外務委員会 第7号
- 発言数
- 220 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1980/04/24
会議録
○委員長(石破二朗君) ただいまから外務委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る十一日、岩動道行君、嶋崎均君、浅野拡君及び前田勲男君が委員を辞任され、その補欠として二木謙吾君、菅野儀作君、大鷹淑子君及び秦野章君が選任されました。 また、昨二十三日、二木謙吾君が委員を辞任され、その補欠として夏目忠雄君が選任されました。 さらに、本日、菅野儀作君が委員を辞任され、その補欠として衛藤征士郎君が選任されました。 —————————————
○委員長(石破二朗君) 北西太平洋における千九百八十年の日本国のさけ・ますの漁獲の手続及び条件に関する議定書の締結について承認を求めるの件を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。大来外務大臣。
○国務大臣(大来佐武郎君) ただいま議題となりました北西太平洋における千九百八十年の日本国のさけ・ますの漁獲の手続及び条件に関する議定書の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 政府は、昭和五十三年四月二十一日にモスクワで署名された漁業の分野における協力に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定に基づき、北西太平洋の距岸二百海里水域の外側の水域における本年の日本国のサケ・マスの漁獲の手続及び条件を定める議定書を締結するため、本年四月二日以来、モスクワにおいて、ソ連邦政府と交渉を行ってまいりました。その結果、四月十五日にモスクワで、わが方魚本駐ソ大使と先方カーメンツェフ漁業大臣との間でこの議定書の署名が行われた次第であります。 この議定書は、北西太平洋の距岸二百海里水域の外側の水域における本年の日本国のサケ・マスの漁獲について、漁獲量、禁漁区、漁期、議定書の規定に違反した場合の取り締まりの手続等を定めております。なお、本年の北西太平洋のソ連邦の距岸二百海里水域の外側の水域における年間総漁獲量は、昨年と同じく四万二千五百トンとなっております。 この議定書の締結により、北洋漁業において重要な地位を占めるサケ・マス漁業の操業を本年においても継続し得ることとなりました。 よって、ここに、この議定書の締結について御承認を求める次第であります。何とぞ御審議の上、本件につき速やかに御承認あらんことを希望いたします。
○委員長(石破二朗君) 以上で趣旨説明は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○戸叶武君 今回の日ソ間における漁業の問題に対する解決というものは、いままでにない成果を私は上げていると思うのであります。何か日ソ間のことというと権謀術策がつきまとうような印象があって後味がいつも悪かったんですが、いまイラン及びアフガンの問題をめぐって世界じゅうが米ソ対立を背景として不明朗と思われるような暗い政治、暗い外交に終始しているときに、日ソ間における険悪な空気をも漂っているときに、この漁業協定がいままでにないような成果を上げたということは、まともに話し合っていくならば、事務的処理の段階においてそのことがスムーズにいくということを物語るものであって、外交は権謀術策よりも具体的な事実を基礎として、どんな難問題でも煮詰めていけば解決が可能である、日本が変わればソ連も変わる、ソ連が変われば日本も変わり得るという一つの外交上における新しい光を私は与えたものだと思うのですが、その一番問題点になっていたむずかしい問題というものがこのような解決にまで導かれた原因は那辺にあったか。これは外務大臣及び農水大臣からお答えを願いたいけれども、きわめて専門的な問題であるし、この問題にタッチした外務省並びに農水省における水産庁の人たちからも大臣の足りないところは補強してお答えを願いたいと思いますが、ひとつそれをお願いします。
○国務大臣(大来佐武郎君) ただいまの御質問の点でございますが、今回は昨年よりも一週間も早く妥結するということで順調に交渉が進んだわけでございますが、その原因といたしましては、これは必ずしも全部の原因はわからないわけでございますが、一つには、近年交渉につきましてかなり実務的な考え方、実務的なスタイルがソ連側にも出てまいってきておるということが一つと、それから、やはりこの交渉がお互いの利益、ソ連側にも相当な利益になるという認識も出てきておるのではないか。そんな事情もございまして今回急速な妥結に至ったのではないかと存じます。
○国務大臣(武藤嘉文君) 私も大体いまの外務大臣の御答弁と同じ見方をしておるわけでございまして、私どもから参りました長官にしましても、部長にいたしましても、参りますときに、私は、政治的な問題を極力絡めないように、これはあくまでも実務的、事務的に処理をするという態度で、相手に対しても強くそういう立場を主張をして、極力相手側のそういう点における理解を深めるようにということを指示をいたしたわけでございます。また、いま御指摘ございましたように、ソ連側もやはり漁業協力その他については相当期待しておるという点もあったのではなかろうかと思います。そういうようないろいろな背景の中で、やはり代表団の皆さんが非常に粘り強く、何とかひとつ減船を伴うようなことにはならないようにと、こういう気持ちで一生懸命努力をしてくれた結果、こういうことになったのではなかろうかと評価をいたしておるわけでございます。
○戸叶武君 外務、農水大臣から責任を持った答弁がなされておりますが、この問題は、やはり直接現地において日ソ間における話し合いを進めてきた人たちから、その体験を通じてお聞きしたいのでありますが、いままでのことを根掘り葉掘り言いませんけれども、お互いの立場を理解し、そうしてお互いの利益というものをお互いにこうやればあり得るんだという結論に到達すれば、いままで難問題と言われていたこの問題にも解決の糸口がつくのです。このむずかしいサケ・マス漁業の問題ですらも、日本がみずからの主体性を崩さず、ソ連も別に主体性を崩したわけじゃないけれども、政治的な権謀謀略でなくて実務家的な処理方式をもってするならば、このように解決する可能性というものが見出し得るのであります。石油問題もそれです。けさのニュースによると、クウェートから石油が供給される協定が成功したと言われております。イランの半分ぐらいは入るのかもしれませんが、その問題は後で質問いたすにしても、この漁業問題に苦労を重ねた皆さん方は、ここに新しいささやかな光を見出し得たというその一番の問題点は何と思いますか、現地に行った方からそれを直接承りたいと思います。
○政府委員(今村宣夫君) 今回のサケ・マス交渉に臨んで、どういう要件といいますか、基礎の上においてこの結果が出たのであるか、体験を通じて話をということでございますが、私は、第一はやはり、ただいま大臣からもお話がございましたように、ソビエトも相当この問題を経済問題として処理をしようという、そういう考え方に立ってきたのではないかというふうに思われるわけです。もちろんいろいろな政治問題ということは、私たちとしましても、ソ連がどういう政治判断をしたかということをうかがい知ることはできませんが、態度としては経済的な問題としてこの問題を処理をしようという、こういう態度が見られたわけでございます。 それからもう一つは、やはり先人がいろいろと苦労をして今日の日ソ漁業関係を築き上げてきたという、その先人の苦労の上に立って、やはりこの漁業関係を相互利益のために円滑に処理することが両国の役に立つのであるということをソビエトも考えるようになったのではないか。基本的な条件として私なりに申し上げますれば、以上のとおりでございます。
○戸叶武君 いまあなたが言われたように、また武藤農林水産大臣が指示したように、政治的な駆け引きということでなく、誠心誠意お互いの利益というものを追求しながら、お互いの立場を理解しながら、それによつて問題を解決しようというこの考え方が、あなたがいま答弁されたように、先輩、いままでの人たちの実績の積み重ねにもよるでしょうが、みずからのやはり貫く考え方というものを一貫して押し通したところにお互いの合意点があったと思うんです。それがイランやイラクの問題においては、ソ連やアメリカは別に批判する必要はありませんけれども、お互いの立場を理解し、お互いの利益というものを考えていくならば、これとそれとを一緒にはできないにしても、お互いの間では第三次世界戦争はできないというのは百もわかっていながら、あのような押しつけがましいことを諸国にやっておる。まあはれものにさわるように、困ったものだと言いながら、いつの日かソ連もアメリカも反省するだろうということを期待して、今日は薄氷の思いでエネルギーの問題と取り組み、ソ連のアフガン進出に対する一つの抵抗を行っているんですが、私は、これは小さな漁業問題、魚の問題として見逃すことができない。こういうふうに、事はサケ・マスの問題であるが、日本にとってもソ連にとってもやはり重要な食糧問題です。エネルギーの問題と食糧問題はおろそかにすべきでなく、われわれはECの会議に行っても、経済断交あるいは食糧関係の断交をやるというような無法なことはわれわれも許せないし、ヨーロッパ諸国においても戦争と同じような、暴動を誘発するような苦い経験を——それを武器として外交をやられちゃかなわぬということを叫んでまいりましたけれども、アメリカですらも、がんこなアメリカですらも食糧問題に対してはずいぶん変わってきたと思うんです。物を言わなければわからないんです。 本当の平和共存体制をつくり上げるというのには、私はいまきょうの衆議院のことは遠くて余り耳には入ってこないけれども、何か、幹事長かだれかの失言とかなんとかでストップだと。やたらに国会をストップされちゃ困るので、われわれは間違ったことをやったら謝ってもらいたいので、つまらない権謀術策の中に議会史みずからを否定するような行動を政府なり政府・与党なりがやってくるということに対しては、断固として反撃しなくちゃならないけれども、世界の中における政治の時代、どういうことによってかわれわれは世界に貢献し、自分の国の利益をも、平和をも、繁栄をも守るという重大な段階に、国内の政治がばくち打ちのごろつきみたいな連中にかき回されて、それを擁護しなければならないような惨めな政治体制をやっておっては人を動かすことはできない。私はそういう意味において、いま議会主義に葬式を出すのか、世界に活路を求めるのかという重大なときに、みずからの主体性が確立しないで人を動かすことができるか、世界を動かすことができるかと言いたいんです。このあらしの中において、暗たんたる議会主義の危機の中において、われわれが世界に活路を見出そうとしているときに、外務大臣や農林水産大臣、せめても閣議において、もっとまともな政治を日本に復活しなければ音を立てて日本は崩壊していく危険に直面するということを言ってもらいたい。われわれが本当に与党たると野党たるとを問わず、単なる一問一答によって皆さんの答えを引き出すというのでなく、あなたたちは国務大臣なんだ、われわれは野党なんだ。野党であるけれども、人民の声を代表する国会議員なんだ、国会なんだ。やっぱり党の、政党主義の上に立ってはいても、いまのようなだらけた政党政治は本来の民主政治ではない。そういう意味において、外交も日本のみずからの政治体制が確立しなければこれは本当に世界を動かすような外交にはならないと思うのですが、御両人から、外務大臣としてあるいは農林水産大臣としての責任から方向づけをやった実績を通じて、こんなざまじゃ日本の政治も外交も効果ありませんよというぐらい一度力説したことあるんですか、それを承りたい。
○国務大臣(大来佐武郎君) ただいまの戸叶委員のお話でございますが、確かにある意味では議会制民主主義というものがどういうふうに機能するかということは、いまの世界の大きな問題だと思いますけれども、同時にこういう制度にもいろいろな欠点があることは確かと思いますが、しかし、他のあらゆるいろいろなほかの制度に比べればまだましだという面も相当あると思いますので、なかなか人間社会理想的にはいかない面もあると思いますが、やはり私どもは、この議会制民主主義というものを日本としてはしっかり守っていかなければならないんじゃないか、その中で非能率な面がいろいろあっても少しずつそれを軌道修正、自己修正をしていくということが必要ではないかというふうに感じております。
○国務大臣(武藤嘉文君) 外交において主体性を持っていかなければならないということは当然かと思いますし、また私ども議会制民主主義を守らなければならないという立場においては御趣旨の点はよく理解ができます。閣議でそういうことを発言をしたかどうかという点については、まことに残念でございますが、まだそういうことは発言をいたしたことはございません。ただ、気持ちといたしましてはそういう気持ちで仕事をやっておるつもりでございまして、今後とも常にそのことを忘れることなく努力をしてまいりたいと思っております。
○戸叶武君 政治というのは、初恋の女の子が心には思っているけれども物を十分表現できなかったという方式でなく、国務大臣たるものはやはり常に、私は一朝一夕に、大来さんが言ったように、まあましだという程度で目をつぶっていかなければならない立場もあるかもしれませんけれども、この機会に、鉄は熱したときに打つべしというように、この国民全体が失望によって打ちのめされているようなときにこそ閣議の席上からでもひらめくものが出てこなければ、私は、直観的ないいものを持っている日本民族において、議会主義という名のもとに紛飾されて、政権交代はあり得ず、一党独裁的な幕府政治を持続しようというような度しがたい暗い政治の暗転の中においては進歩はあり得ないと思うんです。 世界は、すでに中東において幾つかの王国が崩れていっていますが、みんな時の流れのアンダーカレントに触れることができないで、シャーなり王様なり、私兵的な武力を使ってそれを維持しようとしても、ついに混乱の中に音を立てて崩壊しているのが事実でしょう。この冷厳な変革の時代に、おどおど、国務大臣として自分の仕事だけに忠実じゃなくて、それで満足しないで、もっと私は日本の政治を明るいものにしなければ、国民とともに苦悩し、模索し、国民だけではなく世界の人々をも理解させていくという努力なしに第三次世界戦争を食いとめることはできないと思うんです。武藤さんあたりは——戦後私は明治大学でハロルド・ラスキの議会主義の危機、デモクラシーの危機に関して私は講演をやったことがありましたが、篤学者、学究的な人が遠慮深くて、ならず者のようなずうずうしいやつが政治を振り回しているという現実、理想と現実のギャップは簡単に埋められないという形において、安閑として国務大臣の地位を占めているとするならば、存在の意義はないんです。どうぞそういう意味において、現実においてこの日ソ間におけるむずかしい漁業協定において、日本もソ連もお互いに前進するような協定を成立させているんですから、そういう実績に基づいて政治の方向づけを私はやってもらいたい。今後においては、国務大臣としても、大いに発言する資格があるんですから、遠慮なしに、恋に悩む処女のような形じゃなく、脱兎のことく突撃していってもらいたいことを希望します。 時間はありますけれども、ほかの人がずいぶんまだやりたいという形もありますから、私はこれで、注文だけをしておきます。
○小野明君 サケ・マス問題は後ほど聞きますが、まずイランの問題について外務大臣にお尋ねをいたしたいと思います。 ルクセンブルクでECの外相理事会が開かれまして、大使館の館員の削減あるいはイランとの外交関係の縮小措置というものを即座にとると同時に、イランが五月十七日までに人質を解放しない場合には、食糧、医薬品を除く全面的な禁輸に踏み切ることを決定したということが伝えられております。そこで、けさほどから、わが国政府といたしましてもこのECの外相理事会の決定に全面的に同調するということが報じられておるのであります。外務大臣、政府としてのこのECの外相理事会に対応する措置というのはどういう方針をお決めになったのか、まずお尋ねをいたしたいと思います。
○国務大臣(大来佐武郎君) 政府の方針につきまして、けさの八時半から関係閣僚の協議が行われてまいりました。実は、途中でオランダ首相が東京を離れるあいさつがございましたために、総理と私とは中座をいたしました。その後の最後のところまで承知しておらないので、恐らく官房長官から発表が行われるだろうと思います。この点につきましては、連絡をとりまして、できれば後ほど申し上げたいと思いますけれども、基本的な考え方としては、このECの外相会議の決定に協調して日本政府も今後の措置をとるということでございます。 私も何人かの主要な外相と個別的な会談をやってまいりましたが、考え方におきまして、EC諸国が一つにはイランに対する強力な説得に努めるということ、一つにはこの問題をあくまでも平和的な手段によって解決するということについて米国側にも強く呼びかける。で、一面におきまして人質問題が半年にもわたって解決されないということに対する米国内の非常な激しいいら立ちがあるわけでございまして、こういう点も考慮に入れて、EC諸国が非軍事的な措置について対米協力をすることによって、反面それ以上の措置にアメリカが出ない、自制をするような働きかけを強くやっていこうと、大体の考え方はそういう筋でございまして、これは私ども日本の方で、日本政府としても考えてまいりました基本的な筋と合致するという判断でございますので、そういう基本的な合意に基づいて具体的な措置をただいま政府の内部で検討しておるわけでございます。
○小野明君 そういたしますと、非軍事的な措置をとることによってイランの人質問題を解決をしていきたい、あるいはアメリカにもそういった措置を要求をすると、武力行動に出ないように要請をしていくと、こういう方針でございますか。
○国務大臣(大来佐武郎君) そのとおりでございます。
○小野明君 そういたしますと、これはやはりある種のアメリカの制裁措置に対する同調行動と、こういうふうに言えると思うのでありますが、こういう制裁措置をECと同調して日本がとることによって、人質の解放が実現されるという見通しについては、いかがでしょうか。
○国務大臣(大来佐武郎君) ECの外相会議の決定におきましては、五月十七日までにイラン側から人質解放について何らかのはっきりした意思表示がない場合には、このEC九カ国が共同して本年一月の安保理に提出されましたイランに対する経済制裁の措置——この採決は十対五でございましたけれども、ソ連の拒否権によって否決されたわけでございますが、この決議案の内容に従った共同措置をとるということになっておるわけでございます。この見通しにつきましては、これは何とも申し上げられないと、このイランの対応の仕方によるわけでございますけれども、私どもといたしましても、EC諸国の外相といたしましても、こういう形が一つの重要な解決の可能性になるだろうという期待は持っておるわけでございます。
○小野明君 そういたしますと、解決の見通しというようなものについては何にも持たないけれども、とにかくアメリカが提唱しておることでもあるし、わが国としては自主的な外交という措置をとるのではなくて、とにかくECの決定に従っていきたい、その陰に隠れてこのイラン問題の外交措置の選択を行ったと、こういうことですね。
○国務大臣(大来佐武郎君) 私は陰に隠れてということではないと思います。ECとこういう対策の共同措置をとることが、イランに対するあるいは米国に対する影響力としてより有効であろうという判断でございまして、そういう判断に基づいて方針を検討しておるということになると思います。
○小野明君 官房長官にお見えいただいておるのでありますが、官房長官、この二十一日からイラン原油のわが国向けの供給停止が行われておるわけですね。この問題について政府としてはこれはイランに対する制裁措置とは別であると、これは価格交渉であって、純粋な経済問題として扱うという見解で統一をしたということが伝えられておりますが、官房長官いかがですか。
○国務大臣(伊東正義君) いま先生の御質問は、きのう、おとといでございましたか、総合エネルギー対策の関係閣僚会議を開いたわけでございます。これは五十五年から五年間の計画とか節約の方法とか、そういうものをやった席で、いま先生のおっしゃったようなこれは純粋に経済的な価格交渉であるということの考えでいま通産省も外務省もやっていますという説明がございまして、みんなでそうかということで了承したのでございます。
○小野明君 みんなでそうかというような無責任なことではなくて、政府の方針というのは一体どういうことなんですか。これは純粋な経済問題であると、こういうふうに公式に発表されたんじゃないんですか。
○国務大臣(伊東正義君) そこに出た閣僚みんなそれで了承しまして、そして記者会見で私がきょうの閣僚協ではこういうことだということでみんな考え方を一致させましたということを新聞記者会見で言いました。
○小野明君 それは政府の方針ですね。
○国務大臣(伊東正義君) 閣議決定とか、そういうものじゃございませんが、関係閣僚協はほとんどが出ているわけでございますので、政府の考え方としてお考えいただいて結構でございます。
○小野明君 いいんですね。——ところが、二十一日の長官の記者会見、これはアメリカの制裁措置に対応したものではないと、こういうふうに、イランの原油値上げに応じなかったことをですね。そう言いながらも官房長官は、これは広い意味での同調行動である、アメリカの制裁措置に対する同調行動である、さらにイランの原油の供給停止が長引けばアメリカに肩がわりを要求するんだと、こういう記者会見の内容になっている。非常にこれは矛盾をしておりますね。これが私は非常にあなたの記者会見が混乱をしておる一番原因だと思う。あなたの発表は、表は純粋な経済行動であるけれども、本音を言えばこれはアメリカへの同調行動だということを裏書きしておる、こうとしかとれないのですがね。そこで、カーター報道官も、アメリカ政府の発表も、この日本の値上げ拒否を非常に勇気ある措置ということで、人質解放に向けた共同歩調の一つとして感謝をするというような表明まであっておる、こういう受けとめ方も官房長官の記者会見からできるわけです。これは一番混乱の原因はあなたがこしらえていると思うんだが、このために通産省も非常に、何ということを言ってくれたかというような苦い顔をしたというような報道もありますが、官房長官、この記者会見の本音は一体どうなのですか。これはアメリカに対する同調行動ととられても仕方がないという、同調行動であるというあなたの認識ではないのですか。
○国務大臣(伊東正義君) 先生からいろいろの点を挙げて御質問がございましたが、実は私、一月に外務大臣が豪州へ行かれた後臨時代理をやりまして、アメリカから来た特使のハビブさんとこの問題について話し合ったことがあるのです。そのとき、アメリカの特使に対しまして、私は、アメリカとイランとの関係で非常にむずかしいことが起きておる、そういうことでいろいろ経済問題等話があるが、日本はイランと非常に関係が深いのだ、油もたくさん入れていますしあるいは石油化学の問題もあるし、日本とイランとの関係はあるいは世界のどの国よりも深いのじゃないか、そしてもしもいろいろな措置をとりまして油が日本に入ってこないというようなことになりますと、これは非常に社会、経済的に問題が起きるので、そういう場合にはひとつアメリカでも、アメリカ系のメジャーから日本によけい石油を回してもらうとか、そういうことを当然考えてもらわなければ困りますよ、ということを、私は、外務大臣代理で向こうに言ったことがございます。私は、それは日本のことを考えれば当然そうじゃないかと思って実は言ったわけでございます。それが私の頭にあるものですから、いますぐ値上げの交渉で油がとまったからすぐにということを私は考えているわけじゃないのですが、いまは備蓄もありあるいは節約もし、その他多角的に油の輸入を考えればすぐにそういうことをアメリカに言わなくても大丈夫だというような、いろいろその後通産側の話がございまして、いますぐにアメリカにどうこう言うということじゃございませんが、将来もしものことがあってそういう事態になったら私はアメリカもそういうことを、アメリカ系のメジャーからよけい日本に回してもらうとか、そういうことは当然日本が言っていいことだと、私はいまでもこれはそう思っております。いますぐという意味じゃございませんが、当時アメリカの特使に言った、そういうことがございます。それから、同一歩調ということでございますが、新聞記者会見で、これは経済問題なんだということで私が説明をしました。その後でいろいろ質問がございまして、先生のおっしゃったようなことを私は言ったことは間違いございません。これは確かに言いました。広い意味で、人質問題がなければこんな問題は起きてこなかったのじゃないか。そういう問題もあって、いろいろ金融上の措置をしたり、人質解放以前よりもよけい油は買わないとか、高い価格で油は買わないとかいうことを日本が自主的に決めているわけでございますが、今度のことはイギリスも実は高く買わないということで断っているわけでございます。そういうふうに関係国で油が高くなるということはやはり世界経済全部にとりまして混乱を起こすことでございますので、純経済的にもそれは困るということを言っているわけでございますが、広い意味から言えばそういうこともあるのじゃないかということを私は新聞で確かに言いました。これはまだ向こうがとめたりする前のことでございます。それから後でとまったわけでございますが、その後で、先ほど御質問がありましたように、関係閣僚協ではその考え方を純経済的ということでもう割り切った方がいいじゃないかというようなことがありまして、先ほど申し上げましたように、その後で記者会見で私が言ったというのは事実でございます。
○小野明君 これは広い意味での同調行動である。この案は安保理事会でアメリカが提案をして拒否されたものなのです。ですから、経済問題であると言いながら官房長官が同調行動であると言われておるというのは、日本の政府の方針に一貫性がない。とにかく官房長官が言われたことによって非常に混乱が起こっておる。しかしイラン側はそれを見抜いて、官房長官が言われたことによって、これは対米協調路線に沿った日本の行動である、単なるこれは経済上の問題ではないということを見抜いてイランが供給停止に踏み切ったのではないのですか。
○国務大臣(伊東正義君) 実は私はそう思ってはいないのでございまして、イランとアメリカはああいう非常に熱い関係にあるわけでございます。それで経済問題としてでございますが、これはずっと前から交渉があった。そこへカーター大統領のあの話が出てきた。高く買わないという結果が、それで二十日までの期限だというようなことはカーター大統領の声明の後にそういう経済問題の結末が出てきたわけでございます。それで非常に見方がごたごたごたごたして、同じものを見るのに右から見るのと左から見るので見方が違うというようなことで、ちょうどたまたまカーター大統領の声明の後であったもので、そういう問題が起きて、イランでは、私は私が言ったことでではないと思うのですが、私はそう思っていますが、政治的に物を見ていない。アメリカはまたアメリカで政治的に物を見る、こういうような結果になっているということは、私の発言ということ、私はそれよりももっと前に、何をやってもいまは両方でそういう目で見られるというような感じを持っております。
○小野明君 そういうごたごたごたごたというような原因を官房長官の記者会見で私は一つつくっていると思うのです。ですから、よほどその辺のことは、単なる経済上の措置であるならばあるように、政府のスポークスマンであるあなたがきちっと発表してもらわなければ、アメリカ政府からほめられるような、あるいは片一方からはほめられ、イランからは、何だこれは経済制裁に当たると、こう両方からとられる発言の原因をあなたはこしらえたと私は思うのです。だから、発言は政府のスポークスマンとして私は慎重にやってもらいたい。それが第一。 いま一つは、イランのモインファル石油相が、イランに敵対行動をとる国に対しては永久に石油の供給を停止する、こういう革命評議会の決定を明らかにしています。それで、わが国がこういう制裁措置に同調することによってこの革命評議会の決定の適用を受けることになるのではないか。これは官房長官と外務大臣御両人から御答弁をいただきたい。まず官房長官。
