P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
91回国会参議院1980/04/10

運輸委員会 第3号

発言数
168
登壇者
16
会派数
5
開催日
1980/04/10

会議録

黒柳明公明党

○委員長(黒柳明君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  去る三月六日、穐山篤君が委員を辞任され、その補欠として瀬谷英行君が選任されました。  また、三月二十五日、山本富雄君が委員を辞任され、その補欠として塩見俊二君が選任され、三月二十六日、塩見俊二君が委員を辞任され、その補欠として山本富雄君が選任されました。  また、本日、井上吉夫君、伊江朝雄君及び江藤智君が委員を辞任され、その補欠として北修二君、竹内潔君及び石本茂君が選任されました。     —————————————

黒柳明公明党

○委員長(黒柳明君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い本委員会の理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

黒柳明公明党

○委員長(黒柳明君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に山本富雄君を指名いたします。     —————————————

黒柳明公明党

○委員長(黒柳明君) 海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。地崎運輸大臣。

地崎宇三郎自由民主党・自由国民会議運輸大臣

○国務大臣(地崎宇三郎君) ただいま議題となりました海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。  海洋汚染の防止につきましては、従来から油及び廃棄物の厳しい排出規制を実施するとともに、監視取り締まり体制の強化等に努めてきたところであり、今後とも国際的動向にも十分対応しつつ、対策の充実強化を図る必要があるものと考えております。  今国会に別途提出されております廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約は、主として陸上で発生した廃棄物等の海洋への投棄を規制することを目的として、昭和四十七年に採択された条約でありますが、同条約はすでに昭和五十年に発効しており、その締約国も先進諸国の大部分を網羅する四十三カ国に達しておりますので、わが国としても同条約の批准を急ぐ必要があり、今国会において御承認をお願いしているところであります。  このため海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正し、同条約の批准に伴い新たに必要となる国内法制の整備を図ることとし、あわせて、従来からの懸案であるビルジの排出規制の対象船舶の範囲を拡大することとした次第であります。  次に改正案の概要について御説明申し上げます。  第一に、海洋環境の保全上注意を払うべき廃棄物の船舶からの排出について海上保安庁長官の確認制度を設けるとともに、航空機からの廃棄物等の排出を新たに規制する等の措置を講ずることといたしております。  第二に、船舶または海洋施設における廃棄物等の焼却を禁止し、または一定の基準にかからしめる等、排出の規制に準じた制度を設けることといたしております。  第三に、現在ビルジの排出規制の対象外である総トン数三百トン未満のタンカー以外の船舶のうち、総トン数百トン以上の船舶を新たにビルジの排出規制の対象とするとともに、既存船舶については経過措置及び適用除外措置を講ずることといたしております。  以上が、この法律案を提案する理由であります。  何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。

黒柳明公明党

○委員長(黒柳明君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ります。     —————————————

黒柳明公明党

○委員長(黒柳明君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  運輸事情等に関する調査のため、本日の委員会に日本鉄道建設公団理事濱建介君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

黒柳明公明党

○委員長(黒柳明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

黒柳明公明党

○委員長(黒柳明君) 運輸事情等に関する調査を議題といたします。  運輸行政の基本施策に関する件について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

広田幸一日本社会党

○広田幸一君 私は、主として国鉄の再建問題を中心にして質問をいたしたいと思います。  まず第一に、今度国会に提案されておる国鉄経営再建措置法案の問題についてでありますが、国鉄当局は、国鉄の再建についてこの数年間いろんな案を出してきたわけですけれども成功しなかった。今度提案しておる内容はぎりぎりのものである、もうこれが最後である、こういうふうに言われておるわけですけれども、国鉄当局として、これから国会で論議があるわけですけれども、私は最終的には国民の協力なくして成功しないと、こう思っておるわけですが、この再建法案に対して国民は一体どういうふうに受け取っておるだろうか、国鉄当局としてどういうふうにそれを受け取っておられるのか、まず基本的な考え方をお聞かせいただきたいと思います。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 今回のいわゆる再建法案の中で基本となっておりますのは、やはり私どものいわゆる企業努力、そしてそれによる効率的な運営ということであろうかと思っております。この点については法文の上では必ずしも明確でございませんけれども、いわゆる経営改善計画を策定をして、そしてそれに沿って効率運営の中身を明らかにするということになっております。よく三十五万人体制という言葉で言われておりますが、それが私どもの今度の再建の基本的な考え方でございます。  で、それにつけ加えましていま持っております巨額の過去債務のたな上げということが一つと、それから法律事項としていわゆる地方交通線をレールからバスに切りかえさしていただく、そうしたことを通じて何とか単年度で、六十年度におきまして収支が均衡するように持っていきたい、その実現のためには現状でははなはだ心もとないわけでございまして、何分大ぜいの職員の職場でございますので、それら諸君について国鉄経営の現状を十分理解をして、そして積極的に取り組むような気運をつくり上げることがまずもって重要なことだというふうに私どもとしては考えております。

広田幸一日本社会党

○広田幸一君 物事すべてそうでありますけれども、やっぱり原因というものがあってその原因を究明をし、反省して前進するところに問題解決をすると思うんですが、五十四年度末で約六兆円の赤字が出ておるということですが、いろいろ原因あると思うんですけれども、どういうところに問題があったかと、しかもその問題は今回のこれからの再建法案の中でどういうふうにしたならば解決ができると、いま大要おっしゃったわけですけれども、もう少しその点物足りないような感じがしますので、もう一回その点をお聞かせいただきたい。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 過去におきまして何度もこの経営改善計画が立てられたわけでございますが、それがうまくいかなかった事情等もいま反省してみますと、他の輸送機関、自動車であるとか飛行機であるとか、そういう他の輸送機関との関連から見まして今後余り多くの事業量の伸び、すなわち収入の伸びを期待することはできないのではないか。過去の計画が計画倒れに終わりました一つの大きな理由が、収入の見方が少し甘かったということが言えるだろうと思います。  今回の計画では消費者物価の上昇程度を前提として運賃改定をお願いをいたしておりますが、事業量としては収入の伸びを見ていないわけでございます。この点はエネルギー問題等の関連であるいはもう少し明るい見通しを持ってもいいのかもしれませんけれども、今回の計画では余り不確定な要素を織り込まないということで、収入増をお客さん、貨物の輸送の量がふえるという前提をとることは差し控えておるわけでございます。  そうなってまいりますと、一番大きな問題は経費をどうやって節するかということでございまして、経費の節する度合いを相当強くいたしませんと収支が均衡しないということでございまして、その経費の中で何か問題かと言えばやはり人件費でございます。  現在、総経費中の人件費割合が七割強というようなことになっておるわけでございます。で、鉄道輸送は人手がかかるということは、これはもう一種の宿命みたいなものでございますけれども、その中でもしかし私鉄等と比べますと営業キロに比べて人手が比較的多いということが明らかでございますので、どうやって人手を減らすかということが主体になるわけでございまして、現在四十二万四千人の職員がおるわけでございますけれども、現在というのは少し不正確で、五十四年度末に四十二万四千人おるわけでございますけれども、相当無理がありますが、ほぼ二割これを減らすことによって効率化を図り、収支の均衡を図りたいというのが今回の計画の一番柱になっておる部分だと申し上げてよろしいかと存じます。

広田幸一日本社会党

○広田幸一君 いま総裁がおっしゃったように、いろんな面で自己努力をして改善をしていかなきゃならぬという考え方がもとになっておるように思うんですが、もう一つ総裁の答弁の中でこういうことを私は言ってほしかったと思うんです。  後で細かくは言いますけれども、国鉄というものは公共性を持っておるわけでして、いままでとにかく鉄道をつくって輸送量を伸ばしていけと、そういうふうな国の政策としてやり方があったと思うんですね。ですから、採算というものを超えてかなり国鉄も事業をやってきたと、そういうものが積もり積もって今日の六兆円の中にはあると、そのことの是非は別としまして、やっぱりそういうことがあったということを、総裁も遠慮せずに言うべきことは言い、そしてやるべきことはやると、そういうことでないと四十二万の職員も、国鉄はだめだだめだと言われても、何か全体が自分たちの責任のような感じがして将来に希望が持てない、私はそういうふうに思うんです。  で、これから四十二万人の人たちが総裁の気持ちになって、とにかく自分たちの努力によって再建をやっていく、そういう体制ができなきゃならぬと最終的には私はそう思いますけれども、やっぱりその点は何か国鉄ばかりが悪くてというふうな感じがするんですが、その点についてはどうですか。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 公共的使命ということで必ずしも採算だけで考えるわけにはいかなかったわけでございますし、今後ともそういう問題はあるわけでございます。その結果が、われわれの内部努力の不足もありますけれども、その結果が現在の累積赤字という形で集積をしておるわけでございまして、ただ今回の再建計画では、五十五年度中に生じた過去債務についてはたな上げをしてやろうということを政府で言っていただいているわけでございますので、これまでのいろいろ、なかなか申し上げにくいことではございましたけれども、いわばちょっと無理な立場に置かれていた部分は、今回のたな上げによって一応一遍きれいになるということになるわけでございます。  そこで、もう一つ非常に大きな問題は実は年金問題でございまして、この年金問題というのは、私どもの人員構成が御存じのような形になっておりますし、しかも、わずかでありますか、長い間傾向として職員数がふえることなく減る方向にのみあったわけでございますので、したがって掛金を掛ける人の数が少しずつ減っていって、そして受給者の数は急激にふえてくるということから、年金がバランスしなくなってまいりました。いま、一時しのぎのような形で国鉄の方で年金会計の方にいわゆる追加の原資を投入しておりますが、これが国鉄会計に対して非常に圧迫になっております。率直に申しまして、年金は実態は立ち行かない状態になってきておるわけでございます。  しかし、年金問題は国全体としてお考えになりましてもなかなか容易でない問題でございますので、今回の計画では、これを具体的にこうやって解決をするということを織り込んでいないわけでございまして、ただ、とりあえず特別勘定にしてその分を除外をして、その年金の中の異常負担部分を除外をして、六十年度で単年度に収支均衡するということを再建計画は言っておるわけでございまして、この年金問題についてのお取り組みを政府全体として願えませんことには、実は率直に申しますと再建不可能の状態であるということを前提として案ができております。  このことにつきましては、まだいろいろな角度から御検討願わなければいけないわけでございますから、残念ながら今度の再建計画では、この年金問題の処理についての結論を織り込んでおりませんけれども、ぜひとも至急に御検討いただきたいということを前提といたしておるわけでございます。  なお、東北、上越新幹線の開業に伴いまして、経過的に赤字が発生いたすわけでございます。これは十年ぐらいたちますと、どうにか均衡してまいると思いますが、その間は赤字が出るわけでございまして、このことにつきましても、昨年提案いたしました基本構想案の中で別途お願いいたしますということを申しているわけでございまして、これらのことについて、はなはだ恥ずかしいわけでございますけれども、そうしたものを政府で見ていただかないことには、いろいろごめんどういただかないことにはなかなか再建ができないという現状でございます。

広田幸一日本社会党

○広田幸一君 そこで、去年の十二月に閣議の了解事項に基づいていわゆる国鉄再建の三本柱というものがあるわけです。この三木柱を中心にちょっと私質問していきたいと思うんですが、まず運賃による増収でありますが、今回また運賃を値上げをするわけですけれども、五十二年に法定制緩和になってから今回三回の、まあ料金の値上げもありましたが、基本的には三回の値上げになるわけですけれども、私どもは一定の値上げというものはやむを得ないと、こういうふうに思いますけれども、値上げを実施することによって国鉄離れをする、客が離れていくということをいままでの実績から見て非常に心配するわけですね。  その問題が一つと、これは大臣も閣僚の一人でありますから、いま物価対策の面で少なくとも公共料金はできるだけやらない。やってもいま一番のむずかしいときだから少し時間を延ばす、先に延ばす、そういうことが政府の姿勢にあるわけですが、私はその二点から考えまして、今回の国鉄の値上げについては了解ができないという立場に立って質問をしたいと思うんですが、大臣、その点についてどのようにお考えになりますか。

地崎宇三郎自由民主党・自由国民会議運輸大臣

○国務大臣(地崎宇三郎君) 五十五年度の国鉄の財政の状態は、助成前で一兆五千億の赤字でございます。これに対しまして六千八百億円からの助成をいたしましてもさらに八千八百億円、約九千億近い赤字が予想されるわけでございます。そういう意味におきまして、来年の春までには六兆四千億の累積赤字ということに相なるわけでございます。  このたび国鉄の再建法案を提出さしていただいておるわけでございますが、もちろん国鉄は再建のためには内部の合理化、企業努力というようなものも行わなければならないわけでございますが、この大きな赤字を考えますときに、将来ますます負担がふえまして、国民の税金に頼らざるを得ないということになるわけでございますので、幾らかでも利用者に負担をしていただかなければならないということで、このたび物価の上昇率程度の五・一%程度の運賃値上げをお願いするということに現在見込んでおるわけでございます。  そして、これがことしの国鉄の再建の第一歩でございますので、いろいろ御批判もございましょうし、物価のむずかしい問題の時期でございますけれども、全体的に物価に響く率は大体〇・〇一%ぐらいというふうに判断をしておりますので、何とかこの国鉄再建第一歩の計画であります運賃値上げをぜひ御理解をいただきたい、かような気持ちでおるわけでございます。一応私も値上げするということに対しては余り好ましくない感じでございますけれども、ことしの再建計画ということに照らし合わせまして、ぜひ御理解を賜りたいと、かように存ずる次第でございます。

広田幸一日本社会党

○広田幸一君 かなり努力をされたようですけれども、結局千五百億円の収入を上げるために値上げをされるわけですけれども、特に国民が今回の値上げに対して、国鉄がまた上げるという感じの中で、学割りが高いじゃないかと。一八%を一一%に落としたという努力はありますけれども、なぜ学割りをそんなに今回格別に上げなければならなかったのかと。私の聞いておるところでは、大体一千億円のうち学割りによる分は九十億円の増収になるということですからね、そうしますと、全体でいうと十分の一ですね。これ九十億円、違ったらあれですけれども、九十億円程度の増収なら、何かさっきからお話がありますような企業努力によってできないものか。あるいはこれは政府が補助金を出すということでありますから、政府の方としてもこういうようなわずかな、わずかというか、こういう金額程度は何とかできないのか。  私が一番心配しますのは、物価を上げてはならないという、非常にそういう時期であるということと、国鉄から客を減らさないようにするためにはもっとそこらのところを考えてもいいじゃないかと、こういうふうに思うんですが、ひとつ簡単に御答弁願いたい。九十億が違っておるかどうかは別として。

山地進運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山地進君) 通学定期の値上げの額は大体先生のおっしゃったようなことだろうと思います。それから、通学定期に九十億ぐらいだったら何とかならないかというお話でございますが、まず、先ほど大臣からも御答弁申し上げましたとおり、政府といたしましては去年の助成額に比較いたしまして約一〇%増す助成額、つまり六千八百億というのを出したわけでございますが、国の財政の伸びが大体一〇・五%、その中から国債の償還とそれから地方交付税を除いた場合には、一般歳出の伸びというのは五%ぐらいでございますが、国の財政の規模から言いましてなかなかそれ以上は出せない。六千八百の中で九十とほかのものと変えたらどうかという御議論もそれはあるかと思うんですけれども、そういうような事情で、九十億といえども国の財政から見ると負担増というのは非常にむずかしい問題になるわけでございます。  この問題につきましては、先ほど高木総裁から御答弁申し上げましたとおり、それから先生の御指摘のように、公共負担の問題といたしまして、なお通学定期という問題について、もし文教上の必要から出すなら、一体これは国鉄が持つあるいは政府が、運輸省が持つというよりも、文教政策の点からお考えいただくという考え方も従来からあるわけでございまして、今後の問題といたしましては十分そういうふうな考えで通学定期の問題を扱ったらいいかということにこれは対処できるわけでございます。  現在の段階におきましては、通学定期というものがやはり非常なる割引率、八〇%近く、いま七八%でございますか、それぐらいの割引になっているわけでございますが、それでもほかの運賃法で定める割引率から見れば非常に高くなっているわけでございまして、これも一般の利用者との間の均衡の問題もございますので、国鉄が黒字である場合はともかくといたしまして、赤字である場合については、この割引制度全体の見直しの一環、特に通学定期については、われわれとしては利用者の方の御負担ということで考えざるを得ないというのが実情でございます。

広田幸一日本社会党

○広田幸一君 局長がおっしゃるように、文教政策の方で考えるべき性格のものであるということになれば、そんなことは国民はほとんどわからないわけですよね。やっぱり国鉄が上げたということで、また上げたと。家庭生活が非常に困っておるときに通学のあれも上げたという印象が強いんですよね。私はそういう点はもっと政府に向かって思い切って言ってもらわなきゃならないと思うんですよ、総裁。  それからもう一つは、きのうもテレビに出ておりましたけれども、国鉄もいろいろな形で努力しておられますね、収益上げるために。たとえば新幹線で、東京から大阪の間で子供を送り届けるというようなことやら、夏には野球列車を出すとか、いろいろな努力をされておるわけですね。私はそういうような努力の方で収益を上げる、そういうかっこうをなぜできないだろうかと、こういうふうに思うんですが、その点いかがですか。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 御指摘のように運賃改定とは関係なくいろいろ工夫をこらしましてお客さんに乗っていただいて収入をふやすということが重要であることはおっしゃるとおりだと思います。いまお触れになりましたような、ない知恵をしぼり出していろいろ苦労しておりますのはそういう趣旨でございます。  ただ、全体として私どもはいわゆる公共的使命を持っておりますということから、学生割引等につきましても、学生の定期につきましてもかなり長い間大幅な割引を続けてきたわけでございますが、そのことは全体として国鉄経営にいわば余裕がありまして、内部補助といいますか、国鉄会計全体の中で一部の運賃を割り引いてそのかわり他のお客さんから多少多目にいただいてということで、国鉄会計という袋の中で調整をしておったわけでございますが、すでに現在私どもの運賃水準が他の輸送機関の運賃水準と比べて決して低くないということになってまいりましたので、ある部分で少しよけい運賃をいただいて、そして他の部分の方を安くするという余地がなくなってきたわけでございます。  現在、学生さんの場合は普通運賃を百円といたしまして二十一円ぐらいの水準にあるわけでございますが、それは少し割引率が大き過ぎないか。父兄の負担の問題は御指摘のように非常にめんどうな問題でございますけれども、他のお客さんからよけいいただいて学生さんの分を割り引くということの、その割り引く程度が少し過ぎるのではないかということで、数年前から学生割引の是正をやらしていただいているわけでございまして、その点は御批判はありましょうけれども、片方のお客様の負担と他方のお客様の負担とのバランス論から言いましても、やはり少しいまの割引率は高過ぎるのではないかと考えておるわけでございまして、ただそれをどの程度までならいいかということは、まだ十分議論が尽きておりませんけれども、少しずつ是正をさしていただいたらという気持ちがこの学生の通学定期の割引率の修正というところにあらわれておるわけでございます。  そういうふうに、全体としての水準の問題と、その同じ運賃収入の中でどういうバランスにするかという問題との関係として御理解を賜りたいものと思う次第でございます。

