいわゆる拘束契約を結ぶことを明記した書簡を日本の受け入れ企業に対して実は提出しておったということがございます。あるいはシンガポールのEDBの担当官ベースでございまして、先ほど先生がお会いになられた方よりももっと下の方だとは思いますけれども、一応まあシンガポール政府が自分の政府職員に対していわゆる拘束契約をしていること。それから、これはシンガポールの労働事情からしてやむを得ないんだと、この事情は民間企業においても同じだと、まあ等々でございまして……
○丸谷金保君 それはもう言ったんです。
○説明員(田口健次郎君) 決してお言葉を返すわけではございません、先ほど先生のお話は、それなりにまた勉強さしていただいておるわけでございますけれども、十二月五日時点での御指摘の答弁につきましては、以上のような幾つかの点に基づきましてそういうふうに考えておるという趣旨で御説明させていただいたというふうに承知しております。
○丸谷金保君 そういうふうに承知しているといっても、それじゃ研修協会のだれがそういうことを言ったんですか。
○説明員(田口健次郎君) いまの御質問は、研修協会あるいは文化会館同窓会というふうに理解してよろしゅうございますか。
○丸谷金保君 はい。
○説明員(田口健次郎君) これはいわゆる小木曽報告と申します報告の中に実は書かれておった部分でございます、第一点の方でございますけれども。
○丸谷金保君 そうすると、小木曽報告は全面的に通産省は採用しているんですね。いいですか、それで。
○説明員(田口健次郎君) まあ小木曽さんのお名前を出しましたが、小木曽報告を全面的に信頼しているとか、それだけを根拠にしてやっているとかいうことではございません。幾つかの資料がございましたということで、その中の一つでまあ小木曽報告もありましたしということで、それからもう一つは、EDBの助成の条件に関するレターが日本側の企業に来ていたということもございましたし、それからEDBの担当官からの話も実は伝わっておりまして、決して今日、先ほどの先生のお話と真っ向から対立するというようなつもりで申し上げているわけではございませんので、十二月五日時点の答弁の御説明につきましての一応背景を申し上げたということでございます。
○丸谷金保君 小木曽報告、私いまここに持っていますが、これをそんなに信用するんですか、あなたの方で。信用するなら、これを中心にしてやりますよ。
○委員長(志苫裕君) ちょっと、もう少しはっきりしゃべってください、私も聞きにくいですから。
○説明員(田口健次郎君) はい。全面的にこれだけを信用するというつもりで申し上げたわけではございません。幾つかの資料の中の一つとしてこういったものもあるということで、その幾つかの資料を総合的に判断いたしまして、十二月五日時点であのような御説明を申し上げたということでございます。
○丸谷金保君 そうすると、結局それは一点だというのは、それをもう一回聞きますけれども、小木曽報告にあることもこういう答弁をする根拠になったと言うんですね。いいですね、それで。
○説明員(田口健次郎君) 小木曽報告も、前回の御説明をした場合の背景資料のデータの一つとなっておるということでございます。
○丸谷金保君 くどいようですが、そうすると小木曽報告もその一つになっていたということは、小木曽報告を認めるわけですね。
○説明員(田口健次郎君) 最終的に小木曽さんがEDBの研修担当者と会ったときを見届けているわけでございませんから、全部盲目的に信ずるわけではございませんけれども、この部分について、ほかにも二つぐらい資料もございましたので、総合するとこのように考えられるということで申し上げて、最終ぎりぎりまで詰めて申し上げたわけではないわけでございます。
○丸谷金保君 くどいようですが、私の質問に答えてないんで、小木曽さんが現地でもってEDBの人たちと会ったとか、そういうことではなくて、出てきたこの小木曽レポートというものは尊重するから、それも一部のファクターとして答弁の下敷きになっているということなんでしょう。
○説明員(田口健次郎君) 御説明申し上げます。 小木曽さんという方もりっぱな方でございますから……
○丸谷金保君 そんなことを聞いてないんです。
○説明員(田口健次郎君) このEDB研修担当者と面談された際のお話というのを見届けたわけではございませんが……
○丸谷金保君 そんなことを聞いてない。質問をもう一回やりますから。 そういうことでなくて、シンガポール政府が積極的に指導しているという答弁の下敷きとして、いま、あなたが小木曽報告も援用されたんで、援用する以上は小木曽報告というものを認め、尊重しているんでしょうねということです。実際かどうか、そんなもの行って聞いたわけじゃないからわからぬでしょうけれども、信頼性、信憑性を持っているレポートとして認めているわけですね。
○説明員(田口健次郎君) 小木曽報告の中の事実関係につきましては、一応信頼してよろしいんじゃないかと思います。
○丸谷金保君 事実関係を聞いているんじゃない。事実関係はあったかどうかわからぬでしょう、レポートだけ見たって、確認してないんだから。だから、レポートを尊重してなければそういうことにならぬでしょう。小木曽報告の中で、あったと書いてあるんだからあったんだろうというふうに信頼しているわけでしょう。
○説明員(田口健次郎君) 小木曽報告にも書いてあったわけでございますし、ほかにも二つぐらい要素がございましたので、総合してそう考えてよろしいんではないかというふうに考えたわけでございます。
○丸谷金保君 いいですか——いま理事から時間を注意されたんですが、質問に答えないで時間がどんどんたっていくなら、私は二時間でも三時間でもやらなきゃならぬですよ、質問に答えないんだから。こんなことでずるずると時間を延ばされて、はい時間ですなんて言われても私は引っ込みませんよ。 いいですか、たとえば、いままで黙っていたけれども、私の聞かないことを言っていますよ。私は第一問のときも、海外技術者研修協会の設立の趣旨というのは質問しないで抜いたんですよ。補助金を聞いただけなのに、あなたは質問しない趣旨も長々とやったでしょう。私の質問を聞いてない証拠ですよ。(「丁寧だ」と呼ぶ者あり)丁寧じゃないんだよ。前にそういうふうにして質問のあれの中に書いてあったから、そのとおりに読んだだけで、ぼくのこの場における質問を聞いてないんですよ。私は抜いたんですよ、これを。抜いたものを答弁しているんですよ。それでも一回目だから黙っていたの。いまは、何回でも同じことですよ。 いいですか、もう一回言いますけれども、小木曽レポートも、この小長前部長の答弁の「積極的」の中に一つのファクターとして入っていることは、あなたも認めているわけです。むしろあなたの方が積極的に言ったから、ぼくはこんなもの使うつもりなかったけど、かばんの中から引っ張り出したんです、ここへ上げてなかったものを。 そうすれば、それを答弁にあなたがいま使ったということは、少なくてもあなたはいま、この小木曽レポートというものを信憑性あるものと考えるから、そういう答弁をしたんでしょう。
○説明員(田口健次郎君) 御説明いたします。 小木曽報告の中で、他の資料、小木曽報告以外の他の資料もございまして、それと整合する部分については尊重いたします。
○丸谷金保君 それを聞いてないと言うんだ、さっきから。
○委員長(志苫裕君) いまの答弁で答弁になっているんじゃないですか。
○丸谷金保君 なってない。いいですか。他の資料のことは聞いてないんだから。小木曽レポートを信用したんでしょうと言っているのに。
○委員長(志苫裕君) ですからちょっと——それで、あなただけ時間かかると困る。
○丸谷金保君 そのことだけこたえれば——信用しているとかしないとかいうだけ言えばいいんですよ。聞いてないことを答弁しているんですよ、さっきから。だから何遍でも同じことを聞かなきゃならぬ。
○委員長(志苫裕君) ですから、いまのあなたの最後の答弁——小木曽報告とその他の資料との整合性もあるので、小木曽報告を信用したということですね。
○説明員(田口健次郎君) さようでございます。
○委員長(志苫裕君) そういうことです。
○丸谷金保君 それを信用していると言えば、こんなもの十分も十五分もかからないんですよ。さっきからそれを言わないじゃないの、あなた。
○説明員(田口健次郎君) 失礼いたしました。他の資料と整合する部分について信用したということでございます。
○丸谷金保君 他の部分と整合しない部分もあるということだろうと思うんですがね。しかし、小木曽報告に書いてあることの整合した部分は信用した——じゃ、整合しない部分があるんですか。指摘してください、整合しない部分がどこかにあったら。
○説明員(田口健次郎君) 小木曽報告の事実関係の全部について一つ一つチェックしておるわけでございませんので、いま御指摘することはできないと思います。
○丸谷金保君 一つ一つチェックしてないから御指摘できないんだったら、何でこの部分だけチェックできたんですか。読んだからでしょう。読まなきゃ、こういうのがあるというのがわからないんだから。あなた、読んでいるんですか。あなたは読んでないんでしょう。おとといなった人だから、それは無理ないけど。
○説明員(田口健次郎君) 小木曽報告の中で、いま実は問題になっている部分は読んでおります。全体について、私個人が全部読んでいるということは先生御指摘の事情もありまして申し上げられませんが、これは組織としてはチェックしているわけでございます。
○丸谷金保君 たったこれだけですよ。四ページのこんな報告をそこのところだけしか読まないという、そんなばかなことがありますか。本当にそこのところだけしか読んでないんですか。考えられますか、そんなこと。前から読んでいかないで、何ページのどこだなんて、すぐぴしゃっと出ますか。こんなものですよ、たったの。
○説明員(田口健次郎君) 小木曽報告のシンガポールの部分については読んでおります。
○丸谷金保君 ほかの案件で呼んでいるんだけど、小長さんは来ているのかな。
○委員長(志苫裕君) 小長次長、見えています。
○丸谷金保君 このときのあなたの答弁では、先生そう言うけれど、シンガポールではこんなふうで、政府はちゃんと積極的に指導しているんで、というふうな物の言い方で、いまのような、小木曽報告がどうだとか、どのどれがどうだとかいうことより、もっと確信——確信犯と言っちゃ悪いけど、確信的にあなた言ってるんですよ。それをいま聞いてみたら、あれやこれや、あれやこれやだからこうだなんと、薄めた答弁にしかならないんです、別の人。あなたはどうなんです。あのときは確信犯だったでしょう、あなたは。
○説明員(小長啓一君) 私はいまもう答弁する資格はないわけでございますが、先生の特に御質問でございますので、一言答えさしていただきますが、私は別に確信を持って申し上げたということではないんでございますが、わりあい声が大きいものでございますから、確信的におとりいただいたかという気はいたしますけれども、ただ、先ほど現部長が御説明申し上げましたように、三つのポイントというのを一応背景に持ちながら御説明したつもりなんでございますが、何しろ時間が当時はございませんでしたので、その結論の部分だけを申し上げたということでございますので、御了解をいただきたいと思います。
○丸谷金保君 それで、シンガポールへ行ったら、そんなことは指導していないと言うんですよ。この決着をどうつけますか。あなたは、シンガポール政府が積極的に指導していると言っているんです。小木曽報告とかそんなことは関係ないんですよ、この答弁の段階では。小木曽報告にこう書いてあるからこうだと思いますと言ったんでないんだから。いいですか。あなた自身が確信的に言ったことですからね。しかし、シンガポール政府の要人はこれの一番の担当官ですが、一時間半長々と話しました。その中で、そういう積極的な指導はしていないと言うんです。この食い違いを明らかにしてもらいたいと思うんですが、委員長、これはどういうふうにしたらいいんでしょうね。私の言っていることがうそなのか、そっちの言っていることがうそなのかです。そのためにシンガポールまで行ってきたんだから、ぼくは。
○委員長(志苫裕君) 十二月五日の答弁について補足なり何か——先ほど小長次長、時間が短くて云々という発言もありましたが、何かそれを含めて御答弁ありますか。
○説明員(小長啓一君) それでは一言。 私から特に補足を申し上げることはございませんが、ただいま、先生御自身がシンガポールへお行きいただきまして、現地のそういう次長クラスの方とお会いいただきまして、拘束契約問題につきまして非常に熱心に真相究明に当たられましたということにつきましては、心から敬意を表したいと思います。後、どう対策をとっていくかということにつきましては、現部長の方から答弁をさしていただきたいと思います。
○説明員(田口健次郎君) 先ほど先生からのお話もございましたし、いま小長次長からお話がございましたように、私も尊重申し上げたいというふうに思いますので、私どもといたしましても、至急現地の事情を聴取いたしましてまた御報告申し上げたいと思います。
○丸谷金保君 それじゃ本論に入らなければいかぬ、これからが本題なんです。 そこで、問題の拘束契約なんですが、冒頭申し上げましたように、マレーシアのオン君というのがいま向こうで訴訟になっているんです。訴状と、それからその他の文書も全部もらってまいりました。それから現地で本人にも会い、東芝マレーシア原告側とも会って話をしてきました。原告側は終始、企業としては仕方がないという企業の論理です、何時間話しても。それから手続の関係で大変不明朗だと思ったのは、訴状についている契約書によりますと、ここには一言も日本政府の補助金なり、研修協会がそれを通して出す金が四分の三入るということは一言も言ってない。全部会社側が出しているように読みとれるんです、英文の契約書です。ですから、来るときに研修生は会社が全部出していると思っている。ところが、日本へ来た、だんだん事情がわかってみると、何だ、政府が四分の三出しているのではないか、そうすると、日本政府の海外援助資金というのは何なんだと。結局、海外に出ている日本企業の援助であって、われわれの援助でないと、冒頭に通産及び大蔵の皆さんが言われた、そういう趣旨ではないという理解を持って帰るわけです。行って、待遇がまたよくないんです。アメリカなんか、マレーシアでもやはり拘束契約をほとんどやっていません。おたくの方からもらった調査によっても、拘束契約を行っているのはASEAN諸国で圧倒的に日本が多い。大臣、ひとつよく——大臣も行かれたけれども、この問題までは入っていないと思いますので。通産省からいただいた書類によっても圧倒的に日本企業が多いんです、拘束契約をやっているのは。ただその中で、タイに寄りましたら、タイはどんどんやめております、企業が。それは、田中元総理が行ったときに、あそこで留学生から、こういう契約はけしからぬという強い要望が出され、ああいうデモがあったですね。ああいう問題になったんです。だからタイではどんどんやめております。しかしマレーシア、シンガポールではやめてないんです。 そこで、この問題をずっと調べてみますと大変おかしなことに気がつきました。この現地法人が出したという二五%、これが、現地は、われわれは東芝本社との話であって、研修協会は関係ないと、こう言うんです。じゃ東芝本社はどういうふうに研修協会と話し合いがなされているかというと、研修申込書というのがあります。これを出して、そしてこれによって研修協会と東芝本社は契約が結ばれているんです。この中で細かく書き入れる事項があるんです。これによりますと、全部東芝本社がお金を出したことになっているんです。 それで、委員長ちょっとお願いしますが、この資料を私は通産省に要求したんです、この申込書の資料を。先ほどの行管と同じように資料を申し込んだんです。ところが、これは研修協会が個人に関することだから出せないといって断ってきたから、この申込書、この資料は私に出せないというんです。そうですね。間違いありませんね。
○説明員(田口健次郎君) そうでございます。
○丸谷金保君 そういうように答えてくれれば大変いいんですよ。 ところが、出せないというから、私は昨日研修協会に電話して理事長にどうして出せないんだと抗議したら、出しますというんです。本当に出してきたんです。ちゃんともらってきました。これは一体どういうことなんですか。われわれの資料要求を何でも断るような風潮がこのごろあるんです。どういうことです、これは。
○説明員(田口健次郎君) 本件につきましては、理事長御当人には確認いたしませんでしたけれども、協会の事務局に意見を聞きましたところ、やはり出せないということでございましたので、先生に対しましてもそのように申し上げた次第でございます。
○委員長(志苫裕君) 大臣、一昨日実は官房長官もおいでになっておりまして、一昨日は別の問題で資料を出す出さぬの問題がありまして、官房長官からも、積極的に資料の提出等については協力をするように各省庁にも指示をするという御答弁があったわけです。いまの問題も、大した資料でもないのに何かそういうことで時間を食ってる形になりましたが、この問題をいま契機にいたしまして積極的に資料の提出を通産省としても協力をいただきますように私からも要望したいと思いますが、よろしゅうございますか。
○国務大臣(佐々木義武君) 承知しました。
○丸谷金保君 それで、いまの答えはないんですか。出せないというのはだれが言ったんですか。
○説明員(田口健次郎君) 当該資料につきまして、これは役所自身の資料でございません、研修協会の資料でございますので、研修協会事務局に意向をただしましたところ、内部資料なのでやっぱり出したくないということでございましたので、私ども自分の資料でございませんので、やはりお出しできないということでお話し申し上げた次第でございます。
○丸谷金保君 だからだれが言ったんだと、研修協会の。理事長は出すと言って出してきたんだ。それはだれが言ったんですか。
○説明員(田口健次郎君) 先ほど申しました、理事長御当人にはお尋ねしたわけではございません。
○丸谷金保君 だかち、だれに聞いたんです。だれが言った。名前をはっきりしなさい、名前を。
○説明員(田口健次郎君) 事務局長でございます。
○丸谷金保君 事務局長の名前は。
○説明員(田口健次郎君) 千代田事務局長でございます。
○丸谷金保君 それで、実は、なるほどこれは出せないなと思いました、資料を取ってみて。事務局で出せないんだと言った理由もわかりました。全部東芝の本社がこの金は出すという申込書なんです、出しますという、出したという。そして、この審査基準の委員会があるんです。この委員会はおたくからも二人入っているんです、監督官庁だからおたくでしょう、二名入っている審査委員会で現地の法人が出す場合には、本当はだめだけれど、場合によっては審査委員会に諮って許可することもあるというんですよ、審査基準に。この場合はそういうあれが要らない、かからない、本社が払っているんですから。東芝本社が払ったお金を法人格の違う東芝マレーシアが、裁判でおれが出したから払えという、いま裁判しているんです。そうすると、これは補助金等適正化法にひっかかりませんか、東芝本社。というのは、後から吸い上げているんでしょう。
○説明員(野々内隆君) 技術的な問題でございますので御説明申し上げますと、四分の一の負担につきましては会費という形で受け入れ会社の方から協会に納入されておりますが、それが実質的に現地の法人から参りますかどうかというのは、それは内部関係であるというふうに私どもは理解いたしております。
○丸谷金保君 現地の法人と日本の東芝本社とは法人格が違うんですよ。東芝本社は、訴訟は現地の法人がやっているんで、われわれの知ったところでないと言っているんですよ、いままで。それはあなたたちも何遍も聞いているでしょう。そういうあなた答弁ないでしょう、一緒でいいのですか、本当に。
○説明員(野々内隆君) 御指摘のとおり法人格は違いますので、結局日本法人である東芝本社と現地法人である東芝マレーシアとの間の契約に基づいてそれが負担をきれておると思います。 万一、東芝本社が実質的に負担をしておりながら、現地東芝マレーシアが、それは自分が負担したんだと言って、虚偽のことを言って研修生に払わせたとしたら、それは非常におかしなことになる、私はそう思います、御指摘のとおりだと思います。しかし、本件に関しては、それに関する資料は私どもは持っておりません。
○丸谷金保君 だから、資料では東芝本社が出したことになっているのです。これに基づいて、四分の三の補助金が出ているのです。そして、現地では東芝マレーシアが出して、東芝本社との間で、東芝マレーシアから本社に払い込んでいると、われわれは東芝本社と東芝マレーシアの関係だと、こう言っているんです。しかし、これには東芝マレーシアからその金をもらうということの方には丸を打ってないんです、両方書くようになっているんだから。申し込み会社と、それから相手方というのは現地法人のことを言っているんですよ、そしてその現地法人が出したという場合には、審査委員会にかけなければならぬということになっている、補助の基準の中で。あなたのところも入っている。それがそうなってなかったらこれはあれでしょう、東芝本社は現地からもらっているんだから、もらっていれば明らかにこれは虚偽の書類でしょう、そうしたら補助金詐取でないのですか。 それから会計検査院、この件については会計検査院の方としても補助金等適正化法の関係があるから十分調査してもらいたいと思う。
○説明員(岡峯佐一郎君) 先ほど来先生の政府当局に対します御質問を伺っておりまして、現地法人と研修生との間のトラブルと申しますか、拘束契約の問題は事の性質上調査検討を行う立場にないと私は存じますので、その辺の意見は申し上げられませんが、私たちの検査はあくまでも本件補助事業につきまして海外技術者研修協会が補助の要綱に従って適正に実施し、経理し、しかも目的を達成していることが検査のもとになるわけでございます。したがって、検査はあくまでも協会におきまして民間の負担分が正しく徴収され、国の補助金と合わせて当協会が各受け入れ企業に対して適正に事業をしているかどうかを確認することにありまして、私どもといたしましては、毎年お邪魔いたしまして、協会におきまして各企業が出されました研修、実習報告書とか、そういったものをベースとして確認に努めているところでございますが、先ほど来先生からいろいろ御指摘がございますので、今後の検査におきましては、そういったことも頭に置きながら対処していきたいと、このように考えます。
○丸谷金保君 この調査はしてくれるんですか、してくれないんですか。あなたの方は訴訟でも起こさなかったら発動できないのですか。
○説明員(岡峯佐一郎君) あくまでも私たちの方といたしましては、研修の成果があったかどうか、不幸にして現地法人と研修生との間にトラブルがあるようでございますが、研修の目的は達している、その意味で検査を終えているわけでございますが、せっかく先生の御質問でございますので、私はそういったことを頭に置きながら今後対処したいと考えております。