○国務大臣(伊東正義君) いまの御質問でございますが、大来大臣がECに行かれて、ECがいろいろイランに対する措置を外相会議で決めるということでございますから、日本の考えも向こうへはっきり言っておいた方がいいということで、大来外務大臣が急遽行きまして、向こうで事前に協議をされてきたわけでございます。これは私たちとしましては、政府としてはECからテヘランの大使が共同で申し入れをしようというような申し込みもありましたし、ECといろいろ事前に日本の考えも言って、日本は自主的にやるわけでございますが、それが結果において同じような方向であることが望ましいということで大来大臣は行かれたわけでございまして、けさ、いろいろ措置を相談したわけでございますが、先生のおっしゃることは私は最後の最後の段階で、そういう場面があるのかどうか、なるべくそういうことは避けて人質解放ができるようにということを最後まで模索するのが私は外交の役目だというふうに思っておりますので、そういう事態にならぬように私は外務大臣に、あるいは政府全部としてできるだけの努力をするという態度で日本は行くべきだと、こういうふうに思っております。
○国務大臣(大来佐武郎君) ただいま官房長官の言われたとおりでございますが、イラン政府に対しましては従来から現地の和田大使を通じて再三申し入れしておりますことは、本来日本はイランに対して友好関係を維持したい、友好的に考えているんだが、とにかくこの人質問題を解決してもらわないことには非常に困難な立場に置かれるのだ、基本的にわれわれの友好感情は変わってないのだ、その意味からも人質問題を早く解決してもらいたい、ということはイラン政府に繰り返し申し出ておりまして、イラン側も基本的には日本に対する友好的な気持ちは持っておると思うのでございます。モインファル石油相の発言等もございますが、今回の問題につきましても、石油はとりあえずとめるけれども、重油と天然ガスは買ってくれというような態度も現在現にございまして、官房長官が発言されたためにイランの態度が変わったというようなことは全然ないと見ておるわけでございます。それからルクセンブルクにおきましても、各国の外相に対しましてこれは制裁ということではなくてコマーシャルな考慮からやっておることであるという説明をいたしまして、各国の外務大臣も了承した経緯もございます。
○小野明君 そうすると官房長官、あなたの見通しではイラン制裁に同調する、イランにあるいは敵対行動をとる国に対しては石油供給を永久に停止すると、こういうイラン革命評議会の決定の適用を受けることはないと、こういうお見通しですか。官房長官いかがですか。
○国務大臣(伊東正義君) 私申し上げましたのは、そういう最悪の事態にならぬように日本政府が最善の努力をすると、外務大臣にいま一生懸命やってもらっておるのでございまして、私どもとしましてはそういう事態がなるべく来ないように外交でやってもらう、ECの決定もごらんになるとわかりますが、向こうの決定も二段階になっておるわけでございます。私どももあの第一段階の措置で、何とか人質解放の問題が進展するようにということで努力をいまやっているところでございますし、先生おっしゃったような事態にもうならぬようにということをやるのはわれわれの役目だと思って、最善の努力をするつもりでございます。
○小野明君 それは官房長官、願望でありましてね、現に官房長官も広い意味の同調行動と制裁行動に参加しているんだということをおっしゃっておる。 外務大臣、どうでしょう。このイランのモインファル石油相の言明のような結果を招かない、招かないであろうと、こういうふうに見通しておられますか。
○国務大臣(大来佐武郎君) まだ十分な判断はむずかしいんですが、当面の積み出し、積み込み停止ということはあり得るし、すでに起こっておるわけでございますが、永久ということはないだろうと思います。
○小野明君 時間が来ましたので、これで私の質問を終わります。
○渋谷邦彦君 本題に入ります前に、私の方からもイラン問題について若干お尋ねをしておきたいと思います。 今回、ECの外相理事会に出席をされて、いろんな話し合いがなされたと思うのでありますが、今回の一連の行動の帰結を見まして、アメリカ側の反応が非常に弱いという認識がなされているようであります。ということは、裏を返せば今回のそれぞれ取り決められた中身についてはきわめて不満であるという印象が当然出てくるわけであります。その点について、大来さんとしてはどのようにその辺の関係性というか今回の反応といいますか、認識をされておいでになりましょうか。
○国務大臣(大来佐武郎君) 米国における反応は、私どもの承知しておる範囲ではこういう決定を歓迎するという立場であろうかと思います。アメリカの国内にもいろんな意見があるわけでございますが、このことは平和的な解決をしなければならないという考え方の立場の人たちを勇気づけるといいますか、立場を強化する意味でも役に立つのではないかと思っております。
○渋谷邦彦君 かつてこの委員会におきまして、この一連の問題を通じ、日本政府の今後のあり方として所信をお述べになった大来さんが、できることとできないことがあると、当然だろうと私は思うのですね。必ずしもアメリカに同調することばかりが能ではないという、そういう判断に立ったお考え方を披瀝されたものであろうと、このように私どもは受けとめているわけであります。その中に何があるのかと、できないことは何だということを私はお尋ねした記憶がございます。そのとき明確におっしゃったことは、大使館員の引き揚げ、これを述べられたはずでございます。ところがきょうの閣僚会議では、すでに三つの要綱について日本政府としての決定がなされておるようであります。その一つに、現在十六名いる館員のうち数名ですか、引き揚げをさせる、こういう決定がなされたそうでありますが、そのことと今回の閣僚会議でECの会議に臨まれた結論を踏まえての日本の取り組む最終方向といいますか、どのようにお決めになったのか、まずそれから伺って、この大使館員の問題に触れていただきたい、こう思います。
○国務大臣(大来佐武郎君) 基本的には、けさの関係閣僚会議で、非経済的な措置としては、在テヘラン日本大使館の館員数の削減をただいま御指摘のように方針を決めたわけでございます。 前段でお話がありました、当委員会で私が大使館員の削減をやらないというようなことを申し上げた記憶は余りございませんで、外交関係の断絶というようなことは非常に困難だろうということを申し上げた記憶がございますので、これは今回のECの外相会議の決定にも外交関係断絶ということは一言も触れておらないわけでございます。
○渋谷邦彦君 五月十七日までに人質解放についてイラン側から何らの意思表示がないという場合に、今回の決定に基づいてECは経済的な制裁に対する行動を開始するという絡みの中で、日本政府としても、あるいは、同調する方向に立つならば、恐らく同じ行動をとるであろうということが判断されるわけでありますけれども、そうした一連の動きの中で大使を召還するというような非常手段は現在も考えておられませんか。
○国務大臣(大来佐武郎君) ECの外相会議の決定は、五月十七日までにこの人質解放についてのイラン側の回答が得られない場合には、一月の安保理事会に提出されたイラン制裁案の内容を実行するということになってございまして、その制裁案の中には断交ということは含まれておらないと承知しております。
○渋谷邦彦君 今日までの成り行きを考え、また五月十七日という一つの足かせを課せられたこの日限というものが、果たしてその期間の中で、イラン側が、われわれの期待するような方向へ道が開けるような、そういう可能性というものが考えられるかどうか。先ほども御答弁の中で、その見通しというものがなかなか成り立たないというような趣旨の御発言であったろうと思いますけれども、もし十七日までにそうした明確なイラン側の態度表明というものが考えられないとするならば、第二段階として日本としても、あるいは人道的な面もあり、また国際法の違反という面もこれあり、そうしたことを通じてやはり何らかの措置をとらざるを得ないであろうという立場に迫られることも十分考えられる。非常に即断的にこうするああするということのなかなか決めかねる、そういう面が非常に多いであろうと思いますけれども、やはりある程度こういう動きが一つ流れ始まっていきますと、日本政府としても何らかのそこに明確な方向性というものを要求されてくるであろう。そうした今後の成り行きというものがいろいろなふうに分析もされておられる中で、もし五月十七日まで回答がなかった場合、その先の展望はどうなっていくのか。また、アメリカ側からも相当強い要請というものが出てきはしまいか。場合によると、かねがねわれわれが心配して申し上げておりますように、軍事行動というような、そういう制裁措置をアメリカが単独の立場でとるような、そういう危険性も十二分にあり得るだろう。今回訪米される大平さん自身が、そういったことについては断じてないようにアメリカ側に強硬に申し入れるというような趣旨の発言が伝えられております。そうしたようなことを考えつつも、アメリカは強行しはしまいかということもまた考えられる。そうしたあらゆる考えられる点についても、こうなった場合こう、こうなった場合こうという、もうすでに外務省としても十分その辺を見きわめて今後の対応というものをお考えになっていらっしゃるんではないだろうか、こう思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(大来佐武郎君) 五月十七日という期限が適当かどうかという問題もございましょうが、一つには五月九日にイランの第二回の議会の選挙が行われるということがございますし、かつてホメイニ師が人質の解放は国民議会の決定によるんだということを従来から言っておる経緯もございますし、そういう点を含めまして、今回のECの決定が人質解放の一つの要素になり得る期待は私どもとしても強く持っておるわけでございます。一方、対アメリカの関係におきましては四月七日の対イラン断交とそれに関連したアメリカ政府の発表等の中でも、もしも友好諸国がこの問題についてアメリカに協力をしてくれなければ、アメリカとしては次のステップを単独でとることを考えざるを得ないということを申しておるわけでございますが、これを裏返せば、もしも友好諸国が協力をしてくれる——非軍事的措置でございますが、その面で協力をしてくれればその次のステップは避けられるという解釈が成り立つと思うのでございまして、そういう点に基づきまして、EC及び日本が今回のような措置をとるということが人質問題の平和的解決の一つの手がかりになり得るのではないかというふうに考えておるわけでございます。
○渋谷邦彦君 その点もおっしゃるとおりだと私は思います。確かに五月九日に予定されている国民議会の選出、それを待って新しいイランの方向というものが決まるであろうという期待感、あるいは今回のEC外相会議におきましても、慎重派であるフランス側が積極派であるイギリスやあるいはドイツを何とか説得をしたというようなことでまとまったといういきさつもあるようでございます。しかし、これがこじれてまいりますと、どこで火を噴くかわからないという背景もまた否めない一つの時の流れではなかろうかというふうに思うわけでございます。そうした観点に立ちまして、先般私は、日本としてとり得る平和的な解決の方途として仲介の労がとれないものであろうかというようなことを御提言申し上げたことがございます。 もう一つのことをつけ加えてここでお考えをひとつお示しをいただきたいと思いますことは、主体的な外交展開という立場に立つ日本政府として考えるならば、大来さん御自身があるいはバニサドルに直接会って仲介の労をとるとか、そういうようなことも一つの大きな平和への、あるいは解決への足がかりをつくるポイントになりはしまいかというような考えも当然起こってくるわけであります。その点についてはいかがでございましょうか。
○国務大臣(大来佐武郎君) この点につきましては、私どもの考え方としては特定の国が一国で行動するよりも、EC及び日本というようなグループでそういう努力をする方がより効果的ではないかという判断に立っておるわけでございます。
○渋谷邦彦君 それも私は一理あると思うんです。ただ、今回非常に慎重派のフランスが、恐らくあのジスカールデスタンが直接話し合いをつけたかどうかは別問題といたしましても、相当フランス側が積極的にイラン側と接触を保ちつつ何とか一つの足がかりをそこにつけようという試みがあるやに伺っております。したがって、ECと共同してということも大変結構だと私は思うんですけれども、日本とイランという国が歴史的に見ても、経済的に見ても非常に深い関係性にあるという立場を考慮すれば、先ほどの伊東官房長官の話ではございませんけれども、日本が独自の立場に立ってそのくらいの自主的な外交の展開ということがあっても、私は何ら差し支えないのではなかろうかという考えを持つわけでございますが、重ねてその辺の所信を伺っておきたいと、私思うんです。
○国務大臣(大来佐武郎君) 今回の一連の会談の中でフランスのフランソワ・ポンセ外相とも懇談したわけでございますが、フランスとしてもいろいろ考えはあるけれども、現在の段階できわめて重要なことは、西側の協力といいますか、ソリダリティーといいますか、これを壊すことだと、そういう意味でフランスとしてはこの問題について協力する決意をしたということをはっきり申しておったわけでございますが、いま渋谷先生の御指摘のような方法もあり得るかとは思いますけれども、ここのいまの段階では、このEC九カ国と日本が協力して、この問題の解決に努力するという方向でいくことが適当ではないかと、私としては考えておるわけでございます。
○渋谷邦彦君 やはりもっともっと考えられる可能性を求めて多面的にいろんなきっかけをつくるということも必要であり、いまおっしゃったことも一つの方法ではあろうということは理解できるところでございます。 ただ、もう一つ、先般国連のワルトハイム事務総長が現地に乗り込んだ、いわゆる国連の調査団が行って結局その目的を達せないままに帰らざるを得なかったという事実があるわけです。こういった点についてもう一遍復活をさせながら、御苦労でもあるいは国連を通して何とか話し合いの接点というものをつくり得る一つの推進の役割りを、日本政府としてやはりその辺もお考えになったらいかがなものかなあと、いろいろやっぱり多面的に考えながらどっかに一つの足がかりをつけるということでこの解決の糸口があるいは開けるかもしれない、絶望と思われるようなことすらも開けるかもしれないと、私自身も何とかならないものかというその考え方の中であれもこれも整理をしながら突き詰めていきますと、そこにやはり逢着せざるを得ない。やはりこの辺、この際いまおっしゃったような方向も一つの考え方、またいま私が御提言申し上げたことも一つの方法であるまいか。もう一つ、国連の機能をもう一遍回復をさして、ワルトハイムさんを中心とした調査団をイランへまた行っていただいて、何らかの話し合いのきっかけをつくることも一つの方法ではないか。そういったことについてもっともっと積極的に日本政府として取り組んでいいのではないだろうかというのが私の考えでありますが、その点についてはいかがでございますか。
○国務大臣(大来佐武郎君) ただいま御指摘のありましたアプローチといいますか、対策につきましても今後の事態の推移を見ながらあらゆる可能性について検討を加えていくということが必要だろうと思いますので、まあそのいずれの措置についても、何といいますか、道を閉ざすことではなくて、今後も検討を続けてまいりたいと思います。
○渋谷邦彦君 この問題の締めくくりといたしまして大変印象的に感じた点を一つ申し上げてみたいと思うのであります。 これはNHKの前解説委員長をやっておりました緒方さんの文で、ある社の特派員が単独でバニサドル大統領に会ったときの記者会見の模様なんです。日本はアジアの国で米国から原爆を落とされた、それにもかかわらず米国から無理難題を突きつけられているならばイランは同じ立場にあると。これは非常に痛烈な、いまのイランの置かれている立場を日本と比較をしながらその真情を吐露したという点については何か考えさせられるものがある。日本としてもっと積極的に、自主的に、アメリカに追随することなく、それは友好のきずなを絶てというのではありません。常々日本政府が独自の外交を展開するんだと、それには各国との協調も必要でありましょう。けれども、あるときにおいては、やはり思い切った考え方を米国にも忠告をしなければならない。そういったときに初めて日本の自主的な外交というものの展開が期待されていくのではないだろうか。この一文を私見まして非常に印象深く受けとめました。この点についての一つの何といいますか、いま申し上げたことを通じて、印象だけでも結構です。
○国務大臣(大来佐武郎君) イランの考え方としてそういう考え方もあり得ると存じます。しかし、日本の置かれた立場を主体的に考えますと、イランの立場ともまた非常に違う点がございますし、この複雑な関係の中での日本の経済的生存、それから日本国民の安全、セキュリティー、将来の日本の国際的な諸関係を総合的に考えた場合に、いまのイラン側の発言というもの、向こう側の発言する気持ちはわかりますが、そうかと言ってそれに日本が簡単に同調できる立場にないということも事実だと思います。
○渋谷邦彦君 残されたわずかな時間でありますが、若干日ソ漁業協定の問題についてお尋ねをしてみたいと思います。 今回は、実務的な接触の中で一つの成果を上げたということで評価をされている向きもあるようでございます。先ほど武藤さんの御答弁を伺っておりますと、アフガン問題であるとかというもの、いわゆる政治的な絡みの中で今回このようにいままで百日交渉と言われたような大変苦難の道をたどってきたにもかかわらず、短期的に決着を見たというのは政治的なそういう絡みがあるということには考えたくないと、これはごもっともだと思うんです。まあ、オリンピックの問題も絡んでいるわけでございますし、しかし、常識的に考えますといろいろなやはりソビエトとしての考え方には将来展望を見きわめつつ今回対日関係というものも持続させるという一環として今回のような成果もあったのではなかろうかと、こう思える面もあるわけであります。特に、ことしは不漁年と言われているわけでございます。にもかかわらず前年と何ら変わりがない漁獲量というもので約束がここで決まったわけでございます。そこで、将来ともこうしたスムーズな交渉というものは望ましいし、またこうあることが必要であろうと思いますが、今回限りなのかあるいは来年も再来年も、まだ暫定協定の段階でございますから、毎年毎年このような問題の審議が行われなければならないそういう経過がございますし、その辺はどのようにお受けとめになっていらっしゃいましょうか。
○国務大臣(武藤嘉文君) ことしは、いま御指摘のように不漁年だと言われまして、最初の向こうが提示をいたしてまいりましたのは三万五千トンでございますし、昨年は三万八千トンというのが最初の提示でございましたし、そういう点においては相当最初から私どもはこれは非常に厳しい環境の中で交渉しなければいけない、それを考えますといま先生御指摘のとおりで、いろいろと政治問題が絡んでおりましたので、私どもとしては極力そういうものは排除しながらひとつ実務的にやりたいと、こういう気持ちでやりました。相手がそういう気持ちでやっていただけたのかどうか、率直に申し上げましてそれはよく私どもわかりません。私どもとしては、しかし、極力そういうものを除外してやる方が実務的に、経済的にやる方がベターであると、こういう感じで長官にしても部長にしても行くときにそういうことを指示をいたしたわけでございますけれども、それを踏まえて結果的には私どもとしては大変この不漁年としてはいい結果が生まれたのではないかと思っておるわけでございます。しかし、それは一つにはまた協力費の関係で、やはり経済的にソ連もそういうものを非常に望んでおるということもあったかと思うのでございます。そういうものを踏まえて来年以降どうかということでございますけれども、これは来年は御承知のとおり豊漁年になるわけでございますので、そういう点からいけばこの三年間不漁年、豊漁年、不漁年と、こういう形でまいりましても同じ数字であったと、そういうことから考えますれば、来年は豊漁年でございますから、まあことし並みぐらいは何とかいけるんじゃなかろうかという気持ちはございますけれども、しかしそれは来年のことでございまして、相手側の出方もございますので私どもとしてはっきり見通しはつけられませんけれども、極力今後ともどういう事態になってもこの伝統的なやはり北洋漁業、サケ・マスの北洋漁業というのは守っていかなきゃいけないという姿勢でもって対処していきたいということで、見通しをいまから申し上げるというてもなかなかむずかしい問題ではなかろうかと思います。
○渋谷邦彦君 日ソ漁業協定というのは、いまお述べになりましたように、見通しが立たないというところで大変厳しい側面があるであろうと、われわれもそれは想像にかたくない一面がございます。ただ、いままで集積されてきた貴重な経験というものを踏まえつつ、今後もその面の新しい道といいますか、開けるならばなあという、そういう感じがしてなりません。せめて漁獲量をもう少しふやしてもらうとか、区域をもっと広げてもらうとか、まだ残されたそういう課題というものがあるはずだと私は思うわけであります。 そこで、いまちょっとお触れになりました今回の内容を見ますと、漁業協力費、これが前年費と比較をいたしますと五億円ふえているわけであります。それはもちろん物価が高くなったというようないろんな背景がございましょう。しかし、それはひいては最終的には消費者へ全部負担がかかってくる仕組みになりはしまいかということをわれわれは常に心配するわけであります。今回の——今回といいますか、昨年でもこの協力費がアップされたことによって全魚価が八%大体アップになるという計算があるそうでございます。それはひいては八%しか利益がないこの漁業関係者にとってみれば、利益は一銭も残らぬという勘定になる。今回また五億円も上積みされてまいりますと、その負担というものは非常に厳しくなるであろうと。それは政府でもある程度の補助は出すにいたしましても、漁業関係者もそれを負担をしなければならない。こういったことが年々歳々ふえていくことによって、一体将来の日本の北洋漁業というものが成り立つのであろうかというような面、あるいはひいてはそのしわ寄せというものが最終段階においては消費者に全部かぶってくるであろうと、これを何とか除去する方法がないかということが一つと、今回のこの漁業協力費の中で特にプラントの面を見ますと、魚肉ソーセージのプラントあたりにもこの協力費が使われているという、直接でないものにも使われている向きがあるんではないだろうか。こういう点はどのように整理をしてこれから考えていったらいいのかなと。いわゆるその漁業協力費というものが将来ともにわたって継続されるであろう側面を持っているだけに、この辺を整理していきませんと、漁業者も苦しむ消費者も苦しむということになるのは、これは常識だろうと私は思うんですね。毎回毎回この問題は問題にされることでありますけれども、農林水産省としてはどんなふうに今後の対応としてお考えになっていらっしゃるのか。
○国務大臣(武藤嘉文君) いまの協力費の使い方については、水産庁長官の方からお答えをさしていただくといたしまして、全般的な問題私からお答えをさしていただきます。 今回のこの協力費の関係につきましては、確かに五億円、日本円でまいりますれば増額をしたということになりますけれども、最初から向こうが提示してまいりましたのはいわゆる一千万ルーブルという形で提示をしてまいりましたわけでございまして、これは円安になっておる関係で結果的にはルーブルで換算すれば昨年と同じでございまして、円で換算すれば最初は三十八億三千万という形でそれが三十七億五千万円になったという形では、ルーブルで換算すれば昨年よりは多少なりとも下回ったのではないかと私どもは評価をいたしておるわけでございますが、これはいずれにいたしましても資源保護の観点からお互いに協力していこうというところから出てきた問題でございます。もちろん私ども今後ともそれがなるべく低いところで抑えられる方が望ましいとは思っております。 それによる魚価に対する影響でございますけれども、確かに計算上はいろいろそれをまた価格に反映すればそういうことになるわけでございますが、魚の価格というのは必ずしもそういう形だけではなくて需給関係でやはり左右されてまいりますので、いまなどのように在庫が相当多いときにはなかなか魚価というのは上がらないわけでございまして、消費者に直ちにこれがはね返ってくることにはならないのではなかろうかと、結果的には、そのかわり業者がある程度負担をせざるを得ないということになるかと思いますが、魚価に直ちにこれが反映するということには必ずしもならないのではないかと、こう考えておるわけでございます。
○政府委員(今村宣夫君) 大臣のお話を若干補足をして申し上げますと、今度の五億円を国がどの程度持ち、漁業者がどの程度負担するかということは、今後財政当局とよく相談をして決めてまいらなければいけませんが、昨年と同様の負担割合で物を考えますと、大体漁業者の負担が六・四%ぐらいに相なります。昨年が大体五・五%でございますから、これは若干上がるわけでございます。したがって、今後のサケ・マスの経営状況はどうなっていくのかという問題は、私たちとしましても十分注視をしていかなければならないところでございますが、この程度の負担増であれば今後国との負担をどうするかは問題がございますけれども、私としては負担にたえ得るのではないかというふうに考えておるわけでございます。 同時にまた、その協力費の使い方について御指摘がございましたが、国の負担部分につきましては、国の財政支出の問題でございますからサケ・マスの協力事業にきちんと使うということですけれども、民間負担部分についてソビエトの方の要請がございますので、そういう点もできるだけ弾力的にというようなことで、昨年一件、お話しのように魚肉ソーセージ案件が入っておるという事実はございますが、今後どういうものにどう使っていったらいいのか、それが最も効果的に使われるにはどうしたらいいのかという問題については、これはなおソ連の専門家等ともよく相談をして、最も効果的なかつ適切なる使い方に使われていくように私としても努力をしていきたいと思います。
○立木洋君 農林水産大臣、いわゆる二百海里時代と言われるような状況のもとで各種の漁民の方々の意向を聞いてみますと、政府の示す二百海里時代における漁業政策といいますか、これに対してはきわめて見通しが持てないというか、十分な確信を持って今後やっていくというふうな状況にないというようなことが各地で言われているわけですね。この問題についてきょう全部取り上げてお尋ねすることができないわけですが、そのうち、先日も日韓漁業問題で実務者会談等々をやられ、また週休明けに引き続いて行われるというお話もありますので、その点にしぼってきょうお尋ねしたいと思うんですが、この問題というのは、二百海里になってからずっと繰り返されてきた。北海道近海における韓国漁船の操業問題というのは繰り返されてきた問題ですね。これもいろいろお尋ねしてみますと、あそこの近海で行っている日本側のスケトウの零細漁民の漁船が千七百八十ぐらい出て、とっておるスケトウが十六、七万トンと言われています。ところが韓国漁船というのは十五、六隻の大型の船が来て、それでとっているのがやっぱり十四、五万トンという。しかもそれが千トンから二千トンぐらいのきわめて大型な船で底びきでやるものですから、それがただ単にそういう形で行われるということだけではなくて、日本側としては禁漁期というふうにして資源の保護という観点からも十分に対応しておるにもかかわらず、その時期でも向こう側としては規制がないものですから、きわめて無制限に漁をするというふうな状態も依然として続いているわけですね。私はこの問題については何回かこの委員会あるいは予算委員会でもお尋ねをして、早急に規制がきちっとなされて、漁民がこういうことで被害を受けたり、あるいは資源の保護という観点から見ても問題が起こらないように対処すべきだということを強く要望してきたわけですが、この点についていまのところどういう状況になっているのか、大臣としては今後どういう形でこれを解決しようというふうにお考えになっているのか、その点を最初にまずお伺いします。