広田幸一日本社会党

○広田幸一君 先ほど言いましたように、現場の職員の声というのは、実感として今度値上げをすると、さっきから何回も言っておりますように客が離れるのではないかということを非常に心配しておるわけですね、そこに働く人たちは。そこで、こういうふうな運賃を今回値上げしたことによってそのような心配はありませんと、これこれこういうふうな調査に基づいて、まずこの程度ならば客は減らないと、そういうふうな見通しを、やってみないとわからないわけですから、そういう根拠というものはあるかないか、長くなくてもいいわけですから。そういう点はどうなっておるか。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 昭和五十一年に、御記憶がございましょう五〇%値上げという大変大きな値上げがございました。あれを契機といたしまして五十一年、五十二年、五十三年、引き続いて実はお客さんの数が減っておるわけでございますが、昨年一〇%弱の値上げをさしていただきましたが、大分落ちついてまいりまして、五十四年度のお客さんの状況は、五十三年度と比べてやはり多少減っておりますけれども、ここ数年経験したものと比べますと大変減り方が少なくなってきておるわけでございます。  今回の値上げの幅全体としての名目五・一%という改定率は、最近では非常に低い改定率でございますので、そしてそれは消費者物価上昇率と見合うというか、ほとんどそれとおっつかっつという状態でございますので、私どもは今回はそう大きな客離れが起こるということは考えていないわけでございまして、名目では五・一%の改定率になりますが、実収率では四・二%ぐらい見ておるわけでございまして、そう大きな乖離にはならないだろうと思っておりますし、ちょっとお触れになりましたようにいろいろ工夫をこらしまして、また乗っていただく努力を必死に続けるということによって、何とか五十五年度中には改定がありましても客離れにならないように、つまりお客さんの数が横ばいぐらいでとどまるように努力をしてまいりたいと考えておるわけでございまして、過去の値上げとお客さんの離れの傾向との関係から言いまして、今回の程度のものであれば必死になってがんばればまずまずどうにかお客さんが減らずにいけるのではなかろうかという気持ちを持っております。

広田幸一日本社会党

○広田幸一君 この問題は、私は反対をしておりまして、時期的にもいま公共料金をやるべきではない。ですから、この問題でやってみても平行線で尽きないと思いますが、私はそういった意味で大変心配するわけです。  そこで、この際ちょっとお聞きしておきたいと思うんですが、特別運賃制度、そういうことが考えられる。特に地方の赤字ローカル線等がそういう対象になると思うんですが、なぜこういうふうなことになるのか。私は公共性という観点から考えると、またこれから国鉄からバスに転換をするというようないろんな作業が考えられておるわけですけれども、その上にもってきて特別運賃をかけるということは公共性から言ってやるべきではないと、こういうふうに思うんですが、いやそれでもこうだという理屈もあると思うんですが、その点をひとつ簡単に御説明願いたい。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 私どもの国鉄の運賃は全国均一運賃というのが原則でございます。ところが、他の輸送機関の運賃の立て方は、企業別に標準原価を見て、その標準原価を償うようにということで運賃が立てられております。その結果、最近起こってまいりました現象といたしましては、東京とか大阪とかそういう都市部、お客さんの多いところについての運賃は、極端な場合には国鉄に比べて私鉄の運賃が半分ぐらいだというような現象が出てまいりました。  よくいろんな機会に御指摘になりますように、東京−小田原間をとりましても、新宿−八王子間をとりましても、まあ私どもの運賃の半分ぐらいで私鉄の運賃が立てられておる。関西圏におきましても、京都−神戸間等におきまして私鉄の運賃が国鉄の運賃のほぼ半分ぐらいということになってきておるわけでございまして、このことは何を意味するかといいますと、やはり都会地におきましてはすでに運賃バランスが崩れておるということでございまして、現実に関西地区では特にお客さんの減少が目立っておることになっております。一方におきまして地方部におきましては、地方部では私鉄がそれほど発達をいたしておりませんけれども、私鉄のありますところで比べました場合、あるいは私バス、公営バスの場合のバス運賃と比べました場合にも、今度は逆に私鉄の方が国鉄の倍以上、極端な場合には二倍、三倍という運賃になっておるわけでございます。  このことは何を意味するかというと、私どもは全国均一運賃であると、それから各私バス、公営バスは企業別原価を基準にしたものであるということから発生をしておるものではないか。そして、従来はいわば都市部でいささかかせがしていただいた分を内部補助という形で、地方の運賃が低くてもそれでやれるという事態であったわけでございますけれども、いま申しましたような事情で、競争条件からいってこれを均一運賃制度を維持することは困難になってきたわけでございまして、いわゆるローカル線の場合に、鉄道をやめてバスに切りかえる問題とは別の問題といたしまして、全国二万一千キロの営業キロのうちで四〇%強に当たります九千キロぐらいの部分について、いささかその他の部分と違う水準のやや高い運賃制度をとらしていただきたいというのがこの考え方のもとでございまして、いわゆるレールの撤去問題とは全然別の問題として、運賃のあり方の問題として、均一運賃ではやっていかれなくなりましたということで、二段運賃にすることはどうでしょうかというのが特別運賃制度でございます。

広田幸一日本社会党

○広田幸一君 総裁のおっしゃることも半分はわかるわけですけれども、ただ、確かに都市部の方は他の輸送機関に比べて高い、地方の方は安い、こういうので均衡保たなきゃいけぬと、こういうことなんですが、私は都市部とそれから地方との生活条件の違いがいろいろあると思うんですね。そういうものを加えながら総合的に考えていかないと、国鉄のサイドだけでそういうふうなことは少し均衡が保てぬじゃないかと。  ですから国の政策の中で、たとえば過疎対策法ですか、ああいうものがあるわけですから、ああいうものをもっと充実するとか、あるいは都会のいわゆる過密をどういうふうにして是正をしていくか、そういう国の政策の中で考えながら国鉄の考え方を持っていくということにならないと、いま総裁がおっしゃったような考え方では、バランスのとれた国民生活の安定を図っていくという点で少し無理があるではないかと思いますが、この点いかがですか。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) ただいま私の説明十分でございませんで、都市部といわば地方部とを比較して、二段運賃でもよろしいのではないか、納得していただけるのではないかと申しましたんですけれども、それと同時に、同じ地方の中におきましても私どものレールのあるところとレールがない、したがってバスあるいは私鉄を利用せざるを得ないというところがあるわけでございまして、地方部の中においてたまたまレールがあるというところとレールのないところとのバランスにつきましても、まあ私ども公共事業でございますから、全く私バス、私鉄と私ども同じ運賃水準でなければならぬと言っているわけではないわけでございますが、現状のように二倍も三倍も差があるということは、その地域だけのバランスを考えましても、もう少し私どもの運賃を上げさしていただいてもその地域の中のバランスとして御理解をいただけるのではなかろうかという気持ちでございます。  しかし、この点は非常に長い長い歴史で国鉄は全国均一運賃ということでございましたから、それを変えますのはやはり利用者の皆様には非常にのみ込みにくい性格のものでございますから、そうは言いましてもそう大きな幅の特別運賃を考えているわけではないのでございますが、この際、長年続いてきた均一運賃について考え直していただく、御理解をしていただくということを考えているわけでございます。

広田幸一日本社会党

○広田幸一君 いま総裁がおっしゃったように、そう大きな値上げはしないつもりだということですが、これはなかなか問題のあることでございまして、われわれもこれから十分国民の意向というものを聞きながら対応していきたいと思いますが、大体いつごろこういう特別運賃制度をやりたいと考えておられるんですか。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) これは必ずしも厳密に言いますと法律事項ではないと私どもは解釈いたしております。現行運賃法でもそういうシステムをとれるものと解釈をいたしておりますが、いま広田委員から御指摘のように非常に大きな問題でございますし、地域地域の国民の皆様方がどういうふうに受け取られるかという問題がありますので、今回特別措置法案の中にそういう規定を盛り込んでいただいたわけでございますので、この法案の御審議の過程でいろいろ御議論をいただき、その結果に応じて御承認願えました場合には一部実施に移さしていただきたいと考えておりますが、いままだ法案の御審議が実質的に始まっていない段階でございますので、そういうことを本年度中から始めるかどうかということについてはまだ白紙の状態でおります。法案が通った後で考えさしていただきたいと思っております。

広田幸一日本社会党

○広田幸一君 次は、国が助成する問題です。  先ほど総裁の方から、中身については若干触れられたわけですが、共済年金とかこういう負担の問題は、これはさっきおっしゃったように国は責任を持ってやるということでありますが、将来的の展望に立ってみますと、六十年度を目標にして再建をしたいと、大体収支のバランスがとれるようにしたいというわけですね。  そうすると、それまでの期間というものは、ことしは六千何ぼですかね、国の補助が来ておるわけですが、これがもっとふくらんでくるかもしれませんが、そういうものはずっと六十年までは継続をしてそれは国が必ずやると、こういうふうになって、六十一年になるか六十二年になるかわかりません、まだ五、六年かかるわけですからね。その先というものはどうなるものか。  その問題と、それからたな上げになる五兆円という金があるわけですね。それはいわゆる金利というものをずっとつけておるわけですけれども、今度元金の返済というものがあるわけですね。そういうものは将来的にどういうふうになっていくのか。ここなんかのところは国鉄としてもそれぞれ計画しておられると思うんですが、お答え願いたい。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 本年といいますか、五十五年度におきまして六千八百億円の助成金をいただくことにいたしております。そのうちでいわゆる特別勘定と申しまして、たな上げに見合うための補助金が利子と元本とを合わせまして三千五百億が計上されております。この三千五百億は二十五年間にわたって続くということでございまして、したがって六千八百億から三千五百億を差し引きました三千三百億が毎年毎年の対策として支出をお願いするものでございます。この三千三百億の系統につきましては、現在私ども試算をしております六十年度計画では若干増加をお願いをいたしたいと考えておりますが、その若干という程度は六十年代におきましても千億以内のもので考えております。  その程度この三千三百億の系統の助成金をふやしていただくことを前提として六十年度に何とか単年度で収支均衡する。ただし、五十五年度に単年度で収支均衡すればよろしいんでございますが、そうなりませんで、徐々に赤字が減りまして六十年度に収支均衡ということになりますと、実は六十年度までにもう一回赤字が出ますので、最終年度ぐらいの段階でもう一回赤字たな上げをお願いしなければならないということになりますと、先ほど申しましたたな上げのための三千五百億円の系統がまた相当額お願いをしなきゃならぬということになります。しかし、いずれにしましても、特別勘定分を除きました年々の助成金については、もはや多くを期待しないということを前提といたしております。  ただし、そこで非常に問題でございますのは年金の問題でございまして、年金の問題についてどういうふうな形で始末をしていただくか。と申しますのは、助成金という形式で始末をしていただくのか、あるいは制度的に解決をしていただくのかということは、今後の政府におきます御検討にまたざるを得ないわけでございますので、その分はこの計算からは全く除外をして考えているわけでございます。

広田幸一日本社会党

○広田幸一君 共済年金制度の問題は、各制度の調整をどうするかというような問題を含めて政府が大分苦労してやっているようですが、私はなかなかむずかしいと思いますね。他の制度がそう簡単に国鉄に合わしてくるということは、それぞれセクトがありますから困難だと思います。  そこで、次は、先ほど来から三十五万人体制についての考え方はちょっと出たわけですけれども、総裁のおっしゃるのはいま程度の何といいますか、規模ですね、規模の範囲でやっていくとすれば、どうしても三十五万人でもってやらなければ収支採算がとれないと、こういうことでありますが、何か非常にいわゆる民間の減量経営と違いまして、本当に国鉄の場合は国民生活の足を守るという、国民の生活に関係する輸送の確保ということでありますから、民間の場合の減量経営という考え方としては、公共性を持っておる国鉄としては少し考え方が狭いではないか。あんまりもうけというか、経営主義というか、競争主義ですかね、そういうものに走っておるような感じがするんですが、この点はどうでしょうか。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 三十五万人という数をどうやって見当つけたかということの方から御説明させていただきます。  現在四十二万四千人でございますが、六十年までを見通しますと、東北、上越新幹線が開業をされることになります。これに必要な人数が一万人をちょっと超えることになろうかと思います。もちろんそれができますれば在来線の方が多少手がすいてくるということはありますが、かなりの数になります。そういたしますと、東北、上越新幹線の開業のために新たにふやさなければならない職員の数を含めてなおかつ三十五万人にするということはかなりむずかしいといいますか、よほど工夫をこらさなければならないことであろうかと思っております。  半面、その場合に予測します六十年代の収入との比較で考えますと、三十五万人になりました場合の収入と人件費の割合は、収入を一〇〇として経費が五〇から五五ぐらいの間にくるのではないかというふうに思っております。私どもが赤字になりましたのは昭和三十九年からでございますが、その前の、つまりどうにか収支とんとんであった時代の収入と人件費の割合がどのぐらいであったかというのを過去にさかのぼって調べてみますと、大体五一、二というところであったわけでございます。  輸送業というものは、国鉄たると私鉄たるとまたバスたるとを問わず、大変労働集約型といいますか人手のかかる仕事でございますので、経営の目標を立てる場合には、やはりどのぐらいの人件費であるべきかということが一つの基準になろうかと思いまして、採算がとれております大手私鉄は、現在収入を一〇〇として人件費が四七、八ということになっておるわけでございますが、私どもとてもそこまでいきませんので、五〇をちょっと超えたところまでに持っていくという努力をしてみたいと思っておるわけでございます。  ただ、これには半面、相当新たな投資をすることによって人手でなしに新しい機械なり設備なりによってやっていくという部分がございますので、半面においてやはり新規投資に伴う利子負担というようなものが起こってくることもありまして、なかなかその辺のそろばんの取り方がむずかしいわけでございますが、なぜ三十五万人と考えたかということについては、いま申しましたような収入対人件費のあり方というようなことを大きな一つの基準として、大きなものとして考えたということで御説明させていただきたいと存じます。

広田幸一日本社会党

○広田幸一君 総裁の説明によると三十九年ごろから赤字になった、それ以前は大体収支が五〇、五〇であった、ですから大体それに持っていくという目標を立てて三十五万人体制でいくということでありますが、三十九年のころと十五年も十六年もたった今日とは違うと思うんですね。国鉄が非常に赤字になったというのは、いろいろ原因はありますけれども、やっぱり競争の原理で、モータリゼーションがふえる、あるいはトラックがふえる、道路がよくなって他の輸送機関が発達して、それらの影響というものが大きいと思うんですが、いや、私の言っておるのが間違いかもしれませんよ、三十九年ごろの五〇、五〇を頭に入れて、そこに三十五万人を持っていくというのは少し無理があるではないかと、そういう輸送体制の変化によってもう少し考えてみなきやならぬということにはなりませんか。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) ちょっとお言葉ではございますけれども、モータリゼーションあるいは飛行機の発達ということによって受けました影響は、どっちかというと収入が伸びないというかっこうであらわれてきておるわけでございまして、そのことは必ずしも、お言葉ではありますが経費の大きさというものには私は余り直接関係がないんじゃないかと思います。  ただ、日本の人件費水準が全体として高目になってまいりましたから、そういう意味では、三十九年における人件費というものと現在十五年たちました人件費というものと、人件費単価がどうしても上がりぎみになりましたから、なかなか三十九年の当時そうだったからといって今回も収入との割合をそこへ持ってくるのは、御指摘のように相当骨が折れるということはおっしゃるとおりでございます。  ただ、そういう変化はありますけど、少なくとも大手私鉄のようなところでは人件費の収入を一〇〇とした場合の率が五〇を切っておるわけでございまして、私の方は大手私鉄のように都会だけでやっておりませんものですから、与えられた条件は悪いわけでございますので、全く大手私鉄並みというわけにはとてもいかない。まあしかし、そこで四、五%のアローアンスを見て五〇を少し超えるぐらいのところということで何とかやっていけないものかなというふうに考えておるわけでございます。  それからもう一つは、たとえば以前はレールの切りかえをいたしますのにいわゆる転轍機というのがありまして、転轍機をこうひっくり返して上り下りの調整をしたりいろいろしておったわけでございますけれども、それにはかなり人手が要ったわけでございますが、現在はCTCシステムというようなものが主要幹線にはできまして、駅々にそういうポイント転換のための職員を置かなくても、どこか中心部に司令所を置きまして、そこから信号を送って転轍をやるようなシステムに変わってまいりました。そうしたことがいろいろございます。  また蒸気機関車からDLに変わり、いま電気機関車に変わってきた、これによって運転手さんの数も修理する人の数も減ることができるというようなことがありますから、したがって三十九年と五十五年ないし六十年の事態とではなかなか比べることがむずかしいわけでございますけれども、しかしそういうことも含め、先ほど三十九年との比較で御説明いたしましたけれども、一つは最近における私鉄のやり方等も考えまして、まず何とかそのぐらいの人数でやり遂げなければいけないというふうに考えておるわけでございます。

広田幸一日本社会党

○広田幸一君 総裁も大蔵省から行かれて大分細かいところを勉強しておられまして、私はそこまで勉強しておりませんから、まあこの問題は私ももっと勉強してみたいと思います。  それからもう一つ気になることがあるんですが、今度の法案を政府・自民党が提案するに当たって、これはもうぎりぎりの案であると、もしこれが実行できないようなことになると、もう将来は民間に移管をせざるを得ないと、そういうことが一つの了解事項といいますか、決議といいますか、自民党の総務会で。私もその気持ちはわからぬわけじゃありませんけれども、やっぱり公共性というものを考えると少し押しつけたような感じがするわけですが、これは運輸大臣として、こういう自民党の総務会の決議というものをどのように受けとめておられるか、もうそれを金科玉条のような気持ちでやっていこうとするのか、その点について大臣の見解を伺いたい。

地崎宇三郎自由民主党・自由国民会議運輸大臣

○国務大臣(地崎宇三郎君) 自由民主党の総務会におきましては、国鉄の現状についていろいろ厳しい指摘、批判がございました。そして最終的にこの御提出申し上げました法案を了承を得るに至りましていろいろな意見が出ましたわけで、いま先生おっしゃったような意見も出ましたが、最終的に今度の法案をどうしても成立させていただいて、不退転の覚悟で国鉄の公共使命を守るべしと、こういうふうに私は受けとめ判断をしておるわけでございます。

