運輸委員会 第4号
- 発言数
- 252 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1980/04/24
会議録
○委員長(黒柳明君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る十一日、北修二君、竹内潔君及び石本茂君が委員を辞任され、その補欠として井上吉夫君、伊江朝雄君及び江藤智君が選任されました。 また、昨二十三日、太田淳夫君及び内藤功君が委員を辞任され、その補欠として内田善利君及び渡辺武君が選任されました。
○委員長(黒柳明君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い本委員会の理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(黒柳明君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に山本富雄君を指名いたします。 —————————————
○委員長(黒柳明君) 船舶のトン数の測度に関する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。地崎運輸大臣。
○国務大臣(地崎宇三郎君) ただいま議題となりました船舶のトン数の測度に関する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。 船舶のトン数は、安全規制の適用基準として、また、港湾への入港に当たっての課税、手数料の徴収基準として用いられるなど、海事に関する制度の全般にわたりその運営の基準として広く使用されておりますが、トン数の測度に関しては、従来国際的に統一された基準がなく、海事諸法令の適用に当たって国際間の統一性が確保できない状況となっております。 このような状況を改善するため、昭和四十四年六月に政府間海事協議機関、IMCOにおいて「千九百六十九年の船舶のトン数の測度に関する国際条約」が採択されました。この条約は、締約国が自国の船舶のトン数の算定に関して用いるべき技術的規則を定めるとともに、条約に従ってトン数の算定が行われたことを証明する証書の発給及びその互認等について規定しております。 わが国がこの条約を批准することは、船舶のトン数の測度基準の統一に関する国際協力を推進し、証書の互認により船舶の運航上の不便を回避するため役立つばかりでなく、主要な海運国であるわが国に寄せられている国際的な期待にこたえるため必要なところであります。 このような国際的な動向を勘案いたしまして、「千九百六十九年の船舶のトン数の測度に関する国際条約」をわが国において実施し、あわせてわが国における海事に関する制度の適正な運営を確保するため、トン数の測度の基準を全面的に改正するとともに、国際航海に従事する船舶についてそのトン数を証明する制度を新たに設けるなど、船舶のトン数の測度に関する国内法制の整備を図ることといたしまして、この法律案を提案することとした次第であります。 次に、この法律案の概要について、御説明申し上げます。 第一に、船舶の大きさ等をあらわす指標として国際総トン数、総トン数、純トン数及び載貨重量トン数を定め、その測度の基準を整備することとしております。 第二に、国際航海に従事する日本船舶について、国際トン数証書等の交付に関する規定を整備することとしております。 第三に、新しいトン数の測度基準の整備に伴い、船舶積量測度法は廃止することとしております。 以上が、この法律案を提案する理由であります。 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(黒柳明君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
○委員長(黒柳明君) 次に、海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律案及び船舶のトン数の測度に関する法律案を便宜一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○広田幸一君 通産省の方お見えになっていますか。——次の委員会の関係があるということですから最初に質問をしますが、今月の一日に、山口県の徳山市にある出光興産の石油コンビナートの反応塔ですか、あれが爆発したという事件がありまして、私も今月の十四日に現地を調査したんですが、内容はどういうことになっておりますか、概要を御説明願いたい。
○説明員(柴田幹夫君) お答えいたします。 まず、事故の概要でございますけれども、去る四月一日の午後十一時五十五分ごろ、山口県徳山市出光興産徳山製油所におきまして、第二水添接触脱硫装置の反応塔が破裂したわけでございます。破裂いたしました反応塔は気密テスト実施中でございまして、四月一日午前十時から窒素を注入いたしまして昇圧していたところでございますが、午後十一時五十五分になりまして、圧力約五十五キログラム毎平方センチメートルのところで破裂したものでございます。幸い人的被害はございませんでしたけれども、反応塔が全壊するなど、設備が破損いたしましたとともに、破裂圧によりまして、付近の民家約九十戸でございますが、九十戸の窓ガラス等が破損したということが事故の概要でございます。
○広田幸一君 現在、まだ全面的な操業は中止していますね。それと、四十八年にかなり大きな大火災がありましたですね。あれ以降今回の事故まで、まあ大小あると思うんですけれども、事故がどの件数あるか、その点を報告願いたい。
○説明員(柴田幹夫君) お答えいたします。 四十八年七月でございますが、これは徳山の出光石油化学、これが事故がございまして、それ以降出光関係の主な事故は今回の事故を含めまして七件ございます。
○広田幸一君 じゃ、あなたはいいです。 次に、海上保安庁長官にお尋ねをしますが、問題の出光のタンカーの徳山丸の不法投棄事件ですね。今日までいろいろと調査をされておると思うんですが、どういうことになっておりますか、多少内容も含んで御報告願いたい。
○政府委員(真島健君) お答えいたします。 当該徳山丸事件でございますが、これはもう新聞等で内容御存じの向きもあるかと思いますが、私どもは三月二十一日に情報を得まして直ちにこの事件の捜査に着手をしたわけでございます。 概要を申し上げますと、二月二十九日に出光タンカー所属の徳山丸、タンカーでございまして、十三万六千総トンでございますが、これが徳山を出港いたしまして三月六日に相生港に入港したわけでございますが、その間、四国沖におきまして入渠前のタンククリーニング、これを実施をしたわけでございます。その際に、同船のタンククリーニング作業を請け負いました内外産業の作業員、これがクリーニングの結果発生いたしましたスラッジを不法に海中に投棄をしたという情報でございます。 私どもその後ずっと捜査を続けまして、現在も捜査継続中でございますが、現在までに私どもの捜査で明らかになりましたところを申し上げます。 この徳山丸、ここでタンククリーニング作業をやりました内外産業の作業員四名、これが共謀の上前後三回にわたりまして、発生しましたスラッジのうち合計千六百六十袋、これを海洋に投棄したということでございます。 私どもは徳山丸の検証はもちろん、内外産業あるいは出光タンカーの乗組員、その他関係先、タンククリーニングで後のものを処理いたしました神原タンククリーニング会社といったようなところを捜索いたしまして、差し押さえ、証拠品の押収その他をやってまいっておりますが、現在までに内外産業の社員でございます柿田静男、これが現場監督でございますけれども、柿田外一名を三月三十日に神戸検察庁に送致をいたしました。四月八日には内外産業の社員一名、準社員一名も、これは書類送致でございますけれども、書類送致をいたしました。内外産業については海洋汚染防止法の罰則の両罰規定を適用いたしまして、地方検察庁にこれも書類送検をしたわけでございます。 神戸検察庁では、その後四月十九日に柿田静男を神戸地裁に起訴をいたしました。他の三名については起訴猶予としたようでございます。内外産業の法人そのものにつきましては、四月十九日に神戸地方検察庁から相生区検察庁に移送されまして、同検察庁から簡易裁判所に罰金二十万円ということで略式起訴を行っておるわけでございます。 以上が、いままで捜査をやってまいりましたうちでこの席で申し上げても差しつかえない部分でございます。
○広田幸一君 今度の不法投棄事件の私が問題にしたいと思いますことは、実際やったのは下請の内外産業の現場の監督者がやったということでありますけれども、もとをただしてみますと、出当興産という日本のいわゆる民族資本の石油会社の最右翼の会社の系列下にある出光タンカーというその会社に所属する船から出たわけですから、私はそういう意味で今回の事件は社会的に非常に大きな問題である。ですから考え方としては、今後の問題として一罰百戒というようなそういう厳しい処置をしてもらいたい。私はこういうふうに思って、そういうことをひとつ基本にしてこれから質問をしたいと思うんです。 今度の事件は、ルポライターの加藤さんという人が実際にその船に乗ってみて、そのクリーニング作業をやってみて、これは大変なことである、これは海洋汚染のためにもつと監視をしなきゃならないという気持ちの中から告発されて、初めてこういうことが社会に明らかになったということなんですが、いままで新聞等で加藤さん等が話をされておるのは、こういう事件は氷山の一角である、どのタンカーも大なり小なりこういうことをやっておる、こういうことを、加藤さん並びに加藤さんが一緒に作業をしてきた——五年も十年も作業をずっとしてきた人たちがあるようですが、そういう人たちはそういうふうに言っておる、というように言っておるわけですが、事実そういうことであるとするならば、私はこういう監視をする責任ある海上保安庁として、氷山の一角であるのかどうなのか。そこらのことが平素わからなかったのかどうなのか。毎日海を見ておるわけですから、監視をしておるわけですから、そういうことがわからなかったのか。その辺のひとつ事情をお聞かせいただきたい。
○政府委員(真島健君) 私どもの監視取り締まりの体制がある意味では不十分ではなかったのかという御指摘かと思います。私ども海洋汚染防止法、これが成立いたしましてから体制整備——船艇、航空機の整備はもちろんでございますけれども、職員の公害関係に対する知識、技能の向上という意味での種々の研修その他を行って努力はしてまいっておるつもりでございます。この種の事件と同じような事件を四十八年以降二、三件は検挙し、検察庁に送致をしておるところでございます。 ただ、先生おっしゃるとおり、今回の事件、非常に社会的にも関心の高くなっておることでございます。私どものいままでのやり方といったようなものがやはり手薄であったのではないのだろうかというふうな反省を、私どももこの事件を通じまして深くしておるわけでございまして、今後、こういうふうな事件の再発防止と申しますか、監視取り締まりと申しますか、そのためにますます努力をしてまいりたい、このように感じておる次第でございます。
○広田幸一君 長官がそういうふうにおっしゃると、必ずしも十分でなかったと、そういう点を反省し、今後これを契機にさらに監視を強めてこういう事故のないようにしたいと、こういうことでありますから、それ以上私も追及する場もないと思うんですが、最近の不法投棄の実態ですね、時間がかかりますから、大体書類によって私も知っておりますけれども、傾向としてこういう廃油の不法投棄というような件数が最近ふえておるのか、減っておるのか、横ばいなのか、そういうところ、どこに問題点があるかというようなことをひとつ抽出して簡明にお知らせをいただきたい。細かく言うと時間かかりますから、どういうところに問題があるかというような点をですね。
○政府委員(真島健君) 私どもで公害関係、検察庁に送致した件数の推移、この四、五年を見ますと、全体の件数は大体千七、八百から千九百程度でございまして、全体数はそれほど動いていないわけでございますが、やはりその中で油の不法投棄、この事件が大部分であるということでございます。そのほかに投棄の関係では、これは船舶を廃船して沈めていくというふうなことの関係の違反も最近はふえておるようでございますけれども、全体としてやはり公害関係のうちでは油の不法投棄、これが非常に多いというのが現在の傾向でございます。
○広田幸一君 このおたくの方からもらった資料を見ましても、やっぱり船舶からの油の排出禁止規定違反というのが、五十二年、五十三年、五十四年を見ましても、他の分のは比較的横ばいか減っておるんですけれども、油の排出の事件は減っていない、こういうふうに思うわけで、いま長官がおっしゃったようなことになるわけですが、それだけにこの問題はもっと監視を厳しくしてもらわなければならないと思うんですが、今度の場合、全国にタンカーが一体何隻ありますか。対象になる隻数はどのぐらいありますか。
○政府委員(真島健君) ちょっと私も正確な数は覚えておりませんけれども、いわゆる大型タンカーと称せられるもの、これは日本船と外国船と両方含めますと、大体三百隻前後ではないかと思っております。
○広田幸一君 そこで、長官、さっき十分でなかったということですけれども、このタンカーがタンククリーニングをするというのは毎回やるわけではないわけでしょう。私の承知しておるのでは、いわゆる自動車の車検の時期があるように、定期検査というものがある。それで、これは何年目にいつあるかということがあるわけですね。そうすると、私はその三年という数がどういうふうに区分されていくかわかりませんけれども、海上保安庁の方で、船を大きさによってずっと全部記録してあると思うんです。この船は昭和何年の何月何日に定期検査を受けなければならないというふうになっているわけでしょう。そうしますと、たとえばAならAというタンカーがここに入ってくるんだと。そうするとそのときにクリーニングをやるわけですから、その船は大体スラッジをどのぐらい持ってくるかということがわかるわけでしょう、と私は素人なりにそう思うんですよ。その時点でこのタンカーも今度は検査を受ける、そうするとこれだけのものがないというと疑われる、こういうふうなことがありはせぬかと思うんですが、これは素人なりに考えるんですよ。 そうすると、そういうことをずっと詰めて海上保安庁がやっておったならば、簡単に不法投棄というようなことはできないではないかと思うんですが、その防止の措置としてそのようなことはいままで考えたことはないのか、今後の問題としてもそういうふうな一つの方法があるではないかと思いますが、この点どうですか。
○政府委員(真島健君) 御指摘の、私どもでタンカーの行動——この船はいつできてどうなっておるから定期検査はいつであろう、したがって入渠前のタンククリーニングを今度はやるだろうというようなこと、これは当然調べようと思えばわかることでございます。私どもそれをつかんでいないわけではございません。ただ、監視取り締まりを私ども船艇その他でやっていくわけでございますけれども、なかなか夜間その他の問題等がございますので、仮に相当密にやりましても非常にむずかしい面が出るんじゃないかと思っております。 それで、私ども今度の事件を契機にいたしまして、ひとつ海上保安官のそういったようなことに対する知識なり技能なり、こういうものを、タンククリーニングにつきましてあるいはタンククリーニング作業というものの実態につきまして、海上保安官が知悉してやっていくということのために、この前は四月の月曜日でございますが、私ども地方の管区の警救部長を呼び集めまして、今回の事件についての反省、今後のやり方、こういったようなものを議論をいたしたわけでございますけれども、地方の実際に担当しております保安官の諸君は、私どもの勉強の問題も足りなかったかもしれない、そういう意味で、ほかの業務の相当の繁忙の間にありましても、私どもはできれば大型のタンククリーニングをやるタンカーに乗って、その実情を調べ、作業の実態を十分に勉強するということで今後やっていきたい、むしろ私は現場の保安官の方からそういう要望を受けまして、今後できる限りそういったようなことで、実際にタンククリーニングをやる船に乗ってみるというようなことで、まず実態を十分に保安官として勉強させるということを第一にやっていきたい。 第二は、私ども港則法その他で入出港のときにいろいろな書類が船から出てまいります。そのときに、先生のおっしゃったような今度はするだろうというようなことでなくて、この船はこれから出ていってタンククリーニングをするんですということを入港のときにしっかり把握する、そうしますと、あとはどこでタンククリーニングをやったにいたしましても、入港したときに処理業者にスラッジその他の廃油を渡すわけでございます。 したがって入港のときと、処理業者にどれだけ渡したかというようなところを押さえていくということによって、少なくともいいかげんな不法投棄というものがなくなるんではないだろうか、まあそういうことをやりながら、しかし不法投棄というものはだれがどこでいつやるかわかりません、したがいまして、せっかく予算でいただきましたヘリコプター搭載型巡視船といったようなものを、できるだけタンククリーニングの非常に多い遠州灘から四国沖の海域において監視をやらせるというふうな体制をとってまいりたいと思っております。
○広田幸一君 いま、これから前進的に実際作業の実態を保安官が調査するような努力をさらに勉めていくということで、まことに結構なことですけれども、われわれ素人から見ますと、なぜそういうことがいままでになされていなかったであろうか。さっき長官がおっしゃったように、すでに二件、三件の大型タンカーで事故があったと、すでにそれは調査をして送検をしておると、こういうことが過去にあったわけですから、過去の反省として、もうそういうことはできておらなければならなかったと私は思うんですけれども、まあそれはいいとして、そういう方向で努力してもらいたいと思います。 それからもう一つ、これは大臣、なかなか仕事がよけいあって、そういうふうに決めてもできないということでありますが、設備の問題等もありますから、後でまとめて大臣に申し上げたいと思うんですが、もう一つね、長官、こういうようなやってはならないことをなぜやるのか。経費が高くついて採算がとれないとか、何かそういうふうな、業界として、こういう法律は法律であるけれども、実際はこういう点について、もう経費がかかってかなわないと、何か言い分でもあるのかどうなのか、そしてタンククリーニングに要する費用というものはどのぐらい金がかかるものか、この辺のひとつ事情が聞きたいですね。
○政府委員(真島健君) 私どもも実は今回の捜査を通じまして、その辺の究明をできるだけやってみたいということで、現在も捜査を継続中でございますが、この種の事件は、これは私ども取り締まりの面からなかなかアプローチしがたいいろいろのむずかしい問題があるようでございまして、全体につきまして運輸省といたしましてタンククリーニング業の実態、その下請関係、それから請負代金が一体現在の状況の中で妥当なのであるかどうかというような点も含めまして、全体としてながめてまいらないとなかなかここだというポイントに行き当たらないんではないと思っております。お答えにならないかもしれませんけれども、私どもの現在の状況では、現在まあその程度のことしか申し上げられないわけでございます。