○国務大臣(武藤嘉文君) 韓国の北海道沖におきますスケトウその他をとる漁獲につきまして、これは三年ぐらい前からたしか続いておる問題でございますが、なかなか容易に退去してもらえないということで、私自身も非常に苦慮しながらいま努力をいたしておるわけでございます。 そこで、この間も四月にソウルで行われました日韓実務者会議におきましては、従来はこの春の実務者会議は、いわゆる西の方と申しますか韓国周辺の日本の漁業、日本の漁業者の操業についてのいろいろの問題が中心で話し合われるわけでございまして、今回そういう問題だけにとらわれずにひとつ北海道の問題もぜひ議題として取り上げてやってもらいたい、そうしてもらわないと困るということで、特に今回取り上げてやってもらったわけでございます。そして、それの中でもいろいろとお互いの立場をはっきりしながら話し合ったわけでございますが、なかなかまだまだ平行線でうまくいかなかったわけでございますが、引き続いて、いま御指摘のとおりで、五月、まだいつかは決めておりませんけれども、五月なるべく早い時期に第二回目のひとつ実務者会議をやり、そこでまた解決をしなければ引き続いて第三回、第四回でもやって極力早くひとつ決着を見たい、こういう姿勢で私どもは臨んでおるわけでございます。相手側もこちらの気持ちについては相当理解を示してまいりまして、とにかく円満な形で解決をするという方向には協力的でございますけれども、何分相手側は相手側で、やはりいまのお話で二百海里時代になってあちらこちらから締め出されてきたものがいまの北海道沖におるわけでございまして、おれたちの立場も考えてくれということを向こうは言っているわけでございます。しかし、私どもはいま御指摘のように、日本の漁業者が禁止区域あるいは禁止期間というものを設けてやっておるところへ入ってこられてやられるということには耐えられないという気持ちはよくわかりますので、そういうことでは困るんだ、あくまで私ども国の方で日本側の漁業者が規制をお互いにして禁止区域を設けておるようなところへ入るようなことはやめてほしいという線でひとつ一日も早く決着を見たい、こういうことで努力をいたしておるわけでございます。
○立木洋君 それで、日本海ではスケトウは六月の十六日から禁漁に入りますから、何としても努力してほしいんですが、そこで最近新聞で報道されている北海道近海で操業している韓国船で、これは日本読みをすると裕洋号、新洋号、まあユーヤン、シーヤンというふうな言い方もされておりますが、この二隻が日本から輸出された中古船で、輸出する際には日本近海では操業しないという誓約書を輸出代理店がとるということを条件で輸出の許可がおりたというふうな報道がされていますけれども、これは事実なんでしょうか。
○政府委員(今村宣夫君) 御指摘のシーヤン、ユーヤンの問題でございますが、これを輸出をしますときに御指摘のようなそういう誓約書を水産庁としてはとってはおりません。
○立木洋君 水産庁がとっているかとっていないかではなくて、そういうことが仲介代理店等々の間で——当然水産庁としては漁船が出る場合はチェックされるわけでしょう。以前からあのマグロのときから大変な問題があった。ですから、当然漁船が出されるときには水産庁で全くチェックもしないというふうな状態でないわけですから、水産庁がとっているかとっていないかではなくて、そういう事実があるのかどうかということを聞いているんです。
○政府委員(今村宣夫君) まずシーヤン、ユーヤンが日本から輸出をしましたものであるかどうかということでございますが、この点は私たちがいろいろと調査といいますか、をいたしました現段階の判断といたしましては、第一オリエント丸及び第八五源福丸がそれぞれシーヤン、ユーヤンという名前で北海道沖に操業に来ておる、その船が即シーヤン、ユーヤンであるかどうかということはさらに確かめなきゃいけませんけれども、大体私たちは船形その他から見ましてこれは日本から輸出をいたしました第一オリエント丸と源福丸であるという疑いがきわめて濃いと思っております。 そこで、輸出をするときに一体どういうふうにして輸出をするのかということでございますが、私たちとしましては、中古船が輸出をされましてそれが日本の漁船と競合するような使われ方をしては困りますので、所管の運輸省なりあるいは通産省から許可承認に当たって照合がございましたときには、その船のトン数でありますとか漁業の種類でありますとか輸出後の用途等を勘案いたしまして、差し支えないと思われるものについて輸出を認めるように回答をいたしておるわけでございます。この船を輸出いたしますときにもいろいろそういう問題を詰めたわけでございますが、韓国へ輸出をしますときには北海道沖に来るというふうな話ではなかったんですけれども、輸出をされた後、韓国はその船に対しまして北海道沖に操業をする許可を出したわけでございます。したがいまして、韓国の漁船、そういう漁船が北海道に操業に来ておるわけでございますが、これについてしからば今後どうするのかというそういう問題がございます。私たちはこれは法律問題も含めましていろいろと検討いたしておりますが、日本からそういう船をこういう海域において操業するということで輸出をいたしましても、韓国政府がそれに対して許可を出しますとそのほかの地域にも行けるという、そういう問題がございます。しからば輸出以前に、たとえば韓国政府なら韓国政府からこういう海域においてのみ操業を許可するのであるという一札……
○立木洋君 そこまでまだお尋ねしていないんです。いまおっしゃったように、つまり日本の漁民が漁業する場合の、つまり操業と競合するような形にならないようにチェックするという点を厳しく始めたのはいつごろからですか。
○政府委員(今村宣夫君) そういうチェックを始めましたのは大体四十八年ごろからでございます。
○立木洋君 先ほど日本近海で操業している云々、そのおそれ、きわめて疑わしいという趣旨のあれがありましたけれども、これは海上保安庁の方でちゃんと確認しているわけですね。それで問題は、私の方で調べてみますと、いま韓国船、これはおたくの方からいただいた資料ですが、韓国漁船が北海道周辺で出漁しているのは十九隻あるわけですね。この十九隻のうち、いま言ったように日本との漁業で競合するような形にならないようにチェックを開始し出してから出されている船だけでもすでに五隻あるわけです。そうしてもう明白にいわゆる北転船である、これは日本語で読めば俗離山号それから雪嶽山号ですか、この船が現実に出てきているわけですね。こういうようなことでは困るということを私は五十三年の予算委員会でお話をしてあるはずなんですね。この点について私は、今回この十九隻ある船が日本の商社から売られたような形になっているものがどれだけあるのか、きちっと調べていただきたいんですけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(今村宣夫君) 調べ方につきましてはちょっとなかなかむずかしい問題もございますけれども、御趣旨のような線で検討したいと思います。
○立木洋君 ぜひそれは調べていただきたいと思うんですがね。 これはいまも言いましたように、五十三年度の三月の予算委員会で、当時、武藤さん、中川さんが農林水産大臣やっておられたんですが、あのときにお尋ねしたのでは、こういうふうな「いわゆる日韓協力で輸銀のお金を使って日本から輸出した大型船がやはり北海道近海に来ておる、」と、このことによって「沿岸の漁民が非常に大きな被害を受けておる、」、こういうことについてどうお考えかということについては、確かに日本の商社が韓国漁船をバックアップしたことは事実でしょうということを大臣が認めた上で、「今後もそういったことでの被害がなくなるように配慮していきたい」というふうに述べたわけですね。述べておきながら、その後どういう手を打ったんでしょうか。
○政府委員(今村宣夫君) 韓国への中古船の輸出は、昨年の七月以降ストップをいたしております。
○立木洋君 七月以降ストップしたと——百二十トン以上ですか。
○政府委員(今村宣夫君) 百五十トン以上です。
○立木洋君 ところが、私が言ったのは五十二年の三月なんですよ。中川大臣が答弁したのもそのときなんですよ。ところが、現実に見てみますと、おたくの方からいただいた資料では、五十二年にはいわゆるここで述べられている、問題になる五百トン以上の船が韓国へ輸出されているのは六隻ですけれども、ところが五十三年度になりますとこれが何と二十八隻、四倍以上も出ているんですよ。そういうことについては競合しないようにこれからも配慮していきますと述べられてから後四倍以上も韓国に船を売っている、これは一体どういうことなんですか。
○政府委員(今村宣夫君) そのときの恐らく取り扱いの方針としては、先生の御指摘もございましたので、扱いとしては私は非常に慎重に扱ったんだろうと思いますが、韓国に行く船にもいろいろございまして、一つは大部分はスクラップにするものでございます。スクラップにするということがまあ明確でありますれば、これは日本の近海に来る、操業に来るということはございませんので、韓国へ五十三年度輸出しました大部分のものは私はスクラップ用であるというふうに承知をいたしております。
○立木洋君 いや、あなたが結局そういう事態が起こってから後、五十四年の七月以降ですか、ストップをしたわけでしょう。そしたらあの時点でストップすればいいのに前年に比べて四倍にも上る二十八隻も出すというようなこと、事実上こんなにたくさん出したということはないんですよ、その後ずうっと四十七年以降。いわゆるあなた方がチェックをし始めてから、日本の漁民との操業で競合するような事態が起こらないようにというチェックをし始めてから、五百トン以上の船を二十八隻も出したということはないんですよ。それが私が質問をして、そういうことはしません、配慮しますと言ったその後で二十八隻も、前年に比べて四倍以上も出している。これは全く無責任なやり方だと私が言ったって、あなた方はどうも答弁できないだろうと思うんですけれどもね。私はもっとやはりそういう点については国会の審議を十分に踏まえて、そういう事態が問題になって大臣自身も配慮すると言っているんですから、そういう後手にならないように、今度この問題が起こってから輸出をストップするというようなことではなくて、やっぱりきちっとその時点で、国会の審議を踏まえた対応の仕方をしていくということが私はきわめて重要だと思うんですよね。そういう点をぜひともやっていただきたいし、それからいまのような韓国側の対応ですね、ずるずるずるずる延ばしていったんでは全く困るわけで、この点について、このことも含めて、先ほど申し上げたような後手に回ることがないような対応をぜひお願いしたいし、その点について最後に武藤大臣とそれから外務大臣の方からも所見をお伺いして、午前中の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) 先ほど申し上げましたように、私就任以来、この問題は何としてでも私の手で解決をしたいという気持ちで一生懸命やってきておるつもりでございまして、実務者会議も、全くそのいまの北海道問題というのは従来は議題にならなかったものを今度は正式議題にしてもらったわけでございますし、そしてそれもまた継続的にやってもらうということも合意を見ておるわけでございまして、ひとつぜひ北海道沖の漁民の皆さんがある程度理解される形で私は一日も早く解決をしたい。また同時に、そういういまストップしておりますけれども、誤解を招くような漁船の中古船の輸出については今後とも極力チェックをしてまいりたいと思います。
○国務大臣(大来佐武郎君) 本件につきましては、先般韓国の朴外相が来日いたしましたときに私からも強く申し入れをいたしまして、この実情については私ども聞いているところも詳しく述べたわけでございます。これに対しまして朴外相から、韓国側の国内事情についてもいろいろむずかしいことがあるという説明がございましたが、双方の話し合いを通じて解決を図っていきたい、早期に解決をしていきたい、具体的には五月の上旬に実務者協議が再度開催されることになっているので、できるだけ解決の道を見出したい、という回答がございました。 なお、その朴外相訪日の際、総理との会見もあったわけでございますが、大平総理からも特にこの問題を朴外相に申し入れをいたしたようないきさつがございまして、これに対して朴外相はよい解決策を見出すように努力いたしますという旨を述べたわけでございまして、私どももこの問題は何らかの解決が見出されることを期待しておるわけでございます。
○戸叶武君 委員長、議事進行。
○委員長(石破二朗君) 議事進行ですか。
○戸叶武君 田さんが質問してからでいいです。このだらけた空気じゃとにかく採決もできない、自民党いないんだもの。
○田英夫君 戸叶先輩の発言もありますが、自民党幹事長の発言から国会が緊迫した情勢のようでありますが、関係漁民の皆さんのためには早急にこの案件は承認をしなければならないと思いますので、短い時間審議促進に協力をしたいと思います。 まず、日ソサケ・マスの問題ですけれども、ソ連が予想以上に柔軟な姿勢を示してきたという問題について、すでに同僚委員の質問もありましたけれども、農林水産大臣のお立場からすれば経済的な観点というふうにおっしゃりたいことは十分わかりますけれども、国務大臣として、また外務大臣も横におられるという中で、ずばり本当のところ、ソ連の柔軟な姿勢ということをどういうふうに評価されるか、伺いたいと思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) 私は大臣発表のときの記者会見でも申し上げたのでございますけれども、いろいろ記者の方からもいま先生御指摘のような政治的な絡みで質問もございましたが、私としては極力そういううがった見方はしたくございませんと、私としてはやはり実務的、経済的、事務的にこの問題は処理すべきであるという姿勢をとってまいりましたので、その結果、相手側もそういう点に理解を示してくれたことであり、またわが方の代表団が、非常に最初はソ連側が提案してまいりましたのは三万五千トンで昨年よりも三千トン少ないわけでございますが、そういう中でねばり強く交渉した結果が去年並みの漁獲量を確保できたということであって、政治的な背景はそれは想像すればいろいろあると思いますけれども、少なくとも私どもとしては交渉に当たってはそういうものは極力排除してまいりたいと、こういう姿勢でまいりましたので、うがった見方をすればそれはいろいろ考えられるかもしれませんが、私はあえて経済的、実務的にこれは解決したものであると、こう考えておるわけでございます。
○田英夫君 そういうことになりますと、前年度並み——協力費が増額しましたけれども、これも実質的には同額というさっきの御答弁のとおりでありますから、考えようによっては、漁民の皆さんの生活のためにも毎年毎年不安定な状態で交渉するよりも、一定の線で自動的にそれが延長をされていって、双方に不都合があったときには改めて交渉するというように漁獲量並びに協力費というものはある程度固定の線を引いた方がいいのではないかという考え方もできると思いますが、これは日本側としては、政府側としてはそういう態度はおとりにならないですか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 少なくとも、いままで漁獲量につきましては、日ソ漁業協定に基づきまして、私どもは安定してある程度長期的な形でお願いをしたいということは常に主張し続けてきておるところでございますけれども、ソ連側は常にその年その年ひとつやろうじゃないかと、やはりそれが漁業の状態も違うであろうからと、こういうことであるようでございまして、私どもとしては、安定した数字で、長期的な形で、常にその見通しがわかっておるということが日本の漁民にとってもこれはありがたいことでございますから、そういう点は主張し続けてきておるところでございますが、まだいまのところは相手側に受け入れられていないというのが実情でございます。
○田英夫君 外務大臣、いま農林水産大臣のお答えをお聞きになって、うがった見方ということですけれども、私はやはりうがった見方ということをやらざるを得ない国際情勢だというふうに思うんです。ソ連がやはり柔軟な姿勢を示したということは、今後の対ソ関係の他の問題で判断をしなければならないかもしれませんけれども、やはりそこにソ連が日本に対して柔軟な姿勢を見せざるを得ないという状況もあったと、こういう考えもできると思いますけれども、そこはいかがですか。
○国務大臣(大来佐武郎君) こういう重要な外交問題について憶測で申し上げることは差し控えた方がよろしいと思いますので、私どもはやはりただいま農林水産大臣の御答弁のように実務的、経済的ということで理解しておるわけでございます。
○田英夫君 私は両大臣のために、それは実は本音を言っておられないというふうに申し上げておいた方が後々のためになるんじゃないかと思うんです。というのは、やはりソ連という国はそんななまやさしい国ではありませんから、大いに政治的な配慮をしながらやってきていると考えるべきだと思うんです。そういう意味から、ソ連というのを一体どう見るのかということはいま非常にわれわれにとって、日本にとって大きな問題であって、イラン問題というのは、いわば国際情勢の大きな流れの中で言えば一つの事件的な問題でありますけれども、アフガニスタンの問題とか、ソ連を背景としたベトナムのカンボジア侵攻というような問題は、これは世界の流れのそのものの問題でありますから、そこのところで対応を誤ると非常に大変なことになるのじゃないか。ずばり申し上げてイランに対する判裁措置、これは先ほど伊東官房長官のお答えもきわめてあいまいなものになっていますけれども、だれが見ても今回の日本の政府の措置、きょうお決めになった措置というものはアメリカを中心としたイラン制裁に一翼を担うという制裁措置であることには間違いないと思いますけれども、これを推し進めていきますと、現にイランがソ連と経済的に接近をしているという事実もありますし、イランをソ連の側に追いやっていくという結果になるのじゃないでしょうか。こういうところを甘く考えていくと大変なことになると思いますが、まあ大変抽象的かもしれませんが、この辺の感度はどうですか、外務大臣。
○国務大臣(大来佐武郎君) いまのような御指摘の点も含めまして、私どもとしてはこの際EC九カ国と共同歩調をとるということが有効であろうというふうに考えておるわけでございます。
○田英夫君 ECとの関係ということは、別の言葉で言えば、つまりいまカーター大統領がやっているイラン制裁の問題にしてもあるいはオリンピックの問題にしても、これはカーター大統領がやっているんじゃなくて、カーター大統領候補がやっているんだという感じだろうと思いますね。そのカーター大統領が非常に配慮せざるを得ないアメリカの世論というのは一体どういう傾向を持っているかということ、これももう当然外務省では考えておられると思います。まあ非常に悪い言い方をしてしまえば、アメリカの世論というのは大変国際情勢全般を配慮し、アメリカの置かれている状態も考え、世界の大きな動向というものを見きわめて、非常にクレバーに考えているということではない、もっと悪い言葉で言えば田舎者だと、こういう表現さえする人がいるわけですね。そういうものにやはり配慮しなければならないという立場はカーター大統領の立場上ある意味で当然なんじゃないでしょうか。そういうつまり過剰に反応せざるを得ないカーター大統領のその過剰なところに乗っかっていくというところに、いま日本の皆さんが大変心配をしておられる状態が出てきているんじゃないか。ECと協力をしていくということは、そうじゃありませんよということを大来外務大臣は言いたいんだと、こう推察してはこれはいけませんか。
○国務大臣(大来佐武郎君) アメリカの従来のいろいろな政策につきましては確かに行き過ぎの場合も過去においてもあったと思いますが、同時に、やはり国内のデモクラシー、言論の自由というようなことを通じて国内でもいろいろな意見が闘わせる、ある段階において軌道修正が行われるということも同時に経験してきておるわけでございます。まあ、この際特にアメリカの立場から見て友好国と思われるヨーロッパの国々、日本、こういう国々の発言というものがやはり同時にアメリカの政策にも相当な影響力を持ち得ると私どもは考えておるわけでございまして、そのことを通じて危険なステップといいますか、次のステップといいますか、そういうことにならないような努力を国際的にしていくことに重要な意味があるように考えておるわけでございます。
○田英夫君 大変大臣のお立場からは言いにくいと言ってはあれですが、いまの表現で私は先ほど私が申し上げたようなことをお認めいただいたと理解をしたいんですね。 これはある外交問題に詳しい人が、いまの和田大使のお立場はかつてベトナム戦争の末期における駐ベトナム大使であった北原大使の立場に、気持ちに非常に似ているんじゃないかということを言った人がいるわけです。つまり、私が危惧しますのは、この委員会でもベトナム問題について日本政府の立場は間違っている、アメリカの戦争自体が間違っている、そこへ深入りしていくということの中で大変な間違いを犯しているんじゃないかということを申し上げていたにもかかわらず、政府は態度をお変えにならなかった。最後に南ベトナムに対してかなり多額の経済協力をグエン・バン・チュー政権に与えた直後に、グエン・バン・チュー政権が崩壊をするという、国民の税金のむだ遣いという点からも大きな間違いを犯されましたが、その根底にあるものは、アメリカの世論を背景にしたアメリカの誤った方向に、私は追随という言葉は使いたくありませんけれども、同調をされてきた、そこに一つの大きな問題があったんじゃないだろうかと、当時の北原さんのお気持ちを、私はそう推察をするんですね。現地におられれば十分その状況はわかっておられたと思います。和田さんは今度帰られてからそういうお気持ちを持っておられるんじゃないかと、私は推察をするわけです。ただ、現地の大使はしばしばその自分の任地の国の側に立ちたくなるかもしれませんから、その辺はもっと大所高所から御判断いただくべきでしょうけれども、私はそういうふうに推察をしているわけですね。ここのところをぜひ間違いなくお考えいただきたい。大平総理が先日も、イランの石油よりもアメリカとの関係が重要だという意味のことを言われておりますけれども、そういう形でアメリカへ行かれることを私は非常に危惧するわけです。そうではなくて、もっと日本の立場を主体的に考えてアメリカに行って物を言っていただきたい。これはもう当然総理に同行される外務大臣は、そういうサゼスチョンをしていただかないと大変なことになるんじゃないか、生意気でありますけれども、そういう注文を申し上げて、いまの点についての御感想を伺って終わりたいと思います。
○国務大臣(大来佐武郎君) ベトナムの問題につきましても、これはやはりアメリカの世論の力によって、一つはあの戦争を終結したという面が一面にあるのではないか。そういう意味で、先ほども軌道修正能力ということを申したわけでございます。また、そういう判断に到達する場合に、やはりヨーロッパ各国や日本の立場なり発言というものが一つの役割りを果たし得るんじゃないか。ただいま田委員のお話の点は十分今回の訪米に当たっても留意してまいりたい。これは総理の訪問で、私は随行でございますが、そういう気持ちで参りたいと考えるわけでございます。
○戸叶武君 私は、促進に協力するために十分ほど質問を短くしましたけれども、十分は要しませんが、農林大臣と外務大臣のいるところで一言申し上げておきたいのは、農林関係がややもすれば重要な問題をも含めて、武藤さん以前における中川君なり渡辺君なりの独走というものが、外務関係を無視した国際的な協定においてもニュージーランドにおいても過ちを犯し、韓国側との関係においてもいろいろな誤解を生んでいる点があると思うんです。牛肉の問題、酪農製品の問題、漁業の問題、これはやはり国際関係において重要なデリケートな段階にあるんですから、今後武藤農林大臣は、この日ソ漁業協定における成果を見ればわかるように、外務省と十分な連絡をとって、農林大臣が独走して勝手な協定なんかをニュージーランドにおいて行ったようなことをして、恨みと誤解を後で招くようなことのないように、この際武藤さんは中川系とか渡辺系とかはしらぬけれども、そんなことは問題じゃない。ああいう国際的な通念というものの常識を持たない農林大臣の暴走に対しては、今後においては国会は許しませんよ。そういう意味においてニュージーランドとの協定を言っていて、後は商売がたきだからおれの方で、今度は酪農製品は君の方のは買えないんだなんてこんなばかな外交がどこにありますか。なぜ外務省はいままで黙っていたのか。私は大使なり公使なりの陣情を聞いて唖然とした。外交というものは国際信義ですよ。さっき外務大臣が言ったように、国際的なソリダリティー、連帯の中においてわれわれの活路を見出さなけりゃならないので、内閣が辞職してもおれは辞表は書かなかったなんて子供だましみたいなばかなことを言っている大臣が議会主義のもとにおいて存在するというのはナンセンスです。漫画物です。どうぞ武藤さんは教養ある方ですから、自今このような漫画的な存在にならないようにひとつ注意してもらいたい。外務省も甘過ぎる、農林大臣の歴代の連中が、アメリカの農水大臣か日本の農水大臣かわからない、国際分業反対だと言ったやつが、いつの間にかアメリカの魚や肉やあるいは農作物、日本の食糧自給を削減するような国際分業のお先棒を担いでいく。おもしろずくでやられたんじゃかなわない。こういうところはけじめをつけて、外務省でも農林省になめられないようにしてもらいたい。いままでなかなか、農林大臣にきょうも振り回されたわけだが、いまとにかく重大な問題がある、中東問題があるんだけれども、この機会でもなければ直接武藤さんにも言えない。言っても聞かないような前の大臣よりは幾らか教養と知性のある方だから、その点は私はこの機会に言っておけば、外務省でも遠慮があって言いづらいし、とにかくカーターのことを田舎者と言ったが、あれ以上なんだから、カーターはがたがたしているけれども、あのくらいはアメリカの大統領選挙でやむを得ないでしょうが、この際内閣が、国務大臣としての責任において、もう少し暴走しないように、中で外務省と農林省と忌憚なく話し合って問題を解決していくようにみずからの姿勢を正してもらいたい。一言それに対する答弁を武藤さんと外務大臣からいただきたい。
○国務大臣(武藤嘉文君) 大変ありがたい御忠告をいただきまして、感謝申し上げます。 私は先ほど申し上げましたように、外交は主体性を持っていかなきゃならない。しかし、それは外務省だけの外交では私はないと思いまして、やはり政府全体、国として外交に当たっていかなきゃならないわけでございますから、十分国際的な問題につきましては私の所管の問題といえどもよく外務省と協議をして進めてまいりたいと思います。
○国務大臣(大来佐武郎君) これはいろいろ農林水産省のみならず他の各省との関係でも、やはり外交的な考慮と国内的な考慮と、場合によると矛盾といいますか、する場合もあるわけでございますが、私どもとしては十分に話し合って共同歩調をとるように努力をしてまいりたいと思います。 —————————————
○委員長(石破二朗君) 委員の異動について御報告いたします。 本日、夏目忠雄君が委員を辞任され、その補欠として伊江朝雄君が選任されました。 —————————————
○委員長(石破二朗君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 北西太平洋における千九百八十年の日本国のさけ・ますの漁獲の手続及び条件に関する議定書の締結について承認を求めるの件を問題に供します。 本件に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(石破二朗君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石破二朗君) 御異議ないものと認めます。さよう決定いたします。 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時二十一分休憩 —————・————— 午後一時五十三分開会
○委員長(石破二朗君) ただいまから外務委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、秦野章君が委員を辞任され、その補欠として浅野拡君が選任されました。 —————————————