広田幸一日本社会党

○広田幸一君 これはいろいろ受けとめ方によってありますので、国鉄側としては、前段から申し上げておりますように、公共性というものを忘れた国鉄というものはないと思いまして、やっぱり胸を張って言うべきことは政府・自民党に対しても言うと、そういうひとつ態度で臨んでもらいたいというふうに思います。  そこで、さっきから出ておりますように、これから厳しい国鉄を再建をしていくためには、何といったってやっぱり四十二万の職員がいわゆる自己努力をしてむだのないように節約をしていくという、そういう根性が私は一番大切だと思うんですが、労使の関係がうまくいってないと、こういうことがよく言われるんですが、私はこれは非常に大切なことであると思うんです。私の見ましたところ最近の労働組合は、自分たちの職場である、自分たちが生涯働く職場であるという気持ちで、いかにして自分たちの職場を守っていくかと、お客さんにサービスをよくして、そして国鉄の利用者を一人でもふやしていくと、そういう考え方が非常に私は強くなってきたように思うんですが、そういう点で総裁としていまの職員の気持ちというものをどういうふうに把握しておられるか。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 一例を申しますと、貨物輸送につきまして昭和四十五年をピークとして荷主さんが減ってまいりまして、いろいろな面で見まして大体最成期の七割ぐらいに減ってまいりました。そのことが、これは大変だということで職員諸君一人一人、組合とか何とかいうことよりは職員の一人一人がそういうことで不安感を持つようになったわけでございまして、それが結集をいたしまして最近二年ないし三年、いわゆる貨物の安定輸送度が回復をしてまいりまして、輸送が安定的になってまいりますと、また荷主さんが帰ってきていただけると、こういうことがわかってまいりました。そういう気持ちは貨物の職場にはだんだん広がってきております。  残念なことに、今度は旅客が五十年を基準として減ってきておるわけでございまして、それは先ほど来御指摘のありますように、運賃水準の問題が大きな影響があることも事実ではございますけれども、飛行場がどんどん整備されましたり、あるいは道路が整備されましたりということにもよることが大きいわけでございまして、最近旅客の職場におきまして大変だと、これではわれわれの職場が縮小するんではないかという先行き不安感と、われわれも何とかしなきゃいけないという気持ちになりつつあると存じます。  長い歴史におきまして、特に戦後は、国鉄は旅客がどんどんふえる、貨物もふえるということで、いわば待ちの姿勢でおりましてもお客さんがふえるということが続いておったわけでございますが、ただぼやっとしておったんではお客さんが減るということを実感として持つようになってまいりましたので、職員の諸君もわれわれががんばらぬことには国鉄という職場が縮小することになるという不安感、先行きのそういう心配を持つようになってまいりましたから、その意味で自然自然職員の気持ちといたしましても、ただ運転手は運転手として安全に運転していればよろしいと、出札改札の者はそれぞれの持ち場だけを守っておればよろしいということでなくて、企業を挙げて営業に努力をしなきゃならないという気分が広がりつつあるわけでございます。  ただ、まだまだ全職場全職員にそれが及んでいるとは言えないわけでございまして、そういう新しい目覚めを持つようになりました職場あるいはそういう職員というものはまだまだ四十二万人に及んでおりません。これをそこまで及ぼしますことが当面再建に当たり非常に大事なことだというふうに考えております。

広田幸一日本社会党

○広田幸一君 いま総裁がおっしゃった、そういうふうに職員が職場の危機感を感じて積極的に再建に努力しつつあるということですが、ただ、四十二万人おるんだから、全部が全部そうはならない、まだ努力は必要であるという点は、四十二万人ですからいろいろ考え方があると思うんですよ。ただ、総裁がおっしゃるようにまだそこまでいっていないというのは、どういうところに原因があるのか。  たとえば、これに短絡をして考えるのはあるいは無理かもしれませんけれども、三日前に新幹線がああいう最近にない大きな事故を起こした。これは一体どこに原因があったかということも恐らく探求されておると思うんですが、私はやっぱり上と下との意思の疎通、コミュニケーションというものが、国鉄の場合はかつてマル生運動というのもありましたし、そういうふうなことで、一応は落ちついておりますけれども、上と下、横との人間関係が欠けておるではないか。そこにいま総裁がおっしゃった、まだ完全ではないという理由があると思うんですが、これは私、やっぱり下よりも上に責任があると思うんですよ、上に。そういうふうに思うんですが、総裁として、やらなきやならぬわけですから、だからどこに問題があるというふうに思っていらっしゃるか。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) これは、四十二万人もおります、そして個所数にして非常な数に及んでおります現場現場におきまして、職員に目覚めを期待することはなかなかむずかしいわけでございますが、当面私どもといたしましては、もう一度現場管理者の教育を十分いたしたいと思っております。  たとえば、保線の職場におきましてどうもいわば働き度が悪いというようなことが非常に問題になってきたわけでございますが、その一つの原因は、昔は、つるはし一つで保線の仕事をやっておりました時分には、一種の名人芸といいますか、経験の積み上げによって行われていたわけでございます。しかしいまや保線は、つるはしで人力でやるのではなしに、機械を使ってやるようになりましたものですから、そこで、機械を使って仕事をするについては、現在たとえば四十歳以上の、昔、長年経験をしてきた職員で、それが現場の管理者、指導者になっている職員がうまく若い者を指導できるかといいますと、過去の経験が生きないようになってしまいました。かえって機械を扱うことについての感受性は若い職員の方が先立っておるというようなことがありまして、そういうことで、現場の指導に当たるべき人たちの一人一人の職員に対する指導力が著しく欠如をしてきたというようなことがあります。  そこで、保線の職場を例にとりますと、そうした諸君をまた集めまして、機械の操作等についてもう一遍再教育をするというようなことを数年前から一生懸命やっておりますが、そうしたものが大変はっきり効果となってあらわれてきているように思います。  経営教育も重要でございますし、技術教育も重要であるわけでございまして、その場合に、一人一人の諸君もさることながら、そういう軸になるような現場での指導者の経営教育、技術教育を飛躍的に高めることによって、彼らの指導力を高めることによって、四十万全体の能力水準を上げていきたい。一例でございますが、そういうことを中心にして、いま何といいますか、大いにやろうという気持ちを掘り起こす一つのやり方として考えて、また実行しております。

広田幸一日本社会党

○広田幸一君 おとといでしたか、朝の六時の、私は朝が早いものですから、六時のNHKのニュースで見たんですけれども、国鉄の事故が非常にふえておると。これはダンプカーが衝突したり電車が衝突したり、いろいろあるでしょうが、それよりも責任事故といいますか、NHKはたるみの事故が非常に多い、そういう言葉を使っていました。このことはよく言われることですけれども、かなり事故件数が多いように言っておられたんですが、きのうかおとといの新聞にもちょっと出ておったんですが、最近のそういった交通事故が起きる、初歩的な事故がある、しかもかなり大きい事故に発展をしておる。死亡者はないけれどもけが人が多かった。こういうふうにテレビが言っておったので、私も非常に気になったんですが、こういう責任事故というものがなぜ起きるのか。これを防止する——言われておるわけですからね、いつも——防止するための処置というか、訓練というか、教育というか、というものはどういうふうになされておるのか。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 五十四年度の事故状況を発表いたしましたので、そういうものが新聞に報道されておるわけでございます。新聞報道の表題としては相も変わらずという表題になっておるわけでございまして、これは事実でありますからいたし方ないのですけれども、実は件数そのものは少しずつ減ってはきておるわけでございますが、減り方が少ないじゃないかと言われればそのとおりでございます。  そこで、事故の一つ一つにはもろもろの原因がありますけれども、一番私ども恐れておりますのは、熟練者が急激に退職していくという問題でございます。ここのところ大体一万五千人くらいを超える人がやめていくわけでございます。人が一人やめました場合に、全体として三十五万人体制に持っていかなきゃならぬということがございますから、一人やめましても一人補充するということではだめになってしまいますので、一つには、補充率が低いということに問題があります。  しかしそれ以上に、熟練した人がやめて補充したとしても、補充する人はいわばフレッシュマンだと。そのフレッシュマンについて、現場に配属をするのに十分教育ができておるかというと、現在の定員と実員との間に余裕がありませんので、十分教育ができないままで現場に人を入れておりまして、そして途中の過程で仕事の繁閑を見てまた教育をするというようなことをやっておるわけでございます。  いろいろ原因はありますけれども、一番大きなものとして、人がかわるということによる技術断層という問題が大変悩ましい問題でございます。たとえば工場におきまして車両の検査をするというようなことも、かなりのいろいろ機械化とか何かしておりますけれども、測定をするのにいろいろな新しい機械を使うというようなことをやっておりますけれども、やっぱりどうしても長年の経験に頼るところが少なくないわけでございまして、そういうところに三十年も勤めた経験者がやめて、学校を出たばかりの人が入っていくということによってちょっとしたミスを見逃す、傷を見逃すというようなことがあり得るわけでございますので、ここ十年ほどの間に二十万人の人がやめるのにつきましては、技術断層が起こらないようにするということが私どものいま一番やらなければならぬと考えていることであり、また心配の種でございます。  あと、大変お恥ずかしいことでございますけれども、ちょっと寝坊をしたとか、それで汽車が車庫から出ていく時間がちょっとおくれたとか、あるいは途中停車駅を一つ通過したとかといういわゆるたるみ事故等につきましては、これはむしろ精神的緊張の問題でございますので、先ほど来お尋ねがございますような形で職員の士気が高まっていけばおのずから減る性質のものではないかと思っておりますが、むしろそういう技術断層の問題が私どもにとって非常に心配でございます。

広田幸一日本社会党

○広田幸一君 いま総裁の話を聞いておりますと、前段では三十五万人体制に持っていかなければならないと、非常に経営をやっていくという一つの責任からのあれがあるし、いま言うとなかなか補充がつかないということで事故が起こりやすいあれがあるということですが、やっぱり国鉄というものは安全に輸送するという大きな使命があるわけでしてね、事故が起きると人を殺してしまう、けがをさせるわけですから、そういう点については十分に気をつけてもらう。私も初めていま聞いたわけです、そういうようなことがあるということを。ですから、三十五万人体制に持っていくためにはそういうことも十分に考えていかないと、人間を減らしたわ、事故があるということではいけないと思いますので、これは厳にそういうふうに私申し上げておきたいと思います。  それから、監査制度の問題ですが、これは「日本国有鉄道監査報告書」というこれを見て、たくさんあって全部はよう見てないわけですけれども、これは国鉄の現状を分析し、将来にわたってはどうするかという意見がいろいろ出ているわけですけれども、去年鉄建公団がああいう事件を起こしまして、私は十月十一日のこの委員会で鉄建公団の問題を追及したのを覚えておるんですが、あのような事故が起きたというのは、やっぱり監査制度が機能を発揮してない。鉄建公団の場合は監事の人が、会計検査院の総長ですか、事務次長ですか、そういった人たちがなっておって、経験者がなっておってああいう事故がずっとわからなかったということはあり得ないと思うんですね。  ですから、あのときにも私、森山運輸大臣に言って、その点は大臣も今後気をつけなきゃならぬということだったわけですが、国鉄の場合も、そういう監査委制度というものはきちっとできておると思うんですが、私、内容よくわかりませんが、何によってどういう人たちが出ておるかということをきょうまで実は調べておりませんが、どういう構成になっておるのか。というのは、私の聞きたいのは、国鉄のOBの人が大半を占めるという、国鉄の事業がわかっておる人も必要でしょうけれども、また他のこういう企業をよく見る、また民間のそういった経験者を入れるということも大切だと思うんですが、その辺は一体どうなつ  ておるか。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 監査委員会は法律に基づく制度でございまして、五人の委員から成っております。民間の御出身の方が二人と、それから労働組合の出身の人が一人と、それから国鉄出身の者、これ技術系統でございますが一人、そして運輸省の役人生活を長くされた方が一人という構成になっております。  監査委員会もいろんな面で監査はしてくださっております。そしてこれは経営陣とはやや独立した形で運営されております。しかし、いま御指摘のような問題は、監査委員会の問題というよりは監察局という局がございまして、これは国鉄の現職の人間がやっております。そして、各地域には会計監査役というものを置いて、それがいろんな角度での監査をいたしております。  しかし、鉄建公団のトラブルとの関係で申しますと、これは工事現場におきますいろいろ金の扱いの問題でございます。このことにつきましては私どもも、鉄建公団でああいうことがありましたので、私どもの職場にそういうことがあってはならぬ、またしかしやや同種の仕事でございますから、絶対に起こらぬという心配もないわけではないということでいろいろ気をつけております。正確に覚えておりませんが、鉄建公団が発足いたしましたのが三十九年でございますか、ところがちょうどその直後ぐらいの時点におきまして国鉄にいろいろ問題がありまして、検査院から御指摘を受けたことがありました。その当時から、それを機会といたしまして若干もろもろのそういう経理のルールを変更をいたしました。  この間事件が起こりました段階での鉄建公団におきます経理ルールと国鉄の経理ルールとはいささか違っておりまして、鉄建公団の方のルールが昔の国鉄のルールをそのまま引き継いだようなかっこうになっておりまして、私の方はややそういう式の金を無理に変な方式で捻出をしなくても処理ができるように、若干余裕のあるといいますか、実態に合うと言った方がいいかもしれませんが、そういう経理制度に変えておりますので、大変鉄建公団の方には悪いんですけれどもああいうことは——私の方では極端なことは起こらないでもうまくやっていけるような経理システムに変わってきておりますので、向こうでああいうことがあったから国鉄にもありはしないかという心配は、それほど心配しなくてもいい状態であろうかと思います。  しかし、そうは申しましても工事現場のややこしいことがいろいろございますので、そうしたための対策費みたいなものが一〇〇%用意されているわけではないものですから、なお私どもも大丈夫かと、うまくスムーズに運営できるようにもろもろのルールあるいは規定、金の出し方になっておるかどうか、いま昨年の事件以来もう一遍見直しをさしておるところでございまして、めったなことが起こらないように引き締めております。

広田幸一日本社会党

○広田幸一君 国鉄もいろいろと経営刷新に努力されておると思うのですが、二、三日前からこれを勉強しておりまして、この中に百四ページにこういうことが書いてあるわけですね。「なお、本委員会は、かねてから多額の未か働施設を抱えているほか、完成した設備が十分にか働していない状況にあることを指摘してきたが、会計検査院からも、昭和五十二年度決算検査報告において、特に掲記を要すると認めた事項として同様の趣旨の報告がなされた。今後とも、関係機関との協議を一層推進し、工事の早期完成に努めるとともに設備等の効率的使用を図る必要がある。」と、こう書いてあるわけですね。なかなか内容は私もわかりませんが、いろいろ有効に施設が使われていないではないかと。  たとえば、国鉄の病院ですね。私も昨年の四月に国鉄の病院に友人の見舞いに行きました。そしたらがらっとしておるわけです。一般病院は満床なわけですね。で、何げなく私は帰ったんですけれども、いまいろいろ考えてみますと、やっぱり一般の民間に開放できないもんだろうか。いろいろ調べてみますと、一年間に二百億円近い赤字があるということでありますがね。一億円の赤字といったってもう大変なことでございますからね。そういう面の努力がいつごろ——いまごろになって気がついてやったのか。私は去年の四月に行ったときに、めったにそういうところ行ったことがないものですからね、ああ、むだがあるなあという感じもしたわけでしてね。  これは一つの例でありますけれども、そういうふうないろんな部門をすでに点検をして、プロジェクトをつくってそういう合理化をやっておるというようなことが当然なされておらなければならないと思うんですが、しかもここに指摘があるわけですからね。五十二年度の決算報告のときにも会計検査院がやっておるわけですが、そこなんかのところは一体どうなっておるのか。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 恐縮でございますけれども、いろいろむだといいますか、効率が上がっていない部面がございます。それはどういう部面にあるかと言いますと、一つは新しく設備をしようということでいろいろプロジェクトをつくって始めたんでございますけれども、用地問題その他でなかなか解決がつかないという面があるうちに、やっとそれが解決をして物事が進み出した、動き出したということになった時点で、これは主として貨物関係なんでございますけれども、うちの取扱量が減ってしまって、そこで結果として過剰投資のようなことになったという部面が金額的にもかなり大きなものがございます。  それから、これはしばしば当参議院におきましても各委員会において御指摘を受けている事例があるわけでございまして、この点は、いまから考えればどうしてそういう計画を立てたかということで、計画自体に問題があったと思われることがあるわけでございまして、監査委員会からこのような御指摘を受けます前から経営側でも理事者側でも気がついているわけでございますけれども、なおまだ十分行き届いてない面がありまして、繰り返し御指摘を受けるようなことになっております。しかし、全体としてはそういう反省を各現場現場といいますか、各セクションセクションが持っておりますので、急速にこの種の対策はとっていけると思います。  それからむだの中の第二は、昔からの体制をそのまま維持をしておるということでありまして、世の中の移り変わりに即応していけてないという点であります。その典型的な事例が病院でございます。国鉄の病院はわが国の病院の中におきまして非常に歴史の古いものでございます。と申しますのは、非常に危険な職場で、しょっちゅうけが人が出たりなんかいたしておりましたし、それから事前の事故防止のために健康診断というようなことをやらなければなりませんことから、わが国の医療水準が平均的に上がってまいります前から整備されておったわけでございますが、いまや各地方におきましても、地方の公営病院であるとかその他の病院が大変発達をしてまいりましたので、必ずしも私ども自身が病院を持たなくても職員の健康維持に事欠くことはないような状態になってきておるわけですけれども、どうも従来どおりの施設なり組織なりがそのまま維持されて回転率が悪いということが起こってきております。  そこで、今回の再建計画の中の経営改善計画におきまして、病院のセクションは病院のセクションとして、二百億を超えるあたりを大幅に縮小すべく、場合によりましては一部地方病院の縮小、格下げ、そういうようなものも含めて取り組んでまいりたいと思います。しかし、同時にそれだけでは十分ではなくて、どうしても残さざるを得ない病院につきましては、いまお触れになりましたように、病院を開放して町の方にも御利用いただくということにすることが私どもにとっても経営的に望ましいことであるというふうに考えております。  それから、この点はなかなか言いにくいんでございますが、地域地域の医師会等との摩擦、あつれきがありまして、なかなかいままで長年、五十年以上も職域病院でやってまいりましたものを開放することについて、地元の開業医の方々にどうしても抵抗がありまして思うように進まないということで難渋しておりますが、どうもこうした経営状態のときに、しかも病院だけで二百億の赤字というのではちょっとどうにも申し開きが立ちません状態でございますから、精力的に地域の医師会の方々ともお話をして、残す部分についてはもっと利用度が上がるようにお願いをしてまいりたいということで考えておりますが、率直に申しましていまそれに取りかかろうとしているところでございまして、もうすでに始めておるというお答えができないのが残念な状態でございます。