○丸谷金保君 研修の目的を達して訴訟になっているんですよ。いいですか。日本語でその場合目的を達していると言えるか、大変……でもいいですわ、調査してくれるというなら、それはいいです。 それで大臣ひとつ、いまずっとお聞きになっていたように、非常にこの拘束契約をめぐっていろいろな微妙な問題があります。このよって来るところはどうかというと、アジア文化会館の同窓会、これは各地からの留学生です。これが一九七三年の同窓会でこういう拘束契約はやめるべきだと、順次現地の事情によって、多少やるとすれば六カ月研修した場合には一年くらいまではいいけど、六カ月研修して三年だ、五年だ、こういうのはけしからぬと、もっとひどいのもあるんです。タイなんかもっとひどいのあったんです。家一軒買えるくらいの罰金だと、しかも担保に土地や家屋をとって親戚を保証人につけるような拘束契約もあったんです。それでこういうことが留学生の中で出たんです。それで穂積理事長がいろいろ話を聞いたところ、これは大変だと、底流に渦巻く、日本から帰った留学生その他いろんな問題が大変だと、そしてその中の一つにやっぱりこの問題もあるから、これはやめなきゃならぬと、あちこちに盛んに注意の話をして、田中元総理が行くときでも、日本で考えているようなものでございませんよということで、穂積理事長はこういう留学生なんかから聞く話を総合して注意して歩いたんです。だれも聞かなかったんです、そのとき。ところが、穂積先生が話して十日から十五日もたたぬうちに田中総理に対するタイのあの大歓迎ぶりでしょう。留学生が本当に大変な騒動になったんです。そのときの留学生の要望の一つにも、当時の読売新聞によりますと、明らかにこういう問題も一つあるということで要望書を出しているんです、こういうけしからぬことはやっちゃいかぬと。それを受けて海外技術者研修協会は一九七六年に海外技術者研修協会が扱う研修生についてはやめるべきだと、拘束契約は。それでやめるという文書が田口文書という名前で出ております。時間がありませんからこの中身は全部読みません。その後この田口文書を敷衍するという形で持たれた七八年の理事会が、その中で一行「義務期間や「違約金」は不当に拘束的なものであってはならない。」という文章が入ったために不当でない拘束契約はいいんだというふうに読みかえられて、通産省当局もそういう考え方で、不当でなければいいというふうなことにしたから拘束契約はいいんだということになって、不当か不当でないかということは審査委員会などで検討するということになっていながら、フリーパスで全部拘束契約をつけたやつがいま入ってきているんです。そこにこの問題が起きたんです。しかし、そのときこういうことで、拘束契約はこれは不当だしやめるべきだ、拘束契約そのものが不当なんだという、日本の憲法なり法律に照らして、日本がこれだけ金を出して、四分の三も政府のお金が出ている以上それはやめるべきだという文書の精神を生かして、この七八年の理事会でも、当時の杉山経済協力部長は、いろいろな意見はあるけれども、きょうは田口文書を具体的に再確認して、そして田口会長——田口さんというのはこれは石川島播磨の会長さんですね、田口会長文書の精神が実現されるよう努めるべきである云々とずっと——要するに逐次解消していくんだということをこのときも言っているんです。それで、穂積先生はこのとき、これで廃止が決まったと喜んだんです。ところが、本当はその延長線上で解釈しなきゃならない不当に拘束的なもの、これを不当でなければいいんだと、何年間かという拘束をつけること、これがそもそも不当なんです、だから不当に拘束的なものであってはいけないと。日本に来て帰る、私も今度行ってみて、マレーシアでもその訴訟の当人に会いましたけれども、その他の人たちが私のホテルに来ないんです。そこへ行くと、たくさん来ました、十人ほど。オンさんは名前を出しますけれども、ほかの人たちは名前を出さぬでくれと言うのです。いま勤めている企業に、そういうことでもってわれわれが集まってそういうことを私に言ったというだけでも後でいじめられると、私もそれはよくわかります。そういう状態の中でどんな調査に行っても上っ面しか見てこない人たちには、かつてタイで起こりインドネシアで起こったような底流したものが、日本の国費で勉強して帰った人たちの間に渦巻いているそういう原因をこの拘束契約がつくっているということに気がつかないんです。全部企業の論理だけです。つけた方が企業にとってみればいいに決まっています。こういうばかなことを通産省もやめさせるべきだということを前は言っていたんです。いつの間にか不当でないものはいいという言い方になってきた。日本の法律に照らして不当でない拘束契約がありますか、全部だめなんですから。日本の国内でそんなことを言えるはずがないんです、不当でない拘束契約が。先ほどのように、積極的に現地の国が指導しているから仕方がない——うそなんです、行ってみたら。何とかそういうふうにやらせてくれというのは現地の企業だけです。ですから、通産としても拘束契約、これは現実にあるんですから、あしたからやめるというわけにいきません。しかし、拘束契約で、金で人の体を縛るようなこと、発展途上国でやむなくやっているところもありますけれども、少なくとも日本の国費四分の三を入れた中で、日本から進出した現地の企業に都合のいいようなそういうことを日本の政府が認めていれば、企業がけしからぬのうちはいいんですが、政府がけしからぬになるんです。どうかひとつ、こういう拘束契約は逐次解消していくべきだと、原則としては好ましくないという明快な答弁を大臣からお願いいたしたい。
○国務大臣(佐々木義武君) 私も実は、先ほどお話しございましたように、一昨々日ですか、インドネシアとシンガポールに参りまして帰ってまいりました。その間に、向こうに行きまして合弁会社二つ、シンガポールとマレーシアで見てまいりました。大変規律正しく仕事に誇りを持って一生懸命やっているようで、成績も上がっているようでございました。残念ながら丸谷さんのお話しの拘束契約の問題は聞くまでに至らぬで、観察をしただけで帰ってまいったんですから、余り自分の感想からこういうことを申し上げるのはあるいは不当かもしれませんけれども、一般的に申しまして、非常に技術の向上という問題に対して国全般あるいは特に合弁会社等では熱心であることはお話しのとおりでございまして、大変なものだと思いました。そういう技術の向上、研修等をやらなければ国が伸びない現状であることも、これまた事実でございまして、その間、私の参りましたのは松下と時計の精工舎でございます——の合弁会社でございましたけれども、あの人たちがもし内地に留学生、研修者を出した場合に、仮に自分の会社、たとえば松下なら松下の会社あるいは精工であれば精工の会社に、工場へ——一般的な研修は協会でやるでしょうけれども、具体的なことになりますと、どうしてもそれは出身会社の工場へ行って研修を受けるに違いない。そういう場合には必ずノーハウだとかいろいろな問題があって、同じ会社の人間であるということでいろいろ具体的な技術も行う場合もあり得るんじゃないか。そういうふうな場合を想定しますと、あるいは拘束というのも全部悪だと言い切るのもどうかしらんという実は感じはしますので、ケース・バイ・ケースで場合によってはあるいは許されるかもしらぬ。ただ、その契約なるものが非常に不当で、いまおっしゃるように当、不当の基準が何だと言われますと私自体は持っておりませんけれども、しかし、一般通念からいたしまして、そういうのは少しひどいじゃないかというふうなものは、これはまさしくおかしいのでございますから、現地の皆さんの非難を受けないような、また不安を持たないような、そういう通念から照らし出して、やはり拘束契約そのものがある程度許されてしかるべきだと思いますけれども、不当なものはこれはやっぱり注意をして順次改正していくというのが一番正しい行き方ではなかろうかというふうに実は感じます。少し甘いかもしれませんけれども……。
○丸谷金保君 大臣、少しどころでなくてそれじゃ甘過ぎるんですよ、その考え方では。たとえば大臣が会社を見てきました。確かに経済的な発展に寄与もしております。しかし、それは日本企業だけでないんです、ほかの企業も出ております。ほかの国の拘束というのはほとんどないんです。おたくの方からもらった資料ですが、これによりましても、特に拘束契約はASEANにおいて圧倒的に多い。中近東なんかはもとはあった。イランやなんかでもナショナリズムが強くなるとなくなってくるんです。けしからぬという声が強くなるとだんだんなくなってきています。しかしあっても、とにかく技術を覚えたいから日本に来たいという人たちは、それはやっぱりあっても仕方がないということでサインします、行きたいんですから。日本へ来てみて、何だ、日本ではだめだという法律があるじゃないかというふうなことに気がつくんです。 それと、そういうところで偉い人たちとだけ会っても下の流れは聞こえないんです。あるいはそういうところへこちらから帰った研修生を呼んで大臣がそこで話をされても、本音は出てきません。日本で研修していただいて大変ありがたく、いまも一生懸命、給料も高いし——実際には給料の問題もあるんです、高くないんです。しかし、給料もいいし、ほかの現地の人たちから、同じ国の人から見れば生活も安定してていいというふうな話しか出ないんですよ、会社の人の立ち会わせでは。しかしそうではないんです。それが一つ。 それから、本質的にだめだけれどもケース・バイ・ケースでやむを得ない場合があるというのと、ケース・バイ・ケースでやむを得ないから拘束契約はいいんだというのは、意味が違うんです。大臣、どちらなんですか。日本の法律で禁止している、強制法規で禁止しているものを本質的にいいなんて、大臣まさか言うわけありませんわね。だから、大臣のいまおっしゃったことは、本質的にはこれはいけないんだけれども、相手国との関係もあるから、ケース・バイ・ケースでときによってはやむを得ないこともあるというふうに理解してよろしゅうございますか。
○国務大臣(佐々木義武君) 一種の倫理的な観点からいけばお話しのとおりだと思います。ただ、私の申し上げましたのは、そういうんじゃなくて、たとえば松下から派遣した研修員が松下の工場で実地研修を受けるんであればいいんですけれども、もしほかの会社で同業同種会社の研修を受けるというようなことがあり得るということが私考えられないんでありまして、やっぱりそれは派遣した会社の工場で研修を受けるんじゃなかろうかと思いますので、そういう場合にはそれは帰ったら自分のところで働けよというくらいのことはやっぱり言うだろうし、こっちの方で研修する方も、自分の会社と同系会社ですから、帰ったら自分の会社で働けるものとして一生懸命物を教えるに違いないと思いますので、その契約の内容がどうかということは大変な問題ですけれども、まあ一般的には過酷なものでなければある程度の話し合いと申しますか、そういうことは契約があるなしにかかわらずあり得るものじゃなかろうかという実は感じしましたのでそういうお話を申し上げたんです。
○丸谷金保君 大臣、非常にそこのところは大事なところなんです。実は私も行ってみましてつくづく感じました。感じましたけれども、契約がなくても待遇がよければ動かないのです。契約があるために待遇が悪いんです。ぶつぶつはそこから出るんですよ、一つは。いいですか。それで、たとえばアメリカとかほかの企業の方も調べましたけれども、向こうの現地に行った社長というのは、十年も十五年もそこへじっくり行き切りのオーナー的な役割りを現地法人が果たしているのです。日本は東芝マレーシアの段階を見ても三年か四年でみんなまた帰ってきて、こっちの職員です。そうすると自分のいるときだけ成績を上げればいいということになるのですよ。そうすると、その間だけ安く使うためにはこの契約はあった方がいいと、こういう角度でこの拘束契約が使われているんです。だから問題が起こる。そう言うと通産省の皆さんは、いや、三八%しか株ないからこちらに権限ないと言うけれども、行ってみるとそれはうそなんです。全くこちらの権限です。 それから大事な技術、それならいいんです。東芝マレーシアの組み立て工場へ行ってみました。あの程度の技術なら拘束契約をしなくたって企業秘密になるような技術でないのです。みんな拘束契約をかけているんです。なぜなら拘束契約は不当でなければいい。不当の観念を、どれだけならいいという基準を通産省は出してないのです。それから、記録を調べる限りでは、みんないいと言ってないのです。そして最後は不当な契約でなければやむを得ないというところでオールパス、全部通っているのです。なぜそうなるか。たとえばこの契約の中身から見ますと、会社が一方的に本人が怠惰だと認めて馘首することができるのです。その場合でもかかった経費を出せという契約になっているのですよ、みんな。ところが日本ならそれは労働基準法その他で訴えるところがあるでしょう。そういう労働者保護の規則もないところではどうしようもないのです。だから日本人が日本で考える観点でこの拘束契約に対する理解をしたら大きな間違いになると思う。それからペナルティーもそうです。往復したら二百万かかるところを五十万出した、五十万返せ——われわれの観点から見れば五十万は大したことないと言うけれども、向こうで言うと家一軒買えると言うのです——帰ったばかりの二十二、三の者に返せるはずがないのです。まさに昔の女工哀史と同じような形が出てくるじゃありませんか。行きたいから来た、現状はそういうことなんです。それでも大臣、不当でなければいいと言えますか。
○国務大臣(佐々木義武君) どうも根本問題に入っているようでございまして、お話しのようにそのもの自体が悪であるか、それは悪であるならば会社としてはもう研修費なんて出さぬと言われると、これはまた、むしろ全般的には研修してもらって技術を上げてもらった方がよろしいという議論も反面あるかもしれません。 そういうようなことですから、その根本的な善悪の問題もさることながら、やはり問題の焦点はその不当かどうかというところに私はあるのじゃないかと思いますので、そういう基準等ももう少し事務的にも深めてもらいたいし、また、お話しのように、そのもの自体が悪だと、それはもう研修生などよこさぬでもうとめちゃえというふうなところまで踏み切ってやるか、ここら辺は相当やっぱり研究を要するところだと思います。たとえば回教徒というか、宗教的ないろんな習慣等もあるかもしれませんし、そういう点もかみ合わしてその国の実情とかあるいは会社の実情とか、国々あるいは会社によってそれぞれ違うでしょうから、そういう点も加味してそうして不平が起こらないような処置をとれば一番いいわけですから、不平が起こらぬでしかも技術が習得できれば一番万全なわけですから、そうするためにはどうすればよろしいか、せっかく先生がわざわざ現地へ行ってそこまで研究されてきたのですから、お説もよくちょうだいいたしましてもう少し深く研究さしてみたいと思います。
○委員長(志苫裕君) 丸谷君、時間ですし、先ほどの坂本監察官からの答弁を求めてください。
○丸谷金保君 大臣、ここは一つだけはっきりしていただきたい。日本の法律では悪として禁止しているんです。そういう契約を結んだ場合に懲役まであるんですよ。契約を結んだこと自体が、十六条では。それを日本の大臣が拘束契約は悪だと言えないのですか。
○国務大臣(佐々木義武君) 善悪の問題まで入ってまいりますと、これは大変深い問題になりますので、私は善か悪かというところまではまだ何とも言えないのですけれども、しかし、お話しのように、やっぱり国々によって日本の観念と……
○丸谷金保君 日本で。日本で、日本の大臣が……
○国務大臣(佐々木義武君) いやいや、日本の会社の話じゃないんじゃないでしょうか。いま現地の合弁会社なんかの話なんじゃないでしょうか。 ですから、その国々の事情もありましょうし、現地の合弁会社自体の事情もあるかもしれません。だからそういう点もあわせ考えて、そうしてせっかく先生がそこまで御研究くださったのですから、しかもそういう貴重な御指示がございましたから、それを踏んまえまして、当不当の問題まであわせてもう少し深く研究さしてみたいと思います。
○丸谷金保君 ちょっと、大臣が答えてくれないのでね、私の聞いているのはそういうことでないのです。
○委員長(志苫裕君) それはあれですけれども、時間も時間ですし、あなたの納得のいく答弁であるかどうかは別として、答弁はしておるわけですから……
○丸谷金保君 すれ違いの答弁なんで、もう少しやらしてください。
○委員長(志苫裕君) 先ほどの監察官の答弁が残っていますから答弁を求めます。
○丸谷金保君 大臣、これじゃちょっと納得いかない。いくいかないと言っても答弁になっていない。いいですか。現地の法人は日本にある法人と人格は違うと言って東芝本社は逃げています。人格も違います。しかし、完全にリモコンのきく日本の会社の現地法人です。そうしてそういう本社がこっちにあるわけです、東芝なら東芝という。東芝だけでなくてもほかでもいいです。それで、日本の国内法では悪だとなっているんです、強制法規で。だから日本の国内で日本の通産大臣としてはこれは悪だと言えませんかと言っているんです、原則として。
○国務大臣(佐々木義武君) 国内法のお話であればそのとおりだと思います。
○委員長(志苫裕君) もう時間ですから……
○丸谷金保君 はい、もう一点だけ。 それで、国内法で悪だと。ですから国内としてはそういうことはいけないという行政指導を日本の企業に対して通産省はやってきているんです。そういう書類があります、時間がないから出しませんけれども。にもかかわらず途中からころっとひっくり返ったのです、企業の圧力で。途中からひっくり返っています。だから、いまの原点に立ってひとつ通産省の姿勢を正していただきたいと、まずそのことをお願い申し上げて、後は行管の方の問題に移りたいと思います。
○説明員(坂本信三君) 非常におくれまして恐縮でございました。 私の方の近畿行政監察局の報告を精査いたしましたところ、先生御指摘のように、拘束契約につきまして触れている部分がございます。
○森下昭司君 時間が限られておりますので、端的にお尋ねをいたしますので明快な御答弁をいただきたいことを最初に要望いたしておきます。 私は、この機会に、主として昭和四十六年以来、対米自主規制あるいは特繊法——構造改善臨時措置法などによりまして繊維業界の設備過剰が問題になり、それぞれ政府の手によって買い上げが行われまして破砕をされたわけであります。しかし、昨年の十二月、愛知県議会でわが党議員の質問によって、これら一連のいわゆる破砕措置をめぐりまして多くの疑問の点が摘発をされているわけであります。愛知県は議会を通じまして名古屋通産局とともに事実調査を約束をいたしております。したがって、まず最初に、今日までの調査の経緯はどうなっているのか、そのことをお尋ねいたします。
○政府委員(児玉清隆君) 現地の報道で大きく論ぜられまして、現在破砕されました精紡機が再生利用されていることがないかどうか、これを通産局を中心といたしまして都道府県の協力を得まして厳正な立場から全国的に調査を進めている段階でございます。 ちなみに、調査の方法といたしまして、すべての毛糸紡績業者につきまして、買い上げが始まりました五十三年四月以降におきまして再生された設備を設置したものがあるかどうかというのが第一の観点でございます。また第二に、破砕いたしました設備がスクラップ業者に渡った後、確実にスクラップとして処理されているかどうか。こういうことにつきまして、やり方といたしましては、アンケートあるいは面接によりまして調査をしておるわけでございます。 で、現在、進捗状況についてのお尋ねでございますが、調査はまだ終了はいたしておりませんけれども、これまでのところでは一応問題になるような案件があったというふうには聞いていないわけでございます。いずれにいたしましても、速やかに調査結果の取りまとめを行うように努力してまいる所存でございます。
○森下昭司君 非常に私は不満足な御答弁だと思うのであります。いま私の手元に、昨年十二月十四日、愛知県議会の企業商工常任委員会に商工部長より提出をされました報告書がございます。その報告書によりますと、「十二月十三日名古屋通産局、中小企業振興事業団に要請し、県との三者会議を持たせて頂きました。」と、いま局長が御指摘になりましたような諸点について調査をいたしますことを確認をいたしておりますが、同時にまた、次のようなことが付言をされているのであります。「同事業に不参加の企業は、工場名・所在地等不明なところがありますので調査の進め方が難しいと思われますが、今後関係機関と相談し、出来るだけ実態の把握に努めてまいります。」ということが書いてございまして、最後に、「率直にいってやってみないと判らないといった面が残っています。」と答えています。こういう障害の問題があるにもかかわらず、いまのような抽象的な御答弁では私は納得できないのでありまして、いままで一体どことどこの工場を調査したんだ、その調査した結果何もないというならば、どういう内容になっていたのか、そういった点まで触れていただきませんと、「率直にいってやってみないと判らない」とはっきり県が答えておりますのに、いかにも私はあいまいじゃないかと思うのでありますが、再度お尋ねいたします。
○政府委員(児玉清隆君) 一つの例でございますけれども、新聞報道にございました岐阜県下のA紡績、あるいは愛知県下のB紡績、C羊毛、D毛織といったような具体的に名前を掲示されました四件につきましては私どもも十分承知しておりまして、これら四件につきまして名古屋通産局あるいは愛知県等が行った調査結果というのがございます。 それで、問題になりました破砕されました設備が再生利用されているという事実は判明しているという報告はいまのところ受けておりません。 なお、先ほど申しましたB、あるいはC、Dにつきましては、当該企業から買い上げられた設備が確実に破砕されたかどうかにつきまして、スクラップ業者等に対する調査が行われまして、特に問題はなかったという報告を同様に受けておる段階でございます。
○森下昭司君 私は、調査の具体的な内容、やり方をちょっとお尋ねしておきたいと思うのでありますが、調査はどういうような方法でおやりになっているんですか。
○政府委員(児玉清隆君) 先ほど御答弁申し上げましたように、一応買い上げが始まりました五十三年四月以降におきまして再生設備が設置されたものがあるかどうか、これをすべての毛糸紡績業者につきまして実施するという相当緻密なやり方でございます。また、破砕いたしました設備がスクラップ業者に渡った後、問題は確実に溶鉱炉に入るかどうかという点でございますので、この点につきましても、できるだけスクラップ業者からどういう経過を経ていったかということについての業者を対象としたアンケート、あるいは直接の面接ということによりまして局と県が協力してやっていただいておるということでございます。
○森下昭司君 私の質問がまずかったかもしれませんが、手続を具体的にどうおとりになっているのか。たとえば、会社に調査に行くと御連絡なさるでしょう。あるいは、会社に参りましてどういうような帳簿等をお調べになっているのか。あるいは、たとえば私どもが問題にしておりまする精紡機関係におきましては日本毛紡績協同組合が事業主体でありますから、日本毛紡績協同組合に対しましてはどういうような調査をやったのか、そういったことをやっぱり具体的にお答えいただきませんと、いま局長が何回も強調されているように、再生された機械があるのかどうか、あるいはくず鉄がどこへ行ったのかどうか。これは私ども聞いておって一応の言葉のあやとしては理解いたしますけれども、そういう具体的な手順を経てこういう結論になったということが明らかになりませんと理解することはでき得ないと思うのでありますが、重ねてお伺いいたします。
○政府委員(児玉清隆君) 実際のやり方でございますが、これは、本省からの通産局に対する指示としてやらしております。そして、通産局は県と連携を十分保ちながらやるということでございます。 それから、いま御指摘のございましたように、実際の買い上げ主体は組合でございますので、組合にある資料、当時の確認書とかあるいは調査報告書とか、そういうものがいろいろございますので、そういうものを書面的にまずチェックを再度やったわけでございます。そして、その際に、実際にスクラップに関与をいたしましたスクラップ業者、これについて重点的にアンケートを出し、かつ、不十分な場合は面接もして、第一次的なスクラップ業者が第二次的なスクラップ業者にどういう形で渡ったか、それから最終的に最終時の業者が確実に溶鉱炉に売り渡したかどうか。一例で申しますと、鋳鉄業者、それから一般のくず鉄業者、こういうふうに分かれておりますので、鋳鉄ものについては鋳鉄業者のコースをたどりまして、末端溶鉱炉に入ったかどうかという点までトレースすることにいたしております。