○委員長(石破二朗君) 日本国政府とアルゼンティン共和国政府との間の文化協定の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とハンガリー人民共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とポーランド人民共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件、特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブタペスト条約の締結について承認を求めるの件、絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約の締結について承認を求めるの件、絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約第十一条3(a)の改正の受諾について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とイタリア共和国との間の条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とフィリピン共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件、以上九件を便宜一括して議題といたします。 まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。大来外務大臣。
○国務大臣(大来佐武郎君) ただいま議題となりました日本国政府とアルゼンティン共和国政府との間の文化協定の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。 わが国とアルゼンティン共和国との間の文化交流を促進するためにアルゼンティン共和国との間に文化協定を締結することは、両国間の相互理解と友好関係の一層の強化に資するところ大であると考えられましたので、政府は、アルゼンティン共和国政府との間でこの協定の締結交渉を行いました結果、ヴィデラ・アルゼンティン共和国大統領の訪日の際、昭和五十四年十月十一日に東京において、わが方園田外務大臣と先方パストール外務宗務大臣との間でこの協定の署名を行った次第であります。 この協定の内容は、戦後わが国が締結した各国との文化協定と同様、文化及び教育の各分野における両国間の交流を奨励することを規定しております。 この協定の締結は、両国間の文化交流の一層の促進に資するところ大であると期待されます。 よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。 次に、所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とイタリア共和国との間の条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 わが国とイタリア共和国との間には、昭和四十四年三月二十日に署名された所得に対する租税に関する二重課税の回避のための条約が締結されていますが、イタリア共和国が昭和四十九年一月一日から所得税制度の大幅な改正を実施したため、この条約を改正する必要が生じました。このため、政府は、この条約を改正する議定書の締結についてイタリア政府と交渉を行いました結果、昭和五十五年二月十四日にローマにおいて、わが方影井駐イタリア大使と先方バスリーニ外務省政務次官との間でこの議定書の署名を行った次第であります。 この議定書は、本文三カ条から成り、これによる主な改正は、次のとおりであります。すなわち、条約のイタリア側一般対象税目をイタリアの新税制に合わせて個人所得税、法人所得税及び地方所得税とすること、旧税制下の税目別に定めていたイタリアにおける二重課税の排除方法に関する規定を新税制に合わせて一本化するとともに税額控除の控除限度額を拡大すること等であります。 この議定書の締結によりまして、わが国とイタリアとの間の二重課税回避の制度が一層整備され、両国間の経済関係の緊密化に資することが期待されます。 よって、ここに、この議定書の締結について御承認を求める次第であります。 次に、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 わが国と連合王国との間には、昭和四十四年二月十日に署名された所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための条約が締結されていますが、連合王国が昭和四十八年四月から配当に対する課税方法を大幅に変更したこと等のため、この条約を改正する必要が生じました。このため、政府は、この条約を改正する議定書の締結について連合王国政府と交渉を行いました結果、昭和五十五年二月十四日に東京において、わが方本大臣と先方ウィルフォード駐日大使との間でこの議定書の署名を行った次第であります。 この議定書は、本文八カ条からなり、これによる主な改正は、次のとおりであります。すなわち、条約の一般対象税目として新たに連合王国の開発用地税及び石油収入税を加えること、わが国の一般投資家が連合王国の法人から受領する配当に関して連合王国の投資家と同様のタックス・クレジットが認められるようにすること、証券投資信託等の受託者がその受益者にかわって配当または利子に関する租税の軽減またはタックス・クレジットの請求を行うことができるようにすること等であります。 この議定書の締結によりまして、わが国と連合王国との間の投資環境は一層整備され、両国間の経済関係の緊密化に資することが期待されます。 よって、ここに、この議定書の締結について御承認を求める次第であります。 次に、所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とハンガリー人民共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。 政府は、ハンバリーとの間に所得に対する租税に関する二重課税の回避のための条約を締結するため、昭和五十四年二月に交渉を行いました結果、昭和五十五年二月十三日にブダペストにおいて、わが方杉原駐ハンガリー大使と先方ヴィンツェ大蔵次官との間でこの条約に署名を行った次第であります。 この条約は、わが団が社会主義国との間で署名した租税条約といたしましては、ルーマニア及びチェコスロバキアとの条約に次ぐ三番目のものでありますが、できる限りOECDモデル条約案に沿ったものであり、従来わが国が諸外国との間で締結した租税条約とほぼ同様の内容となっております。 この条約の主な内容は、次のとおりであります。事業所得につきましては、企業が相手国内に支店等の恒久的施設を有する場合に限り、かつ、当該恒久的施設に帰属する所得に対してのみ相手国で課税できるものとし、船舶または航空機を国際運輸に運用することによって生ずる所得につきましては、相互に全額免税としております。投資所得に対する源泉地国での税率につきましては、配当、利子及び工業的使用料に関しては、それぞれ一〇%を超えないものとし、また、文化的使用料に関しては、源泉地国において免税することとしております。 この条約の締結によりまして、二重課税の回避の制度を通じ、両国間の経済、技術及び文化の面での交流は、一層促進されるものと期待されます。 よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。 次に、所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とポーランド人民共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。 政府は、ポーランドとの間に所得に対する租税に関する二重課税の回避のための条約を締結するため、昭和五十四年六月及び九月に交渉を行いました結果、昭和五十五年二月二十日に東京において、わが方本大臣と先方ペルコヴィッチ駐日大使との間でこの条約に署名を行った次第であります。 この条約は、わが国が社会主義国との間で署名した租税条約といたしましては、本年この条約の署名に先立って署名したハンガリーとの租税条約に次ぐ四番目のものでありますが、できる限りOECDモデル条約案に沿ったものであり、従来わが国が諸外国との間で締結した租税条約とほぼ同様の内容となっております。 この条約の主な内容は、次のとおりであります。事業所得につきましては、企業が相手国内に支店等の恒久的施設を有する場合に限り、かつ、当該恒久的施設に帰属する所得に対してのみ相手国で課税できるものとし、船舶または航空機を国際運輸に運用することによって生ずる所得につきましては、相互に全額免税としております。投資所得に対する源泉地国での税率につきましては、配当、利子及び工業的使用料に関しては、それぞれ一〇%を超えないものとし、また、文化的使用料に関しては、源泉地国において免税することとしております。 この条約の締結によりまして、二重課税の回避の制度を通じ、両国間の経済、技術及び文化の面での交流は、一層促進されるものと期待されます。 よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。 次に、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とフィリピン共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。 政府は、フィリピンとの間に所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための条約を締結するため、これまで数次にわたって交渉を行いました結果、昭和五十五年二月十三日に東京において、わが方本大臣と先方ヴィラタ大蔵大臣との間でこの条約に署名を行った次第であります。 この条約は、できる限りOECDモデル条約に沿ったものであり、従来わが国が諸外国との間で締結した租税条約とほぼ同様の内容となっております。 この条約の主な内容は、次のとおりであります。事業所得につきましては、企業が相手国内に支店等の恒久的施設を有する場合に限り、かつ、当該恒久的施設に帰属する所得に対してのみ相手国で課税できるものとしております。船舶または航空機を国際運輸に運用することによって相手国において取得する所得につきましては、相手国においても課税することができますが、その租税の額は、この条約の署名の日に有効な相手国の法令によって課される租税の額の六〇%とすることとなっております。投資所得に対する源泉地国での税率につきましては、配当、利子及び使用料に関してそれぞれ、原則として、二五%、一五%及び二五%を超えないものとしております。 これまで、両国間ではきわめて緊密な経済交流及び人的交流が行われてきておりますが、この条約の締結によりまして、二重課税の回避の制度を通じ、両国間の経済、技術及び文化の面での交流は、一層促進されるものと期待されます。 よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。 次に、特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。 近年における経済活動の国際的な緊密化及び技術交流の拡大という状況のもとにおきましては、創造的な研究開発の成果を一国においてばかりでなく複数国において保護する必要が痛感されるようになってきております。微生物に係る特許出願につきましては出願に際しわが国を含めて多くの国で、微生物を指定された寄託機関に寄託することとされているため、複数国で特許を取得しようとする出願人は、複数の寄託機関に微生物を寄託しなければならず、このことは、出願人にとってかなりの負担となっておりました。 この条約は、以上のごとき出願人の負担を軽減するために作成され、昭和五十二年四月二十八日にブダペストで採択されたものであり、一定の要件を満たした微生物の寄託機関を国際寄託当局とし、締約国は、いずれかの国際寄託当局に対して行った微生物の寄託を自国における特許手続上承認することを内容としております。 わが国がこの条約を締結することにより、わが国の出願人による微生物に係る外国特許の出願が容易になる結果、わが国の国民が行った研究開発の成果の保護、ひいては研究開発の発展に資することとなります。 よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。 次に、絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約の締結について承認を求めるの件及び絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約第十一条3(a)の改正の受諾について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。 野生動植物は、地球の自然のかけがえのない一部をなすものであり、また、人類にとって大きな価値を有するものでありますが、一部の野生動植物につきましては、過度に捕獲されまたは採取されましたため絶滅のおそれが生じているのが現状であります。絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約は、このような野生動植物を国際取引の規制という面から保護することを目的として昭和四十八年三月に作成されたものであり、本年二月末日現在、米国、英国、ソ連等五十九カ国が締約国となっております。 この条約は、野生動植物の一定の種の個体、部分等の輸出、輸入、再輸出及び海からの持ち込みについて規制するものであり、特に厳重な規制が必要とされます絶滅のおそれのある種につきましては、商業的目的のために、輸入等を行うことを原則として禁止しております。なお、政府といたしましては、条約の規定に基づき、絶滅のおそれのある種として条約の附属書Iに掲げられておりますナガスクジラ、ジャコウジカ、イリエワニ、ウミガメ科に属する三つの種及びオオトカゲ科に属する三つの種の計九つの種について留保を付することを予定しております。 絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約第十一条3(a)の改正は、昭和五十四年六月に西独のボンにおいて開催されました条約の締約国会議の特別会合において採択されたものであり、締約国会議に対し財政規則を採択する権限を付与することにより条約実施のための財政的基盤を確立することを目的といたしております。 わが国がこの条約を締結し及びこの条約の改正を受諾することは、野生動植物を保護し、野生動植物が有する価値を将来にわたり維持するための国際協力を推進する見地からきわめて望ましいと考えられます。 よって、ここに、この条約の締結及びこの条約の改正の受諾について御承認を求める次第であります。 以上九件につき、何とぞ御審議の上、速やかに御承認あらんことを希望いたします。
○委員長(石破二朗君) 以上で趣旨説明は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○戸叶武君 大来外務大臣の外交は、大平首相と十分打ち合わせた上での行動と思いますが、いま日本の外交の質的転換の時代、日本だけでなく世界が国際的な連帯を通じて新しい体制をつくり上げようという実験の時代に、やはり国務大臣としてではあるが外務大臣として席の暖まるときがないと思うんです。われわれもこれには協力し、また大来さんも参議院議員なんかには打って出ないで、この転換期における外交に私は全力投球をやっていると思います。そういう意味において外交権を持つ政府の外交に対する態度というものはきわめて慎重であり、また先取りをもしなけりゃならないので言いたいことも言えない面が多いと思いますが、最近われわれ国会でもそういう配慮をしているけれども、日本のマスコミの中にははなはだ無責任な放言が流行しております。 私の朝日新聞時代の友人である細川隆元君なんかも、隆元でなく放言の方でしょうが、やはりあの片方の藤原弘達君も、これもまた大向こうの喝采を博するような歯切れのよい、内容は余りありませんけれども、評論をやっておりますけれども、この間テレビでたまたま聞いたのには、やはり和田イラン大使を罷免しろというようなことを言っておりますが、私は奇怪な話で、どこからどういう情報を得て、罷免に値する根拠はあるのかどうか、これでは海外の日本国を代表する大使の職はなかなか務められないと思うが、外務大臣、これはああいう放言、評論家の言うことを一々取り上げる必要もないでしょうが、何か罷免しなけりゃならないようなことがあるんでしょうか。
○国務大臣(大来佐武郎君) ただいまのテレビ放送を私拝見しておりませんので内容はよくわかりませんのですが、私の立場からは罷免するような事由は全然ないと考えております。
○戸叶武君 前に、午前中に出たベトナムの大使であった北原君の問題と関連して、外交官というものの立っている立場のつらさというものがわかると思います。今度帰ってきてもう一度イランに帰るのでしょうが、それは行ったらすぐ罷免というようなことはないと思いますが、どうですか。
○国務大臣(大来佐武郎君) そういうことは全然考えておりません。
○戸叶武君 人事のことに私たちが介入するのじゃありませんけれども、外交官はある意味において秘密を保たなけりゃなりません。正確な情報を得てもそれを表現する自由は必ずしも得てないと思いますが、こういうふうに、政治家は総理大臣をやってもばかやろうぐらいのことを呼ばわれてもしようがない面もあるですけれども、まじめな外交官が第三者から何らの理由なくしてあれは罷面しろというようなことを浴びせかけられるのでは、弁解はできないし、しかし何かあったんじゃないかという印象を世間には与えるし、恐らくは細川君だって相当苦労人だが、何か正確な情報を得ない人たちから、あれがいるから自分たちの思っていることが通らないんだという意味で抽象的な情報が流されているのかと思いますが、そういう点は心当たりありませんか。
○国務大臣(大来佐武郎君) 私の方では全然心当たりございません。
○戸叶武君 やってしまってからの弁護にはなりませんけれども、いまのフランス駐在大使もイラン大使の時分、自分にも情報のキャッチの間違いがあったということを率直に言いましたけれども、中東方面におけるいままでエキスパートが少なかったし、情報化時代における外務省においても、いろんな点に情報のキャッチにむずかしい点はあるかと思いますが、今度アメリカの言うことにも一理あるにしても、アメリカの言うなりでなく、ECの国の外相会議にやはりオブザーバーとしてでも立ち会った外務大臣の決断というものは、私は高く買っております。園田君が首相特使としてイランに飛び込もうとしたときに、私は前サウジアラビアにおりましたが、いろんな形における中東の問題解決の困難さというものを感じているときで、園田君の決断によって飛び込むという勇気は持つけれども、勇気だけではうまくいっても足を引っ張られるし、失敗したら袋だたきになるというような複雑な時代に、日本が何もしないでいるというそしりを受ける場合もあるかもしれないが、何もしないのではないが慎重に善処しなければならないし、フランスにおける情報網の方が日本より正確になっている。フランスでもドイツでもきわめて責任を感じていながらも自重し、いろいろな形の根回しを行ってそうして行動を起こそうとしているときに、日本だけが勇気を持った行動に出ろというような誘いに乗ってすると成果を上げることができないから自重してもらうことをそれとなくほかの方から要請しましたが、あなたがやはりフランスに行って、ECの国々における九カ国の外相が集まってのいろいろな意見もあると思いますが、結果的にまとめ上げた結論というものはアメリカの軍事行動を起こすことを抑えることと、また経済的な制裁に対してももっと慎重であることと、やはりアメリカ自身が反省したようですが、食糧を送らないなどというべらぼうなことは外交手段として用いるべきでないということだけは、やはり世界の国々が私は良識を持って行動する時代になったと思いますが、あのECと日本と同じような悩みに直面しているとは考えられない。 それぞれの国家利益は異なっておるでしょうが、米ソがいきなり激突して第三次世界戦争を起こすようなことはないにしても、危ない火遊びをすると近所隣が迷惑する、そういう意味において、もし変な行動を起こせばアメリカでもソ連でも国際的に孤立する危険性があるということをそれとなく言っている。その一つ一つの言葉には裏と表があるでしょうが、言外にそういうものを含めて一つの共同の行動に出ているから、私はヨーロッパの先進国並びにアジア唯一の先進国の仲間入りしている日本の感情的だけに動くのでなく、理性の躍動というものがここに出てきていると思いますが、あなたはその中で何を感じてきましたか。
○国務大臣(大来佐武郎君) ただいまのような世界情勢に際会いたしまして、あくまでも冷静に大局的な判断を誤らないということが非常に大切だと感じております。私の会談いたしましたECの外相の人たちも大体基本的にはそういう考え方をしておるという印象を受けたわけでございます。さらにこの米ソ二大国の対立があり、第三世界がある世界の中で、工業先進国であってかつ超大国ではないという立場は日本とEC諸国と共通する面がございまして、世界の平和維持につきまして協力して努力する場面が今後もいろいろあり得るのではないかという印象を受けたわけでございます。
○戸叶武君 イランにはイランの政治家の悩みがあると思います。バニサドル大統領のごときはソルボンヌで勉強し、いまのジスカールデスタンの下で外務大臣をやっている方とも密接な関係を持っているし、いま上智大学の国際法の教授をやっている前のアフガンの公使もたしかいまのフランスの外務大臣との同級生です。フランスにおいてはやはり知性人の間に交わりがあり、フランスへ留学したイランやアフガンの中東の学生たちの苦悩、マルクス・レーニン主義的な影響を受けたりユーロコミュニズムの影響を受けたり、また新しい一つのアラブのルネッサンスをつくり上げよう、近代国家をつくり上げようという若い人の情熱の息吹もその中には感じ取っていると思います。底辺において中国の学生運動が新中国をつくる前において、日本の二十一カ条に抵抗しながら五・四運動にまで発展していったあの過程を見るならば、近代国家として整備されない国においてはやはり学生や青年が先駆的な役割りをする、それを調整していくというのは政治家でなかなか大変なことであって、激動の中に押し流されていってしまう。そういうことに対する思いやりというか、そういうことに対する惻隠の情というものを持たないで、アメリカはアメリカなりの考え方、ソ連はソ連なりの考え方でイランやイラクの問題にぶつかっていくと、ことごとく私は逆目に出る危険性があると思うんです。あの揚子江一帯から排日運動が起きたときにも、一番最初は中国を台なしにしてしまっているところの旧軍閥とイギリス帝国主義を打倒するためにヤングチャイナが立ち上がった。日本は古い感覚でドイツ的な帝国主義とは違ったイギリス的な帝国主義の上に立った加藤高明のああいう考え方で、中国の治安を維持するという名のもとにいつの間にか前面に押し出してしまって、イギリスのかわりに日本が全部火の粉を浴びてしまうような結果を生んだ。 どこの国でも立ちおくれている国において近代国家を生み出すときの悩みというものは深刻なものでありますが、日本は明治維新のときに、伊藤博文だって伊藤俊輔時代は外人を襲撃するテロリストの一団の一人にすぎなかった。しかし攘夷党の持っているような考え方では日本が近代国家たり得ないということを、イギリスに留学してのぞいただけでも彼はわかってきた。そういうところは、日本の近代国家の変化というものは私は外国でもずいぶん研究してこのごろはわかりつつあると思います。やはり日本自体の悩みを体験として、よその国における、発展途上国における錯綜したこの混乱の中でどういう道を方向づけなけりゃならないかということを、われわれは教えるわけじゃないけれども、実質的にその人たちから考えさせなきゃならない。なのにアメリカの大統領選挙、日本の自民党の総裁選挙もそうだが、こんな汚いいやな選挙をやっているから汚れてしまっている。世界に影響がある大きなことを、自分の選挙にひっくるめてはったりを周囲のやつがやらせて、演出係が無責任な出来事を次から次に生んでいって、そのベースにひっかかったら災難である。やはりわれわれはアメリカとパートナーシップを持つとするならばアメリカに迎合することじゃなくて、あなたのようなアメリカをよく知っている方が、アメリカ自身にもっと慎重な行動を言外の意味で悟らしてもいいが、ヨーロッパ先進国とともに一緒になってアメリカやソ連に、どろ沼に突っ込んで動きがとれないで無理押しをしようという形からはカーターじゃなくがたがたになってしまう。大統領のカーターさんもそのうちにガーターさんなんて言われてしまう危険性がある。 私はそういう意味において、ソ連だって今度はしまったという気持ちはあるけれども、やはり大国のプライドが邪魔になって動きがとれない状態にある。それに方向づけを行っていくのが一つのEC先進国や日本の外相会議における大きな収穫だと思うのです。実際上これで問題は五月十七日までの間に片づくという予想が幾らかでもつくのでしょうか。つかないにしても、一つの大きなクッションとして、それまでに全力で投球してもう少し冷静に問題を処理していこう、軍事行動はさせまい、経済的な制裁でも、イランでも良識派は苦悩して学生の説得にも当たり、そしてアメリカ大使館の捕虜を解放するということは簡単には、ホメイニが何か言うからできないかもしれないけれども、生命の危険はなくさせなくてはいかぬ、問題解決への曙光だけでも見出さなければならぬという判断なのか。そこらは非常にデリケートな問題だと思いますが、どういうふうな形において今後の見通しをつけることができますか。
○国務大臣(大来佐武郎君) 見通しは余り簡単には立たないと思いますが、現在のイラン問題の対処の仕方についても、たとえば一週間ほど前にニューヨーク・タイムズにジェームズ・レストン記者が書いておる記事などはきわめて良識的な見解だと存じますけれども、アメリカの国内にもいろいろな見方があると思います。同時に、非常な屈辱を受けておると。世界一と思っておった国が大使館を占領され人質にとられる、半年近くたってもまだ解決ができないというアメリカ人の一種の挫折感、フラストレーション、それからいまのような屈辱感、こういうようなものが非常に強いということも同時に考慮に入れなければならない点かと思います。これに対して、ヨーロッパあるいは日本は比較的冷静な立場で事態を見得るわけでもございますし、ECと日本の協力によってイラン、アメリカそれぞれに働きかけることが一つのイラン問題打開の重要な試みということではあるように思うわけでございます。 これが成功するかどうか。十七日という期限が切ってございますが、九日にイランの選挙が行われる、第二次の選挙でありますが、これによってイランの議会が成立した場合にどういう対応があらわれるか。ホメイニ師も従来から人質問題は議会の決定にゆだねるということを申しておるわけでございますので、その辺の模様、どう出るかということがまず第一段階として重要なポイントだと思います。五月十七日になりましても何らの徴候がない、人質解放についての表示がないということになりますと、今回のルクセンブルクの決定に基づきまして国連安保理事会にかかりましたイラン制裁決議案、これはソ連の拒否権で不成立になりましたが、この内容を九カ国が共同して実行するということになったわけでございますので、その場合に、その後の段階でまたこれがどういう影響をイラン側に及ぼすかということも見てまいらなければならないと思うのでございますが、しかしいまの段階で、この非常に困難な問題に対する解決のための大きな国際的な努力として、今回のECの決定また日本の協力というものが考えられるのではないかと存じておるわけでございます。
