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91回国会衆議院1980/03/05

予算委員会第二分科会 第2号

発言数
566
登壇者
38
会派数
6
開催日
1980/03/05

会議録

保岡興治自由民主党・自由国民会議

○保岡主査代理 これより予算委員会第二分科会を開会いたします。  主査が所用のためおくれますので、主査が御出席になるまで、指名により私が主査の職務を行います。よろしくお願いいたします。  昭和五十五年度一般会計予算、昭和五十五年度特別会計予算及び昭和五十五年度政府関係機関予算中、文部省所管について質疑を行います。  なお、この際、政府当局に申し上げます。  質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中西績介君。

中西績介日本社会党

○中西分科員 教育困難地域の施設整備に際しまして、地方自治体の超過負担が相当数出ておりますので、この点に関して質問をしたいと思います。  そこでまず第一に、事務的にお伺いしますけれども、教職員定数の標準に関する法律の中で、教職員定数の算定に関する特例というのがございます。この第十五条ではどうなっておるかをお答えいただきたいと思います。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 簡単に申しますと、教育困難地区に対する教員の加配については、別に文部大臣の定めるところによるということで、文部大臣の定める数を加配しておるというのが実情でございます。

中西績介日本社会党

○中西分科員 それでは、加配をする地域なり条件はどういう面でなされておるのか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 これは産炭地、スラム、外国人のたくさんいる地区、それから同和地区ということで、同和地区の加配が最も多いというのが実情でございます。

中西績介日本社会党

○中西分科員 そういたしますと、産炭地と同和地区が重なった地区もあるわけでありますけれども、いずれにしましても、特に十五条適用地域の中で、施行令の第五条第一項の一号で明らかにされておりますように、産炭地域振興臨時措置法六条の規定に基づいて政令で定める地域においては特別の加配をするようになっておるわけでありますが、この場合には基準はどうなっていますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 これは政令の五条に書いてありますように、要保護等児童生徒数が二十五人以上で、当該数のその学校における児童または生徒の総数に対する割合が百分の二十以上であるものが存する場合にあっては一、それから、その子供の数がさらに百人を超える場合にはもう一加算をする、こういう基準であったと思います。

中西績介日本社会党

○中西分科員 その二号には、同和対策として教育上特別の配慮を必要とする地域においては文部大臣が定める数となって、配置されるようになっておるわけでありますけれども、この基準はどのようになっておりますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 御承知のように教員の定数改善を五年計画でやってまいりまして、四十四年から四十八年の第三次の計画におきましては、同和地区における同和地区出身者の子供が二〇%以上いる学校について一人という基準で発足したわけでございますが、この第三次計画で五百三十八人の加配を行った。続いて、四十九年から五十三年までの計画期間においてはこの基準を少し広げまして、該当児童生徒数が一五%というところまで下げて、その場合には一名、さらに一五%で子供の数が百人以上の場合は一名、それから一五%以上でかつ百人以上の場合はもう一名加算するということで、第四次の加配教員数が六百二十四人になったわけであります。この加配のときの基礎になる調査は、昭和四十六年の総理府の調査をもとにしてあるわけですが、その後、国会の御審議等もあって、先生から御指摘があったわけですけれども、もっと小規模な地区に対しても加配ができないかというような御質問で、文部省としては直接実態調査はいたしませんでしたけれども、総理府の五十年の調査に対してその後実態調査の結果が追加されたわけでございますので、それらをもとにして、年次計画が一年休みになりました五十四年度に、いまのような基準で新しく調査対象になったところを加えましてさらに三百八十四名の増をやりまして、現在の時点では、三次、四次、それからいまの五十四年度の加配を加えまして、千五百四十六名の同和加配をしておるという実態でございます。

中西績介日本社会党

○中西分科員 五十四年度までの産炭地域あるいは同和地域における加配についてはわかりますけれども、五十五年度新しく教職員定数の法律改正をすることになるわけでありますが、この中ではどのような取り扱いをしているのですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 五十五年度以降につきましては、いまの教職員定数改善十二年計画の一環としてこれを考える。それで、産炭の問題をいま御一緒におっしゃいましたけれども、実態とすると産炭と同和は八〇%くらいオーバーラップしているということもありまして、産炭の加配については従来のまま維持、同和を中心にしてこれを考えていこうという考え方でございます。  そこで、今後十二年間にどれだけ加配を増加するかということですが、結論を申し上げますと、千六百二十名と考えておるわけであります。その根拠はどうかと言いますと、まず、同和地区一〇%以上の学校に一名、それに加えましてその子供の数が八十人から百六十人の場合はさらに一名増、それから百六十一以上三百二十名の場合は二名、三百二十一名以上の場合には三名加配というような計算をいたしております。そういたしますと、今度ごく少人数の同和地区の学校をどうするかということなんですけれども、これは三校に一名ということで加配をしたい、こういうふうに考えております。

中西績介日本社会党

○中西分科員 そういたしますと、四十四年から五十五年案まで相当の前進があったし、ある程度充足するようになってきた、この点については皆さんの御努力に対して敬意を表したいと思いますが、きょうはこのものを主体とするのでなしに、これにかかわる問題として出てきている問題を提起をしていきたいと存じます。  と申しますのは、教育条件を高めるための定数配置、このことはもうすでに、一人一人を見詰め能力に応じた指導を行っていく、その結果学力を高める、こういうことが大きく出てきておりまして、結果的には具体的にこれを推進するということになりますと、一クラスの生徒を少人数にしていくというこういう学級編制を伴う問題が出てくるわけですね。この点で実際におきまして、過疎地域あるいは過密地域における中でもこういうことをやっておる実態がすでに出ておるわけですね。その結果、緩和学級という言葉を使わしていただきますけれども、この少数にした学級の認可等につきましては、これは都道府県がやるということは当然であります。しかしいま申されましたように、産炭地域における特別措置としての加配基準が出てまいりました。さらに、同和地区におけるこういう基準が出てまいりまして、これによって教員数については増加をするけれども、問題としてこれに伴う施設設備の問題が現状どうなっておるのか、この点についてお答えをいただきたいのであります。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 施設設備についてでございますが、ただいまお話しのような地域におきまして学校施設を改築いたします場合について申し上げますと、これにつきましては義務教育諸学校施設費国庫負担法でそういった改築に対する補助を行います場合の基準などが定められているのでございます。その中で、そういった学校の校舎の必要面積と申しますか補助の対象とする面積としては、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律に規定しております学級編制の標準によって算定いたしました学級数に応じるというふうに決められておるわけでございますので、この標準学級数に応ずる必要面積を算定するわけでございまして、この面積を超えていまおっしゃいましたいわゆる緩和学級数相当分の面積まで改築の補助対象とすることができないのでございます。そういう状況でございます。

中西績介日本社会党

○中西分科員 いまお答えありましたように、あくまでもこの学級の数については一応教員配置ができれば増加をし、そしてそれを認可をする、こういうことがありますけれども、必要な面積と言われるその教室になると全く認められておらないという現状があるということですね。  そこで問題は、この点ちょっとお聞きいたしたいと思うのですけれども、自治体のそういう厳しい財政の中におきまして、特に過疎における自治体の財政力指数は大変低いものであるということを御存じでしょうか。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 過疎地域につきましては、過疎地域対策緊急措置法というようなものが十年前定められましたり、またさらに今回は過疎地域振興法といったような構想も出ておりますが、それらの構想の前提となります一つの要素といたしまして、財政力指数というものも用いられておるわけで、一般の全体の平均に比べましてそういった指数が低いということは承知しております。

中西績介日本社会党

○中西分科員 ということは、財政が大変厳しくてその自治体独自での財政力は全く皆無に近い状況になっておる、こういうことを認めざるを得ないと思うのです。そうなってまいりますと、いま言われたような学級数を増加しても、これに対する中身が全く助成をされていないという実態があるといたしますと、先ほど加配をする大きな理由として同和あるいは産炭、こういう二つの理由があってやるわけでありますけれども、同和地区におきましても、特にこの点は御存じでしょうか、現在同対審の中におきましていろいろな面を考慮するということの中から、「学校の施設、設備の整備に関する措置」については「同和地区をもつ小中学校および幼稚園の施設設備をいっそう促進するため、特別の配慮を行なうこと。」ということがある、このことはもうすでに御存じだと思います。  そこで、具体的に施設についての補助はどうなっておるかということを見ますと、三分の二補助をしているものについては高校進学奨励費、それからさらに同和教育集会所設備費並びに施設整備費、この三つしかないわけですね。したがって、この同和対策という視点からいたしましても、あるいは教育困難地域として財政上大変な貧困な状況にある中での地域としてこのような助成措置がなされておらないこの理由は何でしょう。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 先ほど財政力指数のお話もあったわけでございますが、いま問題とされておりますような産炭地域と申しますか過疎地域につきましては、改築の場合の通常の負担率の三分の一というのを御承知のように三分の二にしておりまして、さらに産炭地でございます場合には、その当該地方公共団体の財政力指数に応じて、補助事業執行の後にさらに必要な補助金のかさ上げを行うという措置を行っているわけでございます。それからさらには、いま御指摘のような教育困難地域における危険建物解消の促進のために、改築補助基準と申しますか、いわゆる耐力度点数を一般よりもさらに五百点緩和するということをいたしましたり、あるいは、この補助事業につきまして申請がございました場合に、その他の一般的な事業よりも優先的に採択をするというような取り扱いをいたしたりいたしまして、配慮をいたしておるのでございます。

中西績介日本社会党

○中西分科員 いまいろいろなそういう助成措置について言われましたけれども、この点が同和地区なりであるということによって、このような定数の配置はされてクラスの数、学級数は増加しても、教室に対する助成措置がない、その理由を私は聞いておるわけなんです。ですから、ほかの助成措置はある程度あったにいたしましても、それと重なったりなんかすると全部切られていくという条件だってあるし、そしていま言われた五百点にしましても、優先的と言っても、これは何も助成措置のうちには入ってないですよ。  ちなみにこれは一つ例を挙げます。これは田川市の例なんですけれども、たとえばいま建築との関係において見てみますと、五十四年度で一つの小学校が学級数増加学級が五学級あるわけです。そうすると、五つの教室を市の単費で賄わなくちゃならぬといういう実態が出てくるわけですね。そうしますと、それに必要な経費というのが五千三百万円、同じく中学校で緩和学級は三になるわけでありますけれども、五十四年度四千四百六十万円、したがって合計しますと九千七百万円、約一億円の単費持ち出しになるわけですね。同じようにこれは五十五年、五十六年と引き続いていくわけでありますが、五十五年になりますと一億六千四百万円、五十六年度になりますと一億四千二百万円、これは単価が上がればどんどん上がっていくわけですね。こういう、実態があるわけなんです。それが先ほども申し上げましたように、大変厳しい条件の中において地方自治体においてこういうものが取り残されている。文部省当局はこの点に関して何もお考えになってないのですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 先生の御趣旨は要するに、同和教育について教員を加配をする、加配をすれば四十人以下の学級に編制をして、緩和学級とおっしゃいましたけれども、やった方がいいんだ、そうなればいまの基準で言うと、施設の方が補助を受けて増設することができない現状では困るじゃないか、こういう御趣旨のように聞いたわけですけれども、同和の加配というのは、私どもは緩和学級といいますか四十人学級を前提として、四十人学級にしなさいということで加配しているわけではないので、これはたとえば小学校で言えば専科教員のための増員というように、学級編制は四十五人のたてまえですよ、しかしその中に同和出身の方が多数おられれば、教育上もう少し丹念に教育する必要があるから教員を加配しますということでやっておりますので、したがって施設の方もそういう前提で助成を考えるということでありますし、また、恐らくその同和地区の市町村でも、県への申請は学級編制は四十五人でやっていると思うんですね、そうしないと恐らくできないはずですから。ですからそこのところは、定員配置、学級編制、施設の助成というのは、言ってみれば一つの原則に立って整合性を持つ制度を持っているわけですから、その点はひとつ御理解いただきませんと、施設の方が足らぬと言われても恐らく担当局の方としても、それだけを切り離してやるというのはむずかしいんではないかというふうに思います。

中西績介日本社会党

○中西分科員 学級の認可については、少なくとも都道府県教委の認可が必要ですから、各あれがやみでやっているということですか。そうではなくて、やるということについてはこれはちゃんと県の認可が必要なんですから、県の認可を経てやっておるわけですよ。だのに、これが足りないから問題じゃないかと私は指摘しているわけです。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 そこのところ、私はやみかどうかはわかりませんし、(中西分科員「あなたの言い方からするとやみだということになる」と呼ぶ)恐らくそういう学級編制の申請がなされ県が承認をしているかもしれませんけれども、少なくとも国の立場においては、やはり四十五人ですべての施設行政も考えておりますし、また国庫負担の問題も考えるという前提でございますから、そこのところはひとつ御理解をいただきたいと思います。

中西績介日本社会党

○中西分科員 もう少し言いますと、いままではこれは矛盾が出なかった。それは過疎地域ですから教室がたくさんあったわけです。生徒の数が半減しているわけですよ。ですから、もしこういう緩和学級をしましたとしても、教室はがらがら余っているから、そこにみんな入れることができたわけです。ところが、これが今度は危険校舎なりになって改築をするというときに問題になってくる。そうすると、いま申し上げるように現状では四十五人学級ですから、四十五でこれを除していきますから、たとえば全部で九十人であるならば二学級しかこの学級基準では認められぬわけですね。そうすると、今度はたとえば四十五人以下にすると、すべて一学級学級増をしなくちゃならぬという実態が出てきている。ですからいま言うように、県にそれを申請して認められ、そしてやっていることが全く放置されて、その市町村の持ち前になってしまっておるという実態。しかもその市町村というのは、財政力指数からいたしましてももう見られないような状況になっている。〇・一四だとか〇・一五だとか、高いところで〇・三になるかならないぐらい、こういう非常に低いところですから、大変な様相になっているということだけはおわかりだと思いますね。ですから、この点について将来的に何か考えを持たないかどうか、文部大臣お答え願いたい。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 教育困難地域におけるいろいろな事務の執行の場合に、先ほども優先的な補助採択のことを申し上げましたけれども、個々具体の学校の建ち方がいろいろでございますので、もちろん県を通じて私どもはそういった地域の事業については十分きめ細かく御相談に応じまして、現行の制度の枠内でできるだけ有利な取り計らいができるような配慮はこれまでもしてまいりましたし、今後もやりたいと思っておりますが、いま中西委員御指摘のその補助基準の上での学級数の算定の問題になりますと、これは法律で定められておる事柄でございますので、これにつきましてはやはり法律に基づいて執行を図っていかざるを得ないというのが現在の私どもの立場でございます。

中西績介日本社会党

○中西分科員 もう一つ例を申し上げますと、大阪の場合に、四十五年から五十一年度まで一つの中学校を設置をする場合に出てきた。ですから、これから以降まだずっと負担が高くなってくると思いますけれども、四十五年から五十一年度までに一億七千九百十六万という市の単費持ち出しをしなければならぬ。いま言うように四十五人でいけば本来ならば十九学級、ところがこれを二十三ないし二十四の学級にしておる、ですから中学校の中で一学級ないし二学級を増加しておる、そういうところがあるわけです。過密地域においてもこういう状況があるし、過疎地域においてはその状況というのはなお厳しい。過密地域においては御存じのように、今度は土地の問題からすべて入れると、これはずいぶん低い方なんですけれども、大変な金額になるということですが、同和対策特別措置法に基づいていまやっているのは、三分の二助成はたった三つなんです。ということになると、先ほど管理局長は、現行法律ではこれは処置できない、こういう言い方をされておるわけですから、それは当然でしょう、しかし、いまのような矛盾があるということはお認めになるのかどうか。それから、その矛盾があるとするならば、法律なりなんなりを改正すればいいことであって、あるいはもしこれができなければ、政令なり何かではっきりすべきであろうと私は思うのですけれども、その点について大臣どうでしょう。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 いま中西先生のお話で、そういう事情があることはよくわかりました。ただ、さっき私の方の局長からもお話ししておりますように、文部省といたしましては、やはり全国的に統一をした整合性の問題がございます。地方の特殊な状況で、県とのお話し合いでそういう形の実情があることはわかりますけれども、こちらといたしましては整合性を持ってやっていかざるを得ない。確かにそういう問題に対していまの法律の中で言ってみますと、優先的に行政的に手配するという運用はできると思いますけれども、それだから特別にいまの学級数を、現行は四十五人、これから四十人ということになりますけれども、それ以外のものを認めろということになるのは、そこはちょっとやはり窮屈に私たちは考えざるを得ないということでございます。御了承願いたいと思います。

中西績介日本社会党

○中西分科員 了承できないんですよね。この矛盾は、定数を配置をして、そしてその配置された定数によってクラスを細分化して、そのことを県に認可される、その手続が全部踏まれておるのに、このような実態として出てきた場合に、この矛盾を解消するということでなくちゃ行政というのは大体何ですか。この点についてはもう一度お考えになって、総合的に検討していただいて、そして特別の措置をするということを前向きで検討してください。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 先生矛盾とおっしゃいますけれども、御承知でおっしゃっているのじゃないかと思うのですが、これは加配をしたら四十人にしなさいということは言ったことがないんですね。四十五人の学級で加配をしますから、それで授業を丹念にやってくださいということですから、先生おっしゃいますことは、一つの考え方としてはわかりますけれども、現在の時点で私どもはそういうふうに考えていないということでございますので、将来の一つの検討課題として考えさしていただきたいと思います。

中西績介日本社会党

○中西分科員 時間が来ましたので、終わります。

保岡興治自由民主党・自由国民会議

○保岡主査代理 中西績介君の質疑は終わりました。  次に、武田一夫君。     〔保岡主査代理退席、川崎主査代理着席〕

武田一夫公明党・国民会議

○武田分科員 時間の制約がありますので、簡潔にひとつお願いしたいと思います。  まず最初に、警察庁に伺います。  最近、少年、特に小学生、中学生の非行が非常に凶悪化している、その数もふえている、こういうことでございますが、五十四年度を中心としまして、その非行の実態、傾向というものをまず説明していただきたいと思います。そして、特に校内暴力犯ですね、これについて具体的な数字を挙げまして、どういう状況か御説明いただきたいと思います。

古山剛警察庁刑事局保安部少年課長

○古山説明員 ただいま先生のお話のように、少年非行は最近非常にふえておりまして、戦後第三のピークというふうに言われているわけでございます。少年人口が十数年前に比べますとかなり減少しておりますので、人口比率で見ると現在は著しく高いという、量的には大変なふえ方でございます。  それで、その少年非行を罪種別に見ますと、窃盗が全体の七七%ということで多いわけでございますが、その中で先生がお話しの凶悪犯もふえておりまして、一昨年が〇・六%の増加でございましたが、昨年は三・七%と、二年連続増加しておるわけでございます。また、ことしに入りましてから小学生、中学生による殺人事件等が相次いで発生いたしておりますけれども、昨年も十四歳未満の触法少年による凶悪犯というのは、前年よりも一〇・六%増加しているという状況でございます。  それから、校内暴力事件でございますけれども、これは校内暴力事件全体を見ますと、五十四年中の発生件数は千二百八件でございます。補導人員が六千七百十九人、被害者は三千百七十四人となっておりまして、前年に比べますと、件数、補導人員では減少、被害者数は増加ということで、どちらかというと横ばいでございます。ただ、校内暴力事件のうち、教師に対する暴力事件だけを見ますと、発生件数は二百三十二件でございまして、前年に比べまして四十一件、二一・五%の増加になっております。それから、補導人員が五百十人でございまして、前年に比べまして百八十人、五四・五%の増加、それから被害教師の数でございますが、三百二十八人でございまして、前年に比べまして八十三人、三三・九%ということで、対教師暴力事件につきましては、発生件数、補導人員、被害教師の数ともに大幅に増加いたしております。これを中学生、高校生別に見ますと、いずれも増加いたしておりますけれども、特にいま中学生の増加が目立っている、そういう状況でございます。

武田一夫公明党・国民会議

○武田分科員 大臣、この実態を聞きましてどういうふうに思うか、それに対して、各学校に対してどういうふうに指示、指導したか聞きたいと思います。  きょうも新聞を見ましたら、葛飾で中学生同士がはでにやっておりましたね。集団化する傾向は、私も教員をやった経験でわかるのですが、それが非常に顕著であって、女性の集団化も目立っておるわけです。学校において教師に対するそういう暴力犯がある、これは学校の秩序の破壊だけではなくて、教える先生も非常に危険を感じながらやるというのは、とんでもない状態だと思うのです。その点どうでしょうか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 大変残念な遺憾なことだと思っております。これの対策、原因、いろいろ考えなければなりませんけれども、とにかく善悪のけじめをはっきりさせるということ。それから、暴力を見て見ぬふりをしたり見逃がしたりする、そういう社会的風潮も確かに一つの大きな原因だと思いますが、家庭教育、社会教育あるいは学校教育等の場でそれぞれ応対をしていかなければならぬと考えておるわけであります。ことに学校教育におきましては、こういう事態を踏まえまして、道徳教育とか体育を一層重視して調和のとれた教育がやれるように、今度も指導要領等の改定を——それだけではございませんが、それも大きな対策の一つとして考えていかなければならないと考えております。  また、これはいつでもそう言うことでございますけれども、生徒と教師との関係というものがもっと密接かつ生徒のそういう動向に対して適切な教育指導が行われる必要があると思います。教員の質の問題も大きな問題になってくると思います。こういうような問題を踏まえまして文部省といたしましては、先生自体の講習、研修、またそれに対しましての必要な指導のできるテキスト等を配付するというようなことで努力しておるわけでございますが、特に学校の場合、そういう生徒に対しましてのもっと密接な関連、関係をするそういう雰囲気をつくってやっていかなければならない、こういうふうに考えておるわけであります。

武田一夫公明党・国民会議

○武田分科員 警察庁もこの傾向を非常に危険な徴候である、こういうように見ておりまして、総合的な防止対策を考えなくてはいけないのではないかという警告はしておるわけです。政府としても非行対策関係省庁会議等を行っておるようですが、いろいろな省庁の関係者が集まって具体的な話し合いをしておるそういう中身が、果たして実りあるものになっているかというと、私は非常に疑問だと思うわけです。ですから今後、そうした機関があるならば、文部省としてはリーダーシップを発揮すべき立場にあると思います。それで私は、先生方もまたそういう子供に対するじっくりした指導をする余裕がないのじゃないかという気がしてなりません。そういう点で、学校の中におけるそうした生徒指導の重要性というものを教育の最大の課題として取り組む必要がいまの風潮の中であるんじゃないか、こう思うのですが、どうでしょうか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 おっしゃるとおり、当面の学校教育自体の場が集団の暴力、ことに先生方に対して暴力をふるうというようなことも現実に出てきておるわけでございますので、学校教育といたしましても、この問題は本当に重要な問題でございますので、真剣に取り上げていかなければならないと思います。また、これは学校教育を担当いたしております私たちとしてはまずそれをやらなければなりませんが、家庭の教育におきましても、この子供たちの問題は真剣に心配をしていただいておるところと思いますけれども、やはりこれもまた非常に大切な面であろうと考えております。

武田一夫公明党・国民会議

○武田分科員 そういう問題は学校、家庭、地域社会、こういうものが総合的にやはりかみ合って効果があると思うわけです。そういう意味では、学校と同時に家庭の問題があるにしましても、もう一つ社会のそうしたものに対する取り組みというもの、これはまあひとつ厚生省に伺いますが、犯罪者の更生保護とか犯罪の予防という責任ある使命を担っている児童福祉司ですか、あるいはまた家庭児童相談員と心、あるいは地域によっては民生児童委員というのがございますね、こういうもの、特に一番末端の中で接触の度合いの多い民生児童委員の問題、人数が十六万いるそうですが、私は非常に少ないと思います。しかも老齢化の傾向がある。中には一生懸命やっておる人があろうかと思いますが、どうも名誉職的な存在の人もかなりいるというようなことであってはならないと思うのです。こういうときには、物の中身をもっと濃いものにしていかなくてはいけない、こう思うのですが、専門の少年問題担当委員というような立場で、そうした人的配置の増強、質の向上というものを期していかなければならないと思うのですが、厚生省としてはどうでしょうか。これはやはり家庭と学校との連係、警察の連係に効果ある働きさえすれば、こうした問題も相当カバーできるのではないか、こう思っているのですが、厚生省の御見解をお聞きしたいと思います。

会田武平厚生省児童家庭局育成課長

○会田説明員 先生のお話の児童福祉司と児童委員の関係でございますが、増員の問題、児童相談所のケースワーカーとして児童福祉司は一千十七名おるわけでございますが、その定数は、個々の県内の子供の数でありますとかあるいは交通事情、おおむね人口十万ないし十三万人について一人というふうに指導いたしておるわけでございまして、現在、全国平均では大体この基準は満たしておるわけでございますが、しかし個々の地域によっては若干充足されていないという面もございまして、その面の増員ということで私ども県なり指定都市に強く指導したい、さように考えておるわけでございます。  実はこの問題は、全体の活動力と申しますか機動力と申しますか、それを高めるのが基本でございますので、児童相談所そのものを増設する、増設がイコール実質は福祉司の増員につながるわけでございますので、あわせてその面の指導を強くいたしておるわけでございまして、現に毎年二カ所程度相談所がふえております。そういうことで、二つの方向で御指摘のとおり、今後とも増員について努力をしたいというふうに考えております。  それから児童委員の関係でございますが、御承知のとおり民間のボランティアということでありまして、民生委員が兼ねておるわけでありまして、子供の問題全般につきまして地域社会で、役所、公的機関に対する一つの協力をお願いしておるということでありまして、現在、全国に十六万三千四百八十九名、こうなっておりますが、定数は厚生大臣が定める基準に従って都道府県知事が市町村長の意見を聞いて市町村ごとに決めるという仕掛けでございまして、現在の基準は四十七年の五月に、民生委員の活動がある意味では質的にも量的にもふえている、そういう実態を踏まえまして、増員のために実は制度の改正を実施したわけでございます。  具体的には、たとえば東京都の区部でありますとかあるいは指定都市は二百七十世帯に一人でありますとか、人口が十万以上でございますと二百世帯に一人、人口が十万未満の場合には百七十世帯に一人、町村の場合ですと百二十世帯に一人というふうになっております。また一面、過密都市でありますとかあるいは過疎の地域あるいは個々の地域の世代の構成などによりまして、そういう特殊事情を加味いたしまして若干の特例があるというふうになっております。私ども国におきましては、一斉改選期というのが三年ごとにございまして、人口移動なんかを勘案いたしまして定員の配置の再調整というのを指導いたしておるわけでございますが、五十五年の十二月がちょうど改選期に当たるわけでございまして、したがって私ども、県とも十分協議をいたしまして、たとえば活発に活動を願える方をお願いするというようなことなどで先生の御趣旨を十分生かして、行政努力と申しますか指導をしてまいりたいというふうに考えております。

武田一夫公明党・国民会議

○武田分科員 次に、養護学校の義務化が行われまして、いろいろと御苦労なされながら各地でその活動を開始したのですが、どうも現場の声を行って聞いてみますと、準備不足は否めないわけです、いろいろ苦労はあるようですが。ですから、これが始まったばかりだということだけでなくて、やはりこうした問題がせっかく大きな光を浴びるようになったものですから、その点もひとつ現場の声を十分に吸収した賢明なる対策を今後行っていただきたいと思います。  そこで、二つばかりお聞きしますが、県によっては訪問教育が三百人もあるという地域があるわけですね。果たしてそれが妥当なものかどうか。教育効果から言うと、集団の方が非常に効果があるのじゃないかと思う反面があるわけですが、こういう問題について今後どのように対処していくかという問題が一つ。  それからもう一つは、有資格教員ですね、この問題、これは非常に足らないと私は思います。ですから、生徒の数に比較して育成という場所、特に重複障害児ですか、この子供さん方を見ていますと、これは大変なものでございますから、こうした専門的な資格者を養成するという機関がもっとあってもいいのではないか。聞くところによると、横浜国立大ですか、国に一つしかないというふうには聞いていますが、もっとあればいいのじゃないか。そこでの資格者の育成、それからまた、機能訓練などによりまして養護訓練の重要性というのはあるわけですので、そういう資格として養護訓練士などの有資格者をもっとふやすべきじゃないか、そして効果あるそういう指導、教育というものが行われるようにすべきじゃないかと思うわけですが、この点に対してまず文部省のお考え、今後の取り組みをひとつお聞きしたいと思う。  それからもう一つ、あわせ自閉症児の問題があるのですが、この施設は厚生省の所管で、自閉症児の施設を措置体系の中に組み入れるということだそうですが、文部省としましてはこの自閉症児に対する対応というのをどう考えているのか、施設などに対しては文部省としては独自のそういう援助というものはないものか、あるいはそこで指導する、教育する方々、教員といいますか指導的な立場の人の人的問題をどうするのかというようなことをどういうようにお考えになっておるのか。これは今後も非常にふえてくると思います。普通の学校に入れまして、それはうまくないということで、施設に入れたくてもなかなか受け取ってくれないし、入れないというケースがたくさんありますので、今後の一つの大きな課題だと思うのですが、その三点、ひとつ要点だけ御答弁いただきたいと思います。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 最初の訪問指導の件ですけれども、これは確かに去年義務制をやったときに、従来就学の猶予、免除をされておった子供が九千何百、約一万人近かったんですね、それを義務制実施と同時に三千ほど減らしましたから、そうしますと、どうしても相当の子供は訪問指導の対象になるという現状になったことでございますので、いまおっしゃったように、県によってはずいぶん多いじゃないかという御指摘だと思いますが、これはやはり子供の身体障害の実情に応じて将来は、学校で集団教育を受けられる者は学校へ持っていくという方向でひとつ努力をしてまいりたいと思うわけであります。  それから、養護学校教員の養成と資格の問題ですけれども、これはいまの実態を見ますと、各県の国立の大学の教育学部等では全部、何らかの形で養護学校教員の養成をいたしておりますから、数的に言いますと毎年補充するに十分なだけの養成はしておるわけでございます。ただしかし、実態として現場では養護学校教員の免許状を持っていない人が相当いるではないかという御指摘はごもっともなんです。ただ、それは本当に先生がいなくてというよりは一つには、やはり養護学校の先生はずっと養護学校だけ、それから普通の学校の先生は普通の学校だけというのではなくて、ある先生は普通の学校の先生から養護学校へ行ってもらって養護学校の教育も体験してもらうということが非常に大切でございますから、そこでそういう場合は、養護学校の免許状を持たない先生がそこへ行くということもありますし、制度上もそういう場合には、養護学校教員の免許状を持たなくてもよろしいという免許状の制度もありますので、そういうことからして御指摘のようなことがあるわけでございますが、私はその資格の問題もさることながら、全般的におよそ養護学校の先生はもちろん普通の学校の先生も、できるだけ養護学校教育の経験を持って、こういう教育に理解を持ってもらうということが大切だと思いますので、今後もそういう方向でやってまいりたい。  それから三番目に、自閉症の問題ですけれども、自閉症の子供というのは一体何だということになりますと、専門家に聞きましても、これは性格的なものだというような御意見の方もありますし、それはやはり精神的な障害だ、病気だと言う方もおったりして、これ自身に対する教育的対応の方法というのも必ずしも十分でないというようなことでございますので、これを対象とする教育は、普通学校の特殊学級でやったりあるいは養護学校でやったりいろいろでございますが、これらの点につきましては御承知のように、国立特殊教育研究所というのが久里浜にございまして、あそこでもその教育方法などをいま研究してもらっておりますので、おっしゃるようにこれは厚生省の調査など聞きましても、今後もかなり出現率があるだろうというような御指摘でございますから、できるだけ研究方面も充実して対応してまいりたい、かように考えております。

武田一夫公明党・国民会議

○武田分科員 時間の関係で、これはまた次の機会にもっと深くお尋ねしたいと思うのですが、最後に、運輸省来ていると思いますので、ちょっとお尋ねします。  国鉄経営再建促進特別措置法案というものを今国会に提出する予定である、かなりの赤字路線を廃止しようという大変な御計画のようでございますが、私は二つの点から、これはいろいろとありますが、問題だと思っています。  一つは、国で言っている三全総という定住圏構想から言いますと、これはとんでもない逆行です。国鉄があって町が発展し、そこに定住する多くの若者の未来というものがこれで消されます。国鉄があって町が栄えたという例はあるけれども、なくなっちゃってその地域が栄えたためしは一つもない。バスで間に合うだろうと言うけれども、とんでもない。岩手県に江刺、水沢という地域がありますが、江刺というのはどんどん過疎になってしまう。なぜかというと、かつて国鉄を敷こうというとき人々が反対した。いま非常に後悔している。水沢がそれを受け取って鉄道を敷いたために非常に栄えた。対照的です。宮城県でも本吉の地方の気仙沼線とかあるいは仙南にある丸森線というところはそうした典型的なものです。ほかの地域にもたくさんあると思いますが、そういうところのデータを一つとってみましても、線路が敷かれたことによって乗る方々がどんどんふえておる、便利になった。それからもう一つは、バスよりも何倍も安い、そういう恩恵を受けているわけです。ちなみに調べてみますと、バスと国鉄の差は最低でも四倍、国鉄は四分の一、ひどいところでは十倍近い差があるのですよ。こういうことを考えますと、幾ら定住圏云々といっても、国鉄は逆らってまでこういうことをやるのかという問題。  もう一つは、そういうところから通ってくる子弟の問題です。高校生が主体ですが、特に私学に通っている子供というのは、大体中央にしか高等学校がないということで、えらい苦労しながら通っている。しかしながらいままでは家庭も、バスではとてもやれないけれども、汽車が来たので交通費が非常に安くなる、そこで子供たちをせめて仙台なら仙台というところに送ってやろう、そういう教育の意欲が非常に出てきている。たとえば気仙沼線というのを一つ例にとりますと、いままでの線路が敷かれてない、これは少し延長されたのですが、そのときに比べますと、一〇%ないし三〇%の子弟が喜び勇んで通学している。こう考えますと、いま学校の負担というのが大変なときに、私学がことのほかに大変、二分の一経常費の助成を早くやれと言ってもなかなか渋っていまだにそれもできていないというときに、こうした二つの問題、そのほかいっぱいあります。こういう問題に国鉄はどういうふうにして取り組んでいくのか。私はそうしたものをもっと慎重に考えた上でこれは再検討すべきだ、白紙撤回すべきだと思うのですが、どうでしょうか。

橋本昌史運輸省鉄道監督局国有鉄道部業務課長

○橋本説明員 お答え申し上げます。  国鉄の運賃と中小私鉄の運賃あるいは地方のバスの運賃との間には格差があることは、先生おっしゃるとおりでございます。しかし御承知のとおり、国鉄の財政の危機的状況は深刻な状況にございまして、いっときも放置できないわけでございます。それで今国会にいわゆる再建法案を提出いたしておるわけでございますが、中でも、先生御指摘の地方ローカル線につきましては、百円の収入を上げるのに四百円以上の経費をかけているわけでございまして、これについての対策は早急に講じなければならないと考えているわけでございます。その対策といたしましては、国鉄の徹底した合理化、あるいは、輸送量が少なくて地元の方方と御相談しながら、バス等に転換いたしましても地元の方々の足の確保には支障がないものについてはバス等への転換、こういうものを中心に再建を図っていきたいと考えているわけでございまして、どのような線につきましてバス転換等を図るかということにつきましては、今後各省ともよく御相談をしながら詰めていきたいというふうに考えているわけでございます。  次に、運賃の問題でございますが、御承知のように特に通学定期につきましては、バスと比較いたしますと、国鉄よりバスの方が五倍程度高いという例がございます。万が一営業線を廃止した場合等におきましても、一挙にバスに通学定期を利用されている生徒さん方が移られると大変な負担になりますので、この点に関しましては、その学校に在学する期間はいままで国鉄を利用しているのと同額の運賃で利用できるような対策を講じたいということで、予算上もその点については財政当局にお認めいただいて、転換交付金等で措置することといたしております。

武田一夫公明党・国民会議

○武田分科員 ダイヤの編成を考えたり、あるいは路線のちょっとした延長さえ考えれば、さらに飛躍的に利用者がふえるというような地域までこの対象の中に入っているようですが、そういう点はもう一度見直しをして——そうしたやむを得ない事情というのは私もわかります。ですから、その点の見直しをよくして、地元との話し合い、理解といま言いましたが、私はその点本当に地元の協力、理解というものを必要とするならば、もう一度徹底して見直して、そう早急に行うべきでないと思うのですよ。たとえば気仙沼というところは、観光地でもあり、またいまのように学校の通学に非常に利用している。かつてよりももう三倍も五倍もふえているし、しかもいま車両の増両もお願いしている。また丸森線という地域にしましても、福島までちょっと何キロか通ずれば東北本線と接続連係しまして、遠くの山からあるいは過疎地から安心して東京や仙台に来れるというような、そういう非常に恵まれた、これから大いに利用増進できるような地域までも対象の中に入れるということは納得できないし、しかもそういうところほどいま申し上げましたように、子供さん方が利用するチャンスの非常に多いところなんですよ。その点でもっと慎重な検討の上でこういうものを出すべきであって、十把一まとめ赤字線だからというような考えはとんでもないと私は思うのですが、どうでしょうか。

橋本昌史運輸省鉄道監督局国有鉄道部業務課長

○橋本説明員 先生御指摘のように、個別の路線をどうするかということにつきましては、いまの段階ではまだ決めておりませんし、そういう基準は政令で今後詰めていくことになっておるわけでございまして、将来その地域で確実に国鉄の利用量がふえるというところについては、何らかの配慮をするということについての議論も今後あろうかと思いますので、御指摘の点よく各省とも相談しながら詰めてまいりたいと考えております。

武田一夫公明党・国民会議

○武田分科員 時間が来たのですが、文部大臣、教育的な観点からしまして、そういうことはやはり運輸省にちゃんと物を言ってください。恐らくデータも調べてあると思うのですよ。どの程度子供さんが利用して、その中で私学はどのくらい利用してどのくらいの負担なのか。まあ私学の教育負担というのは限度ですね。いまの話によると、その在学中だけはバスの運賃を上げないとかと言っていますが、その次の段階に来たらこれはえらいことだと思います。文部省としては、その地域に私学を建てさせるかどうかということまで考えなければ、家計の中の五割くらいまで授業料とか交通費とかその他で取られちゃいますよ、所得の余り高くない地域、地方ですからね。文部大臣としてこの点もひとつお願いしたいと思うのですが、どうですか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 国鉄は国鉄としての問題を持っておられるわけで、私たちもその事情がわからぬわけでは決してございませんが、できるだけそれが教育の上におきまして悪影響が少ないような形で処理していかなければならぬということで、それぞれの問題につきまして国鉄あるいは運輸省当局ともよく相談をしてまいりたいと思います。

武田一夫公明党・国民会議

○武田分科員 では、これで終わります。

川崎寛治日本社会党

○川崎主査代理 武田一夫君の質疑は終わりました。  次に、石野久男君。

石野久男日本社会党

○石野分科員 私は、過疎化の進んでいる地域での初等中等教育問題について、それからいま一つは放送大学法の問題をちょっと聞きたいと思います。  まず最初に、過疎化の進んでいる地域での学校統合の考え方でございますが、その基本的な考え方をどういうところに置いているかということをひとつ……。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 学校統合につきましては、戦後のわが国の小中学校の置かれた状況を反映して一つの歴史的経過をたどっているわけですけれども、昭和三十年代の初めには市町村行政事務の合理化ということで町村合併を促進しておった時代がございまして、そのときには文部省でも中教審の答申を受けて学校統合を促進するという方向で指導したわけでございます。ところが、その後ずっと実態を見ますと、やはり実情としてあらゆる場合に統合して規模を大きくすればいいというものでもない。一応、学校教育上の学校の適正規模のあり方ということからしますと、いまの学校教育法の施行規則では十二学級から十八学級ぐらいが学校経営としては一番妥当だという法令上の基準といいますか目安はあるわけでございます。  そこで学校統合の場合、一体この基準をどういふうに考えるかという点について考えると、しかし僻地の学校はそういうことを言っても標準学級というものを余り重視しますと無理な統合が起こるという実態が出てきましたので、そこで昭和四十八年に指導通達を出しましたときには、余り学級規模というものを重視して無理な統合をした結果、地域住民の同意を得られなかったりあるいは子供の通学距離が非常に遠くなったりという事態が起こらないようにしなさいという指導でまいったわけでございまして、要するに現在はそういうことを踏まえまして、統合するに際しましてもそれぞれの学校の置かれている実情というものを考えて、それに最も妥当な方法と考えられる程度のひとつ統合をやってほしい、こういうような指導をしているわけでございます。

石野久男日本社会党

○石野分科員 昔の町村合併からくる統合の問題と、今日の統合の問題は、過疎化ということが内容となって単位教育がなかなかできないということで統合が行われる場合があった。これは無理はないとは思うのですけれども、この場合にまたいろいろな矛盾が出てくるわけです。  そこでお聞きしたいのは、こういう過疎化が進んでいるところにおける統合というのは、町村合併とは全然意味が違っている。いるんだけれども、どうも単位教育ができないからやるんだということで無理をしますと今度は負担が児童にかかってきたり、家庭に従来とは違った形で出てくる。そこで、統合されるべき地域の児童の状況とかいうものの、どうしてもこれは統合せなければならぬけれども、これ以上は統合できないという限界があるだろうと思うのですよ。そこのところがはっきりしないと、いつもこれはかえって統合問題を通じて、部落の父兄の間で大げんかになっちゃうんですね。  そこで文部省に、その統合についての最低限、限界といいますか、もうこれ以上は統合できないというところはどういう条件のときにそういうことが出てくるのだろうかということで、文部省は一定の方針を持っておりますかどうですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 これは大変むずかしい御質問でございまして、同じ統合をするにしましても、その通学距離だけはかっても、同じ距離であっても通学が非常に困難かどうかという問題もありますし、あるいは季節的に見まして豪雪地帯などではなかなかむずかしいという問題もありますから千編一律にはいかないと思うのですが、ただわれわれの目安としては中学生であれば六キロ、小学生であれば四キロというのがまあ限度じゃないか。ですから、その六キロ、四キロという場合には遠距離通学の通学費の補助をするということを一つの目安にしておるわけでございます。  それから逆に三学級、四学級の小中学校でも、これはどうしても必要だという場合がありますから、今度の十二年間の定数改善でも、そういう小規模の小中学校についても、児童の教育条件を悪くしないために先生の増配を考える。  こういうようなことで、結論としましては、ですから実態に応じてかなり小規模の学校であっても統合が無理な場合は存置させるということで来ておるわけであります。

石野久男日本社会党

○石野分科員 その場合、最低限三学級ないし四学級くらいのめどで一つの教育単位といいますかそういうものを設定したいというようなことにもまだ及ばないような場合があるわけですよ。たとえば部落が、大分前になりますけれども、福島でしたが、三、四十戸の部落が全部疎開しちゃっていなくなっちゃう、一軒か二軒しか残らない、そこに児童がいる、こういうときはどうするのだという問題が一つ出てくるのですよ。こういう極端に対策の施しようもないような場合、救済策はどういうふうにするのかという、こういう問題が一つあります。  それから、そこへいくまでの過程で、やはり五十尺六十戸の部落がだんだん漸減していく過程で統合問題が起きましたときに、残った人の間に統合賛成、反対が出てくるのです。それで、それが全然壊滅すれば別ですけれども、依然としてそこで生業を営んでいくという場合になりますと、この問題を捨てるわけにいかない。このことが地域においては自治体における非常に大きな問題になっちゃうのです。われわれの立場からしましても、こういう問題は非常に判断に苦しむわけです。  一つには、子供の教育の問題を考えてやらなければいけない、しかし一つには家庭の生活のことを考えたり、それから家族との関係などを考えますと、この対策は非常にむずかしいわけです。各党ともその問題を十分考えて対策を法案としても考えつつあるわけですけれども、文部当局がこういう問題について、たとえば部落にもう二人か三人しか残らないような場合に、そこにまだ学校を置いておくというのはできるのかどうか。これは予算的にはなかなかできない。これを吸収する場合にはどうするのだということまで考えているだろうかどうかということですね。そこをひとつお聞きしたい。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 全国的な実態を調べますと、小学校で一学級の小学校というのは二百五十三校あるのですね。それから中学校でも一学級の中学校というのは三百十二校あるわけです。その一学級の小学校というのは恐らく低学年だけだと思うのです。それで上学年になって少し遠距離通学ができるようになったらそっちへ行きなさいということで、どうしてもしようがないという場合には、いま申しましたように、これは分校ですけれども、一学級でも設置を認めるということをしております。それから東北とか山陰なんかへ行きますと、小中学校でもやはり通年制あるいは豪雪期の一時期の寄宿舎をつくるというようなことをやっておりまして、教育的にはできるだけ無理をかけないで子供に教育をさせるということが必要ですけれども、一方、設置者である町村につきましても、子供の大事な教育のことですから、できるだけ村民の同意を得てある程度の規模の学校が設置できるようにお互いに協力してもらうという精神はやはり必要だと思いますし、われわれもそういうことで御指導をしてまいりたい、こういうふうに思うわけです。

石野久男日本社会党

○石野分科員 そこでまた二つ問題があるのですが、非常に少数で一学級のものを維持していこうという場合の経費は、一学級だから簡単に一学級分の経費だけで運営ということはできないだろうと思うのですよ、やはり全体の配置を考えなければいけませんから。そうすると、経費負担等について、国と県なり部落の比率の関係とかなんかで、そういう場合には特別に国が地方自治体に対して配慮をし、あるいは経費負担の問題を背負ってやるかという問題が一つ。それからいま一つは、寄宿制度、これは非常に結構なことなんですけれども、寄宿をさせる場合に一年生から寄宿へ持っていくのか、いま基準としては何年生からというふうになっているのか。私、文教は余り勉強していませんのでわからないのですが、そういう寄宿についても、学年をどの程度から寄宿に持っていくのか、そこらのところをちょっと教えてくれませんか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 前段の御質問、確かに分校それぞれ独立しますと一校の経費というのは割り高になるわけですが、これは自治省の仕事になるわけですけれども、交付税の積算をどうするかという問題でございまして、われわれとしては一般論としてできるだけ積算を余裕を持ってやっていただきたいということをお願いしているという現状でございます。  それから寄宿の問題につきましては、現在の学校教育法の法令上は小中学校に寄宿というのはないのですね。ただ、実態としてそういうものがありますということですから、それはどのくらいの年齢の子供を対象にするかというようなことはそれぞれ設置者の判断に任せるということでやっておるわけでございます。

石野久男日本社会党

○石野分科員 その場合、自治体の方でそういう寄宿制度等を考えるということだけで任せておいていいものだろうか。文部当局、国がその問題について一定の配慮をしてやらなければならぬような状態になってきてやしないだろうか。これは、先ほども申しましたように、町村合併のときと違う過疎化の状態が進んできておりまして、当時は考えられなかったような状態が地域に出てきている。われわれはそういう状態をつくらないために過疎化を何としても防ごうという対策を立てなければいけませんけれども、現状は過疎化が進んでおるわけですから、そうすると、児童の教育という問題について地方自治体だけにそういう問題を任せておいていいのかどうかという課題が出てくるわけですね。国はその点について、従来どおり、たとえば寄宿の問題等については地方自治体に任すのだと考えているのかどうだろうか。国は何か考えなければならぬのじゃないだろうかと思うが、いかがですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 全国的に言いますと、寄宿舎を設けているというのは数はそう多くないのですけれども、おっしゃるように、この問題について、もう少し制度化してくれとか、いろいろ要望があることは事実なんです。私どもは、率直に言って、いま直ちにこれを制度化して、たとえば舎監なら舎監を配置するということは考えていないので、現在比較的有利になっております小規模学校に対する教員配置の中でひとつ考えてほしいということでやっておるわけですが、さらに過疎化が進んでどうしようもない、そういう学校をどうするかというのは、おっしゃるように、確かに今後の研究課題だろうと思っておりますので、ひとつ研究をさせていただきたいと思います。