○広田幸一君 法律は法律として守らなければならない義務があると思うんですが、やはりそういうような投棄がやられておるという実態については業界の方も言い分があるではないかというふうに思うので、その辺については、いまおっしゃったように元請から下請にいく、そういう関係が適切な料金になっておるかどうかということを調べられるということですから、ひとつ調べて、今後出してもらいたいと思います。 それからもう一つは、先ほど言いましたように、出光興産とか日石というようなところは、私はここにも会社の経営実態を調べたものを持っておりますけれども、ここなんかしっかりもうけておるですよ。そういうところがずっと仕事をさしてどうなるかというようなことはちゃんと計算を会社としてははじいておると思うんです。だから、下の方をぐっと押さえて自分たちがしっかりもうけようという、私はそういう考え方がやっぱり会社にあるんではないか、そういうことが経済主義というか、もうけ主義というものになって、末端にそういうふうな、どうしてもそうしなければやっていけないというようなことになるんじゃないかと思うんですね。そういう意味で、いま長官せっかくおっしゃったわけですから、元請、下請に出さなければならないとするならば、一体料金は適正であるかどうかというようなことをひとつしっかりと調査をして、いつかの機会に私たちにも知らしてもらいたい、こう思います。 それから、さっき長官の報告では処罰の関係ですね、処罰の関係で現場の監督者の柿田というんですかね、これが神戸の地検で送検をされた。それから、法人の方は略式で十万円の罰金取られたわけですね。 そこで、この法律による処罰が両罰規定になっておるわけですね。両罰規定になっておるという意味合いはどこにあるのか。私はそういう投棄をした人間を罰すると同時に、やはり法人も罰すると。社会的な責任をそこに課するというような意味合いで両罰規定になっておるのではないかというふうに思うんですがね。その辺からして両罰規定になっておるという精神が、今回のこういった関係者の処分について生かされておるかどうかという点について、私、若干疑問を持つわけですが、長官としてこのような処罰の方法についてどういうふうにお感じになりますか。
○政府委員(真島健君) 最初に罰金の額でございますが、二十万円でございます。 両罰規定の趣旨は、先生おっしゃったとおりと私どもも考えております。したがいまして、内外産業の場合、実行行為者である内外産業の社員の柿田という者が現在起訴されておるわけでございますけれども、それが罰せられるということは、その雇用者、監督指導の責任に当たる法人そのものについても責任があるのではないかという趣旨で両罰規定が書かれておるわけでございまして、そういう意味で、実際にやった者とその雇用をしておる法人、両方に罰則がかかる、こういうふうな趣旨でありまして、これは御承知と思いますけれども、海洋汚染防止法の書き方が、何人も投棄してはならないというふうなことで、事業としてとらえないで実際油を投棄したこと、あるいは投棄することを禁止するような書き方になっておりますので、どうしてもこういったような両罰規定の必要性が出てまいりまして、法律上そういうふうに規定されておるものかと存じます。
○広田幸一君 私も現地を見ておるわけではないわけですから、新聞による記事とか、加藤さんがおっしゃっておるそういう言葉等を組み合わせてみる限りにおきましては、どうも今回の事件というのは現場の作業をやっておる監督者だけの行為ではなくて、やはり裏にはそういう会社の、法人の責任というものがある、何か会社ぐるみでやっておる、もっと突き詰めていけば、出光興産の、会社のそういった考え方に基づいて末端がそういうふうなことをやっておるのではないかと、私はそういうふうに推測するわけですね。ですから、どうもそういった会社ぐるみでやっておるというふうな疑いを持たざるを得ないようなぐあいに、新聞やそういった人たちの言からすると私はそう思うのですが、長官もこの事件以来いろいろと資料を集めて調査をされておると思いますが、私のそういう疑いというのは間違いであろうか、いや、そういう点もあるかもしれませんと。どうお思いになりますか。
○政府委員(真島健君) 内外産業につきましては大体容疑事実が固まりまして、私ども先ほど申し上げましたような措置をとっておりますが、そのほかの関係につきましては現在捜査続行中でございまして、この段階で何とも申し上げるわけにはまいらないわけですけれども、一般的に、この事件ということでなくて、私の感じといったようなことで申し上げますならば、やはり今回の事件のような場合に、皆さん方が非常に疑問に思われておるのは、内外産業が請け負ってやったことには違いないだろうけれども、やはり船の中での作業であるということで、船全体として全く関係がなかったということがどうも腑に落ちないというような疑問が非常に強いということは申し上げられるかと思います。
○広田幸一君 現在いろんな面で調査を続行されておるということですから、またいつかの機会にそういうことについて尋ねてみたいと、こういうことでその問題はそれにしておきたいと思います。 それから、これも新聞に出ておったことなんですけれども、明原丸というのが不法投棄事件を起こしておりますが、海上保安庁としてこの問題についてどういうふうなかかわりを持って調査をされて、現在どういうふうになっておるか、どこらに問題があったかということをお知らせ願いたい。
○政府委員(真島健君) 田原丸の問題につきましては、私どもの五管本部の方に情報の提供がございました。写真等の提出もございまして、私どもはそれを参考にしながら現在捜査を実施中でございます。まだ確たることを申し上げる段階には至っておりません。
○広田幸一君 これはいつ起きた事件ですか。
○政府委員(真島健君) 明原丸は五十一年と五十三年にタンククリーニングをやっております。したがいまして、その写真が一体いつのものであるかというようなことも確かめていく必要がありますし、要するに情報はこの二回のタンククリーニングに関して、何か不法な投棄が行われたのではないかという情報でございます。
○広田幸一君 今回の徳山丸の事件に関係のある元請会社である山水商事、それから内外産業は、この事件にかかわっておりませんか。
○政府委員(真島健君) 私もまだ下の方の捜査の結果を詳しく聞いておりませんが、五十三年のクリーニングのときには内外産業が請け負っておったようでございます。
○広田幸一君 五十三年の分については内外産業がかかわったように思うということですね。 それから、この問題についての最後になるんですけれども、今回の事件について業界はどのように思っておるでしょうか。というのは、不幸にしてこういうふうなことがあばかれた、損をした、運が悪かったというふうな見方か、あるいはやっぱりこれは間違いである、こういうことは業界として自粛しなければならない、こういうふうに反省をしておるか。あるいはさっきちょっと触れましたけれども、やっぱりいまの制度について、法律について問題がある、こういうふうに思っておるか、そういう三つぐらいに分けまして、業界としては今回の事件についてどのように考えておりますか。そこらのところを海上保安庁としては、私は、今後の問題としてそういうところまで知っておく必要がある、こういうふうに思うんですが、この点についていかがですか。
○政府委員(真島健君) 徳山丸の事件を私どもが捜査をしておるという立場でございますので、そういうふうなことについて業界の意見を聞くというようなことは具体的には私どもやっておらないわけでございます。 ただ、いろいろ耳に入ってまいりますことは、少なくともこの出光タンカーにつきましては、出光佐三氏が興こされた会社の子会社ということで、非常に精神的にもいままで自負を持っておったようでございまして、今回のようなことになったことについて非常に遺憾であり、今後こういうことのないようにしたいということで、海運局等に、これからはこういうふうな改善措置をとってこういうことが絶対起こらないようにしたいというふうなことを申し入れておるというふうに聞いております。
○広田幸一君 通産省にお尋ねしますが、今度の事件というのはもとは出光興産に責任がある、そういうふうに私は思っておるんですよ、大もとにあると。 そこで、通産省としては今回のこのような事件についてどういうふうな見方をしておられるか。これは海上保安庁が監視すべきことであってわれわれには関係がないということにはならないと。やっぱり企業というものを監督し育成をしていく、公平な競争原理の中に会社が社会的な責任を負いながらやっていく、そういう通産省としての指導でなければならないと思うんですが、通産省として今回のこのような事件についてどういうふうに思っていらっしゃるか。
○説明員(加藤昭六君) お答え申し上げます。 今回の責任の所在につきましては、海洋汚染防止法の観点から法的責任を保安庁が取り調べ中と聞いておりますので、その結果を待ちたいと思います。しかし、出光興産といたしましては、出光タンカーの親会社でございまして、完全な法人格は別会社でございますので、法的責任はないものではないかと思っておりますが、しかし荷主としての海洋汚染防止法上協力し得る点は積極的に協力していくように指導してまいりたいと思っております。 また、親会社といたしまして、系列会社に欠ける点はこれを十分に指導する必要がございますので、かかる不祥事が二度と起きないように、系列会社出光タンカーに対しまして出光興産が十分な指導を行うように、私どもといたしましても出光興産に対しまして要請を行っているところでございます
○広田幸一君 私ちょっと資料を見たんですよ。出光タンカーが出光興産株式会社の中でどのぐらいの地位にあるかということを見ましたら、これ、株主構成でありますが、出光タンカーは一三・九%。これはちょっと古いんだと思うんですが、二年ぐらい前ですから。ですから、出光興産の中における出光タンカーKKというものはかなりのウエートを持っておるということが言えると思うんです。 これは、見ますと、出光佐三さんというのが店主でありまして、ほとんど同族会社のようになっておるわけです。どうもそういうふうに見えるわけです。ですから、私は、出光タンカーというものに対する出光興産の会社の経営方針といいますか、そういうものはこの株主構成を見ましても流れておると。この出光タンカーに、しっかりおまえのところはもうけよ、一三・九%も株も入っておるんだからと、こういうふうな印象を受けるんです。私はそういう意味で、何か出光興産をつるし上げて言っておるように言うんですけれども、そういう意味でなくて、社会的な責任を負ってもらうという意味で言っておるわけです。いまあなたがおっしゃったのは役所的な言い方でして、私は、こういうところを見てもっと厳しく指導してもらわなければならないと思います。 会社がどのような所得を上げておるかということも書いてありますが一時間がありませんから一一申し上げませんが、こういった社会的な大きな犯罪を起こした行為について、通産省としては今後もっと厳しく指導してもらわなきやならないと思いますが、もう一度通産省としての考え方をお答え願いたい。
○説明員(加藤昭六君) お答え申し上げます。 先ほど申し上げましたように、出光興産は出光タンカーの親会社でございまして、今回の事件に法的な直接な関連はないとは思いますが、荷主としての海洋汚染防止法上の協力し得る点につきまして、積極的に協力、指導するように指導していきたいと思っております。 出光興産といたしましては、現在具体的に系列会社の出光タンカーに対しまして幾つかの改善策を実施するように指導していると聞いております。たとえば、外洋におきましては監視の徹底を期するということ、あるいは社内体制の改善、あるいは下請業者の指導改善、こうした点につきましてきめ細かく今後検討を行っていくというふうに聞いております。
○広田幸一君 先ほど、冒頭徳山のコンビナートの事故をちょっと報告してもらったんですが、私があそこに行って感じましたのは、さっき報告がありましたように、四十八年の事故以来七件、八件と大きな事故が起きておるわけですね。今回の場合、四月一日にあのような事故があって、今日まで営業を一切停止しておるというのは、住民の厳しい怒りがあってやめておるわけです。会社の方としては早いこと操業したいわけですけれども、もうこれ以上そういう危険にさらされたくない、こういう不安からそうなっておるわけです。私は行ってみまして感じましたのは、こんなにたくさん何回も事故を起こしておるのは、原因の究明にもっと会社が熱心にやらなかったからじゃないだろうか、そういう感じがするわけです。住民もそう思っておるわけです。 ただ、御承知のように徳山市の人口が半数万、しかも、徳山市の経済がこの出光興産のそれに大きく依存をしておるという複雑な市民の感情があるわけです。私はそういう点で、さっきから言っておりますように、出光興産という会社に、住民の福祉という面、社会的な責任というような点についてもっと考えてもらわなければならない、こういうふうに私自身が感じてきたわけです。ですから、これ以上言いませんが、通産省としてもそういう点について、ひとつ今後の指導をよろしくお願いしたいと、こういうふうに希望を申し上げておきます。 それから、今後の問題ですが、海上保安庁としては、先ほどから言っておりますように、今回の事件を契機にして積極的に取り組まれるということでありますが、海上保安庁の方が、法律に基づきながら積極的にそういう事故が防止されるように努力されることは必要であります。それから、一面業界のモラルも、これも期待をするということにならなきゃいかぬと思うんですが、どうもあの処罰の規定を見ますと、「三十万円以下の罰金」ということになっておるわけでしょう。ですからそういうことを起こすわけではないですけれども、起こしたって三十万円出しておけば済むという、そういうまた一つの考え方もあるわけでして、私はもっと処罰の内容が厳しくならぬものだろうかという考え方を持っておるわけです。 これは私の一つの経験を申し上げて大変僣越でありますが、私は地元で交通事故を防止する交通安全協会の役員をしておったことがあります。飲酒運転というものがどうしてもなくならない。察の方が一時期そういう監視をすると、ないんですが、また監視をやめると飲酒運転のそういった事故が起きる、こういうことで県警の交通部長と話をして、どこに問題があるだろうか、もっと法律を厳しくしなきゃならぬじゃないか、飲酒運転をやったらいけないということは三歳の童子すら知っておるわけですから、もうこの段階では、もう少し厳しくしたらどうか。一定期間、やったらすぐ免許を取り上げる、そういうふうになれば、本人の生活にも関係してくるわけですから飲酒運転はやめるだろうと、こういうようなことを私は話をしたんですよ。 私のところの県警の交通部長は、全国の各都道府県の警察の交通部長会議ではそういうことが出ます、出るけれども、法律はそうなっておるので仕方がない、法の改正を待つ以外にない、こういうことだったわけです。 私は、自分のことを申し上げると大変恐縮ですが、一昨年国会に出まして、ちょうど交通対策特別委員会ですか、あそこで発言をする機会を得まして、警察庁の当時の局長に、名前を忘れましたけれども、私は言ったんです、いま言ったようなことをです。そうしたら局長も、私どもも何とかしなければならないと思っておりますという答弁がありまして、日ならずして法律が改正になって、いまは飲酒運転をすると即刻免許を取り上げられるということになったわけです。 私が言ってなったということじゃない、そういうふうな時期になっておったというふうに思うんですが、私は、すぐそういうことにはなかなかむずかしいと思うんですけれども、そういう不法投棄をしたタンカーは、たとえば一定期間航海は停止すると、こういうふうな法律になりますと、これは業界にとっても大変なことでしょう。ですから、そういうことになれば、元請に出し、下請に出し、末端になっても、そういうことになったら大変だということで、この契約関係というものも厳正になってくるというふうに思うんですが、そういうふうなかっこうで、私は本当にこういういけないことを防止するためにはそういう一つの方法が考えられないであろうかというふうに思うんですが、海上保安庁長官とそれから大臣、私のこういった意見について、どういうふうにお考えになりますか。
○政府委員(真島健君) 取り締まりといいますか警察的な立場から申し上げますと、先生の御意見も非常によくわかるわけでございます。ただ、私ども、法務省その他、罰則、罰金関係を全国横並びに見ておる官庁との折衝の中では、全体の横並びというようなことで、こういう種類の犯罪についてはこの程度であろうというふうな国全体の線というものがございまして、現在の汚染防止法の罰則というものもそういうことで決められておると了解しておるわけでございます。 今後どういうふうにしたらいいかということは、機会をとらえまして、これもやはり法務省がいろいろ考えるのも世論なり全体の効果ということも考慮に入れていただけると思いますので、今後もし機会がありましたときには、私どもも私どもなりの御意見を申し上げたいと思っております。
○国務大臣(地崎宇三郎君) 今回の徳山丸の事件が起きましてから、運輸省内部におきまして、海運局あるいは港湾局、あるいは海上保安庁、連携をいたしまして、そして港湾の焼却施設の運用の内容とか、あるいは請負の金額の内容の調査だとか、いろんな面について、お互いに各省連絡して、出先官庁とも連絡いたしまして、十分取り締まりをするというようなこととあわせまして、日本船主協会あるいは日本タンカー協会、また日本内海海運組合、また日本旅客船協会等に運輸事務次官の名前で厳重に注意をするように通達等を出して、いろんな態勢をとりましてできるだけ海洋の汚染防止をするということに努力をしておるところでございます。 いま先生のお話の刑罰の問題でございますが、刑事政策の問題でありますので、運輸省としては罰則の軽重を論ずる立場ではないと思うわけでございます。しかしながら、これは一つは関係者のモラルの向上も必要でございますので、十分現在の態勢で強化をして、事故の起きないように取り締まってまいりたいと、かように存じておるわけでございます。
○広田幸一君 私の意見がすぐ採用になるということはなかなかむずかしいと思いますが、そういう考え方もあるということをひとつ頭に置きながら、いずれにしてもこういう事件がなくなることがいいわけですから、私は業界にとってもいいことだと思うんですよ。そういう意味で、ひとつ今後の問題として努力、そういう事故がないように、まさかの場合は罰則ももっと強化するんだ、せざるを得ないような時世になるかもしれない、こういうことで私は積極的に取り組んでもらいたいと思います。 それから、労働省の方、お見えでございますね。——伝えられるところによりますと、このタンククリーナーに従事しておる作業員の皆さんがかなり過酷な労働を、しかも危険な状態の中で強いられておる、こういうことが伝えられているわけです。私は、真相を実際まだ知らないわけですから、そういうことはあり得るだろうというふうに思うんですが、労働省としても、この事件発生以来、それぞれ法規に照らして調査をしておられると思うんですが、概要はどういうふうになっておりますか、お答え願いたい。
○説明員(岡部晃三君) この問題につきましては、兵庫労働基準局管内の神戸東労働基準監督署におきまして、海上保安部等と連絡をとりながら、主として労働時間の問題、割り増し賃金の問題、あるいは安全衛生上の問題等々につきまして調査を実施したわけでございます。現在までのところ、労働条件の明示に関します労働基準法第十五条違反がほぼ認められているところでございます。私ども労働基準監督機関といたしましては、さらに調査をいたしまして、もし法律に違反する事実が確認されました場合には、これを速やかに是正させるなど、厳正に対応してまいりたいというふうに考えております。
○広田幸一君 十五条の違反というのはどういうことですか。
○説明員(岡部晃三君) これは労働基準法十五条におきまして、雇い入れ時に労働条件を明示する等、労働者に労働条件を明示しなければならないという義務づけでございます。
○広田幸一君 明記していないということですが、なぜ明記されていないのか。大体普通の雇用関係というのは、職業安定所に行って、この窓口を通して雇われていくというかっこうになっておるわけですね。ところが、今回、この人たちの場合はそういうことじゃなくして、何か手配師ですか、そういう人たちが集めて、そしてその現場に連れていく、こういうふうなことでの雇用関係になっておるわけですから、そうするとどこの場でそういうことを明示するということになるのですか、具体的には。しなければならない、それがなされていないということですね。