○戸叶武君 いまアメリカに一番影響を与えるのはECの動きと日本の動きだと思います。アメリカも非常に国民が若く感情的にエキサイトする習慣があり、特に大統領選挙を前にしてはいろいろなゼスチュアも必要であり、アメリカの権威第一主義の幻想をいまだに捨て切れないでしょうが、戦争への世論の声が高まっているようなことを言っているけれども、実際戦争に入っていって戦争に参加したいというのは大学生の中にはほとんどいないということで、この前は麻薬なんかを使って黒人をベトナムでは殺しているけれども、ヒッピーを生産したあのアメリカの間違った、朝鮮における、ベトナムにおける乱暴な政策によってどれだけアメリカの権威、信用を実質的に失ったかわからないので、そのことでアメリカのレストンさんでも今度のニューヨーク・タイムズにおけるあの、パキスタン等の軍部の一部を買収してクーデターを起こそうとした考え方もあったというようなことも暴露されてきておりますが、こういうアメリカ自身も、いろいろなことは言うけれども戦争へ簡単に入ることはできない。ソ連だって、アフガンに戦車を並べてみたけれども、あの山岳地帯からヨーロッパの平原を席巻したような形において南下することは困難だということは百も承知していると私は思うのです。そういう意味において、五月十七日までの間に、ソ連をして過たしめないためにもあるいはアメリカをして過たせないためにも、それぞれの国々がそれぞれの動きを私はやっていると思うのです。 国際連盟をつくったウッドロー・ウィルソンが自分はいいことをやって民主主義擁護のためにヨーロッパに青年の血を流したといっても、時の共和党は、デモクラシーの父ウィルソンに対抗するために、あえて、あなたたちの子弟をして砲門の前に立たしめた者はたれかというスローガン一つでウッドロー・ウィルソンを破ってしまっているのです。このように私は、世論というが、空気だけでもって動くアメリカの危険性というものは、一流の政治家は身をもって私はわかっていると思うんです。やはりアメリカの大統領は一流の人は出ない、三流の人が多いというから。それにしてもカーターさんあたりは何かやはり完全にリファインされてはいないが、いいことをやろうという考え方はあるんだと思います。私はそういう意味において、いまECの国々と日本の国が一緒になって一つのこの危機を、戦争への危機を抑えていくということが、アメリカに対してもソ連に対しても余りぼろを出させないで、いいかっこうさせて引き揚げさせるだけでも、それをなし得れば成功だと思うんです。 次は次だが、やはり私たちは、きょうなんかでも私らは腹が立ってしようがないのは、この国会におけるやはり議事の進行のストップというようなこともその当事者は軽々しくなく、重要に見るかもしれないが、話し合ってみればわかるやつでもすぐストップをかけるというような形では、参議院の権威なんというのはなくなっちまう。冷静にわれわれが対処して、国際的なスケールのもとにおいて政治が動いているときに、あなたが言っているように国際連帯の力によって、ソ連でもアメリカでも、この世論の動きに、世界の声に逆らっていっては孤立しますよ。孤立して力の外交なり政治というものがどれだけの威力が発揮できるかということを思い知らせるには絶好の機会です。そういう意味において、私は決してアメリカやソ連をそしるんではなくて、問題は日本の体制をもう少ししっかりしなけりゃカーターさんのこともがたがただなんて笑えない。大平というものをいっても太平楽並べていたんでは、総裁選挙に勝てばいいというような選挙のことだけで頭いっぱいじゃ民主主義を堕落させるだけであって、そういう意味において私たちは本当にきょうの朝の協力——自民党の人は余り出てないようだが、野党の人まで一致して法案通過に協力している姿の中に、新しいやはり私は日本の政治の外交や経済や日本の明日に向かっての悲願というものが出てきていると思うんです。野党すらもこれだけ一生懸命で国のためを憂え、世界の平和を求めていこうというときに、外務委員長が一人だけ裸の大将にされて置き去りになって、自民党は全部どこへ行っているのか、めがねかけても一人いるか、そういうような状態ではこれはまじめな与党としてわれわれは受けとめられない。野党の方がずっとまじめだから、政権は場合によっちゃこれは国民が、もう自民党さんこの辺でおくたびれだから、余りぼろを出さないうちに——委員長の前で言うと委員長ににらまれるけれども、本当に私は今度の選挙なんか、ふまじめなやつはみんな国民側から落っことされますよ。みんなマスコミがいいのも悪いのもごっちゃだけれども、つなぎとめながらやっぱり自分の英知において国会のだめなところはどこなのかというのはわかってきているですよ。雨の降らないときを大平さんは選んで、今度は出席率のよくなるようにと言うけれども、出席率がよくなるとかえっていまのようなだらしない政治をやっている与党はふっ飛んでしまいますよ。 金や権力の力で動かせると思い上がっていたら、ソ連やアメリカを笑うことはできない。みずからの姿勢を正さなければ、私は他の人を説くことはできない。たれが正しいかでなく、何が正しいかということを大衆は見守っているんです。そういう点において大来さんなんか異色な人ですが、やはり私はヨーロッパの政治家とお目にかかり、はだで触れ合い、そうしてみんなして一致して私はこの危機突破という考え方をしないと、本当に国を憂え世界を憂えなければ世界の中の日本としての外交の存在はないんです。もう国際連帯以外に、平和共存体制をつくる以外に世界平和の生きる道はないのです。よほどとぼけたやつをおだてて、武器弾薬を売り飛ばして代理戦争をやらせようたって、エジプトでもイスラエルでももうだまされないぞという一般の考え方の方が強いし、まあイラクあたりがゆすぶられてるけど、イラク心配しなくても、そのうちにはイラン、イラクでもやっぱり私はもっと冷静に物を考えて、経済恐慌のあらしと、戦争と暴力革命によって何も得ることができなかったじゃないかというヨーロッパの反省に似たものが、プリミティブなナショナリズム——イデオロギーや宗教というものは余り触れない方がいいでしょうが、そういう古い形の権威主義によって、人民の平和と生活を守ることができないということは大衆はわかってきていると思うのです。そこいらに私はサウジアラビアの大きな転換も、イランの王様みたいになっちゃ大変だ、二月には王族の会議が行われております。金持ちけんかせずで、総会屋に金を払っておっ飛ばすように、テロリスト集団になぐり込みをかけられないように金を出すというような方式でなく、もっと自分の国の体制も変えて、世界とともに協力に基づいて中東の平和を保たなきゃならぬというところに、それ以外に自分の国を守ることはできないというところに私は来つつあると思うのです。 日本のいままで石油、石油というので、イランなんかでも政府が飛び込んで、日本の皇室とイランの王室ともっと近寄らせて、なんというから三井なんかでもあわててひっかかってしまうんです。もうけたら三井のもうけにしちゃうでしょうが、動きがとれなけりゃ今度は政府の責任だっていう、こんな商売ほどいい商売はないが、私はこんなような日本の財界、政界くるめてふざけた体制というものはもう今後においては通用しなくなると思うのです。大来さんはエコノミストであるけれども、エコノミックアニマルではない、政治と経済は一体のものである、そういう意味において、国民を幸福にさせるために、国民の合意を求めなけりゃ政治も経済もあり得ないんだということを身をもって私は知っている方だと思いますから、今後やはり五月十七日を寝て待つわけにはいかないし、あなたと大平さんは行きづらいけど、今度はアメリカへ行くんですが、アメリカへ行って一番あなた難問題——どうも大平さんも腰が重いらしいが、あなたも重いだろうけれども、何が一番アメリカで今度は難問題になりますか。それをどう受けとめられていますか。これから大平さんにもちょっとお目にかかれなくなっちゃうし、あんたにもお目にかかれないから、やはりしまったと言われたんじゃ困るから、いま締まらない前、締めないまま、ひとつ大きな悩みの種は何ですか。アメリカだってわからないはずはない。あなたや何かが心を込めてとにかく言うならば、アメリカだって変わる。日本がアメリカを変えさせれば、イランやイラクの問題もあるところまで光を見出すし、ソ連もあわてて変わらざるを得なくなると思うんですが、どうですか、その秘訣は、問題のかぎは。
○国務大臣(大来佐武郎君) あと一週間ぐらいで参ることになりますが、このままの情勢ですとやはりイランの問題がかなり大きな話題になる可能性あるように思います。まあ日米両国間の自動車問題とかその他の問題ございますが、しかし何といっても最大の問題は、やっぱり現在イラン問題あるいはアフガニスタン問題等をめぐる世界情勢をどう判断し、どう対処すべきかということが中心の問題ではないかと存じます。そういう機会に、これは大平総理もときどき発言しておられますけれども、いかにして世界の平和を守り得るかということをやっぱり日本側としては呼びかける、働きかけるということが会談の一つの重要な目的になるのではないかと思っております。
○戸叶武君 私は佐藤さんが内閣総理大臣になる前に、ちょうど一九六二年の十月の二十二日でしたかな、キューバ事件のときにニューヨークの国連本部で私が社会党を代表し、彼が自民党を代表してあいさつしたことがありますが、私はあのキューバ事件のときにも、差し迫ったぎりぎりの段階で、ワシントンに着いてからラジオ、テレビにかじりついて何かあるぞというので、朝海大使が同郷ですから朝海君のそぶりもあわただしいので、ショーラムホテルでかじりついてあのケネディの演説を聞きましたが、あそこに差し迫ったときでも活路はあったと思うんです。真珠湾攻撃のことをアメリカはいまだに日本を責めるけれども、シカゴ・トリビューンのマコーミックが暴露しているところによると、日本の暗号は全部アメリカでキャッチして真珠湾攻撃があることもわかっていた。しかし、攻撃であれほど被害を受けるとは思わないけれども、あれをやらせなければ戦争へ、アメリカが参戦へ踏み切ることはできないので、アメリカの大統領はそれをやらしたんだとまで言われております。大山郁夫先生は私の恩師ですが、ノースウェスタン大学にいてシカゴ・トリビューンを読みながらそのことは知っておったようです。 やはり私は権謀術策の時代というものは、日本は遠慮深いからあれだけれども、日本は自分だけ悪いことをやっていると思い、悪いことは反省すべきであるけれども、白人の世界に果たしてあの原爆を投下できたかどうかというのはアメリカでも私は考えてみる必要がある。中東だから、ベトナムだから、朝鮮だからといって、ああいう至るところで戦争をでっち上げるような考え方はどんな理屈があっても許しがたいものである。率直にアメリカでも国民に知らされていないから、いままでの権謀術策の悪知恵の達者な人が大統領をおだてていろんなことをさせてくるんだが、これはもうきかなくなってきたと思うんです。 私は率直にそれにいやみを言うわけじゃないが、日本の安全だけをわれわれは願っているのじゃない。世界の安全を、日本以外にもう原爆戦争なんかの犠牲は出したくないという悲願の上に立って日本外交がいま躍動しているんだから、そういう点をもう少し勇気を持って——われわれはアメリカを敵視するんじゃなく、アメリカ自身も変わってもらわなきゃならない。われわれ日本もいま大きく変わりつつあるというときに、一朝一夕でなく、理想と現実のギャップを先ほどもあなたとやりましたけれども、再び戦争はしまいと言って泣いて誓った天皇は、もし憲法改正でもやるならば、退位しなければなりません。政治には責任が大切です。天皇を退位させるならば憲法改正を促すのはいいでしょう。われわれは国民が主権者です。天皇は民族統合の象徴として認めているだけであって、内閣自身がもっとしっかりしないと、変なファシストの扇動——党内にもそういう連中が幅をきかせている。いやだけれどもその言うことを聞かなけりゃ現実において自民党の総裁もやれないし、内閣総理大臣もできない。泣き泣きそれに従うという形、こんなことを繰り返していたらもう日本はどこの国にも相手にされなくなります。私はいまこそ本当に日本自身が祈るような気持ちで、第三次世界戦争を食いとめるためには誠心誠意アメリカを説く、ソ連もおのずからアメリカにおくれないで、国際的に孤立しちゃいけないと……。 さっきの漁業協定の問題でも私は高く評価したのであるが、多くの人はまだソ連を信用しないから謀略じゃないかと言うけれども、私はだまされてもいい。やっぱり善意は新しいテクノクラットによってつくり上げられていくんじゃないか。問題は政治家が見識を持ち、責任感を持ってこのいまの世界の危機を救う捨て石にならなけりゃだめだと私は思うんですが、大平さんはそれはできる人だし、あなたもできる。大平さんを引っ張りながらでき得る人だと思います。それをやり抜くことによってのみ日本外交の質的転換はなされるので、日本の安全は自衛隊を強化したり軍事費を増大したり、それがなけりゃ不安だなどというけちな気持ちでやってたんでは、いつまでたっても日本は救われない民族に成り下がってしまうと思うんですが、少しそのことは技術論に走り過ぎていますか。 幾らか今度は大平さんもあなたも国内では——党では手をやいているかもしれませんが、私はきょうは本当に政治家もやめたいと思うような衝動にまで打たれましたが、危機をもっと私は切実に外務大臣なり総理大臣なりは身に畳み込んで、そうしてアメリカ、メキシコでも単なるエネルギー探しだけじゃなくて、お互いに理解し合って、お互いの立場を尊重しながら話し合えば物がわかるんだという形のものを、はかないようだけれども、やっぱりそれをつくり上げる努力というものが具体的に示されないと日本はばかにされちゃうんじゃないかと思いますが、どうですか。
○国務大臣(大来佐武郎君) 日本の外交もこれまで戦後自国の経済的な復興発展ということを基本に置いて進められてまいった事情もあると思いますし、いままでそれが必要な面であったと思いますけれども、今後のことを考えますと、やはり御指摘のように世界の平和の維持にできるだけの役割りを果たすと、また、日本のような国でございますから、世界の平和なくしては日本の平和もあり得ないということでもありますので、できるだけの努力を及ばずながらやってみたいと考えております。
○戸叶武君 最後に具体的な事実として、けさのテレビによるとクウェートから日本に、イランのいままで日本が受けていた石油の半分ぐらいは供給されることになったというようなテレビ放送がありましたが、あの内容についてひとつ、これは通産省の資源エネルギー庁ですか。
○説明員(浜岡平一君) バックグラウンドを申し上げますと、最近に至りましてクウェートは従来メジャー三社と結んでおりました約百五十万バレル・パー・デーぐらいの契約のうちから約百万バレルをカットいたしまして、クウェートの自由なハンドリングに移したわけでございます。このうちの大半といいますか、半分ぐらいは当面減産に充てるというつもりのようでございますが、残りの部分は、いわゆる直接取引に充てるということを考えておるようでございます。本年の二月ぐらいから各国の従来の取引先あるいは新規の取引先と交渉を行っておりまして、本日報道されておりますのはすでに五年前からクウェートと取引をいたしております企業がほぼ従来の倍増レベルの成約に成功しつつあるということのようでございまして、私どもも大体そういう方向であることは承知いたしております。それ以外にも日本の各社がかなりの数で接触を行っておりますが、やはりプレミアムの幅等につきましてなお折衝の余地がかなり残っておるかと思います。値段次第という面がございますので、直ちに数十万というような単位の契約ができるかどうかということについてはなお疑義がございますが、確かにかなりの数の企業が現在交渉しておるということは事実でございます。
○戸叶武君 時間が食い入ってはいけませんからこれで結びますが、イランのシャーなんかをエジプトに、これは窮鳥ふところに入れば猟師これを撃たずで、彼の命というものをもっと法治国家らしい形で、アラブの律法の方式と西欧の律法の方式はホメイニなんかも違うというが、やっぱり先ほど外務大臣が——法秩序を尊重する政治体制をつくりたいという近代国家においてはそれを持たなくちゃいけないということは感じてきているでしょうから、その点の論争はいろいろあると思いますけれども、アラブにおいてのいまの流れを見ると、いままでの西欧流の法治国家といいながらも、権力者が勝手にひん曲げていくことができるような形に、国際連合でも何でもアメリカの言うなりに動くのじゃないかという疑念がかなりあったのだが、私はやはりモーゼの教えを受けとめないで他民族を殺略したその報いがエルサルムにおけるユダヤ人をあの土地にいられないようにさせたのだという考え方をアラブの人たちが持っているけれども、そんな過去のことよりも現実の調整の時代に私は入ってきていると思います。 エジプトでもすぐれた学究である国会議長を中心に三回ほどの会合もしましたけれども、やはり西欧のルネッサンスにおけるガリレイやコペルニクスのあの世界観にしても、アレクサンドリアにおける学者の考え方の発展の上に神聖ローマ帝国が押しつけた間違った世界観というものを、地球観というものを変えさせたのであって、このグローバルな時代に私はいろいろな宗教だ、イデオロギーだというけれども、真実は一つであって、権威主義と権力主義によって他民族を殺略するようなことは容認できない。その報いが必ずはね返ってくる。あのエジプトのピラミッドの下に立ったときに私は二十代の若き日、五十一年前でしたが、「アラビアの人にあらねど涯しなき砂漠の上にひれ伏してみし」という下手な歌を歌っておりますが、太陽の沈むときのあの荘厳、灼熱の砂漠から夜のとばりが訪れてきて、そうして行動を起こしていく対象なりあるいは船出なりそういうところへ動き出す彼ら、太陽とともに起きて働く日本人、同じアラビアでも西のアラブの文化と日本の文化とは伝統的に違うものがあるけれども、彼らが言うのは、われわれのことを中近東とか中東とか言うが、われわれもアジアの人間である。もっとこの闘争の中に明け暮れて排他的なショービニズムによって殺し合いをするような世界でないものをつくり上げたいという悲願はひそんでいるのです。モハメッドだって救世主でなく最後の予言者で、次のこのアラビアに光をもたらすような人を生み出そうと思って、彼はアーリーに期待したり、またエジプトにおいてもモハメッド・アーリーが近代国家をつくろうとしてどれだけ苦労したかということをも聞いてきましたけれども、アラビアの王様にだけなりたくないのは、古代においては金で飾ってピラミッドの中へおさめられるけれども、数日後にはどろぼうが入ってみんな裸にされて盗まれていく。今度は王様が死んで次のピラミッドでその金がかぶせられる。こんな割りの合わない王様というのは地獄の存在であって、古い人民をないがしろにしていくところの王制というものは裏においてはこのような悲劇的なもので終わっているのだから、私はやはり人民とともに苦悩し人民とともに模索し、一王家や王族だけでもって富を独占してアメリカのメジャーと勝手なことをやるというような形において恨みを買うことのないように、アメリカだって私は反省せざるを得ない機会になっていると思うんです。 どうぞそういう意味において、われわれは太陽の子です。光を求める民族です。もっと率直に、もっと大胆に、そうしてこの一切の権威とか権謀術策とかというものにとらわれないで、理想に走るというかもしれないが、世界の人々にヒューマニズムの訴えなしに世界の人々の共鳴をかち得ることは絶対に不可能だと思うんで、そういう意味においてぼくはいま大来さんには大変な期待を持っているんです。大来さんなり大平さんなり悪口を言われてもいいじゃないですか。短命に倒れてもいいじゃないですか。日本の外交においてこのときに初めて世界にアピールするものを現実においてつくり上げたというこの事実の中に、永遠にそこにあなたらの生命は宿るのであって、あくせくとして権力にのみ依存するならば、私はエジプトのピラミッドの中の王様のように、金をかぶせられて地獄の世界に持ち運ばれることになるんだと思いますから、それだけを私は注文——しなくてももうここまで来たらやらざるを得ないんだろうけれども、ひとつ大いに……。 外務省のいまの中堅の連中は、本当に国士的な人がずいぶん出てきていると私は思うんです。いまの外交官なんかに、まともな家庭じゃ娘を女房にゃやれませんよ、殺されるような——おやじは勝手だけれども。そういうところに行って真実を伝えられないで、あいつは首だなんという、全くマスコミと称するものがマージャン賭博なんかにふけっていては、やはりばくち打ちの悪口も言えない。こういう形において労働組合のリーダーもジャーナリストも私は変わっていくと思うんです。そういう意味において、少し気のきいた骨のある外交官は犬死にさせないように、大来さんチームワークをとって、一体となって日本のこの危機を打開し信用を回復してもらいたいと思いますが、どうでしょうか。
○国務大臣(大来佐武郎君) いろいろお話を承りまして、大変ありがたいと存じます。
○戸叶武君 まあ「おおきた」と言って引き受けてくださいよ。(笑声) これで終わります。
○田中寿美子君 朝からイランの問題ばかりですけれども、実はこんなにたくさん条約を提案されていますが、非常に今度のこの状況は異常でございまして、こんなにたくさん一遍に短時間で上げてしまうということ、本当に私も不本意でございます。それで、やはりきょうは、訪米を前にしていらっしゃいますし、またルクセンブルクに行ってお帰りになって、重要な会談をしていらっしゃったのでございますから、イランの問題に集中してお尋ねしたいと思います。 けさから何回も対イラン制裁について、第一段階の制裁に日本も同調するのだということについてお話ありました。この第一段階の制裁というのは、まあ大したことないですね、ほとんど余り大した実質はないように思います。あるとすれば、日本がテヘランにある大使館を縮小するお考えらしいというふうにはけさ伺いましたが。それから、日本にいるイランの大使館員は四人くらいというふうに新聞報道で見ておりますが、それを減らすことを要求なさるのかどうか。それから、ビザの発行を、ビザを求めるようにするということも実現されるのかどうか、どういうおつもりなのかわかりませんが。それで第四番目の武器輸出禁止、これは日本は関係ないということであれば、日本はもう実質的に余り何にも大したことはしないでも済むというふうに思われますが、EC諸国の方も一致して共同歩調をとるというようなことではなくて、それぞれの国が自分の判断でそれぞれの期日を設けてやればいいように思われますね。ただ一つ決まっているのは、五月十七日が第一段階の制裁の期限だというふうに解釈しますけれども、そういうふうに考えていいですか。
○国務大臣(大来佐武郎君) 実は第一段階、まあこれはECの外相決定には第一段階、第二段階という表現は使っておらないわけでございます。当初イギリス案にそういう考え方がございましたが、他の外相の中にはそういう段階の分け方をしない方がいいという意見も私ども話し合った際に聞かされたわけでございますが、この決定の中では第一段階、まあいわば第一段階的なものには制裁という言葉は一切使われておらないわけでございまして、当面なすべき措置という表現になっておるわけでございまして、五月十七日までにイランから色よい返事がない場合に制裁に入るんだというたてまえになっておると思います。 それまでの措置ということの中に、いまお話のございました大使館の問題とかビザの問題、武器輸出あるいは新規の輸出契約抑制というようなものが含まれておるわけでございますが、イランにあります日本の大使館につきましては、けさの関係閣僚の会議で、現在十六名でございますが、そのうち数名の縮小について検討することにいたしたわけでございます。それから在日のイラン大使館につきましては現在四名でございまして、非常に小さい大使館でもございますし、さしあたりその縮小を求めるということはいたさないという大体の方針でございます。 ビザの問題は、これは双方でビザの免除の取り決めをいたしておるわけでございますが、まあECの措置に協力する意味もございまして、部分的なビザ免除、何といいますか、を外すといいますか、部分的な措置をとることを現在考えておるわけでございます。これはイラン側もすでに日本のジャーナリスト等についてはこのビザ免除の規定を外しておるといいますか、ビザを必要とする扱いをしておりますので、これを日本側がそういう措置をとることは必ずしもバランスを失することにはならないということも考えておるわけでございます。
○田中寿美子君 いまの御説明によりましても、ほとんど五月十七日までは何もそう大したことをしないでいいようなふうに解釈できるわけなんですが、それじゃその五月十七日という日はイランの国民議会の選挙が終わった後、そしてまたECの外相会議があった後で、外相会議でどういうふうにするかということを決めるということでの目安だと思いますが、外務大臣がECの外相会議に、急遽その開かれる前にルクセンブルクにお飛びになりました。それで一体、私非常に疑問に思いますのは、五月十七日、五月十七日という一つの期限が設定されているけれども、それまでに人質解放について何か見通しがおありになるということでしょうか。大来外務大臣は余り心配していられるようには見えない。楽観的に、EC諸国外相会議で外相の何人かにお会いになりまして、そしてその決定が出てきたことについても何か見通しを持っていらっしゃるんですか。
○国務大臣(大来佐武郎君) 必ずしも楽観的な見通しを持っておるわけでもございませんけれども、こういう新しいステップが、特にEC九カ国と日本が共同してイラン側に要請をするという動きが何らかの効果を持つ可能性もあるのではないかということが一つございます。この点についてはイラン側も日本やヨーロッパは別だという考え方を従来とってきているわけでございますが、こういう人質解放問題については、やはりとにかくそういう措置をとるべきだということで共同して要請をするということは、場合によるとイラン側に対しても何らかの効果があるのではないか。 それから、先ほど来申しておりますイランの選挙、第二回の選挙が九日にある予定になっておりますので、この選挙の後に何かの事態が出てくる可能性がありはしないか。他面アメリカに対しましては、いわゆる次のステップというようなことについての自制を求める。武力手段に訴えるということが、アメリカ政府としても決して望ましい方策だとは思っていないと思いますし、アメリカの世論調査などにおきましても、これを是とする数はかなり少ないわけでございまして、EC諸国と日本との共同した要請ということがある程度の緊張緩和、武力的な手段に訴えることに対する自重を求める一つの要請としての働きがあり得ると思うわけでございまして、五月十七日までに人質問題が解決すれば一番望ましいことだと思いますが、それまでに解決しなければ本格的制裁措置ということになるわけでございまして、そこまでいくとかなり厳しい情勢になるわけでございますが、一番望ましいのはそこまでいかないうちに人質解放が決まると、しかし、どうしてもそれがむずかしい場合には第二段階に移行する、しかし、これはあくまでも経済的な措置あるいは外交的措置でございまして、非軍事的な措置になるわけでございますので、私どもとしては、何らかの打開が可能ではないかということを期待しておるわけでございます。
○田中寿美子君 いまおっしゃいましたように、何らかの打開が五月十七日という一つのめどまでに可能ではないかとお考えになるその背景なんですけれども、外相があちらにいらっしゃる前に和田大使が帰国しました。その前にバニサドル大統領とEC各国の大使とそれから日本の大使が会見しておりますね。そして、相当長い時間にわたって話し合いをしている。それから、ゴトブザデ外務大臣がパリに行っている。それぞれ何か内容に関しては伏せられていてよくわかりません。和田大使は相当詳しくあちらの情勢も把握していらっしゃったんだと思うし、それから、各国の大使とバニサドル大統領との間で話し合いされた内容なんかについて、見通しなどを外務大臣に報告していらっしゃると思うんですね。それらを踏まえて大来さんは飛んで行かれたと思います。ECにわざわざ行かれるのには、EC外相会議の前に行かれて、EC外相会議の決定はこういうふうにしてほしいという要望をお述べになったはずでございますね。ですから一体、大使たちとバニサドル大統領との間で話し合われた内容はどういうものであるかということを国民はあんまり知らされておりませんけれども、外相が私どもに話していただいていいことはぜひ話していただきたい。 それから、外相が今度行かれて、EC外相に、非常に強硬派の英国なんかを除いて、特に何を一番訴えて話しに行かれたのか、その辺を伺いたいんですが。
○国務大臣(大来佐武郎君) テヘランにおきますECの大使、これはルクセンブルクがおりませんで八人——一人はアイルランドはたしか代理大使だったと思いますが、それから日本の和田大使と九人がバニサドル大統領に面会いたしまして、その人質の解放についての期日及びその段取りについて明確な回答が欲しいという申し入れをいたしたわけでございます。これはEC九カ国のリスボン会議の決議に基づいてそういう申し入れをいたしまして、さらにやはりそのリスボン会議の決定に基づいて各国大使はそれぞれの国の首都に帰って政府に報告する、その報告をした後の段階で各国政府がとるべき態度を決める、これはECの場合ですが、ECとしての態度を決めるというような経緯がございまして、今回のルクセンブルクの会議になったわけでございます。日本としてもリスボン会議のすぐ後に在京のイタリア大使を通じて、このECの決定に日本としても協力してもらえないだろうかという申し入れがありまして、日本政府はこれに協力するという方針で回答いたしたわけでございます。 そういう経緯がございまして、日本としても協力する以上、そのECがとる対策につきまして日本側の考えなり、立場を何らかの形で伝える必要があると思いましたし、また先方の考え方をできるだけ正確にとらえてくる必要があるということで、急遽ルクセンブルクに参ることになったわけでございます。私も主要国の外相に個別的に会いました際に、そういうことで先方の考え方を確かめると同時に、日本としてはあくまでもこの問題の平和的な解決を探求すべきだと、一方において、イランに人質の解放をさらに強く要求すると同時に、他方アメリカに対しても性急な手段に訴えないように要請をすべきだということが日本の立場であるということを伝えたわけでございますが、この点についてはEC側の各国外相もきわめて近い、同じ考え方であることを確認いたしたわけでございます。