石野久男日本社会党

○石野分科員 これはぜひ考えていただきたいと思うのですよ。小規模学校というのは考えられる線でございますけれども、いまや小規模学校にも手が伸びないほど過疎化が進んでいるという実情では、これを地方自治体の責任として放置するということは、やはり国としてはできない事情になってきていると思いますので、この点は大臣もお考えくださるように私はお願いしておきたいと思います。大臣、いいですね。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 新しい状況で——新しいという表現は大変不適切かもしれませんが、過疎化の問題についての教育の問題は、従来の一種の合理主義だけでは議論ができない問題を含んでいることは痛切によくわかります。御指摘になりました諸点は十分に検討させていただきたいと考えておるわけでございます。

石野久男日本社会党

○石野分科員 ひとつよろしくお願いしたいと思います。  それから、実は私は、きょうここで、質問をするのに、学校統合の問題で部落にごたごたがありましたものですから、それを聞こうと思ったのだけれども、それはどうにかまとめたのですよ。まとまったのですが、学校統合などではどこでも一部落の中で賛成、反対が出る。この賛成、反対のために地方自治体に思わない不協和音が出てしまいまして、その影響が非常にしこりとして残ってしまうというのは、どの地域でもあることなんです。  この際、文部当局に聞いておきたいのですけれども、学校統合の指導の問題ですね。特に部落で対立を起こさないために、文部当局は、従来いろいろ経験してきているでございましょうから、どういう対策を考えておられるか。従来各地における学校統合において起きた部落内の対立から得ている教訓として、文部当局は、統合する場合に、部落の方々にどういう指導をしようとしておられるのか、この点を聞かせてもらいたい。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 これはなかなかむずかしい問題でございまして、私なども国会議員の先生から、こういう問題があるのだけれども、おまえ何とかしろと言われても、お話を聞いたときはもう対立してしまってどうにもならないのですね。そこで、これはどういうふうにやるか。私などは、やはり部落内の問題ですから、第一次的には部落で相談すべきことですけれども、少なくとも従来部落統合でいろいろなトラブルがあったという豊富な経験は全国的に見ればあるわけですから、統合についてはまず一次的に県によく相談をしてやらせるように、手始めをするようにという指導はしているわけです。それで、県はそれに対して、簡単なように思えるけれども、そうじゃないぞというような指導を十分してもらって、さらに必要があれば文部省はアドバイスをするという関係で、まず学校統合をしようという場合には、主として市町村の理事者が、施設の問題等から始まるわけですから、その話が出た段階で県等に十分相談をして、見通しはどうだということを持ってやるように指導してもらいたい、こういうふうに対応しているわけでございます。

石野久男日本社会党

○石野分科員 局長、いまお話しになりましたけれども、実際は地域の中から統合の問題が起きてくるのじゃなくて、むしろ従来から見ると上から統合の指導が行われてくるように見受けられる面が多いわけですよ。その場合に皆さんのところへ問題が出てきたときにはもう手のつけられない状態になっているし、また、そうでなければ上がってこないというような実情。しかし、私は各地のいろいろな実情を見ておりまして、文部当局が事前にやったら非常に問題が大きくならないで済むなと思うようなことがたびたびあるのです。  それは、統合については二つの側面があると思うのです。児童の教育の問題が一つ、一つは統合にかかわる地域住民の生活の問題、これがうまく合わないと統合問題がぴたっといかないわけです。だから生活問題については文部当局はなかなかこれはわからないと思いますけれども、児童教育の問題について、統合すればいいんだという話がずっと流れてしまうわけです。それは一人で教育されるより何人かの大ぜいの中でしかも設備のあるところで教育するのが非常にいいことはわかっているのですけれども、その場合に地域、環境の問題やあるいは過疎化という新しい事情で距離的に非常に引き離されているというようなときの教育のあり方の問題が、どうしても配慮の中に入ってこないのですよ。ここのところをもう少し文部当局にやはり案を練ってもらわなければいけないと思うのです。そうしませんと、地方自治体というのは機械的に考えるだけです。この問題の内容的なものをどのように地域住民に説得し理解させるかという問題は、これは文部当局の教育の指針の問題というか指導の問題になってくるのじゃないか、こう思うのです。ですから統合の行われる前に、統合をリードするという理念、そういうようなものについてやはりコンセンサスがその仲立つ人と文部当局との間に、これは地域の教育委員会かどうか知りませんけれども、そういうものとの間にないと問題はこじれる一方だということを私は経験的に思っているのです。生活の側面はこれは文部当局に言ってもちょっと無理でございますから、これは地方自治体が通産省とかその他農林省とかと考えたらいいと思いますけれども、やはり児童教育の問題で統合すればいいんだという考え方はいつでもストレートで地域へ入ってくるでしょう。そうするとそれが金科玉条になってしまって押さえていって、それに反対する者は子供の教育に無関心だということで疎外されてしまうのです。そこから対立が出てくるのですよ。  だから、ここらのところへの配慮をもうちょっとユニークにやっていただかないといけないのじゃないか、こう思いますが、そこらのところをもうちょっと何か検討ができないものだろうか。事件がもうどうにもならぬような壁にぶつかったときに文部当局が来てしまったのではどうにもならないと思う。そこらのところをもうちょっとやはり皆さんの方で考える用意はないか、また検討する用意はないかということをひとつ聞いておきたいと思う。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 統合すればいいんだという考えは適当でありませんよということは、冒頭にお話ししたその通達等でやっているわけですが、もう一つ迂遠なようですけれどもやはり僻地のそういう小規模学校、分校の教育活動のあり方、これがそれはそれなりにその効果を上げる方法があるんだということを知らせることは必要だと思うのです。現在、全国へき地教育研究連盟というのがありまして、僻地教育の研究大会というのを年に一回やっているのです。私なんかもそれはずいぶん遠いところまで行って見せてもらったことがありますけれども、やはり二学級あるいは一学級の学校でも先生がいろいろ教材を工夫したりなんかしてやっているわけですね。だからああいうことを資料にしたりあるいは実際に見たりということを町村の教育委員会の方もできるだけそういう機会を持って、統合だけが唯一の方法じゃないぞということを教育面からも指導をするということは、私どもも一層努力したいと思います。

石野久男日本社会党

○石野分科員 僻地教育のいい点は十分あるのだということはわかっていても、今度はそれをやるのに経費的な問題で地方自治体がついていけない。だからむしろ統合の方へ持っていって、局所的に予算配分なり経費分担を非常に過重なものにならないようにという作用が働くわけなんです。だから先ほど言いましたように、僻地の教育について国がどの程度予算的にめんどうを見るかという問題は、一方でどうしても考えなければならない内容になってくるだろうと思いますので、いま僻地教育のよさというものを地域、自治体がよく理解するようにということの裏には、やはり予算的な面で幾らかでも軽くしてやるというような国の配慮がなければならぬと思われる。そういう点は先ほど大臣からもなにがありましたが、ひとつ十分よろしくお願いしたいと思います。  それから、もう時間がありませんのでひとつ最後に、今国会で放送大学法の問題が出るようにも聞いておるのです。そこで簡単にお聞きしますけれども、この放送大学をつくる意図はどういうところにあるかということをちょっと……。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 放送大学は、御案内のように放送を効果的に活用して大学教育を実施しようとするものでございます。これがねらいとしているのは、一つは、生涯教育の機関として社会人なり家庭婦人に大学教育の機会を広く提供するということ。それからもう一つは、今後の高等学校の卒業生に対しても新しい形での大学進学の機会をこれによって保障しようということ。それからもう一つは、既存の大学との連携協力をこの大学を通じて深めていって、単位の互換の推進であるとかあるいは教員交流の促進であるとか放送教材の活用の普及、そういったことによって、わが国の大学教育全体の改善に資してまいりたいということでございます。

石野久男日本社会党

○石野分科員 意図するところは非常に結構でございますからそれが実現されることを望みますが、その場合に教育を放送でやるということになると、現在放送法というのがあるのです。この放送法の持っている、法律ができたところの趣意とそれから放送大学における放送の問題との兼ね合いが非常にむずかしいということで、これは提案されて以来大変問題になっているわけでございますが、いま放送大学をなにされる場合の放送法というものとの関連を、特に放送法の趣旨といいますか放送法のなには、原則で「放送を公共の福祉に適合するように規律し、その健全な発達を図ることを目的とする。」というわけで、この中に三つの柱が立っておって、その一つは、「放送が国民に最大限に普及されて、その効用をもたらすことを保障すること。」それから二番目には「放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって、放送による表現の自由を確保すること。」第三番目には「放送に携わる者の職責を明らかにすることによって、放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること。」というこの放送法の趣旨ですね。それから放送大学における放送との関係は非常にむずかしいと思うのですけれども、文部省はそれをどういうふうに見ておりますか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 前国会におきましても放送大学学園、つまり放送大学の設置主体であり、かつ放送大学のための放送を行う放送局の設置主体となるこの学園の放送法上の位置づけの問題が非常に御議論のあったところでございます。現在提案をいたしております法案におきましては、前通常会に提出いたしましたものと同じように学園法の附則において放送法の一部改正を行って、放送大学学園のために一章を設けて、そして必要な放送番組の政治的公平の確保であるとかあるいは広告放送の禁止であるとか、そういった所要の規定の整備を行っているわけでございます。  前国会において最も御議論のありましたのは、先生いま御指摘の点にかかわるわけでございますが、いわゆる放送法の四十四条三項の規定が適用される場合に放送大学の教育が大学の教育、つまり学問の自由なりあるいは教育の自由というものとの関係でどのようなことになるのかという点でございます。これについてはもちろん放送大学のための放送でございましても放送法の規定の適用を受けるわけでございますから、四十四条三項の規定を全面的に適用されるわけでございますけれども、その規定の適用のもとにおいても大学としての教育というのは行うことが可能であるということをお答えを申し上げてきたわけでございます。

石野久男日本社会党

○石野分科員 もう私は時間がありませんので、ただ一言だけお聞きしておきます。  放送法の精神は放送大学法ができました場合でも守らなければならぬという文部省の考え方がありますと、放送大学学園法というのと放送法とをどういうふうにブリッジするかという問題が非常に大事になってきます。ですから私どもは、これはむしろ放送法の改正を別途やりまして、それをブリッジさせるようにするのが一番いいのじゃないかというようなことから、この前の論議が前国会で行われた。ですから、附則扱いということじゃなしに、別途の扱い方をするというような文部当局の考え方を私は望ましいもののように思うのでございます。そうすればこのことが十分できる。  それからもう一つは、放送法をやろうとすれば放送衛星が出てこなければ、これは無理なんです。現在の放送施設では、結局関東地域だけしか入らないので、主として目的とする田舎の方へはほとんど行きません、離島にも行きません。そういうようなことも考えられますので、放送法と放送大学学園法というものの関係づけについては、なるべく両立でやられるようになさった方がいいのじゃないかと思うのです。そういう点は文部当局はどういうふうに考えているか、もう時間がありませんので一言だけお聞きしたい。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 今回法案を国会に提出するに当たりまして、御指摘の点が前国会においても非常に御議論のあったところでございますので、放送法を所管しておられます郵政当局と事前に十分御相談をいたしまして、放送大学学園が行う放送の位置づけなどの規律に関する放送法の改正の問題については、放送大学学園の目的、業務と密接不可分の関係にございますので、従来どおり放送大学学園法の附則によって放送法上の必要な改正を行うことが最も適切であるという判断に立って、前国会と同じようなお願いをしているわけでございます。

石野久男日本社会党

○石野分科員 いろいろ問題がありますけれども、時間がありませんのでこれで終わります。

川崎寛治日本社会党

○川崎主査代理 石野久男君の質疑は終わりました。  次に、中林佳子君。

中林佳子日本共産党・革新共同

○中林分科員 私は、僻地教育の問題で質問させていただきます。  大臣にお伺いするのですが、現在の僻地教育の実態をどのようにお考えなのか、その御所見をお伺いします。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 実態の関係で少し数字的な問題もございますので、事務当局の方からお答えさせていただきます。

中林佳子日本共産党・革新共同

○中林分科員 数字的なものは結構ですので、一般的な大臣の、現在の僻地教育についてどのようにお考えなのか、その点をまずお伺いしたいのです。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 中林委員も先ほどお聞きをいただいておったと思いますが、過疎地域におきます教育の問題につきましては、先ほど来いろいろと論議があったわけでございます。教育の能率とか効率の上から言いまして、一種の統合の考え方が出てくる、あるいは財政上の問題から出てくる、これはよくわかりますが、しかし同時に、そのところで生活しておるという事実が過疎地域にはあるわけでございます。そういうところの児童に対する対策は、非常に困難ではありますが大切なことでありますので、文部当局としてはそれらの問題に対しての対策も十分考えていきたい、こういう趣旨でやってまいっておるわけでございます。

中林佳子日本共産党・革新共同

○中林分科員 それでは、僻地教育の文部省としての施策、とりわけ五十五年度はどのように改善をなさっていくのか、その点についてお伺いします。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 僻地教育に対する振興助成のための予算というのは、各局にまたがっていますから、一応私から概括的に申し上げます。  たとえば先生の問題。これは僻地の小規模学校に対して、中学校であれば免許外教科担任教員の解消、あるいは小学校の専科教員の増員というような教員の増員計画というものを、五十五年度から十二年計画の中に織り込んでおります。あるいは僻地の教員につきましては僻地特昇というのをやって、僻地に三年以上行っている場合には特別昇給を見る制度を進めるとか、あるいは、これは学校だけではありませんが、僻地勤務者に対して僻地手当を出すという問題、こういう教員に対する対策。  そのほか、施設の問題としては、各種の施設に対する助成、スクールバス、スクールボート等の購入費補助、あるいは遠距離から通学する子供に対する遠距離通学費の助成、あるいは僻地の寄宿舎に居住する子供について寄宿舎居住費の助成、僻地の学校に勤務する教職員のための住宅建築費の補助。  それから保健衛生関係では、僻地のお医者さんとか歯医者さんとか、巡回診療するための助成。それから僻地に対する学校給食の奨励という意味で、高度僻地学校に対するパン、ミルクの給食費の補助、あるいは修学旅行費の補助というようなことをやっております。  さらに、僻地の教育の内容を充実するという意味で、僻地教育指導者のための講座の開催、あるいは各種の指導資料の刊行といったようなことを、大ざっぱに申しますとやっているわけでありますし、あるいはこれからさらに充実していこうということでございます。

中林佳子日本共産党・革新共同

○中林分科員 五十五年度から十二年間で教員もふやしていくのだというお話だったのですが、特に五十五年度に限って、教員定数の関係はどのようになるわけですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 十二年間に定数改善について三万八千名の増員を予定しておりますが、そのうちで五十五年度分として二千二百五十ということになっておりまして、その内訳としては、一般の教員の定数改善の増が八百、養護、事務がそれぞれ四百五十、栄養職員が四百、養護訓練教員の改善が百五十、こういうことになっております。

中林佳子日本共産党・革新共同

○中林分科員 いまの数字は僻地学校に限るわけですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 これはもちろん全部が僻地ではありませんで、この中に僻地も含まれております。

中林佳子日本共産党・革新共同

○中林分科員 ですから私は、僻地指定をしている学校でどの程度教員の加配が行われていくか、たとえば中学校、三個学級以下には、十二年間にもう一名教員を増員をして、九教科に満たるようにしていきたいという文部省のお考えは伺っているわけでありますが、五十五年度の施策としては、これは全くないのではないかと思うわけです。ですから、十二年間の中でふやしていく、このように構えていらっしゃるわけですが、僻地においては、ではすぐにでもふえるかというような印象が与えられているわけですけれども、実際には五十五年度にはそんなにふえないと思うわけですが、具体的にわかればお願いします。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 決してそういうことではないので、一般教員の配当もまた県がやるわけですから、具体的に幾らということはいま申し上げられませんが、たとえばそのほかの養護職教員とか事務職員、これはこれまでの配置では全学校数の四分の三の学校に配置をするということでやってきたわけですが、そのやり方は大体規模の大きい学校からずっときているわけですね。それで、今後十二年間にほとんど全部の学校に養護事務職員を完全配置しようとするわけですから、そうするとその対象は主として小規模学校、すなわち僻地の学校、こういうことになるわけでして、そういうものが入っております。

中林佳子日本共産党・革新共同

○中林分科員 どうしても私は十二年間ということでごまかされている感じがするわけです。大規模校の方はもう大体終わっているのだから小規模校の方に行くんだ、重点が移るんだ、このようにおっしゃるわけですが、私、実際に島根県でも調べてみましたけれども、五十五年度ふえるというようなことはほぼ考えられないのじゃないかというふうに言われております。  この点だけを論議するわけにもいきませんので次の質問に移らせていただくわけですが、僻地の教育というのは過密の問題とあわせて非常に大切な問題であるし、その問題は早期に解決しなければならない、このように思うわけなんです。  そこで、島根県の例で調べてみたわけですが、小学校で国の僻地指定を受けているのが五十四年度で全体の三四・六%、中学校では二六・六%、平均すると三二・四%、つまり三分の一以上が僻地指定を受けるという大変なところなわけです。その中で特に先生方が一番困っていらっしゃるのが複式学級での教育の困難性の問題なんです。  私、具体的にお尋ねするわけですが、一年生で二人、二年生で二人、三年生はゼロ、四年生一人、五年生一人、六年生四人、計十人、こういう場合の学級編制は一体どのようになるわけですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 複式学級は、発足の当初は六学年一学級ということもあり得たわけですけれども、昭和四十九年度からの五カ年計画で三個学年以上の複式学級は解消ということになっておりますから、いまおっしゃる場合ですと、三年生がおりませんけれども、三個学級の編制になろうかと思います。

中林佳子日本共産党・革新共同

○中林分科員 確かに三個学級の編制になるわけです。これは島根県の美濃郡匹見町石谷小学校の例なわけですけれども、この場合、順当な複式ならば一、二年、三、四年、五、六年、これが普通の複式の形態ですね。それが、これは三年生がおりませんし、学級編制でいくと一、二年、四、五年、六年、こういうぐあいになって、つまり変則複式が生まれてくるわけですね。ですからこういう小規模校、特に複式学級を持っているところでは変則複式が非常に多くなる。そういうのを放置している状況です。  それから特に一番困っているのが一年生の複式、この場合も一、二年の複式になっていくわけですが、一年間学校の経験をしている二年生と全く学校教育の経験のない一年生が含まれるということは非常に困難である。これはもう先生方の切実な声なんです。ですから、文部省としてこうした変則複式をそのまま残していくのか、あるいは一年生を含めた複式学級をそのまま続けてもよい、このようにお考えなのかどうか、その点についてお伺いします。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 御指摘のように一年生が入る場合の複式というのは教育上むずかしさがあるということでございますので、同じ複式でも一学級の最高学級編制の人数を、御承知のように一年生を含む場合は十二人、その他の場合は二十人としておるわけですが、今度の十二年計画でそれを十二人を十人、二十人を十八人ということにいたしたわけでございまして、現時点におきましては一年生の複式を解消するということは考えていないわけでございます。

中林佳子日本共産党・革新共同

○中林分科員 年々一年生を含める定数は減らしていらっしゃるわけですが、いまも十二年間で十二人から十人にするということで、もう来年すぐそうなるわけでは決してないわけですね。特に、先ほども数字を示しましたように、二人とか一人とか、そういう小規模の学校というのが非常に多いわけなんです。ですから、十人以下にしていただいたとしても、一年生はなかなか単式でできないという現状があります。  また、変則複式の問題についてはお答えにならなかったわけですが、これは先生方、本当に困っていらっしゃるのですね。今年度までは複式の教科書が一応あったわけですが、もう五十五年度から複式の教科書もなくす、こういう方向になっているようです。ましてや変則複式の場合は、両方の学年の教科書を子供たちも先生も持ってやるということで教材研究が非常にむずかしいし、子供たちも大変な状況にあるということをおっしゃっております。ですから私は、せめて一年生を含む複式をなくす方向あるいは変則複式をなくす方向、これは文部省としてぜひ考えていただきたいと思うわけですが、大臣、いかがでしょうか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 確かに複式の場合、教材、教科書の扱いを、三、四年で社会なら社会を同じ教科書を使ってやるとかいうようなことが一般的ですから、おっしゃるように変則複式は、四、五年一緒というのは教えづらいということはあると思います。私は文部省の専門の職員にもいろいろ聞いているのですけれども、確かにおっしゃるような点はあるけれども、そうかといって国の財政にも切りがありますから、おっしゃるように全部うまくいけばいいのですけれども、なかなかいかぬという現状では、そういう点も何とか工夫してやっていただく方法を考えなければならぬでしょう、こういうような意見をいただいているわけで、さしあたってすぐおっしゃるようなことをいま考えるというわけにはいかない現状にあるわけです。

中林佳子日本共産党・革新共同

○中林分科員 教育の問題はお金というようなことで済まされる、回答されるべき問題じゃない。教育基本法に基づいて教育の機会均等は日本じゅうのどの子にも与えられるべきだと思うわけなんです。  特に島根県の場合、隠岐島を抱えているわけです。確かに先生方もそういう変則複式だとか一年生を抱えた複式の中で努力をし、研究も重ねていきたい。こういうときに隠岐から本土の研究会に出ようとする。そうすると、一日の研究のために三日間は費やさなければならない。その間に学校の子供たちは、二個学級の子供たちがいわば自習をしなければならない、こういう体制になってくるわけなんです。それだけ僻地教育というのは非常に困難性があるということをぜひ御認識いただきたいと思いますし、先ほどお話ししましたが、変則複式やあるいは一年生を含む複式はできるだけ早く解消をしていただきたいと強く願うわけです。  次の質問に移らしていただきますが、島根県の場合は、さらに大変なのは寄宿舎が非常に多いということなんです。僻地指定を受けている中学校三十三校ありますが、その中で通年寄宿舎を持っているのが十七校、半分以上寄宿舎で子供たちは生活する。小学校でも一校寄宿舎で生活しているわけです。小学校の場合、季節の、いわば冬期だけの寄宿舎を含めると九校もあるという状態なんです。これでも、いま国の基準では、寄宿舎に百人以上になれば一人の加配をする、こういう状況なんですが、島根県の場合、これだけ寄宿舎を持っている学校が多いにもかかわらず百人以上というのはないのです。八十人以上が一校あって、四十人以上が七校、二十人以上が六校、十九人以下が三校、こういう状況になっているのです。これでは先生方の肩に、その舎監の役割りも果たすわけですから非常な比重がかかってくるということで、ぜひこの基準をできるだけ下げていただきたいというふうに思うわけですが、いかがでしょうか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 先生は、教育の問題は財政のことを考えるよりもまずそれだ、こうおっしゃるので、私はそういうわけにもいかぬという立場ですから、十二年は長いと言われればまた困るのですけれども、いま考えておりますのは、十二年間で、四十一人から八十人のところはもう一人増加、八十一人から百二十人のところは二名、百二十一名以上は三名ということで、漸進的な改善でありますけれども、これを充実していこう、こういうふうに考えております。

中林佳子日本共産党・革新共同

○中林分科員 そうしますと、具体的に五十五年度はどうなるわけですか。ふえるわけですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 さっき申しましたように、一般教員の増が八百名ですから、その中で県の判断で舎監の方へ回すかどうかということをやっていただくわけです。

中林佳子日本共産党・革新共同

○中林分科員 それはとうてい回るような形ではない。私は、その十二年間という中に、いかにもふえるんだ、ふえるんだとおっしゃる、もう漸進的な方向で改善しているんだとおっしゃるけれども、これはいまの実情から言えばきわめて不満だと言わざるを得ない状況だということを述べておきます。  僻地の学校のよさということは私も十分知っているわけです。学校の建物は非常に広いし、校庭も広いし、子供たちは十分その中で遊べる。自然も生かされるし、相互の人間関係も十分疎通ができる、そういう非常によい面を持っている一面、学校教育の上では大きな問題を抱えているわけです。  それは、保育園時代から固定した集団の中で育っているということで、もう個人の位置が固定化してしまいまして、幾らがんばってもだめなんだということで学習意欲というものがなくなっていく、あるいは創造性だとが主体性に欠けるとか、そういう面で学習効果の面では非常に先生方は悩んでいらっしゃるわけです。こういういい面と非常にマイナスな面が出ている中で、そのマイナス部分をカバーしようと努力しているのは、ほかならない現場の先生方であり、地方自治体であるわけなんです。  そこで私、過疎の指定を受けている唯一の市でありますが、大田市の実例を調べてきましたが、ここでも小規模校を大変たくさん抱えているので、自治体も挙げまして、何とか子供たちに行き届いた、活力のある教育ができるようにということで、いろいろと研究を重ねていらっしゃるわけです。隣接校との集合学習だとかあるいは隣接の小中の集合学習だとか、あるいは本校と分校の集合学習あるいは同一校の中で学年を取っ払った合同学習だとか、こういう学習形態を強めているわけなんですが、文部省としては、こういうことをやっていることは御存じなのでしょうか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 僻地の学校と一般の学校の交流とかあるいは特殊学校と一般の学校の交流とか、そういうことが相当いろいろな形で工夫されておるということは承知しております。

中林佳子日本共産党・革新共同

○中林分科員 これは少し認識が違うと思うのです。僻地校と一般校の交流、その夏休みとかというときに行ったり来たりというのじゃなくて、これは僻地校同士の年間を通じての集合学習だとか合同学習だとか、こういうことをやっているわけなんです。ぜひ私は、こういう細かい点にわたっても文部省は把握をしていただきたいと思うわけです。  大田市では、昭和五十年から大田市過疎地域教育推進協議会を中心に研究を進めているわけです。非常に膨大な資料をこれまでもつくっておりますが、その中でいかに教育効果が上がっているかというのを、子供の作文があります、ぜひ大臣にも私はお聞きをいただきたいと思うわけなんです。  これは隣接の小中の集合学習を受けた中学三年生の子供ですが、「小中集合の活動をはじめてからは今までの平凡な学校生活の中に新しいリズムを感じるようになりました。別人のように思っていた小学校が可愛いい遊び相手になりました。」というふうに、まだまだあるわけなんですけれども、書いております。  それから、これは隣接の小学校同士の集合学習で、高学年の子供ですけれども、こういう感想を述べております。「友達ができてうれしい、ぼくよりもっとよく勉強する人がいたのでぼくもがんばらなければと思った、一つの問題でもいろいろな考え方があるものだなと思った、知らない友達と勉強するので少しはずかしい、いつもは六年生といっしょで勉強するのでやかましい時があるが、きょうは五年生だけの勉強だったので静かで考えるのによかった。これからもこんな勉強がしたい。」こういうことを言っているのですね。複式の中で五、六年一緒に勉強していたが、もう集合学習の中で五年生同士でできるようになった、こういうことで喜んでおります。  さらに、活力を生み出した例として、これも小学生の子供ですけれども、体育を一緒にやって、「マット運動ができたら楽しい、その日まで腕をみがいておこう」というぐあいに、いままで一校ではとても意欲がわかなかった子供たちが非常に活力を持って、がんばろうという非常によい面が出ているわけなんです。  先生方はそういう中で非常に努力をされまして、この一つの授業を成功させていくためにもどれだけその前の打ち合わせが必要かというのは、お考えになっただけでもおわかりいただけるのではないかと思うのですね。ですから、そういう中で、現場の先生方の努力、あるいは自治体がそれに対してできるだけの援助を少ない自治体の予算の中から出しているという中で、私は、せめて文部省が国としてこういう非常に努力をしているところに、あるいは自治体に何らかの援助をしていく必要があるのではないか、このように考えるわけですが、お考えはいかがでしょうか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 おっしゃるように、それはなかなか大変なお仕事だと思います。四十人学級のときもその反対の意見の中に、相撲は大部屋の方が強くなるんだというような話がありまして、やはりいろいろな友達と一緒に勉強するということが大事だという意味で、おっしゃる着眼は非常にりっぱなことだと思います。だから、それに着目してもっと助成をしたらどうかという御趣旨だと思いますけれども、私は、教育の現場というのは、そういう場合もありますし、非常な過密の学校で、どうやってうまく教育効果を上げるか、これもまた大変な苦労をしておられる先生がおられるわけですから、そういうことを文部省としては全般的に見ながら、およそその先生の処遇とかあるいは勤務条件なりをできるだけいいようにして差し上げたいということで努力をし、その一般的な努力の上で、いまおっしゃるようなことも十分念頭に置きたい、かように考えるわけです。

中林佳子日本共産党・革新共同

○中林分科員 私は、過密の学校と競合するような考えは毛頭持っていないわけです。ですけれども、いまのお話の中でも、私はやはり過疎地における先生方の努力は大変なことだということを、まだまだ認識が浅いというふうに考えざるを得ないわけなんです。特に、子供たちの移動の費用、あるいは新しい教材を生み出していかなければならないその費用、それは非常に膨大なものが要るわけなんですね。  ですから、せめて何とか子供たちに、日本じゅう住んでいるのがどんな僻地でも十分な教育、活力があふれるようにしてやろうと——先生は、できるならばこういうことはもうやめたい、非常に労働過重になるから本当は投げ出したいけれども、教育効果が本当に上がっていく、子供たちのそういう作文だとか子供たちの元気な姿に接して、何とか自分にむちうってやっているんだ、正直な話そうおっしゃっているのです。そこに、こういう集合学習をしたり合同学習をしているところに先生の加配が来れば、本当に自分たちはやる意欲を持ち、子供たちに反映されるんだ、こういうことをおっしゃっているわけなんですね。ですから、せめてそういうことをやっている自治体あるいは学校に、何らかの輸送費の援助だとか、そういうことでの対処を前向きに検討していただきたいわけですが、大臣、いかがですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 具体的には、予算の問題になるのだと思いますが、いまおっしゃるような趣旨も踏まえながら、一般論で恐縮ですけれども、さらに僻地の条件改善のために予算的にも充実するように検討したい、こういうことで考えております。

中林佳子日本共産党・革新共同

○中林分科員 時間が来ましたので、最後になりますが、こういう僻地、特に島根県の場合三分の一以上抱えておりますし、高度僻地もあるわけですね。こういうところで先生方や自治体やあるいは子供たちあるいは父兄がどんなにがんばって教育充実のためにやっているのか、一度大臣ぜひ調査に出向かれる必要があるのではないか。私、いらっしゃればぜひ御案内したいと思いますし、ぜひお願いしたいわけです。  それから統合の話も最初出たわけですが、日本の過疎をいまの程度に食いとめている役割りは学校が果たしていると思うのです。学校というのは非常に広大な過疎が進む中の土地を守り、自然を守る、日本の国土の保全に非常に大きな役割りを果たしている。その中心的な任務を現場の先生や自治体やあるいは父兄が果たしているという中で、ぜひ大臣が僻地教育にもっともっと力を入れていただいて、学校教育法に基づく本当の機会均等の役割りが果たされる、そういう方向を進めていただきたいと思うわけですが、大臣が今後この僻地教育にどのような姿勢で臨まれるのか、再度強い御決意をぜひ伺いたいと思うわけです。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 島根県という特殊なところでこういう過疎の問題を非常に体験をしておられるわけでございますが、私も、田舎の山奥が私の郷里でございますので、よくわかって、先ほどから傾聴いたしておったわけでございます。またある面では非常な過密地域ともどもに、教育に従事しておられる方々あるいは地方の自治体が苦労をしておられる状況は私にも及ばずながらわかっておるつもりでございますので、今後ともにこれらの地域が教育の上で少しでも進んでいくように努力をさしていただきたい、かように考えております。

中林佳子日本共産党・革新共同

○中林分科員 では終わります。

川崎寛治日本社会党

○川崎主査代理 中林佳子君の質疑は終わりました。  次に、馬場昇君。

馬場昇日本社会党

○馬場分科員 大臣、韓国当局が、日本の高校生の修学旅行コースの下見だ、視察だといって日本の高等学校の先生を中心に無料招待旅行を数年行っております。その旅行に学校の先生方が応じまして、その翌年とかあるいは翌々年とかに生徒を修学旅行に引率して行く、こういうことがずっと行われておるのです。きょうはこのことにしぼって御質問を申し上げてみたいと思います。  まず、事務当局でも結構でございますが、大韓民国国際観光公社というものがございますが、これはどういう機関なのか、御説明を願いたいと思います。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 私どもの承知しておりますところでは、韓国における国営企業体ということで、大韓民国国際観光公社法という法律によって設立され、国の全額出資であるというふうに承知しておるわけであります。したがって、この機関は日本で言えば運輸省に当たる韓国の交通部の監督に服しておるということで、日本にも東京、大阪、名古屋、福岡に事務所を置いておるというふうに聞いております。

馬場昇日本社会党

○馬場分科員 まさに私もそのとおり承知しておるのですが、もう一つ、社団法人韓国修学旅行協会というのがございますが、これはどういう機関ですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 これはいまのような仕事を円滑に進めるという目的で民間につくられた任意団体であるというふうに承知しておるわけでありますが、その活動の実態はどうかということにつきましては、私どもが承知しておるところでは、昭和五十四年からは、いまの先生御指摘のような事業には余り関与してないというふうに承知しております。

馬場昇日本社会党

○馬場分科員 いま申し上げました大韓民国国際観光公社、そしていま申し上げました社団法人韓国修学旅行協会、この社長と会長名でこのような招請状が各私立高校に行っております。そうして目的は、この招請状に書いてあるのですけれども、「韓国では日本の青少年修学旅行団を迎えるための態勢を一応整えました。つきましては先ず日本の私学教職の方々に韓国修学旅行コースのご視察を兼ね別紙の通り招請いたします。」こういう招請状が行っておるわけでございます。こういう招請状でどういう対象の人が招待され、その招待期間等はどうなっておって、その費用はどうなっておるのか、こういうことについて文部省は御承知であるかどうかをまずお尋ねしたいと思います。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 この招請状によりまして主として招待の対象になっておりますのは、高等学校の校長、教員あるいはPTAの関係者というふうに聞いておりますが、高等学校のうちでも私立の高等学校が相当の部分を占めておるというふうに承知をいたしております。  いままでどのくらい招待されたかということですが、約千三百名ぐらいということでありますから、一つの学校について言いますと三名程度ということのようであります。  そこで、招待された場合の経費の負担ですけれども、聞くところによると、下関まで自費で行って、それから先の向こうにおける交通費、滞在費あるいは現地における教育関係者との懇談会の費用というようなものは大体向こう持ちということでやってきておられるように承知しております。

馬場昇日本社会党

○馬場分科員 この招請状によりますと、大体一校当たり三名の招請を受けておるようでございますし、期間は大体六泊七日、それで費用についてはこうこれに書いてございます。「関釜フェリー及航空料金、韓国内滞在費一切を弊社が負担いたします。」こういうぐあいになっておるわけでございます。  実は私立高等学校にこの招請状が出ておるのですが、公立高等学校も別な形で招請を受けております。これは日本教育新聞社というところを通じて公立学校の教職員を招請しておる。この大韓民国観光公社の東京出張所が、日本教育新聞社を通じて、各県の公立の高等学校長会等に韓国招請旅行に行かないかという募集をして、そこの校長会が各校長にお話をして、校長がこの日本教育新聞社に申し込む、申し込まれたら、日本教育新聞社が大韓民国国際観光交社にそれを推薦する、そうしたら、そこからあなたを招請いたしますという招請状が本人に来る、こういうような形で公立高校も実は行われておる事実がございます。  そこで、いまちょっと申されたんですけれども、私は数字を聞きたいのですけれども、五十年から行われておりますが、この招請に応じた学校数、教職員数、そして生徒の修学旅行の員数、こういうものを公立、私立ごとに分けまして年度ごとに御承知であるかどうか。承知であれば御報告いただきたい。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 私どもは、年度ごとに何名かということは承知いたしておりません。五十年から五十四年までに約千三百二十名の教員等が招請されておるということと、それに関連しまして五十年から五十三年までに約二万人の高校生が修学旅行で韓国に行っておるという数字を承知しているわけでございます。

馬場昇日本社会党

○馬場分科員 私の調査によりますと、昭和五十年が、学校数にして百二十五校、教職員数にして二百十名、そして修学旅行に行った生徒は十五校、二千九十七名、五十一年度が、招待旅行に応じた教職員が二百三十六校、四百四十三名、そして修学旅行の生徒は二十校、三千八百七名、五十二年度が、招待旅行に応じた学校百八十三校、教職員数三百七十五名、修学旅行生徒四十五校、五千六十六名、五十三年度が、招請旅行に応じた学校百八校、教職員数二百十九名、修学旅行に行った生徒数は大体八千名、五十四年度、昨年ですが、私、まだ正確な資料を知っておらないわけですけれども、いま文部省が言われましたように、五十三年までで招待旅行に応じた人数が千二百四十七名、生徒数は約二万名、こういうかっこうになっているのです。  韓国側がこの招請旅行に使いました費用というのは、よくわかりませんけれども、普通、招請旅行じゃなしに、たとえばアジア地理教育研究会なんかが行っているんですが、そういう人たちの経費を見ますと、東京から行きますと大体十二万七千円ぐらいかかっているようですね。大阪は十一万だとか福岡は十一万幾らとかかかっています。費用が十万かかったといたしましても、この招請旅行に要した費用は大体一億二千五百万ぐらいになっているわけであります。これを韓国側が出して、そして先生方を修学旅行の下見に案内しているんです。先生が行った後、その学校から修学旅行に生徒を引率して、その明くる年実は前に行った先生もほとんど入って行っているんです。  大臣にちょっとお聞きしたいのですけれども、修学旅行コースの視察とか下見というのに、相手側からまるまるお金をもらってそこに行く、それで帰ってきて生徒を修学旅行に連れていく、こういう行為は好ましい行為とお考えであるかどうか、お聞きしたいと思います。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 私は初めてこういう問題を聞いたのですが、韓国へ旅行することは、一つの計画として決して悪い計画ではないというふうに考えます。したがいまして、そういう計画を立てる前に現地を見に行く必要があるということもむしろ当然のことかもしれません。ただ、こういう問題、よくありますように、国内の修学旅行の場合なんかでも、いわゆる民間の業者等の案内でやる、またそれが一種のサービスだというようなことで、過剰なことになってしまうという問題がときどき起きておるわけでございます。この案件がそういうものであるかどうかというところには一つ問題があると私は思います。韓国の、いわば公的に近い、一〇〇%出資しておるそういう観光会社の招待ということ、この点につきましては公的な色彩が強くて、余り気にしなくてもいいのではないかという気がいたしますが、もう少し検討させていただきたい、このように考えます。

馬場昇日本社会党

○馬場分科員 いまの大臣の答弁を聞いて、私は物すごく驚いているのです。修学旅行業者がいろいろやることはある、過剰にならない程度ならというようなことをいまおっしゃったのですが、こんな感覚で国内においても修学旅行を指導されているのですか。ましていわんや、いま言いましたように、韓国政府が招待して一億二千五百万ぐらい金を出している。生徒が二万人行っておりますが、生徒の平均の修学旅行費を大体十万と見ますと、二十億円使って生徒は行っているのです。教員を招待する、そして行った日程なんかは、あなたは御存じないけれども、視察したり、レセプションをやったり、報道機関の伝えるところによりますと、キーセンパーティーまであったとかなんとか言われているのです。そして自由行動なんかもたくさんあった。私は、行った人からいろいろ聞いております。向こうでの行動等もいろいろあるわけですけれども、そのようにして無料で招待されていって、そして生徒を連れていく。相手が公的な機関であれば、そういうことをされていいのかどうか。あなたの考えは物すごくおかしいと思うのです。実際行って、そしてその次生徒を連れていく。みんな関連している。証拠がみんなあるのです。  あなたがそういう考え方ならば、私は警察庁にちょっとお聞きしてみたいと思うのですが、警察庁はこのような事実を知っておられたかどうか。このことがたとえば法に触れないのかどうか。このことについて警察庁の意見を聞きたい。

漆間英治警察庁刑事局捜査第二課長

○漆間説明員 ただいまの御質問のような事実につきましては、私どもの報告を受けている限りにおきましては承知いたしておりません。いまのような内容の事柄が法に触れるかどうかということでありますけれども、御存じのように、刑事責任について検討を加えます場合には、具体的な事実関係を踏まえて申し上げるべきだと思いますので、私どもいま申し上げましたように、事実関係を把握いたしておりませんので、その点については答弁を差し控えさせていただきたいと思います。

馬場昇日本社会党

○馬場分科員 去年でしたか、広島県で実はこのような事件が起きておりまして、結局修学旅行業者の日本交通公社が高等学校の先生方にリベートをやった、あるいは接待をしたということで二名が逮捕されまして、そして関係教職員も調査されまして、報道によりますと、教師ら二十二人が送検された。そして逮捕された業者等も含めて、これは三社で十名。だから業者は贈賄だ、それから教師は収賄だという形で送検されたという記事が出ておりますが、この記事は事実ですか。これはどうなっているのですか。

漆間英治警察庁刑事局捜査第二課長

○漆間説明員 いまのような御質問の内容は事実ございます。内容的にも御指摘のとおりだと思います。

馬場昇日本社会党

○馬場分科員 たとえば広島の高校の話ですけれども、業者が接待をした、そういうことで贈賄だ、接待を受けた人は収賄だ、こういうことで業者は逮捕されて、送検されているのです。これと、いまの韓国のこの事情は、大臣違うのですか、違わないのですか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 私、お答えいたしましたように、きょう初めてその話を聞いておりますので、もう少し実態を調査させていただかないと返事ができませんし、広島の事件なるものもいま初めて聞きましたので、いまの段階で比較考量するわけにもいきません。

馬場昇日本社会党

○馬場分科員 知らないなら知らないと答えればいいのですよ。あなたは、過剰でなければいいとか相手が公的機関であればとか、そういうことを言われるから、あなたの修学旅行指導の感覚を私は疑うというようなことを言ったわけです。サービスが過剰でなければいいなんということはあり得ないと私は思う。後で読み上げますが、あなた方は修学旅行に対して通達文書を出しておられる。大臣は御存じないからなかなかなにですが、そういうことは指導してないのです。このことはよく調査をなさって、しかるべく指示をしていただきたいと思うのです。  特に警察庁にお伺いしますけれども、いまの話では全然御存じないようですね。これはぜひ調査をしてもらいたいということを申し上げたいのです。お答えをいただきたい。

漆間英治警察庁刑事局捜査第二課長

○漆間説明員 捜査をすべきかどうかという事柄につきましては、事実関係を踏まえて判断すべきだと思いますので、先ほど申し上げたように、いま初めてお聞きしたようなことでございますので、捜査するともしないとも申し上げかねます。  ただし、警察の基本的な態度としましては、公務員たる教師がその職務に関して不正な利益を得たというような形がございますれば、それについて捜査することは当然のことでございますけれども、それはあくまでもそういう事実があった場合に言えることでございまして、今後調べてどういうふうになりますか、これは今後のことでございますので、定かには申し上げることはできません。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 私どもの方も先ほどお答えした程度の知識しかございませんので、さらに私どもでできる範囲で関係者からいろいろ話を聞きまして、調べてみたいと思います。

馬場昇日本社会党

○馬場分科員 私は、警察庁に、捜査して罪人をつくれという意味で言っているのではないのですが、しかし、御存じないと言われるならば、捜査という言葉がどうか私はよく知りませんが、これだけ私が問題を提起するのですから、捜査でなくても調査というか、たとえば文部省から調べられた事実を聞くとか、そういうことはなさっていいのじゃないですか。

漆間英治警察庁刑事局捜査第二課長

○漆間説明員 ただいま御質問があったという事実は踏まえて、今後考慮したいと思います。

馬場昇日本社会党

○馬場分科員 次に、もう一つ、日韓修学旅行研究会というのがあるのを御存じですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 私どもの知っておるところで申し上げますと、日韓修学旅行研究会というものがありまして、それは大韓民国の招待によって修学旅行コースの視察旅行に参加した先生、あるいは大韓民国へ修学旅行それ自体を実施した学校の教員等を会員とする親睦的な任意団体というふうに承知しておるわけでございます。

馬場昇日本社会党

○馬場分科員 これは五十二年六月二十五日に東京で発足をしておるわけでございますが、この目的によりますと、「私達は韓国当局に呼応して、日本側でも訪韓修学旅行を促進する運動を起し、特に同国を訪れる先生方の視察旅行については、その効果をより高くする為の対策を講ずる」こういうようなことがありまして、その事務所は大韓民国国際観光公社の東京事務所内にあるようでございます。そして組織は、いま言われましたように招請旅行に応じた人たち並びに修学旅行を行った学校の人たち、こういうことで組織されておるようでございまして、問題は、事務所もそうですが、経費です。当会の会費は一切不要です。費用は協会基金で賄う、こういう形になっております。そしてこの会報に、韓国国際観光公社が研究会に対して物心両面から強力な支援をされておるこういうことが全部載っております。  このようなよその国から援助を受けて日本の国の修学旅行を指導するというようなことがはたして是か非か問題になると思うのですが、これに対する御感想を聞かせていただきたい。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 韓国へ旅行した人々が親睦を深める意味で団体をつくるのはそれなりに意味があると思いますが、おっしゃるように、その事務所を向こう側に提供してもらうとか運営費を全部向こうさん持ちということはやはり適当でないと私思いますので、この辺はよく事情を調べまして、またできる限度で指導したいと思います。

馬場昇日本社会党

○馬場分科員 指導をお願いしたいのですが、私が調査した範囲におきましては、生徒の修学旅行も、確かに韓国の名所旧跡めぐりをやっておりますし、あるいは現地の高等学校の生徒との交流とかやっておりますが、三十八度線のところへ行って北の脅威がどうだこうだとか、あるいは軍事教練を見学して日本でも軍事教練をやった方がいいのじゃないかとか、日本の国防をもう少し増強した方がいいのじゃないかとか、北がこうだ、いまおられませんけれども朴政権がこうだとか、修学旅行から帰ってきた人たちの感想文、引率した教師の話、こういうものを見ますと非常に政治的な色彩が強いように見受けられます。こういうこともぜひ調査していただきたいと思うのです。  そこで、時間も余りございませんので、ここで修学旅行の指導の基本的なあり方をお尋ねしておいて、その基本的なあり方を物差しにして私がいま言ったような調査をしていただきたいと思うのです。  修学旅行について文部省はどのような指導をなさっておるのか。たとえばどういう通達をいついつ出している、その通達の主な点はこういうことだ、もう時間がありませんので要点だけ説明していただきたいと思います。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 小中高等学校の修学旅行のあり方につきましては、四十三年に局長通達を出しておるわけでございまして、中身は修学旅行の意義、目的に沿った計画を立てるようにということですけれども、ただいま先生から御指摘のありましたような点について関連して申し上げますならば、計画を立てる場合に業者に任せ切りにするようなことなく、学校自身が主体的に計画、実施をしなさい、また、その間業者についても十分信用調査等いたしなさい、そして最も重要な点は、業者と不明朗な関係を持つことのないように厳に注意をしなさい、これは先ほど御指摘もありましたように、日本の国内において過去においても業者との不明朗な癒着がもとで問題になったケースもございますから、こういう点につきましては、関係の担当課長会議等の際にも常に注意を促しておるということでございます。