広田幸一日本社会党

○広田幸一君 いま病院の問題を例にとったんですけれども、私は国鉄内部のことはよくわかりませんが、たとえば問題になっておる省エネの問題はどうするかとか、そういういろんな分野があると思うのです、調べてみれば。ですからもう一億円の財源でもむだにしちゃならないという、そういう考え方が国鉄全体に出てこないと国民はなかなか協力しないと思うのですよ。私国鉄人じゃありませんか、国鉄はやっぱりよくしなきゃならないという気持ちがありますから、そういう意味でちゃんとプロジェクトをつくって、ここのセクション、ここのセクションはどうするというようなことができていなきゃならぬと、こういうふうに思いますので、時間がありませんからそういうことを特に要望して、またいつかの機会に、ここまでこういうふうにできておりますということを総裁の方から委員会に報告できるようなひとつ御努力をお願いしておきたいと思います。  それからもう一つ、これは私の仄聞でありますけれども、鉄建公団も去年ああいった不正事件があったのですけれども、相当大きな工事をやるわけですから、私はあのときも言ったと思うのですが、利権というものがやっぱり入ってきやすいと思うのですよ。そこで国鉄の場合はどうなっておるか知りませんが、たとえば一つの鉄橋を建設をするときに、国鉄には長い間の固定した業者というものがある。それでずっと惰性で来た。しかしこういうときですから、それこそ一円でも入札のときに勉強さしていいものをつくらせるというような、そういうふうな着意というものが必要ではないか。話しておったら、これはいまの固定業者は四億でする、しかし民間にやらしたら二億ですると、そんなことを言っておったのを、私はそれが本当かうそか知りませんが、そういうふうな配慮も、配慮というか刷新もしなきゃならないと思うのです。  そのことはもう時間がありませんから、とにかくあらゆる部面にわたってむだがない、いままでの惰性というものはそれはもう改めていく、そういう着意が全体として出てこなければいけないということを私は特に強調しておきたいと思います。  それから、さっきから国鉄に胸を張って政府に言えと言っておるのですが、新幹線の建設問題でありますが、いま五つの整備路線というのがあって、もうこれに着工できるような段取りになっておる。しかしながら、その財源がないというようなことでいろいろ問題になっておるのですが、私がいつか申し上げたかと思うのですが、いまの時期にああいう何兆円もかかるような新幹線の着工をすべきではない、いまやめろというわけでないわけですから、凍結すべきであるというふうに言ってきたわけです。ところが予算では二十五億円の予算が組んであるわけですね。調査費ですよ。調査はもう終わっておるわけですからね。二十五億円でも考え方には非常に問題があるわけですから、なぜ二十五億円が組まれたのか、簡単にひとつ御答弁願いたい。

山地進運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山地進君) 昨年も二十五億円組まれたわけでございますが、これは環境影響評価という調査のためでございまして、今回のは工事着工のための調査ということでございまして、環境影響評価のもちろん一部も残っておりますけれども、それ以外に工事を着工するについて軟質、非常に軟弱な上盤のところの鉄橋のところとか、それからトンネルのところは非常にむずかしいかどうかとか、ルートは決まってないわけでございますけれども、そういった基礎的な調査というもの、あるいは都市における交差部ということにつきましては都市計画との調整の問題、これも具体的にここがということではございませんけれども、そういったもの一般について調査するというために二十五億を計上してございます。

広田幸一日本社会党

○広田幸一君 局長そうおっしゃるんですけれども、私の認識が違っておるかもしれませんが、環境調査をやってこれから着工調査ということですけれども、どう違うのか。私はいままでの、もう大体やった場合にはこういうふうなことになるとか、赤字になるとか黒字になるとか出ておるわけでしょう。しかし、もうこの時点ではやらないのだ、金の関係があるから。大体そういうふうに出ておるわけでしょう。それにさらに二十五億円もかけるというのは本当にそうなんですか、必要があるんですか。

山地進運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山地進君) 環境影響評価というのは、むしろそういうことをやったら外部にどういう悪い影響を与えるかという、要するに被害を受けるといいますか、新幹線をつくることによって何か害が起こるかもしれないという非常に消極的な面の調査でございますね。それから工事着工のためというのは、自分で着工するときには自分の方にどういう問題が起こるかというような、非常に平たく言いますと。したがってその工事をするのにこういうところがむずかしい、どういうふうにむずかしいところがあるかという、まさに工事着工のためということでございます。

広田幸一日本社会党

○広田幸一君 環境調査で幾らの工事費がかかって、開業した場合にはどういう決算になるかというようなことが出るんですか。そういうことがすでに出ておるでしょう。

山地進運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山地進君) 環境影響評価ではございません。それは工事費自体でどういうふうな金がかかるかということは別にやるわけでございます。環境影響評価というのは、重要文化財がどういうふうにあるとか、学校がどういうふうにあるとか、病院がどこにあるとか、そういった外部の影響、被害を受けるところ、そういうところを通ることが可能かどうかというような調査が環境影響評価でございます。

広田幸一日本社会党

○広田幸一君 これは私も、もう少し研究しましょう。どうもちょっと理解できません。  それから、AB線の問題について、鉄建公団がお見えになっておりますので、これも簡単に御答弁を願いたい。  百五十億円の予算がどう配分されるかということは、四つの線を持っておる県としては非常に関心を持っておるところですね。そこで、二、三日前の新聞にこれはちょっと発表されておったんですが、第三セクターの運営を前提とした建設執行について、十の線区についてこれからいろいろ調査というか、交渉してみるということであったわけですが、一般的な受け取り方として、この十線以外のところで、たとえばうちのところは第三セクターに乗ってもいいと、こういうふうに思っておる県があるかもしれませんね、自治体が。そうすると、この発表だけを見ると、もううちの方はこれには枠に入らぬのだというふうな見方をしておると思うんですが、十線を特に対象にしてやったということは、どういうところにねらいがあるかということをお聞かせいただきたい。

濱建介日本鉄道建設公団理事

○参考人(濱建介君) 国鉄地方交通線の対策との整合性を考えますと、私どもがやっておりますAB線につきまして、将来輸送密度が四千人未満と推定されるようなものにつきましては、やはり第三セクター等国鉄以外のものによる運営を考える必要があろうかと思います。その意味で、公団内部で検討を始めておりまして、それぞれAB線をお持ちの地方からはいろいろ問い合わせがございます。で、私どもの地方機関六支社ございますので、その支社におきまして、それぞれ一ないし二線、モデルとして線路を選びまして、とりあえず検討したのが十線でございます。これらの線がすでに地方の方々と話が通じているとか意見があったとかいうことではございませんし、またそれ以外のものが対象外だということでもございません。逐次その他の線についても勉強をしていきたいと、かように考えておるわけでございます。

広田幸一日本社会党

○広田幸一君 いまおっしゃった四千人という、一日一キロ四千人という調査というかな、これは四千人だ、これは四千人以下だという、これの調査が何を基礎にしてやられたのか。やっぱり該当の地域、県では何をやっただろうか、もっとよけいになければいかぬと、こういうふうな意見もあるんですが、あれはもうきちっとして固定したものですか。

濱建介日本鉄道建設公団理事

○参考人(濱建介君) これは昨年の初めにそれぞれの線区につきまして、類似線その他沿線人口等考えまして、開業したときの推定をいたしたものでございまして、実施した後でどういうふうになるか、これは多少の違いは出てくるかと思いますが、そういった推定数字でございます。

広田幸一日本社会党

○広田幸一君 そうしますと、いま出ておる四千人というものは、今後正確に調査をすれば変更があり得る、それも変更があった場合には認めざるを得ない、認めると、こういうことですね。固定化しておるかどうかという問題。

山地進運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山地進君) いま濱参考人から申し上げたとおり、従来の経験を、国鉄並びに鉄建公団の持っているそういった情報を集大成していままではやってきたわけでございますが、もちろんその見方についていろんな見方があると思うのですが、そういうものについて客観的にかつ公平に判断していきたいと思いますので、もちろんそういう場合に、非常に有力な御意見があって、それは客観的にそうだろうということになれば、変更するということは十分あり得るだろうと思います。

広田幸一日本社会党

○広田幸一君 最後に総合交通体系の問題について、これは時間がありませんし、基本的にちょっとお聞きしたいと思うんですが、四月一日に運輸省は運輸政策審議会に総合交通政策のあり方について諮問されたんですが、これは四十六年以来ずっと歴史的な経過があるわけですが、大変むずかしい問題だろうと私は思うんで、わずか五分や六分の討論にはならぬと思うんですが、ただ、私は諮問する場合に、いま再建案が国会に出ておるさなかですから、それとの関連もあると思うんですが、どういうことを柱にして諮問なさったか、そのことだけお聞きしておきたいと思います。

永井浩運輸大臣官房総務審議官

○政府委員(永井浩君) 御質問のように、四月一日に運輸大臣から運輸政策審議会に八十年代の長期的な交通政策ということで御諮問申し上げました。その背景といたしましては、従来ございました四十六年のやはり同じ運輸政策審議会の答申あるいはそれに基づきます関係閣僚協議会の決定と交通を取り巻く経済関係は非常に大きく変わってきた。特に当時の高度成長時代から安定成長時代に変わったということ、あるいは産業が非常に高度化した、あるいはエネルギー問題、環境問題、こういったいろんな制約条件が非常にきつくなった、こういった背景がございまして、この際四十六年の総合交通体系を見直す必要があるんではないか、こういうことで諮問を申し上げたわけでございます。  私どもの考えておりますのは、大体二十年ぐらい先を見通した上での十年ぐらいの長期的な交通政策の指針というものを御答申いただきたい、このように考えております。その前提といたしましては、先ほど来からございます国鉄の再建計画、これは閣議決定で昭和六十年まで、つまり五年でございますが、こういったものを踏まえて、さらに長期的なビジョンということで国鉄のあり方といったものも当然審議の対象になろう、このように考えております。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 それでは、都市交通と羽田空港の問題、この二点にしぼって主として質問したいと思いますが、その前に運輸大臣、運賃値上げの問題がいま非常に論議になっているわけです。きょうも国対の委員長会談等でいろいろ論議をされていると思いますけれども、運輸大臣の腹をちょっと聞いておきたい。運輸大臣としては運質の値上げの問題について延期をするとか凍結をするという考え方は持っているかどうか、まず最初に答弁願いたい。

地崎宇三郎自由民主党・自由国民会議運輸大臣

○国務大臣(地崎宇三郎君) 昨年の十二月の末にいわゆるいま国会に御提出申し上げております国鉄再建法案を提出しておるわけでございます。  この法案の趣旨は、先ほど来国鉄総裁等から御答弁申し上げておりますように、昭和六十年度までに収支均衡を図る、こういう計画をもってこの法案を提出しておるわけでございます。そして五十五年度におきまして、助成前において一兆五千億円の赤字が見込まれる、六千八百億からの助成を受けてもさらに九千億近い赤字が見込まれるわけでございます。これは来年度の末になりますと累積赤字が約六兆四千億になるわけでございまして、将来どうしても国民の税金に頼らなければならないようなことになるわけでございますので、もちろん国鉄の中の合理化、省力化等も進めてまいらなければならぬわけでございますが、一部利用者にもぜひ御負担を願いたい、こういうことで運賃の値上げを考えたわけでございます。  その値上げ率は約五・一%、一昨日ですか運審から御答申をちょうだいしたわけでございます。せっかく国鉄再建の第一歩でございますので、決定いたしました運賃約一千億程度の増収でございますが、いままでの例を見ましても、値上げをいたしまして様子を見ますと運賃増収が図られておるわけでございますので、この際、予定の期日までに運賃値上げを実施させていただきたいということをぜひ御理解をいただきたいということを申し上げるわけでございます。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 昨年は森山運輸大臣が、せめてゴールデンウイークだけでも延ばそうということで延ばした例がある。今回四月の二十日に値上げをする。ところが、十六日からストが始まるわけです。国民の側からすれば値上げとストのダブルパンチということ、こういう点について運輸大臣はどう対処しようとしているか。まずストの問題に対する運輸大臣の見解。  それから、運賃値上げの問題について、公共料金がメジロ押しに値上げをしようとしているわけです。こういうときに、せめて一カ月でも二カ月でも三カ月でも凍結をするなり延期するなりして、国対委員長会談等で五百億の問題でいろいろ論議をされているそうですけれども、運輸大臣としても、国務大臣という立場から公共料金の値上げの中心になる国鉄運賃を一時凍結しようという、そういう善政をしく考え方はないか、もう一度答弁願います。

地崎宇三郎自由民主党・自由国民会議運輸大臣

○国務大臣(地崎宇三郎君) 確かに私個人といたしましては、公共料金等の値上げが大きく国民の生活に影響することは存じております。しかしながら、いま申し上げましたような諸般の事情で国鉄再建のためにぜひお認めを願いたい。また、五・一%程度の値上げでございます、物価上昇率に見合う程度の値上げでございますので、消費者物価に響く影響は大体〇・〇六%ぐらいのものと考えておりますので、この点をぜひ御理解をいただきたい、かように考えておるわけでございます。  なお、ストの問題でございますが、いま予定されておると聞いておりますが、現在の国鉄の危機的な状態を考慮していただいて、組合においてもぜひストを回避してもらいたいということが私の現在の心境でございます。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 この問題はここで論議をしても時間があれですから。いずれにしても国民の側にとってはダブルパンチを受けるわけですから、せめて私鉄、国鉄のストの問題については特に運輸省として国民の納得のできるようにスト回避を一生懸命やってもらいたい。いま予定でございますから断言することはできませんけれども、回避の方向に努力をしてもらいたいということを強く要請をしておきたいと思うのです。  それでは都市交通の問題について伺っておきたいと思うのです。  昭和四十七年に答申のあった都市交通審議会の六十年を目標とした基本計画、特に東京圏を中心とした都市交通の問題については大体どのぐらいまでの進捗状況と見ているのか、また今後の六十年の計画に対する対応をどのようにしていくのか、その点についてまず伺っておきたい。

山地進運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山地進君) 十五号答申における計画は約五百キロちょっとでございますけれども、現在工事が進んでおりますのは二百六十キロぐらいでございます。私どもといたしましては、一つには国並びに地方の財政問題に財政負担の問題からいいまして深くかかわってくる問題でございますし、片や東京その他における都市問題、交通問題というのはますます深刻化し混雑率が高くなっている現状でございますので、その財政事情のもとではございますけれどもできるだけこれを推進していきたい。  かつ、六十年度までに掲げてございます計画というものは、バックグラウンドといたしましてその当時約二千九百万の人口というものを予想し、現在その同じベースに直しますと三千万ぐらい、その推定に若干の狂いは出てきているわけでございますが、おおむね予想人口というものもその中に入っておりますものでございますから、この計画というものをできるだけ大事に育てていきたい、かように考えております。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 そうしますと、六十年までの基本計画はこのまま推進する、財政事情等いろいろあるでしょうけれども。それ以後に二千九百万から三千万という人口の移動があるにもかかわらず、六十年以降の都市交通の整備、こういう問題についてはこれから検討を加えなければならない問題ではないかと思うのですね。この点については運輸省としてどう対応していくわけですか。

山地進運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山地進君) 申し上げましたとおり、六十年までの計画の推進に全力を尽くしているわけでございますが、おっしゃるとおり六十年以降どうするのかという問題はこれはまた非常に重要な問題でございますし、各方面でそれぞれいろいろな御意見があろうかと思います。もちろん私どもといたしましても、運輸行政を預かるわれわれといたしまして非常に重大な問題でございますので、内部においていろいろと勉強をしておるわけでございますが、いずれかの日には正式にまたこういった答申の問題というのが出てくるだろう、それに向けて現在いろいろと準備をしているということでございます。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 これは運輸大臣にも要請しておきますけれども、都市交通の整備の問題です。都市交通審議会が四十七年に出して以来もう十年近くなろうとしているわけです。これの見直し等も含めて、新しい総合交通体系の中に、省エネルギーの問題を含め都市交通の問題についての考え方をしっかり入れていただきたいということを私は強く要請をしておきたいと思うのです。  そこで、本論の成田新高速鉄道計画ですね、俗に言う田村構想、この問題を二、三聞いておきたいと思うのです。  これは何かというと、地下鉄八号線の問題がいま各地において非常に話題になっているわけです。早く推進をしてもらいたいという強い要請があるわけです。その一つのネックがこの俗に言う、田村さんに全部押しつけようと私は思いませんけれども、成田新高速鉄道計画がどういうふうになっていくかということがやはり一つのネックになってくるのじゃないか、このように考えるわけです。したがって、俗に言う田村構想のこの高速鉄道計画はどういうぐあいに考えているのか、この点についてまず最初に伺っておきたいと思います。

山地進運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山地進君) いま御指摘の成田新高速鉄道構想というものにつきましては、関係者が非常に多岐にわたっております。千葉県、東京都、国鉄、営団地下鉄、鉄建公団、宅開公団、それから京成電鉄、北総開発等があるわけでございますが、それらを構成員といたします協議会を設けて、路線の採算性とか機能、建設、経営主体、あるいは車両とか運行計画とかいろいろな面において検討をしなければならないわけでございまして、しかし、一回協議会はやったわけでございますがその後開かれておりません。開かれておりません理由といたしましては、技術的な経済的な諸問題を事務的に詰めておかなければ開けないということで、現在も事務的なレベルの検討が進められておりまして、協議会そのものはその後開かれていないというが現状でございます。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 運輸大臣、これはよく聞いておいてもらいたいんです。  成田のアクセスとして開港前に何とか交通問題を解決しなきゃならないという立場から、私はとっぴだとは言いませんけれども、田村運輸大臣も当時は一生懸命このアクセスを解決しようと努力をされたことは私はよくわかるんです。しかし、いまになってみますと、この田村構想ということは非常に実現が不可能ではないかという点があるわけです。したがって、この問題についてきょうここで私は田村構想をすぐ撤回しろとは言いませんけれども、この問題が一つのネックになって地下鉄八号線の問題が解決できないんじゃないかという危惧すら出ているわけです。したがって、この問題を、田村構想を推し進めていくのかあるいはやらないのか、どうするのかという対応を早く決めてもらいたいということなんです。宙ぶらりんになっているわけなんです。この点をもう一度明確に答弁しておいていただきたい。

山地進運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山地進君) 成田のアクセスそのものをどうするのかという基本的な問題にかかわりますので、こういった成田新高速鉄道の計画を一応協議会をつくって推進するというところまできているわけでございますが、まだまだいろんなアクセスの問題につきましては考え方あるいは可能性も死んでいるわけではございません。私どもといたしましてもいろんな案につきましてさらに検討を加えていきたいと思っているわけでございます。  それから地下鉄の八号線の関係を先生から御指摘があったわけでございますけれども、八号線とそれから田村構想が出たときの関係、私もその当時はおりませんので推測するわけでございますけれども、八号線を推進する方から見れば、成田新高速鉄道が八号線の亀有から湾岸の方に来るというところを一緒になれば八号線の促進をすることになるんではないだろうかという考えがその当時あったんではないかと思われるわけでございます。いろんな線路をつくるのに、にしきの御旗といいますか、これは成田のアクセスにも使うんだというふうに言えばその線路は本当に早くやらにゃいかぬ、こういうような話だったと思うんです。  しかし現在、いま先生御指摘のように成田新高速鉄道がはかばかしくないから、したがって八号線の方もそれに足を引っぱられて遅くなっているのかというと、そこまで深く八号線と成田新高速とがミックスされてはいないと私は思います。したがって、営団の方でまだこの八号線を亀有の方まで通すのを一体だれがやるのかということも含めていろいろ議論があるわけでございますけれども、その点につきましては営団地下鉄としても田村構想にかかわらずこれを推進するというふうに私は聞いております。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 その点は鉄監局の方で明確にしておいてもらいたいんです。したがって、田村構想と関係なしに、結論的に田村構想が将来つながる場合は私はいいと思うんです。しかし、それがあるために地下鉄八号線の促進ができないというこういう立場の歯どめにならないように、この点は運輸省としても明確にしておいていただきたいんです。これもう一度いいですか。