○田中寿美子君 その際、日本側としてはイランからの石油対日輸出を停止することは困るというようなことについて強調なさいましたでしょうか。
○国務大臣(大来佐武郎君) イランの石油問題についてはちょうど私行っておりましたときに積み込み停止ということが発表になりまして、このことは日本政府としては従来からイランのNIOCとの協議をしておるわけでありまして、その協議は四月七日のイランへの国交断絶の前から始まっているわけでございますし、イランの石油の値段値上げの要求は一般のOPECの価格に比べましても相当高い、ロッテルダムのスポットプライスよりも高いというような状況で、これは承知できないということを申し入れておると。その考え方はコマーシャルな、商業的な立場に基づいて一もしも日本がこれを承知すれば、これはまた他の石油価格に波及する可能性もあるし、そういう意味で値上げを断わっておる、その結果イランが石油の積み込み停止という措置をとったわけだという事情を各国の外相には話したわけでございます。
○田中寿美子君 少し情報が不確かなような気がいたしますが。 それではその前にお尋ねいたしますけれども、ECの各国の大使と和田大使が一緒になって、そしてバニサドル大統領と会見しましたときの内容に関しては、これは何か箝口令がしかれていて、一般に知らされておりません。ですけれども、四月二十日のサンケイ新聞によりますと、その内容が確かなところから漏らされているということで発表されております。 一点は、学生は人質を革命評議会に渡すということに一たん同意したけれども、最高指導部が反対したということをバニサドルさんが言われた。最高指導部というのはホメイニ師だと思いますが、その理由は、アメリカとイランの間に一種の密約が——密約というか、約束があった。アメリカはパーレビをパナマから外に出さない、そのかわりイランの方はアメリカの過去のいろいろな干渉については問わない、そして人質は病院に移すという約束をカーター大統領との間で、カーターさんもこれを承知していた。ところが、それを破ってパナマから元のシャーを、パーレビをエジプトにやったと、だからそれに対してアメリカに対する不信感があるので最高指導部はこれに反対したんだと。一たん学生は人質を第三者の手に渡すことには賛成したんだという。これはほかの報道でも私は読みましたし、今回もイタリーの外相か何かの言葉として、人質が学生の手から政府のどこかの機関に移ったときは解決へのめどの第一歩だというようなことを言っているのを読みましたけれども、ですからそういう話をバニサドル大統領が大使との会見でされたということ。だけれども今後引き続き人質の解放には努力をするというふうに言っておられる。各国の大使も平和的な解決があるだろうという判断をその会見の中からしたと、そしてそれぞれ帰国して、そして次の外相会議に備えたというふうなことが報道されておりますけれども、このようなことは大来外務大臣はお聞きになっていらっしゃいますか。
○国務大臣(大来佐武郎君) このバニサドル大統領との会見の内容はかなり機微な点があると、ことにイランの国内情勢等にも関連いたしまして、あるいは国際関係についても相当機微な点があるという事情もあったのだろうと思いますが、EC大使の間で内容は一切発表しないという申し合わせが行われたようでございます。それから、その内容について一部イラン政府側からの発表があるだろう、しかし、それについては一切コメントをしないという約束もしたようでございまして、日本もECの行動に協力するというたてまえから言いますと、日本側からそういう情報を漏らすということは、やはり国際的な関係上非常にぐあいの悪いことになるということでございまして、一部の新聞に一応報道もございますけれども、これに対しても私の立場からはノーコメントということにさしていただきたいと思います。
○田中寿美子君 イラン側からその情報が流れてきて、そして一部に報道されているということであって、それをノーコメントということでお認めになったように思いますが、そこで問題は、だからイランという国の非常に政情が混乱している様子でございますね、その辺は外務省ではどんなに見ていらっしゃいますか。いま制裁の決議をして、その制裁をする相手はバニサドル大統領の政府ということなんですけれども、そういう制裁が効を奏するとお考えになっていらっしゃるのか。それともホメイニ師に指導されているイスラム革命の一番右翼の勢力、その勢力といわゆる穏健派と言われる勢力と、さらに左翼的な勢力があるわけですね。そしていまイランは、アメリカの方からの圧力で制裁が加わってくるならば、ソ連へと近づくという方向も出ている。そういう中で、イランの政情をどんなふうに見ていらっしゃるんですか。そしてこの制裁がどこにどういう圧力をかける役に立つと思っていらっしゃいますか。
○国務大臣(大来佐武郎君) ECのルクセンブルクの決定では、先ほど申しましたように、五月十七日までは制裁と呼んでおらないわけでございますが、でき得ればそれまでに何かいい答えが返ってくることを期待いたしておるわけでございます。 イランの政情につきましては、中近東アフリカ局長から答弁さしたいと思います。
○政府委員(千葉一夫君) イランの政情はきわめて複雑であることは委員御指摘のとおりでございますが、一口で申しますと、革命後いまだ政治体制がはっきり固まっていないということかと存じます。御指摘のとおりホメイニ師が政治意思、プロセスの決定の中心におられることは事実でございますが、何分政体が完成いたしておりませんために、いろんな勢力がいろいろ動きまして、その間にホメイニ師がときどき判断を出されると、そういったようなことで大体動いておると見ております。 そこで、お尋ねの経済措置、また将来制裁になるかもしれませんが、またそうならないことを期待しておりますけれども、そういったものの効果はいかんという点につきましては、お答えは大変むずかしいわけでございます。なぜむずかしいかと言いますと、このように複雑な政治的力学のもとにあります社会に、ある力を加えたときに、その目的とするような方向にその社会を押すのではなくて、逆に別の方角に押していってしまう、そういう可能性があるからであります。この点が大変に議論の分かれるところでありまして、経済的な圧力を加えてみても、いまのイランの状況ないしはイランという国の持っておりますところの経済の特質、この中にはきわめて伝統的な経済部門もあるわけでございますが、これらに対して果たして効くかどうか。なおまた、従来のローデシアのたとえば例等も見ましても、そもそもそういったようなものは効かないのではないかと、こういう意見が一方においてあるわけでございます。 他方におきましては、すでに御案内かと存じますけれども、バニサドル大統領を中心とする仮にインテリと名づけておりますが、ああいったような勢力は、やはり人質問題がそもそもよくないし、長続きすればイラン自身の国益にとってよくないのだという認識を持っておられるようでございますが、こういった方々がやりにくくなるような圧力を加えてもいけないのではないか、こういう議論もあるわけでございます。そして、それは相当程度において正しいのであろうと私どもも思っております。ただし、ここでやっぱり忘れてなりませんことは、イランが完全なる混沌状態にあるというのではない。先ほど申し上げましたように、政体はまだ固まっておりませんが、やはり政治意思の中枢に存する方はおられますし、いろんな意味でお互いに押し合っておるうちに何らかの均衡が生まれて、ときどき、そのときそのときの均衡が生まれておるわけでございます。そこで、イラン全体の置かれた立場というものに対して全くの盲目な指導部であるというふうに断定すれば、何をやっても意味がないし、逆効果であるのみであるということを言えると思いますけれども、やはりいろんな意味でイランが置かれている立場、イラン国民に対する責任を持つ、こういったような指導者であるとすれば、総合的に判断すると——したがいまして、即効性はないにしても総合的に見てイランの世界における立場、イランの近隣諸国との関係といったようなもの、イラン経済に及ぼす影響、これらがどんなふうにイラン国民の生活を圧迫するか、あるいはイラン国民の意識に反映してくるかといった点は、長い目で見て必ずしも簡単ではないと思います。 そういった点を洞察して動いていく政治力を持っている方が中枢にいるというふうに思えば、またそこにいろいろな影響があると思います。たとえば簡単にアメリカからあるいはアメリカと志を同じくする国々から圧力があるからソ連側に移るかどうかと。いろいろな現象面を見ますと、いろいろと経済関係におきまして東欧圏との関係が深まっておる、これは事実かと思いますが、しかしながら、たとえばイラクとイランとの関係は非常に悪うございます。したがって、そのために機械的にイランはどこかほかの方に向くかといいますと、必ずしもそうではない。アフガニスタンにおきましてソ連があのような軍事介入をいたしております。イランは激しくこれを非難しておりますけれども、しかしながら、だからといって必ずしも直線的には動いていない。こういった点をよく考えてみますと、全般的にイランの中枢部というものはやっぱり非常に注意深く見ているのではないかという印象も持たれます。も、と申し上げましたが、そうではない印象もあるからでございます。 そこで、最後に日本とECの件について申し上げますと、何と言いましても、世界は先進工業国とそうでないグループに分かれておりますけれども、先進工業国とイランのごとき国との相互依存関係は非常に深いものであることは御案内のとおりでございます。こういったような国々が、たとえ即効性はなくとも、たとえ御指摘のとおり余り大したことはなくとも、大したことない措置をとりましても、イランに対してそのような国際法違反を続けるのはよくないのであるということを示すということは、やはり長い目で見て一つの大きな、英語で申しますと、モラルな圧迫になるのではないかと思います。圧迫という言葉が悪ければ、それだけ長い目で見ての一つの是正的効果があり得ると思っております。完全にあるとは断言できませんが、全くないとも断言できません。私どもは、そういったようなことが為政者の鋭敏な感覚に反映して、よい結果が出てくることを期待しておるわけでございます。
○田中寿美子君 いまおっしゃったように、一種のモラル的なプレッシャーになる可能性があるということはわかりますけれども、それならば相手とする勢力のことを考えなきゃならないわけですが、先ほど申しました漏れてきておりますニュース、それから私がさっき引用しましたこのサンケイのニュースはイランの側から出たものだとは思いますけれども、大使たちとの会見の中で、バニサドル大統領は人質を解放すること、解放するというか、政府の機関に移すことを学生が承知したと。しかし、それは最高権力者の方から、最高指導部から否決されたという、この裏には、アメリカに対する不信感があり、そしてそれはホメイニ師だろうというふうに思われるわけですね。そうしますと、バニサドル大統領とホメイニ師との間には少し食い違いがあるのではないか。それから、ホメイニ師が学生の背後で指導力を持っている限りは、バニサドル大統領にそのようなことを申し入れても役に立たないんじゃないかという気持ちさえするわけなんです。それで必要なことは、ECや日本が一緒になって、アメリカが介入しないということを保証して、人質の解放を申し入れたらいいと思うんですけれども、そのためには、私はやっぱり、外務大臣などは大統領にお会いになることも必要だけれども、ホメイニ師にそれを申し入れなければだめなのではないかというふうに思うんですがね。これはどうなんでしょう。つまりECの首脳がホメイニ師に会って、そして自分たちはアメリカが過去のような介入をすることを許しませんと、その保証において学生たちに人質を解放してはどうですかということを申し入れるほかもう道はないのではないか。バニサドル大統領がそのように同意しても、アメリカに対する不信感からホメイニ師が学生たちにそれを許さないということであれば、同じことが繰り返されて五月十七日になってもどうしようもない、第二段階の制裁に入ったらこれは非常に問題が出てくると思いますがね。その辺はどうお考えになりますか。
○政府委員(千葉一夫君) バニサドル大統領は、何と言いましてもイラン・イスラム共和国憲法によって選出された大統領でございまして、国家の正式機関でございます。 で、先ほどはイラン国内のいろいろな政治勢力について私どもの考え方を申し上げましたんですが、やはり国家の意思というものは正式に選ばれた機関に対して伝達するのが常道でございます。もちろんホメイニ師に直接話せばまたそれなりのいろんな意味での効果があるかと存じますが、やはり国家と国家とのつき合い、われわれがよってもって立つところの国際秩序の尊重という観点に立ちますと、正式の機関というものが、しかも非常に圧倒的多数で国民に選ばれた大統領でございます。これを無視することはできないと存じます。
○田中寿美子君 大臣のお考えを聞きたいのですけどね、正式の機関対機関という形ではどうしたってそうなるでしょう。だけど、事実上そこで申し入れたことが学生たちに影響力を持っている最高指導部、あれは国家機関の最高指導者になっていますよね。そしたら最高指導者が対米不信であるということだったらどうしてもらちが明かないんじゃないですか。だから何らかの措置をとらなきゃならないと思うんですね。それはホメイニ師に近づいて、そしてアメリカが介入しないということもこっちは取りつけなければいけないと思いますけれども、そういうことはできませんですか、大臣。
○国務大臣(大来佐武郎君) どのようなアプローチがよろしいかにつきましてはさらに検討の余地があると思いますが、今度EC各国の大使もイランに戻りますが、和田大使も一両日中に戻るわけでございますが、その際、ルクセンブルクの会議の結果を先方に伝えるということも行われる、その場合はやはりバニサドル大統領。この点はいま千葉局長の答弁のように国の政府の代表として行動する場合には、やはり大統領、そのものにある政府を対象とせざるを得ないと思うのでございます。だれか個人的に、これはまあ日本でもヨーロッパでもよろしいのですが、直接ホメイニ師にアクセスを持つ、近づく、つながりを持つというような人がおって、しかも相当な影響力があるような人物が個人的に活動するというようなことがあれば、これもまた一つの方法だと思うのでございますが、政府の方からのアプローチとしてはやはりいま申したような方法以外にないように思うのでございます。
○田中寿美子君 そうやってアプローチをそこのところにとどめていたら、いままでの繰り返しになると思う。やはり非常に政治的な手段を用いなければならないというふうに考えるんですね。そして、もし五月十七日以降の強硬な制裁措置に入っていくというようなことになれば、これはへたをすればアメリカの軍事行動をも呼び出すことになるということを考えますと、やっぱりそのくらいのことは最高の幹部のところで考えてもらわなければならない。これはECも日本もわざわざあそこへ飛んで行って協議したし、それから今後ECと一緒に行動するんだというふうなお考えのようですから、それならばそうで、そういう手段をとらなければいけないと思うんですが、私は大来外務大臣並びに和田大使からの報告、ECの外相会議などで、あるいは秘密にして報道されていない部分で、そうまでしなくても人質解放への道が開かれるというふうに考えていらっしゃるんではないかなというふうに推測しているわけなんですけれども、あるいはそれが、いままでのお答えどおり本当に別にこれといって思い当たることはないんだということであるならば、やはりホメイニ師に近づくという手段もひとつ考えなければならないのではないかと思います。 もうきょうは時間がなくなりましたので、ほかの問題を質問することをやめますけれども、先ほど石油の問題で、大来外務大臣はECに特に飛んでいかれて、そしてイランからの日本の石油輸入量は、きのうも通産省の方にもう一遍確認しましたけれども、一一%ぐらい、さらにほかから入ってくるものまで入れれば一三%ぐらいになると。非常にこれは重要なところだし、恒久的にイランから石油を確保する必要があるから、やはり大来外相が飛んでいかれた第一の最大の理由は、石油の停止というようなことになる制裁措置に入らないようにEC諸国の外相にお訴えになったのではないかというふうに思いますが、先ほどのお答えでは、例のモインファル石油相が三十五ドルという高い値段をつけてきたので日本が拒否したことについてお触れになりましたけれども、これもきょうの私はサンケイを見ましたら、モインファル石油相がサンケイの記者との単独インタビューで、いま提案されている外相会議の制裁というのは具体的なものじゃないと、日本に対して石油輸出を停止した事実はまだないということを言っているわけですね。そして、これからの協議であって、たとえば油送タンカーが押さえられているというけれども、これも正当な手続をとってならばまだ出す余地があるのであって、押さえているわけではないというふうに言っているのですがね。それは情報の間違いですか。
○説明員(浜岡平一君) 多分こういうことだと理解いたしております。現在、イランとの間で結ばれております原油契約の上におきましては、価格が決まりますとLCを開設するということになっておりまして、もしそのLCが到着しない場合には船積みはしないということが契約に明文で書いてございます。現在、日本側企業は新価格によりますLC、信用状を開設いたしますと、事実上、値上げを認めたことになってしまいますので、信用状は旧価格のもので船積みを続けてほしいと、話し合いが終わりました後でしかるべき善後措置を考えようということで提案いたしておるわけでございますが、向こう側は、条項違反である、契約条項違反だということで、船積みをとめておるわけでございますけれども、向こうのイラン側の言い方としましては、単純に契約に定められたところに従って動いておるだけで、技術的な問題として船積みがとまっておるのである、契約を破棄しておるわけでも何でもないし、特別に船積み停止という措置を付加したわけではないと、契約に沿って動いているのだということを繰り返し申しておりまして、多分石油大臣の発言も、それに沿ったものではないかというぐあいに理解いたしております。
○田中寿美子君 ですから停止してしまったというようなことでもないということは事実ですね。 それから一バレル当たり三十五ドルという要求は、イランの側に言わせればスポット価格を考えるとそう高いものではないと言っているというふうに報道されております。このスポット価格というのは時によって非常に高く、昨年は人質がとられた当時、日本が四十ドルとか四十五ドルで買ったというので糾弾されましたけれども、いまヨーロッパでスポット価格というのはどのくらいの価格が普通であるか、いろいろあるでしょうけれども、大体一番通用している価格というのはどのくらいなんですか。
○説明員(浜岡平一君) どこのマーケットをとるかが大変問題でございますが、よく引用されますロッテルダムにおきましては、先々週あたりは三十四ドルから三十五ドルぐらいの数字が出ておったわけでございます。最近になりまして若干思惑的な動きがあるやに伝えられておりますが、三十四ドル台まで先々週は下がっておったようでございます。
○田中寿美子君 イランから入ってくる石油ですが、けさクウェートから出光との契約ができたという報道がありますけれども、これ一年間の契約ですね。イランからの石油というのは日本にとってはやはり非常に重要なところであって、簡単に石油の輸入を手放すことはできないと、こういうふうに解釈していいですか。
○説明員(浜岡平一君) 現在、日本が購入しております石油の中で、サウジアラビアが約二五%、インドネシアが一五%ぐらいでございます。イランの数字は最近かなり変動しておりますが、やはり一〇%から一五%の間ぐらいでございまして、日本にとっては三番目の輸入先でございます。ただ、それだけにいわゆる限界的調達でございますスポットとは違いまして、日本の石油産業なりあるいは石油価格体系に根幹的な存在でございますし、非常に大きな影響を及ぼすものでございます。そういう意味でやはり何とか合理的な価格で、この供給ルートが維持されるということを願っておりまして、そんな観点からかなりいま粘り強く交渉いたしておるわけでございますが、私どもとしましては、やはり雨降って地固まると申しますか、そういう結果になることを心から願っておる次第でございます。
○田中寿美子君 石油の観点からだけイランを見るようなことは、これは政府といえどもしているはずはないと私は思います。ですから、今回のアメリカとイランの関係に際してやはりさっきから申し上げておりますようにアメリカが軍事行動を起こすような方向にいかないためのもうあらゆる手を尽くさなければならないと思います。ですから、ぜひ政府対政府というだけではなくて、これ人質の問題を解決できるところに持っていくための努力というのをやっていらっしゃるのかどうか、せひそれをやってもらいたいということを申し上げて、外務大臣のそれについてのお考えを聞いてやめます。
○国務大臣(大来佐武郎君) 一部の新聞に私がルクセンブルクに参りましたのは、石油の問題で行ったんだというような報道もございますが、これは事実に反するわけでございまして、やはり先ほど来申しておりますように、何とかしてこの人質の解放、何とかして平和の維持ということに努力しなければならない、それにはやはりEC諸国との話し合いを深める必要がある、リスボン会議についての協力を求められているという事情もございますので、それが主要な目的で参ったわけでございます。もちろん石油の問題にも話し合いの中で触れたわけでございますが、それが主要な目的であったというのは事実に反すると考えておるわけでございます。
○渋谷邦彦君 総理それからまた外務大臣の訪米の時期が間近に迫ってまいりました。今回の訪米を通じて日米間において話し合われなければならない課題が非常に多いし、またその中身を考えてみても、大変重要なものばかりではないだろうか。当然だと思います。しばらく前にこの委員会で、私は大来さんに、訪米に際して何をアメリカ側に提言をし、何を調整し、何を要望するのかということをお伺いをしたことがございました。そのときの御答弁は、現在検討中である。当然のことだと思うんです。恐らくその検討されている中身というものも煮詰まって、もう整理の段階にお入りになったろうと思われるし、また総理の周辺あたりからもちらちらと訪米に際しての考え方というものがマスコミを通して表明されているような状況ではないかと、こんなふうに受けとめているわけでございます。先ほども少しく触れられましたように、今回恐らく大きな問題点になりますのは、いましきりに議論されておりますイラン問題、アフガン問題を初めといたしまして、日本の防衛努力についていかがであるか、あるいは日米の経済摩擦、どれをとってみましても日本としては軽視できない、拱手傍観では済まされない、そういう問題ばかりでございます。こうした問題は何回か当委員会におきましても申し上げもし、また政府の考え方もお伺いをしてきたつもりでございます。 さてそこで、今回の訪米に際しまして、いま申し上げたような観点に立ち、もうすでに固まっている、日本側として何を提言し、何を調整し、何を要望するか、これをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(大来佐武郎君) ワシントンにおきます議題については、ただいま政府部内でも調整中でございまして、総理のもとですでに何回か会議をやってまいったわけでございます。もちろん世界情勢は刻々変わっておりまして、四月七日にアメリカとイランの間の断交がございましたし、またその後ここでいままで御議論のありましたECなり日本なりの立場というものもございますので、まだかなり流動的な面があると思いますが、大きく申しまして、一つは世界情勢、これはどうしてもイラン問題とアフガニスタン問題が中心になるだろうと考えております。 それからサミットがベニスでございますので、サミットでどういう問題を取り上げて議論したらいいか、こういうことについてもある程度の意見交換があるんだろうと思います。 それから第三には、日米間の問題、これは一つが防衛関係、一つが経済関係というようなことになるわけでございますが、この防衛問題については、総理は、先方から提起があった場合にという発言をしておられますが、多分先方からこの問題について発言があるのじゃないかということは予想されるわけでございます。経済問題については、自動車問題が一つ、これは多少一ころよりは圧力が下がったといいますか、問題解決はしておりませんけれども、その後いろいろ日本側の対応、アメリカ側でもいろいろな立場があるものですから、多分自動車問題は出てまいると思いますけれども、それほどその場で決めなければならないというような形にはならないのじゃないか。 それから、電電公社を中心とする政府調達問題、これもあるいは出てくるかと思いますが、アスキュー通商代表が五月の中旬でございましたか、日本にやって参りますから、この首脳会談で今回特に詰めなければならないということには多分ならないのじゃないか。 あと、この日本の米の輸出、特に韓国及びインドネシアに対する米の輸出が補助金つきだと。アメリカの米輸出業者から非常な苦情が出ておったわけでございますが、これも先般東京で開きました日米の関係者の会議で一応妥結といいますか、話し合いがつきましたので、恐らくこれは今度は話し合いの中に出てこない、解決済みの問題になるかと思います。 あと、首脳会談のテーマに関連して、たとえばインフレーションの問題とか、南北問題についての考え方とか、そういうことも出てまいる可能性があると思いますけれども、大きく言って、いま申しましたようなことではなかろうかと思います。
○渋谷邦彦君 特にいまおっしゃられた問題点を通じて、日本政府としての態度決定を迫られると思われるものはございましょうか。
○国務大臣(大来佐武郎君) これはいわゆる日米間の間断なき対話の一こまということでもございますし、今回の訪米で交渉して決めなければならないという性質の問題は含まれていないように思います。防衛問題も、結局は日本としては昭和五十六年度予算編成の過程で具体的に検討していくということにならざるを得ないと思いますので、いろいろアメリカ側としての要望等は出てくるかもしれないと思いますけれども、これも今回の訪問で結論を出すという性質のものではないと考えております。
○渋谷邦彦君 申し上げるまでもございませんけれども、この一、二カ月ぐらいの間に米国首脳、国務長官を初め国防長官、議会筋を通し、あるいは記者会見等を通し、大変厳しい口調で、と言った方がいいのか、日本に対する期待と、当然その努力をすべきであると、アメリカと歩調を合わせるべきではないかという、そういう主張というものがいろいろな角度で、それは話し方のニュアンスこそ違え、非常に強い響きを持ったものがあったのではないだろうか、ということを通じて考えますと、今回訪米されるに当たりまして、相当具体的に詰められる、詰められるといいますか、日本に対応の仕方というものを何らかの形で迫られるのではないかというふうに思えてならないわけでありますけれども、いま御答弁なさったように、恐らく結論らしいものはないと。今後も話し合いというものは間断なく続けていく、その中で一つの方向性を見出していくんだというふうに受け取れるわけでございますが、その程度でよろしいものでしょうか。
○国務大臣(大来佐武郎君) 世界情勢の判断というようなことは相当話し合う必要があると思いますが、先ほど来申し上げましたいろいろなことについては双方の意思疎通と、その程度でよろしいかという御質問なんですが、現段階ではそういう先ほど私が申しましたようなことであろうと思っておりますし、アメリカ側も日本の国内の情勢、特に政府当局はかなりよく知っておると思いますので、この際性急に結論を求めるというようなことは多分ないだろうと考えております。