馬場昇日本社会党

○馬場分科員 私は最後に大臣に注文を申し上げておきたいのです。  修学旅行は教育活動であることは間違いないわけでございまして、学校教育法の施行規則の五十七条の教育課程の編成という中に、特別活動としてきちんと位置づけられておるわけでございます。また、高等学校学習指導要領の中の第三章の「特別活動」の第二「内容」のところに、「学校行事」という中に「旅行的行事」ということで、きちんと教育活動として修学旅行は行うということがはっりしておるわけでございまして、これは大臣も御承知のとおりだろうと思うのです。  そしていま局長が答弁されましたように、四十三年十月二日に通達が出ておるわけでございまして、これはきちんとその第一に、修学旅行は学校行事等に位置づけられる教育活動であるとまず規定しながら、原則の一つに、すべての児童生徒が参加できるように企画することということで、たとえば北朝鮮籍の人は、私学の場合でもこれは行かれないとかという問題もあったようでございますが、それと経費の面で、十万とか幾ら、こういうことで果たしてすべての生徒が参加できる筋合いのものであるかどうか、私はこういうことにも問題が起こると思う。それから、その費用も書いてあるのです。できるだけ簡素で自主的計画を立て、実施に必要な経費は低廉であること、こういうことも書いてあります。  それからもう一つ大きい問題は、この指導通達の中に様式までつくって、生徒が修学旅行に行くときには、日本の国内ですと相手の県の衛生部長などに問い合わせて保健状態などをきちっと調べろ。これは韓国の保健状態なんか調べられるのかどうか。事実、この韓国旅行で中毒事件を起こしていることもあるのです。こういう問題もございますし、いま局長が言われましたが、その中で、関係業者を利用する場合に、業者に任せ切りにするのでなく、学校が主体性を持って計画、実施に当たること、また、関係業者については信用度を十分調査して利用すること、そして不明朗な関係を持つことのないよう厳に注意すること、こういうことがあるわけでございます。こういう修学旅行の目的を果たすということを物差しにして、この韓国の招待旅行並びにそれに伴う修学旅行の件について十分調査をして対策を立てていただきたいということを最後に大臣にお願い申し上げて、大臣の決意を聞いて、質問を終わりたいと思います。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 修学旅行の指導がそういうふうに行われておることは事実でございますし、それで結構なことだと思っております。  韓国への修学旅行という問題は、先ほど御指摘がありましたように、私は韓国へ行くことが決して悪いとは思っておりません。ただ、御指摘のように全員が行けるかどうかという問題、これは一つ問題があるだろうと思います。それはそちらの立場から総合的に判断をしていかなければならぬことだ、こういうふうに考えております。  御指摘になりました本件の問題につきましては、私も実は初めて聞くことでございますので、実際の状況もよく調査しまして判断をしていきたい、かように考えております。

馬場昇日本社会党

○馬場分科員 終わります。

川崎寛治日本社会党

○川崎主査代理 馬場昇君の質疑は終わりました。  午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時三十四分休憩      ————◇—————     午後一時一分開議

小宮山重四郎自由民主党・自由国民会議

○小宮山主査代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  文部省所管について質疑を続行いたします。木下元二君。

木下元二日本共産党・革新共同

○木下(元)分科員 春の選抜高校野球大会が近づいてきましたが、高校野球の一層の発展のために建設的な質問をしたいと思います。  高校野球といえば甲子園球場、甲子園球場といえば高校野球を連想するほどに高校野球と甲子園球場とは深く結びついております。高校野球の歴史を振り返ってみますと、初めて全国大会が開催されましたのが大正四年、六十数年前のことであります。朝日新聞が主催して中等学校野球全国大会として開催されました。開催地は豊中グラウンドでありました。これが夏の大会の始まりでありました。それから、毎日新聞が主催をして全国の選抜大会が大正十三年に開催をされました。開催地は名古屋であります。これが春の大会のスタートであります。そして、その次から建設成った甲子園球場で、春、夏の両大会が開催されるようになったのであります。戦争中と戦争直後の四、五年、あの暗い谷間の時期を除きまして、毎年ずっと開催されてきました。昨年で夏の大会は六十一回目、春の大会は五十一回目であります。年々盛大になりまして、ファンは広がってきましたが、ことに戦後、復活に際しまして、日本高校野球連盟がつくられ、これが朝日、毎日と共催をするという形になって一層発展を見ることになったわけでございます。  大臣は、趣味はスポーツと聞いておりますが、高校野球もきっとお好きであり、関心も深いと思うのでありますが、いかがでしょうか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 高校野球は、御指摘になりましたように、歴史を持って今日まで来ておるわけでございまして、若い高校生の諸君が厳しい訓練に耐えまして、その真摯なプレーを展開していくわけでございますので、これはもう青少年を初めといたしまして、多くの国民の諸君が深い感銘を受けて期待をしておるわけでございます。文部省といたしましても、これらの高校野球が今後健全に伸びていくように期待をいたしておるわけであります。

木下元二日本共産党・革新共同

○木下(元)分科員 大会の開会式には従来文部大臣が行かれて、球児を激励されておりますが、大田も行かれる予定でありましょうか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 もちろん、これは国会の日程等がございますので、そちらの方の御了解を得なければならないことでございますが、高校野球が全国の若い高校生諸君を中心といたしまして、大変な期待をかけられておるということを考えましても、できますればいままでの前例にならって、出席して激励をいたしたいというふうに考えておるわけでございます。

木下元二日本共産党・革新共同

○木下(元)分科員 高校野球のファンは高校生や青少年ばかりではないのであります。老若男女を問わず、全国数千万の国民がファンであります。大会のときには甲子園球場に来れないたくさんのファンが手に汗握る思いでテレビの前にくぎづけになります。私もその一人であります。高野連の佐伯会長はちょっとのかぜぐらい、大会が始まればすぐ治ってしまうというふうに言われておりますが、同じ思いの無数のファンがおります。いまや高校野球は、高野連や朝日、毎日の関係の方々が目指しました国民全体の高校野球、日本全体の高校野球へと育ってまいりました。甲子園大会はまさしく国民的スポーツ行事となってまいりました。そして、高校野球がこれだけ発展、普及してきましたことが他のいろいろなアマチュアスポーツの発展、普及のためにもいわば牽引車の役割りを果たしてきたのではないか、こういうふうに思っております。  ここまで高校野球が発展してきました裏には、関係団体、関係者の方々の献身的な御苦労があったこととは思いますが、同時に、高校野球というものが多くの国民に訴える何かを持っている、多くの国民の血をたぎらす何かを持っているからだ、こういうように私は思うわけであります。別の言い方をいたしますと、この高校野球が国民に与える影響というものは非常に大きいものがあろうと思うのであります。この点、大臣も同じお考えではないかと思いますが、いかがでしょうか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 高校野球がこういうふうに年々盛んになってまいりまして、それが単に高校生のみにとどまりませずに、全国民が大きな期待と、またそれに対しましての愛着を持っておることは御指摘のとおりであろうと考えます。

木下元二日本共産党・革新共同

○木下(元)分科員 それから、高校野球の教育的な意義というものも私は非常に大きいものがあると思うのです。佐伯会長が言われたことでありますが、若い高校生は自分の持つ熱と力のすべてを傾注し尽くして、汚れのない白球を一心不乱に清純な無我の境地で追い続ける、勝っても負けても最後まで追い続ける純真無垢な姿と心こそ高校野球の生命であるというように言われました。私もそのとおりだと思います。  全力でポジションにつく選手たちのマナー、汗とどろにまみれながら力投するひたむきなプレー、敗れて去る選手たちがあの甲子園の土をかき集めて帰っていく姿、やはりプロ野球とは本質的に違った何かがある。それが見る者の心を打ち、感動と涙を誘うのではないかと思います。  昨年夏の大会のある試合を報道した毎日新聞の記事がここにございます。昨年八月十八日の夕刊でありますが、ちょっと長いのでありますが紹介をさせていただきます。  「背中に光るオレの〃宝〃 耳のハンディを超えた 豊浦高南野三塁手」という見出しであります。   豊浦の三塁手、南野安男は右耳がまったく聞こえず、左耳もほとんど不自由。だから片時も補聴器を離せない。十八日の第二試合、対横浜商戦のゲーム中も、安男はユニホームの背に補聴器を縫いつけ、左耳にイヤホンをつけていた。   監督の内山寿雄は安男の左耳にイヤホンがあるのにとまどった。不安だった。十七年間の監督生活で初めての経験だ。だが間もなく安男の野球センスを見抜き、昨秋、三塁手に起用した。「難聴だからといってわけへだてしなければこの子は伸びる」。内山にはそんな予感がした。   補聴器を付けていても二、三メートル先の音しか聞きとれないハンディはしばしば現れた。捕手の指示が聞こえず、強引に突っ込み、投手とぶつかって落球、といったこともしばしば。そのたびごとに内山はしかりつけた。「お前は人一倍、視覚が発達している。周囲の状況をみて判断しろ」   この夏の山口県予選。二番バッターの安男は打ちまくった。五試合で打率は四割三分八厘。甲子園出場の立役者だった。   甲子園に向かう直前。道江はユニホームの背の裏側に小さな袋を縫いつけ、補聴器を納めた。安男にはそれがお守り袋に思えた。   十三日の対長岡戦。安男がバッターボックスに入ると応援席から「カッセ、ナンノ」の大声援。その中に道江もいた。安男の背の〃お守り〃は道江の声だけをしっかりととらえたような気がした。その瞬間、安男のバットから渋いヒットが飛び出した。   試合は苦戦の末、長岡を6−5で振り切った——。   道江はグラウンドに飛び出したい衝動にかられた。「安男。お前はもう障害を乗り切ったんだから。あとはしっかりと生き抜くんだよ」。道江は十八日もスタンドから安男を見守る。 こういう記事でありますが、私は大変感動的にこれを読んだのであります。もとより南野選手ばかりではなく、参加しました選手たちにしてみれば、自分は甲子園まで行って戦ったのだ、こういう体験と誇りが長い人生の心のよりどころになるわけであります。  申すまでもありませんが、教室だけが教育の場ではありません。甲子園大会は、平素得がたい社会教育の場であろうと思います。高校野球とその大会の持つ教育的意義、これは非常に大きいものがあると思うわけであります。大臣もきっと私と同様の理解をお持ちであろうと思うのでありますが、いかがでしょうか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 御指摘のとおりに、高校野球が本来の学生野球の本旨にのっとりまして今日まで伸びてきておりますことは、関係者の方々が高校野球の持っておる教育的な意味合いというものをよくのみ込んで運営をしていただき、また介意をしていただいたことも大きい原因であると私は思っております。もちろん、高校野球の選手諸君及びそれと一体となって指導しておられる方々が、学生野球の本旨でありますところの非常に厳しい訓練と同時に、フェアプレーの精神に徹してやっていきますことは、単なる勝敗にとらわれることのないりっぱな教育的効果がそこで発揮されておる、こういうふうに私たちは考えておるわけでございまして、こういう立場で全国の諸君が非常にこれを慈しみながらやっていただく雰囲気で進めてまいりたい、かように考えておるわけであります。

木下元二日本共産党・革新共同

○木下(元)分科員 五十三年夏の大会の全都道府県代表は四十九校、全参加校は三千七十四校に及んでおります。まさに北は北海道から南は沖繩に至るまで全国津々浦々に広くすそ野を広げておるわけであります。日本のアマチュアスポーツのうちで最も大きな国民的スポーツとして定着をしてまいりました。振り返ると、特に戦後の発展が目覚ましいものがあるのでありますが、それには文部省も大きな役割りを果たしてきたのではないかと思います。  一つ一つ申し上げられませんが、たとえば、戦後全国大会が復活するに際しまして、文部省の体育課長より、全国大会はできれば別に競技団体をつくって、新聞社とその団体とが共催する形で復活をされる方が、文部省としても教育上の立場から承認しやすいという趣旨の発言がありまして、それが契機となって高野連が発足をいたしました。その共催で全国大会が持たれるようになったわけであります。そうした経緯に照らしましても、文部省は、全国大会のあり方なりその発展を、教育上の立場から大きな期待と関心を持って見守ってこられた、私こういうふうに思っております。大筋こういう理解に誤りはありませんでしょうか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 誤りがないと考えております。

木下元二日本共産党・革新共同

○木下(元)分科員 さて、昨今の大会と十年前、二十年前あるいは三十年前の大会、さらには戦前の大会とは、その状況もずいぶん変わってまいりました。ユニホーム一つにしましても変わってまいりました。バットも金属製が使われるようになりました。大会風景も時代を反映して変化してまいりました。試合内容も昔と比較しますときわめて興味深いものがあるわけであります。こうした六十年を超える大会の変遷、足取りを示すたくさんの資料がございます。朝日や毎日や高野連あるいは出場した高校も保存していると思います。しかし、歳月の流れとともに散逸してしまいます。そうした資料をひとつ収集して完全に保存をすると同時に、常時展示して青少年を初め多くの人々に見てもらえるようにしてはどうであろうか。きっと青少年たちは伝統の重みや健康な青春の姿、そうしたものを学び取ることでありましょう。あるいは苦しい練摩に耐え、心身を鍛えることの大切さを学び取ることでありましょう。高校野球の一層の発展とともに、文化的、教育的観点からもこれはきわめて有益なことだと私は思うわけであります。大臣、こういう高校野球の記念館をつくる構想はいかがでありましょうか。どう思われるでしょうか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 それは一般的に言ってそういうものができるのは望ましいと思いますが、この高校野球に関しましての資料は高野連が持っておると私は思っております。高野連の方からは、私、高野連の意向を十分確かめてはいないのですが、積極的なそういう意味の意向はまだ聞いていない状況でございます。一般的に言えばそういう資料がどこかで収集されることは結構だと思っておりますが、いまのところは高野連で持っているんじゃないかと思っております。

木下元二日本共産党・革新共同

○木下(元)分科員 私も高野連に正式に問い合わせをしたわけではありませんが、高野連の役員の方に聞いてみますと、趣旨に大変賛成してもらったのです。高野連としてもあるときユニホームなどを収集しかかったことがあるやに聞いております。それが中途に終わったのではないかと思いますが、こういうふうな構想に非常に賛成してくれるのではないか、私は正式には聞いておりませんが、そういうふうに受けとめております。  実はこういう構想の発端になったことを申し上げますと、甲子園球場の北側すぐそばでありますが、甲子園高潮町というところに私立甲陽学院高校というのがありまして、春、夏の大会のときには甲陽高校のグラウンドを出場校が直前の練習に使わしてもらっておったのであります。ところが、甲陽学院は五十二年四月ごろによそに移転してしまいました。その跡地約二万八千平方メートルでありますが、そのうち東半分一万六千五百平方メートルを、甲陽学院の経営母体である辰馬育英会というのがありまして、これが東洋不動産という会社に売却いたしました。したがって、西半分を辰馬育英会、これは元西宮の市長でありました辰馬さんが代表者でありますが、この辰馬育英会が所有しておる。東半分を東洋不動産が所有するようになったわけであります。こういう状況になりましたために、大会の出場校は直前の練習に使用する大変便利なグラウンドを失ってしまったわけであります。  何とか甲陽学院の跡地を練習用のグラウンドに確保できないか、そしてこの跡地を高校野球の発展に役立つように活用してもらえないだろうか、戦前の甲子園には野球塔もあったことでありますし、西宮甲子園の新しい名所になるだろう、こういうことが地元で話し合われてきたわけであります。そうした中で、この跡地を大会時の練習用のグラウンドにすることとともに、記念館をつくってはという方向で進んできたわけでございます。もちろん、平素は市民がグラウンドを使用することになろうと思います。こういう構想に対しまして市当局も乗り気でありまして、前向きで検討をいたしております。ひとつ大臣、文部省として御協力をいただきたいと思うのでありますが、いかがでしょうか。

柳川覺治文部省体育局長

○柳川(覺)政府委員 一般に野球場が数多く持たれることは望ましいことでございますが、高校野球のための練習の会場としてはかなりの数のものが要るわけでございますから、そこで現在、高野連の方では主催新聞社と協力の関係で、地元の高野連関係の理解を得ながら最寄りの学校の野球場を練習場として毎日二時間以上使わしていただいておるということでございます。先生御指摘のように甲陽学院が移転いたしまして、そのことによりまして一つの練習場がなくなったということはあるわけでございますが、高野連としてもこれにかわるところの練習場は他の学校に求めて、練習には支障ないようにしているというたてまえをとってきておるようでございます。  なお、いま御指摘の土地につきましては、すでに半分が民有地でございますし、また、学校法人の辰馬育英会が保有しているところでございますので、大変地価も高いところであるというようなことで、市当局におきましても、いま具体のこれに対する案の進めはしていないというように聞いておるところでございまして、先生御指摘のような形での実現についてはかなり困難であるというように聞いておるところでございます。

木下元二日本共産党・革新共同

○木下(元)分科員 私、これも高野連の役員の方に聞いたのですが、このグラウンドが使えなくなってからほかのグラウンドを使っておるわけでありますが、それは遠いんですよ。幾らか距離がありまして遠い。やはり出場校が試合の直前に使う場所としましてはここが一番便利なんですよ。もう一分とかからない、三十秒ぐらいで行けるところですから。そういう点で、非常に便利なグラウンドを失ったということで、何とかこれを戻したいという要望が強いようであります。  それから西宮の市の取り組みでありますが、これは実は市会にも問題提起がされまして、市長はこの構想に基本的に賛意を示しております。ただ、いま言われましたように、いろいろと問題点もあるわけであります。具体的にどういう形態で進めるかということにつきましてはいろいろな考えもございます。たとえば西宮市立の記念館なりグラウンドをつくるという形態もありますし、あるいは財団法人をつくるということも考えられます。あるいは国立にして文部省が所管するということだって考えられるわけであります。どう進めるかは、これから各方面の御意見を出していただいて煮詰めていくことになるわけでありますが、とにかく高校野球記念館の建設と、これに付随して大会練習用のグラウンドづくりという構想ですね。これについて文部省のごく基本的なお考えをひとつ大臣から示していただきたいと思うのです。詳しいことは結構です。大変結構だ、ひとつ大いにやりなさいとか、そういうふうなごく大ざっぱなことで結構でございます。

柳川覺治文部省体育局長

○柳川(覺)政府委員 先生の御熱意ある御指摘でございますけれども、練習用の野球場はあるにこしたことはございませんが、なかなかに一つ、二つの練習場では十分その目的にかなわないということでございまして、近くの学校のグラウンドをできる限り使わしていただくという現在の方式を高野連としてもとらざるを得ないということでございまして、具体的なそのための練習場を欲しいということを高野連としてまだ意思表示もいたしておりませんし、また、個々のこの種の市民の利用の野球場でもございますので、これらにつきましては、私どもは一般的に野球場等の整備費に対する補助金で取り扱ってきておるわけでございまして、これにつきましては、高校野球の練習場という意味でなく、市民の運動広場としての整備というのに対しましては、運動場整備費の補助を行っておるという一般的な対応しかいまのところ考えられない状態でございます。  なお、野球記念館につきましても、そういうものがあれば望ましいという考え方は高野連もあるようでございますが、高野連が具体に自分で計画するということを持ち合わせておりませんし、また、地元のこれに関する動きもつまびらかではないという状態でございますので、見守っていきたいと思っておるところでございます。

木下元二日本共産党・革新共同

○木下(元)分科員 もう時間がありませんが、具体的な条件等はいろいろむずかしいこともあろうかと思いますが、さっきも私申しましたように、高野連の方には正式にお尋ねしたわけではありませんが、役員の人たちは大変結構だ、ぜひ進めてもらいたいという意見を私は聞いておるわけであります。それからまた朝日、毎日各社も私はきっと賛成してくれるのではないかと思います。また、地元の神戸新聞もきっと協力をしていただけるのではないかというふうに私は思っておるわけでございます。それに全国のたくさんのファンや関係者の方々も、こういう構想には大賛成だと私は思うのであります。こうしたところの各方面の積極的な意見も取り入れまして、また御協力もいただいて、ぜひ実現をしたいというふうに思っております。  それには、やはり何よりも文部省が賛成をしていただいて協力をしてくださる、これが私は大前提になると思うのですね。ひとつ大臣、前向きに旗を振っていただきたいのです。いろいろと伺いましたけれども、決して趣旨には反対ではないと思います。賛成くださると思うのであります。ぜひひとつやっていただきたい、御協力いただきたいと思います。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 段々のお話を承っておりまして、高校野球、確かに甲子園でああして行われておるわけでありますし、高校野球が持っておる意味というものを私たちは十分にそれなりに評価をしておるつもりでございます。  ただ、どうも先ほどからお聞きしておりまして、御質問のあれが、その横にあるグラウンドを何かというような話に具体的になってきておりまして、これは文部省としましては、地元の関係とかそれを担当しておられる方々がどういうふうに考えておられるのか、あるいは私たちが各地のグラウンド等も助成したりしておりますが、そういうお考えの中に入ってくることなのか。いまの甲子園というものはそういうものじゃございませんし、もうちょっと問題が、私たちが接触し得るような形になりませんと、実は何とも申し上げかねることでございまして、冒頭にお話がございましたように、いまの高校野球に対しましては、私たちもその持つ意味あるいは教育的な立場から見ましても、これは奨励されてしかるべきものだということは十分承知をいたしておりますが、もうちょっと話が動きますことを見守っていくというか、まだ私たちが出る段階とは少し違うような気がいたしておりますが、高校野球が盛んになることにつきましては、私たちも期待をいたしておるということでございます。

木下元二日本共産党・革新共同

○木下(元)分科員 もうこれで終わりますが、どこにつくるとか、どういうふうにするとかいうことでなくて、そういうふうな記念館をつくるというふうな基本的な構想には賛成してもらえるというふうに受け取ったわけでありますが、これを私どもの方でもう少し煮詰めまして、こういう方向でというふうにもう少し具体的に考え方も出しまして、ひとつ御相談をしていきたいと思います。そういうことでよろしゅうございますか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 よろしゅうございますかという御返事には、少し問題が違うと思いますが、もう少し事態を見守らしていただきたいと思います。

木下元二日本共産党・革新共同

○木下(元)分科員 それではこれで終わります。

小宮山重四郎自由民主党・自由国民会議

○小宮山主査代理 木下元二君の質疑は終わりました。  次に、柴田弘君。

柴田弘公明党

○柴田(弘)分科員 私は、文部大臣及び会計検査院に対しまして、国立大学のいわゆる超勤手当の支給の問題、そして休暇の問題につきまして、数点にわたって御質問したい、このように思います。  まず最初に、文部省当局にお伺いをしておきますが、昭和五十五年度、新年度のいわゆる国立大学、これは九十三大学あると思いますが、この超勤手当の予算、これは幾らになっておるか、それから五十四年度は幾らになっておるか、そして、この五十五年度の予算は何を基礎にして算定して予算措置をされたか、この点についてお伺いをしたいと思います。

植木浩文部大臣官房会計課長

○植木政府委員 お答え申し上げます。  昭和五十五年度の予算案におきましては、全国立大学等の(項)国立学校で約八十四億の超過勤務手当を計上いたしております。この積算の基礎としては、複雑ではございますが、簡単に申し上げますと、職員等が一人一カ月十二時間、それに人数を掛けまして積算しておることが中心になっております。

柴田弘公明党

○柴田(弘)分科員 一人十二時間ということで積算されたということですが、しからばお尋ねをいたします。五十三年度の決算額でありますが、これは会計検査院の方からいただきましたが、各大学の職員の人数によってまちまちであるということは私もよく理解をいたしますが、たとえば東京教育大学の場合決算額がゼロになっている、一方において東大におきましては四億一千二百万、こういう計上であります。あくまでもばらつきが多過ぎる、このように思うわけでありますが、東京教育大学がゼロであるというのは一体いかなる理由によるのか、これをひとつ明確にわかりやすく御答弁をいただきたいと思います。

植木浩文部大臣官房会計課長

○植木政府委員 お答え申し上げます。  東京教育大学は御案内のとおり、筑波大学ということで変わりましたので、それでゼロになっておるわけでございます。

柴田弘公明党

○柴田(弘)分科員 では、具体的に何点かにわたり御質問をいたしたいと思います。名古屋大学の超勤手当の支給についてお伺いをします。  実は、この問題を取り上げる動機といいますか経緯に至ったのは、私のところへ名古屋大学に勤務されるある職員の方から一通の投書が参りまして、この方は、過去数年にわたって超勤がないのに超勤手当を支給されておった、こういうことであります。要点だけちょっと読みますので、文部大臣もひとつよくお聞き取りいただきたいと思います。  官公庁は税金で賄っています。その血税ともいうべきお金を数年にわたって空超勤として支給をされております。もちろんその費用が来ている限り全部支出しないと、次期にいただけないので一律に支給をしているようです。もちろん、毎年本省からの会計検査が来て、いつもパスをしているようでありますが、本当におかしなことです。数年血税を、超過勤務をしなくてもいただいておりましたが、現段階であれほどやかましく公費について報道されると、まことに心が痛みます。また、大学、小学校を問わず、手当なるものがある限り、適当に支払いをして、書類は、あたかもあったように、これが文教経理と思うと恥ずべきではないでしょうか。国会での質問で文部省に突っ込んだ、ガラス張りの手当等について御解明を得るように御尽力くださることを首を長くして待っております。  いわゆる空超勤といいますか、超勤手当を支給されておって、苛責の念に耐えかねて、そして何とかひとつガラス張りの政治を目指していただきたい、こういう純真な気持ちからの内部告発ではないか、私はこのように思います。  そこで、お尋ねしておきますが、私は先週たしか月曜だったと思いますが、こういったことをもとにして文部省当局に、名古屋大学の空超勤手当の支給の問題について御調査をお願いいたしましたが、その結果につきましてひとつ具体的に御答弁をいただきたい、このように思います。

宮地貫一文部大臣官房長

○宮地政府委員 ただいま御指摘の名古屋大学の実態でございますが、名古屋大学の一部の部局におきまして、超過勤務手当の支給に当たりまして一律に支給していた事実があったと聞いております。なお、詳細については目下調査中でございますが、現在までに聞いているところを申し上げたいと思います。  御案内のとおり、超過勤務手当は勤務の実績に基づいて支給されるものでございますが、ただいま申しましたように、名古屋大学の一部の部局におきまして実態としては、年間を通じましての超過勤務の実態が予算額を上回る、したがって打ち切りの措置をとらざるを得ないというような傾向が出てまいりまして、実績に応じた支給ができないのであれば、一律支給も加味した支給の方が実態的ではないかというような意向からこういう措置がとられたものと聞いております。しかしながら先生御指摘のように、勤務の実績に基づかずに一律にこれが支給されているということであれば、これはまことに遺憾なことでございまして、文部省といたしましても、超過勤務手当の適正な運用について昨年各国立大学長に対して指導通知もいたしておるところであります。

柴田弘公明党

○柴田(弘)分科員 いま御答弁をいただきましたが、私なりにいろいろ調査をいたしました。  まず第一点は、正規な超勤の支払いにつきましては、当然上司が命令いたしまして、そして各部局にいる勤務時間管理員がその職員個々の勤務実績に基づきまして超勤簿の整理をやり、それに基づいて支給するのが正規の方法でありますね。それから第二点の問題は、しかし名大では、全職員九百七名のうち、いま御答弁がありましたように一部の学部、法学部、教育学部、理学部などで約百八十名にわたる職員に一人当たり月十二時間、金額にして一万二千五百円、年間一人当たり百四十四時間、十五万円の超過勤務手当を一律支給しておった、こういう事実があるわけであります。この一律支給は、昭和四十五年ごろから昨年の十一月か十二月くらいまでだと思いますが、約十年間にわたりまして行われておった。そしてこれにつきましては、個々の職員の勤務実績を記す帳簿もなく、一律支給でありますからそれに見合う勤務実績のない職員にも手当が支払われておった。これが私のところに参りました投書で、まさしくこのような方もあったと私は思います。それで、これがいわゆる空超勤の疑いが濃厚である、空超勤ではないかと言われてもやむを得ないのではないかと私は考えるわけでありますが、この三点につきまして、文部大臣の御見解をお聞かせいただきたいと思います。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 超過勤務していないのに超過勤務手当を受け取ることはいけないことであります。超過勤務をいたしたならば、それにふさわしい超過勤務手当が払われるべきであると考えます。

柴田弘公明党

○柴田(弘)分科員 それで私がもう一点申し上げたいのは、いま御答弁がありましたように、要するに勤務実績に基づいた超勤手当の支給をきちっとやっていただきたいと思います。月平均十二時間と言いますが、中には十二時間以上働いていらっしゃる方もあると私は思います。もちろん、実態は上司がよく把握をしておかなければならない、これが大前提であります。十二時間以上働いていらっしゃる方にはきちっと支払う、また十二時間以下の方、いま大臣からも御答弁いただきましたが、それだけの勤務時間数の実態がないのに払っているのは遺憾なことだ、これは当然なことであります。きちっと毎日毎日の超勤の実績を超勤簿につけて、空超勤と言われることのないような適正な超勤手当支給についての管理を私はお願いしたいと思います。この点についてまた御答弁をいただきたいわけであります。  それからいま一つ、昨年の新聞でも報道されましたが、東大あるいは一橋大学のやみ休暇あるいは空超勤というのは実態は一体どうであったか、この点もひとつ具体的に御答弁をいただければと思います。

宮地貫一文部大臣官房長

○宮地政府委員 先生御指摘のまず初めの点は、先ほども御答弁申し上げましたように文部省といたしましては、超過勤務手当の適正な運用につきましては、昨年十二月に各国立大学長に対して指導通知を出したところでございます。それに基づきまして名古屋大学におきましても、本年一月以降については学内の自主的な是正措置、これは組合との関係もございますが、各学部長会議等を通じて周知徹底を図り、今後御指摘のようなことのないように対応しておるものでございます。  なお第二番目の、いわゆるやみ休暇として報道されました東京大学、一橋大学等一部の大学におけるいわゆるやみ休暇の御指摘の点につきましては、まことに遺憾でございますが、一橋大学におきましても、年休の承認手続を経ないいわゆる夏季休暇等について一部とられていたことがあるのは事実でございます。また東京大学におきましてもいわゆる夏季休暇については、事務局においてはもちろんそういうことはございませんが、一部の部局においてそういうことが行われていたようでございます。これはいずれも夏季休暇などについては今後、制度上認められている休暇以外のものは一切認めないということは当然でございまして、昨年の分につきましては、所定の手続をとりまして年休に振りかえる措置を講じたと聞いております。これらの点についてはなお、管理責任者等に対して訓告、厳重注意等を行いまして、今後再びかかることのないように特に注意を喚起しているところでございます。

柴田弘公明党

○柴田(弘)分科員 昨年の十二月二十七日に文部大臣官房人事課長が通達されました事項でありますが、これは四点にわたって国立大学に対しまして通達をなさっております。一つは、厳正な勤務時間の管理を行うこと。二つ目には、職員の兼業については勤務時間外に行うことが原則であるから、勤務時間内のそういったことは認めないということ。第三点は、超過勤務については必要最小限に命ずる、そして適正な管理を行う、そして一律支給は行わない。第四点は、夏季等のいわゆるやみ休暇がある場合には直ちにこれを廃止する、こういう四点にわたる通達であるわけであります。私はこの通達を見せていただきまして感ずることは、今日に至るまで文部省の各国立大学における厳正な指導監督がなされていなかったこと、そして裏返して言えば、こういった通達を出さざるを得なかったのは、いま指摘した大学だけでなくほかの大学でも、その事実は今日指摘されないまでもあったのではないかという疑問を正直に申しまして禁じ得ないわけであります。  こういった通達も出されたわけでありますが、今後こういった疑惑を招くことのないよう是正措置について、文部省の最高責任者である文部大臣としてはどのような態度で臨まれるのか、まず決意のほどを私はお伺いしたいと思います。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 ことに文教関係の者といたしましては、いまのような諸点につきまして十分注意をしていかなければならないということを特に強く感じております。得てしまして大学等で、研究とか教育とかという面がございまして時間の観念その他がわりあいにルーズに考えられる、そういうことはあってはいけない。大学におきましては、研究の必要上ずいぶん時間をとることもあるわけでございますが、同時に、きちっとした勤務体制でいかなければならぬ管理部門があるわけでございまして、そういうものがきちっとした形で動いていく必要があると思います。一部のところでいま申しましたような事実に気がついたことがございまして、通知を出したわけでございます。  いま委員からは、ほかのところでもあったのではないかというお話がございます。そのためにだけ調べればあるいは出たかもしれませんが、私たちまだそこまでやっておるわけではございませんで、ただ、各大学管理者の当然やらなければならぬ良識において行動すべきである、こういう例があるから君のところもひとつ十分やってくれ、こういう意味も含めましてああいう通知を出しておるわけでございます。今後ともにここらの点につきましては、厳重に遂行されるように努力していかなければならないと考えております。

柴田弘公明党

○柴田(弘)分科員 いま大臣から御答弁いただきましたが、時あたかもきのうから国立大学におきましては二次試験が始まっております。全国の公立大学も含めまして百十九大学、受験生は二十五万人と言われております。一方におきましては、今国会の予算案の中には国立大学の授業料値上げの問題が提案されています。十四万四千円から十八万円への値上げであります。約二五%ということであります。私は、一部の大学であったかもしれませんが、こういう諸問題が起こった、そういった事実があったということは、やはり全国二十五万の受験生の純真な心を傷つけるものであり、同時にまた、その父兄はもちろん、国民の理解というものは得られないと思います。特に授業料の値上げというものについては理解と協力は得られない、こういうふうに私は思うわけでありますが、その点につきまして大臣に御所見を伺いたいと思います。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 先ほど申し上げましたように、空超勤等の状況がたとえそれが少数でありましてもございましたことは、まことに遺憾なことでございます。それは委員が御指摘のとおりであります。ただ、国立学校の授業料につきましては、私たちもそれの持っております重要性は十分よく承知をいたしておるわけでございますが、従来から経済情勢の変化等に応じまして改定を行ってきたところでございます。これはことに私立学校、私立大学におきます授業料との対比におきましていろいろ議論があるわけでございますが、このたびの国立学校の値上げによりましても、私立学校を平均いたしまして、やはり国立学校の方がその二分の一くらいのところにあると思いますので、この程度はということが一つございまして値上げをお願いいたしておるわけであります。なお、これに対応いたしまして、いわゆる育英資金等の面につきましては増額をいたしまして、対象の範囲も広げていくというようなことにいたしたいと考えております。諸般の状況を勘案しながら私たちもやむを得ぬというつもりでお願いをいたしておるわけでございますので、ぜひひとつ御賛成を願いたいというふうに考えておるわけでございます。

柴田弘公明党

○柴田(弘)分科員 それは大臣が先ほどおっしゃいましたように、授業料の値上げは経済情勢云々という問題もあります。しかし、やはりその前提としてこういった問題があってはいけませんよ、このように私は申し上げているわけであります。  それからいま一点、くどいようでありますが、文部省は昭和四十二年の十二月に休暇につきまして、「年次休暇等の適正な運用について」という通達を出されました。そして、やみ休暇等がないようにいろいろと措置をされておったわけでございます。しかし残念ながら、先ほど御答弁がありましたように、一部の大学でありますがそういったことが行われた。いま一つ言えば、昨年十二月二十七日に出されましたこの四項目にわたる通達、ただ一片の通達だけでこういった問題が発生をしないと言い切れるかどうか、これまた非常に疑問を禁じ得ないわけであります。ですから、ここで再度大臣に、こういった諸問題は絶対になくするという決意を披瀝していただきたい、このように思います。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 私たち単に通牒を出したからというふうには考えておりませんので、このために必要な会合を催しました際には、特にそういう指示をいたして徹底を図ってまいりたいと思います。今後こういう問題が二度と起こらないようにというような強い意思を表示して、各大学において厳重にこれを遵守してもらいたいと考えておるわけでございます。

柴田弘公明党

○柴田(弘)分科員 残り時間が少なくなりましたので、最後に会計検査院にお尋ねをしていきたいと思います。  五十三年度の超勤手当の支給額の決算額を見てまいりますと、九十三大学で合計六十八億九千百三十万円の支給がなされておるわけであります。いろいろお聞きしてまいりますと、五十三年度だけでなくて今日に至るまでこの超勤手当の支給に関しましては、いま私がいろいろと御指摘をいたしましたような問題があったわけでございますが、会計検査院として不当事項の指摘というのをされたことがない、こういうことであります。これは一体どういう理由でしょうか。

向後清会計検査院事務総局第二局文部検査第二課長

○向後会計検査院説明員 国立大学におきましては、毎年相当多額の予算を執行しておられますので、私たちの検査もどうしても、事業費の方に重点を置いて検査するというきらいがございまして、過去において超過勤務手当の支給につきまして重点的に検査を実施したということはございません。そういう関係で、指摘した事実は過去ございません。

柴田弘公明党

○柴田(弘)分科員 事業費の方で検査が大変だったのでやられていない、こういうことですね。勘ぐった言い方をして非常に恐縮でありますけれども、国民の側から見ますと、せっかく検査に毎年あるいは一年置きに行っておみえになると思いますが、こういった問題が内部告発なり投書によってしか表面化しない、やはりそこに今日のこういった問題の一つの大きな指摘さるべき点があるのじゃないか、私はこういうふうに思います。検査院が行かれてもなかなか出てこない、そういうことを私は感ずるわけであります。まあその辺のところは答弁は要りませんが、いまいろいろと問題になっておるのですが、今後どうされるのですか、その点をひとつお聞かせいただきたいと思います。

向後清会計検査院事務総局第二局文部検査第二課長

○向後会計検査院説明員 先生御指摘のような事態につきましては、その支給の実態について十分調査をしてまいりたい、かように考えるものでございます。検査といたしましては、非常に広範囲にわたるものでございますけれども、関係職員の勤務の実態はどうか、超過勤務の実績はどうなっていたのか、また支給の方法はどうなっているかということなど、詳細に検討してまいりたいと考えております。

柴田弘公明党

○柴田(弘)分科員 時間がありませんので、最後に一点だけ申し上げて、終わりたいと思います。  文部大臣、先ほどから申しておりますように、やはり一律支給というのはいけないことだと思います。勤務の実態に応じた支給、中には十二時間以上どうしても超勤をされなければならない方もあるかと思います。これはやはり勤務の実績に応じて支払ってあげていただきたいし、十二時間に達しない人は、きちっと帳簿を整理して、やはりそれに見合った実績で支給をしてあげていただきたいと思います。結局予算もそれに応じて——もちろんその前提として、どうしてもその超勤が必要であるかどうかということはよく管理をしていただかなければなりません。大前提としてそういった実績に応じた超勤手当の支給ということをお願いいたしまして、私の質問を終わります。どうもありがとうございました。

小宮山重四郎自由民主党・自由国民会議

○小宮山主査代理  柴田弘君の質疑は終わりました。  次に、中村重光君。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 私は、問題の五段階相対評価、それから三段階絶対評価を何回か委員会で取り上げてきたのですが、今度到達度評価を導入することになったから一歩前進だということで評価をしたいのだけれども、問題は、これまでの五段階相対評価はそのまま残って、これに加えて新しく到達度評価を取り入れるということ、それから、小学一、二年生は三段階評価だけれども、三年生以上は依然として五段階相対評価をそのまま残すということになってくると、ねらいはどこにあるのか、その点が明らかでないということが一点です。  時間の関係から申し上げるが、プラスとかマイナスとかあるいは空欄というやり方をやるのですね。そうなってくると、プラスならプラスに対して枠がないのかどうかということです。いまは五段階相対評価というのは枠があるわけだ。五なら五というのは何名だというふうに決まっている。そのことがいまの高校入試に対して、内申がウエートを五五%なら五五%を占めて、そして入試の試験は四五%程度なんだから、それだけに問題があるわけです。私はそういった点からしても、五とか三とか一とかいった相対評価ではなくて、数字を出さない、成績がどういうものだということがわかるような三段階の絶対評価にすべきであるという主張であったわけです。今回取り入れた到達度評価の問題と従来どおりの五段階相対評価との間に矛盾が出てくるのじゃないかという感じがしてならないのです。それらの点の考え方はいかがですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 まず、評価の問題というのは私、いろいろ人に教えてもらったりなんかしてやっていますけれども、これが絶対だという方法はなかなかないと思うのです。だからわれわれはいつも、いままでやってきたことに改善、改良を加えて少しでもよくしていこう、こういう立場で来ておるわけです。  そこで、おっしゃるように今回は五段階評価そのものは残すわけです。ただ、小学校の低学年などは、専門家を集めていろいろ聞きますと、一年、二年の段階では、その子供の進度、成績というものを五段階に分かれるほど細かく評価できないし、また、そうする必要もないだろうということで、低学年は三段階にしたわけです。五段階は依然として残しておるわけですけれども、この趣旨は、あくまでも一つのグループ、一つの学年というものを客観的に見た場合に、その生徒の成績状況がどういう分布にあるかということをとらえようという趣旨でございます。ただ、先生おっしゃるように五は何%、四は何%というふうに余りきちっと数字を決めますと、そこに非常に無理がありますから、これは従来も指導しているところですが、おおよそ真ん中の者は三だ、非常にすぐれている者は五、非常に劣っている者は一ということで、それは機械的に数を配分するのではありませんよという指導をしているわけで、今後もそれでまいりたいと思うわけです。  そういう客観的な全体の状況把握という意味における相対評価と、今度は一人一人の子供を指導するに際して、その子供が国語の読みなら読み、書きなら書きという能力がどのくらいに達しているか、それが指導要領に定める目標に照らして、達している場合にはマルをつけなさい、かなりおくれている場合にはバツです、そうでない場合には何も書かなくてよろしいというのが今回の措置であります。したがって、マルは何人とかバツは何人とかいう数の配分というようなものは一切しない、一人一人の現状というものを把握して、それが指導要領に言うところの到達目標に達しているかどうかという判断のもとにいまのような印をする、こういう趣旨でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 あなたの方で、この五段階評価にしても枠を設けていくことは無理がある、適当ではないという指導をしてきたとおっしゃるのだけれども、現実にはそうなってきている。だから、それを直すということでなければならぬということは、いまお答えの中からでも受け取られるわけです。それならば、五段階の相対評価といったものはよくないことだということになるのだから、これをあっさりやめてしまって、そうして、数字ではなくて三段階の絶対評価に持っていくことが一番いいんじゃありませんか。その子供の成績がどんなものだということ、もう一歩がんばればいいと励みを与えるような評価の仕方、そのことが私は大事だと思うのですよ。何か依然としてこだわりがあるような感じがしてならないのです。大臣、ちょっとお聞きになっても、あなたも文部大臣になって大分勉強されたのだろうけれども、どうなんですか、素朴に考えて、めんどうくさいことをやらなくたっていいことはいいとして、すっきりしてやった方がいいと思いませんか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 局長からの話を聞いておりますと、どうも局長の方がよく考えてやっておるように聞いております。(中村(重)分科員「いや考え過ぎているのだよ」と呼ぶ)