山地進運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山地進君) 私の理解は従来から、成田新高速と一緒だから八号線を推進するというふうな理解にはなっておりませんで、田村構想とは別のものとして八号線は八号線の必要性なり緊急性なりというようなものから判断されるべきものである、こういうふうに考えております。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 その点はひとつ明確にしておいていただきたいと思うんです。あとは営団の今後の地下鉄八号線に対する設備投資の問題とも絡んでくるし、あるいは実情調査等の問題もあろうと思いますけれども、私たちは田村構想のために八号線というものがやはり一つのネックになっている、こういう理解が非常に深まっていたわけですが、きょうは明確になったわけですから、私は八号線の促進というものは営団側の主体性に移ってくるんではないかということを理解しておきます。  それからもう一つ、成田のアクセスとして国鉄がいろいろ計画をしている問題があるわけですね。成田新幹線がいつ開通するかというような問題については、これは恐らく幻の新幹線じゃないかと、こう思うんです。したがって、やはりいまの成田空港開港後のアクセスの問題を考えたら、私が仄聞しているところではそれほど混乱していないような感じも受けるわけです。これは後で航空局長にちょっと意見も伺ってみたいと思いますけれども。  そういう立場からいきますと、成田新幹線の併用というか、どういう立場をとるかは別にしまして、国鉄が総武線を通して成田まで行っている、それから成田から空港へつなぐこの線を併用していけば、いまの京成とそれから国鉄と併用して成田空港までのアクセスとしては一番いい方法ではないかという点を私も考えるわけですね。いま、成田で降りてからバスで運んでいるわけですよ。そういう点が、成田新幹線の構想があるために国鉄の方としてもそれができていないのじゃないかと、こういう考え方もあるわけですね。  したがって、成田−空港間の新幹線計画と国鉄の在来線の延長の問題等についてどういうふうに考えて今後処理していこうとしているのか、この問題について伺っておきたいと思うのです。

半谷哲夫日本国有鉄道常務理事

○説明員(半谷哲夫君) ただいま御指摘のありました成田新幹線のうちで、現在鉄道建設公団の方で成田新幹線として工事が進められている区間は、国鉄の成田線を交差しております地点から空港ターミナルビルに入るまでの区間でございます。ただ、いまお話のありましたこの新幹線の手前の都心部の方が現在工事が進められておりませんので、先の方だけできた場合にどのような使い方があるかということからの御質問かと思いますが、まず技術的な問題として現在の国鉄線がこの中に入るかどうかという点につきましては、私どもの方でも多少検討はいたしておりますが、これにつきましては技術的にこぎつける可能性は考えられると思っております。  ただ、法律的にこれは新幹線整備法に基づいて現在建設されておりまして、現在線が乗り入れるということについては何ら取り決めがないわけでございまして、これを実施するということになりますとそれなりの手続等が要るのではないかと考えております。なお、新幹線として使うという場合には、在来線を入れるということでまいりますと、ゲージの問題あるいはボルテージの問題等がございまして、そこはまた技術的に非常にむずかしい問題が出てくるかと思います。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 したがって、私、考え方はやはり新幹線を建設するといっても恐らくこれは不可能な問題だと思うんです、地域の住民との関係もあるでしょうし。したがって、国鉄の在来線を通って空港まで行く方法と、あるいは京成を利用して行く方法と、当面それで十分間に合うんじゃないかという感じを受けるわけです。したがって、そこらの調整を成田新幹線の法律的な事項があるから国鉄もできないし、中途半端になってしまっているという。それから田村構想やろうとしたってこれは恐らく不可能だと思うんですね。この点の調整はやはり急いでやるべきじゃないか、もうそろそろ成田新幹線だめだという結論を運輸省としても出して、早くあのつながりをつくってしまった方がいいんじゃないか、まあ二期工事等の問題が絡んできますけれども、いま当面する問題は空港−成田間の問題を早く解決した方がいいんじゃないかと、こう考えるのです。この点について、運輸大臣より鉄監局長の方がいいかな。

山地進運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山地進君) 御指摘のように、東京と成田空港のアクセスの問題として成田新幹線が計画され、その後成田のアクセスという立場を崩さずに千葉の方の地元の交通需要にも即応し、かつ通勤にも使えるというところで田村構想の計画が出てきたわけでございます。いま御指摘のように、総武線を使って成田線との交差部からいまの新幹線路盤を使って空港に入るという路線はもちろん技術的にも可能だと思うわけでございますけれども、その場合のアクセスの時間がやはりかなりの時間がかかってくるというところはまた一つ問題があろうかと思うわけでございます。  いずれにいたしましても、成田の新空港の二期工事の完成後の旅客需要にどうやって応じていくのか、それから優良なアクセスをどうやって提供するのかということから、私どもとしても先ほど申し上げましたとおり、田村構想も含めましていろいろな案を依然としてまだ取捨選択しております。その場合にやはり千葉の地元の要望というものも相当程度考慮に入れたものでなければならないというのもまた事実かと思いますので、それらはいま千葉の方の御意向も十分踏まえまして検討中であるということでございまして、先生のおっしゃるように成田新幹線を早くけりをつけるべきだという御意見、まことにそのとおりだと思うわけでございますけれども、若干まだ時間をおかしいただきたいと思います。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 それからもう一点、八号線の問題で、運輸大臣、八号線の湾岸までの免許の問題ですね、これはいつごろおろす予定ですか。そして、この湾岸までの八号線の支線の問題については大体いつごろまでに完成ができるという、こういう見通しでございますか。

山地進運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山地進君) 地下鉄の方で湾岸地帯に車庫用地というものを確保することもありまして、海岸の方にさらに線路を延ばすという申請が出ているわけでございますけれども、これにつきましては関係方面といろいろ御相談をして早急に運輸審議会の方に諮問をするというふうな手続を考えたいと思いますが、現在各方面といろいろ調整中でございますので、もう少し時間をいただきたいと思います。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 東京都の方も、あの車庫用地の問題については解決する方向で進んでいるわけですから、この問題については早く結論を出して、そして工事に取りかかる、あの勝関橋等の交通混雑を早く解消するという、これをやはりひとつ私は努力をしてもらいたいと思うんです。この点について運輸大臣、私も陳情もしましたし、この点は東京のネックになっているところですから早急な解決をしてもらいたいと思うんです。運輸大臣、もう一遍答弁願いたい。

地崎宇三郎自由民主党・自由国民会議運輸大臣

○国務大臣(地崎宇三郎君) かねてからあの方面の交通の混雑を十分承知しておりますので、ただいま鉄監局長から申し上げましたような諸般の問題を解決次第免許をおろして着工するような運びにいたしたいと思います。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 それでは次に、羽田空港の問題で伺っておきたいと思うんです。羽田空港の沖合い移転の問題についての今日までの経緯ですね、現状について、まず航空局長から伺っておきたいと思うんです。

松本操運輸省航空局長

○政府委員(松本操君) 去る昭和五十二年、都の方から羽田空港を沖合いの現在都が廃棄物を処理しておりますようなところへ移転をさして、その後の跡地の問題等について何か工夫はないだろうか、こういうふうなお話がございました。  私どもといたしましても、羽田空港、現状では実はこれからふえてまいります国内航空輸送に対応し切れないという問題もございますし、また一方、現在の羽田空港が抱えております騒音問題の抜本的解決という意味からも何らかの具体的な措置が必要だと、こういうふうに思っておりましたので、鋭意この方面の検討を続けました結果、五十三年の十二月に私どもの方として一つの試案をつくりまして、これを都の方にお示ししたわけでございます。  本来この問題につきましては、地元の区と東京都とそれから私どもとのいわゆる通称三者協議会と呼ばれるところで議論が重ねられてきておるわけでございますが、五十三年十二月に私どもの方の試案を提示いたしました後も、との三者協議会を通じて何回か議論をしてまいってきておるわけでございます。最近の情勢といたしましては、早期実現の方向ということでは意見がおおむね一致したと私ども理解をしておるわけでございますけれども、しかし滑走路のありようについていろいろと地元に御意見がございまして、そこら辺のところが未解決になったままにはなっておりますが、全体の機運といたしましては、いま申し上げましたように早期解決という方向に進展をしてきている。したがって、私どももぜひその方向でせっかく努力をいたしたい、このように考えているのが実情でございます。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 そうしますと、今回の羽田空港の沖合い移転というのは、大田区あるいは品川区の騒音問題の一つの解決の問題と、それから運輸省としては航空需要に対応するためというここらの意見の食い違いという問題については、沖合い移転の問題に絡んで騒音問題が完全に解決すると、そういう見解で大田区の方は納得しているわけですか。

松本操運輸省航空局長

○政府委員(松本操君) 私どもが五十三年十二月に提示いたしました運輸省案というものは、現在B、Cの二本の滑走路がございますが、C滑走路を少し沖へ出し、さらに新たに千五、六百メートル離してもう一本の滑走路をつくる。これの滑走路の使い方を工夫いたしまして、東京湾の西側に回り込むようなフライトをやめてしまうという、それからさらにB滑走路につきましてはいろいろな事情から動かしがたいと私どもは判断したわけでございますが、現在着陸、離陸両用に使っておりますB滑走路は着陸だけにしてしまうということによって、B滑走路の後ろの方にございます大田区の市街地、密集区域に対する騒音の影響を完全に排除するというふうなことで、WECPNLで七十のラインを私ども試算をしてみたわけでございますが、これらはほとんど海上または港湾施設地域でおさまってしまうということで、私どもの基本的な考え方としては、いま先生がおっしゃいましたように、この新しい案によって大田区、品川区等に起こっております騒音問題を抜本的に解決できる、このように考えておる次第でございます。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 そうしますと、B滑走路は着陸専門になってくると。それから、運輸省が早く案を示してもらいたいという大田区あるいは品川区の要望があるんじゃないかと、こういうふうに聞いているんですけれども、鈴木都知事からも残土の埋め立て等の問題も絡んでいろいろ話し合いが進められているという話を伺っていますけれども、運輸省がいつごろまでにこのB滑走路をどうするとか、あるいは大田区の要望に対してどう対応を示すかという、これを示すのが運輸省側の立場じゃないかと、こう理解しているんですけれども、この問題はどうですか。

松本操運輸省航空局長

○政府委員(松本操君) 仰せられるように、どちらかといいますといまボールを抱えているのは私どもという感じでございます。ただ、先ほども御答弁申し上げましたように、B滑走路につきましては騒音の問題に十分配慮をしながらも、何せ東京湾の中の空港でございますので、船舶航行の問題あるいはこれに関連いたします航空機の安全の確保の問題、さらには大田区、品川区の騒音問題というものに最大の配慮をしてきたつもりでございますけれども、やはり東京湾周辺部分に新たな騒音問題を起こすようなことに相なりましてはこれは元も子もないというふうなことにもなりますので、現在の提案が私どもとしては実は提案の時点で最良の方法と思っておったわけですが、しかし地元の御意見としてはもう少し何とかならぬかという強い御意見のあることも十分承知をいたしております。  そこで、先ほど、どちらかといえば私どもの手にボールがあると申し上げたのは、それらの点を踏まえてやはり何か代案と申しますか、別の案というものを私どもの方から提供しなければならない時期ではないかと、こう考えておりますが、ただ、いま申し上げましたようなむずかしい問題を抱えておりますので、なるべく急いでこれが出せるようにいたしたいと、このようには思っておりますけれども、いまの時点では何月までにとかいうところまで申し上げかねる状態でございます。しかし、とにもかくにもなるべく早い時期に御満足のいくような案が出せないものだろうかということで鋭意研究を進めているという段階でございます。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 これはやはり運輸省としても早く結論を出して、これ地元の対策の問題もありますし、そこらでやはりキャッチボールを受けている方の運輸省側が対案を示してもらわなければそれに対応できないんじゃないかという、こういう観点になっていると思うんです。したがって、いつごろまでに、日にちは確かにいろんな技術的な問題もあろうと思いますけれども、大体ことしじゅうにはその問題は運輸省として対応できるような考え方を持っているんですか。

松本操運輸省航空局長

○政府委員(松本操君) 先ほどお答えしましたように、私ども案はできる限り早くお示しをする、それから誠心誠意その趣旨を説明して御理解をいただくという作業に入るわけでございますので、私どもの方から合意のできる時点というのをとやかく言うのもいかがかとは思いますけれども、私どもの心づもりとしてはいま仰せられましたように年内ぐらいにはもうめどをつけるというぐらいの覚悟で対処してまいりたいと、このように考えております。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 そうしますと、問題になっているB滑走路は運輸省としてはこの案でいきたいという当初の考え方もあったわけですけれども、このB滑走路の出っ張っている部分、この問題がやはり跡地を利用する場合に非常に大田区としては都合が悪いという、こういう意見もあるわけです。この問題については、B滑走路を少しでも奥へ出す、海側に出すと、こういう考え方は航空局としては持っているわけですか。

松本操運輸省航空局長

○政府委員(松本操君) 羽田の沖合い展開計画の私どものねらいが五つばかりあるわけでございますが、その中の一つに、いまお話しのございました跡地の利用という問題がございます。これがどの程度の広がりになるのか、あるいはどういうふうなものに活用されるのか、これからのお話し合いでございますけれども、それにいたしましても確かに地形上、真ん中にB滑走路が入っております。現在は地下道で一応つながってはおりますけれども、跡地の利用という点を考えますればやはり平面的につながる部分が広い方がいいに違いない。ただ、余りこれを北へ動かしますとまた航路との関係等も出てくる。ここら辺を踏まえて、何とかそこら辺のところが実は苦心のしどころではなかろうかというふうに私ども思っております。  いまの御趣旨なども踏まえ、また地元の意見も十分にいままで承ってきておりますので、そういう点を突きまぜた形で何とか工夫はないものだろうかというのが現在の心境でございます。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 私は強く、B滑走路を沖合いへ出して、これは技術的な問題がありますので一概に言えない問題があろうかと思いますけれども、やはりB滑走路をもう少し沖合いへ出して、そしてできれば方向を少し振る。そういう方向ができれば大田区、品川区の要望も解決できるんじゃないか。それから、この滑走路だけの問題ではなしに、いま局長も答弁になったように跡地の利用という問題がやはり非常に大きな問題だと思うんです。したがって大田区は、跡地の利用とひっくるめてアクセスの問題、あるいは跡地を公園にするとか、いろんな問題があろうと思います。そこらの問題で、やはり大田区、この周辺の開発の問題といろいろ絡んでくるんじゃないかと、こう思うんですね。  したがって、沖合いの問題等も含めて東京都と大田区とあるいは航空局の問題もあろうと思いますけれども、海上保安庁だとか、あるいは埋め立ての問題だとか、そういう問題をひっくるめた総合的な話し合いというものが私は必要じゃないか。何か運輸省航空局だけで技術的な問題を話をしても、大田区の方ではなかなか理解できないいろんな問題点もあるんじゃないか。そういう点を、やはり余り沖合いへ出しますと、今度は江東区の方にも騒音問題でひっかかってくる、いま以上のいろいろな騒音を今度は江東区の方にまき散らすという、こういう問題も出てくるわけですから、そこらの問題、もう少し総合的にわかりやすい説明が必要じゃないかと、こう考えるんですけれども、この点について航空局長どう考えてますか。

松本操運輸省航空局長

○政府委員(松本操君) いままでのいわゆる三者協議会という場におきまして、ずいぶんとそういう点は御説明をしてまいったつもりではございますが、まだ必ずしも十分に私どもの真意を御理解いただいているというのでもないような点があるようでございます。  先ほど来特に御議論の集中しておりますB滑走路につきましても、たとえば湾岸道路そのものが一部B滑走路の下にもうつくりつけと申しますか、用意ができてしまっておるとか、あるいはいまおっしゃいました江東区の騒音の問題とか、海上交通の問題とか、あるいははるかに遠く千葉県側における騒音の問題というふうな点ももう一度私どもの方でわかりやすく整理をし、そしておっしゃるとおり航空局だけでこれどうにかなるというものではございません。  空港の中だけの議論でございますれば航空局の責任でございますけれども、いまおっしゃられた跡地の利用などになってまいりますと、都、区あたりの方でどういうふうなお考えでどうするのかということをまず詰めていただく必要もございましょうし、さらにはまた周辺、まだ埋め立て地その他で空き地みたいなところも残っておりますが、こういうところを含めて全体の都市計画的なものが一体どうなるのかというふうな点も、航空機の騒音の伝わりようには非常に効いてくるわけでございますので、先ほど来御返答申し上げておりますように、まずB滑走路についての私らなりの案を固め、それらをベースに、いま御指摘のありましたような点を含めてさらに地元との話し合いのみならず、保安庁等含めました広い関係方面との間の話し合いに入るというふうな作業をこれからしていかなきゃならない。  そういうことでございますので、まずもって一番大事と思われますことは、いまも御指摘がございましたように十分理解をしていただかなきゃいけませんので、そういう点においてもし欠ける点ありとすれば、私ども大いに反省をして今後そういう点に特に重点を置いて、十分に御理解いただけるような形で私どもの案を提示し、御説明するというふうに持っていきたいと、こう考えております。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 そうしますと、たとえば空港が移転した後の問題としまして、国際空港の機能を果たすような形をとるのか、今後、羽田空港をどういうふうな方向に持っていこうと考えているのか、その点を現在わかる時点の範囲で結構ですから。

松本操運輸省航空局長

○政府委員(松本操君) 現在の羽田空港の処理能力、この四、五月ごろから一日三百九十機ぐらいでございます。かつては一日四百六十という数字でさばいておりましたが、空域の問題その他諸般の問題もございまして、なかなか昔どおりの形というのもむずかしいかなと思われるのが実情でございます。  現在私どもが考えております沖合い展開案というものは、年間で二十四、五万回でございましょう。でございますから、まあ回数的には七百回ぐらいはいくんではないかと思いますが、しかし、これは国内航空の伸びようを見てみますと、これ以上にもはや羽田を動かしょうがないわけでございますので、ここがもう限度になってくる。機材の大型化等によって対処するにいたしましても、やはり東京都のあるいは関東地域における基幹的な国内線の空港として、この羽田というものは将来とも使っていかなければならない。もちろん多少の国際線の出入りというものは現在もございますし、今後ともあろうかと思いますが、今後羽田空港が新たに整備を終わりました時点で、国際線と国内線を相当の比率で運用するということには私はならないのではないか。  やはりここはあくまで国内線のための基幹空港ということを主眼にして整備をしていくべきであり、国際線の方は先ほども御議論ございましたが、成田空港の整備を促進することによりまして、日本における表玄関としての空港機能をそちらの方に持たしていくという使い分けという形にしていくべきではないか、このように考えております。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 最後に、羽田空港の問題としまして、やはり便数をもう少しふやせるのじゃないかという強い要請が離島やあるいは遠距離の方から出ているわけです。先般少しふやしましたけれども、まだふやす可能性はことしじゅう考えているんですか。  それからアクセスの問題を考えた場合に、何年ごろまでに羽田空港埋め立てを完了するのか。これは後、地元との話し合いもありますからね、何年ごろから着手し、大体財政の関係もあるでしょうから厳格には言えないと思いますけれども、大体いつごろできるのか。それがやはり残土の埋め立てとの関係もあるわけですね。東京都内の残土業者もこの港湾の埋め立てのことについて非常に関心を持っているわけです。したがって、大体いつごろからそういう埋め立て開始あるいはいつごろまでにこの空港を完成させようと考えているのか。財政事情との関係もあるので実際に正確な数は出ないと思いますけれども、運輸省として、大体羽田空港をいつごろまでに完成しようと考えているのか、その点の意見を伺って質問を終わりたいと思います。