○渋谷邦彦君 重ねて申し上げたいんですが、もう何回か議論されております問題の中で、このイランの経済制裁に対してもアメリカ側と同調すべきであると、あるいはその防衛努力についても、かねがねアメリカ側から提唱しているような方向に向かって日本政府としては取り組むべきではないかと。これは相当具体的にアメリカ側としては日本政府へ向けて表明しているわけでございますね。それは、その中にはもちろんやってくれ——断定的な言い方ではないかもしれません。しかし、その中には相当強い期待と願望を込めているということだけはもう否めない事実であろうということで、こうした硬直化したイラン問題を考えましても、いろんなアメリカはアメリカとしての展望にも立つであろうし、また場合によってはもう軍事行動も辞さないというところまで、そういうような考え方をほのめかすというような背景もいままであったわけでございます。それに対して、この友好国としての日本としてはきわめて消極的ではないのかと、こういうそしりも何も受けないのか。ただ、日本には日本としての主体的なその立場をやはり守っていかなければならないということで、それはアメリカ側として理解ができるものなのかどうなのか、この辺非常にむずかしい問題であるかもしれないけれども、やはりいらっしゃるからには、それ相応の決意と抱負を込めてお臨みになるのであろうというふうになれば、何らかのやはりそこに具体的な考え方というものを持ちながら行かれることが望ましいんじゃないだろうか、こう思えてならないわけでございますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(大来佐武郎君) 対イラン問題につきましては、日本が最近とりましたこのEC諸国と協調してということがそのまま回答になると考えております。 防衛問題につきましては、やはり日本側の対応する方向というか、従来着実な増強というようなことで対応しておるわけでございまして、いまの段階では、日本政府として具体的な細かい内容についてまで総理訪米の機会に表明するということにはならないと思いますし、具体的には先ほど申しましたように、来年度予算編成の過程を見てくれというか、その編成の過程で日本政府としても、これは国民のコンセンサス、国会の御論議等いろいろあるわけでございますから、本来自主的に決めなければならない性質の問題でありますから、今回特に具体的な答案を出すという性質のものではないと考えております。
○渋谷邦彦君 いままでお伺いをしておりますと、ずっと繰り返し大体これはこうするという決断の上に立ったその対応の仕方ではなしに、きわめて慎重と言えば慎重、あるいはアメリカ側は不鮮明と受け取るかもしれない、そういうふうな行き方でもって同意を得られるというのか、理解が得られると言った方がむしろ正確な言い回しかもしれませんけれども、十分そういういまお述べになった日本側の考え方を述べるに当たって理解が得られるものであると確信してよろしいわけでございましょうか。
○国務大臣(大来佐武郎君) 私どもの得ております感触から言えば、もちろん向こう側がそれで十分満足するかどうかは別でございますけれども、理解は得られるのではないか、そういう感触を持っておりますが。
○渋谷邦彦君 いずれにしても、抱えている中身が難問と言えば大変難問でございます。日本の主体的な将来に向かっての外交というものに誤りないように、十分その辺をお含みをいただいて、成果ある結果を出していただければなあというふうに思います。 それでは全然条約の方をやらないのもいかがかと思いますので、私三点ぐらい、これから視点をしぼりましてやります。まず最初に、日本とフィリピンの租税条約に関連してお尋ねをさしていただきたい、こう思います。関連してと申し上げるその理由は何かと言いますと、御承知のとおり、フィリピンからは木材その他日本が供給を仰いでいるものがございます。とりわけラワン材、マホガニーというものが、日本にとっても、家具メーカーにとっては非常に魅力ある材料である。ところがこの一、二年来と申し上げた方がいいのかもしれません、非常にこの価格が高騰いたしまして、いわゆる国内産業、国内的に家具関係を中心にしておやりになっている業者といたしましては、もうやり切れないと。原木が高いから、高いままに売ればいいじゃないかということでは成り立たないと。日本には日本の経済の動向がありますので、それに合わしたやはり販売の仕方をしなきゃならぬということになると、結局もう足が出る、もうその赤字もだんだんだんだんしょい切れない状況になってくる。これは恐らく家具の産地を初めとして、日本全国的な傾向ではあるまいかというふうに思えてならないわけでありますが、その業界は業界で、独自の立場で、私どの程度までお調べになったかどうかわかりません。なかなか資料の入手というのも困難である場合もございましょうし、ただその方々から知り得た範囲を通じて、一遍こうした機会に確認をしながらお尋ねをしておきたいなあと思っておりますのは、フィリピンから日本へ入る際に、輸出税、こうしたものがフィリピンの国の財源として徴収される、こんなふうな仕組みになっておるようであります。その課税率がだんだんだんだん高くなって、お調べいただいた内容によりますと、二〇%にも及ぶと。なるほどそれだけの輸出税をかけられて、今度日本へそれが入ってくる。入ってきてからの生産業者までに渡される間、どういう一体仕組みがあるのか。そこでまたどういうふうに価格というものがつり上げられていくのかということがあるようでありますし、そういった点について、ひとつこの機会にそれぞれの関係当局から現状について御説明をいただければありがたいと思うわけであります。
○説明員(渡辺幸治君) 先生よりお尋ねのありましたフィリピンの木材関係に関する輸出税についてお答えさせていただきます。 フィリピンにおきましては、一九七三年、七年前から輸出税の制度が導入されておりまして、御指摘のございましたとおり木材関係についても輸出税が適用されております。現在のところ丸太についてはFOB価格の二〇%の輸出税が課されております。製材、ベニヤについて四%輸出税がかけられております。この輸出税制度については、その理由といたしましては、やはりフィリピンの国内加工業の振興、丸太を輸出するよりも製材あるいはベニヤ板を出したいという関係、あるいは国内の財政収入の確保という二つの目的があろうかと思います。 以上でございます。
○渋谷邦彦君 大蔵省でも、この点については、フィリピンの税体系と申しますかね、いろいろとお調べをいただいていると思いますけれども、いまの外務省の報告にあわせてお述べをいただければいいなと思います。
○説明員(伊藤皇君) お答え申し上げます。 先ほど外務省の方からお答えいたしましたとおりでございまして、われわれの方ではあれ以上の調査は現在フィリピンに関する税制についてはやっておりません。 以上でございます。
○渋谷邦彦君 それから、確かに税率そのものが決して軽いものではないように思えてならないところへもってきて、これはことしの二月に大蔵省が調査をなさったことが報道されております。肉類とかあるいは魚介類だとかあるいは木材等の品目、合計十一品目を対象にしてお調べをいただいた際に、このラワン材等を初め南洋材もその対象になったと、しかもその地域は東京、横浜、神戸大阪、名古屋の五つの税関を中心にして百余りの倉庫を御調査になったんだと。その調査された際にいろんなことを発見なさったようでございまして、特に帳簿類では昨年十一月までさかのぼってどういうふうな流れになっておるのかということを調べられたんだろうと思いますが、そうした一連の調査の中で大蔵省の方が発見された問題点の一つは、特に米材ですか、九回も所有権が変わっていると、こういうことが伝えられているわけです。九回も変わっているということは、これは肉や魚でもよく問題を起こして社会的な問題になるわけでございますが、いわゆる転がしですね、こういったことでどんどんどんどん価格がつり上がっていかないだろうか。輸出税がかけられた、日本へ入ってきてからまたそれが価格操作の関係で実際の生産業者の手元へ入るまでにべらぼうな値段になってしまう、四〇%から五〇%ぐらいの価格上昇を招いてしまうと、こういうようなことが常識的にも判断されるわけですが、実際にお調べになった実態はどうだったですか。
○説明員(伊藤皇君) 大蔵省におきましては、先ほどお話のございましたように、五つの税関を通じましてこの二月に調査をいたしました。その調査の目的と申しますのは、輸入品につきましては必ず一定の場所、つまり保税地域とわれわれは申しておりますけれども、保税地域に貨物を蔵置いたしまして税関手続を経た上でそれを国内に引き取ると、こういうシステムになっておるわけでございますけれども、その保税地域の貨物が停滞するとかあるいは流れが悪くなるというようなことになりますとこれは非常に困るわけでございますので、その保税地域におきます貨物の在庫状況あるいは蔵置期間あるいは転売回数、こういったものが実際どうなっておるかということを調べたわけでございます。 その結果でございますけれども、これは現在その保税地域におきます木材の在庫率でございますが、在庫率が約六〇%でございます。その蔵置期間でございますけれども、大体三カ月ぐらい、約七〇%近くは三カ月以内に外に出ております。それから転売回数でございますけれども、大体二回転売される、二回以内というわけですね。ゼロ、一回、二回と、その合計が大体八六%、ほとんどのものが大体二回ぐらいまでの転売で外に出ておると、こういうような実態が判明したわけでございます。新聞報道、これはわれわれとしては公表した数字ではございませんけれども、先ほど先生お話ありましたように、米材につきましては九回というのが一件でございますけれども、これは特異な例として一件ございました。 およその状況は以上のとおりでございます。
○渋谷邦彦君 いまおっしゃった中で二回か三回ぐらいが平均的に転売されていると、これは商社の段階ですか、卸の段階ですか。
○説明員(伊藤皇君) 転売そのものについては、これは保税地域の円滑化という面からはちょっとやや間接的になりますので、われわれとしましてはその回数だけを調べまして、その間に介在しておる業者というものは、これは今度の場合には調査の対象にしなかったわけでございます。したがって、そこに恐らく輸入者がたとえば商社あるいは卸というようなものがその中に介在しておるかもしれませんけれども、具体的にどういったところがどうだったということはこれはやっておりませんで、回数のみをわれわれとしては調査の対象にしたということでございます。
○渋谷邦彦君 これは恐らく大蔵省でも十分承知をされておる問題だろうというふうに私どもは判断しておりますのは、これはいま木材のことを申し上げておるわけですけれども、特にマグロなんかについては非常にひどい例を私なんかも清水あたりに行きますと聞かされるわけです。しかも、漁協の役員から聞かされるわけです。船でもって全部船一隻でもって買い取っちゃうわけでしょう。買い取ったやつは東洋冷蔵なんかの倉庫にぽんとおさめちゃって、二年も三年もそこへ保管しておく。そして紙だけでもってその売買がなされる。どんどんどんどん魚価が上がる。いわゆるもう典型的な価格操作ですわな。そうして市況をずっと見ながら、売りどきだなというとばっと出る。結局最終的にはわれわれがこのしわ寄せを受けなきゃならぬというようなことで、木材関係においても同じようなことが考えられるのかなという大変素朴な疑問がそこにまた出てきたわけ。その辺の判断はどういうふうにお持ちになっていらっしゃいますか。
○説明員(伊藤皇君) われわれといたしましては、冒頭にお話し申し上げましたように保税地域の円滑な運営、こういう観点から、と申しますのは一保税地域が非常に混雑いたしますと、そうすると入ってくる輸入貨物が全然そこでとまってしまいまして、そこから出ていかないというようなことにもなりまして非常に混雑する。混雑いたしますと、そこで実際に税関手続を経て国内に流れるものか、あるいはそうでなくて何か密輸のようなことでどんどん流れてしまうということになるとこれは大変でございますから、われわれとしてはその保税地域がきれいになるということ、これを主眼にしてやっておるわけでございます。したがいまして、今度の調査というのはそういう価格について追跡するということは、これはわれわれとしては税関の立場としてその価格はどういうふうになっていくかというところまでは、これは税関の機能上ちょっとできませんので、御了承願います。
○渋谷邦彦君 ところで、これはどこで調べられたかわかりませんが、木材の滞留期間、先ほどもちょっとお述べになった大体三カ月ぐらいでみんな出払っちゃうのが大体いままでの常識である。ところが二カ月から三カ月が五四・四%、四カ月から六カ月二八・三%ということで二カ月から六カ月占められる割合というものが非常に多い。そうするといまおっしゃったように、われわれもすぐ考えられることは、おっしゃるとおりだと思うんですよ。入ってきた、できるだけ早く市場に出、そしてまた業者なら業者に渡っていくという、そういう流れが一番好ましいと思うんですね。しかし実際にこうして見ると、輸送の関係だとかいろんなそういう障害的な要素もあるでしょうし、なかなか滞留期間がちょっと長過ぎはしまいかなと、そういうときに大蔵省としては、促進的な行政指導というものを別におとりになるお立場ではないのですか。
○説明員(伊藤皇君) 先ほども申し上げましたように、保税地域が非常に混雑いたしますと、これは税関の機能というのが役割りを果たせませんから、だから当然混雑したときには、それを税関の通関が終わったものについては早く出しなさいということは、われわれとしては行政指導は常にやっております。先ほど最初に申し上げましたように、現在の在庫率というのが約六〇%でございますので、ただいまのところではそれほどの混雑ではないというのが現状でございますけれども、繰り返しになりますけれども、混雑した場合にはこれは常にそういう早く出すような指導はしております。
○渋谷邦彦君 本当はもっとその辺を精細にお聞きしたいところなんですけれども、お立場上そうしたこと以外にそれ以上のことはお伺いできないだろうというふうに思います。きょうはせっかく林野庁の方も来ておられますので、確かに国内産の木材というものがようやくこれから、何といいますか、木材として対象になっていく、そういう新しいいま段階を迎えているが、なかなか国内産の木材に依存できない。したがって外材に依存する割合というものが非常に大きいだろう、どうしても外材中心と、こうなります。しかし外材にもこれは限度がございますね。確かにフィリピンあたりから入ってくるラワンだとかあるいはマホガニーあたりを考えてみても、どんどんどんどん伐採していったんじゃ山が裸になっちゃって、それが生育するまでは五十年から百年ぐらいかかっちゃうというようなことはこれも常識的に考えられる。そこで外材に依存しなければならないという日本のそういう国内情勢、そういった立場に立って輸出税は二〇%かけられる、あるいは入ってきてからどこで価格操作が行われるかわからないけれども、それで実際に業者の手元に入るときには大変な値段になっちゃってもうどうにもならない。これは特に中小企業でございますから、中小企業の苦しい深刻な立場を考えると、何とか道を開いてその方々に一つの光明を見出せるような方法というものは考えられないんだろうか、これは林野庁のお立場として、いろいろ国としてあるいは技術協力だとか、いろんなそういう協力の面でこうもしている、ああもしている、で、いま私がこうして問題にしている点についてはこうであるというようなことを、知り得る範囲でひとつ述べていただければありがたいと思いますね。事フィリピンに関してだけで結構です。
○説明員(山口昭君) 御指摘ございましたように、現在わが国の木材の供給状況を見ますと七割くらいが外材になっております。三割くらいが国内材ということでございまして、大半が輸入に依存しているわけでございます。その中で一番大きな割合を占めるのは、南洋材と申しましてフィリピンを含めまして南の方から入ってくる材でございまして、数量では二千二百万立方ぐらいの量になります。かつてわが国ではフィリピンから最も多く輸入しておりましたのですが、最近では激減いたしまして、かつて一千万立方程度だったものが、現在百五十万立方ぐらいになっておるわけでございます。そういうふうに極端に言えばフィリピンのようなものは非常に資源がなくなってきておるわけでございまして、産地国におきましては資源の制約が高まり、あるいは国内の工業化のためにできるだけ原木を輸出しないで製品を買ってもらいたい、こういう希望があるわけでございます。そういうことから昨年あたりは非常に輸入の規制が強まりまして、御指摘ございましたように輸出税のほかにロイアルティーといいまして木材の伐採税を付加するとか、そのほか造林税でありますとか、いろいろあるようでございます。そのほかに、六割ぐらいは輸出してもいいけれども四割ぐらいは国内で使えということを義務づけるとかいろんな手だてをしているようでございまして、今後いままでのように大量に上質の材を輸入していくということがなかなかむずかしい状態になっております。 そこで私どもとしては、外材対策としていま検討を重ねているわけでございますが、考えられることが数点ございます。一つは何を置いてもその木材生産国におきます資源の造成をやはり基本的に図る必要があるということでございます。そういう意味ではフィリピンにおきましても国際協力事業団の立場でいろいろ造林の協力をしておりまして、それなりに先方の評価も得ているようでございます。そのほか技術改善もしなければならないということでございます。二番目に、未利用樹と申しましていままで利用していない木材を使う。ラワンのような非常に太い大きな木は減ってまいりましたから、使っていない木をできるだけ上手に使うということを研究しなければならぬと思います。それから三番目に、ちょっと角度が違いますけれども、原料転換ということも考えなければいかぬだろう、わが国の木材もだんだん伸びてきておりますから、間伐材と申しまして間引きのような木材が出てまいります。これらにつきましても上手に使うとか、その他ニュージーランドなどからは相当輸入も期待できまずから、こういう針葉樹を使っていくとかそういう意味での原料転換も必要かと思います。それから四番目には、相手の国は基本的には工業化を希望しているわけでございますから、やはりわが国といたしましてもできる限りの技術協力、資本協力等におきましても協力をしながら東南アジア諸国との間の協調関係を保っていくということが基本的に必要ではないかというふうに考えております。
○渋谷邦彦君 いまお答えをいただきまして非常に鮮明になったと思うんですが、まあ量的には激減と、しかも輸出税のほかに伐採税、そうしてまた量的に激減、しかも需要が多い、こうなりますとどうしてもその面のやはり希少価値を生みますので、それが価格にはね返ってくる。こんなやはり価格にはね返ってくるということも事実でしょうか、どうでしょうか。
○説明員(山口昭君) 事実です。原木の価格も非常に上がっております。最近は需要が減退しておりますので現在小康を得ておりますが、かってに比べますとかなり原木は価格が上昇しておる。これに加えまして円安とそれからフレートでございますが、油が上がりましたので相当上がっております。そういうことで輸入いたしました材の価格が国内で相当上がっておるということは事実でございます。
○渋谷邦彦君 恐らく依存度の高かったフィリピンがそういう状況、あるいはインドネシアあたりにも、類推的に考えていけば同じようなことが判断できるんではないだろうかなと、そうすると勢い国内でもってそうした木材を中心とした生産業は何かこう将来展望が非常に暗い。先ほど国際協力事業団やなんかの応援を得て植林事業もやっている、しかしそれが実際に効果あらしめるような状況に至るまではまだこれから二十年、三十年かかるであろうと、その間待てない、高いものを買わなきゃならない、もうどっちを向いてもどこにもならぬ、国内材も決して安いとは言えない。その辺の、特に木材を加工したり何かして業としておられる方々、いまずっと伺ってみますと、とにかく外材に依存する度合いが高いだけにきわめて前途は悲観的な展望しか考えられないんじゃないかなと思えてならないんですが、その辺いかがですか。
○説明員(山口昭君) 先ほど申しましたように、わが国の国内材の供給力、現在三割くらいでございますが、実は昭和三十年代ころから非常にわが国の造林が進みまして、わが国は一千万ヘクタールくらいの人工林をただいま持っております。非常に大きな面積でございます。これらの人工林が次第に育ってまいりまして、現在二十年生、平均しますとそのくらいになっておるわけでございまして、これらの木材が、まだ十二年か十五年ぐらいは成長期間を要するわけでございますが、資源といたしましては次第に力がついてきておるという感じでございます。したがいまして、これからはそういった将来におきます。一口に言いますと国産材時代というような時代を迎えるかもしれないと思っておるわけでございますが、それまでの間にわが国の山村に住んでおります林業に携わっておる人方を維持していくこと、それから山林の技術でございますが、山を育てる技術がそれまでつながっていくように今後考えることが非常に重要ではないかというふうに考えております。
○渋谷邦彦君 それではその木材関係は以上で終わりますので結構でございます。 次に、アルゼンチンとの文化協定、条約がたくさんあるものですからとにかくもうこれは忙しいものですね。もうすでに文化協定を締結している国が、たしか私の記憶では今回入れると十七カ国になるんですか、大変うたい文句はまことに結構。ただ、今後やはりこれを具体的にどう推進するかということが大きな課題であろうかというふうに思えてなりません。いままでこの文化協定が結ばれても、具体的にその成果というものはどういうふうにあらわれているのか。もちろんこれから人的な交流を中心として学術交流だとか、あるいは教育の交流だとか留学生の交流だとか、いろんなことがすぐ思い浮かんでくるわけです。国柄によっては何を一体優先的にこれはやらなきゃならぬかということも出てまいるでありましょう。 さて、今回のアルゼンチンとの間に結ぼうといたしておりますこの文化協定、これを中心として今後日本としてはどういう形で具体的に文化協定を軸にした交流を進めていかれようとしているのかというその方向をまずお伺いしておきましょう。
○説明員(平岡千之君) お答えいたします。 確かに先生御指摘のとおり、文化協定は、それができたことによって量的に著しく交流が大きくなるというような性質のものではないわけでございます。これは、協定の締結に際しまして特別なそのための予算措置というのが組んでないことからも御推量されるとおりでございます。しかしながら、この協定の締結が交流の進行に少なくとも質的向上の上で役立ちますことは、種々の観点から言えることでございます。すなわち、協定の締結そのものがすでに相手国との間の友好のムードを高めるわけでございまして、国民の関心がそれぞれ相手国に向けられるということ。二番目に、この協定があることによりまして、両国間で従来まで行っております種々の便宜供与とか協力とか、そういう関係が法的な基礎を与えられるわけでございますから、協定がなかった場合には、極端な話、あるとき突如相手国に対する交流をストップしても、協定がない以上は何も文句が言えないわけでございますが、この協定によりまして、お互いに交流の促進を約束し合っておるわけでございますから、その意味におきまして、一つの安定的な法的な基礎が与えられるということでございます。 最後に、この協定ができましたために随時協議の規定、これはこの協定にもあるわけでございますが、この協議を通じまして両国間の種々の文化交流上の問題点を話し合う場ができたわけでございまして、こういう場を通じまして、交流に伴う細かい問題に至るまでいろいろ解決していくと、こういう効果があるわけでございます。そのような協定ができますことによりまして、きめの細かい質的な面での向上は少なくとも図られるわけでございますし、全体の量的な促進につきましては、これはやはり予算の枠、文化交流上の予算の枠全体が大きくなることが強く望まれるわけでございまして、御案内のとおり国際交流基金の資金などは毎年ふえてまいりまして、ただいまでは四百七十五億円ございますが、これがさらに伸びることを、それからそのほかの文化関係の交流の予算がふえることを私ども期待いたしますとともに、そのようにいわば単位が大きくなることによって、アルゼンチンへの分もふえるということを期待するわけでございます。 アルゼンチンにつきましてどういう方向に重点を置くかという点につきましては、私どもこの国がわが国の外交政策上持っております若干の特性を反映いたしまして、それなりのやり方があると考えております。これは従来もある程度たどってきた道でございますけれども、まず第一にアルゼンチンその他中南米諸国は、一口に言って中進国という地位を占めておるわけでございます。その点から、われわれの実際の措置に反映される問題といたしましては、たとえば非常な後進国の場合に行われているところの文化援助、文化協力とも呼んでおりますが、こういう面の要素も若干必要であるし、またそれとともに先進国とやっておりますところの水平的な本当の交流でございますね、言うならばギブ・アンド・テイクと申しますか、そういう面の交流もある。すなわち援助的な色彩と水平の交流の関係とともにまぜ合わせたようなもの、これがアルゼンチンに限らず中南米という中進国地域の特徴でございます。そのほかのこの地域の特徴といたしまして、非常に均質なかなり高度の文化、ラテンアメリカ文化と一口に言っていいと思いますが、こういうものがかなり均質に存在する地域でございますので、一定のいい企画というものはこの地域に巡回する。たとえば舞踊団とか音楽団、昨年などは宝塚歌劇団が参りまして、アルゼンチン、ブラジル、メキシコと回ったわけでございます。このような形のことがやりやすいというのが一つの特徴だと考えます。 また、三番目には、こういう地域全体につきまして、非常に日系人、日本人の移住者の存在、それらの方々の二世、三世の存在もございますので、こういう人たちを通じまして日本というものに対する理解というものがかなり進みやすい地域である。東南アジアほど日本のプレゼンスがないかもしれませんけれども、そのようなそれぞれの特色に応じまして、われわれの措置がそういう特色を反映するようなものであるように心がけております。
○渋谷邦彦君 しばらく前にも私は経済交流よりも文化交流というものを優先すべきであると、それが平和外交展開の上で一番の骨組みになるであろうということを申し上げたことを記憶しております。具体的にこうして協定が結ばれた際にふと思い出すことは、なるほどいまずっと述べていただいた、いわば長いことそういう面での取り組みをなさってこられた方ですので、いまおっしゃったことは重々私も認識をしているつもりです。ただ、アルゼンチンの人が日本に対してどういう認識を持っているか、恐らくゼロに近いであろうと。今度は逆に日本人がアルゼンチンを見た場合に、知っているのはアルゼンチンタンゴと肉ぐらいである。これじゃ話にならぬわけです。はっきり申し上げて。それで、そこにやっぱり個人的な交流というものがなければならぬでしょうし、あるいは文献的ないろんな交換というものも必要になってくるでしょうし、いろんなそういう具体化した積み重ねの上で両国間の理解度を深めるということ、そうしたところから平和への一つの兆しというものが芽生えていくのではないか、そういうことも決して私はむだな努力ではないであろう。文化協定なんというと、さっとこんなものは当然だ、あたりまえだ、これはやって何の害もないというような発想であるならば、むしろやめた方がいいというようなことにもなりかねないわけですね。 そこで、私はいま申し上げたように、これからせっかく結ばれるんですから、ある程度の展望とビジョンというものを持って、しかもいま中南米では文化協定が結ばれているのは私の記憶ではメキシコとブラジルと今度のアルゼンチンとたしか三カ国であったろうと思うのです。確かに中進国です。まずそこらあたりをきちっといま申し上げたような方向に立って、それからまだまだ発展途上国があるわけですから、イランだ、アフガンだといってそっちの方に目が向いていると肝心ないままでの歴史と伝統に築かれてきたそういう国々と断絶をしてしまう。きょうは時間があれば本当は去年のビデラ大統領が来たときのいきさつを私は申し上げたかった。もうまるで木で鼻をくくったみたいなあいさつで、それは大平さんが総選挙のショックで余り物も言えなかったという気持ちもわからぬわけじゃないけれども、それでは本当の日本外交の展開はできないだろうとぼくは思うのです。非常に残念であった。ですから、今回結ばれる文化協定というのは、多少でもわれわれの苦言を薬にしていただきまして、実りあるそういう協定を結んだ以上実効ある具体的な方向へぜひ取り組んでいただきたいという展望を申しあげて、ぼくの時間が来てしまったから、まだ条約は七本残っているのですが、これでおしまいにします。