○森下昭司君 実は、この実施要領によりますと、まず破砕業者が指定をされまして、その後の処理はすべて破砕業者に一任をされている。破砕業者はどれだけのくずが出て、これが価格幾らでございましたよという報告書を協同組合に提出をするというような手順になっていると私は理解をいたしております。したがって、いま局長が強調されましたように、たとえばくず鉄になったものは確かに何々製鉄所の溶鉱炉に入りましたとか、何々製鉄所の原材料置き場に運び込まれたというのはどういう方法で一体御確認になるんですか。ただ業者の言い分をお聞きになって、業者が間違いございませんと言いましたからこれはシロである、こういうように御確認になっているんですか。
○政府委員(児玉清隆君) 残念ながら過去の行為のトレースでございますので、物をそのまま追っかけるわけにまいりません。したがいまして、一応信頼を持って任せましたスクラップ業者、それのずっと、たとえば第一次から第二次に渡ったときに、第一次業者がBという第二次業者に売り渡したということであればBのところにも行って、確かに第一次業者からこれだけ、何トンのスクラップを受けましたというところを証言として求めるわけでございます。そういった裏づけになりますところのあれをアンケートあるいは直接の面接と——これはできる限りということでやるしかございませんので、いまとなりますと、そういった面接とか直接のアンケートとかそういうもので追っかけていくということでございます。
○森下昭司君 私は、なぜこれを執拗にお聞きいたしますかと申しますと、いま調査の報告がございましたけれども、その報告自体が非常に、県議会に報告をされました内容と一致をいたしておりまして、やってみなければわからないということを一つの背景として私は主張いたしたいので、そのことを厳しく実はお聞きをいたしておるんであります。 私、ここに日本毛紡績協同組合が行いました「毛糸用精紡機共同廃棄事業実施要領」というのを持っております。その第十五条の第五項に、「組合は、買上げ物件を屑として処分したときは、買上げ精紡機処分報告書(様式第10)を作成するものとする。」、第10には売り渡し先が一応書いてございます。私は、いま局長がおっしゃったように、くずというものは、各県で条例がございまして、古物商に登録をした者でなければ売れないということになっています。あるいは金属くず処理条例というのがありまして、厳しくこの点については、どこへ何トンのものが運ばれているというものを各警察署に報告をしなければならぬ条例があるんです。愛知県もございます。ですから、調べようと思えば、この条例に基づいて業者の台帳を調べればすぐ出てくるんです。だから、私の言うのは、そういうような証憑証書等の調査まで行ったかどうかということを重ねてお尋ねいたします。
○政府委員(児玉清隆君) 私、その点はまだ確認をいたしておりません。
○森下昭司君 将来そういった方法で再度調査をなさいますか。
○政府委員(児玉清隆君) 私、いまの御指摘のような点についてもう一度確認をいたしまして、必要があればもう一遍トレースをしたいと、このように考えます。
○森下昭司君 必要があればでなくて必要なんです。そういうものがなければ第三者が何で納得するんですか。おたくの方の局と協議をした県が正式に——何遍でも言いますよ、やってみなければわからないと言っているんですよ。やってみなければわからないんなら、やれる可能性のあるものを全部追及したらどうですか。そんな私はあいまいな態度は許しません。再度答弁を要求します。
○政府委員(児玉清隆君) 実態を確認しておりませんのであれでございますが、いま御指摘のような線で私もう一遍確認してみたいと思います。
○森下昭司君 次に、私、事前破砕の問題について若干お尋ねをいたしておきたいと思います。 この事前破砕につきましては、一応通産省の指導がなされておるわけでありますが、その中で、要するに立姿ですね、立姿の確認が必要になっているわけでありますが、この立姿の確認はどうしてやっているのか、この具体的なやり方をひとつお答え願いたい。
○政府委員(児玉清隆君) 第一次的には組合の職員がその立姿を確認するわけでございますが、御存じのように、通産局または県の職員の立会というのがございますので、そういう場合は職員も立姿を確認することになっております。
○森下昭司君 われわれの調査に対しまして通産局も、事前の破砕の立姿ですよ、立姿の確認については立ち会う義務はないというお答えをいただいておりますが、いまの答弁と違っておりますから重ねてお尋ねいたします。
○政府委員(児玉清隆君) 私、誤解したかもわかりませんが、事前確認についてはいま先生御指摘のとおりでございます。破砕の確認につきまして立会をするということでございます。
○森下昭司君 局長、よく質問を聞いてください、時間がありませんから。私は立姿の確認はどうするのかと聞いているんですよ、破砕なんか入っていませんよ。事前の、いわゆるこの破砕等が行われますが、その破砕の前にまず機械が確実に設置されているかどうかを確認するんですよ。その確認のときに、あなたはいま通産局が、県の職員も立ち会いますと言っていますが、私が聞きましたら、通産局や県の職員が立ち会う必要はないと、こう言っているんですよ。だからお答えが違うからもう一遍聞いたらまた破砕と——破砕じゃないんです。織機の立姿の状態を確認することなんです。
○政府委員(児玉清隆君) 組合の職員が確認をいたします。
○森下昭司君 ここに私、「短繊維紡績糸用精紡機共同廃棄事業に係る精紡機等の事前処分について」という通産省の指導文書を持っております。この第三項に、「参加組合は、上記了解を得たのち、様式2の事前処分届を連合会に提出するとともに連合会及び関係通商産業局又は関係都道府県に対し、当該紡績設備の立姿確認を要請するものとする。」、これは具体的にどういうことを言うんですか、お答え願いたい。
○政府委員(児玉清隆君) 事前破砕の場合は、いま御指摘のように関係通産局長または都道府県知事に対しまして立姿確認を要請されます。したがいまして、その場合は通常の破砕の場合と同じようにやります。と申しますのは、通常の場合、事前確認は事前破砕の場合は同日行う場合が多いわけでございます。したがいまして、破砕ということとまさしく同日ということで、事前破砕の場合には、これは例外的に局または県の職員が立ち会うということでございます。
○森下昭司君 それでは答弁にならないんですよ。破砕の立会人が、たまたま同日行われますから行きました、そこで立姿を確認いたしまして破砕です、破砕の立ち会いに行ったんです、立姿の確認に行ったわけではありません。 次に、事前の破砕の中に解体ということがあるんですよ。解体の場合は立姿をどうやって確認するんですか。おたくの場合、ちゃんと破砕、解体、移設と三段階に分けているんですよ。解体の場合はどうやって確認するんですか。
○政府委員(児玉清隆君) 解体の場合も解体の前に事前確認をするということでございます。
○森下昭司君 これも先走ってはいけませんが、解体と同時に破砕をするから確認が同時に行われる、そういう理解でいいのですか。
○政府委員(児玉清隆君) 解体の際に立姿確認というものもやりますということでございます。
○森下昭司君 局長は実態を御存じないんですね。これからまだ行われるんですよ。そんなことは後から質問いたしますが、私がお尋ねしたいのは、法律用語、行政用語ではございませんが、いいですか、「立姿の確認を要請する」なんです。破砕の場合は「立合いを得られるものでなければならない」と書いてあるんです。だから行政用語で要請するということは、具体的に何を指すのか。つまり、通産局長と愛知県知事に——この場合は愛知県知事ですが、通知をすれば事が足りるというふうに、要請するというのは具体的に理解していいのかどうか。私どもは通産局や県の職員の方々といろんな意見の交換もしましたが、県や通産局の権限は、立ち会いを求められているものは破砕の場合だけですと、こう言ってがんばっておみえになるんですよ。だから、要請するということと立ち会わなければならないというこの行政用語の解釈を一遍やってください。
○政府委員(児玉清隆君) 要請されました場合、これは立会をすることにいたしております。したがいまして、実質的には要請ということと、それから立ち会うということ、これはイコールというふうに私どもは解釈をいたしております。したがいまして、実施要領におきまして要請するということで、たとえば事前破砕の際に、事前確認の段階でその立姿を確認するという段階につきましては、これは一般の通常破砕と違いまして、やはり立姿確認ということでやっております。
○森下昭司君 まあ私はこれは実態をごらんになっていただけばもっとはっきりすると思うんであります。私はそういうような抽象的なお答えでは困ります。 とすれば、公開の場ですから——じゃ、私どもが名古屋通産局でお尋ねしたときに、私どもが聞き間違えたのか、あるいは通産局の御回答がいわゆる誤っていたのか、これは後日の問題として、また改めて私は討論いたしたいと思いますが、私がここで確認しておきたいことは、事前破砕の対象になった機械の立姿の確認は、通産局職員または県庁職員の立ち会いが必要であるということを再度求めたいと思います。
○政府委員(児玉清隆君) 事前破砕の場合は必要でございます。
○森下昭司君 そこで、この中に、私最初申し上げましたように、破砕、解体、移設と書いてあるんですね。このいわゆる解体というのはどういうものを指すんですか。それから、解体されたものはどういうように処分されているのか、この点について御説明いただきたい。
○政府委員(児玉清隆君) 解体も、いずれ破砕されるということでは破砕につながっているわけでございまして、一時的に場所が不適当であるということで解体という行為を行います。
○森下昭司君 このことは後で具体的にまたお尋ねもいたしますが、そこで、今度は、いわゆる一般通常の破砕問題に関しまして事前の確認というものが行われます。先ほど申し上げました実施要領によりますと、「買上げ対象者が毛糸の生産の用に供していたものであり、現に設置され、かつ運転可能であるもの。」ということが実施要領の第七条に実は記載をしてあるわけであります。このいわゆる「生産の用に供していたものであり、現に設置され、かつ運転可能」というのは具体的にどういう状態のものを指すのか、御説明いただきたい。
○政府委員(児玉清隆君) 「現に設置され、」という点は、文字どおり設置されておるという物理的状態を指しておるわけでございます。それに対しまして、機能的に運転可能な状態ということでございまして、その点は若干広目に私どもも読んでおるわけでございます。と申しますのは、たとえば不況カルテル等で休機をしている場合がございます。そういう場合はいつでも稼働できるという状態にシステムがなっておりますが、現実には運転していない場合もございます。で、運転可能な状態と、そういうような表現で広く包含しております。
○森下昭司君 広く包含することが、ややもいたしますと非常に不正な道に通ずるおそれも実はあるわけでありますが、たとえば設備が過剰なために工場の中で機械をとめてあった、それが買い上げの対象になるという場合ですね、たとえばとめてから何年ぐらいのものが対象になるんですか。
○政府委員(児玉清隆君) いま御指摘の何年という決めはございません。ただ、電源との結びつき、あるいは前紡工程との結びつき等々から、いつでも稼働できるような状態という状態で縛っております。
○森下昭司君 私は、後で具体的な例を二、三お尋ねいたしますが、逆に、そういう設置されておりましたものが、部品がもうなくなっている、買い上げの対象になる、部品がないから、部品を補てんして運転可能な状態にする、こういうような場合でも買い上げの対象としては違法ではない、違法ではないが、妥当性を欠くとか、いろんな解釈があると思いますが、そういう点について通産省としての考え方を聞いておきたいと思います。
○政府委員(児玉清隆君) これは操業途中でもよくあることでございますが、部分の入れかえとか補修とかという点は運転中でもございますが、ここで言っておりますのは、買い上げ時点におきまして整備された機械の状態ということでございまして、その途中経過までは触れておりません。
○森下昭司君 もしもその途中経過で、実際にはもう放棄同様にしてあった機械を、たまたま工場に設置してあったのをいい幸いにいたしまして、部品を補てんして買い上げの対象にした。そういうものが明確にわかってまいりますれば、これは私は買い上げの対象にすべきではないと思うんでありますが、買い上げ時点で云々というよりも、買い上げ以前の経過が明確になれば、たとえば買い上げ対象から外して、支払ったいわゆる買い上げ代金の返還を求めるとか、そういうようなお考え方はありますか。
○政府委員(児玉清隆君) 確認します基準時点から、先ほどございました二つの点、いわゆる「設置され、かつ運転可能」な状態にあるというものを対象にいたしております。したがいまして、そういう点でチェックはもちろんいたします。
○森下昭司君 そうなると、そのときの事前確認の方法というものが問題になりますが、時間がございませんので、これから具体的な問題を二、三お尋ねいたしたいと思います。 まず最初に、愛知県西春日井郡西春町にございまする丸善商工株式会社の件について、まず通産局はどのようにこの内容を把握しておみえになりますか、そのことを最初にお尋ねいたします。
○政府委員(児玉清隆君) 丸善商工につきまして、私ども深く前から知っておって、この会社についてどういう状態で買い上げがなされたという点についてまだ調べておるわけではございません。これはついこの二、三日の間に私ども丸善商工の買い上げについての経緯あるいは当時の状態等々についての一応の調査はいたしておりますが、当時のあれにつきまして、特にこの件についてだけ深く掘り下げた調査ということをいま終了はいたしておりません。
○森下昭司君 ですから、現時点ではどの程度把握しておみえになりますか。
○政府委員(児玉清隆君) 丸善商工は、五十三年の六月時点におきまして資本金六百万円、従業員三人というごく零細な企業でございますが、丸善商工の当該設備の取得は五十二年二月十三日、それから売り渡しの申し込みを経まして、売り渡しの契約を締結いたしましたのが五十三年七月十二日、それから事前破砕というのが行われましたのが五十三年八月七日、代金支払いが五十三年十二月十八日、一応そういったものを把握しております。
○森下昭司君 私、こういうことを申し上げて大変恐縮でございますが、いわゆる丸善商工をめぐる問題は、丸善商工が所有していない機械を買い上げの対象にしたということが私どもの調査に実は明確になっているわけであります。 現在は一宮市に移転をいたしましたが、当時愛知県葉栗郡木曽川町大字内割田字屋敷、ここに三洋工業株式会社がございます。もちろん愛知羊毛紡績会の会員でございます。この会社から一宮市の方が実は機械の貸与を受けたわけであります。この貸与を受けられた方は、一宮市大字赤見大山三十二の二、有限会社岩井整毛工業所でございます。この岩井整毛工業所が、いま申し上げた三洋工業株式会社からリング式精紡機等を含めて機械の貸与を受けて、三洋工業株式会社の下請会社の賃機として事業を開始をすることに相なったわけであります。 ところがいま局長は、昭和五十二年二月段階の設置だというふうにお話がございましたが、実を申し上げますと、この岩井さん自身から私ども直接聴取をいたしておりますが、三洋工業から機械を借りて契約をいたしました時点は昭和五十二年の六月段階でございます。その後、この機械がいわゆる部品不足のために運転可能な状態にするために努力をいたしました。契約をいたしました後に、機械は昭和五十二年十二月にこの岩井整毛工業所に備えつけられたわけであります。 ところが、いま申し上げたように部品不足で運転をすることが不可能な状態でありますので、部品を買い集めましてやっと一台のリング式精紡機の三百六十錘、一台で四百錘運転可能でありますが、三百六十錘まで運転ができるような状況にまで修復をいたしたわけであります。その結果、六月の初めに運転を開始をいたしましたけれども、やはり能率が上がらないというので、十日間ぐらいの運転をいたしました後に実は操業を打ち切ったわけであります。その後局長がおっしゃったように、五十三年の七月の段階で事前確認が行われ、八月の七日に破砕が行われた、こういう経緯になるのでありますが、この中で岩井さんが全然事前確認だとか破砕の問題については承知をしていなかった。承知をしていなかったのになぜそういうことになってしまったのか。 それは、ここに私、証拠物件として持ってまいりましたけれども、先ほど申し上げた実施要領に基づきまして、丸善商工株式会社が毛紡績協同組合に売り渡し物件目録を申請いたしました。そのときに、メーカー名は浅田製作所、リング式、機台番号が一、一台当たりの錘数が四百、これも間違いですね。そして、設置している工場名が一宮工場となっております。 そこで、まず最初にお尋ねいたします。丸善商工株式会社が一宮に工場をお持ちであるかどうか。先ほどの回答からまいりますれば、そこまで調査が進んでいないかもしれませんが、一宮工場というのをお持ちになっているかどうか、その点を最初にお尋ねいたします。
○政府委員(児玉清隆君) 私どもが現段階で聞いております点は、組合に残っております紡績設備等の現地確認報告書によりますと、会社名丸善商工株式会社、それから事業所名といたしまして丸善商工株式会社一宮工場ということが記載されてありまして、それ以上の確認はいたしておりません。
○森下昭司君 一宮工場とは、私が指摘をいたしました最初の有限会社岩井整毛工業所であることは間違いございません。これは岩井さんが私どもの前に明言をいたしておりますので、間違いございません。まずこのこと自体、売り渡し物件の申請自体がまずインチキである、これはもう明白であります。 次に、一体その三百六十錘しか運転しなかったと答えているのに、なぜ四百錘を対象にして買い上げてしまったのか、第二の問題点があります。 第三の問題点、これ明確にしていただきたい。私はいまここに、西春日井郡西春町の町役場に記載をされておりまする償却資産課税台帳というものを、写しを持ってきております。その丸善商工株式会社の資産台帳をながめてみますると、リング式精紡機、一台もございません。ないものをどうやって事前確認をおやりになったんですか。事前確認をされておれば資産台帳を調べるはずなんです。これは毛紡績協同組合の専務理事も、全部資産台帳を調べ、納税証明書を調べまして、一つ一つ確認いたしましたから間違いございませんと私どもに言った。なぜ資産台帳に載ってないのか。こういった事態をどうお考えか。まず、調査が進んでおればその調査についてお答えをいただきたいし、こういった問題がもしも事実とすればどういう御処置をなさるのかも含めてお答えをいただきたい。
○政府委員(児玉清隆君) いまお話しのような非常に深い調査はいたしておりませんが、私どもが承知しておりますのは、一宮市長のいわゆる償却資産の課税台帳による証明書というのを一応私ども見せていただいておりますが、それによりますと、リング精紡機一台と、そして資産の所在地、及び所有の名義人といたしまして丸善商工株式会社というような証明書をいただいております。
○森下昭司君 それは、何年の資産台帳にそういうことが載っておりますか。
○政府委員(児玉清隆君) 日付が、五十三年の三月二十三日付発行の証明書でございます。
○森下昭司君 これは私は率直に申しまして偽造されたものだと思います。はっきりこれは申し上げていいと思います。現に私、いまここに丸善商工株式会社の法人登記を持ってきておりますが、この法人登記には一宮工場等の記載もございませんし、親族郎党によって役員が独占されていることも明確であります。こういうようなことを考えてまいりますと、私は、そのようないわゆる作為に基づいた登録が行われて、そういった証明が出され、一応合法的な形態をとったというふうに断じても差し支えないと私は理解をいたしているわけであります。したがって、いま申し上げたように私どもの指摘に対しまして今後どのように対処なさるのか、重ねてお尋ねいたします。 〔委員長退席、理事穐山篤君着席〕
○政府委員(児玉清隆君) 丸善商工の問題は、これはいま御指摘のように、個別、具体的な問題でいま先生御指摘のような問題がもしありといたしますと、この点について私どもさらに深い調査をいたしたいと思います。
○森下昭司君 警察庁の方がおいでいただいておりますが、いま私の言ったことがもしも事実だとすればという前提で結構でございますが、仮にこういうようなことが刑法上の問題になるならば、私は詐欺罪を構成するおそれがあるのではないかと思うんでありますが、御見解があれば承りたいと存じます。
○説明員(漆間英治君) ただいまお聞きしました点は、実は私ども初耳でございまして、愛知県警からそのような事実について捜査をしているという事柄についても報告を受けておりません。 御承知のように、警察は捜査を実施する機関でございますので、捜査をまだ開始しておらない事案についての判断を申し述べることは差し控えさしていただきたいと思います。
○森下昭司君 そこで、いま丸善商工問題については、局長がさらに再調査をしたいというお答えでありますので、私は調査の正確性を実は御期待をいたしたいと、かように存じます。 次に、私、岐阜県の三井紡績問題についてお尋ねをいたしておきたいと思います。これは、ミュール式の精紡機二台を所有いたしておりまして、五十三年の設備共同廃棄事業に際しまして、破砕寸前に京和機械の製造のミュール精紡機を中古機として売りました。その後、破砕前に、今度を大隈製の精紡機を約二十万円で中古品を購入いたしまして、既存の一台とこのいわゆる大隈の一台、二台を破砕をいたしました。 〔理事穐山篤君退席、委員長着席〕 これは私は明らかに、なぜそういうことをやったかというと、京和の機械は高いんです、高い機械を売って、安い、二十万円で大隈の機械を買ってきて——これはもう使えない機械ですよ。買ってきて、そしてそれを買い上げの対象にした。全く私はこれも詐欺にまがうような行為だと思うんでありますが、こういうものは、私は、いわゆる事前確認——資産台帳をお調べになる、納税証明をお調べになる、それによって明確に出てくると思うんでありますが、この点についてはどういうように事情をお聞きになっていますか、まず最初にお尋ねいたします。
○政府委員(児玉清隆君) いま御指摘の当該会社の廃棄問題につきまして、私どもは一応概略だけの報告を現在受けておる段階でございまして、いま御指摘のような事前に入れかえが行われたとか、そういうことについての報告を実はとっておりません。したがいまして、いまここで、いまお話しの点についてのこれがそのとおりであったとか、あるいは私どもがさらにそれに対してどういう方法でこれに対して措置をとるかというようなことを言えませんので、先ほどのケースと同様に、三井紡績につきましてはまだ十分という調査ではございません。一般的な点についてだけ報告を受けておりますので、御指摘のような点について再度私ども現地に確認をしたいと、このように考えております。
○森下昭司君 ですから、私は最初に実はなぜ執拗に調査方法についてお尋ねしたかということは、ここでおわかりになると思うんであります。このことは県議会で問題になりましたり、私ども自身が名古屋通産局へ参りまして、具体的に三井紡績とは申しませんが、岐阜県のこういったような紡績会社におきましてかくかくの事件がありますよということは申し上げてあるはずなんです。県議会で県知事がお答えになったのは、一月じゅうにとりあえず報告を出したいということです、通産局と協議の上。その通産局が、いま局長の御答弁からまいりますれば、まだ全然手をつけていないということになるんじゃないですか。そういたしますと、私どもが通産局へ行ってお話を申し上げたことに対しまして、一体、通産局が誠心誠意正確さを期するために調査をしておるという姿勢がこれではうかがい知ることができないと私は思うんでありますが、どうですか。