○説明員(岡部晃三君) 今回徳山丸のクリーニングの作業に従事いたしました内外産業の二十二名の労働者について見まするというと、内外産業の社員四名、常用雇用作業員が七名、それから日雇い作業員が十一名ということでございますが、これは関西地区の西成組というのでございましょうか、そういう日雇い作業員の方々でございます。これらはいずれも内外産業において雇用されますので、この明示の義務は当然のことながら内外産業に生ずるわけでございます。
○広田幸一君 そうすると内外産業に責任があるわけですね。
○説明員(岡部晃三君) はい。
○広田幸一君 わかりました。 それから、タンククリーニング作業というものをやる場合の労働条件と安全衛生等については、どの法律によって守られておるんですか、保障されておるんですか。労働基準法あるいは労働安全衛生法、それによって守られるのか、ほかにないのか、その点をお聞かせいただきたい。
○説明員(岡部晃三君) これはその労働保護の局面に応じましてそれぞれの法令があるわけでございます。 一般的に申し上げますというと、労働契約あるいは就業規則、労働時間等につきましては労働基準法でございますが、労働安全衛生につきましては労働安全衛生法がございまして、それにさらに命令といたしまして、たとえばこういうタンクの中におきます作業ということになりますというと、酸素欠乏症防止規則あるいは労働安全衛生規則等々が問題になってくるわけでございます。
○広田幸一君 安全衛生の面であなたがおっしゃった有機溶剤の中毒予防規則というのがありますね。これは安全衛生法の中ですか、ああいうものには抵触しておりませんか。
○説明員(岡部晃三君) この有機溶剤中毒予防規則の関係でございますが、この命令は有機溶剤等を扱う作業について規制があるわけでございます。「有機溶剤等」とは何かということになりまするというと、これは有機溶剤がその物に五%以上含まれている場合に「有機溶剤等」になるわけでございます。 本件の場合、このタンクの中における作業というものがこの有機則に一応当たってまいりますので、さてそのスラッジが「有機溶剤等」に当たるかどうかという点につきまして、現在スラッジを採取いたしまして、これは海上保安庁にお願いを申し上げまして採取したわけでございますが、その分析につきましてもこれをお願いしているところでございます。
○広田幸一君 それから、先ほどもちょっと申し上げたんですが、雇用関係は、いまのようなやり方、手配師によって集められて雇用されるという状態は、これは職業安定法の四十四条でございますか、禁止されておる条項がありますが、それにはこれは抵触しないわけですか。
○説明員(菊田顯君) この問題につきましては、ただいま現地の方で調査をやっております。それで現地の方から中間的な報告がまいっておりますが、このスラッジの処理作業はわりあい熟練度が必要、経験が必要、そういうことから普通の市場で手配師等が一般に募集をする、そういう形では賄えない。縁故募集と申しますか、そういう会社の責任者が当該作業に十分従事できる、そういう人を探してきて充てたり、そういうような形が見られるという中間的な報告でございます。
○広田幸一君 いまの御説明によりますと、第四十四条というのは労働者の供給事業の禁止ということになっておるわけですね。いまおっしゃるように熟練を要する、私いま初めて聞くわけですけど、熟練を要するということになると、日雇い的なことではいけないわけですね、きょうあすということでは。やっぱりずっと継続をして雇用をするということになるわけですから、労働者の供給事業ということにみなされるんではないか。とすれば、いまのようなこういう手配師によるというやり方は職安法に抵触するではないかというふうに思うんですが、どうですか。
○説明員(菊田顯君) その辺の実情につきましても労供の問題につきましても、実態調査を重ねておりますが、いまのところはその問題についてはちょっと報告がまいっておりません。わかり次第御報告いたしたいと思います。
○広田幸一君 まだ調査の段階のようですから、いずれ明らかになると思いますけれども、後刻御報告願いたいと思います。 それから港湾労働法というのがあるわけですが、これには、クリーニング作業しておられる労働者の人は港湾労働法には除外されている、その適用にならないかどうか、その点をお聞かせ願いたい。
○説明員(菊田顯君) 港労法の適用の問題でございますが、これは適用区域が政令で東京等六大港ということで定められております。そしてその適用区域も政令で港湾からたとえば五百メートルの地域内というようなかっこうで決められております。これは海洋汚染等のそういう法律との抵触がございまして、そういう中ではこのクリーニングの作業はできないということになっております。ですからこの港労法の適用は受けないという形でございます。
○広田幸一君 いまの港湾労働法ですか、それには適用にならぬわけですけれども、もし適用されるというふうになってくると、雇用関係というものが安定をしてくる、こういうことは言えますか。とすれば、この人たちの雇用関係をもっと安定をしてあげるためには、そういう港湾労働法の改正をすればできるのかできないのか。
○説明員(菊田顯君) 港労法の目的が六大港における港湾運送のスムーズな運営を図る、そしてそこにおける労働者の確保とそれから福祉の向上、そういうことを目的としておりますが、そういうことの中では、仮にスラッジの問題を、全国のターンカーの基地がそれぞれ全国にあるんだと思いますが、そういうところを全部カバーしないといけないという問題がまず一つあります。そういう形の中でこの港労法の場合は、常用の雇用労働者を職安に届け出をするということ、それから港湾運送量が波動的に変わりますので、その波動的対処のために職安に日雇い労働者を登録しておきまして、そしてその波動性に対応していくと、そういう主には二つの労働者に関する取り決めがございます。 それを今度の問題に当てはめた場合に、そういう作業に従事する人たちの雇用改善につながるかどうかという問題でございますが、これは必ずしもつながらないんではなかろうか、やはりそれよりは現行の職業安定法、それから労働基準法に基づいての募集の問題、それから御指摘のありました労供のような問題、それから労働基準法による監督の問題、それを強化することによって十分に対応できるのではなかろうかと、そういうふうに考えております。
○広田幸一君 時間がありませんので私もこれから勉強してみます。いずれにしても、もしそういった危険な場所で過酷な労働がされておるということは、これは労働に関するいろんな法規から言っていけないわけですから、労働省も一層この問題を契機に努力してもらいたいと思いますし、それから、たまたまこういうことがあったわけですけれども、たくさん全国にあるわけですから、そういうところの実態というものも、いままで調査をしておられたかどうか知りませんが、過去のことは別として、今回の事件を契機にひとつそういう実態について調査をし、違反があるのかないのかということを調べて、そしてあれば適切な指導をしてもらう、こういうふうなことを特に要望しておきます。またいずれ、そういうことについてお尋ねをする機会があると思いますから、ひとつそのときに御報告願いたい。 それから、肝心の法案に対する質疑がわずかになりましたが、私は今度の法案の内容というものは、いま私が申し上げたような徳山丸事件が本当にうまくいけばこれからの海洋汚染の問題もうまくいくだろうと、そういう意味で、特に徳山丸事件がたまたま起こったものですからそれを主体にして質問をしたわけでありますが、そこで、今度の「廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約」は、これは一九七二年に採択されて、一九七五年の八月に発効したことになっておるわけですが、若干日本の場合はおくれておると思うんですが、そういうおくれてきた経過について簡単に、どこに問題があったのか御報告を願いたい。
○政府委員(永井浩君) この条約の批准がおくれた理由といたしましては、いま御指摘のように、わが国としては四十八年に署名したわけでございますけれども、その内容といたします廃棄物の海洋投棄の規制、この対象は非常に多うございまして、しかも既存の国内法令と非常に関係いたしております。こういった問題を検討調整する、あるいは条約の正確な解釈の確定、未規制物質の基準の作成、こういった技術的な問題を検討いたしておりまして批准がおくれたと、こういうことでございます。
○広田幸一君 私のちょっと理解としては、条約を批准するとそれだけ規制が強まってくるわけです。ですから業界の方にも影響があるということで、経済主義からおくれたというふうなことはなかったのか、そういう見方を外国からもされておったというようなことはなかったのか、その辺を聞きたいわけです。最近環境アセスメントの問題があっていろいろと国会でももめておるようでありますが、そういうふうな流れがあってこういうふうにおくれたというふうなことはあったのかなかったのか、お知らせ願いたい。
○政府委員(永井浩君) 条約の批准関連による国内法の整備によりまして、特段の規制強化によって困るというような業界の反対意見は聞いておりません。
○広田幸一君 きのう科学技術委員会で法案が可決したわけですけれども、私たちは反対したのですが、附帯決議もついておるわけです。 それで、ここで特にお聞きしたいと思いますことは、問題は低レベルの放射能の物質の取り扱いが特別許可によってできるようになっておるわけでございますね。そこで、われわれは大丈夫だろうかというまだ危険性を感じておるわけです。大丈夫だという、そういう科学技術庁のいままでの調査の結果というものがあると思うのですが、いままでの調査の流れというものを知らせてもらって、大丈夫ですよと、こういうことになりますか、ひとつお答え願いたい。
○説明員(辻榮一君) 放射性廃棄物の海洋投棄につきましては、実はヨーロッパにおきましては昭和四十二年からずっと行われてきております。アメリカにおきましてもそれよりさかのぼりまして昭和二十一年以降四十四年まで、実際に大量の海洋投棄が行われてきたわけでございまして、それによってこれまで特段の問題は生じてはきていなかったという状況になっております。 しかしながら、私どもこれから海洋投棄をやってまいりますにつきましては、やはり将来回収不能の深海底に投げ込むわけでございますので、安全性については十分なチェックをしていかなければならぬということでございまして、まず投棄をいたしますのは、焼却した灰であるとか、あるいは発電所等からの洗たく水等の低レベルの水をセメントで固化いたしましてこれを海洋投棄する、こういうやり方でございます。 したがいまして、そういった固化体が本当に数千メートルの海底で十分壊れないでおるかという問題が一つございます。これにつきましては、日本原子力研究所あるいは電力中央研究所あるいは海洋科学技術センター等におきまして各種の実験をこれまで行ってきております。海洋センターにおいては実際に模擬固化体を海中にほうり込みまして、その跡をテレビカメラで追跡するというようなことで安全性を確認してきたわけでございます。 しかしながら、それだけではいかぬということで、昭和五十一年に原子力委員会が放射性廃棄物の廃棄に関する基本方針というものを定めたわけでございますが、この方針によりますれば、まず事前に安全評価を十分に行い、しかる後試験的海洋処分を実施して、その結果を踏まえた上で本格的海洋投棄に進むと、こういうやり方を示したわけでございまして、私どもその線に沿いまして、昭和四十七年以降、太平洋上に四カ所の投棄候補海域を設定いたしまして、その周辺の海域の調査をいたしてきたわけでございます。 この調査は、水産庁、海上保安庁、気象庁あるいは気象研究所等の御協力をいただきまして、海底の地形の状況がどうであるか、深海におきますところの水の流れがどういうふうになっているか、あるいはそこにすんでおりまする海産生物の状況、あるいはそれらが持っておりますところの放射能のバックグランドがどういうものであるかというような調査をいたしてきておりまして、これらの調査結果を踏まえまして、昭和五十一年に科学技術庁において専門家を御参集いただきまして報告書をまとめております。さらに、この報告書につきましては、原子力安全委員会の中に放射性廃棄物安全技術専門部会というものを設けていただきまして、いわゆるダブルチェックをしていただいたということでございます。 その安全評価のやり方は、先ほど申し上げましたように、固化体が海底で壊れるということはまずないと思われるわけでございますが、それでは安全評価にならないということで、海底に着いた投棄物がすべて破壊されてしまう、そして、中の放射性物質が海水中に拡散するというきわめて厳しい仮定を置きましていろいろな調査を行っており、その拡散された放射性物質は海底のプランクトンに吸収され、さらに、小さい魚が食べ、大きい魚が食べるというようなことで、やがて人類の口に入ってくるわけでございますが、こういった放射能によって汚染された魚をわれわれが年間毎日二百グラムづつ摂取し続けるという仮定を置きまして計算をいたしたわけでございます。 この二百グラムというのは、厚生省の統計によりますと、大体われわれ年間一日に百グラム弱の摂取量でございますが、その倍ぐらいを仮定したわけでございますが、そういったシビアサイドの仮定をとりまして種々計算しました結果、こういった汚染された魚を毎日食することによって、どのぐらいわれわれの被曝量が増加するかということを試算いたしてみますと、本格的海洋処分を行いました場合、これはまだ具体的にどのぐらいを本格的投棄をするかという数字が決まっておりませんが、一応仮定といたしまして、毎年十万キュリーづつの放射性廃棄物を海底に投じたという、これを何年間も続けたという仮定をいたして計算しておりますが……
○広田幸一君 発言中ですが、時間がありませんから、もうその辺で最後の締めくくりとしてこうだということを言ってください。
○説明員(辻榮一君) わかりました。 その結果は、被曝量の増加は〇・〇二ミリレムであるということでございます。この数字はわれわれのふだん受けております年間の百ミリレムという被曝線量に比べまして非常に少ないということから、こういうシビアな状況を仮定いたしましても安全性については心配ないというふうに考えているわけでございます。
○広田幸一君 もっと聞きたいわけですけれども、時間がありませんので。 そこで、この法律が通るということになりますと、日本にある原子力発電所のところにいわゆる低レベルの放射能が、私の聞いておるところでは二十五万本、全国ですね、年々五万本ぐらいふえておるようでありますが、こういうものがこれから処理されるということになるわけですね、何年か先に。その場合、輸送関係についてどういうふうになるのか。アメリカにおいても、陸上輸送の場合にトレーラーが積んでおったのが爆発して、その辺の消防士がけがをしたというふうなことも聞いておるわけですが、この辺のその輸送関係の規制というものはどういうふうになるのか。それから、海上輸送の関係は一体どういうふうになるのか。これは科学技術庁よりも運輸省、海上保安庁ですか、そこいらに関係してくると思うんですが、その点はいまから考えておられるのかどうなのか。安全性の問題を含めて大切なことだと思うんですが、ひとつ簡潔に御答弁願いたい。
○説明員(辻榮一君) 廃棄物の輸送は、大部分の日本の原子力発電所は沿岸立地ということで、サイトの中に専用港を持っておりますので、そこに船舶を回航いたしまして、その投棄船については専用の廃棄物船を考えておるわけでございますけれども、それによって海上輸送によって投棄されるということになります。廃棄及び運送の規定につきましては、原子炉等規制法及び船舶安全法によりまして諸般の規制が加えられておりまして、国際的基準に従って安全な規制を行うというやり方にいたしております。
○政府委員(謝敷宗登君) 海洋投棄に関します放射性廃棄物の船によります投棄場所までの輸送でございますが、現在放射性廃棄物の船舶の輸送の安全規制は、国際原子力機関の規制及びこれに基づきます原子力委員会の決定に基づきました基準に従いまして安全基準を私どもの省令で決めております。したがいまして、これによって輸送それから積付についての基準を決めてございます。問題は船をどうするかということでございますが、これは一番レベルの高い使用済み核燃料の輸送については、すでに実績をもって特殊な船を考えてございます。あとは実際に廃棄される放射性廃棄物の放射性のレベルによりまして私どもとしては構造を検討していきたい、こう考えております。
○広田幸一君 科学技術庁の方は結構でございます。 時間がありませんので、最後に、船舶のトン数の測度に関する法律案について、二つ質問をいたします。 一九六九年に採択されてから今日まで十一年間かかっておるわけですね、これが。なぜこんなに日にちがかかったのかということが一つと、それから、総トン数というのは船主としてはできるだけ総トン数が少ない方がいいわけですね。そういうことになりますと、現在の法律からいきますと、空間があるわけですが空間が入っていないわけですね。今度はそういう空間を入れるわけですから、総トン数の中に。機関室とかそれから居住地域ですかの一部、そういうものをできるだけ狭めていこうというふうなかっこうにならざるを得ない、なりやすいというそういう指向があると思うんですが、そういう点についての対応というものは考えられておるのか。この二つの点について御答弁願いたい。
○政府委員(謝敷宗登君) まず第一点の、一九六九年の条約が現在まで日本において批准がおくれております理由としまして、二つございます。 一つは、船のトン数の画一的な原則規則を決めるということは、これは実は戦前からの宿題でございまして、ようやく六九年にできたわけでございますが、それにしましても、それぞれの各国において、このトシ数があらゆる海事諸制度の基準になるものですから、国内法との調整を各国ともそれぞれ苦心していたということでございまして、これが国際的に定着するかどうかを各国とも慎重に見きわめてきたというのが国際的に時間がかかった一つの理由でございます。 特にわが国におきまして、これに対しましてどういう対応をしたかというのを簡潔に申し上げますと、国際航海に従事します四千トン以上の船につきましては、これは現行の測度、現行のトン数と、今回お願いをしておりますトン数との間に大きな乖離がないように国際的な計数を決めたわけでございます。したがいまして、これはまず問題がなかったわけです。 次に問題としましては、国際条約でございますから、国際航海に従事する船にのみこれを適用するか、あるいはこの新しい方式を国内を運航する船にもはかり方を適用するかという問題があったわけでございます。 私どもとしましては、従来の内のりそれから用途による控除方式によりますと、外形が同じにもかかわらず総トン数が違ってくるということで不都合があったわけでございますので、できれば国内を動く船につきましてもはかり方については同じ方式をとりたいということをまず考えたわけです。そうしますと、小型船になりますと、内のりのたとえば肋骨その他の寸法のきき方が大きいわけでございますので、どうしても新方式でやりますとトン数が国際的に決めました計数よりも大きくなります。これをどう調整するかということで選択を検討していたわけですが、少なくとも外のりではかり、かつ控除しないという方式をとるべきであるというのを第一義的に決めたわけです。しからば国内のみを走る船についてどう調整するかということでございまして、この計数の整理に現存船の数字等を統計的に処理をするために時間がかかった、こういうことに御理解いただきたいと思います。 それから第二点の、先生御指摘のように用途による除外場所を今回外しておりますので、特に上甲板上の操舵室とか操機室とかあるいは賄い室とか、こういうものが今度はトン数に入ります。そうしますと、そこを小さくしたい、こういう気持ちが出てくるわけでございますが、現在一般的な船におきましては居住区並びに作業スペースといいますものは、必ずしも法律の規制によって大きさを保っているということではございませんで、一般に船内の労働条件それから居住条件が進歩してきまして、それに合わせて現実には規制以上のスペースがとられております。 ただ、今回のトン数のはかり方の変更によりまして、こういうことがないようにということを心がけて、五十五年度におきまして、発効前にこの種の調査を三千トン以下、特に三千トン以下の船について全部進めまして、必要な事項があれば規定をすべく検討したい、こう考えております。