○立木洋君 条約もたくさんあるし、聞かなければならないこともあるし、時間が限られているわけで、先ほど来問題になっておりますイランに関する問題でお尋ねしたいのです。 ECの外相会議に出かけられたわけですね、あれの本当のねらい、目的というものをもう一遍聞かせてくれませんか。
○国務大臣(大来佐武郎君) 特に四月七日にアメリカのイランとの国交断絶がありまして、情勢の緊張が一段と深まった印象を受けておったわけでございますが、その後、そういう情勢の中で特に日本及び西欧のいわゆるアメリカの友好諸国に対する具体的な協力の要請もあったわけで、その場合に私どももわりあいに似たような情勢に置かれております西欧諸国との話し合いが必要なのではないかという感じを持っておりまして、在外公館等からもいろいろと西欧諸国の対応の仕方などの情報をとっておったわけですが、そこにたまたまEC会議のリスボン会議の決定とそれに対する協力の要請もありまして、日本としても協力しようという態度を決めたわけでございますが、そうなりますと、やはり向こうが決めたことをそのままこちらが受け取るということでは困るのではないか、日本の考え方も伝える必要もあるし先方の考え方も直接聞く必要があるのではないか、そういうことで、これは総理とも御相談をしておったのですが、そういう情勢を踏まえて、ちょうどルクセンブルクに九カ国の外相が集まる機会でもあり、多少他人のお座敷でございますからちゅうちょはしたのですが、むしろその会議には当然出られなくても、主な外相にその機会に会えればそういう意思交換、意見の交換の機会が得られるだろう、大体そんなことでした。
○立木洋君 先ほども問題になりましたが、イランの石油供給の停止につながる、日本からのイランの石油値上げを拒否したこと、これが大来さんがECの外相会議に行かれる直前に拒否したという理由は何ですか。
○国務大臣(大来佐武郎君) 交渉は四月の初めかあるいは三月の末からやっておったかと思うのでございますが、たまたま四月二十日が一つの回答の期限になったと承知しております。それまでにLCは旧価格のままで積み込みが行われておるという話でございましたけれども、イランの石油の船積み停止は私はルクセンブルクで聞いたわけでございますので、タイミングとしてはほぼ同じことになりましたが、むしろタイミングが偶然の一致だったと言えるかと思います。
○立木洋君 それはちょっと、時間的にただ偶然に一致したということではなくて、たとえば十九日の日に大平総理が大分で述べられた発言の中で、事情はどうであれ対米協力をしなければならないということをはっきり述べているわけです。そうして、先ほど午前中伊東官房長官が来られて、結局は、政府としてはこれは商業ベースということなんだけれども、記者会見で、大きな意味で言えば同調ということでもあるということも述べられて、そういう発言をしたということも否定されなかったわけですね。この問題で結局アメリカ側は積極的にこれを歓迎したわけですよ。それは大来さんがどのようにお考えになるかは別として、このことがもたらしたECの外相会議に与える影響や、その他のいまのこういう米イ関係に与える影響という意味では、どのような意図をこちらが主体的に持とうとどういう結果、つまりどういう波及効果をもたらしたというふうにお考えですか。
○国務大臣(大来佐武郎君) これは受け取り方はそれぞれの国の立場で自由なわけでございます。ただ、ルクセンブルクで私が申しましたのは、これは日本は商業的な理由で行ったのだという説明をしたわけでございますので、それ以上のことはないと思っておりますけれども……。
○立木洋君 通産省の方にお尋ねしたいのですが、いまイランから入ってきている石油、原油ですか、これが月平均すると六十五万バレルとかいうふうなお話ですが、これがいまのような形で供給が停止されたという場合にはこれらの石油の輸入が保証される状態というのはあるのですか。
○説明員(浜岡平一君) 大変僭越でございますが、先ほどの御質問につきまして私どもの理解しておりますことをちょっと先に御説明させていただきたいと思います。
○立木洋君 簡単で結構ですからね。
○説明員(浜岡平一君) はい。 従来、値上げがございますと大体一週間から十日ぐらいの間は旧来の、昔発行したLCで船積みをするというのが通例の商慣行でございます。今回の場合も、大体二週間経過する前後のころから、新価格に見合うLCを発行するようにという請求はたびたび来ておったわけでございますが、新しい価格に見合うLCを出しますと値上げを認めたことになってしまいますので、旧価格のLCで船積みは続けてほしい、差額の調整といいますか、後始末は話し合いが済んだところで決めようではないかという提案をいたしておりましたところ、十八日の日に、日を切りまして、ぜひこの日以降は新しい価格のLCを出せというような要求をしてきたという経緯をたどっておりまして、先ほどもちょっと御説明申し上げましたが、契約上は、きちんとしたLCが出ませんと船積みをとめることができるという権利を売り手の方が持っておりまして、その契約条項上の措置を向こうは行使した、いわゆる船積み停止というのを特別にやったわけではない、契約上の手順に沿って行動しただけだというぐあいにイラン側は説明をいたしておるわけでございます。 なお、御指摘のように月によってかなり変動しておりますが、イランへの依存度は一〇%から一五%の間ぐらいで毎月動いております。果たしてどれだけの期間向こうからの供給がとまるかということもなかなか予断がむずかしいわけでございますが、現在は大局的に見ますと世界的に需給は非常に緩んでおります。産油国の方も百万とか二百万バレル減らすというような単位で減産しようかというような動きを見せておる時期でございますので、価格面では十分に注意をしなければならないと思いますけれども、ある程度の期間がたちましたら相当程度の回復をする、穴埋めをするということは不可能ではないと思っておりますが、しかし日本にとりましてはきわめて重要な供給ルートでございますので、やはりできるだけ早くお互いに納得のいく線で新しい供給体制というものが確立されることが望ましいことだというぐあいに考えております。
○立木洋君 課長は、多少短期的にでしょうけれども、楽観的な見方をされましたけれども、いまの情勢では、私はなかなかそういう楽観的な見方でずっといける状況ではないだろうと思いますよ。いまの状況は、おっしゃったように、確かにそういう事態ではありますけれども、だからこれが長期化すると大変なことにならざるを得ない。その場合に、きちっと供給が保証されるのかどうなのかと。事実上またスポットに走らなければならないような事態が起こりかねない、そういう可能性さえ私はあるのではないかと思うんですね。長期的に見れば、全くそれは皆無だ、そんなことは決してございませんというふうに言い切れる状況ではないだろうと思うんですよ。 それで、価格の問題で先ほど言われましたけれども、結局あれでしょう、先ほどのお話によりますと、一バレルいままでイランからの購入が三十二・五ドルですか、それが今度三十三・五ドルで五〇%プレミアムつけてそしてそれをならすと、一・五ドルで三十五ドルになるというお話でしたですよね。そうしますと、これはマーケットによって先ほど違うと言いましたけれども、ロッテルダムの方では三十五ドル。最近若干状況は変わって三十四ドル前後まで下がってきているというふうなお話ですが、価格の問題で言えばこの三十五ドルがきわめて高くて、それよりきわめて安い価格で購入できるという保証は他にあるんですか。
○説明員(浜岡平一君) 大変むずかしい御質問なんでございますが、一例を申し上げさしていただきますと、すでに向こうの初船積みが終わっておりますが、メキシコからの供給が四月から始まっております。日本へ到着するのが五月だと思います。年末までに十万バレルのレベルまでかさ上げが行われるという約束になっておりますが、この価格が三十二ドルでございます。その他現在いろいろなところでDD取引の拡大、増量あるいはその新規締結の話が行われておりますけれども、三十五ドルより低いレベルの調達をすることが現在のマーケットの状況では非常にむずかしいという状況ではないのではないかというぐあいに思っております。ただ、長引きますとどういう状況になるかということにつきましては、GG等の増量も努力次第ということであろうかと考えております。いずれにしましても、現在かなりの備蓄水準でございますので、そう無理をしないでカバーをすることができるのではないかというぐあいに思っております。
○立木洋君 メジャーなんかでも、CIF価格ではいま三十一・七五ぐらいですね。だから短期的に見ればこれはあなたがおっしゃるようなこともね。だけど、長期的になればこれは非常にむずかしい事態になるだろうと思うんですね。衆議院では大来外務大臣が、この事態に関しては深刻に受けとめておりますというお話をされたそうでありますけれども、私は、つまりコマーシャルベースというふうに一概におっしゃって、それでこの問題は、そういう態度をとったのはまさにコマーシャルベースであって、それ以外の何ものでもございませんという意味では私はないと。つまり、それがもたらす影響というのは、いま述べられたように短期的にはいろいろと手だてが尽くせるにしても、仮に日本の輸入量の一〇%から一五%という原油の輸入供給源を、いわゆる事実上断たれるというふうなことになるならば、これは長期的に見れば、価格的に十分にそれより安値で量的にも保証されてというふうなことにならない状況が起こってくるとするならば、これは大平さんの言うように、結局は多くの犠牲があってもそれはやむを得ないと、ただから事情がどうであれ対米協力をしなければならないという政治的なねらいを持った行為であるということが、事実上アメリカから歓迎されている結果になっているんじゃないかというふうに言わざるを得ないと思うんですが、大臣いかがですか。
○国務大臣(大来佐武郎君) 一つは、これはIEAの申し合わせがございまして、国際価格からシャープリー・ディファレントな値段では買い付けをお互いに自粛するという石油消費国の間の申し合わせがございます。それをやらないと必要以上に石油価格が高くなるという事情は確かにございます。それから衆議院で申しましたのは、長期に続けばやはり影響が出てくるだろうということも申し上げたわけですが、これも状況がなかなかわからないわけでございまして、日本が買わない場合に日本が買わない分だけの量をイランが減産をするのか、あるいはよそに売るかということによっても影響が違うと思います。もしよそに売れば世界全体の石油需給にそれだけ供給が変わらないわけですから、売り先が変わるということで需給関係から見れば変わらないわけでございまして、そういう場合にはどこかほかから入ってくる可能性も多くなってくる、あるいはスポットに出回るものもふえるかもしれない。いろんな事情があると思いますので、状況によって影響は違うと思いますが、いま通産の方から答えたような状況で当面は何とかカバーされる状況にあるのではないかと私も考えておるわけです。
○立木洋君 ですから私が言っているのは、三十五ドルでさっと買った方が結構ですという意味じゃないんですよ。それはコマーシャルベースならコマーシャルベースとしての努力の方法をもっと考えるべきであったと。問題はこういう重大な背景がある状況のもとで、いわゆる特別な政治的な意味を持つことになっているわけですよ。現にアメリカがそういう制裁を求めてきたときに最も早く、大来さんが理解できるという態度を表明されたのは世界でも早いですよ。そして今回のこういう事実上イランの石油供給停止を導き出すような価格の拒否というふうな態度をとったのも、これは日本が初めてですよ。これはそういう意味ではアメリカが結局歓迎しているわけですね。 それで大来さんが先ほど言われたように、いろいろECと共同歩調をとるために意見の交換に行かれたというけれども、結局そういう態度を表明してECの議長国であるイタリアの外相が、日本の考えあるいは事情は理解したので、それをもって二十二日の会議に臨みたいということを大来外相に表明したというふうな報道もあるわけですね。そうすると、ECの会議にいわゆる影響を与えるような役割りを日本が担ったというふうな考え方もされないわけではない。このあたりはどういうふうにお考えですか。
○国務大臣(大来佐武郎君) 前段の点でございますが、日本だけじゃなくてイギリスも値上げに応じなかったわけでございます。まあイギリスと日本、ですから日本だけがやっておるわけではございません。 それから、まあコロンボ・イタリア外相にもお会いしましていろいろ話し合いもしたわけでございますが、いろんな日本の事情を申したわけで、それは理解したというので、もちろんEC諸国の考え方を知ることと日本の考え方を先方に知らせるということが今度の出張の目的でございましたので、その意見交換の結果、多少はECの会議の議論にも影響があったかもしれませんけれども、これは私ども参加してないものですから、またEC諸国の中にもいろいろな意見があったようでございますから、どの程度日本との意見交換が影響したのか、それは私どもには何とも言えないわけでございます。
○立木洋君 それはイギリスもやりましたけれども、それは率先してやった方の部類なんですから、そういう意味で私は述べたわけです。それで、結局こういうような対応をとっていけば、午前中も問題になりましたけれども、いわゆるイランの人質解放に応じるというふうな成算はどうですか。
○国務大臣(大来佐武郎君) これはもう正直なところ何とも言えないと思います。ただ、こういう緊張状態で少しでも緊張の緩和に役立つ、それからもう場合によると今度の措置が人質解放に効果を示すかもしれないということを考えておるわけでございます。
○立木洋君 人質解放、平和解決ということは大臣繰り返しおっしゃっているわけですが、この人質解放を実現するかぎは何だとお考えですか。何が最大のネックだとお考えですか。
○国務大臣(大来佐武郎君) これは何といっても人質を握って解放の決定権を持っているのはイランでございます。そのイランの大統領かホメイニ師か学生か、その辺は多少はっきりしないところがございますが、そういうとにかくイランで決定力を持つ人たちが国際世論にこたえて、やはりその人質を解放した方がイランの将来のためにいいということを考えるかどうかというのが一番重要なかぎになると思います。
○立木洋君 それはおっしゃるようなことで言えばそういうことになるんですけれども、それではなぜ人質をとるというふうな事態にイランが至ったんでしょうか。
○政府委員(千葉一夫君) 学生と称する、ミリタンツとアメリカで言ってますが、若い人の一団がアメリカの大使館に乱入しまして、そしてそこの人を人質にしたわけでございまして、そのときのバザルガン政府はそれをやめさせようとしたわけでございますが、バザルガン首相はいろんな意味で政治的に失脚したわけでございまして、内閣がかわったわけでございますが、いろいろと外相が努力しましたけれどもみんな交代させられると。結局何ということなしにイランの支配者、イランの為政者、ついにはイラン政府が何かこの人質というものを、人質をとったことをバックしていくような形になったわけでございまして、これは何月何日から、いつからこうはっきりなったとは言いかねるわけでございます。結局そうなってしまいますと、そのこと自体が一つの何といいましょうか、勢いがついたようなふうになりまして、ずっと今日に至っておるわけでございます。現在、本質的にずばりそのものを言いますと、やはりイランの内政と非常に関係が深いということが言えるかと存じます。
○立木洋君 大臣、去年の一月ですね、二月ですか、イランで革命が起こった。この革命が起こったことについては衆議院の外務委員会では理解できるという趣旨の答弁がありました、私も聞きましたけれども。結局、一九五三年にモサデグの政権が転覆されたのはアメリカのCIAが介入して、武器あるいは大量の資金を投入して、そしていわゆる石油の支配権を事実上握るということで一九五三年やったわけでしょう。そしてこれはもうアイゼンハワー大統領の回顧録の中でも明確に述べられていますから、間違いない事実なんですが、それからまた今度、昨年の一月ですね、つまりイランで新しい革命が起こるという、そういう状況を察知してハイザーNATO軍副司令官をイランに派遣して、事実上軍部クーデターを起こして、そういう新しい政権ができないようにする、これは事実上失敗しましたけれども、そういうやり方をしてきた、それからパーレビに対するやり方でも、イランの国民を逆なでするような対応を次々アメリカがやってきて、今度は言うことを聞かぬからと言って武力で圧力をかけるに至るまでのそういう対応をしてきたと、このことについてはこれは結構なことだというふうにお考えなんでしょうか、このアメリカのこういうような対応の仕方というのは、歴史的に見て。
○国務大臣(大来佐武郎君) これはアフガニスタンのケースと比べてみるとどういうことになるか、二年前に共産圏政府、まあソ連から大ぜいのアドバイザーが入ってでき上がりまして、その政権が国民の支持を得ないで情勢が変わりそうになる、これを直接ソ連が軍隊を入れて、その影響のもとに新しい政府をつくったと、まあこれはソ連なりのやり方だったと思うのでございます。スーパーパワーズがそういうパワー・ポリティックスを用いることはやはり民族自決というような精神から見て望ましくないということもあると思います。ただイランの場合には、そのことがモサデグ時代のことは過去のことになっておるわけでございますし、そういう行き方が仮に事実であったとすれば、いまのような精神からいっても望ましくない面もあるように思いますけれども、ただ現在これを余り議論することは、とにかく人質が非合法的につかまっているわけでございますから適当でないと思います。
○立木洋君 アフガニスタンに対する問題でも、われわれは独自に調査したところによれば、あれはソ連がクーデターが起こる前の九月から、外務次官を派遣してアフガニスタンの政府を転覆する、そういう策謀をやっておったんですよ。だからこそ私たちは民族の主権を守るという観点から見て、アフガニスタンに対するソ連軍の介入ということを絶対認めないという態度をとったんです。これはソ連の場合も、またアメリカの場合であろうと、そういうやり方はどちらであろうとこれは許してはならないことだと思うのですね。大臣もそういうことが事実であるとするならば好ましくないとおっしゃいましたけれども、そういう点がやっぱり問題としてわれわれはっきり見なければならない。今度の日本政府がとるというあれというのは、見ていきますと、相手の出方によって現在は一定の非経済制裁である。つまりあれでしょう、外交措置を第一段階はとるわけですね。第二段階になると、今度は経済制裁に、五月の十七日までに解決できなかったらと。だからこれは言うならば、結局、相手の出方によってだんだん圧力をかけていって言うことを聞かせようとするというやり方だと思うのですよ。そうしたら言うことを聞かないならどこまで制裁の手を伸ばしていくのかと言うと、結局、武力にまで通じていくというふうに論理的にはならざるを得ない。これは先ほど千葉さん、午前中でしたかね、午後だったか、述べられたけれども、ローデシアに対する経済制裁の場合ね、あれは日本政府というのは経済制裁というのは効力があるかどうか疑問であるというふうな立場を私はここで何回か、南米、ローデシアの問題等々について質疑をしたときには答えられた。そういうことでなくて、もっとほかの方法で解決すべきであるというのが日本政府の考え方だということを言われた。ところがイランの場合には、アメリカから言われてくると、それに同調して経済制裁という段階にまでいく、そういうようないわゆる相手を屈服させるというふうなやり方で、このイランの問題を解決するというのは、これは私は筋が通らないんじゃないかと思います。これはイスラマバードで開かれましたイスラム諸国緊急外相会議がありましたよね。あの中でも、イランとアメリカが紛争を平和的に解決するよう要望するということをはっきり述べてありますし、そして、イランその他のイスラム諸国へのいかなる形の力の行使や干渉及び経済制裁にも反対すると。これはイスラム諸国というのは、日本との関係でもいろいろ深い関係がある国というのがあるわけで、こういうような力の圧力でやっていくということになれば、これは今後大変なことになっていくという、そういう選択を日本政府がしたということになるんですが、この点はいかがですか。どういうふうにお考えになっていますか。
○国務大臣(大来佐武郎君) そういう深刻な事態にならないように、人質の早期解放を求めるというのがいまのアプローチだと思います。これは、五月十七日の期限までに実現しない場合には、今度は経済制裁という段階に移るわけですけれども、しかし、日本やヨーロッパの立場としては、あくまでもアメリカが武力行使をすることを避けたいというか、その自制を求めるということの一つのあらわれだと思うんですが。
○立木洋君 もう時間がないから、これを最後の質問にいたしますが、アメリカがベトナムに対する侵略戦争をやったあの長期の歴史を見てみますと、大変などろ沼に入っていった、民族主権を侵害する状態からどろ沼に入っていったというふうな歴史的な経過がありました。先ほど言いました人質解放のかぎというのは何かという問題は、これは何回かイランの方でも述べたことがある。だから問題は、いまおっしゃるように、武力介入に至らないように、結局アメリカの制裁に徐々に同調していく道を歩むというのは、私はこれは論理の予盾じゃないかと思うんです。だから、もっと私は言うならば、先回も政府にも申し入れましたように、アメリカの対イラン制裁措置には同調しないということ、きっぱりと態度をとると。それから第二点目には、もちろん海上封鎖などアメリカの対イラン軍事計画、これに同調しないし、それにまた日本の基地を使わせるようなことは一切しない。三点目は、人質の解放というのは、アメリカがそういうような制裁を加えるというふうな対応ではなくて、過去の自分たちのとってきた点についても反省もし、そして話し合いによって解決するという道をとれば、私は開けていくと思うんです。だから、イランに対してどういうふうな対応をしていくかということではなくて、問題はそれだけでなくて、いわゆるアメリカに対してどういう対応をとっていくかということが私はもっと重要なモメントになるだろう。そういう意味で、こうした立場に立って、アメリカに行ってもきちっと対応をとるようにということを最後に要求したいんですが、その点についての大臣の回答を求めて、私の質問を終わります。
○国務大臣(大来佐武郎君) 対応のやり方につきましては、いろいろな対応のあり方があると存じますし、ただ、それについてのどういう選択をするか、目的は仮に平和的解決で共通でございましても、いろいろな対応の仕方がある。私どもの考えておる対応の仕方というのは、本日いろいろ申し上げた考え方で、やはり非軍事的な面での対米協力の姿勢を打ち出すことによって、それ以上のステップにいくことを防止するということが、しかも、それは西欧と日本というアメリカにとっての友好国がそういう政策をとるということが、平和的解決の一つの力になり得るのじゃないかという判断をいたしておるわけでございます。 —————————————
○委員長(石破二朗君) 委員の異動について御報告いたします。 本日、安孫子藤吉君及び大鷹淑子君が委員を辞任され、その補欠として岩上二郎君及び久次米健太郎君が選任されました。 —————————————
○委員長(石破二朗君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 まず、日本国政府とアルゼンティン共和国政府との間の文化協定の締結について承認を求めるの件を問題に供します。 本件に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(石破二朗君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 次に、所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とハンガリー人民共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件を問題に供します。 本件に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(石破二朗君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 次に、所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とポーランド人民共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件を問題に供します。 本件に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(石破二朗君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 次に、特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約の締結について承認を求めるの件を問題に供します。 本件に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(石破二朗君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 次に、絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約の締結について承認を求めるの件を問題に供します。 本件に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(石破二朗君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 次に、絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約第十一条3(a)の改正の受諾について承認を求めるの件を問題に供します。 本件に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(石破二朗君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 次に、所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とイタリア共和国との間の条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件を問題に供します。 本件に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(石破二朗君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。 次に、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件を問題に供します。 本件に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(石破二朗君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。 次に、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とフィリピン共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件を問題に供します。 本件に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(石破二朗君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。 なお、九件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石破二朗君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時三十分散会 —————・—————