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 ちょっと補足させていただきます。  確かに先生おっしゃるように絶対評価で、この前に比べれば今度は百点だという評価をするのも、教育的配慮として一つの方法だと思うのです。ただ、長い間の経験によりますと、絶対評価の欠点は判定者の主観にかなりよりがちな点がある、つまりどうしても自分で教えた子供に対して指導者はいい点をつけがちだということからしますと、教師自身との関係では確かによろしいのですが、何百人という子供を見た場合に、それがその中でどのくらいの成績かを判定する場合には、やはり絶対評価だけでは不十分だというのがこれまでの経験でございますから、そういうのも加味しているわけでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 絶対評価になると主観が入る。いままでの相対評価ということになると形式になる。それが非常な無理があるし、百害あって一利なしということになる。実は、この院内で働いているある職員ですが、その人は子供を二人持っているのです。ことしお姉さんの方が入試をするのだけれども、非常によく勉強ができる、妹の方がよくないのです。ところが、妹の内申の方が評価が高い。体育とかなんとか、そっちの方が非常に成績がいい。五十五点を内申の方につけるものだから、実は試験の結果は大体九十、九十、九十四だそうだけれども、内申の方が低いために合格できないだろうということなんだ。それらのことを考えてみると、いまの五段階相対評価という形の及ぼす悪影響、矛盾ということが明らかなんだ。  あなたは、相対評価はよくない、いまのやり方に無理がある、だから指導している。絶対評価の方には主観が入る。いずれも一利一害という感じのように受け取られる。だから、せっかく一歩踏み込んだんだから、本当に効果のあるやり方に改めることにちゅうちょしてはならぬ。だから、いま大臣は私の質問に対して、どうも局長の言うのがよさそうだと言うのは、それはそれで別に言いませんよ。しかし、ではなくて、あなた自身が突っ込んでいい方法を導き出すということでないといけないと思いますよ。いかがです。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 私も指導要録の改定につきましては、それなりに勉強させていただきました。いま御指摘になったような点があることも事実だと思います。しかし、これは内申の問題もございすすしいろいろな問題がございまして、いまの段階では、こういう要録を子供たちの一、二年のときにああいうふうに変えたということで、とにかくやってみるということ、そこに一つの大きな進歩があるように私は感じておるわけであります。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 この点はきょうはこれ以上議論しませんが、大きなということがくっつくほどのことはない。だけど、一歩前進だということは申し上げる。  それから、到達度の方はプラスならプラスは何名だなんという枠はないのですね。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 ございません。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 次に、これも初中局長の所管だろうけれども、幼稚園の関係を二つほどお尋ねするのだけれども、経常経費は毎年若干ずつ補助金が上がっているのですね。ところが、就園奨励金もそのとおりだ。就園奨励金の方は、非常に事務量がふえて園にとると負担なんですね。しかしこれはやらなければならぬ。したがって、経常経費というものをできるだけ増額をしていくということでないといけないと思うのですが、今回はパーセンテージとしてどの程度ふやされましたか。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 高等学校以下の経常経費の総額が本年度は六百億でございますが、一六・七%アップの七百億を計上いたしまして、幼稚園分につきましても同じ伸び率で積算をいたしてございます。一六・七%でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 いまの数字からいってもやはり低いから、補助額をふやすように今後最大限の努力をしてほしいということです。  それから、幼稚園の時間というのが御承知のように非常に短い。子供さんが保育所に入ると、長時間保育だから四時か五時くらいまで預かってくれる。幼稚園は昼までということだから、働く女性が、子供さんが幼稚園に入ったためにやめなければならない。小学校に入れば言うまでもないことですね。ですから、どこから出たのか、幼稚園筋から出たということなんだけれども、保育に関する基本法を制定をするという動きが、まだ文部省とか厚生省とかということで政府側から出ているということではないようですけれども、いわゆる幼稚園筋、与党の中でそういう議論がなされているということなんだな。まだ具体的に煮詰まっているわけではないのだけれども、三歳児までは保育所にも、もちろん幼稚園にも入れなくて、家庭で保育をしなさい、この思想、これは、施設に収容されているところの老人に対して相当額の負担を要求する、施設に入っても余り魅力がない、こういうことで、その面から経費を節減することと、働く婦人の職場を少なくするといったようなことに、両面にどうもねらいがあるような感じがしてならない。それから、保幼一元化の問題との関連というものもあるんだろうと私は思うのですが、少なくとも幼稚園の、いま私が時間の問題その他を申し上げましたが、そういう方向についての考え方がどうか。それから、幼稚園筋から出ているとすると、文部省の方でもそれらの動きというのを知っておられるのだろうと思うのですけれども、そういう三歳児までは保育所にも幼稚園にももちろん行かせない、家庭において保育をするというような考え方というのは、私は時代逆行だというような受けとめ方をするわけですが、それらの点に対しての考え方はいかがですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 具体的にどういう法案をだれが考えておられるのかというようなことは私、承知いたしておりませんので、お答えできませんけれども、最後の御質問の、三歳児以下は保育所も幼稚園もかかわらずに家庭でやらすべきだというような考えは、今日の社会生活の実態を見た場合に、これはちょっと無理じゃないかというふうに思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 時間的なことについての検討はされたことがありますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 いまおっしゃるのは、幼稚園の教育時間の問題だと思いますけれども、いまの幼稚園教育の基準では、一日の教育時間は四時間ということになっておるわけで、それは保育所が七時間も八時間もやるのに比べると大分違うわけでございますね。ただ、幼稚園関係の先生方にお聞きしても、幼稚園といえども教育をやるところですから、これの一日の教育時間をどのくらいにするのが適当かという観点からしますと、御承知のように小学校の一年生は一週間二十五時間の授業時間ですから、それを考えますと、幼稚園で教育という立場から見たら、一日そう五時間も六時間もはできないんじゃないか。ただそうは言っても、実際に幼稚園を終わった後、うちにお父さんもお母さんもいないという子供をどうするかという問題になりますので、これは全国的にそうしているというわけではありませんけれども、地域などによっていろいろお聞きしますと、幼稚園と保育所とが隣接したような形で、幼稚園が終わった後、さらに保育所のお世話になる子供はそちらへ世話をさせるというようなことで、機能的に分けて考えていくというふうな方向でやっておるところもあるというふうに聞いておるわけです。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 おっしゃるようなことで、父母の負担というものが伴わなければ別ですよ。これは私立の幼稚図と公立の幼稚園とでは、負担はいまでも十倍以上でしょう、そうなんですよ。そうすると、保育所にもやった。幼稚園にやって、今度は保育所だ、とうてい負担にたえられるものではない。だから、保育所は何をするところか、幼稚園はどこが違うのか、そういったような議論というものをして、矛盾をなくして、よりよい方向へ持っていくというようなことについて、文部省と厚生省が忌憚なく議論し合ったことがあるのだろうか。何かなわ張り的なものがあるような感じがしてならない。そのことが今度は、保育所の経営者は幼稚園を批判する、幼稚園の方は、保育所なんかにやったって子供はだめになりますよと言って、今度は保育所を批判するなんというような影響だってあらわれてきておるわけですね。  だから、もっとざっくばらんに、幼児教育は大事だから、私もヨーロッパの国々や社会主義国家を回って、関心を持っておるものですからのぞいてみるのですけれども、本当に幼児教育のよさというものをしみじみと感じますよ。特に最近の情報社会の中で三歳児までに与える影響というものは、三歳児程度が一番ということは定説になっておるわけだから、それらのことを考えてみると、もっと政府部内でも幼児教育ということについて徹底した検討を加えていく、効果あらしめる、こういうことでなければならないと思いますが、大臣いかがですか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 先生御存じのとおりに保育と幼稚園の問題は、ずいぶん議論はされておりますが、まだ結論というものはなかなか出ていないというのが今日の状況だと思います。しかし、これはそれぞれの理由があることで、単になわ張りの関係だとか役所のセクショナリズムという問題、それだからというものではない、問題の本質があるんじゃないかという気が私はいたしております。したがいまして御存じのとおりに、厚生関係からの推薦も受け、文部省関係からの推薦も受けた学識経験者の方々でこの問題について議論をしていただいて、会合は何回となく持っていただいておるわけですが、まだそちらからの結論も出ていないというのが現状でございまして、文部省の方といたしましては、幼稚園の問題を幼児教育の問題からとらまえてこれをやっていくというところで一応進めていきたい。先ほど御指摘がございました、幼稚園に入れたけれども、あと保育をする必要があるというような問題につきましては、先ほど局長の方からお答えしましたような一種の便宜的な方法というものが、一部には行われているようにも聞いておりますけれども、それはとにかくといたしまして、この両者が本当に統一のできるものなのかどうか、また、それ以外に方法があるのかどうかということを、幼児教育の重要性の立場からひとつ十分検討はしていかなければいかぬ、こういうふうに考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 本質というものでは私はないと思っています。そこで縦割り行政の弊というものだと申し上げてもよろしいのではないか。いずれにしても保幼一元化の問題も含めて幼稚園のあり方、保育所のあり方、長所、短所、そういうものを十分ひとつ議論をして、そうして幼児教育の万全を期してほしいということを強く要望しておきたい。  それから私立と公立との父兄の負担というものですね。保育所の方は、施設措置費というのは同じになってきましたから、若干の相違があるだけです。しかし、幼稚園はそのまま放置されていますからね。やはり幼児教育の段階にまでそういうことであってはならない、そう思います。したがって就園奨励金にいたしましても、全園児に対して支給をしていくということ、それから経常経費の補助、そういうものも思い切って増額をしていくというようなことでないと、財政的な問題というようなことでこれら重要な問題を処理すべきではないということを強く申し上げておきます。  それから、いまのお答えにも関連をしてくるのだけれども、厚生省からもおいでだろうと思うのですが、学童保育の問題なんですよ。これは子供の非行化の問題とも関連をいたしますから申し上げるのですけれども、先ほども申し上げましたように、働いているお母さんたちは、子供さんが小学校に入るとやめてしまわなければならないのですね。そうしないというと、今度帰ってきてからかぎっ子になってしまって、そのことが子供が放浪性を帯びる非常に大きな影響を与えるということになるのですね。ですから、働く婦人のために、それから、これまた学校教育と家庭教育と社会教育をかみ合わせるといったような面等々からいたしましても、学童保育というものにひとつもっと力を入れて、少なくとも小学校区域ぐらいに一カ所くらいの児童館というのか、そういう教育の場をつくり上げて、そして、建設費であるとか運営費というものは保育園並みの助成をしていくという必要があるだろうと私は思うのですけれども、直接的には厚生省の所管でしょうが、学童の非行化を防止するというような観点等々から、文部大臣の見解もひとつ伺っておきたいと思います。

会田武平厚生省児童家庭局育成課長

○会田説明員 先生の学童保育の中身は、放課後のいわゆるかぎっ子対策だと思いますけれども、問題は、実態と申しますか、お子さんの年齢も小学校の一年から相当高学年まであるというようなことで、したがって処遇なんかも、やや個別的処遇ないしは集団処遇と申しますか、自主的にお子さんが野球をするとかそういう処遇の問題、もう一つはお母さんのニードが、母子家庭から始まりまして自営業でありますとか、最近はパートの短い時間というようなニードがあるわけでございます。それで、そういう対応は非常に多様的と申しますか、弾力的にやらなければならないという実態がございまして、私ども厚生省といたしましては、本来的には子供のこういう生活圏に見合いました、さっき先生お話しの児童館の整備の問題、それを基本といたしつつ、もう一つは現実問題としては母親クラブでありますとか、あるいは児童遊園をつくるとか、あるいは子供会を育成をするとか、あるいは文部省関係でございますと学校体育施設開放事業あるいは労働省の働く婦人の家でございますとか、そういういろんな施策を現実に活用しまして、地域の実態に応じて対応していきたいというように考えております。  先生お話しの保育所のようにというお話もあるわけでありますが、時間が一日七時間、八時間という画一的なことでは実態にも合いませんし、また、市町村長が行政処分として保育所のように入れるということでも必ずしもなじまない。固定施設ではなくていわば利用施設として児童館、現在の予算が七十、それから児童センターというのが七十ございまして、そういう整備費の予算も用意いたしておりますし運営費も出ておりますので、私どもとしてはこの児童館を中心に今後ともかぎっ子問題に対応していきたいというのが基本でございます。  先生お話しの、小学校区に一つというお話なんですが、実は私ども審議会の答申などではおおむね中学校区に一カ所ということで、約一万カ所程度になると思いますが、現実にわずか二千五百しかございませんものですから、したがいまして現実的な処理としては、非常にかぎっ子の多い市などを中心として臨機応変に予算の配分などをしていきたいというのが現実でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 どうですか、大臣。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 文部省の側から言いますと、いまお話にあったように、放課後の校庭開放あるいは体育館の開放で実質的に学童保育の役割りを果たすというようなことは、これは従来も奨励していたところですから、今後もやってまいりたいと思いますけれども、学校の教員が責任を持って放課後また学童保育まで担当するということは、その勤務量の問題あるいは責任の問題等いろいろございますから、これは私はちょっと学校でお引き受けする筋ではないのではなかろうかというふうに思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 その点はわかるのですよ。しかし、学校に入学をした後のかぎっ子の問題なんだから、これはやはり学校教育、家庭教育、社会教育、そういうものが非常に連係し合っていかなければならぬ。したがって役所も、これは厚生省の所管だからということでなくて、学童の問題なんだからそれは関心を持って対処していくのでないといけない。それから助成にしても、たとえば長崎県の場合六千万くらいかな、社会福祉法人に対するあれは。その中に入るのですよ、児童館つくるの。どのくらいかというと、一千何百万円程度の割り当てで、数によって違うのですよ。少なければ、そこ一カ所だけならば、六千万なら六千万、八千万なら八千万の割り当てをそっくりもらえるけれども、社会福祉法人の設置ということがたくさん出るから、それを配分する関係上、問題にならない助成しかないということです。ですから、ひとつ思い切った助成をする必要があるということを申し上げておきます。  それから、重度障害児の義務教育の問題ですけれども、これは養護学校が義務教育化した。ところが、いままで特殊学級にいた子供たちは養護学校の方へという形で、どうも機械的なことで追いやるというような形が現実にあらわれてきているのですね。だから関心を持ってもらわないと、かえって養護学校の義務化というものがマイナス要因として働くというようなことであってはならないというように私は思います。こういう本当に恵まれない子供さんたちのためにこそ真剣に考えてあげなければいけないのじゃないでしょうか。  それから、高校教育の保障の問題とか卒業後の進学とか就職の問題。実は、私の県で長崎市に長崎大学の附属養護学校があるのですよ。そこは高校まで行けるのですね。だからそこへ殺到するのですよ。     〔小宮山主査代理退席、越智(伊)主査代理着席〕 なかなか高校には行けない。しかし恵まれないそういう子供だから、親は高校でもやりたいという気持ちになる心情はわかるでしょう。距離も、養護学校に非常にふさわしくない場所につくってあるのですよ。そこでも殺到するのですね。ですから、やはりもっと温かい思いやりを持って進学、就職は労働省の所管にもなるわけですが、文部省としても、この重度障害を含む障害児の義務教育の完全な実施、弊害を調査をして除去して改善していくということと、いまの高校教育の問題等についての考え方をお聞かせいただきたい。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 確かに養護学校が義務制になって、一人一人の子供さんをとった場合にどういう教育を受けたらいいかというのは、よほど適切な就学指導が必要なわけでございまして、たとえば長崎でも、去年義務制実施と同時に、長崎大学の先生のお嬢さんだったかと思うのですけれども、小児麻痺か何かでかなりの障害があるけれども普通学校に行きたいということで、いろいろいきさつがあったようですけれども、私はたてまえとしては、相当障害の重い子供はやはり養護学校に行っていただくのがいいと思うのです。というのは、そういう例外的な場合は、本人の意欲とか能力、あるいは親の協力とか、関係学校がそれを受け入れるだけの余裕があるとか、いろいろな条件がないと、本人の希望だけではうまくいきませんから、その辺を十分考えて各県で適切な対応をしていただきたいということで御指導をお願いしているわけでありまして、そういう考え方で今後もやってまいりたいと思うわけです。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 時間がありませんから、これで終わります。

越智伊平自由民主党

○越智(伊)主査代理 中村重光君の質疑は終わりました。  次に、春田重昭君。

春田重昭公明党・国民会議

○春田分科員 就学援助制度というのがございます。正確に言ったら準要保護児童生徒認定、こういう制度でございますけれども、この認定にはいろいろな条件といいますか、基準があるみたいでございますが、まずそれをお示しいただきたいと思います。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 就学奨励、ちょっとその前に制度の趣旨でございますが、これは市町村がそういう就学奨励をした場合に国が補助をする。ですから、市町村がどういう基準で生活保護者に準ずるような家庭を認定するかという、その目安になるわけですが、文部省が出しております認定の目安としては、一般的な基準というものは現在のところないので、たとえばその家族について国民年金法に基づく国民年金の掛金が減免されておる家庭であるとか、児童扶養手当法に基づく児童扶養手当の支給されている家庭であるとか、あるいはもう少し一般的に言いますと、学級費とかPTA会費等の学校納付金の減免が行われているもの、こういうようなことで、それらを総合的に見ながら一人一人の子供について民生委員なり福祉事務所の長の意見を聞いて判断してください、こういうやり方をしておるわけでございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田分科員 そうしたいわゆる認定基準の統一的な国の見解というものは、これは市町村側の教育委員会がやっているわけでございますけれども、きちっと明確に徹底されているんですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 いまのおっしゃるような幾つかの目安というのは通達で出しておるわけでございますね。そういう意味では、それは全国的な補助金を出す場合の一つの基準ですよということなんですが、おっしゃるように、たとえば所得幾らから幾らの間というふうな、いわば全国的に共通する明確な基準というものはいまのところないわけでございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田分科員 それが地方団体では、こういう文章ではわかっていても、いざこの人が本当に対象者かどうかということは、一つの税金の額とかそういう形にしなかったら、機械的といいますか、事務的になかなか処理できないわけですよ。そういう点で、文部省が昭和四十八年に研修会を行いまして、このときに発表した、いわゆる準要保護家庭は生活保護に準ずる家庭、困窮者、こうなっているものですから、生保のいわゆる基準総収入がありますが、それの大体一・三ないし一・五という認定率基準をお示しになったわけですよ。それが現在でもずっと流用されているわけです。この点、御存じですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 昭和四十八年当時、いま先生がおっしゃるように、なるべくもっと明確な基準が欲しいということもあって、生活保護基準の一・三あるいは場合によっては一・五ぐらいのところまでを目安にして判定しなさい、したらどうですかということをやったことがあります。ただ、その場合でも、一・三とか一・五の中のものを全部というのではなくて、その範囲で個々の子供についてよく審査をした上でやってください、こういうことにしたわけです。ところが、一・三、一・五というのは、その当時で言いますと、ちょうどその水準というのは市町村民税所得割、これが課税される一番下のところと大体合っていたわけです。ところが片っ方は税制上の問題であり、片っ方は生活保護の問題ですから、その水準というのが相対的にいつでも同じ割合を保っているわけじゃないんですね。課税水準の方がずっと下がってきてしまったということがありますと、一・三というふうに固定してやるわけにはいかない問題になってくる。そもそもそういうふうに考えますと、一・三ということがいいかどうかということになって、たしか五十四年くらいになりますと、課税水準と、生活保護水準が同じくらいになってしまったんですね。したがって、そのときには市町村民税所得割が課税されないというくらいのところを目安にしてやってくださいということにしたわけですけれども、今日になりますと、さらにその課税水準が下がっているはずですね。  そういうことですので、おっしゃるように、私は、これは何か基準があった方がいいとは思っておりますけれども、現在の実際のやり方としてはなかなかそういう画一的な基準がむずかしいというのが実情でございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田分科員 四十八年文部省が一つの目安を出されたときは生活保護基準額が六十七万、非課税の世帯の方が八十六万ということで、いわゆる生保の方を一・三倍したら大体この八十六万くらいになるということで、目安として出されたわけです。今日、昭和五十四年になったら、生保が百六十一万九千円になった。非課税の方が百四十九万ということで逆転しているわけですね。そういう点においては生保の方を一・三倍したら、非課税の方たちなんてぐっとそれより以下ですから、四十八年当時と相当変わってきているわけです。これはわかるわけです。ところが、現在でも市町村によっては一・三ないし一・五を流用しながら現実はやっている。  したがって文部省としては、それは四十八年のことでございます、現実はこのように変わっておりますと言っても、それは果たして本当にそういう実地の市町村の教育委員会のそういう担当者に明確に打ち出したかどうかというのが問題なんです。明確に徹底されているのですか。指導されているのですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 確かに先生のおっしゃることはよくわかるのですけれども、一遍市町村として一・三くらいのところでやりますと、それを次からすぐ改めるということはできない。そこで、端的に言いますと、各市町村によって、そうした生活保護を受けらせる、あるいは受けるという運動がかなり強いところと、そうでないところが現実にあるわけです。そういうことからして、市町村同士で、同じ県内、府内でも格差があるという事実は私承知しております。それが望ましいとは決して思わないのですけれども、いまのたてまえが、まず第一義的には市町村が判断してやるということで、一遍つくった実績がなかなかやめられないということからこういうことになっていると思うので、いま言ったような、一・三はもう考えてませんよということはよく言っているわけですけれども、現実にはなかなかそれがすぐ直らないということでございますので、これは率直に言って、何かいい方法はないかということで毎年研究はしておるのですけれども、いまのところ模索中だ、こういうことです。

春田重昭公明党・国民会議

○春田分科員 局長は、言っていますと言うけれども、聞いてないのですよ、これは。いついかなるときにどこでどういう形で明確に指導したか言ってください。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 これは現実の事務処理ですから、各県から毎年交付対象者の申請あるいは内々のお話があるというようなときにはみんな担当者としてはお話をしておるはずでございます。ただ、文書で出したり、あるいは特定の会場で説明するというようなことはやってないかと思います。

春田重昭公明党・国民会議

○春田分科員 大臣、昭和四十八年は全国から全部集めて、テキストを渡して、文部省のえらいさんが、当時の目安としては大体一・三ぐらい、どうですかと全部説明したんです、ところが、そういう経済状態の変動でいわゆる生保の方が非課税より上回ってきているわけですよ。現在、一・三倍ないし一・五倍というのは合わないわけですよ。だから四十八年当時徹底したものはもうだめなんですよということを明確に打ち出さなかったら、現実にこれでやっているわけですから。四十八年は担当者を集めてやったのに、なぜこれができないのですか。やはり経済事情が変わったのだからその考え方は違いますよということを言わなかったら、これは大阪の方では大変なんですよ。後で言いますけれども全部一・五でやっているのです。したがって、全国レベルよりも物すごく多いのです。要するに統一的な見解を出さなかったら、文部省としては一元的な教育指導という形にならないのじゃないですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 いまの私の説明はちょっと訂正させていただきますけれども、いま先生がおっしゃったように講習会をやってテキストに書いてあったのですが、四十八、九年のころ、私もそれを覚えていますけれども、それをその後削ったわけですね。その後、毎年五会場くらいで講習会をやっていますから、その講習会の席ではいま言ったように国の考え方としては一・三−一・五というのはもうやっていないのですよということは伝達しているわけです。ただ、実績として、先ほど申し上げましたようにすでにそういうものをやってしまった場合に、やっている市町村がそれをなかなか圧縮できないという実態だろうと思います。

春田重昭公明党・国民会議

○春田分科員 それに対しては文部省としてどういう見解なんですか。現実にそういう形でやっているわけでしょう。それに対してはどういう見解なんですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 先ほども申しましたように、これはまず市町村が主体的にやることですけれども、われわれとしては、できるだけ全国同じような比率でやってもらいたいという希望は非常に持っておるわけですが、実際には、予算の配分等の場合にできるだけそういう趣旨で協力を願うようにしながら、しかし現実には、なおいまおっしゃるように大阪とか東京でかなり高い水準になっているというのが実態でございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田分科員 それでは、要するにお金は国が上げるから、これも枠がありますけれども、実施するのは市町村だからあなたのところは予算内で適当にやっていけということで、これは無責任になりますよ。こうした国の補助金がつくわけですから、国の統一見解を出して、そして理想的なそういう就学援助制度に持っていかなかったならば、何のための補助かと言いたいのですよ。お金さえやって、足らない分は地方自治体があと全部持ち出しなさいということでは、これは教育の機会均等といいますか、一元的なそういう指導にはならないのじゃないですか。  対象児童数でございますけれども、全国平均が出ておりますね。パーセントだけで結構でございますからちょっと説明してくれますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 対象人員は五十年度で六十二万五千三百、パーセントで言いますと四・二%です。五十一年度が四・四%、五十二年度が四・六九%、五十三年度が五・〇三%、これは実績でございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田分科員 そういう全国レベルの実績があるわけですね。  私の地元は大阪なんです。この大阪でも本当にひどいのですよ。守口なんというのは、五十三年度で国が大体五・〇三ですか、守口は小学校で一三%、中学校で二%、大東市では小学校は九%、中学校は七%、東大阪市というのがあるのですが、ここでは何と小学校で二四・七%、四人に一人がこの制度を受けているのです。中学校は一八・七%。こういう形で全体的に物すごくレベルが高いのです。国の倍以上いっているわけでしょう。それは先ほど言ったように国の統一見解がないものですから、受ける側としてはこれは税金で受けて、それだけいろいろな学用品とか遠足代とか医者代とか給食費とか、みんなただになるんだからいいけれども、しかし、これは本当にそういう困った方たちが受けているかと言ったら、そうじゃないのですよ。中には本当にある団体が集団でやって通知が来ましてびっくりしまして、私、こんな就学援助制度なんて受ける気持ちなんかないのですという方も出てきているのです。そういう珍現象も出てきているのですよ、昭和四十八年にそういう目安を出して今日まで来ているわけですから、そういう点においてはこれは現時点に合うように見直さなかったら、国が補助金、二分の一を出してもこれは枠があるのですから、あとは全部持ち出しなんです。東大阪市なんて年間四億円出しているのですよ。  こういう点、もうちょっと実態をよく調べていただいて、そして文部省としては本当に、こういういわゆる生活保護に準ずる方たちに与える制度なんですから、そういう方たちに本当に与える制度としてきちっとしていただきたいし、税のむだ遣いがないようにしていただきたいと思うのですよ。大臣、お聞きになっでどうですか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 私は、基準というのは先ほどこちらから示しておるもので、市町村で決めるのが一番いいと思いますが、だんだんお話を聞いておりまして実態的になかなかそうはいかないという事情があることもいまお聞きをいたしました。いろいろな実情を私もよく聞きまして、検討したいと思っております。

春田重昭公明党・国民会議

○春田分科員 よく検討していただきたいと思うのですよ。  それで、認定率というのが一・三から一・五ありますけれども、いままでの論争からすればこれはいまは全然ないと考えていいわけですね。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 いまは考えておりません。

春田重昭公明党・国民会議

○春田分科員 それから、いわゆる収入を総収入と考えるか所得と考えるかという点でございますけれども、この点どうですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 これは大体給与所得者を対象として考えているわけですね、事業収入の場合非常にむずかしゅうございますから。そういう考え方でいっているわけでございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田分科員 ということは総収入ということですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 そうです。総収入です。

春田重昭公明党・国民会議

○春田分科員 ところが、これも市によっては所得でやっているところがあるのですよ。所得でやっているところは大体総収入の七割ないし八割ですから、その分だけ、たとえば限度額が二百六十万で総収入でやっているところはいいですけれども、所得でやっているところは三百万ぐらいになるわけですよ。だから対象人員がぐっとふえちゃうわけですね。こういう点もばらばらなんです。  それから、収入の認定をする年度でございますけれども、前年度なのか当該年度を対象とするのか、この点どうでしょうか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 これは前年度の収入というふうに聞いております。

春田重昭公明党・国民会議

○春田分科員 これは市町村に提出する期日というのは決まっているのですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 三月末までにしてもらうというふうなことだそうでございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田分科員 というように、私が言ったように認定率も一・三を使っているところもある、一・五を使っているところもある。ところが、国はそういうものを全然考えていないと言っても、現実にやっているわけですよ。収入の面でも総収入を採用しているところもあるし、所得を採用しているところもある。前年度を採用しているところもあるし、当該年度を採用しているところもある。ばらばらなんですよ。こういう点でどうか本当に現実的な面を、実態をとらえていただいて、ばらばら行政にならないようにしていただきたい。大臣から検討するということで今後期待いたしますけれども、大阪においては本当に市町村がそれによって持ち出しが大変なんです。どうかそういう点で鋭意検討していただきたいと思います。  この申請でございますけれども、これの申請の手続はどうするのですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 これは私、大まかなことしか知らないのですけれども、市町村がまず当該市町村についての対象予定者を県へ上げまして、県が今度は県のものをまとめて文部省に来ますね。文部省では、いまの規則ではそれぞれの県に、全国の要保護世帯との比率からどこの県は幾らぐらいという目安がございますね、それに従って県にまた割り当てる、県はその割り当て数をもとにして今度は各市町村に割り当てる、こういう段階で、今度は予算と照合しなければなりませんから、そこですり合わせをして、足りないところが出ればまたそこのところは調整をする、そういう操作をしておると思います。

春田重昭公明党・国民会議

○春田分科員 いや、そういうことじゃなくして、本人自身が申請して認定になるか、不認定になるかの手順なんですよ。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 どういうふうな手順でその利益を受ける者と市町村の関係があるかということは、これまたそれぞれの市町村によってやり方が違うと思うのですが、いまのたてまえからすると、学校長が民生委員あるいは社会福祉施設の長なんかの意見を聞いて、この子供は対象にしようということでお話をして申請をさせる、申請の仕方も、学校を通してやる場合あるいは直接区役所、役場に申請させる場合、たしかそれは自由であったかと思いますが、そういうやり方だと思います。

春田重昭公明党・国民会議

○春田分科員 いまの局長のお話では、民生委員や社会福祉事務所のそういう助言も必要であるということでございますけれども、教育委員会単独で決定しているところもあるのです。ところが、民生委員の判こがなかったら認定になっていないところもあるのですよ。こういうばらばらあるのですけれども、この点どうなんですか。市町村に任せっぱなしでもいいと御理解しているのですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 この辺は画一的に、必ず民生委員の判こをもらいなさいというのがいいのか、やはり市町村の判断で、それは場合によって意見を聞くけれども、そうでなしに把握できるから学校でやるのだという場合も、これは私は当事者の判断に任せてよろしいのではなかろうかと思います。

春田重昭公明党・国民会議

○春田分科員 申請ですけれども、これは個人申請がたてまえであると思いますが、どうでしょうか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 私は、これはやはり個人申請だと思います。

春田重昭公明党・国民会議

○春田分科員 ところが、個人申請もありますけれども、団体申請がかなりあるところがあるのですよ。こういうお話聞いたことがございますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 具体的に聞いたことはないのですけれども、従来の経緯から考えると、あるいはそういうこともあり得るかなという気がいたします。

春田重昭公明党・国民会議

○春田分科員 よく実態をつかんでほしいと思うのです。これは現実に行われているのです。要するに個人申請が主義です、たてまえです。本人がどうしてもやむを得ない場合は、代理申請でいいと思うのですよ。ところが、団体で申し込んできて、それで手続を全部終わってしまう、こういうケースがいま私の大阪のところではすごいのです。だから、先ほど言ったように、本人が知らない間に、家庭が知らない間に、あなたのところはこの制度が認定になりましたという通知が行ってびっくりするわけです。こういう実態が挙がっているのですよ。  そういう点で、文部省として二分の一の補助金を出しているわけですから、もう一度その実態をよくつかんでほしいし、その辺のところを指導すべきじゃないかと僕は思いますよ。どうでしょうか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 おっしゃるように、非常に末端の個々のケースの問題ですから、なかなか実態のつかみにくい面もあるわけですけれども、全く問題は先生おっしゃるような点にあると思いますので、私どももできるだけ調査をして、よりこれを改善する方向で一生懸命努力します。

春田重昭公明党・国民会議

○春田分科員 最後に、ちょっと苦情になりますが、大阪のある市がこの問題について文部省の方に文書でもって問い合わせたわけです。ところが、公文書で問い合わせていながら全く誠意ある回答がなかったということで、私の方に意見がましいお話があったわけでございます。御記憶ありますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 大阪の大東市から基準を明確にしてほしいという要望といいますか、文書の照会が来ておるということだそうでございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田分科員 それに対してどういう回答のやり方をなさいましたか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 まだ回答してないそうでございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田分科員 そうじゃない、回答しているのです。大阪府の一係長に電話で、大阪の大東市からこういう問い合わせがあった、要するに公文書で質問が来たけれども、これはおまえのところに電話で答えておく、大阪府、おまえは大東市へ行ってよく説得しろ、平たく言ったらそういう回答なんです。これでいいと思いますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 原則論ですが、市町村、県から照会があれば、できるだけ懇切丁寧にお答えすべきだと思います。

春田重昭公明党・国民会議

○春田分科員 ということで、公文書で問い合わせ、質問があった場合、やはり公文書で丁寧にお答えするのが筋ではないかと思うのです。それが本当の地方の時代、いわゆる地方を大事にする国のやり方ではないかと思うのです。そういう点で反省を求める次第でございまして、これはまだ出してないわけでございますから、きちっと書類で回答していただきたい、このことを要望しておきます。どうでございましょう。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 回答いたします。

春田重昭公明党・国民会議

○春田分科員 それでは時間が参りましたので、以上で終わります。

越智伊平自由民主党

○越智(伊)主査代理 春田重昭君の質疑は終わりました。  次に田中美智子君。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)分科員 児童と青少年のための演劇の振興について質問させていただきます。  いま、日本児童演劇劇団協議会、児演協と言っておりますが、ここには六十一の児童劇団が加盟しています。これがいま、日本の子供に対する演劇を受け持ってやっていただいている、中心的な働きをしているわけです。この児演協の、そこで働く団員たちの生活の実態調査を昨年、七九年度にやっています。そのアンケートの回答を寄せた劇団員が千二百二十二名いるわけですが、この結果を見てみますと、どんな生活をしているか。まず平均年齢三十二・七歳で、平均給与が八万九千八百六十四円です。ということは、大体三十三歳で九万円そこそこの生活を劇団員がしているということです。大臣、この点をよく頭に入れていていただきたいと思います。十万円以下の給与をもらっている人が七二%、五万円から八万円の人が四八%もいる。こういう低い収入で子供の演劇というものを支えているわけです。  彼らの願いというのは、せめて公務員の半分の給与がもらえないだろうか、私はこの言葉を聞いたときに、本当に胸詰まる思いがしました。せめて公務員くらいというならば普通ですが、せめて公務員の半分でも欲しいということを言っているということは、いかに切実な願いであるか、またどんなにかつましい願いというので、私は胸が詰まる思いがするわけです。  また、社会保障を見ましても、労災のある劇団は四〇%、けがをすることも非常に多い仕事です。その労災は半分以下しかありません。それから雇用保険や厚生年金に入っている人たちは三二%しかいません。あとは国年などに入っているわけです。それから住宅を見ましても、約八〇%近くがアパートに住んでいて、持ち家というのは一〇%に満たない八・六%ということで、ほとんどがアパートのような小さなところに住んでいるわけです。こうした生活を強いられながら、子供たちの演劇というものをしょって立っている。  それではこの劇団、児演協の方たちはどのような演劇活動をしているか。昭和五十三年一月から十二月までの一年間で、日数にして一万千三百四十九日やっています。ステージは一万八千七百三ステージやっています。延べ観客数にしますと約八百五十万、これは親も子供も含めてですね。幼、小中学校の在籍数が約千九百万人ですので、もちろんこれは延べ観客数ですから半分近いとは言えませんけれども、一応数からだけでいくと四五%の人たちに見せているわけです。こういうすごい活動、考えられないような活動をしてくださっているわけです。  大臣も御存じだと思いますが、国際児童青少年演劇センターというのがありまして、これはアシテジと言っていますが、ここで児演協の代表の方方がこうした日本の児童劇団の活動というものを報告をしたわけですね。そうしましたら外国の人たちは、国や地方自治体の補助がほとんどなくて、九〇%の劇団が自立してそんな活動をやっているなどということはうそだ、そんなことはあり得ないと言って嘲笑したというのですね。信じてもらえない。このように外国からは信じられないようなすばらしい演劇活動、また広範囲な活動をしているということは、うそではなくて実際にやっているのです。細かく話せば三十三歳で九万以下の賃金でやっているということ一つ見ても、そうかと思うのですけれども、そんなことはちょっと外国人には考えられないということで、嘲笑されたというようなことも最近あったわけです。  これだけ外国人が目をむくというふうな活動をしていたわけですけれども、これは本当なんですね、これに対して文化庁がどれだけ補助金を出しているかということは、あらかじめお聞きしていたわけですけれども、これは日数が二百十八日、ステージ数が二百五十九ステージ、これで間違いないでしょうか。

犬丸直文化庁長官

○犬丸政府委員 おっしゃるとおりのようでございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)分科員 そうしますと、実際には一万八千以上のステージをやっているのに二百五十九だ、一万一千三百四十九日もやっているのに二百十八日しか補助金が出ないということは、一・三%から一・四%という本当にスズメの涙のような補助金しか出ていないということですね。日本の子供に生のものをじかに見たことのない者を一人もなくしたい、こういう目標を掲げて、このような活動をしている方たちに、余りにも補助金が少ないのではないか。  今度の通常国会の冒頭にも、総理大臣は所信表明で、八〇年代は文化の時代だと言っていますし、また文部大臣、あなたも、教育や文化の向上をまずやっていかなければならないということを述べていられるわけです。そういう観点からしましても、余りにも少ないのではないか。せめて、二百十八日ではなくて六百日程度の補助金を出してもらえないだろうか。余りにみみっちくて、きょうのこうした私の質疑を世界のこうした演劇に携わる人たちに聞かれたら恥ずかしいような状態なんですけれども、この点、大臣はどうお考えになられますか。非常につましい要求だと私はむしろ思うのですけれども、彼らの要求、私には六百日ぐらいに何とかふやしてもらえないだろうかと言っているわけです。その点について大臣のお考えを聞かせていただきたい。

犬丸直文化庁長官

○犬丸政府委員 初めに私から事務当局としての見解を申し述べたいと思います。  民間における文化活動、その一部分でございます青少年に対する演劇の問題をお取り上げになりました。児童演劇を初めとして多くの民間の文化活動が非常に盛んに行われているということは私どもよく承知しております。そして、必ずしもそれに対して公の補助は十分に行き渡っておらないということは承知しております。  しかしながら、そもそも文化活動というものは、基本的にどこまでこれを公が支援すべきものかという基本問題があろうかと思います。いまお挙げになりました日本児童演劇協会ですか、それ以外のところでも小さな団体で盛んに公演を行っておられます。そういったような問題を全部取り上げて国から補助するという形をとるべきかどうかというのは、いろいろ問題があろうかと思います。しかしながら、もちろんこういう演劇活動を盛んにする、自主的な文化活動を盛んにするというための奨励的と申しますか、それをある程度育てていく、盛んにするための補助金を出すということ、このこと自体は望ましいことでございまして、私どもも政策的な配慮をもちまして、そういう文化振興という政策的な観点から、重要なポイントに対して補助金を出すということを考えております。  したがいまして、現実の民間で行われている演劇活動のすべてに行き渡るということは、これは考えてもおりませんし、また、それが適当かどうかも問題だと思います。ただし、大事なポイントにつきましては補助ということを考えております。それが実情でありますので、その点を一つ申し上げておきたいと思います。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)分科員 話をそらさないでください。私はいま日本じゅうにあるすべての劇団にと言っていませんでしょう。児演協に六十一団体が加盟している、この児演協はこういう状態になっているんだ、だからせめて六百日にしてもらえないか、こう言っているんじゃないですか。それ、大臣言ってください。——もう結構です。大臣、これは余りに少ないじゃないか、こう言っているのです。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 いろいろと努力をいたしておりますが、まだ御希望に沿えるようにはなっていない、こういうことでございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)分科員 いまあなたがお答えになったように、十分に行き渡っていないということは文化庁で承知している、私はいま文化庁を怒っているわけじゃないのです。ですから、もっと率直に私の質問に対してちゃんとかみ合うように答えていただきたいのです。これを六百日にしてもらいたい、こう言っているのです。余りにも少ないじゃないか。これに対しては、十分わかっている。大臣、文化庁としてはわかっている。だけれども、文部大臣の力が足らないということですね。そういうことですので、ぜひこれは六百日にするような努力というものを今後進めていっていただきたい。そうしないと世界に対して日本は恥ずかしいじゃないか、ここを一つ見ても、文化国家だなんてとても言えない、低文化国家だと言えるではないかというふうに思います。大臣、もう一度ちょっとお答え願います。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 御意見はよく承りました。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)分科員 この児演協には六十一入っているわけです。その中に「風の子」だとか「うりんこ」だとか「むすび座」とか、こういうものがあります。名古屋には「うりんこ」と「むすび座」というのがあるわけですけれども、大臣は児童演劇、こういうのを見たことがありますか。ちょっとあるかないかだけ答えてください。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 見ておりませんね。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)分科員 ぜひ一度見ていただきたいのです。文部大臣、どうしても見てもらいたいのです。これは主に幼稚園、小学生が中心です。中学生もちょっと入っておりますけれどもね。ですから、これはどうしても大臣見ていただきたいのです。というのは、私は過去にも見たことがあるのですけれども、三月二日に名古屋で「うりんこ」というところがやりました。私ちょうど私の実母がちょっと危篤状態になったものですから、見に行こうとして、見に行かれなかったのです。秘書に行って見てもらいました。その話を、秘書を通したまた聞きですけれども、名古屋の市のホールで千二百人の子供とその親を集めてやったんですね。これは「冒険者たち」というので、ネズミがイタチにいじめられて、そのいじめられたネズミがイタチに立ち向かっていく、こういうお話らしいのですね。その中で、私の秘書が話しますには、人間の命の大切さというものがひしひしとわかるというのですね。この秘書は小さな子供を持っている父親なんですね。ですから、いまテレビや何かで人を殺したりなんかする場面が出てくるのを非常に心配している人なんですけれども、命に対する大切さというものが非常によくわかる。それから、仲間が団結した場合にどんな大きな力を出すか、仲間の連帯というものがどんなに大切かということもこの劇を見ているとすごくわかるというわけです。私が話していますのを大臣、ちゃんと聞いていてくださいよ。それから、その仲間の中でリーダーを選び出すときに、いかに民主的にリーダーが選び出されているかというようなことまでが学ばれるというわけですね。この中で笑いと涙で子供たちはもう目をきんきらきんに輝かせて二時間半ですね、——子供は二時間半も集中はなかなか普通のことではできないのですね。二時間半もくぎづけだったというのですね。私は本当に見に行きたかったと思うのですけれども、どうしても見たいと思っていますけれども、ぜひ大臣はこれを見ていただきたいと思います。その子供の姿にまた私の秘書が感動して報告しているのですね。こういうものを全国の子供たちにぜひ見てもらいたい。それは芸術を愛し、文化的レベルの高い大人として育っていくというだけでなくて、この中から人間としてのいろいろな基礎的なものを学んでいる、まさに教育がこの中にあるというふうに私は感じています。  そういう点で、ぜひ大臣にこうした児童劇団、何も「うりんこ」でなくても結構ですので、ぜひ児童劇団を一度見ていただきたい。恐らく招待状をお送りするようにいたしますので、ぜひ見ていただきたいというふうに思います。そして一日も早く、この補助金がわずか一・四%などというようなことのないように改善をしていただきたいと思います。  次の質問に移りますが、この劇団員の方たちというのは、相手が子供だからお子様ランチ的な芝居でいいということではないのですね、見ていただいたらわかると思うのですけれども。子供は非常に感性がすぐれています、大人より。ですからいいかげんなものだったら見抜いて集中しないわけですね。非常に芸術性の高いものをつくらなければならない。そのためには出し物を決めて練習するまでの間に涙ぐましい努力が要るわけですけれども、まずけいこ場が要るとかけいこ場を改善したいとか広げたいとか、新しい出し物を計画したときには、それにつれたいろいろなお金が要るわけです。  そのお金の問題なわけですけれども、無担保、無保証で何とか低利の融資制度を国としても考えてもらえないだろうかということなんですね。いま全くないのですね。この人たちに対する融資制度がない。市や県が信用保証協会というのをつくりまして、ここで無担保、無保証で六・二%の金利で三百万円まで貸しています。この中にはたとえば風俗営業だとか不動産の売買だとかそういうようなものは除外されているわけですね。そのときにこうした「うりんこ」とか「むすび座」、こういうものが風俗営業並みに扱われてこの貸し付けの対象になっていないわけなんですね。どうしてなっていないのかということを調べてみましたら、これは国が指示しているのですね。どういうふうに指示しているかといいますと、中小企業庁なんですね。中小企業庁の中小企業信用保険公庫というのがありまして、ここへ市や県がやっている信用保証協会がお伺いを立てて、そしてそこで決められたところにしか貸せない。ですから、市の文化課ではこうした児童劇団はバー、キャバレー並みなんですよと言って、困ったことだ、こう言っているわけです。  それで、私はきょう大臣にぜひお願いしたいことは、中小企業庁に文部省の方から何とかこの信用保証協会の金をこうした児演協に入っている劇団に対しては融資できるような——幾ら何でもこうした文化的な仕事をしている団体がバー、キャバレー並みに扱われているということは、制度自体として、日本として恥ずかしいことだと私は思いますので、これは落ちこぼれているのだ。文部省が中小企業庁に理解をさせていただければこれはすぐに改善できることだと思うのです。国としては一銭の金も要る話ではありません。市や県がやっているわけですからね。ですから、こういうものにも貸してやれという指導を中小企業庁にしていただければ、三百万までというのはこれはできるようになっているわけです。ですから、これを至急やっていただきたいのです。これをお願いしたいのですが、大臣どうでしょうか。大臣答えてください。

犬丸直文化庁長官

○犬丸政府委員 中小企業金融公庫の問題につきましては、直接の所管ではございませんのでよくわかりませんが、制度の趣旨からいって、一体そういう児童演劇団体に融資ができるのかどうか、ちょっと私もわかりませんので、すぐお答えがしかねるわけでございますけれども……。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)分科員 いますぐにおわかりにならない。こういう抜け穴というか、落ち度とも言えませんが、制度上の不備ですね。文化に対する物の考え方というものが制度の中から抜けているわけですね。ですから、それを理解させるのは文部省のお仕事だと私思いますので、早速お調べになって、中小企業庁にそういうことを指導というのはおかしいので、お願いをしていただきたい、そしてこれを改善するようにしていただきたい、その行動をしていただきたいということです。よろしいでしょうか。

犬丸直文化庁長官

○犬丸政府委員 ただいま申しましたように、ちょっと内容がよくわかりませんのでよく研究させていただきたいと思います。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)分科員 研究してと言って、いつまでも研究していたら話にならないわけですからね。いま私が言いましたのは、国は金が要るわけじゃないでしょう。何にも金要らないわけです。市や県は出したいと言っているのですから、市は貸してやりたいと言っているのですから、しかし中小企業庁の方でこれは風俗営業並みだ、バー、キャバレー並みの中に入っているわけですね。ですから、それはおかしいじゃないかと言う。中小企業庁が言うことを聞くかどうかわかりませんよ。しかし、その努力をしていただきたいのです。ただ研究だけして座っていてもらっては困る。

犬丸直文化庁長官

○犬丸政府委員 実は、これは所管の法律ではございませんので、私は責任を持って申し上げられないのですが、恐らく中小企業庁の方は、いわゆる営利企業に対する融資なんだろうと思います。それで、児童劇団というようなものは恐らくそういうものじゃないので、そういったものが一体所管の範囲に入ってくるのかどうか、その辺がちょっと疑問でございますので、あるいは入るのかもしれません。それはよく法律も見まして、あるいは専門家の意見を聞かなければちょっとお答えできないわけでございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)分科員 どうして文部省はそんな頭がかたいのか。市や県は貸したいと言っているのですよ。しかし、中小企業庁がそれは株式会社「うりんこ」劇団となっていますので、これはいわゆる興行だというのですね。ですからバー、キャバレー並みに扱ってこれには貸せない、こういまのところ言っているわけです。金を貸す主体は市なんですね。県なんですね。そこはバー、キャバレー並みに扱うのはおかしい。形の上だけでいけばそれはどういうふうになるかわかりませんが、中身としてはバー、キャバレーと違うのだ。だからこれは何とか中小企業庁が頭を切りかえてもらえば、貸すのは市や県なんですから、文化庁はそういうものを育てるのですから、自分の方が補助金を出すだけでなくて、あらゆるところから補助が行くという形になるのが一番いいわけでしょう。むしろ私は文部省を激励しているわけですよ。ですから、ここのところを中小企業庁に話して、何とか劇団をバー、キャバレーから離していただきたい、そういう努力をしていただきたいと言っている。大臣、どうでしょうか。大臣の腹一つでできることですよ。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 研究をさしていただきます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)分科員 ちょっと聞こえません。もう一度はっきり言ってください。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 研究をさしていただきます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)分科員 研究だけじゃない。私はいま研究してくれと言っているんじゃないんですよ。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 私は研究さしてくださいと言っているんです。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)分科員 研究して——劇団というのはキャバレーやバーと一緒ではないのですから、これに対して市や県は金を出したいと言っているわけですから、ですから研究してみて、そうであったらそのようにしていただきたい、こう言っているのです。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 研究さしていただきます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)分科員 文化のことが文部大臣おわかりにならない。そんなことを言っていると、いまの自民党の閣僚はレベルが低いということになるのですよ。(谷垣国務大臣「それは御質問ですか」と呼ぶ)いや、あなたにお教えしているんですよ。これは地方自治体が実態をよく知っています。大臣は児童劇団を見たことがない人ですから、だからおわかりにならないのですよね。見ていただいたら、大臣だって人間なんですから感動すると思うのですね。  地方自治体ではいろんなことをやっています。名古屋ではこうした独自の文化や芸術を育てるために文化振興基金というのをつくって、そして五十五年度と五十六年度の準備を進めているわけです。そして五十七年度から五億円の規模で設立をしていく、これを二十億規模にしていこう、こういう計画があるわけですね。こういうものに対しても国はぜひ援助や協力をしていただきたい。今度は、この点で研究していただきたいのです。よろしいでしょうか。

犬丸直文化庁長官

○犬丸政府委員 私ども、いろいろな形で地方の文化振興は努力いたしておりますけれども、さらにそういう基金に対する補助ということは、まだいままでやっておりませんので、これも研究さしていただきたいと思います。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)分科員 それからもう一つ、新劇団協議会というのがありますけれども、ここでは、御存じのように高校相手に五十三年度千七十四回公演をやっています。これに対する補助金というものも非常に少ないですね。児演協と同じように非常に少ない。ですから、これもぜひ上げていただきたいということが一つのお願いです。  もう一つは、中学校も約五百件ぐらいやっているのですね。それに対しては一銭も補助金が出ていないわけです。これはどうして中学に出ないのですか。中学にも出していただきたいというふうに思います。

犬丸直文化庁長官

○犬丸政府委員 中学生に対する巡回演劇でございますか、公演につきましては、日本児童演劇協会という社団法人がございまして、それを通じて補助金を出しておりますので、いまの状況においては、面接補助は高校の段階だけで十分であろう。中学校以下につきましては、日本児童演劇協会の補助金で賄われておるというふうに考えておるわけでございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)分科員 児演協から中学校に出ているのは二十日分ですよ。ですから、ちょっとダブっているだけですね。実際には中学校が空白になっているんですね。補助金が来ていないわけです。ですから、新劇団協議会に対して、高校だけの補助ではなくて、中学にも補助を出していただきたい、こういうふうに思います。いかがですか。