○内田善利君 私も引き続いて本法案について質問したいと思いますが、その前に出光タンカーの徳山丸の事件について二、三質問しておきたいと思います。 まず第一に責任問題ですが、衆議院でも参考人を呼ばれて質問があったようですけれども、出光が山水商事からさらに内外産業と、ワンクッション置いて仕事をさせて、そしてこういう事故が起こって、最後に責任はないというようなことを言っているようでございますが、その点。 それから第六条に、「船舶所有者は、」「油濁防止管理者を選任しなければならない。」となっておりますが、この船にその管理者が乗っていたのかどうか。 この二点についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(真島健君) 油濁防止管理者、これは一等航海士が選任されて乗っております。 それから、その前の出光タンター自体が責任がどうであるかという問題でございますけれども、その点につきましては私ども現在捜査中でございますので、取り締まり当局の側からはちょっと現段階では申し上げられないとお答えするしかないと思います。
○内田善利君 船の後方で捨てているわけですね。袋に詰めて捨てておった、不法投棄しておったということですが、あのタンカーの場合にはプリッジからタンカーの後方で捨てているのが、しかも投光器を使っていたということなんですが、わからなかったということが私にはよくわからない。そういったことを言っているならば船の安全ということは期せられないんじゃないかと、こう思うんですが、その点はどのようにお考えですか。
○政府委員(真島健君) 現在、いろいろな関係者にいろいろなことを聞きながら、私どもは私どもなりの捜査を進めておる段階でございまして、私どもは容疑事実が固まるかどうか。と申しますのは、現在の海洋汚染防止法の罰則その他のたてまえから申しますと、乗組員と作業員との間に共犯関係があったかどうかということが現実にあっかのかどうか、これを裁判にたえるだけの証拠を備えてやっていくということでございまして、そういう点については現在捜査中でございまして、私どもの方から現段階では、どうも申しわけございませんけれども、申し上げられない状態でございます。
○内田善利君 こういう事故はあってはならないことなんですが、大体タンカーのスラッジですね、これは海に投棄してはいけないわけですが、一体どこでその清掃作業をやっているのか、清掃された後の出てきたものはどこに捨てているのだろうかという不審が今度の事故を通して起こってきたわけですが、スラッジの最後の行方。どういうシステムでどこに捨てられておるのか、この点、不安がといいますか、疑問が起こってきたわけですが、この点お伺いしたいと思います。
○政府委員(永井浩君) 一般的に申し上げますと、タンクのクリーニングの作業は大きく分けまして四段階あると思います。一つはタンク全体を温水でもって洗うという作業、それから洗った後の水を、油と水に分けまして、水の方は海洋に放出するわけでございます。それからタンクの中の残留油分によって発生いたしますガス、これは危険でございますので、このガスを抜く作業、それから最後に底にたまりましたスラッジを揚げる、こういう作業に分かれるわけでございます。 それで二番目の、タンクを洗った後の洗い水を油と水に分けまして、水の方を海洋に放出するわけでございますが、これは海洋汚染防止法によりまして、一定の陸岸から離れた距離の沖合いで放出しろ、こういうことになっているわけでございます。 それからガス抜き作業でございますが、これは過去に港湾内でやって事故を起こした例もございますので、なるべく港外でやれ、こういう指導をいたしております。 そういうことで、一般的にはこのタンククリーニング作業は外洋で行うというのが通常でございます。ただ、スラッジについては、これは外洋でなくてもできるわけでございますが、スラッジが揚がりましたらば、これを入港した港におきます廃油処理業者に引き渡して処理してもらう、こういうのが原則でございます。
○内田善利君 その廃油処理業者はどういうふうに、どこへ持っていくわけですか。
○政府委員(永井浩君) 一般的には焼却するとか、あるいは有効に活用できる油とその他に分ける。有効に活用できる油についてはこれを利用者に売却する、こういうようなことでございます。
○内田善利君 スラッジの処理施設というのはありますか。どういうものですか。
○政府委員(永井浩君) 全国の港湾百二十二カ所に廃油処理業者というのが、あるいは港湾管理者が廃油処理施設を持っております。そこに引き渡して処理する。あるいは造船所等において自家用の処理施設を持っているところもございます。
○内田善利君 その廃油の処理施設はわかるんですが、スラッジの処理です。
○政府委員(永井浩君) スラッジも廃油の一種としてそこで処理するというのが通常の形でございます。
○内田善利君 廃油を処理した後のスラッジですよ。水に分け、油に分けた後の残り、これはどこで処理しているんですか。そういう施設はありますか。
○政府委員(永井浩君) 広い意味の廃油と申しますのはいろいろございますが、スラッジというのは、先生御承知と思いますけれども、原油を積んでまいりますといろんな砂まじりの油あるいは船のさび等のまじったタール状のものでございまして、これも私どもは廃油として考えておるわけでございます。廃油処理業者はそのスラッジをやはり廃油としていろんな方法で処理する、こういうことでございます。
○内田善利君 そのいろんな方法というのがよくわからないんですがね。
○政府委員(永井浩君) 先ほど申し上げましたように、焼却するのが大部分だと思います。
○内田善利君 焼却しておりますか。
○政府委員(永井浩君) 先ほど申しましたように、焼却するのが大部分でございまして、有効活用できる分に分離できれば、そういったものは利用するということでございます。
○内田善利君 時間がありませんのでこれでやめますが、とにかくスラッジを最後にどこに持っていっているのか非常に疑問と思います。こういうシステムはありません。恐らくあちこちで陸上で放棄されておる、それがない場合は海で投棄されている、こういう実情だと私は思います。 海上保安庁に聞きますが、廃油ボールですか、廃油ボールの現在日本列島に打ち上げられている状況をお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(真島健君) 私も正確な数字をいまちょっと資料持ち合わせておりませんけれども、日本周辺、特に南側が多いわけでございますけれども、太平洋側ということでございますけれども、そこに相当数流れ着いております。最近の変化を見ますと、全体の量はやはり余り減っておりません。ただ南西海域と申しますか、南半分の方がある程度多くなって、本州側に流れ着くものが多少減っておる。しかし、全体の量はそれほどの変化がないというふうに承知しております。
○内田善利君 南西海域では海水浴もできないような非常に困った状態にあることは、海上保安庁一番よく御存じなわけですが、こういう廃油ボールがずっともう十年ぐらい海辺を汚しておるという事実は、徳山丸のようなことがあったんじゃないかという質問が衆議院にはあって、そういうことはなかったという答弁が返っておるようですけれども、この廃油ボールの実態からも、海洋で油が投棄されておるということを原因としてはっきり物語っておるわけですね。だから、こういう海洋投棄を、外国船も含んで防止する立場で海上保安庁活躍されておるわけですが、実際上、実態として船舶が投棄をするのを完全に監督監視ができるものなのか、夜間に乗じて捨てようと思えばまだまだ捨てられる状況にあるのか。この辺の実情はどうなんでしょうか。
○政府委員(真島健君) 廃油ボールが、どの辺でたとえば油が流されたときに、どの程度だったらどういう形でああいう形になって流れ着くかという、これは原因非常にむずかしい調査でございますけれども、いずれにいたしましても廃油ボールが全く流れ着かないようにする。それが主として南西海域、まあフィリピン沖から台湾沖を通ってわが国に往復するタンカーのすべてについて、夜間を通じても確実に監視をし、そういうことのないようにするということのためには、恐らく非常に多数の航空機、船艇その他を常時あの海域等に張りつけなければ実際にはむずかしいことでございまして、そういう意味では現在の私どもの勢力、巡視船艇三百三十隻、航空機四十八機という程度の勢力と人員をもちましては一〇〇%の効果は非常にむずかしいと思います。
○内田善利君 やはりこれは当該、こういったことに従事している者あるいは船舶、そういった全国民のやはり海を汚してはならないというモラルの問題に帰ってくるんじゃないかと、こう思うわけですが、まあ法案に入りまして、ロンドン条約の前提となった人間環境宣言、これの趣旨といいますか、これはどういうものであったわけでしょうか。 それと、この海洋投棄規制条約の批准のための国内法制の整備がおくれた理由は何だったのか。先ほども質問があっておりましたが、特に海洋汚染防止上問題はなかったのか、この点についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(永井浩君) 一九七二年に国連の人間環境会議が開催されまして、御指摘の環境宣言が発せられたわけでございますが、これは環境全般につきましての人間環境の保全と向上に関しまして世界の人々を励まし導くための共同見解という趣旨だと理解いたしております。 その中で海洋汚染の問題を重要問題の一つとして取り上げ、海洋投棄に関します条約の作成が勧告されておるわけでございます。条約の批准が非常におくれました理由につきましては、主としてその条約の内容が広範な内容を有する条約でございますし、その正確な解釈を確定すること、それから国内的には関係法令が非常に多かったということで、これらの調整、主として立法技術的な問題でございますが、そういったものの調整、それから未規制の物質がございましたので、こういったものの規制の基準を作成する、こういった作業に時間をとったわけでございます。
○内田善利君 先ほども質問があっておりましたが、業界の、何といいますか産業界の圧力があったように私も聞いておりますが、この点はなかったという答弁ですけれども、そうですね。
○政府委員(永井浩君) 実はこの条約の陸上からの廃棄物の海洋投棄につきましては、条約を先取りした形ですでに海洋汚染防止法の中で相当部分を取り入れてございます。新たな物質というのはそれほどございません。そういった意味で、今回の改正についてそういった特段の反対があったということは聞いておりません。
○内田善利君 それは確認しておきます。 次に、本法案の前提となっているロンドン条約には放射性廃棄物の投棄の問題が含まれているわけですが、それを受ける法律案がきのう科技特委員会で成立しておるようですけれども、そのために海洋汚染防止法では五十二条で放射性廃棄物を除外しておるわけですが、本法案に直接盛られていないけれども、ロンドン条約の関連で放射性廃棄物の投棄の廃棄基準を決めておると思いますが、その廃棄基準はどのようになっておりますか。
○説明員(辻榮一君) 放射性廃棄物の廃棄基準につきましては、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律と、もう一つ放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律というものに基づきまするところの総理府令によって定めているわけでございます。 核燃料物質につきましては、核燃料物質等の工場又は事業所の外における廃棄に関する規則というものがすでに総理府令で制定されておるところでございまして、基準につきましては、このロンドン条約に関連いたしましてIAEAという、国際原子力機関という国連の専門機関があるわけでございますが、そこで出しておりまする廃棄物の海洋投棄に関する基準をそのまま取り入れた形で諸般の細かい規定が定められているわけでございます。
○内田善利君 高レベルの放射性廃棄物は、これは禁止されるわけですが、低レベルの廃棄物は海洋投棄するわけですね。いままでに投棄された総トン数といいますか、そういうのがわかっておれば教えていただきたい。
○説明員(辻榮一君) これらの最近の基準によりまして投棄されました廃棄物はございません。これは、これらの海洋投棄につきましては水産界との意見調整を十分にする必要があるということで、先ほども申し上げましたような海洋投棄の安全性等につきまして、漁業関係団体にただいま鋭意御説明をさせていただいているところでございます。
○内田善利君 そうしますと、いま陸上にドラムかんの中に保管されておるわけですが、こういったものが海洋へ投棄されるということになってまいりますね。そうしますと、まず最初にお聞きしたいのはこの低レベル、高レベル、この低レベルということはどこで判断されるのか。高レベルは禁止されておるわけですが、低レベルは海上投棄していいということにこの法案でなるわけですね。 そうしますと、そこの線引きといいますか、その辺非常にむずかしいんじゃないか。ドラムかんで調査するのか、その固体化されたもので調査するのか、あるいはその物質の放射線量等で計算——詰める前にやるのか、その点はどのようになっておるんでしょうか。この線引きが大変むずかしいんじゃないかと思いますが、その点はどうですか。
○説明員(辻榮一君) 高レベル廃棄物の定義につきましては、先ほどの国際機関であるIAEAによりまして基準が定められておりまして、わが国においてもこの基準を採用しているものでございます。 基準はなかなか細かいものでございますので省略させていただきますが、それの確認の方法につきましては、これまで実際にできまするところの固化体、セメントで固化するわけでございますが、それの放射能濃度を測定するなどいろいろなやり方についての研究が進められてきておりますので、その線に沿って実施すると、これは今度の法律改正に基づきましてこれらの確認を受けなければ投棄をしてはならないということになっておりますので、国の確認官がこれをチェックするというやり方をとるわけでございます。
○内田善利君 海洋汚染防止法というのは海を汚さないという目的があると思うんですね。そういう海にはできるだけ捨てないということになっているにもかかわらず、今回はこれが捨ててよろしいということになるわけですが、わが国の周辺海域の陸上発生廃棄物の海洋投入処分の現状ですね、これを廃棄物の種類ごとに投入処分量を教えていただきたいと思います。
○政府委員(永井浩君) 廃棄物の海洋投入処分の現状でございますが、これは海上保安庁長官に登録を受けた排出船というのがございます。これの報告を集計したものでございますが、昭和五十三年中にわが国の周辺海域において投入処分された陸上発生廃棄物は産業廃棄物で約三百五十九万トン、屎尿等の一般廃棄物で約四百八十九万トンとなっております。
○内田善利君 現在やっている廃棄物の排出海域、それと排出方法、これはどのような考え方に基づいて設定されているのか、同時に条約の実施に伴って規制対象物質、排出海域、それから排出方法、これはどのように変わっていくのでしょうか。
○政府委員(永井浩君) 一つは埋め立て場所等への廃棄物の排出というのがございます。これは安定型、管理の容易な形等でございまして、排出方法等についても細かく定めております。 それから陸上の廃棄物でございまして、一般の廃棄物、それから産業廃棄物ごとに排出方法、排出海域は細かく定められておるわけでございますが、たとえばシアン等の有害廃棄物につきましては、コンクリート固形化してA海域、これは非常に沖合いの深い海域でございますが、これに集中的に排出する、それから海洋の非還元性の廃棄物についてはやはり集中型に排出する。それから海洋の還元性の廃棄物はわりあい比較的近海に拡散型で排出する。いろいろな形で排出の方法、海域が定められているわけでございます。 それから新しく今度廃棄物の対象となりますのは、条約の批准によりまして追加されますのは銅等でございますが、これらについても今後その排出の方法、場所等を定めてまいりたいと、このように考えております。
○内田善利君 法案の中で第十条の二項四号、「政令で定める本邦の周辺の海域」というのは、これはどこどこを指すんでしょうか。
○政府委員(永井浩君) これは政令で定めることでまだ最終的に確定しておりませんが、沿岸からおおむね二百海里ということを考えております。
○内田善利君 次に、同じく第十条の三項、「前項第三号の規定により廃棄物を排出する場合において、その廃棄物がその排出につき海洋環境の保全の見地から特に注意を払う必要があるものとして政令で定める」と、これはどういうものを指すのか。「その排出に関する計画が同号の基準に適合するものであることについて、確認の申請書を提出」すると、こういうことになるようですが、この「政令」と「基準」ですね。
○政府委員(永井浩君) 有害物質、たとえば砒素、鉛、シアン等、こういったものを判定基準以上に含むものをコンクリート固形化したもの、こういったもの。それからもう一つは巨大廃棄物、現在は大体十二メートル以上のものということを一つの案として考えておりますが、こういったものを海洋廃棄する場合には、特に注意を払う必要のある物質といたしまして、海上保安庁長官の確認を受けさせる、このように考えております。
○内田善利君 それから今度は、ちょっと法案について引き続き質問しますが、第十九条の二「(油及び廃棄物の焼却の規制)」のところですが、この中に「政令」、「基準」がたくさんあるんですね、それを一つ一つお聞きしたいと思いますが、最初、「環境の保全に著しい障害を及ぼすおそれがあるものとして政令で定める油又は廃棄物の焼却をしてはならない。」、それから二項は、今度は「前項の政令で定める油又は廃棄物以外の油又は廃棄物の焼却をしようとする者は、政令で定める焼却海域及び焼却方法に関する基準」、この「基準」ですね。それから三項の今度は「環境の保全の見地から特に注意を払う必要があるものとして」の「政令」、禁止するものは「著しい障害」、今度は「特に注意を払う必要があるもの」、この「政令で定める油又は廃棄物」、それの「基準」についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(永井浩君) 第十九条の二第一項の「政令」でございますが、現在検討いたしておりますのは水銀とその化合物、それからカドミウムとその化合物を考えております。これは焼却禁止ということで考えております。 それから、二項の「政令で定める焼却海域及び焼却方法」につきまして、焼却海域につきましては焼却によります水産物等の影響、あるいは焼却後の煙突から出ます灰が陸岸に及ぼす影響等を勘案いたしまして、現在関係機関と検討中でございます。焼却方法につきましては、燃焼効率とか温度、こういったものを定める予定にいたしております。 それから、三項の確認を要する焼却廃棄物でございますが、これにつきましては、有機塩素系の化合物、それから油、それから駆除剤と、こういったものを対象として考えております。
○内田善利君 確認制度が創設されるわけですが、この確認と許可とは同じなんでしょうか、どう違うんでしょうか。