○政府委員(児玉清隆君) 私どもが通産局から積極的に、この件について御指摘があって、こういう調査段階にあり、かつ、それについて現在まで判明したところこうであるというような報告を受けていないという意味でございまして、恐らく現地通産局では御指摘にありましたような点についてお話を先生にしたと思いますが、その点についてはお話ししましたとおり、調査を鋭意進めておる、このように私は考えております。
○森下昭司君 納得できません。
○委員長(志苫裕君) ちょっと森下君、あなたの質問通告はいつですか。
○森下昭司君 質問通告ですか、二十……
○委員長(志苫裕君) おとといやったんですか。
○森下昭司君 ちょっと前なんですよ。
○委員長(志苫裕君) もう少し正確に答えてもらわぬと困りますね。ほとんど報告を受けていないじゃ、質問通告の意味ないじゃないですか。
○政府委員(児玉清隆君) 実は、この件につきまして一昨日私ども通告を受けまして、そして、一昨日現在までにわかっておる点について通産局から聞いておる程度でございまして、通産局が現実にまだ調査を進めておるという段階でございます。
○森下昭司君 そういう答弁なら、調査を進めておるなら、進めておるのはいまどこまでやっているんですか、何と何を調べているんですか、言ってください。
○政府委員(児玉清隆君) 基本的な事項、たとえば買い上げました設備、それから錘数、買い上げの金額、あるいは買い上げ設備の取得の年月日、あるいは売り渡しの申し込み、その後の経過、それから事前破砕、それから各証明書、いま把握できる段階のものとして、先ほど申し上げましたようないろんな証明書がございます。そういったもの等を私どもは受けております。恐らくこういった資料をもとにしまして、現在通産局がさらに掘り下げた調査をしておる、このように考えております。
○森下昭司君 まことに、本当に無責任な御答弁だと思います。 時間がありませんから次の問題に移ります。 岐阜県本巣郡にあります五共紡績の件についてお尋ねします。 概略私から率直に申し上げておきますが、名古屋中村区にございました大治紡績が五十二年夏に自主廃棄をした際、ミュール精紡機を持っていたわけであります。このいわゆる大治紡の自主廃棄をいたしました精紡機が、言うならば中古機械業者を通じまして、私どもの調査ではいわゆる三洋紡績株式会社、一宮にございますが、この三洋紡績一宮の会社にこの自主廃棄をしたいわゆる精紡機が流れている。そして大阪のせいわ紡績、このせいわ紡績で破砕の対象になった精紡機がこれまた中古機械屋の手を通じまして五共紡績に搬入されて使用されているという問題であります。 これに対しまして、通産局側はせいわ紡績の機械は五共紡績には入っていない。五共紡績に入っているのは自主廃棄をした大治紡の機械である、したがって不正はないと。簡単に言えばそういうような実は問題点が出ているわけであります。 そこで私は率直にお尋ねいたしますが、せいわ紡績の破砕の対象になった破砕番号があるわけであります。機械が対象になりますと破砕番号が打ち込まれます。このせいわ紡績の破砕番号というのは確認されておりますか。
○政府委員(児玉清隆君) せいわ紡績については承知しておりません。
○森下昭司君 だけれども、大阪でせいわ紡績はいわゆる破砕対象の機械買い上げ工場であり、買い上げの対象機械があったことは事実であると思いますが、その点は確認してありますか。
○政府委員(児玉清隆君) その点は確認してございません。
○森下昭司君 なぜ確認しないのですか。
○政府委員(児玉清隆君) せいわ紡績そのものについて私ども承知しておりませんでしたので、これについてどうだという確認はいたしておりません。
○森下昭司君 この点についても率直に名古屋通産局では、せいわ紡とは申し上げませんけれども、大阪方面の破砕対象になりました機械が、大阪方面の中古機械会社を通じましていわゆる五共紡績に持ち込まれているということは指摘してありますよ。
○政府委員(児玉清隆君) 大阪通産局、それから名古屋通産局、両方にまたがる問題でございますので、その両局と組合の調査によりまして私どもが承知しておりますのは、関与者といたしましては先ほどお話のございました大治紡績、これは愛知県でございます。それと木村毛糸紡績、大阪府、この関与者がございまして、そして最終的なあれとしまして二つの商店名が挙がっておるわけでございまして、その中にはいまの御指摘の名前がございません。
○森下昭司君 二つの商店名とは泉大津にともにございますが、岩森商店と水本商店だというのが私の調査で明確になっております。 しかし、私どもの調査によりますとせいわ紡績の精紡機の破砕番号は六一一一番であります。五十三年三月に破砕をされております——と言われているわけであります。というのは、それは破砕せずにそのまま五共紡績に持ってきたんですから。なぜこれが明確になったか。これは私ども関係者が全部調査をいたしましたが、この五共紡績に破砕されたと称せられますせいわ紡績の精紡機を設置した業者がございます。その業者が破砕番号六一一一を確認いたしておるわけであります。それを私はルートとして追及をいたしました結果、いまのような事実が判明をいたしたわけであります。この点についてはどうですか。
○政府委員(児玉清隆君) 私どもの方の受けております報告によりますと、名古屋通産局及び組合が五共紡績につきまして実地調査を行いましたところ、御指摘のような再生設備というようなこと、あるいは受け入れ設備ということではなくて、やはり先ほどもちょっとお話出ましたが、五共紡績で私どもの方でつかんでおります破砕の対象になりましたものは、あくまでも自主廃棄あるいは倒産によって譲渡された機械、そういうものであったと、このような報告を受けております。
○森下昭司君 三洋紡績は御調査なさいましたね。いつなさったですか。やっていませんか。
○政府委員(児玉清隆君) 聞いておりません。
○森下昭司君 私どもの調べでは五十四年、昨年の問題になりました十二月二十日、また二十一日、県と通産局が調査に行っております。なぜそんなことが来てないんですか。
○政府委員(児玉清隆君) 私どもの方に参っている報告書では、いまおっしゃいました三洋の問題は入っておりませんので、それを局の判断でどうしたかという点までは確認しておりません。
○森下昭司君 ですから、きょうの答弁は非常に不誠意きわまるんです。事実を隠蔽しようとする努力だけなんです。三洋はなぜ調査の対象になったか。それは先ほど申し上げましたように、大治紡の自主廃葉をした精紡機を使っているかどうかということも一つの問題点であります。 で、もう一つの問題点は、先ほども申し上げましたように、言うならば精紡機を三台所有しておった。その一台を昭和四十七年に売ったわけであります。その後また、先ほど申し上げたように別の会社の機械の買い入れをいたしまして計三台といたしました。そして、言うならば、そのうちの一台を実は余分に使うというような経緯等がございまして、調査の際にあわてて格納をしたという事実が実はあるわけであります。そういうような問題がなぜ出たかと言えば、いま言ったように通産局と県の調査が暮れに行われましたために、まあそういう格納したという事実が出てきたわけであります。そういった報告が全然通産局から本省に上がってこない。私は率直に申し上げまして、大変これは遺憾なことだと実は言わざるを得ないと思うんであります。 で、この五共紡績の問題、それからいま三洋紡績の問題について、私どもの調査は具体的に——いま私自身はルートを申し上げている、具体的に破砕番号まで申し上げてあるわけであります。これは私は事実調査を確認しようと思えば確認できることだと信じておりますが、この点についてはどうですか。
○政府委員(児玉清隆君) 御指摘の点について再度確認してみたいと思います。
○森下昭司君 次に、中小企業振興事業団から来ていると思いますからお尋ねいたしておきます。 私どもが通産局なり、あるいは私自身が政府委員室を通じまして、先ほどの丸谷委員の質問ではございませんが、破砕の状況等、たとえば簡単に言えば、疑わしき会社がどういうような精紡機を破砕をしたのか、またどんな精紡機を所有しておったのかというようなことについて資料要求をいたしました。それに対しまして中小企業振興事業団からは、守秘義務がある、したがってお答えすることができないという回答がございましたが、一体守秘義務とは何ですか。
○参考人(斎藤太一君) 私どもの事業団は、設備廃棄等につきましていわゆる高度化資金を、設備廃棄の買い上げ資金を組合に融資をいたしておるわけでございますけれども、そういういわば金融機関的な性格を持っております。それで個々の企業のいろんな内容等にわたる資料を入手いたすわけでございますけれども、これはそれぞれの企業の信用等にかかわる内容の問題でもございますので、総体としての統計的な資料は別といたしまして、個別の企業にかかわります点につきましては資料の提出は御容赦をいただきたいと、かように考えておる次第でございます。
○森下昭司君 きょうは日本毛紡績協同組合に出席要求しましたが、都合悪いというので御欠席のようであります。毛紡績協同組合の理事長は企業秘密だという言葉をお使いになっております。まあ守秘義務につきましても、企業秘密につきましても、職業秘密につきましても、特に守秘義務は田中金権問題を通じまして国会内でも非常に議論を呼んだところでありまして、政府の統一見解も出ております。企業秘密なり職業秘密は、これまた刑法上の問題といたしまして刑事訴訟法の中に明確な規定がございます。 私は政府委員室を通じあるいは通産局を通じまして要求いたしまして、回答が、国家公務員の準用でありまするから事業団は公務上知り得た秘密であるから、協同組合の方は企業秘密であるから——これは私は理由にならないと思っております。しかし、時間がありませんからきょうは論戦することができませんのを非常に残念に思いますから、これは次の機会に私は譲っていきたいというふうに考えておりますが、そういう態度では問題を明確にするわけにはまいりません。 そこで、失礼でありますが、事業団は貸し付け申請がまいりましたとき一体どうやってチェックなさるのか、チェック体制についてお尋ねいたします。
○参考人(斎藤太一君) 借り入れの申請書は商工中金を経由いたしまして私どもの方に出されてまいるわけでございますけれども、その際に事業団といたしましては、まずその買い上げの対象になっております企業が適格な企業であるかどうか、つまり大企業でないか、あるいは大企業のダミーでないかといったような点につきましては、企業の概要書というようなものがついておりますので、それを見て調べるわけでございます。次にその対象となります設備が実施要領に定められております適格な設備であるかどうかというような点につきましても一応証憑書類がついておりますので、それによりまして概査をいたします。さらに適確に廃棄されたかどうかと、破砕されたかどうかという点につきましては、廃棄確認書というものがつけてございますので、そういう面を見まして、実施要領どおりの手続がなされておるということを確認をいたしまして融資の手続に入るわけでございます。 もちろんそのほかに組合の償還能力等の審査もいたします。ただ非常に小人数で担当いたしておりますので書面審査でございまして、廃棄が実際になされたがどうかという点は、一応廃棄の報告書というものがつけられておりますので、それを見て書面審査をする、こういうふうな形で審査をいたしております。
○委員長(志苫裕君) 森下君、時間です。
○森下昭司君 はい、わかりました。 お決まりの回答でありまして非常に残念であります。簡単に、ひどいことを言うようでありますが、書面審査ですから企業組合の言いなりと、字が間違っておるか、数字が間違っておるかがなければ判こを押すと、極端に言えばそんな状態ではないかと思います。全く残念なチェック体制であります。これで何千億という金が使われるのですから。いまの状況で事業主体が協同組合、自分たちが自分たちの機械を壊すんです。こんなやりいいところはないと私は思うんであります。通産省も立ち会いだけのチェックだけというようなことでは、私は全く繊維構造に基づく所期の目的を達成することはでき得ないというふうに実は理解をいたしているわけであります。 そこで、最後に大臣にお伺いいたします。時間がございません。 一つは、こういった問題について今後どう対処なさるのか、その考え方を述べていただきたい。 第二、カート関係者——整毛関係者ですね。整毛関係者が非常におくれてしまいまして、中にはもう買い上げを予定いたしまして実は転業までしている方があるわけであります。ところが実際には買い上げが行われておりません。でありまするから、もう機械は保存しなければいけないわ、建物は残しておかなければいけないわ、完全に転業ができ得ないと嘆いている方が多いんであります。 もともとカード機は、昭和五十三年の九月に通産省の指導によって、言うならば設備買い上げの話が指導されまして、五十四年度中に完了するという実は計画になっているんです。その計画の中でだんだん事業がおくれてしまいまして、五十四年度の施行すらも危ないと実は言われているわけであります。これは整毛工業組合員が非常に零細中小企業が多いというようなこと等を考えますと、早急に私は買い上げを実施する必要があるのではないだろうかというふうに思うんでありまして、五十四年度中には、私、聞くところによりますれば、緊急を要するものについてはある程度処理をし、五十五年度に残りは事業繰り越しをせざるを得ないというような考え方もあると聞いておりますが、大臣からこの点についての所信を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(佐々木義武君) 前段の問題に関しましては、厳正適確に今後とも実施してまいるように指導してまいりたいと思います。 後段の問題に関しましては、関係業界から共同廃棄計画等が提出されるよしでございますので、御趣旨に沿って至急実現できるように十分配慮してまいりたいと思います。
○森下昭司君 もうちょっと具体的に、カード機の問題についてはどういう考え方かちょっと言ってください。大臣御存じないですか。
○政府委員(児玉清隆君) 補足して申し上げますと、御指摘のように五十四年及び五十五年度ということでございます。 そして、業界が非常に零細業者の集まりでございますので、これにつきましては、要望を十分聞きながら早急に進めるように努力したいと、このように考えております。
○委員長(志苫裕君) 当委員会で不正が指摘をされたわけでありますから、調査の結果を報告をしてください。 午前の審査はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩いたします。 午後零時四十一分休憩 —————・————— 午後一時三十三分開会
○委員長(志苫裕君) ただいまから決算委員会を再開いたします。 午前に引き続き、昭和五十一年度決算外二件を議題とし、通商産業省、経済企画庁、中小企業金融公庫及び中小企業信用保険公庫の決算について審査を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○和泉照雄君 私は、まず最初に電力料金の値上げについてお伺いをいたします。 昨日、北海道電力を除いた八電力会社が平均で六四・四二%という過去最高の値上げ申請を通産省に提出をしましたが、この上げ幅は昭和四十九年の石油ショックのときの値上げ申請の平均六二・八九%を上回るほどの大幅値上げであり、きわめて異常で、数字だけ見ても非常に吹っかけ過ぎたということは紛れもない事実であろうかと思います。いまから認可率は五〇%前後であろうと言われておりますが、いま通産省に質問を種々いたしましても、これから内容を検討してという答弁しか返ってこないと思いますので、角度を変えて次のことを伺いたいと思います。 昭和四十九年五月の石油ショック後の電力料金値上げから、政府は高福祉型料金体系として大々的にPRされて、ナショナルミニマムの考え方を導入をして、生活必需的な消費量には割り安な料金を適用することを決め、当時三段階のうち一カ月一家庭百二十キロワット時以下を割り安に設定し、通産省の話ではこれで五一%の世帯がこの恩恵に浴するということでありましたが、年々家庭の使用量はふえ、五十三年の月間平均使用量は百九十キロワット時となっておるようであります。通産省がナショナルミニマムというならば、今回の値上げに関して第一段階の一カ月使用量を百九十キロワット時以下に引き上げなければならないはずでありますが、値上げの査定に当たって通産省は、せっかく通産省がつくられたナショナルミニマム制度を十分尊重すべきだと思いますが、通産大臣のお考えをまず伺いたいと思います。
○政府委員(安田佳三君) 事務的な点からお答えさせていただきます。 いま御指摘のナショナルミニマム制度は四十九年から設けられまして、第一段階は百二十キロワットアワーに定められましたことは先生御指摘のとおりでございます。で、この第一段階の区分でございます百二十キロワットアワーにつきましては、これが適用されます電気の使用量を見ますと電灯需要の二分の一以上を占めております。標準的な家庭におきまして生活必需的な電気使用量につきましては、省エネルギー型の機器の普及もございまして、この三段階の料金制度が導入されました四十九年度当時とほとんど変わっていないということが出ておりますので、私どもといたしましては、現行どおり月百二十キロワットアワーとするのが適当ではないだろうかというふうに考えております。
○和泉照雄君 昭和四十九年のころに百二十ワットと決められたときは大体平均が百五十キロワットというふうに私は理解をしておるんですが、それがふえまして百九十に上がっておるんですから、それに従ってやはり上げるべきではないか、私の質問はそういうわけでございますが。
○政府委員(安田佳三君) 平均使用量につきましては、これは上がっていると思います。ただ、これはたとえばクーラーの普及率が上がったとか、そういう理由もございまして、いわゆるナショナルミニマム的な生活必需的な電気の使用量はさほど変わっていないというのが私の申しました答弁の趣旨でございますので、御了承いただきたいと思います。
○和泉照雄君 やはり今回のこういう制度を変えなければ五一%救済されたものが、そのままほっておきますと三五%ぐらいにダウンをするんではないか、こういうふうに言われておりますので、その点も重々ひとつお含みの上御検討をお願いしておきます。 次に、査定するに当たってのことについてお尋ねをいたしますが、通産省の態度に注文をしておきたいことがございます。 一部の電力会社では全くばかげた原因によって原子力発電がストップをして、その間に代替として石油火力のたき増しをしてそのために大幅赤字となって、それがこの値上げに盛り込まれておるようでありますが、原子力発電の故障が不可抗力によるものならまだしも、全くお粗末な電力会社のミスによる赤字を庶民にしわ寄せをすることは納得ができません。この分は会社に全面的企業努力をさせるべきだと思います。また、査定に当たってはこの点を考慮すべきだと思いますが、この点はいかがでしょうか。 また、通産省は値上げのたびに原価計算あるいは安定供給を言われておりますが、今日省エネルギーが叫ばれる中で多消費家庭に対する値上げ率を一段と高める省エネ料金体系をとり、しかも値上げによって使用量の減少が見込まれる中で、今回の申請に当たって相変わらず向こう一年間の電力消費増を四ないし六%も見込んでいるということは、これこそ私は水増し値上げ申請と言えると思います。使用量の減少を考えて電力消費量の伸び率をゼロという、こうした前提とした経営計画を立てるべきであると思いますが、この二点について通産省はどのように対処していくつもりか、大臣にお答えを願いたいと思います。
○政府委員(安田佳三君) 第一点の原子力発電につきましてでございますが、御指摘のように、大変つまらない原因から事故を引き起こしまして稼働率を下げ、油の消費量を高め、しかも国民の皆様方に不安の種をまいたことは大変残念でございまして、今後そういうことの起こらないように私どもといたしましても監督を厳にいたしたいというふうに存じております。 ただ、申しますと、この事故による休止は現在の段階における収支に影響をいたしますが、原子力の稼働状況は、来年度の料金算定におきましては、これを安全性を考えながらできるだけ高めまして料金算定の基礎といたしたいというふうに考えておるところでございます。 それから、第二番目の省エネの料金についてでありますが、需要につきましては、たとえて申しますと、電灯につきましては人口の推移あるいは電気機械器具の普及状況、民間の最終消費支出とそれから過去における増加傾向等を勘案いたしまして想定いたしました需要家の契約口数と一口当たりの電力使用量をもとに算定いたしたものでございますが、御指摘のような省エネルギーについてもこれを見込みまして算定いたしたもので、大体そのような需要量になるものではないかというふうに考えております。
○委員長(志苫裕君) 森山長官の出席はどうなっておりますか。
○国務大臣(佐々木義武君) いまちょっと所用で……、参ります。
○和泉照雄君 経企庁長官にお尋ねをいたしますが、この電力値上げの日本経済への影響を大変懸念をいたしておりますのでお伺いをいたしますが、まず他産業への波及から景気全体が減速をされること、要するに景気後退が懸念をされておりますが、政府が予想する実質経済成長率四・八%達成も困難になるのではないかと懸念をするわけでございますが、この点はどのようにお考えでしょうか。 また、最近でも卸売物価の高騰が消費者物価にじわじわ波及している中で、電力値上げは他の製品価格値上げの口実を与えることになり、さらに今後たばこ、医療、米、麦、国鉄、郵便といった公共料金の値上げが予想される中で、昨年末に五十五年度政府の経済見通しが発表されましたが、その消費者物価上昇率六・四%目標は電力料金値上げによって変更が当然のような声が聞かれるわけでございますが、昨年十二月に決めたものをそんなに軽々に見直しをするつもりなのかどうか、経企庁では今回の申請の消費者物価、卸売物価への影響をどのように試算をしているのか、お伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(正示啓次郎君) お答え申し上げます。 御指摘のように、電力はこれはもう言わば経済の血液とでもいう非常に大事なエネルギーでございます。したがって、この料金を改定するということは、和泉委員御指摘のように非常に広範な影響を持つものと考えて、われわれはきわめて重要視しておるわけでございます。 まあ一方では、コストの面、産業界それから一般家庭消費生活、そのコストの面に非常な影響があると同時に、しかしながら、他方では必要な欠くべからざるエネルギーでございますから、これの確保、再生産、これがまた大変大事な問題であることは改めて申し上げるまでもございません。 そこで、通産省・資源エネルギー庁では、その両方について非常に真剣に検討をされて、いずれわれわれの方へも御協議があるわけでございますが、私どもといたしましては、まず第一に、五十五年度の経済の成長、これは本年度五十四年度よりも若干低くなるわけでございます。本年度は大体六%の成長はできる、こういう見通しで、いまのところ大体そういうふうな見通しはますます確実になりつつあるのでありますが、来年度は四・八%というふうに若干ダウンすることはこれはやむを得ません。しかし、これを確保することがまた雇用の安定、失業の悪化を防止する上から、これはもう非常に大事な政策でございまするので、この成長をさらに低くするということは何としても避けていかなければならぬ。これもいま和泉委員御指摘のように非常に大事な問題として考えております。 それから、その次は御指摘の消費者物価、卸売物価の問題でございますが、これも五十四年度の見通し、これは大体において私どもは年度末において確保できる、こういう確信を持っておりますが、来年度は若干これも上がりまして、消費者物価が本年四・七%の実績見込みが来年度は六・四%、こういうふうに若干上がることは、これは卸売物価の波及というふうなこと、さらにエネルギー関係、円安、そういうふうなことを見通しますと、大体そのくらいのことはやむを得ないと思いますが、さりとてこれをさらに消費者物価が上がることを手放しで認めていくということになると、これはもう日本の経済、国民生活、これに破壊的な影響を及ぼしてくることも改めて申し上げるまでもありません。物価の安定、雇用の安定、これが私は経済の一番大事な基盤である、また国民生活の基盤である、こういうふうに考えまするので、ただいま具体的に御協議のありました北海道電力や沖繩電力を初めといたしまして、続いて昨日出てまいりました八電力、これにつきましても通産当局と一体となり、またさらに政府を挙げて物価の安定ということを最重点施策として取り組んでおるわけでございます。 いまその影響がどうなるかということでございますが、これはまあある程度、たとえば一割上げた場合の影響はどうなるかというふうなことは、あるいは事務当局から申し上げればおわかりいただけると思います。私は、いまのところはこの日本の経済を本年度及び来年度にわたって安定成長に持っていくためには、物価は非常の事態にある、物価非常時である、こういう認識のもとに、経営者も、そして労働者の方も、一般国民の方も、およそこの原油価格の値上がり、あるいは為替レートの変動からくる最小限度のところは、これはもう値上げに反映させることはやむを得ないといたしましても、それでもなおかつ企業努力あるいは労働者、経営者の労使関係の安定した経済を維持するという熱意によって穏やかな春闘の推移というふうなものが確保されることを最も大事な要件と考えておりますので、ただいまこれに対する心構えといたしましては、何とかしてひとついま申し上げた経済の成長、物価の安定の目標を達成できるように各般の、各方面の御協力をいただいて適当な結論に持っていきたい、これがただいまの私の決意でございます。