松本操運輸省航空局長

○政府委員(松本操君) 羽田の増便の問題につきましては、先ほどもちょっとお答えいたしました現在一日三百七十から三百九十機へふやす、まだ多少のゆとりはあろうかと思いますが、たまたまこの六月から羽田空港のエプロン等についての工事をまた起こさなければなりません。そういうふうなこともございますので、まだ多少のゆとりはあると思いますけれども、年内に重ねて増便をするだけのゆとりが持てるかどうかという点については十分な自信を持てない状態でございますが、しかし、あとまだ少し増便を受け入れていくゆとりはあるのではないか、そうは言うもののいずれもう頭を打ってしまうだろう、こんなようなところではないかと思います。  そういう点を踏まえまして、しからばこの羽田空港の現在あるいは将来の沖合い展開を踏まえ、アクセスの面等も踏まえて一体どうするのかという御質問でございますが、沖合い展開いたしました場合には、これも先ほど触れましたように、湾岸道路が恐らく空港の中央部へ入ってくるということもございましょう。それから現在ありますモノレール、これは当然のことながらやはり新しいターミナルまで延伸するというふうなことを考えなきゃいかぬだろうかと思います。  そのほかに、まだこれはこれからの話でございますので申しかねますけれども、周辺の道路の整備あるいはその他鉄道等も含めてどうするかというふうな問題も具体的に詰めていかなければならぬ問題であろうかと思います。そこで、これらの問題を詰め、もちろん地元との了解を得てということになりますので、いつということがなかなか言いにくいわけでございますが、私どもの腹づもりといたしますれば、まあ六十年代のなるべく早い時期にはまともな形で動かせるようにしたいものだというふうには考えております。  したがって、アクセス等の問題も、その空港のさま変わりに対応した形で、それに応じた形でこれもさま変わりができるような、そういったような方向で私どもがいろいろとまたお願いすべきところはお願いしていくべきではないか、このように考えております。

黒柳明公明党

○委員長(黒柳明君) 午前中の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。    午後零時三十二分休憩      —————・—————    午後一時三十二分開会

黒柳明公明党

○委員長(黒柳明君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、運輸行政の基本施策に関する件について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

内藤功日本共産党

○内藤功君 今回の国鉄運賃値上げ答申の特徴は、法定制緩和が昭和五十二年の十二月になされまして以来、国鉄がずっと行ってきた取りやすいところから取る、こういう傾向が今回もまた一層強く行われているということだと思います。とりわけ私がきょう取り上げたいのは通学定期の問題。通学定期の値上げ率は一一・五%と非常に大幅なものであります。今回の値上げを加えますと、昭和五十二年の法定制緩和、国鉄運賃自由化法ができて以来二年余りの間で、実に約二倍近くに引き上げられるということになると思います。  まず数字的な事実を確認をしておきたいのですが、国鉄当局に伺います。  法定制緩和以後の一九七八年の七月、七九年一月、五月、そして今度の答申案と、この四度にわたる値上げのそれぞれのパーセント及び法定制緩和直前の時期を一〇〇とした場合のそれぞれの値上げ時点の指数はどういうふうになるかということを、まずお示し願いたいと思います。

吉武秀夫日本国有鉄道常務理事

○説明員(吉武秀夫君) 五十二年の七月時点の通学定期から五十二年の七月に二〇・九%上がっております。それから一月に一%修正をいたしました分が五・五%でございますので、五十三年度の改定分として二七・五%であります。それから現在時点でございますが、五十四年の五月改定によりまして二七・九%改定されております。それから今回の答申が一一・五%でありますので、指数で五十二年の七月を一〇〇といたしますと、五十三年の七月が一二一、五十四年の一月が一二八、五十四年の五月が一六三、今回の答申によりますと一八二となります。

内藤功日本共産党

○内藤功君 新聞などでも、「「逃げられない学生」に照準を当てるのでは〃庶民いじめ〃といわれても仕方がない。」と、こういう不当な値上げについて指摘をしております。運輸審議会の公聴会でも、特に切々と訴えたのが学生の諸君であって、全国大学生活協同組合の代表の方などから切実な実情が出されておるようであります。通学定期の値上げは大学生だけではありません。高校生を持つ家庭の場合も非常に打撃は大きい。東京の場合には私立高校に通う生徒が現在二十五万八千人で、公立高校の生徒約二十万人を上回っているという、こういう特殊な状況であります。私立高校の場合は学区制をとっておりません上に、東京の住宅事情もあって生徒の多くはかなり遠距離からの通学を強いられておるという状況であります。  そこで、国鉄当局にお伺いいたしますが、国鉄の通学定期を利用している学生は大学、高校、中学、小学校別に全国でどのくらいの数になりますか。

吉武秀夫日本国有鉄道常務理事

○説明員(吉武秀夫君) 全国で百八十九万人でありますが、その内訳は、大学生等で百万人、高校生で六十七万人、中学生で十九万人、小学生で三万人であります。

内藤功日本共産党

○内藤功君 幾つかの私立高校でどんなふうに今度の答申で値上げが影響を与えるか調べてみたんですが、港区にある正則学院というところがあります。この学校で埼玉県の鴻巣から高崎線で上野まで来て、それからずっとあの長い通路を通って地下鉄に乗って神谷町まで、こういう子供さんがいる。この方に例をとってみますと、国鉄の六カ月の定期代でさっきの昭和五十二年の七月と比べてみますと、一万四千九十円から二万五千六百十円に。これだけ上がるわけです。これは半年ですから、年間はこの二倍で五万一千二百二十円。現在が四万五千九百八十円ですから大変なやはり負担になる。  それから渋谷区にある実践女子高校、八王子から新宿を通って山手線に乗りかえて渋谷と、この子供さんの例をとってみます。まだいっぱいありますが、一つだけ例を挙げて言いますと、この場合には六カ月の定期が一万五千百六十円から二万七千九百四十円に。さっき国鉄当局が言いましたように約二倍、一・八倍の値上げになる。年間にすると五万五千八百八十円。このほかにこの御家庭ではお父さんもあるいは兄弟もそれぞれ通勤定期を買っておりまして、これも上がりますから、この負担は大変なものです。  これは一例ですが、さらに東京都の文京区にある駒込高校というところで、高校生活にどのくらいいろいろなお金がかかるかということについて昨年の六月に非常に細かい調査をしたのです。この中のアンケートの六番に、私立高校に入学して交通費は年間どのくらいかかるかという質問があります。この中で五万円以下、五万円から三万円の間というのが百二十九名で五二%、七万円から五万円の間というのが三十四名、一四%、この二つの部分が一番多い。恐らく今度の答申の内容が認可されると、この七万から五万という部分が非常にふえてくるのではないかというふうに推測されるわけであります。  大臣、学生、特に高校生、大学生、最も弱い立場にある学生、生徒にこういうような負担を強いることになります。大臣はこのような答申にいま接しまして、こういう勉学にいそしむ学生、生徒の生活に対してどういう受けとめ方をしておられるのか。これを、最後のとりでは大臣のところなんですけれども、こういう相次ぐ物価高、教育費も上がります、電力、ガス代も上がる、下宿代も上がるという中で何か一つ大臣のところでの歯どめはできないものか。若い世代があなたに期待をかけている面も多いと思うのですが、これに対する期待にこたえるお考えはもうすでにないものなのかどうなのかという点を私は伺っておきたいのです。

地崎宇三郎自由民主党・自由国民会議運輸大臣

○国務大臣(地崎宇三郎君) 諸物価の高騰、公共料金の値上げというものは各家庭に対して大変大きな打撃を与えていることは十分承知をしているわけでございます。  しかし、今般国鉄の値上げに関しましては、御承知のように危機的な財政状態につきまして、国鉄の建て直しということで昨年の暮れに再建法案を閣議了解を得ましてただいま本国会に提出をしているところであります。これをもって国鉄の最後の機会ということで、不退転の決意で何としても国鉄の再建をしなければならない、こういう中で六兆数千億の累積赤字を持ち、十四兆円からの借金を持っている国鉄をどのような形で再建していくかということは、当然国鉄といたしましても省力化、合理化、人員の削減等々いろいろな対策を講じていかなければならないわけでありますが、累積される赤字は将来どうしても国民の皆様方の税金に頼らざるを得ないことになるわけでありますから、やはり幾らかでも利用者に御負担を願いたいということで、最近の諸物価の値上がり等を考えまして五・一%、物価上昇率の値上げの程度で約一千億の増収を見込んでおるわけでございますが、これをお願いしているわけでございます。  学生の割引率は七八・八でございまして、全体の運賃が上がりましたので、いまお話しのようにここ三二年間で相当の値上がりになったわけでございますが、国鉄としては相当の学割りを負担をしているわけでございますので、この辺で何とかごしんぼう願いたいというのが現在の心境でございます。

内藤功日本共産党

○内藤功君 国鉄の赤字についてはきのうも他の委員会で私質問しましたが、いろいろな昔からの貨物の投資などの問題があり、そういうものが積もり積もった赤字なのです。これを私は学生に負担させない、できるだけ防波堤になってやる、ツケを回さないということが必要だと思うので、いまの答弁ははなはだ私は遺憾であります。  けさもある新聞に、「学生受難時代に」ということで、二十一歳、東京国分寺市の学生さんから投書が出ています。学生にとって、アルバイトをするにも足代を考えるとそれほどのメリットがない。学費、生活費の高騰とあわせて学生受難の時代だと思う。ゆとりのある教育が叫ばれているとき、もっとゆとりのある勉強ができるように学生には特別の配慮がなされないものでしょうかという、穏やかな中にも非常に切々たる投書があります。子を持つ多くの親御さんの気持ちだと思うのです。  さらに大臣にこの問題でお聞きしたいのは、そもそも通学割引については昭和五十一年十一月に参議院の当委員会におきまして附帯決議がなされました。「国家的政策にもとづく国鉄の公共負担は、それぞれの政策実行部門が負担するよう努力する。」ということが全会一致で確認されたはずであります。その後五十三年六月、当時の福永運輸大臣は、これは私の質問に対して答えられたと思いますが、関係閣僚会議というものをつくってそうしてこれを開くことを閣議の中でも提唱したいということを強く主張しておられたのであります。また、歴代文部大臣は、学割りというものは修学上の経済負担軽減と教育振興のための国家的社会政策的な制度だという位置づけをずっと答弁の中でも言ってきておられる。  これまでの附帯決議や国会答弁においては、このように、国鉄の公共負担はそれぞれの政策実行部門で負担をするよう努力をする、関係閣僚会議を開く、こういう決議、答弁がされておるのでありまして、この線に基づいて運輸大臣、運輸省当局は仕事を進めていかなければなりませんが、私の見るところ、この答弁だけで何にもやっていない、放置をしておられるようですが、これは事務当局でも局長でも結構ですが、どういうふうに進められておりますか。

山地進運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山地進君) いま御指摘のように、国会の附帯決議がございまして、五十三年の六月に関係閣僚会議を福永大臣のときに一回やりました。そのときに、まとめといたしまして、さらに事務的にいろいろ問題を詰める必要があるということで、その後各省と鋭意問題を詰めているわけでございます。  いま御指摘のとおり、この問題は公共負担一般でございますから文教政策だけではございませんけれども、それぞれいろいろ長い歴史を持っているものでございますし、各省ともそれに対応するだけの体制がなかなかとれておりませんで今日まで決まっていないわけでございますが、今回、昨年の十二月の二十九日の閣議了解におきまして、さらにこの公共負担の軽減対策について関係省庁で検討を進め、早急に結論を出す。従前は公共的な割引制度について見直すというのが五十二年の十二月の閣議了解でございましたが、今回はそれをさらに具体化いたしまして、「関係省庁において検討を進め、早急に結論を得ることとし、」そしてこの結論を得たことについて「所要の措置を講ずる。」ということでございますので、内閣全体でこの問題について取り組むということが明確になったわけでございます。  私ども微力で従来なかなか結論に至らなかったわけでございますけれども、今回の閣議了解によりましてドライブがかかって、さらにこの問題について来年度の予算に間に合うように鋭意検討を進めてまいりたい、かように考えております。

内藤功日本共産党

○内藤功君 繰り返しますが、これは運賃値上げを当時法律で決めておった時代に、値上げをまさに可決せんとするときに全会一致の附帯決議でこれをきちんと要望して、これを守るということを大臣がここで頭を下げて約束しておられるわけですから、これはいまのような御答弁であればやや前に進んだのだろうと思いますが、予算上の措置をも含めて鋭意この方向で推進をしてもらいたいというふうに思います。  そこで、次に私は身体障害者の方についてのいろいろな駅その他の施設の問題についてぜひ質問をしておきたいことがあります。  来年が国連の定める国際障害者年であります。いまその準備があらゆる面で進められることが期待されておるわけでございます。すべての障害者、障害児の方が人間にふさわしい成長と発達を遂げて人間らしい生活を営めるように保障してあげるということが国際的に求められていることであります。その中で公共交通機関の果たす役割りは非常に重要だろうと思うんです。そのためにも運輸省が来年の国際障害者年に向けてどのように積極的な指導と監督をするかということがいま求められておると思います。運輸大臣のこの点についての基本的な姿勢をまずお伺いしたいと思います。

地崎宇三郎自由民主党・自由国民会議運輸大臣

○国務大臣(地崎宇三郎君) 運輸省といたしましては、身体障害者の交通施設の利用に当たっての安全対策については従来から配慮してきたところであります。明年、国際障害者年の諸活動の計画調整等を行う国内委員会としては、中央心身障害者対策協議会がこれに当たることになっております。運輸省といたしましては中央心身障害者対策協議会の検討結果を踏まえまして、関係各省と密接に協議しつつ身体障害者の交通安全対策を推進してまいりたいと存じております。

内藤功日本共産党

○内藤功君 具体的にお聞きしますが、国鉄、大手私鉄の視覚障害者関連施設対策、具体的には誘導ブロック、点字ブロックの設置数を見ますと、国鉄では全国五千百八十四駅のうち二百九十駅、それから私鉄では千七百四駅のうち二百四十五駅が設置駅という現状であります。それから車いすを使用しておられる方の対策として車いすの専用のトイレ、これは国鉄で五十七駅、私鉄十七駅、それから改札口の拡幅、車いすが通れるように拡幅する、これをやっているのは国鉄で百十九駅、私鉄で四百四十八駅と、私どもの知り得た数字はこういう数字であります。  もっとも、昭和五十二年度以降たとえば誘導ブロックなどの点については、国鉄など一定の努力をなされたことを私は評価するものでありますけれども、しかし、全体から見ますとこのように決して十分なものというにはほど遠いのでございます。運輸省として鉄道事業者に対してもっとこういった面についての対応を積極的にやるべきだと思いますが、いまはどういうふうな手を打ち、また指導をしておられるのか、この点を運輸省に伺いたいと思います。

山地進運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山地進君) いま御指摘になりましたように、施設の個所、なかなかはかばしくはいってないということだろうと思いますが、従来も私鉄の運賃値上げの際には通達を出しまして、身体障害者の施設の拡充にも十分力を尽くすようにということは私鉄の業界並びに民営鉄道協会あたりに十分注意を喚起しているところでございます。  それから、簡単な工事でございますとその部分だけ手直しということができるわけでございますが、御指摘の中には駅の改良、あるいは新設というようなときでないとなかなかできないというようなものもございます。そういった工事が改良工事の一部で行われているという場合には、設備の問題につきまして、国鉄の場合であれば工事費補助金の対象になるわけでございますし、また、私鉄の場合には開発銀行の融資の対象になるというのがこういった工事に対する助成のあり方になっておるわけでございまして、さらにそれを、そういうものだけを摘出いたしまして、そういったことについて補助をするかどうかということにつきましては、今後の課題かと心得ております。

内藤功日本共産党

○内藤功君 さっき大臣の方から大まかな方針が出ましたが、運輸省はすでに昭和五十一年三月に身体障害者等交通対策基礎調査報告書というものを運輸省として出しておって、この中にも具体的にいろいろと書いております。たとえば、「既存の施設を改善するのと新設や大規模な改造の際にあわせて実施するのとでは費用の面でも大巾に異なり、後者の場合には、設計段階から身体障害者等への配慮を行なうことが是非とも必要である。」というふうなことも五十一年から言っておられる。もはや方針は出ているのですから、実行するべき段階にきていると思うんですね。  そこで、首都圏を例に御質問いたしますが、現在新設及び改造が進められている首都圏の国鉄と、それから大手の私鉄、営団地下鉄、この中に限りまして、こういった鉄道事業において進められている駅数、それからその施設整備計画のごく概要で結構ですから、どういうふうにいま進められているか、運輸省の御認識を伺いたい。

山地進運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山地進君) 現在、本年の三月でございますけれども、首都圏において新設または大規模な改良が行われている駅の数は国鉄が七駅、大手の私鉄が十八駅、それから営団が十六駅でございまして、それから横浜市が七駅やっています。その主な内容でございますけれども、ブロックでございますね。それから点字テープ、車いすの通路、それから一件でございますけれども斜めのスロープの道でございますね。それからエレベーターとエスカレーターというのがございます。それからあとは転落防止装置というようなこと、それから身体障害者の手洗い、こういったことでございまして、一番多いのはブロックでございまして、それから車いすの通路、エレベーター、数で言いますとそういったようなものでございます。

内藤功日本共産党

○内藤功君 いまの答弁でもありますように、この誘導ブロックはいま御指摘の四十八駅中四十一駅というふうに、比較的にこの二、三年は精力的に進められているように見えますけれども、それを除くほかの対策はいまのお話でもわかるように必ずしも十分ではない。たとえば国鉄の場合には、この誘導ブロックと車いす用の通路はいま言われた駅には大体計画されていますが、他の対策が、計画自体がない。それから私鉄の場合は、すべての面で不十分な点で目立つと、これがいまの現状として私の特に感じるところであります。  そこで、運輸省として伺いたいのですが、どの駅に特に重点を置いてこういう施設を設置すべきだという基準ですね、これを私はしっかりと確立する必要があるんじゃないかと思うんですね。つまり、現実には各鉄道事業者が個々のいろんな陳情や個々のいろんな判断でできるものを手のつくところから実施をしているという現状で、系統的計画的に運輸省が指導しているという段階にまだきていない。  たとえば、新設、改造駅は計画のときもとよりですが、既存の駅につきましても、たとえば身障者の施設が近くにある駅、これは調べればわかりますね。それから、ターミナル駅など一般に利用客の多い駅というように、主要な対象になるべき駅の基準を運輸省の方できちんと文書で通達を出される、あるいは行政指導されるというふうにして、ここは特に落としちゃいけませんよという基準と、それからその対象になるべき駅を場合によってはランクづけをして指導されるというふうな工夫は、これはそう長くかからないでできることだと思うんです。私はそういう提言をいま一つ申し上げたいんですけれども、ごく常識的な提言だと思うんですが、この点の運輸省のお考え、こういうふうにされるようにしたらどうかと思いますが、いかがでしょうか。