○政府委員(永井浩君) いわゆる日本の法令上の許可とは違うわけでございますが、従来からわが国の国内法では相当厳しい基準がございます。したがって、条約の批准に当たりまして、この基準は十分満たしておるわけでございますが、条約の中で特に言っておりますのは、一般的な許可とそれから特別の許可という制度がうたわれておるわけでございます。 これは必ずしも本法の法令で言う許可という意味ではないと考えておりますが、一般的許可は、要するに事前に基準を示して、それに適合したものは捨ててもよろしい、あるいは燃やしてもよろしいと、こういうことでございまして、これはわが国の基準の公表によって満たされると、それから特別許可の方につきましては、事前にチェックすると、こういう内容の制度になっておりますので、その中で特に環境に大きな影響を及ぼすものについては海上保安庁の長官の事前のチェックを受けさせると、こういうことで、条約の要件は十分満たす、このように考えております。
○内田善利君 それから、海域における焼却に関する規制制度が創設されるわけですが、油または廃棄物の焼却の規制のところで思い出すわけですけれども、鐘化のPCBですね、これの焼却をオランダのバルカナス号をチャーターして焼却するというようなことが一九七八年あたりから話題になったわけですが、いまだにまだこれが実現していないわけですが、今度この法律ができますと、これはもう法律で許可ができるようになるわけですが、その点についてはどうなんですか。
○政府委員(永井浩君) PCBは現在陸上に貯蔵されているわけでございますが、御指摘のように外国の焼却専用船を使って焼却したいということですが、まだその実現に至っておりません。一定の要件が満たされれば当然洋上焼却は認められると、このように考えております。
○内田善利君 それから、現在ビルジの排出規制の対象となっていない総トン数三百トン未満のタンカー以外の船舶のうち、総トン数百トン以上の船舶を排出規制の対象とすることになったわけですが、これはやはり三百トン未満の船舶からの排出、こういったことが多かった現状からこういう法改正ができたんじゃないかと思いますが、この三百トン未満のタンカーの総トン数はどれぐらいになっておりますか。あるいは船舶数でも結構です。
○政府委員(永井浩君) 船舶数でございますが、三百トン未満百トン以上の船が合計で二千二百隻程度でございます。それで、これらの船を規制いたしますことによって従来海上に出ておりましたビルジの約四割は減るだろう、このように推定いたしております。
○内田善利君 次に、既存船のうち、今度は総トン数百トン以上二百トン未満の船舶は対象外としたわけですね。そうして総トン数二百トン以上三百トン未満の船舶については三年間の猶予期間を置いた、こういうことですが、この既存船のうち三百トン未満の船舶、これは何隻ぐらいいるんですか。
○政府委員(永井浩君) 二百トン以上三百トン未満の船が千三百八十八隻と考えております。
○内田善利君 この既存船はビルジの排出防止装置等はつけてないのが多いのじゃないかと思うんですが、こういったものから排出される童は、年間どのような排出量になると推定されておりますか。
○政府委員(永井浩君) 百トン以上三百トン未満の従来規制対象でなかった船、これのビルジのこれは油分だけでございますけれども、これは推定でございまして年間に三千五百立方メートル程度と、このように推定いたしております。
○内田善利君 次に、これで最後にしたいと思いますが、航空機からの油、または廃棄物の排出規制が今度新しくできたわけですが、わが国でそういう例があったのかどうか。それから、外国ではそういう例がどのようになっているのか。その排出規制の実施方法を具体的にどのようにされる予定か。
○政府委員(永井浩君) 外国の実例はつまびらかでございませんが、わが国におきましては、緊急事態のときに着陸時の火災を防ぐため燃料油を事前に放出するといった例、それから、あとは墜落等の事故によって流失した例、こういうことでございまして、特段に故意に油を航空機から放出したという例は聞いておりません。
○内田善利君 最後に大臣にお伺いします。 改正の内容を含めた現在の法制度で廃棄物の適正な海洋処分の確保が図られると考えられるかどうか。今後、海洋汚染の防止のためにどういった姿勢で取り組んでいかれるのか、所信をお聞きして終わりたいと思います。
○国務大臣(地崎宇三郎君) 徳山丸事件等の内容を調査をいたしました結果、海洋関係の従事者の方々のモラルの向上がまず第一でございます。また、スラッジ等を投棄する場合の請負契約等の孫講、下請までの間の経過によって、焼き払った方が得だ、焼き払ってしまえというような考え方等も出てくるのではないだろうかというようなことで、いろいろモラルも向上しなければなりませんし、海をきれいにするということに対しての取り締まりを徹底しなければならないということで、運輸省当局といたしましては出先の海運局あるいは港湾局あるいは海上管区本部、これらと連絡を密にいたしまして、本省内でもしじゅう打ち合わせをするということで、いろんな形で取り締まりを徹底化する。また、海上保安庁の体制もまだまだ不十分でございますので、将来体制の強化もいたしまして、夜間の監視等も十分できるようにするというようないろいろな方法をとってまいりまして、海洋汚染防止に努めてまいりたい、かように存じておるわけでございます。 このような体制を積極的にとりまして、それでもまだ海洋汚染が進む、海洋汚染防止ができないというような事態になりましたときには、さらに何らかの措置を考えなければならないというところまでいま考慮しているところでございます。真剣にやらしていただきたいと存じております。
○委員長(黒柳明君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。 午後零時二十一分休憩 —————・————— 午後一時三十四分開会
○委員長(黒柳明君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、内田善利君が委員を辞任され、その補欠として太田淳夫君が選任されました。
○委員長(黒柳明君) 休憩前に引き続き、海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律案及び船舶のトン数の測度に関する法律案を便宜一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○渡辺武君 私は、先日の出光タンカーの徳山丸の廃油不法投棄事件について、まず運輸大臣に伺いたいと思うんです。 今回の不法投棄を告発したルポライターの加藤邦彦氏、この人が徳山丸に乗船するに至ったいきさつ、これについて、かねてからこういう不法投棄が行われているということを聞いていた、調べたいと思っていたところを誘われて、それで徳山丸に乗り込んだのだということを言っておられるわけですね。それから、先日の衆議院の運輸委員会で参考人として出席された際も、こういうことが日常的に行われていると聞いているということをはっきり明言しておられる。そして、今回の事件は氷山の一角だということも言っておられるわけですが、私どもも政府側からいろんな資料をいただいて調べ、あるいはまた現地などにも行きまして調査をしまして、明らかにこれは氷山の一角にすぎないという認識を非常に強くしているわけですが、この点について運輸大臣、どうお考えなのか、まず伺いたいと思います。
○国務大臣(地崎宇三郎君) 広い海洋の上における問題でございますので、海上保安庁を通じまして、運輸省といたしましても厳重に不法投棄等についての取り締まりを行っておるところでございますけれども、何と申しましても海上においての行為というもので、なかなかその実態をつかむことがむずかしいものだと考えるわけでございます。 まして、今度の徳山丸事件の内容等を調査いたしますと、請負の会社との関係その他で罰金さえ払えばいいというような主張もあるのではなかろうかというふうな感じさえもしておるわけであります。御指摘のような氷山の一角ということであらわしていいかどうかわかりませんけれども、相当数のものが予想されると、そのような観点に立ちまして、先般運輸省内でもいろいろ相談いたしまして、地元の出先の海運局あるいは海上監督機関等、また港湾局あたりでは、例の焼却施設等を設置しておるわけでございますから、これの使用状況等調べて、それの符節が合うかどうかというふうなことも厳重に取り締まるというようなことでこのような問題を絶滅するような考え方で進めてまいりたいと、かように考えておるわけでございます。
○渡辺武君 これは私が運輸省の方からいただいた資料なんですけれども、昭和五十四年度の海洋汚染の発生件数千七百三十三件のうち油によるものが七二・五%、千二百五十七件を占めている。ところが、その油による発生源の内訳ですけれども、船舶によるもの、これが七百六十九件、六一%、それから問題は発生源不明四百三十五件、約三五%に及んでおるんですね。この発生源不明というのが大変私はくさいと思うんです。今回の事件のような不法投棄などが恐らくこの中に含まれているんじゃあるまいかというふうに考えられるわけです。 なお、昨日開かれた衆議院の運輸委員会で、いま大臣もお触れになりましたけれども、運輸省の指導で全国の主要港湾百二十二カ所の廃油処理場が設置されて、その処理量年間七千二百万トンということになっているんだが、実際処理されているのはその六分の一程度にすぎない、こういうような実態も明らかにされておるわけですね。 そう考えてみますと、これは従来からも、大臣もいまお触れになったので余り詳しくは追及しませんけれども、こういう不法投棄がかなり大規模に行われていたんじゃないかということを推定させるわけですが、特にこの土佐湾沖ですね、これはタンククリーニング海域というふうにも言われておりまして、特に漁場の被害が年々増大しているという状況です。それで、土佐湾沖では五十三年にリベリア船籍のタンカーのマイティ・トレーダー号、これがスラッジ三十トンを不法投棄したというような事態があったわけですね。ですから、この教訓を踏まえて、当時からいま大臣おっしゃったような徹底的な点検をやっていただけば、私は今回の事件も未然に防げたんじゃないかというふうに思うんです。 それで、今回とられた措置ですね、いま大臣もお答えになって、私も見せていただきましたけれども、各日本船主協会会長、日本タンカー協会会長、日本内航海運組合総連合会会長、それから日本旅客船協会の会長あてに運輸事務次官通達が三月二十七日付で出ている。これを見てみますと、こんな程度では私はとてもこれは一般論でなかなかこの不法投棄を厳重にやめさせるというまでには至らないんじゃないかという気がしているんですが、その点はどうでしょう。
○国務大臣(地崎宇三郎君) おっしゃるように、一片の通達だけでなかなかこの問題が解決するものだとは考えておりません。少なくとも海洋汚染防止をするという一つの考え方が定着をしてもらわなければならないということで、いま考えておりますことは、さらに会合等を催しまして、責任者に集まっていただきまして十分話し合い等を進めるというような措置もとりたいと、このように考えておるわけでございます。
○渡辺武君 私は、今回のこの事件、これの真の責任の所在を徹底的に追及するということこそ重要な道じゃないかというふうに考えているんですが、その点で伺いたいのは、衆議院の運輸委員会に参考人として出てきました出光タンカー側の参考人ですが、これが自分のところの責任だということをさっぱり認めていないんですね。それで、これは新聞記事ですけれども、恐らく正確なものだろうと思うんですが、こういうことを言っているんですね。「タンクの清掃は下請の山水商事に任せている。山水商事がさらに内外産業に作業を任せ、不祥事を起こした」というふうに言って、出先タンカー自身の責任だということをさっぱり認めていないという状態なんです。 ところが目撃者がいるわけですよね、加藤さんという生き証人が。その方の陳述を見てみますと、とにかく真夜中にライトをごうごうと照らして、そうして、そういう状態のもとで投棄をやっているわけですね。だから、宿直員、これが知らないはずないと言うんですよ。特に責任者である一等航海士、これが知らないはずがないんだという趣旨のことを言っておられるわけですね。それから同時にまた、土佐沖にタンカーを回航して、そこで清掃作業をやるというようなことも、これは出光タンカーの承認がなければそんなことできるはずないんだという趣旨のことも言っているんです。 私は、したがってその出光タンカーの責任というのはこれは無視できないことじゃないかというふうに考えているわけですが、この海洋汚染防止法ですね、これでの油濁防止の管理者である一等航海士、それから船長や船舶所有者、これについての責任はどんなふうにお考えになっていらっしゃいますか。
○政府委員(永井浩君) 海洋汚染防止法の体系におきましては、油投棄の禁止につきましてはその行為者を罰するということでございまして、御指摘のように内外産業の作業者がいま刑事事件として扱われておるわけでございます。そのほかに当然のことながら油濁防止管理者である一等航海士がその点を知っていたかどうかということにつきましては、刑事事件として現在海上保安庁で捜査中と聞いております。 一般的に申しますと、油濁防止管理者は船長を補佐して油濁防止の業務を行うわけでございますが、その中には法律によりまして油記録簿に真実を記載するという義務がございます。もしそれに違反すれば所要の罰則が適用になります。そのほかに法的な責任ということではございませんが、油濁防止管理規程というものを設けるように義務づけられておりまして、当然油濁防止管理者はその規程に従って適正な業務を行わなければならない、こういうことになろうかと思います。
○渡辺武君 そうしますと、油濁防止管理者といったら一等航海士のことでしょう。そうすると、船、長もその一等航海士に油濁防止の仕事を委任してやらせるということで、船長についても責任はあるというふうに私は思います。その点はどうですか。
○政府委員(永井浩君) 船長についてはいわゆる両罰規定的な規定はございません。ただ、いろんな関係で共犯関係にあれば当然船長も罰せられるということでございます。
○渡辺武君 それでは、その油濁防止管理者、これがやるべきことですね、どういうことを決めてあるのか、要点だけでいいですけれども、油濁防止規程、これに詳細に書かれているんですね、その点ちょっと御説明いただきたいと思います。特に貨物油及び燃料油のタンクの残留分の処分作業ですね。
○政府委員(永井浩君) 海洋汚染防止法の施行規則に油濁防止規程に盛り込むべき事項が列挙されております。それで、その中に「油の不適正な排出の防止のためにとるべき措置に関する事項」といたしまして、「貨物油の積込み、積替え及び取卸し」に関すること、「貨物油タンクへのバラストの積込み及び当該タンクからのその排出」、「貨物油タンクの洗浄」、「スロップ・タンクからの水の排出」、「貨物油タンク及び燃料油タンクの残留分の処分」、「ビルジの排出」、「事故その他の理由による例外的な油の排出」と、こういったものについての防止上のしかるべき措置を記載すると、こういうふうに規定されております。
○渡辺武君 いま若干の説明がありましたけどね、この規程で見てみますと、そのタンクの残留分の処分作業の中で私ども非常に重要だと思いますのは、一番最初に、「船長は、油濁防止管理者及び関係する各部の主任者の意見を聴いたうえ、作業予定表を作成し、これを海員に周知しなければならない。」ということで船長の義務もきちっと言っていますね。それから、なお同じ項目の(5)のところですけれども、「貨物油タンクの残留物は、海中投棄してはならない。」と。(6)が「作業に従事する者は、作業が終了した場合は、甲板上に備蓄した貨物油タンクの残留物の量を計測し、作業に要したウエス等の油汚染物を所定の場所に格納しなければならない。」。それから、その次ですが、「油濁防止管理者は、前項の措置の状況を点検し、その結果を船長に報告しなければならない。」と、こういうことになっていますし、それからビルジのことについても書いてありますけれども、とにかくそういうことで、船長及び油濁防止管理者の責任というのは非常に明確に定められているわけですよ。 もし一等航海士と船長がこの規程に基づいて忠実に自分の責任を遂行したならば、夜間ごうごうとライトを照らした中で廃油が不法に投棄される、二回もそれがやられているわけですね。それからまた入港直前に今度は真っ昼間それがやられている、そんなことを知らなかったなどとはとうてい言えないと思うんです。この点どう思いますか。
○政府委員(永井浩君) お説のとおりだと思います。各社で定めますその油濁防止規程を忠実に実行すればこういった不法投棄の大部分は防げるんではないかと、このように考えております。
○渡辺武君 そうしてみますと、とにかく下請産業に任していた、下請の山水ですか、それがまた、又下請の内外産業にやらしたんだと、だから出光としては知りませんと、こう言っているんだね。しかし、出光タンカーの従業員ですよ、船長にしても一等航海士にしても。それがいまあなたのおっしゃったように、忠実にやるべき義務を果たしていればそういう事態は起こらないのにもかかわらず起こっている。その点については、やはり出光タンカーの責任は明らかなことじゃないかというふうに思いますが、その点どうですか。
○政府委員(永井浩君) 法律上の違反になるかどうかにつきましては、先ほど申し上げましたように海上保安庁において現在捜査中でございます。その刑事事件としての問題は別といたしましても、当然そういった一般的な問題といたしまして、船長なり油濁防止管理者の公害防止というものについての怠慢があったんではないか、このように考えます。
○渡辺武君 刑事事件としてなお結論は出てないということであれば、その結論を待たざるを得ませんが、しかし、少なくともいま申しましたように、義務に違反しているわけですよ、法に定めた義務に。これに違反している。しかも、それが出光タンカーの従業員。だとすれば、出光タンカーの責任そのものも私は非常に重大だと思うんですね。特に私伺いたいのは、これは油記録簿に記載されていなかったと聞いていますが、どうですか。
○政府委員(真島健君) 記録簿に記載がなかったことは事実でございます。
○渡辺武君 その責任はどうなりますか。これ、記録簿にちゃんと記載するためには、油濁防止管理者及び船長が、どういうふうにして清掃が行われ、どういうふうにして廃油の処理が行われたのか、その点について明確に知っていなけりゃ帳簿に記載することだってできないですよ。その任務さえも放棄している。私はこれは非常に重大な責任だと思っていますが、その点はどうお考えですか。
○政府委員(永井浩君) 油記録簿に記載をするのは海洋汚染防止法の八条によって油濁防止管理者の義務になっておりまして、これに違反いたしますときは五十八条によって罰則が適用されます。また、これによって両罰規定も働くわけでございますが、その点についても詳細は捜査中と聞いております。
○渡辺武君 詳細は捜査中と言うけれども、記載されていなかったことは事実でしょ。もうそのことだけでもこれは両罰規定働くでしょうが、どうですか。
○政府委員(永井浩君) そのとおりでございます。
○渡辺武君 そこで、私、大臣に伺いたいんです。 大体今度の出光タンカーのように、下請に清掃を任せる、下請がまた、又下請に任せる、その又下請があいりん地区あたりから日雇いの人を連れてきて、それでもってやらせる。それで責任をみんな下へ下へとなすりつける。で、おれは知らないよという顔をしている。こんな状態をそのままにしておいたら、いかに厳しく今後注意を喚起しますとおっしゃっても、それはもう本当に絵にかいたもちになると私は思うんですよ。 ですから、下請がやろうとやるまいと、それからまた下請のやったことについて一等航海士及び船長及び船主が知ろうと知るまいと、これは油濁防止法違反ということで処理していくということは、私は当然のことだと思うんです。つまり責任逃れのできないような、そして本当の責任者である出光タンカーそのものが全面的に責任を負わなきゃならぬということが、そうややこしいことはやらなくたって、不法投棄が行われたらすぐにそこに責任が行くというような形に私はすべきだと思うんですが、その点どうでしょう。
○国務大臣(地崎宇三郎君) この作業についての契約が非常に複雑な形態で、元請、下請、孫請というふうなやり方をしておるのが判明したわけでございますので、この点について今後どのように出光に対して、船主に対して指導していくかということを検討してまいりたいと、かように存じておるわけでございます。何としても不法投棄のないような措置をとらせるような形をとりたいと、かように考えます。