犬丸直文化庁長官

○犬丸政府委員 全般的にこの種の補助金、まだ十分ではないということは承知しております。しかしながら、全体的な予算の制約もありますし、それからまた、こういう演劇活動に対する援助全体の上でどこに重点を置くべきかという問題もございますので、中学校に対する演劇巡回公演についてはまだ十分でないことはわかっておりますけれども、なお今後努力したいと思います。それから児演協の方でも、中学校関係に少し力を入れたいと言っておるようでございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)分科員 ぜひ両方から中学の空白がないようにしていただきたいと思います。  それからもう一つは、大臣のところに来ていると思いますけれども、名古屋に国立美術館をつくるという運動が、元の知事さんを先頭にしたような運動が各方面から出ています。名古屋というところは、御存じのように、大いなる田舎とかいうことを言われたり、文化が育っていない。それは、東京と大阪の間にはさまって、底にいつも落ちるんです。いい興行などが、名古屋に来ないで、素通りして大阪に行ってしまうというようなことがありまして、非常に文化に乏しいところだ。だから何とか国立美術館を持ってきてほしいという希望があります。こういう歴史的な名古屋の位置からそうなっているわけですので、今度新しく文化施設の予算を組まれたようですので、その中で国立美術館名古屋誘致の問題をぜひ検討していただきたいというのがお願いです。よろしいでしょうか。

犬丸直文化庁長官

○犬丸政府委員 国立美術館をつくってほしいという要望は名古屋以外からも出ております。しかし、そういうことに踏み出すためには、前提として、一体いまの日本で国立博物館がなお必要かどうか、あるいはどういう地域配分をしたらいいのか、公立の博物館との関係はどうであろうか、あるいはつくるにいたしましても、その内容はいかなる機能を持たせるべきか、そういう基本論を決定することがまずもって必要でございますので、調査会において鋭意研究しておる段階でございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)分科員 ぜひそれをお願いいたします。  最後に、ことしの文化予算を見ましても、総予算に占める文化の予算は日本は〇・一%しかありません。これは、イギリス、フランスと比べましても、イギリスは〇・四七%、フランスは〇・六%、日本は〇・一%。フランスは六倍ですね。文化の国と言われているところですけれども、せめて〇・五%にまでこれを持っていっていただきたい。そうしなければ、全く日本は惨めな低文化国になってしまう。その一例として私は児演協を出したわけです。  それで、大臣、日演連の吉田さんという方がこういうことを言っているのです。「フランスでは政府が年間五十曲の新作をパリ管弦楽団に委嘱している。どのくらいモノになるかと関係者に聞いたら、これで十年間に一曲、ドビュッシー、ラベルに匹敵する作品が生まれたらすばらしいじゃないかといっていた。一見ムダと思われることの積み重ねが偉大なものを生むという芸術の特殊性を忘れないでもらいたい」こう言っているのを見ましても、これは一面だけですけれども、やはりフランスはすごいなという感じがします。それに引き比べて、日本は余りにも近視眼的にしか文化というものをとらえていないのではないか。文化で腹はふくらまないというふうにしか考えていないのではないかというような感じがいたします。  そういう点からしても、きょうは、児演協と新劇団協議会の例を申し上げたわけですけれども、こうした文化というものはいますぐ効果が上がるというものではなくて、長い歴史の中でこれが培われていきますので、一年おくれればそれだけ一年国の文化というものは惨めなものになっていくと私は思いますので、ぜひこの点を考えて、こうしたものに力を注いでいただきたいと思います。  これで質問を終わりますが、大臣、必ず児童劇団を一度見ていただきたい、そのことをお伺いして、質問を終わりたいと思います。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 余り時間がございませんので、期待に沿えないかもしれぬと思っております。

越智伊平自由民主党

○越智(伊)主査代理 田中美智子君の質疑は終わりました。  次に、山田芳治君。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)分科員 三点について文部大臣にお尋ねをいたしたいと思います。  まず第一点は、昭和五十五年度から小中学校の学級編制を四十五人から四十人学級に十二年間かけて行うということになったわけでありまして、この点は野党の要求を入れてというふうに言われておるとおり、一定の評価をいたしますが、まず第一に、それの年度別の計画というものがあればひとつお示しをいただきたい。と申しますのは、地方財政計画上においては八万一千強の人数の増ということはすでに自治省から聞いておりますが、建物、入れ物については、人口急増地帯等々についてはかつての六・三制と同じように大変問題があるわけであります。その財政計画を一遍示していただかないと、地方団体は非常に不安に思っているという点がありますので、この点をまずお伺いいたしたいと思います。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 おっしゃるようなことだろうと思います。ただ、いま出しております法案では、各年度どのくらい人数をふやしていくかということは毎年度のいろいろな状況を見て政令で決めるということになっておりますので、いま私どもが持っております案は、一つのいわばめどあるいは腹案というようなものでございますが、そういう前提で御承知願いたいと思います。  それで申しますと、五十五年度が五百八人、五十六年度が五百五人、五十七年度が六百十二人というふうに各年度ございまして、総計四万三千百四十二ということになっておりますので 後ほどこれを差し上げたいと思います。よろしゅうございますか。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)分科員 建物はどうですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 建物も、いまのような計画で教員をふやすとすれば、五十八年度千五百四十、その次の年が千百四十というふうに一応のめどは持っております。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)分科員 それでは済みませんが、文部省から建物と教員、あるいは事務職員を含めるかもしれませんが、財政計画をお出しをいただきたいということをひとつ要求しておきます。  それから第二点、この分科会においても昨日も話があったかと思うのでありますけれども、十二年の計画が、御案内のように与野党の合意の中で三年後に見直すということが言われております。この点について大臣、見直すという前提の中でそういう計画をきちっとお出しになるというふうな点はどういうふうに考えているか、お答えをいただきたいと思います。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 四十人学級の問題につきまして、自民党が各党に対しまして各般の状況を参酌して回答をした、三年後にその後の計画について検討する旨の内容であったということを承知をしております。これはまだこれからのことでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)分科員 これからということではありますけれども、修正で合意したからこの予算委員会等が開会され、審議がスムーズに行われているのであるから、したがって、十二年の計画はいま数字的にも出していただくということになったわけでありますけれども、三年後に見直すとするならば、これは十二年を短縮をするということが当然の合意でありますから、早急に結論を見直すということで財政計画を立てられるかどうかだけをきちっと答えてもらいたい。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 私たちの方では、おおむね三年後にその後の計画につき検討する旨回答したということを承知しております。そのことで今後善処してまいらなければいかぬと思っておりますが、そういう状況でございます。ですから、十二年計画をどういうふうにするかということは、三年後の状況において議論をしていかなければしようがないか、こういうふうに考えております。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)分科員 では最後に一言だけお尋ねしますが、三年後ということは当然短縮をするということを前提にして話をしているはずで、合意の内容が見直すということは、短縮をしないでそのままいくのなら何も見直す必要はないので、そのままいけばいいのですから、見直すということであるのだからその作業は当然行われるべきであるというふうに思うわけです。三年後になったらそれは考えるのではなくて、いま考えて三年後にこういうふうにしますということを、これは文部省だけで考えるということでなくて、先ほど申しましたように、教員の人件費の問題あるいは物理的な建物の問題というのは、地方団体では、過疎地域は三年の間はそれほど問題ないにしても、いわゆる人口急増地域においては、用地からあるいは教室からというのは大変な問題なんですから、その点、大臣からこの際明確にお答えをいただきたい。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 私の方は、おおむね三年後にその後の計画について検討するという回答を各党にしておるということを承知しておるわけでございますので、いまのこの段階で政府としてお話し申し上げられるのは、私たちが計画をいたしました十二年の計画のこの三年間の状況を御報告申し上げるということにならざるを得ない。三年後に検討をする段階におきまして、その後の状況はどういうふうにするかということになるかと思います。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)分科員 必ずしも十分な答えとは思いませんけれども、とにかく与野党合意で行われたのでありますから、時間もございませんので、この点はきちっと守ってもらわなければならない。これは公党間の約束、それを受けて政府が作業をするということは当然だと思います。それで建物の関係ですね。年次計画別に出していただくにしても、総額どのくらいになりますか。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 建物につきましても、現時点では、あくまで現在持っております調査に基づきます試算でございます。具体的には個々の市町村のより精密な調査が必要でございますが、学級数の合計三万六千学級となるわけでございますが、そのうち実際に整備を必要とする分を、ただいまのところは教室数にして八千四百教室ぐらいというふうに仮に見込んでおるわけでございます。これを現在の建築単価で面積に直しまして試算をいたしますと、総事業費規模として約千六百億円という試算を持っております。九年間でございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)分科員 そうすると、大体二百億弱ぐらいが一年間の平均ということになるのですか。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 ただいま九年間と申し上げましたのは、最初の三年間は校舎を必要としないということでございますから、四年目からの九年間ということで千六百億円でございまして、ですから、それを九で割りますと二百億弱ということでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)分科員 それに対する財源措置というのは、自治省その他と十分打ち合わせをして財源措置ができるということになっておりますか。その作業の実態はどうでしょう。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 これは従来とも、義務教育の校舎の建設につきましては私どもがやっておりますシステムがございますので、それと同様のシステムの上に乗せて実施していくことが望ましいというふうに思っております。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)分科員 この問題についてはまだ時間がございますから、また別途地方財政の関係で伺いたいと思いますが、資料をいただいた上でいたしたいと思います。  次に、いまお手元に資料をお配りをいたしました文化財関係でありますが、その中に「意見書」というのが文部大臣ないしは文化庁長官に出されております。私の地元でございますが、長岡京市というところでございますが、お手元に地図を差し上げておきました。その意見書の内容がすなわち私の質問でありますから、意見書を読ましていただきたいと思うのであります。  長岡京市は、延暦三年(七八四年)から十年間都が置かれていた地で、当時の都の地域は、そういう状態ですから埋蔵文化財の包蔵地として認められているわけですが、その区域はお手元の地図にある四角い場所なんです。これは京都府から言いますと、右京区、向日市、長岡京市、伏見区、大山崎、こういう地域にまで及んでいるところで、そこにありますように、長岡京市だけから言いますと、一九・二四平方キロのうち十平方キロ。だから、半分以上が旧長岡京の跡と言われております。したがって、ここは面でもって文化庁から指定をされるということで、このために市で、公共、民間を問わず、土木建設事業をやるときには事前の調査が必要だ。それで財政的にも、調査の体制面でも、大変な金がかかっている。  お手元にもう一枚、五十三年と五十四年にどれぐらいかかったかという表をつくっておきました。これは長岡京市から出してもらった表でありますが、そこにもありますように、五十三年度で五千万、五十四年度で四千二百五十八万、こういうふうに金が要る。今後ますます増加の傾向が予見をされる。そして、現在の調査体制についても限界に達しており、多くの困難な問題を生じております。  長岡京は、平城から平安への遷都の過程で、わずか十年であったけれども、いまそれをいろいろ調査するにはこういうふうに毎年金がかかりますということで、長岡京市の議会は全会一致をもって国に対して、これに対する財源措置を強く望んでいるわけです。  お手元にありますように、国庫補助というものは、下海印寺遺跡というのがありますが、これは長岡京跡とは関係ございません、ですから、国庫補助はゼロ、府の補助もゼロ、市費を全部出している、こういうことです。これを一体どういうふうにお考えになるのか。  私の地元といいますか、私も長岡京市の一市民でありまして、議会も市民もまた市の理事者も、非常に困った困ったと言っておるわけです。確かに文化財を調査するということは必要なことだと思うけれども、それに対する財源対策がなっていないじゃないかと言って怒っております。私もかつて京都府にいたときに、そういう点についていろいろと検討をしたわけですけれども、そういう財源が全然なくて、皆地方団体の負担。その根拠と、それに対応する措置をまずお伺いをしたい。  それから、そこから掘り出されたものが、いわゆる埋蔵文化財と言われるようなものがあると、それは所有者のものではなくて、どこかへ持っていく、こういう話であります。それは所有権者は一体だれなのか、そういう点もひとつ明らかにしていただかないと、関係住民は非常に不信を持って、文化財を守ろうとしたって守れないじゃないか、こういうふうに思うのですが、この点どうでしょうか。

犬丸直文化庁長官

○犬丸政府委員 まず最初に、建設の場合、特に学校建設の場合の埋蔵文化財の調査の問題でございますが、学校建設中に埋蔵文化財が発見せられますと、これは一般の場合もそうでございますが、その工事等の調査費は事業者が負担をするという大原則がございます。ただし、それが個人の住宅等であって事業者に負担させることができない場合には、直接公共団体が行い、それに対して文化庁が補助する、こういう体制になっております。  それで、いまの御指摘のような公立学校の場合には、事業者が地方自治体であるわけでございます。したがいまして、地方自治体がその調査費を負担する。ただし、その場合に、公立文教施設でございますと補助金がございます。その補助金関係は国から補助をする、義務教育の施設でございますれば、二分の一を国が補助をする、そういう体制になっております。したがいまして、学校の建設をやっておられます市町村の方から申請がございますれば、国が二分の一を補助するという体制になっております。これは文化庁の予算ではなくて、公立文教施設の方の予算から補助する、そういうことになっております。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)分科員 学校の建設費に金がかかるならおっしゃるとおりで、その半分は九五%の起債があって、それに元利補給もついているという地方財政制度は十分知っております。そうではないのです、これは。掘り返しまして、かわらなんかを水で洗って、それが文化財かどうかということをあらかじめ調査をしなければこの面積の部分は学校が建てられない。これはいま申し上げたように、右京区から伏見区、そして向日市、長岡京市、大山崎まで及んでいる。この面のところを掘り返そうとすれば、民間の個人住宅を建てようが、学校の施設を建てようが、全部調査をしなければいけないことになっている。調査をするというのは、人を使って掘って、それが本当に残すものなのかどうなのか、全部見るわけです。かわら一枚でも小石一つでも、そうやってはけでやって、水洗いをして、大変な費用なんです。その費用が五千何百万かかっています、こう言っているわけですよ。だから、これを二分の一見てくれるなら、私質問やめて帰りますけれども、これは全部地方団体の負担で、中小の市で何の財源もなくてこれだけの費用が要るということは困ると言っているわけです。これはどうなんでしょう。

犬丸直文化庁長官

○犬丸政府委員 これは公立文教施設国庫負担の関係の管理局から出ました通達の中にも書いてございますが、いわゆる付帯工事ということで、学校建築の付帯工事費ということでその文化財関係の調査費も含めることができるというふうに通知されております。したがいまして、地元から御申請になれば、いろいろ事務的な査定等はあろうかと思いますが、その二分の一は国が負担するシステムになっております。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)分科員 それでは、たとえば五十四年、四千二百五十八万かかります。これはいろいろやる人の二分の一の補助はもらえるわけですね。はっきりしておいてくださいよ。

別府哲文化庁次長

○別府政府委員 補足をして御説明させていただきます。  ただいまの御質問の学校の建物部分の発掘調査費につきましては、ただいま長官から御説明申し上げましたように、公立文教施設の補助金の枠の中での取り扱いができるわけでございます。  それともう一つ、学校を建築するに当たって事前に、たとえば遺跡の範囲や遺構のあり方等の概要等を確認する調査、これでございますと文化財保護担当部局の方の問題でございまして、当該地方公共団体が文化財保護法のたてまえで調査をし、それについては文化庁の方から発掘調査費の補助を計算の範囲内において執行していくということになっておるわけでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)分科員 そうすると、五十三年に五千万ばかりかかったのは、申請をしなかったから国庫補助ゼロだ、こういうことでございますか。

犬丸直文化庁長官

○犬丸政府委員 どうもそのようでございます。御申請になれば、公立文教施設の方で出る金と、私どもの直接差し上げる金とそれぞれ検討いたしまして補助の対象になり得る経費であろうと思います。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)分科員 個人が住宅をつくる場合に、やはり掘らなければいけませんね。そういうものは個人の負担だということになりますと、もう長岡京市では大変高くなって民間の家なんかとても建てられない、そういう点はどうでしょう。

犬丸直文化庁長官

○犬丸政府委員 公共事業の場合にはいまのような形になるわけでございますが、事業による収入等が見込めない住宅のような場合におきましては、公共団体が調査をいたします。その費用の二分の一は文化庁の方で補助金を出すような体制になっております。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)分科員 そうすると、民間の建設業者その他が、長岡京市のこの範囲において家を建てるときに、調査をしたり掘ったり埋めたりするものに対してかかる費用の二分の一が文化庁から補助されるのですね。

犬丸直文化庁長官

○犬丸政府委員 マンションとかビルのいわゆる営利事業的なものにつきましては補助はありませんけれども、純粋な個人住宅というような場合で、事業収入が見込めない場合においては私どもは補助の対象にいたしておるわけでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)分科員 そういうところは十分PRが行われていないのではないか。したがっていまのような意見書が出てくる。知らない方が悪いのかどうか知らぬけれども、こういうような面でのPRをひとつ十分するようにやっていただきたいということを強く要求いたします。  では、次に第三番目の質問をいたします。これは体育局関係でありますが、学校給食の問題であります。  大臣御承知のように、地元の亀岡市から大臣あての嘆願書というのが出ております。ちょっと見てください。ごらんになったかどうか知りませんが、恐らくごらんになってないんじゃないかと思うのですが、亀岡市は米飯の学校給食をしたいということで、市から農協が委託を受けて米飯の給食を行うことになっております。  学校給食会を通じて業者から米飯の提供を受ける場合には、価格が六割ないし七割安い米が入る。ところが農協に委託をする、農協はいま米の消費拡大をやっているわけですから、それはやはり協力をせなければいけませんということで委託を受けることになったのです。委託を受けて学校給食をすれば米の価格は安くならない。むしろ国策としても米の消費拡大ということを強く要求され、しかも米産地でありますから、そこの米をできるだけ使うということの方が、運賃がかからなくて安いわけでありますから経済的にもよいということです。学校給食会を通じてわざわざパン屋さんが京都市内から亀岡まで運んできた米を食べれば安い、地元の農協に委託をすればそればできない。こういうことは制度的に言って非常におかしいし、いま緊急の要として米というものをできるだけ消費するためにも、給食に米を採用して消費拡大に努力をしている、そういう形になっているのに、制度的にこれに追いついていないんじゃないかという点に関係者は非常に不満を持っております。したがって、文部大臣に嘆願書まですでに出してあるのですが、ナシのつぶてであるということであります。この点について、大臣いかがですか。

柳川覺治文部省体育局長

○柳川(覺)政府委員 御指摘の嘆願書につきましては承知いたしております。  先生御指摘のとおり、米飯給食の普及推進を図るということは、生産地の学校はもとよりでございますが、消費地の大都市における特に学校での普及を図るということが大事なことでございます。それらの観点から、米飯の給食の推進に当たりましては、自分の学校で炊飯をするという形、あるいはそれが不可能な場合は委託して炊飯をしたものを学校に届けるという形、あるいは加工米のアルファ化米等の利用を奨励するというようなことのいずれかの方式で行っておるわけでございます。委託炊飯の場合には、県内全域にわたって普及を図るというような観点もございまして、県の給食会が教育委員会と十分連絡をとり、その承認のもとに食糧事務所と協議いたしまして委託を決めておるという形をとってまいってきております。  亀岡市の場合は、たまたま完全給食のおかずにつきまして、農協に調理、配送等を委託しているというまれな形がとられておりますが、三十年来、学校給食の実施に当たりましては、ハン業界のパンの供給ということもしてきた経緯もありますので、できる限り広範囲にわたって都市部等にも普及を図るという観点からも、ハン業界への委託ということも文部省として指導してきておるわけでございまして、亀岡市におきましても、京都市内のパン業界の方々が委託加工を受けておるということで、京都市内の学校の米飯とともに亀岡市の方もそういう扱いをしておるということでございます。  なお、御指摘の生産地が地元の米を食べられるようにということでございますが、ごもっとものことでございます。その面につきましては、食糧事務所の方で、生産県におきましてはその生産県の米をできる限り扱うということで供給をいたしておるわけでございますが、亀岡市内の子供たちに亀岡市でできた米だけを供給できるという形ではなく、その県内単位での扱いをいたしておりますから、亀岡市をもう一つ超えた生産県の形ではそれなりの地元産米の供給がなされておるというように御理解いただきたいと思うわけでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)分科員 まだ質問したいのですが、時間が来ておりますのでやめますが、要するに、この要望にあるように、できるだけ食糧事務所その他と連絡をしてうまく要求が達せられるように、文部省の方で処置をして要望が達せられるようにしてもらえるかどうか、その点を最後にきちっと答えていただきたい。

柳川覺治文部省体育局長

○柳川(覺)政府委員 いま申し上げましたとおり、委託先につきまして農協の形をとるということについては、従来いろいろ問題がございますし、また、亀岡市内での米をそのまま供給するということは、部分的にはなかなか困難な問題がございますので、なお研究いたしますが、いまここで嘆願の線の実現方を図るということは困難だと思っております。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)分科員 もう一つ、亀岡市の米を全部使うことが技術的なりその他で不十分なら、それは大部分がそうであればやむを得ないと思うんだが、委託方式が、パンの業者がわざわざ米を炊いて京都市内から持ってくる、そうじゃなくて、農協が委託を受けて、自分で倉庫に米を持っているのですからね、そして米の拡大が必要なんだから、それに対しても同じような恩典を与えるというふうにすべきだと思うのですよ。大臣、いまの制度が悪ければ直してくださいよ。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 これは一つは、文部省でどうこう指示する問題とは違いまして、学校給食の現場でやるべきことだと思うのです。それはつまりどこに委託をするか、あるいは学校で自家炊飯をやっていく、その問題で、どうも先ほど来話を聞いておりますと、製パン業者に炊飯を任した、実はこういうことのようでございますね。それはそれで、こちらの方からとやかく申し上げるよりも、地元の決定によるべきことだと私は考えます。  それから問題は、米のことなんですが、これは政府の米の割引をする、食糧管理のいまの特別会計の中でやるというかっこうになりますので、実際の動きとして、その土地で生産された米も当然政府米として買い上げておりますから、その米を実際のさばきの中でやっていく方式をとり得れば、それはやれるということになると思います。これは現場の食糧事務所の方との関連でやっていけばいける、こういうことになるだろうと思います。農協の持っております自由米それ自体、あるいは農家の自家用米と申しますか、そういうのはちょっといまの制度から申しますと割引にならない、こういうことであろうと考えております。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)分科員 ちょっと一言。委託をどうすればいいのか。農協へ委託したんではいかぬのですか。地元というのはだれですか。それを変えればいいんであって、それはだれがどういう委託をすれば安い米が入るのか。それだけちょっと一言。

柳川覺治文部省体育局長

○柳川(覺)政府委員 いまの方式といたしましては、府の学校給食会が府の教育委員会と相談して決めていくということでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)分科員 それじゃ大臣、府の教育委員会は監督権があるんですから、ひとつ指導をして、できるだけ安い米が入るように、亀岡の米はいかぬという、それは技術的にはしようがない。だけれども、安くするくらいひとつ地元の大臣としての、私も同じ立場なんだからやってくださいよ。それだけ一言お聞きをして、これで終わります。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 御趣旨のことはよく承知いたしまして、対処いたします。

越智伊平自由民主党

○越智(伊)主査代理 山田芳治君の質疑は終りました。  次に、伏屋修治君。

伏屋修治公明党

○伏屋分科員 私は、先般終わりました共通一次テストにつきましてこれからるる質問したいと思います。  大学共通一次テストが試行を含めまして五回、本試験が二年目に当たるわけでございますので、この二年間の結果で共通一次テストの功罪を論ずるということはやや早計に過ぎると思います。しかし、多くの改善すべき点があるということもまたこれは事実であると思います。  先ごろ共通一次テストが終わった直後に、かなり教科間の格差が大きいのではないかという批判が各新聞社で取り上げられております。そういうような面から、これから改善すべき点について一つ一つお尋ねしていきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。  まず最初に、各大学で今度は二次試験が現在行われております。きのうから始まっておるわけでございますけれども、初年度と比べますと足切りの大学がかなり少ないというふうに聞いておりますけれども、昨年度の足切りと今年度の足切りの状況、その間において大学局がどのような働きかけをされたのか、その辺を明らかにしていただきたいと思います。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 本年、二段階選抜実施を予定しておりました大学は昨年よりも減りまして、四十八大学百十九学部だったわけでございます。しかし、実際には予定倍率を超過した大学でも実施を取りやめたものもございまして、結局実際に二段階選抜、足切りを実施をいたしましたのは十七大学三十三学部でございました。昨年は十九大学四十学部でございましたので、御指摘のように減少の傾向はございます。  第一段階で不合格とされた者の実際の数も、国立大学の場合には東京大学、筑波大学が実施をしたということもございまして昨年よりふえておりますが、全体では昨年の約半分に減っております。  二段階選抜は綿密な選抜を行いますために必要な場合もあることは認めなければなりませんけれども、しかし、それが安易に行われてはならないというのは、かねて私どもも国大協の方に申し上げているところであり、国立大学協会でもそういう方向で各大学に対して要請をいたしております。今後ともそういう方針でこの問題には臨んでまいりたいと思います。

伏屋修治公明党

○伏屋分科員 大体わかりました。この足切りというのが皆無になるということは、私は望むべきことではないかと思います。なぜなら、足切りということにおいて受験生に一つの制限が加えられる、こういうことにつながってくる、こういうことから考えましても、今後ともに年々減少するように大学局の方も強力な働きかけをお願いしたいと思います。  その次に二次試験の問題でございますが、やはりこの二次試験というのは、共通一次テストに加えて受験生の専門課程の適性を判定する、こういう立場からいま二次試験というものがとられておるわけでございますけれども、その科目数というものが非常にばらつきがあるようでございます。その辺、今年度の二次試験の現状はどのようなものであるか、お聞きしたいと思います。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 二次試験の平均科目数で申しますと、五十四年度で、国立で申しますと、二・九科目であったのが二・八科目になっておる。公立の場合には逆に五十四年に、二・四科目であったものが二・五科目になっておる形で、国立については若干の減少が見られるわけでございます。依然として東京大学なりあるいは北海道、京都、神戸、大阪等についてはかなり受験科目数が多い点が見られます。  ただ、先生御指摘のように、今回の入試改善の眼目とするところは、共通一次と二次試験との組み合わせ、特にそれぞれの大学が独自の工夫をして自分の学部学科の特色に応じた二次試験を実施する、それが新しい入試改善の展望を開いていくというところにあるわけで、また、その点をかなり各方面が高く評価してくださっているところであろうと思います。     〔越智(伊)主査代理退席、保岡主査代理着席〕 二次試験の科目については、もちろん今後とも各大学でさらに検討してもらわなければならないわけでございますけれども、単純に科目数が少ない方がいいとか、あるいはそれを一律に決めてしまうというわけにまいらない、独自の特色を出してほしいというねらいがあることも事実でございますので、それらを考えながら、さらに国大協の方でも検討を進めてもらいたいと思っています。

伏屋修治公明党

○伏屋分科員 その御趣旨はよくわかるわけでございますが、何といいましても、入試地獄の解消に役立つためにということでこういう共通一次テストが取り上げられたとするならば、受験生の負担をいささかでも軽減する方向へ努力を続けていただきたい。したがって、いま旧帝国大学と言われておるようなところで過重な二次試験の負担というものを漸次少なくしていかなければならない。そうでないと、せっかくの共通一次テストすらもかえって負担になってしまうということにもつながると思いますので、その点の御努力をさらにお願いしたいと思います。  続きまして、この共通一次テストによりまして、従来の一期校、二期校、そういう制度が廃止されまして受験生にとってはワンチャンスということになります。そういう面からも、受けるショックというものを何とかやわらげるためにも二次募集の実施に努めていくべきだ、こういうふうに考えるわけですけれども、現状はその点はどのようにお考えになっておりますか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 昨年はあらかじめ定員を留保いたしまして二次募集を行った大学が四大学、募集人員が約二百六十人でございました。ことしはこれが、あらかじめ定員を留保して行う大学が十三大学十四学部、募集人員で約八百人と増加をいたしております。もちろん、このほかに欠員が生じたために実際に二次募集を行うものの数がかなりありまして、昨年はそれを合わせれば十六大学二十二学部、約千五十人の募集人員について二次募集が行われております。ことしも、そうした意味での二次募集はさらにこのほかに行われると思いますけれども、私どもも二次募集ができることとした趣旨からして、今後さらに実施する大学がふえることを期待いたしておるわけであります。

伏屋修治公明党

○伏屋分科員 漸次ふえてくるということは望ましい方向だと私は思います。それと同時に、普通科の高等学校を卒業していないいわゆる職業高校の卒業生、こういう人たちが受けるのに不利にならないようないわゆる二次試験の代替科目とかあるいは推薦入学制度、こういうものの活用というものを大学局としてはいま検討中なのか、もうすでにやられたのか、そこら辺のところをお答え願いたいと思います。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 共通一次の場合には、御案内のように、普通科、職業科共通のいわゆる必修科目を中心とした科目について試験が行われますので、たてまえとしては職業科出身の者についても取り扱いは平等ではございます。しかし、実際問題として、職業高校出身者に対する配慮は必要でございますし、数学、理科、英語については、数学一般、基礎理科、英語Aの出題を行って選択解答ができるようにするという配慮をまず一次ではしているわけでございます。それから、一次試験の際に、職業に関する科目を代替科目とするということについては、工業関係だけでも十科目以上ある状況でございますから、技術的にそれは非常に困難でございます。そこで、御指摘のように、職業高校の出身者につきましては、各大学が行う第二次試験で、学部学科の特性に応じて職業に関する科目を出題するというような配慮をしてほしいということをお願いしているわけでございます。  もう一つは、これまた御指摘のように、推薦入学方式というのが職業高校卒業生の場合には大学進学において非常に重要な役割りを果たしております。したがって、推薦入学については、大学の行う二次試験のほか、共通第一次学力試験につきましても、大学の特色に応じて特に必要があると考えられる場合には免除してもいいという道が開いてございます。五十五年度の入試では、国公立で五十八大学が推薦入学を実施し、二十九大学は共通一次試験を免除しているというような状況にございます。推薦入学については、入試のあり方を改善し、単に学力だけでないすぐれた能力、適性を持っている者を大学に迎え入れる方法として非常にメリットがありますけれども、またこれが安易に行われると、本来のねらいと違った方向に使われることも必ずしもなしといたしませんので、それらを踏まえながら、基本的な方向としては、推薦入学についてはさらにこれを整備しながら進める方向で対応したいと考えております。

伏屋修治公明党

○伏屋分科員 そういう方向でさらに努力をお願いしたいと思います。  それから、この共通一次テストは、何と言いましても、やはり客観テストのため問題がいろいろ偏る危険性があると思います。いわゆる暗記力中心であったり、あるいはマークシート方式ですから、受験技術によって非常に速くそれができる人とできない人というようなことで、能力を判断するのに非常に限界があるのではないか。その辺の研究推進がさらに重ねられなければならないということを考えるわけですけれども、そういう面についての研究推進というものは、入試センターとの連携の中で今後どのような形で進められていくのか、お尋ねしたいと思います。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 共通一次の問題を作成するに際して、すでに入試センターの方で各大学の教官を集めまして鋭意検討を加えて、問題の内容自体が、もちろんマークシートを使うわけではございますけれども、単純な、いわゆるマル・バツ式と従来言われていたものよりも、限定はあることではございますけれども、はるかに工夫をして、それの評価は現在もいただいているところでございます。しかし、御案内のように、入試センターには、いわゆる研究部門がございまして、その研究部門の充実も現在進められておりますので、その研究部門における入試の方法の研究、あるいはこれまでの実施の経験をもとにいたしまして、その実際を高等学校の先生方を中心にした委員会でさらに検討をしてもらって、問題の改善を図るというような形で、先生御指摘のような、出題方法に伴う限界はありますけれども、できるだけの共通一次の出題内容の改善というものに取り組んでまいりたいと思っております。

伏屋修治公明党

○伏屋分科員 今年度の共通一次テストに対する新聞の論評の中にも、出題の設問の文章というものが非常に幼稚な間違いをしておるというようなことが出ております。また、入試センターの所長自体も、客観テストによるところの問題作成の歴史の浅さとその欠陥というものが暴露された、このように認めておるわけでございます。さらに、そのようなことで、せっかくの本当にワンチャンスというような機会なのに、いままで努力を積み上げてきた学生諸君が、入試センターの手落ちのために大事な点数を落としていくというようなことは本当に見るに忍びないと思いますので、さらにそういう研究推進を進めていただきたいと思いますし、一教科十二名のいわゆる問題作成委員、そういう方々のさらなる努力というものがもっともっと必要ではないか、私はこのように考えるわけでございます。  さらに、試験科目が現在五教科七科目でやられておりますけれども、これが非常に過重負担になるのではないかということを考えるわけで、五教科五科目ぐらいが適当ではないか、このように私どもは考えるわけですけれども、その辺の検証はどういうふうになさっておられますか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 共通入試がスタートする時点から、受験科目として何科目が適当かということについては高等学校からもいろいろな意見があり、御指摘のように、五教科七科目は多過ぎるのではないかというような御指摘もあったわけでございます。しかし、共通一次の場合には高校のカリキュラムに沿った出題を行うことによって高等学校の教育の正常な発展に資する、それをゆがめないという点に配意をしている点があるわけでございます。そこで、単純に負担の軽減という趣旨から科目数を減らすということがいいかどうかについては問題がないわけではございません。本来のねらいがゆがめられないような慎重な対応が必要でございます。高等学校側の意見も、二回の共通入試の実績を踏まえて、最近は必ずしも、当初のように、どうしても減らす方がいいのだという御意見だけではなくなってきているようでございます。しかし、いずれにしても、五十七年度からの高校のカリキュラム改定に伴って共通入試のあり方を考える際に、当然検討しなければならない大きな課題でもございますので、国大協における今後の検討にまちたいと考えております。

伏屋修治公明党

○伏屋分科員 この共通一次テストの反省点としまして、いろいろなところからの御意見がありますけれども、五教科七科目ということになりますと、きわめて長時間にわたってそれを勉強した者にとっては有利である、したがって、今回の共通一次テストの平均点はいわゆる浪人組が高い平均点をとっている。いわゆる現役組というのはそういう面では不利である。それを補って、二次試験においては現役組の方がかなりの力を出すのではないかという論評も寄せられておるようでございますが、その辺の研究はさらに今後も推進をしていっていただきたい、こういうふうに思います。  その次の問題といたしまして、一次試験と二次試験の配点比率、公表しておる大学もあるわけでございますが、どのようにその研究、検証が進められておるのか。今後どういう配点比率が望ましいのか、その辺は大学局ではどのようにお考えですか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 配点比率を公表している大学は現在国公立合わせて九十大学ございますが、その中で六十三の大学は一次試験を重視するとしております。二次試験を重視するというのが四つ、一次、二次試験を均等に見るのが六つございます。それ以外は学部単位で配点比率が異なるということになっておりますが、現在の段階では圧倒的に一次試験を重視するという傾向が、配点比率を公表している大学においては見られるわけでございます。一次と二次の成績をどのように組み合わせて評価するのがいいかということにつきましては、二次試験にウエートをかけ過ぎてももちろん問題でございますけれども、安易に共通一次の成績だけに頼ることも、一次と二次とを総合的に判断するという今回の新しい入試制度のあり方から見て適当ではないわけであります。これは、一律にこのくらいの比率がいいんだということはなかなか言いがたいむずかしい問題だと思いますけれども、これまた今後の実施状況を見ながら、必要に応じまして国大協等に検討を促してまいりたいと考えております。

伏屋修治公明党

○伏屋分科員 そこで、共通一次テストが採用され二年度になったわけでございますので、少しでも受験地獄の緩和ということで共通一次テストがとられたとするならば、その比率は一概には言えないという御答弁でございますけれども、共通一次にウエートを置くというような方向での大学局の指導性というものは、やはり今後とも発揮していただきたい、このように私は考えるわけでございます。  それから、共通一次テストの出発に当たりまして、いままで各大学で個々に入試を行っておったその中で、弊害としては、高校カリキュラムにない難問、奇問というものの続出、そして高校生はその難問、奇問を解くために大きなエネルギーを費やしてきた、それを何としても解消するという意味で共通一次テストが取り上げられたわけでございますが、今回行われました二回目の共通一次テストに難問、奇問というような傾向は完全に払拭されたのかどうなのか、そこら辺のお考えはどうですか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 全体としてと申しますか、大勢としては、今回の共通一次の問題の内容というのは、いわゆる高等学校における平常の学習をきちっとやっていればそれで対応できるという評価をいただいておると思います。ただ、率直に言って、やはり若干問題がないわけではない。ことに、これは具体的に言うことは多少問題がありますけれども、私は個人的には、社会科の出題についてはもう少し検討した方がいい点があったのではないか。それは新聞でも指摘をされておるところでございますが、私もそのように考えます。

伏屋修治公明党

○伏屋分科員 今回の共通一次テストでもその難問、奇問というものがやはりある程度残っておりますね。いわゆるクイズ式なもの、あるいは「ホントにホント?」的な解答の求め方というものが現在の共通一次テストの中にまだ残存しておるわけでございます。そういうようなことも、今後さらに、本当に受験生が実力の発揮できる方向でこれを打ち破っていかなければならない、このように思います。  いま教科間の格差ということについて局長からお話がありましたけれども、それによって高校生が非常に右往左往しておる、判断に迷う。今回は、社会科の選択の中で、倫理、政経を選択した者の平均点は高い、しかし日本史、世界史を選択した者の平均点は落ち込んだ。その前の年の容易な、点のとりやすい教科というようなことから、ことしはということで、ある想定をしながら選択をしていく。それが裏目に出たときには大変なことになる。それで、高校生自体が選択の教科をどのようにとることが一次テストにおいて有利になるのかということで非常に苦しんでおられるようですし、また、この共通一次テストのゆえに高校の側が共通一次テスト体制というものを非常に強化してきた。カリキュラムもそのような形で組まれつつある。また、そういうコンピューターシステムの共通一次テストに合うような模擬試験というものに非常に拍車がかかってまいりまして、そういう業者の非常に活発な活動というものも、目に余るようなものさえ出ておるようでございますけれども、そういうものに対して大学局はどういう指導性を発揮しようと考えておられるのか、お伺いしたいと思います。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 今回の共通一次試験の実施に伴いまして、これに対応して学校行事なり教育課程を変えた高等学校があるというのは事実でございます。しかし、そのような措置をとったものは一部の高校であって、大半の高等学校では教育課程等に特に変更を加えないで冷静に受けとめているという高校関係者の意見あるいはアンケート調査による結果等も出ております。いずれにしましても、共通一次試験というのは、高等学校における通常の学習による達成度を評価して、高等学校教育の正常な発展に資するというところに趣旨があるわけでございますけれども、その趣旨が実現されますためには、高等学校自体がその趣旨を十分理解して対応していただくことが最も大事だと考えております。初等中等教育局とも協力をいたしまして、いろいろな機会にそうした趣旨を高等学校の皆さんにお願いをしているところでございます。

伏屋修治公明党

○伏屋分科員 共通一次テストの問題について最後に伺いますが、この共通一次テストをいわゆる競争試験という形をとらないで、各大学には学風というものがあるわけでございますので、それを受け入れるにふさわしい資格試験的な共通一次テストにしていくことも考えられるのではないか、こういうように思うわけですけれども、その辺の見解をお伺いしたいと思います。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 資格試験とするというところが、いろいろな方面の御意見にニュアンスがあって、私どももちょっと受けとめかねるところがあるわけでございます。非常にリジッドに共通一次のあり方というものを資格試験としてしまって、共通一次試験で、ある点以上あるいは合格をしない限りは大学入学資格がないぞという形にしてしまうというところまでいきますと、これは現在の高等学校を卒業した者が大学入学資格があるという制度の根幹にかかわってまいりますし、そのことが適切であるかどうかについては大いに問題があろうかと思います。そういうことではなくて、いわば問題を考えていく際に、それによって受験生を選抜するという方にウエートを大きくかけるのではなくて、高等学校の学習の達成度を見て、その上で二次試験で別の学部学科の特性に応じた適性を見るということであるから、選抜というよりも、ここまで勉強していれば高等学校における基礎的、一般的な学習の達成度は大丈夫だという方向で問題を考えるべきではないかというような意味であれば、それは対応はできてくることであろうかと思います。いずれにしても、これからの共通入試のあり方が検討されていく際に、引き続き入試センターなり国大協なりあるいは文部省におきましても検討していくべき課題であろうと思います。

伏屋修治公明党

○伏屋分科員 一応それで共通一次の方は終わりたいと思います。  次に、問題を変えまして、私の地元の問題でございますが、岐阜大学の跡地問題について二、三お伺いしたいと思います。  現在どのような状況で進んでおるかということを管理局長の方から御説明願いたいと思います。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 岐阜大学の移転統合事業の進捗状況でございますが、統合地周辺の道路、河川改修などの関連公共事業も進みましたので、五十三年十一月から敷地造成の工事の一部に着手してスタートしたわけでございます。五十四年度はそれに引き続きまして敷地造成工事をやりまして、さらに工学部の校舎、これは全体で約二万平米弱の規模でございますが、そのうちの八千平米余りの第一次工事に着手したわけでございます。現在基礎工事を実施中でございまして、一応私どもが持っております年次計画どおり順調に進んでおります。なお今後は、工学部から始めますが、農学部、教育学部の順に取りかかりまして、それから一般教育あるいは図書館等の共通の部分は五十五年度から五十九年度の間にそれぞれ順次振り分けてやってまいりまして、できれば五十九年度までに移転を進めたい、こういうことでやっておる次第でございます。

伏屋修治公明党

○伏屋分科員 私の居住する岐阜大学のあるところは各務原市でございますが、ここには農学部、工学部があるわけでございます。その計画によりますと、大体五十六年度工学部移転、五十七年度農学部移転、こういうふうに計画されておるわけでございます。そうなりますと、跡地の問題が大きな問題としてクローズアップされてきたわけでございますけれども、この跡地の買収をどの時点で設定してみえるのか、またその総額はどれぐらいになるのか、ちょっとお尋ねしたいと思います。

植木浩文部大臣官房会計課長

○植木政府委員 農学部と工学部等につきましては、いまのところの予定では、跡地の処分は五十七年度及び五十八年度でございます。なお、この評価額は、いろいろな時点がございますが、現在までのところでは三十五億円余りという評価をいたしております。これは一応の現在までのところの評価でございます。

伏屋修治公明党

○伏屋分科員 私の聞くところでは、大体岐阜の跡地とそれから各務原合わせて百十億と聞いておるわけですけれども、それに間違いございませんか。各務原が五十億。いま三十五億ですから、かなり差があるのですけれども。

植木浩文部大臣官房会計課長

○植木政府委員 いま先生がおっしゃいましたとおり、これもあくまで現在までの評価ということでございますが、百十億余りということでございます。

伏屋修治公明党

○伏屋分科員 時間が参りましたので、最後の問題は要望になるかと思いますけれども、私の居住地の各務原市の市役所の方にも私は何度か足を運びまして、その問題の跡地の利用計画等あるいはその土地の買収等というようなことについていろいろと話し合ってまいったわけでございますが、非常に逼迫した地方財政の中で跡地基金として現在までに四億五千万というものを積み立てておるわけでございます。そしてまた、この大学の前身である高等農林専門学校を誘致するときに、いわゆる文教地区ということで誘致した。そしてまた、そのために国の方へ多額の土地を寄付をしたという経緯もございます。最初の誘致したときの趣旨を生かして、そごを一般市民の居住地に充てるとかそういう考えはない、そしてここの跡地を何としても市民の文化的な憩いの場にしていきたい、こういうような意図を持っておられます。それにしましても、現在四億五千万の積立金、そして将来五十億なければここの土地が手に入らないということになりますと非常に苦しい状況にありますので、そういうような自治体の自助努力というものをやはり文部省も高く評価する中で、そういう意図もくみ取っていただきまして、そして、手に入れやすい方法というものの特別の配慮を強く私は要望いたしまして、質問を終わりたいと思います。よろしくお願い申し上げます。

保岡興治自由民主党・自由国民会議

○保岡主査代理 伏屋修治君の質疑は終わりました。  次に、則武真一君。

則武真一日本共産党・革新共同

○則武分科員 私は二つのことをお聞きしたいと思います。一つは、高等学校の寄宿舎への教員の加配であります。もう一つは、幼稚園における障害児教育をもっと力を入れていただきたい、こういう二つのことをお聞きしたいと思います。  まず第一に、高等学校の寄宿舎へ舎監といいますか、先生を加配をしていただきたいということであります。  私の地元は岡山県なんですが、昨年の秋、十月二十五日のことですけれども、高等学校の寄宿舎で就寝中の女子高校生が侵入した賊によってナイフで刺殺されたという事件が起こりました。これは当時の事件を報道した新聞であります。これは幾ら舎監の方がいらっしゃっても、こういう暴漢が闖入するということになれば防ぎようがない、いわば不可抗力といいますか、犯人が悪いのであって、管理体制にそれほど問題があるということではないのであります。しかし、こういうことを契機に、たとえば岡山県の教育委員会でも寄宿舎点検連絡会というものをつくって、県の教育委員会が寄宿舎は一体どうなっているのかというようなことを見直していく一つの時機にこれがなったわけであります。  そういう点で、いまこの寄宿舎というのが先生が輪番で当直をなさるということで、現場の先生方は大変御苦労なさっておる、こういう、実態について文部省はよく御存じなのだろうか、ここら辺をまずお聞きしてみたいと思います。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 現在小中学校でも、過疎地等では寄宿舎を設けておるところがございまして、高等学校では全国的に申しますと、公立高等学校で寄宿舎を設けておる学校数が三百二十五校と全国ではなっておるわけでございます。そしてこの舎監といいますか生徒の指導監督は、御指摘のように現在のところでは、その当該高等学校の先生が交代で宿泊してめんどうを見ていただくということでございまして、その宿泊指導していただくめんどうの報酬としては、寄宿舎の舎監手当というものを制度化しておるわけですが、これはかつては一般の宿日直と同じ金額でありましたけれども、現在ではそこに教育的意味があって、その勤務が一般の宿直とはちょっと質が濃いぞという意味で、いまは一般の宿日直が一千六百円に対して二千四百円の手当を出しておる、こういう現状でございます。

則武真一日本共産党・革新共同

○則武分科員 全国的な規模で寄宿舎が三百二十五あるということをいまお話しいただいたわけでありますが、たとえば私の出身の岡山県では、全国で七番目くらいだと聞きましたが、比較的寄宿舎が多いわけでありまして、十八校二十三舎というような配置状況であります。しかし、この人間といいますか先生を増員をしていただくという意味での加配制度というものがないということから非常に苦労しておられるのですけれども、そういう中で、たとえば高等学校の先生の職員組合あたりは、ぜひ寄宿舎には専任の職員を複数で配置してほしい、こういう御要望が私どもの方に寄せられております。また、県の教育委員会でも同様のことを再三、機会あるたびに文部省にお願いしておるんだ、こういうふうに伺っておるのですけれども、今度来年度から始まる教員定数改善計画、いわゆる十二年計画ですかこの中で、五十人以上のところに一人ずつ、寄宿舎を持っているところは加配をなさるというふうに伺っておるのですけれども、今度の寄宿舎加配というのは、はっきり標準法を改正してそういう配置をなさるというふうに理解したらいいのでしょうか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 高校標準法の中に規定することにいたしておるわけです。

則武真一日本共産党・革新共同

○則武分科員 そうすると、標準法の改正をして、寄宿舎に人間を加えるという項目がちゃんと法律に盛り込まれるわけですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 いろいろ項目がありまして、こういう場合に何人というふうにやりまして、最後に、寄宿する生徒の数が五十一人以上の寄宿舎を置く学校の数に一を乗じて得た数ということに規定するつもりであります。

則武真一日本共産党・革新共同

○則武分科員 そこでお尋ねいたしたいのですが、この計画は十二年計画というふうに聞いておるのですけれども、十二年計画で五十人以上のところへ何カ所、これは一人ずつですからその個所数と人数は一致すると思うのですが、国の計画ではどういうふうになるんでしょうか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 いま申しましたように寄宿舎としては三百余あるわけですから、五十一人以上ということで十二年の中で県が、自分の県の中でどことどこへ配置しようということで配置してもらうということになるわけです。