○和泉照雄君 長官は質問を終わりましたので御退席願って結構です。 次は、石油の自主開発について。エネルギー庁長官はいらしてますか。
○国務大臣(佐々木義武君) いま参りますが、私か……。
○和泉照雄君 それじゃ、通産大臣にお伺いします。 昨年十二月のOPECのカラカス総会で一バレル当たり三十ドルという原油価格が出現をして、まさに高価格石油時代に突入をした感があります。もう一年もしますと、一バレル当たり五十ドルにもなろうとしております。そして、わが国の総輸入額に占める石油代金の割合が七八年が三〇%であったものが、本年度は五〇%を超えるのではないかと懸念をされております。こういった非常に厳しい石油情勢の中で、わが国の今後とるべき対策を真剣に検討すべき時期にきているのではないかと、このように思います。その中で特に緊要なのは、わが国の自主開発の促進でありますが、いままでこれに対して政府のとってきた対策はどろなわ式であり、かつきわめて不十分なものであったと思いますが、まず、石油の自主開発についていままでとってきた政府の政策の率直な反省と今後の取り組み方について、まず概括的に通産大臣にお伺いをいたします。
○国務大臣(佐々木義武君) まず、国内の状況をお話し申し上げたいと存じます。 国内の天燃ガスあるいは石油の探査開発計画は、御存じのように昭和三十年から現在まで四次にわたりまして五カ年計画をつくりまして、不十分ではあったかもしれませんけれども、進めてまいりました。その結果、成果は私の見る目では相当上がったものと思っています。昭和三十年の初めの当時からいたしますと、約六倍、三百三十万キロリッターというふうな成果を上げてございますので、国内としてはまずまずじゃなかろうか。ただ、御指摘のような大変緊迫した状況になってきておりますので、五十五年度、来年から第五次の五カ年計画を新規に発足させまして、探鉱開発等一段と強化いたして、さらに成果を上げたいというので、ただいませっかく取り組んでいる最中でございます。
○和泉照雄君 石油の有限説というのはずっと以前から言われておったことでございます。そういうことからすると、石油の資源のないわが国は、やはり自主開発ということは積極的に以前から取り組んでおかなければならなかった大事な事業ではないかと、こういうふうに思うわけです。そういうところからすると、非常に消極的で、不十分で、また安い原油がどんどん入ってきたこともありますので、そういうような情勢から、非常に不十分であったということは否めない事実ではないかと思います。そういうことで、いま高い石油を買わされて四苦八苦しておるというのがわが国の実情であると、こういうふうに認識をせざるを得ないわけでございます。 自主開発の原油の中にも二とおりありまして、海外へ出かけて自力で石油開発を行う場合と、日本列島の近海の領海内で開発を行うこの二つの場合があります。前者については、石油公団から余りにも細分化された開発投資によって必ずしも十分な成果が得られなかったという問題がありましたが、しかし、わずかに石油が出たものも割り高で、国内で引き取る石油会社もないとか、あるいは成分的に問題がある等ということから、一〇〇%日本の石油情勢に貢献したとは言えず、また海外では、これからはせっかく開発をしても現地国に国有化される危険もあり、最近ではメリットはほとんどなくなってきているのが現状ではないかと思います。だからと言って、ただ単に産油国のなすがままに手をこまねいているわけにはいきませんし、経済安全保障の観点から言ってもゆるがせにはできません。 そこで必要となってくるのが日本近海における石油開発でありますが、新潟・秋田沖、苫小牧沖、常磐沖などの成功例が伝えられておりますが、一体今日どの程度の規模で石油あるいは天然ガスの開発がなされ、生産までこぎつけているのか、お伺いをいたします。
○政府委員(志賀学君) 先生御指摘のように、日本周辺の海域の探鉱開発というのは非常に重要であるというふうに私ども承知しております。先ほど大臣からもお答え申し上げましたように、三十年から四次にわたりまして国内石油…可燃性天然ガスの開発五カ年計画ということで実施をしてまいっております。 最近の状況を申し上げますと、四十五年度以降国が基礎調査を始めておりまして、それを契機にいたしまして、周辺海域における日本の石油の探鉱開発というのが活発化してまいっております。五十三年度までの間におきまして、これは民間あるいは国の探査を含めまして、物理探鉱の測線延長といたしまして約十四万キロの物理探査を実施しております。それから試掘につきましては六十六本の試掘を実施しております。その結果といたしまして、先ほど先生お話がございましたような阿賀沖油田のガス田というのが一つ発見されまして現在生産を開始しております。五十三年度の生産実績で申しますと、原油が約十一万五千キロリットル、天然ガスが五億五千立方メートルというようなことでございます。そのほか常磐沖のガス田これが発見されておりまして、現在企業化の検討中という状況でございます。そのほか北海道の勇払沖であるとか、新潟県の寺泊沖であるとか、それぞれにおきまして有望層が発見されております。さらに五十三年の六月国会で御承認をいただきました日韓大陸棚協定に基づく韓国との間の共同開発につきましても、昨年の十月から十二月初旬にかけまして最も有望であると言われ、かつ区域として大きな第五鉱区あるいは第七鉱区といったところで物理探査がすでに実施されているわけでございます。さらに、引き続きまして本年も探鉱を実施していくということになっております。 現在の状況はそういうことでございますけれども、いずれにいたしましてもそういった従来からの努力の結果、三十年当時におきましては原油が三十五万キロリットル、天然ガスが一、六億立米、その程度の生産であったわけでございますけれども、五十三年度におきましては原油が六十一万キロリットル、天然ガスが約二十六億立米というような生産を上げるに至っている状況でございます。
○和泉照雄君 次に問題になりますのは、この開発はいままではどちらかと言えば北日本というか、関東より東の地区でございましたが、この地区に比べて特に九州近海における石油開発のための試掘が余り進んでいないように思いますが、この九州近海の試掘についてのその可能性はどの程度見込まれているのか、また、これから調査、試掘が行われるとすればどの地域においてどの程度のことが予定をされておるのか。最近、吐喝喇列島海域での調査が五十五年度予算で約四億数千万円見込まれておりますが、これらについてお伺いをいたしたいと思います。
○政府委員(志賀学君) 九州近海におきましても、四十五年度以降、周辺海域におきまして基礎物理探査を実施してまいっております。具体的に申しますと、天草沖、宮崎沖、南九州沖、そういったところで国が基礎物理探査を実施しております。これと並行いたしまして、民間企業におきましても探鉱を実施しておりまして、九州近海におきまして現在までに試掘が九坑掘られております。この結果、たとえば対馬沖あるいは天草沖、宮崎沖あるいは吐喝喇列島の沖、そういったところでかなり厚い堆積層が発見されております。こういつた有望な厚い堆積層のある区域というものにつきまして、さらに今後探鉱が行われていくというふうに承知しておりますけれども、特に五十五年度におきましては吐喝喇列島海域におきまして国が基礎物理探査を実施するということで、先生がおっしゃいましたように、現在国会の方にお願いをしております五十五年度予算におきまして四億七千万円の金額を計上させていただいているところでございます。この基礎物理探査は、調査海域としては吐喝喇列島の海域でございますが、測線の間隔は約十キロメートルということでかなり細かい、メッシュによる探査を予定しております。
○和泉照雄君 一説によりますと、九州地域の調査、試掘が進んでいない理由としては、地形的な問題よりも、日本の石油の試掘、採掘を規定している鉱業法の整備のおくれがネックになっているということが言われております。今日の鉱業法によれば、先に試掘ないしは採掘の鉱区申請をした者に対して優先権が生ずるという先願権を認めております。そして鉱業法の第十八条によって、この権利の存続期間は二年とされ、三回に限って延長を認めるということになっておりますが、しかし第二十条によって、その後においても申請が拒否されるまでは存続することとなり、実質的にはいわば無制限に鉱区を特定の企業が占有することとなっておるのであります。そして今日まで一度も実際に試掘をせず、いわば権利の上に眠っているという状態を放置しているといったことが行われているようであります。したがって、鉱区権を持たない企業が試掘をしたいと思っても、権利の上に眠っている者のためにそれができないということになり、ひいては日本近海の開発がこの面からも阻害を受けているという問題があります。最近、このような後進国並みの鉱業権制度を改めようという動きが通産省内でもあるやに聞いておりますが、この点について通産省は検討しているのかどうかお伺いをいたします。
○政府委員(志賀学君) 先生御指摘のように、現在の鉱業法というのが厳密な先願主義をとっておる、そういったこともございまして、広大な海域における石油の探鉱開発、特に技術力とか資金力とかいろいろ問題になるわけでございますけれども、そういった海域における石油の探鉱開発という面から考えますと、やや実態にそぐわないという面があるということは事実だろうと思います。 ただ、他方におきまして日本周辺海域における探鉱開発というものがなかなか進まないという点につきましては、こういった法制的な面に加えまして、漁業との調整、そういった他産業との調整というものが必ずしもいろいろ問題がございまして円滑に進まないという向きもあろうかと思います。そういった問題というのは必ずしも法制面の充実だけでは解決できない問題ではないかというふうに存じます。いずれにいたしましても、周辺海域の探鉱開発の促進というのは私どもとしてぜひ推進をしていきたいというふうに存じておりますけれども、したがいまして、そういった法制面あるいは他産業との調整問題、そういった点、幅広く取り上げながら検討を進めていきたいというふうに存じております。
○和泉照雄君 再度お尋ねをしますが、現にアメリカにおいては整備をされた鉱業法が制定をされておるようであります。それによりますと、石油の海洋開発を行うための鉱業権は、海岸から三海里は州政府の管轄でありますが、それより沖合いは連邦政府の管轄となって、連邦政府はその海域を四・八キロ平方に分割をして、これに開発を希望する会社が入札をするという方式をとっており、落札をした会社は一定期間内に試掘を行わなければ国への返還を余儀なくされるということであり、これがアメリカにおける海洋石油開発の促進にも役立っているということであります。通産省からもらった資料でも、昭和三十三年度から四十五年度までは新潟沖と秋田沖しか試掘されておりませんし、またそれ以降でも関東以西の太平洋岸ではほとんど試掘が行われていないのが実態であります。ところが、これらの地域にも以前から石油資源、西日本石油、日本石油開発、新西日本石油などの開発会社が鉱区権を広範囲に設定をしております。このように、開発促進のためには、現行の鉱業法を見直す時期に来ていると思いますが、重ねて通産省にその意思があるかどうかお伺いをいたします。
○政府委員(志賀学君) 先ほどお答え申し上げましたように、法制面の見直しというものも確かに必要かというふうに存じておりますけれども、ただそれだけではなかなか問題が解決しないというふうに存じておりまして、そういったいろいろな要素を総合いたしまして検討を進めてまいりたいというふうに存じております。
○和泉照雄君 やはり先願権で、先につばをつけた方が、試掘はしないでもずっとその先願権を保有するというところにネックがあるわけですから、やはりアメリカのこういうような州あるいは連邦政府の管轄という、こういうように分かれた、そういういい点は参考にして、やはり改正を前向きにやっていただくことが日本の、ない石油を開発をする一番の大事な法改正じゃないかと思いますので、前向きでひとつやっていただきたいと、このことをお願い申し上げておきます。 次に、開発のときに問題になるのは漁業補償でございますが、これについてお伺いをいたします。 今日、原子力発電の立地において、温排水で海水が汚染されるということから、多額の補償が地元の漁業組合などに支払われており、その額も年年ウナギ登りになっております。被害を補償するのは当然としても、そのルールが確立していないために、一部にはたかりと言われるような見苦しい事態も残念ながら見られるようであります。口封じ、つかみ金といった性格を帯びてきており、補償金が支払われても、一体どれだけ地元に役立ったのかまるでわからないといったケースが起こっております。石油開発の場合も、漁業補償にこれだけといった基準を示すことができないために支障が起こってきております。しかも、このような経済的な、金銭的な問題だけではなく、補償問題が長引き、いつ解決するとも知れず、全く調査、試掘の予定も立たなくなって、その結果、開発を断念するということも起こるわけでございます。現に、日本特有のこういった事態のために、日本企業の共同開発の相手方となったアメリカの企業が、具体的に進んでいた開発から手を引くといった事態も起こったことがあり、もっと政府が確固たるルールをつくるべきではないかと思うのでございますが、この点について通産大臣は補償のルールづくりに取り組む意思があるのかどうかお伺いをいたします。
○国務大臣(佐々木義武君) この補償問題は、特に漁業関係ではお話しのように大変むずかしい問題ばかりでございまして、私も開発問題では一番頭を悩ましているのがこの問題でございまして、ただこれに対する何らかの法的措置あるいはルールを、基準をあらかじめつくっておいたらいいじゃないかという御意見もっともでございまして、何かそういうものがあれば大変ぐあいがいいと常常思っていながら、まだ具体的にあす、あさってこれでというところまで進んでおりませんので、まことに申しわけないと思っております。お説でもございますので今後一生懸命検討いたしまして、できますれば御趣旨に沿えるようなものをつくってみたいと思っております。
○和泉照雄君 次に、日中共同の東シナ海における石油開発について質問をいたします。 日本近海において地質的に一番有望視されているのは何といっても中国大陸の大陸だなの続いている東シナ海であり、日中共同開発に寄せる期待も大きいものがあります。いろいろ領海の問題、尖閣列島の帰属の問題もありますが、日本政府としても速やかに懸案事項を解決をして、共同して石油開発が開始できるようにすべきではないかと思います。アメリカのメジャーも、中近東では石油開発をしていてもいつ国有化されるかという大きな政治的リスクがあるので、最近は中近東から撤退をして中国に接近をしてきており、日本はまごまごしていると有望なところはすべてアメリカのメジャーに取られてしまうのではないかと危惧をいたしております。外交的に種々の問題があることはよく承知をしておりますが、日中間の話し合いを早急に詰める必要があると思いますが、通産大臣の見通しと見解を伺いたいと思います。
○政府委員(志賀学君) 東シナ海の石油につきましては、先生御案内のようにエカフェが調査をいたしまして、非常に有望な地域である、海域であるというふうに言われておるわけでございます。中国の沿岸地域、海域につきましては、御案内のように先般、渤海湾につきましては昨年の十二月に公団と中国側との間で基本的な合意書が取り交わされまして、現在その線に沿いましてその探鉱開発に早急に着手すべく準備を進めておるわけでございます。そのほか黄海、南海についても昨年から欧米企業にまじりまして、石油公団あるいは日本の民間企業が入りまして探鉱に努力を払っているところでございます。 そのほかのいわゆる東シナ海の海域の問題でございますけれども、これにつきましては私どもといたしましても、やはり日本の資源状況から申しましてその探鉱開発に早急に取りかかりたいというふうに存じておるわけでございますけれども、ただ、日中間におきましていろいろな問題がございます。やはり石油の探鉱開発に入る前に境界確定の問題というのを十分に話し合いをして解決すべき問題だろうというふうに存じております。
○和泉照雄君 いま答弁の中でエカフェの探査の問題が出ましたが、昭和四十三年十月十二日から四十九日間、国連の下部機構であるエカフェがハント号という海底資源調査船で東シナ海を調査をしたところが、埋蔵量が二千兆トンという膨大な量と言われる、ペルシャ湾に匹敵をするぐらいの埋蔵量を持つ大油田の存在を科学的に立証したと言われている。その論文は、報告書は英文で翌年の四十四年に正式に発表されておりますけれども、この調査書を通産省はどのように評価をしておられるのか、その御見解をお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(志賀学君) エカフェの調査につきましては私どもも非常にそれを重く見ておるわけでございますけれども、ただいずれにいたしましても、エカフェの調査というのはスパーカーによる調査というようなかなり粗い調査でございます。したがいまして、可能性としてかなり有望であるというふうに私どもも存じておりますけれども、さらに具体的にどの程度のあれがあるかというのは、さらに細かい物理探査その他を実施していく必要があるだろうというふうに思っております。 以上でございます。
○和泉照雄君 このハント号の報告は大ざっぱな調査かもしれませんけれども、やはり相当有望な大きな油田があるということが科学的に立証されておるわけでございますから、特に日中の共同開発という面を大臣の方も積極的にひとつ取り組んでいただきたいと、このように思うんですが、大臣の御見解は。
○国務大臣(佐々木義武君) 私はいまから何年前でございましたか、もう十年前くらいだと思いますけれども、ボストンの近くに米国で一番大きい海洋研究所がございまして、そこを訪れましたときにいまお話しのエカフェの資料がございました。日本はまだその資料の存在さえ知らぬときで、向こうの担当の博士からこういうものができているんだという資料を見せていただきまして、大変実はびっくりした次第でございますけれども、その検討はいま担当部長からお話しのとおりでございまして、価値高いものとは思っておりますけれども、さて今後の開発の進め方で、日中間でもっと共同の開発ができるように話し合いを進めたらどうだというお話がございまして、もとより私どももそういう希望でございますから、中国側にもよく御了解いただいて、今後とも手を携えて開発を進めるようにいたしたいと存じます。
○和泉照雄君 次は、方向を変えまして石油備蓄についてお尋ねをいたします。 石油資源のほとんどを海外に依存している日本としては、国際情勢の変化や産油国の油田事故などで輸入に支障が生じたとき、備蓄が少ないと、社会や産業の機能がとまり暮らしに重大な影響を及ぼすということは明らかで、そのためにも備蓄は多ければ多いほどよいと言えることは当然であります。そこで、民間に頼っていた石油備蓄を遅まきながら国家備蓄という国策として推進をしていく必要が出てくるのも当然であります。通産省では、昭和六十年度まで現在の四倍に当たる二千万キロリットルの国家備蓄を行うため全国で備蓄の候補地を選定しているようでありますが、むつ小川原、福井臨海、福岡白島、長崎上五島のほかには、二カ所を大体選定をするのに都道府県が五十ないし六十カ所申請をしておるようでございますが、政府の方では大体二十カ所を選定をされておるようでございますが、この候補地はどのようなところであるのか、どのようなところを候補地として検討を進めておられるのかお答えを願いたいと思います。 また、聞くところによりますと二十カ所というようなことでございますけれども、やはり国策でございますので、国家備蓄をするということになりますとほとんどが陸上備蓄でございます。そういうことになりますと、用地を確保するということには格段の配慮がなされなければ私はならないと思います。それで、公団が用地を買収する段階には非常に高い買い物をさせられるというようなことがあってはならないと思いますが、この点についてどのような対策を政府としては講じようとしているのかお聞かせを願いたいと思います。
○政府委員(志賀学君) 先生からいまお話がございましたように、国家備蓄の推進ということでまず一千万キロリットルの候補地について作業を進めたわけでございまして、先ほどお話しのようなむつ小川原、福井、上五島、白島といったような四地点につきましてすでにフィージビリティースタディーを終わり、むつ小川原についてはすでに土地造成に入っておると、こういう状況でございます。引き続きまして五十四年度から二千万キロに拡大するということで、県の方と連絡をとりながら現在候補地点の調査、それから選定について作業を進めているところでございます。現在最終的な段階に来ておるわけでございますけれども、現段階におきましては非常に微妙な問題もございますので、具体的な地点についてはお話を差し控えさせていただきたいというふうに存じております。さらに五十五年度につきましてはこれをさらに供給目標として三千万キロリットルに拡大するということで、候補地点の調査というものをさらに実施してまいりたいというふうに存じております。 御指摘の土地の問題でございますけれども、この点につきましては、私どももこういう国家事業をやるに際しまして、土地の問題についていろいろな問題を発生してはいけないというふうに考えておるわけでございまして、その点については県の方ともよく連絡をとりながらそういう事態が発生しないように厳に注意を払ってまいりたいというふうに存じております。