○渡辺武君 それから、先ほどの氷山の一角の問題ですけれども、大臣自身もお認めになったように、かなり広範にやられているんじゃないかという点があるわけでございますから、したがって、私は日本に入ってくる、つまり船籍が日本にあるかどうかということは別にして、外国船籍のタンカーについても、一斉点検をやる必要があるんじゃないかと、そう思いますね。油濁防止法に基づいてその義務が厳重に履行されているかどうかという点について、一斉点検をぜひやっていただきたいというふうに要望いたします。 それからもう一点は、特に廃油処理施設での処理量とそのタンカーの排出可能なスラッジの量とかビルジの量とかいうのは、これは船によっていろいろ違いはあるだろうと思いますけれども、しかし個々のタンカーについて見ればある程度これは推測がつくと思うんですね。それとの比較、これを実態をしっかりつかめば、本当ならば五十トン出るべきものが二十トンしか処理施設で処理してなかった、残りの三十トンはどうなったか、恐らく不法投棄したに違いないという結論が私は出てくると思う。そういう点は特に注意をしてやっていただく必要があるんじゃないか。 それからまた、いま申しました油記録簿、これの記載状況を全面的に全タンカーについて点検をしていただいて、そうしてそれと事実との相違があるかどうか、この点についても特に厳重に点検をする必要があるんじゃないかと思いますが、その点どうお考えでしょうか。
○政府委員(永井浩君) 御指摘のように、廃油の発生から処理までの把握というのは非常にむずかしい問題でございますが、いま御指摘のように油記録簿の記載の状況、それからタンカーのタンククリーニングに事前に推定される推定値、あるいはクリーニング業者との契約のトン数、あるいは廃油処理場に陸揚げされた量、こういったものをある程度押さえて、その実態を調査したいということで、いまその具体的方法を検討中でございます。適正な方法が見つかれば、今後の指導あるいは取り締まりに生かせるものと、このように考えております。
○渡辺武君 それから、特に土佐湾沖で今度事件が起こったんですが、この土佐湾沖というのが、さっきも申し上げましたがタンククリーニング海域だというふうに言われているわけですね。私も資料いただいております。わざわざ赤線で書いていただきましたが、こんな広い地域ですね。これがタンカーが中の廃油その他をクリーニングする海域で、ちょうど四国沖がそれに当たっておるわけですよ、高知沖が。しかもここはタンカー銀座だ。外国から来るものもとよりですけれども、とにかくタンカーがしょっちゅうしょっちゅう通っておるところだというふうに聞いているわけです。 そこで、海上保安庁に伺いたいんですが、四国沖におけるタンカーの通航量ですね。それから、タンカーのタンククリーニングの実態ですね、特に四国沖における。この辺どんなふうになっているか御報告いただきたい。
○政府委員(真島健君) 私どもも何と申しますか、非常に精密に実態を把握しているわけではございませんけれども、ときどき実態調査ということで、ある年に一カ月、二ヵ月というふうな実態調査をやっております。その実態調査から推計をいたしますと、大体通航量としましては四国沖には一日当たり六隻ぐらいが通航をしているんではないだろうかと。 それからまた、タンククリーニングについてでございますけれども、そういうような実態調査などからこれも推計をしてみたわけでございますけれども、大体四国沖等におきまして一日に二隻かあるいは三隻ぐらいがタンククリーニングという作業を行っておるんではないかというふうに推定をいたしております。
○渡辺武君 その四国沖を一日にまあ六隻通るということでございますが、全国の場合と比較すると何%くらい占めますか。
○政府委員(真島健君) やっぱりタンククリーニングが一番多いのは四国沖合いでございまして、全国での感じのうちで八割以上がどうも遠州灘から土佐沖、四国沖にかけての海域でやっておるように私どもは推定しております。
○渡辺武君 そのタンカーの通航量ですね、これで言いますとどのくらいのパーセンテージになりますか。
○政府委員(真島健君) タンカーの通航量ということになりますと、これはわが国に入ってくるタンカーはほとんど京浜、阪神、名古屋あるいは水島、徳山といったような海域に入ってくるわけでございまして、そういう意味では、わが国に入ってくる以上は喜入あたりに入らない限りほとんどが土佐沖を通るわけでございます。
○渡辺武君 私どもがあなた方から御説明いただいて計算してみますと六五%という数字が出ますが、ほぼそんなふうだと考えていいわけですか。
○政府委員(真島健君) 大体そんなところかと私も思います。
○渡辺武君 もう大変な量の、とにかく六二%ものタンカーが通って、しかも全国のタンククリーニングの八二%が大体四国沖でやられているというような実態ですから、だから、とにかくこんな不法投棄が日常茶飯事みたいに行われたら大変なことです。沿岸漁民が大変な被害を受けているわけですよ。 私、農林水産省にぜひ伺いたいんですが、昭和五十三年度は四日市でタンカーの隆洋丸ですか、これの油流出事故が起きまして、特別三重県が大きな比重を占めているんですが、漁業被害です。ですから、それを除いて昭和五十二年度の数字で総額がどのくらいの漁業被害が起こっているのか。それから仮に鳥取、島根含めまして、それ除いてもいいんですが、瀬戸内海から中国、四国、九州と各県での漁業被害の状況ですね、これ何%ぐらい占めますか。
○説明員(伊賀原弥一郎君) 御質問ございました海面における油濁の漁業被害の件でございますけれども、これは年によりまして大分変わっておりますが、ちょっと逐年的に申し上げますと、五十年は発生件数七十七件で被害額二十七億円でございます。五十一年度発生件数百十一件の被害額十三億円でございます。五十二年度発生件数百三件の被害額二十一億円、五十三年度は発生件数が古三十六件で被害額が三十七億円となっております。 地域的な関係でございますけれども、大体多うございますのは東京湾それから伊豆七島という辺から西側と申しますか、西側の辺が多うございます。そして五十三年度だけにつきまして地域的な主な漁業被害を申し上げますと、一つは先生から御指摘ありました伊勢湾、三河湾でシーバースからの油の流出がございまして、ノリ養殖業につきまして二十五億円の被害が出ております。それから瀬戸内海等では、船舶の衝突によりまして燃料油の流出がございまして、ノリ養殖業に約六億円の被害。また、原因者不明の油濁によりまして同じくノリ養殖業に約一億円ぐらいの被害が生じてございます。それから土佐湾沖では船舶からの廃油の不法投棄がございまして、漁業被害で漁業の操業不能という点も含めまして約二億円の被害が出ております。そのほか南西諸島及び伊豆七島では原因者不明の廃油ボール等の漂着によりまして、藻類等に約一億円の被害が出ておるというような状況でございます。
○渡辺武君 私のいただいたこの資料で計算してみますと、中国地方は岡山、広島、山口、あと四国、九州というところの油による漁業被害、これを昭和五十二年度について全国の被害額と比べてみますと八二%を占めているんですね。ですから、とにかく四国沖がタンカー銀座であり、同時にまた、タンカーのクリーニング海域になっているということとの関連でこういう問題を私は見なきゃならぬというふうに考えざるを得ないんです。 それは不法投棄もとよりのことですけれども、同時にまた、タンカーの亀裂だとか沈没だとかというような事故がありまして、私ども高知県へ行きまして、県漁連から高知県の被害、最近のものを聞いてまいりましたが、時間がありませんから略しますけれども、とにかく深刻な状態です。 そこで、私、海上保安庁に伺いたいんですけれども、こんな深刻な被害が漁民に出てきているという状況のもとで、特にやはり取り締まり態勢を強化していただきたいと思うんですが、巡視艇とかそれからまた航空機の配備とか、そういうことの実情はどうなっておりますか。
○政府委員(真島健君) 四国、土佐沖は、私どもの管区本部の管轄では第五管区本部になっておるわけでございます。現在、五管区本部には船艇三十七隻、航空機二機が配属されておりますけれども、高知方面におきましては高知の保安部、土佐清水、宿毛に保安署がございますが、それも合わせまして船艇が五隻ぐらい配備をしてあるわけでございます。 私どももちろん一斉取り締まりといったような期間には当然五管区だけでは足りませんので、他管区からも船艇、航空機等の応援を求めてやっておるわけでございます。最近にはヘリコプター搭載型の巡視船というものが、領海警備その他の関係もございまして予算で認めていただきました。これが最近に就役をしてまいりました。鹿児島等にも配備をしておるわけでございますけれども、監視という点では、このヘリコプターを搭載した巡視船が非常に能力が高いということで今回の事件にもかんがみまして、このヘリ巡を土佐沖にできるだけ配置をして監視を強めてまいりたい。 なお、今後の課題といたしまして、私ども四国沖の体制といったようなものの整備強化というものを、今後の予算の段階を通じまして整備をさらに進めてまいりたい、このように思っております。
○渡辺武君 つまり、第五管区と言えば大阪の八尾に本部があるわけですね、本部といいますか基地が。そこに小型ヘリコプターが二機配備されておる。そうしたら高知沖までとても足が短くて及んでこないと思うんですね。ですから、土佐沖を特に監視するヘリコプター、これ、いまないわけでしょう。その点どうですか。
○政府委員(真島健君) 航空機による監視ということ、非常に有効な手段でございます。そういう意味で、私ども高知沖を特に監視するという意味での基地の距離的な意味では、非常にヘリコプターが使いにくい状況にあることは確かでございまして、そういう意味でヘリ搭載の巡視船を極力この海域に派遣してまいりたい。将来は、さらに航空基地の全体的な整備の中で、四国方面をどういうふうにしたらいいか、これから早急に検討してまいりたいと思っております。
○渡辺武君 その点、保安庁のそういう御意向は非常によくわかるんですよ。恐らく予算要求などもされているんじゃないかというふうに私、推測しているんですが、なお重ねてこれは運輸大臣の方からも、こういう不法投棄がしょっちゅう行われて、その監視体制も不十分だと。大体土佐沖は、これは監視体制のエアポケットだと普通言われているようなところですよ。一番タンカーが通り、一番タンクを清掃して、恐らくそこでもって違法投棄が一番多かろうと思われるところが監視体制のエアポケットというような状況で、恐らく海上保安庁としても、これは責任を痛感していながらも、十分な監視が行き届かぬというのが私は実態だと思うんです。 だから運輸省の方からも、先ほどおっしゃったように、不法投棄等々行われないようにいろいろ施策講ずるとおっしゃったんだが、他庁のことではあるけれどもひとつ歩調をそろえて、大蔵省に予算つけるように、これは運輸省からも要望してほしいというふうに思いますが、どうですか。
○国務大臣(地崎宇三郎君) 海上保安庁の業務が行われやすいように、十分予算の問題についても財政当局と打ち合わせをいたしたいと思います。
○渡辺武君 保安庁に伺いたいんですが、専任の公害担当官おりますか。 それからなお、ついでにいろいろ聞きますけれども、巡視船ですね。いま「なでしこ」の十五メートル型というのがあるそうですが、これを大型なものにして、さらに巡視能力を強めるということも必要かと思います。それからまた、高知空港にビーチクラフトなどを配置して、そして監視をさらに強めるということも必要かと思いますが、その点はどうですか。
○政府委員(真島健君) 公害関係の取締担当官、専従といいますか、それを専門にやらしております担当官、現在全国で百六十五人程度ございます。さらにそのほかに船艇乗組員、航空機搭乗員の中にはそういう関係の勉強を相当させた者が相当数入っております。私ども、海洋汚染防止法が成立いたしましてから、この関係の人員組織の整備ということで努力をしてまいった結果でございますが、今後ともこういう人員あるいは船艇乗組員等の研修、訓練等を進めて充実強化をしてまいりたいと思います。また、「なでしこ」あるいは高知空港における固定翼機の配備というような問題につきましては、大体現在私どもがいわゆるなでしこ型と申しますかCLと称しておるような小型の船、これにつきましては、配置の場所によっては能力をアップしなければならないだろうということを、現在全体の中で考えながら実施をしてまいりたいと思っております。 航空基地の問題につきましては、これはまあいろいろの問題がございますが、私どもだけの希望から申せば、そういうようなところに基地があって、固定翼が備えられるというようなことは非常に有効なことかと存じております。
○渡辺武君 いままで伺ったことを、なお若干のものをつけ加えて重ねて伺います。 とにかく高知保安部には専任の公害担当官はゼロなんですね。ですから、これはどうしても高知保安部に置いていただきたいということと、それから高知保安部に、さっき申しましたがヘリコプターを必ず配置する。それからまた巡視船ですね、これを大型、三十メートル型くらいのものにぜひ機能を強化する。高知空港にビーチクラフトを配置する。それからもう一つ、県漁連が室戸に海上保安署の新設をもう三年越し要望している。その点についてもぜひ至急に実現してほしい。これらの点について、簡単でいいです。やりますか、やらないか。やりますと書ってほしいんですけれども。
○政府委員(真島健君) 私ども、今後の予算の編成の作業の中で、いま御指摘のいろいろな点はすべて検討の項目といたしまして、できるだけ努力をしてまいりたいと思っております。
○渡辺武君 そこで、時間がないのであとは端的に伺いますけれども、とにかく私ここに土佐清水の窪津漁協から写真を借りてきましたがね、廃油ボールの物すごい状態なんですよ。それで、この除去作業だけでも大変でね、とにかく漁民は、あすこほどうまい魚がたくさんとれるところは全国でも珍しいようなところなのにね、それが全く汚染されているという状況で、特に私ここで伺いたいのは、いわゆるいそ焼け現象ですね、つまり食用になる海草、これが枯れてしまうんですね。原因はまだ十分わかっておりませんけれども、しかし、ここに土佐湾浮流油漁業影響調査協議会、これは政府からも出席してますし、県の方からも出席しているし、それから学者も出席して、これは非常に権威のある調査報告なんですが、ここでもいそ焼け現象について、油の影響というのを無視できないという趣旨のことを言ってます。詳しくは読みません。それで、このいそ焼けの問題について原因を至急に徹底的に調査する、そうして対策を講ずるということをぜひやってほしいと思いますけれども、水産庁、どういう御意見でしょうか。
○説明員(岩崎壽男君) 確かに先生御指摘のように、足摺付近にいそ焼け現象が見られるわけでございますが、いそ焼けにつきましては、いわゆる石灰藻というものの異常繁殖等によりまして有用海草の生育が阻害されるわけでございまして、ただいま先生のおっしゃいましたように、なかなか原因が何であるかということは必ずしも十分つかまれてないというところでございますけれども、一般的には、海潮の変動でありますとか、あるいはウニ、アワビ類、石灰藻といったようなこと、あるいはその他の要因等がいろいろ重なり合ってできるのではないかというふうに考えるわけでございまして、高知県水産試験場等が今後試験、研究等につきまして一層進めるということで要請がありました場合には、私どもとしましても助成その他について検討をしてまいりたいと思うわけでございます。 なお、いそ焼けについての対策といたしましては、石灰藻の繁茂しております岩を削ったり、あるいは新しく投石をいたしましてそこに有用海草をつけるといったような事業が従来から行われてきておりまして、土佐清水市等におきましても、今後とも現地の要望等に応じまして私ども沿岸漁業構造改善事業等でそういった事業を引き続きやってまいりたい、かように考えております。
○渡辺武君 それじゃ高知県の方に至急その旨伝えて、あなたの方に要望出すようにしますから、前向きにひとつ受けとめてくださいね。 それから最後に、こういう被害のカバーと同時に、やはり漁業の振興にもっと徹底的に力を入れてほしいというのが土佐の漁民の共通した要求です。それで、国の沿岸漁場整備事業ですね、これはいま第一次の整備事業を振興中ですが、総予算額二千億円寸だからちびりちびりと出しているというのが実情だと思うんですね、七年間に。私ども共産党は、七年間に二千億じゃなくて一年間に二千億ぐらい出せということを要求しておりますが、とにかく至急に、途中でもいいですから、これは閣議決定でそういうことが決まっているはずですから、水産庁の方からこの沿岸漁場の深刻な事態、特に二百海里時代を迎えて沿岸漁場というのは非常に重要な意味を持ってきているわけですから、その振興を急速に大規模にやるという必要から、途中でもいいですから見直しをやって、そしてもっと予算もつけ、効果的な施策を講じてほしいと思いますけれども、どうでしょう。
○説明員(岩崎壽男君) 先生から御指摘のございましたように、沿岸漁場整備開発事業につきましては、昭和五十一年の四月に閣議決定されまして、五十七年度までの計画ということでそれに基づきます事業を鋭意実施をしてまいっておるわけでございますが、五十五年度までで当初の計画では大体五〇%ぐらいの累績進捗率になるという計画でございましたが、現在それを約一〇%上回って実施をする見込みでございまして、今後ともその事業の拡大ということによって計画の早期達成を図ってまいりたいと思うわけでございます。 なお第二次の計画の策定につきましては、現在の計画の進捗状況というものを考えながら、同時に、沿岸漁場における水産資源の動向なりあるいは今後の生産増大の見通しというものを十分踏まえながら検討してまいりたいと、かように考えておるわけであります。
○渡辺武君 委員長済みません、もう一問だけ。 環境庁に伺いたいんです。AB海域というのが設定されておりますね、産業廃棄物の投棄についての。最近漁船が大型化したものですから、それでかなり沖合いまで出て漁をするというのが普通になってきているんですね。いまのAB海域ですと余り近過ぎるということで、もっと遠くに移してほしいということが非常に強い要望なんです。二百海里ぎりぎりの沖まで移動するようにしてほしいということなんですが、その点ひとつぜひ要望をかなえるように御検討いただきたいと思いますが、その点どうでしょう。
○説明員(原健彦君) 先ほど先生がおっしゃいましたのはAB海域について海域を改める考えはないかということだと思いますが、AB海域に投棄いたします廃棄物といいますのは沈降堆積型といいますか、たとえば底にできるだけ早く沈めるというふうな形のものでございます。この考え方といたしましては、散乱を防止して速やかに海底に沈降堆積させるということで、黒潮、親潮等の海流の外であるとか、それから底びき漁業に支障を与えないために水深が千五百メートル以上であるとか、あるいは海底ケーブルに支障を及ぼさない海域であるとか、そういった点、それから主要港湾からできるだけ均衡のとれた海域であり、しかも廃棄物排出船の位置測定とかモニタリングを勘案いたしまして、幅二十海里の海域ということで設定しておるわけでございます。 このほかB海域のうち特に有害汚泥等のコンフリー化固形物につきましては、A海域といたしましてもっと限定しました水域にしておるわけでございますが、私ども現在のところ、これは中央公害対策審議会の答申を経まして政令で定めた水域でございまして、現在のところ変更する考えは持っておりません。 しかし、いずれにしましてもこの海域は非常に広大な海域でございます。したがいまして、当然廃棄物を排出する場合におきましては水産動植物の生育に支障を及ぼすおそれがある場所は避けるように努めるようにいたしておりますので、その辺は具体の運用の面で十分配慮してまいらなければならないんじゃないかと、かように考えております。