則武真一日本共産党・革新共同

○則武分科員 そうすると、五十人以上ということで大枠の人数を国としては配置する、しかしそれは五十人以上のところとか以下のところとかは、具体的にどこへ加配を張りつけるかは都道府県教委の自主性に任せるんだ、こういう意味に解してよろしいんですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 高等学校の定数法というのは要するに、地方交付税の積算基礎ですから、先生おっしゃるようにそういう意味に解していただいてよろしいかと思います。

則武真一日本共産党・革新共同

○則武分科員 そうすると、一体三百二十五校で五十人以上はどれくらいになるんですか。十二年間で何人加配ということになるんですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 いまの調査では五十一人以上というのが九十二校でございます。

則武真一日本共産党・革新共同

○則武分科員 そうすると、九十二校へ一人ずつ、つまり九十二人を十二年計画で配置する、こういうことですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 そのとおりです。

則武真一日本共産党・革新共同

○則武分科員 そのとおりだというのでない方がいいと思ったのですが、残念です。  十二年間で九十二人を配置するということになると、一年間には一体何人になるのか、気の遠くなるような話であります。たとえばそれぞれの県へ一体何人ずつ行くんだろうかというふうに考えると、今度法律を改正されて高等学校の寄宿舎に加配という制度をつくるということについては一歩前進だと思うのですけれども、内容がいかにもちょっとテンポがゆっくりし過ぎているんじゃないか、こういう点はいかがでしょうか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 確かに寄宿舎だけをとれば、先生おっしゃるように十二年間で九十名かということだと思うのです。けれども、今度の高等学校教員の改善計画というのはいろいろな面で増員するわけで、全部で一万名を超すわけです。そのほかに、五十五年度から向こう十年間くらいに高等学校の生徒が恐らく百万名ふえるだろうというようなことですから、それに対応する教員増というのもたくさんあるわけですね。これはこの問題だけをとればいま言ったような数字になるのですが、私どもとしては総合的に全体の均衡を考えると、この辺もやむを得ないというふうに考えておるわけです。

則武真一日本共産党・革新共同

○則武分科員 少し現場の実態を御理解をいただき、一層の積極的な施策をお願いしたいと思うのですけれども、寄宿舎の舎監というのは、現場の教師が輪番で宿直みたいにやられるということでありますし、先ほどごらんいただいたような事件が発生するようなこともあったりして、まさに舎監というのは、単に宿直をしておるというのではなくて、教育的な立場から生徒の生活指導や生活相談に乗る、こういう内容を持っているわけであります。そういうことで、これは現場の教師の方方は口をそろえておっしゃいますけれども、五十人以上の寄宿舎では二人ぐらい、どうしても複数で、夜勤で泊まれる人を配置してほしい、こういうのが実態であります。  もう一つよく御理解いただきたいのは、五十人以上というところへ線を引かれるというところに一つ問題があると私どもは思うのです。むしろ小規模高校の寄宿舎の方が管理体制上一層問題が多いのであります。御案内のように人数が少ないということは、泊まりをする回数が飛躍的に多くなるということであります。私の地元の岡山県の北の方に津山東高等学校というのがありますが、ここに苫田分校というのがあります。分校ですから教頭の先生しかいらっしゃらない。教頭の先生以下八人。女の先生一人は夜は除外するということで、教頭の先生を先頭に七人の方が毎日泊まっていらっしゃる。一週間に一遍は必ず宿直をやる。どなたかが都合が悪くなると、一週間に二回ぐらいすぐ舎監をやる日が回ってくる。そして、授業をやる上からも非常に任務が過度になって、寄宿舎に泊まるということになると事実上非常に長時間の連続勤務で、三十二時間勤務というような状態になるわけでありまして、非常に苦労をなさっていらっしゃるというのが実情であります。  ですから、五十人以上というような形での配置でなくて、大きいところは大きいところで複数にしてほしいのだという声もあるし、小さなところでも、小さなところはますますそういう意味で何とかひとつ寄宿舎のめんどうを見ることをちゃんと計算に入れて手当てをしてほしい、そういう小規模校の寄宿舎の悩みもある。これが実情なんですけれども、文部省があえて五十人以下を切り捨てて五十人以上という線を引かれたのは、こういう小規模校の悩みを御存じないのじゃなかろうかと思うのですが、こういった大規模校への複数配置、小規模校へも一人はというような考え方についてどういうふうに考えていらっしゃるのか、お聞きしたいと思います。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 個別の学校を地域ごとに見ましたならば、先生おっしゃるような問題が確かにあると思うのです。ただ、国の定数の問題というのは、まず第一番に全体的な平均的状況というものを一応考えるわけです。そうした場合に、いま小中高等学校とあるその学校のそれぞれの先生の一週間の担当授業時数はどのくらいかといいますと、全国平均すると高等学校はせいぜい十七、八時間、ところが中学校、小学校は皆二十時間以上なんです。小学校だと二十五時間もやっているわけです。そうすると、同じ教員で、それは教える中身が違うけれども、高等学校の先生は楽だわい、こういう意見があることも事実なんです、これは先生何とおっしゃっても。それである地区なんかへ行きますと、その程度の授業時数ですから、一週間六日学校へ出るところを、五日しか出ないで授業がこなせるのですね。そういう実態がありますと、これは決して言いわけで言っているわけではないので、全般的な配置基準を考えます場合、やはり高等学校は少し余裕がある。だから従来の考え方も、小中に対してそれだけ余裕があるから、寄宿舎を置く場合にも一般の先生に交代でお願いしてやってはどうかという発想で来ていたわけです。  しかし今回は、小中学校の寄宿舎の配置基準も少し改善しましたから、それに合わせて高等学校もぜひ取っかかりをつくりたいということでやったわけで、私どももずっと将来にわたってこれでいいというふうには思っていませんけれども、さしあたってこの十二年間はこれでいこう。そしていまの配置の問題も、最初に申し上げましたように学校規模に固定してやるのではなくて、いま先生のおっしゃったような学校もあるでしょうから、それはひとつ県で十分裁量してもらいたい、こういうふうに考えておるわけです。

則武真一日本共産党・革新共同

○則武分科員 高等学校の先生は楽で小学校は厳しいというふうな論理の立て方には、どうも賛同できないのですけれども、私がさっき申し上げました大規模校への複数の配置、五十人以下でも単数の配置は考えなければならぬという点は、文部省は何か自治省等に対しては考えておられるやにも私は仄聞しておったのですけれども、いまおっしゃいませんですが、考え方としてもそういう考えは持ってない、こういうことなんですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 率直に申しますと、積算の中にどれだけの教員増を含めるかということは、自治省との話し合いの段階ですから、われわれとしては、できればこれを下まで、全部の高校に持っていければいいなということはもちろん考えておりました。しかし、この問題に限らず、いろいろなところで数字は圧縮しておりますので、結果的にはこういうことになっておるということであります。

則武真一日本共産党・革新共同

○則武分科員 十二年間でさっきおっしゃいました九十二人というふうなことではなくて、何とかもっとテンポを上げたり、小規模校も含めて途中で検討するとか、そういう見通しというか展望の中でとりあえずいま出発なさるのですから、もうずっとこの十二年で九十二人の配置で事足れり、こういうお考えですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 標準法は十二年の到達目標を法律の中に明確に書くわけですから、先ほど申しましたような規定にしてすでに国会に提案いたしておりますから、われわれとしては十二年間でいまの数字を確保する、こういうことでおるわけでございます。

則武真一日本共産党・革新共同

○則武分科員 どうも私どもの非常に切実な願いから見るとほど遠い、気の遠くなるような話なんですけれども、ひとつ答弁は結構ですけれども、一日も早くすべての寄宿舎に舎監が配置できるような検討を、この新しい制度の運営を通じて努力をしていただきたいというふうに思います。  二番目に、幼稚園の障害児教育についてひとつお尋ねをいたしたいと思います。  幼稚園の障害児教育の補助というものがないということなんですけれども、これは非常におかしいと私は思うのですね。厚生省は保育園に対して、ちゃんと障害児を措置するなら、その障害児の措置に対する一定の職員の割り当てをふやす、こういう措置をやられている。それから、小中義務教育は障害児教育を全面的に展開をしていただいておる。こういう中で、ひとり就学前教育といいますか、文部省の体系にある幼稚園だけが、障害児教育に対して非常に立ちおくれているというふうに思うのですけれども、まず、そういう認識を持っていられるのかどうか。しからば、幼稚園における障害児教育もやはりやるんだ、こういうおつもりなのかどうかをまずお聞きしたいと思います。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 おっしゃるように、幼稚園における軽度の障害児ですね、症状の重い子は特殊学校の幼稚部に行きますから、軽度の障害児の教育という問題は、確かに小学校段階以上におけるこの問題の扱いよりも、率直に言って私はおくれていると思います。それはなぜかと言うと一つには、親の方にも、幼稚園段階から出したくないという気持ちがあるのですね。もう一つは、受け取る方の幼稚園の先生の問題があるのですね。幼稚園の先生は御承知のようにほとんど若い女の先生で、そういう点での学校なりあるいは実際の幼稚園の教育活動において経験が十分でないというようなことがあって、私立幼稚園も含めて、必ずしも十分な対応ができにくい場合があるということがございます。  そこで、私どもは最近、そういう私立の幼稚園で軽度の障害者を受け入れて教育する場合には、その特別の経費を補助しましょうということで、これは幼児一人当たり三十万ほどですけれども、その補助制度を設けておるわけですね。一方、具体的に幼稚園でそういう障害児をどういうふうに教育したらよろしいかという教育の方法なり内容の問題、これはいま文部省でちょっとグループをつくって、外部の人に来ていただいて研究をしている、こういうようなことで、おっしゃるようにちょっとおくれていますけれども、私はこれから充実してやらなければならない分野だというふうに思っております。

則武真一日本共産党・革新共同

○則武分科員 前向きの姿勢で取り組みたいというふうな趣旨のお話だったと思うのですけれども、幼稚園における障害児教育のあり方については、教育機関としての障害児の扱い方やいろいろな研究がまだ十分なされていないとか、こういうものもあるんじゃないかということも聞いておるのですけれども、何か文部省の方で数年前からモデル幼稚園を指定されて、そこで障害児教育をやっていらっしゃるというふうに聞いておるのですが、どういう状況でしょうか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 幼稚園教育については、障害児教育ばかりでなくて、いろいろな研究指定校というのをやっておりますから、その一環としていまの障害児の問題も取り扱っているところもあるわけでございます。

則武真一日本共産党・革新共同

○則武分科員 いま障害児教育について、モデル幼稚園はどこどこが指定されておりますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 ちょっと後ほど調べて……。

則武真一日本共産党・革新共同

○則武分科員 それじゃ後でお答えいただきたいと思いますが、やはりこういうモデルケースをつくって研究をされておるということは、いろいろな成果が出てきておるんじゃないかというふうに思うのです。そういう点で私はやはり幼稚園というものに対してもっと文部省に、これは障害児教育に限らず全体として幼稚園というものが取り残されておるような気がするのですけれども、いま障害児教育だけについてお伺いしておりますのでそれに限ってもいいのですが、ぜひひとつそういうモデル幼稚園の指定をもっともっと広げていただいたり、そして積極的に障害児を入れておるような幼稚園を育成するような施策をとっていただきたいと思うのですが、そういうモデル幼稚園を広げて、どんどん障害児を入れておるような幼稚園がんばりなさいというような、そういう考え方は持っていらっしゃいますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 モデル幼稚園を拡大するというのも一つの考え方でございますが、そのほかにも、たとえば国立特殊教育研究所というのが久里浜にございますけれども、ここは幼児の段階からの特殊教育の方法等の検討をしておりますので、そういうところでの検討もさらにしてもらうとか、あるいは、既存の私立の幼稚園などでやっている研究の成果などを十分参考にしてもらうとか、多角的にやってまいりたいと思います。

則武真一日本共産党・革新共同

○則武分科員 私、岡山市に住んでおるのですが、岡山市は人口五十四万ぐらいな町ですけれども、岡山市立幼稚園を六十六園持っております。恐らく人口比なり対象児童比では日本一公立幼稚園の多い町ではないかというふうに私は思うのですけれども、いま岡山市の幼稚園で三十三の幼稚園へ八十八人の障害児が入って、先生方は一生懸命がんばっておられます。私事で恐縮ですが、私の娘も実は幼稚園の教諭をしておりますが、おっしゃるように一人の障害児をお預かりすると先生方の負担は非常に重いようです。しかし、そういう状況の中でみんなと一緒にこういう方々を温かく育てていくという点で非常にいい成果を上げていらっしゃる。また父兄も、ちょっとあなたの答弁では余り入れたがらぬみたいなことをおっしゃるけれども、いま入れてほしい、入れてほしいと言うんだけれども、先生の体制が十分でないからもうそこまでは無理ですということで、やたらとたくさんは入れられないというようなことでお断りをするような状況だということで、事態は、父兄はもっと入れてほしい、先生も、効果があるからしてあげたいな、しかしいまのままではしんどいぞというような状況が出ておるわけであります。こういう点で、日本でも一番公立幼稚園の多い、障害児をいまたくさん抱えてがんばっているようなこういう都市の幼稚園を、私は願わくはモデル幼稚園としてどんどん御指定をいただいて、もっと積極的に、行く行くは幼稚園の障害児の問題について十分対応できるような国の補助制度の充実を図っていただきたいというふうに思うのです。ひとつ最後にその点御返事をいただきたいというふうに思います。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 御指摘のように障害者、特に幼児の教育の問題につきましては、そういう精薄とか肢体不自由とかああいう子供の実態というものを日本で初めて全国的に悉皆調査したのは昭和四十四年なんです。そういうことでかなりおくれておりますので、いま御指摘のような問題がたくさんございますので、私どもできるだけ努力をして充実するようにやっていきたいと思います。

則武真一日本共産党・革新共同

○則武分科員 私がお尋ねしたそういう公立幼稚園をたくさん抱えてがんばっているところで、モデル幼稚園の指定もないですね。ですから、そういうところをぜひ検討していただきたいとお尋ねしたのですが、その点はいかがですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 モデル幼稚園というのは、幼稚園の場合は数が非常に少のうございますので、将来これをもう少し充実していきたいという希望は持っておりますので、それとの関連でひとつ努力さしていただきたいと思います。

則武真一日本共産党・革新共同

○則武分科員 終わります。

保岡興治自由民主党・自由国民会議

○保岡主査代理 則武真一君の質疑は終わりました。  次に、渡部行雄君。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)分科員 最初に大臣にお伺いいたしますが、今回実施されました国公立大学受験の共通一次試験の問題についてでありますが、まず、この共通一次試験の目的とその評価についてお伺いいたします。そして順次質問をいたします。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 共通一次試験は、いままでの試験を見ておりまして、高校の中でカリキュラムの中で正常に勉強してやっていくものから比べまして、若干いわゆる難問、奇問という程度のものが出てきておるというようなこと、やはり高校教育を実際まじめにやっておったらやれるという程度のものに整備をする必要がある、こういうことが一つ大きい理由になっておったと思います。その点につきましては、ある程度の効果が出つつあるのではないかと考えておるわけでございます。  それから、一次試験、二次試験あわせて一つの試験ということでございまして、二次試験におきましては、それぞれの学校の特徴を生かせるようなこと、両方あわせて総合的に判定できるようにしよう。またある面におきましては、一次試験を共通といたしましたことによって、大学のいわば知恵、学校の先生その他の総力を結集して一つのものができたということで、これは今後の入試のいろいろな問題につきましてこれから改善していく上にも非常に大きな力が出てきたのではないかと考えております。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)分科員 そこで、私は純然たる教育的な立場から申しまして、まず、大学の学校間格差というものは縮小させるべきなのか、拡大してもかまわないのか、この辺の御見解はどうでしょうか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 大学間の格差ということが、具体的に何をとらえて格差というかによってお答えが大分変わってくるだろうと思うのです。もちろん大学につきましては、それぞれの大学が創設されてこれまでに発展してきた経緯をそれぞれ異にいたしますから、非常にたくさんの学部と研究所等を持っている大学の場合、それから新設の大学の場合との間では、全体の予算等も差があるということは当然のことでございます。しかし、そういうことは当然ではあるにしても、できるだけ地方におけるいわゆる新制大学というものについて、地域の要請等も考え、教育研究の内容を整えていくそういう努力をするという点においては、地方の大学のレベルを上げていくという意味において格差を解消する努力をしなければならないと思います。しかし格差を解消するというのは、すべての大学を同じような大学にしてしまうということではなくて、やはりそれぞれの大学が特色を持って発展するというようなことを十分考えながら進めなければならない、格差の解消が大学の特色のある発展というものを逆に抑えるような形になってはいけないということも片方で考えなければならないと思います。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)分科員 確かにただ一概に大学の格差と言ってもいろいろあるわけですが、俗に言う大学の学部ごとの生徒の学力ということが社会的には一番問題になっておるわけです。ある大学は、卒業はしてみたが学力は旧制の中学校ほどもない大学生がたくさんいる。数学なんかまさに連立方程式もできないような大学生がおる。こういう実態があるかと思うと、一方においてはすばらしい学生が輩出しておる。こういうような問題を現実に抱えて、これらの格差がどうすればなくなるか、なくすことができるか、このことを真剣に考えるのが文部省の立場じゃないか。しかも学校教育法では、高等学校の学力なりあるいは大学の学力というものを規定しているわけですから、そこで言う学力をつくっていくにはどうすべきかという問題についてもっと配慮すべきじゃないか、この点についてひとつ御所見をお伺いいたします。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 確かに御指摘のような問題があると私たちも考えております。今回の入試改善の趣旨としたところも、一つには、共通一次によって高等学校の基礎的、一般的な学習の達成度を見る、そしてその結果と同時に、それぞれの大学の学部学科の特性に応じた工夫された二次試験というものを通じて、それぞれの大学が自分の大学で真に勉強したいとする適性を持った学生を受け入れるということが可能になるような方途を講じようというところにねらいがあったわけでございます。そういう形で、入り口のところでそれぞれの大学を選択する場合に、単にいわゆる入試の難易度、学力検査による難易度によって大学を選択するというのではなくて、もっとそれぞれの大学の特色に応じて学生が自分の志望を定めてそこへ入っていくというような方向を何としてもとる必要がある。それから、大学へ入ってからの学生の勉強の仕方というものについて、これはかつての高等教育のように高等教育の規模が非常に小さかった時代と違って、いまはいわゆる大衆化された高等教育というような状況になっていますから、入ってくる学生の資質も要請も非常に多様なものがあるわけでございますけれども、そうした多様な要請を受けとめて、それに対して行き届いた教育を行い、十分な学力を身につけて外へ出ていくことができるような大学としての教育方法の改善の措置というものが常に検討され、講ぜられなければならない。そういった教育方法の改善ということについては、国立大学について言えば、私どもも予算措置を講じて大学の努力を促しているわけでございますけれども、そうした努力を重ねながら、先ほども申しましたように、それぞれの大学が特色のある発展を遂げるという方向で大学を整備していくということが、先生の御指摘に応じて問題を解決していく方法ではなかろうかと思います。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)分科員 そうすると、つまり各大学の学部ごとの特色を生かしながら生徒の学力差を解消したい、こういう方向で確認していいでしょうか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 現実の問題として学力というものをどうとらえるかは問題でございますけれども、全国の大学を卒業してくる者の学力の水準というものが同じようなレベルのものになるということを期待をするというのは、私はいささか現実離れをするだろうと思います。しかし、それぞれの大学が特色のあるものになっていくことによって、それぞれ自分の大学を卒業していく学生というのは、こういう目的を持って、こういう勉強をして、これだけのものを身につけて世に出ていくということをもっと世間に対して、社会に対して十分に証明できるようなものにしていくということは、当然やらなければならないし、そういう方向での努力が行われていくべきだと考えているわけでございます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)分科員 確かに学力という内容についてはいろいろ議論があるかと思いますが、そこで私は、それなら一般的な客観的な評価としての学校に対する見方、たとえば具体的に言うと、東大は最高の学校である、そのほかは順次順位がつけられているということについて、順位がつけられていくことはいいことか悪いことか、この点についてお伺いいたします。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 そういった場合の大学の順位というのは、単に大学の入学の際のいわば難易別による区別、どのくらいの偏差値のある者ならば入れるとか、どのくらいの点数をとった者ならば入れるという難易度別による大学のクラス分けというようなものがその大学の順位として言われる場合が往々にしてあるわけでございます。私どもはそういう形で大学を見る、あるいは、そういう形で大学に入る者が大学を選択をするということは非常によくないことだというふうに考えております。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)分科員 大変よくわかりました。確かによくないことです。しかし現実には、この共通一次試験をやることによってそういう順序がつけられ、そして学校が区分けされているわけです。それはなぜかと申しますと、共通一次試験をやると、その結果何点以上は東大クラス、何点以上は筑波大、何点以上は東北大学、何点ならば北海道大学、大体こういうふうに、これは好むと好まざるとにかかわらず、予備校や業者がきちんと偏差値をつけて採点してくれるわけですよ。それによって受験生は自己採点をして、自分はどこどこに行けるというある程度の可能性をそこから推定して受験の学校を決定するわけです。そういうことが現実にあって、むしろ共通一次というのはそういう点で、いままでそれほど学校間の格差と申しますか、そういう区分けを知らなかったものがそのことによって明らかにされてきている、こういう現実についてはどのようにお考えでしょうか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 先生御指摘の問題は、たとえば共通一次の成績の結果、受験生の受けた結果を公表するかどうかというようなときにも非常に議論があったことでございます。入試センターもわれわれもそれは公表すべきでないという考え方をとっております。これは、それを公表することがまさにいま先生御指摘のような学力による、難易度によるランクづけというものを加熱させることが容易に予想されたからでございます。  公表は避けておりますけれども、実際には正解例や平均点を明らかにして受験生の自己評価が可能なようにしてございますから、そういったことを通じて、いわゆる受験産業が共通一次試験の成績による偏差値などを計算して、学験指導のデータを提供するというようなことが現実に行われるということは私たちも承知いたしております。これについては共通一次のスタートの際に、そういう点をぜひ自粛してほしいというような要望を関係の業界に対して行ったこともございます。これからもそういった点については、必要に応じて私どもは関係の業界にも要望してまいりたいと思いますが、しかし同時に、今度国公立大学のガイドブックというものを入試センターがまとめて発行しております。それはそれぞれの大学が、自分の大学ではこういうことを教える、こういう学生を育てたいと思っている、ここに入ってくる者はこういう勉強をする覚悟で入ってきてくれということをいままで以上に丹念にガイドをする、それによっていわゆる学力と申しますか難易度だけで大学を選ぶのではなくて、まさに自分の志望する大学をその大学の特色によって選ぶという方向へ何とか進路指導なり学生の志望というものを持っていってほしいと考えているからでございます。そういった努力は、共通一次の実施とともに国公立大学には非常に強くなってきておると私は考えております。この問題に対する対応は、やはりそうした方向というものをより強めていくことによって対応するのが最もいいのではないかと考えております。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)分科員 私は反対に考えているのです。いまその公表は避けるようにしておる。試験結果が公表されないために非常な悲劇が起こっておる。今度の筑波大学の入試の不正の問題も、今日までいろいろな不正事件が起こってきたのも、試験結果が公表されないから、それを盲点として不正入学ということが起こってくるのではないか。また、それを公表しないことによってランクづけがされないということには現実になっていない、それは全然ブレーキになっていないということなんです。それよりもかえって激しくランクづけが行われておる。しかもこのランクづけは、大学でこれこれを教えますよということで解消できるものではなくて、長い歴史の中でつくり上げられたランクでもあるわけです。受験生というものは、その学校を卒業したら就職率は一体どうなっていくんだ、どういうところに就職できるんだ、東大を出れば大蔵省にも行けるだろうあるいは通産省にも行けるだろうとか、いろいろそれぞれに考えているわけですよ。そういうことから出てくるランクであるから、これは試験の難易度だけの問題ではないと思うのです。  だから、私はこういう問題をなくすには、まず、共通一次でやったならば、その足切りは個々にやらせないで全体を対象として、国公立の定数の何倍以上は足を切ると初めから約束をして受験をさせるなら話はわかるのです。ところが、自分が予備校の指導によってこれだけ点数をとったから東大は大丈夫だろうというので、二次試験を八千円の検定料を添えて申し込みをした。ところが検定料は取ったまま今度は首切って、おまえは二次試験は受ける資格がない、これではまさに詐欺漢か三百代言のやり口に遭ったようなものじゃないでしょうか。自分は受験をして、そのために審査をしてもらえるものと八千円を納めてやったのに、受け取るまでは黙っておって受け取ってしまって、そして大ぜいいるから今度は首切るというやり方は、私は教育的な立場ではないと思うのですよ。こんな無慈悲な立場で教育ができましょうか。その辺をひとつ……。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 確かに二段階選抜、いわゆる先生御指摘の足切りについては問題があるわけでございます。これが安易に行われる、いわゆる大学の二次試験をやりやすくするためにということで安易に二段階選抜が行われるということは決して好ましくございません。二段階選抜の場合には、たとえば非常に丹念な面接をする、小論文による二次試験をする、そのためには、入学定員の四倍も五倍も学生が来ていたのでは丹念な二次試験ができないというような、特にその大学の入試というものを的確に行うために特別な必要がある場合に実施をしてほしいわけであり、しかもいわゆる足切りを実施をする場合には、入学定員の三倍程度というものを少なくとも目安にして行うようにということを、国立大学協会の方でも各大学に要請をしておりますし、私どもも安易にいわゆる二段階選抜を実施をしないようにということは求めているわけでございます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)分科員 受験生の方では何倍になるかはわからないのですよ。受験をしてみなければわからないのですよ。だから、受け付けておいて何倍以上になったからこれは足切るというのは、私は少なくとも教育的な立場ではないと思うのです。まずこの点が第一点。  それから、いま小論文と言われましたけれども、小論文によってその適性を見る、こういうお話ですが、これだって議論すれば非常な問題があるのです。それは先生の主観によって相当左右されるということですよ。ここで客観的な価値判断ができるかということ。大体この間の共通一次の問題にしても、共通一次試験を厳格に言うならば、あの社会の選択科目で世界史を選んだ者は非常に悪い点数になった。出題そのものが間違っているようなやり方で本当の評価ができましょうか。こういうようなことをやって、そしてこの首切りがもし事前にわかればその次の大学を受けられる。しかもそういう優秀な生徒をあたら一年も浪人させてしまう。こういうことに対する愛情というものを持たないと私は本当の日本の将来の教育はできないじゃないか、こういうふうに思うのです。その点についてはいかがでしょうか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 共通一次の試験問題の一部になお改善を要するところがあり、あるいは、科目間の成績のばらつきというものが社会科の中で見られたということは御指摘のとおりでございます。今後その点については、共通入試の改善を図っていく場合の非常に大きな問題点の一つとしてセンターも受けとめているわけでございます。  いわゆる二段階選抜というものについては、それを安易に行うべきではないということは先ほども重ねて申し上げたところでございますけれども、大学が丹念な入試を実施をするためには、これを一切だめだと言うわけにはいかないわけでございます。面接、小論文というものを通じて受験生の能力というものを客観的に評価をする、その基準が非常にむずかしいというのはこれまた御指摘のとおりでございますが、しかし、いわゆる学力の試験というものを、どのように大学に真にふさわしい者を迎え入れるための選抜の試験として改善をしていくかということを考えていくと、やはり小論文なり面接というものによって、いわゆるペーパーテストと従来から言われているようなものでははかれない本人の能力、資質というものを見ていくという努力は大学はどうしてもしなければならないし、また、その大学の努力というものが今回の共通一次に伴う二次試験で従来になく大学の側に出てきている、そのことを現在、社会は前向きに受けとめて評価をしてくれていると思います。もちろん小論文等の評価に当たっては、少数の教官がそれを評価するということではなくて、多数の教官がそれを評価をして公正を期するというようなシステムとしての工夫は行われているわけでございますけれども、そういう事柄として私どもは受けとめているわけでございます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)分科員 そこで、時間がありませんから、受験機会を生徒に与えて適正かつ効率的な選抜ができるようにするために、二、三提言をしたいと思うのです。  まず第一に、共通一次の結果を公表して答案を本人に返すこと、そうすると間違いは防止できるし不正も防止できる、こういうふうに思います。第二番目は、足切りは国公立全体、つまり受験生全体を対象として入学定数の何倍以上、そういうものについてまず足切りを行う。そして第三番目には、二次試験日をできるだけずらして、そうして一次を通った人たちは二次試験を二校くらいはせめても受けられるように配慮する。それから四番目は、答案は二次試験も同様すべて公表し、そして本人がその検定評価の結果を納得できるように配慮すべきである。また五番目には、二次試験受験者、すなわち各大学受験申し込み受け付けを中間で一応発表して、大学間の不均衡を調整できるような期間を設けてはどうか。この点について提言を申し上げますが、ひとつ御見解をお聞かせ願いたいと思います。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 先ほどの御質問にお答えをいたしているわけでございますが、共通一次の試験結果の公表の問題については、結果そのものを直接に受験生に公表をするということは、やはりさっき申しましたような観点からして文部省も国大協もそれは差し控えるべきだという考え方を持っております。しかし受験生はもちろん、答案というか試験問題を持ち帰ることはできますし、それからセンターの方からその正解を公表いたしますし、それから科目別の平均点等も公表いたしております。したがって受験生は、自分がどのくらいの正解であったかということについては自分で診断ができるような措置を講じているわけでございますので、それを今後ともさらに続けてまいりたいと私どもは考えております。  それから二番目に御指摘の、第一次の判定を共通第一次学力試験の結果に基づいて国立大学の総入学定員の何倍かで、まあ三倍なら三倍で切って、そしてそれについて今度は二次試験の受験を認めるということになりますと、私は問題が二つあると思います。一つは、共通一次学力試験を導入をした新しい入試制度のねらいというのは、やはり共通一次の学力試験と第二次試験とを適切に組み合わせてそれを総合的に判断をしていこう、できるだけ判断の資料を多くしようというところにございます。そこのところが、一回の客観テストによって大学進学の可否を決定してしまうということになりますので、そういういわば従来の一発勝負を避けようとしていた今回の改正の趣旨には逆行するのではないかというおそれがあるように思います。それからもう一つ、もう少し突っ込んで考えれば、高等学校卒業をもって大学入学資格としているという現在の学校制度についてのむしろ基本的な検討がさらに必要になりはせぬか。つまり、共通一次が大学の実質入学資格になるような形になるのではないかという問題が感じられるわけでございます。  それから三番目に御指摘の、二次試験日をずらして二次試験を二校受けられるようにするという点、これも今回の共通一次の際に、いわゆる一期校、二期校というものを廃止いたしまして、従来の一期校、二期校制度に伴ういわゆる二期校コンプレックス等の問題を大学側の意向に沿って是正をしたわけでございます。ただ、そのことが結果として、受験生の受験のチャンスを一回奪うことになりはせぬかという問題がありまして、それに対する対応としては、二次募集の方式というものを認めているわけでございます。これはあらかじめ定員を留保して二次募集をすることができる方途を認めているわけですが、これが昨年は四大学で募集人員約二百六十人であったものが、ことしは十三大学で八百人と増加をしておりますので、そういう二次募集の方式をさらに進めるということで対応する方が、二次試験を二校受けさせるということよりはいいのではないかと私は思います。  それから、二次試験の場合に答案を公表して本人がその評価の結果を納得できるような措置を講ずる、これについては、二次試験の場合でもできるだけ大学側が自分の出した出題についての正解例というものを公表する努力をすべきだと私は思います。これまでも大学に対して、そういう指導と申しますかお願いはしているわけでございます。  それから最後の、二次の受験者数を中間で発表していくという点についてでございますけれども、いまの共通入試の制度のところでは御案内のように、一次の志願状況を発表し、二次の場合におきましても二次の受け付けの状況を中間発表する、そして最終的に状況を発表するということで、現在の制度のもとでもできるだけ受験生が自分の大学を志望していくその状況を助けることができるような手当てはしているわけでございます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)分科員 時間が本当にありませんので、これは今後機会を見て議論したいと思います。  そういうやり方で実際にいま出ておる不正問題というものをそれじゃ、具体的にはどういう方法で防止するのか。筑波大学の入試の不正問題は、細々とは言いません、恐らく知っておられると思いますが、この実態についてどういう把握をしておられるのか、またこれが防止をどんなふうに考えておられるのか、最後にお尋ねをいたしまして、私の質問を終わります。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 筑波大学の推薦入学に関しまして不正な工作が行われたのではないかという新聞報道がございました。しかしこれについては学長から、そのような事実はないという報告を受けておりますし、文部省としてもそう了解をしております。特にこの問題については、推薦入学自体について不正な入試は行われていない、そのことについては、不正工作があったとしている方々、先生方を含めて、筑波大学の関係者は一致をして認めております。推薦入学の結果自体について不正は行われていない、これは公正に行われているということについては、きちっと確認されているわけでございます。そういう歯どめの上で私どもは、先般の評議会を経た大学の学長の意向表明を受けとめているわけでございます。

保岡興治自由民主党・自由国民会議

○保岡主査代理 渡部行雄君の質疑は終わりました。  次に、安田修三君。

安田修三日本社会党

○安田(修)分科員 それでは、第一点といたしまして、大学の整備についてお尋ねいたします。  まず富山大学でありますが、実は富山市に大学各部の統合化が行われてまいって、順次整備されてまいったところでありますけれども、戦前の高等商業から高専に変わり、戦後新しく工学部に移り変わりましたその富山大学工学部が高岡市にありまして、大正年間に建ちました木造校舎そのままに老朽化して、今日、富山市の本部キャンパスに統合されていないわけであります。これにつきましてはいろいろと地元事情等もありまして、後ほど申し述べますけれども、私はまず、この富山大学の統合整備につきましての文部省の見解をお聞きしたいと思います。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 御指摘のように、高岡に所在します工学部を富山市へ移転をするというのは、大学にとりましても文部省にとりましても多年の懸案でございます。しかし、それが諸般の状況から現在まだ実現を見ていないということがあるわけでございます。そのために、工学部の施設等の整備につきましても大変ぐあいの悪い状況になっているということは、御指摘のとおり率直に認めなければなりません。したがって、工学部の整備のためにも、当面富山市への移転を実現することが急務であると考えまして、それについて障害になっている事柄を除去すべく諸般の努力を現在続けて、できるだけ早く富山の方へ移してまいりたいと考えているわけでございます。

安田修三日本社会党

○安田(修)分科員 障害になっていることを取り除く、そして速やかにということでありますけれども、これは今日まで長年そういうことで推移してきたわけであります。御存じのように、三年前に雪害があったときには、仮校舎がつぶれて脊髄損傷の重傷の学生を出すということも起きてまいっておりますし、それから横を通ります氷見線の影響によりまして、工学部の精密機械等はぶれのために学習ができないという状況でもあります。また今日、三年、四年の学生たちは、非常に高度化された今日の日本の技術を学ぶために学習しておるわけでありますけれども、それらの学習をする施設すら事欠く実態であります。国立の大学でありますから、当初建てられた経緯、あるいはまた今日、高岡市が要望いたします代替の国立の文教施設ということについて、文部省が高岡産業短大の創設準備調査費等をつけてくださっていることについては、私は大変感謝いたします。しかし、それはそれとして、今日、富山大学の拡充強化、さらには工学部が新しい学科等も設置していかなければ現在の工学部としての学習の場にならない、こうした緊急の立場からしましても、やはり国立の大学である以上は、障害と言われるけれども、それは単なる地元事情でありますから、まず万難を排してやるべきものはやる、そして現地の要望のあるものは、それに沿った妥当な解決等御配慮をいただくということが本来の筋道ではないかと思うわけであります。そういう点で局長のお考えをお聞きしたいと思います。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 御指摘は、私もまことにそのとおりであると思います。何分非常に長い経緯を経ていることでございますので、いま先生御指摘の高岡における国立の短期高等教育機関の設置というものも取り進めながら、それを契機としてできるだけ早く富山の方に工学部の移転を実現したいと考えているわけでございます。

安田修三日本社会党

○安田(修)分科員 できるだけ早くというのは、たとえば文部省が進めたいという意向、富山大学当局も進めたいという意向、そのことは私たちも毎年聞いて今日まで来ておるわけでありますけれども、ここまで来ましたらもう五十五年度でそのことは解決するとか、何らかのめどを出してもらわないことには、大学整備としては非常におくれてまいるわけです。その点、どうでしょうか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 確かに、いつまでもただ早期に早期にと言っていたのではどうしようもないということでございます。私どもは、高岡に設置を予定しております短期高等教育機関の創設準備調査、あるいはさらに今後の創設準備等を進めていきますためにも、高岡にある工学部の移転の問題について、その実現についてのはっきりした見通しを得ることがどうしても必要だというふうに考えておりますので、そういう方向で高岡市あるいは県等と積極的に協議を続けて、速やかにその見通しを得たいと思っておるわけでございます。

安田修三日本社会党

○安田(修)分科員 私は、文部省がやる気があれば、富山市の本部キャンパスにはすでに敷地が確保されてあるわけでありますし、すでに薬学部は医科薬科大学の方に、御配慮によって出ておるわけでありますから、こちらの方に工学部の施設建設等も進める、一朝にして施設はできないわけでありますから、進めながらこの解決は当然できるではないかと思うのです。その点、絶えず地元事情ということをおっしゃって、主体である文部省が工学部の統合についての建設準備等に入られないということは、富山県のように高等教育機関の整備のおくれているところには非常に大きい不信感があるわけですから、やはりやるものはやりながら、並行して解決に努めていくということが必要ではないでしょうか。その点、お考えをお聞きしたいと思います。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 これから仕事を進めていく方向については、私も先生の御意見に全く異議がございません。むずかしい事情はあります。ありますけれども、御指摘のような方向でできる限りの努力をしてみたいと思っております。

安田修三日本社会党

○安田(修)分科員 そこで、富山大学の工学部に今日新しい学科の増設が必要になっておると思うのです。新しく統合された場合には、工学部の学科増設についてのお考えがありますか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 富山大学の内部には、最近ではたとえば情報工学科あるいは建築学科等の新設の要望があるということは、承知をしております。これらをどのように処理していくかということにつきましては、やはり移転実現後の施設整備の進捗状況等も考えながら、かつ大学の方の準備の体制、要望等も見て対処していかなければならないことだと考えております。

安田修三日本社会党

○安田(修)分科員 それから、御存じのように北陸三県を通じまして法学系というのは金沢大学だけでありまして、全部の収容力というのは二百人しかございません。したがって、これはもちろん富山大学だけにということもいろいろな兼ね合いから問題がありましょうけれども、当面やはり求めますのは、唯一の大学としての富山大学に法学系の学部を置いてもらいたいという希望が地元には非常に強いものがあります。こうした新しい学部の増設ということについてのお考えがありますでしょうか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 富山大学につきましては、五十四年度に、大学の要請を受けまして経済学部に経営法学科を設置いたしております。これは入学定員六十人の新しい学科でございますが、現在年次計画によって整備が進行中でございます。法学部を新設する、あるいは法学部に限らずに社会科学系の学部を新設するということについては、現在大学の方でそのような将来構想があるということを私どもはまだ承っておりません。大学の整備、特に地方における大学の整備を図っていくという基本的な方向は私ども持っておりますけれども、大学の方の将来構想というものもまず承った上で判断すべきことではなかろうかと思っております。

安田修三日本社会党

○安田(修)分科員 そこで、先ほどの話に戻りますが、仮称高岡産業短大、これは五十五年度、皆さんの方で調査を進めていただく。さて、今日国立大学をなるべくつくらないというような方針の中にこういう調査費等が出ましたが、これは、五十五年度で何らかのめどをつけてさらに前向きに設立へと進んでいくということに私たちは解しておるわけでありますが、五十五年度から五十六年度にかけてそのような段取りに進むということに解してよろしゅうございますか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 高岡の短期高等教育機関の設置の問題につきましては、文部省で五十四年四月から調査研究会議を設けまして、地元の代表にもお加わりをいただいて検討を進めて、専門分野についての考え方あるいは入学定員の目途、そういった点を含めて基本的な構想については一応の合意を得ているわけでございます。  そういう状況を踏まえて、五十五年度は従来の調査から創設準備調査ということに一歩を進めて、前年の検討の結果を踏まえて専門分野ごとの具体の教育課程なり教員組織、学科構成のあり方、そういった具体的な問題について調査を進めようということでございます。現在の時点では、この調査の進捗状況を待って判断をするという以上には申し上げにくいわけでございます。

安田修三日本社会党

○安田(修)分科員 いまの調査は、いろいろな大学のあり方という問題について調査されておるというふうに私たちは考えているわけでありますが、問題は、その調査の結果、設立へと進むかどうかわからないぞということですと、ちょっと意外な感を私たちも持つわけであります。あくまで設立を前提とした学校のあり方ということについての研究ということで解していいのでしょうか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 高等教育機関の整備あるいは新設ということにつきましては、文部省だけではなくて関係省庁がそれぞれ協議をして取り進めていくことでございますし、その進捗については十分に慎重なステップを切っていく必要が事の性質上あるわけでございます。現在の時点では、昭和五十五年度の予算において創設準備調査の経費のお願いをしているというところまでのことでございます。  ただ、あえて申し上げさせていただければ、もちろん文部省の大学局といたしましては、前に進めたいという気持ちで仕事はしておるわけでございます。

安田修三日本社会党

○安田(修)分科員 そこで、実は富山は進学率が非常に——非常にと言うほどでもございませんが、とにかく高い部類だと私たちは思っているわけです。五十二年度で四二・一%、全国第十一位。ただ、大学の数が非常に少ない。医科薬科大学を設置していただきまして国立二校ということになりましたから、大学そのものの収容力からしますと、富山は全国の中で一応中位程度ということになるかと思います。しかし、進学率が高いために、実際に現地の子供の入る数は非常に少ないわけです。したがって、留地率が非常に少なくて、逆に、地元への志向性が高いために地元の大学の占有率は非常に高いものがあります。大学進学率が高い、それから地元の大学への志向性が非常に高い、こうした富山県の今日のいろいろな状況、教育的な環境判断からして富山に四年制の大学を設置しなければならぬという機運はあるわけですけれども、遺憾ながら今日まで私立の大学等もございません。これはもちろん、富山のそれらの創設に対する熱意とかいろいろなものが当然絡まなければできなかったわけでありますが、新制大学ができて何十年かたった経過の中で今日の状況を迎えてしまったわけでありまして、ただ、そうした中に今日、全国で私立大学のないのが七県しかございません。その中に富山県も入っておるわけであります。教育の機会均等ということからいたしますと、私立大学についても地方のいろいろなそうした教育環境等を見ながら、文部省がそれらの大学を設置しやすい立地条件等を整備していくということもまた必要ではないだろうか、そういう誘導政策も必要ではないだろうかと思うわけであります。その点、局長の方でそれらについてどのように考えておられるか、お聞きしたいと思います。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 もちろん私立の大学を新設をするというのは、まさに私立の大学を新設したいという御意思を持った方あるいはそういう意思を持った一つの学校法人というものがあって初めて可能になってくるわけで、そのことについては文部省といたしましてもいかんともしがたいものがあるわけでございます。  それから、既設の私立大学が他に移転をするという場合には、私学振興財団の融資の制度によってこれに対するお手助けをする道は開いております。  それから、大学の設置認可をしていく場合に、現在は私立学校法附則十三項の規定によりまして、特に必要があると認めるもの以外は新増設はしないということにはなっておりますが、地方における高等教育機関の整備のように、その状況からしてどうしても必要なものであれば認可は行われているわけでございます。たとえば昭和五十五年度から富山県におきましても洗足学園の魚津短大が設置認可をされて学生を受け入れるというような形になっておるわけでございますので、私どもも私立大学がそうした地方に進出をするということについては大いにそれを期待いたしておるわけでありますが、直接、文部省の方でこのような形でそれを誘導するという措置は非常にとりにくいわけでございます。

安田修三日本社会党

○安田(修)分科員 私は大臣にお尋ねするわけでありますけれども、文部省、行政官庁としての考え方からすれば、現行ではそういうことになるだろうと思うのです。ただ、私、先ほども申し上げましたように、教育の機会均等ということはあまねくどのように実現していくか。今日、いろいろな各地方の実情を見て、たとえば進学率あるいはその地方の大学に対する志向性とかいろいろなことを考えた場合に、問題は私立大学をつくる場合でも非常に多くの金もかかります。したがって、文部省がそのような大学が各地に設立され得る機会をよけい与えるという条件を整備することも、一つの教育行政として必要になってくるのじゃないかと思うわけです。もちろん、私立大学は私立大学の独自の立場からつくるものではありますけれども、しかし、大学が地方に配置あるいは進出しやすいような条件を具備する、たとえば私立大学が地方の今日、未設置のところに誘致あるいは創設される場合には、それらについての助力をなし得るような条件をつくるというようなこともまた必要ではないかと思うわけでありますけれども、その点、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 御指摘のとおりに、大学の地域的な偏在をなるたけ防ぎたいという大きな考え方は、私も持っておるわけでございます。富山県の御指摘のところなんかは、先ほど来お話を承っておるわけでございますが、富山大学の拡充あるいは医科薬科大学の問題等々、全国的な地域から見ますと、なるほどいままでおくれておったかもしれませんけれども、現在の時点では文部省といたしましては相当力を入れておる地域であるように私は思います。大変御心配になった高岡の問題等もございますけれども、大学局長が言いにくいことをああして申し上げておるように、数年来の動きを見ておりますとかなり進んできておると考えております。  いま御指摘の問題は、私立大学をさらに富山県に持ってくるのについて何か特段の方法はないか、あるいは文部省として誘致するような環境整備をすべきである、こういう御指摘でございますけれども、これはいま申しましたように国立の関係ではかなり進めておりますから、私立の問題につきましては私たちも努力はいたしますけれども、しかし文部省の方で誘導する環境整備をまず先やれ、こう言われましても、いまはさっきから御指摘のとおり国立の方に一生懸命の状況でございますので、そういう有力な御意見が出てまいりましたようなときには融資であるとかその他の問題につきまして力を尽くさしていただきますが、富山に関しましてはまずまずひとつ国立の系統のものを整備させるところに文部省としては力を尽くしていくのが順序であると考えております。どうぞ地元の方でひとついいものがありましたら、御相談いただきますれば御助力をさしていただくことはやぶさかでございません。

安田修三日本社会党

○安田(修)分科員 それでは大学整備の方は文部省のいろいろな努力に期待いたしましてこの程度で終わりまして、文部大臣にじかに先に聞きたいわけでありますが、障害児の普通教育の選択についてであります。  すべての子供に共通な成長発達の筋道に沿った成長発達を保障していく、そういう基礎的な教育を行うことが非常に大切だということは、皆さんも私たちも全く意見は一緒であろうと思います。これが俗に言う普通教育ではないだろうかと思っております。そこで障害者が最初から除外されましては、共通、平等、共同の教育の基本的原理から外れてしまう。そこで養護学校義務化、一年を経過いたしまして、普通教育を受けたいと思っている親とそれから教育委員会側とのトラブルが絶えないわけでありますけれども、文部省が各地の実状をどのように把握してその解決に努めておられるか。さらには普通教育を受けて地域の小学校や中学校の特殊学級に入っていた子供、その子供が養護学校に変更させられるということは、非常に親や子供たちの教育に対する選択権を奪うというような観点にも立つわけでありますけれども、まず原則として、いままで各委員会でもこの件については各大臣や局長の答弁がたくさん出てまいっておるわけでありますけれども、今日の段階で文部省の基本的な考えについて大臣からお聞きしたいと思うわけです。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 御指摘のとおりに養護教育の義務化をいたしまして一年たっておるわけでございますので、いろいろな問題が出てきて、これに対する対策を今後講じていかなければならない段階に入っているわけでございますが、障害児の普通教育、普通学級への問題につきましては、障害の程度と種類によって考えていくのが常識的ではないかというふうに考えましてそういう方針をとっておるわけでございます。これは障害児の問題につきましての受け入れ側の準備体制の問題ももちろんございますし、つまりそれに手なれた教師の方々の充足の問題等いろいろな問題もあるわけでございますので、普通の方々もしくは程度の低い軽度な方々、そういう方々を普通学級あるいは特殊学級等もございますが、そういう方針で、重度の方々につきましては、その態様に応じて養護学校等に行っていただくのがいいんじゃないかという大体の方針を決めて進めておるわけでございます。