○和泉照雄君 この国家備蓄の備蓄基地を全国で選定をする場合には、地質あるいは海上交通の便等がその条件に当然なると思いますけれども、しかし、それだけで選定をすべきではないんではないかと、このように思います。これは国家備蓄ではありますが、やはり民間の備蓄基地を含めて、余りにも一部地域に集中することのないように配慮すべきではないかと思います。たとえて言いますと、中近東あたりからどんどん輸入をしてくる近距離にということになりますと、沖繩とか九州地区に集中をするようなことになってはならないと思いますけれども、この点について通産省はどのように配慮をしておられるのでしょうか。
○政府委員(志賀学君) 備蓄基地の配置の問題につきましては、これはいろいろな見方というのがあろうかと思います。確かに先生がおっしゃいましたように、分散をすべきであるという御意見というのは十分あり得るというふうに存じております。私どもがその候補地点を考えていくに際しまして、これも先生から御指摘ございましたけれども、自然的な、たとえば港湾の条件であるとか、用地面積が広くとれるかとか、そういった自然的な条件、それから社会的な条件、具体的に申しますと、地元住民が賛成していただけるか、あるいは自治体の御協力がいただけるか、そういった点も考慮しながら選定をしておるということでございます。ただ、結果的に申しますと、すでに一応候補地点として決まっております一千万キロリットルの候補地点は青森県、福井県、長崎県、福岡県、こういったように分散をしております。この分散か集中かという点については十分頭に置きながら、先生の先ほどおっしゃいましたようなことも踏まえながら今後地点の選定というものをやってまいりたいというふうに存じます。
○和泉照雄君 私が申し上げるのは、民間のそういうような備蓄基地も含めて配置をバランスのあるようなことを考えた方がいいんじゃないですかと、こういうふうに申し上げたので、その点は留意していただきたいと思います。 次に、備蓄基地選定に当たっては十分な調査が必要なことは申すまでもありません。ところが、青森県のむつ小川原地域では活断層があるという調査をした学者の意見を無視して、ろくな現地調査もせずに活断層の存在を否定して無理やり決定をしておるのが事実のようであります。石油備蓄という一歩間違えば大惨事を招くおそれのあるこれら候補地の選定に当たっては十分な調査を約束をしていただきたいと思いますが、御見解を伺いたいと思います。
○政府委員(志賀学君) 備蓄基地を建設するに際しまして、先生が御指摘されましたように、やはり安全の確保というのはきわめて重要な問題だというふうに存じております。 で、むつ小川原の備蓄基地の問題につきましてお話がございましたので申し上げますが、むつ小川原地区につきましては、昭和四十四年度以降青森県を初めといたしまして関係官庁の協力のもとに、地質あるいは基礎構造、そういったいろいろな問題につきまして、理学、工学、そういった分野にわたる専門家を集めまして検討を行ってまいっております。その過程ではボーリング調査なども実施をしておるわけでございます。その結果といたしまして私ども承知しておりますのは、この石油備蓄基地予定地内には有意な活断層は存在しないというふうに判断をしておるわけでございます。ただ、いずれにいたしましても今後むつ小川原地区におきまして具体的な工事が進められるわけでございますけれども、その工事の実施に当たりましてもさらに地質の確認に十分留意して、これをたとえば工事内容に反映させるといったようなことで安全対策には十分配慮をしてまいりたいというふうに存じております。
○和泉照雄君 いま活断層の問題は、石油公団の方ではいままでの既存の資料では、ないというようなことを言っておられるようでありますけれども、新潟大学の教授とかあるいは弘前大学の教授が非常に危険性を指摘をしておるわけでありますから、根拠がないわけではないわけでありますから、そういうようなことは慎重に運んでいった方が、後から起こってから騒いでみたってしようがありませんので、そういう点は十分配慮をしていただきたい、このことを強く申し上げておきます。 次は、大島つむぎの問題について御質問を申し上げます。 国産の大島つむぎが不当な韓国産の流入によって大きな被害を受けている問題についてお伺いをいたします。われわれは韓国内における日本から輸入された織機が一万二千機相当で、大体年間三十万反ぐらい絹織物を韓国ではつくっており、そのうち大島つむぎは約二十万反という話を韓国内の人たちから聞いております。つむぎは日本人しか着る者がいないので、明らかに日本向けにつくられ、何らかの方法で日本へ入ってきて売られております。これが本場の奄美大島など大島つむぎ産地に多大の被害を与えているのが現状であります。われわれが委員会で韓国内での生産の状況等を追及いたしますと、通産省は内政干渉になるとか、対韓国関係に好ましくない影響を与えるので調べるわけにはいかないとか再三答弁をされております。しかし、通産省としては情報のソースを持っているとも言われておりますから、本日は、ただ数量が日韓での協定内におさまっているというだけではなく、韓国内ではどのような生産実態にあるとあなたたちのお持ちの情報のソースでその生産実態を把握しておられるのか、具体的に答弁をいただきたいと思います。
○政府委員(児玉清隆君) 韓国におきますところの大島つむぎの生産実態につきまして、過去におきまして国会でいろいろ御質問等ございまして、特に一部の御意見といたしまして、通産省が直接韓国を訪問いたしまして調査すべきであるというような強い御意見すらいただいているということについては十分承知をいたしております。また、その都度、答弁の内容といたしまして、いま御指摘のような、向こうの相手方の事情あるいは当方におきますところの事情等々について御説明をしてまいったわけでございますが、一般論として申しますと、きょう現在におきましてもやはり基本的な事情はさほど改善されておりませんで、やはり韓国には信頼の置けますところの調査機関が発達しておらないわけでございます。また、直接日本政府が関与するような形で韓国内の調査を行うことにつきまして、相手国の政府がこれに対しまして強硬に反対をしておるという事情も実は変わっておりません。で、今後さらにそれを強行するというような態度で相手方に当たっていくということについて非常に困難があるというふうに認識をしております。 ただ、これまでに私どもが相手国政府との接触の機会をとらえまして具体的に努力をした一例として申し上げますと、昨年の十月に五十四年度の日韓の絹協議が第二回交渉を持ったわけでございますが、その席上におきまして、当方から韓国政府あてに正式に韓国内における生産等の実態についての資料の提出を求めたわけでございます。で、この席上、先方が提出してまいりました資料によりますと、先方はその資料提出に当たりましても当該資料が韓国内でも非公式なデータである、そして非公開として扱われたいというような事情を韓国側がただし書きをつけて出したものでございまして、わが方がこれを見ましたところ、当方が把握しておりますところの情報の域を出てないというような実態でございます。特に問題となっております大島つむぎという特定のカテゴリーについて情報が特掲されておりませんので、一般的なものという評価しかできなかったわけでございます。で、昨年そういった接触を持ったわけでございますが、その席上もさらにもう少し当方の行政措置あるいは業界に対する判断材料として具体的に役立つようなものにぜひ協力してもらいたいということを言ってございますが、今後としましても韓国政府の協力を得つつ、可能な限り少しでも多くの情報を当方として収集するよう努めてまいりたいと、このように考えております。
○和泉照雄君 わが党はいままで数回にわたってこの大島つむぎの問題を国会で取り上げてまいりました。その中で、五十三年の五月の当委員会で私が取り上げ質問した中で、日韓両国の間で三万六千五百反の協定がなされてはいるが、そのほかに二十数万反が観光客や担ぎ屋によって国内に流入していると、このように質問の中で指摘をしてきましたが、通産省ではそのときの答弁では、言われるほどのおみやげ品輸入は多くないと、問題にしていない答弁でありました。ところが、昨年の九月初旬、成田空港において、韓国から日本への運搬を頼まれて持ってきたグループが見つかり税関で調査を受けたという事件が発覚をして、われわれの心配が事実であったことが残念ながら証明をされました。恐らくこれも氷山の一角であり、余りにも間の抜けたやり方であったために見つかったのではないかと、このように思いますが、このような事件について通産省はどのような理解をされているのか、お伺いをいたしたい。
○政府委員(児玉清隆君) 大島つむぎのみやげ物としての持ち込み数量につきましては、統計的な把握は現在のところ行っておりません。で、そもそもみやげ物ということでの持ち込みの意味でございますが、あくまでも旅行者等の持ち込みということで、携帯品として認められているものでございまして、本人の使用に供することを目的とし、かつ必要と認められる範囲内のものであるということでございます。そういうことを根拠といたしまして、一人当たり三反という持ち込みを進めておるわけでございますが、それが悪用されまして、いま御指摘のようなことで、商業的に買い集められましてこれが非常に悪影響を及ぼすという点については、現在関税当局で調査が進められているというふうに聞いておりまして、その結果を待ちまして通産省としての態度を決めたいと、このように考えております。
○和泉照雄君 これは後からまたお尋ねしようかと思っておりましたが、去年の九月に起こったことでございまして、もう相当日にちはたっておるわけでございます。事情を調べてからということになりますと、いつになるのか、そういうマンマンデーの状態では的確な手は打てないんじゃないかと、このように思うわけです。 そこで、大蔵省の関税の関係の方にお尋ねをいたしますが、もう事件が三カ月以上経過しておりますが、この事件は、一体だれに頼まれ、日本国内でどこへ渡そうとしていたのか、これは私は調べの結果は判明をしていると思いますが、どういうふうになっておるのか答弁をいただきたいと思います。 また、この事件について、通産省は国内でこれを受け取ろうとしていた業者がはっきりわかっておると思うんですが、いまの御答弁ではあいまいのようでございますが、こういうような業者に対してどのような処置をとられるつもりなのか。また、これが事実が判明をしたら、こういうようなことを行った業者、あるいはまた韓国に対してはどのような要請をされるおつもりがあるのか、お聞きいたしたいと思います。
○説明員(奥田良彦君) ただいま御指摘のございました韓国からのつむぎの輸入の件でございますが、私どもが旅客四名について事情聴取を行いましたところ、携帯し輸入しようといたしましたつむぎは、千葉県在住の日本人に渡すということで韓国の空港のチェックインカウンターで頼まれたものであるということが判明いたしまして、この四名の者は単に運搬の依頼を受けただけであるということと、それから日本におけるそのつむぎの規制の事情を知らなかったということが判明をいたしました。それで、その運搬を日本で依頼いたしましたその千葉県在住の男性につきまして事情聴取等の方法によりまして調査を行いました結果では、本来の荷主はこの男とは別であるということが判明いたしました。その結果、現在その背後関係につきまして調査を進めているところでございます。 先生御指摘のとおり、九月からということで大変時間がかかっておりますが、たまたまこの期間に成田ではKDD関係の事件がございまして、そちらの方に大変手を取られておりまして、現在のところまだ調査を続行中ということでございます。なお、近日中にある程度進展するのではないかというふうに思っております。
○政府委員(児玉清隆君) いま御説明ございましたような調査が判明いたしまして、いわゆる商業的意図に基づきますところの脱法行為の実態を踏まえまして所要の措置をとるわけでございますが、一例として申し上げますと、貿管令違反というようなことでございましたら、定められております罰則あるいは措置を十分活用いたしまして、関係部局とも十分相談の上、実効のある措置をとりたいと、このように考えております。
○和泉照雄君 前から指摘をしておることは、現に成田空港でそういう事犯が起こったということ、それから、両国の政府間の協定は三万六千五百反であるけれども、三十万反以上が出回っておるということで、二十数万反はこういうような担ぎ屋あるいは観光みやげのそういうことで搬入をされておるということは、もうこれは既定の事実だと私は思うわけであります。そういうことで、通産省は、こういうようなみやげ物として搬入をされておるというようなことについての調査をされたことがあるのかどうか、その点が一点。 それから、こういうような観光客あるいは担ぎ屋が搬入するという、こういうことで大変に国内の産地には影響を与えておるわけでございますので、このみやげ物の持ち込みについて、いま三反になっておりますけれども、これを二反ぐらいに減らしていくという措置を考えてみてはどうかと思うんですが、この辺についての御見解をお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(児玉清隆君) 具体的な調査といいますか、そのバック等について特別の調査をしているかという御質問でございますが、これは、そういった特別の調査をいたしておりません。 それから、この三反を影響ありとしてこれをさらにしぼっていくという点でございますが、先ほども申し上げましたように、現在認めておりますところのこの三反というみやげ物の性格からいたしまして、これはあくまでも商業的意図ではなくていわゆる携帯品ということでございまして、その点につきまして、本人の使用に供することを目的としておるということで、その必要な限度ということで三反ということを決めております。なお、この三反ということを決めましたのが五十三年の九月十五日からでございまして、それまで十反ということであったわけですが、これを大幅に縮小をいたしまして、関係部局とも相談の上、これを三反ということにしたわけでございます。それが五十三年の九月ということでもございますので、もう少し時間がたってみないと、この三反が果たしてどうかどうかということについて、事改めていますぐこれについて、さらにこれを二反とかあるいは一反にするというようなことに踏み切るには少し時間が浅いというふうに考えております。 私どもといたしましては、いずれにいたしましても、携帯品が先ほどのような事例で商業的に流用されることによりますところの悪弊というものを十分防止する必要がある、その意識は非常に強く持っているわけでございますので、調査の結果もまちまして、関係各省との協議の上、その対応を考えていきたいと、このように考えております。
○和泉照雄君 最後になって時間がございませんが、金の問題についてお尋ねをいたします。 金をめぐるやみ市場によって最近一般市民が被害を受けている実態についてお伺いをいたします。 日本人は欧米人に比べて金選好が少ないと言われていましたが、最近の国際情勢や政府の施策の失敗によって庶民の間にインフレ懸念が高まり、目減りをする預金よりも金の現物を投資の対象として蓄えようという人たちが最近特にふえてきております。そこへ金の私設市場を舞台にインチキ相場師が一般市民をだまし、相当な被害が全国各地で発生をしております。通産省消費者相談室には二百件近い苦情や相談が、また悪徳商法被害者対策委員会には三百件の被害の訴えが出されているということであります。これらについて通産省の把握している最近の実態についてお伺いをいたします。 また、警察庁では大手の業者と言われるところまで捜索が行われているようでありますが、捜査状況と被害届けの実態について警察庁にお伺いをいたします。 あわせて、これらの悪徳業者は商品取引業界で詐欺事件などを起こして業界から追い出された者たちがやっているという話がありますが、この点についても把握しているかどうかお伺いをいたします。
○説明員(神谷和男君) いわゆる金のブラックマーケットの被害の実態を正確に把握いたしますことはむずかしい状況にあるわけでございますけれども、先生がただいまお示しになりましたように、私どもの消費者相談件数で金の取引に関するもの、これをピックアップいたしてみますと、昭和五十四年、昨年の四月から十一月までの累計で二百五十六件という件数が上がっております。前年の五十三年は一年間で百二十三件でございますので、傾向といたしまして増加の傾向にあるということは御指摘のとおりでございます。ただ、ただいま申し上げました数字は一般的な取引相談も含んでおるわけでございまして、こういう話があったがこれはどういうことか、大丈夫であるかとか、あるいは途中で被害を事前に防止するためにどうしたらよいかというような相談も含んでおりますので、これがすべて被害件数というわけではございませんが、傾向は先ほど申し上げたような状況にございます。 被害内容はすでに御承知のとおり、金の将来の引き渡し時点における価格下落に伴う解約の危険性を回避するためのいわゆる予約金等の積み増し要求というようなものが出てまいりまして、これに耐え切れずに違約金を払わせられるというようなものから、さらに悪質なものは予約金を取って行方不明になってしまうというような状況でございまして、悪質なものにつきましては警察当局等で御調査をいただいておる状況にございます。
○説明員(佐野国臣君) 申し上げます。 いわゆる金の取引をやっている業者全体につきましての調査あるいは把握というものは、まあ警察的に申し上げますと、ちょっと私どももいわば手の届かないところにあると申し上げられようかと思います。ただ、警察的に苦情相談だとかあるいは事件の捜査、そういった過程で何らかの形で私どもが承知している範囲の業者等が約五十社ほどございます。それ以外にも部外の団体その他がいろいろリストアップして十七社ありあるいは百社あるというふうなそういう数字も私どもも聞いてはおりますが、警察が窓口で、いわば一般住民、あるいは被害者との関係で接触を持って、ある程度承知しております数字というものは五十社ほどございます。ただ、これは先ほども通産省の方からもお話がありましたように、いわゆる苦情あるいはどうも犯罪になるんじゃないかという形で来られる者から、あるいはこの会社とこれから取引したいんだけれども、この会社は大丈夫な会社でしょうかというふうな形での御相談もございます。まあその種のものを全部合わせますと、私どもの方で昨年一年間で相談のありました件数が約七十八件ほど相談がございます。 それから、さらに進みまして、具体的に事件の関係でどの程度掌握しているかと申しますと、これは、すでに新聞紙上あたりで報道されているとおりでございますが、昨年十一月から現在までの間で、愛媛県あるいは高知、広島、警視庁、こういったところで五社の取引業者につきまして、検挙ないしは捜査中という状況でございます。なお、参考までに申し上げますと、これらの事件に関して発見なりわが方で承知しております被害者数は約二百六十七名ほどございます。 なお、大手の関係でいかがかという問題がございましたんですが、あえて申し上げますれば、スイスゴールドという名前の会社が愛知県で捜査の対象になっておりますが、これは当面はあくまで外為法の違反の容疑がございましたので、それの違反容疑で捜査中ということでございます。もとよりこの会社に対する苦情とか相談というふうなものが地元の通産局の方には二十二名ぐらいの方からあったというふうなことも聞いておりますので、地元の警察におきましては、その間の事情なども念頭に置きながら捜査をやっているのではないかというふうには考えられます。 以上でございます。
○和泉照雄君 じゃ最後にお尋ねをいたしますが、通産省が、いわゆるブラックマーケットを舞台にした悪徳相場師による先物取引が強い社会批判を浴びておる折から、公益法人の身で金の私設市場を開いている、まずい、このようにお考えになって、解散を勧告された社団法人日本通商振興協会についてはどのような不当な行為があったのか御説明を願います。 それからまた、最近、警察庁にお聞きしますが、広島県警で約六十人の人々に二億円もの損害を与えた詐欺事件として摘発をされたと報道されておる丸善貿易の社長は暴力団に関係があるやに報道されておりますが、暴力団の資金源に利用されるようになるとゆゆしい重大事でございますが、過去にはサラ金ということがございましたが、サラ金にまた金、こういうふうになってきますと大変でございますので、警察庁のこれに取り組む決意についてお聞かせを願いたいと思います。
○委員長(志苫裕君) 簡潔に。じゃ通産省。
○政府委員(花岡宗助君) ただいま御指摘のございました日本通商振興協会に関しましては、いわゆる金市場の運営を行っておるという情報を得ましたために、同協会に説明を求めますとともに、当省の職員によります立入検査等を行いました結果、次のような事実が判明したわけでございます。 同協会は、中央貴金属市場という名称を掲げまして、金に関しますいわゆる市場を開設、運営をいたしておったわけでございまして、これは同協会の目的でございます日本の産業貿易の振興を図るための各種の出版なり、貿易あっせん等を行って貿易の伸長に審与するという目的を全く行っておらなかったということが判明をいたしたわけでございます。
○説明員(佐野国臣君) 先ほどの答弁の中でなお申し上げ漏れがございましたので補足さしていただきますと、昨年来検挙した被疑者数が十四名ございましたんですが、その中でかつて商品取引の業界に関係した経歴があるかないかというふうな点について申し上げますと、十四人の中で九人がかつて商品取引に関係を持ったことがある経歴というふうなことがわかってございます。 それから、なお広島での丸善貿易関係について申し上げますと、同人はかつて暴力団関係者ではあったというふうに地元では見ておりますが、現在は組を離れているということで本人が供述いたしておりますし、その辺、現在でも暴力団関係者であるかどうかという点については、なお捜査中であるということでございます。 それから、なお暴力団の資金源として活用されるという問題に関しましては、私どももかねてから暴力団対策ということを警察の重点目標の一つにも掲げてございまして、暴力団がのみ行為であるとか覚せい剤の販売による利益とか、そういったものでそれが暴力団存立の基盤になるというふうな面がございますし、こういった取引関係で得られた利益が暴力団の経済上の基盤になるということは、これは何としてでも防がなければならないという考え方で臨んでおります。したがいまして、今後とも、こういった暴力団がらみとでも申しますか、そういったものがうかがわれるものについては徹底した捜査を推進してまいるという所存でございます。
○市川正一君 昨日、電力八社が行った値上げ申請はかつてない大幅なものになっている。そしてその影響は、これはある新聞の表現でありますが、配慮なく家庭直撃型というふうに言っております。まさに家計に直接影響するばかりでなく、これも別のある新聞でありますが、産業界の反応として製品価格へ転嫁を図る、こういうふうに指摘しておりますように、まさに玉突き式に製品価格あるいは運賃その他に波及して国民生活は二重三重に打撃を受けることになります。 そこで伺いますが、今回の値上げが仮に認められた場合に、一般家庭が新たに負担増になる、その電気料金はいかほどになりましょうか。
○説明員(神谷和男君) 先生御指摘のように、現在申請が出ている段階でございますので、この申請の数字をベースにして数字を申し上げるということは若干の誤解を招くかもしれませんし、有意の数字とは言い得ないかと思いますが、単に算術として計算をいたしますと、家計消費支出への影響といたしましては、全国平均で、申請のままで単純に計算すれば、月当たりの電気代が二千円程度の増加、家計消費支出として一%程度の上昇になるという計算になろうかと考えられます。