○山田勇君 経済の拡大発展に伴って大気や海洋など自然環境が破壊されていくことは大変悲しいことであります。人間が幸せを求めていろんな面で進歩していく中で、結果的に人類の破滅を招くといった状況も十分に考慮しなければならない時代になってまいりました。進化は退化につながるとも言われておりますが、この委員会でただいま審議されております海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部改正につきまして、私はこのような観点から取り組み、母なる海とも言われております海洋を、子々孫々に至るまで恵み豊かな美しい環境で引き継いでいかなければならないと考える者の一人であります。 ところで、最近海や川などは、年々徐々にきれいになってきておりますのは事実でありますが、この資料、すなわち海上公害関係法令違反の送致件数の推移を見ますと、その違反件数は昭和四十七年の一千百七十三件から五十二年の一千九百三十一件と増加しておりますが、この傾向は、違反が実際にふえているのか、それとも監視体制が年年増強され摘発が厳しくなったためか、どうでしょうか。また経済の拡大のため、潜在的な違反がふえている。これは推測するしかないでしょうが、海上保安庁としてはどのような見方をしておられますか。
○政府委員(真島健君) 先生のおっしゃった数字、四十七年が千百件程度ということでございますが、実は海洋汚染防災法、これは四十五年の十二月に成立をしたわけでございまして、その後私ども組織の強化、人員の訓練、船艇の整備訓練といったようなことをやりながら違反を追ってきたわけでございまして、そういう意味で四十六年、七年というのは法律施行後二年間でございまして、少しずつ私どもの能力が高まってきた、こういうことと私は感じております。その後四十八年以降、大体千八百件から千九百件。千七百件台になりましたのが五十年と五十四年でございまして、そういう意味で特に最近になって私どもの送致件数が高水準になったというふうには考えてはいないわけでございます。
○山田勇君 この四月三日午後二時四十五分ごろ、和歌山県有田市宮崎町宮崎ノ鼻灯台の西北西約十二キロの紀伊水道に廃油類が帯状に流れているのを海上保安庁のヘリコプターが見つけております。下津海上保安署にすぐ連絡をした。巡視艇「りんどう」が現場を調べたところ、廃油が幅約百五十メートル、南北にわたって三キロの帯状に漂っているということを確認したという新聞記事が載っておりましたが、この件の捜査はその後どうなっておるでしょうか。
○政府委員(真島健君) ただいま御指摘の浮流油の発見でございます。これは私どもすぐ浮流油を採取して状況調査を行ったわけでございます。大体この油の成分はC重油が多いということが判明したわけでございますけれども、なかなかその後の捜査は進んでおりません。つまり私ども、そういう油の成分等から、どういう種類の原油なり重油なりといったようなものが積まれておったか、それをある程度追跡しまして、その当時にその辺を走っておったタンカーその他がどういう油を積んでおったかということと突き合わせながら捜査を進めるわけでございますけれども、現在までまだ排出した船舶を突きとめておりませんが、さらに今後も努力を続けてまいりたいと、このように考えております。
○山田勇君 こういうふうにして、ヘリコプターによるような発兄は多いんでしょうか。このような監視のヘリコプターの出動状況、先ほど同僚議員の方から、第五管区には二機、八尾空港をべースとして監視体制にあるということでございますが、私は常々このヘリコプターというのは非常に興味を持っておりますし、一番いいのは巡視艇にヘリコプターを搭載するというのがそれは一番いいんでしょうが、予算等の事情がおありと思います。 ということで、大臣、先ほど来前向きに検討するということでございますが、とうていこのヘリコプター二機ということは、私は非常に少ない数で監視体制を続けておられるように思いますので、大臣の御所見もう一度伺いまして、次の予算等にこの航空機の増機ということでひとつぜひ検討をしていただきたいんですが、大臣の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(地崎宇三郎君) 海洋汚染防止については、意欲的に徹底方を進めてまいらなければなりません。もちろん、海洋関係当事者のモラルの向上がまず第一でございますけれども、やはり取り締まりも厳しくしていかなければこの点について完璧を期せられないわけでございます。そうなりますと、何といたしましても海上保安庁の整備をしなければならないということは当然でございますので、先ほど来お答え申し上げておりますように、海洋汚染防止のための体制をつくるように、財政当局とも相談いたしまして努力をしてまいりたいと思います。
○山田勇君 出光タンカー所属の徳山丸のスラッジ不法投棄は、すでにいろいろと御質疑が出されております。若干重複を避けて質疑をしたいと思うんですが、三月二十五日の朝日新聞の記事によりますと、「神戸海上保安部は、二十五日までの調べで、スラッジ類の海上不法投棄が、複数のタンク清掃業者によってかなり以前から行われている疑いのあることを突き止めた。」とありますが、このことについてはどうなっておるんでしょうか。
○政府委員(真島健君) 神戸海上保安部に対しまして、徳山丸事件以後いろんな情報が寄せられております。そのうちに数件の電話情報が先生のおっしゃったようなことで寄せられておることは事実でございまして、私ども、この情報をもとにいたしまして捜査をさらに続けておる段階でございます。
○山田勇君 また同記事では、大阪府下の場合、一日当たり約七百トンのスラッジ、廃油などが出るが、陸上処理能力は大阪府と周辺市域にある業者約八十社全部合わせても約四百三十トン。差し引き二百七十トンのスラッジ類がやみ処理されているという計算で、このことは業者関係者や産業廃棄物の専門家の間ではもういまや常識になっているという、大変穏やかでないことが書かれておりますが、こういうふうな実態はどうなっておるんでしょうか。
○政府委員(鮫島泰佑君) ただいま先生御指摘のございました記事につきましては、詳細わかりませんけれども、その全体の内容から見まして、恐らく陸上の貯油タンクとかあるいはガソリンスタンドとか、そういうようなものから発生する廃油等のことではないかというふうに理解しております。
○山田勇君 違反の摘発、監視機関の充実はもちろん重要なことでありますが、一方、監視、摘発の裏をくぐっての悪質な違反が後を断たないようではどうしようもありません。そこで、違反を未然に防ぐ対策についての一瞬の努力を積まなければならないことは言うまでもありませんが、スラッジなどの海洋不法投棄が広大な海洋の一点で行われているということを考えれば、その摘発はなかなか私はむずかしいと思います。 そこで私は、クリーニング業者といいますか、清掃業者、今回事件を起こしました内外産業を含めて二十数社あると言われる下請業者の認可基準というのはないわけでしょう。いまの法律の適用外にある業者であります。そこで、きのうの本会議でも、これは社会労働委員長の提出によります清掃業者に対する法律が出ております。建築物における衛生的環境の確保に関する法律の一部を改正する法律案、ただビルを掃除しておったらいいんではない、これから水質の問題、タンクの扱い、害虫の排除、そういうような衛生的な観念から見ても、陸上清掃業者はそういうような法律の規制の中に組み込まれていくという傾向にある中で、いわゆるこのタンカークリーニング業者が法律の適用外にあるということは、ぼくは今回の問題に対して、なお今後も起こり得るような問題ではないかと思います。これは港湾ないし海洋を所管しております運輸省の海運局なりいろんな中で、業者の認可基準を新しくつくっていくというふうなことは考えておられないでしょうか。
○政府委員(永井浩君) こういった油の不法投棄等につきまして、御指摘のように、請負業者あるいは二次下請といった複雑な作業形態が責任関係を不明確にするということで、一つの原因になっていると私どもも思っておるわけでございます。したがいまして、こういった作業の請負業者についてどのように対処していくか。 いろんな方法があるわけでございまして、契約を結びます船会社の方で厳重に業者を厳選する、あるいは作業の監督を行うということを励行させるという方法もございますし、また今度、ただいま御審議いただいています改正法の中では、広く関係者に対して運輸大臣あるいは海上保安庁から行政指導、勧告等を行うような規定も盛り込んでございます。こういった規定を活用してこういった業者を指導監督していくと、こういうこともございます。また御指摘のように、いわゆる業法というものをつくって何らかの監督をするというようなことも考えられるわけでございますが、これらのそれぞれの制度、一長一短があろうかと思いますので、最も有効な手段というものをいま検討中でございます。
○山田勇君 今回の問題を見ますと、実行者処罰といいますか、実行した者だけが処罰の対象になっているということは、大変ぼくは残念に思うわけです。当然、先ほど来御質疑の中で、その不法投棄をするについてはいわゆる船側といいますか、船長ないし一等航海士までの私は少なくとも責任の追及というのは必要ではないか、こういうことを一つの問題の提起としても、こういう形で船主側まで仮にいかなくても、百歩譲って船主側までいかなくても、その船にいる一等航海士、すなわち船の最高責任者である船長までの責任範囲というものは拡大をしておかなければ、今後こういう問題が起きた場合、その実行業者だけの処罰の対象で終わってしまうということははなはだ残念なような気がいたします。 先ほど来の答弁を聞いておりますと、いま捜査中であるということでございますんで、前向きにこの問題と取り組んでいっていただきたいと思います。 それと、次にこの法律の改正の第一が、海洋投入処分の規制の強化になっておりますが、その中で、航空機からの油または廃棄物の排出を新たに規制することとし、航空機内にある者の日常生活に伴い生ずる汚水等の排出を除き禁止するということでありますが、これは大体どういうようなものが航空機から排出されているんでしょうか。 また改正案で、政令で定めて認めているものというのはどういうものか、この二点をお伺いいたします。
○政府委員(永井浩君) 一般的には、本法におきまして航空機から特に海洋を汚染するような物質が現状において投下されているということは私ども開いておりません。ただ、条約においてこの規制を加えましたので、国内法でも立法措置を講じたわけでございますけれども、ただ、この投入の例外でございますが、一つは緊急着陸時の燃料の空中放出と申しますか、着陸のときに火災を防ぐために余分の燃料をやむを得ず空中に排出することがございます。これについては禁止の適用除外にする。 それからもう一つは、そういった緊急排出をするための機械がございますが、その機械をテストする、私どもは飛行機の耐空証明をするときに、航空機の検査をするわけでございますが、そういった機械が適正に作動するかどうかをテストするために、わずかな量でございますが空中に油を出す、こういった場合も例外としたい。 それからあとは、航空機内の乗組員あるいは旅客等が乗り込んでいるがためのいろいろ出る物質については例外にしたいと、このように考えております。
○山田勇君 航空機を海洋に捨てることを新たに規制することとしておりますが、戦争でもない限りあんまり航空機を海に捨てるというようなことはないと思うんですが、これはどういう場合のことを言っておられるんですか。
○政府委員(永井浩君) これもわが国においては、従来も例がございませんし、今後も当面はないと、このように考えておりますが、一応法律で規制をするということでございます。
○山田勇君 海洋の汚染防止は、わが国一国でできるものではないということは申すまでもありませんが、ただいま審議中の改正案の前提ともいえる「廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約」は、領海、公海を含む海洋全体への投棄を原則として禁止することがたてまえになっておりますが、わが国周辺では若干よくなっている傾向もあるようですが、地球全体から見ますと外洋における汚染はきわめて除々にではありますが、休むことなく進行していると言われております。すでに沿岸、大気、船舶などから直接、間接に外洋に運ばれている汚染物質には人工性放射性元素、石油系炭化水素、またはPCBなど、過去に多量に使用された人工有機化合物、水銀、鉛などの重金属、それにプラスチック、ガラス、金属などの廃棄物があります。何年か先にはどのような影響がこの生活環境にあらわれてくるか予測できない状況であります。 われわれ人間は、余りにも無秩序に自然を破壊した報復をいつか受けなければいけないように私は思います。生命の源でもありますこの海洋を美しい恵み豊かなものとして汚染から守ることは人類の責務であります。そのための規制の強化、対策の充実は万全を期さなければならないと考えますが、最後に大臣の御所見を伺って私の質問を終わります。
○国務大臣(地崎宇三郎君) いま先生がおっしゃられましたように、海は人類のために大変大切なものでございます。したがいまして、海洋の汚染を防止をするということは人類の義務でございます。その意味におきまして、特に四方を海に囲まれております日本としては海洋汚染防止に対して積極的に取り組んでいかなければならないと存ずるのであります。その意味におきまして、運輸省といたしましてもあらゆる機関を総動員いたしまして海洋汚染防止のために全力を尽くす決意でございます。
○山田勇君 ちょっと時間の配分を間違っておりますんで、もう一、二問質疑をさしていただきます。 先ほどちょっと業者のことをお尋ねしたんですが、この業者の基準というのは、いま法律の規制外にあるということですが、その親会社といいますか、下請はもちろんとしましても、内外産業ぐらい大きな業者になってきますと、何の法律の規制もないということはぼくは大変問題があろうかと思うんですが、この業者というのは、大体いま神戸海上保安部の所管にある業者というのは何社ぐらいあるんですか。
○政府委員(真島健君) 神戸保安部管内でこういうようなタンククリーニング業者は大体四社ぐらいを私ども承知しております。
○山田勇君 今回のこういうような問題も内部告発ということで表面化されてきたんですがね、長官。できたらこれは何かの形で長官のサイドでこういう問題を摘発をしていかなければいけないと思うんです。それについては、私が思いますのには、一斉に一遍検査をする必要もあろうと思いますし、また、先ほど来御質疑の中にありましたように、積んできたオイルの積載量を逆算していきますとどれだけの廃棄物が出てくるのかというふうなこともできます。何とかそれを把握して、そういうふうな形で義務づけてばおるのですが、先ほど来、出光の場合はそういうものは全然記載されてなかったということでありますが、そういうものに対する特別な検査、抜き打ち検査といいますか、そういうような体制をおとりになるつもりがあるかどうか、長官にお尋ねいたします。
○政府委員(真島健君) 私ども時折、公害関係に限りませんけれども、一斉取り締まりあるいは立入検査、こういうようなことはいろいろな場面でやっておるわけでございます。そういう意味で、今回のような事件は、立入検査を抜き打ちにやる、これも一つの方法だと思いますけれども、やはり実際の行為は土佐沖七十海里といったようなところ、さらに遠くで行われるわけでございますので、港に入っているときに立入検査をやるということが果たしてどれだけ効果があろうかと考えます。 そこで、この種の事件を私ども今後監視を強めていくという一つのやり方といたしましては、先ほどの御質問にもお答えをいたしましたけれども、大体スラッジ投棄ということになりますと、入渠前のタンククリーニングというときが問題でございます。タンカーが入港しましてタンククリーニングに出かけていく、そういうときには港を出るときに必ず私どもの方に出港届を出してまいるわけでございますので、そういうような届けの中でタンククリーニングをやってまた帰ってくるときには、タンククリーニングのために出るということをはっきり届けさせる。帰ってきたからには処理業者のところに廃油、スラッジ等を当然揚げて処理を依頼しなければならない。したがいまして、その船が処理業者にどれだけのものを揚げたかということは、出港の日がわかっておれば——一週間なり十日なりの間に必ず帰ってくるわけでございますから、そこでデータをきちっと押さえておく、そういうことによって途中で投棄をすれば当然ある程度、多かるべき処理量が少丸く出てくるというようなことで一つの抑止効果が生まれてくるんじゃないだろうか。さらにそれに加えまして、先ほど申し上げましたようなヘリコプター搭載の巡視船あるいは大型の巡視船といったようなものを、当該の海域にできるだけ哨戒をさせまして、海上保安庁は見ておるということをはっきり印象づけるということによる抑止効果、そのような対策を今後は考えてまいりたいと思います。
○柳澤錬造君 最初に運輸大臣の方にお聞きしてまいりたいことが一つあるんですが、過日の国鉄が違法なストライキを行ったことに対して、法治国家としてこれをどういうふうに扱おうとしているか、それをお聞きしたい。
○国務大臣(地崎宇三郎君) 国鉄のストの準備に対しましては、かねてから違法であるということで、行わないように警告をしてまいったわけでございますが、残念ながら先般国鉄のストが行われたわけでございます。したがいまして、将来の労使の信頼を確保するという意味において、昨年のストの際にスト処分の凍結をしたわけでございますが、このたびのストによって、昨年の分もあわせて法治国家としての正しい処置をとりたい、このように考えておるわけでございます。
○柳澤錬造君 よくわかりました。法治国家だと法治国家らしいきちんとしたことをしていただきたいと思います。それ以上申し上げません。 次に、海洋汚染についてお聞きしますが、この海洋汚染の、いろいろ油の排出とか廃棄物が捨てられるとか、そういうことで、五十三年にも私、一度ここでお聞きをしたんです。その後の状況で、そういうものがこの数字を見ると若干減少しているような傾向も見えるんだけれども、実際のところはどういうふうな状況で推移をしているか、その辺からお聞きしたいんです。
○政府委員(真島健君) 私、五十三年に先生がどういう御指摘をされたのか、実は不勉強で存じませんが、海上公害関係の法令違反の送致の件数の推移ということから見ますると、五十三年に千九百三十一件でございましたが、五十四年には千七百七十二件ということになっております。やはり油の排出といったような公害法令違反がこの中で非常に多いわけですけれども、ちょっと二、三年目立ってまいっておりますのが廃船の規制違反、それから廃棄物の投棄禁止規定違反、これが案外多くなっておるというような傾向が現在の傾向でございます。
○柳澤錬造君 もう少し聞きたいけど、そこはこれでよろしいことにして、この条約がおくれた理由というものはどういうところか。資料を見ますと、この条約の発効に必要な批准国数は十五カ国である。五十年の七月末にパナマが十五番目の国として批准書を寄託したことによって、五十年の八月に発効したということになっているわけです。それから見ればかなりの年数がたっているのだけれども、何で日本の国はこんなにおくれたのか、その理由はどういうことになるんです。
○政府委員(永井浩君) お説のとおり、四十八年の六月にわが国はこの条約に署名いたしました。五十年八月にはこの条約が発効したわけでございますが、廃棄物全般の海洋投棄を規制するという大きな内容でございますし、関係する国内法令、陸上のこういった法令との調整、あるいは条約の正確な解釈の確定、それから若干未規制の物質もございまして、これの基準の作成と、こういったことの主として技術的な理由によりまして国内立法の準備がおくれたと、こういうことでございます。