山地進運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山地進君) 御指摘のように、そういった施設をつくる場合、利用者の非常に多いところ、施設があるようなところということになろうかと思います。それから、都内のターミナル、中心の駅等を結ぶというような交通が身体障害者の場合の利用の一番多いあり方だろうと思うわけでございまして、その一カ所だけ直すということでなく、やはり乗降客の多い、あるいは利用区間の多いという両端に同じような設備をつくらなければ、片っ方だけつくっても死んじゃうというようなこともございますので、そういった利用の実態というものをよく調べまして、そういった計画を立てなければいけないと思うわけでございます。  ただ、一律の基準といいましても、やはり駅の構造が古いとか新しいとか、上に上がっているとか下がっているとか、いろんな構造が違いますんで、なかなかこういった基準をつくってそのまますぐできるというのがむずかしい場合もあろうかと思いますけれども、いずれにいたしましても、そういった利用の実態というのが第一でございますんで、いまおっしゃるように、そういう身体障害者からの要望の強い、利用実態の強いところにつきまして、私どもとしても重点的に配慮すべきだろう、いまおっしゃった基準という考え方の中に一番中核になるのはそういうものだろうと、私もそう思います。

内藤功日本共産党

○内藤功君 基本的に御賛同くだすったような感じなので、早速この作業を検討していただきたいと思うんですね。  たとえば話は飛びますが、国鉄の踏切で、改良を要する踏切は大体どういうものかというのは昔から基準があるわけなんですね。国鉄も私鉄もそれぞれの組織がありますから、どこの駅の近くにどういう身体障害者の公のあるいは民間の施設があるか、あるいはターミナルの駅で一般に利用客の多い駅はどこかというのは大体出てくる。まず実態を把握しつつ、特に重点はこういうところだという基準を設けるということは私は不可能じゃないと思うんです。ぜひこれはいまの答弁のようにお願いをしたい、作業をどんどん進めていただきたいというふうに思います。  そこで、具体的な質問をもう一つさしていただきますが、東京都の中央線の立川駅の改造計画というのが進められておりまして、昭和五十七年の十月開業を目途に一部工事も始められているという状況であります。しかし、この点について私も一回、運輸省、国鉄当局にもお願いをいたしましたが、身障者に対する安全対策、安全施設についてはいまだ計画が明らかにされていないというふうに聞いておるんです。  すでに国鉄側には、立川市を通しまして地元の身体障害者の関係団体五団体から、私持ってまいりましたが、約五十一項目にわたる、こういうふうにしてくれ、たとえば手すり、操作ボタンなどを低くしてくれ、エレベーターまでの通路を広くしてくれ、それからスロープを設置してくれというような細かい五十一項目の切実な要望事項が国鉄のたしか西局に、さらに本社にも出されておると思うんです。これらの要望を受けまして、国鉄としてはどのような安全対策を計画をしておるのか、これをちょっと承っておきたいんです。

吉武秀夫日本国有鉄道常務理事

○説明員(吉武秀夫君) ただいま御指摘のように、ことしの一月に市の方から西局に要望が出ております。現在いろんな項目もありますものですから、中身の検討をしておるわけですが、点字ブロックあるいは点字テープあるいは車いすの方へのラッチの拡幅でございますとか、あるいはトイレというようなことについては大体設置の方向で現在検討しております。そのほかの点につきましては、まだ検討が済んでおりません。

内藤功日本共産党

○内藤功君 いま検討中のものの中で幾つかの積極的に対処する部分についてのお答えをいただいたんですが、問題はエレベーター、エスカレーター、この問題になりますと、いつも構造上の問題とか費用負担の問題というのが必ず出てくるんです。これはほかの施設に比べれば費用はよけいかかることはわかり切ったことなんですが、これはやっぱり新設のときに計画の中に折り込みませんと、もう永久に機会を逸してしまうわけなんですね。費用負担の問題があってもそれを押し切って、身障者のためにできるだけの努力をするというのが国際障害者年の期待する、また国鉄など交通機関に求められている問題だと思うんです。  したがって、こういった点については当然地方自治体、市からの要望もございましょうし、それから身障者の方々の団体からの御要望もありましょうし、こういうものを十分に聞いて、これもできるだけ設置をするという方向で努力をし、検討していただきたいというふうに思うんですが、いかがでございましょうか。

吉武秀夫日本国有鉄道常務理事

○説明員(吉武秀夫君) エレベーターあるいはエスカレーターの設置というものは、現在のいろんな物理的な構造的な条件で、とにかく大量のお客様を扱っておるとその方の安全の面もございますし、これは改造あるいは新設と申しましても、線路それ自体から全部新設ということではございませんので、どうしても現在の設備の制約というものもないわけではありません。この立川の場合には、今度橋上駅になりまして自由通路ができます。その自由通路に対するアプローチとして、そういったスロープであるとかエレベーターであるとかというようなことでできないかというお話があるということは聞いております。  この自由通路につきましては、国鉄もあるいは市側の負担ということもありますので、市の方といろいろ協議をしまして、どういうふうにいたすかということについての結論を出してまいりたいと考えております。

内藤功日本共産党

○内藤功君 十分にひとつ国際障害者年を前にした段階でありますから、その方向での努力を要望しておきます。  それから、いま、ことしになって国鉄当局がいろんな身体障害者についての御要望を聞いたと、こういうお話ですが、これに対しては立川市を通して国鉄側の、現在これはできる、これは今後検討したいというようなお考えを文書等で御回答される方が私はいいと思うんですが、当然そうなると思うんですが、いかがでございますか。

吉武秀夫日本国有鉄道常務理事

○説明員(吉武秀夫君) そのようにいたすつもりでございます。

内藤功日本共産党

○内藤功君 さらにお願いをしておきたいのは、身障者の団体の方々と国鉄の当局の方、まだ直接お会いにならない、お会いになる機会がいままでのところない、こういうふうに聞いておるんです。もしこれが事実だとすれば、やはり市当局を通して意見を聞くというんじゃなしに、非常に細かいところもございますから、施設をつくる上で万全を期するという上からいきましても、できる限り、市を通して間接に身体障害者の団体の意見を聞くというだけじゃなくて、直接身体障害者の方々の団体の代表の方から意見も聞き、十分に万全を期すると。施設をつくる上でのいろんな注文や要望を聞くという態度をおとりいただくことが至当ではないかと私は考えるんですが、この点ひとつその方向でおやりいただきたいと思うんですが、いかがでございましょうか。

吉武秀夫日本国有鉄道常務理事

○説明員(吉武秀夫君) 身障者の方のいろんなお話というのは、私の方が聞かないということではなくて、おいでになって聞いておるわけです。ただ、立川駅の改良をどうするかというようなことにつきましては、市の方に福祉担当個所がございまして、そこを窓口にした方が実務上しぼられると思いますので、われわれとしては市のそういう個所を窓口にして、いろんなお話し合いをこの件についてはしたいと考えております。

内藤功日本共産党

○内藤功君 実務上の理由だけであって、身体障害者の方に会わないという態度をとっているわけじゃないと、こういうことですか。

吉武秀夫日本国有鉄道常務理事

○説明員(吉武秀夫君) この件に限らず、身体障害者のほかのいろんな問題がございまして、何回かこちらにお見えになっておりますし、その担当のわれわれの窓口もありまして、それぞれにお会いして御要望も聞いておるというのが実態でございます。ただ、実務的にある種の詰めをやります際には、やはり向こうの方も行政的な責任者であるということが必要であると思いますので、こういうケースの場合にはやはり窓口はそういうふうにしぼった方が実務的に進めやすいというふうにわれわれは判断しておるわけでございます。

内藤功日本共産党

○内藤功君 次に問題は、同じく身体障害者の方の問題ですが、職業としてハイヤー、タクシーに乗って仕事をしておる方は全国で何名くらいおられますか。これは自動車局ですか。——法人、個人について各陸運局別に御説明願いたいと思います。

飯島篤運輸省自動車局長

○政府委員(飯島篤君) お答えいたします。  身体障害者でハイヤー、タクシーの運転手をしておる方でございますが、まず法人につきましては、札幌五十八、仙台六十三、新潟十九、東京四十、名古屋百六、大阪二、広島六十四、高松二十三、福岡八十一、沖繩十、合計で四百六十六名でございます。それから、現に個人タクシーを営業しておられる方は、札幌三、仙台二、新潟ゼロ、東京四、名古屋三、大阪十七、広島ゼロ、高松三、福岡十七、沖繩ゼロ、全国で四十九名でございます。

内藤功日本共産党

○内藤功君 いまの御説明の中にある法人従事者の身障者の方の多くは、一般の方と同様のいわばノルマを会社から課せられて仕事をしているために、疲労度も非常に強い。どうしても、比較的自分の条件に合ったペースで働ける個人タクシーを希望する方が非常に多いように伺っております。  そこでお尋ねしますが、身体障害者、たとえば私のところに陳情に来られた人で、両方の手のひら、これがなくて、手首で運転、非常にうまく運転されるんですが、そういう方もおられますね。そういう、身障者なるがゆえに個人タクシーの免許が、健全な一般の方よりも受ける条件において不利になる、あるいは条件が悪くなるというようなことは、この自動車行政上絶対にあり得ないし、ないと私は思いますが、この点、念のために局長に確かめておきたい。

飯島篤運輸省自動車局長

○政府委員(飯島篤君) 個人タクシーの免許の審査は、先生御承知のとおり、道路運送法第六条の規定に基づいて処理をいたしておるものでございます。それで、具体的な審査基準は各陸運局ごとに定められておりますが、個人タクシー制度というのは優秀、適格者に免許を与えるという趣旨にかんがみまして、自動車の車庫等の施設、それから資金関係、それから運転資格の有無、運転経歴、遵法精神、法令及び地理に関する知識等について審査を行っております。  それで、いま御質問の身体障害者からの個人タクシーの免許申請があった場合に、この基準に基づきまして処理いたしておるのでございまして、身体障害者であることを理由に差別的取り扱いをすることはいたしておりません。

内藤功日本共産党

○内藤功君 最後に大臣にお伺いをしたいんですが、明年は国際障害者年として、国においてもその準備が強く求められているところでございます。基本的な姿勢については冒頭大臣から伺いました。  ところで、この個人タクシーを申請する有資格者である身体障害者の方には、この国際障害者年を機会に一定の優先措置を講ずるなど、身障者に免許の認可を可能な限り積極的に進めるように御努力、検討をお願いをしたいと思うんです。身障者の自立を国としても積極的に援助するためにも、こうした措置をいま真剣に検討すべき時期に来ていると思うんですが、大臣のこれに対する基本的な姿勢をお示し願いたいと思います。

地崎宇三郎自由民主党・自由国民会議運輸大臣

○国務大臣(地崎宇三郎君) 私も個人的なことで、身障者のハイヤー会社の運転手さんから個人運転手をしたいということで頼まれたことがありましたが、いま自動車局長が御答弁申し上げましたように、何らかの条件が足りないということで個人免許がもらえないことがございました。確かに来年は身体障害者年でもございますので、十分これは勉強さしていただきたいと思います。

柳澤錬造民社党

○柳澤錬造君 最初に大臣の方にこれはお聞きをいただいて、大臣からお答えをいただきたいんです。  七月二十日の海の記念日のことなんです。これが海の記念日に制定されたのはたしか昭和十六年の閣議決定のはずなんです。もうあれから四十年近くなるわけですけれども、いまだに祝日にならないわけなんです。それで全日本海員組合だとか全国海友婦人会を初め海に関係した団体の皆さん方が毎年集まりまして、この海の記念日を祝日にしようではないかということをもう十数年来ずうっとやってきて、大臣のところへも官房長官のところへもその他のところへもそういう陳情を毎年続けてきているわけなんです。  けさの新聞を見ますと、前に大平総理が言っておられた家庭の日、何か政府の方では六月の第一か第三土曜日をこれにしようということをお決めのようなんですが、別に私、家庭の日をやるなとは申しませんです。ただ、評判が悪いことだけはこれは事実ですから申し上げておくんですけれども、家庭の日を祝日にするというならば、海洋国日本が、少なくても国民にもっともっと海というものに認識を持っていただくんだ、そういうことも含めまして、昭和十六年に閣議決定でそういう海の記念日までつくっているんですから、この際それを祝日にするということでお進めになってよろしいんじゃないだろうか。  それで、監督官庁といいますか、そういう立場にあるんですから、運輸大臣が本気になってその気になって、総理大臣なり官房長官のところに物を言っていただきたいと思うんですけれども、大臣の御決意のほどをお聞きしたいです。

地崎宇三郎自由民主党・自由国民会議運輸大臣

○国務大臣(地崎宇三郎君) 御承知のようにわが国は四方を海に囲まれておるわけでございまして、海洋国であります。運輸省といたしましても海洋思想の普及に非常に努力しているところでございます。いま先生家庭の日の御議論をされましたが、家庭の日の話が出るたびに、私は海の日を記念日にしてはどうかということを折々つぶやいておるわけでございます。ただ、祝日というものはやはり国民全体が納得して理解をして祝いをするというような考え方が徹底したときに成立させるべきものだと私は思うわけでございます。海の関係者の運輸省といたしましては、海の記念日という重要性をぜひ強調してまいりたいと存じております。

柳澤錬造民社党

○柳澤錬造君 大臣、それはぜひやってください。  それで、私はこれはもういつも言うんだけれども、日本人というのは、海と言ったら魚をつるのと海水浴ぐらいしか思い出さないんですね。日本経済がここまで発展をしてきて、そうしてGNPで世界で三番目なんて言われるようになった、その大きな原動力というか役割りを果たしているのがあの海なんですよ。いま鉄をつくると言ったって、鉄鉱石も豪州から買ってくる、石炭も外国から持ってくる、それで港に製鉄所をつくって、そこでもって陸揚げして鉄をつくって、またそこから船で輸出をする。  アメリカは自分の国で鉄鉱石も出て、石炭も出て、それを自分の国の製鉄所に運んでつくっているんだけれども、その方が運賃が高いわけですよ。日本は外国から買って、船で運んでくる、その方が運賃が安い。そのことがやはり鉄をつくる上についてのコストの上で大きな影響を及ぼしているんですから、そういうことをやっぱり国民にわかっていただく上についても海洋国日本が、海がどれだけ大きな役割りを、貢献を果たしているのだといってそういうPRもしていただいたりやっていただきたいと思うし、だから大臣、これはもうぜひがんばってください。別に家庭の日いかぬとは言いませんけれども、もうそれは運輸大臣に期待をして強く要請を申し上げておきます。  それから次に、自治省の方いらっしゃっておりますか。——船員の選挙権についていろいろお聞きをしていきます。  最初に、昨年統一地方選挙と秋の総選挙があったのですが、船員の方たちがどのくらいこの不在者投票をやったかということを数字でちょっとお示しいただきたいと思います。

岩田脩自治省行政局選挙部選挙課長

○説明員(岩田脩君) お答え申し上げます。  五十四年の統一地方選挙において船長のもとで行われました不在者投票は七千九百四十四でありました。もっとも統一地方選挙でございますから、多少選挙のあった県、なかった県というようなこともございますので、ある程度平均的な操作をしておりますが、七千九百四十四人でございました。それから五十四年の衆議院議員の総選挙のときに船長のもとで不在者投票を行いました件数は九千三十一人、なお総選挙のときには御承知のとおりいわゆる指定船舶の制度がございますが、その指定船舶内で行われた不在者投票の総数は八百十八でございます。もっともこれも御承知のとおり船員は船長のもとで行う不在者投票のほかにも不在者投票を行う方法、手段があるわけでありまして、たとえばいわゆる指定港所在の選挙管理委員会に出かけて行ってやる不在者投票とか、それから一般の選挙人と同じような手続をとって行う不在者投票とか、そういうものがあるわけでございますので、船員すべてのうち、この二つの選挙で不在者投票をした者が何人であるかということになりますと、ちょっと私どもも押えかねるのでございますが、ただいまのように船長のもとで行われました数というのは以上でございます。

柳澤錬造民社党

○柳澤錬造君 五十三年六月八日の運輸委員会で、私がこの問題を取り上げてやりまして、大林選挙課長の方から、代理投票とか委任投票なんかも含めて検討していただくということをお約束をして終わったわけなんだけれども、あれから二年ほどたつので、その検討の結果どのくらいその辺が進んだのか、その辺をお聞かせいただきたいと思います。

岩田脩自治省行政局選挙部選挙課長

○説明員(岩田脩君) 御指摘のとおりでございまして、私どももあのとき話題に出ました代理人による投票でございますか、の採否についてということでいろいろ検討をしてきたわけでございますけれども、あのときもお答えを申し上げましたように、何しろ日本でいまだかつてとったことのない制度でございますし、諸外国とは社会的な状況というものもいろいろ違いがありまして、あのとき大林課長が非常に壁が厚いのでということを申し上げまして、先生から厚いだけではいかぬじゃないかというおしかりがあったことは記憶しておりますけれども、引き続き検討はいたしておりますが、いまだに何分にも壁が厚うございまして、まだ活路を見出せないでいるという状態でございます。

柳澤錬造民社党

○柳澤錬造君 壁が厚くて活路が見出せないって、あなたね、進んでその壁を破っていってそしてそういう船員の人たちが選挙ができるようにするためにはどうするかという、そういうことに努力をされなければそれは進んだ結論出るわけないんですよね。  現実にどうなんですか。イギリスの場合なんかは職業の性質上、国外でもっていろいろ働いている人たちは代理投票人使って投票を行うことというのを認めている。船員も同じなわけですよね。それからオランダの場合でも自分のかわりに投票を行ってくれる代理投票人ということを指名をしておいて、それをそれぞれの居住地の市町村長のところへ登録をしておけば、選挙になるとその人がやれるということができている。アフリカの中の、そんなこと言っちゃいかぬけれども、砂漠の中かどこかにある国ならね、そんなことまでやらなくったってとてもめんどうくさくてしょうがないわと言ってそれは済ましてもいいかわからぬけれども、これだけ進んできて先進国だと言われる国になって、そうして国民の大事な選挙権というか公民権、そのことを投票しようという意思を持っておったってやらせないということはそれは私はよろしくないと思う。  私はあっちこっち歩いて本当に聞かされるのだけれども、それは大臣も聞いておいてください。もう五十過ぎて私はあと数年で満期ですというんですよね。だけれども柳澤さん、まだ私は選挙ということを一度もしたことないという人にぶつかるんです、もう特に外洋航路なんかに乗っている人たちというのは。それでよろしいのかどうかということなんですよ。その壁を破る気があるのかないのか、まずそこを聞かしてください。