○市川正一君 私どもの試算でも、標準家族で少なくとも月二千円以上、年間で二万数千円から三万円の増となります。 さらに、これが農業あるいは中小企業などへの深刻な打撃も絶対に無視できない。これは東京の墨田区のあるメッキ加工業者の例でありますが、冬場の月間電力料金は十五万円前後であるが、これが今回の申請どおりの値上げになると十万円からの出費増になる、こう述べております。 また、大阪の、これは業者団体の調査でありますが、中小企業の売り上げの伸びよりも水道、光熱費の伸びが、いわばそういう負担増がはるかに大きい。たとえば、ある下請加工業者は、この十年間をずっと調べて見ると、売り上げの伸びが一八八%であるのに対して、水道、光熱費、特に光熱費でありますが、三七七%。他の業種では売り上げの伸びが二二一%に対し一三六二%という例さえあります。全体に、零細、しかも売り上げの小さいところほど打撃が大きい。たとえば八百屋さんとか魚屋さん、こういうところは新鮮さを保つために冷蔵庫に四六時中、いわば二十四時間入れなければなりない。影響は深刻であります。しかも、大企業は値上げ分を価格に転嫁できますけれども、こういう中小企業者やあるいは農家の方は、結局、それを単価に上乗せできない、しわ寄せを自分がもりにかぶらざるを得ない、こういう実態にあるということは、通産大臣、御承知だと思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(佐々木義武君) 電力料金の値上げは、お話しのように、大変広範な深刻な影響を及ぼすものと受けとめてございます。
○市川正一君 としますと、私がいま申し上げたような実態を十分今後の査定に当たって配慮するという立場であるというふうに理解してよろしゅうございますか。
○国務大臣(佐々木義武君) あくまでも経営の合理化というものを前提といたしまして、法の示すところに従って原価主義というのが査定の大前提になっておりますので、おっしゃいましたような影響等も考慮しながら厳正に慎重に対処してまいりたい、こう考えております。
○市川正一君 そこで伺いますが、去年の三月に提出された電気事業審議会料金制度部会中間報告というのがございます。御承知だと思います。この中で「電気事業は、公益事業としての性格を持ち、社会に対する影響、役割が大きいので、他産業に比してより積極的に企業活動の内容を公開すべきである。」というふうに指摘いたしております。これは二十ページであります。さらに、また「消費者、地域住民等との懇談会等対話の機会を活用し、相互理解の進展を図る。」これは十九ページでありますが、ということも指摘している。 ところで、電気事業法で定めているこれまでの公聴会は、ややもすると言いっ放し、聞きっ放し、結局は値上げのための儀式にすきないではないかという批判も強まっています。この際、私は、公聴会のあり方の改善を図るとともに、消費者の意見や、いまその実例の一端を申し述べたような中小業者などの実態を十分に反映させるために、そしてまたいま御紹介したこの中間報告、これを政府は当然尊重されると思いますが、ここで提起しているように、消費者団体などの開催するいわゆる民間公聴会ですね、これにも積極的に通産省あるいは電力会社が出席して十分に意見を聞き反映させる、そういう必要があると思いますが、通産大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(佐々木義武君) 御承知のように、電力料金の決まるまでには、役所で査定をしたからそれで終わりというものじゃなくて、念入りに現地の皆様の意見も聞き、あるいは関連各省の意見も聞き、あらゆる丁寧な、と皆さんおっしゃいますけれども、意見を聞いた上で査定にも入り決定するわけでございまして、その一つの大きい部門としてお話しの公聴会があるわけでございますが、お話しのように、できるだけ公聴会でございますから消費者等の意見も広く取り入れまして、査定の際に参考にいたしたい、こういうふうに考えてございます。
○市川正一君 そうしますと、消費者団体などの民間が開く公聴会にも参加されるというふうにただいまの御答弁を承って、次にお伺いしますが、この中間報告が同じく指摘しております、いま私も紹介しました企業活動の内容の公開の問題でありますが、政府も企業活動の実態がわかるような資料をこういう公聴会を通じて国民に公開するように電力会社に指導をすべきであると思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(安田佳三君) 電気事業審議会の料金制度部会におきましても、先生御指摘のように、できるだけ公開するように答申をいただいております。で私どもといたしましても、電気事業者の経理の公開につきましては、公益事業としての性格がございますので、従来からできる限り明らかにするように努めさせてまいったところでございます。しかしながら、これらの資料を公開した場合におきまして、たとえば取引、交渉に悪影響を及ぼすおそれがあるものとか、あるいは他人の財産権、プライバシーを侵害するおそれがあるもの、あるいはその他公益に反するおそれがあるもの等につきましては、公開するに不適当なものがあるというふうに考えております。
○市川正一君 要するに、国民のいろいろな要望やあるいはまた疑問に答える資料を積極的に公開するという姿勢なのかどうか、その基本点を大臣の責任においてお答え願いたい。いやいや、大臣にお伺いしている。
○国務大臣(佐々木義武君) ただいま担当部長から説明ございました趣旨で、わが省としては臨んでございます。
○市川正一君 要するに、政府も、そういう国民の理解を得るためにできるだけ積極的姿勢で臨むというふうに理解してよろしゅうございますね、幾つかの条件はあるけれども、ということですね。——うなずいていらっしゃいますから、そう理解します。 ところで、いみじくも先ほど大臣は原価主義というお言葉をお使いになった。厳しく原価主義の立場に立ってというふうにおっしゃったわけでありますが、従来からも政府はこの原価主義ということを一貫して言ってこられた。そうしますと、原価主義の立場を厳格にとり、また便乗値上げの規制もする、便乗値上げは許さない、こういうことも佐々木大臣も言っておられる。とすれば、その前提となるべき原価、これをやはり公開せぬことにはわからぬわけです。だから原価主義をとるということ、したがってその前提となる原価を公表すべきだというふうに考えますが、この点いかがでしょうか。
○政府委員(安田佳三君) たとえば料金改定に当たりましての供給規程変更についての認可申請等におきましては、当該料金算定期間におきます予想原価については、これを明らかにいたしているところでございます。
○市川正一君 たとえば燃料油の購入契約書あるいはその価格を公表すべきだと思いますが、この点はどうでしょうか。
○政府委員(安田佳三君) ただいまお示しのような項目につきましては、これは取引、交渉に悪影響を及ぼすおそれがあるというふうに認められますので、必ずしも公表できるものとは考えておりません。
○市川正一君 言うことと実際やることとはもう全然違うじゃないですか。原価主義をとると言いながら、その原価はひた隠し、そして必要なものについてはこれはどうのこうの。電力会社は燃料費が上昇しているからというふうに言っておりますが、具体的な経理は何一つ明らかにしていません。 たとえば電力会社の経営は、円高差益、これは一部確かに還元されましたけれども、われわれの調査では、七八年だけで約千五百億の未還流があるというデータもあります。また税制との関係で社会的にも問題になっております退職金の引当金、これも税法上の累積限度額の目いっぱいを積み立てておる。昨年三月期で九社で五千億円に上るそういう利益隠しも行っておる。さらに、七九年三月の決算期における法人申告所得では上位三十社のうち東京電力の第一位を初めとして七社が入っている、そういう莫大なもうけぶりであります。 そこで、今回の電力、ガスの値上げ申請に添付されている関係の全資料を提出していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(安田佳三君) 先ほど申し上げましたように、いろいろと悪影響を及ぼすおそれのある資料もございますので、全資料を提出するというわけにはまいらないと存じます。
○市川正一君 原価主義をうたいながら原価そのものは言わない。そして値上げを事実上もう前提としたことをいろいろ政府関係でいわば発言なすっている。 原発などの設備投資、これをすべて国民の負担にするという、しかもその原発が事故の続出で、稼働していない。さらに新聞報道によると、電気料金の査定に当たって原発の実績でさじかげんをする方針だとも伝えられている。また、これは去年の十二月に、本院の商工委員会で私が取り上げたのですが、電力会社が取りやめたはずの政治献金、その形を変えての政治家へのパーティー券の購入、あるいはまた電源立地の推進に当たって、これも私が昨年二月に追及いたしましたが、たとえば和歌山県の御坊市、そこで酒食をもてなすなどの買収まがいのことが行われている。あるいはここに私写真を持ってきましたけれども、これは当時の河本通産大臣です。その前で深々と頭を下げる加藤乙三郎中部電力会長。これは中部電力の芦浜原発をめぐって湯水のように札束がつぎ込まれて、汚職が起こったのです。そういうものの実態、こういうものを隠して、そして幾分かは値上げ幅を値切って認めていくというやり方は国民は私承知しないと思う。これから作業をなさるわけでありますが、私は、この点、通産大臣に強く要望を申し上げて、時間がありませんので、次の質問に移らさしていただきたいと思います。 次の問題は、これも私がいままで二回にわたって取り上げてまいりました石油公団が巨額の投融資を行うなど国家的プロジェクトとして進めてまいりましたジャパン石油開発、ADMA石油利権をめぐる疑惑の問題であります。 これは第一に利権料がべらぼうに高過ぎるということ、第二に田中清玄が介在して多額のコンサルタント料を受け取っているということ、第三にジャパン石油が約五百億円もという累積赤字を過小に見せるための会計操作を行っているということ、こういう疑惑を私指摘してまいりました。 そこで、きょうは、第一にADMA鉱区の利権料が七億八千万ドル、円換算で二千百八十億円という巨額なものになっているという問題についてただしたいのでありますが、石油公団は投融資を決定するに当たって、七二年十二月に公団の技術部において油田の評価を行ったというふうに聞いておりますが、これは間違いありませんか。
○参考人(江口裕通君) 公団といたしましては、この利権交渉というのは、四十七年の初め、厳密に申しますと四十六年の終わりからでございますけれども、四十七年にわたりまして、会社側とBP、ブリティッシュ・ペトロリアム社との間に行われておったわけでございます。そういういきさつについて一応われわれの方にも報告がございまして、それを了知しておりますが、石油公団といたしましても、それに必要といたします資金を投融資してもらいたいという御要望もございましたので、それに必要な評価を行うために四十七年の終わりごろから具体的な評価に入っております。
○市川正一君 それ以前に、石油開発はJOE、ジャパン・オイル・エンジニアリングですが、これを使って七二年の七月から十一月ごろにかけてADMA鉱区油田の経済的評価を行っておるのですが、こうした評価を通じて結局七二年の末の段階で七億八千万ドルが妥当であると、そういう経済的評価を下したということで理解していいわけですか。
○参考人(江口裕通君) この交渉が締結されましたのは十二月末でございます。したがいまして、それを前後といたしまして石油公団からも金を出しておるということでございますので、大体、そのころにそういう結論を出しておるということでございます。
○市川正一君 ところが、このプロジェクトのコンサルタントであり、また二億円のコンサルタント料を受け取ったと言われている田中清玄は、七二年のその年の九月、当時の田中角榮、そしてイギリスのヒースの日英首脳会談での話し合いの中で七億八千万ドルという大枠を決定したということを明らかにしております。そして日英首脳会談で合意させるために田中清玄がみずから働きかけたことも明らかにしております。これではまさに初めに七億八千万ドルありきということであって、公団などの油田評価は結局つじつま合わせにならざるを得ぬことになるわけでありますが、そしてその頂点に当時の田中角榮総理がいた、こういうふうになるんではないでしょうか。
○参考人(江口裕通君) 実は、私ども、いま御指摘のような事実につきましては、寡聞でございますけれども、存じておりません。ただ一つだけ申し上げられますことは、私どもといたしましては、客観的な技術資料に基づいて評価をいたしておりますし、さらにこの七億八千万ドルという額の決定につきましても、四十七年の中ごろから数回にわたりましてBPと会社の当事者間においてお話し合いが行われておるというふうに聞いております。その中身もかなり激しいやりとりがあったように聞いておりますので、そういう事実が先行しておるというふうには目下必ずしも理解しておりません。
○市川正一君 公団は必死にこの点を前からも否定されておるわけでありますが、ほかならぬ田中清玄というのは第三者じゃないんです、当事者の一人です。そしてその当事者として言明しておるわけであります。しかも、われわれの調査と田中清玄の言っていることは話が合っているんです。 ちょうど一番問題の時期、七二年の八月八日には、当時の田中角榮総理と田中清玄との会談が行われているんです。ちなみにその二週間後に、八月二十三日、田中角榮と丸紅檜山との間で五億円の賄賂の約束がなされている時期でもありますが、これは余談でありますが、この八月八日の会談で中東の石油問題を話し合っている、そして日英首脳会談での合意の下工作がなされた、そういう可能性がきわめて濃厚であります。こういう会談の事実があったこと、これは新聞にも報道されているのですが、御存じでしょうか。
○参考人(江口裕通君) そういう事実がありましたかどうかということは、これは客観的な問題でございますので、あれは恐らくあったということであろうと思います。ただ、繰り返して申し上げますが、仮にそういう事実があったといたしましても、それが私どもの方の案件に直に関係があったかどうかということについては、私ども、いま何とも申し上げられないという感じでございます。
○市川正一君 その問題はおいおいと詰めていきましょう。私がきょう焦点として伺いたいのは、この油田の評価自体が、いま申しましたように、いわば初めに七億八千万ドルありきという点なんです。 私は、かつてADMA鉱区の油田評価に携わった関係者の方に直接会って話を聞いたことがあります。その人の説明によりますと、第一に、ADMAプロジェクトに参加することがもう前提として進められてきたこと。第二に、すべての評価の項目を最も高いベストのいわばいい評価をする方向に持っていったこと。第三に、そうして積み上げられた試算評価にさらに一億ドルを上積みしたこと、その結果七億八千万ドルになったんだと。公団の内部でも反対論がかなりあって、しかし、これは反対する理事や部長には無理やり判を押させたということであります。田中清玄の話と符節が合う。 そこで、私、会計検査院に伺いたい。会計検査院として、改めてこの油田評価の妥当性について原資料をチェックすべきではなかろうか。七億八千万ドルに決まるこの経過だけを見ましても重大な問題があることは明白であります。かつて直接に携わった人の言明によれば、生資料を見ればそのでたらめさが判別できるというふうに申しておりましたが、会計検査院、いかがでございましょう。
○説明員(岡峯佐一郎君) お答え申し上げます。 率直に申し上げまして、権利上の妥当性の判断というのは、私どもとしても大変むずかしい事態でございます。五十二年の五月にジャパン石油を検査指定いたしまして特別検査をいたしまして、その結果につきましては先生にもお答え申し上げたとおりでございます。 この金額の出し方といたしまして、鉱区内の一部既開発油田についての可採埋蔵量あるいは未開発地域の有望構造の評価額、そういうものを基礎にして算定したという当局の説明を受けているわけでございますが、しかも、その根拠となりましたものは物理探鉱の解析の権威であります会社に再度にわたって依頼の上判断をされたと伺っております。私どもとしては、そういった事情を十分聴取いたしまして、その時点においては一応納得できるというふうに判断をし、御答弁を申し上げたところでございます。しかしながら、先生のいまのお話もございますので、今後とも、そういった点を踏まえまして調査をしてまいりたいと考えております。
○市川正一君 ぜひ進めていただきたい。また、今後、いろいろ御連絡さしていただきたいと思います。よろしく。 ところで、これに関連してもう一つの問題でありますが、公団の投融資は第十九条の一項一号で探鉱——鉱脈を探る、この資金に限定されております。ところで、ここに私は石油開発公団が編集された石油用語辞典を持ってまいりましたが、これによりますと、「探鉱」とは「石油があるかどうか分っていない場所での掘削を試掘といい、通常ここまでを探鉱段階とする。」というふうに明記されております。そして「試掘」とは「未知の油層またはガス層を目的に井戸を掘ること」というふうになっております。ところが、ジャパン石油開発がADMA鉱区で行っているザクム上層部の油田の場合は、試掘井、試掘の井戸ではなくして、すでに生産井、生産をしている井戸、しかもそれを十坑以上も持っており、日産五万バレル生産をしておりますが、これは明らかに生産段階にある。ところが、このザクム上層部油田のプロジェクトに公団投資が約七十億円流れていますが、これは公団法に違反するのではないでしょうか。
○政府委員(志賀学君) お答えいたします。 公団法第十九条第一号におきまして、先生御指摘のように、公団の業務といたしまして探鉱に必要な資金を出資する、同じように二号におきまして融資をする、こういうことになっておるわけでございます。で、その場合、探鉱とは何かということでございますけれども、私どもといたしましては、探鉱というのは、単に石油が賦存しているかどうか、要するに賦存の有無、それを調べるだけというふうには解しておりません。賦存の有無、それから範囲、あるいはさらに商業的採収の可能性というものを調べる、そういった商業的採収の可能性を調べるまでの活動というものを探鉱というふうに解しております。 で、片やザクムアッパーの問題でございますけれども、ザクムアッパーにつきましては、昨年の十二月末までに、先生御指摘のように、公団の金が約七十億円出されておるわけでございますけれども、現在、ザクムアッパーにつきましては、水攻法による採収が可能であるかどうかという点をテストするという意味で、水圧入井あるいは採油井、そういう掘削を進めておるわけでございます。で今後、その水圧入を行いながらテストをする、その結果、可採埋蔵量がそこで初めてわかってくる、それに基づいて商業的な採収が可能であるかどうかというフィージビリティースタディーがそこで行われるということでございまして、現にジャパン石油がザクムアッパーにおいてやっております事業というのは探鉱に当たるというふうに理解をしております。したがいまして公団法には抵触しないというふうに理解をしております。
○市川正一君 いまのような説明、解釈ならば、結局、いろいろな水攻法などリスクがあるということでどんどん拡張解釈ができるんですよ。それは法の精神じゃない。そうすると、結局、リスクがあるものはどんどん公団の投融資ができるということになっていくわけであります。そこはやっぱりきちんとすべきだ。私は何もザクムアッパーについて手を引けとか、そういうことを言っているんじゃなくて、筋を通しなさいということを言っているわけでありますが、私は、この点も会計検査院の御見解を伺いたい。
○説明員(岡峯佐一郎君) 探鉱の定義につきましてはいま御当局から有権的な解釈が示されたわけでございますが、本件につきましては、水攻法による油の回収という特殊なケースでもございまして、その生産が軌道に乗りますのは一九八四年以降というふうに伺っておりまして、そういう説明を一応了としてこれまできたわけでございます。しかしながら、生産が軌道に乗りました段階におきましては、公団法の規定から見ましても疑義があると思いますので、趣旨から見ても考える要があると考えますので、この点を明確にする要があると考えます。
○市川正一君 私があえてこの問題を重ねて追及をいたしておりますのは、大臣、今後もエネルギーの開発だとか、あるいはエネルギーの取得に際してまさに手段を選ばぬこういうやり方がどんどん横行するということは決して真の意味での国益にはならない。ましてやそれにまつわる高額の利権料あるいは田中清玄のコンサルタント料、しかも、それが政界に還元しているという重大な疑いさえ持たれているわけです。さらに五百億円を超えるジャパン石油の累積赤字など、現在の公団、ジャパン石油のあり方というのは余りにも問題が多過ぎる。こういう問題を放置して、国民の貴重な血税を現行法を無視してまでつぎ込むということは問題がある、こう考えるのでありますが、大臣の御見解を最後に承りたい。
○国務大臣(佐々木義武君) 多額の国家資金を投入するわけでございますから、いささかの誤解あるいは疑いを持たれるようなことのないように、十分、今後、公団その他関係機関の指導、監督をいたしたいと存じます。
○市川正一君 私は、具体的な問題を出しておりますので、この点については通産大臣の方でも厳しく具体的な点検をお願いしたい。また、会計検査院の方も作業を進めていただきたい。よろしくお願いします。 石油公団、どうもありがとうございました。退席していただいて結構です。
○委員長(志苫裕君) 石油公団、参考人の方、どうも御苦労さんでした。
○市川正一君 私、第三の主題として、あと残された時間ではありますが、日本自転車振興会、以下日自振というふうに略称さしていただきますが、この日自振に関する御質問をさしていただきたいんであります。 最初に、柳井会長に伺いますが、日自振の交際費は五十一年度から五十四年度までそれぞれいかほどに相なっておりましょうか。
○参考人(柳井孟士君) お答えいたします。 細かい数字は記憶しておりませんが、予算面では約二千三百万程度であると心得ております。
○市川正一君 それは年間なんですか。
○参考人(柳井孟士君) 年間でございます。
○市川正一君 年間でございますね。五十一年度から五十四年度、いまおっしゃったように、大体多いときで二千六百八万、少ないときで二千二百九十三万。ですから、この四年間をトータルしますと、約一億円の交際費が出ておることになります。私、この額というのはほかの特殊法人と比べても、いわばけた違いに多額に上っていると言わざるを得ぬのです。 たとえば通産省所管の特殊法人を幾つか例にとってみますと、石油公団が二百二十三万円、石炭鉱業合理化事業団が百七十五万円、中小企業共済事業団が六十四万円、中小企業振興事業団が百四十三万円、アジア経済研究所百七十七万円と、これはまあ一例でありますが、いずれも五十四年度の金額であります。あの鉄建公団ですら、そういう言い方は何ですが、三百万円。そうしますと、いま申し上げた日自振の数字というのはKDDに次ぐ交際費だとも言えます。一体、このような交際費を何にお使いになっているのか、項目の詳細をお聞かせ願いたい。
○参考人(柳井孟士君) 御指摘のように、私どもの日自振の交際費は、五十一年度二千六百、五十二年度二千三百、五十三年度二千三百というふうになっておりますが、これは事情をちょっと申し上げますと……
○市川正一君 いや、事情じゃなしに、何にお使いになっているか。