安田修三日本社会党

○安田(修)分科員 それでは局長にお尋ねいたしますけれども、この養護学校あるいは普通学校を選ぶ場合に、親と教育委員会側との相談というもの、これはいままでのいろいろな答弁を見ましてもよく話し合うということが言われておるんでございますけれども、現実にはなかなか教育相談的な雰囲気の中に行われるということがないことが実はトラブルの原因になっていることも各地にあります。そこで、ここらあたりは皆さんの方で、言葉の上では余り画一的にやらぬようには言われておるんだけれども、その点どのように指導していられるのでしょうか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 この問題は去年の義務制実施のときずいぶん国会でも御意見をいただきまして、私どもも検討はしたわけでございますが、おっしゃるようにこれを、あなたはどこの小学校へ行きなさい、あるいはどこの養護学校に行きなさいという、最終的に決めるものは教育委員会なんですね。これは制度上そうなっておりますから。ただ教育委員会が決めるに当たって、一つは就学指導委員会といった専門家の意見を十分聞いてください、それからやはり親の希望というものも聞きなさいということで、たとえばことし、いま現在でそういう普通学校へ行くか養護学校へ行くかというような話し合いが進んでいるものは、新入生について言いますと九県で二十人という報告が上がっているわけですね。これは要するにわれわれの方でも県を通じまして具体的にどういう問題があるか、問題があればひとつわれわれの方へ連絡してくれ、こういうことで掌握するように努めておるわけでございます。  ただ、その実態を見ますと、やはり親の希望としては、確かに普通学校へ行きたいという希望が強くても、子供さんの症状を見れば、たとえば脳性小児麻痺でほとんど口もきけない、車いすに乗ったままだというような子供さんは、幾ら希望があったといっても普通の学校では受け入れてもいろいろな条件が合わぬわけですね。そうすると、最終的にはどうも親の希望は入れられないけれども、その子供さんは養護学校へ行きなさい、こういうことになるケースもあるわけでございますから、やはりそういうケースは、しかし、決して教育の機会均等という原理に反するのではなくて、いまの学校教育法の制度というのは、先ほど大臣が申しましたように、それぞれの体の状況に応じて教育を受けるわけですから、やはり長い目でひとつ御理解をいただくように努力をしていきたい、こういうふうに私は思うわけです。

安田修三日本社会党

○安田(修)分科員 そこで局長、この就学指導委員会ですけれども、このメンバーというのは、あれは各地方の教育委員会では余り公表したがらないようなんですけれども、これは公表できないのですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 これは公表してはならぬという性質のものだとは私は思いません。ですから、扱いはそれぞれの教育委員会に任せておるわけですけれども、その判断でやっておられればよろしいかと思います。

安田修三日本社会党

○安田(修)分科員 私はやはり、この就学指導委員会というのがもっとオープンになって、そしてそういう障害児の親とも気軽に話し合える雰囲気というものが必要でないだろうかと思う。何かここで以前のように、判別委員会のような判断を親が持つということもまたこれは一つの、これらの解決の隘路にもなってまいりますし、そういう点では、文部省は、就学指導委員会というのはもっと委員も公表したり、そして教育相談——本来は教育相談をやるべき責務もあるのじゃないかと私は思うのですけれども、そういうことを進めるべきじゃないかということを文部省は指導されていいのじゃないでしょうか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 恐らく、そういう外へ出さぬと言っても、具体的に就学指導委員の方々がその子供さんに面接したりすればわかるわけですから、そう表に出したがらぬというところは少ないのじゃないかと思いますけれども、考えられますのは、その就学指導委員がだれだということになると、御本人がいろいろなところからプレッシャーがかかるのが困るというようなことも、あるいはあるかと思います、ちょっとわかりませんけれども。ただ、私は、そういう意味で就学指導委員会のあり方というのは、やはりそのメンバーの一人一人が就学指導について適切な指導ができるだけの能力をつけてもらうということが大切だという意味で、五十五年度もそういう意味の就学指導委員の研修、こういうことを計画したりしておりますので、少し長期的に見ていただきたい、かように思うわけです。

安田修三日本社会党

○安田(修)分科員 時間が参りましたので、ひとつそこをオープンに、適切に相談できるという環境をつくっていただきたいと思います。  では、終わります。

保岡興治自由民主党・自由国民会議

○保岡主査代理 安田修三君の質疑は終わりました。  次に、坂口力君。

坂口力公明党・国民会議

○坂口分科員 最初に、大臣お見えになりませんが、少し議論だけ進めさせていただきたいと思います。  先日、私は予算委員会におきまして、医学教育の中でプライマリーケアのことを少しお聞きをするはずになっていたわけでございますけれども、時間がございませんでしたので議論を進めることができませんでした。きょう改めてその状況はお聞きしたいというふうに思っております。  と申しますのは、先日厚生省も、医学部の卒業生の国家試験の内容につきまして審議会に諮問をいたしておりますが、その中で、最近、むずかしい病気についてはいろいろと診るところがあるが、一般的な病気についてなかなか大きい病院が診ないとか、あるいはまた逆に、少し変わった病気でありますとたらい回しをするとか、いろいろなことがあるものですから、できるだけ初期診断というものを重視していきたい、こういう考え方もその中に含まれているように承っております。そういうふうな方向で進むこと自体私は非常に大事なことであるというふうに考えている一人でございます。  なぜなら、現在の医学教育は講座制になって独立をいたしております。そしてその中でそれぞれの専門のことが教えられているわけでございますが、その専門の中で特に、日常に余りお目にかからないような病気のことについて非常に詳しく行う。たとえば一人の医者が年間に一回か二回しかお目にかからないような病気のことについて大変詳しく教えましたり、あるいはまた日常に最もよく出会いますところの、たとえば胃腸系の病気でありますとかあるいは感冒でありますとか、そうしたことにつきましての問題は非常に省略されることもまた多いというようなことで、何か特別な疾患についての専門家であることが非常に優秀な医師である、そして一般的な疾病についての病気を診察する医師は一つ程度が低いというような風潮がいつの間にか生まれてしまっている。これは余りにも技術に偏重した結果だというふうに思っているわけでございますが、そうした中で、患者の側もまたそれと同じ考え方に立っている可能性がある。こういう現状があるわけでございまして、これを何とかして打破していくという考え方のもとに、このプライマリーケアというものが医師国家試験の範囲の中で考えられるということであれば、私は一歩前進した考えではないか、こういうふうに思ったわけでございます。  そこで、以上は厚生省の範囲のことでございますけれども、それならば医学教育の中におきましてもそのことが何らかの形で反映されてしかるべきでないか、こういうふうに思っているわけでございます。そのことを先日お聞きしたかったわけでございますが、時間がございませんで私、割愛させていただいたわけでございますので、きょうはそのことをまず局長さんからお聞きをして、後で、大臣お見えになりましたら大臣からも一言お聞きをしたい、こういうふうに思っております。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 近年、御指摘のとおりプライマリーケアに関する教育を充実すべきであるという点は各方面から指摘を受けておりますし、また、社会的な要請も大変強くなってきていると私たちも受けとめております。  医学部における教育でプライマリーケアに対してどのように対処をするかという点につきましては、やはり学部レベルの問題と臨床研修の段階の問題と二つあるわけでございます。     〔保岡主査代理退席、越智(伊)主査代理着席〕 医学部の学部レベルの教育というのは、そもそもが医師として、指導者があれば一本立ちで診療ができるような教育を身につけさせることにあるわけでございますから、そのこと自体がまさにプライマリーケアの担当ができるだけの能力の基礎を身につけさせることにあるとは思いますけれども、しかし、さらに救急医学教育の実施であるとか、あるいはベッドサイド・ティーチングの充実等によりまして、臨床各科を通じてプライマリーケアに関する教育を充実するような配慮、改善の努力が各大学で行われております。それから、卒後二年間の臨床研修期間における指導の重要性というのがプライマリーケアの場合には非常に大きいわけでございます。  そこで、五十三年の十月以来、文部省の医学の視学委員会に大学病院における臨床研修のあり方について検討をお願いしているところでございますけれども、昨年の十二月に中間報告をお取りまとめいただいております。この中間報告におきましては、臨床研修におきましていわゆるローテート方式の採用によって幅広い研修を実施をすることであるとか、あるいは救急部門での研修を強化する、さらに大学病院以外の研修病院との連携の強化等を通じてプライマリーケアの教育の充実を図るべきことが指摘をされております。この中間報告につきまして、現在各大学等の関係者の意見を聞いている段階でございます。その意見を聞いた上で、この視学委員会で最終的なお取りまとめが願えた段階で、文部省としてはその趣旨に従ってさらに各大学に対して指導を行ってまいりたいと考えております。

坂口力公明党・国民会議

○坂口分科員 いま御指摘のように、いわゆる医学部の時代における教育というものと、ポストグラデュエートと申しますか、それ以後の研修期間における問題と二つあるかと思います。この六年間の医学教育の中におきましても、私はプライマリーケアの考え方に即した講座というものが非常に少ない、むしろそうした考え方の取り入れ方が少ないのではないかというふうに考えている一人でございます。さらにまた、この研修期間におきましては、これは一層重要な問題であるというふうに思うわけでございます。  大学の医学部あるいは医科大学、これは付属病院も含めてでございますが、その大学の役割りというのは、一つはこれは当然教育でございますが、もう一つは研究ということもございましょう。さらに加えて治療という問題もあるわけであります。しかしながら一その治療の問題は、ややもいたしますと付属病院における治療、こういうことにどうしても限定されがちでございまして、たとえばそこから各地域における県立病院でございますとか市民病院でございますとか、あるいはまた山間僻地でございますとか、そういった病院へそこから派遣をされていく。これはそこまで大学はなかなか責任を負えないと言えばそれまででございますけれども、現実問題といたしましては、大学が人事を握っていて、そして出先のいろいろの病院へ医師を回すという形式になっている場合が多いわけでございます。そういたしますと、教育あるいは研究ということが余りにも中心になり過ぎまして、地域医療ということは二の次、三の次になってしまう可能性が非常に強いわけであります。ですから、ひどいのになりますと、三カ月交代とかあるいは半年交代とかいうようなことでそれぞれの病院の方に医師を派遣する。そうしますと、それを受け入れる側の市町村におきます病院の方にいたしますと、またその地域の住民の側から見ますと、ようやくなれかけたところで引き揚げられてしまう。それもその医師のいろいろの都合によってそれがそうせざるを得ないというのであればまだ理解もできるけれども、それが大学ならば大学の意思によって非常に早い機会に回転をさせられるということはたまらないという声が非常に強いわけでございます。  大学の役割りとして、もちろん教育、そして研究ということは大きな柱ではありますけれども、それに加えまして治療、その治療の中には私は地域医療というものが含まれていてしかるべきだと思います。その辺のところは、これは本来ならば病院の自主性にゆだねるべきことであると私も思いますけれども、しかし、現在のようにプライマリー・ヘルス・ケアというものが十分に機能していない現状におきましては、それが軽んぜられているのが現状ではないかというふうに思います。  この問題をどのようにお考えになっているかということと、それからこの辺のところを行政指導ということが果たしてできるのかどうかということ、私ちょっとよくわかりませんけれども、その辺のところももしも文部省としての取り組み方がございましたら、ひとりこの際御意見を伺いたいと思います。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 医科大学、特に付属病院が教育、研究と並んで診療ということをいわば三本の柱として機能していかなければならない、その場合に診療に当たって地域の多様な要請に応じて地域医療の面を重視していかなければならないというのは、私どももそのように考えているわけでございます。  大学の付属病院から医師が派遣される態様というのは、いろいろあると思います。一つは、免許取得後間もない医師、つまり研修医あるいは医員というような段階の方々が、周辺の公的病院等にある期間派遣されて医師として勤務をしながら臨床経験を深める、こういう方法をとっている大学病院があることは承知をいたしております。これは先生御指摘のように、大学付属病院で受け入れる患者の疾病に対する診断、治療はかなり専門的でございます。これに対して派遣されて周辺の病院で勉強するということになると、かぜであるとか盲腸であるとか、そういった一般的でありかつ初期的な疾病に対する診療研修というものがより積極的に多くの症例を得て行われやすいということがございます。そういったことからいいましても、こうした方式はすぐれた臨床医を養成していく場合の一つの現実的な方法だと思いますし、また、これらの医師が地域医療の実態に直接触れることによって重要性を身につけて、地元に定着していくようなことにもなるであろうということが考えられます。  したがって、そういった研修医の段階で、大学あるいは大学病院がうまくローテートの方式を考えて医師を派遣をするということはむしろ歓迎されるべきことであると思います。それを一歩進めて大学の常勤の職員である助手の方々が行くというようなことになりますと、身分関係をきちっとしておいてもらわなければ困りますし、アルバイトのような形で行ってもらっては困るわけだし、大学としての一つのはっきりした人事の方針を持って派遣をしてもらわなければ困るわけでございます。その場合とかく出身の大学病院を志向する形が強くなって、地域医療に十分貢献しなかったりなどするようなことがあっても困るし、その辺の関係について当事者の十分な理解と話し合いによって、現実に即し、しかも服務あるいは身分の面できちっとした取り扱いができるような形で行われることであるならば、それも大学病院のあり方としては望ましい方向であると思います。  いずれにしても、その点は先生御指摘のように大学の御判断によるべきところが多いわけで、なかなか文部省が直接どうこうと言うわけにはまいらぬところがございますけれども、しかし医学部長、病院長会議等の機会もございますから、そういった点についての問題提起を関係の方々にしていくという努力はいたしたいと存じます。

坂口力公明党・国民会議

○坂口分科員 大臣がお見えになりましたのでもう一度サマライズして申しまして、大臣のお考えをこの際お伺いできればと思います。  先日、私は予算委員会におきましても大臣に少し御質問をしかけたままで時間がなかったために最後までできなかったわけでございますが、一つはプライマリーケアの問題でございます。このプライマリーケアという言葉の意味もいろいろ意見があろうかと思いますが、少なくともいままでのように個人を対象という形ではなくて、もう少し地域というものを対象にして、そこに視点を置いてそして医療を考える、そこに予防医学的なことも取り入れて、そして早い時期に疾病を発見する、そのことによって治療費の非常な高騰等も防いでもいけますし、また、人々を大きな病気から救うこともできるのではないか、そういう考え方が現在の世の中でより大事だという考え方が起こってきているというふうに私は理解をいたしております。そのプライマリーケアというものについて、厚生省も医学部を卒業しました医師の国家試験等の範囲の中にも取り入れていきたいというような考え方を持っているようであります。いま局長にいろいろとお聞きしておりましたのは、そうした考え方が大学に非常に少ないし、医学部というのはどういたしましても医学教育とそれから研究というものについては熱心だけれども、地域医療ということについては非常に不熱心な面がある。それが大学の助手席にいるか、あるいはまた、ただ研究員としての籍を持っているかはわかりませんけれども、医学部の、人事の中での回転によって、大学から多くの市民病院だとか町民病院だとかに出ていくわけです。そしてそれが、たとえば三年とか少なくとも二年とかいうふうにそこにとどめてそして回転をするならばまだいいわけでございますが、ひどいのになると三カ月とか六カ月というような、小刻みに大学の側の研究の動きに合わせて移動をせしめるというようなことが間々実はあるわけでございます。果たしてそれが大学病院のやることであろうかというような批判もまた起こっているところでございます。  私は、そういったことを文部省がこうすべきだというふうになかなか言いにくい面もあることはよく承知をいたしておりますが、現実がそういうふうな形でございます。これは医学教育の中にプライマリーケアという物の考え方が浸透していけば、そういったことはおのずからなくなっていくであろう、こういうふうに考えておりますので、医学教育の中にそうした物の考え方を定着できないだろうか、こういった質問を申し上げているところであります。一言お聞きしておきたいと思います。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 これはむしろ坂口先生の方が非常に御見識をお持ちになっている点だと思いますし、私は正直プライマリーケアなるものがどういうものかというのはよく存じておりません。ただ、医療の問題を考えてみまして、あるいは厚生省の問題かとも思いますけれども、予防医学の問題をもっとやっていかなければならぬ、これは当然そういうことになると思いますし、いまそのための大学の医学部におけるその分野の養成も少しずつではございますが、部門が開けておると思います。  それから、よく言われるように、あるいは先生と私の認識が初めから違っているのかもしれませんけれども、イギリスのホームドクターのような制度を日本の現状に照らしてみてどういうふうに定着できるのか。もしそれが先生のおっしゃっているプライマリーケアのようなものと大体領域が同じようなものであるといたしますならば、これはまさに医療の制度——制度と言うと固定したようなものになってしまいますが、いまの日本の医療も現実にずっと動いているわけですから、そういう形の整理が単に大学のところだけでなくて自然に出てくるだろうし、あるいはそういうものもつくっていかなければならぬかもしれませんが、必要になってくるだろうと思います。  患者の立場から見ますと、おっしゃるとおり最初からえらい大きな専門、専門を持っているところに行っても、実際上そこは非常に簡単な一分か二分の診断で追っ払われてしまうということになりますので、やはり最初は身近なお医者さんのところでそういう判断を大きくしていただいて、そこでどういうところに行けばいいかというめんどうを見てもらうという段階は、患者の方から見れば非常に必要だし、そのことによって専門病院が、行ってみると程度の軽いもので応待に困るということも整理ができるというふうに思います。  しかし、これは文部省の仕事と申しますよりも、医療全体の中でどういうふうに位置づけてくれるのか、その際にそういうまず最初に応待のできるような医者をどうするか。しかもいまは、最初の応待と申しましてものっけに交通事故とかそういうものをばっと持ってこられることになるわけですから、それをどうするのだ、こういう問題も含めて御指摘のようないろいろな問題が出てきておると思います。  それからもう一つは、地域医療の中心点に大学の付属病院そのものがなり得るかどうかという問題だと思います。私は、大学の付属病院というものは、本来教育の上からくる病院であるという本質はいつまでたっても変らぬと思います。それを普通の市中病院と同じように考えてしまって、あそこは高度な技術があるからといって患者がずっとやってくる、これはそれぞれの持ち分をもう少し整理する必要があるのではないかという感じがいたします。それと非常に未開拓のところでは、こういう研究機関がその地域全体の医療の責任を持つということは私は意味があると思います。ただ日本の内地の状況で、そこまでの責任を地方の医科大学に持たせることはもう少し考えていいのではないか。  それから、先ほどのお医者さんの配分の問題、現実に医局制度の問題になると思いますけれども、これは私はまだよく見当はつきません。もっと厚生省の方で考えていただくべき問題だというふうに思います。

坂口力公明党・国民会議

○坂口分科員 一言でいいんですが、もしもこのプライマリーケアの物の考え方を導入していくということになるとした場合に、これは医学部の教育かあるいは研修期間のカリキュラムかよくわかりませんけれども、やはり検討するということになりますか、どうするかということ。一言で結構でございます。そういう方向に向いていくんでしょうか。厚生省がそういう方向に向きつつあるということならば、連動して医学部教育というものもそちらの方に向いていくんでしょうか。ちょっとそれ一言、簡単で結構でございます。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 先ほどもお答えをいたしましたように、学部段階におきましても特に臨床研修の期間のプライマリーケアに関する教育の充実という点については、これは充実する方向で現在動いておるわけでございます。

坂口力公明党・国民会議

○坂口分科員 それではあと五分でございますが、一つだけ地元の問題をお聞きをしておきます。この問題も通告してございませんのでまことに申しわけございませんが。  三重大学でございますけれども、これは理科系の大学でございまして、文科系の学部が全くございません。それで、他に私立の方におきましても経済でございますとかあるいは法科でございますとか、そうした学部の私立の大学もまた存在しないということで、ぜひ三重大学の中に文科系の人文系の学部を欲しいという声が前々からございまして、これは私だけでございませんで、与野党含めて積極的に取り組んでいるところでございまして、私きょうは代表して申し上げているような形になっているわけでございます。この五十五年度にも調査費としておつけをいただいておりますが、ぜひ五十六年度からこれを開設してほしいという切なる願いがあるわけでございまして、ひとつそれに対するお答えをお聞きをしておきたいと思います。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 五十三年度から調査費を配分いたしまして大学で御検討いただいているわけでございます。現在三重大学では、一般教育の改革の問題とも関連づけましていろいろと調査検討が進められている状況と承知いたしております。今後大学での検討結果がまとまってまいりますると、その段階でその構想の中身について私どもは十分にこれをお聞かせいただきます。そしてその上で具体的にどのように対処をすべきかについて判断をいたしたい。いまのところは大学の調査検討の結果を待っているというところでございます。

坂口力公明党・国民会議

○坂口分科員 それは三重大学自身の調査検討でございますか、自身がやっておりますことでございますか。それとも文部省として調査をしていただいていることのまとめということでございますか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 これは三重大学において検討が行われているわけでございます。まず大学で、どのような学部の構想にし、どのような考え方で学部をつくるかということを十分に検討していただかないと困るわけでございます。

坂口力公明党・国民会議

○坂口分科員 当然それはそうだと思いますが、それが出ました暁におきましては、ひとつ積極的なお取り組みをいただきたいと思います。  最後に総括的に一言だけで結構でございます。大臣からお言葉を伺って終わりにしたいと思います。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 そういうものが出てまいりますれば十分に慎重かつ前向きに検討はいたしたいと思います。

坂口力公明党・国民会議

○坂口分科員 ありがとうございました。

越智伊平自由民主党

○越智(伊)主査代理 坂口力君の質疑は終わりました。  次に、梅田勝君。

梅田勝日本共産党・革新共同

○梅田分科員 日本共産党の梅田勝でございます。  きょうは文化財保護の問題につきまして文化庁に対して質問いたしたいと思います。  重要無形の民俗文化財保護のために新しい年度におきましてどれぐらい組まれておるのか、金額だけお伺いしたいと思います。

別府哲文化庁次長

○別府政府委員 予算額についてお答え申し上げます。  昭和五十五年度の要求額におきましては、民俗文化財の保存に関する事業といたしまして、まず修理、防災事業については六千三十九万三千円を計上いたしております。  また、伝承の事業につきましては一億一千九百四十二万二千円を計上いたしておるわけでございます。

梅田勝日本共産党・革新共同

○梅田分科員 かつてよりも少しは前進してきておるようでありますが、大臣にお伺いしたいのでありますけれども、最近地元の新聞に、あなた、京都でございますのでよく御存じかと思いますけれども、大文字など京都の五山の送り火はことしは中止か、こういうことで地元保存会の方々の御苦労な内容が報道されております。また続きまして、祇園祭りにおきましても、町内の負担度が非常にきついということで限度だ、こういうことで、ことしは「山鉾巡行中止の恐れ」こういう大きな新聞報道がなされております。大臣、これはごらんになりましたですか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 大文字の山焼きの問題につきましてはちょっと拝見いたしましたし、例年そういう議論が出ております。祇園祭りの問題につきまして詳しくは存じておりませんけれども、そういう意見が前からあることは承知をいたしておるわけであります。

梅田勝日本共産党・革新共同

○梅田分科員 祇園祭りの方は余りよく御存じないようでありますが、ここにも「祇園祭お前もか 山鉾巡行中止の恐れ」こういう大きな報道が最近もなされているわけであります。  御承知のように、京都の府、市におきましてもできる限りの補助もいたしておりますが、国がこういう代表的な伝統行事あるいは重要な民俗文化財というものにつきまして、適切な時期に効果的な補助をやるということは非常に重要であろうと思うわけであります。重要有形民俗文化財でございます祇園祭りの山鉾につきましては、今日まで御承知のように長刀鉾、船鉾、南観音山、浄妙山などの修理が国の援助によりまして行われてきております。三十山鉾があるのですが、非常に古いものでございますから、傷んでくるというので今後順次計画的に補修していくことが必要でございます。新しい年度におきましては、長刀鉾の車が傷んでまいっておりますので、補助してほしいという要請が出ておりますが、その見通しはいかがなものかということが一点。  二つは、昨年新たに重要無形民俗文化財といたしまして指定いたしました祇園祭り全体の行事ですね。これにつきましては、後継者の養成ということで、昨年は祇園ばやしが対象になりまして三百万円の補助をいただいて地元は非常に喜んでおるわけであります。そのほか後継者の養成、こういう見地に立ってどういうものが対象として考えられるか。たとえば山鉾はくぎを使わないで組み立てをやり、また解体もやるわけでありますけれども、この技術の伝承は非常にむずかしい問題でございます。あるいは、鉾を引きます場合にバランスが非常に大事でありまして、車の引き方の技術の問題等々ございますが、文化庁におきましてはどういう点を考えられているのかということでございます。  それから三つ目は、先ほどもお伺いいたしましたけれども、補助の全体そのものが非常に小さいものですから、一件当たりにいたしますと非常に小さいものになるということで、現状の上限三百万円というのでは焼け石に水と言ったらいけませんけれども、せっかくいただいておるのでありますから。しかし、全体としては約八千万円ほどことしかかるというのですね。全体の状況から言いますと本当に少ない、もう少し上限を引き上げて効果的な補助をやるべきではないか、この三つにつきましてお伺いしたいと思います。

犬丸直文化庁長官

○犬丸政府委員 一番最初のお話の山鉾に対する補助でございますけれども、山鉾の緊急修理につきましては、五十五年度以降、年次計画で若干の補助を差し上げたいと思っております。     〔越智(伊)主査代理退席、保岡主査代理着席〕  それから、こういう種類の伝統的なお祭り行事あるいは民俗芸能、いわゆる民俗文化財は大変個性のある文化財であり、豊かな地方文化の源泉でございますので、それに対する保存措置ということは昭和五十年度の文化財保護法の改正から始まったわけでございますが、一つには、こういう民俗文化財と申しますものは地元民の熱意に支えられておるということが大事でございます。しかしながら一方、伝統がとだえては困る。そのようなことを勘案いたしまして、どういう点から手をつけたらいいのか、まず緊急にすべきことは何であるかというようなことを考えながら、次第にいま手を打ってきておるわけでございます。  文化財保護の関係の中でも新しい分野でございまして、いろいろな基礎条件がなかなか整いませんので、今後拡充を要するわけでございますけれども、さしあたりの重要事項として、おっしゃいましたような記録作成であるとかあるいは後継者の養成であるとか、そういったことから手をつけておるわけでございます。あるいは修理、防災とか、祭りに使われる有形文化財の修理、そういうところから手をつけておるわけでございまして、状況によりましては、全体の経費からすればまだわずかだということがあるかもしれませんけれども、そのお祭り自体のようなものを全面的に助成するというようなことをこれから考えていったらいいのかどうか、それについてはいろいろ問題があろうかと思います。したがいまして、現在の段階におきましては、それを絶やさないように保存、伝承のために必要なところから手をつけておる、こういう状況でございます。

梅田勝日本共産党・革新共同

○梅田分科員 私は具体的に質問しているのですから、具体的に答えていただかないと困るのですが、長刀鉾につきましては、新年度補助申請が出ておりますから、八百五十万程度の補助が予定されておるというように聞いておりますけれども、これは大体二分の一ですね。建造物なら、国宝なら大方見るわけですね。重要文化財でも八割は見るということでありますから、せめてそういうところへ上限を引き上げるべきではないかと思うのですね。  それから、巡行ですけれども、宗教行事だから国は出せないという憲法上の議論もあろうかと思いますが、後継者を養成するということになりますと、これは大変むずかしいわけで、ああいう大きい行事になりますと練習ということがないのですね。本番そのものが公開になるのですね。だから、あなた方の予算書を見てみましたら、現地公開という場合には補助をつけるというようになっておりますけれども、ああいう大きな祭りの場合にはちょっと練習するということができないわけでありますから、そういう点におきまして、無形民俗文化財の補助につきましては上限の現行三百万円をもっと引き上げるべきじゃないかと思うのですよ。具体的に答えてください。時間が余りありませんので、長々と答弁していただきますと困ります。

犬丸直文化庁長官

○犬丸政府委員 長刀鉾の修理につきましては、おっしゃいましたとおり、来年度八百五十万円計上されております。二分の一補助ということでございます。  あと、いまおっしゃいました全体の経費についての上限を上げられないかというお話でございますけれども、先ほど申し上げましたように、この行事自体、お祭りそのものの全体に対して補助を出すという考え方は果たして適当であるかどうか。これはまさに民衆の力でもって盛り上がるものでございますから、それで伝承のために必要なものに限るという、しかも優先的にということでございますので、さしあたり対象となるべき個所もまだ全国にたくさんございますし、急激な上昇はちょっと望めないと思いますけれども、できるだけの努力はいたしてまいりたいと思っております。

梅田勝日本共産党・革新共同

○梅田分科員 大臣、いまのやりとりで御存じのようにいろいろ問題点があろうかと思いますけれども、あなたも京都から出た文部大臣ということで張り切っておると思いますので、どうですか、ちょっと前向きに前進させていただきますように、決意のほどを短くお願いします。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 私が京都だからというわけにはまいりませんが、それを除きまして、祇園祭りは日本の伝統的な文化財として保存さるべきものだと考えておりますので、いま具体的にいろいろ問題を考えておるようでございますが、その線を固めてまいりたい、こういうように考えております。

梅田勝日本共産党・革新共同

○梅田分科員 前進を期待いたしまして、次の問題に移りたいと思います。  京都大学における定員外職員の問題をお尋ねしたいと思います。  御承知のように、昭和三十七年に定員外職員全員を定員化するという思い切った処置をとったわけでございますけれども、その後四次にわたる定員削減、さらには欠員不補充ということによりまして、再び定員外職員が増加して、仕事の上におきましても、また職員の待遇の面におきましても相当矛盾が激しくなってきております。きょうは具体的に京都大学における実態をお尋ねしてまいりたいと思います。  先日お調べをいただいておりますので、御答弁の方は数だけで結構でございますから、京都大学における定員内、定員外職員数、また京都大学防災研究所及び附属病院の職員配置状況、さらに京都大学医学部、文学部、経済学部の各附属図書館における利用状況、蔵書数及び職員の配置状況について述べていただきたいと思います。

宮地貫一文部大臣官房長

○宮地政府委員 京都大学における定員内、定員外職員数でございますが、定員内職員数は五千八百五人、定員外は五百四十二人でございます。  なお、京都大学防災研究所及び附属病院の職員配置状況でございますが、防災研究所は、定員内職員百五十五人、定員外十七人、附属病院では定員内職員千二百一人、定員外百二十五人でございます。  京都大学医学部、文学部、経済学部の各附属図書館における利用状況、蔵書数、職員の配置状況でございますが、医学部図書館では蔵書数が十三万九千冊余り、定員内職員七人、定員外職員八人。文学部図書室は蔵書数五十八万冊余りでございまして、定員内職員十四人、定員外九人。経済学部図書室は蔵書数約三十万冊余りでありまして、定員内職員十一人、定員外職員二人ということになっております。  以上でございます。

梅田勝日本共産党・革新共同

○梅田分科員 大臣、いまお聞きになりましたように、非常に深刻な事態なんですね。全体といたしまして、定員外職員は定員に対しまして九・三%、一割に近いわけであります。教官を除きました実際の職員に対しての比率でいきますと、一六・六%ということになります。非常に高い比率になるわけでございます。  それから防災研究所は、これはやはり一割を超えておるわけですね。附属病院も一割を超えておるわけです。特に防災研究所の場合は、教官を除きました職員に対して、職員が六十六人だそうでありますが、定員外は十七人おります。したがって、約四分の一は定員外で賄っておるということになるわけであります。医学部の図書館は定員内よりも定員外の方が多いのですね。率を出しますと一一四%になるわけです。文学部の図書室は六四%。経済学部は一八%でございますけれども、しかし、これは平均よりも高いということで、非常に矛盾が激化しているわけなんです。  そこで、ちょっと立ち入って具体的にお伺いしたいと思うのでありますが、昨年の四月十六日に京大の防災研究所の所長が「防災研究所における定員外職員の在職状況について」という文書をつくりまして、いろいろ資料もつけまして、この実態をいかに改善していくかということで回覧をしているわけなんです。これによりますと、五年以上の在職者が約二分の一でございます。十年以上の人が三分の一あるわけであります。それで、在職年数が全般的に非常に長期化している傾向をこれは示しているわけでございます。ここは御承知のように防災の研究をしているわけでありますが、最近は少し大学院生のふえ方は減っているようではございますけれども、一時増加いたしまして、この十年間におきまして教員は約一一%の増加を見ているわけですね。学生もふえるし、教員もふえる。当然充実をしなければなりませんのに、この報告によりますと、定員内職員はこの間に四%減っている。それから、当時おりました定員外職員も減ってはきているのです。六五%減っている。したがいまして、実際にそこで仕事をされている方々の労働密度というものは非常に強まっているわけです。これ以上減らせないというような状況で現在十七人が勤務しているということでございます。  その結果どういうことが起こるかと言いますと、給与経費が非常に大きくなりまして、ここにも年間推移がずっと出ておりますけれども、昭和五十二年度におきましては、研究費の中における人件費の経費というものが実に四五%に達しておる。これがそうですね。あと残りこれだけの部分で仕事をしておるということになるわけでありまして、これはどうしても改善しなければならぬ、切実な声が出てきているわけであります。どうですか、こういうようなのは改善する必要があるのではないですか。——いや、大臣に聞いておるのです。

宮地貫一文部大臣官房長

○宮地政府委員 ただいま具体的に防災研究所の場合について触れられたわけでございますが、非常勤職員の問題につきましては、先生かねて御指摘のとおり、全体的に各国立大学の研究体制その他につきまして、業務の改善合理化その他と関連いたしましてどう対応していくか、基本的に問題のあるところでございます。  それで、先ほど御指摘のとおり、定員外職員がなお存在しておるのは現実でございますが、過去の京都大学全体で申し上げますと、昭和四十七年に千三十五人雇用しておりました非常勤職員を現在五百四十二人まで減少させる努力を重ねてきております。こういう現に在職している非常勤職員につきましては、なお定員増や、定員に欠員が生じました場合に、その職種と適性その他を勘案いたしまして、可能なものについては定員内職員に繰り入れるというような措置も講じております。こういうことで、四十七年から五十三年度までに二百三人の定員化も図ってきております。なおこのような努力は今後とも重ねたいと思っておるところでございます。  なお、防災研究所の問題についてのお尋ねでございますが、防災研究所は、研究所全体の庶務、会計等の事務を処理するために事務部が置かれておるわけでございますが、お話しのとおりなお非常勤職員が相当数置かれておるということも事実でございます。ただ、具体的な部門における職員の配置については、各研究部門の実情に即しまして、研究所の判断あるいは学内全体ということを考慮した大学の判断で行っているものと考えております。

梅田勝日本共産党・革新共同

○梅田分科員 行管も、行政需要のあるところにつきましては適正な職員配置ということを言っているわけでありますから、実態がどうしても必要だというところにつきましては十分な手当てをすべきだと思うのですよ。ここの所長が痛切な声で叫んでおられますのは観測施設でありますね。これは安全管理の面からいきましても常時複数の勤務者を置いておく必要があるということで、切実な内容も言われておるわけなんでよ。また、ここに資料がございますが、地殻変動部門というのと地震動部門というのを二つ例に挙げてみますと、地震動部門におきましては事務官が定員内で一人おるわけですよ。ところが、地殻変動部門におきましては教官四名、技官一名おりますが、事務官がいない。したがって、ここでは事務補佐員を置かざるを得ないということで、地震動部門でやっている同じ仕事の内容を地殻変動部門では定員外職員がやっておるわけなんですよ。たとえば伝票の整理あるいは事務一般ですね、電話等の連絡がありますが、これは特に観測所がございますので、宮崎県とそれから奈良県の二つの観測所との連絡、あるいはその伝票整理だとか事務連絡、そのほか図書整理、清書だとか複写、タイプだとか、そういうふうなすべての仕事は全部やるわけです。研究所につきましても資料整理・カードパンチ等々、研究室の日常的な清掃も含めて、その事務補佐員がやっている。こういう実態を考えますと、常時必要な仕事につきましては当然常勤的な職員をもって配置しなければいかぬ、これが原則じゃないですか。ところが、ここは片方にはつけておるが片方にはつけてない、非常に差別だと思うのですね。  それから、きょうは時間がないので多く言えませんけれども、給与の問題について言いますと、定員内の人と定員外の人とは大変な差がつく。行(1)事務の大卒の八等級五号俸の方の例が出ておりましたけれども、十年たちますと差額は百八十万円、十五年たつと五百万円、退職金を計算すると七百万円差が出てくる。同じ仕事をしておってこんなに差がつく。しかも長期にわたっておる。どうしてもこれは、大臣、京都大学の内部の問題だと言って済ますのじゃなくて、実態がそうなんですから、適切な指導によって、必要なところにつきましては当然手当てをするというようにすべきだと思うのですが、いかがですか。

宮地貫一文部大臣官房長

○宮地政府委員 先ほどもお答えしましたように、防災研究所の定員配置につきましては、研究所の判断でやっていることと考えておりますが、勤務上、先生御指摘のような点については適正な配置が行われるべきものと考えます。  なお、給与の点にお触れになったわけでございますが、基本的には、日々雇用職員は、御案内のとおり、制度上「任用期間一日として雇用される」云々という基本的な原則があるわけでございまして、常勤職員を採用する場合の給与の決定方法に準じておるわけでございますが、現実にそこに一定の空白期間を置いて再雇用するという問題がございまして、問題点としてはいろいろあるわけでございますが、結果として、長期間勤務した場合に給与の差が出てくることになるわけでございます。これは本来的には、非常勤職員というものが季節的、一時的な業務を処理するために臨時に補佐員として雇用されるというたてまえからくるものでございます。したがって、給与法上の常勤の職員の給与との間に差が出てくることは現行制度としてはやむを得ない点であろうかと思います。

梅田勝日本共産党・革新共同

○梅田分科員 あなた、実態をもっと調べなければあかんわ。日々雇用と言いますけれども、これをずっと長期に採用しているのですよ。大体、年度末の三月三十一日になったらやめてもらう、その日はおらぬということになっておる、そういうお話でございますけれども、実態は、たとえば文学部の部長さんは、文部大臣あてに「下記の文学部総長発令職員は、昭和五十二年三月三十一日も継続して勤務していることを確認いたします。」と、名前をずっと二十一名書いて証明までしているのです。これが実態ですよ。  防災研におきましても、昨年の出勤状況を調べてみたのです。十七人中、自己都合で休んだ三人を除いて、十四人は全員出勤しているのです。恒常的に仕事があるのですから、休むということはできないのですよ。支障を来すのです。  京都大学全体を調べましても、大臣よく聞いておいてくださいよ。昭和五十二年は、三月三十一日に働いておったのは六三%、五十三年は七三%、去年は同じように七三%、大変な実態なんです。政府が決めたこともやらないであれこれ言うというのはいけないと思うのですよ。そういうことになっていないはずだと言っても、実際はそうなっているのです。大臣どうですか。あなた文部大臣として張り切っておられるわけですから、こういう問題は即刻改善をするということで、最後に決意のほどをお伺いいたしまして、私の質問を終わります。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 非常勤職員の問題、これはなかなか問題があることは前から議論のあるところでございます。実態をよく調べてみたいと考えております。

梅田勝日本共産党・革新共同

○梅田分科員 ただいまの答弁は非常に満足できませんが、今後努力されるというのでありますから、ひとつがんばってやっていただきたいと思います。終わります。

保岡興治自由民主党・自由国民会議

○保岡主査代理 梅田勝君の質疑は終わりました。  次に、佐藤誼君。

佐藤誼日本社会党

○佐藤(誼)分科員 学校統廃合問題について質問  いたします。  最初に文部大臣に質問いたしますが、昭和四十八年九月二十七日付文部省第四百三十一号通達、つまりこれですけれども、通常、学校統廃合についての新通達、その中に「公立小・中学校の統合について(通達)」こうなっております。内容は文部大臣御存じですね。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 四十八年九月二十七日付で、文部省初等中等局長並びに管理局長の連名で「公立小・中学校の統合について」という通達を行っておるわけでございまして、これは三十一年に出しました通達で示しております適正規模その他に関する事柄について、その後の状況の変化に応じまして、諸般の見地から統合を慎重に行うように、さらには地域住民の理解と協力を十分に得て行うようにということで出されておるものでございます。

佐藤誼日本社会党

○佐藤(誼)分科員 文部大臣に聞きますが、いま内容の若干について触れましたけれども、この「公立小・中学校の統合について」という通達に盛られておる指導方針は、現在も変わっていないと思いますが、どうですか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 変わっておりません。

佐藤誼日本社会党

○佐藤(誼)分科員 そこで具体的に、巌川小学校の統廃合について、その経過と問題点を述べて質問を続けたいと思います。理解を深めていただくために、若干長くなるかもしれませんが、経過と実情をひとつ文部大臣よくお聞きいただきたいと思うのです。  いま申し上げました巌川小学校は、山形県西田川郡温海町立の小学校であります。温海町は、昭和四十五年四月過疎法の成立とともにその適用を受けた町で、人口約一万四千人であります。町内には当時小学校が十校ありまして、その中の巌川小学校を廃校し、隣接の温海小学校と鼠ケ関小学校に吸収統合することをめぐって起こった問題であります。なお、この巌川小学校は、昭和五十三年度、つまり統廃合が具体的に事件として発生した当時は、生徒数百九十名、六学級で、温海小学校、鼠ケ関小学校に次いで町内で三番目の大きい規模の小学校であります。  この巌川小学校の統廃合を含む温海町の統廃合計画は、過疎法の適用を受けた昭和四十五年九月ごろから進められたのであります。しかし、住民の反対も多く、当初計画を手直しを行い、昭和四十九年九月に第二次計画を作成しております。  その後、昭和五十三年一月、温海町の統合審議会に諮問し、答申を得、当該各部落で座談会をやりましたが、相当反対があり、学区内の各部落から存続請願の意見書もかなり出されました。その中で、昭和五十四年一月、町当局は臨時町議会に統合条例案を提案し、学区民百五十名の反対陳情の中で可決しました。その後、地元を中心とした反対運動が広がり、年度末が近づくにつれて地元反対住民と当局との連日の徹夜交渉が行われたのであります。  その結果、昭和五十四年三月二十四日、双方で確認書を取り交わしました。この確認書は六項目ありますが、きょう質問することに関連する一、二を述べておきますと、五十四年「四月一日より現巌川小学校々舎に温海小学校分室(仮称)を設置し、その期間は一年以内とする。ただし、今後については住民の理解と合意を得て行う。」この内容が一つ。その他ありますけれども、もう一つは「温海小学校、同校分室、鼠ケ関小学校のいづれに通学するかについては保護者の自主判断とする。」こういうことで確認書を取り交わして、今日から言えば、一応そこで暫定的に決着を見たわけです。  その後、五十四年度は、旧巌川小学校、事実上廃校になった形でありますから、旧巌川小学校学区の児童は百八十人ですが、温海小学校分室、つまり旧巌川小学校の校舎に通学している児童はその百八十人中八十六名、そのほかの九十四名は温海小学校、つまり本校と鼠ケ関小学校に分かれて通学することになりました。三つに分かれたわけです。  その後、地元反対住民、つまり巌川小学校を守る会と町当局、教育委員会との争いは絶えず、また同じ部落で、スクールバスで温海小学校、鼠ケ関小学校に通う者、また徒歩で分室に通う者に分かれ、それに、学校行事をめぐり本校と分室のトラブルが絶えない状況が続きました。  昨年十二月末ごろから、おおよそ一年たったわけですが、また分室存続問題で交渉が始まり、昭和五十五年二月一日、学区住民約百二十名、二十六時間に及ぶ徹宵交渉でまた確認書が交わされて、事実上一年という分室がさらに存続が決まったのであります。そういう長年にわたる、約一年間のいろいろなトラブルの中で、これは五十五年二月三日の地元の新聞ですが、ついに教育長は辞表を提出したわけであります。  この巌川小学校の統廃合は、いま述べた経過でも明らかなように、かなり無理に進められたものと言わざるを得ませんし、このことは当局側も当初からわかっていたように思います。それは広報「あつみ」つまり当局側が出す広報ですが、昭和四十六年一月二十五日、よほど前です。この中に次のことが書いてある。  最後のくだりを見ますと「学校の再編などに着手するときは、地域住民と充分に検討し納得の上で実施するのが常道でありますが、今回は国の歩調に合せるために、この常識的な手続きすらふむことのできなかったことは、甚だ残念であった。」ということを言っているのです。いまのことから約八年ぐらいたちまして、昭和五十四年一月の臨時議会に統合条例案を提出する町長の趣旨説明の中には、「学区に反対者は相当あるが、合併止むを得ないと考えている人も多数あるので学区には申訳ないが断腸の思いで提案する」とある。この中の経過、節々はいろいろありますが、代表的なものをいま二つ挙げたわけですが、当局側もかなり無理な進め方で統合が進められているということは自覚をしておったようです。  このように無理して統廃合を進めた結果、先ほど申し上げたように分室という変形した学校運営がなされているということが一つ。また子供は悲しみ、部落民はお互いに憎しみ、学区民の町当局に対する不信と絶望はつのるばかりであります。まさに村落共同体は破壊されている。これが統廃合の後に残された住民の姿なのです。  巌川小学校を守る会の発行した「海燃える」という文集があります。かなり分厚いものです。それに地元民、分室にかわっておる小学校の生徒の文章がずっとありますけれども、その中の一部だけ御紹介申し上げますと、六年生の太田夏美という子供です。そのくだりの中に「どこに行っても学校の名ふだは、付けていますが、私達の学校はちがいます。私も前までは、「巌川小学校」の名ふだを付けていたのですが、分室になってからは、名ふだを付けている人がいません。もちろん私もです。」以下ずっとありまして、「ここで、この作文を、読んで下さるみなさんへ、一つお願いがあります。「どうか、巌川分室を、もとの、巌川小学校にもどして、古くてもあたたかい木のにおいのする、みがけば美しい、学校をなくするなどと考えず、このままのこしておいて下さい。そして、今、ねづがせきや温海に別れている友達も、私達といっしょに、力を合わせ、もとの巌川小学校になるように、勉強に、運動に、がんばりましょう。」」こういうふうに結んであります。これが子供の偽らざる心情だと思うのです。  そこで私は文部大臣にお尋ねしたいのですが、この巌川小学校統廃合は昭和四十五年九月から検討されてきました。つまり過疎法が制定されたころですね。統廃合条例が可決されたのが昭和五十四年一月三十一日で、その後実施に移されております。  つまり、先ほど申し上げました指導方針は変わらないということ、先ほどの昭和四十八年九月二十七日付の文部省四百三十一号通達、その中で、「なお小規模学校として存置し充実するほうが好ましい場合もあることに留意すること。」こういう中身が一つあります。それから、簡単に言えば無理な統廃合はするなという趣旨のことです。それから、「学校の持つ地域的意義等をも考えて、」理解と協力を得てそのことを行うように努めなさい、簡単に言えばこういう趣旨のことがありますね。こういう内容の通達が各都道府県教育委員会におろされた後に、この問題は起こっておるわけです。  また、かつての奥野文部大臣が、昭和四十九年三月五日、予算委員会の分科会の中で社会党の大出議員の質問に対して次のことを答えておる。やはり若干無理な統合が進められている地域があると判断し、それを踏まえてあの通達、四十八年ですからつまりこれです、通達を出したのであります、こういうふうに言っています。  つまり、昭和五十四年一月三十一日以降実施され、問題を引き起こしているのです。この昭和四十八年の文部省通達、文部大臣が昭和四十九年三月五日に答弁した後に、具体的には、昭和五十四年一月に条例が可決されて実施に移されて、先ほど言ったような、言うなれば膠着状態といいますか、大変な地域ぐるみの問題を引き起こしている、こういうことなんです。  そこで、私は文部大臣に聞きたいのですが、昭和四十八年通達、昭和四十九年三月の奥野文部大臣の答弁以降に先ほど述べた巌川小学校統廃合問題が起こっている。この点について文部大臣はどう考えるか、このことをお伺いしたい。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 いまお話のありましたような状況であるとしますと、やはりいろいろな意味で無理がございましたり、あるいは十分に地域住民の理解と協力を得た上で取り進められたものではないようでございます。したがいまして、この通達の趣旨に十分のっとって事柄が進められたというふうには理解いたしかねるわけでございます。私ども文部省としては、統合の話につきましてときどき類似の問題が生ずることがございますので、事前に相談があります場合には、通達の線に十分のっとって慎重に事柄を進めるように指導いたしますし、それから当該統合に係る建築などを行います場合には、それに対する補助金につきましても、十分に事柄が円満に落着するまでは補助の決定についてはこれを慎重に扱うというようなことをいたしておるわけでございますが、とかくトラブルが起こってから話を聞くケースが多いような状況でございます。  究極的には、やはり市町村が学校の設置、管理をするわけでございますから、市町村当局の責任で十分な手当てをしていただくということが必要でございますが、ときによりますれば、私ども、県の教育委員会にも間に立っていただくというようなことも指導をしてきておるわけでございます。