○柳澤錬造君 国内で技術的というのはどういうことなんですか。 私が知りたいのは、少なくとも、いま百六十一カ国になったんですか、世界は。日本の国は先進国首脳会議のメンバーの一つで、そういう先進国の首脳会議のメンバーのようなところはもうみんなすでに批准をしている。ですから、どこかその辺のわけのわからない国ならばこれはまたいろいろな国内事情があってで済むけれども、これだけの先進国首脳会議のメンバーに入るほどの日本の国が、この種の条約ね、もっといろいろ利害関係が伴うのならば別だけれども、こういう海洋汚染を防止しようというふうな、そういうことならばむしろ率先をしてそういう条約は批准をし、国内的にも整備をしていくというのが私は政府のとられる方法だと思うんです。ですから、それがただ単に何か国内の技術的な問題だということだけでは済まないんであって、もう少し具体的にお聞かせをいただきたい。
○政府委員(永井浩君) ただいま申し上げましたようなことでございまして、ただ、この条約は、その後五十三年に一部改正になりまして、たとえば洋上焼却の部分が追加になったというようなこともございまして、特に陸上の清掃関係の法律との調整等も非常に時間がかかったと、こういうのが実情でございます。 なお、この批准のための一連の国会における手続並びに国内法の改正につきましては、昨年の通常国会並びに夏の臨時国会に御提出しましたんですが、残念ながら審議未了、廃案となった、こういう事情でございます。
○柳澤錬造君 これ批准することによって、国内の規制というものはどういうふうに変わりますか。細かいところはいいですから、大筋のところで聞かしてください。
○政府委員(永井浩君) 条約は陸上からの廃棄物の海上の投棄を禁止しておるわけでございますが、実は、海洋汚染防止法においてはすでに相当部分を先取りいたしまして規制の対象にしております。したがいまして、新しく排出規制を行いますのは、絶対禁止といたしましては、水銀とカドミウムの、あるいはそれの化合物というものが、従来は固形化されたら捨ててもよろしいということになっていたのを、これを絶対禁止にすると、それからまた、対象としておりませんでした銅、亜鉛、弗化物、これについて新たに基準を設けて規制の対象にすると、物質的にはそういう内容でございます。そのほかに、航空機からの投棄の禁止、あるいは洋上焼却の規制と、こういったものが新たに加わるわけでございます。
○柳澤錬造君 いまのお話だと、水銀、カドミウムというものはそのままではもう海へ捨てちゃいけないんだという禁止になるわけですね。そうすると、そういうものが今度は海に捨てられなくなったということになって、それらの物質の処理をどういうふうにしろというふうに御指導なさるのか。
○政府委員(永井浩君) これは当省の所管ではございませんが、水銀、カドミウム、あるいはそれらの化合物については、外に出ないような密閉措置を行って埋め立てその他の場所に所要の措置を講じて埋めると、こういうふうにすると聞いております。
○柳澤錬造君 何か固めてということですね。 それから次にお聞きしていきたいのは、砒素とか鉛、これは今度は海上保安庁長官の確認を受けなければならないんだということになってきているんですけれども、その手続や何かですね、どういう順序を踏んでいくのか。若干その辺御説明いただきたい。
○政府委員(真島健君) 今回の改正案で、いわゆる確認行為ということが一つの制度としてできるわけでございます。 私どもで確認をいたしますのは、廃棄物の排出に関する計画といったようなものを、投棄したい方から申請を受けるわけでございます。この申請にかかわります物質、これにたとえば今度絶対禁止になったような水銀とかカドミとか、そういったようなものが入っていては困るわけでございまして、そういうチェックをまずいたします。さらに海域、それから排出の方法といったようなものがまた政令で決められることになりますので、そういったような方法、海域が適合しておるかどうかというようなことを事前に、審査をするというのが今度の確認の中身でございます。
○柳澤錬造君 いや、その海上保安庁長官の許可を得て捨てていかなきゃならない、その手続、どういう順序を踏むことになりますか。
○政府委員(真島健君) 手続といたしましては、私どもはこの実際の事務は管区本部長にやらせることにいたしたいと思います。それで、申請される方々の御便宜を考えまして、全国に六十五ぐらいの保安部がございますけれども、最得りの保安部に申請書を提出していただいて、管区本部においてこれをチェックすると、こういう手続にいたしたいと思っております。
○柳澤錬造君 そうすると、管区保安部にお任せをしてやらせるということでよろしいですね。
○政府委員(真島健君) そのとおりでございます。
○柳澤錬造君 はい、わかりました。じゃ、今度はトン数の方に移ります。 この資料では日本が批准をすれば発効するんだということになっているんですけれども、発効要件、船のトン数の六五%にはまだ日本がやらないと満たないわけだけれども、そのほかの国の数でいって二十五カ国以上というところが批准書を寄託したというところで、それはいつごろになるんですか。
○政府委員(謝敷宗登君) このトン数に関します条約の発効要件は、先生御指摘のように二十五カ国、総船腹量の六五%でございますが、私、いま手元に二十五カ国になったのがいつかというのはちょっと定かでありませんので、調べまして御涙事をいたしますが、主要な国で現在まで批准をしておりますのは、多い順から言いますと、リベリア、ノルウェー、英国、パナマ等でございまして、それ以外のところは、たとえばスウェーデン等は遅うございます。
○柳澤錬造君 じゃ、質問のあれを変えて、結局、日本がもっと早く批准をすれば発効したわけでしょう、量的には多い方だから。日本が批准がおくれたというのはどういう理由があったんですか。
○政府委員(謝敷宗登君) 船のトン数の画一化に関します動きは、これは実は戦前からあったわけでございまして、戦後間もなく北欧を中心にしましてオスロ条約というものが八カ国で批准されて、その後十六カ国になっております。その後IMCOにおきまして御案内のように審議がされまして、六九年にこの条約ができたわけでございます。その際に、十九世紀の終わりから始まったこの一連のトン数の測度の方法でございまして、その後各国によって細かな点で食い違ってきておったわけです。したがいまして、それぞれの国が、この条約が国際的に定着するかどうかを見きわめながら国内法の整備について検討をしてきたというのが実態でございます。特に、先進海運国の中で早く条約に批准した国は、オスロ条約に加盟していた国並びに英国等でございまして、言うなれば測度方式の現状に近かった。 日本の場合に問題が二つございまして、一つは四千トン以上の国際航海に出ていく船につきましては、条約どおりの測度方式あるいは条約どおりのトン数の決め方でよろしかったわけでございますが、問題は、そこで条約自身が国際航海に従事するものだけを規制すればいいではないかと、こういう議論が片方にあったわけでございます。 私どもとしましては、この際、従来の内のり方式あるいは用途による控除方式によりまして、船の外形は同じにもかかわらずトン数がまちまちになっていた、こういうことは国際航海に従事する船のほかに、国内船においても内航船においてもこれは改善すべきである、こういうふうに考えておりましたので、この点をぜひこの機会に法律改正に盛り込みたいと、こう思ったわけです。 そうなりますと、主として国内航海に従事します四千トン未満の船に条約どおりの係数を掛けますと実態に合わなくなるということで、これはわが国独自でございますが、四千トン未満のものについての現存船のデータを集めまして、これを条約におきます係数を算出しましたと同じような方式で統計処理をして別途の係数をつくり上げたわけです。この係数をつくり上げるのに、このトン数というのが広く各海事法規、海事制度の中で用いられているもんですから、大きな混乱を起こさないという条約と同じ趣旨で検討してまいりまして、ようやくその点で関係省、関係業界、あるいは海事に従事します船員等の皆さん方の愚見が一致した、こういうことで現状まで至ったわけでございます。
○柳澤錬造君 次に、この条約を批准した場合にどういうメリットがあるか、その点お聞きします。
○政府委員(謝敷宗登君) 私どもとしましては、この条約を批准しましてこの条約が発効いたしますと、船舶のトン数の測度基準が国際的に統一されるわけでございますから、この意味におきまして国際協力を推進することができるということと、それから国際トン数証書の互認がこの条約によりまして行われることになりますから、船舶の運航上の不便を回避するために役立つ、こういうことでございまして、先生先ほどから御指摘のように、主要な海運国であります日本でございますからこの期待にこたえることができる、こういうことになるのが第一点でございます。 第二点といたしましては、トン数の測度基準を合理的なものに改めることによりまして、より適正に船舶の大きさ等をあらわすことができるようになりますので、わが国におきます海事に関します諸制度の運用上、船舶の適正な取り扱いが確保されるということを期待しております。
○柳澤錬造君 次に、用途による、いわゆる居住区だとか機関室だとか操舵室だとか、そういう場所が今度は除外されないで全部トン数の中に入るわけですから、そういう点でもって大きな船なんか心配ないと思うんだけれども、漁船のような小さい船の場合に、船員の居住区域だとか作業区域とか、そういう場所が縮小されるような、そういう心配がないかどうか。そういうことについて何か対策はおとりかどうかお聞きをしたいんです。
○政府委員(謝敷宗登君) 今回の改正によりまして、用途による除外が認められなくなりますのは、上甲板上の機関室、操舵室、賄い室等の場所でございまして、主として船員の作業スペース等にかかわる問題であるかと思います。 最近の船舶におきます船員の居住区域や作業区域につきましては、現状のように改善、向上してまいっておりますが、これは一般的に申しまして生活レベルの向上と関係者の努力によるところが大きいと考えております。したがいまして、今回の法律によりまして、特にしわ寄せが作業スペースあるいは居住スペース等にくるということを強く感じておりませんが、皆無とは言えないということでございまして、私どもとしては、特に三千トン以下の船舶について実態調査を行いまして、関係者の意見を聞いて、実情を五十五年度で調査をするつもりでございます。したがいまして、この条約の実施に移ります問、この調査の実態を踏まえまして、必要な事項については関係法令の見直し等について検討することにしたいと、こう考えております。
○柳澤錬造君 その実態調査は、船舶局長、お金もかかるけれども十分にやっていただきたいと思います。そして効果的な次の対策もおとりをいただきたいと思います。 さらに、それに関連をして、これは日本はまだ批准をしてないんだけれども、ILOの九十二号条約、船員設備基準について、それから百三十三号条約で「船内船員設備に関する条約」、さらに百二十六号条約で、「漁船の船内船員設備に関する条約」があるわけなんで、これはまだ日本の国は批准をしてないんですけれども、当然こういうことをおやりになろうとなれば、そういうことも参考になさると思うんです。ですから、その辺の関連をどのように扱おうとしているか、その辺お聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(謝敷宗登君) お答えに入ります前に、先ほどの二十五カ国に達しましたのは一九七五年で、ドイツ連邦共和国外七カ国が入った時期でございます。 いまのILO条約第九十二号、それから第百三十三号、百二十六号に関連してお答えを申し上げます。 まず、基本になりますのは、四九年の九十二号条約でございますが、これは五百総トン以上の船を対象にいたしまして、船内の船員の設備基準等について規定をしておるわけでございます。これにつきましては、先ほど私が一般的な生活水準の向上と労使の御努力、関係者の御努力と申し上げましたのは、これに基づきまして、現在船主団体とそれから組合との間におきまして、労働協約におきまして三千総トン以上の新造船の船員設備についてはILO九十二号条約を参考にして下回らない、これは大型のカーフェリーも含むものでございます。それから内航船につきましては、これを参考にしながら船員設備基準をつくってやっております。したがいまして、基本としましては、三千総トン以上のものについてはほぼILO条約の基準を実質的に満足するようになっております。 したがいまして、私が先ほど申し上げました今後の調査は、三千トン未満のものを中心にいたしまして、全体で十グループ、二十トンまで十グループと、それから貨物船、タンカー、旅客船、作業船等の用途別に分けて、航行区域別に分けて実態調査をしたいと、こう考えておるわけでございます。漁船につきましては、さらに私ども、水産庁が共同いたしまして、漁船員の船内居住設備等が改善されますように、通達により特別の措置をとっておることは御案内のとおりでございます。 基本的にこういう状況でございますので、先ほど御指摘のありました三つのILO条約を批准するかどうかにつきましては、船舶局限りでお答えするべき問題ではございませんが、先ほど申しましたように、長時間航行します三千トン以上の商船のようなものについては、実質的に実現している部分もございます。 したがいまして、問題点としまして私どもが感じておりますのは、一例を申し上げますと、たとえば船内の食堂でございますが、一千総トン以上の船の船内の食堂は、士官用とそれから甲板用と機関用というふうに分かれております。日本の現状から言いますと、恐らく士官用と部員用と二つということでございまして、その他これに類するような、いわゆる日本の実態に合ってない面もございますので、こういったところを勘案しながら、実質的に満足をする努力をしますが、基本的にはわが国においても条約の趣旨に沿った措置を講ずべきだと考えておりまして、関係の向きと協議をしながら対応してまいりたいと、こう考えておるわけです。
○柳澤錬造君 船舶局長、もう一つだけ。 この法の附則の方を見ていただきたいんです。附則の第三条「経過掛渡」、ここのところ何回読んでもよくあれなんですが、特に三条の中の三項で「十二年を経過する日」云々なんてありますんですけれども、この経過措置のところで、この法の言わんとしているところ、ごく要点的で結構ですからお答えいただきたい。
○政府委員(謝敷宗登君) 経過措置の主なのは三つに分かれます。一つは国際航海に従事するものにつきましては、十二年まではもとのままの総トン数を国際トン数証書に国際総トン数として書くというのが一つでございます。したがいまして、現存船は十二年間国際航海に従事するといえども、いまの総トン数を国際総トン数としてトン数証書に書くということでございます。 それから第二点は、国際航海に従事する船でありまして、特別の修繕、これはたとえば船の長さ、幅、深さの変更とか、あるいは上甲板上の構造物の改造とかということによりまして、実質的に船の大きさが変わるものにつきましては、それが変わりましたら新しい条約方式によりまして総トン数を出しまして、それを国際トン数証書に書くと、こういうことになります。 それから、国内航海のみを航行します船につきましては、その船の存在中はもとのままの総トン数で航行するということが趣旨でございます。
○柳澤錬造君 終わります。
○委員長(黒柳明君) 他に御発言もなければ、両案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(黒柳明君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより両案に対する討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 まず、海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(黒柳明君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 山本君から発言を求められておりますので、これを許します。山本君。
○山本富雄君 私は、ただいま可決されました海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党、日本共産党、民社党及び第二院クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 まず、案文を朗読いたします。 海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、海洋汚染の防止及び海洋環境の保全を図るため、各般の施策の一層の推進を図るとともに、特に左の事項につき格段の努力をすべきである。 一 海洋汚染防止に関し、海運・関係業者等に対する指導・監督の強化を図ること。 二 海上保安庁の監視体制の拡充を図るとともに、大型タンカーに対する監視の強化に努めること。 右決議する。
○委員長(黒柳明君) ただいま山本君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(黒柳明君) 全会一致と認めます。よって、山本君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、地崎運輸大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。運輸大臣。
○国務大臣(地崎宇三郎君) ただいまは海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、慎重御審議の結果、御可決をいただき、まことにありがとうございました。 また、附帯決議につきましては、政府といたしまして、その趣旨を十分に尊重して努力してまいる所存であります。 どうもありがとうございました。
○委員長(黒柳明君) 次に、船舶のトン数の測度に関する法律案を問題に供します。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(黒柳明君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 広田君から発言を求められておりますので、これを許します。広田君。
○広田幸一君 私は、ただいま可決されました船舶のトン数の測度に関する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党、日本共産党、民社党及び第二院クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 まず、案文を朗読いたします。 船舶のトン数の測度に関する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行にあたり、トン数の測度基準の変更に伴い、船内設備について居住及び作業環境が悪化することのないよう所要の措置を講ずること。 右決議する。
○委員長(黒柳明君) ただいま広田君から提出去れました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(黒柳明君) 全会一致と認めます。よって、広田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、地崎運輸大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。運輸大臣。
○国務大臣(地崎宇三郎君) ただいま船舶のトン数の測度に関する法律案を、慎重御審議の上、御可決をいただきましたことを心から厚く御礼を申し上げます。 また、決議されました附帯決議につきましては、御趣旨を尊重し、今後その推進に努力してまいりたいと存じます。 まことにありがとうございました。
○委員長(黒柳明君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(黒柳明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時二十四分散会 —————・—————