○参考人(柳井孟士君) これは予算面は少しゆとりを見た予算を組んでおりまして、いやしくもこの種の経費は、予算に無理をかけましてカラ出張等が起こるようなことがあっては相済まないという気持ちもございまして、幾らかゆとりを見ておりますが、決算の方では、五十一年度二千六百万の予算に対しまして二千三百万、一割強のカットをいたしております、実行面では。それから五十二年度は二千三百万の予算を実行面で二千万に節約をし、それから五十三年度、昨年度でございますが、これは二千三百万の予算でございますが、実行の方は千九百二十万ぐらいに抑えてまいっております。 で、この内訳を申しますと、懇談会的な経費でございます。これが大部分でございます。半分近くでございますが、これは、私どもの競輪は、先生御案内のように、たくさんの団体が寄り集まりまして、その協力によって円滑な運営を図っておりまして、私どもの団体がちょうどその中心的な調整役を担うものでございますから、意思の疎通を図り、懇親を深めるというために、相当相手が多うございますので相当の金額になっております。それから、その次は冠婚葬祭関係でございます。これが二〇%見当になりますか。それから中元、歳暮の関係、これが二〇%見当になります。それからあとの一〇%程度がその他雑件でございます。
○市川正一君 そうしますと、いまいろいろの費目といいますか項目を伺ったんですが、この中から政治献金や、形を変えた政治献金である政治家へのパーティー券購入、あるいは私ここに民社党の機関紙を持ってまいりましたが、民社党機関紙の名刺広告あるいは通産省のお役人へのつけ届け、こういうものが出ているのではないでしょうか。
○参考人(柳井孟士君) 政治献金に類するものはございません。それからパーティーへの出席の会費とか、パーティー券とかのたぐいのものは若干ございます。 それから先ほど中元、歳暮等と申しましたが、これは監督官庁の職員に対してはお贈りをしないことにいたしております。
○市川正一君 お贈りをしない……
○参考人(柳井孟士君) つけ届けなどはしないということにいたしております。
○市川正一君 柳井さん、あのね、事実をお答え願いたいんですよ。私もこういうふうに問題を出す以上調べました。 政治献金はやっていないとおっしゃるけれども、ちゃんと出しているじゃないですか。たとえばここに私資料ありますけれども、久野忠治議員の政治団体である忠政会あるいは民主社会協会等等、いま私の手元にあるだけでも八団体に政治献金しているじゃありませんか。またパーティ券については、これは買ったとおっしゃった。私どもに寄せられた、まあ風評といいますか、柳井人物評というのは、柳井会長は立ち回りがうまく、パーティー券などかなり購入しいてるというふうに寄せられています。また通産省など官僚、お役人には出していないというふうにおっしゃるけれども、自転車振興会を監督する立場にある通産省の三野車両課長自身が受け取ったということをはっきり新聞で言っているじゃないですか。こういうことは、ほかと比べて比較にならない、いわばKDDに次ぐような膨大な交際費から賄っていると言わざるを得ぬです。だから四年間に一億円という多額の交際費が必要になっている。はっきり答えてください。
○参考人(柳井孟士君) 先ほどのお答えでちょっと申し落としましたが、民社党の定期刊行物に新年の祝賀の広告が掲載してあるという御指摘がございましたが、これはそのとおりでございます。どういういきさつからか、数年前から慣例的に掲載をいたしておりましたが、これは一回料金一万円程度だったと存じますが、経費節約のためにことしの正月からは取りやめておるはずでございます。
○市川正一君 あのね、民主社会協会、まあ民社党のことをおっしゃったから、私何も民社党をあげつらう必要はないのですが、四十六年の上半期に五十万円ちゃんと届けが出ているのですよ。 そこで、私、通産大臣に伺いたいのです。この特殊法人である日自振が特定の政党や政治家に政治献金を出したり、あるいは形を変えた政治献金である政治家のパーティー券を購入する、こういうことは好ましいとお思いですか、いかがでしょう。
○国務大臣(佐々木義武君) もちろん、好ましくございません。
○市川正一君 好ましくないどころか、日自振のこの性格、それは事業内容等について自転車競技法で定められております。たとえば十二条の十七では、交付金の使途の制限をここできちんと決めております。そして機械振興、公益の増進のための事業にのみ使用する。また、三号交付金と言われているものも、これは自転車振興会の運営費。まさにこうした事業を遂行するための経費なんです。これを政治献金などに使うということは、いわば使途目的以外の使用ということになり、明らかに自転車競技法に違反するものだと考えますが、いかがでしょうか。
○政府委員(栗原昭平君) 一号交付金あるいは二号交付金等から比例的に自転車振興会に対しまして運営費として支出されておるということはいま御指摘のとおりでございますが、その支出内容は、やはり自転車振興会の運営を円滑にするという見地からその使途が認められておるというふうに私ども考えておりまして、自転車振興会の事業の適正な運営に充てられるという見地においてその使途が認められておるわけでございますから、その中身として、どの部分がどうであるかということがやはり具体的に検討されるべきだと思います。そういう意味におきまして、一般的に儀礼的社交的な交際費というものは、これは法律上認められるものというふうに考えておりますけれども……
○市川正一君 政治献金はどうなんですか。
○政府委員(栗原昭平君) それはふさわしくないというふうに考えております。
○市川正一君 いま明確にお答えになった。この点は、日自振御自身がいまある裁判をやっておられますが、この裁判は、不当な処分を受けたある競輪選手が自分の潔白を明かすために起こしたものでありますが、私は、機会を改めてこの問題も取り上げるつもりでございますけれども、昭和五十二年の四月一日に、日自振は準備書面として出しておられる書面の中にこういうふうに述べている。「以上の通り、被告」——すなわち日自振ですが——「はその目的・設立・役員、更にその業務内容・業務の執行及び経理など全般に亘つて通産大臣の強度の監督、命令即ち国家による強い統制に服しながら国の行政事務の一部を代行し、公益を直接の目的とする公法人である。」こういうふうにみずからおっしゃっている。ですから、その公法人がこういうふうな政治献金——いま通産省の方は、それは間違いだというふうに断言されましたけれども、柳井さん、この点はもうはっきりしていますが、どうですか、今後。
○参考人(柳井孟士君) 昭和四十六年のころのことは、実は、私、恐縮ですが、よく存じませんので。今後の問題といたしまして、社交的儀礼的な節度の範囲を超えるような交際は厳にこれを慎むべきであるというふうに存じております。
○市川正一君 わかりました。 私どもは、競輪がスポーツとして、また庶民の娯楽として健全な発展をすることを心から望んでいますし、そういう立場でいろいろ御協力もさしていただきたいというふうに考えております。 しかしながら、私、時間を詰めてもう一問だけお伺いいたしたいのでありますが、財団法人車輌競技公益資金記念財団というのがございますね。この設立者は日自振とそれから日動振両者になっております。この記念財団の設立目的を見ますと、日自振、日動振の公益増進事業を支援し補完するということになっておりますが、具体的には、この日自振が行っている補助事業、たとえば福祉関係の施設などが災害などによって施設の復旧が必要になった場合、そういうところに記念財団が補助金を出すというふうになっているように聞いておりますが、そういう理解でよろしゅうございますか、まず確認をいただきたい。
○参考人(柳井孟士君) 施設の復旧ではございません。主たる目的は細かいものでございまして、細かい御要望で、かつ私どもの何億、何百件とございますものは相当厳重な手続を踏んで処理いたしておりまして、そういう手続を略して、もっと細かいものに手厚くというふうな御要望がございまして、これを私どものところで大きいものと一緒に片手間に処理するか、別の団体を設けてそこで専門に処理するか、一長一短がございますが、それなりに呉服屋の店頭で小間物を売るよりも小間物屋をつくった方が行き届いた手厚い対応ができるであろうという点に着目をいたしまして、設立されたものでございます。
○委員長(志苫裕君) 市川君、時間ですから、まとめてください。
○市川正一君 そうしますと、私疑問なのは、日自振が行うこととこの記念財団がやっていることが結局同じことではないのか。要するに、二重組織としてこれが機能している。しかも、この記念財団の収支予算を見ますと、四億四百万円ですが、これが助成費として計上されている。つまり記念財団は改修事業だけでなしに、新規事業等々もやっているという意味で、日自振との二重組織になっている。これは私非常に問題だ。 結局、なぜそういう二重組織をつくったかというと、第一の理由は、日自振や日動振の役員のいわば再天下り、あえて言いたいのでありますが、たとえば現在の理事長の岡村氏は元通産官僚で、日自振の前会長でもございました。また、常務理事の神田氏も日動振の元公益事業部長であったというふうに、こういういわば再天下りのポストづくりのためではないかという重大な疑念を私は持ちます。 もう一つの問題は、しかも記念財団に対して日自振が五十年度から五十四年度の間に総額四十三億円からの交付金、助成金を出している。こういう金がもしあるならば——しかも、これは使われていないんです、約四十億円寝かしたままだ。私は日自振、日動振の交付金隠しというふうな疑いをすら持つわけであります。 もう時間が参りましたので、大臣に最後にお伺いしたい。私は、限られたこの交付金を有効に使うとするならば、四十億円をこういう形で寝かしておくんじゃなしに、申請がもう全国から殺到してきております福祉施設などへの補助金にこそ使うべきじゃないか。通産大臣の認可法人であり、しかも交付金の適切な使用という観点から見ても検討すべきであると私は考えますが、この点で大臣の所見を伺って、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(佐々木義武君) 詳細な御説明をちょうだいいたしましたが、いずれにいたしましても競輪資金の配分というのは大変公正なことを必要とするものでございますから、お尋ねの趣旨を踏まえまして、今後とも誤りないように監督してまいりたいと思います。
○委員長(志苫裕君) 柳井さん、どうも御苦労さんでした。
○三治重信君 きょうお尋ねしたいのは、二つの点、通産省所管の特会の関係のことについてお尋ねを申し上げます。 電源開発促進対策特別会計でございますが、五十一年の決算の説明書によりますと、翌年度へ繰り越した額が二百十八億、収納済額の六百十七億余に対して非常に多くなっております。しかも必要性を認めて特別会計までしたのについて、これが少し、何というんですか、もう法律どおり収入が入って、支出の方が非常におくれているんじゃないか、こういう問題かと思いますが、なぜこういうふうに多額の繰り越しが行われ、または、さらにその繰り越しだけではなくて、なお余って剰余金がこんなにたくさん出たのか、その事情をひとつ御説明してもらいたい。
○政府委員(森山信吾君) 昭和五十一年度の電源開発促進対策特別会計の決算につきましては、ただいま先生から御指摘のございましたように、百九十八億円の剰余金があるわけでございまして、その中身について申し上げますと、五十一年度中に発生いたしました電源開発促進税の増収が一つございます。それから五十年度からの剰余金の受入額の増等の増収額でございます六十六億円と五十一年度の不用額百三十二億円の合計額でございます。 そこで、繰越及び剰余金の生じた主な理由といたしましては、電源立地促進対策交付金が予定どおり交付されなかったことが主な原因ではなかろうかと思っているわけでございますが、この立地交付金の交付実績が予算額を大幅に下回ったことにつきまして、私どもは三つぐらいの理由があるんではないかと考えているわけでございます。 その一つにつきましては、第一点は、昭和五十一年度当時はこの制度自身が大変まだ新しい制度でございまして、地元や関係者に十分浸透していなかったんではないかという理由がございます。それから第二点は、発電所の立地にかかわる環境保全問題及び安全問題等につきまして地元との調整にかなりの時間を要しまして、電源立地が計画どおり推進できなかったことではなかろうかと思います。それから第三点といたしましては、自治体側の要因といたしまして、交付金の交付のべースになります整備計画の作成及びこれに伴う整備事業の執行がおくれがちであったという、以上申し上げました三点が先ほど先生からお尋ねのございましたおくれた理由ではなかろうか、こういうふうに判断をいたしておるところでございます。
○三治重信君 いずれも、お聞きすると、当時まだ始めて間もない年度であるからこういう事情はあろうかと思いますが、今日こういうふうに非常なエネルギーの大問題が出てきて、こういう事情がいつまででも続くと、せっかく設けて金だけは先に取り上げてしまって、目的とする事業が進まぬようでは、これは何のためにこういう特別な税金を納めたか、取り上げたかわからぬ。しかも、これは非常に緊急を要することにいまや事態はなってきたんですが、五十一年度はいまの三つの理由でやむを得なかった。しかし、今日までのその後の状況は、こういうものは依然こういうような状態で電源開発がおくれているのか、あるいはどのような改善が行われているのか、その後の状況をひとつ御説明いただきたいと思います。
○政府委員(森山信吾君) その後の状況といたしまして、先ほどお答え申し上げましたのは五十一年度の実績でございますが、引き続きまして五十二年度及び五十三年度の実績を申し上げますと、まず五十二年度につきましては翌年度繰越額が百九十一億円でございます。それから五十三年度につきましては二百十二億円でございます。それから当該年度の不用額につきましては、五十二年度百七十五億円、五十三年度百九十一億円という状況でございます。 そこで、ただいま先生から御指摘のございました、どういう方法を講じてこれをうまく使うように配慮しておるのかということにつきましてお答え申し上げますと、まず環境対策に万全を期しながら電源立地の必要性につきまして国民的合意の形成を図る、これがまず第一の肝要な問題ではないかということでございまして、私どもも一生懸命努力をしておるところでございます。 それから二番目には、電源立地の推進体制を強化することではなかろうかと思います。まだ必ずしも万全な対策を講じておるという状態ではないわけでございますので、今後とも、この体制の強化に引き続いて努力をしてまいりたいと思う次第でございます。 それから第三点といたしましては、電源立地促進対策交付金制度の運用改善という問題があろうかと思います。御承知のとおり、五十二年度におきまして単価の二倍の特例措置を認めていただいたわけでございますので、この特例措置によりまして加速的に交付の制度が現在進行しておるという状態でございます。 なお、近く御審議いただく予定の五十五年度予算案におきまして、交付対象範囲の一部拡大あるいは交付限度額の引き上げ、交付期間の延長等を図ることによりまして、先ほど申し上げました予算と実績との乖離をだんだんと縮小してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○三治重信君 いまの御説明は電源立地の促進の問題の説明なんですが、この特別会計には原子力発電の安全対策費という説明にもなっているんですが、この原子力発電安全対策、これはもう大体予算は予定どおりいっているんですか。
○政府委員(森山信吾君) 原子力安全対策費について参考までに五十一年度の実績を申し上げますと、安全対策等委託費といたしまして三十三億六百万程度の金額を支出いたしておりますし、原子力安全対策等補助金につきましては二十七億六千四百万の支出を行いました。さらに原子力発電安全対策等交付金といたしまして四億四千万等の実績を持ったわけでございますし、それぞれしかるべき対応を講じておるところでございますけれども、まだ必ずしも使い切ってなく、これは原子力発電所の建設の問題等々の問題もございますので、若干の使い残しがあるというのが偽らざる実情でございます。
○三治重信君 もう一つ、事務的なことで特会の石炭及び石油対策特別会計でございますが、この石炭には私も石油の攻勢で石炭の転換対策でずいぶんやって、この石炭特会は石油に滅ぼされそうになった石炭の対策のためにつくった記憶があるわけなんですが、今日もずっと続いているようなんですが、これの状況も、何といいますか、規模が余りにも予定よりか先に縮小したということもあるかと思いますが、これも繰り越しとか剰余金が少し多いようにも見えますし、それから石油も御一緒に説明していただきたいんですが、石油勘定も、五十一年度では、石炭対策より少ないんですけれども、入った金額が少ないのに対して一割弱余の剰余金、こういうふうになっておるんですが、大体この程度のものは当初予定しておったとおりなのか、あるいはこういう事情があってもっとうまくやれる予定だったというのか、その点をひとつ一応説明していただきたいと思います。 〔委員長退席、理事穐山篤君着席〕
○政府委員(森山信吾君) ただいまの御質問にお答えをする前に、ちょっとおわびして訂正をさしていただきたいと存じますが、先ほど原子力安全対策等の支出の額を申し上げましたけれども、これが実は繰り越しの額でございまして、もう一度訂正して申し上げますと、原子力発電安全対策等委託費につきましては三十八億の支出でございます。それから原子力安全対策等補助金が九億円の支出でございます。それから原子力発電安全対策等交付金が八億円の支出でございまして、先ほど申し上げました数字は繰越額でございます。 それから、ただいまの石炭勘定につきましては、五十一年度決算におきまして百二十六億円の剰余金を出しておるわけでございます。御指摘のとおりでございます。その剰余金の使途につきましては、翌年度五十二年度の石炭勘定の歳入予算の剰余金受入額に四十億円等を計上いたしましたし、残額の八十五億円程度につきましては、五十三年度の歳入予算の剰余金受入額に計上いたしまして、それぞれ石炭勘定の石炭対策費として支出を見たわけでございます。 さらに、石油勘定につきましては、五十一年におきます決算状況は、歳入予算額四百八億円に対しまして、歳入決算が四百六十一億円でございまして、五十三億円余の増加になったわけでございます。この増加いたしました理由といたしましては、五十年度からの剰余金受け入れが多かったことと、原重油の関税率が五十二年度より暫定的措置といたしまして二年間引き上げるということになりましたために、五十一年度第四・四半期に大幅な輸入量の増加があったことと相まちまして、原重油関税収入が多かったわけでございます。 一方、歳出につきましては、歳出予算現額四百四十五億円等に対しまして、歳出決算が三百七十一億円でございますので、御指摘のとおり、ある程度の差額の繰り越しをしたわけでございまして、この主な理由といたしましては、備蓄関連予算におきまして、五十一年度に石油の国内需要量の実績が当初見込みよりも大幅に減少したというために、これに伴う利子補給額が減額したわけでございます。したがいまして、いま申し上げましたとおり、石油の国内需要の見込みの違いということでございまして、その後、石油がある一定の量、五十一年当時に比べまして増加いたしましたので、この問題は一応解決の方向に向かっているわけでございます。ただ、御指摘のとおり、予算額に対しまして歳出決算額が若干の乖離があることは事実でございまして、この点につきましては、鋭意、この乖離を埋めるべく努力をしておる、こういう状況でございます。 〔理事穐山篤君退席、委員長着席〕
○三治重信君 いずれも、何と申しますか、いまこれから重要な通産省の最重点対策にエネルギー対策がなっているわけなんですが、今度のいわゆる非常に大騒ぎしたこのエネルギー対策機構の今後やろうとされる五十五年度で、これは五十五年度の予算委員会で質疑することかもわかりませんけれども、せっかくの機会でございますので、通産省がこの両特会をそのままにしてエネルギーの整備強化の機構をつくっていかれるのか、あるいはこの勘定はとりあえずはこのままにしておくけれども、実はこういうふうな案を考えているのだというふうな構想がございましたら、ひとつ御説明願いたいと思います。
○政府委員(森山信吾君) エネルギー対策につきましては、従来、御指摘のとおり、石炭石油特別会計と電源特別会計、二つの特別会計で運営をしておった次第でございます。なお、このほかに一般会計によるエネルギー予算もございますが、主として特別会計によって運営をしたわけでございます。 そこで、いまお話しのございました代替エネルギーの開発の問題をどうするかという点につきましては、私どもは、石油税の一部と電源開発促進税の増収をもちまして新しい代替エネルギー開発勘定を設けたい、こういう気持ちを持っておるわけでございます。まず、石炭石油特別会計につきましては、現在ございます石炭勘定のほかに、従来石油勘定と申しておりましたものを石油及び石油代替エネルギー勘定というふうに勘定を設けまして、それから電源特会の方につきましては、従来の立地対策を電源立地勘定といたしまして、新たに電源多様化勘定という勘定を設けまして、先ほど申し上げました石油及び石油代替エネルギー勘定といま申し上げました電源多様化勘定のうちから代替エネルギーの予算を賄う、こういう仕組みを考えておるわけでございます。したがいまして、御質問の端的なお答えを申し上げますと、特別会計の制度そのものは変更せずに、勘定の創設等によりまして代替エネルギーを推進してまいりたい、かように考えておるところでございます。
○三治重信君 大臣に最後にお尋ねいたしますが、このように日本の現在のエネルギー対策、電源開発でもいわゆる水力と原子力というふうになり、あと石油の新エネルギーの開発ということに御説明だとなっておるわけなんですが、これをひとつ新しく機構としては総合的にエネルギー対策をやろう、こういうふうな考え方であろうと思うのですけれども、それがどうも五十一年度の決算の限りにおいてはやはり実施が予算よりかおくれている、こういう感じになっておるわけですが、率直なところ、こういうふうな今度の新しいもくろみも含めて、日本のこのエネルギー対策というものが本当に軌道に乗るという自信があるのか、あるいはまだエネルギー対策としては、とてもじゃないが、これだけではどうにもならぬと、そういう問題がこういうところにあるのだというような、大臣のひとつエネルギー対策に対する抱負をお述べいただければ大変ありがたいと思います。
○国務大臣(佐々木義武君) 十カ年後に、石油に現在七五%依存しておるわけですけれども、これを五割まで下げまして、かわりにいまお話しございました新エネルギーと申しますか、こういうものでカバーしていきたいというのを目標にいたしまして、原子力の発電はどれくらい、あるいは地熱発電はどれくらい、いろいろタイムと量を案分いたしまして計画を持ってございます。その計画を達成するのに、一番いままで心配しておりましたのが新エネルギーの研究開発の資金あるいは機構でございましたので、そういう点も今度の予算を契機に一応の見通しがつきましたので、ただいまお話しございましたような従来の二つの会計を、初め一本にしようかと思ったんですけれども、そのまま置きまして、そして新しい勘定をそれぞれ設けていけばやっていけるんじゃなかろうかということで、ただいま作業を進めつつございます。 お話しのように見通しいかん、可能性はあるのかというお話でございますけれども、一番心配しているのは御指摘のございました立地問題でございまして、なかなか思うように進みません。特に原子力発電とか備蓄とか、こういう問題が、今後また立地問題で大変苦労するとは思いますけれども、しかし一生懸命努力いたしまして何とか予定どおり進みたいということでやっております。
○委員長(志苫裕君) ほかに発言がないようですから、通商産業省、経済企画庁、中小企業金融公庫及び中小企業信用保険公庫の決算についてはこの程度といたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時十一分散会 —————・—————