佐藤誼日本社会党

○佐藤(誼)分科員 そうすると、巌川小学校問題は、昭和四十八年通達、この指導の趣旨からいって遺憾だ、こういうことですね。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 具体の地域の現状を、私直接見たわけではございません。先生からいま承りました範囲内で判断いたしますと、特に地域の住民の理解と協力、これにつきまして、まだ八十数人からの児童がそこへ残ったということでございますので、いま申しました理解を十分に得ているというふうには受け取れないと考えます。

佐藤誼日本社会党

○佐藤(誼)分科員 それでは重ねて聞きますが、この巌川小学校は昭和五十三年度、つまり統廃合時点で児童数が百九十人、五十四年で百八十人、百九十人六学級、一学級平均約三十二名、しかも学区は四部落にまたがり、通学距離も遠いところでは三・七キロ、その他は二キロ以内、サンダルで行けるという生徒が多いわけですね。しかも当時、山形県内には二百人以下の学校は五四・七%ありました。だから、どうしてもこの巌川小学校が統廃合の対象にならなければならなかったというふうには思えないのです。また、子供は自然の環境に恵まれ、先ほどの子供の作文にありました、学区民の温かい中で育ち、しかも学校規模、特に一学級平均三十二人、言うなれば理想的だと思うのです。  昭和四十八年通達にもあるように、教職員と児童生徒との人間的な触れ合いや個別指導の面でむしろ教育上の利点が考えられるのであって、「小規模校として存置し充実するほうが好ましい場合もある」つまり、それは四十八年通達の私がいま読んだ部分に適合しているのじゃないですか。どう思いますか。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 佐藤委員おっしゃいましたように、規模でございますとか人数でございますとか、それと照らし合わせますと、通達の文言に合うようなケースであろうかと思います。  ただ一方、統合につきましては、先ほど来御説明ございましたように、町長が断腸の思いというのは、その中にどういう気持ちが込められているか、必ずしもはっきりいたしませんけれども、やはり条例を可決したということでございますから、住民が選挙して住民の代表として構成しておる町の議会で一つの判断が出ておりますので、それは確かに旧巌川小学校の当事者にとってみれば、全員が完全にそれに同調するという状態ではないということで、先ほど申し上げましたように十分な理解と協力はないわけでございますけれども、しかし、そういう判断が町の議会並びに町当局で行われたということは、一方において、一つを廃止して両方を統合することについての何らかのメリットといいますか、そういうものについての考えもあったのではないかというふうには考えるわけであります。

佐藤誼日本社会党

○佐藤(誼)分科員 それはあなたの推定だと思うのです。だけれども、どの学校の統廃合だってそれぞれの市町村、自治体において条例を制定してやるわけですから、つまり住民の意思として行うわけですから、これはあたりまえの姿ですよね。それを想定しながらあなた方は、昭和三十一年以後たくさんの問題が起こったので、言うなれば見直し、手直し、指導のあり方の再検討ということで昭和四十八年の通達を出したのでしょう。そういう点から言えば、いまおっしゃることはあたりまえの話であって、そういう事態であってもなおかつ無理な統合はするな、住民の理解を得てやりなさい、計画を立てるのは慎重に、しかも小規模学校にも適正なものとして残すものもあるんだぞということを言っているのじゃないですか。その後にこの問題は起こっているのです。どうなんですか。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 でございますから、そういう統合の立案をし、それを実現をしようという意思決定が一方において行われた、それについてはやはり何らかの統合による利点なり効果なりそういうものの考えなしで行われるのも変な話だと思うのでございます。ただ、その過程におきまして十分な慎重な経過を経てはおらなかったのではないか、その結果として、この通達で私どもが要望しているような円満な進行になっていないというふうに思うのでございます。

佐藤誼日本社会党

○佐藤(誼)分科員 そうすると、端的に言うと、先ほど言った巌川小学校の学校規模、生徒数、通学距離、これらから言えば統合を急がなければならない、こういう状況にあると判断できない、それからまた、統合の進め方についても慎重さについて欠ける点があったと思いますか、私はそう思うのですが。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 なお実態につきましては、私ども県からも改めてよく聞いた上で判断はいたしたいと思いますが、いま委員から承りました限りでは、私どもの通達はこういった事態をもたらすことを望んでいないという立場から出されたというふうに申し上げられるかと思います。

佐藤誼日本社会党

○佐藤(誼)分科員 それじゃ最後に文部大臣に聞きます。  端的に言いますと、いまの経過から明らかなように、まず子供は大人の統廃合に振り回されて悲嘆に暮れているわけです。この解決は子供ではどうにもならない。この実態はおわかりですね。部落民はこういうことが起こらなければ仲よく隣同士つき合っていける。ところが、この問題でまさに反目して亀裂ば深まるばかりです。それから町当局もやってはみたものの、はて次に打つ手がない。そして先ほど言ったような確認書を結んで、変則的な分室をまた一年間延ばすということになる。これから先の打つ手の見通しがないというのが率直な事実だと思うのです。まさに膠着的な状態である。これをどう打開するのかということなんです。  私は、昭和四十八年の通達の趣旨に沿って言えば、また、この膠着的な状態を円満に解決し教育効果を上げるために、この昭和四十八年通達の趣旨に沿って県教委及び関係当局を文部省が指導して、円満解決に努力をしていただきたいと思うのですが、文部大臣どうですか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 お話を聞いておりまして大変に憂うべき状況にあると感じております。これは私たちの方で果たしてこの実情をよく承知しておりますかどうか、とにかく調査をしてみたいと思います。現地の県教委とも連絡をとってまいりたい、かように考えております。

佐藤誼日本社会党

○佐藤(誼)分科員 最後に、要望ですが、いまの文部大臣答弁に期待をしたいと思いますが、こういう実情でありますので、ぜひ教育効果が上がり安心して子供が学習できるように、県の教育委員会等を指導しながら、現地の解決に文部省としても努めていただきたい。このことを要望いたしまして、終わります。

保岡興治自由民主党・自由国民会議

○保岡主査代理 佐藤誼君の質疑は終わりました。  次に、浦井洋君。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井分科員 谷垣文部大臣によく聞いておいていただきたいと思うのです。病院の差額ベッド、差額徴収をするベッドというのは御存じだろうと思うのですが、私は差額徴収をするのはやはり望ましくないと思う。これは厚生省の保険局長も文部省の大学局長も通知を出されておるわけなんです。  最初に聞きたいのは、事前にお願いをしておいたのですが、この差額徴収のベッドの多いのは文部省所管の私立大学の附属病院なんですね。そこで、慶応大学医学部、東京女子医科大学、それから私、兵庫県ですので、兵庫県には私立は兵庫医大というのがありますが、この三つの差額ベッドの状況を調べていただいておりますか。答えが出ますか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 御指摘の三大学が五十四年七月一日現在で保有をいたしております差額ベッドの保有率は、いずれも七〇%を超えております。慶応義塾大学の場合には八〇%を上回る数字と承知しております。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井分科員 これは厚生省では二〇%以上は好ましくない、三人部屋以上は差額を取ってはならぬということになっておるわけですね。だからこれは大臣、余り望ましくないんですよ。  そこで、大学局長もことしの一月二十三日に、私学は特殊だけれども、教育研究の場という本来の機能を有し、そのことに十分配慮すべきであるけれども、同時に、地域医療における中心的な医療機関として、社会の要請にも応ずる必要があると考えるので、高率にならないように、それから三人部屋以上は差額をなくするように早急に改善を図られたい、こういうような通知を出されているのですけれども、これはやはり努力をしていただきたいと思うのですね。  それで、端的にお尋ねしますけれども、厚生省では保険局長通知として、厚生省所管の国立病院には一定の期間を設けて改善を行わせる、そのために具体的な改善計画を提出をさせて、改善状況について実地調査を行う、こういうことを通じて監督を強めるということですが、やはりこれが地域の中心的な医療機関であるということも踏まえて、文部省としてもこの差額ベッドを解消するためにより前向きにやっていただく。まあ他省庁のまねをするのはいやだと言われるかもわかりませんが、こういうような方法があるのではないか、これをひとつやってはどうですかというのが私、文部大臣にお尋ねをしたい点です。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 私大の附属病院の保有する差額ベッドの状況を全体として見ますと、五十四年七月の時点で五五%でございます。五十二年度の五九・九%、約六〇%に比べると若干の改善は見ているわけでございますが、なお御指摘の厚生省の指導基準二〇%を大きく上回っております。  この問題を改善していくためには、文部省の立場としては、私立医科大学協会にかつて改善方をお願いした経緯がございますけれども、私立医科大学協会と十分に協議をしながら各大学の改善努力を促すということが、当面のところとるべき最善の措置ではないかと考えているわけでございます。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井分科員 局長、五十四年七月で五五%と言われたが、四五%じゃないですか。一〇〇から四五を引けば五五になりますけれども、保有率四五になっておるはずです。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 ただいま先生御指摘の数字は、いわゆる三人室以上における差額病床保有率は四四・二でございます。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井分科員 いま兵庫医大七〇%以上と言われたでしょう、これは正確な数字はわかりませんか。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 七七%と承知をしております。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井分科員 ということなんですが、私が実際に調べてみますと、これは一〇〇%なんですよ。たとえば一人部屋、二人部屋、三人部屋、四人部屋、五人部屋、六人部屋と、こうあるのですが、六人部屋もやはり一人一日千六百円ですか千八百円取っておるわけです。私、実際に調べてみたのです。慶応なんかは八〇%と比較的正直な数字を出しておられるようでありますが、大体私学の場合にはこの兵庫医大のようなかっこうのところが多いわけです。だから一〇〇%ということになると、近所に私学の病院がある、入ろうということになると金がないとはいれぬということになる。だから、これは余りのんきなことを言っておられるとぐあいが悪いので、文部省としても厚生省と歩調を合わせて思い切った措置をとっていただかなければならぬのではないかと私は思うのですが、大臣、大体問題の所在はおわかりでしょう、どうですか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 差額ベッドをなるべく少なくする考え方、私たちも賛成でございます。私立大学の経営の問題等が中に引っ絡むのだろうと思いますし、また大学の自治の問題もございますので、その点は行政的な接触の方法その他は少し慎重にしていかなければならぬと思いますが、差額ベッドがそうたくさんになってくることはやっぱり問題だと思います。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井分科員 だから問題だから、やはり大臣在任中に思い切った措置をとる。京都にもあるわけですからね、どうですか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 いまお話を聞いておりますと、いまの現状のままでは差額ベッドの数が少し多過ぎるように思います。是正を考えていかなければならないと思っておりますが、接触の方法その他は少し考えさせていただきます。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井分科員 もう遅いぐらいなんで、かなり世論の非難の的になってきておりますので、早く具体的な措置をとっていただきたいというふうにお願いをしておきたいと思います。  それからその次の問題は、小中学校の昭和初年から昭和四十三年ごろにかけて建てられた鉄筋校舎の中にある導坑式便所の問題です。  導坑式便所、これは私は神戸ですから、神戸にもたくさんあるし、京都市内にもたくさんあるわけなんですが、完全な水洗になっていないわけです。いわゆるたれ流しになって、そして五分か十分か十五分ごとにだあっと水が流れる、そして流す、こういうかっこうになっている。これが神戸で、小学校だけで百十一校、四百五十一カ所残っておるわけなんです。一カ所改築をしようと思いますと約五百万円かかる。ちなみに京都市を申し上げますと、まだ七十三校この導坑式便所が残っているわけなんです。政令指定都市で比較的早く鉄筋の小中学校をつくってこれは導坑式になっておる、こういうことなんですよ。だから、京都市にしてもあるいは神戸市にしても早くこの改築をしたいのだけれども、市の単独事業でやらなければいかぬ。一カ所五百万円。市が組んだ改築費のもう半分くらいをこれに費やさなければならぬ。何とか文部省が補助をしてもらえるような制度をつくってもらえぬだろうか、こういう要望が恐らく大臣のところにも来ておるだろうと思うのですが、そういう制度はつくられる気はないですか。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 いまお話がありました便所もでございますが、そういった学校建物についての改修の問題になるかと思います。改修の問題は、従来からのたてまえがございまして、これはやはり当該の学校の設置者にやっていただくということでございまして、そして御承知かと思いますが、地方交付税の単位費用の中で学校建物の維持修繕に係る経費が計上されておるのでございます。いまのお話でございますと、そういう昭和初年に当時としては進んだ装置としてつくったものが改修の時期に来ているということで、当該の設置者である公共団体としてはかなりかさんだ経費が要るという事情はあるかと思いますが、これまたその公共団体の一つの独自の事情による事業でもございますので、これについて特別の措置をするということはきわめて困難であるというふうに考える次第でございます。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井分科員 そういう制度がないというので私は質問をあえてしておるわけなんで、大臣によく理解していただきたいと思うのですが、導坑式便所でしたらにおいが抜けないですよ。それから、フロアと台との間が低いところで七十センチから八十センチ。それから、これは斜めになりますから、こちらの反対側に来ると百十センチから百二十センチ。いま普通の家庭は京都にしろ神戸にしろ九〇%水洗化されているでしょう。そうしますと、特に低学年の場合戸惑うし、危険であるわけなんですね。現に落ちた子がおるわけなんです。臭いし、そういう危険を伴う。それから、御婦人がおられるわけなんですが、高学年になると生理なんかありますね。そうすると、これは高学年の女の子が便所に行くのをいやがるわけなんですね。そういうことで、かなり父兄の方からも要望があるし、先生も困っておる。市当局も困っておる。やらなければならぬということで、四カ年計画なり五カ年計画なり立ててそれなりに単独事業で取り組んでおるわけなんです。制度がないのはわかっているのでやってくれと言っておるわけです。どうですか、大臣、この実情。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 これはいま私、初めて問題の指摘を受けたのですが、だからこれで新しくこの問題だけに改修の補助金を出せと、こう言われても、浦井先生のお気に入るような御返事がちょっとすぐにできかねるわけでございます。地元の自治体の方で何か勘考して改修をするとかいうような場合に、どういうふうに考えられますか、いまここで大臣、じゃ新しくやれと言われましても、ちょっといまこれは浦井先生のお気に入る返事ができかねる状況でございます。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井分科員 大臣在任中考えてもらって、ひとつ前向きに対処するぐらいのところはどうですか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 十分浦井先生の御提案を頭の中に入れておきたいと思います。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井分科員 それならその次の問題に入りたいと思うのですが、障害児教育の問題であります。これも大臣御承知のように、五十四年度から障害児教育が義務化されました。ところが、教師と生徒の数の比率が変わっておらないわけです。単一の障害を持っておる子供さん八人に教師が一人、それから重複した障害を持っておられる子供さん五人に教師が一人、この八対一、五対一という数字が変わっておらぬわけなんです。そうしますと、最近は分類も非常に細かくなってきたということもあるのですけれども、私も見てきたですけれども、教師の方が児童を世話するのが本当に大変なんです。いままででは、肢体不自由児、それから精神薄弱児、病虚弱児、それから盲児、聾児、こういう五つのものがあって、最近は言語障害もあるわけです。それから自閉症なんかの情緒障害。そして情緒障害や言語障害がたとえば肢体不自由児であるとかあるいは病虚弱児なんかとミックス、重複しているわけです。  私は別にいますぐに、教員定数法ですかこの法律を変えて、八対一、五対一をすぐに変えよとそこまでは言っておりません。学校長会は八対一を五対一に、五対一を三対一に変えてほしいという要望を出されているそうです。もちろんそうしていただくのが一番よいとは思うのですが、さしあたって私要望したいのは、いま申し上げたように、言語障害だとか情緒障害というものを障害とみなしてすれば、単一障害児は八対一であるけれども重複障害児の場合には五対一になるわけでしょう。だから、そこへ情緒障害や言語障害を一つの重複概念というのですか、そういうものにつけ加えていくならば、あえて法律をいますぐに変えなくても、学校の先生にもうちょっと楽をしていただけるような定数確保につながるのではないかというふうに私思うのですけれども、これは局長ですか、どうですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 現在のところおっしゃるような基準なんですけれども、いまこれから御審議願おうとする十二年計画の改善計画の中ではその点改善をしたいということで、いまの養護学校等における単一障害者の場合は八人になっておりますけれどもこれを七人にする、それから、重度重複障害者は五人になっておるのを三人にしたいということで、これを十二年計画で逐次やってまいりたい。それから、いまおっしゃった情緒障害とか言語障害のような子供さんは、通常単一障害の場合は普通学校の特殊学級で対象にしているわけですが、特殊学級の最高が十二人なんですね、これも十人に改めたいということでいま計画をしておるということでございます。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井分科員 局長の言われるのもよくわかるのです。情緒障害が果たして病気なのか障害なのかというような問題もあるわけなんです。しかし、情緒障害は思い切ってやっていただく方がいいのですけれども、言語障害の場合は、厚生省も障害として認めておるわけですね。だから、これはやはり単一の障害というふうに認めてやれば、この組み合わせ、重複の場合がふえてまいりまして——もちろん十二年計画でやっていただくのはいいですが、十二年と言ったら、もう大臣なんかは、済む時分にはおらないかもわかりませんね。それはそれでもっと早く努力はしてもらわなければいかぬですけれども、やはりそういう言うならば便法ですね、こういうものをできるだけ活用してもらって早く——うんと学校の先生はえらい目をしておるんですよ。特に情緒障害の子供なんかは突然に窓から飛び出してみたり、それはもう朝八時四十五分から学校が始まって、一日が文字どおり狂乱怒濤なんですね、毎日毎日が。だからそういう点で、局長はそう言われているんですが、大臣に前向きのとそんなに何遍もあれですが、大臣どうですか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 御指摘のように養護教育の義務化から一年過ぎたわけでございますが、いろいろな問題が出てきておると思います。  先ほど局長が申し上げましたのは、四十人学級の問題と同時に、いま申しますような標準定数の是正をしていきたいというので、十二年計画ということを言っておるわけでございますが、まずこれを今度の国会でお認めを願って、そういう手が打てるように早くやっていきたい、かように考えております。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井分科員 まずお認めを願って早くというようなことを言われたのですが、そういうトリックはあかんですよ。私がやはりここで言っていること、こういう便法もあるんだからやってほしいということを言っているわけなんで、これは教員やら父兄から非常に喜ばれますよ。もうあたりまえの話で、厚生省なども一つは認めているわけなんですから、これを重複概念の中に入れていけばいいわけなんですが、局長どうですか、もう一遍。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 いま特殊学級というのは一万五、六千学級あるんですね。それで八割方は精薄なんです。あとはいまおっしゃるような情緒障害とか言語障害とかあって、大体程度の軽いもの。そこで、いままでの養護学校の制度から言うと、御指摘のように病虚弱、精薄、肢体不自由と三つのカテゴリーに分けておるものですから、おっしゃるような言語障害の重い子供さんのようなものはどこへどういうふうにはめるかというのは、ちょっとこれは研究課題にはなっているのです。私も専門家の人にいろいろお願いして、そういうきわめて多様化して、そして障害が重くなっている子供が特殊学校教育の対象になりつつあるという現状ですから、それに対応できるようにできるだけ研究をしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井分科員 その辺でひとつよく検討して、父兄や教師の方の負担が少なくなって、父兄や教師の方に喜ばれるように一日も早くやっていただきたいというふうに思うわけです。  次の問題は、これもローカルな問題でありますけれども、これは簡単に答えていただいたらいいと思うのですが、一つは、神戸大学医学部の附属病院の改築問題です。ちょっとよく聞いておってください。  この改築問題というのは現在どの程度進行をしておるのか、大体どれくらいの予算で、いつごろ完成をさせる予定なのか。それから、いよいよ具体的に最終的な整備計画というものはいつどこで決定をするのか、大学医学部としては救急部をつくりたい気持ちが強いのだけれども、これは一体どうするつもりなのかということ、これが一つの問いであります。  それから二つ目は、同じく神戸大学の医療短期大学ですね、医療短大。これは大臣も御承知のように、看護婦さんとか検査技師とかOT、PT、こういう人たちを養成というか、むしろそういう人たちの教師になる人を養成するわけですね。そういうかなり高度な内容を持った短大、調査費がつけられておるわけなんですが、この神戸大学の医療短大というのは、いつごろ創設をして、生徒をいつごろから受け入れるのか。それから、大学当局との間で学科の問題について、何科を設けるかということについていろいろと検討されておるようですけれども、いまのところ学科は何と何とを予定しておられるのか。それから、OT、PTのコースもつくるということであるけれども、一体その実技であるとか実習はどのようにするつもりなのかという問題。もう一つ、これは要望なんですけれども、いま関係者はカリキュラムをつくるのに非常に苦労をしておるわけなんです。文部省の一つの枠みたいなものがあって、それでやらなければならぬのだろうか。それであれば、かなり一般教養や専門課程を削るかあるいは実技や実習を削るか、とにかくはめ込むのに非常に苦労をしておるということなので、やはりカリキュラムの策定についてはできるだけ大学の自主性を尊重していくような方向でやるべきではないかということです。だからその辺の問題について、少したくさん並べましたけれども、答えていただきたいと思います。

三角哲生文部省管理局長

○三角政府委員 神戸大学医学部の附属病院の問題でございますが、これは県立神戸医科大学の移管に伴いまして、昭和四十二年の六月に開設されたわけでございます。その後いろいろ経緯がございましたが、学内で整備計画の検討を進めてまいったわけでございますけれども、昭和四十八年になりまして一応、学校としての基本構想というものが定まりましたので、それに伴いまして、まず四十九年から基礎校舎から整備を始めることにいたしまして、五十三年度末までに約二万平米の基礎校舎の整備を相済ませておるわけでございます。  この病院本体の整備でございますけれども、現在の施設は、移管の際のいわゆる外来本館、これは昭和五年の建築でございますが、これと病棟本館、これが昭和四十三年の建築、これらを主体にしたものでございますが、現在不足しております中央診療施設など、それから、外来本館にかわるべき新しい施設の整備を図るということが必要になってくるわけでございますが、御存じと思いますが、当該地区は非常に敷地が狭いわけでございます。ですから、これを有効に活用する必要がありますと同時に、学校の病院でございますから、教育研究、診療活動を絶やさずに続けながら非常にうまいぐあいに建てていかなければならないということで、大学自体で十分慎重な整備計画を立てるということに努力を払っておりまして、いま具体的な計画について検討中でございます。ですから私どもとしては、その検討の結果を受けて対処してまいりたいと思っておりますが、うまくまいりますれば、これは五十五年度からでも着手できればしてもしかるべきことかというふうには考えております。  それから、全体計画としてはスムーズにいけば五年くらいでやりたいのでございますが、これはまあ財政当局との協議も必要でございますし、これは予算で実現を図っていくことでございますので、一つのめどでございます。やり方によって予算はまだ流動的でございますが、病院でございますから、やはり百億くらいの経費が必要かなというふうに踏んでおります。  それから、救急センターでございますが、これはそれぞれの病院の要求に基づいて審議をして決めるべき事柄でございますので、いまの時点でははっきりしたことは申し上げかねますが、決まりますれば、新しくつくります病院の中にそういったスペースも確保していくということになろうかと存じます。

佐野文一郎文部省大学局長

○佐野政府委員 神戸大学の医療技術短大につきましては、御指摘のとおり五十五年度の予算案で調査経費を計上いたしました。成立を待って具体的な調査を進めることにいたしております。今後その調査の結果を待って、短大を設置するかどうか、それから、設置する場合の基本構想を固めてまいるということになります。  学科の点につきましては、付属の専修学校の改組と申しますか、その対応でいえば、看護学科と衛生技術学科が必要になるわけでございますが、それ以外に神戸の場合には、理学療法学科と作業療法学科、いわゆるOT、PTをぜひ積極的にやってまいりたいという御希望を大学側はお持ちでございます。実際に短大をつくっていくとした場合にどちらから先にかかるか、これは構想の検討を待ち、また当方と大学との間で十分に協議をしてまいること、これからどうするかを決めてまいることでございます。  それから、カリキュラム等も設置調査の検討の際に大学の方で十分に御検討いただくわけでございます。もちろんその内容については、大学の自主的な御検討を尊重いたしますけれども、同時に、設置基準に従って設置審議会の審議を経てつくっていくわけでございますから、そういった点は大学の方にも踏まえて御検討いただきたいと存じております。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井分科員 終わります。

保岡興治自由民主党・自由国民会議

○保岡主査代理 浦井洋君の質疑は終わりました。  次に、土井たか子君。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 文部大臣、一九七五年という年は国連の国際婦人年ということで、あの七五年から十年の行動計画をそれぞれ関係各国が具体的に進めているわけです。ことしはちょうど五年たちますから十年の中間でございまして、中間年ということでデンマークに国際会議が用意されているわけです。ことしの夏ですね。  行動計画の中で、男女の性別による差別ということを撤廃しようということから出発しまして、女性の特に母性の保護ということを非常に重視して具体的な行動計画の中に組み込まれているということは、もちろん大臣御存じでしょうね。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 いま御指摘のような問題があることは存じております。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 昨年、国際人権規約を日本も締結いたしまして、この人権規約の中に非常に詳細にわたって具体的に母性保護に対しての規約がございますことも、大臣御存じでございましょうね。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 残念ながらよく詳しく存じておりませんが、文部省の諸君は心得ていると思います。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 ちょっといまの御答弁は心もとない。国際人権規約、一たん条約を締結すればこれを遵守するという国の義務がございますから、文部省もこの国際人権規約を遵守するという義務が国内的に当然ございますので、その中身については大臣もよく御勉強の上、知っておいていただかないと困ると思います。よろしゅうございますか、大臣。——それで、学校の事務職員で女性が一体いまどれくらいございますか、男女比で言うとどういう比率でございますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 小中及びその特殊学校の義務教育部門、これを合わせますと女子事務職員が一万七千百五十五という数字になっております。ただ、これは同じ事務職員でも標準法によって半額国庫負担の対象になる事務職員の数でございますから、そのほかに、市町村費単独負担の事務職員が約一万くらいおるだろうというふうに思います。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 これは学校事務職員の男女別の割合というのを文部省としてはいままで調査検討されたということはございませんか、あると思うのですけれども。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 それはちょっと恐縮ですけれども、これは小学校から高等学校まで入っていますけれども、それで言いますと、総計して五万人のうち二万四千ということでございます。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 私の手元にございますのは、五十三年の五月の十二日に参議院の文教委員会で、御承知のとおりに女子教育職員の出産に際しての補助教育職員の確保に関する法律の一部を改正する法律案が提案されましたときに、提案趣旨説明の中では学校事務職員の男女別割合というのが具体的に述べてあります。それを見ると、幼稚園で八六%、小学校で六九%、中学校で六〇%というぐあいに女性の事務職員が大変比率が高いのですね。  そこで、ちょっとお尋ねをいたしますが、この事務職員なんですが、一般行政職員と学校の事務職員というのはちょっと違うと思うのですが、どのように違うというふうに認識なすっていらっしゃいますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 これは先生、初めから違うという前提でお話しになっておられるようですけれども、給与制度上から言えば全く一緒なんですね、一般事務職員の俸給表が適用になりますから。それじゃその仕事の中身がどうかと言えば、これはだれでもわかるように、普通一つの学校に一人でございますから、事務職員が庶務も会計もあるいは応接接待もみんなやらなければならぬというような意味では、一般の官庁などの事務職員が組織の一つの仕事を担ってやるというのに比べましてかなり幅が広いということがやはり特殊性、それに加えまして学校という職場でございますから、ときには子供といろいろな面で接触するというようなこともあろうかと思います。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 そうすると、職務内容からすると一般行政事務職員とは大変違う。特に学校事務職員については専門性というのが問われる部面があるということについては、同意なさいますか、いかがですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 これはちょっと理屈を言うようで恐縮ですけれども、専門性というのは、何か一つのことを非常に深くやるのが専門性だというふうに私は普通思っていますが、そうじゃなくて範囲が広いのですね。そういう意味じゃ、やはり一般の人と違うということはわかりますけれども、私は専門性が高いというふうには考えていません。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 しかし、この学校事務というのを適正に行うためには、学校教育の理念とか、それから教育内容とか、教育行政の仕組みなどについてやはり知らなければならないはずですね。それから、子供たちに対して学習環境の把握なんかも十分にしておく必要があるでしょうし、それから、学校教育に関してやはり知識教養というのは要請されるということが一応言えるのではないですか、いかがでございますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 それは程度の問題ですけれども、同じように社会福祉施設の事務職員であれば社会福祉施設のことをある程度知っていなければいかぬだろうし、やはり文部省にいる女の職員も、単に事務だけではなしに文部省の性格なり仕事というのをある程度認識してもらわないとうまくない。そういう意味では、自分のいる職場についてかなり深い知識を持つということは、程度の差はありますけれども、どの職場でも要求されることではないでしょうか。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 それはしかしちょっと、一般化して問題になさると、文部行政を実施なさるお立場からしたら難点が出てまいりますよ。  具体的に言いますと、学校教育法の二十八条というのを見ますと、「小学校には、校長、教頭、教諭、」とずっと書いてございますよ。その中で第二十八条の三項を見ますと、「校長は、校務をつかさどり、所属職員を監督する。」とございます。事務職員については、「教頭又は事務職員を置かないことができる。」という条文にはなっておりますけれども、一応この八項というところでは、「事務職員は、事務に従事する。」とございます。それでこの二十八条の校長さんというのは、学校教育からすると、校務をつかさどって所属職員を監督するということだけがここには記載されているだけであります。教諭の場合はちゃんと「児童の教育をつかさどる。」ということがあるのですが、校長先生の場合にはそういうことが法文化されてない。学校教育法にはそういうことが義務化されてない。しかもこれは教育職員でしょう。教育職員であり、教育公務員ということになると思うのですが、片一方の事務職員は、「事務に従事する。」とあって、校長さんと同じように児童の教育をつかさどるということではないのです。片一方の校長さんの場合は教育職員であって、片一方の事務職員の場合には教育職員たり得ないというのはどういうわけになるのですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 これは沿革的に言いますと、校長は最初教員免許状が必要だったのです。そして、いま先生のおっしゃるように学校教育法の職務というのは、およそ校長なり教頭の全職務を書いてあるかというと、やはりそうじゃないのですね。校長だって授業を持っていいのです。あるいは、必要によっては持たなければいけないので、これはやはり校長は教育職だという前提があってああいう規定ができておるわけですから、教育公務員特例法という教育公務員の服務についての特例法では、おっしゃるように校長、教諭は特例法の対象になっていますけれども、事務職員はなっていない、こういう仕組みになっているわけでございます。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 どうもいまの御説明では納得しかねますよ。それは、児童について校長先生の場合は教育をつかさどるということは否定されていないとなっていますけれども、教頭さんの場合にはわざわざ「校長を助け、校務を整理し、及び必要に応じ児童の教育をつかさどる。」とちゃんと書いてある。校長さんの場合にはそういうふうに書いてないのですよ。児童の教育をつかさどるというのは書いてない。法律の上の法文というのはだてや酔狂じゃありませんからね。この点は法文を的確に読むと、単に「校長は、校務をつかさどり、所属職員を監督する。」で終わっていますよ。しかも校長先生の場合は言うまでもなく教育職。しかし、片や校長さんと同じように児童の教育をつかさどるということが規定されていない事務職員の場合は、教育職員ではない。ただ二十八条では、小学校には「事務職員を置かなければならない。」とちゃんと書いてあるのです。これはなぜ校長先生の場合は教育職員であり、事務職員の場合には教育職員たり得ないのですか、もう一度お答えください。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 申すまでもなく、学校は教育をする場ですね。そこの最高責任者が校長さんですから、校長さんは教員も監督しますし事務職員も監督する、そして必要があれば教育活動もするという前提で学校教育法ができていると私は思います。したがって、これはあくまでも校長さん、特に公立学校の校長さんについては、先生御存じと思いますけれども、まず教員の資格を持っていない校長さんなんというのはいないはずです。これは何となれば、やはり校長も必要に応じて教育内容についてもずいぶん通暁してもらわなければならぬし、必要があれば教育活動もするという前提だからであって、それは事務の一部を担当する事務職員とは性質が違うのではないでしょうか。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 それは御説明なすったら幾らだってそういうことは言えますが、法律上それがどういうふうに書いてありますか、それならばいまの二十八条からすれば。この二十八条の条文を読んだ限りでは、そういう論法は出てこないのですよ。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 これは議論をしても切りがないですけれども、私は二十八条は、やはり校長としての最もプリンシプルな任務を書いてあるのであって、すべての仕事をここに書いてあるのではないというふうに役所に入ったときに教わりまして、いまもそうだと思っているわけです。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 そうすると、事務職員についても同様のことが言えますね。すべてがここに書いてあるのではなくて、プリンシプルが書いてある……。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 事務職員は大体、資格など要求されていないのですよ。それで、学校の先生は免許状を持たないと教育できないのです。ですから、実際問題として事務職員が教育するということはあり得ないわけです。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 しかし、これは先ほど言われたとおり、一般行政職の事務職員と学校の事務職員というのはちょっと違うのです。やはり学校でいろいろ仕事をやっている中身を見ますと、学校教育の目的を達成するために、いろいろ児童生徒に対する指導活動も具体的に事務職員はやっているのでしょう、形式論じゃないですよ、実際問題として。それから、やはり財務管理、環境整備、子供の安全福祉、そういうものにかかわる活動というものが事務職員の果たす役割りとして期待されているのでしょう。学校の条件整備という点からいうと、この事務職員の果たす役割りというのは、単に事務職にしかすぎないとは言い切れないですよ。一般行政職の事務職員とはわけが違うというのが学校の事務職員にあるものだから、この学校教育法のいま問題にしている二十八条で言われるところの事務職員というのは、特に一般行政職の職員とは区別して考えなければならないということになるんじゃないのでしょうか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 先生のその御議論の次に来るものを予想しているわけではないのですけれども、事務職員は、おっしゃるような議論は確かにあるのですよ。あるのですけれども、それならばそれらしく給与上も別な待遇をするかといいますと、これはやはりずっと長い間人事院とのいろいろないきさつもあって、今日でも学校事務職員は一般の事務職員と同じ俸給表を適用されているというところに、先生のおっしゃるような特殊性はあるかもしれないけれども、しかしやはり事務職員である点では同じだという議論があるのです。それはひとつ御理解いただきたい。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 文教行政というのを給与体系の面からだけ論ずるというのはちょっとおかしいと思いますよ。やはり教育についてのあり方ということを教育基本法の十条に従って考えていただかなければ困る。これは申し上げるまでもなく、釈迦に説法のたぐいになると思いますけれども、給与体系が違っているというのは百も承知で私は言っていますよ。その点から違う、だから教育職員ではない、こう言われてしまうとこれはそれまでです。しかし、教育の現場においていま事務職員が果たしている役割りということについて、やはり文教行政の上ではこの点を認識し、重視しなければならないのじゃないですか、いかがですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 おっしゃるとおり、学校という職場における事務職員ですから、その仕事の重要性とか特殊性といいますか、これは私も否定するつもりはございませんけれども、しかしおよそ公務員である以上、いかなる給与体系のもとに入っておるかとか、いかなる身分、服務の関係にあるかというのは、一つの無視することのできない要素だという意味で申し上げたわけです。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 身分の点はいろいろ論議の対象になる点がさらにあります。特に年来、学校事務職員については学校事務職員特例法というものを設けて、他の一般行政職の職員とは違うんだという法律的裏づけというものを具体的にすべきであるという運動があることは御承知だと思います。  それはそれとして、先年御承知のとおりに、女子教育職員の出産に際しての補助教育職員の確保に関する法律の一部が改められまして、「教育職員」が「教職員」と改められまして、事務職員についてもこの出産について補助教職員の確保が認められるようになりました。これは御承知のとおりなんです。育児休業法というのが現にございますね。育児休業法の場合になぜこの学校事務職員というのが除外されているか。その一因に、いま私が申し上げました出産に際しての補助職員の確保ということで事務職員がまず除外されているから、したがってこの育児休業法においても、裏づけなき休業というのは認められないという論法で、事務職員が対象から外されてきたという過去の事実があることも御承知のとおりです。この女子教職員の出産に際しての補助職員の確保ということがもうすでに法律の上で確かめられました現在においては、さらにこの育児休業法においても、女子教育職員から女子教職員という方向で考えていくということがなされてしかるべきだと私は思いますが、いかがでございますか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 あれはたしかおととしだったと思うのですね、参議院から回って衆議院に来て、衆議院で議員修正があって、事務職員と栄養職員が入ったのです。そのときは確かに国会の先生方は与野党全部一致で賛成に回られましたけれども、これは補助職員についての財政負担が伴いますから、政府の意見が聞かれたんですね。そのときは砂田さんだったと思いますけれども、砂田さんはそのときの政府の意見として、正確には覚えておりませんけれども、この法案は一般関連職種との関係もあって政府としては賛成いたしかねます、こう言っているわけです。だから、院の御決議で法律になったものですから、この法律になったことについてはわれわれは忠実に守りますけれども、さらに今度はもう一つの法律の方で扱う問題は同じように考えるべきだと言われましても、これはちょっといま、研究をさしていただかぬと、すぐお答えをできる課題ではないと思います。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 地方公務員の共済に学校の事務職員も一〇〇%入っていましょう。だからそういうことからしますと、別に財源の上で育児休業を認めても難はないはずなんです。まず一つ。  それで、いま少し時間をかしていただきたいというお話でございますが、確かにいままでの育児休業法にいたしましてもこの代替職員の問題にいたしましても、それぞれ議員立法です。当時の砂田文部大臣も少し難色を示されたという向きも当時あったかもしれませんけれども、それぞれが今日ただいま議員立法として成立をして現行法として通用しているのですね。そういう由来があるわけです。特に教育基本法の十条からすると、教育行政は「教育の目的を遂行するに必要な諸条件の整備確立を目標として行われなければならない。」こうございますし、だから最初に申し上げたとおり、事務職員の中で女性の割合というものが非常に大きいということもひとつ大臣考えていただいて、いまこの事務職員は育児休業の対象から外されておりますけれども、その育児休業の対象の中に女性の事務職員も含めて考えてみる、そういう姿勢を打ち出していただきたいと思いますが、いかがですか。だから最初に言ったのです。国際婦人年の国内行動計画や国際人権規約の批准、それから国内でそのことを遵守するという義務があるという意味も、そういうときにもう一度再認識されるべき問題として浮かび上がってまいりますので、ひとつ大臣、意のあるところをお聞かせいただきたいと思います。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 大変むずかしい問題を単刀直入に返事をしろということでございますが、先ほど来だんだん御議論がございますように、学校の女子事務職員についてこれを育児休業法の適用対象ということになりますと、これは他の一般の事務職員にも及んでいくということを腹の中で決めませんとなかなか決心のできない問題。先ほどお聞きしておりますと、同じ学校の中にあるのだから、学校の事務職員も教育職員並みに考えてしかるべきじゃないかという式のお話があって、どうもそれがなぜだかわからなかったのですが、だんだんいってみますと、育児休業法の対象が教育職員の問題なものですからそういうように思うのですけれども、しかし先ほどの御論議のどちらがどうかという問題は別にいたしましても、これは一般の事務職員のところにも当然及んでくる問題だというふうに考えなければならぬだろうと私は思います。そういたしますと、ここで学校の女子職員は学校の中におっての事務職員だから育児休業法の対象にするようにやれ、こう言われてみましても、あるいはそういう法律改正はもちろん要ることになりますが、そちらの方向に踏み切れと言われましても、なかなかそういう踏み切りはできかねるというふうに思うわけでございます。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 大臣、それは女子教育職員の出産に際しての補助教育職員の確保という問題の節はすんなりいったのです。これを教育職員ではなくて教職員の出産に際しというときの論議に、いま大臣のおっしゃったような一般職にこの問題が及ぶからということで難を示されたといういきさつがあるのです。にもかかわらず、これは現にもう事務職員に対しても補助職員の確保ということが法律の上で確約されているのです。この点はもう保障されているのですよ。にもかかわらず、保障されている、そこまで来たのです。  考えてみますと、同じ一つの学校の中で現場に勤務する教職員のうちで、学校事務職員だけが育児休業の対象にならない。教育職員については育児休業の対象になる。それからほかに育児休業の対象になっている人たちについて言うと、教頭、教諭、養護教諭、助教諭、養護助教諭、講師、実習助手、寮母、全部これは対象になっている。一つの学校の中で、育児休業の対象になっている人となっていない人とあって、なっていないのは、単に事務職員だけがいまなっていないのですよ。子供たちに接するということからいったら、事務職員の果たしている役割りというのは非常に大きいから、教育効果の上から考えられても、学校の中でまだ育児休業というのが認められていない事務職員だけがあるというこの問題は、どうも思わしくないという部面が出てきやしませんか。やはりこの点はお考えいただかないといけませんね。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 いろいろ考え方はあるだろうと思います。しかしいまここで私の意見ということで、お話を聞いて返事をしろということでございますと、これは育児休業法の対象にするのにはきわめて困難なことであって、否定的にお答えをする以外にはいまのところ答えの仕方がございません。それは他の一般類似の事務職員にも当然及んでくることを覚悟して、それも結構だということで決心すれば話は別でございますけれども、いまここで、いま先生がおっしゃったことをそのまま認めていくというふうにはなかなか私としてはできません。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 文部大臣というのは、もっと物わかりがよくて、文教行政に対して大変な執念と熱意を持って臨んでいらっしゃる、そうして、学校の中で教育的な雰囲気というのがより向上するために献身を惜しまれないというふうに私は思っているわけですが、御承知のとおりに先ほどから再三再四言っておりますこの教育職員の出産に際しての補助教育職員の確保を教職員ということにしていくときにも、一般職に及ぼす影響というのは多々論じられているのですよ。にもかかわらず、それを踏み切られたというのはどういうわけですか。一般職に対して補助職員というものを設けることもこのあたりでもう覚悟しようというふうに決意なすったからこれはできたのですか、そうじゃないですよ。教育的な効果なり教育の現場においての教育行政ということを考えられた上で、これはおとりになった措置であろうと私は思う。いろいろ実情がございますから、これについては詳しく申し上げませんが。ですから、そういうことから言うと、同じことが今回のこの育児休業法についても言えるわけなんです。いかがですか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 これは先生十分御承知だと思うのですけれども、おととし通るまで十回ぐらいこれは国会に提案されているのですね。そしてそのたびにいろいろ議論があって、私の記憶では、なかなか意見がまとまらないということで、最終的には議員提案で、議員さん同士で賛成ということになった経緯ですから、あれを認めたのはなぜですかと言われても私にはわからないわけです、それはそちらでお決めになったことだから。ただ今度の場合は、育児休業の方は御承知のように、先生だけでなしに保母さんとか看護婦さんとかがあるわけでしょう。そうしますと、これは社労関係の先生方も関係していますし、学校の女子事務職員をやるならそういう社会福祉施設や病院などの事務職員はどうするのだという議論がすぐ出てくるわけです。これがそういう意味では、いま大臣がおっしゃったことがもっと端的なんですね、影響が。ですから、それはわれわれとしては慎重にならざるを得ないというのは御理解をいただけると思います。(「それは広げなくてもいいよ」と呼ぶ者あり)

土井たか子日本社会党

○土井分科員 そうですよ、広げる必要はない。  それともう一つ申し上げますが、ただいまの御答弁を承っておりまして、議員立法で議員さん同士でおやりになったことだからそんなこと存じませんがとおっしゃるのは、これは暴言ですよ。法律を遵守する義務があなたにはある、行政に。法律はどういうわけで立法されたか、立法趣旨、立法内容、これを遵守する立場ではっきり知っておいていただかなければならない。議員同士だからそれは存じませんがというのは暴言ですよ。そうお思いになりませんか。

諸澤正道文部省初等中等教育局長

○諸澤政府委員 ちょっと表現が悪かったら謝ります。そのときは粕谷先生かだれか提案理由を説明なすって、私はそれをよく読みましたから記憶しております。ただ、先生がおっしゃったどうしてというのは、どういういきさつでそういうふうになったかということは、これはわれわれは直接関与しておりませんという意味で申し上げたので、その点がもし失礼であればお許しいただきたいと思います。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 ただ、教育効果の点からして、条件整備の点からして、実はこの問題はもう年来の懸案なんです。御承知だと思います。学校事務職員についてだけ育児休業をこの対象から外すことが、教育の現場においてどういう影響を与えているかということもひとつ十分ごしんしゃくの上で、やはり前向きで考えるという姿勢を持っていただきたいと私は思いますが、この点はどうですか。突っぱねるばかりじゃなくて、やはりその点は努力をしていただきたいと思いますよ。大臣、いかがですか。

谷垣專一自由民主党・自由国民会議文部大臣

○谷垣国務大臣 先生のおっしゃっているお気持ちはよくわかっているのです。ただ、問題の育児休業法の問題につきましては、私も厚生関係のこともずっとやってまいりました関係から、ずいぶん議論があったこともよく承知をしておるわけです。そこでいま申し上げておるわけであります。ただ、いろいろ御議論のありましたことは、またいずれ御議論があるでしょうから、十分これからも検討はさせていただきたいと思います。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 終わります。

保岡興治自由民主党・自由国民会議

○保岡主査代理 土井たか子君の質疑は終わりました。  以上をもちまして、昭和五十五年度一般会計予算、昭和五十五年度特別会計予算及び昭和五十五年度政府関係機関予算中文部省所管についての質疑は終了いたしました。  次回は、明六日午前十時より開会し、大蔵省所管について審査を行うこととし、本日は、これにて散会いたします。     午後八時三十五分散会

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