岩田脩自治省行政局選挙部選挙課長

○説明員(岩田脩君) ただいまイギリスの例をお挙げになりましたけれども、たとえばイギリスの場合には、その不在者投票につきましてはいまの代理人による投票であるとかそれから郵便による投票であるとか、そういうふうに一定の不在者投票を管理する者のところへ出ていかなくて自分のところでやれるという制度がかなり一般的なわけでございまして、どちらかというと自由に不在者投票をやっております。  それに比べまして日本の場合は、これは御承知のとおり昔から比較的厳密に物事を考えてきておりまして、そういう不在者投票管理者のところへ出かけていって投票しなければいけないというシステムで通してきたわけでございまして、有権者が自分の権限を他の人にゆだねてしまうというやり方についてはいまだ経験したことがないわけでございます。もちろん私たち御指摘のようにほかの国でやっているところもありますから、そういうことも頭に置いて検討したいと思っておりますけれども、何しろそういう大きな制度でございますので、なおしばらく時間をかしていただきたいと考えております。

柳澤錬造民社党

○柳澤錬造君 どのくらい時間かしたらいいんですか。

岩田脩自治省行政局選挙部選挙課長

○説明員(岩田脩君) いついつまでと言ってお答えを申し上げるわけにもまいりませんけれども、ただいまお話がございましたように、われわれも検討課題として受けとめていることでもございますので、なお引き続き検討させていただきたいと思います。

柳澤錬造民社党

○柳澤錬造君 一昨年はそういう答弁で済ましたのだけれども、きょうはそういうわけにはいかないです、これは。私、正直申し上げましてこの二年間恐らく何もしてなかったと思うんです。ことしの正月にも少なくとも自治大臣のところに陳情に参りまして、この問題について陳情をしお話をしておったときも、私はあの大臣の答弁を聞きながら、あれから恐らく何も自治省はやってないんだなあという判断を持って帰ったし、そうであればこそやはりもう一回国会で取り上げてはっきりさせなけりゃこれは恐らくやりゃせぬだろうと思ってきょうこういうふうに取り上げたわけなんです。ですからいろいろむずかしいことのあることは、私はわからぬとは言わないけれども、もう少し本気になってやってくれませんか。  私はこの該当する船員といっても、いまいろいろ船もなにしているから二十万は切っていると思うんです、大臣、これね。しかしこの人たちが、さっきから私が申し上げているように、選挙になったっていつも投票ができない。大体さっき挙げられたように八千前後です、何だかんだの不在者投票。それから不在者投票だって、恐らく私は大臣は知らぬと思うんですよ。これ、私は何回も何回も説明聞いたってわからないです、ややっこしくて、手続が。だから多くの船員の人たちというものは、余りにも手続が繁雑でめんどうくさいからやめてしまう人もおる。それからまた実際にやろうと思ったってどうにもならないでやれないでやりっ放しにしてしまう人がおる。  観光旅行か何かで行くのは、自分の意思でもって外国に旅行に行って、いないんですから、これはもうがまんしていただかなけりゃ、投票しようと思うならば少なくともそのときは外国に行くのをやめておれということにしかならないけれども、そういう職業にいるわけでしょう、この人たちは。年がら年じゅう船へ乗って、それは近海航路は必ずそこはわりあいに短期間で港に入るんだけれども、それは大臣、その外国航路なんというのは、長いのの、特に三国間貿易なんかの船に乗ってしまえば一年半ももう帰ってこない、そういう人たちがたくさんおる。じゃ、そういう人たちか一生懸命になってそういう形で働いて、それでそれがいまの日本経済、日本産業をこれだけ発達するまでの役割りを果たしてきた人たちなんだ、何とかしてこの人たちが国民の持つ選挙権行使をといってお考えになるのがあたりまえだと思うんです。  それで、世界じゅうどこにもそういうようなものの事例も何もございません、それを無理して日本だけやれといったってそれは柳澤さん無理じゃないですかというと話は別だ。ああやってイギリスだって、その後オランダだってやっている。オーストラリアだって、これは郵便ですか。それからフランスの方も少しやり方が違うけれどもやっているわけですよ。何で日本がやれないんですか。やれないのか、やりたくないのか、そこのところまずはっきり言ってくれませんか。

岩田脩自治省行政局選挙部選挙課長

○説明員(岩田脩君) まあ先ほどのお答えを繰り返すことになりますけれども、自分たちとしてもたとえばその船員の方たちにつきましての不在者投票の問題を解決するというためには、いまやっていますような船舶の制度、御指摘のような制度みたいなやり方でやったのでは限界があることは承知しております。その意味で、この代理人による投票のやり方を採用するかどうかというのは、きわめて画期的な、基本的な問題であるという認識はしておりまして、そういう認識に基づいて検討はしておりますけれども、先ほど来申し上げましたように、他人に投票権の行使を任してしまうという制度につきましてはいろいろ問題もございます。まあ外国でも例があるとおっしゃいましたけれども、そこにはやはりイギリスというもの、オランダというものの置かれた社会の受け取り方というものもあろうかと思います。そういう点を含めまして検討させていただきたいと存じます。

柳澤錬造民社党

○柳澤錬造君 その外国のイギリスとかオランダとか、やっているところと国情が違うといいますかね、何かそういうことをいまおっしゃっていると思うか、それはどういうことを言っているんですか。

岩田脩自治省行政局選挙部選挙課長

○説明員(岩田脩君) 一般的に申しまして、たとえばイギリスの場合、そういう委任の制度を長い間やってきたという実績もございましょうし、かつまたある方がある方に投票を依頼したという場合に、依頼をされた人が依頼をした人の言うとおりに間違いなく行動するということについての社会的な信頼というようなものがあるのではないかというように思います。日本の場合、こういった制度になれておりませんし、直ちにそこら付近の社会的な容認といいますか、そういうものが期待できるものかどうかという点もあろうかというふうに考えております。

柳澤錬造民社党

○柳澤錬造君 イギリスは投票を依頼しても間違いなく投票するというそういう信頼関係があって、日本人の場合にはそういう制度をつくっても信頼関係がないと言うの、いまの答弁からいうと。大臣、答えてもらわぬでいいですから、ようく聞いていてくださいよ。そんなあなた、失礼な物の言い方ないじゃないですか。  それからもう一つ、これはこの前のときは——まあ、きょう言わぬからあれだけれども、よく投票の秘密ということで人様になんということを言い出すんだけれども、四十九年の参議院選のとき、海員組合で一生懸命になって調べて、投票当日投票所における代理投票、これも人に頼んでいるわけだ。これが、身体に故障があったという人が四万六千四百九十人もおるんです。それから文盲の人、これが十万四千三百九十六名、合計でもって十五万八百八十六人という人は人様に書いてもらっているわけですよ。果たして私がこの人に書いてくださいと言ったのを書いているかどうか、これはわからないわけでしょう、この十万ちょっとの人なんというのは。  少しでも国民の権利である選挙権の行使をやらしてやろうといってそういう制度がいまあって、実際にやってきているわけですよ。何でそれで船員ができないんですか。やる気がありゃそんなことやれることであって、やる気があるかないかのことであって、これだけの十五万の人たちにちゃんといまやらしている。しかも、信頼がおけるかおけないかなんといったらそれは全くわからないことじゃないですか。それをちゃんと、そういう制度をつくって日本の国内でもやっている。いま言った船員なんかについても、外国では実際にそういうことが行われている事例があって、戦後三十五年たったいまになってもまだやらぬとは、それどういうことですか。

岩田脩自治省行政局選挙部選挙課長

○説明員(岩田脩君) いまの後段の方でございますが、それはちょっと事情が違いまして、投票所に本人がお見えになりまして、その本人がお見えになってみずから投票用紙に記載ができないというときに、投票管理者が選びました職員が二人立ち会いまして、一人の者が立ち会い、一人の者がその本人のおっしゃること、指示に基づいてその投票用紙に記載をするというシステムでございますので、これはちょっといまのケースとは違おうかと思います。  まあ、前段いろいろおしかりをいただいたわけでございますけれども、やはりいままで全然やったことのないことでございますし、なお引き続き検討をさしていただきたい。われわれもこれは重大な問題であるということは十分認識しております。その上に立って検討さしていただきたいと思います。

柳澤錬造民社党

○柳澤錬造君 投票所のその代理投票ね、あなたそんなことを言っているけれども、その二人立ち会っているという二人ぐるになったら同じことじゃないですか、そんなもの、肝心な本人がわからないんだから。山田太郎に入れてくださいよと言われて中山一郎と書いたって、二人がしめし合わしてやったら、そんなことどうでもなることですよ。  しかし私が言うのは、そういうところまで言ったら身もふたもないことだし、それから特に先ほどの御答弁の、イギリスは長い歴史の中で他人であっても信頼関係がある。日本の場合はそこのところがなかなかそういうふうなところまでいかないなんて、そんな答弁は、あなた、余りにも日本のいまの国民を侮辱したことになるんだし、私は取り消してほしいと思う。しかも世界じゅうでもって日本人ほどこれだけ教育を受けた国民というものはいないわけですよ、文盲率が一%を切っているというのは世界に日本しかないんですから。その日本人がお互いにそういうことをやってなにしたって信頼もおけないなんて、そんなことなんか少なくとも政府の側にある人が言っちゃ私はいかぬことだと思う。  それでまあ、きょうここですぐどうこうならないかなんといってもそれは無理だと思いますけれどもね、私は初めてじゃないんだから、少なくとも検討さしていただきたい、よろしい検討していただきましょうでいいから、いつまで御検討し、いつごろ結論をお出しになるか、そこだけはきちんと言ってください。

岩田脩自治省行政局選挙部選挙課長

○説明員(岩田脩君) 重ねてのことでございますが、何しろ基本的な問題でもありますし、船員の立場に立ってのお考えももちろんわかるのでございますけれども、一たん委任投票を認めるということになれば、それは船員だけに問題がとどまる問題でもございません。いわばいまの投票制度そのもののかなり大きな基本的な部分の変更にわたるものでございまして、今後とも引き続き精力的に検討さしていただきたいと思いますけれども、何日までというふうに時間を決めますことは御容赦をいただきとう存じます。

柳澤錬造民社党

○柳澤錬造君 それじゃ時間がもったいないから、検討なさっていつごろその結論が出ることになるかということを、後でよろしいですから、少なくともそちらの責任ある人の中で相談をして文書で御返事をいただきます。その点お約束してください。

岩田脩自治省行政局選挙部選挙課長

○説明員(岩田脩君) まあ相談はしてみますけれども、自分といたしましてはただいまお答えを申し上げたとおりでございます。

柳澤錬造民社党

○柳澤錬造君 相談はいたしますけれども御返事ができないって、そんなことありますか。三日なり五日後に結論を持って来いと言っているんじゃないんだよ。きのうきょう始まったことじゃないんだから、もう大分古い歴史があるんだから、そういう点に立って、いままで検討します検討しますと言ってきたんだから、今度はその御返事だけでは済まないんです。だからそういう点でお帰りになって御相談をしてください、そしてその相談の結果、結論はいつごろ出しまして、そしてこういうことにいたしますというこれからの転がしていくプロセスについての御返事を文書でよろしいからいただきたい。そのくらいの約束ができないはずはない。

岩田脩自治省行政局選挙部選挙課長

○説明員(岩田脩君) その方向で検討させていただきます。

柳澤錬造民社党

○柳澤錬造君 じゃあ選挙権の問題終わりまして、災害の問題を少し取り上げてお聞きをしていきたいんですが、船舶の災害、最近減ってきているということを私ども聞いているんです。それでもまだ陸上の災害と比べれば船の災害というのは非常に多いんで、実績をお示しをいただきたいことと、それから陸上との対比で、どのぐらいまだ陸上と比べて高いかということを聞かせていただきたいんですが。

山元伊佐久運輸省船員局長

○政府委員(山元伊佐久君) お答え申し上げます。  統計結果が出ておりますのは五十二年度の船員の災害の発生状況でございますが、当該年度におきます総件数は一万五千二百三十一件というようになっております。これを過去の災害の発生状況と比較いたしますと、五年前の四十七年度では二万二千百九十六件でございます。さらに十年前の四十二年度では二万六千七百五十二件でございまして、仮に四十二年度を一〇〇といたしますと、四十七年度では八三、五十二年度では五七というようになっておりまして、船員に関する災害の発生状況は着実に減少はいたしております。  しかしながら、ただいま先生から御指摘がございましたように、船員と陸上との災害の状況を比較いたしてみますと、四日以上の休業の災害につきまして陸上労働者と比較をいたしてみますと、これは五十二年度の発生が千人に対して幾らかという比率でございますけれども、船員の場合が約二七%、それから陸上の貨物取扱業に関する人、端的に言えばトラックの運転手の方々でございますが、これが船員とほぼ同様の二六・六ということでございますが、全陸上労働者の発生率は九・八ということでございまして、船員あるいは陸上の貨物取扱業者の発生率は全陸上の労働者に比べますと約三倍の状況ということでございます。したがいまして、船員局といたしましては、なお陸上の全労働者に比べまして船員の災害発生状況が高うございますので、今後一層船員に関して災害の減少を図るように諸対策を推進してまいりたい、このように考えております。

柳澤錬造民社党

○柳澤錬造君 死亡はわかりませんか。

山元伊佐久運輸省船員局長

○政府委員(山元伊佐久君) 失礼いたしました。  死亡は、やはり五十二年度の発生千人率の比較で申し上げますと、船員が一・三、それから陸上の貨物取扱業が〇・三、それから全陸上労働者が〇・一ということでございまして、事死亡に関しますれば、船員の場合が陸上の貨物取扱業者の約四倍、全陸上労働者に比べますと約十三倍というような状況でございまして、死亡につきましてはやはり職場の環境上死亡率が最も高いという状況でございます。

柳澤錬造民社党

○柳澤錬造君 いまお答えいただいたように、四日以上の災害で大体陸上の三倍、それから死亡災害だと十三倍ということで大変高いわけですね。ですから、いままでのだんだん下がりてきたものの数字も御発表いただいたのでわかるんだけれども、それでも高いんで、今後もさらに災害を減らすようにやっていただかないといけないんで、具体的にどういう対策をお持ちで、どんなことをおやりになろうと考えているのか、その辺少し聞かせてください。

山元伊佐久運輸省船員局長

○政府委員(山元伊佐久君) 船員の災害の発生状況は、ただいま先生御指摘のように、なお陸上に比べれば高いという状況でございますので、これの減少を一層進めていく必要があるわけでございますが、こうした船員の災害防止という対策を着実に推進していくべきことは、船員行政の中でも一つの大きな課題だというぐあいにわれわれは基本的に認識いたしております。  そうした認識のもとに幾つかの施策を具体的に進めておりますが、まず一つは、船員災害防止協会等に関する法律に基づきまして五年ごとに船員災害防止基本計画というものを定めなければいけなくなっておりまして、現在は五十三年度を始期といたします第三次の基本計画を実行中でございます。それから、毎年この基本計画に基づきまして船員災害防止実施計画というものを策定、実施いたすことになっておりまして、五十五年度の実施計画につきましても、先般船員中央労働委員会の御審議を得ましてその答申に基づいて今後実施するということにいたしております。  それから、第二番目の施策でございますけれども、五十三年に船員の職業上の災害の防止に関するILO条約というものを批准していただきましたが、これに関連いたしまして地方船員災害防止連絡会議というものをきちんとした体制としてつくり上げまして、関係官庁あるいは事業者団体あるいは船員の方々、こういう方々に入っていただきまして諸対策の推進強化を図っているということでございます。それからまた、安全衛生月間というような運動を推進いたすことにいたしておりまして、これは毎年九月をその月間として諸対策の推進をいたしております。  それから、三番目の施策でございますけれども、昨年の六月に船員法に基づきます船員労働安全衛生規則というのが、省令でございますけれども、この省令は実は三十九年の制定以来改正が十分行われておりませんで、その後いろいろ情勢の変化がございましたので、そうした情勢の変化も踏まえまして改正を行って、現在これを着実に実施に移しているということでございます。  それから四番目は、これは今後の課題でございますけれども、今後はさらに船員労働安全衛生に関する法制の整備ということにつきましても真剣に取り組んでまいって、船員の災害防止あるいは災害発生率の減少を一層図ってまいりたい、こういうぐあいに考えている次第でございます。

柳澤錬造民社党

○柳澤錬造君 その四番目をもうちょっと話してみて、最後のところ。

山元伊佐久運輸省船員局長

○政府委員(山元伊佐久君) 四番目は、船員労働安全衛生に関する法制の整備でございます。これにつきましても今後の一つの大きな課題として真剣に取り組んでまいらしていただきたいというぐあいに考えておる次第でございます。

柳澤錬造民社党

○柳澤錬造君 いろいろ安全衛生月間とかこういうことをやっておりますというお話いまお聞きいたしました。  それで問題は、こういうことをやっておりますと言うだけではなくて、それが実際に実効が上がらないと何にもならないので、私の労働組合におったときには、特に造船ですから非常に災害が多くて、それこそ本気になって取り組んだ。しまいには経営側の方もそれは本気に取り組むようになりまして、安全はすべてに優先するという、そういうスローガンまでも労使で確認をしたんです。それからさらに経営側の方では私たちの言うことを聞いてくれて、安全予算は一切制限をしないと言ったんです。下から申請があればどんなことがあっても安全に対する予算というものは会社の幹部は出してくれた。そういうことをやっていって、そのうちに何年かかかってあれだけの大きな死亡災害を出している造船の中から死亡災害がなくなってきたわけなんです。  ですから、この点でいろいろおやりになっておると思いますし、いまお聞きしてもおやりになっていることはわかりますので、それが実効が上がるようにしていただきたいと思うんです。そうでないと何にもならないんです。  そういう中でも、特にいま最後に言われた点の安全衛生法制化の問題、現在、船員法の中の安全衛生規則でといっても、それは規則も法もいま言うとおり実際に実効さえ上げてくれればいいんだけれども、それでもやっぱり規則というだけではどうしても不十分な点があって、それで船員労働安全衛生法という法の制定をやって災害をなくなそうといって海員組合なんかも一生懸命取り組んでおるし、そういう主張もなさっているはずですし、大臣なんかのところにも陳情しているんですから、ですからそういう点でもってどうか法制化の努力をしていただきたい。その努力をして、船員労働安全衛生法をつくってより一層その災害をなくなすような、そういう実りある成果を上げていただきたいといってこれは私、要望だけ申し上げておきます。  そうして、本来なら大臣に答弁していただけば一番いいんですけれども、余り無理言いませんから、実際にそういう災害をなくなすようなことだけ本気になってお取り組みいただきたいということをお願い申し上げて終わります。

黒柳明公明党

○委員長(黒柳明君) 本日の調査は、この程度にとどめます。     —————————————

黒柳明公明党

○委員長(黒柳明君) これより請願の審査を行います。  第二二号大阪国際空港の安全確保等に関する請願外五十三件を議題といたします。  本日までに本委員会に付託されております請願は、お手元に配付の付託請願一覧表のとおりでございます。  理事会において協議いたしました結果、第五三九号地方バス路線運行維持に関する請願及び第一六七七号首都圏の鉄道高架線化促進に関する請願は議院の会議に付するを要するものにして内閣に送付するを要するものとし、第二二号大阪国際空港の安全確保等に関する請願外五十一件は引き続き審査を行うことに意見が一致いたしました。  以上理事会協議のとおり決定することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

黒柳明公明党

○委員長(黒柳明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

黒柳明公明党

○委員長(黒柳明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時五十四分散会      —————・—————

国会会議録検索システムで原文を見る ↗